今のままリトには会えない…。
ララはまだ暑くなる前の街をとぼとぼと歩いていた。
「これからどうしよう…」
財布の中には一応お金はあるので一日くらいならなんとかなる。
だがいつまでもふらふらしているわけにはいかないし、何よりリトは自分のことを心配するだろう。
私…リトの所に帰ってもいいのかな…。
「ララさんがいなくなった?」
美柑は驚いて兄を問い詰める。
「あんた何かしたんじゃないでしょうね?リト?」
「そ…そんなわけないだろ!とにかく、俺、探しに行ってくるよ」
リトは靴下を取りに一度自室に戻ろうとしたが、自室の前でナナとモモが待ち構えていた。
「リトさん…。お姉様のこと、心当たりがあるんですよね?」
「おいリト…。姉上を泣かすなんてどういうつもりなんだよ?」
モモは比較的冷静だったがナナは頭に血が上っていた。
今にもリトに掴みかかりそうなナナをモモが制する。
「ナナ、とりあえず何があったのか聞きましょう。お部屋に入っても構いませんか?」
「ああ…」
リトは二人と共に部屋に入り、昨日何があったのかを話した。
唯とララと三人で交わっていたことも、自分がつい調子に乗って唯にがっついてしまったことも。
「そうですか…。それでお姉様はリトさんを独占したいと思うようになってしまったんでしょうね…」
モモはあくまで冷静に姉の心情を分析する。
「なんだよ!やっぱおまえのせいで姉上は…!やっぱおまえみたいなケダモノに姉上はふさわしくないんだよ!」
ナナが怒りをぶちまけるのをモモが制止する。
「やめなさい、ナナ。ふさわしいとかふさわしくないとか、そんなのどうだっていいの。お姉様はリトさんが好きで好きでしかたないのよ?今の言葉はお姉様の気持ちを否定することになるわ」
「でも姉上は泣いてんだぞ?それは姉上が今幸せだって思ってないからだろ?」
リトはそんなナナを見て思った。
結局ナナはどこまでもララが好きなのだ。
たとえケダモノと蔑む自分と獣のように交わっても、どんな淫らな行為に彼女が溺れようとも。
ララも自分のことがどこまでも好きなのだろう。
でも自分は彼女の気持ちにどこか甘えている部分があったのではないだろうか。
昨日唯と一緒にララとも交わったのはこのくらいやっても平気だろうと心のどこかで思っていたからに他ならない。
リトは今更ながら自分の思慮の無さを思い知った。
「俺…行ってくるよ」
リトは起ちあがって部屋を出ようとした。
そのときナナが尋ねた。
「もし姉上を連れて帰ったとして、その後はどうするんだよ?リトは姉上以外の女との関係をやめるつもりはないんだろ?」
「…」
「そんなんじゃ連れて帰ってもまた同じことになるだけだと思うぞ?」
ナナの意見は最もだろう。
それはリトも承知していた。
「ララがさ…、昨日泣きながら言ってた。本当は唯は大切な友達で、唯とも一緒にいたいんだって。でも今の自分にはどうしたらいいかわからないって…」
ナナはリトの言葉に静かに耳を傾ける。
「…結局俺にはララを信じることしかできないから」
部屋を出る間際にリトは不意にそう言った。
ナナにはリトがなぜそんなことを言ったのか理解できなかった。
リトが部屋から出ると、モモがナナに言った。
「私たちも探しましょう?」
「…ああ…」
ナナとモモも立ち上がり、リトの部屋を後にした。
ララが街をふらふらしていると、まだ開いていない本屋の前にヤミがいるのを見つけた。
いつもなら元気に声をかけるところだが、今はとてもそんな気分になれなかった。
だがヤミはララに気づき、声をかけてきた。
「あ、プリンセス。こんな時間からどうしたんですか」
ヤミは声をかけてからララの様子がおかしいことに気づく。
それにいつもは大体リトか友人と一緒にいるのに、今日は一人だ。
「ううん、なんでもないよ。ちょっと散歩してるだけ」
「そうですか…」
ララは今は一人になりたかったので、このままヤミと別れるつもりでいたが、ヤミは予想だにしないことを言い出した。
「少し、ご一緒してもいいですか?」
こうしてララはヤミと散歩することになった。
二人の間に会話は無い。
ヤミは平然としていたがララはどこか気まずさを感じていた。
いつもならポンポンと話題が出てくるのに今日は下らない言葉のひとつも出てこなかった。
ヤミは少し歩いてから言った。
「なにか悩みごとですか?プリンセス」
ヤミはずばりと言った。
「…結城リトに関係したことですか?」」
どうやらヤミにも自分がどうして悩んでいるのか見破られているようだ。
ララは何も答えなかったが、ヤミはそのまま続けた。
「恋愛に関することは私にはよくわかりませんが…」
少し暑くなり始め、賑わい始めた街でそう大きくないヤミの声はとてもよく通って聞こえた。
「結城リトの隣にあなたがいないところなんて、私には想像できないです」
「ヤミちゃん…」
ヤミはそれだけ言うとそのまま姿を消した。
そして夕方になり、リトは未だにララが見つからないことに焦りを感じていた。
「ララ…。どこにいるんだよ…」
リトは日が傾いていくのにさらなる焦りを感じながら疲れ果てた脚に鞭を打った。
そのころララはリトと出会ったばかりの頃に二人でやってきた河原にいた。
そこに意外な人物が通りかかった。
「あれ?あれは…」
グラビアの撮影を終えて沖縄から帰って来たルンである。
ルンはララの後ろ姿を確認して少し邪な気持ちが湧いた。
『ララ…。昨日リトくんとトラブルを起こしたんだっけ…。そのことをまだ引きずってるみたいね。よーし、馬鹿に薬をつける意味も込めて、ちょっとからかってやろうかしら』
ルンはそう思い、ララに声をかけた。
「あれ?ララちゃん?こんなところでどうしたの?」
ルンの声に気づいたララが後ろを振り向く。
「ルンちゃん?あれ?旅行の帰り?」
ララはルンが小さなスーツケースを引きずっているのを見てそう言った。
「ああ、沖縄でグラビアの撮影があってね」
ここまでは他愛のない会話だった。
「なんか浮かない顔してるね。もしかしてリトくんと何かあったの?」
ルンがそう言うとララの顔は見る見る曇っていった。
さすがのルンも今のララの顔を見て彼女をからかうのは気が引けた。
「ねえルンちゃん…。ちょっと相談してもいいかなあ…」
「…うん」
ララはぽつぽつと昨日何があったのかを話し始めた。
唯に対して嫉妬心を抱いたこと、昨夜リトの気を引こうとして発明品を使ったこと、自分の気持ちがわからくなって家を飛び出したことなどを。
昨日そう長い時間ではなかったとはいえリトに会っていたルンはララのことを羨ましいと思った。
結局のところリトはララが好きで、彼女が笑顔を曇らせれば彼の心も曇るのだ。
ララはそれだけリトに愛されているのだと思うと、ルンは今の彼女に苛立ちさえ覚えるのだった。
「…私、リトに振り向いてもらいたくて頑張ったのになあ…」
ララがぽつんとそう言うと、ルンは少し間を置いてから厳しい口調で言った。
「馬鹿じゃないの?ララちゃん」
「え…」
「リトくんはそのままのララちゃんのことが好きなんだと思うよ?そんなこともわからないの?」
ララはルンの言葉に沈黙する。
