年の差カップルにエロ萌え 5歳差

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1名無しさん@ピンキー

親父と少女、お姉さまと少年など、年の差万歳なエロと萌えを語るスレです。

職人様へ
特殊傾向は表記必須でお願いします。



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http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1243290093/


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年の差カップルにエロ萌え 3歳差
ttp://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1214833826/
年の差カップルにエロ萌え 2歳差
ttp://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1194432193/
年の差カップルにエロ萌え
ttp://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1176813582/


保管庫

ttp://wiki.livedoor.jp/toshinosa_moe/d/FrontPage
2名無しさん@ピンキー:2010/04/26(月) 14:48:36 ID:cYG+oc+B
        _               
   .     |!!!!!!|
         ノ ≡ヽ
        /,/_._____ヽ
      | KIRIN .i
      | ! .@  . |
      |午後ティー |         
      i !. ----  i
      ト -(,,゚Д゚).1      >>1
      i i(ノ iiii. | .つ   
      | .i .| iiii | .|  
      i   ゝ-イ. | 
       ゝ___,,イ 
      ∪ ∪
3名無しさん@ピンキー:2010/04/26(月) 16:31:45 ID:t/oStIJP
>>1
4名無しさん@ピンキー:2010/04/26(月) 20:39:34 ID:S406JgRl
>>1

だが初代スレは「年の差カップルで〜」だ
2スレ目から「年の差カップルに〜」なんだ
5名無しさん@ピンキー:2010/04/27(火) 21:56:48 ID:+hpCsNPn
>>1
6名無しさん@ピンキー:2010/04/28(水) 09:16:01 ID:CKlggcE2
>>1さん乙
7名無しさん@ピンキー:2010/04/28(水) 12:41:34 ID:KPGr3/3U
>>1乙ポニテ
8名無しさん@ピンキー:2010/04/28(水) 22:57:17 ID:MHa2Nhxc
>>1
乙の差カップル
9名無しさん@ピンキー:2010/04/29(木) 01:31:13 ID:gJH+q6OE
青年と小学生の純愛
10名無しさん@ピンキー:2010/04/29(木) 20:18:42 ID:oXjtPTgf
10
11名無しさん@ピンキー:2010/04/30(金) 11:29:55 ID:wlf/WrNd
教え子に手を出すシチュかな
12名無しさん@ピンキー:2010/04/30(金) 12:13:32 ID:9s947ciC
ベタだが教え子に手を出されちゃう美人先生期待
13名無しさん@ピンキー:2010/04/30(金) 16:23:32 ID:rng1XyOF
下のお口で童貞チムコぱっくんちょですか
卑猥です
14名無しさん@ピンキー:2010/04/30(金) 17:00:09 ID:wlf/WrNd
学生にはないフェロモンに思わず押し倒してしまうとか
15名無しさん@ピンキー:2010/04/30(金) 17:00:50 ID:Wz3GXn2+
>>1乙!
16名無しさん@ピンキー:2010/04/30(金) 23:02:27 ID:bAapdSGX
精神的に大人の20台女といい感じに落ち着いてきた40台男萌え
どっちも独身設定で
17名無しさん@ピンキー:2010/05/01(土) 04:05:27 ID:L57Wt2c2
何歳以上ならこのスレ的にはオッケーなの?
18名無しさん@ピンキー:2010/05/01(土) 04:11:06 ID:GA/Hpt2X
>>17
何歳差以上と言いたいのか?
19名無しさん@ピンキー:2010/05/01(土) 13:53:58 ID:Ref/inRv
>>18
干支一回りぐらいは欲しいなあ。
20名無しさん@ピンキー:2010/05/02(日) 03:39:37 ID:/zchiE7g
一歳二歳でも、年の差が感じられればオッケーかな
21名無しさん@ピンキー:2010/05/02(日) 07:15:55 ID:wNy7xo9X
そういえば淫行教師ってもう終わったっけ?
22名無しさん@ピンキー:2010/05/02(日) 14:13:59 ID:O3tyPNmN
前スレ>>700だけど
弟が昨日約束通り泊まりに行っちゃったよ…
仕方ないから弟の部屋あさってたら
AV14本とエロゲ2本とエロ本5冊が
見つかっちゃったよ…
23名無しさん@ピンキー:2010/05/02(日) 17:46:10 ID:Y/LoOs7F
>>22
ワロスwwwww
24名無しさん@ピンキー:2010/05/02(日) 21:18:56 ID:/zchiE7g
取り敢えず、他に注意するような保護者が居ない場合、
一応はどういう関係になってるかとか、ちゃんと聞いておいた方が良いんじゃね?
言わないで波風立たない方が楽なんだけど、万一とかあるしな。
25名無しさん@ピンキー:2010/05/02(日) 22:02:16 ID:Y/LoOs7F
まぁ女子大生と男子中学生とか狂ってるように犯りまくってるでしょw
特に男子中学生とか1日数回余裕で出来るし
26名無しさん@ピンキー:2010/05/02(日) 23:08:58 ID:O3tyPNmN
>>24
具体的に何を聞いたら良いのかな?
>>25
羨まし過ぎて発狂しそうだから
弟のエロゲを一本借りてプレイしとくよ

スレ違いでごめんよ
27名無しさん@ピンキー:2010/05/03(月) 23:04:46 ID:VeFppUFx
スレ違い
28名無しさん@ピンキー:2010/05/05(水) 01:07:39 ID:ThcavC1g
俺の両親は父52歳、母43歳の年の差夫婦
因みに付き合い始めたのは今から33年前らしい
29名無しさん@ピンキー:2010/05/05(水) 01:27:29 ID:NFkoc5ek
父19、母10って源氏物語かなんかか馬鹿やろうkwsk聞かせろ
30名無しさん@ピンキー:2010/05/05(水) 01:47:06 ID:OeMerm5k
>>28
ド畜生めロリコンが!!
とお父上にお伝え下さい
31名無しさん@ピンキー:2010/05/05(水) 13:23:05 ID:7PVi+QC2
あるドイツの青年(18歳)は、自分の従妹の洗礼式に出席していたとき、唐突にこう言った。

「僕は将来、この子と結婚すると思うよ」

あまりの発言に周囲をドン引きさせたこの青年はのちに宇宙旅行協会に入りロケットの開発をし、
弾道ミサイルV2を開発を成功させ、さらにアメリカに渡ってアポロ計画で人類を月に送ったりしたのだが、

この男、ヴェルナー・フォン・ブラウンが36歳の時に本当にこのときの従妹(18歳)と結婚した、
という偉業の前にはどうでもいいことである。
32名無しさん@ピンキー:2010/05/06(木) 00:03:45 ID:libkcR/q
>>31
やりおるわこやつめ
33名無しさん@ピンキー:2010/05/07(金) 22:56:13 ID:U1U6RGJX
やりおるだけに、本当に従妹とヤりおったんだろうな。
34名無しさん@ピンキー:2010/05/08(土) 06:39:30 ID:IlHF9/ZS
誰が上手いこと言えとw
しかし天は物を与えまくりだな
羨ましいぞこの野郎
35名無しさん@ピンキー:2010/05/08(土) 10:39:28 ID:ZuVaxYRE
俺の一家は年の差恋愛ばっか

俺の同級生(25)と再婚した父(55)
元教え子(23)と結婚した高校教師の姉(30)
妹の先輩(18)と結婚した俺(25)
8歳上と5歳上の従姉2人と同棲してる弟(19)
10歳上の女医と付き合ってるレズな妹(16)

年の差恋愛って世間的には評価どうなんだろね
36名無しさん@ピンキー:2010/05/08(土) 12:14:34 ID:E2BcuKwZ
いや年の差恋愛がどうこうとか言う以前に色々カオス過ぎるだろそれ
37名無しさん@ピンキー:2010/05/08(土) 15:50:17 ID:znSWQKYu
>>35
弟と妹パネェ
38名無しさん@ピンキー:2010/05/08(土) 20:31:01 ID:5YB5Q8NI
オヤジさんも剛の者だぞ

あまりのカオスぶりに35と姉上が妙に普通に見えてしまう
みんなぁ、幸せか?
39名無しさん@ピンキー:2010/05/08(土) 22:16:03 ID:5EACpY+F
>元教え子(23)と結婚した高校教師の姉(30)

もしやうちの知り合いか?とオモタ
新卒採用の高校教師で同僚なんだが嫁が8つか7つ上の高校時代の先生だったとか…
まあ、今から数年前の話なんで別人だろうが。
にしてもなにこのネタ宝庫ファミリーw
40名無しさん@ピンキー:2010/05/08(土) 23:11:06 ID:znSWQKYu
>>38
それもそうだな
しかし年上の従姉妹姉妹相手に姉妹丼とはw
いとこの味はなんとやらとか言うが更に姉妹丼だとどうなるのか?
41名無しさん@ピンキー:2010/05/08(土) 23:52:26 ID:ZuVaxYRE
>>38
俺含め皆幸せそうだよ
特に弟は家にコンドーム8箱あったから多分幸せ
だと思う。
後、俺の身内じゃないけど昔からの知人(24)
の彼氏が12歳だったな。

いわゆる類友ってヤツかな?
42名無しさん@ピンキー:2010/05/09(日) 00:16:54 ID:+cIfnBAU
>彼氏が12歳だったな。

どうかんがえてもアウトだろwww

43名無しさん@ピンキー:2010/05/09(日) 01:45:33 ID:7bM8uvkx
>>41
ショタのおねいさんなのかショタのおにいさんなのか
それが問題だ
44名無しさん@ピンキー:2010/05/09(日) 17:20:14 ID:obqEVICW
>彼氏が12歳だったな。
俺的にはこないだの教師と13歳のやつに萌えたからセーフだが・・・
いやでも世間的にはバレたらやばいから・・・セウト!!
45名無しさん@ピンキー:2010/05/10(月) 20:19:53 ID:bHnOGUpt
すごくおもしろいじゃないかw
46名無しさん@ピンキー:2010/05/11(火) 23:07:18 ID:f1/s/Qib
コンドーム8箱っていくつ入ってんだ?
47名無しさん@ピンキー:2010/05/11(火) 23:26:08 ID:2WW6r9Vk
>>44
>セウト!!

