触手・怪物に犯されるSS 23匹目

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587名無しさん@ピンキー:2010/11/09(火) 02:35:45 ID:o6N5Rq7O
ホッ!(゚д゚ )
588名無しさん@ピンキー:2010/11/09(火) 03:23:34 ID:OeuHSTuu
(´ー`)フッ
589名無しさん@ピンキー:2010/11/09(火) 03:51:47 ID:bcMtwmAX
リアの人じゃなくて御免なさい…
楔と魔法少女達 第二話投下します
正直エロ無いので流し読みしてくだされば…
590名無しさん@ピンキー:2010/11/09(火) 03:52:23 ID:bcMtwmAX
楔と魔法少女達 第二話 あいしょうのもんだい

01

「只今帰りました、しら…隊長」
 基地に帰って開口一番、そう発したのは佐久良だった。基地と言っても、ある男の住まいなだけであるのだが。
 魔装は既に解除され、今は学校の制服になっていた。
 そしてそれは桑原も同じであった。
「ああ、おかえり佐久良、桑原も。ご苦労だったね」
「そう思うのなら何かくれ。ちなみにアタシは腹が減って死にそうだ」
「くーちゃん、あまり隊長の前でワガママは…」
「いや、僕も研究が一段落したらお腹が減ってね、何か作るよ。佐久良も食べていくよね?」
 隊長と呼ばれた青年が笑みを向けると、佐久良は急に赤くなって俯きながらボソボソと何か言い出した。
「し、白鳥さんの手料理…手料理を食べさせてもらえるなんてこれはもう私たち恋人を名乗っても――
ううん、寧ろ結婚を前提としたプロポーズととっても全然…」
「佐久良?」
「ひゃい!?」
 白鳥と呼ばれた男が佐久良を覗き込むと、ビックリしたように跳ね上がった。
 その様子を見ていた桑原は、うんざりした様子で腕を頭の後ろで組み、しかし茶化さずに見守っていた。
「ま、アタシは人の好意に云々言えるほど偉い人間じゃねーし、せいぜい頑張ってくれ」
「ん、桑原?何か言ったか?」
「なぁーんにも、アタシはいい加減にお腹と背中がくっついて人として見てられない姿になりそうなんで、先に台所行ってるぜ」
 手を振りながら台所に先行する桑原に続いて、白鳥もそれに続く。残ったのは妄想が爆走している佐久良のみであった。
「し、白鳥さん、駄目ですよ、そんな…口でだなんて…でも白鳥さんのものなら…あれ?二人は?」
 佐久良が漸く暴走から戻った時には、既にご飯が出来ていたのだった。
 ついでに桑原がそのご飯をすべて平らげてしまい、佐久良が怒りのあまり魔装を纏おうとしていたのも追記しておくとしよう。
591名無しさん@ピンキー:2010/11/09(火) 03:52:57 ID:bcMtwmAX
02

 桑原円と佐久良亜沙美について、そろそろ説明が必要だろう。
 桑原円(クワバラ マドカ)は雷の魔法少女である。髪は金髪のポニーテール、目はつり目で怒ると相当目つきが悪くなる17歳の高校生だ。
「おい、誰の目つきが悪いだって?」
 武器は短剣と小銃、魔力の大部分は武器を扱うときに支障のない程度の筋力と移動速度の上昇へと当てている。
 彼女の移動速度は正しく「雷」であり、その速度での移動しながらの攻撃は、相手が攻撃されたと気づくことすら無く絶命させる。
 主に中近距離が戦闘範囲であり、彼女のスピードが生かされる最も最適な距離でもある。
 魔装は黄色を基調とした無駄な装飾のないフォルム。というより、初期にあった無駄な装飾は全て桑原が剥ぎとってしまったのだが…。
 紺のブーツはほぼ黄一色である魔装の色感を邪魔せず、静かに彼女の脚線美を映えさせる。
 ミニスカートの下に黒のスパッツを履き、動きやすさを最大限に考慮した魔装である。
 その分、武器による一発の重さや速度を捕えられた際の防御力には若干の不安が残る。
 佐久良亜沙美(サクラ アサミ)は水の魔法少女である。水色のおかっぱで少々タレ目なところがある。
 小柄な体格で貧乳、いや殆ど無いということも追記しておこう。
「誰ですか!この紹介をしてる人、訴えますよ!」
 魔具はスナイパーライフル、移動をあまり行わず魔具の保持と弾丸の生成に魔力を使っている。
 彼女の武器は銃であり、また「水」であるため、自分の知識下ならば近中遠限らず相当の数の武器の生成が可能である。
 主に遠距離戦闘を主体としているが、武器の形によっては中近距離を戦うことも出来る万能戦士。
 魔装は明るい青を基調としたフォルム。桑原と違い、黒っぽい装飾が多くついており、明るめの青を更に強調させる。
 ロングスカートに茶色いストッキングと、魔装からも想像出来るようにあまり機敏な動きは得意ではない。
 そのため、素早い敵には少々苦戦を強いられることだろう。
「でだ、正直言ってこのままでいいのかよ?」
「なんでくーちゃんは私や隊長のご飯まで平らげて、追加で作られたご飯まで私より進んでいるのかしら?」
「こまけえことは気にすんな。で、隊長さんよぉ、実際どうなのよ。アタシたちはこのまま雑魚を掃討していけばそれで世界の平和とやらは守られるのか?
それだと実際ちょっと辛いぜ。なんせこっちは後手後手に回らないといけないからな、どうしても被害0ってわけにはいかなくなっちまう」
 なんでこの子は基本馬鹿なのにこういう所は鋭いのかしら…と、佐久良はボソリと言った。
「そうだな…確かにこのまま現れては倒しを繰り返していたらジリ貧だ。桑原も佐久良も無限の体力や魔力を持っているわけじゃないからね。
下級の部下を生成している幹部のような奴らを倒せれば、魔物のこれ以上の進行は止まるはずだよ」
「じゃあそうしようぜ。後手に回るってのはアタシは好きじゃないんだよ」
「くーちゃんって肝心なときに鋭いかと思ったけど、やっぱり基本馬鹿ね。
考えてみなさいよ、そもそもその幹部の場所が割れてるならとっくに強襲でも夜襲でもかけて一網打尽に出来るじゃないの。
それが出来ないってことは、そもそも場所がわからないってことでしょ?」
 ですよね、隊長、と佐久良は白鳥に振り向いて言う。
「勿論それもある。が、たとえ場所が割れてたとしても今の君達を送り出すわけにはいかないよ。
幹部って言うからにはそれ相応の強さを持っていると考えていい。それこそ今まで君達が倒した敵なんか比較にならないくらいね。
だから君達には、今は後手に回ったとしても実戦での経験値を上げていってもらいたい」
「まあ、しゃーないか。さすがに何もわからねえ奴らに向かっていくほどアタシも馬鹿じゃねえや」
「本当かしらね、頭に丸めた新聞紙が詰まっているようなお馬鹿娘のくーちゃんなら突撃していきそうだわ」
 そうしてまた、食卓での第二戦が始まろうとしていた。
 一時の平和、それがすぐに崩れ去ってしまうことも知らずに――
592名無しさん@ピンキー:2010/11/09(火) 03:54:39 ID:bcMtwmAX
03