「実は私、昨日ゲームでリトくんと会ったんだよね。そのときリトくんの様子がなんかおかしかったから問い詰めてみたら、ララちゃんのこと気にしてたよ」
我ながらガラにもないことを言っているな、とルンは思った。
「私だってリトくんのこと好きだし、リトくんには笑っていてほしい。でもリトくんが笑ってられるためには、ララちゃんが笑ってることが必要なんだって昨日思った」
ララはルンが昨日リトに会っていたなどと思っていなかったこともあり、ルンの話に目を丸くする。
「もっと信じてあげなよ、リトくんのこと。それだけでもリトくんの心は支えられると思うから」
ルンがそこまで言うと、遠くからリトの声が聞こえた。
「おーい!ララー!どこにいるんだー!?」
「やれやれ…。お迎えが来たみたいよ?」
ルンはそう言ってララに背を向けた。
「あ…ルンちゃん…」
立ち去ろうとするルンにララは声をかける。
しかしそれと同時にリトが自分を見つけ、そのまま土手を駆け下りてきた。
「ララ…、こんなとこにいたのか…。あれ?あれはルン?撮影から帰ってきてたのか…」
リトは遠ざかっていくルンの後ろ姿を見て声をかけようかと思ったが、今は彼にとってはララの方が優先事項だった。
「とりあえず帰ろうぜ」
「うん…」
ララはそう言うとルンに向かって思い切り叫んだ。
「ルンちゃーん!ありがとーっ!」
その声にルンはララの方を振り返ることなくチッと舌打ちをした。
『やれやれ…。ほんとに手のかかる女なんだから…』
夕日がルンの横顔を照らし、その光を受けてルンはふっと笑った。
『まったく…。ほんとガラにもないことしちゃったな…』
ルンは誰よりも自分がリトのこと想っていると自負している。
彼の笑顔にララの笑顔が必要だからあんなことを言ったまでだ。
ルンは自分にそう言い聞かせたものの、心はどこか晴れやかだった。
『明日リトくんにデートしてもらって、一日中独占しちゃおうかな』
そんなことを思いながらルンは夕日の輝きの中に姿を消した。
「リト…。心配かけてごめんね」
ララはリトの方を向いて謝った。
「いいんだよ。俺もちょっと軽率だったしさ」
リトはそう言ってララに手を差し出した。
「あ…」
ララはその手を取ることを少し躊躇した。
「なにしてんだよ?ほら」
リトはそのままララの手を取り、家に向かって歩き出した。
少し顔を赤くしたララだったが、すぐに笑顔になって彼の隣を歩く。
私は何を疑っていたんだろう。
今までリトの何を見てきたのだろう。
私はリトを信じればいい。
リトは必死になって私を探してくれた。
馬鹿な私に手を差し伸べてくれた。
今感じる温もりがリトと私の想いの証なのだ。
二人が手をつないで帰っている様子を上空から伺う影が二つあった。
ナナとモモである。
「どうやら一件落着のようね」
モモはほっと胸を撫で下ろしている。
ナナはじっと二人を見て何か考え込んでいた。
実は二人はリトより先にララを見つけていたのだが、ルンとララが真剣な様子で話しこんでいる最中だったため声をかけられずにいたのだった。
「信じ合い、支え合う…か…」
ナナはふとそうつぶやいた。
『あいつはケダモノかもしれないけど姉上のことを信じて必死に探しまわって、姉上もやっぱりあいつを信じてるんだな』
ナナが物思いにふけっていると、モモが声をかけてきた。
「さ、私たちも帰りましょう?」
「…そうだな」
ナナとモモは反重力ウイングを広げると、結城家を目指して一直線に飛んで行った。
その夜、ナナとモモはモモの部屋で紅茶を飲んでいた。
「なあモモ。なんだかんだ言ってもリトは姉上のことが好きで、姉上もリトとは離れられないんだな」
「そうね」
モモはくすっと笑った。
「どうしたの?ナナがそんな話をするなんて珍しいじゃない」
「そうかな?でもあたしなりにちょっと考えたんだ。ルンが言ってた信じあい、支え合うってことについてさ」
「そう…。私もルンさんがあんなこと言うなんてちょっと意外だったわ」
「ルンはルンなりにリトのこと考えてんだな」
「そうね」
モモはそう言ってまたカップに口を付ける。
隣のララの部屋ではリトとララが愛し合っている真っ最中だった。
「あ…リトそんなにおっぱい吸っちゃだめぇ…」
「えー?だってそのうち俺とララの子どもが独占しちゃうだろ?だから今くらいいいじゃん」
「もう…リトったらぁ…あん…」
乳首への刺激にララは身をよじらせ、リトはララの様子に興奮してララをぎゅっと抱きしめる。
唇が重なり、舌と舌が絡み合うとララの膣はその刺激に反応して愛液で中を潤していく。
「もういいよな?ララ」
リトのペニスも先ほどのキスで完全にララの中に入る準備を終えていた。
「うん…。リト、して…」
リトはララの上に覆いかぶさり、そのまま濡れた花弁の中心を迷うことなく貫いた。
「あっ…!」
ララが挿入の刺激に甲高い声を上げ、ぎゅっとリトにしがみついて快楽を感じていることを伝える。
リトはララの唇にむしゃぶりつきながら無我夢中で腰を振った。
ララのかわいらしい嬌声は聞こえないものの、間近で感じる彼女の荒い吐息と自分の舌に絡みつく彼女の舌の感触が興奮を高めていく。
ララの背中に回す腕にも力が入り、二人は今まで以上の一体感で絶頂へと昇り詰める。
リトはララの一番奥へ強烈な一突きを繰り出し、そのまま彼女の中で果てる。
そのときも二人はお互いの背中に回した腕の力を緩めず、重ねた唇も離さなかった。
膣の中でペニスが精を放つ脈動が心地よく、二人の心臓が一つになったように同じリズムを刻んだ。
二人の唇が離れてもララはリトの背中に腕を回したまま離れようとしなかった。
「リト…。愛してる…」
涙声でそう言うララだったが、リトは慌てなかった。
自分に抱かれて嬉し涙を流してくれる彼女を大切にしよう。
そう心に誓ってもう一度ララと唇を重ねた。
リトはそのあと一人で自室に下りて宿題をしていた。
ララと心を通じ合わせ、最高のセックスが出来たこともあってか、彼はいつもより気分よく宿題を進めることができた。
「そろそろいいかな…」
リトは大きく背伸びをしてそのままベッドに仰向けに倒れこんだ。
そこにナナがやって来た。
「おいリト、入るぞ」
「ん?ナナ?」
最近はナナとやや疎遠気味だったこともあり、珍しいこともあるもんだと思いながらリトは体を起こす。
「今から寝るとこだったのか?」
「ん?ああ、そうだよ」
「ふーん…」
ナナはそう言うと少しリトから顔を背け、頬を赤らめた。
「なあリト…。寝る前にちょっとあたしに付き合えよ」
ナナはそう言ってゲームのカードを取り出した。
第10はここまでです。
今回は自分でも驚くほどスッと話が思い浮かびました。
それでちょっとテンションが高くなってしまいました。
ちょっと見苦しかったかもしれませんね。
ルンのキャラが違うと思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、ルンはなんだかんだでリトを想う気持ちでは誰にも負けていないのではないかと思います。
私なりにそれを表現したかったのですが、どうでしょうか?
