パンティ&ストッキング DE エロパロ

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1名無しさん@ピンキー
Panty&Stocking with Garterbelt DE エロパロ
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1286134153/

前スレはこちら
即落ちでした。
2名無しさん@ピンキー:2010/10/18(月) 13:04:57 ID:1hh9YY5p
パンティ&ヌルポ
3名無しさん@ピンキー:2010/10/18(月) 14:44:51 ID:XreE0jWH
with ガッ ターベルト
4名無しさん@ピンキー:2010/10/18(月) 14:47:34 ID:9OaUGlOq
パンティ普通にヤリマンだしわざわざエロパロする意味ない
5名無しさん@ピンキー:2010/10/18(月) 15:35:54 ID:DETiCHSz
ストッキングもビッチらしいしな
6名無しさん@ピンキー:2010/10/19(火) 01:29:04 ID:R2Fr01Q8
本命:パンティとストッキンのレズプレイ
対抗:ストッキンとチャックの獣姦プレイ
大穴:ガーターとブリーフのあっー!
7名無しさん@ピンキー:2010/10/19(火) 02:22:24 ID:7eKEdz5J
ブリーフ ストッキング か
ストッキング ブリーフ だな
8名無しさん@ピンキー:2010/10/19(火) 02:28:26 ID:8mH6O+L+
ストッキングちゃんマジ天使
9名無しさん@ピンキー:2010/10/19(火) 04:20:07 ID:8Vu6RbI7
けっこう切実にパンティ×ストッキングの同人誌がほしい。
同人イベントにはあまり詳しくないんだが、一番近い大きなイベントってなんだ?冬コミまで待ったほうが大漁か?
10名無しさん@ピンキー:2010/10/19(火) 18:56:53 ID:avCWvNXB
パワーパフガールズで妄想してた俺には変身シーンはいらない
11名無しさん@ピンキー:2010/10/21(木) 02:03:20 ID:aZod4Dpm
変身シーンは無くてもいいけどちょっとはあったほうが・・・って感じ
12名無しさん@ピンキー:2010/10/21(木) 05:34:23 ID:R4Yn8Qyl
>>11
>無くてもいいけどちょっとはあったほうが・・・って

そんなの微妙すぎー!
13名無しさん@ピンキー:2010/10/21(木) 18:17:30 ID:93uM3n/p
パンティにアナルの良さを身をもって教えるストッキンキボンヌ
14名無しさん@ピンキー:2010/10/21(木) 21:55:14 ID:tipwTW+U
パンティにとことん搾り取られるブリーフとかどうよ
15名無しさん@ピンキー:2010/10/22(金) 20:57:22 ID:WehI1Ngy
パンティみたいなのが逆にものすごい絶倫男にアヘアヘにさせられて
イきすぎてぐったりしてるのにガンガン突かれて涙目で「もう…もう許してぇ」とか
言っちゃってんのが見たいお
16名無しさん@ピンキー:2010/10/23(土) 04:02:43 ID:vLoaBqKb
ブリーフは早漏だからなぁ…
17名無しさん@ピンキー:2010/10/23(土) 13:28:28 ID:Rqpt7HqJ
>>15
おっきした
18名無しさん@ピンキー:2010/10/23(土) 14:19:32 ID:T+hNvofd
実写の爆発シーンが好評なので次週からは絡みも実写になります
19名無しさん@ピンキー:2010/10/23(土) 20:48:39 ID:jxH5/Vi/
あの絵だからこその俺達だろ…
20名無しさん@ピンキー:2010/10/24(日) 20:37:41 ID:L2THDbNZ
うーむ
21名無しさん@ピンキー:2010/10/26(火) 16:03:03 ID:1IGNWAze
重複スレのが上にあるんでとりあえず上げ
22名無しさん@ピンキー:2010/10/29(金) 06:05:30 ID:vpybC42q
過疎ー
23名無しさん@ピンキー:2010/10/29(金) 09:09:14 ID:AwBiuq8l
実写爆破シーンがあれば現在見てる番組がパンストとOOOと再放送ウルトラマンだけの俺は概ね満足
24名無しさん@ピンキー:2010/11/03(水) 13:53:32 ID:1q/kkdFE
保守
25名無しさん@ピンキー:2010/11/06(土) 00:38:30 ID:QhSDgwGg
書きたいけど百合にする場合
姉妹のどっちを受けにするかで迷うなと思いつつ保守
26名無しさん@ピンキー:2010/11/06(土) 08:21:56 ID:bZ/CnfdG
パンティじゃない?
27名無しさん@ピンキー:2010/11/06(土) 20:09:21 ID:EucEdXE4
ある日ストッキングが百合がマニアックだということに気がついて(ry
28名無しさん@ピンキー:2010/11/06(土) 23:19:15 ID:ulc07PoY
ゴーストのせいで町中の男がEDになってしまって
欲求不満の姐さんがあーもうこのさい女でもいいやー、とストッキンに目をつけ・・・
29名無しさん@ピンキー:2010/11/07(日) 02:50:43 ID:qOoMmq+4
とうとうパンティさんから誘いまでかかったのに棒に振っちまうブリーフェ…
30名無しさん@ピンキー:2010/11/07(日) 08:21:36 ID:KVZoRR1G
これだからギークは…

天使達に性的に堕とされる悪魔とか見てみたい
31パンティ×ブリーフ  本番無し:2010/11/08(月) 00:37:57 ID:4WgBgpGY

「おい!ギークボーイ」
そう呼ばれた青年、ブリーフは振り返る。
「ぱ、パンティ!何かな?」
呼んだのはパンティという名の少女。男を惑わす美しい顔に長いブロンドが似合っている。
「ちょっと来い」
一言だけ発するとブリーフの襟首を掴み、茂みに連れ込んだ。
「えっ、えっ、なに?」
突然の事に戸惑うブリーフ。
「タマってんだよ!黙ってヤらせろ!」
イラついた様子でそう言うと下着ごとズボンを脱がせる。
ブリーフの下半身が露になる。
「ちょっ、ちょっと待って〜」
「待たない」
馬乗りになってブリーフの逸物を掴む。
人肌の温もりにブリーフはあっという間に勃起した。
「こんなにガチガチにしやがって」
ブリーフの逸物を擦りながらパンティはニヤリと笑う。
「あぁ、そ、そんなにしたら…」
我慢汁を出しながらブリーフは悶える。
「もうイクのかよ?」
情けない声にパンティは睨む。ブリーフは怖かったが、本当に限界なので頷く。
「チッ、この早漏が!」
舌打ちして毒を吐くとブリーフの逸物を咥え込んだ。
「えっ!?あぁっ、パンティ!」
不意打ちのフェラにブリーフは情けない声を上げる。
「ああ、ホントに…出ちゃうよ…」
数え切れない男を落とした舌使いと吸い付きに、ブリーフが陥落しないはずがない。
「うあっ!でるっ!」
裏筋を舐められたのがトドメになって、ブリーフは勢い良く射精した。
パンティは眉を寄せて、大量の精液を飲み込んでいく。
「ぷはぁ、一杯出したから早漏は許してやるよ」
精液を飲み切ったパンティは一息つく。
射精を終えても勃起しているブリーフを見て微笑む。
「当然まだ出来るな、本番はこれからだから」


おしまい

拙作は承知。サンドバッグ代わりにどうぞ。
32パン×スト 1/9:2010/11/08(月) 01:27:43 ID:1cFmMqbs
GJ! 純情なブリーフ、イイヨイイヨー
 
25ですがとりあえずストッキング受けでいこうと決めたので姉妹百合ペッティング話を
長くなったので前半のみで申し訳ないですが……


「……あークソ、弱火って火加減どんくらいだっつの、そういう細かいトコ書いとけよなちくしょうめ……
 うん、塩コショウ、目分量?
 メブンリョーってどゆことだよ、説明がたりねえんだよこのレシピはよ、あーもう、このパンティ様が料理なんて面倒臭ェ!」
 ダテンシティの郊外にひっそりと聳える教会には、神父ガーターが
 つつましく清廉な日々をおくる邸宅が隣接されている。
 やけに明るい大きな満月が煌々と輝く宵、邸内のキッチンにてガタゴトとやかましい物音が連続していた。
 普段はガーターが調理に用いるコンロの前に、苦虫を100も噛み潰したようなむずかしい顔で陣取っているのはひとりの少女だ。
 光り輝くブロンドヘア、料理本とにらめっこをする顔立ちは、勝気そうな猫目が非常にコケティッシュ。
 雑誌のピンナップを飾れそうな文句なしの美少女である
 しなやかな体つきに身につけているのは、裏街道にたむろする娼婦が身につけるような毒々しいほど
 真っ赤なミニ丈のワンピース。血のような赤は彼女のみずみずしい肌に良く映えた。
 
33パン×スト 前半2/9:2010/11/08(月) 01:29:02 ID:1cFmMqbs
「ねーえ、パンティ。大丈夫?
 ちゃんとボクの送ったレシピどおりに、お粥、できた?」
 ディナーテーブルの上に放置した電話の子機から、おずおずとした少年の声がする。声変わりもまだなのか、弱々しい甲高い声音は、
 ダテンシティに住む純情でシャイなギーグボーイ、ブリーフのものだ。
「んー、アンタの送ってくれたファックスどおりに一応作ってるけどさァ。
 コメをショーユ味のダシ・スープで煮込むとか、こんな料理ほんとにあるワケ? 刻みネギと半熟卵も落としたら、ぐちゃぐちゃで見た目マズそーなんだけど。
 んー、やっぱクラムチャウダーのほうがよかったかなー」
 持ったおたまでなべの中身をかき回しつつ、パンティは卓上の子機に向かって叫んだ。
 高性能の機械はパンティの怒鳴り声を正確に拾って、苦笑するブリーフの声を返してくる。
「ぐちゃぐちゃ、って……お粥はアジアでよく食べられている料理だよ、
 やわらかいから病人でも食べられるし、滋養がつくって評判なんだ。
 それとさ、クラムチャウダーはストッキングが食べれないんじゃなかったの?
 魚介類のにおいが気になるだって言ったんでしょ」

34パン×スト 前半3/9:2010/11/08(月) 01:31:14 ID:1cFmMqbs
「違ぇよ、そんな取り澄ましたセリフじゃねえって。
 『あんたの作るクラムチャウダーはイカ臭くって、
 あのときのアレのニオイを連想するから絶対食べたくない!』――だとさ。
 ったく、赤い顔でふぅふぅいいながら寝込みまくってるくせに、気取ってんじゃないっつの!」
「あ、アレ、って、イカ臭い、って……あのその……っ、え、ええと!
 それにしてもストッキングが夏風邪ひいちゃうなんて災難だったねえ……
 あの、さ、ボク、明日学校やすみだから、スイーツかなにか買っていこうか?
 プリンとかゼリーとかだったら、ベッドの上でも食べられるかなあ」
 生粋のギーグボーイなだけあって、ブリーフはパンスト姉妹のあけすけに猥雑な言動には慣れていない。
 声を裏返らせて話題を変えようとした彼に、コンロの火をとめながらパンティは快活な笑い声を返した。
「あー、ありがと、でもいらねぇよ。
 アイツの面倒はあたしが看てやっからさ。なんだかんだ言ってもたった二人の姉妹だし?
 メンドー見てやれんのはあたししかいねえだろ」
 
 
「ストッキン。ストッキーン、入るよーぅ」
 『ストッキングのお部屋』と書かれたかわいらしいプレートのかかった、
 ゴシックテイストで真っ黒なドアを、パンティはゴンゴンと足でノックする。
 粥の小鍋やら水差しやら薬ビンやらがところせましと乗った盆で両手がふさがっていたパンティは、
 足元にまとわりついていたチャックに目線をくれる。彼はノブにとびついて、体当たりで扉を開いた。
35パン×スト 前半4/9:2010/11/08(月) 01:33:56 ID:1cFmMqbs
 室内はドアと同じ、黒を基調としたアンティーク風&ヴィクトリアン系&ゴシックテイストである。
 天蓋に包まれたクラシカルなベッドの中で、けほんこほんとか弱い咳が聞こえる。
 盆をサイドテーブルへ置き、パンティは天蓋をそっと開く。
 ベッドの中には、白雪姫のような少女が眠っていた。色白のいかにも清楚といった顔は火照って赤く、しっとりと汗ばんでいる。
 ふんわりとしたレースたっぷりの黒のネグリジェ姿もかわいらしいその人物は――パンティの妹、ストッキングである。
「……パンティ?」
 ストッキングは弱々しく瞳を開いた。黒目がちの双眸はいつもより潤んで、妙に熱っぽい。
「やっほー。眠れてるかー?
 ブリーフに料理のレシピ送らせてオカユってぇの作ってみたぜ。アジアの病人食なんだとよー。
 や、ガーターもちょうどシゴトでいねえし、デリバリーとろうかとも思ったんだけど、
 病人にピザやステーキは食わせんなってブリーフがうるさくいうからさァ」
「……パンティの、手作り料理……?
 めずらしいのね、あしたは、雨でも降るかしら……っ、
 ふふ、そんなもんですまないかしらね、暴風雨かしら?」
36パン×スト 前半5/9:2010/11/08(月) 01:35:54 ID:1cFmMqbs
 苦笑するストッキングが季節はずれの風邪をひいたのは昨日、
 いつものようにゴーストと対戦したときであった。強敵と切り結んでいるうちに誤って川へ落下したのである。
 全身濡れネズミのままで長期戦チャンバラをしたため、ぶじ帰宅したときにはくしゃみがとまらず、
 そのまま寝込んでいるのだがいまだに快癒しない。
「とりあえず、薬飲むにしても腹にモノいれねぇとダメなんだろ?
 味見はしたんで、とりあえずコレ食べな」
「……スイーツ食べたい。
 駅前の店のクリームブリュレか、デパ地下のチーズケーキか、
 通販で話題の半熟プリン、食べたい……」
「昼にさんざん菓子食ったろ。マトモな食事もしねえと胃ィおかしくなるぞ。
 カユ食ったらあとで冷蔵庫からヨーグルトかなんか持ってきてやるから、とりあえずこれ食えって」
 さあさあ、とパンティは小鍋から粥をとりわけるが、ストッキングは眉根に皺をよせてそっぽを向いてしまう。
「おいおいストッキン。ストッキーン?」
「……食欲ない……起き上がるのおっくなの、体、熱くて……」
 そしてまたけほけほと咳。
 パンティは黒髪を掻き分け、妹の額に手を当てた。確かにひどく発熱している。
 だが、この非常なスイーツジャンキーの妹は、寝込みはじめてから甘ったるい菓子以外
 ほとんど食事らしい食事をしていないのだ。いくら天使といえども、このままでは治るものも治らない。
37パン×スト 前半6/9:2010/11/08(月) 01:38:01 ID:1cFmMqbs
「しゃーねえな、スペシャルサービスだ。
 起きて食えねえならあたしが口元に運んでやんよ。
 ふーふーもしてやっから、な?」
「……やけに優しいのね、でも本当にいらないのよ。
 人間界の病気って最悪ね、もう本当に全身ダルくって……ああ、喉だけ渇いてるの、
 パンティ、そこに水か何かあったら少し欲しいわ……」
 しっとりと伏せたまつげの影からパンティを見つめ、力なくささやくストッキングの唇は、
 潤む瞳とは相反して乾いている。喉も痛そうだし、体内の水分量が均一に足りていないのだろう。
 風邪で病み、いつもの毒気を失ってぐったりとしているせいだろう。
 今宵のストッキングは、可憐、清楚、たおやか、という単語がこれ以上なくよく似合う雰囲気である。
 瞳の大きい、ふだんより頼りなげな妹の面持ちをパンティはまじまじと凝視してーー
 ……ずくん、と、腹の底で何かが疼いた。
「なあ、ストッキン。
 ……カラダがダルいんだよな?」
 チェリー色のグロスを引いた唇をひと舐めし、パンティは身を乗り出して、
 ベッドに横たわるストッキングの黒髪を梳いた。
 ストッキングは怪訝そうに眉根を寄せたが、パンティはすかさず曇った眉宇に音の鳴るキスをする。
「……ッ! パンティ、なにを」
38パン×スト 前半7/9:2010/11/08(月) 01:40:35 ID:1cFmMqbs
「何をって姉妹のスキンシップだろ。
 寝込んでばかりじゃ腹も減るわけないし、ヒマだろうと思ってなー。
 あたしもアンタの看病で今日は夜遊びに行けねえし、ちょうどいいじゃん」
「ちょッ……! なにトチ狂ってんのよ、アンタのカラッポな頭の中、ケダモノみたいな性欲しかないわけ!?
 なによ、あんたの自慰に付き合うシュミはない――っむぐっ!」
 ストッキングが身をよじった刹那、水差しの中身を一気に煽ったパンティが
 噛み付くようにその朱唇へ口付けてきた。ほのかに香るのはグロスの甘い芳香、
 唇越しに流れ込んでくるのは歯に染みるほど冴えたボルウィッグ。
「ん、んん……っ!」
 生来の好き物で、ローティーンでヴァージンブレイクしてからというもの、パンティの男遍歴は伊達ではない。
 百人斬り以上の、尋常ではない経験人数を誇る上、男の下でかわいがられるだけの女でもない。
 積極的な騎乗位で男を腰砕けにするのは、彼女の最も得意とするテクニックのひとつである。
「ん、んふ、……ん、ン……」
 むろん、数多くの男とのラブアフェアで培ったキスのテクニックも筋金入りだ。
 閉じようとする唇をこじ開けられ、熱い舌が強引な荒々しさと極上の繊細さをともなって
 ストッキングの口内を愛撫する。上顎をなぞられ、ぞくぞくとしたものが背筋を駆け抜けた。
39パン×スト 前半8/9:2010/11/08(月) 01:42:37 ID:1cFmMqbs
「ひと汗かけばスッキリすんだろ。
 ま、指だけで勘弁してやっから、きもちよく遊ぼうぜ」
 やがて長いキスを終えたパンティは、お互いの唾液でしたたかに濡れた唇でにっかりと笑った。
 頬を真っ赤にしたストッキングは、肩で息をしながら頭を振る。
「あ、あ、あ、遊ぼうぜ、じゃ、ない……
 パンティ、あなた何考えて……ッ、っきゃあああ!」
 甲高い悲鳴が乙女の寝室に響き渡った。おもむろに伸ばしたパンティの手がネグリジェの裾を割り、
 ストッキングの素肌に触れたのである。すべすべした腿をあいさつ代わりにタッチして、
 へその形を辿ってからバストへいたる。就寝中である、ブラジャーなど着用しているはずもない。
 ストッキングのたわわな乳房は瞬く間にパンティの右手につかまれることとなった。
 肌理の細かい柔肌に食い込む指遣いも妖しく、手のひら全体で撫であげられ、
ストッキングはまた甲高い悲鳴をベッドの上へ散らすこととなった。
「ん、柔らかい。
 この間さわったときよりデカくなってね? だれかテクのある男と寝たのか? ん?
 あ、そーいや、最近おまえ夜遅かったしなァ」
40パン×スト 前半ラスト:2010/11/08(月) 01:45:56 ID:1cFmMqbs
 どこもかしこも華奢なストッキングの体躯の中で、
 バストのみは両手にあまるほどたわわに豊かである。
 毎日毎日飽きもせず大量に食べているスイーツの栄養素を吸い込んだのか、
 Eカップをはるかに越して更に成長中であった。
「あ、あ、あん……っ!
 じ、じ、実の妹、そのうえ、びょ、病人相手にナニして、ッ! それに寝てやしないわよ!
 夜は天界通販のスイーツをゲットするのにパソコンにはりついてただけで、
 アンタみたいに行きずりの男をベッドに引きずり込む時間なんて全然……っあんっ」
 指先の沈み込むような柔らかい質感を無邪気にたのしんでいたパンティの愛撫が、
 突如濃厚なものになる。淡いピンクの胸の頂に触れられた刹那、パンティの唇がストッキングの耳たぶを食んだ。
「ひゃうんっ!」
 普段のクールな言動がウソのように、ストッキングは裏返った嬌声を漏らして身を震わせた。


すいません長すぎるんで一度分割します 後半はまた後日
なお、ネイビーとピンクの混ざったストッキングのあの髪の毛はどうもうまく描写できなかったので「黒髪」で統一しました
41名無しさん@ピンキー:2010/11/08(月) 02:37:22 ID:3i04jj7a
寝る前にいいもの見れたああああああ
ありがとうありがとうストッキンかわいいな
続きを楽しみにしています
42名無しさん@ピンキー:2010/11/08(月) 23:47:21 ID:AUmOOs1o
>>40
さすがアナーキーパンティテクニシャン
へばってるストッキングマジ耽美
続きに期待

ところでパンティの銃ってさ、
ヌーディカル回によれば誰のパンツかで色々変わるみたいだけど
大小も何も、そもそもパンティ自身には「ついてない」んだよな
しかもストッキングのでも普通に使えることがわかっている
となると銃の形状にはパンツの中身以外の要因が影響することが考えられる
例えば「パンツの持ち主のパンティとの相性」とか
つまりブリーフは…
43名無しさん@ピンキー:2010/11/09(火) 00:14:58 ID:BKcQMiDW
天使が直に身につけた布にはそういう力が宿るってことだと思ってたけど
幽白のコエンマが持ってた魔封環みたいに

ヌーディカル見てないけど、そういう描写あったのか

44名無しさん@ピンキー:2010/11/09(火) 08:14:49 ID:shSxmzx4
他人のパンツでも銃に変化出来るが、変化させた銃は持ち主の特徴を反映する
例えば短小だと銃身が短い、皮被りだと銃口が狭いなど

パンティ自身のは武器と見なしてメンテしている描写があった
45名無しさん@ピンキー:2010/11/09(火) 21:44:40 ID:bxMqatED
今が非処女のビッチだからこそロストバージン現場を妄想してみたいわけで
46名無しさん@ピンキー:2010/11/14(日) 11:17:56 ID:Evy7WWaC
11話でストッキングのパンツを銃に変換したとき、銃の模様がさりげなくストライプだった。
パンティの普段使っているバックレースはレース模様。

そこに気付いてしまって普段の姉妹の下着を妄想してしまうブリーフとかいいと思うんだけどどうだろう。
47名無しさん@ピンキー:2010/11/14(日) 17:26:49 ID:/rowfO1L
規制で言えなかったけどやっと言える…SS後半全裸待機
48名無しさん@ピンキー:2010/11/14(日) 19:49:00 ID:ZZEKbBRA
ニーソはきっと処女
49名無しさん@ピンキー:2010/11/15(月) 22:36:22 ID:60D+0SMl
>>48
姉妹喧嘩の回で、実は互いに相手の男を寝取っていて
その寝取った男の悪口を言いあってなかったか?
50名無しさん@ピンキー:2010/11/15(月) 23:10:26 ID:cs9WeBzk
それはストッキンだ、ストッキンはもちろん非処女だぜ
ニーソちゃんは悪魔っ子の妹なんだぜ

ところでストッキングとニーソックスってどう違うの?
51名無しさん@ピンキー:2010/11/16(火) 00:02:12 ID:j0/DKWfM
>>50
ストッキングは腰から下全部
ニーソは長い靴下
ストッキングちゃんのはレッグウォーマーかもしれないという妄想
52名無しさん@ピンキー:2010/11/16(火) 00:18:40 ID:RXFLT7xn
腰から下のはパンティストッキング(パンスト)って言わないか?
パンストとストッキングは違うだろ?
53名無しさん@ピンキー:2010/11/16(火) 04:07:11 ID:hjNwkCPt
ストッキングは長い靴下(特に薄手のもの) ニーソックスは膝までの靴下のことのはず
だから厳密に言うとニーソックスのはいてる靴下はオーバーニーソックス?
変身バンクのストッキングがはいてるのはレッグウォーマーだね
54名無しさん@ピンキー:2010/11/16(火) 21:19:14 ID:NgfiGIyR
おいおい今回エロすぎだろ・・・

姐さんの股間のネジ回したい・・・
55名無しさん@ピンキー:2010/11/17(水) 21:08:56 ID:PnHZYWeE
そういやエンディングは意味深だよねぇ・・・

普通の(?)女の子が何かに狙われて、拉致られて、拷問受けて
挙句の果てに荒野に捨てられて、飢え死にして、死体をハゲタカに食われて昇天。

あの敵(?)に捕まって拷問受けてる時って
映像では表現されてないけど、絶対マワされてるよなぁ・・・
56名無しさん@ピンキー:2010/11/17(水) 21:54:11 ID:M4b3qU6g
>>55
さぁその妄想をしたためてくれ
57名無しさん@ピンキー:2010/11/17(水) 23:16:11 ID:C/uPolO7
>>48
>>50

公式によると、残念ながらこのアニメの登場人物は皆なにかしらの理由で非処女(非童貞)らしいぞ。

58名無しさん@ピンキー:2010/11/18(木) 00:48:17 ID:1fgRosWK
じゃあブリーフも非DT・・・

HAHAHA、冗談きついぜ
59名無しさん@ピンキー:2010/11/18(木) 00:59:04 ID:1BEeeQY1
>>58
DTですが非処女です
そしてロボットだって構わず食っちまうガチホモのガーター神父と
既にメアド交換しています
(原作に描写あり)

意味はわかるよな?
60名無しさん@ピンキー:2010/11/18(木) 14:42:03 ID:gUeApPKe
じゃあ神父×ブリーフで俺が一つ
61名無しさん@ピンキー:2010/11/19(金) 11:31:18 ID:IojA98Vi
ピクシブとかで大人気だな、P&Sもデイモン姉妹も。
でもなぜか性転換が多くて気になる。悪魔の仕業か。
62名無しさん@ピンキー:2010/11/19(金) 11:38:14 ID:MUPB/SSx
どのキャラも下手な熱血主人公よりも男らしい性格してるからなw
63名無しさん@ピンキー:2010/11/19(金) 11:59:02 ID:4k9rFtYY
チンコ要員がホモと童貞じゃなぁ
64名無しさん@ピンキー:2010/11/19(金) 14:33:47 ID:2KikoxSI
逆に考えるんだ
「そんな立派なのがあるのにホモだなんてチンコの持ち腐れ!」とばかりに
神父を二人がかりで襲って勃たせようとするパンスト姉妹ネタが書けると考えるんだ
65名無しさん@ピンキー:2010/11/20(土) 11:28:33 ID:W2JQWqf9
性転換とか無理な設定をしないと妄想できないような設定ということは、やっぱ百合向きの題材
なんだよな、これは。悪魔姉妹もそうだし。
66名無しさん@ピンキー:2010/11/20(土) 20:18:37 ID:M1FPG257
えっ
67名無しさん@ピンキー:2010/11/21(日) 21:25:07 ID:+w0vSTCS
むしろヤオイ妄想(ガタブリ)の方を想像してしまうんだが。w
68名無しさん@ピンキー:2010/11/22(月) 14:23:48 ID:BHg+enV8
「うわっ、待って待って! 僕はパンティが……!」

「あのビッチが童貞喰いなんぞで満足するわけがないだろう。私が協力してやる。必要なのは何事も経験する事だ」

「け、経験って……無理だよ! ガーター相手じゃ……」

「安心しろ。私は受け攻めどっちもイケる。おまえはただ私に身を任せていればいい」

「それじゃ意味ないじゃん!」

 両の掌で懸命に尻穴を隠しながら、ブリーフは己の迂闊さを呪った。

 ガーター神父からメールを受け取り、教会に足を運んだまではよかった。
 もしかしたら、今日はスクールに来ていなかったパンティに会えるかもしれないという期待もあった。彼らとの親交を深められる事は願ってもない幸運だ。

 だが神父から、パンティもストッキングもいないという事実を聞いた時点で、すぐに教会を出て行くべきだった。
 お茶とスイーツで手厚くもてなされ、つい神父にパンティへの恋心を相談しようなんて思ったのは、今更後悔しても仕方がないが、気の迷い以外の何物でもなかった。

 聞きたくもないパンティの男性遍歴を暴露され、自分がまだ経験が無い事を巧みに吐かされ、ならば私相手に経験してみればいいじゃないかと話が進んだところで、ようやく神父が自分を呼び出した真意を理解した。

 初体験が男だなんて有り得ない。
 特殊な趣味の無い男が誰でも持つ想いを、当然ブリーフも有していた。
 だがそんな想いは、今の状況においては、砂漠の中央で手にする一杯の水以下の価値しかない。
 神父とブリーフの体格差は、抵抗する動きを楽に抑えつけられる程にあった。
 テーブルの上に俯せにされ、両腕を後ろ手に掴まれた時点で、ブリーフの頭に、これから起こるであろう未来が鮮明に過ぎった。
69名無しさん@ピンキー:2010/11/22(月) 14:27:06 ID:BHg+enV8
「その身を持って、受け入れる快楽を経験してみるのも必要な事だ!」

 神父の動きは迅速で、必死に動かすブリーフの足を全く気に留めず、いとも容易く下着までずり下ろされていた。
 露わにされたブリーフの卵のようなスベスベの尻に、目を充血させ喉を鳴らす神父。
 それを最早直視する勇気すら湧かず、涙目になりながら許しを懇願するブリーフの姿は、神父に対しては実に逆効果であった。

 物凄い勢いで修道着の中から取り出された神父の逸物は、その大きさをパンティに誉められたブリーフですら息を呑む程のモノだった。
 ブリーフの悲鳴が一際大きなものとなるが、神父の動きは淀みない。
 未だ排泄以外の行為に使用された事のない、閉じられてた処女の尻穴に向かって、無理矢理開け広げられるように、圧倒的な存在感が突き進められて来る。

「ちょっと、ダメだって! 待っ……うわあぁぁぁーーーー!!」

 受け入れまいと尻穴を必死に閉じ締めたブリーフの抵抗とは無関係に、無慈悲なまでにあっさりと野太く硬い逸物が、その処女穴を貫き、突き刺さった。

「ひぎぃっ……こ、こんなの無理ぃ……!」

「おお……凄い締まりだ! 大丈夫だから力を抜け。まだ半分も入っていないぞ」

 こちらの意志など解さない神父の自信に、ブリーフは言いようのない不安を感じた。
 下腹部に感じる圧迫感と、裂けるような痛みと熱で苦しいはずなのに、何故か下半身は勃起し始めていた。
 己の意志とは違う反応を示す身体に、ブリーフは愕然とした。
 これ以上進んでしまったら、尻穴から自己を変革されてしまうのではないか。
 それ程までの力を、熱くたぎる巨根を通して、神父の身体から感じてしまっていた。
 それを見て神父は笑みを浮かべる。
 このような反応は今までに相手した男達から何人も目にして来ている。未だその声に艶はないが、最早時間の問題だ。
 次第に奥へと神父の逸物を受け入れていくブリーフは、抵抗する意志が萎えていくのを確かに感じていた。

(助けて……パンティ……)

 ああ、悪夢はまだこれからだ。




……ないな
やっぱりニーソックスたんが一番だ
70名無しさん@ピンキー:2010/11/22(月) 16:05:53 ID:vtFv5e2R
…最初の3行で分かったから回避できたが
ホモネタは最初に注意が欲しいでござる
71名無しさん@ピンキー:2010/11/22(月) 19:53:31 ID:jas9zKyQ
いっそブリーフが女の子だったらいいのに
デイモン姉妹がふたなりだったらいいのに
72名無しさん@ピンキー:2010/11/23(火) 04:26:59 ID:wWPo8hw+
pixivは盛り上がってる感じだけど、エロパロは成立しにくいのかねえ?
百合スレもさびしいし。
投下希望。
73名無しさん@ピンキー:2010/11/23(火) 10:08:10 ID:3a2Zja3V
ゾンビ姐さんのユルユルプッシーにオモチャ突っ込みたい!
74名無しさん@ピンキー:2010/11/23(火) 10:14:58 ID:phAdJzpy
一応百合スレの方は投下来てるな
pixivは男体化が多くて萎える・・・
75名無しさん@ピンキー:2010/11/25(木) 00:06:02 ID:DYZIXgKU
なんで?
腐女子人気?
76名無しさん@ピンキー:2010/11/25(木) 01:53:48 ID:oSw0gw94
SM(スカ有)は女同士でもコッチがいいのかな?
77名無しさん@ピンキー:2010/11/25(木) 02:50:25 ID:FiKbrr39
熱いセックスさえあればいい
78名無しさん@ピンキー:2010/11/25(木) 15:26:22 ID:YJrdQshP
童貞でもホモでもないチンコが一つあれば違っただろうに
モブじゃ書きづらいんだよなぁ
79名無しさん@ピンキー:2010/11/26(金) 17:55:34 ID:Nhtl0f/u
童貞食い
ホモ神父逆レイプ
触手ゴースト
いい男に擬態ゴースト
いくらでもやり方はありそうなもんだ
80名無しさん@ピンキー:2010/11/26(金) 18:03:53 ID:/kyaa12b
お前が率先してやれよ。
81名無しさん@ピンキー:2010/11/26(金) 19:59:39 ID:p0c+W2We
熱いsexさえあれっばー
愛なんて要らねぇ〜♪
82名無しさん@ピンキー:2010/11/27(土) 01:33:17 ID:boF4+/VE
週末誰かがんばって投下してよ。
デーモン姉妹がブリーフを誘惑してなびいてしまい、パンティたちが慌てる
みたいな話希望。
83名無しさん@ピンキー:2010/11/28(日) 00:35:09 ID:BJPUofd8
今週エロパロ向きじゃん とか思ってたら不覚にも感動した
84名無しさん@ピンキー:2010/11/28(日) 00:48:43 ID:j/qYntNz
触手・擬態ゴーストは今回出たなw
またしても役得の機会を棒に振りやがってブリーフェ…
しかしBパートは…ホモでもギークでもないけどどうなのアレ
85名無しさん@ピンキー:2010/11/28(日) 01:58:02 ID:H/LlBs5O
ゴースト×ストッキングのSSとか書く奴いたら許さん
86名無しさん@ピンキー:2010/11/28(日) 05:31:51 ID:BJPUofd8
乱暴にされて喜ぶストッキングか
87名無しさん@ピンキー:2010/11/29(月) 00:31:12 ID:W0R4ekcb
98 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2010/11/29(月) 00:02:29 ID:W0R4ekcb
女性はメンタル面で感じ方が左右されるってのはよく聞くな。

それはそうと正常位で、「君の顔を見ながらイきたい」って男が言うのは気持ち悪いのか……
ダメなのか?

99 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2010/11/29(月) 00:06:51 ID:BGnQnBmH
※ただしイケメンに限る

100 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2010/11/29(月) 00:21:25 ID:fegPMTBD
>>98
ダメダメダメのおダメさんです
イく瞬間の、殿方の情けない顔と言ったらもう
醜いイキ顔など見せられては百年の恋だって冷めてしまいます
汚らわしいものを女性の視界に入れないようにバックでガッツンガッツン!
これが絶対のルーゥゥゥル! です
88名無しさん@ピンキー:2010/11/29(月) 01:24:29 ID:pjFBErzp
>>87
最後のレスをデイモン姉妹の声で脳内再生したらチンコビンビンになったぜw
89名無しさん@ピンキー:2010/11/29(月) 16:05:45 ID:omfM3MvC
パンティとモブ男でも大丈夫ですかね?
90名無しさん@ピンキー:2010/11/29(月) 18:13:13 ID:3J6iI7Wn
>>85-86
そもそも本家ですでに・・・

ttp://www.nicovideo.jp/watch/sm12457601
91名無しさん@ピンキー:2010/11/29(月) 19:51:59 ID:mKc45fhH
>>89
熱いセックスさえあればエニシングOK
92名無しさん@ピンキー:2010/11/29(月) 23:08:03 ID:9x9p1RsE
>>85
悔い改めよ……(はぁと
93名無しさん@ピンキー:2010/11/30(火) 21:02:27 ID:Q+fT8vCf
投下こないなあ。
やる気なさすぎだろお前ら。
94名無しさん@ピンキー:2010/11/30(火) 22:18:19 ID:kg4O61Nf
>>93はパンティ
95名無しさん@ピンキー:2010/12/01(水) 15:55:29 ID:tHHp8aro
書いてるとおにんにんがおっきして大変なんだ(´・ω・`)
96 ◆8qDPrmDA0s :2010/12/01(水) 17:06:21 ID:XRfRPB3l
パンティさんとモブ男で書いてみたので投下いたします
セリフや言葉のチョイスが悪いのは勘弁してください
汚物はないけどパンティさんにはお尻を使ってもらいました
苦手な方は酉でNGよろしくです
97 ◆8qDPrmDA0s :2010/12/01(水) 17:06:48 ID:XRfRPB3l
愛と欲望の渦巻く街ダテンシティ。そこに舞い降りた天使姉妹が姉、パンティ。
天使という言葉からは清らかさや優しさを想起させるが、彼女はまるで違う。
美貌こそ天使といえるが中身はガサツで男好きなアバズレ。
今日も街でイケメンを捕まえて、有無を言わさずホテルに連れ込んだ。
部屋に入るなり男の服を剥ぎ取り、品定めするように男根を手に取る。
「よしムケてるな、とりあえずは合格」
部屋に入るまでの間に交わしたキスに半勃ちの男根を握り締めて品定めする。
サイズも見る限りは合格点以上のシロモノだ。積極的だね、という男の言葉を鼻で笑い、口に含む。
「んん…んふっ、あむっ、ぢゅるる」
いきなり喉の奥まで持っていき、ギリギリまで吐き出してから尿道口を吸い上げる。
口に含み頭を前後に動かして刺激してやると、男は苦悶の表情を浮かべる。
それを上目で見やり、我慢汁を舐め取って笑みをこぼす。
最近の相手は顔が良くても短小ばかりで、パンティは物足りなさを感じていた。
しかし今回はハズレではなかった。久し振りの当たり棒を丹念に愛撫しながら、己の気分を高める。
「ふぅ、んっ、じゅるっ、ぷはぁ、はむっ」
肉幹を辿って根元まで下りる。強めに吸ってから、縮み上がった袋に攻めを移す。
上から垂れてきた唾液を皺に塗り込み、舌先で玉を転がして弄ぶ。
下部に責めが集中するその間も先走りの止まらない亀頭を掌で包み込んで擦る。
「ふはぁ…、イクのか?我慢しなくてもいいけど、むふっ」
裏筋を辿り、舌先が頂上に来るとそのまま咥え込み、唾液で潤滑させた幹を強く扱く。
「あぁ、おぉ…出そうだ、ああ」
弱々しく男が言葉を漏らす。いつもなら癇に触る台詞だが今日は気分が良い。
「ちゅるっ、んぅ、へへっ、遠慮すんなって、イッちまえよ」
むしろ良く責めに耐えたと男を褒めてやりたいほどパンティは高揚していた。
吸いつくと同時に軽く亀頭に歯を立てると、男は淫らな天使の喉奥に白濁をぶちまけた。
98 ◆8qDPrmDA0s :2010/12/01(水) 17:07:33 ID:XRfRPB3l

口内で跳ねる肉棒を手で押さえ精液を受け止めるも勢いと量が並のものではない。
「ふぐっ、むうっ、んく、むふ、んぐっ、こはぁ、ぢゅるう」
あっという間に口一杯になり、嚥下が間に合わず口内から溢れて零れた。
最後に大きく音を立てて残滓を吸い取り、肉棒を口から離し、粘り気を楽しみながら飲み干していく。
男はフラフラとベッドに腰掛けるが萎えてはいない。パンティは素早く衣服を脱ぎ捨てる。
「ふぅ、まだ出来るだろ?さ、本番といこうじゃないか」
まだ息も荒い男をベッドに押し倒すと、スレンダーな肢体に見とれて硬くなる棒を掴んで跨る。
太さも硬さも長さも充分、精液の量も言う事無し。あとは数をこなせるかどうか。
「たーっぷり腰使って、アタシを満足させろよ」
不敵に笑い、軽いキスを交わす。とうに準備の出来ていた秘部を拡げて腰を沈める。
粘膜と粘膜が触れる瞬間は何度味わおうとも飽きることはない。
「ぁうんっ、はぁ…デカくて、いい…ああっ、はぁん」
「おおっ、凄く締まって…スゴイよ」
襞の刺激で男根は漲り、秘部を内側から押し広げるとその快感に吐息と嬌声を漏らす。
ゆっくりと上下にリズム良く、規則正しく打ち付けると言葉にならない快感が背筋を走る。
男はパンティの太ももに手を添え、射精を堪えるのがやっとでやんわりと動かすばかり。
「はぁっ、気持ちいいっ、あはぁっ、ほらっ、腰使えよ、うんっ、はぁ、あん」
上気した顔で積極性を相手に促すと、男は応えるように大きく突き上げる。
笠も幹も人並み以上の男根はいつも以上の刺激を生み、余裕を奪っていく。
短小では届かない深い部分も易々と突き、久々の感触にパンティは喘ぎながら悦ぶ。
「あっ、はあっ、イキそっ…、んっ、はぁあ」
「このまま、うぅ、出しても…」
あの精液をナカで受けないでどうする。お互いの絶頂が近づき、段々とリズムが速まっていく。
「うんっ、いい、はぁあ、きてぇ…あんっ、ああっ、イクぅ、あはああああーっ!」
男が呻いて射精するとパンティも全身をのけ反らせて達した。
99 ◆8qDPrmDA0s :2010/12/01(水) 17:08:30 ID:XRfRPB3l

口で受けたときと変わらぬ熱と勢いで膣内はすぐに満たされる。
「はぁ、こんな、あんっ、いっぱい、はぁ、んぅ…」
こんな上物は滅多にない。タップリとイカせてもらう代わりに搾り尽くしてやろう。
「すごいね、君のナカ。すぐにイッてしまうよ」
「そっちもね。アタシまだ全然足りないしもっとヤろう?」
甘えた声を出して微笑み男にねだる。ついばむようなキスを交わし男の胸に体を預ける。
繋がったまま呼吸を落ち着かせて行為を再開させよう、というのがパンティの腹積もりだった。
「ああ、今日は二人でとことん楽しもう」
ニヤリと笑いそう言うと男はパンティの細い腰を掴み、少し持ち上げて手を離した。
重力に従い体が落ちると中に納まった肉棒が奥の奥まで届いた。
「はあぅ、あっ、はっ、あっ」
衝撃はそのまま快感に変換され脳に届きパンティは一瞬全身を硬直させる。
それを数度繰り返してから速めのピストン運動に移行した。
パンティは夢心地のようで、抜き挿しされるたびに切ない声を上げ、艶っぽく鳴いた。
「はんっ、あっ、スゴぃ、いいっ、んんっ、はあああっ」
向こうもノってきたのだからとことんやれそうだ。突き上げに負けずに腰を回すと男は感嘆の声を漏らす。
パンティはじっくりと自分のペースに持っていこうとしていたが、突然男の手がパンティの右胸に伸びる。
「はっ、ひうっ、ソコぉ、はぁっ、ああん」
全体を包むようにして柔らかく揉まれ今までとは違った色の声を上げた。
大きさはさほどでもないが感度が良いと自負するだけあるのだろうか。
きれいな桜色の先端をこねられると背筋が震える。強めに擦られると悲鳴のように喘いだ。
パンティの動きが止まると男は姿勢を起こし、覆い被さる形になり腰を動かす。
「またイクよ、くっ、君のナカに、出すよ」
激しく突きながらも胸への愛撫は止まず、パンティは絶頂へ上り詰めていく。
「あん、もう、もうイッちゃぁ、はああっ、ああーんッ!」
男は声を漏らしながら激しく抽送すると、奥に先端を叩きつけるように押し込み射精した。
最後の一突きが効いてパンティも潮を吹いて達した。
100 ◆8qDPrmDA0s :2010/12/01(水) 17:09:51 ID:XRfRPB3l

「あぁあっ、はあっ…はあ…今のぉ、スゴい、きたぁ…」
愛液を垂らしながら、荒く息をつく。
主導権はほぼ向こうにあったが満足できた。収縮する膣内で跳ねる男根が愛おしい。
射精を終えた男根を引き抜くときの感触と垂れる精液でパンティはカラダを震わせた。
男も息が荒いしいったん休憩するのだろう、その方が良い、次は締め付けて一気にイカせてしまおう。
そんなことを考えていると、体を俯せにされ驚く間も無く挿入された。
「っぁ!」
ドッグスタイル、いわゆるバックの体勢。深く入って来るには気持ち良いので嫌いではない。
自分が上になるのと違ってこの体勢ではツボを攻められたときには快感を調節出来ない。
今のパンティはほぼ休まずに続けてイッているため、シーツを掴んで突き込みに耐えるしかなす術がない。
「はぁ、はぁ、ココはどうだい?」
男は喘ぐパンティの尻を割り開き、中心の孔に指を差し込んだ。
「ひうっ!ちょっ、まって、うぁっ、あああん!」
中を掻くようにしてどんどん奥に侵入する指捌きに感度の上がったパンティはすぐ達してしまった。
「あああぅ、はぁ…んっ、はぁ…すこし、まってっ、あはっ、はぁぁんっ!」
痙攣するパンティに構うことなく男は指を動かしている。当然ピストンも続いている。
男は指をもう一本に挿入し、拡張するように指を中で広げたり曲げたりした。
腸壁と膣壁を同時に擦られるのは疲労を覚えてきた体には快感が強すぎて堪える。
もう一度潮を吹き、全身を震わせて悶えるしかできない。
「ああーっ、おねがっ、いっ、まって…はぁ、はぁっ」
痙攣は止まらず、呼吸が整わない。途切れ途切れにしか言葉が出てこない。
そんなパンティの声が聞こえたのか男は指と男根を引き抜いた。
数度注がれ受け止め切れなかった精液が逆流して滴り、また体が震えた。
ここまでヤれる男は絶対キープしたい。取りあえずリベンジしてたっぷり鳴かせてやる。
ストッキングに相手をさせてもいい。生意気な妹がヒイヒイよがる様を見物してやろう。
まとまらない頭で考えていると再び尻を割り開かれた。
101 ◆8qDPrmDA0s :2010/12/01(水) 17:10:48 ID:XRfRPB3l

「ダメぇ、ねぇまって、アタシ…ちょっと休憩したいなぁ」
手を振り払うように尻を振り、猫撫で声を出して抵抗するが、聞こえないのか男根が迫る。
「お尻でしたことはある?やってみようか?」
素直に答えるか嘘をつくか逡巡していると、亀頭があてがわれそのまま埋め込まれた。
ほぐすように小さく抜き差ししてから、根元まで一息に挿入する。
「あぐぅ、はんっ、きゃあっ、はあああーっ」
腸内の感触を確かめるようにゆっくり擦ると、パンティは悲鳴のような喘ぎ声を上げる。
「おぉ、こっちもすごくいいね、あぁ、すぐに、イキそうだ」
愛液のおかげか段々とほぐれてきたのか動きのリズムが良くなる。
男は手を腰から胸に伸ばし、反応の良かった桜色の突起を抓る。
意識が朦朧とするパンティは一際高い嬌声を上げる。
窄まりの締め付けに対抗するように男根は力任せに腸壁を抉り押し拡げる。
普通は乱暴すぎて痛いはずだが、色狂いの天使には強すぎる快感にしかならない。
「出るよ、っく、はぁ、イクよっ、おおっ」
「ああーっ、はああぁあぁッ!」
男が唸り声と共に腰を揺さぶり注ぎ込むと同時にパンティも達した。
長い射精が終わり男根を引き抜くと空気の漏れる音や水音と共に多量の精液が零れる。
痙攣し、俯せのまま崩れるパンティをゆっくりと仰向けにして優しく口づけする。
「君は最高だよ」
今度こそようやく休憩なのだろうと思っていたら膣口が亀頭を飲み込んでいた。
「気持ち良すぎて全然萎えないからまだ出来る、限界までやろう」
当初と変わらないペースで突き上げられながらパンティは意識を繋ぐ。
サイズや精力を見れば文句なしの大当たりだが、これはひょっとすると外れではないのか。
いつになく真面目に考えたが、突き上げが激しくなりすぐに中断された。
「はあぅ!あああーっ!あああああんッ!!」
性欲にまみれた天使は快感のままに絶叫し、全身を戦慄かせて意識を飛ばした。
102 ◆8qDPrmDA0s :2010/12/01(水) 17:18:04 ID:XRfRPB3l

パンティが目を覚ました時には朝日は昇っていて男は身支度を整えていた。
「起こしてしまったかな?家まで送っていくよ」
お言葉に甘えることにしてシャワールームへ向かう。
熱いシャワーを浴びていると両の穴から白い名残が零れて昨晩のことが蘇ってきた。
手玉に取られた悔しさもあったが、気持ち良かったのでそれは忘れる。

「ありがと、そんじゃ」
見送りながら後ろ姿もイケメンだなぁとにやにやしてしまう。
後ろ姿が見えなくなってから手に握った一枚のメモをぼんやり見つめているとストッキングに出くわした。
「どこに行ってたの?ま、どーせ男の所だろうけど」
呆れた顔をして聞き飽きたセリフ。もう一眠りしたい気分のとき、この妹の声は頭に響く。
いつも通り無視しようと横を通り過ぎたが、思い直して踵を返した。
「なぁストッキング」
「なに?おみやげでもあるの?スイーツ以外はお断りだけど」
「今回のは結構よかったんだよ、どう?一度試してみる?」


おしまい


拙文でしたが読んで頂きましてありがとうございます
お疲れ様でした

103名無しさん@ピンキー:2010/12/01(水) 21:24:04 ID:IMTAtLih
乙!これはいいものだ・・・
104名無しさん@ピンキー:2010/12/01(水) 22:27:56 ID:fbNq3gbf
「一体なんなんですの!?何が起きたら、このような汚らしいゴミ溜めのような部屋でワタクシ達が縛られるような事態になりますの!?」
「お姉様、落ち着いて下さいませ。これは恐らくあのお馬鹿な堕天使共の仕業です。ジーストリングが修理中で徒歩で移動しているところを狙われてしまったようですね。」
「くぅぅぅ!どこまで卑怯なんですの!?あのお便所天使共、どうゆうつもりですの!?」

お世辞にも片付いているとは言えない部屋の中で身動きの取れない状態のスキャンティが足をばたつかせながら悪態をつく。
「おいおい、スカートの中の真っ赤な花びらが見えちまってるぜ〜。」

ブロンドヘアーのスレンダーな美女には似つかわしくないオッサンのような台詞を吐きながらニヤニヤと笑うパンティと頬の上気したストッキングが部屋に入ってきた。
スキャンティはパンティの発言によって、初めて自らが下着を盗られていることに気が付き、膝を閉じて黙ってしまった。

「おうおう、今日は天使らしくオマエ達の為に奉仕してやるから感謝しろよ!」
「パンティ、悪魔相手に奉仕するのは天使らしくないんじゃないの?天罰ってのが妥当じゃないかしら?罰ゲームだけに(笑)」
「どっちでもいいだろ〜?とにかく感謝しろよ〜(笑)」

「これだからお馬鹿天使は。全く意味が分かりませんね。」
「ニーソックスさんの言うとおりですわ!私達にはお便所さんたちの考えなんて理解しかねますわ!」

「この前ビーチバレーやったじゃん?あれの罰ゲームやってやろっかな〜と思った訳よ。」
「ワタシ達はともかく、アンタ達はルールは守らなきゃ気が済まないみたいだから、あの時のルールを守らせてあげようってのよ。」
「まぁ、逃げた利子と観客がいない分の演出はするけどな(笑)。ストッキング、後は姉同士でやるから、妹ちゃんを連れてっちまいな!」
「は〜い。それよりアンタは少し位部屋を片付けたら?」

皮肉りながら、ストッキングがニーソックスを抱えて連れて部屋を出て行く。
ニーソックスも抵抗を試みるが、縛られているだけでなく、体の自由がきかないようだ。

「おめぇと違って、こちとらベッドさえ使えりゃ問題ねーんだよ。」
「ニーソックスさん!このクソ天使共がぁぁ!ニーソックスさんにもしものことがあったら許しませんわよ!」
105名無しさん@ピンキー:2010/12/01(水) 22:36:52 ID:fbNq3gbf
便乗投下させていただきます。
続きは書いてはありますが、スカ入りなので検討中です。
106名無しさん@ピンキー:2010/12/02(木) 00:35:53 ID:uduGQwBa
>>102
GJ
まさに熱いセックスさえあれば・・・だな姐さん
107名無しさん@ピンキー:2010/12/02(木) 00:43:00 ID:alu5soxX
スカは勘弁。それに百合はスレ違い。
108名無しさん@ピンキー:2010/12/02(木) 02:03:19 ID:KurAIJgT
百合ってスレ違いなん?
109名無しさん@ピンキー:2010/12/02(木) 02:05:16 ID:lfoKoEsR
百合板に専用スレがある。
110名無しさん@ピンキー:2010/12/02(木) 04:43:20 ID:LbcbyoKH
パンティの純愛モノって良さそうだよな
111名無しさん@ピンキー:2010/12/02(木) 04:50:14 ID:0wmvhe6k
「きゃはは、あんたが恋愛?」とからかうストッキング、黙り込むパンティ。言い過ぎたか、と
黙るストッキング。
「もういいよ、と」部屋にこもるパンティ。
なんとかしなきゃ、と姉をサポートするストッキング。
まで妄想した。
112名無しさん@ピンキー:2010/12/02(木) 08:08:56 ID:nwbKfxQc
ストッキングの用意した男にハマるパンティ
準備段階で男を喰いまくるストッキング
113お仕置き:2010/12/02(木) 18:14:44 ID:1UuAwHaf
投下します。
ガーター×パンストで全然エロくない
NGはお仕置きで


平和な平和な街、ダテンシティ。
その一角の一見やはり平和の象徴かと見紛う教会にて、二人の"天使"が一人の神父に懺悔をしていた。
否、懺悔をさせられていると言った方が適当かもしれない。
二人は何やらその神父が激昂せざるを得ない程の何かを働いたらしい。

例えば、街を壊したりだとかは朝飯前で。淫行だとか、浪費だとか、下手すると脅迫紛いのことをしていたり。
それに対する慰謝料やら修繕費やらで生活は火の車だった。
見た目だけは綺麗に出来ているのに、と彼女達を見下ろして神父は嘆いた。
もしかしてそれしか取り柄が無いのか、と肩を落とし深く溜め息を付く。

ついでにきつーく叱咤もする。御灸を据える意味でも。

「お前ら分かっているのか、この請求書を見ろ!こんなに払えると思っているのか、馬鹿天使共がぁあ!」
これでもか、と言うほどに声を荒げて神父は二人の天使を睨み付ける。
眼は恐ろしいほどに血走り殺気立っている。
その形相は神父という職業には似つかわしくない。
しかし彼の目の前の天使達も、やはり似つかわしくない態度で彼の声に顔を思いきりしかめる。

「だーもー、うっせーなぁ。そんくらいなんとかしてよ、ガーター」
「そうよそうよ、それにそんなに使い込んだの私達じゃないわよ。チャックよ、チャックの仕業よ」

天使達は反省するでも無く、飄々と罪を他に擦り付けた挙げ句に涼しい顔をしてシカトを決め込んでいる。
椅子に座り挑発的に脚を組んで、面倒くさいとでも言いたげに彼をじとりと睨んだ。

毎回こんな調子なのだ。いくら可愛いとか容姿が優れてるとか天使だとか言っても、やっぱり我慢ならない。根本から矯正する必要があるだろう。
今は絶好のチャンスだ。
この落ちぶれた天使達にはいい加減御灸を据えてやらねば。
堪忍袋の緒もとっくにぶちぶちと音を立てて切れまくっている。

……こいつらは私が成敗してくれる、しかもその裁量権を私は神により与えられているのだ。使う他あるまい。

「……仕方無い。こんな方法を使うのは少々気が咎める…、……だがっ!お前達の様な糞天使共の性根はこの私が叩き直してやるわ!多少自身のセクシャリティに反してでもなァア!」
「なっ、うわぁっ!?」
「きゃあッ!?いったーい、何するのよガーター!」

神父は勢い良く彼女達の腰掛けていた椅子を引っくり返した。
彼女達は尻餅を付き、突然の衝撃と鈍い痛みに表情を歪める。これも日常と言えば日常の流れなのだが、今日は違う。
神父は二人をその骨張った大きな両手で背中を押して体勢を崩させ、素早く後ろ手に縛り上げ、四つん這いの格好を取らせる。
腰を突き上げた格好になり、二人の引き締まった尻肉が神父の前に露にされる。
スカートが捲れて、下着が丸見えの格好。
いつもは何が見えても気にならない筈なのに羞恥は身体の奥底から沸き上がり、二人の天使の頬は紅潮した。

「ちょっと…、何すんのよ、ガーターったら!離しなさいよ!」
「離しやがれ、このっ…、悪ふざけもいい加減にッ…」

天使達は状況が上手く飲み込めず、身を揺すり必死に悪態を付き捲し立てようとする。
それを眺める神父の口許は歪に弧を描いているが、瞳は全く笑っていない。
冷たく、突き刺す様な視線で天使達を見詰めるばかりだ。

その視線は二人の臀部に注がれる。這うようなそれを受けると二人の天使の背筋は途端に震え上がり、凍り付いた様に身動きが取れなくなった。
……怒っている。しかも、これ迄に無い程に。それが臀部から全身に伝わる。

自然と二人の唇が戦慄いた。
114お仕置き:2010/12/02(木) 18:19:48 ID:1UuAwHaf

神父は無言のまま、天使達を暫く眺める。舐める様にして、形のよい臀部や太股に視線を這わせる。
一頻り儀式めいたそれが終わると、骨張った手が二人の尻肉に添えられる。
ビクンと腰を跳ねさせるものの、蛇に睨まれた蛙の如く抵抗は出来ずにいた。

神父の両手は器用に二人の天使の尻肉を辿り、割れ目にまで指先が這う。
太い指先が無遠慮に下着越しに膨らみをぷにぷにと押して弄ると、膣穴から愛液が溢れて滲む。

取り分け、紫掛かった長い黒髪をたくわえた天使の反応は顕著で、割れ目をなぞると尻肉を震わせて切なげに吐息を漏らした。
割れ目が愛液で透けて指を動かす度にくちゅくちゅと淫靡な音を立てる。
「ん、あぁ、…はぁん…ッ!…いやぁ、あん…っ」
彼女は半ば恍惚とした表情を浮かべて喘いでいる。指先が引き出す快感に酔っているのかもしれない。
神父は徐に彼女の秘部から指先を離すと、今度は軽くぱん、ぱんと音を響かせて彼女の尻肉を小刻みに叩く。
尻肉が震え、ぴりぴりとした痛みに涙を頬に伝わせても神父の手は止まらない。
「やぁあんっ…!たすけて…、ごめんな、さ、ひぅうっ!」
彼女が許しを乞う姿にも神父はただ冷たい視線を注ぐばかりだ。

一方で、もう一人の金色の美しい髪した彼女の姉は唇を必死に噛み締めて、声や吐息を寸分も漏らすまいとしている。
屈する事を頑なに拒否しているその姿をやはり冷たく見下ろすと、神父の指先は膣穴や陰唇を刺激する。
彼女がひく、と臀部を揺らしたのを見計らうと、するすると下着を脱がせてそのまま陰核をきつく摘んでやる。

「あぁん、やだ、あぁあッ…!?」

一瞬の反応と同時に呆気なく膣穴からはぷちゅう、と潮が溢れ、彼女の身体が仰け反る。
ヒクヒクと桃色の膣穴が収縮を続けてとろけた様に蜜を溢れさせた。
115名無しさん@ピンキー:2010/12/03(金) 04:11:40 ID:WtHZt31b
続くのか?
116113:2010/12/04(土) 00:41:35 ID:mqgPV1WZ
続かないでござるよ、中途半端ごめんね。
神父さまはもっとごめんなさい。
117名無しさん@ピンキー:2010/12/04(土) 00:59:40 ID:21Z8gxVf
続けてください
お願いいたしますだ
118名無しさん@ピンキー:2010/12/05(日) 02:02:10 ID:wEczf1s3
誰か投下まだー?
119名無しさん@ピンキー:2010/12/05(日) 03:46:03 ID:1GXoqyzS
ダテンシティの高校
「おほほほ、こーんな安っぽい手に引っかかるとはお馬鹿天使さんたちも大したことありませんのねえ」
「そうですね、お姉さま」
デイモン姉妹が高笑いする。その前には体長10センチほどに縮んでしまったパンティとストッキング。
「な、何しやがった!」「ちょっとあんたたち、元に戻しなさい!」
必死で叫んでみるものの、あまりに小さいため、まったく大したことがない。

「さすがニーソックスさん。悪魔縮小液作戦上手くいきましたわね」
「はい、お姉さま。まさか飲み物に混ぜたのをこんなにあっさり飲んでくれるとは思っていませんでした」
「さあお便所天使さんたち、素直に降伏するなら少しは情けを掛けてあげないこともありませんのよ」スキャンティがニヤニヤ笑いながらいう。
「お姉さま、それはやさしすぎでは?」とニーソックス。

「うるさい、お前ら騙したな!」パンティが叫ぶ。

「パパパパンティ…でも、ちょっと可愛いかも…」一人飲み物に口を付けなかったブリーフが頼りないことをいう。

「さあ、往生際が悪いですわよ、ドブネズミさんたち。どうするのですか?」ニーソックスが続ける。

「どうする? パンティ」
「当たり前だろ、やっつける!」
「そうね」
そういうとパンティとストッキングがそれぞれスキャンティとニーソックスによじ登り、胸元から服の中に入り込んだ。

「ちょ、な、なにをするのです!」
「こ、これは」
見た目と違って驚くほどすばしこく、スキャンティとパンティの服の中で暴れまくる。あまりのこそばゆさに堪らずスキャンティとニーソックスが体をくねらせる。
「や、やめなさい」
「ちょっと、お止めに」
パンティとニーソックスはさらに体の下のほうまで降りていき、いろいろなところを情け容赦なく刺激した。
「あははは、もう止めて」
「お姉さま、もう耐えられません」
スキャンティもニーソックスも涙を流して笑い転げる。
「よし、じゃあ降参しろ」パンティがなおも攻撃を続ける。

・・・
120名無しさん@ピンキー:2010/12/05(日) 03:46:36 ID:1GXoqyzS
数日後、また学校の中

「お姉さま、またやられてしまいましたね」
「本当に屈辱ですわ、最後に油断してしまいました」
デイモン姉妹がぶつくさ言いながら歩いている。

廊下の向こうにブリーフがニヤニヤ笑いながら立っている。

「あなたはあの、堕落天使の取り巻きの・・・いったい何の用です?」
「いけませんね、ここは負け犬クラスの生徒が歩いていてはいけない場所です」
「いいのかなぁ、そんなこと言っちゃって」ブリーフが言う。
「あなた、何か勘違いしてませんか。私たちが誰だと思っているです?」ブリーフが言う。
「ほら、これ」ブリーフが手に持った機械に何か画面が映っている。
「そ、それは・・・」
画面には数日前、デイモン姉妹が小さくなったP&Sの攻撃に堪らず体をくねらせる映像が映っていた。
「もしかして全部撮影・・・」
「そうだよ、服を脱ぐところまで全部だよ」ブリーフがすまして言う。「これを広めたら、君たちどうなるかなあ。当然学園のクイーンの地位なんて無理だよね」
「す、すぐにその映像をよこしなさい!」スキャンティが言う。
「コピーがあるしなあ。ま、公開しないでおいてやってもいいけどねえ」
「きょ、脅迫ですか、それは」ニーソックスの顔色はすでに真っ赤になっている。
「そう。ちょっと言うこと聞いてくれるだけでいいよ」ブリーフが相変わらずニヤニヤ笑いをしながら言った。
「あなた、あなたが本当の悪魔ですわ・・・」スキャンティが何とか言葉を絞りだすが、そこにはそれ以上逆らうことができないあきらめの気持ちが現れていた。

おわり

121名無しさん@ピンキー:2010/12/05(日) 03:48:23 ID:1GXoqyzS
>>120
すまん、間違えた
「あなた、何か勘違いしてませんか。私たちが誰だと思っているのです? はニーソックスの台詞です。
122名無しさん@ピンキー:2010/12/06(月) 02:42:28 ID:1a1CTvmP
パンストはパロが盛り上がらんな。
123名無しさん@ピンキー:2010/12/06(月) 02:52:50 ID:8LbgfZQU
個人的にはニーソさんを犯したいんだけど、シチュが思い付かん

失敗続きで市長に犯されたり、お姉さまにペニバンでヤられるくらいしか思い付かない
しかし後者だと百合だしなぁ
124名無しさん@ピンキー:2010/12/06(月) 11:17:28 ID:3oEETaF7
>>123
海回で「負けた方は全裸になって群衆の肉便器になる」とか約束しちゃっていれば…

ていうか天使も悪魔も全裸にしたら武器が使えないんだろうか
125名無しさん@ピンキー:2010/12/07(火) 00:34:57 ID:M+im++Xg
パンスト姉妹を尾行

ギシアン目撃

ムラムラ
126名無しさん@ピンキー:2010/12/07(火) 03:43:48 ID:LPosZOH4
投下まだー?
127名無しさん@ピンキー:2010/12/08(水) 04:22:43 ID:Qn+q8/FY
お便所天使のお陰で任務で失敗続きのデイモン姉妹。遂に市長がぶちきれて、デイモン姉妹を拘束。
しかし仲の良いデイモン姉妹へのお仕置きには、それを利用するべきだと考えた市長はデイモン姉妹を別々の部屋で縛り上げた。
そして決まり文句を吐く。
「貴方が言うことを聞けば貴方の姉妹は助かりますよ。」
これを信じて散々お仕置きされた後、実は二人ともされてましたと言うオチ。
そんな話を私は読みたい。
128名無しさん@ピンキー:2010/12/08(水) 04:53:39 ID:hh+G8xGD
ごめん文章の意味が良く分かりません。
129名無しさん@ピンキー:2010/12/11(土) 16:21:38 ID:USeMkzuI
>>40の人きてくれ
130名無しさん@ピンキー:2010/12/12(日) 03:25:49 ID:jygRK6Hr
ストッキングもガーターも縛りフェチ同士なら気が合うかも…と思ったが
M同士じゃ相性はいまいちだな
131名無しさん@ピンキー:2010/12/13(月) 03:14:00 ID:YqMZrmOx
ニーソックスがギークボーイに惚れて、慌てたスキャンティが邪魔するとかいうストーリー読みたい。
しかし投下ないねえ。
アニメもあと2回だし、この調子だと、このスレ2つめはなさそうだな・・・。
132名無しさん@ピンキー:2010/12/13(月) 16:17:21 ID:Kg6rzjy5
人気がないわけじゃないんだろうけど、思いの外エロパロし難いキャラ達なんだと思う。
133名無しさん@ピンキー:2010/12/13(月) 23:11:37 ID:RTOuCCNs
神様パンティのエロが読みたいです
134名無しさん@ピンキー:2010/12/14(火) 06:22:16 ID:5u/D0Izb
決まったカップリングがないのが原因だと思うの
あと単にチンコ要因が(ry
135名無しさん@ピンキー:2010/12/14(火) 12:20:11 ID:qYh6TI8w
この作品に関してはそういう問題じゃない気もするが……
136名無しさん@ピンキー:2010/12/14(火) 12:29:23 ID:HVNxoRWV
だがpixivでC79検索するとそこそこ本は出る様子
本はR-18多め、内容も判ってる紳士淑女が多数で嬉しい
SSより漫画で表現するのが楽しそうだしなぁ
デフォルメと作画崩壊と使いわけられるし…まぁここも盛り上がってほしいっちゃほしいけど…
137名無しさん@ピンキー:2010/12/14(火) 12:33:16 ID:F+2UurO3
考えてみれば元々の絵柄が超デフォルメのカートゥーン風だから文章だと動かすイメージが掴み難いのかも
138名無しさん@ピンキー:2010/12/14(火) 19:11:25 ID:AeVHTHfP
一発絵ではパロディ作りやすいけど、ドラマ性とか感情移入が難しいから文章のエロパロには成り辛いやね
百合スレにいくつか作品があったけど、つまらなかったり、ねちっこいとなんかあわない感じだったりと散々
139名無しさん@ピンキー:2010/12/15(水) 13:33:14 ID:L2rtrwI9
百合と統合しちゃえばいいのに
分ける意味あるのか?
140名無しさん@ピンキー:2010/12/15(水) 17:27:13 ID:ckPr24cg
チンコ要因は巨根のブリーフがいるだろ
141名無しさん@ピンキー:2010/12/15(水) 18:44:32 ID:kGhqFfvO
ただし未使用(後ろの穴は使用済み)。
142名無しさん@ピンキー:2010/12/16(木) 02:25:42 ID:H3h+LNGW
巨根絶倫童貞にイカされまくるパンティ
気絶しても出し入れのショックで朝まで絶頂しまくるパンティ
143名無しさん@ピンキー:2010/12/16(木) 18:13:25 ID:faOwPB3a
デイモン姉妹を捕まえてブリーフの筆下ろしをさせるパンスト姉妹


「ギークボーイ、童貞を捨てた気分はどう?」
「す、すごく…気持ちよかった…」
「…人間如きに…しかも…最低クラスの人間に…」
「お〜こんな濃いのを大量に出されてやんの。こりゃ妊娠するんじゃねーの?」
「妊娠したら天使として祝福してあげようかしらぁ?」
「オラ、一発出しただけで萎えてんじゃねーよ!まだ妹の方が残ってんだろうが!」
144名無しさん@ピンキー:2010/12/16(木) 18:40:52 ID:Nq2goYxH
むしろギークボーイに一目ぼれしてしまうニーソックスを必死でとめるスキャンティという話が読みたい。
145名無しさん@ピンキー:2010/12/17(金) 00:18:21 ID:bql8tWyr
パンティ「ギークボーイ、sexから始まる愛もあるんだぜ?」
みたいなのキボン
146名無しさん@ピンキー:2010/12/17(金) 17:59:46 ID:bst8VpOZ
天使姉妹の処女喪失現場が気になって夜も眠れない

姉妹揃って手酷い陵辱を受けた結果に姉は色情狂化、妹はマゾの素質を開花させてしまい
哀れ聖なる処女は現在のアナーキー姉妹に…なんてエロ同人がありそうだ
147名無しさん@ピンキー:2010/12/18(土) 06:55:17 ID:sC1HhV6S
ついに公式でパンティとブリーフが恋人関係になる展開が…。
148名無しさん@ピンキー:2010/12/18(土) 15:09:46 ID:xnYSqtTZ
童貞のオタクかと思ったらイケメンセレブでしたってか

死ねよ
149名無しさん@ピンキー:2010/12/19(日) 02:17:04 ID:W/TFTJxe
もうDVDもサントラも買わない。
150名無しさん@ピンキー:2010/12/19(日) 04:19:32 ID:QlSDI48c
どうして盛り下がってるんだよここはww
151名無しさん@ピンキー:2010/12/19(日) 20:39:07 ID:vOcg/cMv
ヘタレ設定で書いてたから廃棄だわ
152名無しさん@ピンキー:2010/12/19(日) 21:21:25 ID:YqQHQRGp
廃棄したら堕天
ヘタレギークボーイの青天の霹靂だったからいいんじゃないか
ブリーフは基本ヘタレ童貞野郎(仮)さ
153名無しさん@ピンキー:2010/12/19(日) 21:27:27 ID:a02RmPIR
髪上げなかったらへたれのままだぞ
154名無しさん@ピンキー:2010/12/19(日) 22:55:51 ID:dgeu7tBR
もっと熱くなれよおおおぉぉぉぉ
155名無しさん@ピンキー:2010/12/19(日) 23:32:37 ID:8pOrFi39
いまさらパンストで純愛なんて書けねぇよ
156名無しさん@ピンキー:2010/12/20(月) 01:03:57 ID:JvguCUSy
パンティ&ストッキング×ブリーフで頑張ってみる
157名無しさん@ピンキー:2010/12/20(月) 03:21:42 ID:jkac+JIm
地味メンがイケメンになっただけで性格は変わってなくね
演出でやたらいつもよりかっこよく見えるけど
158名無しさん@ピンキー:2010/12/20(月) 12:40:15 ID:RbbAzHtP
イケメンになった時少し勇敢になってる気がする。
そんなことないか、デイモン姉妹にその子に手を出すなって言った部分はイケメンじゃない状態でもできたのだろうか・・
159名無しさん@ピンキー:2010/12/20(月) 15:21:33 ID:7i3QdaCr
>>158
悪魔のような女たちでも、パンティのためなら自分の命を顧みないような言動してたから
ギークルックでもあの救出はやってたと思うよ

