>>586 アンカーくらい普通に打てよ恥ずかしい香具師だな
夏だなぁ
お前ら自身がヤンでどうすんだよ
デレ成分が不足している!
この憎しみはこのスレを滅ぼすまで収まらぬ!
何もう埋め?
無駄なこと書くなよ
精神年齢が低い人がよく集まるなぁまったくここは幼児があつまる場所じゃないんだぞ
どこの作品だっけなー
ボクっ娘のヤンデレに拘束されてオナホとバイブで強制射精、ケツに突っ込まれたバイブ舐められて
「○○くんのチョコレートおいしいー!」
とか言われて、授業中もアナルをローターで徹底的に弄ばれて射精させられる主人公の話
探してるけど見つからん、情報プリーズ
ここか嫉妬三角のまとめにあったと思うんだが
嫉妬三角のやや地獄な彼女かな
おほっ、これだこれ
さんくす
いいよね攻めヤンデレ
髪の話の続き投下します
昨日とは逆に、彼女が普段使っているバス停に二人で降り、木村邸へと招き入れられることになった。
誘われるままについてきてしまったのは、勿論特に予定がなかったからではあるが、きちんと目的もある。木村千華に、とても聞きたかったことがあることを思い出したからだ。
どうやら他に人はいないらしく、スリッパを薦められた後、静まり返ったリビングへと通される。
「座ってて。着替えてくるから」
そう言い残し、彼女は颯爽と二階への階段を上っていく。それを呆然と見送ってから、家全体を見渡してしまった。
リビングは吹き抜けになっていて、天井にシャンデリアのようなファンが存在している。大きな革のソファが二つ、それに挟まれたガラスのテーブルが一つ。
ソファに座ってみれば、巨大なプラズマテレビが壁に掛けられているし、絵画やら壷やら、もう至るところにそれらしいオブジェクトが見受けられる。普通の住宅街にある普通の一軒家と見せかけて、中身は完全に金持ちの家であった。
こういう家には犬か猫がいると思ったが、ペットがいる気配はなかった。綺麗な木目の床には傷がないし、思えば彼女の長かった髪は、動物にじゃれつかれると大変なことになる気がする。
なんにしても、待つだけで若干の緊張が生まれるリビングに違いなかった。
着替えて戻ってきた木村千華は、そのままキッチンへと向かい、料理を始めた。
予想通りというか、黒系のフリルの付いたドレスのような服が、彼女の私服のようだ。それが趣味とは言え、手作業するために少し動きやすいデザインのものを選んでいるのかな、とは思った。
その上から白いエプロンと、それらとは別の黒い布で髪をまとめていた。つい先日まで、それであの長い髪を料理の作業からブロックしていたのだろう。
彼女のお礼は、手料理を振舞うことだというのは、バスの中で先に聞かされていた。料理には自信があるんだとか。
「おお、美味い」
そんな直球の感想をこぼすと、彼女はテーブルの向かい側で満足そうな笑みを浮かべた。
巨大なテレビを見ながら待つこと小一時間、ダイニングテーブルに並べられた彼女の手料理は、ごく一般的なものだった。ご飯に味噌汁、鳥の唐揚げにサラダ。シンプルだからか、美味そうに見えたし、実際に美味かった。
「普段から料理するのか?」
「うん。毎日、自分で作ってる」
そう言いながら、彼女もまた、食事に手をつけていく。
「ひょっとして、子供の頃から自分で料理してるのか」
「そうだよ。十歳からだから、もう五年以上」
道理で料理が上手いはずだ。料理の細かい味付けから何から、熟練のそれであり、自信があるのも頷ける。同い年でこんな料理らしい料理を出す人間は初めてだった。
料理ができるというか、こういうのは食事を用意できるとでも言えばいいのか。カレーを作るのが精一杯な、どこぞの友人とは格が違う。
そして、彼女には料理を作ってくれる家族はいないのだということも、推測できた。
「大須賀君」
ごちそうさま、と心を込めて言うのも新鮮だ、などと思っていると、皿を片付けて、再び向かいに戻ってきた木村千華に名前を呼ばれた。
「昨日は、本当にありがとう。私、改めてお礼が言いたかった」
正面から目を合わせ、そう言う彼女に、いや、と口ごもってしまう。照れくさくて何と返答していいのかもわからずにいると、彼女が続けて口を開く。
「私ね、自分の髪が好きだった。でも昨日、いろいろ、あって。自分の髪を好きなことが、気持ち悪いことだって、思ったの」
それから自分を見るように、彼女は少しだけ目を伏せる。
「だからきっと、あの時嫌いになったのは、髪じゃなくて、自分自身」
彼女の告白は、あの時の心情のこと。
「大須賀君が髪を切ってくれてる間に、凄く落ち着いて、考えられたの」
少しでも落ち着くことが出来れば、安らぐ時間になれば、そんな狙いが、しっかり成功していたことは良かったんじゃないかと思った。
