メタルサーガ METAL MAXのエロパロ その7

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519名無しさん@ピンキー:2014/06/15(日) 01:32:42.21 ID:KgckQZsx
◆02

「なんじゃ、ドラムカン・ジョーンズ。新鮮な死体はあったのかね?」
「いや、悪いが新鮮な死体はなかったな。スナザメが食い散らかしててよ」
「キミみたいな人間は少数派だからのぉ」

ドラムカンの言葉を聞いて、ドクターミンチは上げていた目線を電撃蘇生装置に戻した。
天幕の中で、宙に閃光が弾ける。装置はむなしく好調だった。

「しかし、キミも何度記憶喪失になって、ワシに蘇生させられるんじゃろうな。
 クライング・ママでワシの研究がやりづらくなって、マドに移ってみたら、またキミの新鮮な死体を見るとはのう」
「あんたもなかなかだろ。ベヒムースなんか蘇生してたら追ん出されるわ。大方、スナザメもあんたが蘇生させたとか」
「ブレードトゥースに比べたら小物じゃろう……うむ、イゴールが近いな」

ドクターミンチが呟いたその瞬間、助手のイゴールが天幕の入り口をたくし上げて中に入ってきた。
大柄なドラムカンよりも、さらに大きい肩に、人らしきものを担いでいる。
長い金髪が垂れているせいで、顔は見えないが、どうやら女ソルジャーの死体らしい。

「お早いお帰りで、イゴール。何だ、そいつは。別嬪さんナンパでもしてきたのか?」
「いや、彼女は常連じゃよ」
「おいおい、俺以外にここの常連が居るのかよ」

イゴールはドクターミンチの実験台に、女ソルジャーの死体を仰向けで寝かせた。
豊かだった金髪は、もさもさと荒れている。髪をどかすと、ぎりぎり大人と言えるか、という年頃の顔つき。
釣り上がった猫目は、力なく半開きで、濁った碧眼がちらりとのぞく。真っ白い肌は、泥や砂で薄汚れている。
仰向けになっても、こんもりと自己主張する胸の谷間に、TNTパラノイアの薬莢がひとつ転げ落ちた。

女ソルジャーを安定させるため、イゴールが彼女の手足を伸ばした。
そして、電撃蘇生装置を仕掛けるため、彼女の纏うアーマーをてきぱきと剥いでいく。
出る所は出て、締まる所は締まった身体に、大きな傷跡がいくつも刻まれていた。
普通の女なら痛ましいと思えるその傷が、何故かドラムカンは装飾のように美しいと思えた。

「そいつ、生き返ったら知らせてくれよ。俺はちょっと出てくる」
「それはいいんじゃが、彼女は生き返ると、いつも何の話もせずにどこかへ去ってしまうぞ。
 おかけで、ワシは彼女の名前すら知らん」
「それなら俺がとっ捕まえるさ。それも楽しいだろう」

ドラムカンがテントを出た後、ドクターミンチが電撃蘇生装置の準備を整え、放電管を構える。
薄汚れた柔肌から、電流が肉を刺し貫く。身体の中に、熱が押し込まれる。
その狼藉に反発するように、女ソルジャーの心臓が、どくんと跳ねた。

「さあ! よみがえるのだ! この電撃でーっ!」

ドクターミンチの巧みな手管によって、女ソルジャーは冥界から、
このろくでもない現世に引きずり戻されようとしていた。
博士の研究にまたひとつ貢献ができて、フラッシュを浴びるイゴールの顔も、無言ながら誇らしげだ。
この天幕を張った仮設研究所では、これが日常だった。



「おい、ドクターミンチ! 聞こえてんだろ!」
「……何じゃ、出かけてそうそう戻るとは。邪魔せんでおくれよ」

叫び声と同時に、出たばかりのドラムカンが、研究所へ雪崩れ込んできた。

「あんた、ここらでタコ女を蘇生させたりしなかったか?」
520名無しさん@ピンキー:2014/06/15(日) 01:35:21.72 ID:KgckQZsx
◆03

「愛の教師は、わたくし、オフロディテよ。よろしくね♪
 じゃ、授業を始めるから、服をぬいでちょうだい?」

マドの町。酒場の隣に建てられた、酒場に負けないぐらい真新しい、エスニックな建物。
入り口に立つ怪しげな中年男に、ドラムカンは授業料を100G握らせた。
ここは、大人の学校という看板をかけている施設との話だ。

「いいのか? 俺は、脱いだらちょっとすごいもんだぜ」

選んだレッスンは愛。教室の扉を開けば、寝台、窓、タンスがひとつずつの個室。
中で迎えてきたのは、ドラムカンにも引けをとらない長身の若い女。

「いいわ。まだ服を着込んでいても感じる。荒々しさが、あなた本来の姿、ね」

オフロディテは、艶のある黒髪を額で分けて、後ろは腰までまっすぐに伸ばしていた。
きりりとドラムカンを見据える大きな目に、黒縁ハーフリムのメガネが涼しさを添えている。
すっと通った鼻筋に、みずみずしい肌と唇。甘ったるい声は、作り声か、それとも素か。

「あなたも、修羅場をくぐってきたようね。でも、人を愛したことは?」
「さぁな。覚えは無いが、あるかも知れない。もしかしたら、あんたに言い寄ったことがあるかもな」
「それはないわ。あなた、忘れられそうにない面構えしてるもの。あったことがあるなら、私が覚えてる」

ドラムカンのハンター勘は、確かに以前オフロディテとあったことがある、と告げていた。
目を奪う美貌。すらりとしながら、出る所は出た女らしいスタイル。
リンゴの頬紅を100個突っ込んでも足りない。といっても、これだけなら他人の空似かも知れない。

「ところで、あんたは脱いでくれないのか」
「残念だけど、これは授業だから……そうね。あなたが、もう私の授業が必要ないぐらい、
 意思を鍛え、愛について知ることができたら……その時は、私と愛しあいましょう♪」

オフロディテは、ギリギリ尻を隠すぐらいの、丈が中途半端な青ジャケットを着込んでいた。
合わせ目はきっちりと閉めているが、サイズに余裕が無いのか、胸の盛り上がりが露骨になっている。
太腿より下は、黒くぴったりとした布のようなものに覆われている。
肌一枚にも満たない、極薄の蒸着アーマーだ。
大破壊後の世界で、こんなシロモノはそうそうお目にかかれない。
それをジロジロと見ながらも、ドラムカンは服をすべて脱いだ。

「あなたには、疑念がある。迷いがある。でも、それを自分の意思で踏み越えて、
 私の前に裸で立っている。それが愛の構え……ようこそ、オフロディテ愛の教室へ」
「俺は、ドラムカンだ」

オフロディテは、筋骨隆々だが傷の絶えないドラムカンの身体を、上から下まで撫で回すように見た。
が、一往復でひとまず満足したのか、彼女はドラムカンの目を見据えて、口を開いた。

「みんな、愛は感情だと思い込んでる。でもそれはちがうわ。
 感情なのは愛ではなくて、恋。激しく燃えるけど、すぐ消える」

ドラムカンは、さつじんアメーバのごとく、
ぬるぬると滑らかなオフロディテの口舌を神妙に聞いた。
521名無しさん@ピンキー:2014/06/15(日) 01:36:20.68 ID:KgckQZsx
◆04

「愛は、感情ではなくて、意思よ。ひとりのひとを愛し続けようとする意思が、恋を愛に変えていくの。
 自分にはムリ……そのためらいを、意志の力で乗り越えていくのが、愛」

オフロディテは、長い脚に似合いの黒ヒールをカツカツと鳴らし、
ドラムカンから3歩ほどの距離で止まった。ドラムカンも応じて立ち上がった。

「オフロディテ。それなら、そんな強い意思の力がいる愛って、なんなんだ」
「愛について教えられることは、あまり多くはないわ。
 愛し方も愛され方も、人それぞれ。愛の形は無限だからだ。けど、これだけは言える。」

オフロディテは、ジャケットからあふれんばかりの胸を腕で抱き、
そして芝居がかった勿体をつけて、両腕を開いた。

「傷つけあうことを恐れていたら、愛しあうことはできない!
 つまり……愛は、戦いなの! 裸の心と心をぶつけあう! それが愛!
 さあ、ふたりで愛しあうのよ!」

オフロディテは身体を反らし、高らかに宣言した。
ドラムカンは一瞬呆気にとられたが、素手の拳を握り締め、オフロディテに尋ねた。

「いいのか? 俺の素手は、響くぞ」
「それは楽しみね、今からゾクゾクときてしまうわ♪」

ドラムカンは腰を落とし、あらん限りの男気を迸らせ、オフロディテに向かって踏み出した。
彼の右手が、男気で立ち上る靄を引き裂いて、彼女に迫り――

「が――ふ、あ、かは、あっ――ッ」

オフロディテの臍下丹田に、ドラムカンの男気パンチが打たれた。
抉り込む一撃は、オフロディテの身体の芯にまで届き、ドラムカンの男気を伝えた。
その一撃は、確かに彼女を揺るがした。滑らかな肌が、たちまち脂汗でぬめりだす。
彼女は呼吸を乱し、腰がガクガクと震え、やっと立っている様子。しかし、膝はついていない。

「いいわ……いいじゃない。今度は、私がそれに応える番ね……。
 私の愛を、あなたに――さあ、意思の力で耐えてごらんなさい♪」

オフロディテの所作は、その対象でないものからすれば、
ただ身をくねらせて、豊かな乳を揺らし、あざとい秋波を送っただけと思えただろう。
だが、ドラムカンに対しては、その露骨過ぎて滑稽なほどの科に、彼女の“誘惑”が乗っていた。
彼の――いろいろと酷使されている――脳に、紅蓮ワルキューレのごとき炎が舞う。

「ああ、あなたも――誘惑に負けたわね。それでは、恋はできても愛にはたどりつけない。

ドラムカンは、“誘惑”にかかってしまった。
“誘惑”にかかってしまったが最後、オフロディテの授業は終わり。

「……何かしら、私のこの気持ちは。あなたに、もっと期待していたのかしら」

あとは体力が尽きる寸前まで搾り取られ、学校の裏校門からお帰りいただく。

「もっと勉強して、誘惑に負けない意思の力を身につけなきゃダメ。さぁ、お帰りはあっちの扉よ」

オフロディテは、ドラムカンに背を向けた。何故か、これ以上彼の姿を見ていられなかった。
そのまま彼女がベッドに座ろうとすると、彼女の肩の後ろから、男の腕が回された。

「オフロディテ。お前、オルガ・モードだろ」
522名無しさん@ピンキー:2014/06/15(日) 01:37:11.41 ID:KgckQZsx
◆05

「あら。まだ落ちきってなかったのね、ドラムカン。あなたって、やっぱり面白いわ。
 でも、ダメ。それ、他の女の人の名前でしょう。こんな時に、口走っちゃダメよ」
「俺の拳は、安い賞金首なら一撃で倒せる。それをまともに食らって、余裕をかましてる。
 そんな奴ザラにいてたまるか。あとは“誘惑”だ。あれ、前にも食らったことあるぞ」

オフロディテは、無遠慮に身体へ触れてくるドラムカンを、敢えて拒まなかった。
一度誘惑に囚われたものが、こんな一瞬で正気を取り戻すなど、彼女にも覚えがない。

「私は、愛の教師オフロディテよ」
「そっか。俺の勘違いか。それなら、こうしてやっても構わないよな」

ドラムカンは、オフロディテの顎を、ムリに背中側へ向けさせ、いきなり彼女の唇を奪った。
彼女が長身だったため、苦しいながらも、唇と唇が届く。舌を伸ばして、彼女の唇に割り込む。
彼女は彼の強引なキスを受け入れ、ちゅくちゅくと水音が漏れ、首筋やジャケットの青布に、
そして緩んだジャケットから覗く胸の谷間に、ふたりの混ざり合った唾液が垂れ落ちる。

「んんっ……ん、んぅうっ……ふ、うぅん」

自分からタコ人間に改造されるほど、グラトノスにイカれてたオルガ・モードなら、
他の男に唇を許すはずがないだろ――と、ドラムカンは踏んでいた。
彼はあくまで確認のために、オフロディテの唇を食いついた。
が、どうも見込み違いだ、と思えば、もう彼は彼女を貪ることしか考えていなかった。

頃合いと見たドラムカンが、窮屈そうなオフロディテのジャケットに手を伸ばすと、
はじめて彼女は彼を押しのけた。

「キスより先はダメ、ってか。あんた、乙女チューブでも突っ込まれてるのか」
「そこから先は……補習が必要よ。あなたなら、いいわ。とことん付き合ってあげる」

オフロディテは、部屋に据えられたベッドに、ドラムカンを招いた。
523名無しさん@ピンキー:2014/06/15(日) 01:38:03.08 ID:KgckQZsx
◆06

「なぁ、オフロディテ。この……蒸着アーマー、っていうの、どうにかならないか」

ドラムカンは、ベッドに仰向けで横たわっていた。
電気はついている状態だが、彼の視界は暗い。
一方オフロディテは、彼の身体を四足に跨いでいた。
が、彼らの頭の向きは、それぞれ上下逆になっている。
ヤラしい本でいうところのシックスナインであった。

「脱がなきゃ、どう責めたら分からない? そんなウブには見えないけど」
「見た目や触り心地はいいんだよ。だが、これ味気ないぞ」
「いやん、いきなりなんて、勉強熱心なことね」

ドラムカンは首を伸ばして、鼻をオフロディテの恥丘――と思われる場所に擦りつけた。
蒸着アーマーは、彼女の素肌にぴったり張り付くどころではない。
素肌の凹凸や陰影を、むしろ素肌よりも強調していた。

マンマメロンとも張り合える乳に尻、すっと伸びた曲線美は言うに及ばず、
ヘソの穴や浮き沈みする筋までが、照明を遮られて薄暗い視界でもよく分かる。
また感触も、上等な油を塗ったように手が滑り、それでいて中身の柔らかさを殺していない。

「けれどよ、味も匂いもしないし、体温もぬるいぞ。あんたも、熱が篭って熱くなってないか?」
「それは認めるわ。でも、これはあくまで補習。私に参った、と言わせるまで、意思の力で堪えるのよ」

ルールは単純。オフロディテが認めるまで、ドラムカンは欲望を意思で抑えつけなければならない。
彼女は、彼の天をつく肉砲に、挨拶代わりのキスを落とした。
彼女の快楽責めに耐えて、射精を我慢しなければならない。
逆に彼は、おあずけ状態の彼女の下半身に、反撃を加える事ができる。

「あふ……あ、そう、そこね。それだけ露骨になってたら、私が高ぶってるのも、分かってしまう」
「蒸着アーマーごしだから、少し強めにした方がいいか?
 こういうやり方は初めてだから、力加減の好みを教えてくれよ」