どっちなのかはっきりしろwww
48名無しさん@ピンキー:2010/05/13(木) 13:52:33 ID:F1vi3cJd
ソウイチロー元気かな
49名無しさん@ピンキー:2010/05/13(木) 21:54:36 ID:Vuuf0BJq
先生に目隠しプレイされながら足コキされてるよ
50名無しさん@ピンキー:2010/05/14(金) 23:06:25 ID:oy+H5eJg
そういえばスターウォーズのアナキンとアミダラって良い年の差カップルだな
最後はあんなだが
51名無しさん@ピンキー:2010/05/14(金) 23:10:06 ID:BFA7vdss
レールガンに出てきた寮監の恋人と恋人といっしょに働いてた園長
52名無しさん@ピンキー:2010/05/15(土) 08:58:46 ID:C+mq99ys
せんちゃんとチビマダー
53名無しさん@ピンキー:2010/05/15(土) 18:50:59 ID:YnZ674eN
ここの住人ってやっぱり現実でも
年上や年下が好きなの?
54チビとせんちゃん 2 1/17:2010/05/16(日) 20:18:39 ID:JLibKQnM
番外編をまた投下

* * *

 突然「外泊しよう」と言い出した。
 せんちゃんが大学生の頃から住んでるアパートは古いし、壁も薄い。お陰でとんでもなく恥ずかしい思いをした。
 それで、てっきり持て余す下心をどうにかするためにラブホにでも行くんだと思ってた。
 だから大して気張らずにのほほんとその日を待ってたら、2日前になってから
「お洒落してな」
ときた。理由を聞いても『いいからいいから』としか言わないし、待ち合わせの時間的にも向こうが会社帰りの格好で――つまりは
スーツ姿――で来るのが予想できたから、慌ててそれに釣り合う服装を揃えた。

 外での待ち合わせはこれで2度め。普段は出かけようと言ってもせんちゃんのアパートにあたしが出向く事になる。ほら、なんせ
男の独り暮らしだから、溜まった洗濯を済ませてご飯を放り込んでやらねばならない。下手すると穴の開いた靴下とか履いちゃうし。
 ああ、ダメだダメだ。今日くらいは生活臭は消す努力をした方が良いかも。
 だって今いるのは彼の会社の最寄り駅で、この辺りじゃわりと賑やかなオフィス街。あたしみたいな学生はあまり利用する
機会は無いかも。いつもみたいな格好だと立ってるだけでも浮いてしまいそうだ。

「……遅い」
 指定の時間を30分近く過ぎても、肝心の相手はまだやって来なかった。
 帰宅ラッシュが始まったのか、徐々に行き交う人の数が多くなる。そんな中いつまでも来ない彼氏を待ち続けているうちに
少しずつ心細くなってくる。
 電話すればいいだけなんだけど、向こうはまだ仕事中かもしれないと思うと悪くてそれも出来ない。授業じゃあるまいし時間通り
に区切るわけにはいかない。ただの学生バイトの身とはいえそれ位は理解できる。
 メール1つ送れない程多忙なのだろうか、と鳴らない携帯を閉じ開き溜め息をついた所で、俯いた視界に入った目の前の見慣れた
靴に顔を上げた。
55チビとせんちゃん 2 2/17:2010/05/16(日) 20:19:25 ID:JLibKQnM
「ごめん。ちょっと手間取った仕事があって……」
「ううん、大丈夫」
「悪いけど急いで。飯、予約してるんだ」
 切符を握らされ、少し小走りで改札に向かう。
 ヒールの高い靴を久しぶりに履いた。だから上手く走れない。
「おっと!」
 引っ張られてよろけた体を抱き止められて顔を上げると、合わさった筈の視線をぱっと逸らされた。
 なんでー!?
「ごめん……」
「いや、急がせたからだし。……そういうの履いてきたんだ……?」
「あ、うん」
 服に合わせたから。
「そっか。ああ、足捻ってないか?」
「ん……」
 手をそっと離される。そのまま促されて改札をくぐると、帰りとは逆方向の電車に乗った。
「どこまで行くの?」
「××駅」
 大型デパートやホテル、ビルの建ち並ぶスポット。そんな所に何をしに?
 勿論、お洒落してこいって言うくらいだから、近所の定食屋やファミレスじゃないって事はわかるんだけど、そんな場所で
しかも予約の必要な店なんて……せんちゃん、有り得ない!一体何考えてるんだろう。


* * *

「……どう?」
「うん。すごく美味しかった」
「そうか!」
 嬉しそうにニコニコと上機嫌な顔が朱いのは、さっき飲んでたワインのせいかしら?
 こんなふうにいつものしまりのない顔で安心させてくれるかと思えば、ふっとその目を伏せてもじもじと言葉を呑み込む仕草を
する。なにその挙動不審。

 連れてこられたのは、この辺りではなかなか名の知れた高級ホテル。そこのイタリアンレストランに席をとってあるというから
本当に驚いた。だって何も言ってくれてなかったし!気合い入れて来て良かったと思った。
 デザートまで食べて一息ついた所で、カップを置きながら
「今日、何て言ってきた?」
と話し掛けてきた。
「ん……ご飯食べてそのまま泊まりに行くって」
「……そうか」
 誰と、とは言ってない。そこまで追求されなかったから、自分からもそれ以上話さなかった。
 それは彼も解ってるんだろう。
「嘘――じゃないけど、正直でも無いよなぁ……」

 それは、多分こちら側も同じように知っていて知らない素振りという複雑な――嘘、と呼ぶには厳しすぎる現実。
56チビとせんちゃん 2 3/17:2010/05/16(日) 20:20:51 ID:JLibKQnM
「この後どうするの?」
 こんな所で食事するのもだったけど、今日は本当に何も聞いていない。食事中もたわいの無い話は沢山して楽しかったけど、
どっか普段とは一線引いた感じのする彼には何となく聞きづらかった。
「ん……あの、な。部屋取ってあるんだ」
 テーブルの上にあったあたしの手を、ぎゅっと握りながら呟く。それこそ真っ赤な顔で。
 周りをこそっと窺うと、あちらこちらでいかにも愛を囁いてます的な2人組は結構いる。それもよく見りゃあたし達より大人な
カップルばかりで、そりゃまあこんな店はそういった層が多くなるのは当たり前だよね。しかも金曜の夜だもん。
「ゆっくり話がしたくてさ」
「えっ……」
 その言葉にどきっとして、それから胸の隅っこに忘れたふりして置いといた塊が疼き始めたのに気付いて何となく唇を噛んだ。
「いい?」
「……うん」

 伝票を手に席を立つ。
 周りから見れば、あたし達も自分たちと同じ流れを辿る(ろうとする)ふたりに映ることだろう。

 だけど、あたしはそんなふうに自分を眺める余裕を持つ事が出来なかった。


 着いた部屋は、夜景が臨めるダブル。
 大きなベッドが目に入ってどきっとして彼の方を見ると、
「あ、俺トイレ」
とさっさと消えてしまった。
「せ……」
 バタンとドアの閉まる音。
 椅子に掛けてあったコートとジャケットをクローゼットに入れ、自分のも片付けると、大きなベッドに靴を履いたままの足を
外に投げ出すようにして寝転がった。汚れると困るし。
「――なによ」
 お洒落しといでって言ったくせに。
 この頃は何も言わなくても、手、繋いでくれるのに。
 絶対、目合わさないようにしてた。手は繋いでくれても何だか不自然で、それ以上触れないように意識してるようにさえ感じた。

 いつもはストレートのまま肩に流してある髪を、頑張ってくるくるに巻いてみた。枕に沈んでくしゅくしゅになったそれを
視界の端に眺めながら、慣れない靴に少し疲れた脚をぶらぶらとベッドの外に投げ出して揺らす。

 ――がたん。

 不意に、こんなに静かな部屋で有り得ない位の大きな音が立てられて跳ね起きた。
「……なにしてんの?」
 臑を押さえてうずくまる塊が1つ。よっぽど痛いのか声も出ない様子。