次回こそはナナ、そしてそのあとはルンの話に続いていく予定です。
それではまた。
501 :
名無しさん@ピンキー:2010/12/01(水) 16:38:28 ID:IFutTnel
なんたる仕事の早さっ!!GJです。 ルンいい娘〜
そして次のナナが待ち遠しい。期待してます
>>500 見苦しい……だと!?
大丈夫、全裸ネクタイ待機してた俺よりは全然見苦しくないぜ!
GJJJJJJJJJJJJ!!!!!!!!
本当、ToLOVEるは良い子ばっかだなあ。リト爆発しろと言いたくなる。
そんなSSを書いてくれる書き手の人にも最大限のGJを。
GJです
ララ可愛いなぁ…
やっぱりお似合いの二人!
ナナも期待してます
505 :
名無しさん@ピンキー:2010/12/02(木) 01:21:15 ID:CZD9QIoR
>>500 乙この作品何回も読み直してるけどまったく飽きないわ。ところで原作すごい事になってるな矢吹先生最高ですわ。
なんだか最近調子がいいですね。
自分でもどうしたんだろう?
「寝る前にちょっと付き合えよ」
ナナがそう言って取り出したのはあのゲームのパスカードだった。
リトは驚いて目を見開く。
「ナナ…」
「な…なんだよ?別にいかがわしいことしようってわけじゃないんだからなっ!」
ナナはそう言うが、リトと目を合わせようとしないし明らかに動揺している。
「…ちょっと二人で話がしたいだけだよ…。あたしは先に行ってるから、すぐ来いよ?」
ナナはそういうとゲームの世界へ入っていった。
リトもカードを取り出し、ゲームの世界にログインする。
時は遡って一時間ほど前、モモの部屋でナナとモモが紅茶を飲んでいたときのことである。
隣のララの部屋からはベッドが軋む音がギシギシという音が聞こえてくる。
「なあモモ…。この部屋ってこんなに防音酷かったか?」
ナナは顔を赤くしながらモモに尋ねた。
今姉はリトのペニスを受け入れて腰を振っている最中であろうことは容易にわかる。
「仕方ないわよ。リトさんもお姉様も年頃の男女なんだから」
モモは平然と紅茶をすする。
「…なあ…。やっぱああいうことって気持ちいいのか?」
ナナは恐る恐るといった感じでモモに尋ねる。
「あんな大きいモノを入れるんだから、必ずしも気持ちいいとは限らないでしょうけど、少なくともお姉様にとっては気持ちいいみたいね」
あんな大きいモノと言っている時点でモモもリトとの性行為を経験済みなことがナナにも伝わった。
「…モモにとっては?」
「私?もちろん最高だったわ」
抱かれたときの思い出に浸っているのか、モモは顔を赤らめうっとりとしながら答えた。
「ナナも興味あるの?」
突然のモモの切り返しにナナは慌てふためく。
「な…!んなわけないだろ!!」
「だってリトさんとのセックスが気持ちいいかなんて、興味がないと聞けないわよ?」
ナナは真っ赤になっ言い訳を続ける。
「あ、あたしがあいつに興味があるかどうかは別として、ちょっとは見直してやってもいいかなって思っただけだよ…」
ナナはここで再び真剣な表情になった。
「あいつが言ってたこと、あたしにも少しわかったような気がしたんだ。あいつ言ってたろ?姉上のことを信じるしか自分にはできないって。あいつ、姉上のこと信じて探し続けたんだよな」
「そうね」
「あいつ、帰り道であんまり喋らなかったけど、姉上の心をあいつが支えてるんだって何となく伝わって来た」
「…」
隣の部屋では二人の行為が終わったのか、もうベッドの軋む音は聞こえてこなかった。
「あたしもさ、恋をするなら自分の心を支えてくれる人がいいなって思う。そんで、そいつがへこんでたらあたしがそいつを支えてやりたい」
ナナが恋愛ごとの話でここまで真剣なのは珍しいな、と思いながらモモはふと別の話をした。
「そっか…。ナナ、あのゲームの秘密をちょっと教えてあげるわ」
「ん?なんだよモモ…。いきなり…」
「あのゲームね、ログインしてるプレイヤーがセックスすると必ず気持ちよくなれるようにプログラムしてあるの」
「はあ!?それって…」
「まあゲームなんだから楽しい方がいいと思ってね。でもそのあとで皆さんが現実の方でセックスする方が多くなってるのは、やっぱりあの快楽が仕組まれたものだとなんとなく感じてのことかもしれないわね」
モモはふっと笑って言った。
「なんでそんな話するんだよモモ…」
「別に?ナナもせっかくなんだから遊んでみればいいのにって思っただけよ。お子様のナナにも大人の恋が少しはわかるかもしれないわよ?」
モモは最後にナナに対して憎まれ口を叩いた。
先にゲーム内のリトの部屋に入っていたナナはふとつい先ほどのモモとのやり取りを思い出していた。
そこにリトもやって来る。
「ナナ、話したいことってなんだよ?」
ナナは少し呼吸を整えてからゆっくりと口を開いた。
「あたしさ、あんたのことちょっと勘違いしてたみたいだ」
いきなりの言葉にリトは少し驚く。
「あたし、最初はあんたが姉上とか春菜とかコテガワの気持ちにつけ込んであんなことしてんのかと思ってた。でも今日のこと見てたら、リトはリトなりに姉上とか皆のこと支えようとしてるんだなってよくわかったんだ」
「ナナ…」
「でも…ああいうのがやたらと多いのはちょっとどうかと思うぞ?」
ナナの言うああいうのとはもちろんセックスのことである。
それはリトにも伝わっていた。
「あれが大人の恋愛のやり方なのかもしれないけど…」
どうやらモモにまたお子様云々とからかわれたらしい。
リトはふっと笑って口を挟んだ。
「恋愛に大人も子供もないよ。ただ好きな人と一緒にいるだけさ」
ナナはリトが突然口を挟んできたのに驚いて言葉を止める。
「モモにまたなんか言われたんだろ?ナナのいうああいうのだって、好きな人の温もりに触れると安心するっていうか、なんか幸せな気持ちになれるから結果的にやっちゃうだけ。確かに気持ちいいけど、恋愛の本質かと言われたら必ずしもそうじゃないと思う」
リトがここまで言うと、今度はナナが口を開いた。
「ふーん…、そっか…。リトはそう思うんだな?」
「うん」
「じゃあ、あたしのこと抱けるか?」
突然のナナの言葉にリトはぶっと吹き出す。
「ちょっと待て!今の流れでその台詞はおかしいだろ!」
「な…?別におかしかねーだろ!」
ナナはついむきになってしまいそうな自分を抑えながらリトに説明し始めた。
「…なあリト、王族の恋愛ってどんなもんか知ってるか?」
ナナの言葉にリトは首を横に振る。
「よくおとぎ話に出てくるようなのなんて夢のまた夢だよ。実際は政治や権力絡みでろくなもんじゃない。恋愛と呼んでいいのかすら怪しいもんだ」
ナナはそう言うとリトのベッドにどさっと倒れ込む。
「あたしたちはまだマシだったけど、姉上は第一王女ってこともあって特に権力目当ての奴が多くてさ。正直言って王宮から逃げ出して当然だって思ったよ」
リトはナナの話に黙って耳を傾ける。