「今までの私は嫌いになったけど、だったらこれからどうしようかなって、思えた。あの時、鏡に映った自分が、別人みたいで、私はこれから、変わればいいんだと思った」
「それは」
あの時に考えていたこと、そのままなんじゃないだろうか。
好きだったものが嫌いになっても、嫌いになったものがまた好きなったりする。嫌いだったものが変わるのか、嫌いだと思う自分が変わるのか、その違いはあるかもしれないが。
思い入れが強かったなら、尚更だ。未練を断ち切るなんていうのは、そんなに簡単にできることじゃない。ずっと引きずって、余計に嫌いになっていってしまうこともある。だけど、変わることだって、ある。
「俺はさ、木村に自分の髪を嫌いになってほしくなかったんだよ。嫌いになっても、また好きになれたらいいって思うから。あんな伸ばして手入れして、拘ってた髪なんだから、嫌いになって終わりじゃあ、駄目だろ」
口に出してしまってから、再び彼女に見つめられていることに気付く。というか、彼女はやたらと正面から目を合わせてくるので、とてつもなく照れくさい。そして照れくさくなるような台詞を言った後だから、なおさら恥ずかしい。
赤面してしまっていることを自覚したところで、話を区切ることにする。
「だからさ、必要なのはきっと、ゆっくり落ち着いて考えて、自分を見つめ直すことじゃねえかなって、思う」
「……うん」
そして彼女はまた、笑うのだった。
最後にもう一度、ありがとうとお礼を言われて、木村千華の家から帰宅することにした。徒歩で自宅へ向かう道中、考えることは当然彼女についてだった。
彼女は思ってたよりずっと口数が多いらしい。無口で無愛想なんて印象は、彼女の側面的な顔であり、実際はよく笑い、よく喋る普通の子に思える。
暗い子ではなく、物静かな子なのかな、といった認識に改めると、彼女が髪を切ったという事実がより際立ってくることになる。素直で誠実でおとなしい少女が、激情に任せて自分の髪をその手で切り落とすなんてことがあるだろうか。
彼女の言う、いろいろあったというのは、一体どういうことなのか。
自分の髪が好きだった自分が気持ち悪くなったと言っていた。だったら、気持ち悪く感じた原因があるはずだ。劇的に感情を揺さぶられるような、大きな原因が。
でも、彼女はそれを語らなかった。言いたくなかったからだろう。知りたいな、とは思ったが、聞くわけにもいかない。
そうして自宅まで帰ってきて、彼女に聞こうと思っていた大事な用件をすっかり忘れてしまっていたことを思い出した。こう、このタイミングを外すとどうにも聞きづらくなってしまいそうだが、もう手遅れだ。
まあまたその内、機会があったときに聞こうと思った。今度は忘れないように。
店の裏側、外灯の点いていない暗い家の玄関の前に、携帯電話を見つめる松本尋が立っていた。
投下終わります
続きはまた今度
おつん1
おつん2
>>610 待ってたぜー
続きも全裸待機させてもらうよ
>>610 投下乙!
待ってたぜ!!続きも楽しみにしてる
まとめを読むと、髪の話は二ヶ月ぶりの更新?
よく戻ってきてくれたと言いたい
これからの展開におおいに期待できそうだから本当に嬉しいな
今週もヤンデレ家族の投下あるかな?楽しみにしてるよ(^ー^)
あんまり催促してると叩かれるぞ
こんにちは。
本編では34回目になります。
今回は往生編です。
*****
今日、あえて休日の時間を潰してまで友人に付き合おうと思ったのは、興味が湧いたからだ。
家族愛に似た感情である、兄妹愛について。
僕には兄妹愛という感情が無い。
家族愛というものが、家族を思いやるもの、ということは漠然と理解できている。
しかし、兄妹愛、または姉弟愛というものとなるとさっぱりだ。
その言葉を聞いても、何の感想も意見もない。
理解不能なものを知るために、妹の入学祝いを買いたいから手伝ってくれ、という友人の頼みを引き受けた。
僕が知る限り、僕の周囲で兄妹愛に一番目覚めている人間は、彼だ。
本来なら彼の家族構成上、弟妹愛とでもいうのがベストだが、言いにくいので兄妹愛に統一する。
友人の名は――仮にロマンス君としよう。
彼のあだ名というわけではないけど、彼の性格・特徴に対して本名が大人しすぎるので、便宜的にロマンス君とする。
ロマンス君が、どれほど彼の弟と妹を愛しているのか。
例えば、彼に今日の調子について尋ねてみると、その一端が見られる。
驚くべきことに、自分のことではなくて弟妹の最近の動向について教えてくれるのだ。
実例を挙げると、以下のようなやりとり。
「おはようさん高橋。今日も変わらないな」
