ん?なんだかさっきからあの集団の視線がチラチラとこちらに向けられているような?
気のせいかな?
でも、ふたば、どんな漫画を描いたのだろう?
あんまり面白くないのかな?誰も笑ってない。
みっちゃんだけがなんだかうれしそうだけど。
「ね、矢部っち。面白く…ない?小生の漫画…」
「あ、そ、そうだね…い、いやそんなことないよ!え、絵はうまいよ絵は。ははは…」
「みんなは?ね、ね、どうだった?」
「傑作傑作!」ブフォッ
「素敵だったよー///><」
「まあ、なんだな。面白いとか別にして三女がナルシストっていうのは良く分かった。」
「やっぱり三女もこういうこと夢見る普通の女の子だったって事?」
「ま、ちょっくら声でもかけに言ってくるかな!原作者さんに」
「私もっ」
「三女」
「何?」
「お前って意外と…乙女なんだなっ☆」
「は??おとめ??」
「三女さんっ><///」
「な、何??」
「やっと決めたんだね!一時はどうなることかと思ったけど…龍太君とか…。」
「龍太??決めた??」
な、なんなの??
みっちゃんと杉崎さんはこっちみてなんだかニヤニヤしてるけど…。
このわけの分からない会話はあのふたばの漫画が原因?気になる…。
ちょっと見て確かめてこよう。
「矢部っち…これひとに見せたら喜んでくれるかな?」
「え…?これひとはちゃんに見せてないの?」
「うん。勝手にひとはのノート読んで描いたから、まだ言ってないッス。」
「そう…。もしかしたらこれ書きかけかもしれないよ?
この後きっとまだ何か新たな展開があるんだよ。
だから見せるの止めといた方がいいと思うよ…未完成なのに描いたってきっと怒られちゃうよ。ははは…」
「怒られる!?ガーーーン!!」
「ふたば!」
「ビクッ!! ひとっ!」
「それ私にも見せ…」
「だめっす!!まだひとには見せられないッス!
漫画をなめたつもりはないけど、短時間でひとを喜ばせようとした魂胆が浅はかだったっス!!
修行が足りなかったっス!書き直し書き直し!!」
ビリビリビリビリッ!!
「あ、ふたば…!」
「ふたばちゃん!…」セッカクカイタノニ…
--------------------------------------------
「ただいま」
「ひとひと!もう一回小生にチャンスをいただけないっスか?」
「チャンスって…なんのこと?」
「だから今日矢部っちに見てもらったあの漫画っスよ!
矢部っちにダメだし食らっちゃったんス…ひとに怒られるって…。」
「私が怒る…?」
「でも今度はちゃんと時間をかけて矢部っちに、そしてひとに大絶賛していただくものを描くっス!
だからあのノートの物語、完成したら教えて欲しいっス。」
「……え?どういう意味?」
「今日の漫画、ひとが昨日一生懸命書いていたあのノートの物語を今朝急いで小生が描いたんすよ。」
「……………」
「今度はちゃんと描くっス!ひとの書きたかった世界を一つ残らず再現してみせるっス!!」ムフー!
「………もうあっちいって」
「え?あ、そうっスね。ひとの執筆活動のジャマっすよね。じゃあがんばってね!」
アレを見られてしまった…しかもみんなに…。
どうしようどうしよう…私の人生…これで終わり…?
人生におさらばする時がとうとう来てしまったのか…思えば短い人生だった…。
あれ続きなんてないのに……。
続き……あ、そうだ…!
--------------------------------------------
「あれ?今日三女は?休み?」
「まあね。なんだか具合が悪いんだってさ。
きっとこっそり自分だけ何か変な物つまみ食いでもしたのよ!自業自得!いいきみ!」
(つまみ食いって…食い物の事で何かあるのはおまえの専売特許だろ!
