【MH】モンスターハンターでエロパロ 22匹目【モンハン】

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1きょーかん
よく来たな。ココはモンハンのエロパロだ!
ぬ!? 「なぜ教官がいるんですか?」だと? 気にするな、考えたら負けだ!
ではさっそく、我輩がココでの掟を手取り足取りやさしく教えてやるぞ!!
 
1.基本的にココはsage進行だ。レスを書き込む前にメル欄の"sage"をよく確認するんだぞ?
2.人X人・擬人化・竜姦なんでもこい! だが、投下前にジャンルを明記するのだ。特殊な内容を含む場合も同様だ!
3.作品はメモ帳やword、携帯ならばメール機能を利用し、まとめてから投下するのだ。書きながらの投下はやめておけ!
4.投下作品は「ココが初出の作品」に限定、他所からの転載は自作他作問わず一切禁止だ!一人前のハンターなら欲しいものは自分で調達だ!
5.投下されるSSも様々、時には貴様の嗜好に合わない物もあるだろう。苦手を避けるのも一つの手だ。コテもしくはIDをNGにする方法もあるぞ!
6.荒らしは無限沸きのランポスの如く、いちいち相手にしてはキリがない! このテの相手は完全無視のスキルが非常に有効だ!覚えておけ!
7.480KB、または950レスまで来たらもう一人前のスレだ。アトは貴様達が教官となって後進を導くのだ!
 
そして最後に、
 
すばらしい作品に巡り合えた時には最大級の賛辞を!
我輩は貴様達がココで立派に活躍することを楽しみにしているぞ!以上!!
 
=全ての始祖・初代スレ=
MHでエロパロ!
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1141488219/
 
★前スレ★
【MH】モンスターハンターでエロパロ 21匹目【モンハン】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1261525073/
 
エロパロSS保管庫(07/06/17より更新途絶…)
モンスターハンターSS保管庫
http://ss.ares-ac.com/mh/
 
☆新たなる保管庫☆
モンスターハンターでエロパロスレ保管庫
http://wiki.livedoor.jp/mheroparo/d/FrontPage
〜Wiki形式だから皆で協力して更新していこう!〜
2名無しさん@ピンキー:2010/05/30(日) 21:34:54 ID:2rJ1+hKg
          _人人人人人人人人人人人人人人人_
         >      ごらんの有様だよ!!!  <
           ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^
_______  _____  _______    ___  _____  _______
ヽ、     _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ 、   ノ    | _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ  、  |
  ヽ  r ´           ヽ、ノ     'r ´           ヽ、ノ
   ´/==─-      -─==ヽ   /==─-      -─==ヽ
   /   /   /! i、 iヽ、 ヽ  ヽ / / /,人|  iヽヽ、   ヽ,  、i
  ノ / /   /__,.!/ ヽ|、!__ヽ ヽヽ i ( ! / i ゝ、ヽ、! /_ルヽ、  、 ヽ
/ / /| /(ヒ_]     ヒ_ン i、 Vヽ! ヽ\i (ヒ_]     ヒ_ン ) イヽ、ヽ、_` 、
 ̄/ /iヽ,! '"   ,___,  "' i ヽ|     /ii""  ,___,   "" レ\ ヽ ヽ、
  '´i | |  !    ヽ _ン    ,' |     / 人.   ヽ _ン    | |´/ヽ! ̄
   |/| | ||ヽ、       ,イ|| |    // レヽ、       ,イ| |'V` '
    '"  ''  `ー--一 ´'"  ''   ´    ル` ー--─ ´ レ" |
3名無しさん@ピンキー:2010/05/31(月) 10:59:29 ID:DZFDIfTd
一乙
4名無しさん@ピンキー:2010/05/31(月) 16:12:43 ID:FuqDBMR1
乙ガレオス〜
5名無しさん@ピンキー:2010/05/31(月) 22:57:38 ID:fiqHNzM3
乙イーオス
6名無しさん@ピンキー:2010/05/31(月) 23:59:24 ID:aVPU8giq
乙爆弾
7砂漠の中の逆レイプ:2010/06/01(火) 16:35:13 ID:XPUgLiWQ
前スレですべて書き終えられるかと思ったのですが、
中途半端にオーバーしてしまったので続きこちらに書かせていただきます
申し訳ない><;
8砂漠の中の逆レイプ:2010/06/01(火) 16:35:45 ID:XPUgLiWQ
そして、アカルは私の生殖器に手を近づけ、指でなぞった。生殖器に快感が走る。

『ひゃぁっ!』

彼の指が、私の膣口をなぞるのを繰り返す。入りそうで入らないその快感がまたたまらない。

「これならちゃんとお利口に待てるだろ?」

私は一回軽くうなずいた。これならなんとか我慢できそうだ。
・・・私にも一応自制心ってものがあるんだよ?微々たる物だけど。

「ただ、挿れはしないぞ?お前だけ勝手にイって、俺だけ勃起してたら嫌だからな」

私とてそれは同じふうに思っている。一人で勝手に終わらせるなんてもったいない。

「おっ・・・きたきた・・・」

段々と、アカルの生殖器が大きくなってきた。準備完了に近づいているようだ。

「ナナ、お前のほうはどうだ?」

私のあそこはすでにびしょびしょだ。すでに準備万端。

「了解、じゃあ来いナナ!」

私は仰向けになっているアカルの生殖器を、自分の中へとゆっくり挿れた。その瞬間、私は頭がおかしくなりそうなほどの刺激に襲われる。
洞窟の中には、水音と二人分の嬌声が響く。私が腰を上下に動かすたび、愛液が私の秘所から漏れ出すのがわかった。
状況はあの時、私が逆レイプした時とほとんど一緒。彼を地面に押し倒し、はじめはフェラで彼の味を感じ取り、その後性欲を満たすために彼の雄を己の秘所へとぶちこんだ。
・・・だが、あの時とは何かが違う。

「ナナ・・・やわらかくて・・・気持ちいいよ・・・」

『グルるル・・・』

そう。今回は私の逆レイプを彼も望んでくれている。双方の同意の中では逆レイプとはいえないだろうが、まあ気にしないことにしよう。
私は今のこのセックスは彼の愛に包まれていることに気づいた。とってもとってもあたたかい愛に。
彼の表情が快感の色へとそまっている。その中にあるやさしい眼差しがとても愛しい。

『・・・あれ・・・?』

私は気づかないうちに刺激が強すぎて涙を流していたようだ。ポロポロと口から出ているよだれとともに砂の中へとにじんでいく。
彼も涙を流しそうになっているが、必死にこらえているようだ。握りこぶしを作って砂を握っている。
9砂漠の中の逆レイプ:2010/06/01(火) 16:36:08 ID:XPUgLiWQ
「くっぅ・・・ナナ・・・そろそろまずい・・・!」

イきそうなのだろうか。眉間にしわをよせてとうとうアカルも涙を流した。
その次の瞬間、私の中にいっぱいの熱い液体が進入してくるのを感じた。
私も同時に絶頂に達し、全身の力が抜けていく。彼をつぶさないように前脚にすべての力を注ぎ、必死にこらえる。
そのすべての力を一箇所に集中させたせいか、私はあるこれから起こるであろう出来事を悟った。
全身の力が抜けているということは、つまりアソコの力も抜けているということだ。
もうおわかりであろう・・・。

ブシャァっ!!

「わっ!!ナナぁ!!?」

私の秘所から一気に愛液とは違う液体が噴出された。・・・そう、尿だ。
まだアカルが生殖器を引き抜く前だったため、アカルの下半身にその液体はたくさんぶっかかってしまった。

「・・・・・・まさか小便ぶっかけられるとはさすがに予想できなかったな・・・」

私からペニスを引き抜くと彼はあきれたようにため息をついた。絶頂に達し、私の中にある裏の人格が消えたせいだろう。
裏の人格と共に性行為に対するタフさも消えうせ、力が抜け、たまっていた尿が出てしまった。

「ふう・・・まあお疲れ様・・・ナナ・・・」

アカルはそう言うと、洞窟の端っこの方に置いてあったポーチからポケットティッシュを取り出し、下半身についた私の尿をふき取った。

「ナナ、ちょっと」

そう言ってアカルが私に手招きする。・・・そっと、彼が私にやさしくキスをした。

「俺なんかを番に選んでくれて・・・ありがとう・・・」

感謝したいのは私のほうだ。こんな私でも愛してくれて・・・。
いつか彼を、アカルを守れる時が来るとしたら、この身がいくら壊れようとも彼を守ってみせる。
絶対に・・・・・・。
10砂漠の中の逆レイプ:2010/06/01(火) 16:36:33 ID:XPUgLiWQ
「もうすっかり夜か・・・」

俺は砂漠の荒野の真ん中で流れ星が流れている夜空を寝転がりながら見上げていた。
ホットドリンクは持ってきていないが、俺の隣に座っているナナが炎鎧を出し、俺を寒さから守ってくれている。
一応炎妃龍は炎鎧の温度調整ができるようで、ちょうどいい温度に保っている。
そして空を見上げているうちにグ〜と俺の腹からいい音が鳴った。

(そう言えば俺昼飯も食ってなかったっけ・・・)

「じゃあナナ、そろそろ帰るか!」

『グルン!』

俺はナナの背中に乗ると、大きな角を振り落とされないようにつかんだ。
いつもクエストの帰りでは馬車ではなくナナに乗って街へと帰っている。こっちの方が速いし、景色も眺められるからな。
そしてナナは俺を乗せたまま飛行し、砂漠を後にした・・・。

「じゃあナナ、後でたんまり飯食わせてやるからちょっと待っててな」

俺はナナにそう言うと、酒場へと入っていった。
撃退クエストへと行っていたハンター全員ラオシャンロン撃退に成功したようで、席に着きながら祝杯をあげているのが見えた。

「お〜いアカルぅ!こっちだぁ!」

声がした方向を見ると、老山龍鎧のおっさんがいた。ずいぶん酔っているようで、顔を真っ赤に染め上げている。
おっさんの隣の席に着くと、おっさんが大きくゲップしやがった。普段のおっさんの原型とどめてねぇ・・・。

「ヒック・・・アカル、オレぇの活躍劇聞きやがれぇ・・・まずなぁ、ラオシャンロンが見えた瞬間俺の双龍剣【太極】が火をふいたわけよ・・・オゲェェェェェェ!!」

「ぎゃああああああああ!!ゲロ吐きやがったああああああ!!!!」

そのおっさんの吐いた床に落ちてるゲロいものが不快な異臭を放ってきめえ。

「取り乱すんじゃねぇ・・・ただのゲロだぁ・・・」

そりゃそうだろうね。ゲロ以外何があるというんだろうね。

「それでなぁ、ラオジャンドンが怯んでもなざげびょうじゃなぐ乱舞をぶぢごんでびゃったばげよ・・・アァ肉棒とアナルが入り混じるガンチョーに満ちた世界・・・」

もう何言ってるかもわかんねぇ。相当重症だわこれ。耳栓スキルがほしいな。

「ぞういえばお前クエズドどうだっだんだぁ・・・?」

「もう何言ってるかわかんねぇよおっさん。何て言ってんだよ?」

「グエズドだよグエスドぉ・・・ドズガレオズ狩猟に行ったんだろぉ・・・?」

「ア゛!!」

この後酔ったおっさんの説教が延々と続いた事は置いといて、今回のクエストで俺とナナの愛はさらに深まったと思う。
これからもずっとナナと人生を共にしていきたい。妻として迎え入れた以上、人生のパートナーだ。
その人生のパートナーの助けが必要になるときがいつか来るかもしれないなと、心の中でいつも思っている。
11砂漠の中の逆レイプ:2010/06/01(火) 16:38:12 ID:XPUgLiWQ
≪グルルアアアアアアアアアァァァ!!!!!≫

「まちがいねぇ・・・片目に大きな傷がある覇竜・・・アカムトルム!!」

今、俺の目の前にいるのは片目がつぶれた覇竜、親父とおふくろの仇だ。俺にとってこいつほど恨んでいた存在はない。
こいつを殺すために、それだけのためにハンターになり、必死に強くなろうと思っていた。
覇竜に殺されたときに親父とおふくろがやっていたクエストは普通の採集クエスト。
なかなか仕事の都合上、夫婦一緒のクエストをすることはできなかったらしい。
俺の両親は仲がよく、一緒のクエストができると知ったときは非常に喜んでいたのはよく覚えている。
そのクエストの最中、アカムトルムが出現するとは夢にも思っていなかったであろう親父たちは不意打ちを受け、死んだらしい。
両親が死んだとき、アカムトルムが正々堂々と戦って勝ったというのならまだよかった。だが、不意打ちをして勝ったというのが何より腹立たしかった。

(強かったのに・・・父さんも母さんも強かったのに・・・こんな卑怯なやつに人生を壊されるなんて・・・!許せない・・・絶対に許せない・・・!!)

幼かった俺はハンターになり、俺の人生と両親の人生をぶち壊したアカムトルムに一人で復讐をすることを誓った。

その仇が今、俺の目の前にいる。ハンターになったばかりの俺ならば、すぐさま飛び掛り殺すことだけを考えていたであろう。
だが、今の俺はそんなおろかではない。

『グルルル・・・』

「ナナ・・・準備はできてるな・・・?お前の助けが必要なんだ・・・」

俺の隣にいるのは蒼い甲殻をもった古龍、ナナ=テスカトリ。俺の人生のパートナーだ。
俺が今装備しているのは、老山龍のおっさんから貰い受けた暁丸と双龍剣【太極】。
あれから十一年たった今、おっさんはハンター業界を引退してしまった。
そしてこのクエストに出発する際に、おっさんが

「お前の両親の無念・・・全力でアカムトルムにぶつけてこい」

と言ってこの装備を手渡してくれた。俺はおっさんに強がりを言ってしまったが、感謝している。
俺は改めてアカムトルムを睨み付けた。だが恨みからではない。一つの敵として対峙する相手への威嚇。ハンターの一つの基本だ。
俺はナナから沢山の事を教わった。孤独は強さじゃない。仲間を持った奴が一番強いんだ。

「よしナナ・・・行くぞ!!」

そう言って俺は剣を抜刀し、アカムトルムに向かって突撃を開始する。ナナも俺に続いて突進した。

『グオオアアアアアア!!!』

≪ガアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!≫

ナナとアカムトルムの咆哮がフィールドに響きあう。
ナナは俺にとって守るべき存在だ。決してナナを殺させるわけにも、俺が殺されるわけにもいかない。
親父、おふくろ、見ててくれ。俺達だって親父達に負けないくらい仲がいい夫婦になってみせるからさ・・・!

END
12砂漠の中の逆レイプ:2010/06/01(火) 16:39:29 ID:XPUgLiWQ
以上です。
誤字脱字あったらすみません
あとこんなのが22匹目最初の作品で申し訳ありませんでした<(_ _;)>
13名無しさん@ピンキー:2010/06/01(火) 17:49:27 ID:SEGtoeXg
イイヨイイヨー
(・∀・)//"パチパチパチ
14名無しさん@ピンキー:2010/06/01(火) 20:02:20 ID:QTFBk+IX
GJ!!

誰か・・・保管庫にまとめてくれ!
15名無しさん@ピンキー:2010/06/01(火) 23:43:31 ID:DFrWQWSx
>>12
乙!

前スレ>>665
復讐出来たし、転生?も出来るならハッピーエンドと言えなくもない。

人に卵産みつけるんじゃなくて、臓器として移植されたってことなのかな?
16名無しさん@ピンキー:2010/06/02(水) 20:02:49 ID:ulqa9dlp
ヤマツつながりで思い出したけど珍味の人のヤマツの話が好きだったなぁ
伊達眼鏡嬢の親世代の話とかもっともっと知りたいでござる
17名無しさん@ピンキー:2010/06/02(水) 22:26:45 ID:Dg980qmb
>>15
おおむねそんな感じです。
本文内で説明しきれなかった、自分の文章力のなさが恥ずかしい。


レスしてくれたみんなありがとう。
誰かが言ってたけど、マジで励みになる。
また、文章力を磨いて出直すよ。
どこかで見かけたら、その時はよろしく。
18リンゴ:2010/06/04(金) 14:21:52 ID:iZ4ppsAt
>>17
楽しみに待ってます!

えっと、今回投下させていただく話は
ミラルーツ♂×人間♂
のジャンルになっています。
一応前編後編で投下しようと思っています。後編はホモ注意です
あと一時の思いつきで書いたのでクオリティは期待できません
無理な方はスルーお願いします(汗)
19リンゴ 前編:2010/06/04(金) 14:22:42 ID:iZ4ppsAt
ある朝方の日。
荒廃しきった街に容赦なく雨が降り続ける。霧も立ち込め、十メートル先も見渡すこともままならない。
あたりのほとんどが瓦礫の山。崩れた家々が立ち並ぶ。
朝であるのにもかかわらず、雷雲が出ているせいか夜とほとんど変わらない暗さだった。
暗さの中でかつて人間に飼われていた雷光虫の光が、ほわほわと寂しげに浮かんでいる。
その光に、街の大広場に一人、座っていた少年が映し出された。
年は十二、三才ぐらいだろうか。薄汚れた普段着を着てひざを抱えたまま座っている。
その少年の周りには、散らばったリンゴがゴロゴロと転がっている。
もちろんその少年にもリンゴにも情け容赦なく雨が降りかかる。瓦礫の下で雨をしのぐことはできるのだが、彼は屍のように何一つ動きをみせない。
彼はこの大量に自分に降り注ぐ雨が自分の生きている虚しさを洗い流してくれるのではないかと、希望を持っているのだろうか。
それとももう生きる希望もすべて失ってしまい、憂鬱と絶望に浸っているのだろうか・・・。
少年の目には生気も何も感じられない。そんな少年の心を映すかの様に黒い体を持ったガブラスが数匹、少年の周りを飛び回っている。
彼は、そのガブラス達が自分の無意味な人生を終わらせてくれるのではと期待したのか、少し動きを見せた。
だがそのガブラス達は少年を無視し、もともとこの街の人間が商売用にしていたであろう少年の周りに転がっているリンゴをむしゃむしゃと食べ始めた。
ガブラス達も生きている者を食うより、動かない物を食うほうが労力を使わないと知っているようだ。
その蛇竜たちは腹いっぱいにリンゴを食べて、満足げに少年の周りから飛び立っていった。
リンゴが二個、寂しげに転がっている。
少年はさらに絶望を深めたように顔を俯かせる。それに伴い、前にも増して激しく雨が少年にふりそそいだ・・・。

少年がこの広場に座り続けてもう三日が過ぎようとしていた。
三日前はこの少年の誕生日でもあり、この街が破壊しつくされた日でもあった。
その間、食物をひとつも口にしようとはせず、ただただ人形のように広場の真ん中で座り続けているだけ。
誕生日を祝うため、両親と兄が準備してくれたネックレスを首に掛けながら。
そのネックレスが雷光虫の発している明るい光で、暗く蒼い光を反射している。
何もしようとは思わない。いや、思えないのであろう。
近所の親しい人間、友、そしていつも一緒でいてくれた両親と兄を失った現実が、少年を束縛しているのであろう。
突然平和な街に現れた黒龍・ミラボレアス。モンスターが現れたことなどこの街には一回もなかった。
なので当然ハンターもいなければギルドナイトもいない。街の人々は黒龍にことごとく殺されていった。
この少年は運がいいのか悪いのか、この街で生き残った唯一の人間となった。
なぜ自分を殺してくれなかったのか。なぜ自分だけを生かしたのか。
今となっては少年にとってどうでもいいこととなっていた。
この街が荒廃してからは、人間がいなくなったのをよいことにし、アプトノス等の草食獣、イャンクックやリオレウス等の肉食獣。
そしてついにはクシャルダオラ等の古龍も姿を現すようになっていた。
荒廃してからは三日とあまり時間も経っていないのだが、さすがは獣といったところか。
瞬く間に街は獣たちの天国と化していった。
人間が所有していた食料は豊富で、異種同士で争う意味もなくなったためか、アプトノスとリオレウスが共に並んで食事をするといった奇妙な場面も見受けられる。
誰でもいいから早く殺して欲しい。早くお父さん、お母さん、弟のもとへと逝かして欲しい。
そう少年は願っていたが、獣達は少年を無視し、街に転がっている肉や野菜などを食べるばかり。何者も少年に興味を示すことはなかった。
20リンゴ 前編:2010/06/04(金) 14:23:05 ID:iZ4ppsAt
・・・・・・いや、一匹いたようだ。
無表情で俯いている少年の耳に、なにやら喉を鳴らした鳴き声のようなものがとびこんだ。
その声はかなり少年に近いことがわかる。ようやく誰か自分を殺してくれる気になったのか。
そう期待し少年がゆっくり顔をあげると、なにやら龍が顔を覗き込んでいるのが少年の目に入った。
この街を壊した張本人、ミラボレアスに似ている。だが、ミラボレアスではない事はすぐにわかった。
姿かたちは黒龍と似ているが、この龍は黒龍とは対照的に真っ白な体を持ち、優しい目つきで少年を見つめ、喉を鳴らしている。
そう、この龍はミラルーツ。伝説の龍、ミラボレアスの亜種で、祖龍とも呼ばれている。
雷雲のせいで暗くなっている中のミラルーツの真っ白い体は、まるで光っているように目立っている。
食料に困ることのない、獣の天国と知ってこの雄のミラルーツも街に来たのはだいたい予想がつく。
この祖龍は少年の足元に転がっていたリンゴの一つを口にくわえると、食うかと言いたげに少年に差し出した。
少年が生気のない目でミラルーツの顔を見ながら力なく首を横に振ると、祖龍はグシャッと音をたててリンゴを噛み砕いた。
残るリンゴはただ一つ。赤い果実が雨にぬれて光っている。少年はその残ったリンゴを見てなにやら呟くと、またひざの間に顔をうずめた。
びしょびしょにぬれている少年のそばに祖龍はゆっくり座ると、その大きな翼を広げ、少年の上へと翳した。
少年を雨から守るためだろう。普通の人間ならなぜこんなことをするのか気に掛けるところだが、少年は祖龍の行動にはまったく興味を見せず、ずっとひざを抱えて座っている。
雨は翼によって少年には降りかかっていないが、逆に翼によってできた影によって少年の心はさらに暗くなったようにみえる。
祖龍が鼻先で少年をつついてみても、息を吹きかけてみても一向に反応をしめさない。
ミラルーツは呆れたように一声鳴くと、少年の薄汚れた服の背中の部分をつかみ、持ち上げた。
人形のようにぶらんぶらんと手足がぶら下がる。表情もずっと絶望に浸っているまま変わっていなかった。
祖龍は雨がしのげる大きな街の樹木の下に入ると、少年を横に寝かせ再び不思議そうに少年をみつめ始めた。
しばらく祖龍はそのまま少年を見つめていたが、変化のない少年に退屈したのか、おおきなあくびをした。
残ったリンゴを少年の足元においてみても、もちろん少年が反応することなどない。
祖龍が寂しげに鳴く。おそらくこの少年にかまって欲しいのだろう。
今までこの祖龍は古龍という存在であるためか、他の動物とも接触してみようとしても、どの動物も怯えて逃げてしまうのだ。
この祖龍は今も一人。事実だけ取り出すと少年と共にいるが、それだけでは一人ではないとはいえない。
つまり今までと何も変わってはいない。そばに生き物がいるのに、触れ合うことも、遊ぶこともできない。
少年の心の闇が、ミラルーツにも影響しつつあった。その時、そばにあった瓦礫のひとつが音を立て、崩れ落ちた。
21リンゴ 前編:2010/06/04(金) 14:23:54 ID:iZ4ppsAt
相変わらず雨が獣の天国に降り注ぐ。雲によって日が見えないため理解するのには困難を極めるが、夜。
他の動物の目を忍ばず、雨のあたらない場所であればモンスター達はどこでも眠っている。
クシャルダオラとリオレイアが寄り添って眠っていたり、アプトノスの子供をランポスがあやしていたりと自然界では絶対に見られない光景が広がっている。
ここの動物達は全員共存して生きることを学んでいっているのだ。弱肉強食という概念はもうここに住んでいる動物達には存在しない。
全員平等で生きている。誰一人として苦しむこともない。事実この街は天国だった。
だが、少年にとっては地獄に等しい場所だった。
殺して欲しいといくら思っても、腹をすかすことのないモンスター達は少年を殺すどころか興味すらしめすことはない。
死にたいのに死ねない。皆が死んでしまったのが夢であるなら覚めて欲しい。だが覚めない。これは現実。
鬱。絶望。自殺。しない。できない。望み。ない。消えたい。消滅したい。ナンデ、ボク、イキテル・・・?
思考が働くとき、それは自分の存在意味を知ろうとするとき。だが、その存在意味は少年には見つけることができない。
何事にもきっかけが必要だ。だが精神が崩壊しているこの少年にはそのきっかけすら見つけることはできないだろう。
だが望みが一つだけある。この祖龍だ。唯一少年に興味を抱いているこの祖龍ならば少年に正気を取り戻させる望みがある。
しかしこの祖龍も少年と同じく暗闇の中に入ろうとしている。孤独でいる寂しさ。少年の影響を確実に受けてしまっている。
あれだけ暗闇の中で目立っていた祖龍の白い体が、今は思いなし、か黒い雷雲の影の色にに染まっているように見える。
ミラルーツまでもが絶望に浸ってしまったら、もう少年を救う者はいなくなってしまうであろう・・・。
その時だった。
突如まぶしい光が暗い闇を切り裂き、大きな雷鳴が街に響いた。街にいたすべての動物がその光と音に反応し、驚いた様子を見せた。
ミラルーツもその突然の出来事に驚いた様子だったが、"なんだただの雷か"と、ため息をつくように息をはいた。
・・・どこからか、泣き声が聞こえるような気がする。静かだが、誰かに助けを求めるような。
ミラルーツは首を伸ばし、あたりをキョロキョロと見渡し始めた。だが、目に映るものは雨と霧、そして瓦礫の下に眠っているケルビやイーオス等の動物だけ。
人間らしきものは何一つ発見できなかった。気のせいだったのだろうか。そう思いミラルーツは横になった。
・・・・・・?
少年の様子がなにやらおかしい。なにをしても反応を示さず、ずっと人形のように動かなかった少年が、目を瞑り、涙を流してびくびくしている。
心配し、少年のそばに近づくと、少年は突然ミラルーツの体にしがみ付き、腕に力をいれて、離れようとしなくなってしまった。
この行動を不思議に思っている内に、再度大きな轟音と共に雷がぴしゃあんと地上に落ちる。
その瞬間びくっと少年は体を反応させ、祖龍にしがみつく力を強くした。小刻みに震えているのが感じられる。
そして祖龍は悟った。

あぁ、この子はあの雷を恐れ、怯え、涙しているのか。家族がいたときには今と同じように親にしがみ付き、雷の恐ろしさを忘れていたのだろう。
だがこの街にミラボレアスが出現し人間を皆殺しにしたと聞いたことから、恐らくこの街で生き残った唯一の人間。
ここ数日は雷雲が出て、雷も雨に伴い落ちていたのは知っている。その度にこの子は一人で怯え、苦しんでいたのだろう。
ならば、私にできることはただ一つ。この子の家族になることだけだ・・・。

ミラルーツは翼でそっと少年を抱き寄せた・・・。
22リンゴ:2010/06/04(金) 14:25:00 ID:iZ4ppsAt
前編は以上です。後編は後日投稿しようと思います。
そのときはよろしくお願いします。
23名無しさん@ピンキー:2010/06/04(金) 17:54:25 ID:aKUeZWR/
何かオレのと、オレの妹のやつを足して
、3で割って、プラス8したような感じのだけど・・・
オレは好きだ、こうゆうの
24名無しさん@ピンキー:2010/06/05(土) 01:19:51 ID:ckOuJqQX
俺ホモじゃないけどショタは大歓迎なんだぜ
25名無しさん@ピンキー:2010/06/05(土) 01:22:36 ID:dVbJxESR
俺ショタじゃないけどモン姦は大歓迎なんだぜ
26名無しさん@ピンキー:2010/06/06(日) 20:55:02 ID:lw22P1GS
ふと思ったんだがトライ発売されて結構立つのにトライのエロパロの数極めて少ないな。
27名無しさん@ピンキー:2010/06/07(月) 01:02:47 ID:GPBgD7mq
ユーザーと知名度が低いからじゃね。
構成も一新しちゃったし。
28名無しさん@ピンキー:2010/06/07(月) 16:45:28 ID:wn+PSRqI
エロに持ち込むにも、水中では…
29名無しさん@ピンキー:2010/06/08(火) 00:59:17 ID:moV0CjRl
浜辺が限界
30名無しさん@ピンキー:2010/06/08(火) 11:53:16 ID:o1XrBzi9
利用しようとして逆にレイーポされちゃうペッコたんなど良いと思います。
31名無しさん@ピンキー:2010/06/08(火) 21:49:21 ID:5R5rx+by
>>23
このスレでWiiを持ってる人が少ないのも一因だと思う。
>>28
酸素玉があればおk。エピオスに口ではむはむされたい。
32名無しさん@ピンキー:2010/06/08(火) 21:51:32 ID:5R5rx+by
すまん
>>23>>27
33名無しさん@ピンキー:2010/06/09(水) 03:08:08 ID:Xk/RnV+J
ショタモン姦まだー?
34名無しさん@ピンキー:2010/06/09(水) 16:12:54 ID:cM7ZzcO9
PCハードのFさんもほぼ無いに等しいし、匡体所持率の問題じゃないと思う
35名無しさん@ピンキー:2010/06/09(水) 16:29:59 ID:1P8U7GXA
少ないと思うなら書いて増やせばいいじゃない
SSが書けなくても、ネタ振りすれば誰かが拾って書くかもしれないし
36名無しさん@ピンキー:2010/06/09(水) 20:36:35 ID:OZ3zM2fg
確かルドロスは全部雌なんだよな。
ルドロスの群れを率いているロアルドロスは......
37名無しさん@ピンキー:2010/06/09(水) 22:20:52 ID:/S90cmxU
ハードがないからできないが、トライのモンスターは気になってたから、3が凄く楽しみだ。
まあその前に村があるがw あれはあれで期待してる。睫レイアたん可愛い。
38名無しさん@ピンキー:2010/06/12(土) 04:16:48 ID:kDUar4JV
トライの何がいいって、チャチャだろ
最初はキモいとか鬱陶しいとか思ってたけど、今ではすっかり俺の嫁です
39名無しさん@ピンキー:2010/06/12(土) 11:04:48 ID:DYB/09Dy
トライができてれば>>38×チャチャを書いたんだがwww
40名無しさん@ピンキー:2010/06/12(土) 12:33:24 ID:rGqAi4Mq
チャチャなら結構書けそうなもんだけどなぁ
離脱時にモドリ玉を使うも作用が誤作動してしま人間化⇒仮面取ったらまさかの美女でした的なでもいいし
チャチャが女ハンターに対して如何わしいことをするでもいいし・・・

擬人化はやりすぎ感があるし後者は想像できんしどっちにしろ俺に文章作成能力は無いようだ
41名無しさん@ピンキー:2010/06/12(土) 13:27:07 ID:4Q6mg86Z
言葉の通じない、そもそも思考の系統が違う相手の方がエロスを感じる
…という俺の嗜好をどうにかSSにしたいんだが、根気いるもんだね。これ
(;´д`)
42名無しさん@ピンキー:2010/06/12(土) 14:22:07 ID:7QV+Qt/d
チャチャは別に擬人化しないでの異種恋愛とか、そのままイケそうに感じるな

「あなたが、わたしを助けてくれたの?」
「キーキー」
「他の男どもは尻尾をまいて逃げだしちゃったのに、あなたひとりが残って?」
「キー! キキーッ」
 チャチャは胸をはって誇らしげに吠えた。
長い間いっしょに狩りをしてきた仲だ。彼がなにを言っているのか漠然とではあるが理解できた。
「真のオスは、群れのメスを決して見捨てない」。
 思えば彼はほかのチャチャブーとは違い、みずからが命の危険にさらされても決して逃げることをしなかった。わたしとふたり、揃ってネコ族の手押し車のお世話になったことすらある。彼はわたしの単独行にはかならずついてきて、いつも最後までそばにいてくれるのだった。
「そうね。あなたこそ本当の男、いえ、勇気ある真のオスよ」
「キッ、キキー!」
 わたしがしみじみと言うと、彼は照れたように仮面にかくされた顔をそむけたまま、逃げ出した男たちの持ち物であろう包帯と回復薬をわたしに差しだした。
 わたしの半分にも満たない体躯でありながら、わたしよりも若い身でありながら、わたしより狩りが下手でありながら、彼はわたしの保護者、いや、ナイトのつもりでいるらしい…。
 わたしは彼の誠実さと情の深さに打たれ、思わず彼の小さな身体を抱きしめていた。
 


とかw
43名無しさん@ピンキー:2010/06/12(土) 16:40:21 ID:F7OMvAXO
次の日、そこにはハンターの大剣に元気に打ち上げられるチャチャの姿が!
44名無しさん@ピンキー:2010/06/12(土) 16:52:53 ID:uOv0oTVt
>>43
ハンターの元気な大剣に突き上げられるんですねわかります
45名無しさん@ピンキー:2010/06/12(土) 19:40:43 ID:NNVpGtVh
誰か保管庫収納して
46名無しさん@ピンキー:2010/06/12(土) 22:45:36 ID:jRLlGw66
チャチャは普通にしゃべry
47名無しさん@ピンキー:2010/06/13(日) 00:07:38 ID:u2giwm9j
こおろぎさとm(ry
48リンゴ:2010/06/13(日) 03:28:58 ID:JWxRAO9S
>>21
続きです。前編後編で終わらせる予定でしたが、予定より長くなっちゃいました。
なので今回は中編とさせていただきます。
それに長いくせに今回もエロなしです。
申し訳ありません(存在的な意味で)
49リンゴ 中編:2010/06/13(日) 03:30:09 ID:JWxRAO9S
恐らく朝だろう。
強く地面に降り続けていた雨も、段々と止み始め、立ち込めていた霧も、徐々に消え始めていた。
だが、雲が空を覆っているせいで太陽はまだ確認できない。薄暗さが街に残る。
その中を、街の広場にある水溜りで一匹、草食竜であるアプトノスが水浴びをしていた。
まあ、まだ幼さが残るそのアプトノスがしている行為は水浴びというよりも、水遊びに近いものだが。
そんなアプトノスを遠くから見つめている竜がいる。

リオレイアだ。

綺麗な緑色をした甲殻をもった雌の火竜。
獰猛な肉食竜である火竜は、肉食竜である限りはアプトノスなどの草食獣を食うことは当たり前。
これからこの雌火竜は一気にこの格好の獲物飛び掛り、食い殺すのと考えるのが普通であろう。
だが、それは自然界での話。
リオレイアが近づくと、それに気づいたアプトノスは、嬉しそうにリオレイアのもとへと駆けていくと、
甘えるように頬ずりを始めた。
リオレイアはその甘えん坊を一舐めすると、アプトノスをつれて大きく穴の開いた公民館らしき大きな建物に入っていった。
彼女らはあの公民館を共通の住居にし、一つの“家族”として暮らしているのだ。
その二匹は、幸せに満ちた目で毎日を過ごしており、これからもそう過ごして行くだろう。

「誰かが不幸になれば・・・誰かが幸せになるんだね・・・」

私にもたれ掛かっていた少年が呟いた。
悲しげな彼の心情を写すかのように、キラリと胸に掛けてある蒼黒いネックレスが光る。
この少年は、突然来襲してきたミラボレアスによって、家族や親しい人間を殺され、すべてを奪われた。
もとは明るい性格で、街の住民からも親しまれていた。この少年からはそんな感じがする。
私には、家族と呼べる者がいなかったし、彼の気持ちを理解することはできないが、これだけはわかる。

家族と言うものは、彼にとって永遠にかけがえのない物であったということ・・・。

しばらく沈黙が続いた。
しとしとと、小降りの雨が音もなく降り注ぐ。
辺りは静寂に包まれ、いつの間にか広場には私と少年だけとなっていた。
その時、私の腹からぐう、と音が鳴った。
情けない。この少年は私なんかよりもっと空腹な筈なのに・・・。
少年は、私の今の腹の音を聞いて、

「お腹・・・空いたの・・・?」

と心配そうな声で私に聞いた。
ここで正直に伝えるのも気が引けるが、嘘をつくのはあまりいいことではないと思い、こくんと頷いた。

「・・・うん、わかった。ちょっと待っててね」

そう言って、少年は私から遠ざかって行った。
本当に情けない。私が彼の世話をするつもりが、逆に彼の世話になってどうするんだ。
・・・気のせいだろうか・・・さっきわずかだが、少年の顔に笑みが浮かんでいた気がする・・・。
50リンゴ 中編:2010/06/13(日) 03:30:55 ID:JWxRAO9S
ヒビが壁一面に入り、窓はわれ、屋根にあった瓦も無残に引き剥がされている家がある。
以前はなかなか高級そうな家だ。結構な金持ちが所有していたのだろう。
大通りから少年が歩いてきて、その家の前に立ち、見上げてこう言った。

「・・・僕の家・・・」

そう。この家は少年とその家族が生活していた住居。
災いが一切起こった事のない極めて平和な街に、突然ふりかかった悲劇。
伝説の黒龍・ミラボレアスが突如出現し、街に居た人間はとてつもない恐怖に怯え逃げ惑った。
そんな人間を一人ひとり殺していったミラボレアスにとって、この悲劇は暇つぶしのゲームに過ぎなかったのだ。
ミラボレアスはこのゲームを遊びつくした後、彼方へと消えてしまったが、少年のミラボレアスに対しての憎悪は消えることはなかった。
だがその憎悪が大きすぎたのだろう。同時に、自分に対しても家族、その他の人間を救えなかった悔しさがまた憎悪となって自分に降りかかったのだ。
そのため、自分が生き長らえる為の行動を、自分を憎むもう一人の少年がとらせていなかったのだろう。
だが、少年はミラルーツによって救われた。ミラルーツの少年への愛が、暖かかった家族の温もりを思い出させたのだろう。
徐々にだが、少年はミラルーツに心を開きつつあった・・・。

少年は、家の中に入ろうとドアノブに手を掛けたが、ドアは開かない。
鍵は開いているようだが、恐らくドアが歪んでしまっているのだろう。いくら力を入れてもドアは開く気配を見せない。
ドアから入るのを諦め、窓から入ろうと少年は思ったが、窓ガラスは割れ、開閉口部に破片が残っているのが見えた。
無理に入ろうとすれば、怪我をするのは免れないだろう。どうにかして中に入る方法はないだろうか。少年は辺りを見渡した。

「あっ」

少年の目に飛び込んできたのは木でできた梯子。結構な長さがある。
幸い、一階の窓は割れているが二階の窓は割れているところは少ない。開けて中に入ることができそうだ。
少年は二階の窓辺に梯子を掛け、せっせと梯子を上ると窓に手を掛けた。
よかった。鍵はかかってないみたい。窓を開け、少年は中に入った。

「・・・何も・・・いないよね・・・?」

ゆっくりとした足取りでそろそろと入ってくると、部屋の中を慎重に見回した。
モンスターの気配はない。誰も居ないように少年は感じた。
この部屋は少年の部屋。よく言ってもあまり広いとは言えないが、少年にとっては十分な広さだ。
部屋の中はやはり薄暗い。だが大災害が起こった後にもかかわらず、不気味なほど部屋の中は綺麗だ。
おかしい。僕はあの時パニックに陥っていて、無作為に散らかした筈なのに。
少年は不安に襲われた。自分以外誰も生き残ってはいない筈なのに、部屋の中が確実に誰かに整頓されている。
まさかサーカスでもない限り、モンスターが部屋を片付けるなどという事はないだろう。
怖い。早く用を済ませて帰ろう。
少年はその部屋から廊下へと出ると、階段をそそくさと降り、キッチンへと向かった。
・・・やっぱりだ。キッチンもちゃんと掃除されている。どうなっているんだろう。
少年は不安に襲われながら、キッチンにある大きな冷蔵庫を開けた。中から涼しい風がすぅっと飛び出した。
電気はまだ生きているようだ。なら食べ物が腐っていることはないだろう。
もちろん食料は街のそこらじゅうにゴロゴロ転がっているのだが、それはもともと他人のもの。無断で持っていくのは少年の良心が許さない。
そのため少年は自分の家にある食料を、ミラルーツの元へ持って行こうと考えたらしい。
51リンゴ 中編:2010/06/13(日) 03:31:50 ID:JWxRAO9S
少年は部屋の片隅にあった籠を持ってきて、その中に冷蔵庫にあった食料をつめ始めた。
リンゴ、リンゴ、リンゴ、リンゴ、リンゴ、リンゴ、リンゴリンゴリンゴリンゴリンg(ry

「・・・そういえば、お母さん安売りセールがあったって言ってリンゴ沢山買って来てたっけ・・・」

少年は微笑した。楽しかった家族との日々。少年は一生忘れることはないだろう。
そして少年は籠を持って帰ろうとしたその時だった。

「動くニャ・・・じゃない動くな。動いたらその瞬間お前の首から赤い花火が出るぜ」

その声と同時に少年の喉にコンバットナイフのような刃物が当てられる。
刀身が薄暗い部屋の中でキラリと恐ろしく光った。

「だっ、誰!?」
「それはこっちのセリフだ。勝手に人の家に入ってきて食い物を盗んで行こうとするなんてとんだ悪ガキだニャ・・・・・・」
「どっ、どういう事!?ここは僕の家だよ!?き、君は一体・・・」
「聞いているのはこっちの方だ。とっとと答えろ」

なんだか聞いたことがあるような声だ。なんだろう・・・脅されてるのにそれほど怖くない・・・。

「・・・僕はクルーザ。この街に住んでた人間の一人だよ」
「ん?クルーザ?・・・お前まさか、フルート・クルーザか・・・?」
「え・・・何で僕の名前を?」

少年を拘束していたその影は、大きな声を一声あげた。
そしてそれは、所持していたコンバットナイフを放り投げると、少年に勢い良く飛びついた。

「フルート!はははは!!生きてる!触れる!!幽霊じゃニャい!!!」

ペタペタと少年の頬を触る。呆然としていた少年はそれを静止させた。

「ちょっ、ちょっと待って!君は一体誰なの!?何で僕を知ってるの!?」

「ははっ、俺だよ!!覚えてるだろう!?ここで家事手伝いさせてもらってたメラルーのルガーだよ!!」

それを聞いて、少年は驚きを隠せなかった。
ルガーというのは、雄のメラルーで、少年の家で雇われていたメイド。
今から五年ほど前、行き場をなくして途方にくれていたそのメラルーを、少年の両親がメイドとして雇ったのだ。
その日は偶然少年の八歳の誕生日であって、少年にとってはこの上ないほどうれしい誕生日プレゼントとなった。
そして二人は友達、親友、家族となっていった。
前にも増して少年の顔に笑みが浮かぶようになり、両親も兄も、雇って後悔することなどは一回もなかった。
その平和な暮らしは一生続くかと思われた・・・。
52リンゴ 中編:2010/06/13(日) 03:32:26 ID:JWxRAO9S
メラルーによると、黒龍来襲の際公園の砂広場の中に穴を掘り、ずっと隠れていたらしい。
怒声、悲鳴、断末魔が街中に響いている中、恐怖の涙を流しながら、少年達が無事でいることを祈りつつ・・・。


「騒ぎが収まって外に出てお前達を探してたんだが、死体しか見つかんなくてな。そこでお前達を家で待ってたわけよ」
「・・・ていうことは部屋とかキッチンとか片付けたのって・・・」
「そう。俺だよ。リンゴだって腐らないようにちゃんと一つ一つ包装してあるだろ。メイドニャんだからいつでも皆が帰ってきてもいいようしてたんだ。一緒じゃなかったのか?」

・・・そうか・・・ルガーはまだ知らないんだ・・・

「お父さんとお母さん・・・お兄ちゃんは・・・には・・・・・・だ・・・」
「ん?よく聞こえねぇよ。何て?」
「・・・皆はもう・・・この世には・・・いないんだ・・・・・・」

その言葉の後、時が止まったかのように静寂が部屋を包み込んだ。

「・・・え・・・・・・ははっ、冗談いえよ。お前そんなキャラじゃねぇだろ」

メラルーは笑いながら言うが、少年の顔にはまったく笑みはない。

「・・・本当・・・なのか・・・?」

少年は静かにうなずいた。

「お父さんと・・・お母さん・・・お兄ちゃんは・・・僕の目の前で・・・黒龍に・・・」
「は・・・はは・・・信じられるかよ・・・・・・信じられるかァあ!!!!」

そう叫んでメラルーは思い切り地面の白いタイルを殴った。何度も、何度も。

「ふざけるなァ!!ふざけるなァアあ!!!何でだ!!!何で親父さん!!それとお袋さん!!!!兄貴が死ななくちゃいけなかったんだァア!!!!???」

息切れをおこしながらも、なおタイルを殴り続ける。
拳から血がでるほど強くタイルを殴っているそのメラルーの目には黒龍に対する怒りの炎で燃え上がっていた。
タイルが真っ赤に染まっていく。少年はその様子を黙って見ている事しかできなかった。

「ハァ、ハァ、ハァあ・・・ずっと世話になってた・・・あの優しい人たちが・・・なんで死ななくちゃ・・・いけなかったんだ・・・?」

そう言うと殴るのをやめ、地面にうずくまり泣き始めた。
どうしようもない胸の苦しみがメラルーを襲う。薄暗い中でのメラルーの黒い体は闇の中へと溶け込んでいく。
そんなメラルーの涙のしずくは、闇の中でも目立っていた・・・。
53リンゴ 中編:2010/06/13(日) 03:33:20 ID:JWxRAO9S
「じゃあルガー・・・僕ちょっと用事があるから、行くね」
「あぁ・・・もうちょっと落ち着いたら・・・俺も後から行くから・・・」

行き先を告げ、少年は壁にもたれ掛かっているメラルーを尻目に見ると、窓から梯子に足を掛けて広場へと向かった。
・・・こんな僕でも立ち直ることができたんだ。ルガーは僕なんかよりずっと強い。きっと立ち直るだろう。
広場に着くと、少年は辺りを見渡した。少し残っている白い霧の中、より目立っている“白”がある。
少年はその発生源へと走ると

「ごめん遅れちゃって・・・はいこれ」

そう言って、広場で眠っていたそれ、ミラルーツにリンゴがぎっしり詰まった籠を差し出した。
祖龍は、それに気づき、リンゴの匂いをスンスンと鼻息をたてながら嗅いだ。
そして祖龍は喰っていいのかと言うように少年の顔を覗き込んだ。

「ふふ、いいよ食べて」

少年はリンゴを包んでいる包装袋を破き、祖龍に手渡した。祖龍は遠慮しがちにリンゴを受け取ると、豪快な音を鳴らし、噛み砕いた。
リンゴからでた果汁がミラルーツの口から若干零れ出ている。その地面に零れた果汁が、小さな水溜りを作った。
その甘い匂いにつられ、コンガが近づこうとしたが、ミラルーツの体の大きさに驚き、瓦礫の後ろに隠れてしまった。
今度は祖龍が籠の中のリンゴを口に咥え、少年にあげようとするが

「僕はいいよ。何か知らないけど、僕お腹空いてないから・・・」

と断られてしまった。祖龍は一声鳴くと、グシャッと音をたて砕いた。・・・包装袋ごと。
その側には、あの古びたリンゴが一つ寂しく転がっていた・・・。
54リンゴ:2010/06/13(日) 03:35:08 ID:JWxRAO9S
以上です。
恐らく後編も投稿遅れることになると思いますが、
その時はよろしくお願いします。
55名無しさん@ピンキー:2010/06/13(日) 20:33:58 ID:zsIkFnEh
GJ!
ルガーは一人で逃げてったのかw
56名無しさん@ピンキー:2010/06/13(日) 23:54:22 ID:avngDpyz
乙!
57名無しさん@ピンキー:2010/06/17(木) 12:18:07 ID:Y3AL5xH/
おつおつ!
58ほんのり苦い迅竜さん:2010/06/17(木) 19:35:21 ID:Pv+n+ueZ
なんかできた。ので唐突ながら投稿します

・ナルガ×女ハンター
・陵辱って言えばいいのか とりあえず和姦じゃないっす
・エロ分比較的すくなめ。
・消費数2〜3
・ストーリー性が皆無。

上記を容認できない、嫌悪感を感じる、また意味が分からなかった人はNG設定して下さい。
59ほんのり苦い迅竜さん:2010/06/17(木) 19:36:59 ID:Pv+n+ueZ
「あー二乙したからリタイアしまぁっす。」

「俺も俺も。アイテムかなり使っちまったけど、削れた様子がねーもん。」

「ぼーず、お前1人じゃ無理だ。一緒にリタイアして出直そうぜ。」

「なっ、ま……」

待て、という前に三人は荷物をまとめて帰っていった。
最近の若いハンターはなんと貧弱なのだろうと思いつつ、僕は片手剣を研ぎ始める。
自身もまだまだ若くはあるが、そんじょそこらのハンターより腕があると言う自負はある。


樹海のベースキャンプで1人、今回の狩猟対象であるナルガクルガを探すために気合いを入れ直し、出発した。
迅竜と呼ばれるそのモンスターは、独りで相手にするには辛いものがあるけど、ただリタイアする気にはなれなかった。
何故ならば、今回のクエストの失敗は近隣の村の壊滅を意味するからだ。
なのにリタイアで最後まで戦い抜かない彼らの姿を思い返すだけで、怒り心頭に達する。

そうした怒りに溢れた精神状態が隙を生み出すのは自然の摂理。
その隙を見逃さず、大木の空洞から外に出た瞬間、頭上から降ってきたナルガクルガ。

「っ!――がっ!?」

反応が遅れたものの、何とか回避出来たのはハンターとしての身体能力故だろう。
ただ、その直後に得意とする連続攻撃をしたナルガクルガの攻撃が、体勢を立て直す前だったのが不幸だったのか。
足元を尻尾で払われ、前のめりに倒れる。
それが決定打だったのか、倒れた彼の首がナルガクルガにくわえ込まれ、牙が軽く刺さる。
一瞬の早業だった。仲間が居れば助けてくれたかもしれないが、今やその三人は仕事を放棄して此処には居ない。
そんな怒りを沸き立たせ、抵抗を試みようとした時に首が強く圧迫されて呼吸がしにくくなる。

そのまま宙に浮かされ、もがく姿は敗者と同義。
呼吸が出来ず、次第に意識が薄れ、手足に力が入らなくなり、最後に見えたのはその鋭い双眸だった。
60ほんのり苦い迅竜さん:2010/06/17(木) 19:37:58 ID:Pv+n+ueZ
「……ふ、ぇ………んぐっ」
何かが口の中に押し込まれる。
甘く良い香りのする何かは、自身の意志と関係なく食道まで押し込まれ、飲み込まざるをえない。
嫌がる理由はない。 きっと三乙して病院に居るんだろう。
などと考えていたら、獣臭さまで漂ってくる。
アイルーかメラルーか。 どっちかだろうけど、今は詮索する気になれない。

そんな自身を現実に引き戻すかのようにして、熱い棒のようなものが身体に乗せられ、前後に揺れて自分の体を使ってナニをしてる感覚がする。

「な、にし ……ひゃぁっ!」
瞼を無理やり開け、抗議しようとした時、目の前が真っ白に染まった。
そのせいもあってか、視界がグチャグチャになった上にツンと鼻に来る臭いがする。
少しだが飲んでしまったような。……考えない事にして、ネバネバする液体を拭い、目の前の相手を見たとき、絶句した。


ふさふさの黒い毛皮。
鋭い眼光。
特徴的な刃翼。


三乙していたのかと思っていたそれは間違いで、気絶させられて巣に拉致されたのが正しいようだ。

「……ウソ、でしょ ナル っぁあっ!」

紡ぐ言葉はインナー姿の自分を愛撫するかのような舌使いによって遮られる。
ここで思考が遠くに跳んでいって、とある定型文が浮かんだ。

あ…ありのまま今起こった事を話すぜ!
「俺は三乙したと思って油断していたら竜の精液をぶっかけられていた」

な・・・何を言ってるかわからねーと思うが俺も何をされたのかわからなかった・・・
頭がどうにかなりそうだった・・・ただ先走りだとか、愛液だとか、そんなチャチなもんじゃ断じてねぇ
もっと恐ろしい体液の奔流を味わったぜ……


……じゃなくて!
どうして自分でオナニーをしてぶっかけたのか。
それは、臭いつけと言うか何というか。
コイツの所有物にされてしまったということである。

「ざけん、っ、 ころしてやる!!」

そう叫んだ俺を見ることもなく、ナルガクルガは俺を仰向けに転がしてお腹に再びその巨大な生殖器をあてがい、腰を振り始める。
熱い。 爪を立ててやったが、何やら歓喜に震えてるのか一層激しく腰を振る。
今となっては遅すぎるのだろうが、その巨大な生殖器は俺の身長の三分の一くらいある。
参考までに俺の身長は180cmくらいだと言っておこう。
そんなことはともかく、すでにかかっている精液が動きをなめらかにし、目の前で動くナニが歓喜に震えているが、俺は嫌悪感と二度目の射精への恐怖でいっぱいだった。
この俺を使った自慰が終わると、用済みとなって食べられてしまうのっはないか、と。

そんな俺を余所に、雄叫びを上げたナルガクルガのナニから大量の精液が迸る。
浴びるというレベルではなく、叩きつけられると言った方が正しいかもしれない。
61ほんのり苦い迅竜さん:2010/06/17(木) 19:39:52 ID:Pv+n+ueZ
精液溜まりが自身の真下に出来、その上で唖然としている俺。
汚いとかじゃない。
ただ、汚された。
二度めともなれば、最早偶然ではないと言い切れる。
コイツは、このナルガクルガは、俺を使っているだけだ。
無論、性的な意味でだが。

「ゆるさねぇ、ゆるさねーからな!」

敗者。弱肉。
その2つで括られた自分が情けなく感じる。
それでも何とか抵抗しようと腕を振るうが、先程までとは違い勢いがない。

意識に霞がかかってきたような感覚がする。
疲労なのか、防衛機能が働いたのかは定かではないが、兎に角身体を休ませないとこれ以上はマズい。
ただ、それを許さないように、ナルガクルガが俺を俯せにして、腰をガッシリとホールドして、交尾の体勢に入る。

「うそ……やだ、やめっ、いやっ、入らないよぉっ!」

俺の叫びを知ってか知らずか、ナルガクルガは俺の孔を探すように生殖器を動かし、ついに下半身にある女性器の位置を探り当てると、既にビチョビチョなインナーをずらしながら、一気にその巨大な生殖器と、一体化した。


微かな痛みが混じるが、既に中も外も快感に染まっているのか、ナルガクルガが腰を振るその度に、俺は…いや、私は雌ナルガのような嬌声を上げることしか出来ない。
何時もとは違い、初めての性交。
その相手がモンスターともあれば、屈辱であったり、怒りや悲しみは覚えるが、今はそれどころではない。
デカくて、激しくて、女としての防衛機能か、快感を感じることで痛みを忘れようとしている。
いや、本来ならばこんなお腹の形が変形する程大きな生殖器が入って、激痛に襲われない筈はない。
多分ではあるが、最初に食べさせられた何かが、感覚を麻痺させているのか、むしろそう考えないと他に効果があるとは考えたくない。
結果的に処女喪失になってしまったのに気付いてはいたが、最早このナルガクルガに汚されたと思ったときから覚悟はしていた。
そして、再びナルガクルガは雄叫びを上げる。

第三の射精は、肉棒が埋まり尽くす程までに突き入れられた場所で始まった。
お腹の中で暴れる肉棒が、更なる快感をもたらし、溢れ迸る精液は直ぐに膣内と子宮を満たし、結合部から噴き出すように溢れていった。
樹海の大木に出来た内部の空洞、そこで行われた行為。
何故自分を選んだのかは分からないが、ただ性欲の為だけに襲ったのかもしれない。






――あの出来事から、数日。
失ったモノは大きい。
お金だとか、後に気付いたが防具(バラバラに砕かれていて、修繕が出来ないと言われた)だとか、処女だとか。
結果としてクエストは失敗に終わったものの、ナルガクルガが私に気を取られていた間に新たな討伐隊が派遣され、討伐に成功したらしい。

そう言う意味では私も近隣の村人さん方から感謝はされた。
最も、心境は複雑な気分で、終始苦笑いだったのは言うまでもないだろうが。
何だかまた、似たような事がありそうな気がしてならない。
ただ、今は身体に残る獣臭さを早く落としたいと思っていた。
62ほんのり苦い迅竜さん:2010/06/17(木) 19:43:37 ID:Pv+n+ueZ
以上。最後まで読んでくれた方ありがとうございます

 一人称が安定しないのはこのハンターの頭がおかしいんじゃなくて男勝りな方なんです
でも女性として扱われたり、精神的に弱ってきたら段々女っぽくなってっちゃうよーっていう。
多分男として確実な表記はしてない。ので許してくだしあ
63名無しさん@ピンキー:2010/06/17(木) 23:25:34 ID:2+kD9nAU
乙!
64名無しさん@ピンキー:2010/06/18(金) 14:26:36 ID:AxW/Noek
>>62
おつー!
65店主の話 0/5:2010/06/19(土) 23:15:58 ID:NbOzTzMl
異種交流系、エロなしです。
66店主の話 1/5:2010/06/19(土) 23:16:26 ID:NbOzTzMl
 シュレイド地方からヒンメルン山脈を越えた東の地、切り立った山間にドンドルマの街は築かれている。
 朝の陽射しに鈍く輝くこの街の門を、1人のハンターが潜り抜けた。
 背の高い建物が立ち並び、ハンターのみならず多種多様な人々が行き交う街並みを物珍しげに眺める彼は、
雪深い辺境の村出身であった。

 故郷の村とはまったく違う都会の雰囲気に、このハンターは少しのたじろぎを覚えていた。激化する
モンスターの恐怖から村を守り抜き、凶悪なモンスターたちに囲まれようとも眉ひとつ動かさない村の英雄が、だ。
 遠方の地への使いついでに、話のタネにと噂に聞くドンドルマの街へ寄ってみたのだが、まさかこれほどの
ものだとは。

 田舎者の常、きょろきょろと落ち着きなく周囲を見回す彼の目に止まったのは、こじんまりとした酒場の
看板だった。
 小洒落た看板が並ぶ中、どっしりと分厚い木で作られたそれには、番いの火竜を思わせる美しい模様が描かれて
いた……故郷の無骨な酒場を思わせるそれを目で確認した時には、彼はすでに酒場のドアを押し開いていた
のである。

「ああ、いらっしゃい!」

 威勢の良い声で出迎えてくれたのは、無精髭を生やした大柄な男で、目の前のカウンターへ座るよう
ハンターを愛想良く促す。
 店には彼以外に人気はなく、看板と同じくどっしりとした造りの椅子は、カウンターのもの以外すべて
テーブルの上へあげられたままだった。
 準備中の看板を見落としていたかもしれないことに気が付き、ハンターはすまなさそうに詫びて店を出ようと
したが、店主は豪快に笑うと、カウンターへ彼を招いた。

「昨日からウェイトレスが風邪でよ、俺が看板を出し忘れてたんだ。すまないな、簡単なものなら出せるが……」

 と、言って彼は苦笑した。ハンターはその笑顔にふと、村の酒場のような居心地の良さを覚え、小さく笑い
ながら街のちょっとした名物だと聞いていたドリンクを頼んだ。
 ほどなくして出てきた、汗をかいたグラスからまずは豪快に一口。口の中で少しだけ酸味の利いた味が広がり、
埃っぽい街の空気に晒された喉を潤す……とても美味い、と店主に告げると、このドリンクは店によって少しずつ
味が違うのだと嬉しげに説明してくれた。

「兄ちゃん、この街には来たばかりかい」

 店主の言葉に、ハンターはやや驚いた。これほど大きな街だ、余所者が誰かなど分かりはしないだろう。
しかし、店主は例の豪快な笑い声をあげ、

「雰囲気がな、違うんだよ。この街に馴染んだ奴らと、新入りではな」

 なるほど、そういうものかと素直に感心したハンターはドリンクをもう一口、そしてふと、壁に掛かった
赤と緑の鱗を目に留めた……手入れが行き届いた店内で、埃一つなく小奇麗に飾られてはいたものの、それでも
多少は古びれており、随分古いもののように見える。
 ハンターの性か、思わずそれをじっと見つめるハンターのグラスにお代りを注ぎ、店主は彼の視線の先を
目で追った。

「……なんの鱗か、分かるかい?」

 色と質感からして、リオレウスとリオレイアに違いない。それも、鱗の大きさからして、比較的若い個体だ。
形の特徴からして、生息地域は森丘だろうか……その推測を告げると、店主はひゅう、と口笛を吹いて拍手をする。

「種類はともかく、鱗だけで年齢や生息地まで分かっちまうのかい! あんた、若いのに凄腕だねえ」
67店主の話 2/5:2010/06/19(土) 23:16:57 ID:NbOzTzMl
 村を頻繁に出入りしていた王立古生物書士隊の1人を案内しているうちに、自然と覚えたのだ。
 そう説明するハンターの目に映る、感嘆の溜め息を吐きながらリオレウスとリオレイアの鱗を眺める店主の
姿は、どこか物悲しげに見えた……昔を思い出しているのだろうか、遠い目をする店主へ、ハンターは尋ねずには
いられなかった。

「――そうだなあ、俺も元はハンターでねえ……あんたの足元にも及ばない程度の腕前だろうが、それでも
リオレウスとリオレイアを討伐するくらいの、ちょっとした自信はあったさ」

 誇れる過去を話しているにもかかわらず、後悔の滲むその声にハンターは、もし彼が良ければ、あの鱗の話を
聞きたいと告げた。
 店主は小さく頷き、そして語り始めた。





 昔々、まだあんたが産まれてもいない頃、俺がガキだった頃の話さ。
 俺の親父はそこそこ腕の良いハンターで、ある日面白い土産があると言って、大きな包みを抱えて帰ってきた。
 丸みを帯びた包みの中から出てきたのはなんと飛竜の卵だったが、それにしちゃ小振りで、子供の俺でも
なんとか持てるくらいの大きさだった。

 なんでも、ほかの卵とは違って巣の隅に追いやられるように置かれていたため、中身はすでに腐っているのかも
しれないとのことで、ギルドが引き取るのを渋ったそうだ。その結果、面白半分に親父が持ち帰ったと、そういう
わけらしい。
 あの業突く張りの脳なしギルドハンターめ、と冗談と本気半々で毒づく親父を、お袋が怖い顔でたしなめて
いたのをよく覚えている。

 飛竜の卵はそこら辺の卵とはまったく違った。大きさも、質感も。分厚い殻に覆われたそれは、とてもじゃ
ないが中身が腐っているようには思えず、俺は親父に散々粘って手に入れた卵を部屋の窓辺へそっと置いた。昼は
日光に、夜は月光に照らされ、神秘的にほの輝く飛竜の卵を眺めては、中から凶暴なモンスターが飛び出して
くるんじゃないかと夢想したもんさ。

 そして、親父は狩りへ出かけ、お袋は朝早くに市場へ買い出しに出かけたある朝、こんこん、とドアをノックする
ような音に、俺は起こされた。
 家にも部屋にも、誰もいない筈だった。俺は用心深く部屋を見まわし、ドアを薄く開けて家の中もそっと確認した。
誰もいない。気のせいかと思ってドアを閉じ、振り返った俺はぎょっとした――飛竜の卵が動いている!!

 慌てふためいた馬鹿な俺は、卵に近づくと、まるでそうすれば飛竜を卵の中に閉じ込めておけるみたいに、卵を
ぎゅっと抱きしめて押さえつけた。腕の中で小刻みに震える卵は、やはり、確かに生きていた。
 ばきっ! そんな音が耳元でしたと思った次の瞬間、卵が俺の腕から飛び出し、床の上で粉々に砕けた。

「あっ!!」

 その時、俺は凶悪なモンスターが産まれることに心底怯えていたくせに、卵が割れてしまったことに、ショックを
覚えていた。
 放心したように立ち尽くす俺に、しかし、卵……の殻は、再びかたかたと動き出した。ぎょっとして後退り
すると、1番大きな殻の下から、黄緑色のなにかが見える。
 どんなに怖くとも、子供ってのは好奇心には勝てないもんだ。俺は完全に引けた腰で、それでもそっと卵の殻を
摘まむと、黄緑色の上から除けてやった……そこにいたのはなんと、陸の女王、雌火竜リオレイアの雛だった!!

 話に聞くリオレイアとはまったく違う、きゅう、と高い声で鳴き、よたよたと俺の脚にまとわりつく雛を前に、
俺は心底途方に暮れた……ああ、いったい俺に、どうしろっていうんだ?
 俺はその時、どれくらいの間立ち尽くしていたんだろうか。ふと、太陽が真上に登りつつあることに気が付いた俺は、
リオレイアの雛をたどたどしい手付きで抱え上げ、大振りの鞄の中へ突っ込んだ。着替えている間中、雛は
きゅうきゅうと不安げに鳴いたが、俺が鞄の上からぽんぽんと軽く叩いてやると、すぐ大人しくなった……再び鳴き
だすのも早かったが。

「いいか、大人しくしてるんだぞ」
68店主の話 3/5:2010/06/19(土) 23:17:40 ID:NbOzTzMl
 言葉なんて理解できないだろうに、俺はリオレイアにそう呟いて、一目散に家を飛び出した。家を出てすぐ
突き当たりの角を曲がる瞬間、目の端に反対側の道から帰ってきたお袋の姿が見えたように思えたが、今はそれどころ
じゃなかった。
 親父はハンターで、お袋はハンターの妻だ。このリオレイアは俺が守らなきゃならない。俺は子供っぽい正義感と
義務感に駆られていた。

 村を出てちょっと入った森の中に、俺だけの秘密基地がある。大きな木の洞で、小さなリオレイアの雛くらいなら、
簡単に隠せそうだ。俺は鞄の中へ手を突っ込みかけ、噛まれないか少し不安で一瞬躊躇し、それでも結局手を
突っ込んだ。

 ちくちくとしたリオレイア特有の背毛はまだ柔らかかったが、薄くともきちんと生え揃っていた。成長すれば
ハンターの鋭い剣さえ弾く鱗は、まだ小振りで柔らかく、ほんのわずかに弾力があるように感じる。
 きゅう、と不安げな声が上がり、堅い嘴が手に触れた。ぎょっとして手を引っ込めそうになったが、リオレイアは
すぐに俺だと気が付いたらしい。次に手に触れたのは、生温かく湿った小さな舌だった。

「ほら、良い子だから、大人しくしてろよ。あと、絶対噛むなよ」

 やはり意味は通じないだろうにそう話しかけながら、俺はそっとリオレイアを鞄の中から取り出した。
 ちょん、ちょんと跳ねるように歩き、ふんふんと洞の中を嗅ぎまわる姿はとても愛らしく、このリオレイアを
守らねばならないという使命感をいっそう強くした。

「俺が、守ってやるからな」

 意味も分かっていない癖に、リオレイアはきゅう、と返事をするように鳴いた。
 その日から俺は頻繁に森へ足を運んだ。餌が心配だったが、最初は柔らかく煮た肉を、やがて柔らかめの生肉、
と少しずつ与えてみたところ、どうにか上手くいったようで、リオレイアは日に日に大きく成長していった。
 小型犬程度だったサイズは今やちょっとした大型犬くらいで、俺が帰ろうとすると服を引っ張っては困らせた。
まだ小さいとはいえ、さすがに飛竜。力はとても強い。

 何時の間にかなくなっていた飛竜の卵について、親父もお袋もなにも言わなかった。
 幼心にも、何時までもリオレイアを隠し通せるとは思っていなかったが、それでも俺は踏ん切りが付かずにいた。
俺はあのリオレイアが大好きで、心底愛おしかった。

 そしてある雨の日、仕事から帰ってきた親父の顔は酷く疲れていて、俺とお袋を驚かせた。後々になって、狩りの
最中に仲間を1人亡くしたことを聞いた。酷い最後だったらしい。
 雨はそれから3日間振り続け、親父は仕事に行けず、俺もリオレイアのところへ行けず、時間を持て余していた。
キッチンでぼんやりと果物を齧る俺に向かって、親父はぽつりと呟いた。

「……お前、ハンターになるつもりなんだってな」

 親父に言った記憶はなかったが、お袋が話したのだろう。特に秘密にするつもりでもなかった俺は、あっさりと
頷く。

「……飛竜は元気か?」

 俺はびくりと飛び上がらんばかりに驚いて、親父を見た。親父の顔は怒っているようにも、悲しんでいるようにも
見えず、俺はどう答えて良いのか迷ってしまった。
 親父は、そしておそらくはお袋も、知っていたのだ。あのリオレイアのことを。

「飛竜は人に懐かない。もうしばらくすりゃ、お前にも牙を剥くだろう」
「そんなこと、」
「俺は、お前が知らない間にそいつを処分することだけは、したくないと思っている……分かるか?」

 お前の手で殺すんだ。
 親父は言ったわけじゃないのに、俺の頭にははっきりとそう響いた。俺が、あのリオレイアを、俺の手で。

「ハンターってのは、生きていくってのは、こういうことだ」
69店主の話 4/5:2010/06/19(土) 23:18:09 ID:NbOzTzMl
 静かにそう呟いた親父の横顔を眺め、俺はふと、親父の友達を殺したのが、リオレイアでないことを願った。
 その翌日の早朝、いまだぱらぱらと小雨が降る中を、俺はゆっくりと歩いていった。手には親父の片手剣がある。
 数日振りの再会に、リオレイアはぴょんぴょんと飛び跳ねながら木の洞から飛び出てくると、俺の腹に尖った
頭を甘えたように擦り付けてきた。その頭を撫でながら、俺は手の中の片手剣の重みをぼんやり感じていた。

 リオレイアは頭の肉質がもっとも柔らかい。俺はゆっくりと片手剣を持ち上げた。リオレイアは俺がなにを
するつもりなのか、興味深くじっと見つめている。
 俺は、片手剣を振り下ろした。

 ぎゃッ!! と鋭い悲鳴が上がり、リオレイアは勢いよく俺の傍から飛び退いた。俺は、リオレイアを殺せ
なかった。迷いに迷った刃はリオレイアの首の鱗を浅く掠めただけで、それでも多少は痛かったのか、リオレイアは
俺に対して初めて低く威嚇的な鳴き声を上げた。
 リオレイアは怒っている。俺に対して。それが堪らなく悲しく、俺はやけくそにそう叫ぶと、わあっとその場に
突っ伏して泣きだした。

「行っちまえ!! 出ていけ、2度と俺の前に姿を見せるな!!」

 地面に額を擦りつけたままの俺の耳には、自分の荒い呼吸しか聞こえず、辺りはとても静かだった。もう
リオレイアはいなくなってしまったのだろうか。
 自分から彼女を裏切ったくせに、未練がましく顔を上げた俺の目の前には――俺と同じくして途方に暮れ、立ち
尽くすリオレイアの姿があった。俺とリオレイアの視線がぶつかり合う。
 彼女の目は俺にこう問いかけていた……何故? と。

「……ごめんな」

 涙で濡れた手を伸ばすと、リオレイアは1歩後退り、そしてためらいながらそっと鼻っ面を押しつけてきた。俺は
立ち上がり、リオレイアの頭をぎゅっと抱え込むようにして抱きしめ、彼女に囁いた。

「…………お前と、離れなきゃいけないんだ」

 言葉は通じていなかっただろう。だが、確かにリオレイアは俺の言った意味を理解していた。
 リオレイアはまるで産まれたばかりの雛みたいな声できゅう、と小さく鳴くと、森の奥へと静かに去っていった。
それきり、リオレイアは戻ってこず、俺はまた空っぽの木の洞の前で泣いた。もう顔を上げても、彼女の姿は
どこにもなかった。
 その日夜遅くに帰ってきた俺が差し出した、小奇麗なままの片手剣を見ても、親父はなにも言わず、その片手剣は
くれてやる、と言ってくれた。

 それから月日は流れ、俺はちょっとした腕利きハンターと言われる程度には成長していた。
 リオレイアを狩ることもあったが、昔は若かったなあなどと思うことはあっても、狩ることへのためらいは
もはやない。その日も丁度、俺はリオレウスとリオレイアの番いを狩りに、森丘へとやってきていた。

 巣の入り口近くでリオレウスと鉢合わせした時は少しだけ慌てたが、なんとか押し戻し、巣の中で討伐に成功する。
死しても卵を守るかのように倒れ伏したリオレウスの身体の影から覗く卵に気が付き、昔の思い出を薄ぼんやりと
思いだしたが、やはり罪悪感は湧いてこなかった。ハンターってのは、そんなもんだ。

 さて、番いのリオレイアでも探しに行くかと思った俺の耳に、突然の鋭い咆哮。そして、真上からの強烈な
炎ブレス! リオレイアだ!
 俺は弾かれたようにリオレイアと距離を取ると、得物をしっかりと握り締めた。緊張感と高揚感が俺を支配する。
リオレイアの咆哮が巣を揺るがした。

 勝負はすぐについた。勿論、俺の圧勝だった。リオレイアなんてすでに何十匹も仕留めたことがある。歳若い
リオレイア相手に、今更苦労するまでもない。
 いまだ息のある雌火竜を楽にしてやろうと近づいた俺は、ふと、先程の戦いで出来たものではない、リオレイアの
古傷に気が付いた……気が付いてしまった。

「――お前、」

 自分の声が震えているのを感じた。
 首についたその古傷は。ああ、待ってくれ、そんな筈あるか。そんな、そんな馬鹿馬鹿しい、嘘だ!!
 俺と、倒れ伏したリオレイアの視線がぶつかり合った……あの時のように。
70店主の話 5/5:2010/06/19(土) 23:18:45 ID:NbOzTzMl
 何故?
 言葉もなく、唇を震わせ、俺はその場に崩れ落ちた。

 謝ることさえできなかった。足元には彼女と、彼女の夫の血に濡れた大剣が転がっている。ああ、おい、待てよ、
こんな三文芝居みたいなことが、あってたまるか。大きくなったんだな、旦那と、子供まで作って。なんでこんな
人里近くに降りてきちまったんだ。なんで俺に依頼がきたんだ。なんで俺は引き受けちまった。ああ、なんでだよ、
どうしてだよ、畜生!

