投下させて頂きます。お手柔らかに。
エロはじめて書いた。ぶっちゃけエロくならなかったけど。
タイトル→「ものまねとフラグ」
カップリング→バツティナ(ティナバツ?)
DDFFにてコスモス消滅後、進軍中の話。
ティナが、珍しく一人、座ってぼーっとしていた。いつもは玉ねぎが傍にいるのに。
ティナの視線の先にいるのは、いつも元気な二人と、二人に振り回される一人。
兄弟みたいで楽しそうで、そういうのが羨ましいのかと思った。
でも、なんだかそういう表情じゃなくて。声をかけてみようと思った。
「どうしたッスか?」
少し驚いて、ティナは振り返った。
「ううん、なんでもないの。楽しそうだなぁって。」
笑ってみせるけれど、やっぱりなんだか不自然に感じた。
「……もしかして、あの中の誰かのこと、気になってたりして?」
「いつもあんなに笑っていられるのは、なんでかなって。」
あの中の誰かのことを好きなんじゃないのか、というニュアンスが通じなかったらしい。
笑ったり照れたりして和むかなって思ったのに、予想外のリアクションだ。
「それって、もしかして、バッツのこと?」
「わかるの?」
「まぁ……オレも、なんでかなって気になって、直接聞いたッスからね。」
元の世界の記憶がないことで、多かれ少なかれ、皆思い悩んでる。
ティナもきっと、ほとんど覚えていないのだろう。
「元の世界の記憶があって、大事な人のことを覚えているから、それが支えになってるんじゃないかって。
オレ、そう思ってた。でも全然違った。ちゃんと覚えてるのは鳥のことだけ。あと、じいさん。」
「おじいさん?」
「今のオレ達みたいに記憶がなくて、でも明るくて気立てもいい。たぶん、そいつに励まされてたってさ。
はっきり思い出せなくても、そいつのマネをしようと決めたって、バッツは言ってた。
あの時さ、オレてっきり好きな子の話だと思って聞いてたのに、じいさんの話だったんスよ。普通あの展開なら女の子っしょ。
なのにバッツって……。あれは絶対恋愛に疎いッスよ。フラグクラッシャーってやつかも。」
ティナは考え込むように俯いた。あれ、もしかして、バッツのこと……。
「でもね、ティーダ。バッツはひとりでいる時、思い詰めたような顔をするの。」
「えっ」
またしても期待を裏切られたとか、そういうのは置いといて。
「え、どういうことッスかそれ。」
「本物と会ったことのないイミテーションの武器を見つめて、ずっと何か考えているの。
でも誰かが来るとすぐにしまって、また笑う……。」
「よく……見てるッスね。」
「最初はね、たまたま見かけただけ。それから気になって、ひとりになった時に様子を見にいくと、
持ってる武器は違っても、いつも武器と向き合ってた。いつも、何もなかったように笑ってた。
……だから、無理して笑ってるんじゃないかなって。」
バッツが悩んでいるような姿は、見たことがない。いつも笑ってるか、たまに真剣だったり。
何か抱えているだなんて、感じさせない。じいさんのモノマネ恐るべし。
いや、もしかしてモノマネなんて関係なくて、バッツ自身が元々そういう姿を人に見せないっていうか……。
一人で内に溜め込むタイプなんじゃ……?
なんか、そういうの分かる。見せたくない顔って、あるよな。
オレ、あんな風にうまく笑えてるのかな。
オレは結構頑張って笑ってたりするんだけど、バッツはなんか余裕ってかんじで。
ティナだって、舞台裏を見なければ、無理してるんじゃないかなんて思わなかったはずだ。
オレだって、聞かなかったら――。見られたくない舞台裏だよな、これ。
「無理は、してないと思う。多分。あの笑顔に、嘘はないッスよ。」
「そっか。そう……だよね。」
オレより笑うのが上手いのは、きっと無理がないからだ。
だから、何かあるんじゃないかって勘繰られないで済む。
上手く笑えることを羨ましいと思う一方で、淋しいとか、悔しいとも思う。
本当は何処かで無理があったはずで、なんで気付けなかったんだろうって。
何で教えてくれなかったんだろうって――。
でも、多分、本当にバッツには無理がないんじゃないか。……矛盾してるな。
何処かで似た想いをしたような気がする。誰かへの感情が混じってるのか。
思い出せないけれど、オレはその誰かと比較して、無理がないって感じてるのだろうか。
「それにしても気になるッスね、あの武器。オレさ、バッツに聞きたいこともう一つあったの思い出した。
"本物"のこと、覚えてるのかなってさ。もし少しでも覚えていたら、聞きたいんだ。召喚士の子について。」
ティナが不思議そうな顔をして見つめるので、言葉を続ける。
「オレの、大事な人だったんじゃないか……って。」
ずっとムズムズしてた。記憶ははっきりしてないけど、心の何処かで、そうじゃないかって。
「大事な人……。」
「そ。大事な人。っていうか、好きな子、だな。」
誰かに確かめたかった。でも皆知らないから、確かめようがない。バッツだけ、知ってる可能性があった。
あの話をした時、多分、そういう期待がオレの中にはあったんだと思う。
バッツの口から女の子の話が聞けていたら、その場でこの話をしたはずなんだ。
「愛するって、恋するって、どんな感じなのかな。」
「…………え?」
唐突なティナの質問に、詰まった。
「私……愛を知らないの。恋が分からないの。」
ちょっと待った、難しいこと聞かれるのオレ。
「えっと……それ、誰かに聞いてみた?」
「セシルは、いつか分かるからって。」
「セ、セシルらしいッス。」
いつか分かるよって答えは、残念ながらもう使われてしまったようだ。
同じ手を使って誤魔化すってのもアリだとは思うけど……。
「でも私は、今知りたい。」
え、なんでこんな話になってんの、元々何の話してたんだっけオレ達。ティナ天然?