ドラムカンは、オフロディテの股間から浮き彫りになってしまっているクリトリスを、軽く爪で引っ掻いた。
薄膜やら、鼠径部やら、下っ腹から腿にかけての筋が、くらくらと蠢いて反応する。

「生徒に気遣いは無用よ。あなたのよいと思うやり方で、
 私の腰をスクラップにするつもりで、やりなさい♪ その代わり、私も手心はナシよ」

ドラムカンの肉砲が、いきなり暖かい粘膜で包まれた。
まるで吸盤でも持っているかのように、変幻自在であちこちから吸い付きが襲い掛かってくる。
いきなり暴発しかけた彼だが、膝に力をいれて、第一波を堪えた。
オフロディテは言葉を発せない代わりか、いい子いい子と彼の太腿を手で撫で回した。

「あんた、初っ端から手加減なしって、こういうことかよ!」

悪態をつく風で、ドラムカンはオフロディテのクリトリスにむしゃぶりつく。
砲塔を咥えながら彼女が声を漏らした。こそばゆい振動が伝わってくる。
こうしてオフロディテの補習が始まった。
524名無しさん@ピンキー:2014/06/15(日) 01:39:08.33 ID:KgckQZsx
◆07

「うっふ〜ん♪ ドラムカンったら、なかなか見所あるわね。でも、もうジリ貧じゃないの?」
「畜生、調子に乗ってるんじゃねーぞ……っ!」

補習の展開は、一方的だった。

「こんなにはち切れそうになって、ぴこぴこ動いて……心臓がドキドキしてるのに、合わせてるのかしら」

ドラムカンは、オフロディテの責めによく耐えていた。
だが、彼女はわざと彼がぎりぎり耐えられる程度の手管に留めていた。

逆に、ドラムカンは効果的な反撃ができていなかった。
蒸着アーマーのせいで、オフロディテの体温がぬるい。濡れているかどうかも分からない。
時折、彼の愛撫に反応した素振りを見せるが、それだって得意の演技かも知れない。

「あなたは、よく頑張ってるわ♪」

オフロディテは、愛の教師たる余裕を保ったままだった。
一方ドラムカンは、彼女がオルガ・モードかも知れない、という緊張感で、何とか踏みとどまっていた。

「あなたが愛のために頑張ってると思うと、この味もひとしおなの♪」

オフロディテは、至福の表情でドラムカンの肉砲を堪能していた。
彼女は、顔で嬉しさを伝えられないのが惜しいのか、挑発するように、わざと彼の前で尻を揺らした。
形勢は完全に彼女へ傾いていた。やがて、彼の手が彼女から離れた。

「どうしたの、ドラムカン。諦めてしまったの?」
「なぁ、オフロディテ。俺は、ハンターなんだよ」

オフロディテの台詞を、ドラムカンはあさっての方向に打ち返した。

「俺の“ハンターズアイ”が、あんたの弱点を一つだけ見つけていたんだ。
 だが、俺はそこを避けた。そこを責めていいものか、迷っていてな」
「ダメ、そういうの全然ダメよ。躊躇い、迷いがあっては、人を愛することなんてできない。
 生徒が……教師に、遠慮なんかするものじゃないわ。さあ、これで最後にするわよ」

ドラムカンは、右手を一回握って、ゆっくりと開いた。
そして掌を、オフロディテの下半身、ヘソの少し下あたりに押し当てる。

「あ、ドラムカン、そこっ、は」
「あんたも、俺が敢えて触ってないの、気づいてたろ。いつくるのか、待ってたりしてな。
 今更なんでもないふりをしても、無駄だ。身体が、覚えてるって言ってるぞ」

ドラムカンの右手に、男気が溢れだしてきた。
オフロディテの肚に、奥の奥まで響いた一撃が蘇る。
あの感触を再現したかのように、衝撃が彼女の四肢を伝う。

そこは、初めにドラムカンから、渾身の男気パンチをもらった場所だった。
525名無しさん@ピンキー:2014/06/15(日) 01:40:54.14 ID:KgckQZsx
◆08

「最後の攻防だ。これでダメなら、俺もあきらめが付く。構えろよ、オフロディテ」
「ハンターのくせに、律儀ね」
「あんたは、もうただの獲物じゃないからな」
「……うふ、うふっ、ふふっ。あなたは、是が非でも愛を知らなければならない人間ね。
 こんな女殺しが、愛を知らないままでは、女が何人泣かされるやら」

ドラムカンは、もはやオフロディテのことを、狩り損ねた獲物とは思っていなかった。
オフロディテは、もはやドラムカンのことを、ただの生徒とは思っていなかった。

オフロディテのむっちりとした下腹部に、ドラムカンの右手が、わずかに沈む。
ドラムカンの肉砲に、オフロディテが改めて接吻する。

「ああ……ドラムカンっ、あなたの、男らしさが、また、私の、なかにっ」

ドラムカンの責め手。オフロディテが喘ぐ。それより先の声は、誰にも聞き取れなかった。
彼女もまた、砲塔を口に咥えて、怒張の相手を始めたせいだった。

「く、ふ……っ、う、うぉ、ふぉっ――んお、お゛お、お゛あ゛おお゛おっ」

今まで肘と膝をベッドについて、踏ん張ってきたオフロディテの四肢が、
一気にがたついて、ドラムカンにのし掛かってしまう。
彼の顔は、彼女の厚く柔らかい尻肉の張りに埋もれた。
蒸着アーマーなんか着ているせいで、とりついてくる感触がパラサイトうみうしのようだった。

ただでさえ男気を出すことに集中していたドラムカン。
遠慮の無くなったオフロディテの舌技に、あえなく射精してしまう。
ねばつく奔流が彼女の口内を暴れ回り、もう呼吸の覚束無い彼女を噎(む)せさせる。

「くぁあっ! ふ、はあっ! わ、私、っ! あ、あああーっ!」

オフロディテは、中で荒れ狂う快楽に、身体をねじ曲げられ、背中を反り返らせた。
ついに彼女はドラムカンの肉砲から口を離した。打ち込まれた精液と唾液が、唇から溢れだす。
また、彼の肉砲が第二弾を射精し、彼女のメガネのレンズを叩き、あるいは黒髪を白濁で汚した。

「だめ、ホントに、だめっ、ドラムカンっ! 私、これ以上やられたら、私、がっ」

ドラムカンからは見えなかったが、オフロディテの両肩や背中では、
黒い蒸着アーマーの粒子が、さらさらと剥がれ落ち始めていた。
彼女の昂ぶりに、とうとう蒸着アーマーが音を上げてきた。
ドラムカンは、優しい手つきで、彼女に酷な追い打ちをかけた。

「そこは、そこ、やられたら、お、おかしく、オカしく、なるっ――う、うあ、んああっ」

黒髪を振り乱し、豊かな胸も揺らし、下半身で心臓が拍動しているかのような痙攣を起こす。
理知的だった大きな瞳が、ふらふらと彷徨い、目蓋の裏に隠れる。

「私が……あ、あっ、く、狂う、イヤ、あ、ドラム、カン――あ、ふあ、あっあっ」

ついに限界を越えたオフロディテは、ドラムカンの身体の上に、がくりと崩れ落ちた。
526名無しさん@ピンキー:2014/06/15(日) 01:42:04.37 ID:KgckQZsx
◆09


「なあ、オフロディテ。そんな有様だってのに、やっぱり蒸着アーマーは脱いでくれないんだな」

ドラムカンは、ベッドで膝立ちになりながら、オフロディテを見下ろして言った。
彼女は、たとえるなら壊れたキャノンホッパーをひっくり返したような、
人間の尊厳とか色々なものを剥ぎ取られた格好で、ベッドに転がっていた。

「あ、はは……スゴい、わ。私、腰砕けなんてものじゃない……使いものに、ならないんだから」

オフロディテの身体は、上は首から、下は爪先まで、黒の蒸着アーマーに包まれたままだった。
もっとも、それが彼女の身体をドラムカンの視線から隠しているか、と言われれば、それは微妙だった。

冷めるどころか燃えついたままの、浮き沈みする肌と肉。ジャケットはどこかへ行ってしまった。
ドラムカンの手にも余りそうな乳房の形は、興奮で充血した乳首の形まで晒している。
目線をずらせば、白くべとべとに汚されたオフロディテの顔。
巻き添えを食らったメガネは、かけているというより、かろうじて引っかかっているといった具合。

「私だって……もう、これは邪魔だと思ってる……あなたと、もっとシたい。でも、まだ、ダメ」
「あんた、この期に及んで焦らすね」
「あなたは、私にひとつ、姿を隠しているわ……」

それは、ブレードトゥースのことだろうか、とドラムカンは悟った。
結局、こいつはオルガ・モードじゃねえか、とドラムカンは思った。
もう、どちらでも良かった。どちらであろうとも、構わなかった。

「オフロディテ。俺のソレを見たら、お前は殺されるかも知れんぞ」
「……ない、わ。ドラムカン、言ったでしょうに……。
 傷つけあうことを恐れていたら、愛しあうことはできない」

ドラムカンの赤い髪が、燃え広がる火の勢いで伸び始める。顔の口角が裂けて、太い犬歯が覗く。
彼の変貌の様を、オフロディテは恍惚の目で見守った。

「さあ、ふたりで、愛しあうのよ」

オフロディテの呟きとともに、黒い蒸着アーマーは、宙に散って消えていった。
527名無しさん@ピンキー:2014/06/15(日) 01:43:07.72 ID:KgckQZsx
◆10

「ねぇ……ドラムカン、面白いわね、愛って」

ブレードトゥースに変身したドラムカンは、凶悪さを増した肉砲を、
無抵抗に広げられたオフロディテの脚の間にあてがった。
左右に広げられた彼女の腕を、獣となって一回り二回りも大きくなった彼の腕が掴む。
変身して彼の手が大きくなったので、彼女の腕と肩を同時に抱えるような格好になった。

「人間みたいに、愛しあうために、私たち、人間やめちゃうのね」

オフロディテの女穴は、濁った涎を垂らして、ドラムカンの肉砲を待ち構えていた。
蒸着アーマーに抑えつけられて、肌はふやけ、汗と愛液の区別もつかない。

「う、ふふっ、そう、私を、満たしてちょうだい。代わりに、私が、あなたを包んであげる」

人間の身体では、とても受け入れられない太さ、長さのドラムカンを、
オフロディテの女穴は、肉を軋ませ、粘膜から血を流しながら、徐々に飲み込んでいく。

「もっと、抱いて、抱いて、あなたの、肌を、感じたいからっ」

オフロディテは、体の中を貫かれながら、獣と化したドラムカンの胸板に、顔を埋めた。
愛の教師たる彼女も、そんな姿だと、体格差があるせいもあって、童女が甘える様のようだった。

「キスは、届かなくなっちゃったけど、こういうのも、いいわね」

ドラムカンの肉砲が、みしみしとオフロディテの中を割り開く。
獣の快楽を感じているのか、不意に手の爪を彼女の肌に食い込ませる。
彼女の白い肌に、赤い血の華が咲く。

「そこ、そこぉ、奥っ、私の、しきゅ、う――」

そこにドラムカンの先端が届いた瞬間、オフロディテの臓腑が残らず跳ねた。
ぱんぱんに張った尻肉が、男気をまともに食らっていた下腹部が、ぶるぶると雀躍した。
彼女のそれは、図抜けた男らしさに叩かれ、酔わされて、潰されかねない相手に媚びていた。
彼女も、既にまともな身体ではなかった。

「そこで、キスして、たっぷり焦らして、観念したら、捩じ込んで、抉じ開け――んぐっ、く、おっ、んおぉおっ!」

オフロディテは奥の入り口を擦られる。悶絶して、玉のような汗がおびただしく散る。
長い髪が乱れて、彼女の肩から背中に張り付く。ドラムカンの手にも絡まる。

「い、いいっ、貫かれ、ちゃうっ――いい、私、あい……愛、され、てっ」

オフロディテの中が決壊する寸前、ドラムカンの肉砲が咆哮した。
男精が、彼女に注がれる。叩きつけられる。奔流の狼藉で、引き締まっていた彼女の腹が、膨れ上がる。
嬌声が、切れ切れになり、苦しげな吐息だけになり、痙攣が徐々に収束していく。
彼女の肩甲骨が、力を失って、くらりと垂れる。

「わたし、が、あなたを、つつ、んで」

やがてオフロディテの背中から、大きな吸盤のついた頭足類の足が八本も現れ、
ドラムカンと彼女とをきつく結びつけ、締めあげた。異形がふたり、絡み合いながら、大人の学校を揺らした。
528名無しさん@ピンキー:2014/06/15(日) 01:44:05.81 ID:KgckQZsx
◆11

「おはよう、ドラムカン♪ 目覚めはいかがかしら?」
「最高だな。こんな美女に起こされるなんて」

目を覚ましたドラムカンは、起き抜けにオフロディテの顔を見せられた。
彼女はメガネをきちんとかけて、髪も枝毛一つなく整えられ、表情も引き締まっていて、
何事もなかったかのような甘ったるい作り声で、寝起きの彼を迎えた。

「あなたは、素晴らしい意思の力を持ってるわ。真実の愛にたどり着けるぐらいに」
「ああ、そういえばこれは、愛のレッスンだったな。
 愛を学ぶのに、裸になる必要があったのは、ひょっとしてこういうことか?」
「いや、さすがにこれは私たちだけよ」

愛の教室は、冷血党に荒らされたツリシ峠のモーテルより酷い有様だった。
思考がクリアになってきたドラムカンは、自分たち二人が寝転がっているものが、
かつてベッドだったものの残骸であることに気づいた。

「俺、これで出禁になりゃしないだろうか」
「大丈夫よ。隣の教室はもっと酷いから」

ドラムカンは身を起こすと、脱ぎっぱなしだった服を着込んだ。
いつまでもここに居座ってはいられない。

「もう、私に何も聞かないの? ドラムカン」
「そうだな……今度来る時は、何かおみやげでも持ってきたほうがいいか?」

ドラムカンの返しを聞いて、オフロディテはくつくつと喉で笑った。
そして、服を着込んだ彼の前に、裸のまま近寄った。

「これ、あなたに貸しておくわ。次来る時は、忘れないで返してね」
「おいおい、これは俺に似合わないだろう」
「そうかしら。男らしさにますます磨きがかかった気がするわよ」

オフロディテは、自分のメガネを外して、ドラムカンにかけてやった。

「おいあんた、笑ってるだろ。やっぱりおかしいんだろうが」
「うふ、ふふふっ。外しちゃダメよ。どこへ行ってもいいけど、ちゃんと私に返しに来るの。分かった?」



ドラムカン・ジョーンズは オフロディテのメガネ を手に入れた!
オフロディテのメガネ は、外すことができません!