 そうしている間にも、リオレイアの目はどんどんと曇り、虚ろになっていく。今更ながらこの巣の雰囲気が、かつての
木の洞に似ていることに気が付き、俺は愕然とした。
 俺が彼女にしてやれることはなにもなかった。最後に彼女は雛の頃みたいな小さな鳴き声を上げて、こと切れた。
 彼女と彼女の夫へ跪くようにうずくまり、地面に額を擦りつけて、俺は咽び泣いた。

 親父、親父は言っていたような。ハンターってのは、生きていくってのは、こういうことなんだと。俺はその意味を
初めて理解した。
 頭も顔もぐちゃぐちゃだったが、それでも長年染み付いたハンターの習性に、俺は忠実だった。俺はリオレウスと
リオレイアから鱗を1枚ずつ剥ぎ取り、そしてテントへ戻って報酬を受け取った。
 それからハンター生活に必要だった一切の物を売り払い、このドンドルマの街で酒場を開いた――2枚の鱗を残して。





「……つまり、そういうこった」

 そこまで話し終えると、店主は悪戯っぽくにやっと笑った。まるで、今までの話が冗談であるかのように。
 ハンターは口を開きかけ、再び噤む……寄り添うように飾られた鱗がすべてを物語っているように彼は感じたのだ。
 代金を支払い、店のドアを開いたハンターの背に、店主は「また来いよ!」と言って笑った。ハンターはただ軽く
頷き、店を後にした。
 街を出た先、ぶらぶらと歩きながら、たまには採集クエストでも行ってみるか、と思いながらハンターが見上げた
空は、青く澄み渡っていた。
71名無しさん@ピンキー:2010/06/19(土) 23:23:33 ID:NbOzTzMl
以上です。
72名無しさん@ピンキー:2010/06/20(日) 03:28:52 ID:klAg0iYX
目から汗が…
73名無しさん@ピンキー:2010/06/20(日) 03:38:07 ID:MwBv/OL4
・・・・・・感動をもらいました(冗談抜きで)
74名無しさん@ピンキー:2010/06/20(日) 22:48:06 ID:P4OZs5EE
エロパロスレに堂々とエロ無しですとか書けちゃうところに感動しました
75名無しさん@ピンキー:2010/06/21(月) 00:10:23 ID:nby6BGj5
無理やりエロくした駄作より56億7千万倍良い
76名無しさん@ピンキー:2010/06/21(月) 00:52:50 ID:K1+ke/FF
GJ!!
竜王天鱗マラソンしてたけど、俺もしばらく休業するわ
77リンゴ:2010/06/21(月) 16:15:21 ID:f8D7vc3E
GJです!
今回後編で、終わりになります。
長くなりすぎたので、後編とおまけに分けたいと思います。
78リンゴ:2010/06/21(月) 16:15:52 ID:f8D7vc3E
「・・・待たせたなフルート・・・」

その声が聞こえ、広場の大きな樹木にもたれかかっていた少年は顔を上げた。
メラルーが腰にコンバットナイフを二本掛けて、霧の中からこちらに歩いてくるのが少年の目に入った。
若干の雨に濡れ、メラルーの黒い毛が少し光っている。だが、メラルーの表情には光は見えない。
やはり落ち着いたとはいえ、家族を失ったショックが大きいのだろう。目にはうっすらと涙が浮かんでいる。
そしてメラルーはゆっくりと少年の隣に腰を掛け、俯いた。

沈黙

静寂

閑寂

普段ならモンスター達が出てくるはずの時間帯だが、何故か一匹も見当たらない。
それ故何の音も無い。するのは、ほんのわずかな雨の音。
水溜りに小さな雨粒が降り注ぎ、小さな波紋が水溜りに広がっていく。
・・・そして、消えてゆく。
それは雨が降り続けている限り、無限に続く。いくら波紋を作っても、ただの徒労に過ぎないのだ。
それでも意味もなく雨は降り続ける。
そんな無限連鎖を少年とメラルーは無言で、じっと見つめていた。

「・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
「なあ、フルート」
「・・・なに?」
「・・・・・・いや、なんでもない・・・」
「気になっちゃうじゃんかぁ。言ってよ」
「やっぱいいよ。ニャんでも・・・・・・んんッ、なんでもねぇよ」
「・・・そう言えば前から気になってたんだけど、ルガーって、メラルーなのに何でニャって言おうとしないの?」
「だってお前、そりゃあ・・・かっこがつかねぇからだよ」
「ふ〜ん、変なの」
「なっ、笑うなよ!」
「ふふ、ごめんごめん。だってそんなの別にいいじゃない」
「ばっか!俺にとっちゃあ重大な問題なんだよ!・・・まったく・・・」
「ふふふ、やっといつものルガーに戻った。やっぱり静かなのはルガーには似合わないよ」
「・・・・・・そうか・・・そうだよな」

二人は見つめあい、笑いあった。
79リンゴ:2010/06/21(月) 16:16:21 ID:f8D7vc3E
「あっ、そういえばまた忘れるところだったぜ」

そう言うと、メラルーは自分の持っていたポーチに手を入れ、なにやら手探りを始めた。

「なにルガー?どうしたの?」
「ん〜、おっ、あったあった」

メラルーはポーチの中から何かを取り出し、少年に渡した。
少年は手にそれを取ると、驚きを隠せなかった。それは、いつもメラルーが大切にしていた拳銃。
年代物らしく、古びているが黒く光っているボディがなんとも美しい。

「ル、ルガー・・・これ・・・」
「誕生日プレゼントだよ。あの日渡そうと思ったんだが・・・わかるだろ?」
「でもこの拳銃、ルガーが大切にしてた物じゃない。こんな物もらえないよぉ・・・」
「遠慮するなって。この銃も俺と同じ名前で、ルガーってんだ。ていうか、俺の名前の由来がこれって言った方が正しいニャ」
「へぇ〜、なんでルガーって名前なの?」
「親から聞いた話なんだがな、昔ここらの地域で大規模な宗教戦争があったのは知ってるだろ?」
「うん。それは知ってるけど・・・」
「その戦争に参加してた俺の親父は、その時この武器を使ってたらしいんだ。ちょっと貸して」

メラルーは少年から銃を受け取ると、マガジンを取り出しその中に弾丸を一発詰めた。
そしてガシャッという音をたててマガジンが銃の中へと入っていった。

「見てろよ・・・」

メラルーは目を細めながら、ゆっくりと廃墟の窓へと銃を向けた。

ズガアアアァァァン!!!!

轟音と共に銃が火を噴き、見事に窓ガラスをぶち割った。

「へっ・・・へへっ、どうだ!」

メラルーが得意そうな顔で笑う。少年は驚きのあまりしばらく唖然とし、声も出なかった。

「・・・す・・・すごい・・・すごいよ!!」
「だろ?ボウガンみたいに威力はないが、小型で持ち運びも簡単、いざとなったらすっげー頼りになる奴ニャんだ!」

メラルーは改めて拳銃を見つめた。白い煙が銃口からゆらゆら揺れながら空気中へと消えていく。
80リンゴ 後編:2010/06/21(月) 16:16:49 ID:f8D7vc3E
「俺の親父はな、こいつに幾度も幾度も命を救われたんだとよ。俺の持ってるこのコンバットナイフも、親父が愛用してたらしいんだ。
 それで戦争が終わって、俺が生まれて。名前を決めるときにルガーかコンバット越○のどっちにしようか迷ってたんだってよ。ほら、
 これしまっとけ」

そう言って少年に拳銃を渡した。若干焦げ臭さが残っている。

「その後、俺が七歳ぐらいのときか・・・事故で親が死んじまってから俺はずっと一人で、子供だから定職にも就けなかったし、
 そこら辺の家回って雑用させてくれって頼んで、安い給料もらって、腹の足しにもなんねえもん喰って・・・その繰り返しだったな」
「ルガー・・・」
「・・・・・・親父さん達に拾われた時・・・本当に嬉しかった・・・やっと救われたような・・・そんな感じがして・・・」

メラルーは静かに涙を流した。だが、メラルーの顔には笑みがあった。

「だから、俺がお前のLuger(ルガー)になってやる。もう臆さない。どんな事が起こっても、全力でお前を守ってやる。それが、
 親父さん達を救えなかった罪滅ぼしになれば・・・」

家族を救えなかった自分への憎しみ。それは少年だけが持っているものではなかったようだ。
メラルーは微笑しながらも上唇を噛み締め、握り拳を作っている。その拳には、先程のタイルを殴っていた時にできた傷が痛々しく残っている。
少年はそんなメラルーを抱き寄せてこう言った。

「・・・・・・ありがとう・・・・・・」
81リンゴ 後編:2010/06/21(月) 16:17:15 ID:f8D7vc3E
雨は完全にやみ、霧は消えた。若干周りが明るくなった気がする。
だがやはり雲が太陽を覆い隠している。薄い雲から日光がほんの少し見えるが、太陽は見えない。
雲が邪魔だ。日光は地上に明るい光を届けようとしているのに、雲がそれを遮っている。
ただ、ふよふよと浮かんでいるだけの雲は、懸命に働いている日光の邪魔をしているのだ。
くだらないと思うかもしれないが、私はそんな様子にすこし腹が立った。
私が今いる所は川辺。白いような石が無造作に並べられている川のほとりに私はいる。
川を流れている水は、嵐の後だというのに不思議なほど綺麗で、透き通っている。
その中で、私は気になるものを見つけた。
嵐の影響で倒れ、流されてきたであろう大木に、何やら小さい球状のような物がいくつかついている。
―卵だ。
その卵の中にはもう完成した幼魚がおり、たった今透明な殻を破って、外界へと旅立とうとしている。
そして、出てきた幼魚達は、すぅっと水の流れへ沿って元気良く泳いで行った。
命の誕生。私はそれを目撃したのだ。
私は祖龍と呼ばれ、伝説的な存在とまで呼ばれているが、私自身そんなたいした存在じゃない。
命は他の生き物と同じく一つ。この世に誕生したのなら死ぬ事だってもちろんある。
皆平等なのだ。ただ、形が違うだけ。
アプトノス等の草食獣を見て欲しい。彼らは弱く、力はないが群れるという強さを持っている。
仲間を作り、友人ができ、愛を営むために交尾を・・・いかん。話がずれる所だった。
群れるのは決して弱さではない。群れさえすれば、ランポスやリオレウス等の獰猛な肉食竜にも勝てる。私が実際この目で見た事実だ。
竜は孤独で、群れは作らない。いや、作れないのだ。特に古龍は、生息数が少なく、同種に出会うのが難しい。
なので私は、祖龍として生まれてきた自分に不満を持っていた。常に孤独で、人間に見つかってはハンターと呼ばれる集団に追われる日々。
だが、そんな日々とはもうおさらばだ。

「ごめんね。ずっと待たせちゃって」

その声がした方向を振り返ると、少年が“服”と呼ばれるものを大量に腕に抱えながら歩いてくるのが見えた。
私はその服を運ぶのを手伝おうとするが

「いいよこれぐらい。僕一人でできるから」

と言われやはり断られてしまう。少年は笑いながら言うが、私はうれしくない。役に立ちたいのに勃てないのだ。
家族になり、少年のために尽力すると決めたのに、よく考えると、私はこの少年のために何一つデキた覚えがない。
ヤッた事といえば、嵐から守るため少年を樹木の下に移動させたぐらいだ。
・・・できてるじゃないか。いやいや、そういう問題じゃなくてな。
私は役に勃ちたい。この少年のために何かをヤりたい。あれ、さっきからナニか変・・・・・・
82リンゴ 後編:2010/06/21(月) 16:18:06 ID:f8D7vc3E
「うおあァ!!!」

突如メラルーが叫び、抱えていた服を落としそうになるが、慌てて体勢を立て直した。

「ん?どうしたのルガー?」
「だだだ、だってよ・・・ミラ、ミラルーツが・・・」
「だから言ったじゃん。僕の友達だよ」
「マ、マジだったのかよ・・・いくら何でも・・・まあいいか・・・」

メラルーはため息をついた。

「うん。じゃあ早くこれ洗濯しちゃお。川綺麗で良かったね」
「I hate rivers」
「いいから早く」

少年はメラルーから積み重なった服を受け取り、自分の横に置き服の一つを川の水に浸けた。
服から土ぼこりが出、水は濁っていくがそれはすぐに水の中へと消えてゆく。

その時、影が周りを覆った。それと同時に、なにやら液体がピチョン、ピチョン、と少年の顔にかかる。
また雨かと、少年は思ったが変だということにすぐ気づいた。その影は少年の周りだけを覆っており、液体には何故か粘り気がある。
そして、荒い息の音・・・・・・。

「――うわぁッ!!」

いきなり少年の体が何かに強く押され、山積みになっている服にうつ伏せに倒れこんだ。
何事かと、少年は後ろを振り返った。そこにいたのは、倒れこんでいる自分を見下ろしている祖龍の姿。
じゃれてるのかなと少年は思ったが、何かが違う。遊んで欲しいというような雰囲気じゃない。
メラルーはこの光景を見て、叫んだかと思うと、突然腹を抱えて笑い始めた。

「ギャハハハハハハハハハハ!!!!!グゥエヘヘヘへへ!!!こいつは傑作だァ!!!」
「ル、ルガー!?何がおもしろいの?」
「クフフフ・・・お前、自分のおかれてる状況がわかんねぇのか?」

嘲笑うかのように話すメラルーに、少年は少し腹を立たせた。

「発情だよ、はつじょー。そいつはな、お前に発情してんだよ」
「は、はつじょう?はつじょうって何?」
「ブッ、発情も知らねえのかよ。ククッ、その祖龍はなぁ、お前とセックスしたいって思ってるんだよ」

メラルーは、祖龍の肥大化している生殖器を指差しながら笑った。
確かにこのミラルーツは少年に発情していた。祖龍は息を荒くしながら、うるうるとした目で少年を見つめている。

「セ、セセセセセセセセセックス!!?何で!?僕男だよ!!?」
「俺が知るか。きっとショタコンなんだよそいつ。じゃあ俺はお邪魔らしいから先に帰ってるぜ〜」

そう言うとメラルーは大笑いしながらその場から逃げるように走り去ってしまった。

「あっ、ちょ、待ってよルガー!!」

川辺に残されたのは、発情している祖龍とそれに押し倒された少年だけで、辺りには何もいなくなっていた・・・。
83リンゴ 後編:2010/06/21(月) 16:18:37 ID:f8D7vc3E
「待ってよ、ちょっと落ち着こう。ね・・・?」

少年は私にそう話しかけるが、落ち着けない。私のこの想いはもう止められないのだ。
同性という障害など私にとって関係のないことだ。突然この少年が本当に愛しく思えてたまらなくなってしまった。
恐らく今が繁殖期という季節のためだろう。私の中にある本能が、発情というものをさせたのだ。
いけない事だというのはわかっている。だが、もう我慢ができない。
私は少年の顔にそのグロテスクな生殖器を近づけ、強引に少年の口の中へと押し込んだ。

「―んんっ!!?んんん〜!!!」

少年は必死に抵抗をし、逃れようとするが私はそんな事を許すはずもなく、押しつぶさないように軽く少年に覆いかぶさった。
軽くとは言っても人間、ましてや子供を押さえつけるには十分だった。いくらもがいても逃がさない。

「ん〜!ピチュっ・・・クチュっ、んん・・・」

少年が涙目になり、泣きそうになっている。それもそうだろう。
いきなりセックスを、それも自分と同性の者に強要され、嫌々ながら男の生殖器を咥えさせられているのだから。
私とてこんな事はしたくない。だが本能と少年が咥えている生殖器から伝わってくる快感の所為で、中断することは私には不可能だった。
軽く腰を振ると、少年の口を生殖器が出入りし、さらなる快感を呼び起こす。少年の口から出ている唾液が、ちょうどいい具合に温かく、ねっとりしている。
それらが私のペニスから脳天まで刺激を送り届け、私の中の性欲がどんどん増していく。

「チュパっ・・・はっ・・・ウェっ、ン・・・ヒっ・・・」

とうとう少年が泣き始めてしまった。私は一気に自己嫌悪に染まっていく。
嫌わないでくれ、許してくれ、と心の中で思っているのにもかかわらず私は腰を振り続けていた。
もはやこの行動は私の意志ではもうどうしようもなくなってしまっていた。

「あうっ、うン・・・チュ・・・―!!!ゲボッ、グホッ、ガハッ!!」

とうとう限界が来、少年の口の中へと大量の精液を流し込むと、少年は苦しそうに何度も咳き込んだ。
若干飲んでしまったようで、少年の口の中から白い液体がドバッと漏れ出す。
私は精液まみれになってしまった少年の口からゆっくりペニスを引き抜いた。

「ケホっケホッ、・・・・・・何・・・これ・・・おしっこじゃないみたいだけど・・・」

少年が、自分に大量にかかった液体を見て呟いた。
この発言から考えると、この少年はセックスも、オナニーも未経験のようだ。
性の知識もなく、普通の人間関係や勉学を大切に毎日を過ごしてきたのだろう。
あったにしても、それは微々たる物で、実際に性体験してみようとは思ってもいなかったという感じだ。
溜まっていた性欲と精子を吐き出し、自分の中の性欲は完全に消えうせた。残ったのは、自己嫌悪に染まっている己の心だけだった。


なんということを私はしてしまったのだ!こんな幼い子を、自分の性欲を満たす為の道具にしてしまうなど!
私は少年から後退るように遠ざかった。普段の冷静な私なら、そこら辺の草や泥を使いオナニーし、性欲を打ち消すことを考えただろう。
それなのに私は相手のことを一切考えず少年を性の道具にしてしまい、吐精してしまった。
いまさら後悔してももう遅い。覆水盆に返らず、だ。もう取り返しがつかない。
どうしたら良いか、どうしたら許しを乞うことができるか、今の私にはわからない。
私は苦悩した。考え、苦しんだ。もう、どうしようもないのだ・・・・・・。
84リンゴ 後編:2010/06/21(月) 16:19:43 ID:f8D7vc3E
「・・・・・・ぁ・・・はぁ・・・」

私は完全に嫌われたという憂鬱感に浸り、少年から顔を背けていたのだが、その声がし、少年の様子がなにやらおかしい事に気がついた。
少年は、体育座りをしながら恥ずかしげに顔を赤くし、うつむきもじもじしている。
どうかしたのかと、私は少年に近づこうとしたが、やめた。少年から《来るな!!》という言葉が出てくる事を恐れていたから・・・。
だがその少年の様子はいつまでも続いた。
どうしたのだろう。さすがに心配になってきた。
何時までも躊躇しているわけにもいかない。この子の家族になると決めたのだろう。できる限りこの子に尽くすんだ。勇気を出せ。
私は怯えながらもゆっくりと少年に近づいていった。

『!』

私は気づいた。この少年も、先ほどの私と同じく股間の生殖器を勃起させ、発情していることに。
下半身に衣服を着けていてもすぐにわかる。衣服の一部分だけが不自然に盛り上がっているのだから。

(・・・私の所為だ・・・私がセックスを強要した所為でこんな事に・・・)

おそらくこの少年は、性欲の処理の方法を知らないだろう。
こんな事になってしまったのは、私の責任で、私にはこの子を苦しみから解放する義務がある。
それが、彼の役に立つことができる一つの方法ならば、私は迷わない。
もう嫌われてもいい。一時でも、この子の役に立てるのならば・・・。
85リンゴ:2010/06/21(月) 16:35:10 ID:f8D7vc3E
私は覚悟を決め、少年の衣服を咥えてそのまま軽く引っ張った。衣服を脱げというジェスチャーのつもりだ。

「え?・・・脱ぐの・・・?」

よかった。うまく伝わったようだ。
少年は、私のほうへ背を向けたまま恥ずかしそうに服を脱ぎ始めた。真っ白い綺麗な肌が次々とあらわになっていく。
この少年も、これから私が何をするかは薄々感づいているはずだ。だが、彼は嫌な顔一つせず、淡々と衣服を脱いでいく。
そして、全て脱いでしまった少年は振り返り、私の顔を上目遣いにそのかわいらしい表情でのぞき込んだ。

「・・・これから・・・どうするの・・・?」

困り顔の少年も愛嬌があり、とてもかわいらしい。その少年の下半身には、やはり勃起している生殖器がある。
発情してても、やはり私のと比べて小さいようだ。・・・・・・私は何を言ってるんだ・・・。
私は再度、辺りに散らばってしまった服の中で一番厚い物に、ゆっくり少年を押し倒した。

「また・・・さっきのやるの・・・?」

少し怯えた目で心配そうに少年が聞いてくる。やはりさっきのフェラチオは、この子にとって苦痛以外の何物でもなかった様だ。
私は歯を食いしばった。自分だけ満足し、今の今まで少年には何もしてあげようと思っていなかった自分に殺意が芽生えたのだ。
だが、いつまでも悔やんでいても仕方がない。今は今で、できる事をするのだ。
私は、少年の生殖器に顔を近づけ、舌を出して丁寧に舐め始めた。少年がそれと同時に嬌声を上げる。

「あぅっ、ぅぅ・・・だめだよ・・・そんな所舐めたら・・・あァ・・・」

前にも増してさらに少年の顔が赤く染まっていく。そんな少年の様子に私も興奮が高まってくるが、必死に抑える。
また私が興奮してしまったら、さっきのように無理やりこの子を犯してしまうかもしれない。
先程とは違い、彼は今は全裸だ。強引にすれば、ホモセックスをするのも可能なわけだ。
自分で言うのもなんだが、私のペニスはかなりでかい。もしこの少年に挿れてしまえば、この子には激痛が伴うだろう。
そんな事は絶対にさけたい。もう、この子が苦しんでいる所は見たくない・・・。

「ぅうん・・・はぁ・・・ん、ぁ・・・」

私は口の中に少年の生殖器を含み、舌を使って快感を与え続ける。少年の味が私に伝わってくる。
その味は甘くてクリーミィで、こんな素晴らしいペニスをもらえる私は、きっと特別な存在なのだと感じました。

「あくぁっ・・・さ、先っぽばっかりいじめちゃ・・・だめぇ・・・」

私は少し意地悪したい衝動に駆られ先端部分ばかりいじくると、案の定少年がもっとかわいく見え、一言で言うと萌え。
そして、この時初めて自分がショタコンである事に気がついた。遅えよという声が聞こえたのは無視しよう。
・・・たった今この子から出てきたのは・・・我慢汁?ということは感じてくれているという事か。
私は嬉しくなり、もっと舌の動きを激しくしてやった。私の唾液が少年の生殖器にどんどんかかっていく。
少年の嬌声と、いやらしい水音がそこら中に響く。しばらくそれが続いた。

「かっ、ぁあっん、ひゃッ―あくっ、なっ何かぁっ、出るうぅぅぅ!」

その声が聞こえた直後、少年はイき、私の口の中に何か熱い液体が注がれた・・・。
86リンゴ 後編:2010/06/21(月) 16:35:43 ID:f8D7vc3E
広場。一人大きな樹木にもたれかかってあくびをしているメラルーがいる。
その周りでは、つぶらな瞳のケルビと、赤い甲殻のリオレウスの子供がプラスチックでできた白いボールで仲良く楽しげに遊んでいた。

「ふわぁア・・・・・・今頃フルートの奴、ミラルーツに犯されてんだろうなぁ。まぁ性教育になるからいいか」

独り言を言うと、メラルーは肘を地面につけ、ごろんと横になった。
その時、メラルーはあの少年と、ミラルーツが大通りからゆっくりとした足取りで歩いてくるのが見えた。
そしてメラルーはニヤニヤしながら少年に叫んだ。

「お〜い!伝説の龍様にケツ穴ちんこぶち込まれるの気持ちよかったか〜?ハハハっ」

すると少年は静かに微笑みながら

「え?僕はそんな事されてないよ?ふふっおかしなルガー」

とメラルーに言った。メラルーは驚きを隠せなかったようで、目を大きく見開いた。
少年は嘘はついてないもんね、とメラルーに聞こえないように祖龍に呟くと、ミラルーツは軽く頷いた。

「・・・そろそろ腹減ったなフルート。何かこの辺りに食いもんねぇのか?」
「あ、その籠の中にリンゴまだ余ってると思うから、食べていいよ」
「おっ、ほんとだ。じゃあいただきま―うわっ!!なんだぁ!!?」

メラルーが籠の中からリンゴを掴み、口に運ぼうとした瞬間、何が目の前を通ったかと思うと手に持っていたリンゴが何者かに奪われた。
―コンガだ。前からこのリンゴを欲しがっていたらしい。そして一瞬のうちにリンゴを噛み砕き、大通りへと逃げ去ってしまった。

「ああああぁぁぁ・・・俺のリンゴぉ・・・」
「ルガー大丈夫だよ、まだあるからさ。ほら、丁度三つ残ってるよ」
「・・・うぇ!?・・・これ腐ってんじゃねぇの・・・?」

メラルーが指差した先にあるのは、あの少年と祖龍が出会った日からあったリンゴ。
きちんと保存もされていなかったせいで、表面は黒ずんでしまっている。

「ん〜、じゃあこれ僕が食べるよ。いや、食べさせて」
「え〜・・・お前それ大丈夫なのか・・・?腹壊すぞ?」
「大丈夫大丈夫、ほら、じゃあ皆で食べよう」

本当に大丈夫なのかよとメラルーは思ったが、少年はそんなことお構いなしにその古びたリンゴに手を伸ばした。
ミラルーツもリンゴの一つを咥えて、メラルーもリンゴの一つに手を伸ばした。
少年は自分が取ったリンゴを見て、やっぱり僕に似てるなと呟いた。

「じゃあ」『いただきま〜す!!』

メラルーと、少年と、ミラルーツはリンゴに一気に食いついた。その時、空にはいっぱいの青空が広がっていた・・・・・・。
87リンゴ おまけ:2010/06/21(月) 16:36:35 ID:f8D7vc3E
「旦那さん、廃都まであとどれくらいなのかニャ?」
「そうねえ、地図によるとあと数キロ先なんじゃないかな」

私は地図を取り出して、隣にいるオトモアイルーのクゥに廃都までの大体の距離を教えた。
するとクゥは残念そうにため息をついた。

「まだそんなに歩くのかニャ・・・疲れちゃうニャ」
「仕方ないよ、送り迎えしてくれる人みんな別の仕事で出払っちゃってんだから」

私は微笑みながらクゥに言った。さらにクゥの顔が力のないものへと変わる。


私はハンター。ベテラン、とまではいかないけれど、この仕事に就いてから結構経つ。
なった経緯は、まあなんとなくって奴かな?友達に誘われてなんとなくって感じ。
くだらない理由だけど、ハンター生活は結構楽しい事に気がついて、恐ろしいモンスター達からみんなを守った瞬間、私はものすごい達成感を感じるようになっていた。
モンスター達は凶暴で、恐ろしくて、人間にとって有害以外の何物でもないって聞いている。
そんなものからみんなを守ること、それが生きがいとなっているんだ。

私達が今向かっているのは“廃都”と呼ばれているフィールド。
最近までそこはフィールドとして認知されていなかったのだが、その中にモンスターが住み着いているというのが観測気球から報告されたのだ。
今から八年前にそれは起こったらしい。突如人々が平和に暮らしていた街にミラボレアス出現、皆殺しにしたんだとか。
そこでギルドは生態系を崩す恐れがあるとして、その廃都にハンターを送り込んだ。
だが、そのハンターは廃都に行ったきり、帰ってこなくなった。行方不明なのだ。
その他にもハンターを送ったが、前に同じ。見事に全員行方不明になってしまったのだ。
何かあると感じたギルドは、私に偵察命令を出して、何が起こってるのか探って来いとの事。まあ廃都には前から行ってみたかったし、私自身も嬉しかった。
今回のクエストは狩猟ではないので、比較的軽いランポス一式に身を包み、腰にはニンジャソードをかけている。
クゥは私の所に入ってきたばっかりのアイルー。今回が初めてのクエストだ。
それほど難しいクエストでもないだろうと思って、クゥをオトモとしてつれてきた。他のみんなは非常に残念がっていたけど。

「あっ、あれじゃない?」

しばらく歩き、見えたのは非常に大きな街だった。だが、聞いた通りそこら中に黒龍襲来の爪あとが残っている。
どうやらあれが廃都のようだ。私は初めて踏み込むそのフィールドに一気にわくわく感がわいてきた。

「よ、よし!クゥ、準備はいい?」
「りょ、了解ニャ!」

私たちはその廃都にむかって走り出した。
88リンゴ おまけ:2010/06/21(月) 16:39:02 ID:f8D7vc3E
「な・・・・・・なによこれ・・・・・・ありえない・・・」

廃都に着いた矢先に私達の目にとんでもない光景が飛び込んできた。ハンター生活の中で、いや、人生の中でこれほど驚いたことはない。
なんと一匹のケルビが数匹のランポスに囲まれ、クゥクゥと心地よさそうに眠っているのだ。
人間の住居だったであろう一軒家の中で、双方気持ちよさそうに寝ているのが崩れている壁から見える。
それはまだいい方だ。もっと私を驚かせた事がある。
とにかくここのモンスターたちに見つかったらまずいので、特殊ワイヤーを使って二階建ての住居の屋根に登ったとき、それは起こっていた。
ゲネポスとガブラスの異種交配。ゲネポスが雄らしく、ガブラスの上に乗っかって気持ちよさそうに何度も何度も腰を振っている。
私は即座に屋根に大きく聳え立っている煙突にクゥを抱きかかえ、隠れた。・・・なんだあれは・・・。
「旦那さん、あれ何してるのかニャ?」
聞かないでほしかった。私は嘘をつくのが嫌いなので、率直に答えた。
「こうび?こうびって何ニャ?」
ヤメロー! コタエタクナーイ!もう本当にストレートに言った。
「ニャっ!?硬くなったチンチンをおまんこにぶっs―」
私は即刻クゥの口を手で塞いだ。見つかったら元も子もないのだ。
指を立てて静かにしろ、とクゥに伝える。クゥは二、三回頷いた。
ゲネポス達にはぎりぎり気付かれなかった様で、少し動きが止まったが、すぐに再度腰振りを開始した。
とりあえずここにいたら気づかれる可能性があると思い、私達は屋根に空いた大きな穴から中に何もいないことを確認し、急いで家の部屋のへと侵入する。
ここは・・・書斎?本棚がいくつもあり、それらは全て倒れてしまっていた。
壁にもいくらかひびが入っており、このままでは少し危険だ。壁が崩れ、その下敷きになるなんてことは絶対に嫌だ。
急いで出たほうがよさそうだ。だが、外にはたくさんモンスターがいる。見つかったら恐らく戦闘になってしまうだろう。
今の私の目的は狩猟ではない。ここの情報をひとつでも多く集め、行方不明者を捜索し、帰還すること。それが私の使命だ。
その時、ズシン、ズシンと大きな音と共に地面が揺れる。窓から外を眺めると、私は驚愕した。
グラビモス。それも通常よりもかなりでかい。それが、家々の間を通り抜けてこちらの方向に向かって来ているのだ。
何故こんなところにグラビモスがいるのかなどという疑問は浮かばず、これは使えると私は考えた。
私はクゥを抱え、急いで一階へと向かい、玄関口を開けた。グラビモスがどんどん近づいてくる。
そして、目の前にグラビモスが来た瞬間、急いでグラビモスの腹部の下に潜り込んだ。
幸いグラビモスには気づかれず、私達はそのままグラビモスの動きにあわせて移動する。この異常にでかいグラビモスの影に隠れれば、見つかる可能性も下がると考えたのだ。
その読みが的中したのかどうかは不明だが、他のモンスター達は私とクゥをスルーしているようだ。
そして、廃都のエリアを移動していくたびに私は驚くべきものを見せ付けられていく。
捕食・被食の関係にある者同士が、互いに親交を深め、共生している。
それに、クシャルダオラ、ナナ=テスカトリ等の古龍、中には見たことも聞いたこともないような龍もいる。
どうしてこの様な風になったのかは理解できなかったが、一つだけ言える事がある。
ここは異常だ。何かがおかしい。
今すぐここから逃げ去ってしまいたい。だが、私の最終目的は、行方不明になったハンター達の行方を突き止めること。
同僚の命が危ないかもしれないのに、ここで逃げ出してどうすると自分に言い聞かせた。
そして、廃都の中心部らしき場所にグラビモスと私とクゥはたどり着いた。
どうやら広場のようだ。やはり所々黒龍事件の爪あとが残っている。
その時、突如グラビモスが横になろうと体を低くした。まずい!!!
間一髪、私とクゥは緊急回避し、助かった。だが安堵感に浸ることはなかった。
グラビモスが私達に気づいてしまった。グラビモスだけではない。広場にいたモンスター全員が私達の方向を見た。
「あぁ・・・あ・・・」
周りにいたモンスターはグラビモス、リオレイア、ナルガクルガ等の強力な飛竜。とても今の装備では、いや、本気の装備でもこれだけいれば敵うはずもない。
私はハンター生活の終わりと共に人生の終わりも感じた。諦めの境地に立ち、絶望した。
しかし、意外なことにモンスター達はいつまでも私達を襲わず、特に何も気にしないようだった。
飛び掛ってくるかと思ったのだが、なんだか拍子抜けしてしまった。本当に異常だ。一体どうなっているんだろう・・・。
89リンゴ おまけ:2010/06/21(月) 16:41:08 ID:f8D7vc3E
その瞬間、いきなり私の体が重くなった。何かが私の背中に乗ったようでそれと同時に私の喉元に鋭い刃物が二本当てられた。
「動くんじゃねぇぞ。動いたらてめぇの首と胴体はつながってないと思え」
男の声だ。それほど重くないところから、獣人族だろうか。そいつのその恐ろしい発言に、私に恐怖が襲い掛かる。
「!! 旦那さ―」「てめぇも動くな!!この女がどうなってもいいのか!ああん!!?」
クゥは私を助けようと杖を構えようとしたが、私の後ろに乗っかってるそいつの怒鳴り声によって止められた。
「一つ聞く。てめぇらはハンターか?」
そいつが私に聞いてきたので、私は無言で頷いた。そいつの姿は死角に入っており、見ることができない。
「そうか。で、何しに来た?」
「・・・・・・この廃都の偵察と・・・ここで行方不明になったハンター達の捜索と、救出・・・」
「ほう・・・ギルドも危機感を感じてきたってことか・・・思う壺だぜ。ククッ」
そいつが不気味に笑う。私は悟った。
「・・・!て言うことはあんたが・・・!」
「そうだよ。その原因の一つと言ってもいいな。ハハハッ」
「なっ!?あんた私の同僚になにしたのよ!!?」
私が本気で怒鳴ったのにもかかわらず、そいつはまだ笑っている。私はそいつに激しく腹を立たせた。
「ハハハハハ・・・教えてほしいか・・・そいつらは皆ごろ―」「ふざけるのも大概にしたらどうだルガー」
私の後ろの奴の言葉をさえぎって、何か若い男の声がした。
その方向を見ると、私よりちょっと年上って感じの男の人がいた。その人は、結構高そうなネックレスを首にかけ、かっこいいというよりも、かわいいという印象を受ける。
「早く離れろよルガー。その人困ってるだろ」
「ちぇっ、もうちょっとで面白いことになりそうだったのによ」
そして私は解放された。私を拘束していたそいつはやはり獣人族、メラルーだった。片目には黒い眼帯をしている。
「どうも申し訳ありませんでした。とんだご無礼を・・・」
「あ、あんた達は一体何者ニャ・・・?」
クゥがその男の人に聞く。すると彼は言った。
「ハンターを拘引した者です」
その言葉に私達は肝をつぶした。私とクゥは直ちに彼から離れ、武器を構えた。
「大丈夫です。僕達は危害を加えるつもりはありませんから」
そう言っても、簡単に信用するわけにもいかない。私は彼をにらみつけたまま距離をとる。
「安心してください。僕達が拘引した人たちは全員無事です」
微笑みながら彼は言う。嘘をつく理由もないと思い、私は少し安心した。
90リンゴ おまけ:2010/06/21(月) 16:41:36 ID:f8D7vc3E
だが、何か裏があるかもしれない。私は彼に聞いた。
「もしそれが本当なら、なんでハンター達を監禁したの?」
「・・・・・・ここは黒龍が襲来し、廃墟と化した街という事はご存知でしょう?」
「う、うん。知ってるけど・・・」
「・・・・・・・・・僕達二人は・・・黒龍襲来事件の生き残りなんです」
「ニャッ!?ここの住人は全員殺されたんじゃないのかニャ?」
「・・・僕達は運良く生き残ったんです・・・友人も・・・家族も殺され・・・大変苦しい思いをしました・・・」
「・・・・・・まさか生き残ってる人がいたなんて・・・でも・・・それと何の関係が・・・?」
「おっと、少し脱線してしまいましたね・・・この街は見ての通り人間がいなくなった事によって、モンスター達が住むようになってしまいました。
 人間達が残した食料が豊富にあり、弱肉強食、強いものが弱いものを狩るという自然界の法則は消えうせ、皆、平等に、仲良く暮らしていました。
 ですが、もう八年も経過すると、食料が底をついてしまいます。長期にわたってあった保存食も、もうほとんどありません・・・。そうなると、
 秩序は一気に崩壊し、弱肉強食というものが復活し、皆が平等に、平和に暮らせなくなってしまいます・・・。そんなのは、僕には耐えられない・・・」
その人はうつむいて、静かに言った。
「そんな時、ギルドが生態系を壊す恐れがあるとして、ハンターを送り込んだことを知りました。僕は、それを知ったとき、はらわたが煮えくり返りました。
 ここのモンスター達は何か悪いことをしたのか、何か人間にとって不徳になるような事をしたのかと・・・ですが、僕は同時に思いついたんです。
 そうくるのだったら、ギルドの人たちにモンスター達に侘びをしてもらうのも含め、食料を献上してもらうことをね・・・・・・」
「・・・!なるほど・・・それでハンター達を拉致して、人質に・・・・・・」
「お察しの通りです。もう手段は選びません。皆のためなら・・・僕はなんだってやります」
大体わかった。彼が・・・この人がここのモンスター達を想う気持ちは本物だってことは・・・だけど、私にも生活がかかっている。この情報、もって帰らせてもらう・・・!
私は、側にいたクゥを抱きかかえ、振り返って特殊ワイヤーで住居の屋根へと逃げようとした。
だが、突如その瞬間するどい稲妻が落ち、屋根へと伸ばしたワイヤーを焼ききってしまった。
その後、私の目の前に降り立ったのは、輝く白い体毛と、頭を飾る四本の角をもった全ての龍の祖と呼ばれるミラボレアス亜種・ミラルーツ。
私も見るのは初めてだ。私は唖然とし、声も出なかった。その神々しい姿の上半身には、激情時に出てくると聞いた赤い模様と稲妻があった。
「申し訳ありません・・・この街に入ってきた以上、あなたを逃がすわけにはいかないんです」
「こ、この祖龍は・・・・・・」
「僕の友達です」
彼は笑って答えているが、私とクゥは一切笑えなかった。これからどうなるのかという不安が心の中をさまよう。
そして彼の隣にいた独眼のメラルーは彼に話しかけた。
「フルート、じゃあいつもと同じでいいな」
「あぁ。頼む」
その会話が聞こえた直後、メラルーが私の後ろに回りこみ首の後ろに強い衝撃を感じ、私は気を失った・・・・・・。
91リンゴ おまけ:2010/06/21(月) 16:42:37 ID:f8D7vc3E
「よし、フルート。女もアイルーもちゃんとルーツに結んだぜ。いつ飛んでも大丈夫だ」
「うん。じゃあ行こうか。ルーツ、お願いね」
『グオンッ!』
ブォオッ!!!
「・・・・・・」
『・・・・・・・・・・・・』
「・・・フルート・・・この後も、あのモンスター達俺達も含めて・・・皆平等に、幸せに暮らしていけると思うか・・・?」
「・・・ルガー?」
「・・・・・・永遠なんて物はありはしない。ギルドも今回の事が終わった後黙っちゃいないだろう。取引が終わっても人質返さない方が・・・」
『・・・グルルル・・・・・・・・・』
「心配しなくても大丈夫だよ二人とも。人質は返す。きっと、ギルドの人たちも、いつかわかってくれる筈だよ」
「・・・・・・」
「確かに永遠なんてものはない。でも、それは逆に言えばいい事なんじゃないのかな」
『グオ?』
「だって、いい事が永遠じゃないってことは、苦しい事も永遠じゃないってことでしょ?」
「まあ、確かにそうだが・・・・・・」
「永遠に苦しむ事はない。喜びと悲しみ、悲しみと喜び。そういった繰り返しが僕は一番いいと思うんだ。そのおかげで、たくさんのモンスター達に会えたんだ」
『グルウぅ・・・』
「ははっ、もちろん君もだよルーツ」
「撫でられた気持ちよさで力が抜けて落下とかするなよルーツ。クククッ」
『グッ、グオウゥ!!』
「じょっ、冗談だよ!だから俺の乗ってる部分だけ揺らすのやめてくれぇ!いくらベルト結んでるからって怖えよ!!」
「はははははは、やっぱり僕達、昔のままだね」
「ふぅ・・・そうだなぁ・・・ずっとこのまま続けばいいのにな・・・」
「・・・永遠はないよルガー」
「わかってるよ・・・だけど・・・」
グゥ〜
「―ゲッ!」
「プッ、ルガーお腹鳴らしたぁ」
「わっ、笑うんじゃねぇ!ばかやろぉ!」
「ごめんごめん、そろそろご飯にしようか」
「空中飯か。それもいいかもな。で、何持ってるんだ?」
「乾燥リンゴ(ドライフルーツ)」
「リンゴか・・・まぁうまいからいいか」
『グゥ、グオウ』
「はいルーツ。口あけて」
『ハムっ、グル、グオン』
「ふふ、おいしい?」
『グオん!』
「じゃあ俺も食うぜ、ハムっ、やっぱ乾燥してても美味いもんなんだな」
「僕も食べよっと、もぐっ、モグモグ・・・」
「・・・・・・」
『・・・・・・・・・・・・』
「・・・ずっと一緒だよね・・・」
「・・・・・・あぁ。永遠なんて物はないが・・・命終わるまでなら・・・ずっと一緒さ・・・」
『・・・グル・・・』
「・・・・・・二人とも・・・ありがとう・・・・・・」

〜End of Story〜
92リンゴ:2010/06/21(月) 16:43:43 ID:f8D7vc3E
以上です。
矛盾、誤字、脱字があったらすみません。
長くなり申し訳ありませんでした(泣)
93名無しさん@ピンキー:2010/06/22(火) 23:40:48 ID:Dq+wa2wS
乙!
94名無しさん@ピンキー:2010/06/24(木) 19:07:03 ID:IA+upbes
乙乙
共存系の話好きだから面白かった。
しかし過疎ってるなぁ。3rd出たらまた活気づくかな
95名無しさん@ピンキー:2010/06/25(金) 02:35:17 ID:lFgJhNzw
>>94
猫村のことも思い出してあげてください……。
96名無しさん@ピンキー:2010/06/26(土) 09:09:03 ID:7cfA5cmx
ぽかぽかチャチャブー村も出ると妄想している私。

え〜と、今回投稿する話は以下の注意点があります。
1:陵辱(?)シーンがあります。
2:微グロ?
3:オリジナル要素が多すぎる。世界観ぶち壊し。
人間♂とガブラス♀のジャンルです。長くなったので何回かに分けます。
注意点を読んでだめだこいつと思った方はスルーお願いします。
古塔。遥か昔に建造され、大きく聳え立っているその建物。
今ではモンスターが住居として住むようになり、コケが生え、年月の経過によって所々風化してしまっている。
だがどこか美しさが残り、何か魅入られる物がその古塔にはあった。
その芸術品を、俺は遠くからタバコを吸いながら、じっと眺めていた。
そんな時、俺の持っていたトランシーバーに連絡が入った。ノイズ音が混じりながら、俺よりかなり年上の中年ぐらいの野太い男の声が聞こえる。
《ガッ、ザザ―、こちらバレル・・・―ガガ―ハンターを含む人間は古塔内にいない事を確認―ザザザ―直ちに行動に移れ》
「・・・了解した。これより任務を遂行する」
トランシーバーにそう答えると、ブツッという音を立てて通信は切れた。
タバコを捨て、グシャっと地面に押しつぶして火を消した。煙があたりに漂う。
俺はサングラスをかけ、すでに着ている紺のボディアーマーの上に黒の背広を着、赤いネクタイを結んだ。
そして地面に置いていたボウガン程の大きさを持った機関銃を手にした。
「・・・居てくれよ・・・イーグル・・・・・・」
そう呟き、俺はそろそろとした足取りで、古塔に向かって歩き出した。

俺はある組織に属している。恐喝、麻薬の取引、暗殺といった仕事を極秘に引き受けている闇の組織だ。
それら以外にも、それ相応の依頼料さえ払えば、どんな依頼でさえ完璧に遂行する。それがうちの組織のポリシーだ。
依頼人は数多くいるが、誰一人として他人や警察に組織のことを喋ることはない。
なぜなら、しゃべったら最後、命がないからだ。少しでも情報を話した者は消される運命にある。
組織は巨大で、例え喋ったとしても組織が壊滅することはないだろう。
そんな組織での俺のコードネームはチャンバー。もちろん本名ではない。
先程俺と通信を交わしていたバレルというのは俺の上司で、組織のナンバー2と言ったところか。
俺は組織の中では結構上のほうだが、バレルとは声のみでの交流で面識はなく、組織を率いているボスの顔も見たことがなかった。
まあ別に知ろうとも思ってないし、俺は淡々と入って来た依頼をこなすだけ。
時にはある街の長の護衛、またある時には拷問、またまたある時には領地に居座ったモンスター共の殲滅。
俺は仕事には感情を持ち込まないことにし、ただ冷酷に与えられた任務をこなすだけだった。
今回の俺の任務は、古塔に凄まじい破壊力を持ったプラスチック爆弾6つの設置。
これらの爆弾が爆発することがあれば、いくら今まで聳え立ってきた古塔とはいえ、ただではすまない。
依頼は別の組織からのもので資金調達のために、大金を手配し引き渡さなければ古塔を爆破するとハンターギルドに脅迫するつもりらしい。
まあそうなれば大事なフィールドを失うかの瀬戸際に立つ事になるギルドは、さぞ慌てるだろう。
失う事になればかなりの痛手となるはずだし、恐らく拒否する可能性のほうが低いと俺は思う。
もし拒否をしたら本当に爆破してもいいとの事だ。
だが、俺はそれを望んではいない。
先刻も言ったとおり、俺は仕事に感情を持ち込まない事にしているが、今回だけは例外だった。
この古塔の中には、一年ほど前に行方が知れなくなってしまったイーグルが居るかもしれないのだ。
イーグルというのは人間ではなく、俺が青年時代の時から一緒に生活を共にしていた雌のガブラス。
彼女は親友、恋人、俺にとってはそれ以上の存在だった。
毎日を一緒に過ごし、キスをし、ベッドを共にしセックスをする事もあった。
人間の女なんて信用できない。ある女が金を目当てに俺に擦り寄って来て、それに騙されたと知った時、俺は持っていたハンドガンでその女の頭をぶち抜いて殺した。
所詮欲望の塊と俺は人間全てに失望し、それから俺は人間を誰一人として完全に信用しなくなった。
だがイーグルは違った。非合理的な考えを持つ筈もないモンスターが俺に懐き、好きでいてくれている。
つまりイーグルは俺に好意をよせる事を非合理的ではないと判断してくれているのだ。
俺はそんなイーグルをペットではない別なものとして捉え、ずっと綺麗に保っていたこの体を彼女に捧げた・・・。
そんなある日、突然彼女の姿が消えてしまった。散歩に行ったきり、いくら家で待っていても帰ってこない。
変に思った俺は、独自に彼女の捜索を開始したが、何の手がかりも得られず、俺はずっと苦悩し続けた。

それから一年が経ち、組織から一つの依頼が来た。それはあるモンスター密売買の阻止、現場に立ち会った全員の抹殺、そして捕獲されたモンスターの解放というものだった
俺はたった一人でその依頼を遂行する事になったのだが、そんな事は関係なく、不意打ちをして現場に居た全員を機関銃で撃ち殺した。
そして俺は依頼どおりモンスターを解放しようと檻に近づいたその時、俺は目を疑った。
檻の中に居たのはガブラスばかりで、その他のモンスターは一切見当たらない。
他にも檻は三つあったのだが、どの檻を見てもやはりガブラスがぎゅうぎゅうに詰まっているばかり。
普通なら、もっと高価なモンスターを売買することを考えるものだ。これはおかしい。
俺は何かの罠ではないかと思い、組織に問い合わせた。任務に失敗したとて殺されるわけでもないが、失敗は俺自身が許さない。
いつでも完璧に仕事をこなすのが俺の信念だ。任務の失敗は、俺にとって死も同然だった。
だが、組織によると依頼人はそれで問題ないそうで、依頼は達成ということとなった。
しかし俺は何か胸の中で突っかかる物があった。やはりあのガブラス達の事だった。
イーグルの事もあり、このままでは仕事に集中するのもままならないだろう。そこで、俺は組織から許可をもらい、その依頼の主に向かい、会うことにした。
その依頼主はモンスター愛護団体の団長で、高年齢の男性だった。
俺は彼の家に迎えられ、高級そうなソファーに案内された。家の内装もなかなか上等で、綺麗に整頓されている。
その男性によると、前々からモンスター売買の事は知っていたのだが、その売人は銃器を持っており、普通の民衆の愛護団体は指をくわえて見ている事しかできなかった。
警察に知らせ、一時はその現場を差し押さえしたとしても、他の密売人の者に、通報した事を知られては報復される恐れがあった。
そして、完全匿名でどんな依頼でもする事ができる“組織”の事を知り、密売人抹殺と捕らえられているモンスターの解放を依頼したらしい。
「先日は本当に有難う御座いました。あなた方のお陰で、多くのモンスターを救うことができました。本当に感謝しています」
愛護団体の団長は、俺にペコペコした様子で感謝の言葉を述べた。俺は堅苦しいのがあまり好きではないので、彼を制止させた。

「そんなにかしこまらないでください。もっと楽にしていただいて結構ですよ」
「いやいや、恩人の前でそんな事・・・とんでもない事でございます・・・・・・ところで、組織のお方が直々に私などにどんなご用事が?」
「あなたの依頼の件で話があるのです。私が出向いた密売現場にあった檻の中にはガブラスしかおらず、私は罠かと思い問い合わせましたが、
 あなたは檻の中のモンスターがガブラスしか居ない事を知っていたようですね」
「え・・・・・・・・・ええ・・・」

急に男性の挙動が激しくなった。これは何かあると思い、俺は彼に徹底的に詰め寄ることにした。
「どういう事ですか?密売の実態だけを知っていたという事はまだ納得ができますが、檻の中に居るモンスターまでわかっているというのはおかしいですよね」
「そ、それは・・・・・・」
「・・・もしかして、あなたは私が殺した密売人達と、何か関係があったのではないのですか?」

図星のようだ。さらに挙動が激しくなり、男性はおびえたように話し始めた。

「・・・・・・私は・・・・・・奴らに脅されていたんです・・・」
「・・・詳しく聞きましょう」
「実を言うと、私はあの密売人共の仕事仲間でした・・・でも・・・私はモンスター達がそんな風に扱われているのに耐えられませんでした・・・ですが・・・
 密売組織に娘を人質に取られ、ずっとその仕事をせざるを得なかったんです・・・そういう人たちは仕事仲間にはたくさんいました・・・」
「あなたの様な高齢者までそんな事をさせているところから考えると、その密売組織はよほど人員不足だったようですね」
「ええ・・・そんなある日、大事な取引があるということで密売組織の上層部だけが集まり密売買をするという事を知ることができました。
 これを私は千載一遇の機会だと考えたんです。しかし、警察に知らせると、私まで逮捕される恐れがあります。そこで、私はあなた方が
 所属する組織に依頼をしたというわけです」
「私が上層部を抹殺したその結果、人質を取られていたあなた方はモンスターと共に解放され、自由になった・・・」
「そうです。だから、私だけでなく仕事仲間だった人たちは全員あなた方組織に感謝しているんです。もちろん彼らは上層部を殺したあなたの正体はわからないのですがね」
「なるほど・・・ですが、私が本当に聞きたいのはその事ではないのです。なぜもっと高値で取引できるモンスターを密売しようとしなかったのか、
 なぜガブラスだけだったのか、それを聞きに来たんです」

俺がそういうと、彼は安堵したようにため息をつき、微笑した。自己情報を偽った事で、組織が自分を消しに来たわけではないと思い、安心したのだろう。
「密売組織は最近になり、徐々に資金がなくなっていき、仲間に与える金もなくなり始めていました。このままでは破綻すると考えた上層部は、
 無差別に人々を誘拐し、その親族や友人などに無賃労働をさせていました」
その時の俺は、男性の話を黙って聞いていた。
「資金が入ってこなければ、高価で取引できるモンスターを捕獲するための武器も買えず、上層部は困り果てていました。
 その時、上層部はガブラス達が大量に生息している地域に目をつけ、その地域のガブラス達をごっそり捕獲していきました。
 質より量を取ったわけですね。取引は2回に分けられてされる予定だったようです」
俺はその言葉を聞いてはっとした。俺の住んでいる地域にはガブラスが多く生息している地域の一つだ。まさかイーグルがいなくなったのは・・・

「・・・その・・・大量捕獲がされた場所・・・知っていますか・・・?」
「もちろん知ってますよ。ええと、たしか―」

男性はその場所の名前を答え、その瞬間、俺の中ですでに壊滅した密売組織に対する憎悪がすさまじくわいた。
彼が答えた地域は、俺の住んでいる所だった。間違いない。イーグルをさらったのは密売組織の連中だったのだ。
なんということだ・・・もっと早く気づいていれば・・・・・・!!
恐らく、もうイーグルの取引は終わった後だろう。イーグルには俺が彼女のために丹精込めて作った、黒い首輪がつけてある。
だが俺が仕事を達成した時に除いた檻の中にはそれらしきガブラスはいなかった。
俺は自分でも気づかないうちに、激しく歯ぎしりをし、握りこぶしを作っていた。
・・・彼女は・・・イーグルはもう・・・
そんな俺の様子を見て、男性はおびえた表情になり、俺に聞いてきた。

「ど、どうしたのですか・・・?わ、私は何か悪いことでも、いい、言ってしまったのですか?」
「な・・・何でもないです・・・すみません・・・」
「で、でもただ事ではありませんでしたよ・・・何か、お困りの事が・・・?」
「・・・・・・実は・・・」

俺は男性にイーグルの事について話をした。俺は自分が許せない。もっとしっかりしていれば、最愛の彼女を守れたかもしれないのに・・・。
そんな鬱憤を晴らしたかったのかはわからなかったが、とにかく誰かにその事を聞いて欲しかった。

「・・・そうでしたか。さぞ悔しい思いをしていらっしゃるでしょう」
「・・・・・・・・・」
「ですが、もしかしたらあなたのペットのガブラス、無事かもしれませんよ」

俺はうつむいていた顔を上げ、男性の発した言葉に反応した。
密売されたモンスターは、体のあちこちを素材として剥ぎ取られ、生きて帰れるはずなどない。
だが、この男性のこの言葉には何か確かな根拠がありそうだ。嘘をついている顔ではない。

「・・・どういう意味です?」
「事故ですよ。あなたがさっき仰ったペットのガブラスが消息を絶った日時と、モンスターを運ぶ密売組織の馬車が事故を起こした
 日時が一致するんです。その事故で檻の壁が壊れて、中にいたモンスターが全員脱走したそうです。
 その時馬車を引いていた仲間が、なにやら黒い首輪をしていた変なガブラスが逃げ去るのを見たって言ってましたし」
「あ・・・あァ・・・ウっ、ぐ・・・」

俺は涙が止まらなかった。人目もはばからずに俺は泣いた。それが本当に事実かどうかもわからないくせに、涙を流した。
彼女が生きている。無事でいる。そう思うだけで、俺は大きく救われた気がした・・・・・・。
それから数日がたち、組織のもとに一つの依頼が転がった。それが今俺が遂行している古塔の爆弾設置。
男性の話によると、その事故が起こった場所は古塔から数キロと離れていない場所だったそうだ。
ガブラスは、よく古塔にも生息しているらしく、脱走したガブラス達が向かった先も古塔だったらしい。
俺はイーグルを捜索する事ができる絶好の機会だと思い、自らすすんでその任務に志願し、任務遂行の権利をもらった。
もちろん依頼も完璧にこなし、イーグルを見つけ、連れて帰る。それらが今日の俺の中で達成すべきことだった。
そして俺は、組織から行動指令が出るのを待ち続けていた。
指令が出た時、絶対にイーグルを探し出してみせるという決心をかためて、俺は古塔へと向かったのだ。
機関銃を抱えながら、古塔の入り口付近であるエリア2にたどり着いた時、早速モンスターが現れた。
ガブラスだ。空中飛行から一気に攻撃を仕掛けてくる厄介者。放っておけば仕事に支障をきたす事には間違いないだろう。
この機関銃ならばすぐに空中を飛んでいるガブラスに向かって銃弾を連射し、撃ち殺す事が可能だ。
だが、そのガブラスの中にイーグルが混じっている可能性も十分ありえる。
俺が自分の手でイーグルを殺してしまうような事があれば、俺は永遠に立ち直ることはできないだろう。
俺の為にも、そしてイーグルの為にも、そんな事は絶対にあってはならない。
そこで俺は、降りてきたガブラスの首を機関銃の銃床で殴り、気絶させてから一匹一匹確認していく事にした。
首輪をつけているから、イーグルを発見した時はすぐにわかる筈だ。
塔の入り口付近のエリアにいたガブラス全員を殴り倒し、慎重に確認したのだが、首輪をつけたイーグルらしきガブラスはいなかった。
そんな簡単に見つかるとは俺自身思っていなかったはずなのに、俺は強く地団太を踏んだ。
一分でも、一秒でも早く彼女に会って、イーグルを安心させてあげたいのにと、俺は遺憾に思ったのだ。
しかし俺はすぐに気持ちを切り替え、任務遂行の第一のポイントである古塔の入り口の壁に、プラスチック爆弾を貼り付け、次の目的地へと走った。
大雷光虫が多数生息している薄暗いエリア3は爆弾の設置ポイントではないため、赤い光を放ち敵意を示している大雷光虫を無視し、走り抜けた。
そして俺は一つの爆弾を仕掛けるもう一つのポイントにたどり着いた。先程俺がいた薄暗いエリアにうって変わって、眩しい外の光がそのエリア全面に当たっている。
そこに数匹、真っ白い体を持ったランポスの亜種・ギアノスが居た。
ギアノス達は俺の存在に気づき、獲物を狩る時の鋭い視線で俺を睨んでくるが、俺がそんな事で臆すはずもない。
群れの中の一匹が、鋭い爪と牙をむき出しにして俺に飛び掛ってきたが、そんなの喰らう筈がない。
俺は身をひるがえしてそれを避け、着地したばかりのそのギアノスの太股に、機関銃の銃口を当てた。
「悪いな。痛いだろうが我慢してもらうぜ」
俺はそのままトリガーを引く。いくつもの銃声がそのエリアに鳴り響いた。
それと同時に血と肉片が飛び散るエグい音がし、太股の肉をえぐられたギアノスは、悲痛な叫びを上げながら地面に転がり、もがき苦しんでいた。
その光景を目の当たりにした他のギアノスは、機関銃の音と仲間のギアノスの様子に恐怖を覚え、たじたじとなっているようだった。
「さあ、次にこんな目に遭いたい奴はどいつだ!」
俺は機関銃を上に向け、全弾を空に向かってぶっ放した。威嚇射撃に仰天したギアノス達は、俺を尻目に見て逃げるように走り去った。
『―ギャっ、ギャぅウ!』
仲間を頼りにしていたのだろう。幾度も助けを求めるように負傷したギアノスは叫んだが、それを見捨てて他のギアノスは逃げ去ったのだ。
俺が近づくとそのギアノスは、太股から血を流し、地面に横たわったまま俺の顔を見詰め始めた。
それから数日がたち、組織のもとに一つの依頼が転がった。それが今俺が遂行している古塔の爆弾設置。
男性の話によると、その事故が起こった場所は古塔から数キロと離れていない場所だったそうだ。
ガブラスは、よく古塔にも生息しているらしく、脱走したガブラス達が向かった先も古塔だったらしい。
俺はイーグルを捜索する事ができる絶好の機会だと思い、自らすすんでその任務に志願し、任務遂行の権利をもらった。
もちろん依頼も完璧にこなし、イーグルを見つけ、連れて帰る。それらが今日の俺の中で達成すべきことだった。
そして俺は、組織から行動指令が出るのを待ち続けていた。
指令が出た時、絶対にイーグルを探し出してみせるという決心をかためて、俺は古塔へと向かったのだ。
機関銃を抱えながら、古塔の入り口付近であるエリア2にたどり着いた時、早速モンスターが現れた。
ガブラスだ。空中飛行から一気に攻撃を仕掛けてくる厄介者。放っておけば仕事に支障をきたす事には間違いないだろう。
この機関銃ならばすぐに空中を飛んでいるガブラスに向かって銃弾を連射し、撃ち殺す事が可能だ。
だが、そのガブラスの中にイーグルが混じっている可能性も十分ありえる。
俺が自分の手でイーグルを殺してしまうような事があれば、俺は永遠に立ち直ることはできないだろう。
俺の為にも、そしてイーグルの為にも、そんな事は絶対にあってはならない。
そこで俺は、降りてきたガブラスの首を機関銃の銃床で殴り、気絶させてから一匹一匹確認していく事にした。
首輪をつけているから、イーグルを発見した時はすぐにわかる筈だ。
塔の入り口付近のエリアにいたガブラス全員を殴り倒し、慎重に確認したのだが、首輪をつけたイーグルらしきガブラスはいなかった。
そんな簡単に見つかるとは俺自身思っていなかったはずなのに、俺は強く地団太を踏んだ。
一分でも、一秒でも早く彼女に会って、イーグルを安心させてあげたいのにと、俺は遺憾に思ったのだ。
しかし俺はすぐに気持ちを切り替え、任務遂行の第一のポイントである古塔の入り口の壁に、プラスチック爆弾を貼り付け、次の目的地へと走った。
大雷光虫が多数生息している薄暗いエリア3は爆弾の設置ポイントではないため、赤い光を放ち敵意を示している大雷光虫を無視し、走り抜けた。
そして俺は一つの爆弾を仕掛けるもう一つのポイントにたどり着いた。先程俺がいた薄暗いエリアにうって変わって、眩しい外の光がそのエリア全面に当たっている。
そこに数匹、真っ白い体を持ったランポスの亜種・ギアノスが居た。
ギアノス達は俺の存在に気づき、獲物を狩る時の鋭い視線で俺を睨んでくるが、俺がそんな事で臆すはずもない。
群れの中の一匹が、鋭い爪と牙をむき出しにして俺に飛び掛ってきたが、そんなの喰らう筈がない。
俺は身をひるがえしてそれを避け、着地したばかりのそのギアノスの太股に、機関銃の銃口を当てた。
「悪いな。痛いだろうが我慢してもらうぜ」
俺はそのままトリガーを引く。いくつもの銃声がそのエリアに鳴り響いた。
それと同時に血と肉片が飛び散るエグい音がし、太股の肉をえぐられたギアノスは、悲痛な叫びを上げながら地面に転がり、もがき苦しんでいた。
その光景を目の当たりにした他のギアノスは、機関銃の音と仲間のギアノスの様子に恐怖を覚え、たじたじとなっているようだった。
「さあ、次にこんな目に遭いたい奴はどいつだ!」
俺は機関銃を上に向け、全弾を空に向かってぶっ放した。威嚇射撃に仰天したギアノス達は、俺を尻目に見て逃げるように走り去った。
『―ギャっ、ギャぅウ!』
仲間を頼りにしていたのだろう。幾度も助けを求めるように負傷したギアノスは叫んだが、それを見捨てて他のギアノスは逃げ去ったのだ。
俺が近づくとそのギアノスは、太股から血を流し、地面に横たわったまま俺の顔を見詰め始めた。
「仲間に見捨てられるとは・・・お前も哀れな奴だ・・・」
空になった機関銃の弾倉を取り外し、俺は新しく取り出した弾倉を機関銃に勢いよく取り付けた。
「すぐ楽にしてやる」
俺は倒れているギアノスに銃を構える。俺を見つめているギアノスの目は、俺に“殺さないで・・・”と訴えているようだった。
そんな事を無視して、俺はトリガーを引き、ギアノスに容赦なく弾丸が浴びせられた。
『ギャぅアぁ!!・・・・・・・・・・・・キぅ・・・?』
ギアノスは悲鳴を上げた後、しばらく経って自分に何が起きたのかわからないようで、数回パチパチと瞬きを繰り返した。
俺がこのギアノスに撃ち込んだのは、殺傷するための弾丸ではない。
組織が独自に開発した鎮痛効果と、止血効果の両方を持ち合わせた鎮痛止血弾だった。
俺の持っている機関銃も組織が開発したもので、どんな弾にも対応できる万能型の秘密兵器だ。誰もが持てるものでもない。
この弾の鎮痛効果と止血効果は即効性のため、ギアノスは自分自身どうなったのかもわからず、首をかしげている。
なぜギアノスにこの弾丸を撃ち込んだのかというと、殺傷が任務の時は別だが、俺はどんな任務においても命は奪わない主義なのだ。
機関銃の弾に肉をえぐられ、血が流れ続けていたこのギアノスをそのままにしておいたら、このギアノスは出血多量で死んでしまう。
それは俺の仕事の流儀に合わない。そこで、開発されたばかりのこの弾丸のテストを含めてギアノスに撃ち込むことにしたのだ。
しかし止血をし、命は助かったとしても大きくえぐれた太股の傷はいくら自然治癒力をもってしても元に戻る様なものではないだろう。
歩くどころか立つことすら叶わないこんな役立たずを、群れのギアノス達が世話をするとも考えにくい。どちらにしても死が待ち受けているのだ。
俺は背広の内ポケットから筒に巻かれた白い包帯を取り出し、手でそれを伸ばした。
驚いたようにギアノスはこっちを見、俺がこれから何をするのかわからない恐怖に脅えている様だ。
そんなギアノスを俺は眼中に置かず、肉の表面が丸見えになっている太股に俺は目を落とし、そこに持っていた包帯を巻き始めた。
巻いた包帯が赤い血の色に滲む。ギアノスは俺に敵意がないことを察した様で、俺のしている行動を黙って不思議そうに見据えていた。
「よし、これで感染症に罹る心配もないだろう。その足も数時間経ったら元に戻るはずだから安心しろ」
俺はそう言うと、治療中に抵抗もせず、いい子にしていた褒美にギアノスのトサカを撫でてやった。気持ちよさそうに目を閉じながら喉を鳴らしている。
今ギアノスに巻いた包帯は、どんな傷でもその傷を受ける前の状態に戻す事ができる薬を染み込ませた特殊包帯。
つまり足がボキボキに砕けたり、腕がもげたりしても、これを損傷を受けた部分に巻けばもとの原形の状態に戻すことができるのだ。
これは任務の際、万が一の時にそなえて組織の科学班から自腹で買い、とっておいた物だった。
かなり高価なもので、買ったときはまさか通りすがりのギアノスに使うことになるなんて思ってもいなかった。
「・・・もしかしたら、俺は誰も殺さない事を流儀にしているとか言って、実はただのお人良しなだけなのかもな・・・」
そう呟いた後、俺は辺りにこのギアノス以外何もいない事を確認し、プラスチック爆弾の二つ目をヒビの入った壁に押し付けるように設置した。
「じゃあな」
俺はギアノスに手を振り、次の場所へ向かう。その時のギアノスは、俺の真似をしてか、ぎこちなく手を左右に動かしていた。
その後、俺は螺旋階段状のエリアにて数匹のガブラスを発見し、全てのガブラスを確認したがやはりイーグルは見つからない。
エリアの移動、爆弾の設置、イーグルの捜索を繰り返し、そのまま俺は屋上まで到達し、地面に最後の爆弾を取り付けた。
普通ならこのまま組織へと帰還するのだが、まだイーグルを発見できていないというのに、そんな事はできない。
俺はトランシーバーを取り出し、通信をバレルへとつなげた。
「チャンバーだ。全ての爆弾の設置を完了した。しかし私的な用により、三時間の古塔滞在許可を頂きたい」
《ザザッ、ザ―ガガッ、了解。滞在の許可を与える。ザ―しかし、緊急時を除き、滞在時間を含め五時間以内に組織への帰還がなければ組織を裏切ったとみなし
 追跡・排除の対象とする。―ザザッ、ガ―それだけは心得るように》
そして通信は切れた。こんなバレルの脅しはいつもの事だと、別に気にも留めなかった。
あちこちをしらみつぶしに探し、古塔の昇り降りを幾度も重ねたが、イーグルは見つからなく、俺は悶えた。
刻々と時間が無駄に過ぎていく。滞在時間は残り一時間と迫っていた。
他のガブラスは幾度も見つかるが、彼女だけはどうしても発見できない。
正直言って、俺はイーグルの捜索を断念しかけていた。もしかしたら、彼女は古塔とは別の場所にいるのかもしれないと。
そうして、最後のつもりで古塔の屋上、エリア10へとたどり着いたその時だった。
鳴き声がした。聞いた所、それはガブラスの物らしい。諦め半分の気持ちから、どうせ、イーグルではない他のガブラスなのだろう、と軽率に考えていた。
しかしそれは一瞬で、その鳴き声を俺は幾度も聞いた覚えがあった。愛しく、世界で一番大切にしていた、彼女の・・・・・・。
その鳴き声がした方向へ振り返ると、そこには黒く、長い体を持ち、蛇竜とよばれている飛竜・ガブラスが一匹空から翼をはためかせ、降りて来たのが見えた。
その直後、地面に降り立ったガブラスは、歓喜した鳴き声を上げながら、俺の胸に飛び込んできた。すりすりと俺の顔に頬擦りをしてくる。
俺は自分に何が起きたのかわからなかった。身震いし、すぐさまガブラスの首を見ると、見覚えのある首輪が巻きつけてあった。
最も愛しかったイーグルのため、一晩中寝る間もおしみ作った黒染めの首輪。そう、このガブラスは・・・・・・
「・・・・・・・・・・・・・・・イーグル・・・イーグルぅ!!!!」
俺は思い切りそのガブラス、イーグルを両腕で思い切り抱きしめた。
イーグルは若干苦しそうにしているが、今こうしなければ俺の中で喜びに満ちた感情が爆発してしまいそうだ。
「もう二度と・・・二度と離すもんか!!俺と君を引き裂こうとする奴は、全員殺してやる!!もう絶対離さないからなイーグル!!」
フィールド中に俺の叫び声が響き渡る。イーグルは俺の胸の中でゆっくりと瞳を閉じていた。
それから数分経っても、俺はイーグルを離すことはなかった。彼女を抱きしめ、俺はとにかく彼女の体温の温かさを感じることに専念したかった。
そのまま沈黙が長く続き、辺りは閑寂に満ちている。俺に聞こえたのはとくん、とくんと静かな旋律を奏でるイーグルの心臓の音だけだった。
そんな静寂を壊すように、何やら卵の殻が割れるような、パキッ、という音が俺の耳に飛び込んだ。
俺の胸の中でじっとしていたイーグルは、その音に反応し、顔を音の発生源へと向けると、俺の胸から抜け出し、屋上の端へと歩いていった。
何かと思い、俺は彼女の跡をつけると、そこにあった物に俺は愕然とし、言葉を失った。
大きく見開いた俺の目は、卵から顔を出し、ピイピイと鳴いている小さなガブラスを、じっとうつしていた・・・・・・。
105名無しさん@ピンキー:2010/06/26(土) 09:17:41 ID:7cfA5cmx
とりあえず以上です。
ミスって同じの二つ投稿してしまったのはお気になさらずに・・・
106名無しさん@ピンキー:2010/06/27(日) 01:43:33 ID:zJK5N9F7
モン姦でネトラレか新しいな
107名無しさん@ピンキー:2010/06/27(日) 04:36:06 ID:fNZCDyk7
モン姦が嫌いなわけじゃないが
男×モンスターとか モンスター×モンスターとかばっかりになってきたな・・・
108名無しさん@ピンキー:2010/06/27(日) 07:12:59 ID:YJBcH/7p
>>107
嫌いじゃなきゃそんな発言しないだろうな
正直人間だけだったら別の作品で書いた方が需要あるし
109名無しさん@ピンキー:2010/06/27(日) 07:44:36 ID:RGBdqqcV
そりゃあちと言い過ぎだろJK…
なんでもかでも擬人化、元モンスターの特徴薄いけどいいよね?みたいな
のはちとアレだが(それとて別に責められることでもないが)

もんはんのえろほんみたいな展開を望む者はここには居らぬと申すか

絵ならキリン装備とかクシャナ胴とかミズハとかもうまそうだが
文章で著すとなると、その装備を持ってない人にも、その装備の魅力が
伝わるように書かなければいけないわけでキツいけれども…


すまぬ正直ヌけるのはギルドマネージャー(P2G)くらいまでだわ…

バランスが重要なんだ
かつてモン姦スキーが望んだようなバランスが(cv銀河万丈)
110名無しさん@ピンキー:2010/06/27(日) 09:07:19 ID:09xXQZGN
前も言われてたけど人×人はとにかく文章にしにくい
自キャラはモデリングが♀ゴリラだからか感情移入しにくいしねぇ
111名無しさん@ピンキー:2010/06/27(日) 10:55:17 ID:rAL+3sb8
はっきり言って女(書き手)のペニス願望足ショーになってて
男がヌける代物ではない
112名無しさん@ピンキー:2010/06/27(日) 12:22:31 ID:fu/x0DnG
何か、「○○が読みたい」とじゃなく「○○は良くない」とかそういう意見ばっかで
書き手が投稿しづらい雰囲気になってる希ガス
113名無しさん@ピンキー:2010/06/27(日) 15:05:19 ID:ynH73YMa
ネタフリは結構大事だよね
114名無しさん@ピンキー:2010/06/27(日) 17:54:24 ID:QBMOcLFD
寝たフリ…ゲリョスがやりそうでやらないこと
115名無しさん@ピンキー:2010/06/27(日) 22:34:23 ID:dv0zEyIg
過去に擬人化はタブー的な議論が交わされた⇒擬人化ダメなら人x人かモン姦か⇒人x人は文章で表現しにくいな⇒そうだ、モン姦にしよう

大方こんな感じでモン姦が増えてきてるんだろう
私は一向に構わんが
116名無しさん@ピンキー:2010/06/27(日) 22:38:16 ID:4+tKl1Ns
タブーっつーか、一時期LVが高かったから普通のだと満足がな
117名無しさん@ピンキー:2010/06/27(日) 23:25:43 ID:RGBdqqcV
擬人化がそんなにアレかね?
ノトスの人とかはきゅんとか好きだったな


なんだろうと好きに投下するのがいい
面白ければ付いてくるよ
118名無しさん@ピンキー:2010/06/27(日) 23:35:36 ID:dv0zEyIg
>>117
いや別に俺は構わんよ。寧ろ擬人化もっと来いとも言いたい
無論、モン姦も人x人も何でも来いだが
まぁ読み手のコメントが厳しすぎるのが原因なのかもしれんな
119名無しさん@ピンキー:2010/06/28(月) 00:05:33 ID:YMssd2+F
てゆうか、走れゲリョスまだか
120名無しさん@ピンキー:2010/06/28(月) 00:55:46 ID:tXHeBsYn
最近のスレ見てると
モン姦は人♀×モンスター♂

といった獣姦の延長でしかヌけない俺は異端なのかと思ってしまう…あとは擬人化ものか
121名無しさん@ピンキー:2010/06/28(月) 01:25:01 ID:r+G4oErW
ロリババアな岩山龍とかランゴスタ奥様の話とか好きだったなぁ。
未完で終わった話も多いような
122名無しさん@ピンキー:2010/06/28(月) 10:52:27 ID:Da9xyFVA
ズッチーはお母さんに毒殺されて終わりなのかな?
123名無しさん@ピンキー:2010/06/28(月) 13:34:15 ID:OudYYlIA
あれ毒盛られてたんか
人間になった反動みたいなのが徐々に体を蝕んでた、とかそういうのかと思ってた
124名無しさん@ピンキー:2010/06/28(月) 17:49:57 ID:DDcQXtHk
見る限りお母さんの方も驚いていたから、自然死じゃないのか?
一応すでに死んでたのが無理に生きてたんだし。
125名無しさん@ピンキー:2010/06/28(月) 20:13:05 ID:UP7RMFRr
自然をねじ曲げた反動とかそういうアレなんじゃね?
126名無しさん@ピンキー:2010/06/29(火) 11:02:56 ID:4hJThgT/
今になって中途になってる作品の続きが・・・
なんてこたありえないか

もどってきてくれんかなー
127名無しさん@ピンキー:2010/06/29(火) 16:09:08 ID:u+Q4z7fG
一時期、昔の作品を貶すような風潮があったりしたからなぁ
128名無しさん@ピンキー:2010/06/29(火) 16:13:43 ID:j36tDtvN
おもしろいの沢山あったのにねぇ
129名無しさん@ピンキー:2010/06/29(火) 21:44:12 ID:+Ohyc0Rt
最近このスレ見つけてまとめスレの作品全部読破したお!
珍味氏の作品は特にときめいた!