っていうか恋愛の疎さはまさかバッツ以上だったりする?まさかのフラグクラッシャー2世?
「え、えーと。愛っていうと難しいッスね。恋なら、教えてあげられなくもないッスけど。」
「本当?」
ティナの表情が、ぱっと明るくなる。なんだか責任重大な気がしてきた……。
「よく言うじゃないッスか。恋はするものじゃなくて、落ちるものだって。
ほんとそんな感じで、気付いたらもう好きになってるんだ。」
「好きって、どんな感じ?」
え、そこから?ティ、ティナって……。
「相手のことを知りたくなるんだ。丁度今のオレみたいに。なんでもいいから、とにかくその人のことを知りたい。」
「私、皆のこと、もっと知りたいよ。」
「う、うーん。それは仲間とか友達としてってやつだと思うッス。」
「どう違うの?」
いつか分かるよって言いたい……。
セシルは誤魔化そうとして言ったんじゃないってことくらい分かってるけど。
「ううううん……相手のことを気付いたら目で追ってたり、気付いたらその人のことばっかり考えてたりするんだ。それこそ一日中。
その人のこと考えると胸がぎゅーって痛くなったり、ドキドキしたり、もう気になって仕方なくて忙しいッス。」
「……苦しいものなの?」
「苦しいときもあるけど、嬉しくて胸が幸せでいっぱいになったりもするんだ。
それから、愛しいって思った時、抱きしめたくなる。
ティナはモーグリ好きッスよね?ふかふかもふもふハグハグギューッってしたいッスよね?」
「うん、したい。」
「いっぱいいーーーーっぱいふかふかしたい、そんな感じッス。」
モーグリに対する"好き"とも、もちろん違うわけだけど。これなら分かりやすいだろうか。
「いっぱいふかふかしても足りない?」
「そう、そんな感じッス!ふかふかじゃ足りなくて、キスしたくなったりしてさ。」
って、ちょっとこれはマズかったかも。
そっち方向の話に進むと、先にあるのは肌を重ねる例の行為なわけで……。
それを教えろとかいう展開きたら、なんて羞恥プレイだっつーの。
「キス?」
「……ほっぺにじゃないッスよ、それは親愛の意味だから。唇にする方のッス。
本当に好きな人とじゃないと、絶対したくない。特にファーストキスは大事ッスね。」
「ティーダは、したことある?」
それを聞く!?