57チビとせんちゃん 2 4/17:2010/05/16(日) 20:22:01 ID:JLibKQnM
 暫しじっと観察。ああ、通り道にほっといた鞄に躓いてこけたわけね。つかどこ見てんの。アパートと違って床に物など
無いでしょうに。器用だこと。
「おま……ちょ、何か言ってくれよ。俺寒いじゃんか」
「だいじょ〜ぶ〜?」
「なんだその棒読みは」
 冷たいなぁとブツブツもらしながら、あたしの横に腰を下ろす。
 冷たいのはどっちだ。
 ヒト1人分空けて、寛ぐどころか膝に乗せた手を開いて閉じてそわそわと。
「トイレ?」
「あほ、今行ったわい」
 じゃあその落ち着かなさはなに?
「知ってます」
 大げさに溜め息をついてまたベッドにひっくり返った。思いっきり大の字に広げた手のグーがわき腹にヒットしたらしい。
 痛ぇ!と微かな呻きが聞こえた気がするが、気のせいにしておこう。
「……お前、何か怒ってる?」
「なにが」
「だっていつもなら、もっとギャーギャー騒ぐだろ?心配するなり、指差して笑うなり。反応薄いっつーより冷たくね?」
「あたしだっていつもそんなじゃないです」
 あたしはリアクション芸人じゃない。
「飯、気に入らなかった?」
「ううん」
「じゃあ部屋」
「全然問題なし」
「じゃあ一体なにが」
 ばっと振り返った体が寝転がるあたしを見下ろし、見上げたあたしの視線と絡まり合う。けどそれは次の瞬間の『しまった』と
いった表情とともに一瞬にして逸らされる。
「……何が不満なの?お前」
 それこそこっちが、と喉まで出掛かった言葉を堪えて呑み込む。やだ、なんか、こわい。さっきから少しずつ積み上がってきた
不安感がバランスを崩して揺らいで、心臓がぎゅっと潰れてしまいそうな苦しさ。
「……お前……俺のこと……もしかして、嫌い?」
「はあ!?」
 何それ!
 これでもかと持ってる限りの腹筋を使って起こした体をぎょっとした顔して眺めてくる。その間の抜けたヒトのネクタイを掴んで
身を乗り出す。
「それはっ……そっちでしょっ!?」
「――えぇっ?」
 勢いで背中からひっくり返った体の上に乗っかるようにして、ポカンと開いた口で見上げてくる顔を見下ろした。
58チビとせんちゃん 2 5/17:2010/05/16(日) 20:22:57 ID:JLibKQnM
「黙って聞いてりゃ何!?あたしが、いつ、嫌いなんて言った?」
「はっ?いや、だってその……お前今日いつもと違うし」
「違うってなにがっ!!」
「えっと、こう、なんか普段より大人しいし服装だけは女の子らしいから……あ、いや」
「そりゃ精一杯お洒落したんだもん。いつもと違う雰囲気のお店で、いつもと違うデートして、緊張しちゃうし、なのに
 せんちゃんは何も言ってくんないし、よそよそしいしっ……ていうか、そっちがっ」
 赤くなったりおどおどしたりわけわかんない。童貞じゃあるまいし!
 涙がぼたぼた零れた。我慢してた分が一気にどばっと、ってまさにそんな感じ。
 そこまできてやっと、頬に触れてきた指の温もりに側に居るという事実を認めることが叶った。
 シャツの胸元に滲む涙の染みを眺めながら、それを拭ってくれる指の動きに身を任せる。
「やーっと名前で呼んでくれた」
 ホッとしたのか、ようやく緩んだ目元に本物の笑顔を見た気がした。
 だって、呼べなかった。近くにいて、同じ空気を吸ってる筈なのに、すごくすごく遠くに感じて。
「そんな格好してるから、なんつうか普段よりこう……近寄りがたいっていうか。いやまあ、俺が頼んだんだけどさ、思った以上で」
「気に入らないのかと思った。……お姉ちゃんのおさがりだし」
 慌ててクローゼットを掻き回して、前に貰った淡い水色のブラウスとそれに合いそうなスカートを引っ張り出した。買うのは
間に合わなくて、そうするしかなかった。
「そっか。ああ、なるほどね、うん。言われてみれば。知子ちゃんならそういう格好よくしてたもんな」
「――ああそう!」
 ふっと頭の中で何かが切れた。
「待てお前はっ……何でそうなるか!?」
「どうせ……あたしはお姉ちゃんみたいに」
 普段からメイクや服に気を遣って、いつでも抜かりのないひとだった。だけどあたしは違うから、こういう時にボロが出るんだ。
 着慣れないものを身に付けていくら頑張ったところで、所詮誰かさんの二番煎じなのだという事を嫌という程思い知らされた。
 ――そんな事はもう慣れっこの筈だったのに。
 気が付いたら、クローゼットを開けて取り出したコートを手に部屋を出ようとする所だった。
59チビとせんちゃん 2 6/17:2010/05/16(日) 20:24:11 ID:JLibKQnM
 ドアの手前で体が前に進めなくなった。もの凄い力で引っ張られたと思うと、背中からぎゅっと抱き締められて逃げられない。
「離して……っ」
 またやっちゃった。
 どうしてあたしはいつもこうなんだろう。頑張りすぎて空回りして結果――自分が嫌になる。
 白い膝丈のフレアスカートが揺れる足下に目を落としながら、胸の前できつく組まれたワイシャツの腕を振り解けずに、されるが
ままに身を任せてしまう。――言葉とは裏腹に。

 ただ、綺麗だと思われたかっただけなのに。

「俺、お前を知子ちゃんは勿論、他の誰かと比べた事なんか一度だってないぞ。……まあ、やりようもないけど」
 女の子と付き合った事無かったんだもんね。
「う……」
「嘘じゃない!」
 きっぱりと言い切った声が今までの様子とはガラリと変わってて、その低く強い響きに体がビクッと強張った。
 怒ってる……?
 そろそろと振り向こうとしたあたしに、後ろから被さるように首を伸ばした。耳から頬――それから唇へと彼の唇が重なる。
 今日初めてのキス。こんなかたちで、こんな体勢で。
「……やっぱり無理だったか」
 何を?と問おうとする前にくるりと向きを変えられ、あっさりひっくり返された体は胸の中にすっぽり収まる。
「今日はちゃんと話し合うつもりだったのに……我慢できん」
「話って……やっぱ別れ話?」
 そりゃ重いよね。嫌われたくないからっていくら頑張っても、ぐじぐじ湿っぽい女なんてやっぱり嫌になる。
「ばっ……!何でそ」
「だって変だよ。大体せんちゃんがこんな気の利いたデートプラン用意するあたり、何かあるとしか思えないじゃん。さ、最後だから
 ……とか」
「だあぁっ!人の話をきけっ!!」
 ばっと腕を伸ばしてあたしの顔を覗き込む。その血走った目の迫力に思わず背筋を伸びて、涙が引っ込んだ。
「プ、プロポーズ!本格的にやり直そうと思ったんだよっ!!ずっと緊張してたからあんな態度取っちまったのは悪かった……けど、
 お前が想像より……その……き、綺麗……だった……から。別れ話すんのにこんな手の込んだ真似するか」
「……そうかも」
 耳まで真っ赤なのは酔ってるだけじゃないのかも。
 震えながら抱くその腕に、素直にそう思えたあたしは――単純だ。
60チビとせんちゃん 2 7/17:2010/05/16(日) 20:25:07 ID:JLibKQnM


 ベッドに並んで腰掛けて、きゅっと手を握り合う。ただそれだけの事がこんなに安心できる。それがあたしの望んだ物なんだ。
 絵に描いたようなロマンティックなデートも憧れなかったわけじゃないけど。
「子供っぽくない?」
 目一杯背伸びしても、あたしはやっぱり色んなものに勝てないと思った。
「全然。逆にこう……自分が思ってるよりも、ちゃんとした大人の女の人なんだと。そうするともっとそれらしく扱わなきゃって
 すげーあがった。緊張した」
 繋いだ指を弄び合いながら、時々重なる視線が照れ臭くてどちらも目を逸らしつつ、また重ねて微笑む。
「……あの日も同じだった。こんなふうにした格好見て、ああお前もう子供じゃないのか、変わるもんだなって思ったよ」
 くるくるに巻いた髪をもう片方の手で撫でながら、何かを思い出す顔をした。
「あの日?」
「うん。結婚式の日」

 数ヶ月前になる、あの再会の日。あたしにとっては懸けに等しかった運命の日。
 忘れて諦めるも、頑張って押し通すも、あの時のせんちゃんがあたしをどういう風に受け入れてくれるかに懸かっていた。
「こんなふうにくるくるの髪してたなー。後で何度も思い出して、勝手にドキドキして……その……多分、俺あの時にはもう」
「……うそ。だって」
 幸せそうなお姉ちゃんの姿を、眩しそうに――。
「……これまでに好きになったり、憧れて見てるだけしか出来なかった女の子達は、みんな幸せになって欲しいと思ってた。
 でも、お前は違うんだ。見てるだけじゃ我慢出来ない。けど幸せにはなってほしいから、俺が自分で――幸せにしたいんだよ」
 髪から指先が離れ、繋いだ手を解くと両手を大きく広げてじっと見る。
「だから、どっちかってーと俺の方が頑張んなきゃなんないと思うぞ。俺モテないんだから」
「何よぉ……モテたいの?」
「……お前にはな」
「あたし?」
「俺、お前が思ってるよりも惚れてっから。だから棄てられると困るの!」
 まじまじと身を乗り出してその真っ赤に茹で上がった顔を覗き込むと、あっという間に腕の中に捕まってしまった。
「俺だって必死なんだぞ?」
 バクバクする心臓の音が耳に流れ込んでくる。
 本当に必死なんだと思うと何だか笑えてきて、それから嬉しくて――泣いた。
61チビとせんちゃん 2 8/17:2010/05/16(日) 20:25:59 ID:JLibKQnM
* * *