「でもあんたは違った。あんたに会ってからの姉上、すっごく活き活きしててさ。その理由が今日やっとわかった気がする」
ナナは体を起こしてリトの方をじっと見つめた。
「あたしさ、付き合うなら自分の心を支えてくれる人がいいなって思う。あんたみたいにさ、権力とか損得とか関係なしにそういう風にしてくれる人がいい」
「ナナ…」
王族の結婚の現実、政治や権力が絡み思い通りに恋愛できない現実。
自分にはそういうものは実感が湧かないが、ララ、ナナ、モモはそういった環境で育ってきたのだ。
「俺のこと認めてくれたのか?」
リトの質問にナナは答える。
「ん〜、それはまだかな。だってあんたがケダモノってことには変わりないし」
リトはその返事に少し苦笑いを浮かべる。
「だから練習も兼ねてまだゲームの中だけな?あたしが心からあんたのこと認めたら、現実の方でもオーケーしてやるよ」
ナナはそう言って再びベッドの上に仰向けになる。
「ナナ…」
リトは彼女の名を呼びながら覆いかぶさる。
「バカ…。そんなんだからケダモノだってんだよ…あっ…」
リトはナナの頬にキスをし、少しずつ彼女の服を乱していく。
「服…完全に脱がしちゃダメだぞ?あたしも恥ずかしいんだから…」
ナナは全身に降り注ぐキスの雨の刺激に身をよじらせながら言った。
リトはそのままナナのTシャツに手を入れ、膨らんできたばかりの乳房を指先で丁寧に愛撫していく。
ほぼ平坦な乳房の先端で乳首が自己主張し、ナナの声がだんだん艶っぽくなってくる。
「ばか…そんなに胸ばっかいじるなよスケベ…。ていうかコテガワとか姉上と比べたらあたしのなんていじってもつまんないだろ…」
やはり胸にコンプレックスがあるのか、ナナはそんなことを言ってそっぽを向いてしまう。
そんなナナをリトはぎゅっと抱きしめる。
「つまんなかったらこんな風にはならないよ」
リトのペニスは勃起して既に彼女を貫く準備をしており、ズボン越しに伝わるその大きさにナナは不安を覚える。
『すっげーでかい…。てかこんなのほんとに入るのかよ…』
リトはズボンのジッパーを下ろしてペニスを取り出す。
ナナのショートパンツと下着を脱がせると、湿った膣が露わになる。
「ナナ、入れるぞ?きつかったら言えよ?」
ああ、そうか。リトはこのゲーム内では必ず気持ち良くなれることは知らないんだっけ。
でもこいつならたとえ知ってても同じことを言いそうだな。
ナナはふっと笑って言った。
「大丈夫だよ」
ナナの返事にリトはゆっくり、ゆっくりと彼女をいたわるように慎重に奥へと進んでいった。
ナナの中がリトのペニスによって圧迫され、その圧迫感は快感となって彼女の全身を駆け巡る。
ナナはぎゅっと目を閉じて声が出そうになるのを我慢した。
『こ…こんなこと皆してるのか…』
リトはナナの様子を見るために腰の動きを止めている。
「ナナ?大丈夫か?」
「だ…大丈夫だよ…」
ナナの答えを聞いてもリトは不安を拭えない。
しかしナナの中の時折キュッと締まる感触が心地よく、抜こうにも抜けないという状態だった。
更にTシャツだけを残したナナの恰好がまるで彼女を襲っているような錯覚を彼に与え、それが彼の興奮を高めていた。
リトが意を決して一度抜こうと腰を引くとナナの中はキュッとリトに絡みつき、それが彼に快感を与えて彼の動きを抜ききる直前で止めてしまう。
「ナナの中、めちゃくちゃ気持ちいいよ…」
「…恥ずかしいこと言うなよばかぁ…」
ナナの目には涙が浮かび、膣の中もかなり潤ってきている。
「ナナ、ちょっときついかもしれないけど、耐えてくれよ…っ」
リトはそう言うと一度引いたペニスを奥にぶつけるように突き入れた。
子宮を直撃するペニスの感触にナナは思わず大きな声を上げる。
「ひあっ!いきなりすぎるだろ…っ…」
「ナナかわいい…」
リトはそう言ってナナの唇をキスで塞ぎ、腰を振った。
モモよりも幼い体つきなのに、自分を受け入れ甘い吐息を漏らす彼女を見て、彼女の女としての魅力をリトは今更ながら思い知る。
「ナナ…このまま出すぞ…っ」
リトはただでさえ強く突き入れているのにさらに強くナナの子宮口に叩きつけた。
「リ…リトっ!そんなに激しくしちゃだめっ…!!あああああっ…!!」
自分の中に熱い濁流が押し寄せ、ナナの体に今までにない快楽の電流が走った。
ナナは絶叫し、体をビクビクと震わせる。
リトはそんなナナを優しく抱きしめ、彼女の背中を擦って息を整えさせる。
ナナは落ち着くと、上目遣いでリトを睨んだ。
「…このヘンタイ…ケダモノ…」
そんな言葉すらかわいらしく感じられ、リトはナナをからかってみる。
「なんだよ?その変態とエッチして気持ち良くなってたのは誰だっけな?」
ナナは顔を真っ赤にしてリトの腕の中で暴れる。
「あ…あれは…その…」
ナナの声はだんだん小さくなり、暴れる勢いも弱まっていく。
「…リトは気持ち良かったのか?」
「うん」
「…あたしも…恥ずかしかったけど気持ち良かった」
ナナは顔を伏せてそう言った。
「なあリト…。リトの体、あったかいな」
ナナリトの背中に腕を絡める。
「リトの言ってたこと、なんとなくだけどわかった気がする。それと、皆どうしてこんなことするのかも」
リトはナナに再びキスをした。
二人の唇が離れてからリトはナナに言った。
「そろそろ戻ろうか」
「…うん…」
そして翌朝、リトは股間に違和感を感じて目を覚ました。
「ようやくお目覚めですね。今朝も元気そうでなによりです」
モモは裸でそう言うと、リトのペニスに再び舌を這わせた。
「モモ…またこんなことして…」
「だって尽くしたいんですもの…あっ…」
リトはモモを押し倒して覆いかぶさり、キスをしながら器用にモモの中に挿入する。
「俺が前戯しなくてもすぐに入っちゃうな」
「リトさんなら…あっ…、いつでも大歓迎ですよ…っ…。私、いつでもどこでも…っ…リトさんに求められれば応じますから…っ…」
朝の光を浴びながらリトとモモは絶頂へと昇り詰める。
その瞬間ドアが開き、ナナが部屋に入って来る。
「おいリトー。そろそろ起きろよ…」
ナナの目に飛び込んできたのはモモとリトが二人で絶頂を迎えるところだった。
腰をぴったりと合わせ、リトは精を吐き出す快楽に、モモは出される快楽に浸っている。
「…朝っぱらからどうしようもないケダモノだな…。ま、そうじゃなきゃリトじゃねーか。あんまり美柑を待たせんなよな」
ナナはそれだけ言うと部屋から出て行った。
あいつはケダモノだ。
でも皆の心を支えようと必死になってる。
昨日抱かれてわかった。
あいつはあたしの心も支えようとしてくれるだろう。
『…ったく。このカードがいらなくなる日もそう遠くなさそうだな…』
ナナは一度取り出したゲームのパスカードをポケットにしまい、結城家の食卓に一足先に向かっていった。
11話はここまでです。
ふう…。
結構延びたけどようやくナナの話ができました。
次回はルンの話になります。
それではまた。
おおお!仕事早すぎです!!