ところで前スレがまとめられてないんだが
どなたかログもってないでしょうか?
130名無しさん@ピンキー:2010/06/29(火) 22:16:51 ID:+Ohyc0Rt
↑興奮さめやらぬ内にかいたら日本語がおかしくなってたな

×まとめスレ
○保管庫

前スレのログに関しては自己解決しますた
さっそく読んでくるぜハァハァ
131名無しさん@ピンキー:2010/06/29(火) 23:22:09 ID:k1kmMLEN
ゲリョス続き。

 一気に峠を駆け下りたが、さすがに疲労し、折から午後の灼熱の太陽がまともに、かっと照って
きて、ゲリョスは幾度となく眩暈を感じ、これではならぬ、と気を取り直しては、よろよろ2、3歩
歩いて、ついにがくりとダウンした。

 立ち上がることができぬのだ。天を仰いで、悔し泣きに泣きだした。
 ああ、あ、濁流を泳ぎ切り、ハンターを3人も打ち倒しパニック走り、ここまで突破してきたゲリョス
よ。真の勇者、ゲリョスよ。今、ここで、疲れきってしんでしまうとはなさけない、じゃなかった、
ダウンするとは情けない。

 愛する友は、お前を信じたばかりに、やがて閃光玉漬けの刑にされなければならぬ。お前は、稀代の
不信のモンスター、まさしくディアブロスの思うつぼだぞ、と自分を叱ってみるのだが、全身萎えて、
もはや火事場力+2で蛸殴りにされたラオシャンロンほどにも前進叶わぬ。
 道端の草原にごろりと寝転がった。体力値が20%以下にもなれば、精神もともにやられる(怒りやすくも
なる)。もう、どうでもいいという、勇者に不似合いな不貞腐れた根性が、心の隅に巣食った。

 私は、これほど努力したのだ。約束を破る心は、微塵もなかった。ミラルーツも照覧、私は精いっぱいに
努めてきたのだ。動けなくなるまでパニック走りをしてきたのだ。私は不信の徒ではない。
 ああ、できることなら私の鳩胸を絶ち割って、真紅のゲリョスハートをお目に掛けたい。愛と真実と毒の
血液だけで動いているこの心臓をみせてやりたい。

 けれども私は、この大事な時に、精も近も尽きたのだ。私は、よくよく不幸な鳥竜種なのだ。私は、
きっと笑われる。私の一家も笑われる。私は友を欺いた。途中で倒れるのは、初めからなにもしない
のと同じことだ。

 ああ、もう、どうでもいい。これが、私の定まった運命なのかもしれない。アカムトルムよ、
許してくれ。君は、何時でも私を信じた。私も君を、欺かなかった。私たちは、本当に良い友と友で
あった。一度だって、暗い疑惑の雲を、お互い胸に宿したことはなかった。今だって、君は私を無心に
待っているだろう。ああ、待っているだろう。

 有難う、アカムトルム。よくも私を信じてくれた。それを思えば、堪らない。友と友の間の天の山菜組引換券は、
この世で1番誇るべき宝なのだからな。アカムトルム、私は走ったのだ。君を欺くつもりは、微塵も
なかった。信じてくれ! 私は急ぎに急いでここまで来たのだ。濁流を突破した。ハンターの囲みからも、
するりと(?)抜けて毒を撒き散らしながら一気に峠をパニック走りしてきたのだ。
 私だから、できたのだよ(イャンクック、イャンガルルガたちはパニック走りできても毒までは吐けないからな)。

 ああ、このうえ、私に望みたまうな。放っておいてくれ。どうでも、良いのだ。私は、クエストに
しっぱいしました。だらしがない。笑ってくれ。ディアブロスは私に、ちょっとタイムアップしてこい、と
耳打ちした。タイムアップしたら、身代わりを3乙して、私を助けてくれると約束した。私はディアブロスの
卑劣を憎んだ。けれども、今になってみると、私はディアブロスの言うままになっている。

 私は、タイムアップしていくだろう。ディアブロスは、1匹合点して私を笑い、そうしてこともなく
私を放免するだろう。そうなったら、私は、3乙してひんしゅくを買うより辛い。私は、永遠に裏切り者だ。
モンスターハンターでもっとも、不名誉のモンスターだ。どうせ3rdではリストラだ。アカムトルムよ、
私も死ぬぞ。君と一緒に死なせてくれ。君だけは私を信じてくれるに違いない。いや、それも私の、独りよがりか?

 ああ、もういっそ、データ改造で生き延びてやろうか。村には私の家がある。イーオスもいる。妹夫婦は、
まさか私を運営に通報するようなことはしないだろう。正義だの、真実だの、愛だの、悪魔猫反対だの、考えて
みれば、くだらない。モンスターを殺してレア素材を剥ぎ取る。それがモンスターハンターの定法ではなかったか。

 ああ、もう、なにもかも、ばかばかしい。私は、醜い裏切り者だ。どうとも、勝手にするがよい。やんぬるかな。
――身体を丸めて、うとうと、鼻提灯をだしながらまどろんでしまった。
132名無しさん@ピンキー:2010/06/30(水) 01:00:13 ID:4SMjGUvP
ゲリョスキター!!
一行一行詰め込まれたネタの数々に噴かずにいられない
GJ
133名無しさん@ピンキー:2010/06/30(水) 16:14:17 ID:TzRW0RGg
相変わらずネタのきれが良すぎるw
134名無しさん@ピンキー:2010/06/30(水) 22:27:01 ID:Nvds82Jz
GJ
相変わらず面白い
135名無しさん@ピンキー:2010/07/01(木) 17:23:50 ID:x+57j8X7
GJ!
こんだけネタがつめられているのに原作に忠実w
どういうことだww
GJ!
136名無しさん@ピンキー:2010/07/02(金) 02:14:52 ID:gwAhD1mf
まとめwikiを一気に読んでみたけど、みんな文章力高くて驚いたわ
俺もクック先生みたいな人に出会いたい・・・
137名無しさん@ピンキー:2010/07/02(金) 17:53:29 ID:1/9iCvyK
相変わらずGJ!
パニック走りしすぎだwww
138名無しさん@ピンキー:2010/07/03(土) 03:52:53 ID:H97IxVbg
残り投稿しま〜す
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
何かの間違いだと信じたかった。この世に誕生したばかりのその幼いガブラスを、ペロペロと大事そうに舐めているイーグル。
“見て見て”と言わんばかりに、舐めるのを繰り返しながら何度もちらちらと俺の顔を見てくる。
そのイーグルの眼は、喜びに満ち溢れていた。
そんなイーグルの首を俺は後ろからつかみ、無理やり持ち上げ、俺の顔を覗かせた。俺は殺意の目でイーグルを睥睨する。
彼女はなぜ自分がこんな事をされているのかわからないようで、俺のその目に震え上がっているようだ。
「どういう事だイーグル・・・・・・なあ神様・・・何かの間違いだよな・・・」
弱々しい声で俺は懇願した。俺は神を信じているわけではなかったが、この時の俺は神にも縋りたい気持ちだった。
俺の中の現実を、俺は信じたくなかった。悲嘆、憎悪、怒り、嫉妬、そして殺意。それらだけが俺の心の中にあるものだった。
最も愛しかった俺の―いや、俺だけのイーグルが他の奴に孕まされた。つまり、イーグルは俺を愛してはいなかった・・・・・・。
そう思うと、俺以外の子を孕んだイーグルと、その孕まさせた奴への負の感情がマグマのように一気に爆発した。
そして俺はイーグルの首を掴んだまま、思い切り堅い地面に叩きつけた。彼女が小さく悲鳴を上げる。
「許さない・・・絶対に許さない・・・俺を捨てたお前も・・・そして俺からお前を奪ったそいつも・・・!」
イーグルはもがき、首を絞めている俺の手から逃れようと必死だ。幾度も咳き込み、苦しそうにしている。
だが、苦痛に顔をゆがめているそんなイーグルの様子を見ながらも、俺はその手を離すことはなかった。
「貴様には屈辱をたっぷり味あわせてやる・・・・・・覚悟しやがれ」
憎しみを込め、イーグルの首を絞めたまま、もう片方の手を硬く握りしめた。
その時俺は大粒の涙を流していた。その涙が彼女の体にかかってきらりと輝いている。
イーグルはいつも優しく、俺に付き添ってくれていた。どんなつらい事があっても、彼女のそんな優しさにふれると全て忘れられたのだ。
俺は、イーグルをこれでもかというぐらい好きだった。愛していた。彼女も、俺を好きでいてくれていると、ずっと思っていた。
だが、それは俺の思い込みだったのだろうか。イーグルは俺以外の奴と性交し、誕生した子供を大切に育てようとしている。
もしかしたら、俺が一方的なだけだったのかもしれない。イーグルも、もしかしたら同種の番が欲しく、俺とは嫌々性交していたのかもしれない。
しかし、俺が彼女を想う気持ちは偽りの物ではなかった。例え一方的でも、俺は彼女を愛していたんだ。
イーグルはそんな俺を裏切ったんだ。彼女には俺を裏切った事を後悔させるために、罰を与えなければならん・・・。
彼女はやはり何故俺が怒っているのか理解できていないようで、俺の顔を見つめながら困惑し、わなわなと体を震わせている。
そんな彼女に俺はさらに憎悪を拡大させた。怒っている理由すら理解されていない。俺の気持ちがイーグルに伝わっていないのだ。
怒りを増大させ、俺はその怒りを握っている拳の力に一点集中させる。
「思い知れ」
そういうと、俺は握った拳を倒れているイーグルの体めがけて、力強く振り下ろした。
直後、大きな悲鳴が古塔の屋上全体に鳴り渡った。イーグルは痛みと苦しみに満ちた顔で必死に抵抗する。
「どうだ、俺の怒りの味は」
イーグルの顔を睨み、大きく叫んだ。彼女はそれらの苦痛に目をつむり、相変わらず体は恐怖に震えている。
俺の腕に彼女の体内の暖かさが伝わってくる。若干ぬめりがあり、やわらかいそれ。
さっき俺が彼女の体に拳を振り下ろした先にあったのは、イーグルの生殖器だ。
彼女の生殖器の中に、俺は拳ごと腕を突っ込んだのだ。
イーグルの生殖器は小さく、普通なら入る大きさではない。今彼女には相当な激痛が走っているはずだ。
文字通り彼女の体に沈んだ腕を、俺はそのまま上下に動かし始めた。イーグルの悲鳴の大きさが一層強くなる。
彼女の涙であふれた瞳がやめることを哀願してくる。無論、俺はやめるつもりはない。
これは彼女に対する制裁だ。俺を裏切り、ずっと騙してきた彼女への罰なのだ。
自分勝手はわかっている。俺が勝手に彼女を愛し、一方的に性交を求め、裁きを気取って彼女に苦痛を与えていることは。
彼女と一緒にいた頃の俺が、この光景を見たら何と言うだろうか・・・・・・。
しばらくイーグルの生殖器の出入りを繰り返していると、なにやら腕にぬるぬるとした、温かい感触が届いた。
彼女の生殖器から腕を抜き、見るとそこには透明な液体が付いていた。俺はそれがイーグルの愛液である事がわかった。
イーグルは、快感に溺れ始めている。彼女の顔は赤みを帯び、とろんとしているのが見て取れる。
そろそろ頃合かと俺は思い、自分の穿いていたズボンのチャックに手を伸ばした。
その間も彼女はぐったりとし、動く気配を見せない。そんなイーグルの生殖器は、びしょびしょに濡れてしまっていた。
これから俺が彼女にするその行動。その行為が、彼女に最も屈辱を与える事ができる方法と、俺は考えたのだ。
―もしかしたら、まだ彼女を愛する心が、その思考を頭の中に浮かばせたのかもしれない。
「イーグル、これがお前への最後の愛だ」
俺はズボンと共に下着も脱ぎ捨て、俺はイーグルに語りかけた。
彼女を見つめる俺の目からはとめどなく涙がこぼれており、語りかけた時のその声は涙声になっていた。
下着を脱いだそこからは、勃起している俺のペニスがあった。俺はこれから彼女を犯すつもりでいたのだ。
彼女は俺のそのペニスを見ると、イーグルは翼を地面に広げ、俺をじっと見つめ始めた。
俺はイーグルのその仕草を見てはっとした。なぜそんな事をするのか、俺には解すことができなかった。
それは、彼女が俺と性交する時にしていた仕草だ。ベッドの上で、俺を受け止めるポーズを、今彼女はしている。
彼女は俺にこれから犯されることをわかっているようだ。
犯されることは番を持つ者にとって最大の屈辱であるはずなのに、イーグルは俺を受け止める気でいる。
「な、なぜだイーグル!!俺の顔を喰いちぎる事だって、目に毒液を吐く事だってできるんだぞ!!
 なぜ・・・なぜ俺をそんな目で見ることができるんだァ!!!」
俺に接してくれていた時の愛くるしく、いとおしい目。優しく微笑んでくれているようにも見えた。
「く・・・くそ・・・くそったれぇ!!!!」
声を張り上げ、受け止める構えでいるイーグルの顔の横に俺は勢いよく両手をついた。
そしてペニスを彼女の秘所へと導き、濡れているイーグルの生殖器の中へと強く入れ込んだ。
それに伴ってびくっと彼女の体が反応し、喘いだ。イーグルは快感を覚えているようで、嬌声を上げている。
俺の生殖器が秘所の出入りをする度に、彼女は悩ましげに声を上げ、俺との今のセックスを楽しんでいるように見える。
なぜだ。なぜ彼女はここまで俺を受け入れることができるのだ。なぜ俺のような邪魔者にも愛を注ぐことができるんだ!
俺はどうしても解せなかった。優しい目つきのままでいるイーグルを見ると、俺は自分に嫌悪する気持ちがなぜか高まってきてしまう。
「やめてくれイーグル!そんな目で俺を見るなぁ!!見ないでくれええ!!!!」
いくらビンタをしても、いくら罵声をあびせようと、彼女の俺を見つめるその目は変わることはなかった。
そして彼女はある行動をとった。その行動に、俺は前にも増してどばっと涙を流してしまった。
俺がペニスで彼女の秘所を突いている最中、イーグルはその漆黒の大きな翼で、俺を優しく包み込んだ。
俺とイーグルのセックスは完全な正常位と化し、俺を包むその翼の温かさと愛に、俺は涙してしまったのだ。
もう何もかも理解できなくなってしまう。彼女の行動と、自分の行動。両方が意味不明に感じられた。
なにゆえイーグルを犯しているのか。なにゆえ俺は涙を流しているのか・・・・・・
・・・もう深いことは考えるな。これは、彼女へ奉げる事ができる最後の愛。全身全霊を彼女に奉げるんだ・・・!
「イーグル・・・イーグル・・・・・・イーグル!!!」
イーグルは秘所を突かれる度に嬌声を上げる。ペニスをきつく包まれ、俺の中の欲望がさらに大きいものとなっていく。
体の力はだんだん抜けていっているのにもかかわらず、今の俺はその欲望にのみ動かされているようだ。
イーグルの中の奥までペニスは行き届き、俺に気持ちよすぎるものが来る。
それは彼女も同じのようで、声を漏らす。その声一つひとつが聞こえる毎に腰の動きを上げていった。
水音と俺とイーグルの嬌声が入り混じって、そこら中へと放たれる。
急に中の締め付けが強くなった。愛らしい表情と嬌声と、その締め付けに俺の中の性欲がまだまだ上がっていくのを感じた。
俺のペニスを下の口で咥えこみ、喘ぎ、その口をペニスが出入りする。
イーグルの中は愛液であふれ、俺のペニスと彼女の中の隙間から液が外へと飛び散る。
中にペニスをねじこみ、押し入れる。快感からか、彼女はがたがたと口を小刻みに動かしている。
俺は彼女に抱きつきながら“大好きだ”と大声で何度も叫ぶと、俺は彼女に無理やりキスを迫った。
彼女の口の中を舌で犯す。イーグルはそれに反応し、舌を絡ませてきた。
ペニスの出入りによって生じる愛液の水音と、舌が絡み合って出る水音がより性欲をそそる。
膣内は熱みを帯び、きつくペニスに素晴らしいほどの快感を与えてくれる。
絡めていた舌を離すと糸が引き、互いの口と口を繋いでいた。
その直後、俺はそろそろ限界が来ることを感じ取った。イーグルも同じらしく、ペニスを包む力が急激に上昇した。
そしてとうとう限界が来、最後に彼女の膣内の最奥部までペニスを打ち付けた。
大きくペニスが反動し、イーグルの中へと精液が注がれた。びくびく彼女は体を反応させる。
先程の愛液と同じように俺のペニスと彼女の秘所口の間から、その白い液体は零れ出て小さな水溜りを地面に作っていた。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・何でこんな事になったんだァア!!!!」
ペニスを彼女の中から抜き、一番に言った言葉がそれだった。地面にうずくまり、俺は後悔の念に襲われ泣き叫んだ。
後悔の念というのは、彼女を密売組織から守ってやれなかった後悔、彼女が孕むことを阻止できなかった後悔ではない。
それは制裁と称し、イーグルに暴力を働いたことだった。
イーグルが他の奴の子供を産んだと知ったとき、一時は彼女を殺す事だって考えていた。
だがそれでは彼女に俺を捨てたことを後悔させることはできない。
そこでその“制裁”を下す事を思いつき、最大の屈辱をイーグルに与えるつもりだった。
だが彼女は予想に反し、これから訪れるであろう円満な生活の邪魔者である俺を受け入れ、
俺は屈辱を与えるどころかその受け入れに応じ完全なセックスをしてしまったのだ。
やさしく受け入れてくれた彼女に暴力をはたらいてしまったことは、俺にとって“最大の屈辱”以外の何物でもなかった。
それ故、屈辱を受けた俺はイーグルに何もしてやる事もできず、地面にうずくまり泣く事しかできなかった。
そんな時、彼女が俺の側に歩み寄って来、俺は彼女に向かって涙でぐしゃぐしゃになっている顔を上げた。
するとイーグルは、俺の顔についた涙をまるで人間が手で撫でるかのように舌を動かし、丁寧に舐めとった。
「ぁ・・・ぅぁぁ・・・ぅ・・・・・・・・・」
せっかくイーグルが舐めとってくれたというのに、再度目から涙があふれ出た。
まだ俺の顔を舐めているイーグル。滝のように流れ出ている涙を延々と舐めとっている。
「イーグル・・・・・・ごめんな・・・ごめんな・・・・・・」
胸がぐっと苦しくなる。今にも止まってしまいそうな心臓。俺は胸部の背広を、両手でつよく握りしめていた・・・。


それから数分経過した。涙も胸の苦しみも止まり、俺は暗い空を、屋上の真ん中で横になりながら黙って見ていた。
そこから数メートルも離れていない所では、イーグルが生まれたばかりのガブラスの子供を、丁寧に舐めている。
俺はそのガブラスの子供に甚だしく嫉妬したが、これは仕方のないこと。
子供の世話をするのは親の役目であり、人間である俺が干渉してはいけない事なのだ。
俺は起き上がり、側に置いてあった機関銃を取って彼女に話しかけた。
「お前とまた会えて本当に良かった。もう二度と会うこともないだろう」
元気で暮らせよと最後に呟き、俺は振り返って屋上の出口へと歩いていこうとした。
彼女にとって俺は所詮邪魔者だろうと思い、永遠に彼女の前から消え去ろうと考えたのだ。
しかし、それは静止させられた。イーグルが急に俺に向かって走りながら声をあげ、俺のズボンの裾を口でつかんだのだ。
そのイーグルの目は“行かないで”と乞いていた。同時に、その目は何かを理解して欲しいようにも思えた。
その時、なにか翼の音がした。それも複数だ。その方向を振り向くと、そこは先程子供のガブラスがいた場所だった。
翼の音の正体はガブラスだった。数匹のガブラスが、その場所へとゆっくり降り立ったのだ。
そしてその中の二匹のガブラスが、丁度イーグルが俺を見つけた時の様な歓喜した声を張り上げ、子供のガブラスに頬ずりをした。
その三匹のガブラスを、他のガブラス達は囲むように輪を作って喜びを交わしているように見えた。
ははっ、これではまるで、あの二匹が生まれたばかりの子供の両親みたいではないか。あの子は、イーグルの子・・・・・・
・・・待てよ?よくよく考えてみればあの子がイーグルの子供だという確証はどこにもない。
彼女は、卵から孵ったばかりのガブラスについていた液を取り除くために舐めていただけなのに、
なぜ勝手にあのガブラスの子がイーグルの子だと決め付けていたのだ。
あの二匹の様子から察するに、彼らがあの子の・・・・・・本当の両親なのだ。
そうか。彼女は俺が何を怒っていたのか、これではわかる筈もなかった。いきなり怒りをぶつけられても、何も理解できる筈もない。
全ては、俺の早とちりだった。彼女は、俺を裏切ってなどいなかったのだ。
俺はイーグルにどの面下げて謝ればいいかわからなかった。許して欲しい気持ちは山ほどあるが、どう言葉を言えばわからない。
今の俺にできたことは両腕を広げ、無言で彼女を強く抱きしめることぐらいだった。
その時、俺のトランシーバーに通信が入ってきた。イーグルがその音にびくっと体を反応させる。
俺は内ポケットからそれを取り出し、通信に応じた。どうやらバレルからのものらしい。

「こちらチャンバー。まだ時間までは余裕があるはずだ。何用か」
≪ガガ―ザ、緊急事態発生。ザザっガ―古塔への爆弾設置の依頼をした組織が契約違反を起こした。―キュルル―ガッ―
 ハンターギルドが拒否の構えを示したようで、その組織が時限爆弾の起爆装置を勝手に起動させたようだ≫
「何!?爆弾の起爆装置はうちの組織が管理しているんじゃなかったのか!?それに俺がまだいる事も知っているんだろう」
≪だから契約違反と言っているんだ。ザ、ガ―奴らは起爆装置を隠し持っていたらしい。恐らく貴様の抹殺も含めて
 起動させたのだろう。とにかく話している時間はない。十分で爆発する。即刻退避せよ≫

その言葉に俺はしばらく戸惑った。十分あれば、ぎりぎりこの古塔から逃げる事ができるかもしれない。
だが、それではこの古塔に生息する生き物達は爆発に巻き込まれ、みな息絶えるだろう。
そこで俺はふと思った。
俺は仕事に感情を持ち込まないのではなかったのか。いつも自分の生きる事だけを考え、どんな依頼でも遂行してきた。
ここは何も考えず逃げることが得策と言えるだろう。
―だが何だこの感情は。目の前にある命を見捨てることができないような、この正義感は。
それらの事を考えていたのは、時間にしてわずか二秒だった。仕事をするときの俺の癖のようなもので、
なにかと思考するのはいつも短時間で済ませてしまっていた。それ故俺の中の結論は短時間で出た。

「拒否する。自分はこれより、爆弾の解体を開始する」
≪それは無理だ。―ガガ、ザ、十分で解体などできる可能性はごくわずかだ。爆発に巻き込まれれば命はない。即刻退避せよ≫

俺は再度古塔からの退避を拒んだ。バレルはそれに対し俺に古塔からの退避を促す。しばらくそれが繰り返された。
すると、途中で急にバレルが口調を変え、何を考えているんだと怒鳴ってきた。
トランシーバーから音がもれるほどの大音量で、イーグルを含め屋上にいたガブラス達は、一斉に驚いたようにこちらを振り向いた。
いつも冷酷に、俺に指示を与えるだけだったバレルが怒鳴るなど初めてのことで、俺も驚きを隠せなかった。
≪貴様は何もわかっていない!組織がどれだけ貴様を評価していると思っているんだ!貴様は毎度完璧に仕事をこなし
 組織に貢献している!不可能といわれた仕事すらこなしてしまう貴様を組織が見ていないとでも思っているのか!?
 だから貴様には私が指令役として就いているのだ!この指令役の仕事はな、私が志願したんだ!何故だかわかるか?
 貴様に期待をしているからだ!!そんな組織の光のような存在である貴様をこんなくだらない任務で死なせたくないのだ!!!≫
そのようなバレルの俺への態度と言葉に、俺はおかしくなって大声で笑ってしまった。
俺に余計に腹を立たせたらしくバレルは、何がおかしいと前にも増して大きな声で怒鳴りつけてきた。
そして笑いをこらえ、俺はトランシーバーに向かってこう言った。
「俺が光?もし俺がそんなのなら組織はとっくに崩壊しているぜ。この組織はすべて黒く染まりきっているんだ。
 闇には光なんか必要ない。俺は闇にまぎれる黒い存在なんだ。これからも俺は組織の中でそうしていくつもりだぜ」
付け加えるように、俺はしゃべり続けた。
「それに、はっきり言って俺はあんた達に期待される筋合いはない。顔も名前も教えてくれないような奴らに期待されても
 俺は何にもうれしくない。今後もそれを続けるなら俺はあんたのその言葉、偽りのものとして受け取るぜ」
しばらくの間沈黙が俺とバレルを覆う。イーグルはバレルと通信を交わしている間も、ずっと俺から離れないでいてくれた。
≪・・・・・・ディード・グラインだ、私の名は。知っているが改めて聞く。貴様の名はなんと言う≫
俺はやっと自分の事について話してくれたバレルに応えるために、威勢よく自分の名をトランシーバー越しに叫んだ。
「ジャン・カリファティウス。ディード・グラインの指令のもと、何れのような任務もこなす組織の一員である」

バレルは偽りのものではないと信じるぞと、いつもの話し方で言った。

≪さて、こんな事を話している間に、爆発まであと六分だ。どうする≫
「何わかりきっていることを・・・爆弾を解体し、古塔の生物を救うのが、新たに俺に与えられた任務だ」
≪・・・・・・・・・・・・無事生還することができたのなら、レストランでどんな物でもおごってやる。
 そして酔いつぶれるまでとことん飲ませてやるから、心得ておけ≫
「了解。それがこの後に与えられる任務ならば、俺はもちろんこなしてやるさ」

成功を祈るというバレルの声が聞こえた後、通信は切れてしまった。
そして俺は、屋上に自分が設置したプラスチック爆弾を睨みつけ、そこへ向かって走った。
わかっていた事だが、やはり爆弾が起動している。その爆弾の数値は5:43をあらわしていた。
恐怖が全くないと言えば嘘になる。俺は解体作業に若干の恐怖を抱いていた。恐怖と焦りによって、わずかに手が震えている。
イーグルは、解体作業を始めようとしているそんな俺の足に、すりすり頬擦りしてきた。
慎重な作業が必要な爆弾解体。一つの小さなミスが大惨事につながってしまうのだ。
作業妨害といえなくもないその彼女の行動は、非常に危険なものだった。
しかし、俺はその行動を止める気はしなかった。彼女の愛が、俺をさらに強いものにしてくれる。そんな気がしたから。
その証拠に俺の手の震えが止まった。愛に触れたことによってだろう。これからもずっとイーグルの愛が欲しい。ずっと一緒に暮らしたい。
そのためにも今は、俺のやるべきことをやるのだ。俺は背広から小型解体道具を取り出し、こう言った。

「コードネームチャンバー。我は、これより任務を遂行する」

End
145名無しさん@ピンキー:2010/07/03(土) 03:59:22 ID:H97IxVbg
以上です。陵辱ってほどの物でもなかったですね・・・
調子にのってみたりのってみなかったり・・・そんな作品でした。
おまけ後日投稿してみようと思っています。
読んでくださった皆様に、感謝申し上げます。
146名無しさん@ピンキー:2010/07/03(土) 04:10:11 ID:iksN+GWo
乙!
147名無しさん@ピンキー:2010/07/03(土) 20:08:37 ID:sZ3xenc8
乙、こんな世界観も案外悪くない
148名無しさん@ピンキー:2010/07/03(土) 21:25:29 ID:Y1tvx/Nv
もうガブラスフェイクがまともに見られねえ・・・

過去スレをサルベージする方法を発見

読み返してみると、wikiにはのっていないストーリーがぽつりぽつり

Excelにまとめて、wikiに追加していこう!

↓作業開始から8時間

エロエロすぎて手が進まねぇ、グハッ!

wiki更新の難しさがなんとなくわかったぜ・・・
149wiki開設者:2010/07/04(日) 01:20:16 ID:BWoQ7dTY
>>148
そのwiki更新が最近滞っているようなので、その過去スレをサルベージする方法とやらを教えてくれないか?
●使わないなら自分でもログとってみる。
それと、最近livedoorwikiにタグ機能とやらがついたので近々使ってみる予定。
最も、現在タグ機能が正常に動いてないみたいなので今すぐには無理だと思う。
150148:2010/07/04(日) 02:17:58 ID:FYOo2/z/
>>149
その欲望をそのままグーグル先生に聞くんだ
そうすればおのずとたどりつけるはず
ヒントは「変換機」
あと●は使いません、完全無料です

タグ機能は様子見ですな
あと、やっと1スレ目のExcelデータまとめが完了
全スレまとめるよりも先に、俺の息子が腐り落ちるほうが早そうです・・・><
151名無しさん@ピンキー:2010/07/04(日) 10:49:55 ID:skNZHHbk
>>150
そいつはいけない・・・早く薬草を息子に巻きつけないと・・・

>>144
おまけができたので投稿しますね〜
カランカラン

レストランの出入り口のドアを開けると、少し音の低い鈴の音が俺を迎えてくれた。
高級木材を使った茶色い床に窓から見える夜の街並み。そしていくつも並べられた大きなテーブルが目に入ってきた。
ウェイトレスのような黒い服を着たアイルーの若い青年が俺に近づいてきて、歓迎の言葉を述べた。

「いらっしゃいニャお客様。お一人かニャ?」
「ディードという名前で予約した男がここにいるはずなのだが・・・」
「その方ニャら、あちらのお客様ニャ」

青年が指した先はレストランの最奥テーブルで、そこには少し白髪の混じった髪を生やしている威厳のある中年男が座っていた。
俺はそこのテーブルへと向かい、その男に話しかけた。

「あんたがバレルか?」
「・・・組織の中でのコードネームを、公共の場で易々と喋っていいものではない。とりあえず座れ」

催促された通りに俺はその男、ディードの向かいの椅子に腰を掛けた。
その椅子の座り心地は悪くない。さすが高級レストランといったところか。
ディードは俺の前に、メニュー表の様な物を差し出してきた。俺はそれを手にとって読んだ。

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│                     │
│オ レオレ・オレオ・オレオレオ  6800000z │
│                     │
│カ ニとザザミの味噌煮       3860z │
│ │
│ズ ングリムックリ シモフリトマト 2940z │
│ │
│は ごろもリュウノテール炒め 9500z │
│                   │
│ナ ルガ・グラタンスープ      5400z │
│ │
│ナ ナフシ&ゴキブリ混入チャーハン  1z │
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 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
(オレオレ オレオ オレオレオ・・・・・・このままオレオ道に走り続け――)
「どうかしたのか?他にもメニュー表ならあるぞ」
「あっ、すまない・・・・・・」

なにかおかしな物に引きずり込まれそうになったが、ディードのお陰で助かったようだ。
俺はディードが差し出してきた別なメニュー表から、肉料理を選んでウェイトレス猫に注文した。
そしてウェイトレス猫が俺達のテーブルから離れて行くと、ディードが俺に話しかけてきた。

「もう三日も前か」
「・・・そうだな。時が経つのは早いもんだ」
「貴様が爆弾解除を成功させたという知らせを入れた時は、組織全体が安堵していたぞ」
「俺はそこまで重宝されるような存在なのか?俺はただ単に仕事をちゃんちゃんとこなしているだけだぞ」
「私達の目は節穴ではない。才能のある人物は、組織にとって非常に貴重な存在なのだ。特に貴様のような
 組織に反抗もせず、さっき貴様の言った通り淡々と仕事を成功させていく者はな」
「煽てるのはよしてくれ」
「煽ててなどはいない。真実を言っているだけだ。まあその貴重な存在をないものにしようとした、契約違反を起こした
 組織は、もうこの世には跡形も残っていないだろうがな」
「あんた達が壊滅させに行ったんだっけか」
「そんなの当たり前だろう。一度はむかった者は、誰であろうと潰す。それが組織の流儀だという事はすでに知っているだろう」
「・・・・・・闇の組織だからな。帰還しようとした時何人かハンターが古塔に向かってきた時は驚いたが」
「ハンターギルドの者達だろう。貴様のお陰で、ギルドも安泰という訳だ。今回のことで、貴様は多くの者を救ったのだ」
「・・・・・・・・・でも、これでよかったのか。俺は闇の組織の人間だというのに、他の者の為に何かをするなど・・・」
「光だろうと闇だろうと、誰かの為に貢献して何が悪い。貴様も、組織の為に十分貢献してきているだろう」
「・・・そういえばそうだったな」
「ところで貴様には幾つか聞きたいことがある」
「何だ」
「・・・・・・・・・・・・何故、うちの組織に入ろうと思ったのか、だ」
「・・・・・・あんたの所の組織は強いからだ。そんなの他の奴から見てもわかることだろう。
 弱い組織なんかに入ろうとする奴なんていないだろう?」
「違う。貴様の家のカリファティウス家は、世界有数の名門貴族だろう。金には困るはずはないのに、
 なぜ命を危険にさらしてまでうちの組織に入って任務をする気になったのか、という事だ」
「・・・・・・・・・」
「それに貴様の親はハンターもやっていたとの事ではないか。同じ命を懸けるなら、そちらの方が法に触れる事もない。
 より安全に金を稼ぐことができたのだぞ」
「俺は、当時逆の事を考えたんだ。同じ命を懸けるなら、より刺激的な方を選んでやるってな。
 ずっと俺は、妹のミルシアと一緒ににつまらない日々を送って来たんだ。当時の俺は、とてつもな
 く馬鹿だったんだろうな。自分の人生が懸かるってのに」
「その馬鹿のおかげで組織は大助かりしてるというわけだ」
「・・・なら俺としても有難いんだけどな」
「あと一つ訊きたい。先程から、貴様が持っているカバンでうごめいているそれは何だ?」
「おっと、忘れるところだった。紹介するよ。イーグルだ」
『ギュル』
「!!?ここはペット禁s―」
「おっと!しーっ!・・・・・・黙っててくれ、な?頼むぜ」
「むぅ・・・そいつは確か、あの時帰還した時に連れていたガブラスだな」
「そうだよ。だけどこいつはペットなんかじゃないぜ。愛を交し合った仲なんだ」
「つまり・・・どういう意味だ?」
「セックs―」「待て待て、それ以上先は言うな。貴様が竜姦野郎だって事は理解できたから」
(・・・・・・・・・返す言葉がないな・・・)
「と言うか貴様は仕事中に何をしていたのだ。竜姦するために貴様は古塔滞在を要求したのか」
「違う。イーグルを探すためだ。仕事自体を引き受けたのも、その為とも言ってもいいな。
 行方不明になってたイーグルの居場所が古塔付近っていう情報をつかんだからな」
「もともと貴様のペットだったのか」
「だからペットじゃ―」「黙れ竜姦野郎」
「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」
『グゥ?』

そのまま俺たちは沈黙に陥った・・・・・・。
「ふう・・・腹いっぱいだぜ」
俺は食い物でいっぱいになった腹を抱えてレストランの外に出た。見慣れない街並みが俺の目に飛び込んでくる。
イーグルは俺の持っている大きなカバンの中で大人しくしてくれていた。

「まだ終わらんぞ。次は酒場に直行だ」
「え!?もう夜明けだぜ。家に帰って休ませてくれよ」
「馬鹿者。あの時言っただろう。酔いつぶれるまでとことん飲ませてやると。そこの酒場はペット入場可能らしいから安心しろ。
 たしかガブラス用の高級餌もあったらしいぞ。よし、私がおごってやる」
『グゥウ!』
「! イーグルそんな嬉しそうにしないでくれよ・・・わかった。それも俺への任務なら、引き受けてやる」
「よし決まりだ。行くぞ」
「・・・・・・はぁ・・・・・・しばらく眠れそうにないな・・・・・・」
『クゥンクゥン』
「ん・・・・・・?あっ、そうだ。まだ親父達に紹介してなかったなイーグルの事。・・・久しぶりに実家に帰ってみるかな」
「何してるんだ。早く来い!」
「了解!今行くぜ!」『ギュぅウ!』

その時の俺とイーグルとディードの体は、月光によってできた建物の影に黒く染まっていた・・・・・・。
156名無しさん@ピンキー:2010/07/04(日) 10:55:08 ID:skNZHHbk
以上です。
メニュー表の所めちゃめちゃ崩れてる事に自分でも吹いてしまった。
皆様ありがとうございました。
157ろくろ:2010/07/04(日) 16:09:39 ID:Odk+6ISI
test
158ろくろ:2010/07/04(日) 16:12:15 ID:Odk+6ISI
お久しぶりでございます。
覚えていますーか?ろくろです
長い規制を乗り越えかえってきました。では何話目かは忘れましたが
いつでも心に弾丸を再開です
159ろくろ:2010/07/04(日) 16:13:04 ID:Odk+6ISI
「さてと」
 そういって筒を地面に置くリン。
「それじゃあ早速試し撃ちをやります」
「応」
「じゃあこれをつけるから利き手を出して」
「頼む」
 かなりがっしりした腕に皮ベルトを回して固定していく。こうしてみると体中に古い傷跡が沢山ついている。
「にしても、これはどうやって使うんじゃ」
「グリップの横に付いてるこのボタンを押す、だって」
「ふむ」
そのまま上に向けたままの状態でボタンを押すフィスト。カチッという軽快な音と共に腹の底まで響く巨大な音が室内に広がる。
あまりの爆音に目を回す二人。何とか意識を保って上空に眼を向けると何かが落ちてくる。
ゴスッと言う音を立てて床に半分ほど埋まったのは、燕雀、輝竜、霊鶴、鳳凰が綺麗に混じった弾丸だった。
「は?」
「ほう、綺麗じゃのう」
 あの轟音の正体はこれか?これなのか?何故こんなに大量の鉱石の塊を?
 頭の中には疑問符ばかりが並んでいた。
「大丈夫、結構凄い音がしたけど?」
 少しだけ真面目な声音でジョージが入ってくる。
「言い忘れたことがあって言いに来たんだけど…」
 大量の煙を払いながら近付いてくるジョージ。
二人の元にたどり着いて発した一言は、
「あちゃー。やっちゃったーのね…」
160ろくろ:2010/07/04(日) 16:15:14 ID:Odk+6ISI
「あら。何??」
「何でこんなに弾が豪華なの」
「企業機m、おk、わかった仕舞ってすぐに」
「色々聞きたいことがあるけど」
「わかったよーう。話しますーよ」
 なるだけ温度を下げたリンの目線に怯むジョージ。
(蛇と蛙の喧嘩の様じゃのう)
平和なのはフィスト一人だった。
「当たり前だ〜〜けどモンスターには、利きやす〜〜い属性と利きにくい属性ってものがあるでしょ」
「うん」
「例えば金銀の二匹はー雷が利きやすいとか、金獅子には氷を使うとか」
「うん、で?」
「弾丸にも同じことが言える。だか〜〜ら属性なんか関係無しに装甲を完全にぶち抜く、
だ〜〜から弾丸を単純に鉱石で固めてみたわけ」
「なるほど」
「?やはり難しい話はわからん」
「そうすれば属性に左右されないーーで、しっかりとしたダメージを与えられると思ったのよ」
「なるほどね、でもそうするとこれだけ純度の高い鉱石の塊って結構大変じゃない?
値段にしても運ぶにしても」
「そ、でここから本気モード。使い方とかしっかり教えるからしっかり聞いて、OK?」
 年に一回か二回、それぐらいしか見られない。それほどの本気がひしひしと伝わってくる。
 自分の武器でさえへらへらと要領を得ない説明しか何のにも関わらず。
「フィスト、こっち来て」
「あ?おお」
 武器をつけたままゆっくりと立ち上がるフィスト。
「念のためにリンちゃんも覚えておいてね。まずはこれの仕組みを簡単に説明するわ。
まずこれの弾だけど、一発ごとに補充する必要があるから気をつけてね。
そんでもって、少し重量があるから弾籠めしたままの殴り合いはお勧め出来ない」
懐から取り出だしたるは、という感じで弾丸を取り出したジョージ。
外見的には、既存の薬莢の上に磨かれた鉱石の塊が様々な色を湛えて乗っかっている。
これをあの音とあの速度で相手に撃ち込む。天井の大穴も含めて想像すれば火力は凄まじいものになるだろう。
 実演を踏まえながら説明するジョージ。まず触れたのが筒の後ろ側に畳まれている取っ手らしき物。
「これがリロードのときに必要なの」
そう言ってフィストの腕につけたまま、取っ手の付いたカバーをずらす。
すると空の薬莢が景気のいい音を立てて飛び出す。
「そしたら弾丸を頭から入れる」
その言葉通りにこれまた軽快な音を立てて弾室に滑り込む弾丸。
「そしたらさっきとは逆の手順で、カバーを閉めて、これで出来上がり」
「ほう、ずいぶん簡単に弾込めができるんじゃのう」
「あら、なんで知ってる風な言い方?」
そういわれたフィストは懐かしそうな顔をして、
「なあに、昔、槍に弾丸を詰めたものを喰らってのう。いやあアレは痛かった。はっはっはっは!」
「いや笑えないから」
さらっと一言だけ突っ込みを入れるリン。
「ジョージ黒グラの甲殻って予備あるの?」
「もっちのろんろん、しっかり正規ルートだかーら、安心して〜ね」
「そう、じゃあ用意してくれる?」
「はいは〜い」
そのままいつもの調子に戻ったのか、ご機嫌な様子で駆けていく。
161ろくろ:2010/07/04(日) 16:15:40 ID:Odk+6ISI
「のう」
「ん、何?」
 横からは座りながらレバーをいじっているフィストが。
「これに注文をいくつかつけるのは構わんのかのう?」
「さあ、でもあいつは気まぐれだから、もしかしたら聞いてくれるかもね」
「そうか…」
 おくから鎖が擦れるのに似た音をたてながら、二メートル程に区切られた
黒々とした雄雄しいまでの甲殻が出てきた。
「凄い…」
「これはまた立派な物じゃのう」
「凄いでしょ?このサ〜イズまで小さくす〜るのに、丸四日〜も掛かったの〜よ」
 ゆっくり近付きそっと手に触れる。
四日も掛かったということは切り出すのにも同じほど掛かったということだ。
あわせて八日。それほどの時間が経ったはずなのに近付くだけでむせ返るほどの
熱量を維持している。何百年と生きてきたそのいきざまがまざまざと感じられた。
「これは誰が倒したの?」
「ポストマンとレディウルフよ」
「え?あの二人が」
「そう、ポストマンった〜ら、僕の所にやってき〜て何か言うと思ったら、
ぼろぼろ涙流し〜ながら、闘うのがつらいと思ったのは初めてとか言うし
レディウルフも見てるこっちがつらかったとか言ってね……」
「誰じゃその郵便屋と狼女とか言うのは」
「後で会えるわよ。今はそれの」
「試し撃ち、じゃろう?わかっておる。全く…突っ込みも無しか」
「じゃ〜、さっさ〜とやっちゃいましょ〜うか」
 そう言って後ろから杭が出てきて、床に固定された。
「さあ、ぱぱっ〜とその筒の中に籠められた熱い熱い一発をドドンと!」
 それを全く聞かずに甲殻の前に進んでいく。そのまま一例。左足を前に出し右足を後ろに。
 右腕を後ろに下げ左手を前に。
「ま〜た随分と」
「慣れてる…」
 そのまま強烈なストレートと共に繰り出される白の筒。そして拳が当たるその瞬間。
爆音としか形容しようの無い音が室内を覆った。
仕組みを理解していたジョージは耳をしっかりと塞ぎ、
一度しっかりとその身をもって、体験しているリンはより一層耳を塞いだが、
まったくの無意味だった。
目の前の甲殻にはひび一つ無い、綺麗な新円が空いていた。
162ろくろ:2010/07/04(日) 16:16:05 ID:Odk+6ISI
「ねえ、リン?」
「何?」
「どうし〜て僕の四肢に強固な縄が〜結ばれているの?」
「それはね、あんたの自由を封ずるためよ」
「ねえ、リン?」
「何?」
「どうし〜て僕は猿轡を〜噛まされようとしているの?」
「それはね、あんたの口を塞ぐためよ」
「ふぇえ、ひん?」
「何?」
「ほうひてほふはふふっはふうをふへへいふの?」
「どうして僕が作った銃を向けているのかって?それはねあんたを本格的にぶっ飛ばすためよ」
「ふぇえ、ふぃふほ?」
「ん?」
「はんへあはははほへほうほひはいほ?」
「『何で貴方は止めようとしないの』だって?どうでもいいからじゃ」
163ろくろ:2010/07/04(日) 16:20:54 ID:Odk+6ISI
「にしても、凄い威力だったのう」
「確かに、でもあれだけ強いと使いどころを考えないとね」
「確かにのう。まあ、今はシークのところに行かんとな」
 そのままギルドに向う二人。
「そういえば」
「ん、なんじゃ?」
「フィストは何であんなにしっかり構えが出来てたの?」
「何、昔取った杵柄と言うやつじゃ。中々様になってたろう?」
「杵柄?」
 いきなり出た単語に首を傾げるリン。
「『昔』って何かやってたの?」
「ああ、さっき言ったろう。三月ほど人の姿になったと。そのときにな、
わしを襲おうとしてきた木っ端共からの護身術代わりに少し練習しておったんじゃ」
「へえ、じゃあ我流?」
「うむ、まあ射程が違ったり踏み込みが浅かったりと色々大変じゃったんだがな」
「へえ」
そうこうしているうちに、ギルドの前に着いた。その途中で道具屋や顔見知りの連中が
ついにリンもか…だとか、男を捜すくらいならポポと遊んでたあの子にも春が…、
色々な憶測が耳に入ってきた気がするが全て無視と決め込んだ。
164ろくろ:2010/07/04(日) 16:21:28 ID:Odk+6ISI
本日はここまで
また暇を見て書き込んでいきます
では、ノシ
165名無しさん@ピンキー:2010/07/04(日) 16:33:57 ID:MQKVr9Ke
>>156
乙!

>>164
乙だけど1つ前の投稿からもう少し時間を空けてから投稿すると良かったんじゃないかなあ。
166148:2010/07/05(月) 02:39:40 ID:Wv3QyWbV
くそ、Excelいじってる間にも新しいSSが・・・!
まとめ終わったら全部一気に見てやる、絶対に!

現在5スレ目途中までまとめ大体完了
というのも、wikiに無い話を読んでいるとマジで手が進まないので、
未掲載の話はほとんど放置しながらまとめているんだ
とりあえずその話がスレ内のどこにあるのかはレス番号控えて整理しています

ちなみに私がしているまとめってのは以下の通り
・過去スレからwiki未掲載の話を探し、リスト化
・「名無し」と処理されwikiに掲載されている話が、本当に「名無し」が書いたのか調べてかつ修正を加える

未掲載の話に「タイトル」や「カップリング」、「備考」、「作者」データも加えていきたいけど、
時間が無いので断念
「俺が変わりにその未掲載の話を読んで、そのデータをまとめてやるぜ!」って人がいたら、
すぐにでも未掲載の話をまとめたデータをうpします
167名無しさん@ピンキー:2010/07/05(月) 02:51:34 ID:fg2FQN5u
>>166
SUGEEEEEEE! 貴方が神か……!
SS投下神も嬉しいが、こーゆー神も嬉しいよね。すげー有難う!
今ちょっと手伝えそうになくてすまん……。 (´・ω・`)
168名無しさん@ピンキー:2010/07/05(月) 06:22:36 ID:PcshJpP4
>>166
Nice!すごく・・・感謝です・・・!
169名無しさん@ピンキー:2010/07/05(月) 19:26:06 ID:6yB8E3YA
>>166
お疲れ様です
データまとめるのをお手伝いしたいです
PC+ネット環境があればできますか?
170166:2010/07/05(月) 20:13:35 ID:Wv3QyWbV
>>169
ありがとうございます!

>>環境
それに+2ch専用ブラウザがあるとバッチリです
が、無くても問題はありません

現在1スレ目の未掲載ストーリーをまとめ中です
まとめ完了次第、.txtデータとしてこちらにうpします
171166:2010/07/05(月) 20:48:48 ID:Wv3QyWbV
1スレ目未掲載話まとめ終わったのでうpしますね

http://uproda11.2ch-library.com/11251402.zip.shtml
PASS:mh

中にはスレのdatと、未掲載話をテキスト化したものがあります
テキスト内の上部に、その話の簡単なデータが書かれています
皆さんはそのデータを埋めてくれると助かります

ちなみにdatですが、2ch専用ブラウザがあると読みやすいです
Janeの場合、以下の方法で読めるようになります

1.「エロパロ」板を開く
2.スレ一覧にdatファイルをドラッグ&ドロップ

全ての未掲載話のデータが埋まりましたら、下記うpろだサイトよりうpしてください
http://uproda11.2ch-library.com/

それと、未掲載話をwikiに掲載するのはストップでお願いします
172169:2010/07/06(火) 00:52:56 ID:7e0ca72M
>>171
やってみました。ミスありませんように
http://uproda11.2ch-library.com/11251442.zip.shtml
PASS:mh

1スレの630氏は、保管庫の「ロリババァの前身の話」を書いた方のようです
173166:2010/07/06(火) 02:17:36 ID:7fZaQUlW
>>172
確認しました
感謝でございます^^

>>630
やはりあの方でしたか
つながりがわかってとても嬉しいです

Excelまとめは現在7スレ目まで終わりました
1日3スレかな? あまりはかどらない・・・

それと、1スレ〜3スレ目をまとめたExcelデータとdatをうpしました
http://uproda11.2ch-library.com/11251454.zip.shtml
もし皆さんのお時間がよろしかったら、中にあるExcelデータの未記入欄を埋めてくれると助かります
未掲載話はdatファイルより参照してください
未掲載話のレス番号は、ExcelのG列に記載しています

何かわからないことがありましたら教えてください
すぐに答えれるかどうかはちょっと難しいですが・・・
174名無しさん@ピンキー:2010/07/06(火) 04:55:04 ID:/itHFOyt
おお、凄いなあ!
作者別の項目があるけど、これって自己申請しといたほうが良いのかな?
175166:2010/07/06(火) 09:42:27 ID:7fZaQUlW
>>174
E列のことかな?
編集が難しい場合は自己申告でもかまいませんよー
176ギアノス擬人:2010/07/06(火) 15:14:26 ID:xh34tcgn
更新の息抜きに

・ギアノス擬人
・いろいろ捏造
・上記が駄目な方々はギアノス擬人をNGワードしてくださるとありがたいです



雪深い山奥の寒村に、旅芸人の一座がやってきた。
旅芸人というのは名目で、実際はハンターの慰問を生業とする集団だ。
村人には曲芸、軽業、異国の珍しい話や文化、俺達ハンターには艶やかな衣装、
豪華な調度品、そして柔らかな女体で、束の間の浮世を楽しませてくれる。
今回村を訪れた一座は男も女も上玉揃いで、中でも新しく入ったらしい小柄な若い娘は
初々しさと内側から輝くような笑顔で、一際人目をひく存在だった。
一座が天幕を張る間、長老とおぼしき老婆が村の子供達を集め、話を聞かせていた。
「昔昔、人間の男がギアノスに恋をした、ギアノスは人に化身し、男の妻になった、それは神の知るところとなり、
ギアノスと子供達は呪われた、ギアノスと子供達は人と鳥竜の姿を行き来するようになり、人として生きることも、
竜として生きることも許されず、今でも世界をさ迷っておるのじゃ」



一座がやってきて三日目、村長の急な使いで雪山草を採りに行く途中、谷間の花畑で花を摘む人影を見かけた。
あの新入りの娘だった。
黒い髪を緩く束ねて結い上げ、ふんわりした生地を幾重にも纏った娘が、白い指で、淡い青色の花を丁寧に手折る。
まるで天女だ。
ぼうっと娘の所作を見つめていたら目があった。
娘はこちらに気づくと、屈託のない笑顔を浮かべ、軽く会釈してきた。
なんだかドキリとした。
慌てて雪山に向けて歩き出す。
眩しい笑顔だったな……あんな娘でも既に男をくわえ込む術を身につけているんだろうか。
些か下品な想像に軽い自己嫌悪に陥った。

山から帰る途中、村に入る隧道の茂みで一匹の若いギアノスを見かけた。
襲い掛かってくるでもなく、潅木の影からこちらを窺っている。
二日ばかり前から村近辺をうろついている奴だ。
雄として成熟し、群れを追い出された若い個体かも知れない。
切ってすてようかと思ったが、今日は返り血を浴びたまま村に帰りたくなかった。
軽く手を振って追い払った。

その夜、男特有の生理的要求から一座を訪れ、宛がわれたのは花畑であった娘だった。
177ギアノス擬人:2010/07/06(火) 15:16:43 ID:xh34tcgn
ポポの毛の絨毯が敷かれ、燭の燈された部屋で、花鳥風月が描かれた酒盆を挟んで差し向かいに座る、
虫の吐いた糸で編まれたという光沢ある薄布を一枚纏っただけの娘と視線を合わせぬよう、錦糸を
贅沢に使った分厚い座布団を抱き抱え、適当な話で茶を濁す。
燭の灯に透けて見える娘の肌は、雪のように白く、肢体は美とエロスが
程よく混じり合う究極の曲線美で構成された、至高の眼福。
乳首も綺麗な薄い朱鷺色で、まだ穢れていない事を示している。
ひどく気まずい。
なんてこった。この娘が誰とも知らぬ男達にめちゃくちゃに
犯される姿を妄想し、理性のたがが外れてここに来たというのに。
君は抱けない、だから帰る。遠回しにそう言うと彼女は笑った。
「わたし、初めての相手は優しい人がいい、そう決めてたんです」
鈴を振るような可憐な声でそんな事を言う。
「君には僕が優しい人に見えるのかい?」
君を全裸に剥いてあられもない姿を想像した男が?
「あなたは困っている人を見過ごせない、人の頼みを断れない人でしょう?」
返答に詰まって人差し指でこめかみを掻いた。
確かにそんな一面がある。
それで損をしたり、お鉢が回ってくる事がしょっちゅうだ。
今朝の雪山草摘みだって、俺なら断らない、と確信した上での依頼だ。
「この村に来てからずっと見ていた……あなたに、初めての相手になってほしい」
人の頼みを断れない。
そう言われればそれは美徳になるのかも知れない。
この場を逃れることを諦めた。



娘は実に感じやすい身体で、指で肌を撫でるだけで何度も登り詰めた。
頬から首筋、鎖骨が弱いらしく、しつこく舐め回し撫で擦ってやると、
娘はあんまりです、と哭いて、嫌々をするように喘ぎ、悶えた。
その度に腿の付け根からねっとりした、男を興奮させる水音が零れる。
ふと、悪戯を思いついて、身体を離し、長い毛足の絨毯に横たわる娘の膝を抱えると、形の良い親指を口に含んだ。
178ギアノス擬人:2010/07/06(火) 15:18:02 ID:xh34tcgn
いきなりそこに口をつけても良かったのだが、それもあまり芸がないと思ったのだ。
汗でぬめぬめ光る娘の白い身体が、膝から上をぴたりと閉じたまま跳ね上がる。
まるで釣り上げられた魚だ。
「そんなの、ダメ、嫌、嫌ぁっ」
「じゃあどこならいい?」
指から口を離し、足から膝、腿と遡上を開始する。
「そんな……意地悪しないで」
頬を染め、涙声で懇願する娘。
「意地悪じゃないよ、初めてだから無理強いしたくないだけ」
「……やっぱり意地悪です」
そんなはしたない事、口にさせようとするなんて。そう呟き、娘は怖ず怖ず膝を開いた。
「お願い……これ以上は許して……」
申し訳程度に開かれた膝に手をかけ、こじ開ける。
娘がああ、と泣いて両手で顔を隠した。
意識しているわけではないのだろうが、ひどく煽情的な仕草だ。
そこに鼻先を近づけ、鼻を鳴らす。
「いい匂いだ」
それだけでまた軽い絶頂に達したらしい。
揺れる燭の明かりの中、澄んだ色の花弁が震え、奥から新たな蜜が湧き出す。
舌先で小さな蕾を押すと娘が啜り泣くような声をあげた。
「ああ……もう……」
どうしたらよいのかわからない、と白い華奢な腕をさ迷わせる。
その腕を取り、娘の乳房に宛がった。
「揉んでごらん」
娘が息を飲む。
「そんな……」
他意はない。ただ、初めての行為でこんなに乱れる娘が、最後の一線を越えるまでにどこまでよがり狂うのか、知りたかった。
再び秘処に顔を埋め、卑猥な音を立てて、ゆっくり舌を這わせる。
散々よがらせ哭かせ、様子を伺うと、娘は身をよじり、自らの乳首を捩りあげて目茶苦茶に揉みしだいていた。
これなら。
舌での愛撫を続けながら体位を入れ替える。
口元に先端を押し付けると、ためらうことなく口に含み、拙い動きで舌を絡めてきた。
くぐもったうめき声と水音が響く中、娘の口に吐精した。
男を知らぬ娘相手に肉棒をしゃぶらせて口内射精なんて、やりすぎたかな……。
罪悪感に動きを止め、顔をあげる。
コクリ、と細い喉が白濁を嚥下する音が聞こえた。
吐き出したばかりの愚息が興奮に漲っていく。
蜜と唾液でしとどに濡れ、快楽にわななく
鮮紅色の花弁を晒したまま、
恥じらいに染まる肢体を寝台に移し、対面座位の形で抱き抱えた。
179ギアノス擬人:2010/07/06(火) 15:18:51 ID:xh34tcgn
察した娘がほんの少し怯えた目でこちらを見遣る。
散々覗かれ舐められてもそこは今だ処女のそれであり、これからする事は未知の体験なのだ。
「まだ、しないよ」
そう言って、溝を割り、指を沈めた。
良く締め付けて来る。
膣口辺りで指を抽送させると、はぅ、と哭いて娘がのけ反った。
「どんな感じだい?」
息も絶え絶えの娘を抱き寄せ、指を抜く。
ぽつりと重い音を立て、蜜の滴が褥に垂れた。
「どんなって……力が抜ける…抜けてくの……」
「そう」
これなら痛みもさほど感じないだろう。
抜き身の刀身を宛がい、ゆっくり押し当てる。
先端がとば口を割ったところで娘が我に返った。
慌てて腰をひき、逃れようとする。
「あっ、あっ、太い……!太い!」
左手で尻を、右手で背を抱えて抱き寄せ、鎖骨に舌を這わせる。
身体がビクリと震え、力の抜けた身体が崩れた。
自重で自ら肉棒をくわえ込む形になり、一気に根本まで挿入した娘が、小さく鋭いイキ声をあげた。
「ほら、入った」
「こんな……簡単に……」
意外にもすんなり受け入れた事に驚いているような恥じているような複雑な表情の娘を仰向かせ、唇を重ねた。
それだけでまた娘が腰をひくつかせる。
キスだけでイクなんて。
この感じやすい娘がひどく愛おしく思えた。
同時に了見の狭い感情も沸き上がる。
こんな悩ましい顔を他の男にも見せるのか。
誰にも触れさせたくない。
この娘をずっと手元に置いておきたい。
そうだ……この娘を身請けしよう。
明日の朝一番に貴重品を売っぱらって金を作ろう。
素材はいつかまた手に入るが、惚れた女もそうとは限らない。
「明日、君を迎えに行くよ」
そう囁いた。
娘は、まあ、と花が咲いたような表情で驚き、それから何故か酷く悲しげな顔をして俯いた。
「それは出来ないわ……わたしは一座の中でしか生きられない……」




夜明け前、村にギアノスが入り込んだという知らせが飛び込んできた。
腰がだるかったがそんなこと言ってられない。
起き上がり、太刀を掴んでハウスを飛び出した。
180ギアノス擬人:2010/07/06(火) 15:21:16 ID:xh34tcgn
村長の息子の話では辺りを窺うように広場を歩いていたという。
「数は」
「一匹だけです」
多分あいつだ。
すぐに人間のいる場所は危険だと覚えるだろう、とそのままにしていたのだが、甘かったか。
ギアノスはすぐに見つかった。
意外な事に、雄ではなかった。
若い雌だった。
山で見かける奴らと違い、仕草が柔和で美しかった。
一瞬、手をかけるのを躊躇った程だ。
しかし場所が悪かった。
よりによってコイツは俺のハウスの中に入り込もうとしていたのだ。
ハンターをナメやがって。
太刀を奮い、バッサリ斬りつけた。
肩から腹まで袈裟がけに斬られ、深手を負ったギアノスは家から飛び出し、崖を転がり落ちていった。



朝になって一座が出立準備を始めた。
一座の一人が急な病で死んだという。
「お気遣い痛み入りますが、我等はここに骨を埋めるわけには参りませなんだ」
せめて葬儀だけでもという村長の申し出を長老は枯れた声で固辞し、昼前には一座は村を離れた。

誰が死んだんだ。
そう聞きたいのを堪えるので精一杯だった。
何故なら、今日はあの娘の姿を一度も見ていない。
まさか死んだのはあの娘なのか。

確かめたくて一座を追った。



181ギアノス擬人:2010/07/06(火) 15:22:15 ID:xh34tcgn
……村から離れた針葉樹の林の中で一座が休憩していた。
少し離れた大木の陰から様子を覗き見る。
荷車から担ぎ降ろされたのはやはりあの娘で、俺は悲しくなった。
なぜだ。何故あの娘が死ななきゃ……!
しかし様子がおかしい。
老若男女皆服を脱いで、次々裸になっていく。
娘を打ち捨てたまま一体何をしているんだ。
長老が一座に向かって言い放った。
「人間に恋するは禁忌、惚れた男の手にかかって死んだのじゃ、娘も本望であろう」
次の瞬間、一座の長老が、ギアノスに変貌した。
「!」
それを合図に一座が次々ギアノスに姿を変えていく。
信じられない光景だった。

人間の男に求められ化身したギアノス。
神に呪われ、人として生きることも、竜として生きることも出来ず、今でも世界をさ迷う子供達の末裔。

村で斬ったあのギアノスは……まさか。
ギアノス達が走り去った後、俺は娘の死体に駆け寄った。
娘は病死ではなかった。袈裟がけにバッサリ斬られていた。

俺は絶叫した。

俺は惚れた女を斬ったのか。
惚れた女を手に掛けたのか。

そうして、声も涙も枯れ果てた頃。
パキリ。枝を踏み折る音に顔を上げた。
俺はギアノスの群れに囲まれていた。
歳老いたギアノスが鳴いた。
……おまえ様がついて来ていたのはわかっておったよ……
そう喋ったような気がした。



182名無しさん@ピンキー:2010/07/06(火) 20:19:50 ID:X/JAB/IS
昔話を思い出した
gj
183名無しさん@ピンキー:2010/07/06(火) 22:06:46 ID:/itHFOyt
乙!
184名無しさん@ピンキー:2010/07/07(水) 22:06:51 ID:CciZD6Re
まんが日本昔話の怖い回みたいだ。いい意味で。
GJ
185肉食と草食:2010/07/09(金) 16:24:02 ID:vWG37NcJ
GJ!確かに昔話おもいだすなぁ

前スレからの続きです。
一応久しぶりの更新なのでジャンル表記します。

リオレウス亜種×アプトノス♀

でしたが、今回ちょっと変わって、

リオレイア亜種×アプトノス♂

となっております。世界観少し壊しちゃうかな・・・。
無理だと思った方はスルーお願いします〜
186肉食と草食:2010/07/09(金) 16:24:45 ID:vWG37NcJ
「うぇへへへへへ!!待ちやがれェ!!!」
俺はそう叫びながら前を走っている小さな獲物を追いかけ、森と丘のフィールドを駆け抜ける。
前を走っているのは小さな子供のケルビ。必死に俺から逃れようとしている。
だが所詮は子供。俺はすぐに追いつき、そのケルビを足で地面に押さえつけた。
「ぐふふふ・・・さあて、お食事といきますか・・・」
にやつきながら俺は言う。かたかた小刻みに震えているケルビは何時見ても面白い。
「いただきまァす!!」
俺はそう言うと、ケルビを食べる態勢に入り、そのままケルビを食べ始めた。
すると、ケルビがビクビクっと体を激しく動かし、悲鳴をあげた。
「うおおおおぉぉ!!やっぱロリは最高だァ!!締まりがSugeeeeeee!!」
俺は興奮のあまり、よだれをだらだらと口から大量に放出する。
ケルビの秘所に挿れた己の大きな肉棒。食べるとはそういう意味だ。
肉棒の出入りをちょっとするだけですごい刺激が伝わってくるもんだから、
興奮が止まない俺は、そのロリケルビへ挿入した肉棒の出入りを繰り返させる。
「きんもぢいいいぃぃぃぃぃぃ!!!ロリばんざああああああい!!」
高速ピストンを開始した俺は、もうなんと表現したらいいかわからないほどの快感に襲われる。
ロリケルビも俺の巨大なペニスの出入りに快感を感じてきているようで、自ら腰を上げた。
その表情はもう立派な大人だ。雌だ。顔を真っ赤にして思い切り感じてやがる。
「きたぁぁぁあああ!!アム○、逝きまあああす!!!」
ロリケルビの締まりと最高潮に達した興奮のためか、俺は早く吐精した。
ケルビの膣内に射精し、もちろん収まりきることのない精液はどぷっと秘所から外へ出てきた。
肉棒を秘所から抜くと、ケルビは力なく地面に横たわり、気絶してしまった。
「はぁぁ・・・最高だったぁ・・・ん?」
感想を述べると、嗅いだ覚えのある匂いが俺の鼻の中に飛んできた。
その方向を振り返ると、悲しげな眼差しで俺を見ているアプトノスが一匹。
「あ・・・ぁぁ・・・ちょっと待って、これは魔が差しちゃって・・・へへ・・・」
小さく俺はそう言うと、彼女は後ろに振り返り、俺から遠ざかっていく。
「ま、待ってくれ!!行かないでくれぇ!!」
一瞬アプトノスが振り向いた。その時のアプトノスの眼がこう言っていた。

           さようなら

「・・・・・・・・・そんな・・・嫌だ!嫌だあああああぁぁぁぁぁ!!!!」

その後、徐々に俺の視界が暗くなっていくのを感じ、見えるものは黒以外何もなくなってしまった・・・・・・。
187肉食と草食:2010/07/09(金) 16:25:06 ID:vWG37NcJ
「―うわぁぁぁぁぁぁ!!!!!・・・・・・ハァ・・・ハァ・・・・・・夢か・・・・・・・・・」

俺は安堵し、ため息をつく。まったく、なんて夢見やがるんだ俺・・・・・・。
悪夢によってすっかり目が覚めてしまった。今は特に何もすることがなく、暇をもてあました。
なんとなく周りを見てみると、小さく、何の変哲もない洞窟に、若干の明るい月の光。
その洞窟に入ってきている月明かりは蒼く、どこかその中からかっこよさが感じられる。
しかし同時に寂しさも持ち合わせているように見えた。
素直になれず、他から遠ざけられ、孤独と言った感じだ。
最初は俺に似ていると思ったのだが(何言ってるんだか)、後のそれは俺とは正反対だとがっかりした様な気持ちになってしまった。
俺は孤独でもなければ、寂しくもない。
飛竜というものは、番でも作らない限り孤独と言うものから開放されることはない。
女とヤるために男同士で血を流し合って、その闘いに勝った奴と女は誰だろうと構わずヤる。
飛竜の社会はヤリチンとヤリマンで溢れてやがるんだ。同じ奴を愛す奴なんてごくわずか。
俺はそんな奴らを見てるとむかっ腹が立って仕方がないんだ。どうして同じ奴を永遠に愛すことができないんだと。
て言っても、飛竜である俺にもヤリチン本能があるためだろう。あんな夢見たのは・・・。
しかし、俺は現実ではずっと同じ奴を愛してきたし、これからもそうしていくつもりだ。
そう、俺の隣で眠っているアプトノスの・・・・・・・・・・・・

「―ぎ、ぎゃあああぁぁぁぁ!!だだだだ、誰だてめえぇぇぇぇ!!!?」

俺はあまりの衝撃に転がり、その目に写った物体から後ずさって叫んだ。
目に映ったもの。それは桃色の美しい甲殻を持ち、陸の女王と呼ばれている雌火竜・リオレイアの亜種だった。
そいつは俺にもたれ掛かり、心地よさそうな寝息を立てながら眠っていたのだ。
俺はパニックに陥った。
何でだ!?いつもと同じようにアプトノスの彼女と一緒に寝たんだよな!?
ちゃんと彼女がいる事を確認してから寝たはずだよな!?
じゃあ誰だこいつ!!?ていうかアプトノスの彼女は何処行ったんだァ!!!??
周りを見渡しても、アプトノスの彼女の姿は見えない。
とりあえず、俺の側で眠っていた女の体を足で蹴って起こそうとした。
188肉食と草食:2010/07/09(金) 16:25:27 ID:vWG37NcJ
『ん・・・・・・なんですか・・・・・・?』

女がかわいい眠そうな声をあげて、いやらしく体をくねらせながら目を開けた。
俺はそのリオレイアを睨みつけて怒鳴った。

「誰なんだあんた!!?俺の洞窟で何をしてるんだ!!?アプトノスの彼女を何処へやったんだ!!?まさか食ったのか!!?」
『―ちょっ、ちょっと待ってください。あなたこそ誰なのですか?』
「こっちが質問してんだよおおおぉぉおぉおぉおおおおおぉぉぉおおおぉぉ!!!!!!??」

俺はリオレイアに怒鳴りっぱなしだ。リオレイアはその俺の怒鳴りコンボに怯み、涙目になって泣きそうになってしまった。
やっちまった。俺は女の扱いには全くと言っていいほど慣れていない。泣かれてはちょっと面倒だ。
俺はとりあえず謝り、落ち着いてからリオレイアに話しかけた。

「ごめん、ちょっと頭の回路がおかしくなってた。 まず訊こうあんたは誰なんだ?」

まだ怯えたような目で俺を見守りながら、リオレイアはリアラと名乗った。
彼女の話によると、ずっと以前から番の蒼火竜とこの洞窟に住んでいたようで、いつも仲良く過ごしていたらしい。
ちょっと待て。俺もずっと前からこの洞窟に住んでるよ。うん、ずっと前から。
もしかして、今の今までこのリオレイアと、その番のリオレウスが居たのを気づかなかっただけなのか?
この様子だと、むこうも俺とアプトノスの存在に気づいていなかったようだ。よし、決まり!
・・・でもこんな小さい洞窟に、よく四匹も入っていたもんだな・・・入ったとしても、せいぜい二匹ぐらいなのに・・・・・・。
俺は、自分とアプトノスの彼女の事について、リアラに話した。

『そうなんですか。今まで気づきませんでしたよ。他のアプトノスの番の方がいらっしゃったなんて』

は? 今アプトノスって言った? 俺、蒼火竜だぜ?

