みつどもえでエロパロ 3卵生

このエントリーをはてなブックマークに追加
1名無しさん@ピンキー
みつどもえのエロSSを書いたりエロ妄想をしたりするスレ
エロなしもおk

前スレ
みつどもえでエロパロ 2卵生
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1285209275/
2名無しさん@ピンキー:2010/10/28(木) 22:13:28 ID:nwiIhlZS
>>1乙!

みつどもえエロパロ川柳
 杉崎の
   ぴょんぴょんコキで
     射精したい
3名無しさん@ピンキー:2010/10/28(木) 22:42:15 ID:Rv9INKgr
>>1乙です。
そして、前スレで許可をいただいた事に調子に乗って、続きをば。
4千葉氏の心裏6:2010/10/28(木) 22:45:00 ID:Rv9INKgr
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
そりゃ、俺だってそのために努力しようと思った事はある。
誰だって、自分の幸せのために頑張ってるんだ。当たり前だろう?


「そしたら佐藤の奴、本当にしょっぴかれちまってよー」
「わはは。ひでーな、それ。しっかし相変わらずだなぁ、あいつの不幸体質は。
でもまぁ、差し引きで考えりゃ、それでもプラスか?」
「そうそう。イケメン様はあれでちょうどなんだよ。
んで、十分お灸を据えてもらったろうと思ったから、30分後に迎えに行って弁明してやったんだが、
結局その後、また緒方の兄ちゃんに…」
「ちょっといいかな?」

昼休み、田渕と駄弁ってると、知らねー野郎に声を掛けられた。
線が細い、佐藤とは違うタイプの美少年って感じだ。背は160ちょいくらいか?
見た目もオーラも『優等生です』って感じの、まぁ、俺と[女子から野人扱いされてる千葉とは正反対なタイプだな!]
うっせーよ、田渕!心の声に割り込むな!誰が野人だ!!つーかお前、人の事言えんのかよ!
…ゴホン。まぁそんな、俺とはまるで縁がなさそうな奴が突然声を掛けてきたって事は…。
ひいっ。いくらエロスの探求者を自認する俺でも、ソッチの趣味はねーぜ!!
5千葉氏の心裏7:2010/10/28(木) 22:46:25 ID:Rv9INKgr
などと、どこかの眉毛のような事を考える訳は無く、このパターンの先は読めている。
「あ、突然ごめん。僕はA組の って言うんだけど、その、
丸井さんの事で聞きたいことがあってさ…。ちょっとだけいいかな?」
ほれ、予想通りだった。
「そんなの、本人に聞けばいいじゃねーか」
「いや、うん。そりゃそうなんだけどさ。丸井さんには聞き難いっていうか、でさ。
それに丸井さんは一人のタイミングが無い…。いや、いつも誰かといるわけじゃないんだけど、
一人になると消えちゃってるっていうか…。あぁ、変な事言ってゴメン」

ちょっとイライラするしゃべり方をする奴だ。
まぁ、三女さん一人のタイミングが見つからないって話は本当だろう。
あの三つ子はそれぞれ変わって来てる。
でも、基本スキルは継承してるんだよな。
あれだけ人目を引き付ける美人なのに、三女さんがその気になると(?)なぜか真後ろに居ても
認識できないくらい、見事に存在感を消してしまえるのだ。
(さすがに大勢から同時に注目されていると、そうはいかないようだが)
結局、俺達のような一部例外を除いて、男子がサシで会うためには、下駄箱に手紙を入れておくしか無いらしい。
この辺、既にウチの高校の七不思議になっている。
ごく稀に、大勢の前で告白した、どこぞのバスケ部員のような真性のアホもいるようだが。…ったく。

…まぁ、そういう訳だから、俺達以外にはあの二人の事が未だにバレていないのだろう。
というか、バレてたらそれこそ新聞沙汰である。
俺も元3組のドタバタ面子とは言え、その程度は分かっているのだ。

いかん。脱線しすぎたな。
「…んじゃ、場所変えっか。いいよ田渕。俺一人でさ」
6千葉氏の心裏8:2010/10/28(木) 22:47:20 ID:Rv9INKgr
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

さぁーて、今日も学校終わったし、川原にエロ本拾いでも行くかぁ。それとも公園に行ってサッカーにするかな。

ガー

お、本屋から出てきたのは…
「あっ、三女さん!!」
「今度は何の本買ったんスか?その大きさは…また雑誌っスね!?」

なんだか、前にもやったやり取りだ。いや、前回は俺の独り相撲だったんだが…。
「…やっぱエロっスか?エロなんですね?」
また俺の独り相撲になりそうな…。
「前も聞いたっスけど、一体いつもどうやって手に入れるんスか…?」
……また、透明人間になった気がして来た。

「だから、嫌われてんじゃね?」
いつも思うが、このイケメン様はもうちょっと人の心を学んだ方がいいんじゃねぇか?
バレンタインチョコを本当にいらなそうに寄こしたり、所かまわずふたばとイチャついたり。
世間様(?)じゃぁ、俺のいたずらが非道いみたいな論調もあるが、あのくらいは優しいもんだと思うぜ…?

おぉっと。訳の分からん事を考えてるうちに、三女さんがずいぶん先に。
えぇい、こうなったら意地だ。何としても三女さんに返事をさせてやるぜ!!
「三女さん、あそこで雌豚が拾い食いしてますよ!」
「三女さん、お荷物重そうですね。ランドセルお持ちしましょうか?」
「三女さん、あそこにスーパーの割引券が落ちてますよ!」
「三女さん、ガチレッドがあそこを歩いてますよ!!」



7千葉氏の心裏9:2010/10/28(木) 22:48:13 ID:Rv9INKgr
ゼイッ、ゼイッ…。
くそ、ことごとくスルーされたっ!なんという鉄壁のガード!!
「やっぱ、嫌われてんじゃね?」
うるせー!黙れイケメン!!
くそっ!まだまだ!!
「三女さ「先生」 うおっと」

やっと口を開いてくれたと思ったら、先生?
三女さんが挙動はそのままに、速度を上げたと思ったら、その先には…矢部っち。
「あ、ひとはちゃん。それに千葉君に佐藤君。みんなで一緒に下校かい?」
「先生は独り寂しく徒歩で帰宅なんですね。いい加減隣を歩いてくれる女性を見つけたらどうですか?
やっぱり、車の一台も所有できない甲斐性では、だれも相手にしてくれないんですかね。ご愁傷様です」
「いきなり非道い!ていうか、放っといてよ!」



「あれ?どうしたの千葉君。何だか顔色が悪いよ?大丈夫?」
……
「別に何でもねーよ!何にもねーんだよ!!放っといてくれ!!!」
自分でも、なんでこんなにイライラするのか分かんねー。
「うーん…そう?」
「そうだよ!」
矢部っちが本当に心配そうな顔で聞いてくる。
そんな相手に怒鳴ってしまうのは悪いとは思うけど、どうにも止められない。
「…うん。大丈夫なら良かった。でももし何かあったら、何でも相談してね。これでも一応、みんなの先生なんだから」
「一応って、自分が頼りない自覚はあったんですね」
「ひとはちゃん!!」
………!
「それじゃーな!!」
「あ、おい!千葉!」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
8千葉氏の心裏10:2010/10/28(木) 22:50:35 ID:Rv9INKgr
「それで、丸井さんの事なんだけど…」
「無理だからやめとけ」
「…まだ何も言ってないじゃないか……」
「何をやっても、何があっても、無理なんだよ。
だから、お前が何を聞いてきても返答は変わらない。
噂はくらいは聞いた事があんだろ?どんなイケメンでも玉砕してるって。
それとも、自分は特別だって、そう自惚れてるのか?」

確かにこいつはイケメンだ。穏やかそうなインテリってのは、三女さんと気が合うかもしれないし、
ポイントだって高いだろう。100点を出す女子だっているに違いない。
でも、100点を出しても、300点を出しても。頑張って10点や50点をさらに稼いでも。
1000000000000000000000点から見れば瑣末な事なんだよ。
いや、違う。きっとそもそも、そんなつもりで見てくれる事すらないんだろう。

だから、男の自己満足のために、優しい三女さんに辛い思いをさせないでくれよ。

「…………。
でも、僕は。
あの時、丸井さんが差し出してくれた手の温かさが忘れられないんだ。
僕だって、こんなに誰かを好きになったのは初めてなんだ!
だから、せめて一度だけ、自分の全力で頑張ってみたいんだ!!」

やれやれ、こいつもか。
9千葉氏の心裏11:2010/10/28(木) 22:52:24 ID:Rv9INKgr
そうなのだ。中3の頃からだろうか。
三女さんはたまに、男女関わらず人助けをするようになった。
さっき言った消えるスキルや、いたずらに使ってた気転を生かして、ちょっとした手助けをする事があるんだ。
おかげでこいつのように勘違いする男が量産されてしまっている。
まぁ、その代わりじゃないが、男を振りまくってても、女子連中から悪女扱いされないで済んでいるわけだが…。
(それに関しちゃ杉崎のおかげもあるんだろうが。)

…。そりゃ、当然理由を聞いたよ。だってそうだろ?昔の三女さんからは考えられない行動だし、
正直マイナス要因(って言っちゃあ、助けられた奴らには悪いんだけどよ)の方がでかいし。



―――うん。そうだね。『私』らしくないね。…でも、だから変わらなきゃって思ったんだ。
―――先生のパソコン。今の…、ううん。これまでの生徒達の事が、すごく細かく書かれてた。
―――先生は私にとって特別な、最初に居る人だけど、それはきっと特別な事じゃなかったんだと思う。
―――先生にとって、誰かを助けるっていうのは、誰かの幸せのために頑張るっていうのは当たり前の事なんだよ。
―――先生と一緒に居るには、『私』のままじゃふさわしくないんだって、そう思ったの。
―――先生みたいになりたい。いきなりは無理だけど、できる事からやってみようって、そう決めたんだ。
―――先生が、
―――先生へ、
―――先生を――――――――



俺は。

きっと、ただの登場人物Aで。
それはもう絶対に変えられないのだろうけれど。
それでも、その想いを語る横顔は、尊いと思ったんだ。

誰かに手を差し伸べて、それなのにこの娘が傷つくなんて、悲しい事だと思ったんだ。

だから、俺は。

「あのよ。あんまり詳しくは言えねぇ。
でも、三女さんには絶対に変わらないものがあって――」
10名無しさん@ピンキー:2010/10/28(木) 22:57:41 ID:Rv9INKgr
本日は以上です。
いや、本当はもっとあっさり終わる予定だったんですが、筆が乗って…。
ので、もう少しだけ続きます。
しかし、だんだん千葉氏が女々しくなってきたなぁ。こんなつもりじゃ無かったんだけどなぁ


ちょっと忙しくなるので、続きはしばらくお待ちを。(待っていてくれる人がいること前提)

>>643様
矢部っちとひとはのイチャコラは、私の実力では直接描写が難しいです。
ただ、ネタが無いわけではないので、千葉氏が終わったら、
短編で別のキャラ視点での高校生ひとはイチャコラを書くかもです。
11名無しさん@ピンキー:2010/10/28(木) 23:00:00 ID:5ohwPn8L
大変!! いますぐ>>1乙しないと!!

あなたとは
  呼べずに今も
    先生と
12名無しさん@ピンキー:2010/10/28(木) 23:22:57 ID:5ohwPn8L
>>10
乙です。
千葉氏が女々しくなったという印象はなくて、むしろ未練心をぐっと飲み込んでいる
男らしさを感じました。一途なひとはも可愛くて、続きを期待します。
13名無しさん@ピンキー:2010/10/28(木) 23:37:51 ID:sWbp9xF5
乙です
影ながら守るって大変だろうに…千葉氏すげぇ
14名無しさん@ピンキー:2010/10/29(金) 18:59:55 ID:a9nEWHMo
スレも新しくなったところで長めの作品を投下させていただきます。
・矢部ひと日常系SS
・無駄に長い
・矢部と緒方兄は初対面
・宮本さん可愛いよ宮田さん
お付き合い下さればさいわいです。
15チクビのいない日(1):2010/10/29(金) 19:01:51 ID:a9nEWHMo

「おい矢部っち! これは一体どういうことだよ!?」

 小学6年生にしては背の高い少女は声を張り上げて、真正面に指を突きつけた。背後に小柄
な同級生を庇うように、仁王立ちしている
 その指が向けられているのは、ベッドの上で目を白黒させる担任教師・矢部智。彼は狼狽え
て、とりあえずこの場にいる冷静な第三者に訊ねる。
「ど、どういうことって……むしろ何で宮…さんがボクの部屋にいるの、ひとはちゃん? 一
緒に来たの?」
「いえ。今朝ここに来る途中、ばったりと遭遇したんです。先生の家に行くと話したら、訳の
判らないことを言って勝手についてきて……」
 宮下の背で、不本意そうな顔をするひとは。
 彼女の前に立つ宮下は正義感溢れる表情で矢部を睨み付け、
「とうぜんだろ! 三女が──その、変なことをされているのを見過ごせるか!」
「変なこと……?」
「とぼけるな! こんな部屋に三女を連れ込んで、え、エッチなこととかしてるんだろ! こ
の変態ロリコン教師!」
「してないから! ひとはちゃんは、ただ単にチクビ(※ハムスター)と遊びに来てるだけだ
よ!?」
「嘘つけ! この前だって、ハムスターを見せてやるって言って女の子を家に連れ込んだ男が、
女の子に猥褻行為をした事件があったからな。そんな言い訳は通用しないぞ!」
  ※ ttp://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/100914/crm1009142146044-n1.htm
「ボクはそんなことしないよ! ちょっと、ひとはちゃんもチクビを弄ってないで、何とか言
ってよ!」
「おことわりです」
 ひとははそう言ったきり、いつの間にやらケージから取り出したチクビを手のひらに載せ、
ベッドに腰掛けて遊びはじめるる。あまりに冷淡な彼女の反応に、宮下も少し冷静さを取り戻
す。
 矢部は溜息をついて、
「……ほら、ね。ひとはちゃんはボクなんかにぜんぜん用はなくて、単にチクビと遊びたいだ
けなんだから」
「むむ……けど、教え子の女の子を家に入れるってのはどうなんだ? しかも合い鍵まで渡し
て、ほとんど……か、通い妻状態じゃないか」
「か、通い妻……」
 思わぬ単語に、矢部は真っ赤になった。宮下の背後にいるひとはも同じように赤くなってい
るのにはまったく気付かずに、
「合い鍵は、ひとはちゃんに勝手に作られたんだよ。まぁボクも、女の子が部屋に来るのはど
うかと思うけど、来たいって言っているんなら仕方ないかなって……ひとはちゃんの家には猫
がいるから、ハムスターは飼えないし……」
「むむ……」
 宮下はしばし、考え込む。
 ちなみにひとはは、「合い鍵は勝手に作られた」のあたりでじゃっかんむすっとしていたが、
言い合いに夢中になっている矢部と宮下は気付かなかった。
「……そうだ! なら、良い方法があるぞ。チクビは私が預かってやるから、三女は私の家に
遊びに来るといい! なっ、三女? それなら安心だろ?」
「ああ、まぁ、それでも良いけど……ひぃっ! ひ、ひとはちゃん……?」
 勝ち誇ったような笑みを浮かべる宮下の背後から、ひとはがものすごい表情で矢部を睨んで
いた。宮下を、ではない。その視線の矛先は、完全に矢部を向いている。
「あ、あの、ひとはちゃん? そんなに睨まなくても……」
「おい三女、何でそんなに怒っているんだよ? 良いだろ、あたしの家に遊びに来れば」
「……帰ります」
 ひとはは凶相のまま無言で立ち上がり、チクビをケージに戻す。そしてケージを片手に提げ
て、そのまますいっと部屋を出て行ってしまった。
 残されたふたりはしばし無言だったが、やがて宮下が口を開く。
「とにかく、来週からはあたしがチクビを預かるからな!」
「う、うん。まぁ、それでも良いけど……」
 宮下の勢いに押されて、矢部はうなずいた。内心で、(この子はまともだと思ってたけど、
ひとはちゃんたちとは別方向におかしいなぁ……)と思いながら。
16チクビのいない日(2):2010/10/29(金) 19:03:05 ID:a9nEWHMo

  * * *

 翌週土曜日の早朝。
 チクビは宮下の宣言通り、彼女の家に預けられることとなった。久しぶりに一人きりの休日
──と思っていた矢部だったのだが、

「……何でひとはちゃんはうちにいるの? チクビはいないよ?」
「知ってますよ」

 矢部が上体を起こしているベッドのへりに、やはり今日もひとはの姿があった。
 いつもと違うのは、彼女の掌上に小動物がいないこと。彼女はホラー映画の幽霊少女そこの
けの表情で神経質に爪を噛み、愛しいハムスターの名前を呟いている。
「チクビ……チクビ……」
「もう……そんなにチクビがいいんなら、あの子の家に行けばいいじゃない」
「そんなことをするくらいなら、死んだ方がマシです。チクビを拉致して私を誘き寄せるなん
て宮本さんの奸計に、乗るわけにはいきません」
「そこまで強情にならなくても……宮本さん、いい人じゃないか。親切だし、ボクみたいな足
のくさいキモオタ童貞なんかよりずっといいでしょ?」
 矢部はベッドから脚を下ろしてひとはの隣に座り、自虐気味に言う。
 しかし返ってきた反応は、まるで簡単な計算問題が分からない生徒を見る教師のような目だ
った。
「あ、あの、ひとはちゃん。ボク、何か変なことを言った?」
「……別に。それとも先生は、私がいると邪魔ですか?」
「そ、そんなことはないよ。ひとはちゃんが邪魔だなんて」
「なら、しばらくここにいさせて下さい。チクビがいなくても、ここにいると落ち着くんです」
「そ、そう。まぁいいけど……」
 言いながらも、矢部は落ち着かない様子だった。
(参ったなぁ……)
 一つには、やはり女子児童が男性教師の部屋にいる、という状況。「ハムスターを連れ出し
に来た」、「ハムスターに会いに来た」のであればある程度言い訳が立つものの、口実もなし
に女の子を部屋にあげるのはまずい。それこそPTAあたりに知られたら、減俸やら配転やら
の処分を喰らってもおかしくはない。
 さらにもう一つ。矢部にとって、差し迫った理由があった。男性特有の生理現象、いわゆる
朝勃ちで、彼のウインナーは真っ赤に茹であがって膨らんでいたのだ。スボンごしにもシルエ
ットが判ってしまいそうになり、彼はさりげなく股間を押さえる。
17チクビのいない日(3):2010/10/29(金) 19:03:44 ID:a9nEWHMo
 ところが、
「……別に私のことは気にせず、好きなことをしてくれて構いませんよ」
「えぇっ!? いやその、ボクは何も……」
「朝の処理、まだなんでしょう? どうぞ遠慮なくオナニーしてください。私には構わず。何
ならお手伝いしましょうか」
「で、できるわけないし、手伝ってくれなくてもいいよっ!! だ、だいいち女の子が、そうい
うこと言わないの!!」
 矢部は極めて常識的な対応をするが、とたんに「何を今さら」と鼻を鳴らされた。
「隠しても無駄ですよ。机の下に座ってちょっと見上げると、先生の股間が目の前にあるんで
すから。先生が職員室で勃起していることがあるのとか、教室でも宮下さんが近くにいるとき
勃起していることとか、ちゃんと知ってます。ご安心を」
「えぇっ!! いやそのボクは別に……」
「……だから宮下さんは嫌いなんです」
 最後の一言だけ聞こえないように小声で言うと、拗ねたように顔を逸らす。
 矢部はむーんと頭を掻き、何とか話題を逸らそうと必死に頭を働かせる。しばらく部屋の中
を彷徨っていた彼の目が、あるものを見つけて輝いた。
「そうだ、ひとはちゃん。せっかくだから、二人でどこかに出かけない? 駅前の映画館で、
ガチレンジャーの新作をやってるよ」
「!? むむむ……」
 矢部は枕元のファイルから、パンフレットを取り出す。ガチレンジャーの五人と怪人たちが、
格好良くポーズを決めていた。
「むぅふーっ」
 鼻息荒く、目を輝かせてパンフレットを凝視するひとは。しかし、
「……いえ、今日はやめておきましょう。たまにはこうして二人でいるのも、悪くはありませ
んし」
「そ、そう?」
(今日はずいぶん素直で可愛いなぁ……)
 小学校の教諭になったくらいだから、矢部も変な意味ではなしに子供好きだ。ひとはのよう
な可愛い子からそう言われて、嬉しくないわけがない。

「というわけで、せっかくの二人きりです。さっそくオナニーを見せ」
「いやだってば!! ていうかもうそのことは忘れてよ!!」
18チクビのいない日(4):2010/10/29(金) 19:04:54 ID:a9nEWHMo

  * * *

「……三女が来ない」
「なぜだ! 三女はチクビに会うためなら、矢部っちの部屋にだっていくくらいなんだから、
絶対あたしの家に来るはずなのに……チクビに会いに来た三女と仲良くなる計画が……」
「ちー? ちちー」(何言ってんのかなこいつ? どーでもいいから餌ちょうだいよ)
「ああもう、ハムスターの世話って何をすればいいんだよ! 三女が来たら教えてもらうつも
りだったからぜんぜん聞いてないし、ど、どうしよう……?」
「ちー! ちー!」(もうひとはさんのところに返してよ!! このハムスター攫い!!)
「そうだ、チクビを連れて、三女の家に行ってみよう! もしかしたらあたしの家に来るのを
遠慮しているだけかも知れないからな! チクビを連れて行ってやれば、きっと三女も喜ぶは
ずだ!」

  * * *

「卵と……あ、お米も買っておかなくちゃ。後は豆腐と、わかめと……」
「思い出すものから順番に買っていては、日が暮れてしまいますよ。とりあえず店の中をぐる
っと一周するようにして、目についたものから買っていきましょう」
 二人はいま、近くにあるSADYの食料品売り場にいた。二人きりで過ごそう、といったも
のの、矢部にとって週末は数少ない買い出しの機会である。何より昼ご飯もまだだというのに、
いまの矢部の部屋には、ほとんど食料品が入っていない。出前でも取らなければ、ずっと空腹
を抱えたままになってしまう。
 矢部は気をきかせて、せっかくの二人きりだしたまには外に食べに行こうか、と提案したの
だが、これはあっさりと却下された。かわりに、
「私が作ります。買い出しついでに材料を買って、少し待っててもらえればすぐにご飯に出来
ますから。そのほうが安上がりですし」
 けっきょく二人は仲良く買い物に来たのだった。
 カートを押す矢部の隣をひとはが並んで歩き、購入品目を確認する。
「牛乳はどうしよう。ひとはちゃんも、飲む?」
「ええ。あればもらいます」
「それじゃ、入れておくね。後は……」
「あ、三女さん!!」
 ふいに聞き覚えがある声がして、ひとははびくっと背中をすくませた。
19チクビのいない日(5):2010/10/29(金) 19:05:41 ID:a9nEWHMo
 振り返ると、
「あら、三女じゃないの。ついでに矢部っちも」
 眉毛の太い少女と、短い縦ロールの少女。二人とも、ひとはのクラスメイトだった。
「杉崎さんと……吉岡さん」
 ひとはは目に見えて動揺し、ちらちらと矢部のことを気にしながら、とりあえずぱっと頭に
浮かんだ疑問をぶつける。
「ど、どうしたの、こんなところで。何で杉崎さんがこんなスーパーなんかにいるの?」
 吉岡はともかく杉崎家はブルジョワだから、SADYの食料品売り場などに用はないはずだ。
彼女の家の冷蔵庫に高級食材がひしめいているのを、ひとははよく知っている。
 杉崎も何故か狼狽えて、
「べ、別に……そう、庶民の食べ物を見に来ただけよ!!」
「もう、隠さなくたっていいじゃない。前にみっちゃんの家で食べたチ○ルチョコのきなこ餅
味が気に入ったんだよね。今日は、箱で買いに来たんだって」
「ちっ、違っ……なに言ってるのよ吉岡!! ばらすんじゃないわよ!!」
「あはは……」
 吉岡が微笑み、ひとはも釣られて笑った。「みつばの家で食べたものが気に入った」というのが、杉崎としては隠しておきたいポイントだったようだ。
 すると今度は、話題の矛先がひとはに向けられる。
「ところで三女さんは、先生とお買い物?」
「う、うん。あのね、これはその……」
「へぇー。ま、せっかく水入らずなのに、お邪魔しちゃ悪いかしらね」
「べ、別にそんなことはないよ!! 先生となんて、一緒にいても苦痛なだけだよ!!」
「はいはい、ほんとに姉妹揃って素直じゃないんだから。それじゃ、ごゆっくり〜」
「またね、三女さん! 応援してるから、頑張ってね!!」
 ひとはの抗弁に耳を貸さず、二人はお菓子売り場に向かっていった。
 あまりにも予想外の反応に、ひとはは呆然と立ちつくす。それを心配そうに眺め、
「どうしたの、ひとはちゃん?」
「いえ、何でもありません。気を取り直して、お買い物を──」
「お、三女さん」
 またも呼び止める声に、ひとはと矢部は振り向いた。
 キャップの糸目少年と、整った顔立ちの少年。こちらもクラスメイトの、千葉と佐藤だ。そ
れぞれ手にはスポーツドリンクを握っており、佐藤はボール入りのネットを肩に掛けていると
ころを見ると、これからサッカーでもしに行くのだろう。
 彼らは、ひとはが矢部と並んで立っていることに驚いた様子もなく、
「三女さん、どうしたんですか。矢部っちとお買い物ですか」
「ち、違うよ!! これはその、先生に連れ回されてっ……!!」
「あー、三女。それ以上言うと冗談にならなくなるし、別に言わなくても判ってるから気にす
るな。けど矢部っち、あんまりこういうところを見られると、やばいんじゃねーの? PTA
とかさ」
「そ……そう、かな?」
「ったく、矢部っちは大人なんだから自覚しろよ……バレてクビになったら、三女がかわいそ
うだろ」
「な……私は先生がクビになっても、なんとも思わないし……!!」
「やれやれ。それじゃ俺たちは見なかったことにするからな。ふたばも待ってることだし、行
こうぜ、イケメン」
「お、おう。つーかイケメンってのいい加減やめろって」
 二人はやいのいやいのと言いながら、足早にドリンク売り場に消えていった。
 残された二人は、しばし沈黙する。やがてひとはが、ぽつりと呟いた。
「……私、そんなに露骨ですか?」
「え? 何か言った、ひとはちゃん?」
「何でもありません。早く、お買い物を済ませましょう」
20チクビのいない日(6):2010/10/29(金) 19:06:25 ID:a9nEWHMo

  * * *

「お、みつばじゃないか。邪魔するぞ」
「宮……なんだっけ。あんたがひとりでうちに来るなんて、珍しいわね」
「宮下だよ!! まったく、みつばといい三女といい……」
「ちーっ、ちーっ!!」(やった、ひとはさんの家だ!! ブタさん、ひとはさんを呼んで!!)
「ん? あんたの持ってるケージにいるの、ハムスター? へぇ、あんたハムスターなんて飼
ってたんだ」
「何を言ってるんだよ。これ、クラスで飼ってるチクビだぞ」
「え……? チクビはあの童貞が持ち帰ってるはずでしょ? 何であんたが持ってるの?」
「矢部っちが預かっていると、矢部っちの部屋に行った三女が何をされるか判ったもんじゃな
いからな! あたしが預かっておいてやったんだ! で、三女はいるか?」
「ひとはなら、朝からいないわよ。てっきりチクビに会いに行ったんだと思ってたんだけど」
「ちー、ちちちー……」(そんなぁ。ひとはさんに会えると思ってたのに……)
「なんだって!? 三女が矢部っちの部屋に……ああ、いつものくせで矢部っちの部屋に行っ
たんだな。仕方ない、あたしが矢部っちの部屋まで呼びにいってやろう」
「……ねぇ宮下、あんたいつか馬に蹴られて死ぬわよ」

  * * *

 ビニール袋をそれぞれ片手に提げ、矢部とひとははSADYからアパートへの帰途について
いた。
「買い物はこれだけかな」
「ええ。それだけあれば、お昼ご飯くらいなら作れます。コンビニのお弁当を食べるよりも、
よほど健康的ですよ」
「悪いね。買い物に付き合わせた上、お昼ご飯まで作ってもらっちゃうなんて」
「いえ、毎日やってますから、特に大変ではありません。それに……誰かのためにご飯を作る
のは、嫌いじゃありませんから」
「うーん、偉いなぁ」
 そんなことを話しながら、大通りから住宅街にさしかかったときだった。

「あの、少々よろしいですか?」

21チクビのいない日(7):2010/10/29(金) 19:07:49 ID:a9nEWHMo
「えっ……」
 不意に、若い警官が話しかけてきた。左目の泣きぼくろ以外に特徴のない、平凡な顔立ちの
警官だった。
 目の前に突き出された警察手帳に、矢部の表情が少し引き締まる。
「ええと、何でしょう」
「どうも。さっそくですが、こちらのお嬢さんとはどういうご関係ですか」
「ええーと、あの……」
 矢部は一瞬、しょうじきに答えたものかどうか返答に詰まる。すると、
「兄妹です」
 そんな声とともに、不意にぎゅっと腕をつかまれた。振り向くと、ひとはが矢部の腕にしが
みついていた。
「ね、智お兄ちゃん」
「あ……うん」
 矢部もすぐに口三味線を弾き、
「この子はボクの妹です」
「あ、ご兄妹でしたか。ずいぶんお年の離れたご兄妹ですね」
 何故か警官は、矢部に親近感を持ったようだ。にこにこと笑顔で、
「こんな妹さんがいると、さぞ可愛いでしょう。本官にも、その子くらいの妹がいるから判り
ますよ。もう、毎日でも一緒にお風呂に入って、一緒のお布団で寝たいくらい……」
「は、はぁ」
 矢部は間抜けな返事をした。こっそりひとはの様子をうかがうと、こちらも「常軌を逸した
シスコンだよ」といわんばかりの顔で呆れている。
「本当にもう可愛くて可愛くて頬ずりしたいほどなんですけど、さいきん妹は恥ずかしがって、
嫌がるようになってきちゃったんですよ。でもその照れている様子がまた可愛くて抱きしめた
くなると言うかなんというか、まぁその子くらい素直な子も、それはそれで可愛いでしょうけ
ど……」
「は、はぁ……あの、もう行っていいですか?」
 末期シスコン患者ののろけ長広舌に、さしもの矢部もドン引きだ。
「え……あ、失礼。ちょっと愛梨の可愛さを思いだしていたものですから。御手数を掛けて申
し訳ありませんでした」
「いえいえ。お役目ご苦労様です」
「ありがとうございます。ああ、最後に、ご職業とお名前をお伺いしてもよろしいでしょうか」
 ややトリップ気味だった警官は、それでも職務を思い出したように訊ねる。
 矢部は一瞬狼狽えたが、
「矢部です。矢部智。近くの小学校で、教師をしています」
「ええと……ひょっとして、鴨橋ですか? 実は本官の妹も通っているんですけど」
「ええ」
「そうですか、いやぁ世間は狭いですね。そちらの妹さんのお名前は……」
「ひとはです。矢部ひとは」
 何気なく矢部が答えると、背後のひとはは真っ赤になった。むろん、警官に注意が向いてい
る矢部は気付いていなかったが。
22チクビのいない日(8):2010/10/29(金) 19:08:44 ID:a9nEWHMo
 警官はひとはに視線を移して、
「ひとはちゃん? こっちのお兄さんが言っていることで、間違いないかな」
「う、うん。私は智お兄ちゃんの妹の、ひとはです」
「うん、ありがとう。──それではどうも、ご協力ありがとうございました。失礼します」
 警官はぴっと頭を下げ、自転車に乗って立ち去った。
 二人はしばらくその場に立ちつくしていた。やがて、
「い、行こうか、ひとはちゃん」
「うん。何だか疲れちゃった」
 「妹のふり」は続いているのか、ひとはの口調がちょっと違うのに矢部は戸惑う。いやそれ
よりも何よりも、いまだに矢部の腕にはひとはがぎゅっとしがみついていて、
「ちょっとひとはちゃん、兄妹のふりはもう……」
「(しっ。声が大きいですよ。まだその辺りに、わたしたちを見ている人はいます。しばらく
兄妹のふりを続けましょう)」
「(う、うん。いいけど……)」
 それにしても、先ほどからしがみついているひとはの体──ぺたんこな胸の感触に、矢部の
心臓はどぎまぎと躍る。
(ひとはちゃんは、恥ずかしくないのかな?)
 思いながらひとはの様子をうかがってみると、何となく満足げに鼻息を荒くしている。それ
を見た矢部は何となく、先ほど妹自慢をしていた警官の気持ちが判る気がした。
23チクビのいない日(9):2010/10/29(金) 19:09:58 ID:a9nEWHMo

  * * *

 矢部のアパートに着くと、ひとははさっそく食事の支度にかかった。即席でできるものなど
たかが知れているが、それでもご飯(矢部が毎日最低限炊いている分だ)に野菜スープがつき、
メインディッシュは即席の豚肉生姜焼き。矢部がたまに作る料理などより、はるかに美味しい。
 特に生姜焼きは熱々ということもあり、噛みしめるたびに肉の味がしみ出してくるようだっ
た。思わず、
「うん、美味しい!!」
「それは良かったです。野菜スープも食べてくださいね」
「もちろん。……ずっ。あ、こっちも美味しい……」
「お口にあってよかったです」
 所帯じみたやりとりをしつつ食事を済ませ、
「ごちそうさまでした」
「お粗末さまでした」
 ひとははふたり分のお茶碗とお皿を重ね、流し台に向かう。料理の時にも使っていた踏み台
に乗り、洗剤をスポンジにつけて洗い始める。
 後ろに矢部もついてきて、
「手伝うよ」
「なら、私が洗いますから、お皿を拭いてください」
「うん」
 エプロン装備のひとはがお皿を洗っている横で、洗い上がったお皿を受け取った自分がタオ
ルで水気を拭き取る。その光景に、矢部は既視感を覚えた。そうだ、あれはたしか数年前のテ
レビドラマで見た──
「こうしてると、何だかまるで新婚さんみたいだね」
「っ!?」
 何気なく口に出した途端、がしゃん、とひとはが手を滑らせ、お茶碗をシンクに落っことし
た。
「ど、どうしたのひとはちゃん、大丈夫? お茶碗、割れてない? 怪我は……」
「大丈夫です。お茶碗も割れてませんし、ちょっとびっくりしただけですから」
「よかったー。けど、気をつけてね」
 ひとはは真っ赤な顔でシンクのお茶碗を拾い上げ、じろりと矢部を睨み付ける。
「先生が変なことを言うからです。し、新婚さんだなんて……」
「え……いやその、ちょっと連想しただけで。そんなにボク、変なこと言った?」
「言いました。無駄口せずに、ちゃっちゃと洗い物を済ませてしまいましょう」
「う、うん」
 まだ赤さの残る顔で、ひとはは再びお皿洗いに没頭する。矢部は訳が判らず、それでもひと
はの無言の圧力に負けて、お皿を拭く手元に神経を集中した。
24チクビのいない日(10):2010/10/29(金) 19:11:26 ID:a9nEWHMo
 二人分だと、お皿の数も多くない。すぐに洗い終わって、またリビングに戻ってきた。いつ
ものように、ベッドに並んで腰掛ける。
「はぁー……こうしてひとはちゃんと二人きりでいるのは久しぶりだけど、こうしているのも
いいものだね」
「ええ。いろいろと、不満がないではありませんが」
「ああ……チクビ、いないからね」
 じゃっかんのひがみをこめて言う。しかしひとはから返ってきた反応は、「何を言ってるん
だろうこの先生は」といわんばかりの視線だった。
「な、なにその目? ボク、何か変なこと言った?」
「ええ、言いました。先生はまだ、私がチクビに会うためだけにこの部屋に来ていると思って
るんですか?」
「え……ち、違うの?」
「…………違います」
 思いっきり睨まれた。
 矢部は混乱した。毎週のように彼女はこの部屋にやってきていたし、特に日曜の早朝などは、
一緒にガチレンジャーを見る間柄である。しかしそれはあくまで、チクビと会いに来るための
ついでだと思っていた。言うなれば刺身のツマ、そこに添えてあるから少し箸を付けるだけの
存在に過ぎないと。
 しかし──
「考えても見てください、先生。私がもし、先生に会うためにこの部屋を訪ねてきたら、先生
は一体どうしました?」
 ひとはの声は震えているように、矢部の耳には聞こえた。
「へ? さすがにそれはちょっとまずいかな。いろいろ、教師が教え子にイタズラしたとかニ
ュースになっているご時世だし」
「ですよね。だから私は先生じゃなくて、チクビに会いに来たんです」
「え……ど、どういうこと?」
 脈絡を読むことができず、矢部は戸惑った。一体この少女は、何を言い出すつもりなのだろ
う?
 ひとはは口元を隠すように鼻を押さえ、
「先生は本当に……本当に判ってないんですね」
 ずっ、と洟をすする音がした。目のはしには、微かに涙が浮かんでいる。しかしそれを見て
もなお、ひとはが泣いているのだと気付くまでに、矢部は数秒の時間を要した。
「チクビに会うためなんて言うのは、単なる口実です。そう言えば、先生もこの部屋にあげて
くれますから。だから、本当ならうちでチクビを預かっても良かったのに、みっちゃんやふた
ばを言い訳にして先生の家に預けて、ず、ずっと先生の家に来られるようにしたんです」
「? つまり、その、こうしてボクの部屋にやってくる目的はチクビじゃなくて、ボク……?」
 笑い飛ばされるは覚悟の上、信じられない思いで確認すると、ひとはは洟をすする音ととも
に力強くうなずいた。
25チクビのいない日(11):2010/10/29(金) 19:13:10 ID:a9nEWHMo
「ひょっとして……い、いまごろわかったんですか?」
「う、うん。だってほら、ひとはちゃんってうちに来ても、チクビと遊んでるか、あるいはガ
チレンのビデオを見てるだけで、ボクのことなんてぜんぜん見てないし……」
「見てますよ。ここでも、学校でも。杉崎さんや吉岡さんにも、気付かれてしまうくらい。気
付いていないのは先生くらいです」
「え、え……ど、どうしよう。困るよ、そんなの……」
 告白馴れしていない童貞の矢部は、たちまち挙動不審になる。
 ひとはは涙に濡れた目でそれを見上げ、
「言うと思いました。だからチクビを口実にして、会っていたんです。先生に、そう言われな
いために。先生に、文句を言わせないために」
「そう、だったんだ」
「それに……怖かったんです。もし先生に会いに来たなんて言って、先生から拒絶されたらと
思うと。だから……チクビを口実にしました。そうすれば、先生に会いに来たんじゃないって
言えますから」
「……………………」
 あまりにもとつぜんの告白だったが、矢部は不思議と納得できるものを感じた。臆病だった
んだ、と思った。
 さいきんではつい忘れてしまうほどだったが、ひとははもともとクラスで孤立気味だった過
去がある。それも、「周りに拒絶されるのが怖いから、わざと自分から壁を作って周りと隔絶
する」タイプの孤立だ。彼女がいまだにそうした精神性を残していたとしてもおかしくない。
「わがままなのも、ひどいことをしているのも判ってます。でも、そうやって一緒にいる時間
が増えれば、いつか先生にも判ってもらえると思ってました。私が何でこうして、毎週のよう
に部屋にやってくるのか。どうしてチクビをうちに引き取らないで、先生の家に預けたままに
しておくのか。気付いてもらえると思ってた、なのに!!」
 ひとはの声が、一段跳ね上がった。
「なのに宮下さんが、チクビを持って行っちゃうから!! せっかく私が見つけた場所なのに、
せっかくチクビを言い訳にして、一緒にいられるようになったのに、チクビを私から奪うから!!
このままじゃ……このままじゃ、先生の部屋に来られなくなっちゃう……」
 後は声にならず、ひとはは顔を覆ってしゃくり上げた。
 静かな部屋に、少女の嗚咽だけが響く。窓の外から聞こえる鳥の鳴き声が、ひどく遠い。
 透明な世界の中で、矢部はしばし、自分の心を確認する。
「……ねぇ、ひとはちゃん」
「…………」
 泣いたままの少女の肩に、優しく手を掛け。
「今まで気付いてあげられなくてごめん。けどボクは、みんなが言うように大した人間じゃな
いからさ。童貞だし、足が臭いし、それに色々、欠点はあるし……」
 自分で言っていて落ち込みそうになるが、ひとはは何も言わなかった。いつもなら確実に「知
ってますよ」と混ぜ返してくるはずの少女が。
「だから、ひとはちゃんがボクと会いに来てくれているなんて、考えてもいなかったんだ。…
…ううん、ちょっと違うかな。考えたことはあるけど、自分でも信じられなかった。ひとはち
ゃんは学校でもチクビと仲良しだし、ボクのことなんてぜんぜん気にしてもいないんだろうっ
てさ」
「違います……そんなの、ぜんぜん……」
 感極まったように泣きじゃくると、ひとはは矢部に抱きついた。少女の体温どころか、骨格
が感じられるほどに密着し、ひとはは矢部の腕の中、涙に濡れた瞳で見上げる。そして嗚咽に
震える声で、

「私っ、私、本当は先生のことが──」

26チクビのいない日(12):2010/10/29(金) 19:15:04 ID:a9nEWHMo

 ぴんぽーん。

『おーい矢部っち、いるかーっ!?』
「へ……」
 矢部は思わず、ひとはの肩をつかんでいた手を離した。玄関を見ると、どんどんどん、とド
アをノックする音が鬱陶しく響いていた。
『三女、そこにいるんだろ? チクビ、連れてきてやったぞー』
「は、はは……宮下さんだね」
 矢部は思わず乾いた笑いを漏らす。ちょっと視線を戻すと、涙目の少女が般若のような形相
でドアを睨み付けていた。
「……………………ぐすっ……!!」
「ちょ、ちょっとちょっとひとはちゃん!! あんまり睨み付けちゃダメだよ!! 宮下さんだっ
て、その、親切で連れてきてくれたんだから!!」
「……………………ぐすん……」
 ぴんぽーん、ぴんぽーん。
『おーい、どうしたー。早く開けてくれよ、矢部っち』
「ちょっと、あ、開けてくるね。ひとはちゃんはその間に、顔を洗っておいで」
「……っ!、ぐすっ、は、はいっ……」
 ひとはは素直に立ち上がって、洗面所に向かう。
 矢部は彼女がドアの向こうに消えたのを確認してから、、玄関の鍵をあけて宮下を出迎えた。
「いらっしゃい、宮下さん。チクビ、連れてきてくれたんだ」
「ああ。三女の家に行ったら、ここに来ているって言うからな。しょうがないから連れてきて
やったんだ!!」
「あ、そうなんだ、ご苦労様……」
 「どやどや、たいしたもんやろ」とばかりに得意げな顔を浮かべる宮下。それを見た矢部は、
ひとはがこの少女にたいしてひどく冷淡な態度を取る理由が判る気がした。
 いっぽう宮下が手に提げたケージの中では、チクビがじたばたと跳ね回っていて、
「ちーっ!!」(やった、三女さんの匂いだ!!)
「はは……チクビも、ひとはちゃんに会いたくて仕方がなかったみたいだね。まぁ、とにかく
上がって」
「おじゃましまーす。あれ、三女は? でかけてるのか?」
「ひとはちゃんなら、いまちょっとお手洗いに」
 言った途端、ちょうどいいタイミングでトイレを流す音が聞こえた。続けて、先ほどの涙の
あとも残さずにひとはが出てくる。彼女の目は宮下──を見事にスルーして、その手に下げた
ケージに釘付けになり、
「あ……チクビ!!」
「ちーっ!!」(ひとはさぁんっ!!)
 まるで昆虫の親子が再会する某アニメの最終回のように、ひとははチクビのケージに駆けよ
った。ひったくるように宮下の手からケージを奪い取り、
「チクビ、大丈夫だった?」
「チ、チー!!」(お腹すいたよ。この人ぜんぜんご飯くれないんだもの)
「かわいそうに……ちょっと待ってて、いま用意してあげるから」
 ひとははすぐに部屋の奥に抱えていって、チクビのために餌を用意してやる。矢部と宮下は
廊下に残されたまま、ぽかんとした表情でそれを見送った。
27チクビのいない日(13):2010/10/29(金) 19:16:02 ID:a9nEWHMo
「えーと……宮下さん、餌、あげた?」
「あ、その……何をあげればいいか判らなかったから、その」
「ちょっとダメだよ、ちゃんと餌をあげないと……判らないなら判らないで、事前に相談して
ちょうだいよね」
「いや、さ、三女がうちに来たら教わろうと思ってたんだけど」
「……宮下さん」
 矢部はわざと深い溜息をついて、口調に苛立ちをこめる。
「困るよ、ちゃんと世話してくれないと。君から言い出したことなんだから、ちゃんと責任を
持ってお世話して欲しいな」
「う……ご、ごめん」
「こんな様子じゃ、宮下さんに預けるわけにはいかないかなぁ。やっぱり、来週以降チクビは
ボクが預かることにするよ。いいね?」
「そ、それは……」
 宮下は口ごもった。半分は矢部の演技だったが、苛立ちを押しひそめて静かに説き伏せる口調は、後ろめたいところのある人間にとって反抗しづらいものがある。
「とりあえず今日は帰ってもらえるかな? ひとはちゃんも、チクビがいなくて寂しかったみ
たいで、しばらく二人きりで遊びたいだろうから」
「あ、ああ。じゃ、じゃあな……」
 宮下はのろのろと靴を履き、夢遊病者のような足取りで部屋を出て行った。
 アパートの外階段を下りる足音が完全に聞こえなくなったのを確認して、ようやく矢部は一
息つく。振り向くと、定位置のベッドに座ったひとはがチクビを手のひらに載せ、矢部を見つ
めていた。
28チクビのいない日(14):2010/10/29(金) 19:17:17 ID:a9nEWHMo
 彼女は少し赤い顔で、
「お疲れ様です。それと……あ、ありがとうございます」
「どういたしまして。ボクもひとはちゃんと一緒にいたいからね、このくらいはしないと」
「……………………」
 ひとははチクビに餌をやりながら、それでもちょっと不満そうに唇をとがらせて、
「でも……せっかく言おうと思ってたことを、宮永さんのせいで言いそびれました」
「あ、はは……けど、焦ることはないよ。まだまだいくらでも、時間はあるんだから」
「そういう問題じゃありません。せっかく……せっかく先生に、気持ちを伝える覚悟ができて
いたのに……」
「はは……嬉しいよ、ひとはちゃん」
 矢部はひとはの隣に座り、結局いつも通りの光景に戻る。しかし互いの距離は、この一日で
大きく近づいていた。
「本当に、焦ることはないよ。ひとはちゃんはまだ、小学生なんだから。」
「焦りますよ。卒業したら、平日は先生に会えなくなっちゃいますから」
「また週末に、会いに来ればいいじゃない。どうせボクなんかいつまで経っても週末は暇なん
だから、いくらでも会えるよ」
 自嘲すると、ひとははすんと鼻を鳴らし、
「……胸を張って言うことじゃありません。先生はいい人なんですから、もうちょっと欲張っ
ても良いと思います」
「ボクは欲張りだよ。ひとはちゃんに、これからもずっとうちに来てもらいたいと思っている
くらいなんだからさ」
「あ…………」
 何気ない口調でささやかれた一言。
 しかしひとはは真っ赤になる。何故って、それはまるで──
「しょ、小学生に、プ、プロポーズするなんて……どれだけ変態なんですか」
「え……? え? あ、ごめん!! 別にそういうつもりはなかったんだけど!!」
「…………なんだ、なかったんですか」
 またも暗いオーラを発散し、ずーんと落ち込む。
 難しい年頃だなぁと思っていると、
「けど、嬉しいです。その言葉、信じますよ」
「うん」
 矢部はしっかりと、うなずいた。
29チクビのいない日(14):2010/10/29(金) 19:18:36 ID:a9nEWHMo

  * * *

 あけて月曜の放課後。
「三女!!」
「……なに、緒方さん」(なんだろう、またろくでもないことに……)
「お兄ちゃんから聞いたんだけど、あんた、いつから矢部っちの妹になったのよ?」
「え……? な、なんのこと?」
「とぼけたって無駄よ。昨日お兄ちゃんが、若い小学校の先生が愛梨くらいの妹と一緒に歩い
てたんだ、だから今度お兄ちゃんと一緒に歩こうねってうるさくてさー。……お兄ちゃんの言
ってた矢部ひとはって、どう考えてもあんたでしょ?」
「ち、違うよ!! 人違いだよ!!」(もしかして昨日の警官って……)
 緒方の追及と、背後の二人から向けられる視線にたじろぐひとは。さらに外野から、
「なに? 矢部ひとはって……まさか三女さん、矢部っちと結婚したの? おめでとう!!」
「よ、吉岡さんまで」
「へぇー、そうなの。よかったわね、三女」
「おお、三女さん、おめでとう!! よーし、これから三女さんのことは、矢部ひとはさんって
呼ぼうぜ!!」
「あ…………う」
 吉岡や杉崎、千葉からもエールを送られ、ひとはの顔が真っ赤になる。緒方と加藤は話の流
れについていけず戸惑っていたが、伊藤嬢が何かをささやくと納得した様子で笑顔になった。
「なるほどね、そういうこと。三女も隅に置けないわね」
「いいなぁ、三女さん。私も佐藤くんと……」
(っふふ、三女さんの弱味、にぎっちゃった♪)
 教室は祝福ムードに包まれ、ひとはが真っ赤になる中「矢部ひとはさんおめでとう!!」コー
ルが巻き起こり──

「お、おいちょっとみんな!! 三女が困ってるだろ!! やめてやれよ、そういういじめみたい
なことは!!」

(余計なことを……)
(宮下は空気を読まない)
 まわり中──それこそひとは自身からさえ、冷たい目を向けられる宮下だった。
                    (おしまい)
30名無しさん@ピンキー:2010/10/29(金) 19:28:09 ID:a9nEWHMo
改行とかタイトルとか、気をつけていても間違えてしまいますorz
相変わらずオナニー文で恥ずかしい限りですが、ご寛恕のほどを。

さすがに矢部ひとオンリーに倦怠してきたので、お許しいただければ
松岡さんあたりを絡めたSSを投下しようと思います。ではでは。
31名無しさん@ピンキー:2010/10/29(金) 20:16:46 ID:x5N7eihg
乙。ニヤニヤしながら読んだわw
露骨なひとはマジ可愛い。やっぱ皆も生暖かくなるよね!

あと、お許しも何も好きなもの書けばいいじゃない。
俺なんて矢部ひと厨のくせに色んな妄想をry
32名無しさん@ピンキー:2010/10/29(金) 21:07:19 ID:22vJbfvl
乙 おもしろく、描写も細かくてすばらしい力作でした
次回の矢部ひと+さっちゃん? 楽しみです
33名無しさん@ピンキー:2010/10/29(金) 23:09:56 ID:dFbmyqmi
>>30
乙です。やはりひとはは皮肉を交えながら、矢部っちとやり取りするのが理想ですね。

流れに乗って(?)私もひとはイチャコラもの(の、ようなもの)を。

ちなみに千葉氏は詰まったのでお休み。後、前回オリキャラの名前を入れ忘れました。
脳内で「鷲宮」と入れておいてください。(適当に埼玉県の地名より)
34ももいろスイーツ1:2010/10/29(金) 23:11:29 ID:dFbmyqmi
「しっかし、4人そろっての買い物は久しぶりだな!」
チーム杉崎。3組の頃はそんな名前で呼ばれてた(あれ?誰が呼んでたっけ?)あたし達も、
高校は別々になったせいか、全員が集まれる機会はさすがに減ってきた。
いや、まぁ、高校生にもなって、相変わらず女だけでしか集まれない状況というのは多少悲しくはあるが…
「そうね。特に吉岡の進学校は、特別授業なんかで休みの日まで授業があったりするもんね」
「うーん。勉強も嫌いじゃないんだけど、さすがにあんなにあると嫌になっちゃうかなぁ…」
「まぁまぁ、ゆきちゃんも今日は嫌なことは忘れて、パーッといこうよ!」

…女三人寄ればかしましい、だっけ?近況、おしゃれ、恋愛と、次々に話題を変えつつ、
途切れることなくおしゃべりが続いていく。
うん。いいよな、こういうの。
「?どうしたの?宮ちゃん。なんだかご機嫌だね」
「あぁ…、やっぱ友情っていいなぁ、ってさ!!」
あれ?おしゃべりが途切れたぞ?あたし何か変なこと言ったか?

今日は電車で市街まで来てる。他県で話題になってるドーナツショップがこっちにも出来たんだ。
ただ、話題になりすぎてて、普通に行ったんじゃ2時間待ちとかスゴイ事になってるらしい。
そこで、ブルジョア杉崎の出番。杉崎パパの手配一つで、特別ルームでゆっくり味わえる、って訳だ。
普段はなかなかここまで来る時間を空けられない吉岡も、今日のために猛努力して、久々に全員集合となったわけだ。

「うわぁ、楽しみー。昨日は記事を読んでてなかなか眠れなかったよ。杉ちゃん、本当にありがとう!」
「吉岡、スイーツ好きだもんね。まぁ、パパがあの店のオーナーと友達でね。みんな感謝しなさい」
…昔から思ってたが、お前のパパは何の仕事をしてるんだ?
35ももいろスイーツ2:2010/10/29(金) 23:12:35 ID:dFbmyqmi
と、まぁ、そんな感じで市街途中の広場を通り抜けようとしたときだ。
「あれ?あれって三女さんじゃない?」
松岡が声を上げた。
「んー?どれだぁ?」
休日の広場は多くのカップルや待ち合わせの人たちでごった返してる。ぱっと見渡してじゃ分からない…
「もー!宮ちゃん!三女さんの強力な霊的オーラが感じられないなんて、どうかしてるよ!」
お前に言われたくないよ!…あ、分かった。確かに、あの黒髪は三女だ。
「お、本当だ三女だ。それに…何か、知らない男に手を取られて…って!」
変な男にナンパされて、嫌がってる…!
思うや否や、あたしはダッシュ。男と三女の間に身体を割り込ませる。

「あたしの連れに、何の用だよ!」格好良く啖呵を切るあたし!
「宮野さん!」
「宮下だよ!!」余裕だな、オイ!
まぁいい!今回はあたしメイン!!活躍シーンに見惚れろ、三女!!!
36ももいろスイーツ3:2010/10/29(金) 23:14:02 ID:dFbmyqmi
「ありがとう、助かったよ。杉ちゃん、ゆきちゃん、さっちゃん、宮城さん」
「おぉい!!あたしの活躍はカットかよ!しかも何であたしだけ呼び方が違うんだよ!さらに最後かよ!あと、宮下だよ!!!」
「誰に言ってんの?宮下。大体、ナンパ男を追い払うのに活躍したのは松岡でしょ」
いや、確かに(いろいろな意味で)スゴかったのは松岡だよ!?一番活躍してたさ!!
男が明らかにドン引きしてどっか行った事を『追い払った』と言うべきかどうかは別にして…。
「でも、あたしも頑張ったじゃん!ちょっとは見せ場をくれよ!!」ウワァウワァ
「まぁまぁ、宮ちゃん」
「でも、三女。あんたがこんな所でウロウロしてれば、ああなって当然よ?分かってないわけじゃないでしょ?
どうせさっきのだって、本日一号ってわけじゃないんだろうし」
杉崎の台詞につられて、あらためて三女を見てみる。
淡い青を基調としたワンピースから伸びる白い手足。三女の特徴でもある艶やかな黒髪。
付き合い出してから、常時まとうようになったキラキラオーラ(昔は風邪の時しかまとってなかった)。
しかも、今日は薄化粧をしてるのか?濡れた唇が、三女のしっとりした雰囲気をさらに引き立ててる…。
ゴクッ。…っは!いやいや、あたしにそんな趣味はないぞ!杉崎じゃあるまいし!

ゴホン。まぁ、ともかく、だ。今の三女は同性のあたしから見ても魅力的…どころか完璧な美少女だ。
こんな人通りが多い所でウロウロしてたら、さっきみたいな男がホイホイ寄って来るのは当たり前だろう。
「…うん…。でも、今日は先生とここで待ち合わせだから…」
「なるほど、珍しく化粧をしてるのはそういうことか。三女もやっぱ乙女だなぁ」アレ?みんなの視線が白いぞ?

「ま、まぁ、あれだ。それならそれで、かくれんぼの時みたいに、必要な時以外は消えちまえばいいじゃないか」
「…うん。そうなんだけど、最近上手くいかないんだよ」
「……それって、付き合いだしてから?」
「………うん」モニョモニョ
「なるほどね」コソ
「?どういうことだ?」
「多分、三女の存在感を消す能力を、三女自身のキラキラが打ち消してしまっているのよ。
なんていうか、隠ぺい力の上限を超えてしまってるっていうか…」コソコソ
「納得」コソコソ
そりゃ、こんだけ粒子を振りまいてりゃ、隠れるどころじゃないよな。
37ももいろスイーツ4:2010/10/29(金) 23:14:57 ID:dFbmyqmi
「それじゃ、天才美少女霊媒師らしく、霊的オーラで撃退しちゃえばいいのよ!三女さん!!」
…呪いのオーラの事か?まぁ、あれなら大抵のヤツは逃げてくし、それもアリかな。
「それも上手くいかない…」
えぇ!?
「それじゃ、世界の平和は誰が守るって言うの!?」
松岡は放っといて、それはさすがに重傷だな。
確かに、まさに今、三女は困った顔をしている。オーラは感情に左右されるから、普通なら黒いものが滲み出してくるはずだ。
「うーん、なんでだろうなぁ」
感情に左右されるはずなのに、キラキラが消えない…。いや、逆か?今の感情の影響を受けてるのにキラキラしてるってことか?
…?……!つまり今、三女は『表面上は困ってるけど、付き合いだして幸せ!なのがはるかに上回ってる』状態ってこと!?

………それに比べて、女四人でスイーツ巡りなあたしらって……。

ふと杉崎を見ると、同じ結論に至ったのかげんなりした表情をしている。
「ま、まぁ、その対策は後々考えましょ。当面の問題は待ち合わせ相手の矢部っちよ」
上手く話題を変えたな。
「…で、その矢部っちは?」
「待ち合わせの時間から40分くらい遅れてて…」
「……携帯は?」
「…私、持ってないんだ」
………あんの、ヘタレ童貞!!いや、もう童貞じゃないのは杉崎から聞いてるけど…。ゴニョゴニョ。
「ったく!信じらんないわね!あのヘタレオタク!こんなに可愛い娘を待たせるなんて、本当にどうかしてるわ!!」
あたしら4人の心を代表して口にする杉崎。
「いいんだよ、杉ちゃん。きっと何か理由があるんだよ。駅で迷子の子供を見つけたとか」
「あのなぁ、三女、優しすぎ!んなベタな事あるわけ「おーい!ひとはちゃん!!ごめん!駅で迷子の子が居てさぁ!」
……もう、何も言いたくない。
まぁ、お邪魔しちゃ悪いし、そもそもあたしらも別の目的があったわけだし、ちょっと挨拶しておとなしく消えるか。
38ももいろスイーツ5:2010/10/29(金) 23:17:29 ID:dFbmyqmi
「あっ、せんせ「「「ふざけんなー!!!!!!」」」」松岡、杉崎、あたしの声がハモる。

「矢部っち!こんなに可愛い三女さんとデートなのに、そのヨレヨレのジャンパーは何!?ていうか、コーディネートって知ってる!?」
「ていうか、携帯くらいあんたが買ってあげなさいよ!唯一、三女に勝っているところなんだから、ちょっとは甲斐性見せなさい!!」
「そもそもこんなとこで待ち合わせんなよ!自分の立場も考えれば、矢部っち持ちで喫茶店にするとかあっただろ!」
さすがの吉岡も、矢部っちのあんまりな姿にあんぐり口をあけて絶句してる。
「えぇええ!?みんな久しぶりに会ったのに、いきなりそんムグゥ

矢部っちの台詞は最後まで続かなかった。
なんでかって?口をふさがれたからだよ。
なにでかって?三女の唇でだよ。



あたしらだけじゃなく、まわりの人もギョっとして二人を見てる。
そりゃそうだ。こんな明らかに不釣合いの二人が、しかも可愛い娘の方から突然抱きついてキスしてるんだ。
しかも、三女は矢部っちをしっかり抱きしめてるのに、矢部っちはどこに手を置いていいのか分から無いみたいで、
阿波踊りみたいな変な動きをしている。
あぁ、相変わらずのヘタレなんだなぁ。変わってないなぁ。なつかしいなぁ。とか、妙なとこだけ冷静に観察できた。


たっぷり二分経過してから、やっと三女が口を離した。二人に口に掛かる銀色の橋が、なんていうか、
っていうか自分を騙し切れない!モロにエロイよ!これ!

うっすら上気した頬、潤んだ瞳。周りのすべてが三女の次の行動に注目している。
…ゴクッ


「…先生。今日は私とデ、デートなんです。あんまり他の女の子としゃべらないで下さい。
そんなのだから、いつまでたっても私以外に相手にされないんです」
39ももいろスイーツ6:2010/10/29(金) 23:18:32 ID:dFbmyqmi















っは!あたし、立ったまま気を失ってたのか!?
40ももいろスイーツ7:2010/10/29(金) 23:20:51 ID:dFbmyqmi
何があったんだっけ…?何か見てはいけないものを見てしまった気が…。
うぅ…。それにこの胸焼けはいったい…?
まるで、ウルトラジャンボパフェにガムシロップと練乳をたっぷりかけたものを、無理矢理3人前食べさせられたかのような…。
いや、もちろんそんなもの食べた事ないけどさ…。
「…宮ちゃんも気が付いた…?」
さすが吉岡(?)。あたしより先に覚醒していたらしい。しかし、顔色の悪さは隠しきれないようだ。
「もう、今日は、ドーナツは無理かも…」
「あたしも…」
「…うん。あたしもだよ…」松岡も覚醒したらしい。
「しかたない、杉崎が目を覚ましたら、適当に服でも見て帰るか…」
ドサ
?ドサ?
「あぁ!杉ちゃん!しっかりして!」
「うぅ…吉岡…?お願い、お墓には引き出し二段目のHDを一緒に入れて…。
あれには、人に見られちゃマズ…大切なものが詰まっているの…」
「ゆきちゃん、落ち着いて!宮ちゃん!早くコーヒーを!ブラックで!!」
「くそっ!待ってろ杉崎!もう少しの辛抱だからな!!」

…とりあえず、三女の惚気を引き出す会話は絶対に振るまい、と心に誓った。


<おわり>
41名無しさん@ピンキー:2010/10/29(金) 23:26:50 ID:dFbmyqmi
以上です。
ちょっと改行のコツがわかってきたかな?
しかし、宮野さんのウザさが上手く出せない…。
個人的にメタネタはあまり好きではないんですが、今回はウワァウワァを言わせるためと、
話を短くするために利用しました。
一旦途中まで松岡がお経を唱え、御札を出すことで男がドン引き…
な展開を書いたんですが、正直面倒になった…。

ちなみに私は埼玉に行った事が無いので、その辺りの事情は適当です。ご了承を。

後、「こんなの三女さんじゃない!」なご意見は随時募集中です。
このシリーズでは、一旦ゴールしちゃってるんで、距離感が難しいんですよねぇ。
42名無しさん@ピンキー:2010/10/29(金) 23:32:02 ID:rJvTQLx1
矢部ひとss2連発作者さんたち乙々

急激に矢部ひと分摂取したせいで日付変わる前に俺死ぬかもしれない
43名無しさん@ピンキー:2010/10/29(金) 23:37:46 ID:a9nEWHMo
乙です。Niyaniyaが止まらない、といった感じでした。
三女さんが幸せオーラでまくりなのがたまりませんけど、独占欲が強くて
一歩踏み外したらヤンデレ化しそうな感じもしますね。ヤンデレ三女……悪くないかも。

「先生駄目ですよ栗山っちのアドレスなんて登録したら。
女の人のアドレスは全部消しておきましたからね、くすくすくす……」
44名無しさん@ピンキー:2010/10/30(土) 12:45:49 ID:+j3lTqxg
あああ、また忘れてた!
一応、今回の宮川さんネタは前スレ643様のリクエストに応えたつもりです。
ご期待に応えられていれば幸いです。

後、タイトルは前回、ぜんぜん上手いことを言ってなかったので、
みつどもえらしく、4コマ「ももいろスウィーティー」より、のつもり。
…って、自分で言う情けない私…

>>43
感想ありがとうございます。独占欲が強いのは、意識してやってました。
現状のひとはは、実は地雷気味になりつつある設定です。
この辺、終着点みたいな話を書かせていただくかもしれません。
45名無しさん@ピンキー:2010/10/30(土) 12:47:39 ID:+j3lTqxg
と、いまさら思ったんですが、タイトルは
「ももいろスウィーツ」にすればよかった…
毎回句読点わすれや誤字が多いし、迂闊すぎ…
46名無しさん@ピンキー:2010/10/31(日) 01:04:30 ID:Y+VZZmK0
連投です。
予定が色々変わったんで、とりあえず書き上げました。
なんだか書いてる内に初期の構想とは全然違う内容に…。なんだこれ?
47千葉氏の心裏12:2010/10/31(日) 01:05:43 ID:Y+VZZmK0
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

「もしもあの時」って思った事がないわけじゃない。
でも、それは『無駄』以前に『違う』って事を分かってるんだ。



「でさ、佐藤のやつ、後ろから来たふたばのおっかけとか、取材の人たちの集団に踏まれちまってよー」
「あー、聞いた聞いた。その後、救急車で運ばれたんだろ?さすがに病院送りは、ちょーーっと気の毒だなぁ」
「いや、その傷も結構ひどかったんだが、その後戻ってきたふたばに全力で抱きしめられてよ。
んで、骨がイったのと、窒息でとどめを刺された」
「窒息!?ちょっ!教授!!それはつまり、ふたば胸部に位置する凶悪なアレでですか!?」
「うんむ。まぁ、そういうわけだから、いつも通り同情は無用じゃよ」
「ま、そうだなぁ。国民的アイドル選手様のムネで昇天できたんだから、奴も本望だったろうし」
「わはは。まだ死んでねーって」

元3のメンバーは、高校がバラバラになっても何かと集まる機会が多い。
ま、そりゃそうだろう。あんなに密度の濃い…まるで何年もを圧縮したような一年だったんだ。
自然、縁も太くなるわな。
男子で集まった時によく話題になるのは、佐藤ネタだ。
あいつ、年を経る毎に不幸体質が強まってるんだよなー。
まぁ、それを差し引きプラスにするかのように、ラッキートラブルの度合いも上がってるんだが、だんだん身体が保たなくなって来てる気もする。
まぁ、所詮他人事ならぬイケメン事。
端で見てる俺らにとっては、定期的にネタを提供してくれるオモシロキャラである。
一応、最後のところではちゃんとフォローしてやってるしな、一応!

そして、他にもよく上る話題がある。

「しっかし、ふたばのムネで窒息かぁ…。苦しいんだろうけど、一度は体験してみたい漢の夢!ってやつだなー」
「俺はあのムネに挟んでもらえるんだったら、そのままイっても本望だぜ!」
「ぎゃはは!お前、ナニを挟んでもらうつもりなんだよ!!」

三つ子を対象とした猥談だ。

そりゃ、褒められた事じゃないんだろうが、俺達も健全な男子高校生だ。
さっきも言った通り、元3組のメンバーはちょくちょく小さな集まりを持つし、街で出会ったときも声を掛け合う気さくさがある。
しかもそれは男子・女子に関係無く、だ。
んで、自然、綺麗になった女子に対するアレやコレが溜まってきちまう、ってわけだ。
いや、不思議な事に、目の前に相手がいる時はガキの時みてーに何も気にせず振舞えるんだが、
後でその時の事を思い返すとこう、悶々としたモンがこみ上げて来るっつーか。
元3の女子は(認めるのはシャクだが)みんなレベルが高ぇ。でも、やっぱその中でも三つ子は頭一つ抜けてると思う。
だからこういう話題になるのは、大宇宙の真理に等しい、当然の流れってやつなんだよ…。わかってくれるか?同士諸君!
48千葉氏の心裏13:2010/10/31(日) 01:06:37 ID:Y+VZZmK0
「お前ら、夢見すぎ。ふたばに変な事してみろ、おっかけの連中に何されるかわかったもんじゃねーぞ」
「わぁってるよ!アレに比べりゃ、緒方達もかわいく見えるくらいだしな。
でも、やっぱ夢はどこまでも追い続けるべきでしょーが!そうだろ?我等がエロ師匠!!」
「まぁなぁ。けど、今のふたばは結構ガード堅くなっちまってるしなぁ」
佐藤以外に対しては、な。
「そうそう。TV局の連中も余計な事してくれるぜ!その点、長女は今も妙なとこで無防備なんだよなぁ。
こないだアイツのバイト先で見かけたんだが、遅刻ギリギリで入ったのか、スカートをパンツの裾に挟んでてよー」
「マジでっ!?んで、柄は?」
「もち、犬さんパンツ!
あいつ、ケツでけーのに無理して子供パンツはいてるから、食い込みがすごい事になっててよ。いや、三日は使えました」
「うぉー!!」
相変わらず、アホな奴だ…。

「んで、こないだ駅前の本屋で三女を見かけたんだけどよー」

「いやー、いつ見てもすっげー美人だよなぁ。
いや、あいつらそれぞれ方向性は違うけどさ、それでもやっぱ三女が一番だよな」
「そりゃ、赤羽が三女派だからなだけだろ?ルックスはそうかもだけど、うっすいムネが惜しいよなー」
「ばっか!あのコンパクトさがいいんじゃねーか!しかもあんだけ身体が小さいっつー事はですよ?
アレもすっげーキツイってことじゃないですか!実用性重視なんだよ、俺は!」
「うおぉい!とんでもない変態がココいるぞ!!」


そして、話題はもう一つ。
「でも、あの三女があんな美人で一途なキャラになるとはなぁ…」
「あぁー!なんで先にお友達になっておかなかったんだろう!」
「そうそ。特に5年のとき、谷川先生から明らかにハブられてたじゃん。あの時優しくしとけば、絶対いけたって!」
「あ!それ、俺も考えてた!」
そう。『いつのタイミングで接しとけば、三女さんを落とせたか?』だ。

………。分かってる。この話題になると俺は不機嫌になる。だって、三女さんを一番馬鹿にしてる話題だ。
でも、元3メンバーに限っては、この話題を許してる。
だってよ…。

「「「まぁ、俺らじゃ『いつ』優しくしてても無理だったんだろうけどよ〜」」」
みんな、本音のところじゃ分かってる。どんな選択肢を選んでも、今の結果以外ありえなかった事を。
みんな、その程度には自分と、あの娘と、あの一年間の事を分かってる。

ちょっとした夢を見るくらい、誰にだって権利はあるだろ?
49千葉氏の心裏14:2010/10/31(日) 01:08:25 ID:Y+VZZmK0
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

「んじゃーな、千葉!」
「おう!またなー!」
日も沈んで暗くなった頃、本日の会談は終了と相成った。
さぁーって、帰ってメシ食って寝るかぁ。でも、明後日追試なんだよなぁ…。
くそ、これも分かってた事とは言え、やっぱ俺の頭じゃレベルに追いつけねぇ〜。

ポツ ポツ

「うん?」

ザー

「うぉあ!」
ほほに水滴があたった、と思ったらすぐに土砂降りの雨が襲ってきた。
くそ!今日、雨の予報なんて出てたかぁ!?
「だー!!くそ、この辺はコンビニもねぇんだよな!」
しかたねぇ、この降り方なら通り雨だろうし、そこの軒先でちょっと雨宿りしていくか。

バシャバシャ

「…ふぅ」
結構濡れちまったが、身体が冷えるほどじゃねぇ。ま、しばらく様子見といきますか。

「ちょっとそこの!邪魔よ邪魔!!あたしのスペースを空けなさいっ!このあたしが風邪なんて引いたら、国家の損失よ!?」
ジャバジャバジャバジャバ
トラックみてーな盛大な効果音と共に聞こえてきたこの声は…
50千葉氏の心裏15:2010/10/31(日) 01:09:15 ID:Y+VZZmK0
「あぁ!?長女かぁ!?」
「あら、千葉ぁ!?ちょうどいいわ。あんたは濡れてもいいんだから、もっとそっちに寄りなさい!」
「何でだよ!!後から来たてめーが遠慮して端に寄るべきだろーが!!」
「うっさいわね!あんたの体温の1℃と私の1℃じゃ重みが違うのよ!!ほら、私の荷物が濡れちゃうでしょ!?シッシッ!」
…相変わらず訳のわからん理屈を…。
前に、『三つ子はみんな変わって来てる』と言ったが、こいつだけは例外だ!相変わらずうるさくて!わがままで!!