最近絶好調だなwwwナナがいい感じでした乙
516 :
名無しさん@ピンキー:2010/12/04(土) 01:19:13 ID:3Ndkljdw
は、早い!そしてGJです
次作も期待して待ってマウス
GJ!
ナナktkr!!
ナナ!ナナ!ナナ!ナナぁぁぁぁああああああああああああああああああああああん!!!
GJGJ!ナナ最高です!!
次も期待してます。
そういやモモ本誌でフェラってたね
520 :
名無しさん@ピンキー:2010/12/06(月) 23:48:18 ID:EgdBUorw
ファミシュ待ちage
ララとペケさんのSSってあった?
リト×ペケをキボンヌ(*´∀`*)
とうとうルンか。wktk
前回のが早かったから何度もスレチェックしちゃうな
525 :
名無しさん@ピンキー:2010/12/12(日) 12:37:25 ID:lPAV/cm7
おいファミシュまだか
神がおる
みかんはまだかー
ファミシュのララはオリキャラレベルだな
原作でそういう感情がほぼなかったとはいえ、嫉妬の仕方とかララには見えん
案外、リトが童貞捨てるのはリサ相手かもしれん
ララその他が寝取られても、リサだけはリトを見捨てないような気がする
保守
リト?
今のSQからだと、モモが深夜にいただいているのでは?
口付けてるし。
モモは理性崩壊待ちだから最後まではやってねえと思われ
532 :
名無しさん@ピンキー:2010/12/24(金) 11:53:11 ID:7OCRgX/k
最近投稿ないな
リトララでクリスマスです。
「ん〜♪りとぉ〜」
猫なで声でオレの腕にすりよる華奢な体。
上気した頬は髪の毛に負けないくらいピンク色に染まり上がり、ひどく扇情的だ。
エメラルドグリーンの潤んだ瞳に、心なしかいつもより艶のある唇。
そのうえやわらかい豊満な2つの物体を惜し気もなく押し付けられてしまっては、この理性が崩れ去るのも時間の問題だろう。
このまま彼女を押し倒して全て味わい尽くしてしまいたい。
唇も、首筋も、双丘みたいなバストも、スカートの裾からチラリと覗く健康的な太股も、そしてその付け根にある神秘の扉も。
しかし、今の彼女にそんなことをするのは憚られた。
初めてというわけじゃない、今までだって数はそう多くないけど体は重ねてきた。
彼女のことが好きだから。
そして彼女もオレを想ってくれるから。
だからそれをすること自体には何の躊躇いもない。
でも、それでも。
オレはもう一度彼女――ララを頭から爪先まで眺める。
しっとりと汗ばんだ体はほんのりと赤らんでオレの腕を離さない。
オレをじぃっと見つめる瞳は、ちょっとつついたら壊れてしまいそうに揺れている。
明らかに普段とは違う色気をまとったララ。
そう、ララは今、酔っぱらっていた。
きっかけはクリスマスパーティーだった。
本日12月24日は誰もが知っている通りクリスマスイブであり、家族でパーティーを開く家も珍しくない。
それはウチも例外ではなく、仕事の忙しい親父や母さんも何とか時間を作って駆けつけてくれた。
さらに闇まで来てくれたので、妹の美柑は普段の落ち着いた様子からは想像できないほどのはしゃぎっぷりだった。
ララの妹である双子のナナとモモ、宇宙植物が進化?したセリーヌ。
さらには親父の仕事のアシスタントであるザスティン達(本当はララの親衛隊なんだけど)も加え、家の中はいつになく賑やかだ。
ちょっと騒がしいけど、こういうのも悪くない。
そう思えるくらいみんな楽しそうだった。
そんな中でも、ララはぴったりとオレの隣にくっついていた。
「みんな楽しそうだねー」と微笑む横顔はすごく嬉しそうに見えた。
デビルークでお姫様として過ごしてきたララは、こうやって騒ぐことはあまり無かったのかもしれない。
だからみんなでできること、楽しいことにはいつも率先して立ち上がる。
憧れていたから。
そう考えると無性にララを抱き寄せたくなって、みんなに気付かれないよう黙って腰に手を回した。
「リト……どしたの?」
「いや、何となく」
なのにララが頭を預けてくるもんだから、すぐさまニヤついた表情を浮かべた親父がオレ達に近寄ってくる。
「おぅおぅ、うらやましーなリトよぅ。ララちゃんとはもうあーんなことやこーんなこともやっちまった仲なのか〜?」
うるせー酔っぱらい。
そんな言葉をため息に変えて立ち上がる。
「どこ行くの?」
「トイレだよ」
そう言って歩き出すオレの背後で「ほら、ララちゃんジュースだ!飲め」「わぁ、ありがとーリトパパ♪」なんてやりとりが耳に入る。
今思えば、オレはそこで親父を止めておくべきだったのかもしれない。
トイレから戻ったオレが異常に気付いたのは、元いた所、つまりララの隣に腰を下ろした時だった。
「りとぉ」
いきなり腕を絡めてきた。
さっき親父に冷やかされたばかりなのに。
ちょっとトイレに立っただけなのにそんなにオレと離れるのが寂しかったのか、困ったやつめ。
なんて甘い考えでララを見て、ドキリとした。
不必要に頬が赤い。
まるで何回戦もしたあとのような。
呼吸が少し荒いし、そういえば絡んだ腕も少し熱い。
なんだ?どうしたんだ?
理由を考える暇もなく、今度はオレの首に腕を回してくる。
抱き着いてキスをせがむように。
ちょ、ちょっと待て。みんな見てるのに?
ワクワクしながら見守る親父と母さん、ヤミのジト目、噛み付きそうなナナ、ちょっと赤くなってる美柑、咳払いするザスティン一行、切なげなモモ。
いろんな視線が突き刺さる。なんか最後の反応はおかしい気がするけど。
そこでオレはちょっと冷静に考えてみる。
いくら恥じらいの少ないララと言えど、家族や友達の目の前で欲情するなんて考えにくい。
迫ってくるララの肩を両手で抑えつつ、テーブルの上に目をやる。
ララの前には液体が少しだけ残ったコップと、シャンパンのビン。
視線を親父、もといバカ親父に移す。
犯人はこいつか。
いや、隣でニヤけている母さんからして、共犯の可能性もある。
未成年に酒飲ますなよ。デビルークの法律がどうなってるのか知らないけど。
どっちにしても仕方ない両親だよな、ほんと。
コップ一杯で酔っぱらうララもララだけど。
「なんかララ、酔っちまったみたいだから部屋に連れてって寝かせてくるよ」
苦笑いしながらララを抱き上げる。
「よってなんかないもーん!」
「はいはい」
むーっと頬を膨らませて抗議するララをなだめ、みんなのいる部屋を後にする。
階段を上るとき背後から「ほどほどにしろよー」なんて声が聞こえてきたけど、幻聴だと思いたい。
さっきまで嫌がってたくせに、ララはすごく嬉しそうにオレの首に抱き着いていた。
ララを休ませるためララの部屋に連れて行き、ベッドに腰掛けさせようとする。
しかしイヤイヤをしてなかなか離れようとしない。
「はなれちゃヤだよう」
「すぐ戻るよ」
「うぅ……」
今にも泣きそうなララの瞳。
な、なんでそんな顔するんだよ。もしかしてララって泣き上戸?