「おいドラムカン、何だよそのメガネは」
「ケンか。こいつはな、男の事情で外せなくなったアクセサリーだ」
「似合わねーな。まさか、変な装置で洗脳されてやしないだろうなぁ?」
「ははは、身ぐるみ剥ぐぞお前」



(了)
529名無しさん@ピンキー:2014/06/15(日) 17:12:51.76 ID:PJrk+rDk
GJ! GJ! 楽しかった。
そういえば3と2リローテッドの世界は、わりに近くにあると言えるな。
530名無しさん@ピンキー:2014/06/15(日) 21:53:19.44 ID:e8Jqih4h
GJ
オルガがすべてをさらけ出せ、とか洒落利いてるよね
531名無しさん@ピンキー:2014/06/23(月) 11:16:05.85 ID:tN1ImxiL
日λ...(保守中)
532 ◆Freege5emM :2014/06/29(日) 22:34:13.38 ID:LHlQIAr9
>>517を読んでくれた人、感想くれた人、ありがとうございます。

3行あらすじ
ドラムカン×地獄耳のダフネ
背面座位、ちょっとだけ耳姦。情報屋→記憶力がよい→今までやったことをつぶさに覚えている→回数を重ねるほどエロくなる。
ナース→人間の身体の弄り方に詳しい→エロい。面倒臭いとか自分で言ってしまう女→エロい。

※17レス、約16000字。
連投規制のため途中で間が空く見込み。
533名無しさん@ピンキー:2014/06/29(日) 22:35:05.45 ID:LHlQIAr9
◆01

初めて身体を重ねた時は、ただの出来心だった。



訳知り顔の人は、私とドラムカンの出会いを聞きかじっているから、勝手に納得してうんうんと頷く。
ドラムカンは、冷血党が私を監禁して立て籠もっていたエルルースビルに、
自分の身体と、愛車と、相棒のポチだけで殴り込んだ。
冷血党を下っ端から幹部まで、人間、クリーチャー、警備システムまで叩き潰し、
ついには冷血党ナンバー2のオーロックをも殺した。私を助け出すために。

いい年こいた男と女が、そんな状況になったら、行為に及んでもおかしくない、と。
必要がないから訂正はしないけど、本当は、こんな少女趣味なシチュエーションじゃなかった。

仮にそうだったならば、全部状況のせいにできたのに。



私は、オーロックに捕らえられても、さほどの危機感は抱いてなかった。
オズマに協力した時点で、冷血党を敵に回す覚悟はできていた。
オーロックは、捕らえた私を尋問したが、おしゃべりは苦手らしく、
私から情報を引き出すことはできなかった。逆に私は、オーロックの内心を見抜かせてもらった。

オーロックは、私の身柄を利用しておびき寄せるドラムカンのことばかり考えている。
ドラムカンがエルルースに入ってきてすぐ、周りの冷血党とオーロックの顔色が変わる。
最早ここは、在りし日のラ・モニュメンタル。“Il matador chi e ?”と心の中で呟く。
オーロックの部下たちは、次々とビルの階下へ降りて、ひとりも戻ってこなかった。
イライラが溜まってきたオーロックにどつかれたのは、参ったわね。

不意にエレベーターが開き、赤い髪の闘牛士が現れる。たっぷり焦れた黒牛が対峙する。

私はたったひとりの観客だった。が、私に見せてくれたのは、肩慣らしだけだった。
彼らの戦いは、私の頭上、天井の向こう、今は使われないエルルースのヘリポートで行われていた。
私は目を閉じて、音と振動だけで、彼らの戦いを思い浮かべた。

「あなたが、オーロックを倒したのかしら」
「さぁな。この情報は高いぞ」

背後から声がして、私は目を開く。天井の照明が眩しい。

「あら、私から何をお望みなの」
「燃えるような熱いキスを」

笑うのは失礼と思ったけど、噛み殺しきれなかった。
私はそれを誤魔化すために、勢いをつけて振り向き、
ドラムカンに迫って、戦塵でかさついた唇を頂戴した。
メタモーフ細胞とか、えぐい人体実験やられてるくせに、人間らしい味だった。

ドラムカンは、強くて、逞しくて、図々しい男。
さすが殺しても死なないだけはある。こんな人間、私は他に知らない。
だから私は、出来心を起こしてしまった。ドラムカンもすぐに応じた。

ドラムカンは、戦いの興奮が冷めやらないのか、私にはキツめのモノをお見舞いしてくれた。
荒々しく、執拗に、私が音を上げるまで。状況のせいにするには、没頭し過ぎた。
あの時は特別、あの時だけの関係――と、切り捨てられなくなった。
条件次第では、また身体を開いてもいい、と思ってしまっていた。
534名無しさん@ピンキー:2014/06/29(日) 22:35:58.71 ID:LHlQIAr9
◆02

エルルース地下街の、私のオフィス。
私が椅子に座ってコンピュータをいじっていると、床と椅子からわずかな振動が伝わる。
私はモニタから目を離し、姿見の前に立つ。

まだ遠くからの振動。消音コートでもつけているのか、音はよく聞き取れない。
けれど私は、この振動の主が誰のものか、既に分かっていた。
これはモンスターではなく、人の操るクルマが起こしている。

「この重さの感じは、ディノヒウスかしら」

らしくない独り言を呟いてしまう。鏡の自分が苦笑していた。
私は手早く身支度を整えると、オフィスの受付に向かった。
もうすぐここにドラムカンがやってくる。



ドラムカンは、私のオフィスを訪れる時、いつも戦車で乗り付ける。
MBT77。レッドウルフ。スカウター。ツングースカ。ラスプーチン。
特にローテーションはないらしいが、毎回違う戦車でやってくる。
おかげで、私は彼の持つクルマのうち6台を、実際に目で見て、中に入って、覚えてしまった。

ドラムカンがハッチを開けた瞬間を見計らって、私は声をかけた。

「いらっしゃい、ドラムカン。よく来たわね」
「何だ、気づいてたのか。今日はいきなり来て驚かせようと思ったんだが」

ドラムカンが駆っていたのはディノヒウスだった。
砂漠の中を突っ切ってきたくせに、鳥の糞どころか、砂礫ひとつついていない車体。
特殊なコートでも塗っているのだろう。

「もしかして、偵察UFOはあんたが情報収集のために動かしてるのか?
 さっき、うざったいからつい撃墜したが、それで気付かれたのかと」
「違うわ。ここは地下街。ご立派なクルマを走らせたら、いくら消音しても響いちゃうでしょ。
 それにディノヒウスはキャタピラ4つだから、振動の違いですぐ分かるの」

ドラムカンと会話している内に、彼の相棒・ポチがやってきたので、
用意していたわんわんドリンクを勧めてあげた。
ポチは左右にひらひらと尻尾を振っていたが、やがて一声鳴くと、脇に退いた。
私は冷たいディノヒウスの表面を掌で撫でた。前に触れた時と同じ。

「もうコイツの中に入るのか。喉も乾いてるし、先に茶ぐらい付き合ってもいいんだぞ」
「そういうのは、お互い少し落ち着いてからにしましょうよ」

ドラムカンは、獲物にじりじりと近づくハンターのごとく、戦車を慎重に走らせていた。
だから、私はそれだけ、ドラムカンがもうじきやってくる、という確信の下で待たされていた。
私はドラムカンの手を握り、ディノヒウスの中に入れてもらった。
535名無しさん@ピンキー:2014/06/29(日) 22:38:06.38 ID:LHlQIAr9
◆03

ディノヒウスの車体は、クルマの割には広いけれど、
そのスペースの大半は、ドラムカンの道具で埋まっていた。
大量のタイルパック。修理キット。換気装置。医療装置。キャンプキット。

「ちょっと待ってろ。邪魔を散らす」

ドラムカンは、片手で抱えきれるほどの大きさの、
ワンピースを着た可愛らしい女の子の人形を掴んでいた。
ドラムカンは人形の背中に手を差し入れて、布の向こうで何やらいじり回すと、
人形の大きな瞳がぎょろりと光った。それを確認したドラムカンは、
半分開いていたディノヒウスのハッチの隙間から、外へ向けて人形を投げた。

「可愛らしいセキュリティシステムよね、それ」
「これが見てくれより重宝なんだよ」

ドラムカンが投げた人形は、量子ドールという。量子の力で、さまざまなことができる人形。
ディノヒウスのすぐ外でホバリングして、モンスターの嫌う音波を発し続け、
私たちが不意打ちを食らわないように見張ってくれるスグレモノだ。

「あなたは、意外とああいう趣味があるのかしら」
「知ってるだろ、あの外見はドール博士の趣味だって」

私が気になったのは、ドールの外見だった。
ドラムカンとある意味因縁の深い少女・コーラと似ている。

元々は、コーラの身柄と引き換えに、ドラムカンはグラトノス討伐を引き受けた。
グラトノス討伐に、情報屋として私の力が必要だったから、ドラムカンは私を助けた。
その私とドラムカンが身体を交わそうか、という時に邪魔者が出ないか見張るのが、コーラを模した人形。

「いいえ、いい趣味をしてるのは、あなたよ」
「あんたがそういうなら、そうなんだろうな」

私達の会話は、密閉されたディノヒウスの中でよく通る。
ただのやりとりが、まるで顔を近づけて内緒話しているような感触になる。
ハッチを閉めれば、密閉感はさらに増す。



ドラムカンは、車載の簡易ベッドに座っていた。
簡易ベッド、といっても、医療装置に備えられているもので、座り心地はともかく、
大きさは非常に小さい。私が寝転がって四肢を伸ばしたら、確実に手足がはみ出る程度だ。

私はドラムカンに屈みながら正対して、ドラムカンの両腿のすぐ脇に、自分の膝を乗せた。
ナースの抗弾白衣をたくし上げ、壊れやすいガーターのホックは先に外しておく。
私の体重がかかって、簡易ベッドのシーツにシワが寄る。
こうして密着すると、私より18cmも上背のあるドラムカンの体格を、改めて実感する。

「今日は特に急いてるな。ディノヒウスの音で焦れてたのか、ダフネ」
「あなたと同じぐらいには、ね」

私とドラムカンとの情事は、決まって戦車の中だった。
お互い、顔を知られてる身。宿屋なんか使えない。

何回目ぐらいかって? そうね。私は情報屋、回数は覚えているわ。
でも、例えば……普通は、30回と31回の違いなんて、わからないでしょ。
それなりとだけ、わかればいいじゃない。
536名無しさん@ピンキー:2014/06/29(日) 22:39:29.02 ID:LHlQIAr9
◆04

「あなたと、初めてした時は、随分乱暴された覚えがあるけど、
 最近どうもやり口がおとなしいじゃない。どうしたの」

私は、実は自信を持っている――これで男を餌食にしたこともある――胸とお尻の膨らみを、
衣擦れで服がくちゃくちゃに乱れるくらい、ドラムカンに擦り付ける。

「あの時、もう少し優しくして、って文句言われた気がするんだが。気のせいだったか」

対してドラムカンは、私のナースキャップを取ると、後頭部からうなじをあやすように撫でたり、
密かに気を使っている、私の金色のストレートヘアを指で弄んだりしていた。

「気のせいじゃないかしら。あなた、頭に花火が上がってたから」

私は嘘をついた。私はドラムカンの言う通り、始めての時に、そのようなことを確かに言った。
言葉だけじゃない。その時、ドラムカンがどう動いていたか、私がどう感じたか、全て覚えている。

私は座り込んだまま背筋を伸ばして、ドラムカンと軽いバードキスを繰り返す。
唇が触れ合うだけの、最初のキスに比べたら、子供の遊びのようなキス。

「んっ、ふ、あ」
「こんな感じが好みか」
「それ、職業上のヒミツ。教えないっ」

ドラムカンが私に愛撫を加える度に、私の感覚には、
今までのドラムカンとの情交で得た感覚がオーバーラップする。
あの時は、背中をこう触ってきた。お尻をこう撫でてきた。キスの具合は――

私達はいつも、狭い車内でセックスをしているから、体位はおのずと決まってくる。
またドラムカンは、乱暴なやり方を封印していたから、加減も似てくる。

「あっ、は、はぁっ」

でも、同じじゃない。ドラムカンは、獲物の弱点を探るハンターのように、
毎度少しずつ、私への攻めを変えている。以前触れてきた手と、今の手が、少しずれて、重なる。
記憶と現実のラグが、私の間で干渉し合う。

「深く、いくぞ」

ドラムカンの囁きが、私の地獄耳をくすぐったかと思うと、私の口内に、ドラムカンの舌が入ってきた。
歯列を抜けられ、頬の裏から、口蓋を舐められる。頭から胸を通って、腰までゾクゾクと快感が走る。
思わず腰が動きそうになるのを、私は下肢の力を抜いて避ける。ダメ、職業上のヒミツは教えられない。
鼻息が荒くなる。これはしょうがない。私の呼吸が、ドラムカンに握られてるから。

しかしやられっぱなしも癪なこと。守りから反撃に転じる。
私は両脚を組み替え、腰を自分から動かせるように体勢を整える。
すぐ近くの、ズボンで抑えつけられているドラムカンのペニスを、私の身体で圧迫する。
舌が止まる。私の背中に回された腕がわずかに力む。ドラムカンがどう感じるかも、私は覚えている。

攻防が一頻り終わると、ドラムカンは私の唇を開放した。
少し腫れてしまっている。何時間か人前には出られないか。
537名無しさん@ピンキー:2014/06/29(日) 22:40:22.30 ID:LHlQIAr9
◆05

「なぁ、ダフネ。口でしてくれないか」
「あなたも肝が太いわよね。私の舌先にタマ握られてる人間が、何人いると思って?」
「俺もそのひとりじゃねえか」

簡易ベッドから降りて、車床に立ったドラムカン。
着衣の戒めから解放されたペニスは、私が口に収めるのに苦労するほどの太さで、
彼のヘソまで反り返っていた。私が簡易ベッドに座っていなければ、唇が届かない高さ。

「シセちゃんとか、コーラちゃんに、俺の主砲を見てくれ、とか言ったことある?」
「ないっての。ヤラしい本じゃあるまいし」

砲塔に例えるには、ドラムカンのペニスはグロテスクだった。
亀頭までは整った流線型だが、幹は青い血管が葉脈のように張り巡らされている。
ドラムカンの膨張率は、このたくさん這った血管の賜物なのか、と私は勝手に納得した。

「ふふっ。それなら、ご挨拶までに」

私はドラムカンの亀頭に顔を近づける。オスの生臭さが、私の粘膜に届く。
私は目を閉じる。唇をわずかに尖らせ、亀頭の割れ目におずおずと触れさせる。
シセちゃんとか、コーラちゃんの名前を出してて丁度いいので、乙女のファーストキスをイメージ。

