ヤンデレの小説を書こう!Part34

このエントリーをはてなブックマークに追加
620名無しさん@ピンキー:2010/08/22(日) 20:42:06 ID:ioJroFDz
まさかまたIFが来てくれるとはこの海のリハクの眼をもってしても見抜けなんだわ
本編と関係性の違うキャラ達に兄がどう接しているかが気になっていただけに嬉しい

>>619
実はIFの方が楽しみなわしはどないしたらええのんや
621名無しさん@ピンキー:2010/08/22(日) 20:43:09 ID:dZE2UbEU
この作品の場合、まともに読んでいればそんな言葉が出てくるはずないんだが
622名無しさん@ピンキー:2010/08/22(日) 21:06:09 ID:LQWlbrtP
>>620-621
ただの荒らしだからかまわないように無視無視
623名無しさん@ピンキー:2010/08/22(日) 22:23:34 ID:EadshcRp
>>620
リハクとか良く分からない。
624名無しさん@ピンキー:2010/08/22(日) 22:32:59 ID:Mhi6u0Lh
その昔リハク・トホ・ハッキョイというヤンデレ作家が…
なんつって
625名無しさん@ピンキー:2010/08/23(月) 00:22:17 ID:K7JMBVEr
ifだと…
ふう。次の週末まで全裸待機か…
626名無しさん@ピンキー:2010/08/23(月) 01:24:34 ID:Jmsuaq7L
ぶっちゃけifはな…
627名無しさん@ピンキー:2010/08/23(月) 01:32:24 ID:WF6Zxm32
正直最近のヤンデレ家族ばかりに執着するおまいらきめぇ…

他にも良い作品が結構投下されてるのに
コメすらしないとかな。もうこのスレも終わりだな
628名無しさん@ピンキー:2010/08/23(月) 01:52:01 ID:3utBhJbP
ここから新しいヤンデレスレ
629名無しさん@ピンキー:2010/08/23(月) 02:01:50 ID:2U5MErXC
>>627
他のSSにも十分レスついてるんですけど?
それに2chでコメとか使ってるお前も十分キモイから
ニコニコに帰りな
630名無しさん@ピンキー:2010/08/23(月) 02:46:35 ID:ywJqgFPz
>>627
お前の短絡的思考にかんぱい
631名無しさん@ピンキー:2010/08/23(月) 03:55:54 ID:i5udLu3T
ifって……
632名無しさん@ピンキー:2010/08/23(月) 04:09:33 ID:V8kLFvJ9
じゃあ、俺風のヒューイ
633名無しさん@ピンキー:2010/08/23(月) 04:48:35 ID:E1pZIdIk
別にifだろうがなんだろうが書いてくれるだけありがたいだろ
ifのほうもスレの趣旨と違ってるっていうわけじゃないしさ
問題があるならともかく
作者にうるさくいってるうちにこなくなったら最悪だろ
634名無しさん@ピンキー:2010/08/23(月) 06:36:10 ID:8x1LsJx7
確かに…最近投稿が滞ってますからね…
635名無しさん@ピンキー:2010/08/23(月) 07:07:48 ID:G0bh7u6q
泥棒猫という名の猫はいるのだろうか?
636名無しさん@ピンキー:2010/08/23(月) 07:35:26 ID:RDrDDIvp
102 名前: ◆ 0jC/tVr8LQ 2010/08/22(日) 23:25:00 ID:TF5JALGM0

いつもお手数かけます。
触雷!の15話です。
637名無しさん@ピンキー:2010/08/23(月) 07:35:53 ID:RDrDDIvp
103 名前: 触雷! ◆ 0jC/tVr8LQ 2010/08/22(日) 23:25:37 ID:TF5JALGM0