どんだけ酒弱いんだ……オレも人のこと言えないけどさ。
「みんなのことほっとくわけにもいかないだろ?」
「私のことは……いいの?」
う……と言葉に詰まってしまう。
確かにあの様子だとオレなんかいなくても問題は無いんだけど。
でも、それ以上にこの状況がまずい。
さっきからララのやわらかいとこがいろいろ当たってるし、なんかいい匂いするし。
赤らんだ顔で上目遣いに見つめてくるし。
下ではみんながまだパーティーしてるってのに、変な気持ちになってしまう。
それに、このまま強引にララを振り切ったら本当に泣き出してしまいそうな勢いだ。
そのくらいララの表情は切実だった。
根負けしたオレはため息を吐きながらどっかりとベッドに腰かける。抱きかかえたララを膝に乗せて。
「わかったよ。ララが眠るまで一緒にいるから、それでいいだろ?」
「眠るまで?」
また悲しそうな顔をした。
「ずっといっしょがいい……眠るならリトにだっこされたまま、リトといっしょに眠りたいの」
ギュッとオレのシャツをつかんでくるララ。
これはちょっとまずい。可愛すぎる。どんどん自分の鼓動が速くなるのがわかる。
それに気づいたのか、ララはオレの胸の辺りに顔をうずめてその音を聞く。
「リトどきどきしてる。私といっしょだ……♪」
「そ、それはララが……っ」
「リト……すき」
とうとう背中に腕を回し、絶対に離すまいと密着を強めてくる。
加えてこの甘い囁きだ。決して計算じゃないララの純粋な行為だからこそ、その破壊力は何物よりも凄まじい。
さらに抱き着くときに足も動かすもんだから、太股の上にかかっていたスカートが捲れあがり、その谷間の薄桃色な生地まで目に入ってしまう。
それに気を取られた隙に、ララが唇を重ねてきた。
「んっ……くちゅ」
すかさず舌も入れ、くちゅくちゅと音を立ててオレの中を味わおうとする。
いつの間にこんなに上手くなったんだ。
「んちゅ……リト」
「お、おい」
ララは視線を下方にやると、オレの股の辺りをズボンの上から手でまさぐる。
そこはちょっと今はまずい。
「リト……すっごいかたくなってるよ?」
「……言われなくてもわかってるよ、そんなの」
言いながらつい顔を逸らしてしまう。
こんな状態のララを抱いて、あとから覚えてなかったりしたら嫌だから我慢してたんだけど。
体は自分の意思と関係なく反応してしまう。どうしようもないくらいに。
そりゃそうだよな、こんな風に迫られて欲情しないわけがない。好きな女の子なら尚更だ。
だからララがおもむろにズボンのチャックを下ろし始めても何の抵抗もできなかった。
「すごい……びくびくしてる」
「あんまり見ないでくれよ……恥ずかしいからさ」
「ふふ♪ちゅぅ……」
膨れ上がった先端にキスをされ、びくんとペニスが跳ね上がる。
それを優しく包み込んでくれるララの手も舌も唇も、すごく気持ちがいい。
気がおかしくなってしまいそうだ。
「んちゅ……ちゅぷ」
「ララ、そんなにしたらすぐに……っ!」
絡みつく舌のぬるぬるした感触に、あっという間に絶頂まで連れて行かれそうになる。
我慢する暇もなく、熱いものが尿道を駆け上がってきた。
「ごめん、ララ!出るっ……!」
「ん、んんっ!」
どくどくと精液が吐き出され、ララの口の中に注ぎ込まれていく。
ララは全然嫌がる様子もなく「んく、んく」と喉をならしてオレの出したものを飲み込んでくれた。
口の端から垂れた精液も指ですくい舐めとる。
そんなララがあまりにも健気で色っぽく見えて、出したばかりだというのにオレのモノにはすでに熱い血が集まり始めていた。
「気持ちよかった?」
「……うん」
「よかった♪リトの、まだおっきいね」
「そうだな……でもその前に」
またペニスに触れようとするララをそっとベッドに押し倒す。
「あん」という嬉しそうな悲鳴にまたオレの鼓動が加速する。
今度はオレがララを気持ち良くしてあげなきゃ。
「んあ、はん……」
セーターの中に手を侵入させ、ブラのホックをすばやく外す。
この一連の動作にはさすがに慣れた頃だ。
直に触るララの胸は服の上から押し付けられるより何百倍もやわらかくて、指の動きに合わせて形が変わる。
ララの切なげな顔を見ると、こうしてララの胸を独り占めできることがとても誇らしげに思えた。
やっぱりララって可愛いよな。もっと気持ち良くしてあげたくなる。
服を一気にたくし上げると、引っかかった胸がぷるんと震えた。
「ひゃあ、んっ」
胸の先にある小ぶりな果実を口に含むと一際甲高い声をあげる。
そのまま舌先で転がすとさらにこぼれる甘い声。
形の良い唇から漏れるそれは美しいリズムを奏でているようで、いつまでも聴いていたくなる。
でもオレは攻撃の手を休めない。
手を下半身に伸ばしスカートをめくり、太股の間にそっと指を忍ばせる。
真ん中の、ちょうど筋の辺りを下着の上からなぞるとララの奏でるリズムが乱れた。
「ひぁっん」
「……え?」
同時にオレも驚いた。
ララの下着はもうほとんどその意味を成さないくらい、湿り気を帯びていた。
湿っているというより濡れているという方が正しいかもしれない。
「ララ……もしかして最初から濡れてたのか?」
「だって……」
オレがそう尋ねるとララは赤らんだ顔をさらに赤くして横に向けた。
「リトの気持ちよさそうな顔見てたら、私も感じちゃったんだもん」
「……!」
酔ってるとはいえ、見ただけでここまでなってしまうなんてエロすぎる。
もはや我慢できないといった面持ちで見つめてくるララ。
感じさせてあげたい。もっともっと。
「すごいな、ララのここ。大洪水だ」
「んあぁっ」
「お漏らししたみたいだな」
下着の上からでもはっきり形がわかるくらいぴったりと張り付いている。
泉が湧き出る源を覆っている布地を横にずらすと、ピンク色に光る口がぱっくりと広がっていた。
「エロすぎ……」
縦に割れた口をそっとなでると、ララの全身がビクンと震えた。
「ララ、なんかいつもより敏感じゃないか?酔ってるせいかな」
「よ、酔ってないもん……」
そこは譲らないのか。
「ふぁあ、ん!あんっ」
入り口をくちゅくちゅと弄ってやるとララは面白いくらい反応してくれる。
これくらい濡れてるなら、指が入っても大丈夫だよな。
「んあぁぁっ!」
「うわ……すげー簡単に入った」
ちょっと中指の第一関節まで入れたと思ったら、あっという間に付け根まで引きずり込まれてしまった。
ララの中はものすごく熱い。ララの体温で包まれた指を通して伝わってくる中の感触に一層興奮を覚えてしまう。
はやくララと一つになりたい。
でも、その前にもっとララの可愛い姿が見たい。