「こんな風にさ、向かい合ってきちんと話し合おうと思ったわけだよ。でも、アパートだとこう……日常の雑事ってのが色々と
 目に入るし、気が散るじゃん」
「だからちょうど良かったわけね?」
 会社のお友達が不要になった宿泊チケットを譲ってくれたのらしい。結婚式の二次会のビンゴかなんかの景品だそうで――ただ、
不要に『なった』ってのが――フクザツ。
「まあ、いいんじゃないか?せっかくだから使わせて貰おうぜ」
 いや、気にしてもしょうが無いんだけどさ。っていうかせんちゃんにしてはえらく根回しがいいと思ったのよ。そういう事ですか。
 食事の予約は一応計画してたっぽいし、まあ良しとしよう。頑張ってくれたんだもんね、あたしのために。
 もう悪い事はあまり考えないようにしよう。そういうのって想像が本当になるっていうし、あたしすぐドツボにハマるし、反省。
「ちゃんと思い出に残してやりたかったんだよ」
 そんなのどっちでも良かったのにね。ちゃんと伝えてくれる事が大切なんだから。
「だから……そういうコトは無しの方向で行こうと思ってたのに」
「どのクチがそういうコト言うの?ん?」
「れすよね〜」
 へらへらとしまりのない口元をさらに弛ませて笑ってる。むにむにと両頬を左右から引っ張ってやってみるけど、なんだか
大差無いような。

「らってさ〜」
 それでも喋り続けようとするので手を離してやると、渋い顔で頬をさすりながら睨む。
「痛ぇよお前は!……だってアパートじゃ狭いし無理なんだもん」
 もんって何だ。拗ねるな大人のくせに。
 先程の話し合い?の結果一気に気分を盛り上げさせたようで、あの後ナシの方向と言いつつも押し倒されて何やかや。
 せめて先にシャワー、と宥めたところ――もじもじと歯切れの悪い様子を見せつつ『長年の夢』をあたしで叶えたいと要求された。
 まあ、確かに今のせんちゃん家では無理があるかなー。

「お願い聞いてあげたんだからいいでしょ。はいお帰りご案内」
「いや、そんな、もっと……毎日指名するから!つうわけでもう少し先を……」
「……我が儘な常連さんね」

『嫁』に背中を流して貰うのが夢だったんだそうだ。
 で、今ソープごっこの真っ最中。
62チビとせんちゃん 2 9/17:2010/05/16(日) 20:26:52 ID:JLibKQnM
 洗い場は無いけれどバスタブは結構広くて、まあ何とか2人で入れなくもない。けれど洗うとなると体を動かさなければ
ならないのでやっぱり狭い。
 泡だらけの裸をくっつけ合ってお客様にご奉仕しているあたし。ああ忙しい。
 ぬるぬると滑る手で、さっきから湯気の中でただ1人(?)ガチガチに固くなってる御方を慰めてあげてる真っ最中でして。
「……っ、ちょ、それ、いいっ」
 ほわ〜んと気持ち良さげに縁にもたれつつ、握って上下する指の動きに合わせて呼吸を荒くする。
 開いた脚の間に跪いて、ご希望通りの場所を綺麗に……って。
「なんでここばっか洗わせるの?」
「えっと……なんででしょう」
「じゃあかゆいところはございませんか?」
「そこがかゆいです」
「病院行け」
「う……すまん。でももうちょっと」
 泡にまみれた何かのせいで動かす手が益々濡れてねばねばする。
 頭のほうを包んで擦ってあげると、グンと大きさが増したような気がして、ぴょんと跳ねた感じが何だか可愛い。
 初めて見た時には言葉にならない感想を持ったものだけど、こうしてよしよししてあげると本当に素直に反応してくれるのが
面白かわゆい生き物だと思う。ある意味ご主人様より扱い易いし。
 綺麗にするつもりが何だか余計に凄いコトになったような?と色んなものにまみれた手のひらを眺めてみて、シャワーを手にする。
「えっ?チビ姫もうサービス終わり?」
「一旦流して……って、なにその呼び方」
 そんな源氏名やだ。
「チューしてあげるから良い子にしてて」
 不満気なご主人様の頭をヨシヨシしてからちっちゃな方の頭を撫でる。ぴょこんと跳ねて、あらまあ。
「下のお客さんは素直なのに……」
「やめい!」
 しょうがないなぁ。全身の泡を流してやってシャワーを止めた。
「……約束のチューね」
「?……うぉわっ!!」
 バスタブにもたれて広げていた両腕がばたばたと跳ねる音がした。
「お前ってやつはっ……」
 はあ、と息をついて、それから頭の上にそっと手のひらが乗せられた感触。
「……最っ高な嫁だな」
 わしわしとゆっくり撫でつつ、嬉しそう。
63チビとせんちゃん 2 10/17:2010/05/16(日) 20:28:08 ID:JLibKQnM
「うれひい?」
「そりゃもぉ……ってこら、モノくわえながら喋るなっ!」
 行儀悪い、だって。それはこの際違うくない?
「じゃ、しゃべる」
「あ、できればしゃぶる方向で……」
 なんだとぅ?上目遣いに睨んでやると、びびるどころか喜ばせてしまったらしい。ははぁ、この角度に弱いのね?
 ……単純なのはこっちのヒトかも。可愛いっちゃ可愛い。
 主様をイジるのはやめてこっちのほうをイジメてあげる事にした。
 先っぽに見えるちっちゃな口からは、もうとろとろにナニかが流れてる。さっき綺麗にしたのに、もう指までぬるぬるしてる。
 これも濡れてる、っていうんだよね?この前は夢中だったから必死でよくわからなかったりしたんだけど、石鹸の香りの中に
男の人の匂いがする。
 これがあたしの中に入ってきて色々オイタするわけね。
 ――あ、やだ、なんだかじゅんとする。まだ何かされたわけでもないのに。
 舌で流れるものを掬うように舐め取ると、頭の手がしゅっと動いた。
 こんな事出来るわけないじゃんって思ってた。いくら好きな人でも、自分のあんな所に突っ込んだり、なんかわけの分かんない
もん出したりするんでしょ?やだよねー、キモイよねー?って友達と話したりしてた。AVなんか男の妄想じゃんとか。
 でも、変なの。今は全然嫌じゃない。唇どうしでキスするように、チュッチュしてあげる事が出来る。ほんと、変。
 あたしの頭が上下する度に、乗っかった手が髪をくしゃくしゃする。口の端から溢れてくるものを舌を這わせて必死に掬うと、
曲げた膝がピクリと震えたのを横目に見て根元を握る指の動きを速めた。
「……っ!!」
 くぁっ、と歯を食いしばるような呻き声が聞こえてきて、
「ごめんっ……」
と共に放り出された苦い昂ぶりを全部中に受け止める。