ったく…。

「何だよ、そのでかい袋?」
「見てわかんないの?相変わらずアホねぇ。スーパーで買った食材よ。バイトの終わりと特売時間が重なるから、
いつもひとはに頼まれてんのよ!」
…。
「あー、そっか。そりゃ、濡らしちゃまずいな」
「そうよ!ウチの家計じゃ、クッキーの一箱も無駄にする訳にいかないんだから!」
……。
「ふたばのおかげで、余裕も出来たんだろ?写真集、結構売れてるって聞いたし」
「ま、ね。でも、それと無駄遣いしていいかって事は別よ。
それに、ひとはの今後を考えれば、お金はできるだけ貯めておいてあげたほうがいいし。
ま、お気楽に生きてるアホのあんたにはわかんない、大人の深い思慮ってヤツよ」
「さっきから聞いてりゃ、誰がアホだ!誰が!!つーか、高校のレベル差くらい、お前にも分かってるだろーが!」
「っぐ!う、うっさいわね!私だって、あの頃もうちょっと本気を出してれば、楽勝で行けたわよ!
大体、ひとはから聞いたわよ!あんた、赤点と補修の常連なんだって?うっわー、だっさー。無理して背伸びするからぁ!」
「んぐっ!うっせーよ!それでも俺の方が、レベルが高ぇ事実は変わんねーんだよ!
そう言うのをな、『負け犬の遠吠え』っつーんだよ!良かったな、勉強になって!!」
「な、なんですって〜!!」

パラ パラ

「…あら?雨脚、弱まってきたわね。…ん。これなら行けそう。
アホといつまでも時間つぶしててもしょうが無いし、ダッシュで帰りますか!」
「…まだ、結構強いぜ。もうちょっとここで雨宿りしてったらどうだ?」
「走ってるうちに段々止んで来るわよ。それに、あんまり遅くなるとみんなも心配するし」
「…そっか」

ジャバジャバ

「あっ!そうだー!!」ちょっと言ったところで、長女が振り返って声を上げる。
「あんだよー!」こっちも叫び返す。
「ひとはの事、いろいろフォローしてくれてありがとー!あの子、人見知りだしさー!
一応、お礼言っとくわー!一応だからねー!」

…なんだよ、くそ。
こいつだけは、本当に変わってない。…相変わらず、誰よりも家族想いで。

「後、肩濡らしてくれた事!まぁ!これも一応、お礼言っておいて上げるー!
本当に一応だからねー!!勘違いしないでよねー!!!」
ジャバジャバジャバジャバ

……屋根から外れたとこまで寄ってたの、バレてたか…。あぁもう、くそっ!!何もかも上手くいかねぇな!!
「あー!へいへい!わーった、わーったよ!とっとと帰れー!!」

…。

まぁ、ちょっとは、素直になった、かな?
51千葉氏の心裏16:2010/10/31(日) 01:10:15 ID:Y+VZZmK0
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


三女さんの白雪のような肌。小さいけど形の整ったムネ。俺なんかが触ったら、解けてしまいそうで。
でも、欲望には勝てず、おそるおそる触れてしまう。
フカ
ちょうど手のひらに収まるサイズ。でも、それは手のひらで余すところ無く感触を味わえるって事で。
俺は、その柔らかさと、同じ人間とは思えないすべすべの肌触りに感動すら覚えた。
『…んぅっ。はぁっ…。ゴメンね、おっぱい、小さくて…』
‘ん、んな事ないっすよ!’
『…うそ。昔、やっぱD〜Fだ、って言ってた…』ムー
‘あ!あれは、俺がガキだったからで!!そ、そうっ!エロスの奥深さを理解してないっつーか、その、えぇっと!’
『…プッ。あはは』
‘あ、あははははぁ…’
『ん。いいよ。じゃあ、態度で示して』
三女さんはそう言って、笑みを浮かべ、自分の手を俺の手に重ねてもっと押し付ける。
『はっあぁ…。いいよ…、千葉君の好きなように触って?』
許可をもらえたと分かると現金なもので、俺の手が三女さんのムネを思うままに蹂躙する。
この柔らかさの、この肌触りの秘密がどこにあるのか?それを探るかのように、手を動かし、形を変えさせる。
ああ…女の子のムネって、なんでこんなに幸せにさせてくれるんだろう?

「はっ、はっ、はっ、はっ…」

夢中になって触っていると、手のひらにコリッとした感触を覚える。
『んっ』
三女さんの声にびっくりして手を止め、今度はおそるおそる手を除けると、思ったとおり桜色の乳首が主張を始めていた。
『…吸ってみたい?んうぅう!?』
答える暇ももったいない、という勢いでそれを口に含む。
『あぁ、あ、あぁぁ』
舌で転がす毎に、三女さんが蕩ける様な音色を上げる。
俺は新しい遊びを見つけた子供みたいに、また夢中になって舌を動かす。
『ん、ん、んぅぅ…。っクススッ。千葉君、赤ちゃんみたい』
三女さんが、慈愛に満ちた表情で俺を見つめる。その瞳をまともに見てしまい、俺は恥ずかしさで死にそうになる。
でも、だめだ。それから口を離すことが出来ない。

「はっ、はっ、はっ、はっ…」

ほほは上気し、瞳が潤んでくる。
元3でも最上位に位置するルックスを持つ彼女にそんな顔をされると、見ているだけで鼻血が出そうだ。
でも、もっと先を見たくて、俺は手のひらを腹へ、腰へと順に下ろして行く。
あぁ、なんなんだこの手触り!俺の持ってる小さな世界じゃ、これを表現する言葉すら見つからない!!

「はっ、はっ、はっ、はっ…」
52千葉氏の心裏17:2010/10/31(日) 01:10:53 ID:Y+VZZmK0
やがて手は、彼女のソコへ辿り着く。
クチュ...
‘濡れてる…’
『あ、あぁ、うそっ、やめっ』
‘ウソじゃないっスよ。ほら’
そう言って俺は、彼女の前に濡れた指を差し出す。
『〜〜つぅぅうっうぅ』
よほど恥ずかしいのか、顔を真っ赤にして両手で目を覆う。
俺は、初めてイニシアチブを握れた事が嬉しくて、さらに口に出して彼女に伝える。
‘ほら、聞こえるでしょ?くちゅくちゅって。無口な三女さんと違って、こっちは気持ちいいって素直に教えてくれますよ’
『〜〜〜〜〜〜!』
彼女はさらに真っ赤になって、イヤイヤをする。そして俺の挑発に乗ってか、昔みたいな無口に戻る。
俺は、その我慢がどこまで続くのか試したくて、彼女の中に指を差し入れ、その柔らかな壁をゆっくりとなぞる。

「はっ、はっ、はっ、はっ…」

そろそろ、なのか?
彼女の息が絶え絶えになり、シーツもしっとり濡れた頃、俺はゆっくりと指を引き出し、初めて彼女のソコを目にする。
…小さい。
申し訳程度の茂みの下、彼女のソコはさっきまで俺の指を受け入れていたことすら信じられない程小さく、ぴったりと閉じていた。
…そして、それ以上に。
‘綺麗だ…’
『〜〜〜〜〜っっっ!!』
思わず、声が出ていた。
今度は三女さんの反応を楽しむとか、余計な邪念は無くて。本当に、純粋に綺麗だと思った。
これまで見てきたエロ本やビデオ。
モザイクは掛かっていたけど、そこから透けて見える赤黒いそれに、いままで興奮できたことが不思議になるくらいだ。
俺のグロテスクなもので汚すのは、いや、そもそも触れることすら罪に思える。

…でも。

『……は……ら、……ょ』
‘…え?な、何スか?’
消え入りそうな声で彼女がうったえて来る。
『…ひとは、って、呼んでくれるのなら…いいよ?』
…!俺は馬鹿だ。
そうだよ。俺はいつも肝心な事が分かってない。最初に伝えるべき事を伝えてないって、いまさら分かった。

‘…愛してる。ひとは’

そして、俺は彼女の中に入っていく。

っつぐぅ。
ひとはソコは、思った以上に狭くて、痛みすら覚えるほど。でも、同時に俺に焼け付くような快感を与えてくれる。
俺は、ひとはを傷つけないよう、ゆっくりと動き始め――――

「はっ、はっ、はぁっ!」





「……あー、死にてぇ」

いや、マジで。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
53千葉氏の心裏18:2010/10/31(日) 01:12:15 ID:Y+VZZmK0


俺は単純な男なんだと、つくづく思う。



月曜の朝。面倒な一週間の始まりは誰にとっても憂鬱なもんだが、
昨日の夜みたいな愚行を犯した後は、最悪の気分だ。
死にたい気分を背負って、刑務所みてぇな学校へずるずる歩く。

それでも。

「おはよう。千葉君」

「あ、あぁあぁっあ!お、おは、おはようございっスです!三女さん!」
「?どうしたの?」
「い、いやいやいやいや!なんでもないっスよ!いや、マジで!!」
「??」
あー、くそ!久しぶりに訪れた至福の時間だってーのに!!
昨日の罪悪感やら何やらで、顔をあわせるどころかまともに挨拶すら返せない!!矢部っちもびっくりの挙動不審だよ!!
「………。ねぇ、千葉君」
「な、なんっスか!?三女さん!」
「もし何か悩みがあったら、何でも相談してね?」

――へ?

「い、いや。特にそういう事はないっスけど…」
「そう?最近の千葉君、元気が無かったから…。杉ちゃんもそう言ってたし…」
杉崎のヤツも?
「あー、いや、本当に何もないっス。俺はいつも元気っスよ」
たかが、登場人物Aにそこまで気を使ってもらうのは、何だか申し訳ない…。…自分で言ってて余計に死にたくなった…。

「…うん。大丈夫なら良かった。でももし何かあったら、何でも相談してね。だって、私達
54千葉氏の心裏19:2010/10/31(日) 01:14:06 ID:Y+VZZmK0
友達なんだから――

――――――!?

「あーっあ、あの、今、何て…?」
「友達なんだから、何か困った事があったら相談して欲しい。
覚えてる?中3の時。私、千葉君に悩みを聞いてもらえて、すごく気が楽になった。すごく助けられたし、今でも助けられてる。
ううん。私だけじゃない。千葉君にはみっちゃんも、ふたばも、しんちゃんもみんな、みんな助けられてる。
だから、何か困った事があったら、遠慮なく相談して欲しいな」

………。
『でも、お前がやけに親しそうに話してた』
『男子がサシで会うためには、下駄箱に手紙を入れておくしか無いらしい』
『あの子、人見知りだしさー!』

!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「いや!!マジで俺は元気っスよ!!!三女さん!!!!」
「…そ、そう…?うん、何だか突然、本当に元気になったね…」
「いよーーっっし!!今日も一日頑張るかー!おおう!田渕、元気ねーぞどうしたー!!!!」
「ウザっ!何だよ千葉、宮下の霊でも乗り移ったかぁ?」

俺は単純な男なんだと、つくづく思う。

たった一人に友達と呼んでもらえただけで、こんなに晴れやかな気分になるんだから!!


<おわり>
55あとがき:2010/10/31(日) 01:23:32 ID:Y+VZZmK0
えー、何人かの方に期待されていた手前、大変申し訳ないのですが、
意味不明な形で終わってしまいました。おかしいなぁ?どうしてこうなった?

私はラストから逆算して物語を組み立てるので、こんな事はあんまりないんですが、
本当に全然違う形になってしまいました。

初の2ちゃん投稿のため、初期の改行のおかしさは自分でもびっくりします。
という、2ちゃん自体初心者のため、おかしな行為があれば指摘していただければ幸いです。
後、エロシーン(?)も初挑戦だったので、文字通りのお目汚しと思われます。
でも、感想をいただければ本当にうれしいです。

>>12様、>>13
お二人の一言が一番うれしかったです。何分の一かでも、表現したいものが
表現できていたようで、安心しました。

ちなみに、なんだか気になる伏線がちりばめられていますが、そのうち
同世界観でまた何か書かせていただくかもしれません…。
それではまた…。
56名無しさん@ピンキー:2010/10/31(日) 02:16:21 ID:1ot6rvqS


地味に宮城さんをちゃんと本名で呼ぶ田淵に感動した
それ以上に三女さんをガードする元3の面々には泣ける
ついでに言うと元〜ってクラス呼称でGTO思い出した
57名無しさん@ピンキー:2010/10/31(日) 10:10:41 ID:plRVu4Ig
乙です。千葉氏が漢というより乙女っぽくていい感じでした。
ただ気になった点は、三女さんが「誰にでも優しくする」キャラクタとすると、
前作で宮下さんに対して冷淡すぎるように思います。

なんていうとけちをつけてるっぽいですけど、とても楽しく読ませていただきました。
千葉みつの伏線?にも期待。
58名無しさん@ピンキー:2010/10/31(日) 10:14:01 ID:cugBvWX5
さりげなくみっちゃんや杉ちゃんとフラグ立ててるっぽいな、流石千葉氏
59名無しさん@ピンキー:2010/10/31(日) 15:41:19 ID:plRVu4Ig
需要あるのか判りませんが、予告していた矢部ひと松岡SSを投下いたします。

  ・相変わらず自分設定+超時空(190卵生までを前提)
  ・前スレの雨降り+風邪引き添い寝SS前提
  ・無駄に長いのでいったん途中まで。エロは薄め
  ・改行ルールを変更。前のほうがいい、こうしたほうがいい等の意見がありましたらご指南を。
60矢部智の当惑(1):2010/10/31(日) 15:42:20 ID:plRVu4Ig
「さすがに夜のお墓は怖いなぁ……寒気がしてきたよ」

呟きながら、ボクは辺りを見回した。
ここは学校近くにあるお寺の墓地だ。周囲を木々が覆い、街灯の光も届かない墓地は、
お盆のころとはいえ夜の八時を過ぎると真っ暗になる。

「本当に、ここにあの子がいるのかな……」

呟きながら墓地の奥、無縁仏が埋葬されている一角に足を向ける。
昼間でさえ陰鬱な場所は、夜になるといっそう不気味だった。横倒しになった墓石はされこうべみたいだったし、
塚から乱雑につきだした卒塔婆は白骨のように見えて、恐怖に足がすくむ。今にも人魂か幽霊が飛び出してきそうだ。
こんなことなら、懐中電灯でも持ってくれば良かったな。

上尾市内は二週間連続の熱帯夜だけど、この辺りだけは冷気が沈殿しているような気がする。
汗で背中に張り付いたシャツが冷えて、胴震いがでそうなほど寒気がした。

「大丈夫、怖くない、怖くない……」

情け無いことを呟きながらも先に進むと、やっと目的のものが見えてきた。

テント。そして、コンクリートブロックの足の上に鎮座するドラム缶。

うーん、リアル五右衛門風呂ってはじめて見たな。しかもちょうどバスタイムだったのか、
ドラム缶から立ち上る湯気の中に女の子の顔が見える。……もしかして「彼女」だろうか。
近づいていくと、次第に気分良く唄う少女の声が聞こえてきた。

(あくりょ〜たいさん、あくりょ〜たいさん、おんりょーもののけこまったときは……)
61矢部智の当惑(2):2010/10/31(日) 15:42:49 ID:plRVu4Ig
変な歌だ。うん、やっぱりあれは「彼女」で間違いないだろう。
まったく、女の子がこんなところでお風呂に入っているのはどうかと思うな。

けど、どうしよう。とりあえず声をかけてみようか。

「ちょっと、いいかな。そこにいるのは、もしかして松岡さん?」

「あ……誰?」

可憐な顔立ちの少女が、ゆっくりと振り向いた。大きく見開かれた目の中に、黒い瞳が輝く。
彼女は湯気の中、しばらくじっとこちらを見つめていたが、

「も、もしかして、来てくれたの……?」
「へ?」
「ううん、何も言わなくていいわ。来てくれただけで嬉しいんだから」

黒髪の少女は、はかなげに微笑む。

その姿は思わず見とれてしまうほど可愛かったけれど、しかし次の瞬間、ボクは悲鳴を上げた。
少女がドラム缶の中で立ち上がり、水しぶきと湯煙だけをまとった少女の体が、夜闇の中に浮かび上がったからだ。

「初めまして、幽霊さん。その……会いに来てくれて、嬉しいな」
「ちょ、ちょっと待って!!」

タオルで隠しもせずにドラム缶の中から出てくる少女に、ボクは慌てて背中を向けた。
先ほどまぶたの裏に焼き付いた少女の裸体は、小学生にしては発育がいい。ついつい昂奮してしまうほどで、
特に股間のあたりにわずかな茂みを見たときには鼻血が出るかと思ったけど、かろうじて理性を保つ。
62矢部智の当惑(3):2010/10/31(日) 15:43:15 ID:plRVu4Ig
「松岡さん、お願いだから服を着て、服を!!」
「あら、幽霊さん、どうして私の名前を? それに何だか、矢部っちにそっくり──判ったわ!! 矢部っち、死んじゃったのね!!」
「は? いやぼくはまだ生きて……」

そういえばこの子はこういう子だっけ、と思いだしたときにはもう遅い。
既に少女は完全にトリップしているようで、口調は完全に陶酔している。

「ああ、なんて素敵なのかしら。はじめて会いに来てくれた幽霊が、矢部っちだったなんて。
うん、こうしてみると矢部っちもアリね。顔は悪くないし、頼りないところはあるけど生徒には優しいし……」
「え、あのちょっと、松岡さん、落ちついて、ね……?」

背中を向けているからよく判らないが、少女の声は確実にこちらに近づいている。
振り向きたくなる衝動を必死でこらえ、生唾を嚥み下して説得にかかる。

「あの、松岡さん。実は松岡さんがここの墓地に住んでるって近所の人から学校に通報があって、
それでボクが様子を見に来ることになったんだけど、とりあえず服を着てくれるかな──ひっ!!」

 ぺたり。

少女の体が、ボクの背中にひしと張り付いていた。湯上がりの体温がじわじわと背中につたわり、
肌に張り付いたお湯がシャツの背中を濡らす。自慢じゃないけど23歳童貞の身だ、女の子の体温を感じるだけで昂奮してしまう。
落ち着け、相手は小学生なんだぞ、落ち着け、落ち着け。

「会いたかった……来るかどうか不安だったけど、来てくれて嬉しいわ……」
「あ、あのその松岡さん、ボクは幽霊じゃないから、とにかくいったん離れてくれない? このままじゃ、ははは話しづらいから」
「……あら? なんだか温かいわね。それに足もあるみたいだし……。矢部っち、本当に幽霊なの?」
「だからさっきから違うっていってるでしょ!? 人を勝手に殺さないで!!」
「え、あ、うそ……?」
63矢部智の当惑(4):2010/10/31(日) 15:43:40 ID:plRVu4Ig
背中に張り付いていた少女の体が、ぱっと離れた。
振り向かなくとも、少女がどんな顔をしているか判った。きっと、
クリスマスイブに父親が枕元にプレゼントを置く瞬間を目撃した小学生のような表情で震えているに違いない。

「そ、そんな……矢部っちに、こんな……は、裸で抱きついちゃったなんて……」

羞恥に震える声が、時限爆弾の秒読みを始める。やばい、と耳を覆った瞬間、

「きゃああああああっ!!」

松岡さんの叫び声が、夜の墓地を爆心地に響き渡った。ご近所さん、ごめんなさい。

    *  *  *

さんざん喚いたあと、松岡さんはようやく大人しくなった。
既に着替えて、Yシャツにプリーツスカート、トレードマークのネクタイと数珠、といういつものファッション。
顔立ちは可愛いしスタイルもいいのに、この数珠だけが異様だなぁ。

「もう……こんな時間に来るから、幽霊かと思ったじゃない。紛らわしいことはしないでよ」

ぷんぷん、と唇を尖らせる松岡さん。「裸を見られた」ことよりも「ボクが幽霊ではなかった」ことに腹を立てているようだ。
彼女の顔を見ると先ほど背中に張り付いた感触を思い出して鼓動が早くなるけど、
ボクはかろうじて教師の対面を取り繕って話を続ける。

「……その、松岡さん。ボクが幽霊だと思ったから抱きついたの?」
「そうよ。やっと本物の幽霊に会えたと思ったから。なのに生身の人間だったなんて、あーあ、がっかり」
64矢部智の当惑(5):2010/10/31(日) 15:44:17 ID:plRVu4Ig
ふつうは逆なんじゃないかなぁ、というツッコミをぐっと嚥みこんで、

「ええと、松岡さん。それはともかくとして、だめだよ。
女の子が一人でこんなところに寝泊まりしてちゃ、親御さんだって心配するよ?」
「大丈夫よ、ママにはちゃんと話してあるから。
三女さんといい矢部っちといい、なんでみんな心配するかなぁ。別に変な人なんていないし」
「今までは大丈夫だったかも知れないけど、もしいたら危ないでしょ?
女の子がこんなところに寝泊まりしてるなんて噂が立ったら、今度こそ変な男が来るかも知れないし」
「うーん……」
「とにかく今日はおうちに帰って。また明日、このテントを片付けにいらっしゃい」
「いやよ。私のうちはこのお寺から遠いし、それにママにはあれだけ啖呵を切って出てきちゃったんだもの。今さら帰れないわ」
「なら、友達のうちに泊めてもらったら?」
「うーん、それもちょっとね」

嫌そうな顔を見ると、無理強いはできそうにない。
けど、困ったな。どうしよう。男一人なら、カラオケとか満喫とかで一晩くらい過ごせるんだけど。
女の子一人だと危ないし、てきめんに警察に連絡がいきそうだ。警察沙汰になるリスクは避けたい。

すると松岡さんは、名案を思いついたように瞳を輝かせ、

「ねぇねぇ、矢部っち」
「ん?」
「ならさ──矢部っちの家に、泊めてよ」
65丸井ひとはの消沈(1):2010/10/31(日) 15:44:56 ID:plRVu4Ig
がちゃっ、がちゃがちゃ、がちゃり。
合鍵を使って先生の部屋にはいると、土間には数足の靴が並んでいた。
男物の革靴とスニーカー、ゴム長靴。
そして、女の子用のスニーカー。

女の子用のスニーカー?

サイズは目測22くらいで、私より大きい。泥汚れやすりきれがひどく、かかとのところには小さくS・Mと書かれている。
まさかSM用スニーカーじゃないだろうから(いくらなんでも、女児用スニーカーを着用して出歩くなどというマニアックな
羞恥プレイに手を染めたとは考えたくない)、きっと持ち主のイニシアルだろう。
名字がMで始まる人っていうと……だめだ、とっさに思い出せない。いずれにしても女の子であることは、間違いないだろうけど。

けど……何でこんなものがここにあるんだろう?

悪い想像が、脳裡をよぎる。私は急いで靴を脱ぎ、部屋に上がり込んだ。
入ってすぐに目を引いたのは、廊下の隅に置かれたボストンバッグだった。ブルーに白のラインが入ったバッグには、
白い犬やキノコ、さらにドクロや幽霊を摸したと思われるぬいぐるみが取り付けられている。明らかに女の子の持ち物だ。

一体だれの持ち物だろう?

訝りながら、私は部屋の奥に向かう。
目指すのは、廊下とは扉一枚隔てたリビングだ。悪い予感をおぼえながら、ドアを開いた。

その瞬間、私は凍り付いた。
66丸井ひとはの消沈(2):2010/10/31(日) 15:45:46 ID:plRVu4Ig
大窓は遮光カーテンで覆われているが、それでもわずかな隙間から早朝の日差しが差し込んで、部屋全体が薄明に包まれている。

散らかったカップヌードルのプラ容器。
積み上げられたDVDケース。
壁に掛けられたシャツやズボン。
そこだけは綺麗に整理された、ガチレンジャーのフィギュア。
そして──そんな、まさか──窓際に置かれたベッドに横たわる、二つの人影。

一つのベッドの上に身を寄せ合うようにして眠る、先生と女の子。

「…………」

口の中が一瞬で干上がった。何? 何で? 何故? 誰? 疑問符が走馬燈のように頭を巡る。

女の子はベッドの手前側に、私に背を向けるようにして眠っている。背丈は私よりちょっと高いくらいだから、
小学生から中学生くらいだろう。腰から下にはタオルケットを掛けてるから見えないけれど、少なくとも上半身は裸。
ほっそりとした背中に、肩胛骨と脊柱の線が浮かんでいて、私なんかよりずっとエロティックだった。
それだけでもあんまりなのに、女の子は完全に寝入っているのか、先生の胸に顔をうずめてむにゃむにゃ言っている。
そしてその子の肩には、先生の手が優しく載っていて──

二人の寝姿を確認した瞬間、私の胸は発火したように熱くなった。最悪の想像がいよいよ現実味を帯びてきて、思わず声が裏返る。

「な──なんですかこれは、先生っ!!」

手のひらを叩きつけるように灯りをつけると(痛い)、ベッドの二人はのそのそと起きあがってこちらを見た。
まるで密通の現場を押さえられたみたいな仕草だった。
67丸井ひとはの消沈(3):2010/10/31(日) 15:46:17 ID:plRVu4Ig
先生は寝惚け眼でこちらを見て、

「ひ、ひとはちゃん、ああ、おはよう」
「おはようございます。無事に童貞を卒業できたようですね。おめでとうございます」
「へ?」

先生はしばらくきょとんとしていたが、すぐに自分の胸元に顔をうずめている少女に気付いて真っ赤になる。
慌てて両手を振り、

「ご、誤解だよっ!! ひとはちゃん、これはその──」
「言い訳はけっこうです。月曜にはクラスでお赤飯を炊いて、お祝いしてあげますよ。楽しみに待っていてください」
「違うからねっ!! これはその、よんどころない事情で……」

「あら、三女さんじゃない」

振り向いた女の子が、こちらもまだ眠そうな顔で言った。
ん? 私のことを知ってる……それにこの顔、どこかで見たことがあるような。

ぱっちりとした黒い瞳、ほっそりとした首と、肩まで伸びた艶やかな黒髪。
上半身は裸で(なんて破廉恥な)、私よりずっと大きな二つの胸の膨らみが挑発的だった。
それだけじゃなくて、胸から下もすらりと細く、均整のとれたプロポーションだ。
下半身にはいちおう最低限の下着、つまりパンツを穿いていることに、ほんのちょっぴり安堵する。
けど一体誰だろう。こんなスタイルのいい女の子、知り合いにいたっけ──あ。

「ひょっとして……松岡さん?」
68丸井ひとはの消沈(4):2010/10/31(日) 15:46:43 ID:plRVu4Ig
「そうよ。それより三女さんがどうしてここに?」

 顔がかっと熱くなった。慌てて返す言葉を探り、

「どうしてって……わ、私は単に……」
「天才美少女霊媒師の三女さんがこんな朝早くに矢部っちの部屋に来る理由……判ったわ!!
矢部っちには、やっぱり悪質な怨霊が憑いているのね!! よし、全身経文でお祓いよ!!」
「やめて松岡さんっ!! それ、ゆうべもやったでしょ!! 今朝は勘弁してーっ!!」

 結論。松岡さんはやっぱり松岡さんだ。

私はほっと安堵した。どうやら私が想像した「最悪の展開」には、なっていなかったようだ。
しかし胸の奥には、重石のように不安が残ったままだった。

    *  *  *

数分後、私は散らかったテーブルを挟み、先生と向かい合って正座していた。
松岡さんは廊下のキッチンで、甲斐甲斐しく動いている。朝ご飯を用意しているのだ。
先生のために他の女の子が働いていると思うと、ちょっと落ち着かない。

そんな私のそわそわをどう解釈しているのか、先生は口早に弁明を繰り返す。

「だからー、近所の墓地で女の子が寝泊まりしてるってうちの学校に連絡があって、ボクが様子を見に行くことになったんだよ。
そしたら松岡さんを見つけて、帰りたくないって言うから、結局うちに泊めることになっちゃったわけ。それだけなんだってば」

どうせまた、職員会議で他の先生たちから押しつけられたんだろう。そう思ったが口には出さなかった。かわりに、

「確かに女の子が野宿するのは問題ですけど、独身男性の部屋に泊めるのも同じくらいどうかと思います」
69丸井ひとはの消沈(5):2010/10/31(日) 15:47:29 ID:plRVu4Ig
松岡さんにちらりと目をやってから、私は再び先生を睨み付ける。

「しかもあんな……同じのベッドで寝ているだなんて、破廉恥な。教育委員会に通報しますよ」

前半は本心だったが、後半は本気じゃなかった。もしも先生がいなくなってしまったとしたら、
これから半年の学校生活はまた鈍色にくすんでしまう。四月に比べて友達が増え、先生に頼るウエイトはかなり減少してきたけれど、
それでも私にとって先生は、かけがえのない先生だ。

それでもちょっとくらい脅かしてやらないと、気が済まない。案のじょう先生は焦りに焦って、

「それはやめてよ!! ……その、最初は別々の蒲団で寝ていたはずなんだけど」
「怒らないで、三女さん。どうも夜中にトイレに立ったあと、寝惚けて先生のベッドに潜り込んじゃったみたいなの。
全部私のせいなんだし、それになにもされてないから怒らないで」

松岡さんの弁護が、台所から飛んできた。

「なら、なんで裸だったの?」
「パジャマは矢部っちに借りたんだけど、寝てる間に邪魔だったから脱いじゃったみたいなのよね」

だからって、仮にも異性と一緒の蒲団に寝ていながら裸になるのはどうかと思う。
けれど、口を出さなかった。私だって、雨だの風邪だのいろいろと口実をつけて、先生の蒲団に潜り込んだことがあるのだから。

でも、だとすると。松岡さんも、先生のことが好きなんだろうか──?

口が裂けても訊けない質問だったけれど、たぶん違うだろう。
除霊のためなら先生の四年生を見てもびくともしない松岡さんのことだ、たとえ先生と同じベッドで寝ていたとしても、
寝惚けて服を脱ぐくらいは、深い考えもなしにやりかねない。
70丸井ひとはの消沈(6):2010/10/31(日) 15:48:44 ID:plRVu4Ig
私は松岡さんを見つめる。台所の彼女はカーペンターズの「SING」を口ずさみながら(うまい)、
おたまに唇をつけて味噌汁を味見しているところだった。

「……ん、いい感じ。矢部っち、テーブルの上、片付けて」
「あ、うん」

エプロン姿の松岡さんの声に応じて、先生と私が机の上にあったエロ本をどける。
私はその間ずっと、松岡さんが口をつけたおたまを見つめていた。もちろん、味見をしたおたまなんていちいち洗ったりなんてしない。

松岡さんが口を付けたおたまは、先生がこれから飲むであろう味噌汁の中へもどされ、
松岡さんが口を付けたおたまが、味噌汁をすくってお椀によそる。

私はその光景を、ブラウン管の中の光景のように見つめて──

「矢部っち、ありがとー。はい、私の得意料理よ」

ぼぅっとしているあいだに、松岡さんが両手に大皿を持ってきて、それをテーブルの真ん中にどんと置いた。
皿の上に載っているウインナいりオムレツが湯気を立て、部屋に美味しそうな匂いが満ちる。

先生はきらきらした眼で鼻をうごめかし、

「凄いね、松岡さん。とってもおいしそう」
「えへっ、料理は得意なんだ。子供の頃から作ってたから。はい、ご飯とおみそ汁。三女さんの分もね」

 とん、と目の前にご飯茶碗と汁椀を置かれた。食べるつもりなんてなかったから、ちょっと焦る。

「わ、私はすぐに帰るから……ここに来たのは、チクビを連れだしに来ただけだし」
「そうなの? でも、せっかくだから食べていって。三人分作ったんだし」
「むぅ」
71丸井ひとはの消沈(7):2010/10/31(日) 15:49:12 ID:plRVu4Ig
なんだか先生の奥さんみたいな言動だな、と思うと胸が疼いた。
本当は私も先生のためにご飯を作ってあげようと思っていたのに、思わぬ形で先を越されてしまった。
まぁ、松岡さんならそれ以上に発展することはないだろうから、その点は安心だけど。

「それじゃ、いただきまーす」
「どうぞどうぞ、召し上がれ」
「いただきます。……あ、美味しい」
「ほんと? 良かった、三女さんにそう言ってもらえて!」

正確には、ほんのちょっと私の好みからは外れている。けど、好みによってはこちらのほうが美味しいと感じる人もいるかも知れない。
主婦としては、ちょっぴり対抗意識が芽生える。明日には、私が二人に朝ご飯を作ってあげようかな、なんて思ってみたり。
先生はなんて言うだろう。松岡さんのと比べて、どっちが美味しいって言ってくれるだろう。

けど、

「うん、美味しい!! 何だか懐かしい味がするなぁ」
「ほんと? 良かった」

先生の一言に、対抗意識が一瞬で霧散した。どうやら先生の料理の好みは、松岡さんのそれと一致しているらしい。
お世辞とは思えないほど美味しそうに、ちょっとはしたないくらいの勢いで箸を付けている。
先ほど松岡さんが口をつけたおたまでかき混ぜた味噌汁を、美味しそうに美味しそうに飲んでいる。

松岡さんも嬉しそうに、先生の食べっぷりを見つめている。こうしていると本当に、
(松岡さんの容姿が大人びていることも相俟って)女子高生が憧れの先生に手料理を振る舞っているみたいだ。
72丸井ひとはの消沈(8):2010/10/31(日) 15:49:51 ID:plRVu4Ig
胸の奥がざわざわと、不快な蠕動を繰り返した。
先週まで居心地の良かったこの部屋が、今では針のむしろのように私の足を突き刺した。

帰りたい、帰りたい、帰りたい。
いますぐこの場から逃げ出したい。

私はかきこむように食事を終えて立ち上がり、

「それじゃ私は、チクビを持ち帰ります。松岡さん、お皿、洗っておくね」
「あ、いいのよ三女さん。私が無理に出したんだから、置いておいてもらえればそれでいいわ」
「そう?」

なら、お言葉に甘えさせてもらおう。ここにはもう、いたくない。
私は廊下に散らばった荷物(ベッドで寝ている先生と松岡さんを見たとき、びっくりして落としたものだ)をまとめると、
ケージをつかんで玄関に向かい、ドアを開けながら声をかける。

「それじゃ、お邪魔しました。夕方には、チクビを返しに来ますから」
「うん、どうぞどうぞ。ぼくたちはこれから買い物に行ってくるから、もし留守だったら勝手に開けて戻しに来て」
「買い物?」
「うん。松岡さん、しばらくうちに泊まり込むって。やっぱり女の子を泊めるとなると、色々と必要だからね。
いつまでも同じベッドで寝ているわけにも行かないし」
「……そうですか」

どうやら松岡さんは本格的に、この部屋に住み込むつもりらしい。
独身男性の部屋に女子小学生を泊める先生も先生だけど、あっさり泊まる松岡さんも松岡さんだ。
休日に先生の部屋に押しかけている私以上じゃないか。
けど、松岡さんが納得している以上、私が口出しすることではない。改めて玄関のドアを開き、

「お邪魔しました」

先生の家で一緒に観ようと思っていたガチレンジャーを見忘れたけど、それさえももうどうでも良かった。
何か大切なものを置き忘れてきたような気持ちのまま、私は先生の部屋を立ち去った。
                    (続く)
73名無しさん@ピンキー:2010/10/31(日) 16:20:42 ID:plRVu4Ig
とりあえず以上です。前スレ630に書き込んだ妄想を発展させています。
エロパロなのに相変わらずエロなしですが、あとのほうの展開ではもう少しエロ要素を取り入れたいと思っています。
基本は三女さんと松岡さんの修羅場を目指していますけれど、どうなるか今のところちょっと未定です。

ではでは。長々とお邪魔いたしましたが、感想・批評など頂ければさいわいです。
74名無しさん@ピンキー:2010/10/31(日) 17:46:39 ID:2moUNLO1
>>73

乙です。続きが気になる展開ですね

ひとはの逆襲?も楽しみですw
75名無しさん@ピンキー:2010/10/31(日) 20:22:58 ID:cugBvWX5
矢部ひと厨には辛い展開だなw
誰も不幸にならないハッピーエンドを期待してます
76名無しさん@ピンキー:2010/10/31(日) 21:30:39 ID:mP6z8t4N
>>55

GJ!
最近千葉氏大活躍だな。伏線の千葉みつ?も期待しています


前スレふたしんの続編も期待
77前スレ667:2010/11/01(月) 01:20:43 ID:0/aQz/2O
>>76
それは俺のことなんだろうか……だとしたら嬉しいっ……(中略)ビクンビクン
もし違ってたら悔しいっ……でも(ry


というわけでお邪魔します。

・いきなりエロいよ!やったねたえちゃん!
・だがほぼそれだけ
・超絶美人になってしんちゃんを誘うふたばを想像してお楽しみ下さい
・PCより携帯の方が改行気にしなくていい俺は異端
・前回はあとがき書くまでが長くて混乱させてしまったのであとがきも貼り付け
・そしてあとがきが無駄に長いというオナニー仕様
・全体で15くらいレス使用、多分投下しきるまでに30分以上経過
・寝起きでテンションがおかしい

以上注意でした。以下本文になります
78:2010/11/01(月) 01:24:43 ID:0/aQz/2O
「はっ……ふぁ……やぁん……しんちゃん、そこすごぃょ……あたってるぅ……」
「ここら辺?……う……くぁ……そんな締めたら……」

からだがぶつかる音が部屋に響いている。お互い相手に夢中で、汗だくだろうと気にならない。むしろそっちの方が、強く結びついている実感を持てる。

「ぁっぁ……ひゃ……ぅぁ……いきそ……イっちゃう、いっちゃ……んむ!」

腰を動かし続けながら、唇を重ねる。ふたばはキスが好きだ。特に、イく直前にこういう風にされるのがたまらないらしい。
何だか一体感というか、征服感というか、とにかくふたばが自分のものになっている感じがするので、俺自身好んでやっている。

「んちゅ……ぷぁ、ぁふぅ……あっ……あむ……っは……」

必死になってキスを求めてくるふたば。この熱にうかされたような表情は、俺だけが知っている。そんなことを思うと、自然に俺の方にも力が入るわけで。

「あっ?!あ、あぁ!?イく!しんちゃん!いっしょ、に……ふあああああ?!」
「ぐ……ふたば……っ!!」

キスを止めて余力を全部腰に注ぎ込む。ギリギリまで引き抜いて、一気に奥まで突き上げて、ひたすらそれを繰り返した。
79:2010/11/01(月) 01:25:57 ID:0/aQz/2O
相手の鼓動や息遣いをもっと感じたくて、お互いにお互いを抱きしめて、からだ全体を色んな液体でぐちゃぐちゃにして、名前を呼び合って。

(セックスって、やっぱすごいのな)

頭の片隅でそんなことを思いつつ、俺は果てた。ちなみにしっかりゴムは付けている。いつか生で……とは思うけど。俺達にはまだ早い。

「……はぁ……はぁ……はぁ……」
「……大丈夫か、ふたば?」
「ん……だいじょぶ……」

どうやらふたばもちゃんとイけたらしい。男冥利に尽きる。気怠げなふたばの頭を撫でてやる。今日はこれで何回目だろう。3回くらいだったか。

「えへへ……」
「……そろそろやめとくか?」
「んー……お昼作ってあげて、っておばさん言ってたしね……」

しばらく余韻に2人で浸った後は、証拠隠滅タイム。シーツなどベッド周りのものを急いで洗濯機にぶち込み、使ったゴムやティッシュなんかも念入りに処理。
シャワーは別々に浴びる。一緒に浴びた時もあるけれど、俺もふたばも我慢出来なくなってそのままシてしまい、色々とバレそうになったことがあった。
もう覚え立ての頃のような、サルみたいに相手を求める時期はお互い卒業したのだ。自重くらい出来る。多分。
80:2010/11/01(月) 01:28:54 ID:0/aQz/2O
今日は水曜日。たまたま祝日で、ふたばは朝から俺の家に来ていた。因みに、両親は日帰りで温泉に行っている。姉さんは大学入学を機に独り暮らし中。
つまり、ベタな2人きりのシチュエーション。そして俺もふたばも健全な高校生である。やることの相場は決まっているのだ。

事後処理も一段落してから、簡単に昼食を作る。俺は監視役、というかアドバイザーである。
俺でも分かるくらい、明らかに手順や分量を間違えていたら注意してやる。まぁ間違えたところで、味はほぼ保証されているのだから不思議だ。野生的なセンスとかなんだろうか。

「ごちそうさま」
「お粗末さま。お茶とか飲む?」
「お願いするかな。しかし料理も普通になってきたなぁ」
「ふふーん。私も成長したんですよーだ」

(成長、か)

目の前のこいつは本当に成長したと思う。色々力加減も覚えたし、今は恥じらいなんかもそれなりに見せてくれる。
今日も朝から俺の部屋に突撃してきたのだが、着替え中で半裸の俺を見ると、顔を真っ赤にして慌てて出て行った。
まぁ、その後すぐにお互い裸になったから全く意味が無かったけれど。それとこれとは話が別らしい。
とにかく俺の目の前で着替えようとしたり、ブラジャーも装着せず動き回っていた頃に比べると、大きな進歩である。
81:2010/11/01(月) 01:31:12 ID:0/aQz/2O
そういえば、ふたばが初めてまともにブラを付けたのは、中学の夏休みだったか。あのハプニングは刺激が強すぎだった。部屋で目を閉じると、おっぱいが脳裏を掠める日々が続いたくらいだ。
その原因であるふたばは無自覚で、毎日のようにやってきては、寝不足で具合の悪い俺を心配してくれるのだから、始末に負えなかったことこの上ない。

「……あ、そうだ。しんちゃん、今日買い物付き合って」
「ん?ああ、いいけど」

しばらく昔のことを思い出していた俺は、ふたばの声で現実に引き戻された。買い物か。実に女の子らしい頼みだ。
今思い出していた中学の頃のふたばからは考えられないくらい、女性的になってきたふたばを見ていると、父親のような感慨深さがある。

「で、どこに行くんだ?」
「ちょっと遠出になるかも。〇〇って所」
「〇〇か。俺はあんまり行ったことないな」
「私も無いよ」
「はぁ?どうすんだそれ」
「みっちゃんと千葉氏が行ってるはずなんだ」
「あー……同級会の打ち合わせだっけ」
「っていう名前のデートだねぇ」
「だよなぁ」

あいつらが最近一緒に出掛けているのはとうに知っている。長女が素直じゃないだけで、もうお互い意識しているのはバレバレだ。
82:2010/11/01(月) 01:36:40 ID:0/aQz/2O
「……覗き見とかは止めた方が……」
「違うもん!……多分。ちょっと見てみたい、というか、心配というか」
「違わないじゃんか……まぁ、分からないわけじゃ無いけど」

他人の恋愛に口を挟む趣味はないけれど、千葉も長女も、他人とは言えないくらいには交流があるのだ。俺も正直興味はある。
それに、どちらにも小学校以来やられっ放しだったこともある。ちょっとばかり茶化してやろうか、なんていうあくどい考えが頭をよぎった。

「……覗きはよくない。でも俺達も買い物しに来たってことにしちまえば問題ないか」
「さっすがしんちゃん!愛してるぅ!」
「はいはい……バレた時に面倒だから、一応買い物もちゃんとな」
「実際買いたいものはあるから大丈夫だよ。新しいジャージとか」
「うんうん」
「新作ゲームも出てたっけ。ねぇ、一緒に買おうよ!」
「おう」
「あ、それから下着選ぶの手伝って?」
「ぶふぉっ?!」

ジャージ、ゲームまでは問題無かったのに、いきなり下着とか何を言い出すんだこいつは。思わずお茶を吹いた。
成長したとはいえ、未だにおかしな所で恥じらいや遠慮が無い。たまにこういう不意打ちがくるのだ。いや、狙ってやっているのかもしれないが、とにかく心臓に悪いといったらありゃしない。
83:2010/11/01(月) 01:38:38 ID:0/aQz/2O
「な、何でお前の下着選びを俺が……」
「え?だって、しんちゃん以外の誰かに見せたりしないよ?」
「いやそりゃあそうかもしれないけど」
「あ、『かもしれない』とかひどーい。私はしんちゃん一筋だよ?浮気とかするつもり全然無いし」
「論点をすり替えるんじゃありません」
「あーん、しんちゃんが冷たいっスー♪」

ふたばはけらけら笑っている。ふざけているのだ。最近こういう風にふたばからやり込められることがあるが、その時は決まって語尾が小学生時代に戻る。
この状態のふたばに対して、俺は未だ勝ったことがない。ある意味一番ふたばの成長を感じる瞬間だ。

「とにかく下着選びに付き合えとか、男にとっちゃ相当辛いものがあるんだぞ。悪いがその時は別行ど……」
「……好みの下着だったら、スる時喜んでくれるかなぁ、って思ったんだけどなぁ」
「……う」
「しんちゃん好きだったもんね、半脱ぎでシたりするの」
「い、いやいやいやいや!?あれはほら!覚え立てでとにかくお互いシたくてたまらんかった時期だったろ?!その、俺もマンネリを防ごうかと……」
「言い訳はいけないよしんちゃん。それに私に嘘つくの苦手でしょ?そもそもからして苦手なのに」
84:2010/11/01(月) 01:42:34 ID:0/aQz/2O
確かに嘘は苦手だ。ふたばの言う通り、特にふたばに関係する嘘はすぐにバレる。
昔は単に天然かと思いたかったけれど、搦め手やらを交えてくる今、ふたばが完全に小悪魔であることが証明されてしまった。いや正確には天然の小悪魔と言うべきか。
長女の無駄なSっ気と、三女の変な狡猾さを足して割ったような節があるように思う。次女だからなのかは知らんが、何もそんなものの中間は取らなくてもいいだろうに。
たちの悪いもの2つが合わさったようにも思える一方、シている時のふたば同様で、これも俺限定らしく、全く嬉しいやら悲しいやら複雑な気分である。

「ほらほらぁ、早く本当のこと教えて?」
「ぐ……」

ここまでされても、こういうふたばも可愛いなぁ、と俺自身思っている時点で完敗だ。将来尻に敷かれるのが目に浮かぶ。まぁそれも悪くはないと思うけれど。

「す、好きだよ確かに……」
「何がぁ?」
「くっ……その、は、半脱ぎで、スるの」
「……じゃあ、スる時に私が好みの下着付けてたら?」
「……嬉しいです」

紛れもなく本音である。自分の好きな娘が、自分の好みの下着を付けていて、喜ばない男なんて果たしているのだろうか。
ましてふたばはスタイル抜群なのだ。裸もすごく綺麗だけれど、下着姿、それも半脱ぎだとまた違う魅力がある。何よりエロい。
85:2010/11/01(月) 01:48:15 ID:0/aQz/2O
「だったら、私の下着選び、手伝ってくれるよね?」
「……どんなの買わせても恨むなよ」

もうやけくそだ。こうなったらとことん選んでやる。ふたばでさえ恥ずかしがるようなのを見繕ってやろう。
小中と全力で否定して来たが、最近は開き直ってきた感もある。そう、俺は変態だ。むしろ男はみんなそうなのだ。これに関しては、千葉の人類総変態説を支持せざるを得ない。

「わぁお、しんちゃんったら大胆!」
「はぁ……もう降参だよ。ていうか、千葉達の様子見に行くならそろそろ準備しないと間に合わねーぞ?」
「そうだね。私はこのまま……」
「俺のTシャツだろ。着替えてからちゃんと自分のシャツとジャージを着なさい」
「むー、分かったよぅ」
「全く……さて、俺も支度するか」
「あ、しんちゃん」
「ん?まだ何かあるか?」
「下着買ったらさ、」




「いーっぱい、愛してね?」




そう耳元で囁くと、ふたばはニコニコしながら俺の部屋の方へ向かった。着てきたジャージなんかが置きっぱなしだから当然である。
俺はというと、唖然としてふたばの背中を見ていた。顔は熱いし声も出ない。ふたばもふたばで、背中を向ける瞬間、ほっぺが赤かった。
自分も恥ずかしくなるような台詞を言うんじゃない、と激しくツッコミたいところだが、それが反則級に可愛いのだから許してやろう。どうやら俺は、もうふたばから離れられそうもないのであった。
86:2010/11/01(月) 01:54:04 ID:0/aQz/2O
/
今日は色々楽しかったなぁ。みっちゃんと千葉氏のやり取りは、見ていてなかなか飽きなかった。
日付が変わったくらいの時間帯。まだ眠くなかった私は、昼間の光景を思い出し、布団の中でくすくす笑っていた。
しかしあの様子でまだ一線を越えていないのは、みっちゃんがチキンだからだろう。千葉氏も大変だ。
昔は豚さん呼ばわりされていて、性格は鶏なみっちゃん。これでおっぱいが牛並、とかならバランスが取れている気がするのに。まぁ何のバランスかは知らないけれど。

そこは千葉氏の頑張りどころかもしれない。彼はエロ方面の知識は沢山持っているはずだ。おっぱいくらい何とか出来るんじゃないか。
それにしても、痴女痴女言われていた割に意外にうぶで、エロ方面に疎くなってしまっているみっちゃんなんて、千葉氏との相性抜群じゃないか。
それにみっちゃんみたいな性格なら、スる時は完全に無防備だろう。普段とのギャップからくる可愛さは、グッとくるものがあるに違いない。
千葉氏は変態さんだ。そういうのを喜ばないわけがない。そして好きな人が喜んでくれるなら、みっちゃんも最大限それに応えるだろう。意外と尽くすタイプなのだ。
8710:2010/11/01(月) 01:56:59 ID:0/aQz/2O
(変態……しんちゃんもすっかり変態さんだなぁ)

自分から挑発しちゃったから仕方ない面はあるけれど、それでもあの下着はレベルが高過ぎるように思う。
そう、昼間いじめすぎた時の宣言通り、しんちゃんは私が恥ずかしがるくらいの下着を選んだのだ。思い出すだけで顔が熱い。
正直ガーターベルトのオプションまで付くとは思わなかった。店員さんが心なしか面白そうな目をしていたのは気のせいだと思いたい。

しんちゃんがいつか言っていたことだけれど、昔から私はしんちゃんをドキドキさせてばかりだったらしい。私からすれば、今は逆の方が多いと思う。
私がしんちゃんを大好きなこと自体は、小さな頃から変わりない。でも恋人という特殊な距離感が、しんちゃんの魅力を改めて私に実感させる。
単なる『大好き』が、改めて恋人になったことで、より内容を持つようになったという感じ。小学生の時から女の子に人気があった理由を今更噛みしめているところだ。

たまにいじわるをするのも、本音を言うとしんちゃんに会う度ドキドキさせられることへの仕返しで、単なる強がりの一種と言っていい。
しんちゃんはまだ気付いていないようだし、もう少し私が慣れるまで出来れば気付かれたくないものだ。
8811:2010/11/01(月) 02:00:14 ID:0/aQz/2O
思い出したり考えたりしてる内に、そろそろ瞼が重くなってきた。明日は朝練もある。しっかり休んで備えるとしよう。

目を閉じて感覚が鋭敏になったのか、ふとごそごそしている物音に気付く。甘い声も漏れている。またみっちゃんだろうか。それともひとか。どちらにせよ、私はあんまり気にしない。
因みに私は、しんちゃんと恋人になってからそういうのを殆どしなくなった。それまでは、それこそしんちゃんを想像して色々シたりすることも多かったのだけれど。

(……もったいないんだよね)

この一言に尽きる。基本的にちょっとの期間我慢すれば、想像しなくとも現実のしんちゃんに色々シてもらえるのだ。むしろ我慢した分だけ快感が増すように思う。
そこら辺の認識は、ひととかなり差がある。まぁ、妄想なら色々出来る、っていうひとの言い分も充分理解出来るけれど。みっちゃんの意見は知らない。
なぜなら、姉妹間エロトークが始まるとそそくさと逃げ出してしまうからだ。やっぱり可愛い。私達姉妹の中で一番可愛いのはみっちゃんである、というのはひととの共通見解だ。

(……もしかしなくても、みっちゃんみたいなのが普通なんだろうな)

小学生の時からエロ本を収集していた私とひとの方が、世間一般にはおかしいのだろう。
8912:2010/11/01(月) 02:03:43 ID:0/aQz/2O
今日私がしんちゃんに言ったことば。あれはいじわるの延長のつもりだった。実際しんちゃんの顔を真っ赤にすることには成功したみたいだし。
でもあれは、まさしく私の、ちょっぴり行き過ぎないやらしい部分の表れだったんじゃあないのか。いやそうに違いない。
だってさっきから、というか下着を買ってからずっと、頭の片隅で、その下着を付けた私を、しんちゃんがどう扱ってくれるのか、生々しく想像している自分がいるのだ。

どういう言葉を囁いてくるか、どういう風に抱きしめてくれるか、キスは激しいか、おっぱいのどこら辺を責めてくるか、どんな体位でスるか、そもそも回数はどうか。
あぁ、考えただけでゾクゾクしてしまう。私はエッチで、いやらしい子なんだと思う。ただししんちゃん限定だけれど。
しんちゃんも、私に対してだけは存分に変態さんになって欲しい。それを全部受け止めてあげたい。みっちゃん同様、私も尽くすタイプなのだ。
9013:2010/11/01(月) 02:06:51 ID:0/aQz/2O
そうだ。昼御飯を誉めてもらったことだし、明日いきなりお弁当を作って行ってあげようか。

しんちゃんのクラスにいきなり現れる私。戸惑うしんちゃん。実は私もドキドキしているだろうからおあいこだ。強引に腕を引っ張って、2人で屋上ランチと洒落こもう。
――
『はい、あーん♪』
『よ、よしてくれ、恥ずかしいから』
『誰も見てないのに?』
『そういう問題じゃなくてだな……』
『……しんちゃん私のこと嫌いになっちゃったんスね……しくしく……』
『違うわ!?そしてあからさまな嘘泣きはやめなさい!!』
――

おぉ、想像するだけでもなかなか良い感じ。それに『はい、あーん』というのはまだ実践したことがないのだ。すごくやってみたい。よし、お弁当決定だ。

そうと決めた以上、早々と寝なければいけない。目覚ましの時間を調整した後、ギュッと目を瞑る。さてさて明日が楽しみだ。

夜は更けていく。ドキドキワクワク、幸せな気分で、私は眠りに落ちていった。
91おわり:2010/11/01(月) 02:11:01 ID:0/aQz/2O
黒いけどしんちゃん依存なふたばは正義。2人はバカ過ぎるバカップルでいい。


俺設定全開。この話の設定におけるふたばは最強キャラの一角です。スタイル抜群スポーツ万能明朗快活腹黒な美人。
弱点は勉強としんちゃん、好きなものはしんちゃんとパパ。つまりしんちゃんがいれば無敵だね、ひゃっほう。


しかしこういうの書こうとすると、どうしてもキャラ個人やキャラ間の関係の特徴をデフォルメする必要が出てくるように思うんですよね。

今回の場合は成長ふたばに顕著で、原作の個人的な解釈にもよるでしょうが、しんちゃんにべったりな一面、しんちゃんにだけ小悪魔的な一面をベースにしてます。

少なくとも、自分みたいな妄想野郎にとっては、そっちの方が話も作りやすいし考えてて楽しいのです。ということで、ふたば始めキャラのイメージが違っていてもご容赦下さい。


さて考えつくまま伏線張ったりし過ぎてどうなってしまうのか自分でもよく分からなくなってきた感もありますけれど、一応まだネタはあったりなかったり。

割とやる気継続しそうなので、その内またお邪魔します。

以上何か書きたくなったから書いてみました自己満足。一番大事なのは最初の一行だけというのは確定的に明らか。

スレお返ししますね
92名無しさん@ピンキー:2010/11/01(月) 02:14:14 ID:CZdfeIrT
他の方が投下されたすぐ後に投下するのは気が引けますが投下しますすいません……。


ずいぶんお待たせしました(待ってた人がいなかったらすいません)
前スレ>>387様より承ったみつ杉輪モノ、投下します。
一応エロは濃いめに書きましたが、自分今スランプでして……。
これを書きあげた今でもスランプ中なので、もしかして至らない点があった、若しくは多かった場合は申し訳ありません、と先に言っておきます。
93みつ杉輪1:2010/11/01(月) 02:16:58 ID:CZdfeIrT
ーみつばsideー

放課後。
遅刻の罰として居残り掃除をさせられた帰り際。私は、一緒に掃除をさせられ、珍しく一緒に帰っていた杉崎を一旦置いて、おしっこをするためにトイレに駆け込んだ。しかし……。
「げ……」
思わず下品な声がでる。
『トイレ故障中』
女子トイレのドアには、そう書かれた紙が貼られていた。
うそでしょ〜〜!?
涙目になって、ドアを開けて中を見る。
……が、すぐに閉めた。
トイレを我慢しているのとは、違う汗が出てくる。
てゆーか、無理。変な色の液体が床一め(ry
とにかく、どうしようかしら。一番近いトイレなら二階だけど……正直、階段を上がる振動だけでもヤバいかもしれないわ……。
「……」
チラッと、男子トイレを見る。
そちらは故障中の張り紙は張られて無く使えるようだ。
……悩んでる暇はない。
「……あ〜!もうっ!」
私は再び男子トイレへ足を踏み入れた。
そのまま、一番奥の個室に駆け込み、素早くパンツを下げる。
……ショアァァァァァァ……。
「はぁぁ……」
我慢していたものが解放され、心地よい放尿感にみっともなく声を出した。
94みつ杉輪2:2010/11/01(月) 02:17:54 ID:CZdfeIrT
締まりのない顔になっているのは自分でもわかるけど、誰もいないし……ねっ。
ガチャッ。
「いや〜漏れる漏……」
「なっ……」
ショアァァァァァァ……。
「……失礼しました」
ガチャンッ。
一瞬見えたクラスメートの顔……。それは、間違いなく千葉だった。
「ちょっ」
って、呼び止めてどうするのよわたしっ。
悲鳴を上げるのも忘れ、頭の中がパニックになる。
こういうときはどうすれば……。っていうか、なんで鍵かけてないのよっ、私のバカっ!!
いつの間にか、止まっているオシッコに気づき、取り敢えずティッシュで拭き取って出て行く。
その音に気づいたのか、トイレを出ようとしていた千葉が振り向いた。よく見れば千葉と、他にも三人いる。
「ちょっと、こ、これは違うんだからねっ!!」
あわてて口にした言葉がそれだった。
「あー大丈夫大丈夫。俺ら、口堅いから。さーて、今から色んなクラスメートの家に行こうぜー」
「めちゃめちゃ言いふらす気じゃないのっ!!」
冗談じゃないっ!男子トイレで用を足してたなんて、クラスに知れたら私の女王としての地位がっ……。
「まっ……」
意を決して、トイレを出て行く千葉達に向かって叫んだ。
「待ちなさいよっ!!」
「?」
千葉達は振り返って、私を見る。
95みつ杉輪3:2010/11/01(月) 02:18:37 ID:CZdfeIrT
「そ、その……だ、黙って……くれたら、お、お菓子をあげるわっ!!」
「じゃあな」
「あぁっ……」
な、なんで……?私だったら喜んでくいつくのにっ!
「じゃ、じゃあ、ひとはのエロ本っ!これでどう!?」
「……いや、駄目、かな?」
(ちょっと食いついた?!)
「じゃあ、矢部っちの部屋にあったエロDVDもセットで付けるからっ!」
「…………そんなもんじゃ、俺の心は動かない」
くっ……!意外にがめつい奴!!
「じゃあ何だったらいいのよっ!?」
千葉はニヤリと笑って、待ってましたとばかりに口を開いた。
「そうだな……。じゃあ、俺の新秘技の実験台になる……これでどうだ?」
秘技……?あのスカートめくりとか、ホックを外す……?
「そ、そんなんでいいの……?」
「あぁ」
千葉とその他がニヤニヤとしている。
なんか裏がありそうだけど、他に方法がないならっ……!
「いいわ!その秘技とやらに付き合ってやろうじゃないのっ!!」
「……決まりだな。じゃあ、ここじゃ何だから場所を移そうぜ」
千葉達が歩き出す。
……言われるままに、私はその後について行った。
窓から校庭を見る。
そういえば杉崎、帰ったかなぁ……。
96みつ杉輪4:2010/11/01(月) 02:19:35 ID:CZdfeIrT
千葉達について行き、着いた先は教室だった。
オレンジ色に染まる、無人の教室に入っていく。
ていうか、なんでわざわざ場所なんて変えるのかしら?
「よし、じゃあ始めるか」
「はやくしなさいよっ」
もう少しで夕飯の時間なんだから。
……今日の夕飯なんだろう?
思考が逸れ始めたとき、千葉が話しかけてきた。
「あぁ。大丈夫だ。すぐ終わるさ……おまえがその気じゃ無かったら……」
そう言って、千葉はまたニヤリと笑う。
「……?」
千葉の言葉に疑問を抱いた時、千葉はすでに動いていた。
ひざ下まで沈んで、右手の人差し指を構える。
「くらえ!秘技・イソギンチャクインサートッッ!!」
「!?」
ビクッと身体が強張る。
千葉の構えた指先はパンツ越しに私のアソコに入っていた。
恥ずかしかったが、ここでいつものように反応しては、約束を破った事になる。
「……っ、た、大したことないわねっ……」
平静を装い、強がって見せた。
「ほぉぉ。だが、残念だったな。俺の秘技はここからが本番だ」
「?」
千葉は指をグリグリと回し始める。
ビクッと、また身体が強張り、反射的に上を向いてしまった。
千葉が指を回す度、アソコの中に埋まっていき、中でこすれる。
「んっ……」
まっ、まだ終わらないの……。
膝が震えて、思わず屈んでいる千葉の頭を掴んだ。
97みつ杉輪5:2010/11/01(月) 02:20:54 ID:CZdfeIrT
「なんだ、もう感じてきたのか。まったく長女は。性格はSなのに、身体はMなんだな」
なっ……。
「ちっ、ちがうわよっ!こ、これは……ク、クシャミが出そうになっただけよっ!」
「ほんとかぁ?パンツにシミが出来てるぞ」
「う、うそよっ!」
「じゃあ、確かめさせてもらおうか」
「えっ……?」
ビッ!
な、何の音?
私は千葉に触られている部分を見た。
……〜〜っっ!!??
「ちょっ!パンツ……!パンツは……?!」
「いや、邪魔だったから」
「なっ……!ちょっ、やだっ、そんな顔近づけるんじゃないわよっ!てゆーか、見るなっー!!」
「へー。こんなんなってんだな。女子のは」
「やっぱ本で見るのとは違うなぁ」
「なんか甘いにおいもするし」
「甘い匂いは長女オンリーだろ」
後ろの三人も会話に混ざっていた。
そ、そんな近づいて見るなーっ!
って、いつもの私だったら間違いなく叫ぶのにぃっ……。
「どれどれ……」
ツプンッ。
98みつ杉輪6:2010/11/01(月) 02:22:06 ID:CZdfeIrT
「ひゃっ!?ちょっと!さ、さわらないでよっ!」
アソコに触れた千葉のザラザラした指が、少しずつ入ってくる。
そこに、残りの三人が私を抱え、足を開かせたまま、抑えた。
「ちょっと!は、はなしなさいよっ!」
ジタバタともがいてみるが、はなしそうにはない。
「まぁまぁ、そんな動くなよ長女」
そう言いながら千葉はズボンのチャックを下ろした。そして、チャックの中から出てきたのは、赤茶色い、棒のようになった千葉の……。
「○※□△〜〜……っっ!!」
(な、なにあれ!!?)
突然へんなものを見せられたせいで声も出ないくらい驚いた。
「ん?なんだ、見たこと無いのか?」
「あ、あるわけないでしょっ?!」
「そうか。親父さんのくらい見たことあるかと思ってたが……」
「うっ……」
「まぁ、いいや。動くなよ、長女」
千葉は前進し、私の前に立つ。そして、大きくなっているモノを私のアソコに押し付けてきた。
「ここかな?」
ズブリ。
「!!?」
あっ……、千葉のモノが、私の中に入ってきてる……。
なんか、変な感じ……。
「やっ、止めてっ……」
「ん?なんか言ったか?」
ズブブ、ミリッ。
「いっ……!」
何かに当たる感触がした。千葉のモノが入る度にお腹のあたりが苦しくなる。
「なぁ、長女。一気に痛いのとじわじわ痛いの、どっちがいい?」
「はぁっ……はぁ……え?」
質問の意味がよくわからず、聞き返す。
「だから、一気に痛いのとじわじわ痛いの、どっちがいいかって」
「そ、そんなの……」
どっちも嫌に決まってる。だけど、私は律儀に答えた。
「……じゃあ、一気に痛い方」
「はいはい。じゃあ、イチ、ニ、サンでいくぞ?」
「わ、わかったわっ」
なにが起こるかわからないが、とりあえず痛いらしい。
心臓の音が大きくなる中、私は自分のアソコを見ながら構えた。
「よーし。じゃあいくぞー。イーチ」
ズプッ。メリッメリッ……。
「っっっっ!!!」
いたいっ!いたいっっ!!いたいっっっ!!!
身体を引き裂かれるような痛みがアソコから全身にかけめぐった。
なにこれ……?予想してたのと全然違うし、そもそも……。
「さん、数える……って……」
痛みにたえて何とか声を出してみたが、千葉はしれっとした態度で私に言った。
99みつ杉輪7:2010/11/01(月) 02:23:09 ID:CZdfeIrT
「すまん長女、間違えた」
千葉の顔は見てわかるほどニヤニヤとしている。
「ふ、ふざけっ……!」
クチュ、ズププ。
「ふやぁっ!!」
下腹のあたりになにか埋め込まれるような感触がして、私の言葉は途中で中断した。
痛い、気持ち悪い、息苦しい……っ!!
だけど、ここで泣いてしまったら、私のプライドが……。
「よしっ、全部入ったな。じゃあ、動くぞ長女」
「はぁ、はぁ…………ふぁ?」
クチュ、ズルン。
「あぁ!!」
ズンッ!
「ふぁぁっ!?」
おっ、奥に何か響いてっ……。
「千葉ばっかずりーぞ。じゃあ俺、本で読んだフェラってやつしてもらおっ」
えっ?な、なんでこいつまでアレ出して……。
ズムっ。
「んむぅ……!?」
口の中にむりやり……を押し込まれる。
「おぉー!すげぇ!なんか生温かくて、下の感触がザラザラしてて、ねっとりしてて、きもちいい!!」
「じゃあ、俺は長女のおっぱいでもいただくか。よいしょ」
う、後ろからっ……!?
ちょ、ちょっと、む、胸さわんないでっ……!!
チョロロロ……。
「うおっ!長女が、おしっこ漏らした!!」
「ははは。災難だな、千葉」
止めっ、み、見ないっ……。
ガラリ。
その時、教室のドアが開いた。
100みつ杉輪8:2010/11/01(月) 02:25:22 ID:CZdfeIrT
我慢していたが、すでに涙で滲んでいた視界で、ドアの方を見る。
そこには、一緒に帰ろうと約束していた杉崎が驚いたような顔で座りこんでいた。
「なっ……なっ……」
唇を震わせて必死に喋ろうとしているが、上手く声が出ない。そんなようすだ。
「あ〜ぁ、見つかっちまった」
千葉が呟いた。
それと同時に、私の胸を触っていた一人が、立ち上がり杉崎にゆっくりと近づいていった。
杉崎は必死に逃げようとする。しかし、腰が抜けているのか、立ち上がることが出来ない。
ガシッ。
「やっ……!!?」
杉崎は肩をつかまれて短い悲鳴を上げている。
私は、涙でぼやけた視界でその光景を見ながら、手を伸ばした。
「あ、やめ……へ……」
「ほら、しゃべる暇があるなら、もっとよく舐めろよ」
吐きそうなくらいのどの奥まで突っ込まれる。
「んぶぅっ!?」
なにこれ?しょっぱいし、生臭いし……最悪……。
「あぁー、すご。長女の口ん中、ネバネバして、ザラザラしてきもちいいーっ」
「み、みつば……」
杉崎は恐怖で顔をこわばらせながら私を見つめてる。やめて、見ないで、杉崎っ……。
「んーっ、んんーっ!!」
「そうか、そうか。俺のチンコ美味しいか」
ちがう、そんなこと誰も言ってないわよっ!
しかし、言おうにも口がふさがっていて言えない。
そのうちに、杉崎も、捕まえていた奴から胸をもまれ始めていた。
「や、やめてっ!そんなところ、さわらっ……んっ!」
ペタンコな胸を好き放題撫でられ、先端を指でクリクリといじくられる。
「〜〜……!!」
下唇を噛んで必死に声を出すのを我慢しているみたい。
そのすきに、もう一人の男子が素早くパンツを脱がしにかかる。
「うわぁ、長女と一緒でツルツルだぁ」
男子の手が杉崎のアソコにスッと触れる。
「やめっ、さわらないでっ……ひゃあっ!?」
杉崎は仰け反り、声を上げた。
男子の指はどんどん、杉崎の中に入っていく。
「すごいなぁ、杉崎の中。洗剤みたいにヌルヌルなのに、温かくて、ふにふにしてて……」
「やぁっ、やめっ……、や……めて、よぅ……」
「ほら、長女も。よそ見してる場合じゃないぞ?」
101みつ杉輪9:2010/11/01(月) 02:25:57 ID:CZdfeIrT
ズブブっ。
「やぁっ!!?」
いたい、いたいっ!!
てゆーか、こんな奴のが、私の中にぃ……!!
「まだ痛いか長女?痛かったら言えよ。止めないから」
「んーっ!」
そこは止めなさいよっ!って言ってやりたかったけど、口を塞がれてるせいで喋ることが出来ない。
「おー、長女の中、進む度にキツさが増してきていいなー」
「んっ、ん、はぁっ……んちゅっ」
千葉が腰を動かすたびにアソコが千葉のでえぐられていく。
しかもそれが、奥に当たって、気持ちよく……って、私は何を言おうとしてるのっ……!
千葉のオチンチンを入れられて気持ちよくなんて……っ。
「……あっ、んっ、あはぁ……っ!!」
「いやらしい声出して……長女は変態だなぁ」
「や、あぁ……、そんな、こと、ないぃ……んあぁっ!」
千葉は奥にチンチンを入れたまま動きを止めた。
私は乱れた呼吸を整えながら、今度はなにをするんだろう?と思っていると、千葉は腰を左右にゆらし始めた。
コリッ、コリッ、と千葉のがアソコの奥に当たっている。
「あぁあっ、あぁぁぁぁああっっっ……!?」
声を抑えるのも忘れ、私はみっともなく叫んだ。
ヌルヌルッ、と千葉はオチンチンを引き抜き、また一気に奥まで入れる。
「あぁぁあああぁぁ……っっ!!」
「ほらっ、長女。こっちも忘れてるぞ」
ズポッ。
「んっ、んんーっ!」
ジュポッ!グポッ!グチュ、グチュ……!!
やだ、臭いし、汚いし……やめてっ、やめてっ……。
「くっ、もう出そうだ。長女、イクぞっ!」
「おれもっ!くっ、口に出していい?」
「んーっ、んーっ!!」
な、何が出るのよ!!てゆーか、まだいいって言ってな……っ!!
「くぅっ!!」
「あはぁ……っ!!」
「んんんんんんんん…………っ!!!」
ドクン!ドクンッ、ドクッ……!!
下腹の辺りに熱い何かが溢れてきた……。
「んっ、ぷあぁ……っ!!」
口の中にも温かくて、苦いなにかが流れ込み、私は驚いて口を離した。
口から白い糸がツゥーッと伸びる。
「はぁっ、はあっ……」
力が抜け、ガクリと後ろにいた男子にもたれかかった。
屈辱だとは思ったが、頭が真っ白になって、気持ちよさで全身が麻痺したように動かない。
「さて、次は杉崎を手伝ってくるか」
千葉は、そう言って杉崎の方へ行った。
私はその背中に手を伸ばす。だけど、後ろにいた男子に止められた。
「じゃあ、こっちはこっちで楽しむか長女」
男子はそう言うと、醜い笑顔で私を押し倒した。
102みつ杉輪10:2010/11/01(月) 02:30:11 ID:CZdfeIrT
ー杉崎sideー

「あぁっ、ん、んぁ、くぅっ……!」
こんな名前も知らないような奴に、私の……見られるなんて……。
しかも、こんな、こんな……ママにも聞かれたことないような声だして……っ。恥ずかしいのに……!
「こんだけ濡れてたら大丈夫だろ。入れるぞ」
「……んぁっ、いっ、入れる、って……?」
私は泣き顔をさらしながら、男の子に聞いた。
「こういう事だよ」
ズンッ、メリメリメリッッ!
「っっっ〜〜……!!っっっあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……ッッ!!!」
いや、いや!!
私の中に何か、何か入ってきてるっ……!!?
「ああ、くっ……!はっ、ぬっ、ぬいっ……あ、いつっ!!」
いやだ!イヤだ!嫌だ!
異物が、私の中を、這い回って……、やめてっ、気持ち悪い!気持ち悪いぃ!
「すげぇ、杉崎のアソコからチンコ引き抜いたら血だらけなってる!」
うそっ!?な、なんで?!なんでっ?!!
「まぁいいや。とりあえず入れとこ」
「ひぐっ……!!」
ま、また入ってきたぁ……。やだぁ、気持ち悪い……。
「うわぁ、杉崎の中、すごい締め付けたり、絡みついたりしてて、もうサイコー!」
グチュ、グチャ、男子が動く度に、粘着質な音が聞こえてきて、それがまた恥ずかしい。
みつばも向こう側で、千葉と二人の男子に同じことされている。
私も今、あんな風に見えるのかしら……。
あんな、馬みたいな格好で……。くっ、屈辱だわっ……。
「あぁっ、いや、だめぇっ……!」
だけど、私も……。さっきから、だんだん気持ちよくっ……!
「や、やべ!出る!」
「ふぇ?あ゛っ…………!!!あっ、くぅっ……!!」
103みつ杉輪11:2010/11/01(月) 02:31:33 ID:CZdfeIrT
な、なに……?何か、奥に流れ込んできてるぅ……。
「やぁっ……」
ズルンッ。
あっ……抜け……。
「あぁ、気持ちよかった……」
うぅ……アソコがジンジンする……。で、でも、やっと終わっ……。
「じゃあ、次は僕だな」
ぐっ。
「キャッ……!?」
え?ま、またするの、ちょっと待って……!
「よいしょっ」
ズククっ……。
「あ……っ!いやぁ……っ!!」
うつ伏せになった私の腰を持ち上げて、奥まで一気に突っ込まれた。
「あっ……あぁ……」
痛い、苦しい……っ、この私が教室の床に顔をつけて、名前も知らないクラスメートと一線を越えるなんて……。
「動くよ、杉崎さん……」
クチュ、ズンッ!!
「あぁぁぁぁぁ……っっ!!」
いやっ、さっきのより大きっ……?!それに……奥まできてるぅ……!!
「あっ、ふぁ、んぅぅ、やっ、くっ、んやぁぁっ……!!」
中で暴れて……っ、行ったり来たりしてるぅ……。
「どう?杉崎、さん……気持ちいい?」
「んやぁぁ……っ、き、気持ちよくなんかっ」
「全く、長女と一緒で素直じゃないなぁ」
ち、千葉……?ちょっ、そんな汚いの出して、なにやってんのよ……?
「ほら、さっきまで長女の中に入ってたのだぞ。友達のだから、舐めれるだろ?」
「や、やめてっ、まっ、待って……!んぅっ……?!」
むりやり千葉のが口の中に押し込まれる。
「んっ、んふっ、んーっ!」
104みつ杉輪12:2010/11/01(月) 02:32:24 ID:CZdfeIrT
後ろからは中をかき回され、前からは口の中をかき回される……。
向こうでは、みつばもまた、私と同じように中に入れられていた。
(みつばぁ……)
ズンッ……。
「んぅ゛……っ!?」
更に力強く奥に突っ込まれ、私の身体が硬直する。
「うわっ、なんだここ……。チンチンの先が締め付けられて……っ」
「こっちも、杉崎の口がチンコ全体を締め付けて……まるで、長女の中に入れたみたいだ……」
千葉から頭を掴まれ、のどの奥まで汚いのを入れられる。
「んんっ……」
こ、こんなので……、こんなので、き、気持ち良くなんか……。
ショアァァァァ……。
「うわっ、杉崎もションベン漏らしてるっ!」
「どうやら気持ち良かったら漏らすみたいだな」
「そうなのか……でも、なんか生温かくて、結構気持ちいいな……」
「お前……変態だな」
いやぁ、いやぁぁ……っ。こんな、こんなところ……、見ないで……。
「んはぁ……っ」
思わず千葉のを口から外した。
「うぉっと。おいおい、杉崎。気持ちいいのはわかるが、ちゃんとくわえとけよ」
髪を掴まれ、また千葉のを口に突っ込まれた。
「ん、んんっ……」
その拍子に髪留めのゴムが外れ、髪が下りる。
「……」
「……」
二人の会話が止まった。な、なに……?ジーッと見て……。
「おい……、こっちの方が可愛くないか?」
「あぁ……なかなか……」
「もう片方の髪留めも取っちまうか」
パラリッ、と髪が下りる。
「……?」
髪を下ろして何を……?
105みつ杉輪13:2010/11/01(月) 02:32:48 ID:CZdfeIrT
「た、たまらん!!杉崎さん……!!」
そのとたん、私の中に入れてる奴が急に動き出した。
「……っ!!?」
「おっと、こっちも忘れるなよ」
ズブン……ッ!
後ろ頭を押さえられ、喉奥に突っ込まれる。
「んむっ……!?んーっ、んーっ!」
息苦しい……っ!
「あっ、んあぁ……っ!」
「髪サラサラだなぁ、杉崎は……くっ」
「やべぇ、きもち、よすぎっ……!」
だんだん動きが早くなってきた……。
わ、私もっ、なんかっ、気持ち良く……!
「くぁっ……!」
「んむぅぅ……っ!ん、ゲホッ!ゲホッ!……うぇっ」
ドロリ、と口の中に苦くて温かい味が広がる。
それが喉奥に出たせいで、思わず飲み込んでしまった。
口の中に残ったものを頑張って吐き出してみると、白い液体が糸を引いて出てきた。
「ゲホッ、ゲホッ!……んっ、あっ、な、なに、これ……?」
手で触るとヌルヌルしている。ボディソープみたいな感じだが、臭いは物凄く生臭い……。
「うっ、俺も、出るっ……!」
「え?んっ……!?ふぁぁぁぁぁぁぁぁ゛ぁ゛ぁ゛……っっ!!」
ビュル!!ドビュルル……ッ!!
さっきと同じように、奥に勢いよく何かが流れ込んできた。
それに合わせて、私の身体もビクビクッと動いて、身体が浮くような快感が全身を包み込んだ。
「あ……あっ……」
ズルンッ。
中に入っていたのが抜けたとたん、私はうつ伏せに倒れ込んだ。
「んっ、はぁ……はぁ……」
呼吸を整えながら、私は男子達を見る。
男子達は、汚いものを早々と納めていた。
「はぁ……すっきりした」
満足顔で一人が言う。
「まさか、この二人とできるなんて……ラッキーだったな」
そう言って、男子達は出口の方に向かっていった。
「じゃあ、おまえらも早く帰れよー」
出て行った男子達が言い残して、扉を閉める。
残された私はみつばに手を伸ばした。
みつばは、ボーっとした顔で空中を見つめていた。
私は、そんなみつばの手を握り、こう言うのだった。
「帰ろ?みつば……」
「……ん」
みつばはゆっくり頷く。今日のことを思い出しながら、私は必死に涙をこらえた。
これから、私達は……どうなるんだろう……?
106名無しさん@ピンキー:2010/11/01(月) 02:43:02 ID:CZdfeIrT
みつ杉輪モノ、終わります。
今回はとにかく土下座したい気持ちでいっぱいでs。
引き受けといて時間かけたにもかかわらず、こんな駄文になってしまい本当申し訳ない……。
107名無しさん@ピンキー:2010/11/01(月) 06:00:07 ID:drZuQmKT
オツ よかった
だが本人にあんまり卑屈になられると褒めにくい…
108名無しさん@ピンキー:2010/11/01(月) 12:35:13 ID:x0qoKgoO
乙!