姉妹のくせに三女の何を理解してそういう憶測を…ありえんだろ、三女がつまみ食いって。)
「ああ…みつばって馬鹿だよな…。」
「宮ちゃん?みつばちゃんが何って?」
「い、いや!まてよ?学校での態度とは裏腹に、
もしかしたら家での三女はつまみ食いとかそういうことをするおちゃめな子なのかもしれない…」ブツブツ…
(宮ちゃんが独りで何かぶつぶつ言ってる…>Δ<)
「み、宮ちゃん!そ、そういえば昨日の三女さん原作のふたばちゃんの漫画、すごかったね///
短かったけど超ラブラブロマンスだったよ!」
「あ、あのふたばの漫画? 少女趣味なガチレンジャーのパロディーといった感じだったな。
あれは三女一流のギャグなのか?」
「違うよー宮ちゃん!><ラブストーリー全開の本格恋愛ものだよ!///」
「そうか?でもガチレンジャーのパロディーにしちゃもう一つだったんじゃないか? 三女らしくない。」
「だからガチレンがメインテーマじゃないんだってばー><」
*****************************************
薄暗い雨の午後三時。
紅茶を飲みながらふと窓の外を見るとひとりの男性がずぶぬれになって倒れていた。
私の手から離れたティーカップは床に接吻しその愛の身代わりに、今頃、己の身を散乱させていることだろう。
その叫びしか確認できなかったのは私はすでに外へ出ていたから。そしてその男に駆け寄っていた。
「先生!」
二十歳過ぎのその男は、まだ少年のようなしなやかで華奢な身体を有していたが
しかしやはり少年とは明らかに違う成人の佇まいを発していた。
所々服が破け血と泥まみれになったその身体を私は強く抱きしめた。
「先生…。ごめんなさい。私のために…。」
「ははは…ピンクさんか。このぶざまな俺を笑ってくれ…う、うう!」
「だめ!だめよ!喋っちゃいけないわ!今お医者様を呼ぶから…」
「ガチレンジャーはやっぱり強かった…。敵ながら、熱い情熱を感じてしまったよ…。
これにピンクが加わっていれば俺は瞬殺されていたかもしれない…。身も心もな…。
俺は強運の持ち主だ…はは。その最後の運を使って…
お、俺も…ゲスラゴンのように…なれ…る…か…な…」
ガチピンクである私は敵である「先生」に恋をしてしまった。
でも先生は味方を裏切ってそして私の仲間とも戦って傷ついた身体で私の元へ来てくれた。
ガチレンジャーの仲間は、だまされているんだと私を諭し、
結束力に影響するからと私はこの戦いから外された。
外されたことはよかった。この人とは戦いたくないのだもの。
けれどもこんな澄んだ目の…いえ、私には判る…心も澄み切った誠実な人間の目を、
敵の住人だからという理由だけでみんな分ろうとしないのはどういうことなのだろう。
目を見て! 先生の! みんな!
まるで私を病人扱いにでもするようにこの屋敷に隔離して
先生に合わせないようにするなんて…何てひどいのことするの…みんなこそ目を覚まして!
以前の仲間からも私達の仲間からも愛されていない先生。
心の拠り所がないことのなんて悲しいことよ!
その悲しさを今まさに私も思い知らされている。
だから先生の居場所は私がなってあげる。
私が守らなければ。私が…。
「暫くこのまま安静にしておれば2、3日で体力は回復するでしょう。
あたたかいものでも食べさせてあげなされ。」
部屋から出て行くお医者様に礼を言い、私は再びベッドに寝ている先生を見つめた。
私は彼と戦ったこともあった。
この美しい顔に傷をつけたこともあった。
死ねばいい!と思ったこともあった…!
そう…あの時の私の一撃がもう5センチ右に入っていたなら、
この人は確実に即死していた…!私はこの人を殺めていたかもしれない!!
思い出しただけでも自分のしたことに身震いがする。
その恐怖を取り払う術が見当たらない私は気がつくと唇を先生の唇へそっと重ね合わせていた。
あたたかい…。
安心した私は寄り添うように彼の寝ているベッドの端で膝まづき瞼を閉じた。
先生……
*****************************************
<次の朝>
「三女さん!おはよう!」
「お、おはよ…」
「もう大丈夫?お腹?」
「お、お腹?」
「だって食あたりだったんでしょ?」
(吉岡っ!お前はみつばの言うことを鵜呑みにしたのか!?)
「誰がそんな…(ま、いいや。仮病だし。適当にあしらっとこう)うんうんそうそう食あたり。」
(なにー!!?三女やっぱり変なもの食ったんだこっそりとー!なんてこったい!)オチャメダッタノカ!