「可愛いことしやがって」

そうして、ギンギンに熱くなったドラムカンのペニスに触れると、
また私の頭に残る、これまで重ねてきた行為が、脳漿に漏れてくる。
頭に浮かされて、私の身体の奥がくつんと疼く。

「私は、ぎりぎりで止めてしまうからね。あなたが出したい時に、勝手に出しちゃって」
「あっさりすごいこと言いやがるな。加減を覚えられちまったか」

私が覚えているのは、自分が如何に感じたかだけではない。
ドラムカンを如何に喜ばせたかも、漏れなく脳に残っている。
幹から浮き出た血管の一本一本を、舌先と唇でくまなく触れる。
大きく出張った雁首は、すぼめた口のまま、見上げながら、またキス。
目線がドラムカンのそれと絡む。心臓からペニスに続く鼓動が、かくんと乱れる。
ドラムカンは、目や仕草で攻められるのがお好きのようで。

私は緩めの舌使いを続けながら、頬に張り付いた髪を、首の後で束ねた。
ドラムカンの指に力が入って、彼自身の服に食い込む。
上から見下ろす視点だと、私の肌が一気に露出したように見えるはず。

あるいは、根元を舐めるのと同時に、先走りと私の唾液にまみれた茎を、
私の頬にわざと擦らせて、顔をベタベタにする。
美肌クリームが台無しになればなるほど、よろしいらしい。

私はドラムカンの反応を見て、射精する直前で動きを止める。
出そうと思えば出せますよ――お気に召すまま、という状態。

「ダフネ、もうそろそろ何だが」
「ンっ、口で出すのはお嫌?」
「飲んでくれないか、あれ」

ドラムカンの台詞は、酒一杯くれないか、というぐらいさらりとしていた。
何が“ヤラしい本じゃあるまいし”だ。
このドラムカン、パニックガス缶にでも改名したらどうよ。
538名無しさん@ピンキー:2014/06/29(日) 22:41:56.56 ID:LHlQIAr9
◆06

「あなた、知ってるでしょ。あれ、不味いのよ。しかも、いつまでも喉に残る」

ドラムカンの精液の味。私でなくても忘れないだろう。
刺激的なオス臭も相当なものだけど、それに加えてあのどろつき。
初めて飲んだあとは、たっぷり三日は口内か喉に残ってる気がした。

そう言いつつ、私は唇を広げ、割れ目ごとドラムカンの亀頭を口内に覆う。
まだ出されても居ないのに、喉にあのぬらつきが再現される。
ぬめぬめ細胞のほうが、まださっぱりしている。

根元まで深く咥えようと思っても、唇が届く前に、亀頭が喉を突いてくる。
先走りと涎の混淆が、私の顎から首筋に垂れていく感触。本当に苦しい。
さもありなん、これは本来上の口に入れるものじゃないんだから。

「ダフネ、いい、すごく……腰が、抜けそうだ」

ドラムカンったら、大袈裟な。そんなヤワな造作してないくせに。
私の下肢が、不貞腐れてる。上じゃないでしょう、と不満気に軋る。
ベッドに座り込んでいた腰に波及する。どうしよう、やっぱりこっちで出させるの止めようか。

そう思った瞬間だった。

「んぐっ――く、んお、ふおあぁあっ!」

耳から頭に過った電流。咄嗟に反射する表情筋。喉に津波。呼吸が奪われ、私は噎(む)せる。
ドラムカンのペニスが、ムリヤリ引き抜かれる。ごぼり、と溢れだす精液を、私は両手で抑える。
指の隙間から、溢れたそれが幾筋か手の甲を伝って、肘まで伸びていくのを感じる。

ベッドに背中を丸めて、ようやく呼吸が整ってきた私は、涙目もそのままドラムカンを見上げる。
彼自慢の主砲は、血こそ出ていないが、しっかりと歯型がついていた。

「悪い、そんなに……地獄耳がそこまで繊細とは、思わなかった」
「……口だけじゃ、なくて、今度は耳まで……私の商売道具に、手を出すの?」

私だって知らなかった。この私が、自分の身体のことで、ドラムカンに教えられるなんて。
地獄耳と呼ばれるようになってから、この耳を他人に触らせたことはない。

「口が商売道具というなら、その分はこのディノヒウスで埋め合わせる。ギガンテリオンも沈めた強者だ」
「じゃあ、耳の分は何かしら」
「この両手でどうだ。スクラヴードゥーの両腕をもいだこともあるんだぞ」

ドラムカンの言葉が、洒落や強がりでないことは、
私どころか、ハンターオフィスの人間さえ知っている。

「見せたからってね。触っていいとは、言ってないわよ」
「なら、改めて。あんたの地獄耳を、触らせてくれないか」
「地球最後の紳士らしい言い草ね」

私は、精液の筋がついた手を伸ばして、ドラムカンにつけてしまった歯型を撫でた。

「とはいえ、私がつけた傷よ。薬出しとくわ……婿入り前の体だし、ムリしないほうがいいんじゃない」
「なら、ダフネのモーレツ看護を期待しても――うぁ、あ痛っ、おいぃ……」

禁断の注射をお見舞いしてやりたいのを我慢しつつ、私はドラムカンを手当してやった。
539名無しさん@ピンキー:2014/06/29(日) 22:46:28.00 ID:LHlQIAr9
◆07

ドラムカンとのやりとりだと、こんな粗相は初めてだった。
だから、手当してる最中は、今日はお互いこれで醒めてしまうかも、などと考えていた。

「ねえ、こんな姿勢で、その傷は痛まないの」
「表面が少し削げただけだろ。中折れしたわけじゃあるまいし」

むんとした男と女の匂いが、ディノヒウスの車内に行き渡ってきた。
私は、簡易ベッドに座ったドラムカンの膝の上に、座らされていた。
私がさっき薬を塗ってやったペニスは、私のお尻に押し付けられている。

私の見通し――危惧か願望か――は見事に外れていた。
私の身体は、ドラムカンにつけた歯型なんか目じゃないぐらい、重症だった。
ドラムカンは、私が思うよりもさらに図太かった。

「安静にしてろ、って言うなら、そうしてる間をもたせてくれ。ダフネ」

ドラムカンの両手が、私の背後から、私の脇腹へ伸びる。
抗弾白衣を前を留めている三つボタンに、ドラムカンの指がかかる。

「見えなくても、外せるわよね」
「確かにその胸で見えないがな。自慢か」
「あなたに自慢してどうするの」

ドラムカンは前合わせの抗弾白衣を難なく開いて、私の素肌を晒す。
でもドラムカンの視点からでは、脇腹より下は見えないだろうけど。
いくらドラムカンが私より背が高いといっても、私の胸に遮られるから。

ドラムカンは、ブラに包まれたそれをチラと見つつも、指は私の脇腹を探る。
既に用済みのガーターを、くるくるともてあそぶ。肌を、痕もつかない程度にひっかく。
私の喉が動揺する。粘膜の、べっとりとした余韻がこすれ合う。

「温かいな、ダフネ」
「あなたと同じぐらいには、ね」

ドラムカンの右手中指が、私のヘソの縁を周回する。勿体つけるような穴じゃないでしょうが。
左手は私の下っ腹を、触れるか触れないかの調子で行き来する。

「ドラムカン、そこ、撫でるの……しつこく、しないで」
「やめた方がいいか。俺としては惜しいな」
「気にしてるのよ」
「……もう少し頼むよ」

そう言いつつも、ドラムカンの両手は、私の両腿に移った。
股下5cmの黒いニーハイソックスと、私の素肌の境目をなぞる。

「焦れったい、か」
「ええ、そうね。ドラムカンったら」

ドラムカンは、私の身体が燻っているのを、見透かしている。
ドラムカンは図々しいが、素直な男。私が触って、と言えば、触ってくれるだろう。

「ダフネ、心臓の鼓動が、手に伝わってくる」
「指二本、左にずれてるわ。心臓の中心は、もう少し身体の中央寄りよ」

例えば、私のブラに包まれた胸を、揉んでくれと言ったらそうするだろう。
燻りが溜まって、こりこりと勃起している乳首を、フェザータッチで、おかしくなるまで撫でて、
なんて言ったら、おかしくなるまで――はムリでも、しばらくはリクエストに応えてくれるはず。
それが叶ったら、私は嬌声を上げて泣く。だから、私は言わない。
540名無しさん@ピンキー:2014/06/29(日) 22:48:11.26 ID:LHlQIAr9
◆08

そんなことを考えていたせいか、ドラムカンは私の胸を、下から手で触れてきた。
ハンターだからか、妙な勘を働かせてくる。まるで重さを掌で測っているような触り方だ。

「何、胸がそんなに好きなの」
「触らないのが失礼なぐらいだろ、こりゃ」
「好きなの?」
「……そりゃ、好きだよ」

男はどいつもこいつも、磁石で引っ張られているように、
女の胸に気が行っているが、ドラムカンも例外ではない。

「ん、んふ、んんっ」

ドラムカンの指が、私の胸の肌に沈んでは、離れる。
その度に、私の意識が胸へ持っていかれる。
肌がどんどん敏感になって、汗の雫が垂れるのすら、くすぐったくなる

「声、聞かせてくれないのか」
「嫌よ」

ドラムカンの、銃や操縦桿で固くなった指の皮が、私の胸をじくじくと苛む。
対照的に、滑らかな爪で触られると、あっさりとした感触に焦れてしまう。

私は、もう顔を下に向けられない。
ドラムカンの手に蕩かされていく胸が、目に入ってしまうから。

「ふ……う、んぁっ、ふっ、ふぅっ」

声を止めきれず、つい歯を食い縛ってしまう。吐息の変化で、ドラムカンには筒抜けだ。

「ハンカチでも使うか?」
「……要らない気を、利かせなくてもいいわ」

ドラムカンめ、この私に、布でも咥えなきゃ声を殺せないだろ、って言うつもりか。

「可愛いな。ダフネは」
「今更そんなこと、言って」

ドラムカンの指へ、獲物に巻き付いた蛇のように、私の両胸を行き来する。

「外すぞ」
「はいはい、どうぞ」

ダメと言っても止まらないだろうに、わざわざ断ってブラを外す。こうなったドラムカンは、不意打ちはしない。
ハイエナのように、相手が耐え切れなくなるまで追い回して、それから仕留める。
ハンターとしての狩猟スタイルが出てるんだろうか。
541名無しさん@ピンキー:2014/06/29(日) 22:50:50.27 ID:LHlQIAr9
◆09

ドラムカンの指の腹が、私の胸にゆっくり円を描く。
乳首どころか、乳輪まで勃起してる。乳腺までざわついてる気分。

「何よ……逃げも、隠れも、しないわ」

ドラムカンの指が、また一周。私の感覚が、また臨界に近づく。
胸を通り越して、心臓を撫でられている錯覚がする。
空恐ろしいのに、拒む気になれない。それより先を、期待しているから。

また、回る半径が縮む。ついに、腫れた乳輪の縁を、ドラムカンの爪先が擦る。

「それじゃ、ご挨拶までに」
「……礼儀正しいことで」

ドラムカンの指が、先っぽに触れた。

「ひ――ふ、ひ、ぃ、んひ――っ」

それだけで、私の身体に、花火が飛ぶ。食い縛った歯列から、おかしな音が漏れる。
胸が、熱さで、溶ける、蒸発する、抑えつけた喉を、押し退けて、噴き上がる。

ドラムカンは、三本――いや、親指以外の四本――の指で、触れているだけ。
動かしても居ない。なのに、身体が、与えられてた悦びを、勝手に思い出す。再現する。
そんなことをしなくても、もうすぐ、味わえるのに、気が逸って、

「んひいっ! い――あっ、い――っ」

ほんの少し、擦られただけ。それに、私は、一番弱い。
ドラムカンも、それを覚えている。心臓が倍に膨れたような感覚に襲われる。

「……嫌か。その、これ」

私は咄嗟に、脇をしめて、自分の口を両手で塞いでいた。
そのせいで、ドラムカンの腕を挟んでしまっている。

「冗談、じゃないわ。こんなにしといて、止めるなんて」

この有様では、さっき張った意地が泣く。

「そうだな。あんた、そういう女だ」
「分かってて、そう言ってるでしょう」

私は、両手を自分の後頭部で組んだ。
触りたいなら、それで私を乱れさせたいなら、気が済むまで触ってみなさいな。

「最高だ、ダフネ」

ドラムカンの指が、また一周りする。
また、気持ちいいのを、覚えさせられる。
戻れないところに、一歩近づく。

「んはっ、あっ、そ――それっ」

私は、それを望んでいる。どこかで、望んでしまっている。
542名無しさん@ピンキー:2014/06/29(日) 22:52:27.20 ID:LHlQIAr9
◆10

ドラムカンは、私の胸を堪能したあと、まだ緩慢な愛撫を続けている。
外腿と内腿の境を、指でつつとなぞってきた。浮いてた汗が、肌に広げられる。

「ねえ、ドラムカン。面倒臭い女でしょう、私」

普通の男なら、とっくに堪え性が尽きて、無造作に貪られている。
ドラムカンだって、さっき見つけた地獄耳が気になって仕方ないだろうに、
敢えて自分の吐息がかからないよう、顔の位置に気を使っている。

「面倒臭いな。ただ、それもなかなか楽しいぞ」

私は、一思いに蹂躙して貰いたいと思っても、そうとは言えない。
面倒臭い戯れを続ける。

私は情報屋。だから、ドラムカンの女には、なれない。
こんな大物とくっついたが最後、私の情報は、みんなドラムカン寄りのものと思われてしまう。
グラトノス相手に、一回しくじってるのに。

私は、ドラムカンの女には、なれない。

「嫌になったり、しないの。ねぇ」

でも、私は、もう自分では嫌と言えない。拒んでやれない。
ドラムカンの口から、あんたにはうんざりした、とでも言われなければ、離れられない。
私は、私が思う以上に、面倒臭い女だった。

「い、あっ、ドラムカンっ! そこは、気にしてるって言ったでしょうっ」
「もう少し頼む、とも言ったさ」

ドラムカンは、また私の脇腹に手を戻した。
そして肋を撫でたかと思えば、下っ腹に指を伸ばし、指先が半分沈むほど力を入れてきた。
それだけで、腰骨から脊椎まで掴まれたような錯覚がする。
私の身体も、相当イカれてしまった。

「――あっ」

茹だって、熱のぶり返してしまった私のお尻に、ドラムカンのペニスが食い込む。

「待たせたな。おかげさまで、万全の状態をもって戦列復帰だ」

その言葉で、少しばかり渦巻いていた葛藤が、無意識へ沈められてしまった。
543名無しさん@ピンキー:2014/06/29(日) 22:54:32.87 ID:LHlQIAr9
◆11

「いい眺めだな、ダフネ。あんた自身に見せてやれないのが、本当に惜しい」
「他ならともかく、ディノヒウスだったら、レコーダーついてても驚かないけど」
「つけてないっての。車外ならともかく、車内記録してどうするんだ」