『何を言っているのですか。あなたアプトノスでしょう?ほら、あなたの角、四本の足、どこどう見てもリオレウスには見えませんよ』
「ははっ、面白い冗談だな。俺はちゃんと二本の足で―ぇぇぇぇぇぇぇぇええええ!!!???!?」

目に映ったありえない出来事に、俺は洞窟中に響き渡るほどの大声を上げてしまった。
自分の足を見ると、リアラの言った通り間違いなく四本だった。
そんな馬鹿な。俺達リオレウスは二本の足と二つの翼があり、足は四本ないはずだ。
ない筈なのに・・・・・・何度見直しても俺の足は四本あった。

「嘘だ・・・・・・嘘だぁぁぁぁぁぁぁぁああ!!!」

俺はその事を信じられず、洞窟を飛び出して森のほうへ駆け、そこにあった池を利用して自分の顔を覗き込んだ。
189肉食と草食:2010/07/09(金) 16:25:55 ID:vWG37NcJ
やはり、水面に映されていたのはまぎれもないアプトノスの姿だった。頭にはアプトノスの角がある。

「畜生・・・・・・一体どうなってやがるんだ・・・・・・・・・」
『どうかしたのですか?顔色が悪いですよ?』

自分に今降りかかっている現状に頭を悩ませ俯いている俺の耳に、高く透き通った女性の声が届いた。
その声はリアラのものだった。俺の跡を追ってきていたようで、森の木と木の間から彼女の姿が現れた。
その時、月光の光に反射して、彼女の体にあるリオレイア亜種独特の桜色の甲殻が光っていた。

「いいなぁ・・・あんたのその強くてかっこいい甲殻・・・・・・・・・」

俺は普段見慣れていた火竜の甲殻が、今は非常にうらやましく感じ、彼女の甲殻を見て思わず呟いてしまった。
すると、リアラは俺の言葉に反応して、思いがけないことを言った。

『ふふふ、甲殻って、アプトノスである私にはそんなものありませんよ』
「何を言ってるんだ。あんたリオレイアだろう?ほら、あんたの翼と甲殻、二本の足、どこどうみてもアプトノスには見えねえぞ」
『またまたぁ、面白い冗談ですね。私はちゃんと四本の足で―きゃぁぁぁああああああ!!!???!?』

彼女が二本ある自分の足を見て、悲鳴をあげた。そんな悲鳴をあげるような事かと問うと、

『ひゃ、ひゃぁぁぁ.........』

俺を完璧に無視しながらリアラは何度も自分の足を見つめなおしていた。

「・・・・・・もしかして、自分がリオレイアだって事知らなかった?」
『し、知るわけないじゃないですか!だって私はアプトノスですよ!?』

             ピーン!

ポンコツな俺の脳がフル回転し、俺は自分と彼女、リアラに何が起こっているのかを大体悟った。
そして俺はその悟ったことが真実であるかどうかを知るために、彼女にある質問をした。
190肉食と草食:2010/07/09(金) 16:26:26 ID:vWG37NcJ
 初めての番との出会い

『えっ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・恥ずかしくて言えません・・・・・・・・・』
「じゃあ俺が言ってやろうか。まず森と丘のフィールドにアプトノスの群れが居ました。
 そこへ蒼い蒼い凶暴な肉食竜・リオレウスの亜種が登場しました。そしてリオレウスは
 アプトノスの群れへと突っ込んでいきます。そのアプトノスの群れの中のかわいいかわいい
 娘はその凶暴な蒼火竜に捕まってしまいました。他の群れの皆は彼女を置いて逃げてしまいます。
 そして蒼火竜はそのとってもかわいいアプトノスの娘を無理やり犯してしまい、そして
 犯し終えた後は自分勝手な都合によりそのVery cuteな娘を洞窟へと持って帰ってしまいましたとさ」
『―!!!』

やっぱりな、予想どうりだ。嬉しいような、嬉しくないような。それが今の俺の心境。
リオレイア、という風に言っていいのかどうかはわからない彼女が俺に訊いてきた。

『あ、あなたは一体・・・・・・』
「その滅茶苦茶かわいいアプトノスを犯した蒼火竜だよ」

つまり、こういう事だ。

俺=蒼火竜→Transformation!→アプトノス=俺

リアラ=アプトノス→Transformation!→桜火竜=リアラ

すなわち、ずっと一緒に居たアプトノスである彼女と、リオレウス亜種である俺の種族が、そのまま入れ替わっちゃったってわけ。
何でこういうふうになったんだって?そんなの俺が訊きてえよ。

『・・・本当に・・・・・・あなたはあのリオレウスなんですか・・・?』

彼女の問いかけに俺はすぐにうなずいて答えた。
自分の体が変化してしまった事を嘆くより先に、その確認の声に俺はちょっと嬉しくなった。
だけど、少し不安もあった。何故かというと、彼女は俺のせいで群れとはぐれてしまったのだ。
もしかしたら、彼女はそのことを恨んでいるのかもしれない。
話をできる様になったのは本当に嬉しい。しかし、同時に言葉を共有できるようになったが故、
大切だった群れの仲間と引き離された事を恨む彼女の気持ちが、聞こえてきそうで怖かったんだ。
そんな俺の不安の思考とは裏腹に、彼女は俺に近づいてきて、
アプトノスになった俺の体に己の桜色の体をゆっくりとくっつけた。

『大好きです・・・・・・愛しています・・・・・・』

確かにそう言った。俺を罵る言葉は一切なく、その後も大好きという言葉だけが俺に聞こえてきた。
その事に俺はなんと言っていいかわからず、困惑した。
そんな俺に頬ずりを繰り返しながら、彼女は大好きという言葉を何度も繰り返して言った。
13回目の大好きが聞こえた後、俺は戸惑いながらも彼女にこう言った。

「俺も・・・・・・だよ・・・・・・リアラ・・・・・・」
191肉食と草食:2010/07/09(金) 16:27:07 ID:vWG37NcJ
リオレイアになってしまった私は、アプトノスになってしまった彼と一緒にいつもの洞窟の中へと帰ってきた。
どういうわけか、私の中では自分の種族と彼の種族が入れ替わったことに対する仰天の気持ちは長続きしなかった。
細かいことは気にしないようにしようとした為だろうか。私は素直に今自分に与えられたこの現状を受け入れようとしたのだ。
リオレウスだった彼は、リョウと名乗った。今までずっと知ることが叶わなかった彼の名前。
私がその彼の名前を一回呼ぶと、リョウは照れくさそうに私の名前を呼び返してきた。
彼が私の名前を呼んでくれた。それだけで私の熱い心臓の鼓動は早くなってしまう。
例え彼がアプトノスになってしまっても、リョウはリョウだ。
彼を愛おしく思う気持ちに代わるものも、変わる事もない。彼が大好きだ・・・・・・。
そんな時、私の中に疑問が一つ浮かんだ。なぜ種族が違う私と彼が話すことが可能になったのだろう。
細かいことは気にしない事にしたのだが、どうしても気になって仕方がなかった。
私はいくら考えてもわからなかったので、彼に訊いてみる事にした。

『ん?そんなの俺もわかんねえよ。何で俺たちの種族が入れ替わったのかもわからないってのに、
 何で話せるようになったのかなんて事が、ポンコツ頭の俺にわかる筈ないだろう?』
「ですよね・・・・・・」
『あっ!ですよねって言った!ひでぇ〜』
「ち、違いますよ!そういう意味ではありません!」
『ホントかなぁ?』
「本当です!私があなたにそんな意味の事言うはずないですよ・・・」
『・・・・・・・・・・・・・・・ありがと』

リョウはそう言うと、私にもたれかかってきた。彼の体の温もりを感じることができる。
それは、私が今まで感じてきた彼の体温の中で、最も温かいように感じた。
そんな温かさに包まれながら、私とリョウはくっ付き合ったまま地面に横たわり、互いを見詰め合った。

「リョウ、円らですごくかわいい目をしてますね」
『君だって、そのライトブルーの瞳、すごくかわいいよ』
「・・・リョウ・・・・・・」
『・・・・・・・リアラ・・・・・・』

そのまま口付けを交わす。姿かたちは正反対になってしまったが、いつもと何も変化はない。
彼と愛を共にする。それは日常茶飯事のことであり、決して終わる事のないもの。
舌を絡ませながら私はリョウの顔をうかがう。彼は瞳を閉じており、私の舌の味を感じ取っているようだった。
私も彼の味をじっくり味わおうという一心で、リョウと同じように瞳を閉じると、
よりいっそうリョウの舌の味がおいしく感じられた。その味に、私の体がどんどん熱くなってしまう。
口を離し、私は舌から出ている透明な唾液の糸を見た。それは私と彼をつないでくれている。
その糸が切れてしまう時、なんだか切ないものを感じてしまう。しかし彼と私の愛の糸は切れる事などない。そう信じたかった。
192肉食と草食:2010/07/09(金) 16:28:05 ID:vWG37NcJ
リョウは力がすっかり抜けてしまった私の体を押し倒し、肥大化している自分のペニスを、私の入り口へと当てた。

「やっぱりいつもより小さいんですね」
『し、仕方ないだろ!体も小さくなっちゃったんだから・・・やっぱりこれじゃ駄目か・・・?』
「・・・あなたの愛の大きさが変わることがないのでしたら・・・・・・私は構いませんよ・・・・・・」
『・・・・・・・・・大好きだリアラ・・・・・・』

その直後、私の中に彼の大きな愛が入ってきた。思わず体がそれに反応してしまう。
大丈夫か、と彼が私に訊いてくる。もっと欲しい。私の中に、もっと彼の愛を挿れて欲しい・・・!
私は急いでうなずいて彼に自分の気持ちを伝えた。すると彼は理解してくれたようで、私の秘所への出入りを繰り返し始めた。

『―ッ、ふゥっ、ハァっ、・・・・・・気持ちいいかリアラ・・・?』
「ァっ、いぅッ・・・はいぃ、アくっ、すごく気持ちいいですゥ・・・」
『ん、そうか・・・じゃあもっと気持ちよくさせてあげるからな・・・・・・』

秘所から出ている愛液の痛烈な水音が、耳に届く。自分自身から出ているのに、それによってもっと自分の欲が高まる。
彼はひたすら私への出入りを繰り返し、喘ぐ。私も喘ぎ、二人分の喘ぎ声が遠く響いた。
正常位。それが今の、私とリョウの愛の形。
私は下にいて、彼は上で私を犯し続ける。
私はいつだってそうだった。彼の下で隠れ、いつも守ってもらっていた。
種族ではリオレイアになってしまった私の方が上になっても、私はやっぱり下がいい。
彼には、ずっと守ってもらいたい、包んでいてもらいたいから・・・・・・。

「ぃ、ぅうふっ、はぁ・・・・・」
『ぁはぁ・・・ぅっあ・・・・・・』
「・・・ひく・・・ん、うむっ、あん・・・・・・」
『うぅ・・・・・・ふぅ・・・ふゥ・・・・・・』

腰の動きを少しだけ激しくしたリョウ。その陰茎が出入りする度に秘所に感じる強い刺激。
私のエッチな気持ちと、それらによって徐々に限界が私に近づいてきた。
彼も同様。イキそうだとリョウは喘ぎながらそう言ったのだ。
そしてその数秒後、彼と私は見事に同じタイミングで絶頂に達し、中にその熱いものが注がれた。

『―あっ!』

中に熱いものを注いでいる最中、彼は誤って秘所からペニスを抜いてしまい、かわいらしい声を上げる。
そして、私のお腹がそれによって白く汚された。桜色の甲殻のないお腹にかかった彼の愛は、すごく熱かった。

『・・・ごめん・・・・・・やっぱりあんまりこの体慣れてないみたいだ・・・・・・』

彼が申し訳なさそうに顔を下げる。私は起き上がり、俯いているリョウの顔を一舐めし、言った。

「・・・・・・これからも一緒ですよリョウ・・・・・・」
『リアラ・・・・・・・・・・・・うん。ずっと一緒だ・・・』

そして、私とリョウは互いの温もりを感じながら夢の世界へと旅立った・・・・・・。
193肉食と草食:2010/07/09(金) 16:45:30 ID:vWG37NcJ
ナラキ村の酒場。俺が今居る場所だ。ハンター達が集まり、クエストを受注する集会所といってもいいだろう。
俺はそこの一席に座って酒を飲んでいた。酒場の入り口からの美しい月光が酒をさらに美味くする。
こんな事を言って、中年親父っぽい印象を持たれると嫌なので、先に自己紹介をしておこう。
俺の名はラッセル。四年制の狩猟学校を卒業してから、五年経つ二十七歳のハンターだ。
別に何の特徴もない普通の若い男。ただ一つ除いたらな。
俺の隣で席にもつかず、さっきからずっと俺を見つめているのは大きく赤いトサカと、蒼い体を持ったドスランポス。
こいつの名前もこれまたラッセル。俺がつけた名前だ。理由だって?親しみがわくかと思ったから。それだけ。
元々野生だったラッセルは、なぜか俺の家の中に勝手に侵入し、変な流れで俺が飼う事になってしまったんだ。
そして、ひょんな事からこいつとはホモセックスまでしてしまった仲でもある。
ラッセルからは色々な誘惑を受けてしまい、出来心でつい性交してしまったのだ。
出来心ですまないことはわかっていたが、一緒に過ごしているうちに愛しく思えて、ヤってしまった。
それからは色々な災難続きだった。
俺が近所のおばさんと外で話している時に、いきなりラッセルが発情して、俺と交尾をしようとその巨大なガンランスを構えながら
俺を押し倒した時は本当に驚いた。その時は狩猟学校在学中で、丁度実習で余っていた催眠薬が役に立ったが。
他にも、クエストを受け、モンスターと戦っている最中に発情して、対処するのに非常に苦労した。
今も、性欲抑制剤を投与してやっと落ち着かせている。
薬の効果はあと三分で切れてしまう。時計の針は十一時五十七分をさしていた。
効果が切れたならば、ラッセルはすぐさま発情し、俺を犯す事を考えるだろう。
今は私服で、鎧は着ていない。特にやろうと思っているクエストもなく、今夜はなんとなく立ち寄ってみただけなのだ。
クエストの時は鎧でなんとか防いでいたが、普通の服となるとこいつはズボンの脱がし方を知っているので、俺は簡単に犯されてしまう。
そんな事になれば酒場に居る人間全員にドン引きされること間違いなし。それはなんとしても回避したい。
幸い、村の人たちには俺とラッセルがそんな関係ということには気づかれてはいない。だから今も村にいられるんだけどな。
俺は自分のポーチを探って、追加の性欲抑制剤を出そうとした。そんな時だった。

「あっ、ラッセル先輩いたんですかァ。何かおごって下さいよォ」

聞き慣れている、腹が無性に立つそのうざったい声が耳に届いた。
誰かはわかっている。狩猟学校卒業したばっかりの、俺の後輩ハンターだ。
こいつはナラキ村のハンター、いや村中の人々から糞ガキで名が通っている。
本名はわかっていても、誰も名前で呼ぼうなんて考えない。本人は自分が糞ガキと陰で呼ばれているとは知らない様だが。
最近、森と丘に生息していたリオレウスを狩猟したといい気になっていたこの糞ガキ。
調子に乗りやがって。俺の友人のハンターからこっそり借りた装備着て、偶然狩る事に成功して、
それでも当時現場に居た他の蒼リオレウスにボコボコにされて帰って来たくせに。
装備を貸していた友人は、悲惨な姿になった装備を見て“死にたい”と愚痴をこぼしていた。
自分で言うのもなんだが、結構温厚な性格の俺でもこの後輩ほど、本気でうざいと思ったものはない。
とりあえず俺はそんな糞ガキを無視して俺は顔をテーブルにつけた。
そのまま酒飲んでる事を利用して眠ろうとしたが、何故か眠れない。

「何やってるんですかラッセル先輩ィ。ふざけてるんですかァ?」

普段ふざけている糞ガキにふざけてるなんて言われた上に笑われちまったらお終いだな。
194肉食と草食:2010/07/09(金) 16:46:09 ID:vWG37NcJ
俺は顔を上げて、屈辱的だが、その糞ガキの顔を見ながら本名を呼んでやった。

「何の用だデイビッド。最初に言っておくが、今は金の持ち合わせはないぞ」
「嘘つかないでくださいよ先輩ィ。先輩の親がどっかの街のお偉いさんだって事は知ってるんですよォ?
 金がないなんて事あるはずがないじゃないですかァ」

俺は糞ガキに聞こえるように、わざとらしく一回舌打ちをした。

「俺はもうとっくに独立してるんだ。いつまでも親から金もらって生きてる筈がないだろう」
「自分は今も両親から金巻き上げて生きてま〜す」
(かわいそうな子供を持ったもんだな・・・・・・)
「じゃあ、おごるの駄目ならクエスト行くの付き合ってくださいよォ。それぐらいならできるでしょォ?」
「・・・・・・・・・俺の仕事のやり方を知って言っているのか?殺すのが大好きなお前さんとは相性がまったく合わないだろう」
「へへ〜、そこがいいんですよォ。前から一回先輩とは張り合ってみたかったんですよォ。
 先輩の捕獲が先か、俺の討伐が先か競争してみましょうよォ」
「・・・・・・無理だ。俺は今はこの通り酒でべろんべろんだ。こんな状態でクエストに行ったらどうなるかわかっているだろう」

俺はいつもと同じように相手の挑発に乗らず、冷静に言葉を返す。糞ガキの挑発の対処の仕方はよく知っている。
糞ガキとなんてクエストに行きたくない。拒否した理由は真実だし、それに俺はクエストを受注するために酒場に来たんじゃない。
そして席を立ち、ラッセルに手招きをして酒場の出口に向かい、帰ろうとした時だった。

「逃げるんですかァ? あ〜あ、ラッセル先輩チキンになっちゃったのかなァ?」

そんな事を言った糞ガキを尻目に見て、俺は一言こう呟いた。

「キモっ」

そして俺はラッセルと一緒に酒場を後にした・・・・・・。


「あ〜、行っちゃった。まあいいか。明日またラッセル先輩誘えば。酔った状態の先輩に勝っても嬉しくないしな。
 ・・・・・・俺の顔に泥を塗った糞リオレウス・・・・・・待ってやがれ。明日がお前の命の終わりの日だ・・・」

               ボーン ボーン

「あれ、もう零時か。時間経つの早いな〜」

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

「がッ、ラッ、ラッセル!こんな所でズボン脱がすなアッーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」
195肉食と草食:2010/07/09(金) 16:47:12 ID:vWG37NcJ
とりあえず以上となります。
続きは投稿できる時しようと思いますので、
その時はよろしくお願いします。
196名無しさん@ピンキー:2010/07/09(金) 20:01:27 ID:lVgh5vQM
>>186-194
そうくるとはおもわなかったwwwwGJwwww

肉食と草食とドスランとアッー!の人は同じ人だったのか・・・!
197名無しさん@ピンキー:2010/07/09(金) 20:22:08 ID:V9zj4Y6K
懐かしい人達いっぱいキターーーーーーーーーー!!
それにしてもろくろ氏の「いつも心に弾丸を」はエロまでまだまだ長そうだ
198名無しさん@ピンキー:2010/07/10(土) 03:37:10 ID:+luBTzM0
21スレ目を保管庫に掲載完了しました

>>166さんのexcelデータの形式を参考に
21スレ目のexcelデータも作ってみました

datは入手できなかったので
http://yomi.mobi/read.cgi/yomi/yomibbspink_eroparo_1261525073
↑からログを閲覧しました

ちなみに作ったexcelデータは
http://uproda11.2ch-library.com/11252075.zip.shtml
DLキー:mh
でDLできるので必要な方がいらしたら持っていってください
199名無しさん@そうだ選挙に行こう:2010/07/10(土) 05:39:32 ID:2F8PUcpM
>>198
段落が消えてるのは仕様かい?
200166:2010/07/10(土) 06:35:21 ID:beEtlzHr
>>198
スレ保管お疲れ様ですー
あとエクセルデータ、有難く頂きました
自分のほうは今12スレまで終わりましたので、残り13〜20の8スレです
進みが悪いのは仕様です、申し訳ない(;´A`)
なんとか来週末までには終わらせます

ちなみにこのエクセルまとめが終わったら、以下の事を予定しております

1.未掲載SSのwikiへの保管
2.全SSページ上部に SSデータを追加

1の「wikiへの保管」ですが、無題のSSが多く、またカップリングをタイトルに
しようにも
既在のSSと被ってしまうパターンがあるので、次のような手順で追加していこう
かと考えております

1−1.SSのある「スレ番号」と、SS投下の「最初のレス番号」をメモ
1−2.メモした番号よりページ名を決定、ページを作成してSS保管

って、>>198さんが似たようなことをやっていましたな、たはは


2の「詳細データ追加」ですが、現状では以下問題点が起きています

・作品メニューごとにバラバラになっているSSデータ
・作品メニューによって記載されてたりされてなかったりするSS

この問題点を解決するため、各SS上部に「タイトル」、「作者」、「カップリン
グ」などの
詳細データを追加しようと思います
これによりバラバラになっているSSデータの統一化ができ、そしてSSの記載
忘れを無くすことが可能
・・・になるかもしれません

長くなりましたが、これが今後やろうと思っていることです
別に自分は管理人でもなんでもない、ただの編集者です
ので、どうか皆さんの意見を聞かせてくれると助かります

それと、過去ログdatを全て入手しましたのでうpしますね

http://uproda11.2ch-library.com/11252080.zip.shtml
PASS:mh

それでは作業に戻ります
201名無しさん@そうだ選挙に行こう:2010/07/10(土) 09:07:31 ID:0YmUlULP
うおおお!お疲れ様ぁ!!!
202名無しさん@そうだ選挙に行こう:2010/07/10(土) 09:56:26 ID:nIix6e4C
助かります
過去のSSぶっ飛んで続き書けなくなってました
203198:2010/07/10(土) 13:40:24 ID:+luBTzM0
>>199
行頭の字下げは改行などの編集の都合上、全て
とっぱらってあります

あとは段落含め、だいたい原文そのままです

>>200
無題SSのページ名に関しては
スレ番号-作品の最初のレス番号〜作品の最後のレス番号
(例:21-1〜2)
こんな感じでつけてみました
あくまでも暫定的なものなので、名前がかぶらなければ
とくにこだわりなどはありませんw

詳細データに関してですが
>>200に挙げられているものに加えて転載元スレの番号とレス番号の記載も
してみてはいかがでしょうか?

あと過去ログdatいただきました
wikiに載っていないSS職人氏達の当時のコメントなどが見られて
たまらないものがありますw
204200:2010/07/10(土) 16:40:23 ID:beEtlzHr
>>203
>無題SSのページ名
かなりグッジョブな名前のつけ方だと思いますよ
今後のページ追加もその方法でいくべきだと私は考えています

>転載元スレの番号とレス番号の記載
そうですね、丁度その情報もエクセルに入力していますし
詳細データに追加しようと思います

あと現在回線規制により、携帯から書き込んでいます
ので、返事がかなり遅くなります
申し訳ありません

p2からBBSPINKに書き込めないとか勘弁・・・
205名無しさん@そうだ選挙に行こう:2010/07/10(土) 22:56:44 ID:FuiAfbi8
過去ログあさって懐かしい気持ちに浸ると共に自分の黒歴史も発掘された
ちょっと吊ってくる
206名無しさん@そうだ選挙に行こう:2010/07/10(土) 23:57:49 ID:NP+Ghtea
>>205
どれだろう(・∀・)ニヤニヤ
207肉食と草食:2010/07/14(水) 19:11:28 ID:JA31L7ea
>>194
続きできたので投稿しますね〜
208肉食と草食:2010/07/14(水) 19:11:57 ID:JA31L7ea
<チュン チュン・・・・・・>

俺の耳に、朝だと伝えに来たかのような、雀の囀りが届く。だが、俺はなかなか目覚める気にはなれない。
草食の動物は眠る時間が極端に短いと聞いた事があるが、慣れない体のためか今はかなりだるく、眠い。
入り口からの日光が俺の閉じている瞼に届き、暗闇であるはずの俺の視界がオレンジ色になって、早く起きろと促している。
放っておいてほしいと思っても、それらが止まる様子はない。だんだんと苛立ってきたそんな時。

『おはようございますリョウ。もう朝ですよ』

その声に反応し、俺は少し瞼を開ける。すると、水色の美しい瞳が俺の目覚めを出迎えてくれた。
桜色の甲殻。棘の生えた立派な尻尾。そんな彼女が眠気に包まれている俺を見つめていた。
リオレイア、それも亜種となってしまったアプトノスの彼女と、アプトノスになってしまったリオレウス亜種の俺。
何が起こったかなんて事は俺にはわからん。体も弱くなってしまい、
これからは桜火竜になったリアラに守ってもらわなければならない。それは、結構俺にとって屈辱な事でもあった。
別に彼女の事が嫌いになったとか、そういうことではないが、蒼火竜であるこの俺が、アプトノスに守ってもらうなんて・・・。
しかし何時までも嘆いていても仕方がない。俺は目を開けて身を起こした。

「・・・おはようリアラ・・・君は眠くないのかい?」
『はい。私はいつもの癖で早くに起きてしまって・・・。変ですよね。もう草食竜じゃないのに・・・』
「それだけ君がしっかりしているって事だよ。俺とは正反対だ」
『いえいえ、リョウも十分しっかりしていますよ。いつも私を守ってくれて・・・感謝しています』

そう言うと、リアラは瞳を閉じながら俺の口に自分の口をつなげた。
毎朝のモーニング・キスかなと俺は思った。でもちょっと強引だ。いつもよりも強く口を押し付けてくる。
彼女は一分経っても俺から口を離さない。どうしたのかを訊こうにも、こう口を塞がれてしまってはどうしようもない。
そしてそれから二分経過し、彼女はようやく俺からキスをするのを止めた。

「どうしたんだいリアラ。いつもよりちょっと長くなかったか?」
『すっ、すみません・・・ご迷惑でしたか・・・?』

彼女の眼が、悲しげなものに変わる。そして彼女の眼には涙の様な物が浮かび上がった。
209肉食と草食:2010/07/14(水) 19:12:50 ID:JA31L7ea
「ご、ごめん!ちょっと気になっただけなんだ!君を責めるとかそんなつもりは・・・・・・」
『私の方こそ、申し訳ありません・・・・・・なんだか今日、嫌な夢を見たんです・・・・・・』
「・・・どんな・・・?」

俺はそう訊くと、リアラの悲しげな眼は一層増し、歯を食いしばって涙声で話し始めた。

『あなたがハンターに襲われて…私の目の前でですよ……持っていた剣であなたをバラバラにしていくんです………
 私は動きたくても、金縛りにでも遭ってるかのように、全くと言っていいほど動けないんです……怖かった………
 怖かったんですリョウ!内臓が飛び出して、手足が千切れていってェ!そんなあなたを見ている事しかできない!
 …………もう…しばらくの間…あなたとは離れたくない………そう思って……』

床に崩れ落ちる彼女を見た。俯いて、眼からは光るものが、地面に一つ、また一つと落ちていく。
俺は、そんなリアラの顔の甲殻に頬ずりをし、丁寧に舐め始めた。

『リョ、リョウ…?』
「ひどい悪夢を見たんだね……昨日だけど、俺も悪夢を見たんだよ。君がどんどん俺から遠ざかっていく夢。
 その夢のせいで昨日は夜中に目が覚めちゃったんだ。起きて、夢だと思った時、本当に安堵したよ。でもね
 同時に自分を嫌悪する気持ちにも浸ったんだ……」
『え・・・・・・なんでですか・・・・・・?』
「だって、君が遠ざかる夢なんて見ちゃったんだもの。夢なんて気持ち次第でどうにでもなるだろう?
 俺は夢の中で勝手に君を操って、俺から遠ざけたんだ。君はそんな事を望んでいないって言うのに、
 そんな事を一回でも君にさせた俺が許せなかったんだ。例え夢の中でもね」

うまく物事を伝える事が苦手な俺。本当に俺の言いたい事が伝わったのかどうかはわからない。
だが、彼女はそんなぎこちない俺を、いつも大切にしてくれた。ほら、今だって彼女は俺を温かいその翼で包んでくれる。
優しくて、温かい。俺はそんなリアラの温もりの中で、二回目の眠りに入ろうとしたその時。
210肉食と草食:2010/07/14(水) 19:13:39 ID:JA31L7ea
彼女の腹が盛大に鳴った。それは、洞窟中に響き渡るほどの大きな音だった。

『キャっ・・・・・・何でこんな時に・・・・・・』
「お腹空いたの?だったら何か食べてきたら?」
『え、えぇ・・・そうしたい所なんですが、今の私は肉食竜・・・他の動物を捕食しなければいけないじゃないですか・・・
 私には他の生き物の命を奪って生きるなんて・・・到底できません・・・・・・』

彼女はそう言って戸惑いを隠せないようだった。そんな事は予想できたことだ。
リアラは元々草食竜。恐らく、何度か仲間が肉食竜に襲われているのを見た事があるのだろう。
そのような経験を持っているであろうリアラに、相手に苦痛を与え捕食しろというのは、無理な話だ。
俺はうずくまっている彼女に話しかけた。

「大丈夫! この洞窟をすぐ出た所に崖があるだろう?その崖の下をちょっと行った所に
 街道があるんだ。そこをいつも定期的に、食料をたんまり積んだ馬車が通るんだよ。そ
 の馬車を引いている馬引きもアプケロスも両方ジジイだから、こっそり近づいていけば
 気づかれないで盗めるってわけ。肉食獣にかかわらず、草食獣もみんな利用してるぜ」

もちろん俺も利用させてもらっていた。おもしろいぐらい気付かれないので、馬車の食料俺だけで全部盗んだこともあったっけ。
そろそろその馬車が街道を通る時間だ。いつもと同じように、ヒューマンジジイとアプケロジジイのコンビだろう。
だが、そんな俺の話を聞いた後でも、彼女はまだ浮かない顔をしている。
俺が何か不満があるのかと尋ねると、リアラは同種の肉を食べるのはさすがに嫌だと言う。それもそうだろう。
当たり前だが、馬車の中にある肉の中にはアプトノスの物も混ざっている。同種食いは俺も嫌なのでその気持ちはわかる。
しかし、全部がそれというわけではない。害獣として駆除されたブルファンゴやアプケロスの肉もあるのだ。
その事を説明すると、彼女は一応承知したようで、外へ出ようと洞窟の出口へと歩いた。

『……リョウ……あなたを不安な気持ちにさせたくないので黙っていたのですが…………
 なんだか今日、私が見た夢が現実になるような気がするんです………』
「君が見た夢というと、俺がハンターに殺される夢か?」

彼女は無言でうなずいた。

「そんな心配する必要ないって!俺がハンターなんかに殺られる訳ないぜ。
 こんな姿でも、力は人間なんかよりずっと上なんだからよ。それに、俺は
 洞窟の中でじっとしてるから大丈夫だよ」

そう言うと、彼女の悲しげだった顔に、笑みが浮かんだような気がした。

『……わかりました。じゃあ行って来ますリョウ』

リアラの桜色の姿が、洞窟の出入り口からさしている眩しい日光の中へと入って行き、見えなくなった。
俺は一人洞窟の中。俺以外何もいなくなった洞窟の中にはただ、タンポポの様な花が一輪咲いているだけ。
彼女の言った言葉が、妙に心の中にひっかかっていた。しかし何故かはわからない。
なんだろう。なんだか、嫌な予感がする・・・・・・・・・・・・・・・・・・
211肉食と草食:2010/07/14(水) 19:15:09 ID:JA31L7ea
森と丘の涼しく、滑らかな風。そんな風が、大きく、重い封龍剣を背負っている疲れを癒してくれる。
ゴールドルナ一式を着ている所為で、体全体に風を感じる事は叶わないが、アーマーの少しの隙間からそれらを感じられた。
その風は、なにかに誘ってくれるような風でもある。俺の隣にいる、ドスランポスのラッセルのトサカも、それによって揺れる。
蒼い体に赤い立派なトサカ。ドスランポスならではのその体の色は、
空いっぱいに広がっている青とは少し違うが、青空と同じぐらい清々しい。
俺に襲いくる周りの景色たち。自然の芸術のすばらしさを改めて実感させられる。
今は何もかもが心地いい・・・・・・・・とでも言うと思ったかあァ!!!??
朝五時から後輩ハンターの糞ガキにドアノックで起こされて!俺は気付かない振りして眠ろうとしてたけど糞ガキはそのまま
ドアノックをでけえ音で繰り返して!結局四時間ぶっつづけでドアノック!!Fooooooo!!!
九時までドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンの無限ループ!!!
うるさくてやかましくて、とうとう怒りを爆発させた俺達ラッセル二人組はドア越しに糞ガキを蹴ってドッカーン!!!
そんな感じで今は寝不足&滅茶苦茶不機嫌なんだァ!!心地いいわけがねェ!!!
・・・・・・俺もラッセルも睡眠不足で、完全な状態とは決して言えない。
それにも関わらず糞ガキは無理やり俺を誘い、勝負と称してクエストに連れ出したのだ。
勝負というのは、俺の捕獲が先か、糞ガキの討伐が先かというものだった。
俺だってこんな勝負やりたくなかった。しかし、いつのまにかこの勝負のことは村中のハンターに知れ渡ってしまい、
装備を糞ガキに壊された幼馴染の友人には“糞ガキなんかになめられんじゃねぇ”と言われてしまった。他のハンター達も以下同文。
そんなわけで、やめるにやめられなくなってしまった。もちろん負ける気なんか毛頭ない。
もし負けてしまったら、先輩、それ以前に人間として終わりの様な気がする。

糞ガキが選んだクエストの内容は、特産キノコの納入。なめてるのかと俺は糞ガキを怒鳴ったが、糞ガキは
前回自分をぼろくそにし、屈辱を与えた蒼リオレウスの狩猟で勝負しようと言うのだ。
そのクエストを直接受注しようとしたのだが、その蒼リオレウスによる被害は報告されておらず、結果この特産キノコになったらしい。
蒼リオレウスへの報復もかねて俺に勝負を挑むなんて、いい度胸をしてやがる。
ギルドの原則上捕獲したモンスターは、傷つける事や殺すことは厳禁。
俺が勝ったならば、自身に泥を塗った蒼火竜を殺すことはできなくなるのだ。
そうなると、糞ガキはリベンジをする事はできない。俺に負けた屈辱と、蒼リオレウスに報復できない屈辱両方を味わう事になるのだ。
俺は伊達に何年もハンターやってる訳じゃない。大体の確立で勝つことを自負していた。
だが、負ける確立も否定はできない。何かミスを犯してしまったり、ラッセルが発情して俺を犯そうとして妨害してくるかも知れない。
つまり、負ける可能性も十分にあるのだ。ラッセルは置いていけばいいと思うかもしれないが、
一応かわいい俺のパートナーなんだ。ついて来たいと思っているラッセルを、置いてけぼりなんてさせたくない。
もし負けてしまったら、村中の人々、特にハンター達に責められて、俺とラッセルの居場所はなくなってしまうだろう。
生まれた時からこの村に居るのに、糞ガキの所為でそんな事になるなんて絶対に嫌だ。なんとしても勝ってみせる。
212肉食と草食:2010/07/14(水) 19:16:44 ID:JA31L7ea
「・・・・・・しかし遅いなあの糞ガキ。忘れ物したって言って村に戻っていったきり全然帰ってこねぇ・・・」
「すみませ〜んラッセル先輩ィ。そこら辺にいた女レイプしてましたァ」
「警察通報してくるからちょっと待っててね」
「冗談すよォ」

今回糞ガキが着てきた装備は、またまたどこかから借りてきたであろうクシャナ一式に、クロームレイザー。
誰から借りてきたのか尋ねると、これは自分が持っていた装備だと言う。
俺はあまりにもふざけた回答に、この糞ガキを思い切りぶん殴りたい衝動に駆られそうになった。
前回のクエストでリオレウス装備を借りていた奴が、こんないい装備を持っていたはずがない。
多分、俺の先輩のハンターから借りたのだろう。もしかしたら無断で借りているのかもしれない。
リオレウス装備を貸した友人も、勝手に家の中に入り装備箱をあさっていた糞ガキに声をかけたら、
そこで初めてこの装備借りていいかと訊かれたそうな。
こいつは自由人を通り越して、犯罪者になりかけている。先程警察に通報すると言ったのは、少し本気だった。

「じゃあ行きましょうよ先輩ィ。こっちに糞レウスがよく出入りしてる洞窟があるそうです。
 多分糞レウスの巣だと思いますよォ」

糞ガキがいつものウザイ声で話しかけてくる。俺はその糞ガキの言葉に、少し呆れたように喋った。

「・・・・・・お前変わった奴だな。勝負相手の俺に、そのレウスがいるだろうという場所に誘うなんて。
 普通その事を邪魔者である俺に黙って、自分一人でそこへ向かって、討伐する事を考えるだろう?」
「俺はね、そんなフェアじゃない勝負は好きじゃないんですよォ。ヘヘッ、だから先輩が酒に酔ってた昨日は諦めたんすよ。
 完全な状態の先輩と戦いたい。そして正々堂々勝利したい。それが俺の目標なんすよ」

馬鹿かこいつと、心の中で俺は思った。言っていることはかっこいいが、矛盾している。
眠っているところをたたき起こされて、睡眠不足の俺。さっきも言った通り、完全な状態とは決して言えない。
なのに勝負を挑んできやがった。まったく、嫌々勝負してやってる俺の身にもなってみろってんだ。

俺は、糞ガキに誘われるがままにそのレウスの巣であろう洞窟の入り口付近にたどり着いた。
どこと変わった事はない、ごく平凡な洞窟だ。入り口から見るに、結構中も小さいようだ。
俺とラッセルと糞ガキは、音を立てないようにこっそり中を覗き込んだ。何やら、うごめいているものがある。
だが、リオレウスにしてはかなり小さい。よくよく眼を凝らして見ると、それは草食竜・アプトノスだった。洞窟の中はそれ一匹。
突然糞ガキがそのアプトノスの姿に反応すると、俺に忍び声で話し始めた。
213肉食と草食:2010/07/14(水) 19:18:02 ID:JA31L7ea
「あいつ、前のクエストの時糞レウスと一緒にいたアプトノスだと思います。草食竜のくせに
 リオレウスと仲良くしてやがったんですよォ」
「何?あら○のよるに的な感じか?不思議なこともあるもんだ」
「・・・・・・・・・・・・これは使えますよ先輩ィ。あいつを動けないように捕まえれば、
 糞リオレウスが帰ってきても行動しにくくする事ができるかもしれませんから」

俺は、珍しくその糞ガキの意見に賛成した。確かにあのアプトノスを捕獲すれば、リオレウスと戦う時こちらが有利かもしれない。
糞ガキの話が本当ならば、傷を負ったときアプトノスの近くに寄ればまず、ブレスや突進など強力な攻撃をしてくる事はないだろう。
それにクエストを終えた後、一匹寂しく森丘に取り残されるよりは、リオレウスと一緒に捕獲されて連れて行かれる方が良いだろうから。
まあそれは俺が勝った場合の話だがな。
俺は糞ガキの言葉にうなずいて、側にいたラッセルに俺は目を移した。
そして、いつもメイン武器と共に常備しているガノフィンショテルを取り出し、その取っ手部分をラッセルの口に咥えさせた。
扱い方はよく知っている。この剣は、クエストに行く時は毎回ラッセルに渡しているのだ。
ラッセルは、喜んで俺からガノフィンショテルを受け取った。

「先輩?そいつにそんなの渡してどうすんですか?」
「まあ見てろ。ラッセルの仕事ぶりをな。 さあ行けラッセル!」

指示を出すと、ラッセルは一目散にアプトノスの元へ走り、
口に咥えているその剣を、突如の出来事に驚いている草食竜の体へと斬りつけた・・・・・・。
214肉食と草食:2010/07/14(水) 19:18:57 ID:JA31L7ea
俺の視界を奪っている闇。頭がくらくらする。何だかだるい。
剣を咥えた妙なドスランポスが見えた瞬間、痛みの直後に眠気が襲い、そのまま眠りの世界へと着いた。
それからどれくらい時間が経ったのだろうか。眼を開けようとするが、まだ瞼が重い。
人間の声が聞こえる。鼻に入ってくるのはまぎれもない人間の匂いだった。
何だ、どうなってるんだ。俺を襲ったのはドスランポスじゃないのか。なぜ人間が居る?
目に力を入れ、徐々に視界に入ってくる人間の足。こいつらは・・・ハンターか。
眩しく光る、金リオレイアの素材からできたレギンス。その容姿から、それが窺えた。
あの、俺を襲ったドスランポスも視界に入った。なるほど、このドスランポスはハンターの仲間というわけか。
それなら剣を持っていたのもうなずける。恐らく、ハンターが俺を襲う事をドスランポスに命じたのだろう。
そして段々と開いていく俺の瞼。金レイアのハンターと、ドスランポスの奥に、もう一人ハンターが居るのが見えた。

・・・・・・・・・?

嗅いだ覚えのある匂い。それも、結構最近だ。それはその奥に居るハンターのものだった。
クシャルダオラの鎧の匂いに混じって、その不快な匂いが鼻に届く。
間違いない。この間リアラを襲って、怒り心頭になった俺にボコスカにされたハンターだ。
あの時リアラを本当に殺していたならば、今こうしてこいつが生きている事はできていなかっただろう。
・・・まさかこのハンターは俺にボロクソにされた事を恨んで、復讐しに来たのか?
畜生!やはりあの時殺しておけば良かったか!
恐らくこいつは、俺がリアラだと勘違いしてるのだろう。でなければ、こいつは疾うに俺を殺している。

このまま時が流れれば起こることを、俺は直感的に予想した。
今リアラが帰ってきてしまえば、俺ではないことをわかっていても、このハンター達は何らかの対処をリアラにするだろう。
殺す事もあるだろう。リアラも桜火竜の体にあまり慣れていなかった様なので、彼女がこいつらに太刀打ち出来る筈がない。
俺は瞬時に起き上がり、ハンター達を押しのけて出口へと走り去ろうとした。
だが、それはできない事だった。俺の脚がワイヤーの様な物で、ぐるぐる巻きにされていたからだ。
精一杯暴れても、それは千切れる事も、解けることもなかった。そればかりかどんどん締め付けてきて痛くなる。
そんな俺に気付いたクシャルハンターが俺に歩み寄ってきて、なにやら喋り始めた。

<なんだお前。今だって命助けてやってるのに、逃げようなんて何様のつもりだァ?お仕置きが必要なようだな>
<・・・デイビッド?何をするつもりだ・・・・・・まさか!やめろォ!!>

もう一人のハンターが叫んでいるのを無視してクシャルハンターは背負っていた大きな剣を両手に持ち、
思い切り俺の足に向かって振り落とした。

その瞬間、俺の足が消えた。

その“消えた足”は宙を舞い、辺りに鮮血を撒き散らす。ドスンと大きな音を立てながらそれは地面に落ちた。
肉が見える落ちた足の切断面からは、とめどなく赤い液体が溢れ出て、骨が見えて・・・・・・・・・

―ぎゃああああああああああああぁぁぁぁぁ!!!
215肉食と草食:2010/07/14(水) 19:23:18 ID:JA31L7ea
とりあえず以上になります。
今回確認怠ってしまったので、誤字脱字あるかもしれません。

次最終回予定です。
216204:2010/07/14(水) 20:30:17 ID:/18BqE6j
>>215
乙です
こちらもやっと作業が終わりましたので報告しますね

遅くなりましたが、エクセルへのまとめが終わりました
下記うpろだに過去ログdatと一緒にうpしましたのでご確認ください
http://tool.ggs.jp/up10/download/1279106451.zip/attatch
PASS:mh
何か変更したい箇所がありましたら、直接編集後うpろだにうpするしてアドレスをレスしてください
編集が難しい方は、変更してほしい箇所を教えてください
こちらで編集致します

というわけで、これより次のステップへと移ります
>>200より、「1.未掲載SSのwikiへの保管」になりますね
ただ今週はちょっと忙しいので、土日あたりから追加していきます
217名無しさん@ピンキー:2010/07/15(木) 15:33:34 ID:9dw7bGLT
>>215糞ガキに然るべき報いのあらんことを
しかしラッセル君、下半身はともかく公式で実装して欲しいくらい有能なパートナーだな
218名無しさん@ピンキー:2010/07/15(木) 18:11:55 ID:hX+BYRLM
>>215
糞ガキの糞っぷりがリアリティあってムカつくw
次回が楽しみ
>>216
お疲れ様です
219名無しさん@ピンキー:2010/07/17(土) 01:39:59 ID:fJwaD+4b
モンスの名を脳内メーカーで検索してみたら吹いた
220名無しさん@ピンキー:2010/07/17(土) 08:08:02 ID:zN6Tjwuy
>>219
アプトノス金ばっかりだったんだがw
221名無しさん@ピンキー:2010/07/17(土) 14:51:39 ID:fJwaD+4b
クシャの1ヶ月カレンダーがヤバイ
222名無しさん@ピンキー:2010/07/17(土) 20:34:47 ID:dlZi41tu
保管庫が怒涛のごとく更新中すなぁ・・・
編集してくれてる人乙!
223名無しさん@ピンキー:2010/07/17(土) 20:45:27 ID:SooSKa4B
このスレの中で龍刀ネタをかいてくれる神はおらんかの?
何が原因であの刀が龍を憎むようになったのか
エロ・擬人化有りで頼む
224名無しさん@ピンキー:2010/07/17(土) 22:19:18 ID:cUAsBHbk
言い出しっぺの法則ry



書いて欲しいってネタはオレだって有るが、そんな依頼を変に出してもスレの利益を害するだろ?
だからオレは自分の考えてるモノブロス人化ショタランサー×女王様系太刀剣士ネタを他人に依頼する気はにぃ
225名無しさん@ピンキー:2010/07/18(日) 01:16:48 ID:KXxPI4ch
いや、書くのを不必要に強要して暴れるなら話は別だが、こういうネタ
どうよってのは見てて面白いし良いのがあったら書きたいなって思うし、
話題としては良いと思うぞ。
226名無しさん@ピンキー:2010/07/18(日) 10:46:17 ID:WXgfkKa3
自分がネタ振りした物を他の人によって書かれたら嬉しいだろうし、
それを見て楽しむ事もできる。一石ころ二鳥竜なんじゃないかな
227名無しさん@ピンキー:2010/07/18(日) 12:00:14 ID:ZyDWfEvR
ここ最近投下神がおらんなぁ
228名無しさん@ピンキー:2010/07/18(日) 14:18:47 ID:dNYQPI+A
保管の方が神懸かってらっしゃる真っ最中、贅沢言っちゃいかんさ
229名無しさん@ピンキー:2010/07/18(日) 14:34:09 ID:/MEP2ra+
言い出しっぺの法則
>>227様の神作に期待しておりますよ
230名無しさん@ピンキー:2010/07/18(日) 15:18:26 ID:ZyDWfEvR
投下する前にテスト

あああああああああああああああああああああああああああ
231名無しさん@ピンキー:2010/07/18(日) 15:25:44 ID:ZyDWfEvR
3時間後ぐらいに投下します
どんな作品でも叩かないでね 
232名無しさん@ピンキー:2010/07/18(日) 16:11:20 ID:dNYQPI+A
書き込み練習やテストに向いたスレなら他にいくつかあろうに
何もこんなとこで…
これは期待出来ない予感がヒシヒシ(;´д`)
233名無しさん@ピンキー:2010/07/18(日) 23:05:03 ID:L9L6q6gd
そんなこと言うから結局>>231投下しなかったじゃないか
234名無しさん@ピンキー:2010/07/18(日) 23:12:49 ID:iky+C1tt
>>232
思っても何もしないのがG級ハンター。
思っても蹴りを入れるだけにするのが上級ハンター。
思ったまま言うのは訓練生。

読んでみるまでは分からないだろ、一応。
235名無しさん@ピンキー:2010/07/19(月) 00:53:07 ID:S4QUkHpe
目から汗が出て画面が見えません先生・・・
236名無しさん@ピンキー:2010/07/19(月) 02:00:35 ID:9atPN91j
>>234
でも自覚がないなら繰り返させん為にも、
ここでは止めとけ
くらいのことは言わんと駄目な気がする
237観察記録6 ◆ifhFvwrEHs :2010/07/19(月) 02:02:20 ID:1Q+Zn+gy
男ハンター×女ハンター 和姦
観察してないけど、観察記録6と言い張ります。
パソコンのつながりが悪いので、ちゃんと投下できるか不安だ……
238観察記録6 ◆ifhFvwrEHs :2010/07/19(月) 02:02:46 ID:1Q+Zn+gy
私は雪山近くの村に住むハンター。名前はイーヤ。趣味はモンスター観察だ。
今日は友人と一緒に火山にやってきた。目的はモンスター観察ではなく紅蓮石集め、そして……
「緑赤緑紫で…体力回復速度っと…」
友人の狩猟笛練習のためである。

「全身赤フルフルだね」
「これしか狩猟笛の用意ができなかったんですよ」
友人はフルフルZ装備にブラッドフルート改。
わざわざ火山にきてまで狩猟笛を吹くのは、村で吹いたら怒られるからだ。
ふとした瞬間にフルフルの鳴声にも似た笛の音がしたら、村じゅう大騒ぎになること間違いなし。
というか、すでになったことがある。
過去、友人が気をつかって、人気のないところでブラッドフルート改を吹いていたら
「フルフルがきた!」と勘違いした村人によりハンター総出、私も大剣抱えて鳴き声のほうに向かったら……
馴染みの友人がノリノリで笛を吹いていたという……

いや、笛の音だって気づかなかったハンターが居ないわけではなかったんだ。
誰かが笛を吹いている→モンスターと戦っていると解釈してしまって……
ちなみに友人は村長のお説教(雪降る野外で正座)2時間コースとなった。

ということで、基本的に村では狩猟笛、とくにモンスターの鳴き声のような音色の笛を吹くことは禁じられている。
仕方がないから狩りの場でしか狩猟笛は練習できないのだ。

「さて、私は上の方で採掘するけど君はどうする?」
「あ、自分も行きますよ」
友人は不気味極まりない赤フルフルの笛を背負う。
今回は採掘目的なので、私の装備は採取+2のパピメルXである。
べっ、別にポニテフェチの友人のためじゃないんだからね!!

「しかし、なんで男女でフルフルZは色が違うのやら」
ぶにぶにとした感触の真っ赤な装備を、友人の胸あたりを指でつつく。
正直、私はピンクよりもこの赤のほうが好きだし、なによりそろそろ全身ピンクは恥ずかしい年頃なのだが……
武具屋のセンスは若い子向けすぎて恥ずかしくなる。
「イーヤさん」
「なんだい?」
「ちょうどそこ乳首なんですが」
頬を赤らめるな友よ。なんだ、ここは弱点部位か?
「言い訳させてもらうが、決して見切りではない。偶然だ。」
「じゃあ、つつくの止めてください」
「ムラムラしてきた?」

色気もなにもあったもんじゃないとしくしく泣く友人を尻目に、私はピッケルを担ぐのであった。
239観察記録6 ◆ifhFvwrEHs :2010/07/19(月) 02:04:04 ID:1Q+Zn+gy
ちなみに今回の私の武器は片手剣ハイフロストエッジである。
いや、今回は狩猟目的ではないから少しでもひんやりして、軽い武器にしたかっただけだ。
何せ火山は暑いし、長いし、坂も多い。
「バー、バー、バーサルた〜ん。こっちのみ〜ずはあーまいぞ〜」
そんな歌をうたいつつ、ようやく火薬岩の取れるエリアに着た。
さて、先に採掘をするか、それとも……あの擬態している子にちょっかいだしてみるか。
「無防備な子についつい悪戯したくなる、この気持ちは何と言うのだろうね?」
「知りませんよ。ほらほら、採掘する。」
友人に急かされて私は採掘の作業に入った。一発目で一本ピッケルが壊れたが、その後はなかなか順調。
資金のためにとマカライトやらもポーチに詰め込み、持ってきたピッケルを消費していく。
友人はというと、一心不乱に笛を吹いている。おかげで攻撃力が上がってしまった。採掘に影響が出ない程度に頼みたいものだ。

……私はピッケルを全て消耗したため、採掘をやめた。幸い、紅蓮石は1つだけ出た。
友人のほうを眺めると、友人はだんだん擬態しているバサルモスの近くに寄っていってしまっていた。
ノリノリで笛を吹いているので気付いていないようだが。

なんだか、嫌な予感がしたので荷物をまとめ、出口を確認した。

友人は、笛を打ちつけ、持ち上げ、吹いて、また打ちつけようとしたところで思いっきりバサルに笛を打ちつけた。
あ、ヤッべ!といわんばかりの友人の顔が見れたと同時に、バサルモスが雄たけびを上げて地上に出現した。
私はどうしたかって?もういつでも逃げれる準備をしていたからさっさと逃げ出したとも。

無駄に命を狩ってはいけない。

ハンターの掟である。今回の目的はバサルモスではない。だから狩らない。
「仲間を置いていくのはハンターの掟に反しませんか!?」
一つ二つ、エリアを越えたところでようやく友が私に追いついた。
どうやら二、三発応戦してきたらしい。出来立てだったブラッドフルート改が傷だらけだ。
バサルモスに電気系統の武器は相性悪いだろうに……

「笛を吹くときは周りを良く見ろって言われてたろ?」
「それに関しては確かに自分の落ち度ですが、普通置いていきます!?ねぇ!置いていきますか!?」
「時には離れてみるのも愛かと思って」

バチコーンとウィンクをかましたら、友人に狩猟笛スタンプされた。
ハンターじゃなかったら死んでるぞ!
240観察記録6 ◆ifhFvwrEHs :2010/07/19(月) 02:05:05 ID:1Q+Zn+gy
悪ふざけをしつつ、どうにかキャンプに着くと友人は狩猟笛を放り投げ、真っ先にベッドに横になった。
「慣れてない武器はやっぱりきついですね」
「まぁ、そうだろうさ。」
私は納品を済ませようとポーチから精算アイテムを取り出した。
「ひぃ、ふぅ、みぃっと……っと!」
うっかり一つ取りこぼし、それは球形に近い形だったためかコロコロと転がっていってしまう。
そしてコンコンコンといい音を立てて、ブラッドフルート改の大きな口に入っていってしまった。
「ありゃまぁ」
私は慌てて腕を突っ込むが、届かない。特に何も考えず、頭も突っ込んで燃石炭を取り出そうとした。
「うわぁ、なんか赤フルフルに捕食されてるみたいですね」
そんな友人の声が聞こえてきた。
「そうかい?まぁ、あまり居心地はよくないがね」
ちょっと声を張り上げて返事をしてやると、私は手探りで燃石炭を掴む。
よし、これで…と、私はさっさと捕食ゴッコをやめようとした。そこで、ガチンと、少し嫌な音がした。
両手で笛を抑えつつ、後退しようとするのだが……うごけない。何か引っかかっている。
「……友人、ちょっと手伝ってー!」
一人では出れなかった。私は笛の中で両腕でできるだけ笛を押し、腰を引く。
友人の手が腰にかかるのが分った。どうにか笛も押しているらしい。
「ふざけてませんよね!?」
友人の言葉に、私も声を張り上げて笛の中から答える。
「当たり前だ!」
その言葉に、友人は無言になった。
私の背中を嫌な汗が流れる。


ブラッドフルート改に上半身突っ込んで抜けなくなったハンターはどれだけいるのだろうか。


「イーヤさん、ちょっと装備剥ぎますね!」
そう声がかかると友人が私の腰装備に手をかけているのが分る。
剥ぎ取り用ナイフと、片手剣が外れたのが分った。
友人が私を助けようとしているのは分る。分るのだが……!
こっちは四つんばいに近い状態で、身動きとれず、しかも下半身を突き出すような格好だ。
見えないせいだろうか、友人の手の動きがより感じられてしまう。
「やっ……あんっ……」
「変な声出さないでください……」
241観察記録6 ◆ifhFvwrEHs :2010/07/19(月) 02:06:00 ID:1Q+Zn+gy
友人からしてみれば笛に上半身突っ込んだ女なんて、笑えはするが、手を出せる代物ではないだろう。
なんというか、まことに申し訳ない。
「あー、なんか装備の金具が、フルートの牙に引っかかってますね」
腰装備を外し、、様子が見やすくなったらしい友人がそう声をかける。
その引っかかっている部分を外そうと腹の下辺りに手を突っ込まれるのだが……
無防備な太腿や尻に当たって、非常にこそばゆい。
今日スパッツ装備でよかった。ゲリョス装備の縦縞パンツじゃなくてよかった!
「すみません、スパッツも引っかかってるみたいなんで脱がせますね」
「あっ!悪魔ー!!」
ずるりとスパッツがずりおろされたのが分った。
おい、勢い良すぎだ。パンツまで脱げたらどうしてくれる!というか!
「友人!!ちょっと尻に顔近くないかい!?」
「よく見えないから仕方ないでしょう!」
息がっ!尻太腿に当たるんですが!?ホントに引っかかってる部分をみてんのかコラァ!
「わひゃあ!」
腹の下で金具を外そうとしていた友人の手が、私の装備の中に入り、素肌を撫でた。
すぐに引っ込まれたが、わざとなのか?わざとか!?
「イーヤさん、どうも胴体装備も引っかかってるみたいなんで脱ぎながら出てきてください」
「わ、分った」
鉄鎧系の装備ではないパピメルのため、外すのはそう難しくはないが……
「んっ、くっ……んんんっ!」
何せ狭い笛の中だ。上体をねじっては動き、わずかに動く腕で装備を外そうとする。
Tシャツを脱ぐよりは難しいが、まぁそれと同じ要領で……
「わひゃっ!!」
友人が、パンツごしに私の秘所を撫でた。
「何をするか!」
「イーヤさん、誘ってるのかなと思いまして」
「ばっ!馬鹿たれぇぇぇ!!!」
確か尻をぷりぷり左右に動かしているように思えるかもしれないがこっちは必死だ!
いや、過去そんな悪ふざけをしたことはありますが!
「触るなよ!絶対に触るなよ!?」
「一人で出れますか?」
「出れるっ!いったぁ!!」
装備を脱ぎながら出てきたせいだろうか、むき出しになった腰あたりにちくりと何かが刺さる。
「ストップ!動かない!フルフルの牙に刺さります!」
とっさに友人の手が牙から私をかばったのが分かった。
「イーヤさん、落ち着いて、ゆっくり出てきてください。」
もはや申し訳ないのと情けないので私は言葉もでない。ここは大人しく友人に従うことにする。
ここぞとばかりに私の体を撫でまくる友人だが、もう何も言わない事にした。まったくなんてやつだ
242観察記録6 ◆ifhFvwrEHs :2010/07/19(月) 02:07:54 ID:1Q+Zn+gy



「中のパピメルは後で武具屋に取り出せるか聞いてみます」
「……本当に申し訳ない」
友人の助けでどうにか脱出成功。とりあえず、元凶の燃石炭を納品ボックスに放り込む。
「さて、友人」
「なんでしょう」
「スパッツを返してほしいのですが」
私の今の格好はほぼ下着姿である。モンスターに襲われたらひとたまりもない。
「今度はなかなか色気がある姿じゃないですか」
「じろじろ見るな。いいから返してくれないか」
「……」
「な、なんだ。やめろ、舐めるようにみるんじゃない。」
「……イーヤさん」
「な、なんだい?友よ」
「ムラムラしてきました」

わが友は、とても真剣な顔で、そう言いました。

正直、けっこう前からムラムラしてただろ貴様と思いましたが、私は何も言わなかった。
この格好で火山に逃げるわけにもいかず、スパッツは友人の手の中、上装備は狩猟笛の中。
帰りの猫バスもしばらくはこない。というか目の前の友人から逃げ切れる自信もなく。
狩猟笛を壊してしまったという負い目もある。
「わ、わかった」
私は友人の希望を受け入れた。
「んっ……」
友人は口元を覆う布を下ろすと、私を優しく抱きしめ、キスをした。
逃げられぬよう、拒めぬよう、腰と頭に友人の腕が回る。
自然にそれに答えるよう、私も友人の腰に手をまわし、口内に侵入してきた友人の舌に舌を絡ませる。
唾液の臭いにわずかに顔をしかめつつも、私は眼を閉じて友人に集中する。
下腹部が熱を持ち始めるのがわかり、私は友に腰を押し当てる。
それは友も同じらしく、彼の股間のモノがいきり立ちつつあるのに気付いた。
「うんっ…ふぅ、ふふふ、何を考えているのかな?」
鼻で呼吸も疲れるので、私は口を外して、友人に笑ってそう問いかける。
「知りたいですか?」
「まぁね」
「ここでするか、それともキャンプのベッドまで行くか考えていました」
なるほど、私たちが今立っている場所は納品ボックスの前だ。下は少しじゃりじゃりした砂浜もどき。
「ベッド移動するかい?」
「いえいえ、それには及びません」
及ぼうぜ、友よ……
243観察記録6 ◆ifhFvwrEHs :2010/07/19(月) 02:09:13 ID:1Q+Zn+gy
私は蓋を閉めた納品ボックスに向かいあい上半身を乗せるような、尻は後ろに突き出すような格好にさせられる。
立ちバックという格好だろう。するすると後ろのほうで友人が私のパンツを降ろしたのが分かった。
「多分、足ガクガクしますから、しっかり箱で体を支えてくださいね」
自信満々だなと茶化そうと思ったが、やめておいた。最初っから本気を出されては、色々と困る。
「いつかこっちもしてみたいですね」
さわさわと、私の尻穴を指でなぞる。拒否と好奇心、どちらも勝らずとも劣らず、なので何も言わないでおいた。
つぷ、といつものように友人の指が私の秘所に入り込む、初めは一本、中でぐにぐにと動かししだいに指を増やしていく。
異物感に戸惑い、ついつい力を入れてその指を締め付けてしまう。
物欲しげにヒクつくとかよく友人に言われるが、まぁ、あたっているのだろう。
「あぁっ!」
指を抜かれ、今度は舌で性器をなぞられたのがわかった。
「ひっ、うぅぅっ!」
尻は友人の手で掴まれ、より見れるように開かれているのが分かる。
わざと音を出してなめあげられ、ねぶられ、吸いつかれればすでに膝が笑い始め、私は箱に爪を立てる。
「あっ!待って!イクッ!いっちゃう!」
それに答えるように友人はさらに激しく、舌を這わせてくる。
すでに入口は友人の唾液と愛液で十分濡れて、より奥への刺激を求めていた。
「んっ!んっ!あ、あっ、ああぁぁぁぁぁっ!!!」
はしたない悲鳴をあげて、私はのけぞった、ぱたたたたっと、乾いた大地に水が弾ける音が聞こえる。
友人に言われた通りに、膝がガクガクで崩れそうなのを必死でこらえ、私は荒い息をする。
足下を覗いてみれば、股間から出た水が、大地にわずかばかりシミを作っていた。
「今日はちょっと乱暴にいきますね」
優しい声音で酷い事を言う男だ。酷い事なのに、十分期待している私はMでも開花しているのだろうか。

パァンッ!