「おはよう。君こそ右腕以外調子が良さそうだな。最近はどうだ?」
「ん、右腕以外か? この間久しぶりに妹と長々会話したぐらいだな」
「そうか、それは良かった」
「まさか弟じゃなくて俺と会話するなんてな。珍しいこともあるもんだ」
「いいことじゃないか。弟妹と仲が良いなんて」
「ま、悪いよりはいいさ」
僕はロマンス君の体調について聞いたのだ。彼の弟妹について知りたかったのではない。
妹と屋外のバス停で会話したとか、弟よりも先に妹を見つけて会話したんだとか、そんな詳細なことまで要求していない。
彼には、自己の意識が薄いのだろうか。それとも、自己の意識が無いのか。
尋ねた前日にたまたま仲の悪い妹と会話できたから、ロマンス君がそう答えてくれた、と考えることもできる。
しかし、体調について尋ねる度に、的外れの回答を寄こしてくれるのだから、僕にはこう意識せざるを得ない。
ロマンス君はブラコンだ。さらにシスコンでもある。
比率としては、ブラコン三割にシスコン七割。もしくは四と六。
根拠を裏付けるのは、今もまだ彼の右腕を包むギプス。
彼の右腕がギプスに包まれたのは、事件に巻き込まれ、解放された翌日から。
先月の事件では彼自身が監禁された。その後、彼は解放されている。
解放されたのに、翌日には腕が折れていた。
事件に巻き込まれたというのであれば、監禁された時点で腕を折られることは納得できる。
犯人が、逃げられないように彼の腕を折ったのだ、と。
しかし実際のところ、監禁から解放された後で腕が折れたというのだ。
これはあくまで推測だが、可能性は十分にある。彼ならやりかねない。
事件の渦中にある弟もしくは妹をかばったことで、ロマンス君は右腕を折られてしまった。
彼の言うような、運悪く家具が倒れてきてこうなったという説明など、信憑性に欠ける理由だ。
家具が倒れてきて右腕が折れる。可能性はゼロではない。
だが、憂慮する必要もないほど低い可能性だ。
よって、彼の右腕が折れた原因は弟妹をかばったためなのだと、僕は推測する。
その推測をしてしまうと、自動的に彼は重度のブラコンでシスコンだということになってしまうのだ。
ブラコンでシスコンなロマンス君はというと、今日は妹を連れて待ち合わせ場所のデパートへやってきている。
待ち合わせの時刻は午後二時。お互い昼食をとった後に落ち合おうと僕から提案した。
僕がデパートにやって来たのは、昼食をとる人間が混み合う正午の三十分前。
デパート内の手作りパン屋にて三品ほど買い、備え付けのテーブルで食事をとり、文庫本を読みながら時間を潰すつもりだった。
メロンパンを食べ終え、二品目のピザパンにかぶりつこうとしたところで、僕は見た。
ロマンス君と彼の妹の二人が、購入したパンをトレーに乗せて、テーブル席へ歩いてくるのを。
どうせ昼食をとるなら待ち合わせ場所で、という思考に彼ら兄妹も至ったのだろう。
そこで僕に挨拶してくれれば、一緒に食べるのも吝かではなかった。
しかし、ロマンス君は僕に気付くことなく、僕の席から三つ向こうにあるテーブル席に腰掛けた。
ロマンス君が僕に背中を向けて座った。彼の妹は彼の向かい側、僕の食事風景が見える席に着いた。
このような位置関係では、ロマンス君が僕に気付くはずがない。
彼の妹は僕を知らない。僕は自分の方から知人に声をかけて近寄っていくことはしない。
そのため、お互いに一切声をかけることなく、それぞれの昼食は始まった。
実を言うと、僕自身は昼食の時間にここまで楽しい気分になったことは久しぶりだった。
学校が次年度への移行期間、春休みに突入してから、知人を目の前にして昼食をとることがなかった。
誘えば付き合ってくれる人間もいるだろうが、僕はそうしない。
わざわざ誘ってまでして、誰かと食事をとりたい欲求がない。
僕は一人で食事することに慣れている。一人暮らしを始めて長いからだろう。
今日は偶然にも、知人と同じ空間で昼食を一緒にとった。
それを楽しいと感じられたのは、心中で一人飯を寂しく感じていたのだと自覚したから、ではない。
たとえ見知らぬ赤の他人であったとしても、あの昼食時間は賑やかに感じただろう。
「お兄さん、そのパン美味しそうね。ちょっと頂戴」
「どうやってカレーパンを上手くちぎれってんだ――って、おい!」
「あ、美味しい。お家で作るのよりずっと美味しいわね。なんでかしら」
「……そりゃ、単にパン屋の人の腕がお前や母より上だってことだろ。
あのな、カレーパンが欲しいなら追加で買って来い。俺のを食べるな。
せめてだな、あー、えっとな、あれだ。ちぎってから食ってくれ」
「いいじゃない、お兄さんのケチ。それに一杯食べたら太っちゃうじゃない。