そんな卑下するほど悪くないし…
ただ、敢えて不満があるとすれば、「輪モノなのにサンドイッチファックが無い…」だけだけど

そこは続きの第二輪で…(まさかひょっとしてこれで終わり?w)、自分的にはいい導入部で、
次回が楽しみなのですが…、っていうか、是非、シリーズ化で、どうか続編希望です。
109名無しさん@ピンキー:2010/11/01(月) 20:22:50 ID:s3wOLSZU
>>91
GJ。ふたしんはこの安定感がたまりませんね。小悪魔ふたばはマジ可愛いです。

>>108
乙です。みっちゃんとか杉ちゃんとか、普段S気取りで男子にきついことを言っている
キャラが為す術もなく陵辱されるのはたまりません。
110ガンプラ:2010/11/01(月) 22:19:11 ID:Y1AsmvN0
高校生話書いてる者です。
もう何本か投下させていただく予定なので、ペンネーム(?)を付けることに。
作りながらプロットを考えることが多いので。

>>56
GTOの件は言われて気付きました。語感的には「組」はない方がいいですが、
今後つけるかどうかはまだ悩み中です。
>>57
ひとはも根は一緒なので、人見知り、無口、いたずら好き、が基本になります。
家族(含むしんちゃん)+(女)友達に関しては3組時と同様の態度を基本は取ります。
ただ、相手が困っている時には親身に接する…みたいなのができればなぁ、思いつつ。
家族と矢部っち以外には長文でしゃべらないのがデフォですが、
千葉編ラストでは、ひとはは千葉氏のことを心配して頑張っておしゃべりしています。
ただ、まだ固まっていないためシーン毎に別人になってるのが問題…。精進します。

その他、千葉みつフラグを感じてくださった方々、本当にありがとうございます。
わかりにくいのでスルーされるかと恐れてました。
ただ、申し訳ないですが千葉みつ編は無しの予定。あの二人は、
「そうなるかもしれないし、そうならないかもしれない」がイメージなので。
(逆にひと・ふたは「そうとしかならない(なれない)」がイメージ)

現在ふたしん短編を作成中。千葉編が習作とは言えチラシの裏すぎたので、
もうちょっと推敲します。週末くらいを目処に上げさせていただきます。

ところで、野郎の自家発電の妄想が初エロ創作になってしまった事に後で気づいた…
111名無しさん@ピンキー:2010/11/01(月) 22:55:59 ID:JOqinKlS
>>91
楽しみにしてたよ、乙です
しんちゃんもふたばもかわいいな
他の作品にも期待

>>106
乙です、よかった
これからのみっちゃんと杉ちゃんが気になる
112名無しさん@ピンキー:2010/11/01(月) 23:05:01 ID:6ByVwFOq



千葉みつブーム?の昨今だからこそあえて言いたい
女とくっつくような千葉氏は千葉氏ジャナイ何かだと

よくある三下エロ猿と違って根っこのある男だから漢らしく成長する未来はわかるんだが
なんていうか、それでも女といい感じになる千葉氏なんて千葉の何かを失ってると
113名無しさん@ピンキー:2010/11/01(月) 23:25:02 ID:LmJIWfqw
>>91

いつも投下楽しみにしてます。特にふたしん好きなんでおいしかったです。

>>108

GJ!卑屈にならんでくださいw
114名無しさん@ピンキー:2010/11/02(火) 06:31:30 ID:PkVltXj1
>>106です。
皆さま、感想と優しいお言葉ありがとうございます。
ちょっと感動しました。

後から見返したら、確かに卑屈過ぎたかな、と思い、作品とは違うところでも猛省しております。

>>108さんと>>111さんがおっしゃっていた続きは……正直全く考えていませんでしt(ry
自分の中で、みつばの一人称と杉崎の一人称は絶望的に難しいんです……orz

でも、>>108さんから要望がありましたので、一人でも要望があるならば書かせていただこうかな、と思います>続き。

あんまり期待せずにお待ち下さいませ。


では、長文失礼しました。


P.S.
>>110さん
ファンです。投下、楽しみにしてます。
115名無しさん@ピンキー:2010/11/02(火) 21:57:22 ID:79S4wKxk
松岡さんのキャラソンを聞いて以来、松岡さんがいとおしくて生きているのがつらいです。
し、死ねば付き合える……。

閑話休題。

途中になっている矢部ひと松岡がひとは(及びひとは好きの方)にとってつらい状況なので、
息抜きをかねて王道矢部ひと微エロSSを投下させていただきます。
  ・過去作とは無関係な単独時空
  ・性格変更(矢部っちがパッシブ、ひとはがアグレッシブ)
  ・自分的にはエロ成分多め(ただしやっぱり挿入はなし)
  ・蛇足は完全に趣味
ではどうぞ〜。
116リアル抱き枕(1):2010/11/02(火) 21:58:21 ID:79S4wKxk
「むふぅー」
「いやぁ、やっぱりガチレンジャーはいいよね」

金曜夜10時53分ジャスト、矢部智のアパートにて。

小学校教諭の矢部智と、教え子の丸井ひとは窓際のベッドに並んで腰掛け、テレビでガチレンジャーの映画を見終えたところだった。
地上電波では初となるガチレンジャー映画の放送。しかも映画化第一弾の、記念碑的作品である。
ガチレンファンの二人にとっては、いわばバイブルに等しい作品だった。

「男のロマンだよねー。こう、熱くこみ上げるものがあるって言うか」
「……そのセリフ、好きですね。こみ上げたってぜんぜん大きくならない癖に」
「悪かったね、どうせボクは小学四年生だよ!!」

涙目になる矢部の抗議をすいっと無視して、ひとははベッド脇に置かれた大きな包みに目を向ける。
ちょうど人ひとりが入れるくらい大きな袋は、昨日まではなかったはずのものだ。

「? 先生、それは……?」
「ん……あ、それね。そう言えば、ひとはちゃんにはまだ見せてなかったっけ」

矢部はいそいそと包みを開き、長さ150センチ、幅40センチほどの綿が詰まった布の塊を取り出した。
その表面には、可愛いピンクの衣装を身につけたガチピンク──春菜桃子こと白浜あずさのプリントが。
ひとはが嫌そうな顔をするのに気付かず、矢部は鼻息荒く自慢する。

「見て見てひとはちゃん! ガチピンク抱き枕!! 夏のボーナスで買っちゃった!!」
「はー、それが噂のダッチワイフですか。そんなものまで買うなんて、ほんと、ダメな大人ですね……」
「ダッチワイフじゃなくて、抱き枕!! だいたいなんで、ダッチワイフなんて単語知ってるの!?」
「今どきの小学生には常識ですよ」
「真顔で嘘つかないでよ!! 本当にそうだった怖すぎる!!」

高校生の頃、「童貞」という単語の意味を知らなかった友人がいたのを思い出しながら、矢部は抱き枕を抱きしめる。

「ああー、ガチピンクの抱き心地、やっぱり最高だなぁ。これを抱きながら寝たら、凄く気持ちいいだろうなぁー」
「夢精して汚すのがオチですよ。きっとその太腿のあたりが、だんだんごわごわしてきます」
「うっ……」
117リアル抱き枕(2):2010/11/02(火) 21:59:03 ID:79S4wKxk
冷静な指摘に、矢部はたちまちしょげかえる。
自らの担任教師を凹ませて「むふぅ」なひとはだったが、彼女はすぐ、別のものに気を取られた。

「それはそうと先生。その隣にあるのは……」
「ああ、これ? ひとはちゃんにプレゼントしようと思って買ったんだけど、どうしようかなー。
ひとはちゃん意地悪だし冷たいし、あげるのよそうかなー」
「また大人げないことを……だいたいなんです、私にプレゼントって?」

興味ないふりをしながらも、中身が気になって仕方ない。そんな気持ちが丸わかりなのが、矢部にとっては微笑ましい。
抱き枕をベッドに横たえて、ひとはがじっと見つめている白いビニールの包みを手に取る。
そして袋から取り出すと、

「じゃーん!! なりきりガチピンク衣装!! ひとはちゃんにあげようと思って、ボーナスの残りで買ったんだ」
「ま、また子供っぽいものを……私はそんな、なりきり衣装で喜ぶほど、子供じゃありません」

ひとははむす、とほっぺたを膨らませる。しかしきらきらと輝く瞳とどもりがちな口調が、彼女の本心を映していた。

「そうなの? 前にこの衣装のCMをやっていたとき、ずいぶん熱心に見ていたみたいだけど」
「ち、ちがいますっ。あれはその、ガチピンクがでていたからで……」
「なぁんだ。ボクの勘違いか。なら、他の子にあげることにしようかな。吉岡さんも、ガチレンジャーは好きだったはずだし……」
「う…………」
「あとは──そうだ、龍太くんもガチレン好きだったよね。……………………」

とつぜんじっと黙り込む担任教師に、ひとはは目を剥いた。

「まさか先生、龍ちゃんに着せ──」
「え? あ、いやいやそんなこと考えてないからね!? そんな、これ女の子用だし!!」
「……助かりました」(よかった。巨乳マニアならまだ可能性はあるけど、女装少年好きだったら私にはどうしようもないもんね)
「へ?」
「こっちの話です。で、その衣装、どうするんです? もし誰も着ないんなら、その、私が着てあげてもいいですけど」

仕方なくといわんばかりのセリフとは裏腹に、口調は胸が躍っているのをぜんぜん隠しきれていなかった。
それに何より、彼女の手は今にも矢部の持っている包みを奪い取りそうなほどうずうずしている。
じゃっかん意地悪な気分になっている今の矢部でさえ、ちょっぴり気の毒になるほどだった。
そもそも最初から、ひとはのために用意したものだ。矢部はうなずいて、ひとはにそれを渡す。
118リアル抱き枕(3):2010/11/02(火) 21:59:34 ID:79S4wKxk
「うん。それじゃひとはちゃん、ちょっと、着てみてくれる?」
「はい。お手洗い、お借りしますね」

受け取るやいなや、ひとははいそいそと包みを開けながら、トイレに消える。
矢部は胸を躍らせながら、少女が着替えて出てくるのを待った。むろんロリコン的な意味ではなく、
プレゼントを着て喜んでくれるひとはの顔を見たかったのだ。

(ひとはちゃんなら似合うだろうなぁ……)

「お、お待たせしました」
「あ……」

ひとはの顔が、ひょこっとトイレのドアから覗いた。髪の毛を一房、頭の左側で結んでいるのはガチピンクと同じだ。
しかし彼女の顔は真っ赤で、何やら照れているようすだった。口早に、

「そ、その先生。……私とガチピンクじゃ体型が違いすぎるって言うか、その、見ても笑わないで欲しいんですけど」
「笑わないよ。いいから、見せて欲しいな」
「……信じますよ、その言葉」

ドアの影から出てきた。
ガチピンクの衣装は、ワンピースにベスト、ベルトにチョーカー、ニーソックスとグローブに、頭につけるシュシュの七点セット。
さすがに女児向けに作られたせいか、ワンピースの胸はぺたんこに作られているが、そのせいで幼児体型のひとはにはぴったりだった。

ひとははとことことこ、と矢部のそばまでやって来て、

「ど、どうですか先生?」
「うん……凄く似合ってるよ。とっても可愛い」
「あ、ありがとうございます。本当はこれに、ガチピンクみたいに胸があれば良かったんですけど……」
「ううん、胸がなくても充分可愛いから」

世辞ではなかった。矢部は思わず、すぐ目の前に立つひとはの姿に見とれていた。
確かに、胸がないせいでガチピンクのような大人の色気はない。しかし、どこか素面安定なものを抱えた少女特有の美しさがそこにある。
大人への憧れ。そして子供からの脱却。そんな背伸びしている感じが、大人にはない色気を醸し出しているのだ。
119リアル抱き枕(4):2010/11/02(火) 22:00:00 ID:79S4wKxk
返事することも忘れてじっと見つめていると、ひとはは恥ずかしそうにワンピースの裾を押さえ、ちょっと怒ったような口調で言った。

「せ、先生。そんなにじろじろ見ないでください。やっぱりロリコン……?」
「あ、違うよ!! あんまり可愛いから見とれちゃっただけで……」
「それをロリコンって言うんじゃないですか? 私だって成長するんですから、ロリコンは困ります」
「え……?」

意味が判らず、矢部は当惑する。

「ひとはちゃん、それってどういう……?」
「なんでもありません。
それよりも、ありがとうございます。まさか先生がこんなプレゼントをくれるなんて思ってなかったので、とても嬉しいです」
「あはは……喜んでもらえて嬉しいよ。ぼくも、ひとはちゃんのガチピンクを見られて良かったし」
「むふぅ」

満足げな鼻息を一つつくと、ひとはは再び矢部の隣に座った。
矢部は何気なく、隣に座った少女を見つめる。

薄いサテン生地で作られているのか、ワンピースがひとはの細い肢体にぴったりと張り付いて、体のラインを浮き立たせている。
短いワンピースの裾とニーソックスのあいだ──俗に言う絶対領域が、目にも眩しい。
ふと少女の顔に目を映すと、頬を上気させ、上目遣いで見つめるその目つきに思わずどきりとした。
彼女の可愛らしさは十分に知っていたつもりだったが、それでもこの上目遣いは反則な可愛さだ。

「先生……」

「な、何かな、ひとはちゃん?」
「その……ただで、こんなプレゼントを貰うわけにはいきません。何か先生に、お返ししたいと思うんですけど」
「いいよそんなー。ひとはちゃんが喜んでくれるだけで、ボクは嬉しいんだからっ」
「先生はそれでいいかも知れないですけど、わ、私の気が済まないんです」

ひとはは言うと、何故かごろりとベッドの上に横になった。先ほど矢部が横たえたガチピンク抱き枕をベッドの向こう側に蹴落とし、

「さぁ、先生。せっかくですから──わ、私を抱き枕にしてください。こんな布と綿の塊よりも、よっぽど抱き心地はいいはずですよ」
120リアル抱き枕(5):2010/11/02(火) 22:00:33 ID:79S4wKxk

「……えーと……な、なんの冗談?」

矢部は呆れた。
それは確かに、ベッドの上で誘うような目つきで見上げているひとはの姿は充分に可愛いし、
誘うような言葉も充分に扇情的だ。だが──

「さ、先生。どうぞ遠慮なく。先生が今夜から抱き枕に対してしようと思っていたあれこれを、私で実践してください」
「できるわけないでしょ!? い、いくら何でもひとはちゃんに、あんなことやそんなことをできるわけ──」
「やっぱり何かするつもりだったんですね。それも、口では言えないようなことを」

墓穴を掘った矢部に向けて、ひとはは容赦なく追及の手を加える。

「ガチピンク抱き枕にできることでも、私に対してはできないと? やっぱり先生は、私なんてどうでもいいんですね。
私なんかより、ガチピンク抱き枕のほうがずっと好きなんですね」
「ち、違うって!! それとこれとは話が別でしょ!? だいたい抱き枕は単なる枕だけど、ひとはちゃんは女の子だし!!」
「遠慮することはありません。さぁどうぞ。まずは脱いで、隣に寝てください」
「なんで!?」
「先生、この季節はいつもパンツ一枚で寝てるでしょう? 抱き枕なら、寝ているときの状況を再現しないと」
「しくしくしく……なんでこんなことに…………」

なんだかんだといいながら、強引なひとはに言われるがまま、矢部は服を脱ぐ。
パンツ一枚でひとはの隣に寝ると、さっそく体を寄せてきた。
胸とお腹にぴったりと少女の肢体があたり、呼吸を鼻先に感じるほど、間近に顔が迫る。

(か、可愛い……)

目と鼻の先にあるひとはの顔に、矢部はまたも見とれる。長い睫毛、細い鼻梁と小さな鼻孔、ピンク色の蕾のような唇。
普段とは違って片結びにしている髪型も、女の子らしいあどけなさと大人っぽさを同居させている。

さらにひとはが着ているのは、戦隊五人組の紅一点、ガチピンクの衣装だ。
お色気担当なので露出度が高く、ガチレンファンならずとも思わず大興奮のスタイルに、最初は戸惑い気味だった矢部も大胆な気分になる。

「そ、それじゃ、ひとはちゃん。だ、抱きしめて……いいかな」
「なんのための抱き枕ですか。もちろん構いませんよ」
121リアル抱き枕(6):2010/11/02(火) 22:01:00 ID:79S4wKxk
矢部は両腕を回して、ひとはの胸のあたりに抱きつく。
さらに体をくの字に曲げ、両脚で少女の太腿を挟むと、腰を少女の太腿にこすりつけた。
トランクスごしに感じる、少女の太腿の柔らかさが気持ちいい。
抱き枕では味わえないリアルな肉体の感触に、小さなペニスが自己主張を始める。

(あっ、温かくて、気持ちいい……)

気持ちいいのは、ひとはの太腿を撫で回しているペニスだけではない。
細い少女の骨格と、意外なほどむっちりと肉の付いた体つきは、抱きしめているだけで気持ちいいのだ。

「はぁっ、はぁっ、きっ、気持ちいいよっ、ひとはちゃん……」
「ん……先生の、ちょっと大きくなってますね……」

勃起したペニスを体にこすりつけられているのに、ひとはは嫌な顔一つせず、とろんとした瞳で見つめてくる。
矢部の理性が、さらに一段階弾け飛んだ。

「そ、その……ひとはちゃん。き、キッスしていいかな?」
「私は抱き枕ですから、どうぞ先生のお好きに。いちいち聞かなくていいです」

長い睫毛を伏せて、キッスを待ち受ける表情。矢部は目を閉じて、唇を重ねた。

「んっ……む……」
「んぅ…………」

慣れていない矢部のキッスは、本当に唇を重ねるだけ。吸い付くことさえ考えられず、ただじっと唇を押し当てるだけだ。
しかしそれでも、ひとはの唇は、これまで妄想の中で味わってきたものよりも、ずっと官能的な感触だった。

やがて唇が離れる。

ひとはは目を開いた。ちょっとしらけた目つきで、

「へたですね」
「ご、ごめん……その、は、初めてだったし」
「ファーストキッスを二十歳過ぎまで取っておくなんて、どれだけ物持ちがいいんですか」

情け無い告白に、さしものひとはも呆れる。
122リアル抱き枕(7):2010/11/02(火) 22:01:26 ID:79S4wKxk
「やり直しです。今度はもうちょっとちゃんとキッスしてください」
「はい……」

矢部は再び、ひとはの唇を求めた。

「んっ、ちゅっ、んむっ…………」
「ぅん……んちゅっ、ん……」

今度は少し大胆に、まるで新鮮な果実の切り口から果汁をすするように唇を吸う。
小さな唇からすすった唾液の味は、これまで口にしてきたどんな飲み物より濃密に感じられた。
口をすすり、唾液を飲む、小学生相手にしているとは思えないほど大胆なキッス。
しかしひとはは嫌がるどころか、積極的に自らの唾を提供した。

互いに口がふさがっているため、息が苦しい。息継ぎをするように荒い呼吸をつきながら、それでも二人は互いの唇を貪った。

「ぷ……はぁ」
「ん。合格です」
「ふぅ、ありがと」

長い長いキッスの後、二人は名残惜しく唇を離した。キラリと透明な糸が、二人の唇のあいだに光る。

「なら今度は、キッスをしたままで動いてみてください。先生の好きなように。
口がふさがっていますから、いちいち許可を取らなくても構いませんよ」
「う、うん」

これではどちらが年上か判らない。完全にひとはが主導権をにぎっている。
しかし実戦経験のない矢部は、もはやそんなことさえ気にしていられないほど夢中だった。みたび少女の唇を味わいながら、
背中に回した手で少女の首筋や肩胛骨を撫で、それなりにいきり立ったペニスで少女の太腿を何度もこする。

何度もそれを繰り返すうち、矢部はむらむらとこみ上げる劣情を抑えきれなくなった。
少女の背中に回していた両手を、より下の方──少女の太腿の裏側へと伸ばす。

「っ!!」

指先が太腿に触れた。その瞬間、腕の中の少女が体を強張らせる。
しかしすぐ、まるですべてを任せて矢部の動きを待つかのように、力を抜いた。
123リアル抱き枕(8):2010/11/02(火) 22:01:51 ID:79S4wKxk
「んっ、んむっ……」
「ちゅっ、ちぅっ……」

初々しいキッスの音が響く中、矢部は少女の太腿に手のひらを宛がう。
むっちりした揉み心地を味わいながら、次第に矢部の手のひらは少女の太腿を這い上がり、スカートの中に近づいていった。
そして指先が少女のお尻に触れた。その途端、ある事実に気付いた矢部はぎょっとして唇を離した。

「ちょ、ちょっとひとはちゃん……!!」
「……なんですか、もう。せっかくいい感じだったのに……」
「あ、あの、ひとはちゃん……下着は!?」

さっき触れた、少女のお尻。それは明らかに布の感触ではなくて、柔らかくも弾力のあるお尻の手触りだったのだ。
驚く矢部に対して、ひとはは「何を今さら」と言わんばかりの目つきで、

「着けてませんよ。あのなりきり衣装に、下着は付いてませんでしたから」
「いや、そこは普通にさっきまではいていたのをつけようよ!! じゃ、じゃあ……」

矢部はひとはを抱きしめていた腕をほどいて上体を起こし、おそるおそる、手を伸ばして彼女のスカートの前をめくる。
すると紛れもない、まだ色づいてさえおらぬ少女の割れ目が、うっすらと湿り気を帯びながらさらけ出されていて──

「          」
「何をびっくりしてるんです? ブラウン管ごしに見慣れてるかと思いましたけど」
「あ、あはは、あはははは…………」

生まれて初めて生で見る、異性の下半身。あまりにもとつぜんの遭遇に、矢部はもう笑うしかなかった。

「──って、さすがにまずいよそれは!! ほら、もうおしまいに──」
「気にしすぎです。小学生の教え子にパンツ一枚で抱きついたんですから、もう今さら何をしたって怖くないでしょう?」
「う……あ…………」

本当に今さらながら、矢部は真っ白になる。ひとはもむふむふと昂奮しながらベッドの上で起きあがり、

「ですが、私ばかり恥ずかしい場所を見せているのは不公平です。ここはやっぱり、先生のも見せて貰わないと」
「え……?」

止める暇もなかった。ひとはは驚く矢部のパンツに手をかけると、一気にそれを引き下ろした!
124リアル抱き枕(9):2010/11/02(火) 22:02:14 ID:79S4wKxk
「わぁっ!! だ、ダメーっ!!」
「なんですか。おちんちんを見られたくらいで動揺しないでください」
「動揺するよ!! その、こんなになってるのを女の子に見られるわけには……」
「こんなになってるって、まだ皮をかぶったままじゃないですか」

ひとはは鼻を鳴らした。なんの抵抗もない様子で、小さな手のひらで矢部のペニスを包み込む。
確かに平時の4年生よりは、かなり大きく硬くなっていたものの、相変わらず皮をかぶったままである。
邪魔くさいとばかり皮を下に引っ張ると、まるでブドウの皮を剥くように亀頭が露出した。

ひとはは少し眉をしかめ、

「……ちょっと臭います。さすがにカントンや真性包茎でなくてほっとしましたけど、もう少しちゃんと洗ったほうがいいですよ」
「えと……その、ごめん」
「そんな臭うものをこすりつけられたら、さすがにちょっといやですね。ちょっと待ってください、いま綺麗にしますから」

そう言って、ひとははベッド横のトイレットペーパーに手を──伸ばさなかった。
かわりに矢部の下半身に、前屈のような動きで顔を近づけて、

「へ……?」
「んっ、ちゅぅっ、む……」

ペニス全体を包み込む、温かい感触。そして柔らかい触手のようなものが、かり首から亀頭の先端にかけてを念入りに撫で回す。
矢部の口から喘ぎ声が漏れた。想像以上の気持ちよさだった。

「ちょ、ちょっとひとはちゃん、汚いよ!!」
「知ってますよ。だからこうして、綺麗にしているんじゃないですか」
「いや、そういうことじゃなくて──いっ!?」

「口を付けて綺麗にすることはないでしょ!!」といおうとしたところで、矢部の声が突如として途切れた。
ペニスがぴくんぴくんと小刻みに痙攣を始め、腰の奥で何か爆発するような剣呑な予感がしたのだ。

(まずい、このままだと──)

「ちょ、ひとはちゃんストップ!!」
「む……?」
125リアル抱き枕(10):2010/11/02(火) 22:03:08 ID:79S4wKxk
慌てて制止すると、ひとはは不承不承口を放した。口のはたについたよだれを手の甲で拭いながら、

「なんですか? せっかく綺麗にしているのに」
「しなくて良いから!! っていうかこれ、フェ、フェ……」
「ええ、フェラチオですね。それがなにか?」
「なにが? じゃないでしょ!? お、女の子がこんなことを……」
「まったく先生は、さっきから尻込みしすぎです。せっかく私がその……勇気を出して、積極的になってるのに。
あんまり強引すぎるのも困りますけど、尻込みしてばかりだと、女の子から嫌われますよ」
「ご、ごめん。でも……その、出そうだったから」
「早漏」

アイスピックを突き立てるような声に、矢部はがっくりと脱力する。

「仕方ないじゃないか……その、いくら何でも、ひとはちゃんの口に出すわけにはいかないし……」
「私は別に、それでもよかったんですけどね」

ひとはは溜息をついて、再びベッドに横たわる。
そして今度は、体をちぢこめるようにしてワンピースの胸元をつまみ、さっと胸を隠している部分をはぎ取った。
眩いほどに白い胸の左右に小さなピンク色の蕾がぽつんと灯り、巨乳マニアの矢部でさえ見入るほどにエロティックだ。

「さぁ、先生。もう一度、抱き枕ごっこの続きですよ。
おちんちんは綺麗にしてあげましたから、今度はお好きなようにこすりつけてくださいね」
「う、うん……」

矢部はごくり、と生唾を嚥み下して、ベッドに寝転がるひとはを抱きしめる。
すでに彼の亀頭は真っ赤に腫れ上がり、過去最高を記録しそうなほどに怒張していた。先端からは先走りが露を結んでいる。
欲望のままに腰を押しつけると、ひとはの太腿に擦れてぬめった。

「ん……」

硬い肉棒をこすりつけられ、ひとはは小さくうめいた。
太腿の付け根──あともう少しで小さな割れ目に触れようか、というところをこすられて、彼女自身もかなり昂奮してきていた。
腰の奥がとろとろと、まるで熱い液体で満たされているかのように疼く。

「先生、もう少し上ですよ」
「い、いくらなんでもひとはちゃんの中に挿れるわけないでしょ!?」
126リアル抱き枕(11):2010/11/02(火) 22:03:48 ID:79S4wKxk
矢部はぶるぶると首を振った。せめてそれが、教師として残っている最後の良心だった。
するとひとはは残念そうに、

「なんだ、挿れてくれないんですか」
「そりゃそうだよ。いくら何でも、教え子を相手にそんなことをするわけにはいかないし……」
「なら、挿れなければいいんですよね」

ひとはは意味ありげに言うと、太腿で担任教師のペニスを探り当て、その先端を両脚の付け根に挟み込んだ。
そして太腿どうしをこすりつけるようにして、亀頭を激しく愛撫し始める。

「んぁっ!?」
「どうしました、先生? 挿入ってはいませんよ?」
「た、確かに挿入ってはいないけど!! な、なにするつもりなの、これ……!?」

亀頭のあたりをきつく締め上げられている。あまりにも強烈な感覚に、
矢部は今にも射精しそうになるのを歯を食いしばってこらえなければならないほどだった。

「うっ、す、すごい……っ!!」
「太腿で挟んで気持ち良くする、いわゆる素股です。さぁ、動いてみてください」
「う、うん……」

矢部はおそるおそる、腰を前後に動かした。慣れない腰つきだったが、それでも少女の内股でペニスが前後し、
亀頭からかり首のあたりを強く刺激する。竿の上のあたりに少女の割れ目を感じ、さらに昂奮した。

素股は本来、包茎の人間にとっては亀頭への刺激が強すぎてつらいものだが、
先ほどのフェラチオによって充分な湿り気がつけられている。そのため、包茎の矢部でも気持ち良くなることができるのだ。
矢部は激しく喘ぎながら、

「あっ、あぁっ、きっ、気持ちいいよっ、ひとはちゃん……!!」
「それは……んっ、よ、良かったですっ、あっ、はぁっ、んぁっ……」

次第にひとはの声も、甘い響きを帯びてきた。挿入こそされていないものの、太腿のあいだから会陰部にかけて刺激され、
包皮ごしにクリトリスも擦れている。幼い陰部からはとろとろとした蜜があふれ出し、矢部のペニスを湿らせる。

「んくっ、んっ、はぁっ、んはぁっ、先生っ、先生っ、ぁあっ、先生ぃっ!!」
「ひとはちゃん……凄くいいよっ、はぁっ、はぁっ、うぁっ、んっ……」
127リアル抱き枕(12):2010/11/02(火) 22:04:45 ID:79S4wKxk
もはやお互い、自分と相手以外のすべてが意識から消し飛んでいた。
矢部はひたすら腰を振って少女の秘所を擦りあげ、ひとははがむしゃらに太腿で挟み込んで男性の象徴を締め上げる。
やがて二人の我慢は限界に達し──

「ああっ、ひとはちゃんっ、だ、出すよぉっ……!!」
「んっ、きっ、来てくださいっ、先生のを、私にっ……!!」

びゅっ、びゅうっ!!

叫んだ直後、矢部は遂にすべての欲望を吐き出した。
ねばねばした熱い液体がひとはの太腿のあいだにべっとりと張り付き、少女の柔肌を強酸のように灼いた。

「はぁっ、はぁっ、ふぅっ、あぁ…………」

矢部はぐったりと、全身を弛緩させた。虚脱感と浮揚感に満たされ、もうなにも考えることができない。

「……あふぅ」

その耳に、腕の中で放心している少女の声が響いた。目を開けると、ひとはが潤んだ目つきで見つめている。

「気持ち良かったです、先生」
「うん……ボクも」
「ん…………」

ひとはは、矢部の背中にすがりついていた手を自らの内股に宛がった。
ねばねばした精液が張り付いてべとべとになっているのにちょっぴり眉をしかめ、手のひらを見つめる。
白ともクリーム色ともつかない粘りけを帯びた精液が少女の手にまとわりつき、青臭い異臭を放っていた。

「ご、ごめんひとはちゃん。つい夢中になって、出しちゃった……」
「気にしてません。口か、中に出してくれても良かったくらいなんですから。ん……やっぱり臭いですね」
「う……」

ひとはは鼻の近くまで自分の手のひらを近づけ、くんくんと匂いを嗅ぐ。おもむろに舌を伸ばしてちろりと舐め、

「……まずいです」
「舐めちゃダメー!!」
128蛇足:2010/11/02(火) 22:06:02 ID:79S4wKxk
龍「おい、なんで俺がガチピンクの衣装なんか着なくちゃいけねーんだよ!? ガチレッドの服はねーのかよ!!」
矢「いやぁその、もともとひとはちゃんのために用意したものだから……けど龍太くんも、意外と似合うね」
ひ「うん。龍ちゃんのガチピンク、すごく可愛いよ。むふぅ」
龍「さ、三女まで……ちくしょー、もうやだ、こんなところを三女に見られるなんて……」
ひ「先生、カメラの準備を。あとでコピーして、私に下さいね」
矢「もちろん。そうだひとはちゃん、今度はひとはちゃんのお古で、龍太くんに似合いそうなものを……」
ひ「判りました。龍ちゃんに似合いそうな可愛い服を、見繕ってあげますよ。むふぅ、むふぅ……」
矢「さぁ、龍太くん、撮影を始めようか。とりあえずガチピンクのポーズを取って」
龍「助けてくれーっ!!」
                    (おしまい)
129あとがき:2010/11/02(火) 22:08:26 ID:79S4wKxk
やっぱり矢部ひとは書いていて楽しいです。今までは自分の中の矢部ひと像に固執しすぎて進展できなかったため、
今回では大幅に性格改造(といっても、キャラの一面を強調するような形ですが)を行っています。
それでも挿入なしですが、個人的に矢部ひとは挿入したら負けだと思うのです……。

エッチいシーンは勝手が判らないせいでカオスですがお許しを。本当に、エロを書ける人は尊敬します。

ちなみに矢部っちの部屋に龍ちゃんがいないのは、きっと姉ちゃんと一緒に、自宅の大型液晶画面で見ているのでしょう。

蛇足は完全に趣味で龍ちゃん女装ネタ。女装ネタは大好物ですがまさに私以外の誰得なので自重します。
130名無しさん@ピンキー:2010/11/02(火) 22:15:25 ID:MzkRY8e1
>>129
乙です。エロいなぁ…。俺とてもこんなエロ無理です。
あとみつどもえで女装少年好きは新しすぎると思った。
131名無しさん@ピンキー:2010/11/02(火) 22:42:26 ID:jZI3fk6L
オッキした

蛇足で心の奥底に封じ込めていた矢部龍がまた暴れ始めたよ
132ガンプラ:2010/11/03(水) 12:06:37 ID:85HJIcW7
ファンと言ってもらえた事に調子に乗って繰り上げ。
の、前に時系列を。
いろいろこれまで(ずうずうしくも他者様の神作品含む)と矛盾が生じますが、
ちょっと真面目に長編を書きたくなったので整えたく。

高1秋 千葉編
高2夏前 ひとはと矢部、イチャコラ始める
高2夏休み直前 宮崎編
高2秋 龍ちゃん失恋

それでは、今回は『おもひでぽろぽろ』より。

ところで関係ありませんが、SEED系MGは本体の後にウイングに手を付けると
『ここからが本当の勝負だ!』と言われている気がして萎えませんか?
133重いねぽよんぽよん1:2010/11/03(水) 12:07:34 ID:85HJIcW7
俺は変態じゃねー!


「オッス、千葉!…あれ?岡部もか?来る予定だったっけ?」
「おう。遅いぜ佐藤。いや、さっき偶然会ってな」
「おーう。久しぶりだなイケメン。近所なのに会わねぇもんだな」

二学期中間テストの終わった土曜、部活も休みでどうしようかって思ってると、久しぶりに千葉からメールが来た。
『久しぶりにメシでも喰いに行かね?』という短い文章だったが、
別々の高校になって会う回数が減っても、昔と同じように気楽に連絡をとってくれたのは正直嬉しかった。

「ああ、そうだな。岡部と最後に会ったのは中学の卒業式だから、半年ちょいくらいか?
なんせ俺んトコは電車で1時間半だからなぁ。通勤ラッシュに慣れちまった自分が悲しいよ」
そう。俺とふたばはこの町から少し遠い、文武両道で売ってる私立高に通っているのだ。
眠い目をこすり、ぐずるふたばを連れて通う毎日に、最初はちょっと文句を言ったもんだが、
今やその時間が、高校生活における俺とふたばの唯一の…。いや、今はよそう。
「ひえー!一時間半かよ!んじゃ、何時に起きてんだ?」
「6時」
「げぇー…。そりゃ、お気の毒だな」
「おい、その辺は歩きながら話そうぜ。12時前になると駅前はどの店も混んで来るんだし、ちょっと早めに入ろうぜ」
「了解」
千葉に促され、駅前に向かって歩き出す。
134重いねぽよんぽよん2:2010/11/03(水) 12:08:07 ID:85HJIcW7
「2時から三次や行田なんかも合流できるって言ってたし、久しぶりにミニサッカーでもしねぇ?」
「いいね。久しぶりに鴨小エースストライカー様の実力を拝ませてもらうとするか!
聞いたぜ?一年で準レギュラー入りなんだろ?」
「大した事ねーよ。俺は練習試合しか出させてもらった事ねーし。同級でレギュラー入りってヤツもいるんだから」
「やれやれ、イケメン様の満足ラインは高ぇーんですね」
「そんなんじゃねぇって」…そう、そんなんじゃないんだよ。
…。
「……」
「あんだよ、佐藤。暗くなってんぞー?」
「あぁ、うん…。
なぁ、昨日の毎朝テレビ見たか?新人アスリート特集のヤツ」
「んあー?あー、ふたばの出てたヤツだろ。
スゲーよな、1年にしてインハイ女子800記録大幅更新の超新星!
これまでは鴨テレとか地方局ばっかだったけど、ついに全国放送にも本格的に顔出しだからなー!」
「ああ、それだよ。
…。
なぁ、俺、最近思うんだ。俺なんかじゃふたばの隣にいる資格が無いんじゃないかって。
俺なんかがどれだけ頑張っても、『特別』なあいつに着いて行け無いんじゃないか、って」
「そういや、駅前に新しいラーメン屋が出来てたぜ」
「へー。んじゃ、今日はソコ行ってみっか?」
「おい!聞けよ!」
「ダイジョウブダッテオマエトフタバノナカジャネェカ」
「ソウダゼキニスンナヨ」
「明らかに面倒臭そうに、しかもものすごい棒読みで返すなよ!
ったく…。とにかく、あいつ、中二の頃に本格的に陸上はじめてから、一気に有名になりだしただろ?
なんだか違う世界の住人になっちまったみたいでさ…。
最初は、中学に馴染めないアイツが居場所を見つけられたって、素直に喜べたんだ…。
でも、アイツが上のステージに行くにつれて、置いて行かれる気がしてさ…」
「そういやこの夏休み、ロードバイクのホイールを自分で組んだんだぜ!パーツもカラーも凝ったし、やっぱ愛着が違うぜー」
「へー、すげーじゃん。今度見せろよ!」
「おい!」
「ダイジョウブダッテオマエトフタバノナカジャネェカ」
「ソウダゼキニスンナヨ」
「それ、さっきもやっただろ!」
こ、こいつら〜!
135重いねぽよんぽよん3:2010/11/03(水) 12:08:52 ID:85HJIcW7
「…まぁいい。
本当はさ、俺、昔からこうなるんじゃないかって思ってたんだ。
やっぱアイツ可愛いし、最近一気に大人っぽくなってきたし、それに何よりアスリートとしての才能の格が違うし。
俺なんかが独占欲を見せていいヤツじゃないってのは、とっくの昔に分かってたんだよ。でもさ…」
「ところで古文の問3の回答って、何にした?」
「一応『イ』を入れといたけど、はっきり言って適当だぜ?」
「だー!かー!らー!!
っていうかお前ら高校違うだろ!なんでさも同じテスト受けたみたいに会話してんだよ!!」
「ソウダゼキニスンナヨ」
「ダイジョウブダッテオマエトフタバノナカジャネェカ」
「セリフを交換しただけじゃねぇか!?既に会話になってねーだろ!!
俺は本気で悩みを打ち明けてるんだよ!真面目に聞けよ!!」ゼェゼェ
「あ〜?いや、だって、正直面倒臭いしよー。なぁ…?」おい!そこまで言うか、千葉!?
「ああ。俺も話に聞いてた通りだしなぁ。それに噂ならそろそろ…」

トテチテトテチテ
「しんちゃーーん!」

「ほれ来た」
「ん?あ、ふたば!?」

キキー!
ふたばの靴が漫画みたいな音を上げる。…そう、『靴』。
陸上連がふたばのためにメーカーと協力して作った、『足を縛り付けない限りなく裸足に近い感覚のスポーツシューズ』だ。
さすが最新スポーツ科学。靴を履くと実力を発揮できなかったあのふたばが、今やこの靴の方が機敏になるほどだ。
1足数万もするそれを、ふたばは遠慮なくガンガン履きつぶしてるが、その度に陸上連が支給してくれてる。
こいつが国体強化選手の中でも特に注力されてる証拠だ。
実力だけでなく、『華』のあるふたばを押し出して陸上を盛り上げようって考えだろう。そしてそれは、実を結びつつある。
136重いねぽよんぽよん4:2010/11/03(水) 12:09:26 ID:85HJIcW7
「やっぱりしんちゃんだ!こっちから声がしたと思ったんス!」
「あ、あぁ。そっか…。久しぶりだな…」
「もー、何言ってるんスか、しんちゃん!昨日も一緒に学校行ったじゃ無いっスかー!」
「…うん。そう。そうだったな…」昨夜のテレビを見た後じゃ、お前が遠くて、さ…。
「?どうしたの、しんちゃん?元気ないっスよ?」
「いや、んな事ねーよ」
……俺のバカ野郎。ふたばに心配掛けてどうすんだよ。
ほら、うつむいた俺を心配そうに覗き込んでる。こんな顔させるんじゃねーよ、俺。
ふたばもそんなにピョコピョコ俺の周囲をまわって確認しなくていいよ。大丈夫だって。
…ふふっ。動きに合わせてチョンマゲがピョコピョコ揺れてんぞ?
あれ?
「今日は、久しぶりにその髪型なんだな?…やっぱお前はそれが一番可愛いな…」
?ふたばの動きが止まった?
「えへへぇー」笑顔のまぶしさに目がくらむ。
「なんだよ?」
「やっぱり、しんちゃん大好き!」
んなっ!
「な、な、なに言ってんだよ!いきなり!」
「だって、カントクもTVの人も『チョンマゲは画にならないからやめろ』って言うしー。
仕方ないから学校やTVでは左だけ留めてるけど、今日はお休みだから久しぶりに復活させたんだよ!」
あぁ、そうだったな。コイツ、TVに本格露出し始めてから髪型変えたんだった。あれだけこだわってたくせに。
…?いや、髪形を変えてから露出が増えたような?じゃ、なんで変えたんだ?TVの人が画にならないって?いや、順番が…??
「それでね。今日一番にそれを褒めてくれたのが、しんちゃんだったのが嬉しくて!」
「そ、そっか。…あっ、その髪留め…?」
「うん!!6年の時の誕生日、しんちゃんがくれたのだよ!一番大切な髪留めだから、一番大事なトコロに使ってるんだよ!」
「ば、バカ野郎」い、一番大事なトコロって…。


ふと、ふたばと目が合う。それだけでお互いの気持ちが通じ合った気がする。
…そうだよな。俺達にはこれまで積み重ねてきたものがあるもんな。
分かるよ。お前がどれだけ俺との想い出を大事にしてくれてるか。
137重いねぽよんぽよん5:2010/11/03(水) 12:10:22 ID:85HJIcW7
「なぁ、ふた「ところでふたばぁー。TV局のおっぱい情勢はどうだったー?」
「おおー、千葉氏!聞いて欲しいっス!おっぱい天国は本当にあったっスよ!!」
「っておい!」
なんだその話題のぶった切りは!そんな『ところで』初めて聞いたぞ!いくらなんでも無茶苦茶だろ、千葉!!
「小生、これまでおっぱいは大きければ大きいほど価値があると思ってたっス!
けど、TV局でいろんなおっぱいを見て悟ったっス!例えCでも美乳の方が奥が深いと!!」
「だぁー!ふたばも乗るな!
ていうかそんなに巨きくて綺麗なおっぱいが見たいなら、自分のを見てろ!!」



…はっ!しまった!!ああ!千葉も岡部も白い目で俺を見てる!

「ふぅ…。やれやれ、しんちゃんは分かって無いっスねー…」
「な、何がだよ…?」
今更だが、ふたばはあれから順調に、健全に発育を遂げている。
身長は166と女子にしてはかなり高い(俺と4cmしか違わないんだよな…。くそ、やっぱあと5cmは欲しい)。
けど、やっぱ一番目を引くのは…その、あー。言わなくてもわかってるだろ?ムネだよ、ムネ!

こないだ『また大きくなっちゃったっスよー。遂にDにっス〜』とか言ってた(いや、大声で言うなよ、んなコト)。
格好は上下とも長袖のジャージで、顔も童顔で『可愛い』から、本来なら色気が無いはずなんだが、
その部分が強烈に『女』を主張してて、なんていうか…アンバランスさが…ゴクッ!
あ!いやいや。つまりその、まぁ、高校一年生にして既に十二分なサイズに達してるって事だ。
しかも、この前、あー…、まぁ、ちょっとしたハプニング?ってやつで…いや、本当に不可抗力だったんだよ!信じろって!
その不可抗力で偶然目にしたふたばの生のムネは、ツンと上を向いていて、一切の型崩れも無く、
美術の教科書に出てくる彫像みたいに綺麗な形をしていた。いや、そこまでじっくり見ていたわけじゃないけどさ?…本当だって!!
つ、つまりだ、たとえ芸能界であってもめったにお目にかかれない巨きさと美しさを兼ね備えてるって事だ、って何言わせんだ!
あー、もー!ともかくだ!青い鳥みたいに、幸せは直ぐソコにあるんじゃねーの?
138重いねぽよんぽよん6:2010/11/03(水) 12:11:10 ID:85HJIcW7
「確かにおっぱいは、見て良し!揉んで良し!!の総合芸術っスよ?おはようからおやすみまでお供にできる、貴重な癒しっス!
でも、自分に付いているのは重いし、走ってても屋根から飛び降りても跳ねて痛いしで、いい事なんてないっス!」
「なんだよそりゃ…。ってか、屋根から飛び降りるのはヤメロ」
…おそらくコイツにしか理解できない法則があるんだろう。
「ブラもすぐ合わなくなって、ひとはに家計を圧迫するな、って怒られるしー」
そりゃおそらく、家計の問題だけじゃないと思う。三女のヤツ、矢部っちの件で昔以上に巨乳を敵視してるからなぁ…。
(つか、三女は150と小柄な上、A…いや、スレンダーだから本当にもう三つ子に見えない)
とんだとばっちりだ。あのヘタレ教師、いい加減に決着を付けろよ。優柔不断の意気地無しってのは本当に情けないぜ。
後、ふたばは中学のとき鴨テレに出てからは、必ずブラをするようになったし、夏でも長袖ジャージなんだよな。
昔聞いたときは『えへへぇー。恥ずかしいから秘密っス』ってごまかされたが、人並みに羞恥心を覚えてくれたのか?
でも、俺への接し方を思い返すと、あんまり変わってないような気もするし…。うーん?

「ともかく、あげられるなら今すぐしんちゃんにあげたいくらいっス!!」
ブゥッ!
「な、な、ななな!何おかしな冗談言ってんだ!この馬鹿野郎!」
「え〜!冗談じゃないっスよー!だってこんなに重いんスよー?」
グイッ!
ふたばが突然俺の手を取り、ムネの下に差し入れる。
そのまま手を上方向に持っていったと思ったら、今度は俺の手を残して自分の手を離した。

とぷん。

そのとき俺は、確かに擬音を聞いたんだ。
139重いねぽよんぽよん7:2010/11/03(水) 12:11:41 ID:85HJIcW7
すごい。
厚手のジャージの上からでも分かる柔らかさ。俺の指の形に合わせて、ぴったりと吸い付きながら形を変え、
それでいて指の間から零れ落ちるなんて事は無く、しっかりとハリを自己主張してる。
何よりも感動的なのは、その暖かさ。
ふたばは『重い』なんて表現したが、そりゃ違うよ。なんて言うかな?そう、『安心する質量』って言うべきか。
男がどこまでも求めて止まない、原初に回帰させてくれる懐かしい感覚。
いつまで触れていても飽きるなんて事がない、いつまででも触れて居たくなる、絶対的な母性が、今、俺の手の中に満ちている。
でもだめだ、足りない。もっと感じたい。
もう少し、指で掴んでみたらどうなるんだろう?

グニ

あぁ。思ったとおり、どこまでも俺を受け入れてくれるという優しさ、そして、必ずそこに居てくれるという安心感が、
指を通して俺に伝わってくる。
でもだめだ、まだ足りない。もっと味わいたい。
もっと、手で押してみたらどうなるんだろう?

ムニュウ

わ、わ、わ。大きく形が変わって、その分手のひらに、指の間にみっしりと柔らかさを感じさせてくれる。
そして同時に、隙間無く暖かさが―――

「…んぅう…し、しんちゃぁん?あ、はぁ…。しんちゃぁん!」
「っっっ!?」
ふたばの鼻に掛かった声で一気に目が覚めた。
お、俺は何をして…?
――俺の手は、ふたばのムネにこれ以上無いくらいめり込んで。
――俺の目の前には、ふたばの潤んだ瞳と、見たことの無いくらい扇情的な表情があって。

―――ふたばの目から零れ落ちた、ひとしずくの涙は、流れ星みたいに綺麗で―――
140重いねぽよんぽよん8:2010/11/03(水) 12:12:20 ID:85HJIcW7

「どっっっわぁぁーぁぁああぁ!!!
お、お、おま、な、なに、何すん、何させんだよ!!!」
あわてて飛びのく!うぁ、手にまだ感触が…。
「そ、そんなコト言ったってぇ…。しんちゃん、何度も呼んだのに、返事もせずに小生のおっぱいを…」
んなーーーーーーー!俺、そんなに夢中になって揉んでたの!?
「あ、あ、あああ、いや、ご、ゴメン。いや、その、俺の意思じゃない訳でなく俺がやってたんだけど、その!」
「うー…」
「……っ」
ぐわぁ!気まずい!い、いや、ともかく何か言わなきゃ!
「あの、ふた「あ、あ、あ!そ、そういえば、ひとと買い物した帰りだった!荷物持ってあげなきゃ!じゃ、じゃーね!しんちゃん!」

デデデ クルッ

「あ、明日!しんちゃんち行くから!勉強教えてね!」

デデデデデデデ

「あっ…」あー、もう!!何だこのグダグダ…。格好悪ぃ…。
…明日は俺の家に来てくれるって。俺の部屋で、二人で…。……………!………いやいやいや!当然母さんも居るし!そうそう!

あー!じゃなくて!

でも。そうだ。ふたばと話してたら、さっきまでの俺の不安や心細さは、全部どこかへ行ってしまった。
うん。そうだよな。今日も俺は、あいつを笑顔に出来た。

よぉし!頑張れよ、俺!!

「千葉!たっぷり喰って、ガシっと遊ぼうぜ!」
そう言って俺は振り返る。

ガシャン

ガシャン?
141重いねぽよんぽよん9:2010/11/03(水) 12:12:51 ID:85HJIcW7
音のした箇所、俺の右手に目をやると、そこには手錠が。
その鎖の先を辿ると―――
「お、お巡りさん…コンニチハ…」待て。見える…見えるぞ、オチが……!!
「き、き、君は!公道のど真ん中で、堂々と少女の胸を揉みしだくとは……!」
「い、いや!違うんです!」
「何が違うんだ!しかも今のは、昨日のTVにも出ていた丸井ふたばちゃんだろう!
最近、行き過ぎた追っかけが近辺に出没していると報告があったが、ここまでとんでもない変態とは……!!」
「あああああ、あの!俺とふたばは特別な仲で!」
「ストーカーの類はみんなそう言うんだ!可哀相に…ふたばちゃん、目に涙を溜めて逃げていったじゃないか!」
「い、いや!それはその!」
「ともかく、署まで来てもらおうか!」
ファンファンファン
って、この音は!
「いやその、待ってくれ!そうだ!千葉!!お巡りさんに誤解だって伝えて―――


ばっと、千葉と目が合う。それだけでお互いの気持ちが通じ合った気がする。
…そうだよな。俺達にはこれまで積み重ねてきたものがあるもんな。
分かるよ。お前の言いたいこと。


――――まぁ、たっぷり反省してこいや。


「ちょっ!おまっ!さすがにこれはシャレになんねーだろ!!おい!頼む、千葉ぁ、岡部!!」
ああああああ!今回も…
「最悪だー!!!」
バタン ブロロ ファンファンファン...


<終わり>
142重いねぽよんぽよん おまけ:2010/11/03(水) 12:13:22 ID:85HJIcW7
「…んで、千葉先生。今回は何点くらいっスか?」
「うーん。ハプニングは新しいものだし、オチもそれに合わせて比較的斬新だがなぁ…。
おっぱい談義前までが、この半年とほとんど同じだったのを考えると、45点だな。
ていうか、あいつら度々似たようなやり取りしやがって。横で聞かされる俺の身にもなってみろっつーの」
「ああ。ファミレスで話は聞いてたが、ありゃスゲーな。そりゃ返答もテンプレになるぜ。
まぁでも、無理やりぶった切ってやったら新しい展開に進むのがわかったじゃん。次はふたば登場のとこでやってみよーぜ」
「おお。それは確かに発見だったな。もっと面白い事になるかも知れん。
…さて、佐藤を迎えに行く前に、さっきの新しいラーメン屋いかねぇ?」
「お、そうそう。その店、半熟卵が絶品らしいぜー」





「だから違う!俺は変態じゃなーい!」
143御負け:2010/11/03(水) 12:14:26 ID:85HJIcW7
やっとふたばの設定が固まったので、ちょっと三つ子のまとめです。

いたわりと思いやりを覚え、『何もいらない箱庭』を出ました。
他人にも嬉しい事、悲しい事、大切な人がいる事を想像できるようになり、
優しさを手に入れました。そして、彼の傍にいるために箱庭を出ました。

『何もかもがそろった箱庭』を出て、我慢を覚えました。また、自衛のために聡さも。
ただ生活するだけでも、色々なものを支払わなければならない現実を知り、
無垢を捨てました。けれど、彼の傍にいるときは箱庭に帰ってこれます。

順当にそのまま成長しました。
元々歳相応に友達と接して、(流行を通して)世間に目を向け、成功と失敗を繰り返してきたため、
相応に優しく、聡い女の子になりました。
他の二人は無意識に、身近な彼女を一つの目標・基準(と反面教師)にして自己を修正しています。
唯一、普通にファミレスでバイトをしています(バイトが出来る社交性と常識がそろっています)。
ドジっ娘パンツ見せウェイトレスとして、駅前店で大人気。どこそれ私も行きたい。
店にはピョンピョン女子高生の常連が。カメラ所持を注意したいですが、オーナーと関わりがあるようで…。
後、シフトスケジュールを完璧に把握しているように感じるのは、気のせいと思いたいです。
144あとがき:2010/11/03(水) 12:18:31 ID:85HJIcW7
お疲れ様でした。
相変わらずエロがあって無いというか、思惑と目的が食い違ってるというか。
後、千葉編で出してた「ふたば写真集」と「国民的〜」は忘れてください。
ちょっと規模を大きくしすぎました。千葉編はリテイクしたい。

大体練習が終わったので、次回は長編を予定しています。
ふたばが何故、箱庭を出たのか…みたいな?
一旦全編書きたいので、来月くらいになるかもです。まぁ、しょーもない話なので忘れていてください。
それでは。
145名無しさん@ピンキー:2010/11/03(水) 12:55:13 ID:l40KR0ZN
いいなぁいいなぁやっぱりふたばはしんちゃんの嫁でありしんちゃんはふたばの嫁だなぁ

と思えるようなお話でした。GJです。

やっぱりふたばの胸はDくらいの美乳止まりでいて欲しい。


それにしても、不思議としんちゃん爆発しろ系の感情が湧いてこないのは原作のおかげなんだろうか。
146名無しさん@ピンキー:2010/11/03(水) 13:11:32 ID:0ay/YfO4
乙です
ふたしんは絶対バカップルになるよなー。
だがそれがいい。

てか、世界観は自分で作ったわけだし、流れ的に龍ちゃんの失恋はいらないんじゃね?
他者の作品とは混ぜなくていいレベルと言うかw
147名無しさん@ピンキー:2010/11/03(水) 13:34:57 ID:KW3rtJ8O
>>144
GJです。やはりこうしてみると、ふたばにはしんちゃん以外考えられませんね。
素直なバカップルは見ていてほんわかします。にやにやではなくほんわか。

長編にも期待。気長にお待ちしています。

>>130>>131
ご感想ありがとうございます。
今作はエロを目指して書いていたので、そう言って頂けると嬉しいです。
14891:2010/11/03(水) 17:03:35 ID:l40KR0ZN
良い作品を見るとモチベーション上がる人とそうでない人がいる。

今日の俺は前者です。

ということで小ネタだよ!

・今まで投下してきた話からの流れなので初見さんには不親切
・10レスいかない
・小ネタだからエロは無いっていうどうしようも無い仕様
・詳しい言い訳はあとがきで
・俺設定が来るぞぉ、気を付けろ!

簡単な時系列とか

千葉みつ援交未遂→
みっちゃんのスイーツ食べ歩きwith千葉→
みっちゃんオ○ニーにはまる→
姉妹にバレる→
千葉みつを吉岡目撃→
龍ちゃんからひとはへの熱烈アプローチ/ふたばとしんちゃんイチャイチャ→
ひとはの妄想/ふたば弁当計画→
今ここ(木曜朝)

以下本文
149:2010/11/03(水) 17:07:54 ID:l40KR0ZN
「……ん」

6:00ちょっと前。いつもより30分くらい早い起床。目覚ましは鳴っていない。自然と起きたのだ。とりあえず目覚ましのスイッチはOFFにしておく。

(……洗濯の用意……)

もう長いこと家事全般をやっているおかげで、基本的に寝覚めはいい。でもさすがに下半身の違和感と、ああやっちゃったという後悔。
この2つのせいで気分はかなり悪い。昨日まではみっちゃんを注意出来る立場だったのに、今日からは同列である。姉には悪いが相当やるせない。

(……あれ?)

パンツを替えてから、もう1人の姉の姿が見当たらないことに気付いた。トイレにでも行っているのだろうか。だとすれば、鉢合わせになると面倒だ。
ふたばは身内の様子にはかなり敏感である。今の私の状態だと、変に勘ぐられるかもしれない。
しんちゃんとの関係が本格的になってからは、前にも増して注意力が強化されたような節もある。
それはしんちゃんとの交際を通じて、彼女が女の子から女性になった、ということの表れなのだろう。因みに初体験の話は非常に参考にさせてもらった。
150:2010/11/03(水) 17:09:05 ID:l40KR0ZN
(……私もいつか……)

昨晩の妄想をちょっとだけ思い返す。龍ちゃん(大)は16歳くらいの設定で、そうなると私は20を既に超えているということになる。
これから定期的に龍ちゃんに会うのだから、私の初体験はそれよりも早い時期になるだろう。龍ちゃんの成長を考えれば、下手をすると年内まで有り得る。
犯罪っぽい気もするが、その背徳感がなかなか良い。私の貧相な裸を目の当たりにして、取り乱してしまう龍ちゃんもポイントが高いだろう。むふぅ。
そんな龍ちゃんに対して、お姉さん振ろうと余裕綽々を装い接する自分もまた乙なものだ。或いは全く逆に、獣みたいに強引にされるのも捨てがたい。

「……あ」

いけない。昨晩の情熱がまたぶり返しそうだ。下半身が切なくなってきたのは気のせいではない。思わず声が出てしまう。
冷静になろう。今やるべきは出来る限り家族にバレないようにパンツを処理ることだ。いつも通り朝食も作らないといけない。快楽に身を委ねている暇はないのだ。
目下の問題はふたばの所在だけれど、部屋に戻って来るのを待っているのも正直惜しい。そもそもトイレに行ったという予想が外れている可能性もある。
少し迷ったけれど、私は部屋を出ることにした。
151:2010/11/03(水) 17:10:33 ID:l40KR0ZN
部屋を出ていきなり違和感に襲われる。料理の匂いだ。しかも肉を思いっきり焼いているような。

「……ふたばなの?」

パパとは考えにくいし、みっちゃんはまだ夢の中。残るは現在所在不明なふたばだ。最近料理を教えていたし、可能性は無いわけではない。でも突然どうしたのだろう。

(しんちゃんのためかな)

昨日は佐藤家に朝から遊びに行って、しんちゃんにお昼を作ってあげたらしい。誉められたんだよ、と夕飯の時に嬉しそうに語っていた。
あの様子と今の状況を組み合わせると、お弁当とかを作っている可能性が一番妥当だ。昼食用なら肉を焼いているのも頷ける。
しかしどうしようか。我が家は狭い。洗濯機の場所に行く過程で、確実にふたばに見つかってしまうに決まっている。
元々洗濯は朝一番にやっていることだし、何事も無かった風を装い、普段通りにするのが一番安全だろうか。
そもそも私自身がボロを出さなければ怪しまれる可能性も低いのだ。ポーカーフェイスもそれなりに自信がある。

(普通に、普通に)

自分に言い聞かせながら、いつも通りゆっくり階段を降りていく。料理の匂いもだんだん強くなってきた。
152:2010/11/03(水) 17:13:49 ID:l40KR0ZN
それにしてもこんなに強く香りがすると言うことは、相当の量の肉を焼いているのかもしれない。冷蔵庫の中身を思い出しつつ、後で注意しないとな、と思った。

「……な」
「あー、ひとおはよー!ちょっと早起きだね!」

キッチンにはふたばが立っていた。ちゃんとエプロンも付けている。私にすぐに気付いて話かけてきた。まぁここまでは良くありそうな光景だ。だけれど。

「火、火ぃ消して?!早く!!」
「ほぇ?」
「『ほぇ?』じゃなくて!天井や壁をよく確認しなさい!!あぁもう!?」

さすがに普通のフライパンが中華鍋のごとく火を吹いている光景はギャグだと思いたい。そりゃあ匂いもするはずだ。
ふたばの反応が鈍いので、駆け寄って自分で火元を閉める。おろおろしている姉にタオルを濡らすように指示。即座に火柱を上げるフライパンに被せていく。
肉の量自体は普通の様だけど、何を思ってこんな火力で焼いたのか。むしろどうやってこの火力を実現したのだろう。壁や天井が黒くなるなんてやり過ぎもいいところである。
黒いだけで、ひどく焦げているわけじゃなかったのは不幸中の幸いだった。ふたばの馬鹿力に任せて、黒ずみが固着する前に全部綺麗にさせる。

「終わったよー」
「はぁ……大事に至らなかったから良かったようなものを」
「……ごめんなさい……」
153:2010/11/03(水) 17:20:17 ID:l40KR0ZN
さすがに反省はしているようだ。一歩間違えば火事になるところだったのだから当然である。していなかったら物置にぶちこむ所だ。

「どうしてあんなことになるまで気付かなかったの?」
「うぅっ、そのぅ……」
「……私、ベタなのは嫌いだよ?しんちゃんのことを考えていたら、っていうフレーズから始める言い訳はやめてね」
「……えへ☆」
(図星かよ!!)

呆れて声も出ない。バカップルじゃなく真性のバカだ。ここまで来ると怒るのもアホらしい。
まぁそれほど強い想いっていうのは大切なものだと思う。そこは否定しない。当分何かペナルティを課すのは決定だけれど。

しかし早朝だというのに、肉体的にも精神的にもかなり消耗した。汗もかいてしまったけれど、朝シャワーは家計によろしくない。
だから私は、とりあえず持っていた布で汗をふこうとしたのだ。しかし、隠し持っていたその布を顔に当てる直前に、その布本来の用途を思い出して動きを止める。

(危なっ!?)

というかこのパンツはまだ若干湿っぽいのだ。そんなのを顔に当てていたら、と思うと恐ろしく嫌な気分である。
154:2010/11/03(水) 17:22:18 ID:l40KR0ZN
「……ぱんつ?」
「あ」

しまった。迂闊過ぎる。なんでこの場で出してしまったんだ。昨日の私の行為はバレていないにせよ、明らかに妙な光景である。何か言い訳を……

「……ははぁん……昨日のはひとだったんだ……」
(バレてたー!?)

何ということだ。声とかが漏れないようにしていたのに。というかパンツを見てそれに結び付けるとか、どんな思考回路だ。
……あぁ、そうだった。昨日まではみっちゃんがこんな感じで、洗濯物が増えるなぁとか嫌味を言っていたのは他ならぬ私なのだ。
ふたばもそこら辺の事情は知っているわけだから、パンツを持っている、いつもより早起きだ、ということなどから連想しやすいのは当然である。

つまりみっちゃんが大体悪い。長女のクセして本当にとんだ雌豚だよ!