「……き、記憶がグルグルしてるからあれッスけど………………した……と思う。」
なんか、ザワザワする。
幸せなキスの記憶と、それとは別の――握り締めて、震えるあの子の拳――。
「好きじゃない人とのキスってさ、すげー悔しいと思う。」
「好きな人とのキスは?」
「脳ミソとろけちゃうッスね。幸せすぎて嬉しすぎて、どうにかなっちゃいそうな感じ。
愛しくて抱きしめて、色んなとこ触れて、またキスしたくなる。」
「じゃぁ、恋を確かめる方法って、キスなんだね。」
まさか、確かめる為にキスして周るなんてこと、ないよな。そこまで天然じゃないよな。
「そういうと語弊があると思うッスけど……。いいッスか、好きって気持ちを確認してからするのが正しい順序ッス。
好きじゃない奴としても、ティナが後悔することになるぞ。」
「うん、分かった。」
これでおかしなことは起こらないと思う。
もし何かあって、この状況でティナに変なこと吹き込んだみたいな展開になるのは、ちょっと困る。
しかし、今の説明で本当に分かったのだろうか。
――なんだろう、確かめようとしてるように見えるんだけど、気のせい?既に、恋してるんじゃ……。
「ティーダ、フリオニールが探してたぞ。」
結構な近距離からクラウドの声がして、必要以上にビクッとなってしまった。
「今行くッス。じゃあな、ティナ。」
「うん。」
手を振った後、ティナの視線が行った先を見て、やっぱりそういうこと?とちょっとの期待が過ぎる。
でも彼女はフラグクラッシャー2世である。そして相手もフラグクラッシャー。
……やばい、余計気になる。すげー気になる。
フラグクラッシャー同士って、どういう展開になるのか。
自分で釘を刺しておきながら、是非にも恋を確かめる方法を試してほしい。どうなるか知りたい。事件起きろ。
「どうした、ティーダ。やけに機嫌がいいようだが。」
「ん?なんでもないッス!」
また暫く進軍した後、休憩を挟んだ。休憩といっても、装備を整えたり、やるべきことはある。
――カオスを倒せば、別れが来る。皆と一緒にいられる時間も、あと少し……。
皆、普段あまり絡みのない人と話をしているように見えた。
ひずみに入らなければ、もうイミテーションを見かけないせいか、散り散りになっている。
ティナは、彼の姿を探した。見える範囲に彼の姿はない。
恐らくまた、本物と会ったことのないイミテーションの武器を出して、眺めてるのだと思う。
集中できそうな場所、集合の声が聞こえる範囲に、きっといる。
解放したひずみの前に戻ってみる。水辺の物陰に人の気配がした。
なるべく音をたてないように近付き覗いてみると、召喚士の杖を持ち、舞いのような動きでそれをゆっくりと振るう彼がいた。
まるで、別の人格でも宿ったかのよう――女性的に見えた。
「おっと。」
目が合うと、いつもの彼の顔に戻った。
こっそり踊りの練習をしていたところを見られたような、そんな感じだった。笑って、杖をしまった。
「しまわないで。」
どう声をかければいいのか、迷いながら咄嗟に出たのは、そんな言葉だった。彼が目を丸くする。
「……ひとりで抱え込まないで。」
彼に一番言いたかった言葉が、次に続いた。
突然こんなことを言えば、彼が困惑するのは当たり前だった。考え込む仕草をして、すぐに顔を上げた。
「もしかして、何回かこういうの、見てた?」
「うん。」
「そっか。」
バッツは普通に笑ってみせた。胸が、少し苦しい。彼を遠く感じる。
「やっぱり皆、おれの技のこと、気になってるみたいでさ。誰の技なんだって聞かれはするけど、
その誰かについてはなかなか踏み込んでこないんだよな。」
暗い空を映した海を見ながら、バッツはその場に腰を下ろした。その彼の隣に、ティナも座った。
「あの武器は、目が覚めたらもう持ってたんだ。もしかしたら、誰かの忘れものかもな……って、思ってた。
でもさ……やけに――昔から使ってたみたいに、手に馴染むんだ。変わった形状の武器もあるのに。技だって、身体に染み付いてて――。
不思議に思ってたんだ、イミテーションの技が真似できるなんて。おれが天才なだけ?なんてな。」
声の調子を明るく保とうとしているのが分かる。それでも少しずつ低く、抑揚のある声に変わっていく。
「ジタンは、会ったことない奴のも使えるのか、あいつら謎だなってさ。
でもおれ――最初から、何かおかしいってことには、気付いてたんだ。
……会ったこと、ないわけがないんだ。"ものまね"は、『仲間』の技を真似る技だから――。
こういう世界だし、おれの記憶もほとんどないしで、だから安易に答えは出さないでいたんだけど……。
カオスを倒したら、多分、お別れだろ?この世界から、自分達の世界に帰っていく。
その時、あいつらのこと、皆が知らないままだなんて淋しいだろ。何より、この戦いはおれたちだけのものじゃない。
今ここにいないあいつらも……一緒にきたし、一緒に行くんだ。」
穏やかだった表情も、いつの間にか真剣な顔つきに変わっていた。何処か、悲壮な決意を感じる。
「武器は、忘れてったんじゃない。あいつらが、残していったんだ。
記憶にはなくても、ここには残ってる。だから、皆も気になってるんだと思う。
おれは記憶とは別の形で、見える形で――"技"として、あいつらのこと、皆よりは覚えてる。
だからなんとか思い出して、あいつらと皆を繋ぐことがおれの役目。って勝手に思ってる。」
バッツは胸に手を当てたまま、穏やかに微笑んだ。
ティーダが召喚士のイミテーションのことを気にしていた。もしかしたら、自分の大事な人かもしれないと。
バッツは、きっとそういう答えも探してる。そして伝えたがっている。
……あのイミテーション達の"本物"のこと、ずっと、ずっと気にかけて――。
「ひとりで武器を見つめてたのは、思い出そうとしてたの?」
「うん。まぁこれがなかなかクセモノでさ。ほんと、記憶ないんだなぁって。」
バッツはもう、いつもの表情に戻っていた。それはとても自然で、ティーダが言っていたように、無理のないものだった。
「でも、悩んだりしてたわけじゃないぜ。心配かけてごめんな。」
バッツの手が伸びて、頭をぽんぽんした。その笑顔に、嘘はないのに。
「……悩んでないなんて、嘘。」
武器を見つめる横顔は、いつだって思い詰めていて、切なげに見えた。
コスモスの戦士に残された時間は、少ない。限られた時間の中で、答えを見つけなくてはならない。
誰に強要されるでもない、彼自身が、誰にも言わずに決めたこと。彼にしか、出来ないこと。
下ろしかけたバッツの手を取り、握り締めた。彼が立ち上がって、何処かに行ってしまわないように。
笑顔ではぐらかして、またひとりになってしまわないように。
「まいったな。ティナは何処までお見通しなんだ?」
そう言いながら、バッツは明るく笑った。また胸が苦しくなる。
なんでそんなに笑顔でいられるの?