目の前にお兄さんのがあるんだから、分けてもらうのが一番よ」
「……で、お前がかぶりついたこれを、俺にどうしろと?」
「どうしろ、って。食べればいいんじゃないの」
このやりとりは、ロマンス兄妹の会話のごく一部だ。
偶然にも、店内の客が僕とロマンス兄妹だけだったから、彼らの会話に不快な反応をする人間は居なかった。
店先のレジを担当している女性は笑いを堪えるのに必死になっていた。
焼きたてのパンを出しに来た男性は、優しく微笑みながら、ロマンス兄妹をたまに横目で見ていた。
僕は能面を作ることについて、友人から定評がある。そのため表情に出すことはなかった。
もっとも面白かったシーンは、ロマンス君が妹に仕返しをしようとしたところだろうか。
二人ともパンを食べ終え、彼が、妹にさっきのお返しとして紅茶を要求した。
そこで彼はグラスの中の紅茶を飲み干した。ストローを使わず、口を付けて飲み干した。
ロマンス妹は、彼のアイスコーヒーを奪い取った。彼女もまた、彼と全く同じやり方で飲んだ。
それを見たロマンス君の意味を成さない言葉と、戸惑う横顔が実に笑えた。
彼にばれないよう、印象の薄いエキストラを演じていた僕にとっては、役を崩壊させるピンチだった。
ともあれ、愉快な昼食の時間は終わり、僕とロマンス兄妹は待ち合わせの時刻まで別行動をとることになった。
僕は篤子先生と向かい合っている気分で、テーブル席に着いたまま文庫本を読み続けた。
午後二時五分前になったところでロマンス君に連絡をとり、僕は彼ら兄妹の待つ本屋へと赴いた。
*****
「どうも始めまして。高橋です」
「いつも兄がお世話になってます。今日はヘタレな兄のお願いを聞き入れていただき、ありがとうございます」
高橋と妹がお互いに頭を下げる。
二人は今日が初対面。ならばこういった挨拶はあって然るべき。
だが、どうして妹が挨拶の中に、わざとらしく俺への貶しを含んでいるのかがわからない。
かしこまった場ではわざわざ身内を立てない、っていうのは理解できる。
しかし必要以上に悪く言う必要もないんじゃないかね、妹。
「妹さんはお兄さん達と同じ学校に入学するんですって?」
「高橋さん、私に敬語なんか使わなくてもいいですよ。来月からは高橋さんも先輩なんですから」
「ああ。それもそうだね。じゃあ、いつも通りにするとしようか。
そうか、二つ年下の後輩か。ということは僕もとうとう高校三年生になったわけか。
早いものだね。ついこの間まで僕も君みたいな立場だったというのに」
「それは、もう高校に通ってるからそう思えるだけですよ。
私なんか、ちゃんと勉強について行けるか、学校で上手くやっていけるか毎日不安です」
「安心したまえ。身銭を切ってまで妹に入学祝いを買ってあげるぐらいいいお兄さんだ。
きっと君が助けを求めたら、文字通り飛んで駆けつけてくれる」
「それもそうですね」
あははは、ははは、ははははは。二人につられて俺も笑う。
高橋の野郎、まるで先日のことを見ていたみたいに言いやがる。
たしかに妹が、「おにいさん助けて」なんてメールを送ってきた時は駆けつけたさ。
身体の方が飛んだりしなかったが、意識は飛びそうなぐらいにはなった。
妹が同じ高校に通うようになったら、果たして、俺に助けを求める機会も増えるのだろうか。
授業で分からないところを聞いてくる、ってことは……無いはず。
これまで、妹は勉強については自己解決する手段をとってきた。
俺は教えていないし、弟は他人に勉強を教えられるほど成績優秀じゃない。
教えを請われたら、教授してやってもいい。
今までも弟の相手をしてきたんだ。一年生の学習内容を復習する意味でも、引き受けて損はない。
妹がうちの高校で上手くやっていけるか。これについても、まあ、大丈夫だろう。
俺や弟抜きで、中学校で問題無く過ごしてきたなら、同じクラスの友達がちゃんとできる。
変な風に歪んだ奴がいないからな。進学校ではない、部活動に強い高校でもない。
校内にあからさまな不良がいない。……あ、花火がいるか。金髪のロングヘアーの女。
でもあいつの素行は最近大人しいそうだから、除外する。
そういえば、同じ学年に美人なら誰でも声をかける女たらしがいたっけ。
あのたらしは、もはや名前も浮かばないぐらい存在感が無くなってしまった。
花火に手を出したのがあいつの運の尽きだったのか。無茶しやがって。
今日、妹の入学祝いを買うために高橋を呼んだのは、アドバイスを貰うためだ。
何を送ればいいのか決められなかったから、高橋に助けを求めたわけじゃない。
妹への贈り物を何にするかは決まっている。