「ところでさ、昨日あの…ふたばちゃんの漫画みたんだけどあれ……」
「あれは未完成だよ!」
「え!?えっと確かにまだ続きがありそうな感じで終わってたけど…
そっか!あの後二人はそのあの…きゃっ!はずかしいよー><///」
「続き書いてきた。ムフー! もちろん漫画じゃないけど。ぜひみんなで読んで欲しい!」
「えっ?!続き…><///」
「お、三女。もう大丈夫か?お前が食あたりするなんて。
ちゃんと冷蔵庫とかの管理を怠っちゃダメだぞ。そうだ!いいこと教えてやるよ。
『賞味期限』はこの日までおいしいっていう期限で、
『消費期限』はこの日以降それ食わんほうがいいぞっていう期限だからな!
覚えとけよ☆」
「!!」
(それぐらい知ってる…こんな悔しさ味わったの初めてだよ…。食あたりなんて理由止めとけばよかった…。)
ギヌロ
「(な、なんだよ!人が折角心配して教えてやったというのに…!)」
「宮ちゃん。三女さんがこの前の漫画の続きの物語書いてきたって!」
「なんだ三女、学校休んでそんなもの書いてたのか。しょうがない奴だな。」
「あ、三女。もう大丈夫?」
「う、うん。」
「大丈夫って、こいつはね仮病だったのよ!ずる休みよ全く!」
「仮病じゃないよ」
「な!…あんた昨日私帰ってきたらケロッっとして部屋でなんか書いてたじゃない!」
「そんなことないよ。寝てたよ。食あたりだよ。
丈夫なみっちゃんに食べてもらおうと思ってた消費期限切れのおかずを
やっぱりみっちゃんに食べさせるのは忍びないと思って自分で食べて食あたりだよ。」
「消費期限…?そんなのちょっと過ぎたぐらい大丈夫なんじゃないの?
っていうか、ケロっとしてたわよ!!そんで何か書いてた!」
「じゃあ、そういうことでいいよ。それよりこれこの前の続き出来たから読んで。」
(なに…この敗北感は…!)
「わあ!楽しみだなー!ど、どんな展開になっているんだろう><///」
「まあ、読んでやるか」
「どれどれー?」
「(やっぱり…!これ書いてたんじゃないの…!!)」
*****************************************
「ん…。」
「お目覚めですか。先生。具合はいかがですか?」
「ああ、ピンクさん。僕は…僕は生きている?」
「はい…。もう大丈夫です。」
「よかった…。でも君に迷惑かけてしまったね。すまない…」
「いいんです。先生。今あったかいスープお持ちしますのでちょっと待っててくださいね。」
「ああ。ありがとう」
厚いカーテン越しでも外はもう晴れているのがわかる…。
暖かい部屋。
柔らかい毛布。
ふかふかのベッド。
こんな優しい扱いをされたのは生まれて初めてだ。
僕は…
ピンクさんが好き…。
もうこの気持ちは変わらない。
昔の仲間のところへは戻れない…戻りたくない…。
この幸せがいつまでも続きますように!
「先生。」
「ん…」
「スープが出来ましたのでどうぞ飲んでください。」
「ああ、ありがとう。頂くよ。」
「!!」
「ふふふ。どうですか先生。お味のほうは…?ふふ」
「ガ、ガチピンク…おまえ…」
「そうよ!それは身体全身痺れさす薬入りスープよ!
私をだまして私達を倒そうって魂胆でしょうけどそうは問屋がおろさないんだから!」
「い、いや…違う…」
死ねぇぇえええーーー!!!
「ぐわあああーーー!」
「よくやった!ガチピンク!」
「レッド!!みんな!」
「こいつは俺たちの仲間にはいってスパイ活動をするつもりだったのだろう。ゲスラゴンに聞いてわかったんだ。」
「姉さん!こいつはおっぱい星人だから姉さんを狙ってたんでゲスよ!たぶん!」
「危ないところだったわ…。」
こうしてガチピンクと世界に平和が訪れたのだった。
xxFINxx
*****************************************
「……」
「これ、いろいろとひどくね?」
「三女さん、これ…><」
「…ガチレンジャー…悪者?」
「毒盛って敵やっつけるって…最低じゃん…」
「世界平和の為ならそういうこともあるんだよ?」
「いや、てか…こんな感じなのか?ガチレンジャーって?」
「ち、違うよ!こんなのガチレンジャーじゃないよー!