私は靴を脱いで、ドラムカンに向けてお尻を向けて、簡易ベッドに立っている。
ドラムカンは簡易ベッドに座ったまま。
そこから私は、ドラムカンのペニスを目指して、腰を落としていく。

「支えは要らないのか」
「……お気遣いどーも」
「んぶっ」

私はわざとふざけた声音で、ドラムカンの顔めがけてお尻をぶつけてやった。
ざまあみろ、と思った瞬間、ドラムカンの息が敏感なところにかかって、変に反応してしまう。

対面の方が、入れやすいのは明白。それに、私だって所詮色事は素人。
こんな排泄じみた格好を、こともあろうに、知った仲の男に見せるなんて、
肌がざわつくぐらい恥ずかしい。

「あまりぷりぷりさせてると、こっちからイタズラしてしまうぞ」
「邪魔しないでよ。仕損じて下敷きにしたら、さすがに折れるはずよ」
「おお……怖いこと言いやがる」

でも、私は背面しか選べなかった。
私は、ドラムカンに見せられないような表情にされてしまう。
だから、まっすぐ見つめ合う体位なんか、できない。

「そろそろ、行くからね」

私は背中を丸めて、目で確かめながら、自分の陰唇を指で開く。
分かってはいたけど、イヤになるほどぬめぬめしてる。盛り上がり過ぎよ。
ドラムカンと、粘膜同士で触れた。下肢ががくんと行きそうになるけど、耐える。
ドラムカンの形を、身体が思い出してしまう。
どこまで入ったか、もう見ないでも、中の具合で感じ取れる。

「んっ――ふ、ふあっ、あっ」

媚びた声が出てしまう。快いのに、ドラムカンに恨みがましさが募る。
“私が自分の心情を口から吐いてしまう”なんて、どうかしている。

「最高の気分だぜ、ダフネ」

ドラムカンの余裕ぶった台詞。けれど、荒い息が私のうなじを撫でている。
獲物の前で息を殺せないハンターなんて笑わせる。

私達は、もう普段の自分ではいられないみたい。
544名無しさん@ピンキー:2014/06/29(日) 22:55:33.76 ID:LHlQIAr9
◆12

前に、指で抉(くじ)られた場所を、亀頭に押される。
声は辛うじて殺せても、下肢は無理。内からの感覚が抑えられない。
お尻を思わず窄めてしまった。腿が付け根まで震えて、膝頭から足の指まで波及する。
いつからこんな分かりやすい身体になってしまったんだろう。

「あ、あーっ、ちょっと待ってくれ、締りが……まだ出すのは、その」

素面で聞いたら、あまりの情けない響きに吹き出しそうな、ドラムカンの声。
それが、今の私が聞いてしまえば、優越感と照れ臭さで頬が緩む。

「根性出しなさい。ハンターが連射できないなんて、言わせないわ」

期待感が、脳髄から溢れて落ちて、下に溜まっていく。
ドラムカンが身じろぎするだけで、私の身体までずしりと軋む。貫かれているとは、そういうこと。
膣や子宮どころか、横隔膜や肺までガタガタ揺さぶられている気がする。
苦しみと快楽と、混ざらないはずのものが、私の中で、強引に撹拌されてる。

やっと根元まで収まった。一息だってつけやしないけど。

「あなたのそれには、お預け食わせてたから、今は私が動いてあげるわ」
「お、お手柔らかに頼むぜ」

私は重心を前に動かして、自分の爪先と踵に体重が乗るようにする。
ドラムカンのペニスに中を穿たれていると、これだけでもなかなか奥までびりびり来る。

「っふふ、まぁ、考えなくも、ないわ」

曲げた膝に手を突いて、指の2、3本程度腰を浮かせる。また、中で擦れ合う。
体重移動に逆らって、私の膣がドラムカンのペニスをひしと締めている。
入り口が、まるでペニスを吸っているように伸びている様を、
背中だけ前に傾けて、お尻をぐいと突き出している様を、見られてしまっているだろうか。

「お、おおっ、これがモーレツ看護……」
「まだ余裕があるようで、幸いだわ」
「んぐ、うぐうっ」

膝のタメを使って、腰とお尻をずるずると上下させる。
私の体勢だと、腿やふくらはぎに、かなり負担があるので、動きは緩慢になる。
でも、それぐらいが丁度いい。下手に動ける体勢だと、つい動いてしまう。

大きな時計の振り子のようにゆらゆら、けれど方向は気まぐれに、私は腰を使う。
快楽でお尻やら腿やらがびくつくのは、開き直って見せつけてやる。

「だらしない声出して……まだ、できるでしょう」

ドラムカンがどれだけ耐えられるか、なんて、私はとっくに覚えてる。
ドラムカンは、限界でも割とどうにかなる男だ。
545名無しさん@ピンキー:2014/06/29(日) 22:56:32.49 ID:LHlQIAr9
◆13


「ねぇ、出したい? ドラムカン」

台詞だけで、中のペニスが反応する。

「それで返事しなくても……しょうがないんだから」

ドラムカンは、そろそろ口が回らなくなってきた。

「いいの。出すまで、私がしてあげる」

潮時だから、トドメをさしてあげる。
以前味わった射精される瞬間が、頭をもたげる。
気の早い私の下肢は、もう期待に浮かされて熱さを増している。

私はだいぶ消耗してきた脚に鞭打って、中に入れられたまま両膝を閉じる。
こうなると、もう圧迫感が段違いになる。さらに腰を下ろす。
私の膣が、完全にドラムカンのペニスの形になってしまった。

ドラムカンの呻きが変わる。他の女ならいざ知らず、私の耳が逃すものか。
私は全身まで縮こまらせて、ドラムカンのペニスを締め付ける。追い詰めてやる。
動きの幅は小刻みに、けれど動きの速さは、どんどんペースアップ。
くちゅ、くちゅ、と、音が響くようになってくる。これは簡易ベッドまでズブ濡れね。
もっと中に意識を集中させる。ただペニスに食いつく穴になってしまう。

「あっ、はは、あっはは! もうすぐ、ねっ」

ドラムカンの腰が、断末魔の叫びの代わりか、がたんと浮く。
背中を向けていても、ドラムカンがどんな顔をしてるか、分かってしまう。
もと10万の賞金首で、ハンターとして50万以上賞金首を狩った男を、
こんなに追い詰められられるのは、私だけ。

「最――高、ねっ、ふ、あはっ」

射精の瞬間は、哀れなぐらい露骨。
ドラムカンの低い唸りが、不自然に途切れる。

「はは、出た、出ーたっ、でも――もっとよ、ね」

果てても、離してやらないけど。
まだまだこんなものじゃない。

「残弾も、全部置いていきなさいな」

ドラムカンのペニスが、また武者震いのように動く。終わらせやしない。
ハンターとして、男としてのドラムカンを、ここですべてもらっていってしまおう。
そのためなら、べたべたした体液まみれで蠢く肉穴にでもなろう。

弾倉数? 非公開情報よ。
546名無しさん@ピンキー:2014/06/29(日) 22:57:42.36 ID:LHlQIAr9
◆14

「あぁー、キたわ。いろいろ。私、運動不足気味だからねぇ」

ドラムカンが打ち止めになるまで搾ってやると、
私も気持ちの張りが解けて、だらんとドラムカンの背中に寄りかかった。

「普段から椅子に座ってばかりなのに、むしろよくあそこまでもったもんだ」

終わったなら、いい加減ドラムカンの膝からどいたほうがいいんだろうけど、
ダメだった。腰が立たない。セックスで体力が尽きてしまってる。

「換気装置あるでしょ。つけといてくれないかしら。匂いが残っちゃうから」
「嫌だ。面倒臭い。いいだろ、俺のクルマなんだし」
「そういう問題じゃなくてさぁ」

ディノヒウスの中は、毒ガス弾も防ぐ気密性がある。
そして、一人乗り戦車なので、致す場所としては、狭い。

「メカニックに見せたら、一発でバレるわよ」
「大丈夫だ。大破でもない限り、自分で直す」

私は汗でべたべたに張り付いた髪を、手でまとめようとした。が、結ぶものがない。
まぁ、どうせ着替えもしなければならないし――と、思った矢先だった。

私は、完全に一息ついた雰囲気だと思っていた。



「そういえば、こっちをまだ相手にしてなかったな」

その瞬間、私は自分を何をされたのか、わからなかった。
自分がどんな声を出してしまったかも、聞こえなかった。

「地獄耳、可愛がってやるはずだったな。悪い悪い」
「……何だ、忘れてなかったんだ」

私の声は震えていた。耳殻を指で撫でられているだけなのに、
頭蓋骨まで感覚が波打って押し寄せてくる。

「後戯なんて、今までロクにしてなかったくせに。まだ搾られ足りないの」
「いや、そっちはもう一発も出ない。おかげでスッキリしたが、
 ハンターとしてな、手をつけてない所は気になるんだよ。
 心残りがあっちゃ、せっかく付き合ってもらったのに、台無しだろ?」

ドラムカンは、しれっとした声で囁いてくる。
私の頬から顎に、手と指を絡みつかせてくる。

「うわ、乗せられたわ……あなたがそんな人だとは、思わなかった」
「肉を切らせて骨を断つ、と言って欲しいぜ」

そう。ドラムカンが、今まで使って来なかった、こんな小細工したから、仕方がない。
まんまと騙されてしまったんだから、どうなっても仕方がない。

「そうね。気が済むまで、やったら、いいわ」

私は、自分の吐いた言葉に、
それに応えたドラムカンの名状し難い溜息に、身震いしていた。
547名無しさん@ピンキー:2014/06/29(日) 22:59:03.83 ID:LHlQIAr9
◆15

「あ――くあ、あっあっ」

ドラムカンの舌が、ほんの少し私の耳穴に入った時、私はダメだと思った。
頭に花火が飛ぶような、派手なものじゃない。
けれど、身体の反応を隠そうとする、私の意地を、飛び越えてくる。
さわさわと、抜けかけの炭酸のような感覚が、頭の表面から、首筋に、静かに広がる。

「あっ、う、うあっ」

まずおかしくなったのは顎だった。
下顎がさわさわに包まれて、力が抜ける。唇が結べなくなる。
口内に唾液が溜まって、先に飲まされた、ドラムカンのしつこい精液の後味と絡む。

ドラムカンは、私の片方の耳穴で、浅い所に舌先を行き来させてる。
たぶんそうだと思う。私には、脳漿を舐められてる感覚がしたけど。

「ダフネ、お前は、耳触らせたこと、ないんだってな」

唾液で濡れた耳殻に、ドラムカンの小声が掠って、私に入ってくる。

「それなら、しっかり弄って、覚えてもらわないとな」

耳を弄られる感覚は、セックスと同じぐらい、私の意識を侵食してくる。
ただ、その二つは、けっこう違っていた。

「あなたに、記憶力を心配される言われは、ない、わ」

セックスは、苦しみと快楽を、ムリヤリかき混ぜてて、
脊椎から頭に衝き上げる性感で、私を揺さぶってくる。

「そうだな。俺、記憶喪失やらかしてるんだった」

一方、耳を弄られてると、緩慢な心地よさが、頭蓋骨の中にとろとろと注がれていく。
私が酷使したのは、脚とか腰だから、ほんのちょっと首をひねれば、拒絶できる。
それをする気になれないだけ。

ドラムカンの愛撫が、耳から私の表面を覆っていく。

「ふ――あ、あっ」

背中から後頭部まで、ぞくぞくするのが、しつこくつきまとって離れない。

「こっちだけでは、不公平だな」

反対側の耳を、ドラムカンの指先が撫でる。
第一関節の半分くらいしか入っていないようだが、深く入れる必要なんかない。
表面にそっと触れられたら、あとは私の身体が勝手に増幅して、私の中枢にそれを届けてしまう。
548名無しさん@ピンキー:2014/06/29(日) 23:00:35.45 ID:LHlQIAr9
◆16

じゅっ、ぐじゅっ、と、音が、私の頭蓋骨に反響してる。
理性で、そんなことされたら死んでるだろう、あり得ない。
と分かっていても、脳味噌までやられてる気しか、しない。

「あなたも、ふざけたこと、するじゃないの」

目が眩む。気管に涎が入って、咽(むせ)る。

「打ち止めの、くせに、私に、こんなことして。私を、こんなにして」

ドラムカンは、耳から手を離すと、それを黙って私の頭に乗せる。
視界がくすぐったさと共に暗くなる。種切れだからって、姑息な手で、誤魔化そうとして。

「ん、ふあっ、わ、私――こんなんじゃ、ね、まだ、あっ、ん――あっあっ」

ほとんど意味もないのに、私は強がりを漏らしていた。
ドラムカンを突き動かしてるのは、今は性欲じゃない。
他の男みたいに、出させて鎮めることができない。もう搾っちゃったし。

「あ――う、ふあ、んんんっ! く、ふうっ」

ドラムカンは、私が情報屋として張ってた、
意地というか、予防線というか、そういうものを、剥がすために、
こんな似合わないことをしている。

「あ、う、うあっ、あっあっ」

私達の他に、誰が互いの、この有様を想像できるんだろうか。
私達ができていると勘繰る連中でさえ、夢にも思わないんじゃないかしら。



「なぁ、ダフネ」

いつの間にか、ドラムカンの口は、私の耳から離れていた。
というか、私の顔を見て――咄嗟に、両手で顔を隠す。
私、きっと白痴みたいな顔してた。千年の恋も、醒めてしまう。

ドラムカンの声は、妙に弱々しかった。
ふてぶてしさのないドラムカンとか。何だ、あっちも重態じゃない。

「気持よかったか、それ」

そこは、本来のあなたなら“気持よかっただろう?”ぐらい言ったでしょうに。
まぁ、私にハッタリなんか通じないけど。

「気持、よかったよ。ドラムカン」

今だけは、素直に口に出しても、いいよね。
549名無しさん@ピンキー:2014/06/29(日) 23:02:14.81 ID:LHlQIAr9
◆17

「それじゃ、今日はドラムカンとポチの壮行会ということで」
「乾杯っ!」

私の部屋で、ドラムカンと私は器を合わせた。ドラムカンと私の前には、
私が下準備していたアホウなべが、土鍋の隙間から垂涎の匂いを漂わせている。
お酒は、大破壊前の貴重なシロモノをドラムカンが集めてきた。

ポチには別に特製わんわんグルメを用意したが、ドラムカンの足元から離れようとしない。
私がドラムカンの膝に居座ってたのに張り合ってる、と思うのは、私の自意識過剰か。

「うまい! ダフネ、あんた料理上手いんだな。俺の倍は上手いよ」
「それって、褒めてるのかしら」
「褒めてるに決まってるだろ。俺は、ギンスキー家の料理人をやってたことがあるんだぞ」
「はいはい、そんなこともありましたねー」