「ひゃあっ!」
蕩けていた脳に痛みという雷が走る。無防備な尻たぶに平手打ちを食らったのだ。
「い、痛い、じゃないか、バカ。」
「すみません、いじわるしたくなりまして」
優しい声で誤ると、今度はその叩いた部分を優しく撫でてくる。
「うー…」
イッた余韻もほどほどに、しかし叩かれたときイってだらしなくなった下腹部がキュンッ!としたのも事実で。
友人にならもっと叩かれてもいいかなとか思っている自分がいた。
「やっ……あっ、んんっ…」
入口に友人の亀頭が押し当てられ、ゆるゆると中に入れられていく。
中を押し広げられていく感覚に、また脳が蕩けそうになる。
尻に友人の下腹部が当たるのを感じ、あぁ全部入ったんだなと思う。そう、入っている。挿入されているのだ。
下腹部の異物感がそれを証明している。
244観察記録6 ◆ifhFvwrEHs :2010/07/19(月) 02:10:17 ID:1Q+Zn+gy
「足、またガクガクしてますよ」
「う、うるひゃい……」
私はろくに回らぬ口でそう反抗する、友人が苦笑したのが見なくてもわかった。
友人は私の中で緩やかに円を描くように動いて、優しくかき回したり、軽くピストン運動をした。
「んあっ……あっ……」
優しい動きだが、確実にお互いの絶頂が高まっていくのが分かった。
心臓が、下腹部の動きより激しく脈打っていて、このままドキドキしすぎて死んでしまうのではと思うほどだ。
そろそろかと、思った時、ゆっくりと引きぬかれ、今度は強めに中を突かれ始めた。
「あっ!あっ!あっ!ああっ!」
尻に激しく友人の体がぶつかり、中では乱暴にこすれていく。
いつものように私はろくな思考もできなかった。言葉すら出せず、ただ、気持いいと友人に伝えるだけだけに大きく喘ぐ。
後ろで友人の息が荒くなるのが耳にわずかに届くが、どうにもできない。
「ひっ、ひぅぅっ!!あっ!やめっ!あぁぁん!あっあぁぁっ!」
乱暴な突き方にも関わらず、私は嫌がるどころか自ら腰を振る。先ほどのように尻を叩いてほしいとまで思っていた。
「ぐっ……で、でるっ!」
「あっ!あっ!ふあぁぁぁっ!」
乱暴に引き抜かれた次の瞬間、生温かい液体が私の尻にかかったのが分かった。
友人の精液だと理解した時にはもう、足腰は限界で箱に死が見つつもずるずると大地に膝をつく。
「はぁー……はぁー……」
私は友人のほうをふりかえる。
「お、おつかれさん」
へらぁっと笑ってみせた。友人も、軽く右手をあげてあいさつする。萎えた息子がちょっぴり間抜けだ。
友人は私の後ろに座りこむと、また抱きしめてくる。
背中の下あたりにぐんにゃりしたものが当たるから、まだ息子はしまっていないようだ。
そして、ちゅっちゅちゅっちゅと私の首筋に吸いついてくる。
「やめろ、くすぐったいじゃないか」
母親の乳房を求める赤子のように吸いついてくる友人に私は笑う。
私の腹部にまわされている友人の手に、そっと手を重ねた。
「あー……」
私はバカみたいに青い空を見上げて呟いた。


「幸せだなぁ」


その言葉に、友人はより一層強く私を抱きしめてくれた。


「これで、狩猟笛の修理代を許してもらえたらもっと幸せなんだけどなぁ〜……」
「……イーヤさん?」
「はい」
「狩猟笛に突っ込んで、装備を詰まらせたのは誰ですか?」
「私です。ごめんなさい。ちゃんと支払います。」

この後、狩猟笛の修理とパピメル装備の修理代で、
イーヤの精算アイテム代や資金のため集めたマカライトの売上金は、あっという間に無くなったのであったとさ。


終わり
245観察記録6 ◆ifhFvwrEHs :2010/07/19(月) 02:12:11 ID:1Q+Zn+gy
以上で投下を終わります。
ふぅ……人間×人間もいいけど、竜や武器もいいよね!いつか書けたらいいなぁ!


wiki保管の方ありがとうございます!
あと、すみません、大変後だしで申し訳ないのですが「赤竜恋歌」も自分の作品なので
できれば、手が空いたときで良いので作者タグをつけていただけたら幸いです。本当に後だしですみません。
246名無しさん@ピンキー:2010/07/19(月) 02:28:52 ID:S4QUkHpe
GJ!
友人の変態度上がっててワロタwww
247観察記録6 ◆ifhFvwrEHs :2010/07/19(月) 02:36:42 ID:1Q+Zn+gy
すみません、242で訂正部分を発見しました。真ん中あたりの

>>帰りの「猫バス」もしばらくはこない。

の部分を「猫タク」に変えてください!wiki保管の時にもよろしくお願いします!
色んな意味でやばいのでw

GJありがとうございました。
248観察記録6 ◆ifhFvwrEHs :2010/07/19(月) 02:43:45 ID:1Q+Zn+gy
…さらに訂正orz
>>243の「優しい声で誤る」→「謝る」
>>244の「足腰は限界で箱に死が見つつも」→「足腰は限界で箱にしがみついても」
wiki保管の方々にはご迷惑をおかけします。よろしくおねがいします。
これは誤字だろ、と思ったら遠慮なく訂正してもらえると助かります。
249名無しさん@ピンキー:2010/07/19(月) 02:47:31 ID:40lNKWwJ
貴方の作品大好きだわ。
超GJでした!
次回は観察分大目だとうれs・・・
楽しみにしてます。
250216:2010/07/19(月) 03:18:36 ID:titGm2Ab
>>245
13スレ目と14スレ目に張られたSSですね、了解しました〜
エクセルのほうに追記しておきますので、更新の反映はもうしばらくお待ちください
251名無しさん@ピンキー :2010/07/19(月) 10:54:17 ID:pR7K6sD8
人♂×アイルーorメラルー♀原型書いてくれませんか
252名無しさん@ピンキー:2010/07/19(月) 14:51:59 ID:eansEwHW
うん、GJっした!
相変わらず、この二人は何やってても楽しそうだなぁ。
253肉食と草食:2010/07/19(月) 15:58:12 ID:7MrdjDdl
GJ!観察記録毎度ながら面白いなぁ。

>>214の続きとなります。
前回ラストと言いましたが、またもや長くなってしまい、嘘をついてしまいました。
申し訳ありません。
エロの予定はあったのですが、かなり予定が狂ってしまい・・・・・・。
今回エロはなしです。それとグロ注意かも・・・。
254肉食と草食:2010/07/19(月) 15:58:51 ID:7MrdjDdl
リョウの言った通りだった。こっそり後ろから近づいていったら、
馬引きのおじいさんにもアプケロスにも気付かれずに、簡単に食料を取る事ができた。
しかし、その事で少しばかり良心が痛んでしまった。私の所為で、あのおじいさんが迷惑する事にはまず間違いないだろう。
おじいさんだけではない。おじいさんが食料を運んだ先の人にも、迷惑がかかるかもしれない。
馬車に積んであった、恐らくブルファンゴの肉であろうそれを草原の中で食べながら、私は胸が苦しくなった。
でも、リョウはきっとそんな私を励ましてくれるだろう。今までだって言葉は通じなかったけれど、彼の励ましで何度も助けられた。
私は肉を食べ終えると、早く帰りたいという欲望に駆られ、彼が待ってくれているであろう洞窟へと翼を広げて飛び立った。
青空が美しく、白い雲がその空間の中をふよふよと無邪気に浮いている。風も涼しく、空中旅行はとても気持ちが良かった。
だが、リオレイアは陸の女王と呼ばれるだけあって、飛行にはあまり向いていないらしく、すぐに疲れが訪れた。
その上に私はこの体には慣れていない。私の空の旅は、二十秒と持たなかった。
私は地面に降り立つと、そこは洞窟からはあまり離れていないことに気がついた。百メートルぐらい先に、洞窟の入り口が見える。

(やっぱり私は、彼と一緒にいるのが一番いいみたい)

正直言って彼が側に居る事のなかった、今も含めての十分間は、すごく孤独感があった。
私を襲っているのは孤独感だけではない。誰かに殺されるという様な妄想と恐怖感。それらが一気に襲ってきているのだ。
リオレイアという肉食竜に姿は変わっても、私は精神的には弱いアプトノスのまま。私は弱い。

リョウと私が一番最初に出会った時。その時蒼リオレウスだった彼に捕らえられた私を置いて、群れの仲間達は逃げ去った。
私を置いて逃げた皆を、私は恨んでなんかいなかった。それに私が皆に逃げるように促したのだ。恨むほうがおかしい。
しかし、なぜか置いていかれた事による孤独感が私にはあった。
それに、私は死ぬ事を覚悟していたのにも関わらず、目の前にいるリオレウスに私は恐怖していたのだ。

孤独感と恐怖感。洞窟を出て、人間のおじいさんから食料を盗み取り、
そして今に至る時の流れの中で、私を襲っているそれらと全く変わらないもの。
心身ともに私は何も成長できていない。ずっとリョウに甘え続けて、守ってもらっているばかり。
私の初めての恋の相手である彼は強く、たくましく、そして何より、優しかった。
リオレイアの姿になった時、今度は私がそんな彼を守ってあげる番だと少しばかり思ったが、すぐに消え去った。
なぜなら、それは彼にとって心苦しい事なのではないかと考えたからだ。
多分彼は、自分の強さを誇りに思っていたのだと思う。それゆえに弱いアプトノスになってしまった事は、本当に屈辱だったのだろう。
アプトノスだった私なんかに守ってもらうような事は、リョウにとって更に屈辱なはずだ。
そんなだったら、私は今まで通り彼に守ってもらう側になりたい。ほんのわずかだが、アプトノスに戻りたい気持ちがあった。
255肉食と草食:2010/07/19(月) 15:59:17 ID:7MrdjDdl
そんな事を考えながら、私は洞窟へと歩いていた。沢山生えている草を、大きな脚で踏む音が聞こえる。
結構嫌いじゃない音だ。カサッ、カサッ、とバラバラのリズムを刻むその音は自然を感じさせてくれるのだ。
・・・あれ・・・?なんだろう・・・・・・。
突如鼻に入ってくるリョウの匂いと、血の匂い。他にも複数匂いがある。全部洞窟の中からのものだ。
なぜ血の匂いが・・・?ちょっと擦り剥いたって言う血の量じゃない・・・まさか彼の・・・・・・?とにかく急がないと・・・!
足音を大きく立てながら私は急いで走り洞窟へと近づくと、それは聞こえた。

『―来るなリアラァ!!来たらダメだァ!!!!』

突然のリョウの叫び声。それによって私は制止され、足を止めた。止まった事により出た砂埃が風によって流れていく。
何が起こったのか一瞬わからなかった。聞いた事もないような、彼の叫び声。
数秒の間私は一切声を出せず、呆然としていた。その間は何ら音がなく、辺りは静寂に包まれた。
しかし脳はしっかり働いており、私がする行動はすぐに決められた。

彼の言葉を無視し、私は一直線に草原を駆け抜け、洞窟へと向かう。彼は叫び続けたが、もう私が止まる事はなかった。

私は何と軽率だったのだろう。現在草食竜である彼が独りになれば、他の肉食竜に襲われる等、
危ない目に遭うかもしれないという事は草食竜だった私が一番よくわかっていたはずなのに・・・!

洞窟の中へ超特急で突入すると、私の眼にある光景が飛び込んできた。
予想通り、そこには肉食竜であるランポスのリーダー・ドスランポスがいた。
ドスランポスの周りには人間が二人。彼らは私のいきなりの登場に驚いている様子を見せると、すばやく私に剣の様な武器を構えた。
それに驚き、私は後ずさった。だけど、こんな事で臆している場合ではない。
私はリョウを探そうと辺りを見渡すと、彼はあっさり見つけることができた。

『リアラ何故来たんだ!!こいつらはハンターだ!!今からでも遅くないから早く逃げるんだァ!!』

彼の叫び声が怒鳴り声へと変わり、思わずびくっと体が反応した。
リョウは、ワイヤーで脚を縛られ、横たわらせられていた。彼が言った、ハンターの仕業だろう。
そんな彼の脚は一本なく、その脚と思われるものが地面に転がって・・・・・・。

<なっ!!あの糞リオレウスじゃねぇのかよ!!畜生が、腹いせに殺してやる!!>
<!? 待てデイビッド!!>

ハンターの一人が私に向かって剣を構えながら走ってきた。
ハンターは持っているのが大きな剣であるためか重いらしく、走るというより歩いていると言った方が正しいだろう。
私は猶予を察知し、目を閉じながらリョウにこう言った。

「逃げる・・・?そんな事・・・今の私にできるわけがないじゃないですか・・・・・・
 ・・・あなたをこんな目に遭わせた奴は・・・・・・絶対に許さない!!!」
256肉食と草食:2010/07/19(月) 15:59:44 ID:7MrdjDdl
愛するリョウを傷つけられた怒りを一つの炎ブレスに込め、口の中からそれを解き放った。
ブレスは見事に向かってきたハンターに直撃し、苦しみの声をあげて地面を転がっていく。

<だから言ったんだ!!大剣を構えながらモンスターに向かっていく馬鹿があるか!!!>
<クッ、何でだ畜生!むかつくなァ!!!!>

体制を立て直したハンターは、性懲りもなく大きな剣を構えながら“歩いて”来た。
慣れない体のはずなのに、怒りのせいか私の全身にどんどん力が湧き上がってくる。
私はまた口の中にブレスを溜め、先程とは比べ物にならない程大きい怒りが再度ハンターに直撃した。
鎧を着ているとはいえ、飛竜のブレスが何度も直撃すればダメージは喰らう。
転がっていったハンターは、地面にうつ伏せながら気絶してしまった。

<チッ 糞ガキが!ラッセル!リオレイアの動きを封じろ!!>
≪グルァあ!!≫

もう一人のハンターの声が聞こえた直後、ドスランポスが剣の様な物を咥えながら私に飛び掛ってきた。
そして空中で体を捻り、咥えている剣を振りかざした。剣が私の甲殻を貫いて、傷を刻み込む。
だが怒りで我を忘れているせいか、血は出ていても痛みはなかった。その傷がさらに私を強くする。
私は体ごと振り返り、遠心力を帯びた尻尾はドスランポスの体を思い切り殴りつける。
そしてボキリと骨の折れた音がし、悲鳴をあげたドスランポスはそのまま洞窟の壁に叩き付けられた。

≪グ・・・グギュう・・・≫
<ラッセル!! くそったれ、予想外の展開だ……!あのリオレイア、痛みにびくともしないなんて………………>

その数秒後、私は立ち眩みをした。体の力が抜けるような感じで、眠りかけてしまった。
恐らく先程私を斬った剣に神経系の睡眠毒が仕込まれており、その作用によるものだったのだろう。

『リアラ一生のお願いだ!逃げてくれェエ!!!』

彼の声は今の私の耳には届かない。むしろ彼の悲痛な叫びがハンターへの怒りを増大させ、私をこの場に止まらせる。
私はリョウに向かって噛み付く様な声を張り上げた。

「リョウ!!私が危険に直面しているあなたを置いて逃げるほど、愚かだと思っているんですか!!?
 あなたは…いくら私が足手まといになってもいつも変わらず私を包んでくれていた!!優しく接して
 くれていた!!そんなあなたをどうして置いて逃げる事ができようか!!覚悟しろハンター共ォ!!」
257肉食と草食:2010/07/19(月) 16:00:10 ID:7MrdjDdl
桜色のリオレイアが、怒りの咆哮を天に向かって大きく張り上げた。
耳を劈くその咆哮はティガレックスに勝るとも劣らないもので、俺は圧せられてしまう。
俺は今まで幾度もリオレイアは狩猟してきた。希少種をも捕獲に成功をし、正直リオレイアはもう俺の敵ではないと思っていた。
しかし今目の前にいる亜種は明らかに他の雌火竜とは違うものを感じさせる。

最近俺は、ドスランポスであるラッセルと一緒に生活を共にしてきたせいか、
モンスターの心がほんのわずかだが分かる気がしていた。

怒りに満ちた恐ろしい目。そして悲しみ。このリオレイアの心の痛みがひしひしと伝わってくる。
その原因は、俺達ハンターのようだ。アプトノスを傷つけられた事に憤怒し、睨んでくる目には怒気を感じる。
この様子から察するに、この桜火竜もアプトノスを非常に大事にしていたようだ。
彼女の気持ちは痛いほどわかる。俺にも、大事にしている存在がいるから・・・・・・。

俺は駄目元で洞窟の床に横たわっているアプトノスを勢い良く指差して、リオレイアに向かって言った。

「よく見てくれリオレイア!!アプトノスは、もう包帯を巻いて止血はしてあるから絶命に至る事はない。
 しかし、俺の仲間がアプトノスを傷つけ、それを俺が止められなかった事には変わりはない。無理な事
 かもしれないが、君の怒りを鎮めてほしい。俺達はもう君達に危害を加える様な事はしないから、どうか
 許してくれ、頼む」

俺はリオレイアにそう哀願した。糞ガキがアプトノスの脚を切断した後、俺はできるだけの応急処置はしたつもりだ。
もしそれによって彼女が俺達を逃がしてくれるとなれば、俺はラッセルと糞ガキを連れて村に帰還するつもりだ。
糞ガキもラッセルも重傷で、もはや勝負どころではない。
糞ガキはどうでもいいが、早くラッセルの傷を治療してやり、苦しみから解放させてやりたかった。
リオレイアにそのように言った理由はあともう一つある。それはハンターとしてどうかという理由だった。
はっきり言って、俺では怒りに身を震わせている今のこのリオレイアに、勝てる気がしなかったのだ。
俺がモンスターに対して恐れを持ったのは、ラッセルに初めて押し倒されて、アッーーーーーーーー!!!された時以来だった。
俺だって命は惜しく、死ぬのを恐れている。何としても助かりたいという自己中的な考えがそうさせたのだ。

リオレイアは俺の話が終わった後、一目アプトノスをちらりと見た。アプトノスに向けて何やら鳴き声を出している。
アプトノスも一声あげると、リオレイアの口から出ていた炎が、少しずつ消え始めた。怒りも徐々に消え始めているのも感じる。

助かったのか・・・・・・。

俺は全身の力が抜けていくのを感じ、そのまま床に崩れ落ちた。同時に、自分を恥らう気持ちにも駆られてしまう。
なんせ、モンスターを狩る職業に就いている俺が、モンスターに助けを求めてしまったのだから・・・。
俺の指示のせいで重傷を負ってしまったラッセルに、俺は顔向けができなかった。
結局、俺は何もする事ができなかったのだ。怪我をしたアプトノスを治療し、ただ後は指を咥えて見ているだけ。
もしかしたら、無謀にリオレイアに立ち向かっていた糞ガキの方がハンターとして優秀なのかもしれないな・・・。
258肉食と草食:2010/07/19(月) 16:00:32 ID:7MrdjDdl
「なんて感謝したらいいかわからないけど・・・・・・とりあえず有難う」

アプトノスの顔を丁寧に舐めているリオレイアに、俺は感謝の言葉を述べた。
するとリオレイアはそれに反応し、こちらを見ながら小さく鳴くと、すぐにアプトノスを舐めるのを再開した。
しかし舌の動きが強すぎているのか、アプトノスは少し苦しそうだ。よほどあのアプトノスが大切なのだろう。

でも、糞ガキの話ではアプトノスと仲良くしていたのは、リオレウスであって、リオレイアではない筈だ。
まあ今はそんな事気にしている場合ではないな。早くラッセルを村に連れ帰って治療してあげないと。
・・・・・・あと糞ガキもだな。さすがに俺一人でこいつらを運ぶのは難しいな。ネコタク用意してこないと。
蒼リオレウスの事については後ほど調査することにしよう。気になって仕事に身が入らないと嫌だからな。

『グルゥウルルル・・・・・・』
「?」

俺が洞窟の出口に向かっている途中、喉を鳴らす音が聞こえた。
何かと思いその方向を見ると、リオレイアがこちらをじっと見つめているのが目に入ってきた。

「あっ、すまない。まだアプトノスのワイヤー外してやってなかったな。よし、少し待ってろ」

俺はアプトノスに近づいていくと、脚をきつく締め上げているワイヤーを剥ぎ取りナイフでプチンと切った。
アプトノスは自由になった脚を使って、ゆっくりと立ち上がろうとしたが、切断された脚のせいでやはりうまく立ち上がれない様だ。
こればかりは、狩猟学校で医療学を専攻していた俺でもどうしようもない。
斬られた脚を元通りくっつけるなんていう技術は、俺にはないからだ。
俺はハンター。いくら医療学を会得していようと、本物の獣医ほど専門的な事を会得するのはできない事なのだ。
今から獣医を呼ぼうにも、それもできないだろう。なんせ、ここは恐ろしいモンスターが沢山いるのだ。
こんな所へ出向きたいと思う獣医はそうそういないだろう。下手したら怪我どころではすまない。
・・・いや、たしか元ハンターだった医者がギルドにいた。獣医ではなくとも、いくらかモンスターも治療する事はできるはずだ。
元ハンターであるからには、自分用の武器は持ち合わせているだろう。それに、危なくなったら俺が護衛すればいい話だ。
野生のアプトノスが怪我をしたから来てくれと言っては多分来てくれないだろうから、
俺のパートナーのラッセルと糞ガキが怪我をしたと言えばいいだろう。こうすれば一石二鳥だ。
糞ガキが目覚めてしまった時には少し面倒なので、糞ガキは医者を連れてきた後麻酔で眠らせて、村に帰還することにしよう。
これはリオレイアとの約束。いくら治療が完了して完全な状態になったとしても、村に帰還するつもりだ。そのことに変わりはない。

「じゃあラッセル、ちょっと行って来るからな」

洞窟の入り口に手を掛けながらそう言うと、ラッセルは俺に向かって無理に動こうとし、赤い血を吐血してしまった。
恐らく肺に折れた骨が突き刺さってしまっているのだろう。洞窟の地面に、ラッセルが吐いた血が着いている。
俺は仕方なしにラッセルに近づいて封龍剣を地に突き刺し、その青く大きい体を背中に背負った。
こういう者を不用意に動かしてはいけないという事は学んだが、ラッセルはどんな事をしてでも俺の側に行こうとするだろう。
そんな事をしたら余計に、肺に骨が突き刺さってラッセルは死んでしまうかも知れない。
背負っていけば俺の側にいるという事でラッセルは大人しくしてくれ、骨が突き刺さるのをある程度抑制できる。
医者を呼ぶ理由には糞ガキを使おう。一応怪我人という事で、糞ガキを利用させてもらう。糞ガキは、初めて俺の役に立つのだった。
259肉食と草食:2010/07/19(月) 16:01:20 ID:7MrdjDdl
金色の鎧を纏ったハンターは怪我をしたドスランポスを背負うと、そのまま洞窟の出口に向かって歩き、私達に手を振ってきた。
私が一声鳴くと、ハンターはドスランポスを背負ったまま洞窟の外へと行ってしまった。

「あの人・・・・・・変わったハンターでしたね」
『そうだな・・・・・・よっぽど変わった奴じゃなきゃ、モンスターのために治療を施すなんて芸当はできやしないさ』

リョウは、地面に横になりながら、ハンターが去った後の出入り口を見据えてそう言った。
彼の脚を巻いている白かった包帯が、血の色と、付着した土の色が混ざって汚されてしまっている。
しかしリョウはそんな事を全く気にせずに、それらの色と打って変わって、白く汚されていない包帯の色の様に、純粋に笑っていた。

『それにしてもさっきのリアラ、めちゃめちゃ怖かったぜ。俺もびびっちまった位だ。
 ぐちゃぐちゃに潰して殺してやる、って感じだったよ』
「そ・・・そんなに怖かったですか?私はただ自分の感情に任せて・・・・・・」
『それだけ俺を愛してくれているって事で捉えていいのかな?』
「も、もちろんです!」
『じゃあ、ほら』

そう言って、彼は寝そべったまま顔を上げた。そして私に向かって顔を突き出し、目を閉じた。
リョウが私にキスを要求しているという事は、すぐに理解した。
愛しい彼とのキス。毎日の楽しみの一つとなっていたそれ。彼はもしかしたら死んでいたかも知れなかった。
だから、今は彼との交流一つひとつが非常に貴重に感じられている。話すことも、触れ合うことも・・・。
私は喜んで彼にキスをしようと顔を近づけた、次の瞬間。

突如、何かに驚愕したように彼の目が大きく見開かれた。尋常ではない驚きの眼だった。
そして脚が切断されているのを感じさせないほど瞬時に立ち上がり、体を使って思い切り私にタックルをしてきた。
その彼の力はアプトノスとは思えないほど強く、リオレイアの私でも弾き飛ばされるほどのものだった。
リョウはそんな私を悲しげな瞳で見つめながら、こう言った。

                  ごめんね

それらは時間にして一秒もなかった。その彼の声が聞こえた直後、リョウの腹部と腹部の間に赤い線が走り、弾け飛んだ。
彼の体と体を繋いでいた腸という名の内臓も体と共に弾け飛び、ぶちまけられる。
呆然としている私の顔に彼の血と中身が次々とかかっていく。目にも赤い液体が掛かり、視界が赤く染まった。
二つになった彼は、大きな音を立てて地面に落ちた。中途半端に開いたままとなった彼の眼には、生気は感じられなかった。
立ち尽くしていた私は、彼に力なく近づいていき、弱々しく声をかけた。

「・・・ふふ、どうしたんですかリョウ。キスの続きしましょうよ。早くしなきゃキスはお預けですよぉ・・・?」

しかし、彼は全然反応してくれない。どんなに口先で突いても、どんなに揺さぶっても、リョウは反応を示さなかった。

<―はははっ、死にやがったか!ざまぁねぇなァ!いい気味だ―うグァ!!?>

私は洞窟内にあったハンターという名のゴミを口で掴み、出入り口から外へと放り投げると、側にいた彼に話しかけた。

「リョウ、今からゴミを捨てに行ってきます。あぁ、ちゃんと焼却もしてきますよ。跡形もなくなるぐらい・・・・・・」
260肉食と草食:2010/07/19(月) 16:02:46 ID:7MrdjDdl
以上です。
これからはあまり長くなりすぎないようにします・・・・・・。
261名無しさん@ピンキー:2010/07/19(月) 16:17:28 ID:40lNKWwJ
GJ!
楽しく読ませていただきました。
糞ガキおとなしく死んでればいいのに・・・
次回も楽しみにしてます!
262名無しさん@ピンキー:2010/07/19(月) 17:53:38 ID:S4QUkHpe
GJ!
最後にリョウ滅殺したんは糞ガキか?
次回でサックリ殺してくださいw
263名無しさん@ピンキー:2010/07/19(月) 18:27:44 ID:p4gP8xq1
GJだぜ!!次回楽しみにしてる!!!
素晴らしいクズっぷりを発揮してくれた糞ガキ君とも次回でお別れかw
264216:2010/07/19(月) 22:17:53 ID:titGm2Ab
wiki更新途中報告です
4スレ目までの未掲載SSのwikiへの保管が完了しました
以下のURLは、それらSSをまとめたページです
http://j.mp/aIoRVK
何かおかしなところがございましたら教えてくれると有難いです

それと、本来は未掲載SSを全て保管した後にやろうと思っていた「SSデータの追加」ですが、
未掲載SS保管と一緒にやったほうが良いと感じ、現在この二つの作業を同時進行中です
ので、全スレ保管には1ヶ月かかる予定です
できるだけ早く終わらせるようがんばります
265名無しさん@ピンキー:2010/07/19(月) 23:04:34 ID:HPKG75Tu
保管の人お疲れ様です!頑張ってください!
266名無しさん@ピンキー:2010/07/19(月) 23:08:19 ID:40lNKWwJ
保管の人お疲れ様です!

4スレ目の(ギルドの半人半竜計画3)のリンク先が
(ハンターと元覇竜の奇妙な狩猟生活1)になっていたので報告させていただきます。

私のほうでは直しようがないのでよろしくお願いします。
頑張ってください!
267名無しさん@ピンキー:2010/07/19(月) 23:34:22 ID:titGm2Ab
>>266
わぁ、ほんとだ、変更しました
教えていただきありがとうございます

ありがとうございます、がんばります!(`・ω・´)ゝ
268名無しさん@ピンキー:2010/07/20(火) 15:16:26 ID:6qplOnIy
>>260GJ
ラッセル'sのその後が気にかかるな
肉食草食は蒼レウスアプト♂のキャラが生き生きしている反面、
アプト♀桜レイアにあまり魅力を感じなかったのが残念
269名無しさん@ピンキー:2010/07/20(火) 19:48:26 ID:6ov3COzv
さらっと書いてあるけど、人間がドスランポス背負うって凄くね?
最小でも全長6.4mあるんだぜ…
270名無しさん@ピンキー:2010/07/20(火) 20:29:46 ID:TnHmPHG+
保管庫の人おつかれさまです。
でもハニーザホルンの保管はちょっと飛ばしたほうがいいかも。
確か作者さんがなんかの理由で保管しないでくれ〜とか言ってたとかいう記憶がある。

結構間があいてて完結するかもわからんし、記憶も昔のスレなんで曖昧なんだが、
とりあえず、作者の意思を尊重してあげたいというか。
自分は過去スレ見れないので、そこんとこ詳しい人いたらよろしく。
完全な勘違いだったらすみません。
271264:2010/07/20(火) 21:22:47 ID:Eurvhhwu
>>270
過去ログを確認してみたところ、それっぽいことが書いてあるレスが見つかりました

【MH】モンスターハンターでエロパロ 14匹目【モンハン】
961 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/02(火) 23:47:46 ID:eNBzqgR8
あれは、作者ご本人が「次回投下後に編集します」とか書いたんだろ?
AA使用とか一度の投下が超長編だとか、収録大変そうだな

【MH】モンスターハンターでエロパロ 18匹目【モンハン】
776 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/08/05(水) 12:56:31 ID:UuTwMxzP
ハニーといや次回投稿でwikiに載せるになったまま長いこと放置やな
次回投稿まだー?

詳しい理由はわかりませんでしたが、勝手に保管をするのは自重したほうがいいですね
申し訳なかったです
現在保管済みのハニー氏の作品は全て削除します
それと、ハニー氏の作品が投稿されたスレのwikiページには、保管を控えるよう注意書きを付け加えておきます
272名無しさん@ピンキー:2010/07/20(火) 22:07:35 ID:mXghCA0w
人♂×アイルーorメラルー♀原型書いてくれませんか

273名無しさん@ピンキー:2010/07/20(火) 23:57:11 ID:VivDg/LX
>>272
保管庫にネコートさんならあるぞ
274小説題:魂宿りし青き炎:2010/07/21(水) 01:58:01 ID:iJLdz81n
初投稿です。
>>223の方が龍刀の・・・という話をされていたので面白そうだと思い書いてみました。
やたらと注意事項が多いうえに、まだ前半のみという状態ですがOKという方だけどうぞ。
一応ラストまでの流れは考えてありますが、エロが入るかはいらないかは気分次第、入っても今まで書いた事ないので残念なものになるかも


・残酷な描写有り
・欝END
・エロシーンあり?あるとしたら男ハンター×女ハンター
・擬人化とは言えないかもしれない擬人化のようなもの
・予告なく代わる視点(男ハンター視点、女ハンター視点)
・やたらと多い3点リーダー

読みたくない、もしくは読んで不快に思われた方はIDかコテをNGしてください。
275魂宿りし青き炎:2010/07/21(水) 01:59:36 ID:iJLdz81n
カタン・・・
人で賑わうギルドのカウンターにクエスト終了を証明するネコタクチケットを置く。
それに気づいた受付嬢が、ふっと顔を上げて微笑む。
「お疲れ様です。今回は・・・ナルガクルカでしたね。報酬は・・・いつもどおり工房のほうに?」
「・・・・あぁ、いつもすみま・・・」
いつも通りの受付嬢とのやり取り。
「いや、このあと工房に寄る用事があるんだ、私が運ぼう。」
・・・に相方が口を挟んだ。
驚いて相方を見る私の肩を、相方がぽんぽんと叩く。
そうしてる間に準備も整い、じゃあお願いしますね、と言って二人分の報酬が相方に渡された。
呆然としてる私を無視するかのように相方が受け取った直後、大声が集会場に響いた。
「おい!キョウにカナ、一杯付き合えよ。最近なかなか会わないし、たまにはいいだろう?」
「ふむ。お邪魔させてもらうよゴードン。エリカ、隣いいかい?」
報酬を受け取った相方は友人たちの丸テーブルに向かう。
ええ、と答えたエリカさんの隣に腰をおろし、エリカさんに酒を注いでもらう。

「相棒、来ないのか?」
腰を落ち着け、すでになみなみと注がれたジョッキを持った相方に声をかけられて、ようやく我に返る。
「キョウ、早くしないとなくなるぜ!ほら、その紅い妖刀置いて早く座った座った!」
「失敬ですね。あまり失礼なこというとこの刀で吸収しますよ。」
友人に急かされ、冗談を言いつつもテーブルに向かう。
問い詰めるのはあとにしよう。今は・・・
無事に狩り終ったこと、仲間と共にまた酒を飲めることに素直に喜びたいと思う。



結論から言うとひどい目にあった。
大して強くもないのに酒豪気取りのゴードンが酒に酔い、ゴードンの彼女を・・・
まぁなんといおうか・・・襲い掛かったのだ。
仮にこれがゴードンの家や私の家であるならば、そっと別部屋に移動して飲みなお・・・
いや、ゴードンの家に限りだ。うちでやろうものなら家主権限で追い出そう。
とまぁ、秘匿できる環境ならよかったが、そこは集会場。
危うく公開レイプになるところを私と相方が止め・・・
エリカさんのインナー姿が公開されるだけにとどまった。
集会場にいたほぼ全員のハンターからブーイングを受け、いそいそと退出。
中にはリア充滅びろ!と泣きながら叫んでるやつもいたが私の知ったことではない。

集会場をあとにして、ゴードンたちと別れるとき。
「俺たちの稼業は明日を無事迎えることが出来るなんて保障はない・・・だからな・・・悔いは残すなよ?たとえ右腕しかなくても・・・本当に大事なものはつかんで離すな。」
さっきまでその大事なものを公開レイプしようとしてた人間のセリフとは思えなかったが、何も言わなかった、が。
「つまり、ヤることはさっさとヤっておけ。」
代わりに、酒瓶を投げつけてやった。
276魂宿りし青き炎:2010/07/21(水) 02:00:55 ID:iJLdz81n
・・・・・・


新月だった。
隣を歩く相方の顔が見えないほど、周りは闇に閉ざされていた。
でも、顔を見なくても雰囲気は伝わってくる。
落ち着かないような・・・ソワソワするような。気になるが気にしない振りをしようとしていること。
そしてそれを私にばれないように隠そうとしていること。

思えば狩りのパートナーとして、短くはない年月共に過ごしてきた。
「そうですね・・・」
この、欠落した左腕について彼女は一度たりとも聞いてくることはなかった。
「そろそろ、話しておかなくてはならないでしょうね。」
「・・・何をだ?」
共に狩るものとして相手に迷惑をかけないというのがマナー。
また、迷惑をかけなければ相手がなんであろうと不要な詮索はしないのもマナーだった。
「わかっているでしょうに・・・聞きたくありませんか?私は・・・少し話したい気分です。」
「・・・聞きたい、いいのか?」
構わないよ、聞いて欲しいんだ。
声には出さず、ふっと笑う。
そうして思い返す。
あれはそう・・・15年前・・・

277魂宿りし青き炎:2010/07/21(水) 02:02:10 ID:iJLdz81n
・・・・・・


「父上。バサルモスの撃退、終わりました。」
「そうか・・・討伐はしておらんな?」
「はい。」
私が住んでいた村は火山の麓にあった。
ときにバサルモスやグラビモス、ごくまれにテオテスカトルやティガレックスなどが火山や村近辺を徘徊した。
そのたびに父や私は撃退に向かう生活をしていた。
討伐のような見せしめを行うより、撃退を繰り返してここは行かない方がいい、と相手に教え込む方が後々のためになる。
これが父の口癖だった。
もともとギルドがない、村での生活だったこともあり生活を保障してもらう代わりに無償での撃退、というギブアンドテイクだったからこそ成り立っていた。
「もうすぐ夕飯よ。準備を手伝ってー」
「兄様。今日のお話聞かせてくださいー」
夕飯を告げる母と甘えん坊の妹の声、今日もいつも通り一日が終わってゆく。


そう思っていた・・・


夜、銅鑼の音で飛び起きた。襲撃の知らせ・・・!
「襲撃・・・!よりによって月のない夜に・・・!」
すぐさま装備を整えて外に飛び出す。
父も母もいない、すでに打って出てるはずだ。
「兄様ぁ!」
「ジュリア!・・・父上と母上は?」
「家でおとなしくしてなさいって・・・武器を持って飛び出して行っちゃった・・・」
「そっか、じゃぁ家でおとなしくしてるんだよ?すぐ戻ってくるからね。」
これが今生の別れになるともしらずに、装備を整え表に出た。

目を疑った。


絶え間なく降るメテオ、吐き出される炎弾、民家を一瞬にして消し屑に変える爪。
「黒・・・龍・・・」

銅鑼の音は、すでに止んでいた。

278魂宿りし青き炎:2010/07/21(水) 02:03:51 ID:iJLdz81n
・・・・・・


「父上!状況は!」
「・・・村人の非難を急がせてくれ。」
「・・・わかりました・・・母上は今どこに?」
「・・・・・・村人の非難を急がせてくれ。」
父の顔が苦悶に歪む。それでも槍がとまることはない。

泣いてる暇などなかった。父がこうやって戦ってる今も村人が危険に晒されているのだ。
降り続けるメテオは一発一発確実に土地を、家を、人を無に帰す。
村の出口には人が殺到していた。しかし動く気配はない。
遠目から鉄の門がメテオで溶けているのがわかる。もはや外敵から村を守る門は村人を逃さぬための牢と化していた。
走る勢いを殺さず太刀に手をかける。門まであと30メートル・・・
「門を斬ります!どいてください!」
私の声を聞いて振り返った村人の・・・
その目が恐怖に染まるのが見えた。
「キョウ!」
父の叫び。
振り向いたとき左斜め後ろに

滑空する黒龍がいた。
やつが。

笑った気がした。

279魂宿りし青き炎:2010/07/21(水) 02:04:50 ID:iJLdz81n
・・・・・・


人の悲鳴を聞いた。





                                        人の断末魔を聞いた。





            人が潰されるのを見た。





                          人が焼けていくのを見た。



280魂宿りし青き炎:2010/07/21(水) 02:05:53 ID:iJLdz81n
・・・・・・


「おぉぉぉぅえぇええ!」
ビチャビチャビチャ
胃がひっくり返るような感覚、左腕の激痛、肉が焼ける・・・異臭。
すれ違いざまのときだろう、黒龍の爪が触れた左腕がどす黒い炎で燃えていた。
炎は消えない。このまま体を焼き尽くすだろう。
優しかった村人、いつも気にかけてくれて・・・優しく笑いかけて・・・優しく・・・やさしく・・・ヤサシク・・・
何も考えられなかった。
「キョウ!」
体の力が抜ける。立っていられない。
「立て!逃げるんだ!」
視点が定まらない。誰かが何かを言っている、その意味すら理解することを脳が拒否している。
「しっかりしろ!」
体が、脳が、意識が。現実世界から離れていくような。奇妙な感覚。
「左腕・・・斬りおとすしか・・・」

                                       もうこのまま・・・寝かせてくれ・・・

「・・・恨むな・・・生き延びてくれ・・・!」
ゴトリ・・・

直後走った左腕の激痛と喪失感。



それを最後に私の意識は途絶えた。


次、目が覚めたとき。
そこは自宅の地下の工房だった。
地下から出た先にあったのは

すべてが死に絶えた元自分の村だった。

281魂宿りし青き炎:2010/07/21(水) 02:07:03 ID:iJLdz81n
・・・・・・


「・・・」
「一度たりとも・・・忘れたことはありません。」
あの無力感。あの喪失感。あの・・・悲しみ。そして絶望。
「でも・・・」
悲しみにひたらせてはもらえなかった。
「不思議ですよね。人間、あれほどの恐怖を、絶望を、悲しみを感じても。」
自嘲気味に相棒が笑ったのがわかる。
「腹がね・・・すくんですよっ・・・!」
そして怒り・・・どうして、生き残ってしまったのか。どうして死ねなかったのか!

沈黙が流れる。相棒にかける言葉が見つからなかった。
重苦しい沈黙を破ったのはキョウだった。

「・・・死のうと思ったこともありました・・・でも・・・」
「・・・復讐・・・か?」
ええ、とやはり自嘲気味に相棒は笑った。
「悲しみにくれるだけくれた後の10年間、ただ、あの黒龍を殺すためだけに生きました。」
正確にはもう少しですが・・・まぁいいでしょう、と呟く。
「しかし片腕では限界がありました。いくら強い武器を持とうと・・・」
片腕では真価を発揮できない。
「本当はですね・・・怒られる覚悟も殴られる覚悟も承知で言いますが」
最初に貴女をパートナーとして選んで、太刀を教え込んだのも復讐のためだったんですよ、とどこか遠くを見ながら呟いた。
急に遠ざかる相棒との心の距離、なぁ、相棒よ・・・
「なぁ、相棒よ」

                                        後悔しているのか・・・?

「・・・なんですか?」
「今でも、復讐したいと思っているか?」
「・・・憎んでないかといえば嘘になります、はっきり言えば・・・」
憎い。そう。殺したいほどに。そう言って相棒は右手を強く握り締める。。
「でも、今は、復讐よりも・・・」
今を大事にしたい。そう思ってますよ。
それを言い終えた相棒の右手がゆっくりと開かれる。
雰囲気もいつものものに戻ったのを感じてから、軽く相棒のほっぺたをはたく。
「言いたいことや聞きたいことはたくさんあるけど・・・これだけは覚えていて。」
たとえ、どんな形であろうと、私は貴方に会い、狩りのパートナーになったことを後悔していない。
言い終えると相方は速度をあげた。
新月だから顔色なんて見えないのに、と心の中で苦笑しつつ顔を赤くしているであろう相方を追いかけた。

282魂宿りし青き炎:2010/07/21(水) 02:08:12 ID:iJLdz81n
・・・・・・


シュルシュルシュルシュル
「なんで自分の工房を使わないんですか・・・」
今日の剥ぎ取ったナルガクルガの刃翼とランスで何かしている相棒が呆れながらたずねる。
シュルシュル・・・ガキッ
「火力が足りないんだ、君の工房の火力はここらじゃ一番だからね」
と振り返らずに答える。
自分の将来的に防具になるであろう部品の加工、妥協はすなわち死につながりかねない。
ハンターたるもの自分の使う武器防具は自分で揃えるべき、というのがこの村ならではのこだわり。
生き残るハンターに妥協や慢心はない。
シュルシュルシュルシュル
だから強いんだろうな・・・強くて妥協しないやつしか生き残れない、つぶやき鎚を置いて相棒の方に振り返る。
相棒が熱心に刃翼を足で踏みつけて固定しランスの柄を右手で掴み、器用に回転させている。
ランスの切っ先が刃翼に当てられていてそこからうっすらと白い煙があがっている。
シュルシュルシュルシュル
「・・・何をしているんだ?」
相棒が手を休めて答える。
「刃翼に穴を開けているんですよ。」
再び相棒の手が動き始めた。
シュルシュルシュルシュル
なんともいえない気持ちになった。


しばらくして目的の物が出来上がった。
さすがは高火力。うちの窯では出来ないことを平然とやってのける。そこにしびれ・・・
シュルシュルシュル・・・ストン
「お。ようやくこれも穴が開きましたか・・・さすがはナルガクルガの刃翼。硬い事、刃の如しですね。」
刃だからな。と心の中で突っ込む。



「さて、相棒よ、そろそろ帰ろうと思う。」
もう少しゆっくりしていこうかと思ったが、相棒のノリにいつものキレがないのはうすうす感じていた。
素材を置くためにも工房には寄り、ついでに用も済ませていけばいい、という相棒の言葉につい甘えて長居してしまった。
扉に向かって歩を進める。
「あぁ、待ってください。」
相棒に引き止められて振り返る。ふっと首にかけられる何か。
「・・・?これは?」
「ナルガクルガの刃翼のネックレスです。」
チャラリと刃翼が胸元で踊る。
無骨なデザイン、おそらく剥ぎ取って本当に穴をあけただけなのだろう。
暗い青の刃翼に銀色のチェーンが光る。シンプルだからこその良さがそこにはあった。
「・・・このためにさっきまで・・・?」
「はい、きれいに剥ぎ取り出来たので素材として使っちゃうのはもったいないかなと思いまして。」
右手で頬をかきながら微笑む相棒。
「馬鹿たれが・・・きれいに剥ぎ取れたものなら防具にするにしても武器にするにしてもいいものが出来るだろうに。」
憎まれ口を叩きつつ顔をそらす。顔が熱くなるのが自分でもわかった。



「自分の分も作ったんですよ。これで万が一、ガノトトスの水ブレスを胸に食らっても、刃翼のネックレスが!って・・・」
「・・・そういうのは、恋人とか友人とかが渡してこそ意味があるんじゃないか?様式美的に」
えぇ!じゃあカナさん私に渡してくださいとわたわたする相棒を見て。

なんだろう。


台無しだった。
283魂宿りし青き炎:2010/07/21(水) 02:11:12 ID:iJLdz81n
今はとりあえずここまでです。
次回あげるときはラストまで書ききってあげる予定です。
が、この量を書き上げるのに書いたり消したりで3日近くかかっているのでいつになるかはわかりません。

あまり期待せずに待っていただけるとうれしい限りです。
284名無しさん@ピンキー:2010/07/21(水) 08:42:59 ID:YrROWVbR
乙!
285名無しさん@ピンキー:2010/07/21(水) 12:22:02 ID:x8wtbGJI
>>223だがGJ!
初投稿にしてこれとは・・・期待できる
286肉食と草食:2010/07/22(木) 11:22:45 ID:mVeRwY0q
>>283いえいえ、期待させていただきます!
続きが楽しみでありますよ

肉食草食ですが、仕事等の都合で更新かなり遅れる可能性が出てきました。
それもいつ更新できるかわかりません。
必要ないかもしれませんが、一応報告させていただきました。
287名無しさん@ピンキー:2010/07/22(木) 11:48:51 ID:3eisORdj
おk、分かった
288名無しさん@ピンキー:2010/07/23(金) 22:33:48 ID:jFywKNgh
うほ>>223のお題であげようとしたらすでにうpされてたでござるの巻

何はともあれ>>274GJ!
289名無しさん@ピンキー:2010/07/24(土) 10:04:58 ID:Fh6PetMl
捨てる神あれば拾う神ありとはこの事か
290肉食と草食:2010/07/25(日) 15:24:52 ID:DQf53dBo
>>259
結構早くできたので投下します。しかし今回注意点が二つあります。

・主人公(レウス・アプトノス)が空気。ハンターメインの話となっています。
・ホモ描写有り
291肉食と草食:2010/07/25(日) 15:25:37 ID:DQf53dBo
「はやく、早く来てください!」
「待たんか!こんなババアに走るなんていう重労働させるな!」
「じゃあ、あなたが腰に掛けているそのでかいドラゴンブレイカーは何なんですか!?
 白衣にそんなでかいハンマーなんて似合いませんよ!!?」
「そんな事はどうでもいいだろうが!モンスターに襲われたときに対応するためだ!ハンマーと手術道具一式
 持つだけで限界なんだよ!まったく、ハンター引退してから何十年経つと思っているんだ・・・!」

元豪腕ハンターだったと、ナラキ村では知らない人はいないとまで言われている医者の婆さんが
走っている俺に追いつこうとしている最中、愚痴をこぼした。

ラッセルは婆さんの診療所で、大人しくベッドで眠っている。いや、眠らされている、か。
ある程度の治療を終えたラッセルをベッドの上に寝転ばせ、俺が婆さんと一緒に診療所の出口へと向かおうとした時それは起こった。
ラッセルが突然重傷の体を起き上がらせ、下半身に見事なガンr(ry
そこで婆さんが棚にあった麻酔薬注射を取り出し、俺を押し倒しているラッセルを首の後ろからグサリ。
ラッセルの寝顔があまりにもかわいすぎたから、その時婆さんの見てない所でこっそりキスしたのは秘密です。

その後急いで診療所を出て、こうして森と丘の草原を駆け抜けている。俺は今、かなり焦りがあった。
仕方のなかった事とはいえ、糞ガキを洞窟に一人で置いてきたのはかなり不安がある。
あの馬鹿余計な事して、リオレイアの怒りを買ってなきゃいいんだが・・・・・・。

そんな心配をしながら走っている俺の前に、突如ランポスが出現した。封龍剣は洞窟の中に置いて来てしまっているので、武器はない。
だがこんな時の対処法は、幾度の狩猟学校の実戦演習で身に着けている。
ランポスが飛び掛ってきた瞬間に、自分の拳を前に勢い良く突き出してランポスの鳩尾にめり込ませる。
飛び掛った勢いと、拳の正拳突きの勢いのサンドイッチを喰らったランポスはその場にうずくまり気絶。
さすがにラッセル発情時にこれを使うことはできないが、結構役に立っているのだ。

「ラッセルお前、自分のパートナーと同種の奴でも容赦ないんだな」
「ラッセルとこいつらは違いますから。邪魔してくるんだったら遠慮する理由なんてありませんよ」
「・・・・・・まあ、ハンターにとって情けなど、仕事に支障を来たすものでしかないのかも知れないな・・・・・・」
「どうしたんですか?急にそんな暗い顔して」
「・・・・・・・・・何でもない。それより早く行くぞ。緊急なんだろう?」

その声に俺は、怪我をしたアプトノスの事を思い出し、何も言わずに走り始めた。
婆さんも文句を言いながらもしっかりついて来ている。さすがは元豪腕ハンターといった所か。
早く行って治療してやらないと、その分アプトノスの脚が元に戻らない危険性が高まる。
千切れた腕や足を、手術によってくっ付けた例はごまんとあるが、そこの組織が腐ってしまってはそれもできなくなってしまう。

「カルドさん、スピード上げますよ!」
「ちっ、わかった。もっと老人をいたわって欲しいがな・・・!」
292肉食と草食:2010/07/25(日) 15:26:01 ID:DQf53dBo
その時、俺の顔に小さい水粒がかかった。走りながらそれを手に取ると、更に空からどんどんと水滴が降ってくる。
―雨だ。先程まで太陽が見えていたのに、いつの間にか太陽は薄暗い雨雲によって隠されてしまっていた。
無数の雨が、走っていることによって一段と金色の鎧へと降りかかる。地には数多の水溜り。

「雨か・・・・・・一応怪我人は雨の当たらない所に居るんだろう?外に出たらいくら止血しても無意味だからな」
「あぁ、洞窟の中に居る筈ですよ。止血は俺が済ませておきました。まず命に別状はないでしょうね」
「そうか」

そう言うと婆さんは急にスピードを上げ、俺の前を走り始めた。婆さんが蹴った水溜りが、跳ねて俺の鎧を泥で汚す。
そんな事俺は気にとめなかった。潔癖症でもない限り、ハンターが鎧の汚れを一々気にする事なんてないだろう。
今は急ぐだけだ。アプトノスとリオレイア、デイビッドのために・・・・・・。

「ラッセル、こっちでいいんだよな?」
「わからないんだったら前走らないでくださいよ!俺が案内しますから!」
「着いたら真っ先に治療できるようにだよ。いいから早く合ってるか合ってないかだけ答えんかい」
「そっちで合ってますよ。あと五分くらいで着きますから」

婆さんはそうか、と一言。俺と婆さんはそのまましばらく無言で雨の中を走り抜けた。
ザーという雨の激しく降り注ぐ音。あちこちで雷が落ち、クシャルダオラとキリンが同時に出現したって感じだった。

「ん?あの洞窟かラッセル」

一旦止まり、婆さんが指差した先にあったのは、まさしくアプトノスとリオレイアが居た洞窟だった。
洞窟の中は遠くから、ましてやこんな雷雲が出ている中では見えるはずもない。
俺は黙って頷くと、婆さんは手術道具が入っているアタッシュケースを開けながら走り始めた。
さすがベテランだ。仕事がお早い。

「たしかリオレイアに炎ブレス二回ほど喰らったと言っていたな。それならば火傷はまず間違いないだろう。喰らった圧力で
 骨折もしているかも知れないな。ラッセル、お前私の助手をしてくれ。医科だったのだろう?」
「あ、カルドさん。言ってなかったんですけど、怪我人もう一人居るんです」
「なっ!!?馬鹿たれが!! 手術用具一応多めに持ってきたが、足りなかったらどうするつもりなんだ!!
 その怪我人も洞窟の中か?」
「ええ、デイビッドと一緒にいると思います」
「じゃあ迷っている暇はないな」

俺は婆さんの後に続いて、洞窟の中へ入ろうとしたその時だった。
何か大きなものが足に当たった。何かと思い足元を見てみるが、雷雲と洞窟の影の影響で至近距離でも見るのは難しい。
そして、それをじっと目を凝らして見ていると、突然耳を劈く凄まじい音が聞こえた。
光と共に、近くに生えていた木に雷が落ちたのだ。その木は雷の熱によって燃え、大きな音を立てて地面に倒れこんだ。
293肉食と草食:2010/07/25(日) 15:26:45 ID:DQf53dBo
その瞬間俺は大きく目を見開き、声にならない驚きの感情が、俺に襲い掛かってきた。
何も言葉に出せず、小刻みに体が震え始める。拳を握ろうとしても、力が入らず震えるばかりである。

そして、次に来たのは・・・・・・・・・・・・・・・憎悪だった。

その憎悪は、複数に対しての憎悪があった。俺の中の驚きだった感情が、一秒と経たない内に殺意へと変わっている。
雷の光によって一瞬だけ見る事がそれ。美しい桜色に、黒い棘がついている・・・・・・尻尾・・・・・・。
直後に俺は察した。それが、アプトノスと一緒にいたリオレイアの物と言う事を・・・・・・。

リオレイアの尻尾は丁寧に刃物のようなもので剥ぎ取られていた。それがハンターの仕業という事は誰にでも想定はできる事。
そのハンターが誰かは・・・・・・もう予想ができている・・・。

俺は目を虚ろにさせながら、雨を凌ぐ事ができる洞窟の中へと入っていく。その時は、不気味なほど俺の足音は立っていなかった。
婆さんが持っていた灯りが光を放っているお陰で、洞窟の中は端から端まで明るい。
そこでは、婆さんが洞窟の壁によりかかって座っている何かを治療していた。
その隣にはクロームレイザーと呼ばれる大剣が、真っ赤に血塗られたまま床に置いてあった。

「デイビッド大した怪我じゃないな。ラッセルからお前の事を聞いて、てっきり死にかけの重傷かと思っていたが」
「そんな訳ねェだろォ?俺がこんな糞リオレイアに負けるわけねェぜ」

・・・・・・婆さんと話していたそれが指差した先に、桜色の大きな飛竜がうずくまって地面に身を下ろしていた。
所々血が流れ出て、甲殻もそこらじゅう破壊しつくされ、翼は片方切断されて、もちろん尻尾も切断され・・・・・・・・・。

その隣では、このリオレイアと一緒にいたアプトノスが見事に一刀両断されており、下半身と上半身が繋がっておらず、
中身がそこらじゅうに飛散していた。アプトノスも、リオレイアも・・・二匹とも・・・・・・・・・

「・・・・・・・・・カルドさん・・・・・・こいつら・・・死んでるんでしょうか・・・・・・」
「当たり前じゃないですかラッセル先輩ィ。俺がぶち殺したんだから」
「お前に訊いてるんじゃない・・・・・・カルドさんに訊いてるんだ・・・・・・・・・」

俺が力なくそう言うと、俺の気持ちを察したであろう婆さんは、倒れている桜リオレイアの体を手でいじり始めた。
そしてそれから一分後、婆さんは俺の方を向いて、首をゆっくりと左右に振った。

その時、俺の中で何かが吹っ切れた。先程まで震えていた拳が、急にあっさりと握る事ができた。
震えから解放された拳は、近くにあった封龍剣を、力強く握っていた・・・・・・。

「どうしたんですかァラッセル先輩ィ?後輩に勝負で負けたのがそんなに悔しいんですかァ?」
「・・・・・・一つ訊く。お前がこいつらと戦闘を始める前に・・・こいつらはお前に何か害を加える様な事をしたのか?」

「ああ、なんかいちゃついててうざったかったからァ、まずアプトノスを真っ二つにしたんですよォ。その後リオレイアに
 襲われたんですけどォ、攻撃するのなんか途中でためらってたもんですからどんどん大剣ぶちこんでいったんですよォ。
 そしたら死にかけでアプトノスの死体の隣に行ってその死体をペロペロ舐めててうざったかったから大剣ぶっ刺して――」
294肉食と草食:2010/07/25(日) 15:27:13 ID:DQf53dBo
俺は持っていた封龍剣を片手で思い切りなぎ払い、壁によりかかっているゴミクズの首元にそれをあてがった。
俺自身も若干ながら驚いた。なんせ片手で、この巨大な封龍剣を空中に維持しているのだから。
恐らく、俺の中に潜む怒りのマグマの悪魔がおもてに出た事で、俺に凄まじい力が宿ったのだろう。

「この大便の中のうじ虫に劣る汚れきったゴミクズ野郎が……………!てめェは何を考えて今までの人生、生きてきたんだ?
 俺はよ、さっきのお前のリオレイアに立ち向かって行く姿を見てな、認めてやろうと思ったよ。後輩のハンターとしてな。
 だがな、それは一瞬にして崩されたよ。てめえの手によってなァ!!!」

ここまで腹の虫が煮えくり返ったのは初めてだ。後輩として認めてやろうと思っていた矢先、俺はあっさり裏切られた。
それは悔しくもあり、悲しくもあった。こいつは後輩どころかハンター、人間としても認めてはいけない奴だったのか・・・!

ゴミクズは、なぜ自分がこんな事を言われているのか、と言うよりも俺の睨んでいる眼と
首に当てられている封龍剣に恐れをなして、挙動不審に陥っていた。

「よく聴きやがれ。これだけは言わないでおこうと思っていたんだがな、貴様はギルドの禁止事項に背いた!何だか分かるか?」

ゴミクズは無言で首を左右に振り、それによってさらに俺の怒りの炎の炎圧が増していくのを感じた。

「狩猟学校からやり直せこのゴミクズが。アプトノスの脚をその借り物の大剣で斬った事は、さすがにてめぇの
 腐った脳みそでも憶えてるだろう。その時アプトノスを捕獲するためにワイヤーで脚を縛っていた事も憶えて
 よな」

こういう時だけ大人しくしているゴミクズにさらに腹が立つ。ゴミクズはゆっくりうなずいた。

「俺達の所属しているギルドではな、捕獲したモンスターの殺傷は厳禁なんだよ!!うちのギルドは、違反した奴を徹底的に
 排除する主義なんだ。おおっと、別のギルドに所属すればいいとか考えるなよ。ナラキ村のギルドから、その情報が他のギ
 ルドに行き渡り、もうてめぇはどのギルドからも相手されなくなるからな」

そう言うと、ゴミクズの顔は一気に蒼くなった。震えている口が何かを言いたげだが、何も言葉が出てこない。

「・・・・・・・・・今回の事は黙っておいてやる・・・・・・カルドさん・・・しばらく独りにしてくれませんか・・・?」
「・・・・・・わかった」

婆さんは、手術用具一式をアタッシュケースに詰め、雨が降っている外へと身を出し、見えなくなった。

「てめェも消えやがれ!! 失せろ!!!!」

俺は怒りをすべてぶつける様に、ゴミクズに向かって叫んだ。ゴミクズは、恐ろしい龍から逃げるように全力疾走して消えうせた。
婆さんが置いていった灯りを俺は消し、地面に腰を下ろして両膝を腕の中に抱えた・・・涙が止まらなかった・・・・・・・。
295肉食と草食:2010/07/25(日) 15:27:34 ID:DQf53dBo
「・・・ラッセル・・・来てるのはわかってる・・・・・・出てきていいよ・・・」

婆さんとゴミクズがいなくなった後の洞窟の中に、ドスランポスであるラッセルは顔を出した。

「・・・まったく、一応治療はしたとはいえ、お前骨折れてんだぞ?」

怪我している体なのに無理して病院から抜け出して、痛みをこらえながら俺の元に来るなんて・・・・・・

(いいパートナーを持ったもんだな)

そんな事を思いながら、俺は雨でびしょ濡れの金色のヘルムを脱ぎ、同じく雨でびしょ濡れになったラッセルの頭を撫でてやった。
とても嬉しそうに鳴いて、喉を鳴らして、尻尾を振って・・・・・・そんなかわいらしい姿に俺は、いつも惹かれるものを感じる。
いつだってこいつは俺を挑発し、誘惑し、愛して・・・どんな場所や状況でもそれは変わる事のないものであって・・・・・・・・・

今だってそうだ。暗い闇のどん底にいる俺に、唯一光を与えてくれる存在。

ラッセルは空気を読むのが苦手だ。それによって俺も何度も悩んできた。しかし、それだけではない。
空気を読めないからこそ、救いになる事がある。俺は今、ラッセルによって救われかけているのだ。

俺だけがラッセルの全てを知り、俺だけがラッセルを受け入れることができる。俺達は、互いの光なのだ・・・・・・。

「ラッセル、ちょっと・・・」

俺が仰向けになるように呼びかけると、ラッセルは素直にそれに従い、真っ白な包帯が巻いてある腹を出した。
これから俺がしようとしている事をわかっているのかいないのか、ラッセルは俺の顔を見つめてパチパチと瞬きを繰り返している。
仰向けになったラッセル。俺はラッセルの尻尾を優しく握り、“それ”が隠れているラッセルの下半身に舌を這わせた。

「ん・・・ペロッ、くチャっ・・・・・・」

ラッセルはそんな俺の様子を、ただただ喉を鳴らしながら見ているばかり。
だが、尻尾の動きが段々と出てきて、興奮し始めているのを感じ取ることができた。

そしてラッセルの中に舌を入れ込むと、徐々に大きくなりつつあるペニスが、俺の舌の先に触れた。
一旦舌を引き抜くと、出口の壁を押しのけて下半身からラッセルのペニスが現れた。

「やっぱり大きいなお前のは」
『クギュウ・・・・・・』

その出現したペニスに軽くキスして言うと、ラッセルは恥ずかしげに体を動かしながら鳴いた。
296肉食と草食:2010/07/25(日) 15:28:08 ID:DQf53dBo
「おっと、これからセックスしようってのに鎧着てちゃあ邪魔だよな。少し待っててなラッセル」

俺はラッセルに背を向け、重くびしょびしょだったゴールドルナ一式を次々と脱いでいき、俺は全裸となった。
途中でラッセルが襲ってくるのではないかと警戒をしていたが、
ラッセルは下半身にペニスをそびえ立たせながらもしっかり大人しく待っていてくれていた。

「いい子だラッセル。ご褒美にたっぷり気持ちよくさせてやるからな」

俺は、今までした事のない初めての試みをしようとしていた。それは、俺からの攻め。
いつもはラッセルが最初に俺の中に挿れて、ラッセルがが射精した後に俺にフェラチオを迫り口腔射精。
俺から攻めた事は一度もなかった。
何故かというとランポスは総排出孔、つまり排泄口と生殖器が一緒になっているのだ。
という事は俺がいくら挿れようと思っても、ラッセルの生殖器に邪魔をされ、挿れるのができないという事。

ならばどうするかというと、こうするのさ。

俺は怪我をしているラッセルに乗っからない程度に覆いかぶさり、ラッセルのペニスに俺の勃起しているペニスをこすりつけた。
いわゆる兜合わせと呼ばれるやつだ。ペニスとペニスが擦れ合う度に、いつもとは違う刺激がペニスに伝わってくる。
ラッセルも喘ぎ、兜合わせの快感に痺れている様で、ラッセルのペニスがピクピクと激しく顫動している。

「どうだいラッセル・・・初めての体験は」

二、三回ラッセルはうなずいた。そのうなずきには力がなく、眼は快感の波に溺れている眼をしていた。
ラッセルは攻めるのは強いようだが、受けるのには弱いようだ。ここまでセックスでぐったりしてるラッセルは初めてだ。
その時、ラッセルのペニスの先端から何かが出てきた。尿道球腺液、ガマン汁だ。
精液でなくて、俺は少し安心した。先にイかれてしまっては寂しい。イク時は一緒がいい。そんな願望が俺の心の中にあった。

「……うふゥっ、…フ…ラッセル………クゥ……」
『ギュク……クァっ……ハフゥ………キャン………』
「ははっ、ラッセル……気持ちよさそうだな………よし、もうちょっと激しくしてやる」
『キャッ!クァンっ…………クゥン…………』
「フゥ……はぁ……ん…………!」

そして、しばらくの間ずっとこすり合いを続けていると、俺に限界が訪れるのを感じた。
俺はラッセルに向かって“そろそろイクぞ”と言うと、ラッセルは“ボクもそろそろ出る”と言いたげに何度も何度も頷いた。
297肉食と草食:2010/07/25(日) 15:29:01 ID:DQf53dBo
「ァああアッ……!!」

俺とラッセルは同時に絶頂へと達し、ペニスから液体が発射された。互いの体にその熱い精液が大量にかかり、地面へと垂れていく。
しかしラッセルに覆いかぶさっているために俺にかかった精液はほんの少しで、大半はラッセルの体にぶっかけられていた。

「・・・・・・・・・帰るかラッセル」

俺は立ち上がって、ラッセルに言った。勢いよく頷いたラッセルは、精液まみれの体を持ち上げた。

またラッセルに救われた。俺は心の闇から、ラッセルによって引き上げられたのだ。
ラッセルはやっぱり唯一無二の俺のパートナー。これからも俺は助けていくだろうし、助けられていくだろう。

俺は置いていたゴールドルナ装備に身を包み、封龍剣を背負って洞窟内を見渡した。
目に入ってくるゴミクズが忘れていったクロームレイザーと、異種という壁を越えて、仲むつまじかった二匹の死体・・・。

クロームレイザーを両手にとって、ラッセルと洞窟の出口へと向かう。
雨は止んでおり、僅かに出ている日の光を水溜りが反射して眩しい。

ここに来た理由の蒼リオレウスの狩猟などというクエストは、今更やる気分でもないし、やる意味もなくなってしまった。
今回の事で俺の村の中での人生は大きく変わってしまった。しかし、決して悪い方向ではないと、俺は思っている。

俺は一度振り返り、リオレイアとアプトノスに向けてこう言った。

「・・・天国に行っても・・・生まれ変わっても・・・・・・ずっと仲良く暮らしていけよ・・・・・・俺が応援してるから・・・」
298肉食と草食:2010/07/25(日) 15:29:42 ID:DQf53dBo
こんな事になるなんて・・・・・・夢にも思っていなかった・・・・・・。
俺が・・・・・・こんなクソったれハンターに・・・殺されるなんて・・・・・・。
どうして蒼リオレウスのままでいられなかったんだ・・・・・・。どうして姿が変わってしまったんだ・・・・・・。
蒼リオレウスのままだったら・・・ずっと彼女と一緒にいられたのに・・・・・・リアラを安心させられてたのに・・・・・・。
俺のアプトノスとしての体が真っ二つになって・・・そのまま意識が遠のいて・・・彼女が・・・リアラが離れていって・・・。
そんな・・・やめろ・・・・・・俺はまだ・・・彼女と一緒にいたいんだ・・・やめろ・・・やめろォォオ!!!!