……と八つ当たりするものの、自業自得な面があるのは勿論理解している。いよいよ自分がみっちゃん並だというのを改めて思い知るようで、非常に最悪な気分だ。

はうあ゛あ゛あ゛、と声にならない声を発して固まった私の肩を、ふたばがポンと叩く。
なんだ、そのすごく納得しているような表情は。うんうん、とか、そういう仕草は何だか惨めな気持ちになるからやめて欲しい。
155:2010/11/03(水) 17:23:37 ID:l40KR0ZN


「……洗濯機を回す準備、出来てるからね?」

「……うわあああああああああ?!」


ふたばの言葉に、『うん、全部分かってるからね、安心してね』と言うかのような無駄に優しい表情に、私は絶望を覚えた。穴があったら入りたいとは正にこのことである。

近年稀に見るひどい1日の始まりであった。
156あとがき:2010/11/03(水) 17:26:54 ID:l40KR0ZN
ひとはのみっちゃんに対する態度が若干ひどいように今更思う。みっちゃんすまん。

夕食後のパパはいよいよふたばが手元から離れて行く気がして、寂しいやら拗ねるやらでさっさと寝てしまいました。パパ萌え。

最後のひとはは原作みっちゃんオチでよく見るような体勢を想像していただきたい。あの這いつくばって涙とかで水たまり出来てるような。


さてエロパロ板でエロ無しとか本来はちょっと頭冷やそうかまであるくらいの行為なんですが。

実際スレを活発化、というか維持するには必要なものだと自分は思います。俺自身、2828出来りゃええねんってタイプなので。

今書いている人も、今まで書き込んだ人も、まだネタ段階でしか無い人も、やっぱりネタの鮮度というか、モチベある内にというか。
とにかく投下しなくちゃ始まらない。個人の力量には差が出るし、作品だってネタだって玉石混交色々あるとは思いますが、まずは投下あってのスレなんだし。

やっぱりエロが無いと何かなぁ、とか、エロ無しで容量使うなカス、とか思う人には、正直申し訳無い。いやあとがき長いのもごめんなさい。次はエロく頑張ります多分。


スレお返しー
157名無しさん@ピンキー:2010/11/03(水) 17:42:47 ID:0ay/YfO4
>>156
乙。俺は長期羨ましいなーとか思ってるけどやったこともない!
素直にすげー裏山。

あと一番言いたいことは、エロ云々はとりあえず落ち着いて>>1を読めw
158名無しさん@ピンキー:2010/11/03(水) 17:43:02 ID:KW3rtJ8O
GJ!! です。そっち方面ではいちばん進んでいるふたばのお姉さんぶりと、
初々しいひとはの反応にニヤニヤしっぱなしでした。龍ちゃんの再登場もあれば楽しみ。

後半については全面的に同意します。みつどもえらしく、エロとニヤニヤが同居するのがいちばん。
無理にエロくするよりも、ニヤニヤ系を求めている方も多い……はず。少なくとも私はニヤニヤ好きです。
もちろんエロパロらしく、杉みつ輪姦のようなエロ全開ネタも大歓迎ですが(節操なし)

書き手に関しても、たくさんの人が書いて色々なシチュエーションを楽しめれば良し。
その中から素晴らしい書き手がいらっしゃってくださればなお良し。
単発でも短いネタでも、どんどん新しい書き手の方が増えてくださるといいですね。
159名無しさん@ピンキー:2010/11/03(水) 18:44:12 ID:YUBmAHp7
>>156
乙です!
もう姉妹の立ち場がどんどん変化していって
女性として上に立ってるふたばがお姉さんお姉さんしてるのが目に浮かびます。
それに抗えないひとはかわいすぎ!

エロなしSSに関して、僕自身もエロを書くのが苦手で(他人のを読むのは好きっす!)
非常に心強いです。ニヨニヨが一番の好物ですが><

ということで矢部ひと(&チクビ)を投下させていただきます。
やっぱりエロなしSSとなってしまいました。
すみません…。(ニヨニヨはある…かな?)

設定はひとははが高校生(1年)、そして「時間」は何があってもいつも変わりなく流れていく…、
というぐらいで変わった設定は特にありません。
(キャラ特有の言い回しが下手、というのを除いて)

15〜16レスぐらいでちょっと長文ですが
お読みいただけたら幸いです。
では。
160矢部ひと☆1:2010/11/03(水) 18:45:54 ID:YUBmAHp7

「…ん、今何時……五時半か…
ふぁああ…そろそろひとはちゃんがが来る時間だな…」

カチャカチャ…キィ・・・

(あ、来た来た…)

トタトタトタ…

「ひとはちゃん…おはよう…」

「わっ!せ、先生起きてたんですか!起きてたら起きてるって言ってくれないと!」
「びっくりさせてごめんよ…」
「チクビと遊んでますから先生はもう少し寝ていてください」
「うん…もちろんそうさせてもらうよ…おやすみ…」
「おやすみなさい」

ひとはちゃんは高校生になっても相変わらず週末の早朝に僕の部屋へやってくる。
このスケジュールはもう何年続いているのだろう。

ひとはちゃんがチクビに逢うためにこっそり始めたこの行動も
しかし今ではもうほとんどみんなの知ることとなっている。
彼女の友人や姉妹達はもちろんのことお父さんでさえもう知っていることだ。
あのことがあってから…。

「先生!先生!」

「ん…な、なに…?!」
「先生!チクビをどこに隠したんですか!」

「えっ!…ち、チクビならそこにいるじゃない…」

「この子チクビじゃない!チクビじゃない!先生!先生!」
「お、落ち着いてひとはちゃん、落ち着いて…ごめんその子違う子なんだごめんね…」

「……ご、ごめんなさい…先生…わたし…わたし…また…」
「大丈夫だよ…」

「…この子チクビじゃない…。でも仕方ないよね。
 私もいい加減踏ん切りつけなくちゃだめだね…。先生ごめんなさい。もう大丈夫ですから。
 また寝てください…。」

「うん…。」

「2号ごめんね。あそぼ。」
「チー」
161矢部ひと☆2:2010/11/03(水) 18:46:51 ID:YUBmAHp7

あのこと…それはチクビの死。ひとはちゃんが中2の時。老衰だった。
この時のひとはちゃんのショックは尋常ではなかった。
お葬式をきちんと済ませた後もチクビのゲージをいつまでも抱き続け
想い出のあるだろう僕の部屋から一歩も出ようとしなかった。
お父さんやみつばちゃん、ふたばちゃんが説得して家に連れ戻そうとしたけれども
頑として僕の部屋からでることはなかった。

仕方ない、ということでほとぼりがさめるまでしばらくの間僕の部屋で暮らすようになった。
しかしそれからちょっとおかしなことが起きた。
ひとはちゃんの言動や行動が小さい子供のようになって僕にとことん甘えるようになったのだ。

「せんせー遊んで遊んでー」
「せんせい…一緒に寝ていい?いっしょに寝てくれなきゃやだーー」
「せんせい…おしっこ行って来るから起きててね。ぜったいだよ!寝ちゃだめだよ!?」
「ひとははクリームの乗ってるプリンが食べたかったのに!なんで普通のプリン買ってきたの?
 わあああん!せんせいのばかーー!買いなおしてきてーー!」

それ以前のひとはちゃんならこんなことは心の中で思っていても
絶対に口には出さない、そんな言動がポンポンとそれこそポップコーンがはじけるように
堰を切って出てきた。
そういう言動や行動も2ヶ月ぐらいで収まっていき、いつものひとはちゃんが戻ってきた。
本人は自覚があるらしく、ようやく自分の家へ帰ることができるようになったその日、
別れ際に恥ずかしそうに僕に侘びを何度も言った。

でも僕自身としてはひとはちゃんがこんなに甘えてくれたことはなんだかうれしいことだった。
恐らく家族でも見せなかったであろう姿を僕にさらけだし、僕は、そのような振る舞いが僕自身を信頼してくれていると感じた。
それはショックの後遺症だったからかもしれないけど。
そうだとしても内面のひとはちゃんを知ることが出来たのはうれしかった。

それからは幼い子供のような行いはなくなったけど
以前のひとはちゃんとはちょっと違うようになった。
逆に格段に女性になってきたのだ。体つきは歳の割には少女のそれであいかわらずだったが
なんというか性格が一回り大人になったというか、優しくなったというか…
以前から他の子と比べたら大人びてはいたけど
内から醸し出す雰囲気というか、うまく言葉に表せないけど
格段に大人になった。
口調はあいかわらず変わらないのだけど。
162矢部ひと☆3:2010/11/03(水) 18:48:03 ID:YUBmAHp7

「先生、起きてる…?」


ん?何だろう?…ちょっと寝たふりをしておこう…


「先生…?」

「スー…スー…」

「先生寝てる…ね…?」

「え、えっと…。せ、先生。」


「い、いつもひとはのこと大事にしてくれてありがとうございます。
それからついいじわるなこと言っちゃったりしても怒らないで冗談で済ませてくれて…
そんなこんなで…迷惑もかけちゃって…ごめんなさい…。大好き///」


!!!///ひ、ひとはちゃん!


「う、ううーん…あ、ああれ?今なんか声がしたような…?」
「ひっ!(ビクゥッ) せ、先生!お、お目ざめでふか?!」
「でふかって…(カワイイ…)あ、ああ…うん…い、いまなんか声が…」
「先生!聞こえてしまいましたか!?そうなのですかあーー!?///」

目の焦点が合ってない…。明らかに動揺している…。


「い、いや…何いってるかはわからなかったけれども…」

「あ、あ、そ、それは、せ、先生はいつまで寝てるんだろう、いい加減に起きたらいいのに!
 先生は寝ぼすけだなーって今私言ったんです!ねっ?2号?」

「チー?」
163矢部ひと☆4:2010/11/03(水) 18:48:53 ID:YUBmAHp7

「もう起きてください!脳みそ腐っちゃいますよ!」
「うん。そうするよ。あー良く寝た!」

「あ、あれ?いつもなら先生『そんなあ、ひどいよひとはちゃん寝ぼすけとか脳みそ腐るとかってー』
 とか言い返してくるのに…」

「え?ああ、だっていつまでも寝ていたら本当に脳みそ腐っちゃうもん。ひとはちゃんの言うとおりだよ」
「先生…」
「なに?」
「あの…調子狂っちゃうんでいつものようにやっていただけないでしょうか?」
「え、だってこれが僕なんだもん。しょうがないじゃない?新しい僕を感じて!」
「感じてって…いやらしい。だめです。」
「ええ?そ、そんなー!ひどい!ひどいよ!ひとはちゃん!」
「むふー。」

ご満足された様子。
以前ならこんなやりとりもかなり胸にグサグサきたのだけれど
今彼女から発する言葉にはそのいじわるなオーラの発光具合が減り
僕に対しての甘えがどことなく感じられる。
そのやりとりが僕も心地いい。
今日はいつにも増して更に心地よく感じる…。
もしかしてさっきの…僕が寝ている振りをしていたあの時のひとはちゃんの言葉が
いじわるなそれをより一層打ち消してくれているのかもしれない。
僕自身のひとはちゃんに対しての感情も変わってきている……。
164矢部ひと☆5:2010/11/03(水) 18:49:43 ID:YUBmAHp7

「先生、朝ごはん出来てますよ。食べましょう。」
「うん。いつも悪いね。ありがとう。」
「今日は……覚悟して食べてください…」
「ええっ?ど、どういうこと?それ…」
「毒ですよ」
「毒!!?」
「はい。食べ過ぎるとなんでも毒と化しますから。十分気をつけて食べてください。」
「つまりめちゃくちゃ美味しく出来たってわけね?」
「そういうことです。」

一体なぜあの食材からこのようなものが生み出せるんだろう。
料理の天才なのか、それとも魔法使い?

「ふー。あー美味しかった。ごちそうさまー!」
危うく毒に侵されるところだった…。

「どういたしまして。でも食材は先生が買ってくれたものですから
こちらこそごちそうさまです。」

「いやー僕にはそれぐらいのことしか出来ないし。
僕だけだったらどうせ同じお金かけてもカップめんやスーパーのお惣菜が関の山だよ。
でもなんであれだけの材料でこんなに美味しく作れるの?なんで?なんで?」ナンデ?

「もちろん才能ですよ。才能。」
「もしかして愛情が入っている?とかじゃないのー?ははは」

「!!///ち、違います!!あ、愛情なんてこれっぽっちも入ってません!!///」

「…そっか。でも美味しかったよ。ごちそうさま。」

「えっ///あ…え、えっと…あ、チ、チクビも美味しそうにご飯食べてるね。せ、先生。」
「あ、…チクビじゃなかった…チクビ2号…」
「ひとはちゃん…。」
165矢部ひと☆6:2010/11/03(水) 18:50:28 ID:YUBmAHp7

「先生…」
「ん?」
「あの、ギュッて…ちょっとだけギュッて抱いてくれませんか…なんだかまた寂しい感じがしてきちゃって」
「うん。いいよ。」
「ごめんなさい…」

やっぱりまだチクビのこと思い出すと平常心でいることは難しいんだな。
それはそれだけ彼女があのハムスターを大事にしていた証拠…。
ちょっとだけチクビを羨ましく感じた。
でも僕がこうやって抱いてあげることによってひとはちゃんに安らぎを与えることが出来るのであれば
僕はいつまでもこうしていてあげるよ…。


「先生…」
「なに?」
「…ううん。なんでもない…」


ひとはちゃんの身体は、小学生の時よりもちょっとだけ肉付きが良くなったけれども
高校生にしてはかなり幼くまだまだ子供らしさが色濃く残っている。
そうであっても、もう結婚も出来、子供も生めるこの肉体からは女性特有の香りを発し
僕はおもわずひとはちゃんに気付かれないようゆっくりと深呼吸をしてそれを自分の中に取り入れ
彼女との一体感を楽しんでいる………

って、自分の教え子に何をしているんだ!僕は!
しかも相手は心身共に変調をきたして僕に助けを求めて今の状態、この抱いて慰めてあげている、
そんな時に僕は何を…。

「ひとはちゃん…?」

「スー…スー…」

「ひとはちゃん。寝ちゃった?」

ひとはちゃん。こんな頼りない僕をいつも気に掛けてくれて、そして甘えてくれてありがとう…。
君を好きになっちゃったのかな…?僕は…?。
ひとはちゃん、早く元気になってほしいなあ…。
166矢部ひと☆7:2010/11/03(水) 18:51:21 ID:YUBmAHp7



ひとはさん ひとはさん

…ん…誰?

ぼくですよ。チクビです。

えっ?チクビ!あ、ほんとうにチクビだ!チクビ!どこいってたの?心配したんだよ!

残念ながらもうぼくはひとはさんと同じ世界にはいません。

えっ…で、でも今ここにこうして…。

だって、ほら、僕、言葉を話しているでしょう?夢の中なのですよ。ここはね。

えっ夢?…たしかにちょっとふわふわして、もやもやしてる…夢かもしれない。

でもそれでもチクビに逢えてうれしい…。うれしいよお…。

ぼくもひとはさんに逢えて本当にうれしいです。

チクビ…。
167矢部ひと☆8:2010/11/03(水) 18:52:06 ID:YUBmAHp7

ぼくはひとことお礼を言いたくてひとはさんの夢に来させていただきました。

こちらの世界へは急に来なければいけないこととなりましたので、それが心残りで…。

チクビ…わたしもチクビが急に…朝…死んじゃってたから…最後のお別れも出来なくて…

それで寂しくって寂しくって…。もしかしたらチクビが死んじゃったのは私のせいなんじゃないかって…。

ひとはさんのせいなんかじゃありませんよ。ぼくの、そちらの世界の寿命だったのです。

ぼくは精一杯生きました。大好きなひとはさんと一生懸命遊んでとっても楽しかったです。

そしてひとはさんは寂しいぼくを慰めてくれました。ご飯もくれました。

部屋のそうじもしてくれました。とても感謝してます。

そ、そんな…。私こそチクビに慰めてもらった…。

そういっていただけるとぼくもうれしいです。でも、もうひとつだけ心残りがあります。

な、何?
168矢部ひと☆9:2010/11/03(水) 18:53:01 ID:YUBmAHp7

ひとはさんが、僕がこちらへやってきたときからとても寂しそうにしていることです。  

ぼくはぼくでこちらでなんとか楽しくやっております。仲間もいます。

ですからひとはさんはひとはさんでそちらの世界で楽しんで欲しいのです。

でも…あ、そ、それじゃわたしも死んでそっちの世界に…。そうしたらまたチクビと遊ぶことが出来るよね?

それはだめです。こちらの世界へはそんな簡単には来ることが出来ないのです。

そちらとこちらの世界のルールで自分の意思と関係なくそちらにいられなくなったものだけがこちらに来ることが出来るのです。

そう門番が言っておりました。

そう…。

それにひとはさんはそちらに好きな方がいっぱいいるでしょう?家族とか矢部先生とか。

あ…先生…。それにお父さん、みつば、ふたば、おばあちゃん、杉崎さん達…それに他にも……。別れたくないよ…。

ぼくはひとはさんに元気になってほしい。僕のことを忘れてもいいから元気になってほしい。
 
それだけがぼくの願いです。

チクビのこと忘れるなんてそんなことありえない!!忘れるなんて……そんなこと言わないでチクビ……。

ありがとうございます。元気になってくださいね、ひとはさん今までありがとう そろそろお別れです ひとはさんさようなら ひとはさ…ん…

あ、チクビ…どこいくの?待って……まだもう少しお話しようよ?…チクビ…チクビ…チクビーー!!
169矢部ひと☆10:2010/11/03(水) 18:54:51 ID:YUBmAHp7


「先生。」

「あ、ひとはちゃん起きた?ひとはちゃんあれからすぐ寝ちゃったからさ、ベッドに寝かしたんだよ。」
「そうですか…。もしかして熟睡したのをいいことにこの身体にいたずらしたとか?」
「そんなことするわけないじゃん!もー!///」

(いたずらしてもよかったのに///)

「先生今何時ですか?」
「お昼だよ。何か食べる?」
「ううん。朝ごはん食べてすぐ寝ちゃったので今はいいです。」
「そう。」
「あの先生。ちょっといいですか?」
「ん?何」

ギュウウっ

「わっ///ひとはちゃん、な、なに?急に抱きついて!!?」
「い、いつも…あ、ぁりがとう…ボソボソ…///」
「な、なに??」
「ちょっとこうしていていいですか?」
「い、いいけど…」


「………」


「………」


「おわり」
「終わりなんだ…///」
170矢部ひと☆11:2010/11/03(水) 18:57:15 ID:YUBmAHp7

「それじゃお邪魔しました。あまり遅くなっても家族が心配しますので今日はこれで失礼させていただきます。」
「うん。またおいでよ」
「もちろんまた来ます。だって2号がいるんだもん。」
「えっ?」

「2号。今まで寂しい思いをさせてごめんね。これから君とは一生懸命遊ばせてもらうからね。覚悟しててよ?」
「チーチー!」
「それじゃ、先生また…ね!」ニコッ


なんだかやけに吹っ切れた様子だな…。
僕に自分から抱きついてきたりして…それにあの最後の笑みは何…?
ひとはちゃんのあんな悪意のない微笑を見たの初めてなような気がする…///
ひとはちゃん……だめだ。好きになっちゃいそう…。

ピンポーン!

誰だろう?ひとはちゃんかな?忘れ物?

「はい?」ガチャ…

「あ、先生。お久しぶりです。」

杉崎さんだ。
171矢部ひと☆12:2010/11/03(水) 18:58:23 ID:YUBmAHp7

そういえば杉崎さんは、チクビが死んでひとはちゃんが落ち込んでいる時、
一番親身になって彼女の話相手をしてくれたっけ。
でもなぜ杉崎さんがそこまでしてくれたのだろう?
小学校の時は特別ひとはちゃんと仲が良い、そんな感じはしなかったけど…。

「あの…。ひとはは居てますか?」
「あ、いや、今帰ったところだよ。会わなかった?」
「そうですか…。」
「ひとはちゃんに会いにきたの?」
「はい。丸井家に行ってみたらこちらに来ているというのでそれで…」

「あの、ひとははまだ先生の家に来たりしているんですか?」
「うん。毎週来るよ。チクビ2号の世話にね。」
「ひとは…もう大丈夫ですか?良くなりました?」
「あ、うん。あの時に比べたらもう格段に良いよ。だんだんいつものひとはちゃんに戻ってきているよ。」
「そう。よかった…。」
「って杉崎さん、ひとはちゃんのこと心配してくれているんだ?」
「えっ?…うん。高校一緒だけどクラスが違うから最近あんまり会うタイミングが無くてそれで…。」
「そっか…。優しいな。杉崎さん。でもそんなに仲良かったっけ?ひとはちゃんと?」
「…ひとはは…私もいろいろと助けてもらったし…優しいから…。」
172矢部ひと☆13:2010/11/03(水) 18:59:11 ID:YUBmAHp7

ひとはちゃんが杉崎さんを助けたことがあったなんて…そんなこと全然知らなかった。
杉崎さんのグループの輪の中には入ってるのを見かけたことはあったけど
僕の机の下にいた記憶のほうが強い…。
でもこんなに彼女に慕われているということは
僕の知らないところでひとはちゃんはちゃんとコミュニケーションを
自分なりのコミュニケーションをクラスの中で果たしていたんだ…。
しかも友達を助けるってそんなこともしていたなんて……知らなかった。
僕は一体何を見ていたのだろう?…ちょっと軽くショックだ。

「先生。」
「矢部っちでいいよ。」
「ううん。もう小学生じゃないもん。ちゃんと先生って言わしてもらいます」

この子も成長している。

「先生あの…ひとはを…ひとはをどうぞよろしくお願いします!さっきここ出たところなんですよね。
ちょっと追いかけてみます。それじゃ失礼します!」

彼女達も小学校を卒業してからもう丸3年か。
知らない間ににずいぶん大人らしくなったな。
子供の成長は早く感じる。それに比べてあの当時から大人である僕は
同じ時間が経過しているにもかかわらず全然変わった感じがしない。いや変わっていない…。
いつか、なにからなにまで追い越されてしまうのかな…。
173矢部ひと☆14:2010/11/03(水) 18:59:54 ID:YUBmAHp7

「矢部っち!」

「わっ!びっくりした。みつばちゃんにふたばちゃん。ど、どうしたの?」
「どうしたもこうしたもないでしょ!ひとはを早く返しなさいよ!この変態!」

変わってない子もいた…。なぜかほっとしている自分が情けない…。

「矢部っちー。ひとがまだ家に帰らないんスよー。奥に居るんすか?」
「ごめんごめん。今帰ったとこなんだひとはちゃん。
今日はちょっと疲れたのか朝ここに着てから寝ちゃって。それで…」

「ひとはが矢部っちのところで寝た…? 変なことしなかったでしょうね?」
「す、するわけないよ!僕を信じて!」

みつばちゃん…怖い。あの事件以来、ひとはちゃんに対して一層お姉さんらしくなってきた。

「矢部っちのこと小生は信じるっすよ。…でもそれが嘘だったら…うふふ…うふふふふ…」

ふたばちゃんも同じだね…怖いよ…。

「で、でも今ここに来るとき会わなかった?ひとはちゃんに?」
「あ、小生たちちょっとスーパーに寄ってから来たので道が違ってたんスよ。
ほら、こんなにお菓子買ったんスよー。ほとんどみっちゃんのだけど。」
「ば、ばかふたば!///そんなこといちいち言わなくていーの!」
「じ、じゃ、矢部っち。またね!」
174矢部ひと☆15:2010/11/03(水) 19:00:47 ID:YUBmAHp7

ふう…やれやれ。
この子達の担任を受け持った時は僕もどうなることやらと思ったけど
今思うとこうやって卒業してからも会いに来てくれたりして
教師冥利に尽きる…っていうのかな?なんだか先生やっててよかったと思う。
もしかして生徒に慕われてる僕って…教師の才能ある??教師の鑑?……なわけないよね…。
慕われているんじゃなくて遊ばれているんだよね…きっと…。
でも今受け持っている子達もひとはちゃん達もなんだかんだいってかわいい。
そして先生の僕を育ててくれている…そんな気がする。

さてと、明日からまたがんばろう。


「あ、いた!ひとは!」ハアハア!
「あ、杉…ちゃん」

「ひとーー!」
「ひとは!ち、ちょっと待ちなさいよー!」フタバ モ チョット…マッテ! ポテチテポテチテ
「ふたば、みっちゃん。」

「あれ?三女さん?」
「お!三女じゃん!」
「吉岡さんに、宮…下さん?」
「『宮下さん?』って語尾あげんな!一目見たらわかるだろ!」

「上尾だけに」

「ひとうまい!」
「うまくなんてねーよ!」


<HAPPYEND>



しょーもないオチですみませんでした。
お読みいただきましてありがとうございました。
175名無しさん@ピンキー:2010/11/03(水) 19:10:45 ID:e6tJVuK0
また体温が上がった
このスレのせいで心が温まりすぎて熱になりそうだよ
176名無しさん@ピンキー:2010/11/03(水) 19:22:39 ID:l40KR0ZN
>>157
いやー分かってるんだけどエロパロ板かなり長いからこればっかりは習性というか何というか。どこだって軋轢生まれる可能性はあるから。
書いてても文句言う人とかたまにいるしさ、一応ね。
>>159
ナイスデース
これからもみんなを2424させる作業を続けるんだ!

>>175
坐薬フラグキテルー?
177ガンプラ:2010/11/03(水) 19:34:17 ID:85HJIcW7
どうしても言い訳しておかなければならない事があったため、お借りします。

>>146
龍ちゃん失恋(という結果)は、この先の話に使いたいのです。
以前ちょっと言いましたが、私はラストから逆算して物語を作る…のため『最初』を考える頃には、
すでにモチベーションが落ちている、というびっくりするほどの根性無しなのです。
結構前から一つの物語の終わりを考えていたのですが、最初まで持っていく気力体力が無い状態でした。
しかし、前スレ548様の作品があまりにも神で、私のイメージする『最初』と見事に合致していたため、
眠っていたやる気が燃え出し、恐れ多くも借用してシリーズを構成させていただく事になりました。
本当は千葉氏編の後すぐに、その話を書いて終わるつもりだったのですが、
千葉氏編を書いていると勝手にキャラが動きだしたので、個々に話を作ることに。

何を言いたいかと言うと、素晴らしい作品に巡り会える本スレマンセー、そして前スレ548様は神、です。
178名無しさん@ピンキー:2010/11/03(水) 20:00:25 ID:0ay/YfO4
>>177
把握


今日投下ありまくりだヒャッハー!嬉しいったらない
流れに乗って投下だー!いつも通りryエロはありません
杉ちゃんが脳内でストップ高に…
179名無しさん@ピンキー:2010/11/03(水) 20:00:48 ID:0ay/YfO4
「ええっ!?ママ、日曜に遊園地行けなくなったの!?」
「ごめんね、みくちゃん…。どうしても外せない用事が入っちゃって…」
「うーん、私はいいんだけど…龍太がどう言うか…」

なんせ日曜はガチレンイベントだ。龍太が非常に楽しみにしていただけに…。

「そうなのよねぇ。さすがに人ごみに子供たちだけでは行かせてあげられないし…
誰か都合の空いてそうな人いないかしら…できればイベントにも理解ができる人がいいわよね」

他人を呼ぶんだからある程度興味がないときついわね…。
大人で、休みの日に暇で、ガチレン好きで…あぁ…いるわ…。

「私、心当たりあるんだけど…」
「本当?誰?」
「矢部先生よ」
「あ、担任の?先生、好きなの?でも迷惑じゃないかしら?」
「かなりのガチレンファンよ。きっと来てくれると思うわ」
「そうなのね。そっか、先生なら私も知ってるし、安心して任せられるわね」
「う、うん…」

…イベントに夢中になりそうな予感がひしひしするわ。言っておいてなんだけど、ダメな気がする…。
といっても。

「じゃあみくちゃん、お願いしてみてね?」
「わ、分かったわ…」

今更引けないわよね。


―――――――――――――――
180名無しさん@ピンキー:2010/11/03(水) 20:01:09 ID:0ay/YfO4
「矢部っち、今週の日曜空いてる?」
「ガチレンイベントに行くよ!」
「…ごめん」
「謝らないでよー…」
「ま、まぁいいわ。あのね、そのガチレンイベントなんだけど…」
「うん」
「一緒に、行かない?」
「うn、え、えぇっ!?」

え、なんでこんな慌ててるのよ。

「え、杉崎さんと、二人?」
「なななな、違うわよ!」

何言ってんのよこの人!?

「ふぅ、違うのか」
「家族で行こうとしてたんだけど、ママが急に行けなくなってね。龍太もいるし、保護者として来て欲しいの」
「あぁ、そういうことなら分かったよ、一緒に行こう」
「じゃあお願いね」

びっくりしたわ…なんで私が矢部っちと二人なのよ…。ていうか何考えてるの…。


―――――――――――――――
181名無しさん@ピンキー:2010/11/03(水) 20:01:30 ID:0ay/YfO4
「「いぃぃやっほぉぉぉぉ!」」

……。大人一人に子供二人で入ったのよね。うん、人数は合ってるわ。
私が大人で矢部っちと龍太が子供ね、間違いないわ。ていうかどうすんのよアレ…。
休日の遊園地のイベントなんてものすごい人が集まるのに、あの調子で暴れたらはぐれちゃうじゃないのよ…。
って言ってる側から龍太が!

ガシッ

「っとと、離れると危ないよ」
「お、おぉ!わりーな!」

…なんだかんだでちゃんと見てるのね。意外だわ。
って、私が流されっ!

「ほいっと」
「わ、わわっ」

矢部っちが私の手をしっかりと掴む。そして流されそうな私を引き寄せる。
さすが男の人だわ、結構力強いのね…。…ちょ、ちょっと近いけど…まぁ、いいわ…。
な、流されたくないだけだからね!

「大丈夫かな?」
「え、ええっ、大丈夫よ」
「そう、じゃあ前に行くよ。しっかり捕まっててね」

こ、この手をしっかり握ってろってことね。……っ!変に意識しちゃだめだわ。
矢部っちは担任、そして今日は保護者なのよ。別にこれぐらい普通なんだから…。

そういえば人の流れがあんまり苦にならないわね。こんなにいたら大変なはずなのに。
あ…矢部っち、庇いながら行ってくれてるのね。やっぱり私たちのことよく見てくれてるわ…。
弟と一緒になって騒いで、それでもきっちり私や龍太のことを守ってくれる。
子供っぽいところもあるけど、きっちり年上。
うーん…お兄ちゃんって、こんな感じなのかしら?ちょっと歳が離れているお兄ちゃん?
そ、そうよ!きっとお兄ちゃんみたいな感じなのよ!だからそう!手を繋ぐのも普通なのよ!
私って結構甘えたがりなのかしら…みつばといい…矢部っちといい…。

「杉崎さん、どうしたの?」
「な、なんでもないわっ!なんでもっ!それよりしっかり手を繋いでてよね!」
「え、うん、そりゃはぐれたら困るし、そうするつもりだよ?」

っ!繋いだまま繋いだまま…。う、うぅぅぅ…!普通なの、普通なの…!


―――――――――――――――
182名無しさん@ピンキー:2010/11/03(水) 20:02:46 ID:0ay/YfO4
結局、私はその後のイベントの内容なんて全然頭に入ってなかった。
普段だったら龍太の話に合わせるためにも見ておくんだけど、今日は矢部っちがいるから問題もなく。
なんせ二人で大盛り上がりだ。むしろ私が入らないほうがいいぐらいの騒ぎっぷり。
けれどそれも自宅についたら終わり。用事を終わらせたママが出迎えてくれた。

「先生、ありがとうございました」
「あ、いえ。僕のほうも楽しませていただきましたし、二人ともいい子にしていましたから」
「今日は楽しかったぜ!また一緒に行こうな!」
「…ありがと、矢部っち」
「それじゃまた学校でね」

それだけじゃ冷たいわ。折角一緒に行ってくれたんだし、何かお礼をしないと。

「あの、お礼をしたいんですけど」
「あはは、君はまだそんなこと気にしなくていいの、ちゃんと学校に来てくれたらそれでいいよ」

この人ほんとに何も分かってない…。

「そうじゃなくて…。私がお礼したいのよ」
「あはは、本当に気にしなくていいんだよ」
「くすくす…それじゃ先生、お礼はまた後日させていただきます」
「えっ、あ、お構いなく!それでは失礼します」

あーあ、ほんとに帰っちゃったわ…。ていうかママと態度が違いすぎるわ!
って、ママ?何、内緒話みたいに。

「みくちゃん、あぁいう時はね…」


―――――――――――――――
183名無しさん@ピンキー:2010/11/03(水) 20:03:07 ID:0ay/YfO4
<翌週・土曜>
ふふっ、驚くかしら。そりゃいきなり来たら驚くわよね。

ピンポーン

…ガチャ
「…っとと、何でいつもみたいに入っ、あれ?杉崎さん?」

いつもみたいに…?

「どうしたの、お休みの日に」

っと、いけない、ちゃんとすることしないとダメね。

「先週のお礼をしにね」
「え、そんな、いいよ」
「そんなこと言われてももうココまで来ちゃったわけだし」
「う、まぁ確かにココまで来られちゃ仕方ないね…で、お礼って…」
「矢部っちのお世話をしに来ちゃった」
「えぇっ!?」

わ、すごく驚いてるわ。ちょっと楽しいかも。

「いやいやいや!だって今この部屋入られると困るよ!」
「掃除してないんでしょ。心配しないで、それがお礼よ」
「いや、それ以外にもね、その…」
「いかがわしい本があるのね」
「…はい」

ほんとにダメな大人ね。お客さんが来たらどうするつもりなのかしら。
まぁ、それはともかく。

「とりあえず、玄関先で立ち話だと目立つから、入れてくれないかしら」
「あー…ぁぁ、うん」
184名無しさん@ピンキー:2010/11/03(水) 20:03:29 ID:0ay/YfO4
「って、汚っ!?」
「もー、だから止めたのにー」
「う…悪かったわよ。でもとりあえず私が掃除するから任せて」
「なんでそこまで?」

そうよね、やっぱり不思議に思うわよね。仕方ないか…。

「あのね、笑わないで聞いてくれる?」
「うん」
「この前ね、龍太と一緒になってはしゃいでる矢部っちを見て、なんか可愛いなと思って…」
「大人に可愛いって…」
「もう、ちゃんと最後まで聞いてよ。
でね、それでもしっかり私たちのことを気にかけてくれている矢部っちを見て、ちゃんと守ってくれてるんだなって思って…。
それでその…矢部っちのこと、お兄ちゃんみたいだなぁと思って。
それで、すっごく何かしてあげたいなぁって思っちゃったの」
「お兄ちゃんみたい…?」
「だって私、お兄ちゃんいないもの。みたいってことしか分からないわ。
でもきっとお兄ちゃんって矢部っちのように優しくて、でも男の人の子供っぽいところもあるんだわ」

ものすごく恥ずかしい。けど、なんだか気持ちがスッキリする。

「杉崎さん…」
「だからお願い、今日は妹みたいなものだと思って、これぐらいのワガママ、言わせて?」
「うっ…うぅ、分かったよ」

やたっ!ママ、私大勝利よ!

「……杉崎さん?」
「な、なんでもないわ!」


―――――――――――――――
185名無しさん@ピンキー:2010/11/03(水) 20:04:06 ID:0ay/YfO4
ある程度覚悟していたつもりだったけど…。

「いかがわしい本、多すぎだったわ…」
「ハイ…」

本当に仕方ない人ね。急な来客に全く対応できないじゃないの。
ふふ、こうやって私がたまに見にこないとダメかしら。

「でも杉崎さん本当にすごいんだねー、あっという間に片付いちゃったよ」
「お礼だし、頑張ってやっておいたわ」
「あはは、ありがとう。きっといいお嫁さんになれるよー」

い、いきなりこの人何言ってんの!?それにしても、お、お嫁さん。…矢部っちの?
っ!?私ってば今何を!?

ガチャ
「「…えっ」」
「あ、ひとはちゃん」

えっと、どういうことかしら。鍵はしてたわよね。なんで入ってこれるのかしら…。

「今日は遅かったねー。何かあったの?」
「はい、少し。…それよりですね」
「「これはどういうこと?」なんですか?」
「えっと、何が?」

何でのほほんとしてんの…。

「はぁ…先生にこんなの求めるだけ無駄だね、とりあえず私たちで話そう」
「そうね、それじゃ私から言うわ」

―――――――――――――――
お互いの話を聞き終わった後、つぶやいたのは私だった。

「そう、じゃあ毎週ココに来てたのね」
「うん」

なんなのかしら。異様に悔しいわ。それに…羨ましい。合鍵なんて…まるで彼女だ。

「この部屋、杉崎さんが掃除したんだよね」
「ええ」

チクビと遊びながらそうつぶやく三女。
あら…三女も何かオーラが…三女は間違いなくそうだろうから、ってことは私はやっぱり矢部っちを…。
ち、違う、違うわ!そう、これはきっと兄を取られて寂しい感覚よ!
で、でもちゃんとした兄弟でもないのにこんなこと思うかしら…。う、ぅぅぅ。

「とりあえずお昼前だし、私は帰ります。チクビ、また明日ね」

っ!?ってことは明日も三女ココに来るのね、そう、なのね…。

私も負けていられないわ。

「矢部っち、私も今日は帰るわ。私は…矢部っちに会いに、明日も来るわ」
「っ!?」

「?う、うん、まぁいいけど」


―――――――――――――――
186名無しさん@ピンキー:2010/11/03(水) 20:04:30 ID:0ay/YfO4
「杉崎さん」
「んー、分かんないのよね」
「えっ?」
「矢部っちのこと。お兄ちゃんみたいだなって思ってたんだけど、三女と二人で会ってるって考えたら急に悔しくなったの」

…自分で言ってて分かるけど、告白同然ね、これ。

「二人って…私はチクビに会いに行ってるだけだよ」
「そう?じゃあ、もしもだけど…私が矢部っち貰ってもいいのね?」
「よくない」
「あら、素直じゃないのね」
「けどそれよりも、先生は相手にしてくれないよ」

随分と弱気ね…。

「そんなの分かんないじゃない」
「掃除してたら分かると思ったけど…エロ本、見てないの?」
「…大きいのばかりだったわね」
「そう、つまり私や杉崎さん程度じゃダメなんだよ」

そ、そんなっ!って…

「自分で言ってて泣きたくならない?」
「なる」
「そ、そう…」
「だからその、こっちの件では共闘しておっきく。どうせ今は相手にしてくれないし」

確かに現状は、教師と小学生だもんね。さっきはあぁ言ったけど、確かに普通に考えたら相手にされないわ。

「おっきくするのは分かったけど…。それで…矢部っちに対しては?」
「現状維持、というか手出し無用というか…」
「そ、分かったわ。それじゃお互い頑張りましょ」
「ん。それじゃ私は来週からもチクビに会いに行くよ」
「んなっ!?」

こ、この子…っ!ぜ、絶対に負けないんだからーっ!!
187名無しさん@ピンキー:2010/11/03(水) 20:06:18 ID:0ay/YfO4
おしまいです。存外長かった…。
188名無しさん@ピンキー:2010/11/03(水) 20:25:57 ID:KW3rtJ8O
>>174
乙!! とにかく甘えんぼなひとはが可愛い!!

>>187
こちら様も乙。まさかの矢部ひと杉崎で三角関係とは……。
このあとひとはと杉ちゃんによる矢部っちへのアピール合戦が始まりそうな予感。
189174:2010/11/03(水) 22:47:31 ID:YUBmAHp7
>>175
熱出ちゃいましたか…。でも嬉しいです。サンクスです。
解熱剤は…この場合いらないですよね。
>>176
イエッサー!2424がんばります!
>>188
ひとはちゃんって基本甘えんぼだと思うんですよね…。表には出しませんが。
だからこんなに愛されてるんじゃないでしょうか?
>>187
乙です!
ひとはちゃんは内心めっちゃくちゃあせってるよね。
思わぬライバル出現に。
この続きも読みたいな。期待してます!
190名無しさん@ピンキー:2010/11/03(水) 23:13:29 ID:iBqZzSah
矢部っちも大変だな
色んな人が三角関係を構築しちゃって
こんなんじゃ休日にひとはとイチャイチャ出来ないじゃねーか

もっとやれ
191名無しさん@ピンキー:2010/11/03(水) 23:49:45 ID:WF4Xl9tu
このままじゃ矢部っちとしんちゃんがモテ男の悩みを愚痴り合ううちに体で慰め合う展開に…><
192名無しさん@ピンキー:2010/11/04(木) 00:00:31 ID:PIuoE5Jq
俺の脳みそに妄想を文書化する機能が付いていれば、
あんなネタやこんなネタを投下できるのに

千葉みつ杉や、いんらんまゆげ×宮なんとかとかをね
193名無しさん@ピンキー:2010/11/04(木) 00:06:01 ID:YchRH+dq
>>191
まゆ毛ペロペロ

スタイルのバランスは別として、おっぱいは
吉岡>ふたば>松岡>宮下

くらいだと思う。



もちろん佐藤姉は宮下以下な!!!
194ガンプラ:2010/11/04(木) 21:09:18 ID:3pR6bJkw
いくらかの方に>>133を読んでいただけたようなので、ちょっと感想をお聞きしたいことが。

今回、練習その3として、
『自分でウザく無いと思える限界まで、背景情報を詰め込んだ』話にしてみました。

自分設定が多いので、それを読み手に伝えねばならないのですが、
なるべく劇中人物にそれを説明させたいと考え、ちょこちょこ思い出話などを入れています。

最初に箇条書きにするより、スルッと頭に入れていただけるかな?と思っての努力なんですが、
逆に本文がゴチャゴチャと読みにくくなっては本末転倒なのもわかっています。
(両立させる実力は、当然ありません)

というわけで、今回のふたしん話で、

○そんなに気にならなかった。
○ごちゃごちゃして、本文が楽しめなかった。

のどちらだったかの感想をお聞きしたいです。
今回以上の情報密度になる事は無いよう、今後の作品を書く予定ですが、参考にさせていただきたく。


私的に、ガチガチに世界観や裏設定を構築した上で、
最低限の情報+ちょっと しか出さないことで、受け手に隙間を想像して楽しんでもらう
『ワイルドアームズ技法』(←勝手に命名)が理想なんですが、素人ではやっぱり無理ですね…。
短編パロディでは余計に無謀な挑戦でした。
195174:2010/11/04(木) 23:10:32 ID:ALRwajaR
こんばんは。
改めて>>133を読ませていただきました。
では早速ですが感想おば…。

最初に気になった点を上げさせていただきます。
失礼を承知で辛口で書かせていただきます。どうかご容赦ください。

まず、「自分設定」は別に気になりませんでしたが友達の名前は初め
これ誰?感が否めませんでした。(岡部、三次、行田)
もしかしたら原作モブかもしれませんが一応原作既読の私でも
ちょっとなじみのない名前でここはもっとわかりやすい人物を登場させた方が
よかったと思います。田渕とかね。
その方が「掴み」がより良くなると思います。

あと気になったのはしんちゃんの独白。
なんだか誰に向かって言っているのかわかりにくい。
読者に向かっていっているような感じが
読み手からしたらちょっと引いちゃいます。(>>137とか)
あと、行間をもう少し工夫すればごっちゃ感が薄れて
読みやすいような気がします。

それと、も一つ。
千葉氏が…普通の高校生になってしまっている…。
あーでもこんな感じなのかな?高校生の千葉氏。

ふたばとしんちゃんのやり取りはよかったと思いますし
しんちゃんの妄想パートは秀逸!
ふたばもかわいい。
全体的にやや暴走ぎみな感じは否めませんが
設定は今までにない感じで面白いと思います。

以上です。
こんな感じでよろしいでしょうか…。
素人がいろいろ生意気なこと書いちゃいましてすみませんでした。
自分のSSのまずさを思いっきり棚に上げております。
でもこのスレの一読者として書かせていただきました…。

僕自身も実はもっといろいろ良い所悪い所批評して欲しいのですが
そういうスレでもないですしね。
でもこういうやり取りは好きです。 これからもがんばってください!
長文スマソ!
196176:2010/11/05(金) 09:04:41 ID:rpCNUMB/
誰かに自分の書いた物の良い点悪い点指摘してもらいたい気持ちは分からないでもない。
でも上にある通りここは本来はそういう場所ではない、ってのが難しい部分だな。

>>195
とりあえず設定とかの情報がしつこいとは感じなかったよ。
モブに関しては174の人と同じ様な感想。突拍子が無かった感はある。まぁ今週の本誌で岡部君出てたけどw予言なのかこれ。
一応自分は書く方もやるから、ある程度モブ生徒の名前は把握してるけど、普通に原作見てると宮下メインの席替え話の最初の黒板くらいしかソースが無い気がする。
半公式設定資料がコミケとかで出てたし、ちょっと調べればもう6−3全生徒の名前は分かるはず、とはいってもそこをチェックするかどうかは趣味の範囲だからね。
ビジュアルが割れてる(と思われる)田渕、犬口、久保田あたりを使った方が頭の中に絵が浮かんできやすい、ってのも割と重要だろう。
同じ論法で女子は通称おでことか、通称もとこ(攻殻の草薙少佐っぽい子)が比較的使いやすそうなのかな。あと峰さん。トニカクダレカカイテモイインジャヨ(チラッチラッ


さて、名無しに戻ってネタレスを考える作業に戻るか
197名無しさん@ピンキー:2010/11/05(金) 09:08:02 ID:rpCNUMB/
おでこちゃんのおでこと
ゆきちゃんのまゆげで
いろんなところをはさんでもらいたい
ぼくはへんたい
198名無しさん@ピンキー:2010/11/05(金) 21:25:52 ID:TRoAdREd
なんだか急に静かになったね…。
199ガンプラ:2010/11/05(金) 21:36:10 ID:/OCfj6dK
申し訳ありません。
次に手をつけた際、ネタ帖の量がかなりの量になってしまい、
現状でも読み手の方にどうとられているのか、どうしても気になってしまいました。

しかし、多数の方が利用される場で、勝手なことをしてしまいました。
以降、気をつけます。


>>174

細かいご指摘ありがとうございます。
>>137はしんちゃんのグダグダさを出したかったのですが、
読み直すと、肉付けしすぎてましたね。
根本的に改行がおかしいので、併せて工夫してみます。

>>176

モブクラスメイトはニコ動にあった紹介動画から、適当にチョイスしたものでした。
岡部が今週号に載っていたのは、自分でも驚きでした。
ただ、(勝手に外見から)想像していたキャラと違ってて、へこみました。

お二方にいわれた通り、モブの使い方…そもそも、名前という記号が
必要かどうかも、もうちょっと考えてみようと思います。

本当にありがとうございました。
200杉ちゃんひとりごっこ:2010/11/05(金) 22:37:17 ID:HGnx6egp
杉崎オンリーで5レスくらい
性的な意味では誰とも絡みません
201名無しさん@ピンキー:2010/11/05(金) 22:38:01 ID:HGnx6egp
いつからだろう、みつばの画像を見てると変な気分になるようになったのは。
ちょっと前までは「みつばマジうざい」とか思ってたはずなのに。
弱点を探るためにケータイで撮っていたはずが、いつのまにか撮りためた画像が1000枚以上。
古いのなんかはもう削除してもいいはずなのに。
削除しようとすると、胸が締め付けられるような気分になって、結局削除できずに
画像の枚数がどんどん増えていく。

…はぁ。
これもみつばのせいよ。
勝手に私の心の中を占拠して!

「杉崎さん、杉崎さん!」
「あ…は、はい!」
「もぅ、授業中に携帯いじってちゃダメでしょ」
「す、すみません」
矢部っちに怒られてしまった。
これもみつばのことを考えていたせいよ。
何かこう、みつばを参ったと言わせるような弱点を見つけないと気持ちが治まらないわ!
…そのためにはもっとみつばの画像を撮りまくらないとね。

ピロリロリーン
ピロリロリーン
ピロリロリーン

「ふぅ、今日もたくさん撮ったわね…」
放課後、私はひとり教室に残ってケータイのチェックをしていた。
いつもは家に帰ってからチェックするんだけど、今日は日直で帰りが遅くなったのと、
もう夕方なので誰もいないだろうと油断してて、つい教室でチェックし始めてしまった。
202名無しさん@ピンキー:2010/11/05(金) 22:38:42 ID:HGnx6egp

みつばが給食の牛乳を一気飲みして噴き出したシーン…まったく、豚なんだから。
みつばが授業中に矢部っちの話を聞いてなくて怒られたシーン…これは笑えたわ。
みつばが掃除中に思いっきりパンツ丸見えになってるシーン…これはまぁまぁ使えるわね。

「んっ…こ、これも中々いいじゃない……んっ…ぁ……」
私はいつのまにか、みつばの恥ずかしい画像を見ながら自分を慰めるようになっていた。
何故かは自分でも分からない。
ひょっとしてこれが好きという感――
――いやいや、それはない。あってたまるもんですか。

みつばが階段を登っていくところを下から撮ったシーン。
みつばが強風に煽られるスカートを必死に抑えてるシーン。
みつばが体育の授業中に逆上がりを失敗して地面に落下しM字開脚してるシーン。

「んふっ……ふぁっ、あぁ……」

みつばが体育の前の着替え中に転んでパンツが半分ずりおちたシーン。
みつばの干支パンツ連続スライドショー。
極めつけはみつばが泊まりに来た時のバスルームの画像…

「……んくっ…あぁっ…みつばぁ、みつばぁ…」
「…杉崎?」

……へっ?
その声は……
「――み、みみみみつば!?」
「何やってんのよ、こんな遅くまで」
「え、いや、その…」
バレてない?
203名無しさん@ピンキー:2010/11/05(金) 22:39:38 ID:HGnx6egp
「い、今から帰るところよ。あんたこそどうしたの?どうせ宿題のプリントを忘れて帰ったんでしょ」
ごまかそうとして焦っていたからか、つい早口になってしまったけど、みつばは気づかなかったみたい。
「…いつもは宿題なんてやらないけど、たまにはやってあげないと矢部っちが可哀想じゃない?」
…良かった、この調子だと本当にバレてないみたいね。
よし、このまま適当に話をして……。
「そんなこと言って、本当はテストの点が下がってパパに怒られたんじゃないの?」
「な、なんで知ってるのよ!」
「あら?本当だったんだ」
「こ、この…!杉崎のクセにっ!」
みつばの指が私のぴょんぴょんを引っ張る。
私はお返しにみつばのおなかを突っついてやった。

あぁ…いつまでもこうしてイチャイチャしていたい!
イチャイチャしながらみつばの恥ずかしい画像を撮って、その画像で自分を慰めたい!
なぜなら、私はみつばが好――

「ちがーーーーう!」
「わっ、何よ急に…びっくりするじゃないの!」
「はぁっ、はぁっ……」
「…ちょっと、大丈夫?」
「……帰る」
「はぁ?」
「もう帰るって言ったの!じゃあね、バイバイ!」
「???」

あぁ、みつばが呆れた顔でこっちを見てる。
変な奴だと思ってるかな。
嫌われたりしてないかな…?
明日、ちゃんと謝った方が…
「って、なんで私が謝るのよ!?みつばが私の心に入り込むから…入り込むから……悪いのよ」

・・・

その日の夜、私は下着姿で床に座ってケータイのみつば画像を見ながら自分を慰めていた。
いつもなら一度した日はもうしないけど、今日はあの後ずっと身体が変な感じで、
宿題にも手がつかなかったから、仕方なく続きをすることにした。
「…ぁ……んっ…みつば……」
204名無しさん@ピンキー:2010/11/05(金) 22:40:40 ID:HGnx6egp
嫌いなはずのみつばの名を呼びながら、左手で下着越しに大事な所をさする。
右手はケータイを操作して、みつばの画像を次々に表示させる。
左手は次第に下着の中へと潜り込み、さらにその奥へと……。

「あぁ…ん、んっ…あぁっ……あぁんんっ!」

はぁ、はぁ、はぁ…ふぅぅ〜〜。
……。
…………。
………………おかしいわ。
身体がまだ疼いているじゃない!
いつもなら、したあとにすぐまたしたくなるなんてことはないのに…。
どうしよう…私の身体、おかしくなっちゃったのかしら?
不安になりながら何気なくケータイに目をやると、画像の中のみつばと目が合った。

――!!
とたんに胸が高鳴り、苦しくなる。
そして手が勝手に下半身へと伸びて…
「ぁ…ん……」
ダメよ、今日はもうしたじゃない。
「はぅ…あっ……んん…」
ダメ…ダメだってば……

「ダメなのに…手が止まらない…」
どうして?みつばが好きだから?
…そ、そうよ。私は、私は…
「みつば…みつばぁ…………す、好き……」

ケータイの中のみつばに向かって告白した後、私はゆっくりと床に横たわり意識を手放した。
205名無しさん@ピンキー:2010/11/05(金) 22:41:44 ID:HGnx6egp
後日。

ピロリロリーン
「あぁっ、またパンツを盗撮してる!いい加減にしなさいよこの盗撮魔!」
みつばが私のぴょんぴょんを引っ張る。
私はお返しにおなかを引っ張ってやった。
あぁ、いいわ…この感触。みつばの甘い香り。素敵!

「慰謝料として高級スイーツを要求するわ!放課後あんたの家に行くから用意しておくように!」
「しょうがないわねぇ、ホント雌豚なんだから」
「なんですって!私のパンツを盗撮しておいて!…こうなったら、写真一枚につきスイーツ一個!
 雌豚の食欲を見せてやろうじゃないの!」
みつば…ホントに豚であることを恥じないのね…でもそんなみつばも素敵。
それに、今の話だとスイーツあげればパンツ撮ってもいいってことに…なるわよね?

「それでいいなら今度から堂々とパンツ画像を撮ろうかしら。スイーツならいくらでもあるし」
「――!!」
あ、あら?
何故か急に周りが引いたような…

「杉崎…それはちょっとどうかと思う…」
「杉ちゃん…やっぱりみっちゃんのことが好きだったんだね><」
え?な、なんでそんな目で見るのよ。
って言うか吉岡、恥ずかしいからそういうことはっきり言うんじゃないわよ!
そう言えば…よく考えてみると、とんでもないことを口走ったような…?
…はっ!みつばが冷ややかな目で私を見ている……。

「……堂々と…どうするって?」
「その、写真を…撮るのよ……」
「何の写真よ?」
「み、みつばのパンツ…」
「写真を撮ったら何をくれるんだっけ」
「その、スイーツをあげるって……」
「つまり?」
「スイーツをあげるからパンツを撮らせて下さい!」
「この変態が!」


おしまい
206名無しさん@ピンキー:2010/11/05(金) 23:24:17 ID:BmA9MJA3
オチワロタw
207名無しさん@ピンキー:2010/11/06(土) 14:58:56 ID:LyzuZI5+

杉ちゃんはマジでやってそうだから困る

>>189
続き…だと…
208174:2010/11/06(土) 18:43:00 ID:Ow5BjWcJ
>>199
やっぱり彼らは正規のモブだったのですね。
勉強不足ですみませんでした…。
>>196氏、ご指摘ありがとうございます。
生意気にもいろいろ辛口の感想を書いてしまいましたが
作品を否定しているわけではもちろんないのでここで言い訳しときます><
>>205
乙です。
こういうのが好みっス!
ニヨニヨプラスαなエロ加減。絶妙です。
オチは今となってはなんだか懐かしいですね。
でもGJ!
>>189
そう…続きを書くのだ…続きを…ほーら、書きたくなってきた…。
杉崎と三女の壮絶なバトルが…ほーらほーら……。
209名無しさん@ピンキー:2010/11/06(土) 19:17:26 ID:NO9yOZnJ
しかし結構作品が増えたな

他力本願にだがまとめwikiでも欲しいところだw
210名無しさん@ピンキー:2010/11/06(土) 20:28:41 ID:SxGxuu1j
>>208
続きがない…どうすれば!

>>209
言いだしっぺの法則


矢部ひとだだ甘、エロも無しの上にいつも以上に短い。
2レスのみってどういうことなのさ
211名無しさん@ピンキー:2010/11/06(土) 20:29:09 ID:SxGxuu1j
―――休み時間

それぞれが好きなグループに分かれ、思い思いの話をしている。
小学生にとって友達との楽しい時間だ。この時間のために学校に通う者もいるぐらいの貴重な時間。
四月の当初と違い、今ではクラス全員がわいわいとすごしている。

始まりのとき、丸井ひとはは一人だった。
誰に話すことも無く、話しかけられるでなく、一人。
グループが出来た頃であっても、教師の側に、矢部の机の下に居るだけで仲の良いものがいなかった。
それが今では、杉崎や吉岡といったクラスメイトと話すようになっている。
担任である矢部にとって、少女の成長はとても喜ばしいものであり、同時に寂しくもあった。

最近は足元が広いとよく感じている。

その考え自体がどうかとも思うが、居た者がいなくなるというのは、誰にとっても寂しいものだ。
虚飾をしても仕方が無い、どうにもならない思いだった。
空っぽになった足元を気にしながら、ひとはのことを考えていると、ふと目が合う。

その目をひとはは直ぐに理解する。

丸井ひとはは寂しさを知っている。
自らが抱え込んでいたものを手放したからといって、それは無かったことになりはしない。
他人に無関心ではあるが、近しい人を放置するほどには冷たくもなかった。
だから、ひとはは矢部に近づく。

「先生、どうしたんですか?」

自分が考えていることを見透かされたかのような矢部は、本心を半分だけ覆う。

「えーと…ひとはちゃんも変わったなぁ、とね」
「おじさんくさいですね」
「酷い!先生なんだからそれぐらい、いいじゃない!」
「で、その変わったというのはいい意味ですか?」
「もちろんそうだよ」
「その割りに寂しそうですよ?」
「…そんなことないよ」

矢部の本心を既に理解しているひとはは、少しだけ微笑む。

「否定していますけど、先生の足元、広いままですよ?まるで誰かが入るのを待ってるかのように」
212名無しさん@ピンキー:2010/11/06(土) 20:29:30 ID:SxGxuu1j
ひとはの言うとおりだった。
矢部はひとはが頻繁に入らなくなった後も、机の下に足を押し込まないようにしている。
ひとはがいつ入っても違和感がないように。それでも矢部は自らを糊塗をする。

「これは…つい、癖でね」

しかし、こんな戯言を見逃すほどひとはは甘くない。

「癖になるぐらい、私が居るのが普通なんですね」
「…そうだね」

どのようなことを言っても勝てはしない。机の下に居るときからそうだった。
何かを言ったところで、常にひとはにやり込められる。
矢部とひとはの関係性はずっとそうなのだ。ひとはがどうなろうと変わらない。
そしてひとはは内心を隠して、呆れたように伝える。

「仕方ないですね。寂しがりやの先生のために入ってあげます。私が入りたいからじゃないですよ」
「はいはい」

そうして、ひとはは定位置に落ち着く。とても満足げな顔で。ここはひとはだけの場所だからだ。

丸井ひとはがクラスに溶け込んだ。そうであるならば、クラスメイトもまた、ひとはを知る。
素直でなく、照れ屋であり、それでも仲の良い人にはどこかで甘えているひとは。
そのため、矢部を除いた皆が知っている。言いたいことは一つだけ。

お前が入りたいだけだろう、と。

そして矢部とひとはは、二人だけの空間を作る。
誰がいようと変わりなく、ひとはが変わろうといつものように。
だから、クラスにとって二人は以前と同じように、バカップル、だった。


おしまい
213名無しさん@ピンキー:2010/11/06(土) 20:33:01 ID:SxGxuu1j
ボリュームが足りないだって!?俺もそう思う
今度はもうちょっと何とか練ってくる…
214名無しさん@ピンキー:2010/11/06(土) 21:22:05 ID:5UFkotij
乙です。短い文章の中にも矢部ひとの良さがあって素晴らしいです。
ボリュームも、文章は長ければ長いほどいいってものじゃありませんし(自戒)、
コンパクトにまとめてあって良いと思いますよ。
215196:2010/11/06(土) 21:57:11 ID:KL0jE1Wg
>>208
ごめんね多分安価間違えてたそれ
194のコテハン付けた方への感想よ

>>205
上手く原作オチを再現してて笑ったw

>>213
文章量より質だよ!そして作品数だよ!

>>209
言い出しっぺの法則

いやマジでまだ2スレ目見れる内に作って欲しい
216名無しさん@ピンキー:2010/11/06(土) 21:58:43 ID:KL0jE1Wg
と思ったらもう見れなくなってて悲しみ背負った
217174:2010/11/06(土) 22:42:06 ID:Ow5BjWcJ
>>210
冗談ですよ。ムフー
&乙です。
このようなSSSも全然いいんじゃないでしょうか?
日常の一部分を切り取った話。
ひとはと矢部っちのあうんの心情。
クラスメイトが暖かく見守ってくれている二人の関係。
じわっといい気分にしてくれる良SSっス!
>>215
いえ、アンカー違いだとは分かっておりましたが
自分にも当てはまることがありましたので。
218名無しさん@ピンキー:2010/11/06(土) 22:47:21 ID:gejBv0nS
乙です
2レスなのに密度が高くて満腹な自分は、コレ以上のボリュームだと死んでしまいます

もちろん萌え死ぬ覚悟完了済みなのでどんと来いです
219名無しさん@ピンキー:2010/11/07(日) 09:42:26 ID:lXq0pd8P
少し前に杉みつ輪モノを書かせていただいた者です。
続きを書きましたんで、投下しに来ました。
前の作品がどこのあるのか、見つからなかったんですけど、一応前からの続きです。
とりあえずどうぞ。
220杉みつ輪2−1:2010/11/07(日) 09:43:56 ID:lXq0pd8P
ー杉崎ー
「んっ、んやぁ……、あっ、あんっ……!」
「ふっ、ふっ……!杉崎、さんっ……!」
苦しそうに言って男の子は、私の中を激しく打ちつける。
そのたびに奥まで響いて、四つ足で立っている私の膝はガクガクと震えていた。
「で……出そうっ!杉崎さん!中に出すよ!」
「え?ま、また、中にぃ……っ!?……あぁぁっ!!?」
ビュクッ!ビュルル!
中で脈打ちながら、勢い良く私の中にアレが流れ込んでくる。
「やぁ……でてる……」
力が抜けた私は体育倉庫のマットの上に倒れ込んだ。その拍子に私の中に入っていたモノが、お尻の穴をかすめてズルンッと抜ける。
「はぁ……はぁ……」
「はぁ……。今日も、良かったよ……、杉崎さん」
男の子が言った。
今は昼休み。
外では、他の子たちの楽しそうな声が聞こえている。
……あの日以来、私は毎日のように呼び出されていた。
来ないと周りにバラされる、そんな恐怖心からだと自分で勝手に納得している。
「中に……出さないでって言ったのに……」
「ごめん……でも、杉崎さんが可愛かったからつい……」
「なっ……」
何言ってるのかしらこいつは……。
「あなたに言われても全然嬉しくないんだけど……」
「あ、うん……。そうだよね……。勝手に……その……犯しといて……」
なんだ。わかってるじゃない。
「私は、あなたなんかだいっきらいよ」
「うん……」
「ふんっ」
私は立ち上がって、散らばっていたパンツとブルマを穿くと、体育倉庫に男の子を残して出て行った。
「はぁ……」
なによあいつは……。人の純潔を勝手に奪って、しかも貴重な昼休みをいつも台無しにしているくせに……。
ぶつぶつと文句を言いながら、杉崎は教室へと戻っていった。
221杉みつ輪2−2:2010/11/07(日) 09:44:58 ID:lXq0pd8P
ーみつばー
「あぁぁぁぁぁぁぁ……っ!?あっ、やんっ!」
放課後、千葉に呼び出された私は、教室で千葉に犯されていた。
「長女は淫乱だなぁ」
仰向けになっている私に向かって、千葉は言う。
「ばっ、んっ、そんな、こと、ないわよっ……ひぁっ!?」
グチョ、グチョ、クチュ、クチャ。
「じゃあ、なんでこんな濡れてるんだ?」
パンッ!クチョ!クチュ!クチュ!クチュ!
「あ……っ!奥に、きてっ、るぅ……っ!」
千葉のモノが中で動く感触がする……。
気持ち悪いっ……のにっ!
「あっ、んっ、ふっ、くぅんっ」
「くっ、そろそろ出すぞ、長女っ!」
「やっ、まって……!んくっ……!」
ビュル!ビュルルッ……!
あぁ……中に熱いのが流れてきてる……。千葉の……が、私の中に……。
「ふぅ……」
ヌルンッ。
「あんっ」
千葉が自分のモノを引き抜いた感触で思わず声が漏れた。
私のアソコから、温かい液体がお尻を通過して流れていく。
そこに千葉が指を入れて、かき回してきた。
「しっかりかき出さないとな」
ツプン、とアソコの入口から入り、ヌヌヌッとゆっくり進んでいく。
ささくれた千葉の指が、アソコの壁を引っかいて痛い……けど。
「んんっ……ふゃあっ!」
グリッ、と指を曲げてきた。
中を引っかかれて、お尻の穴の辺りがゾワゾワするっ。
それを数回繰り返すと、千葉が呟いた。
「おっ、出てきた出てきた」
トロッ、とお尻の穴を通って温かい液体がまた流れてくる。
大体、私は生理もまだなんだから出さなくてもいいのに……と思ったが、口には出さなかった。
千葉はポケットティッシュで飛び散った液体を拭き取り、それをゴミ箱に入れると、パンツとズボンを穿いた。
「じゃあな。長女。明日もこの教室な」
そう言って、その場を去った。
「……」
呼吸を整えてから、ゆっくりと起き上がる。
そして、無意識にアソコに手を伸ばした。
クチュ。
「あっ……」
気持ちいい……。
指を動かしてヌルヌルとする液体をしっかり絡める。
そして、それを口にくわえしゃぶってみた。
「んっ……ゴクンッ」
生臭く、甘苦い味と喉に残っているような感じが気持ち悪い……。
「……まずっ」
一人ぼっちの教室でそう呟いた。
222杉みつ輪2−3:2010/11/07(日) 09:46:27 ID:lXq0pd8P
ー翌日ー
放課後、いつもみつばと千葉、二人だけの教室には、今日は杉崎みくと丸井みつばを含めた、六年三組の男子全員が集まっていた。
「ちょっ、ちょっと!これはどういうことよっ!」
とみつばは千葉に詰めよる。
「まぁ、簡単に言うとだな……今日はみんなで遊ぼうと言う事だ」
「意味がわからないんだけどっ!?」
「まぁまぁ、いいからいいから」
と、千葉はみつばを後ろ向きに回らせ、みつばの両手をがっちりと抑え込んだ。
「よーし、みんなー。存分にやっちゃっていいぞー」
千葉が言うと、男子はみつばと杉崎にわらわらと集まってきた。
「ちょっ、やめなさいよっ!んっ……!やめっ、ひゃっ!?」
「すげー長女のアソコ。ピンク色でなんかヌルヌルしてるー」
「これがおっぱいかー。初めて見たぜ」
「なんか女子の乳首って豆みたいだな」
「おぉー奥の方、結構温かいぞ」
「どれどれ……、わっ!ホントだ!」
「やっ、やめっ……!んっ、んあっ!い、いたっ!いたいっ!!」
男子からアソコに次々と指を突っ込まれ、裂けるような痛みが走る。
みつばは痛みに顔をゆがめた。
「おいおい、みんな。穴はそっちだけじゃないんだぞ?」
千葉はそう言って、みつばのアナルに指を突っ込む。
ズブブッ。
「あぅ……ッッ!!?」
第二間接辺りまで、一気に侵入した指を、グリグリと回して他の男子達に見せる。
おぉー、と小さな歓声が上がった後、今度はみつばのアナルに次々と指が突っ込まれた。
「俺も入れたい!」
「俺も俺も!」
「僕も!」
ズブッ、ズブブッ。
「あぁぁぁああぁぁ…………ッッ!!!?」
愛液がちょうどいい潤滑油になって、スルスルとアナルに指が入ってきた。
メリメリ、と穴が裂けるように痛い。
「だめっ、い、いたいっ!さけるっ……!さけるぅ……っ!!」
223杉みつ輪2−4:2010/11/07(日) 09:47:51 ID:lXq0pd8P
その横では、杉崎が一足早く犯されていた。
衣服は破られ、床に散らばっている。
クラスの男子にアソコを犯され口と両手には、それぞれチンコがくわえさせられたり、握らされたりしていた。
「んっ、ぷあっ、ん、ふぅっ……んっ!」
レロ、ピチャ、ピチャ。
シュッ、シュッ。
パンッ!パンッ!パンッ!
クチュ、クチュ、クチュ。
艶めかしい音を立てて、杉崎は一生懸命に知らない男子のチンコをしゃぶった。
チラッと、昨日体育倉庫に呼び出してきた男子が視界に入る。
後ろの方で、私のことを見ていた。
(やめてっ……みないでっ……)
「んっ、んんっ、んっ、ぷはぁっ!あっ……!?んあっ……!」
クチュ、クチュ。
水音が、教室内に響く。
「くっ、気持ちいいっ、杉崎の中、すごい締め付けて……っ!」
「こっちもチンチンが舌に巻きついてっ……おほっ!?」
「あぁー、やべー、杉崎の手、ひんやりしてて気持ちいいー。もう俺このまま出そうっ」
「んんっ……!?んーっ、んーっ!」
「じゃあ、俺も中に……くっ、で、出るっ……!!」
ビュルッ!ビュルッ……!
口の中に精液が流れこむ。
苦さと絡みつくようなのどごしに思わず吐き出した。
「ぷあっ!ケホッ……!ケホッ!はぁっ、はぁっ、はぁっ……」
口から白濁した液体が流れていく。
「じゃあっ、次はこっちにいくか」
そう言って、今まで口に入れてた男子は、今度は杉崎のアナルにチンコを突っ込んだ。
224杉みつ輪2−5:2010/11/07(日) 09:48:28 ID:lXq0pd8P
「い゛っっっ……!!」
目を見開いて、体がえび反りになる。
「そ、そこはっ、入れると、ところじゃないわよっ……!!」
と、男子に言うが、男子は構わず奥まで進んだ。
アソコから垂れてきた愛液が潤滑油になって、いい具合にアナルの奥へと入っていく。
「ふぁっ、あぁあ……あ、はぁっ!」
下腹を持ち上げられるような感触に息が詰まりそうになる杉崎。
「おー、杉崎のお尻の穴、すげー締め付けてくるよっ。やばい、もう出そうっ」
ビュルッ!ビュルッ!
「ふぁぁっ!?」
アナルの奥で、チンコがビクビクと動き、奥の方が急に熱くなってくる。
「お前、もう出したのかよ」
「いやだって、杉崎の中、気持ちいいからつい……でも、これで滑りがよくなるぜ」
ズプッ、グチュ……ッ!
アナルに入ったチンコを再び動かすと、茶色と白が混ざったような液体が、押し出されてきた。
「あっ、あぁんっ……!」
「くっ、負けるかーっ」
アソコに入れている男子もそれに負けじと腰を動かしてきた。
「ひぁぁ……っ!?」
(ア、アソコとお尻が交互にこすれてっ……)
クチュ、グチュ、クチョ、クチョ、パンッ、パンッ、パンッ。
「あっ、うんっ、うぁっ、あぁっ、ふぁぁっ……!」
後ろの方ではあの男の子が見ている。
その顔は少し悲しそうだった。
(み、みてる……、こ、こんな姿っ……みられて、るぅっ……)
「やべっ、俺もう出そうっ……」
「おれも……、うっ!」
ビュルッ、ビュルルルッ!
「あぁっ……!」
両手ににぎっていたモノから白い液体が飛び出て、杉崎の顔や身体を汚した。
「お、俺もっ、で、出るっ!」
「くっ、はぁっ!」
「ん゛っ、は、あぁぁんっ!!」
次いでドクンッ、と中で脈を打ち、暴れまわりながら、男子達の遺伝子をたっぷりと注ぎ込まれる。
「はぁ、はぁ……」
「はぁっ……くっ」
ズルッ、ヌルンッ。
アソコとアナルからチンコを引き抜くと、白い液体がトロリと溢れてきた。
「あっ、ふぁ……」
ボーっとなる頭で、後ろの方にいた先程の男子の方を見た。
だが、そこに男子の姿はなく、杉崎の瞳から涙が数滴こぼれ落ちると、今度は違う男子が杉崎を抱き起こした。
225杉みつ輪2−6:2010/11/07(日) 09:49:09 ID:lXq0pd8P
その隣では、みつばが男子に囲まれていた。
顔と体は既に白濁した液体で汚れ、ボンヤリとしたまま、命じられるままに男子のチンコをしゃぶっていた。
「ふぅ、長女。気持ちいいか?」
「んっ……んくっ」
チンコをしゃぶりながらみつばは、自分と合体している男子に向かって首を横に振った。
「なっ……。く、くそぉぉぉ!」
それを聞いた男子は怒ったのか、みつばの腰を突かんで、更に力強く奥を刺激した。
「ん゛っ……ぷぁっ!ひぁっ、やぁぁぁっ!!」
顔を歪ませながら声を上げ、身体を仰け反らせる。
「まーまー、長女は素直じゃないから気にすんな」
千葉はそんな男子をなだめる。
それと同時に、今度はみつばの肛門を指でなぞりはじめた。
ヌルヌル。
「ち、ちば……っ?今度は、な、何するつもり……んっ!……なの……?」
「さぁな。なんだと思う?」
みつばの肛門に指をゆっくりと沈ませていく。
「わっ、わかるわけ、ないでしょっ……!!ひぁっ……!」
クチュ、クチュ。
ズプッ、ズブブッ。
アソコとアナルで出る感触と入る感触を同時に体感するみつば。
「おー。さすが濡れまくってるからスムーズに入るなぁ」
ズブブッ。
お尻の奥の方で指を動かす感触がした。
「ちょっ……!?ち、ちばぁ……っ!動かす……ふぁっ!?」
反発するみつばのアナルに二本目の指が投入される。
「へぇ。尻の穴ってこんなんなってんだな」
クパァ、と広げてマジマジと観察する。
「ば……!みっ、見るんじゃないわよっ!変態!バカ!糸目!」
「……そうかそうか。長女はそんなにお仕置きがほしいか」
そう言いながら、千葉はポケットからあるものを取り出した。
226杉みつ輪2−7:2010/11/07(日) 09:49:58 ID:lXq0pd8P
「な……、なにそれっ……?」
みつばが恐る恐る聞くと、千葉は爽やかな笑顔で答えた。
「座薬だ。冷蔵庫に入ってた」
「なっ、なんでそんなもの……!すっ、捨てなさいよっ!」
「えいっ」
プチュ。
銃弾のような形をした座薬は千葉の間抜けなかけ声と共にみつばの肛門に入っていった。
「やぁっ……!やだぁ!ぬっ、抜きなさいよぉっ!」
シワの中央に埋め込まれた薬は、みつばの意思とは反対に、そのまま奥へと入っていった。
「大丈夫だ。長女。人体には無害って書いてあったし。この箱に」
そう言って、千葉が見せた箱には大きくこう書いてあった。
『ボラギノール』
しかし、薬の種類に疎いみつばには見せられても意味が分からない。
「なんか……ひんやりする」
「解熱剤だからな。そんなもんじゃねえの?」
「んっ……」
クチュ、クチュ。
アソコに入れられたまま、みつばはお尻の辺りをモジモジとさせた。
それに気づいた千葉はみつばに言う。
「しょうがないな。そろそろ抜くか」
「ほっ、ほんとっ……!?」
その言葉にみつばは目を輝かせる。
「あぁ。ちょっと後ろ向いてみろ」
「?」
みつばは疑問に思いながら、言われるままにクルリと後ろを向いた。
もちろん、アソコにはまだ入ったままである。
「よしっ。力抜けよ長女」
「うっ、うんっ……」
「深呼吸して」
「うんっ……すー……はー……」
「はっしゃっ!」
ズブブッ、メリメリッ。
227杉みつ輪2−8:2010/11/07(日) 09:50:27 ID:lXq0pd8P
「…………ッッッ!!!???」
お尻に突然激痛が走り、声も出せないまま悶絶する。
「大丈夫か?長女」
「なっ、なっ……?」
涙目になったみつばは千葉を見る。
その時のみつばには千葉の顔が悪魔みたいに微笑んでいるように見えた。
「ぬっ、抜くって……」
みつばは絞り出すように言葉を発すると千葉はわざとらしく答える。
「あぁ。だから今から抜くんだよ。俺が。長女で」
グチュ、クチュ、パンッ、パンッ!パンッ、パンッ!
「……〜〜ッッ!!!!ふあぁぁぁぁぁぁああ゛あ゛あ゛……ッッ!!!??」
同時にアソコとアナルを責められ、みつばは声を荒げる。
「静かにしろみつば。聞こえるだろ」
ズルンッ、パンッ!クチュ、クチュ、クチャ……ッ。
(普段出る所が、入ったり出たりして……っ)
「あぁんっ!ひぁっ!?ち、ちばぁ!やっ……!んくっ!!」
それを見ながら、自らを慰めていた一人がみつばに近づく。
「もうだめだっ、長女!出すぞっ!」
ビュルルルッッ!!
勢いよく発射された精液は、みつばの胸の上にかかる。
「んっ、あっ、くぅんっ……!あつっ……んっ!」
それを皮切りに、男子が次々と集まってきた。
「おれもっ!」
ビュルッ!
「俺は腹の上に出そっ」
ビュクッ!ビュクンッ!
「じゃあ、俺はへその中」
ビュルルルル……!
「あつっ、やっ、おへその中はやめなさいよっ……!?」
「じゃあ、俺は中に出そっ」
みつばのアソコに入れている男子が呟く。
ビュクッ!ビュクッ!ビュルルル……!
「あぁ……っ!!」
顔をゆがめた後、みつばは力が抜けたように後ろの千葉にもたれ掛かった。
「次は俺だな」
そう言って、千葉は腰の動きを早める。
「んんっ、ちょっとまっ……!わたしいま、イったばっか……ひぁっ?!」
パンッ!パンッ!パンッ!パンッ!
クチュ、グチュ、クチャ、クチョ、クチョ!
「でっ、でるっ!!」
「ふぁぁ……っっ!!?」
ビュクンッ!ビュルルル……ッッ!!
「はぁ……はぁ……」
「んっ、はぁっ……あっ、出てるっ……お尻の中とアソコから熱いのが……」
コポっ。
白い液体が中から垂れてくる。
みつばはボーっとそれを見つめていると、違う男子が近づいてきた。
「さてっ、次は俺達だな」
それを聞いたみつばはこの世の終わりのような顔をした。
228名無しさん@ピンキー:2010/11/07(日) 10:01:00 ID:lXq0pd8P
以上です。
前回卑屈すぎると言われたんで、ここではもう何も書きません。
ただ、みなさんに楽しんでいただけたらいいなぁ、と思います。





P.S.
本当はもっと長かったんですが、諸事情により大幅にカットしました。すいません。
229228:2010/11/07(日) 12:23:28 ID:lXq0pd8P
言い方が悪かった……。
ここではもう何も書きませんっていうのは、言い訳はしません、という意味です。
この板では、まだまだ書かせていただこうと思っています。
230名無しさん@ピンキー:2010/11/07(日) 12:36:19 ID:Z7upAMMj
そういう意味だろうとは思ったが、ちょっとびっくりしたぜ
それにしてもエロくて濃密すぎて白濁まみれ状態の二人が容易に想像できて凄いw
GJでした!
231名無しさん@ピンキー:2010/11/08(月) 20:10:23 ID:MFVfdvth
高校生になったふたばと佐藤、高校最後の夏休みに2人で夏祭りに行くことに

神社の境内でお互いの気持ちを確かめあいそのまま…

数ヶ月後、ふたばの体に異変が
なんと、生理が来ないのである…


とゆうネタを思い付いた。


さすがにこういったテーマは重たすぎるでしょうか?
232名無しさん@ピンキー:2010/11/08(月) 21:27:13 ID:mZn1ZYPv
>>228
乙です。千葉氏の鬼畜さが素晴らしい。

>>231
個人的にはアリだと思いますよ。まずは怖がらずに、投下してみてはいかがでしょうか。
233名無しさん@ピンキー:2010/11/08(月) 21:30:04 ID:Gxs0OMQC
鬱展開とかだったら、投下直前にある程度注意書きしたほうが無難かも
234名無しさん@ピンキー:2010/11/08(月) 21:56:42 ID:g1CJWEb3
みんな表には出さないけど好き嫌いはあるからね
嫌悪感抱かせるような表現がある場合は注意書きがあったほうがいいと思う
235名無しさん@ピンキー:2010/11/08(月) 22:57:51 ID:MFVfdvth
返答ありがとうございます。
>>231です

>>231に書いたネタは結構前から構想だけは出来ていたのですが、
なかなか文章が思い付かず若干放置気味でした。

でも、これから頑張って書いてみようと思います。

あとこれ以外にもいくつか考えているネタがあるので、
こっちの投下が先になるかもしれません。
236名無しさん@ピンキー:2010/11/09(火) 04:14:23 ID:vhyxdKzA
原作におけるふたばのおっぱい狂いを見てると、母親関係のトラウマとか思い出があるんだろうか、ってついつい勘ぐっちゃう

そういうふたばが母親になるに当たり云々、って感じの話だったら大好物。

それ以外でも大好物。


つまり超期待wktk
237ガンプラ:2010/11/09(火) 19:53:59 ID:GW6t0KfO
どうもです。
一ヶ月姿を隠すと言っていたわりに、一週間足らずで出てきてしまいました。

まだ全部は書きあがってないのですが、
プロット完成、重要シーンだけは書けたので、
ちょっと分割数の確認のため、冒頭だけ上げさせてください。

相当つっこみ所のある話なので、ご気分を悪くされないよう、お気をつけください。

それでは、PSソフト『太陽のしっぽ』より。
超マイナーですが、私は好きなんです。EDは3種類見ました。


ところで関係ありませんが、MG Vガンは芸術の域に達していると思っています。
腰が動いたら神の域に到達していました。
238ガンプラ:2010/11/09(火) 19:54:39 ID:GW6t0KfO
しんちゃん大好きっ!