「とくあのくたらさんみゃくさんぼだい こちはんにゃはらみった……」
恐怖のあまり、布団にくるまって般若心経を唱えていると、ソフィさんが呼びに来た。
「詩宝様。お食事の用意ができました」
「は、はひ……」
何かの発作のように手をガクガクさせながら、僕はベッドを這い出る。
ソフィさんはワイシャツとズボンを持ってきていて、僕はそれを着せられた。
そのままソフィさんに連れられてダイニングに着くと、僕は後ろ手に手錠をかけられ、椅子に座らされる。
「あの、これは一体……」
「黙ってください。詩宝様に人権はないんですから」
「…………」
そう言われると、僕は一言も言えない。
やがて、先輩とエメリアさんがワゴンを押して入って来て、テーブルに食事を並べ始める。
「詩宝さん。はい、あ〜ん」
そして、3人がかりで食事を口に入れられた。
紅麗亜のときと同じだ。
もっともこの場合は、僕の手を自由にしたら、何をするか分からないと疑ってるからなんだろうけど。
と思いきや、食事が終わるとあっさり手錠は外された。
今度はエメリアさんに連れられ、一室で彼女と向かい合う。
何故か、ジャージに着替えさせられた。
「これから、詩宝様の更生カリキュラムを始めます」
「はい」
更生と聞いて、僕は頷いていた。
昨日の今日で、手回しがよすぎる気がしないでもないが。
「では、これをどうぞ」
「え!?」
差し出されたものを見て、僕は驚いた。トカレフだ。
一体、これで何をやれと言うのだろうか。
「…………」
受け取るのを躊躇していると、強引に握らされた。
「時間がありませんので」
握ってみると、ずっしりと重い。まさかこれは……
「モデルガンの入手が間に合いませんでしたので、今回は実銃で間に合わせます」
普通は逆じゃないだろうか。
いや、それ以前に、実物なんか手に入れていいのか。
「ご安心ください。実弾ではなく暴徒鎮圧用のゴム弾を装填しております」
それはもしかして、ギャグで言っているのか?
僕は慌てて弾倉を外し、スライドを動かして弾丸を抜いた。
「一体これで、僕に何をしろと……?」
「はい。それではご説明いたします。まず最初に詩宝様、あなたは性犯罪者です」
「はい」
全くもってその通りだ。
「1人暮らしの女性の住居に侵入しては、拳銃で脅してレイプする行為を繰り返している、常習犯です」
「え? いや、そこまでは……」
エメリアさんが何を言っているのか、僕には分からなかった。
先輩は1人暮らしじゃないし、拳銃で脅してもいない。
「失礼しました。今のは設定上のことです。現実の詩宝様とは関係ありません」
「設定?」
「はい。これからしていただくのはロールプレイです。詩宝様には、現実の性犯罪者に成りきっていただき、犯行をシミュレートしていただきます」
「ははあ」
「シミュレートを通じて、性犯罪者がいかに惨めなものか、詩宝様に実感していただきます」
「はい……」
趣旨は分かった。もっとも惨めさなら、もう十分すぎるほど感じているのだが。
「というわけで今回は、詩宝様が拳銃を持った性犯罪者役、お嬢様は被害者役です」
「そ、そうですか……」
本当にトカレフ一丁で先輩に立ち向かう人がいたら、古今無双の命知らずか、真性の脳天パーだと思うけど、そこはお芝居ということなのだろう。
「今回は初めてですので、台本を用意しました」
そう言うと、エメリアさんは僕に薄い冊子を手渡した。
638名無しさん@ピンキー:2010/08/23(月) 07:36:33 ID:RDrDDIvp
104 名前: 触雷! ◆ 0jC/tVr8LQ 2010/08/22(日) 23:26:02 ID:TF5JALGM0

受け取って読んでみると、何というか、その、18歳未満お断りの小説から、そのまま引き写してきたような内容だった。
エメリアさんの説明の通り、先輩が1人で住んでいる部屋に僕が侵入し、拳銃で脅してレイプするという筋書きだ。
「……本当に、これやるんですか?」
「そうです。早速お願いします」
「でもその、この役回りはまずいんじゃ。先輩には僕に襲われたトラウマとか……」
「詩宝様を更生させるためなら、どんなことでもするとお嬢様は仰せです」
「…………」
そこまで言われると、何も言えない。
「くれぐれも言っておきますが、台本に書いてあることは全部実行してください。手を抜いたりしたら、後でひどいですよ?」
「は、はい……」
怖い。僕は冷や汗を流し、何度も頷いた。
「それでは早く。後がつかえていますので」
「後?」
「いいから」
エメリアさんにせき立てられ、僕はトカレフと台本を持って部屋を出た。
そのまま別の部屋の前まで引っ張られる。
「ここです。どうぞ」
「は、はい……」
こうなったら仕方がない。僕は台本をエメリアさんに渡すと、覚悟を決めて、ドアをノックした。
コンコン
バン!
その瞬間、エメリアさんにビンタされた。なぜかおっぱいで。
いい感じに脳が揺れたらしく、頭がクラクラする。
「ノックするレイピストがどこにいますか!?」
「ひいい!」
僕はドアを開けて、逃げ込むように部屋の中に入った。
部屋の中は薄暗く、ベッドが置いてある。先輩が寝ているようだ。
僕はベッドに忍び寄り、空のトカレフを突き付けて、台本にあった台詞を言った。
「おい、起きろ」
「キャッ! 誰ですか?」
起き上がった先輩も、台本通りの台詞を返してくる。
「大人しくしろ。騒ぐと殺すぞ」
「お願いです。殺さないでください。お金なら上げますから……」
手を合わせる先輩。どういう訳か、顔が微妙に笑っている。
「金じゃねえ。てめえを犯すのが目的なんだよ!」
こんなストレートな犯人っているんだろうか?
ともかく、台本通りにしないといけない。僕は手を伸ばし、先輩のシュミーズを引き千切った。
先輩の白い裸身が露になり、無体に大きな胸が丸見えになる。
「いやんっ! 誰か助けて!」
「騒ぐなって言ってるだろう!」
僕はトカレフの先を、先輩の乳首に押し当てた。
「あんっ! ごめんなさい」
「へっへっへ……こいつは上玉だぜ」
空いている左手で、先輩のおっぱいを鷲掴みにする。
「あうっ!」
「この前襲ったブスでデブのメイドとは大違いだぜ。いやむしろ、あのメイドのときは裸見て萎えちまったからな」
この台詞は、台本の上で2重線が引かれており、“必ず言うこと”という但し書きまであった。
「さあ、犯してやるから股を開け!」
「はい。言う通りにしますから命だけは……」
先輩は掛け布団を押しのけ、大きく足を開いた。
僕は先輩にのしかかり、屹立を出して先輩の秘裂にあてがおうとしたが……
緊張のせいか、なかなかうまく行かない。
焦っていると、先輩が下から僕のものを握り、彼女自身に迎え入れてくれた。
「うっ……済みません」
「ああ……いいんです。続けてください」
挿入の強烈な快感に耐えながら、僕は腰を振った。
どう動かせばいいのか、正直分からないのでかなり適当だ。
639名無しさん@ピンキー:2010/08/23(月) 07:37:06 ID:RDrDDIvp
105 名前: 触雷! ◆ 0jC/tVr8LQ 2010/08/22(日) 23:26:30 ID:TF5JALGM0