 美味しい、もっと頂戴――とはさすがに言えやしないんだけど。

 シャワーを手に、慌ててあたしを抱き起こすせんちゃん見てたら、
『ま……いいか』
って気になるんだよね。
 排水溝に流れていく濁る渦を見ながら
「……ありがと」
と言われるのは、ちょっと恥ずかしいんだけど。
64チビとせんちゃん 2 11/17:2010/05/16(日) 20:29:30 ID:JLibKQnM
 両手を泡あわにしながらニコニコ(ニヤニヤ?)と揉み手で見てくる。
「なに?お客さんもう店じまいですよ。あたしも体――」
 まだだから洗いたいんだけど。
 髪は最初に洗った。ワックスとか、あとメイクも落としたかったし。
「へいらっしゃい!」
「寿司屋か!何よ、何するのよーっ!?」
 狭い浴槽で捕まって、暴れるのも危ないとは思うんだけど、膝の間に後ろから抱っこされていきなり胸を揉まれた。
「逆ソープ」
「はあっ!?ちょ……や……」
 首筋から肩にかけて滑らせた手が再び脇に入り、また揉んではお腹、背中と自由につるつる動く。
「痒い所は御座いませんか♪」
「あっ……もう、どスケベッ!」
 ぎゅっと脇を締め、身を縮めて出来る限りの抵抗をしてみる。
「むっ!くそう……ならばこうじゃ!!」
 挟み込んで動けなくしてやったつもりでいた手に脇腹をくすぐられて、それは無駄に終わってしまった。
「いやぁ〜!?ちょ、やめ、ばか、きゃはははっ!!」
「はい暴れると危ないですよ〜。大人しく揉ませ……洗わせろっ!!」
 なにこれ、ストレート過ぎて怒る気もしないわ。つか目的ハッキリし過ぎ。
「もちょっと言い方ないの?オブラートに包むというか、柔らかい言葉で……」
「オ、オブ……?何かわからんが手ブラで我慢して」
 胸はしっかと包んでも指の間からしっかり出てますから、乳首っ!!
「要求してないから、別にっ!!」
 そっちが触りたいからでしょーが!てか、そういう言葉ばっかり知ってるんじゃ……。
「いや、俺粉薬普通に飲めるから」
 知ってんじゃん!何その無駄に下手な焦らし。
 両手で左右それぞれの胸を包んで揺する。っていっても、あんま大きくないから揉みがい無いんじゃないかな。せんちゃん、
おっぱい好きみたいだし。
「大丈夫。そのうち挟めるように育てて見せる!『揺れぬなら揺らせてみせようちびい乳』というわけで揉ませ」
「……殺すよ?」
 ちびい乳……ますますひんぬー扱いされてる気がしてくるんだけど。一応人並みだと自負してたつもりなのに。
 ごつい手が泡で滑る肌の上を好き勝手に這い回る。その指が固くなってきた胸の先をつついた。
65チビとせんちゃん 2 12/17:2010/05/16(日) 20:30:36 ID:JLibKQnM
 泡が絡むせいか、普段より引っ掛かりがなくするすると柔らかに転がされる。持ち上げるように手のひらに乗せた丸みの先を
包むように伸ばした指がくいくいと撫でるにあわせて、背中を反らせて喉を鳴らした。
「……んっ……く……ぁっ……」
 優しく、やさしく。ほんの微かな力だけで細かく擦りあげられて、そこからじわりと背中から爪先まで感覚が広がってく気がする。
 耳の後ろに唇が触れる。
「――吸いたい」
 ふっと掛けられた息が熱くて、小さな悲鳴をあげた。ダメなんだってば、それ。
「なにを……あ、あっ」
 濡れた舌が首筋を舐める。肩にかけてゆっくりと下りて、軽く歯の当たるのがわかる。
「これ」
 中指でつつつっと圧され泡が剥がれて、朱く尖った乳首が白い中に映えて目立って見える。
「やぁ……だ」
「なんで?じゃ舐めるから」
「同じじゃん。ば……か、あぁんっ……」
 両手の指の腹がばらばらに動いて、胸をふにふにと揉みしだく。
 向かい合わせになるとシャワーで泡を流し、彼の脚の上に跨って膝を立てた。
「もちょっと……そう、それ」
 言われる通りに膝を曲げ伸ばしして合わせてやる。ちょうど良いと思えた所で突き出した胸に唇をあてて吸い付かれる。
 目を瞑ってあたしの胸を味わう。その頭を、腕で抱きかかえるようにして撫でた。なんか嬉しそう。で、ちょっと――可愛い。
 ちろちろと動く舌が熱く柔らかで、それに習って転がる胸の一部がじんとして気持ちいい。背中を撫でる指も、そこからお尻に
まわって丸みを摘んで押し上げる手の力強さも、みんな、みんな。
 あたしのカラダなのに、あたしより自由に色んな場所を触って、いろんなことを見つけて、探って、憶えて。
「――ひぁっ!?」
「やっぱりここが一番……いい……?」
 いつの間にか胸から離した唇からふふんと小さな笑いがもれて、躰の中心を弄る指に悶えるあたしを見上げながらまた笑う。
 どちらなのだろう、泡ともあたしのモノとも判らないぬめりがシャワーの滴に交じれて太ももを流れ落ちる。
66チビとせんちゃん 2 13/17:2010/05/16(日) 20:31:40 ID:JLibKQnM
「や――やあぁっ」
 膝が震える。
 甲高くあがる自分の声がバスルームの壁に反響して届き、耳を覆いたくなった。
 だが、そうあるべき筈のあたしの手は、両脚の間を弄る指と再開された胸の愛撫に忙しいヒトの頭をかき抱いてその髪を
くしゃくしゃと乱すのみになる。
 背中から胸の先から、じくじくとした苛立たしい程の痺れが喉を伝って這い上がってきて、何とも言いようのない声に変わって
口から吐き出され響く。
 体中全部の血が集まってしまったかのように、その一点が熱くなる。噤もうと噛んだ唇は虚しく解かれて、ただ苦しさを紛らわす
ための呼吸を繰り返す。
「大丈夫、大丈夫。もっと……」
 我慢せず声を出せ――と言いたいんだろうけど、そう言われると余計に……ねえ?
 だって嫌だよ、自分の声って。思ってるのと全然違うんだもん。
 セックスだって想像してたのと全然違う。あんな真似死んでもできないって思ってた。
 初めては絶対好きな人。それは譲れない。だけど、一番恥ずかしい格好を一番見られたくない人に見せるなんて、って、これ以上
矛盾した事があるんだろうか、とも。そう思って悩んだ。
 だけどそれは相手も同じ、お互い様。そう考えて勇気を出した。
 自分で触るのも怖くて抵抗のあった場所を、よりによって好きな人に触られる。
 さっきまで食卓の上でグラスを傾けた手を、あたしの手に重ねて絡めた指を、ただあたしを泣かせるために駆使して器用に動かす。
「……ぁ……あぁ……あああっ!」
 小刻みに強弱を変えながら、じーんと広がって熱くなる小さな粒を擦る。その衝撃が腰から背中へと走るにつれて、どろりと
奥から何かが溢れてまた更にそこが熱くなる。
 するっとその中に何かが入り込む。さっきまで外をいたぶったそれは今度はきゅうきゅうと迫る壁を擦りあげて、抜き差しされる
度に浴槽のものとは違う水滴の跳ねる音をさせる。
「……っちゃ……ん」
 「だめ……?」
 うんうんと頷くしかできないあたしの中から抜いた指を翳して見せる。
「これ拭かなきゃな」
「ばかっ……!」

 何にのぼせたのかわからないあたしの頬にキスをした。

 それから「今度こそちゃんと」洗うためにソープを泡立て始めた。
67チビとせんちゃん 2 14/17:2010/05/16(日) 20:36:06 ID:JLibKQnM