「―――うアァッ!!!??・・・・・・・・・ハア・・・ハア・・・ハア・・・・・・?」

突如目に飛び込んできた、白。影と思われるものは一切なく、見る限りの真っ白な世界。
不思議な感じだ。体が何だか軽いような・・・重いような・・・とにかく体が何か異常な感じというのはわかる。

「なんで生きてんだ・・・?俺は・・・たしかハンターに真っ二つにされて・・・?あれっ!体が元に戻ってる!?」

俺に引っ付いている、二本の足と二つの立派な翼、そして蒼い立派な甲殻。間違いなく俺はリオレウス亜種・蒼リオレウスだった。

だが、元に戻ることのできた喜びはやってこない。

頭の大部分は、なぜ自分が生きているのか、ここはどこなのかという疑問で埋め尽くされていたからだ。
本当に白以外の色が何も見えない不思議な空間。山もなければ生き物もいない。ここは・・・天国なのか・・・?
そうとしか考えられない。俺は確かに、あの時リアラを庇って死んだ。この不思議な空間も、それなら納得がいく。

「・・・・・・俺は・・・リアラと会えなくなったのか・・・本当に死んだのか・・・くっ・・・うぅっ、グッ・・・」

                      ムニュッ

泣きじゃくり、地面に寝転がって暴れようとしたその時、俺の尻に何か軟らかい感覚が伝わってきた。
俺はその方向を見てみると、そこに転がっていたのは・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
299肉食と草食:2010/07/25(日) 15:31:03 ID:DQf53dBo
以上です。くぅ・・・なぜここまで長くなってしまうのか・・・

次は最終回予定です。また嘘をついてしまったら本当に申し訳ありません。
300名無しさん@ピンキー:2010/07/25(日) 20:13:22 ID:B19+V8GS
GJ!
いやぁ、投下っていいもんだね
ラッセル(人)かっけぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!
さて次回どうなるのか
301名無しさん@ピンキー:2010/07/26(月) 17:27:35 ID:7rNcCVyo
>>299
どうしてあの時だけ蒼レウスとアプトノスの種が入れ替わったのか
明かされてないからなんか気持ち悪いな
しかし糞ガキ……逃げたふりしてラッセルズに不意打ちかますつもりで隠れてそうな気がするのは何故だろう
302名無しさん@ピンキー:2010/07/26(月) 19:07:13 ID:SsV26QbA
神の投下を待っている間に、
ネタ会議でもするか?
303名無しさん@ピンキー:2010/07/26(月) 21:17:01 ID:885SvlUM
武器の説明文をネタにすればまだまだいけるな
304名無しさん@ピンキー:2010/07/27(火) 23:38:32 ID:ABAU/NlW
蒼い炎を封じて封じる話なんかどうだろう。
305名無しさん@ピンキー:2010/07/27(火) 23:41:39 ID:rDWC+UAu
>>304
…つまり?
306名無しさん@ピンキー:2010/07/28(水) 03:01:38 ID:SKVlA+vP
・・・どういう事だってばよ?
307名無しさん@ピンキー:2010/07/28(水) 08:53:07 ID:k20zVovf
赤い炎を解いて解く話なんかいいんじゃないかな。
308名無しさん@ピンキー:2010/07/28(水) 22:00:11 ID:NBiPTuIQ
読解力のない俺に
>>304>>307を説明してくだしゃれ
309名無しさん@ピンキー:2010/07/29(木) 19:00:59 ID:3R4+a7Ze
ヒント、エンプレスグリーブ
310魂宿りし青き炎:2010/07/29(木) 22:55:02 ID:FrH13v6u
>>282の続きです。
前回から1週間以上あいちゃいました。
遅くなって申し訳ありません。
そして今回終わらせる予定が予想以上に文章が長引いてしまったので、今回中編という形になりました。
次回こそ終わり・・・になるようにがんばります・・・

注意点
・残酷な描写有り
・欝END
・エロシーンは次回を予定。あるとしたら男ハンター×女ハンター
・擬人化とは言えないかもしれない擬人化のようなもの
・予告なく代わる視点(男ハンター視点、女ハンター視点、ゴードン視点)
・やたらと多い3点リーダー

読みたくない、もしくは読んで不快に思われた方はIDかコテをNGしてください。
311魂宿りし青き炎:2010/07/29(木) 22:55:35 ID:FrH13v6u
・・・・・・


相方が帰ったあと道具箱から、狩りで持っていくものとは全く違う、大き目のところどころ紅く染まった砥石を取り出す。
その砥石の上に抜き放った太刀をそっと置き、研ぐ。
シャッシャッシャッ・・・
足で砥石を固定し、全てを一度に研ごうとするのではなく位置を決め、右手で丁寧に研いでいく。
はじめは試行錯誤の連続だったこの作業もいまやスムーズに行えるようになった。
そう。慣れたのだ。
否、慣れてしまったのだ。


黒龍に全てを奪われてからというもの、やつに復讐するためだけに龍を狩り、力をつけた。
龍を狩っている間は、目の前の龍を狩ることだけに集中できた。しかし、終わったあとは違う。
両手を使えないもどかしさからあの日のことを思い出す。
父を、母を、妹を、村の人たちを。守りたかった全てのものが奪われていくあの悲しみ。
親しきものが奪われる嘆き。愛する人を失う痛み。自分という存在が消える絶望。それらの声。
昔は嫌でも克明に思い出せたそれらも、今では・・・。
カシュッカシュッ・・・
ポタリポタリと砥石の上に水気が増える。
奪われたことの悲しみなのか、徐々にその悲しみに慣れてきてしまったことへの悲しみなのか。
わからぬまま一人、剣を研ぐ。
研ぐにつれて燃え上がるような紅蓮に太刀は色を変え、妖しく輝く。
友人に妖刀と言われる所以。
吸い込まれるような紅蓮の輝きを刀身が纏った所で研ぐのをやめる。
ゆっくりと太刀を拭き、鞘に収めて工房を出た。

既に涙は止まっていた。

312魂宿りし青き炎:2010/07/29(木) 22:56:30 ID:FrH13v6u
・・・・・・


(・・・うん、悪くないな)
相棒の工房から出て胸元でチャリチャリなるネックレスを見て思う。
最後の最後で雰囲気自体をぶち壊しはしたが、予期しないタイミングでのプレゼントとはなかなか粋なことをしてくれる。
最後まできちんとフォローしてビシッと決めれたらモテモテなんだろうが、そんなのはキョウっぽくない。
まったくもってキョウっぽくない。
あいつはああやって普段はふにゃふにゃしてるくらいでちょうどいいのだ。
あいつのよさは私だけが知ってればいいし、みんなが知ってライバルが増えられても・・・
って何を考えてるんだ私は。
頭をぶんぶん振って、自分らしくもない甘ったるい雑念と頬に集まった熱を逃がす。
それと一緒にチャリチャリ胸元を踊るネックレスを掴んでふと気づく。
あぁ、忘れてたけど。
(・・・おそろい・・・だったな・・・)
意図しているのかはわからないが、同じナルガクルガから剥ぎ取った刃翼で作られたおそろいのネックレス。
これで集会場に行こうものなら、間違いなくまた、リア充滅びろとかこの世に希望はないのか!とか言われるだろう。
そう思いつつも、それも悪くないと思えるあたり自分も丸くなったなと思わざるを得ない。
これも全部あいつのせいだ。
なんとなく悔しかったので、明日の狩りの時にうっかり間違えて肥し玉をぶつけることにした。
な、何をするんですかぁ!って慌てふためくあいつの姿が目に浮かぶ。
それがなんとなく面白くて、空を見ながら笑う。
空は赤く、そして明るかった。

(・・・え・・・?赤?今日は新月・・・)
遠くで爆発音が聞こえる。そして鳴る角笛。
襲撃だった。


――――

ゾクリと体が震えるような感覚に襲われて少ししてから、襲撃の合図を告げる角笛を聞いた。
「またお前は・・・」
奪いに来たのか・・・
気配、空気の重さ、そしてこの威圧感。みなくてもわかる、やつだ。
心がミシリと、嫌な音を立てる。頭の中が真っ白に染まる、思考が統一されていく。
ニクイ・・・コロセ・・・ウバッタアイツヲ・・・ウバイニキタアイツヲ・・・コロセ!
まるで憎悪に呼応するかのように太刀が紅蓮に輝く。
無造作に太刀を掴んで家を飛び出す。


白い瞳、赤く染まった羽、数多の人の血の、命の色をした赤き四肢体躯。
やつはいた。今こそ、復讐のとき。

313魂宿りし青き炎:2010/07/29(木) 22:56:58 ID:FrH13v6u
・・・・・・


なぎ払う様に振るわれる腕を軽く剣で跳ね上げる。回避行動も取らずに懐に突っ込む。
かすった髪がこげる。
腹を狙った横なぎの一閃が、先に振るわれた腕の逆の腕によって防がれる。
手が痺れるような強い衝撃。弾かれてなるものか。さらに強く踏み込む。
後ろに落ちるメテオ、弾かれて体勢を崩していれば餌食になっていたか。しかしそんなことはどうでもいい。
伸びた右腕を戻しさらに踏み込む。懐深くまで入り込んだ。噛みくだかんと黒龍の口が迫る。避けない。
「はぁっ!」
剣を地面に刺し、右足で地面を蹴り抜き左足を軸に高速反転。迫る顔の横から、右足の踵がめり込む。
ズガンッ
黒龍が吹き飛ぶ。蹴り抜いた踵がジクリと痛む。しかしそんなことはどうでもいい。
地面に刺した剣を引き抜きゆっくりと、吹き飛んだ黒龍に近づく。
「幾多の人々の願いを踏みにじってきたか・・・幾多の人々の未来を踏みにじってきたか・・・!」
徐々にヒートアップする自分を抑えられない。呼応するように剣は輝きを増す。
「貴様との戦いが避けられぬものなら、貴様との別れがどちらかの死ならば・・・今ここで引導を渡してくれよう!」
弾かれたように地を蹴り、黒龍に迫る。不利を悟った黒龍が、大きく息を吸う。

ゴアアアアアアアアアアア

カウンター気味に放たれた轟音。ビリビリと空間が震える。
咆哮なんて生ぬるいものではない、もはや指向性のある衝撃波に近い。
片手で両耳は塞げない。だからキョウは強く耳を、手のひらと耳に隙間が出来ぬよう張った。
プツン。2度、激痛が走る。しかしそんなことはどうでもいい。
酷く静かになった世界を疾走する。敏感になった肌が空気の震えを感じとる。
太刀の間合いに入る。目の前には未だに咆哮しているであろう黒龍。

「うるさい。黙れ。」

太刀が黒龍の顎下から眼の間を通り、黒龍の口を縫い付ける。
黒龍が大きくのけぞる。太刀が抜ける。ヌラリと濡れて光る太刀を一振り。太刀についた黒龍の血が地面を濡らす。もう一押し・・・
「くたばれ」
仰け反ってがら空きになった胸に太刀を突き出す。
太刀が胸を貫く瞬間、黄金色に黒龍が光った。太刀は・・・止まった。
振るわれる黒龍の右腕。掬い上げるように振るわれたそれは胸元で止まった太刀を跳ね上げる。踏ん張れない。太刀を離す。
死が正面から迫る。少し浮き上がった体で回避は不可能だった。自分が死ぬ。もう、そんなことはどうでもよかった。
右腕に全ての力を込める。最後の一撃。くれてやる、冥土の土産だ。胸めがけて拳を放つ。
拳が黒龍の胸に直撃した瞬間。

横からの衝撃に、キョウは吹き飛んだ。

314魂宿りし青き炎:2010/07/29(木) 22:57:47 ID:FrH13v6u
・・・・・・


エリカとの情事が終えて、二人で睦言など交わしてる時に角笛は鳴った。
今まで自分の腕の中でとろけた眼をしていたエリカもすぐに狩人の雰囲気を纏う。
幸い集会場から直接来ているので二人とも装備は部屋に置いたまま。
ガンナー装備のエリカが先に着替えを終える。
「行きますよ、早く着替えてください。」
とても生着替え、ガン見してましたなんて言えない。ちょっと息子が興奮気味。軽い冗談を言って場を和ませ・・・
「帰ったらもう1回だ。中のものをこぼさないようにな!」

着替え終わって出撃するまでほっぺたをつねられた。

――――

「まさか紅龍とは・・・」
エリカと別れ、戦場に向かう。今頃エリカも狙撃ポイントに走ってるはずだ。
降り注ぐメテオもあり、遠く離れた狙撃ポイントでも安全とは言えないが近くよりは幾分マシとのことだ。

戦場が見えた。既に一人・・・キョウが戦闘を開始していた。噛み付かんと伸びる口を避けようともせずに叩き込まれる回し蹴りで紅龍が吹き飛ぶのが見えた。
異常な光景だった。巨体が吹き飛ぶこと以上に、避けようともせずに博打のような攻めをするキョウ。
何度も共に狩りをしてきて、初めての光景。嫌な汗が流れる。
足を速める。直後響く轟音のような咆哮を大盾で防ぐ。足が止まる。キョウの足は止まらない。
「止まれッ!キョウ!突っ込むな!」
必死に追いかける。突き立つ太刀。仰け反る紅龍。
さらに、胸に突き立てんと伸びるキョウの右腕。弾かれ、跳ね上げられる太刀。迫る左腕。がむしゃらに走った。
「避けろおおおおおおおお!」
キョウの右腕が伸びる。避ける気配はなかった。足ではもう間に合わない。左腕を大きく振りかぶる。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
体を完璧に覆い隠すほどの大盾がうなりをあげ、キョウに衝突した。

315魂宿りし青き炎:2010/07/29(木) 22:58:16 ID:FrH13v6u
・・・・・・


「てめえ!死ぬ気か!どういうつもりだっ!」
エリカの援護射撃で大きく怯み、隙が出来た紅龍を尻目に大盾を拾いランスを構える。
吹き飛んだキョウも自分の太刀を拾って隣で構えようとしていた。
「おい、てめぇ、無視か?あ?」
頬を張る。生気のなかった目に若干の光。あ・・・と呟きが漏れた。
「なんとか言え、聞こえねえのか?」
キョウは答えない。何を考えてるかも妖しいところだった。
「・・・くそ、とりあえずカナの到着を待つぞ。そろそろ他の連中も準備を整えて加勢しに来るはずだ。」
盾を突き出しどっしりと構える。それを見たキョウがゴードンに合わせて動き始める。まるでさっきのが嘘だったかのように滑らかだった。
怯んでいた紅龍が遠くに目を向ける。おそらくは・・・エリカのいる狙撃ポイント。
「遠くばっかり見てると・・・足元を掬われるぜ!」
槍を鋭く突き出して牽制するも黄金色に光る紅龍に弾かれる。弾かれたところを狙って攻撃しようとする紅龍を、キョウが牽制して再び膠着状態に戻る。
「はっはっは!さっきまでのが嘘みてえだな!えぇ!おい!」
キョウに話しかけるが返事はない、元より期待もしてない。
ズドン
爆発音と共に紅龍の頭部が火に包まれる。狙いがエリカに向かないように牽制をしようとした瞬間。

ゴアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!

意識ごと刈り取られそうになる強烈な咆哮。攻撃しようとした瞬間だったためにガードも出来ずにモロに食らう。
ふらふらになりながらも紅龍を見る。紅龍がこっちを見ている。ターゲットを自分に絞ったようだ。
やばいな・・・と思いつつもどうしようもない。左手をつかまれ引っ張られるままに体が・・・あれ?
頬に走る衝撃。いい感じの気付けになる。視線が合った。ニヤリと笑う。
「ちょっと遅いんじゃねえの?」
「ガードが甘いぞ、ゴードン」

カナが到着した。

316魂宿りし青き炎:2010/07/29(木) 22:58:45 ID:FrH13v6u
・・・・・・


咆哮を防ぐためにぶち抜いた鼓膜が徐々に戻りつつあるのがわかる。静かだった世界に剣戟の音が戻りつつあった。
「咆哮来るぞ!」
黒龍が大きく息を吸ったのを見て素早くガード体勢に入ったゴードンの後ろに回る。
相方は一瞬こちらを見るとすぐさま黒龍に視線を戻す。
ふわりと髪が揺れる。チラリと見えた耳に一定以上の音量を完全にカットする高価な耳栓がついてるのが見えた。

ゴアアアアアアアアアアアアアアッ!

襲い来る衝撃波、直撃はゴードンの大盾が完全に受け止める。
「なんだぁ?キョウ、耳栓つけてきてねえのか?さっきは咆哮をお構いなく突っ込んでったのに。」
ゴードンの怒鳴り声が小さく聞こえた。まだ完璧に治ったわけじゃない、耳が遠い。
「徐々に鼓膜が戻ってきてるようでして・・・」
頬を掻きながら申し訳ない、咆哮の際は盾にさせてもらいます、と呟く。
「通りでさっきまで返事しなかったわけか!盾にするのは構わん!ただし、さっきみたいに危ないことしやがったらぶっ殺す!」
それは失礼しました、しかし殺すなんて物騒・・・キョウの言葉をカナが遮る。
「ぶっ殺したら後でエリカが泣くことになるぞ・・・?」
カナも負けないほどに物騒だった。

――――

徐々に黒龍に弾が集中し始める。
遠距離のハンターが増えてきてる。ちょこちょこ、見当違いなところに弾が飛んでいくが、おそらくもともと近距離のハンターなのだろう。
慣れないボウガンで出撃する方が、狭いところに4人も5人もハンターが己の武器を振り回すよりはよっぽど戦いやすい、という判断だろう。
こちらにしても好都合。普段から共に組むパーティーだ。連携はお手の物だった。

撃退は時間の問題、そう思われた。

317魂宿りし青き炎:2010/07/29(木) 22:59:16 ID:FrH13v6u
・・・・・・


弾幕が濃くなる。黒龍に当たっては爆発する弾。
羽で、腕で、尻尾で打ち落とすも、その防御をすり抜け確実に黒龍にダメージを与えていく。
ガンナーに意識が行き過ぎぬように牽制しては回避に徹する。どうやら黄金色に光ってるときは全身が硬化しているようだった。
討伐に至れるほど削りきれないのは目に見えている、が討伐が目的ではない、今は撃退できればいい。
すぐにでもやつの胸に、顔に、口に、目に。
太刀を突き立てたい暴力的なまでの欲求を押さえつけ、牽制に徹する。
ただ今は、ダメージをもらって逃げるがいい。いつか、私がお前を殺しに行こう。
激化する弾幕。
砕け散った弾が雨のように降り注ぐ。徐々に3人の方にも爆発の余波が届きつつある。
相方もゴードンも当初よりかなり距離をとっている。

さぁ、早く撤退しろ

ここは、お前に滅ぼされはしない

一瞬あった目を強くにらみつける。まだ黒龍の眼は死んでない。
それどころか・・・

(わら・・・った・・・?)

一度見たことのある、それは何か、アクションを起こす時の・・・
トドメとばかりに弾の雨が黒龍めがけて降り注ぐ。
そのときだった。

ゴアアアッ!

息の吸い込みなしで放たれる一瞬の轟音。黒龍に届くことなく爆発する弾々。
全方位に瞬間的に放たれた轟音がゴードンとキョウの意識を刈り取らんと襲い掛かった。

――――

何が起こったのかわからなかった。考えることすらかなわない。
ただ漠然と黒龍が構えるのが見える。

「アアアアアアアアアアアアアアアアアッ!」

カナが注意をひかんと、振るわれようとしてる腕に斬りかかった。

(・・・あぁ・・・やめるんだ・・・逃げろ・・・)

意識の飛びかかったうつろな眼でもわかる。今度こそ。

黒龍が、ニヤリと・・・笑った。

318魂宿りし青き炎:2010/07/29(木) 22:59:56 ID:FrH13v6u
・・・・・・


斬りつける瞬間、黒龍の腕が止まる。襲い来る太刀を、爪で受け止め、跳ね上げる。
為すすべもなく、跳ね上げられる相方の体。
「あっ・・・」
浮き上がりそうなまでに仰け反る体。こちらに振るわんとしていた左腕が狙いを変えたのが見える。

またお前は・・・

奪うのかっ!

体がカッと熱くなった、ふらふらの意識のまま、右腕を振るう。
再び静寂が襲い来る。2度目の激痛に意識が一瞬で覚醒した。

走り出す黒龍の左腕。動きが酷くゆっくりに見える。時間がどこまでも引き延ばされる感覚。
それでも、彼女の体には、もう届かない。
体が弾かれるように動き出す。ゴードンは未だ立ち尽くしたまま。

間に合え・・・

相方の目が恐怖に彩られるのが見える。

間に合え・・・

黒龍の腕がゆっくりと伸びるのが見える。

間に合え・・・

爪が、人の腕ほどある指が伸びきるのが見える。

間に合え!

一直線に黒龍の攻撃の射線に体を割り込ませた。

間に合った・・・

安堵。射線に太刀を構えた直後。
目がくらむような紅蓮の光を発し、太刀が真ん中から折れる。
飛び散る破片の全てが目で追えた。
(あぁ・・・耐えれなかったか・・・)

次の瞬間、キョウの胸を豪腕が貫いた。

319魂宿りし青き炎:2010/07/29(木) 23:00:30 ID:FrH13v6u
・・・・・・


心臓が、ドクン、ドクンと脈打つ。鼓膜が死んでるのに、どこまでも心音がうるさかった。
黒龍の爪が体から引き抜かれていくのを感じた。
刺されたところがどす黒い火で燃えている。初めて、しっかりと見たその炎は

どこかうつろな、朧のような火だった。

「カフッ・・・」
ボタボタと、鮮血が口から漏れる。
それでも、口を開いた。

「み・・・やげだ・・・もっ・・・て・・・いけ・・・」
折れた剣の根元を、ボロボロに傷ついている黒龍の顔面に全力で投げつける。
ゾブリ、と。黒龍の目に刺さった。

黒龍が、咆哮するのが、見えた。
突き刺さった太刀がバチバチと黒い光をあげる。
両腕で、抜かんと暴れるが抜けることはなかった。
再び襲い来る無数の弾。
それをもう一鳴き、払い落として。

黒龍は去っていった。

320魂宿りし青き炎:2010/07/29(木) 23:01:08 ID:FrH13v6u
・・・・・・


体が崩れ落ちる。体の内部から黒い火が猛威を振るう。
相方の顔は涙でぐしゃぐしゃになっていた。何か言っているのだろうが、聞こえない。
あぁ、そうだ。
鼓膜ぶち抜いたんだった。
「へ・・・やに・・・」
もう助からない。昔感じた、あの感覚がよみがえる。
エリカさんが濡れた布を傷口にかぶせてくる。布が濡れたまま燃え上がった。
「ひにさ・・・わ・・・るな・・・」
火は消えないのだ。そして燃え移る。15年前、身をもって体験した。
相方の顔が歪む。涙がとどまることなく流れる。
ゴードンが肩を貸してくれた。共に戦った仲間たちが近づこうとしてくるが、エリカさんがそれをさえぎる。
「あ・・・かたな・・・」
振り返ろうとして激痛が走る。ゴードンが何か言っているがわからない。
「か・・・たな・・・」
うわごとの様に繰り返す。相方が隣まで走りよって大事そうに抱いた、折れた太刀を見せてくれた。
「あ・・・ぁ・・・」
よかった・・・愛刀は折れてしまった今でも、鈍くではあるが紅蓮に、燃えるように光っていた。

321魂宿りし青き炎:2010/07/29(木) 23:01:37 ID:FrH13v6u
・・・・・・


部屋の、工房について体がおろされた。
「聞こえるかっ!」
ゴードンが耳元で喋る、いや、大声出してるんだろうな。
首をゆっくり縦に振る。
「あれほど無理をするなと言っただろう!」
すまない・・・でも体が勝手に動いたんだ・・・
喋りたくとも声がかすれた。それでも口を開こうとする。
ゴボリ・・・
鮮血が口からあふれ出した。
「もういい!喋るな!」
相方が泣きながら何かを言っていた。あぁ、鼓膜ぶち抜かなければ聞こえたのに・・・
そっと右手を伸ばす。頬をそっと撫でる。柔らかな頬が愛しい。
心臓はうるさいほどに脈打ってるのに、心はどこまでも静かで。
相方の髪にそっと触れ、そのまま頭を撫でる。
「ぶじ・・・で・・・よか・・・った・・・」
かすれながらも伝えた言葉。
自分の行動は

無駄じゃなかった。

大事なものを、守れた。

エリカさんとゴードンが目配せをして工房を出て行く。二人っきり。
そっと、震える右手で撫でる頭を引き寄せる。
逆らわずに、目を閉じて相方は顔を近づけてくれた。

ありがとう。

最初で最後のキス。
少しだけ。

血の味がした。

322魂宿りし青き炎:2010/07/29(木) 23:02:01 ID:FrH13v6u
・・・・・・

相棒の遺言は。
自決するから工房を出てて欲しい、というものだった。
己が身を内から焼かれるのは耐え難い激痛だろう、でもそれ以上に。

あいつに、私の命は奪わせません。私の命は、私が奪うんです。

かすれながらも、途切れながらもそう伝えて私が持っていた折れた太刀を右手で掴んだ。
もっと穏やかな死を迎えられたなら・・・死ぬその瞬間を、還るその瞬間を見届けてあげれたのに。
涙が溢れた。

でもあいつの最後の覚悟を、最後の想いを、無碍になど出来ない。

工房から出ようと扉に向かう。
そっと、後ろから聞こえた。

ありがとう、カナ。愛しているよ。

扉を閉めた。ゴードンとエリカがそこにいた。
涙が止まらなかった。
「うわああああああああああああああああああああああああああ!」
エリカがそっと頭を胸に抱いてくれた。
断末魔は、聞こえなかった。

――――

再び工房に足を踏み入れたとき、スーッと冷気が抜けていった。
キョウの遺体はどこにもなかった。
窯に向かってたれている血痕。最高温度でスイッチの入れられた窯。
あるべきはずの青白い炎は無く。
代わりに、青白い太刀がそこにあった。
歩み寄り、掴むと包み込むような光が漏れた。
太刀を強く胸に抱いた。

私が力尽きるまで、共にあろう。

溢れた涙はまるで幻だったかのように、太刀に吸い込まれて消えた。
323魂宿りし青き炎:2010/07/29(木) 23:06:55 ID:FrH13v6u
中編はここまでです。
後編はまだ全く書いてない状態です。
またずいぶんあいてしまうかもしれませんが、期待せずに待っていただけると。

ネタはいくつか持ってるんですが、それを文章にする力と速度がなひ・・・orz

ご意見などありましたらお願いします。
324名無しさん@ピンキー:2010/07/30(金) 03:50:32 ID:DRYtfrOb
GJ…!
GJだっ!
325名無しさん@ピンキー:2010/07/30(金) 11:33:01 ID:5EQh3YAd
これはGJといわざるをえない
326名無しさん@ピンキー:2010/07/30(金) 20:11:59 ID:qESgNLEA
GJ!!
目から汗でた
327名無しさん@ピンキー:2010/07/30(金) 23:34:19 ID:2kz8v51E
泣いた…泣いたよ
GJ!!
328観察記録7 ◆ifhFvwrEHs :2010/07/31(土) 00:12:51 ID:yWpS1sSl
投下失礼します。
今回は黒ディアの嘘生態観察記録。全部で9レスほど消費
ディアブロス×黒ディアブロス エロ薄め。
わりと真面目に考察したので交尾よりは下ネタアホトークが多め。
329観察記録7 ◆ifhFvwrEHs :2010/07/31(土) 00:13:20 ID:yWpS1sSl
日差しのせいでひりひりと肌が痛む。ぽたりと、一滴の汗が羊皮紙に落ちた。
「どうぞ」
さしだされたクーラードリンクに、私は礼を言ってそれを受け取る。
「ちょっと失敗したかな」
「砂漠を選んだことですか?」
「いや、装備」
私は先ほどの友人の問いに答える。彼の涼しげなガレオスS装備が羨ましい。
今、私たちがいるのは砂漠のエリア5。そこの洞窟(エリア6)入り口付近で身を潜めていた。
後ろからは涼しげな風がわずかに流れているので、多少の暑さは我慢できるつもりだったが……
暑いものは暑い、それも、このように身を潜めているとなおさらそう感じる。
しかし、友人は暑さ無効という素敵スキルなので、文字通り涼しげな顔をしていた。
ついでにいうと、私は水色と桃色のストライプのマカルパU。
調合リストで龍殺しの実と魚竜のキモの欄が空白だったので、錬金術でついでにと考え、この装備にしたのだ。

一応G級ハンターの癖にSとかUとかなのは、今回は観察目的のため、戦うための装備は必要ないと判断したからだ。
私の今持っている装備で錬金術が使えるのはマカルパUのみ
友人も手持ちの装備で暑さ無効の装備がガレオスSだっただけのこと。
戦う必要がないなら、守備力なんて関係ない。というわけで、おそろいのヒレヒレ装備というわけである。

とりあえず、さっきまで二人でガレオスを追っかけまわし、キモを引きずり出していた。
持ってきた龍殺しの実とそのキモを、秘密の錬金術であーっというまに狂走エキスに変えてやる。
なんて素敵なんだろう。もうこれでゲリョスを無駄に狩らなくていいんだ。
ついでにアルビノエキスも作れないでしょうか?無理ですか?またフルフルを狩る仕事がはじまるお。

「イーヤさん」
暑さのあまり、雑念が混じった私に友人が声をかける。
「一度水辺にでも行きますか?」
「大丈夫、全然大丈夫!」
私は友人にそう言って双眼鏡をのぞいた。その向こうでは黒い竜がのそのそと歩いていた。
そう、今回の観察対象はディアブロス、それも黒いやつである。
ちょうどディアブロスの繁殖期である今、黒角竜がぞろぞろと現れているのだ。
「ディアブロスは、好きだけど、嫌い」
私の呟きに、友人はどうしてですか?と聞き返してくれた。
「音爆弾の消費も、閃光玉の消費も激しいし、何より突進がなかなかよけられないのがいや」
咆哮に驚いて耳を押さえて、気がつけばディアブロスの体当たりを喰らったことも数知れず。
今では火急の要件ではない限り、ディアブロスはあまり狩りにいかない。
「でも、しっぽとか、あのツノとかは結構好きかな」
いわゆる見かけはいいけど、中身が好きになれないってやつだ。ディアブロスにとってはどうでもいい話だろう。
「そうそう、友人、知ってる?角竜が黒くなる理由」
「雌で、繁殖期だからでしょう?あと、凶暴化の警告色」
「それはそうだけど。じゃあなんで黒くなるか、考えたことあるだろう?」
ないです、とあっさりいう友人。もっと物事に興味を持つべきではないだろうか。
330観察記録7 ◆ifhFvwrEHs :2010/07/31(土) 00:13:56 ID:yWpS1sSl
「黒い色は雄にとって性的興奮を引き起こすようなものじゃないかと私は考えている。
まぁ、ただの交尾オッケーよーんていう合図かもしれないけどね。
君も、キリンが部屋のベッドで待ってるのと、ギザミがベッドで待ってるのでは興奮の度合いが違うだろう?」
「両方ともすごくビックリします」
「……すまない、言葉が足りなかった。キリン装備のおねーちゃんと、ギザミ装備のおねーちゃん
今夜の御注文はどっち!あと、すべて脱がすなんてのは邪道ね」
「キリンさんが好きです」
「そうだろうとも。あと、さっきもいった警告色ってことかな。甲殻が丈夫になるのは、雄と交尾しても傷つかないようにじゃないかな?」
私の言葉に、友人は少し首を傾げた。
「傷つかないように?」
「交尾のときは雄が雌にのしかかるだろう?爪やらなんやらでいちいち傷ついてたら雌もたまったもんじゃない。
ってことじゃないの?角竜的に考えて」
「なるほど」
双眼鏡の先では黒角竜がぼぅっと空を見ていた。暴君とまで言われる竜だが、ああいう姿はなんだか愛しく思える。
迂闊に角竜に近寄ったゲネポスが尻尾でビターンされている。
あ、仲間をやられて怒ったゲネポスがまた2ビターン、3ビターン。あー、ドスゲネポスまで出てきた。4ビターン。
ゲネポスのしつこさに怒った黒角竜がゲネポス達をひき逃げ、ドスゲネポスが宙を舞っていた。
『と、とうさーん!』
『逃げるんだゲネ郎!こいつはっ……強いっ!』
『とうさぁぁぁぁぁん!!!』
などという謎の会話が脳内で響く。あぁ、またゲネポスが空を舞った。晴れ時々、ゲネポス。

「イーヤさん」
急に声を出した友人に、私は驚いて双眼鏡を落とす。
「な、なんだ?」
「なんだじゃないですよ。ボーっとして。あぁ、もう凄い汗だ。一旦水辺に行きましょう。」
いつのまにかクーラードリンクの効果が切れていたらしい。そういえば、ひどく喉が渇く。
どうりで集中できずバカなことばかり考えてしまうわけだ。
「エリア7に行きますよ。あそこなら水辺だし、ここより涼しい。」
「しかし…今、ものすごく面白いところなのに」
「いいから、行きますよ」
「むぅ〜……」
子供のように腕をひかれつつ移動することになる。
名残惜しく観察対象をもう一度見てみると、ゲネポスも撤退しはじめていた。
331観察記録7 ◆ifhFvwrEHs :2010/07/31(土) 00:14:43 ID:yWpS1sSl
エリア7に移動し、ホーミング生肉(偽名)と戯れつつ水辺で水を飲む。クーラードリンクもいいが、やはり水で喉を潤すのが一番いい。
「ハンターたるものが日射病にかかるなんて笑えませんよ?」
「フードがあるから大丈夫」
「何が大丈夫ですか、だいたい見てるこっちが暑苦しいですよ。その格好」
「脱げとでもいうの!?」
「そこまではいってません」
ここでおらおら脱ぎやがれー!と言わないところが友人の紳士たる所以である。いや、最近変態紳士だが。
「君の装備は涼しそうだねぇ……」
ガレオスS装備を羨ましげに見る私に、友人が気づいて苦笑した。
「その分、自分の分のクーラードリンクあげますから」
友人、君は私を甘やかしすぎだぞ。いや、ありがたいのでしっかり頂きますが。
「で、今回の観察の目的は、ディアブロスでいいんですよね?」
「あぁ、できれば求愛シーンとかも見たいかな」

ディアブロスの気性の激しさを知らないハンターはいないだろう。
奴らは同族でさえ敵と判断し、己の縄張りだけを守り続ける。つぶらな瞳のベジタリアンのくせに実に凶暴なモンスターなのだ。

十分に体を休め、水分も補給したところで先ほどの観察場所へと戻る。
「ディアブロスがどうやって雌を口説くのか見てみたいと思わないか!?」
「まぁ、確かに面白そうですけど」
過去、ディアブロスの決闘のシーンは記録されている。主に額の二本の角で押しあい、時には尻尾を使って相手を攻撃する。
負けた方は踵を返して逃げ、勝った方は深追いせずに高らかに勝利の雄たけびをあげるのだ。
「でも、殺さない。狼とかも負けた方は首筋を差し出すらしいけど、勝者は決して噛み殺さないんだってさ。
ムダな殺し合いはしないってことかな」
クーラードリンクを飲み干して、私は友人に語りかける。
「人間なんかより、ずっと利口だわな。さて、さっきの黒いご婦人はと……よかったまだいた」
もしかしたら、まだ若い娘かもしれないが。
「黒い甲殻になるのは、角竜的には一人前の女の証ってことかな?」
ディアブロスが見つかるまでの間、、私は考察を始める。
どれだけ黒いとかでやはり雄の興奮は違うのだろうか?もしかして歳を経るごとに濃い黒になっていくのか?
脳裏に美少女と美熟女が黒いセクシー下着をつけてスタンバイしている様子が頭に流れる。

「友人、君は黒い下着は好きかい?」
「いえ自分は純白派です。清楚で、でも少し大人びてるレースもしくは刺繍入りなら尚よし!」
……そんな高価な下着は街に行かないと手に入らないじゃないか。
「一応、検討しておくよ」
「ぜひお願いします。あ、ガーターベルトも大好きです」
332観察記録7 ◆ifhFvwrEHs :2010/07/31(土) 00:15:20 ID:yWpS1sSl
さて、そんなことを話しているうちに黒角竜の匂いに誘われて雄角竜がやってきた。
ゲネポスを尻尾でビタンビタンしていた雌より、一回り小さいがそれでも結構な大きさの雄だ。
雄は雌に敵対意識はないことを示したいのか、正面から突っ込んでいくのではなくじわじわと距離を詰めていく。

雄は時に、雌から眼を逸らし、ときに頭を低くしている。
驚いたのは、それに雌がとてとてと無邪気に雄に歩みよる所であろう。
砂漠の暴君と呼ばれたその雌は少し急ぎ足で雄に近寄り、ぎゃるるるる…と甘える声を出した。
とはいえ、あの怪音波にも近い声なので人間からすれば甘えるようには思えない。
互いの匂いを嗅ぎ合っているのか、鼻先をくっつけ合うその姿は非常に微笑ましい。
雄が雌の翼を口に銜えるが、噛んでいるようではなさそうだ。
傍から見れば幼子が母親の袖を引っ張っているようにも思える図で、雌を砂漠に座れと命令しているようにも見える。
しょうがないわねと言わんばかりに雌は砂漠に腹ばいになると、ハンマーの尻尾が付け根からくいっと上がり、そのまま横に流れる。

「ま た 交 尾 か」

おぅ、なんてこったい。求愛シーンだけでよかったのにヤル気満々じゃないですか。
最近観察をするとこういうシーンしか見てないような気がしてならない。
いや、繁殖期に観察にきたのだから、仕方ないのかもしれないが……
とにかく珍しいものには間違いないので私は観察を続けることにする。

いざ、雄が雌に圧し掛かろうとした時だ。
砂漠の一部が盛り上がり、黒い角が天を突く。二体目の雌がタイミング悪くやってきたのである。
二匹目の雌は空気を読まず、もう一匹の雄に近寄るとまた甘えるような仕草で雄を翻弄した。
雄は二匹の雌を選び損ねているようであった。
ぎゃるるるると、困ったような鳴き声を出すと、二匹の雌からとてとてと離れた。

「おいおい、どっちも選らばないつもりか?」

意外と意気地のない暴君の行動に私が心底呆れたときだった。
黒角竜は向かい合い、いきなり大きく吼えた。すでに口からは黒い煙が見えている。
「ひぃっ!!」
気を抜いていた私に二匹の咆哮は今まで以上に恐ろしいものに感じられた。
二匹の雌は大きく吼えると、互いの角を前に出し、突進を開始した。
互いの角が擦れ、削りあう音が砂漠の砂すら奮わせる。幾度も二匹が頭突きをし、その様子をのんびりと雄が見ている。
遠くから見ている私達でさえ、耳を塞ぎたくなるような恐ろしい咆哮が砂漠を震わせる
たまたま近くを通りかかったのだろうガレオスがその芳香に驚いて何匹か飛びだし、砂の上を跳ねる。
一言文句でも思ったのか、何匹かのガレオスが騒音の主を振り向くが……
さすが野生、すぐに逃げることを選んだようで、さっさと砂の中に入っていく。
333観察記録7 ◆ifhFvwrEHs :2010/07/31(土) 00:16:01 ID:yWpS1sSl
「な、なるほどなー……」
雌は繁殖期になると凶暴になるというが……
互いに雄を取り合うということでも、あの理不尽な強さは必要だったというこどだろう。
「男からみてどうよ。女が自分をとりあうために殴りあうっていうのは」
「あー、うん……人間としてはちょっと引きますね」
「なるほどなーつまり男の居ない場所で殴りあったほうがいいのか」
「殴りあう予定があるんですか?」
「まったくない」
つまりは友人を取り合うような強敵が今のところ出現していないというわけだ。
こんな人間どもの会話など知らぬ二匹の雌はツノで押し合い、時にはしっぽで叩きあい、声の大きさを競うように吠え続ける。
「なぁ友よ」
「なんですか」
「どっちが先にいたディアだっけ?」
「……えーと……」
たがいに目を凝らして、どちらが1番さんでどちらが2番さんか見極めようとするが、わからない。
二匹の黒ディアはクワガタムシのようにたがいのツノを組み合わせて押し合っている。
双方の口からは黒い煙が上がっている。
「女の喧嘩はどの種族も恐ろしいものですね」
「あぁ、そうだな……ってうおおおおおお!!!??」
私は目の前の光景に叫ぶ。

かつて何かの古書でクワガタムシ同士の戦いの絵を見たことがあったが、
今、まさに!それと同じ光景が広がっているのである!
つまりは、片方の黒ディアが、もう片方の黒ディアをツノで持ちあげているという恐ろしい構図である。
いったいどのようなツノの組み方で相手を持ち上げているのか気になり、目をこらしたがよく見えない。
「すげぇ……」
一体どこに力を入れれば自分の同じ体格の竜をツノで持ちあげられるのだろうか。いや、恐ろしい。
そんなことをしているうちに、持ちあげている黒ディアが体を大きく振るわせて相手を投げ飛ばした。
投げ飛ばされた黒ディアは背中から勢いよく砂漠に落ちていく、大きな衝撃により砂嵐が舞う。
そのもくもくとした中で、きゅーんという泣きそうな声がしたかと思うと投げられた黒ディアは逃げ出してしまった。
ぎゅおおおおおおっ!と残った黒ディアは勝利の雄たけびを上げた。
「あいつら……こえぇぇl……」
自分とほぼ同じ体格の相手をツノで持ちあげて投げ飛ばすなんて、なんと恐ろしい力か。
「ふつう雄が雌を取り合うと思うんだがなぁ……」
「それを考えると珍しいですね」
「雄が選ぶ立場とはなぁ……いや、今回だけのケースかな?」
黒ディアが一夫一妻でやっているのなら今回のケースは特殊なのかもしれない。
「子孫繁栄なら一夫多妻のほうが効率がいいとおもうんだがなぁ……」
とりあえず、黒ディアのツノの強度と先ほどの同族への戦い方を羊皮紙に記す。
334観察記録7 ◆ifhFvwrEHs :2010/07/31(土) 00:16:25 ID:yWpS1sSl
おわったー?と言わんばかりに先ほどの雄がやってきて黒ディアに甘える。
黒ディアも喜んでたがいの鼻先をくっつけ合う。ぎゃるるると声を出しているが、微妙に大気が震えているような気がしないでもない。
「あー……どうしよっかなぁ。なぁ友よ。移動するかい?」
「え?いいんですか?」
「いや、うん、なんというか、また交尾かと思うとな……覗いているのが申し訳なくなってきた」
「そうですか?どーせ、いつか依頼で狩るかもしれないんだから、それを考えたらこれくらい」
「いや、その考えはおかしいんじゃないか?。まぁ、もう始めてるよあいつら、ちくしょうめ」
雌は伏せるような格好でしっぽを横にずらしている。はやくはやくといわんばかりにご機嫌にしっぽの先を揺らす。
何度あのしっぽで死にそうになったことか、それを考えると、少し腹立たしい。
雄が雌に重なるようにして交尾を始めようとする。
「……いつも思うんだが」
「なんでしょう」
「あいつらの凶器はなんであんなでっかいんだろうな。普段は隠してるのに」
「……」
雄の生殖器は一度外に出ると非常に長い。大体は体の半分から三分の二くらいの長さであるらしい。
普段は固い鱗で包んでいるようなスリットから、にょろんと出ているソレはすこし間抜けだ。
「おうおう、出したはいいが入れるのに難儀だな。ぶらんぶらんして二本目のしっぽみたいだ」
「でかけりゃいいってもんじゃないんですよ。きっと。間違いなく。」
体重を雌にかけつつ、雄はゆっくりと先を入れていく。
体の半分も長さがあるソレが根元まで入っていくことに、ちょっと恐怖を感じる。
「正直……あんだけでかいと怖いわぁ」
「ですよね!適度な長さが大切ですよ!」
根元まで入り、雌は微妙に体を震わせている。雄はしばらく腰を動かしていたが突然上を向き、か細く鳴いた。
「あ、終わったな」
基本的に草食で大きな体を持つ動物の交尾時間は短い。これはディアブロスにも当てはまったようだ。
ずるずると性器を抜けば収まりきらなかった精液が溢れ流れて砂漠にしみこんでいく。
「はやいですねー……」
「ディアブロスの交尾中を襲うようなモンスターは少ないだろうに……これから長くなっていくかもね」
短い交尾時間だったが、雌は満足したらしくキューンと鳴いて雄にすり寄る。

妊娠した黒ディアはさらに凶暴になるのだろう。何せ腹には大切な卵が宿っているのだ。。

「うっわぁ……それ考えると黒ディア狩りにくいなぁ……」
「妊婦襲うようなものですからね……」

子持ちししゃもとはレベルが違う。
「さて、これ以上は馬に蹴られて死んでしまうかもしれないから帰ろうか」
「そうですね、珍しいものもみれましたし」
「今度は孵化するころに来よう。子供は基本的に母親が育てるらしいからね。
孵化するころには繁殖期も終わって各自の縄張り守りに徹するせいだとか」
335観察記録7 ◆ifhFvwrEHs :2010/07/31(土) 00:17:20 ID:yWpS1sSl
私は羊皮紙を見て考える。草食系の竜の交尾時間が短いなら、肉食系は長いのだろうか?
交尾時間、回数、そして大きさ。
「いやぁ、正直もう見るのはイヤだったんだが、まだまだ調べることはありそうだな」
それにしてもでかかった……
「それを考えると……哺乳類、というか人間のはずいぶんとコンパクトサイズになったものだな」
「で、でかすぎても怖いっていってたくせに!愛と技巧で人間は十分カバーしてます!」
「へー、いや、別に悪いとか思ってないから」
「だいたいイーヤさん!指でもアンアンいうくせに!ぬっれぬれのくせに!」
「うっ!うるさい!ていうか手つきが無駄にいやらしい!やめろ!クイクイ動かすな!」
友人が人差し指と中指を、くにくにと動かすのをみて、思わず目をそらす。
それでも友人は止まらない。どうやらとても傷ついたようだ。
「長さや太さなどそう重要ではないのです!持久力と技巧と愛が大切なんですよ!」
「おちつけ、友よ。私がいつ君のサイズに文句をつけた」
「いいえ、今のは暗に不満だと言っているようなものです。上等です。今夜覚悟してください」
「しーまーせーん。今夜はこの砂と汗だらけの羊皮紙を保管用の羊皮紙にまとめるんですぅ〜」
「挿したままでも書き写すのはできますよ!」
だめだこいつ、はやくなんとかしないと……


ギャオオオオオオオ!!


突然ディアブロスが雄たけびを上げた。何事かと再び双眼鏡をのぞく。
雄ディアブロスがツノを突きだし、勢いよく突進している。


こちらに向かって。


「「ばれたー!!!」」
私と友人はまわれ右で後ろの洞窟に逃げ込む。ごめんなさい、覗いててごめんなさい。

その洞窟でメラルーに羊皮紙を盗まれ、取り返しているうちに、ガノトトスに見つかり水ブレスを食らい、
それでも逃げ切ってベースキャンプに戻ろうと砂漠横断中に黒ディアに見つかって全速力で走る羽目になったのだった。

「た、たしかに持久力は大切だな……友よ……」
「理解していただけて何よりです……」

私たちは肩で息をしつつベースキャンプのベッドに倒れこむのであった……

終わり
336観察記録 ◆ifhFvwrEHs :2010/07/31(土) 00:18:54 ID:yWpS1sSl
以上です。ありがとうございました。
参考はサイやらゾウのものを。彼らは交尾のときはあまり動かず早いみたいですね。
あと、なんだか飛竜は一夫一妻のような気がします。
337名無しさん@ピンキー:2010/07/31(土) 01:56:49 ID:MotCCRoI
GJでした!
今回観察分&アホトークが多くて嬉しい・・・
エロも素晴らしいんですが、なんだろう。
個人的に、キャラの魅力が深まる文章が好きなので、こういうの大好きです。
それにしても友人がどんどん変態紳士になっていくなぁw

乙でした。次回も楽しみにしてます。
338名無しさん@ピンキー:2010/07/31(土) 10:26:56 ID:KQuj/ZFj
乙乙
観察記録も第七回か結構長いこと続いてるな
友人のセリフにワロタwwwww
339名無しさん@ピンキー:2010/07/31(土) 17:33:04 ID:ODYbO7DZ
てす
340名無しさん@ピンキー:2010/07/31(土) 18:56:43 ID:+FEyEFE3
名作が二本続けて読めるとは!
341肉食と草食:2010/08/01(日) 04:01:20 ID:Vnv7SH8B
GJっす!二人とも災難だったなぁw

えと、今回でラストになります。
もう好き勝手やっちゃいました。人によっては不快な気分になるかもです…
342肉食と草食:2010/08/01(日) 04:02:10 ID:Vnv7SH8B
『リ………起き……………起きてったら……』

暗い中から途切れ途切れ聞こえる、彼の声。リョウの大きくて強い火竜としての足が、私の体を揺さぶっているのが分かる。

―ふふっ、私 夢を見てるんだね。だって彼は、私の目の前で…私を庇って死んだのだから………
…でも不思議……なんだか夢じゃない感じ……本当にリョウが、私を触ってるみたい………。
…とにかく今は目を開けたくない……眠って……本当の彼の元へと行きたいから……。

『頼むよ………起きてくれよ………よぉし、そっちがその気なら……』

その声が聞こえた直後私の秘所に、何か熱くてぬるぬるとしたものが這いずるのを感じた。
たまらず私は大きく目を開けて小さな悲鳴をあげながら起き上がってしまった。

「きゃっ!」
『おっ、やっと起きた』

大きく見開いた目に入ってきた彼の姿。蒼く堅い甲殻に、大きな翼。そこにいたのは正真正銘、蒼リオレウスであるリョウだった。
彼は、自分の舌を私の秘所に這わせたのだ。少し顔を赤らめて微笑んでいる。

「うそ…………………リョウ………い……生きてた…………生きてたァ!」

私は思い切り彼に飛び込み、リョウの堅い甲殻に、そして柔らかいお腹まで隅々舐めまわした。

彼が私の前にいてくれる喜びに身をまかせ、思うがままに頬ずりをし、思い切りリョウに甘えこんだ。

「リョウが元に……元に戻って…その上に生きてるなんて……全くもって信じられません……」
「まあ…信じられないだろうけど、これは現実だよ。君の体だって元に戻ってるだろう?」

彼が顎の先で私の体を指し、私はそれに反応し あっ と小さく一声上げた。
なんと私の体が、元のアプトノスという体に戻っているではないか。
ちゃんと四本の脚があり、見ることはできないが頭には角がある事がわかる。

『それよりも………君に訊きたい事があるんだ』

リョウが突然真剣な眼差しで私を見据え、前よりも低い声で私に言った。

『……何故君がここにいるんだ?』
343肉食と草食:2010/08/01(日) 04:02:52 ID:Vnv7SH8B





『――そうですか……やっぱり私は………あのハンターに………』
「さっき言った事は勝手な俺の推測に過ぎないけどね……………」
『…でも、当たってると思いますよ。私と、あなたがいる事がここが天国っていういい証拠じゃないですか』
「………やっぱり…死んじまったのか……俺達……」
『…………………………』

リアラが俺に悲しげな眼差しを向けて、俺を見つめてきた。
眼には涙が浮かび上がり、彼女はかすれた様な声で俺に訴えかけてきた。

『私は……結局あなたの敵討ちをすることができなかった……ハンターを殺すのが…怖かったんです………
 …愛する人の仇だというのに……私は…―――』
「―――それ以上は何も言うな。」

俺はリアラの言葉を制止し、自分の翼を使って彼女の体を包みこんで言った。
なぜかは不明だが、俺の眼にも涙が現れ、その涙は滝のように溢れ出てきた。
そして自身の彼女を包む翼の力を強くし、涙声でリアラに話しかけた。

「君の自分を責める言葉なんて…聞きたくない……………君には、何の罪もないんだよ……」
『…リョウ………』
「安心して、俺は君の側にいる。もう、絶対に独りにさせやしないから……」
『……はい………はいィ……………!』

互いの眼から溢れ出る涙。真っ白な地に大きな水溜りを作っていく。
小刻みに震える彼女の体。だが、それは彼女自身による震えではない。
俺と体を密着させていることによって震えが伝わっている。つまり、震えているのは俺なのだ。
彼女以上に涙が止まらず、彼女以上に体に震えをきたしている。
情けなくも、また切なくもある俺の震えと涙。胸が苦しい。

情けない。本当に情けない。ナゼ、俺が涙を流さなくてはならない…?

そんな時、彼女が言った。

『………………………苦しみ先にあるもの……光です……』
344肉食と草食:2010/08/01(日) 04:03:54 ID:Vnv7SH8B
一時間が経過した。その間は彼女とは何の会話もなく、ただこの真っ白な世界で、抱き合っているだけ。
会話を交わさなくてもリアラの事はわかる。俺も、彼女も幸せの中で眼を瞑り、浸っている。
そんな時、彼女は静寂を壊すように俺に話しかけた。

『そういえば……なぜ私とあなたは種族が入れ替わったのでしょうか……言葉を交わせるようになったのも……』
「…そういえば! 俺 君とこの間散歩してた時に 小腹空いたからそこらにあったドキドキノコ食った!
 その後君とキスした!まさかそのドキドキノコの作用で―――」
『―まずそれはないでしょう。それからはもう何日も経っていましたし、第一それでは言葉が交わせるようになった
 説明がつきません。ドキドキノコによって姿が変わったというのは私も聞いたことがありますが、言葉が交わせる
 ようになったなんてあまり聞いたことがありません。もしかしたらそれはドキドキノコのもう一つの不思議な作用
 で有る可能性も否定はできませんが、いずれにせよ何もわかってないのと変わりありません』

俺の考えは彼女の言葉によって一蹴りされてしまい、消えうせた。
結構 あっ! とか その可能性もありますね! とか言ってほしかったよ。

『す…すみません! 私何か悪いことを……?』


              沈黙……!


『すみません!すみません!本当にごめんなさい!』
「……本当にそう思ってるぅ?」

リアラはこくんと頷いた。

「よぉし、ならば!」
345肉食と草食:2010/08/01(日) 04:04:38 ID:Vnv7SH8B
『きゃあっ!』

俺はリアラをどんと自分の体で押して、不思議な白い世界の地面に押し倒し、体全体を彼女の体にぴったりくっ付けた。
この後することは予想ついているよね?さっきからずっと息子が元気なんだよ。天国でも性欲は機能してるみたいね。
いつからだって?リアラのあそこを舐めたときから。

『…アプトノスとリオレウスの体でエッチするの、結構久しぶりですね』
「そういえばそうだったね。今の俺はアプトノスの時よりずっと大きいぜ?」
『ふふふっ、じゃあ来て下さい。私のお詫びとして精一杯あなたを気持ちよくさせますよ』
「よし、じゃあ 行くぜ…」

俺はそう言うと、彼女の中へと空の王として相応しい大きさのペニスを徐々に彼女の中へと入れていく。

「んっ、くぁ……」
『きゃっ、アっ……ん………』

いつもながら彼女の中は気持ちよく、柔らかくて暖かい。
ぴくぴく跳ねているペニスから快感が伝わり、それによって俺は身を震わせる。

「どうだ……?気持ちいいか………?」
『はい……とても大きくて…長くて…奥まで届いてますぅ……』
「そうか…じゃあもっと気持ちよくさせてあげるからな……」

俺は彼女の中に入れたペニスを出入りをさせる。それに伴ってリアラの秘所の出入り口がわずかながら浮き沈みをしている。
それを見て俺は少し心配になった。俺はリアラに無理をさせているのかもしれない。

「だ…大丈夫かい?」
『え…?何がですか………?』
「いや……痛いとかそういうのはないのかな…って思ってさ」
『私なら大丈夫ですよ……すごく気持ちいいです…痛みはありません……』

それを聞いて俺は安心した。彼女も刺激を感じながら俺と性交してくれていると思い、安堵したのだ。
346肉食と草食:2010/08/01(日) 04:05:20 ID:Vnv7SH8B
そして、俺は何も言わず、快感を求めて腰の動きを再開した。

『あっ、あぁ……』
「はあっ、そういえば…前から気になってたんだよね…」
『…? 何がですか……?』

連結したまま仰向けになっている彼女の顔がこっちを向いた。

「ちょっとうつぶせになって」
『? はい…』

俺の言葉に従った彼女は、疑問の表情を浮かべながらうつぶせになった。

「これこれ、はむっ」
『―っ!!!』

俺がその行動を取ると、リアラの体が思い切りジャンプしそうな勢いで びくッ と反応し、振動し始めた。
リアラがうつぶせになったことによって、俺の目の前に来たアプトノスの象徴ともいえる角を甘噛みしたのだ。

『あっ、あぁぁぁ……ち、力がぁぁぁぁ......』
「んっ?ほほほはひほは?(んっ?ここ弱いのか?)
『ぁぁぁ...ゃっ、やめ......』
「ほんひゃはほっほひへはふ!(そんじゃあもっとしてやる!)

俺は腰を振りながらちょっと角を噛む力を強くすると、リアラは涙眼になり、よだれを口からわずかに零して体の振動を激しくした。
そんな彼女を見ると、ドSな気持ちがどんどん心の中に湧いてきてしまう。

『あぅ、あふぅぅぅぅ………』
「ハッハッハ!ほほひへー!(ハッハッハ!おもしれー!)
『はぁっはぁっ、あそこも気持ちよくしてくださいぃ……』

俺は彼女のリクエストにお応えしてペニスの出入りのスピードを速くし、心臓マッサージの如く クっクっ と彼女の角を噛む。

『ひゃっ!ひゃん!』
(うおぉお…これは堪らん!!)
「ヒハハふはへ!ほへほほーほふひふほん!!(リアラ喰らえ!俺の光速ピストン!!)

パンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパン
パンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパン

                  この音、時間にしてわずか二秒……!
347肉食と草食:2010/08/01(日) 04:05:54 ID:Vnv7SH8B
『きゃっ!きゃあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!』
「ほうはァ!!(どうだァ!!)
『いっ!イッちゃいますぅぅぅぅ!!!』

すごい快感だ。
今まで何回も彼女の中にぶち込んできたが、ここまで息子が気持ちいいのは初めてだ。

「ほほへはァ!!(とどめだァ!!)

俺は噛む力をぎゅっと強くし、彼女の最奥部に ズンっ とペニスを押し入れた。

次の瞬間、彼女の絶頂に達する声と同時に俺のペニスが大きく脈打って、大量の精液が小さい彼女の膣内へと流し込まれた。
逆流したその白い精液は、連結部から漏れ出し俺のペニスと彼女の秘所口を白く染色した。
ペニスを彼女の秘所から引き抜き、俺の萎えたペニスが ブラン と情けなくぶら下がり、それは俺の中へとしまわれていった。

「ふう……」
『はぁぁ……』

俺とリアラはため息をつき、力なく地に身を下ろした。
彼女と俺はそのまま寝転がりながら互いの顔を見つめ合い、笑いあった。




そしてそれから数分たった後、彼女が何かに気付いたように眼を開き、俺に話しかけた。

『リョウ、あれを見てください…』

彼女が指した先を見ると、そこにはこの世界を覆っている白よりも、もっと眩しい光があった。
なんだか吸い込まれていくような感じだ。その光には神聖な感じが漂っている。

「なんだ…あれは……?」
『…恐らく、私達が進むべき所……』
「なんでそう言えるんだ?」
『勘ですよ』

彼女は微笑しながら答えた。
勘…か………俺も、ほとんどの事は思考せず、すっと勘で生きてきた気がする…。
彼女と最初に出会った時だって、こいつが雌かもしれないと思ってアプトノスの群れの中からリアラを選んだっけ…。
勘は、俺の竜生の中ですばらしい宝物をもたらしてくれた。リアラという、宝物を……。

「…よし、君がそう言うなら…進まない手はないな。行こうぜ」
『リョウ…これからも……ずっと一緒ですよ…』

俺とリアラは、その光の元へと歩み寄って行き、そして中へ入っていく直前、俺はこう言った。

               ずっと、一緒だ……
348肉食と草食:2010/08/01(日) 04:06:24 ID:Vnv7SH8B






<チュン チュン・・・・・・>

俺の耳に、朝だと伝えに来たかのような、雀の囀りが届く。だが、俺はなかなか目覚める気にはなれない。
入り口からの日光が俺の閉じている瞼に届き、暗闇であるはずの俺の視界がオレンジ色になって、早く起きろと促している。
放っておいてほしいと思っても、それらが止まる様子はない。だんだんと苛立ってきたそんな時。

『キュ…クオン……』

その声に反応し、俺は少し瞼を開ける。すると、つぶらで可愛らしい瞳が俺の目覚めを出迎えてくれた。
頭についている角、棘の生えた尻尾。そんな彼女が眠気に包まれている俺を見つめていた。

「………全部……夢だったのか……?」

今 俺がいる所はいつも俺と彼女が眠っている洞窟。地味だが、結構俺の好きな洞窟だ。
ずっと住んできた洞窟のためだろう。いつの間にか愛着が湧いていたのかも知れない。

俺と、アプトノスの彼女以外には誰もいない。洞窟内に飛散している筈の内臓も、血も、アプトノスの死体もない。
彼女がリオレイアになり、俺がアプトノスになったのも、そしてあの不思議な空間の出来事も全部夢だった。
頭の中で、そう片付けてしまおうとしたその時だった。

『リョウ……』

俺の脳に届いた、幾度も聞いた憶えのある声。その声がした方向を見ると、アプトノスの彼女がこちらをじっと見つめていた。
(まさか…な……)
俺は洞窟の端っこにある壁から出っ張った岩に頭を一回、二回とぶつけた。痛みは………ちゃんとあった。

「ぎゃははははは!!夢じゃねぇ!夢じゃねェんだよなァ!!!」

頭の甲殻が一部破損したその顔をアプトノスの彼女へと向け、俺は叫んだ。すると、彼女は微笑んでうなずいた。
狂喜のあまり俺は大きく奇声をあげながらリアラへと突っ込み、押し倒し、強引に口を押し付け………。
349肉食と草食:2010/08/01(日) 04:07:25 ID:Vnv7SH8B
その後、俺とリアラの間では、彼女はああ言ったが種族が入れ替わった理由はやはりドキドキノコを食った後の
キスが原因というのが一番有力という事になった。
しかしそれでは彼女があの時言った様に、会話が出来るようになった説明がつかないし、不思議な空間での出来事も
こうして元の姿に戻って生き返った訳も不明だ。
俺達はモンスターなのだ。人間のように科学で物事を考えることが出来ない。
なので、俺はこう考えている。

神様が、俺達の仲を深めるために、きっといたずらをしてくれたんだって………。

その事を言うとリアラは そうかも知れませんね と、とびっきりの笑顔を見せてくれた。
俺は、嬉しかった……。





「なぁ、リアラ」
「なんですか リョウ?」
「…仲間に…また会いたいと思ったことはないか?」
「……………正直に言うと、会いたいという気持ちがすごくあります。あなたと出会ったあの日から、
 皆とは…一回も会ってませんから……」
「そうか……つらい思いをさせたな………よし、じゃあ…会いに行こうか」
「え!? ど…どうやってですか…?」
「どうやって、って旅だよ。君の仲間を探す旅。いいじゃんこれ」
「…多分ものすごい長い旅になると思いますよ…?」
「そんなのは承知の上さ。大丈夫!君が危なくなったら、蒼リオレウスの俺が精一杯守ってやるから」
「……ありがとうございますリョウ…」
「よし、じゃあ行こうか!」
「えぇ!!もう行くんですか?」
「有言実行!早くて損する事なんてなぁい!!」
「…相変わらずですねリョウは…」
「君もなリアラ……」
「「やっぱり」」
「俺たちって」「私たちって」
「「肉食と草食なんだなぁ……」」

―END―
350肉食と草食:2010/08/01(日) 04:09:55 ID:Vnv7SH8B
以上です。黒歴史&世界観ぶち壊しMAX自重。
おまけとしてラッセル視点でその後を後日投稿しようと思っています。
……需要があればですが……。
今度新しいの投稿する時は文章力鍛えて出直しますね。
それでは!
351名無しさん@ピンキー:2010/08/01(日) 10:42:20 ID:kjMQOPtx
乙乙
需要はあるさっさとかk・・・書いてくださいお願いします
時間にして二秒のピストンパネェwww
352名無しさん@ピンキー:2010/08/01(日) 21:44:12 ID:eMOrz/ie
人いねぇなぁ。日曜の夜なのに寂しいもんだ。
353名無しさん@ピンキー:2010/08/01(日) 21:56:00 ID:O1zMYwdk
物語書くの初めてだが、プロット組み立てるのがこんな面倒くせーとは
とか思いながら覗いてる奴はいる
ネームとはまた違った面倒さ
354名無しさん@ピンキー:2010/08/01(日) 22:22:18 ID:2CWNvA/s
今二つ抱えてるのが終わったら続き加工と思ってる奴も居る
355名無しさん@ピンキー:2010/08/01(日) 22:30:47 ID:IlJ+Qyn4
今何書こうか迷ってる奴もいる
356名無しさん@ピンキー:2010/08/01(日) 22:53:30 ID:L88BZb6r
肉食と草食の方、乙でした!

個人的にハッピーエンドは大好物なのでハッピーエンドでよかったなぁ。
次回作も楽しみにしてます。
357先生お願いします ◆ifhFvwrEHs :2010/08/02(月) 21:28:33 ID:qgMPAkan
もしかして、このスレ書き手の方が多いのでは……?
と思いつつ、投下させていただきます。

男ハンター×貴族のハンター見習い少女
和姦。基本男は常にバケツヘルム装備。ちょっと年の差バカップル。
358先生お願いします ◆ifhFvwrEHs :2010/08/02(月) 21:29:04 ID:qgMPAkan
ハンターの副収入として「貴族の護衛」というものがある。
やはり、飛竜を倒すことを夢見る坊ちゃんお嬢ちゃんはいるもので。
その坊ちゃんお嬢ちゃんの護衛、兼仲間としてハンターが同行するのである。

とはいえ、貧弱なボウヤをいきなり狩りに連れて行かせるわけにもいかず、まずは大型モンスターの出ない素材採集ツアーなどで、基礎を叩きこむ。
こんな安全な仕事で、金が結構でるのだからハンターにはおいしい仕事だと思うだろう。
しかし、大体の貴族の御子息様はでかい虫に悲鳴をあげ、私たちよりへこたれやすいし、プライドだけは一人前なのだから、非常に扱いに困る。
さらには、御子息様がたに何かあればハンターのほうがひどいペナルティを受ける場合もある。

そんなふうに、一度やれば皆口をそろえて言うだろう。
「トレジャーのほうがまだマシだね」

とはいえ、家がその貴族に雇われている商家だとか、拾われたとかいう理由で貴族の護衛を断われないハンターもいるのだ。
そのような、不幸なハンターたちのことを思えば、私のなんと幸運、否、激運なことよ。

「見てください!上手に剥ぎとれました―!!」
満面の笑みで、一人の少女がランゴスタの羽を見せてくる。
「うんうん、よく頑張った。はじめは半べそでランゴスタを粉砕していた君がなつかしいよ」
少女、ヘルガの頬についた緑色の体液を拭ってやると、顎の下を撫でられたアイルーのようなくすぐったそうな笑顔になった。
メルホアシリーズの桃色の花が、彼女の艶やかな長い黒髪にとても似合う。
私の名はバルトロメ。このお嬢様の家に雇われたハンター兼、護衛兼、教育係だ。
なぜ狩りを学ばせるのか、貴族の考えは理解しがたいが、本人がわりと楽しそうなので良いかなとも思う。
「その調子でどんどんやっちゃおうね〜」
「はい!」
彼女の武器は毒片手剣プリンセスレイピアと主に毒煙玉である。
私も彼女に教えるために片手剣を持ち、遠すぎず、離れすぎず、いつでも粉塵が使えるように待機する。

ちなみに野郎の装備などどうでもいいと思うだろうが、私の装備についても。なぁに、ただのピンクバケツですよ。


毒で殺虫コロリされたランゴスタから、彼女は緊張しつつ甲殻や羽をはぐ。
なるべく弱音や悲鳴をあげないようにするその姿は実にこう……庇護欲をそそる。
虫を解体できるようになったのなら、そろそろコンガを解体させてやろうか、あれは臭いが酷いので初心者には難しい。
いや、さすがにコンガは早いか、ケルビあたりがまだいいだろう。
「先生!言われただけの素材が集まりました!」
どや!と言わんばかりの顔で自信満々に、ランゴスタの羽や甲殻を見せてきた。
手にとって、武具や防具に使える素材か確認してやると、なかなかの腕前なのか良い剥ぎ方であった。
「うん、十分だ。では、今日の狩りはおしまい」
「ありがとうございました!」
凛とした声で、ヘルガは美しい礼をする。
戦で名を挙げて貴族にまで上り詰めた家の出ゆえだろうか、彼女は実に礼儀正しい。
「狩りを教わるのだから」ということで、貴族でも弟子の態度を崩さない。
私は空を見上げる。朝、家を出発し、この狩り場に着いたのが昼前、いまや日も暮れてきている。
今戻ったところで、家に着くのは深夜だ。ゴトゴト煩いアプトノス車で運ばれて寝るよりも、ここで休んだほうがいいだろう。
「今日はキャンプだ。狩りが終わったばかりで悪いが、何か食べれるようなものがないか採取してくれ。生肉は私が用意しよう」
「はっ!はい!よろしくお願いします!」
359先生お願いします ◆ifhFvwrEHs :2010/08/02(月) 21:29:41 ID:qgMPAkan
彼女をつれて私は適度にモスのいる場所へ向かう。奴らがいるということは、キノコもあるということだ。
彼女にキノコ採取を任せて、私は今日のメインとなるであろう、仕留めたモスを解体していた。
臓腑の臭いにも慣れ、サックリ腹を切って内臓を取り出してやる。
骨を避け、皮を剥ぎ、自分たちの食べる分だけ剥ぎ取ると、残りは土に還してやる。
生肉を手に入れた私は、採取に勤しんでいる彼女のほうへ向かう。
「おーい、終わったか?」
その言葉に彼女は慌てて振り返って「はい!」と元気よく返事をした。
「どれ…ちょっとみせてもらうぞ?」
キノコの判別は教えているが、もしもということがある。
うっかり貴族のお嬢様に毒キノコ食べさせました、なんてあったら冗談ではすまされない。
逆に私のご自慢のキノコが採取されてしまうだろう。イテテテ。
「うん、大丈夫。余計な心配だったかもな」
「いえ、先生のお墨付きで私も安心して食べることができます!」
やだ、この子可愛い。
私はバケツヘルムで顔が隠れているのをいいことに満面の笑みで彼女をなでた。

私と彼女は夕食の材料を手に入れると早々にキャンプにもどることにした。
たいした料理の道具など特に持ってきていない。キャンプに用意してある焚火で、串刺しにして塩を振った肉やキノコを焼くだけだ。
「はふっ!はふっ!」
屋敷ではフォークとナイフで美しく食事をするのが常らしいが、今回ばかりは遠慮なくかぶりついている。
それでも、やはりどこかに気品というものはにじみ出ているというか……
単純に食べている姿が可愛いだけかもしれない。
「いつも思っていたのですが」
「なんだい?」
「先生はどうやって兜をつけたまま食事をなさっているのですか?」
「システムの都合です(キリッ」
「さすが先生!」
やだ、この子本当に可愛い。
そんなことを考えているうちに食事も終わり、少女にもう眠るように告げる。
明日は早い、もう寝る以外することもなかろう。

「あの、ちょっと水浴びしてもいいですか?」
「ん、あぁ、そうか。構わないよ。」

ベースキャンプ横には水場が用意されている。
ここで釣りをするものもいれば、汚れた体を洗う者も少なくない。
360先生お願いします ◆ifhFvwrEHs :2010/08/02(月) 21:30:18 ID:qgMPAkan
「……私は少し外の様子を見てくる。そうだな、一時間後に戻ってくる。
それまでに水浴びを終わらせて、服を着て先に寝ていてほしい。何かあったら角笛吹きなさい」
「はい!先生!」
私はわずかばかりの荷物を持って外へでた。
輝く月の位置を確認し、普段はアプトノス達が草を食べている水辺に腰をおろす。
「っあ〜……」
がちゃん!と私はバケツヘルムを両手で抱える。

「かっわいいぃなぁぁ!ちっくしょうぅぅぅぅ!!!!」

そのままぐるんぐるんと大地を転げまわる、もし他者がこの姿見たら即座に爆弾でも設置されてしまうだろう。そして点火だ。
それも仕方ない。しかし、わかってほしい。ヘルガはそれだけ可愛いのだ。ちっこくて健気で真面目でしかもこんな男を慕ってくる。
サラサラとした長い黒髪に、くりくりした緑の眼。猫のような笑顔。
はっきり言うと、私、バルトロメはヘルガが好きだ。見てるとムラムラする。

だが、それを悟られてはいけない。
自分のことを先生として慕ってくる相手に邪な気持ちを抱かれていることを知れば彼女は傷つくだろう。
そう、私は彼女に対して、師であり、紳士として接しなければいけないのだ。
だいたい私はもうすぐ30で、彼女はまだ15になったばかりだ。
「大丈夫、ピンクバケツは紳士の証、ピンクバケツは紳士の証!」
大切なことなので2回ほど自分に言い聞かせ、私は深呼吸する。
「ふぅ、いかん、このままでは確実に手をだす。早いうちに仕事を別のハンターに変えてもらおう。」
そう、自分を決心させるためにそう呟いて、空を見上げた。
もしかしたら、今日一泊したのも彼女をなるべく一緒に居たいと思ってしまったからなのだろうか。
仕事に私情は挟まないようにしてきたが、もう限界かもしれない。
このままでは師という立場を利用して何をしてしまうかわかったものじゃない。

無意味に筋トレなどをして彼女の事を考えないようにしてみるが、なかなか難しかった。
今頃キャンプで全裸で水浴びかと思うと、鈍足スキルを無視して戻りたくなる。むしろランナー状態だ。
「……一発抜いとくか」
さすがにこんなに汚れた思考のでキャンプに戻るわけにはいかない。
賢者モードならば、少なくとも道を踏み外す確率は低くなるだろう。
私は頭以外の装備を外し、インナー姿でその場で自慰をすることにした。ヘルガと離れている今しかチャンスはない。
あぐらをかいて、半勃ち状態の息子を右手で包む。すこし上下に擦ってやれば硬度を増し、びくびくと脈打ち始める。
何もオカズがないのがさみしいが、とにかく集中するしかない。
頭に裸で水浴びをしているヘルガが浮かぶ。清らかな彼女に対し、なんて下劣な事をしているのだろう。
まだ男も知らないはずだ。好きな男の子はいるのだろうか?
いや、そろそろ婚約者ができる年ごろのはずだ。きっといつかは男に抱かれるのだろう。
自分を先生と慕う少女を、脳内で犯すことで自慰をする己の浅ましさに涙がでそうだ。
「くっ……うっ……ヘルガァ……ヘルガァッ!!」
「はいっ!!」

……元気な彼女の返事が聞こえた。思わず右手が止まる。幻聴だ、幻聴だよな?
ガバッ!と後ろを振り返ると、そこには輝かんばかりの笑顔の愛しい彼女がいた。
名前を呼ばれていつものように返事をしてしまったのだろう。
361先生お願いします ◆ifhFvwrEHs :2010/08/02(月) 21:30:55 ID:qgMPAkan
ヘルガは濡れた髪のまま、しかもインナー姿で来ていた。居る場所は、自分からそう離れていない場所だ。
幸いなことに、私は川のほうをみて行為に及んでいたから、彼女の場所からはこのおぞましいものは見えないはずだ。
私がさっきまで何をしていたかもわかっていないはず。
「あの、先生」
「く、くるんじゃない!」
いつもなら決して反抗しないヘルガは今回に限って逆らった。
とにかく私は息子から手を離し、即座に体育座りでモノをごまかす。全裸じゃなくてよかった。本当によかった。
「先生、私どうしても教えてほしい事があるんです」
「あとで!あとでだ!あと装備をつけてきなさい!」
じっと、彼女の眼に見つめられる。
「先生」
「……いいからっ!!ふくを……!」
「いえ、今じゃないと……駄目なんです……」
やめてください。こんな汚れた男に貴女の相談は無理です。やめて、そんな目で見ないで。
彼女は綺麗で無垢だ、だからこそ、こんなおっさんにはまぶしすぎる。目と心が潰れそうだ。君は閃光玉か。


「先生、男性の体ってどうなっているんですか!?」


そんな純朴な目で、どうして私に、というか今の私に聞くんですか。
なんだこれ、何かの罰ゲームか、策略か、物欲センサーか。
「は、はははははは……」
「ま、真面目なんです。その……父がそろそろ結婚相手を決めると言い出しまして。でも殿方のことなんて何も知らないんです!
こんなこと、相談できる男性は先生しかいないし……あと、男性は私のような女でも好きになってくれますか!?」
「はははは……」
「その……だから先生、見せてください!」
「見せません!」
なぜそうなる!と、ここぞとばかりに厳しく切り捨ててやるが、彼女の眼が泣きそうになる。
「だって……先生以外……頼れる人が……」
「だ、駄目……」
「侍女の噂話で聞いたら、男の人のは怖くて痛いっていうし……怖いんです……先生」
「だ……め……です」
「先生のを見せていただくかわりに私のも見せますからぁ……」
涙眼でそう懇願され、私はこう判断した。見るだけ。見るだけなら……
NOタッチなら!まだ紳士だと!
362先生お願いします ◆ifhFvwrEHs :2010/08/02(月) 21:31:22 ID:qgMPAkan
……――――
「……うわぁ……」
ギンギンに勃起した私の息子にヘルガはきらきらした目で見てくる。
「これが、男性器です。これを女性器に入れてピストン運動で射精を促し、女性を妊娠させます」
なるべく、冷静に、いつものように淡々と説明する。少し声がうわずるのだけはどうしようもない。
「は、入るんですか……」
「こらこら、触ってはいけません」
「はい……」
そんな残念そうな声を出されると無理矢理にでも触らせたくなるからやめてほしい。
「あの、射精とは……」
「子種を排出する行為です。これを触ったりして刺激を与えるとでます」
「そ、そうなんだぁ……」
「触らせませんからね?」
「はい……」
えぇい、ぶっかけてやろうか。
「説明は、以上です。もういいですか?」
「あ、はい……では」
ヘルガはそういうとインナーをあっさり脱いだ。それなりに豊かな乳房がぽろりと出る。
「先生、すみませんが、どこの部分にそれを入れるのか教えてもらいたいのですが」
そういって彼女はするりと下も脱いだ。下の毛もそれなりに生えている。
「お見苦しいものをお見せしてしまいますが、お願いします」
服を着なさい!と叫ぶ前に、ヘルガはまだあまり肉のついていない尻を地面につけると無造作に足を広げた。
羞恥心がないわけではない、すでに顔は真っ赤だ。
彼女の桃色の秘所が月に照らされ、余計淫らな色に染まっているように見えてしまう。

「あの……じぶんで鏡で見たことはあるのですが、いまいちよくわからなくて……」
「そ、そうか」
「できれば、その……指で……」

このままではNOタッチの誓いを破ることになる。紳士的に考えてそれはだめだ。
しかし、ここで断わっては、彼女の体の美しさを否定したことになるのではないだろうか?
女性を傷つけては紳士失格である。自分にそう言い聞かせ、ヘルガの手をとった。
「……ここです」
「あ、はい、ほんとだ……」
ヘルガに触らせて、場所を確認させる。私も、彼女のピンク色のそこにくぎ付けであった。
「こ、こんな小さな穴にそれ、入るんですか?」
「初めは慣れないから痛みを感じるでしょう。だからはじめてのときは優しくしてもらいなさい?いきなり突っ込むような男は紳士失格です」
そこでまたヘルガは泣きそうな顔で私をみる。
やめてほしい、口調こそ冷静だが、実は私も息子もかなりぎりぎりなのだ。
363先生お願いします ◆ifhFvwrEHs :2010/08/02(月) 21:32:43 ID:qgMPAkan
「先生、実はまだお話したいことがあります」
「わかりました。とりあえずインナーを来てください」
よっしゃ終わったぁぁ!と、急いで走って逃げたい気持ちを抑えつつ、彼女の話を聞くことにする。
「いいえ、このままで聞いてください」
なんで?何言ってるのこの子。野外でフル勃起の男と全裸の少女が向かい合って正座ってどういうシチュなの?