「ああんっ! いやあっ! そんなに動かしちゃ駄目っ!」
「うぐっ、あああ……」
「いぎいっ! 気持ちいいっ! いっちゃう!」
そんな声がしばらく室内に響く。
そして限界が訪れた。
先輩の中に放った僕は、先輩の体に覆いかぶさって荒い息をつく。
「はあ、はあ……お前気に入ったぜ。これからずっと俺の肉便器にしてやる」
この台詞にも2重線が引かれていた。
「はい……嬉しいです。私一生、あなたの肉便器になります……」
涙を流して先輩が言う。台本にあった、先輩の最後の台詞だ。本当なら、被害者がこんなこと言うはずないと思うのだが。
「はい。カット!」
そのとき、急に部屋の照明が明るくなり、エメリアさんが入ってきた。
「エメリア……もう少し余韻に浸らせなさい」
「いけません。詩宝様の更生は寸秒を争うのですから、すぐに次のカリキュラムに移らなくては」
仏頂面で文句を言う先輩を尻目に、エメリアさんは僕の腕を掴むと、強引に部屋から引き摺り出した。
「あの、次のカリキュラムって……?」
「ロールプレイは何度も繰り返し行わなくてはいけません。次は私が被害者役になります」
「ええええ!?」
で、また台本を渡された。服は背広に着替えさせられる。
別室に移り、シミュレーションが始まった。
僕は高そうな椅子に腰かけ、手に持ったグラス(中身はコーラ)を弄ぶ。
足元には、スーツ姿のエメリアさんが土下座していた。
「も、申し訳ありません。お金はもう少し……」
「これで何度目だ? 全く使えない女だな」
気が進まなかったが、台本に書いてあったので、僕は靴の裏を軽くエメリアさんの頭に当てた。
「金が払えないなら、連帯保証人のお前の親戚から取り立てるしかないな。家屋敷、全部売り払ってもらおう」
「ご、後生ですからそれだけは……」
「それじゃあ、いつものように楽しませてもらおうか?」
僕がそう言うと、エメリアさんは「はいっ!」と言って、着ている物を全て脱ぎ捨てる。(何故か、最初から下着を着けていなかった。)
「失礼します……」
エメリアさんは僕の足の間に跪き、ズボンからシャフトを出すと、舌で舐め始めた。
「金を稼ぐ才能は全然ない癖に、しゃぶるのだけはうまくなってやがるな」
僕はエメリアさんの髪を掴み、口の中に強引に突き入れる。もちろんこれも、台本に書いてあった。
「んぐっ、んぐぐっ……」
「さあ、雌犬みたいにマンコを広げるんだ」
僕がエメリアさんの髪を放すと、彼女は床に四つん這いになり、あろうことか自分の秘部を指で広げた。
「ああん……借金まみれのクソ雌犬の、ド汚ないマンコを犯してください……」
彼女のお尻に近づいた僕は、いきり立ったものを差し込もうとしたが、後ろからするのが初めてなので、うまく入らない。
「え、ええと……」
「もう少し前です」
「こ、こう?」
「そうです。ああっ!」
エメリアさんのアドバイスのおかげで、ようやく結合できた。
そして腰を振り始める。
「オウッ! アウッ! 来るっ! 来るっ!」
「んんっ……あああ……」
640名無しさん@ピンキー:2010/08/23(月) 07:38:18 ID:RDrDDIvp
106 名前: 触雷! ◆ 0jC/tVr8LQ 2010/08/22(日) 23:27:26 ID:TF5JALGM0