「無理しなくていいよ?」
「いや、なんのこれし……きっ」
 一度はやってみたかった『お姫さまだっこ』をというので、やらせて「あげた」。
 いや、人並みに憧れなかったわけじゃないんだけどさ。
「うりゃっ!!……は、はあはあ、どうだっ!ちゃんとできただろうがっ」
 血管ひきつらせて言われても。背ばっか高くてひょろいんだから見栄張んなくていいから。ていうか投げんな!もうちょい
優しく出来んのか。
 ぽわんぽわんと弾みで跳ねた体に纏ったバスローブが勢いよく捲れて、慌てて裾を押さえる。
「あっ!隠すなよ今更」
「今更って……こーゆーのは違うんだよ!」
 お風呂の裸と改めて脱ぐのはまた違う。しかもノ……ノーパンだし!
 でもやっぱりひょろくても男の力には勝てないわけで、あっという間に紐を解かれて仰向けに晒された肌の上をまた舌と指が走る。
 大きく開かされた脚の間に自分はまだバスローブを羽織ったままで体をねじ込んで、胸を舐めながら内腿をさすった。
 強く吸われた乳首がじんじんと疼く。それに引っ張られて、躰のあちこちがぞわぞわと騒いで少し触れられただけでも声が出る。
「――やぁっ!ああんっ……あ……んぁぁっ……やんっ!」
 胸から離れた舌がお腹、腰へと下りていって――そこに近づいていく。やだ、って言ってるのに。
「だめだってば……あ……ふぅっ……」
 秘裂にそってぬるりと柔らかいものがあたる。想像するにこれは多分――ああ、言えない!てか、考えないほうが。
「――んぁっ!!」
 思惑とは裏腹に、そこからはどくっと雫が流れ出す。
「さっき拭いてあげたのに“もう”濡れてるし……それとも“まだ”いや、“また”かな」
「いやぁぁぁっ!?」
 何よ、何言わせたいのっ!?そりゃさっき体拭くの手伝ってくれたけど――というかどさくさに紛れて揉んだり撫でたり――って。
 膝を折り曲げて押し上げる。その中心に顔を埋めると、さっき指で散々擦った場所を熱い息が襲った。
 押し広げられる感じがしたかと思うと、自分の中に何かを呑み込むような、入り込まれるような温もりがした。
68チビとせんちゃん 2 15/17:2010/05/16(日) 20:38:53 ID:JLibKQnM
「トロトロしてる……」
 じゅっと音がして、それを舐めとる動きにお尻が反応して浮いてきて恥ずかしい。
 一番イイ所を指でする時のように押して、包んで舐められて、もう――。
「……したい。いい……?」
「うん」
 きて、早く。
 そう思ったのと同じくして求める言葉が掛けられて、嬉しいのと同時に自分から恥ずかしいことを言わずに済んで少しホッとした。
「使わないって決めてたのに〜」
 財布からアレを出して着けながら言い訳してる。
「嘘つけっ」
「大人のたしなみっすよ」
 バスローブを脱いで被さってくる。
「……いつも持ってるの?」
 何のためよ。
「今日だけ。つうかお前が一番わかってるじゃんかよ」
 同じ場所で、同じ相手としか成されない行為だからこそ、それに準じて必要とされない物もある。
「だろ?」
「う……ん」
 ゴムを纏ったそれの先があたしの入口を押し開こうとつつく。
「自分で……入れてみる?」
「えっ?自分で!?」
「うん」
 よっこいせの掛け声に手を引かれて起こされると、一瞬のうちに見上げていた筈の体を今度は見下ろし跨っていた。
「きゃーおそわれるー」
 なにその棒読み。ていうか誰のせいだ。
「あほっ」
「いかんなぁ。そこはノリツッコミだろお前」
 肩からするんとバスローブを落とされ、腰を撫でられる。こんな最中にこんな会話……か、軽すぎる。
「萎えないの?」
「うん。ほれ」
「……ふぁっ!?」
 広がった両脚の中心の線に沿って彼のモノがつるつるとなぞるように滑る。
「……慣れただけ。すげ、早くいれ……て欲しいんだけど」
 慣れすぎ。って、
「あたしが?」
自分で挿れなきゃなんないんだよね?で、でも、そう上手く……っ、ちょ、そんなに動いたら……。
「無理だよ、ちょっとじっとし……難しいんだか……らっ」
「ん……悪い。けど、だってお前エロすぎ」
「どこがっ!?……あっ!や、やんっ」
「ほら、そういうの」
 少しだけ先が入り口に滑り込みかけて、拓かれていく感覚に背中が痺れた。
 思わず瞑った目をそっと細く開けてみれば、ちょっと意地悪に笑いながら
「その顔がな……」
やらしいと言い胸の先を擦る。
69チビとせんちゃん 2 16/17:2010/05/16(日) 20:40:03 ID:JLibKQnM
「はあぁっ……」
 上下に与えられるそれぞれの刺激に身震いがして、我慢できずに思い切ると腰を捩って位置を探る。
 見つけたそれをあたしの中に呑み込もうと腰を沈めれば、いつもとは違う圧迫感がお腹いっぱい膨れて満たす。
「好きに動いてみて」
 言われるまでもなく、疼いて仕方のない繋がった躰の中心を鎮めるために揺らしては呻く。
 それなのに、軽く前後した腰を突き上げてくる容赦ない攻めに呆気なく舵を取られてしまった。
「好きに……って……」
「ん……そうなんだけど、悪い。やっぱ気持ち良すぎ……てっ」
「うそっ……あっ!……んぁああっ!?」
 擦れ合う肉の熱に合わせて雫が滑り落ち、ぐちゅぐちゅと湿った音がやたらと響く。
 狭いいつもの部屋とは違って、全く無駄な物など無い広々とした空間にあって、ただ声をあげて悶えるだけの自分の存在が
滑稽な――と考えが飛んでしまえるのも一時のことで。
 お尻に食い込んでくる指の強さに我を忘れて仰け反らされてしまう。
「ふっ……あ、や、いや、や……ぁっ!!」
 めちゃくちゃにかき混ぜられじんじんと増す痺れに、堪らず頭を振って応えた。
「気持ち、いい……?」
「うん。いい。すごく……きゃぁあ!?」
 ずんと突かれる動きに合わせて胸の先を下から伸びた指が掠めた。縦に躰が揺れる度に微弱な痺れが背中を伝って降りてきて、
暴れる中のモノをきゅんきゅんと締め付けるのがわかる。
 ぬめぬめと広がる愛液と呼ばれる物であろうそれを掬い、その指で一番感じる芽を探って撫でられ膝が震えた。
「いやぁぁぁっ――!?」
 狂ったように弓形に背をくねらせる自分を思い浮かべ、勝手に溢れ出てくる涙に何かが壊れてしまった気がした。
「いや、怖い――なんか、や、いやっ――やあぁっ」

 ――中で震えるものに併せて息が出来なくなった。

 ぼんやりと滲む視界を探る。力の抜けた躰をふっと投げ出せば、それを受け止めてくれる温もりがそこにはあった。

「やっぱりお前……エロすぎる」

 胸の上にぐったりとしたあたしを抱いて髪をくしゃくしゃとする。その手が首筋に掛かるとまだ残る快感の波が体中を巡った。
70チビとせんちゃん 2 17/17:2010/05/16(日) 20:44:31 ID:JLibKQnM

* * *

「隣を気にしないと反応いいねぇ……ふがっ!?」
 座ってバスローブを羽織るあたしを寝転がってニヤニヤと眺めるエロ男の鼻を、思いっ切り摘んでやる。
「うっさい!バカ!!早くパンツ穿け!!」
「赤い顔して怒んなよ」
 ぽんぽんと宥めるように頭を叩いて鞄を開けに立つ。全裸で。って、ビジネスバッグに入れてんのか!
 気怠い体をベッドに投げ出し横になりながら眺めていると、ちっさな袋を出して戻ってきて側に腰掛け
「ん」
とそっけなく手渡されたそれを開けてみる。
 ファンシーな可愛いリボンの付いた袋から出てきたのは、シルバーの小さな三つ葉のクローバーの形のネックレスだった。
「四つ葉のもあったんだけど、それの方が合ってる気がして」
「これ……?」
「遅くなったけど、ホワイトデーのお返し。本当はいっそ給料の何ヶ月ぶんってやつにしたかったんだろうけど、まだなにぶん……。
 だから今はごめんな。安もんだけど……いつか必ず」
「ううん!」
 それを握りしめたまま飛び起き、抱き付いた。
「嬉しい」
 こういうのは値段じゃない。あたしの事を考えて、あたしのために選んでくれた。そこに意味がある。
「気に入った?」
「うん。大事にするね。ありがと」
 だから大事にしてね。これからの二人の未来も。
「幸せにしてね」
「お、おお」
 しがみついていた腕を離してキスしようと顔を近づけた。

 ぐうぅ〜……。

「「……」」

 同時に吹き出して、仲良くベッドに倒れ込んだ。
「……運動したしな」
「運……やだその表現」
「すまん。あ、昼間貰ったメロンパンあるんだ、食う?出先からの土産で評判のやつらしい」
「……なんかドラ○○んのポケットみたいな鞄だよね」
 つうかいい加減何か着てよ。
「穿くから待て!……よし、テレレレッテレ〜♪……うわぁ潰れてる!?」
 パンツ一丁で何を。
「せんべいみたい……」

 豪華なディナーもいいけど、仲良く半分こして食べた潰れたメロンパンは、甘くて幸せな味がした。

「明日の朝はブッフェ式だと」
「本当?楽しみ」
「つうわけで……腹……減らしとかない?」

 ――まだ物足りない狼さんを満たすために、仔羊はこの身を捧げるのであった。


「終わり」
71名無しさん@ピンキー:2010/05/16(日) 20:50:50 ID:fFhjCK4P
GJでござる!!


一番槍〜
72名無しさん@ピンキー:2010/05/16(日) 23:04:51 ID:i+MI2B5V
ああもう
この二人見てたら何とも言えない気分になる
GJ!
73名無しさん@ピンキー:2010/05/16(日) 23:28:00 ID:rjrEGm7r
GJ!!
せんちゃんかわいいよチビかわいいよ
74名無しさん@ピンキー:2010/05/17(月) 05:58:00 ID:gMPFLB8Q
駄目だチビが可愛い過ぎる
マジ尽くす女だな
75名無しさん@ピンキー:2010/05/17(月) 19:53:10 ID:yGMkqepZ
チビカワユスw
76名無しさん@ピンキー:2010/05/17(月) 19:59:55 ID:Uix7xshM
全力でGJ!!
どんどんチビがエロかわいくなってゆくー
せんちゃん俺とかわれ
77名無しさん@ピンキー:2010/05/18(火) 00:10:37 ID:u9URJs7x
いや俺が
78名無しさん@ピンキー:2010/05/18(火) 18:00:00 ID:WlGSgZPZ
いやいや俺が
79名無しさん@ピンキー:2010/05/18(火) 18:20:46 ID:BAEnG2oU
そうはいかんざき
俺が替わろう
80名無しさん@ピンキー:2010/05/18(火) 23:35:35 ID:j5VA7PGu
( ゚ω゚) どうぞどうぞ
81名無しさん@ピンキー:2010/05/21(金) 01:27:50 ID:6WpncXtB
じゃあ俺が
82名無しさん@ピンキー:2010/05/22(土) 23:20:41 ID:0kj+jC4g
なぁ。このスレで聞くのもアレなんだけど
姪と結婚って出来るのか?
83名無しさん@ピンキー:2010/05/22(土) 23:23:50 ID:CC0z7TB0
できねーよ
できんのは4親等から
84名無しさん@ピンキー:2010/05/23(日) 00:16:10 ID:XV/tknxq
姪は無理だな
従姉妹からですね
85名無しさん@ピンキー:2010/05/23(日) 03:09:49 ID:apzThP6L
この流れでふと思ったが、
全く血縁関係がない家に養子に入った場合は
養子に入った先の家族とか、元の家族の血縁とは結婚ってどうなるんだ?
86名無しさん@ピンキー:2010/05/23(日) 05:47:50 ID:x4bsKPo/
民法734条1項
「直系血族又は三親等内の傍系血族の間では、婚姻をすることができない。
但し、養子と養方の傍系血族との間では、この限りでない」