ただ、その贈り物のカテゴリーについて、俺の知識がほぼ皆無だったため、知識を有する高橋に相談したのだ。
「ところで、妹君はさっきお兄さんのことをヘタレと呼んでいたが?」
「ヘタレですよ。だって、入学祝い一つ選べないで、高橋さんに助けを求めるんですよ。
ヘタレじゃなきゃボンクラです。ボンクラじゃなきゃカカシです」
「それは違うな。君のお兄さんはカカシじゃない。
ただトラブルが襲いかかってきてもじっと見たまま、回避行動を一切とらないだけだ」
衝動を堪え難い。ツッコミを入れたい。
それをカカシというんだよ、ってツッコミたい。
「カカシじゃない? だったら、高橋さんは兄を何だと思ってるんです?」
お前の兄だろうが。寝込みを襲うぞ毒舌女。舌を抜いてやろうか。
「鈍感とか向こう見ずとか、彼に相応しい言葉は色々あるが……どれか一つを選ぶなら、僕は友人にするね。
君のお兄さんにどうこう言えるのも、休日に一緒にいるのも、僕と彼が友人だからだ」
「高橋さん、いい人ですね」
「いやいや、君のお兄さんには敵わないよ。僕程度では、とてもね」
高橋は俺を見ると、唇だけで笑みを作った。
高橋の台詞は皮肉ともとれる。だが、こいつがそう思っているのは真実だろう。
俺が日頃どんな行動をとっているか、一部だけではあるが高橋は知っている。
それと、弟や妹に対する接し方、他人に対する態度などを考慮した上で、皮肉っている。
普段から高橋には、表情を変化させないことで、他人と半透明な壁を通して接している雰囲気がある。
だが、半透明な壁の裏で、実は他人を観察し、考察している。
年上好きで奇妙な話し方をする、ただの能面男じゃない。
一言で言うと、馬鹿じゃないのだ。だからこそ、俺も高橋との会話に付き合っていられる。
「まあ、あまり彼のことを悪く言うものじゃないよ。
僕の前で本音を出せないで、彼の悪口をつい言ってしまうのも、心情として理解できるけどね」
「それ……どういう意味ですか」
「失敬。口にすべきではなかった。ごめん、悪かった。
だが、そこに居る君のお兄さんを見ていると可哀想になってね。
ほどほどにしてやってくれ、と僕は言いたいのさ。彼に誤解させないためにも。
兄妹の仲に口を出すべきじゃないと理解しているよ、もちろん。その上で言っている」
「わかりました。一応、聞いておきます」
「そうか。それは何より。
では早速行こうか。妹君の入学祝いを買いに」
そう言うと、高橋は歩き出した。行き先は、贈る予定の物を取り扱っている店舗。
高橋には、入学祝いに何を贈るか、前もって告げてある。
妹と並び、高橋の後ろをついていく。
ふと、九時の方向から、妹に視線を向けられていることに気がついた。
妹が何か言いたそうにしている。だが俺はあえて放置することにした。
放置してから十歩ほど歩いた頃、脇腹に妹の貫手が刺さった。
「何無視してるのよ。……何か言うこと、無いの」
「行こうか? お前の入学祝いを買いに?」
「高橋さんと同じ台詞でも、その疑問系はむかつくわ。もういい。ほら、さっさと行くわよ、お兄さん」
気がついたら高橋との距離は三メートルほど開いていた。
その距離を、妹に手を引かれて早歩きで詰める。
なんなんだ、この妹のおかしな行動は。俺に何を望んでいた?
こうやって手を繋いで、デパートの中を歩きたかったとか?
まっさか。そんなこと、思春期に突入している兄妹がするもんじゃないよ。
恋人とやるもんだろ、そういうのは。
あと6レスほど続きますので、全て投下すると容量を超えます。
埋めネタの分容量が必要だと思うし、区切りが良いので、ここで切ることにします。
続きは次スレで。
午後一時まで待って次スレが立たなければ、私の方でスレッドを作成します。
昼休み、涼子に呼び出されて足を運んだのは、体育館の奥にある体育用具倉庫だった。
だれもいない体育館。
古びた金属の扉を開けると、涼子はすでに倉庫の中で俺を待ち構えていた。
身長190センチを誇る筋肉女は、跳び箱に腰掛けて悠然と微笑んでいる。
「やあ、遅かったね。待ちくたびれたよ」
「わ、悪い」
「レディを待たせるなんて礼儀知らずもいいところだ。これは、お仕置きが必要かな?」
唇を舐めながら、その瞳にサディスティックな本性を滲ませる、涼子。
俺は、まさに蛇に睨まれたカエルのごとく動けなくなり、しかも小さな悲鳴さえ上げてしまった。
そんな俺のぶざまな様子がおかしかったのか、涼子は声を上げて笑う。
「冗談だよ、誠司。安心しな。ボクは我慢強いし慎み深い性格だからね、多少のことは許すさ。それに、待ち人が愛しいきみなら、待つ時間さえ楽しいのさ」
そう、驚くべきことに、この美しい筋肉女は、俺のことを愛しているらしい。