ドラムカンはこれから、彼を一度殺した男、グラトノスの本拠地に殴りこみをかける。
マス・ドライバーとかいう射出装置で、人間砲弾となって飛んでいく。無茶のために無茶を重ねる。
私の目の前で、アホウなべをものすごい勢いでがっついてる、ただのハンターの男が、そんな暴挙に出る。
コーラちゃんを助けるために。オズマと犬達の仇を討つために。
自分の記憶を取り戻すために。グラトノスとの因縁に、ケリをつけるために。

「ちょっと、テロ貝出してくるから。私の分、残しておいてよ」
「おう、待ちきれないぜ」

ドラムカンの顔を見ると、無性に胸が苦しくなった。
ドラムカンを、あの場所に行かせたら、私達はきっと、二度と会えない。
ドラムカンは死ぬだろう。何かの間違いで生きてたら、ブレードトゥースよりおぞましくなっているかもしれない。

オイホロカプセルの一服で、私はドラムカンを止められる。でも、ここで私が引き止めて、何になるのか。
ドラムカンが私のために戦ったことが、私がドラムカンのために果たした仕事が、水の泡になる。

私がドラムカンにしてあげられた仕事なんて、マスドラ研の座標を教えたぐらいだけど。
グラトノスをおびき寄せる策は、力づくで破られてしまったし。

「なぁ、ダフネ。焼けたら、あーんってしてくれないか」
「私はおつまみレディじゃないわよ」

ただ、もしドラムカンがまた記憶喪失になって、どこかを彷徨っているようなら、
私がドラムカンのことを覚えておいて、かつての彼自身のことを、教えてあげよう。

「まだ、酒のストックがあるんだがな」
「リキュールは?」
「そりゃもう、浴びるほどあるぞ」
「あははっ、この浪費平気彼氏っ!」

たぶん、ドラムカンもそうして欲しいはず。
だから、情報ロクに買わないくせに、私のところに足繁く通ってたんだ。

……あれ、何で私がサービスしてあげてるのよ。商売の邪魔されてたんじゃない。
これは、もうね。高く売りつけて差し上げないと。

「あっ! んうあ、あづ、あづづづっ!」
「私の貝が食えないのか!」

だから、必ず帰ってきてよ。ドラムカン。

(了)
550名無しさん@ピンキー:2014/06/30(月) 10:38:58.70 ID:NmC6s4UE
>>532
大作GJであります。
551名無しさん@ピンキー:2014/07/11(金) 21:36:18.85 ID:Pu9u52ru
GJ保守
552 ◆Freege5emM :2014/07/12(土) 22:33:18.93 ID:4Ddm81Vi
>>533を読んでくれた方、感想をくれた方、ありがとうございます。
稲尾権藤みたいな連投になりますが、飽きていない人のみお付き合いいただければ。

3行あらすじ
アクセル×ミシカ いろいろあって戦友止まりだった二人が、ついくんずほぐれつな話。
ミシカは、実は傷跡ものすごく気にしてる説。ミシカは「あたい」と「あたし」をどう使い分けてるのか。
誰か心当たりのある方はご教示お願い申し上げます。15レス 約15000字
553名無しさん@ピンキー:2014/07/12(土) 22:34:09.76 ID:4Ddm81Vi
◆01

俺の名前はアクセル。メカニックをしている。
今はハンターのケン、ソルジャーのミシカ、そしてバイオドッグのポチと旅をしている。
俺たちは荒野にクルマを駆り、賞金首モンスターを狩ったり、町から町へ荷物を運んだり、
キャラバンの護衛を行ったりして、生計を立てている。

「あちい……畜生め、ネメシス号が使えりゃなぁ」

今の俺たちは、ベネットじいさんとその孫娘・サキが住んでいる海の家に滞在中だ。
サキはとてつもない美人のハイテク海女で、とある事情でケンと結婚寸前まで行き、
今も二人でよろしくやっている。そのため、俺・ミシカ・ポチは気を使って、
ケンとサキを二人きりにしてやってるわけだ。

これだけなら、ケンに妬みの一つも吐きたくなるんだが、今の俺はそれどころじゃなかった。
その原因は、俺の手に握られている小銃型の機械・LOVEマシンだ。

このLOVEマシンは、一見ただの小銃に見えるが、ICチップの組み替えによって、
電磁バリアを出したり、簡易蘇生装置になったり、ジュークボックスになったり、
とにかく色々ととんでもない機能を併せ持つマシンだ。
こんなマシン、メカニックの俺がほっておけるわけがない。どうなってるか確かめなきゃな。

でもこのマシンは、今まで改造できた人間がたった二人、ルナとサニーという姉妹しかいない。
この姉妹によると、普通の人間にいじらせてはいけない、とのことだ。
なので、普段は俺もしぶしぶ興味のないふりをしている。

だが、今はどうだ。
ケンは彼女といちゃついてて、LOVEマシンのことなど忘れているに違いない。
ミシカはソルジャーだから、戦闘以外でのLOVEマシンに興味はないだろう。ポチもチクったりはしない。
なので、今ならLOVEマシンをいじり放題、というわけだ。嫉妬しているヒマはない。

俺は海っぺり――本当は湖なんだが、水平線ができるほど広いので、みんな海と呼んでいる――の、
大岩の陰で、座り込んで工具を広げ、ひとりLOVEマシンと格闘していた。
外は雲ひとつない晴天。熱い日差しに、じりじりと肌を焼かれる。

俺たちの持っているクルマや船の中なら、涼しく過ごせる。が、そこには行けない。
サキの家を出たミシカが、涼しさを求めて先客となっているに違いない。
いくらミシカがマシンに関心薄いといっても、目前でいじるのはまずい。

今のLOVEマシンは、ルナとサニーによると『敵を最高にキラキラさせるビームを放つ』機能がついている。
このビームを当てると、本当に敵が10倍20倍は堅くなったように感じる。
ケンは『戦利品がザクザクでおいしい』とか、ミシカは『強い敵と戦えて歯ごたえがある』などと言って、
キラキラビーム小銃を愛用しているが、俺は正直おっかなくて好きではない。

それで、LOVEマシンはここからICチップ一枚組み替えるだけで、
キラキラビーム小銃がビーム迎撃装置や、Cユニットに変わってしまうから驚きだ。
俺は、ルナとサニーがチップを組み替えるところも見ているし、実際にマシンを動かしている。
そうでなければ、とても信じられないくらい、LOVEマシンはイカれている。

「さぁて、手強い子だが、たっぷり可愛がってやろうかね」
554名無しさん@ピンキー:2014/07/12(土) 22:35:12.79 ID:4Ddm81Vi
◆02

「誰を可愛がるつもりなんだ?」

自分以外の声が、俺の耳に入って、俺は手を滑らせた。
LOVEマシンが不吉な稼動音を上げる。俺は一瞬、頭と体が硬直した。

「な、何するんだアクセル! いきなりビームぶっ放してくるなんて!」

俺が首だけ振り向くと、目を吊り上げて怒ったミシカの顔が見えた。
こいつはやばい。

「道具の手入れをしてただけだ。メカニックは、マシンを処女のように扱うもんだからな。
 改造屋とか、みんなそんなノリだろ? ソルジャーには分からんかもしれんが」

俺は持参していた修理キットの中にLOVEマシンを突っ込みつつ、ミシカの目を見上げた。
ミシカは女で、しかもソルジャー。勘の鋭さは尋常じゃない。ごまかせるか。

「ったく、だからってあんた……声かけたのが、あたしだったから良かったようなものを。
 これがサキだったら、大怪我して仕事ができなくなってたところだよ」

俺はミシカの追及を覚悟していたが、予想に反して、ミシカはあっさり引き下がった。

「あの海女の姉ちゃんは、あんたと違って素人、足音とか殺してないだろ。
 俺だって、あんたじゃなかったら、さすがに気づいてたっての」

俺はさりげなく修理キットの蓋を閉めてLOVEマシンを隠すと、岩陰から立ち上がった。
ミシカの目線が並ぶ。俺とミシカは、身長がほとんど変わらない。

ふと俺は、ミシカに強い違和感を覚えた。

「な、何だよ。あたしのせいだって言うのか?」

ミシカは胸の前で手を組んで、うつむき気味に俺を見返してきた。
いつも胸張ってるミシカが、こんな姿勢したか?
もしかしてこいつはコピードールじゃないか、なんて邪推しながら、
俺はもう一度ミシカの頭から足元まで、順に目を向ける。

「人の顔、黙ってじろじろ見てて……どうしたんだ、アクセル。なんかおかしくないか」

海風をしなやかに受け流す、癖っ毛の長い金髪。
『ヤマネコのミシカ』の異名にふさわしい、ツリ気味に大きく開いた目。
鼻や口が小作りなのもあって、猫みたいな目が強い印象を残す顔立ち。

「いや、ミシカこそ、なんか、その……そうだな」

体質なのか、俺やケンと同じぐらい屋外で活動しているのに、
全然日焼けしていない白い肌。美肌クリームを全部くれてやってる、というのもあるのか、
今も海岸の太陽を照り返して、偵察型ミラーボールのごとくキラキラと輝いている。

ミシカは組んだ手の指を、落ち着かない様子でモゾモゾさせている。
普段はサラシや手袋に包まれている、長い指。ソルジャーの銃火器タコがついている。
爪の青いマニキュアは、爪割れ防止リキッドに、ミシカが着色料を混ぜた手作りだ。
555名無しさん@ピンキー:2014/07/12(土) 22:37:53.97 ID:4Ddm81Vi
◆03

「アクセルっ、あんたジロジロとどこ見てんのさ」

俺の視線が露骨だったか、ミシカは両腕で胸を覆い、体をよじって俺の視線から乳を隠した。
が、俺やケンは、瀕死になったミシカを手当したことが何度もある。
その際に少しばかり『役得』をもらっているので、ミシカの乳の具合はすでに知っている。

「いや、悪い。見られたくなかったのなら、この通り謝る。すまなかった」

ミシカの乳は、防具を着ていても分かるほどのボリュームだ。
それを周到にサラシで固定して(寄せて上げる、とも言う)いるせいか、
仰向けになっていてもちゃんと山なりのご立派なもの。
対して乳首は、色は肌よりほんの少しくすんだ程度で、形も乳首が埋もれていて、
色・形ともにとても控えめだった覚えがある。

「な、何さ。あんたが素直に謝るなんて。お姉さんにも謝らなかったのに」
「それはミシカに、というか今ここでは関係ないだろ」

今の俺の視界には、ミシカの肩幅ぐらいに開かれた両脚が縦に通っている。
無骨な武器をホルダーで巻きつけた太腿が、マダムブーツで程よく締め付けられている。

「ま、まぁいいさ。せいぜい威嚇射撃だったってのは、あたしだってわかる」

そこから、普段はアーマーに覆われていたホットパンツの間の素肌に、
刃のものか、腿周り1/3ほどの傷跡がざっくりと入っている。
ミシカを知らない人間なら、痛々しいと思うだろう。

俺やケンは、ミシカが重ねた数々の無茶を知っているので、
『よくこんなキレイな傷で済んでるな』と思ってしまうが。

「ネメシスに戻るか。思ったより暑くて、俺ァ汗がでてきちまってるよ」

修理キットの取っ手を握りつつ、顔を上げた。
俺の視界に戻ってきたミシカは、『最高にキラキラ』していた。



「あ、アクセル……」

俺は無言でミシカの肩を掴んでいた。指先に伝わる白い肌の感触が、熱く濡れている。
青目なんかキラキラ過ぎて金粉ゲージツより眩しいぞ。
いつの間にか半開きになっていたくちびる。ソルジャーのくせに無防備だなおい。

「んんっ」

ミシカの体を引き寄せると、こいつは抵抗もせず、するりと俺の懐に滑りこんできた。
そこで俺は、ミシカの匂いがとんでもないことになっていると気づく。
男を盛り上げる女の匂いが、あのミシカから、クラクラするほど垂れ流し。戦いのフェロモンどころじゃねぇ。

「ミシカ。あんたって女は、さぁ」

俺は、自分が身を隠していた大岩の岩肌に、ミシカの背中を押し付けた。自分でも戸惑うほどの力が出ていた。

「ちょっと、やばいな」

ミシカは、食べてしまいたいほど美味そうだった。

そこで俺が踏みとどまったのは、過去の教訓のおかげだろう。
欲望のままに突っ走って、牢屋にぶち込まれ、危うく処刑されかけた、とか。
556名無しさん@ピンキー:2014/07/12(土) 22:38:52.97 ID:4Ddm81Vi
◆04

「あ――みっミシカ、その……違うんだ、こりゃ」

俺は、動悸で声が震えていた。普通の汗だか冷や汗だか脂汗だか分からないが、
とにかく汗が俺の額からだらだらと流れていた。

俺は岩肌に手をついて、荒い息をいなしていた。
ほうほうの体の理性で、これがLOVEマシン暴発のせいだと察する。
『最高にキラキラした』ミシカは、女らしさまで20倍か。そりゃやばいな。

「あのさ。何だ、って言いたいのは、あたしの方だよ」

やばいと言えば、今の俺の状況だ。
ミシカは黙ってれば美人なので、今までふざけ半分で迫ったことはあったが、
その度に鉄拳制裁を食らってきた。だから、未遂で済んでいる。

今のミシカは妙にしおらしい。だから抱く寸前まで来てしまった。
このキラキラ状態でパンチラキックでも食らったら、俺は骨も残らないんじゃないか。

「ん――う、んんんっ――!」

そこに、俺の思いもよらぬ奇襲。くちびるに触れ、口内を抉じ開けられる感触。
反射的に、俺は目を閉じていた。キス。歯がかちんとぶつかる痛み。
女の匂いがぐんと迫る。頭のなかでぐるぐる回る。

「そんな男臭いオーラ出しっぱなしで、寸止めするとか」

貪られるキスが終わったかと思えば、背中に手を回される。
今度は俺が体を引き寄せられる。上着とサラシに包まれた乳を押し付けられる。
体を擦り付けられる。あ、こりゃ俺のモノがバレたな。

「こんなもんおっ立てておいて、それで、違うとか、あたしをからかってるのかい」

ミシカが、服越しに俺のモノを撫でて、俺は異変がもっと深刻なことに気づいた。
俺自身ですら、あり得ないと思うほどの太さ、大きさ、熱さ。子供の腕ぐらいはあるぞ、コレ。

あれ。もしかして。
最高にキラキラしたビームは、俺も浴びてしまったんじゃないか。

だからミシカは、俺の20倍になった男気に中てられて、
こんなサカリのついたメスネコになって、俺に体を絡みつかせてるんじゃないか。
557名無しさん@ピンキー:2014/07/12(土) 22:40:08.10 ID:4Ddm81Vi
◆05