「暇」
 桑原の独り言である。
「あのオタクどもめ、仲良く秋葉原に行きやがって。それに行った理由がなんだ?『装備の充実』と『ボディーガード』だと?
そう言うのをデートって言うんだよ。あー暇だ暇だ暇だ」
 ついでにもういっちょ暇だ、と暇と4回言った桑原はとある繁華街を歩いていた。パトロール等ではなく、本当にただの暇つぶしなのだ。
「ここらでいっちょ雑魚の一匹や二匹でも…」
 そう言いかけた瞬間、桑原は異常に気づいた。
「…静かだな、以前の不定形野郎とは違う。もっと張り詰めた、刃物みてえな魔力だ」
 しかもご丁寧にこちらがわざと気付くように垂れ流ししてる感じまであらあ、と続ける。
「どうすっかな…流石にアタシの脳をさぞ靴がよく乾きそうな物体呼ばわりしたあのアホチキンの言い分に従いのも癪だが、これはちっと強さ未知数だぜ。
余計なこと言うんじゃなかった」
 軽い口調の桑原だが、その肌からは知らず知らずのうちに汗をかいていた。冷や汗である。
それだけ相手がやばい奴かもしれないと本能で告げているのだ。
「いや、やっぱ防戦とか様子見とかは性に合わねー。こっちから攻めて行ってやるよ」
 そう言うと、桑原は魔力の中心地へズンズンと歩き出していった。
 魔力の中心地は人気の無い、だだっ広い場所であった。そこに男が一人、そして後からやってきた少女が一人。
 男は道着のような服を着て、袴を履き、刀をぶら下げているという、おおよそ来る時代を間違えたかのような格好であった。
「初めまして」
「初めまして」
 二人はそうあいさつを交わした。続いて男が一方的に話しだす。
「俺は今回この世界を攻めた奴らの幹部の一人、ブルークス・グレンスフォシュと言う。
仲間内からはルークと、魔界では主に『後制攻撃』(リベンジ)と呼ばれている。そちらも好きに呼んでくれて構わない」
 男、ルークは重い口調でそういった。
「…へえ、まさかいきなり幹部様のお出ましとはね。アタシ達の力を存外買ってくれてのご出陣かな?」
「残念ながらそうではない。君達の力は人にしては驚異的ではあるが、俺達がわざわざ出向く程の強さを感じはしない。
俺は別の用事があって、君に直接コンタクトを取りに来たのだ」
 いつもの桑原なら弱者扱いされたことで既に飛び出しているところだが、彼女は攻め込めないでいた。
(くそっ、わけ分からねえ。隙だらけに見えるのに「攻めるな」って本能が警告してるみてえだ…)
「ふむ。特に話がなければ質問に移ろう。君達を束ねている人物は誰だ?知らぬとは言わせぬぞ。
以前の戦いの時に着ていた魔装、アレをこの世界の技術で作ることはまだ不可能だ。加えて根源魔力に目覚めた人二人に対する的確な装備配布。
余程魔力について知っている者であろう。人間にそのようなものが居るとは考えづらいのでな」
 ルークは次々と話しかけたが、そのほとんどが桑原にとってわけの分からないものであった。
(…隊長の技術とかについては後で聞いてみるとしても、根源魔力ってのはなんだ?)
「はっ、敢えて言わせてもらうけど知らねーよ。アタシ達だって、アイツのことをまだ根掘り葉掘り聞いたことはねえんだ。
アイツはただのアニオタでゲーオタで魔法少女オタで研究オタのアタシ達の隊長だよ」
 どう聞いても侮蔑にしか聞こえないような言葉であったが、それでも彼女のやる気を再び引き出すには十分であった。
(ふん、アタシとしたことが。まな板水女に言われたことを一々気にしてたんだな。そうだな、アタシが例え負けてもアイツがいるし、隊長もいる)
 思考が終わると、桑原は両手で頬を強く叩く。その目には、先程の恐怖に支配されたときにはなかった光が宿っていた。
「…ほう。俺に立ち向かって尚そのような目ができるか」
「ジッとしてるのは苦手でね。それにアタシは一人じゃない。
そういやまだ自己紹介、してなかったな。アタシは桑原円、雷の魔法少女だ。あだ名とかはまだないから好きなふうに呼べよ」
 そう言ってブレスレットに集中した桑原はたちまちの内に魔法少女モードへと変わっていた。その顔には不敵な笑みすら浮かべていた。
593名無しさん@ピンキー:2010/11/09(火) 03:55:41 ID:bcMtwmAX
「ところでアンタ、幹部なんだっけ。だったらちょっとだけ――遊んでいけよっ!」
 桑原がそう言うやいなや、彼女はその場から超高速で移動し、真正面から、右手の短剣でルークの首を掻っ切ろうと、左手の拳銃でこめかみを撃ち抜こうとした。
 そしてそれは二つの金属音と共にあっさりと止められた。
「やっぱり獲物は刀か。まあこれ見よがしにぶら下げておいて使いません、なんて言うはず無いもんなぁ」
 ルークは桑原の超高速からの短剣での一撃を刀で、銃での二撃目を鞘でそれぞれ防御していた。
 しかし止められたことに対しては、桑原はそう驚いていなかった。
「やはりお前もそう思うのか」
「……?」
 この言葉に対しては、桑原は違和感と何か言いようのない不安、そして何か他に感じるものがあった。
「ふんっ!」
 そしてルークが刀を振り抜くと、桑原はあっという間に吹き飛ばされた。しかし彼女は空中で身を翻して、猫のように着地した。
「どうやらお前もまだ力を隠しているらしいな。ならばその力、この魔物で顕にしてみせよう」
 そう言ってルークが刀を地面に刺すと、地面には黒い渦のようなものが広がり、そこから鎧に包まれた小さなビルほどもあるオーガーが現れたのであった。
 オーガーは一回大きく咆哮すると、ゆっくりとした動きで戦闘態勢に入った。
「今日はこれで引こう。お前が生きていれば、また会って死合うこともあるだろう」
「てめえ!逃げんのかよ!」
「挑発は結構だが、まずは目の前の敵をどうにかするべきだと思うがな」
 桑原の言葉を軽く流すと、ルークは黒い霧に包まれてその場から姿を消した。
 そして彼の残した置き土産は、非情な事に桑原にとって相性最悪な敵であった。
594名無しさん@ピンキー:2010/11/09(火) 03:56:08 ID:bcMtwmAX
04