俺から見ればまったく歪んだおぞましい愛情だが、それは確かだ。
「でもね、誠司」
跳び箱から腰を上げて、涼子がこちらに歩いてくる。黒髪のポニーテールを揺らしながら。
「そんなボクにも我慢できないことがあるんだ」
俺の身長はせいぜい170センチ。
だから涼子が間近に迫ってくると、どうしても首が痛くなるほど上を見上げる必要がある。
涼子は笑みを浮かべていたが、その眼は笑っていなかった。
「三原さんとのデート、中止してよかったね。・・・ボクを裏切ったりしたらどうなるか、きみはよく知っているはずだろう?」
背中を冷や汗が濡らす。
呼吸が辛くなる。
涙が零れそうだ。
「ボクはね、きみとお姉さんとの仲を引き裂こうだなんて思ってないよ。麗しい姉弟の絆、けっこうなことじゃないか。家の中で存分に愛し合うがいいさ。・・・でもね」
涼子の腕が伸びる。
反射的に身を竦める、情けない俺の頭上を通過した涼子の太い腕は、開けっ放しとなっていた重い扉を簡単に閉じてしまった。
さらに鍵をかけられて、もはや俺はこの場から逃げ出すことも、誰かが助けてくれるのを期待することすらできなくなった。
「家の外にいるきみは、ボクのものだ。ボクの親友、ボクの恋人、ボクの奴隷、ボクの玩具。わかるよね?」
涼子は制服のポケットから携帯電話を取り出した。
俺は、自分の身体から血の気が引くのを感じる。
涼子はニヤニヤと笑っている。
「山ほど集まった、きみとボクの愛のメモリー。ボクの友達に一斉配信してもいいのかな?」
「やめてくれえええっ!」
泣き叫んで腕を伸ばし、涼子の携帯を奪おうとするが、無駄だった。
俺が手を伸ばせば伸ばすほど、涼子はさらに高く携帯電話を持ち上げてしまう。それでもピョンピョンと跳びはねる俺は、たとえようもないほど滑稽だったことだろう。
だけど、あの携帯には俺のありとあらゆる恥ずかしい姿が記録されているのだ。
涼子に殴られて気を失い、失禁しながら白目を剥いている俺。
反抗しようとしたが、返り討ちにあい、ボコボコにされて男のプライドをへし折られ、全裸で土下座しながら許しをこう俺。
夜中の公園で全裸自慰を強要されたときの射精シーン。
そして、馬乗りになって腰を振る涼子の膣にペニスを犯され、堪えきれずに射精したときの情けないアヘ顔。
俺の人間としての尊厳をグチャグチャに踏み潰し、社会人としての未来を台なしにする写真と動画が、あの携帯には記録されているのだ。
だから俺はあの携帯を奪い取りたいし、涼子には逆らえない・・・。
「しつこいよ」
いつまでもピョンピョンと跳びはねていた俺を涼子が軽く小突いた。
たったそれだけで、俺は大きく後ろに飛ばされて、扉に背を打ち付けてしまう。
男と女の本来あるべき体力の差を完璧に覆す、涼子のパワー。
「いつものように脱ぎなよ、誠司。昼休みは短いんだからさ、有効に使おうよ」
逆らえない。
涙を堪えながら、服を脱ぐ。
俺が全裸になったときにはすでに、涼子もまたすべての衣服を脱ぎ捨てていた。「ほら、おねだりはどうしたんだい?」
期待をこめた瞳で俺を見つめる、涼子。
今日もまた、唇を震わせながら屈辱の台詞を口にする。
「俺は涼子のための愛玩奴隷、桐沢誠司です。今日も愛する涼子に抱かれて犯しぬいてほしくてたまらず、朝からチンポを勃起させていました。どうか、この情けないマゾチンポを、涼子のまんこで擦りむけるほどしつけてやってください」
よどみなく言えるのは、ほぼ毎日、同じような台詞を言わせ続けられてきたからだ。
こんな情けなさすぎる台詞を暗記してしまった自分を呪いたくなる。
涼子は満足がいったようで、心から嬉しそうに笑った。
「いい子だね、誠司。では、望み通り、嫌というほどレイプしてあげるよ」
涼子のたくましい腕で抱きしめられたかと思うと、次の瞬間には足が床から浮くほど持ち上げられ、唇を奪われていた。
甘くとろけるような、情熱的なディープキス。
嫌になる。
なにが嫌になるかって、そんなのは決まってる。
俺のペニスはすでに痛いほど勃起していて、いまこうして涼子の太ももに押し付けているだけで先端から先走りの汚い汁を垂れ流し、精液を漏らしそうになっている。
涼子にレイプしてもらえることを期待していたのだ。朝、教室で微笑まれた瞬間から。
あのときからずっと俺のペニスはガチガチに充血していた。盛りのついた犬のように。
俺はもうどうしようもないほど涼子に調教されていて、逃れる方法など存在しない・・・。
梅ネタ
筋肉女を書くの楽しい
マッスルウーマンGJ…今回は全部ネタで埋めて欲しい所だ…
「あー、愛妻弁当が食べたい…ちくしょー」
俺がこんな変な事をぼやくのは、目の前で繰り広げられるラブい空間が原因だ…