「じつは、私の婚約相手なのですが、その候補に先生が入っております」
「……は?」
予想外の言葉に、私は変な声がでた。
「その、父の領地にはここ最近モンスターの被害も多く、ハンターに頼むことも少なくありません。
ですが、そのたびにギルドに通していては金も時間も足りなくなります。
そこで有能なハンターに娘を渡して親族関係となり、少しでもモンスターの被害を食い止めるために働いてもらうおうと考えているのです。
もちろんギルドは通しますが、フリーに頼むよりはいくらか安くなりますしその……わりとすぐに依頼も受けていただけると思いまして。」
「あぁ、なるほど」
「後継ぎの兄上様以外の子は、こうやってでしかお家の役に立ちません。ですから……
もしそれすらも了承していただけるのでしたら、私と契ってはくれませんか?
もちろん、今後も我が家は先生を雇いますし……ただ、我が家から契約で縛られるのですが……」
ヘルガなまた、泣きそうな、困ったような顔で私から眼をそらす。
「君は」
私の問いに、ヘルガはまっすぐに眼を見てくる。
「君はそれでいいのか?」
「はい!」

即答だった。

あまりにも即答だったので、本人も驚いたらしく一拍置いて顔が真っ赤になる。
いや、違うんです、違わないけど違うんです。とわけのわからない言い訳をして見事に混乱している。
「君ほどの女性なら、私より有能で若いハンターがつくと思うのだが」
私の言葉に、また彼女は泣きそうな顔で私を見てきた。
「先生、イヤなんですね」
すん、と鼻を鳴らして彼女はそっぽをむいてしまう。
そんな彼女の肩をガシッと掴み、無理やりこちらを向かせて真正面から向かいあう。
「全然イヤじゃないよ。むしろイャッホォォォォォ!!状態だよ。え?本当に私でいいんだね?
冗談じゃすまないよ?本気にしちゃうよ?いいんだね?本当にいいんだね?するよ?マジでするよ?」
まだバケツヘルムをかぶっていたが、ある意味それは功を成していた。おそらく私はこのときかなり眼が血走っていただろう。
彼女に今にもがっつきそうな男の顔を見せずにすんで、本当によかった。

ヘルガは今度は首まで真っ赤にしながら大きく頷いた。

紳士たるもの、据え膳食わぬはなんとやら。
364先生お願いします ◆ifhFvwrEHs :2010/08/02(月) 21:33:22 ID:qgMPAkan
……―――
「せ、せんせ……もぅ……」
露に濡れた草の上で彼女は体をくねらす。頬は桜色に染まり、眼は懇願するように潤んでいた。
切なそうな声とむしゃぶりつきたくなる肢体に、私は必死に耐えて指を動かし、彼女を制する。
「まだ指二本だ。我慢しなさい」
「はいっ……」
彼女の中は非常にきつく、まだ湿り気が足りない気がしていた。
軽く指を曲げて内部を広げるように、うっかり爪で傷つけぬよう慎重にかき回す。
指を吸うように絡みついてくる内部を、丹念にほぐしていくと愛液により、ようやくすべりがよくなってきた。
もう片方の手で、ぷっくりと膨らんだ花芯に愛液を塗るように優しくこすってやる。
「あっ……あぁんっ……」
啜り泣くような彼女の声がさらに私を興奮させていく。
ゆっくりと指を増やして、どうにか三本入れてやることに成功した。これくらいならもういいだろうと、私はまたゆっくりと指を抜く。
仰向けになっている彼女の足に手をやり、その足の間に体を置く。
自分の股間のすぐ近くでそそり立っている男性器を見て、彼女は手で顔を覆う。が、指の間からしっかり見ている。
先ほどから先走りが出ていたせいか、妙な光沢が出ている息子は我ながら凶悪な姿だと思う。
彼女の割れ目に息子をあてると、ビクリと身を震わせて怯えたのがわかった。
「……軽く、練習しようか?」
「えっ?」
私は息子で彼女の入口から花芯まで強くこすりあげた。
「ひゃんっ!」
背中を弓なりにのけぞらせ、彼女は怯えたように震えてこちらを見てくる。
「練習だ。まだ入れない」
そう言って、私はこすりつけるスピードと強さをあげていく。
先走りを彼女になすりつけ、刷り込ませて、まるでマーキングするような行為に少々興奮する。
「っあ!はっ!あぁっ!!」
彼女の興奮したのか、腰を上下に動かして、自分からこすり合わせてくる。
「せ、せんせっ!これ、気持いいですっ!」
ぬるぬると互いの性器が滑りあい、彼女の太ももまで、潤滑液が飛び散る。
今までに見たことのない淫らな彼女の表情に、私も唾を飲み込んでより強く押し付ける。
「先生、私、もっ、もうっ……!!」
「ヘルガッ……ヘルガッ!」
下腹部が圧迫されるような大きな波に抵抗することができず、私は小さく呻いて、彼女の腹部に向かって射精する。
「あっ……」
びゅっと、腹部に精液がかかり、彼女は驚いた顔で私の性器を見つめる。
「すごい……今のが射精ですか?」
「あ、あぁ……」
練習で彼女より達してしまったことに少々情けなく思いながら私は返事をする。
幸い、まだ硬度は保っているし、一度抜いておいたら次はもう少し長持ちするだろうとプラス思考する。
365先生お願いします ◆ifhFvwrEHs :2010/08/02(月) 21:34:29 ID:qgMPAkan
「次は、入れるぞ」
「はい……よろしくお願いします」
先を彼女の入口にあて、気持ちを落ち着かせながら、じわじわと押し広げて奥へと侵入していく。
ヘルガは唇をかみしめて、ぷるぷると震えながらそれに耐えているようだった。
体格や彼女の年齢、そして処女だということもあるが、やはり彼女の中は非常に狭くきつい。
「もう少し濡らすべきだったか」
「や、もう抜かないでくださいぃ……」
「わかった。このまま続けるが、我慢できるね?」
私の問いに、ヘルガはこくんと頷いて見せた。
慎重に進めていったが、根元まで入れるのに何度折れると思ったことか。
「大丈夫か?」
「だ、だいじょうぶです」
甘く切なげな吐息と共に、彼女はゆっくりと返事をする。
「せ、せんせ、せんせ、すきぃ……」
「あぁ、私も好きだよ」
「ほんと?うれしいなぁ……」
ヘルガはまた、穢れのない笑顔で私にそう言った。
「あぁ、私もとてもうれしいよ」
だから、ちょっと張り切りはじめてしまった。
「あっ!待って……!せんせっ……!ひぅうっ!」
私は腰をスピードは落として、しかし大きく動かし始める。肉壁をこすりあげ、また奥まで貫く。
「待って!せんせっ!でちゃうっ!なんかでちゃうぅぅっ!!」
彼女の声にも、もう止めることはできず、腰を動かすスピードを上げていく。
「あっ!あぁぁぁぁぁぁぁぁっ……!」
か細い悲鳴のような声をあげ、ヘルガがのけぞるとより一層激しく愛液があふれた。
「ひっ……!あぅぅっ……!」
びくびくと体を震わせている彼女の乳房の先をつまみ、遠慮なく追撃にかかる。
指で挟み、優しくこすって、先を固くさせていく。全体を撫でるようにまだ未熟な乳房を揉みしだく。
「柔らかいな」
「あ、ありがとぅ、ございま、すぅ……!」
ピンと尖らせた彼女の乳首を指先でいじりながら腰を動かし続ける。
彼女の中は絡みつくように私の息子を締め付けている。
その熱い抱擁からするりと抜け出して、再び奥まで入り込ませるたび彼女は体をくねらせて、泣きそうな声を出す。
ぐっちゅぐっちゅと互いを求める淫靡な音は、彼女には聞くに堪えないであろう。
時折両手で耳をふさいだり、ふるふると首を横に振ったりする。その姿がとても愛おしい
「嫌か?やめるか?」
「やっ、やめないでください!」
彼女の返事に私は何も言わない。彼女は耐えきれず恥ずかしそうにおねだりをはじめる。
「も、もっと……もっとください!」
「いいこだ」
私が褒めると、彼女はいつも嬉しそうにする。今回もそうだった。
そして、もっと褒めてもらおうと頑張る健気な彼女が、私はたまらなく好きなのだ。
366先生お願いします ◆ifhFvwrEHs :2010/08/02(月) 21:35:24 ID:qgMPAkan
彼女は自らねだるように腰を動かす。先ほどまでの淑やかな少女の変化に私は笑みをこぼした。
今度は乱暴に腰を打ちつけてやる。また彼女の体が大きくしなったが、先ほどよりも容易に根元まで飲み込まれる。
パンッパンッという乾いた音とともに激しい水音と、彼女の嬌声が響く。
「せんせっ、せんせいっ……!」
彼女は何かを求めるように両腕を伸ばしてきた。
「もっと、こっちきてぇ……!」
彼女の希望通り、私はもっと彼女に近寄り、のしかかるような格好になる。
か細い腕が私の背中に、足は私の腰にすがるように絡みつく。
「こんなに……気持ちよさそうにして……」
「はひっ!気持ち、いいですぅ!あっ!あっ!せんせっ!」
大きな波が私にも迫っていた。
「ぐっ……!」
彼女の中をえぐるように大きく突いた瞬間、我慢できずに射精する。
「あっ……!」
ヘルガは驚いたような、しかしうっすらと笑みを浮かべて接合部に目をやる。
中にうまく入らなかったのか、ぐぷっと音を立てて精液が漏れ出す。
「っふーー……」
硬度を失った息子を抜くと、私は彼女の隣に大の字で寝転がる。背中にちくちくと草葉があたり、こそばゆい。
「おいでヘルガ」
男ならば一度はしてみたい、彼女への腕枕である。
ヘルガはすぐさま私の腕に頭を載せ、その体を縮ませて満足そうに微笑んだ。
「背中は大丈夫か?」
私は枕にしていないほうの腕で彼女の背中をなでてやる。
「はい……なんともありません」
ヘルガは呼吸を整えつつ、そう応えて私にもっとすり寄ってくる。
つい興奮してこの場で始めてしまったが、草葉で彼女の背中を傷つけるかもしれないことに気づくべきであった。
「……こっちは、まだ、じんじんします……」
頬を赤らめ、彼女はわずかに腰をくねらせた。違和感が残っているのだろう。残した私が言うことではないが。
「さて、これからのことだが。明日にでもさっそく君の家に向かおうと思う」
「はい、父も喜びます。あの……もう契ったことはまだ内緒に……」
「わかった。君がそう望むならそうしよう」
「これからは……もっともっと一緒にいれますね。私、ハンターとしてもまだ頑張りますから」
「あぁ、期待しているよ」
そう言ってヘルガの黒い髪をなでてやる。また、猫のような笑顔になって、私の胸に頭をぐりぐりと押し付けてきた。

「ところで先生、どうしてヘルムを外さなかったんですか?」
「システムの都合です(キリッ」
「さすがです!先生!」
「そして、もう一回したいのだが、準備はいいだろうか?」
「さっ……さすが先生です!わかりました!とことんお付き合いさせていただきます!」

そう言って彼女は起き上がって小さく拳を胸にガッツポーズを見せてくれた。


……これに応えるべく、私はさらに張り切ってしまい……
結局足腰が立たなくなった彼女を抱えながら、結婚の許しをもらいにいくことになったのであった。


367 ◆ifhFvwrEHs :2010/08/02(月) 21:36:06 ID:qgMPAkan
以上です。
いろんなところでネタにされているピンクバケツですが、自分は大好きです。
368名無しさん@ピンキー:2010/08/02(月) 22:24:36 ID:c4lJ+nWt
>>367
GJである
ナレーションとかが面白かったのである
369名無しさん@ピンキー:2010/08/03(火) 00:04:37 ID:C0/NFPPl
GJすぎてワロタ
続編キボン
370名無しさん@ピンキー:2010/08/03(火) 00:27:11 ID:Wb1Zv/fB
ちょっとテスト投稿
話を戻そう。私は今、「独響」と呼ばれるハンターを取材するため、その情報を酒場で聞いて回っているというわけだ。
371名無しさん@ピンキー:2010/08/03(火) 00:27:58 ID:Wb1Zv/fB
>>370は誤爆です、すみません…
372恐竜物語:2010/08/03(火) 11:56:31 ID:UQ1DSaDq
>>367
GJです!ピンクバケツ先生がんばれ!

肉食草食を書かせてもらっていた者です。

なんかおまけと同時進行で変なの書いちゃいました。
こんなジャンルになっております。

ティラノサウルス♂×ティガレックス♀

どうみても世界観破壊です。本当に有難うございました。
肉食草食との繋がりはありません。
もう無理という方はスルーお願いします。
373恐竜物語:2010/08/03(火) 11:57:09 ID:UQ1DSaDq
僕は生まれた時から…独り。僕が卵から頭を出したときには無数のゲネポス。
ゲネポスの鋭い牙で捕まりながら僕が見たものは、既に死んでいる数多の兄弟。

父さんと母さんは…どこ……?どうして僕を…兄さん達を助けてくれないの……?

僕は血を吐きながら必死に抵抗するけど、まだ幼い僕の力じゃあゲネポスには到底勝てない。

どうして……僕は…僕達は………生まれてきたんだろう……。

失望感、絶望感に浸って生きる事を諦めたその時。

突然砂の地面に大きな音をたてて着地した、橙色と青色の縞模様を持ったティガレックスと呼ばれている飛竜。
それは僕を咥えているゲネポスとその群れに向かって突進し、ゲネポスの群れを蹴散らす。

ゲネポスが地面や盛り上がってできた段差の壁にたたき付けられ、次々と倒れていく。
まだ動く気力のあるゲネポスも、天に向かって咆哮をあげたティガレックスに恐れをなし逃げていった。

放り投げられた僕は、ぐったりと血を流しながら地面に倒れこんでいる事しか出来なかった。
ティガレックスがそんな僕に気がつき ズシンズシン と大きな足音をたてながら近づいて来る。

(あぁ……今度はこの飛竜に食べられちゃうんだな……)

そんな事を思っている僕はそのティガレックスに咥えられ、僕はそこで気を失った………。



374恐竜物語:2010/08/03(火) 11:57:57 ID:UQ1DSaDq


「―…もう六年も経つのか…」

僕は砂漠の広野の中に沈んでいく太陽を見据えながら呟いた。
空には既に輝いている星がいくつかあった。暗黒の闇が空を覆い始めている。

「…どうしたのそんな所でボーっとしちゃって」
「母さん…」

そんな星の眺めを楽しんでいると、母さんが僕の後ろからのっそり出てきた。

「あなたは私と違って砂漠の気候の変化にあまり適してないんだから、むやみに外に出たらだめだよ?」
「うん、すぐに戻るよ。先に待ってて母さん」

僕がそう言うと母さんは一回返事をし、振り返って強靭な脚力で空へ飛びたち、見えなくなった。
それから僕は一分くらい空を眺めていた。もっと眺めていたかったのだが、あまり母さんを心配させるのは良くないな。

「行こうか…」

僕は構え、勢いよく地面を蹴って一気にその場から飛びたち、僕と母さんがいつもいる水辺へと向かった……。




もう六年。僕と母さんが出会ってから。

僕はティーレックスと呼ばれている竜。ティガレックスと名前が似ているけど、まったく違う種族。
似ているのは頭部だけ。ティーレックスの体のつくりは、ランポスやイーオスのような獣脚類で、
ティガレックスの体のつくりとは全然違うのだ。
しかし、ティーレックスはとうの昔に絶滅したはずだ。なぜ僕が生まれたのかは、今のところわかっていない。


僕は六年前、外界への期待を持ちながら、卵の殻の中にいた。

自分を生んでくれた父さん、母さんはどんな竜(ひと)なんだろう。
早く外に出てみたいなぁ。兄弟たちともいっぱい遊びたいなぁ。

そして僕は外に出るときがやってきた。全部の力を振り絞り、期待を膨らませながら卵の殻を破って外に出たのだ。
しかし、僕の目に飛び込んできたのは、僕を見つめる親や兄弟の姿ではなく、
殺された兄弟の死体と、エサを発見したような眼で僕を見つめる、無数のゲネポスの姿だった………。
375恐竜物語:2010/08/03(火) 11:59:26 ID:UQ1DSaDq



そして絶体絶命だった僕は、突如現れたティガレックスによって助けられた。
幼かった僕の体から流れ出る血を、僕が気絶している間にペロペロと舐めとり、
僕の気がついた後では、優しく僕を抱擁してくれたのだ。

僕は怖かった。こんな事をする義理が初対面であるティガレックスにはなかった筈だからだ。
片時も僕から離れないティガレックス。何度も逃げ出そうと思ったのだが、すぐに見つかり元の巣へ戻されてしまう。
そんな感じで何日かが経過し、僕は段々と自分を懸命に育ててくれているティガレックスに対する警戒心を解いていき、
僕はティガレックスを“母さん”と慕う事にしたのだ。

何年も共生していると、異種でも多少のコミュニケーションが自然と取れる様になる。
そこで僕は母さんに、なぜあの時自分を助けてくれたのか尋ねてみたが、母さんは答えてくれなかった。

しかし大体予想はできる。母さんは、普通のティガレックスと比べて、かなり大きい。
その大きさのあまり雄が母さんを恐れ、母さんは番を作ることはできず、子供を持ちたいと思う気持ちが積もるばかりだったのだろう。
そんな時、自分に姿が似ているティーレックスの子供がゲネポスに襲われているところを目撃し、助けたというところだろう。

大好きな母さん。今では僕と母さんは同じ位の大きさになってしまったが、母さんは母さんだ。
沢山の思い出をもらい、沢山の愛をもらった。ずっと一緒にいたい。

…でも、いつかは離れなくちゃいけないのかな………イヤだよ………ずっと一緒にいたい……
大好きな母さんの側にずっと………。


376恐竜物語:2010/08/03(火) 12:01:59 ID:UQ1DSaDq
以上です。必要性あるかはまだ不明なので短くしました。
もし…もしあればですが 肉食草食おまけ 投稿した後にでも……
377名無しさん@ピンキー:2010/08/03(火) 12:25:35 ID:C0/NFPPl
書いてない俺が言うのもなんだが


必要性梨
378名無しさん@ピンキー:2010/08/03(火) 13:24:25 ID:2mevtBR1
379名無しさん@ピンキー:2010/08/03(火) 13:25:52 ID:2mevtBR1
>>357
GJ!
相変わらずイチャイチャカップル表現が堪らない。
380名無しさん@ピンキー:2010/08/03(火) 18:50:29 ID:1Z+MyHsf
過剰な世界観崩壊は、ただの原作レイプだという事を考えた方が良い。
ましてやモンハンである必要性が全く無いのは論外だ。
381S.S.D.D.:2010/08/03(火) 21:17:31 ID:O2uifTqC
えー、今回投下するのは
ベルキュロス♂原型と飛竜学者見習い?の戯れ?です。
殆ど思い付きなので、細かいことは気にしないでください。
世界観は人によってだと思います。

無理そうな方はスルーを求む。
382S.S.D.D.:2010/08/03(火) 21:19:50 ID:O2uifTqC
その知らせは明け方に入った。
その知らせが何なのかは分からないが、普段は嫌になってくる程静かな研究所が俄に慌ただしくなっている所を見ると、結構な内容らしかった。
まだ寝たいという欲望を押し殺して、蝋燭の淡い光に包まれている会議室に行って見るとその内容が分かった。
どうやら、ベルキュロスの剛種が捕獲されたらしい。
そもそもベルキュロス自体、個体数が少なく、通常種でも滅多に捕獲されないのに剛種となると飛竜学者達にとってはこの上ない興奮の種なのだろう。
私もその学者の一人(と、言っても見習い)なのだが、今は睡魔を抑えるので精一杯でそんなのは微塵も感じられなかった。

(駄目、眠い。)
まだ日も昇っていないような時間に起きること自体、私にとっては信じられない事なのだ。
詳しいことは明日聞けばいい。
そそくさと自分の部屋に戻って、崩れ落ちるようにベッドに寝そべった。

瞼を突き刺す強い光で私は目を覚ました。
変な時間に起きてしまったために少々体がだるい。
だが、今朝の事は私にとっても興味のある話だ。
取り敢えず、寝起きの酷い顔を洗ってから再び会議室に行ってみることにした。

383S.S.D.D.:2010/08/03(火) 21:21:52 ID:O2uifTqC
朝方の異常な興奮状態とは打って変わり、普段よりももっと酷い静寂が部屋を包んでいた。
・・・忘れていた。
今日は古龍観測所の学会だかなんかで、ここの殆どの人間が出掛けるんだったっけ。
そう考えてみても、この余りの静けさに慨嘆の溜息をつこうとしたが、部屋の外まで聞こえそうな感じがするので止めておいた。
元々無口で、本がお友達というような人間しか居ないこの古龍観測所の生体研究所なのに、人が居なくなると、どう表現したら良いか分からない静けさに包まれる。

そもそも人が居ないのでは、話を聞くことも出来ない。
あ、そうだ。
博士なら居るかも知れない。
博士はこの研究所のトップに立つ竜人族の老爺である。
だが最近は足腰が弱くなって来ているらしく、とても出掛けられるような状態では無かった。
「やっぱりここじゃったか」
そう思って振り返ろうとしたその時、そんな嗄れた声が耳に入った。
振り返ると、私の身長の半分程しかない博士が杖をついて立っていた。
「あっ、博士。こんな所までどうかしましたか?」
「いや〜、お主にちょっと頼みたいことがあってのう・・・」
博士がなにやら後ろめたそうに言う。
「頼みたいこと、ですか・・・」
「そうじゃ。お主、ベルキュロス剛種が捕獲されたのは知っておるな?」
「はい、勿論知ってます」
「そやつがここに送られてくるそうじゃ」
「えっ、本当ですか!?」
思わずそう漏らしてしまった。
ここは、西シュレイドに幾つかある研究所の中でも割と小さい方だ。
設備も、お世辞にも良いとは言えない。
「と、言っても一時的にじゃが・・・」
成る程、そう言う訳か。
「それで、頼み事とは?」
「少し言いにくいのじゃが、お主にそやつの採精をして貰いたいのじゃ」


384S.S.D.D.:2010/08/03(火) 21:24:16 ID:O2uifTqC
(は・・・?)
待て待て待て、それは一体どういう事!?
“精を採る”とでも言いたいのか?
簡単なことではない・・・
いや!そんな問題ではない!
飛竜の精液をとること自体、どうかしてる。
それに、何で私!?
私はまだ若い女だ。
それが飛竜のナニを扱いてたら只の変態でしかない。
「は、博士!?」
私は思わず声を荒げる。
「主には本当に申し訳ない・・・じゃが、お主しかおらんのじゃ」
そんな筈はない。
学者連中は学会に全員行っているとしても、私の他にも学者見習いが何人か居たはずだ。
「わ、私の他にも・・・」
「残念じゃが、他は全員学会の見学に行っているか、故郷に帰っていてわしとお主しかおらんのじゃ・・・専門の者もおらんし、わしはこんな体じゃし・・・」
「いや・・・」
専門の者・・・まで居る・・・
もう驚きを通り越して呆れるしかなかった。
「無論、タダでとは言わん」
何故そうなる。
私を金で釣ろうとでも?
「これでどうじゃ?」
博士が、何処からか取り出した算盤を弾いて私に見せた。
その数を見て、私は急速に考えが変わるのを感じた。
結構な額だ。
資金が乏しい私にとっては、暫く金に困ることはない金額だ。
少し考え始めると、博士が口を開く。
「まだそやつが雄とは限らん。もし雌だったらしなくて構わんし、金も持っていて構わん」
「で、でも・・・」
「頼む、研究のためなのじゃ・・・ベルキュロス剛種の精液なんぞ今後まず採れまい。最初で最後の機会なのじゃ・・・頼む・・・」
その言葉で、私は再び考え始めた。
それ以前に、飛竜の精液が何の研究になるかが怪しいが、あっさり断るのもなんか気が引ける・・・
学者は、机上の計算だけではいけないのだ。
実験と観察をして、星の数ほどの失敗をして、最後には自分の理論が正しい事を大々的に証明する。
それが”学者”という物じゃない・・・
夕方近くになって、そいつは来た。
護衛のハンターとギルドの役人とおぼしき6人に率いられる、4頭のアプトノスによって引かれる巨大な特殊檻。
その中で、麻酔で眠らされている舞雷竜ベルキュロス・・・
想像していたよりも大きい。
あの火竜リオレウスよりも一回りほども大きい位だ。
ベルキュロスの特徴でもある翼と尻尾の付け根から伸びる触手、
派手な翠色と赤っぽい色の二色の鱗と、首に生えた鬣が何とも美しくも感じる。
だが、体に残る幾つもの傷跡が凶暴な飛竜であることをまざまざと物語っている。
両脚と両翼、首、尻尾、口に付けられたガブレライト鋼と絶縁の為のゲリョス皮で作られたごつい拘束具が、その身体の自由を完全に奪い、その姿は憐れにすら思えてくる。
まあ、これからもっと憐れな事をされるのだが。


385S.S.D.D.:2010/08/03(火) 21:28:51 ID:O2uifTqC
取り敢えず、今日はここまでにしておきます。
ちなみに、「S.S.D.D.」とは、「Same Shit Different Day」の略で
意味は「日が変わろうとクソなのは同じ」という適当なもの。
386名無しさん@ピンキー:2010/08/03(火) 22:22:27 ID:rl1yoXOt
乙です。続き楽しみにしてます。
387S.S.D.D.:2010/08/03(火) 22:55:32 ID:O2uifTqC
改行ミスがorz
388名無しさん@ピンキー:2010/08/03(火) 23:15:03 ID:Wjap+H6q
>>376
ごめんなさい。私は面白かったので続きが読みたいです。
ただこちらで続けるのは難しいと思いますので、スレから追い出された作品投下所やその他自由に投下できる所を利用なさってはいかがでしょうか。
期待しております。
389名無しさん@ピンキー:2010/08/04(水) 00:05:13 ID:MngwpF75
それは良い案だ。是非そうしてくれ。

最近投下が多くて感想が追いつかねーww
皆なんでもいいからもっと語ろうぜ。
390名無しさん@ピンキー:2010/08/04(水) 07:36:52 ID:Mzm7GxbO
>>386
乙です!続き待っています!

>>376
…昨日ずっと頭痛かった……
自分書いたの夜だったから頭どうかしてたのかな…?
391名無しさん@ピンキー:2010/08/04(水) 12:05:30 ID:l7+t73Ya
>>390
>>376書いた人?自分の作品を「頭痛だったから〜」って否定するのって見苦しい。
肯定してくれた人まで否定してる。
まぁ、「頭どうかしてたから書いた作品」ならもう続きもないだろうからどうでもいいけどね。
392名無しさん@ピンキー:2010/08/04(水) 20:52:29 ID:kuVZQmq0
投下します。
前後編の内の前編。今回14レス消費予定
フルフル×女ハンター レイプっぽい描写有、産卵描写有、妄想落ち。
以前書いた話と繋がってますが、読んでなくても多分大丈夫。
NGワードは「ギルドのお仕事」でNGってください。
連投規制に引っ掛かったらゴメンナサイ。
393ギルドのお仕事1/14:2010/08/04(水) 20:53:24 ID:kuVZQmq0
ポッケ村からほど近い、通称「雪山」と呼ばれる区域。自然環境が厳しく、凶暴なモンスター
が多数生息しているそこは、この世界の自然との付き合い方を弁えている狩人達にとっても、
気楽な場所とは言いがたい。そんな場所であっても、そこにある多種多様な自然の恵み、
訪れる飛竜を始めとする大型モンスターの狩猟のため、多数のハンターがこの地にやってくる。
だが、今、雪山にいるハンター達は少々様子が違う。一人の女を取り囲み、さんざんに
嬲っているのだ。女もハンターであることは、狩猟用の装備に身を固めたその姿から
うかがえるが、それらは、重要な部分、つまり、胴、腰といった体の中心を防御する部分が
はぎ取られていた。
そして、その女を取り囲んだ男どもが代わる代わる、女をレイプしているのだった。
しかし、その割には女の様子がどこかおかしい。悲鳴ではなく、嬌声を上げ、男どもにすがり
ついている。呂律の回らぬ口調で凌辱をせがむその姿は、どこか狂気を孕んでいるようにも
感じられた。
やがて、男どもが飽きたのか、女が力尽きたか、ぐったりとした女を残し、男どもは下山して
いった。後に残されたのは、凌辱の後も生々しい女が一人。雪面に倒れ伏し、動くことも
ままならぬ様子で、力なく喘いでいた。
どれくらいの時間そうしていたであろうか、やがて、分厚い鉛色の雲に覆われた空から
ゆったりとした羽ばたきの音が響いてくる。何か、巨大な物が近付いてきていた。

そして、雪山に女の悲鳴が響いた。
394ギルドのお仕事2/14:2010/08/04(水) 20:54:31 ID:kuVZQmq0
ドンドルマの街には、ハンターを統括するギルドが書類仕事を行うための施設がある。
特に名前はなくただ「本部」とだけ呼ばれているそこは、そのいい加減な呼び名とは裏腹
に非常に重要な役割を担っている。要するに、ギルドが絡む仕事は、最低一度はこの施設
が関わっているからだ。金、物資、人員、情報、それらを管理、運営している部署である。
ある日の夕暮れ、ギルドの役人であるライト・アンダースンは「本部」の中で大量の書類と
格闘していた。彼は壮年に差し掛かった役人であり、であるからには、こなさなければ
ならない責務というものも、年齢に比例して増加している。それら大量の事務処理により
所定の勤務時間内ですべてが片付くことなどないといってよかった。彼は今、先日世を
騒がせた、ミラボレアスの出現に伴う後始末に忙殺されているのだ。その事件の対策本部長
として当然のこととはいえ、連日の超過勤務には閉口させられていた。そして、彼がこなさなければ
ならない仕事は、また、次々と発生して来る。いい加減、処理能力が限界に達しようとしていた。
もっとも、疲労を他人に見せる事を恥じと思う性格ゆえか、外見からはそんな様子はうかがい知る
ことは難しい。
「…官!アンダースン監理官!」
誰かが彼を呼んでいた。しかし、自分の事だと認識するまでに、少し時間がかかる。歳のせい
か無理が利かなくなってきたと自覚し、思わず自嘲の笑みが漏れる。
「監理官にお客様ですわ!」
そう言いながら、彼の執務室に無遠慮に入室してきたのは、
「ああ、エルザさん。申し訳ない。本業ではない仕事まで、あなたに押し付けてしまって」
豊かな金髪を結い上げ、意志の強さを示す光を湛えた青い瞳を持つ女性。少女から大人に
なる間の無自覚で健康的な魅力を惜しげもなく振りまいている魅力的な人物だった。エルザ
と呼ばれたその女性、本名はエリザベート・コッホフェルト、現在、この「本部」に駐留している
ギルドの実行部隊「ギルドナイツ」の一員であり、実は王位継承権を持つコッホフェルト公爵家
の一人娘でもある。とはいえ、王位継承順位は2ケタの後半であるため、彼女が王族として
王国の中枢に入る可能性は万に一つ以下ではある。ともかく、一般社会の地位や名声等は
考慮されず、もっぱら実績と実力に基づいて人事が行われているギルドの中でもなければ、
平民出のアンダースンが上司として振舞うどころか、声をかける事すら難しい人物ではある。
もちろん、来客の取次ぎなど、本来ギルドナイトたる彼女の仕事ではないのだが、本部駐留中、
彼女は監理官付という役職を与えられている。要するに、秘書の真似事をさせられているのだ。
街に駐留している間くらいは危険なことはさせたくないと、彼女の父、コッホフェルト公爵が
ねじ込んできたための人事だったが、彼女にはお気に召さなかったらしく、事あるごとに
現場復帰を希望している。
「この程度、構いませんわ」
アンダースンの恐縮を鷹揚に受け流す彼女だが、その表情にはどこか屈託があった。
「お客様はポッケ村の駐在ハンターだそうですけれど、ハンターごときと何の御用がお有り
ですの?」
屈託の原因はどうも来客にあるようだ。彼女のハンター嫌いは、ギルド内でも有名だったな
と、アンダースンは思い出す。
「ええ、先回の件で約束をしましたので」
アンダースンの回答に、エルザはわずかに表情を変えた。
「ギルドの業務監理官殿が、たかが一ハンターと私的に面会とは…」
彼女は「何を企んでいますの?」と言わんばかりの顔でアンダースンを見やる。
「いや、ただのお礼ですよ」
あいまいに笑って追及をかわすアンダースン。
「すぐに伺いますので、面会室へお通ししていただけますか?」
わかりました、と彼女は答え退出する。まだ何か言いたそうな表情をしていたが、さすがに
これ以上の追及は無礼と思ったのだろう、続く言葉はなかった。
「…あの偏見がなくなると良いのですが…」
アンダースンは一つ溜息をつくと、書類の山を片付け始めた。つい仕事に夢中になり、約束の
時間をすっかり忘れてしまっていたため、客を待たせることは間違いない。彼はまた溜息を
ついた。
395ギルドのお仕事3/14:2010/08/04(水) 20:55:22 ID:kuVZQmq0
「お待たせいたしました」
面会室の先客に詫びつつ扉を開いたアンダースンを、いつもより華やかな雰囲気の室内が
迎えた。
「あ、いえいえ、全然待ってないです」
その華やいだ雰囲気の原因、艶やかなイブニングドレスを身に着けた女性は、その印象とは
反対の、子供っぽい態度で応じる。
彼女が身に着けているドレスはマボロシチョウの繭より採れた糸を使った生地で、かなりの
高級品ではあるのだが、どこか服に着られている様な違和感があった。有体に言ってしまえば、
着る人間がフォーマルな格好に慣れていないため、立ち居振る舞いが服装にあっていないのだ。
それもそのはずで、そのドレスの女性こそがアンダースンの客であり、ポッケ村の駐在ハンター
なのである。注意深く見れば、その女性の腕の薄い脂肪の下には、しっかりとした筋肉がある
ことが分かるし、露出の多い上半身には、化粧で隠されてはいるものの微かな傷痕がいくつ
もあることも見てとれる。
しかし、それらは彼女の魅力を損なうどころか、却って引き立てているようにアンダースンには
感じられた。
「あの…どこか変ですか?」
その女性がおずおずと問いかけてきた。
「いえいえ、大変、魅力的でいらっしゃいますよ」
一瞬、見惚れてしまったことを隠すように、アンダースンは答える。それを聞き、女性は
「よかったぁ」とばかりにため息をついた。それから何かに気がついたように、慌てて立ち
上がりドレスのすそを少しつまむ。
「ほ、本日は、お招きいただき、ありがとうございましゅっ」
最後のところで噛んだようだ。それにしても、まったく様になっていない。アンダースンは
こみ上げてくる笑いを、理性と教養、知性と礼節を総動員し優しげな微笑みに置き換え
なければならなかった。
「マヤさんもお元気そうでなによりです」
マヤと呼ばれたこの女性に、アンダースンは以前、かなり無理難題を持ちかけた。いや、
無理難題と言うより、ギルドのために死んでくれと言ったに等しい内容を脅迫に近い方法
で依頼した。彼女は笑顔でそれを受け、生還したら食事を奢れと彼に冗談を言ったのだ。
それは、アンダースンにとって叶えることのできない約束となるはずだった。だが、彼女は
いくつかの幸運にも恵まれ生還を果たした。彼は、彼女の生還を知り、半ば冗談であった
その約束を果たせることを喜び、そして今日、約束通り彼女を街に招いたのである。
「では、参りましょうか」
そう言うと、アンダースンは、恭しく彼女の手をとった。
「ふふっ」と、マヤがかすかに笑う。
「何かありましたか?」
「いえ、なんか、いけないお付き合いしてるみたいで、ドキドキしますね」
アンダースンは、思わず噴き出しかけた。
「率直に申し上げて、その発想はありませんでしたね」
アンダースンにとってマヤは恩人でありこそすれ、劣情の対象とはなりえていない。彼の
性的嗜好は、世の多くの男性と同様の傾向を示しており、自分の娘ほどの歳の少女に劣情
を催すほどに彼は若く無い。
「本当に、そう思っていらっしゃいます?」
しかし、ぞくりとするような表情で問いかけてくるマヤは、先ほどまでとはまるで別人の様に
妖艶な色気を醸していた。
「さて、どうでしょう?」
冗談ですよ、と笑うマヤの思ったより大きい胸を意識しないようにしつつ、アンダーソンは
曖昧にはぐらかした。マヤに女性としての魅力が備わっていることに、彼は密やかな喜びを
感じていた。もっとも、それは大人へと成長していく娘を見守る父親のような喜びではあった
のだが。
396ギルドのお仕事4/14:2010/08/04(水) 20:56:27 ID:kuVZQmq0
二人が訪れたのは、ドンドルマでも人気のある店だった。あまり格式ばった店ではないため、
一般庶民がちょっと贅沢するつもりで訪れたり、貴族が軽い付き合いで利用するなど、気楽に
利用できる店でもあった。
一応正装して利用することにはなっているが、それ以外はあまりうるさくない店とも言える。
マヤは店に入るなり「へぇ〜」とか「わぁ〜」とか呟きながら、きょろきょろあたりを見回していた。
完全におノボりさん状態である。店内の照明は控えめで落ち着いた雰囲気であり、また、
テーブル間の距離も少し贅沢ではないかと思うほどに開けられていた。店の奥の舞台では、
少人数ではあるがちゃんと楽団が生演奏をしている。マヤの眼にはずいぶんとお洒落な店に
映った。
「こういうところは、初めてですか」
「はい、昔、親と来た時はもっと庶民的なお店だったもので」
席に案内され、しばらくすると、食前酒が運ばれて来た。ハンター達が好んで飲むブレスワイン
ではなく、マヤの聞いたこともない銘柄だ。
「では、貴女の生還を祝って」
「乾杯」
グラスを一気に煽ろうとして、マヤは手を止めた。出掛けに「あんたはマナーのマの字も
知らないんだから」と村で受けた彼女の友人のレクチャーを思い出す。
(まず、グラスをゆっくり揺らし、匂いを嗅ぐ)
鼻をひくひくさせないように注意して、鼻で息を吸う。
(なんか、ブドウっぽい匂いがする…で、次に一口、舌の上に乗せるような感じで口に入れる)
そーっと口にワインを注ぐ。
(わっ、シブい…で、しばらくそのまま口の中で転がす。くちゅくちゅしないように注意)
ゆっくりと、舌で液体を弄ぶ。
(舌使いなら得意…じゃなくて…………あれ、なんか味が変わった?)
いつしか渋味が消え、ブドウのまろやかな甘味とさわやかな酸味が、じんわりと舌を楽しませて
いた。
ゆっくりと呑みこむと、喉を通るアルコールがささやかにそこを刺激する。
「ほぅ…」
思わず溜息が洩れる。
「美味しい」
自然と率直な感想がでた。アンダースンはそれを聞き、笑みを大きくする。
「ありがとうございます。お酒はいつも飲まれるのですか?」
マヤの飲み方を見て気になったのだろう、アンダースンは酒席での定番の質問をしてきた。
「狩りの前日には景気づけで、幻獣チーズをおつまみにして黄金芋酒を飲んでます」
「なぜか、ハンターの皆さんには人気なんですよね、そのメニュー」
「そうですね、ゲン担ぎみたいなところもあるでしょうけど」
そういって、楽しそうにほほ笑むマヤ。たわいもない会話を楽しめる事が、なんとも贅沢に
感じられた。
397ギルドのお仕事5/14:2010/08/04(水) 20:57:16 ID:kuVZQmq0
やがて、メインディッシュが運ばれてくる。何かの切り身を焼いたものに、香ばしい匂いの
するソースがかけられていた。焼かれた肉の油とソースの濃厚な香りが、いやが上にも
食欲を刺激する。
「これは、何のお肉ですか?」
マヤが、目を丸くして尋ねる。見たことのない料理だった。
「まずは、召し上がって見てください」
アンダースンはどこかいたずら小僧を思わせる表情で、彼女に料理を勧める。
「…なにか、企んでらっしゃいますね?」
「いえ何も」
少し恨みがましい目をするマヤに、アンダースンは笑みを大きくして答えた。
「もう」と、マヤはかわいらしくつぶやくと、意を決し、ナイフとフォークを手にする。肉を
半口サイズに切り、ソースをたっぷりとまぶし口へと運ぶ。
鼻孔をくすぐる肉の香りの正体に、彼女は不意に思い当った。まさかと思いつつ口にする。
こってりとしたソースの甘辛い味わいの向こう側から、肉の脂の旨味が溢れ出してくる。一噛み
するごとに肉はとろける様にほぐれ、瞬く間に彼女の喉奥へと流れていく。芳潤な肉の
味わいに思わず頬が緩む。
マヤは、喉に残った濃厚な肉の残り香をしっかり味わった後で、口を開いた。
「フルフルベビーの肉…ですね」
「正解です。良くお分かりになりましたね」
アンダースンが嬉しそうに認める。どことなく、自慢の玩具を褒められた子供のような雰囲気
だった。
「何度か、家のアイルーがステーキを作ってくれましたから」
アンダースンの表情につられて、マヤも笑顔で答える。
「でも、私が食べたのより、何というか、肉の油の匂いが強いですね。それに、身も柔らか
すぎるような気がします。まるで別物みたいです」
マヤの感想に、アンダースンはますます笑みを大きくする。
「それは、養殖物だからですね」
「養殖…ですか?」
フルフルベビーは、その名の通り孵化したばかりの帯電飛竜フルフルの幼生なのだが、
通常、食用として消費されるものは、マヤのようなハンターがたまたま狩場で、フルフルに
卵を産み付けられた生き物を見つけそれを剥ぎ取ってくるものがほとんどである。フルフルは
それこそ、生き物なら飛竜から小型草食竜や人間、果ては古龍の脱皮殻にまで産み付ける
ため、他の飛竜の卵のように、この時期ここに行けば手に入る、という代物ではない。
それを養殖するとなると、マヤにはその入手方法が思いつかなかった。
「どうやって捕まえるんです?」
「ちょっと、食事中には向いてない話なんですが…」
アンダースンは言い淀む。
「構いません、あたしはハンターですから、ちょっとくらいグロい話でも大丈夫です」
それよりも聞きたいです、と表情に明確に表しながら、マヤは先を促す。
「それではご説明しましょう」
要するに、栄養価の高い餌を与えて太らせた家畜、モスやポポ等をフルフルの生息地に
連れて行き、角笛などを使用しフルフルをおびき寄せる。そこに産卵誘発剤入りの生肉を先に
フルフルに食べさせ、家畜に産卵させる。通常、小型のモス等には一個しか卵を産まない
フルフルだが、誘発剤のおかげでいくつか産みつかるらしい。後は、フルフルが去ってから、
孵化したフルフルベビーを捕獲し、やはり脂身の多い家畜の生肉を食わせつつ食用サイズ
まで育てる。
「へーそれで、あんなに肉が軟らかかったんですね〜」
「難点としては、肉の脂の匂いが少々きつくなってしまうことでしょうか」
「なるほど〜」
それ以外にも、経費がかかるため、養殖と天然で値段がほとんど変わらない、場合によっては
養殖のほうが高いという点も難点であるのだが、それはこの場で口にする必要のないことだった。
398ギルドのお仕事6/14:2010/08/04(水) 20:58:22 ID:kuVZQmq0

「それで、今回はどんな秘密のお話ですか?」
食事が終わり、食後のお茶をゆっくり楽しんだ後、マヤは唐突に切り出した。
それを聞いたアンダースンは表情を、驚愕、感服、逡巡、諦観と目まぐるしく変化させた後、
ようやく口を開いた。
「どこで気付かれました?」
興味深げといってもいいほどの口調でマヤに問う。
「もともと、なんとなくそんな気はしていましたけど、確信を持ったのはお店に入った時」
にこりと微笑んでマヤは答えた。
「このお店は、照明も暗いし、隣の席とも距離がとってあります。それに…」
そう言ってマヤは、店の奥で演奏している楽団に視線を移す。
「ちょうどいい具合に、音楽が流れています。小声であれば店の人にも聞こえないくらいに」
アンダースンに視線を戻し、また微笑みかけるマヤ。
「密談をするには、いい場所だと思います」
アンダースンはそれを聞き、参りましたとばかりに両手を挙げた。
「これからするお話は、ギルド内部の恥をさらすようなものです。何卒、他言無用に願います」
「あたし、ずいぶんと信用されてるんですね」
マヤが、わざとらしく驚いたような口調で言う。
「貴女の事は一度、経歴からすべて調べさせていただきましたから。それに先日の件もあり
ますので……」
「最低限、信用できると思っていただいてるわけですね」
「私個人として、ですが、信用しておりますよ」
いつの間にか、アンダースンの表情があいまいな笑みに変わっていた。真意を読み取れぬ
表情。
マヤは、彼は決して全幅の信頼を向けているのではない、と、腹の中で自分に言い聞かせた。
「それで、お話とは?」
「最近、雪山でハンターが立て続けに三人、亡くなりました。三人ともハンターになり立ての
若い女性で、街で雪山へ採集のために一人でクエストを受注して出発した方達です」
前置きもなしに、アンダースンは本題を切り出した。
「三人とも、フルフルに襲われて卵を産み付けられたことにより…」
「ちょっと、ちょっと待ってください」
マヤが口を挟む、挟まずにはいられない理由があった。
「三人連続でフルフルに卵を産み付けられるって、そんな。いくら新米でも素人じゃあるまいし…」
ハンターの資格を得る時に、危険な飛竜に対しての基礎的なレクチャーを受けなければ
ならないが、その中にフルフルへの対処も入っている。フルフルに卵を植え付けられるという
被害は、知識も体力も無い一般人なら稀にあるが、ハンターが、というのは今までほとんど
無かったはずだ。フルフルという飛竜は動きが遅く、倒すのではなく逃げるのであれば、
駈け出しのハンターでもそう無理な話ではない。
「最近のギルドは、まともに新人教育も出来ないんですか?」
怒り半分、呆れ半分といった態度でマヤは問いかける。
「そういうわけではありません、むしろ、注意を呼び掛けていたところです」
アンダースンは事務的に淡々と答えた。
「それなのに、事故は起こった。それが、貴女にこのお話をさせていただいた理由です」
そして謎かけのように告げる。
399ギルドのお仕事7/14:2010/08/04(水) 20:59:17 ID:kuVZQmq0
「つまり、その三人の死になにか裏がある、そう思ってみえるわけですね」
マヤはそう言うと、先を促す様に黙り込んだ。
「はい、三人は何者かによって殺害された。と私は考えています」
マヤの沈黙に答えてアンダースンは続ける。
「しかし、手掛かりが少なすぎて、ギルドでは事故死として処理する話が出てきています」
「そんな!」
思わず声を上げるマヤ、そんな彼女をなだめるように、アンダースンは落ち着いた態度で語る。
「ですので、貴女にお話させていただいたのです。こちらのクエストの受注歴を確認しましたが、
犠牲になった方と同時に雪山に出発したパーティーはありませんでした」
「え、それはつまり…」
マヤも気がついた。この街以外で、雪山へのクエストを受けるのに都合のいい場所は、一ケ所
しかない。
「ええ、おそらく、三人を結果的に殺害した人物は、ポッケ村を拠点にしている可能性が高い」
アンダースンは、マヤの眼を正面から見据えて尋ねた。彼の眼の奥にかすかな光が見える。
「なにか、お心当たりはありませんか?」
あの光は怒りだ、とマヤは直感した。
「ポッケ村の集会所では、あまり見かけない人はいなかったような気がしますが…でも、全員
と面識があるわけじゃないですし…」
彼女は右手を握りその親指を唇にあてる。自分のあいまいな記憶が恨めしい。
「今すぐでなくてもかまいません。何か思い出されましたら、お話し下さればよろしいですので」
必死になって思い出そうとするマヤを、アンダースンは気遣い慰めるように言う。
「あの、犯人はどうやってフルフルに襲わせたと考えてらっしゃいますか?なにか、ヒントに
なるようなことは有りませんか?」
「おそらく、犯人は複数。被害者を薬か何かで動けなくし、フルフルを呼び寄せ、産卵誘発剤を
使ってフルフルに産卵させていると思われます。誘発剤はフルフルベビーの業者には流通
しているため、比較的簡単に手に入ってしまいますから、入手ルートの確認もはかどって
いません」
うーん、と、マヤは小声で唸りつつ考え込む。集会所に複数人数でいた、見かけない人物。
はたして、そんな人物がいただろうか、いたような気もするが、いないような気もした。
そもそも、何のためにそんなことをする?若い女一人に複数の犯人。犯人が男ならレイプ
でもするかも知れないが。
レイプして、証拠隠滅のため女を殺してフルフルに食わす?そこまで下衆なハンターがいると
思いたくない。いや、はたしてそうだろうか、証拠がなく罰せられないだけで、意外とレイプの
被害は多いと聞いたこともある。
マヤは思考の迷宮にはまり込みつつあった。
400ギルドのお仕事8/14:2010/08/04(水) 21:00:13 ID:kuVZQmq0

女は、目の前に降り立った巨大な白い飛竜、フルフルを見て悲鳴を上げた。上げたつもり
だった。
だがすでに男たちにより媚薬を打たれ、さんざんに凌辱された体では、微かな呻き声を
あげる事すら叶わなかった。もちろん、戦うことも、逃げ出すこともできず、僅かに後ずさる
のが精いっぱい。
すでに体を守る防具は、その大半がはぎ取られ、彼女の白い素肌を雪山の寒気に晒している。
男たちが置いて行った生肉をあっさり飲み込んだフルフルは、彼女の方にゆっくりと近付いて来る。
「ぃゃ…」
彼女の懇願など通じる訳もなく、口から白い吐息をもらしながら、フルフルは彼女へと覆い
かぶさった。
ハフハフと息を荒げて彼女の全身を舐めまわす。彼女の体の形を確認するかのように、
体中すべて余すところなく舐めてくる。
「ぁぁ…」
打たれた媚薬のせいで、こんなおぞましい目に会っているというのに、体が熱を持ち股間が
潤んでくる。全身に甘い刺激が走り、かすれた嬌声を上げてしまう。
その声を聞きつけたのか、フルフルは彼女の半開きの口に、自分の舌を突っ込んできた。
「…ッ!……ッ!」
口腔をすべてフルフルの舌で埋め尽くされ、声を上げることすらできない。それどころか、息を
するのもままならない。それなのに甘い疼きが口から湧き上がり、背筋を伝って全身へと
広がってゆく。フルフルは、彼女の内側をまさぐるように舌をうごめかし、舐め尽くす。そのたび
に彼女は全身を震えさせた。
やがて、ゆっくりと舌が引き抜かれていった。
「プハァッ!ッハァ…ハァ……お、お願…い、や…めてぇ」
弱々しく懇願する彼女の頬を、フルフルは優しく舐める。
「ああぁ…ッグ!」
一瞬、安堵したのもつかの間、いつの間にか、細く変形したフルフルの尾が彼女の口に忍び寄り、
唇を割り押し込んできた。
フルフルの尾は非常に柔らかく、吸盤状に広げたり、細長く窄めたりすることができ、その中央
には産卵管を兼ねた開口部が存在している。今は限界まで細くさせ、彼女の口腔内へ突き
入れられていた。
「アッ……ガハッ!」
フルフルの尾は遮二無二に彼女の中に入ろうと暴れ、ついには喉まで達していた。そして…
「ゴボッ」
音を立て、尾の先端から彼女の体内へと何かが送り込まれる。
それは、彼女の死刑宣告の音、フルフルの卵が産み落とされた音だ。
彼女の眼から涙が溢れ出す。だが、その表情は、むしろ恍惚とさえしていた。すでに精神に
変調をきたしているのか、それとも、媚薬の効果か。
彼女の口から尾を抜いたフルフルは、次に彼女を跨ぎ、その股間に舌を伸ばす。生物の体内
に傷付けずに産卵する方法を、フルフルは知っているのだろう。
「ッああぁ!」
彼女の性器を肛門をフルフルの舌は容赦なく蹂躙する。そのたびに彼女は嬌声を挙げる。
もう彼女の中では、フルフルに対する嫌悪感など微塵もないのであろう、力の入らぬ手足で
必死にフルフルにしがみつき、更なる快楽をねだっている。フルフルは彼女の性器を舌で
嬲りながら、自分の体長の倍以上に伸ばした尾を彼女の体に巻き付け、先端を肛門に突き
入れた。
「くっひぃい!」
全身を痙攣させフルフルを迎え入れる彼女。更なる快楽を得ようと貪欲に腰を振る。
フルフルの長く変形した尾が彼女のアナルをくぐり、体内に深く深く沈みこむ。その感覚に
彼女はあられもない嬌声で答えていた。
「……あっ…ふあっ…ひっ…ああっ」
401ギルドのお仕事9/14:2010/08/04(水) 21:01:11 ID:kuVZQmq0
やがて、彼女の体の奥深く、その中に何かが脈打つように放出される。最早嫌悪感すら
感じる事なく、その命の放出を受け止める。
再度の産卵を終えたフルフルの尾が、次は彼女の性器に狙いを変えたる。
「……早くぅ、…お、おまんこ…犯してぇ…」
媚薬と諦観に心を支配されたのか、フルフルを誘惑するかのように凌辱をせがむ彼女には、
数時間前まで見られた、駈け出しハンターの未来の可能性にあふれた姿はもうどこにもなかった。
フルフルが承知したかのように、彼女の性器にその長大な凶器を突き立てる。
「あっあああぁん!」
それだけで、彼女は絶頂に達した。
だが、フルフルの責め苦はまだ終わりを告げてはいない。確実に卵を植え付けるために、
ゆっくりと彼女の最奥に侵入してくる。
「ひあ…あぁ……」
その今まで体験したことのない異常な感覚に、彼女は絶頂から引き戻され、そうかと思えば、
また徐々にその頂へと押し上げられていく。
「……だ…駄目ぇ……また…っくぅ…」
それと同時に、彼女の最も奥深いところで粘ついた水音が響く。フルフルが最後の産卵を
行ったのだ。
「っひぃいっ!」
ただただ、その放出を受け止めるしか術のない彼女。
やがて、ぐったりと雪面に倒れ、快楽の余韻に荒い息をつく彼女の首筋に、フルフルはそうっと
己の口を寄せる。そして一度、そこをその大きな舌でゆっくりと舐めると、不気味な赤い唇を
そこに押し付ける。
「……ん…ああぁ」
彼女が、その刺激に緩やかに応じたその時、フルフルの巨体が微かに燐光を発した。
「……かはっ!」
全身を一度大きく痙攣させ、彼女は自分の五感がすべて消失してゆくのを感じた。フルフルの
電撃によって、全身の神経を麻痺させられたのだ。
彼女は、ほんの僅かに残っていた生還への望みが、完膚なきまでに粉砕されたのを感じ
ながら、その意識を強制的に断ち切られたのだった。

「…大丈夫ですか?マヤさん?」
アンダースンが俯いたまま黙りこくったマヤに声をかけていた。
「へ?あ!はい!あの、大丈夫です!」
思考が迷走した揚句、とんでもない大妄想へと突入していたマヤは、アンダースン声にようやく
現実へとその思考回路を復帰させた。
「大丈夫ですか?ずいぶんと考え込んでいらしたようですが」
アンダースンの心配そうな声が、罪悪感をズキズキと刺激する。マヤは自分の内側がずいぶん
と湿っていることに気がついた。
(どんだけ変態なんだ、あたしは)
思わず自嘲した。あの妄想で感じている自分に対し、軽蔑さえしたくなってくる。
「ちょっと、被害にあった方の事を考えてしまって…」
確かに嘘ではない、嘘ではないが、咄嗟に相手が好ましいほうに誤解する言い方をしてしまった。
(自分でなければ、殺してやりたいほどの傲慢さね)
どこかで聞いた言葉を、思わず胸中で呟いた。自分がなんとも情けなく、みじめに思えるマヤ
であった。

しかし、このとんでもない妄想が、ほぼ事実を的確に予見していようとは、神ならぬ彼女には
知る由もなかった。

402ギルドのお仕事10/14:2010/08/04(水) 21:02:30 ID:kuVZQmq0

明りが落とされた室内には、葉巻の絡みつくような煙とともに、重苦しい空気が漂っていた。
「アンダースンが、ポッケ村のハンターに接触したというのは間違いない」
その室内にいる、初老の男性が重々しく口を開いた。その声色は焦りといら立ちを隠せないでいる。
「偽の情報と言う可能性は?アンダースンはああ見えてなかなかのキレ者です」
もう一人、壮年の男性が問いかけた。
「フン、奴はコッホフェルトの小娘を、俺からの間者と疑っているようだからな…」
初老の男が、声とともに盛大に紫煙を吐きだす。あの小娘は逆に使いにくいのだがなと小声で
呟いてから続けた。
「俺の都合で動かせる人間が、本部内にも居るからな。そこからさ」
「なるほど……で、奴は何かを掴むことができたのですか?」
壮年の男は、感情を殺した無表情で問う。
「いや、わからん。上手くかわされてしまったよ。確かに奴は厄介だ」
忌々しそうに、初老の男が吸っていた葉巻を乱暴にねじ消した。
「恐らく、近いうちにこちらの尻尾を掴みに来るな」
「では手はず通り、連中を処分するとしましょう」
壮年の男が、物騒な単語が含まれるその言葉を、まるで掃除でも請け負ったかのように発音した。
「頼む、この件は露見させるわけにはいかんからな」
少し神経質そうにもみつぶした葉巻を弄びつつ、初老の男は告げる。
「心得ております。御家再興の御為なれば」
忠実な部下以上の態度で、壮年の男は応じた。
「できる事なら、事故で決着させたかったが…」
初老の男は呟きながら新たな葉巻を取り出し、吸い口を整え咥える。その葉巻は、彼の身なり
からすれば、ありえぬほどの安物であった。
「そう何もかも、上手くは行きますまい。御家の苦境と同様に…」
同情するように、というより、言って聞かせる様に壮年の男は話す。
「フン、たまたま飛竜がやってきて……か?たしかに、時々、竜にすべてを破壊されてしまえと
思う時はあるが……まあいい、すぐに現地へ飛べ。後の始末は任せる」
「はッ」
壮年の男は、令則通りの敬礼を行い、すぐさま踵を返した。
「くそッ、ようやくここまで来たのだ。邪魔などさせるものかよ」
その後ろ姿を眺めつつ、初老の男は吐き捨てる様に呟いた。
403ギルドのお仕事11/14:2010/08/04(水) 21:04:03 ID:kuVZQmq0

「それで、犯人たちはギルドナイトが抹殺した、というわけですか」
マヤとの会食から数日後、アンダースンは自分の執務室で、エルザからの報告を聞き、呟くよう
に言った。
「ええ、ポッケ村の集会所で聞きこみをしていた、ギルフォーデス隊の手柄だそうですわ。
なんでも、数人掛かりで女を凌辱し、その場に放置していたことを白状したとか」
エルザは、送られてきた報告書を執務机の上に置くと、両手を腰にあて、上目づかいで
アンダースンをからかう様に見やる。
「あの女と会う口実が無くなってしまいましたわね」
あの会食の日、マヤを泊っている宿まで送った後、なぜかエルザが本部の前で待っていたのだ。
そして「監理官ともあろう方が、機密漏洩ですの?」と、問いかけられた。「事情徴収ですよ」と
返したのだが、その直後、エルザのしてやったりという表情を見て、アンダースンはカマを
掛けられたことに気がついたのだった。それ以来、エルザはこの件に関してやたらと関わりたがる
ようになっている。
しかし、アンダースンには彼女の軽口を気にしている余裕はすでに無かった。
「変ですねぇ、ギルフォーデス隊ならば、殺さずにとらえることも不可能ではないと思いますが」
厭味を流されたことより、彼が疑っている内容に興味を引かれ、エルザは口を出した。
「ハンター3人が全力で抵抗した場合、捕縛は難しいのではなくて?」
「ギルフォーデス卿は、ギルドナイツでもトップクラスの実力者だと伺っておりますが」
それを聞いて、エルザは苦笑いをした。ギルフォーデスは確かに、訓練試合でも負けなし、
任務の達成率も高く優秀と評判のギルドナイトであるが、尊大なその態度と捕縛よりも
抹殺を好むその性格によりギルド内でも敵の多い人物であるからだ。犯人の抹殺よりも、
事件解決と法による処罰を重視するアンダースンとは不仲を通り越して、敵視しているに近い。
とは言え、アンダースンも犯人を死刑にすることに反対なわけではない、あくまで法の下に
平等に罰を与えるべきだとの考えに基づいての事だ。
「確か、彼の隊の派遣は、マンシュタイン閣下直々のご命令でしたね」
マンシュタインというのは現在この本部に駐留するギルドナイツ第三旅団長である。若かりし
頃は巌のような強面の屈強な騎士だったのだが、最近ではもっぱら金の亡者とか、肥え太った
豚とか陰口を叩かれるほど、見事に俗物化してしまったと言われている。年齢を重ねるごとに
駄目になっていく人間の見本ともっぱらの噂だ。
「あのお二人を疑っていますの?」
興味津々という顔でエルザが問いかけて来る。
「いえ、疑うというほどの事はありませんが、まあ、事実確認程度のことです。しかし、興味が
お有りのようですね?」
あっさりと否定しながら、彼女の態度に話を切り返した。
「監理官とあのお二人とは、仲がよろしくなかったですわね」
少し、意地の悪い笑みを浮かべ、エルザは答える。
「確かに、良くはないですねぇ。しかし、仕事に私情は持ちこんではいませんよ」
「どうかしら」
アンダースンの否定を、一言で切り捨てた。だが、その表情には笑みが浮かんでいる。
「わたくし、今回の監理官の行動、マンシュタインにもギルフォーデスにも伝えていませんのよ」
エルザは、本来上司に当たる二人を呼び捨てた。もっとも、彼女の本来の身分からすれば、
その二人よりも彼女のほうが上位ではある。
それを聞き、一瞬、アンダースンの表情が変わった。
「なるほど、貴女もそう思ってみえた訳ですか」
だが、アンダースンの表情の変化は、それだけが理由ではなかった。確かに、万が一の可能性
として彼はエルザがマンシュタインの送り込んできたスパイではないかと疑っていた。社会的な
立場から考えれば、まずあり得ない事ではあったが、アンダースンは警戒していた。実際に
マンシュタインへ連絡したのは違う人物であると確認はできていたが、エルザがこちらの味方
であると立場を表明してくれたことは、アンダースンにとって大きな収穫である。それが確認
できただけでもマヤとの会食には充分意味があったと喜べる。
404ギルドのお仕事12/14:2010/08/04(水) 21:05:23 ID:kuVZQmq0
「ええ、最近マンシュタインは、妙に金廻りが良くなっていましたわ。それに実行犯だけでは、薬品
を用意できませんもの。ご覧になったかしら、殺された女には媚薬すら使われていますのよ」
そう言って、報告書の一部を指さす。
「ある程度の地位のある人間が協力をしないと、手に入れることは困難なものではなくって?」
そこに記入された薬品の名称を見て、アンダースンの眉が微かに動いた。
「媚薬の方は確かに。しかし、証拠がありませんね」
彼の呟きを受け、エルザも続ける。
「動機もよく判りませんわね」
「そうでもないですよ」
アンダースンはエルザを責める様子もなく、いつもどおりの声で告げる。
「マンシュタイン卿というか、あの家は十年ほど前に領地の運営に失敗していますからねぇ」
お金が要るんでしょうと、アンダースンは続けた。
「領地の運営に失敗?」
「おや、ご存じなかったですか?簡単に言えば、日照りが続いたので灌漑設備を整備しよう
として、大量に財産を注ぎ込んだところ、完成寸前に飛竜に襲来されて全部壊されてしまい、
借金と荒れた土地だけが残ってしまったということですが。まあ、マンシュタイン卿が動く時は、
必ずどこかにお金になる話が絡んでいるはずです」
アンダースンはそう締めくくった。
「しかし、ハンターを数人殺したところで、なにかお金になりますの?」
エルザのもっともな疑問に、そうですねぇと呟いてアンダースンは答えた。
「それが掴めれば、あるいは糸口になるかも知れませんねぇ」
その場を沈黙が支配した。二人は、先ほどから名前の挙がっている、マンシュタインと
ギルフォーデスが実行犯に指示し事件を起こしたのではないか、と疑っている、だがそれ以上
の手掛かりがまったく無い。
トカゲの尻尾のように実行犯だけが切り捨てられた。それが可能だったのが、マンシュタインと
ギルフォーデスしかいないということしか、その二人を疑う根拠がなかった。
その時、執務室の扉かノックされた。即座にエルザが動き、室外の職員に何事かと尋ねる。
ずいぶんと秘書が板について来ましたねぇ、とアンダースンは妙な感心の仕方をした。
「監理官。お客様だそうですけれど、こちらにお通ししてもよろしいかしら」
こちらを振り向いた彼女の表情を見て、アンダースンはだれが訪ねてきたのか分かったような
気がした。
「例のハンター殿がお見えだそうですわよ」
お通ししてください、と答えつつ彼は自分の予想が的中したことを密かに喜んだ。


マヤは先日とは打って変わって、なんとも地味な服を着用していた。しかも、ハンターが好んで
普段着に使ういくつかの種類の服とも違う。強いて似た服を探すなら、食材屋のおばちゃんが
着ている服に近い。
「あら、今日はずいぶんと地味ですわね」
地味を強調して言うエルザに、マヤは笑顔を向け答える。
「アンダースンさんに、なるべく迷惑をかけないように考えたんですけど」
しかし、マヤの眼は笑ってはいなかった。
「取次の人が、ハンターが来ましたぁ、なんて言ったら台無しですけどね」
火花散る視線の応酬、アンダースンは飛び散る火花が見えたような気がした。
「しかし、よくそんな服を用意できましたね」
とりあえず、話題を変える努力をしてみるアンダースン。
「ああ、下町の古着屋で、いくつか見つくろいました」
そんなに高い物じゃないですし、とマヤは続ける。
405ギルドのお仕事13/14:2010/08/04(水) 21:06:08 ID:kuVZQmq0
「先立つものの方は大丈夫ですか?」
それでも心配そうに、アンダースンは続けて尋ねる。マヤの街への滞在はほんの数日の予定
だったはずだからだ。そんなに余裕があるとは思えない。
「あ、それなら大丈夫です」
だが、余裕めかしてマヤは笑う。
「これを、持って来てますから」
そう言って取りだしたのは、何やらほのかに光を放つ、赤い鱗。
「そ、それは」「火竜の逆鱗」
二人が息を飲む。それも当然であろう、彼女が持っているのは、火竜リオレウスからごく稀に剥ぎ
取ることができる希少な鱗だ。加工素材としても利用価値が高く、ハンターでもなければ、鱗の
状態で目にすることなどめったにない。いや、ハンターですら手に入れる前に、引退をしてしまう
者もいるほどの貴重な素材である。
「雌火竜のもあったんですけど、そっちは、ドレスに化けました」
なるほど、とアンダースンは納得する。道理であんな上等なドレスを身につけていたわけだ。
しかし、逆鱗一枚分のドレス、ずいぶん奢ったものだ。
「これなら、捨て値で売り払ってもしばらくは街で遊んでいられる程度のお金になりますから」
事もなげにそう言うマヤ。たしかに現金で持ち歩くより、かさ張らないし目立たない。多少相場
に左右されるとはいえ、利点の方が多い。アンダースンは思わず感心した。
「あ、貴女、ずいぶん豪気ですのね」
エルザの毒気を抜かれた声を聞きながら、アンダースンは、彼女は村に駐在するハンター
としては、すでに相当の腕前であると認められていることを思い出していた。
「せっかくのお誘いなんで、思い切って奢ってみました。…っと、今日はそんなこと話に来たんじゃ
ないんです」
マヤは、少しだけ自慢げな態度を見せたが、すぐに態度を改め真剣な眼差しでアンダースンを
見つめる。
「街で妙な噂を聞きましたので、差し出がましいとは思いましたがお知らせに参りました」
「なるほど、それで、噂とは一体どのようなものでしょうか?」
アンダースンが感情の読めぬ表情になり尋ねる。
「…貴族の間で、ヤバい食材の裏の取引ルートがあるとかで、その中で、人肉を食わせて育てた
養殖フルフルベビーがある、とか」
「まさか」「いくらなんでもそれは…」
声をひそめたマヤの話の内容に、思わず言葉を失う二人。
「どっかの貴族のお墨付きとかで、とんでもない値段が付いているそうです」
「どこでそんな話を?」
にわかには信じがたい、そんな表情でアンダースンがさらに問う。
「宿に出入りしていた食材屋のおばちゃんが、問屋で聞いた話だそうです」
アンダースンは黙り込んだ、もし、マヤの話が本当だとしたら…いや、重要なのはマヤの話の
真偽ではない、人肉で育てた事を付加価値としたフルフルベビーが高額で売れる可能性がある、
その事の方が重要だ。
「そのお話が本当だとしたら……許せません。断じて許せませんわ。貴族にありながら、その
ような悪徳に手を染めるなどと、王国貴族として、いえ、人としてあってはならない事」
エルザが珍しく怒気を露わに呟く。
「直接、問い質してまいりますわ!」
そのまま、退出しようとする。マンシュタインのところに殴り込みかねない勢いだ。
「待ちなさい!今はまだいけません」
こちらも珍しく、語気荒くアンダースンは彼女を制する。
「どうしてですの!」
「今はまだ証拠がありません。今、問い質したところでとぼけられるのがオチでしょう。下手をする
と貴女が、マンシュタインを謂れもないことで侮辱したと看做されてしまいます。まずは証拠です」
「あの、そのことなんですが」
おずおずとマヤが声をかける。
「あたしに一つアイディアがあるんですけど」
406ギルドのお仕事14/14:2010/08/04(水) 21:06:42 ID:kuVZQmq0

「囮捜査、だと?」
ドンドルマの街の某所にある、薄暗い部屋に男の軋むような声が響いた。
「アンダースンめ、厄介な真似を……」
そこで、部下からの報告を受け取っているのは、現在、ドンドルマに駐留するギルドナイツ
第三旅団の旅団長、マンシュタインである。彼は、部下により届けられた書類を睨みつけて
いた。そこにはアンダースンがポッケ村にて捜査を行うため協力を要請する旨、記載されて
いる。アンダースンの下に配置しておいた間者からも、囮捜査の情報を入手していた。
ポッケ村と雪山でアンダースンが捜査を行うことは確実だ。
「どうする、ここは無視をするのが妥当か…いやまて、今回動かなければ、いずれギルド
内の人物が怪しまれるか…」
マンシュタインは一人呟く。ここで、手を誤れば自身の破滅となる。慎重にならざるを得ない。
「ならば、アンダースンの裏をかいて、囮のハンターを始末することができれば……」
確かに、協力者を殺されたとなれば、アンダースンは今後、苦境に立たされることになる。
捜査もまともに行えなくなるだろう。
「ギルフォーデスは動かせんか……誰にやらせるか……」
囮ハンターを殺すのであれば、自分に忠誠心の高く腕の立つ人物が必要だ。今、ポッケ村に
いるギルフォーデスはその条件に合致しているが、アンダースンの監視が必ず付く、下手に
動かすことはできそうにない。
しばし、沈思黙考するマンシュタイン。と、不意に彼の脳裏に閃くものがあった。
「ふっ、ふふっ、そうか、その手があるか」
思わず笑みすらこぼれる。自ら思いついた妙案に彼は酔っていた。
「アンダースンめ、自らの策で自分の首を絞めるがいい」
暗闇にマンシュタインの低い笑い声が響いていた。
                              〜つづく〜
407名無しさん@ピンキー:2010/08/04(水) 21:07:15 ID:kuVZQmq0
以上でやんす。

後編は近日中に投下予定です。
良ければまた読んでやってください。

それでは
408名無しさん@ピンキー:2010/08/04(水) 22:42:58 ID:bWuSPROW
GJ!!
むぅ、これは期待…楽しみにしてます
409名無しさん@ピンキー:2010/08/04(水) 22:55:14 ID:U5uhEh4i
>>407
GJである
非常に面白しなのである
410名無しさん@ピンキー:2010/08/04(水) 23:24:18 ID:dA0POa74
GJ!
先が予想できないから楽しみだ!
411S.S.D.D.:2010/08/05(木) 04:31:46 ID:QfCm+QNG
続き。結構長くなるかも
今作はベルキュロス視点も入れてみた。
ちなみに、一部自己解釈があるのでご了承を。
412S.S.D.D.:2010/08/05(木) 04:33:10 ID:QfCm+QNG
そう、結局私はベルキュロスの採精をする事にした。
その方法とは・・・?
聞くな。
他にも方法があるだろ!?と、突っ込みたくなる方法だが、博士によると、
「リオレウスのような飛竜には、電気を使って射精へ至らせることが出来るのじゃが、ベルキュロスのような雷属性への耐性が飛び切り強い輩には、その方法だと通用せんかもしれん。」
確かにそれは頷ける。
ていうか、あんたやった事あんのか・・・?
経験豊富的な発言・・・
そもそも専門の者って・・・?