「…佐久良、感じるか?」
「え!?そんな、隊長…感じるか、だなんて。でも隊長の肌なら感じてみたいような…それと、佐久良なんて他人行儀じゃなくて亜沙美って呼んで…」
「君が何を言っているのか僕にはよくわからないけど、今は魔力を集中させてごらん」
「え…は、はい」
 そう言って佐久良は周囲の音が聞こえなくなるほど集中する。
「…これってまさか」
「どうやら誰かが魔物を召喚したらしい。それもこの魔力値、並の魔物じゃない。こんな化物を召喚できる主の方もまた然り、か」
 そして佐久良は今度は腕につけたブレスレットに集中する。
「…くーちゃん、変身してるみたいですね。魔物の近くにいるか、既に戦闘態勢か。どちらにしろ少々ヤバイかも知れません」
「桑原が対処できるかは魔物によるが…彼女は猪突猛進なところがあるから」
「早く行きましょう!隊長は基地でサポートお願いします!」
「…ああ」
 覇気のない返事を返す白鳥だが、佐久良はそれを気にする前に走りだした。
(こんな化物を召喚できる奴は魔界でもそういない。しかしここに進行してきた理由は何だ?僕がいると知っているのか、それとも知らないのか…。
知っているならば何故こんなことを…いや、今は桑原と佐久良のサポートが優先だ)
 そう言うと、白鳥は基地に向かって走りだした。
595名無しさん@ピンキー:2010/11/09(火) 03:57:04 ID:bcMtwmAX
05

 状況は彼らが思った以上に最悪だった。
「ハァ…ハァ…クソッ、デカブツめ。アタシはこう言うパワー系は苦手なんだよ…」
 桑原の短剣と小銃という武器の性質上、触手などの細いものには強いが、防御が硬い敵は苦手になる傾向にあるのは先程述べたとおりである。
 オーガー自体は図体が大きく動きは鈍いが、その分圧倒的な攻撃力と防御力が有り、
桑原の攻撃では多少の傷は追わせられても致命傷に至るものはまるでなかった。
 その上鎧まで着込んでいるのだから、彼女の武器ではお手上げという他ないのだ。
(このままじゃジリ貧どころか負け確定だ。せめてどこかに傷でも追わせてアイツの負担を軽くしてやらねえと…)
 そう考えると、桑原は呼吸を整え、眼を閉じてオーガーのある一点を思い描きがなら集中した。
(狙いは人体急所のこめかみだ。あの巨体じゃ死角な上に対処しづらい。人と同じかは知らねえが、届けば少しはダメージになるだろ)
 瞬間、彼女が消える。そしてオーガーに、それを感じる暇はなかった。オーガーが感じたのはただ一点、頭、いやこめかみへのダメージだけだった。
「ガアアアアァァァァァッ!」
「ビンゴ!やっぱり急所は人と同じらしいな。…って、あれ?抜けな…」
 狙いは良かった。確かに桑原はオーガーに対し大ダメージを与えることには成功した。
しかし、そのダメージもまた、ただの大ダメージどまりなのであった。
 寧ろ状況は更に最悪となっていた。オーガーの頭の肉に短剣が包み込まれ、全くと言っていいほど抜けなくなっていたのだった。
「おいおい、マジかよ。何だこのギャグマンガみたいな展開は!」
 悪態をつきながら必死に引っぱるが、そもそもパワー系でない彼女にそれが出来るわけもなかった。
 そして暴れていたオーガーの手は頭で必死になっている桑原をまるでハエのようにたたき落とした。
「がっ…!」
 唸り声を上げることすら出来なかった。
 辛うじて魔装の自動防御で致命の傷を追ったわけではないにしろ、桑原の戦闘不能は明らかであった。
 それを見たオーガーは地面で潰れた蛙のようになっている桑原をその手で掴んだ。
 彼女が平穏無事に戦闘を終えることは、既に夢物語となってしまったのだった。

第三話or桑原円BADENDへ続く
596名無しさん@ピンキー:2010/11/09(火) 04:01:29 ID:bcMtwmAX
というわけで二話お終いです
過疎の中の暇つぶしとしてでも読んでいただければこれ幸い

一応三話内で正史とBADで分岐します
当初の予定通り進めてしまうとどうしてもエロが殆ど無いという状況に陥ったため急遽挿入しました
こういう所は作者の力不足を感じますorz
詰まるところ、正史はエロがあまり有りません
BADでは頑張ります
597名無しさん@ピンキー:2010/11/09(火) 22:33:42 ID:7EleRrJD
GJ!
598名無しさん@ピンキー:2010/11/09(火) 23:18:14 ID:w9GM7X3Q
おつです
BADに期待。力を注いでください
599名無しさん@ピンキー:2010/11/10(水) 17:01:43 ID:R+zUOD3K
インデックスに触手を食われるイカ娘
600名無しさん@ピンキー:2010/11/10(水) 22:22:26 ID:b5QWkWQW
>>599
…で?
601名無しさん@ピンキー:2010/11/11(木) 02:02:16 ID:2Y8jtPEx
でっていうwwwww

いがいとヨッシーの舌ってエロイヨナ
602名無しさん@ピンキー:2010/11/11(木) 09:46:10 ID:I0qSK2Cc
>>601
カービィやヨッシーで対サムスとゼルダ、ピーチのW姫はロマン
603名無しさん@ピンキー:2010/11/11(木) 10:27:45 ID:IXt6/2ko
ゼロサムスーツなピーチ姫がメトロイドの繁殖奴隷になれるとな?
ようやく駆けつけたマリオが目にしたのは…
604名無しさん@ピンキー:2010/11/11(木) 12:46:56 ID:4CoV9YZF
ライクライクに飲み込まれ……
605名無しさん@ピンキー:2010/11/11(木) 17:38:12 ID:I0qSK2Cc
常に>>602の面子がカービィやヨッシーの口の中でクチャクチャされ衣類だけ微妙に溶かされ吐き出される妄想をしながらスマブラをする

しかし現実は厳しく星になるカービィww
606名無しさん@ピンキー:2010/11/11(木) 18:38:41 ID:/BxLR7hX
>>604
防具を食われるハーフエルフ少女か・・・
607名無しさん@ピンキー:2010/11/12(金) 00:05:04 ID:nuE85PJi
いつから捕食スレになった
608名無しさん@ピンキー:2010/11/12(金) 00:08:33 ID:+lI49wMv
捕食ネタなんて一つもないじゃなイカ
・・・と思ったら、>>599かw
609名無しさん@ピンキー:2010/11/13(土) 00:43:53 ID:xcUw2Ql8
お久し投下
610名無しさん@ピンキー:2010/11/13(土) 00:44:49 ID:xcUw2Ql8
がたんごとん。列車は線路をなぞっていく。
あの場所へ、あの娘のもとへ。
わたしの隣には、ふたりの天使。
これからも続く、戦いに臨む。