肉欲をグッとこらえて指を動かす。
「あっ、はぁっ!りとぉっ」
お腹側の内壁を指の腹で掻くようにしながら、一番弱いところを探す。
少し強めに粘膜を刺激していくと、ある部分でララの反応が強くなった。
「んやぁっ!」
「ララ、ここがいいのか?」
「だめ、だめぇ……!そこは、だめぇ……っ」
そのポイントを刺激し続けるとララの体がどんどん硬直し、必死に快楽に耐えているのがわかる。
尻尾に続くララの第二の弱点だ。
「ガマンしなくていいよ。ほら、気持ち良さそうな音立ててる」
「だめっ……だめだよぉ……!」
「ダメじゃないだろ、こんなにいやらしい液垂らしてるんだから」
「あはぁうぅっ……!りとぉ、りとぉっ」
下からだけでなく、ララの瞳からもぽろぽろと涙がこぼれ始めた。
でもすごく気持ち良さそうに顔をゆがめ、熱い息を漏らしている。
快楽に耐えきれなくて泣いてしまうララも可愛い。
「出ちゃう、出ちゃうよぉ……!」
「いいよ。ララの気持ち良いのいっぱい出して。オレがララに出したみたいにさ」
「んんぅああ、もぉ、だめぇえええっ」
ララが叫ぶのと一緒に、指を入れている穴のすぐ上の尿道から大量の液体が噴出される。
服やシーツに飛び散るのも構わずさらに刺激するので、それは留まることなくどんどん溢れ出てくる。
気付けばベッドに大きな染みを作りオレの手もびしょびしょだ。
「いっぱい出たな」
「は、うぅぅ……」
「めちゃくちゃ可愛かったよ」
ニヤッと笑いながら濡れた手を舐めて見せると、ララは真っ赤になって見つめてきた。
「だめって言ったのに……いじわるなんだから」
「尻尾の方が良かった?」
「……もう」
「うおっ」
ふらふらと上体を起こすと、今度はララがオレを押し倒してくる。
オレの上に馬乗りになったララは打って変わって楽しそうな表情になった。
「今度は私の番だから、リトはじっとしてていいよ♪」
「うぁ」
勃起したペニスを軽く扱かれる。
ララのイク姿を見て、もういつでも戦闘準備OKになっていた。
「これ、入れるね。んっ……」
ちょうどペニスの上の辺りに腰を持ってきたララは、自分の割れ目に先端をあてがう。
すっかり濡れそぼったそこからは今にもぷちゅうっという音が聞こえてきそうだ。
「んぁ、ああぁ……!」
そのまま支えとなっていた足の力を緩めると、重力に従ってララの腰が落ちてくる。
必然的に天を向いていたオレのものは中へと埋まっていく。
ゆっくりと、味わうように飲み込んでいくララの膣。
快楽に眉をひそめるララ。オレも同じような表情をしているかもしれない。
あたたかくて、ぬるぬるで、まるで意思があるかのようにララの膣壁が絡みつく。
多分、宇宙一幸せな瞬間だと思う。
全部入りきると、ララは腰を折ってキスをせがんでくる。
下も上も繋がりたいなんて、どうしようもない甘えんぼだ。
上半身を少し浮かしてそれに応えると、ララはまたすぐさま舌を絡めてきた。
「ちゅりゅ、くちゅるぅ……」
忙しく動くララの舌は否応なしにオレを責めたてる。
もう限界くらいまで大きくなったはずのペニスが、さらに膨張したような気がする。
ララもそれに反応したのか甘い息を漏らした。
「リトの、私の中でいっぱいだよぅ……」
「ララ……オレもう我慢できない」
「いっぱい気持ちよくなろうね♪ん、あぁっ……」
せっかく奥まで収まりきったペニスを、腰を浮かせてまた引き抜いていく。
ララが切ない声をあげる。体温が遠のいていく、とても不安な瞬間。
でもそれは次の最高の瞬間のためにある。
ギリギリまで引き抜いた腰を、また重みに任せて沈ませていく。
「ああぁ、ん……♪」
今度は快楽に染まった甘い甘い喘ぎ声。
頬に赤みが差し、目をぎゅっと閉じるララはとても幸せそうだ。
「りと、きもちいぃっ……」
「オレもだよ。ララの中、すげーいい」
また腰を浮かせ、沈める。浮かせて、沈める。
ララは夢中になって同じ行為を繰り返す。その度に歓喜に満ちた吐息を漏らした。
当然気持ちいいのはララだけじゃない。
何度も何度もララを貫く感覚に、オレはすでに爆発寸前だった。
「ララ、オレそろそろヤバい……!」
「うん……私も。もっとはやく動くね?」
ララはオレの腹の辺りに手を添えると、今まで上下だった動きを前後の動きに変えた。
「あっ、あぁっ、んぁっ、あんっ!」
「くぅ、ララぁ……!」
さっきみたいな大きなストロークは無いが、激しさを増した動き。
目の前でぽよんぽよんと揺れる大きな胸が余計に興奮を煽る。
気付けば仰向けになっていたオレもさらなる快感を求めようと腰を動かしていた。
「ララっ、ララっ!」
「りとっ!りとぉっ!」
膣内の収縮が激しくなり、ララの絶頂も近いことがわかる。
互いに名前を呼びあいながら絶頂へと駆け登っていく。
するとララはまた口づけをせがんできた。
イクときはキスをしながら……ということらしい。
余裕はほとんど無かったけど、他ならぬララの望みに応えないわけにはいかない。
「ちゅっ……」
「ん、ふぅっ!……――――――――っ!!!!」
唇が重なった瞬間、ララの中がきゅーっとオレのものを締め上げてくる。
それに呼応するように、ペニスが脈動してララへの想いを吐き出した。
「んふぅぅ……!」
目の前のララの瞳からまた涙がこぼれた。
オレ自身も、すべて搾り出そうとする膣内の動きに軽く泣いてしまいそうな快感を覚える。
もしかしたら目尻には涙が浮かんでいたのかもしれない。
唇を離し、涙目で見つめてくるララの頭を撫でる。
気持ち良さそうにララは顔を胸に埋めてきた。
「りと……すごかったよぅ……」
「ララの中気持ち良すぎ……」
軽くララのおでこにキスをして、ララの中からペニスを引き抜く。
出した直後でさっきのような元気は無いけど、硬さはそれほど失われていない。
抜く瞬間ララは切なげな顔を見せたけど、それを見抜いてなのか二人の液にまみれたペニスを見て頬を染める。
「きれいにしてあげるね」
「お、おい」
止める間もなく抜いたばかりのペニスに舌を添わせるララ。
付着した精液や愛液を丁寧に舐めとっていくが、オレのものはムクムクと熱さを取り戻していく。
おまけに先走りが流れ出しせっかくララが綺麗にしてくれたペニスを汚してしまった。
「だめだよー、リト。また綺麗にしないと」
くすくす笑いながらララが言う。
絶対ワザとだよな、これ。
そっちがそのつもりならこっちだって負けてられない。
「ひゃんっ」
くちゅくちゅと秘所を弄るとララが可愛らしい声をあげる。
怯んだ隙にララの後ろに回り込み、すべすべなお尻とその上から伸びる尻尾をがっちりとキャッチ。