やがて僕の先端から白濁が迸ると、同時にエメリアさんは床に崩れ落ちた。
「アアウッ……最高……」
「はっ……がはっ……」
一方僕の方は、2回連続のシミュレーションで、体がかなり参っていた。
ここで少し休憩したいところなのだが……
バン!
「終わりましたか!?」
そうは問屋が下ろさなかった。
勢いよくドアを開け放ち、ソフィさんが入ってくる。
彼女はなんと迷彩服に身を包み、自動小銃を構えていた。
「ギャー!!」
心底驚愕した僕は、思わず両手を挙げていた。
「撃たないでください! 話し合いましょう!」
「次の台本です」
ソフィさんは、無造作に僕に冊子を寄こした。
読んでみると、僕は今度はゲリラ役で、ソフィさん扮する捕虜に性的拷問を行うらしい。
だんだんシチュエーションが、日常からかけ離れてきた気がする。
本当に、僕はこれで更生できるのだろうか。
だが、そんな疑問を差し挟める雰囲気ではなかった。
「さあ。やりましょう」
ソフィさんに首根っこを掴まれ、僕は次の部屋に連行された。
「いい加減に、白状したらどうなんだ?」
「アンッ……軍の機密は、絶対に漏らさないわ……」
薄暗い部屋の中。僕は迷彩服を着て、全裸に帽子だけのソフィさんを尋問し始めた。
ソフィさんは両手を上に挙げた状態で、天井から下がるロープに縛られ、椅子に座っている。
彼女の両足は肘かけに乗って縛られており、股間が無防備で晒されていた。
僕は台本通り、乳首をつねる拷問から始める。
「さあ、吐け!」
「いいっ! ええと、嫌よ!」
ちなみに、どんな機密を聞いているのかは僕も知らない。台本に書いてなかったから。
「ふふふ。いつまでそんな強情を張っていられるかな?」
僕は置いてあった鞭を取り、ソフィさんの太股を打った。
ピシリ
途端にソフィさんの叱責が飛ぶ。
「弱い! 弱いです! もっと強く!」
「はっ、はいっ!」
641名無しさん@ピンキー:2010/08/23(月) 07:38:40 ID:RDrDDIvp
僕は慌てて、力一杯鞭を振るった。疲れてるのに。
ビシッ! バシッ!
「アッ! アウッ! まあいいでしょう」
「……さあ、吐く気になったか?」
「絶対に嫌です……」
自分の体にできた蚯蚓腫れを、笑みを浮かべて見つめるソフィさん。
僕は、怒張したものをズボンから出して見せた。
「じゃあ、最後の手段しかないな」
「ああっ、それだけは駄目……」
ソフィさんは顔を赤らめて、目を逸らした。
「嫌なら白状するんだ」
「で、でも……」
「残念だったな。タイムリミットだ」
先端をソフィさんの女陰にあてがい、挿入する。
ちなみに今回は、台本がここで途切れていた。
まあ、このままレイプして終わりなのだろう。
僕は腰を動かし始めた。
「アアッ! イイイッ! オオンッ!」
「ああっ……ぐうっ……」
そしてソフィさんの中にも、放出した。
――これで終わった。
安心した僕は、引き抜こうとした。ところが……
「アアンッ……白状しますから、抜かないで。もう一度して……」
「え!?」
まだ終わりじゃないのか、雰囲気的に、明らかにもう一度しなければいけない感じになっている。
「あの、でも……」
「あなたの知りたいこと、全部教えるし、これからはあなたの忠実な部下になるわ。だからお願い、もう一度ファックして……」
「…………」
結局、2度に渡ってソフィさんとした僕は、ほうほうの体でベッドに倒れ込んだ。
惨めというより、ただただ疲労困憊していた。
本当に僕は、立ち直れるんだろうか……
642名無しさん@ピンキー:2010/08/23(月) 07:39:00 ID:RDrDDIvp
107 名前: ◆ 0jC/tVr8LQ 2010/08/22(日) 23:28:38 ID:TF5JALGM0