しかも前回までのラブラブストーリーがなんでこんなんになっちゃったの!
三女さんは矢部っちのこと嫌いになっちゃったの!?」
「好きか嫌いかといえば………き、嫌い」
「えっ?そうなんだ…矢部っちふられちゃった…」
「不評みたいだね。確かにこんなガチレンジャーありえないよね。
それじゃこれはなかったこということで。」
ビリビリビリビリッ!!
「あ、三女さん…!」
--------------------------------------------
「矢部ーっち!」
「あ、ふたばちゃん。」
「漫画完成したっス。」
「あ、この前の続き?」
「それが…ひとがあれは失敗作ということで新たにストーリー考えたのを漫画にしたっス」
「ああそう…。(そのほうがいいや…あの後の展開、ちょっと教師として怖いよ…。)」
「これっす。」
「どれどれ」
「………」
「…………」
「なにこれ?」
「ごめん。矢部っち。」
「何で僕が杉崎さんのパンツ剥ぎ取って匂いかいで悦んでるの?なんで?」
「知らないっス。ひとに聞いて欲しいっす><」
「しかもよりによってガチレンジャーにやられちゃうなんて……ひどい、ひどすぎる…かわいそうな僕、うう」
「矢部っち…」
「ううう…もうほっといて!」
「あれ?矢部っち、なんだか落ち込んでるよね?」
「三女さんに振られたからかな?><」
「おい…いつ先生が三女のこと好きって言ったんだ?」
「っていうかひとはもなんだか落ち込んでるみたいだけど?」
「ええっ!っていうことは三女さんも矢部っちにふられちゃった…?」
「…お前、もう少し頭の中整理して発言しような…」
「まあ、似たもん同士ということで案外お似合いなんじゃないの?あの二人。」ピロリロリン!
「…って言いながら私のスカートの中に携帯突っ込んでんじゃないわよ!」
「わーなにー?このダっさいパンツー!幼稚園児?恥ずかしー!あははははー!」
「ちょっ!馬鹿馬鹿!待ちなさいよこの変態!さっさとその画像消しなさいよー!」
「あの二人もお似合いだよな…」
「だよね…><。」
先生…ごめんなさい…。
≪END≫
<後日談>
「ひと」
「何?」
「あの、最初の漫画の一番初めの場面で、ちょっとわからない所があったんスけど」
「どこ?」
「なんでティーカップが床にキッスして叫ぶんスかね?」
「………。そこどういうふうに漫画で表現したの?」
「普通にティーカップがギャーって叫んでこわれちゃう…」
「………へぇ、ティーカップって普通にギャーって叫ぶの?」
「だってひとがそう書いてたから…」
「………(もういいや、どうでも…)それでいいんじゃない?」
「ええっ!やっぱりあの場面、そーだったんだ!三女さん!><」
「よ、吉岡さん!?」
「ははは!だから言ったろ?あの漫画は三女一流のギャグなんだって!」
「ち、ちょっ!!」
「三女さん!あれは良くないよ!折角のシリアスな場面にあんなふざけた表現使うなんて!
興ざめだよ!><」
(もういや……助けてガチレンジャー…)
<おわり☆>
お付き合いいただきましてありがとうございました。
乙です。矢部ひとは久しぶりなので、不足分を補充できました。にやにや。
三女さんなら確かに色々妄想を膨らませているかも。
そしてそれを容赦なく漫画化してしまうふたばもいい感じです。
それにしても、一時期過疎っていたのがだいぶん盛り返してきましたね。
2期に向けて人が戻ってきたのかな?
>>379 >文字だけの同人誌ってあるんですかね?