『貫殺天使リア』
27/苦.そして


――早朝、グローデン家門前
朝靄の中、荷物を持って外に出たら、メグミさんとアキラさんがいた。
「おかえり、どこに行くの?」
「・・・・・・ちょっと、そこまで」
憮然とした面持ちで、アキラさんに問いかけられる。
「カレンちゃん、見つけたんだろ? 昨日のパトロールの時点で様子がおかしかったぜ」
「・・・・・・これは、わたしの問題です。メグミさん達には迷惑かけられません」
いつも通りにしてたはずが、すぐに見破られてたみたい。そんなにおかしかったかな。
「リアちゃん、私たちはあなたに言わなければならないことがあるの」
「・・・・・・? なんです?」
「アタシたちは1週間・・・・・・、5日後、この町を出る。たぶん、戻ってこない」
「!!」
そんな、きいてないよ。
「ごめんなさい。これは、昨日決まったことなの。夜には言うべきだったわね・・・・・・」
「5日後にはアタシたちはもう会えないんだ。だから、さ」
「迷惑なんて、言わないで。最後なんだから、もっと甘えて欲しいの」
「・・・・・・」
いいのかな、いいのかな。
アキラさんの差しのべた手を、わたしは受け取った――。
611名無しさん@ピンキー:2010/11/13(土) 00:46:24 ID:xcUw2Ql8
――現在、温泉街
「ふーん、ここかぁ。なんつーか、セントチヒロ?」
「おーるうぇいずって気もしますけど」
わたしは再び、この土地に足を下ろしていた。
今度は、天使の立場で。
「そーいや、宿とかどーすんだ? 荷物置かなきゃだめじゃね?」
「あっ・・・・・・」
しまった、ここに来ることばかり考えてて、宿なんてとるの忘れてた。
「それなら、私が新幹線の中で電話を入れておいたわ。安いところだけど、いいでしょ?」
「ありがとうございます・・・・・・」
「さっすがメグミぃ! アタシたちにできないことを平然とやってくれる! そこに痺れる、憧れるぅ!」
「いや、あなたは大人なんだからできるようになりなさいよ・・・・・・」
というか岩手から新潟まで、アキラさんは寝るところをどうしてたんだろう。
お金も大して持っていなかったようだし。
・・・・・・段ボール?
「なんか、失礼なこと考えてねーか?」
「い、いえいえ。段ボールじゃ寒かったろうなーと・・・・・・」
「段ボールぅ?」
よけいなことを、わたしめ。
「なにはしゃいでるのよ。ついたわよ、旅館」
「あ、はーい」
「へいへーい。・・・・・・ここ?」
目の前にそびえ立つのは、今にも崩れそうな2階建て家屋。屋号がかすれて見えない・・・・・・。
「そ。ひとり1泊2000円。食事、お風呂なし」
それは温泉旅館であることを放棄してるんじゃないだろうか。
「荷物をおいたら、捜索を始めるわよ」
「「はーい」」
・・・・・・うわ、中きたなっ。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・
612名無しさん@ピンキー:2010/11/13(土) 00:47:24 ID:xcUw2Ql8
――ボロ旅館「久地葉手荘」
「リアちゃん、アキラ。こういう場合の捜索の仕方を教えてあげるわ」
「捜索の仕方、ですか? 普通に探しちゃだめなんですか?」
「いんや、住処の“アタリ”がついてるならそれでいいんだが、見当がついてないんだったら普通には探せないんだ。
 『ここいら辺にいる』って情報しかない今、ウルフの巣を見つけるのは不可能だ。四方が山ばっかだしな。
 巣となり得る場所はそれこそいくらでもある。で、メグミ。自信ありげだけど、どーやって探すの?」
「まずは、土地の確認ね」
ばさっ、と大きな地図を広げる。るるぶについてきたものだ。
きゅきゅっとペンを鳴らして現在地に赤丸をつける。
こうして見ると、周りが本当に山ばかりで、ここから巣を見つけるなんて荒唐無稽に思える。
「ふむ・・・・・・。全部の山に観光地があるのね。好都合だわ。リアちゃん、1階に降りるわよ」
地図を閉じて部屋を出るメグミさん。まさか地道な草の根作業をするのだろうか。
階段を下りて、メグミさんに追いつく。あれ、女将さんの部屋に向かってる?
「相手がヒュプノスウルフだからできる裏技、見せてあげる」
ちょっとお茶目な表情をして、がらりと障子を開ける。女将さんが畳の上で転がっていた。
おせんべぼりぼり。昼メロどろどろ。
「ちょっといいですか? ここいら辺の観光で聞きたいことがあるんですけど」
「んー? なんじゃ?」
「この地図に出てる山の特徴、教えて頂けませんか?」
「どれどれ、そうじゃの、この山は・・・・・・」
ひとつずつ指さして観光名所だの秘湯だの伝承だのを教えてくれる女将さん。
10分くらいかけて、全部の山の特徴を聞き終えた。
「ありがとうございます。これから少し観光してきますね」
「おうおう、門限には帰ってくるんじゃぞー」
障子を閉めて、部屋を後にする。また2階のわたしたちの部屋へ。
「リアちゃん、“アタリ”はついたわよ」
「え!? えと、どうやったんですか!?」
ただ山の見所を聞いていただけに思えるけど・・・・・・。
「ヒュプノスウルフはヒトが巣の近くを意識しないように催眠魔法をかけるの。
 ほら、慣れた道を歩いていても、『そういえばこんな建物あったな』ってことない?
 そういう“意識のデッドスペース”ともいえるものを応用した魔法ね。早い話が結界よ。
 で、この裏技」
ばさ、と地図を広げる。階段だから狭い・・・・・・。
「ここに住んでいる人に、自分から土地の説明をしてもらう。忘れられている場所、意識されなかった場所に巣があるわ」
ぴ、と一点を示す。女将さんの字が書き込まれた図面の中、奇妙にそこだけ地の色が残っていた。
「ここに、やつらがいる」
廊下の窓から顔を出す。
あの、山に、いる。
まってて、カレン。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・
613名無しさん@ピンキー:2010/11/13(土) 00:48:28 ID:xcUw2Ql8
――夜、山中
ウルフが巣を作っているであろうポイントに、わたしたちはいる。
正確な場所はわからないけど、だいたい山の中腹くらいだろうとの見当。
変身せずに、わたしとメグミさんだけでお喋り中。
デスパイアがいるかもしれない場所で、何とも暢気なことである。
もちろん、狙いがある。
「そしたらですね、カナエったら・・・・・・」
「あらあら・・・・・・」
がざ、と藪から音。目配せ。まだ行動は起こさない。
「でですねー・・・・・・」
「え、そんなことするの?」
がさがさ、音が近づいてくる。目配せ。まだ動かない。
「なんて言ったと思います? 『近藤さん?』って言ったんですよ!?」
「まあまあ――」
「ガルルルルルルルル!」
――来た!
「アキラさん!」
「言われんでも!」
ばっと木の後ろに隠れていたアキラさんがウルフに飛びかかる。瞬時に変身を終え、刀を振りかぶる。
「たぁぁぁぁ!」
「ガルゥ!?」
突然の天使の登場に慌てふためくウルフ。体も小さく、群れでも下の部類だろう。
背中に一太刀を浴び、ほうほうの体で逃げ出すウルフ。それに対して、追撃はしない。
ある程度の距離を保ったまま、追跡をする。常套手段、巣に連れて行ってもらう、だ。
坂を上り坂を下り、ウルフはそこへ逃げ込む。
「・・・・・・民家?」
そこは、小さな民家だった。
2階建て、屋根が一部崩れている。手入れをされず好き放題に伸びた防風林がその半身を隠している。
場違いに、“トトロの家の10年後”という感想を抱いた。
「メグミさん、どうします? このまま突入しましょうか?」
「そうね・・・・・・、アキラ、裏口の見張りと殲滅を頼めるかしら?」
「オウ、任しとけ」
そう言って生け垣をまわっていくアキラさん。残ったのは、門の前に立つメグミさんとわたし。