「あっ!しんちゃーん!おーーい!!」


「カーーット!」
「わひゃ!」
またやっちゃった…。

「ふたばちゃーん。ダメだよ〜。収録中なんだからさぁー」
「うぅ〜。も、申し訳無いっス…」

今日は帝都TVの取材の日…あれ?東西TVだっけ?
…と、とにかく、小生は今、大きなTV局の取材を受けている。
うん。取材代を見たひとはが『むふぅ〜』ってしてたから、大きいTV局のはずだ。
内容はいつも通り。小生が走っている姿を撮った後、今みたいなインタビュー。

うぅ〜。小生、はっきり言ってコレが苦手っス…。

大好きな家族やおっぱいの事なら、何時間でも話していられる自信があるけど、
『インターハイへのとうふ(なんでおとうふ?)は?』とか、
『ライバルのたしかわらさん(誰?)の仕上がりについてどう思う?』とか聞かれても、なんて答えればいいのかチンプンカンプン。
結局、カントクやTVの人が用意してくれたカンペンを読んで済ませているけど、はっきり言ってアクビが出るほどつまんない。
そんなとき、ランニングから帰ってきたしんちゃんが見えたんで、つい大声で呼んじゃった…。

「丸井!もっと集中しろ!!」
「は、はいっス!カントク!ごめんなさいっス!!」
「あ、いーんですよ、監督!ふたばちゃんも、そんなにしょげないで〜。笑顔、笑顔!」
「りょ、了解っス!……えーっと、こんかいのたいかいでの、わたしのもくひょうは……」

本当に大失敗っス…。

カントクは、りくじょうれん、って所から小生のためにやって来た人だ。
『どうすればもっと速く走れるのか?』をすごく上手に教えてくれるし、マホウのシューズだって作ってくれた。
小生がこの学校にタダで入る事ができたのも、カントクのおかげだ。
ちょっとキビシクてコワイけど、それは小生の事を思ってくれてるからだし、今だって小生のドジなんだからかまわない。

でも…。

「まったく!また佐藤か!!後でサッカー部にきつく言っておかんとな!!」

小生のせいで、しんちゃんが怒られちゃう……。

239ガンプラ:2010/11/09(火) 19:57:43 ID:GW6t0KfO
――――――――――


「ただいま〜」

やっと家に帰ってこれた。
あの後も声がカタイとかいろいろ言われて何度も撮り直したせいで、いつもの10倍疲れちゃった。
今日の晩ゴハンはなんだろう?

すんすん。

うん。この香りは…

「ひと、今日はシチューだね!……あれ?みっちゃん?」
「あら、お帰り。さっさと手ぇ洗って来なさい」

おなべの前に立っていたのは、エプロンを着けたみっちゃんだった。

「あれ〜?おいしそうな臭いがするのに、何でみっちゃんなの?」
「どーいう意味よ!?あたしがおいしそうな料理作ってちゃおかしいっての!?
ったく。ひとはは童貞の所よ。
パパが帰って来る前には戻るって連絡あったわ。まぁ、ギリギリまであっちに居たいんでしょうね。
………。
はぁ…。アレはアレでこんな手、何回も使えないし、どうしたもんかしら…。
童貞も、ヤる事ヤったならヤったで、覚悟を決めてとっとと挨拶に来るなりしなさいよね!
まったく、どいつもこいつもヘタレなんだから!!」

ひとはは矢部っちの所らしい。

小学校を卒業してからも、ひとははたびたび矢部っちの部屋に行っていたけど、これまでは晩ゴハンの支度前には必ず帰ってきていた。
でも、高校2年生になったこの春からだろうか?
パパの帰る時間がはっきりしている日は、そのギリギリ前まで帰って来ない事が何度かあった。
小生だってもう高校生だ。何をしているのかは大体ワカル(でも、みっちゃんは『童貞は一生、童貞でいい』だって)。

パパにウソをついているようで心が痛いけど、ひとはの喜んでいる姿を見ると、黙っているしかないとも思う。
小生には、これ以上ひとはの……。

「ほら!あんたもぼーっとしてないで、ちゃっちゃと手を洗って来なさい!
あたし、今日は遅番だから、あんたが食べるの見た後バイト行くから。
食べ終わった食器は、いつもみたいに水に漬けとくだけでいいから」

みっちゃんも、中学の終わり頃から家のお手伝いをするようになった。
それに、高校からは駅前のファミレスでアルバイトも。ケータイ代といくらかの服・化粧代以外は家に渡している。

約束のためだ。

…そう。みっちゃんと小生は、高校に上がる前に一つの約束をしたのだ。


……でも、小生にはお手伝いもアルバイトも出来ない。分かってる。


だから、少しでも役に立てるように、取材の話は出来る限り受けたいってカントクにもお願いした。
髪型も、ガチピンクの真似にして、少しでもTVの人の目に留まるようにした。


いつまでも、自由に遊び回る、小さな女の子ではいられない。分かってる。
240ガンプラ:2010/11/09(火) 19:59:39 ID:GW6t0KfO
――――――――――


「ううー。目がショボショボするよー」
「ほら、ふたば。もうちょっと速く歩かないと、電車行っちまうぞ」

朝。ひとはと同じくらいの時間に起きたら、下着を着けてジャージに着替える(今年もそろそろ長袖じゃツラくなってきたなぁ…)。
迎えに来てくれたしんちゃんに、シューズの紐を結んでもらったら、手を引かれて駅へ向かう。
この一年と少し、毎日続けてきた光景。

しんちゃんと通う高校は楽しいし、学食のご飯もおいしいけど、これだけは…いつまで経っても……慣れ…ない…。
…………ぐー……。

「こらっ!寝るな!」
「うぅうー。おんぶして連れてってー」
「んなっ!ば、バカ!んな事したら背中に…いや、じゃなくて…そう!駅までどんだけあると思ってんだ!ほら、歩けよ」
「しんちゃんのいけずー」





「やっと寝られるっスー」
「まぁ、3駅行くまではいつも空いてるしな。二人で座れるのはありがたいよ。
着いたら起こしてやるから、ちょっと寝てろ」
「いつもありがとうっス、しんちゃん」
あぁ…もう限界っス……。

コテ

隣に座るしんちゃんの肩に枕にして、眠りに着く。
んー。ちょうどいい高さ。それにしんちゃんの暖かさがほっぺから伝わってきて、すごく安心する……。
おやすみぃ、しんちゃん……。

ガタンゴトン



ガタンゴトン

「……んあ!?」
「お、起きたか?ふたば」
「んー。おはよう、しんちゃん。今どこー?」
「もう15分はあるぞ。もうちょっと寝てても大丈夫だけど…その、いつも言ってるが、今度はそっちの手すりにもたれかかれよ」
「んぅー…。ううん。もう、起きる…」

すぐ傍にあるしんちゃんの顔を見ると、なんだか赤くなってて気まずそう。それに…。
大分学校に近づいてきたんだろう。同じ制服の人が多い。そのみんなが、ちょっとあきれた表情でコッチを見てる。
いつも思うけど、小生が寝ている間に何があるんだろう?
一度はずっと起きていて、それを確かめたいと思ってるけど、電車に座るといつも二度寝のゆーわくに負けてしまう。
だって、しんちゃんの隣はあったかいんだもん。
241太陽のちょんまげ4:2010/11/09(火) 20:00:55 ID:GW6t0KfO

「……ふぅ。まったく、お前を見てると色々悩んでる自分がバカバカしくなるよ」
「?しんちゃん、何か悩んでる事あるの?」
「あのなぁ、俺が本物のバカみたいに…。
…いや、大した事じゃないよ」

………。

「……今度の日曜さ、サッカー部のレギュラー選定の紅白戦があるんだ。
去年は1年って事もあったし、準レギュラーに甘んじてたけど、今年こそ公式戦に出たい。
そのためにこの一年間頑張って来た。あの頃からずいぶん力を付けたつもりだ。
レギュラー取って、公式戦で活躍して…ふさわしい男だって事…、
いや、俺だってサッカーが誰よりも好きなんだ。だからこそ、誰にも負けたくない」

しんちゃんが想いを声に乗せる。

サッカーに触れているしんちゃんは、楽しそうで、真剣で、格好いい。
だから小生も、そんな風になれる何かを見つけたくて、陸上を始めたんだ。

うん。分かるよ、しんちゃん。小生も、走るのが大好きだから。

「大丈夫だよ!だって、しんちゃんはすごいんだから!!」
「……うん。ありがとう、ふたば」
しんちゃんが優しく笑う。

……いつからかな?こんなしんちゃんを見ると、ムネがフワフワするようになったのは。
パパに感じる安心感とは違う。走り出したくなるような、泣きたくなるような、でも、あったかくなる優しい感覚。


ううん。わかってる。これを何ていうのか。
でも、ごめんね。しんちゃん。
もう少しだけ、こうしてしんちゃんの隣で、ゆっくりとした空気を感じていたいんだ。

もう少しだけ、しんちゃんと、みっちゃんと、ひとと、千葉氏と、矢部っちと…みんなで楽しく過ごしたあの頃を、取っておきたいんだ。


ごめんね、しんちゃん。わがままな子で。


「もうすぐ学校、着くな」
「……ん」

学校が近づいてくる。ジャージの手足の裾がめくれてないかを確認し、ジッパーを上げ直してアゴのところまで隠す。
しんちゃんが5歩離れる。
この一年足らず、毎日続けてきた光景。
242太陽のちょんまげ5:2010/11/09(火) 20:01:53 ID:GW6t0KfO

プシュー

「「「オハヨー!!ふたばちゃん!!」」」

電車のドアの前で待っていた、10人くらいの男の子達がいっせいに挨拶して来る。
いつも思うけど、どうしてどこから降りるか分かるんだろう?毎日てきとーな車両に乗ってるはずなんだけどなぁ?

「あ、あははー。うん。みんな、おはよーっス…」
「う、うおおおー!ふたばちゃんが挨拶してくれたー!」ダダダッ
…一番近くにいた人に軽く手を振ってあいさつを返したら、泣きながらどこかへ行っちゃった…。

「ふたばちゃん!荷物重いでしょ!俺が持つよ!」
「ふたばちゃん!これ、この前読みたがってたNAMAの最新刊!発売日の2日前に手に入ったから貸してあげるよ!」

あっという間に取り囲まれる。小生を中心にしてドーナツみたいな塊になりながら、学校へ向かう。
あうう、ちょっと恥ずかしい。

この人たちは、小生の『しんえーたい』なんだって。
なんだか長い名前があった気がするけど、忘れちゃった(ていうか、覚えられなかった)。
こうやって、学校近くの駅を『線』にして、毎朝待ってくれてる。
学校では、授業中と部活のとき以外は、いつもこの人たちが近くにいる(ケハイがする)。

正直、困っちゃうときも有る。しんちゃんを遠ざけるし、女の子の友達にも『大変だね』って言われる。
でも、『キモチワルイカンジ』はしないから、悪い人たちじゃない。

……中学生のとき、TVに出てから感じるようになった、男の子達からの『キモチワルイカンジ』。

この人たちのカベがあると、ちょっとやわらぐ。
それに、小生がドジをしたり、力加減を間違えたときなんかは助けてもくれる。
…机やトビラの代わりに小生に殴られたときは、なぜか幸せそうで、そのときはちょっと気持ち悪いけど…。


何より、学校ではこういう『線』が無いと、どこまでもしんちゃんに甘えて、めーわくを掛けてしまいそうで。
頑張るのを、あきらめてしまいそうで。

本当は、それが怖いから、この人たちの優しさを利用しているんだろう。


ごめんね、みんな。ずるい子で。


いつまでも、自由に遊びまわる、小さな女の子ではいられない。分かってる。


243つづく:2010/11/09(火) 20:06:46 ID:GW6t0KfO
いきなりタイトルを失敗です…。

本当に冒頭のみですいません。手元に置いておくと、いつまでも修正で先に進まなくなるタイプなので…。
思ったより少なかったです。この分なら50から60分割くらいかと思います。
現状のプロットを削らずにいこうと思います。

後、オリキャラの出番はなるべく少ない内容にするので、お許しください。
考えているテーマ的にも、どうしても何人か必要で…。
これ、すでにみつどもえ二次創作でなくなってきたぞ…。

週末くらいに10レス分くらい続きを上げようと思います(予定は未定)
中途半端ですいません…。
244ガンプラ:2010/11/09(火) 21:49:46 ID:GW6t0KfO
修正前のやつを間違えて上げてたー!

第1回の
『インターハイへのとうふ(なんでおとうふ?)は?』  は、

『インターハイ二連覇へ向けてのとうふ(何でおとうふ?)は?』 に、

脳内で入れ替えて読んでください…。
すいません。細かいところが気になるくせに、ドジなアホなんです…。
245名無しさん@ピンキー:2010/11/10(水) 11:26:55 ID:vh6xLNSa
>>244そんなことぁねえ!楽しんでるよ
246名無しさん@ピンキー:2010/11/10(水) 11:50:24 ID:ZP24MMrm
ふたしんなら下半身裸で待機してます
247名無しさん@ピンキー:2010/11/10(水) 22:15:21 ID:CjFyU+x6
>>228
超GJ!!

今後輪姦されるヒロイン出ます?

>P.S.
本当はもっと長かったんですが、諸事情により大幅にカットしました。すいません。

…正直どんなエロ内容か凄く気になるw…
248松岡さんが好きでしょうがない隊:2010/11/10(水) 23:50:39 ID:Yd98yQo/
どうも、>>235です
ペンネーム付けましたw

>>231に予告していたふたしんネタは中々筆が進まぬ状況に陥っています…orz

変わりに他に考えていたネタが一つまとまったので投下させて頂きます。

・吉岡×田渕(誰得)
・本番無し
・9レス〜10レスくらい?
・田渕の設定、口調等々かなり曖昧
・文法めちゃくちゃ
・突っ込みどころ満載の展開

等々問題点は様々…

それでも大丈夫!とゆう方は是非ご覧になってください。

では、始めます。
249松岡さんが好きでしょうがない隊:2010/11/10(水) 23:53:49 ID:Yd98yQo/
***
〜田渕サイド〜

(…全く、今日はろくな事がなかったぜ…)
下駄箱から靴を取り出しながら、俺は心の中で呟いた。
(秘技は失敗するわ、女子にはしれっと無視されるわ、挙げ句の果てには長女に土下座する羽目になるわ…
まあ、長女の尻から帽子を取ろうとして佐藤が変態呼ばわりされてたのは見てて実に滑稽だったがな。)
(しかし、この秘技は結構活用出来そうだな。
今日だって長女の尻に帽子が挟まらなければ成功していたかもしれないし…。)
(よし!早速帰って、秘技の改良を−ん?)
靴のかかとをトントンと整え、ふと生徒用玄関に目をやると、見覚えのある女子がどこかそわそわとした様子で歩いていた。
(あれは…吉岡?)
吉岡ゆき、眉毛がトレードマークの恋ばな好きのクラスメートだ。
今日唯一帽子を使った秘技が成功した相手だ(まあ何も見れなかったから結果的に失敗だが)
ぼうっと彼女を見ていると、彼女は玄関を出て昇降口に向かう…わけではなく、昇降口とは全く逆の方向に歩き出した。
(どこ行くんだ?あいつ…)
250松岡さんが好きでしょうがない隊:2010/11/10(水) 23:56:02 ID:Yd98yQo/
***
〜吉岡サイド〜

(…誰にも気づかれてないよね)
校庭の体育倉庫の前で、再度周りを見渡し、誰もいないのを確認してゆっくりと体育倉庫の中に入り、内側から扉を閉めた。
(こんなところ…誰にも見られちゃいけないものね)そして、スカートの端を摘まむようにたくし上げ、スカートの中の『大事な所』にそっと触る。
「んぅっ…!」
生暖かく、濡れている…
思わず甘い声が漏れた。
(学校では…我慢しようと思ったのに…)
だけどもうここまで来てしまったら止まらない、いや、止められないのだ…
「んふっ…はぁ…!」
そして、線をなぞるように、パンツの上から指を上下させた。
251松岡さんが好きでしょうがない隊:2010/11/10(水) 23:58:19 ID:Yd98yQo/
***
〜田渕サイド〜

「体育倉庫…?」
俺は吉岡が出ていった後すぐに、吉岡に気付かれないように吉岡の後を追いかけた。
やってることがクラスの某変態集団と変わらないと思ったが、まあ気にしない。
そして、吉岡を追いかけていったらあいつは体育倉庫に入っていった。
(なんで体育倉庫…?)
と、少し怪訝に思ったが、俺はおそるおそる扉を少し開けて、倉庫の中を覗いた。
そこには、目を疑う光景があった。
252松岡さんが好きでしょうがない隊:2010/11/11(木) 00:01:53 ID:kPGZ/GSb
***

「ふぅん…あっ…!はぁん…」
そこには、体育倉庫の壁に寄りかかり、片手で自らの胸をまさぐりながら、もう片方の手で自らの局所を慰めている吉岡の姿があった。
(こ…これは…!)
あ、あれだよな…俗に言う…お…おな…///
千葉のエロ本とかでは見たことはあったけど…まさかこんなところで…しかもクラスメートのこんな姿を…!
「あん…はぁぁ…ああ…!」
声を殺して吉岡のその行為を見ていると、その行為はさらに激しさを増した。
局所を慰めている方の手は完全にパンツの中に潜り込んでおり、くちゅくちゅと音をたてながらパンツの中を蠢いている。
さらに、胸をまさぐっていた方の手で上着のボタンを外し、ブラウスを下着ごとぐいと上げると、年の割には豊満な胸が露になる。
デカい…そして尚且つ形もいい。
過去にふたばが
「ゆきちゃんのおっぱいはクラス1、2を争うナイスバディっす!」
なんて事を言っていたような…
その時はさして気にしなかったが、改めて見ると確かにふたば以上のモノを持っているのではないか、と実感させられる。
「ああ…っん!ああっ…!やぁぁん…!」
声もさっきより甘くなっていて…
そして、どこか切なそうな表情が…俺の欲情を駆り立てて、
気が付くと、俺の右手は股間に伸びていた。
253松岡さんが好きでしょうがない隊:2010/11/11(木) 00:05:02 ID:kPGZ/GSb
***
〜吉岡サイド〜

いつからだろう−
『彼』のことを思いながら、こんなことをするようになったのは。
『彼』のことを思うと、すごく切なくて…
学校でも、家でも、『彼』のことばかり考えちゃって…
そして、私はいつしか、妄想の中で『彼』を攻められながら、自分を慰めていた。
いけないことだっていうのはわかってる
けど、止まらない。
ふと、体育用具の方へ目をやると、『ある物』に目がついた。
(これって…)
254松岡さんが好きでしょうがない隊:2010/11/11(木) 00:07:27 ID:Yd98yQo/
***
〜田渕サイド〜

「はぁ…はぁ…」
俺の肉棒は、淫らな吉岡の姿を見て、亀頭が剥き出しになり、しっかりと掴んだ右手でしごくとびくんびくんと一定のリズムを刻みながら痙攣した。
亀頭の切れ目からは先走り汁がダラダラと流れている。
(ヤバい、もう限界かもしれない…)
もう一気に全てを噴き出してしまおうか
そう思った時、突然吉岡の手が止まった。
(?…どうしたんだ?)
255松岡さんが好きでしょうがない隊:2010/11/11(木) 00:10:36 ID:kPGZ/GSb
***

(…ハードル?)
吉岡が手に取ったのは、陸上競技用のハードルだった。
それを、本来使う方法とは逆に、つまり縦にして目の前に置くと、
(…!)
次の瞬間、吉岡はパンツをゆっくりと脱いだ。
そして、両手で、スカートをたくし上げた。
(吉岡の…アソコ…!)
やや遠くからだったが、たしかに見えた。
まだ毛は生えておらず、一本の線だけが通っており、一言で表すならば、『綺麗』であった。
そして、ハードルのバーのちょうど端の部分に局所をあてがい、バーの上部分全体をなぞるように局所を擦り付けはじめた。
「ああぁっ…!!ううっ…!はああん…!」
同時に声も甘く、激しくなる。
その様子を見て、俺の肉棒はさっき以上に固く膨れ上がった。
そして、また無意識のうちに肉棒を握り、しごき始めた。
先ほど以上の快感の波が押し寄せる。
心の底から何かが込み上げてくるような感覚がした。右手の動きがさらに激しくなる。
「ああっ…!あんっ!もうっ…ダメっ…!イっちゃ…」
吉岡も同様に限界の様だ。(吉岡っ…!俺も…イクっ!)
俺は、歯を食い縛り、一気にスパートをかける!
「ああぁっ…!んっ!あぁぁぁん!!」
(うっ…出るっ!!)
ビュクッ!ビュクッ!ビュルルルルル!!
その瞬間、頭の中の何かがが弾けた−

・・・・・・
・・・・・
・・・・
・・・
・・

256松岡さんが好きでしょうがない隊:2010/11/11(木) 00:12:55 ID:kPGZ/GSb
***

「最悪だ…俺…」
その後、股間から噴き出した精子の処理を早々に済ませた俺は、体育倉庫の裏でとんでもない罪悪感に苛まれていた。
まさかまさかの事態だったとはいえ…クラスメートでイっちまうなんて…
明日からどんな顔して吉岡に顔を合わせればいいんだ…
「はあああ…」

俺は、深く溜め息を着いた。
「…帰ろう」
うん、こんな時はとっとと帰って飯食って寝るのが一番だ。
俺はランドセルを背負い直し、これまた吉岡に気付かれないように体育倉庫を後にした。

(そういえば…吉岡は誰で妄想してたんだろう?)
257松岡さんが好きでしょうがない隊:2010/11/11(木) 00:16:54 ID:kPGZ/GSb
***
〜吉岡サイド〜

(はあ…またやっちゃった)
私は体育倉庫の中で自己嫌悪に陥っていた。
(学校ではやらないって我慢してたのに…しかも、学校の物まで汚しちゃったし…)
「はあああ…」
私は深く溜め息をついた。
「…帰ろう」
時間も時間だし、きっとお母さんも心配してる。
暗くなる前に帰ろう。
そして、私はランドセルを背負い、体育倉庫の扉を閉めた後、
スカートのポケットの中の写真を取りだし、
「いつか…本当に触ってくれますように…」
と、写真の中の背の小さな少年に呟くと、その写真をポケットに戻し帰路に着くのだった。

〜おしまい〜
258松岡さんが好きでしょうがない隊:2010/11/11(木) 00:23:14 ID:kPGZ/GSb
以上です。
吉岡で書こうとした結果がこれだよ!

吉岡ってやっぱりエロパロ板ではネタにしづらいと思うんですよね(-_-)

しかし!ここでまさかの田渕と言う伏兵が登場!w

田渕再登場回の田渕に秘技でスカートをめくられた時の吉岡さんの表情を見て突発的に思い付きました(笑)

なので今回投下したネタも田渕再登場回をベースに後日談風にしてみました。

改善点などがあれば、ぜひ教えて下さい。

では、失礼しますm(__)m
おやすみなさい
259名無しさん@ピンキー:2010/11/11(木) 19:43:37 ID:h6xDtFHj
乙です。
二人の組合せは単行本組には「?」ですが、それを差し引いても淫乱眉毛が可愛いですね。
あと田渕君、体育倉庫の外(つまり野外)で射精したんでしょうか。恐るべし。
260ガンプラ:2010/11/12(金) 10:41:31 ID:fEwLMV1Z
半端な時間に上げてみる。
長編ルールとして、メインキャラ+パートナー視点。
なので今回はしんちゃん。
261太陽のちょんまげ6:2010/11/12(金) 10:42:01 ID:fEwLMV1Z
==========


俺だってそうだよ。ずっとそうなんだ。
だから、


「さて、行くか」

日曜の朝。いつもより少し遅めに学校へ向かう。
今日は、レギュラー選定の紅白戦だ。

軽い緊張を感じながら駅へ向かう途中、知った顔を見つけた。
長女と三女だ。
何だ?日曜のこんな時間に。

「おぉーい!長女、三女ー!」
「んげっ!変態!」お前…その言い様はいい加減やめろ。
「何だよ、日曜のこんな時間に?それも2人揃ってなんてさ?」
「あたしはバイトの早番。ちょっと抜けが出たからヘルプよ。んで、ひとははいつも通りの「みっちゃん。ひと鳴き声多いよ」「ひと言でしょ!」
朝っぱらから元気な奴らだ。

「私の事はどうでもいいよ」キラキラ

最近、三女はまた変わった。
あの一年間で呪いのオーラが薄くなり、ずいぶん接し易くなって来てたんだが…。
この春からは、瞳に星が散り、声が透き通り、常時キラキラしたオーラを纏うようになった。っていうかこれ、別キャラだろ!?
まぁ、理由は大体想像がつく。行き先も。普段は薄っすらとしか現れていないキラキラが、今はずいぶん濃いし。
……千葉よ…。

「しんちゃんこそ、休みの日まで、部活姿でカモフラージュして痴漢活動とは、恐れ入るよ」
しかし、親しい人間に吐く毒はそのままだ。はっきり言って、シュールを通り越して(昔とは別の意味で)怖い。

「さっすが…、相変わらずとんでもない変態ね」ススス...
「んなわけねーだろ!引くな!日練だよ日練!大事なレギュラー選定試合なんだよ!!」
「あれだけ度々警察に捕まってたら、誰だってそう疑うわよ…」
「しんちゃんの不幸体質は、もはや国の天然記念物だね」ニコッ

こ、こいつら、人が気にしてる事をずけずけと…。
しかし、三女の微笑みがあまりにも爽やかで、怒るべきかどうかすら混乱する…。
262太陽のちょんまげ7:2010/11/12(金) 10:43:08 ID:fEwLMV1Z
「不幸体質とか言うな…。それにその、別にいつも悪い事ばっかりじゃ…」
「しんちゃんがいつも、ふたばとどんなイケナイままごとをしてるか知らないけど」
「してねーよ!何だよ!?イケナイままごとって!?」
「しんちゃんは本気で、ふたばのおっぱいを見たり触ったり出来た事が、自分の不幸に見合うと思ってるの?
大体、しんちゃんの不幸は偶然だけど、ふたばの件はほとんどが意図的なものでしょ?それ自体が不幸の発端になってるときもあるし。
そもそも、その程度の『幸運』、しんちゃんがその気になればいつでも出来る事だよ。
それでも自分は不幸じゃないって思えるなんて、どれだけスケベなの?ヘタレなの?マゾなの?とんでもない変態なの?」キラキラ
三女が髪をかきあげ、朝の空気に光の粒子を舞わせながら言う。だから言動が一致してなくて怖えぇよ!

しかし、言われてみれば幾つも思い当たる事が…。あれ?俺って本当に不幸じゃね…?

「…ま、まぁ、元気出しなさいよ」
長女が掛けてくる声の本気度が、余計に俺を追い込む…。
「そのうち、これまで貯まった幸運がまとめて返ってくるかも知れないわよ?まぁ、期待しない程度に期待しとけば?」
「……それはフォローのつもりなのか…?
っていうか、人が大事な試合に出かけるときまでテンション落としやがって!『頑張って』とか『応援してるよ』くらい言えねーのかよ!?」

「ん。ま、せいぜい頑張りなさい」
「応援してるよ。いい結果を願ってる」キラキラキラキラ

「な、何だよ?急に…」
調子狂うな。
特に、今の三女にまともなセリフを言われると、本質と事情を知ってる俺でも赤面してしまう。
こりゃ、何も知らない奴がだまされる(?)わけだ。

「あんた、サッカーくらいしか能が無いもんね。これがダメだったら、ミジンコになっちゃう、ってくらいの覚悟で頑張りなさい!」
「しんちゃんはどうしようもない不幸体質だけど、それをやっつけるくらい頑張って来たよ。きっと上手く行く。
もちろん、不幸体質はどうしようもないけどね」
「何だそりゃ!?大体、何でお前らそんなに上から目線なんだよ!?」
「いちいちうっさいわねー。このあたしが言ってあげたんだから、泣いて喜びなさいよ!!ありがたみの分からないダメな犬ね!!
もうとっとと行きなさい!自信無いなら早く行って、ちょっとでも練習しなさい!!しっ!しっ!」
「んぐ…。だー!分かったよ!じゃーな!!」タタタ

……あいつらなりの照れ隠し…にしちゃあ、ずいぶん貶された気もするけど…。
ま、いいや。一応、ありがたく受け取っておこう。

覚悟、か。
よし!

263太陽のちょんまげ7:2010/11/12(金) 10:43:55 ID:fEwLMV1Z
――――――――――


っつ!ロスタイムに入ったか!なら、これが最後の攻撃だな…!

ゴール前の攻防。いい位置にセンタリングが上がる。
けど、DFはガタイがいい事で評判の一年だ。171しかない俺より10cm以上高いし、感じるプレッシャーのせいか、質量は倍に思える。
どうする!?空中戦のセンスじゃ負ける気はしないが、まともにやれば当たり負ける…!
一瞬ためらう間に、もう一人カットが入る。
くそっ!

バスッ パシィ

半ばやけくそ気味に放ったヘディングは、当然のようにキーパーにキャッチされる。

ピピー!

あぁ、くそ……!





「……入間、伊奈、そして最後に…」
…頼む!
「新座。レギュラーは以上だ」

…………。





「ただいま…」
「おかえりー!お疲れ様、信也。……ご飯、どうする?疲れすぎて食べられないなら、おにぎりだけでもどう?」
「ん…。ごめん母さん」お祝いのご馳走、無駄にしちゃって。「今日はいいよ。シャワー浴びて寝る」
「そ…。うん。じゃあ、今日はゆっくり寝なさい」
「うん…」

ドサッ
疲れた…。
部屋に着くと、重力に引かれるままにベッドに倒れ込む。

「…ふっ、くくく…」
我ながら情けなくて笑えて来る。かたやインハイ記録大更新の超新星様、かたや中堅高のレギュラー未満、だぜ?
こんな格好悪いザマじゃ、いつまで経ってもあいつに『試合を見に来てくれ』なんて言えない。
「くくくっ…くぅぅ…う、うぅ…」
こんな事で泣くなんてありえねーだろ。それこそ、情けなさ過ぎて大笑いしちまう。

264太陽のちょんまげ9:2010/11/12(金) 10:45:25 ID:fEwLMV1Z
――――――――――






公園。そう、ここは小さな子供の頃、自由に遊びまわっていた頃、毎日来ていた公園だ。

「しんちゃーん!」
「くんなー!おれは、おとこなんだ!おんなとは、いっしょにいられないんだ!」

嘘だ。本当はいつでも一緒にいたい。いつまでも、一緒にいたい。
だってそうだろ?だから、あいつが着いて来れる速さで走ってる。

ほら、此処には誰もいない。ちょっとくらいは、素直になれるだろ?

「うぅー。でも、ふーは、しんちゃんといっしょにいたい!」

うん。俺もだよ。だから、頑張ったんだよ。
でも、ダメだった。

「ううー。だめったらだめだ!」
「なんで?」
「なんででもだ!」

何でだろうな?いつからだろう?ただ一緒にいたいだけなのに、理由を作らなきゃならなくなったのは…。

「どうしたら、ずっといっしょにいられるの?」

どうしたら、何も気にせず、ずっと一緒にいられるんだろう?

「うー…」

ほら、考えろよ、俺。俺に教えてくれよ。
265太陽のちょんまげ10:2010/11/12(金) 10:46:18 ID:fEwLMV1Z
「じゃ、じゃあ、おれとけっこんしろ!おれのおよめさんになれ!」
「そしたら、ふー、ずっといっしょいてもいい?」
「おう!」

うん。我ながらいい事考えたな。

「じゃあ、ふー、しんちゃんのおよめさんになるよ!……どうしたら、およめさんになれるの?」
「ちゅーしろ!」
「ちゅー?ぱぱにするみたいに?」

ったく。お前はいつもそれだったな。結構傷ついてたんだぞ?

「うぅー。ちがう!おれだけのちゅーにしろ!おれだけとの、やくそくのちゅーだ!」
「どーするの?」
「…ううー。…わかんねー!」

もう、お前のために何ができるのか、何をすればいいのかすら、わかんなくなって来たよ。情けねぇ…。

「ううぅー。わかんねー!う、う、うー…。うわーん!」

俺だって泣きたいよ。

「しんちゃん…。泣かないで?」

チュ!

「!」!

「えへへー。しんちゃんだいすきって、いっぱいおもって、ちゅーしたよ。これで、およめさんになれる?」

「「うん!絶対、お嫁さんにする!約束する!!」」





「………朝、か」

誰も見ていない、誰も知らない、俺たちだけの約束。
まったく、我ながらベタだな。

ほんと、笑っちまうよ。

266太陽のちょんまげ11:2010/11/12(金) 10:47:07 ID:fEwLMV1Z
――――――――――


レギュラー落ちしようが、寝覚めが悪かろうが、月曜なんだから学校に行かなくちゃならない。

ガタンゴトン

朝、電車の中。
ふたばは席に座ると、すぐに二度寝を始める。しかも、決まって俺の左肩を枕にして。

ふたばは、何にも考えてない幸せそうな顔でぐーすか寝てる。見ているとこっちも眠たくなって来る。
けど、そうは行かない。
3駅、4駅と過ぎる頃には、市街に向かうサラリーマンやOLで埋まって来る。
市街を過ぎたら、今度はウチの生徒が増えてくる。
もちろん、何かあるってわけじゃない。
でも、最近は物騒だし、ここまで油断している女の子を見たら、よからぬ事をたくらむ輩も出てくるかも知れない。

「ぐー…。しんちゃぁん…。むにゃ。だいすきー…」
ぶっ!な、何の夢を見てるんだこいつは!……まさか、昨日の俺と同じ夢を………。
いやいやいや!んなわけあるか!俺が忘れてたんだ、こいつが覚えてるわけねーよ!っつーか、俺は何イタイ事考えてるんだ!
あー、もう!
朝のこいつはほとんど寝てるから、余計な詮索をされずに助かったよ…。

何とか心の平静取り戻し、ふと前を見ると、何人かの乗客がいつも以上にあきれた目で見ていた。
は…恥ずかしい…!
いつも思うが、これって羞恥プレイの一種じゃねーの?

……。

いや、まぁ、実はそんなに悪い気はしていない。
正直に言うと、優越感を感じてる部分だってある。あの(ってほど有名じゃないが)『陸上界のアイドル』がこんなに気を許しくれてるんだから。

しっかしこいつ、不思議に結構TVに出たがるんだよな。何でだろ?何度聞いても理由は教えてくれないし。
ま、こいつの事だから大した理由じゃないんだろうけど、さ。


プシュー ゾロゾロ プシュー  ガタンゴトン

市街を過ぎると、またしばらくは静かな空間がやって来る。
267太陽のちょんまげ12:2010/11/12(金) 10:48:27 ID:fEwLMV1Z

「………」
なんとなく、空いた右手でふたばの髪を1束分摘み、パラパラと落としてみる。
手触りがよくて、何回か繰り返してしまう。

学校での俺たちには、壁が多い。

『親衛隊』(本当は長い名前があるが、アホらしいから口にしたくない)。
ふたばが全国局に露出しだしてから発足した、まぁ、何というか、ファンクラブ?だ。
正確なメンバー数はわからない。一応の常識は持ってて、迷惑を掛けないよう、ローテーションで表に出てくる人数を絞っているようだ。
ただ、俺がふたばのクラスに行こうとすると校内放送で呼び出されたりと、やたら手の込んだ方法で邪魔されるから、結構いるんだと思う。
正直俺にとっては迷惑な連中だが、ふたばは『悪い人たちじゃないっスよ!』と許容しているようなので、学校では俺が距離を調整するようにした。

まぁ確かに俺も、悪い奴らじゃないとは思う。
なんせ、メンバーには生徒会役員や運動部・文化部の主力が名を連ねている(大丈夫か?この学校…ウチのレギュラーの顔も見たし…)。

さっき言ったように常識は持ってるから、駅より前の生活には踏み込んでこないし、
逆に悪質な追っかけやカメラ野郎は『処分』してくれている(怖いよ)。おかげで俺が助かった事もある。
それに、ふたばが学校の備品を破壊しそうになったときは、身を挺してそれを防いでくれてる。
いくらふたばが特待生とは言え、私立校の備品を度々破壊するのはまずいから、これもすごくありがたい。
まぁ、『備品の方を動かせよ!』ってときも多々あるんだが…、言うまい。

もちろん、異様さもある。
けど、そのおかげでふたばの滅茶苦茶さがカモフラージュされて、同情も含めて、クラスの女子とも一定の距離でやって行けているようだ。
やれやれ…、世の中何がどう影響するか、分からないもんだ。


「………」
なんとなく、ふたばの頬をちょっと摘んでみる。
「ふむー」
くくっ。変な顔。

『カントク』。
中体連で優勝したふたばの才能に惚れ込み、今は高校で指導してくれている人。
結構な実績が有り、本来なら埼玉で活動する人じゃなかったんだが、
丸井家のおじさん抜きでは3日間しか家を離れられないふたばのために、拠点をこっちに移し、学校を含めた環境も探してくれた。
私立高への入学についておじさんを熱心に説得したし、遠征試合だけじゃなくTV局に行く時の保護者役もやってくれてる。
間違いなく、ふたばを大切にしてくれてる。

でも同時に、陸上界も愛してるんだと思う。
だから、ふたばのこれからの活動に色々と不都合な俺に、厳しくあたってるんだろう。

いや、この人はまだ優しいほうか。
視察とかに来る、陸上連のえらいさんなんて、もっと露骨に俺を邪魔者として見てくるもんな。
『大事な広告塔に近づくな』ってか。
今は、ふたばのメンタルを考えて強くは言って来ないけど、この先どうかはわからない。

……だから、頑張って、ふさわしい男だって事…。

268太陽のちょんまげ13:2010/11/12(金) 10:49:26 ID:fEwLMV1Z
「………」
なんとなく、ふたばの鼻を摘んでみる。
「ふごー」
あはは。変な声。

しっかし、何だか昔とは逆だな。

緒方は、中学卒業時に真剣な告白を受け、俺も真摯な対応で断った。それからは、ストーカーがパッタリと止んだ。
加藤は、緒方と一緒に俺の前に現れなくなった。あいつは、何ていうかな?最初からいろいろ分かった上で動いてた気がする。
伊藤詩織は、そもそも中学が違ってたんだが、中1の終わり頃から全く見なくなった。
おそらく、向こうの中学でもっといい(自分のステータスになる)男子を見つけたんだろう。

その他の女の子達も、順次俺とは普通の距離を置くようになった。
あの頃のお祭り騒ぎはなんだったんだろう?ってくらいだ。

まぁ、それも分かる。
多少は綺麗な顔立ちなんだろうが、女顔は頼りないって感じる女子もいるだろうし、背や体格が特別いいわけじゃない。センスもだ。
サッカー部は準レギュラー止まり。
勉強は今の学校じゃギリギリ上の下、って所。
ったく、我ながら中途半端な男だ。

……。
一番中途半端なのは、俺の覚悟、か…。
あれだけ熱を入れていたレギュラー入りがダメになったばかりのくせに、ふたばが隣に来ると笑顔に戻っちまう。
自分が、ふたばの隣にいる事をあっさり許してしまう。


「すぴー」
おいおい、よだれが出てるぞ?ったく、ハンカチ、ハンカチっと。

いや、諦めちゃだめだ。また出来る事から頑張るんだ。
練習試合や紅白戦で力を示すチャンスはある。冬にはレギュラー入れ替えの可能性だって。
そうだ。やれる事はまだいくらでもあるはずだ。

うん。頑張れよ、俺!

269太陽のちょんまげ14:2010/11/12(金) 10:53:54 ID:fEwLMV1Z
ガタンゴトン

「ふたば、そろそろ起きろよ」
「ふぇー?着いたっスかぁー?」

学校が近づいてくる。ふたばが手足の裾を確認し、ジッパーを上げ直す。
5歩離れて距離を調整しておく。
この一年足らず、毎日続けてきた光景。


きっと、これからも毎日続く光景―――


「「「……オハヨー…。ふたばちゃん…」」」
あれ?こいつら、何だか元気が無いな?

「ど、どうしたっスか?みんな、元気無いっスよ?風邪っスか?」
「う、うおおおー!ふたばちゃんが俺を心配してくれたー!」ダダダッ
俺もお前らの頭が心配だよ。余計なお世話なんだろうけど。

「あ、あのさ、ふたばちゃん。コレ、やっぱり君なの?」
そう言って、一人がスポーツ新聞を差し出してくる。俺もちょっと近づいて、後ろから覗いてみる。

どれどれ……っ!?

[クールな若手Jリーガーが見せた笑顔!シンミツな彼女は陸上界のアイドル!?]
そこには、顔を近づけて楽しそうに笑いあう、一組の男女が写されていた。

「マホウツカイのおにーさん!?」
ふたばが、びっくりした声を上げる。

そのとき、俺は、ふたばの表情を確認する事が、どうしても出来なかった。

270つづく:2010/11/12(金) 10:58:56 ID:fEwLMV1Z
です。

いろいろ言い訳したい事はあるんですが、最後のあとがきにまとめます。
(いつになる事やら…)

この直後が止まっている(けど、もう一区切り先は書けている)という、
私にありがちな状況に陥っているので、一週間くらい掛かると思われます。

>>245
ありがとうございます。
しかし2ちゃん投稿は、後で修正できないからドジな私にはきつい…。
行間幅も狭いから、段落分けで対応しようとして、混乱して来ているし…。

>>246
ふたしんですが、ベタな話です。おそらく9割方先の展開が読めます。
271名無しさん@ピンキー:2010/11/12(金) 18:54:47 ID:lYQSKjVf
めちゃくちゃ続きが気になる…。

続き、期待してます!!

ちなみに大体どのくらい続きますか?
272名無しさん@ピンキー:2010/11/12(金) 20:38:35 ID:UoZeB/gt
ふたしんのモテ度が逆転してるのがまた良いですね
楽しんでるよ
273名無しさん@ピンキー:2010/11/12(金) 23:54:34 ID:ha6aeCz5
やっぱりいつも通りだよ。エロなしで短いよ
274名無しさん@ピンキー:2010/11/12(金) 23:55:08 ID:ha6aeCz5
日曜日。ここはいつかのスケート場。
多くの人たちが楽しそうに滑る中にあって。

「どうしてこうなった」
「どうしてこうなったのよ」

千葉雄大と丸井みつばはため息を漏らした。


話は金曜日に遡る。
佐藤信也は丸井ふたばがスケート靴に慣れず、いつものように爛漫と動けないことを気にしていた。
というよりも、滑れないことを気にしているふたばを気にしていた。
自分が教えてやればいい、それは分かる。しかし、休日に二人でスケートへ行くのがどうにも恥ずかしい。
佐藤はふたばに一定以上の好意を寄せているが、特殊な関係には至っていない。
相手が相手であれば、ハッキリさせるのも手ではあるが、今のふたばに望むべくもなく。
やはりデートという形ではなく、誰かと一緒にという形がいいと判断した。

「というわけで千葉、頼む」
「なんでイケメン様のデートに付き合わなきゃいけねーんだよ」
「そういうなよ、俺だってどうかとは思ったけど、ふたばをあのままにしておきたくないしな」
「まぁ正直運動が苦手なふたばなんて想像もつかなかったしな。そうだな、助けてやるか」

ひとまず助っ人を得ることができた佐藤。あとはふたばに切り出せばそれでいい。

「なぁ、ふたば。今度スケート行かないか?」
「しんちゃん、小生、スケートは…」
「うまくいかないんだろ。そういうのがあるほうが普通なんだよ。大丈夫、俺が教えるよ」
「で、でもでも、手で…」
「それじゃ滑りながら話したりとかして、一緒に楽しんでる感じがしないだろ。俺はふたばに一緒にスケートして欲しいんだよ」
「しんちゃん…ありがとうっス!」

ハッキリ言って告白だが、両人ともこれが普通なので何も感じていない。あくまで両人は。
当然周りには充分なぐらいなので、突っかかる者もいる。

「ちょっと変態!私の妹とデートってどうする気よ!」

丸井みつばだ。言い方こそ荒いものの、妹を想ってのことである。本人は絶対に認めないが。

「デートって…千葉も一緒だよ」
「安心できる要素が更に減ったじゃないの!私が監視に行くわよ!」
275名無しさん@ピンキー:2010/11/12(金) 23:55:30 ID:ha6aeCz5
佐藤は正直邪魔だと思ったものの、口には出さない。ややこしくなるのは目に見えているからだ。
それに、千葉を誘っておいて、ふたばにかかりきりになってやや放置気味になってしまうのは気が引けるのだろう。
とにかく佐藤はそれ以上は言わなかった。が、焚きつける者もいる。

「まぁ前回は派手に転んだしな。長女もリベンジにいいんじゃないか」
「ななな…!いいわよ、私がしっかり滑れるところを見せてあげるんだから!目ぇ見開いてありがたく見なさいよ!」

どうやら千葉が焚きつけたおかげで、佐藤には都合よく話が進んだらしい。
千葉はみつばに任せておいて大丈夫だろう。


そしてその会話を聞きながら、担任教師の机では。

相変わらず一緒に居る矢部とひとは。

「なんだかスケートの話で盛り上がってるねぇ」
「先生はどうせ滑れないんでしょう?」
「失礼な!ちゃんとできるよ!」
「…。彼女が出来たときにエスコートしたりするため?」
「そうだよ、練習したんだよ!」

ふんぞり返る矢部。無論こんなことをすれば、ひとはに粉砕される。

「彼女もできたことがないのに、無駄な努力ですね」
「うぅ…酷いよ…」
「だいたい、本当に滑ることができるんですか?もう錆付いてて転ぶんじゃ?」
「そんなコトないよ!…多分」
「じゃあ見てあげます。私、滑れるんですよ」
「えぇー、ひとはちゃん、運動全般苦手なのに?」
「…せんせい?」
「ひぃぃぃぃ、分かった、分かったよ!ちゃんと確かめるから!」

ひとはが便乗してデートの約束をしていた。
276名無しさん@ピンキー:2010/11/12(金) 23:55:51 ID:ha6aeCz5
そして日曜日に戻る。
矢部とひとははいつも通りで。
佐藤とふたばは苦戦しながらも、手を取り。
そして必然的にペアになる二人。

「なんでこーなるのよ…。大体、集合自体おかしいでしょ。何で私ら姉妹なのに、矢部っちとひとはで一緒に来るのよ…」

当然矢部の部屋から一緒に来たからである。既に行動が同棲中の男女染みているが、矢部は全く気づいていない。
ちなみに二人は現在一緒に滑っている。矢部のほうはどうやら錆付いていなかったらしく、安定していた。
ひとはにとってはある意味残念ではあったが、なんだかんだ言いながら一緒に滑ることを内心楽しんでいた。

「佐藤も佐藤だぜ…まさかずっと手を取って教えるとは…」

千葉は、ふたばならある程度何とかなるだろうと思っていたが、これが存外慣れない。
結果、佐藤はふたばに付きっ切りになる。まさかここまで靴が苦手とは思ってもいなかったのだ。
しかし、これは千葉の見通しが甘いと言わざるを得ない。
ふたばが滑れるようになったところで、佐藤はふたばと一緒にいたかった。
三人で行く予定だったが、みつばが現われたことでペア同士で問題なくなった。
矢部とひとはは最初から問題外である。どうせ直ぐに二人でいつものようになる。
そうであるならば、ふたばにスケートを教えるという大義名分がある佐藤が遠慮する必要はない。

だからといって、二組のペアに中てられる千葉とみつばは内心穏やかではいられない。
二人ともこの瞬間は同じ気持ちだった。

自分には相手がいない。

そして思わずため息をつく二人。余りにも息がぴったりだったため―――

「ちょっと!私の真似をしないでよ!」
「うるせぇ!こっちだってため息をつきたくなるんだよ!なんなんだよアレ!」
「私に言われたって知るわけないでしょ!どーしてこの私にいないのに、あの二人はあぁなのよ!」
「それこそ俺が知るかぁ!」

当然のやり取りを繰り広げることになった。それを見ている他人たち。もちろん佐藤やふたば、矢部にひとはも含まれる。

「あの二人、仲がいいねー」
「変態と痴女だから親和性が高いんですよ」
「それは多分違うと思うぞ…」
「仲がいいのはいい事っス!」

相手がいないと不貞腐れる二人。
だが実は一番、周りから生暖かい目で見られている二人であった。

おしまい
277ガンプラ:2010/11/13(土) 11:07:29 ID:ABhIRKwV
>>276
乙です。
常にふたばのために。でも恥ずかしいから理由やいいわけが無いと行動できない。
しんちゃんのオトコノコっぷりがニヤニヤです。


>>271
期待していただいてありがとうございます。でも、ベタな展開なので、たぶん予想通りに進みます。
続きは、
長さ:現状の5倍くらい。プロットの1/5を消化したくらいなので。多くても80分割くらい?

時間:来月中ごろくらいまでかかりそう、かな?一旦全部書き上げようかと思ったのですが、
そうするとグダグダ修正して、進まなくなってしまうので、気持ちを切り上げるため
ちょこちょこアップする事にしました。
11月後半までにどこまで書けるかが勝負。MGクアンタ作成に入っちゃうから。

嘘です。

少なくとも、これを書き上げるまでは、執筆を優先させます。
ただ、ちょっとモチベーションが中だるみしているので、気長に待ってください。
感想とか続き期待のお声をいただければ、ちょっとモチベーション(=速度)があがります。

>>272
ふたばは一番もてそう。巨乳、天然、かわいい、スポーツ万能って…。
しんちゃんも、本来ならそこそこもてるんですが、ふたばにこだわり過ぎなのが見え見えで、
他の女の子からアプローチが来ない状態です。
もちろん、学校ではふたばと距離を置いている分、他の女の子、男友達にも普通には優しくしてるんですが。
278名無しさん@ピンキー:2010/11/13(土) 16:20:14 ID:gwlNyZg3
>>276
乙です。短いストーリーの中に三つ子の王道カップリングをすべて盛り込んでるのが巧い。
千葉みつの、いがみ合いながらもお互いガキになって仕方ない感じがGoodです。
読んでいるこちらが生温かい目つきになってしまいます。

それにしても最後のひとはの一言が酷いw

>>270
乙です。佐藤君マジイケメン。SSS隊の処理もうまいですね。
楽しませていただいてます。
279名無しさん@ピンキー:2010/11/13(土) 16:21:08 ID:RQFZ7lZe
>>277
出来れば一気に見たかった……。
続きを思い出そうと、前の話を探しても見つからないもの。 by 一読者
280名無しさん@ピンキー:2010/11/13(土) 18:29:15 ID:hJpkD7ay
 
 本命のストーリーとは別に考え付いた保護者編の今昔物語を投下。
・エロはなしです
・時代考証は独自設定
・三レス程お借りします
281名無しさん@ピンキー:2010/11/13(土) 18:30:41 ID:hJpkD7ay
 
 むかしむかし、日本一似ていない三つ子の姉妹が生まれるよりも、何年か前のお話。
 埼玉県内のとある高校に、二人の女子高生が通っていました。
 うろこ雲がゆったりと流れていく、平和な朝。

「おっはよ〜……おっ、今日のあかりちゃんのパンツは水玉模様か、相変わらず可愛いね〜」
 一人は、長い黒髪をポニーテールに仕立てた、細い目をした女の子。
 すらりと伸びた腕を巧みに操って、スカートをめくることが、彼女の日課だ。

「和美先輩っ! 周りに人がいるんですから……あと、カメラはしまって下さい」
 もう一人は。茶色い髪を長く垂らした、あかりという名前の、細身の女の子。
 スカートの裾を押さえ、顔を真っ赤にしながら、和美先輩と呼んだ細目の女の子を睨み付ける。

「いいじゃん、女の子同士なんだしさ。若いうちはどんどんアピールしていかなくちゃ。
 カメラだって、部活で使うから偶然持ってきてるだけだし」

 使い捨てカメラのシャッターを切る振りをしながら、和美があかりから一メートル程距離を置く。
 そして、距離を置いたのは。通学鞄でスカートをがっちりガードしたあかりも、同様だった。

「信用できません。先輩は前科が多いですから」
「固いなあ、あかりちゃんは。ツンツンしてると、幼なじみの佐藤君に嫌われちゃうぞ〜?」
 人差し指をクルクルさせながら、遠浅にいる和美がにやりと笑う。
 一方、あかりの顔は、再び沸騰していた。

「せっ、先輩には関係ないじゃないですか! 私は別に、佐藤君のことなんて」
「恥ずかしがることないじゃないか。アバンチュールな恋って訳でもないんだし」
「そういう先輩はどうなんですか。千葉さんって人と付き合ってるって聞きましたけど」
「うむ、良く聞いてくれた! 実はもう、付き合い始めて一年近く経ってね。何やら変化が……」

 そう言うと和美は、制服の上からお腹をさすり始めた。ほんの少し、膨らんでいる様にも見える。
「えっ!? 嘘っ……先輩、あの、まさか……」
 しどろもどろになりながら。パニック状態になったあかりが、フラフラと電柱に背中を預ける。
 と、それを見た和美が、細い目を見開いて笑いだした。

「あっははは! 冗談冗談。今朝、行きがけに黄昏屋のスイートポテトをどか食いしてきたから、
お腹が出てただけだって。まさか引っ掛かるなんてね」
「〜〜〜〜!! 先輩なんて、もう知りませんっ」

 すたすたと、あかりが頬を膨らませながら横断歩道を渡る。
 悪かったよと謝りながら後ろからついていく和美。
 しばらくそのまま、学校に向けて歩いていると。

「あかりちゃん、ちょいストップ!」
 和美が、あかりが着ているシャツの中にうっすらと浮かぶ、ブラのホックをつまみながら叫んだ。
「ひゃあっ!?」続けて、あかりも叫んだ。
 恥ずかしさのあまり、涙目になっているあかりをよそに。
 和美のテンションが一段と上がっていく。

「ほら、向かい側の道路にいる男の人。中々男前じゃないか」
 和美が指差した先。そこには、通行人の邪魔にならないように、
自販機の横にしゃがみこんで、黙々と靴ひもを結ぶ青年の姿。
 確かに先輩の言う通り男前だけど。という、あかりの心境を、和美は読み透かしていた。

「うし。ほんじゃ、あの男の人に、声でもかけてみよっか」
「……何言ってるんですか、先輩!」
 瞬間湯沸器の様に、あかりの顔が三度赤くなる。
282名無しさん@ピンキー:2010/11/13(土) 18:32:03 ID:hJpkD7ay
 
「練習だよ、練習。そこら辺の男に気軽に声をかけられなくて、
どうやって愛しの佐藤君を攻め落とすつもりなのさ」
「佐藤君は関係ないじゃないですかっ。靴ひもを結んでいるあの人だって、きっと迷惑しますよ」
「男は度胸、女も度胸だよ。もしかしたら、これがきっかけで人生変わるかもよ。
当たって砕けてきなっ」

 言い方も変えれば、逆ナンパっていうけどね。
 ほくそ笑みながら、行ってきなよと強くあかりの背中を押す和美。
 青信号が灯った交差点を、不器用なステップで渡っていくあかりと、再び後ろをついていく和美。
 青年と接触するまで、あと十メートル。

「――ったく、お袋の奴。安売りしてたからって、サイズの合わない靴やら服やらを
仕送りしてくるのは勘弁して欲しいな……俺はもう大学生だぞ」

 一方、ターゲットのさなかにいた青年は、迫る危機に全く気がつかずにいた。
 悪戦苦闘しながら、ようやく、解けた靴ひもを結び終わると。
「おっと、ベルトも緩んでるな。直すとするか」
 ジーンズがずり落ちないように、慎重に立ち上がった青年が、
緩みを直そうとベルトに手を伸ばした――まさにその時。

「す、すみませんっ。避けてください〜!」
 甲高い声が聞こえてきた。ベルトの穴を確認していて、判断が遅れた青年が正面を見やると。
 目と鼻の先に、顔を真っ赤にした高校生くらいの女の子――あかりがいた。

 交差点を駆け抜けたまま、青年に突っ込んで来たらしく、勢いが落ちていない。
 このままでは正面衝突だ。
 うかつに避けたら、この人は怪我をしてしまう……とっさに受け身の構えをとって、
退かずに身構える青年。
 一方のあかりの方も、出過ぎた勢いを止めようと、必死にもがいている。
 おかげで、スピードは確実に落ちてきていた。

 あとは思いっきり両足で踏み込めば止まるかもしれない。
 しかし、それが悲劇の原因。彼女が、道端に寝かせたままの、青年の通学鞄に
気がついていなかったのがまずかった。

「――キャッ!」
 案の定、あかりはそれにつまずいた。身体が前のめりになって、青年の下半身に突っ込んでいく。
 青年も、予想の遥か下からきたトラブルに、対応出来なかった。
「うわっ!!」
 ぶつかる二人。あかりがとっさに青年のベルトを掴んだおかげで、衝突の勢いは和らいだものの、
緩くなっていたジーンズが少しずつずり落ちていって。

「すみません、大丈夫ですか? 勢いがついて止まらなくて」
「大丈夫ですよ。普段から鍛えてますから、身体もこん……なに……?」
 無事なことをアピールしようとした青年の下半身は、トランクス一張羅になっていた。
 それを見て固まったまま、動かないあかり。
 このままでは、どうみても青年の方が変質者である。
 学生、主婦、サラリーマン。周りの視線が、にわかに集まりはじめた。
 青年は慌てて、ジーンズを履こうとしたのだが。

「この変態がっ! いたいけな女子高生に何してるんだいっ」
 野次馬の中から声がした。と思うと、飛び出してきたのは黒い影。
 その影は、手際よく真っ白になっていたあかりを抱きかかえると、高速で道路の果てに消えていった。
 残ったのは。野次馬からの通報を受けて駆け付けた警察官に取り囲まれ、
これは誤解なんだと言い続ける、青年の断末魔だった。
283名無しさん@ピンキー:2010/11/13(土) 18:34:07 ID:hJpkD7ay
 
「――にしても、あの時のイケメンには悪いことしちゃったな」
「ほんとですよ、先輩が調子にのるから。しかも、偶然とはいえ写真まで撮影してたなんて」

 逆ナンパ事件から、およそ二十年後。
 互いに母親となった和美とあかりは。
 佐藤家のリビングで、古ぼけた写真を見ながら、談笑していた。
 写っているのは、真っ白に燃え尽きた表情をした若い日のあかりと、
困惑の表情を浮かべてジーンズとベルトを押さえている、青年の姿だった。

「このイケメンさん、今はどこで何してるんだろうな。意外と身近なところにいたりしてな」
「だとしたら、ますますその写真、しまっておかないと駄目じゃないですか」
「そうだな、こんなの宅のしんちゃんには見せられないからね」
 抗議するあかりをよそに、写真をちらつかせてからかう和美……と、
そんなやりとりがしばらく続いて、わずかな沈黙が訪れた後。

「あかりちゃん」
 ティースプーンをお皿に置いた和美が静かに口を開く。
「どうしたんですか、改まって」
 あかりが、聞きなおす。

「あ〜、まあ。色々迷惑かけちゃってるとは思うけどさ。雄大ともども、これからもよろしく頼むよ」
「……こちらこそ、信也と一緒にお世話になりますね、先輩。でも、写真の件は秘密ですからね」
 うろこ雲が流れる静かな午後。しかしその平和は。
 夕方になって、佐藤家に遊びに来た三つ子の姉妹たちに、
例の写真を発見されたが故に、終わりを告げたそうな。
284名無しさん@ピンキー:2010/11/13(土) 18:35:36 ID:hJpkD7ay
 
 以上です。杉ママや、他の保護者も出したかったのですが、
接点が浮かばず登場キャラは少数です。
 密かに、三十路前さんの今昔もいいかなと思ってみたりしてます。
285名無しさん@ピンキー:2010/11/14(日) 16:06:42 ID:4lokJZVB
そうじろうの受難wwwwww
286名無しさん@ピンキー:2010/11/14(日) 16:32:40 ID:YfIxwk8B
乙です。しかし、11巻の今昔はどうなるんでしょうね。
三つ子、杉崎隊、SSS隊、男子と来て、先生か保護者か……
287名無しさん@ピンキー:2010/11/15(月) 16:16:55 ID:EMeQx5Uc
個人的には矢部っちが来てほしいところ
288名無しさん@ピンキー:2010/11/15(月) 16:52:05 ID:Pgiar+O8
キャラデザ的に矢部っちが小さくなったらあんまりしんちゃんと変わらないように思う

いやまぁのりお神ならうまくやるだろうけれど、もししんちゃんっぽかったら矢部っち=イケメンとなってしまいそうで違和感
289名無しさん@ピンキー:2010/11/15(月) 19:25:59 ID:2+9rKRi2
さっちゃんスレが2スレ目に突入した記念に、数スレお借りしてSSを投下いたします。
 ・久保田×松岡だけどキャラ崩壊注意
 ・単行本10巻までを前提
 ・久保田君は純情少年
 ・短しエロなし
それでは、ご用とお急ぎでないかたはお付き合い下さると嬉しいです。
290電波少女と純情少年(1):2010/11/15(月) 19:27:06 ID:2+9rKRi2
女の子と待ち合わせるのに場所がお寺の境内だなんて、おかしな話だ。
僕だって、本当ならもう少し他の場所がいいんだけど、でもここが彼女のお気に入りスポットなんだから仕方ない。

右手首の時計を確認すると、時間は午後六時を過ぎている。
まだ彼女は来ない。いつものことだ。彼女が時間通りに来た試しは、ほとんどない。

はじめの頃は、彼女にとって僕との待ち合わせなんてどうでもいいのかな、と落ち込んだりもしたけど、いまではそうじゃないことが判ってる。
彼女の友達──背の高い女の子や、眉毛の太い女の子にきいた限りでも、彼女はいつもそんなものらしい。
遊びに誘ってもすっぽかしたり、あるいは時間からずっと遅れてくることなんて日常茶飯なんだって。

だから僕は、いつまでも待つ。彼女が来るまで。あるいは、彼女が来ないことが納得できるまで。

さて、今日はどのくらい待つんだろう。他人から見れば馬鹿馬鹿しい光景かも知れないけれど、僕はこの時間が嫌いじゃない。
なぜなら──

「久保田くん、おまたせ!!」

来た。待ち合わせの相手──3組の、松岡さん。

「ごめんね、待ったでしょ? 四時半の約束だったのに……」
「ううん、ぜんぜん」

彼女は申し訳なさそうに数珠をかけた手のひらをあわせ、ウインクする。たったそれだけの仕草で、胸が痛むほど高鳴った。
松岡さんに会えるなら、一時間や二時間待つくらい、なんでもない。まして──

「ありがと、久保田くん」

ああ、この笑顔。
彼女の笑顔が見られるかも知れないなら、それだけで、僕は何時間だって待てる。

けれど一つだけ、わがままを言わせてもらうなら──

「それじゃ、行きましょ。予定より遅くなっちゃったけど、今日こそは幽霊さんと会いたいわ!!」
「あ、あはは……うん、そうだね」

「一緒に幽霊を見つけるため」じゃなくて、もっと他の理由で会えればいいのになぁ。
291電波少女と純情少年(2):2010/11/15(月) 19:27:47 ID:2+9rKRi2

    *  *  *

僕が彼女と会うようになったのは、つい半月くらい前からだ。
出会いは四月の、環境委員でのあつまりのこと。隅でひとりぼっちだった僕に、松岡さんが話しかけてきてくれたのが始まりだ。
そして六月、僕は勇気を出して、松岡さんにお手紙を出した。色々あった結果「お友だち」になった。
女の子に手紙を出すなんて初めてで、返事がもらえるまでは本当にどきどきしっぱなしだったけど、
「まずはお友だちから」っていう僕の希望は叶えられたことになる。
まぁ、その結果としてできあがった関係は、僕が予想したものとはかなり違っていたんだけどね。

「はぁー、がっかり。けっきょく今日も、収穫なしか」

隣を歩く松岡さんは、肩を落として溜息をついた。
心霊現象大好きな彼女は、収穫のない日(ほとんどいつもだったけど)の帰り道はたいていこんな感じだ。

いま僕らは、墓地の奥にある無縁仏が埋葬されている一角から、お寺の境内に戻ってくる途中だった。
今日も一時間ほどの時間をかけて、幽霊に呼びかけたりポラロイドカメラで撮影して回ったりしたんだけど、
けっきょくなにも聞こえなかったし、出てこなかったし、映らなかった。そのせいで、松岡さんはすっかり消沈している。

「うん……残念だったね」

僕は本心半分、嘘半分で答える。幽霊には会いたくないけど、がっかりしている松岡さんを見るのも嫌だ。
瞳をきらきらさせて走り回っている彼女のほうが魅力的だし、なにより松岡さんが落ち込んでいる姿は見たくない。

「でもほら、マイクになんか声みたいなのが残ってたから、音を大きくして再生すれば、何をいってるか判るかも知れないよ?
こっちのインスタントカメラだって、現像すれば何かうつりこんでるかも知れないし」

とにかく思いつく慰めの言葉を口にする。こんな時、巧い言葉の一つも思いつかない自分が情け無くなる。
横目に松岡さんの表情をうかがうと、松岡さんは何故か僕を見つめていて──目が合った。
なんだろう? もしかして僕、変なことを言っちゃった?