あなたはちゃんと笑ってる。でも、同じようにちゃんと泣いてるの?
あなたが皆に笑顔を分けてるみたいに、悲しいことも辛いことも、誰かと分けてる?
――あなたは、笑顔しか共有させてくれないの?
――私、あなたの悲しみも辛さも、全部抱きしめたい。
その衝動のままに、バッツの後頭部に両手を回して引き寄せ、胸に抱いた。
バランスを崩したバッツの上半身を預かる形になる。バランスをとろうと伸びた手が、ティナの膝に触れた。
「ティナ?」
胸元で、彼が戸惑っている。こんな行動に出た自分自身に、ティナも少しばかり戸惑ったが、それを振り払った。
「私、バッツの悲しい顔も、怒った顔も、辛そうな顔も、ちゃんと見たい。あなたの笑顔を見ていると……胸が苦しい。」
――どうすればあなたは、痛みを分けてくれるの?
「おれが笑うと、苦しいのか。」
声のトーンが落ちた呟きに、はっとした。抱きしめていた頭部を解放する。
「ごめんなさい……」
「ごめんな、苦しい思いさせて。」
姿勢をそのままに少しだけ顔をあげたバッツは、笑ってはいなかった。
姿勢を戻さないのは、表情をはっきり見せたくないから?
「ううん、いいの、違うの。あのね」
「ん?」
「バッツの笑顔、好きだよ。」
「苦しいのにか?」
姿勢を戻しかけて見えたのは、困ったような笑顔。どうしよう、うまく伝えられない。
あなたのことを想うと、苦しくてたまらない。胸が絞めつけられる。この気持ちは、何?
――愛しいって思った時、抱きしめたくなる。
ティーダが言っていたことが脳裏に浮かんだ。
気付いたら、その人のことばかり考えてる。胸が、ぎゅーって痛くなる。
いっぱいふかふかしても足りない。ふかふかでは足りなくて、……キスしたくなる。
それは、本当に好きな人とでなければ、したくないこと。
「バッツには、笑っていてほしい。あなたが苦しい時は、それを分けてほしい。」
私、分かったよ。この気持ちが"好き"なんだね。
「あなたが笑顔をくれるみたいに、私もあなたに、あげたい。」
自然に身体が動く。彼の頬を両手で包み、彼の唇に自分の唇を重ねた。彼の唇から、声が漏れた。
驚くよね、いきなりこんなこと……。
自分の気持ちは確認したけれど、彼の気持ちを確認しないままに、動いてしまった。
もしかしたらティーダみたいに、心に想う人がいるかもしれないのに。もしそうだったら、私、何てことを……。
唇を離し、彼の目を見た。こんなにも近い。初めての距離から見えた彼の目は、とても澄んでいた。
「受け取ったよ。」
それは零れるような、優しさに溢れた微笑だった。胸が熱くなる。
ティナの身体が浮いた。抱き上げられ、バッツの膝の上に乗せられたのだ。
彼の腕の中。不思議な安心感。彼の胸板に頬を寄せる。温かい。自分の身体とは違う、しっかりとした感触。風の匂い。
「今度はおれが、ティナにあげるから。」
包んでいた腕が片方離れ、ティナの顎にそっと触れ、上を向かせる。
バッツが顔を覗き込んだと思った時には、唇に柔らかな感触があった。
彼の、唇。胸の鼓動が強くなる。少しの間重ねて、すぐに離れた。
「――"オレ"も、ティナには笑っててほしい。」
一瞬、懐かしい感じがした。
でもそれは、本当に一瞬のこと――。
バッツが頬にそっと触れ、彼の唇が下りてくる。唇を食むように、幾度もキスを重ねていく。
心地よくて、でも胸の鼓動はずっと収まらないままで、もっと彼を感じたいと欲張りになっていく。
彼の背中に両の腕を回して抱きしめる。彼の腕もまた、ティナをより強く抱いた。
頬を撫でる温かな手は、滑るようにして鎖骨をなぞり、素肌の肩に触れる。
その温もりに、自分の身体が冷えてしまっていたことに気付かされる。
彼を求めるように喘ぐと、彼がそれに応えるようにキスを深くしていく。
互いの舌が触れ合い、じゃれるようにして絡んでいく。
肩に触れていた手が結い上げた髪を撫で、そのまま頭部を抱いた。キスが、もっと深くなっていく。
とろけてしまいそう。いつまでも、こうしていたい。あなたと。
抱きしめて、キスをして、また抱きしめて。
苦しいときもあるけど、嬉しくて胸が幸せでいっぱいになったりするって、本当だね。
"好き"って、恋って、素敵だね。