「大障壁、半径20メートル」
メグミさんが呟くと、メグミさんを中心とした球状の障壁ができあがる。身を守るものではなく、敵を閉じこめるもの。
壁がすっぽりと家を覆うと、メグミさんは宣言する。
「それじゃあ――正面突破ね」
がやがやと慌てふためくその巣に、わたしたちは足を踏み入れた――。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・
614名無しさん@ピンキー:2010/11/13(土) 00:49:22 ID:xcUw2Ql8
「障壁反転、6から4!」
「<サーディン>!!」
氷の割れる音と魚の衝突音が狼の悲鳴をかき消していく。
古民家は武家屋敷に似ていて、廊下と和室、それぞれの部屋のしきりがほとんどない。敵を見つけるのは簡単だ。
1階をあらかた探しても、カレンどころか被害者の女性ひとりも見つからない。と、いうことは。
「2階にいますね。集められているんでしょうか」
「そうね。それじゃ、階段を探しましょう」
メグミさんに寄り添い探索をする。多重障壁の中は、いちばん安全だ。
階段を見つけるため歩を進める。
背後から視線――
      ――カレン――
           ――いた、いた、いた!
「カレン!!」
「っリアちゃん!?」
駆け出す。
走る。
頭の中は空っぽ。
「っうわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
やっと、見つけた。
カレンが背を向けて走り出す。どうして逃げるの? 待って、待ってよ。
追いすがる。走る。走る。階段を上る。
上りきったその先で、カレンはこちらを向いて立っていた。
両手に、小太刀を構えて。
「カレン!!」
やっと見つけたその姿。カレンが、笑う。
わたしの知らない、媚びた笑顔で。
「久し振り、リアちゃん。元気だった・・・・・・、みたいだね。こんなとこまでどうしたの?」
「・・・・・・カレン、帰ろう。家に、帰ろう。みんな、みんな待ってるよ」
カレンは、答える。ごめんねと言うように、申し訳なさそうに。
「だめだよ。あそこは、私のいる場所じゃない。わかったの。私のいるべき場所は――」
両脇の襖が破れて、ウルフが飛び出してくる。カレンが、飛びかかってくる。
「――ここだ、って」
「っくあぁぁぁぁぁっ!?」
向かい来る爪を牙を銃弾が射止める。その刹那の時間に接近してきた小太刀を、銃身で受け止める。
「カレン、なんで!?」
「私ね、ご主人様に教えてもらったんだ。私の生きてきた意味、私の生きる意味」
二本の短刀が交互に走る。カレンの戦闘スタイルは接近戦、肉体強化の下手なわたしではついていけない!
一閃、二閃、わたしの腕に赤い線が増えていく。捌ききれない攻撃がわたしを容赦なく痛めつける。
「く、あぅっ!?」
「そう、ご主人様につくすこと。一生、一生尽くすこと。それが私の生きる意味、私の存在する価値!」
ばしん、とカレンの一撃ではじき飛ばされる。背中を打つ。
足も、手も。そこかしこに切り傷が浮かび上がる。なんで、なんでカレンがわたしに?
615名無しさん@ピンキー:2010/11/13(土) 00:50:22 ID:xcUw2Ql8
「そうだ、リアちゃん。これ、すぐに言わなきゃいけなかったよね」
カレンがそのお腹に手を当てる。あのときから少し膨らんで見えるお腹に。
膨らんだ、お腹?
それは、つまり。
「私、ご主人様の子供を授かったの」
「・・・・・・え・・・・・・」
時が止まる。わからない。なんで、なんでそんなに嬉しそうなの? なんでそんなに幸せそうなの?
いつの間にかわたしに歩み寄ってきたカレンが、わたしの体を抱きしめる。包むように、慈しむように。
「私、幸せだよ。今、とても幸せ。この幸せを、リアちゃんにも味わって欲しいの」
カレンの肩越しに、ウルフの姿が見える。今まで倒したウルフよりもひときわ大きく、粘ついた視線をわたしたちに注いでいる。
ぎゅっと抱きすくめられたわたしの腕は、だらしなく床に落ちる。あれ、わたしってカレンを助けに来たんじゃないの?
なんで、そのカレンはこんなに幸せそうなの?
わからない。わからないよ。
廊下の奥からウルフが悠々と歩み寄ってくる。わたしはそれを、どこか遠くから見ている気がした。
「大丈夫、大丈夫だよリアちゃん。ご主人様が、リアちゃんも幸せにしてくれるから」
黒灰色の毛皮が目前にある。高くそそり立つ牡の象徴に、目を奪われる。
「リアちゃん、ね、いっしょに・・・・・・」
カレンに導かれ、肉棒に唇を寄せる。強い悪臭に、脳が灼ける。
夢のような幻のようなその感覚の底で、懐かしい声を聞いた。
――『傷つけられる人たちを、守りたい、助けたい、あんな思いをする人は増やしたくない。
   お願い、私を、私を天使にして』――
傍らにいる友の、かつての声。
――『天使の仕事は、誰かを守ること。誰かが苦しんでいるのなら、助けなければならない。
   どうか、諦めないで。あなたなら、きっと大丈夫』――
わたしを導き、助けてくれた彼女。
――『もっと胸張れ、胸! リアちゃんはできる子だ!
   いつかカレンちゃんも、助けてやれるさ!』――
ともに戦い、勇気をくれたあの人。
そして、
――『フィリア、あなたは優しい子です。あなたの笑顔は、みんなを幸せにしてくれます。
   忘れないで。本当の幸せは、デスパイアから与えられるものではないことを。
   人は、人と生きることに幸せがあるということを。
   人を、家族を、友達を、あなたの手で、守ってあげてください』――
そして、お母さん。
そうだ、これは、今感じるこれは、カレンの感じているこれは――
「カレン、今、幸せ?」
「? 幸せだよ? ほら、早くご主人様にご奉仕しよう?」
――偽物、だ。
ぱん!
乾いた銃声が虚しく響く。静かに硝煙を噴く銃口は、真上を向いていた。
「・・・・・・ぁ?」
遅れて、ぼたぼたと生暖かい赤色が流れ落ちてくる。頭上を見やれば、獣の顎からその滴りが流れてくるのが確認できた。
ふらふら、ばたり。
あっけなく、あまりにあっけなくそれは命を終える。
呆然としたカレン。でも、これで洗脳はとけたはず。
やっと、いっしょに帰れるね、カレン。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・
616名無しさん@ピンキー:2010/11/13(土) 00:51:05 ID:xcUw2Ql8
「ご、ご、ご主人様ぁ!? あっ、いった・・・・・・!?」
頭を抱え出すカレン。なにかが切れたように、まやかしがとけたように。
「い、いた、なにこれ、違う、私は、あぁ、ちがう、ちがう!」
じたばたとのたうち回る。涙を流して、嗚咽を漏らして。
「デスパイア、てきっ、ちがう、ごしゅじんさま、いやぁ! ちがう! あれは、てき!? 
 きもちわるい、きもちわるい、きもちわるい!」
「カレン・・・・・・」
耳をふさぐ。目を閉じる。
真実から。
自分を、守るために。
がたがたと、震えて。
現実を、拒絶した。
「カレン!」
「り、リアちゃん・・・・・・? 私、なに、なんで・・・・・・?」
信じられない顔をするカレン。なにを信じられないのか、なにを信じたくないのか。
わたしには、わからない。   
「ぁ・・・・・・」
ふと、カレンの手のひらが彼女のお腹に伸びる。止めようとした、止められなかった。
「あは、これ、なに・・・・・・? なに、これ。なにこれっ。いやっ! なにこれぇ!」
「カレンっ、カレンだめ! カレン!!」
がたがたと。ぶるぶると。
恐怖と嫌悪と絶望と真実を。
カレン自身の身のうちから感じ取って、
「い、い、いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
断末魔のような叫び声を上げ、カレンは意識を失った。
そして、