ありますよ。
442 :
439:2010/12/09(木) 13:22:50 ID:ISD8ZeR4
>>440 ご感想ありがとうございます。
にやにや成分補充いただけたということで当方もホッとしております。
1ヶ月もかかってようやく出来上った次第です…。書くの遅すぎですね…。
自分自身ひとはに関しては、皆さん書いておられますし、
特に彼女でSS書こうとはあんまり思わなかったのですが、
時勢?に乗っていざ書いてみるとなかなかいじりがいのある子、
だというのがよく分かります。
外面のクールさを装いつつ、内に秘めた、非常に少女というか子供全開の性格は
とってもかわいいですよね。
それプラス、しっかり者で、「優しいけど頼んない男」も嫌いじゃないと、
もう男(&おっさん)心くすぐりまくりです。
それともうひとつの魅力、「墓穴を自ら掘る」ですかね。
まあみっちゃんもそうなんですが、ひとはだとクールで大人っぽい分
よりその魅力が際立ちます。
のりお先生も良いキャラに育て上げましたね。すばらしい。
アニメ、早いもので来月からですね2期。楽しみです><
あえて言わせてもらおう。杉ちゃんかわいいと。
真っ先にひとはに助けを求める杉ちゃんかわいいよかわいい杉ちゃんかわいいかわいい
444 :
ガンプラ:2010/12/09(木) 17:42:04 ID:pF5wHFem
読み返していたら、致命傷でおかしな点があったため、
差し替えさせてください。
一つは、
>>239 ふたば帰宅が20時前としても、みっちゃんがバイト行くのはおかしい…。
もう一つは、
>>385 単純に一行目が抜けていました。
細かいのはわかっているんですが、私はこういうのがひたすら気になるので…。
――――――――――
「ただいま〜」
やっと家に帰ってこれた。
あの後も声がカタイとかいろいろ言われて何度も撮り直したせいで、いつもの10倍疲れちゃった。
今日の晩ごはんはなんだろう?
すんすん。
うん。この香りは…
「ひと、今日はシチューだね!……あれ?みっちゃん?」
「あら、お帰り。さっさと手ぇ洗って来なさい」
おなべの前に立っていたのは、エプロンを着けたみっちゃんだった。
「あれ〜?おいしそうな匂いがするのに、何でみっちゃんなの?」
「どーいう意味よ!?あたしがおいしそうな料理作ってちゃおかしいっての!?
ったく。ひとはは童貞の所よ。
パパが帰ってくる前には戻るって連絡あったわ。まぁ、ギリギリまであっちに居たいんでしょうね。
はぁ……。
そりゃ、こういう事も有ると思ってバイトの曜日はずらしてあげてるけど、何度も使える手じゃないし…。
童貞も、ヤる事ヤったならヤったで、覚悟を決めてとっとと挨拶に来るなりしなさいよね!
まったく!いつまで経ってもヘタレなんだから!!」
ひとはは矢部っちのところらしい。
小学校を卒業してからも、ひとはは毎週矢部っちの部屋に行っていたけど、これまでは晩ごはんの支度前には必ず帰ってきていた。
でも、高校2年生になったこの春からだろうか?
今日みたいにパパが遅くなる日は、門限ギリギリまで帰って来ない事が何度があった。
決まった曜日以外に矢部っちの部屋へ行く事も。
小生だってもう高校生だ。何をしているのかは大体ワカル(でも、みっちゃんは『童貞は一生、童貞でいい』だって)。
パパにウソをついているようで心が痛いけど、ひとはの喜んでいる姿を見ると、黙っているしかないとも思う。
小生には、これ以上ひとはの……。
「ほら!あんたもぼーっとしてないで、手ぇ洗ってお皿運んでよ。
こないだみたいに、まとめて割らないよう気をつけなさいよ」
みっちゃんも、中学の終わり頃から家のお手伝いをするようになった。
それに、高校からは駅前のファミレスでアルバイトも。ケータイ代といくらかの洋服やお化粧品代以外は家に渡している。
約束のためだ。
…そう。みっちゃんと小生は、高校に上がる前に一つの約束をしたのだ。
……でも、小生にはお手伝いもアルバイトも出来ない。分かってる。
だから少しでも役に立てるよう、取材の話は出来る限り受けたいってカントクにお願いした。
髪形もガチピンクの真似にして、少しでもTVの人の目に留まるようにした。
いつまでも、自由に遊び回る、小さな女の子ではいられない。分かってる。
「いいよ。もっとギュッとして?」
その言葉を聞くや否や、俺はふたばの背に腕を回し、全力で抱きしめる!