今回はここまでです。
また近いうちに投稿いたします。
643名無しさん@ピンキー:2010/08/23(月) 07:39:52 ID:RDrDDIvp
転載終了したら480KBだった。
次スレ立ててくる。
644名無しさん@ピンキー:2010/08/23(月) 07:42:24 ID:RDrDDIvp
ヤンデレの小説を書こう!Part35
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1282516914/
645名無しさん@ピンキー:2010/08/23(月) 09:20:26 ID:K7JMBVEr
触雷乙!
紅麗亜がどう動くか楽しみだな
646名無しさん@ピンキー:2010/08/23(月) 12:52:29 ID:8x1LsJx7
触雷!まってたぜ!これ紅麗亜が見たら怒り狂うってレベルじゃすまなさそう……つーか異形の怪物になるんじゃね
647名無しさん@ピンキー:2010/08/23(月) 13:27:35 ID:5PCMM1bq
触雷!を楽しみにしてました。
紅麗亜と晃の反撃も楽しみです。
648名無しさん@ピンキー:2010/08/23(月) 16:56:52 ID:QV7oiUsh
埋めネタが楽しみだぜ!
649名無しさん@ピンキー:2010/08/24(火) 00:56:03 ID:aV9e3NTZ
>>642
GJ。不覚にもむらむらした。
この二重線が引かれている箇所って……まさか証拠として録音してるんじゃ?
立ち直るどころか、泥沼に引きずり込まれている雰囲気がびりびり伝わってくるぜ。
650名無しさん@ピンキー:2010/08/24(火) 03:14:21 ID:Ii2ikruv
赤と緑と黒の話更新してたのね
乙でーす
651名無しさん@ピンキー:2010/08/24(火) 04:32:12 ID:VidGW6O9
埋め
652とある支援兵の闇鍋:2010/08/24(火) 19:51:47 ID:+1X7RbPv
653かんきんされてるのは、ぼく:2010/08/24(火) 23:05:05 ID:KnMWpfd0
 まとめサイトから飛んできたモノです。
 こちらの小説に触発されて、勢いで一つ書いてみました。
 暇つぶしにでもなれば幸いです。
 それでは、投下させていただきます。
654かんきんされてるのは、ぼく:2010/08/24(火) 23:08:35 ID:KnMWpfd0
 テーブル、本棚、デートで買った大きなぬいぐるみ。
 一見してごく普通の女の子の部屋だ。
 ただし、その部屋の奥には普通で無いモノがある、というかいる。
 ベッドの上で四肢を拘束された男、つまり僕だ。
 そんな部屋に、一人の女性が帰ってくる。
 「ただいま、アキラくん!」
 長い髪を後ろで束ねた一見快活そうな女性、ユカリさんだ。
 彼女がどこか歪んだ笑みを僕に向ける。
 「おかえり、ユカリさ…」
 僕がそう言い終わらないうちに、ユカリさんはベッドの上の僕に飛び込んでくる。
 そして、濃厚なキス。
 互いの舌が絡み合う。
 「フフ、アキラくんに会うの、待ち遠しかったぉ、ボク…」
 しばらく僕の口の中を味わうと、ユカリさんは言った。
 「おかえり、ゆかりさん」
 僕は改めて言う。
 「遅かったね」
 僕の言葉に、意外そうな顔をするユカリさん。
 「ユカリさんの毎週金曜の帰宅時間は午後7時。今日は7時15分。―――毎日きっかり同じ時間に帰ってくるのに、どうしたのかな、今日は?」
 僕は穏やかな笑みを浮かべて言った。
 けれど、ユカリさんの顔からは一瞬にして笑みが消えていく。
 「…何で、そんなこと気にするのかな?」
 ユカリさんの細い指が、僕の首にかかる。
 「アキラくんはもう何も心配しなくて良いのに。良いはずなのに。そんなにこの部屋の外の世界のことが気になるの?そんなに外の世界のコが気になるの?ここにはボクがいるのに!何で何で何で!?」
 ユカリさんは大学の陸上部に入っている。
 だから、体力に関しては文系人間の僕なんかよりずっとある。
 もちろん、筋力や握力だって。
 「…んなんじゃ、ないよ」
 喉をしめつけられながらも、僕は何とか声を出す。
 弁解の言葉に、ユカリさんの手が緩む。
 「そんなんじゃないよ。ただ、ユカリさんが僕に会いたかったように、僕もユカリさんに会いたかったからね。少し、意地悪したくなっただけさ。ゴメンね」
 僕の言葉に、ユカリさんの顔に笑みが戻る。
 「ううん。ボクこそゴメンね〜、アキラくんを待たせちゃって。あんな女が絡んでこなかったら、もっと早く帰れたんだけど…」
 「あんな女?」
 ユカリさんの不穏当な言葉に、僕はピクリと反応した。
 「もしかして、また妹が?」
 僕には、仲の良い妹が一人居る。
 そして、その妹は僕がユカリさんに監禁されている、と思っているらしい。
 ……そして、それは事実である。推理小説なら妹は探偵役になれるところだ。
 「あんな女と血縁だからって、アキラくんが責任を感じること無いよ。……あの女、お兄さんと結ばれるなんて冗談みたいな夢物語を本気で信じているのかな?あんまりしつこいようなら、しっかりきっちり殺しておかないと…」
 ユカリさんは言った。
 後半は小声で言ったつもりらしいが、僕と彼女は同じベッドの上である。全部しっかりきっちり聞こえた。
 「ハハハハ、それこそ冗談だよ。そんなことでユカリさんを殺人犯にできない」
 僕は、乾いた笑いと共に言った。
 「…アハ」
 その言葉に、ユカリさんはまるで面白い冗談を聞いたかのように笑い出した。
 「アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!」
 狂ったようなとしか形容しようのない、見事な笑い声だった。
 こんなに笑ったユカリさんを見るのは久しぶりかもしれない。
 「アキラくんおかしい!ボクとアキラくんの邪魔をするモノに人権なんて無いのに!でも、そう、そうだね。確かに、殺すと後が面倒かも。アキラくん賢い!」
 その時、ユカリさんのバッグから振動音が聞こえた。
 携帯電話だ。
 「電話?」
 「ううん、つまんないメール」
 携帯電話を確認すると、ユカリさんは鮮やかな手つきで携帯電話をゴミ箱に投げ捨てる。
 「ボクとアキラくんの邪魔をする携帯電話なんて、この世からひとつ残らずしっかりきっちり消えてなくなれば良いのに」
 不満げに(かわいらしく)そう言うユカリさんだったけど、すぐに笑みを浮かべた。
 「…携帯電話?」
 そう言って、改めて僕に向き直る。
655かんきんされてるのは、ぼく:2010/08/24(火) 23:09:26 ID:KnMWpfd0
 「ねぇ、アキラくん」
 不気味なまでにほがらかに。
 「何だい、ユカリさん?」
 「ボクのこと、好き?」
 その手に握られた切れ味よさそうなナイフはどこから出したんだい、とは聞けない。
 「うん」
 首筋に突き付けられたナイフに冷や汗を垂らしながら、僕は答えた。
 「愛してる?」
 「うん」
 「だったら、ボクたちの邪魔をするモノなんて、嫌いだよね?」
 「……うん」
 僕の答えに、ユカリさんは満足そうにナイフを手放す。
 「じゃあ、同じことを、あの女にも言って?」
 そう言ってユカリさんが僕の手に握らせたのは、『僕の』携帯電話だった。
 まだ、解約してなかったんだね、とは言わなかった。
 「………うん」
 妹に嫌われるのは悲しいことだ。
 しかし、それで妹の命が救われて、ユカリさんが人殺しにならないのなら、安い代償だ。
656かんきんされてるのは、ぼく:2010/08/24(火) 23:10:21 ID:KnMWpfd0
 ユカリさんが僕を監禁して、もう随分になる。
 人一人監禁するというのは、人一人養わなくてはいけないということだ。
 一人暮らしの大学生であるユカリさんには大変なことだろう。
 なのに、どうして僕なんかを監禁しようなんて思い立ったのか?
 疑問に思って聞いてみたことがあったが、彼女はただ「昔から大切なモノはしっかりきっちりしまっておくことにしてるんだ」と言うだけで多くは語らなかった。
 ―――つまり、歪んだ独占欲か―――
 僕の中の冷淡な部分が、その時そう評した。
 さて。
 妹への電話を終え(それはいささか以上に苦痛に満ちたものだった)、僕達は夕食をとった。
 夕食はユカリさんの手料理だった。
 その味は―――聞かないでくれ。ただ、先ほどの電話と合わせて色々な意味で苦い夕食となったとだけ言っておこう。
 ……いや、これでも随分上達したんだよ?
 「おいしかった?」
 ユカリさんが聞いた。
 自分も同じものを口にしているのに、何でそんな言葉が出るのか不思議に思わなくもないが、彼女の頑張りを無下にするのもかわいそうだ。
 「もちろんさ」
 僕は答えた。
 そう答えたのは、別に彼女の両手に食事の時に使ったナイフとフォークが握られっぱなしだったからじゃない。
 ともかく、僕の言葉に満足そうな笑みを浮かべたユカリさんは僕の衣服に手をかけた。
 「ねえ、…しよ?」
 彼女の言葉に対して、僕の答えは決まっている。
657かんきんされてるのは、ぼく:2010/08/24(火) 23:12:31 ID:KnMWpfd0
 「ねぇ、アキラくん!気持ち良い!?気持ち良い!?気持ち良い!?」
 僕の体の上で、ユカリさんは言う。
 彼女の手に凶器は無く、ただ僕の手を握っている。
 「うん、気持ち良いよ」
 その答えは、ユカリさんを更に悦ばせることになったらしい。
 「アキラくん、アキラくん―――!」
 ユカリさんと僕は同時に絶頂を迎える。
 彼女という器に、僕という存在が満たされるような錯覚を覚える。
 ―――いや、こんなことをするまでもなく、彼女の中には僕の存在で満ちているのだろう。
 正確には、僕への狂った愛で。
 絶頂を迎えた彼女は、僕の上に倒れこんだ。
 僕の四肢は拘束されたままだ。
 この光景を他人が見たら、僕がユカリさんに縛りつけられているように見えるかもしれない。
 しかし、一方でユカリさんの心は僕への狂愛で満たされている。
 いや、僕への狂愛に縛られている。
 そして、―――僕はそれを知っている。
 知った上で、この状態を変えようとしていない。
 「ユカリさん…」
 僕は彼女のぬくもりを感じながら、穏やかな笑みを浮かべる。
 穏やか?いや、それはとてもとても歪んでいることだろう。
 これもまた、歪んだ独占欲。