しかし俺はパンティがブリーフくおうと思ったらあらイケメンのほうが妄想し易かった
最終話来てからでないとエロパロやるほど妄想できないと思う
160名無しさん@ピンキー:2010/12/20(月) 18:12:17 ID:hBQ2UPdu
デイモン姉妹はレズでインセスト確定だが想定の範囲内すぎるな
161名無しさん@ピンキー:2010/12/20(月) 23:31:20 ID:RbbAzHtP
ノーマルにホモにレズ、見事に全部だな
162名無しさん@ピンキー:2010/12/21(火) 01:02:04 ID:yGQBxNk5
ブリーフ、パンティにベタボレではあるけどパンティを甘やかさない傾向はあったから
どっちのモードでもそれなりの男気はあるキャラだと思う
163名無しさん@ピンキー:2010/12/21(火) 21:40:30 ID:wRYtrqEd
何だかんだで、あの傍若無人+生命の危機な二人に付きまとえたってだけでも
かなりのスペックだよな、ブリーフ。
164名無しさん@ピンキー:2010/12/21(火) 23:44:26 ID:ilMsUHvc
ギークボーイのブリーファスを「自慢の息子」と言っていた父
そしてロック財団タワーの形状
もしかして、ロック家は先祖代々「自慢の息子」が受け継がれているのか?
165名無しさん@ピンキー:2010/12/21(火) 23:51:18 ID:Y6rgIX6c
非処女なのを承知でゾッコン、ってだけで、百凡の萌えヲタどもとは違う。
166名無しさん@ピンキー:2010/12/22(水) 03:24:48 ID:aGr1F4Do
パンティのパンティを死守できていたのも
御曹司の財力あればこそか…
167名無しさん@ピンキー:2010/12/23(木) 05:19:06 ID:zMYZyt88
ブリーファスお前もか
168名無しさん@ピンキー:2010/12/23(木) 14:05:41 ID:Om8EbWuz
誰も彼も処女厨だと思ったら大間違いだぞ
169名無しさん@ピンキー:2010/12/24(金) 03:12:38 ID:PX0bUbyp
コルセット「これまでですね、天使さん。ヘルズモンキーによって混沌が開放された以上もう用済みです。やっておしまいなさい、デーモン姉妹」
スキャンティの銃が頭に突きつけられたブリーフ。どうしようもなく見守るパンティ。
スキャンティ「うふふ。悪く思わないで下さいな、ダメ天使さん」
ブリーフ「パンティ、ぼくのことはいいから逃げて」
パンティ「ううっ」
ニーソックス「ビッチ天使さんもそろそろ年貢の納め時ですね」

ずでーん! 巨大な肉塊が落ちてきてスキャンティとニーソックスを押しつぶす。

ストッキング「あれ? パンティ!」
パンティ「ス、ストッキング・・・。お前その体・・・」
ストッキング「天界のスイーツ食べ過ぎて太っちゃった」
ガーター「あまりの重みに耐えかねて落ちてきたということか」
コルセット「ぐっ」

早く最終回が見たい。
170名無しさん@ピンキー:2010/12/25(土) 01:15:31 ID:4cJaMlbY
結局スレ1つも埋まらないうちにおわちゃうな。
171名無しさん@ピンキー:2010/12/25(土) 03:31:46 ID:509/VJ7G
いやいや終わってからが本番だぜ。
コマ切れパンティの膣の部分を使って・・・
172名無しさん@ピンキー:2010/12/25(土) 03:39:44 ID:4cJaMlbY
>>169
そのSS当たらずも遠からずとでも言って置こう。
173名無しさん@ピンキー:2010/12/25(土) 10:40:44 ID:4cJaMlbY
もう2期はあきらめるから、ラストでガーターがなぜかそこにいてボケーっとしてたデイモン姉妹に
「ほら、お前らも手伝え!」「へ?」って感じでブリーフ&チャック&デーモン姉妹の活躍を予感させてくれたら
あとは妄想したのに。
174名無しさん@ピンキー:2010/12/25(土) 11:15:49 ID:YPmG7C55
俺の書き込みじゃないのに、ID同じ人がいた。不思議。
こんなことってあるの?
175名無しさん@ピンキー:2010/12/25(土) 18:22:33 ID:PcYMqUtg
同じマンションじゃないの
176名無しさん@ピンキー:2010/12/26(日) 03:31:40 ID:7fgEEnYC
近場に同類が・・・
177名無しさん@ピンキー:2010/12/27(月) 00:45:36 ID:82kvCTRb
下手くそなりにエロパロ書くから保守
178名無しさん@ピンキー:2010/12/27(月) 02:18:04 ID:hLnw0DCR
>>177
ならば天使の処女膜破りを頼む
最終回のショックから未だに抜け出せきれないんだ
179名無しさん@ピンキー:2010/12/27(月) 02:27:42 ID:W35dyv4A
vipでもパンストパロはないなあ。
人気ないのかな?
自分で書くか。
180名無しさん@ピンキー:2010/12/27(月) 04:45:18 ID:oi6zZ9Kv
投下する場所ないなぁと思ったらあったので投下
26話を見てまだ見ぬ27話を妄想した
26話を見たらすぐに思いついた



「はぁっはっ! ……くっ」

バンッ

「ブリーフ!」
「パンティ?」

「おやおや来てしまったのですか?」
「はぁい感動の再開のところ悪いけど、大人しくしてね」
「今のあんたは天使の力すらないんだから、これ食らったら死んじゃうかもね?」

「くっ…!」
「パンティ…」

「貴女には大人しくしててもらいますよ。その代わり特等席で見学させてあげますからね」
「ではデーモン姉妹。準備して下さい」

「ななな何をするんだよ?」
「んん? ちょっと気持ちよくなるだけよ」
「そうそう私たちに任せていれば大丈夫よ」

「なんでこんなことすんだよ…」
「そうですね。儀式が終わるまで時間もありますし、いい機会だから教えてあげましょう」
「貴女の罪と一緒にね」

「そもそもあの鍵は何なのか? あの鍵はヘルズモンキー覚醒の鍵」
「封印?」
「左様、上級ゴーストのね。奴は大層強かった、ホントあの頃は良かったですね〜
 しかしある日くそ天使に封印されてしまいましてね。
 封印したヘルズモンキーをあろうことか人間に封じまして。
 また力が戻らないようにもう一つ鍵をかけた。天使の口づけという鍵を」
「それがこいつと何の関係があるんだよ!」
「ここまで話して分かりませんか? 緩いのは下のお口だけにして下さいよ
 そのヘルズモンキーこそがこの男に封じられているのですよ!」

「僕にゴーストが…?」
「そうなんですよ、そしてあと一歩でヘルズモンキーが目覚めるのです
 天使の口付けによって鍵が解かれ、悪魔の口付けによって目覚める」

「ありがとうございます、ミズパンティ。
 貴女のようなクソビッチでなければこう上手くいきませんでしたよ。
 何しろどこの人間に封じられたのかも分かりませんし、
 人間なんかとSEXするような天使は普通いませんから」
「……」
181名無しさん@ピンキー:2010/12/27(月) 04:46:25 ID:oi6zZ9Kv
「さぁおしゃべりは止めましょう。デーモン姉妹、そろそろ始めて下さい」

「じゃあお姉さんといいことしましょう?」
「……嫌だ」
「どの口が言えるのかしら?」
「僕は好きな人以外とは出来ない」
「クソビッチでも?」
「ビッチとか関係ない、僕はパンティが好きなんだ。だから!」
「きゃっ」


「初めてがパンティじゃないくらいだったら、僕は…僕のチンコを切り落とす!」


「やめろ! ブリーフ! 別にあたしじゃなくても良いだろ?
 あたしみたいなクソビッチじゃなくてもお前ならもっと可愛くて良い女と出来るだろ!
 そんなことで一生を棒に振る気か? 気持ちよくなることも家族を作ることも出来なくなるんだぞ!」
「そんなことなんかじゃないよパンティ」
「やめろよ! あたしは何だってするからさ、もっと自分の事大事にしろよ」
「ありがとうパンティ。でも君が傷つくのも嫌だし、パンティ以外の人とするのも嫌なんだ」

「やめなさい! そんなことしたらヘルズモンキーが!」

「あーあできたら僕と君の赤ちゃん見てみたかったなぁ」
「ブリーフ!」



最後の方の台詞をブリーフに言わせたかっただけ
182名無しさん@ピンキー:2010/12/28(火) 01:03:48 ID:PW6sWbIo
頭が悪いせいか状況がいまひとつ判りません
183スキャンティ&ニーソックス:2010/12/28(火) 04:41:21 ID:7/1KjDgu
急に思いついたので書きます。
エロなしです。すみません。
こんなのが期待されているかどうかわかりませんが・・・。


スキャンティ&ニーソックス

愛と欲望が渦巻く街、ダテンシティ。ガーターベルトとブリーフ、天使たちの活躍でとりあえずは難を逃れた。
変わらぬ日常のようだが、昨日の勝者が敗者に、栄華を極めたものが没落と、流転こそが真実。
ここにも希望を失ってとぼとぼと歩を進める者が二人。

「大丈夫ですかお姉さま」
「ニーソックスさん、さっきはキツイことを言ってごめんなさい。ついイライラしてしまいました」
「いいえお姉さま。お気になさらず」
「ジーストリングが無事だったのだけが幸いでしたわ。取りあえず中で寝ることができますし」
ジーストリングとは彼女らの乗るリムジンである。
市長の住む高級マンションの一室という住家は失われてしまい、車の中でなければ野宿をするしかない。地上のお金も残り少なくなっていた。
「あんな奴の甘言にのって地上になんか来なければ良かった」
「今はそれを言っても仕方ないですよ、お姉さま。なんとか地獄に帰る方法を見つけなければ」
地獄での試練を超えてやっとハイクラスコマンダーの地位を手にいれたものの、コルセットの「地上で天使を倒す戦いを手伝ってくれれば、さらに上の地位が狙える」という誘いにのせられてしまったのだ。
「実際地上に来て見れば、良いように使われる、地獄には戻れない、さんざんですわ」
「まあ暮らしそのものは結構楽しかったですけど」
「そうね、地獄の沙汰も金次第というらしいですが、地上こそよっぽど金次第でした」
「コルセットにもヒドイ目に合わされましたが、やはりいなくなってしまうと困りますね」ニーソックスが続ける。
「しかしあの天使の片割れが悪魔だったとはいまだにわけがわかりません」
「今日はどうしましょう? とりあえず学校に言ってみましょうか?」
184スキャンティ&ニーソックス2:2010/12/28(火) 04:43:07 ID:7/1KjDgu
あの騒動で、市長は行方不明ということになっている。デイモン姉妹も一応は市長の娘のまま、学生としての身分も残っている。
他にすることもないし、学校へ行けばなにか展望があるかもしれない。
ジーストリングのガソリンを買うお金もなく、徒歩で学校に向かう。

「これは・・・」
二人が学校に到着し、事務室から呼び出されていることを知って言って見ると、一枚の紙を手渡された。
そこには今までのセレブクラスから二人のクラスが変わったことが記されていた。どうやら約束していた市長からの寄付がなかったことでそう決まったらしい。
「しかたありませんわね。行きましょうニーソックスさん」

紙に記されたクラス番号の部屋に行ってみると、それは地下の薄汚い部屋であった。
「ここは・・・」
「もしかして噂に聞く負け組みクラス?」
二人とも恥ずかしさのせいで顔が赤くなる。
「し、仕方がありませんわね。今は耐えないと」

「あれっ? 君たち? なんでここに?」
二人に声をかけたのはブリーフだった。「デイモン姉妹、だよね」
「お、お前は」
「あの破廉恥天使の恋人、ブリーファス、でしたか?」
「いやあ、ギークボーイでいいよ。まあ名前で呼んでくれてもうれしいけど」

「どうでもいいですわ。あなたとはもう無関係」
「そもそも、あのバラバラ天使をほっといて、のんきに学校など来ていてよろしいのですの?」
「パ、パンティの体はほとんど集め終わったよ。ただどうやったら元に戻るのかガーターと一緒に調べているとこ。芳しくないんだけど」ブリーフが言う。
「君たちはどうしてるの? こういっちゃなんだけど、ずいぶんその・・・」
ブリーフが鼻をかすかに動かすのが見え、二人は自分たちがずいぶん臭いことがわかった。
何日もシャワーも浴びず、服も着たきりである。
「もし良かったら、教会に来てみない? ガーターならなんとかしてくれるかもしれない」
「い、いくらなんでも、人間に情けをかけてえもらうほど落ちぶれておりませんわ」
「そうです。それに悪魔が教会に行くなど言語道断」
「そんなこと言わずに、さあ・・・」
185スキャンティ&ニーソックス3:2010/12/28(火) 04:44:20 ID:7/1KjDgu
どうしてブリーフについていくことになったのか分からない。しかし、他に帰るところもなく、二人は素直についていくことになってしまった。ファスナーに運転させて、ジーストリングで教会の敷地に乗り入れる。

「まったく、お前は何を考えておるのだ? ここをどこだと心得ておる? 神の家に悪魔を連れてくるとは!」教会に入ってきたデイモン姉妹とブリーフを見てガーターがどなる。
「でも、二人とも困っているんだよ。地獄に戻れなくて。かわいそうじゃないか」
「つくづくお前はお人よしというか・・・しかし、悪魔か。これは使えるかも知れんな」ガーターベルトが少しにやりとした。

「よし、お前たち。ここのルールを守ればしばらくは置いてやらんでもない。わしの命令には絶対にしたがってもらうぞ」
神父の命令に従うとは悪魔にとって屈辱以外のなにものでもないが、とにかく寝る場所と食事が手にはいるのは願ってもないことである。
「し、仕方ありませんわね、ニーソックスさん。ここはガマンしましょう」
「わかりました、お姉さま」
「部屋は片付ける、無駄遣いはしない、もちろん変態じみた行動は謹んでもらうぞ。あの天使どもの素行の悪さにはまったく閉口させられた」
「そ、それぐらい当たり前ですわ」スキャンティが答える。まあ、前二つはだが。
ニーソックスは夜のお楽しみが見透かされたかのような気がして顔をちょっと赤らめた。

つづく(予定)
186名無しさん@ピンキー:2010/12/28(火) 15:23:19 ID:rcR3xvW9
ほぉ素晴らしいじゃないか
続けたまえ
187スキャンティ&ニーソックス4:2010/12/28(火) 20:05:30 ID:jzzdR4yT
次の日

久しぶりに入浴し、ベッドでぐっすり眠った二人が階下に下りていくと、ガーターとブリーフがテーブルで朝食を取っていた。
「やあ、おはよう。君たちも食べる?」
「ま、まあそれなりの食べ物は食べているようですわね」
「一応はいただこうかしら」
口ではそういいつつも朝食をぱくつく二人。

「さっそくだが」ガーターが二人に向かって言う。
「お前たちの力を借りたい。パンティを元通りにするのに悪魔の力が使えるかもしれん」「あ、あのあばずれ天使を元にもどす? は! そんなの協力できるわけがありませんわ」スキャンティが怒って答える。
「まあ、お前たちは拒否できる立場ではないと思うが」ガーターが続ける。
「でもお前たちにも悪い話ではないぞ。計画どおりいけばお前たちを地獄に返してやる」
「えっ?」
「結局のところ、こいつのペ○スの鍵を使って、一度はヘルズゲートを開く必要があるのだ。そのときにお前たちはそこを通って地獄でもどこでも帰ればいい」ガーターがブリーフを指差していう。
「え、結局僕がそんなことしなきゃならないの?」ブリーフが慌てる。
「うむ。やはり調べた限りでは、いったん邪悪な天界兵器によって受けた傷は、地獄の力をもってせねば直すことはできんようだ」

「ま、まあ地獄に帰えれるなら悪い話ではないかもしれませんね」スキャンティが言う。コルセットに捨てられた今、地上に執着する理由はない。
「確かに。ビッチ天使が元に戻ったところで係わり合いにならなければ済む話です、お姉さま」ニーソックスも同意した。
「話は決まったな。ではお前たちの車を使わせてもらおう」
シースルーは残っているが、やはりパンティもいないままチャックに運転させるのは不安がある。
「もう一つ、お前たちに用意してもらいたいものがある」ガーターが言った。「悪魔なら手に入れられると思うのだが・・・」ガーターが古文書のようなものを開き、デイモン姉妹に見せる。
「こ、こんないやらしいものを・・・」スキャンティが絶句する。
「確かに、『通販悪魔生活』に載っているのを見たことがあります」ニーソックスが言う。「成人向け商品の欄に」

さらに続く
188名無しさん@ピンキー:2010/12/29(水) 18:39:30 ID:XTUM05OS
エロ機体あげ
189スキャンティ&ニーソックス5:2010/12/30(木) 00:40:09 ID:BUgL1ebJ
オテンシティの近郊。フリーウェイを進むジーストリング。

リムジンの後部座席にデイモン姉妹と向かいあって座っているブリーフが言う。
「まあ、君たちとはいろいろあったけど、良かったよ。友達になれたし、協力してくれるしで」
「別に友達になったわけではありませんわ」スキャンティが答える。
「そうです。別に協力するわけでも・・・まあ、なりゆき上、仕方ありませんが」ニーソックスもいう。
「そんなこといわないでよ」
「確かにあなたには少しだけ世話になりました。だから首尾よく地獄に戻れれれば、ですが」スキャンティが続ける「あなたが地獄に落ちたとき、責め苦をちょっとだけ手加減してあげるかもしれません」
「ぼ、ぼくは地獄なんか行かないよ」ブリーフが言う。

オテンシティの中心部
ブリーフとガーターベルト、デイモン姉妹たちを乗せた車がオテンシティ中心部に近づく。
「あれだ! ガーター、地図にあったオテンタワーだよ」
「うむ。そのようだ。ここからは徒歩で行った方がいいだろう」

オテンタワーの根元の部分に、正方形のブロックのようなものが見える。
「パンティーの体のかけらだ。あれが最後の一つだね」
「落ち着け! ブリーフ」ガーターが叫ぶが、ブリーフが走って取りに行こうとする。

「ずいぶん待たせてくれましたなあ、ガーター」いつの間にかタワーの下コルセットとストッキングが立っていた。
「ヘルズモンキーの鍵も連れてきましたね、それに」コルセットがデイモン姉妹の方を見ていう「できそこない悪魔は私を裏切ってガーターベルトの子分ですか。ずいぶん落ちぶれてたものです」
「あ、あなたが私たちを捨てたののではありませんか?」
「そうです、騙したのはあなたの方です」
そう叫ぶものの、さすがにコルセットに対する恐れがあるのか声に力がない。
「まあ、いいでしょう。あなた方のような三流悪魔は地獄には必要はありません。死ぬまでガーターベルトの家来をやっていればいいのです」

「それではヘルズゲートの鍵、開けてもらいましょうか」コルセットが言う。
「待ってよ、パンティを元に戻すのが先だよ」ブリーフが言う。
「残念ですが、ヘルズゲートを開くことによる地獄のエネルギーがなければ天使を元に戻すことはできません」
ブリーフがガーターを振り向くと、ガーターが頷いた。
「そいつの言うことは本当だ」
「じゃあ、従っちゃうの」ブリーフがいう。
「いや、従う必要はない」
「なんですと?」コルセットが言う。「バラバラ天使が元に戻らなくてもよろしいのですかな?」
「こいつはヘルズゲートが開いたら、ストッキングにわれわれを始末させるつもりなのだ。デイモン姉妹、ストッキングを倒せ」ガーターが言った。
「そ、そんなこと言っちゃっていいの、ガーター?」」ブリーフが驚いて言う。
「うむ、今はやむを得ん。我々で天使に勝つのは不可能だ。二対二なら天使が勝つが、二体一なら、デイモン姉妹に勝ち目がある」
190スキャンティ&ニーソックス6:2010/12/30(木) 00:41:07 ID:BUgL1ebJ
「な、なんだかバカにされているような気もしますが」スキャンティが言う。「ニーソックスさん、とにかく行きますよ」スキャンティが言った。
「はい、お姉さま」

デイモン姉妹とストッキングの戦いが始まった。戦いはしばらくつづいたが、デイモン姉妹の攻撃の前にあっさりストッキングが倒れる。明らかに以前のストッキングではない。
「攻撃をやめい!」ガーターベルトが叫ぶと、倒れたストッキングに駆け寄る。
ガーターベルトはポケットから瓶のようなものを出し、ストッキングの頭を抱えて、瓶の口にいるてんとう虫を鼻から吸わせる。
「うう」ストッキングが呻く。

「なるほどぉ。気づいていましたか、さすがガーターベルト。まだまだ鈍っていないところもあるんですねえ」コルセットが言う。
「当たり前だ」
「ど、どういうこと?」ブリーフが尋ねる。
「こいつは、わしたちが教会に戻る途中、ストッキングの魂を虫に変えて吸い出したのだ」
「そ、それを捕まえていたってわけ? 」
「そのとおり。空っぽになったストッキングをこやつが操っておったというわけだ」
「じゃあ、ストッキングは」
「ああ、意識を取り戻せば以前の状態に戻るだろう」

「くっ」コルセットがうめくが、すぐに笑っていう。「デイモン姉妹、あなたがたほんとにこのままガーターベルトのいうことを聞いていていいんですか?
「・・・」スキャンティもニーソックスも答えられない。
「今からでも遅くありませんよ。私に協力すれば裏切ったのは水に流してあげます」
「ほ、本当ですか?」スキャティが言う。
「もちろんです。首尾よくヘルズゲートが開けば、一緒に地獄に行きましょう。あなたがたの働きもちゃんと報告してあげますよ」コルセットが言う。
「仕方ありませんね」スキャンティが言う。
スキャンティとニーソックスがブリーフを両側から押さえて動けなくする。
「ひ、酷いよ。友達になったはずなのに」」ブリーフが言うが二人は離さない。
「その調子です、ヘルズゲートの錠にそいつを連れてらっしゃい」
191スキャンティ&ニーソックス7:2010/12/30(木) 00:42:04 ID:BUgL1ebJ
デイモン姉妹に裸にされ、ヘルズゲートの錠の上に乗せられるブリーフ。
ブリーフのぺ○スが錠に挿入されると、地響きとともに地面が割れ、そこから目もくらむような光が溢れ出てきた。

「ははは。ひっかかりましたね、ガーターベルト。ヘルズゲートの光には天使を治癒する力などありませんよ、むしろ天使や人間を倒す働きがあるのです」コルセットが高笑いしながら言う。

「今鍵穴に入れたのはブリーフのぺ○スではないぞ。悪魔界のアダルトグッズ、リバース・エフェクト・ディルドーだ!」ガーターが手で光をさえぎりながら叫ぶ。
光を受けて、パンティのかけらを集めた布袋がもぞもぞ動きだした。
「おい、ここどこだよ? 誰かだしてくれよ!」袋の中でパンティが叫ぶ。
倒れていたストッキングも目を覚ました「あれ?」
「ようやく正気に返ったようだな」ガーターが言う。
「お、おのれ!」コルセットが歯軋りする。「だましたな、デイモン姉妹!」

袋を開けてパンティを引っ張りだし、ガーターが二人に言う「お前たち、今こそとどめを刺すのだ!」

(変身シーンは省略)

パンティとストッキングの銃と剣の攻撃を受けて、コルセットが爆発した。
「おぎぐぎゃりーっっ!」(千葉繁風)

地面に開いた穴から差す光はなおも強くなっていく。

「こ、これがヘルズゲート?」
「お姉さま、まぶしくて中が見えません!」
「へ、ヘルズゲートはどこ?
「お姉さま! 尻尾が・・・」
二人の自慢の尻尾が煙を上げて燃え出している。
「ニーソックスさん、あなたの角が」
「わっ!」
角も白い光を浴びてどろどろ溶け始め、続いて煙を上げて燃え上がった。
「ぎゃ!」
「こんな!」
苦痛のあまり二人は目をつぶってうずくまることしかできない。
何分かたち、光がやんだ。
192スキャンティ&ニーソックス8:2010/12/30(木) 00:43:01 ID:BUgL1ebJ
「君たち・・・!」やっとのことで目を開いたブリーフが叫ぶ。
そこにいたのは、ブルネットの髪をしたスキャンティ、ブロンドの髪のニーソックスだった。二人とも透き通るような白い肌をしている。
「うむ。計画どおりだった」ガーターがつぶやく。
「だ、だましましたね」スキャンティが叫ぶ。
「地獄へ戻すといいながら、地獄の門など開いてはいないではないですか!?」
「お前たち、まだわからんかっ!」ガーターが怒鳴る。
スキャンティもニーソックスも自分の手をみて異変に気づいた。
「これは」
「これは・・・まるで」

「げ、お前たち、まさか・・・」パンティも言う。

「そうか、君たち天使に戻ったんだ」ブリーフが言った。

「わ、私たちが」
「天使ですって??」

スキャンティがニーソックスに目をやる。尻尾も角もすっかりなくなっていたが、とれた跡はきれいに修復されている。
「お姉さま! その背中!」
スキャンティにもニーソックスにも小さいながら二つの羽根が生えていた。
驚きのあまり声を失っている二人に、天から光が差し込む。
二人の体がふわりと浮いた。
「お前たちの罪は償われた。天界に帰るがよい」ガーターが言う。
ゆっくりと天に昇っていく二人を見ながらブリーフが言う「なんだ、もうお別れだね」

見上げるブリーフに視線を向けてスキャンティが言った「あなたには確かに世話になったみたいですね」
「あなたが天国に来たら、責め苦を・・・じゃなかった待遇をちょっとよくすることを考えてあげましょう」ニーソックスが言った。

やがて二人の姿が空高く、見えなくなるほど小さくなった。

「ガーター、こうなることを知ってたの?」ブリーフがガーターベルトにたずねる。
「ああ。悪魔姉妹には話してあった。ただ本当にあいつらが信じられるかは自信がなかった。それにわしも嘘をついていた。地獄に戻れるとしか話しておらんかったからな」

「なんだよ? なんであいつらだけ帰れるの?」パンティが言った。
「お前はまだ義務を十分果たしておらんからな」ガーターが言った。
「まあ、いいんじゃない? ライバル天使がいるのも疲れそうだし」ストッキングが言った。
「ま、そうだな。あいつら好かないしな」パンティが笑った。

残されたジーストリングに乗り込んだパンティが言った。
「おい、ブリーフ、いつまで見てんだよ。早く乗らないと置いてっちまうぞ!」
「わあ、待ってよパンティ」慌てたブリーフが乗り込むと、タイヤを鳴らせてパンティが車を発進した。

おしまい
193名無しさん@ピンキー:2010/12/30(木) 00:44:30 ID:JzFB/ir9
GJ!
普通に面白かった
あと状況がちょっと分かりにくかった マル
194名無しさん@ピンキー:2010/12/30(木) 00:45:19 ID:BUgL1ebJ
すみません。こんな話になる予定じゃなかった・・・。
あと駆け足すぎですね、最後がだんだん大変になってきて。
チャックとファスナーのこと忘れてたけど、適当に補完して下さい。
195名無しさん@ピンキー:2011/01/02(日) 15:48:46 ID:Y4qUgPc+
あけましておめでとう
パンティとブリーフで書いてみるから保守
196名無しさん@ピンキー:2011/01/04(火) 00:44:20 ID:VRt8Vy6L
あけおめ
パンティとブリーフのお話たのしみ まってます!
197名無しさん@ピンキー:2011/01/04(火) 00:51:16 ID:tE2N+H69
>>192
何このちょっといい話
198名無しさん@ピンキー:2011/01/04(火) 01:27:19 ID:8bzGAxMm
pixivにもいくつかいい読み物あるね
199名無しさん@ピンキー:2011/01/04(火) 01:29:17 ID:tE2N+H69
>>198
教えて
200名無しさん@ピンキー:2011/01/05(水) 00:10:33 ID:2WBecQf8
自分で調べてくれば良いじゃん
20個くらいしかないんだし
201名無しさん@ピンキー:2011/01/05(水) 01:24:15 ID:BchRwBZ6
もうちょっと話膨らませればいいのに。これが面白いよ、とか。
つまんねえ奴。
202名無しさん@ピンキー:2011/01/05(水) 12:35:35 ID://ju5k4r
お前は一体誰と戦ってるんだ
203名無しさん@ピンキー:2011/01/06(木) 00:47:44 ID:K3pTm1LW
スレ読んだがつまらんSSばっかりだな。失望した。
204名無しさん@ピンキー:2011/01/06(木) 01:32:18 ID:xWjNLc3E
ここにも湧いたのかよ評価厨。そういうのは過疎ってないスレに行きな
205名無しさん@ピンキー:2011/01/06(木) 07:25:11 ID:h+fAdjD5
どんなSEXがいちばん良かったかパンティにアンケート取りたい
206名無しさん@ピンキー:2011/01/08(土) 02:27:34 ID:7jLKsWB7
アンケートは普通複数人に同じ質問内容を渡すものだ。
そういうのはインタビューと呼ぶのが適切だな。
207名無しさん@ピンキー:2011/01/08(土) 03:51:32 ID:OTkJpAfi
作中でエロエロやってるから創作意欲があんまり湧かないんかね
ブリーフとパンティの濃密なセクロスやゴーストに陵辱されるストッキング見てみたいんだけどな
208名無しさん@ピンキー:2011/01/08(土) 20:33:36 ID:dSvvu/Jn
VIPとかで面白いSSない?
209名無しさん@ピンキー:2011/01/09(日) 02:38:50 ID:ZjBHRmuI
pixivいけ
210名無しさん@ピンキー:2011/01/09(日) 02:40:44 ID:32GE2xRo
ピクシブのはほんと1ページ程度のものばっかりで内容もつまらん。
211名無しさん@ピンキー:2011/01/10(月) 15:23:19 ID:JLPYYyPQ
ショートストーリーだし1ページでもいいと思うけど少し物足りないね。
性転換ばっかで萎えてたがレボリューションズで抜いてしまった。
212名無しさん@ピンキー:2011/01/12(水) 07:08:55 ID:XVTMZVQf
表紙変えてたやつか。あれはいい感じにエロくてキャラに違和感もなく上手く展開してたな。



ただ、ああいうのがこっちに流れず、pixivに上がってる事に時代の流れを感じる…
213名無しさん@ピンキー:2011/01/12(水) 20:39:18 ID:XLjQTYJT
あれは量がすごいから無理じゃないか?文字数が二万超えてる。
こっちに載せ様と思ったら30レスくらい使うことになるだろう。
盛んなパンティの隣部屋でオナニーにふけるストッキング希望てリク投函してきたわ。
214名無しさん@ピンキー:2011/01/12(水) 21:02:59 ID:2VMRTWMQ
レボリューションズってタイトル?
215名無しさん@ピンキー:2011/01/12(水) 21:03:35 ID:2VMRTWMQ
検索したけどわからん。
216名無しさん@ピンキー:2011/01/12(水) 21:57:11 ID:XLjQTYJT
セックス・レボリューションズてタイトル。
載ってるのはピクシヴだぞ。ググってもダメだぞ。
217名無しさん@ピンキー:2011/01/13(木) 00:32:31 ID:5/H30u/6
pixivで検索したけどわからん。
218名無しさん@ピンキー:2011/01/13(木) 00:58:23 ID:L2RhWfr3
>>217
18歳以上にならないと無理

ちなみに今このスレに投下するために書いてる最中って人はどのくらいいる?
219名無しさん@ピンキー:2011/01/13(木) 23:00:28 ID:NFg71+Bu
セックス・レボリューションズとやら見てきた。
いいなーこれ。
220名無しさん@ピンキー:2011/01/14(金) 00:00:48 ID:z1Xindz0
これからはこんなスレに投稿じゃなくて、Pixivに乗せなきゃダメだな。
221名無しさん@ピンキー:2011/01/14(金) 00:16:01 ID:HllQA9gu
pixivだと名前晒すことになる上に敷居も高いから敬遠されがち。
さすがに二万文字越えすると辛いけどSSの投稿ならコッチの方が良いと思うぞ。
ここが過疎ってるのがいちばんの問題。

超短編でもエロ妄想でもなんでもいいから燃料入れようよ。
222名無しさん@ピンキー:2011/01/15(土) 02:42:51 ID:uXjKR0VN
でもこのスレ反応もないしつまんないんだよな。保管庫もないし。
書き手のモチベーションが保てないよね。
223名無しさん@ピンキー:2011/01/15(土) 13:22:58 ID:W2WYwa6G
反応は割といいと思うんだが見てる人が少ない気がする。アニメが1クール終わってレス200は酷い。
それにパンストのエロは需要ないんかね。エロパロも半角二次もpart1でdat落ちの予感。
224名無しさん@ピンキー:2011/01/15(土) 16:18:34 ID:ulqFlcTr
作品そのものがエロパロみたいなものだしなぁ
こればっかりは良い意味で仕方ないとは思う。
225名無しさん@ピンキー:2011/01/15(土) 21:17:59 ID:W2WYwa6G
パンティはともかくストッキングは?
ストッキングのエロは作品中でもエロパロでもあんま無いよね。
シチュが難しい?
226名無しさん@ピンキー:2011/01/15(土) 22:15:28 ID:Iq474GA2
ゴースト一目ぼれエピソードがいろんな意味で衝撃強すぎたしねえ。
難しい。
227名無しさん@ピンキー:2011/01/15(土) 22:21:48 ID:MC227ua2
>>226
結局あのゴーストとはプラトニックだったんだっけ?
228名無しさん@ピンキー:2011/01/16(日) 00:39:38 ID:c7FZo6KL
>>227
たぶんセクロスはしてなさそう。

ブサイクゴースト×ストッキングで書ける人がいたらそれは猛者だと思うよ。
俺の脳ではどう絞ってもアイデアが出ない。ってか書く気が起きない。

ストッキングDEエロっていうと上にあったようにオナニーか
ゴーストに縛られてアンアンか
229名無しさん@ピンキー:2011/01/17(月) 02:45:23 ID:MRIu8o/m
またPixivネタで申し訳ないけど、「パンストではっぴーにゅーいやー」が天使デイモンの関係が
もう見られない、という渇きを癒してくれる正統派SS漫画という感じなので未読の人はぜひ。
良い意味でも悪い意味でも予想どおりかもしれないが、絵もストーリーも上手で安定感がある。
こういうのを連載で読みたいなあ。
エースの連載はSFパロディとか、なんか違うんだよね、求めているものが。
230名無しさん@ピンキー:2011/01/17(月) 02:46:45 ID:MRIu8o/m
VIPでデイモン姉妹VS天使のお遊びのSSをちょっと書き始めたが、誰も保守してくれなくて、
続きを書こうと翌朝になったらもう落ちてた。
あそこ速いのね・・・。
231名無しさん@ピンキー:2011/01/17(月) 08:58:40 ID:MdHOxvql
>>229
俺もあれはいいものだと思う。
同氏の鬱パンスト漫画も大好きだけどな。

VIPてパンストスレあるんだ?
もったいないからここにうpればいいと思うよ!
232名無しさん@ピンキー:2011/01/19(水) 08:40:24 ID:DuPmifos
今書いてる途中なんでほしゅ




とやる人もいないってことはこのスレも300前にdat落ちか
233名無しさん@ピンキー:2011/01/19(水) 10:52:47 ID:2NOl1xJb
落ちるまえに既存のものをどっかに保管して欲しい。
234名無しさん@ピンキー:2011/01/19(水) 10:52:52 ID:sYzP11KF
今書いてる途中なんでほしゅ
235名無しさん@ピンキー:2011/01/19(水) 21:19:25 ID:DuPmifos
>>233
作ってくれ。または何か投稿するかせめて保守して落ちるのを防いでくれ。

>>234
本当か?信じてるぞ
236名無しさん@ピンキー:2011/01/20(木) 09:25:10 ID:KdZ22ufy
書く書く詐欺
237名無しさん@ピンキー:2011/01/20(木) 17:13:39 ID:8rC58UCk
>>235
そこまで思い入れがあるんだったら自分でなんかやりゃァいいじゃないかw
238名無しさん@ピンキー:2011/01/20(木) 22:09:24 ID:X4XbAKAW
>>237
このスレで10回くらい保守してるぞ!
239名無しさん@ピンキー:2011/01/23(日) 22:48:08 ID:qsP5cAKo
作品期待ほしゅ
240名無しさん@ピンキー:2011/01/24(月) 20:06:56 ID:xoI8IJcv
保守するのはいいが、たまには作品投稿しろよ
241名無しさん@ピンキー:2011/01/24(月) 21:18:39 ID:xoI8IJcv
一応保守
242名無しさん@ピンキー:2011/01/24(月) 22:04:01 ID:4Ctm/86I
    _____________
   /|:: ┌──────┐ ::|
  /.  |:: |          | ::|
  |.... |:: |         | ::|
  |.... |:: |         | ::|
  |.... |:: └──────┘ ::|
  \_|    ┌────┐   .|     ∧∧
      ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄     (  _)    俺が保守を繰り返すことで
             / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄旦 ̄(_,   )
            /             \  `
           | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|、_)
             ̄| ̄| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| ̄| ̄

     |           .( ( | |\
     | )           ) ) | | .|
     |________(__| .\|       このスレを見てる誰かがエロい小説を書く時間が稼げる
    /―   ∧ ∧  ――-\≒
  /      (    )       \
  | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |
  |______________|

   ∧∧
  (  ・ω・)
  _| ⊃/(___
/ └-(____/
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     俺はそういう妄想を抱きながら明日もこのスレをチェックするんだ
  <⌒/ヽ-、___
/<_/____/
243名無しさん@ピンキー:2011/01/24(月) 23:11:07 ID:WjFOfRzc
そんな頻繁に保守せんでも落ちたりしねーよ
244名無しさん@ピンキー:2011/01/25(火) 01:40:18 ID:CGM6CtVZ
>>243
スレの死亡フラグを立てるなあああ
245名無しさん@ピンキー:2011/01/25(火) 02:40:46 ID:X6QJvUpR
エロなしなら書きかけのあるけど。
読んでくれる?
246名無しさん@ピンキー:2011/01/25(火) 05:15:02 ID:h/ahrVCs
>>245
wktk
247名無しさん@ピンキー:2011/01/25(火) 08:31:21 ID:CGM6CtVZ
>>245
カモン!!
248名無しさん@ピンキー:2011/01/28(金) 00:55:59 ID:LeX+I0m5
                       /
                 ,. 、       /   /
               ,.〃´ヾ.、  /  /
             / |l     ',  / /
        ,、     ,r'´  ||--‐r、 ',       保   守   !
       l.l. ,..ィ'´    l',  '.j '.
       'r '´          ',.r '´ !|  \
       l!     ....:.:.:.:.:.:ヽ、   ,l    \
        ゝ、.,_ ---‐‐‐----ゝ、ノ
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249名無しさん@ピンキー:2011/01/28(金) 01:34:19 ID:JLuHFGzW
書く書く詐欺の奴うぜえ。
そういう奴がいるからだめなんだ。二度とくるな。
250名無しさん@ピンキー:2011/01/28(金) 20:34:29 ID:LeX+I0m5
>>249
人がいなくなっちゃうよ><

いやいや、小説って書くの時間掛かるんだよきっと。
書けても一日1000字くらいじゃないか?
一作品作るのに何日かかる?
251名無しさん@ピンキー:2011/01/29(土) 05:15:03 ID:mOCk9hHw
気長に待つって大事だよな
個人で書いてるんだから書くって宣言して絶対書かなきゃいけない義務なんて生じないわけだし
好きな時に好きなだけ書いて好きな時に投稿するのが一番
252名無しさん@ピンキー:2011/01/29(土) 09:07:38 ID:Ie8SxQwx
そんなこと言ってるからスレが落ちるんだよ。
253名無しさん@ピンキー:2011/01/29(土) 14:14:10 ID:mOCk9hHw
かと言って他人を貶めるのは間違いだな
スレを落としたくなかったら自分で保守したり書いたりして頑張るべきだ
254名無しさん@ピンキー:2011/01/29(土) 15:43:18 ID:nApMzue4
落とさないようにがんばろうぜ。
俺は待ち続ける。

とりあえずストッキング分のエロパロが不足していると思うんだ。
このスレ見てもpixiv見てもパンティ>ストッキング≒0だよな。
同人誌ではストッキング>パンティ>>デイモンズなのにね。
255名無しさん@ピンキー:2011/01/29(土) 15:57:00 ID:Ie8SxQwx
デイモン姉妹ディスってんのかよ。
256名無しさん@ピンキー:2011/01/29(土) 20:14:57 ID:nApMzue4
>>255
スマン、3つくらいはあったかも試練
257名無しさん@ピンキー:2011/01/30(日) 21:19:53 ID:dSwBbfA0
                  ∧   、
           、 _    l \__} ヽ
               \   ̄ `  ヽ   〉ー-.、
               >    ,.イ    /    \
            < ___ / |  / `ヽ    〉
              r ,' 「::} |/   「::} V   ′
                   V └′   └′ ,}_ /
                    ヽ    、 ̄ フ  __丿l
                    >‐,-=´-<  人_,
                   / / j|    j| ハ    、 ノ
            ヽ ̄   l |`ー ´ | l、 lヽ. _>
258名無しさん@ピンキー:2011/01/30(日) 23:08:18 ID:5UKQMchT
新着情報
pixivにストッキング×パンティの百合小説

うん、またピクシブの話なんだすまない。
エロは控えめだけど結構良かった。
そして、このスレの意義は…。
259名無しさん@ピンキー:2011/01/30(日) 23:15:29 ID:IEZ+o6qb
>>258
宣伝いらないよ
260名無しさん@ピンキー:2011/01/30(日) 23:19:10 ID:N7ssbo8W
2ちゃんで宣伝してやるなよ
261名無しさん@ピンキー:2011/01/30(日) 23:20:47 ID:5UKQMchT
すまない、本人でも宣伝でもないんだがスレの燃料になってくれれば幸い。
262名無しさん@ピンキー:2011/01/30(日) 23:35:06 ID:N7ssbo8W
じゃなくて2ちゃんに晒されたのを知ったら作者がもう書きたくなくなるかもしれないとか
そういうのを心配してやってほしかった
263名無しさん@ピンキー:2011/01/31(月) 00:47:14 ID:l2EGO1KU
紹介ありがたいけど。
264名無しさん@ピンキー:2011/01/31(月) 01:36:23 ID:bRE6f2vu
バカにしながら晒すのは論外だけどこういうんならいいんじゃないかね
作者視点で見るなら259・260のようなレス着く方が嫌だと思うな
265名無しさん@ピンキー:2011/01/31(月) 02:47:31 ID:Wbf0rLqJ
で、匿名なのをいいことに糞つまんねー死ねとここで書かれる可能性は考えないのか
266名無しさん@ピンキー:2011/01/31(月) 08:17:35 ID:bRE6f2vu
267名無しさん@ピンキー:2011/02/02(水) 01:29:00 ID:6+1nrCdR
人に考えろと言う前に、まず自分の言い方を考えてからレスした方がいいよ・・・
匿名だからって
268名無しさん@ピンキー:2011/02/02(水) 02:30:02 ID:buu7m+1I
エレファント速報にパンストSSがおそらく初めて載ってるよ。
まあ、あんまり期待しないほうがいいです。
269名無しさん@ピンキー:2011/02/05(土) 15:28:44 ID:uAmrSiZV
ストッキングの書いてるんだが
作中に喘ぎがない分セリフが難しいわ。
270名無しさん@ピンキー:2011/02/05(土) 23:08:22 ID:r4IosRao
渋キテルーーーー
271名無しさん@ピンキー:2011/02/05(土) 23:46:36 ID:r4IosRao
あれ?消えた
272名無しさん@ピンキー:2011/02/06(日) 00:06:39 ID:PCtfut2u
どした?
273名無しさん@ピンキー:2011/02/06(日) 00:17:06 ID:bc1qoTlQ
>>270
誤爆だろw
渋って何
274名無しさん@ピンキー:2011/02/06(日) 02:28:52 ID:rKD4SXHs
ピクシブじゃね?
275名無しさん@ピンキー:2011/02/06(日) 03:39:47 ID:N4XK7L5z
183みたいなのならまた書いてもいいよ。
その後の世界の出のデイモン日常とかのゆるい話。
276名無しさん@ピンキー:2011/02/07(月) 18:17:04 ID:mkTJV8g3
なんでもいいから新作投下まだぁ?
277名無しさん@ピンキー:2011/02/07(月) 20:28:42 ID:oq12SAIR
グロやリョナでもOKなのかー?
278名無しさん@ピンキー:2011/02/07(月) 23:23:11 ID:VsmFHhqY
まあガマンする
279名無しさん@ピンキー:2011/02/08(火) 01:04:56 ID:td3gsnyd
パンスト姉妹が捕まって大人数に拷問されたりする小説考えたんだが
オリキャラ男達を目立たせずに書ききる方法がわからずに止まってる
280名無しさん@ピンキー:2011/02/08(火) 13:19:21 ID:odKQHOrd
そういうのは永久に止まってていいよ。
281名無しさん@ピンキー:2011/02/08(火) 23:57:32 ID:td3gsnyd
ほら、やっぱりNGなんじゃねーかwこれだから2chは。
ピクシブ様なら受け入れてくださるのに。
282名無しさん@ピンキー:2011/02/09(水) 00:07:47 ID:M9Xof7vj
家族と共用でなかなか書けん
ほとんど詐欺でごめんなさい
283名無しさん@ピンキー:2011/02/09(水) 00:12:09 ID:zH9Guvu2
>>282
ケータイで書くといいよ。
いつでもどこでも思いついたとき書けるし。
284名無しさん@ピンキー:2011/02/09(水) 00:19:55 ID:R2lsTH+o
「書こうかなぁ?」
「がんばって書いて、待ってます!」
みたいな小芝居はさ、一回ぐらいはお約束でやってやってもいいけど、ちょっとくどいんだよ。
285名無しさん@ピンキー:2011/02/09(水) 00:23:24 ID:zH9Guvu2
言いたいことはわかるけど
スレのふいんきを悪くする発言は。。。

小説まで行かなくていいから
せめてエロネタだしてくれ、みんな
286名無しさん@ピンキー:2011/02/09(水) 01:03:55 ID:u22syfS7
>>285
書かない人がそれ言うのもどうかと思います・・・
287名無しさん@ピンキー:2011/02/09(水) 19:27:26 ID:zH9Guvu2
>>286
「それ」とはどのことを指すの?
スレのふいんきを悪くするのはダメってことを指してるのか
小説書けなくてもエロネタは出してくれって頼んだことを指してるのか。

前者でも後者でも、おかしなことは言ってないと思うんだ。
288名無しさん@ピンキー:2011/02/09(水) 20:27:37 ID:18QhkgxD
>>287
てめー自身がエロネタも出さず他人にばかり求める乞食根性を何とかしろと言いたいんだよ。
289名無しさん@ピンキー:2011/02/09(水) 23:20:21 ID:zH9Guvu2
>>288
ネタ出してるよ、俺。つか見返したら番200以降俺しか出してない。
290名無しさん@ピンキー:2011/02/11(金) 02:55:26 ID:8RwmTBWc
渋はエロ無しのつまんないのばかりと言うが小説部門の中ではパンストものは閲覧数けっこうある方だな。
1000越えもちらほらあるし。
これだけ種がないとエロ無しの文章でもじゅうぶんに萌えられるぜ?
エロは各自脳内ですればいいんだよ。
291名無しさん@ピンキー:2011/02/11(金) 05:31:13 ID:UGxR0tKl
原作の次点でエロパロみたいなもんだから、アニメでやらなかったような話や
シチュ・フェチを重要視した話に需要があると感じた

パンティのエロ部分をアニメに則って「イエスイエスオーマイガー」で書いてたらどうしてもギャグにしか見えなくなるw
らしさを取るか、エロさを取るか…
292名無しさん@ピンキー:2011/02/14(月) 00:37:44 ID:gKTfSUD/
\               U         /
  \             U        /
             / ̄ ̄ ヽ,
            /        ',      /     _/\/\/\/|_
    \    ノ//, {0}  /¨`ヽ {0} ,ミヽ    /     \          /
     \ / く l   ヽ._.ノ   ', ゝ \       <   バーカ!  >
     / /⌒ リ   `ー'′   ' ⌒\ \    /          \
     (   ̄ ̄⌒          ⌒ ̄ _)    ̄|/\/\/\/ ̄
      ` ̄ ̄`ヽ           /´ ̄
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  −−− ‐   ノ           |
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         /           ∠_
  −−   |    f\      ノ     ̄`丶.
        |    |  ヽ__ノー─-- 、_   )    − _
.        |  |            /  /
         | |          ,'  /
    /  /  ノ           |   ,'    \
      /   /             |  /      \
   /_ノ /              ,ノ 〈           \
    (  〈              ヽ.__ \        \
     ヽ._>              \__)
293名無しさん@ピンキー:2011/02/14(月) 23:29:54 ID:8jjeouJa
↑保守してくれてありがとう。
このスレの存在を忘れかけてたぜ。
そういやシブに新作きてましたよっと。
294名無しさん@ピンキー:2011/02/15(火) 00:48:27 ID:/6rR/cKL
多くの人に見て貰いたいのは解るが、ピクシブ用のRSSじゃあるまいし…
295名無しさん@ピンキー:2011/02/15(火) 10:15:18 ID:1kCcYjFD
pixivに上げないと誰も読んでくれない時代になりましたな
この過疎っぷりはファンとして悲しい
296名無しさん@ピンキー:2011/02/16(水) 01:08:01 ID:+W/feBwI
ピクシブでもなんでも話題になるならなんだっていい
だって、今年になってこのスレなんも投下されてないじゃん
エロパロは2chはこうあるべき、なんてつまらない意地を張ってるばあいじゃない
297名無しさん@ピンキー:2011/02/17(木) 19:00:33 ID:GiFEZxYu
最近ピクシヴは見てないけど、なんか良い作品増えてる?
298名無しさん@ピンキー:2011/02/17(木) 21:52:47 ID:yDl8dHuc
生意気ギークボーイって小説が面白いよ!!
口元を歪ませること間違いなし!!
299名無しさん@ピンキー:2011/02/18(金) 12:15:53 ID:/058q+Wb
宣伝にしか見えないのはなんでだろう
300名無しさん@ピンキー:2011/02/18(金) 16:41:06 ID:UUPKQMgz
人のこといえないが、お前の考え方がひねくれてるからじゃないか?
こんな過疎スレで宣伝して何のメリットがあるんだ。宣伝ならmixiやツイッターでするだろ。

クソ生意気なパンスト姉妹が男たちに囲まれて陵辱の限りを尽くされている小説が読みたいな。
とんでもないビッチなのでただの集団レイプじゃ喜ばせるだけだし彼女らが折れるくらいハードなやつで。
301名無しさん@ピンキー:2011/02/19(土) 01:16:47 ID:S+0z/StV
ほしゅほしゅ書きすぎるのも悪いし
せっかくなんで思いつきでなにか書いてくよ

302エンジェルソウ 1:2011/02/19(土) 01:19:20 ID:S+0z/StV
まっ昼間のダテンシティの遊園地。
夏の日差しは季節が進むと共に弱まり、やや涼しさが戻ってきていた。
赤毛の髪を持つ少年は空き缶専用のゴミ箱の淵に両手を着いてうつむいた。
ファッションという言葉のかけらもない少年の髪は寝癖か天然パーマかわからないくらいもさもさしていた。

「うぷっ、気持ち悪い……」
「おおい、吐くなよ。吐くのだけはやめろよ」

少年とは不釣合いな美しいスタイルを持つ金髪の少女はトイレを探したが見つからない。
遊園地のマスコットキャラクターがぷかぷか浮かぶ風船を子供たちに渡している。
人垣はジェットコースターで酔った少年の行く末など興味がなさそうだった。

「ギークボーイが遊園地の乗り物で酔うせいで萎え萎えだぜ!ファック!」
「うええ……パンティは、こういう乗り物がすきなの?」
「ああ、好きだね。最高じゃん?」
「飛べるのに?」
「バーカ、飛べるとか関係ねーんだよ。吐いたらキスしてやんねぇからな」
303エンジェルソウ 2:2011/02/19(土) 01:35:27 ID:S+0z/StV
なんとか落ち着いたギークボーイもといブリーフは売店で買ったバニラシェイクをストローで啜りながらベンチに腰掛けていた。
天界からの使いパンティは渡された砂糖抜きのアイスコーヒーを同じようにストローで啜ってブリーフの隣に座っている。

(パンティ、かわいいよパンティ…!)

パンティと接近してみてブリーフはふと思った。
もしかしてこういう時、肩を抱いたほうがいいのかもしれないと。
気付かれないようにそーっと反対側の肩に手を伸ばして赤いキャミソールドレスから露出した肩に触れる。

「つめたっ!?」
「ご、ごめん!?」
「…バカ!まだ昼間だぞ!何してんだこのギークがッ!」

またやらかしてしまったと肩を落として落ち込むブリーフだった。
表情に暗い影を落としているブリーフを見て少し不憫に思ったパンティはチューとコーヒーを吸ってから

「あたしさ、会ったオトコとはセッ○スばっかりしてたけど、こういう楽しみ方もあるんだなって思い出せたよ」
「……えっ」
「シット……何度も言わせんなよ、バカ」
「本当に?僕といっしょにいるのは楽しいかい?」
「そう言ってんだろーが」
「うん、ありがとう」
「……。高いところも苦手なんだっけ?」
「あんまり得意じゃないけど」
「ファック!んじゃ、あの観覧車もお預けだなぁ」
「観覧車!?ぼぼぼぼ僕、乗るよ!乗れるよ!」

パンティと二人っきりで観覧車に乗るというシチュエーションに胸が躍るブリーフ。
恋愛初心者の彼には劇的なシーンになるであろうことは間違いなかった。
きゅーとお腹が縮まって尿意を催してくる。
304名無しさん@ピンキー:2011/02/19(土) 21:47:12.00 ID:4/gtzMzm
  ∧_∧
 ( ・∀・) >>303、続きはまだかね?
 ( ∪ ∪
 と__)__)
305エンジェルソウ 3:2011/02/20(日) 00:12:35.49 ID:Y5G2iPnV
今日も保守ついでにカキカキ
>>304 ありがとう!

「なんだよ、じゃ乗るかぁ?遊園地っていやジェットコースターと観覧車だろうしな」
「パンティ!僕、トイレ行ってきていい?!」
「ちっ、行って来いよ。遅れたら別々に乗ることになるからな」
「わかった!ちょっと待っててね!」

売店の近くだったこともありトイレもすぐ傍にあった。
一目散にトイレに駆け出していくブリーフをパンティは見送ってやれやれとため息をついた。

「あたし、何してんだろ……。これが恋ってやつか?ダッセえ……」

お日様を見上げて独り言を呟いた。
恥ずかしいことを口走ってしまったと思って辺りを見回したが人の気配はなかった。
不自然なくらいに、人の気配が、ない。
頭の後ろから太い腕がパンティの胸元に巻きついてきた。

「おい、ブリーフ。いい加減にしないと……」

口元を塗れたハンカチのようなもので覆われた。
ツンとくる薬品の匂いを感じた後、彼女の意識は遠のいた。

「パンティ、ごめん!待った?」

手洗いを済ませたブリーフがベンチに戻ってきたとき、天使の姿はどこにもなかった。

「……パンティ」
306エンジェルソウ 4:2011/02/20(日) 03:14:55.29 ID:Y5G2iPnV
翌朝――
崖の上に堂々と建つセメタリーヒルズ教会。
この豪奢な教会はパンティとその妹のストッキング、通称パンスト姉妹の住居も兼ねていた。
世界一美しいアフロを持つといわれる黒い肌のガーターベルト神父は礼拝堂で髪型をセットしながら、やや老けた警官と話をしていた。

「天使姉妹が退治できるのはゴーストだけなんでしょうか?」
「ほう。と、いうと?」
「我々警察が手を焼いている連中がいましてね。神父様のとこの天使たちでどうにかできないかと」
「ふむ、私にも手に負えんくらい気まぐれな天使たちだからな」
「いつも通り、心ばかりのお礼はさせて頂きますので」

白ヒゲをたっぷりと鼻の下に蓄えたサングラスの老警官は太いお札の束を3つ取り出して約束を取り付けてもいないのにガーターベルトに差し出した。
おそらく年齢相応の高い地位にいる警官なのだろう。
礼拝堂に二人以外、誰もいないことを確認すると神父はさっと札束を袖に仕舞った。
二人はずいぶん長い付き合いであるらしく

「けし掛けるように努力してみましょう」
「本当ですか?助かります」
「ワシんところの天使は素行が悪いが腕はそれなりにありますからな。暴走族だろうがテロリストだろうが問題ありませんよ」
「あ、あのガーター!パンティは!?パンティはいる?!」

玄関の扉を勢いよく開けて飛び込んできたのはブリーフだった。
警官は振り向いて赤毛の少年を大きなサングラス越しに見た。

「では、私はパトロールにでも戻りますかな」
「うむ、ご苦労」

神父にペコリと頭を下げてから駆け込んできたブリーフとすれ違った警官は教会を出て行った。
307エンジェルソウ 5:2011/02/20(日) 22:46:21.64 ID:Y5G2iPnV
ブリーフは警官を見送りガーターへ真摯に詰め寄った。

「パトカーが教会の前にとまってたけど。なにか事件なの?!」
「いいや、彼は私の古くからの友でね。仕事の合間に礼拝しに来るのだよ。それよりどうした。パンティがどうとか」
「そうなんだよ!パンティは戻ってる?」
「戻っておらぬ。ワシのカレーを食べに帰らずどこをほっつきあるいておるのやら」
「昨日、僕と一緒に居たんだけど急にいなくなっちゃって…。遊園地が閉園するまで探したんだけど…」
「なんと。ふむふむ。それは一大事だな。ストッキングなら何か知っておるかもしれん」

ブリーフはガーターベルトの許可を得て長い通路を渡りストッキングの部屋まで走った。
もしもパンティが自分に愛想を尽かしてデートの途中で帰った、だけだったならどんなに気が楽だっただろうとブリーフは思った。
だが、彼女はまだ帰っていない。ブリーフの頭の中で最悪の場面が浮かんだり消えたりしていた。

「ストッキング!ストッキング!!いる!?」

ドンドンと白い扉を乱暴にノックする。
ドアの真ん中にフックで釣り下がっているKeepOutという赤文字の札がブラブラと揺れた。

「いないわよー」

中からいないという返事が返ってきた。

ガチャっ!

「ストッキング!パンティは!?パンティがいないんだよー!」
「ちょっ、マジ?いないっつッたでしょ!?入ってこないでよ!!」

ブリーフがドアを開けると下着姿のストッキングがいた。
しましま模様のストッキングとパンツ、そして今ブラジャーを背中で留めているところだった。
魅惑的なまあるい白い乳房が少しブラジャーからこぼれている所がとても官能的だった。
ブリーフは鼻血を盛大に噴出して大慌てで部屋から飛び出す。
のだが、今日はふざけている場合ではなかった。

「ごご、ごめんストッキング!パンティ知らないかな?」
「知んないわよ!アンタがおおマジなのはわかったから出てけ!!」

ストッキングはかたっぽの足からストッキングを抜き、刀に変えてブリーフに投げつけた。
天使の光を宿した刀はグルグル回りながらブリーフのノドボトケあたりにぶち当たった。鋭い刃が肌に食い込む。

「ぐへえ」

ブリーフは衝撃で部屋の外、廊下までぶっ飛ばされ背中を壁にぶつけた。
ドスンと部屋が揺れて、自動的にストッキングのドアが閉まった。
308名無しさん@ピンキー:2011/02/20(日) 22:51:00.35 ID:Y5G2iPnV
遅筆なので長くかかりそうで申し訳ない。
ただの保守ついでなんで文章書きたい人がいたら途中で投稿しても全く構いませんので。
309名無しさん@ピンキー:2011/02/20(日) 22:59:02.06 ID:tPrQYxVb
GJなんだが、こういうのって書き貯めてから投下するもんじゃないか?
外野は〆宣言くるまでROMるしかなくなるし まぁ人が居ないからいいのかな
310名無しさん@ピンキー:2011/02/20(日) 23:08:03.92 ID:U1RuH+t3
中断してもいいけど、他の人が割り込みしやすいようにつづく、とか明記するのが礼儀。
まあ、この過疎ぶりだとあんまり関係ないけどね。
311エンジェルソウの人:2011/02/20(日) 23:23:40.14 ID:Y5G2iPnV
そうですね。投稿したくて待ってる方には特にすみません。
では、とりあえずエンジェルソウここで一旦締めでお願いします。
312名無しさん@ピンキー:2011/02/21(月) 00:21:48.41 ID:xzRr7nWG
>>311
いいね、いいね
313名無しさん@ピンキー:2011/02/21(月) 23:57:02.48 ID:QBsmMKVy
パンストでいわゆるR-18G小説がないのはおかしいと思うの
普通にいちゃいちゃもいいけど背筋が寒くなるような残酷描写もほしいよね
314名無しさん@ピンキー:2011/02/21(月) 23:57:59.78 ID:QBsmMKVy

今日神IDの俺がレス
315名無しさん@ピンキー:2011/02/22(火) 15:57:10.08 ID:LtxLzHCW
>>314
こうですか!?わかりません><
                              _
                                } `丶
     / ̄ ̄\           「 \  __   -┴ ァ  \       / ̄ ̄\
.    /                  ´         /    ヽ   /
   |   落   |          \        __ く/      .   |    僕.  |
   |   第   |          ∨ __     '⌒ Y      }  |   と  │
   |   天   l           _|{ '⌒ r:‐ヘ    八      ,′  |   契.   |
   |   使   |       / 八    、:::ノ  イ 丶.   /   |   約.   |
   |   に  │ ,  ⌒\/ ,   / ーァ    T´ {    \/\   |   し  │
   |    な.   | ( (⌒ >く/  / . : /     ',: :ヽ :    〈) )  |    て   |
   |.   っ   | 丶\{/ : : :/: : :./       ヽ-ヘ : : : //、           /
   |    て.   l  /\\_∧: : ,′|  i  i | ∨∧// : : :\_\___/
   |    よ.   | (__ ゚: :。 :ーァ‐' : ;  |  |  | |  ー‐く: : : : :。: ゚ : _ノ
   |    !  │  /. : : :。人: : :.:!   |  |  | |     \: 。 : : : :)
             /  (_/{:_:/  \:{.    { ,'    ノ    \_ノ ̄
     \__/              ̄>  \)(/  く
                    / / ̄ ̄ ̄\ \
                   'ー‐        ー‐'
316名無しさん@ピンキー:2011/02/22(火) 19:47:20.71 ID:smqWc03x
衣服を武器に出来る(誓約なし魔法消費なし)ようになるならQBと契約しても良いな
一週間後くらいに頭食いちぎられて死にそうだけどw
317名無しさん@ピンキー:2011/02/24(木) 19:15:45 ID:OMVS+Bwm
あかん、行き詰った。
ブリーフとストッキング会わせたのはいいけどこっからどうすればいい?
318名無しさん@ピンキー:2011/02/24(木) 20:51:06 ID:jBv0Fw6E
セックス
319名無しさん@ピンキー:2011/02/24(木) 21:36:41 ID:OMVS+Bwm
くわしく
320名無しさん@ピンキー:2011/02/25(金) 07:52:36 ID:VqSjxAnP
たまったリビドーをストッキングをむりやり口姦して解消
あれこれしてストッキングがのってきて、いざ本番というところでいなくなったパンティのことを思いだして拒否る
321名無しさん@ピンキー:2011/02/25(金) 13:15:07 ID:LbHut4vU
まず斬られるな
322名無しさん@ピンキー:2011/02/25(金) 14:43:33 ID:PTEPaEVy
デイモン姉妹登場回で、ブリーフが人質に取られたシーン、パンティは冷酷っぽかったけど、
考えてみると、天界兵器は人間には効かないことを知っていたからああいう余裕だったのかな。
魔界兵器? は人間に効くのかもしれないけど。
323名無しさん@ピンキー:2011/02/25(金) 21:20:35 ID:VqSjxAnP
パンティも知ってたと思うよ
ブリーフを容赦なく撃ったシーンが二回もあったしw
ブリーフ初登場時とブリーフのパンツを銃にしたときな
324名無しさん@ピンキー:2011/02/26(土) 01:12:46 ID:AJ4n9NUj
アイデアありがとうございました。続き投下します。
325エンジェルソウ 6:2011/02/26(土) 01:13:32 ID:AJ4n9NUj
「死んだかと思ったよ」
「わたしたちの天界兵器で人間が怪我したりすることはないのよ、で?」

自分のベッドに腰掛けながら足を組むストッキング。
彼女のお気に入りの、といっても街中では少し奇抜に映るゴスロリファッションを着込んでいる。
床に正座しているブリーフを見下すように顎を少し上げているのはイラついているからだろうか。

「ストッキングはパンティの居場所知らない?」
「さーね。どっかで男漁りでもしてんじゃない?ケータイに連絡入れても出ないのよね」
「……だと、いいんだけど。パンティは僕とデートしてつまらなかったから帰っちゃったんだ」
「ぶっちゃけ、そうかも」

しゅんとして俯くブリーフ。
ブリーフの純情を知りながらちょっとやりすぎたと反省したストッキングは言葉を訂正する。

「なーんて。あの様子見てるとそうは思えないけどね」
「え?」
「昨日なんてどの服着ていこう、ってわたしに相談してきたのよ?パンティのくせに」
「パンティがデートの服を迷ってた?」
「あんな気持ち悪いパンティ久しぶりに見たわよ」
「パンティ……」

自分の胸の前で両手の指を組んでもじもじと動かすブリーフ。彼の癖だった。
結局は一人でいた時間の方が長くなってしまったが、あの遊園地で過ごした二人の幸せな時を回想していた。
ストッキングは顔を赤くするブリーフを見ながら、自分の唇の周りを舌でぺロリと舐めた。

「ねえ、ギークボーイ?パンティはダサダサギークなアンタのどこに魅かれたの?」
「そんなの、わかんないよ」
「パンティは言ってたわ。男は顔が良くてチ○ポがデカけりゃそれでいいって」
「僕はどっちも……」
「顔はわたしからみて60点くらい、ギッリギリ恋愛圏内なのよね。アッチの方はどうなのかしら?」
「比べたことないからわかんないよっ!」

ストッキングは床に足を着け、ベッドから立ち上がる。
白くて細い指がすっとブリーフの顔に触れた。
目元から耳へ両手が滑っていって、彼のもさもさした前髪を持ち上げる。
キスされる?
ストッキングと目が合ったブリーフは目線を斜めに落として抵抗の色を示した。

「あら、あんたって前髪で目が隠れてる方がイケメンね」

ブリーフと目が合ったストッキングが素直な感想を述べた。

「なにする気だよストッキング。僕は好きな人とじゃないと……」
「わたし、実は知ってるのよ。パンティの居場所」
「ほ、本当?」
「聞きたいならズボン脱ぎなさいよ。わたしの下着姿見たでしょ」
「……」
326エンジェルソウ 7:2011/02/26(土) 01:14:41 ID:AJ4n9NUj
部屋の壁を背にブリーフは立っていた。
ストッキングはブリーフの前でひざまずいている。
彼女の胸の谷間やさらには着けている下着まで、上からだとよく見えた。

「なかなかの大きさね、パンティがはまるのもわかるわ」
「ストッキング、もう確認したからいいでしょ?僕恥ずかしいよ」
「ここまで来てやめるっての?イヤよ」

ブリーフはズボンを下着ごとずり下ろされて股間を露出させていた。
ストッキングは手でたっぷりしごいて勃起させた特大ディックを頬張った。

「ちょっと……」

口内にモノを納めたまま、舌の表面で裏筋を研磨するように頭を動かす。
ザラザラした舌がねっとりと性感を刺激しブリーフは身を震わせた。

「うう……ストッキング……!」
「ぷは、ほらほらアンタも動きなさいよ。わたしの髪つかんでいいから。わたしをパンティだと思ってすりゃいいのよ」

もっともパンティはこういうプレイはあんまり好きじゃないでしょうけど、と付け足した。
鬱憤も溜まっていたブリーフは、言われるがままに両手でストッキングの髪を掴んで腰を振り始めた。

「んぐっ……んごっ……」

先っぽが柔らかい粘膜に突き当たるたびにストッキングから苦しそうな声が上がる。
ブリーフはストッキングに姉のパンティを重ね、彼女の喉を犯した。
だんだんと動きが乱暴になっていく。

「……っ。……っ」

イチモツを引いたときになんとか細い呼吸ができているようで、ストッキングが窒息することはなさそうだった。
長い髪をたくさん指に絡ませてストッキングの頭を固定し、彼女の顔に腰をぶつける。
327エンジェルソウ 8:2011/02/26(土) 01:15:45 ID:AJ4n9NUj
(パンティ……!)