――でも、別れの時は、すぐそこに……。
長いキスが終わると、夢から醒めてしまう気がした。
「ずっと、あなたと一緒にいられたらいいのに。」
細い彼の首筋に顔を埋めると、彼の両腕がティナを包み込んだ。首を傾けて、ティナの耳を彼の頬が温める。
この温もりをずっと感じていたいのに。また苦しくなってくる……。
「同じ世界に生きていたとしても、別れは何時か来るんだ。早いか遅いか、そういう差はあるけど。
二度と会えなくても、心はいつでも側にある。もし記憶が消えてしまったとしても、心からは消せない。」
バッツは離れていても、皆と別れても、平気なのだろうか。
誰だって、辛くないわけがない。淋しくないわけがない。
彼の強さは何処からくるのだろう。それだけの別れを乗り越えてきたのかもしれない。
「……なんてな。世界は広く、その組み合わせだけ、多くの可能性に満ちている。――おれは、探すよ。会いに行く。」
顔を上げると、バッツは屈託なく笑った。
「ティナの街に行って、ティナの家に行く。その時は、案内してくれよな。
ティーダには、えっと……何とかボール、あれを教えてもらわないとな。
それから……あ、これヒミツな。ジタンもスコールも、いきなり行ってビックリさせたいからな。
でも、ティーダには予約いれといた方がいいか。選手だっていうから、つかまえるの大変そうだし。」
何処までも希望に満ちている。風が何処にでも吹くように、バッツなら何処にでも行ける気がする。
「うん、そうだね。」
自然と笑みが零れた。そんなティナを見て、バッツも一層の笑顔を見せる。
「さあ、そろそろ集合だぞ。」
そう言って、バッツはティナの頬にキスをした。
親愛の、キス。
ティナもまたバッツに、同じキスを返した。仲間の関係に戻る魔法――。
バッツが少し前を歩き、二人で仲間のもとへ歩を進める。
「なぁ、ティナ。」
「ん?」
「ティナが、平気そうでよかった。」
「……?」
少しだけ振り返ったバッツは、誰かの面影を映していた。
誰かは分からない。それでも、胸は温かくなった。
集合の際、二人が揃って現れたのを見て、ティーダはにやけそうになる顔を手で覆った。
まさかまさか。キタコレ!?いやいや、早まるな。だって二人はフラグクラッシャー。
甘い妄想なんて軽く砕くに決まってる。でもそこには無限の可能性が……って何考えてるんだオレ。
駄目だ、二人を普通に見れない。機会をみて、どっちかつかまえて話聞かないと。
「次のひずみは、どのメンバーで行く?」
フリオニールが編成の話を振ってくる。相変わらず真面目。
関係ないけど、のばらは初心そうだよな。
きっと、好きな子が誰なのかバレバレで、協力という名のちょっかいを出されるタイプだ。
「おれ行くよ。」
「バッツ、君は先程も戦っただろう?」
WOLの言う通り、さっきも編成に入っていた。
好戦的って性格じゃないと思ったけど、何かあるのか。
「平気平気。なんだったら、アシストでもいいぞ。」
そういえば、カオスの奴等が復活してるなら、オヤジもどっかにいるんだよな……。
「オレ行くッス。」
とにかく身体動かしておきたい気分だ。
バッツが先をゆっくり歩きだしたので、編成が決まった自分もくっついていく。
色々な武器を出して、まるでお手玉でもするように振ってはしまい、切り替える。
召喚士の杖で止めたのを見て、ドキッとした。
心臓の音が聞こえるわけないのに、タイミングよくバッツが振り返る。
身体ごと向き直り、しっかり視線が合った。まるで、その杖の持ち主のことが、"ムズムズ"の原因って知ってるみたいに。
見てろ、とでも言うかのように構える。一呼吸置いて、動き出す。
召喚士の杖をゆっくり振りながら、踊るように舞う。
それ、女の子がやった方がいいッスよ、動きが乙女過ぎるから。
心の中でツッコミをいれつつ、目はしっかり追っていた。
いつか、見たような気がするから。
(終)
ティナかわいいなぁ
「ものまねとフラグ」書いた者です。
続きがもし書けたら、今度はバッツ視点でいけるとこまでいきたいなと。
どうしてもこの二人、いきなりはしないだろうとしか思えず…。
DDFFやってない人も楽しめるように、色々気をつけて書きたい。
乙。
和んだわ。
7スレって落ちてる?