夜。
日は完全に落ち、私は未知の領域に踏み入れる準備をしていた。
射精の際に精を入れるガラス製の容器等だ。
初めは、わざわざガラス製の物にしなくても良いと思っていたのだが、今は心臓が止まりそうな位緊張していてそんな事は大して気にならなかった。
・・・正直、恐ろしい。
幾ら身動きが取れないとは言え、相手はあの舞雷竜だし、俗に言うキングサイズの個体だ。
しかも剛種。
手慣れのハンターを何度も返り討ちにしてきた、とんでも無い奴なのだ。
私は気を落ち着けるために、一度大きく深呼吸をした。
一端大きな恐れの感情を露わにしてしまうと、余計に相手に付け込まれてしまう。
しかし、護衛のハンターとギルドの役人達を晩餐に引き留めておく間にやらなければならない。
それまでまだ時間はある。
よって、心の準備を整える時間も十分にあるのだが、心の準備などと言っていると一生出来そうになかった。
“やる”のだったら、さっさと済ませたい。
私は一通り必要な物を脇に抱えると、”あいつ”がいる地下研究室へ歩みを進めた。

・・・・・・・
ここは・・・?
身体が怠い。
いや、確か私はハンター・・・に・・・
罠に掛かって・・・
はっとして起き上がろうとするが身体が全く動かない。
(クッ・・・)
脚を動かそうとするが、それを上回る力で引っ張られる。
今度は翼を動かしてみるが、結果は同じ。
自分の翼を、首を廻して見ようとするが同じように殆ど動かすことが出来ない。
それでも何とか見てみると、脚と翼に無骨な何かが巻き付いている。
しかも、狭い中に閉じ込められているようだった。
捕まったのだろうか・・・?
(・・・・?)
そう思ったその時、何者かの気配を一瞬感じた。
・・・・間違いない、何か来る・・・
反射的に身構えようとするが、当然出来ない。
威嚇の咆哮を上げようとするも、口が殆ど開かず、情け無い声が辺りに虚しく響くだけである。
足音は徐々に大きくなり、淡い光の点が闇の中に揺らめくのも見える。
その光を睨み付けるように凝視していると、その主の姿が闇の中に怪しく浮かび上がった。
当然ながら、人間だ。
しかし、見た目からしてハンターでは無いようだ。
それでも私は警戒を緩めない。
低く唸りながら、精一杯の怒りを込めた眼でその人間を睨み付ける。
微かにその人間の顔が恐怖に引き攣ったが、歩みを止める気配はない。
その人間は、私の右脚の所まで来ると、私を閉じ込めている囲いの隙間にその細い腕を入れる。
威嚇するのも忘れて怪訝そうに見ていると、いきなりその人間が私の脚をその小さな手で掴む。
振り払おうとするが、勿論動かせない。
結局私は、目を瞑って人間に身体をまさぐられる屈辱に耐える他なかった。
413S.S.D.D.:2010/08/05(木) 04:36:14 ID:QfCm+QNG
何故、こんな事を引き受けてしまったのだろう・・・?
左手でベルキュロスの右脚を掴みながら、今更思う。
だが、私が妥協で決めてしまったことだ。
同じように妥協するしかない。
予期していたよりベルキュロスが大人しくしてくれているので、
さっきよりは恐怖を感じない。
ふと、ベルキュロスの顔を見てみると、深い諦めにも似た表情が張り付いていた。
私は、深く深呼吸して一本の注射器をポケットから取り出す。
これは、マヒダケの濃縮エキスとその他の薬品を混ぜた物だ。
さっきまでベルキュロスを眠らせていた麻酔薬とは違う特殊な麻酔薬で、首から下の神経が麻痺するように作られている。
神経が麻痺すると言っても、感覚神経はそのまま残るので”この様な事”に持って来い・・・らしい。
私は左手で脚を押さえながら、鱗の隙間に注射器の針を突き立てた。
かなり太めの針だが、身体の大きい飛竜にとっては蚊に刺された程にも感じない筈だ。
それから少し時間が経つと、麻酔の効果が見え始めた。
酷く怯えたような、そんな感じでベルキュロスが懸命に身動ぎをしようとしている。
だが出来るわけ無い。
私は再び深呼吸をする。
ここからが、少々エグい作業になる。
雌雄の判別・・・
飛竜は、基本的には爬虫類と同様の身体のつくりをしている。
多くの種で雌雄の判別方法は一つしかない。
それは、腕を直接、排泄腔に突っ込んでペニスの存在を確認すると言うトンデモ法だ。
レウス・レイアのように外見で雌雄を判別できる方が稀な例なのだ。
私は、ベルキュロスの股間のソレに視線を向けた。

これは・・・一体・・・?
翼を動かしている感覚はあるのに、それが別の物であるように全く動いていない。
ああ・・・遂に殺されるのか・・・
咄嗟にそう思った。
私は今まで、私を狩ろうとしたハンターを何人も返り討ちにしてきた。
だが、それは己の身を守るためだ。
私は人間に対して何もしていない・・・していないのに、毎日のように命を狙われる。
こんな理不尽な事はない。
その時。
「グオォッ・・・!?」
突然下半身に走った猛烈な快感に、私は思わずそんな声を上げて(相変わらず声量は無いが)しまった。
まだ動く首を廻して見てみると、なんと人間が私の股間の排泄腔に腕を突っ込んでいるではないか!?
「グウゥ・・・」
抵抗しようとするが、身体は地味に動かない。
(やめ・・・あっ・・・)
その時、人間の手があるモノに触れた。
そう、雄の象徴に・・・
414S.S.D.D.:2010/08/05(木) 05:25:30 ID:QfCm+QNG
私は檻の中に入って、心の迷いを振り払うかのように、勢い良く腕をソレに突っ込んだ。
ソコの中はしっとりと湿っていて、まるでマグマのように熱かった。
流石に素手でする勇気はなかったので、博士に渡されていた肘まで覆うタイプの手袋を付けている。
・・・どうやらこれも専用品・・・らしかった。
こんなの狂っている。
確かに学者は、雌雄判別くらいは出来なくてはいけないのだろう。
しかし、飛竜にとってはたまった物ではないだろう。
ましては知能の高いベルキュロスだ。
恐らく、これを途轍もない屈辱に感じるはずだ。
こんな事をした後が怖かった。
勿論、明後日にはこのベルキュロスは古龍観測所へと送られるのだが。
その後どうなるかは知らないが、復讐なんて出来るはずがない。
そう無理矢理自分を納得させると、目の前のことに意識を戻す。
全てはこの作業の結果に掛かっているようなものだ。
もう、こいつが雌と言う事に賭けるしかなかった。
しかし同時に、雄だったときの覚悟も決めていた。
雄の飛竜を絶頂へといざなう事への抵抗を半ば強引に封じ込め、私は円を描くように排泄腔の中を探る。
その円はもう終わりそうだが、ソレらしき物は無い・・・・
そう思ったとき、私の手にナニかが触れた。
柔らかくもなく、固くもないソレにもう一度触れてみる。
(確かに・・・・コレは・・・・)
いや、違う。
「ははは、まさかね・・・・」
確認のために軽く握ってみたその時、
「グルァッ・・・!!」
小さいながらも、ベルキュロスが普段は絶対上げないであろう嬌声のような声を上げた。
「えっ・・・なんでそんな声上げんの・・・?」
思わず、ベルキュロスにそんな間抜けな質問をした。
答えは返ってくる訳がない。
(違うよね・・・コレ・・・)
しかし、未だ現実を受け入れられていない私の頭に、事実を突き付けるが如くその“固くも柔らかくもないモノ”が私の手の平を押しのけて、太く、そして長くなっていくのを感じた。
気付いた時には、ソレの先端が私の柔らかい胸に押しつけられるように当たっていた・・・・
415S.S.D.D.:2010/08/05(木) 05:27:55 ID:QfCm+QNG
眠い中書いたんで、いい加減な部分があるかも知れませんが、
見逃してくれたら幸いです。
次で終わり・・・になると思います。
416名無しさん@ピンキー:2010/08/05(木) 07:40:59 ID:ZH1V640/
二作ともGJなのだ
ギルドのお仕事はダークな感じがして面白い
417名無しさん@ピンキー:2010/08/05(木) 22:38:57 ID:rlhEJNpg
GJ、次の投下楽しみにしてるよ!
418名無しさん@ピンキー:2010/08/08(日) 22:19:55 ID:mc0BsH3O
「ギルドのお仕事」後編投下します。
14レス消費予定。
女ギルドナイト×女ハンター 異物挿入あり 
(誰と誰だかバレバレですな)
NGワードは同じく「ギルドのお仕事」でNGってください
419ギルドのお仕事 後編 1/14:2010/08/08(日) 22:21:27 ID:mc0BsH3O
そして、今、マヤは雪山に居た。身に纏っているのは耐寒性の欠片もないハンター用の防具、
それも街の駈け出しハンターに支給されるビギナーシリーズと呼ばれる白色の防具だった。
要するに、マヤのアイディアとは、自分が囮となって証拠をつかむというものだった。マヤが
新人ハンターの振りをして街から雪山に出発し、同時期にポッケ村にアンダースンとエルザが
赴き、不審人物を捕縛しようというものだった。真犯人がこの手口に味をしめて、同様の方法を
使うものと想定し、罠を仕掛けたというわけである。

当初、マヤのアイディアに二人は反対した。アンダースンは純粋にマヤの身を案じて、エルザは
ハンターへの不信感によりマヤを信用していないため、という差はあったが。
特にエルザは強く反対した、余計な手出しをするなと言わんばかりにマヤに詰め寄ったのだ。
「貴女は関係ありませんわ。ハンターならハンターらしく、トカゲの相手でもしていなさい!」
彼女自身の無自覚な傲慢さが言わせた言葉だったが、下手をすればギルドでの地位を失い
かねないほどの放言である。
「関係なくないです、あたしだって、ひょっとすると殺されてたかも知れないんです。それに欲の
ために人の命を奪うなんてこと、許しておけません!」
マヤもつられて怒鳴り返す。両手が堅く握りしめられ、怒りのためか小刻みに震えている。その
怒りは犯人と、恐らくエルザにも向けられたものだろう。
「そうは言っても、貴女だって、自分の欲のために飛竜を殺しているのでしょう!」
エルザの言葉は、彼女がなぜハンターを嫌っているか、その理由を表わしている。子供じみた
感傷と言ってしまえばそれまでだが、エルザは、ハンターを無為に命を奪って喜ぶ輩だと認識
している。
「そうですよ、ハンターですもん、否定はしません。生きていくためにやってることです」
しかし、マヤが彼女の暴言をあっさりと肯定したため、エルザは驚いた。マヤの反応は、彼女が
予想していたものとはずいぶんと違っていたからだ。
「では、殺された人たちも、犯人が生きていくために殺されたのだとしたら?」
明らかに詭弁である。それを意識しつつエルザは問うた。マヤがこれにどうこたえるか、マヤの
考え方に、マヤ自身に興味が湧きつつあった。
「あたしは法は犯してません。犯人たちは法を犯しました。それがあたしと犯人たちとの違いです」
マヤはあっさりと答えた。その真意をはぐらかすような至極まっとうな内容に、エルザは少し
落胆する。
「結局他人の考えた法に従う…貴女には自分の考えはないのかしら」
それでも、マヤから本音を引き出そうと、エルザは問い詰めてみる。
「あたしの考えなんか、この際関係ありませんよ。何の学も権力もないあたしの考えで、誰が
味方してくれるもんですか。そこまで周りが見えないほど、あたしは子供じゃありません」
マヤはゆっくりと語りだした。その口調は自分に言い聞かせているようにも聞こえる。
「結局、あたしが生きていくために、頼り利用すべきなのは、あなた達が作り上げた法と、それを
動かすギルドしかないんです」
そっけなく、吐き捨てるような態度でマヤは言う。エルザは、しばし無言で彼女を見つめた。
「ふふっ、貴女、ハンターよりもギルドの役人の方が向いているのではなくて」
しばらくして、エルザが肩の力を抜き、笑みを浮かべて軽口を投げかける。マヤの言葉で、彼女
を信用する気になっていた。その意思表示のつもりの軽口だった。
「勘弁して下さい、こんな書類だらけのところにいたら、三日で窒息しちゃいます」
マヤも緊張を解き、軽口を返す。公爵家令嬢であるエルザが、平民であるマヤに軽口を叩いて
いること自体が、彼女を信頼している事の表明となる。マヤにも、エルザの軽口の意味は理解
できていた。
二人はややあって、どちらからともなく笑いだした。
420ギルドのお仕事 後編 2/14:2010/08/08(日) 22:22:23 ID:mc0BsH3O
「っえくし!っと、そろそろね……」
マヤは寒さに耐えながら、雪山頂上付近より、双眼鏡で麓の村の方を観察していた。
聞き咎める人がいないためか、無遠慮なくしゃみをしている。
そろそろ、というのは犯人捕縛成功にしろ失敗にしろ、ポッケ村近郊から合図の狼煙が上がる
はずだからだ。狼煙を確認したら彼女はクエストを終了して帰還すればいい。
「あった!っと、ふむん、失敗ね…」
雪山の鉛色の空に薄墨を流したような煙が一筋、合図の狼煙に間違いなかった。
「さて、じゃ帰りますか」
さして気落ちした様子無く呟くと、マヤは雪山を下山し始めた。まずはベースキャンプまで戻らねば。
と、ベースキャンプ近くへ続く洞窟の入り口まで来た時、
「誰ッ!」
唐突にマヤは叫び、腰のハンターナイフを抜刀し身構える。
微かに人の気配がしたような気がした。
と、数度、乾いた破裂音がし、マヤの周囲に緑色の霧のようなものが一瞬湧き上がる。
「回復弾?」
その正体にマヤは気付いた。ボウガンにより運用される弾丸で、狙った対象に回復薬を飲ませる
ために利用される弾丸である。
「一体何を……っ!」
だが、すぐにマヤの眼は焦点を失った。四肢からも力が抜け、崩れる様に雪面にしゃがみ込む。
「な…によ…こ…れはっ」
両手を雪面に付き上半身を支えるが、手足が震えて力が入らない様子である。
どうやら、回復弾に、何か別の薬品が混入されていたようだ。
「ほう…まだ抵抗できるとは…並みの人間なら正体を失うほどの強さなのだが。さすがベテラン、
と言ったところか」
何者かが物陰から歩み寄ってきた。
「…だ…れ」
マヤは、動かない体に苦労して居る様子で相手を見やる。
「お前の蛮勇に敬意を表し、名乗ってやろう」
その男は、横柄に名乗りを上げた。
「わが名はゲオルク・マンシュタイン。ギルドナイツ第三旅団長である」
そう言うと、その男、マンシュタインはライトボウガンと思しきものを構える。恐らく
入手の簡単なクロスボウガンだろうとマヤは当たりをつけた。
再度ボウガンを発砲する軽い音がして、回復弾が数発、撃ち出される。
「……っひ!」
またも謎の薬品を撃ち込まれ、一度痙攣するようにのけ反った後、マヤは雪面に力なく倒れ
伏した。
「飛竜が交尾の際に分泌する毒から抽出した媚薬だ。人の身ではしばらく言葉も発せまい」
そう言いながら、念のため再度ボウガンへ媚薬入り回復弾を装填する。
「貴様自身には恨みはないが、アンダースンへの警告だ。ここで死んでもらう」
念のため、マヤの落としたハンターナイフを遠くへ蹴飛ばし、マヤの近くへしゃがみ込む。
「他の女ども同様、貴様もフルフルに…」
そう言いながら、マヤの体に手を伸ばしたその時、
「そこまでにしておきなさい」
背後から落ち着いた声が掛けられる。慌てて振り向くマンシュタイン。
「貴様ッ!アンダースン!何故ここいる!?」
背後を振り返ったマンシュタインの視界に、アンダースンとエルザの姿が飛び込んできた。
「やはり貴方だったのね。王国貴族として恥を知りなさい!」
エルザが怒りを込めた表情で叫ぶ。
「申し訳ありませんが、貴方を捕えさせていただきます。マンシュタイン閣下」
アンダースンはいつも通りの平然とした表情で告げる。だがその目は、怒った飛竜にも似た
鋭い眼差しでマンシュタインを睨み付けていた。
「クッ!囮捜査その物が罠だったとでも言うのか?」
「おっしゃるとおりですよ」
421ギルドのお仕事 後編 3/14:2010/08/08(日) 22:23:12 ID:mc0BsH3O
ここにいたり、ようやく事態を把握するマンシュタイン。アンダースンとエルザはポッケ村で
待機する振りをして雪山に来ており、ずっとマヤを監視していたのだ。その結果、
マンシュタインは犯行の一部始終を目撃される破目になった。さらには自分より身分の高い
エルザまでいては、王国内での自身の地位を利用して事態を揉み消すことも難しい。
マンシュタインはこの窮地を脱するべく、その頭脳を全力で回転させていた。そのことを示す
汗が、大粒となって彼の額に浮かんでいる。
そして、傍らに倒れ伏している女ハンターに思い至った。
「フッフフフハハハハ!だが貴様は、この女を見捨てる事は出来まい!」
咄嗟に倒れ伏したマヤに向かい、クロスボウガンを突き付けた。
「さあ、下がれ。さもなくば、この女を殺す!」
「しかたありませんねぇ、マヤさん」
しかし、特に慌てる様子もなく、アンダースンが溜息とともにマヤに呼びかけた。
直後、唐突にクロスボウガンがひったくられ、マンシュタインは腹部に強い衝撃を受ける。
「がはっ!」
思わず苦痛の呻きをもらし、膝をつく。
「な、馬鹿な?」
慌てて顔を上げると、そこには蹴りを放った後、素早く立ち上がり彼のクロスボウガンを
構えたマヤの姿があった。
「なぜだ、媚薬でろくに力も入らんはずだ。なぜ貴様が動ける?」
半ば茫然と呟く。
「この媚薬。ティガレックスの雄の生殖器にある分泌腺からとれたものですってねぇ?」
マヤがいつもの大人しめの雰囲気をかなぐり捨てたような、凄みのある声で告げる。
「あたし、この毒にはちょっと耐性があるんですよ」
「ま、まさか貴様があの…」
マンシュタインはある事実を思い出していた。この媚薬は、あるハンターがティガレックスに
犯された事故により発見されたものだということを。そして、その事故の被害者は、まだ
若い女のハンターであったということを。
「そう、あたしのおかげで、見つかったんですよねぇ、この毒」
これこそが、アンダースンがマヤを囮にすることを承諾した一番の理由だった。世界中を探しても
この耐性を持つ若い女性ハンターなど、彼女以外に居はしない。
マンシュタインに、殺気の籠った壮絶な笑顔を向けるマヤ。
「それをよくもこんな事に使ってくれましたね」
一歩、マヤはマンシュタインの方へ踏み出す。威嚇するように、クロスボウガンの狙いをぴたりと
つける。
「アンダースンさん!」
急かす様に叫んだマヤの声に答え、アンダースンはマンシュタインに近付いた。
と、その時
「閣下!」
叫び声とともに、何者かが麓へ通じる洞窟から飛び出してきた。
「ギルフォーデス!どうしてここに?」
エルザが、その人物の正体に驚いて声を上げる。
「ック!やはり貴様らをつけて正解だったようだな!」
そう叫びつつ、ギルドナイトセーバーを抜刀し、マヤへと斬りかかる。
その鋭い斬撃に、マヤはマンシュタインの身柄を諦め、大きく飛び退かなければならなかった。
追撃を恐れ、さらに横に走り距離をとるマヤ。
しかし、ギルフォーデスは追撃を行わなかった。マンシュタインの前に立ち、その場の全員を
威嚇するように睨む。
「閣下、ここは引いてください。村には私の隊がおります」
そのまま振り向かずに、マンシュタインに語り掛ける。
「しかし、奴らには証拠を握られているんだぞ!」
マヤを忌々しげに睨みながら、マンシュタインが叫び返す。
「そんなもの、ここでならどうにでもできます。まずは隊へ!」
よほど自分の腕と部下に自信がある様子のギルフォーデスに、マンシュタインの顔にかすかに
余裕が戻る。
422ギルドのお仕事 後編 4/14:2010/08/08(日) 22:23:55 ID:mc0BsH3O
「わかった。すまん、ここを頼む」
それだけ言うと、恥も外聞も無く脱兎のごとく駆け出すマンシュタイン。
「お二人は、マンシュタインを追ってください」
マヤは、ギルフォーデスから視線を外さずに言った。
「しかし、それでは…」
「あなた一人で相手をなさるつもり?」
それは、ギルフォーデスの実力を知る二人には自殺宣言としか聞こえない。いかなベテランの
域に達しつつあるマヤであっても、ギルドナイトの中でもトップクラスの実力を持つギルフォーデス
に、敵うとは思えなかった。
「大丈夫、あなた達の邪魔は絶対にさせません」
「死ぬ気ですの?」
マヤの決意に満ちた言葉は、かえってエルザを不安にさせる。
エルザの態度からは、いつの間にか、マヤへの反感が消え去ってしまっていた。
「早く行ってください。ここでマンシュタインを逃すわけには行きません。それに、あたしには余り
時間は残ってないんです」
悲痛に聞こえる声でマヤは二人に訴える。
「分かりました。ここはお任せしましょう」
「監理官!」
アンダースンが了承の意思を告げる。叱責の様なエルザの呼びかけを無視し駆け出した。
「あぁ!まったく!」
慌ててエルザも後を追う。アンダースンは肉体的には一般人と大差ない。ギルドナイトである
マンシュタインを捕らえるには、エルザの力が絶対に必要だ。
「いいこと!必ず追いつきなさい!」
エルザの捨て台詞を聞いてマヤは少し笑った。なんのかんの言いつつ、エルザが心配してくれて
いることが、可笑しくもあり嬉しくもあった。

「監理官。ギルフォーデス相手にマヤ一人では無理です。せめて私と一緒に当たるべきでは?」
アンダースンの後から駆けつつ、エルザは尋ねた。
「マンシュタインがギルフォーデスの隊に合流したら、まず捕らえることができません。
今は彼が村に着く前に、身柄を押さえることが先決です。それに…」
アンダースンは何かに耐えているような口調だった。
「マヤさんに耐性があるとは言え、完全に効果を無効化できるわけではありません。徐々に
効果が出てくるはずです」
「それなら、なおさら…」
「ギルフォーデスに気付かれてしまった時点で、私達の負けだったのです」
エルザの言葉を遮り、血を吐くようにアンダースンは続けた。
「そこから逆転しようとするなら、この程度の無茶は覚悟しないといけないでしょう」
彼は一度ならず二度までも、マヤの命を盾にしてしまった自分の無能を呪っていた。厳密には
部下ですらない彼女の、好意から来る信頼を自分のミスを取り戻すために利用した。
「今は、彼女を信じるしかありません」
アンダースンは自分への怒りをぶつける様に、懸命に雪面を駆けた。
423ギルドのお仕事 後編 5/14:2010/08/08(日) 22:24:41 ID:mc0BsH3O
駆け去っていく二人を見ても、ギルフォーデスは動こうとはしなかった
「あれ、いいんですか。止めなくて」
マヤがからかう様な口調で挑発する。
「ふん、貴様がさせんだろうに。それに、貴様を殺してからでも、充分間に合う」
「なるほど、あたし一人殺すのに、さして時間は掛からない、と」
「そうだ、だが、貴様の態度次第では命は助けてやってもいいぞ」
ギルフォーデスは好色なスケベ爺いそのものの態度で、マヤの均整の取れた肢体を舐める様に
視線を這わせながら言い放つ。
「…それって、こういうことですか?」
軽くため息をつきつつ、マヤは防具側面の止め具を外した。胸と腹部を覆っていた鎧が音を
立てて雪面に落ちる。マヤの白い肌と、並より少し大きい胸があらわになった。
アンダーウェアはまだ身に着けているものの、それは極端に布地の少ないゴルトクチュール
呼ばれるものだ。
「ほう、物分りがいいじゃないか。それともただの淫乱か?」
「さあ?試してみます?」
嘲りを含んだ声で言うギルフォーデスに、マヤは媚びる様な上目遣いで応じた。
「武器を置け、剥ぎ取りナイフもだ」
その声に従うマヤ。マンシュタインから奪ったボウガンとナイフを地面に置く。
「これで、いいですか?」
他の武器が無いことを示すように、両手を広げた。
ギルフォーデスはマヤに無言で歩み寄ると、いきなり彼女の乳房を鷲掴みにする。
「っあうぅ」
「なかなかいい声を出すじゃないか。ん?」
その愛撫とも呼べない無遠慮な感触に、マヤはわずかに身をよじり、甘い悲鳴を上げた。
「おっと、逃げるなよ。このまま心臓を一突きしてやってもいいんだぞ」
その言葉にマヤは頭を振り、体を硬直させる。
「そうだ、それでいい。ちゃんとしないと時間稼ぎにならんぞ?」
その言葉に、マヤはギクリとした表情でギルフォーデスを見た。男の顔面には勝ち誇った
笑みが浮かんでいる。
「どうした、図星か?その程度のことに、気付かれずに済むと思ったか?」
「あっ、ああっ!イヤァ!やめて!放して!」
マヤはかすれた声で悲鳴を上げると、遮二無二に暴れ始めた。
「おっと」
ギルフォーデスが、暴れるマヤを組み伏せようと両手で彼女の肩を掴む。
「いい加減に諦め……」
だがその時、マヤは一瞬自由になった右手を、まだ腰の後についていたアイテムポーチに
突っ込んだ。そして引っ張り出した物を足元に叩きつける。猛烈な勢いで吹き上がる毒々しい
色をした煙。
「何?…ゲホッ…これは…ゲホッ…毒けむり球だと?…ガホッ」
毒けむり球とは、毒テング茸の粉末を利用した道具で、通常は昆虫を退治するために使われる
もので、人体にはそれほど影響はない。とはいえ、まともに吸い込めばしばらく呼吸を乱し、行動
を妨害する程度の効果はある。
この隙を突き、マヤは必死に逃れ、ギルフォーデスとの距離をとる。
「貴様ぁ、生意気な真似を」
「いやぁ!く、来るなぁ!」
ゆっくりとマヤに向けて歩を進めるギルフォーデス。怒りが込められたその言葉に、マヤは取り
乱した様子で、手当たりしだいに石ころを投げつける。たかが石ころと侮るなかれ、飛竜相手には
牽制にもならないが、こぶしほどの大きさがあるそれを人間がまともに喰らえばタダでは済まない。
「ふん、こんなものでどうにかなると…」
ギルドナイトセーバーを抜刀し、余裕を持って飛来する石ころを次々と切り捨てていく。と、三つ
ほど切ったところで、飛んできた石ころがパシャッと湿った音を立てた。同時にギルフォーデスの
体に液体が掛かり、特徴的な匂いが立ち込める。
「ペイントボールだと?」
「んふっふー、引っかかりましたね」
先ほどまでの狂態はどこへやら、計算通りと言わんばかりの態度で、マヤは薄く笑う。
424ギルドのお仕事 後編 6/14:2010/08/08(日) 22:25:35 ID:mc0BsH3O
「どこまでも生意気な真似を……いいだろう、貴様に女の有り様を教育してやる」
こみ上げてくる怒りを戦意に置き換えるように、ギルフォーデスは低く唸る。
「あたしも、いけ好かないギルドナイトをボコれるチャンスは滅多に無いですからね。楽しませて
もらいますよ」
嫌味のある薄い笑いを顔面に貼り付けたまま、マヤはギルフォーデスを挑発した。
「よく吠えたぁ!その言葉後悔させてやる!」
効果てき面、顔どころか耳まで真っ赤にして絶叫するギルフォーデス。
「そう簡単にいくかしらッ!」
マヤは叫ぶと、自分の足元に何かを叩きつけた。もうもうと発生する白い煙。
「今度はけむり玉だと?」
何のつもりだ、と言いかけてギルフォーデスは自分が罠に嵌められたことに気が付いた。そう、
けむり玉からの白い煙と雪山の白い景色により、視界はほぼゼロ。しかし、自分の居場所は
ペイントボールの匂いとかすかに立ち上るピンクのけむりで、マヤに把握されてしまう。
「ようこそ、あたしのテリトリーへ。あたしにとってここは庭のようなもの、目をつぶっても歩ける
んですよ。でも、あなたはどうかしら?」
いきなり、石ころが飛んできた。かわし切れず頭を掠める。
「くそっ、汚いぞ。卑怯者!堂々と勝負しろ!」
自分のことはまるっきり棚に上げてギルフォーデスは叫ぶ。
ギルフォーデスにとって、ハンターと一対一で戦うのはこれが初めてだった。確かに
訓練では負け知らずだったが、実際の任務では常に相手より多い人数で挑むか、一人の
任務でも標的が酒場や自宅に居る時などに不意を打っていただけだったのだ。そして
その時は一対多数の不利な状況になっても、必ずギルドからバックアップを受けていた。
ギルフォーデスは意識していなかったが、本当の意味での一対一、しかも相手が襲撃を受ける
ことを想定している状況下での戦いというのは、これが初めてなのである。
「卑怯?汚い?敗者のたわ言は気持ちいいですねぇ」
おほほほほ、と癇に障る作ったような甲高い笑い声を上げて挑発を繰り返すマヤ。
ギルフォーデスは滅多矢鱈と剣を振り回すが、驚異的な殺傷力を持つはずのその刀身も、
今は空を切るばかりだった。
そうしているうちに、石ころの直撃を受けてしまう。
「街中ならともかく、狩場でハンターにケンカを売ったらどうなるか、教育してあげます」
わざわざ相手を見下した態度で、マヤはさらに相手を挑発する。
「お、おのれぇぇ!」
だが、徐々に煙が晴れつつある。一瞬でいい、姿が確認できれば、とギルフォーデスは目を
凝らす。
再度石ころが飛んでくる。その先にかすかに人影が見えた。
「そこだ!」
石ころに当たるのも構わず、がむしゃらに突っ込む。また石ころが飛んできたが、慌てたのか、
自分の手前に落ちそうだ。そう判断したギルフォーデスはさらにスピードを上げる。
とたん、キンッと、澄んだ炸裂音が響いた。
石ころと思ったものは、彼の眼前で炸裂し、強烈な光を放ったのだ。
「がぁっ!め、目が!目がぁ!」
最後に投げつけられたのは、閃光玉だった。通常、狩に使うときは仲間同士で合図をし直視
しないようにするものだ。なにせ、飛竜の視力すら奪うことができるほどの閃光である。人間
がまともに見てしまったら、しばらく視界が白く焼け、すぐには戻らない。それどころか、あまり
の眩しさに目に激痛を感じてしまうほどだ。現にギルフォーデスもとっさに動きを止め両目を
手で覆ってしまっていた。
「じゃ、そろそろ止め刺してあげます」
まて、と呻くように言うギルフォーデスを無視し、冷徹にそう宣告するとマヤは拳を構えた。
手に何かの牙のようなものを握りこんでいる。
「くらえ!ひっさつゲネポスの牙ぁ!」
やる気の無い掛け声とともに、ギルフォーデスの顔面にマヤの拳が叩き込まれる。同時に
握りこんだゲネポスの麻痺牙が浅く刺さり、牙に蓄えられていた麻痺毒が注入される。
ゲネポスの麻痺牙にはその名のとおり、麻痺毒を分泌する毒腺が備わっている。
この麻痺毒は、ゲネポスが死んでも一定量は牙の中に蓄えられており、牙に衝撃が加わると
外部に噴出するようになっている。飛竜にすら有効なこの麻痺毒を人間が喰らえば、ただでは
済まない。
425ギルドのお仕事 後編 7/14:2010/08/08(日) 22:26:22 ID:mc0BsH3O
「がっ!」
たちまち体が麻痺し、うつぶせで地面に倒れこむギルフォーデス。しかし、このような不利な
状況下に在っても、不屈の闘志で逆襲の機会をうかがう。いかに不利な状況とはいえ、彼の
剣が当たれば満足な防具をつけていない小娘など、一撃で殺せるからだ。一撃、一撃でいい、
一瞬でも隙があればそれを叩き込む。だが今は周囲の音を聞き逃さないようにすることしか
できない。
彼の周囲では、何か重いものを引きずるような音が聞こえてきた。それ以外マヤは手出しを
していない。
どちらにせよこれはチャンスだ、とギルフォーデスは考えた。今のうちに視力を回復し、麻痺を
解かねばならない。だが、彼の地獄はまだ終わっていなかった。
やがて、周りの音が聞こえなくなると、替わりにマヤの声が聞こえてきた。
「こいつで止めです。ちょーひっさつマヤちゃんダイナマイッ!」
「ちょ、やめ…」
マヤの言葉の意味をとっさに理解し、制止しようとするものの、マヤが石ころを投げつける方が
早かった。石ころが飛び行く先は、ギルフォーデスのそばに無造作に置かれた大タル爆弾G。
ちゅぼぉぉぉぉぉぉん、と轟音とともにそれは炸裂し、ギルフォーデスの自由にならぬ体を大空へ
と舞い上げる。
「こ、この女、容赦ねぇ…」
その言葉を最後に、ギルフォーデスは意識を失った。

「やれやれ、ぎりぎりですね」
ギルフォーデスが倒れたことを確認したマヤは、安堵のため息をついた。
実際、まともに勝負したらギルフォーデスの圧勝だっただろう。マヤには彼の太刀筋がまったく
見えなかった。散々挑発した後、闇雲に振り回していた時ですら手が出せなかったのである。
正面きって斬りあったら、一合の下に首を飛ばされていただろう。
マヤは今更ながらに、首筋にゾクリと怖気が走るのを感じた。と、同時に体のあちこちが、ゾクゾク
しだしていることにも気が付いた。媚薬が効果を発揮してきているのだ。
「本当に、ぎりぎりね」
マヤはそう呟くと、アイテムポーチからロープを取り出した。すでに、手がかすかに震えている。
そのロープは、蔦と蜘蛛の巣の軸糸をより合わせて作られたもので、ハンターが仕留めた獲物を
拘束する時に使われるものだ。適切に扱えば飛竜すらも拘束ができるほどの、強度の高いロープ
である。人間が簡単に引きちぎれるような代物では無い。
「念のため、拘束させてもらいますよ」
そう言って、手際良くギルフォーデスを拘束してゆく。
「……ッはぁ」
マヤの呼吸が乱れつつあった、本当に危ないところだったのだ。最初から罠にかけ短期決戦を
挑むつもりでいたのだが、それでも危なかった。本来、マヤのこの準備はマンシュタインが
アンダースン達が到着する前に手を出してきたら使うつもりだったものである。一片の容赦も
する気のなかったマヤだったが、そのことが逆に、ギルフォーデスを相手にして圧勝という結果を
もたらした。
「これで良し……って、何やってんだあたしは」
念を入れて拘束していたはずが、気がつけば、亀甲縛りにしたうえで、後ろ手拘束、足首と
背中が結ばれて逆エビ反りになっているという、大変お恥ずかしい有様になっていた。
「ま、いっか。もともと罪人を逃がさないための縛り方だって言うし」
媚薬が効き始め、集中力が落ちたのだろう、結局自分の縛られ慣れているやり方になって
しまったようだ。
ふと、マヤの耳を、何か大きな音が刺激した。意識して音に注意を向ける。あえてそうしないと、
音が判別できなくなりつつあった。
「そろそろ、本格的にやばいな。っと、この音は……っ!」
上空から響いていたその音は、やがてゆっくりと山のふもとの方へと移動してゆく。
「あの二人じゃ…危ない」
音の正体に気がついたマヤは、慌てて駈け出した。
426ギルドのお仕事 後編 8/14:2010/08/08(日) 22:27:09 ID:mc0BsH3O
一方、マンシュタインを追った二人は、山の麓の湖のほとりで、どうにか追いついていた。
「…ッそろそろ……ッ観念なさい!」
山から全力で駆け下りてきた三人の内、一番若いエルザが息を切らせつつ声を上げる。
残りの二人、マンシュタインとアンダースンはそれどころではない、二人とも完全に息が上がり
まともに喋ることなどできそうにない。本来、書類相手の仕事しかしていないアンダースンに
いたっては、へたり込む寸前の有様だった。
「はッ……だれッ…がッ」
マンシュタインは、それだけ毒づくと、ポーチから角笛を取り出した。口にあて、思いっきり吹き
鳴らす。
「ッ!させない!」
突っ込んで止めようとするエルザを、ぎりぎりでかわす。
笛から放たれた乱れた呼吸による切れ切れの音波が、雪山の鉛色の空へと響き渡る。
そもそもこの角笛は、飛竜などの大型モンスターを呼び寄せるために使われるものだ。
そして、今この雪山に飛来している大型モンスターと言えば、
「フルフルを呼び寄せるつもりですの……?」
フルフルがここに来てしまえば、エルザはアンダースンを、フルフルから守らなくてはいけなくなる。
そうなってしまえば、マンシュタインの逃走を阻止することは不可能だろう。
「どこまでも……悪あがきをッ!」
焦るエルザと、ぎりぎりを見計らって彼女の手を逃れるマンシュタイン。
「ハッ……老いたりと言えどッ……まだ、貴様のようなッ……小娘には…後れは取らんッ」
もみ合うことしばらく、一進一退の攻防が続く。
状況を変化させたのは、息を整えたアンダースンだった。隙を見て、マンシュタインの腰に、
飛び掛かるように組みつき、そのまま体重をかけ、動きを封じる。
「貴様っ!」
マンシュタインが叫ぶが、一瞬早くエルザが彼の両腕を捕え、組み敷く。
「ここまでですわ!」
だがその時、大きな羽音が三人の耳朶を打った。
「どうやら、諦めるのは貴様らのようだな」
組み敷かれながらも、余裕を取り戻したマンシュタインが薄く笑う。
「早く逃げたほうがいいぞ」
「クッ…」
エルザは唇を噛みしめた。アンダースンを見やって叫ぶ。
「監理官は、ベースキャンプへ避難していただきますわ!」
「しかし…」
「口答えは許しませんことよ!早く!」
何かを言いかけるアンダースンを遮ってまくしたてる。
「ふ、もう遅い」
ゆっくりと羽音が大きくなってくる。フルフルが鉛色の空から、その白い巨体を降下させていた。
「もう、ここまで来ましたの?……きゃっ!」
思わず振り仰いでしまったエルザを蹴飛ばし、アンダースンを振り払うマンシュタイン。
「俺の勝ちだな」
勝ち誇った顔で笑う。
と、その時、着地寸前だったフルフルの頭部に何かが投げつけられた。
ぱっと薄茶色の煙が上がり、猛烈な臭気が鼻を突く。
「何ッ、何だこれは」
そのあまりにあんまりな臭いに、マンシュタインは咄嗟に鼻を押さえ、動きを止めてしまった。
アンダースンなどはまともに臭気を吸い込んでしまったようで、猛烈に咳き込んでしまっている。
直接鼻先にぶつけられたフルフルはもっと悲惨だったらしく、思わず同情したくなるような
悲痛な声で咆えると、着地せずにその場で上昇に転じた。そのまま追われる小鳥のように
ジタバタと無様に羽ばたき、一目散に逃げだす。
427ギルドのお仕事 後編 9/14:2010/08/08(日) 22:27:49 ID:mc0BsH3O
「……エルザ…ッさん……今ですッ!」
こちらも、鼻を押さえていたエルザであったが、その弱々しい声に咄嗟に体が反応した。
突然の事に未だ事態を把握できていないマンシュタインに駆け寄ると、渾身の力を込めた拳を
彼の顎にたたきこむ。
エルザの一撃を受けたマンシュタインの頭がガクンと揺れ、空気が抜けるような悲鳴と
ともにその場に崩れ落ちた。エルザの狙い通り、脳震盪を起こしたようだ。
「なんてものを使いますの!貴女は!」
だが、エルザは勝利の余韻に浸ることなく、声の主に叫んだ。
「……こやし玉……マズかった…ですか?」
山腹に口をあけた洞窟から、息もきれぎれのマヤが顔を出す。
マヤは山頂近くでフルフルの羽音を聞いてから、洞窟内を全力で駆け下り、かろうじて
この場に間に合わせたのだった。
ちなみに、こやし玉というのは、モンスターの糞を利用した道具で、強烈な臭気でモンスターを
追い払う事が出来るという、便利なものだ。ただ、追い払った人間の方も、その場に居たく無く
なるという、重大な欠点を持つ。
「マズいとかそういう問題でなく…」
「……いえ、大変助かりました」
なおも文句を続けようとするエルザを遮って、息を整え、なんとか話せるまでに回復した
アンダースンが声をかけた。
「よ、かった…」
とさり、と小さな音を立てて、マヤが倒れた。
「ちょ、大丈夫ですの!?」
「私がマンシュタインを拘束しておきます。貴女はマヤさんを!とりあえずベースキャンプへ!」
慌てて二人は行動に移る。マヤを担ぎ上げたエルザは、その体の軽さに驚いた。
「こんな体で、よく頑張りましたわね…」
思わず優しげな呟きが漏れる。
が、その時、エルザの耳をマヤの乱れた吐息が不規則にくすぐった。
「…ッひ!」
不意に背筋に走った衝撃に、一瞬体が硬直する。
下腹部から熱い欲望が背筋を通り、耳を熱く赤くさせている。そのことを自覚したエルザは、
欲望を振り払おうと即座に頭を振った。
(わたくしも、マヤも女ですのよ。何をしているの)
心の中で自分を叱り飛ばし、マヤを担ぎなおす。
しかし、ベースキャンプまでのわずかな距離の間、エルザは数回、同じ理由で立ち止まること
となった。

428ギルドのお仕事 後編 10/14:2010/08/08(日) 22:28:40 ID:mc0BsH3O
どうにかベースキャンプに辿り着いたエルザは、そこにある簡易寝台にマヤをそっと横たえた。
「んっ…あ、エルザ…さん」
マヤがうつろな目を開き、呼びかける。
「どうしましたの?」
今までのエルザからすれば、にわかに信じがたいほどの優しげな、だが、微かに熱を持った
声でエルザが答える。
「…ギルフォーデスと…マンシュタインは…」
「大丈夫ですわ。監理官が手配しておりますから」
マヤの疑問に、エルザが答える。アンダースンは待機させていたネコタクを使って、拘束した
二人を街まで護送する準備をしていた。
「…そう…ですか…よかった」
マヤは喘ぐように溜息をつく。
「それもこれも、貴女のおかげですわ」
エルザが素直にマヤを褒めた。マヤにとってエルザからの初めての称賛だった。
「ふふっ…何か…くすぐったい…ですね」
そう、弱々しく笑うマヤの手を、エルザが優しく握る。
「いいえ、貴女は素晴らしい人ですわ。ハンターにしておくのが勿体ないくらいに」
エルザはそのまま熱っぽく語りかける。
「貴女をギルドナイトに推薦したいくらいですわ」
「やめてください…そんなガラじゃ…無いです…」
エルザを見つめ返しながら、マヤが微笑む。
「あたしは…貴族でも…無いんですよ」
「そんなことは関係ありませんわ。もし必要なら、貴女をわたくしの従騎士としてしまえば
いい事ですわ」
ただの思い付きだったが、エルザはこのアイディアをいたく気に入った。
「そうですわ、貴女、わたくしの従騎士におなりなさい。そうすれば…」
そこから先を言葉にしようとして、エルザは愕然とした。彼女は、「そうすれば、いつもそばに
居られる」そう言おうとしていた。いつの間にかエルザは、マヤを自分のものにしたがっていた。
(わ、わたくしは、一体何を、女同士ですのよ?)
胸が何時になく高鳴っているのを自覚する。体がかすかに火照っていた。
(マヤの体に着いていた媚薬を吸ってしまったのですわ。そうでなければこんな…)
体の火照りが疼きとなり、エルザの理性を少しずつ削り取ってゆく。
「……ッはあ…エルザさん…後は……一人で…大丈夫…ですから……」
「とても大丈夫には、見えませんわね。それに…」
苦しそうに切なそうに訴えるマヤに、優しく妖しく語りかける。
「一人になって何をなさるつもりでしたの」
「……何って…」
思わず黙り込んでしまうマヤ。そのもじもじと身もだえしている肢体と、いやらしく
すり合わされている太ももが、彼女が何を望んでいるか、明確に示していた。
そのマヤの痴態が、危うくなったエルザの理性をさらに侵食する。
「…あの……ッはあ…エルザさん…どうかしま…」
言いかけたマヤの口をエルザの口が塞いだ。震えるマヤの唇をエルザの舌が優しくなぞる。
抵抗することもできず、力なく緩められたマヤの唇を、思う存分蹂躙してゆく。
エルザは、マヤの唇をたっぷり味わうと、彼女の口内にぬるりと舌を侵入させた。
マヤの舌を絡め取り、ゆっくりと舐めあげ、音を立てて啜る。すでにマヤは抵抗するそぶりも
見せず、エルザのなすがままとなっている。
散々にマヤの唇を味わい、ようやくエルザは彼女の口を開放した。二人の口を結ぶ光る糸が
切れて落ちる。
「…貴女がいけないんですのよ」
エルザは少しの後ろめたさを、その上気し色欲に満ちた表情ににじませながら、呟くように
告げる。
「そんないやらしい声で喘ぐから」
429ギルドのお仕事 後編 11/14:2010/08/08(日) 22:29:30 ID:mc0BsH3O
「…エルザさん……駄目ですぅ…っん……あたしみたいなの…相手にしちゃ……あなたが」
涙目になって必死に首を振るマヤ。この期に及んで、エルザの社会的地位を気遣うあたり、
下手をすれば、エルザより正気が残っているかもしれない。
「構いませんわ。わたくしは貴女が欲しい。欲しくてたまりませんわ」
また、強引なキスをする。横たわっているマヤの体の下に腕を回し、ぎゅっと抱きしめた。
「…っんん!」
マヤの体が微かに痙攣する。抱きしめられたことで、快楽に耐えていた理性が崩壊しつつあった。
「んはぁっ、あぁ、だめぇ」
マヤの口を開放したエルザの舌は、そのまま首をなぞり、胸元まで滑ってくる。そして、その
舌先で器用にマヤの胸を覆うゴルトクチュールを押しのけた。
「ああぁ、や、やめてぇ、くださいぃ」
ぷるんとまろび出た胸の先端が、外気に触れる。その感触がマヤに新たな快楽への期待を
抱かせた。それを必死に押し殺し、エルザに制止を求める。
「ふふ、こんなに堅くとがらせて、説得力がありませんわよ」
エルザが笑いを含んだ声で指摘する。
「声もいい感じに蕩けてきましたわね」
「い、言わないでぇ…んはぁっ!」
胸の先端の淡い色の果実を、エルザが舐めた。見せつける様に大きく舌を出し、ゆっくりと味わう。
「んっ…くふぅ」
「んふふ、美味しい。女の子のおっぱいが、こんなに美味しいとは思いませんでしたわ」
また、マヤの胸にむしゃぶりつくように、乳首を責める。もう一方の乳首も、手で弄り始めた。
「…あっ…ああ……んっ」
マヤはすでに抵抗できなくなっていた。体を焼き焦がさんばかりに燃え上がった淫欲の炎が、
残っていた微かな理性をあぶり、快楽に身を任せる以外の選択肢を焼き捨てていた。
「…だ、だめぇ」
それでも、かろうじて残った最後の理性が、断末魔の悲鳴のごとくに声を出させた。
「え、駄目ですの?」
エルザが残念そうに口を離した。
「では、貴女の恥ずかしいところが、濡れていなかったらやめてあげますわ」
にやりと意地の悪い笑みを浮かべると、エルザはマヤの下半身の防具を外し始めた。
「…え……いや、駄目、見ちゃ駄目ぇ!」
わずかに戻った理性により、自由にならぬ体で抵抗しようとするマヤだが、出来た事といえば
かすかに体を揺らした事だけだった。
「ほうら、やっぱりもうヌレヌレですわね。そんなにわたくしの舌が気持ちよかったのかしら?」
下着の上からでも、くっきりわかるほどの染みを作ったマヤの股間を眺めながら、エルザは
楽しそうに笑う。
マヤは顔を羞恥で赤く染め、横を向いていた。恥ずかしくてエルザを直視できない。
「どうですの?」
「んひゃぁ!」
言葉とともに、下着越しに敏感な部分を撫でられた。思わず声が上がり、背筋が引きつる。
「ちゃんとおっしゃい。わたくしの舌はいかがだったかしら?」
「き、気持ち、良かったです…」
ついに認めてしまう。耐えねばと思っていた理性が崩壊していく快感に、マヤは翻弄されていた。
「もっとしてほしい?」
顔を寄せ、マヤの耳元で、熱い吐息とともに尋ねるエルザ。
「して、ほしい、です」
マヤにその誘惑を断ち切る理性は、もう残ってはいなかった。
「ふふっ、そう?」
艶然と微笑み、ゆっくりと上体を起こすエルザ。自ら纏った防具を外し、結い上げた髪をほどく。
豊かな金髪が、流れるように彼女の均整の取れた肢体を縁取った。
430ギルドのお仕事 後編 12/14:2010/08/08(日) 22:30:39 ID:mc0BsH3O
その様子をマヤは眩しそうに眺める。
「……きれい」
逆光により、まるで燐光を纏うように薄暗がりの中から浮かび上がるエルザの肢体は、同性の
マヤをして、そう思わざるを得ない神々しさがあった。
「さあ、行きますわよ」
ゆっくりとマヤに覆いかぶさる。
お互いの体温と体臭が、より強く官能を刺激する。
素肌同士が触れ合い、エルザの引きしまった乳房が、マヤの少し大きめのそれに埋没していく。
「ひっ……くぅん」
「いいですわ!まるで貴女のおっぱいを犯しているような気分ですわ!」
知らず知らずのうちにマヤは自分から胸を突き出し、より深くエルザを迎えようとしていた。
胸の先端の堅くしこった蕾同士が、お互いを弾き、二人に閃光の様な快楽を送り込む。
「ああん!」
何度目かの閃光に、エルザの腰がかくっと落ちた。その下には無防備に投げ出されたマヤの
股間がある。
「ひぃぃっん!」
敏感な三つ目の突起に新たな刺激を受け、マヤが甘えた悲鳴を上げた。
反射的に腰を突きあげる。敏感な突起同士がぶつかり合い、特大の火花をお互いの脳裏に
はじけさせた。
「はあぁぁん!」「くぅ…ふぁあ!」
二人同時に背筋を震えさせ、閃光の様な快楽の余韻を味わう。
やがて、マヤの陶酔した顔を慈しむように、エルザが両手で抱き、そのまま自分の唇をマヤの
それに重ねる。エルザの豊かな金髪が両肩から流れる様に滑り落ち、マヤの顔を両側から
柔らかに包み込む。もう、お互いの顔以外、余計なものは何も見えない、見る必要もない。
心と視界が同調し、二人を甘く切なく狂わせる。お互いを抱きしめ、秘所を擦りつけ、
乳首を弾く、貪るように求め合う二人は、いつ果てるともない淫らな舞踏を劣情の
赴くままに踊り続けていた。
やがて、マヤの手が何かを求める様に動き出し、寝台の上をまさぐる。自分のアイテムポーチを
見つけると、それを引き寄せた。中のものを取り出そうとしている。
「何を、していますの?」
エルザが上気した顔に僅かな不信感をにじませて問う。
「こ…これを…」
そう言ってマヤが取り出したのは、
「ヌメリンギ?」
そう、通常は防具の素材に使われるキノコであるヌメリンギだった。弾力性に富み、軽く滑らかな
繊維は利用価値が高い。樹海で稀にしか取れないキノコである。
だが、マヤは全く別の目的でこのキノコを持ちこんでいた。まだ傘が開いておらず、先細りに
なっているそのキノコを、しばし、不思議そうに眺めていたエルザは、その目的にようやく思い
当った。
「これをどうするつもりでしたの?」
意地悪くマヤに問うてみる。
「どうって…その…」
言葉に詰まるマヤをしり目に、さらに責めてみる。
「お答えできないのかしら」
「その…多分…媚薬を打たれちゃう…と思って、一人で慰めようと…」
「それでわざわざ持ってきたんですの」
真っ赤になって切れ切れに説明するマヤを、淫蕩な笑みを浮かべて見つめエルザ。
「わたくしが、代わりに慰めて差し上げますわ」
キノコを奪い取ると、エルザはマヤの秘所にそれをあてがった。
「覚悟はよろしくて」
431ギルドのお仕事 後編 13/14:2010/08/08(日) 22:31:20 ID:mc0BsH3O
「あ、あの、自分で…」
「駄目、ですわよ」
慌てて止めようとするマヤを遮り、エルザはキノコを小刻みに揺らす。
「あっ…ああぁ!」
秘所に与えられた新たな刺激に、マヤは背筋を硬直させ、ただ喘ぐことしかできなかった。
「ふふ、こんなに感じてくれると、まるで貴女を犯しているみたいな気分ですわ」
マヤの痴態がエルザの官能を刺激する。もっと喘がせたい。もっと乱れさせたい。そんな欲望
が心の奥より湧き上がってくる。それはエルザがこれまで感じたことのない快感だった。
「さあ、もっと感じて壊れちゃいなさい!」
「ひっ…あっ……ああっ」
マヤの思考はもうすでに真っ白になっていた。本来こんな事をしていい相手ではない、などと言う
常識は跡形もなく溶け崩れ、快楽に押し流されてしまう。ただ、股間からこみあげてくる狂おしい
ほどの快感に翻弄されていた。
「そろそろ、イかせてあげますわ!」
エルザが淫らな笑みを浮かべ、キノコへ力を加える。
「んっ!ひあぁ!だ、だめっ!っくぅ!」
マヤが必死に頭を振り、快楽に耐える。が、充分以上に潤み、すでに数々の快楽を教え込まれて
しまっているマヤの秘所は、さしたる抵抗もなくキノコを受け入れた。
「んんっ!」
「あら、簡単に入ってしまいましたわ」
呆れたような声を出すエルザ。しかしマヤに彼女を気にする余裕などありはしない。
「だ、だめぇ」
「貴女に駄目と言われると、もっとしたくなるのはどうしてかしら」
マヤに覆いかぶさり、キスをしながら意地悪く囁くと、エルザは彼女の胎内をかき回す様にキノコ
を激しく躍動させる。
「あっ、っく、いっくぅ!」
「イってしまいなさい。さあ!」
「うあああぁぁぁ!」
マヤは全身を硬直させ絶叫する。快楽が限界値を超え、意識が真っ白に塗りつぶされる。
しばし絶頂をさまよい、硬直していたマヤ体からゆっくりと力が抜けていく。やがて、ぐったりと
寝台に身を横たえた。
「ふふふ、まだ、わたくしは満足していませんわよ」
そうエルザが怪しく微笑み、ゆっくりとマヤにキスをする。マヤは陶然とエルザを受け入れた。

この日、二人は疲れ切り動けなくなるまで、お互いを求め合った。
432ギルドのお仕事 後編 14/14:2010/08/08(日) 22:32:38 ID:mc0BsH3O
雪山での事件のあった数日後、マヤはポッケ村に帰ってきていた。
「よっ、街はどうだった?」
この日、久しぶりに顔を出した村の集会所で、マヤは早速声をかけられた。
「楽しかったですよ。姉さんも今度一緒に行きませんか?」
声をかけてきたのは、村の皆から「姐さん」とか「姉御」とか呼ばれている人物で、
マヤのハンターとしてのライバルであり、人生の先輩であり、夜のご主人様だったりする。
「あたいはパス、なんかせわしないんだもん」
ぱたぱたと手を振り、あっさりと拒否をする。
「お主は他人のペースに合わせるのが苦手だからな」
わかる、わかるぞと、その傍で頷いているのは、一見すると絶世の美女。
しかし、その正体はマヤの「彼氏」であり、名をアルという。
複雑な経緯により、今はマヤの家に同棲している。
「余計なお世話だ」
姉御がふくれっ面でアルを睨む。マヤはそのわざとらしさに思わず噴き出した。
「マヤまで笑うことはないだろ!」
そういいつつも、姉御も噴き出す。暖かな笑い声が集会場に満ちた。
「見つけましたわ!」
突然、集会場の扉が開け放たれ、女性の高く澄んだ声が響く。
「わたくしに黙って帰ってしまうなんて…」
唐突に現れたエルザは、何事かと硬直するその場の人間すべてを無視し、マヤに歩み寄る。
「愛人であるわたくしを置いていくなんて、あんまりですわ!」
そういってマヤに抱き付く。
「えっ?」
思わず硬直するマヤ、だが、とてつもなく不穏な空気を感じ、そちらにゆっくりと視線を向ける。
「ほう、なにやら面白い話をしているな」とアル。
「きっちり話してもらいましょうか、たっぷりと啼いた後で」と姉御。
「ちょっと、わたくしのマヤに何をなさるおつもり?」
がっしとばかりにマヤの肩を押さえつけた二人に、エルザが不満を露わにする。
「勘違いしないで。マヤはあたいのおもちゃで…」
姉御が負けじと言い張り、
「我が生涯の伴侶だ」
アルが重々しく続ける。
「では、わたくしの愛人でも問題ありませんわね」
二人を向こうに回し、エルザはしゃあしゃあと言ってのける。
「そう言われれば……」
「問題ないような気もするな」
あまりの強引な言い分に、思わず納得してしまう二人。
「…あの……大有りのような気がするんですけど…」
マヤがおずおずと口を挟む。
「気のせいじゃない」
「気のせいだな」
「気のせいですわ」
三者三様の口調で同じ中身の返事が返ってきた。
「なんで、会ったばかりでそんなに息がぴったり…」
「じゃ、詳しく話してもらおうか、あたいの部屋で」
「そうだな」
「それがいいですわ」
「え…ちょ……そんな、ご無体な!」
かくして、マヤは仲良く三人に引きずられていくのであった。
                    〜END〜
433名無しさん@ピンキー:2010/08/08(日) 22:33:52 ID:mc0BsH3O
以上でやんす。

うん、オジさまとのイケナイエッチを書くつもりがなぜかこうなった。

ゲームでももう少し角笛やこやし玉の効果が強いと面白いと思うんだけどな。

NGシーン
「こ…これを…」
そう言ってマヤが取り出したのは、
「ゲキレツ毒テング?」
いや、そんなもん突っ込んだら死にます。

ちゃんちゃん


PS.次スレ立ててきます
434きょーかん:2010/08/08(日) 22:39:10 ID:mc0BsH3O
435名無しさん@ピンキー:2010/08/08(日) 23:10:19 ID:MwTTwfy6
じ、GJ…
面白す、面白す
436名無しさん@ピンキー:2010/08/10(火) 11:42:54 ID:poUqT7+9
GJでした〜
てっきりアンダースンと、だとおもってt(
こっちのスレは埋めずに終わらせちゃうのかな・・・?
437名無しさん@ピンキー:2010/08/10(火) 12:25:34 ID:tNrg/Az5
あと18KBあるから、一作くらい投下されるかも?
438名無しさん@ピンキー:2010/08/10(火) 16:27:46 ID:gCWUP3+h
ギリギリの容量だと投下しにくい。
だから普通に雑談か、このまま落としていいと思う。
439名無しさん@ピンキー:2010/08/10(火) 19:53:57 ID:ptpCVUA4
次スレ>>23

長くなっちまったんで、埋めがてらこっちに書く。

まず最初に、これは一個人の主観であり、特定の作品を貶めるつもりなど毛頭ないことを
断っておく。

どの程度まで世界観の変更が許容されるかってことについては、
たとえば、メカクックの場合、あの世界観って「プレイヤーから見たゲームのモンハンの世界」って
考えるとそれほどムチャな改変をしていないんだよな。
基本的に読み手が「開発の身勝手な言動に振り回されるユーザー」に共感するような構造になってる。

それに対して、そのほかの作品は、
読み手が「書き手の表現したモンハンの世界を、その世界の住人の視点で追体験する」って構造になってる。
だから、書き手が提供する物語世界が、読み手の思っているモンハン世界とあまりにズレていると
世界観崩壊とか言われちまうんだと思う。

だけど、実際メディアなんかで発表されていない要素(要するにエロ)をモンハン世界に入れ込もう
とした場合、どうしても書き手が改変する必要が出てくる。
そこで、多分大事なのは、もともとのモンハンに無い要素をいかに有るように見せるか、ってことだと思う。
取るに足らないような物なら、初めっからあったことにしてもいいけど(例えば、服を全部脱ぐと
裸になる、とかね。ゲームじゃ裸になれないけど、だからって世界観崩壊とは言う奴はいない)
世界規模で影響のありそうな物については、
なんで今まで知られてなかったのか、
なんで今まで世界に影響がなかったのか、
みたいなことを読み手が納得できる(騙されてもいいかと思う)レベルで説明できないと
共感は得られないと思う。

結局、世界観改変はどこまで許されるか、じゃなくて、改変した世界を、どれだけモンハンらしく
説明できるか、ってことが重要なんじゃないかなって思う。

長文失礼
440名無しさん@ピンキー:2010/08/11(水) 02:50:38 ID:CesAkqGd
今さらだがテンプレの無限湧きはランポスより大雷光虫のほうが多いのではなかろうか
441名無しさん@ピンキー:2010/08/12(木) 03:49:54 ID:5s9Ic8EW
あるとき、私は一人のハンターと出会った。
そのハンターは手にある武器をしまって、近づいてきた。
変なハンターだと思った。普通なら武器を構えて襲い掛かるか、逃げ出すか。
躊躇うことなく私の胸に触れるその変なハンターは優しげに笑った。
「紅き龍よ、もうここは人の集落に近い。さらに近づけば戦いは避けられない。双方が傷つく戦いだ。」
帰るべき所に帰るといい。お前を待つものもいるだろう?
番いを持たない私に待つものはいなかったが、その変なハンターの言に尾を振り答える。
いい子だ。永く生きろよ。
その人はゆっくりとその長い髪を躍らせて帰っていった。

――――

マグマの噴出す熱い開けたところで、パーティーを組んだハンターと出会った。
こちらが何かする前から撃ち、切りかかってくるハンターたち。
抗戦した。しかし狡猾で執拗なハンターたちに追い詰められ、撤退を余儀なくされる。
傷ついた体を引きずって帰る途中、あの人に出会った。
あの人は驚いたようにこちらを見て近づき、腰辺りにある変な袋から緑色の何かを取り出す。
塗りたくられるそれは少し沁みるが、すぐに治まる。少しばかり体が楽になった気がした。
「人はお前たち龍族と違い個体では弱いが、狡猾だ。そして集まることで強くなる。避けられる争いならば、避けた方がいい。」
そう言って傷口に緑のどろどろしたものを塗りたくりながら言った。
そして袋から取り出した全てのどろどろを使い果たしたところで、笑いながら言う。
「さて、これでおしまいだ、人と違って大きな効果は得られないかもしれないが、やらないよりマシだろう。家に帰って休むといい。」
彼女が私の顔を一撫でしてその場を去ろうとする。なんとなく、寂しい。気がつけば首を伸ばして口で捕まえていた。
「あ、こらっ!」
傷つけないように細心の注意を払って口で掴み、そのまま飛び上がる。空中で体が安定したところで口にくわえていた彼女を背中に乗せる。
「はは。噛み殺されるのかと思ったよ。」
苦笑しながら彼女は背中を軽く掴んだ。
私はゆっくりと空を舞う。彼女を背中に乗せて。

――――

彼女に巣の位置を教えて以来、毎日緑のどろどろを持って彼女は巣に現れるようになった。
優しく緑のどろどろを塗っては帰っていく彼女。いつしか私はその時間を楽しみにするようになっていた。
時々、帰ろうとする彼女を口で捕まえて、また大空を舞う。
毎回毎回、心臓に悪いからやめて欲しいと頬を膨らませて言う彼女。
そんな彼女を見たくてつい、口で捕まえる。

時には砂漠を、時には密林を。
自由に空を飛べる翼を持つ私と翼を持たない彼女の静かな旅路。
二人だけの、静かな時間。
442名無しさん@ピンキー:2010/08/12(木) 03:50:27 ID:5s9Ic8EW
――――

ある時、背中の彼女は言った。
世界は美しいな、と。
生きとし生けるものが共生し、そして時には存在を賭けて戦う。生の輝きがそこにはあった。
いつか、どうせ死ぬなら・・・自分の魂を燃やし尽くすような戦いの中で死にたい。彼女が大空の中でたゆたいながら呟いた。
強きものと最後まで戦い抜く、それはハンターとしての誇り。

あぁ、すまん、別に死にたいわけじゃないよ。
反論するように唸る私を宥めるように笑い、彼女は髪を掻きあげた。

その日、もう少しばかり世界を見て回りたくて強く羽ばたいた。
そして無茶をしすぎて傷が開き、彼女に怒られた。まぁそれはそれで楽しいからよしとした。

――――

傷がほぼ完治した。彼女も緑のどろどろを持ってこなくなった。
あまり頼りすぎると自分で治ろうとする力が弱まるかららしい。
優しく彼女に撫でてもらう時間が好きだった私は少し残念。
なにやら私は悲しげな眼をしていたらしい、彼女は優しく顔を撫でてくれた。
きゅるるるるぅ、自分でも信じがたい甘えたような声。
彼女はふっと微笑むと、そのまま優しく撫でていてくれた。
毎日ではないが頻繁に彼女はここを訪れ、そして帰っていく。
甘い時間。
いつまでも続けばいいと思っていた。
443名無しさん@ピンキー:2010/08/12(木) 03:51:03 ID:5s9Ic8EW
――――

ここ4〜5日、彼女が来なかった。珍しいこともあるもんだ。
寂しい。
彼女を乗せることなく大空を舞う。
背中が寒かった。世界がいつもより遠く見えた。
優しく背中を、胸を、頭を撫でてくれる優しい彼女は、元気にしているのだろうか。

――――

彼女が来なくなってから2週間。
近隣の村で一人の若い女ハンターが死んだ、正確には殺された、という噂を聞いた。
強いハンターだったが、近隣のモンスターも強く一人では厳しい状況だったらしい。
村が決めた結論は新しいハンターの誘致。
そして男数人の強いハンターたちが村の駐在ハンターとしてつくことになったらしい。

条件付で。

――――

若き女ハンター・・・彼女の死にまつわる真実の全てを知った。

彼女はどんな気持ちで死んでいったのか。
守ってきた者たちに裏切られ、ハンターとしての誇りを奪われ、女としての尊厳を奪われた。
それを知る術は龍である自分にはなかった。

彼女は・・・いったいどんな気持ちで死んでいったのか。
望む物も手に入れらず、望む生も手に入れらず、望む死も手に入れられず。
それは龍族の私でも知っている、今痛感していた。

私は望んだ、彼女との静かな生を。
私は望んだ、たとえいつか相対することになってもその日まで共に生きることを。
私は望んだ、彼女が、私が、彼女の愛した世界に負けない生の輝きを放ち、そして世界に還ることを。

許せなかった、彼女を裏切ったものたち。
許せなかった、彼女の、ハンターとしての誇りを奪ったハンターたち。
許せなかった、彼女の、ささやかな・・・そう、ささやかな。

望みすら叶えれないこの世界・・・


ゴアアアアアアアアアアアアッ!

空に吼える。
彼女を殺していったものたちを。彼女を裏切ったものたちを。人々を・・・この世界を。

全てを無に還そう。

始めよう。これは、宿命の戦い。
444名無しさん@ピンキー:2010/08/12(木) 04:02:49 ID:5s9Ic8EW
龍刀の話を書かせていただいてるものです、長いことお待たせして申し訳ありません・・・
本編の方を書いてはいるのですが、話と話をつなげるジョイント部分の執筆にかなり苦戦している状況です。

次で終わらせる、などと言っていたのですがジョイント部分の大幅の加筆修正、話の追加などもあり2〜4回程度の投稿に分かれそうです。
楽しみにしてる方、大変申し訳ありません。
えちぃシーンを完全に書き終わった時点で次回の投稿をするつもりです。
もうしばし時間をいただけたら、と思います。

↑の話は、本編では完全に悪役になってる紅龍の過去を書いたものです。
楽しんでいただければ、そしてご意見などいただければ幸いです。
445名無しさん@ピンキー:2010/08/13(金) 02:39:09 ID:mKTvrdfO
GJなのである
446名無しさん@ピンキー:2010/08/13(金) 03:27:28 ID:isPogm1L
遅くなったが、>>437>>438ありがとう。
勉強になった。
447名無しさん@ピンキー:2010/08/13(金) 10:07:02 ID:MKIBSSJJ
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448名無しさん@ピンキー:2010/08/13(金) 10:07:31 ID:MKIBSSJJ
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449名無しさん@ピンキー:2010/08/13(金) 10:07:53 ID:MKIBSSJJ
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450名無しさん@ピンキー:2010/08/13(金) 10:08:21 ID:MKIBSSJJ
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451名無しさん@ピンキー
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