つまり、兄弟姉妹間は結婚できないが、養子縁組により義理の兄弟姉妹となった者の間については結婚可能である。
87名無しさん@ピンキー:2010/05/23(日) 11:39:50 ID:L7ReiElv
>>85
つ 婿養子
86の言ってる通り養子縁組で義兄弟になった相手とは可能で、元の家族とは無理だったはず
ただし養親とは養子関係が切れた後も結婚できない(Wikiの「近親婚」)らしい
普通の養子縁組だけじゃなく「特別養子縁組」なるものもあるけど
これもやはり元の家族の血縁が切れた訳ではないので、結婚はできない

後は板的にもスレ的にも関係ないけど、百合や801のカップルでは同性婚の代用として
相手の親に養子にしてもらうなんてケースがあるらしい
88名無しさん@ピンキー:2010/05/23(日) 23:35:56 ID:qmSlnh+r
ちょっと俺のお義姉さんになってくれる人を探してくる。
89名無しさん@ピンキー:2010/05/24(月) 14:29:32 ID:xqcMpOag
年の差とはちょっと違うかもだが

通ってた私立の高校が自分が入学するちょっと前まで女子校だったんだけど、奥さんが元生徒っていう男性教師が4、5人いた。(何故かみんな大体40〜50代)
しかもそのうち一人の体育教師は3回結婚してて3人とも元生徒。

私立だから、女子校だったからってありなんかそれ
90名無しさん@ピンキー:2010/05/24(月) 20:25:31 ID:84gUeApV
ふと思ったんだがこのスレでおばさん40代ぐらいと若い男のシチュってある?
91名無しさん@ピンキー:2010/05/24(月) 22:08:39 ID:2z+fYNPZ
>>90
熟女スレなら
まぁここの管轄でもある
92名無しさん@ピンキー:2010/05/25(火) 02:59:35 ID:ilsfXeIj
http://digital-thread.com/archives/2690317.html
従妹のせいで犯罪者になりそう



こんなののもっと暴走しちゃったお話が読みたい
93名無しさん@ピンキー:2010/05/26(水) 01:34:13 ID:hYmE8GdM
中二は犯罪だもの。
94名無しさん@ピンキー:2010/05/27(木) 17:05:58 ID:9BjC7GW5
20代後半と14歳がツボですみません
95名無しさん@ピンキー:2010/05/27(木) 19:36:25 ID:p+xLuK+Z
大学生と小学五年生がツボですみません
96名無しさん@ピンキー:2010/05/27(木) 20:52:40 ID:e/LlYLQE
20代後半と小学四年生がツボですみません
97名無しさん@ピンキー:2010/05/27(木) 21:14:19 ID:2CeEWYof
>>92
うああこれ萌えるなあ
これただ単に恋に恋してるだけのよくいる女の子なんだけどね
それ自体が萌える
98名無しさん@ピンキー:2010/05/27(木) 21:26:38 ID:2VsnvhJC
30代前半と10代半ばが(ry
99名無しさん@ピンキー:2010/05/28(金) 02:03:15 ID:/Wc5fnfG
再婚したら娘が付いてきたがしばらく後に嫁が無くなって男と娘の二人暮しというのが好きだなあ。
100名無しさん@ピンキー:2010/05/28(金) 02:06:34 ID:l2JWYQ/f
>>97
「落ち着け…この子は恋に恋してるだけなんだ…」
「でも柔らかくていい匂いがするなあ…」
「いかんいかん、相手は中学生で従妹だぞ!?」
「でも俺のこと好きっていってくれてるし…」
「あ、だ、だめだっ、この子は俺が好きっていうわけじゃなくて…そんな純真な気持ちに付け入るようなマネはッ…」


と一晩中葛藤するわけだ
イイ
良すぎる
101名無しさん@ピンキー:2010/05/28(金) 02:36:13 ID:/yDYUS7p
>>100
お前とはうまい酒が飲めそうだ
102名無しさん@ピンキー:2010/05/28(金) 11:51:44 ID:iSqdDWtL
エドガー・アラン・ポーなんかな27才の時13才の従妹と結婚してるんだぞ
103名無しさん@ピンキー:2010/05/29(土) 00:09:11 ID:3DnKAg6S
>>102
それはけしからんな
俺も十代前半の可愛らしい嫁が欲しい
104名無しさん@ピンキー:2010/05/29(土) 00:33:10 ID:7BN9tTiY
志木さんとチカは良い年の差カップルだった。
いまだにハッピーエンド版の続きを待ってるぜ…
105名無しさん@ピンキー:2010/05/29(土) 00:35:54 ID:7BN9tTiY
間違えたごめん↑はなかったことに
106名無しさん@ピンキー:2010/05/29(土) 00:42:18 ID:Y+riSzhA
>>105
やっちまったなwだが同感だwしかしスレチだww
107三つ葉のクローバー 10 1/17:2010/05/29(土) 03:00:49 ID:3cGO2Bue
* * *

「彼女」の家にお邪魔するという事が、こんなに緊張するもんだとは。
 暖かい春の土曜日の午後。知美のご両親に会うために久しぶりに足を運んだ。
 送迎のために前まで来た事はあっても、中に入るのは数年振りだ。
 見覚えのある家具と新しいソファのリビングに通され、なんとか緊張を解そうと淹れてくれたコーヒーを飲む。
「……うん、そう。わかった」
 電話を切った彼女が振り返る。
「どうした?」
「んー、なんか駐車場が混んでて出るのも時間が掛かるみたい。道路も渋滞してて帰るのちょっと遅くなるかも、って」
「そっか……」
 夫婦揃って隣市の大型スーパーに行っているらしい。混んでるのは、今日は確か特売チラシが入った割引日だからだろう。
 夕飯がどうたらと言っていたらしいから、そのためにわざわざ足を運んでくれたのかもしれない。
 ――あの頃も独り暮らしの貧乏学生によく飯を食わせてくれたっけ。
 とすると、今日の俺の申し入れは良い返事を頂けるのでは――とつい期待に胸を弾ませてしまう。
「せんちゃん、あたしの部屋に行く?ここにいても落ち着かないでしょ」
「あー……ああ、うん。そうだな、久しぶりに子供部屋の様子でも見せ」
「うら若き乙女に対して失礼だと思わないのか?ん!?あっ、あたし以外にも生徒いたんだっけ?じゃ女の子の部屋なんか見飽きてて
 つまんないか」
「知ってて言ってるだろ、お前……」
 こいつ以外にカテキョしてた子もいるにはいたが、みんな小中学生の男ばっかだ。
 年頃のおにゃのこのお部屋なんて生まれてこの方24年、足を踏み入れた事のない鼻血もんの憧れの聖域っすよ。
 部屋に通った事は何度もあるけれど、それは役目としてであり、こいつがまだ中坊の頃の話だ。色気も何もあったもんじゃない。
 今になってみると随分勿体無い事をしたような気がする、と階段を昇っていく小花柄のスカートから伸びた脚を眺めつつ
鼻の下をのばし
「ちょっと!パンツ見えてないよね!?」
「……うん。見えない」
――つくづく残念な奴だなと思う。
108三つ葉のクローバー 10 2/17:2010/05/29(土) 03:01:46 ID:3cGO2Bue

 部屋に入ってすぐ写真立てが目に入った。
 卒業証書を手に笑うセーラー服のチビと、側で寄り添う家族。それからその隣にあるブレザーに姿を替えた同じタイプの物。
「どうしたの?」
「ん?いや、初めて見るからさ」
 ようやく目にした高校生のチビの姿を、嬉しく思い眺めた。
「なんか目つきエロくない?やだなぁオヤジ臭い」
「はぁん!?なんだとう!何をバカな事を……所詮あれだろ?制服なんか決まり事に過ぎないんだし。大体俺ロリコンじゃねえから
 中坊のセーラー服が女子高生のブレザーに替わった位のもんでそんな……」
「ふうん。せんちゃんは制服フェチの気はないのか。じゃあ見せに行かなくても良かったんだ、別に」
 は?み、見せにと仰いました今?
「……合格してさ、入学してちょっと落ち着いた頃に一度だけアパートの側まで行ったんだよね。けど、あの時にはもう、あたし達
 切れちゃってたから――会えなかった。そのまま帰った」
 俺もあの頃進級して、他のバイトも見つけて色々あって忙しかった。チビの事は忘れたわけじゃ無かったけど、どうにもならない、
季節の入れ替わりと同じような関係だったんだと考えていた。
「せんちゃんのお陰で着ることの叶った制服だった。だから見て欲しかった。何より『ありがとう』ってちゃんと言いたかった。
 ……でも……できなかった」
 俺だって気にならなかったわけじゃ無い。心配だったし、その一方でこいつなら大丈夫だろうとも思った。隠された脆さに
気が付かなかったのは今になって申し訳なく感じる時もあるんだけれど。
「……見たかったなあ」
「えっ?」
「これ」
 写真の中に笑うチビの体を包む紺の衣を指差した。
 ちゃんと、この目で見たかった。せっかく会いに来てくれたその想いに報いるどころか目を背けた。