「ま、待てミシカ! これは――その、俺じゃない、アクセルじゃないんだ!」
「な、はぁ? 何言ってるのさ」

ミシカは、俺のバカみたいなセリフに、一瞬面食らってくれた。

「おっ俺は、間違ってLOVEマシンのビーム浴びちまってよ。
 普段よりちっとばかしギラギラしてるんだよ。だから、その、な」

後から考えれば、別にLOVEマシンのこと白状する必要はなかった。
今はダメだと言い張るだけでよかった。キラキラは時間が経てば勝手に消えるんだ。
ただ、なんか嫌だった。実際の俺は、ミシカに腕相撲で負ける男だってのに。

今なら、鉄拳制裁一発で終われるはずだった。
ミシカがキラキラしてても、俺だってキラキラしてるんなら、死にはすまい。
俺は後ろめたさを感じつつも、ミシカにLOVEマシン誤射について言い訳した。
ミシカは俺の言葉を聞いていたが、責めるでも笑うでもなく、怪訝そうな顔のままだった。

実を言うと、ここでミシカに何を口走ったのか、あまり覚えていない。
俺は相変わらず、近くにグンと迫っていたミシカの体に、意識を何割か持ってかれてた。
アーマーを脱いでいて、中の胸当てはビキニほどの面積しか、上半身を覆っていない。
元が色白なせいで、顔から首、胸まで肌が赤くなっていて目立つ。トマトタイフーン並だこりゃ。

そのサラシで締め付けられた胸の谷間に、サラサラした汗が線を引いて落ちてくのまで見える。
盛り上がった乳は俺に、尻は岩肌にそれぞれ押し付けられてて、窮屈そうな形だ。
これ以上見るのはまずい、と俺はムリヤリ目を逸らした。

「いや、アクセル。あんたの言ってることは意味不明だよ。
 LOVEマシンのビーム浴びたからって、別人になるわけないだろうが……
 別に、あたしたちが、このままキラキラしっぱなしってことはないんだろ?」
「た、たぶん、な」

ミシカは興奮と困惑が混じった、わけの分からん風な表情だった。
どうすりゃいいんだよこれ。

「あ、アクセルは、さ。あたしのこと見てて、何も思わなかったのか」

またミシカは、何を言い出してるんだ。
あんたのこと、なんとも思ってなかったら、肩に手を回して抱き寄せるとか、しない。
こんなに顔を熱くさせたり、挙動不審になったり、しない。ましてや、あんなにおっ立てたりとか。

「思わないわけ、ないだろうが、この唐変木が」
「……バカ、どっちがだよ」

ミシカは俺に寄りかかったまま、しばらく俯いていた。
ミシカのくせに、思い切りの悪い態度だ。しろってんなら、そう言えよ。

「あーもう面倒臭ぇ……ミシカ、嫌だったら、勝手に殴り飛ばせ。一発なら許してやる」

俺はミシカの肌に触れた。あいつが息を呑むのが聞こえる。
もうなんとでもなっちまえよ。こんな俺が、一回踏みとどまっただけでも上等だろ。
558名無しさん@ピンキー:2014/07/12(土) 22:41:07.18 ID:4Ddm81Vi
◆06

ミシカは、岩肌に背を預けて、俺に立ったまま正対している。
俺は心臓を吐いてしまいそうなほど緊張してたが、
できるだけ両手を慎重に動かし、ミシカの胸当てを外し、岩場に置いた。

「だ、黙ってるんじゃないよ……その、なんか、怖いじゃないかっ」
「あっ、あぁ、スマンっ。なんか、俺も緊張してて」
「んなの、あんた見てりゃ分かるよ」

続いてサラシの結び目に手をかける。
俺は女の下着の脱がせ方なんか知らなかったが、これはサラシ。
体を動かしてもほどけにくく、かつ一人で結んでほどける、
そんな結び方だと分かってれば、ほどき方の見当もつく。

「う、あっ」

ぱらり、とサラシが落ちた時、ミシカがか細い悲鳴を漏らした。
サラシで締め付けられていた乳が、解放されて、さらに迫力を増して目の前に現れる。
俺がいつか見た時は、血の気が引いて青白かった胸が、今は血色に漲っている。
サラシの布地が肌に写ってるのも、あの時とは違う。

「惚れ惚れするほど、いいチューンナップしてるな?」
「ふざけたこと言うな。バラすぞ」
「……何だよ、喋れっていったり、黙れっていったり」

ミシカの語気は強かったが、声は弱々しかった。
俺が目線を上げると、ミシカは両手で顔を隠してしまった。

ミシカの肌から、布の跡が消える頃、入れ替わって玉のような汗が噴き出していた。
ミシカの乳は、上から吊り下げられてるような膨らみ。脂肪の内側の筋肉が鍛えられてるからか。
そして、また細く鋭い傷跡が、俺の指先から付け根ぐらいまでの長さで、両胸の狭間に走っている。
なんとなく目についたそれを、俺は指でなぞった。

「や、やめろっ! そこ、あたいの、傷、じゃないかっ」

ミシカは手をぶん回して俺を殴ってきた。
が、全然力が入っていない。たいして痛くない。
逆に頭を殴られて、少しだけ落ち着いた。

「触られると、疼くのか。触らないほうがいいか」
「だって、だって、あたい、傷が、ついてて……」

顔を隠されてるから、目は見えないが、ミシカは涙声になっていた。
ミシカの涙声なんか、俺ァ初めて聞いたぞ。
反応がいいから、ついいじってしまったが、そんなにまずかったか。

「傷、ついてるの、嫌か」
「あたい、は」

普通の感性は知らんが、俺は傷を痛々しいとも思わなかった。
こんな傷がつくほど無茶をして、それで何だかんだ生き返って、
ミシカがそんなやつだからこそ、俺たちと出会って旅をすることになった。それに、

「だってあんた、ここいじると、すごく可愛い声、出すじゃねえか」
「か、かわ――ふぁあああっ!」

俺はミシカの谷間に顔を突っ込んだ。
甘ったる匂い。両頬に、乳肉が控えめな柔らかさで当たる。
しかもびくん、びくんと反応する肌の下の肉が、まるで心臓みたいだ。
559名無しさん@ピンキー:2014/07/12(土) 22:43:35.94 ID:4Ddm81Vi
◆07

「あっ――んぉおっ、おッ、ふ、ぐう、ううっ!」

俺は舌先で、とりあえず傷跡があったような所を舐めまわした。
匂いに反して、汗が塩辛く、かえってこっちも涎が出てくる。
舌先が傷跡の細いざらつきを捉えると、ミシカは大きく喘ぐ。
苦しげに吸って吐いてしてるのが聞こえる。篭った吐息だ。手で口をふさいだらしい。

「う、くぅうっ、んんんっ」

ミシカは随分と傷跡を気にしているらしい。
敗北を思い出してしまうからか。あるいは、女としてみっともないと感じているのか。
たぶんそれで、ミシカは普通ならあり得ないような感じ方をしている。だんだん俺は調子に乗ってくる。
今まで、肉弾戦でミシカとやりあって、優位に立ったことなど無かった。
鬱憤ばらしも含めて、俺はミシカの傷跡を舌で舐めたり、唇で吸い付いたり、指でなぞったりした。

「は――はあっ、あっ、うぁ……っ」

そうして、しつこく傷を嬲り、周りをキスマークで埋めてしまって、俺は一段落つける。
顔を上げて見てみれば、ミシカの顔は泣き腫れてボロボロになっていた。

ミシカのくせに、そんな顔しやがって。
女らしくてソソるんだが、本当にミシカじゃないような気がしてくる。
まさか本当にコピードールなのか?

「そんなに、嫌なら、俺を殴ってみろよ。いつもみたいに」
「う、うるさいっ、あたいだって、頭がぼうっとして、何が何だか分からないんだよっ」

こんな弱々しいミシカは、どうも座りが悪い。普段の威勢はどこにいった。
手荒にやって怒らせて、普段の調子に戻したい。

「ほー、じゃあ、次はこっちに行くかぁ? 随分ほったらかして、可哀想だったからなぁ!」

だが、こんな弱々しいミシカを、こっぴどく責めて泣かせてやりたい、
という気も俺にはあった。どっちなんだよ。

「あっ! ぐぁっ、い、いたいっ!」
「はは、この有り様じゃ、サラシ巻いても擦れないわな」

俺はミシカの乳に手を伸ばし、内に引っ込んでしまっている乳首の先に爪を引っ掛けた。
周りはもうコリコリになっているのに、先っぽは埋もれたままだった。

「あひっ、い、んひいいっ! そこ、いじ、いじった、らっ、んああああっ!」
「何だ、どうしたんだよ、生身で戦うんじゃなかったのか!」

反撃して欲しいのか、虐めたいのか、とにかく俺は、
ミシカの隠れた先っぽを、指で擦って引き出そうとする。が、出てこない。
ミシカが泣いても、喚いても、体を捩って乳をプルプルさせても、ダメ。
ミシカは相変わらず両手で口を抑えている。あんま声を殺せてないが。
だから、両脇が開いていて、どうぞ胸をいじってください、と言わんばかりの姿勢。

でも、出てこない。出るのは妙な声だの、汗だの、涎だのばかり。
焦れったいことしやがる。責めて欲しいのか、欲しくないのか。
あんたはそんな、はっきりしない奴じゃなかっただろ、ミシカ。

「まどろっこしいんだよ、これ」
560名無しさん@ピンキー:2014/07/12(土) 22:44:27.43 ID:4Ddm81Vi
◆08

俺は修理キットから、再びLOVEマシンを取り出して手に取った。
LOVEマシンのビーム発射口を、ミシカのぬめぬめになった谷間に突きつけた。

「もう一発浴びせたら、この引っ込んだ乳首、出てくるかもな」

俺の声を聞いて、さすがにミシカの目つきが変わった。
半開きで朦朧としていたのが、一気にピンと張られる。
ああ、これソルジャーの目だ。セクシーソードで敵を叩き切る視線だ。
そうだ、そうだろ。いつものミシカに戻ってくれるだろ。

「そしたら、あんたの体も、もっと収まらなくなっちまうだろう」

ミシカは、俺の目に向かって、きつい視線を投げ返してくる。
俺がLOVEマシンの握る手、見て分かるだろ。トリガーに、指がかかってない。
今なら、殴っても暴発はないぞ。なあ。

あんたが女らしいのは、もう分かったよ。でも、あんたってそんな奴だったか。
LOVEマシンでおかしくなってないか。機械に踊らされるなんざ、ただのバカだ。
だからミシカ、そろそろ俺の手からこいつを取り上げてくれよ。

「――だろ……」
「ミシカ?」
「あんたが、そうしたいなら……そうすれば、いいだろ」

何いってるんだこいつ。



「あたいが、傷だらけで、『女らしさ』が足りないから、もう一発かますんだろっ。
 いいよ、やっても、いいから、さぁ。本当に、どうにか、してくれよ……」

ミシカは一言吐き捨てると、LOVEマシンの短い銃身を、手で引っ掴んだ。

ミシカが涙目で呟く。誰にも見せたことがないような、哀れっぽい目つきで、俺を見上げてくる。
何故かは知ったこっちゃないが、ミシカめ、自分の女らしさとやらを分かってないんじゃないか。
弱い傷跡を弄られたのがよっぽど効いたか、頭グズグズになってる。
あんた、俺の大きくなったモノ、布越しに手で触ってただろうが。
アレを何だと思ってたんだ。アレはあんたに興奮させられてたんだぞ。

「あんたに詰め寄られた時、あたいは、その……期待、しちまったんだよ。
 今だって、なんだか焦れて――って、言ったら、あたしのこと、見損なうか……?」

あんたが女らしいのは、もう分かったよ。でも、あんたってそんな奴だったのか?
LOVEマシンでおかしくなってないか。機械に踊らされるなんざ、ただのバカだろ。

あー、バカでもなんでもいいぜ畜生。
だから、もう、俺だけのせいじゃないからな。
561名無しさん@ピンキー:2014/07/12(土) 22:45:18.48 ID:4Ddm81Vi
◆09

「なぁ、ミシカ」

俺は、男として悔しかったから、言えなかったけどよ。
俺は、あんたに嫉妬してたんだぜ。男よりも、強く男らしいあんたに。
生身だったら、あんた俺やケンより強いもんな。
でもこれは、俺の勝手な押し付けだったのか。

しっかし、あんなに肉弾戦強くて、こんなに女らしいとか、あんた、反則臭いぞ。
参った。本当に参った。そんな女を放っておけるか。

「ミシカ、俺に背中向けて、その岩に手をつけよ」
「何、するつもりだよ、アクセル」
「こんなになった男と女がやることなんて、ひとつしかないだろ」

ミシカはあっけにとられた目で俺を見ていたが、やがて俺の指図通りに体を動かした。
ぐしゃぐしゃに乱れた金髪に、背中が覆われている。
その下に、前傾してるのか、突き出し気味の下半身が見える。
もともとパンパンに張っている尻肉が、さらにでかく見えてしまっている。

「下、脱がすぞ」
「待ってくれ、武器、外さないと」
「いいよ、そのままで」

ミシカは腰のベルトに、セクシーソードやら高粒子スパークやら、俺には扱えない武器を装備したままだ。
ベルトはちょっと邪魔臭い気もするが、外さない。

「武器持ってたって、ミシカは女らしいし、可愛いよ」
「ば、バカ言ってるんじゃないよ」

俺は、ミシカのベルトと尻肉の間に指を滑りこませ、ホットパンツを引き下ろそうとする。
が、大きな尻の膨らみに引っかかって、思うように行かない。

「がっつくなよアクセル、こうすれば、外れるから……」

パチン、と軽い音がして、ミシカのホットパンツが緩んだ。前外しかよ。
それを俺が引き下ろすと、黒に無地の地味な下着が現れる。
ちょっとサイズが小さいのか、境目で尻肉が苦しげにめり込んでいる。

「ズブ濡れだな、おい。こりゃ、汗じゃないだろ」
「あんたの、せいだよ。全部、ぜんぶ、あんたが、しつこくいじるからっ」
「はは、そりゃ男冥利だわ」

俺はミシカの背中側に立っているわけだが、ミシカの下着のシミは、
尻の半ばまで広がっていて、一目で濡らしていると分かる。
ちょっと観察すれば、引き締まった太腿から、マダムブーツの上端まで、
下の口の涎でぬるぬるとテカっていた。暖機運転は完了ってか。

「それなら……あたいにも、女冥利ってやつを、早く、味わわせて、くれよ」

ミシカはもう堪え切れない、とばかりに尻肉をムズつかせた。
さすがソルジャー、いい挑発してやがる。行儀よく脱がしてなんかいられねぇ。

「あ、アクセル! あたいっ」
「悪い、下着なら、明日新しいの買ってやるから」

俺は片手で下着をずらす。タッパの差が少なくて、狙いつけやすいのが助かるわ。
562名無しさん@ピンキー:2014/07/12(土) 22:46:23.90 ID:4Ddm81Vi
◆10