617名無しさん@ピンキー:2010/11/13(土) 00:52:30 ID:xcUw2Ql8

――グローデン家
あれから、1年と半年。また、夏休み。
メグミさんとアキラさんは遠いところへ行った。今でもメールは続けている。
この前写真が貼付されたメールが来た。ふたり並んでテーマパークにいる写真。
すごく、幸せそうだった。
クラス替えでるーあとカナエとは離ればなれになった。新しいクラスは、なんだかうまく馴染めない。
昨日、ふたりと廊下ですれ違った。わたしではない、たくさんの友達を連れて。
すごく、幸せそうだった。
お父さんはまた海外出張に行くらしい。ここ半年、一度も会ってない。
あの人は仕事が生き甲斐で、仕事をしてるときはいつも楽しそう。一昨日の電話で出張を告げたときだって。
すごく、幸せそうだった。
それから――それから、カレン。
この町に戻ってから2日後、カレンの意識は戻った。
意識は戻ったが、心は戻らなかった。
憎み、怒って殺意を抱いたデスパイア、その子供を孕まされていたことが精神に深いダメージを与えていたらしい。
病院のベッドで目覚めたカレンの第一声目は、『お母さんはどこ?』だったとか。
彼女のお母さんは、6年前に死んでいる。
もう、壊れていたのだ。
「おかーさん、またお外行くの?」
「うん、カレンもお留守番しっかりしててね?」
そして今、カレンは家に戻っている。
なぜだか、わたしをお母さんと勘違いして。
幼児退行、らしい。大きすぎるショックから、心を守るために子供に戻ったのだ。
なにも知らない、純真で白痴なあの頃に。
「おかえりしたら、しらゆきひめ読んで!」
「うん、まっててね。それじゃあいってきます」
自分より高いカレンの頭をひと撫でして、玄関を出る。
暗い、暗い闇の中へ。
わたしはひとりで、向かっていく。




デスパイア――いつからかこの世界に巣くい、人々を蹂躙してきた存在。
過去からひっそりと、今も闇の中で息づいている。
それは、絶望を喰って生きる。そして、人間の女性を、犯す。
彼らとの和解の路はないし、今後できそうな兆しもない。だから私たちは倒さなくてはならない。
けど、戦い続けてどうなるのだろう。なにがあるのだろう。
カレンを助けても、なにも手に入らなかった。むしろ、いろんなものを失った気さえする。
暗い夜道を歩きながら、思う。
疲れた、な――。
618名無しさん@ピンキー:2010/11/13(土) 00:53:24 ID:xcUw2Ql8
・・・・・・・・・・・・・・・・・


――グローデン家、リビング
絵本を両手に座り込んだカレンの瞳に、大きな影が映る。
砕けて転がるガラスを踏みしめ、デスパイアがそこにはいた。
小柄な馬の矮躯に、頭には山羊の頭骨を被せた姿。
カレンの家族を襲ったデスパイアと、同種のもの。
絵本でもテレビでも見たことのないその動物に、カレンは不思議の眼を向ける。
「お馬さん、だあれ? ここ、カレンのおうちだよ?」
「グケケッ、逃げないのか逃げないのか。なんだなんだ、つまらんやつめ」
しゅるしゅるとたてがみが伸びて、カレンの手足に絡みつく。パジャマのボタンを器用に外す。
ショーツ一枚を残した姿になって、ようやくカレンが疑問を持つ。
「お馬さん、なにするの? パジャマ着てないと、おかーさんにおこられちゃうよ」
「グケッ、大丈夫だよ。それより、カレンちゃんにいいことを教えてあげよう」
「いいこと?」
無垢なその唇に、デスパイアは舌を伸ばす。長く細い馬の舌がカレンの舌と絡み合う。
「んっ、んん・・・・・・?」
どこか懐かしく、熱くて幸福な気持ちがわき起こる。正体を知らぬまま、カレンは接吻を交わしていく。
つんと尖った乳頭にたてがみが巻き付く。ぐねぐねと動くたてがみに踊らされ、カレンは股を擦らせる。
半年に及ぶデスパイアの調教を受けたカレンの身体は、既に新たな主を迎え入れる準備を始めていた。
「ぁう・・・・・・。おもらし、しちゃった・・・・・・?」
ぐっしょりと濡れたショーツが彼女の下腹部に不快感を与える。そのショーツが半透明の糸を引きつつずり下ろされる。
真っ赤に充血した牝の象徴が、牡を欲してぱくぱくと蠢いていた。
「カレンちゃん、そっちをむきな。そうそう、そこに手をついて・・・・・・」
「はぁい」
デスパイアに従い長足のテーブルに手をつく。尻を上げ、馬に向ける。
「・・・・・・?」
自然と、腰が動いていた。誘うように、誘うように。
「グケケッ、調教済みかよ。まあいいや」
デスパイアの怒張があてがわれる。熱い感触は、熱い記憶を呼び覚ます。
「ぁ・・・・・・ん、あぁっ! なに、んやぁっ」
ずぷりと抵抗なく馬の怒張が呑み込まれる。太く長いソレは、いともたやすく終着にたどり着いた。
そして、大きくグラインドを始めた。
「んぁ・・・・・・、あうっ! ひゃっ、あぁ!」
カレンの淀んだ瞳は懐かしい快楽のみに焦点を合わせる。身体の記憶のままに、腰を使って牡を悦ばす。
「あん、あぁ、んあぁっ!」
2匹の饗宴はなおも続く。牡は自らの快楽を追い、牝はただ牡を悦ばせることに悦楽を得る。
その姿は、かつてのカレンと同じものだった。
結局、リアはカレンを助けることなどできなかったのだ。カレンには、これしか残っていなかったのだ。
「ごしゅじんさま、ごしゅじんさまぁ!」
無意識に今は亡き主を呼ぶ。埋め込まれた肉棒が太さを増していくのを感じて。
牡と牝の宴に、終わりが訪れた。
太く大きく高く、馬はいななく。ひときわ強く、カレンは突き立てられる。
そして、そして、そして、
「あ、あぁ、あぁぁぁぁぁぁぁっっ」
染まる。戻る。あの日に、あの日々の幸せに。
ゆっくりとデスパイアが抜け出ていく。カレンの愛液と馬の精液が混じり合った白濁が女陰からごぽりとあふれた。
白くトンだカレンの心には、性の快楽しか残っていない。
619名無しさん@ピンキー:2010/11/13(土) 00:55:32 ID:xcUw2Ql8
・・・・・・・・・・・・・・・・・・