「わひゃっ!?」
ふたばが驚きの声を上げる。普段なら案配を確認するんだろうが、今の俺はそれどころじゃない。
「うむぐぅ…」
顔の全てが乳房に埋まった。このままでは窒息だ。だから、
「ぶふ〜。ず〜」
正面から顔を押し付けた事で、胸の谷間にわずかに出来た隙間から無理矢理息を吸う。呼吸の度に変な音がする。
息苦しい。恥ずかしい。
でも。ふたばの谷間を通った空気は甘く化学変化するように感じられて、とてもじゃないがやめられない。
背に回した腕からも滑らかな肌触りと心地良い弾力が返って来て、さらに力を込めてしまう。
加わる力に合わせて千変する悦楽をもっと味わいたくて、頭を押し付けたままグリグリと動かす。
…って、アホか俺は!これじゃまるで変態…でもいい!もうとんでもない変態でもなんでもいいや!!
「ぶ〜!ずすぅ〜〜!」
「んやぁ、待っ!しんちゃ、じゃなくて信也!待って、落ち着いて!!」
ぴたり。やめる。
「……あふぉ、ふぉっふぉだふぇ。ずひゅ〜!」
やっぱ無理。やめられない。
「ちょっ!ぁぅん…っ、ほんとに落ち着くっス!」
ふたばが抱き付く俺の肩を捕み、ぐいぃっとすごい力で無理矢理引き剥がす。
「はぁっ、はぁっ、かはっ、はっ…、はあぁ……」
興奮と酸欠でぼうっとしていた頭が、徐々に晴れてくる。
………………………。
「落ち着き、ました」
「よろしい」
格好悪ぃ…。
447 :
ガンプラ:2010/12/09(木) 17:49:34 ID:pF5wHFem
後者のようなドジはたびたびやってしまうなぁ…。
そろそろ全体の整合性が取りにくくなってきた…。
モチベーションが回復したら、まずネタ帖の整理からやろう。
>>441様
あるんですね!
作られておられる方々に失礼な事を言ってしまいました。
ただまぁ、私は今回の差し替えにあるよう、自己満足で書いてる落書きなので、
本にするようなレベルじゃないです。
448 :
439:2010/12/09(木) 21:16:43 ID:bTb1Df3u
>>447 ガンプラ氏、ネタ帖つくってるんすね…。すごい…。
当方思い付きでPCのメモ帳にねちねち書いては消しの連続で書いてるですよ。
>>443 杉ちゃんかわいいですよね。
5巻87卵性「彼女が死んじゃった?」で、いつも強がってるけど、
この子は吉岡、宮下がいないとダメなさびしんぼなんだなーってキュンっとなりました。
あと私のSSでは杉ちゃんは基本的に、ひとはには優しく接するようにしてあります。
これは8巻151卵性の「水の中のナイト」でもう杉ちゃんはひとはには頭が上がんない
と感じたからで、みつば以上に友達の絆を深めたんじゃないかなと。
でも、知り合った頃はひとはに対して「ひいぃ!」なんて言ってたんですよね。
その反省もしているということも含んで。
杉ちゃん悪い子だ…ひとはに謝んなさい…あはぁあはぁ。
449 :
439:2010/12/09(木) 21:19:40 ID:bTb1Df3u
わっ…あげちゃいました…。すみません!><
面白かったけど二つほど気になった点が
・ひとはが矢部っちと呼んだ
・ひとはが語尾にジャンを使った
今のところ原作でそういった言葉使いはしていなかったはず
451 :
439:2010/12/09(木) 23:43:03 ID:bTb1Df3u
>>450 うむむ?そんなの書いたっけな…と見直してみると
…ありましたね、ひとはの「矢部っち」と「じゃん」が。
ご指摘ありがとうございました。
>>415の「兎に角…」と
>>417のふたばに対して自分でかけばいいじゃん!って箇所ですね…。
確かにこの二つのワードはひとはには似つかわしくないです。
特に「矢部っち」というのは違和感ありありです。
気をつけてはいたのですが甘かった…見直しが…。
なんで書いちゃったのだろう!><
修行が足りませんでした!出直してきます!
なんだか杉&ひとはで何か書きたくなってきた。
けど具体的には何書くかはまだ何も思いつかないけど。
また1ヶ月後とかかな?