 さて、本当に監禁されているのは誰だろう?
658かんきんされてるのは、ぼく:2010/08/24(火) 23:14:22 ID:KnMWpfd0
 以上になります。
 書き込みに関しては初心者なせいで前半sageを入れてなくてすみません。
 いかがだったでしょうか?
659名無しさん@ピンキー:2010/08/24(火) 23:25:21 ID:fg5lRApM
GJ!
だが、新スレがカオスな雰囲気だからそっちに書き込んでほしかった
というのはあるけど
660名無しさん@ピンキー:2010/08/24(火) 23:36:36 ID:OZJRHnkZ
まさにザ・ヤンデレだな
俺は妹に同情してしまうけど
661名無しさん@ピンキー:2010/08/25(水) 01:14:57 ID:5k3n7fzs
いとおもしろり
662埋めネタ:2010/08/25(水) 01:40:28 ID:W5/rP/Xg
改めて、埋めネタを落として行きますよ。
663埋めネタ:2010/08/25(水) 01:40:55 ID:W5/rP/Xg

「正直、好きな女の子が人を殺したりしたら、引くよね」

 僕がそんなことを呟いたのは、自室でくつろいでいる時だった。
 独り言を言ったわけじゃない。近くにいる人間に話を振ったんだ。
 僕専用のベッドの上で正座して漫画を読んでいるのは、幼なじみの三四子だ。
 彼女の通称は、みょん。
 本人は嫌がっているが、呼びやすいし、なんだか可愛いので、皆が彼女のことをみょんと呼ぶ。

「……いきなり何を言っているんですか」
「いやね、今ちょっとネット上の掲示板を覗いてるんだけど」
「またそんなものを見て……お父上やご母堂が悲しみますよ?」
「ばれなきゃ平気さ。で、その掲示板では、ヤンデレっていう属性のキャラクターをメインにしたお話が、一杯投稿されてるんだよ」
 みょんは首を傾げた。
「ヤンデレとは?」
「主人公が好きだけど、愛するあまりに心を病んでしまった状態、またその状態のヒロインの事をさす、だって。
 つまり、愛する人間に対する思いが募って、それが原因になって、心を病んでしまった人のことらしい。
 心を病んでしまった女性は、刃物を持ち出したり、暴力的な行いをしたりする傾向があるらしいよ」
「ほ、ほう」

 みょんが頷いている。
 どうやら彼女はヤンデレのことを知らなかったらしい。
 そりゃそうだ。
 なにせ、ニッチなキャラ萌えの世界の、さらにマニア向けな属性だから。
 みょんがヤンデレのことを知らないことについて僕は安堵している。