愛する者の名を心の中で呼んで精を解き放った。
喉の一番奥に熱く滾ったペニスを押し込んだまま、ドクンドクンと体液を放った。

「ごほっ、げほっ……」

男根を吐き出して苦しそうにむせていたストッキングの口から白く濁った液体が顎まで流れた。
彼女はそれを指ですくってぺロリと舐め取りながら

「なかなかよかったわよ」
「……」

まるで食事の後みたいに、ティッシュを取って口元を拭うストッキングを見てブリーフは何も言葉が出てこなかった。
ストッキングはまだまだ漲っているブリーフの股間を見て、嬉しそうに自分のスカートの中に手を伸ばす。

「まだまだ元気ね、もう一回戦イケるんじゃない?」
「そんなことより、ストッキング。パンティの居場所は……」
「ん、そうだったわね。これ、今朝届いてたの」

ストッキングはテーブルに置いてあった封筒を手に取った。
封筒は一度開封された様子で、既に口が開いていた。
ストッキングが中から一枚の写真のようなものを取り出してブリーフに渡した。
ブリーフは血の気が引いて冷たい汗が流れた。体温が一気に下がっていく。

彼の頭に浮かんでいた最悪の事態が、そこにあった。
328エンジェルソウの人:2011/02/26(土) 01:22:32 ID:AJ4n9NUj
つづく。

明日仕事が入って書けるかどうかわからなくなったのでできたとこまで投下。
流石にブリーフがストッキング押さえつけてチンコしゃぶらせるのは
物理的に不可能な気がしたのでストッキングからということで許してくださいな。
329名無しさん@ピンキー:2011/02/27(日) 00:40:05.06 ID:JA2jUS4S
ノーパンナイト見てる?
330名無しさん@ピンキー:2011/02/27(日) 00:47:51.95 ID:/CgkaQjL
つまらないからやめた。
331名無しさん@ピンキー:2011/02/27(日) 00:54:27.90 ID:JA2jUS4S
>>330
そんなこと言うなよ!
パンストの曲が流れたら感動するよ!
それまで見ようぜ
332名無しさん@ピンキー:2011/02/27(日) 00:56:01.18 ID:/CgkaQjL
>>331
だって単調で眠くなるんだもん。
333名無しさん@ピンキー:2011/02/27(日) 01:10:37.91 ID:JA2jUS4S
>>332
けっこう激しい曲ばっかりでいいんじゃない?
音楽はニコニコドウガオンリーの俺でも知ってる曲ばかりで楽しいわ
334名無しさん@ピンキー:2011/02/27(日) 01:13:20.83 ID:/CgkaQjL
わかったよ。じゃあ見るよ
335名無しさん@ピンキー:2011/02/27(日) 01:21:30.64 ID:JA2jUS4S
パンティコスやブリーフコスの人がいるな。
会場で二期告知とかしませんかね、ないですかね。
336名無しさん@ピンキー:2011/02/27(日) 03:15:45.02 ID:JA2jUS4S
二期フラグ立てやがった…
337名無しさん@ピンキー:2011/03/01(火) 00:14:09.79 ID:WwARQYgg
ksk
338名無しさん@ピンキー:2011/03/01(火) 00:14:37.62 ID:WwARQYgg
ksk
339名無しさん@ピンキー:2011/03/01(火) 00:16:05.51 ID:WwARQYgg
ksk
340名無しさん@ピンキー:2011/03/01(火) 00:24:25.95 ID:WwARQYgg
>>291
需要はまともな恋愛モノかもしれないなビッチなだけに
341名無しさん@ピンキー:2011/03/01(火) 19:48:16.81 ID:WwARQYgg
ksk
342名無しさん@ピンキー:2011/03/01(火) 19:59:06.14 ID:WwARQYgg
ksk
343名無しさん@ピンキー:2011/03/01(火) 20:00:10.88 ID:WwARQYgg
ksk
344名無しさん@ピンキー:2011/03/01(火) 20:04:23.43 ID:WwARQYgg
保守
345名無しさん@ピンキー:2011/03/02(水) 23:59:45.80 ID:4q+lWlKm
ほしゅ
346エンジェルソウ 9:2011/03/03(木) 00:33:16.47 ID:veexuSpx
写真に写っていたのは裸に剥かれ、壁にもたれてうずくまっているパンティだった。
両方の手首に一つずつ鉄の枷を嵌められ、そこから伸びた鎖は無機質なコンクリートの壁に打ち込まれた二本の楔に繋がっている。
両手を上げたまま固定されている彼女の身体にはいくつも乱暴を受けた痕跡が残され、色香ある肌にうすく黄色がかった白っぽい体液がこべりついていた。
手枷で切れたのか、左の手首からは少し血が滲んでいる。
写真の端にデートしたとき着ていた赤いキャミソールが写っているが、ボロボロに破かれていた。
ただ一つの救いは、彼女の顔には疲労や絶望の色は浮かんでおらず、右手の中指を立ててこちらを元気よく挑発していることだった。

「なんだよ、これ……!なんだこれええええ!!?」
「なにって、いつも通りのパンティじゃない」
「いつも通り!?」
「3Pとか、それ以上のマルチプレイじゃこんなもんよ」
「違うよ!誘拐されてレイプされてるんだよ!」
「パンティはちょっとしたSMプレイに目覚めたのよ」
「はあ!?なに言ってるの?ドン引きだよ!ストッキングは本当にビッチだ!お姉さんがこんな目にあってるのになんとも思わないの!?」
「……。別に」

別に、という言葉にイラッときたブリーフはストッキングから封筒をもぎ取ると写真を持ったまま部屋を出て行った。
後ろ手で乱暴に閉められたドアがバン!という大きな音を立てる。

「フられちゃった……。つまんない」

後ろ向きに倒れたストッキングを彼女のベッドがやさしく受け止めた。

「どーせ、朝になれば元に戻ってるのに」
347エンジェルソウ 10:2011/03/03(木) 00:35:45.71 ID:veexuSpx
長い廊下でブリーフはベルトを締めながら封筒を見つめていた。
写真の入っていた封筒にはブリーフの予想通り、ストッキング宛であろうメッセージが入っていた。

『アナーキー・パンティは預かった。今日の午後3時。ダテンシティの廃工場通り、第三番工場に一人でこい』

待ち合わせ場所と、こういう手紙にはお約束の警察に連絡すれば女を殺すという意味の文言が書かれていた。
身代金がどうとか金銭に関わることが書かれていないのはそれが目的ではないからだろうか。
じゃあ何が目的で……。
パンティとストッキングに対する怨恨?これもゴーストの仕業?
彼の中で思考がぐるぐると回っている。
パンティは僕が守る、彼女にそう言ったことがあったのはいつのことだったか。
結局、ブリーフがパンティを守れたことなんて一度もなかったかもしれない。
哀れなパンティが写ったポラロイド写真と手紙を交互に見比べてブリーフは拳に力を込めた。
指の間には何本か、長い黒髪が巻きついていた。ストッキングの髪だった。
ストッキングの口内に射精したことを思い出してブリーフは胸が痛み、自分に腹が立った。

「僕って……。最低だ」

怒りでいっぱいになっていた彼の思考が凍えていく。
パンティが捕まって必死に助けを求めているのに、ブリーフはその妹と情事を行っていたのだ。
348エンジェルソウ 11:2011/03/03(木) 00:38:42.43 ID:veexuSpx
少し前の話。
ロック財団の所有している双搭のビル。
都心部に密集している高層ビルなんてまるで比べ物にならないような巨大な二つの建物の間にはダテンシティの市庁があり、
赤いカーペットと金箔で装飾された家具、いかにも高価そうな置物たちがひしめく貴賓室に3人はいた。
やわらかな緑の髪の少女スキャンティと、青みがかった白い髪をポニーテールに纏めた少女ニーソックスだった。
二人の肌は足元のカーペットと同じように赤く、また頭からはツノのようなものが出っ張っていた。
もう一人は質の良さそうな黒いスーツにネクタイを締めた黒髪で短髪の男だった。額から右の眉にかけて斜めに古傷が伸びている。
男と少女らは立派な机で仕切られ、立ち位置からしてこの男が客人のようだった。
サラリーマンにしてはいかつい体躯をしており、目元はミラーの入った細めのサングラスで隠れていた。
椅子が用意されているのに誰も座ろうとしないのはお互いの警戒心の現われだろうか。

「報酬は、そうですわね。300万でどうかしら」
「上等だ。それが頭金ならな」
「当然、頭金ですわ。わたくしたちの望みどおりにしてくださったら10倍の3000万お支払いしましょう?うふふ」
「お姉さま」

ニーソックスは眉間に皺を寄せていた。
カツと靴音を立てて二歩進み、姉のスキャンティに後ろから囁いた。

「いくらなんでも大金すぎるのでは…」
「いいですのよ、ニーソックスさん。人間というものは金で動く生き物なんですから。これくらいチラつかせないと働いてもくれませんわ」
「それで、お嬢ちゃんたちの頼みっていうのは?俺をわざわざ表社会に呼び出して頼むからにはペットの世話じゃないよな」

貴賓室の唯一の出入り口、威厳ある両開きのドアの前にいるカマキリのような鋭い腕を持った赤い生き物がビュンビュンと鎌を振って黒服の男を威嚇していた。
デイモン姉妹のペット、ファスナーである。今は見張りを任されているようだ。

「あら、依頼の内容をお話していませんでしたわね。かーんたんなことですのよ」

豊かな胸で膨れたジャケットの内側に手を差し込み、四角い紙のようなものを取り出した。
それは二枚の写真だった。
忌々しいものに触れたように、机にバンッ!と叩き付けられた写真は机の上を滑って男の前で止まった。
一枚は金髪の女と赤毛の男のベッドシーンが写っている。
二人とも少年と少女と言ってもいいくらいの年齢で、男にまたがり快楽を貪っている裸の女はポルノ雑誌の表紙に取り上げていいくらいの美貌とスマートな身体をしている。
一方で赤毛の男の方は一見してモテなさそうな冴えないオタク少年だった。
もう一枚は、机に豪華絢爛なデザートを並べまくって嬉しそうに目を輝かせているブルネットの長い髪の女が写っていた。
この女も一枚目の金髪と同じくらいの年齢に見えた。
349エンジェルソウ 12:2011/03/03(木) 00:40:39.79 ID:veexuSpx
「これがターゲットか」
「そうですのよ。このバカ面を貴方たちでボコボコにしてわたくしたちの前に差し出すこと。それがわたくしたちのオーダーですわ!」
「殺していいのか?」
「殺すなんて生ぬるいものでは済ませませんわ!もうギッタンギッタンのぬちょぬちょの滅茶苦茶に」
「お姉さま、あまり興奮されてはお体に障ります」
「……コホン。ともかく、そのお下劣なビッチ共を哀れな姿にしてわたくしたちの前に差し出してくださいまし」
「この男はいいのか」

金髪の女に乗られて身悶えている茶髪の男を人差し指でトントンと叩いた。

「その子はどうでもいいですわ」
「なら、ターゲットは二人で頭金は600万だな」
「は?頭金が二倍になるなんて!そんなこと許せるわけ……」
「いいんですのよ、ニーソックスさん。頭金600万なんてわたくしたちにとってはただのお小遣い程度なんですから。ただし」

スキャンティの口元が釣り上がり目がギラリと輝いた。

「わたくしたちの前に差し出したこのクソビッチどもが汚らわしい武器を持って反抗してきたり、元気でピンピンしていた場合は報酬は一切払いませんわ!」
「あんたらの望みどおりに、できる限り痛めつけて二人を差し出せば6000万というわけだな?」
「……っ。そういうことになりますわね。しかし、ただの女と思って油断しないほうがいいですわよ、いちおう」
「天使なんだろ。パンスト姉妹。そして、お嬢ちゃんたちは悪魔だ」
「……さすがにその筋の方ならご存知ですのね。その悪魔を前にしてその横柄な態度、気に入りましたわ」
「いいえ。この男、天使と悪魔の戦争に巻き込まれたというのに怯えを見せないのは無知故ですよ、お姉さま」
「俺は人間の中じゃ悪魔に近いからな」

部屋に掲げられているNoSmokingの札を無視して男は葉巻を吸った。
350エンジェルソウ:2011/03/03(木) 00:42:46.40 ID:veexuSpx

つづく。
351名無しさん@ピンキー:2011/03/03(木) 13:51:38.91 ID:MM/Tw8V7
GJ!
352名無しさん@ピンキー:2011/03/05(土) 18:25:36.08 ID:AQ0IGuqf
ほしゅ
353名無しさん@ピンキー:2011/03/05(土) 19:54:25.93 ID:AQ0IGuqf
      ☆ チン     マチクタビレタ〜
                        マチクタビレタ〜
       ☆ チン  〃  ∧_∧   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
        ヽ ___\(\・∀・) < 投下まだ〜?
            \_/⊂ ⊂_ )   \_____________
          / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ /|
       | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|  |
       | ねんどろいど |/
354名無しさん@ピンキー:2011/03/05(土) 23:50:56.50 ID:AQ0IGuqf
あげ
355名無しさん@ピンキー:2011/03/05(土) 23:53:33.48 ID:AQ0IGuqf
パンストってグッズとイベントの量が他のアニメとはかなり違うよな
二期三期やってもいいんじゃねーの
356名無しさん@ピンキー:2011/03/05(土) 23:57:33.16 ID:AQ0IGuqf
本スレ池ていわれそうだ
357名無しさん@ピンキー:2011/03/05(土) 23:58:15.88 ID:AQ0IGuqf
保守
358名無しさん@ピンキー:2011/03/05(土) 23:59:21.18 ID:AQ0IGuqf
今俺しかいない
359名無しさん@ピンキー:2011/03/06(日) 00:02:16.42 ID:eS/Z4Oju
>>358
そんなことない。
本スレ池
360名無しさん@ピンキー:2011/03/06(日) 23:55:40.36 ID:RffN96LD
ksk
361名無しさん@ピンキー:2011/03/06(日) 23:55:58.79 ID:RffN96LD
ksk
362名無しさん@ピンキー:2011/03/06(日) 23:56:15.11 ID:RffN96LD
ksk
363名無しさん@ピンキー:2011/03/07(月) 00:03:33.20 ID:RffN96LD
作中にエロがあるのにエロパロ板って意味なくね?
364名無しさん@ピンキー:2011/03/07(月) 01:31:27.37 ID:7bNfs3kO
もうエロなしSSでもいいよ
365名無しさん@ピンキー:2011/03/08(火) 23:43:30.65 ID:CDccKOYU
ほしゅ
366名無しさん@ピンキー:2011/03/08(火) 23:44:13.53 ID:CDccKOYU
ほしゅ
367名無しさん@ピンキー:2011/03/08(火) 23:48:13.21 ID:CDccKOYU
ほしゅ
368名無しさん@ピンキー:2011/03/08(火) 23:57:16.19 ID:CDccKOYU
ほしゅ
369名無しさん@ピンキー:2011/03/08(火) 23:57:39.04 ID:CDccKOYU
ほしゅ
370名無しさん@ピンキー:2011/03/08(火) 23:58:09.13 ID:CDccKOYU
ほしゅ
371名無しさん@ピンキー:2011/03/09(水) 00:40:58.58 ID:vIhU7pAH
ありがとう
372エンジェルソウ 13:2011/03/09(水) 23:08:06.60 ID:Kw3AQrCg

パンティが監禁されている部屋は5平方メートルくらいある広い部屋だったが、家具や小物もなくガランとしていて床も壁も青みがかったコンクリートがむき出しになっていた。
まるで施工している最中で諦めたような窓も家具もない石の牢獄に蛍光灯がひとつだけ灯っている。
研磨が済んでいないコンクリートはザラザラと尖っていて擦れるたび彼女の肌にいくつもの擦り傷を作った。
パンティはそんな冷たくささくれ立った石の壁を背に座り、男に犯され続けている。
鎖で手首を拘束されているため窮屈な姿勢のまま、股を開かされていた。

「はぁい♪お兄さん?あたしのpussy気に入った?」

パンティの言葉に答えず、彼女の中で男は果てた。
ドロドロした白濁液が股の間から溢れてコンクリの床にさらに染みを作った。

「溜まってたのね、たくさん出してくれてありがと♪お礼に水でも飲ましてくれると助かるんだけど?」

若い男は少し考えてから奥の部屋に消え、薄く汚れたガラスのコップを持ってきた。中は水道水で満たされている。
パンティは口元に当てられたコップの水をがぶがぶと飲み干し、乾いた喉を潤した。

「サンキュー!もう一回してかない?今度は上の口で、さ」

男のこめかみに革靴の底がめり込んだ。
蹴飛ばされた男は飛ばされ、手に持っていたコップが乾いた音を響かせて砕けた。

「お楽しみの最中悪いな、話があるんでな」
373エンジェルソウ 14:2011/03/09(水) 23:09:20.14 ID:Kw3AQrCg
大柄な黒服の男が立っていた。ミラーの入ったサングラスで隠れていて目元はわからない。
左手には台座が着いた石の彫刻が握られていた。
彫刻は男の靴くらいの大きさで台座に片膝を立てて座る悪魔の像だった。
芸術品の扱いには疎いらしく、四角い台座を丁寧に持つわけでもなく悪魔の胴体を掴んで持っている。
若い男はバツが悪そうに尖ったコップの破片を両手でかき集めると黒服の男の横をすり抜け、部屋を慌てて出て行った。
パンティはだるそうに黒服の男を見上げた。

「レディをちゃんと持て成すように言っておいたんだがな。退屈だったか?」
「いいや。最初は四人同時に相手してたぜ。交代でファックして楽しんでたのにあんたらがへばって行ったんだろ。一人ずつじゃヤり甲斐なくてつまんないっての」
「たまげたな、一晩中交代で男たちに犯されても堪えないのか」
「あたしを誰だと思ってんだ?こんなカッコでいんのにファックされない方が逆に苦痛だね」
「食事も与えられていないのに、元気なもんだ」
「良質なタンパク質を摂ってたからね」

パンティは舌を出して下唇の上でレロレロと動かした。
卑猥な行為を連想させるには十分な舌技だった。
黒服の男は眉ひとつ動かさずに

「噂には聞いていたが、とんでもないビッチ女だな」
「あんたがアイツらのボス?手下に言っといてくれよ、ファックすんのはいいけどナカに出すときはコンドーム使えって。妊娠したらどうすんのさ」
「こうするさ」

行儀悪くあぐらを掻いて座っているパンティの腹に尖った皮靴の先がめり込んだ。
ボスと呼ばれた大柄な男が右足で彼女に蹴りを入れたのだ。
揺れた鎖がジャラリと鳴った。自由に身動きの取れないパンティは身体を丸めて苦しそうな声を上げる。

「げほっ……。う……。チクショウ……」
「おい、もっと根性のある男はいないのか?ビッチエンジェルが新しい男をご所望だぞ」

組織のボスらしき男に声をかけられ、部屋の外で待機していた見張りの男たちが部屋の中を覗き込んだ。
そのうちの一人が頷いて携帯電話を取り出しどこかへ連絡している。
男はパンティの正面にしゃがみ込んで視線を同じ高さに合わせ

「よかったな、新しい男が来てくれるってよ」
「マジ?今度はちゃんとしたイケメン揃いで頼むぜ」
「その威勢がいつまで続くか見物だな」
「ん。その悪趣味な飾りモンは何だよ?」
「知らないのか?お前のオトモダチから借りたんだが……」

男は悪魔の像と目を合わせて意外そうな顔をしたあと、腕に嵌めていた銀の腕時計を見た。

「まあいい。おい、そろそろ時間だ」
374エンジェルソウ 15:2011/03/09(水) 23:12:08.32 ID:Kw3AQrCg
ボスが合図すると見張りの男二人が入ってきて鎖でつながれた腕を両手でガッチリ掴んだ。
一人が黒色の幅広い帯のようなものを取り出してパンティの頭に巻いていく。
ベルトのついたアイマスクは頭に強く固定できるようで、着けられれば自分ではなかなか外せそうにない。
視界を奪われた彼女が頭を振って抵抗するが

「や、やめろ……。なにする気だよ。がっ」
「じっとしてろ」
正面に座った男は少女の細い首を片手で掴んでいた。
後頭部を壁にぶつけたパンティが潰された気道から悲鳴を搾り出した。
節くれだった太い指の並ぶ手は首を掴んだまま力を加え続けている。
パンティが苦しそうにもがき、ガチャガチャと手首に繋がれた鎖が音を立てて揺れた。

「手枷を外せ。楽しいとこに連れてってやるよ」

視界を奪われたまま絞め殺されるかと思った寸前で男が手を離す。目隠しが完成したようだ。
パンティは大きく息を吸って、小さく舌打ちした。
腹部に残る鈍痛が彼女の気分をさらに重くさせた。
375エンジェルソウ16:2011/03/09(水) 23:24:28.70 ID:Kw3AQrCg




「今、忙しい。なんの用だ」
「大変なんだ!僕の大切な人が悪者に攫われてピンチなんだ!」
「……。大切な人というのは、あの下品な名前の自称天使か?」
「そうだよ!パンティが誘拐されて写真が――」
「ブリーファス。お前の未来のためだ。あの女には二度と関わるんじゃない」
「父さん。なんで、パンティと話したこともないのに彼女と関わるな、なんて言うんだよ」
「お前にはもう許婚がいるだろう。市長には私から謝っておいた。再び見合いの機会を設けてくれるそうだ」
「見合いって……。あいつらが僕になにをしようとしたか知らないの!?」
「お前の才能が必要だったという話は聞いているが、身の保障はしてあったはずだぞ。引き受けてくれれば次期市長はお前に譲るというサインを――」
「どうして父さんは……!どうして僕自信のことを考えてくれないんだ!」
「私は誰よりもお前のことを大切だと思っている」
「父さんが大切なのはロック財団のことだろッッ!」

携帯電話の通話終了ボタンを親指で乱暴に押し込んだ。
ブリーファス・ロックにとってうっとおしかった父の声が聴こえなくなった。
彼はイラだった様子で前髪を掻きあげ、ああああと呻き声を上げて地団駄を踏んだ。
最初から父親になんて頼らなければ良かった。
376エンジェルソウ 17:2011/03/09(水) 23:26:30.02 ID:Kw3AQrCg
「お困りかね、少年」
「……ガーター!」

誰もいなかったはずの礼拝堂でブリーフの後ろから声をかけてきたのは神父ガーターベルトだった。
教会で飼われているペット、チャックが彼の肩からひょこっと顔を覗かせた。

「パンティが攫われちゃったんだよ、これ」

ブリーフはストッキングから奪ってきた封筒のメッセージを渡した。待ち合わせの日時と場所を記した紙。
神父はふむふむと頷きながら文面に目を通していく。
ブリーフは少し迷った後に、目を背けたくなるようなパンティの写真も手渡した。
彫りの深い顔を持つガーターベルトの表情は、汚された少女を見ても変わることはなかった。
手紙が悪戯でないことを確信したガーターはドンと踵で床を鳴らした。すると

「いやああああん!!?」
「うわっ!?ストッキン!?」

ストッキングが彼女のベッドごと落ちてきた。
礼拝堂の上にストッキングの部屋があった、というわけではない。
教会には天界の特殊な仕掛けが施されていて、空間を無視して姉妹を礼拝堂に召喚することができるようだ。
ピンク色をしたプラスチックの棒のようなものがベッドのクッションで跳ね、ブリーフの手元に飛び込んできた。
べとべとに濡れている桃色のデコボコスティックは手の中でブーン、ブーンとリズムよく振動を続けている。

「グッドモーニン!ストッキング!」
「呼び出すタイミングおかしいわよ!わざと狙ってやってんでしょ!」

すっ裸のストッキングはシーツを素早く身に纏い、唾を飛ばしながら怒り狂った。
卑猥なおもちゃの底面にOnOffのボタンがあるのを見つけてブリーフは動作を止めた。
377エンジェルソウ:2011/03/09(水) 23:30:32.78 ID:Kw3AQrCg
つづく。

仕事が忙しくなってきたし連投も悪いのでペース落とします。
>>500越した辺りで再開できれば再開します。
378名無しさん@ピンキー:2011/03/10(木) 00:09:08.49 ID:YS8GAb/a
>>377
ドラマティックおつおつ
ハッピーエンドまで気長に待つさ
379名無しさん@ピンキー:2011/03/10(木) 00:11:03.11 ID:YS8GAb/a
>>377
毎度乙です
続きが気になるから気長に待つよ、マイペースでどうぞ
380名無しさん@ピンキー:2011/03/14(月) 21:26:35.42 ID:5PBW46a/
500
381名無しさん@ピンキー:2011/03/14(月) 21:27:04.12 ID:5PBW46a/
382名無しさん@ピンキー:2011/03/14(月) 21:27:20.08 ID:5PBW46a/
383名無しさん@ピンキー:2011/03/14(月) 21:27:29.16 ID:5PBW46a/
384名無しさん@ピンキー:2011/03/14(月) 21:27:37.46 ID:5PBW46a/
385名無しさん@ピンキー:2011/03/14(月) 21:27:44.51 ID:5PBW46a/
386名無しさん@ピンキー:2011/03/14(月) 21:27:51.71 ID:5PBW46a/
k
387名無しさん@ピンキー:2011/03/14(月) 21:27:57.33 ID:5PBW46a/
s
388名無しさん@ピンキー:2011/03/14(月) 21:31:06.10 ID:5PBW46a/
k
389名無しさん@ピンキー:2011/03/14(月) 21:40:15.62 ID:Ne0Hq+30
頑張れ
390名無しさん@ピンキー:2011/03/14(月) 21:51:19.34 ID:5PBW46a/
>>389
手伝ってwwwww連投無理くさいwwww
391名無しさん@ピンキー:2011/03/14(月) 22:26:32.08 ID:2r6kQHzp
kskさせるメリットがよくわからんのだが…
392名無しさん@ピンキー:2011/03/14(月) 23:28:38.55 ID:Ne0Hq+30
エンジェルソウの人は地震で被害受けたりしてないよな
393名無しさん@ピンキー:2011/03/14(月) 23:37:46.92 ID:5PBW46a/
ksk
394名無しさん@ピンキー:2011/03/14(月) 23:38:59.53 ID:5PBW46a/
ksk
395名無しさん@ピンキー:2011/03/14(月) 23:39:26.12 ID:5PBW46a/
ksk
396名無しさん@ピンキー:2011/03/14(月) 23:41:22.35 ID:5PBW46a/
ksk
397名無しさん@ピンキー:2011/03/14(月) 23:41:46.03 ID:5PBW46a/
ksk
398名無しさん@ピンキー:2011/03/14(月) 23:42:12.73 ID:5PBW46a/
ksk
399名無しさん@ピンキー:2011/03/14(月) 23:42:49.03 ID:5PBW46a/
ksk
400名無しさん@ピンキー:2011/03/14(月) 23:43:22.88 ID:5PBW46a/
400get!!
500越した辺りで投下するらしいし今日中に500行けば続き来るんじゃね?っていう。


ないな。
401名無しさん@ピンキー:2011/03/15(火) 00:00:55.37 ID:JAz7N+1/
VIPでやれ
402名無しさん@ピンキー:2011/03/15(火) 03:08:57.38 ID:jBb3SE+U
ただの連投荒らしじゃん
403名無しさん@ピンキー:2011/03/15(火) 21:05:28.73 ID:HI3HCCYH
k
404名無しさん@ピンキー:2011/03/15(火) 21:05:38.87 ID:HI3HCCYH
s
405名無しさん@ピンキー:2011/03/15(火) 21:05:48.83 ID:HI3HCCYH
k
406名無しさん@ピンキー:2011/03/15(火) 21:06:05.96 ID:HI3HCCYH
て何
407名無しさん@ピンキー:2011/03/15(火) 21:28:39.42 ID:1sSOH3yK
>>406
ggrks
連投荒らしも出てきたみたいだし削除依頼出してくるか
408名無しさん@ピンキー:2011/03/15(火) 21:32:49.54 ID:HI3HCCYH
>>407
読めない。あぼーんよろしく
409名無しさん@ピンキー:2011/03/17(木) 00:35:53.77 ID:ieVGTOT/
10レスしたくらいで連投荒らしって
削除にもならん削除条件のどれにも該当しないから
410名無しさん@ピンキー:2011/03/18(金) 23:23:24.98 ID:J9yrqte2
グッスマ復活した?
行きたくても行けないけどなー
411名無しさん@ピンキー:2011/03/18(金) 23:25:20.18 ID:J9yrqte2
3話見て気付いた。
ストッキングてブリーフに気があったんじゃね?
連れて帰りましょうよーみたいなこと言ってるし。
412名無しさん@ピンキー:2011/03/18(金) 23:29:35.54 ID:J9yrqte2
本スレも寂れてきて悲しい。
ストブリ好きな俺としては続きが気になって仕方ないのでこのスレを進めるか。
413名無しさん@ピンキー:2011/03/19(土) 19:21:46.72 ID:r9ofS5Vj
ksk
414名無しさん@ピンキー:2011/03/19(土) 19:25:20.60 ID:r9ofS5Vj
ksk
415名無しさん@ピンキー:2011/03/19(土) 19:28:16.48 ID:r9ofS5Vj
ksk
416名無しさん@ピンキー:2011/03/19(土) 19:35:24.09 ID:r9ofS5Vj
ksk
417名無しさん@ピンキー:2011/03/19(土) 19:35:36.93 ID:r9ofS5Vj
ksk
418名無しさん@ピンキー:2011/03/19(土) 19:39:14.71 ID:r9ofS5Vj
ksk
419名無しさん@ピンキー:2011/03/19(土) 19:40:12.39 ID:r9ofS5Vj
ksk
420名無しさん@ピンキー:2011/03/19(土) 19:41:54.09 ID:r9ofS5Vj
ksk
421名無しさん@ピンキー:2011/03/19(土) 19:43:09.67 ID:r9ofS5Vj
ksk
422名無しさん@ピンキー:2011/03/19(土) 19:45:34.81 ID:r9ofS5Vj
ksk
423名無しさん@ピンキー:2011/03/19(土) 19:48:17.70 ID:r9ofS5Vj
ストッキングとブリーフがくっつく話が来ると思っていた。
二人にやきもちを焼くパンティを見れるのかと。

ダテンシティの幻とブリパンで散ったけどね。
424名無しさん@ピンキー:2011/03/22(火) 20:08:11.53 ID:G3Xq2VfI
K
425名無しさん@ピンキー:2011/03/22(火) 20:08:20.37 ID:G3Xq2VfI
S
426名無しさん@ピンキー:2011/03/22(火) 20:08:29.45 ID:G3Xq2VfI
K
427名無しさん@ピンキー:2011/03/22(火) 20:09:39.99 ID:G3Xq2VfI
そろそろ二期情報来てもいいと思うんだ

二期ないならネクストシーズンやらサントラのボーナストラックやら
入れた意味わからんし
428名無しさん@ピンキー:2011/03/22(火) 20:10:11.74 ID:G3Xq2VfI
支援上げ
429名無しさん@ピンキー:2011/03/23(水) 18:57:22.49 ID:28S6CoxW
支援
430名無しさん@ピンキー:2011/03/23(水) 18:57:32.23 ID:28S6CoxW
支援
431名無しさん@ピンキー:2011/03/23(水) 18:57:39.44 ID:28S6CoxW
支援
432名無しさん@ピンキー:2011/03/23(水) 23:10:46.72 ID:qyu9NqSQ
支援は一日一回でいいから・・・
433名無しさん@ピンキー:2011/03/24(木) 11:48:15.95 ID:zfm07ImC
もう忘れられてきたのかなあ。みんなまどかに行っちゃったのかね?
434名無しさん@ピンキー:2011/03/24(木) 22:24:12.75 ID:2uYMHuRK
まだ俺がいるぞ、まどかも面白いけどね
パンストみたいなエロさが足りないんだよ
435名無しさん@ピンキー:2011/03/25(金) 23:46:20.05 ID:vm1UT0yJ
436名無しさん@ピンキー:2011/03/25(金) 23:46:29.03 ID:vm1UT0yJ
437名無しさん@ピンキー:2011/03/25(金) 23:46:36.74 ID:vm1UT0yJ
438名無しさん@ピンキー:2011/03/25(金) 23:46:47.32 ID:vm1UT0yJ
439名無しさん@ピンキー:2011/03/25(金) 23:46:54.73 ID:vm1UT0yJ
440名無しさん@ピンキー:2011/03/25(金) 23:47:02.83 ID:vm1UT0yJ
441名無しさん@ピンキー:2011/03/25(金) 23:47:19.51 ID:vm1UT0yJ
442名無しさん@ピンキー:2011/03/25(金) 23:47:30.13 ID:vm1UT0yJ
いじゃないの
443名無しさん@ピンキー:2011/03/25(金) 23:50:42.19 ID:vm1UT0yJ
結構ひといるじゃないの
よかった
444名無しさん@ピンキー:2011/03/25(金) 23:50:52.11 ID:vm1UT0yJ
444ゲット
445名無しさん@ピンキー:2011/03/26(土) 00:07:21.34 ID:rfIZUZqr
エンジェルソウの人の安否確認がまだだな
446名無しさん@ピンキー:2011/03/28(月) 01:01:22.89 ID:VmYSrntf
447名無しさん@ピンキー:2011/03/28(月) 01:01:28.91 ID:VmYSrntf
448名無しさん@ピンキー:2011/03/28(月) 01:01:35.51 ID:VmYSrntf
449名無しさん@ピンキー:2011/03/28(月) 01:01:42.01 ID:VmYSrntf
450名無しさん@ピンキー:2011/03/28(月) 01:01:48.69 ID:VmYSrntf
451名無しさん@ピンキー:2011/03/28(月) 01:02:01.37 ID:VmYSrntf
500
452名無しさん@ピンキー:2011/03/28(月) 01:02:08.65 ID:VmYSrntf
目指して
453名無しさん@ピンキー:2011/03/28(月) 01:02:16.85 ID:VmYSrntf
ksk
454名無しさん@ピンキー:2011/03/28(月) 01:04:57.37 ID:VmYSrntf
ttp://otjapan.com/

私達は「パンツを脱ぎ捨てろ!自由になれ!」と
「Anarckyに行こう!」と叫んで来ました。
しかし今はこの状況です
今はパンツは穿いておく時です

上手いこと言ってるつもりなんだろうけど言い方がイヤだなと思うのは俺だけかい
パンティ&ストッキングにはまってる場合じゃないと言っているようにきこえる

地震のため自粛
このひとことでいいのに
455名無しさん@ピンキー:2011/03/29(火) 01:23:06.40 ID:822tHeqQ
>>454
同意
ユーモア入れたいのは分かるけど、こういう時はテンプレのコメントで充分
456名無しさん@ピンキー:2011/03/29(火) 20:50:34.85 ID:xTMKfPTe
支援
457名無しさん@ピンキー:2011/03/29(火) 20:50:41.37 ID:xTMKfPTe
支援
458名無しさん@ピンキー:2011/03/29(火) 20:50:48.34 ID:xTMKfPTe
支援
459名無しさん@ピンキー:2011/03/29(火) 20:50:54.93 ID:xTMKfPTe
支援
460名無しさん@ピンキー:2011/03/29(火) 20:51:02.43 ID:xTMKfPTe
支援
461名無しさん@ピンキー:2011/03/29(火) 23:50:46.41 ID:xTMKfPTe
本スレみた
特典のサントラが充実してるらしいな
462名無しさん@ピンキー:2011/03/30(水) 00:45:50.12 ID:vA64+ey5
エンジェルソウの人は無事だよ
ツイッターで元気に呟いてるよ
463名無しさん@ピンキー:2011/03/30(水) 00:57:40.89 ID:ZLCd7i3Z
>>462
善哉善哉
464名無しさん@ピンキー:2011/03/30(水) 01:03:44.36 ID:vA64+ey5
>>463
たぶんあってると思うたぶん
465名無しさん@ピンキー:2011/03/30(水) 01:04:02.09 ID:vA64+ey5
さて
466名無しさん@ピンキー:2011/03/30(水) 01:04:14.91 ID:vA64+ey5
ksk
467名無しさん@ピンキー:2011/03/30(水) 01:04:36.75 ID:vA64+ey5
ksk
468名無しさん@ピンキー:2011/03/30(水) 01:04:42.36 ID:vA64+ey5
ksk
469名無しさん@ピンキー:2011/03/30(水) 01:04:53.31 ID:vA64+ey5
ksk
470名無しさん@ピンキー:2011/03/30(水) 01:05:02.17 ID:vA64+ey5
ksk
471名無しさん@ピンキー:2011/03/30(水) 01:05:12.92 ID:vA64+ey5
ksk
472名無しさん@ピンキー:2011/03/30(水) 01:07:02.63 ID:vA64+ey5
ksk
473名無しさん@ピンキー:2011/03/30(水) 01:23:09.19 ID:vA64+ey5
ksk
474名無しさん@ピンキー:2011/03/30(水) 01:23:21.05 ID:vA64+ey5
ksk
475名無しさん@ピンキー:2011/03/30(水) 01:23:33.31 ID:vA64+ey5
ksk
476名無しさん@ピンキー:2011/03/30(水) 01:24:37.52 ID:vA64+ey5
ksk
477名無しさん@ピンキー:2011/03/30(水) 01:26:00.16 ID:vA64+ey5
遅れたけれどもkskってのは加速って意味な
レス番を進めるために使う
478名無しさん@ピンキー:2011/03/30(水) 03:23:34.90 ID:lgzBDUQv
なんだコイツ、新手の荒らしか何かか
誰か!suitonしちまえ
479名無しさん@ピンキー:2011/03/30(水) 11:19:47.09 ID:1Wqmh4nI
加速魔は自分を荒らしとも思っていない最悪の荒らしだが
作者自身が>>377でこの状況を呼び込んだのも事実
作者がこいつを止めるべき
480加速魔:2011/03/30(水) 20:20:53.93 ID:vA64+ey5
ちわっす加速魔です。
そのとおり俺は自分を荒らしだと思ってないよ。
なぜ?だって誰もココ書き込んでないじゃん??
話題のコシ折ったりしてないし誰にも迷惑かけてないじゃん。
481加速魔:2011/03/30(水) 20:21:31.77 ID:vA64+ey5
AA投稿で連投なら荒らしだろうが容量に負担かけてないしぃ〜
482加速魔:2011/03/30(水) 20:23:12.71 ID:vA64+ey5
>>478
スイトン使われても平気だよどうぞ。
483加速魔:2011/03/30(水) 20:31:11.59 ID:vA64+ey5
kskは俺だけども支援とひらがなの人は俺じゃないちがう人だからな
484名無しさん@ピンキー:2011/03/31(木) 16:36:17.14 ID:cXV3on5c
そういやもう春だったな
485名無しさん@ピンキー:2011/03/31(木) 21:33:24.90 ID:7/b+m+g1
遅れましたが作者です。心配してくれてありがとうございました。
500に行かなくても書け次第続き投下しますよ、ええ。
もうすぐ500なので遅いかもしれませんが一応宣言。

けど、誰か他の人もSS書こうぜ。pixiv小説も寂れててさみしい。
486名無しさん@ピンキー:2011/03/31(木) 23:40:00.26 ID:rjbxijrZ
なるほど、もう春なのか
納得した
487名無しさん@ピンキー:2011/04/01(金) 00:04:14.77 ID:jj/59MDG
さて本気だすか
488名無しさん@ピンキー:2011/04/01(金) 00:42:32.86 ID:+aoU/vXs
「パ」「ン」「ス」「ト」
完成で小説投稿。


489名無しさん@ピンキー:2011/04/01(金) 01:45:14.15 ID:HIq/uVF0
絵では二次創作人気あったけど、小説系二次創作のネタとしては人気なかったよね。
VIPでも作品が投稿されたことあったのかな?
490名無しさん@ピンキー:2011/04/01(金) 09:10:44.22 ID:+aoU/vXs
VIPではなかったと思う。
VIPてそもそも小説投稿するところなの?
491名無しさん@ピンキー:2011/04/01(金) 14:29:57.87 ID:1jkHiFbu
>>490
たまにちらほら出てくる程度
おかずに1品増えた感じ
492名無しさん@ピンキー:2011/04/01(金) 16:16:01.99 ID:GrIp6wi7
ほうれん草のおひたしみたいなもの
493名無しさん@ピンキー:2011/04/01(金) 19:03:27.34 ID:jj/59MDG
ブリィィィィファァァァァス!!!
494エンジェルソウの人:2011/04/02(土) 17:55:38.44 ID:S5JpSfpt
続き投下します。
投稿した分を見返していたのですがストーリーの伏線部分を書き忘れているせいで
ストッキングがビッチにしか見えないですね。すみません。
ガーターの一人称が違っていたり、文章内に同じ表現が出てくるのもミスです。
後から直したいです。
495エンジェルソウ 18:2011/04/02(土) 17:57:58.39 ID:S5JpSfpt
>>376の続き

「姉の行方が知れないというのに朝から盛んなことでなによりだ」
「うっさいわね……。で、何?天界からの指令?」
「パンティが攫われた」
「知ってるわよ」
「天使を誘拐し監禁するとは、なんと邪悪で残酷な所業だろう!これはゴーストの仕業に違いない!さあ、パンティを助け出し教会に平穏を取り戻すのだ!さあ行け!ブリーフ&ストッキング!」
「ガーター。こじつけがムチャクチャ。どう見ても相手は人間じゃない。ゴーストなわけないわ」
「ぬう」

ガーターベルトは絶句してしまった。
ストッキングはベッドの端に畳んで置いてあったゴスロリセットから下着を抜き取ってシーツの中でゴソゴソと履いている。

「ゴーストじゃないんならヘヴンコインは入らない。わたし、無駄なことはしない主義なの」
「ストッキング、こんなの絶対おかしいよ……。誘拐されたのは君のお姉さんなんだよ?」

ブリーフはストッキングの後ろから声をかけた。
ガーターベルトがストッキング越しにブリーフを見守っている。

「じゃ、あんたが行ってパンティ取り返して来なさいよ。大切に思ってるならそんくらいのことはできるはずよね?」
496エンジェルソウ 19:2011/04/02(土) 17:58:25.71 ID:S5JpSfpt
ストッキングは長い髪を背中へ流し、挑発的な視線でブリーフを見据えていた。
ブリーフはもうほとんど諦めていた。彼の頭の中でもすぐに考えがまとまらない。
これはストッキングに限ったことではなくパンティにも当てはまることだが、天使というものは人間と考え方が少しずれていると思った。
ガーターベルトがダテンシティの市長であり悪魔のコルセットにいちど殺されたときも『そりゃ人間だから』『いつかは死ぬ』の一言で表情を曇らせることさえなかった。
同じように、もしもパンティがいなくなってもストッキングは涙さえ流さないんじゃないのか。
頼りにしていた者たちの頭の中が、自分とはまったく違っているということに身の毛がよだった。

「わかったよ、ストッキングには頼らない」

ストッキングにバイブレーターを突き返すと、ブリーフは踵を返して単身で教会の外へ歩を進めた。

「チャック、Go」

ガーターベルトに指示されてチャックが針金のような細い手でピッと敬礼し、ジロリと意味深にストッキングを見上げてからピョコピョコとブリーフの後を追っていった。
チャックは元々ガーターに従順だったが、ブリーフのことはチャックなりに気に入っているのかもしれない。

「なによ、なによなによ。パンティはあんなののどこがいーんだか…」
「ストッキング」

ズシリと重く胸に響くような声で名前を呼ばれ、少女の背筋がピンと伸びた。
497エンジェルソウ 20:2011/04/02(土) 17:59:47.29 ID:S5JpSfpt
そこは寂れた工場跡だった。
雨風に晒されて色あせた四角い鉄のコンテナが積み上げられている。
スラム街の近くにあるこの廃工場はゴロツキのたまり場、無法地帯と化していた。

ブリーフはすすけて埃だらけの床に這いつくばっていた。
彼が必死の思いで用意してきた200万という大金は紙くずのように散乱していた。
殴られた頬が赤い痣になってズキズキと痛む。
ブリーフは背の高い三人の男たちに囲まれていた。
男たちはロングコートやスーツといった正装で身を包んでいるがどの上着も色は黒で統一され目元はサングラスで隠れていた。
工場の外にもちらほらと3人ほど同じような格好をした見張りが立っていた。

「パンティを返してよ」

ブリーフがそう言った途端に横腹を力いっぱい蹴られ、ひどい痛みにさいなまれる。
そのとき、見張りの男があっと声を上げた。
跡をつけていたチャックが男の足元をすり抜け、打ちのめされたブリーフに素早く駆けてきた。
ブリーフを囲んでいた三人の男たちは驚いて身体にいくつもチャックが取り付けられた不思議な生物の方へ向き直る。

「チャック!?どうしてここに!」
「Chuuuuccck!!!!」

緑の生物がグワッと大口を開け、牙を剥いて飛び上がってきた。

パンッ!

銃声。一人が懐から取り出した拳銃を発砲していた。
498エンジェルソウ 21:2011/04/02(土) 18:00:47.06 ID:S5JpSfpt
弾丸に上あごを貫かれたチャックは紫色の体液と脳漿をぶちまけて地面にべちゃりと落っこちた。
男たちは動かなくなった緑色の不思議な生き物を観察した後、死体に容赦なく革靴の底を落とした。
ぐちゃりとチャックがつぶれる。男はぐちゃぐちゃと何度もチャックを踏み殺したあと、硬いかかとでグリグリとすり潰した。

「やめるんだ!」

助けに来てくれたであろうパンスト姉妹のペットは、頭の骨まで砕けた平たい肉塊になっていた。
ブリーフは地を這って潰れたチャックの上に覆いかぶさった。
男たちは冷酷にブリーフの背中を踏みつけた。背中に強い衝撃が走り呼吸が止まる。

「かは……っ。げぶっ…」

もう一人の男がブリーフの膝の裏側を思いっきり踏み潰した。
ビリビリと膝の関節にしびれが走った。もう歩けないかもしれないとブリーフは思った。

「まったく。だらしないわね」

いつの間にか、一人の少女が立っていた。
長すぎる黒髪は膝まで伸びきっていて、鮮やかな艶によりうっすらと桃色にも見えた。
白色と青色が交互に並らぶストライプのストッキングを履いて、黒を基調にしたゴシックロリータに身を包んでいる。
前髪で眉が隠れているその少女は見るものにどこか陰鬱で儚げな印象を与えた。
そして脇には片側に骨のプリントを施された子猫のぬいぐるみを抱き、もう片方の手には少女のファッションには全く似合わないバールのようなものが握られている。
侵入者を伝えるはずの見張りは、その少女の隣でみな重なって横たわっていた。
499エンジェルソウ 22:2011/04/02(土) 18:29:18.00 ID:S5JpSfpt
「よっ」

慌てて男たちが銃を構える前に少女は男の懐に潜り込めるところまで距離を縮めた。
少女の振るうバールによって黒光りするコルト式の拳銃が弾き飛ばされる。
銃を失った手に痺れが走る前に、男は頭部にバールを叩き込まれ卒倒した。

「てやっ」

少女がバレエでも踊るようにくるりと一回転した。
遅れてやってきた横殴りのバールが顔面に直撃し、二人目の男はサングラスの破片を散らしながら吹っ飛んだ。
最後に残った男は、肥えた腹と黒いジャケットの間から長いグリップがついた銃を取り出していた。
グリップは弾倉になっていて一秒間に10発以上の弾をフルオートで発射できるサブマシンガンと呼ばれる銃だった。

キンキンキンキンキン!!

金属がぶつかり合う音。
肥え気味の男は少女に向けて弾の雨を浴びせるが、少女の前面に光のバリアーが出来ていた。
激しい火花が光の粒になってさらさらと辺りに散っていく。
信じられないことに、少女は向かってくる弾丸をバール一本で全て弾き飛ばしていた。
身を低くして頭を抱えて伏せていたのでブリーフに流れ弾が当たることはない。

「『弾』遊び続けないと丸焼きになっちゃうわよ小豚ちゃん」

少女の抱いていたぬいぐるみが口から火を噴く。サブマシンガンの弾倉を交換しようとしていた男が炎に包まれた。
火のついたジャケットをボタンを引きちぎって必死に脱ぎ捨て男は窮地を脱したが、その途端に二人の男を打ちのめした金属の工具が頭の上に降ってきた。
ガン!と酷い音がして太った男が卒倒した。
500エンジェルソウ 23:2011/04/02(土) 18:30:06.01 ID:S5JpSfpt
「ストッキング……。助かったよ」

ブリーフは顔を上げて少女の名前を呼んだ。
赤く塗られたバールの末端が胸元に差し込まれてぐいっと引き寄せられた。
ブリーフは腕立て伏せをするような格好でストッキングを見上げることになった。

「あんた、バカでしょ。バカの国の王子様だわ。あいつらの目的は金じゃなくてわたしよ?あんたがここに来てどうすんのよ。それともココにパンティがいると思った?」
「パンティを助けるためにこれしか思い浮かばなかったんだよぉ……。僕はストッキングみたいに強くないし」

ブリーフの声は涙声で曇っていた。
前髪で隠れて見えないが、目は涙で潤んでいるのだろう。
胸倉を捉えているバールにズルズルと引きずられた。

「じゃ、帰るわよー。立てる?」
「えっ?なんでだよ!?ストッキングはパンティを助けに来たんじゃ……」
「あんたを助けに来たのよ」
「なんで……」
「あんたが死んだらパンティが傷つくでしょ。わたしってけっこう姉想いなの」

どの口がそう言ってるんだとブリーフは思ったが、今度は口には出さなかった。

「僕を助けてくれたことにはお礼を言うよ。でも、パンティを助けないと」
「だから、パンティなら平気だって言ってんのよ。朝になったら元に戻ってるんじゃない?」
501エンジェルソウ 24:2011/04/02(土) 18:31:51.66 ID:S5JpSfpt
ブリーフは踏みつけられてズキズキと痛む膝を押さえながらゆっくり立ち上がった。
痛むが、なんとか歩くことはできそうだった。
潰れたチャックは床にへばりついたままでまだ復活しない。
いつもみたいに飼い主に殺された時より復活のスピードが遅い。
ブリーフは気味の悪い色をした肉片をできるだけ掻き集めて内側のポケットに詰め込んだ。
廃工場の外にはピンクのハマー、パンスト姉妹の愛車シースルーがストッキングの帰りを待っていた。
ストッキングが運転席のドアに触れたとき、それを制止するように後ろからブリーフは言った。

「ストッキングは、パンティのいるところわかってるんじゃないの」
「うん?」
「パンティはストッキングがどこにいても場所がわかるって言ってたよ」
「そりゃ……姉妹だし。わかるでしょ」
「一生のお願いだ。パンティを助けてください!」
「はぁ」

両手の指を重ねて神に祈るようにストッキングにすがるブリーフ。
ストッキングは大きくため息をついた。

「わたしが行ったら飛んで火にいるホットケーキよ。相手の思うツボじゃないの。わたしがレイプされるとこ見たいの?」

ハマーに乗り込んだストッキングは車のキーを差し込み勢いよく捻った。
大容量のエンジンが回ってヴォォォンと人気のない廃工場に重たい排気音が鳴り響いた。
ブリーフは下唇を噛んだ。

「……っ。ストッキング!」
「なによぉ」
「ストッキングの好きだったホワイティホワイトのロールケーキ!食べられるよ」
「……はぁ?」
「実は僕の、知り合い……があそこのパティシエの腕を見込んで拾ってたんだ」
「……」
「パンティを助けてくれたら僕が頼んで作ってきてもらうよ!」

ダテンシティの女性たちが急に肥満化したことがあった。
アジア圏で立て続けに起こった原料偽装や毒物混入事件で客層が食の安全について比較的過敏になっていた時期に、毒物以上のものが混入した大事件。
その後、風評を煽るように過去のありもしないスキャンダルをマスコミに掘り返され、一流のお菓子店だったホワイティホワイトは倒産してしまった。
ストッキングがかつて好んで食べていたロールケーキを作っていたお店だ。
誘拐された恋人を助けるため、お菓子でその妹のご機嫌を取るという状況。
馬鹿馬鹿しかったが、ブリーフはなりふり構っていられなかった。
黙り込んでいるストッキングの横顔をブリーフはそっと伺う。

「それで、だめかな?」

ストッキングの目がまるで純真な少女のそれのようにキラキラと輝いていた。
502エンジェルソウの人:2011/04/02(土) 18:33:10.48 ID:S5JpSfpt
つづく。
誤字脱字等指摘していただけると幸いです。
503名無しさん@ピンキー:2011/04/02(土) 18:42:21.36 ID:DX4tCewB
感想を聞くのはいいが、偉い作家センセエでもないのに誤字脱字を見つけろとは失礼だ。
そういうのは自分で注意するもので、指摘してもらえるのは純粋に厚意によるもの。
504エンジェルソウの人:2011/04/02(土) 19:49:37.75 ID:S5JpSfpt
す、すいません。
505名無しさん@ピンキー:2011/04/02(土) 20:06:56.19 ID:dVNFV2xj
506エンジェルソウの人:2011/04/02(土) 20:44:36.55 ID:S5JpSfpt
ありがとうございます。がんばります。
507名無しさん@ピンキー:2011/04/03(日) 00:05:21.32 ID:Hqigf5uH
>>506
おつおつ
俺みたいな乞食はいつまでも待つからマイペースで投下してね
508名無しさん@ピンキー:2011/04/03(日) 23:26:33.30 ID:UzVZRop1
パンティが眠らされて捕まって目隠しされて連れて行かれる場面で気づいた、
もしかしてエンジェルソウのソウて映画のSawか?

足首切って逃げ出すパンティが切り刻まれたりするのか
グロい場面はちょっとな

俺は平気だけどねw
509名無しさん@ピンキー:2011/04/03(日) 23:53:06.36 ID:7w36d8Ob
>>507
ありがとうございます。マイペースで行きます。

>>508
はい、そうです。
パンティが逃げ出すシーンはありませんが、映画に似たようなグロがあります。
四肢切断やら何やらで見る人によっては凄惨なレイプシーンになると思うんですが
投稿を控えたほうがいいんでしょうか。
510名無しさん@ピンキー:2011/04/03(日) 23:55:53.52 ID:aOyfPkMq
>>509
そこを行くのがパンストイズムだ。
511名無しさん@ピンキー:2011/04/04(月) 00:04:40.13 ID:mKs5DLmP
ちょっ、待てよ
ちゃんと審議したほうがいいよ!
512名無しさん@ピンキー:2011/04/04(月) 00:39:34.05 ID:oh/ibVkv
グロはグロスレに投下誘導が普通じゃないか?
普通にここに投下は自分もどうかなと思う
513名無しさん@ピンキー:2011/04/04(月) 00:52:41.16 ID:J6DO7nUp
うーん。グロスレに投稿ですか。
レス読んでると酷いレイプ物でも需要ありそうだと思いついて
ほしゅついでに投稿し出したんですが、別スレに投稿となると本末転倒に…

とりあえずグロい作品の投稿は取りやめます。
514名無しさん@ピンキー:2011/04/04(月) 17:33:45.49 ID:/Wplaxu0
投下前に忠告入れて、苦手な人はタイトルでNGすれば解決する話じゃない
515名無しさん@ピンキー:2011/04/04(月) 20:00:08.91 ID:mKs5DLmP
スレ内で意見が割れてるな。
あっちみてきたけどグロスレ誘導はかわいそうだろー。
ちなみにグロおkな俺には死角はない。
どのくらいのものか程度によるんじゃないか?
516名無しさん@ピンキー:2011/04/04(月) 22:37:47.50 ID:pMD6znJY
過疎だし、グロ的内容あり、って警告書いてあればいいんじゃない?
517名無しさん@ピンキー:2011/04/05(火) 08:48:21.44 ID:39ZbyhKC
え、マジ?パンストでグロ×なの?
じゃ本編とか超アウトじゃん。全編グロだらけじゃん。
大変!DVD発売に抗議しないと!ノー・モア・グロ!

っていう話じゃないんか。
マジな話注意書きだけでいいと思うよ。
パンティを666個に切り刻んで
道ばたにばらまいて捨てる以上のグロだったりするのそれ?
518名無しさん@ピンキー:2011/04/05(火) 09:11:25.30 ID:N6lvAiCv
>>517
>じゃ本編とか超アウトじゃん。全編グロだらけじゃん。

そういやそうだw
まあそれはそれとして、注意書き&タイトルNGでおk派
途中グロあっても、シメがハッピーなら俺は読みたい。全裸待機してるぜ。
519名無しさん@ピンキー:2011/04/05(火) 10:36:02.66 ID:hcdZK5cK
〆がハッピーじゃなくて喜んで見るんでぜひとも投稿してくださいお願いします。
でも一応耐性無い人用に注意書き書いておいて方がいいよ
520名無しさん@ピンキー:2011/04/06(水) 00:46:05.19 ID:TOz31sH3
女の子が痛めつけられるのもグロも×だけど注意書きしてもらえれば大丈夫だよ
性癖なぞどうしようもない
521名無しさん@ピンキー:2011/04/06(水) 21:37:31.20 ID:v85r6im0
ありがとうござます。投下続けますー。
〆を完全にハッピーにするとオリジナル臭がさらに強くなって
ピクシブや同人サイト寄りになってしまうと思うんですが
2ch的にはどうした方がいいんでしょうか。

グロいところ入る前に注意入れます。
522エンジェルソウ 25:2011/04/06(水) 21:39:17.72 ID:v85r6im0
二人を乗せたシースルーは工場地帯の角を何度か曲がって停まった。
メッセージに記された場所から歩いて行けるような距離だった。
近くには錆に覆われた軽トラックがハンドルや車載装備、エンジンまで抜き取られて放置されていた。
日がまだ明るいのに外灯に吊り下がった蛍光灯がチカ、チカ、と点滅している。

「ここら辺だと思うけど…。正確な場所まではわかんないわよ」
「……ここであってると思う。もうちょっと前で、いちど停めて」

ストッキングが軽くアクセルを踏んだ分だけシースルーは前に進んだ。
ブリーフはそこで車から身を乗り出して工場の屋根を指さす。
黒いプラスチックの半球が球面を下に向けて張り付いていた。

「たぶん監視カメラだ」
「やるじゃない」

屋根と壁に取り付けられた監視カメラの死角を探りながらできるだけ目立たない場所にシースルーを停める。
ブリーフは降りてからできるだけ静かにシースルーのドアを閉めた。
同じような外観を持った建物が並んでいるが、カメラがついた建物は一つだけ。
ブリーフが怪しい場所に目処をつけたとき、ストッキングがまだ車から降りてないことに気がついた。

「ストッキング、早くしないとパンティが……」
「もう三時過ぎてるわよ。さっきの三人、見張り入れて六人だけど、殴って気絶させておいたでしょ。あいつらと連絡がつかなくなったってことは、つまりわたしが約束通り来たってことじゃない。相手のルゥゥゥルは破ってないわ」
523エンジェルソウ 26:2011/04/06(水) 21:40:33.26 ID:v85r6im0
シースルーの運転席の扉が開いて、にゅっとストッキングの生足が現れた。
手には二振りの刀、天界兵器ストライプT&Uが握られている。
二刀を使うのは彼女が本気になった証だった。しかし相手はゴーストではないはず。

「そんな装備で大丈夫?」
「大丈夫、問題ないわ。それに、思いっきりぶっ叩けば人間を気絶させることくらいはできるの。安全にね」

銃で武装した相手にバールを振り回して戦うよりはずっといいとブリーフも納得した。
人間には効かなくとも、銃を狙えばいいのだから。

「相手はただのチンピラじゃないわよ?わかってる?」
「えっ」
「相手はマフィアよ。ダテンシティ・マフィア。警察も手が出せない犯罪組織。場合に寄っちゃ、あんたの家族にも危険が及ぶわよ?」

諦めるなら今のうちよ、と言っているように聞こえてブリーフは首を振った。

「僕の家族なら大丈夫だよ。だから一緒に行く」
「そう、一緒に来るのね。後悔することになるかもしれないわよ」

ストッキングの視線が不自然に揺らいだのが、ブリーフには少し気になった。
524エンジェルソウ 27:2011/04/06(水) 21:46:50.39 ID:v85r6im0

ストッキングが錆びついた金属の扉を手前に引いたが、少し隙間を作って止まった。
がちゃりという音。ぐるぐると巻かれた鎖と錠前で内側からロックされているようだった。
強固なチェーンロックは扉がこれ以上開くのを許してはくれない。
ストッキングがかすかに開いた扉の隙間から中の様子を伺った。
しゃがみこんだブリーフも彼女の長い髪をかき分けて部屋の中を覗く。
窓から差し込む光が埃っぽいガランとしたコンクリートの部屋を照らしてくれていたが、奥まで続く通路の先に何があるのかはわからなかった。
扉の向こうでマシンガンを構えた男たちが仁王立ちしているわけではなさそうなのでひとまず安心する。
使われていない建物ならば、鍵は外から掛かっていないとおかしいはずだ。
ぐるりと建物を見て回ったが入り口らしい入り口はここ一つだけしかなかった。
中に誰かいる、ということを互いに確信した。

「じゃ、突入するわね。準備はいい?」
「いつでも」

ブリーフはごくりと唾を呑んで答えた。
ストッキングはまばゆく光を放つ刀を隙間に差し込んで、チェーンの束に振り下ろした。
テープを切るようにあっさりと鎖が断たれ、明るい火花が散る。
ブリーフは重たい扉を勢いよく、引き開けた。
繋がれていた鎖がチャラチャラと床に落ちる音と


ぱちっ
525エンジェルソウ 28:2011/04/06(水) 21:47:33.16 ID:v85r6im0
焚き木で枝が爆ぜたような小さな音がした。
ストッキングのもう片方の手に逆手で握られたストライプが彼のわき腹に食い込んでいた。
着慣れたジャンパーはすっぱり切れたが身体に傷はつかない。

「え」

ブリーフの足がもつれる。
両手で握っていた取っ手を支点に扉の外側へよろけて倒れる。
その刹那、金属扉が爆振した。まるで大砲の弾を扉で受け止めたような衝撃。
蝶番が外れ、倒れてきた鉄の板がブリーフを押し潰した。









ブリーフは眩暈と耳鳴りに悩まされながら鉄板を体の上からどかす。
ストライプが柄を上に向けて地面に突き刺さっている。
もうもうと土煙が上がる中でブリーフは、錆びた車が停まっていた向かいの通りを見つめた。

車に背中から叩きつけられ、動かないストッキングがいた。
526名無しさん@ピンキー:2011/04/06(水) 21:51:41.16 ID:v85r6im0



ここから微グロ入るので注意。
書いてる人がまったくの文章素人なんで
全然気にすることでもないと思いますが一応。


527エンジェルソウ 29:2011/04/06(水) 21:52:32.83 ID:v85r6im0
「なあ、ストッキン」
「なによ、パンティ」
「あたしら、絶体絶命じゃない?」
「そうね。マズい、かもね」

仰向けで並んだ幼い少女たちは天井を見上げながら小さく呟いた。
手足には鉄の枷が嵌められ自由を奪われたまま処刑台に仰向けになっている二人。

ギュイイイイイイイイイイン!!!!

少女たちの声を掻き消すように、甲高い駆動音を立てながら巨大な回転ノコギリが降りてきた。
本来は木材を加工するための機械だろうが、その目標は処刑台の上で足掻く少女たちへ向けられていた。
パンティとストッキングの胴体を処刑台に留めている半円形の金具には横に数cmの隙間があった。
この隙間にちょうど回転ノコが入り込み、彼女たちの体を上下に断ってしまうのだろう。

「あのさあ!あたしらが天使っつうのは嘘なんだよ!!だからこれ止めてくれよ!!おい!!!」

パンティが大声で叫んだ。
処刑台を囲っている、黒いフードと黒いマントで身を覆った男たちは何も答えない。

「ブッキョー?ジュキョーだっけ?どっちでもいいや!あたしらその信者なんだよ!!あんたらの神を信じるてるからさ!!勘弁してくれよ!!」

パンティが暴れても金具は外れる気配すらない。
二人の胴体を同時にまっぷたつにできるくらい大きなノコギリが回りながらすぐそこまで下りてきていた。

「ストッキン!お前もなんとか言えよ!」
「命乞いだなんて、惨めなことはしない主義なの」
「んだと!?カッコつけてる場合かよ!このゴスロリ女ぁ!!ああやばい死ぬ死ぬ死ぬうううう!!!」
「わたしにいい考えがあるわ」
「はあ?本当か?!どうするんだ?ああ?!」
「もうすぐ経ってから話すわ」
「あんたを信じてるわよ!!」

極限まで引きつった顔で歯をガタガタと震わせながらパンティは言った。
ストッキングのこめかみに一筋の汗が流れる。姉と同じくすさまじい恐怖に捉われていたがなんとか冷静を装っていた。
しかしそんな時でもストッキングには、銀の高速回転するノコギリが妙に神聖で美しく見えた。
あれが体の中を通り抜ける痛みはどんな感じなんだろう、危ない妄想が膨らむ。

「ねえ、パンティ……」
「なな、なんだよ!!?」
「なんだかワクワクしない?」
「死ねバカ!!!やばいやばい!!!あっ、ああああああーっ!!」

あと数センチ。
あと後ミリ。
あっ、ノコギリの風を感じる。
あっ、ギザギザに触れた服が散った。
あっ

「「ぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」」
528エンジェルソウ 30:2011/04/06(水) 21:55:13.58 ID:v85r6im0
お腹に鈍い痛みを感じてストッキングは目を覚ました。
あの後どうなったのか、明瞭には思い出すことができない。
ストッキングが腰をかけていたのはシースルーの座り慣れた座席の上だった。
霧がかかったように霞む視界の中、夢の中で痛みの走った腹部を確めようとした。
だが、手の感覚が感じられない。

ぷらん

顔の前に来るはずだった右手が、肘から下に垂れ下がっていた。
糸で関節が繋がった人形のように。

「……あ」

骨折なんてものじゃない。腕が皮一枚でなんとかくっついてるように見えた。
無事な左手でお腹に触れてみると鋭い痛みが走る。掌が真っ赤に染まった。
ゴシックロリータは血を含んで赤黒く変色していた。
腹に穴が開いているのかもしれない。
ストッキングの隣で、ブリーフがピンク色のハマーにキーを突っ込んで足掻いていた。

「なんで……。どうしてかからないんだよ!頼むよシースルー!」

キュルルルと短く車が駆動する前の音は鳴るが、エンジンがかからないようだ。
ストッキングは掠れた声を搾り出した。

「むり。あんた、天使じゃないから」
「ストッキング、よかった。気がついたんだ」
529エンジェルソウ 31:2011/04/06(水) 21:56:35.42 ID:v85r6im0
彼女はブリーフをどかして運転席へ身を滑らせようとしたが、足も動かなかった。
目線を落とすと膝の真っ赤な肉の中から黄色っぽい骨が覗いていた。

「あっ、あああ。動かないで!大怪我してるんだよ。すぐ病院に連れて行ってあげるから」
「あんたじゃ、運転できないって」

ブリーフが何度試してもエンジンがかかる気配はなかった。
ようやく諦めて、情けない声でストッキングに謝る。

「ごめん、ストッキング。僕をかばったせいで……」

ストッキングは思い出した。
扉をあけると脚のついた四角い箱みたいな爆弾が置いてあったこと。
とっさにブリーフを下がらせたこと。
右手で爆弾の破片を防ごうとしたけど、予想より殺傷力の高い爆弾で防ぎきれなかったこと。
ブリーフの上着も血に染まっていた。
気を失っていたストッキングをシースルーまで抱えて運んできたのだろう。

「……わたしが運転するから。どきなさい」
「むむむむ、無理だよー!だって、足……。そ、そんな身体じゃ危ないよ!」

ストッキングはため息をついてダッシュボードを左手で指差した。
ストッキングが打ちのめした男たちの持っていた拳銃。そのうちの一丁を拝借していたのだ。

「パンティのとこ、行きたいんでしょ?それ持って行ってきなさい」
「えっ。でも……」
「筋金入りのアホね。これであいつらと戦えって意味じゃないわよ。あんたが銃持ったって護身用にもなんないわ。あそこに忍び込んでこれをパンティに渡してきなさい。そうすれば……がふ」

ゴホゴホとストッキングはむせた。口の中に血の味が広がる。
腹部から全身に駆け巡る激痛で気を失いそうになった。
530エンジェルソウ 32:2011/04/06(水) 21:57:24.35 ID:v85r6im0
「そういう意味じゃないんだ。僕はストッキングをここに置いてはいけないよ。ストッキングもパンティと同じくらい大切なんだ」
「あら、愛の告白?ありがと。パンティだけじゃなく、わたしもモノにしたいのね」
「愛とは違うけど……」
「冗談よ。妹のわたしを見捨てたらパンティに愛想尽かされちゃうからでしょ」
「そんなんじゃないよ」
「わたしは大丈夫だって言ってるんだから大丈夫なの。パンティのことが心配なのはバレバレよ、ほらさっさと行く」

ストッキングは顎でクイクイと車外を指した。
ブリーフは納得できないというような複雑な顔をしていたが、少し考えてからピストルを手に取るとシースルーから降りた。
予想していたよりも重かったのか、危なっかしい手つきで銃をいじってからポケットに差し込む。

「救急車、呼んであるから。もうすぐここに来ると思う。それまでヤツらに見つからないように隠れてて」
「そう。じゃ、そうさせてもらうわ。Goodbye ギークボーイ」

グッバイという言葉に妙なアクセントを置いてしまった。
ブリーフは袖で顔を拭ってそのまま振り向かずに走り去っていく。
目元は見ていなかったが、涙が滲んでいたのかもしれない。
パンティがブリーフを好きになった理由が、少しわかったような気がする。
あの一所懸命さが眩しいのだ。

「こんなスラムの中心でレスキューしても来てくれるわけ無いでしょ。たらい回しにされて終わりよ」

ストッキングは天を仰いで小さく呟いた。
腰掛けている薄い桃色の座席は彼女の血で赤く染まっている。
滲み出た血液でパンツまでぐっしょり濡れて、お漏らししたまま車に乗っているようで気持ち悪かった。

「甘いもの、食べたい、な」

ストッキングは力が抜けたようにカクンと俯いた。

少女は夢の中に溶けていく。
怖い夢じゃなくて、甘いお菓子に囲まれている夢の中に――



531エンジェルソウ 33:2011/04/06(水) 22:03:22.37 ID:v85r6im0
大きな爆発音を聞きつけ、あたりの浮浪者たちが集まってきてもおかしくはないはずだが、閉鎖された工場は閑散として静まり返っていた。
ブリーフは来た道を駆け足で戻っている途中で地面に血の跡を見つけた。
大怪我を負ったストッキングを抱えて走ったとき落ちたのだろう。
足を止め、近くにあった瓦礫で血滴を隠した。
血を辿られることでシースルーに残してきたストッキングに危険が及ぶかもしれない。

(だいじょうぶ、腕も足も病院で綺麗に治してもらえるさ。医療技術は他の国に負けてないじゃないか。外国から難しい手術を受けに来る人だっているんだ)

車椅子に掛けた片腕のストッキングの姿が頭に浮かんだ。
パンティといっしょにゴースト退治に勤しみ二振りの刀を振り回して駆け回っているストッキング、彼女のそんな姿を想像してしまうなんて。
頭の中で霧を払うように心悲しいイメージをかき消す。
ブリーフの胸は酷く痛んでいた。
だから、ふだん臆病なくらい慎重なブリーフの行動は乱雑になっていたのかもしれない。
扉が吹き飛んだ建物の入り口まで来て、何の気配も感じ取らないまま足を踏み入れた。
その途端に隠れていた大男の肘撃ちを腹に受けて悶絶する。

「うぶっ……」

大男はうずくまるブリーフの腕を後ろに捻りあげて床に押し付けた。
軍隊格闘で使われていそうな綺麗な手さばきだった。元軍人か何かかと思った。
実際はガードマン兼プロの殺し屋だった。

「監視カメラで見ていたよ。わざわざ戻ってくるとはな。思ったより勇気があるな小僧」
532エンジェルソウ 34:2011/04/06(水) 22:05:14.96 ID:v85r6im0
闇に閉ざされた通路から姿を現したのはサングラスをかけた黒服の男だった。
ブリーフを押さえつけている男と同じくらいガタイがよく背が高い。歳は40半ばか50代くらいに見えた。
スラム街にはびこっている浮浪者や素行の悪い男たちとは違った気品ある雰囲気を帯びていたが、それが余計に悪人らしかった。
革靴で石の床をコツコツと鳴らしながらサングラスの男が近づき、地に伏したブリーフのポケットから拳銃を抜いた。

「返してもらうぜ。こいつはおもちゃじゃないんでな」
「……パンティを返してよ」

押さえつけている男はブリーフの髪を掴み頭を地面へ打ち付けた。
顔面を床で打ったブリーフは、口の中に入った土埃を唾と一緒にぺっと吐き出す。

「いいぜ。ショーが終わったらな。主演に途中で抜けられると困るんだよ。お前も見ていくといい。はははは」

男は歳に似合わない笑い声を上げて笑い出した。
ブリーフの背中の男も寡黙を破って同じように笑う。
その笑いに対して激しい怒りと、血の気が引いていくような恐怖を覚えた。

533エンジェルソウの人:2011/04/06(水) 22:11:19.08 ID:v85r6im0
続く。
表現が不快すぎて見るのも嫌な方は申し訳ないです。

>>517
パンスト本編のグロは酷かったですよね。

>>518>>519
ありがとうございます。書ききれるようがんばります。
オリジ要素はない方がいいですよね。
534名無しさん@ピンキー:2011/04/07(木) 23:23:34.32 ID:o2Zh3wkq
>>533
gj
535名無しさん@ピンキー:2011/04/08(金) 18:37:03.22 ID:CzodjX0T
>>533
オリジナルも入れていいよ
何も規制はしないぞ
ただしやはり苦手な人もいるので注意書き推奨
536名無しさん@ピンキー:2011/04/09(土) 03:50:24.90 ID:qQXxRP5h
うっかり読んじゃったが、合わないわこれは(笑)
537名無しさん@ピンキー:2011/04/09(土) 09:42:29.12 ID:DJcMsYKd
>>533
続き全裸待機してるから、好きなように書いてくれ!
538名無しさん@ピンキー:2011/04/09(土) 11:15:11.97 ID:S9ITgQ+A
注意書きは最初から頼む
539名無しさん@ピンキー:2011/04/10(日) 00:18:14.21 ID:Juxbms7X
>>533
オリジ要素入れようと思ったんですがエロじゃない上、誰得なのでここでは控えます。
しかも序盤で伏線書き忘れてるので書いても完全に意味不明になるという大失敗。

>>534>>538
ここまでお付き合いいただきありがとうございました。
上記の理由によりこれで最後の投稿になります。
540名無しさん@ピンキー:2011/04/10(日) 00:19:10.11 ID:Juxbms7X
残酷で凄惨な表現を含みます。
苦手な方はタイトルNGよろしくお願いします。
541エンジェルソウ 35:2011/04/10(日) 00:20:00.67 ID:Juxbms7X
後ろ手に手錠を掛けられたブリーフが連れてこられたのは、今までとは違う埃臭さのない部屋だった。
床は白と群青のレンガが交互に並んだタイル張り。素材がむき出しだった壁はここでは白く塗られていた。
ここだけは部屋として整備されているようで、蛍光灯とスポットライトが天井に取り付けてあった。窓はない。
ライトの下には、仰向けに寝そべる男の上で股を開く裸のパンティがいた。

(パンティ……!)