クリスマスが近づいてきて頭の中は三十路こと海江田先生でいっぱいなんだが
ここじゃあ需要ないんだろうか
あたしも・・・佐藤姉弟とか読みたいなっ☆
クリスマス&三十路
いいじゃなイカ!
クリスマスでも当然、朝まで一緒に過ごす矢部ひと
>>453 需要はあると思うよ。だから遠慮なく供給するんだ!
>>456 ひとは「クリスマスイブも家で一人ですか。本当に寂しい人ですね」
矢部「それは君も同じじゃないの!?」
容量的にそろそろ次スレをたてるべきではなかろうか
460 :
ガンプラ:2010/12/13(月) 22:25:51 ID:ikdQ5D7U
>>448様
>>415を読んでいると、私も矢部ひとが書きたくなりました…。
正直、ふたばを書くのに飽きてきました(←おい!!)
私のやっているのは、エロパロとは名ばかりのほぼオリジナルなので、
大まかに設定を固めておかないと後で泣きを見るので…。
すでに見まくってますが。
各人の身長、容姿、スタイル、学校、ケータイ有無(とその理由)、
週間行動パターン、基本スタンス(および、それに至った理由)
を大雑把に決めています。というか、それを決めるためにふたば編をやってます。
書きながら思いつくタイプなので。すでに出しているところでは、
しんちゃん=170cm⇒171cm ふたば=166cm 等。
特に行為を描写する際、身長を決めておいてよかったと痛感しました。
また、今後一切表にでないところでは、
宮=ケータイ無し:持てる理由がない。
松=ケータイ有り:首輪代わりに親に持たされている。5分以内に取らないと小遣い無し
って感じで。
ところで、みなさん『矢部っちの身長』って、どのくらいだと思います?
私は173cmかな?と。
原作では160台かと思ってましたが、アニメを見ると校長や栗山っちとの差で、結構高そうかと…。
でも175には届かないほうが矢部っちらしいかな〜辺りで決めました。
矢部っちは170〜171p、くらいのイメージですね。
157卵生だと、海江田先生とほとんど身長に差がないみたいですし。
海江田先生が長身としても、せいぜい167〜168センチくらいではないかなぁと。
蛇足ですが、栗山先生は平均的に160〜163くらいだと勝手に思ってます。
駄文で埋めるかと思ったが、コミックス派なんでエネルギー切れ…
小ネタすら浮かばない
465 :
名無し@ピンキー:2010/12/15(水) 23:03:03 ID:BEDrMVte
し「…」
み「…な、なにか話なさいよ…」
し「えぇ!?いや急に言われても…」
み「な、なによ」
し「(重い!空気が重い!)」
み「な、なんなのよ!」
し「いや、あの…重い…」
み「どーゆー意味よ!?」
し「!?」
なんとなく埋めネタ
466 :
名無しさん@ピンキー:2010/12/16(木) 12:54:02 ID:kvoQMI7C
>>464じゃあ君はようやく判明した佐藤姉の名前を半年近く知らないで過ごすのかい?
467 :
ガンプラ:2010/12/16(木) 16:28:27 ID:xYoGw3nI
あぁ、なんだかまた中途半端な予感…。
できればこのスレが消える前にふたば編を終わらせたいけど…
99%無理です。
すみません。
>>466 なあに、いざとなったら情報だけ調べる手もある
あぁ、埋めネタはいいものだ…。お久しぶりのいつも通りの人です。
では矢部ひと短いですが、投下いたします。ちょっとオリジナルの人でるよー。
「智、来たわよー!」
ここは先生の部屋。私が先生に寄り添ってチクビと遊んでいると、闖入者が入ってきた。
「「…えっと…」」
私の目の前で私と同時に絶句しているこの中年の女性は…ひょっとして。
「母さん!来るなら先に連絡してよ!」
やっぱり…。ここは先手を打つべきだ。
「息子の部屋に来るんだから、それぐらいいいじゃないの。ところで…このお嬢さんは?」
「初めまして、矢部先生の生徒で、丸井ひとはといいます、お義母様」
「あら、丁寧な子ね」
「ちょ、ひとはちゃん!?」
「何ですか?」
「いや、おかあさまって…」
「先生のお母様だからそう呼んだだけですよ?」
無論別の意味を込めているが、先生には言わない。多分、伝わる人には伝わるし。
「智…あんた、犯罪よ?」
「母さん!だからこの子は生徒だってば!」
「でも普通、一人暮らしの男の部屋に女の子なんて来ないわよ?」
最もだ。私も先生以外の男の人の部屋なんて行かない。
そしてだからこそ、この人は感づいているだろう。ならば確信にしておこう。
「あ、それはクラスで飼っているハムスターと、私が遊びたいからです。
休日は先生の家で預かってもらっていますので、こうやって『毎週』通っています」
「…あら。あなたのほうはそうなのね」
やっぱり伝わった。これで堀は埋まったかな?