「そのやんでれとやらが、何か?」
「うん。刃物を持ち出すってことは、やっぱり相手を傷つけちゃうし、場合によっては命も奪ってしまうよね」
「ええ」
「僕は好きな女の子がそんなことをしたとしたら、引いちゃうと思うんだ。いや、絶対に引くね」
「それは、なぜ?」
「どうして傷つける必要があるのさ。まあ、喧嘩して傷つけるのはまだわかるけど、相手の命を奪うのは駄目だろ。
 そんなことをしなくても、好きな人を手に入れることはできるはずだ、って僕は強く思うんだ。
 ヤンデレっていうキーワードで検索したら、ヤンデレは人を殺すんだ、っていう誤解が広がっていて、悲しくなるよ」
「それでは……人を殺さなければいいので?」
「うん。……いや、ちょっと違うかな。
 ヤンデレにどうして萌えるかっていうとさ、あの健気さにあるんだよ。
 一人の男を好きになった。でも男は自分以外の女と付き合っている。でも男を嫌いになれない、忘れられない。
 そうして、叶わない思いがどんどん募っていく。そこに萌えるんだ。可愛いんだ」
「私には、理解できません」

 みょんが立ち上がり、漫画を本棚に収める。
「そんな馬鹿なことを言ってないで、勉強でもしていてください」
「ちょっと待って。まだ語り足りないんだ」
「迷惑にならないよう、枕相手に語りかけていてください」
 と言うと、みょんは僕の部屋から立ち去った。

 様々なヤンデレ系スレッドの流れを見ながら、僕は呟く。
 きっと、今となっては遅いだろうけど、誰にも聞き入れられないだろうけど、言いたくて仕方ない。
「人を殺すなんて……そんなの、全然可愛くないよ。
 叶わない思いが募って、追い詰められて、心身ともに疲れ果てて、もう本能しか残っていない状態になって、
 初めて他人の命を軽く見るようになるんだ。
 人の命は、簡単に奪って良いものじゃないんだよ」

 僕にはそう思えてならない。
 他人の未来を奪う権利なんて、誰も持っちゃいけないんだ。
664埋めネタ:2010/08/25(水) 01:42:21 ID:W5/rP/Xg
*****

 心が重い。体が重い。なにより、鍛え上げてきた拳が重い。
 まさか彼があんなことを言うなんて、思っていなかった。
「他の女を排除するために鍛えてきたのに、全て――――否定されてしまった」
 彼に思いを寄せる女性は多い。
 年上、年下。学校の先生、同級生、部活の仲間。
 彼を狙って、紛れ込んだ不届きものが身近にはたくさんいる。

 いろんな脅威から、彼を守りたかった。
 だから学校では空手道部に入った。家でも自主練習を欠かさない。
 おかげで、全国大会でも上位に入賞できるほどの腕になった。

 すべてが、幼なじみの彼のため。
 でも彼は言った。他人の命を奪ってはならない、と。
 私だってそう思っている。私の拳は人を殺すために鍛えてきたわけじゃない。
 でも――彼の言葉は重くのし掛かってくる。
 
 私は、彼を守るためなら前科持ちの汚名を着ることも構わない、と考えている。
 彼しか居ない。こんな背の低い、胸も小っちゃい、可愛くない空手女を好きになってくれるのは、幼なじみの彼だけ。
 奪われるぐらいなら、私は彼を――――
「……いえ、そもそも、こういう考えが駄目なんでしょう」
 彼は、他人を傷つけることを嫌う。
 暴力は振るわないし、言葉で貶すこともしない。
 そんな人間だから、彼を舐めてかかる人間が次から次へと沸いてくる。
 彼のすごいところは、そんなネガティブな人間達まで真剣に相手するところ。
 時々、見ていていらいらしてしまうけど、そこがいい。

 もういっそのこと、拳を封印してしまおうか。
 彼が必要としてくれないのなら、こんなものは必要ない。
 昔のように、隣に居て彼の隣で笑って――いつか幸せになろう。
 誰も傷つけなければ、きっとあの人だって、私のことを嫌いになったりしない。
665埋めネタ:2010/08/25(水) 01:44:05 ID:W5/rP/Xg

「見つけましたよ、三四子。いえ――拳豪みょん、と読んだ方がいいかしら」

 女が前からやってくる。
 見知った顔だ。剣道部に所属している同級生。
 私の敵。彼を狙う女。
 私の――倒すべき相手。
「今日こそは、私の剣の錆になってもらいますよ、拳豪」
 だが、今は相手をする気分にはならない。
 拳が鈍っていて、とてもじゃないがいつものキレはない。
 この状態で彼女と戦ってしまえば、敗北は必至。

 戦闘を避けるために、ハッタリを仕掛ける。
「……何度戦っても同じです。それに今の私は機嫌が悪い。痛い目を見たくなければ、出直してくることです」
「関係ありません。あなたと出会ったその時が、あなたと決着を着ける時。
 構えなさい。今日こそ、あなたから彼の隣のポジションを奪い取ってあげます」
 彼女はそう言うと、携えた細長い紫色の袋に手を伸ばす。
 袋から出てきたのは、陽の光を反射して輝く刀身。
 そのまばゆい輝きと、力強い造形美は、ハッタリなどではない。

 前触れなしの奇襲。
 目を狙って放たれた横一文字が空を切る。なんとかかわせた。
 だけど、今のは危なかった。
 コンマ数秒遅ければ、顔面を断ち切られていただろう。
 額にかかっていた前髪が、半分ほど持って行かれた。