ブリーフは声を出しそうになり、慌てて口をふさいだ。
ひとことでも喋れば女を殺すと脅されていた。
パンティは黒いベルトのようなものを頭に巻かれ目隠しをされたまま、手と口を使い正面で股間を突き出して立つ別の男のイチモツを美味しそうにしゃぶっている。
今、相手をしている二人以外にも裸の男が五、六人ほど、壁にもたれかかって座っていた。
おそらく卑猥な行為を終えて疲れ果てているのだろう。
パンティが男漁りをした後は、いつもこういうことになっているのでこの場面は見慣れたものだった。
彼女が目隠しをされて、ショットガンやマシンガンで武装した男たちに囲われていなければ。

「ああ、んだよ。もう出しちまったのか?情けねぇな。あと少しであたしもイケそうだったのによ」

パンティが口元の白い精液を指ですくってから、中腰から立ち上がった。
赤く腫れた彼女の秘唇から彼女の口元を汚している体液と同じものが垂れる。
パンティの右足首には鉄の枷が嵌められていて、そこから伸びた鎖はすぐ横に置いてある鉄球に繋がれていた。

「デカさはまあまあだったけどな。はい、次。……いねえのか?じゃ、もう一周行くか」

形の良い胸を両手で下から持ち上げてたゆんたゆんと揺らす。
腰を後ろに突き出していやらしいダンスをし始めた。本当にまだまだ余裕がありそうだ。
542エンジェルソウ 36:2011/04/10(日) 00:20:54.15 ID:Juxbms7X
「なんてやつだ。こんな女は初めてだ」

ブリーフの隣に立つ男が、唖然として言った。ここの組織のボスであるかのような風格を持つ男。

「あん?その声……。なんだよ、お前もあたしの相手してくれよ、ボスさんよ」
「俺は遠慮しておこう」
「Fuck。インポ野郎が。勃たねえのが怖くて女を抱けないってか」

パンティの言葉に裸の男たちが凍りついた。
相手をしていた男二人がもたもたしながらパンティから距離を取る。

「年上への口の聞き方には気をつけるんだな、ビッチエンジェル。率直に言ってお前みたいな女はタイプだぜ」
「あんがと、じゃ抱いてくれよ」
「しかしディスプレイで恥ずかしい姿を晒すのも気が引けるんでな」

パンティがキョロキョロと辺りを見回す仕草をした。
目隠しをされているので全く見えていないだろうが。

「はぁ?なに?これ撮ってんの?そういうことはちゃんと先に言えよ。もっと色っぽい声で鳴いてやったのに」
「スポンサーのいる隣の部屋へ中継してるだけだから安心しろ」
「スポンサぁ?集団レイプを生で見るために金を払うバカがいんのか。変態だな」
「同感だな。だが、金をくれるなら大切なお客様だ。いつもなら、ここは女が泣きながら助けて、許して、とベソかいてる場面なんだがな」
「チッ」

パンティがぐっと下唇を噛んだような気がした。
男遊びに長けたパンティだからこそ余裕でいられるが、普通の女性なら気が狂ってしまうのは当然だと思う。
こいつらは本当の悪者で、犯罪者なのだ。
543エンジェルソウ 37:2011/04/10(日) 00:22:02.62 ID:Juxbms7X
「ハッ、残念だったね。スポンサー金出してくれないんじゃないの?あたしピンピンしてんじゃん!」
「そろそろ道を封鎖してた奴らが戻ってくる頃だな、おい」

ボスがショットガンを両手で抱えている男の一人を指差した。
男は合図に応え、うずくまっていたパンティの背中を蹴飛ばす。

「いて!?」
「パンティ!!」

思わずパンティの名前を呼んでしまった。

「あ……。ギークボーイ?」
「声は出すなと言っておいたんだが、仕方ないな」

パンティが声のした方を向いてくれた。
四つんばいに伏せたパンティの傍へ寄り、男が目隠しを弄り始める。
カチャカチャと金具が外れ、目隠しがずれ落ちる。ブリーフとパンティの目が合った。

「なんで、お前がここにいんだよ!?」
「ぼぼぼ、僕。パンティを助けに……!」
「余計なことしに来なくていいんだよ!この短小ギーク!」

パンティの声には焦りと羞恥が混じっていた。
動揺するパンティを見て嗜虐心がくすぐられたのか、ボスと呼ばれた男は嬉しそうに口元をゆがめた。

「ははは、カメラに撮られるのはよくても彼氏に見られると恥ずかしいらしい」
「うっせぇタコ!そんなギークがあたしの彼氏だって?ジョーダンきついね!ただのお友達さ!」
「隠すなよ、コイツとデキテんのは把握済みだ」

男二人がパンティの片腕を一本ずつ取り、背中に捻り上げる。

「いた、いたたたた!?」
544エンジェルソウ 38:2011/04/10(日) 00:22:32.77 ID:Juxbms7X
パンティの乳房が床に押し付けられて平たく潰れた。
男たちがそのまま体重をかけてパンティの身動きを完全に封じる。

「てめ、放せ!いてて」
「ビッチのくせに男に押さえつけられるのは苦手なのか?」
「こういうハードなのはあたしの妹の専門なんだよ、あたしは男にまたがられるよりまたがる方が好きなんでね!」
「妹の方の専門だったか。それは失礼した」
「あんまりあたしらに酷いことしてっと、あたしのコワーイ妹が刀持って押しかけてくるぜ」
「もう来てるの、わかってるんだろ」
「あ?」
「お前ら姉妹の戦いを見させてもらった。バラバラに行動していたのに駆けつけるタイミングが出来すぎてるんだよ。姉妹で居場所がわかる特殊な力でも持ってるんじゃないのか?」
「ハッ!んな都合のいいもんあるかよ。女の勘ってやつかな。たぶん、もうとなりの部屋まで来てるぜ、ストッキングが」
「えっ」

ブリーフは背筋がゾッとした。
ストッキングはシースルーで休んでて……。救急車を呼んであって……。
すぐ近くまで来てるはずが……。

「おい、入って来い」

ボスが合図するとブリーフの後ろのドアが開いて、数人の黒いスーツを着こなした男たちが入ってきた。
男の一人が抱いていたのは……。

「ストッキ……」

ニヤついていたパンティの表情が、大きく目を見開いたまま凍りついた。
545エンジェルソウ 39〜48:2011/04/10(日) 00:56:16.23 ID:Juxbms7X


エンジェルソウ39〜48

残虐で凄惨な表現を過度に含み、
たまたま見てしまった人に
トラウマを植えつけてしまう可能性があるため
別スレに投稿させていただきました。

猟奇・鬼畜・グロ・嗜虐・リョナ系総合スレ 第10章
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1292941758/98-107


546エンジェルソウ 49:2011/04/10(日) 00:57:52.68 ID:Juxbms7X
「お前ら、バカだよ。パンティとストッキングは天から遣わされた天使なんだよ。ゴーストから人間を守るために天界からやってきたんだ。それを自分の欲望のために殺しちゃうなんて。自分たちがどんなことをしたのかわかってるのかい」
「天罰が下る、と言いたいんだろ。ブリーファス・ロック君。悪いが、宗教はやってない。それと、もうひとつ。こいつらは本当にゴースト退治のために天界から来ていたのか?」
「どういう意味だよ」
「俺の組員がゴーストに襲われてね。バラバラの死体で発見された。13人も、な。こいつらが真面目にゴースト退治していれば俺の仲間は死なずに済んだんじゃないか?」
「ゴーストのせいだろ、なんでそれが二人のせいになるんだよ」
「重要なのは、こいつらが真面目に働いていたかということだ」
「二人はよくやってたよ」
「嘘だな。ゴーストそっちのけで一人は男漁り、一人はスイーツ狂い。お前もよく知っているだろう。天罰を下したのは俺たちさ」

天罰なんてよく言えたものだとブリーフは思った。
そんなのは二人を殺す理由にもならない。結局は金のために天からの使いを殺したのだ、この男たちは。

「ふざけてばかりで真面目に使命を全うしないクソ天使の最期だ」

パンティの頭部と首無しの死体を見ながら男は言った。
さらに挑発するように加える。

「最後には愛が勝つと思っていたんだろ。残念だったな、これが現実だ」

そうか、これが現実か。天使はいても神はいないのか。
手下の男が中身の入った注射器を持ってブリーフの前に進み出てきた。

「君には眠っていてもらうよ。悪いようにはしないさ」
547エンジェルソウ 50 (終):2011/04/10(日) 01:04:32.23 ID:Juxbms7X
後ろに回った男が針を腕に刺した。ブリーフは何も抵抗しなかった。
パンティの最期の言葉。
死ぬんじゃない。自由に生きろ。
つまりこれは、無駄死にするなということなんだろうと思う。
パンティは自分がいなくなった世界でブリーフが自殺するとでも思っていたのだろうか。
自殺はしない。こいつらに一矢報いて殺されようとは思っていた。
結局のところ、それも無駄死にかとブリーフは思う。
なんとかこの場を生き延びて、隙を突いて逃げ出して、警察に相談するのが最善の策だろう。
どうして最期に、彼女がブリーファスという本当の名前を呼んだのかはわからない。
ブリーフという名前の方が気に入っていたし、好きだった。ブリーファスという名前は嫌いだった。

彼女たちが真剣になったことなんてあるのかな。
ゴーストの前でもふざけてばかり。そこが心の余裕に見えて頼もしかった。
『大マジにふざけてる』ってどういう意味なんだろう。
人間が死ぬと天国か地獄に行くっていうけど天使はどこへ行くんだろうな。
そしてパンティが最期に言った言葉を頭の中で反芻しながら、ブリーフは深い眠りへと落ちていった。

目を覚ましたとき、パンティとストッキングが仲良く僕の前にいてくれたらいいな。
たまにケンカしててもいいな。だって姉妹なんだから。
いつも通りの、日常に戻れたらいいな。
神様――
548名無しさん@ピンキー:2011/04/10(日) 23:26:13.08 ID:HOz8J1ux
>>547
とりあえずgj
549名無しさん@ピンキー:2011/04/10(日) 23:30:09.40 ID:HOz8J1ux
>>547
追記
伏線張り忘れていたと書いてあったけど、確かに釈然としない部分はある。
なぜストッキングはあれほど超然としていたのかとか、
ガーターベルトが何もしないのはおかしいとか。
まあ、なんでもありなのがパンストの良いところなので、
「まっ、どおでもいいかあ」
550名無しさん@ピンキー:2011/04/10(日) 23:51:02.69 ID:HOz8J1ux
偉そうなこと言ったからにはギャグ短編でも書くかな
551名無しさん@ピンキー:2011/04/10(日) 23:55:56.73 ID:Juxbms7X
>>554
ありがとうございます。
こんな終わり方で超ドン引きされていると思うのでレスしてくれて助かりました。
書きたかったけど書けなかった追記の部分がまさにそれです。
読んでくださりありがとうございました。

ギャグ短編期待しちょります(*´ω`)
552名無しさん@ピンキー:2011/04/12(火) 02:14:32.46 ID:kyKsvoFk
ギャグ短編を書くと言ったものだが、せっかくだから>>554をgetしてから始める。
ちなみに2chに小説を投稿するのは初めてなので、字数制限とか行数制限とか連投制限とかが全く分からないのが不安だ。
553名無しさん@ピンキー:2011/04/12(火) 02:47:16.66 ID:QuJJTl23
どう間違えたんだろうな

ksk
554名無しさん@ピンキー:2011/04/12(火) 11:53:10.45 ID:kyKsvoFk
>>554なら今日の深夜、投下開始
題名は「発電狂時代」
555名無しさん@ピンキー:2011/04/12(火) 11:55:12.36 ID:YoN5rzc8
いちいち能書きばかりうるせえ奴だな。
投下するならさっさと黙ってやれ。
556名無しさん@ピンキー:2011/04/12(火) 13:43:58.93 ID:m+xh/Y8F
>>555
うるさいよ!
期待して待ってる人もいるんだから静かにしろデブ!
557名無しさん@ピンキー:2011/04/12(火) 22:29:39.73 ID:lrNdzQIj
それでは投下を始めます。
題名は予告通り「発電狂時代」。
注意としては、
・不謹慎な時事ネタを含みます。
・下ネタはあるけどエロくはありません。
ではでは
558発電狂時代 1:2011/04/12(火) 22:32:47.94 ID:lrNdzQIj
 愛と欲望の渦巻く街、ダテンシティ。
 ここでは様々な人物が少しでも自分を偉く見せようと小賢しい言論活動にいそしんでいる。
 その結果、彼らのレトリックは自然、自分の主張を根拠づける物ではなく、むしろ相手の人間性を貶める物に向かいがちだ。
 「正しい」の二重の意味をわざと混同させ、「道徳的に間違っている」という、言われた方は誰だって気持ちがよくなく、また冷静な反論もしにくい主張で相手を攻撃し、自分は正義を気取る。
 最近そういう輩が好んで使う言葉の一つが「不謹慎」である。
 確かにあまり公的な場で不謹慎な発言をするのは困るが、不謹慎な発言をすべて取り締まるのもおかしい。
 そんなことを言ったら芸術なんて物はそもそも不謹慎なものだし、発明発見なども多く不謹慎な思考法から生まれた物なのである。
 要は不謹慎がOKな場所とNGな場所がやんわりと色付けされていれば、グレイゾーンでは喧嘩が起きるかもしれないけど、だいたい問題ないんじゃないの。
 それでもやっぱり本当に不謹慎な奴ら(と可哀そうなことに本当に真面目でしかも馬鹿な人たち)は「不謹慎だ不謹慎だ」と騒ぐかもしれないけど。
 でもさ、もう春だよ。桜も咲くんだよ。だったら「春だから」という軽い気持ちで、あのお騒がせ天使たちに後れをとらないよう、今すぐ下着を脱ぎ棄て、
 Let's 不謹慎!!!
559発電狂時代 1:2011/04/12(火) 22:34:41.48 ID:lrNdzQIj
 天使たちに節電の二文字はない。
 暖房を暑いくらいにつけたリビングルームのソファに寝そべりながら、特に見てもいない大型テレビをつけっぱなしにして、
 ストッキングは耳にイヤフォンをはめてノートパソコンで何かの作業中、
 パンティは足用マッサージ器に両足を突っ込んで、電子レンジがブリートを温め終わるのを鼻歌交じりで待っている。
 パンティは鳩の首を食いちぎろうとしているロック歌手をプリントしたTシャツに、下はローライズのジーンズ、
 ストッキングは『ルビーグルーム』のミザリーみたいな格好をしている。
 ガーターベルトの姿はない。すると家事をする人がいないので、冷蔵庫はちゃんとしまっておらず、使ってない部屋の電気もつけっぱなしである。
 これはもしかしたら彼女らが天界出身であることと関係あるかもしれない。よく知られているように天界は光に溢れた場所である。
 アメリカの物理学者ウェーバーはイザヤ書第30章26節
 「主がその民の傷を包み、その打たれた傷をいやされる日に、月の光は日の光のようになり、日の光は七倍になって、七つの日の光のようになる。」
 の記述から、天国の受ける太陽光の輻射エネルギーをステファン・ボルツマンの四乗則から計算し、天国の温度を525℃と算定している。
 それに対してヨハネ黙示録21章8節
 「しかし、おくびょう者、不信仰の者、憎むべき者、人を殺す者、不品行の者、魔術を行なう者、偶像を拝む者、すべて偽りを言う者どもの受ける分は、火と硫黄との燃える池の中にある。これが第二の死である。」
 から分かるように地獄では硫黄が液体の状態で存在するので、気圧が普通と同じなら(残念ながら、聖書には地獄の気圧について何も書かれていない)、地獄は高くても444.6℃までである。
 つまり天国は地獄よりも熱い。
560発電狂時代 1:2011/04/12(火) 22:36:10.93 ID:lrNdzQIj
 と、地の文が無駄話をしているうちに時計の秒針はめぐりにめぐり、電子レンジのターンテーブルもまた然り、パンティはそろそろかなと、マッサージ器から足を抜いて横着にもその足でボタンをオフにしようとしたとき、ボタンを押す寸前にマッサージ器は止まってしまった。
 ついでと言っては何だが、電子レンジもテレビもすべての電燈も消えてしまった。ただバッテリー電源に移行したストッキングのノートパソコンだけが闇の中で光っていて、持ち主の青白い顔を怪しく照らし出している。
 すべてが闇に包まれたとき、パンティが最初にしたことは、電子レンジまで行って、ブリートを取り出すことだった。
 「よっしゃ、温まってる!」
 「What happens? ブレーカー落ちた?」
 ストッキングはもう少し常識的な対応をする。パンティはブリートを咀嚼しながら窓際まで歩いて、カーテンを開けて、
 「うんにゃ。停電だ。街全体が真っ暗だ」
 「じゃあこれが、噂の大規模停電てやつ?」
 ストッキングは何かうれしそうにそう言う。
 「ブログのネタにしちゃおうかしら。でもスイーツブログなんだからスイーツの話を書かないのもなんだし」
 そしてパソコンの画面に目を戻し、ブログの背景を飾る各種甘味を見て何かを思い出す。
 「そうだ、冷蔵庫!」
 と言って立ちあがり、キッチンに走って
 「生スイーツ早めに食べておかないと!」
 と冷蔵庫から次々と傷みやすい生菓子を取り出す。全部今食べる気なのだろうか。
561発電狂時代 4:2011/04/12(火) 22:37:18.41 ID:lrNdzQIj
 (菓子って言やあいいのに、なんで「スイーツ」っていうんだ?)
 とパンティは何度目かの疑問を浮かべるが、聞いてもまともな答えが返ってくるわけがないので、何度目かの蓋をし、何かいい番組がやってないかとテレビのリモコンのボタンを押す。
 反応がない。
 おかしいなあと、ひっくり返したり電池のチェックなどをやっていると、
 「何やってんの?」
 と大量のスイーツ(笑)を抱えたストッキングが、心底馬鹿にしたような顔で見ている。馬鹿にしているだけでなく、この馬鹿が自分の姉であることに絶望して手首の2本や3本、すぐにでも切ってしまいそうな勢いの顔だ。
 パンティ少し頬を赤らめてリモコンを机に投げ出すと、気を取り直すように
 「そっかあ、停電かあ。じゃあ暇だから、クラブにでも行くかあ」
 と立ちあがりながら、両腕を頭上に上げて伸びをする。逆にストッキングは座りながら、
 「街全体が停電なんだから、クラブもやってないんじゃない? ていうか、市民全員に向けて屋内退避命令が出てるんじゃなかったっけ?」
 と一つめのケーキの生クリームをスプーンですくいながら言う。
 「what the heaven!? ふざけんなよ。なんだ、そんな糞ルール。ルールと処女膜は破るためにあるんだよ!」
 「それはそうだけど、だったらそんなもの最初から無ければ楽なのにね」
 「それもそうだな。そう言えば、処女膜があるのは人とモグラだけって聞いたことあるな」
 「あたしは鯨にもあるって聞いたけど」
562発電狂時代 5:2011/04/12(火) 22:38:36.21 ID:lrNdzQIj
 「ええっと、なんの話だっけ? Well…、そうだ、ルールだ、RRRRUUURRRUの話だ。じゃあ、どうやってこの熱い刺激を求める若い体を沈めればいいんだよ?
 考えても見ろよ! 停電だよ! ベビーブームだよ! 今この瞬間も、この街のどこかで、男と女が暗闇の恐怖と寒さをお互いの体で慰め合うために抱き合ってるんだよ!
 それなのに、この天下のパンティ様がだよ! 千人切りの異名を持ち下着を自在に操る高貴な女性騎士であるパンティ様がだよ、家でしみったれた女とにらめっこだなんて、
 fuck! ありえないね。あのシーズンオブサンシャインでパーフェクトプレイなFuckin' 糞ghostが4回も都知事選に受かるくらいありえないね」
 「でも、具体的にどうすんのよ。たとえあんたがここ飛び出して男漁りに行ったって、放射能まみれの女なんか抱いてくれる奇矯な男が見つかるの?」
 そう言った途端にストッキングの脳裏には千人切りの異名を持つパンティの当の千人目の顔が思い浮かんだが、口には出さないでおく。
 「ストッキ〜ン、あんたは何も感じないの。女の本能が身を焦がすのをさ」
 「あたしは一人でも生きていけるもん。まあ、確かに体が寂しい時はあるけどさ、そのときは別に一人でも収められるじゃん。大体セックスなんて、お互いがお互いをおもちゃにしてオナニーやってるようなもんじゃん。だったら一人でやった方が話が早くていいわ」
 このゲロゴススイーツ眠れる恋愛脳女が、とパンティは思うが、やはり言わないでおいた。
 そしてどさっと音を立ててソファに腰を下ろすと、
 「じゃあさ、ここでやれる暇つぶしって何さ?」
 と質問をする。
 「何か食べたらぁ? 落ち着くよ」
563発電狂時代 6:2011/04/12(火) 22:39:22.20 ID:lrNdzQIj
 「あたしにはあんたと違って生で食べれる物なんかないんだよ」
 「じゃあ、一人でトランプでもやったら。占いとかソリティアとか。そうだピラミッドでも作ったら? カードで」
 「アホか! どこのどいつが暗闇の中でカードのピラミッドをつくるんだよ! そんな奴はよほどの馬鹿か、気の狂った暗殺者だけだ! そう言うのはこちとら願い下げだね」
 「馬鹿と暗殺者は種類によるわねぇ」
 明らかにストッキングはまじめに聞いてない。パンティは、チッ、と聞えよがしに舌打ちすると、携帯電話を取り出して、どこかにかけはじめる。
 「どこにかけんの?」
 と訊くと、
 「ピザ取る」
 と短く答える。
 「はぁ? 来てくれるわけないじゃない。こんななか……」
 そのとき教会の非常階段を誰かが急ぎ足で昇ってくる音がして、ストッキングは思わず黙る。そしてドンドンとノックをすると、中から開けてくれるのを待たずに開けて誰かが入ってくる。
 「あ、ピザ来た! 最近のピザははええな」
 「いや、ちょい待ちパンティ! ピザ屋まだ電話に出てすらいないじゃん。だからこれはピザ屋じゃなくて……じゃあ一体誰!?」
 驚き桃の木ストライプTを居合い脱ぎ、侵入者に相対すと、その侵入者、手に懐中電灯を持って異様に着膨れしている。まるでガチャピンみたいなシルエットの頭部は、どうやら前面をガラスに覆われているようで、近づいてきたその中に見えた顔は、
 「なあんだ、ピザじゃなくてブリーフかよ。お前なんか頼んでねえよ」
 「ギークボーイ!?」
 そこに立っていたのは防護服に身を包んだブリーフであった。
564発電狂時代 7:2011/04/12(火) 22:42:38.10 ID:lrNdzQIj
 ********

 「何しに来たの? あんた」
 ストッキングが当然の質問をする。しかし、ブリーフの目には彼女は映っていないようだ。
 「パパパパンティ、ボボボ僕、君のことが心配でいても立ってもいられず……」
 相変わらず、パンティの前だと少しどもる。これでも一応童貞は失ったはずなのに、ここまで童貞臭さが抜けないのは、もう才能としか言いようがないと、ストッキングは少し感心する。
 「あ、そうだ! 二人のために持ってきたものがあるんだ」
 「おっ、なんだ? 気の利いたものだったらもらってやるぞ」
 パンティは身を乗り出す。ブリーフが背負ったバックパックから出してベチャッとテーブルに投げ出したのは、巨大な海藻だった。
「放射性ヨウ素は摂取すると甲状線に集まって危険だからね。だからあらかじめ危険のないヨウ素を摂取しておかなくちゃいけないんだ。
 ほんとはうがい薬を飲むのが一番いいらしいんだけど、近所の薬局ではみんな売り切れてなくなってたから、仕方なく海まで行ってこれをとってきたんだ。
 見てよ、この昆布。見たことのないほど大きいし、昆布なのに、まるでわかめみたいに枝分かれしてる。もしかして新種かな? これならすごく効果があるんじゃないかと思うんだけど」
 「へえ」
 と二人。へえとしか言いようがない。特にぬかよろこびさせられたパンティは
 (さっさとこいつ帰らねえかな。歩いて行くのを見るのもめんどくせえから、一時的に物理の法則がねじ曲げられて、一瞬でどこか遠くにワープでもしてくれねえかな)
 という目で見ている。ストッキングは、いつも通りだ。
565発電狂時代 8:2011/04/12(火) 22:43:34.47 ID:lrNdzQIj
 空気読めないブリーフでもさすがに二人の温度が急激に低くなったことには気付いたらしい。慌てて、もう一つ持ってきたものを取り出す。
 「ほ、ほら。これも持って来たんだよ、ガイガーカウンター。これで目に見えない放射線がどこにあるのか一発さ」
 と言ってスイッチを入れる。すぐに、機械が反応を始め、ピッ、ピピピと音を立てる。
 「わ! 結構放射線が高いね。一体どこに発生源があるんだろう」
 とセンサーを持って振り回すが、なかなかそれが分からない。それと同時に、天使二人の視線が絶対零度以下に達しそうになるほど冷たくなっていく。そしてブリーフはふと気付いて、センサーを自分に向けると、計器の針が勢いよく振れて、ピピピピピピと景気良い音を立てる。
 「ハハ、ハハハハハハ」
 ブリーフはごまかすように笑いながら防護服の上から頭をかこうとするが、一向に場の空気が改善される兆しが見えないので、急に真面目な顔になってパンティの顔を見て、
 「パンティ!」
 と名前を呼ぶ。気圧されて、
 「何だよ」
 とパンティが答えると、
 「ぼぼ僕、先にシャワー浴びてきていいかな」
 と頬を赤らめて言う。
 「「さっさと行って来い!」」
566発電狂時代 9:2011/04/12(火) 22:45:28.96 ID:lrNdzQIj
 ********

 「ふう、すっきりした。ありがと! パンティ、ストッキング」
 髪を吹きながら現れたブリーフは防護服を脱いでいる。濡れ髪の間からときどき緑色の瞳がのぞく。来ているのはいつものつなぎではなく、『ティーンエイジ・ミュータント・ニンジャ・タートルズ』のキャラクターTシャツにくたくたのジーンズだ。
 「お前、あたしらの毛とか捜したりしなかっただろうな」
 「ええ? そそそそそんなことしないよ僕」
 「ふん、どうだか。前にあたしの鼻クソ集めてた奴がなに言ってんのさ。後でチャックになんかあたしの物がなくなってないかチェックさせよ」
 「そんなあ」
 「まあ、そんなお前でも来ないよりはましだったかな」
 「ほほほんとに!?」
 「ああ、だから、コンビニ行って何か買ってきてくんねえかなぁ。適当なもん」
 「そそそそんなあ」
 「そんなことよりその懐中電灯、変な形ね」
 最近ブリーフはなんとかパンティとの会話をつなげられるようになった(というか、パンティがつなげさせてやるようになった)のだが、この二人が二人で言葉のキャッチボールを完結させてしまうと自然玉が飛んで来なくなるのがストッキングである。
567発電狂時代 10:2011/04/12(火) 22:47:06.17 ID:lrNdzQIj
 というわけで普段は、自分には関係ない興味もないという顔をしているものの、折りにふれて楽しそうな二人に割り込もうとする。今回はブリーフが持ってきた、奇妙な形の懐中電灯を指さして、
 「その、上についてる棒状の物、なに?」
 と質問する。
 「ああ、これね。これ、僕が作ったんだよ」
 とブリーフは自慢げに話しはじめる。パンティはそれを聞いて、ああまた始まったよ、という風に天を仰ぐが、ストッキングはパンティのその顔がなぜか少し面白い。
 もちろんブリーフはそんな二人の様子に気付くはずもなく、自作の機械の説明を続ける。
 「この懐中電灯は充電式なんだ。こんな時期だから、電池は貴重品になるからね。すでにネット通販で安いのは買い占めておいたんだけど、できるかぎり使わないでおこうと思ってるんだ。
 それで手動で充電できるようにしたんだけど、取っ手をぐるぐる回すのは結構腕がきついでしょ。だからそれより単純な上下運動の方がより楽だと思ってこういう風にしたんだ」
 と、懐中電燈の上についている棒の上の方にあるリングを右手で掴むと、シコシコとスライドさせるように上下運動させる。
 棒の上の方はキノコ状になっていてリングが抜けないように工夫をしているようだ。
 ブリーフが数擦りすると、たしかに懐中電灯の光がにわかに強くなる。
568発電狂時代 11:2011/04/12(火) 22:47:58.07 ID:lrNdzQIj
 「へえ、何だか面白そうじゃん」
 その形か動きかに興味をそそられたらしいパンティがすばやい動きでブリーフから新しいおもちゃをぶんどる。そして見事なピストン運動でその棒を擦っていく。
 「ああパンティ! 乱暴しないでよ。けっこう敏感なんだから」
 しかしパンティは聞く耳を持たない。次第に何だか楽しくなってしまったらしく、さらに高速で、しかし決してきつく締め付け過ぎず、爪を立てないよう優しい手つきでその棒を刺激する。
 「あ! ちょっ! 駄目だってば。そんなことしたら、パンティ! ああ!」
 シコシコシコシコシコシコシコシコ
 「お!? なんか、先っちょから液が漏れてきたぞ?」
 「だから駄目なんだってば。今のうちにもうやめてよお」
 シコシコヌルヌルシコシコヌルヌル
 「こりゃあ、いいローションだ」
 「ああパンティ! そんなことしたら壊れちゃうよお!」
 シコシコシコシコシコシコシコシコ
 「ほう? ここか? ここがええのんか?」
 「ああ! だからパンティ! 駄目だったら! そんなことしたら、そんなことしたら。ぼぼぼぼぼ僕、爆発しちゃうよ!」
 「お前が爆発してどうする」
569発電狂時代 12:2011/04/12(火) 22:49:03.36 ID:lrNdzQIj
 ストッキングの投げたテレビのリモコンがブリーフの股間を直撃する。
 ブリーフはそのまま前かがみにノックアウトして昇天してしまうが、それとほぼ同時に懐中電灯の方も限界が来たらしい。
 ひと際明るく輝いたと思うと「どぴゅっ、どぴゅどぴゅ」と「ZAP!!」の中間の音を立てて栗の花の匂いのするレーザーを発して、こと切れてしまう。
 「なんだよ、これからが本当のお楽しみなのに。作った奴に似て早漏のマシンだな」
 とへなへなと萎えてしまった機械を投げ出す。ブリーフはうずくまったまま、
 「ひどいよ二人とも」
 と小声で呟いている。
 「本当にあんたら馬鹿ね」
 とストッキングは心底呆れたような顔をして顔にかかる髪をかきあげるが、今はその不思議な色合いの髪の毛をなぶる物が指以外にもう一つあることに彼女は気付く。
 風だ。風が吹いているのだ。
 風が吹いてくる方に顔を向けると、先ほどパンティが懐中電灯を向けていた方の壁に大きな穴があいているのが、暗闇の中でうっすら見える。
 そして、風が吹くたびにブリーフが持ってきたガイガーカウンターがピリピリと神経質な音をたてた。
570発電狂時代 13:2011/04/12(火) 22:50:18.13 ID:lrNdzQIj
 ********

 「これっていろいろとまずいんじゃない?」
 ストッキングが風にもてあそばれる髪を押さえながらパンティに訊いた。
 「確かに寒いしなあ。それにまたあの糞アフロに怒鳴られるな」
 パンティの金髪も風で盛大に乱されているが、こちらはそれに特に頓着せずに、暢気な答えをかえしている。
 二人は今、壁に開いた大穴から、停電で闇に包まれたダテンシティを見降ろしている。その二人の後ろでブリーフは
 「防護服! 防護服はどこだ!?」
 とパニック気味だ。
 「しかし、本当に真っ暗だなあ。あいにく今日は曇りで、月も星も出てないし……うん? ありゃ、なんだ?」
 パンティが異変に気付く。
 「どうしたのパンティ?」
 「なんか音がしないか? それに何かが動いてる」
 「Where?」
 「Hey,look! Over there! ほら、建物が!」
 メキャメキャと音をたて、建物が一つ潰れたのが、少しずつ闇に慣れてきた目に分かる。
 「なんなんだあ、ありゃあ。まさか津波か?」
 「まさか、地震も起こってないのに?」
 ブリーフが二人の間から顔を出してそう言う。
571発電狂時代 13:2011/04/12(火) 22:51:29.61 ID:lrNdzQIj
 「でもそれならあれは一体……」
 ストッキングがそこまで行ったとき、突然教会の上空の雲の中でいくつもの雷光が輝き、凄まじい音を立てて教会に落ちてきた。
 それは自然界の法則に反して教会の塔をよけると、そのまま教会の地下に突き刺さって、これまたとんでもない音を立てて消えた。
 そしてその消えたあたり地面が突然口を開けたと思うと、真っ黒い影が、そこから飛び出して、ひと飛びで壁に開いた穴から教会の中に飛び込んだ。
 穴の真ん中にいたブリーフはよけようとしてよろけた拍子にパンティに抱きついてしまい、顔を赤くして離れて、穴から落っこちそうになる。
 「あれはゴーストの仕業だ!!」
 賢明な読者ならすでに推察している通り、それはガーターベルトだった。
 その左手には真っ黒に焦げたチャックが握られており、ガーターの服もところどころ焦げたり破れたりしていて、網タイツやそれをとめるガーターベルトが見えている。
 そしてガーターベルトは右手の拳で思い切りチャックを潰すと、チャックの口から一枚の紙が飛び出した。天界から支給された携帯の光でそれを見ると、そこには
 「private power generation(自家発電)」
 と書かれていた。ありがたい天界からの指令である。
572発電狂時代 15:2011/04/12(火) 22:52:11.12 ID:lrNdzQIj
 「あいつは街全体が停電で機能を失っていることをいいことに、すべての蹂躙しようとしている。現代生活に溺れ切ってしまった人間たちは、電気がなくては座して死を待つ以外のことは何一つできないであろう。
 彼らはただ神に祈りをささげるだけだ。だがこの街には神はいないが天使ならいる。市民たちを守れるのはお前たちだけだ。パンティ&ストッキング、出動だ!」
 「ていうかガーター今までどこにいたんだよ。流しに皿とかたまって大変なことになってんだけど」
 「どうせ放射能が怖くて、一人で地下室にいたんでしょ。自分一人助かればいいと思ってる似非宗教者」
 「えっ? ここって地下室なんかあるの?」
 「ブリーフ君、案ずることはない。いずれ君も招待しようと思っていたところだ」
 「ええ!? いや、いいです。遠慮しておきます」
 「ええい、また話がずれた! さっさと出動せんか! 糞天使ども!」
 「おいおい、外に出たらまずいんじゃねえのか?」
 「そうよそうよ。いくら神様だからって、命にかかわる劣悪な環境下での労働は命令できないはずよ。労働基準法に違反してるわ!」
 「黙れ雌豚ども! お前ら天使は人間じゃないので人権など無い!」
 「「うへえ」」
 「それに安心しろ、政府の発表によれば、屋内退避命令は出しているものの、現在汚染はすぐさま命にかかわるものではない。一生吸い続ければのちのち影響が出るかもという程度なのだ」
 「つまりあたしら天使は人間より寿命が長いから、影響が出る可能性も高いってわけね」
 「え? 天使って、寿命長いの? パンティ」
 「へっ、知らなかったの?」
 「だから無駄話はやめろというのが分からんのか!? 出動ったら出動だ!」
 「「へいへい」」
573発電狂時代 16:2011/04/12(火) 22:53:27.67 ID:lrNdzQIj
 Fly away now! Fly away now! FLY AWAAAAAAAYYYYYYYYYY!!!!!!!!

 闇に沈んだ街に二つの光が飛びかう。天使の光を服に変えて纏ったパンティをストッキングだ。ビルからビルへと超スピードで飛びまわり、現場に直行する。
 そこではビルが何かとんでもない力で真ん中くらいからひしゃげていた。何かとんでもないエネルギーを持った物がぶつかったようだ。
 「What the fuck! 一体何だこりゃ?」
 「こんなの食らったら、いくらあたしらでもミンチになるわね」
 深刻そうな物言いと対照的に、天使の輪っかの光に浮き上がるストッキングの表情は少し笑みを浮かべている。ガーターベルトには文句ばかり言ってるが、実は二人ともこの仕事が嫌いではないのだ。
 人生にはスリルとサスペンスが必要だということが、このあまり似ていない姉妹が共有できる数少ない価値観の一つだ。
 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
 「おっとおいでなすったぜ」
 そういうとパンティはビルの上からゴーストが近づいてきている街の幹線道路に降り立つ。
 「ちょっとパンティ」
 先ほどの自分の言葉を聞いてなかったのだろうか。
 あんたは銃使いなんだから、遠くから敵を狙えばいいのに(あたしの分のパンツも足せばライフルにだってなる)、いつも最前線に突っ込み、結果として銃を持ったまま、格闘戦に突入。
 しかもそれが楽しくてたまらなそうと来たもんだ。
 自分たち姉妹のちぐはぐさに今更ながら、頭が痛くなりそうになりながら、ストッキングもパンティの傍らに降り立ち、お互いに背中を預けるように周りを警戒する。
 パンティは両手でバックレースを構え、ストッキングはストライプT,Uの二刀流。
 「来る!」
574発電狂時代 17:2011/04/12(火) 22:54:32.99 ID:lrNdzQIj
 予想以上の接近スピードに二人ははじかれるように飛んで道をあける。パンティは横に、ストッキングは相手と少し距離をあけて併走するように。
 「食らいやがれ!!」
 BLUM!BLUM!BLUM!
 パンティが音の去っていく方向にぶっぱなす。しかし、それと同時に相手の地面を擦る音がキュルキュルと高い音に変わり、流れ星のように曳光する弾はアスファルトに当たってはじけてしまう。
 どうやらジグザグ移動して弾をよけているようだ。
 「ていやぁ!!」
 相手と併走していたストッキングが相手の前に通せんぼするように跳ぶ。しかしストッキングの足が地面から離れるのを見計らって、また相手の接地音が変化する。
 今度はギャルンという風に重い音になったかと思うと、急加速。空中にいるストッキングを追い抜かしてしまう。
 「Shit!」
 この暗闇ではこちらは相手の位置を音で判断するしかない。それに対して、天使は戦闘時、鮮やかに発光するので、相手はこちらが見える。これは不利だ。
 ストッキングを追い抜かした敵ゴーストは行きすぎた道路で急角度のUターンを行い、反対にストッキングの背後を狙おうとする。
 「Oops!」
 「もらったぁ!」
 その間にパンティが分け入り、銃を構える。
 BLUM! BLUM!
 今度は敵が飛ぶ番だった。ひと際強く地面で音を立てるとそれは、二人の上を飛び越えていく。
 そのとき、二人の光でかすかに相手の姿が見えた。2メートル強の丸い何かが高速で回転している。しかし、すぐにまた闇の中で消えてしまう。
575発電狂時代 18:2011/04/12(火) 22:55:19.63 ID:lrNdzQIj
 「Fuck! 見えねえ敵をどうやって捕まえりゃいいんだ?」
 「何を苦戦しておる天使ども!」
 そこにまたいくつかの光が加わる。チャックの運転するシースルーのヘッドライトだ。助手席にはガーターベルトが、後部座席には防護服を着たブリーフが座っている。
 「そんなこと言われたって見えねえものは見えねえんだよ」
 「文句があるなら対案を出しなさいよ、対案を」
 無茶なことを言うストッキング。しかしガーターベルトは引き下がらない。
 「ぬう、分かった。わしがやる」
 と立ち上がって、服を脱いで、ガーターベルト一丁になる。高濃度放射線の中でガーターベルト一丁になるのは危険なので、良い子のみんなは絶対に真似しないように。
 「かつて神の罰により、様々な時代をめぐりあるき、様々なケツ人たちに出会った。その一人、美少年を愛する文化を持っていた古代ギリシャの哲学者、デモクリトリスに学んだ必殺技、アトミックパンチ!」
 と叫ぶとアスファルトの地面を力強くパンチした。
 「へ? それだけ?」
 「頭大丈夫?」
 パンティとストッキングは呆れて見ている。しかし、
 ドドドドドドドドドドドドドドド
 地鳴りがしたかと思うと、とてつもない大地震が起こった。アスファルトに地割れが起こり、ところどころで水が吹きだす。パリンパリンとガラスが割れてブリーフの上に降り注ぐ。
 バキバキバキと大きな音がして、バランスを失った敵がどこかにぶつかって止まる音がした。
 「今がチャンスだ、パンティ&ストッキング!」
 しかし当の二人は、
 「ありゃりゃりゃこりゃりゃりゃ」
 「およよよよ」
 とよろけて地面に転がっている。
576発電狂時代 19:2011/04/12(火) 22:56:39.94 ID:lrNdzQIj
 「何をしておる。お前ら飛べるだろうが」
 「飛び立つにも足場が必要なのよ!」
 「あがががががが」
 そんなことをしているうちに揺れは治まっていき、地面にうずくまっていた二人も立てるようになるが、それは敵だって同じことだ。嗚呼、ガーターの決死の努力は無駄に終わるのか? ところが、
 どっかーーーーーーーん
 遠くで何か大きな爆発音が聞こえた。それと同時に地面の振動と衝撃波もやってくる。さすがの面々も、一体何事が起きたのかという顔で音をした方を見ている。
 「確か、あの方角は……あれ? なんだろう、あれ?」
 何かを見つけたブリーフが空を指さす。皆も天を仰ぎ見る。すると曇天の空から何かが降ってくる。雪か? 違う。雪がこんな暗闇で見えるはずがない。あれは青く光っている。
 青く美しく光っている何かが空からパラパラと降ってきて、闇に閉ざされたダテンシティを照らし出している。
 「きれい」
 ストッキングが思わずつぶやく。
 「奇跡! そう、これは奇跡だよ!」
 ブリーフは思わず防護服の顔の部分をはずしてそう断言する。
 「そんなことより、これであいつをぶっ潰せるぜ」
 パンティが指さすと、空からの眩い光で、うっすらとではあるが敵の姿が目視できる。
 「そうね。じゃあ、さっさと片付けちゃいましょうか」
577発電狂時代 20:2011/04/12(火) 22:57:48.19 ID:lrNdzQIj
 二人並んでかまえをとる。ゴーストは状況が変わったことに気付いたのか、逃げようとするが、
 「逃がすかよ!」
 パンティは勢いよく地面を蹴って、上空に飛び上がると
 BLUM! BLUM! BLUM! BLUM!
 ゴーストがこれから行く方向を一つずつ潰すように弾を撃ち込んでいく。ゴーストはそれを間一髪で避けていくが、実際には次第に狭い場所へと追い込まれていく。
 そしてパンティが敵をどこに追い込むかを完全に知っているかのように、そこにはストッキングが待ち構えている。ストライプUは地面に突き刺して、ストライプTのみの両手持ち。
 かつてロッテに在籍したフリオ・フランコのようなダイナミックなモーションで、すれ違いざまに横薙ぎする。
 バキーーン
 手ごたえはあった。しかし切ったという感じではない。どちらかというと砕けたという感じである。そして砕けた破片の中から何かが躍り出て、アスファルトの上を転がっていき、シースルーの前で止まった。
 ヘッドライトで照らすと、それは胎児のような格好に縮こまった人間のように見えた。
578発電狂時代 21:2011/04/12(火) 22:58:24.77 ID:lrNdzQIj
 パンティとストッキングもすぐさま傍らに降り立つ。
 「仕留めたと思ったんだけどなあ。で、これ何? これがゴースト?」
 ストッキングがストライプの先でそれを指さす」
 「うむ。ゴーストの本体であろう」
 ガーターベルトがうなずく。
 「恐らくこれが高速で回転することにより、周囲に球形の力場を発生させていたのだ。それがストッキングの天使の力で砕かれて、中から出てきたのであろう」
 「へえ。それでこれはなんのゴーストなわけ?」
 パンティが真っ黒いそれをつま先でツンツンやりながら尋ねる。
 「うむ、これは間違いなく、自分のペニスを自分でフェラチオしようとしてでんぐり返しをしてしまい、そのまま脊椎を損傷して死んだ男の怨念が寄り集まってできたゴーストだ!」
 うわあ、という声がブリーフから上がる。もしかしたら身に覚えがあるのかも知れない。
 「なんで、んなことを。そんなの自分でやらんでも、ピンサロ行けばすぐにやってもらえるじゃん」
 パンティは呆れたように言う。
 「そんな簡単に言わないでよ!」
 抗議するブリーフ。
 「なんで?」
 心底不思議そうにパンティが訊く。
 「え、そそそれは……すすす好きな人が……いるから……」
 口ごもるブリーフ。
579発電狂時代 21:2011/04/12(火) 22:59:26.21 ID:lrNdzQIj
 「いや、これはそんな卑近な話ではないかもしれない」
 そこでガーターベルトが手にした本をひもときながら、そう口をはさむ。
 「この本によると、これは古代占星術と密接に関係したカバラ魔術の世界観に関わることなのかもしれん」
 青い光を放つ降下物に、ぼうっと照らされたガーターベルトが、何やら神秘的な話を始める。
 「カラバ様?」
 「それは『長靴をはいた猫』だよ、パンティ」
 「はるかなむかし、人間が生まれたばかりのころ。
 世は処女宮の時代、月の影響に支配された黄金時代である。当時、人間にはまだ性はなく、単性生殖をしていた。両足の間に処女性のしるしである尾をはさんで、四つん這いになって歩行していたのだ。
 快楽を知らぬ、倦怠にみちた、有史以前の平和な時代であった。
 その後、獅子宮の時代がくると、知識の神ヘルメスは人間に生を与えて、立って歩くことを教えた。
 この両性具有者はまだやわらかい背骨を曲げて、原初の男性性器である口を、自分の下半身の女性世紀に接触させることを覚えたのだ。
 これが快楽の発見であり、この水星と水銀に支配された時代、人びとはこの最初の快楽に我を忘れて熱中したのだ。
 このゴーストはその原初の人間の姿に回帰しようとしているのかもしれない」
 「そんな話は聖書には書いてなかったけどなあ」
 釈然としないブリーフ。
 「ぐう」
 「ほらパンティ。話が終わったからおきていいわよ」
 「話が終わる前におこすのが正しいと思うよ」
 「でも、そう聞くとなんだかロマンチックな話ねえ」
 「ロマンチックかな?」
 ストッキングの言葉に思わずつっこみをいれるブリーフ。
580発電狂時代 23:2011/04/12(火) 23:00:01.92 ID:lrNdzQIj
 「あたしもこの手の話は苦手だね」
 とのパンティの言葉にストッキングは
 「女の子なのに星占いが嫌いだなんてパンティ変わってるね」
 と馬鹿にしたように言う。するとパンティは
 「あたしはね、自分の運命は自分でこじ開けるタイプだからね。そういう占いとかおまじないとか祈りとか神とかの類いのものは信じないようにしているのさ」
 「ものすごい問題発言をしているような気がする」
 ともはや呆れているブリーフ。
 「じゃ、さっさとこのゴースト悔い改めさせて、ヘヴンに換金しちまおうぜ」
 とパンティがゴーストのこめかみにバックレースを突きつける。しかし、
 「待つのだパンティ」
 とガーターベルトが一括する。
 「なんだよガーター」
 「最近はお前らの働きでヘヴンにはそこそこの貯蓄がある。だからこのゴーストには、それよりももっと世の中のために役に立つ、有効活用というものを探してやるべきであろう」
 と神の指令である「private power generation(自家発電)」と書かれた紙をひらひらさせて、にやっと悪そうな笑みを浮かべた。
 「「「はあ?」」」
581発電狂時代 23’:2011/04/12(火) 23:00:31.10 ID:lrNdzQIj
 残りの三人は顔を見合わせるほかなかった。
582発電狂時代 24:2011/04/12(火) 23:02:24.01 ID:lrNdzQIj
 ********

 ガーターベルトはその後、ブリーフの助けを借りて、ゴーストの回転エネルギーを電気に変換する装置を作り出した。
 事故によって停止した原子力発電所がになっていた電気需要を肩代わりしようと、電気業界に殴り込みをかけたのだ。
 この行為を、ポストモダン哲学者のジャック・ハズレ氏は
 「マスターベーションのエネルギーを公共のエネルギーに使用するのは、私的な物の公けによる簒奪である」
 と非難したが、飽食に慣れた民衆にとって背に腹はかえられず、ガーターベルトは一気に電気成金となってしまった。
 そしてその金で美少年聖歌隊を教会に雇い、身辺に侍らせていたが、驕る平家は久しからず、巨大な利権に食い込んでおきながら政治家に賄賂を贈らなかった罪により逮捕される運びとなった。
 なお、あの夜のパンティの予言は見事的中し、10ヶ月後にはダテンシティのあちこちで産声が聞こえ、しかもそれがそろいもそろって個性的な赤ん坊ばかりで、街はさらに賑やかになりそうだった。

おわり
583名無しさん@ピンキー:2011/04/12(火) 23:04:52.67 ID:lrNdzQIj
これで終わりです。
予想以上に改行なしで書ける文字数が少なくてあせりました。
急いで修正したのでところどころ改行がおかしくなっていてすみません。
あと題名のナンバリングを変えるのを何回も忘れてしまいました。
お目汚し失礼しました。
584名無しさん@ピンキー:2011/04/13(水) 20:01:23.88 ID:BTWIM85u
面白い小説をありがとう
エンジェルソウを読んだ後これを読むと救われた気分になるよ
姉妹の掛け合いがよかった
カードでピラミッドってやっぱヒソカ・・・か?
585名無しさん@ピンキー:2011/04/13(水) 21:37:34.86 ID:8LfIMacp
>>584
カードでピラミッド作るのは、題名の元ネタの『殺人狂時代』(1967年、岡本喜八)に出てくる暗殺者が元ネタです。
精神病院の院長が患者を教育して暗殺者にするという無茶苦茶な映画で、大好きなんです。
そのシーンは、主人公が下宿に帰ってきて電気をつけると、暗殺者が剃刀を仕込んだトランプでピラミッドを作っているんです。
そこで主人公はその男を無視して棚に置いてあるギリシャっぽい石膏像に「お母さん、ただいま」って挨拶してから、
男に気付かぬままインスタントラーメンを作りはじめてしまい、暗殺者が慌てて話しかけるっていう変な場面なんです。

チャップリンの『殺人狂時代』とどっちが元ネタか分かりにくいので、自己満足のオマージュですが入れて見ました。
586名無しさん@ピンキー:2011/04/13(水) 22:19:30.14 ID:8LfIMacp
>>584
言い忘れていましたが、読んでくれてありがとう。
587名無しさん@ピンキー:2011/04/16(土) 03:16:08.27 ID:Cp+uJmVR
保守
588名無しさん@ピンキー:2011/04/17(日) 02:30:07.04 ID:mj96ex9K
2作目が出来たので投下いたします。
題名は『ふたりはカリギュラ』です。
注意としては軽めのグロシーンがありますが、
ヒロインが鼻クソほじりながら鼻クソ食べてたアニメに耐えた皆さんはこれくらい平気だと信じています。
もし限界が来そうになったら、
「こんな小説にマジになってどうするの」
という呪文を唱えるか、
パンストのスタッフに倣って血が出るシーンはVFXということにしてしまいましょう。
589ふたりはカリギュラ 1:2011/04/17(日) 02:30:53.79 ID:mj96ex9K
 神と悪魔の狭間の街、ダテンシティ。
 今日も今日とて人間たちはその身を焦がす愛の衝動に突き動かされ、変わり映えのしないトラジコメディを演じ続けている。
 これだけの人間が恋に落ちるのであるから、中には変わったものがいたってなにも目くじらを立てるような物ではないはず。
 動物行動学の進歩に伴って、自然界での同性愛のリストは増え続けている。万物の霊長を気取る人間がこれに負けていいのであろうか?
 とにもかくにも愛の形は様々なのであり、それにいちいち文句をつけるような輩は、馬に蹴られて死んでしまえばいいのである!
590ふたりはカリギュラ 2:2011/04/17(日) 02:32:25.04 ID:mj96ex9K
 ********

 ガラガラガチャン
 古風なエレベーターが騒がしい音を立ててドアを開ける。中から出てきたのは緑色のつなぎにごついバックパックを背負った少年だ。
 「お、お邪魔します!」
 何回もここに来たことがあるにもかかわらず、緊張したような上ずった声しか出てこない。
 「あれ? ストッキング、パンティは?」
 リビングにいるのが、姉妹の片割れだけであることに気付いた少年は思わずそう訊いてしまう。
 その長い髪をソファの背もたれに惜しげもなく広げていた少女は、それを聞いて、
 「はあ」
 と、本当に面倒くさそうに溜息をつく。恐らく同じような質問を今まで何回もこの少年からされたのであろう。
 (人の顔を見るたびにパンティパンティと……)
 少年はしまったと思い、
 「あ、ストッキング、こんにちは。今日はいい天気だね」
 と当たり障りのない挨拶をするが、
 「それはつまり、こんないい天気に薄暗い化粧して部屋でぬいぐるみ抱えて糞つまらないイタリア製ゾンビ映画見てるのは不健康だと言いたいわけ?」
 と余計機嫌を損ねてしまったらしい。
 「いや、そういうわけじゃないけど……ええと、ストッキング、そのストッキングもいつもと違うけど可愛いね、そのほらルビー・グルームのルビーちゃんみたいで」
 今日のストッキングのストッキングはいつもの青と紺ではなく、赤とオレンジのストライプだ。
 来ている服もいつものゴテゴテした物ではなく、シンプルなミニの黒いワンピースでやはり、ブリーフが指摘したゴシックパンクファッションブランドのイメージキャラクターを彷彿とさせる。
591ふたりはカリギュラ 3:2011/04/17(日) 02:33:17.16 ID:mj96ex9K
 「ふう」
 もう一回溜息をつくストッキング、でも先ほどとは意味が少し違う。
 多分、この男なりに気を使っているんだろうな、とは思う。何もかもが空回りしているが。
 好きな女の妹にもゴマをすっておかなくてはいけないという打算よりも、パンティとのつきあいに余裕ができてきて、本気であたしとも仲良くしたいのであろう。
 自分のことよりも他人を優先し、心の底から愛と平和を願っている。そして自分以外の人間もそう思ってると思ってる。
 けったくそ悪い!
 誰の言葉だったか忘れたが、「地獄への道は善意のタイルで敷き詰められている」のだ。
 世の中でなにが付き合いにくいって、善人ほど付き合いにくいのはいない。
 悪人や偽善者は目的がはっきりしているから交渉する余地がある。こちらの力を見せて、「お前らのやっていることは少しも得ではない」と気付かせればいい。
 ところが善人はそうはいかない。「善いことは脅されたってやらなければいけない」となる。それどころか脅された事実が、それが善いことであることの証拠になって迫害の犠牲者気取りだ。
 パンティはこのイモのどこがいいのであろうか?
 パンティはブリーフのことを、ダサいパッとしない空気読めないイラつく小うるさいウザいアレがでかいだけでテクがないといろいろと罵る。
 ブリーフは自分はパンティには合わないのではないかとウジウジと洩らしたりしている。
 二人とも気付いていないのだ。そんなブリーフを相変わらずパンティが相手にしつづけているということが異常なのだということに。
 パンティは相変わらず街角やクラブで男を引っ掛けてはとっかえひっかえだ。
 しかし以前はその中のお気に入りをときどき固定の相手と選んで、そこそこの期間付き合い続けていた。しかしまあ、大概そんなに長くは続かなかったが。
 それが今や、ブリーフとそこそこの付き合いを続けながら、男漁りはやめる気配はなく、ただ長期の相手はブリーフ以外に作る気配はない。これは異常事態なのではないか?
 ストッキングはいろいろなことを一気に考えようとして、何だか頭が混乱してしまったので、マカロンを一個口に放り込んで、考えることをやめにする。
 そもそも何を考えているのかよく分からない人間がなにを考えているのかを考えても無駄なのだ。
592ふたりはカリギュラ 4:2011/04/17(日) 02:33:54.42 ID:mj96ex9K
 「パンティなら競馬場よ」
 ストッキングは仕方なく素直にパンティの居場所を教えてやることにした。
 「競馬場? 競馬場ってダテンシティ競馬場?」
 「ダテンシティに競馬場はあそこしかないでしょ」
 ブリーフは少し驚いているようだ。
 「パンティって競馬するの?」
 前に短時間に金を稼ぐためにギャンブルに手を出したのは見たが、生粋のギャンブラーというわけではなさそうだった。
 「あんた想像力ないわね。男に連れられていくに決まってるでしょ。女が突然野球とか競馬に興味もちはじめたら、それは男の影響よ、覚えておきなさい」
 あたしはそういうの勘弁だけど、とストッキングは読んでいた雑誌に目を戻す。
 「Really!? 急がなきゃ!」
 とそれを聞いたブリーフ、踵を返してエレベーターにとって返そうとする。ストッキング、その特になにも考えてなさそうな行為に思わず呼び止めてしまう。
 「あんた、行ってなにするつもりなの?」
 「えっ? えっとぉ……」
 やはり何も考えてなかったようだ。
 「まさか、男といちゃついてるパンティに詰め寄って、そんなことやめろ、とか言うんじゃないでしょうね」
 とストッキングに詰問されると、ブリーフは俯いて、自分の指をゴニョゴニョ持てあそびながら、
 「そんなことしないよ……ただ、遠くから見ているだけさ。パンティが楽しそうならそれでいいんだ。
 ただ、もしその男がパンティに乱暴したりして、パンティが困ってたり……泣いてたりしてたら、助けてやりたいと思うんだ。それだけだよ」
 じゃストッキング、教えてくれてありがとう。と手をあげて礼を言うと、ブリーフは走り去っていった。廊下の途中で
 「僕のパンティは僕が守る!」
 と叫んでいる。聞こえていることが分かっていないのかもしれない。
 一体いつからお前のパンティになったんだと、ストッキングは苦笑いした。
 「たいした騎士(ナイト)様だこと」
 ストッキングはすぐに興味を失って、雑誌のページをペラペラめくりはじめた。
593ふたりはカリギュラ 5:2011/04/17(日) 02:35:04.46 ID:mj96ex9K
 ********

 パンティはすぐに見つかった。群衆の中でもまるで稲妻のような輝きを持つ長いブロンドはよく目立つ。
 黒いパーカーの中にエメラルドグリーンのインナーを着て、下はデニムのミニスカート。スニーカーを穿いたすらりとした脚を惜しげもなく見せびらかして高く組んでいる。
 しかしその傍らにいてブリーフの嫉妬をかきたてるはずの男の姿はどこにも見えない。ブリーフはしばし逡巡するが、結局話しかけてみることにする。
 海にでも潜るのかというような深呼吸の後、意を決して歩きだして、逆に階段を上ってきた男にドンとぶつかって出鼻をくじかれた後、どうにか愛する女性のところまで辿りつき、
 「あれ、パンティ! こんなところで奇遇だね」
 できるかぎりのさりげなさを装ったつもりなのだが、顔色が明らかにおかしくなっている。うんこを我慢しているみたいな変な汗もかいている。
 「ブリーフか」
 パンティはそのことには特に気付かなかったらしいが、何だか様子がおかしい。かなり機嫌が悪いみたいだ。長い上まつげが物思わしげに伏せられる。
 「どうかしたの?」
 今度は演技ではなく、本気で心配するブリーフ。
 「せっかく男と来て思う存分楽しもうと思ってたのにな、その男が分けの分からないことを言って帰っちまったんだよ」
 どうやら男と喧嘩したらしい。パンティの右手の指にはシガレットが挟まれている。紅いマニキュアと少し付いた紅い口紅に彩られた白い指と紙巻煙草が艶めかしい。
 他の街の競馬場は喫煙所以外は禁煙になっている場所が多いが、悪魔の寵愛を受けた街ダテンシティでは、この評判のわるい悪癖への締め付けもまだまだ弱いようだ。
594ふたりはカリギュラ 6:2011/04/17(日) 02:35:44.68 ID:mj96ex9K
 「パンティ煙草吸うの?」
 ブリーフはその姿を素直に格好いいと思ったが、今まで喫煙している姿を見たことがなかったし、パンティの健康への心配もあって、気遣わしげにそう訊いた。
 するとパンティは
 「あ、お前煙草苦手だったか? すまんすまん」
 と目の前に置かれていた灰皿で揉み消してしまう。
 「いや、別にそういうわけでは……」
 「前に吸ってたんだけど、たけえからやめたんだよ」
 パンティは頭の後ろに手を組んで、椅子の背もたれに深くもたれかかって話しはじめた。
 「お前が今座ってる場所に、ついさっきまで座ってた男が、あたしのことを女らしくないとかfuckin' shitなことほざくからよ、腹が立ってきて売店で買ってきて吸ってたんだ。
 やっぱ久しぶりに吸うと美味くてさ」
 と少し寂しげに笑う。
 ブリーフはその話を聞いて腹が立ってきた。その男はパンティのことをなにも分かってない。たとえ一夜限りの相手だとしても、そんなのはパンティには相応しくない。
 「パンティは女らしくなくなんかないよ」
 パンティはブリーフがそう言うのを聞くと、柔らかく笑った。ブリーフはそのことを知らないが、実はブリーフ以外の男にはほとんど見せたことのない表情だ。
 「肯定なのか否定なのかわけ分からなくなってるが……そんなことお前に言われなくても自分でちゃんと分かってるよ」
 パンティはばしんばしんとブリーフの背中を叩いて大笑いする。
 けほっ、と苦しそうに肺から空気を押し出したあと、ブリーフは訊く。
 「でもさ、久しぶりに吸ったりすると、やめられなくなったりしないの? 煙草」
 それを聞いてパンティは心外そうに
 「そう言うのは心の弱い人間の話だよ。やめようと思ったらすぐにやめられる奴以外は、悪徳に手を出しちゃ駄目なんだわな」
 と主張する。
 ブリーフはそんなものかなと思いながらも、
 「でもでもさ、たとえ偽りの身分だとしても高校生なんだから、煙草はやめた方がいいよ」
 と進言をやめない。さすがのパンティも苦笑いして
 「わあったよ」
 と一本しか減ってない煙草のパックをブリーフに投げよこす。ブリーフはそれを大事そうにポケットにしまいこむ。隙あらば吸いがらさえ持って帰りそうだ。
 ふう、とパンティは気を取り直すように息を吐く。そしてにかっと満面の笑みを顔全体に咲きこぼして、
 「ここで会ったのも何かの縁だ。仕方がないからデートの残りはブリーフ、お前で我慢してやるよ」
 「ほ、ほんと!? 僕でいいの!?」
 とブリーフは顔じゅうの穴という穴から蒸気を吹き出して、まさに天にも昇る気持ちだ。
595ふたりはカリギュラ 7:2011/04/17(日) 02:36:42.50 ID:mj96ex9K
 「あ、でも僕、競馬のことほとんど知らないや」
 「あたしだって、さっきこれパラパラ読んだ程度だよ」
 と言ってハンドバッグの奥から薄めの雑誌のような競馬の入門書を取り出す。
 「へえ、それであらかじめ予習しておいたんだ。えらいね、パンティ」
 とブリーフが意外そうに言うと、パンティは
 「ああ、それで男がされると喜びそうな質問を探しておくんだよ」
 と真顔で答える。
 「ああ、そうなんだ」
 としかブリーフは答えようがない。
 「それでもう馬券は買ったの?」
 と訊くと、パンティはそのハンドブックをパラパラめくって、
 「これだ、この男が乗ってる奴を買ったんだよ」
 と言って指さす。どうやら特集記事のようだ。
 「ええっと、これって『漢字』だよね」
 多分これが名前何だろうと思われるところは複雑な表意文字で書かれていた。
 ただ、ダテンシティはリトル・トーキョーも近い国際都市なので、漢字を目にする機会も多く、大雑把にだったら読める人も多い。
 「『武豊』の2文字で苗字と名前なのかな」
 国際都市ゆえ、名前の順序も一様ではない。
 多くのアジア人やハンガリー人のように苗字名前の順の人や、多くのヨーロッパ人やアメリカ人のように名前苗字の順、アイスランド人やモンゴル人のように苗字を持たない人びともいる。
 アナーキー・パンティは苗字名前で、ブリーファス・ロックは名前苗字だ。
 結婚するときにはどうしようか、ブリーフは悩んでも仕方ないことをときどき悩む。
 「いや、『武豊爆発』って名前らしいぞ」 
 パンティの言葉に、変な名前だね、と苦笑いするブリーフ。
 「そんなことよりも、そこそこのイケメンじゃね?」
 とアイドルみたいな扱いの写真を指さして言う。
 そ、そうだね、とブリーフは嫌な予感がしてたまらないが、なるたけ表に出さないようにして軽く同意する。
 「だから今日の軍資金全部こいつに賭けたんだ。やっぱ競馬の基本は単勝だよ。Dickが短小なのは困るけどなぁ」
 と恐らくついさっきこの入門書に書いてあったと思われる言葉を披露する。もちろん下ネタは自前だろうが。
 「ええ!? もうちょっとリスク分散を考えた方が……」
 と驚くブリーフに、
 「なぁに言ってやがんでい。そういうみみっちいこと言ってると、インポになりやすいって言うぜ。そうなると困るだろ? なあ?」
 と言うと急に顔を近づけて、あたしは困るぜ、と耳元に小声で言う。
 香水まじりの甘い匂いがブリーフの鼻腔を刺激し、人類では退化してただの痕跡になっている筈のフェロモン受容機関、ヤコブソン器官を強制的に興奮させる。
596ふたりはカリギュラ 8:2011/04/17(日) 02:37:42.43 ID:mj96ex9K
 「そそそそうだよね! パパパパンティなら大丈夫だよね!」
 ブリーフは慌てて間合いをあけて、そう言う。パンティはその慌てぶりを見てまたやわらかく笑った。
 確かに、この騎手はよく勝つ人だし、それにパンティは神に祝福された幸運の持ち主だ。大丈夫に決まってる。
 パンティが持ってた競馬新聞を見ると、今日この騎手が乗る馬はインキタトゥスというその名の通り速い馬のようだ。
 「それなら僕も同じのを買ってこようかなと……あれ? 財布がない」
 ブリーフはポケットを探って財布を探そうとするが、先ほど入れた煙草のパックはあるのに、肝心の財布はどこにも見つからない。
 パンティがその様子を見て、
 「財布? それなら、さっきお前にぶつかった男が、すって取ってったよ」
 と親切に教えてくれる。「する」という言葉に周りのおっさんがびくんと反応したのが怖がるポイントを間違えている。
 「ええ!? 何でそのときに教えてくれなかったの?」
 「めんどくさかったから」
 その答えを聞いてブリーフは、多分その通りなんだろうな、と思う。どんなに愛していても、天使と人間の間には大きな常識の違いがあることを感じざるを得ない。
 もしかしたら、いつかその裂け目が大きくなって、2人の間を遠くつき離してしまううんじゃないかと、茫洋とした不安に襲われる。
 「お、出てきたぞ」
 ファンファーレが鳴り響きパドックが始まる。二人の目の前をパンティが賭けた馬が堂々と歩いていく。
 ブリーフは馬のことはよく分からないが、何だか強そうだと思った。健康そうで、体つきもよく、何より落ち着いている。あれなら安心な感じだ。
 それに、美しい白馬であることも、何だかかっこよく思えた。あんなのに乗ってパンティを迎えに行けたら、と死ぬほど恥ずかしい妄想にふける。現実世界に戻ってきたら、もうレース直前。
 「さあ、頑張ってくれよ」
 今まで沈みがちだったパンティも、だんだん調子を持ちなおしてきたようで、その白い馬に熱い視線を送っている。
 ブリーフは自分が一文無しなのも忘れて、一緒に盛り上がってきてしまう。
 「財布のことは安心しろ、買ったら少し分けてやんよ」
 「ほんと!? ありがと、パンティ!」
 「いいってことよ!」
 馬がすべてゲートに集まる。そしてゲートが開いて各馬一斉にスタート。
 初めて生でみる競馬は大迫力だった。馬たちの肉体が躍動し、轟音を立てて地面を蹴る。ぶつかり合うんじゃないかと思うくらいの距離で競り合う。
 パンティは拳を握って、立ちあがって見ている。顔が少しだけ戦う顔になっている。ブリーフが一番きれいだと思っている顔の一つだ。
 当の馬は、真ん中後ろくらいについていた。しかし、その走りにも秘めたる何かを確かに感じさせた。そして最後の直線に差し掛かった時、それが爆発した。
 手練の騎手が最高のタイミングで鞭を入れ、それに着火した。後はもう圧倒的だ。まるで少し浮きあがって飛ぶような走りですべての他の馬を後ろに残していく。
 終わってみれば、一人勝ちだった。競馬場は耳を聾する歓声に包まれた。
597ふたりはカリギュラ 9:2011/04/17(日) 02:38:23.08 ID:mj96ex9K
 「やったねパンティ!」
 ブリーフはそれに負けないように話しかけた。しかし、彼女には聞こえていないようだった。またそれは、歓声のせいではないようだった。
 「パンティ? どうしたの?」
 パンティは茫然自失として、走り終わった馬の方を見ている。美しく青い目がこころなしかうるんでいる。
 「ブリーフ、あたし恋に落ちちゃったみたいだ」
 パンティが夢見るようにつぶやいた。
 「ええ? またぁ?」
 パンティがいい男に反応するのはいつものことだ。それにいちいち心を動かされていたら、こっちが持たない。それでも目の前でやられると、かなりクるものがある。
 「違うんだ。今回の奴は今までのより、かなり本気なんだ」
 「へえ、そうなんだ」
 ブリーフは自分に言い聞かせた。大丈夫、これもまたすぐに終わる。そして終わればまた、パンティは僕のところに帰って来てくれる。
 「見たかい、あれ。あの走りを見て恋に落ちない女なんかいるかよ」
 「うん、見たよ」
 答えにすでに覇気がない。
 「それにあの筋肉。特に尻だ。野生を感じちゃうね」
 「パンティはスポーツマン好きだもんね」
 ブリーフは顔をあげる気力もなかった。
 「アレも相当でかいだろうな」
 「馬並み、ってやつだね」
 彼女に皮肉は通じないことは分かっていたが、それでも思いついた冗談を飛ばさずにはいられなかった。しかし次のパンティの言葉で、それが冗談でないことが分かってしまう。
 「それにあの毛並み、たてがみの美しさ。なんて完璧なんだろう」
 「そうそう、白い毛並みとたてがみ……って、パンティ? なんの話してるの?」
 ブリーフは俯けていた顔をあげて、パンティを見ると、馬場から目を手に持っていた冊子に目をやっていて、今勝ったばかりの白馬に熱い視線を送っている。それはもう完全に女の目になっていた。
 「インキタトゥス、か」
 「えええええええええええ!!??」
 ブリーフはショックのあまり天地がひっくりかえるような心地がした。実はショックのあまりずっこけて、本当に天地がひっくり返っていたのであったが。
598ふたりはカリギュラ 10:2011/04/17(日) 02:39:18.51 ID:mj96ex9K
 ********

 一週間後

 「チャック、もっと燃やして!」
 「チャックゥ!」
 教会の庭でブリーフとチャックが何かやっているのを、ストッキングは興味なさげに窓から眺めた。そして目を今下で燃しにしている中から数冊持ってきた物に目を移す。
 『ゴシップクィーンの新しい恋人、インキタトゥスとは?』
 『アナーキー・パンティついに御乱心!? 街中を馬とデート!』
 『アレがでかければ何でもいいのか?』
 『再び妹を抜いて、ダテンシティスキャンダルランク一位返り咲きか?』
 どれも低俗なゴシップ誌だが、残念なことに書いてあることは全て動かぬ事実だ。パンティが愛馬と一緒に街を歩いたり、一緒にジュースを飲んだりとイチャイチャしている姿が写真付きで載せられている。
 特に傑作なのは、パンティと名馬インキタトゥスの間に生まれる子どもが、どれだけすばらしい競走馬になるかを、競馬評論家に予想・解説させている記事であろう。
 こんなに面白い物は街中のみんなに読ませてやるべきだとストッキングは思うのだが、それももう叶わない。
 街に出回った分、そしてこれから出回る分は全てブリーフによって強制回収され、今現在、下で燃やされている。なぜかチャックも面白そうにそれを手伝っている。
 「ギークボーイも大変ね」
 ストッキングは憐れむようにそう言うと、糖分を補給するために、窓から離れた。
599ふたりはカリギュラ 11:2011/04/17(日) 02:39:57.96 ID:mj96ex9K
 その夜。
 また寝ている途中にまた糖分が足りなくなってきたので起きたストッキングは、外で灯りが動いていることに気付く。
 窓から覗くと、教会の入口に懐中電灯のひらめきや、トラックのヘッドライトが見える。
 興味を持って愛用の高性能オペラグラスでそれを見ると、パンティが男に金を払って、トラックの荷台の中の荷物を受け取っているようだった。
 そこでストッキングは相手の男に見覚えがあることに気付く。あれはダテンシティ奴隷市場の奴隷商人だ。
 ストッキングはそこに売ったり買ったり売られたり買われたりと数回世話になっているので、覚えているのだ。
 しかし自分やガーターベルトならともかく、パンティがあの手の人種になんの用があるんだろう。
 答えが出る前に、トラックの荷台から鎖で数珠つなぎになった男女、しかも子どもから老人、さらには明らかな不具者や四肢切断者までが出てきて、教会の入り口に消えていく。
 ストッキングは糖分補給を手軽なスムージーで済ませると、黒髪を夜の闇の中に潜ませ、近くまで忍び込んだ。
 どうやら大量の奴隷たちはどれくらい広いか誰も知らず、都合に合わせて部屋や入り口が増える教会の地下室へと消えていっているらしい。
 もう少し近くまで近寄ってみようとストッキングが思った時、背後から手が伸びてきて、薬品を染み込ませた布でストッキングの顔を覆った。
 ストッキングは数秒力づくでもがこうとするが、次第に四肢から力が抜けて、意識を失っていった。
600ふたりはカリギュラ 12:2011/04/17(日) 02:40:34.43 ID:mj96ex9K
********

 その夜、ブリーフはもう一度、教会を訪れていた。パンティと一度真剣に話をしなければいけないと考えたからだ。
 具体的になにを話せばいいのかは全く分からなかった。それでも、このままただ成り行きを見ていることは出来なかったのだ。
 しかし、教会の居住棟には人の姿はなかった。パンティもストッキングも、ガーターベルトも、いつもそこらへんをちょろちょろしているチャックすら。
 ブリーフは言いようのない悪い予感に襲われて、教会中を捜しまわった。そして礼拝堂を歩いているときに、暗がりで何かに蹴躓いた。
 それは床板が少しずれて、持ち上がっていたのだった。懐中電灯の灯りを向けると、地下に続く階段が見える。
 ブリーフは、以前パンティとストッキングが言っていた、ガーターベルトがいかがわしい行為をしている地下室の話を思い出した。
 少し降りて、耳を澄ますと奥から、すえた臭いのする生温かい風とともに、何か不思議な音楽が聞こえてきた。

 カリギュラ♪ カリギュラ♪ カリギュラ♪ カリギュラ♪
 カリカリで♪ ギュラギュラ♪ ふたりは♪
 カリッギュラー!!!