「ううん、収穫がないのは、いつものことだもの。私はぜんぜん気にしてないから、久保田君こそ気を使わないで」
「そ、そう……なら、いいんだけど……」

あー、僕の莫迦!! これじゃ、逆効果じゃないか!! 気を使うつもりが、逆に気を使われちゃってるよ……
292電波少女と純情少年(3):2010/11/15(月) 19:28:24 ID:2+9rKRi2
けれど、なぜか松岡さんはくすっと小さく笑って(ああ可愛い!!)、

「けどね……前までは、こんな風に割り切れなかったのよ。
幽霊に会えなくて、落ち込んで、一人でとぼとぼ帰ってたような気がする」
「……………………」

そんな彼女を想像した瞬間、胸が痛んだ。巧い返事が思いつかない。
けど、松岡さんは思いのほか明るい口調で、言葉を継ぐ。

「でも、いまは違うわ。幽霊と会えなくても、それほど落ち込んでないの」
「へ、へぇ……そうなんだ。でも、どうして?」

巧く頭が回らなくて、とにかく僕は手近な物をつかんで投げるように、思いついた質問をぶつけた。
すると松岡さんは、何故か顔を赤らめて目を逸らし、

「……内緒」

内緒って。うーん、どうしてだろう。
けど、どっちにしても、松岡さんが落ち込まないで済むんなら、僕もそのほうが嬉しいな。

それから僕らは無言で歩き、お寺の境内に戻ってきていた。
もう真っ暗だけど、お墓の並んだあたりよりはずっと落ち着く。寺務所の灯りもあるしね。

けどここまで来ると、松岡さんと一緒にいられるのもあと少しだ。
ぼくの家と松岡さんの家は反対方向。お寺の前で左右に別れなくちゃいけない。
そうなんだけど──

「久保田くん、時間、大丈夫?」
「うん。まだしばらくは大丈夫だけど……別の場所に行く?」

げんざい、夜7時。あと一時間くらいだったら、大丈夫だ。
いまからもう一カ所──例えば学校に行こうと言われても、充分門限までに帰り着ける。
いままでも何回か、そういうことはあったし。

「ううん、そうじゃなくて……お話ししたいこととかあるの。向こうのベンチ、座りましょ」
「う、うん」
293電波少女と純情少年(4):2010/11/15(月) 19:29:12 ID:2+9rKRi2
予想外の言葉に戸惑う。なんだろう、一体。まさかもう、ぼくと一緒に幽霊探しをするのはやめたいとか?
だとしたら、とても悲しい。続きを聞くのが怖いけど──でも、松岡さんが話したいと言ってるんだ。僕は、それを聞かなくちゃいけない。

僕らは並んで、お寺の片隅にある石のベンチに腰掛けた。
硬い石のベンチが、腰掛けているお尻を冷やす。

夜のお寺は静かで、わずかな音でもはっきりと聞き取れた。
それこそ、肩が触れあいそうなほど近く隣り合って座っている松岡さんの、呼吸の音まで聞こえるほどに。
どきどきと、胸を押さえたくなるほどに心臓が鳴る。
どのくらい買って言うと──松岡さんが声を発した瞬間、思わず悲鳴を上げそうになるほどだった。

「久保田くん、いままで私に付き合ってくれてありがとう」
「う……うん」

松岡さんは、暗がりの中でも判るほど赤い顔で、僕を見つめていた。
あのときの──「友達になって」と言われて手をにぎられたときのことを思い出す。

「その……いままで色々迷惑かけちゃったよね。だから、その……今日は、久保田くんにお礼がしたいんだけど……」
「そ、そんなのいいよ!! 僕が好きで、付き合ってることなんだから!!」

ええと……つまりその、もうこれきりで松岡さんに会えなくなる……ってことは、無いのかな?
いや、お礼をして、それじゃあさようなら、って言われるかも……ああ、どっちなんだろう!?

「ううん!! それじゃ、私の気が済まないから。だから、その、喜んでもらえるかどうか判らないけど、
受け取ってもらえると、嬉しいな……」
「は……はい」

なんだろう。お礼って……と、のんびり構えていたら。
え!! ええっ、ちょっと松岡さん、顔が近い、近いよっ!!
目を閉じて、唇を突き出して、まさかまさか、そんな──

  ちゅっ

右頬に、ほんのりと甘い感触。え……頬に、キ、キッス、されたの?
夢にさえ見なかった、松岡さんのキス。あまりにも想像していなかった事態に、僕は硬直する。
294電波少女と純情少年(5):2010/11/15(月) 19:29:44 ID:2+9rKRi2
松岡さんは指を組んでもじもじしながら、

「そ、その……ずっと付き合ってもらっちゃったから、お礼がしたいなって……でも、何を渡せばいいか判らなかったから、
ゆきちゃん──同じクラスの友達に相談したの。そしたら、その、こうすれば、喜んでもらえるはずだよって……」

ううっ、その子、僕が松岡さんのことを好きだって気付いているんだろうか。ちょっと恥ずかしい。
そりゃ、松岡さんのキッスが僕にとって一番のご褒美だってのは、否定しないけれどさ。
あまりの事態に、返事も忘れてそんなことを考えていると、松岡さんの顔が曇った。

「ええと……その、もしかして、私、変なことしちゃった?」
「う、ううん!!」

不安げに問いかける松岡さんに、僕は(思い返すと自分でも驚くほど)勢いよく答えた。

「その……ぜんぜん嫌なんかじゃないよ!! その、す、すごく嬉しい」
「ほっ、良かったぁ……」

松岡さんは、胸を押さえて安堵する。
ああ、そうか。僕が黙り込んでたから、見当違いのことをしたんじゃないかって不安になったんだ。反省。
でも僕には、もう一つ気になるところがあったりして。

「けど──松岡さんこそ、よかったの? その、き、キッスなんて……」
「うん」

うなずく松岡さんの顔が、花が開くように笑った。
ぎゅ、と右手が温かくなる。松岡さんが手を伸ばして、膝の上に置いた僕の手をにぎったんだ。
触れあっている場所から、じわじわと、松岡さんの温かみが伝わってくる。

「ね、久保田くん。私これからも、色々迷惑をかけちゃうと思う。
人の話は聞かないし、幽霊がいると思ったらなにも考えずに突っ走っちゃうし、そのせいで約束を破ったりもしちゃうし。
けど──もしよかったらでいいんだけど、これからも、こんな私と一緒に、幽霊探しを手伝ってくれる?」
「ま、松岡さん……」

間近で見つめる松岡さんの顔。その瞳は期待に輝き、不安の翳に曇っている。微かに濡れているのは、もしかして涙?
判らない。判らないけど、答えは決まってる。僕はできるだけはっきりと、その答えを口にした。

「──うん。僕で良かったら、いつまでも」
「ん……ありがと」
295解散!!:2010/11/15(月) 19:33:20 ID:2+9rKRi2
                    (おしまい)

以上です。本文に(おしまい)をつけ忘れるなんて、なんたる体たらく……。

書き終わったけど久保田くんがなんか違いますね。
某イタチ娘にぞっこんの美術部長みたいになっちゃいました。
さっちゃんの可愛さも巧く引き出せなかったし……どうしてこうなった。

ただ個人的に、久保田くんには頑張って欲しいです。原作でも再登場するといいですね。
もちろんいい話じゃなくて、松岡さんに振り回され、3組女子に弄られる不器用な男の子として。

ここがいけない、こうすりゃいいんじゃないなど、感じたことで構いませんので感想を頂けると嬉しいです。
やっぱり反応があったほうが、モチベーションが上がりますから。ではでは、スレお返しします。
296ガンプラ:2010/11/16(火) 18:56:39 ID:lw1yqahU
>>279
なるほど。2ちゃんでは流れちゃう事もありますしね。失礼しました。
やはり一旦書き上げてから、12月中頃にまとめて投稿する事にします。
ご指摘ありがとうございました。
297名無しさん@ピンキー:2010/11/17(水) 00:20:54 ID:t/P+uGct
>>296
どうも、>>271の者です。
12月半ば…先は長いなあ…
でも一気に読めるのはありがたいです
頑張ってください!
続きを少女漫画の発売日を待つ小中学生の様な気持ちで待っています。
298名無しさん@ピンキー:2010/11/20(土) 07:23:05 ID:HYLoTBFL
原作は最近矢部ひとが減ってきた気がする。
299名無しさん@ピンキー:2010/11/20(土) 08:41:08 ID:pJn/3JK8
先週みたいにさりげなく机の下にいるみたいな描写があればもう満足だよ
300名無しさん@ピンキー:2010/11/20(土) 09:28:17 ID:RXLq3iMF
人減ったなぁ
301解散!!:2010/11/20(土) 09:44:10 ID:L+d63B5+
投下する人がいないとどうしても……
2期が始まればまた戻ってくると信じたい
302名無しさん@ピンキー:2010/11/21(日) 00:12:43 ID:k3+XZ8yK
元がエロいからわざわざエロパロにしなくても
303名無しさん@ピンキー:2010/11/21(日) 00:41:44 ID:d58DC77t
ここはのりお神の原作のエロさに近づくための修業の場
304ガンプラ:2010/11/21(日) 20:46:55 ID:NfqIp22j
余計な事と思いつつ、寂しくなったところに少し投下。

超私事なんですが『キャラ視点交代毎に区切り』と自分ルールを立てていたつもりが、
下記パートがどうしてもふたば視点にならなかった…。
ので、本当にちょっとだけなんですが、私の気分の区切りの問題で投下します。

何もかも中途半端な私…。ちょっと鬱…。

>>269のつづき
しんちゃん視点です。
305太陽のちょんまげ15:2010/11/21(日) 20:47:25 ID:NfqIp22j
――――――――――


月曜の夜は、毎週恒例になってる二人の勉強会だ。

「………」
「……う〜ん…かそくどがあってー…」カリカリ

でも今日は、俺の方はまるで手につかない。俺とふたばの会話も無い。
いつもなら、穏やかな空気の中、ちょっとしたおしゃべりもしながら、結構楽しくやってるんだけど…。


今朝見たスポーツ新聞。
そこに載っていたのは談笑しているふたばと、Jリーガーの富士見選手の写真だった。

富士見 明人。19歳。
ドイツ系クォーター。
16歳までをドイツで過ごし、日本に帰ってきてからは高校サッカー界で大活躍。
卒業後すぐに東京のチームと契約し、去年は新人王に選ばれた。
サッカーやってる奴なら誰でも憧れる、スター選手だ。

「………」
「……じゅうりょくで割ると〜…?」

いや、それだけじゃない。
容姿も優れていて、女性ファンもかなり多い。既に何本かCMに出ているし、ファッション誌に取り上げられた事もある。
性格だって硬派で真面目。浮ついた話は聞かない。でも、TVで見る物腰は優しい。
…少なくとも露出している画では、穏やかに微笑む人だから、あんなふうに楽しそうに笑う写真が、ちょっと意味深に取り上げられたんだろう。

ま、つまるところ正真正銘の『イケメン様』ってわけだ。
やれやれ、いるもんだね。何でも揃ってる『天才』ってのは。

…いや、俺のすぐ隣にもいたか。

「………」
「……ああう〜」プシュ-
306太陽のちょんまげ16:2010/11/21(日) 20:48:49 ID:NfqIp22j

ぷっ。
「あははっ!」前言撤回。こいつは足りないもの多すぎ。
「あ、あははー…。しんちゃん、教えて?」
ふたばが上目づかいで聞いてくる。単純なのは俺も一緒か。
「はいはい。どれどれ?」
まったく、相変わらず汚い字だな。こんなの、お前と俺以外は読めねーぞ?
「…ふたば、まずは単位を合わせるよう考えろって言ってるだろ?」
「うーん?途中までは出来てたんスけどー」
なんとなく、いつもの空気が戻ってきたな。


「……ねぇ、しんちゃん?」カリカリ
「ん?」
「今朝の写真の事っスけど」カリカリ
「……うん」
「たぶん、この間のTV局で撮られたんだと思うっス。休憩時間に、サッカーについて教えてもらってたんス」カリカリ
「……ふーん。なんで、『マホウツカイ』なんだ?」
ふたばが手を止めて、こっちに向き直る。
「あのね、休憩中にサッカーのボールで、しんちゃんみたいにポンポンってやってたの」
リフティングの事か。
「『すごい!』って言ったら、次はボールを背中に回したり、足でグルグルやったりしてくれたの。
それで、面白そうだったから、ボールを借りて小生もやってみたんス」

俺とずっと一緒に遊んで来たからか、ふたばもかなりリフティングが上手い。
どころか、俺が練習してやっと出来るようになった動きも、こいつは見ただけですぐ真似が出来てしまう。
その度、俺はこいつの底無しのセンスを思い知らされて来た。
……。いや、今はその事はどうでもいい。

「そしたらおにーさんがすごくおどろいて、『ちょっと勝負してみようか?』って、おにーさんからボールを奪えるか勝負する事になったんス。
それで小生、頑張ったんスけど、全然ボールに触れなかったっス。おにーさんは笑いながら、一歩も動いてないのに、だよ?
目では追えるんスけど、足を出したときにはまるでマホウみたいにボールが消えてたっス。
だからまるで、『マホウツカイ』みたいですね、って」
…さすがだな。そこまでの芸当、とてもじゃないが俺には無理だ。
「それでね、その動きを教えてもらったら、しんちゃんのお役に立てないかと思って教えてもらってたんス」
「そっか」
「ごめんね?しんちゃん」
「何でお前が謝るんだよ?それに、俺のためを思って技を教えてもらってくれたんだろ?俺がお礼を言わなきゃいけないくらいだよ。
それで、出来るようになったのか?その動き」
「無理だった」
「ダメじゃん。ははっ」ゾッとするね。ふたばにも真似できない動き、世界、か。
307太陽のちょんまげ17:2010/11/21(日) 20:49:24 ID:NfqIp22j


「………」
「……続き、やるね?えーっと、これをだいにゅーして………」カリカリ
またちょっと、空気が重くなってしまった。
くそっ、何やってんだよ俺は。格好悪ぃ。ふたばは俺のためを思ってやってくれたんだって、さっき自分で言ったばかりじゃないか。
子供みたいな嫉妬をしてさ。佐藤信也はそんなつまんねー男じゃないだろ?

「…よしっ!出来たーっ!!ありがとう、しんちゃん!」笑顔。まぶしい。まるで、

「……なぁ、ふたば?」
「ん?」
「何でそんなに真面目に勉強するようになったんだ?
あ、いや。そういう意味じゃなくて、さ。
中学から段々と居眠りが減って来たし、高校からは宿題もきちんとするようになったじゃんか。
そんなふうに昔よりもすごく真面目に頑張るようになったのは、なんでかな?って。
特に高校じゃ授業だって、その…、面白くないのもあるだろうし」

私立のウチにとって、ふたばは『客寄せ要員』だ。
今年の入学パンフには、練習姿のバストアップなんてあざとい写真を使いやがった。
だから、こいつが赤点を取ろうが何しようが気にしない。教師によっては露骨に指導の手を抜いている奴までいる。
そりゃ、学費免除、交通費支給、常時ジャージ着用、なんて特権も享受してるさ。
でもさ、学校ってそういう所じゃないだろ?

でも、こいつは腐らず真面目に勉強して、なんとか着いて来てる。こないだの1学期中間だって、理系科目はそこそこの点数を取ってた。
ウチのレベルは高い方だから、大したもんだと思う。
正直、昔のこいつからは考えられないくらい真面目に勉強に打ち込んでる。この勉強会だって、元々ふたばが提案してきたものだ。
気になってはいたけど、良い事には違いないし、これまではなんとなく理由を聞いた事が無かった。
だけど、今日はいつもと空気が違ったせいかな?ふと、口に出てしまった。
308太陽のちょんまげ18:2010/11/21(日) 20:55:12 ID:NfqIp22j

「昔、矢部っちがね」
「矢部っちが?」
意外なところで、その名前が出てきたな。
そういや、俺は一年くらい会ってないや。三女から、ふたばや千葉を経由して間接的に近況を聞いてるせいで、縁遠くなった気はしないけど。
「うん。矢部っちが6年生のときに教えてくれたんス。勉強をするのはとっても大切な事なんだ、って」

……矢部っちは、いつも熱心にふたばに勉強を教えてくれてたな。
5年生までの先生は、あきれて真面目に相手にしないか、最初は熱心でも途中で諦めてなぁなぁになっていく人ばかりだったのに…。

「矢部っちはこう教えてくれたっス――…

『たくさん勉強すると、世の中の事がはっきり分かるようになる。
そしたら人生がもっと楽しくなるし、誰かを助ける事もできる。
ふたばちゃんは跳び箱や鉄棒が誰よりも上手だけれど、どうして上手く出来るのか?どう動いているから上手く出来るのか?って、考えた事あるかな?
勉強すればそれが分かるようになって、動きを工夫してもっと上手になる事ができるし、ひとはちゃんにちゃんと教えられるようにもなる。
もちろん、すぐには分かるようにならない。今やっている勉強がどう役に立つの?って思うかもしれない。
でもね、こうやって頑張ってる算数や国語は、必ずそれを分かるための材料になる。
ふたばちゃんは運動がすごく得意だ。とってもすごい才能を持ってる。僕は天才だって思ってるよ。
だからさ、その才能をもっと上手に、自分や誰かのために役立てられたなら、とっても素敵な事だと思わない?』

…――って」

矢部っち…。

「矢部っちのお話はむずかしかったけど、なんとなく分かったっス。
高校生になって、カントクに走り方を教えてもらうようになってからは、もっと。
小生、いつもひとはや、しんちゃんや、みんなにめーわくを掛けてるっス。
だからね、小生の得意な事でみんなにお返しできたらなって。矢部っちやカントクみたいに、誰かに何かを教えてあげられたらいいなって。
そう思って、勉強もいっしょーけんめー頑張る事にしたんっス!!」


「ふたば」
「うん?」
「ありがとう」いつも、俺たちのために頑張ってくれて。



ありがとうございます、矢部先生。

309つづく:2010/11/21(日) 20:58:57 ID:NfqIp22j
です。

本当にちょっとだった!!!
すいません。これで心置きなく休眠できるんで…。許してつかぁーさい。
今度こそ12月中ごろまで現れません。   たぶん。

私的にはふたばは鬼門です。
『感覚でしか状況を語らない(論理的に整理してくれない)』
+『善し悪しの観念が独自(一般認識からかけ離れている)』
ので、超厳しいキャラです…。

後、これが終わったら矢部っちの株を下げる話を作らねば…。
310名無しさん@ピンキー:2010/11/22(月) 18:05:34 ID:vDs5wHE+
あげ
311名無しさん@ピンキー:2010/11/23(火) 05:53:34 ID:pgLwAopU
>>309
ビューだね。
312名無しさん@ピンキー:2010/11/25(木) 17:00:25 ID:qS4+CJGV
矢部とかいらね、もうださなくていいよ
313名無しさん@ピンキー:2010/11/26(金) 14:59:30 ID:GkVVK2TO
だれかいるー?
314名無しさん@ピンキー:2010/11/26(金) 15:40:49 ID:ZExO0qsV
いますよー。
投下がないから書き込まないだけで、たまに見に来てる人はまだけっこういる……はず。
315名無しさん@ピンキー:2010/11/26(金) 16:47:48 ID:v/5NXmmp
エロSSが投下されない時は、小ネタとか妄想とか書き込めばいいんだろうけどね
316名無しさん@ピンキー:2010/11/26(金) 21:39:09 ID:GkVVK2TO
安心した。今書いてるの無駄になるかも、と不安になってたけど、もう少し頑張ろう。

あと、返事してくれた人ありがとう。
馴れ合いはあんまりしちゃいけないみたいだけど、今回は許してください。
317名無しさん@ピンキー:2010/11/26(金) 22:48:00 ID:Jh98C74I
ttp://up2.pandoravote.net/img/pan2ji00052702.jpg

宮下さんがヒロインなエロいSSを読んでみたいです☆
318名無しさん@ピンキー:2010/11/26(金) 23:23:06 ID:B7hkyfx3
吉岡は誰かとうまく絡めることが出来ればすごいエロスな話が出来るはず!
319名無しさん@ピンキー:2010/11/27(土) 09:48:00 ID:pS+/NPTI
吉岡は意外と使いづらい……恋愛万歳なのに、本人はクラスの男子に無反応だし。

クラスの男子に反応しない→既に好きな人がいる
→他の学校の男子、あるいはもう中学に行ってしまった先輩を想っている、
あたりなら現実味がありそうかな?
けどその相手は吉岡の想像とは違う鬼畜野郎で、仲間数人と一緒に吉岡をレイプ。
多数の男子に輪姦されながら、それでも肉欲の疼きを感じてしまう淫乱眉毛……。

こんな感じでどうでしょ?
320ガンプラ:2010/11/27(土) 14:23:38 ID:eC5CCj0u
私もなかなか筆が進まないです…。
一月になるかも…。いや、頑張ってるんですが…。

ああ〜。クアンタの箱が私を誘惑する〜。積みプラが10体を超えた〜。
321名無しさん@ピンキー:2010/11/27(土) 19:36:51 ID:04bOaBS5
>>319
素晴らしい。
文章化するのを楽しみに待ってます。
322名無しさん@ピンキー:2010/11/28(日) 00:40:35 ID:EPU6gsow
ネタだけならいくらでも思い付くけど文章にしようとするとうまくいかない…。

ここでネタとか妄想だけ書くのはありですかね?
で、あわよくば他の誰かに執筆を…とゆうのはダメですよねorz
323名無しさん@ピンキー:2010/11/28(日) 01:21:49 ID:UZ526QCw
とりあえずネタだけ振っておけば、面白そうと思った人が書いてくれるかも。
もちろんスルーされる可能性もありますが、あまりしつこくネタ振ってお願いね、
を繰り返すのでなければ大丈夫だと思いますよ。

というわけで文才のない私に代わって、誰か吉岡輪姦を……。
324名無しさん@ピンキー:2010/11/28(日) 03:15:43 ID:NVcQgUpc
吉岡とかみつばとか、一人称が難しいと感じるのは俺だけ……?
325名無しさん@ピンキー:2010/11/28(日) 12:15:07 ID:4HDizhl3
私はふたばの「〜ス」を入れる箇所が難しいと感じます。
326名無しさん@ピンキー:2010/11/28(日) 19:52:54 ID:NVcQgUpc
>>325
なんとなくわかる気がする。
自分はとりあえず家族としんちゃん以外に「〜っス」を付ければ良いかなと思っていますが。
327名無しさん@ピンキー:2010/11/28(日) 20:12:19 ID:3a98NOGi
矢部っち×海江田先生とか読んでみたいなあ
328名無しさん@ピンキー:2010/11/28(日) 20:49:12 ID:EPU6gsow
>>327
前スレにあったな。

やや矢部ひと気味だったけど


海江田先生は絡ませづらそうだなあ…
絡ませるとしたら矢部っちくらいしか相手が思い付かないし、生徒相手にはさすがになあ…
野田校長とねっとり絡ませるとか?
329名無しさん@ピンキー:2010/11/28(日) 23:28:32 ID:NVcQgUpc
いっそ、吉岡×海江田先生で。
偶然海江田先生に注意を受けた吉岡さんが、肌を羨ましそうに触られながら徐々に芽生える快楽に身を任せていくという……駄目か。
330名無しさん@ピンキー:2010/11/30(火) 04:40:51 ID:q2h9IfPj
ふひひ
331ガンプラ:2010/12/01(水) 22:36:10 ID:iB/a0/DP
よし!!!





ダメだ!一旦筆を置こう!!


…いや、いきなりの敗北宣言で意味不明なんですが、ちょっと色々忙しくなってしまって…。
クアンタは関係なく。本当に。

7割はいったんですが、このままだと忙しさに創作が荒くなってしまうのが怖くて・・・。
ので、1月過ぎまで筆を置きます。
が、>>297様のように待ってくれている方もいて下さるので、
現在書けている中編部分まで投下させていただこうと思います。

結構な分量なので、スレの維持のためにも3分割して3日毎に投下させていただきます。
332ガンプラ:2010/12/01(水) 22:39:54 ID:iB/a0/DP
これまでの前書きで忘れていた部分。

本作は無謀にも連作を気取っています。一応単品でも意味が通じるよう作っていますが、
千葉、宮、しんちゃん編を読んでいていただけるとより楽しめる、かもしれません。

では、>>308の続きです。
333太陽のちょんまげ19:2010/12/01(水) 22:41:35 ID:iB/a0/DP
==========


しんちゃん大好きっ!!!


「それでね?じゅーしんが前に来るから、短い距離だけどすっごく速く走れるんス」

お月様のきれいな帰り道。しんちゃんに送ってもらいながら、ゆっくりお話できる静かな時間。
大好きな人との、大切な時間。

「なるほどな。俺もフォームを意識してみるか。うん、役に立ったよ。ありがとう、ふたば」
「ほんと?」
「ほんと、ほんと」
「わーい!やったーー!!」
しんちゃんに上手に伝えられた!

動き、イメージへ、そしてカタチに。そっか、『ぶつり』ってこう使うんだ。
ほとんどカントクの言ったままだけど、やっぱり自分でしっかり分かってないと説明出来なかったと思う。
しんちゃんの助けになれるのは嬉しい。だから嫌いな勉強だって頑張れる!

それを教えてくれた矢部っちは、やっぱりすっごい先生っス!ひとはたちがあんなに大好きになるのもよく分かる!
そしてしんちゃんも矢部っちの事が好き…ううん、きっと『そんけー』してるんだ。あの、優しさを。
今日だって、矢部っちの話をしてからはいつものしんちゃんに戻ってくれたし、その後も『矢部先生は最近どうしてる?』って色々聞いてきた。

そんなふうにみんなが好きになって、みんなを素敵に変えて、みんなをつなげてくれる矢部っちが、きっともうすぐ『お兄さん』になる。
とっても楽しみ!
334太陽のちょんまげ20:2010/12/01(水) 22:42:25 ID:iB/a0/DP




「たっだいまー!!みっちゃーん!今日の晩ごはんは何っスかー!?」

今朝、ひとはは『先生の所に寄って来るから』ってこっそり言ってた。
そしたらみっちゃん、アルバイトがお休みの日だから、
『ま、今日はたまたま新しい料理に挑戦してみたかったの。たまたまだからね!勘違いしないでよね!!』、だって。
やっぱりみっちゃんは優しいっス!

「ただいまー……あれ?ひと?」
「うん。お帰り。
みっちゃんはアルバイトに行ったよ。急にお休みの人が出たから助けて、ってお店にお願いされたみたい。
それで、予定を変えて早めに帰ってきたの」
ひとはがおなべに向いたまま、背中越しに教えてくれる。

「そ、そうっスか…」

『大好きな人との、大切な時間』。
さっきまでの嬉しさの分だけ、申し訳なさでムネがいっぱいになる。

「しんちゃんとの、べんきょうかいは、たのしかった?」
ひとはが初めてこっちを向いた。

その目は、真っ暗で、ドロドロしていて、見ていると何もかもを引きずり込まれそうで……。

「ごっ、ごめんっス!ひと!許してほしいっス!!」
あわてて頭を下げる。あぁ、小生は何てバカなんだろう!!まるで成長していない……!

「?どうして謝るの?あんまり勉強進まなかったの?」
「え?ああ…えっと…」

少し顔を上げて、もう一度ひとはの目を見ると、いつも通りの、星空みたいにきれいな夜色に戻っていた。
……?気のせい?
ううん。でも、小生のしてしまった事は変わらない。
「あ、あのね、勉強はたくさん出来たよ!でも、せっかくひとはが矢部っちの所に……。ごめん」
335太陽のちょんまげ21:2010/12/01(水) 22:43:34 ID:iB/a0/DP
ふっ、とひとはが柔らかい笑顔になって言う。
お願い、やめて。

「いいんだよ、ふたば」

〜〜っつ!!!

「先生の所には、またいつでも行けるよ。
それに、私は料理が好きなんだし、みんなが美味しいって言ってくれれば、それで幸せだよ」
「あ・・・う、うん!いつもありがとう、ひと!そうだ!お皿運んでおくっスね!!」
少しでもできる事はしなくちゃ。



―――いいんだよ、ふたば。気にせず楽しんできて。私は今日の内に、お掃除もしておきたいし。
―――いいんだよ、ふたば。ふたばにふさわしいシューズが買えたんだから。私も貯金してきた甲斐があったよ。
―――いいんだよ、ふたば。私は進学校なんか行かなくても。勉強なんてどこでも出来るんだから。それに、家から近い方が都合がいいよ。


―――いいんだよ。だって、私たちは――



小生は、まるで成長していない……。

336太陽のちょんまげ22:2010/12/01(水) 22:44:23 ID:iB/a0/DP
――――――――――


〜〜っ!どうだ!?

「――秒6!」
カントクの声が響く。

「やったーーっ!!」

記録こうしーん!!

「やったね!ふたばちゃん!」
「ありがとーっス、ブチョー!」
「いや〜、すごいわ〜。
こうもたびたび高校記録塗り替えに立ち会えるなんて、去年までは思ってもなかった!ふたばちゃん、偉い!!」
「えっへへぇ〜!」
立ち会ってくれていたブチョーも一緒に喜んで、なでなでしてくれる。えへへ。
これもしんちゃんのおかげだ。
昨日、しんちゃんにフォームの説明をしていて気になったところを直したら、思った通り速くなった!

「……丸井」
「は〜いっス!」
カントクも褒めてくれるのかな?

「お前は全力を出して走ってるか?」
「?も、もちろんっス!」
「丸井、俺の目を見ろ。
もう一度聞く。お前は全力を出して走っているか?」

言われた通り、カントクの目をしっかりと見る。カントクの目に映る小生と向き合う。

「小生は常に全力で生きてるんス」
小生、手を抜くのは嫌いっス!
それにそんな事してたら、しんちゃんに置いて行かれちゃう…ううん、しんちゃんを待たせてめーわく掛けちゃう!
「だから本当に、今の小生の全力で走ったっス!」

「……そう、か。
いや、よくやった。今日はもう上がれ。
よしっ!次!」
「はい…っス。お疲れ様でしたっス…」


ぽつん。と、グラウンドに立つ。
風が汗に濡れた身体に気持ち良い。

でも、左だけ結った髪が、揺れる。わしゃわしゃする。

今の髪形。
中学の終わりからずっと続けて来た。学校でも、部活でも、家でも、しんちゃんと遊ぶときも。
とっても疲れたときだけは『昔』に戻っていたけれど、でもほとんどずっと続けて来た。
だから、もう慣れた髪形。
『みんな』に可愛いって言ってもらえる、今の髪形。

わしゃわしゃ。でも、もう慣れた。
337太陽のちょんまげ23:2010/12/01(水) 22:45:53 ID:iB/a0/DP




「それじゃブチョー、お疲れ様っス!!」
「はーい!ふたばちゃんも気を付けて帰ってねー!最近、学校近くに怪しい人が出るって噂だしさー!」

今日も一日頑張ったっス!
でも、最後にシューズのしきゅーしんせーしょを書くのに手間取って、ちょっと遅くなっちゃった。

カントクの作ってくれたマホウのシューズはすごい。
足が全然締め付けられないし、地面にしっかり引っかかるから裸足のときより速く走れる。
子供のときは、こんな靴があるなんて思ったことも無かった。
だけど、新しいのをもらうためには書類を書かなきゃいけないのが面倒だ。
部のみんなは『代わりに書いてあげようか?』って言ってくれるけど、小生の事なんだから、小生がやらなくちゃ。

おっと!それはとにかく、今は急がないと電車に乗り遅れちゃう!

プァプァー!

今こそいんたーはい優勝の力を見せるとき!って思って駆け出そうとしたら、突然クラクションが鳴った。
??
目の前に、全然知らない白い車が停まってる。何だろ?小生を呼んだみたいだったけど…?

「ああ、ごめんごめん。びっくりさせちゃったね」
「マホウツカイのおにーさん!?あっ、じゃなくて…」

車から出てきたのは、この間TV局で会った…新聞に小生との写真が載った、おにーさんだった。
確か、昨日、送ってもらうときにしんちゃんから聞いた名前は…、

「えーっと、ふさみやせんしゅ、ですよね?」

ピキッ

おにーさんの動きが止まった。あれ?間違っちゃった?
338太陽のちょんまげ24:2010/12/01(水) 22:46:59 ID:iB/a0/DP
「…い、いや、そうだね…。君にとっては、まだその程度だって事だね。
うん。いや、まぁ、マホウツカイ…マホウさん、でいいよ。君らしい呼び方で呼んでくれた方が僕も嬉しいし、さ」
おにーさんが優しく笑う。じゃあ、マホウさんにしよう。
「マホウさん、どうしてここに?」
「うん。その…、新聞の事で、ね」
「新聞…ああ、小生たちが一緒に写ったのですか?」
「やっぱり君も見たんだね…」

「すみません、丸井さん!僕のせいであなたにご迷惑をお掛けしました!」
マホウさんが突然、小生に頭を下げた。わわっ!
「ど、どうしたんスか!?マホウさんに謝ってもらう事なんて何にも無いっスですよ!?」

顔を上げたマホウさんが、もう一度優しく笑う。
ちょっとだけ、しんちゃんに似てる、かな?

「ありがとう。優しい君ならそう言ってくれるって思っていたよ。でも、僕が迷惑を掛けた事には変わらない。
すみません、丸井さん。僕が無警戒に君に近づいたせいで、変な新聞に、誤解された形で載ってしまって」
またマホウさんが頭を下げてきた。
「あわわ!そんな事言われても困っちゃうっス!小生、全然気にしてないから、そんなに謝らないで欲しいです!」
「本当に、許してくれるかな?」
「はい!本当に何にも気にしてないです!」
「あぁ、良かった…。あんなふうに載ったから、君の好きな男の子の、確か…」
「しんちゃん!」
「そう、そのしんちゃんとケンカになっちゃったんじゃないかって、心配してたんだ」
「大丈夫っス!!しんちゃんはすっごく優しいんス!だからきっと、しんちゃんも全然気にしてないっス!!」

しんちゃんとの事を心配してくれたんだ。・・・なんでだろう?ケンカって新聞に載ったらしちゃうものなのかな?
でも、本気で心配してくれている顔だ。それに、こんな遅くまで待っていてくれた。
うん。やっぱり、しんちゃんに似ている人に悪い人はいない。『キモチワルイカンジ』もしないし。

プシュー ガタンゴトン ガー

「って、あ〜っ!電車がーっ!!」
次の帰りの電車は40分くらいあるのに〜。
339太陽のちょんまげ25:2010/12/01(水) 22:47:27 ID:iB/a0/DP
「ああっ、ごめん!僕が引き止めちゃったばっかりに!
……あの、そうだ、うん。その、よければ僕の車で送るよ?いや、ぜひ送らせて下さい!丸井さん!」
「ええっ!?そこまでしてもらうのは悪いっス!家は結構遠いっスよ?」
「でもせっかく君に謝りに来たのに、そのせいで更に迷惑を掛けてしまうなんてこっちこそ本当に悪いよ。
お願いします。送らせて下さい」
またまた、マホウさんが頭を下げてくる。
「あっ、もちろん変な気は無くて、純粋に君にお詫びしたいからであって…。
ああっと、でも、丸井さんに魅力が無いってわけじゃないんだよ!むしろ、これまで出会ったどんな女性よりも魅力的で…。
うわぁっ、違う違う!
なんだか滅茶苦茶だな…。うーん、こんな風に女性をお誘いしたのなんて初めてで…。
だから違う!お誘いってわけじゃないんです!本当に、君のお役に立ちたいんです!」
今度はわたわたし始めた。

うーん。何だかこっちが申し訳なくなってきたっス…。それになんだか…、
「あははっ。矢部っちみたいっス」

「?やべっち?それも、君の好きな人かい?」
あっ、口に出ちゃってた。
「ううん、違うっス。えっと、もちろん小生も好きな人っスけど、別の…もうふたりの小生が、大好きになった人っス」
「???」
「うん。『矢部っちの親切』は、受けないとしつれーにあたるっス!
それに遅くなるとパパたちに心配掛けちゃう。マホウさん、申し訳ないっスけど家まで送ってって欲しいっス!」
「うん。任せてください。…丸井さん、ありがとう」
「それと、小生の事はふたばでいいっス!友達にはそう呼んでもらってるっス!」
「友達…。うん。本当に、ありがとう」

マホウさんがまぶしそうに目を細める。??とっくに真っ暗っスよ?

「?どうしたっスか?」
「あっ、いや!何でもないよ!それじゃ、助手席に乗ってもらえるかな?」
「了解っス!」

マホウさんに言われて、車のドアに手をかけ―――っつ!!?

バッ!

「………??気のせい、かなぁ?」
「どうしたの?急に、何も無いところへ振り返って」
「『キモチワルイカンジ』が……?うーん…??」
「?誰もいないみたいだけど?」
「…うん。ごめんなさいっス。小生の気のせいだったみたいっス。それじゃ、家までおねがいしまーーす!」
「はいはい。かしこまりました、お嬢様。
シートベルトはしっかり閉めてね?運転には自信があるけど、もしもふたばちゃんに何かあったら、世界の損失だよ」
「はーいっス!あっ、そうそう。後、家に着いたらサインをお願いしてもいいっスか?
しんちゃんがマホウさんのファンみたいだったから、きっと喜んでくれるっス!」
「……うん。いいよ。ふたばちゃんは、本当にその子の事が好きなんだね」
「大好きっス!!」

340太陽のちょんまげ26:2010/12/01(水) 22:48:09 ID:iB/a0/DP
――――――――――


「ふぁ〜〜っ。おふぁよう…ひんちゃん…」
「…おはよ」
「ん〜〜?……どうしたん、スか?」

次の朝、いつもの通り迎えに来てくれたしんちゃんだけど、なんだかイライラした顔だ。
いつもなら、おはようって言ってくれながら小生のシューズの紐を結んでくれるのに…。

「ふたば。もう高校2年生なんだ。そろそろ靴紐くらい自分で結べよ」
「あっ…。う、うん。そうっスね。ごめんね?しんちゃん」
何だか怒って、る…?





駅までの道も手を引いてくれないし、ずっと無言だ。ううん、それだけじゃない。今日は一度も目を合わせてくれない…。
小生、何か怒らせちゃう事しちゃったのかな?

「ねぇ、しんちゃん?なんで怒ってるんスか?小生、何かしちゃったっスか?」

「………」

「もしかして先週の火曜日、しんちゃんの飲みかけのジュースを勝手に飲んじゃった事っスか?申し訳ないっス!
新製品だったから味が気になったんス!
それとも木曜日に、学食でお昼を全部あーんして食べさせてもらった事?
あの日は4時間目が苦手な英語で、授業中は頑張って起きてたんスけど、代わりにお昼にすっごく眠たくなっちゃったんス…。
あっ、そうだ!金曜日にお昼の放送に呼ばれて、放送部の人と話してるとき『しんちゃん大好き』って大声で言っちゃった事っスね!?
あれは本当に申し訳なかったっス!学校ではなるべく『佐藤君』て呼べって言われてたのに!小生、いっつも忘れちゃうっス…」

「………」

「違う、っスか……」

………え〜っと。
341太陽のちょんまげ27:2010/12/01(水) 22:48:47 ID:iB/a0/DP
「あっ、そうだ!昨日ね、この前のふえのやませんしゅにサインをもらったんス!しんちゃんにあげようと思ってたけど、眠くて忘れちゃってたっス!
しんちゃん、ファンだって言ってたよね?せっかくだから色紙だけじゃなくって、お皿とかコップにも書いてもらったよ!
ぜ〜んぶしんちゃんにあげる!」

「〜っ!!その、富士見選手の事だよ!」

「ふえっ?やっぱり、動物パンツにサインしてもらった方が良かった?小生もそう思ったんスけど、みっちゃんがすっごく怒っちゃって…」
「違う。お前、昨日の夜、富士見選手の車に乗って帰っただろ?」

やっとこっちを向いてくれたと思ったら、しんちゃんが見た事の無い顔をしてた。
怒ってる…。そうだ、これが本気で怒ってるしんちゃんの顔なんだ……!

「ああ、あ…うん。そうっスよ?しんちゃんも近くに居たんなら、一緒に乗って帰れば良かったのに…」
「なんでそんな事したんだ?」
「えっと、こないだの写真の事を謝りに来たマホウさんと話してるうちに、電車が行っちゃって…。
それで、マホウさんがごめんなさいの代わりに乗せて帰ってくれるって…」
「お前、なんでいっつも考え無しなんだよ!あんなふうに富士見選手に近づいたら、また変な写真とか撮られて、今度は恋人にされちまうぞ!?」
「うぅ〜。ご、ごめんなさいっス……」
「お前はいつもそうだよ!口ばっかりで、全然反省してない!何度もおんなじ迷惑を掛ける!いい加減にしろよ!!」
「…ごめんっス…しんちゃん……。…ぐすっ。うぅ…ひっく…」


「うぇ〜〜ん!!」


「………。ごめん。言い過ぎた」
しんちゃんが、ハンカチで涙を拭ってくれる。

しんちゃんの言う通りだ。小生は、いつまで経ってもしんちゃんや、ひとはや、みっちゃんや、みんなにめーわくを掛けてる。
高校生になって、ちょっとは一人で頑張れるようになったと思ってた。

でも、ダメだったんだ。

やっぱり、小生はまるで成長していない……。

「う、うぅぅ…。ひっく…。うえぇぇ…」
「あぁ・・・ごめんな、ふたば。本当にごめん…」

ああ、うぅ、う…なみだ、が、止まら、ない…。
小生、頑張ってきた、つもり、だったけど……。何にも、出来て…なかった…。うえぇっ……。
342太陽のちょんまげ28:2010/12/01(水) 22:49:20 ID:iB/a0/DP

「ふたば…。泣かないで?」

ギュッ

「あっ!?」
「ごめんな、ふたば。違うんだ。
お前はいつも頑張ってる。そうだよ。知ってるんだ。お前がいつも俺のために頑張ってくれてる事を。
走り方を教えてくれて、ありがとう。一生懸命勉強してくれて、ありがとう。知らない人にまでサッカーの技を聞いてくれて、ありがとう」

しんちゃんが小生を抱きしめて、優しく伝えてくれる。


―――あったかくて、気持ちいい…。


しんちゃんはすごい。
さっきまであんなに苦しくて、あんなに痛かったのに、しんちゃんが抱きしめてくれたら全部どこかへ行っちゃった。

あぁ、そうだ。此処に居れば、辛い事も、嫌な事も、怖い事も知らずに、ずっと自由に遊んでられる―――


「そうだよ。悪いのは富士見選手だ。何を考えてるか知らないけど、なんにも分かってないふたばに近づいて……!」


―――!!


「違うよ、しんちゃん…」
「うん?」

そうじゃないんだよ、しんちゃん。
343太陽のちょんまげ29:2010/12/01(水) 22:49:44 ID:iB/a0/DP
「違う。マホウさんは悪くないよ」
「……………………………!?」

しんちゃんの身体がビクッて震えて、小生を抱く腕にいっそうの力がこもる。
気持ちいい。このまま全部を預けてしまえれば、どんなに楽だろう。

でも、言わなくちゃいけない。

「マホウさんは、心からの親切で、家まで送ってくれたっス。
しんちゃん、それを悪く言わないで?」
「何だよ…。なんで、そんな事言うんだよ……!?悪いのはあいつだろ!?」

「違うっス!」

グイッ

しんちゃんの肩を掴み、身体を離す。
居たい、痛い、イタイ。独り立つ事の恐ろしさに、足が震え、心が軋む。

でも、我慢しなくちゃいけない。
ここでそれを許したら、しんちゃんを大好きでいられなくなる。しんちゃんを大好きでいる小生を許せなくなる!

「マホウさんは、本当に親切で送ってくれたっス。小生、マホウさんにすごく感謝してる。パパだってお礼を言ってくれた!
だから、そんなふうに悪く言っちゃダメっス!」
「なっ!?そんなの分かんねーだろ!お前が無用心で、考え無しの子供だから分からないだけなんだよ!
あんな簡単に、知らない男の誘いにホイホイ乗って!どこか危ない所へ連れて行かれたかも知れなかったんだぞ!!」
「それくらい分かってるっス!女の人を騙して、ホテルとかそういう所へ連れて行って、ムリヤリ…って悪い男の人がいる事も知ってる!
小生だってもう小さな女の子じゃない!!ちゃんと分かってるっス!
でも、あのときのマホウさんからは『キモチワルイカンジ』はしなかった!あれは心から小生の事を想ってくれての親切だった!!」

あれは『矢部っちの親切』だった。小生が好きになった、小生たちが大好きになった、誰かの幸せを願う、あの優しい心とおんなじだった!
それを悪く言う事だけは例えしんちゃんでも許せない!許しちゃいけない!!

「だからマホウさんは全然悪くないっス!そうだよしんちゃん!昨日の事は誰も悪くなかった!!
なんでしんちゃんが怒るのか全然分かんないっス!!!
それに昨日、車に乗るとき感じた『キモチワルイカンジ』…、あれはしんちゃんだったんスね!?
あんなふうに見るなんて、ゲンメツっス!!!」
「何だよ!?キモチワルイとか何とか、わけ分かんねー事言って!!
ああ分かったよ!もういい!勝手にしろ!!これからは学校も別々に行く!!
せっかくお前のためを思って迎えに来てやってたのに!もう勝手に行け!どうせお前一人じゃ毎日遅刻だよ!バカ!!」

「バカって言う方がバカなんス!!
いいっスよ!学校くらい一人で行けるもん!!もうしんちゃんなんて知らない!バイバイ!!」

デデデデ クルッ

「べーっだ!!」

デデデデ

しんちゃんのおたんこナス!!!

344太陽のちょんまげ30:2010/12/01(水) 22:50:35 ID:iB/a0/DP
――――――――――


シュル...シュル...

部活前の着替え。小生はいつものように、椅子に座って、優しいブチョーにサラシを巻いてもらう。
いつもなら、今日一日の事をお話して褒めてもらったり、一緒に笑ったりできる楽しい時間だ。

でも、昨日からずっと、何をしても楽しくなれない。

「ふたばちゃん、このくらいのきつさで大丈夫?胸、苦しくない?」
「……サラシは全然きつくないっス…」

でも、昨日からずっと、胸が苦しい。

原因は分かってる。昨日の朝、しんちゃんと………?なんて言うんだろう…?けん、か…?
そうだ。小生たちは『ケンカ』をしたんだ。きっとこれが『ケンカする』って事なんだ…!

今日の朝、しんちゃんは高校生になってから初めて、迎えに来てくれなかった。
昨日はたくさんムカムカしてたから気づかなかったけど、独りで乗る電車はとっても心細くて、寒かった。
それでも結局うとうとしてしまって、学校の駅を寝過ごしそうになったところを、いつの間にか目の前に居たしんちゃんに起こしてもらった。
うぅ…、情けないっス…。

でも、そのときもしんちゃんは無言で、小生が起きたらすぐに一人で行っちゃった…。

「よっし、完成!」
「…いつもありがとうっス…。ブチョー…」
「いーの、いーの。そんなの気にしなくって。
いつも言ってるでしょ?アタシ達の方こそ、ふたばちゃんにお礼を言わなきゃいけないくらいだって。
ふたばちゃんのおかげで部費は多めにまわしてもらえるし、監督だって本当ならウチに来てくれるようなレベルの人じゃないんだから。
それにね、素直で可愛いふたばちゃんのためなら、何だって協力してあげたいって思っちゃう。
3年生の間じゃ、いつも『持って帰って妹にしたい』って話してるんだよ」

ブチョーは優しい。きれいで頭も良い。小生より背もおっぱいも小さいけど、ずっとずっと大人っぽくて、陸上部のみんなから頼りにされてる。
小生の憧れの人だ。
345太陽のちょんまげ31:2010/12/01(水) 22:50:59 ID:iB/a0/DP
「…ありがとうございますっス…」
「……佐藤君とケンカ、した?」
「なっ!なんで分かるんスか!?」
「分かるよ。だってふたばちゃん、昨日から全然笑顔を見せてくれないから。
いつもなら『しんちゃんが』、『しんちゃんと』ってお話ししながら、みんなを照らしてくれるのに。
だからね、ふたばちゃんに笑顔をくれる、佐藤君と何かあったんじゃないかな?って」
「……小生…」
「まーちょっと、おねいさんに聞かせなさい」
ブチョー…。うん。ブチョーならきっと、どうすればいいのか教えてくれる…!



「―――って事があったんス。
落ち着いたら、しんちゃんは小生の事を心配してくれたんだって分かったっス。今朝だって電車で起こしてくれたっス。
やっぱりしんちゃんは優しいしんちゃんっス。
だから余計に、なんであのときあんなに怒って、なんでマホウさんを悪く言ったのか分かんないんス。
小生、しんちゃんと仲直りしたいっス。
でも、なんでケンカになったのか分かんないから、どうすればいいかも分かんないんっス…」

そうだ。しんちゃんがあんな事を言ったのには、何か理由があるはずだ。それが分かればきっと仲直り出来る。

……本当に、それで仲直り出来るのかな?
そもそもケンカが初めてだから、一体何をどうすればいいのかさっぱりっス…。
うぅ〜、頭がグルグルして来た…。
あぁ、わしゃわしゃは考えてるときも邪魔するっス…。
346太陽のちょんまげ32:2010/12/01(水) 22:52:16 ID:iB/a0/DP
「んー…、そうねぇ…。ねぇ、ふたばちゃん。佐藤君のどんなところが好き?」
「すっごく優しいところ!!」
「は、早い…。しかも全く迷い無く言い切った…。え、えーっと、他には?思いつくの全部教えてよ」

「頭が良くって、いつも小生に勉強を教えてくれるっス!運動も上手で、サッカーをしてるときはすっごく格好いい!
小生もそんなふうに格好よくなりたいって、何かを全力で頑張りたいって思ったから、陸上を見つけられたんス!
TVに出るのだって本当はすごく怖いけど、しんちゃんが頑張ってる姿を見ると勇気がわいてきて、小生も頑張れるっス!
それに、すっごく頼りになるんっス!!
朝はぼーっとしてる小生をしっかり学校に連れて来てくれるし、しんちゃんの隣はあったかくて安心できるっス!
初めて遊びに行った場所でも、しんちゃんは何でも知ってるっス!
他にも、すっごくきれいな髪留めをプレゼントしてくれた…ううん、それだけじゃないっス!
しんちゃんは小さい頃からずっと、小生の欲しいものを何でもプレゼントしてくれたっス!
喉が渇いたらジュースを分けてくれたし、お腹が減って動けないときにはおやつを全部くれた事もあった!
バドミントンや野球がしてみたいって言ったらどこからか道具を持って来てくれたし、それに、そう、一緒に遊ぶ友達も!
しんちゃんのおかげで、千葉氏たちともすぐに仲良くなれたっス!
うん。しんちゃんはすごい。しんちゃんと一緒なら何にも怖くないっス!
そうっス!ブチョーの言う通りっス!
しんちゃんはいつだって小生に笑顔をくれるっス!!
だから小生、しんちゃんの事が大!大!!大好きっス!!!」



「あれ?ブチョー?大丈夫っスか?」

振り返ると、ブチョーが壁に手をついてうつむいていた。急にアノ日が来ちゃったのかな?
347太陽のちょんまげ33:2010/12/01(水) 22:52:53 ID:iB/a0/DP
「……いや、ダイジョウブ……じゃない。けど、まぁなんとか…。
まさか、ここまで淀みなくたたみかけられるとは…。迂闊だった……。
ま…まぁ、よく分かったよ。明日はそれを佐藤君に言ってあげて?そうすれば、きっと仲直り出来るよ」
「それだけでいいんスか?」
「うん。それで十分。
……ま、本当は答えを言っちゃうのは良く無いんだけど。
佐藤君はね、ふたばちゃんに自分より好きな人ができたんじゃないか?って、不安になっちゃったの。
自分よりサッカーが上手で、格好よくて、優しくて、お金持ちの男の人にふたばちゃんが取られちゃう、って心配になったの」
「そんな事ぜったい無い!!しんちゃんより格好いい人なんていないっス!それに、しんちゃんは誰よりも小生に優しいっス!!」
そう。小生にとってはもう、とっくの昔にそうなっている。

しんちゃんが一番大好き。誰よりも!パパよりも!!

……だから、しんちゃんがそんなふうに不安になってるなんて、思いもしなかったっス…。
少女マンガとか、エッチな…じゃなくて、昔、川原で拾ったマンガとかにはそんな話があったけど、
小生はマンガの女の子みたいに、他の男の子を好きになるなんて事、一度も無かったのに…。

「そうだね。私もそう思ってる。きっと、二人を知っている人はみんな。
だってふたばちゃんはいつも、佐藤君が大好きって想いを全身で伝えてるから。
でもね?『想い』ってときどき上手く伝わらない事があるの。
だからどんなに仲が良くても、こんなふうにケンカしちゃう事もあるんだ。
だから明日は、いつもと違う伝え方を試してみて?そしたら今度はきっと上手くいくから。
「いつもと違う、伝え方……」
小生の伝え方じゃ、上手く伝わらない……。

「でもね?良かったよ。二人はケンカ出来るんだって分かって」
「良かった?ケンカするのが?」
こんなに苦しくて、こんなに痛いのに?
348太陽のちょんまげ34:2010/12/01(水) 22:54:16 ID:iB/a0/DP
「うん。ケンカするのは、相手の事を対等なパートナーとして想っているからだよ。
相手を小さな子供だとか、お父さんとか、違う高さに考えていたら、どちらかが我慢して終わっちゃうでしょ?
今回の事は、あなたたちがお互いに支え合うパートナーとして認め合っているという証拠なの。
そしてこんなふうにケンカして、相手の悪いところや弱いところを知るのはとっても大事な事なの。
悪いところも知って、それでも仲直りしたい、相手を分かりたいって想えるなら、きっと明日にはもっと仲良くなれる。
それにね?好きな人の弱いところを知らなきゃ、自分が何を頑張ればいいのか分からなくなっちゃう。
ふたばちゃんはずっと佐藤君に支えてもらってきたんでしょう?
だからね、ふたばちゃんも佐藤君の弱いところ知って、それを支えられるような『自分』を目指して頑張りたいでしょう?」
「はいっス!!」

そっか!そうっス!小生はしんちゃんと並んで走りたくて、部活も勉強も頑張って来たんス!!
そしてきっと、並ぶ事が出来たんだ。
だからやっと、弱いところを見せてくれたんだ。
だから今度は小生が全力で、しんちゃんの苦しいのも痛いのも吹き飛ばしてあげるんス!!!

「はい!いいお返事です!
やれやれ…。しかし、佐藤君もやっと普通の男の子っぽいところを見せてくれたかぁ〜。彼、ちょっとすごいからなぁ〜」
349太陽のちょんまげ35:2010/12/01(水) 22:54:46 ID:iB/a0/DP
「すごい?ブチョーもしんちゃんの事、すごいって思ってるっスか?」
「もちろん!ふたばちゃんがこんなに素直で可愛いのは、きっと佐藤君のおかげだもの。
ふたばちゃんに辛い事、嫌な事、怖い事を近づけないように、一生懸命頑張って来たんだと思う。
今も、ふたばちゃんをすっごく大事にしてるんだっていうのが、とってもよく伝わってくる。
それは誰にだって出来る事じゃない。すごい事だよ。
普通、男の子っていうのはもっと自分勝手で、いつも『ふたばちゃんのおっぱいに触りたい〜』ってギラギラしてるだけなんだから。
アタシ的には、あのスキンシップの中でそれを我慢してきたって事だけでも泣けてくるわ〜。
……いや、思い返したら何かほんと、目から水が…?」

ううぅ〜、おっぱい…。
しんちゃんもやっぱり、そういう事したいのかな…?
そりゃもちろん、小生だって少しは興味が有るし、しんちゃんがどうしてもって言うんなら…。
でも、やっぱりもう少しだけこうしていたい。こうしていても大丈夫、って思ってる。
でもでも、やっぱりすっごく我慢してるのかな…?
確かに、小生のおっぱいを触ったときのしんちゃんの目は、いつもと違ってた。もちろん『キモチワルイカンジ』はしなかったけど…。

……?あれ?じゃあ、おとといのアレは…?
350太陽のちょんまげ36:2010/12/01(水) 22:55:17 ID:iB/a0/DP
「まぁ、それはともかく」

ブチョーが正面に回り、小生の肩に触れてくれる。
その手は暖かい。きっとブチョーが強くて優しいからだ。小生も、こんな暖かい女の人になりたい。
そしたらきっと、しんちゃんを不安になんてさせない。

「佐藤君はそんな特別な…ううん、そうだね。
きっと、もっと、ずっと昔に、貴女を幸せにするために『特別』であろうと決めた男の子なの。
そして彼はそれを成し続けている。『今日』の貴女がいつもそれを証明している。
そう。貴女を識れば、誰もが讃える。
その決意は何よりも強い。
その在り様は何よりも貴い。だからこそ、誰よりも相応しい。
貴女の目指す夢として。
貴女の掲げる理想として。
貴方の世界の―――…。
………。
だから、ねぇ?ふたばちゃん。佐藤君は」

「世界で一番すっごい男の子!!」

「よく出来ました!ハナマルです!」

言葉が、言葉に乗せられた優しさが、小生に伝わり、染み渡る。髪の毛から爪先まで、全部に。
全部が、あったかい。

うん。やっぱりそうだ。しんちゃんは小生の『特別』で『一番』の男の子。
世界中に、胸を張って言える。
今日は憧れのブチョーにも褒めもらえた。だからやっぱり、この想いはぜったい間違いない!
351太陽のちょんまげ37:2010/12/01(水) 22:56:11 ID:iB/a0/DP
けど、だからこそ…。
「カントクは、しんちゃんの事好きじゃないっス…」

小生の好きな人が、しんちゃんを嫌っているのは悲しい。

「……監督にも、強化選手を預かる者としての立場があるからね。
それに、ふたばちゃんに良い環境を用意するには、どうしても世の中への『見せ方』も考えなきゃいけないの。
でもね?監督は佐藤君の事を嫌ってるわけじゃないよ。
佐藤君はふたばちゃんを大事にし過ぎて、せっかく一人で頑張ろうとしているときまで手助けしちゃうから。
それで、不必要には近づかないように、って注意してるの」

……あっ!そういえばこの間のときも、しんちゃん一人でランニングしてたって事は、ひょっとして…。

「それにね、監督は佐藤君にもすっごく期待してる。二人がお互いのために頑張り合える、素敵な絆を持ってる事を知ってる。
だから佐藤君にも厳しくあたるんだよ。ふたばちゃんにするみたいに、ね?
そしてあなたたちはその期待に十分以上に応えてる。
大丈夫。二人はきっと上手くいく。
そう。世の中は、最後は必ず上手くいくようになってるの。
それはぜったいにぜったいです」

そう言って、ブチョーが頭を抱いてくれる。

あぁ…やっぱりおっぱいは最高っス…。柔らかくって、あったかくって、良い匂いがして。
きっと、これが―――…。
352太陽のちょんまげ38:2010/12/01(水) 22:56:47 ID:iB/a0/DP
「さ、そろそろ行こっか。結構話し込んじゃったから、みんなもう柔軟終わっちゃってるかな〜?監督、怒ってないといいけど。
あっ、そうだ!ふたばちゃん、この前貸した大学と一人暮らし生活のガイド、そろそろ返してくれる?」
「あっ、申し訳ないっス!明日持って来るっス!とってもさんこーになったっス!」
「良かった。私も教育学部志望だから、また何か知りたいことがあったら遠慮なく聞いてね?」
「はーい!ありがとうございますっス!」



「みんな、ごめんね〜!ふたばちゃんのおっぱいを揉んでたら、ヘヴン状態になっちゃってさ〜…って、あれ?監督は?」
「まだ来てないっスか?いつも一番にグラウンドで待ってるのに」
珍しいっス。お腹が痛くなっちゃったのかな?

「丸井ー!!」

「あっ、はーーいっス!」

噂をしてると、カントクが息を切らせて、あわてて走って来た。遅刻しちゃって、みんなに怒られるって思ったのかな?
……カントクの謝る姿…。う〜ん、全然想像できないっス。

「はぁっ、はぁっ…。丸井、この記事はどういう事だ?」
「へ?」

カントクの手にある週刊誌(っていうのかな?たまにひとはが読んでる)に目を向ける。

[人気Jリーガーの車中密会デート!相手はウワサの女子高生アスリート!?]


それは、間違いなく、おとといの小生とマホウさんの姿だった。
353ガンプラ:2010/12/01(水) 23:01:58 ID:iB/a0/DP
というわけで、私のモチベーションの8割を削ったふたば編2。

3パターン書いて、2パターン目と3パターン目をつぎはぎしてみて、
結局気に入らなくて1パターン目に思いっきり肉付けして採用という意味不明な経緯。

ブチョーの最後辺りの言い回しは、私の地の芸風が出ています。
こんな女子高生いたら、あたしゃびっくりですよ・・・。

しかし、しんちゃんは書いていると異常に名台詞を出してくれます。
「ふたば。もう高校2年生なんだ。そろそろ靴紐くらい自分で結べよ」
ほんとだよ!その状態を維持してきたあんたにびっくりだよ!!

次回は土曜日22時ごろ投下予定です。
しんちゃん視点です。
354ガンプラ:2010/12/01(水) 23:08:49 ID:iB/a0/DP
あ、忘れてました。


関係ありませんが、実はクアンタよりライザーの方が好きです。
クアンタは細すぎます。あと、デカールの少なさにびっくりです。
Vを造った直後だから、余計にそう感じたのかも知れませんが…。
でもちょっと期待はずれでした。
355名無しさん@ピンキー:2010/12/02(木) 07:12:58 ID:WID/fk0d
>>353
燃えるぜ…
356名無しさん@ピンキー:2010/12/02(木) 10:13:34 ID:igoz1ddq
何気に良い。
お疲れ様です。
357名無しさん@ピンキー:2010/12/04(土) 00:11:02 ID:LwBl22ZD
すごくいいです。明日の投下も楽しみにしてます。
ふたば大好き!
358名無しさん@ピンキー:2010/12/04(土) 00:21:21 ID:mhfrJlq8
ふたばはずっと小学生時代の様な感じでいてほしいと思いつつも、いつも見いってしまう…

続き、頑張ってください!
359ガンプラ:2010/12/04(土) 11:30:48 ID:fK3pkKCg
昼から明日まで出るので、やっぱり明日の夜に。


などと言ったら怒られそうなので、いま投下しときます。
しんちゃん視点2


ところで関係ありませんが、バンダイはササビーver2を出せって感じです。
後、どうでもいいですが、私は冨野信者です。
360太陽のちょんまげ39:2010/12/04(土) 11:31:19 ID:fK3pkKCg
==========


うん。知ってる。分かってるさ。
嬉しいよ、本当に。俺なんかにはもったいないくらいだ。
でも、


金曜日の朝。一週間の終わり。今日が終われば楽しい週末が待ってる。なんだけど。

「あ〜、最悪だ」

あの日。初めてふたばとケンカをした朝から、もう二日も経った。その間ひと言も会話していない。
あいつとこんなに長い時間口を聞かなかったのって、初めてじゃないか?
お互い、旅行とか部活の遠征のときとかでも必ず電話でやりとりしてたし。

「とにかく、今日こそ絶対謝らないとな…」

冷静になれば子供でも分かる。全面的に俺が悪い。
いや、今の俺は子供以下だ。何だあのつまらない嫉妬は。しかも、ふたばに当り散らして…泣かせた。

「くそっ!!」

俺は本当にバカだ!最悪だ!!ミジンコだ!!!
何やってんだよ俺は!ふたばにはいつもふたばらしく笑っていて欲しいって!そう想って!それで頑張ってきたんだろう!!?
なのに自分で泣かせてどうすんだよ!!!

「あ〜、格好悪い。気が重い」

あまりにも格好悪い自分が恥ずかしくて。会わせる顔も無くて。
かと言って、電話でなんて女々しい真似するわけにもいかないし。それこそ恥の上塗りだ。
大事な事なんだ。勇気を出して、面と向かって謝らなきゃいけない。

……。
長女や三女に電話向こうで聞かれでもしたら、後でどんなからかいを受けるか分かったもんじゃないし。
ふたばの奴、もったいないから、って携帯を持たないんだよな。いいじゃん、別に。取材料とか結構もらってんだろ?

まぁ、それはさておき。

だから昨日の朝も丸井家までは行ったんだけど、インターフォンがどうしても鳴らせず、ふたばの後をつけるしか出来なかった。
電車ではあんなに時間が有ったのに、話し掛けるのが遅かったせいであいつが寝ちゃうし。
それからは『学校までに心の準備をしよう!』と、寝顔を見ながら突っ立って。
そのくせ、あいつを起こしたら言葉が全部飛んじゃって、何も言えずに逃げ出した。

…って、
「アホか俺は!それじゃまるで変態じゃねーか!!」

頭を抱えて叫ぶ俺。を、ジョギング中のおっさんがドン引きして過ぎ去って行った。
…おほんっ。
と、とにかく、だ。さっきも言ったが、絶対に今日、この登校時に謝らなくてはいけない。これが最後のチャンスなんだ。
学校に着いてしまうと邪魔者が多いし、ふたばは夕方から日曜の夜まで東京の大学の合宿に合流する予定になってる。
つまり、今を逃すと合わせて5日間、ふたばと会話出来ない状況となってしまうわけだ。

…やばい。そんなのマジで耐えられない。

「いよっし!」気合を入れろ!俺!
361太陽のちょんまげ40:2010/12/04(土) 11:31:51 ID:fK3pkKCg




と、気合を入れたくせに足取りは重く、明らかにいつもより時間を掛けて丸井家に近づいて行く。
やべっ、電車が。謝る時間も考えると余計に。というか、ふたばはもう出ちゃってるかも…。
あぁ〜、でも足が言うことを聞いてくれないし…。


「〜〜が!ーーを〜〜〜しろっ!!」


何だ?丸井家の方が騒がしいな。おじさんの…怒鳴り声?
またストーカーもどきか何かか!?
ふたばっ!

ダッ

今度こそ足は意思に従い、身体を急加速させてくれる。
俺だって敏捷性と機動力についちゃ一目置かれてんだよ!

「ふたば!んなっ!?」

丸井家の前には人垣…10人足らずの男女。
カメラマンとレポーター?が、入り口でおじさんと押し合ってる。

「貴様らいい加減にしろっ!娘たちが怖がってるんだよっ!!こんな朝っぱらから常識が無いのか!!」
「いや、丸井さん。ちょっとお嬢さんにお話を聞かせていただくだけですから。
それに昨日の夜、電話で取材の依頼をさせていただいたじゃないですか」
「断っただろうが!いい加減にしないと警察を呼ぶぞっ!!」
「そんなに興奮しないで下さいよ。別に私たちは違法な事をしているわけじゃありませんし。
ちょっとだけ、丸井ふたばさんに『サーズデー』の件…、富士見選手との交際についてお聞きしたいだけなんですよ」

こ、交際!!?ふたばが富士見選手と!?
それに『サーズデー』って、ゴシップ週刊誌…ひょっとして本当にこないだの事が!?くそっ、芸能記者ってのは油断も隙もない…っ!
いや、今はとにかくこいつらを何とかしないと!
362太陽のちょんまげ41:2010/12/04(土) 11:32:35 ID:fK3pkKCg
「お「やめて下さい!!」

俺がTVスタッフの背中から怒鳴り声を上げようとしたところに、別の声が響いた。
澄んだ、でも迫力を伴うテノール。その声に込められた『力』に、その場にいた全員が動きを止める。
声の主は…、

「あなたたちっ、昨日の今日でまさかと思って来てみれば、こんな…っ!」

富士見選手…!何でこんなところに!?いや、この間ふたばを送ったわけだから、初めてじゃないんだろうけど…。
でも、自分の日常に突然こんな『特別』な人間が現れると、急速に現実感が揺らいで混乱してしまう。

「丸井さんのご家庭に迷惑を掛けるのはやめて下さい」
「い、いや…。私たちは、その、正式に…」

静かな声に込められた明確な感情。TVや雑誌に映る穏やかな画からは想像できない、激しい怒り。
さっきまであれだけ騒がしかったTVスタッフが、完全に気圧され色を失っている。

すごい。一流の…『力』の有る人間ってのは、これ程のポテンシャルを内包してるってのか。

「『正式』?この状況を見て、どうやってその言葉を信じろって言うんですか!?」
「あ、ああ…いや。
で、でも富士見選手っ。貴方がここに来られたということは、やっぱり二人の交際は間違いないものだったんですね!?」
「貴方がたは…っ!…いや、僕の迂闊さが招いた事、か」

ザッ

!!?
富士見選手が土下座を!?