「あ、ぐ……く、や、ば……っ」
「あ――う、く、ふぅぅ……っ」

ミシカの中は、大きく張り出した尻と打って変わって、とんでもないきつさだった。
尻に力が入っているのか、パンパンに盛り上がっていた尻肉に、エクボができている。

「おいミシカ、締め過ぎだっての。これじゃ、動いても痛いだろ」
「そんな、文句言われたって……く、ううっ」

ミシカの声は、打撃でも食らったように苦しげだった。
俺のモノが、LOVEマシンのせいで常識外の砲身になっちまったせいもあるか。
こんな子供の腕ぐらいありそうなもん突っ込まれたら、
俺ァ立ってられる自信ないわ。女がすごいのかミシカがすごいのか分からんが、すごい。

「な、ナカが、押され、かき、まわされて、るうぅっ」

俺は1cmもモノを動かせていないのに、
ミシカはまるでガンガンピストンかまされてるような反応だ。
俺も締め付けがきつすぎて、気持ちよさより痛みが強い。
ナカを堪能するどころじゃない。

「それに、女冥利を教えてやらんといけないんだよな」

まぁ、それはそれでいい。まだ日は高いから時間はある。
どうせ、ケンもサキとやりまくってるだろ。

「あんたの体、可愛がってないところが、まだまだあったな」

ミシカの背中に広がった金の癖っ毛を、手で横に退ける。
鍛えられ、筋肉のついた両肩と、ぎゅっと引き締められ、流線型を描くウエストが現れる。

「お、ふぉっ、やっ、それ、背中、ぞくぞくキて、あたいっ」

背骨の窪みを、指でつつっとなぞってやると、ミシカの両肩はがくがくと震え、尻もふらふらと上下する。
心なしか、ミシカの締め付けもにゅるにゅると柔らかくなった気がする。
調子に乗った俺は、ミシカに後ろから抱きついて手を回した。

「ミシカよぉ。あんた、傷をいじられると、すごく反応するよな」
「や、やめてくれ……あ、あたいを、苛める気なのか……」

ミシカが傷をどう思ってるか、俺は想像を巡らす。
体の傷は、ソルジャーとしての敗北の象徴。女として傷物にされた印。
普通に考えりゃ、触れられたくない場所だろう。それが体に13個とは、難儀なもんだ。

「その、あんたの反応が、可愛くてよ。どうしても、いじりたくなるんだ」
「か、可愛いっていえば、済むなんて思うなよ!」
「いじりたくなるんだからしょうがねえだろ!」

俺は両手を、ミシカの体に食い込ませた。右手は、あの頑固な乳首がある乳に。
左手はやや下で、ミシカのしなやかに鍛えられた脇腹を、力任せに掴む。

「う――ひ、い、イっ、き、傷は、やめ――んぁ、あ、ひゅ、ふうっ」

ミシカは急に背中を逸らして、おかしな呼吸をしながらガクガクし始めた。
俺が適当に回した手が、胸と脇腹にざっくり入ってた傷と、重なったらしい。
563名無しさん@ピンキー:2014/07/12(土) 22:47:16.25 ID:4Ddm81Vi
◆11

「お、入ったな。ミシカ、本当は傷跡やられるの、好きだろ」
「ひ――く、うう、うぁ、あぁっ」

ミシカは呼吸がおぼついていない。返事するどころじゃない。
でも、俺が――周りのすべすべ肌と感触が違うから、見えなくても分かる――傷を撫でると、
尻とナカがいちいち締まったり緩んだりする。上の口が潰れてるから、下の口で返事してくれるのか。

「あのあんたが、腰立たなくなるほど、気持ちいいか。最高だろ」

ミシカの腰は、上に行ったり下に行ったり、左右に振れてみたりしていたが、だんだん力が抜けてきた。
並みの男なら余裕で絞め落とす太腿が、だんだん斜めに下がってきて、負担が増えた両膝が、
マダムブーツに包まれたまま、今にも落ちそうな様子で、かろうじて持ちこたえている。
もうミシカの上半身は半ば岩肌に張り付いていて、そんな姿勢だから、俺の腰にミシカの尻圧がかかる。

モノ突っ込まれたまま、ガニ股で尻突き出すとか。あのミシカが。

「あ、あう、ひっ、ふぁ、ぁあ、っ」

腰を低くする体勢が、きつくなってきた。
俺はミシカの両脇に手を突っ込んで、ミシカの体を岩肌の方に押し戻す。
その拍子に俺のモノがミシカのナカから少し抜けて、涎がぬらりと垂れた。
そのまま、少し小休止する。きついだけだったナカが、ぐにぐにと馴染んできた気がする。

「アクセル。あんた、性格悪いよ……あたいが、おかしくなるって分かってて、傷跡、いじりまわすんだから」

呼吸が整ってきたミシカが、相変わらずの涙声で呟く。
あーもう、泣きじゃくってるところまで可愛いとか、どうしろと。

「あたい、自分の傷が、嫌だった……ソルジャーとしても、女としても、傷物にされて。
 しかも、それが自分の無茶のせいだから。それを、あんたは、好き勝手、オモチャにして」

ミシカは、岩肌に押し付けた自分の両腕の間に、顔を埋めて、啜り泣いた。
泣き顔、見ないほうがいいんだろうか。

「でも、アクセル、あたいは――あんたに、こうやって、弄り回されて、傷とかほじくり返されると」

ミシカの喉から、声が絞り出される。
あまりか細いもんだから、俺はミシカの肩口まで顔を近づけて、呟きを聞き取ろうとした。

「頭が、真っ白になって、体が、熱くて……っ、どうしようも、なくなるんだよっ」

悲鳴なのか嬌声なのか、どっちともとれる声。

「ハハッ、あんたもついにそうか! 俺ァもうとっくにイカれちまってるぜ」

それを聞いて俺は、ミシカのナカに力いっぱい押し込んだ。

「い……ぐ、う、くぅあ、あ、あ、あっ――」

幾分ほぐれてきたミシカのナカが、ぐいと抉られ、ミシカは足先から声まで震わせていた。
もう姿勢が危ない。もう俺が支えてなければ、立っていられないかもしれない。
564名無しさん@ピンキー:2014/07/12(土) 22:48:08.06 ID:4Ddm81Vi
◆12

俺は自分の手足に奮って、ミシカと自分の体を前に押し出す。
ミシカは岩肌と俺に挟まれて、乳なんか膨らみが押し付けられてしまっている。
背中に垂れる金髪も、いい具合にぐしゃぐしゃだ。こりゃ後で、サキに風呂借りないとな。

「あ、う、ふぁ、あっ」

ミシカは無防備に開いた両足と、弾けそうな尻を、細かくユサユサと引きつけっぱなし。
下の涎だか嬉ションだか、生暖かそうな液体が、岩肌を濡らして、湯気まで立っている。
俺のモノで感じるところでは、ミシカのナカも、外身と同じぐらいしなやかになってきた。

「ここが、いいのか。あんた、素直なやつだわ」

俺のモノが、ミシカのナカのあるところに触れると、ミシカの反応が微妙に変わることに気づいた。
例えるなら、ヘソの裏側あたり。背中側から入れてると、ちょっと触れにくい場所。
なんだろうな。まさか、こんなナカの奥に傷痕があるとも思われんが。

「んぐっ、お、んおおっ、お、おく、は、あっ」

そこに触れてやると、ミシカの入り口近くがきゅうと締り、尻の谷間が大きく鳴動する。
切れ切れに喉から出てた嬌声が、腹の底から絞れてくる叫びになる。
ほんの少しだけ、ソルジャーの雄叫びに似てる、と思った。

「お、奥は、やめてくれ……変な、声、出る……っ」
「苦しいなら、やめるが。俺は、あんたのナカ入れてるだけでも、たまらんぞ」

実際そうだった。ミシカのナカに馴染んでも、俺があまり腰を使えてないのは、
具合が良すぎて、迂闊に動いたら出てしまうと思ったからだ。
キラキラしてるから一発では終わらんかもしれんが、ミシカとは初陣だ。
あっけなく出してしまってはもったいない、我慢の限界まで堪能したい。

でも、ミシカを泣かせてみたいという欲も、燻っていた。

「いや、その。あ、あたいが、ど、どうしようも、なくなる、だけだよ……」
「じゃあ、いいだろ。あんたがどうしようもなくなるところ、見たい」
「だって、あんなの聞かれたら、あたいは」

ミシカの言いたいことも分からんでもない。
俺も今日はじめて聞いたが、ありゃ女の嬌声と言うには、ちと野太い。
ただ聞いただけなら、ひいてしまう男もいるだろうな。

「俺ァ、そいつを聞きたいよ」

でも、俺のモノで、ミシカのナカの奥のオンナに触れて、その声を出させてると思えば、
なんとも言えない満足感がある。モノがナカでよく締め付けられて気持ちいい、とは少し違ったのが。

「いいだろ、なぁ。ま、黙っててもやるけどな」
565名無しさん@ピンキー:2014/07/12(土) 22:49:41.22 ID:4Ddm81Vi
◆13

「うぁ、ああっ! お、おく、キて、あ、んあぁあっ!」

俺は地に突っ伏したミシカの尻に、自分の腰を打ち付けていた。
もう上体を地から起こす力もなく、尻だけを俺に向けて上げている。

あれから俺は、ミシカの弱点を繰り返し狙い撃ちした。
俺はすぐ堪え切れなくなって、ナカに出してしまったが、
キラキラしてるせいか、一度二度出したぐらいでは萎えない。
本当にLOVEマシンはやばい。

俺も、喋る方に気力が回らない。
一度出してしまうと、すぐに出したら惜しい、とかそんな余裕は消え失せて、
ひたすら突いて突いて突きまくることしかできない。

「ん、くぁああっ、も……もう、ナカ、だめに、なって、んっ、ふ、おおっ!」

腰をパンパンさせる度に、いつの間にか溢れちまった白いぬるぬるが、
俺とミシカの肌をべとつかせる。下着? いつの間にか、どこかいってたわ。
気がついたら手がべたべたしていたので、ミシカの腹の傷にも、しこたま塗りつけてやった。
ミシカはすぐ気がついて、ヘソまでどくんどくん言わせる勢いで感じていた。

そんなことを続けているもんだから、ミシカの体はガタガタになっているだろうに、
俺が少しでもモノを行き来させると、足腰プルプルさせて、必死で尻振って合わせようとする。
そうまでされると、俺も意気に感じて、ミシカのいいところをじっくり探して攻めてやる。

とぉん、と軽い具合で、ナカのそこを突いてやると、
またミシカが息を詰まらせ、背中を弓なりに震わせる。腰骨がテカる肌から出たり引っ込んだり。
外身の反応はおとなしくなってきたが、ナカの反応はむしろ露骨になって、
しびれるような熱さと、安定感さえ覚える締め付けがたまらない。

「あ……う、うぁ、あ、んぅう……っ」

呼吸がままならないせいか、喉が掠れたせいか、ミシカも静かになってきた。
さらに俺がとんとんとやり続けると、ミシカは顔まで地に突っ伏して、
呻きを籠らせたり、しゃくりあげたりしていた。あー、泣かしちまった。
それでもナカは俺に合わせてくるんだが。たまんねぇぞおい。

俺は腰に鞭打ち、最後のラッシュをかけた。
ミシカのナカの、例の場所に俺のモノを捩じ込んで、深く、細かく、突きまくる。
延々続けてきた俺たちは、もう長くは持たず、俺が最後にミシカのナカにぶっ放すと、もう気力切れ。
モノを抜かれたミシカは、とうとう五体を地に伏せて、下の口と尻の膨らみをひくつかせるだけになった。
俺も軸が抜けたように体が動かず、ミシカのだらしない姿を、しばらく眺めていた。
たぶん俺の姿も、負けず劣らずの惨状だったと思う。
566名無しさん@ピンキー:2014/07/12(土) 22:51:41.62 ID:4Ddm81Vi
◆14

ミシカの回復は、俺の予想よりかなり早かった。
俺が地面に座り込んだままうつらうつらしていると、
ミシカは不意に我に返って、よたつきながらも立ち上がっていた。

「あはは、あたい……もうあんたに、どうしようもなく、されちゃったよ」

ミシカが笑っていた。
声はカラカラ、顔も砂で薄汚れていたが、俺にはとてもまぶしい。
俺は笑い返すのが精一杯だった。



「って、ミシカよ。あんた、何やってるんだ」

ミシカは、すっかり忘れていた俺の修理キットの蓋を開けていた。

「LOVEマシン出してるんだよ。さっきは随分お世話になったから、今度はあたいが世話する番さ」
「え、ちょ。俺、さっき割と頑張りすぎてて……」
「だから、そのための――そう、こいつだろ?」

俺は仰向けに転がされ、ミシカに馬乗りにされた。
ミシカは下着などとうにパージしていて、俺がさんざん可愛がった下の口から、
白いぬめぬめが垂れ落ちて、内腿に走る傷と交差してた。

「あんたの手で、触られて、あたいは嬉しかったんだ。
 だから、アクセル、あんたも、あたいで気持ちよくなってくれよ」
「あ、あの、見りゃ分かるだろ、俺、もう弾切れっていうか」
「だから、そのためのこいつさ」

ミシカはLOVEマシンを俺に突きつけた。
そういや、LOVEマシンって、重ねがけできたっけ。

「あんたはそこで寝てるだけでいいよ。あたしが上から可愛がってやるとも。
 さっきので、だいたいナカの動かし方も分かったから。安心しな」
「安……心……?」

ミシカは、にっこりと笑って、引き金に手をかけた。

「あっ」

結局俺は、ミシカの腰使いのなすがまま、こってり絞られてしまった。
いつの間にか記憶が飛んでて、どうやってネメシスに帰ったかすら、思い出せなくなっていた。
これ、どうしようもなくなっちまったの、やっぱり俺のほうじゃないだろうか。



この後“エルニニョの親父と姉貴に紹介したいから付き合え”とミシカに言ってやると、
ミシカは“やったー!”と叫びながら俺に抱きついてきた。
ドクターミンチのテントで、ミシカと旅の仲間になった時みたいだ、なんて思った。

ドクターミンチといえば、マドにも挨拶しなきゃいけない人がいたな。
ミシカ曰く“俺といい勝負できるバカ”だそうな。ははっ、ひどい言い草だ。


(了)
レス数間違えました。
567名無しさん@ピンキー:2014/07/14(月) 22:20:01.61 ID:Pkt7kILm
長編乙です!
良かったです
568名無しさん@ピンキー
長編乙です!
良かったです