ライトニングがメタルサボテンに影縫いされたときの喘ぎ声がたまらんです…
身動きできないライトニングを…ていうのキボン
ていうかライトニングが喘ぎ悶えるのならなんでもいいw
FF6やってるんだけど、セリスには目もくれずにカレーライスの夢見てる見張りマジ紳士ww
>>688 あの見張りは絶対、不能者かホモだよw
ちなみに過去スレには、その囚われの身のセリスが
性的拷問や陵辱されるSSはあった?
いやいや、やりすぎて疲れ果てたんだろう。
カレーの夢を見るとは、直前までどんなプレイをしていたんだ……。
>>690 あんま考えたくないな…
とりあえず好物だからと思いたい
ガーランド×アルティミシア
皇帝×シャントット
ゴルベーザ×ティファ
エクスデス×コスモス
ギルガメッシュ×暗雲
ケフカ×プリッシュ
セフィロス×ティナ
クジャ×エアリス
ジェクト×ライトニング
ガブラス×ユウナ
あみだくじしてみたらこうなった
いける組み合わせはどれ?
ジェクト×ライトニングってありじゃね
本編でも両親がいなくて父性の象徴がオーディンだったりするし
普通の恋愛より不倫みたいな恋愛してそうだから
マザコンセフィロスとティナママもありじゃね
何だか恐ろしいことになりそうな気はするが…
>>692 なんか色々ありえなさすぎてワロタwwwww
>>692 まったく本編で絡んでない人たちばっかで吹いたww
697 :
名無しさん@ピンキー:2012/04/21(土) 17:38:08.31 ID:JoHGMKKX
ナナキ君やキマリさんはおよびでないのですか?
保管庫どこ?
>>1にあるの見られないんだけど、あれしかないのかな
セッツァーの日記みたいなやつってこの保管庫にはないのかな
なければ探して自分で載っけるという選択肢もあります
ただ、無知な自分には編集の仕方がよう分からんorz
>>684 遅レスだけど乙です
この2人の「らしさ」がよく出てて、すごく良かった!ティーダも何気にいい味出してたw
続き気長に待ってます
>>700 たしかあるよ。
「ナントカ航海日誌」みたいなタイトルで、口調がキモオタっぽいヤツしょ?
「作品別」って所をクリックしてみそ。
>>703 載ってた!ありがとう
前に確かこのスレに貼られてたの見たんだが
その時は6プレイしてなかったので面白いと思って覚えてたんだが
6プレイした今見るとやっぱり面白かった
保守
保守
707 :
名無しさん@ピンキー:2012/05/30(水) 00:42:06.81 ID:7zN/ac7P
保守age
鎧ライトニングの話お願いします
709 :
名無しさん@ピンキー:2012/06/10(日) 20:21:23.70 ID:xpW+tny3
>>699 ここ更新止まってるね
ff3スレの学者レフィアの作品どこかにまとまってないかな?
>>709 「ff3 エロパロ」で検索したら色々出てくるね
ジェクトいいな
712 :
名無しさん@ピンキー:2012/07/07(土) 01:15:25.96 ID:+oSUWaY0
保守age
久しぶりにDDFFの動画を見たらティナ→セシルという構図も有りな気がしてきた
ティナはセシルと会話するときは結構口説くスキを与えてそうなことを言うよね
「私に今みたいに仲間はいたのかな
誰か迎えてくれる人なんているのかな」
「自分の大切な人がいなくなってしまったら
ひとりだったときより もっと寂しくなるのかな」
ティナが実は遠まわしに”セシルと一緒にいたい”
という思いを込めて言ってたとしたらそれはそれで(脳内で)萌える
FFレジェンズってここに投下していいのかな?