「お願いします。丸井さん御一家に迷惑を掛けるのはやめて下さい。
僕と丸井ふたばさんの間には、本当に何もありません。
あの週刊誌の写真は、別件で彼女に迷惑を掛けた事について謝罪に伺ったときのものです。
何より、彼女には正式に交際している男性が別にいます。
このような騒ぎを起こされると、彼女と、彼女の周りにいる全ての人の日常に多大な迷惑が掛かります。
お願いです。やめて下さい」

沈黙が、場を満たす。

そのうち、TVスタッフは一人、二人と、謝罪の言葉を残して帰り始め、やがて全員がいなくなった。
363太陽のちょんまげ42:2010/12/04(土) 11:33:01 ID:fK3pkKCg




「申し訳ありませんでした、丸井さん」
富士見選手が立ち上がり、今度はおじさんに向かって頭を下げる。
「いや、謝ってもらう必要はないさ。こちらこそ助けられたよ。ありがとう」
「いえ。そもそも、僕が迂闊にふたばさんに近づいた事が原因ですから。
僕の思慮の足りませんでした。本当に、ご迷惑をお掛けして申し訳ありません」
「そんなに自分を卑下するものじゃあない。先日だって、ふたばのためを思って送ってくれたんだろう?
そしてその事についても、私は感謝しているよ。娘たちもだ。だから、顔を上げてくれ。
……有名人というのは、大変なものなんだな?」
「自分で自分の環境をコントロール出来ていない。お恥ずかしい限りです」
「いや、その若さで大したものだよ。何もかもに責任を感じないでくれ。
……ああ、佐藤君。おはよう。ふたばを迎えに来てくれたのかい?すまないな、朝から大騒ぎで」
「佐藤くん?」

突然俺に声が掛かる。あわわ。
「あ、お、おは、おはようございます、おじさん。
それに、えっと、富士見明人選手。あの、初めまして、って言っちゃっていいんですか、ね?
佐藤信也って言います。いつも試合見てます」
焦って滅茶苦茶な挨拶になる。
うぁ…っ。最悪だ。富士見選手のはきはきした受け答えに比べて、このグダグダ。

「信也…ああ、やっぱり君が『しんちゃん』か。うん、もちろんだよ。こちらこそ、初めまして。
君の事はふたばちゃんから聞いているよ。TV局でも車でも君の話ばっかりだった。
おかげで君の誕生日から好きな食べ物まで覚えちゃったよ。
僕の方は君の事、もう随分身近に感じてる。だから気軽に接してくれると嬉しいな」
富士見選手が笑顔で手を差し出してくる。

か、格好いい…!

相手は同性のはずなのに、思わず心臓が高鳴ってしまうほどの爽やかな笑顔。
それに、血筋のせいなのかな?見上げた髪は光が透けて、蒼い不思議な色合いに輝いている。

俺は呆けた顔で、手を握り返す。でも、
「きょ、恐縮です。あの、『ふたばちゃん』って…?」
「ああ、ごめん。彼氏の前で気安い呼び方をしちゃったな。
一応、友達だからって、彼女の許可は得ているんだけどまずかったかな?」

友達。

でも多分、それだけじゃないんだろう。
『ふたばちゃん』の言葉に込められた響き。想い。さっきの本気の怒り。
この人は、ふたばの事を…。

「い、いえ、そんな事ありません。それに俺は彼氏ってわけじゃ「しんちゃん!!」
364太陽のちょんまげ43:2010/12/04(土) 11:33:44 ID:fK3pkKCg
状況が落ち着いたからだろう。ふたばが表に出て来た。
三女も起きて様子を把握しているんだろうが、あいつは人見知りだ。
騒ぎの余韻でまだ心中穏やかじゃないだろうし、知らない男(富士見選手)の前に進んで姿を現す気にはならないだろう。
長女は間違いなく寝てるな。

「しんちゃん…。ごめんね。全部しんちゃんが心配してくれた通りだった…。やっぱり、小生がバカだったっス」
「い、いや。いいんだよ、ふたば。もう気にしてないって」

違うだろ、佐藤信也。

「今日だって何とかなったんだし。まぁ、今後はもうちょっと気をつけような」
「しんちゃん…。本当にごめんね」

俺は何にもしてないだろうが。そもそも悪いのは俺だろ。謝らなきゃいけないのは俺の方だろ。何で謝らない?
そんなに、

「いや、彼女に落ち度は無いよ。謝るのは僕の方だ。君にも迷惑を掛けた。申し訳ない」
「マホウさんが謝る事は無いっス。悪いのは小生なんス。しんちゃん、本当に申し訳ないっス」

そんなに、自分の優位をこいつに見せ付けたいのか?
ふたばが、俺に従順だって事を。

「やめて下さい、富士見選手。
ふたばももうやめろって。本当に俺はもう気にしてないよ。ほらっ、そんな顔するなって。
それよりさ、早く学校行かないと遅刻しちゃうぜ?」
「あっ、本当だ!どうしよう…。もう電車に間に合わないし…。しんちゃん…、本当にごめん」
「だからそんな顔すんなって!ちょっとくらい遅刻したって、どうって事ないよ」
「でも、小生のせいで、まためーわく掛けちゃうっス…」
「ああ〜、また。ったくもう、気にすんなって。しょうがねぇな〜」

ふたばが本当に申し訳なさそうな、悲しそうな表情になる。
普段なら心が痛む。笑わせてやれない自分の不甲斐無さに腹が立つ、だろう。

でも、今。俺の心を埋めるのは、優越感。

最悪だ。

「それなら、僕の車で学校近くまで送っていくよ。道は分かっているし、この時間なら空いている。飛ばさなくても十分電車より早く着くよ」
「え?あ…、でも、そこまでしてもらうのは申し訳ないですよ。
東京とは逆方向だし。それに、まださっきの人たちがいるかもしれないですし…」もう俺たちの邪魔はしないでくれよ。
「今日はオフだし、特に予定も無いから気にする必要は無いよ。
TVの事は、君が僕の後ろの後部座席に、ふたばちゃんが君の隣に乗れば、構図的に変な誤解は受けないさ」
「マホウさん、お願いするっス。小生のせいでしんちゃんを遅刻させるわけにはいかないっス。パパ、かまわないよね?」
「あ、ああ。何もかも迷惑を掛けて申し訳ないが、娘もこう言っているし、お願い出来るだろうか?」
「はい。かまいませんよ。佐藤君も、それで良いかな?」
「俺はふたばがそう言うなら」どうだよ、ふたばは俺の事が最優先なんだよ。

最悪だ。

365太陽のちょんまげ44:2010/12/04(土) 11:34:13 ID:fK3pkKCg
――――――――――


「この辺り、かな?ここなら君たちの学校はそう遠くないし、他の生徒の目にも付かないだろう」
「そう、ですね。それじゃ、ここらでお願いします」

富士見選手の予想通り、道は空いていて、いつもよりむしろ早い時間に学校に着けそうだ。

「それじゃ、今回は本当にごめんね。気を付けて学校に行ってね」
「ありがとうございましたっス」
「ありがとうございました」

バタム ブロロ...

…行った、か。

それにしても…。

「ごめんね、しんちゃん」
「何で謝るんだよ。学校にも遅刻せずに済んだし、こないだの事はもう本当に気にしてないよ」
だから違うだろ!いい加減にしろよ俺!謝らなきゃいけないのは俺の方だろうが!!

それにしても…。

「あ、うん。それもだけど、しんちゃん、マホウさんの事あんまり……。
でも違うんス。小生、本当にしんちゃんの事だけ「いいって。分かってるって。ほら」
もうやめてくれ。これ以上俺を責めないでくれ。

それにしても…。

「ほら、あいつらだって待ってるぜ?」

「「「……オハヨー…。ふたばちゃん…」」」

「あっ、おはよーっス、みんな!今日はちょっとじじょーがあって、車で送ってもらったんス。
わざわざこんなところまで、ありがとうっス」
「う、うおおおー!ふたばちゃんがお礼を言ってくれたー!」ダダダッ

それにしてもこいつら、何でここにいるんだろう…?
適当な場所に降ろしてもらった、というか駅とは学校を挟んで反対方向なのに…。
マジで怖ぇよ。ふたばも気づけ。

366太陽のちょんまげ45:2010/12/04(土) 11:35:07 ID:fK3pkKCg
――――――――――


「ふたばなら東京だよ。TV局で収録。その後は、特別に開かれた強化合宿に参加。
月曜の朝、東京から直接学校に送ってもらうって」
「はぁ!?またいねーのかよ?てか、一週間に二回も取材なんて、今まで無かったじゃねーか」
「今度はトーク番組からお声が掛かったんだって。富士見選手と一緒に」
「んなっ…!」

翌週。土曜日の朝。今日こそふたばに謝ろうと思い、丸井家を訪れたら、返って来たのは不在の報だった。
あれから一週間以上経ったが、ふたばにはまだ謝れていない。どころか、まともに会話も出来ていない。

ふたばが大学の合宿から帰って来た翌日。その月曜日から毎朝、陸上連が手配した車がふたばの送り迎えに来るようになった。
この間みたいな盗撮に会うとまずいからって事だが、さ。
月曜の夕方は、急にスポーツ番組の取材が入って勉強会はお流れ。
そして、今週末の予定。

正直、ここまでやってくれるとは、ね。

陸上連の奴ら、知名度の高い富士見選手とのスキャンダルを利用して、一気にふたばを売り込もうってわけだ。
そりゃ、本当にスキャンダルに発展してイメージダウンになる可能性もある。だけど、そこまでの関係にはならないという確信もあるんだろう。
あいつら、そういう意味じゃふたばと俺の関係を信用してる。この程度では他の男になびかないって。
ただ、話題の熱が冷めないうちは、俺というつまらない一般人に周囲をうろちょろされたく無いから、管理体制を厳しくしたんだ。
何が有るってわけじゃない。けど、売り込み期間中はイレギュラーの芽を摘んでおきたいんだろうよ。

くそっ。本当にタイミングが悪い。

ふたばからは何度か電話が掛かって来たが、ケンカ以降の件で気まずくて、話は全部空回りになっちまったし。
学校の連中といい、どいつもこいつも邪魔しやがって。ちょっとは二人きりの時間をくれよ!

「陸上連の人たちも露骨な戦略を執るね。送り迎えの件も、かなり強く押し付けてきたし。
ふたば、最近元気なかったから…。
ああ、しんちゃんも気付いてたと思うけど、先週の中ごろから元気無かったでしょ?
富士見さんが教えてくれたんだけど、『サーズデー』の前にもスポーツ新聞に盗撮写真が載ってたらしいんだ。
多分、それにショックを受けてまいってたんだと思う。
その上に、先週末の大騒ぎだったからね。
だから余計、陸上連の申し出を断れなくて……。
本当、世の中には心無い人がいるね」

ぐぁっ痛ぅ!!

「そ、そウか。うん、俺も先週の水曜から元気無いなって思ってたんだヨ。そうだったのか〜。
あ〜、でも、三女も連中が一気に売り込みに出たのには気づいてたんだ」
「…?
あんなの誰でも気づくよ。監督さんも怒ってた」
「監督って、女子陸上部の?」
「そうだよ。『ご家族の皆さんにもご迷惑をお掛けして申し訳ありません』って、家にも謝罪に来られたよ」
意外だ。あの人が手を引いていると思っていたのに。
367太陽のちょんまげ46:2010/12/04(土) 11:38:05 ID:fK3pkKCg
「でも、陸上連にはウチも色々な面でお世話になってるから無下には出来ないし、そもそもふたばは自分の意思で収録に行ったからね」
「へ?そうなのか?」
「うん。中学の終わり頃からかな?ふたばはTVに出る事に、急に積極的になったんだよね。
それでも、これまでみたいなスポーツ関連ならまだ分かるけど、バラエティまで出たがるなんてふたばらしくないよ。
そりゃ出演料なんかはありがたいけど、ウチはそこまで困ってるわけじゃないし、ほとんど貯金に回してるくらい。
何か目的があるんだとは思うけど、パパが聞いてもはぐらかして教えてくれないんだ。
しんちゃんは何か聞いてない?」
「いや、俺もそれは気になってたんだ。何度か聞いてみたけど教えてくれなかった。
でも、おじさんにも理由を言ってないなんて思ってなかったよ」

おじさんも三女も知らないとなると、長女…は無駄だな。そもそも、ふたばの変化に気づいているかどうかも怪しい。

「そっか……。
それにしても、今回の件はウチもまいってるよ…。芸能記者って、想像してた以上に迷惑な人たちだね」
「あれ?富士見選手のおかげで、この間みたいな奴らは来なくなったんじゃなかったのか?」
「確かにああいう正面から来る人たちは、ね。
でも今度は個人的にというか、一人で待ち構えてる記者がちょこちょこ現れるんだよ…。
盗撮を狙ってるらしき視線を感じるときもあるし…。」
「えぇっ!?大丈夫なのか?」
そりゃ大変だ!

実際、人見知りの三女は相当まいってるんだろう。感情に従い、キラキラオーラが消えかかってる。声の透明度も下がってるし。
……しかし、それについては不幸中の幸いと言えるかもしれない。
もしキラキラ全開だったら、アイドルのスカウトがどかどか来て、話が余計にややこしくなっていただろうな。

…『清純派小動物系毒舌アイドル』……。いや…、意外に斬…新……か、も…?……やっぱ無理だな。どの方向を向いてんだよ。
って、いかん。今はそんなバカな事を考えてるときじゃなかった。

「うん…。
家の周りは、一度パパが派手に追い払ってくれたし、お巡りさんも協力してくれて大丈夫になったけど、
今度は私やみっちゃんの通学路とかバイト先に現れるようになって…。
ふたばのガードが固くなった分、私たちから情報を引き出そうって考えてるみたい。そんなもの何にも無いのに。
何人かは上手く警察に放り込んだけど、全然減った気がしないよ。ゴキブリみたいな連中だね」
「そ、そうか」
さすが。さらっと恐ろしい事を言うな。
しかし、最近の(一部の人間以外には)優しい三女にしては珍しく、全く容赦が無いな。何だろ?

「………どこに潜んでいるか分からないから、先生に会いに行けない…。最近、なんでか上手く人を撒けないし…。
下手なところを撮られたりしたら、先生に迷惑が掛かっちゃう…」
ああ、なるほど。キラキラが消えかかってるのもそっちが主原因か。

………。

三女も、辛いんだな。
難しいよな。人を好きになるって。
368太陽のちょんまげ47:2010/12/04(土) 11:38:46 ID:fK3pkKCg
「三女、俺なんかが言っても「もう一週間も先生と会ってない…」ガリガリ

せめてもの慰めの言葉を掛けようとしたら、三女が爪を噛み、オーラの性質が急速に反転し始めた。
こ、これは久しぶりの、呪いの…!

「せっかく『遠出すれば近所の目を気にしなくても大丈夫ですよ』って、お出かけの説得も進んでたのに…。
服も化粧品も新しいのを準備してたのに…っ。絶対に許さない。末代まで祟る…」ヲオォォォ...
「お、おい、三女…?」

怖っ!久しぶりどころか過去最高濃度の漆黒のオーラが!
なんか周囲の景色が歪んでるし!てか、花!プランターの花がしおれていく!気のせいっ、気のせいだよなっ!?

「大体、しんちゃんがヘタレなのが悪いんだよ…。
いつまでもグダグダとして、陸上連にはっきりと言わないからこんな事になったんだよ…。分かってるの…?」ギヌロ
「ひっ、ひぃぃっ!いやっ、ごめん!俺も一生懸命頑張ってるんだけど!!」
いたっ!痛い!向かって来たオーラがグサグサ刺さる!これも気のせいなの!?本当に痛いよ!!?

「………ごめん、しんちゃん」
「ひぃっ、許して…へ?」

俺を責め苛んでいたオーラが突然消えた。
三女の雰囲気は元に戻り、その目は悲しげに伏せられ、心底自責の念に駆られている事を伺わせる。

「本当にごめん。しんちゃんはいつもふたばのために頑張ってくれてる。今回の事だって、しんちゃんは何も悪くないよ。
違うの。こんな事言うつもりじゃなかったんだよ。
本当は、丸井家としては断然しんちゃんを応援してるから元気出して、って言いたかったんだ。
非道い事言ってごめん。
本当に私、どうしてこんなに非道い事言っちゃったんだろう」

「三女…」

「しんちゃんが元気じゃないと、誰もふたばを元気に出来ないよ。
陸上部の部長さんやふたばの友達からも、最近ふたばの元気がなくて心配だ、って電話があったんだ。
みんな『しんちゃん』に『頑張って』って伝えて欲しいって。
だからみんながしんちゃんを応援してるよ。私からも『頑張って』」
「あ、ありがとう。
…部長さんは知ってるけど、友達…って、女子の?」
「そうだよ。
ふたばは女の子にも…特に上級生に大人気なんだから」
そっか。

心配してくれる『友達』が沢山いるんだ。良かった。

そうだよ。もう俺が一緒じゃなくても、あいつは自分で自分の世界を広げられるんだ。
当たり前だ。もう高2なんだ。なのに俺は、あいつを小さな子供みたいに……。

「しんちゃん?どうしたの?」
「え?あ、いや。何でもないよ。
応援してくれて本当にありがとう。うん。元気出たよ。
でも、そもそもはお前の言った通りだ。俺が不甲斐無いばっかりに、悪いな。
みんなのためにも、お前と矢部先生のためにも、もっと頑張るよ」
「…先生……速やかに決着をつけてね」ギヌロ
「は、はいぃぃっ!」


とは言え、どうしたもんかね…。
いや、まずはあいつに謝らなきゃ、な。

369太陽のちょんまげ48:2010/12/04(土) 11:39:33 ID:fK3pkKCg
――――――――――


今日の日練は久々の練習試合。相手は格下とは言え、最近頭角を現して来た武将頭高だ。
ここで活躍しておけば次の練習試合でもスタメン張れるし、冬のレギュラー選定にも有利に働く!

ザッ

よし!良い位置にセンタリングが上がった!
ゴールを狙える角度。しかし相手のDFはかなりの長身。
どうする!?
よぎるデジャヴ。一瞬のためらい。地を蹴るのが遅れる。
くそっ!

ドカッ

「うぐっ!」

ダメだ。今度はボールに届きすらしなかった…。
ちくしょうっ!!!





結局俺はあの後も点に絡めず、後半は下げられてしまった。

あのとき、ためらっていなければ…。
いや、俺は足がウリなんだから、もっと位置取りを意識した方が良いのか?
……それともこれが俺の限界なのか?ウチのレギュラーにすら届かないっていうのか…?

頭がグルグルする。ダメだ。今日はとっとと帰って、ゆっくり休もう。

プァプァー!

突然、背後からクラクションが鳴った。なんだよ?俺は歩道を通ってるぜ?
振り向くと、見た事のある白い車。あれは確か…。

「や、佐藤君」
「富士見選手…!?どうしたんです?また俺たちの学校になんて」
「うん。ちょっとね。今日はもう帰るだけだろ?送るよ」
「……はい」
370太陽のちょんまげ49:2010/12/04(土) 11:40:06 ID:fK3pkKCg




「さっきの試合、見てたよ。いいセンスをしてる」
「…皮肉、ですか?さっきの試合、酷かった。いや、そもそも俺、ただの中堅高の準レギュラーですよ」
「いや、本音だよ。空中戦はセンスがモノを言う。あと足りないのは思い切りだね。
あのとき迷わず飛んでいれば、届いていたよ」
「…恐縮です」
「うん。それにプレイしているときの空気。君が本当にサッカー好きなんだって想いが伝わってきたよ。
そういう奴は強くなる。大丈夫。心配しなくても君はすぐレギュラーになれる」
「……ありがとうございます。
でも、今日はそんな事を言いに来てくれたわけじゃないでしょう?」
ここは、東京から気軽に来れる距離じゃない。

「うーん…。そうだね。僕もこういう回りくどいのは苦手だし、単刀直入に言うよ。
昨日、ふたばちゃんに正式にお付き合いをお願いした」
「で、断られたんでしょ?」
「いやー、厳しいなぁ。
…うん。ご名答、だ。
自分には世界一大好きな男の子がいる。絶対にその子のお嫁さんになると決めている。だから僕の気持ちには答えられない、って」
ぶぅ!
お、お嫁さんって…あの約束を…。いや、まさかそんな都合のいい事…。でもまさか…。

「それでね?未練がましくも、最後にその男の子の姿をもう一度確かめたくなった、ってわけさ。
…君たちは幼馴染なんだってね。どれくらいの付き合いなんだい?」
「多分、12、3年…もうちょっと、かな?気づいたときには一緒にいたって感じですから、正確にはわかりません」
「そうか。沢山のものを積み重ねてきたんだろうね。
僕は途中からこの国に移った人間だから、そういうのが希薄でね。本当に、うらやましいな。
………。
彼女は、君に全幅の信頼を寄せているよ。まるで親鳥を慕う雛のように」
「………」


しばし、無言の時間が過ぎて行く。


「無理言って、合宿にも着いて行かせてもらってね。彼女の走り、見せてもらったよ」
「……そう、ですか」
「彼女は、全力を出して走っていない」
「なっ!?」

371太陽のちょんまげ50:2010/12/04(土) 11:40:46 ID:fK3pkKCg
一流ってのは、ちょっと見ただけでそんな事まで分かっちまうのか!?


ふたばの公式戦の成績は華々しい。
中学。2年生の冬から陸上を始めて、一年足らずで中体連優勝。
高校。1年生にしてインハイ記録大幅更新。
すげぇよ。凡人の俺から見れば、よだれが出るほどうらやましい成績だ。

でも‘あの’ふたばから考えれば、『その程度』でしかない。

確かに、中学では実力を出せない理由が有った。顧問が体面を気にする奴で、シューズを履かされていたんだ。
そう。あいつは靴を履くと実力を出せない。鴨小の奴なら誰でも知ってる。
それなりに高価な陸上用シューズなら、普通のスニーカーより多少はマシだろう。でも、そこまでだ。

なら高校では?高校からあいつが履いているのは、最新のスポーツ科学が作った、足を縛り付けない、あいつだけのためのシューズ。
俺は何度か見た。裸足よりも機敏に駆け回るあいつの姿を。

なら何故、『その程度』の結果しか出せない?何故、全力を出さない?
常に全力なのが『ふたば』のはずなのに。

一つの仮説。誰かが着いて来れる速さで走ってる。誰かとずっと一緒に居たいから。自分の在り様すら曲げて。
『まさかそんな都合のいい事』。そう笑い飛ばせれば、どんなに楽か。

「彼女の才能は本物だ。僕でも計り知れないほどに。間違いなく世界に…いや、歴史に名を残すアスリートになる」
!!?富士見選手にすら、そこまで言わせるほどなのか!?

…なんだよ。本当に俺なんかじゃ、どんなに……。


「君は、君には、どこまでの覚悟がある?」


「っ!?」心を見透かされた気がして、露骨に動揺してしまう。
372太陽のちょんまげ51:2010/12/04(土) 11:42:05 ID:fK3pkKCg
「さっき言ったね。君にはセンスがあるって。それは嘘じゃない。
このまま今の高校でレギュラーを取り、上手くいけば全国でベスト16まで行く事も出来るだろう。
でも、そこまでだ。
残酷な事を言うけれど、君からはその程度以上のモノを感じない。」
「…マジで残酷な事、言ってくれますね。さっきのお返しですか?」
声が震えてる。

何だよこれ?これで皮肉のつもりかよ、俺?

「もちろん、能力が釣り合わないから彼女に相応しくない、なんて言うつもりは無い。
でもやっぱり上のステージに行くとき、刺激し、高め合える人間がパートナーであったほうが良いのは間違いない」
「そりゃ、『釣り合わないから身を引け。自分こそが相応しい』って言ってるのと変わりませんよ」
「嫌わないでくれよ…っていうのは無理か。
でも、もう少し聞いてくれ。
君には彼女を刺激するだけのモノが無い。悪いけれど、それは事実だ。
その上で君は、それでも彼女の隣に居続ける覚悟があるのか?彼女のために何かを成す覚悟があるのか?それを聞きたい」

はっ!何だそんな事か!?そんな問いかけ、何年も前から自分にしてる!とっくに答えは出てる!!

「そりゃ!もちろん!!そんなの決まってる!!ずっと前から決まってて!その…!俺は…、あの……」


声が、出ない。


何だよ、俺。とっくに答えは出てるはずだろ?
それをこいつに言ってやるだけだ。簡単だろ?なあ!?

「……今すぐ答えを出してくれとは言わない。
けれど、なるべく早く出して欲しい。別れは、後になるほど辛くなる。
彼女の才能は底無しだけど、心は驚くほど澄んでいる。大きすぎる痛みには耐えられないかも知れない。
君の選択次第では最悪、世界中に感動を与えるほどの輝きを、
いや、もっと純粋に君にとって何より大切な『彼女』を壊してしまうかも知れない。
それだけは、覚えておいてくれ」

声が、出ない。

「彼女は君の人形じゃない。彼女の才能を浪費させる事は、決して許されない」









その後の事は、よく覚えていない。
母さんが、帰って来た俺の顔を見て、驚いていたような気は、する。

373太陽のちょんまげ51:2010/12/04(土) 11:42:44 ID:fK3pkKCg
――――――――――


「いってきまーす…」

あー、くそっ。昨日はあいつの言葉が気になってほとんど眠れなかった。
月曜の朝がいっそう憂鬱になる。最悪だ。
だってのに、今日もバカみたいに良い天気。俺の方は十日以上曇ったままだよ!
ちくしょう!何もかもイライラする!!
「くそっ!!」
「うひゃうっ!?」

…へ?その声は…、

「ふたば!?」
「うん。おはよう、しんちゃん」

ふたばの笑顔。久しぶりに、俺を照らしてくれる。

「お、お前、何で?今日は東京のホテルから、直接…」
「昨日の夜に帰って来たんス。それに、車はもう要りませんって言って来たっス。
だから、今日からまた一緒に学校に行けるよ!」
「ほ、本当に…?」
「うん!!
りくじょうれんの人たちは怖かったけど、しんちゃんの姿を思い出したら勇気がわいてきて、はっきり言えたんだよ!!」
輝きが増す。俺は、泣きそうになる。

あぁ、なっさけねぇの。単純な男だよ、本当に。

「な、何だよ。それならそうと、早く教えろよ」
涙が零れそうなのが恥ずかしくて、ごまかすために憎まれ口をたたいてしまう。
ダメだ。伝えたい想いの万分の一も形に出来ていない。情けない。

「あ…、うん。
昨日、帰る前にしんちゃん家に電話したんスけど…。おばちゃんが、しんちゃんは調子が悪くて電話に出られない、って…。
しんちゃん、やっぱりまだ怒ってるっスか…?」
あ、あれ?そんな事、母さんに言ったっけ?
「いや、違うんだ。昨日はさ、練習試合とか色々あって疲れてたんだよ。もう何にも気にしてないって!」
「ほんと?」
「ほんと、ほんと!」
「良かった!!
ねぇ、しんちゃん。小生、しんちゃんに伝えたい事がい〜〜っぱいあるんだ!
だからね、今日は駅までの道も、電車に乗ってからも、たっくさんお話しよう!!」

ふたばが手を差し出してくれる。

あぁ、これでやっと毎日の光景に戻れる。
そうさ。俺たちはずっと一緒なんだ。俺もお前に伝えたい事がいっぱいあるよ。今日からまた、たくさん話をしていこう。

「ああ!行こう!」手を、


『君には、どこまでの覚悟がある?』

374太陽のちょんまげ52:2010/12/04(土) 11:43:23 ID:fK3pkKCg
手が、空を掴む。


「?しんちゃん?」

「あ、ああ…。うん…。ほら、行こうぜ…」

そのままふたばを追い抜き、駅へ向かう。





「しんちゃん!小生、分かっ――だ!やっ――しんちゃんは特別な――子だって!!だってそ――よ、しんちゃん――部をくれた!」

『特別』な女の子。可愛くて、純真で。そして、誰よりも強い。その輝きに誰もが心奪われる。

「だか――生、は――り言えるよ!しんちゃんが世界で一番す――って!!世――一番格――いって!!――で一番大――って!!!」

『一番』の女の子。世界中を探しても二人といない。空にたった一つであるように。その輝きを誰もが求める。

「小――けじゃ―い。みん――う言――?しんちゃんはす――。誰――――にあんなに頑張れ―――子は他―いない―――!」

なら俺は?何もかも中途半端。どこにでもいる。いや、でも頑張ってきたよ。いつもこいつに笑っていて欲しい、って。

「しんちゃん。ずっと――と――――う。――も隣に居て―――、あり――う。しんちゃんが一―――ら、小生、まっ――――――られる」

それだけ?大した理由も無い想い。そんな事、誰にでも出来る。俺は運良く幼馴染になっただけ。それだけで、いつまでも隣に居座る。

「ごめ――、しんちゃん…。こ――でめーわ――っかり――て。で―、――ら今―――生が頑張――い。頑張ってしんちゃん――――い」

頑張ってきた?それがどうした?もうただの足手まといだろ。今日だって練習を…せっかくの機会を無駄にさせ、怖い思いをさせた。

「………しんちゃん。学校、着いたよ…」

笑っていて欲しい?どの口がそれを言う?俺は、俺が泣かせたじゃないか。ほら、今もこんなに悲しそう。


結局何も成せていない。本当に、中途半端な男。


「……しんちゃん…。やっぱり、小生の伝え方じゃダメなの?小生の想い、伝わらないの?」

「え…?いや そんな事 無い って」お前の想いはよく分かってるさ。
でも、


だからこんなに苦しくて、痛いんだ―――
375つづく:2010/12/04(土) 11:51:23 ID:fK3pkKCg
明らかにモチベーションの低下が反映されてますね…。
今回のパートを書き上げた後、見直したときに、
『こりゃダメだ』
と思ったので、執筆を止める事にしました。
全体的に気に入らないのに、どう直そうか全く思い浮かばないほど疲れてる…。
大事なパートじゃないからいいけど。
すみません安西先生。

この二人、放っておくとすぐに仲直りしやがるので、
いちいち理由を考えるのが面倒なのなんのって…。すごく体力を削られましたよ。


しかし、しんちゃんはすごい。一人キャラがこれほどイイ台詞を連打してくれるのは初めてです。
『あいつとこんなに長い時間口を聞かなかったのって、初めてじゃないか? 』
48時間しか経ってませんよ!!?

次回は火曜日22時頃投下予定。予定です。一日、二日ずれるかも。
と、予告しておけばきっと怒られない。
376名無しさん@ピンキー:2010/12/04(土) 22:35:28 ID:mhfrJlq8
乙です

ガンプラは最近作ってないのでよくわかりませんが、ボールのガンプラがあると聞いたときは唖然としました

今回も読んでて震えが止まらなかった…
富士見選手が黒幕とか考えてた自分が恥ずかしいったらありゃしないorz

続き、頑張ってください
いくらでも待ちます!
377名無しさん@ピンキー:2010/12/05(日) 02:22:52 ID:F519Ylum
乙です
武将頭高相手じゃしんちゃんには荷が重そうですね
かなり楽しんでおります
378名無しさん@ピンキー:2010/12/07(火) 12:36:11 ID:gUcRMdOM
素晴らしい。
全部まとめて一冊の本(同人誌)にして下さいよ。
379ガンプラ:2010/12/07(火) 20:22:56 ID:q4XkzNR8
さて、珍しく予定通りに投下です。私にとっては二時間くらい誤差です。

の、前に。

>>377
ムショ高につっこんでいただいてありがとうございます。
スルーされたら寂しかった…!今、チャンピオンで一番好きな漫画です。
語りだしたら5レスは使います。
まぁ、サッカー部はバレー部ほど無茶じゃないので、しんちゃんでも太刀打ちできるレベルです。

>>378
過大な評価、身に余ります。
文字だけの同人誌ってあるんですかね?
まぁ、ノウハウが全く無いので無理ですが。そもそも、お金を払ってもらうようなシロモノじゃないですし。

>>376
わざわざ突っ込みありがとうございます。
いい加減『関係ない事書くなよ』と思われている方も多いと思われますが、
↓のようなしょうもない事を考えていると、いいリフレッシュになるので。


というわけで関係ないですが、PGストフリは正直『ない』と思います。
いや、確かにゴテゴテ系の方が好きなんですが、アレは行きすぎでしょう…。
380太陽のちょんまげ54:2010/12/07(火) 20:24:29 ID:q4XkzNR8
――――――――――


ザー!

帰宅後、熱いシャワーを浴びて汗を流す。
けれど、悩みは滓となって内に沈み込むばかりだ。

――俺はふたばのために何が出来る?
勉強、教えてやったりとか…。いつも丁寧に教えてきた。今日だってこの後は勉強会だ。
――それこそ誰でも出来るだろ。そもそも頑張ってるのはあいつ自身だし、それを導いたのは矢部先生だ。
毎日学校に連れて行ってやってる。常識とか、生活全体の面倒も…。
――もうあいつ一人で大丈夫なんだよ。それに、そういう子ども扱いを反省したばっかだろうが。
じゃあやっぱりさ、あいつを笑顔にしてやれる事だよ。一番ふたばらしくしてやる事。うん。
――何だよそのガキみてーな…。いや、本当にガキの頃、なんとなく思いついてやってるだけだろ。しかも一方的に。
で、でもさ!かなり出来てるじゃん!三女もみんなも俺に期待してくれてるし!この前はちょっと失敗したけど、次は上手くやるって!
――だとしてもそれだけ?そのたった一つ?
それだけで十分じゃねーか…。
――そう思ってないから悩んでるくせに。それに、これからは?あいつが『上』に行くほどどんどん難しくなるんだぜ?
が、頑張る、よ…。
――言うだけなら簡単だよな。この間の取材陣だって、俺一人で追い払えたと思うのか?
………。

「くそっ!!」





Tシャツと短パンに着替え、自室のベッドに座り込む。
相変わらず答えは出ない。いや、もう出てるのか?もう出来る事は何もない、って…。
「嘘だ」
やめてくれ。それだけは。
381太陽のちょんまげ55:2010/12/07(火) 20:26:17 ID:q4XkzNR8

ピンポーン

  「こんばんはーっス」
  「ふたばちゃんこんばんは。信也なら部屋よ。あら、今日は可愛らしくワンピースなのね?…ちょっとサイズ小さ過ぎ、かな?」
  「あ、あはは。ちょっといめーじちぇんじっス」
  「……うん。女の子だもんね。それじゃ、勉強頑張ってね」
  「はーいっス」

来た、か。ダメだ。今日はとてもじゃないけどそんな気分になれない。
……せっかく来てくれたってのに、追い返すのか…?ただでさえ少ない『出来る事』を自分で捨てるのか?

でもやっぱりダメだ。今日は、今日だけは勘弁してくれ。

カチャリ

ふたばが部屋に入ってきた、のだろう。でも俺は俯いてその姿を見ない。見る資格すら無い気がして。

「ごめん、ふたば。今日は調子が悪いんだ。勉強会はまたにしてくれ」



?返事が無いな。どうした?
「ふたば?」

パチン

!?突然電気が消えた?
停電?いや、窓のブラインドからわずかに街灯の明かりが漏れて来てる。さっきの音。電源が消されたんだ。
誰が?決まってる。スイッチはドアのすぐ横だ。

「何だよ、ふたば?びっくりするだろ?」
382太陽のちょんまげ56:2010/12/07(火) 20:26:44 ID:q4XkzNR8


「………信也」


「何だよ突然…?ちゃんと名前で呼ぶなんて、さ」また誰かの『なりきりゴッコ』か?

「ごめんね」

言葉が心に突き刺さる。

そうだ。俺はなんてバカなんだ!
つい昨日まで俺は何を考えてた?何をしなくちゃならなかった?
こいつに謝らなきゃならなかったんだろう!?
自分の事ばっかり考えて、一番大事な事を忘れてた!
くそっ!せっかくふたばが勇気を出して、また一緒に学校へ行けるよう頑張ってくれたのに!
「違うんだ、ふたば。あやま「わたし、信也の気持ちを分かってなかった」

…わたし!?

「わたしのせいで、信也をすごく不安にさせた。ごめん。違うの。わたし、信也の事が好き。世界中の誰よりもアイシテル!」
「へ?あ、はぁう?あ、あわわ!?」
驚きのあまり、滅茶苦茶な返事になる。
な、何だって?アイシテル…愛してる!!?
ふたばが、俺の事を。
いや、そりゃ知ってるつもりだ。知ってるけど!でもこれは何だか違うぞ!?

「……そうだよね。突然こんな事言われても信じられないよね…」
「い、いや、そうじゃなくってさ…?」
「だからわたし、今日、それを証明するよ…!」

シュル パサッ

目はまだ暗さに慣れない。だから衣擦れ音が奇妙なほどに耳に残る。

プッ ファサ

目が暗さに慣れてきた。そこに在るのは……。

「ふっ!!?!?」

「しっ!静かに!…おばさんたちに、聞こえちゃう」
「む、むぐぅ」
俺は自分の手で自分の口をふさぐ。さっきから情けない姿ばっかりだ。
でも、今の俺にはそんな事を考える余裕は、無い。
383太陽のちょんまげ57:2010/12/07(火) 20:27:21 ID:q4XkzNR8


ふたばの、はだか。


子供の頃は何度も一緒に風呂に入った。最近でも、不意にその一部を垣間見た。
でも、今は。美しく、魅惑的な『女性』になったふたばの裸身が、両手を広げ佇んでいる。


すごい。


暖かな、優しい小麦色にやけた肌。
溢れる程の生命力と瑞々しさを湛えて、わずかな月明かりの下でもはっきりと浮かび上がり、
その光彩は、俺に『天恵』を想い起こさせる。

子供の頃から毎日自由に走り回って育まれた手脚。
凛と磨き上げられた紅玉のような美しさと、生身の艶かしさが奇跡のように共存している。

四肢を結ぶ身体…わずかな陰影を宿したお腹。
女性らしい柔さの下に息づくしなやかな筋が透け、内包する健やかさが映し出されて。

そして、脚線の基点。深く、生い茂って。
性格的に、在るがままにしてるんだろうな。
でも、髪と同じ、赤み掛かった草叢に発する酸い芳香は、俺の雄を強烈に刺激してどうしようもなく興奮させる。

あぁ、でも。やっぱりそこに目が行ってしまう。
大きい、そして彫刻のように型の整った胸。
引き締まった身体に反するように主張する豊かな乳房は、呼吸と共にふるふると揺れ、慈愛に満ちた母性を訴えてくる。


その姿はまるで、豊穣の女神を思わせて。
384太陽のちょんまげ58:2010/12/07(火) 20:27:54 ID:q4XkzNR8


けれど、けれど。此処に居るのは間違いなくふたばで。
だってそうだ。頭頂で結われた髪。それが語る溌剌な気勢が、何よりも『ふたば』を証明している。

あぁ…!その、ふたばが。いつも元気で明るい笑顔で周囲を惹き付けるふたばが。
今はその顔を羞恥に染め、気弱げに目を逸らし、それでも俺から逃げ出さずに…!

「あ、な…ぅ、ふた、ば…!??」

ひとつだけ、身に着けて。髪留め。小6のときの誕生日プレゼント。俺が贈ったもの。
大事なトコロに結び、見せ付けている。
それはきっと、『丸井ふたばの全ては、佐藤信也のモノだ』と、示しているん、だ、ろう。

「うん。そうだよ。
いつも信也が守ってくれたわたしだよ。だから…」

ゆっくり近づいてくる。

一歩毎にぴょこん、とちょんまげが揺れる。
可愛い。やっぱりこの髪形が一番だ。いや、違う。俺はさっきそれを感じた。感じ続けている。
何を?だってこのちょんまげは、どう見たってふたばだろ?何が違う?

一歩毎にゆさり、と乳房が揺れる。
すごい。目が離せない。ダメだ。何か言わなくちゃならない事があったはずだ。
なんだっけ?ずっと一緒に居られるんだから、いつでも言えるだろ?今じゃなきゃダメなのか?

頭がグルグルして思考がカタチにならない…!

「だから今日、そのお礼に、わたしの全てを信也にあげる…」
「ちがっ!待っふむぅ」

そう言って、ふたばが頭を抱いてくれる。

うああぁ!気持ちいいっ!!
柔らかくて、あったかくて、いい匂いがして!
そして何より、瑞々しい柔肌が吸い付いてきて、俺の顔に余すところなくその悦楽を伝えてくれる!

でも、違う。
こんな『証明』は要らないんだ。そんな見返りとしてのカタチを望んじゃいないんだ。
俺はただ純粋に想って。ただお前に笑っていて欲しくて…!
385太陽のちょんまげ59:2010/12/07(火) 20:28:35 ID:q4XkzNR8

その言葉を聞くや否や、俺はふたばの背に腕を回し、全力で抱きしめる!

「わひゃっ!?」
ふたばが驚きの声を上げる。普段なら案配を確認するんだろうが、今の俺はそれどころじゃない。

「うむぐぅ…」
顔の全てが乳房に埋まった。このままでは窒息だ。だから、
「ぶふ〜。ず〜」
正面から顔を押し付けた事で、胸の谷間にわずかに出来た隙間から無理矢理息を吸う。呼吸の度に変な音がする。

息苦しい。恥ずかしい。

でも。ふたばの谷間を通った空気は甘く化学変化するように感じられて、とてもじゃないがやめられない。
背に回した腕からも滑らかな肌触りと心地良い弾力が返って来て、さらに力を込めてしまう。
加わる力に合わせて千変する悦楽をもっと味わいたくて、頭を押し付けたままグリグリと動かす。

…って、アホか俺は!これじゃまるで変態…でもいい!もうとんでもない変態でもなんでもいいや!!
「ぶ〜!ずすぅ〜〜!」
「んやぁ、待っ!しんちゃ、じゃなくて信也!待って、落ち着いて!!」

ぴたり。やめる。

「……あふぉ、ふぉっふぉだふぇ。ずひゅ〜!」
やっぱ無理。やめられない。

「ちょっ!ぁぅん…っ、ほんとに落ち着くっス!」
ふたばが抱き付く俺の肩を捕み、ぐいぃっとすごい力で無理矢理引き剥がす。

「はぁっ、はぁっ、かはっ、はっ…、はあぁ……」

興奮と酸欠でぼうっとしていた頭が、徐々に晴れてくる。

………………………。

「落ち着き、ました」
「よろしい」

格好悪ぃ…。
386太陽のちょんまげ60:2010/12/07(火) 20:29:10 ID:q4XkzNR8


「信也…。………?ええっと、何だっけ…?
あっ、じゃなくて!…隣、座るよ?」
「あっ…?あっ、ああ。うん。はい。です」何回返事してんだよ、俺。

ふたばが隣にゆっくりと座る。顔を真っ赤に染めながらも、その美しい肢体を隠そうとせず。
じろじろ見るような無粋な男でありたくない。そう思いつつ、どうしても目が行ってしまう。

「びっくり、しちゃった」
「あ、いや、その…。お、俺も驚いちゃってさ。なんで急にこんな?」
急すぎて心臓が痛い。順番も準備も無くて、イメージを造る思考すら断片だ。まして、振る舞いに現すなんて出来やしない。
それに、そうだ。『ふたば』はまだこんな事望んでいなかったはずだ。

……でも、十日以上まともに話してなかっだろ?その間に想いが変わったかも知れないじゃないか。

「うん。ふ…………さんの事。わたしがはっきりしなかったから、信也を不安にさせちゃったね…。ごめん。
でも、違うの。わたしが一番アイシテルのは信也なの。それを、伝えたくって…」
……?微妙に、会話が繋がってない…事もない、かな?
「ふたば…。違うんだ。お前は何も悪くない。もちろん富士見選手だって。
本当は分かってたんだ。でも…」
「信也……っ!」                                「やっぱり、こうすれば伝わったっス」
「え?なんて言っ」
また最後まで言えなかった。
当たり前だ。

目前に迫る閉じたまぶた、長い睫毛。唇に触れる柔らかな感触。
何年ぶりかの、ふたばとのキス。でも違う。こんな蕩けそうな甘さじゃなかった―――


―――っ!!!
何だ何だ何だ!?さっきから展開が速すぎる!まるで、


まるで、出来の悪い――――みたいに!


「ん…んぐっ?」
その違和感を声に乗せようとして、でも、途中で止まってしまう。
だってそうだよ。下手にしゃべろうとしたら、ふたばの舌を噛んでしまう……!

『ん…くちゅ、んぅ…くっ、んぅう…、…ん。ぷちゅ…』
すぐに、どちらがどの音を立てているのか分からなくなった。

ふたばの舌あったかい。目を瞑るべきだろうか?キスってこんなに気持ち良いんだ。ふたばの唾液は本当に甘いや。
鼻息が相手に掛かってもいいのかな?もっと舌を動かして応えなきゃ。もっと俺の唾液も飲んで。歯並び綺麗だな。

また思考が滅茶苦茶に混線する。いや、既にそれを自覚する事すら出来ない。
387太陽のちょんまげ61:2010/12/07(火) 20:31:26 ID:q4XkzNR8

「ん、んくっ…ぅ…。はぁっ…。しん、ちゃん…」
「ぷはぁっ…。ぁ、ふたば…」

ふたばが唇を離す。二人の間に銀色の橋が架かり、堕ちる。
ふたばが目を覗き込んでくる。その瞳は、見た事の無い色に蕩けていて。

「信也、ばんざーい」
「ばん…?ああ、うん」
言われるがままに両手を挙げる。そのまま、ふたばにTシャツを脱がされる。

っつ!?
さっきから恥ずかしい思いの連続で、俺の脳の回路が次々にショートしていく。
でもだめだっ!まだ、俺は、お前に…!

……でも、もう此処まで来たんだ。後でも良いんじゃないか…?
このまま進めば幼馴染以上になれる。『特別』になれるんだ。そしたらきっと、俺の不安は消えてくれる。
安心してからゆっくり言えばいいじゃないか…。

「……格好いい。男の子の、身体だね」
ふたばが…うん、間違い無い。この表情は『ふたば』で。
ふたばが顔を赤くして俺の身体の感想を口にする。

『ふたば』がそう言ってくれた。だからやっぱり、これで良いんだよ。
「あ、ああ。うん。うれ、しい。ふたっ…」
三度。
今度は肩に手を置かれ、キスをしたままベッドに押し倒される。
俺の薄い胸板の上で、ふたばの大きな乳房がつぶれるのを感じる。
質量を、体温を、その存在を身体中で感じる。
もっと感じたくて、また力いっぱい抱きしめる。

あぁ…!女の子ってなんて柔らかくて、すべすべして、温かいんだ…!

「ふうっ…。うぅん…。くちゅ…、ちゅぱ…」
「ん…、ちゅぅっ…。ふくっ、うんっ…」

………。

どのくらいそうしていただろうか。どちらからとも無く、唇を離す。
ふたばが、頭を俺の横に落とす。

「わたし、あったかい、かな…?」
耳に掛かる吐息が俺の思考をさらに曇らせる。
もう殆ど『前』は見えない。『後ろ』を振り向いても、同じく。

「ああ!すっごくあったかい!
あ、いや、うん。本当に温かいよ。なんだか感動するくらい。って、俺何言ってんのかな?えっと…」
「ん…。良かった…」
微笑みながら、仔犬のように頬を寄せてじゃれてくる。
し、幸せ…っ!
388太陽のちょんまげ62:2010/12/07(火) 20:32:02 ID:q4XkzNR8

『はぁぁ…、はぁぁ…、はぁぁ…、はぁぁ…』

二人、呼吸、鼓動すら合わせるように心を落ち着かせていく。
余裕が出来始めると頭に浮かぶのは。

手の位置。お尻に触っても怒られないかな?
腰の位置。もう少し押し付けてもバレないかな?

「…カタい、ね?」
「〜〜〜〜っつ!!?………いえ、はい」
「ぷっ、あははっ!…あ、ごめんね。ううん。嬉しいよ。だって、あのとお…わたしでこうなってくれたんだよね?」
………死にたい。

「ねぇ、足。ベッドにちゃんと乗せよ?」
そう言って、ふたばが一旦体を離す。

名残惜しいな。

そう思ったのは一瞬で、次の瞬間には目の前で自由に揺れ動く桜色に目と思考を持っていかれる。
こいつ、乳房はこんなに大きいのに、乳輪も乳首も小さくて綺麗だなんて反則だ…!

「そ、そうだな」
文字通り、『餌』に釣られて身を起こし、半端に下ろしていた足をベッドに上げる。
そのまま、背中をヘッドボードに預けるよう誘導され、最後にふたばが俺の下腹に腰を下ろした。

なぁ…、ふたば。その位置はすごく危険なんだ。
短パン越しなのに、お尻に埋まってしまったように感じられて、もう少しでアレがソレなんだよ。
さらに、だ。ヘソの下辺り…ナマに当たってないか!?
少し硬い茂みがくすぐったくて、そのちょっと下は…ふにって…な、なんだか、湿って…!!

こいつ、どこまで分かっててやってるんだ!?

「ズボンと……、脱がせる、ね?」
「は、はひっ?…わっ、ちょっ、やめっ!」
ふたばがもう一度腰を浮かせ、短パンごとパンツを脱がせようとしたところを、必死で止める。
色んな事に気を取られて、危ないところだった…!
389太陽のちょんまげ63:2010/12/07(火) 20:33:48 ID:q4XkzNR8

「そ、それは流石に自分で脱ぐよ。その…、恥ずかしいし、さ」
それだけは自分でやらなきゃいけない。絶対に。

「でも、わたしがしてあげたい…」                        「それじゃあっちの話にしよう」
ふたばがしゅんとした顔になる。いや、なっているんだと思う。確認できない。

なぜなら、さっきからずっと、俺の目と意識の大半はふたばの乳首に固定されているから。

………。

いや、これは仕方ない。仕方のない事なんだ。
だって、あんまり身長差が無い上、中途半端に馬乗りされてるから、ちょうど目の高さにソレが来ているんだ。
だから、どうしようもない事なんだ…っ!

「もしわたしにさせてくれたら、わたしも自由に触らせたげる。約束してくれるなら、先にでもいい」
そう言いながら両腕を組んで、強調させる。目の前で。

ごくり…。

いやいやいや。落ち着くんだ、佐藤信也。
この選択には、お前の男としての名誉と自尊心がかかっているんだぞ!


仮性なのは、絶対バレたくない。だから、自分で脱がなきゃ…!

「い、いや。でも、その…」
「ほいっ」ふよん。と、頭の上に乗せられる。
「約束しますっ!!」

どうしようもない事なんだ…っ!

390太陽のちょんまげ64:2010/12/07(火) 20:34:27 ID:q4XkzNR8
「そ、それじゃ、触ります」さっきからなぜ敬語なのかは、自分でも分からない。

あぁ、ついにこの至福が手に「あ、ちょっと待って」両腕で隠されてしまう。

「ふたばぁ…?」
「ね、わたしはわたしを自由にさせてあげるんだから、やっぱり信也のも好きにさせてよ。
その…わたしも、触ってみたい…」
真っ赤な顔で、けれどはっきりとした口調で要求を増やしてくる。
俺の…?触……っ!
「いやもうどうぞ!そんなのいくらでも約束します!」むしろこちらからお願いしたいくらいだよ!

「ん。約束だからね?じゃあ…」

その柔らかさを証明して、腕によって抵抗無くひしゃげ「あ、もう一つ」

「何でしょうっ!?」
「15分だけ、ね?信也も色々先を……だろうし、あんまり遅くなっちゃまずいし」
色々先………。
「……、……、……!」
俺は壊れたおもちゃのように首をぶんぶん振り、肯定の意を伝える。

「それじゃ…」

腕が離れるとともに復元し、ただ柔らかいだけではない事を「それと」

「ほんともう何でも約束するから!!」


「…目、怖いっス……」


深く、反省した。

391太陽のちょんまげ65:2010/12/07(火) 20:35:09 ID:q4XkzNR8
「ふぅ、ん…」
日常を営むための部屋に、不釣合いな美しい調べが満ちる。
演奏しているのは、俺。この、両の手。

その大きさに合わせるため、手をいっぱいに広げ、正面から鷲づかみにして『持つ』。
楽器の心得なんて無いけれど、今、俺の手にあるのはどんな指遣いにも応えて心地よさを生み出す名器だ。
10の指それぞれの動きに合わせて自在に姿を変え、ふっくらした存在を伝え、鈴の音を響かせて俺を愉しませてくれる。

…『つきたての餅のような』って表現を考えた人は偉いなぁ……。

沈み込む柔らかさ、たおやかな抵抗、ぴっとりと張り付く手触り、安らぐ温もり。人を幸せにさせる要素が全部濃縮されてる。
でも、もちろんお餅なんか比べ物にならない。だってコレは生きている。
だってほら。

「ふあぁっ」
ぐにゅ〜っとふたばの方向に押さえつけ、手のひら全体で大きくつぶす。と、
進むごとに抵抗が大きくなる。でもそんな程度じゃ俺を押し返せないよ。
さらに力を込めると指の間から逃げ出そうとする。だからそれじゃ俺を愉しませるだけなんだって。
掌でぐりぐりと捏ねながら、指の股で挟むようにして全てを蹂躙してやると、
やっと観念したのか、許しを請うように俺の手にさらなる芳味を差し出してきた。

…………そろそろ許してやるか。
放す。

とぷん。

音が聞こえそうな…いや、聞こえた。音ともに大きく弾みながら前に飛び出し、美しい半球に戻る。
いや、これも違うな。理想的な半球から外れたものがある。
「あ…、勃ってる…」
「言っちゃ、ダメっ…ス……」
捏ねる前より明らかに主張を強めた突起。桜色の。

「スっ…吸ってモいい?」緊張と恥ずかしさのあまり、声が裏返る。
「…うん、いいっスよ。約束…ううん、しんちゃんのしたいようにして?」
慈愛に満ちた静かな微笑み。声。

まだ俺の傍に居る『女の子』だと思ってた。でも今は。
彼女は魅力的な『女性』で。深い愛情を湛えた『母』の輪郭すら有して。
その美しい『女』の象徴に目を奪われ、赤ん坊のように口を寄せる。
392太陽のちょんまげ66:2010/12/07(火) 20:35:49 ID:q4XkzNR8
「ん」
美味しい。例えるものは無い。けど、明確にそう認識出来る。

「あンっ」
ちゅうちゅうと吸う。
その形状。その感触。その温もり。『これはこうするためのものなんだ』。
その発見はあまりにも偉大で、感動的で。神秘的ですらあって。

「はぁ、あ」
両手で『持ち上げ』、自分の顔にさらに寄せる。
再び手を満たす幸せ。視界を埋める肌色。汗の甘い香り。そして声、味。
五感の全てをふたばで埋められ、でも、不思議と心は空になっていく。

「しんちゃん…、いい子、いい子」
ふたばがゆっくりと俺の頭をなでてくれる。
無心の俺は、それをただ素直に受け入れる。


―――あったかくて、気持ちいい…。


辛い事も、嫌な事も、怖い事も。全て溶けて消えていく。
そうだよ。何も悩む事なんて無い「あっ!ダメだ!」

ふたばが俺の肩を捕み、ぐいぃっとすごい力で無理矢理引き剥がす。
393太陽のちょんまげ67:2010/12/07(火) 20:36:37 ID:q4XkzNR8
「あ……、ふた、ば…?」
突然現実に戻される。頭に在った何かも…いや、何かあったのか?引き離された。また、格好悪い事を…?

「あぁ…、しんちゃん、そんなに悲しい顔をしないで欲しいっス…。
あ!じゃなくて、『もう!15分の約束だったでしょ?…夢中になってくれたのは嬉しいけど、もっと…先。したい、でしょう?』」

誰の言葉だろう。どこかから持ってきたかのような『台詞』。
いや、もちろんしゃべっているのはふたばだ。じゃあ、ふたばの言葉だ。
「あ…ああ、そう…だった。やく、そく…。もっと…!」
『もっと先』。その言葉に急速に覚醒させられる。そうだった。俺はそれが欲しい。そうすれば、何も怖くなくなる。きっと。

「うん。じゃあ…」
ふたばが立ち上が  くちっ。 水音が耳に届く。


「……しんちゃん。ティッシュ、どこ?」


「え、あ「ティッシュ!」
ふたばが今日一番真っ赤になって、珍しく俺の言葉を遮って来た。
「そこのテーブルの上です」
「目、瞑って」
「はい!」
有無を言わさぬ迫力に、素直に目を瞑る。

下腹部の感触で、ふたばがのろのろと俺の上から退くのが分かる。
けど、その場所だけ妙にすーすーして、何かに濡れた感じが…、と思ったらすぐにティッシュで拭き取られた。
…やっぱり……!?
「ぜったい、開けちゃダメだからね」
「はいっ!」

改めて指令が下る。
ごそごそと異様に気になる音が耳に入り、薄目で確認したくなる衝動に駆られる。
が、ふたばの感の良さとバレたときの惨劇が頭をよぎり、止めておく事にした。

…ここで下手な事をして不幸体質オチで終わったら、俺は間違いなく再起不能になってしまう……。

「……もう、いいよ」
394太陽のちょんまげ68:2010/12/07(火) 20:37:22 ID:q4XkzNR8
目を開けると、ふたばは俺の足の間に正座を崩した体制で陣取り、短パンに手を掛けていた。
少し前かがみになっているせいで、肌色の実りがいっそうすごい事になっていて、
それを目の当たりしたオレはますますテントを大きくしてしまう。

でも、やばい!

「それじゃ、信也。少し腰、浮かせて」
「あのさ、ふたば。その件なんだが…」
「約束」
「いや、それはそうなんだが、ひとまず俺の話をだな…」
「約束」
「違うんだ。別にな「約束」

観念するしか無い、か…。

少し腰を上げると、すぐさまふたばが嬉しそうに短パンとパンツを一緒に下ろす。
そして押さえつけるものが無くなったと同時に、膨れ上がったモノが跳ねるように飛び出し、腹に当たってぱちんと音を鳴らす。

好きな女の子にこんな事されるなんて!こんなところ見られるなんて!!もう死ぬしか…!

「ふぇ〜!元気っス…だねぇ〜。それに…すっごく、大きいっス…」
「あ、あう。いや、ふたば、その…」
「?どしたの?」
「いや、俺…か、被ってる、から…、ごめん」
「………?男の子って、ほんとにそう言うんだ…。何からなにまで……」
「え?」
「あっ、ううん。『どうして謝るのかな?わたしが信也にとって魅力的だったって事からだよね?嬉しいよ!』」
余程もの珍しいのか(そうじゃなきゃ困るけど)、視線をソレに向けたまま、答えてくる。
は、恥ずかしいよ…。

…それにしても、さっきからこいつ、何ていうか『都合の良い』台詞ばっか「うあっ!ふたっ…」
さわさわと先端部分を触られたせいで、思わず声が出る。
395太陽のちょんまげ69:2010/12/07(火) 20:37:49 ID:q4XkzNR8
「あっ、ごめんね!中、ビンカンで、痛いんだよね?おクチでムいてあげれば、痛くないかな?」
「へ…?いや、何言ってわひゃ!」
な、な、な!?
いきなり皮を摘んだと思ったら、ナカミとの間に舌を差し入れて来た!
「ちょっ!?ふたっ、うひぃっ」
そのまま舌を亀頭に沿わせ、ゆっくりと動かし始める。
敏感な部分を、極上の柔らかさを持った筆でじっくりとなぞられるような感触に、背筋が震え、歓喜と困惑を伴った情けない声が上がる。

「じゅるっ…」
あぁっ!それに、舌を伝ってふたばの唾液が大量に注がれるせいで、一周し終わる頃には中身がじゅくじゅくに…!
気持ち良い!けど、恥ずかくて死にたい…!ていうかこいつ、何回俺を殺せば気が済むんだ!?

「んぅ、じゅっ……」
「……?」

一周が終わっても、ふたばは舌を差し入れたまま、動きを止めて何かを考えるようにしている。
何だろう…?
いや、内心では分かっている。『次』を血走った目で期待してしまっている。

「んむ〜〜ぅ」
期待通りの、いや、期待以上の快感が俺を襲う。
ふたばが、にゅぷぅり、と、またもゆっくりとした動きで先端を咥えてくれた。
覆っていた皮は唇に押され、ふたばの言葉通り口で剥かれて行く…!
と同時に、ぷりぷりの唇が亀頭をなぞりながら通り過ぎていくのがはっきりと感じられて、そのあまりの気持ち良さに、
「うあぁっ!!!」まずい…!声、大きすぎる!

部屋には鍵が付いてない。
けど、姉さんは大学進学と共に一人暮らしを始めたからこの時間は二階は俺しか使っていないし、
勉強会のときは集中したいという理由で、母さんには上がって来ないよう前から言ってる。
だから多少は大丈夫とはいえ、あまり大きな声を上げるとさすがに気付かれてしまう…!

俺は声を抑えるため、手近にあった枕を掴み、全力で噛み締める。
「ん、ちゅぅ。じゅっ、ぐりゅ」
「ぐふぅ、ふっ〜〜っつ」
そんな俺の葛藤を知ってか知らずか、そのまま唇をすぼめてカリ首に引っ掛け、舌で押しつぶすように舐め回してくる。

ちょっ!こいつ、力が強い、から…っ!

ふたばの舌はとんでもない柔らかさと弾力、そして滑らかさの中にわずかなざらざらを有する絶妙の感触で、
ソレに亀頭が変形するほどの強さで擦り上げられると、たまらず腰が動いてしまう。
すると自然、唇にぎゅうっと締め付けられているカリ首がぐりゅぐりゅとシゴかれ、連鎖的に快感が増して行く。
俺はますます強く枕を噛み締め、なんとか声が洩れるのを我慢する。
酸欠で頭が……。
でも何とかこれで耐えられそうだ。
396太陽のちょんまげ70:2010/12/07(火) 20:38:27 ID:q4XkzNR8
「ぺちゃ…ちゅぅ。ずちゅちゅちゅ…」「ふぅ、ふ…んはぁ…はぁ、はぁ」

しばし、ふたばが奏でる水音と、俺の荒い息遣いが部屋を満たす。が。

「ぅぐっ!!?」今のは、声…腰、跳ねっ……!
「れるっ、じゅぅぐ…?」

鈴口をなぞられた瞬間、耐え切れずに声が洩れ、腰が大きく跳ねてしまった。
ふたばはその反応の大きさが気になったのだろうか?動きを止め、俺のモノを咥えたままこちらへ顔を向ける。

あ、あ、あああ…!

一旦、攻めが止んでくれたおかげで、やっと少し落ち着けると思ったのに…!
こちらを向いたふたばと、ばっちり目が合ってしまったせいで、今度は心臓が大きく跳ねる。痛い。
首筋まで薄っすらと色づき、双眸は濡れ、普段からは想像できない官能に染まった表情。
でも、その中にも新しいおもちゃで遊ぶ子供の無邪気さが、『ふたば』らしさが存在していて。
その貌がオレを咥えている情景は、あまりにも淫らで。自覚できるほどはっきりと脳が溶けていく…!

「…むふふぅ〜」

けれど、間、が有ったのはわずでしかなく。
すぐさまふたばは、ニヤリ、と悪戯を思い付いたときの三女を連想させる、小悪魔的な笑みを浮かべる。
って、まさか…っ!!

「じゅっ!るれぅ!」
「んっぐぅ!」
こいつっ!思いっきり楽しそうな顔をして、集中的に攻め立てて来やがった!

一番敏感な尿道口の入り口、その内側をほじくるように、舌先をねじ込ませるように、徹底的にねぶってくる。
あまりにも執拗にエグられ、尿道だけでなく膀胱にまでふたばの唾液を詰め込まれていくような錯覚におちいる!

「んぐ〜〜〜っ!ぅっ、ぐぅっふ!!ぐ〜〜〜っ!?」
俺はたまらず腰を引き、既に痛みの域に差し掛かった灼け付くような快感から逃れ……られないっ!?
ダメだ!ふたばの怪力でがっしりと押さえつけられているせいで、腰から下が全く動かせない!
強制的に投与される許容外の快感を、無理矢理正面から受け止めさせられる!!
なのに声も出せないなんて、完全に拷問だろこれ!!?
397太陽のちょんまげ71:2010/12/07(火) 20:39:07 ID:q4XkzNR8
「ひいぃっ…。ふたっ、ごめっ…待って、出る…っ」
「ふむっ?」

あっさりと限界を迎えそうになった俺は、全精神力を振り絞って大声を上げないようにしながら、静止を懇願する。
その声は半泣きで、掠れていて、我ながらあまりにも情けない音色で。とてもじゃないがこの暴君を止める事は出来ないように思われた。
でも意外な事に、ふたばはピタリと動きを止めてくれた。
どうしたんだ…?飲んでくれな……俺の願いが通じたのか?

「んっ、じゅずぅ〜〜。ぷぅっ」
ちょっと下品に唾をすすりながら、俺のモノを解放してくれる。
それでも、激しい責めを受けた頭部はじんじんとした余韻を残して真っ赤に腫上がり、その身は根元までずぶ濡れだ。

あぁ、でも。

「あ…ふたば?」続きを催促する、女々しい声。格好悪い?そんなつまらない事を気にしてられる状況じゃないんだよ。
「ん。ごめんね?しんちゃん。途中で楽しくなっちゃって、順番を飛ばしちゃうところだったっス」
順番?何のだ?

「でもやっと、ちゃんとお顔を見せてくれたね。初めまして、こんばんは」
「〜〜〜〜〜〜〜っ!!!」

ふたばが極上の笑顔でソコに挨拶をする。
ぐわああぁっ!今度こそ本当に死にたい!頼む!誰か俺を殺してくれっ!!
でもふたばは、心の中で悶絶している俺を無視して次の行動に移る。

「えっと、男の子はこうするん、だよね?」
ふたばの右手が、優しく幹の部分を握ってくれる。
「あぅっ」
「あっ!強かった?だいじょうぶ?」
「い、いや。気持ち良くて声が出たんだ…。もう少し、強く握ってくれても、いいくらい…です」
思わず素直に返してしまう。どころか、血迷った要求をしてしまう。

………。

いや、だって無理だよ!
すべすべして、ふわふわのふたばの手。自分のそれとは比べ物にならないこの感触。我慢なんて出来るわけ無い!
398太陽のちょんまげ72:2010/12/07(火) 20:40:27 ID:q4XkzNR8
「良かった。えっと、これくらい、かな?」
「あ、うん。はい、です」ちょい強いけど。
「分かった。それじゃ、次はお手てで気持ち良くしてあげるね?」
そう微笑みかけながら(だと思う。恥ずかしくて見れなかった)告げてくれるや否や、ゆるゆると手を滑らせ始める。

うはぁ…。

ちょっとゆっくり過ぎるけど、却ってそれが優しい快感になり、さっきまでの過酷なシゴきに耐えて来た俺を癒してくれる。
握りもやや強いけど、唾液のおかげで良い具合に摩擦が緩和されて、夢見心地の気持ち良さだ。

なんだけど。

「うわぁ〜。ぐっちゅぐちゅだねぇ。しん…やも音、聞こえるでしょ?」
「ふくろ、パンパンだね。いっぱい頑張ってくれてるお礼にマッサージしてあげる」
「お帽子、被せたり脱がせたりするのがイイんだね。くにゅくにゅしてて面白いな〜。こうすると音が『くぷくぷ』に変わるし」
「居ない居ない…ばぁ〜。居ない居ない…ばぁ〜。気持ちいいでちゅか〜?お返事してくれないと、やめちゃいまちゅよ〜?」

本当にもう勘弁して下さい。

逃避のために目を逸らしたら、今度は音攻め、言葉攻めに変えてきやがった。
長女も三女もだけど、こいつも根はサドなのかよ!?エロ姉妹め!!
というか、何だその赤ちゃん言葉は!?いくら何でも…!

ぴたり。止まる。

………。
「…持ち…い」
「お返事が小さくて聞こえまちぇんよ〜?今日はここまででちゅね〜」
「気持ちいい、ですぅっ!」
死のう。
399太陽のちょんまげ73:2010/12/07(火) 20:42:53 ID:q4XkzNR8
…いや、これも仕方ない事だ。本当に仕方ないんだ。
なんせこいつ、やたらに上手すぎる。キスも、フェラも、今だって…!

長く愉しんでいたい、という俺の希望が通じているのだろうか?昂ぶりが過ぎそうになると締まりが一旦弱まり、引けばまた強くなる。
それでもカリ首を通るときは輪っかを小さくするだけでなく、スナップを効かせコリコリと刺激にアクセントを加えてくるのを忘れない。
先端部では手のひらでこねるようにして、包み込むように亀頭全体を摩擦しながら温もりを伝えてくれる。
ふくろのマッサージに至っては、自分でもそこがこんなに気持ち良いなんて知らなかった。
なのにふたばは数度揉んだだけで絶妙な力加減に調整し、作られたばかりのゼリーが細い管を通り易くなるよう丁寧にほぐしてくれる。
俺は今、間違いなく『天にも昇る』って言葉を誰よりも理解出来てしまっている…!

でもこんなのテクニック、エロ本や女子の噂話なんかで多少の知識を持ち合わせていたとしても説明がつかない。
さっきのもの珍しそうな表情は演技とは思えないから、初めてなのは間違いないはずなのに、いったい…?

………!

頭に、ひらめくもの。天性の運動センスと観察眼。
代名詞たる前者。さらに、理知が通った近年は動作を精密に制御し、正確な感覚による修正を加える事で瞬く間に最適解に辿り着く。
……まぁ、まだときどき力加減を間違えるが、今それを思い出すのは恐ろしいのでやめておこう。
そして、後者。こいつはいつもノンキにしているように見えるが、興味ある物事に関しては並みの人間には及びもつかないほど詳細に観察している。
だから人のモノマネが上手いし、心の機微にも聡い。単純な側面であれば、その心理までトレース出来る。

つまり、だ。

今のコレは、その二つを最大限に利用した業…、
動きと強度を緻密にコントロールし、俺の反応から『気持ち良い』を正確に捉え、瞬時にフィードバックさせてる、って事か!?
なんて不遜な才能の無駄遣い!!叱ってやらなければ…!
「素直なカメさんですね〜。いい子、いい子〜」
「ふわぁっ。ふたばっ、直接は摩擦、強いよぉ…!ほっぺで擦るのもダメぇ!」
………。
400太陽のちょんまげ74:2010/12/07(火) 20:44:47 ID:q4XkzNR8
「はぁっ、はぁっ…。っぐ…はぁぁっ…」
けれどこの天上の悦楽を味わう時間も、終わりが近付いて来た。
『優しい』とは言え、元々限界まで追い立てられていた俺だ。そんなに長くは我慢出来ない。ふたばの手が往復するごとに、腰がガクガクと震え出す。

「イキそう、なんだね。それじゃ、1度目はわたしのお口に…ね?」
「あぇ、え?口にって、その…ま、さか、飲んで…?」白々しく戸惑う俺。それに、1度目って事は…!
「うん。あっ、信也に拒否権は無いからね。幼馴染との約束は守らなければいけないのです」
「は、ぐぅ」
もう色々どろどろで。だから返答も意味不明で。それでも、必死に首を縦に振ってしっかり希望を伝える、情けない俺。
けど、ふたばは本当に嬉しそうに笑って。

「アイシテルよ、信也」

言葉が心を冷ます。

けど、もうどろどろで。カタチすら残っていなくて。
灼熱にさらされ続けた今となっては、その程度の冷たさ、何の意味も無くて。

「んっ。じゅるぅ…」
またゆっくりと、唇が被されていく。
今度は亀頭を通り過ぎて、幹まで熱に取り込まれ、溶かされていく。
けど。
「む、んぐ」
あと5cm位のところで限界になったのか、止まってしまった…。

―――もう少しで全部なんだから、頑張ってくれよ。俺も手助けしてやるから、さ――

欲望が頭をよぎり、俺は、手をちょんまげに沿え、力いっぱい押し込―――
って危ねぇ!何考えてんだ俺は!
無体をしそうになった腕を、ギリギリのところで止める。
幸いふたばは頭を撫でられたと勘違いしてくれたようだ。嬉しそうに目を細めた。

ほっ…。
401太陽のちょんまげ75:2010/12/07(火) 20:45:28 ID:q4XkzNR8
いくらなんでも、そこまで欲望に負けるような最悪の男になりたくない。………いや、あれ?欲望に負け…?俺は…?
「んふっ、んんっ……じゅるる、じゅるるるっ、じゅるるるるるっ…!」
「うああっ!」

意識が逸れかけた俺に、『無視するな』と抗議するかの如くふたばが激しい動きを開始する!

ただ俺をイかせる事だけを目的とした、一切の容赦も慈悲も無い猛烈なフェラチオ。
その締め付けは、さっきは手加減していたのだと言わんばかりに万力のようなキツさで俺を苛む。
ちょっ!ヤバイヤバイヤバイ!!