帰宅して、いつもなら飛びついてくるカレンがいなくて。
おかしいなと思って、リビングに入って。
崩れ落ちた。
巨大な馬、デスパイア。その肉棒にカレンが奉仕をしていた。
デスパイアがわたしに気づき、言う。
「ああ、デザートまであるのか」
たてがみが伸びてくる。それを振り払う気には、ならない。
ああ、わたしって、
なんのために、頑張ってたんだっけ?
そして、








そして.end
『貫殺天使リア』/bad end
620名無しさん@ピンキー:2010/11/13(土) 00:59:00 ID:xcUw2Ql8
終わりです。某サイレンばりの高速展開
いろいろ突っ込みたいでしょうが、ご容赦くだせぇ


次はhappy endです
そしてなにげに津南くんendも作っているという
621名無しさん@ピンキー:2010/11/13(土) 01:01:07 ID:xcUw2Ql8
あうちsage忘れ
622名無しさん@ピンキー:2010/11/13(土) 01:35:12 ID:mpowUzN/
乙!
リアに比べると、カレンちゃんは脆いなあ
まあ、半年も飼われたら仕方ないか。なまじ痛めつけるような陵辱より、比較的生ぬるい調教だったせいもあるのかな
せっかくのバッドエンドの割には、エロが今までに比べるとあっさりしてたのが意外てか残念かも
623名無しさん@ピンキー:2010/11/13(土) 03:36:15 ID:yZbaqHDL
乙だなー
624名無しさん@ピンキー:2010/11/13(土) 08:25:32 ID:Zsf0IxSc
乙。
てことはこのシリーズはもう数話で終わり?
625名無しさん@ピンキー:2010/11/13(土) 15:41:24 ID:CyS/pKzd
戦闘不能になると敵ETの度にエロイベントが発生(2〜3Tは抵抗や装備破壊で陵辱は無し)規定ターンまでに監禁所に行かないと
「○○が監禁されている場所に踏み込んだ!「しかし先ほどまで誰か居た形跡があるが○○の壊れた装備しか発見出来なかった…」とロストしてしまう
そんなSRPGエロダンジョンを考えて一層分のMAPとそんなイベントのシステム組んでエターナル入り
626名無しさん@ピンキー:2010/11/13(土) 15:58:13 ID:YGEy1zuB
大丈夫だお前なら出来る
627名無しさん@ピンキー:2010/11/13(土) 17:12:46 ID:CyS/pKzd
>>626
汎用や丸投げ素材パックで作り始めたけどフリーズやエラー多発で折れた。
魔法少女が変身解除され死にゲーになる魔封エリアや装備が水着になるエロ蛸の巣窟の水エリアとかアイデアはあったが
628名無しさん@ピンキー:2010/11/13(土) 17:54:56 ID:xcUw2Ql8
ホントに作ってたのか・・・・・・
あきらめたらそこで陵辱終了だぞっ
629名無しさん@ピンキー:2010/11/13(土) 20:33:23 ID:WXDWi/Nv
コードエクスなんか魔法少女物と考えても良いような気がする
騎士タイプの魔法少女とかヴァルキリータイプの魔法少女とか妄想すると血が熱くなるよね



で高ボーナスポイントでガチガチに作った新人魔法少女パーティーがマイルフィックみたいなたった一体の巨大強大な化け物に
性的に壊滅させられる全滅譚とか出勤するバスに揺られながら脳裏の片隅で妄想する
630名無しさん@ピンキー:2010/11/13(土) 23:58:14 ID:GgKo+GwZ
エロパロ板以外でオヌヌメの触手・怪物SSも知りたい。
あんまエロくはないけれど、文書上手いヤツとかでもいい。
631名無しさん@ピンキー:2010/11/14(日) 00:16:50 ID:Pg6HKobV
個人的にはカノンフォーゲル氏のファイアフライがお勧め
毎回エロがある訳でも、必ずしも触手がメイン張る訳でも無いけど何かいい
632名無しさん@ピンキー:2010/11/14(日) 01:42:42 ID:09UZwmv9
とうか
sageは最後に入れればいいよね
633名無しさん@ピンキー:2010/11/14(日) 01:43:56 ID:09UZwmv9
がたんごとん。列車は線路をなぞっていく。
あの場所へ、あの娘のもとへ。
わたしの隣には、だれもいない。
帰り道は、ふたりだよ。