 息つく間もなく高速の斬撃が襲いかかる。
 反撃の機会を見つけられず、防戦一方になってしまう。
 駄目だ。今の体調では、手も足も出ない。
 ――負けてしまう。
666埋めネタ:2010/08/25(水) 01:49:42 ID:W5/rP/Xg

 腿を狙った攻撃が左足を掠める。しかし日本刀の切れ味なら、掠めるだけでも傷口は大きくなる。
 視線をやると、流れた血が膝下へと伝っていくのが見えた。
「……まあ。今ので血を流すなんて、悪いのは機嫌ではなくて、体調でしたか。
 これは好機。そういうことなら、遠慮無く倒させていただきます」

 敵が刀を構えた。おそらく突進してくる。
 彼女が得意とする間合いまで踏み込んだら、もう私はこの世にいないだろう。
 ――誰も殺さなければ、あなたは私を可愛い女の子だと思ってくれますか?
 そんな暢気なことを考えて、敵と向かい合う。
 私を殺してしまえば、彼女は彼に嫌われるだろう。様を見ろ、邪魔者め。

「――――拳豪、覚悟っ!」
 気合いと共に、敵と刀が向かってくる。刀は血を求めているみたいに輝いている。
 遅い。
 遅い。まだ来ない。
 遅すぎる。ここまで待って、ようやく敵は私に一歩近づいた。
 なるほど、これが死の際か。
 殺されるまでの一瞬の間に、辞世の句を詠んでおけということか。

 未練はない。
 未練は――――いいや、あるだろう。諦められない思いがあるだろう。
 例えこの拳が、非力な拳であろうと、岩をも砕く剛拳であろうと。
 そんなものは、私の本当の武器ではない。
 私の本当の武器は、彼への思いだ。
 私を強者たらしめているものがあるとするなら、愚直に突き進む彼への恋心だ。
 拳など無くて良い。この思いだけで私は闘い、勝利することができる。
 ずっとそうしてきた。そして、これからも勝利し続ける!
「うぅぅぅぅ……めぇぇぇぇ……」
 突き進め、彼のところへ。
 貫き通せ、穢れ無き私の心を。

 右拳を握る。強く、固く。砕かれぬ拳を思い描く。
 これまでに経験したことのない感覚だ。
 全身が脱力しているのに、力が漲り、血液が熱くたぎる。

「チェストォォッ!」
 上段から刀が襲い来る。
 同じタイミングで、私も拳を放っていた。
 そう、これが私の最強の一撃!
 全てを無視して、貫いて進め!
「桂月が第四週! 第三十四位の『鋼穿ち』! 受けてみょっ!」
 相手の攻撃を拳で迎撃し、破壊する奥義。
 この拳に触れた武器は、なんであろうと――例え鋼鉄の刃であっても、粉々に砕け散る。
 例外は一つとて、この世には存在しない。


 倒れた女、散らばる刃物の欠片。
 私は勝った。今まで一度も成功しなかった奥義が、成功した。
 見事に武器だけを破壊し、女を通常の突きで気絶させた。
 そうだ。諦める必要なんかなかったんだ。
 私の拳には可能性がある。殺人の拳があるなら、人を殺さない拳があってもいいじゃないか。
 この拳を携え、愛する彼の元へ。
 私の悩みまで粉々になったように、心は軽くなっていた。

 空を見る。真夏の太陽を邪魔する雲は、どこを見ても浮かんでいなかった。


埋めだみょ!
667名無しさん@ピンキー:2010/08/25(水) 04:49:20 ID:MADem/P7
埋めネタGJ

ここの「僕」が語っていることを読んで思ったが、
最近出てくるヤンデレヒロインって最初から心がドス黒化しているよな。
純粋で健気で一途だから、泥棒猫のように汚い手段で主人公をおとすことができないから、
最終的に病んで殺したり監禁したりするっていう過程が抜け落ちていると個人的に思う。
そういう話が他の大多数の需要に無いのかもしれんけど。
668名無しさん@ピンキー:2010/08/25(水) 05:39:23 ID:M/3q6PyF
書くのが楽だから書かない
669名無しさん@ピンキー

 死の際にヤンデレが見るのはどの夢か。
 
 彼とのファーストコンタクトか。
 彼との嬉し恥ずかし連絡先交換か。
 文化祭の準備で彼と居残りして作業をした夢のような時間か。
 それとも、朝早く彼のためを思って手作り弁当を作ったことか。
 いや、昼休みに他の女に弁当を食べさせられてもらっている光景かもしれない。

 ヤンデレは最初から病んでいたわけではない。
 愛する男を奪われる不安に苛まれた、またはいつまでも振り向いてくれない男に業を煮やし、その結果病んだのだ。
 彼女たちが病んでしまったのは、いわば不幸な出来事だったのだ。
 望んで病んだわけではない。
 同じ男を好きになった女が、他にも居ただけだ。
 好きな男が酷い鈍感で、彼女の思いに気づかなかっただけだ。

 いつか彼女たちに救いが与えられることを願い、この言葉を贈ろう。
 彼女たちに限らず、誰にでもいつかやってくる最期。
 散っていった三十三の彼女たちと、いままさに消えんとしている三十四人目の彼女のために。

「これが私の、最高の埋めだ」