 そのパンティとストッキングが歌っているように聞こえるその声に誘われるように、暗い階段を降りていくと、垂れ幕があり、その向こうから光が漏れている。
 そしてその向こう側でブリーフが見た物は、
 「Oh,My God! これはひどい」
 まさに肉山脯林酒池肉林のorgyだった。
601ふたりはカリギュラ 13:2011/04/17(日) 02:41:47.69 ID:mj96ex9K
 いたるところで男女がまぐわい合っている。
 巨大な男根像に何人もの裸の女性が恍惚としてしがみついている。
 ある場所では何人もの男が肛門を貫き合って、閉じた円を描いている。
 別の場所では二人の人間が69の姿勢でお互いの糞便を食らいあっている。
 様々な扮装をしてプレイを楽しんでいる集団もたくさんいる。
 コロッセウムプレイ。二人の人間が組み合い殴り合い、どちらかがどちらかを犯すまでそれは続く。
 魔女裁判プレイ。魔女の嫌疑をかけられて女が、言葉で責められた上に、最後には集団でレイプされる。
 黒ミサプレイ。十字架の形に腕を広げた女体を祭壇とし、乳房の間に十字架を、尻に聖杯を置き、その上に宙づりにされた赤子の首にナイフを突き立てて絞り取った血が注ぎかけられる。
 アステカプレイ。神官の姿をした女が男の胸を黒曜石のナイフで切り開き、まだびくんびくんしている心臓を己の女陰に当てて、よがり狂っている。
 そしてそれらのすべてを見降ろすように高くしつらえた玉座に君臨しているのがパンティとストッキング、そしてインキタトゥスだった。
 その祭壇には山羊の顔をした巨大な座像が据えられている。ヘブライ文字の「シン」の形をした三本の角を持ち、真ん中の角には蝋燭のように火が付いている。
 上半身裸のその胸には女のような乳房があるが、股間からはカドゥケウスの杖のように二匹の蛇の絡まった男根が突き出ている。
 オカルトマニアのブリーフには、その姿に見覚えがあった。サバトの主神であるレオナルドか、または悪魔バフォメットであろう。
602ふたりはカリギュラ 14:2011/04/17(日) 02:42:42.18 ID:mj96ex9K
 そしてその像の前で、パンティは四つん這いになって、インキタトゥスに上からのしかかられて後ろから貫かれていた。
 「Oh! Yes! そこ、そこよ! ああ、いい、いいの! イく! イっちゃう! もっと! もっと突いて!」
 「ヒヒーン!!」
 そしてストッキングは、その馬の上にサドルの代わりに設えられた三角木馬の上に両手首を背中で固定されて座らされている。ストッキング以外の服は全て剥かれてしまってほぼ全裸だ。
 馬がパンティを貫くために腰を振るたびに、上に乗っているストッキングに振動が伝わり、
 「ああ! いやあ! ダメ! そんな、そこはぁ! いい! いいのぉ! いやあん!」
 と嬌声をあげさせる。そのたびにたわわに実った二つの果実がぷるぷる震える。
 ときどき、縛られた手に持っている鞭を器用に使って、馬のお尻を叩いているのは、「もっと動け」という意思表示であろうか。
 二人と一匹はみな汗まみれで、ストッキングのストッキングに包まれた足先からは、黄色っぽい滴が垂れている。
 「これはさすがに正視に堪えない」
 「精子がどうかしたかね? ブリーフ君」
 「うわあ!?」
 気がつくと後ろにガーターベルトが立っていた。ブリーフは驚いたが、話の通じそうな人が現れたと思って、少しほっとする。が、
 「ガーター! いいところに……って、ガーター? なんでこんなところに?」
 と、ビキニパンツにガーターベルト、そして網タイツのみで、しかもサウナから出てきたみたいに汗だらけという神父の格好に疑念が生じる。
 「うむ。あの馬鹿天使どものやることだから、どうせ下らないことだとは思ったが、それでもやはり試してみないで文句を言うのもなんだと思ってな。
 悪徳というものも、ちゃんと試してからでないと、悪徳と判断することができないからな」
 と奇妙な論理を語りはじめる。
 「で、でもさ。これはいくらなんでもやり過ぎだよ。宗教的にも社会的にも、ヤバいよ。こんなところ警察に見つかったらどうすんのさ」
 「それなら大丈夫だ。あれを見よ!」
 とガーターベルトの指さす方を見ると、そこでは見覚えのあるデブで禿の警察署長がたわわに実ったお腹をぶるぶる震わせながら一心に腰を振って初潮の来てなさそうな少女の尻に叩きつけている。
 ブリーフはそれを見てsexというものが本質的に抱える間抜けさと残酷さに打ちのめされそうになった。
603ふたりはカリギュラ 15:2011/04/17(日) 02:43:39.33 ID:mj96ex9K
 ブリーフはガーターベルトに向き直ると、すべての説明を求めるように詰め寄る。
 「ガーター! これはゴースト、そう! ゴーストの仕業なんでしょ? だって、そうでもない限り、こんなこと起こり得ないでしょ! ねえ、答えてよ!」
 興奮して詰問口調になってる。
 しかし、ガーターベルトはいたって冷静に、何かを考えるように首をひねると、
 「うーーーーん、No!」
 とためにためたすえに答える。
 「ええ!?」
 「ここにはゴーストの気配なんぞ、これっぽっちもない! 微塵もない! まったくない!」
 「じゃ、じゃあ、これは一体」
 「これは単なる天使どものいつもの気まぐれであろう。別にゴーストに唆されなくとも、あ奴らはこれくらいやりおるわい」
 そしてブリーフの肩に手を添えて、
 「そんなことよりもブリーフ君。ここにはちゃんと個室も用意してあるのだが、そちらも見学したくはないかね? うん?」
 と口角をあげて言う。
 これ以上話したって無駄だと悟ったブリーフは、ガーターベルトをそこに置いて、祭壇に続く階段を登りはじめる。
 段の途中で何人もの男女が裸のまま、祭壇の上の像や天使たちを拝み続けている。
 「パンティ!」
 「あ? おお、ブリーフか。なんだ、お前も参加するか?」
 一戦終えた後のけだるさで、汗と愛液に塗れて床にへたり込んでいたパンティがブリーフに気付いてそう言った。
 「ええ? 僕はいいよ、こんなこと!」
 と大急ぎで拒否すると、
 「なんだそうか。お前ならVIP待遇にしてやるのに……」
 と少し残念そうに言う。
 ブリーフは困惑した表情で、
 「違うんだ、パンティ。どうしてこんなことを……」
 と言葉にできないことをこの状況全部を示そうとする手振りで表現しようとする。
604ふたりはカリギュラ 15:2011/04/17(日) 02:44:14.04 ID:mj96ex9K
 「ああ、それはな。ダーリンが言い始めたことなんだよ」
 「ダーリンてこの馬? この馬がこれをやるって?」
 ブリーフは心底呆れてそう訊き返した。
 「そうなんだよ! ダーリンてば凄いんだよ! 人間の言葉が分かるんだよ!」
 とパンティは半身を起して馬に向き合って。
 「ねえ、ダーリン」
 と言うと、馬がカツカツと蹄を鳴らした。
 「ほらな!」
 とパンティが自慢げにブリーフに向き合う。ブリーフは全身の力が抜けてそのまま、床にできたいろんな体液がまじりあった水溜りにへたり込みそうになった。
 「とりあえずパンティ、こんなの絶対おかしいよ!」
 「何がだよ、ブリーフ」
 パンティが立ち上がると、全身を白装束に覆った付き人が、パンティにガウンをかける。
 「ダーリンに言われてあたしは気付いたんだよ。今までは自分だけが幸せになればいいと思ってた。でも違うんだ。みんなで一緒に幸せになるんだよ。
 見てみろよ、ここに集まってる奴らを。こいつらあたしのおかげで死ぬほど幸せそうだよ。これはあれだよ! 新しい時代の到来だよ! 新しい世界の夜明け、『黄金の夜明け』だよ!
 そしてこのあたしは新世界の神、明けの明星になるのよ!」
 そう宣言したパンティは、ブロンドの髪の毛や陰毛だけでなく全身が黄金色に輝いているように見えた。ストッキングの黄金水の交った液体を全身に滴らせているからかも知れないが。
 ブリーフはその姿を文句なしに美しいと思った。だが、
 「明けの明星は太陽と明るさを競って、地の底に堕とされちゃうんだよ、パンティ」
 納得するわけにはいかないのだった。
 「ようし、まだまだ夜は始まったばかりだ! みんな騒ぐぞ!」
 とパンティが言うと、アメフト選手みたいにごつい男の集団がやってきてパンティをかついで、
 「アナーキー・パンティ万歳! 我らがクィーン万歳!」
 と叫ぶとパンティは満面の笑顔になってはしゃぐ。
 「う、うう」
 物音にブリーフが振り返ると、ストッキングが自分たちの汗でできた水溜りの中に蹲っている。ブリーフはこのままじゃ窒息してしまうか、馬に踏みつけられてしまうと思って、引きずり出した。
 「ストッキング、大丈夫?」
 「あれ? ここは?」
 どうも意識がはっきりしていないようだ。何か薬物でも使ったかのような顔をしている。
 「ストッキング。君もこんなの間違ってると思うよね」
 ブリーフは同意を求める。しかし、
 「あたしは気持ち良ければなんでもいいわ」
 と言ってうへへと笑うと白眼をむいてまた気絶してしまう。
 よくない! 全然よくないよ!
 ブリーフは心の奥で、怒りやらいろんな感情が交った炎が燃え上がるのを感じた。もしかしたらその中には、イケメンならともかく、馬に負けたという嫉妬が含まれていたかもしれない。
 でもそれだけじゃないはずだ。これは、間違った世の中に対する正義の炎だ! そうだ! そうにきまってる!
 そう心の中で叫ぶと、ブリーフはここにこれ以上いても話の通じる人もいないしなんの意味もないと、走って大広間から出ていった。
 僕のパンティは僕が守る!
605ふたりはカリギュラ 17:2011/04/17(日) 02:44:51.85 ID:mj96ex9K
 ********

 翌朝

 「で、わたくしたちのところへ?」
 仕事机に向かっていた、赤肌に透けるようなライトグリーンの髪、そして2本の角を持つ女が、くるりと椅子を回して振り返る。タイトなミニスカートを気にもせず、脚を振り上げて膝を組む。
 「あ、あの、君らだったら、もしかしたら何か知っているかと思って……」
 ブリーフはその膝に目がいかないように俯いて、もごもごと答えた。
 相手の女は、
 「何か、って何ですか?」
 と冷たく突き放すように訊く。
 「そ、それはだって、パンティが馬に恋をするなんて。いくらなんでもありえないでしょ? そんなことがあるとしたら、それはゴーストとか、悪魔とかの力しかないって思って!」
 赤肌の女は、はあっ、と大きく溜息をつくと、に
 「あなたはわたくしたちがそんな暇人だと思って?」
 と疲れたように言う。机の反対側でコンピュータ端末のディスプレイに向かっていた、やはり赤肌でライトブルーのポニーテール、一本角の女が、机越しに
 「お姉さま、こんな鬱陶しい餓鬼、殺してしまいましょうよ」
 と囁きかける。お姉さまと呼ばれた女、スキャンティは、
 「それが駄目なんですよ、ニーソックスさん。この男はこれでも重要な鍵ですから。危険でもあり利用価値もあり、わたくしたちの権限ではどうにもできないのです」
 とそれに答える。そしてブリーフに向き直ると、
 「あなたね、わたくしたちだってそんなに暇じゃないんですよ。分かります? わたくしたちは身分の上では市長の部下、つまり公務員です」
 とスキャンティは自分の仕事机を叩いて言う。
 「だから、わたくしたちは別に四六時中あの糞天使たちのことを考えているわけではなく、
 こうやってデスクワークをして、
 街のRRRRUUURRRUがちゃんと守られるようにして、
 あの低能天使たちのもたらしたトラブルを始末して、
 そしてその上で、あの屑天使たちを葬り去るための計画を立てなければいけないんですの! そして今あなたはわたくしたちの貴重で神聖な時間を著しく侵害しているのです! おわかり?」
 最初は落ち着いて話していたはずが、最後には牙を剥いてかみつかんばかりだ。
 「天使どもが乱交パーティ? それがどうしたっていうんですの? いつものことじゃない? 馬でも鹿でもさっさとくっ付いて、サファリパークで暮らせばいいのよ、あんな下衆天使どもは!」
 「お姉さま、あまり興奮されるとお身体に障ります」
 興奮してかいた汗をニーソックスがハンカチーフでふき取る。
 「あら、すみません、ニーソックスさん。わたくしとしたことが」
 スキャンティは取り繕うように妹に笑いかけると、キッとブリーフを睨みつけ、
 「分かったら、さっさと消えなさい。命があるうちに」
 と宣告する。しかし、ブリーフは、
 「で、でも。君らが最後の頼みの綱なんだ!」
 と引き下がろうとしない。そこで、スキャンティがパチンと指を鳴らすと、
 「ファスナー!」
 ピンク色をしたぬいぐるみだか何だか分からない生き物がやってきて、むんずとブリーフの後ろ襟を掴んで、無理やり引きずって言って、市庁舎の裏口からポイッと捨てた。
 「うわあっ!!?」
 ブリーフが飛び込んだのは、いつも通りのゴミ箱の中。
 「そんなあ」
606ふたりはカリギュラ 17:2011/04/17(日) 02:45:45.10 ID:mj96ex9K
 ********

 ブリーフは体中からゴミの匂いをプンプンさせながら、裏通りをとぼとぼ歩いていた。
 溺れる者は藁をもつかむ、その藁であったデーモン姉妹にすげなくされて、結局一個しかなかった万策が尽きてしまったのだ。
 いや、実はもう一つだけ、頼れる相手がいる。それは自分の父親だった。
 経済界で今の地位を築くために、様々な汚い政治的手段を使い、何人もの人間を蹴落としてきた。
 『目的のためには手段を選ばない』
 そういうやり方や、自分への向き合い方に怒りを覚え、父子の関係は断絶状態だ。
 もし、こちらから謝って、これからは言うことを聞くことを約束すれば、それだけで多額の金と権力が手に入る。それを使えばこの問題も解決するかも知れない。
 「駄目だ。そんなんじゃ駄目だ!」
 ブリーフは今考えたことを振り払うように首を横に振った。
 そんなやり方でパンティを救っても、パンティは少しも幸せにならないし、それに僕は父さんと同じような人間になりたくないから、違う道を歩きはじめたんじゃないか。
 そうしてパンティと出会うことができたんじゃないか。
 それを今更引き返す事なんかできない。
 だからこれはあくまで最終手段だ。
 そこまで考えたとき、ブリーフのバックパックがビーッ! ビーッ! とけたたましい音を立てはじめた。
 「ゴースト探知機が反応を!」
 ブリーフは急いで、反応の方向へと走る。そこは裏通りのさらに奥だった。
 「おう! お前ら! 金出せや!」
 見ると小太りのゴーストが小学生二人に対してかつ上げしているようだった。その姿は何と言うか、黒いビリケンさんと言えば一番正確な描写であろうか、そんな感じだった。
 「やめさせなきゃ!」
 ブリーフは子どもたちを守るために、飛びだした。しかし、
 「てめえ、やんのか?」
 「雑魚ゴーストの癖に生意気だな」
 小学生Aのローキックがゴーストの膝に上から角度をつけて当たる。そしてよろけたゴーストに小学生Bがボディブロー、前に折り曲げた腰をAが後ろから思い切り蹴飛ばす。
 「弱い者いじめはやめるんだ! って、あれ?」
 ブリーフが飛び出してきたタイミングは小学生からゴーストを守ろうとする形になっていた。
 「なんだよてめえ、人間のくせにゴーストの味方すんのか? ああん?」
 「しかも良く見たらオタクじゃねえか。やべえ、こいつら俺たちが目的かも。警察に気持ち悪いペドっぽい奴から声かけられました、て言わなきゃ」
 ガラの悪い小学生に睨みつけられ縮こまるブリーフ。しかし、ここは男を見せないといけない場面だと、
 「君たち、ゴーストは危ないから君たちは帰りなさい。ここは僕がどうにかしておくから」
 と頑張るのだが、
 「ああ? てめえ、俺たちの獲物横取りすんのか?」
 「だったらそいつからもらうはずだった慰謝料、お前が払ってもらおうか?」
 と詰め寄られて、顔が真っ青になる。
 「ああ、ごめん、ごめんよ! 分かった! お金払うから許して!」
 男もなにもあったものじゃない。
 「あれ、財布が? あ、そうだった、あの時盗まれて、まだ見つかってないんだった!」
 「てんめえ、ふざけんな!」
 「こいつシメるぞ!」
 ブリーフは小学生二人によってたかって、殴られ蹴られ踏みつけられる。
 「おい! こいつの服ん中からこんなの出てきたぜ」
 「煙草か。最近は手に入りにくいからな。これで赦しといてやるかぁ」
 「ああ、それはパンティにもらった大切な……」
 ガン! と顔をつま先でけられて、ブリーフは悶絶して地面に転がる。その間に小学生たちはどこかに行ってしまった。
 ブリーフが立ち上がると、そこには自分と隅で震えているゴーストしかいなかった。
 「大丈夫?」
 ブリーフはそのゴーストに手を差し伸べる。
 「もう悪い奴らはいなくなった。これで安心だよ」
607ふたりはカリギュラ 19:2011/04/17(日) 02:46:24.26 ID:mj96ex9K
 ********
 
 二人は表通りに出て、ファミレスで食事をすることにした。払いは取られずに済んだブリーフのクレジットカードだ。
 「ふがふがふがふが」
 ゴーストはよっぽど腹が空いていたと見えて、飲み込むように口に食べ物を詰め込んでいる。ブリーフはドリンクバーだけ頼んでそれを見ている。
 ぼろぼろで異臭を放つ男とゴーストという究極の組み合わせに、ファミレスの店員は露骨にゴミを見る目で見てきたが、注文したものはちゃんと持ってきてくれた。
 一通り食べ終わったあと、ゴーストは机にぶつけるように頭を下げてブリーフに礼を言った。
 「ほんとうにありがとう! 助かったよ! 暴漢から助けてくれただけでなく、食事まで奢ってもらって、なんと礼をしたらいいものか」
 「いや、良いんだよ。なんというかさ、ほっとけなくってさ」
 ブリーフは手のひらを赤くなった顔の前でぶんぶん振りながらそう言った。
 ゴーストは、涙を流しながらブリーフの手を握り締めた。
 「俺みたいな負け犬ゴーストに優しくしてくれたのは、あんたが初めてだ。俺はちんけな怨念が凝り固まっただけのゴーストだからよ。
 悪い事なんか大したことできもしないのに、ゴーストだってだけでどこへ行ったも邪魔者扱いだし、かといって力もないから、デーモン姉妹に取り入ることも出来ない。
 結局この世に、俺なんかの役に立つことなんか何にもないんだろうな、と思ってたところなんだ」
 「そんなことないよ!」
 ブリーフはゴーストの言うことを力強く否定する。
 「この世界には、君が役に立てることがきっとある。だから元気を出してくれよ!」
 「へへ、そうかな」
 ブリーフの言葉にゴーストは涙をぬぐって笑顔を作った。
 「僕もさ」
 今度はブリーフが語りだす番だ。
 「負け犬ギークでなんの力もないんだ。学校でもスクールカースト最下層で、オタクだけど頭だって良いわけじゃない。
 自分一人の力じゃ何にもできないって、いつも思い知らされてばかりだ。今日も、ついさっきそれを思い知らされたばかりなんだけどね。
 きっと僕と君とは似てるんだよ。仲間なんだよ。だからほっとけなかったのかな。
 だからさ、自分は役立たずだなんて言わないでくれよ。きっとどこかに君にしかできないことがある。僕が保証する」
 「あんたに保障されてもなあ」
 ゴーストが面白そうに笑う。そして
 「俺ももっと邪気や怨念を集めることができたらなぁ」
 と嘆息をもらした。
608ふたりはカリギュラ 20:2011/04/17(日) 02:47:10.81 ID:mj96ex9K
 ブリーフはその顔をしばらく見つめていたが、突然とてつもなくいいアイディアが浮かんだというような顔をして、うれしさに顔をほころばせてゴーストに質問をする。
 「邪気や怨念があれば君は強くなれるんだね?」
 ゴーストはブリーフの勢いに気圧されながら、
 「ああ、そうだが」
 と答えると、ブリーフは、
 「それなら良い場所を知ってるんだよ。あそこなら、君を強くすることができるはずだ!」
 とゴーストの肩を叩く。
 「ええ!? まじか!?」
 とゴーストは最初ただ驚いていただけだが、ブリーフの言っていることの意味がつかめてくると、
 「そりゃ、いい。あんたに恩返しするにしても、今の状態の俺じゃ、たいしたことはできないもんな。怨念をためて強いゴーストになれば、あんたの願い、どんなのだってかなえてやるぜ」
 と乗り気になってくる。
 「それなら、町はずれの教会知ってる? その門のところに今夜、日の入り後に来てよ! 僕はちょっと準備しなくちゃいけないことがあるから」
 とファミレスの会計を済ませながら、ブリーフが言うと、ゴーストは
 「おっしゃ、じゃあ、今日はひ弱なゴーストとしての最後の日になるわけか!」
 とドアから外に出ながら言う。その言葉がブリーフにはものすごく面白く思えたらしく、
 「最期の日か。なるほどその通りだね。だったら、日の入りまで目いっぱい楽しんで来なくちゃね!」
 と笑いながら言う。ゴーストは
 「あんたの言う通りにするよ! じゃ、日の入り後に!」
 と歩道を人を掻き分けながら走っていく。それを手を振って見送りながらブリーフは、
 「君にしかできないこと、見つけてやれそうだよ」
 と静かにつぶやいた。
609ふたりはカリギュラ 21:2011/04/17(日) 02:48:48.86 ID:mj96ex9K
********

 その夜、教会の門扉のところで落ち合ったブリーフとゴーストは、昨日ブリーフが見つけた入口から地下室に入っていった。
 奥から聞こえてくる様々な声と生温かい風にゴーストは何だか怖気ついているらしい。
 「なんだか怖いな。もしかして危ないところか?」
 ブリーフはゴーストのくせになにいってるんだよ、という風に
 「僕は前にもここに来たけど、何にも危なくなかったよ」
 と安心させるように言う。
 「でもなあ」
 ゴーストはやはり不安そうだ。
 「勇気をだしなよ。そんなことじゃいつまでも負け組のままだよ」
 と今度は活を入れるように言う。
 「そうだな。その通りだ。こんなところで怖がってちゃ駄目なんだよな」
 とゴーストは気を入れ直して、前に進み続ける。
 大広間と階段を隔てる、垂れ幕のところまで来て、その向こうから光と異様な物音が漏れている。
 「この向こうか?」
 ビリケンゴーストがその垂れ幕の向こうを覗こうとするのを押しとどめて、
 「いや、そっちじゃないんだ。まずはこっちなんだ」
 とブリーフはその垂れ幕の右側にある、上に上がる階段の方を指さして、そちらに歩き出す。ゴーストもその後をついてくる。
610ふたりはカリギュラ 22:2011/04/17(日) 02:49:36.11 ID:mj96ex9K
 そこを上がった後に続いているのは、少しずつ左に湾曲して何かを円形に囲んでいるような形になっている廊下で、左側に一列にドアが並んでいる。
 ときどき、男女2人組や、何人かの集団が、その部屋に出入りしているようだ。
 しばらく行った時、そのドアの一つが二人の目の前で、突然開いた。
 「ひいっ!!」
 そして裸の男が泡を食って廊下を逃げていった。それに続いて、部屋の中から出てきたのは、
 「ぬう、これくらいの縛りで音を上げるとは、情けない」
 今日もビキニパンツにガーターベルト、そして網タイツ姿のガーターベルトであった。
 「おお、ブリーフ君ではないか!? やっと、わしの個室を見学する気になってくれたのかね。どうぞ中に入ってくれたまえ」
 その中からは、ごうんごうんと何やら大きな機械の動く音と、ぎいいやあああという得体のしれない悲鳴が漏れ聞こえてきていた。
 「いや、今日は実は別の用事があって来たんだよ。だから、それはまた今度にしようかなあ、なんて」
 ブリーフは背中でゴーストを隠すようにして、平静を装ってそう話す。しかし、尋常ではない汗をかきはじめているのは隠しようがない。
 「おや、ブリーフ君。顔色が悪いぞ。どうかしたのかね?」
 とガーターベルトが近づこうとすると、背中に隠しているゴーストを背中で押すようにして後ずさりし、
 「いや! 何ともないよ! それよりガーター、お楽しみの途中だったんじゃないの? 相手を待たせたら罪だよ! 神父として、罪はまずいんじゃない?」
 と必死にごまかす。
 ガーターベルトは全てを見透かすような赤い瞳を少年の背後に向けて、しばらく見ていたが、突然口角を上げると、すべて得心がいったというような顔で、
 「そうかそうか。用事があるならば仕方がないな。それではまた今度、お互い都合の合う日があったらぜひとも招待したいので、期待しておいてくれたまえ」
 と言って、にやにやしたまま、ドアの向こうに消えていった。ドアが閉じる寸前、中で何人もの傷だらけの男たちがチャックにいたぶられているのが見えたような気がしたが、すぐに見えなくなった。
 「なんだったんだ? あの男は?」
 ブリーフの背中の後ろに隠れていたゴーストがブリーフに訊いた。
 「ああ、あれ。別に気にしなくていいんだよ。見つかったらまずかったかも知れなかったけど、何事もなくすんだんだからさ」
 「そうなのか?」
 ゴーストは釈然としない顔をしているが、ブリーフは深く考える必要なないのだとばかりに、
 「さあ、先を急ごう。時間がなくなってくる」
 とゴーストをせきたてた。
611ふたりはカリギュラ 23:2011/04/17(日) 02:50:18.63 ID:mj96ex9K
 ブリーフの目的地は廊下の一番奥、つきあたりにある部屋だった。
 ポケットから鍵を出して、部屋に入る。
 部屋はラブホテルの一室のような感じだった。大きなベッドがあり、風呂施設があり、大きな鏡がある。
 ただ普通と違うのは部屋のドアの反対側が大きなカーテンになっていて、そこから向こうがわの光が漏れてきていることだ。
 ブリーフがそのカーテンを開くと、そこはあの狂宴の舞台だった。
 パンティは今日も今日とて連日連夜の大乱交パーティを主催しているのであった。
 昨日と同じような、男と女、男と男、女と女、さらに複数プレイ、乳幼児、寝たきり老人、鶏、鰐、河馬、犀、とあらゆるsexの組み合わせが眼下で実現されている。
 さらに昨日よりも大がかりな装置もいくらか導入されているようで、ブリーフの目の前で板に縛りつけられた妊婦が大きな機械で、向かい合わせに圧縮されて、ぐちゅっとボテ腹から潰れた。
 そして、そのすべての上に君臨するのはやはりあの姉妹だった。
 パンティは馬とのsexにおける新しい体位の発明に夢中だし、ストッキングは入れられそうなところすべての極太バイブをつっこまれて、台に縛りつけられている。
 その顔を見ていると、やはり何か薬物を投与されているように見える。
 白装束の集団が何かを持ってストッキングのそばまでやってきて、それを彼女の裸体に塗りつけ始める。そして羊を放つと、一斉にその体をべろべろ舐めはじめた。
 ストッキングは最初、こそばゆげに身をよじらせていたが、次第にそれが激しくなってくる。そのうちに肌が破れて、血が滲み、骨が見え始めるであろう。
 ブリーフはその光景を見て、
 「良かった、間に合った」
 と息をつく。
 ゴーストはしばらく、その光景を絶句して見ていたが、我に帰ると、ブリーフに向き直って、
 「おいおい、確かにこれは、凄まじいが、しかし、これは違うぞ。残念だがここには邪気も怨念もない。ここにあるのは、ただ単なる裏表のない快楽、とびきり純粋な快楽だけだよ」
 と文句を言った。しかしブリーフは慌てず騒がず、なにやら不敵な笑みを浮かべて、
 「ごめんね、実は最初から分かってたことなんだ」
 と言った。
612ふたりはカリギュラ 24:2011/04/17(日) 02:50:58.00 ID:mj96ex9K
 「は?」
 ゴーストの側からしたら意味が分からない。
 「だって、ここに邪気やら怨念やらが集まるわけがないんだよ。だって、あの2人」
 と一頻り快楽を貪って、絶頂のあまり美しい裸体をびくつかせている姉妹の方を手で示して、
 「あの2人はこの世を浄化する天使なんだからね」
 となぜか自慢げな言い方をする。
 ゴーストは目を丸くする。
 「何…だと…」
 それはそうだ。ゴーストとしてより強い力を手に入れるはずが、ゴーストを葬り去る者として悪名高い天使姉妹の面前に誘い出されてしまったのだ。
 「一体お前、なにが目的だ?」
 ブリーフはその質問を無視して、祭壇の上を指さして、
 「ほら、始まるよ」
 と言った。
 そこでは、今、インキタトゥスの食事が始まろうとしていた。
 インキタトゥスは宝石をちりばめた馬具をつけており、パンティに精気を絞りつくされたのか、紫色の寝具にぐったりとしている。
 しかし金箔を混ぜたエン麦を入れた飼い葉桶が目の前に出されるとふらふらとそこに顔を突っ込もうとする。パンティはその横顔を愛おしげに撫でている。
 しかしすぐに異変が起きた。インキタトゥスが飼い葉桶から顔を上げ、不快げに身をゆすると、泡を吹いて倒れてしまったのだ。
 パンティが慌てて駆け寄って、頬を叩いて、目を覚まさせようとするが、馬はぴくぴくと痙攣して、起きそうにない。
 宴の場は、絶叫の渦に包まれた。そしてその状況を上からブリーフが冷たく見つめている。
 「まさか、お前……」
 ゴーストがブリーフから身を遠ざけるようにして言う。
 しかしブリーフは、またも答えようとしない。
 「さてと、次はとうとう君の出番だ」
 とゴーストに正対して宣言する。
 「君には役に立ってもらう。これは君にしかできない仕事なんだ」
613ふたりはカリギュラ 25:2011/04/17(日) 02:51:56.92 ID:mj96ex9K
 「一体何の話だ」
 ゴーストは後ずさって、ブリーフから離れようとする。
 ブリーフはまわれ右して、また祭壇の方に目を向ける。そこではパンティが息を引き取った馬の首を抱いて俯いている。
 ブリーフはそちらに向かって叫ぶ。
 「パンティ! インキタトゥスを殺したゴーストがここにいるよ!」
 その声はパンティにちゃんと届いたらしく、傷心の天使は顔を上げないまま、怒りを含んだ声で、
 「そのゴーストをあたしのところに連れて来い!」
 と叫び返した。ブリーフはゴーストに向き直り、
 「さあ、主役の登場だ」
 とジェスチャーで窓のほうを指し示す。
 ゴーストは怒りに身を震わせ、
 「てめえ、裏切ったな!」
 と声を荒げる。
 「お前、俺のこと仲間だって言ってたじゃん!」
 「仲間? そっか、仲間か。確かにね」
 ブリーフは前髪を掻き上げて、ヘッドフォンを髪止めのようにして、それを止めた。
 「でも、僕は君とは違う部分もある。というか、実際には生まれも育ちも全然違うんだよ」
 「お前…その顔…」
 緑色の鋭い眼がゴーストを睨みつける。澄んだ、美しい、引き込まれるような瞳だった。
 「良かったじゃない。こうやって天使を正しい道に引き戻すという、世のため人のために役に立つ仕事ができてさ。
 ほんとだったら、一生なんの役にも立つこともなく、どうせいつかパンティとストッキングの手に掛かって浄化されちゃうんだよ。それよりずっとましだよね。
 それにこれは君にしかできない仕事なんだ」
 ゴーストは怒りと混乱のあまり、分けの分からない雄たけびを上げ、
 「君はまずゴーストだし」
 ブリーフにしゃにむに襲いかかった。
 「それに弱いから僕でもなんとかできそうだ」
 ゴースト探知機のセンサーの頭がとれて、そこから粉のような物が吹きだした。それをゴーストが吸い込むと途端に苦しそうにせき込み始める。
 「それは僕が発明した特性エンジェルパウダーさ。パンティの髪の毛や垢や汗から作ったんだ。そういうのがゴーストに効くのは経験上知っていたからね」
 最近ブリーフは教会でガーターベルトの家事の手伝いをするようになり、風呂掃除や洗濯やらの折りにそういうものを収集するようになっていたのだ。
 ゴーストは窓際まで追い詰められてしまった。
 「おい、やめろよ。押すなよ! 絶対押すなよ!」
 もう後がなくなってゴーストが嘆願するように言った。
 「押しはしないさ」
 ブリーフが涼しい顔でそう言う。その目で睨まれると、ビリケンゴーストは金縛りにあったようになってしまう。
 「手が汚れるからね」
 とブリーフはそのゴーストを力いっぱい蹴飛ばした。ゴーストは真っ逆さまに落ちていく。
 「そんなああああああああ!!?」
 パンティは自らの下着を拾い上げて、天使の稲妻バックレースに変化させると、落ちていくゴーストに正確に狙いを定めて、浄化の銃弾を撃ち込んだ。
 
 聞いてないよおおおおおおおおおおおお!!!!!!
 ドンガラガッシャ―――――ン

 後には雑魚らしく半コインが残った。

 すべてが終わったのを見下ろしてブリーフは、少しだけ悲しい気分になっていた。
 いくら馬とはいえ、パンティの恋人を殺してしまったし、その濡れ衣を被せるために罪のないゴーストも犠牲にした。
 しかし、それでもやらなければいけないことがあったのだ。目的のためには手段は選んでられない。
 ブリーフははっとした。そして自嘲的に笑った。
 「僕にもやはり、父さんの血が流れているということか」
 そして前髪を戻しながら、パンティを慰めるために下に向かった。
 「僕のパンティは僕が守る!」
 そう力強くつぶやいて。
614ふたりはカリギュラ 26:2011/04/17(日) 02:52:29.71 ID:mj96ex9K
 ********

 その後の話を少ししよう。
 パンティはそれから数日間、かなり沈み込んでいた。
 ブリーフは彼女に、パンティがインキタトゥスに恋に落ちたのから実はあのゴーストの仕業であり、それは後で馬を殺してパンティを失意のどん底に落とす計画だったのだと説明した。
 そして、だからパンティが悲しんでばかりでは、相手の思うつぼだ。大切な存在を失った時には、その分も、生きている者が元気になってその死を乗り越えなきゃいけない。
 それが死んでいった者のためでもあるのだ。だからいつもの笑顔を取り戻して欲しい。
 とブリーフは元気づけた。
 パンティは黙ってそれを聞いていたが、ただ、
 「たとえ、あれがゴーストの見せたまやかしの感情だったとしても、それはあたしにとってはなによりも本物だった」
 とだけ答えた。
 ブリーフもそれを否定せず、ただ聞いていた。
 パンティが失意にある間、ブリーフはいつも少し離れてパンティのそばにいた。邪魔にならないように、自分からは干渉せず、ただ彼女が助けを求めればいつでも駆けつけられるように。
 そのおかげでは多分ないと思うが、パンティは割合早く回復していった。そしていつもの調子で男をあさり、ときどきブリーフとも出かけ、デイモン姉妹を馬鹿にし、ゴーストを惨殺した。
 ある日、パンティはブリーフをジャパニーズ・スタイルの飲み屋に誘った。本調子じゃない間に迷惑をかけたことに対して、彼女なりに礼を言うためだった。
 パンティは冷えたビールをガバガバ飲み、未だクスリの後遺症の抜けないストッキングはうつろな目でカルーア・ミルクをちびちび飲んでいる。
 そしてブリーフはパンティには無理やり勧められたが未成年だからとあくまで酒は固辞し、これもビールの一種だとルートビアを飲んでいる。
 「オスなんてのは、この世界に何匹もいるし、種類だっていろいろだよな!」
 と酔っぱらってガハガハ笑いながら、パンティはジョッキを振り回して言い放った。
 その姿をみてブリーフは、自分のやったことが間違いではなかったと確信し、これからも陰に陽に彼女を守り続けていくことを心に誓ったのであった。
 パンティは生の肉料理を箸で口に運び、口の周りを泡だらけにしてビールを流し込んだ。
 「馬刺しにビール、うめーーーーっ!!!」

おわり
615名無しさん@ピンキー:2011/04/17(日) 02:54:06.44 ID:mj96ex9K
ここまでで終わりです。
またナンバリング間違えているところがあるよ。
というわけで、お目汚しすみませんでした。
次回作でまた会いましょう。
616名無しさん@ピンキー:2011/04/17(日) 22:04:09.68 ID:raBcE2k5
GJだが、妊婦と赤ん坊のSATSUGAIシーンは不要だったんじゃないか?
必要ないところに無理やり残虐要素入れてるように思えた。

しかし黒いブリーフいいなw あとオチ最高。
617名無しさん@ピンキー:2011/04/17(日) 22:50:16.05 ID:mj96ex9K
>>616
コメントありがとうございます。

これは自分の愛馬を元老院議員に任命し、
面白半分に人を殺して、自分の妹を売春させ他人の妻を寝取ったことを自慢し、
とんでもない残酷な宴を開いたと言われる、
ローマの皇帝カリギュラに敬意を表した作品なので、
ただ単なる「乱交」ではなく、「残酷な乱交」にしたかったので、ああいうシーンを入れたのですが、
自分でも性交していない気はしていました。

ちなみに実はこの妊婦圧殺と心臓取り出してオナニーする女のシーンは
サディズムの語源になった18世紀の小説家サド侯爵の『悪徳の栄え』のほぼ丸うつしなんです。
好きな作品の好きなところを真似することはあまり悪いとは思ってませんが、
まわりとなじませる工夫をしないと、浮いてしまうといういい例になっていると思います。
まだまだ修行が足りませんね。
618名無しさん@ピンキー:2011/04/17(日) 23:42:03.63 ID:bnrDWLt2
間に挟まっている小ネタが秀逸だな。
読んで勉強になる小説だ。やりすぎるとテンポが崩れそうだが。
パンティで獣姦ってのが希少でよかったよ!
ストッキングをもっとめちゃくちゃにしたいなw
619名無しさん@ピンキー:2011/04/17(日) 23:43:28.48 ID:bnrDWLt2
あと、抽出ワード:こんなの絶対おかしいよ

2件。

揃いも揃ってまどまぎパロすんなwwwwwwwwww
620名無しさん@ピンキー:2011/04/18(月) 21:35:23.98 ID:dTyk3Oy3
>>619
だってあのセリフ、使いたくなりますもの!
621名無しさん@ピンキー:2011/04/19(火) 20:48:17.12 ID:OpPLnSjt
>>620
やるんかなあ…
サントラ2出る前か出てすぐくらいじゃないとタイミング逃しそう
622名無しさん@ピンキー:2011/04/19(火) 20:49:08.74 ID:OpPLnSjt
誤爆したヽ(^◇^)/
623名無しさん@ピンキー:2011/04/21(木) 23:36:41.85 ID:RuGSvKsv
保守
624名無しさん@ピンキー:2011/04/27(水) 00:21:27.69 ID:CL4lVLi+
いいから保守だ!
625名無しさん@ピンキー:2011/04/27(水) 21:42:17.48 ID:TBAknQNi
エンジェルソウ読んでストッキングざまぁwと思った。

最後のパンティバラバラさえなけりゃな、もっとたくさん創作できるのに。
もったいないことをしたよガイナ様は。
パンティの肉片拾ってへんな事してるブリーフしか思い浮かばない。
626名無しさん@ピンキー:2011/04/29(金) 01:44:10.17 ID:WGGMJWp8
三作目を投下。
題名は『ストリッパー・イン・ザ・ダーク』
627ストリッパー・イン・ザ・ダーク 1:2011/04/29(金) 01:44:49.71 ID:WGGMJWp8
 神と悪魔の狭間の街、ダテンシティ。
 ここダテンシティも名目上は民主主義に則って運営されている街である。それが機能しているかは別問題だが。
 世の中には民主制よりも封建制の方が優秀だと主張し続けている奇特な人間もいるが、確かに一理ある。一理はあっても二里はない、栗より美味い十三理に過ぎないかもしれないが。
 例えば、一票に格差があるのはいかん、という声もあるが、俺とあの馬鹿共がどうして同じ一票なのだろうか、という疑問だってあろう。
 そもそも一人の王が賢い可能性と、住民全体が集団として賢い可能性、どちらが高いかは微妙な問題であるときもある。一人では賢いのに、集団になると馬鹿になってしまうタイプというのは実在する。
 一つだけ言えることは、よく「人に迷惑かけていないからいいじゃん」という議論があるが、民主主義においては愚かであることは人に迷惑をかけていることなのである。
 つまり、民主主義とは人が自然に持っている「愚かである権利」を人民から不当に奪っている、抑圧的な政治システムだと言えよう。
 ここで我々は「参政権」と「愚民権」を秤にかけなければいけない。どうあがいたって賢くなれない人間どもは、宝の持ち腐れの「参政権」を放棄し、「愚民権」を取り返すべきではないか?
 想像してみるがいい。もともと自分の物であった「愚かである自由」を取り戻したのち、始めて見る空の色を。
 たとえそこに、妖精さんを見ようが、ユダヤの陰謀を見ようが、誰になんの文句を言われる筋合いもないのだ。
 さあ、馬鹿になれ! 愚かになれ! そもそも賢くなんかなかったんだから、できもしない民主主義なんかやめて、下着を脱ぎ棄て、裸踊りを踊り狂うがよい!
628ストリッパー・イン・ザ・ダーク 2:2011/04/29(金) 01:45:28.05 ID:WGGMJWp8
 **********

 「Fuck you, Asshole!」
 パンティがシースルーを運転しながら、交差点でぶつかりそうになった対向車に向かって中指を立てる。
 「ちんたら運転してんじゃねえよ! ここはおまえの庭かっつの!」
 パンティがかっかしてる理由はそれだけではない。
 「しかし、混んでるわね」
 ストッキングがうんざりして言うように、ダテンシティの幹線道路がいつになく混んでいる。多少の交通渋滞ならシースルーのパワーにまかせて交通ルールごとブッ飛ばすところだが、今日はさすがに無理のよう。
 車道だけではない。歩道もいつもよりたくさんの人が、ごちゃごちゃ歩いていて、みるとそれは明らかに旅行者と分かる人たちばかりだ。
 「Shit! この街はいつから観光地になったんだよ!?」
 パンティがこうなったら歩道につっこんでやろうかという目でお上りさんどもをねめつけながら言う。
 「なんかイベントでもあるのかしら?」
 ストッキングはFridayThe13th Icecreamの新フレーバーをペロペロなめながら、興味なさげに呟く。
 「知るかよ」
 パンティは吐き捨てるように言って、ほとんど減速なしに、交差点を左折する。そこには交差点を渡ろうとしている一人の人の姿が、
 ゴギャン!!
 ノーブレーキの大型車に弾かれたその哀れな肉体は、きりもみ回転をしながら宙に舞い上がる。
 「Oops! また迷える仔羊を、穢れた世界から強制的に救っちまったか!?」
 「いいことしたわね」
 止まるそぶりすら見せない2人の後ろの座席に、天に昇ったはずの男が頭から落下する。
 「や、やあ、パンティ、ストッキング。こんなところで奇遇だね」
 座席の下から這い出して、ボロボロのまま挨拶する。
 「なんだ、ブリーフか」
 とパンティ。ストッキングからはノーコメント。「なんだ」とだけでも言ってもらえることを喜ぶべきだと、ブリーフは思ってしまう。
 「えとえと、えっと、今日は2人とも日食を見に来たの? でもそれなら教会にいた方が、人がいなくていいと思うけど……」
 ブリーフが会話をなんとか続けようとして、出してきた話題が2人に引っ掛かる。
 「日食? なんの話だ?」
 「あたしら、ただ単にショッピングに来ただけよ」
 それを聞いてブリーフはポカンとする。
629ストリッパー・イン・ザ・ダーク 3:2011/04/29(金) 01:46:32.83 ID:WGGMJWp8
 「え? 日食知らないの? ニュースとか見ないの?」
 呆れたように言われてパンティは少しむくれて、
 「だってつまんねえもん」
 と言う。
 「そんな。小学生みたいなこと言わないでよ」
 ますます呆れるブリーフをどうにか見返すべく、
 「てめえ、誰が小学生だ! じゃあ、今から絶対小学生じゃできないことやってやるよ」
 と後部座席に身を乗り出すパンティ。
 「前見て! 前!」
 叫ぶブリーフ。助手席から手を伸ばしてハンドルを切って、ネグリジェだけの恰好で杖をついて歩く老婆を華麗に避けるストッキング。
 「Sorry」
 後方で杖を振り回しながら喚くばあさんに軽く言い残して、ストッキングはシースルーの巨体を車の間にスルスルすべり込ませていく。
 「で、日食って?」
 ストッキングはそれなりに凄いことをやっていることを微塵も感じさせないさりげなさで話を戻す。
 「え? だから今日はダテンシティで何十年ぶりに皆既日食が見えるんだよ。だから、いろんな街からそれを見に人が集まってきてるんだ。ほら! テレビ局も来てるよ!」
 ブリーフが指さす方を見ると、確かにいつぞやのヘリコプターに乗っていたもじゃもじゃ頭がカメラに向かって分かったような分からんようなことをまくしたてている。
 「今やダテンシティは興奮の坩堝。皆、世紀の天体ショーをその目で見、網膜に深く刻みつけて、名誉の日食網膜症になろうと今か今かと待ち構えております」
 「だからパンティとストッキングもきっと日食を見るだろうと思って、これから教会に行こうと思ってたんだけど……そういうわけじゃなかったみたいだね」
630ストリッパー・イン・ザ・ダーク 4:2011/04/29(金) 01:47:07.08 ID:WGGMJWp8
 「ふうん、日食ねえ」
 「じゃ、こいつらはそんな下らない物を見に来て、あたしらの交通の邪魔をしてるってわけ? Goddamn!」
 パンティがストッキングに代わってハンドルを握りながらそう言い放つ。それを聞いてブリーフは、
 「何を言ってるんだよパンティ! これは人間が一生に一度見れるか見れないかの大事件なんだよ!」
 と興奮して言う。それを聞いてストッキングは
 「わたしら人間じゃないし」
 寿命もずっと長いし、と誰に言うでもなく呟く。ブリーフはそれを聞いて黙ってしまう。気まずい沈黙が3人の間に流れてしまうのを察したパンティが、
 「分かった分かった。確かに最近の小学生は進んでるから、手コキくらいできるかもな!}
 と交ぜ返す。
 「なんの話?」
 ブリーフはついていけてない顔をしている。
 「じゃ、その怪奇大作戦ってのを見るとして、今から教会に戻ればいいのか?」
 パンティがつながらない話を続けると、
 「それは日本の特撮番組じゃ……あ、でもそろそろ始まるから、適当に路上駐車した方がいいかも」
 とつながらない答えを返す。アイスを食べ終えてしまったストッキングは、聞いてて頭が痛くなるような気がしてくるが、決して冷たい物を食べすぎたからではない。
 「ところであんた、教会に向かうんだったら、街の反対方向だけど、あんたこそ街でなにしてたの。あそこからじゃ、あんただって日食の始まりには間に合わないじゃない」
 ストッキングが疑問を素直に口に出すと、ブリーフは、
 「それは……」
 と口ごもってしまう。それにイライラしたストッキングが睨みつけるように後部座席を見ると、ブリーフの膝の上に紙袋が置いてあることに気付く。
 「それ何?」
 ストッキングが気楽にそれを手にとってくわしく見ようとすると、
 「うわ、駄目!」
 とブリーフが急いで取り戻す。しかしストッキングの人間離れした動体視力は、
 「宝石店? あんたが宝石店になんの用があんのよ?」
 紙袋のロゴを目ざとく見つけていた。
 「そ、それは……」
 ブリーフは茹であがったみたいに真っ赤になって、ますます黙り込んで俯いてしまう。
 「なんだよ、言いにくいものなのか? オナホか?」
 宝石店で売ってるオナホってどんなよ? とストッキングは呆れる。ついでに、それが自分への贈り物に違いないってことに思いが至らないことにも呆れておく。
631ストリッパー・イン・ザ・ダーク 5:2011/04/29(金) 01:48:07.17 ID:WGGMJWp8
 実際にそれはパンティにプレゼントするための指輪だった。
 父親と喧嘩して離れているブリーフに自由にできる金額は限られているが、母親からもらった大切な小さなダイヤモンドを持っていた。
 それを宝石店に持って行き、指輪にしてもらったのだ。そのための金は自分でアルバイトをして稼いだ。
 そして、完成したそれを受け取りに言っていたら、予想以上に時間が掛かってしまい、日食の始まりまでに、教会に行けなくなってしまった。
 それでも急いで教会に行くつもりでいた。
 要は皆既日食に間に合えばいいのだ。そしてそれが終わり、月の影から太陽が顔を出す瞬間、通称ダイヤモンドリングの瞬間に、パンティに指輪を出せばいいのだ。
 そうブリーフは考えていた。
 (随分予定が狂っちゃったけど)
 パンティはシースルーを道端の開いているところに止めた。ブリーフは鞄から、三人分の日食グラスを取り出して配る。
 そしてしばし待った。
 それは徐々に始まった。
 普通に見てもまだ違いはよく分からないが、日食グラスで見ると確かに太陽のすみが掛けていた。まわりの観光客たちも様々な方法でそれを見ている。
 「間違ったやり方で見ると、目がやられるから気をつけてね」
 ブリーフが念を押すが、
 「ガーターは確か、神さんの光で目が焼かれて赤くなったんだっけか?」
 と暢気な返事しか返ってこない。パンティはすぐに飽きてしまったらしく、
 「おいブリーフ。コンビニ行って、なんかこう、燃え上がるような食いもん買ってきてくんねえ?」
 とブリーフをパシらせようとする。
 「わたしは、季節限定のイチゴクリームサンド」
 便乗するストッキング。
 しかし、その間も太陽は少しずつ欠けていき、辺りが少しずつ暗くなっていく。
 「へえ、すげえな」
 パンティもさすがに感心し始めたようだ。ブリーフは、
 「天界には日食はないの?」
 と質問をする。それにパンティは、
 「天界ってのは、何だか嫌になるくらい明るい場所だからな。こう、何と言うか、もっとやらしい感じが欲しいっていうか」
 「淫靡な陰影ね」
 ストッキングが補足する。
 「そうそれ! そういうのが欲しいんだよなあ」
 恐らく理解せずにうなずくパンティ。
 「へえ、そうかあ」
 ブリーフは想像もつかない天界のことをなんとか想像しようとする。いつかパンティが帰って行ってしまう、手の届かない場所なのだ。その前にこの指輪を渡さないと。
 そうすれば、パンティが天界に帰っても、僕のことを覚えていてくれるかもしれない。
 パンティはああ見えて優しいところがあるし、誰かが自分を好きでいてくれることはとりあえずうれしいみたいなので、贈り物を捨てたりはしないと思う。
 そうすれば、ときどき引き出しの奥とかから、この指輪を見つけて、千人目の地上の男のことを思い出してくれるかもしれない。
 (本当はパンティが地上に残ってくれるのが一番なんだけど……)
632ストリッパー・イン・ザ・ダーク 6:2011/04/29(金) 01:48:56.60 ID:WGGMJWp8
 しばらく物想いに沈んでいたブリーフだが、実は少し前から少しずつ溜まってきていた尿意によって実世界に引き戻される。
 しかしトイレに行っている間に、皆既日食を見逃してしまうかもしれないと思うと、なかなか思い切れず、しかしそろそろ限界に到達しようとしているのもまた現実だ。
 仕方がないので、急いで行って帰ってこようと思った時、ブリーフは周囲がなんだか騒がしいことに気付いた。空を見上げて、口々に何か呟いている
 「おお、なんてことだ……」
 「この世の終わりだろうか……」
 もう、太陽はほとんど新月の後ろに隠れてしまい、周りは夜のように暗くなっている。そのとき、一人の男が、
 「これは神の怒りだ! 俺たちは神に見放されちまったんだ!」
 と叫んでデパートのショーケースに自転車をぶつけて叩き割った。そして中に入って展示された商品を奪って逃げていく。
 それを切っ掛けに、道路中に散らばっていた群衆は狂った暴徒と化し、ガラスを次々に割って略奪し、ところどころで集団でリンチされている人もいれば、レイプされている人もいる。
 「おお!? 一体何だ?」
 「なに? なんなの!?」
 天使姉妹も突然の暴動に驚いている。そして、俄かには行動を起こせない2人を暴徒の一人が指さして、
 「見ろ! アバズレ天使姉妹がいるぞ! 神の怒りの原因はあいつらだ!」
 と叫ぶと、手に鈍器やら刃物やらを持った暴徒がシースルーを囲もうとする。目が完璧に逝っちゃってる。
 「みんな! 落ち着いて! 落ち着いてよ!」
 ブリーフが叫ぶが、もう人の声にはとても聞こえない叫び声の塊りにかき消されてしまう。
 「つかまってろ! 振り落とされるぞ!」
 パンティがシースルーを急発進させ、群衆に突っ込んで掻き分ける。ドリフトするように車体を振り回して、しがみつこうとしていたのもすべて弾きとばしてしまう。
 「わわわ? 駄目だよ。弾き殺しちゃうよ」
 ブリーフは止めようとするが、
 「喋ると舌噛むぞ」
 パンティはかまわず、歩道に向かって車を突っ込ませ、そこにいた人々を蹴散らし、
 「わーーーーー!!!????」
 そのままビルの壁面を爆走して登っていった。
633ストリッパー・イン・ザ・ダーク 7:2011/04/29(金) 01:49:59.81 ID:WGGMJWp8
 ビルの屋上まで昇ったところで、急停止させ、ひゅー、と息をつく。
 「なんだか分かんねえが、危ないところだったな」
 「なんだか、低能な意思を裏に感じるわねえ」
 2人がそうつぶやくと、
 「おほほほほほ、お2人さんは暴徒による集団レイプはお嫌いでしたか?」
 「おや、せっかく楽しんでもらうための趣向でしたのに」
 ビルの屋上のエレベータの出口の屋根の上から、登場するときは少しでも上からでないと納得できないという風に登場したのは、ご存じデーモン姉妹、スキャンティとニーソックスだ。
 「やはりお前らか」
 「一体どうやって人間どもをあんなにしちゃったわけ?」
 眼下ではゴミのような人間どもが、万人の万人に対する闘争状態を謳歌している。
 「あら、わたくしたちはなにもしてませんことよ」
 スキャンティが、心外だというような顔をして言ってのける。
 「そんな馬鹿な! 何で、日食を見に集まってきた人たちが、日食を見て恐怖したり、混乱したりしなくちゃいけないんだよ!?」
 ブリーフが反論する。それに対してニーソックスは、
 「ふん、そもそもここに集まった愚民どもが、日食の意味を理解しているという仮定が誤りなのですよ。
 ここにいるほとんどが、テレビでやっていたから、見るべきだと言っていたから、という非常に曖昧な理由でなんとなく集まった者たち。
 恐らくこの国の一般的知性水準から見て、進化論はおろか、地動説さえ知らないかもしれない無知蒙昧な者どもですのよ」
 と答える。
 「そんな民度の低い大衆が凶暴な暴徒に変わるなんて、実に簡単なこととは思いませんこと?」
 もちろん多少のさくらは使わせていただきましたけどね、とスキャンティ。
 「そんな……」
 ブリーフは絶句するほかない。
634ストリッパー・イン・ザ・ダーク 8:2011/04/29(金) 01:50:47.10 ID:WGGMJWp8
 「ほら御覧なさい」
 スキャンティが天を指さすと、ちょうど太陽が完全な食に入ろうとしているところだった。
 太陽の最後の輝きがダイヤモンドリングを成して、断末魔の輝きを煌めかすと完全に消える。
 まるで天空に穴が開いたような真っ黒い円盤のまわりを白いコロナと紅いプロミネンスが不吉に輝く。
 地上は今や阿鼻叫喚。人びとは泣き叫び、天の怒りを鎮めようと無意味に祈って踊り狂い、神にささげる血を求めて、お互いにお互いを生贄にしようとしている。
 その姿は、人間というものが虐殺のための器官を生得的に持っているようにも見えた。
 「天に闇、地には混沌。そしてついでに天使には死を贈ろうと思ってましたのに、そこまでは上手くいかなかったようですが。それでも充分計画の誤差範囲内!」
 「いでよ! ゴースト!」
 ニーソックスが穿いているニーソックスを脱いでダブル・ゴールド・スパンデックスに変成すると、片方を地面に向けて投げる。
 それが日食の影に突き刺さると、その影が盛り上がって、「このロリコンどもめ!」で有名なバッグベアード様のような一つ目のゴーストが現れる。
 ただしその単眼は縦にさけており、小さな襞で出来た裂け目のまわりに黒く色素の定着した分厚い盛り上がりがあり、その周りにはもじゃもじゃと縮れ毛が生えている。
 「うええ。趣味悪!」
 「その物そのまんまじゃない!」
 天使姉妹はそれを見て、口ぐちに文句を言う。正直引いているようだ。
 「さあ、お前の力を見せてやりなさい!」
 スキャンティが命令すると、ゴーストは眼であり口である裂け目から、
 ウオオオオオオン!!
 と雄たけびを上げる。すると、周囲に一種異様な妖氛がただよい始める。
 「うええ、なんだこの匂い」
 「フンフン。これはしっかり発酵したチーズの臭いね! 乳酸菌たっぷり!!」
 「見てよ、2人とも! みんながあのゴーストに引き寄せられていく!」
 ブリーフの言う通り、通りにいた暴徒たちは、ゴーストの登場するとともに、動きを止めると、まるであやつられているように、ゴーストに引き寄せられていく。
 そしてゴーストの裂け目の中に自ら潜り込んでいってしまう。次々と、ゴーストの容積からは考えられないほどの人がその中に消えていく。
635ストリッパー・イン・ザ・ダーク 9:2011/04/29(金) 01:51:17.43 ID:WGGMJWp8
 「あれは実は次元の裂け目でもあるんですのよ」
 「あのゴースト『セックススフィア』の能力は、その高次元フェロモンにより人間の子宮回帰願望を刺激し、人間を体内に広がる無限次元ヒルベルト空間に飲み込んでいくこと。 そして人間をその魂に分解し吸収することによりあのゴーストはどんどん成長していくのです」
 「さすが、ニーソックスさん! すばらしい計画ですわ!」
 「そんなお姉さま。そんなに褒められると、また顔が赤くなってしまいます」
 「そういうお顔も、とっても可愛いですわよ」
 「そんなお姉さま、こんなところで……」
 作戦の成功を確信したデーモン姉妹はイチャコラしながら、
 「「ホーホッホッホッホ!!」」
 口元を押さえ、高らかに笑う。
 「パンティ! ストッキング! どうにかしてよ! このままじゃ、みんなあのゴーストの栄養にされちゃうよ!」
 ブリーフが叫ぶ。
 「ええ? あたしらを、集団レイプしようとしていた奴らをか?」
 2人は露骨に嫌そうな顔をする。
 「で、でも……」
 ブリーフは一瞬口ごもるが、それでも勇気を出して、
 「確かにあの人たちは馬鹿で、愚かで、私利私欲丸出しで、すぐにパニックを起こし、人を傷つけ、自分よりも弱い者を平気で痛めつける人たちかも知れない。
 でも、それでもあの人たちは人間なんだよ! そして多くは多分いい人たちなんだよ! だから、助けなきゃ」
 と2人に言った。パンティとストッキングはそれを聞いてやれやれという風に顔を見合わせると、面倒臭そうな顔と仕方ないというような半笑いの中間の顔になって、
 「へいへい分かった分かった。ま、人間助けんのがあたしたちの仕事だしな」
 「そ。仕事じゃしょうがないわよね」
 となんとかやる気を出したようだ。
 「そんじゃま、迷える子羊たちを」
 「救いに行くと」
 「「しますかね!!」」
 ビルの屋上の手すりを、すっ、と乗り越えると、後は重力に身を任せ、真っ逆さまに落ちていった。
636ストリッパー・イン・ザ・ダーク 10:2011/04/29(金) 01:51:53.78 ID:WGGMJWp8
 ********

 まるで重力なんか都合のいい時だけ気にすればいいみたいに、天使たちが地上に降り立つ。しかし人びとはそれに気付きもせずに、次々と卑猥な裂け目に自ら呑みこまれていく。
 ゴーストは次第によだれを垂らすように湿り気を帯びていき、ときどきひくひくと痙攣しては勢いよく潮を吹いて悦びを表現した。
 裂け目の上部についている赤い突起も充血して、硬くしこりながら勃起し、包皮から中身が顔を出しそうになっている。
 「さてと。で、どうするかだがな」
 「まず、あやつられている人間どもの目を覚まさせてやらないとね」
 無計画に飛びだした天使2人を
 「ホッホッホ! 無駄な努力はやめなさいな!」
 「でないと、せっかく拾った命を無駄にすることになりまにすわよ!」
 ゴーストの左右に降り立った悪魔2人が牽制する。
 「そもそもゴーストのフェロモンに酔わされた人間を正気に戻すなど無理無駄無謀!」
 「さっさと家に帰って、お便所のお掃除でもしていた方が身のためですわよ! ダテンシティの公衆お便所さん!」
 パンティはいつもの軽口で反論しようとするが、策がないのは本当なので、どうしようかと思っていると、その背後で空から巨大な何かが振ってきて地面に衝突した。
 それはシースルーだった。天界の物質でできたシースルーは無傷だが、中から転がり出てきたブリーフは普通無事ですまないはずだが、なぜか無事だ。
 「パンティ! ストッキング! あの人たちに、この世界のすばらしさを教えてあげるんだよ!
 みんな日食を神の罰だと考えているから、簡単にゴーストの罠に掛かっちゃったんだよ。
 だから、この世界は神に見放されてなんかいない! すばらしい世界なんだと教えてあげれば、みんな目を覚ますはずだ。
 そしてそれが出来るのはパンティ、ストッキング、君たち2人だけなんだ!」
 ブリーフはそう2人に言うために、シースルーを動かそうとしたのだが、ただの人間であるブリーフにはとても扱える代物ではなく、あえなくビルから落下してしまったのだ。
 「そっか、それならやり方は一つだな」
 「え、あれ? あれやっちゃう?」
 「やっちゃうしかないっしょ!」
 「じゃ、やっちゃいますか!」
637ストリッパー・イン・ザ・ダーク 11:2011/04/29(金) 01:52:27.48 ID:WGGMJWp8
 Fly away now! Fly away now! FLY AWWWWWAAAAAAAAAYYYYYYYYYY!!!!!

 天から高らかに歌声が響き渡った。心ここに無かった人びともその爆音に頭と鼓膜を殴りつけられて、耳から血を流しながら無理やり我に返らされる。
 振り返った人びとが見た物は、街灯もすべて壊された皆既日食の薄闇の中、2人の女性の頭の上に光る天使の輪だった。
 そしてその2人が頭上にかざした手を振り下ろすと、闇の中輝く純白の衣装を着た天使が出現する。四方八方から繰り出されるレーザーに照らされて、自らも発光している2人を茫然と見るほかない市民たち。
 AHHH! OHH! YEEEEEESSSSSSSS!!!!!
 そのとき、どこからともなく嬌声が響き渡ったかと思うと、天から2本ポールが忽然と伸びてきて、2人の傍らの地面に突き刺さった。それと同時にその地面が盛り上がって、小さなダンスホールが出来る。
 「チャクチャクチャック! チャーック!!」
 ついでに空から落ちてきたDJブースにチャックが飛び込んだかと思うと、ヘッドフォンを耳に当てて、顔を出す。途端にハッピーでコアでダンサブルなトラックが流れ始める。
 MUSIC NON STOP! LET'S DANCE!!
 その音楽に合わせて天使たちはくるくるとポールに纏わりつくように舞い踊る。
 「Hey,guys! 運悪くこの世に生まれちまったからには、手は一つ。あたしらと、死ぬまで踊り続けな!」
 「テクニックを見せてくれたら、こっちもお返しあげちゃうかも!?」
 そして蝶のように舞いながら、するするとパンティとストキングを脱いでいく。挑発的視線も忘れない。
 これに、男たちは大興奮。2人のまわりに殺到し、押すな押すなの大混乱。女たちはそれを冷ややかな目で見ている。
 そもそも、たとえ目的は穴でも、そこまでの過程に楽しみがあるのであって、ただ穴だけがどかんと居座られたって、味もそっけもないのである。
 よってこのゴーストが天使のストリップショーに勝てる道理などそもそもない。
 そのとき、突然、暗闇に包まれた世界に一条の光が差し込んだ。
 「見ろ! 太陽が!」
 「ああ! 太陽が帰ってきた!」
638ストリッパー・イン・ザ・ダーク 12:2011/04/29(金) 01:53:05.84 ID:WGGMJWp8
 空を見上げると、黒々とした闇に覆われて輝きを失っていた太陽の、片側から、眩い輝きが現れはじめていた。そして、世界は希望の光を取り戻しはじめる。
 「天使だ! 天使の力だ!」
 「天使が世界に光を取り戻したんだ!」
 人びとが口々に感謝の叫びを上げ始める。先ほどとは反対の流れだ。
 「いや、それは違うんじゃ……」
 天使の力でも何でもなく、日食が時間がたてば終わるのはただの自然現象だと、ブリーフは思ったままを口にしようとするのだが、
 「その通りだ、皆の衆!」
 いつの間にか、そこにいたアフロの神父の大音声にかき消されてしまう。
 「極東の神話には、太陽の女神が岩の中に引きこもってしまうのを、美女の裸踊りで、引き出した話がある。これがこの世の芸事の始めなのだ。
 くしくも天使はその故事に倣うことにより、見事太陽の輝きを復活させることが出来た。
 そう! この街には神はいないが、天使ならいる! だから絶望することはない。ただただ安心して踊ればいいのだ。
 踊る阿呆に見る阿呆。同じ阿呆なら踊らにゃ損損!」
 と叫ぶと服を脱ぎ捨て、ガーターベルト一丁の姿になり、音楽に合わせてモンキーダンスを踊りはじめた。
 その演説を聞いた群衆は一斉に歓声を上げると同様に服をかなぐり捨て、下着姿になってしまう。三度目のサマー・オブ・ラブがダテンシティに不意に訪れてしまったような様相だ。
 「く、馬鹿な!? こんなはずでは」
 「わたくしたちの計画に欠陥があったというの?」
 デーモン姉妹がその様子をみて、苦々しげに言う。
 「く、こうなったら。ゴーストよ、やっておしまい!」
 ぴぎゃあああ、と叫び声を上げ、ゴーストの体から生えていた縮れ毛が伸びて2人のまわりを編み込むように覆って、周りからは2人の姿が見えなくなってしまう。
639ストリッパー・イン・ザ・ダーク 13:2011/04/29(金) 01:53:43.04 ID:WGGMJWp8
 「パンティ!」
 ブリーフが叫ぶ。しかし、内側から青い閃光が数条ひらめき、
 SLASH! SLASH! SLASH!
 「縛りプレイは望むところなんだけどね……」
 ストライプT,Uを両手に構えたストッキングが絡まる毛を細切れにしながら飛びだした。
 「下の毛処理していないなんて、女子力疑っちゃうわよね!」
 そしてストッキングの背後で、彼女が作り出した一本の道を見据えて仁王立ちをしているのは、
 「人間ども良く聞け! その穴はなあ、入るところじゃなくて、入れるところなんだよ!」
 バックレースを構えたパンティだった。
 「腐れまん〇ゴースト! 熱いの一発ぶち込んでやるから、その穴かっぽじって受け止めな!」
 「や、止め……」
 「お姉さま、これはマズいのでは……」
 しかしデーモン姉妹の叫びが届くわけもなく、
 BLUM!!
 銃口から、ストッキングの背中に向けて光の塊りを打ち出す。
 ストッキングはゴーストの目の前まで、回転しながら大掃除していき、直前で真横に飛んで離脱する。すると、それとほぼ同時にその背後から光弾が現れゴーストに命中。
 肉襞に食い込んでいく熱い塊が、内部で大爆発する。
 
 イ、イク―――――――――ッ!!!!!
 ドンガラガッシャ―ン!!!!