716 :
714:2012/07/19(木) 14:19:19.63 ID:ltjv2amj
>>715 ありがとうございます。
ソール×セーラとアシュマダイ×マトーヤの二つを平行して書いているのですが、
アシュマダイ×マトーヤの方が先に出来たので投下します。
注意
・孕ませ表現あり
・苦手な人はスルー推奨
717 :
714:2012/07/19(木) 14:23:51.46 ID:ltjv2amj
※シチュとしては踊り子編のアシュマダイ戦で敗れた直後と考えておいて下さいm(_ _)m
アシュマダイとの戦いに敗れたマトーヤは、要塞の一室で裸にされて手枷を付けられ、天井から垂れ下がっている鎖に繋がれていた。
気を失っている間に何かされたのか、異様に膣内が熱く、女陰から愛液が溢れ出てきていた。
「くっ…、アシュマダイめ…。クリスタルが目的なら、さっさととどめをさせればいいものを…!」
「クカカカ…、貴様ほどのいい女、抱かずににとどめをさしては男が廃るというものではないか!」
振り向くとアシュマダイが部屋の扉を開けて入ってきた。
「アシュマダイ!」
マトーヤはアシュマダイをにらみつけた。
「ほう、まだ気持ちは屈していないようだな。だが…」
そう言いながら、アシュマダイはマトーヤの女陰に指を挿し込む。
「ひぃっ!?」
膣内が思った以上に敏感になっていて、マトーヤは思わず声を上げた。
「お前の体はワシのが欲しくて仕方ないようだが?」
そして指先で膣内を撫で回していく。
「くぅっ…あっ…」
指が動く度に女陰からは淫靡な音が漏れた。
「先程塗り込んでおいた媚薬が効いてきたようだな。」
アシュマダイはマトーヤの女陰から指を抜き、指に付いた愛液を嘗めながら言った。
「ハァ…ハァ…」
「クカカカ…もう体はワシのが欲しくて仕方がないようだな」
「だ…誰がアンタなんかと…」
「さあ、昔のようにワシにねだってみろ。」
「ふざけるんじゃないよ!」
718 :
714:2012/07/19(木) 14:28:24.16 ID:ltjv2amj
「フッ、察しが悪いな、別の牢に捕らえてある貴様の連れのガキどもの運命は貴様の態度次第だというのに…」
「!!卑怯者が…!」
「ワシに敗れた者達をどう利用しようワシの勝手だ。むしろ殺さずにおいてやってることに感謝してもらいたいくらいだな。」
「クッ…! 」
「まあ四人もいるのだから、何なら一人くらい見せしめに…。」
「分かったよ!!私のことは好きにおし!だから、あの子達には手を出すんじゃないよ!」
「それはあくまで貴様がいかに私のために尽くし、満足させられるかにかかっている。さあ、ワシと恋仲だった頃のようにねだってみろ!」
「っ!」
「さあ、どうした?」
「………アシュマダイ、私もう…我慢出来ないの…。あなたの…熱いのを早くちょうだい…。」
悔しさと恥ずかしさを圧し殺して、マトーヤはアシュマダイに性交を懇願した。
「クカカカ…、よくできたな!では百年ぶりに貴様の体にワシの棒術をたっぷりと味わわせてやるわ!」
アシュマダイは己の肉棒をマトーヤの女陰に押し当て、そのまま肉壺へと押し込んだ。
「うっ…くあぁっ…」
媚薬で敏感になっていた膣内をアシュマダイの太くて長い肉棒が押し広げるようにして奥へと進んで行く。
「ほう、なかなか良い締まり具合だ。この百年間、その美貌で数多の男と交わっていると思っていたのだがな。そんなにワシの味が忘れられなかったのか?」
「くっ…、バカにするんじゃないよ!私は帝国の野望を阻止するために恋にうつつをぬかす間もなく、今まで必死にやってきたんだ!」
「なるほど、ならば尚更、若さを保ちながら性欲を満足させられていない可哀想なその体を慰めてやらねばな!」
そう言うとアシュマダイはマトーヤのお腹に手を当てて、呪文を詠唱し始めた。
「ひっ!ああぁっ…!アシュマダイ…何を…!?」
詠唱が終わらないうちにマトーヤは子宮や卵巣が激しく疼くのを感じた。
「排卵を促進する魔法だ。この状態で精液を注がれれば、確実に子を孕むだろう」
「なん…だって…!?あっ!!」
マトーヤが驚愕しているのにも構わずアシュマダイは挿入した肉棒でマトーヤの体を激しく突き上げ始めた。
719 :