四つん這いになったララを後ろから責める格好になる。
「さっきはララの番だったから、今度はオレの番だよな?」
「あう……尻尾はだめぇ……っ」
涙目のララ。お構いなしにペニスをあてがう。
愛液に加えて精液が垂れているそこは簡単にオレを受け入れてくれた。
「あぁうっ!」
「ララっ……!」
今度は最初から全開で飛ばす。ぱんっぱんっと肌と肌を打つ音が部屋に響く。
もちろん尻尾への愛撫も忘れない。
こちらはララの一番敏感な部分なので、優しく扱きあげる。
「やぁあ、らめぇっ!尻尾とっそんなとこっ、一緒にされたらぁっ……変になっちゃうよぉっ……!」
口ではダメだと言いながらも、膣内の収縮具合が示す通り体は悦んでいる。
それがわかるから最高に嬉しい。ララがオレで気持ちよくなってくれるのがわかるから。
「あはぁっ、だめぇ……そこはだめぇっ」
突くポイントを変えるとララの反応も変わる。
先ほど盛大に潮を噴いたスポットだ。
「あっ、はあぅん!っあぁん!」
2つの弱点を同時に突かれ、今にも崩れ落ちそうなくらいララの腰はガクガクと震えている。
後ろからだと顔は見えないけど、シーツにしがみついて必死に耐えているのがわかる。
オレはオレですでにラストスパートと言えるくらい腰を打ちつけているので、快感が高まるのも早い。
接合部では精液と愛液が擦れ白く泡立っている。
「ララ……お尻の穴もひくひくしてる」
「やぁっ……見ちゃやだよぉっ」
「く、はぁ……ララの中、どんどん絡みついてくる……すげーよ」
相変わらずララの膣は変幻自在に動いてオレを絶頂へと導いてくれる。
狭いだけでなく、オレのものにぴったりと吸いつくようなそれからはララ本来の優しさも伝わってくるようだ。
「はうぅ、りとぉっ……!わたしもう、もうっ!」
「いいよ、好きな時にイって……オレも合わせるから」
「だめだよぉ、またっ……また出ちゃうっ……!リトのおちんちん汚しちゃう……っ」
中の敏感な部分を責め続けたことでまたスイッチが入ってしまったらしい。
よく見るとオレのものがララの中に入る度、ぴゅっぴゅっと細かく液体が飛んでいるのがわかる。
もう決壊寸前らしい。
「いいよ、またいっぱい出して。オレもララの中に出すから。いっしょにイこう」
「あぁうう、りとっ!りとっ!りとっ!りとぉっ!!」
「ララっ!」
「ひあぁぁああぁっ!!!」
最後の一突きを打ち付けると「ぷしゃああああ」と音を立てて滝のような液体が流れ出る。
同時にオレのペニスも爆発したみたいに精液を吐き出していく。
溶け合うような感覚。何度も、何度でも味わいたくなる絶頂。
射精が終わるのと潮吹きが治まるのはほぼ同時だった。
力なく倒れるララを抱き込むようにしてオレも倒れる。
「はー……はー……」
「ララ、疲れただろ?ごめんな」
調子に乗って激しくしすぎたかもしれない。ちょっと反省。
でもくるっとオレを向いたララはうっとりと頬を染めていた。
「ううん……すっごくよかったよぉ」
「そっか?オレも気持ちよかったよ」
「もいっかいしたいな……♪」
そんなことを言いながら首に腕を回して甘えてくるララ。
今日はもう何度も射精しているのに、そんな可愛いことをされたらまた元気になってしまうじゃないか。
「んっ……リトのここもしたいって言ってるよ♪」
案の定ララに見抜かれ、扱かれるペニス。
しっかりと感じてしまう自分の若さに感謝し、少しだけため息を吐いた。
「わかったよ……ララの気が済むまで付き合うよ」
「えへへ♪」
満面の笑みを見せてくれるララ。
この笑顔にはどうあがいても勝てそうにないな……。
そんなことを思いながら、今日何度目になるかわからない行為に溺れていった。
「んん……?」
目を覚ますと、いつもと景色が違うことに気づく。
そういえば昨日はあのままララの部屋のベッドで寝たんだっけ。
酔ってテンションの上がったララに流されてしまい、何度交わったかもよく覚えていない。
右肩には心地良い重み。その正体は確かめるまでもないけど、確かめずにはいられなかった。
「ララ……」
規則正しい寝息を立てて眠るお姫様は、昨日の火が点いたような姿とは打って変わっておとなしい。
元気なララもエッチなララも好きだけど、眠ってるララも可愛いな……なんてことをついつい考えてしまう。
まずい、朝からのろけ過ぎだ。
布団の中を確かめると、二人ともかなり乱れた服装。
オレは下半身は何も穿いていないし、ララはほとんど全裸。
ニーソックスをつけているぶん全裸より欲情を誘う。
おまけにシーツにはいやらしい染みがいくつもついている。
このままでは朝から変な気分になってしまうので、オレはそっと布団を戻した。
ララを起こさないように携帯の時計をチェックすると時刻は8時半。
急いで起きるような時間ではないけど、たっぷり寝たので眠気はほとんどない。
しばらくするとララももぞもぞと動き出した。
「んんっ……あれぇ、リトだ。おはよー♪」
「おはよララ。……もしかして昨日のこと覚えてない?」
「昨日?……あっ」
少し考え込むような顔をしたあと、急に赤くなる。
どうやら思い出したらしい。酔って覚えていないかもと思っていただけに、ホッとした。
オレしか覚えてなかったらやっぱり寂しいもんな。
「昨日、私変じゃなかった?」
「変っていうか、酔っぱらっていつもよりテンション高かったな」
「やっぱり……これからは気をつけるね」
あからさまにヘコんだような顔をするララ。
オレは笑ってララの頭を撫でた。
「気にするなよ。それより二日酔いとか無さそうで安心したよ」
実際に飲んだのはほんのちょっとだったしな。
「あ、そーだ。昨日リトにプレゼント渡そうと思ってたんだけど……下に置いてきちゃった」
「昨日はバタバタしてたからな。オレも自分の部屋だよ」
「そっかぁ。うーん……もう起きちゃう?」
「もう少しこのままがいいって顔に書いてるけど?」
「えへへ……」
照れたように笑うララをそっと抱き寄せる。
あたたかい体温とララの匂いがふわりと鼻をくすぐる。
「ララ。起きてシャワー浴びたらさ、二人で出かけよう。今日は予定とかないよな?」
「うんっ、ないよ。わーい、リトとデートだ♪」
心から嬉しそうなララを見ていると自然と心が穏やかになる。
いいよな、この感じ。幸せがこみ上げてくる。
「……あ、そういえばまだ言ってなかったよな」
「え?」
昨日はなんとなく言いそびれちゃったけど、今日は12月25日。
やっぱりこの日はこれを言わなきゃ始まらない。
「メリークリスマス、ララ」
ララの頬にそっと口付ける。
昨日あげられなかったプレゼントの代わりに。