 ゴーストの破片が周囲に散らばり、幾つかのヘヴンコインがパンティの足元に落ちた。遠くで教会の鐘が、救いの音を鳴らすのが聞こえる。
 「覚えてらっしゃああい!!!」
 「次こそ、貴様らの息の根を!!!」
 爆発のあおりを受けて吹き飛んでいったデーモン姉妹をファスナーが運転しているジーストリングが受け止め、
 「「ごめんあさあせえ!!!!」」
 すたこらさっさとでも形容したい勢いで逃げていってしまった。
640ストリッパー・イン・ザ・ダーク 14:2011/04/29(金) 01:54:15.26 ID:WGGMJWp8
 「アナーキー・パンティ万歳! アナーキー・ストッキング万歳!」
 この爆発により人びとの興奮は絶頂にいたり、下半身を濡らして気絶してしまう男女が多数、座り小便して馬鹿になり、そのまま帰ってこれなくなってしまった人まで出る始末。
 人びとは笑いさざめきながら、踊り狂い、互いにばしばしと乱暴に叩き合い、頭から血を流したり、抱き合っているうちに同意も糞もなく本番行為になだれこんでしまったりと、もう収拾がつかなくなっている。
 「見方によるとさっきの状態とあんまり変わってないような……」
 なんだか納得できていなさそうなブリーフが呟く。
 そこへ、いつの間にか背後に忍び寄っていたガーターベルトが、優しく肩に手をおいて、
 「ブリーフ君、若い君にはまだ分からないかもしれないが……」
 と、妙に優しい頬笑みを向けながら話しはじめるので、ブリーフは思わず後ずさって、間合いを取ってしまう。
 「……ようは、終わり良ければすべて良しなのだよ。確かに人びとは自らの愚かさのために窮地に陥った。そして今、人びとは自らの愚かさのゆえにその窮地から救われたのだ。
 それになんの問題があろうと言うのか」
 先ほどの陰鬱な混沌とは似て非なる明るい混沌、明るい阿鼻叫喚の様相を呈する、市民たちの姿を指し示しながら、ガーターベルトは確信に満ちて言い切った。
 しかし、大挙して商店に押し入り者を強盗し、歌い踊りながら集団リンチを繰り広げる、何だか死者数だけでいえば、今が一番多そうなお祭り騒ぎを見て、とてもそれに首肯できないブリーフは、
 「でも天使のおかげで、日食が終わったなんて非科学的なことを……」
 と食い下がろうとする。
 それに対して、
 「科学などと言う者は、民草にはまだ早いのだ。どうせ理解し使いこなすことなどできない危険な物を手渡してなんになろう。
 それよりも愚かだからこそ、人びとは神を信じることができる。そして楽しく生きることができるのではないか。君は人びとから楽しく生きる権利を奪い取ろうというのかね?」
 とガーターベルトは力強く反論する。明らかにおかしい理屈であることは分かるのに、若いブリーフには何も言うことはできない。
641ストリッパー・イン・ザ・ダーク 15:2011/04/29(金) 02:24:22.74 ID:WGGMJWp8
 口ごもっているうちにガーターベルトは、裸で踊り続ける美少年たちの集団に飛び込んで、幸せそうな顔でその海の中をクロールで泳いで行ってしまう。
 パンティも目当ての男を見つけては襲いかかり、ストッキングはどこから盗ってきたのか生クリームの山に埋もれて、男どもがその中に埋まっている美しい裸体に辿りつこうとぺろぺろ舐めて山を崩そうとしている。
 太陽は今や完全にその輝きを取り戻し、その下で人びとは、そして天使2人も実に楽しそうだ。
 「まあ、いいのかなあ」
 納得できないものを無理やり納得するようにブリーフはつぶやく。
 そんなことよりもブリーフ君。
 「え、なんだい?」
 君、何か重要なことを忘れていないかい?
 「え、何だろう? あ、そうか!」
 そうそう。タイミングは逃してしまったけど、今ならまだ間に合うかもしれないよ。
 「おおおおおおおおしっこ漏れちゃうよおおお!!!」
 と、ブリーフは股間を押させて人ごみの中、どこかに走っていってしまう。
 いや、そっちじゃなくって……ま、いいか。天使たちは当分の間、天界に戻りそうはないし、機会はいくらだってありそうだから。
 きっとね。

(おわり)
642名無しさん@ピンキー:2011/04/29(金) 02:25:41.99 ID:WGGMJWp8
これでおしまいです。
連投規制とやらに引っ掛かってものすごくあせった。
とっくに八回以上連続投稿してるっつうの。
お目汚し失礼しました。
また次回作でお会いしましょう。
643名無しさん@ピンキー:2011/04/29(金) 02:34:57.40 ID:x13ADMzO
>>642
GJ!!あんた最高w
644名無しさん@ピンキー:2011/05/04(水) 23:31:38.52 ID:XI6JCKWV
ほしゅ。
645名無しさん@ピンキー:2011/05/08(日) 22:34:30.17 ID:Ix8e+1Yn
書かなくちゃな
646名無しさん@ピンキー:2011/05/19(木) 23:59:09.24 ID:UfuNcclZ
>>645がんばれあげ。
647名無しさん@ピンキー:2011/05/20(金) 03:53:00.62 ID:Vtj0DfZk
648名無しさん@ピンキー:2011/05/27(金) 22:50:04.32 ID:Gd4P9KgN
パンスト6巻の新EDひどすぎる。
でもやっぱり彼女らは何度も死んでるのかね。
649名無しさん@ピンキー:2011/05/30(月) 22:55:27.66 ID:zv34wsHX
時間かかりましたが、四作目、五月に間に合いました。
今から投下します。
題名は『不思議惑星キン・タ・マ』
連投規制に引っ掛かるかもしれませんが、そのときは気長に待って下さい。
650不思議惑星キン・タ・マ_1:2011/05/30(月) 22:58:49.94 ID:zv34wsHX
 BLUM! BLUM! BLUM!
 SLASH! SLASH! SLASH!
 「Shit! 当たらねえ!」
 ダテンシティの街を一匹のゴーストが飛びまわる。まるで巨大な蠅のような形をしている。その後を2人の天使が追い回すが、なかなか追いつけない
 それと言うのも、このゴースト、ガーターベルトが言うには、生まれる前から引きこもり続けて、外の世界を見ることなく死んでしまった人間の魂から生まれたので、反動で驚くべき移動能力を持つということなのだ。
 「うろちょろしやがって! おい、ストッキン! なんとかしてあいつの動きを止められねえのか?」
 「また、そうやって無理なことを言う! そもそも目で動きが追いかけれないのを、どうやってそんなことができるっていうの?」
 重力を無視するように街の上空を飛びまわる2人の前に、ゴーストの姿が見えるが、どちらかが攻撃するたびに、その姿が消えてしまう。
 「あっちだ! ストッキン!」
 「What the fuck! どうなってんのよ、あいつ! いくらなんでも、まったく見えないなんて!」
 「あれはテレポーテ―ションだよ!」
 そこへ、チャックの運転するシースルーに乗って、2人の後を追っていたブリーフが叫んだ。ワイルドな運転に前後左右に揺られながら、ノートパソコンのキーを賢明に打っている。
 「ほら、見て! あいつが消える前に、周囲の空間が歪んでる! あいつは、瞬間的に空間にワームホールを作ってその向こう側に消えているんだよ。
 多分、ワームホールを維持するためには、負のエネルギーが必要だから、短い距離しかできないんだと思う」
 ブリーフは2人に画像やグラフを表示したいくつものウィンドウやタブを次々と見せながら、鼻息荒くまくしたてて説明しようとする。
 「へえ」
 「そうなんだ」
 聞いている2人は当然のことながら、何が何だか分かっていない。
651不思議惑星キン・タ・マ_2:2011/05/30(月) 23:01:47.91 ID:zv34wsHX
 「で、あたしたちは何をすればいいんだ?」
 パンティがイライラして質問すると、ブリーフは、
 「へ?」
 と、そんな質問は予想だにしていなかった、という困惑を表す。
 「あのねえ、ギークボーイ。見て分かるとは思いたいけど、わたしたち仕事中なわけ! 
 だから、もしあんたが、僕こんなことだってわかっちゃうんDA! ってだけの自慢話がしたいだけなんだったら、いまそんな時間ないから、できるなら死んだ後かなんかにしてくんない?」
 ストッキングが刺すような視線でそう言う。
 ブリーフは慌てて、
 「ああ、そうだ! あいつのテレポート後の出現場所の統計を取ったら、明らかなパターンがあったんだ。それを使えば、あいつの動きが予想できるかも!」
 と、また統計のグラフを出して説明しようとする。それを無視して、パンティが思い切り肩を叩き、
 「なあんだ、ブリーフ。ちゃんと役に立つこともできるじゃねえか。それじゃあ、行くぜストッキン!」
 と逃げていったゴーストを追うように走り出す。
 「ちょちょちょちょっと、パンティ!」
 話は終わっていないと、ブリーフが手を上げて止めようとするが、その手の平に向けて、天使の携帯電話を投げわたし、
 「それで、ストッキンにやつの出てくる場所を教えるんだ! 頼むぞ!」
 と、天使の輪っかをきらめかせると、飛んで行ってしまった。ストッキングとブリーフも慌ててその後を追う。
652不思議惑星キン・タ・マ_3:2011/05/30(月) 23:04:07.94 ID:zv34wsHX
 ********

 作戦は、パンティがゴーストを狙って撃つと、ゴーストがテレポートをする。その出現位置をブリーフが予想し、そこをストッキングが待ち伏せるのだ。
 しかし、もともとが統計をもとにした予想なので、精度が低く、なかなか思った通りにいかない。さらに問題なのが、
 「ストッキング! 3時の方角に敵出現!」
 「はあ? なに? おやつの時間でも来るの?」
 「いや違うよ! ストッキングの右側にゴーストが……」
 「きゃあ!」
 ブリーフの予想通り、ストッキングのすぐ右にゴーストが虚空から現れるが、準備の出来ていないストッキングは対応できない。ゴーストはまた逃げてしまう。
 「何やってんだよ、ストッキン! 絶好のチャンスだったのに!」
 「あんたねえ、このfuckun'役立たずのギークボーイにまともなしゃべり方を教えてやんなさいよ! あんたの腐れマンコのしゃぶり方だけじゃなくて!」
 「そんないい方しなくたって……」
 「ああん!? なんか文句あんの!?」
 「おいおい、お前ら喧嘩すんならゴースト倒してからゆっくりやってくれよ」
 肝心のブリーフとストッキングの息が合わないことなのだ。
 「とにかくミリオタじゃなくても分かる言葉でしゃべりなさい! OK?」
 「でも、慣れれば効率がいいからこそ軍でも使ってるわけで……」
 「お・お・け・え?」
 「お、ok」
 無理やり同意させられるブリーフ。
 その間も、パンティとストッキングはビルの谷間を次々と飛び越えていき、チャックの運転するシースルーは道路や道路じゃない場所を次々と物や人を跳ね飛ばしながら突っ走り、ブリーフは必死にしがみつく。
 「おおっと、こいつ繁華街に向かってるぞ! 人に被害だすとガーターがうるせえからな。次で片づけるぞ!」
 パンティが発破をかける。
 「このチンコがでかいことしか取り柄のないギークがまともな仕事をしてくれればやってやるわよ」
 ストッキングの口撃は続く。これでは例えどんなに立派でも、そういう趣味でも持っていない限りは、縮こまってしまって使い物にならなくなってしまうだろう。
 「行くぜ!」
 まずパンティが加速する。頭上に光輪が出現し、体全体も淡く光る。そしてその光を後ろに放出するとその反動で、一気にゴーストの前まで回りこむ。
 「いつまでも逃げ回ってないで、さっさと逝きな! 糞ゴースト!」
 BLAM!!
653不思議惑星キン・タ・マ_4:2011/05/30(月) 23:07:19.42 ID:zv34wsHX
 バックレースから雷(いかずち)の銃弾が発射されるが、やはりそれが脳天に突き刺さる直前にゴーストは虚空の真ん中で姿を消してしまう。
 「ギークボーイ! 奴はどこ!?」
 ストッキングに急かされるまでもなく、ノートの画面に素早く目を走らせるブリーフ。
 「これは……下! 下だ! 道路! これは……僕の目の前だ!」
 ブリーフが気付いたのとほぼ同時にゴーストはシースルーのほぼ真正面に現れた。
 避けようとしてコントロールを失った車体は、さすがのチャックの腕前でも立て直せず、スリップしながら横転し、ブリーフは投げ出されて、チャックは下敷きになり、紫色の体液を道路に盛大にぶちまけた。
 しかし、それがゴーストの動きを一瞬止めた。その間にブリーフの叫びですでに動き出していたストッキングは、必殺の間合いに飛び込んでいた。
 「ちぇすとー!!」
 SLASH!!
ストライプが深くゴーストの体に突き刺さる。刃先を通して天使の光がゴーストの中に流れ込んでいく。
 「悔い改めよ!」
 ストッキングはそう決め言葉を叫んで、刃を抜こうとした。しかしゴーストが最後の力を振り絞って、その刀身を握って、抜かせまいとする。
 「ちょっ? あんた、なにすんのよ?」
 ゴーストはそのまま、体の中に溜まった天使の光の圧力で爆発しようとする。この至近距離でその爆発を受ければ、天使の耐久力でもただでは済まないだろう。
 「ストッキン!?」
 パンティが叫ぶ。しかし、今からではとても間に合わない。
 「ストッキング!」
 そこへ、さきほどシースルーから投げ出されたブリーフが、体中が痛いのを我慢して叫びながら走り寄る。そして爆発から彼女を守るように覆いかぶさり、
 チュドドドドーーーーーン
 耳を聾する爆発音とともに、街路樹をなぎ倒すほどの大爆発が起こった。そしてそれが舞いあげた煙が落ち着いてからパンティが道路に舞い降りると、
 「What the heaven!? どうなってやがるんだ?」
 そこにはブリーフの姿もストッキングの姿も、どちらも影も形も見えなかった。
654不思議惑星キン・タ・マ_5:2011/05/30(月) 23:09:33.87 ID:zv34wsHX
 ********

 爆発によって舞い上がった煙の中でブリーフが感じた物、それは体の下にあるやわらかくて暖かいもの、それと口の中に入ってくる砂である。
 (砂?)
 なんで砂が? とブリーフは思った。煙が治まって顔を上げた。ブリーフはうつ伏せに倒れていたのだ。体を起こすために右手で支えようとすると、手の平の下で柔らかめのゴム毬のような感触を感じだ。
 「ううん」
 それは何を隠そうストッキングの乳房だった。ブリーフは仰向けに倒れているストッキングを押し倒して覆いかぶさっているような状態だ。体の下で、ストッキングが悩ましげな声を立てる。
 「うわあ!」
 ブリーフは慌てて体を起こして、心臓を爆発させそうにしながら、地面に横たわるストッキングを見る。襞のついた黒いスカートがめくれて、片履きの縞縞ストッキングの上端から白い太ももがのぞいている。
 少し角度を変えるだけで、その付け根まで見えてしまいそうだ。
 そしてもちろん、もう片方は生足で、足首まですべすべの肌が露呈している。
 息でゆっくり上下する胸は、二つの小山のように盛り上がり、重力で横に広がっているのが、その柔らかさの証明になっている。
 「うう、一体何なのよ」
 ストッキングがうめきながら目を覚まして、頭をさすりながら体を起こす。視線を上げると怪訝そうな顔で、
 「あんた、何やってんの?」
 と突っ立っているブリーフに問うた。
 ブリーフはストッキングの胸を触ってしまった右手を左手でつかんで凝視していたのだ。頭の片方では
 (僕はパンティに身も心も捧げた身だ。だからそれ以外の女性に惑わされては……。それにストッキングはパンティの妹じゃないか)
 と右手に宿った欲望を打ち払おうとし、もう片方では
 (柔らかかった! パンティのよりもずっとふわふわで! マシュマロみたいだった!)
 右手に今も鮮明に残る感触を脳細胞に刻みつけて永久保存しようとする。
 童貞を失っても童貞らしさを失わないブリーフに幸あらんことを。
 そんなブリーフをほっといてストッキングは立ちあがり、黒一色で固められた服の砂を払うと、周囲をぐるりと見回して、
 「で、ここどこなの?」
 と訊いた。
 それに正気を取り戻したブリーフは、ついさっきまで自分もここがどこなのか確認しようとしていたことを思い出し、周りをきょろきょろ見回して、
 「え? へ? ここはどこなんだあーーーー!?」
 と叫んだ。
 そこは地平線までだだっ広く広がる砂漠のど真ん中であった。見渡す限り、どこまでも砂・砂・砂。
 「だからそれを今訊いたんじゃない」
 ストッキングが地面に膝をついて頭を抱えるブリーフを冷たい視線で刺し貫きながら、そう言った。
655不思議惑星キン・タ・マ_6:2011/05/30(月) 23:12:13.04 ID:zv34wsHX
 ********
 
 「多分、あくまで多分なんだけど」
 砂を掘り返してノートパソコンをさがす事をあきらめたブリーフが自身なさそうに話しはじめる。
 「あのゴーストは死に際に最期の力を振り絞ってテレポートをしようとしていたんだよ。それが爆発のときに吹き出して僕ら2人をテレポートさせちゃったんじゃないかな」
 砂のわずかな起伏を日よけにして直射日光に当たらないようにしているストッキングは興味なさそうにその話を聞いている。
 「で、ここはどこなのよ?」
 汗だくになったので、つなぎの上をはだけてTシャツ姿になったブリーフは首を振りながら、
 「そこまでは分かんないよ。ゴビだか、サハラだか。とりあえずダテンシティの近くじゃないことは確かだね。あそこに砂漠なんてないから」
 と言って地面にへばってしまう。
 「ふん。役に立たないわね」
 とストッキングは冷たく言い放つ。
 「そんないい方しなくったっていいじゃないか!」
 さすがのブリーフもいい加減に頭にきたようだ。
 「さっきからなんだよ! ひどいことばかり言って。僕は僕なりに頑張ってるのに!」
 それを聞いたストッキングは表情も変えずに、
 「じゃあなに? 頭を下げて感謝でもして欲しいの? それともなに? あんたの愛しの糞slutみたいに体でご褒美を上げればいいわけ?」
 いくら彼女の妹とはいえ、愛しいパンティを目の前で侮辱されたブリーフは立ちあがって強い反論をしようとする。しかし立った途端に視界に何かが入ってしまったので、その反論は立ち消えになってしまう。
 「ストッキング、どうやらここはゴビでもサハラでもないみたいだ」
 その放心の様子に、ストッキングもブリーフの視線の先を追う。
 「どうやらここは地球じゃないみたいだ」
 その先には、ゴワンゴワンと不思議な音を立てながらこちらに向かってくる、釣鐘状の空飛ぶ物体が見えていた。
656不思議惑星キン・タ・マ_7:2011/05/30(月) 23:14:16.22 ID:zv34wsHX
 ********

 茫然と2人が見ている前で、次第に近づいてきたそのタケコプター付きの鐘のようなものは着陸脚をひらくと、ふわっ、とほとんど砂を巻き上げずにゆっくりと着地した。
 そして上についている、明らかにそれじゃ飛べなさそうなプロペラ状の物体の回転がギシギシいいながら止まると、横面の一部がタラップ状に縦に開いた。
 数秒そのまま動きがないと思っていると、そのタラップを伝って檻、というよりも鳥かごのようなものが滑り出して来る。その中に一人の男の姿がみえ、すぐに鳥かごに続いてもう一人の男が現れる。
 「人間だ」
 ブリーフが思わずつぶやく。
 鳥かごの外の男はちんちくりんの小太りした小男で、中の男はがたいがよくて背の高い大男だ。
 そして共通することとして、どちらも小汚い格好をしており、変な帽子をかむっていて、さらに顔など露出している部分がすべて垢じみている。生まれてから風呂に入ったことなどなさそうだ。
 二人は現れたとたん、2人はブリーフとストッキングの方を向いて、ペシペシと頬を二度叩くと、手を左右に開いて軽く膝を曲げて
 「クー!」
 と息を合わせて同時に言った。
 (挨拶?)
 ブリーフの疑問が氷解せぬうちに、外にいる男がにこやかな顔で何か球状の物を地面におくと、中の男が片手に持った奇妙な器具で、
 ガッチャン! ガッチャン!
 という音を立てはじめ、二人でそれに合わせて
 「クー! クー!」
 と連呼し始めた。
 「あれって芸をしてんじゃない?」
 ストッキングが言う。
 「あんた外国語しゃべれる? あいつらにお金ないって伝えないとまずいことにならないかしら?」
 「ええ?」
 慌てたブリーフが知っているかぎりの言語で自分たちが金を持っていないことを言おうとするが、通じた様子はない。
657不思議惑星キン・タ・マ_8:2011/05/30(月) 23:16:44.79 ID:zv34wsHX
 しかし、どうも様子がおかしいことに気付いた籠の外の小男が、何か小さな装置を取り出してブリーフに向ける。そしてそれが緑色の光を発するのを見ると、
 「クー」
 と言って籠の中の男に見せる。見せられた方はそれに
 「クー」
 と答えて、実は鍵もなにも掛かっていなかった籠の扉をあけて、ブリーフの方に近づいてくる。
 大男の方が歩くたびに、チリンチリンと音がする。鈴のついた鼻輪のようなものを付けているのだ。小男の方はそんなものつけていない。
 2人はブリーフとストッキングの近くまで来ると、上から下までジロジロと眺めまわす。
 ブリーフが
 「Do you speak English?」
 とか
 「すみません、迷子になってしまったんですが、近くの街まで送って下さらないでしょうか?」
 などと訊いても、無視するか、良くても短く
 「クー」
 と答えるだけである。大体「ク―」以外の言葉をまだ一回も聞いてない。
 大男の方が、ポケットから小さい金属片のようなものを出してそれを指さしながら
 「キャトル」
 と言った。始めての「クー」以外の単語だ。
 恐らく彼らのお金であり、お金を意味する単語なのだろう。
 「Sorry, We haven't monney」
 ブリーフがそう言うと、2人の男、「ちょっとポケットの中出してみろ」ということをジェスチャーで示す。
 慌てたブリーフが傍らを見ると、ストッキングはすでに日陰に戻ってしまい、助けてくれる気はなさそうだ。
 (なんだか何回も経験したシチュエーションだなあ)
 と思いながら、ポケットの中のガラクタ類を出す。
 螺子、ナット、ビー玉、何かの紙切れ、等である。
 しかし、案に相違して割合好評のようで、2人はそれを持って乗り物に帰ろうとする。
 「あ、すみませんが、近くの街まで乗せてってもらえませんか?」
 ブリーフは慌てて追いすがって、そう懇願する。すると小男の方が、
 「クー」
 と小さく言って、顎で地面を指し示す。そこには先ほど渡したガラクタの一つの紙切れが落ちている。
 落として拾ってほしいのだな、と思ってブリーフがそれを拾って男に渡そうとすると、男たちはその隙に乗り物に乗りこんで、さっさと逃げていってしまった。
 ブリーフの手元には新古書店「本を売るならfuck-off」のサービス券付きレシートだけが残った。
658不思議惑星キン・タ・マ_9:2011/05/30(月) 23:18:55.12 ID:zv34wsHX
 「なに? 逃げられちゃったの? これからどうすんのよ」
 なにもしなかった癖に偉そうなことを言うストッキング。ブリーフはムッとするが、なんだかぐったりしてしまって、言葉が上手く出てこない。
 「糖分が足りないわね」
 ストッキングはそんなブリーフを無視して、ポケットから舌に色がつきそうなどぎつい原色の飴を取り出すと口に放り込んだ。そしてそれを舐めて幸せそうな顔をしている。
 (パンティと比べると、ストッキングは何だか子どもっぽいな)
 幸せそうなストッキングの顔を見ているうちにブリーフは、腹を立てることが馬鹿らしくなってしまい、彼女をなんとか姉のもとに無事に送り届けなければという使命感が芽生え始めるのを覚えた。
 「あら?」
 そんなストッキングの表情が変わる。
 「あいつら戻って来たわよ」
 「え!?」
 ブリーフが驚いて振り返ると、確かに先ほどの鐘型の乗り物がゴワンゴワンと音を立てて戻ってきてまた着地した。中から、2人が降りてくると、今度はストッキングだけに向かって、
 「「クー」」
 とあの挨拶をすると、ものすごくへりくだった態度で、口元やポケットを指さすジェスチャーをする。
 「その飴をくれ、って意味じゃない?」
 ブリーフが言うと、
 「ええ!? いやよ? 残り少ないのに!」
 と駄々をこねる。しかし、もしあげれば乗り物に乗せてもらって街に行けるし、そしたらダテンシティに帰れるかもしれないし甘い物も見つかるかもしれない、とブリーフの懸命な説得に、小男に一つ投げ与えてやった。
 「「クー」」
 2人はうやうやしくそれを受け取ると、顔を寄せてそれを検分して、何やら確信したらしく、手で乗り物にストッキングを招待するようなそぶりを見せる。
 「なに? 乗っていいの?」
 ストッキングはなんの警戒もなく、乗り物に乗る。
 「ちょちょちょちょっと待ってよ!」
 ブリーフも慌てて後を追おうとする。一瞬2人の男がそれを阻もうとするが、ストッキングが目で、「乗せろ」と命令すると、2人はそれに従った。しかし、そのときに無理やり鼻に鈴のついた鼻輪を付けられてしまう。
 ゴワンゴワンゴワンゴワン
 4人を乗せて空飛ぶ釣鐘が浮き上がる。
 (凄い! どんな動力で動いているんだろう? もしかしたらこれは反重力じゃないだろうか)
 ブリーフは機械を観察しようとするが、付けられた鼻輪が痛くて集中できない。それを何とか取ろうとしていると、
 「パンツ人はそれをはずしちゃいけねえだ」
 と小男の方が言った。
659不思議惑星キン・タ・マ_10:2011/05/30(月) 23:35:22.86 ID:zv34wsHX
 ブリーフはすぐには反応できない。何があったのかを理解すると、
 「え? 僕らの言葉、喋れるの?」
 と驚きを隠せない。
 「ああ、お前さんの頭の中を読ませてもらったよ」
 と小男はこともなげに言う。
 (テレパシー!? やっぱりこの人たちは地球人じゃないんだ!)
 ブリーフは確信する。
 「僕らは地球から来たんですが、どうやったら帰れるか分かりますか?」
 単刀直入に聞くと、
 「地球? そんなところは聞いたことがないなあ。でも首都に行ってテレポート装置が手に入ればどこにだって行けるわな。でも」
 と言う。
 「でもなんです?」
 ブリーフは食い下がる。
 「でも、テレポート装置はどえりゃあ高えぞ。そうだなあ、これが後五つ必要なくらいかなあ」
 と先ほどの飴玉を取り出して言う。
 「ねえちゃん、まだこれ持ってるのかい?」
 小男がストッキングに向かって訊く。
 「あるわよ」
 と言って、無造作にポケットから取り出そうとする。慌ててブリーフが掛け寄り、ストッキングに耳元で囁く。
 「どうやらこの星では、糖類がものすごく貴重みたいだ。だから、あんまり気楽に相手に手札を見せない方が得策だと思うよ」
 すると、ストッキングは
 「ふうん、糖類がないなら、確かに取っておかないと困るわね」
 とこちらの意図を分かってるのか不安になるようなことを言う。そして相手に向かって
 「あるわよ。でも今は渡せないけど」
 と言う。それにブリーフが
 「首都に行って、そのテレポート装置を手に入れるときに渡すよ」
 と言いたす。
 小男は、それならそれで別に構わない、ただし手数料はちゃんともらう、ということを言った。そこまで話し合って、ようやく自己紹介もすんでいないことに気付いた面々は、
 「わたしはストッキング」
 「僕はブリーフ」
 「わしはヴエフ」と小男。
 「おれはピー」と大男。
 と名前をいいあった。
660不思議惑星キン・タ・マ_11:2011/05/30(月) 23:37:37.90 ID:zv34wsHX
 「ところでさっき僕に言ったパンツ人て言うのは一体……?」
 ブリーフが質問すると、ヴエフはそれに、
 「ああ、ここはわし達キャトル人が支配していて、お前やピーみたいなパンツ人は支配される側だから、そうやって目印をつけてないと駄目なんだ」
 とブリーフの鼻に着いた鈴を指さして答えた。
 ブリーフは慌てて、
 「そそそそそんな!? 僕はそんなパンツ人なんかじゃないよ。だってそもそもここの人間じゃないし。それは君だって僕の頭の中をのぞいて知っている筈じゃないか」
 と反論するが、ヴエフは慌てず懐から先ほどブリーフに向けた小さな装置を取り出してまた同じことをする。するとやはりそれは緑色の光を出して、それをブリーフに見せながらヴエフは
 「これが緑色の光を出す奴はパンツ人だ。それはお前さんがどこ生まれでも変わんねえ。お前さんが地球生まれなら地球生まれのパンツ人てだけだ」
 と説明する。
 「そんな無茶苦茶な」
 と抗弁しようとするブリーフを無視して、ヴエフは説明を続ける。
 「ほれ見てみろ。わしたちキャトル人だとこれは黄色く光るんだ」
 そして急に立ち上がると、窓の外を見ていたピーの横面を突然張り倒した。しかしピーは反撃どころか抗議すらしない。
 「ここではな、お前らパンツ人は俺たちになにされても絶対に反抗しちゃなんねえだ。分かったな」
 ブリーフは驚きのあまり、口をパクパクさせることしかできない。ようやく出てきた言葉は、
 「じゃあ、ストッキングはどうなの?」
 であった。
661不思議惑星キン・タ・マ_12:2011/05/30(月) 23:39:44.93 ID:zv34wsHX
 そこで、ヴエフは急に声を落としたかと思うと、ブリーフの耳元に顔を寄せて(とてつもない臭いがした)、ストッキングの方を目で示しながら囁く。
 「なあ、あんた正直な話、あのねえさん、何者なんだい。あんたの頭の中は読めるけど、あっちのねえさんのは、GOTHやらSWEETSやらばかりで何のことかさっぱりなんだ」
 (確かに彼女の頭の中をのぞきこむのは難しそうだ)
 そう思って眺めてみると、当の本人はこちらの会話にまったく興味を持っていないようで、自慢の毛をいじるのに夢中のようだ。
 「一回その装置で見てみたらどう?」
 ブリーフが提案すると、ヴエフはピーのところに言ってごそごそと相談した後、恐る恐るその装置をストッキングに向ける。明らかになにか怖がっているようだ。
 ピン!
 装置が音を立てる。ブリーフも興味が出てきて覗きこむと、それは赤い光を放っていた。
 「緑はパンツ人で、黄色はキャトル人で、赤はなんなの?」
 無邪気にブリーフは訊くのだが、2人は驚愕のあまりそれどころではない。
 「赤なんて見たことも聞いたこともない」
 「もしかしてこの人は……」
 と呟いたかと思うと2人はストッキングの前にジャンピング土下座、
 「どういう御身分の方かは存じ上げませんがとんだ御無礼を!」
 「いかなるご命令でもご随意に!」
 と急にへりくだりはじめる。
662不思議惑星キン・タ・マ_13:2011/05/30(月) 23:42:07.32 ID:zv34wsHX
 さすがのストッキングもいきなりの態度の変化に驚くが、特に疑問は感じていないようで、
 「じゃあねえ、つかれたシャワー浴びたい眠い着がえたいチョコ食べたいバナナ食べたいおなか空いたもう歩きたくない」
 と欲望に忠実な要望を次々と繰り出す。
 しかしそれを聞いた2人は混乱の真っただ中に投げ入れられたようなもの。
 「シャワー?」
 「シャワーってなんだ?」
 ととにかく一つ目の命令をめぐって右往左往。ブリーフがシャワーについて説明しようとすると、
 「水を上から垂れ流して体を洗う?」
 「なんて贅沢な! ということはやはりただならぬ生まれの方なのか?」
 と混迷を深くするばかり。
 どうやらここでは、水は驚くほど貴重な物のようだ。
 2人はまたもジャンピング五体投地をして、
 「シャワーは無理ですけど、今いくらかの水を買ってきますので、それでどうかご容赦を」
 と床に額を擦りつけながら懇願する。
 「仕方ないわねえ。じゃ、それでいいから早くしなさいよね」
 よくこんな状況でそんなに落ち着いていられるものだと、ブリーフは今更ながら感心する。もしここにパンティがいたとしても似たようなものだろう。天使の心臓には毛が生えているのか?
 ピーが操縦装置のようなものを捜査して進路を変える間、ヴエフは召使いのようにストッキングにつかえている。
 いい香りのする石やら、いい音のする砂やらを持ってきて、ストッキングに渡しては、何か他の要望がないか聞いている。
 ストッキングのほうも、かしずかれるのは悪い気がしないようで、そのうちにヴエフ自体が気に入りはじめ、
 「あんたなかなか可愛いわね」
 と言って垢だらけで毛むくじゃらのはげ男の顔に、その白い美しい顔を近づけ、
 「smellも悪くはないわ」
 と言ったりしている。
 ブリーフは先ほどの凄まじいすえた臭いを思い出して、吐き気がこみ上げてきそうになったので、そこから離れ、操縦装置の方を見ることにする。
663不思議惑星キン・タ・マ_14:2011/05/30(月) 23:44:20.02 ID:zv34wsHX
 そんなこんなをしているうちに、その乗り物は、小山のほとりの小屋のような場所に降り立った。どうやらここで、地下水をくみ上げているらしい。
 「行きますよ」
 ピーはヴエフに言うが、ヴエフはストッキングとこそこそ何かを楽しそうに話すのに夢中になっているようだ。
 「水、いらないんですか?」
 ピーが少しイラついて言うと、ヴエフはポケットからさっきキャトルと呼んでいた金属片を何枚も出すと、それをピーに投げ渡し、
 「それで買えるだけの水を買ってきてくれ」
 と叫んだ。
 「こんなに必要ないですよ」
 とピーが言うと、
 「ストッキング様が欲しいと言ってるんだから買ってくるんだ!」
 と高圧的に言う。しかしほっぺたにストッキングの黒っぽい口紅がついているので全然威厳はない。
 「分かりましたよ。でも俺一人でどうやって運ぶんですか」
 とピーが文句を言うと、
 「そこの小僧を連れて行け!」
 と言う。
 というわけでブリーフはピーと一緒に水を求めて、地下に潜り、買えるだけの水を容器に入れてえっちらおっちら地上に戻ってくると、あの乗り物はどこにもなかった。
 「え? え?」
 ブリーフが理解できないでいると、ピーは地面を叩きながら悔しそうに
 「キューー!!」
 と叫んだ。
 後でブリーフは知るのだが、ここでは「キュー」が罵倒語で、「クー」がそれ以外のすべての感情を表す言葉なのだ。
 ストッキングとヴエフは、ストッキングのポケットの中の飴玉というここでの一大財産を持ち逃げして、愛の逃避行に飛び立ってしまったようなのだ。
664不思議惑星キン・タ・マ_15:2011/05/30(月) 23:47:15.05 ID:zv34wsHX
 ********

 そこから先のブリーフの旅は苦労の連続であった。
 まずは持ちきれないほどの水と交換に、奇妙な四輪車で旅をしているキャトル人の女に同乗させてもらった。 そして、その女の指揮で、初めてヴエフとピーに出会ったときに見せられたような何が面白いのかよく分からない芸をして金を稼ぎながら首都を目指した。
 しかしパンツ人であるピーとブリーフは芸の間、鳥かごのような檻から出ることを許されておらず、分け前もキャトル人の女が取った残りしかもらえないのであった。
 旅の間、この女やキャトル人の見物客から殴られる馬鹿にされる唾を吐きかける、とあらゆる侮蔑を受けてきたが、すべてを耐えなければいけなかった。
 さらに同じパンツ人であり、仲間であるはずのピーも決して心許せる相手ではなかった。隙があればブリーフがためた金を盗もうとし、また夜には性欲処理の道具としようとすることもあった。
 しかし、そんな中をブリーフは強く生きた。
 まずはこの土地の独特な機械をいじることが出来ることで頭角を現した。動力の発生源はブラックボックスのままだったものの、その力を伝えるシステムは割合見慣れたもので、ブリーフにも直せたのだ。
 そしてここの土地の人間は、テレパシーなどの不思議な能力は持っている反動なのか、科学的思考というものを持たず、機械の修理などは苦手のようだった。
 こうしてブリーフは確実に金を溜めながら首都に向かった。
 その途中で茫然自失のまま砂漠をさまよっているヴエフを見つけた。話を聞いてみると、ストッキングは途中で出会ったより権力の強い男と一緒に行ってしまい、捨てられてしまったのだそうだ。
 「そう気を落とさないでよ」
 とブリーフが慰めようとすると、ヴエフは、
 「わしは、わしはストッキング様じゃなくては駄目な体にされてしまったんじゃ。あんな体験をするまでわしはあんな世界があろうとは想像だにしなんだ。おお、おお」
 と慟哭しながら呟く。一体ストッキングにどんな調教をされたのだろうか。
 それからはヴエフも旅の一座に加わったが、ほとんど廃人のような有り様だった。
 そして旅の途中で聞いた噂によると、ストッキングは同様の廃人を多数生みだしながら、着実にこの社会のヒエラルキーの階段を上り続けているようだ。
 一座から離れたブリーフが首都について、テレポート装置を買うための資金集めに、修理工場を開いたころには、ストッキングは、パンツ人でありながらこの国のすべてを支配している男の愛人となっていた。
 そのころ街では、彼らには想像もつかないような変態的sexのうわさで持ちきりだった。
665不思議惑星キン・タ・マ_16:2011/05/30(月) 23:49:17.99 ID:zv34wsHX
 そしてさらに時が過ぎ、ブリーフが必要な金額を集め終わり、首都の中央市場に向かう道の途中で奴隷市場の横を通りかかったときには、ストッキングはそこの商品になっていた。
 ブリーフは、最高権力者が水を湯水のごとく使い、糖分を奇抜な用途に浪費するとんでもない乱交パーティをしたために、クーデターが起きたという話を思い出した。
 今は品定めの時間らしく、料金を払った客には味見が許されていて、ひどく太った男がストッキングの口に奥まで一物を突っ込んで果てたところだった。
 白目を剥いて喉に直接流し込まれたものにげほげほむせているストッキングはすでに何回も犯されているらしく、ヴァギナもアヌスもその豊かな髪もすでに白濁液で汚されている。
 良く見るとストッキングの手足はその長い髪の毛によって縛られていて、逃げられないようになっているのだ。
 達した男はズボンを吐きながら、「歯は抜いてしまった方が良くないか?」と店員に訊いている(ブリーフはテレパシーこそ使えないものの、彼らの言葉を覚えていた)。
 その直後、競りが始まった。
 なかなかの人気商品のようで、どんどん値がつりあがっている。先ほどストッキングの口を犯していた男もさかんに声を上げている。
 ブリーフは手元の金を見ながら悩んだ。ブリーフは長い間、地球に帰るために屈辱にも耐え、いかなる労力も惜しまなかった。それらは全て今日のためだった。
 その間ブリーフは、一度もパンティのことを忘れたことはなかった。パンティの声、パンティの匂い、パンティのぬくもり、そして何よりパンティのあの笑顔。
 ブリーフの瞼の裏に焼きついたパンティの笑顔がまた再生されたとき、ブリーフの答えは決まった。
666不思議惑星キン・タ・マ_17:2011/05/30(月) 23:51:23.58 ID:zv34wsHX
 ********

 テレポート装置が手に入れば、すぐにここを立つ予定だったため、ブリーフは住んでいた家も資金のために売り払ってしまい、今夜は宿なしなのであった。
 そして首都の中の路上は、パンツ人であるブリーフにとって、もし夜中にそこで寝ていようものなら、殺されても文句の言えない場所であった。
 そういうわけで、一文無しに逆戻りしてしまったブリーフは、首都の少し外、砂漠の入り口で、唯一残った資産である毛布をストッキングに渡して、少し離れたところで見慣れぬ星座を体操座りで見上げている。
 ブリーフはストッキングの競りに全資金を投入したことを少ししか後悔していない。
 パンティの笑顔を思い出したら、その横にはストッキングが不可欠であることを思い知ったのだ。たとえ僕がいなくなってもパンティは笑い続けられるだろうけど、ストッキングではそうはいかないのだ。
 それでもパンティに会えない時間が増えてしまうことは悲しかった。パンティは僕のこと覚えてくれているだろうか。
 相変わらず男漁りはしているだろうけど、それでも僕は彼女の千人目で、カンストなしの一人目なのだ。少しは希望を持っていいはずだ。
 そういうことをブリーフが考えていると、ストッキングが後ろからよって来た。服はここに来たときに来ていたゴシック衣装だ。ブリーフのつなぎと違ってちゃんと洗濯されている。
 「なんで助けたの?」
 ブリーフが答えようとすると、それを聞こうともせずにストッキングはしゃべり続ける。ブリーフがどう答えようとしているかなんてだいたい分かっていると言わんばかりだ。
 「わたしはね、帰ろうと思えばいつでも帰れたの。一時期本気でこの国を支配してたんだから。あんたが必死こいて手に入れようとしていたテレポート装置なんて、よりどりみどりだったわ。
 でも帰らなかった。なんでだと思う? ここが楽しかったからよ。いい遊び場だもの。それはね、奴隷市場に売られるってことも含めての話よ。
 わたしたち天使はあんたら人間とは体の作りも心の作りも全然違うの。わたしたちにとってはね、こんな地上の出来事なんて、ちょっと特殊なプレイにすぎないのよ。分かる? プ・レ・イ」
667不思議惑星キン・タ・マ_18:2011/05/30(月) 23:53:26.35 ID:zv34wsHX
 ストッキングが話し終わると、それまで黙って聞いていたブリーフは一言、
 「知ってるよ」
 と答えた。そしてそれに付け加えて
 「だからもっと知りたいんだ。君たちのことが」
 と言った。
 それを聞いたストッキングは、何だか拍子抜けしたような、妙な気分になってしまった。なんだか自分がごっこ遊びを邪魔されて怒っている子どもであるかのような感じを受けたのだ。
 溜息をついたストッキングはブリーフの横に腰をおろして、
 「で、これからどうすんの?」
 と訊く。
 「また一からお金を稼ぐだけだよ」
 とブリーフ。
 「どれくらい時間かかんの? それ」
 とストッキング。
 「分からないけど、でも頑張っていればいつかはどうにかなるよ」
 ブリーフはなんの疑念もない声でそういう。
 ストッキングはまたまた溜息、
 「しょうがないわね。協力してやるわよ」
 と言う。
 ブリーフが理解していない顔をしているので、ストッキングは説明してやる。
 「今日見たでしょ。わたしはここではかなりの人気商品なの。だからちょっとテクを見せてやれば金なんかいくらでも手に入れられるし、うまくいけばまた権力者に取り入ることだってできるかも」
 その説明を聞いたブリーフは顔色を変えて、
 「そんなの駄目だよ」
 と反対する。
668不思議惑星キン・タ・マ_19:2011/05/30(月) 23:55:33.30 ID:zv34wsHX
 「なんでよ」
 ストキングが言うと、
 「だってそのやり方がうまくいかなかったから今日みたいなことになったんじゃん」
 とブリーフ。
 「だいじょうぶだいじょうぶ。今度は上手くいくって」
 と根拠のないことをいうストッキングにブリーフは、
 「絶対そんなことはさせない」
 と絶対に譲らない構えだ。いつもは緩んでいる顔をいつになくキリリとさせている。髪で見えないが目元もキリリとしているのだろう。
 その顔もその言い方も気に食わないストッキングは、腹を立てはじめ、
 「なによ! わたしがダテンシティでどんな生活してたか知ってるでしょ。そしたらここで同じことするだけじゃない。それのなにが悪いっていうのよ?」
 と声を荒げ始める。
 「ダテンシティでやってることだって僕はいいことだとは思っていない。でも君たちには君たちの生活があると思って口出しはしてこなかった。でもここではそうはさせないよ」
 「何の権利があってそんなことを……」
 ストッキングの抗弁をブリーフは断固とした口調でこう遮った。
 「ストッキング。君は何か大事なことを忘れてない?」
 ストッキングの、こいつ一体なんのことを言ってるんだ、という顔に向かってブリーフはこう言った。
 「僕は君を買ったんだよ。だからここにいる間は君は僕のものだ。だから君には僕の言うことを聞いてもらう」
669不思議惑星キン・タ・マ_20:2011/05/30(月) 23:57:36.13 ID:zv34wsHX
 ストッキングは自分が何を言われたかを理解するまでしばらく固まってしまった。しかし理解するや、大きな声で、
 「キャハハハハ八八ノヽノヽノヽノ\/\」
 と笑い始めた。
 それまで、真面目な顔をしていたブリーフは困惑して、
 「一体どうしたの? なにがおかしいの?」
 と訊くが、そんなブリーフを体当たりで押し倒して上にのしかかり、
 「あんた面白いわね。わたしあんたに興味が出てきちゃった」
 とストッキングは息がかかるほどの近距離で囁く。その息は甘い匂いがした。
 「ちょ、ストッキング。何を……」
 ブリーフは身じろぎしてマウントポジションから抜け出そうとするが、ストッキングは女とは思えないほど力が強い。ブリーフの赤毛の間から、困惑を浮かべたきれいな緑色の瞳が見える。
 パンティの瞳は薄い青で、ストッキングの瞳は少しだけ緑がかっている。ブリーフの瞳はむしろ自分と近いことに気付いたストッキングは、そのことに笑みを浮かべて、
 「あんた可愛いとこあるわね。恋愛対象としては無理だけど、ペットとしてだったら飼ってあげてもいいわよ」
 と自慢の胸を押しつけながら耳元に囁きかけた。
 「え? ええええええーーーー!?」
 ブリーフは目いっぱい慌てふためく。さっきまでの真面目な顔が台無しだ。
 (ふん、男なんてちょろいものね)
 心中でほくそえみながら、たたみかける。
 「毎日可愛がってあげるわよ」
 「駄目、駄目だよ。だって僕にはパンティが」
 体の一部分が急激に反応し始めるのを感じながらブリーフは精いっぱいの抵抗をする。
670不思議惑星キン・タ・マ_21:2011/05/31(火) 00:00:03.50 ID:zv34wsHX
 「じゃあ、パンティとわたしの共同ペットということならどう?」
 「いや、そういうことじゃなくて」
 「そっか、あくまで主導権は自分で握りたいわけね。それならそれでもいいわよ。そういうのもわたしはかまわないわ」
 「ええ? なんの話?」
 「あんたさっき、わたしを買ったって言ったじゃない。それならその料金分はちゃんとわたしを楽しまないと損てものでしょ?」
 ストッキングは右手をブリーフの股間に這わせる。それはすでに十分な硬さをそなえていた。
 パンティから聞いていたもののストッキングはその大きさに目を丸くしたが、すぐに舌舐めずりをする。姉と違って大きいのが好みと言うわけではないが、これはこれで遊びがいがある。
 竿を包み込むようにして上下にさすると、ブリーフは「あ、ああ」と声を上げた。その手の柔らかさがパンティそっくりだ、と考えてしまったのだ。それだけで、イクには十分の理由だ。
 陥落寸前と見たストッキング、左手でブリーフの右手を取ると、裾から服の中に入れ、ブラジャーの上から胸に触らせた。
 「これを使ってパンティじゃ絶対できないことをやってあげよか?」
 パンティの小ぶりで張りのある胸と違い、それはメロンのように重量感があったが、大きいのに型崩れせず、なおかつその感触は餅肌のこんにゃくゼリーのようだった。ブリーフの右手はそれを思わず掴んでしまった。
 「あん! なによ、あんた乗り気じゃない」
 「違うんだこれは」
 しかしなんの説得力もないことに、ブリーフの右手はあろうことかブラジャーの中にまで入り込み、その指で乳首を挟んで転がそうとしていた。
 「あっ、いやん! ふうん、パンティにしっかり教育されてるらしいわね」
671不思議惑星キン・タ・マ_22:2011/05/31(火) 00:02:08.07 ID:WPA2+hR+
 ストッキングの指摘通り、ブリーフは童貞の心を保ったまま、体だけはセックスマシーンに改造されてしまっていたのだ。
 今もブリーフの意思とは関係なく、ブリーフの右手はストッキングの乳房を優しく愛撫し(ストッキングには少し物足りないが)、腰は女性に最も快感を与えるピストン軌道を描きはじめていた。
 ストッキングはブリーフにのしかかるように覆いかぶさり、その首筋や耳、口の周りと口の中、さらには眼球までを、舌で舐めまわした。
 「もっとわたしのこと知りたいって言ったじゃない」
 そのキスはパンティよりずっと濃厚、というかしつこいものだった。唇が芋虫のように顔を這いまわり、舌がナメクジのようにあらゆる隙間に入り込む。
 ブリーフは長い間風呂に入ってなかったので、汚いからやめてと最初は嫌がっていたのだが、次第に自らも舌を出して、それをストッキングのそれと絡めあわさざるをえなくなる。
 ストッキングが小声で何かフランス語の詩のようなものを呟いている。そういえば前にもフランス語で歌を歌っていたのを見たことがあるな、とブリーフは思い出していた。
 
 獣の結婚式を挙行するために

 二つの檻の端と端を寄せ合うように、

 私たちの口を寄せ合って一つの寝室とせよ、

 そこでは私たちの舌が夫と妻なのだ。
672不思議惑星キン・タ・マ_23:2011/05/31(火) 00:04:14.95 ID:WPA2+hR+
 短い詩の朗読が終わると、ストッキングは自分の唾液でべとべとになっている耳たぶを噛みながら、こうささやいた。
 「ねえ、どうしてわたしがあんなに早く権力者に取り入れたのか、秘密を知りたくない」
 ブリーフはすでに冷静な判断力を失っていて、ぼうっとしながらそれを聞いていた。
 「あの手の男たちって、大抵普通の男女の道はもう飽き飽きしてるわけよ。だからわたしが、もっと深い男と女のし・か・た、てものがあることを教えてあげれば、もうみんな夢中になっちゃうわけ」
 ブリーフは悪魔たちにつかまって、無理やり勃起させられそうになっていたことを思い出していた。あのときはどんな快楽を与えられようと、パンティのことを思うだけで我慢が出来た。
 でも今は上手くいかない。頭の中でパンティの像と、目の前のストッキングの像が重なってしまうだけだ。もしかしたら、全然違うように見えて、2人にはよく似たところがあるからかもしれない。
 「世の中にはね、パンティには教えられないことがたくさんあるのよ。それを知りたくない? ねえ、ご主人様?」
 そうだ、僕は彼女を買ったのだ。だから何をしてもいいはずなのだ。何と言ったって僕はストッキングのご主人さまなのだから。
 限界だった。ブリーフは考えることをやめて、本能のままにピストンする射精機械になることを選んだ。
 ストッキングの体を乱暴に引き寄せて力いっぱい抱きしめ、上半身を起こすと、そのまま押し倒して、彼女の体を無茶苦茶に蹂躙しようとする。
 そして、
 どどどどどどどどどどっかーーーーん!!!
 「うわあ!?」
 「なに? なんなの?」
 砂の中から何かがものすごい勢いで飛びだして、2人は弾き飛ばされてしまう。星しか明かりがないなか、砂煙で視界を奪われて、なにが起こっているのか全く分からない。
 「一体なによ? お楽しみはこれから、って時に」
 そのとき、ストッキングは音を空気の流れで、自分の方に何かが急速接近しているのを感じた。砂煙を割りながら出てきて、ストッキングを鋭い歯で噛み切ろうとするそれを横っ跳びで避けながらストッキングは言った。
 「あら、ダーリンじゃない?」
673不思議惑星キン・タ・マ_24:2011/05/31(火) 00:06:18.76 ID:WPA2+hR+
 ********

 ブリーフが暗いなか目を凝らしてみようとすると、地面の中から現れたのは、何百人もの人間たちが肩車をして蛇のようになっているゴーストだった。
 そしてその先頭にいてストッキングに牙を剥いているのは、失脚して街の街灯に吊るされた前最高権力者その人だった。
 「なに? しかも下にいる人たちは、みんな権力を得るために蹴落とした人たちや、権力を得てから粛清しまくった元仲間たちじゃない」
 ストッキングはストライプの片方を素早く脱いで、それを青白く光る刀に変成した。
 「死んでもお山の大将でいられるなんて、あなたよっぽどの幸せものね」
 飛び上がって切りつけようとする。しかしその前にゴーストは頭から砂漠に突っ込んで、砂の中に潜ってしまう。ストライプが捉えたのは砂の地面だ。
 (まるでサンドワーム、シャイ・フルドだ!)
 ブリーフは以前見たSF映画のことを思い出していた。
 ンゴゴゴゴゴゴゴゴゴと地面の下で、巨大な物が移動する音が聞こえる。ストッキングは相手に聞こえるように声を張り上げて話しかける。
 「ねえ、ダーリン。何を怒ってるのよ。ずっと2人で楽しくやってきたんだから、その結果としてこうなってもそれを楽しむべきだとは思わない?」
 思うわけあるかと、ブリーフは思った。天使の論理は人間にはついていけない。
 「ねえ、私をもう愛してないの?」
 ドガアン
 ストッキングの足元からゴーストが姿を現す。ストッキングは光の翼を出して、伸びあがるゴーストと一緒に飛び上がる。
 「愛しているかだと? お前のせいですべてを失った私が、お前を愛しているかだと?」
 ゴーストが砂に風紋を作るほどの大音声で、そう叫ぶ。
 「そうよダーリン。ちょっと前まで、毎朝毎晩私を愛してくれたじゃない?」
674不思議惑星キン・タ・マ_25:2011/05/31(火) 00:08:26.75 ID:WPA2+hR+
 ストッキングはそれになんの恐れを感じた様子もなく、しなをつくって笑いかける。ゴーストはますます苦々しい声になって、叫ぶ。
 「それなら教えてやろう。ああ、愛しているとも! お前のために何度すべてを失い、何度地獄に投げ入れられても、お前を愛し続けるだろう!
 なぜなら、お前を愛さざるをえないように、お前が私を変えてしまったからだ。お前が快楽の、悦びの定義を変えてしまって、お前なしには一日が一秒たりとも進まないようにしてしまったのだ。
 だからこうしてお前に会いにきたのだ。お前なしには地獄に落ちることすらままならん。お前なしには生きられない体になってしまったから、お前なしには死ぬことすらできんのだ!」
 ゴーストの告白を聞いて、ストッキングは満足した顔をすると、満面の笑顔になってこう言った。
 「じゃあ、これで死ぬことが出来るってわけね」
 そうして、高速で相手の背中側に回ると、後ろから抱きつくようにとりついて、首に手をまわし、耳をあま噛みしながら、残忍な笑みを浮かべて、
 「悔い改めよ!」
 と叫んで、ゴーストから離れると、すでにゴーストの首は、ストライプで切り落とされていた。
 「悪魔だ」
 ブリーフは思わずつぶやいていた。先ほどまで感じていたストッキングへの欲望が急速にしぼんでいく。彼女のペット(ご主人様でもあまり変わらない)になることの意味が分かってきたのだ。
 今度同じ状況になったら、もう少し冷静な対処をしよう、とブリーフは誓った(誓うだけなら簡単だ)。
 頭を失ったゴーストはそのまま爆発するかと思われたが、実際に起こったことは首を失った先頭の体だけ切り離して、その後ろがまた頭になるだけだった。
 「あれ? まだ死なないの?」
 そしてその新しい頭がまたストッキングに襲いかかる。
675不思議惑星キン・タ・マ_26:2011/05/31(火) 00:10:31.95 ID:WPA2+hR+
 ブリーフはそれを見て、まるで権力の構造だと思った。一番上にいるのが一番悪いように見えても、それを倒したってなんの解決にもならない。頭がすげ変わるだけなのだ。全体構造を変えなければ、仕方がないのだ。
 ということは敵は誰なのだ?
 「あら? あんた、どこかで見た顔だと思ったらわたしを除こうとしたからダーリンに殺してもらった元ナンバー2じゃない。あのときは楽しかったわね。生きたまま人を蝋燭にして燃やす蝋燭プレイ」
 ストッキングはその後も次々と、ゴーストに切りつけ裁断し続けるが、そのたびに新しい頭が出来るだけで、これでは切りがない。
 「キャッ」
 疲れが見えたところを、蛇のような胴体に巻きつかれてしまう。ぎちぎちと、ストッキングの体が軋みを上げ始める。
 「クッ、なかなかいい縛りじゃないの。見直したわ」
 ストッキングは余裕な振りをしているが、明らかにまずい。自分ではどうすることも出来ないことを承知でブリーフが飛びだそうとする。
 「ストッキング!」
 BLUM!
676不思議惑星キン・タ・マ_27:2011/05/31(火) 00:12:37.20 ID:WPA2+hR+
 ブリーフもストッキングもそのとき何が起こったのか理解できなかった。地平線の彼方から、青白く輝く光弾が飛んできて、ゴーストの体を分断していったのだ。
 ゴーストは慌てて地下に逃げ込み、締め付けが解けたストッキングはへなへなと地面に落ちる。
 「まさか?」
 ブリーフが弾の飛んできた方を見やると、はるか彼方から光る何かがやってくるのが見える。
 あれは一体?
 ブリーフはそれがなんなのかしばらく思い出せなかった。思い出したあともしばらく信じられなかった。信じた後も、しばらくは声が出なかった。それはここで出会うはずのないものだった。
 「トラック!?」
 それは長距離輸送用のトラックだった。どこからどう見ても、いまや地球上のどこにでもあるトラックである。
 そしてそのルーフの上に仁王立ちになってバックレースを両手で構えている、長い金髪を風にもてあそばされるがままにしているその姿。
 それはまさしく、寂しい夜に何回も脳裏に思い浮かべ、右手で欲望を放出させたその姿だった。
 「パンティ!!!」
 ブリーフは心の底から叫んでしまった。実際心の底からうれしかったのだ。涙が止まらない。鼻水も止まらない。自分がこの日のために今まで生きてきたことを、思い知らされている。
 ついさっき、「パンティ、パンティ」と呻きながら、その妹を犯そうとした男とは思えない。
 パンティはトラックの運転手に「ここでUターンして待ってろ。すぐに離れれるように」と命令すると、ルーフから飛び降りて、こちらに掛け寄ってくる。
 「パンティ」
 物陰に隠れていたブリーフは思わず飛びだし、掛け寄ろうとするが、
 「おおっとブリーフ。感動の再会は後だ。今はし・ご・と。ストッキン! いつまでへばってんの?」
 と制されてしまう。
 「私がこれくらいでへばると思って?」
 ストッキングが少しふらふらしながら立ち上がる。
 「でも、こいつ、いくら切っても切りがないのよ。パンティ、なにか策でもあるの?」
677不思議惑星キン・タ・マ_28:2011/05/31(火) 00:14:46.91 ID:WPA2+hR+
 「うんにゃ、ない」
 はっきり否定。そこへブリーフがやってきて、
 「あれをいくら倒しても無駄だよ。あいつの本体はあれじゃないんだ」
 と言う。
 「どういう意味だ、ブリーフ」
 とパンティが訊き返すと、ブリーフは、
 「あのゴーストの存在を支えているのは、この国の権力システムであり、それはつまり生政治なんだよ」
 と説明し始める。
 「この国の人々は、見た目は何の違いもない、下らない装置でしか見分けのつかない人種概念に従って差別的に生きていて、それになんの疑問も持たない。
 そういう『知の枠組み』こそが、こういう抑圧的権力装置を支えているんだよ。
 だからそれをどうにかしない限り、見かけの権力者をいくら倒したってどうにもならないんだ」
 「お前、ガーターに読まされたミシェル・フーコーだかミシェル・fuckoffだかの書いた、SMホモ教の経典に影響されすぎじゃね? で、具体的にはどうすればいいんだ?」
 パンティの質問に、自分の考えに悦に入っていたブリーフは我に返って、
 「え、え? ええと、だから、パノプティコンを破壊して、ディスクールによって知の枠組みを……ごめん、分かんないや」
 とちゃんと答えられない。
 パンティは、「はあ、仕方ねえなあ」と天を仰いで溜息をつくが、すぐに気を取り直して、
 「分かったよ。まあつまり、この国の人間全体がこのゴーストの原因だ、って話だろ? そしたらやりようはあるわな」
 と何か思いついた様子で、
 「ストッキン! それにブリーフも! パンツをあたしに頂戴」
 と2人に言う。
678不思議惑星キン・タ・マ_29:2011/05/31(火) 00:16:49.16 ID:WPA2+hR+
 「え? ああ、分かった」
 とストッキングはすぐに青と白のしましまショーツを脱いでパンティに投げ渡す。しかしブリーフは、
 「え? え?」
 とすぐには反応できない。パンティはブリーフに組みついて「ぐずぐずすんなよ。あいつがまた出てきたら厄介だろ」と緑色のつなぎを脱がそうとするが、
 「ちょちょちょ、駄目だよパンティ」
 とブリーフは抵抗しようとする。しかし、
 「なんだよ。あたしたちは別に知らない仲でもないじゃねえか」
 と手慣れた手つきで脱がされて、ブリーフも奪われて、下半身丸出しのTシャツ一丁にされてしまう。
 そしてその三つの下着を合わせて変成させると、まるで野砲のような銃が出来る。しかし重さはさほどでもないようで、その明らかに一人で持つのが無理そうな代物をパンティは両手で持って首都中心部を狙う。
 「パンティ、一体何を……」
 そのとき、地面の下でまたゴゴゴゴゴゴゴと音がしはじめる。ゴーストがまた動き出したのだ。
 「ストッキン、頼むよ!」
 「ほいきた!」
 地面から顔を出してパンティの妨害をしようとするゴーストの前にストッキングが立ちはだかる。その隙に、砲身の先に光が大量の集まりはじめ、その周りの風景がゆらゆらと歪んで揺らめきはじめる。
 そして、
 「喰らえ! 3Pトリプルショットだ」
 と再生テレスドンも倒した伝説の技を撃ちだした。
 POOOWWWWW!!!!
 光の弾が街の中心部に向かって放物線を描いて飛んでいき、そして
 ドンガラガッシャーーーーーーーン!!!!!!!
 大迫力の実写映像で首都が大爆発して火の海になった。
679不思議惑星キン・タ・マ_30:2011/05/31(火) 00:18:50.65 ID:WPA2+hR+
 「え、えええええ!?」
 ブリーフは昨日まで自分が住んでいた街の地獄絵図を見て、たまらず叫ぶ。
 しかし効果は抜群のようで、すぐにゴーストは苦しみ初めて、そのまま消えてしまう。その地面には10枚以上のヘヴンが落ちている。
 「大量大量」
 パンティとストッキングはそれを拾って素直に喜んでいる。しかしブリーフにとってはそんな場合じゃない。
 「パンティ! なんてことをするんだ!? あそこには何千人と言う人が住んでいて、その人たちはあの火の中できっと……」
 それに対してパンティは
 「だってお前言ったろ。権力を支えている奴らも悪いんだって。それってみんな悪いって意味だろ?」
 となんの悪気もなく答える。
 「た、確かにそうかもしれないけど」
 ブリーフは、何だかこれだけは納得しちゃいけないような気がして、言い淀む。それに対してストッキングは、
 「あそこの街に住んでた奴らなんてろくなのいなかったじゃん。それはあんただって知ってるでしょ」
 とパンティに返してもらったショーツを穿きながら言う。
 「そ、そうかなあ」
 確かにブリーフはここで人の優しさに触れたことなど一度もない。それでもブリーフにはその人たちを恨むことがどうにもできないのだ。
 「くっさ! おめえ、パンツいつから洗ってないんだよ!?」
 パンティの叫びを聞いて、ブリーフは自分が下半身丸出しであったことを思い出す。
 「わあ、返してよ!」
 急いで自分のブリーフをぶんどって、急いで穿く。ぶらぶらしていた分身が軽い締め付けとともに正しい場所に収まってブリーフはほっと一息つく。
 「よし! じゃあ、現地民に復讐されねえうちに、さっさと帰るか!」
 とパンティが待機しているトラックに向けて歩き出し、残り二人もその後を追う。パンティは片腕だけやけに日に焼けている、ムキムキのトラック運転手に
 「Hey, nice guy! あたしら後ろで話があるからさ。え? 大丈夫だって、さっきの続きはあとでちゃんとやってあげるからさ」
 と明らかな秋波を送ってから、荷台の隙間に乗り込む。続いてストッキングと、そのパンティの態度に少しムッとしているブリーフが乗り込むと、トラックがガタガタゆれながら出発した。
680不思議惑星キン・タ・マ_31:2011/05/31(火) 00:21:50.88 ID:WPA2+hR+
 感動の再会を演出するには期を逃してしまったブリーフは、溜まりに溜まった疑問を一つずつぶつけていった。
 「パンティ。一体どうやってここが分かったの」
 「ああ、それなら。お前が置いてったあのノートパソコン。あれに残ってた爆発直前のデータを、学校のお前の友だちに頼んで調べさせたんだ。ご褒美あげる、っていったら、みんな喜んで協力してくれたぜ」
 「ええ? まさか、あいつらにパンティが……」
 「そう心配すんなって、ブリーフ。お前も知っての通り、あいつらはあたしの趣味じゃねえよ。大体あいつら、ほっぺにキスしただけで鼻血出して倒れちまったぜ」
 「そ、そう。それよりもどうやってここに来たの?」
 「どうやってって……場所が分かれば、そこまで行く長距離トラックの運ちゃんを見つけてきて、ちょっとサーヴィスしたら乗っけてってくれたんだ。ああ、お前は怒るかもしれないけど、今度はちゃんと本番も……」
 「いや、そういうことじゃなくて」
 ブリーフはなんだか話が噛みあってないような気がして、言葉を変えようとするが、
 「それよりもお前らはどうだったんだ? ここでの生活は?」
 と話を変えられてしまう。それに答えようとするブリーフを制して、パンティとブリーフが仲良く話しているのを複雑そうな面持ちで見ていたストッキングが、
 「いろんなことがありましたわよねえ、ご・主・人・さ・ま」
 と横やりをさす。
 「ご主人さま? お前らいつの間にそんな仲に……」
 「うわあ、ストッキング何を言うんだ」
 「そういえば、ブリーフのブリーフはガマン汁みたいもので濡れてたし、ストッキンのもほんのりと女の匂いがしてた。まさかお前ら!」
 「違う、違うんだパンティ」
 「オイ、ブリーフ。どういうことだか説明しやがれ。さもないと……」
 パンティはブリーフの浮気疑惑にわりと本気でムカついている。ブリーフは後ろめたさがあって、うまく言い訳できない。ストッキングはそんな2人も見て「いい気味だ」と思っている。
 そんななか、運転席にいる運転手が話しかけてきた。
 「おいあんたら、もうすぐ県境だ。この砂丘ももう終わる」
 「ああ、そう」
 パンティはこともなげに反応するが、ブリーフの頭の中は大量の疑問符で一杯だ。
 「県境? 砂丘?」
 そこでトラックの進行方向を見ると、とんでもないものが視界に入ってきてしまう。それを見てブリーフはショックのあまり思わず前のめりに倒れて、両手で床をドンドン叩いてしまう。
 「なんてことだ!」
 ブリーフは叫んだ。
 「ここは地球だったんだ!」
 トラックの横を『県境:鳥取県→神戸県』と書いてある標識が通り過ぎた。
(終)
681不思議惑星キン・タ・マ_32:2011/05/31(火) 00:24:12.15 ID:WPA2+hR+
 「ところでその鈴なんだ? アクセか?」
 「あ、外すの忘れて……いた! 駄目だよパンティ引っ張ったら! 痛いってば!」
682名無しさん@ピンキー:2011/05/31(火) 00:27:55.79 ID:WPA2+hR+
これで投下は終わりです。
お付き合い下さってありがとうございました。
どうかよろしければ感想など書いていただくとうれしいです。

それはそうとここを見ているかどうか分かりませんが『エンジェルソウ』、pixivにて完結おめでとうございます。
「パンティが罪深い人間どもを皆殺し」というアイディアは私も次の次の次くらいに書くつもりだったので、
その作品をどうしようか悩んでしまいますね。
683名無しさん@ピンキー:2011/06/01(水) 18:37:27.71 ID:y4K8ID4p
GJ!!
とりあえず次と次を楽しみにしてるw
684名無しさん@ピンキー:2011/06/01(水) 20:18:47.20 ID:ZD7IDJEz
壮大すぐるwwww
いろんな意味でパンストらしい怪作だなw
次回も楽しみにしてる。
685忍法帖のレベル上げをしておかねば:2011/06/01(水) 22:51:40.49 ID:cgz4Q364
>>683 >>684
感想ありがとうございました。

書いていて気付いたのですが、普通二次創作作品というのは、
ある作品のキャラに、して欲しいけど絶対にその作品ではしないことをさせるために書くことが多いような気がします。
でも私がやっているのは、パンストのキャラを使っていかにもパンストらしい作品を作りたい、ということなので、
なんだか普通の二次創作とモチベーションが違う気がします。

実際私は、キャラクター愛で小説書いているわけではなく、どちらかと言うと「パンストみたいな話づくりが好きだ」という理由で書いてます。

そこらへんにここが流行らない原因があるのかも、と少し考えました。

私にとってはこんなにも「何をやらせてもキャラ崩壊しないキャラクター達」と「何をやっても矛盾を生じない自由な世界観」の組み合わせは初めてなので、
数年は遊べるおもちゃを手に入れたようなものなんですけどね。
ちなみに二次創作はここが初めてです。
686名無しさん@ピンキー:2011/06/01(水) 23:00:58.59 ID:cgz4Q364
読みなおすと、チラシの裏に書いてればいいことでしたね。

あと、上では言い忘れていましたが、小説を書く第一の理由でないとしても、
ちゃんとキャラクター愛はあります。ブリパン最高。
687名無しさん@ピンキー:2011/06/02(木) 01:29:55.63 ID:2D7Sta2r
エンジェルソウの人です。完結祝いありがとうございます。
原稿用紙140枚の長編でしたが飽きずに読んでくれるというのはありがたいことです。

どうでもいいことですが、私はどちらかというと前者で小説を書いてます。
絶対にその作品ではしないことをさせるために書く、ってやつですね。
原作でこういうシーンがあればよかったなという妄想の補完というか。
モチベーションのメインはキャラ愛です。
パンティとストッキングたちが好きで好きすぎて、Hしているところがみたくなったり陵辱したくなったり
処刑したくなったりしますね。

悲しいことに、2chではあまりパンストは流行っていませんね。
氏の小説のせいでどうこうというわけではないと思いますよ。

鳥取県民のはちゃめちゃっぷりに笑えました。
まさか奴隷制度があり人身売買もやっていたとは、滅ぼすべきですよね。
鳥取県には行ったことがないので真偽はわかりませんが。
作中にて、短いようで何気に長い時間が経っているのがよかったです。
異世界でズタボロになりながら苦労してお金を貯めるブリーフの姿がありありと浮かびましたよ。
ストッキングを買い戻した後の「僕は君を買ったんだよ」以降の流れはゾクゾクきました。
サンドクロウラーのバトルシーンの迫力とか場面に合った難しい文字を使う技術は見習いたいです。
パロも挟んでいるようですが元ネタが難解すぎてわからず、すみません。

あとアイディアが被った小説をどうしようかということですが、
個人的にはパンスト姉妹が人間たちを殺戮するより、EDで何度も殺されている彼女たちの物語に焦点を当てて書いてましたので
そんなには被らないと思います、多分。そのまま気にせず投稿しちゃってください。

ところで、ご自分のサイトなどはお持ちですか。
このスレが落ちるのと同時に氏の大作たちが失われるのは非常に悲しいことです。
pixivでは依然としてそれなりの人気を持つ作品ですから、今まで投稿した分をpixivで保管しておくといいかもしれません。
新作を投稿するたびにファンの方々が感想と応援のメールを送ってきてくれるのでモチベーションの維持にも有効ですしね。
では。
688名無しさん@ピンキー:2011/06/04(土) 23:42:34.64 ID:1OFzbE4M
やっぱ、ここ見てる人よりピクシブ小説見てる人の方が多いんだろうな
689名無しさん@ピンキー:2011/06/05(日) 00:58:59.43 ID:als4G0h7
>>687
感想ありがとうございました。
さっそくpixivへ上げてきました。

理屈っぽいあとがきや蛇足な元ネタ解説などもしてありますので、
ここで読んだ人も読んでくれるとうれしいです。

ネタが被ったからどうしようという話は、今読みなおすと、
単なる私のかまってちゃんだった気がします。
気にせず書きますので、皆さまおきになさらず。
二期が決まるまで、書くのをやめない! が合言葉です。
690名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/14(火) 07:40:59.36 ID:es/qS4QJ
ほしゅ。

元ネタ読みました、どれも深みがあって面白いですね。
CHOCOLATがフランス語っていうやつをかろうじで知ってたくらいです。
691名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/22(水) 21:53:55.86 ID:HesHD2rF
どうも、だんだんここが自分のブログであるかのような錯覚におちいりはじめている、いつもの人です。
わたしの作品を待ってくれている数人のみなさまこんにちは。
次の作品の完成が近いのですけど、長くなりすぎて、忍法帖のレベルの低いわたしには、
ここに投稿することがものすごくストレスフルです。
なので、それはpixivへの投稿だけにしようかと思うのですが、いいでしょうか?
それはここへの投稿を止めるという意味ではありません。
「ギャグ短編でも書こうかな」で始まった投稿ですが、どうしても書いてるとどんどん長くなってしまうので、
もう一度ギャグ短編、できれば10レスに納まるようなものにシフトしていこうかと思います。
『Sanitary box』みたいな感じを思い浮かべればいいでしょう。
ついては、ここで適当にお題でも募集して、それでギャグ短編を書いていくというのはどうでしょう。
3つぐらい集まるとそれで書く、三題噺形式でもいいかもしれません。
「パンティ、うんこ、寄生虫」とか「ストッキング、シャワー、ムカデ」とかそんな感じです。
(この題は今適当に考えたもので、両方とも虫なのは偶然です。別に蟲紳士の襲名を狙っているわけではありません)
そうすれば、ここで書くことの意味のある活動が出来るかも、と思ったのです。
(twitterのアカウントをとってそこで第の募集をやる、という手もあるかもしれません。twitterあまり好きじゃなくて、今までやる気はありませんでしたが)
とりあえず、ここは他の書き手が現れるその日まで、何スレッドでも何年でも支えていく所存ですので、
どうか皆さま応援して下さい。
あとお題下さい。
なにも題が出てこなければ、「パンティ、うんこ、寄生虫」で書きますからね、
それが嫌ならお題を出すように。
書き手も募集。
692名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/23(木) 10:37:20.25 ID:bZn8fmQo
>>691
良いと思いますよ。長編はpixivの方が向いてると思いますし
「パンティ、うんこ、寄生虫」でもいつもの人なら面白くなりそうだけど、せっかくだからお題をば
「雷、乳首、ブリーフ」
「パンスト姉妹、放置プレイ、わんこそば」
「散髪、ロリコン、ママ」
pixivに本編、こっちで番外編とかでも自分は得する
693名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/24(金) 12:21:25.46 ID:+j6XTcZy
>>691
いちいちナルシー入った文章みせるなよ。
もうやめろ。
694名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/24(金) 20:01:26.36 ID:FaMDDKZD
>>693
パンスト飽きたんなら荒らしすんな帰れ
695名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/25(土) 03:45:55.67 ID:1iDGc0x1
応援ありがとうございます。
それでは「パンティ うんこ 寄生虫」で短いのを投稿します。
題名は『パラサイト・陰部』です。
696パラサイト・陰部_1:2011/06/25(土) 03:47:07.38 ID:1iDGc0x1
 「やあ、みんな! 久しぶり!」
 ブリーフは久しぶりにオカルト研究会の部室の扉を開く。
 パンティとストッキングのゴースト退治に付き合っていて、なかなかここに来る暇がなかったのだ。
 そのことが自慢げなブリーフだが、実際には頼まれてもいないのに金魚のフンみたいに付いて回って、なんの

役にも立っていないので、なんの自慢にはならない。
 が、今日ここに来る理由は、何も自慢話だけではない。
 ブリーフが手に持っているCD-ROM、それには大量のゴーストのデータが入っているのだ。
 最近ブリーフはガーターベルトが持っているゴーストのデータを電子化する手伝いをしていたのだ。
 ゆくゆくは自分の代わりにゴーストのデータを収集する仕事までさせてくれるとまで、彼は約束してくれた。
 「見て、みんな! ゴーストの詳細なデータ、うちの研究会が手に入れた初めての本物のオカルトの証拠さ!