「ユウイチ…あーん…」
「奈美枝…おいしいよ…」
二人は俺の幼なじみ、ユウイチローの方は平凡な青年。
奈美枝の方は絶世の美女というべきか。
二人は幼い頃から一緒だったが、いかんせんユウイチローは天然で無自覚の浮気癖がある
しょっちゅう違う女の子を連れて歩くので、そのたびに濁った目でなにかを呟く奈美枝を必死に宥める俺は大変な役職なのだ…
だが、それも限界だったのか、中学生の時に、奈美枝が昼休みに唐突にユウイチローをひっぱると、そのまま早退してしまった。
あとから聞いたのだが、ユウイチローはいき遅れていた三十路の女教師に迫られていたのだとか。そのことでプッツンときたのだろうか
家に遊びに入っても、いない知らないとの家族のお達しをうけた。
それから一週間二人は休みひょっこりと戻ってきた
二人は恋人になっていた俺は嬉しかった。
まぁそれから暫くの間ユウイチローの目がハイライトを無くしていた、正直怖かったのだが。
あのことを聞くと、今でもユウイチローは目のハイライトが消え失せ、ナニモナカッタ…アイッテコワイ…とつぶやくだけだった。
あ、あと最近になってユウイチローが奈美枝の前でもだえている姿が目撃されている
俺も一度はみたことあるが、ユウイチローの顔は真っ赤で息も上がっていた、更に痙攣していた。なにしてたんだかなぁ。
まぁそんなことはどうでもよいのだ。
今の問題はどうしたら愛妻弁当が食べられるかだ
奈美枝は‥無理だ、頼めば作ってくれるだろうがそこには親愛しかない。というかユウイチローに怒られる。
彼女は?という意見だが、いたら愛妻弁当で悩まない。
自慢ではないが、俺はイケメンだ、しかも生徒会書記。
この学校の生徒会の書記というのは会社でいう幹部みたいなものだ。それくらいこの高校はマンモス高校で、生徒会の権限が強いのだ。
別に生徒会には恋愛はしてはいけないという規則はない。なので俺は告白バッチ恋なのだが…なぜか一度も来ない…女子の友達も生徒会メンバー以外いない…泣いていいだろうか…
いや、生徒会に入るまでは友達はいた…しかし入ってからはなぜか敬遠されているのだ…
パサパサのコッペパンを食べ終えて、俺は席をたった。目指すは生徒会室。
幼なじみ二人はキスをしていた。…泣きそうになった。
「二年書記。ユキムラです。」
ああ、ちなみに俺の名前は佐薙幸村だ。
あだ名はカブトムシ、某ゲームの戦国武将のヤリと、名字の佐薙を掛け合わせてカブトムシみたいだからだそうだ。ふざけんな。
「ああ、入りたまえ。」
生徒会長の許可を得た俺は生徒会室へと入ることにした。中には三人の女性がいた。
まず生徒会長…藤村リン、ナイスバデーで黒髪な美女だ。
そして副会長、至宝リツカ、金髪で元不良のお姉さんだ。
そして最後、会計の田中カナタ、ロリロリしたぺたんこお胸の真っ白な女の子。
他にもまだいるのだが、また次のお話にでも紹介しよう…
「よくきたな、仕事熱心は好きだぞ」
とリンさん
「まっ、ユッキーがやるようなことはねーな」
とリツカさん
「会長が全部終わらせますから…」
とカナタちゃん
「いやぁ…別に仕事というより…みんなに会いに来た?みたいな…あははは」
言ってみて、そんな気持ち悪いセリフを吐いたことを後悔した。
だって、みんなが一斉に顔を背けたからだ。顔が赤いので、それほど気持ち悪かったのだろう…
こんなんだから彼女が出来ないんだな…と一人落ち込んだ。
「はぁ…ねぇ…カナタちゃん?」
書記の指定席の向こう側、会計の席の少女、つまりカナタちゃんに話しかける。
「はい…何でしょうか?」
俺は先ほどの出来事を含めてざっくばらんに疑問をぶつけた
「愛ってさぁ…なんだろうね…」
「愛、ですか?」
空気が少しだけ、なぜか重くなる。
「…俺さぁ…彼女ほしいわぁ…」
「か…彼…女…?」
「そう…彼女…いちゃいちゃしてーよ…ラブラブしてーよ…」
気がつくと、リンさんやリツカさんもこちらを見ていた。
「こう…さぁ…毎日登校してさ…おててをつないで…髪を撫でたりして…で、愛妻弁当を食べる…最高じゃないか…」
「そ…そうなのですか…ち…ちなみに…ですよ…ユキムラさんは…色白でぺたんこな女の子は大丈夫ですか…?」
なぜか顔を真っ赤に上目遣いでこちらを見てくるカナタちゃん、ポイント高いなぁ…「(二次元なら)大好物だぞ」
「ほ…本当ですか!」
するとなぜかリツカさんが慌て始めた
「ま…待てや!ユッキー!年上で実はウブな先輩はいいよな!」
「え?あ、は、はい」
どんどん暴かれていく俺の性癖…
「ふむふむ…じゃあ、好きな髪型は、黒髪でロング…だな?」
「いえ、ポニテです。」
それは譲れない。くふふ…すまない。私は用事が出来た、今日はこれでしまいだ。」