「でもやっぱりこのご時勢じゃない?だから心配でねぇ」
あぁ、報道されたりクビが飛んだり…。でもそれは。
「ちょっと!僕が何かするとでも!?」
「安心してください。先生は絶対にそんな人じゃないですから。…悲しいことに」
「…そうね」
「えぇ!?何なの今の会話!?ていうかどこにそんな悲しむ要素があったの!?」
がっくり肩を落とすお義母様。あぁ、先生はやっぱりずっとこうだったんだ…。
そして先生はやっぱり意味が分かっていない。相変わらずダメな人だ。
そんな甲斐性が無いというのはどうやらお義母様もとっくにご存知のようで。
「ふぅ…それにしても…コレ、どうしようかしら」
お母様はバックから大きな封筒を取り出す。あれはひょっとすると…。
「え、何?」
「んー、アンタの見合い話」
あ、やっぱり。どうしようってことは、結構認めてくれてるんだ。
「いらないよ!ていうかまだ社会人一年目だよ!?」
「そうは言っても今の時代、公務員なんて引く手あまたなのよ?仕方ないじゃない。
それにアンタの周りにもいるでしょ、結婚相手を懸命に探している人」
先生がげんなりしている。私にも思い当たった。まぁ公務員同士だから先生に矛先は向かってないし、問題はない。
それでもはっきり言って顔立ちは悪くないし、スタイルも悪くない、あの必死さが無くなると少し危険だとは思うが。
「でも、どうしようって、どういうこと?」
「だってもう、要らないじゃないの」
「そりゃ要らないけど、持ってきたのに急にそんなこと言い出したからなんでかな、と」
「…ねぇ、ひとはちゃん、でいいのかしら?この子ずっとこうなのよ。それでもいいの?」
「その辺はもう…」
とっくに諦めている。そうじゃなきゃ今頃、この部屋に来る理由が変化していたはずだ。
未だにチクビに会いに来るそれだけの理由。
私はそれに、先生に会いに来る、も追加したい。
が、希望は直ぐには叶わないし、先生はとんでもない常識人のため期待もできないだろう。
その辺はじっくり攻めていくつもりだが。
「なんとかやっていきます。そういう話はちょっと先になっちゃいますが、いいですか?」
「うーん、ちょっと不安もあるけど…本当にそういうつもりなら構わないわ。
それに、こういう話って案外転がってたりするものね」
あぁ、先生と生徒の恋愛話…。私もネットで見てみたけれど、やっぱりそこかしこに転がっていた。
自分だけじゃないって思うと、心強いしね。それにうまくいった話を見ると、自分のことを思い描くことができるし。
その、少し、恥ずかしいけれど。
「ねぇ、僕蚊帳の外なんだけど…」
「「分からないほうが悪い」」
思わずハモる。それが可笑しくて、先生のお母様と私はつい笑ってしまった。
「ふふっ、もう随分理解しちゃってるみたいね」
「えぇ、だってそうじゃなければここに居ませんから」
「そう、じゃあよろしくね。年頃になったら、私も協力するわ」
「…はいっ」
「なんで二人で分かり合ってるのー…」
伝えたい人には伝わって。一番伝えたい人には伝わらない。
けれどゆっくりやっていこう。
だって私は毎週、好きな人の部屋に、好きな人と二人だけで居るのだから。
強力な味方もできたことだし、ね。
おしまい
残り2KBか…
乙。矢部ひとの夫婦感がやばい
そしてマックの回を読み返してみつしん妄想が止まらない
乙です!
なんという見事な矢部ひと…!
原作に出てもおかしくないレベルです!
『とんでもない常識人』いいじゃんそれでwww
476 :
名無しさん@ピンキー:
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