 しかし、ブリーフの声に答える者はいない。みな、一つのディスプレイの周りに集まって、何事か囁き合って

いる。
 「すげえ、本物だ。これってもしかしてB組のあの子か?」
 「もう少し解像度の高い映像ないのかよ?」
 「この機種の映像じゃこれが限界だって。あそこに仕掛けるだけでもすっげえドキドキしたんだから、贅沢言

うなって」
 何の話だろう、何をそんなに興奮してるんだろう、とブリーフが後ろから覗き込むと、そこには俯瞰から捉え

られた女子トイレの映像が映っていた。
 いわゆる盗撮だ。
 「ききききき君たちは、なんという……!」
 言葉がうまく出てこないまま、叫びたてようとするブリーフにようやく一同は気づく。
 「あ、リア充のブリーフさん、うぃーっす!」
 「君たちこれは犯罪だよ?」
 「分かってますってばあ! でもお、パンティさんの犬やってて、時々ご褒美もらえるブリーフさんと違って

え、僕ら女の子がパンツ脱ぐ姿なんて、一生見られないかも知れませんからあ」
 「僕のことは関係ないでしょ!」
 ブリーフが喚こうとしたとき、パソコンを操作していた少年が叫ぶ。
 「あ! これ、パンティさんじゃね?」
 その声に全員が振り返り、画面にかぶりつく。その中にはもちろんブリーフも含まれる。
 そこにはぼやけた暗い映像でもはっきり分かる特徴的な髪型のハイスクールのクイーンがいた。
 その美しい少女は、神秘の天界兵器を膝の下までずりさげ、光り輝くブロンドを背中から払いのけると、便器

の上に座って、プルプル震えて踏ん張り始める。
 大きいほうだ。英語で言うとNo.2。
 みなと一緒にそれを見つめていたブリーフはおそらくモノがあの黒ずんだ可愛い菊の花を通り抜けているらし

い場面まで来ると、画面の前に立ちはだかって、みなの視線にふさがった。
 「だめだだめだだめだよ! こんなのは人が見ていいものじゃないんだ!」
 しかし、ブリーフは首を背中に限界まで捻じ曲げ、パンティの様子を何一つ見逃さないようにしている。
 「ああ、独り占めはずるいっすよ、ブリーフさん!」
 「だからだめなんだよ! 僕のパンティを見ていいのは僕だけなんだ!」
 「そんなことないっすよ! あたしはみんなのもの、ってパンティさんがこの前自分で言ってましたっす!」
 いいそうだ。
697パラサイト・陰部_1 再投稿:2011/06/25(土) 03:49:07.93 ID:1iDGc0x1
 「やあ、みんな! 久しぶり!」
 ブリーフは久しぶりにオカルト研究会の部室の扉を開く。
 パンティとストッキングのゴースト退治に付き合っていて、なかなかここに来る暇がなかったのだ。
 そのことが自慢げなブリーフだが、実際には頼まれてもいないのに金魚のフンみたいに付いて回って、なんの役にも立っていないので、なんの自慢にはならない。
 が、今日ここに来る理由は、何も自慢話だけではない。
 ブリーフが手に持っているCD-ROM、それには大量のゴーストのデータが入っているのだ。
 最近ブリーフはガーターベルトが持っているゴーストのデータを電子化する手伝いをしていたのだ。
 ゆくゆくは自分の代わりにゴーストのデータを収集する仕事までさせてくれるとまで、彼は約束してくれた。
 「見て、みんな! ゴーストの詳細なデータ、うちの研究会が手に入れた初めての本物のオカルトの証拠さ!」
 しかし、ブリーフの声に答える者はいない。みな、一つのディスプレイの周りに集まって、何事か囁き合っている。
 「すげえ、本物だ。これってもしかしてB組のあの子か?」
 「もう少し解像度の高い映像ないのかよ?」
 「この機種の映像じゃこれが限界だって。あそこに仕掛けるだけでもすっげえドキドキしたんだから、贅沢言うなって」
 何の話だろう、何をそんなに興奮してるんだろう、とブリーフが後ろから覗き込むと、そこには俯瞰から捉えられた女子トイレの映像が映っていた。
 いわゆる盗撮だ。
 「ききききき君たちは、なんという……!」
 言葉がうまく出てこないまま、叫びたてようとするブリーフにようやく一同は気づく。
 「あ、リア充のブリーフさん、うぃーっす!」
 「君たちこれは犯罪だよ?」
 「分かってますってばあ! でもお、パンティさんの犬やってて、時々ご褒美もらえるブリーフさんと違ってえ、僕ら女の子がパンツ脱ぐ姿なんて、一生見られないかも知れませんからあ」
 「僕のことは関係ないでしょ!」
 ブリーフが喚こうとしたとき、パソコンを操作していた少年が叫ぶ。
 「あ! これ、パンティさんじゃね?」
 その声に全員が振り返り、画面にかぶりつく。その中にはもちろんブリーフも含まれる。
 そこにはぼやけた暗い映像でもはっきり分かる特徴的な髪型のハイスクールのクイーンがいた。
 その美しい少女は、神秘の天界兵器を膝の下までずりさげ、光り輝くブロンドを背中から払いのけると、便器の上に座って、プルプル震えて踏ん張り始める。
 大きいほうだ。英語で言うとNo.2。
 みなと一緒にそれを見つめていたブリーフはおそらくモノがあの黒ずんだ可愛い菊の花を通り抜けているらしい場面まで来ると、画面の前に立ちはだかって、みなの視線にふさがった。
 「だめだだめだだめだよ! こんなのは人が見ていいものじゃないんだ!」
 しかし、ブリーフは首を背中に限界まで捻じ曲げ、パンティの様子を何一つ見逃さないようにしている。
 「ああ、独り占めはずるいっすよ、ブリーフさん!」
 「だからだめなんだよ! 僕のパンティを見ていいのは僕だけなんだ!」
 「そんなことないっすよ! あたしはみんなのもの、ってパンティさんがこの前自分で言ってましたっす!」
 いいそうだ。
698パラサイト・陰部_2:2011/06/25(土) 03:50:01.30 ID:1iDGc0x1
 「でも! でも! え、あれ? これって?」
 ブリーフがディスプレイに対座するように姿勢を変え、画面を注視し始めたので、ほかの人間にもそれが見えるようになる。
 しかしもう重要なことはすべて終わってしまったようで、お尻も拭き終わり、パンティも上げて、あとはすべてを水に流すだけのようだ。
 しかしブリーフはマウスを操作して、その場面を何回も巻き戻しては、スローで再生している。
 うっとうしい前髪でその目を直接見ることはできないが、その表情からある男は、ブリーフがあの伝説の技を使っていることを見抜いた。
 どんなモザイクも一発で消してしまう必殺技「目を細める」である。
 普通この技は「目を細めることにより、視界全体がボヤけて、モザイクとそうでない場所の区別をつかなくする技術だ。
 だがブリーフくらいの超越者になると、本当にモザイクのない鮮明な画面が見えることを男は知っていたのだ。
 「こんな、馬鹿な? ありえない! でも、もし? もし本当だとしたら?」
 そうブツブツ呟いていたかと思ったら、突然ブリーフは決然と顔を上げ、自分用のパソコンを起動させ、データをそちらに移し、なにやらカチカチ高速で作業し始める。
 「これが外に漏れたらマズい!」
 とケーブルをすべて取り外してパソコンを完全オフライン状態にして、先ほどの映像を静止画にしたものを画像処理していく。
 不鮮明だった画像の細部がどんどんクリアになっていく。
 「すげえ! ブリーフさん、こんな技術持ってたんすか?」
 驚く部員の声に、
 「オカルト写真は不鮮明なものが多いし、トリック撮影や画像処理されたものもたくさんある。オカルトに興味あるならこれくらいできないと駄目だよ」
 とこともなげに答えた。
 「これでよし、と」
 そこまで言ってブリーフはまた画面を見つめる。
 他の部員たちはその画面に疑問を持たざるを得ない。その画面にパンティは映っていない。そこに映し出されているのは、流れる寸前のうんこだ。
 しかしそのうんこをブリーフは真剣なまなざしで見つめる。
 「やっぱり……やっぱりそうだ。これは……パンティに教えなきゃ!」
 ブリーフは突然立ち上がると、唖然としている部員たちを置いて、部室から飛び出していった。
 残された画像に写った茶色い塊の中には、何か細長い物がうねっていた。
699パラサイト・陰部_3:2011/06/25(土) 03:51:21.95 ID:1iDGc0x1


 「でさあでさあ、その男がさあ、あたしにこういうわけよ」
 「うん! このプレーン・ヨーグルトは正解だった。発酵具合もちょうどよい。甘いものづくしの中ですっごく爽やかな存在だ」
 男相手の武勇伝を語るパンティとスイーツの歩き食いをするストッキングが仲良く並んで、会話になっていない会話を繰り広げていると、
 「パンティーーーーーーーーー!!!」
 と前の廊下からブリーフが絶叫しながら歩いてくる。そしてパンティに抱きつかんばかりに走りよるので、
 「パンティおわっ? グハア!」
 ストッキングが足を掛けてすっ転ばし、「チッ! 糞餓鬼が!」と蔑んだ目で見下す。
 それに懲りないブリーフはパンティをしたから仰ぎ見ながら、その膝にすがって、
 「パンティ、パンティ。大変なんだ」
 と必死に喋ろうとする。
 「おいおいどうしたんだ、落ち着けよ」
 パンティがブリーフの様子を呆れながら話しかけると、ブリーフは大きな声で、
 「パンティのうんこの中に寄生虫がいるんだ!」
 とパソコンをオフラインにしてまで隠そうとした情報を自分の口から大々的に発表してしまう。
 空気が凍りついた。
 「は? はあ?」
 次の瞬間には廊下中がざわざわした話し声で包まれる。
 「クイーンの腹に寄生虫?」
 「そんなことがありうるのか?」
 「新聞部! 新聞部はいるか?」
 「うそお、信じらんない!」
 「虫が湧いてんのはブリーフの頭ん中なんじゃないの?」
 その中心でパンティが顔を真っ赤にしたり真っ青にしたりしながら固まっている。
 「て、てめえ!? あたしの評判傷つけて何がしたいんだあ?」
 とりあえずブリーフの襟首掴んで持ち上げてぎりぎり締め上げながら、そう叫ぶ。
 「いや、僕はそんなつもりは。パンティの評判が落ちれば、パンティの男は僕だけになるなんて、今思いついただけで、ぜんぜん考えてなんか……」
 酸欠になり今にも落ちる寸前というところで、邪魔が入る。
 「これはゴーストの仕業だ!!」
 巨大アフロの黒人神父がいつの間にか3人の横に立って大きな声で宣言する。
 「ガ、ガーター!? なんでここに?」
 パンティがブリーフを取り落として訊く。それに対して、ガーターベルトは
 「うむ! お前のぎょう虫検査の結果が書類上の保護者であるわしのところに届いたのでな。そのデータを見て慌てて飛んできたのだ」
 とこれまた大きな声で説明する。
700パラサイト・陰部_4:2011/06/25(土) 03:51:57.43 ID:1iDGc0x1
 それを聞いた群集が、
 「やっぱり本当だったんだ」
 「クイーンのお腹の中は虫だらけ。これは大ニュースだ!」
 「おい! 寄生虫ってSEXでうつるのか?」
 「アナルSEXしたら、チンコの中に虫が入り込んだりしてな」
 「マジで! はあぁぁ……」
 「おい! 何で気絶すんだよ? お前まさか?」
 「クイーンもぎょう虫検査するのか」
 「そりゃするだろ」
 「クイーンはどんな格好でぎょう虫検査するのかなあ?」
 「いや、お前のやり方とそんなに変わらんと思うがなあ」
 と大騒ぎし始める。それを聞いて顔を真っ赤にして手をプルプル振るわせたパンティが、
 「お前ら少しはデリカシーってもんがないのかあ!」
 と女としてデリカシーが絶望的に足りない自分を棚に上げて、暴れだす。
 これでは話が進まない、と判断したストッキングがその腹に
 ドスッ!
 とボディブローをかます。
 「ぐふ!」
 パンティはそのまま体を二つ折りにして動かなくなり、ストッキングはその体を脇に抱えて、軽々持ち上げると、
 「場所を変えましょ」
 と言ってテクテク歩き出した。
 悪魔だ。
701パラサイト・陰部_5:2011/06/25(土) 03:53:54.40 ID:1iDGc0x1


 保健室に入り、養護教諭と一緒に調子を悪くして寝ていた生徒をすべて追い出して、3人はガーターベルトの説明を聞き始めた。
 「この一見寄生虫に見えるもの、これ自体が実はゴーストなのだ!」
 と宣言する。
 「あたしの体ん中にゴーストがいるってこと? いつそんなものが入ったんだ?」
 「あんたゴースト食べた?」
 「食べたわけねえだろ!」
 「うむ! 実は聖なる乙女の体の中に魔のものが入ってしまうという話は昔から報告されておる。
 グレゴリオ聖歌で知られる6世紀末の法王グレゴリウス一世の著作『対話集』の中にある話なのだが、若い修道女が女子修道院の庭のレタスの葉を23枚取って食べたところ、腹の中に悪魔が入ってしまったような気がしてきたのだ。
 周囲が大騒ぎしてエクソシストを呼んで悪魔を追い出そうとすると、その悪魔
 『おれはただレタスの葉の上にじっとすわっていただけだよ。べつに娘の腹のなかにもぐりこみたかったわけじゃない』
 と答えたのだ」
 「それってつまり食いもんに混じってゴーストがあたしの腹に入ったってことか?」
 「うむ。そう思って、さかのぼってレシピを調べてみたのだが、怪しい食材は発見できなかった」
 じゃあ何でそんな話したんだ。薀蓄述べたかっただけか?
 「そこでわしは、お前のもう一つの食べ物が怪しいと睨んだのだ」
 「へ?」
 「これを見よ」
 ガーターが手帳を開く。そこには様々な男の名前とそのデータが書き込んである。その欄を指でなぞって、一人だけ「unknown」としか書いていない欄を見つける。
 「この日だ! この日にお前が寝た男、その男だけが最近お前が寝た男の中でただ一人、いくら調べても何の情報も掴めなかったのだ。こいつが怪しい!」
 それを聞いて、その手帳に定期的に自分の名前があることに一人恥ずかしがっていたブリーフがその日付を確認して何かを思い出す。
 「そうそう! そいつは僕も不思議に思っていた。ダテンシティ住民じゃないし、旅行者でもない。そもそも目撃証言がまったくと言っていいほどないんだよ!」
 と懐からストッキングのノートパソコンと同じ虫食い林檎のマークが入ったまな板型コンピュータ端末を取り出して、望遠レンズでとったらしい写真の拡大を画面いっぱいに表示する。
 「まるで作り物みたいなイケメンね。5点」
 とはストッキングの評。ストッキングは話の流れに興味を失いスイーツタイムに戻ってしまう。
702パラサイト・陰部_6:2011/06/25(土) 04:02:14.27 ID:1iDGc0x1
 「お、お前らあ!」
 男二人のあまりにキモ過ぎる行動にまた恥ずかしさと怒りで顔を赤くしこぶしをぷるぷる震わせているパンティに取り合わず、ガーターベルトはパンティに詰問する。
 「さあ! この男について何か思い出すのだ!」
 「え? ううん。そうだ! こいつ顔がいいからいいかな? って思ったんだけど、予想以上のフニャチンで、しかも単調だから、あたしのほうから何か変化をつけようと思ってもう一つの穴も試したんだよ」
 「そうかそれですべての謎が解けた。これによって発見が早くなったわけだから、やはり尻の穴を偉大だ、と言うことだ」
 「どういうことだ? ガーター」
 「この男は間違いなく悪魔どもの作った泥人形。そしてこいつの狙いは神聖な菊座ではなく、穢れた女の裂け目であったのだ。
 悪魔どもの目的はお前の子宮の中に精子ゴーストを注ぎ込むことだったのだ」
 「じゃ、あの白い虫は」
 「あれはゴーストが排泄物を食って巨大化してしまったものだろう」
 「泥人形かあ! なるほど納得のフニャチンだぜ。しかも今思い出したらあいつ、別れ際にボロボロ崩れはじめてたから、おっかしいなあ、って思ってたんだよ」
 「それ、おかしい、じゃすまないと思うよ」
 「でもちゃんとゴム使ったぜ、あたし!」
 当たり前のことを自慢げに話すパンティ。
 「おそらくゴーストの力でコンドームにわずかな穴を開けて漏れ出していたのだろう」
 「ちょっと待てよ」
 パンティの回転の遅い脳がようやく核心を突き始める。
 「ということは、尻の穴の中だけじゃなく、あたしのおマン○の中にもゴーストがいるってこと?」
 パンティが叫ぶ。
 「うむ、それこそ悪魔たちの狙い。パンティ、今月の月のものはまだだな」
 「へ? そういえばまだ来てない……」
 さあっ、と音を立てて全身から血の気が引くパンティ。
 「妊娠?」
 ブリーフも血相を変えて叫ぶ。
 「いや、まだそれはない。天使の膣から子宮にかけての免疫系は人間など及びもつかないほど厳重を極めている。
 そのために多少の無茶をしても滅多に妊娠することはない。
 おそらく子宮内では今、ゴーストと天使の白血球との何十日にも渡る壮絶な戦いの真っ最中なのだ。
 もしこのまま放っといてゴーストが勝ってしまい、天使の卵子に受精を許せば大変なことになる。天子とゴーストの相の子など、怪物と怪物を掛け合わした物にほかならず、考えただけで怖気がふるう」
 「ど、どうすればいいの? 何か手があるんでしょ?」
 呆然として立ち尽くすパンティに変わって、ブリーフが訊く。それに対してガーターベルトは腕を組むと、
 「むう。腸の中のゴーストは協力下剤を使って排出した後対処するとして、子宮内のものは……」
 と言葉を濁す。
 「何でも僕にできることならやらせてください!」
 ブリーフが熱心にいうのを聞いてガーターベルトは彼の肩に手を置き、
 「それなら君に仕事をしてもらうことにしよう」
 と言った。
703パラサイト・陰部_7:2011/06/25(土) 04:18:54.72 ID:1iDGc0x1


 連れて行かれた先は協会の地下、様々なSFマシンが収納されている格納庫だ。
 「うわ、凄い。SF仲間になんて自慢しようか!?」
 興奮状態のブリーフをガーターベルトは一つの機体の前に連れて行く。
 「君にはこれに乗ってもらう」
 そこにあったのは『2001年宇宙の旅』に出てくるディスカバリー号を一人乗りにしたような乗り物だった。そして懐中電灯みたいな機械を右手で持って、
 「そしてこれを使って君をミクロのレベルに収縮させる。これが物質縮小機だ!」
 「ええっ? そんな物が可能なの?」
 「見よ!」
 ガーターがその機械を別の機械に向けてスイッチを押すと、その機械が、
 「この役立たず! お前にどれだけの資金をつぎ込んだと思ってるんだ! その分くらいは稼いでもらわないとスクラップにもしてやらないからな!」
 と喚き始める。それを聞いてその機械がどんどん縮こまっていく。
 「このようにこの機械は、物質を精神的に追い詰めることにより、物質を縮小するのだ。
 ただしたとえばわしのようにののしられるとむくむくと大きくなってしまう物質もあり、まだまだ研究が必要なのだ。
 ところでブリーフ君はどちらだったかな? 褒められると〈伸びる〉男か、叱られると〈伸びる〉男か?」
 「え? えーー? それってどういう意味で?」
 「まあそれは試してみれば分かること、早速乗ってもらおうか」
 「え、えっと。やっぱりこれしか手はないんでしょうか?」
 自分で志願しておきながら急にしり込みし始めるブリーフ。
 「ふむ他の手もないではない」
 「あるんですか!?」
 「たとえば、危険かつ不本意だが、わしの聖別された精液をあの雌豚天使に注ぎ込み、ゴーストの精子と戦わせると言う……」
 「あ、やっぱやります。僕やります」
 最後の決断は早かった。

 「このオタク野郎! てめえ、くせえんだよ! おい! 聞いてんのか! てめえ、なんでそんなにくせえんだよ? おい!」
 物質縮小機に罵られて縮こまっていくブリーフと精子型マシン。それがパンティの膣内にスポイトで注入される。
704パラサイト・陰部_7:2011/06/25(土) 04:20:23.77 ID:1iDGc0x1


 ※ここで技術のある親切な人が作った、精子型マシンに乗ったブリーフが精子ゴーストや天使の白血球を打ち落としていくシューティングゲームが挿入される。
 そしてそれをクリアすると、エピローグに入ることができる。
705パラサイト・陰部_9:2011/06/25(土) 04:20:56.39 ID:1iDGc0x1


 「やった! 僕のパンティの卵子は僕が守った! だからこれは僕の卵子だ!」
 精子ゴーストの残骸の中で、神聖な単細胞がまるで太陽のように光り輝いている。
 帰還することも忘れてブリーフは次第にそちらに引き寄せられていく。
 卵子の輝きがブリーフを包み込む。
 「パンティ? パンティも僕を歓迎してくれてるんだね? やっと二人は一つになれるんだね? 
 僕の体は今、もう純粋なパンティへの愛でできている! だから今、パンティへの僕の愛を君の卵子に届けるよ!」
 と叫んで操縦桿をぎりぎりまで倒し、細胞膜へ突撃する。
 ぷちゅ、とブリーフは頭からそこに突っ込んだ。
 「ふげえ、生理が来たのはいいことなんだろうけど、やっぱこれ辛いわ。SEXできねえし」
 と下腹を押さえ反省のかけらも見えないことを言いながらパンティは女子トイレの個室に入ってくる。
 「それに糞アフロに飲まされた下剤のせいでいまだに腹の調子おかしいしよ」
 と文句を言いながら、パンツを下げて、便器に座り、股間にぶら下がる紐を引っ張って、血を吸った円筒形の綿製品を取り出し、
 「あ〜あ。がっこ来るんじゃなかった」
 と呟きながらそれをsanitary boxに捨てると、新しいのに取り替えたりといろいろ処置をし終えて、また個室から出て行く。
 その直後、女子トイレの個室内で、どう考えても物理的に頭を通すことのできないはずの口から汚物入れに頭を突っ込んで苦しみもがく男が発見された。
 レスキュー隊が呼ばれ、電動ノコギリで容器が切り開かれ、中からその男の顔が出てきたとき、汚れてはいたものの、前髪が上げられた状態だったので、そのイケメンさに観衆は男女ともどよめきを上げた。
 それは映画『仮面の男』の男において鉄の仮面の下からレオナルド・ディカプリオの顔が出てくるのを彷彿とさせた。
 しかし、パンティが箱から転がり出た汚物を足先で選り分けながら、
 「あれ? ナプキンばっかじゃん! あたしのタンポンどこ言ったんだ!」
 と発言したことにより、群集はまた別の意味で騒然とした。
 どうやら頭を箱に突っ込んでもがいているうちに、食べてしまったようなのだ。
 先ほどその顔に見惚れため息をついていた男女たちが、次々と胃の内容物を床にぶちまけていく。
 こうしてブリーフは「パンティのタンポンを食べるために、物理の法則を捻じ曲げた男」として多くの蔑視と一部の尊敬を勝ち取ることになる。
 さすがブリーフ! おれたちにできない事を平然とやってのけるッ! そこにシビれる! あこがれるゥ!

(終)
706名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/25(土) 04:21:53.95 ID:1iDGc0x1
これでおしまいです。
pixivに投稿した『大列車強姦』も読んでいただければ嬉しいです。
慣れない物書いて大変でしたけど。
707名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/26(日) 08:29:50.80 ID:fl5wl6Wb
>>706
GJ!そしてGJ!!
飯食う前に読んで失敗したと思ったが、飯食った後に読んでも失敗だったかもなw

それから俺も>>692に便乗。
「パンスト姉妹、放置プレイ、わんこそば」に一票。
気が向いたら書いてくれ。
708名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/29(水) 02:10:11.67 ID:SmTuoVLO
>>707
感想ありがとう。
そのお題で何とか考えてみるよ。

今回の反省としては、ストッキングが途中退場したことかな。
基本的にパンティとストッキングが仲良くしてるとブリーフが入れなくなるし、
パンティとブリーフが仲良くしてると、ストッキングが動かなくなる。
だからこそ原作でも『パンティ+ブリーフ』ではストッキング退場が必要だったのかなあ、と思ったりする。
逆に僕も『不思議惑星キン・タ・マ』ではストブリ展開にするためにパンティを退場させなきゃいけなかったし。
つくづく3人で仲良くしてるのが想像できないやつらである。

逆にいうとそこにこそ二次創作のうまみがあるのかもしれない。
例えば3人を遊園地に行かせたらどうだろう、とか?
仲良し姉妹に空気を読めない男が一人ついてきた、と考えるのか、
ラブラブカップルに空気を読まない妹がついてきた、と考えるのか。
3人でコーヒーカップに乗るのか? 観覧車はどうするのか?
2人並んで乗るジェットコースターはどうするのか? 2人乗りの乗り物は?
なんだか面白くなりそうではある。
ただラブコメ苦手なので、誰か書いて。書き手求む。

あと、パラレルだから苦手な人もいるかもしれないけど、
パンティとブリーフの新婚生活に入り浸るストッキングというのもいいかもしれない。
ブリーフは本当は帰って欲しいんだけど、なかなかはっきり言えないの。
問題は、何だかストッキングが20代後半になってもゴスロリファッションに身を包んで、
自分はモテモテだから忙しいとバレバレな嘘をつく、痛い展開しかなかなか想像できないことだが。
こういうのも得意じゃないから、誰か書いて。書き手求む。
709名無しさん@ピンキー:2011/07/02(土) 13:11:30.86 ID:SArzIDn5
「パンスト姉妹、放置プレイ、わんこそば」で出来ましたので投下します。
パンスト姉妹っていうよりか、ただのパンティになってしまいましたが。
題名は『今日のわんこそば』です。
710きょうのわんこそば_1:2011/07/02(土) 13:12:47.20 ID:SArzIDn5
 「これはゴーストの仕業だ!」
 「いきなり街中でなんだよ!? でかい声出すな!」
 「しかも店の前でって……軽く営業妨害でしょ」
 ここはダテンシティに新たにオープンした日本食店の店先。日本食はナチュラルかつヘルシーなオシャレフー

ドとして、美容と健康を気にするオフィスレディーを中心に大人気である。
 その中には、本当の日本人からすると奇異な印象を持たざるを得ないようなものも多いのだが……
 というわけで、この新しい店にも予約が殺到、まさに大盛況である。天使の2人も気にはしていたところへ、

ガーターベルトがこの店に行こうと言い始めたから、大喜びでついてきた。
 そこで、冒頭の会話に至るのである。
 街を歩く人々はガーターベルトの突然の大音声に驚いて立ち止まって振り返り、それが見るからに怪しい巨漢

の黒人神父の口から発せられたのを知ると、そそくさと歩き去っていく。
 中にはいま現に店に入ろうとしていた家族連れもいて、子どもがあまりの恐ろしさに泣き始めてしまい、逃げ

るように店内に入っていった。
 「実はこの店、開店以来、中に入った客が外に出てきていないのだ! これはゴーストの仕業でしかあり得な

ーい なーい なーい なーぃ……」
 セルフエコーで断言するガーターベルト。そう言えば先ほどから入る客はいるが、出てくる客は一人もいない


 「それならさっき入ろうとする客を止めろよな」
 芝居がかったガーターベルトに呆れ顔のパンティ。
 「もしかして、古い客は人肉料理になって新しい客に供されているのかしら? エリンの『特別料理』みたい

に。ロマンチックで素敵!」
 またよく分からない趣味を披露するストッキング。
 しかし彼女らにもさらに怖ろしい事の真相はいまだ想像もつかなかったのである。
711また失敗した 再投稿 きょうのわんこそば_1:2011/07/02(土) 13:13:51.75 ID:SArzIDn5
 「これはゴーストの仕業だ!」
 「いきなり街中でなんだよ!? でかい声出すな!」
 「しかも店の前でって……軽く営業妨害でしょ」
 ここはダテンシティに新たにオープンした日本食店の店先。日本食はナチュラルかつヘルシーなオシャレフードとして、美容と健康を気にするオフィスレディーを中心に大人気である。
 その中には、本当の日本人からすると奇異な印象を持たざるを得ないようなものも多いのだが……
 というわけで、この新しい店にも予約が殺到、まさに大盛況である。天使の2人も気にはしていたところへ、ガーターベルトがこの店に行こうと言い始めたから、大喜びでついてきた。
 そこで、冒頭の会話に至るのである。
 街を歩く人々はガーターベルトの突然の大音声に驚いて立ち止まって振り返り、それが見るからに怪しい巨漢の黒人神父の口から発せられたのを知ると、そそくさと歩き去っていく。
 中にはいま現に店に入ろうとしていた家族連れもいて、子どもがあまりの恐ろしさに泣き始めてしまい、逃げるように店内に入っていった。
 「実はこの店、開店以来、中に入った客が外に出てきていないのだ! これはゴーストの仕業でしかあり得なーい なーい なーい なーぃ……」
 セルフエコーで断言するガーターベルト。そう言えば先ほどから入る客はいるが、出てくる客は一人もいない。
 「それならさっき入ろうとする客を止めろよな」
 芝居がかったガーターベルトに呆れ顔のパンティ。
 「もしかして、古い客は人肉料理になって新しい客に供されているのかしら? エリンの『特別料理』みたいに。ロマンチックで素敵!」
 またよく分からない趣味を披露するストッキング。
 しかし彼女らにもさらに怖ろしい事の真相はいまだ想像もつかなかったのである。
712きょうのわんこそば_2:2011/07/02(土) 13:14:41.67 ID:SArzIDn5
 「で、どうすんだよ。いきなり踏み込むのか? 保健所の立ち入り検査だとか言ってさ」
 銃を構えて突入する仕種をするパンティ。そんな保健所があってたまるか。
 「ううむ、そこまでは考えてなかった」
 腕を組んで考え込むガーターベルト。
 「そこまでって……なんにも考えてないんじゃない。まあ、いいわ。とりあえず中に入りましょうよ。潰しちゃうにせよ、噂の新店の味を確かめてからでも遅くはないわ」
 とドアをくぐるストッキング。残り2人もその後を追う。
 そのドアに「開店フェア! わんこそばスペシャル!!」というポスターがでかでかと貼ってあるのが目についた。
713きょうのわんこそば_3:2011/07/02(土) 13:15:23.95 ID:SArzIDn5
 中に入ると、そこはみんなわんこそばを際限なく食べ続けていること以外は普通の飲食店に見えた。
 「パパパパンティ!?」
 3人が店員に案内された席まで歩いていると、その途中で一人に男が一行に声をかける。
 「ブリーフ? お前こんなところで何やってるんだ?」
 それはおなじみの冴えない服装をしたおなじみの冴えない少年だった。しかしそれはおなじみの冴えない姿とは違い、明らかに腹部が異常に膨張しており、その上でさらに麺類を口にかきこみ続けている異様なものだ。
 「いいい一回食べてみて美味しかったらパンティを誘おうと思って来てみたんだけどね、たたた確かにすごくおいしいんだけど、ところがいくら食べても食べても店員さんがおかわりを注ぎ続けていくら食べても終わらないんだよ。
 このままじゃ僕、お腹が破裂して死んじゃうよ。だからその前にパンティ、君に会えてよかった。この世で最期に出会えた人が君だったら僕安心して天国に……」
 「パンティ〜? 何してるの、行っちゃうわよ〜?」
 恐らく話しかけられたことに気付きもしなかったであろうストッキングとガーターベルトがどんどん先へ行って、イライラとパンティを待っている。パンティもそれを聞いて、
 「おう! 今いく! じゃあな、またな。ブリーフ」
 と言って歩き出す。ブリーフは、
 「え!? ちょっと待ってよ! 今食べ終わるから!」
 と急いでお椀の中のそばをかきこむが、すぐにどこかに控えていた店員が新しい麺を補給してしまう。
 「ああ!? なんで!?」
 わめくブリーフを放っといてパンティは2人がすでに座ったテーブル席につく。
 ストッキングはすでにメニューの後ろの方を矯めつ眇めつ点検している真っ最中。
 「むむむ……これは凄いわ。あんみつにわらびもちにおしるこにぜんざい。他にもまだまだある! そんじょそこらの甘味処よりも品揃えがいいくらいだわ! これはよく研究してあるわね。む? この和風パフェってのは何かしら!?」
 と興奮気味で独り言を言い続けている。そこへまるで影のようにウェイトレスが現れて、
 「お客様、ご注文はお決まりでしょうか?」
 と囁き問いかける。ガーターベルトはストッキングが独占しているメニューは見ずに、本メニューとは別に一枚添えられた特集用の別メニューを指さして、
 「うむ。わしはこの『スペシャルわんこそば』を頼もうかの。あと食後のコーヒーを。そう! 悪魔のように黒く、地獄のように熱く、天使のように純で、まるで恋のように甘いやつを!」
 と自分の注文を言う。ストッキングも
 「わたしもそのわんこそばでいいわ。それでデザートなんだけどね……これとこれと、これと、あとこれと、それからこれ!」
 とメニューを素早く指さしていく。ウェイトレスはそれを全て高速でメモをとっていくと、最後に「復唱させていただきます」と言い正確に再現した。
 「デザートはメインが終わった後に、お出しすればよろしいでしょうか?」
 「うん、それでいいわ!」
714きょうのわんこそば_3:2011/07/02(土) 13:15:58.10 ID:SArzIDn5
 最後に残ったパンティが注文が終わってもメニューを手放そうとしないストッキングから、
 「お前それちょっと貸せよ!」
 と無理やり奪ってパラパラめくる。
 「今ならこの『スペシャルわんこそば』が大変お得に……」
 というウェイトレスの声を遮って、
 「そばなんて貧乏くさい物食べてられっかよ。肉だよ、肉! 肉汁たっぷりで血が滴ってるようなやつ!」
 と主張するパンティ。それに対してウェイトレスは慌てず騒がず、
 「それならこちらの『和風ステーキ』などはいかがでしょうか」
 と別の料理をおすすめしてくる。
 「まさか豆腐じゃあるめえな? あたしは、チ〇コも料理もふにゃふにゃなのは嫌いなんだ!」
 「いえいえ、正真正銘の動物肉でございます。それをさっぱりな味付けでヘルシーに仕立て上げてございます」
 「ううん。そのさっぱりでヘルシーってとこが気に食わねえんだが、しゃあねえ、それでいっか!」
 と言ってメニューを投げ渡す。それを回収したウェイトレスはジャパニーズ・スタイルに深々と一礼すると、
 「それでは良い御食事を」
 と言い残して影のように消えてしまった。
 料理を待つ間、ガーターベルトは瞑想し、ストッキングはスイーツについて誰も聞いていない蘊蓄を垂れ流し、パンティは暇なのできょろきょろ周りを見回していた。
 どのテーブルでもわんこそばを食べているようで、しかもそのどれもが先ほどのブリーフと同じ問題を抱えているようだ。みな腹がぱんぱんに膨れているのに、店員はおかわりを注ぎ続け、客は苦しみながらも律儀に食べ続ける。
 パンティはそれを眺め、
 「ああ、いい男いねえかなあ、S〇Xしてえなあ」
 といつも通りのことを考えつづけていた。
 そんなことをしている間に料理が来た。
715きょうのわんこそば_5:2011/07/02(土) 13:16:29.59 ID:SArzIDn5
 「むう! これは上手い! この上品な喉越し、それにこの蕎麦の香りを殺さない麺づくり。つなぎの小麦にもこだわりがあると見た」
 「むぐむぐ、蕎麦なんて正直どうでもいいわけよ。こんなのはスイーツ祭りに向けての前哨戦、いわば腹ごなしよ! むぐむぐ」
 2人は小さなお椀に入れられた蕎麦をものすごい勢いで食べはじめ、お椀が空になるたびに、ゆらりと空間のひずみから現れたような店員がおかわりを注ぐ。
 パンティは店内で一人だけわんこそばではないものを食べ始める。箸で食べやすいように一口サイズに切られたステーキを大根おろしや山葵で風味をつかられた何種類もの付け汁につけて口に運ぶ。
 (うん、うまい! 確かにうまいが……でも、なんの肉だこりゃ?)
 止めどなく蕎麦を体内に流し込み続ける2人を差し置いて、パンティは食べ終わり紙ナプキンで口の周りを拭き、指を鳴らしてウェイトレスを呼ぶ。
 「あたしはこの街で有名なセレブのパンティ様だ」
 と名乗ると、
 「このステーキ、美味かったぜ。話がしたい、ってコックに伝えな」
 とウェイトレスに言伝をたのむ。
 すぐにレストランの奥から素晴らしくそびえたつコック帽をかぶったコックが出てきた。店内のシャンデリアにコンコンぶつかりながらこっちに向かってくる。
 見ればケツアゴが割れた、筋骨隆々たる威丈夫である。それを見てパンティの目の色が変わる。
 「いやいや、まさかそんなセレブが我がレストランにいらっしゃってるとは。私も店長とコック長の兼任をしておりまして、厨房の仕事で精いっぱいでして。本当なら、もっと早く御挨拶にまいるべきでした。
 お詫びと言ってはなんですが、厨房の中をご覧になってはいかがでしょうか?」
 「あら、いいの? お邪魔ではないかしら?」
 パンティが突然声色を変えてコックにすり寄る。その太い腕に抱きついて、自分の体の柔らかい部分を押しつける。
 「いえいえそんな。汚い厨房をこの街のセレブに見せることの方が心配なくらいですよ」
 と談笑しながら2人はレストランの奥に消えていく。
 「く、苦しい。しかし神のしもべであるわしが、神の恵みである食物を残すことなんてことをするわけには……おお! 神よ、我に力と胃袋の隙間を!」
 「ま、負けるもんですか……これを食べ終わらないと、デザートが出てこないのよ。これさえ、これさえ食べ終われば、デザートが食べれる。スイーツ祭りよ。甘いものは別腹なのよ……」
 呻きながら箸を動かし続ける残された2人。そんな中、おや、ストッキングのようすが……
 「うぐぅおおおおおおおおおおおおおううううううううううううううううう!!!!!!」
 わんこそばを猛スピードで食べ続けるストッキングは次第に巨大化を始め、
 「うお、なんだ!?」
 一番近くにいたガーターベルトをまず手始めに下敷きにして、ますます膨張し続けた。
716きょうのわんこそば_6:2011/07/02(土) 13:16:55.97 ID:SArzIDn5
 「Oh! Yes! Ah! Uh! Come on! Come on! Oh, I'm Comin'」
 パンパンパンパンパンパン
 厨房の奥で卑猥な音が響き続ける。寝転がる場所がないのでパンティが床に四つん這いになって後ろから男の物を受け入れている。
 「Oh! すごい! なんてすごいあわびなんだ。こんな素材は初めてだ!」
 ズボンをずり下げて下半身丸出しになったコックが、パンティの細い腰に指を食いこませて讃嘆の声を上げる。
 しかし突然、
 「う!? うごわあ!?」
 と叫んでソーセージ用の羊の腸に包まれた己の一物を引き抜く。
 「と、溶ける! 俺のチン〇が浄化される!?」
 と自らの股間を眺めたかと思うと、驚愕の表情で相手を見、
 「お前! 天使か!?」
 と叫ぶ。
 「そういうあんたはゴースト!?」
 そこでパンティはようやく「これはゴーストの仕業だ!」という5秒で忘れてしまったガーターベルトのセリフを思い出す。
 「く、くふおううう!!」
 唸りながらゴーストがその正体を現す。耳が頭の上に移動し三角にとがる。鼻と口が前方に伸びていき、歯が鋭くなり、犬歯が長く伸びる。
 「い、犬!? ハ! まさか!?」
 思い当ることがあったパンティは急いで自分の後ろにあった冷蔵庫を開く。するとその中に入っていたのは、
 「やっぱり犬の肉! なるほどなあ、どおりで急にワンコスタイルのFuckがしたくなったわけだ」
 そしてズバッとゴーストに指を突きつけ、
 「さてはお前、韓〇人のゴーストだな!」
 と決めつける。
 「はあっ!?」
 ゴーストが呆れて物も言えないでいると、パンティはさらに
 「お前は韓〇人のくせに日本食をパクってレストラン開いて、罪もない人びとを永遠に抜け出せない無間地獄に引き込むとはいい度胸だ」
 とゴーストの罪を数え始める。
 「おいおい、犬の肉だから韓〇人で、韓〇人だから日本のパクりって短絡的でしかも想像力が欠如しすぎてるだろ!? それに俺は確かに日本人じゃないけど、日本食レストランを出店するにあたって、日本食だけでなく日本の文化は研究しまくったっつうの!
 あのわんこそばだって、れっきとした日本の文化であってだな、お椀の蓋を閉めるまで店員がおかわりを注ぎ続けるシステムだって、ちゃんとメニューに但し書きを書いておいたし……」
 「バーカ! この街の住人がそんな但し書きなんか読むと思うのが間違いなんだよ! 
 だいたいあたしにはそんなことどうでもいいんだ! あたしはただヘブンが欲しいだけなんだよ! お分かり? Give me HEAVENs! Are you underdtand?」
 「ちょ、ちょっと待てよ!」
 パンティは足首に引っ掛かっていた鮮やかな赤のパンティを蹴り上げて指に引っ掛けると、素早く天界兵器バックレースに変成する。
 「客の知能レベルを過信したことを、悔い改めな!」
 BLAM!!
 「ニ、ニダーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」
 どんがらがっしゃーーーーん!!!
 天界の光の塊りを眉間に打ち込まれ、内側から大爆発した後にはヘブンコインが二つ転がっていた。
 それを拾いながらパンティは
 「あんたのすりこぎ、あたしのすり鉢にごりごりいって、なかなか悪くなかったぜ。それだけは評価してやるよ」
 と言い、裏口から外に出ていった。
717きょうのわんこそば_7:2011/07/02(土) 13:25:24.98 ID:SArzIDn5
 「しかしまあ、ヘブンは手に入ったけど、結局消化不良だよなあ、イケなかったし」
 パンティは一人でシースルーを運転しながら、教会に向かっている。
 そして腕時計を見て時間を確認すると、まっすぐ帰るのをやめて、方向転換する。
 「どっかで、いいチ〇コ拾って帰らねえと、スッキリしねえわなあ」
 その背後、先ほど走ってきた方向で大きな土煙が起こる。何か巨大な肉塊がものすごい勢いで膨張し続け、街の建物を次々と押しつぶしているのだ。
 そちらの方向から人びとが次々と逃げてきて、パンティは「こりゃいいや、掴み取りだ」と避難民の間に目を光らせてイケメンを探す。まさに阿鼻叫喚。
 ダテンシティは今日も平和です。
718名無しさん@ピンキー:2011/07/02(土) 13:26:51.67 ID:SArzIDn5
これで終わりです。
なお、私は韓〇に対して何か意見があるわけでなく、ただ単にネタとして使っているだけなのであしからず。
さて、次は何で書くかな
719名無しさん@ピンキー:2011/07/10(日) 06:20:25.22 ID:4+LdsD4R
保守
720名無しさん@ピンキー:2011/07/11(月) 00:28:21.91 ID:IAHYmHcJ
結構長くなっちゃったけど、お題「雷、乳首、ブリーフ」で書きました。
題名は『避雷針降臨』です。
721避雷針降臨_1:2011/07/11(月) 00:29:02.11 ID:IAHYmHcJ
 「ふへ、いやらしく立ちあがっちゃってさ。そんなに舐めて欲しいのかよ?」
 「パパパパンティ!? や、やめっ…! 恥ずかしいよ……」
 「なに言ってやがんでい。お前だってあたしのここ、弄るの好きだろ?」
 「そそそそれは……だって、そこ触ると、パンティ気持ちよさそうだし……それに……」
 「それに?」
 「それに……触ってると、だんだん固くなるの……面白いし……」
 「そうだろ? あたしだっておんなじだよ。ほら、あたしの舌使いにかかったら、と」
 「パパンティ!? それとこれとは、問題がちがっ、あっ! だ、だからさ……や、や!」
 「男の癖にかわいい声出してんじゃねえよ。それはあとであたしが見本見せてやるから、今は男らしくドンと構えてろ! しかしまあ、すべすべの肌だこと。羨ましくなるね」
 「パ、パンティは胸毛とか生えてて、ワイルドな方が好きなんだよね」
 「まあ、どっちかってえと、そういうのの方が好みだが、別にお前が気にすることじゃねえよ。男ってのはみんな違ってみんないいもんだよ。そんなことより、下っ腹に力入れて九九でも数えて、さっさとイっちまわないように気をつけな」
 「分かったよ! 僕パンティのためなら、どんなに気持ち良くてもイクの我慢するよ!」
 「よく言った。それじゃご褒美に、二ついっぺんに責めてやるよ」
 「ああ! だ、駄目だよ! パンティ! そそそそんなことされたら僕! おかしくなっちゃう!」
 パンティの部屋のベッドの上で2人の男女の声が聞こえる。男の方が恥ずかしがったので灯りは消されていて、ただ二つの影が絡まり合っているようにしか見えない。ときどきベッドが軋みを上げ、少しずつ2人の興奮の度合いが上がっていることを示している。
 それ以外の物音はしない。パンティはハッピーな音楽を掛けながらするのも好きだが、ブリーフは相手の声がしっかり聞こえる方がいいといったのだ。この部屋以外の教会全体が眠っているような、もしくは耳を澄ませているような、そんな静けさだった。
 しかしそのとき、折りから奇妙な空模様を見せていた教会上空の天候が急変、雲の間を幾筋もの雷光が閃き、そしてそれが教会めがけて落ちてきて。
 「パ、パンティ! 次は僕のばあぎゃぎゃぎゃぎぎぎぎひひひひひいいいいいいいいいいいっっっっ!!!!!?」
 それが最高に突っ立っていたブリーフの乳首に命中。まるで感電したように、いや実際に感電したのだが、ブリーフは光を発しながら、ベッドの上で痙攣する。
 そして非科学的なことに、一瞬骨が外から丸見えになったかと思うと、こんがり焼けたブリーフがベッドの上に落ちてぴくぴく震えている。
 「ブ、ブリーフ!?」
 さすがのパンティもSEXの途中で相手が死んでは困るので、心配してブリーフの肩を揺さぶる。
 ガターン
 大きな音を立ててドアが開かれ、誰かがつかつかと中に入ってくる。びっくりしたパンティが振りかえると、そこに立っていたのは巨漢の黒人神父。
 「ガーター!? お前、あたしらの性生活監視するのをやめろって前から……」
 パンティの抗議を無視し、ブリーフの体を調べ始めるガーターベルト。
 「ふぁんひ、ほへっへ、ほふほふぁんふぃほ、ふぉふぉはんはひょへへごぐぅわがががががが」」
 解説すると、前半は、ブリーフが口を動かそうとした音である。
 パンティが「あたしら」と発言したことに軽い感動を覚え、「パンティ、それって、僕とパンティのことなんだよね」と確認しようとしたのだ(もしかしたら「パンティとストッキング」と言う意味なのかもしれない)。
 しかし口が上手く動かないので、それは誰にも判別できない音になってしまった。
 そして後半は、ガーターベルトがその開こうとした口に無理やり腕を突っ込んだ音である。そしてそれが引き抜かれると、その手には唾液でべたべたになった紙片が掴まれており、その片面には、
 lightning rod(避雷針)
 とだけ書いてあった。
722避雷針降臨_2:2011/07/11(月) 00:29:54.58 ID:IAHYmHcJ
 「これは神からのありがたいヒントだ!」
 ガーターベルトが厳かに宣言する。
 「一体それはどういう……」
 パンティがその裸身にシーツを巻きつけながら訊く。
 「うむ! 避雷針とは雷がより高く聳え立つ物に落ちやすいことを利用し、あらかじめ高く立てておいた針に雷を落とさせ、それを地面に流すことにより、雷の被害を防ぐものだ。
 つまり、この神のヒントが我々に示そうとしていることは、立ちあがった乳首に雷が落ちないようにするためには、より高く聳え立つものを立たせればいいということなのだ!」
 ガーターベルトがどこにでも出てくる便利なホワイトボードで分かりやすい図説付きの説明をする。しかし、それに納得できないブリーフは、いろいろと反論しようとするのだが、
 「でもガーター。そもそも普通の雷だったら、家の中には入ってこないし、僕の乳首がいくら立とうが、教会の天辺の方がずっと高いのは当たり前だし、それに
 「よしきた! これをおっ立てれば万事解決ってわけだな!」
 パパパパンティ、駄目だよ! あ! そそそれを立てても地面に電気は流れないからなんにも安全じゃないし、それにそんなところに雷が落ちたら僕、僕、絶対死んじゃうよ!」
 「それくらいで死ぬたまだったら、さっきの落雷ですでに死んでおる」
 パンティを止めようともせず、事態を静観するガーターベルト。そこへ、
 「なあに、うるさいわねえ。眠れないじゃない」
 眠たげな眼を擦りながら開けっぱなしのドアから現れたのは、紫の縞縞寝巻を着たストッキングだった。
 「一体あんたら何やってんのよ」
 ストッキングの抱えているぬいぐるみの目が突然明るく輝き部屋の中を照らす。そして明らかにされたのは、パンティがブリーフの立派な一物を右手でシュッシュと擦って立たせようとするのを変態黒人神父が冷静な目で観察している姿だった。
 「あほらし。リビングのソファで寝てくる」
 呆れて去って行こうとストッキングに、ブリーフは賢明に縋る。
 「ちょちょちょっと待ってよストッキング! パンティは僕のチンコに雷を落とそうとしているんだよ! お願いだからパンティを止めてよ!」
 自分で止めろよ、とストッキングならずとも思うところだが、当の本人は
 「おいおい、止めてもいいのかよ」
 「ああ! 止めないで! このままイカせて!」
 「だ〜め。雷が落ちる前にイカせたらなんの意味もねえじゃん」
 「そんなあ! ストッキング! お願いだからパンティを止めるか止めさせないかして! もしくは君がイカせて!」
 とシーツをぎゅうぎゅうに握って、後頭部とつま先を支えにブリッジしながら腰を上に突きだし、その聳え立つ避雷針はまるでモスクの尖塔のようになっているような状態なので、とても無理だろう。
 というか誰ひとり何が目的で何が手段なのか何が何だか分けが分からなくなってしまっているようだ。
 ストッキングは蔑みの視線をブリーフによこして、
 「あら、電気プレイ? あれは気をつけた方がいいわよ。わたしも以前試したことがあるけど、結局上手くいかず、男を45人再起不能にしちゃっただけだわ。わたしはいいんだけど、人間て脆いでしょ?
 電気で無理やり射精させるとかは面白いんだけどねえ」
 と笑いながら言う。
 「ほ、ほら、聞いたパンティ? 僕が再起不能になったら困るでしょ? ね?」
 ブリーフは賢明に説得しようとする。
 「ほれほれえ。口では抵抗していても、体は正直だぜえ」
 まったく話を聞いていないパンティ。
 そのとき、またもや教会上空で怖ろしい轟音がしたかと思うと、サンジゲン特製のCGで雷が教会に突き刺さる。
 「うおおお!」
 「ぬう!」
 パンティは弾きとばされ、ガーターベルトは聖書で目を保護する。パンティの部屋が凄まじい光に包まれ、誰ひとりまともに物を見ることはできない。
 次第に光が収まり、肌をちりちりさせる感じと生臭いオゾンの臭いが残る。
 そしてようやく目を開くことができたとき、
 「ちょ、ギークボーイ! あんたのチンコ……」
 「Oh! Super COOL!!!」
 「ぬおお! まさにLightning Rod(稲妻の棒)!」
 驚きで眼を見開く三人の視線の中心にあったのは、
 「おおお! チンコに! チンコに力がみなぎる!」
 いくつもの電光の火花を纏った光り輝く巨大な肉棒を腰に供えたブリーフだった!
723避雷針降臨_3:2011/07/11(月) 00:31:33.98 ID:IAHYmHcJ

 「すげえ、お前のチンコ、超カッコいいよ!」
 「パンティ、このチンコでなら、君を何回でもイカせられそうだよ」
 ブリーフが神々しくなった股間のシンボルを自慢げに聳え立たせて言う。
 「それじゃ、お味の方はどうかな?」
 パンティが火花に気をつけながら、その光と熱の塊りに手を添えようとする。しかし、そこにもう一つの手が伸びる。
 「ストッキン?」
 バチバチと爆ぜる光に目を細めながら、興味深げにブリーフの特大キャンディを観察する。
 「おいストッキン! 分かってるだろうけど、これはあたしのだぜ!?」
 「別にいいじゃない、一回ぐらい味見させてくれたって。こんなのわたしも初めてみるのよ。こういう珍しいのは好きなのよ。大体減るもんじゃないでしょ?」
 「いや、普通に減るだろ」
 パンティは不機嫌顔だが、妹の頑固さも知っているので、仕方なさそうに溜息をつくと、
 「しゃあねえなあ。今回だけだぞ、つまみ食いは。次やったら殺す」
 としぶしぶ承諾する。
 「殺せるものならね」
 ストッキングはパンティに意味ありげな視線を送って、その舌を手のひらの中で異様な熱を発するそれに這わす。根元から先端の方へアイスキャンディを味わうように舐め上げると、その舌の上を微細な電流が這いまわる。
 「なるほどこれは刺激的な味ね。はっきり言って、嫌いじゃないわ」
 思わず笑みをこぼすストッキング。
 「おい、お前だけずるいぞ!」
 パンティも慌てて、先端を舌でチロチロ愛撫する。先走り液の代わりに空中放電の火花が舌と先端の間に掛け橋を作る。
 我先にと自分の股間にむしゃぶりつく2人の天使にご満悦なブリーフは、
 「こらこら、こういうのは勝負事じゃないんだから、そんなにあせっちゃだめだよ。僕はどこにも逃げないからさ」
 と上から目線で(実際見降ろしてはいるが)2人をなだめる。
 「むう、一体神は我々に何を見せようというのか? チャック! 最後まで記録を怠るでないぞ!」
 「チャーック!!」
 ガーターベルトは最初から物陰に隠れていたビデオカメラを持つチャックに命令を下している。
 「く! なんだこれ? フェラしてるあたしの体がビリビリしてきた」
 パンティが悩ましげな顔をして呻く。
 「あらパンティ、もう降参?」
 テスラコイルのように袋の中で放電している二つのボールを舌で弄んでいたストッキングがパンティを挑発する。
 「なにを!」
 パンティは強がりを言うが、
 「じゃあ、なんでこんなに汗だくなの?」
 といつの間にか自身光と火花を発しはじめているストッキングの舌で肌を舐められると、
 「ちょ? な? なんだこれ?」
 伝導率の上がってしまった皮膚の上を幾筋もの電気が流れ、
 「や、やめ! あ! こ、こんなの初めて!」
 ぞわぞわと皮膚の神経を刺激していくのに悶えてしまう。
724避雷針降臨_4:2011/07/11(月) 00:32:45.97 ID:IAHYmHcJ
 それを見てストッキングは、
 「じゃ、わたしも体全体で味わわせてもらうわね」
 と寝巻の胸をはだけて、その双丘を露出させると、
 「あんたの胸じゃこんなことできないもんねえ。ある程度ないと男を喜ばせられないのよ」
 とシーツの上で痺れてもがくパンティに侮蔑の視線を送りながら、ブリーフの分身を柔らかく包み込む。
 「ああん! 電気がピリピリして、くすぐったあい!」
 自分の胸を押しつぶすようにムニムニしたり、上半身を上下させて、その棒が自分の体に与える効果をいろいろな角度で確かめると同時に、自分の体の感触を相手に感じさせようとする。
 「ス、ストッキング。す、すごいよ! 君のおっぱい!」
 その感触に夢中になり、とろけそうな息を吐くブリーフ。
 「でしょう? ほら、あんたのもののはずのギークボーイもこう言ってるわよ?」
 「くっ!」
 悔しそうな顔でダウン状態から立ちあがろうとするものの、自分の体の制御をなかなか取り戻せないパンティをしり目に、ストッキングの攻勢は続く。
 「ねえギークボーイ。あんたの自慢のチンコでわたしの乳首、つついてみたくない?」
 上目遣いで甘えたような声でそう言われてブリーフは有頂天。
 「え? いいの?」
 「いいわよ。好きにしていいのよ、わたしのおっぱい」
 そんなことを言われておっぱいの誘惑に我を忘れそうになるブリーフ。しかし息も絶え絶えのパンティの姿を見て自分を取り戻しかけるが、ストッキングの参加を許したのはパンティだから別にいいやと結局思い、チンコでストッキングの胸を苛め始める。
 「すごい! 柔らかくて、チンコが埋もれていきそうだよ!」
 「ああん! な! なにこれえ! 乳首ビリビリするう! おかしくなりそう!」
 未体験の刺激にストッキングも悲鳴を上げる。
 「ケ! ガキみてえなプレイしてんじゃねえよ!」
 そこへ体勢を整えたパンティ再参戦。体をストッキングとブリーフの間に割り込ませ、
 「これが必殺のディープスロートだ!」
 とブリーフの巨根を根本までまるごと口に入れて、喉元を突き上げるそれに涙目になりながら、高速で出し入れし始める。
 「パ、パンティ! 張り切り過ぎだよ! それだとすぐにイっちゃうよ!」
 止めようとするブリーフの声に耳を貸さずに、ストッキングに付け入る隙を与えまいと必死に自分のオトコを死守しようとする。
 「フン! なにムキになってんのよ。みっともない」
 いいところを邪魔されたストッキングは仕方なくブリーフの後ろに周り、胸を背中に押しつけながら、首筋や耳朶に舌を這わし、
 「ススススストッキング! 駄目、そこ汚いよ!」
 「なに感じてんのよ、変態。やっぱ変態神父に開発されちゃってるわけ?」
 その白い細い指で、ブリーフの後ろの穴を弄りはじめる。
 「もしかして、ところてんとかも経験済み?」
 手慣れた手つきで遠慮なく内部に指を侵入させ、許されざる快楽器官を刺激し始める。
 その間もパンティはブリーフを根本から吸い上げ引っこ抜くようなバキュームフェラチオを続けている。
 「駄目! ああ二人とも! お願いだから! ああ! 出る! 出ちゃうよ! ああ!」
 パンティの口元で光のタワーがさらに凄まじい輝きを発し始める。
725避雷針降臨_5:2011/07/11(月) 00:34:08.80 ID:IAHYmHcJ
 「うわあ、なんだ?」
 思わず口を離すパンティ。
 「なにこれどうなっちゃうの?」
 ブリーフの腰にしがみつくようにそれに手を伸ばすストッキング。
 二つの柔らかい天使の指先で優しく撫でられ、限界を迎えるブリーフ。
 「イクゥ!!」
 それはまさに旧約聖書にあるソドムとゴモラを滅ぼした天の火であり、ラーマヤーナではインドラの矢とも伝えているものだった。
 周囲から一瞬EMLの先端に光が集まったかと思うと、プラズマ化された精液が超音速で飛びだし、パンティの顔面をかすめてドアを粉みじんにし、その向こう側にある別の部屋やらその他もろもろをことごとく破壊した。
 もしパンティが顔を離していなかったら確実にものすごく咽ていたであろうことが予測される。
 しかし、それだけではなかった。
 同時に余剰の電力が周囲に放出されてブリーフの蛍光灯に手を触れていたパンティとストッキングに襲いかかった。
 「What? OOOHHH! NO! や! か! 体がああ! あああん! 気持ちよすぎるううううう!」
 「あああん! なに? なんなのこのエッチな電気? なんでわたしの気持ちいいとこがわかんのよ!?」
 2人の皮膚の上を尺取り虫のように電気の火花が這いまわる。そしてまるで意思を持つかのように性感帯を刺激しながら往復しはじめる。
 「ああん! みみはだめえ!」
 「首筋も背中も変なのお! ああん!」
 全身を駆け巡る奇妙な感覚に足腰立たなくなり、ブリーフにしがみ付くようにシーツの海にへたり込んでしまう2人。
 「2人とも大丈夫?」
 ブリーフは心配そうに話しかけるが、自分の内部での出来事に精いっぱいな2人の耳には届かない。
 「乳首! 乳首だめえ!」
 先ほどブリーフにしたことのバチでも当たったのか、ピンク色のボタンを痛いほど充血させしこらせたパンティは、自分を乱れさせる幾つもの電気の虫が、体のある一点、快楽の終着駅へと集まり始めていることに気付く。
 「あああん! そこは! 分かんなくなっちゃう! こんなの初めてすぎてなんにも分かんなくなっちゃう! あああああイクイクイクイックウウウウウ!!!!!」
 臍の上を流れる幾つもの淫靡な電流が濡れた裂け目の上部にある小さな突起に集中して励起させ、LEDのように光らせた。
 「あああああああああああああああいいいいいいいいいいい!!!!!」
 膝立ちのままシーツに潮の雨を降らせてパンティは意識を失う。
 「ダメ! 上がってきちゃう! わたしまでおかしくなっちゃう!」
 電流はストッキングの体では逆に背中から一度足先へ集まって、そこからゴール目指して這い上がってきているようだ。
 パンティがどうなってしまったかを今見てしまったばかりなだけに、ストッキングはそれに制御できない恐怖と期待を感じてしまう。
 電流が火花を散らした場所では点々とストッキングが焼け焦げた穴が開き、その火花が少しずつ両脚の付け根に近づいていく。そこは寝巻が乱れて露わになっているものの、未だストライプのショーツに隠された秘密の花園だ。
 「ダメ! ダメなの! 来ちゃダメ! 来ちゃダメなのに来ちゃうウウウ!!! イッチャウウウウ!!!!」
 最後の救いを求めるように気絶したパンティに抱きついてストッキングも電気的絶頂に到達させられてしまう。内側からの火花でシンプルな下着は焼け焦げてしまうが、すぐに大量の透明な体液により消しとめられる。
 そしてストッキングもまたパンティと絡み合ったまま、ブリーフの膝下にダウンしてしまう。
726避雷針降臨_6:2011/07/11(月) 00:35:28.29 ID:IAHYmHcJ
 それに困惑するのはブリーフだ。
 「あの……お二人さん。僕、全然おさまってないんだけど……」
 と、一度の射精くらいでは、まったくエネルギーの貯蔵量に影響もないという感じのライトセイバーを股間にぶら下げて、何だか手持無沙汰な顔をしている。
 それを聞いて黙って意識を失ってられるビッチではない。目の前にチンコがあるのに寝ているなんて許されないことなのだ。パンティは力の入らない手足を踏ん張って、どうにか立ちあがろうとする。
 しかし先にダウンから這い上がって、ファイティングポーズをとったのはストッキングだ。
 「ふ。電気プレイの経験の差が出たわね」
 そして腰タックルでブリーフをベッドに仰向けに寝かすと、その上に馬乗りになって、そのプラグを露わになった自分のソケットにあてがう。下着は焼け焦げてただのぼろきれになってしまって脱ぐ必要もなかった。
 汗だくになり自分もまともに呼吸が出来ないでいるストッキングは、それでも何とか笑った表情を作ってシーツの海に溺れるパンティを見降ろして、
 「目の前で自分の男がわたしのモノにされちゃうのを見てなさい」
 と言って、浮かしていた腰を沈め、一気にブリーフの発光キノコを根本まで飲み込む。
 「ああああおおおおおんんん」
 その衝撃にまるで獣の遠吠えのような声を上げるストッキング。
 「凄い! これは初体験のチンコだわ! パンティだったら絶対手放さないでしょうね! でもわたしが唾付けちゃったもんね。ほら、いやらしくわたしの甘いジュースでベタベタになっていくのが、あんたのところからでも見えるでしょ!」
 と接合部を誇示するように、ズチャズチャと音を立てて腰を上下させる。
 パンティは悔しそうに「うぎぎぎぎ」と歯ぎしりしながら、それを睨みつける。
 「なんなのこのチンコ? 硬いとか大きいとか以前に燃えて溶けちゃいそうなくらい熱い! それにわたしの奥を付くたびに脳天まで突かれてるみたいに、背骨に電流が突き抜けるの! もう最高! ずっとこうしてたい!」
 ストッキングは上下運動をやめ、今度はクリトリスを摺りつけるような前後の高速グラインド運動にうつり、ますます顔を蕩けさせ夢中になっていく。
 するとストッキングの透きとおるような白い肌が喩えではなく本当に内側から発光しはじめ、体に纏わりついていた長い髪がふわりと空中に広がっていく。
 「やあん! なんなのこれえ! 体中に気持ちいいのがたまってっちゃう! これじゃ、体中でイッちゃうよう!」
 興奮したストッキングが自分で自分の胸を揉みしだき始めると、指先と乳首の間に紫色の空中放電が起き、それがまたストッキングの体を感電したように(いや今回は本当に感電しているのだが)痙攣させる。
 「決めたわ! このチンコはわたしのモノよ! パンティなんかに渡さないからね!」
 そう宣言するストッキング。パンティはまだ喋れる状態ではないようだ。
 しかし、それとは別の人物から異議がさしはさまれる。
 「残念だけど、ストッキング。僕のチンコは君のモノにはならないよ」
 それは今までストッキングにされるがままになっていたブリーフだ。
 「凄く気持ちいいのは認めるよ。でも雷の力を手に入れた上、一発抜いて冷静になった僕はそんなのじゃ堕ちないよ。
 君ら姉妹は全然似ていないようでいて妙に似ているけど、あそこの感じも不思議なくらい似てるよ。でもパンティのは全然違うんだ。
 締まるだけじゃだめなんだよ。テクがないとね」
 「ハ、ハア? あんた何を言ってキャア!」
 自分のものの具合を姉と比べて品評された上、一体何様なのかと言う偉そうな言い方でDisられるという屈辱に、文句の一つも言わせてもらおうと思ったストッキングの言葉が暴力的に中断される。
 それまでマグロになっていたブリーフが突然下から突き上げを始めたのだ。
727避雷針降臨_7:2011/07/11(月) 00:36:01.54 ID:IAHYmHcJ
 「あ! ちょ! あん! 激し! すぎ! きゃん!」
 体の奥底に火のついた松明を抉りこまれる衝撃にまともに言葉が出なくなる。
 「だからこれくらいじゃ、一つ上の男になった僕をモノにはできない!」
 そしてブリーフは急に上半身を起こしたかと思うと、ストッキングの体を抱えて逆にベッドに押し付けるようにひっくり返してしまう。静電気で広がっていた髪がシーツに放射状に広がる。
 そして腰で体を二つ折りにし、脚で肩を押さえつけるようにして、お尻を上げるような形にすると、緩い地盤を固めるための杭打ち機のように真上から勢いよく貫いては、ぎりぎりまで引き抜く運動を始めた。
 「ひぎいい!! 壊れる! オマンコ壊れるう」
 「大丈夫! 君もパンティの妹なら大丈夫だ。パンティはもっとすごい事をやっても大丈夫なんだから!」
 そして仰向けにされて少し重力で潰れて押し広げられている胸を、握りつぶすような力で鷲掴みにすると、
 「それにパンティは何人もの男に同時に責められても平気な顔で主導権を握るんだよ。君にそんなことが出来るのかい?」
 とその先端を引きちぎるように噛みついた。
 「うぎゃああああ!」
 痛さに涙を流しながら悲鳴を上げるストッキング。しかし嫌がってるわけではなく、
 「ああん! ダメェ! これ以上されたら! わたしがあんたのモノにされちゃう! なにをされてもヨくなっちゃう!」
 と顔をぐしゃぐしゃにして、自分でもよく分からないことを喚く。
 「ええ? パンティのモノである僕が他の女性を、しかもパンティの妹を所有していいのかなあ? それはあとでパンティと相談しなきゃ答えられないから保留にしておいて。今はそんなことより」
 と自分も動きにくい無理な体勢をやめて、ストッキングの腰を掴んで無理やり四つん這いにすると、
 「いくよ! 最後のフィニッシュ!」
 とバックから高速ピストン運動をかましはじめる。
 「やっ! かはっ! がはっ! ひゃっ!」
 ストッキングはもう何かしゃべることも何か考えることも出来ない。頭の中でいくつもの火花が散り、そして頭の外にもいくつもの火花が散っていた。
 「ほら、やっぱり感じる部分もパンティとそっくりだ! じゃそこでイカせてあげる。僕がイクときに一緒にイカせてあげるよ!」
 とますます往復スピードを速めていくブリーフ。
 そして
 「うおおおおおおおお出る出る出るデルーーーーーーーーッッッ!!!!」
 接合部でひと際光が強くなったかと思うと、幾つもの巨大な空中放電の火花が2人を結びつけ、ブリーフの中に溜めこまれていた破壊的なエネルギーがストッキングの中に撃ち込まれた。
 ストッキングがつぶっていた目を見開くと、目だけでなく鼻や耳口などの顔の穴と言う穴から、内側からサーチライトのように光が漏れだし、まるで頭蓋骨の中に電球でもあるみたいだった。
 「ぎひいいいいいいいいい!!!!!」
 ストッキングが人と思えないような声を上げると、内側からの光が急速に強くなり、単なる光の塊りにしか見えなくなり、そして
 どっかあああああん!!!
 文字通り爆発した。
 パンティはベッドから吹き飛ばされて、床に落ち、そのショックで正気を取り戻して、ベッドに這い上がろうとすると、焦げたベッドの爆心地に黒焦げになったストッキングが倒れている。
 着ていた寝巻は全てけし飛び、肌も真っ黒、自慢の長髪は真っ黒なアフロになってしまっている。
 「ストッキン……おめ……ぷふ! ぶはははははは!」
 それを見て笑い転げるパンティ。しかしストッキングは上の空で
 「た、堪能したわあ」
 と呟くことしかできない。
 「ブリーフ。ストッキンをこんな風にしちまうなんて、お前なかなかやるじゃねえか」
 ブリーフに話しかけようとするパンティ。しかしブリーフはまた別の原因でその言葉が耳に入らない。
 「チ、チンコが疼く。何回出しても疼きが止まらない。う? うおおおおおおおおおお!」
 と叫んだかと思うと、先ほどの落雷で割れていた窓ガラスから全裸のまま飛び出していってしまう。
 「おい? どこ行くんだ? あたしまだ一回しかイッてないぞ!」
 「しまった! あまりに強すぎる力が制御できなくて、暴走したか!?」
 ぶすぶすいってるストッキングを置いて、ガーターベルトとパンティはチャックの運転でブリーフを追いかけ始める。
728避雷針降臨_8:2011/07/11(月) 00:37:04.52 ID:IAHYmHcJ
 「あ! ちょ! あん! 激し! すぎ! きゃん!」
 体の奥底に火のついた松明を抉りこまれる衝撃にまともに言葉が出なくなる。
 「だからこれくらいじゃ、一つ上の男になった僕をモノにはできない!」
 そしてブリーフは急に上半身を起こしたかと思うと、ストッキングの体を抱えて逆にベッドに押し付けるようにひっくり返してしまう。静電気で広がっていた髪がシーツに放射状に広がる。
 そして腰で体を二つ折りにし、脚で肩を押さえつけるようにして、お尻を上げるような形にすると、緩い地盤を固めるための杭打ち機のように真上から勢いよく貫いては、ぎりぎりまで引き抜く運動を始めた。
 「ひぎいい!! 壊れる! オマンコ壊れるう」
 「大丈夫! 君もパンティの妹なら大丈夫だ。パンティはもっとすごい事をやっても大丈夫なんだから!」
 そして仰向けにされて少し重力で潰れて押し広げられている胸を、握りつぶすような力で鷲掴みにすると、
 「それにパンティは何人もの男に同時に責められても平気な顔で主導権を握るんだよ。君にそんなことが出来るのかい?」
 とその先端を引きちぎるように噛みついた。
 「うぎゃああああ!」
 痛さに涙を流しながら悲鳴を上げるストッキング。しかし嫌がってるわけではなく、
 「ああん! ダメェ! これ以上されたら! わたしがあんたのモノにされちゃう! なにをされてもヨくなっちゃう!」
 と顔をぐしゃぐしゃにして、自分でもよく分からないことを喚く。
 「ええ? パンティのモノである僕が他の女性を、しかもパンティの妹を所有していいのかなあ? それはあとでパンティと相談しなきゃ答えられないから保留にしておいて。今はそんなことより」
 と自分も動きにくい無理な体勢をやめて、ストッキングの腰を掴んで無理やり四つん這いにすると、
 「いくよ! 最後のフィニッシュ!」
 とバックから高速ピストン運動をかましはじめる。
 「やっ! かはっ! がはっ! ひゃっ!」
 ストッキングはもう何かしゃべることも何か考えることも出来ない。頭の中でいくつもの火花が散り、そして頭の外にもいくつもの火花が散っていた。
 「ほら、やっぱり感じる部分もパンティとそっくりだ! じゃそこでイカせてあげる。僕がイクときに一緒にイカせてあげるよ!」
 とますます往復スピードを速めていくブリーフ。
 そして
 「うおおおおおおおお出る出る出るデルーーーーーーーーッッッ!!!!」
 接合部でひと際光が強くなったかと思うと、幾つもの巨大な空中放電の火花が2人を結びつけ、ブリーフの中に溜めこまれていた破壊的なエネルギーがストッキングの中に撃ち込まれた。
 ストッキングがつぶっていた目を見開くと、目だけでなく鼻や耳口などの顔の穴と言う穴から、内側からサーチライトのように光が漏れだし、まるで頭蓋骨の中に電球でもあるみたいだった。
 「ぎひいいいいいいいいい!!!!!」
 ストッキングが人と思えないような声を上げると、内側からの光が急速に強くなり、単なる光の塊りにしか見えなくなり、そして
 どっかあああああん!!!
 文字通り爆発した。
 パンティはベッドから吹き飛ばされて、床に落ち、そのショックで正気を取り戻して、ベッドに這い上がろうとすると、焦げたベッドの爆心地に黒焦げになったストッキングが倒れている。
 着ていた寝巻は全てけし飛び、肌も真っ黒、自慢の長髪は真っ黒なアフロになってしまっている。
 「ストッキン……おめ……ぷふ! ぶはははははは!」
 それを見て笑い転げるパンティ。しかしストッキングは上の空で
 「た、堪能したわあ」
 と呟くことしかできない。
 「ブリーフ。ストッキンをこんな風にしちまうなんて、お前なかなかやるじゃねえか」
 ブリーフに話しかけようとするパンティ。しかしブリーフはまた別の原因でその言葉が耳に入らない。
 「チ、チンコが疼く。何回出しても疼きが止まらない。う? うおおおおおおおおおお!」
 と叫んだかと思うと、先ほどの落雷で割れていた窓ガラスから全裸のまま飛び出していってしまう。
 「おい? どこ行くんだ? あたしまだ一回しかイッてないぞ!」
 「しまった! あまりに強すぎる力が制御できなくて、暴走したか!?」
 ぶすぶすいってるストッキングを置いて、ガーターベルトとパンティはチャックの運転でブリーフを追いかけ始める。
729避雷針降臨_8 失敗したので再度:2011/07/11(月) 00:38:43.84 ID:IAHYmHcJ