ひょっとして一旦手に移ったのは、力加減を確認するためだったのか…!?

けれどそれほどの締め付けでありながら、俺に与えられるのは純然たる快感だ。
咥え込むときは濡れてむちむちになった唇が、オレをすり潰そうとするかのように押し付けられる。
そんな柔らかくて可愛い凶器じゃ、傷一つ付けられないっていうのに!
引き抜くときはヌメヌメの口腔が、ぴったり…なんて生易しいもんじゃなく、ビッチリと隙間なく密着する。
唾をすするためなんだろうが、こいつの吸引力だと尿道が裏返りそう!
そしてさらに絶望的な事に、さっきまでの練習(そう、練習だったのだ!あれほどの快感で!)で俺の弱点を覚えられてしまった。
舌先は常に鈴口をエグり、粘膜にカリ首が力いっぱい引っ掻かれる!!

「あ、ああがぐぐっ!!!」
もう声を我慢するとか、家族に聞こえてしまうとか悠長な事は言ってられない!

だめだ、目も霞んで…!視界で踊るちょんまげが、ぼやけて……。
頭の中は狂おしいほどの快感で埋まっていく―――

402太陽のちょんまげ76:2010/12/07(火) 20:46:03 ID:q4XkzNR8
『オハヨー!ふたばちゃん!』
邪魔すんなよ。お前ら何にも見えてないだろ?ふたばはただの怖がりな女の子なんだ。一方的な押し付けは迷惑なんだよ。
おかしな目で見てんじゃねぇよ!

うあぁっ!ふたばっ!俺、もう…っ!

『彼女は、君の人形じゃない』
うるせぇよ。ぽっと出のお前に何が分かる?俺だけがふたばを笑顔に出来るんだ。俺の隣が一番こいつらしくなれるんだよ。
自分勝手な願望で他人を決め付けんなよ!

最後だからっ!ごめん、ちょっと我慢して!

『まるで親鳥を慕う雛のように』
黙ってろよ。今、俺の目の前にある光景が全てだろ?ふたばは俺をアイシテルから、何でもしてくれるんだ。
負け犬の遠吠えはみっともねーぜっ!

喉、すごいっ、よ!コリコリがカリ首をエグる!粘膜でぎゅぎゅって搾られる!!悲鳴、振動になって、コスり、過、ぎぃ―――!!



『君は、君には、どこまでの覚悟がある?』



―――――――――――――――――――――――― ――――――――― ―――――っ!
403太陽のちょんまげ77:2010/12/07(火) 20:46:34 ID:q4XkzNR8


―――『陸上界のアイドル』がこんなに気を許しくれて――
―――『大事な広告塔に近づくな』ってか――
―――『客寄せ要員』だ――

―――優越感を感じてる――
―――滅茶苦茶さがカモフラージュ――
―――こいつは足りないもの多すぎ――

―――何にも考えてない幸せそうな顔で――
―――俺に従順だって事を――
―――この程度では他の男になびかない――



―――自分が、ふたばの隣にいる事をあっさり許してしまう――



何だよ、これ。
404太陽のちょんまげ78:2010/12/07(火) 20:47:02 ID:q4XkzNR8





「がっふぅっ!げほっ!っぅぐ、ぐはっ!」

がっはぁっ!頭、押さえられ、ごふぅっ!喉、気管にベトベトの塊が…けへっ!
全部、飲んであげ、たかった、っぐ…けど。ごほ、ごほほっ!息っ、かはぁっ、がっ、ひゅぅ!
量、多すぎてっ、ぅぐっ…鼻まで、ずっ…ぐはっ、けへぇっ!
味もっつ、がはっ!変でっ、マンガとかひとの、ぅっ、本みたいに…ぐへっ、上手くいかな、はぁ、はぁっ…かったな…。

うっ、ぐぅ……。ずずっ…ごほっ。たくさん零し、ちゃったから…怒ってる、かな?
「ごめんね。しんちゃん…」


恐る恐る、目を向けると、しんちゃんが、泣いていた。


ぽろぽろ、ぽろぽろと、涙を流していた。
しんちゃんがこんなに涙を流すところ、初めて見た。
405太陽のちょんまげ79:2010/12/07(火) 20:47:36 ID:q4XkzNR8
「ごふっ…あ、あれ?ご、ごめんね?痛かった?気持ち悪かった?」

「ち、ちがぁ…ぅ。ぐぅ…ひっく」

「あ、あう…ずずっ、げへっ!…あっ!?ぜ、全部飲めなくてごめんね!次…そう!次は上手くやるから!」

「づぅっくっ、ひぁ…。ちがうぅ、ちがうんっ…だよ…。ふたばぁ…」

「う、ぅえーと…。あの…。じゃ、じゃあ……シて、みる?
しんちゃんがイれる?それともマンガみたいに小生が…、その…イれたほうが、イい?」

「あぐぅ、あぁ…!ごめん、っく。もっ、ゆるっ…ゆるし、てぇっ…ひぅっ…」

「……ゴメンね。しんちゃん。小生、何やってもダメで…。いっつもしんちゃんにめーわく掛けちゃう…」

「ちがっ、うんだよっ。ひっ…。だめなのは、おれ。めちゃくちゃなのは、おれ!…おれがだめ、なんっ…!」

「そんなことないよ!」

「おれ、がっ、おまえのため…できる、うぐっ…、ひとつだけ…だった!……のにぃ…。くぅっ…じぶっ…で、すて、た…うぁああぁぁ…」

「そんなことない!しんちゃんはすごいよ!小生に全部をくれた!!」

「きもちいいって…、きもちよくなるため…だけに、おまえじゃ…ないのに、つかった…。わかってたのに!!
…これまでも、ずっとおまえ、つかってた……あぁぁぐっ…」

「小生が、しんちゃんに、してあげたかったんだよ……?」

「なんにもわかってないのは…おれ、だった。おれが!さいあくだった!!」

「…しんちゃん。だいすき」

「しってる…。しってるよぉ……」

「……小生の事、嫌いになっちゃった…?」

「ちがっ!……ちがうぅっ。ひっく。そんなの、ぜったぃ…ないっ…」

「じゃあ「でもだめだっ!…おれじゃもう、だめなんだ…」
しんちゃんが抱き付こうとした小生の肩を捕み、ぐいぃっとすごい力で無理矢理引き離す。
406太陽のちょんまげ70:2010/12/07(火) 20:48:35 ID:q4XkzNR8



「ごめん、ふたば。おれは、さいあくだ。もう、おまえとは、いっしょにいられない」



しんちゃんはそのまま涙を流し続け、ただ『ごめん』『さいあくだ』を繰り返すだけだけで。

「…ごめんっス…しんちゃん……。…ぐすっ。うぅ…ひっく…」

でも、小生は、しんちゃんと一緒にいたい。
どうしたら、ずっと一緒にいられるの?

「うぇ〜〜ん!!」

ああ、うぅ、う…なみだ、が、止まら、ない…。
しんちゃんに、大好きって、伝えたかった、のに……。まためーわく、掛けた…だけ、だった…。うえぇっ…。

「ふた、ば…ひゅっく。泣か…ぅくっ、ない、で?」

でも今は、しんちゃんも、泣いている。抱きしめて、くれない。


もう、小生とは、一緒にいてくれない。


苦しいよ。痛いよ。



怖い、よ―――







その後の事は、よく覚えてない。
おばちゃんが、泣きじゃくる小生たちを見て、驚いていたような気は、する。

407中書き:2010/12/07(火) 20:50:26 ID:q4XkzNR8
というわけで、中編終了。
いきなり親バレとか!しんちゃんは逐一最高です。
そもそも私は余計な事を考える/やるキャラが大好きなのですが、彼は本当に余計な事ばっかりで素敵すぎます。
後、『もう許して』は私の創作物の中では最高に好きな台詞です。自作品の中では過去最高。
恐らく自分の創作物では、これを超える台詞は今後も言わせられないでしょう。
このシリーズ終わったら、もう創作やる気は無いですが。
これ以外言える事が無いところや、あんまりにも憐れなところがかなり素敵です。自分で書いててコーヒー吹いた。

○エロスについて
内容そのものについての言い訳は最後の後書きにまとめますが、ずいぶん先になりそうなので、この件だけ。

エロスは芸術でした。まともに書いてみるとよく分かりました。
語彙力の勝負を挑まれている気がして、途中で変なスイッチが入ってしまいましたよ!同意語辞典使いまくりでした。
裸身の描写は思うところがあって、かなり濃い味付けにしました。ギトギトです。
『天恵』だけは何とかしたかったけどな〜。素直に書くと今回のNGワードになるので…。
『豊穣の女神』は明らかにやりすぎなので結構悩んだんですが、『男子高校生はキモイ』という偏見からGOサインを出しました。
ガンガンONLINE連載の『男子高校生の日常』は非常に参考になります。生徒会長最高。抱いて。私以外の誰かを。

ちなみに、このパートを飛ばしていたら全編書きあがっていたような気がするくらい時間を掛けました。
の割りになぜかエロくない…。
どうも性格的にギャグを入れてしまうところと、結局心理描写の手法の一つに落とし込んでいるところが問題なんでしょう。
あらゆる意味で『手段』としか捉えていないのが丸分かりです。
後、あえぎ声って面倒な事この上なかったです。入れないと状況説明だけになってしんどいし…。テンプレが欲しいのココロ。

内容的には乳揉み描写がいい加減飽きたので、とっとと下に行きました。
でも後で考えると、巨乳キャラが彼女と吉岡しかいないのでちょっと早計でした。まぁいいや。いつまでも終わらなくなるし。
今回はしんちゃんが実際に経験している事なので、具体的描写を心がけたつもりです。おかげで冗長だなぁ。これも悪い癖だ。
千葉氏にて、後ろに行くほどあっさりしているのは彼が『経験』が無いからです。
足りなかったのは私のやる気ではなく、彼の妄想力でした。本当ですよ?

それにしても、いつまで経っても挿入以降の描写に入れないのはなぜでしょうか?そろそろ書きたいです。
ていうか、女性視点で書きたいな。次はそうしよう。


というわけで、現在はモチベーションが完全に消えているため、再スタートは来年です。
実はラストはとっくに書きあがっているので、その間を書くだけなのです。しかしこれが長いんですよ、私…。
恐らく、1月末頃に投下できる…といいなぁ!
おせち料理とお雑煮食べたらきっと回復するよ。
ちょこちょこ進度報告には現れます。それでは…。
408名無しさん@ピンキー:2010/12/07(火) 22:39:30 ID:otO4xfgI
私が気づかれないようにゆっくりと先生の部屋を覗いてみると
「っ!?」
そこには全裸の伊藤さんがいた。

「ああんっ・・・・・!/////」

目隠しされながら必死に腰を振る先生の下で
幸せそうに顔をとろかせる伊藤さんが

「ひゃあ!・・あ!あ!あん!/////」

伊藤さんは腕と脚を絡め、ガッチリと先生にしがみつきながら先生の腰の動きを受け入れている
そして恥じらいながら、うめくよう彼女は言った

「あん!・・もう、覚えちゃったの・・!私の佐藤君専用オマンコが・・ああ!・・・矢部っちの形・・・もう覚えちゃったのぉ・・!
 矢部っち専用になっちゃったよぉ・・・んあ!ああーっ!/////」

・・・・・・
・・・・・
・・・

「は!・・・・・・あ!・・・・・・・・あ!/////」

まるで機械のようにガクガクと震える先生の下から時折、伊藤さんの声が漏れてくる。
伊藤さんは度々肢体をギュッと締め付け、あるいはピンと伸ばして何度も果てていた。

その間、チクビに会いに来ていたはずの私は
「・・・・・うっ・・・・ぐすっ・・・」

いつのまにか人の家のトイレを借り、床に落ちている水をトイレットペーパーで拭き続けていた。
409名無しさん@ピンキー:2010/12/07(火) 22:40:58 ID:otO4xfgI
誤爆
410名無しさん@ピンキー:2010/12/07(火) 23:40:27 ID:y9FAs+VL
怒らないから、どこの誤爆か正直にいいなさい。
411名無しさん@ピンキー:2010/12/08(水) 17:58:29 ID:FC4F7riZ
〜先生をペットにしてしまった〜(松岡編)その47

 「やぁん!先っぽが入ってくるぅ・・・っ!だからこれ以上はダメぇ!徐霊はもう終わりなんだよぉ!」
グィグィと中に侵入してくる先生をポカポカと叩く松岡さん、彼女は顔を真っ赤にしながらジタバタしている
 「あ!そ、そうだ!ねっ矢部っち!アンッ・・・!////」
そう言うと松岡さんは両手を組み、指を折ってコップのような形をつくる
 「こ、ここ!ここにならオチンチン入れてもいいから!ね?」
松岡さんは自らの指で作った即席の膣内で先生のモノを包みこむと、そのまま先生にピストンを受け入れてしまうのだった
 「ああ!あっつい・・・・よぉっ!はぁ!ああ・・・!すごいっ・・・あ・・・・・っ!/////」
誰もいない真っ暗な教室に、松岡さんの淫らな感想が淡々と漏れ響くのだった
・・・・・・・
・・・・・
・・・
30分後

果たして、松岡さんは純潔を守り切った
全てを出しきったらしい先生は気を失い、横たわっている

松岡さんと先生は一線をこえることはなかった・・・・でも
 「ンン・・・・チュル・・チュル・・・ン・・ン・・////」
なんだというのかあれは?
松岡さんは口に含んだモノを離す気配すらなく、舌と首を動かし続けていた

あれだけ先生を拒絶して抵抗していたのに、霊にしか興味がないと言っていたのに
体のあちこちを白い液にまみれさせ、手と口と足、体のあらゆる部分で先生に奉仕するその姿は
エロ本で見たAV女優やソープ嬢、まるで娼婦そのもののようだった
あんな変態的な行為をしておいて先生とは何もなかったとでも言い張るつもりなのだろうか
だとしたら・・・

A許さない☆
B許す

 「・・・・・・・・・・っ」ギリ
突然、目の前が真っ赤に染まる
そして動かなかった体が動き出す

ガラ!
412名無しさん@ピンキー:2010/12/08(水) 18:04:36 ID:FC4F7riZ
ミス
413名無しさん@ピンキー:2010/12/08(水) 22:09:06 ID:dvLDUJpx
職人の皆様お疲れ様です
毎回楽しませていただいております
414名無しさん@ピンキー:2010/12/08(水) 22:30:35 ID:3dxOPJne
ガンプラ氏、すごいですね…。このモチベーションはすばらしいです。
見習いたい…。
で、久しぶりに書いたSSを投下させてください。
内容は矢部ひとです。

もう矢部ひとは食傷気味…と自分で言っときながら
連続で3回目です。
やっぱりひとはちゃんはかわいいですね…。

ちょっと長文になっちゃいましたが(25レス使う予定です><!)
どうか最後までお付き合い下さったらうれしいです。
ちなみにエロ成分は一部あるだけで(しかもひとはじゃない!)
どちらかというとニヨニヨタイプ?のSSです。
では投下開始致します。
415やべひと☆1:2010/12/08(水) 22:31:37 ID:3dxOPJne

≪6年3組 教室 休み時間≫

「矢部ーっち!」

「あ、ふたばちゃん。」
「矢部っち、何してるの?」
「次の授業の準備だよ。ほら、次は社会だからね、こうやって埼玉県の地図を描いて…」
「むふふふふ。どーしよっかなー☆」
「え?な、なに?話題変えた??」
「えへへへ。うーん。どうしよう。やっぱり言っちゃおっと!あのね矢部っち…」

「ダメ!ふたば!」

「わっ!ひと、…びっくりした」ツクエノシタニ イタンダ…

「あのこと言うんでしょ!?」
「あのことって…? 小生まだ何も言ってないっスよ…?」
「ううん!私にはわかるの!あの事でしょ?私があれしてふたばがあーする…」
「??ひと何言ってるのかわからないっス…」

「ちょ、ちょっと二人とも!何の話しているの?
ひとはちゃんもまだふたばちゃんが何も言ってないのにダメって…どういうこと??」

「兎に角!ふたばは暫くの間、矢部っちとの会話厳禁!」

「そんなあ…意味わかんないよう…ひと…。」

(これは!…これはちょっとひどすぎるんじゃないか…!
姉妹間で口封じって……言論封殺?!
それは大変なことだぞ…教育上にも良くないよね…?
そうだ…これは教師として注意すべきことだ!
ひとはちゃんにはちゃんとこれはいけない事だと分かってもらうためにも…
ひとはちゃんの為…!ようし!)

「ひとはちゃん!幾らなんでもそれはひどすぎるよ!そんな権利は君には無いんだよ!
ふたばちゃんには言いたいことを言う自由があるんだ!
ふたばちゃん!気にせずに思う存分言いたかったこと言ってごらん。
先生がすべてを受け止めてあげるよ!さあさあ!」

「矢部っちがなんだかいつもと違って頼もしく見えるっス…」

(…いつも頼もしく見えてなかったの…ふたばちゃん…)

「だ、だめ!絶対言っちゃだめ!ふたば!!」
「むふー!矢部っち!それじゃ遠慮なく言わせてもらいます!」
「ふたば!!」
416やべひと☆2:2010/12/08(水) 22:32:36 ID:3dxOPJne

あのね、えっとね、今ね、ひとといっしょに矢部っちを主人公にした漫画を製作中なんスけど
ひとがストーリー書いて小生が漫画描いてそんで矢部っちをかっこよく描く予定でそれでそれで
出来上がったら矢部っちにプレゼントするんだけどでもまだひとがストーリー製作中で
どんなお話になるか小生もわかんないんだけど、でもきっとすっごくいいのが出来ると思うんだ
それで完成するまで矢部っちに秘密にしといてびっくりさせようってひとと約束したっス。
矢部っち、このこと話しちゃったことひとにはないしょっスよ?

はー!言いたいことおわりっス!スッキリシタッス!

「……だから言ったでしょ……先生。もう先生はふたばと今後一生会話するの厳禁です。
わかりましたか?」

「ううう…。分りました…。ごめんなしゃい…。ふたばちゃん約束は守らなきゃいけないよ…」

「はっ!しまったっス!!」
「…ふたばちゃん、いい加減にして!…とほほ」


もうふたばったら!折角の計画を台無しにして…!
先生を変態にしたエロエロ漫画を書いてそれを先生に読ませて
恥ずかしさでうろたえる姿を楽しもうと思ってたのに。
それまで誰にも言うなってあれほど念をいれたのに、あろうことか本人に言っちゃうなんて…
興ざめったらありゃしないよ。

セクハラどころじゃない破廉恥行為を生徒にするのが大好きなダメダメ先生…。
その行為の一部始終を正義の味方であるガチレンジャーに見つかって
自分の尊敬していたガチレンジャーにやっつけられちゃう…。むふー。
ああ、尊敬していた人に軽蔑され成敗されちゃうって…どんなに悲しいことだろう…むふうむふう!!

それでそれで栗山先生にもこの件で決定的に愛想をつかれ、校長先生にも呆れられ
教師の職を解かれ…私の家に転がり込んできて先生を餌付けする私…。
私の言いなりになる先生…。先生は私に逆らえない…。お風呂もいっしょ、寝るのも…。
むふーー!///

って、何考えてるんだろ私。馬鹿馬鹿///!!

もう漫画化はやめた。よってふたばとのタッグも解消。
やっぱりひとりで小説化にして楽しもう…。それで先生にも読ませて狼狽するの見て楽しもう。
417やべひと☆3:2010/12/08(水) 22:33:17 ID:3dxOPJne

「ふたば!もうこの計画無しだよ!」

「ううう。ひと…ごめんっス…つい我慢が出来なかったっス…」

「ひ、ひとはちゃん!あはは。なんだか僕を主人公にして漫画描いてくれるって…
それ楽しみだなあ!ね、考え直してつくってよ。僕をかっこ良く描いてくれるんでしょ?」

「いえ。もうこの話はなかったことに。気が変わりましたから。」

「そ、そんなあー。」

「ひと…。」


--------------------------------------------


「ただいま」

「ひと…今日はごめん…まだ怒ってる?」
「…もう怒ってないよ。」
「ほんとにほんと?」
「もう。しつこい。」
「じゃあ漫画の計画やりなおそう?」
「あれはやめたの。ふたばそんなに描きたかったらひとりで考えて先生に見せたらいいじゃん。」
「そんな…」
「何言ってもだめだからね。」トタトタトタ…

「ひと…やっぱりまだ怒ってる…。どうしたら機嫌直してくれるかな…」


<夜>


「ちょっと。あんたまだ勉強してるの?いい加減に早く寝なさいよ。」
「(ビクッ)あ、も、もう少しで終わるよ…。おやすみ。」
「おやすみ。」キョウハ ナニタベヨッカナー

ああびっくりした。
エロ変態小説書いてるなんてみっちゃんに知られたらとんでもないことになるよ。
杉崎さんや吉岡さんを通してクラス中に知れ渡るはず…そして宮なんとかとかいうあの人に
知れたら更にとんでもないことに…。

『三女…私は悲しいぞ。こんないかがわしいものを書いて恥ずかしいと思わないのか?
いいか。こういうもんは大人になってから楽しむものなんだ。
お前みたいなまだ子供以上に子供のような奴が背伸びしてそういうものを書いちゃいけない。
そんなんだからいつまで経っても友達と分かり合えない…クドクドなんたらかんたら…』

ああ!想像するだけでこっちが辱めを受けるよ!
これはもう極秘に制作するしかないね…。
418やべひと☆4:2010/12/08(水) 22:33:49 ID:3dxOPJne

--------------------------------------------


「うへへへへ!クラスの女子ども!矢部大先生の御成りであるぞー!
パンツを脱いで僕にくれくれなのじゃー!」
「キャー!矢部先生怪人が来たー!」
「へへへ。杉崎さんつかまーえた。さてさて自慢のエロエロパンツを頂こうかの…ぐへへ」
「い、いやああーーひとはーー助けてーー!」
「杉ちゃん!」
「なんでいの一番に私に助けを求めないのよ!馬鹿馬鹿!」

「待て!そこまでだ!矢部怪人!」

「ん?だれだ?僕のお楽しみを邪魔する奴は!?」

「ああ!ガ、ガチレンジャーの皆さんではないですか!サ、サインくらさいい!」
「サインを貰いたかったらそのような行為は即刻やめろ!さもなければお前を倒す!」
「そ、そんなあ。僕はパンツも好きだしガチレンジャーも好きなんだよぉ。
脱ぎたてホヤホヤのパンツはこんなに良い香りなのに。くんくん。
あ、杉崎さん。おしっこ行ってきたばっかりだね。ちょっと濡れてるしいい匂いだよ。ぐへへ」
「いやっ!いやーー!先生の変態ーー!」
「矢部っちー!そのパンツこっちによこしなさいよー!!パースッ!」
「馬鹿みつばー!あんたも変態ーー!!」

「ぬうう…こんな奴が俺達のファンだったなんて…もう許せん!みんな!行くぞ!」
「おう!」


『ガチフォース&フローズンコンビネーションアターック!』


「ば、ばかな・・・」


「ああっ!矢部っちが…白く…小さくなっていくぞ…」

「エロエロの心が…いやらしい心が…ガチレンジャーに嫌われてしぼんでしまう…。
僕の…負けだよ…」

「やったー!!さすがガチレンジャー!」
「変態エロエロ先生がいなくなってクラスが平和に!」
「矢部先生っていっつも私達のことエロい目で見てたからキモかったよねー」
「女口調だし」
「なよってたし」
「おっぱい星人だし!」
「いい大人がガチレンとか好きだったし」

『いい大人がガチレンとか好きだったし』

(この一行はやっぱりやめとこう…。削除。ケシゴムケシゴムッ)

変態矢部怪人がいなくなったクラスに平穏が訪れた…がしかし!
矢部変態怪人は消滅などしていなかったのだ!
このクラスの平和は本当にとりもどせるのか!!

--------------------------------------------
419やべひと☆5:2010/12/08(水) 22:34:25 ID:3dxOPJne

むふう。
今日はここまでにしておこう。
ちょっと話が構想と違う展開になったけど、ま、いイカ。
もう寝よう。

あ、みっちゃん。またおやつ食べかけて寝てる。
これじゃ誰だって太るよ。ダイエットという言葉はみっちゃんに一番ふさわしくない言葉だよ。
ほんと何考えてるんだか。理解に苦しむ。
ふたばは、あいかわらず鼻ちょうちんふくらませて…。
しんちゃんにそんな姿みられたら百年の恋もさめてしまうぞ☆
(あれ…?なんか誰かの口調に似てしまったような…)
420やべひと☆6:2010/12/08(水) 22:35:07 ID:3dxOPJne

--------------------------------------------


ふふふふ。ひとはちゃん。面白いもの見せてくれてありがとう…ふふふ。
なかなか面白かったよ。この作文。

あ、あれ?先生?なんでここに?

なんでここに…だって?
だってここは僕の部屋じゃないか?

あ、そうだ。ここは先生の部屋だった…。私寝ちゃってたの?

ああ。そうだよ。ね。ふたばちゃん。

ね!矢部っち!

ふ、ふたば!いつの間にここに…って…な、な、なんで裸///???

僕も裸さ。ほら。みてよ。僕のを。ほらほら。

///せ、先生!な、何をしてるんですか!!いい加減にしてください!
早く服を着て…///

服?僕達愛し合ってる最中なんだよ?服なんて要らないのさ。

矢部っち大好きー!

ふふふ。僕とふたばちゃんは晴れて結婚したのだよ。今から愛し合うところなのさ。
どう?ひとはちゃん。僕達のちちくりあうところ見ていくかい?
なんならふたばちゃんに挿入するところも見せちゃうよ?いいよね?ふたばちゃん。

うん!小生矢部っちのこと大好き!ひとはきらーい。

な…!!

だからひとをやっつけちゃうんだー!
ね、ね。矢部っちー早くいれていれてー!

や、やめて!ふたば!そんな馬鹿な事したらだめ…!

いいじゃないか。ひとはちゃん。僕とふたばちゃんは愛し合っている。
だからエッチもする。
ひとはちゃんは僕のことが嫌い。だからそこで見ているだけ。
なんにもダメなことはないよね?
ふふ。ひとはちゃんっていつも僕のこと馬鹿にしていたよね?
その度にどんなにこの心が傷ついたことか…。
421やべひと☆7:2010/12/08(水) 22:35:51 ID:3dxOPJne
ち、違う…!!
わ、私は…せ、先生と…その…あの…
ちょっと…ちょっかいをだしてみたかっただけ!
謝る…謝ります…。ご、ごめんなさい。
だ、だから…そんなこと止めて…お願い…。

ははは!
だってさー。ふたばちゃん。

ひとって勝手っス!もうひとが何を言おうが小生の心は矢部っちに首ったけっス!
ねえー矢部っちーはやくはやくー!

しょがないねーこの筋肉馬鹿は。じゃあ入れるとするかー。ぐぷっ。

小生は筋肉馬鹿小生は筋肉馬鹿ーあはぁあはぁ。

くうっ!はは…ふたばちゃんなかなかいい締りしてるじゃん…。ぐちゅ、ぐちゅっ…

いや…いや…やめて…先生…ふたば…

ふたばちゃんの子宮に僕のを注ぎ込むよ。見ててね…ひとはちゃん。

あ…あ…矢部っち…らいすきらよ…ああん…あ…あはぁ…。

はあはあ…ふ、ふたばちゃんと僕の愛の結晶が実を結ぶよ…ーーううっ!!

ふ、ふたばに先生をとられちゃう!…や、やめて…やめて…
ごめんなさいごめんなさい!私…私先生のこと好きだった…。
ううん!す、好きなんです…だからちょっかいばっかりだして…。
でもそれが先生を傷つけていたなんて…知らなかった…。
でもでももう取り返しのつかないことに…取り返しのつかない…

あああ…わああああああん!!!
422やべひと☆8:2010/12/08(水) 22:36:29 ID:3dxOPJne


冗談だよ。

え?

冗談っスよー。

??だ、だってさっき二人エッチを…。

でも冗談だって。ね。ふたばちゃん?
うん。矢部っち。

ほら。その証拠に。見て。僕達の愛の結晶。


ひいい!あ、赤ちゃん!??


ひと。この子に名前つけてくれるっスか?
かわいいでしょ?ね、ね、ね?

名前つけてくれるよね?ひとはちゃん。



い、いやあああああああ!!


--------------------------------------------
423やべひと☆9:2010/12/08(水) 22:37:12 ID:3dxOPJne


「夢…?……変な夢。」


今何時?夜中の2時…。
いやな夢…。
あれ…私泣いてる?…馬鹿みたい。

………。

変な夢見たのはあんなお話書いちゃったからかな…。

先生に会いたいな…。

…こんな時間、無理か。

………。

………。

書き直そう。

--------------------------------------------


「ひと。ひと!」

「うう…ん…。ハッ!ふ、ふたば!」
「机で寝ちゃって…風邪引くっスよ。」
「あ、…寝ちゃってたんだ。今何時?」
「5時っス」
「ちゃんとベッドで寝なきゃだめっスよ。小生はおしっこ行ってくるっス!」トテチテトテチテ


寒いな…。
でも、書き直してよかった。なんだか晴れやかですがすがしい気分。

けど先生には絶対見せられないものになっちゃった…///
ま、いいか。ひとりで読んで楽しむだけだし///

あ、ノート、ふたばに見られなかったよね…ちゃんと閉じてた…。よかった。
まだ起きるのに早いしもう少し寝よう。安心したらすごく眠い…。
424やべひと☆10:2010/12/08(水) 22:38:07 ID:3dxOPJne
「ふーすっきりすっきり。あれ?ひと、もう寝たの?」

「スー…スー…」

ひともう寝ちゃってる…。
いつも家事とかいろいろで疲れているのに小生が馬鹿だから
ひとに迷惑かけてばっかり…。ごめんなさい、ひと。
何かお役に立てることが出来ないかな…。
ん?このノート…さっきひとが寝ている下にあったのだよね?
どんな勉強していたのかな…どれどれ…?

!!!

こ、これは!!
ひと、やっぱり矢部っちの漫画化計画諦めてなかったんだ!
よーし!ひとが起きるまでに超速攻で漫画完成させるっス!
むふーむふー!ひとに褒めてもらう為にがんばるっスよー!
425やべひと☆11:2010/12/08(水) 22:38:46 ID:3dxOPJne

--------------------------------------------

≪6年3組 教室 休み時間≫


「先生」

「ん? あ、ひとはちゃん。また机の下?どーぞ。」
「今日はずっとここにいます。」
「まあいいけど…。授業中はだめだよ。」
「だめですか?」
「だめに決まってるでしょ!」
「冗談ですよ」
「またー」

「矢部ーっち!」

「わっ!ふ、ふたばちゃん…あ…」

「ん?矢部っち何書いてるんスか?なになに…?」

「<ひとはちゃんがつくえの下にいるのでふたばちゃんとお話したら
先生ひとはちゃんにおこられちゃいます>…か。」

「んーんー!しーしー!!」

「<こえだしてよんじゃだめでしょ!!ひつだんなのに意味ないじゃん!>…スか。ふむふむ…
あ!矢部っちごめんっス!声に出して読んでしまったっス!><」

(ああー!ひとはちゃんに怒られちゃうよーー!!)


「もういいですよ。冗談ですから。」ヨッコラショ
「えっ!ひとはちゃん…本当??」
「先生と生徒のコミュニケーションを阻害する権利を私が持ってるとでもお思いですか?
教師として大人としてちょっと考えれば冗談だって気付くはず」

「ひと!優しい!矢部っち、許しが出たのでひつだんの必要なくなったッスよ!」
「そ…そうだね…ううう」

ああ、また憎まれ口をたたいてしまった…。
なぜ私はこうも素直じゃないんだろう…。
426やべひと☆12:2010/12/08(水) 22:39:25 ID:3dxOPJne

「あ、矢部っち!漫画完成したっスよ!読んで読んで!」

えっ!?漫画?ふたば何時の間に…。
ふたばが自分で考えて漫画描くなんて…。ま、ふたばのことだからおっぱい漫画の類なんだろう。
私には関係ない。やっぱり自分の席に戻ろう。

「わー。うれしいなふたばちゃん。僕が主役?かっこいい?」
「もちろんっス!」
「楽しみだなー。じゃ早速読ませてもらうよ。どれどれー?」
「ちょっと矢部っち、何見てんの?私にも見せなさいよ。」
「(スキ有り!ピロリロリン!)」
「わあ!ふたばちゃん。今回はすごく乙女チックな絵だねっ」
「へえー。ふたばのこういう絵はめずらしいな。なかなかうまいじゃないか。」
「内容に合わせたらこんな絵柄になったっス!」


(漫画を読書中)


「………」


「/////////」


「これって…><///」
「こ、これ…ふたばのオリジナル///?」
「ストーリーはひとっスよ?」
「三女!やっぱりね。でもこれ…///」
「三女さん…><///」
「ブフッ!」(ナニコレひとは笑える///)
「これって僕だよね。ちょっとかっこよすぎかなぁ。えへへ。」
「一応矢部っちを想定して描いたっス!いつもの3倍増のいい男で!!」
「3倍増しって…。でもこのガチピンク、ちょっと子供みたいな感じだね…。

(胸は大きいけど…ひとはちゃんに似ているような…)

「これひとはに敬意を表して、ひととガチピンクを足して2で割った感じをを想定して描いたッス。
ひとが喜ぶと思って。」
「やっぱり!!じゃあ…ひとはちゃんと僕が…///もうふたばちゃん…かんべんして…。」
「?」
427やべひと☆13:2010/12/08(水) 22:40:03 ID:3dxOPJne

ん?なんだかさっきからあの集団の視線がチラチラとこちらに向けられているような?
気のせいかな?
でも、ふたば、どんな漫画を描いたのだろう?
あんまり面白くないのかな?誰も笑ってない。
みっちゃんだけがなんだかうれしそうだけど。

「ね、矢部っち。面白く…ない?小生の漫画…」
「あ、そ、そうだね…い、いやそんなことないよ!え、絵はうまいよ絵は。ははは…」
「みんなは?ね、ね、どうだった?」
「傑作傑作!」ブフォッ
「素敵だったよー///><」
「まあ、なんだな。面白いとか別にして三女がナルシストっていうのは良く分かった。」
「やっぱり三女もこういうこと夢見る普通の女の子だったって事?」
「ま、ちょっくら声でもかけに言ってくるかな!原作者さんに」
「私もっ」

「三女」
「何?」
「お前って意外と…乙女なんだなっ☆」
「は??おとめ??」

「三女さんっ><///」
「な、何??」
「やっと決めたんだね!一時はどうなることかと思ったけど…龍太君とか…。」
「龍太??決めた??」

な、なんなの??
みっちゃんと杉崎さんはこっちみてなんだかニヤニヤしてるけど…。
このわけの分からない会話はあのふたばの漫画が原因?気になる…。
ちょっと見て確かめてこよう。
428やべひと☆14:2010/12/08(水) 22:40:39 ID:3dxOPJne

「矢部っち…これひとに見せたら喜んでくれるかな?」
「え…?これひとはちゃんに見せてないの?」
「うん。勝手にひとはのノート読んで描いたから、まだ言ってないッス。」
「そう…。もしかしたらこれ書きかけかもしれないよ?
この後きっとまだ何か新たな展開があるんだよ。
だから見せるの止めといた方がいいと思うよ…未完成なのに描いたってきっと怒られちゃうよ。ははは…」

「怒られる!?ガーーーン!!」

「ふたば!」

「ビクッ!! ひとっ!」

「それ私にも見せ…」

「だめっす!!まだひとには見せられないッス!
漫画をなめたつもりはないけど、短時間でひとを喜ばせようとした魂胆が浅はかだったっス!!
修行が足りなかったっス!書き直し書き直し!!」

ビリビリビリビリッ!!

「あ、ふたば…!」
「ふたばちゃん!…」セッカクカイタノニ…
429やべひと☆15:2010/12/08(水) 22:41:16 ID:3dxOPJne

--------------------------------------------


「ただいま」

「ひとひと!もう一回小生にチャンスをいただけないっスか?」
「チャンスって…なんのこと?」
「だから今日矢部っちに見てもらったあの漫画っスよ!
矢部っちにダメだし食らっちゃったんス…ひとに怒られるって…。」

「私が怒る…?」

「でも今度はちゃんと時間をかけて矢部っちに、そしてひとに大絶賛していただくものを描くっス!
だからあのノートの物語、完成したら教えて欲しいっス。」

「……え?どういう意味?」

「今日の漫画、ひとが昨日一生懸命書いていたあのノートの物語を今朝急いで小生が描いたんすよ。」

「……………」

「今度はちゃんと描くっス!ひとの書きたかった世界を一つ残らず再現してみせるっス!!」ムフー!

「………もうあっちいって」

「え?あ、そうっスね。ひとの執筆活動のジャマっすよね。じゃあがんばってね!」


アレを見られてしまった…しかもみんなに…。
どうしようどうしよう…私の人生…これで終わり…?
人生におさらばする時がとうとう来てしまったのか…思えば短い人生だった…。

あれ続きなんてないのに……。

続き……あ、そうだ…!


--------------------------------------------
430やべひと☆16:2010/12/08(水) 22:41:48 ID:3dxOPJne

「あれ?今日三女は?休み?」

「まあね。なんだか具合が悪いんだってさ。
きっとこっそり自分だけ何か変な物つまみ食いでもしたのよ!自業自得!いいきみ!」

(つまみ食いって…食い物の事で何かあるのはおまえの専売特許だろ!
姉妹のくせに三女の何を理解してそういう憶測を…ありえんだろ、三女がつまみ食いって。)

「ああ…みつばって馬鹿だよな…。」
「宮ちゃん?みつばちゃんが何って?」
「い、いや!まてよ?学校での態度とは裏腹に、
もしかしたら家での三女はつまみ食いとかそういうことをするおちゃめな子なのかもしれない…」ブツブツ…

(宮ちゃんが独りで何かぶつぶつ言ってる…>Δ<)

「み、宮ちゃん!そ、そういえば昨日の三女さん原作のふたばちゃんの漫画、すごかったね///
短かったけど超ラブラブロマンスだったよ!」
「あ、あのふたばの漫画? 少女趣味なガチレンジャーのパロディーといった感じだったな。
あれは三女一流のギャグなのか?」
「違うよー宮ちゃん!><ラブストーリー全開の本格恋愛ものだよ!///」
「そうか?でもガチレンジャーのパロディーにしちゃもう一つだったんじゃないか? 三女らしくない。」
「だからガチレンがメインテーマじゃないんだってばー><」
431やべひと☆17:2010/12/08(水) 22:42:26 ID:3dxOPJne

*****************************************

薄暗い雨の午後三時。
紅茶を飲みながらふと窓の外を見るとひとりの男性がずぶぬれになって倒れていた。
私の手から離れたティーカップは床に接吻しその愛の身代わりに、今頃、己の身を散乱させていることだろう。
その叫びしか確認できなかったのは私はすでに外へ出ていたから。そしてその男に駆け寄っていた。

「先生!」

二十歳過ぎのその男は、まだ少年のようなしなやかで華奢な身体を有していたが
しかしやはり少年とは明らかに違う成人の佇まいを発していた。
所々服が破け血と泥まみれになったその身体を私は強く抱きしめた。

「先生…。ごめんなさい。私のために…。」

「ははは…ピンクさんか。このぶざまな俺を笑ってくれ…う、うう!」
「だめ!だめよ!喋っちゃいけないわ!今お医者様を呼ぶから…」

「ガチレンジャーはやっぱり強かった…。敵ながら、熱い情熱を感じてしまったよ…。
これにピンクが加わっていれば俺は瞬殺されていたかもしれない…。身も心もな…。
俺は強運の持ち主だ…はは。その最後の運を使って…
お、俺も…ゲスラゴンのように…なれ…る…か…な…」

ガチピンクである私は敵である「先生」に恋をしてしまった。
でも先生は味方を裏切ってそして私の仲間とも戦って傷ついた身体で私の元へ来てくれた。
ガチレンジャーの仲間は、だまされているんだと私を諭し、
結束力に影響するからと私はこの戦いから外された。
外されたことはよかった。この人とは戦いたくないのだもの。

けれどもこんな澄んだ目の…いえ、私には判る…心も澄み切った誠実な人間の目を、
敵の住人だからという理由だけでみんな分ろうとしないのはどういうことなのだろう。

目を見て! 先生の! みんな!

まるで私を病人扱いにでもするようにこの屋敷に隔離して
先生に合わせないようにするなんて…何てひどいのことするの…みんなこそ目を覚まして!
432やべひと☆18:2010/12/08(水) 22:43:00 ID:3dxOPJne

以前の仲間からも私達の仲間からも愛されていない先生。
心の拠り所がないことのなんて悲しいことよ!
その悲しさを今まさに私も思い知らされている。
だから先生の居場所は私がなってあげる。
私が守らなければ。私が…。

「暫くこのまま安静にしておれば2、3日で体力は回復するでしょう。
あたたかいものでも食べさせてあげなされ。」

部屋から出て行くお医者様に礼を言い、私は再びベッドに寝ている先生を見つめた。

私は彼と戦ったこともあった。
この美しい顔に傷をつけたこともあった。
死ねばいい!と思ったこともあった…!
そう…あの時の私の一撃がもう5センチ右に入っていたなら、
この人は確実に即死していた…!私はこの人を殺めていたかもしれない!!

思い出しただけでも自分のしたことに身震いがする。
その恐怖を取り払う術が見当たらない私は気がつくと唇を先生の唇へそっと重ね合わせていた。
あたたかい…。
安心した私は寄り添うように彼の寝ているベッドの端で膝まづき瞼を閉じた。

先生……


*****************************************
433やべひと☆19:2010/12/08(水) 22:43:30 ID:3dxOPJne

<次の朝>

「三女さん!おはよう!」
「お、おはよ…」
「もう大丈夫?お腹?」
「お、お腹?」
「だって食あたりだったんでしょ?」

(吉岡っ!お前はみつばの言うことを鵜呑みにしたのか!?)

「誰がそんな…(ま、いいや。仮病だし。適当にあしらっとこう)うんうんそうそう食あたり。」

(なにー!!?三女やっぱり変なもの食ったんだこっそりとー!なんてこったい!)オチャメダッタノカ!

「ところでさ、昨日あの…ふたばちゃんの漫画みたんだけどあれ……」
「あれは未完成だよ!」
「え!?えっと確かにまだ続きがありそうな感じで終わってたけど…
そっか!あの後二人はそのあの…きゃっ!はずかしいよー><///」

「続き書いてきた。ムフー! もちろん漫画じゃないけど。ぜひみんなで読んで欲しい!」
「えっ?!続き…><///」

「お、三女。もう大丈夫か?お前が食あたりするなんて。
ちゃんと冷蔵庫とかの管理を怠っちゃダメだぞ。そうだ!いいこと教えてやるよ。
『賞味期限』はこの日までおいしいっていう期限で、
『消費期限』はこの日以降それ食わんほうがいいぞっていう期限だからな!
覚えとけよ☆」

「!!」
(それぐらい知ってる…こんな悔しさ味わったの初めてだよ…。食あたりなんて理由止めとけばよかった…。)

 ギヌロ

「(な、なんだよ!人が折角心配して教えてやったというのに…!)」
434やべひと☆20:2010/12/08(水) 22:44:03 ID:3dxOPJne

「宮ちゃん。三女さんがこの前の漫画の続きの物語書いてきたって!」
「なんだ三女、学校休んでそんなもの書いてたのか。しょうがない奴だな。」
「あ、三女。もう大丈夫?」
「う、うん。」
「大丈夫って、こいつはね仮病だったのよ!ずる休みよ全く!」

「仮病じゃないよ」
「な!…あんた昨日私帰ってきたらケロッっとして部屋でなんか書いてたじゃない!」
「そんなことないよ。寝てたよ。食あたりだよ。
丈夫なみっちゃんに食べてもらおうと思ってた消費期限切れのおかずを
やっぱりみっちゃんに食べさせるのは忍びないと思って自分で食べて食あたりだよ。」
「消費期限…?そんなのちょっと過ぎたぐらい大丈夫なんじゃないの?
っていうか、ケロっとしてたわよ!!そんで何か書いてた!」
「じゃあ、そういうことでいいよ。それよりこれこの前の続き出来たから読んで。」

(なに…この敗北感は…!)

「わあ!楽しみだなー!ど、どんな展開になっているんだろう><///」
「まあ、読んでやるか」
「どれどれー?」
「(やっぱり…!これ書いてたんじゃないの…!!)」
435やべひと☆21:2010/12/08(水) 22:44:36 ID:3dxOPJne

*****************************************

「ん…。」

「お目覚めですか。先生。具合はいかがですか?」

「ああ、ピンクさん。僕は…僕は生きている?」
「はい…。もう大丈夫です。」
「よかった…。でも君に迷惑かけてしまったね。すまない…」
「いいんです。先生。今あったかいスープお持ちしますのでちょっと待っててくださいね。」
「ああ。ありがとう」

厚いカーテン越しでも外はもう晴れているのがわかる…。
暖かい部屋。
柔らかい毛布。
ふかふかのベッド。

こんな優しい扱いをされたのは生まれて初めてだ。
僕は…
ピンクさんが好き…。
もうこの気持ちは変わらない。
昔の仲間のところへは戻れない…戻りたくない…。
この幸せがいつまでも続きますように!

「先生。」

「ん…」

「スープが出来ましたのでどうぞ飲んでください。」
「ああ、ありがとう。頂くよ。」
436やべひと☆22:2010/12/08(水) 22:45:14 ID:3dxOPJne


「!!」


「ふふふ。どうですか先生。お味のほうは…?ふふ」

「ガ、ガチピンク…おまえ…」

「そうよ!それは身体全身痺れさす薬入りスープよ!
私をだまして私達を倒そうって魂胆でしょうけどそうは問屋がおろさないんだから!」

「い、いや…違う…」


死ねぇぇえええーーー!!!


「ぐわあああーーー!」


「よくやった!ガチピンク!」

「レッド!!みんな!」

「こいつは俺たちの仲間にはいってスパイ活動をするつもりだったのだろう。ゲスラゴンに聞いてわかったんだ。」
「姉さん!こいつはおっぱい星人だから姉さんを狙ってたんでゲスよ!たぶん!」

「危ないところだったわ…。」


こうしてガチピンクと世界に平和が訪れたのだった。


xxFINxx

*****************************************
437やべひと☆23:2010/12/08(水) 22:45:44 ID:3dxOPJne

「……」

「これ、いろいろとひどくね?」

「三女さん、これ…><」

「…ガチレンジャー…悪者?」

「毒盛って敵やっつけるって…最低じゃん…」

「世界平和の為ならそういうこともあるんだよ?」
「いや、てか…こんな感じなのか?ガチレンジャーって?」
「ち、違うよ!こんなのガチレンジャーじゃないよー!
しかも前回までのラブラブストーリーがなんでこんなんになっちゃったの!
三女さんは矢部っちのこと嫌いになっちゃったの!?」

「好きか嫌いかといえば………き、嫌い」

「えっ?そうなんだ…矢部っちふられちゃった…」

「不評みたいだね。確かにこんなガチレンジャーありえないよね。
それじゃこれはなかったこということで。」

ビリビリビリビリッ!!

「あ、三女さん…!」


--------------------------------------------


「矢部ーっち!」

「あ、ふたばちゃん。」

「漫画完成したっス。」
「あ、この前の続き?」
「それが…ひとがあれは失敗作ということで新たにストーリー考えたのを漫画にしたっス」
「ああそう…。(そのほうがいいや…あの後の展開、ちょっと教師として怖いよ…。)」
「これっす。」
「どれどれ」
438やべひと☆24:2010/12/08(水) 22:46:15 ID:3dxOPJne

「………」

「…………」


「なにこれ?」
「ごめん。矢部っち。」
「何で僕が杉崎さんのパンツ剥ぎ取って匂いかいで悦んでるの?なんで?」
「知らないっス。ひとに聞いて欲しいっす><」
「しかもよりによってガチレンジャーにやられちゃうなんて……ひどい、ひどすぎる…かわいそうな僕、うう」
「矢部っち…」
「ううう…もうほっといて!」


「あれ?矢部っち、なんだか落ち込んでるよね?」
「三女さんに振られたからかな?><」
「おい…いつ先生が三女のこと好きって言ったんだ?」

「っていうかひとはもなんだか落ち込んでるみたいだけど?」
「ええっ!っていうことは三女さんも矢部っちにふられちゃった…?」
「…お前、もう少し頭の中整理して発言しような…」

「まあ、似たもん同士ということで案外お似合いなんじゃないの?あの二人。」ピロリロリン!
「…って言いながら私のスカートの中に携帯突っ込んでんじゃないわよ!」
「わーなにー?このダっさいパンツー!幼稚園児?恥ずかしー!あははははー!」
「ちょっ!馬鹿馬鹿!待ちなさいよこの変態!さっさとその画像消しなさいよー!」
「あの二人もお似合いだよな…」
「だよね…><。」


先生…ごめんなさい…。


≪END≫
439やべひと☆25:2010/12/08(水) 22:47:01 ID:3dxOPJne

<後日談>

「ひと」
「何?」
「あの、最初の漫画の一番初めの場面で、ちょっとわからない所があったんスけど」
「どこ?」
「なんでティーカップが床にキッスして叫ぶんスかね?」
「………。そこどういうふうに漫画で表現したの?」
「普通にティーカップがギャーって叫んでこわれちゃう…」
「………へぇ、ティーカップって普通にギャーって叫ぶの?」
「だってひとがそう書いてたから…」
「………(もういいや、どうでも…)それでいいんじゃない?」

「ええっ!やっぱりあの場面、そーだったんだ!三女さん!><」
「よ、吉岡さん!?」
「ははは!だから言ったろ?あの漫画は三女一流のギャグなんだって!」
「ち、ちょっ!!」
「三女さん!あれは良くないよ!折角のシリアスな場面にあんなふざけた表現使うなんて!
興ざめだよ!><」

(もういや……助けてガチレンジャー…)


<おわり☆>



お付き合いいただきましてありがとうございました。
440名無しさん@ピンキー:2010/12/08(水) 23:04:28 ID:f5W40PI3
乙です。矢部ひとは久しぶりなので、不足分を補充できました。にやにや。
三女さんなら確かに色々妄想を膨らませているかも。
そしてそれを容赦なく漫画化してしまうふたばもいい感じです。

それにしても、一時期過疎っていたのがだいぶん盛り返してきましたね。
2期に向けて人が戻ってきたのかな?
441名無しさん@ピンキー:2010/12/09(木) 08:34:40 ID:9vSZ1CUg
>>379
>文字だけの同人誌ってあるんですかね?
ありますよ。
442439:2010/12/09(木) 13:22:50 ID:ISD8ZeR4
>>440
ご感想ありがとうございます。
にやにや成分補充いただけたということで当方もホッとしております。
1ヶ月もかかってようやく出来上った次第です…。書くの遅すぎですね…。

自分自身ひとはに関しては、皆さん書いておられますし、
特に彼女でSS書こうとはあんまり思わなかったのですが、
時勢?に乗っていざ書いてみるとなかなかいじりがいのある子、
だというのがよく分かります。

外面のクールさを装いつつ、内に秘めた、非常に少女というか子供全開の性格は
とってもかわいいですよね。
それプラス、しっかり者で、「優しいけど頼んない男」も嫌いじゃないと、
もう男(&おっさん)心くすぐりまくりです。
それともうひとつの魅力、「墓穴を自ら掘る」ですかね。
まあみっちゃんもそうなんですが、ひとはだとクールで大人っぽい分
よりその魅力が際立ちます。
のりお先生も良いキャラに育て上げましたね。すばらしい。

アニメ、早いもので来月からですね2期。楽しみです><
443名無しさん@ピンキー:2010/12/09(木) 16:17:04 ID:aWgcxY4e
あえて言わせてもらおう。杉ちゃんかわいいと。
真っ先にひとはに助けを求める杉ちゃんかわいいよかわいい杉ちゃんかわいいかわいい
444ガンプラ:2010/12/09(木) 17:42:04 ID:pF5wHFem
読み返していたら、致命傷でおかしな点があったため、
差し替えさせてください。
一つは、>>239 ふたば帰宅が20時前としても、みっちゃんがバイト行くのはおかしい…。
もう一つは、>>385 単純に一行目が抜けていました。

細かいのはわかっているんですが、私はこういうのがひたすら気になるので…。
445太陽のちょんまげ2差替:2010/12/09(木) 17:44:03 ID:pF5wHFem
――――――――――


「ただいま〜」

やっと家に帰ってこれた。
あの後も声がカタイとかいろいろ言われて何度も撮り直したせいで、いつもの10倍疲れちゃった。
今日の晩ごはんはなんだろう?

すんすん。

うん。この香りは…

「ひと、今日はシチューだね!……あれ?みっちゃん?」
「あら、お帰り。さっさと手ぇ洗って来なさい」

おなべの前に立っていたのは、エプロンを着けたみっちゃんだった。

「あれ〜?おいしそうな匂いがするのに、何でみっちゃんなの?」
「どーいう意味よ!?あたしがおいしそうな料理作ってちゃおかしいっての!?
ったく。ひとはは童貞の所よ。
パパが帰ってくる前には戻るって連絡あったわ。まぁ、ギリギリまであっちに居たいんでしょうね。
はぁ……。
そりゃ、こういう事も有ると思ってバイトの曜日はずらしてあげてるけど、何度も使える手じゃないし…。
童貞も、ヤる事ヤったならヤったで、覚悟を決めてとっとと挨拶に来るなりしなさいよね!
まったく!いつまで経ってもヘタレなんだから!!」

ひとはは矢部っちのところらしい。

小学校を卒業してからも、ひとはは毎週矢部っちの部屋に行っていたけど、これまでは晩ごはんの支度前には必ず帰ってきていた。
でも、高校2年生になったこの春からだろうか?
今日みたいにパパが遅くなる日は、門限ギリギリまで帰って来ない事が何度があった。
決まった曜日以外に矢部っちの部屋へ行く事も。
小生だってもう高校生だ。何をしているのかは大体ワカル(でも、みっちゃんは『童貞は一生、童貞でいい』だって)。

パパにウソをついているようで心が痛いけど、ひとはの喜んでいる姿を見ると、黙っているしかないとも思う。
小生には、これ以上ひとはの……。

「ほら!あんたもぼーっとしてないで、手ぇ洗ってお皿運んでよ。
こないだみたいに、まとめて割らないよう気をつけなさいよ」

みっちゃんも、中学の終わり頃から家のお手伝いをするようになった。
それに、高校からは駅前のファミレスでアルバイトも。ケータイ代といくらかの洋服やお化粧品代以外は家に渡している。

約束のためだ。

…そう。みっちゃんと小生は、高校に上がる前に一つの約束をしたのだ。


……でも、小生にはお手伝いもアルバイトも出来ない。分かってる。


だから少しでも役に立てるよう、取材の話は出来る限り受けたいってカントクにお願いした。
髪形もガチピンクの真似にして、少しでもTVの人の目に留まるようにした。


いつまでも、自由に遊び回る、小さな女の子ではいられない。分かってる。

446太陽のちょんまげ59差替:2010/12/09(木) 17:45:52 ID:pF5wHFem
「いいよ。もっとギュッとして?」

その言葉を聞くや否や、俺はふたばの背に腕を回し、全力で抱きしめる!

「わひゃっ!?」
ふたばが驚きの声を上げる。普段なら案配を確認するんだろうが、今の俺はそれどころじゃない。

「うむぐぅ…」
顔の全てが乳房に埋まった。このままでは窒息だ。だから、
「ぶふ〜。ず〜」
正面から顔を押し付けた事で、胸の谷間にわずかに出来た隙間から無理矢理息を吸う。呼吸の度に変な音がする。

息苦しい。恥ずかしい。

でも。ふたばの谷間を通った空気は甘く化学変化するように感じられて、とてもじゃないがやめられない。
背に回した腕からも滑らかな肌触りと心地良い弾力が返って来て、さらに力を込めてしまう。
加わる力に合わせて千変する悦楽をもっと味わいたくて、頭を押し付けたままグリグリと動かす。

…って、アホか俺は!これじゃまるで変態…でもいい!もうとんでもない変態でもなんでもいいや!!
「ぶ〜!ずすぅ〜〜!」
「んやぁ、待っ!しんちゃ、じゃなくて信也!待って、落ち着いて!!」

ぴたり。やめる。

「……あふぉ、ふぉっふぉだふぇ。ずひゅ〜!」
やっぱ無理。やめられない。

「ちょっ!ぁぅん…っ、ほんとに落ち着くっス!」
ふたばが抱き付く俺の肩を捕み、ぐいぃっとすごい力で無理矢理引き剥がす。

「はぁっ、はぁっ、かはっ、はっ…、はあぁ……」

興奮と酸欠でぼうっとしていた頭が、徐々に晴れてくる。

………………………。

「落ち着き、ました」
「よろしい」

格好悪ぃ…。
447ガンプラ:2010/12/09(木) 17:49:34 ID:pF5wHFem
後者のようなドジはたびたびやってしまうなぁ…。

そろそろ全体の整合性が取りにくくなってきた…。
モチベーションが回復したら、まずネタ帖の整理からやろう。

>>441
あるんですね!
作られておられる方々に失礼な事を言ってしまいました。

ただまぁ、私は今回の差し替えにあるよう、自己満足で書いてる落書きなので、
本にするようなレベルじゃないです。
448439:2010/12/09(木) 21:16:43 ID:bTb1Df3u
>>447
ガンプラ氏、ネタ帖つくってるんすね…。すごい…。
当方思い付きでPCのメモ帳にねちねち書いては消しの連続で書いてるですよ。
>>443
杉ちゃんかわいいですよね。
5巻87卵性「彼女が死んじゃった?」で、いつも強がってるけど、
この子は吉岡、宮下がいないとダメなさびしんぼなんだなーってキュンっとなりました。

あと私のSSでは杉ちゃんは基本的に、ひとはには優しく接するようにしてあります。
これは8巻151卵性の「水の中のナイト」でもう杉ちゃんはひとはには頭が上がんない
と感じたからで、みつば以上に友達の絆を深めたんじゃないかなと。
でも、知り合った頃はひとはに対して「ひいぃ!」なんて言ってたんですよね。
その反省もしているということも含んで。
杉ちゃん悪い子だ…ひとはに謝んなさい…あはぁあはぁ。
449439:2010/12/09(木) 21:19:40 ID:bTb1Df3u
わっ…あげちゃいました…。すみません!><
450名無しさん@ピンキー:2010/12/09(木) 22:13:38 ID:KTMSwaqa
面白かったけど二つほど気になった点が

・ひとはが矢部っちと呼んだ
・ひとはが語尾にジャンを使った

今のところ原作でそういった言葉使いはしていなかったはず
451439:2010/12/09(木) 23:43:03 ID:bTb1Df3u
>>450
うむむ?そんなの書いたっけな…と見直してみると
…ありましたね、ひとはの「矢部っち」と「じゃん」が。
ご指摘ありがとうございました。

>>415の「兎に角…」と
>>417のふたばに対して自分でかけばいいじゃん!って箇所ですね…。
確かにこの二つのワードはひとはには似つかわしくないです。
特に「矢部っち」というのは違和感ありありです。
気をつけてはいたのですが甘かった…見直しが…。
なんで書いちゃったのだろう!><
修行が足りませんでした!出直してきます!
452名無しさん@ピンキー:2010/12/12(日) 01:37:16 ID:WZh3Jn8Z
なんだか杉&ひとはで何か書きたくなってきた。
けど具体的には何書くかはまだ何も思いつかないけど。
また1ヶ月後とかかな?
453名無しさん@ピンキー:2010/12/12(日) 20:28:23 ID:o500wSx8
クリスマスが近づいてきて頭の中は三十路こと海江田先生でいっぱいなんだが
ここじゃあ需要ないんだろうか
454名無しさん@ピンキー:2010/12/12(日) 20:33:44 ID:iZl7LD4f
あたしも・・・佐藤姉弟とか読みたいなっ☆
455名無しさん@ピンキー:2010/12/12(日) 20:33:44 ID:WZh3Jn8Z
クリスマス&三十路
いいじゃなイカ!
456名無しさん@ピンキー:2010/12/12(日) 22:01:30 ID:Vo5BQ+Mv
クリスマスでも当然、朝まで一緒に過ごす矢部ひと
457名無しさん@ピンキー:2010/12/12(日) 22:02:57 ID:QjLpSV0j
>>453
需要はあると思うよ。だから遠慮なく供給するんだ!
458名無しさん@ピンキー:2010/12/12(日) 22:24:51 ID:252Ut6AC
>>456
ひとは「クリスマスイブも家で一人ですか。本当に寂しい人ですね」
矢部「それは君も同じじゃないの!?」
459名無しさん@ピンキー:2010/12/12(日) 22:50:52 ID:bh9s+9XC
容量的にそろそろ次スレをたてるべきではなかろうか
460ガンプラ:2010/12/13(月) 22:25:51 ID:ikdQ5D7U
>>448
>>415を読んでいると、私も矢部ひとが書きたくなりました…。
正直、ふたばを書くのに飽きてきました(←おい!!)

私のやっているのは、エロパロとは名ばかりのほぼオリジナルなので、
大まかに設定を固めておかないと後で泣きを見るので…。
すでに見まくってますが。

各人の身長、容姿、スタイル、学校、ケータイ有無(とその理由)、
週間行動パターン、基本スタンス(および、それに至った理由)

を大雑把に決めています。というか、それを決めるためにふたば編をやってます。
書きながら思いつくタイプなので。すでに出しているところでは、
しんちゃん=170cm⇒171cm ふたば=166cm 等。
特に行為を描写する際、身長を決めておいてよかったと痛感しました。
また、今後一切表にでないところでは、
宮=ケータイ無し:持てる理由がない。
松=ケータイ有り:首輪代わりに親に持たされている。5分以内に取らないと小遣い無し
って感じで。

ところで、みなさん『矢部っちの身長』って、どのくらいだと思います?
私は173cmかな?と。
原作では160台かと思ってましたが、アニメを見ると校長や栗山っちとの差で、結構高そうかと…。
でも175には届かないほうが矢部っちらしいかな〜辺りで決めました。
461名無しさん@ピンキー:2010/12/13(月) 23:06:27 ID:GWloxgXC
矢部っちは170〜171p、くらいのイメージですね。
157卵生だと、海江田先生とほとんど身長に差がないみたいですし。
海江田先生が長身としても、せいぜい167〜168センチくらいではないかなぁと。
蛇足ですが、栗山先生は平均的に160〜163くらいだと勝手に思ってます。
462名無しさん@ピンキー:2010/12/14(火) 12:16:59 ID:lalLlVox
463名無しさん@ピンキー:2010/12/14(火) 22:23:56 ID:NjsRdHrH
>>462
乙です
464名無しさん@ピンキー:2010/12/15(水) 19:45:25 ID:E6clCm5V
駄文で埋めるかと思ったが、コミックス派なんでエネルギー切れ…
小ネタすら浮かばない
465名無し@ピンキー:2010/12/15(水) 23:03:03 ID:BEDrMVte
し「…」

み「…な、なにか話なさいよ…」

し「えぇ!?いや急に言われても…」

み「な、なによ」

し「(重い!空気が重い!)」

み「な、なんなのよ!」

し「いや、あの…重い…」

み「どーゆー意味よ!?」

し「!?」

なんとなく埋めネタ
466名無しさん@ピンキー:2010/12/16(木) 12:54:02 ID:kvoQMI7C
>>464じゃあ君はようやく判明した佐藤姉の名前を半年近く知らないで過ごすのかい?
467ガンプラ:2010/12/16(木) 16:28:27 ID:xYoGw3nI
あぁ、なんだかまた中途半端な予感…。

できればこのスレが消える前にふたば編を終わらせたいけど…
99%無理です。
すみません。
468名無しさん@ピンキー:2010/12/17(金) 11:13:54 ID:MPN6oDe+
>>466
なあに、いざとなったら情報だけ調べる手もある
469名無しさん@ピンキー:2010/12/17(金) 23:34:44 ID:ebqKCH6B
あぁ、埋めネタはいいものだ…。お久しぶりのいつも通りの人です。

では矢部ひと短いですが、投下いたします。ちょっとオリジナルの人でるよー。
470名無しさん@ピンキー:2010/12/17(金) 23:36:09 ID:ebqKCH6B
「智、来たわよー!」

ここは先生の部屋。私が先生に寄り添ってチクビと遊んでいると、闖入者が入ってきた。

「「…えっと…」」

私の目の前で私と同時に絶句しているこの中年の女性は…ひょっとして。

「母さん!来るなら先に連絡してよ!」

やっぱり…。ここは先手を打つべきだ。

「息子の部屋に来るんだから、それぐらいいいじゃないの。ところで…このお嬢さんは?」
「初めまして、矢部先生の生徒で、丸井ひとはといいます、お義母様」
「あら、丁寧な子ね」
「ちょ、ひとはちゃん!?」
「何ですか?」
「いや、おかあさまって…」
「先生のお母様だからそう呼んだだけですよ?」

無論別の意味を込めているが、先生には言わない。多分、伝わる人には伝わるし。

「智…あんた、犯罪よ?」
「母さん!だからこの子は生徒だってば!」
「でも普通、一人暮らしの男の部屋に女の子なんて来ないわよ?」

最もだ。私も先生以外の男の人の部屋なんて行かない。
そしてだからこそ、この人は感づいているだろう。ならば確信にしておこう。

「あ、それはクラスで飼っているハムスターと、私が遊びたいからです。
休日は先生の家で預かってもらっていますので、こうやって『毎週』通っています」
「…あら。あなたのほうはそうなのね」

やっぱり伝わった。これで堀は埋まったかな?

「でもやっぱりこのご時勢じゃない?だから心配でねぇ」

あぁ、報道されたりクビが飛んだり…。でもそれは。
471名無しさん@ピンキー:2010/12/17(金) 23:36:55 ID:ebqKCH6B
「ちょっと!僕が何かするとでも!?」
「安心してください。先生は絶対にそんな人じゃないですから。…悲しいことに」
「…そうね」
「えぇ!?何なの今の会話!?ていうかどこにそんな悲しむ要素があったの!?」

がっくり肩を落とすお義母様。あぁ、先生はやっぱりずっとこうだったんだ…。
そして先生はやっぱり意味が分かっていない。相変わらずダメな人だ。
そんな甲斐性が無いというのはどうやらお義母様もとっくにご存知のようで。

「ふぅ…それにしても…コレ、どうしようかしら」

お母様はバックから大きな封筒を取り出す。あれはひょっとすると…。

「え、何?」
「んー、アンタの見合い話」

あ、やっぱり。どうしようってことは、結構認めてくれてるんだ。

「いらないよ!ていうかまだ社会人一年目だよ!?」
「そうは言っても今の時代、公務員なんて引く手あまたなのよ?仕方ないじゃない。
それにアンタの周りにもいるでしょ、結婚相手を懸命に探している人」

先生がげんなりしている。私にも思い当たった。まぁ公務員同士だから先生に矛先は向かってないし、問題はない。
それでもはっきり言って顔立ちは悪くないし、スタイルも悪くない、あの必死さが無くなると少し危険だとは思うが。

「でも、どうしようって、どういうこと?」
「だってもう、要らないじゃないの」
「そりゃ要らないけど、持ってきたのに急にそんなこと言い出したからなんでかな、と」
「…ねぇ、ひとはちゃん、でいいのかしら?この子ずっとこうなのよ。それでもいいの?」
「その辺はもう…」

とっくに諦めている。そうじゃなきゃ今頃、この部屋に来る理由が変化していたはずだ。
未だにチクビに会いに来るそれだけの理由。
私はそれに、先生に会いに来る、も追加したい。
が、希望は直ぐには叶わないし、先生はとんでもない常識人のため期待もできないだろう。
その辺はじっくり攻めていくつもりだが。
472名無しさん@ピンキー:2010/12/17(金) 23:37:23 ID:ebqKCH6B
「なんとかやっていきます。そういう話はちょっと先になっちゃいますが、いいですか?」
「うーん、ちょっと不安もあるけど…本当にそういうつもりなら構わないわ。
それに、こういう話って案外転がってたりするものね」

あぁ、先生と生徒の恋愛話…。私もネットで見てみたけれど、やっぱりそこかしこに転がっていた。
自分だけじゃないって思うと、心強いしね。それにうまくいった話を見ると、自分のことを思い描くことができるし。
その、少し、恥ずかしいけれど。

「ねぇ、僕蚊帳の外なんだけど…」
「「分からないほうが悪い」」

思わずハモる。それが可笑しくて、先生のお母様と私はつい笑ってしまった。

「ふふっ、もう随分理解しちゃってるみたいね」
「えぇ、だってそうじゃなければここに居ませんから」
「そう、じゃあよろしくね。年頃になったら、私も協力するわ」
「…はいっ」
「なんで二人で分かり合ってるのー…」

伝えたい人には伝わって。一番伝えたい人には伝わらない。
けれどゆっくりやっていこう。
だって私は毎週、好きな人の部屋に、好きな人と二人だけで居るのだから。

強力な味方もできたことだし、ね。
473名無しさん@ピンキー:2010/12/17(金) 23:37:44 ID:ebqKCH6B
おしまい

残り2KBか…
474名無しさん@ピンキー:2010/12/18(土) 01:07:13 ID:tPexynVZ
乙。矢部ひとの夫婦感がやばい
そしてマックの回を読み返してみつしん妄想が止まらない
475名無しさん@ピンキー:2010/12/18(土) 02:08:23 ID:uOd59fbu
乙です!
なんという見事な矢部ひと…!
原作に出てもおかしくないレベルです!
『とんでもない常識人』いいじゃんそれでwww
476名無しさん@ピンキー
                          ,. -――‐- 、
                      /          `丶、
                   /                 \
                   /   __            ヽ
                  / .  ´     `丶、          ‘,
                 //             \         !  ‘
               〃   ,x‐‥‥ーx    \      | i  |
               .′ ,.イ: ;ハ : : : ト、: :\    \    |ノ  |
                 {  /:|人:{ー从: : :|-‐\:{ \    \_,ノ_  :|
                    ∨: : Y下ィT \| 卞ィ丁 Y\       } |
               ハ: : :ハ Vり ,    V:り 从: :丶. __,ノ ,
                    ∨|:{.:.:.        .:.:.:. ノイ : : |ノ |:|: | /
                      |: \     __   u /|: :|: |: : |:|: |/`ヽ
                      |: : : |`: ー‘^’r‐  ´{: : |: :|: |: : |八!   }
                    V: : |/f=ーノ    ,>|: :|: |∧|     ノ
                      }: /   \‐  ‐'´/ | /}∧ ゝ--‐'′
                     ノハ      `ー  ´   ノ′ ,ハ
                       ハ  /⌒\       /  }
                     /  ∨ (_) \_,.ィ´   ‘,
                   /    {           ‘,    ‘,
                ,r<⌒  〉            }/    ′
               ノ   \ /  (_)      {/⌒丶 i
              /       .′          /     |
              /       /             /        ,ノ
            /      |/        _.'     ⌒ヽ
           ∧      ハ     ー一  ´   i         V
            { ` ー----‐' ∧__,x≦二._   |       j、
          (         ,′   ` ー―‐\八     _,/ { ヽ
            \     /              {  ` ̄ ̄    }  }
            ` ̄ ̄ハ          ,ゝ.         ノ  ,
                 {  \     ー一 ´  ` ー一ァ'´  /
                 ‘,  \            /    /
                     \    ` ー-------‐ ´    ,.イ
                       丶 .                / |
                       :,` ー----r‐ :,  ´   |
                           :,       |  '       |
                          '.      :,    .    {
                        :,   ノ :,    :,    :,
                            {、__ ハ   |   ノ :,
                           : : : : : : : :|   |、__ ハ
                        : : : : : : : |   :, : : : : : : :!
                         : : : : : : :|    : : : : : : : |
                            : : : : : : |     :, : : : : : |
                         }: : : : ;ハ    :, : : : :|
                           /: :ー: : :/    } : : : :ハ
                        .' : : : : : /       ; : ー: : }
                          { : : : : /       ,: : : : : : ′
                         ` ー '         { : : : : /
                                     `ー‐'′