714:2012/07/19(木) 14:37:17.01 ID:ltjv2amj
「貴様はこうやって…激しく突かれるのがすきだったな!」
「あぁんっ!!はあぁんっ!!」
アシュマダイの魔法で生殖機能を活性化させられたマトーヤの体は媚薬との相乗効果で突き上げられる度に抗えぬほどの快感を産み出した。
「はぁんっ!!やぁぁっ!!」
マトーヤは為すすべなく、あえぎ声をあげるだけだった。
「クカカカ…抱かれるのに慣れておらぬその体では、我が棒術には抗えぬわ!もっと色々な男に抱かれておくべきだったな、マトーヤ。」
「あっ…はあああぁんっ!!」
アシュマダイの卓越したテクニックの前にマトーヤの体はあっという間に絶頂を迎えさせられた。
「ハァッ…あぁっ…」
マトーヤは体をビクビクと痙攣させながら荒い呼吸をしていた。
「いけない子だな、マトーヤ。せっかく昔、ワシより先にイカぬようにさんざんその体に教え込んでやったというのに…。こんなだらしない体はまた鍛え直してやらんといかんな。クカカカ…」
そう言うとアシュマダイは肉棒をさらに深く押し込んだ。
「はぉおっ!!」
肉棒の先端はマトーヤの子宮口を貫通し、子宮内に到達した。
また両手でマトーヤの乳房を掴み、揉みしだきながら、肉棒で激しく子宮を突き上げた。
「はぁっ!おおっ!あおぉっ!!」
イカされたばかりでさらに激しく子宮を突き上げられたのだから、マトーヤはたまらない。
「ぬうっ、子宮口の締め付け具合がたまらんな!ワシもそろそろ限界だ…!」
そう言うとアシュマダイはさらに深く根本までマトーヤの女陰に捻り込んだ。
「あひぃー――っ!!」
「さあ、受け取るがいい、我が子種をな!!」
「くっ…やめ…!あっ!ああぁっ!!」
アシュマダイの亀頭からマトーヤの子宮へ大量の精液が注ぎ込まれた。
アシュマダイの体温とともに注ぎ込まれたその液体はマトーヤの子宮を満たしていく。
「あっ…はぁあっ…」
720 :
714:2012/07/19(木) 14:40:46.61 ID:ltjv2amj
「これで貴様は確実に身籠るだろう。そして貴様の産んだ子には立派な帝国の軍人となるよう英才教育を施してやる。」
「…はぁ…はぁ…」
もはやマトーヤの目は虚ろとなり、反抗の意思も消えていた。
「貴様の百年は全くの無駄だった。帝国に反逆するために色々と裏で活動しながら、こうしてまたワシの腕の中に戻ってきたのだからな!クカカカ…グッ!?ぐががっ!!?」
アシュマダイが勝ち誇って高笑いをした次の瞬間、彼の背中に数発の斬撃と魔法、矢が撃ち込まれたのだった。
アシュマダイが振り向くと、別の牢に捕らえておいたはずの闇の戦士達が立っていた。
「バカな、何故…!?どうやって牢から…!?」
「私が解放した。」
彼らの後ろから仮面をつけ、黒衣を纏った男が現れた。
「おのれ…、まだネズミが…いたとは…!この…アシュマダイがぁーっ!!!」
そう叫ぶと、アシュマダイはそのまま床に崩れ落ちた。
「マトーヤ!大丈夫か!?」
マトーヤを吊り上げていた鎖をグレイブが剣で切断し、前のめりに倒れたマトーヤをアルバが受け止めた。
「アンタ達…無事だったんだね…。良かった…」
マトーヤはアルバ達の姿を見て、ホッとしていた。
「あたし達のことよりもアンタの方がヤバイじゃん!そのままじゃアイツの子を産むことになっちゃうよ!早く医者に…!」
マトーヤを抱えながらアルバが心配そうに言う。
「…構わないよ。帝国の野望を阻むためとはいえ、私も多くの命を犠牲にしてきたんだ。もうこれ以上無駄に命を奪いたくなんてない…。」
「アンタ…」
「マトーヤさん…、本当にごめんなさい。私たちのせいで…」
ディアナが申し訳なさそうに言う。
「アンタ達のせいじゃないよ。これはあたしの過去と決着をつけるための戦いだったんだ。だから気にすることはないんだよ。」
そう言うとマトーヤは立ち上がり、天井を睨むようにして倒れているアシュマダイに目をやった。
「全く…、バカな男だよ…」
そう呟いたマトーヤの頬を一筋の涙が伝って落ちた。
(完)
>>720 GJ
アシュマダイは不妊治療専門の産婦人科医になればよかったのだ…
アシュマダイはエルフ王に化けてた時にシルク王妃ともやってそうだなw