 愛と欲望の街ダテンシティの眠らない歓楽街。今宵もここでは様々なドラマが進行していた。しかしそのすべてを中断させる叫びが街にこだまする。
 「大変だ、みんな逃げろ! 全裸だ! 全裸男がチンコで町を破壊している!」
 たちまちにして街は阿鼻叫喚。人びとは我先に逃げようとして蹴飛ばし合い、余計に逃げる効率を下げることに専念している。
 彼らの後方ではブリーフがひたすら自らの得物をシコシコ擦りたて、ときどきエネルギー砲を建物や道行く女性に向けて発射している。
 その一つが狙いを逸れて天空高く放たれた後、角度を変えてまた地上めがけて振ってきて、ビルの一つを粉々にした。
 「ありゃ一体どうなってやがんだ?」
 パンティがそれに疑問の声を上げる。
 「あれはバベルの塔のシステムだ!」
 ガーターベルトが断言する。
 「もともとは古代アトランティス人の恒星間通信システムだったバベルの塔を太古の戦争時に反射衛星砲に改造して使ったのだ。
 その衛星は未だに軌道上に存在しており、それがブリーフの股間のバベルの塔とシンクロを起こしたのだ!」
 「じゃ、あれを使うと……」
 「そう! 世界中全ての場所をその場に居ながらにして攻撃できるのだ! 世界を征服することすら不可能ではない!」
 それを聞いて意を決したパンティがシースルーの後部座席から立ち上がって、ブリーフの方に向かって歩き始める。
 「なんでもいいけど、だったら止めた方がいいな。あの初心なギークに世界征服とかははっきり言ってむいてねえよ。ベッドの上で妙に自信過剰になってるのも感心しねえしな」
 裸体にシーツを巻いただけのその後ろ姿にガーターベルトが言葉を掛ける。
 「彼を止められるのは恐らくパンティ、お前だけだ。頼むぞ」
 それに対してパンティは
 「なにしおらしくなってんだよ、らしくねえなあ。だいたいおめえに頼まれなくたって、勝手にあたしでやるさ。あいつのチンコが人に迷惑掛けてるんなら、半分はあたしのせいだからな」
 と笑ってそのまま戦場へと足を運んだ。その肩からシーツが滑り落ち、細く白い、しかし肉の締まった背中が露わになる。
 それはガーターベルトの目からさえ、少し神々しく見えたのだった。
730避雷針降臨_9:2011/07/11(月) 00:39:15.60 ID:IAHYmHcJ

 「おい見ろ! あれを!」
 「なんだあれは?」
 「女だ! 今度は全裸の女が出たぞ!」
 「なんてこった! 世界はもう終わりなのか?」
 「いや待て。お互いに戦い合って、勝った方が体力を回復する前に倒せば人類は救われるかもしれない」
 「もしかしたら全裸の男と全裸の女は本能で呼び合うのかもしれないな。ゴジラとキングコングのように……」
 「いつから全裸の人間は怪獣になったんだよ……?」
 群衆が遠巻きに見つめる中、パンティはブリーフを怖がらせないように両手を広げて、少しずつ近づいていく。
 「うおおおおおお!」
 錯乱したブリーフがパンティに向けて股間のメガ精子砲をぶっ放す。
 「くうっ!」
 電磁気で加速させた高エネルギー精子の束がパンティの体を貫く。普通の肉体なら、強制的な受精により卵子でもない細胞を残らず破壊して死に至らしめる怖ろしい兵器だ。
 しかし長年の経験により、気合いで受精を回避する術を手に入れていたパンティは精神力で踏み堪える。
 (あぶねえあぶねえ。もしこいつがストッキンにでっかいのをぶちまけてなかったら、確実に五回は妊娠してお釣りが来るところだったぜ。ストッキン、聞こえてるか? おめえの死は無駄じゃなかったぜ)
 死んでません。
 (しかし、ブリーフのやつもやるようになったじゃねえか。でもな……)
 「いくらいいチンコを持ってたって、自分でコントロールできないやつは塀の中に入れておくか、GPS付けるしかねえんだよ!」
 震えて今にもその場に崩れ落ちそうな膝にどやしつけてパンティは一歩一歩ブリーフに近づいていく。
 「うおお! おお! ぐおおお!」
 ブリーフはその姿に恐怖を覚えたのか、何発も何発もパンティに向かって連射する。
 しかしパンティはそれらを避けもせず、全てその身で受け止めてなお前進する。
 「へっ、この場合早撃ちは全然自慢になんねえぞ。前から言ってるだろ、早いだけじゃダメ、テクがないとね、って。そのためには自分のチンコはちゃんと調教しておかないと駄目なんだよ」
 いまやパンティはブリーフの目の前だ。
 「まあ、お前が溜まりすぎておかしくなったらあたしにも責任があるよな。魔法使い一直線の童貞にSEX教えちまったのはあたしだもんな」
 そこでパンティはもう一度、相手の全てを受け入れるように両手を横に一杯に開いて、まるで聖母のような柔らかい笑顔で、
 「だから来なよ、ブリーフ。さっきの続きが終わってないぜ。お前のその溜まりに溜まったリビドー、全部あたしが受け止めてやるぜ」
 と言い、抱きしめた。
 「「「「「うおおおおおお!!!!」」」」」
 見守っていた群衆に歓声が上がる。
 「パンティ? 僕は一体……?」
 ブリーフが正気に戻ってキョトンとしている。
 「いいんだブリーフ。もう終わったことだ」
 そんな彼をパンティは愛おしげに眼を細めて見つめ
 「ほんと、男ってのは困った生き物だよ」
 とその唇に自らの唇を重ね、そのまま、
 「Oh! YES! OH! OH! OH MY GOD!!!」
 「ああ! パンティ! パンティ! やっぱり君は最高だよ! もう君から離れられなくなっちゃうよ!」
 「「「「「うおおおおおお!!!!」」」」」
 そのまままぐわい始め、群衆から別の意味で歓声が上がる。
 パンティとブリーフの公開SEXの周りに群がる人ごみを遠目で見ながらガーターベルトは安堵の溜息をつく。
 「ふう。これで何とか一件落着と言うわけかの。しかし……」
 そこで頭を捻って少し悩みこむ。
 「結局、神は我々になにを見せようとしていたのか」
 それは書いている途中で私もどんどん分からなくなっていったことなのだった。
 
 (終)
731避雷針降臨_9:2011/07/11(月) 00:40:55.71 ID:IAHYmHcJ
これでおしまいです。
それではまた会いましょう。
次は「散髪、ロリコン、ママ」ですか。
大雑把なネタはできてきてます。
732名無しさん@ピンキー:2011/07/12(火) 06:45:15.14 ID:dc8bqwm/
>>731
GJ!!!エロシーン含めて堪能したわぁwww
オチのいい加減さも原作すぎて好きだけど、「いつから全裸の人間は怪獣になったんだよ」が
何故か個人的に激しくツボったw
だからこのスレやめられないんだよなw
733名無しさん@ピンキー:2011/07/13(水) 23:24:47.53 ID:OwcYTSbG
>>732
感想ありがとう。
pixivでも結局たいした反応はないので、今のところあなたたちだけが心の支えだ。
なんだか、このキャラたちが気に入りすぎて、永遠にこいつらで小説書けそうな勢いだ。
日常生活に支障をきたすレベルで。
とりあえず書いてて思ったことは、カワイイのはパンティで、エロいのはストッキングだってこと。
あと、ホネコネコをまったく生かしてないことに気付いたので、今後の課題とする。
ホネコネコを生かすアイディア・お題があれば、どうかご教授を。
734名無しさん@ピンキー:2011/07/19(火) 20:47:10.32 ID:bha7CJYK
書き手募集兼保守
735名無しさん@ピンキー:2011/07/24(日) 13:14:48.55 ID:vb/VjMTc
夏っぽいネタ募集兼保守
736名無しさん@ピンキー:2011/07/28(木) 02:44:55.57 ID:d/O5M5Bn
次回作が完成したけどもう夜遅いので明日の夜にでも
737名無しさん@書き手募集中:2011/07/28(木) 20:02:08.10 ID:d/O5M5Bn
それでは投下します。
題名は『コックとCock、その持ち主と恋人』です。
お題とは関係ない小説です。
注意としては、
いつも通りパンティとブリーフはセフレ以上恋人未満の関係です。
あと人肉食描写がありますので、苦手な人はご注意ください。
あとパンティが死んでるように見えますが、あまり気にしないように。
一見シリアスに見えるかもしれませんが、いつも通りの馬鹿小説ですので安心してお読みください。
738コックとCock、その持ち主と恋人_1:2011/07/28(木) 20:03:36.85 ID:d/O5M5Bn
 「Fuck Jesus! あんな奴らにしてやられるなんて……」
 「しゃべっちゃ駄目だよ、パンティ。ほら、こっちだよ」
 「すまんなブリーフ。だけどお前はここまでだ。あたしは大丈夫だから、さっさと逃げな」
 「パンティ、君は嘘が下手だね。もし君が大丈夫なら、そもそも逃げてなんかいないで、単身デーモン姉妹に突っ込んでいってるよ。ほら、僕のことはいいから、どこか隠れられるところを探そう」
 裏通りの暗い道を、二つの影が寄り添って歩いている。女の方が男に支えられているのだ。女はわき腹を押さえている。彼女の着ているピンクのキャミソールのそこの部分からはどす黒い血が大量に染み出していた。
 「ストッキングは大丈夫かな?」
 「あいつなら心配すんな。何したって大丈夫なのは姉妹喧嘩で実験済みだ」
 「こんなときにガーターがいてくれたら……」
 「それは言ったってしょうがねえよ。そもそもあたしらで低能姉妹を引きつけておくうちに、ガーターがあれを運ぶ計画だったんだ。そういう意味じゃ、計画は成功してるってわけだ」
 「君がこんな目にあって、何が成功なもんか」
 女の方がよろける。ふらつく足元には高すぎるヒールの靴を履いているのだ。
 「パンティ!」
 男が慌てて抱きかかえる。その体は異様に冷たく、いつもの軽やかさが消えていた。
 「パンティ。あと少し行けば大通りに出られる。そしたら人目があるから、あいつらだってそう無茶なことはできない。
 それにあそこにはロック財団が経営しているホテルがあるんだ。父さんと関わる場所だから避けてたけど、あそこのレストランのコック長は僕を小さいころから可愛がってくれた人なんだ。
 だから、例え父さんが市長やあの悪魔姉妹と関わっていたとしても、その人は僕らをかくまってくれるはずだよ」
 ブリーフはパンティの冷えた手を温めるように握って、元気づけるようにそう言う。しかし、パンティの呼吸は浅くそして荒い。それでも、パンティはブリーフの元気づけに答えるように精いっぱい笑って、
 「レストランか。そいつぁ、都合がいい」
 と呟いた。そして真面目な顔になると、
 「ブリーフ。よく聞け。ガーターがいない今、もしあたしがストッキングと一緒にあいつらにつかまっちまうと、反撃の手段がなくなっちまう。それはまずい。
 だから、絶対にあいつらにつかまるわけにはいかない。そのためには、お前の協力が必要だ。
 ブリーフ。よく聞いてくれ」
 と、そう言って、ブリーフの耳元に顔を近づけて、幾つかの言葉を囁きかけた。
 「え?」
 ブリーフにはその言葉の意味が理解できなかった。困惑しているブリーフに対してパンティは、
 「いいか、わかったな。言葉のまんまの意味だぞ。性的な意味じゃなくてな。まあ、別にあたしは性的な意味にとってくれても構わないんだがな」
 と冗談を言っているみたいな顔で茶化す。だが、ブリーフにはパンティが冗談を言っているわけではないことがちゃんと分かった。
 「分かったよ、パンティ。ちゃんと君に言われたようにする。責任を持って」
 いつになく、口元を緊張させてそう言うブリーフの顔に、パンティは手を差し伸べて、
 「もっと顔よく見せてよ、ブリーフ」
 と、目にかかった鬱陶しい前髪を左右に払う。するとそこにはパンティを、パンティだけを見つめる緑色のりりしい瞳が現れた。
 数秒それに見とれていたパンティは、大きく息をつくと、残った力を振り絞って上に伸ばしていた腕をだらりと下げ、力なく目をつぶった。そして、
 「あたしは少し疲れた。だからしばらく寝るよ。だからさ、ブリーフ」
 かすれるような小さい声で、こう言ったのだった。
 「おやすみのキスをしてくれよ」
 華やかな都市の片隅の闇の中で、二つの影が優しく重なり合う。
739コックとCock、その持ち主と恋人_2:2011/07/28(木) 20:04:59.30 ID:d/O5M5Bn
 ********

 「坊ちゃん、一体これはどういう……」
 「お願いだ、アーネスト。なにも訊かないで、僕の行った通りにして欲しいんだ」
 人目につかないように裏口から入ってきたブリーフに、すでに仕事を終えようとしていた厨房は騒然となった。彼が、その両手に抱えて入ってきた女が、青白く死んでいるようにしか見えなかったからだ。
 しかし浮足立つスタッフを一喝で鎮めたコック長が後ずさりする集団より一歩前に踏み出し、かつて自分の息子のように可愛がって長い間会っていなかった少年に話しかけると、少年は絞り出すような声でそれに答える。
 「分かりました。坊ちゃんがこの街の様々なことに関わり合いになられていることは、お父上から聞いて存じ上げておりました。それならば、それ以上はなにも訊きますまい。それで坊ちゃん。わたくしは何をすれば?」
 そういうコック長の答えに、ブリーフは両目に涙を溜め、
 「ありがとう。ありがとう」
 と嗚咽をかみ殺しながら言うことしかできない。
 だが今は泣いている場合ではない。ブリーフは手の甲で涙を振り払うと、動かないパンティの体を空いている台の上に横たえた。
 いつもは健康的に色づいている肌はまるで冷凍したかのようにその色を失っているが、それでも彼女は美しかった。
 いや、その姿はまるで大理石の彫像に神が命を吹き込んだようで、いつも以上に人間離れした美しさを発散していた。地上の人間にとっては硬直と腐敗へと続くはずの死が、地上の者ではない彼女には違う作用をしているようだった。
 しかしその美しさの中で、わき腹に固まった大量に血の跡が、不吉に均衡を崩している。服が大きく裂け、傷口が見えている。
 それは切りつけたのではなく、何か刃物を一度突き刺して、横に引き裂いたような傷だった(例えば大きな鎌のようなもので)。
 ブリーフは横たえたパンティのスカートの裾や襟首など、衣服の乱れたところを直してやって、力を失った手を、胸の上に組んであげた。
 その間もブリーフの手は冷たくなってしまった肌の上を愛でるように撫で、ときどき彼女の愛らしい膝小僧や手の甲、普段は前髪に隠れているおでこなどにキスをしていった。
 それは愛情深げであると同時に、何か歪んだものを感じさせる鬼気迫る姿だった。それを見ている者たちはその姿に尋常ならざるものを感じ、思わず目を背ける者もいた。
 もしだれも見ている者がいなかったら、どこまで彼はやったのだろうか? とそこに居合わせた一人は後に思い出しながら考えたという。
 ブリーフはそれらの作業に満足すると、コック長に向かって、あることを言う。
 「坊ちゃん!? いくらなんでもそれは!」
 コック長は驚いて、止めようとするが、それを赤毛の前髪の中からわずかに覗く緑色の鋭い視線が射抜く。コック長はその少年の幼いころの、弱さと強さ、優柔不断さと頑固さの奇妙な同居を思い出した。
 「分かりました。やりましょう」
 コック長はあきらめて、ブリーフの言うがままにすることにする。こうなった彼を誰も、そうあの強権的な父親でさえも、止めることはできないということをこの老人はよく知っているのだ。
740コックとCock、その持ち主と恋人_3:2011/07/28(木) 20:05:50.48 ID:d/O5M5Bn
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 ブリーフは個室を用意してもらって、一人きりのテーブルについて、料理の到着を待っている。もじゃもじゃした普段の髪の毛は丁寧に梳かし付けられていて、服も白いタキシードに着替えている。
 わがままついでに要求したら、コック長がすべて用意してくれたのだ。少し悪いな、とは思ったが、これからやることはブリーフにとって重要なことなので、精いっぱいかしこまりたかったのだ。
 ほとんど足音も立てずにコック長が部屋に入ってきて、ブリーフのところまで皿を持ってくる。
 「前菜のレバーと挽肉のパテで御座います」
 蓋を開けると、そこにはすり潰したレバーと挽肉に野菜を混ぜて焼いたのち、冷やして薄く切ったものが、薄切りのレモンやパセリとともに、皿にのせられていた。
 「油は何を使ったの」
 ブリーフはなかなかフォークを持とうとせず、相手の顔を見ずに訊いた。
 「言われた通り、渡された素材の中から手に入れた物で代用しました」
 「この野菜は? あと少し香辛料の匂いもするようだけど」
 「オードブルの役目は、食べる方の食欲を促進することです。そのために入れました」
 ブリーフはその答えを聞いて、短く溜息をつく。
 「出来る限り素材意外のものは使わないで、と言ったのに。食べるための最低限のことをしてくれればいいんだ」
 するとコック長は、
 「言われた通り、出来る限り素材の味を生かす料理をしたつもりです。それに、出来る限り美味しく坊ちゃんに召しあがっていただいた方が、素材も喜ぶと考えたのです」
 と答えた。さらにそれに付け加え、
 「地球上の生物は、別に人間に食べられるために存在するわけではございません。だから私は今言ったようなことは、普段なら偽善として避けている言葉でした。
 しかし、今なら、今に限って言うならば、本当のことだと思うのです」
 と言うと、それを聞いたブリーフは薄く笑い、
 「そうだね。君の言うとおりだ、アーネスト。料理の専門家は君だ。だから君に任せたんだ。僕はただ、食べるだけだ」
 と言い、フォークを持ち、皿の上の料理に向ける。調理された肉にそれを突き刺すとき、一瞬だがブリーフは、まるで自分が痛みを受けたような顔をした。
 そしてすべての肉片に一度キスをしてから口にし、まるで口全体で味わうように、大切そうに咀嚼する。
 「アーネスト、下がってくれ。一人で、いや違うね、彼女と二人きりでいたいんだ」
 ブリーフにそう言われて初めて、コック長はその食べ方に目を奪われていたことに気付いた。なぜかその行為が、ひどく淫靡な、そう、愛の秘め事のように見えていたのだ。
741コックとCock、その持ち主と恋人_4:2011/07/28(木) 20:07:20.21 ID:d/O5M5Bn
 ********

 ブリーフは舌でその肉片を愛撫しながら、彼女の言葉を思い出していた。
 「あたしの体を残らず食べてくれ。残らずだぞ。骨一本、髪の毛一本残らず。時間かかってもいいから、ちゃんと味わってくれよな」
 そう言った彼女の顔は、普段からは信じられないほど弱弱しかった。しかし、不思議とそこに焦りはなかった。その瞳に見た信頼の輝きに、ブリーフは命に代えても答えたいと思った。
 だから、アーネストに無茶を承知で言ったのだ。
 「彼女を料理して僕に食べさせてくれ。骨一本、髪の毛一本残らないように」
 アーネストはそれに答えてくれた。
 今も、さっき2人でばらした彼女の体を丁寧に調理してくれている。
 最初は、厨房のスタッフを助手に使おうとしたのだ。しかし、まず血を抜くためにいざパンティの白い首筋に肉切り包丁の刃を当てようとしたとき、その男が吐き気に耐えかねて嘔吐きはじめたのだ。
 ブリーフは思わずその男を突き飛ばしていた。驚きの視線がブリーフに集まる。
 「ごめん、つい……」
 ブリーフ自身も自分の行動に驚いているようだった。そして突きとばしてしまった男に手を伸ばそうとするのだが、その男は床に蹲って胃の内容物を床にぶちまけてしまう。
 ブリーフはその背中をすまなそうな、そして何より悲しそうな目で見ながら、
 「彼女を汚されたくないと思ったら、体が反応していたんだ」
 と呟いていたが、何かを決心したように、顔をあげるとコック長に向き直り、
 「やっぱり、助手は僕が務めるよ。技術はないかもしれないけど、僕なら精神的に参ったりしないと思う。それに実は、そもそもできるだけ誰にも彼女にさわってほしくはなかったんだ」
 と言って、作業の下準備のために先ほど自分で優しく服を脱がせたパンティの裸体を愛おしそうに撫でると、代わりの肉切り包丁を手に取り、
 「だから、僕がやるよ」
 と言った。その声にもう迷いはない。
 そしてコック長は、自分とブリーフ以外の人間はみな外で待機させ、2人きりで作業を始めた。
 まずは先ほどやろうとしたように、綺麗な喉の真ん中を包丁で切り裂いて、心臓に近い大動脈を切る。よく研がれた刃は、力を入れながら引くとまるで豆腐を切るように肉に入り込んだ。
 そして体を傾けて、血を容器の中に流し込むが、すでに心臓が止まってしまっているために、たいした量は出てこない。それでもブリーフは、その血を一滴もこぼさないように神経を集中した。
 「血抜きが遅れてしまいましたので、毛細血管に固まった血がたまり、肉に臭みがついてしまっていると思われますが……」
 コック長がブリーフに報告する。がブリーフは、
 「彼女の匂いが僕に不快だなんてことは論理的にありえないから大丈夫」
 と特に問題とは考えていない。
 次は、今後の作業の邪魔にならないように、彼女の長いブロンドの髪を切ることにした。
 「ごめんねパンティ。君の自慢の髪の毛、切るよ」
 ブリーフはそのふわふわの髪の毛を数回撫でると、その中に顔をうずめて、肺いっぱいに空気を吸い込んだ。そしてバリカンで根本から刈っていく。刈った毛はやはり丁寧に集める。
 刈り終わると、つるりとした頭皮が現れる。
 「君たち姉妹はパンクっぽいところがあったから、もしかしたら思いつきでこういう髪形にしちゃうかもしれないよね。もちろん僕は反対するよ」
 ブリーフの独り言は止まらない。
 「僕はこの髪に凄く憧れてたんだから。ほら、僕の髪、ごわごわだからさ」
 次はもう一か所だけ毛の生えていた場所、つまり下の毛もついでに処理することにした。とはいっても、普段からきちんと手入れされているので、うっすらとしたものではあったが。
 ブリーフはその薄いドアマットが誘いこもうとしている愛らしい裂け目に優しくさよならのキスをして
 「パイパンにすると入っているところが良く見えるから君向きかもしれないね」
 と言ってその最後の体毛を剃りおとしてしまう。
742コックとCock、その持ち主と恋人_5:2011/07/28(木) 20:08:07.85 ID:d/O5M5Bn
 全身つるりとしたその姿を見て、ブリーフは
 (ストッキングが見たら大笑いするだろうな。腹を抱えて床に転がって)
 と考えて知らず知らず笑みをこぼしてしまう。横に控えるコック長は先ほどからの独り言もあって、気が気ではない。
 「坊ちゃん……」
 ブリーフはしかし至って冷静のようにも見える。
 「次はどうしたらいい?」
 済んだ瞳でそう問いかける。
 「食道と気管とを切り離して、胃の入り口を何かで止めておきます。でないと中身が逆流して肉が汚れますので。あいにくここには専門の道具はありませんので、適当なクリップで代用することになりますが……」
 「よし時間がない。急ごう」
 ブリーフとコック長はさらに切り開かれた天使の胸の中に手を突っ込んで、腕やエプロンを血で真っ赤に汚しながら懸命に作業した。
 「胃の内容物はどうするの」
 「捨てて洗いますが……まさか坊ちゃん!?」
 「いやそれはさすがに止めとくよ。彼女の妹がスカトロプレイの話をすると彼女、顔を顰めてたもの」
 「そ、そうですか」
 その作業が終わると、次は首を切り離す作業に入る。切断部分の周りの皮を剥いでおき、包丁に力を入れて頸椎を切り離す。これはブリーフが自分がやると言った。
 専用の大きな包丁でも骨を断つのにはかなりの力をようし、ブリーフは汗を滲ませながら体重を一点に掛けた。ゴットンと重く嫌な音を立ててパンティの首が胴体から切り離される。
 血で汚れてはいるが彼女の表情はまるで眠る幼子のように純真無垢で、その首がごろりと転がっている様は壊れた人形のようでもあるが、首の切断面の生々しさがその退廃的な美を決定的に破壊している。
 それをみてさすがのブリーフも悲壮な表情をしていたが、悲しみに屈しないように心を奮い立たせて、作業を続ける。
 彼女にとってはそこも愛の門であった愛らしい黒ずんだ菊の花を切り開いて、直腸を引き出していき、やはり中身が出ないように口を閉じておく。
 その後はナイフそしてデハイダーという空気圧を利用した小型回転のこぎりのようなもので、皮を剥いでいく。
 すぐに服なんか脱ぎ捨ててしまいがちだったパンティがいつもより一枚多めに脱いでいき、ブリーフの目の前でそれまで誰にも見せたことがないほど裸になっていく。
 「君の全てを見せてもらうよ。いまさら嫌がっても遅いんだからね」
 腹部を開いて、内臓を取り出していく。邪魔な肋骨をのこぎりで切りおとしながら、まずは大きな綺麗な肺から、そして個性的なパーツを順次手に取っていく。胃や腸は透きとおるように白く、肝臓や心臓は情熱的に赤い。
 「さすが君だよ。お腹の中までこんなにも綺麗だ」
 ブリーフは思わず溜息をつく。下の方を切り開き、子宮と卵巣を取り出したときには、ブリーフの表情に神聖な儀式をとりおこなうような荘厳な緊張感がみなぎった。
 「これが君の……」
 いつになくおしゃべりな男がいっとき言葉を失う。
 そして残りの全ての場所の皮を剥ぎ、背骨を切断して肉を分解していく。もうそこにあるのは誰がどう見ても一人の人間ではなく、単なる食肉の塊りだ。少し前まで、そこに美しい女体が横たわっていたと誰が信じよう。
 人は死ねば物になる。いや、そもそも死のうが生きようが人体と言うのは「物」に過ぎないのだ。その自然界の掟に天使ですら抗えないのだろうか。
 「坊ちゃん、ここまでやれば、あとは私と、あとスタッフたちの仕事です。坊ちゃんの次の仕事はちゃんとした場所でちゃんとしたマナーで、食材に恥じない食事をすることです。だからそちらの準備をして下さい」
 血で汚れた額の汗をぬぐってコック長が言う。
 「そうだね。くれぐれも約束を守ってね。何一つ無駄にしないように。全てが僕の口に入るように。お願いね」
 仕事の成果を複雑そうな顔で見回していたブリーフが精一杯の笑顔でそう答えた。汚れた腕で汗だけでなく涙も拭ったことにより、その顔は血まみれになっていた。
743コックとCock、その持ち主と恋人_6:2011/07/28(木) 20:09:16.20 ID:d/O5M5Bn
 ********

 料理が次々と運ばれていき、静かに、荘厳に、ブリーフがそれを口に運んでいく。
 「骨髄を使ったスープでございます」
 「赤身肉のステーキでございます」
 「腎臓の中華風炒めものでございます」
 「胃や腸の肉を使ったシチューでございます」
 普段はそれほど大食いではないはずのブリーフが次々と大量の料理を平らげていく。その姿はまるで口の中に溶けて消えていくようだった。
 実際まったく食べたものが腹の中に溜まっていかないことにブリーフは驚いていた。ちゃんと肉の歯ごたえや喉ごしはあるのに食べたあと体の中で、まるで天使の羽根のように軽くなってしまうのだ。
 そして食べた満足感だけ残しながら、ますます食欲を刺激していく。それはまるで、
 (君との恋みたいだ)
 とブリーフは思った。
 「皮を挽肉に混ぜたブラッド・ソーセージでございます」
 普通は臭いがきついはずの血を使った料理もまったく気にならなかった。それどころか清浄な香りによってすがすがしい気分になりさえした。それが喉を通るたびに体の中が浄化されていき、天使の血を食べているということを実感させられた。
 自分の血管の中で、自分の血とパンティの血が混ざるのを感じた。彼女の血液が血管の内側を優しく愛撫していくのを。
 (いま、初めて僕は君を僕だけの物にしてるんだ。もっと早くこうしておけばよかったんだ。僕の体の中に入れてしまえば、誰も君に手は出せない。これなら永遠に、僕ら2人だけで誰にも邪魔されずに暮らせるんだ)
 次にコック長が持ってきたのはスープの中に、まだ形の残った脳が浮いているものだった。茹でられ少しピンクがかった色になった脳にバジルが色どりを添えている。
 ブリーフは出来る限り口に入れるまで傷つけないように慎重にスプーンでそれを掬いあげ、まるごと喉を通して言った。まったりとした味わいが口に広がり、なめらかな舌触りとするりとした喉ごしが食を進ませる。
 (君はあんまりいろいろ考えているようには見えない人だったけど、君にもちゃんと立派な脳みそがあったんだね。感心しちゃったよ。今度ストッキングにパンティの頭に入ってるのはゲロじゃないって、ちゃんと言っとかなきゃ)
 塩コショウで軽く味付けされただけのスープには、パンティの脳の記憶や感情が溶けだしているような感じがして、飲む込むたびに、言葉にならないイメージの閃きのようなものが、ブリーフの脳裏を飛びかった。
 (君は僕にとって理解できないところの多かった人だったけど、今なら分かるよ。君はどこまでもまっすぐに生きたかっただけなんだよね)
 そしてそのイメージの群れの中には確かにブリーフの姿もあって、思わず彼の涙腺を緩ませる。
 次に出てきたのはパンティの手足の先をじっくりと中華風に煮たものだった。時間がなくて圧力釜で作った即製物だとコック長は弁解するが、ブリーフはただうなずいてコック長を引きさがらせる。
 かつて自分の体を愛し、弄んだ細く白く美しい指が、茶色くたれを滲みこませて香ばしい香りを立てて湯気を上げている。わざわざ命令して切らせないでおいた赤くマニキュアを塗られた爪だけが、美しく整えられ同じ色で輝いている。
 堪え切れなくなったブリーフはスーツが汚れるのもかまわず素手でその手を取り上げ、遮二無二しゃぶりつき始める。
 かつてパンティはブリーフに自分の手や足の指先を舐めさせることがあった。そんなとき彼女はサディスティックな笑みを浮かべてブリーフを上から眺めおろしていたものだった。
 今もブリーフは口の周りや手を油でべたべたにして歯や舌を使って肉を骨からこそげ落としながら、そのパンティの視線を感じざるをえなかった。
 「そんなにがっつくなって。あたしはどこにも逃げやしねえよ」
 そして肉を全て舐めとってしまうと、今度は骨をばりばりと噛み砕いて、飲み込んでいく。皿を下げに来たコック長が、なにもなくなってしまった皿を見て目を丸くする。
744コックとCock、その持ち主と恋人_7:2011/07/28(木) 20:11:07.74 ID:d/O5M5Bn
 その次に持ってきたのは舌肉の胸肉の串焼きだった。重要な部位なので大切に味わおうと思って、ブリーフ派口に入れる。熱い舌肉のコリコリした歯ごたえを楽しんでいると、自分の舌がその舌に絡めとられるような錯覚に陥る。
 ブリーフは目を閉じてその感触に酔った。記憶の中でパンティが顔を近づけて口の中に舌を差し込んで、ペチャペチャと唾液を流し込んでくる。
 「お前キス下手だな」
 顔を離して息が肌を撫で合うような至近距離でパンティが笑う。
 「キス下手だと女にモテねえぞ。モテない奴はキスまで持っていけねえけど」
 ブリーフがそれに対して不服そうに言う。
 「僕はパンティ以外にモテたいとは思わないよ」
 それを聞いたパンティ、分かってねえなあ、という顔をして、
 「あたしはモテてる男が好きだよ」
 と言う。エエッ!? と驚くブリーフに、
 「みんなが欲しがるようなやつをあたしがとっちまうのが面白いのさ。お前だって、そう言う理由であたしが欲しいんじゃないのかよ?」
 と質問する。それに、
 「全然違うよ! 僕がパンティを好きなのはむぐぐ」
 とブリーフは答えようとするが、パンティはそれには興味がないとばかりにまた舌に吸いつく。
 そして今ブリーフはパンティに教わったキスの仕方を復習するように、パンティの焼けた舌肉に舌鼓を打つ。
 今度は胸肉に手を伸ばす。焼いても固くなっていないその柔らかい肉は確かにパンティのその愛らしい肉の感触だった。いつもならブリーフが強く歯を立てすぎると、痛くて怒ってしまうのだが、今回はそんな心配もない。
 ブリーフは最初は優しく、そしてだんだんと荒々しく、肉にしゃぶりつき、歯を突きたてていく。
 (パンティのおっぱいはこれでいいんだよ。君の大きさが僕の理想だよ。君の全てが僕にとって理想的だったようにね)
 ブリーフがそう感想を言うと、赤くなったパンティが
 「お前のためだけの胸じゃねえんだよ」
 と言う姿が目に浮かんだ。そしてその脂肪をたくさん含んだ柔らかい肉を飲みこみながら、
 (残念。もう僕のためだけのものになっちゃった)
 と頬笑みながら考える。
745コックとCock、その持ち主と恋人_8:2011/07/28(木) 20:12:51.27 ID:d/O5M5Bn
 続いてコック長が持ってきた皿の上の蓋を開けた時、ブリーフは思わず息をのんだ。
 「これに関してはどう調理していいのか分からなかったもので……」
 コック長が料理人として情けない、とすまなそうに頭を下げる。
 「いいよ。僕の命令どおりにしてくれたわけだから」
 料理の仕方が分からないものは火だけ通して、味付けは塩だけ、できるだけ形は残して、と先にブリーフは言っておいたのだ。
 そう言うわけで今ブリーフの目の前には、パンティの秘めやかな溝、それに続く膣が皿に並べられている。それを囲むように切り分けられた肉片が並べられる。
 「豚の子宮の刺身、という料理があるので、同じようにしてみました」
 それを聞いたブリーフ、
 「豚ね……」
 と思わずつぶやく。コック長、あわてて、
 「す、すみません。そう言う意味では……」
 と平身低頭して謝ろうとする。ブリーフは、それをおさめて
 「いや、いいんだよ。ちょっと思いだし笑いをしただけだよ。豚ね、フフフ」
 と笑い続ける。
 「確かに彼女は雌豚だったからね」
 コック長はその姿を呆気に取られて見ているしかない。
 それらの上には皿に油で揚げた卵巣が二つ、膣との生前の位置関係を保つように配置されている。
 ブリーフはまず白いソースを掛けられた手前の裂け目にナイフとフォークを伸ばす。両側の肉の厚い部分を開いて中を覗くと、内側のピンク色の唇が姿を現す。
 しばらくその襞や上部にある突起を弄ったり、ナイフやフォークを中に突っ込んで出し入れしたりして遊んでいると、突然奥の方から熱いジュースが溢れだしてきて、ブリーフは驚いて思わずはしたなくも直接口でそれを受け止めようとする。
 皿の上のその開かれた泉に直接口を付け、にピューピュー吹き出す潮をじゅぷじゅぷと吸いとっていくと、ブリーフはその濃密な匂い陶然とせざるをえない。
 その後ナイフでそれを左右に切り分けると、一つずつ口に運ぶ。なかなか噛み切れず口の中でもごもごしていると、次第に芳しい蜜が溢れだしてくるようで、しばらくは飲み込みたくなくなる。
 こちらが歯や舌で愛撫すると、肉片の方もこちらの舌を優しく包み込むようにそれに答えてくれる。膣の中の襞襞がうごめいて、ときどき感極まったようにぴくぴくと震える。
 (パンティ。君も喜んでくれてるんだね! 僕に食べられて、君も嬉しいんだね! パンティ、凄いよ。僕らは新しいSEXを発明したんだよ!)
 ブリーフは次に子宮の切れ端をホワイトソースに絡めながら口に運ぶ。
 (君の子宮! ここを理解しないと、君を理解したことにはならないよね)
 その歯ごたえを楽しみながらブリーフは思う。
 (パンティ。君の子宮ももう僕の物だよ。ほんとはここに僕のホワイトソースを注ぐことが目的だったけど。でも世の中、手に入れられる次善の物で満足することも必要だよね。とにかく、これでもう君は僕から逃げられない)
 子宮を食べ終わり、卵巣をナイフとフォークで切り分けながら、ブリーフは呟く。
 「やっと君を捕まえた」
 コック長が皿を下げて、ブリーフはナプキンで口の周りを拭く。
 「次は?」
 ブリーフが訊く。それに対してコック長は、
 「もう材料が……」
 と口ごもる。
 「そんなはずはないよ。まだ料理になっていない部分がたくさんあるはずだよ」
 ブリーフが追求する。
 「しかし調理法が。そもそも食べることが出来るのか……」
 コック長が言い訳をしようとするのを手で止めてブリーフが言う。
 「分かった。料理人の君に無理をさせ過ぎちゃいけないよね。これは僕が始めたことだから、君に過度の迷惑はかけたくない。
 でも僕は彼女と約束したんだ。残らず食べるって。その約束を破るわけにはいかない。
 だからここからは僕一人でやるよ。残りの部分があるところに連れてって」
 その迫力に押され、コック長はもう一度厨房にブリーフを連れていく。
 そして調理されていない、残りのどう使っていいのか分からない部分の前に行くとブリーフは、全員をその部屋から退出させて、仕事の最後の仕上げをしていく。
 二つの目玉を口の中でしばらく転がしていたかと思うとゴクンと飲み込んだ。
 ふわふわの髪の毛は不思議なことに口に入れると綿菓子のようにほのかな甘みだけを残して溶け消えた。
 たくさんの骨をゴリゴリかみ砕いて飲みこんでいく。コック長が覗き見たその姿は浅ましくも壮絶であり、野蛮でありながら悲哀を感じさせた。
746コックとCock、その持ち主と恋人_9:2011/07/28(木) 20:14:23.57 ID:d/O5M5Bn
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 そのときとうに閉じていたレストランの入口を乱暴に叩く音がした。不思議に思ってスタッフの一人が開けると、タイトな制服に身を包んだ、2人の赤肌の女がツカツカと承諾も得ずに中に入ってくる。
 「アラァ! なかなか洒落た店ではありませんこと? ニーソックスさん」
 最初に居丈高に喋りはじめたのは二つの角ののぞくタイトグリーンの巻き毛を揺らす女、スキャンティ。
 「はい、味の評判の方もかなりのものです。お姉さま」
 それに答える二ーソックスと呼ばれた女は、一本角が突きでたライトブルーの直毛を頭の後ろで縛っている。
 「それなら一度お試しで使って見ても良いかもしれませんわねえ」
 唖然として見ているレストランのスタッフを無視してくるくると回りながらアハハウフフと笑うスキャンティ。
 「そうですね。来月市長様がお開きになる悪の枢軸会議の料理をここに頼むとしましょうか」
 ニーソックスが手元のスマートフォンを操作しながら言うと、ニフフと頬笑みながらスキャンティは、
 「ニーソックスさん、違いますわよ。仕事の話じゃありません。わたくしたちの、プ・ラ・イ・ベ・ー・ト、のお話ですわ」
 と耳元で囁く。それを聞いたニーソックス、
 「そんなお姉さま、こんなところで」
 と俯いてしまい、それを見てまたスキャンティが、
 「ニーソックスさん、お顔が真っ赤ですわよ」
 とからかって、2人で囀り合う。
 それを他の人間は立ちつくして見ているしかない。
 そこへ、コック長が人の輪を割って入ってくる。
 「おやおや、市長様のお嬢様がたではありませんか。ロック様のパーティで拝見したことがあります。今日は当レストランにどんな御用ですかな。残念ながらこんな深夜ですので、店はすでに閉めてしまいましたが」
 イチャイチャを止められたデーモン姉妹はこの初老の紳士に向かい合って、見下げ威圧するような視線を送る。
 「それにしては料理人のみなさんは、誰もお帰りになっていないようですが?」
 「普段はもうみな帰っておるのですが、今日は少し彼らに説教せねばならんことがありましてな。年寄りの繰り言の常として、妙に長引いてしまいましてな」
 「それならそれでいいとしましょう。わたくしたちがここへ来たのは、2人の男女がここへ来なかったか、と訊くためなのです。
 一人は金髪の典型的な馬鹿女で、いかにもビッチという服装をしております。わき腹に怪我をしている筈ですわ」
 「この女です」
 二ーソックスが写真を出す。盗撮をするはずが、なぜかそれに気付かれてカメラに向かってふざけた顔をしている腹立たしい写真だ。
 「もう一人は写真は残念ながら今はありませんが、赤毛で巻き毛の、何というか、うだつの上がらない典型的なナードですわね。完全にこの馬鹿女の色香に頭おかしくなってる」
 「その2人がこの近くに逃げ込んでいるのは確かなのです。わたくしたちはこの女が持っている筈の、あるものに用があって探しています。あなた、見ていませんか」
 ニーソックスが詰問する。コック長は写真を眺め、
 「ふうむ、見ていないなあ」
 と答える。そして皆の方を振り返り、
 「お前らは見たか?」
 と訊くと、皆一様に首を横に振る。
 しかしニーソックスは納得しない。
 「本当ですか? もし嘘を言ったならただでは済みませんよ」
 と鋭い視線でその場にいる全員を見回す。その冷たい視線に男たちが震えあがる。
 「なんなら全員体に訊いてみると言う手もありますわね」
 カツンと靴を鳴らして前に出ると全員が思わず後ずさりしてしまう。コック長を除いて。
 「今日のところはお帰り願えないでしょうか。スタッフ達も疲れておりますし。私は明日の下ごしらえをしなくてはいけませんので」
 自分の視線に怖気つかない鼻持ちならない人間が腹立たしいニーソックスがさらに口を開こうとしたとき、ホールの厨房へと続くドアが開いて、一人の男が中に入ってきた。
747コックとCock、その持ち主と恋人_10:2011/07/28(木) 20:15:04.97 ID:d/O5M5Bn
 「アーネスト、もういい。彼女たちが探しているのは多分僕だよ」
 それはブリーフだった。
 「ほうら、やっぱり隠していましたわね!」
 スキャンティの眼が残忍な笑みに見開かれる。しかしコック長も慌てない。
 「ああブリーファス様のことでしたか! あなた方の説明がどうにもブリーファス様と結びつかなくて」
 実際今のブリーフは、しっかり髪を梳かして、シャキッとした美少年という感じになっている。
 「ブリーファス様は以前から私の知り合いでして、ときどき時間外に特別のお料理を出しておるのです。しかしブリーファス様は、今日はお一人で、お連れの方はいなかったはず……」
 「うんそうだね。いつかパンティを連れてこようとは思ってたけど、今日は彼女は都合が悪くてこれなくてね」
 ブリーフもさらりとそう言う。
 スキャンティがツカツカと彼によってその襟首を掴んで引き寄せる。ブリーフの方が背は少し高いはずだが、それを感じさせない迫力だ。
 「さっさと、あの公衆便所糞ビッチがどこにいるか吐いてしまいなさい! 痛い目にあいたくないならね!」
 それをコック長が咎める。
 「これお嬢さん。あなたにどれほどの権力があるかは知りませんが、いくらなんでもこれだけの人数の前で乱暴狼藉をするのはどうかと思われますぞ」
 スキャンティは牙を剥いてそれに答える。
 「ふん! こんな小汚い店、わたくしたちの手にかかれば一瞬でオジャンにできるのですよ。人間ごときが生意気な口をきくものじゃないですわよ!」
 それに対してさらにブリーフが口を挟む。
 「アーネスト、いいんだ。まず彼女たちに厨房を見てもらおうよ。そしたら彼女たちもパンティがここにいないことを納得してもらえる。そして僕は彼女の居場所を知らない。僕はそうとしか言わないよ。そして」
 ブリーフはスキャンティの手を襟首から優しく離して、服装を整え直す。
 「彼女たちが彼女たちの方法で、僕が他の答えを言うようにさせたい、と言うなら、それは仕方ないよ。僕らにはどうにもできないことだ」
 「しかし坊ちゃん、それでは坊ちゃんが……」
 コック長がブリーフの言わんとするところを理解して止めようとするが、
 「いいんだ、アーネスト。ここで僕が多少痛い目にあうよりも、君の店がなくなる方が、ずっと世界にとって損失だからね」
 とブリーフは柔らかに笑うだけである。
 コック長はその姿を見て驚愕し、そして感動する。あのおどおどした少年が今はどうだ。明らかに人間ではないものに睨まれて、まったく動じていない。吃り癖もどこかに言ってしまった。
 一体なにが彼を短時間でこれほど変えてしまったのであろうか? その堂々たる態度には、いまや神聖な後光すらさしているように見える。いや、もしかしたら本当に後光が……?
748コックとCock、その持ち主と恋人_11:2011/07/28(木) 20:16:30.54 ID:d/O5M5Bn
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 デーモン姉妹は引き連れてきた部下に乱暴に厨房を荒探しさせる。しかし、天使の片割れがここにいたという証拠は何一つ見つからなかった(衣服の類いはすべて燃やしてしまっていた)。
 デーモン姉妹は顔を寄せ合い相談を始める。
 「おかしいですわ。あの糞天使の血の臭いは確かにこの付近で消えています。周りを調査したところ、ここしか逃げ込める場所はありません。
 そしてあの男。確かに、あの男は天使どもと行動を共にしていたはず。怪しすぎます」
 ニーソックスの分析にスキャンティは首を傾ける。
 「しかしあの糞ビッチが今ここにいないのも確かですわ。そしたら、2人でここに来て、糞天使だけまた逃げた? マクガフィンを持って?」
 「そんな!? ダブル・ゴールド・スパンデックスを食らってそれほど遠くに逃げられるとは考えられません。理論的には毒が回ってもう死んでいてもおかしくないくらいなのに」
 確かに仕留めたと思ったのに、と悔しそうに爪を噛むニーソックスに、
 「下等生物だけに、生命力だけはプラナリア並みなんでしょうよ。ニーソックスさんの責任ではありませんわよ」
 と慰めるスキャンティ。
 「それはともかく、あの男。あの男があのお便所天使の行方を知っているというのは、どうも確かのようですわね。本人は連行されるのをすでに覚悟しているようですので、一緒に来ていただくとしましょうか」
 「今のところ、それしかないようですね」
749コックとCock、その持ち主と恋人_12:2011/07/28(木) 20:17:59.67 ID:d/O5M5Bn
 ********

 ここは市庁舎の地下に広がる、薄暗い地下牢である。ここでは日夜、様々な理由で引っ立てられた市民が拷問を受けて、政府が真実と認定することを言えるまで生き地獄を味わい続けている。
 まさにここは真実を製造し続ける工場のような場所であり、市民はその材料である。ベルトコンベアーによって市民がここに入ると、真実に加工されてでてくると言う塩梅。工場と言うより挽肉機だという説もある。
 その中のひと際いろいろな設備のそろったVIP用個室の一つに今ブリーフは吊り下げられている。
 「糞天使の居場所はどこかって聞いているのですよ!」
 「うぐ……」
 スキャンティが電極をブリーフの体に押し当てる。すると電気刺激により体中の筋肉が痙攣をおこし、ブリーフは苦痛に顔をゆがめるが、悲鳴すら上げようとしない。
 正装していた服は全てひん剥かれ、ブリーフ一丁になっている。体中鞭打たれたみみず腫れと火で焼かれた火傷だらけだ。手は剥がされた爪から滲んだ血で真っ赤に染まり、口も唇や歯ぐきや舌にナイフで付けられた傷により血塗れになっている。
 その姿だけを見ても、相当きつい拷問を受けたようだ。
 しかし当のブリーフは、しっかりとした眼で前を向いており、その視線には強い意志が感じられる。まったく折れていないのだ。
 「言いなさい。マクガフィンとは一体なんですの?」
 「ス、スコットランドでライオンを捕るための道具さ」
 「本当に?」
 「お姉さま。スコットランドにライオンはいません」
 「なんですってニーソックスさん!? では嘘ですのね!」
 「そ、それならあれはマクガフィンじゃなかったんだな」
 ブリーフは口の端をニヤリと上げて言う。
 その姿を見てスキャンティは溜息をつく。
 「な、なかなかしぶといですわね」
 余裕そうに見せかけようとしているが、スキャンティの声には焦りが交り始めている。
 (どんな拷問でも来てみろというんだ。そんなものでは僕は口を割ったりしないぞ)
 ブリーフは強い自信と確信を持って考える。
 (以前の僕だったらこうはいかなかったろう。でも僕は変わったんだ。細胞一つ一つ、原子の一つ一つのレベルで変わったんだ。
 今はパンティがいる。いつでも僕の中にパンティの存在を感じ続けていられる。僕はもう一人じゃないんだ。僕は今パンティと2人なんだ。
 僕はパンティがいてさえくれたらなんでもできる気がするんだ。だから今の僕は無敵なんだ)
750コックとCock、その持ち主と恋人_13:2011/07/28(木) 20:19:03.62 ID:d/O5M5Bn
 ニーソックスがブリーフの様子を見て姉の耳にこう囁く。
 「お姉さま。わたくしこういうタイプに見覚えがあります。仲間のためだったら喜んで命を投げ出すと言う狂信的な友情教徒です。
 こういうタイプは仲間を守るためにはどんな拷問も耐えてしまうのです。しかし逆に、自分のせいで仲間がひどい目にあうときには、予想外に簡単に折れてしまうものなのですよ」
 とほくそ笑みながら、ブリーフの前に進み出る。
 「なるほどあなたが情に厚い、強い人間なのは良く分かりました。でも、強情ぶるのもほどほどにしておいた方がいいですわよ。
 あのお便所天使の片割れ、おデブ天使の方は、実はとっくの昔にわたくしたちの手に落ちているのですよ」
 「ストッキングが!?」
 ブリーフの目がが変わる。心の底から心配そうだ。
 (ふっ。これはチョロい)
 ニーソックスは勝利を確信し、ポケットから取り出したリモコンで壁の一角に画面を表示させる。
 「今から、彼女がどんなひどい目にあっているか少しだけお見せして差し上げましょう」
 ピッ!
 画面に表示されたのは暗い部屋でその中でストッキングは服をビリビリに破られ、太いロープで亀甲縛りにされて三角木馬に乗せられている。目隠しをされてはいるが猿轡はかまされていないようだ。
 そして周りには裸で顔に覆面をかぶった男たちが鞭や蝋燭を持ってストッキングを責め苛んでいる。
 「ああん! もっとぉ! もっとわたしを虐めて! お願い! 足りないの! 足りなくっておかしくなっちゃうのお!」
 ストッキングは苦痛を与えられて目隠しの端から悦びの涙を垂れ流しているようだ。
 「へえ、虐められて喜ぶなんて君はとんだドМなんだねえ。このブタさん」
 「はい、私はブタです。だから罰して下さい!」
 「もっと正確に言わないとだめだよ。自分はみじめで淫乱なブタです。だから罰もご褒美になってしまうのです。こんな救いようのないブタは虐められて当然なんですって」
 「はいぃ! じ、自分はみじめで、淫乱な、ブタです! だから、罰も、ご、ご褒美になっちゃうんです!」
 「こんな救いようのないブタは虐められて当然なんです」
 「こ、こんな、救いようのないブタは、虐められて当然なんです! ああ! も、もう我慢できない。ああん! いやあああ!!!!」
 ぴちゃぴちゃぴちゃ、と三角木馬を黄色い液体が伝い落ちていく。どうやら失禁してしまったようだ。
 「あららら、はしたない娘だねえ。これはお仕置きが必要だね」
 「お仕置き! して下さい」
 「それにはまず、僕らにご奉仕してもらわなきゃ」
 男たちのいやらしい手がストッキングの体に伸びてまさぐっていく。そしてそそり立つその肉棒を柔らかいその体に押し当てていく。
 それをストッキングは白痴的な笑みを浮かべて受け入れようとする
 「します! ご奉仕します!」
 「なんでもする?」
 「何でもします!」
 「ほんとにお前は牝豚だな、この肉便器め」
 「はい、私は牝豚の肉便器です。だからどうか私を肉奴隷にして下さピッ
 画面に映された物に呆気に取られていたニーソックスが画面を消す。そして燃えあがりそうな真っ赤な顔のまま、
 「あ、ああなりたくなかったら、さっさと糞天使の居場所を吐きなさい!」
751コックとCock、その持ち主と恋人_14:2011/07/28(木) 20:21:45.44 ID:d/O5M5Bn
 「ニーソックスさん! 最初の計画と違ってますわよ!」
 「しかしお姉さま。苦痛を与えられるのを喜ぶマゾヒストをどう人質にすればいいんですか? しかもなんですか周りの奴らは! 明らかに拷問の目的を忘れてましたよ!」
 「Fuck God! 淫乱天使の術中にはまりよってからに。すぐに止めさせて、全員罰を受けさせてやりますわ」
 デーモン姉妹が話し合っているところにブリーフが空気を読まず口を突っ込む。
 「ああなりたくない、ってつまり、僕をドМにするってこと?」
 「「お前は黙ってろ!!」」
 そいつの口を割らせることが目的だったんじゃなかったんかよ。
 デーモン姉妹は部下に電話し、SM乱交パーティをやめさせ、参加者を海に沈める算段をつけ、ブリーフは
 「でもパンティはSっぽいところあるからな。ちょっとくらいМな方が嬉しいかも。でもストッキングのSM趣味を見るときの視線は正直、蔑んでる、って感じだからな。やっぱりノーマルがいいのかなあ」
 と相変わらず暢気なことを呟き続けている。しかし、彼の体に突然の変化が起こる。
 「え? なに? なにこれ? あ! ダメ! チ、チンコが! チンコが! 気持ちいい!」
 その嬌声に思わずギョッとしてデーモン姉妹が振り返ると、ブリーフの股間で巨大なコブラが鎌首を持ち上げようとしていた。
 最初はさっきのストッキングの乱れ姿を見て、思わず興奮してしまったのかと思ったが、明らかに様子がおかしい。
 触れてもいない陰茎に快感が与えられ続け、どんどん猛り狂ってくる。それは天を突くように伸びあがり、ブリーフの上の端から顔を出して、ブリーフを押し下げて伸びていく。
 どんどん巨大化していくそれは、ブリーフの身長ほどにもなり、先端の口が大きく広がって、まるで大砲、そうネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲のような姿になった。
 そしてその筒先にはデーモン姉妹の姿が。
 「お、お姉さま!」
 「そ、そんな汚いものをこっちに向けるのをやめなさい」
 しかしデーモン姉妹が狭い部屋の中を移動しても、執拗にそれは彼女たちを狙い続ける。
 「ああ! だめ! そんな! 凄い!」
 出所不明の快感に悶えながら、ブリーフは虚空に腰を振る。その砲身は次第に熱くなり、赤熱するように光り輝き始める。暗い部屋を満たすあまりに眩しい光にデーモン姉妹は目を開いていることも出来ない。
 「ああ! そうか! 尿道を愛撫してるんだ! この優しいタッチ! そしてこの荒々しい高速往復運動! そうか分かった! 君だ、君なんだね、パンティ! 僕のチンコを内側から、気持ちよくしてるのは!」
 ブリーフの顔が喜びに満たされる。そしてその思いのすべてを腰に集めて、打ち出す。
 「イクよ、パンティ! イク! イクイクイッチャウウウ!!!!!」
 ドッカーーーーーーーーーン!!!!!!
 凄まじい音がして巨大なペニスの先端から、白濁液に包まれたパンティが打ち出される。その姿をエクスタシー状態のまま見たブリーフは、まるでクレージーゴンを倒したときのウルトラセブンみたいに格好いいと思った。
 ドンガラガッシャ―ン!!!
752コックとCock、その持ち主と恋人_15:2011/07/28(木) 20:22:26.26 ID:d/O5M5Bn
  パンティはそのまま壁に突撃し、デーモン姉妹を巻きこんで、地下の壁や一部の天井が崩壊し、大量のがれきが降り注ぐ。
 「いってえ!」
 その中から、パンティが顔を出す。一糸まとわぬ姿の全身を白濁液が覆っている。
 「こういうのはティッシュとかで、優しく受け止めるのが礼儀ってもんだろうがよお!」
 「ご、ごめん。両手ふさがってる状態でオナニーしたことがなくて」
 謝らんでもいいことを真面目に謝っているブリーフだが、その顔は再開の喜びに、今にも嬉し涙を流しそうだ。
 「く、何たる屈辱!」
 「まさか体内に隠れていたとは!」
 がれきの中からデーモン姉妹も顔を出す。その赤い肌や衣服を大量の白濁液が汚している。
 「ああ、てめえら。さっきはよくも。危うく死ぬところだったんだぞ。おいブリーフこれ借りるぞ」
 とずり下がったままのブリーフのブリーフを奪い取る。ちなみに打ち終わったものは萎れて垂れさがっている。
 パンティがブリーフのブリーフを持つと、光に包まれて変成したそれは、銃身の長い立派なショットガンになる。それを構えてデーモン姉妹に向ける。
 その姿を見てブリーフは思う。
 (今日、キスを待つ眠り姫のようなパンティを見て綺麗だと思ったけど、やっぱりパンティが一番綺麗なのは戦っているときと、白濁液まみれになっているときだ!
 その両方を同時に見られるなんて、僕はなんて果報者なんだろう。
 しかも、あの銃は僕のブリーフで、あの白濁液は僕の精液なんだ! 嬉しくてうれしくて、僕はこのことを街中に言いふらしながら踊り歩きたいくらいの気分だよ」 
 捕まるからやめなさい。
 「おいブリーフ! この銃、ヘナってて、役に立たねえじゃねえか!」
 「そりゃそうだよ。さっき一発出したばっかりなんだから、そんなに早く立たないよ」
 「今立たなくていつ立つんだよ、この役立たず。気合い入れやがれ!」
 しゅこっしゅこっしゅこっしゅこっ
 とポンプアクションを繰り返して、何とか奮い立たせようとする。
 「痛い、痛いよパンティ! 無理なものは無理なんだよ!」
 そんな放送禁止夫婦漫才を繰り広げている横で、デーモン姉妹は、
 「ああ、ニーソックスさん。わたくしのニーソックスさんが余所の男に汚されてしまいましたわ!」
 「お姉さま! 早くシャワーをお浴びにならないと妊娠してしまいます」
 隙をついている暇もなく、どこかに去っていってしまう。
 「「ごめんあさあせえ!」」
753コックとCock、その持ち主と恋人_16:2011/07/28(木) 20:23:02.35 ID:d/O5M5Bn
 「ケッ! 勝負はお預けにしてやんよ」
 つまらなさそうに、ショットガンを捨てるパンティ。
 「パンティも直ったばっかりなんだから、無理しちゃだめだよ」
 心配そうに言うブリーフに、
 「なに言ってやがんでえ。お前のおかげで、前より調子いいくらいだぜ」
 と腕を振り回して見せる。その素直な笑顔にブリーフは、パンティが帰ってきたという実感を感じ、また目頭が熱くなる。
 涙ぐんだブリーフを見て、パンティは
 「おい、どうした? そうか吊り下げられていてえわな。気付かなくてすまんな」
 と早合点してブリーフを吊り下げていた鎖をはずしてやる。自由になったブリーフは涙をぬぐい、笑顔でパンティの、その本当はそんなに大きくない体を抱きしめて、再開を喜ぼうとする。
 しかし、
 キンコン! キンコン!
 小さな鐘の鳴るような音がしてパンティは、
 「アレ? 携帯鳴ってる」
 とその音のもとを探しに行ってしまい、ブリーフの両手は空を切り、自分を抱きしめる羽目になる。
 それはブリーフの服やらなんやらが無造作に置かれていたところに一緒に捨てられていたゴースト探知機の中からだった。パンティの服から出しておいて、バックパックの秘密のポケットに閉まっておいたのだ。
 しょっちゅう不良に絡まれ、金を脅し取られていたブリーフにとっては必要不可欠な機能だったのだ。
 ブリーフがそれを取り出しパンティに渡すと、相手はガーターベルトだった。
 「はあい、ガーター。どんな状況?」
 「うむ。無事マクガフィンをスコットランドに届けることが出来た。これでスコットランドの人々がライオンに襲われることもなくなるであろう。それよりもそっちはどうなんだ?」
 「まあ、何とかなってるって感じ? あっ、でも、ストッキングは捕まっちゃったみたい」
 「うむ、その話なんだが。ストッキングに同行しているチャックの報告によると、拷問を諦めたデーモンどもは、ストッキングをコンクリートに詰めて、夜の闇に乗じてダテンシティ湾に沈めようとしているようだ」
 それを聞いてブリーフは驚く。
 「ええ? それじゃあ、ストッキングは!」
 携帯の向こうで、ガーターベルトが重々しくうなずくのが分かる。
 「うむ、その通り。このままではストッキングは」
 そこでワンテンポ置いて、
 「息が続かなくなってしまう!」
 と叫ぶように言う。
 「それは困るなあ」
 パンティも軽く同調する。
 「ええ? そう言う問題なの?」
 ブリーフは力が抜けて、膝から崩れ落ちそうになる。
 「だから、ストッキングの息が続いているうちに海の底から彼女を救出せねばならん。行け! パンティ&ブリーフ! 出動だ!」
 「ようしブリーフ。行くぞ!」
 パンティが手を伸ばしてブリーフの体の一部を掴んで勢いよく走りだそうとする。
 「わあパンティ!? それは僕の手じゃないよ。それはチンコだよ!」
 ブリーフの長い一日は終わりそうにない。

(終わり)
754名無しさん@書き手募集中:2011/07/28(木) 20:24:44.38 ID:d/O5M5Bn
これで終わりです。
お題の募集も続けますからどうぞ好き勝手に投げてやって下さい。
夏の間に夏っぽいものを一個くらい書くつもり。
まったくなんの構想もないけど。
二期が決まるまで書くのを止めないぞ!
755名無しさん@ピンキー:2011/07/30(土) 17:14:13.26 ID:LeZLAhPw
>>754
大作乙。パンティ食いてえwwww(猟奇的な意味で)
なんか官能的で本気で旨そうな描写の数々に、道を踏み外しそうになってやばいw
天使って実際旨そうだよな。
毎回、どっか病んでて根性座ったあんたのブリーフも好きだ。
脇役もしっかり掴めてるし。またなんか書いてくれよな。

夏のお題…「肝試し」「アイスクリーム」「花火」ってのは?月並みかな?
756名無しさん@ピンキー:2011/07/31(日) 14:05:21.10 ID:X+RzWgYR
今日、大列車強姦読みました!
3のストッキングちゃんで抜きました!

という気持ちの悪いコメは置いといて
エロは苦手なのかと思ってましたが、すごく濃厚でねちっこいものも書けるんですね。
感動しました。イエローストーン国立公園のような潮吹きで思わずググってしまったw
次からもエロ期待。読んでいて淡中氏の好みのエロシチュが私と同じだと気付いてしまいました。
もっともっとエロもやってくださいお願いします。
757名無しさん@書き手募集中
>>755
感想ありがとうございます。
変態なブリーフが好きなんです。
彼の変態性は小説でこそ発揮できるような気がします。
なんか見てないところでとんでもない事考えたりやったりしているような気がするんです。
お題もいいと思います。
特に「肝試し」。プロのゴーストバスターが肝試しするって相当変なシチュエーションですよね。
ブリーフが2人を誘って、2人とも冷めきってるのが目に見えます。

>>756
「抜いた」、その一言をずっと待っていました。
エロを書くからにはまず「抜ける」こと。そしてその上にプラスアルファで何か付けくわえられればさらに良い、と考えていたので、
そう言ってくれるとすごく安心します。
実は生まれて初めて書いたエロがあれです。パンスト二次創作やるからにはいつかやらなければ、と思っていたんです。
でも、いざ書き始めてみると、難しくて。
書いてるとなんだか同じようなことばかり書いている気がしてくるんです。
SEXというものにはそれほどヴァリエーションがないなあ、みたいな感じに。
で何とか工夫しようとすると「童貞の妄想か?」みたいな感じになっていく。
悩んだ結果「パンストなんだからはっちゃければいいや。迷ったらアクセルベタ踏み」と考えた結果があれ。
思いついたことは全部入れようとしたら、長くなる長くなる。まさかあんなに書くとは。
自分で要所要所で抜きながら書いたので、干からびるかと思いました。
でもまあ、エロ初体験にしては良く出来た方かなと思いますので、もっとエロをやっていくつもりです。
好みのエロシチュが同じ、と言う話ですが、もちろんああいう妄想は良くしますので、好きなシチュですが、
こういうこと書いたら、喜ぶだろうなあ、という気持ちもありました。
だから喜んでくれてとてもうれしいです。