――夜、山中
結局、メグミさんとアキラさんにはなにも言わず出てきてしまっていた。
まだカレンがここにいると決まったわけじゃないし、なぜだかこれはわたしが解決したかった。
だから、ひとりで。
ひとりで、ここにいる。
「うーん、やっぱり無理があったかなぁ」
で、現状。
11時をまわっても、捜索の甲斐なし。
突発的に来たから、宿もなし。
オウフ。
その上、寒い。そりゃあ寒いさ、この季節の夜だもん。コスチュームがある程度寒気を和らげてくれているけど、肌にぴしぴし来る。
さて。
「どうしましょ・・・・・・」
恐ろしいことに、さっきから同じところをぐるぐる回っている気さえしている。
町の灯りも木々に遮られて見ることができない。
ザ・遭難。
「・・・・・・遭難した? そうなんだー」
しゃれにならねえ。
もしかしたらデスパイアのいるかもしれない場所でこれは、ちとまずいのでは。
・・・・・・お腹減ったなぁ。
手近な木に背もたれて座り、リュックからごはんを取り出す。
ツナマヨおにぎり、たまごサンド、烏龍茶濃い味。
和洋中三種の神器。
「うむっ、もぐもぐ・・・・・・」
まずはおにぎりから。うまー。
「もふもふ・・・・・・はふっ、はふはふっ」
たまごサンドうまー。
このふたつを交互に食べ、合間に烏龍茶を飲むのがわたしのジャスティス。
「んー、とりあえず下降りないとなー・・・・・・」
634名無しさん@ピンキー:2010/11/14(日) 01:45:25 ID:09UZwmv9
もぐもぐしながら今後を考える。かさこそと足下近くの落ち葉が崩れた。うわ、でっかいムカデ。冬でもいるもんだなぁ。
他の女子みたく「きゃー!」とか言って逃げたりはしないけど、虫はやっぱりキライ。わたしだって女の子なのだ。
「よっと・・・・・・」
サンドイッチを口にくわえたまま、場所移動。ふたつくらい間を空けて、また木に座り込んだ。
ばっさぁ、と目の前の落ち葉が盛り上がる。
「ぎぎぎぎぎ」
うわ、でっかいムカデ。8メートルくらい?
・・・・・・メシ喰ってる場合じゃねぇ!
「オーシャンオル・・・・・・うあ!?」
銃を構える暇もなく、ムカデがその巨体を覆い被せてきた。肌を這いずる小さな足が、生理的嫌悪感をわき上がらせる。
「きっ、きもちわるい! どいて! どけぇ!」
「ぎぎぎぎぎぎぎ」
じたばたとムカデの下で暴れるも、悲しいかな、わたしには重すぎてちっとも持ち上がらない。
この状況、わたしにはどうすることもできない。
が、どうすることもできないのは相手も同じ。この密着状態を少しでも解いたら、すぐにわたしの弾丸が頭を射抜く。
今の膠着状態は、ムカデがわたしに完全にのしかかっているから生まれているだけだ。
どうやらムカデの小さな足ではわたしの障壁が貫通できないらしい。さっきからコスチュームをかりかり引っ掻いているだけだ。
デスパイアは朝日を浴びると弱体化する特質がある。その特質は、弱いデスパイアほど顕著に表れるはず。
だったら、朝まで待てばいい。朝日を浴びた瞬間、撃ち殺してやる。
・・・・・・けど。
「・・・・・・うえっ」
視界いっぱいに広がる無数の節足。たまに顔に当たってくるからすごいキモイ。
キモイってか、やばい。今まで虫型なんてたくさん倒してきたけど、間近で見るとこんなに気色悪かったなんて・・・・・・。
「ぎぎぎぎぎぎ、ぎきゅぅぅぅぅぅ」
「ああっ、動くな! やめっ、きもちわるっ」
やばいやばい、これやばい。吐き気する。つかなにその変な鳴き声。ムカデって鳴くのかよ!
しばらくその不快な光景と格闘していると・・・・・・。
「ぎぎぎぎぎぎ」
「ぎぎぎぎぎぎ」
ぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎ・・・・・・
「・・・・・・へ?」
四方八方からムカデの這いずるがさごそという音と、ムカデデスパイアの鳴き声が聞こえてきた。
「も、もしかしてさっきの・・・・・・っ」
仲間を、呼ぶため!
「っいた! こ、この・・・・・・っ」
銃を持つ右手に無数の足がのしかかる。視界は節足で埋まり、自分の周りには大量のデスパイア。
まずい。
「ぎぎぎぎぎ」
急に視界が開けた。わたしの上のムカデが、その上半身を持ち上げ蛇のようにわたしを見下ろしている。
「く、この・・・・・・っ! きゃあ!?」
635名無しさん@ピンキー:2010/11/14(日) 01:46:33 ID:09UZwmv9
ムカデの顎がコスチュームを破き始めた。セーラー服の真ん中からまっぷたつになり、白いブラが外気に晒される。
暴れようとしても、無駄だった。足に、手に。増えたムカデが押さえ込みをかけている。
ぶちん、とひとひらの容赦もなくブラのフロントからちぎり取られる。寒気にあてられ乳首が硬くなっているのを感じる。
「ぎっ、ぎぎぎぎ」
ムカデの頭が下へ下へと向かっていく。大の字に地面に貼り付けられたわたしは、抵抗さえ許されない。
「や、やめっ・・・・・・」
「ぎぎぎぎぎ」
ムカデの顎がスカートに触れる、
その、瞬間。
「ぎぎ、ぎ?」
つー、とムカデの頭が胴体からずれていく。お豆腐を横から斜め切りしたような、そんなずれ方で。
ぼとりと重音を落ち葉に乗せ、わたしにのしかかっていたムカデは絶命した。力をなくした胴体がまたわたしにのしかかってくる。
「もう、リアちゃんにさわらないでよ」
と、少女の声がして、わたしの上の死骸が打ち払われた。そこら中のムカデたちが、遅れて警戒音を発する。
「ぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎいいいいい!」
「はぁ、気持ち悪いなぁ・・・・・・」
声の主の姿をようやく確認できる。確認するまでもなく、知っている声。
夜の暗闇に映える小太刀をきらめかせ、
切れた雲から覗く月明かりに照らされた漆の髪をのばし、
かつて、あの夏休みに姿を消した、
「久し振り、リアちゃん」
彼女は、

「カレン・・・・・・」
双剣天使、カレン。
やっと見つけた、大切な人。


『貫殺天使リア』
27/幸.銀銃堕落
636名無しさん@ピンキー
――夜、山中
「カ、レン?」
やっと見つけた、大切な人。
その顔に張り付いているのは、見たこともない表情だった。
こんな、粘り着くような、こんな、絡みつくような表情を、わたしは知らない。
ねえ、なんでそんなににやにやしてるの? わたしの知ってるカレンは、そんな顔しないよ。
「危なかったね、リアちゃん。ちょっと待ってて、すぐこいつら片づけるから」
「ぎぎぎぎぎぎ!!」
集まっていたムカデたち、遇わせて6体が突然の乱入者に襲いかかる。原始的に、顎を開いて。
「うるさいなぁ・・・・・・。『君の影草』!」
ムカデたちに一撃ずつ突きが入り、彼らを吹き飛ばす。しかし、厚い装甲は貫けたものの、致命傷には至っていない。
あれ? なにかへんだ。『君の影草』なんて技、わたしは知らない。
起きあがったムカデたちは再び牙を唸らせる。ガチガチと不快音が6重奏を奏でる。
「ねえリアちゃん、知ってる?」
先刻と同じように、同時に飛びかかるムカデ。しかしカレンは、立ちつくすだけで目もくれない。
「君影草――鈴蘭って」
突如、ムカデたちの体がびくんと跳ねる。ぶくぶくと傷口から濃い紫色をした泡が吹き出てきた。
「毒が、あるんだよ」
断末魔さえなく、あまりにあっけなく、ムカデたちは倒れる。ばたりと、腹を見せて。
「カ、レン? なに、その魔法・・・・・・?」
カレンは特殊魔法を使えなかった。それに毒魔法なんて、デスパイアしかつかえない魔法のはずだ。
「ん? 今の?」
にっこりと、ねっとりと笑うカレンは、
「そうだね、教えてあげるよ。私たちの家で」
え、発音できたかわからない、それほど自然体で、
「――『悪し君』」
いともたやすく、わたしを昏倒させた。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・