「あっ、俺もやらねーといけねーことがあるんだったわ、わりぃなユッキー」
「…僕も…やることがある」
なぜかみんな決心した顔をしていらっしゃる…
そのまま部屋を追い出された俺は仕方なく保健室に行くことにした。
しかし、俺はこのあと保健室で凄まじい出会いがあり、それによってその夜に血なまぐさいストリートファイトに発展して一度に色んな貞操を失うことになるなんて、僕は知らなかったのである
というわけで終わり、次スレもないすヤンデレを期待してるぜ…
マックスにしても誰もデブにならん
つーかもっとふとましくなるようにしてほしい
腹筋とかボコボコに割れるとかさ
ごばーく
うめーる
637 :
名無しさん@ピンキー:2010/07/12(月) 20:59:51 ID:Nh8OiOHd
ナポリタン問題っぽい埋めネタです。
*****
私は彼女と踊っていた。
もう長いこと私は彼女と踊り続けている。
ようやく順番が回ってきた。次の番だ。
新しい女性が彼女の代わりとして、ホールに現れた。
「さあ、一緒に踊りましょう」
彼女は言った。
私は断った。
もう何時間も踊っていて疲れていた。早く休んで目を休めたかった。
「あなたはまた同じ事を言うのね」
彼女はその手に隠し持っていたナイフを手離す。
聞き慣れた音が耳に響く。ナイフが床へと落ちる。
ナイフが私の足下へやってきた。
刃に照明が反射して、私の瞳を眩ませる。
女性が私の前から居なくなった。
そうすると、ホールには私と、一人の女性が残っているだけになる。
「さあ、一緒に踊りましょう」
彼女の声をきっかけに、新しい音がホールに響いていく。
流されるままに、私の身体が動く。
ステップ、ステップ、ターン。ステップ、ステップ、ターン。
入れ代わり、立ち代わり。
ひたすら同じ動きの繰り返しだった。これまで何度繰り返してきたことか。
「お上手ね」
彼女が私を見上げながら言った。
「このまま、ずっと一緒に踊ってもらえるかしら?」
この舞踏から解放されることはない。
諦めた私は、何も言わず、彼女と踊り始めた。
私は、何人の女性と一緒に踊ってきたのだろうか?
まだ埋まってないみたいだから埋めるぜ。
ヤンデレがとりついてるせいで落ちないんですね
わかります
ヤンデレにキンタマと尻の穴をペロペロと舐められたい
いつからだろうか。"こうなったら良いな"と思ったことが現実になり始めたのは。
ここまで聞けば世界中が羨む能力だが、実際はそんなものじゃない。
僕、朱神功(アカガミコウ)は確かに思ったことを現実に出来る。でもそれはいつなるか分からないのだ。
例えば校長先生の話が長い時に"早く終わらないかな"と思うと急に話が終わるくせに、"あの娘と付き合いたい"と思っても全く付き合えなかったりする。
つまり何が叶うかは完全ランダムなのだ。ずっと思っていることは叶わないのにふと思ったことが叶ったりする。
だから不用意に"この人死なないかな"と思ってしまったら…。何となく感覚で分かる。
この現象は自分の能力で起きた、と。だから決して幸福ではないこの能力を、僕は抱えている。
そんな、高二の夏。
「おはよ、功!」
「おはよう、怜」
声をかけてきたのは幼なじみでクラスまで一緒の闇寺怜(ヤミデラレイ)。
茶色のウェーブしているロングヘアーに端正な顔立ちをしている。噂では学年トップの可愛さだとか。
「もうすぐ夏休みだよね。今年も遊びに行こうよ!」
「良いね。怜は何処に行きたい?」
そんな美少女と登校出来る喜びを噛み締めながらも、同時に憂鬱にもなる。なぜなら…。
「とりあえず海かな?どうせ功は今年も独りぼっちだもんね」
「ははは…」
そう。高校に入学してすぐに親が交通事故で死んだ。
…それからだ。
誰も僕に寄り付かなくなった。近付こうともしない。何故か?答えは分かってる。
僕の能力のせいだ。でも僕は"独りぼっちになりたい"なんて願っていないし、いくらなんでも一年以上なんて効力が続きすぎている。そして
「でも私が側にいてあげるから!だから平気でしょ?」
「…そうだね」
怜は僕から離れない。能力に例外はないはず。じゃあこの一年以上続く現象は一体なんなのだろう。
「ほら、そんなにしょぼくれないの!今日は映画を見に行くんだからね」
「…また映画か」
僕は苦笑する。皮肉にも今僕と会話をしてくれるのは幼なじみの怜だけなのだ。
彼女だけが、僕が生きていると自覚させてくれる。
「映画は良いよ〜。見るだけで幸せになれるし!」
「分かった分かった。じゃあ放課後、正門前で」
「やったぁ!じゃあ何見るか決めよう!」
もう一年以上続く怜との人生を僕は受け入れつつあった。