 ――俺の知らなかった高校時代の知美に会いたい。

 無性にそう思えた。
 失くした時間は戻らないから――余計に無念さが募る。
109三つ葉のクローバー 10 3/17:2010/05/29(土) 03:03:06 ID:3cGO2Bue
「……せんちゃん、5分、待てる?」
「ん?……うん」
 クローゼットを開けるとクリーニングの袋に包まれたままの衣類を手にし、部屋を出て行こうとする。
「おい、ど、どこ……にっ」
「見せてあげる」
 ひょいと掲げて見せたそれは、今はもう必要の無くなった物。いわゆる思い出のひと品というやつなのか。

 部屋に1人残された俺は、とりあえずベッドに腰掛けゆっくりと中を見渡した。
 中学の教科書や高校受験の参考書は短大のテキストに並び替わっていた。
「懐かしいな……」
 あの頃使っていた辞書を見付けて机の前に立つが、どことなく違和感を覚えてちょっと落ち着かない気分になった。
 少し色あせて見えるこの表紙のせいだろうか?それとも、並んでいたキャラクターグッズの数が減っているせい?それとも。
 それに手を触れてみて、初めてはっきりと気が付いた。
 流れてしまった時間の長さに、改めて知美という1人の女の子の成長を認めずにはいられない。
 窓に掛かるカーテンの柄は変わった。家具は多分そのままで、中身はその時々で変化があったりなかったりといった所か。
 俺の部屋と似たようなもんかな、とまたベッドに腰掛けようとして、キャビネットの中のある物に目が留まった。

 それを見た瞬間、俺の視界はゆっくりと歪んで、堪えきれずに目頭を押さえ沈み込むようにベッドの上に腰を落とした。

「……どうしたの?」
 ドアを細く開けて覗き込むチビの戸惑った声に振り向く。
 はにかみながら微笑むその顔は、あの頃の面影を残しつつも数段美しく見えた。
 2つに結んでいた髪は肩に流れて、胸元にはセーラーに揺れるスカーフに替わり、ブラウスにえんじ色のリボンが映える。
「……へん?」
「いや。似合う」
「ほんと?なんか裏がありそうだなぁ。せんちゃんが簡単に褒めてくれるなんてさ。あ、今日の渋滞もそのせ」
「まて!素直に褒めてやってるのにお前ときたら」
 そっちこそ素直に受け取れんのか。たまには俺だってそういうことくらいあるわい。……俺の涙を返せ!

 1年前まではきっとこんなふうだったのだろう、とその姿にまた涙腺が緩みそうになる。

 高校生の知美がそこにいた。
110三つ葉のクローバー 10 4/17:2010/05/29(土) 03:04:07 ID:3cGO2Bue
「どうせならリアルタイムでもちゃんと見たかったな……」
 今更だけど。その時期にその瞬間でしか会えないチビの姿を、目に心にと焼き付けておきたかったと悔やむ。
「……そうかな?」
「えっ?」
「あたしは、そうならなくて良かったんじゃないかなと思うんだ」
「何でだよ」
「だってさ。……もしずっとあのまま途切れる事の無い付き合いだったとしたら、せんちゃん……きっとあたしの事、ちゃんと
 見てくれなかったんじゃないかと思うんだ」
 妹みたいに思ってた、大事な小さな友達。
 あの頃のチビと、今の彼女の姿を重ねて眺める。
「あのまま何も知らない顔してせんちゃんとこに押しかけ続けてたら、きっと……あたし達本当に会えなくなってた」
 俺の事は『信じてる』と言った親御さん達。
 だが、どう考えても盛りのついた若者と子供から離脱しかけた女の子がべったり仲良くつるんでるのを、怪しげな目で見る輩が
現れないとも限らない。
 だから俺達があのまま、どうしようもなく立ちふさがる壁の力を理由に『会わなくなる』という選択をしなかったとしたら……。
 知美にいわれの無い傷が付く前に――完全に引き離される結果になってしまっただろう。
 そしてチビをチビのまま宝箱の中の思い出で終わらせてしまったかもしれない。
「あたし、その頃は辛かったしずっと淋しかったよ。けど、今はそれで良かったと思えるようになったの」
 会えなかった4年近くの空白。その間にお互いの立場も年齢も変わった。
 それがあったから、彼女の大人への成長と俺の気持ちの変化を遂げる事が出来たのかもしれない。
 共有出来なかった高校時代の時間の流れが、お菓子のかわりに詰まった赤い靴。
 少し色褪せたサンタの顔と、その横に並んだもう1つの値引きシールの跡の残るサンタに、密かに温められてきた想いを感じた。

 ――棄てられなかった拙い15の少女のそれを――。

 制服の襟をいじりながら俯くチビを眺めて、また涙が出そうになった。
111三つ葉のクローバー 5/17:2010/05/29(土) 03:05:04 ID:3cGO2Bue
「萌える?」
「うーむ」
「なんだ。つまんないの。泣いて喜んでるのかと思ったのに」
「あほかっ!いや、あのな、そういうつもりで見たがったんじゃないんだが」
「あらそう」
 んっとに、俺がまるで年中発情期みたいに。
「ならその手はなに?」
「あ……う、いやその」
「Stand up.」
「の……No……」
「Why?」
「……」
 い、言えません。
 つうかわかるよね?その視線の先は、ばっちり股間を押さえたままうずくまる俺の両手にあるのは間違いないと思うんだが。
 つまり違う所が立(ry……萌えるどころか、燃えたぎってます、ええ。
「エロオヤジ」
「……悪かったな」
 考えてみりゃ、ほんの1年前までは現役だったんだこいつ。だから違和感はないものの、こんな格好させるのはちょっとした
背徳感というか罪悪感というか、リアルタイムで目にしていれば起こらなかったであろうイケナイ気持ちがふつふつとわき上がる。
 おお、いかんいかん!
 正面に立ち顔を覗き込むチビの指が、俺の目尻に残る雫の跡をなぞる。それに合わせて軽く目を閉じた。
 程なく柔らかな微かに濡れた感触が目蓋に当たる。それは優しく唇へと動き、これまで何度も味わった魔力へと変化する。
 屈んだ体を背筋を伸ばし、俺をふわりと包み込むと頭をナデナデしては、時折良い子良い子と呟くのが聞こえる。
「俺は子供か」
「あら、泣いた子が何を仰る」
「頭崩れるだろが」
 これでも頑張ってセットして来たんだ。まあ、俺がわしわしやるのとは随分違って穏やかだとは思うけどさ。
 やっぱり幼稚園の先生ってのはこういう感じなのかな。母性ってやつ?俺より年下の癖して。
 そういや、俺の初恋は桃組のケイコ先生だったなぁ。もう20年前の話で、まだ未来の嫁は生まれてさえいなかった。
 そう思うとつくづく俺は甘えたがりの男なんだなと実感した。こいつに世話焼かれんの好きだもんな。
 ヤキモチ妬かれんのも、それはそれで嬉しかったりするけど。
112三つ葉のクローバー 10 6/17:2010/05/29(土) 03:06:20 ID:3cGO2Bue
「……このままシてあげよっか?まだかなり時間あると思うし。結構ツラいでしょ?それ」
 薄いピンクの唇を指でなぞりながら見下ろしてくる。
 あれでコレを、と考えただけでパンツの中がそりゃもうあんなこんな。ていうか何でこいつはこんなにエロカワイイんでしょうね?
「そんな事したら……いくらこの状況でも我慢できる自信ないぞ」
 目の前に伸びる短い丈のプリーツスカートから覗く白い太ももガン見。ああ、触りてえ、なんなら吸い付き……いや、膝枕も良い。
つうかして色々して欲しいけど、されるだけなんて。
「なんか援交の気分だな……エロじじいか俺は」
「あのさ……女の子だって、ちゃんと性欲あるんだよ」
 ほう、なる程。じゃなきゃ人類は愛云々の前に滅亡しちゃうもんな。おまけに男が皆犯罪者か鬼だ。特にお前は俺をすぐその気に
させる小悪魔だからな。
 死ぬ前に食うとしたら迷いなく『お前』って言いますよ。勿論性的な意味で。
 立ち上がり制服姿のチビを抱き締める。
「何やってんの?」
「現役時代にこういう事出来なかったからな〜」
 不思議そうな顔で見上げるチビの頭を撫でナデしつつ見下ろして、てっぺんからつま先まで眺め、襟や胸のボタンを摘んで
弄ってみたり、またぎゅっと抱きしめて。うーん、女子高生堪能。たまらん。そんでついでにくんかくんか。
 学校帰りにデートとかしてみたかったな。高校時代の俺には、女の子が異性というより異星人に思えたもんだよ。
「きゃあっ!?何すんのバカ!!」
「のわっ!?」
 調子にのってスカートめくってみたら蹴られた。おお、弁慶……。
「ぐぉ……いてぇ……何だよ今更減るもんじゃ無し」
「うっさい!こういうのは違うんだよ。何よ、どうせやった事なんかないくせに。せんちゃんだったらボコボコにされて終わりじゃん」
 悪かったな、ヘタレで。まあ、確かにそういう事する奴は少々の事じゃメゲてなど無かったような気がする。俺は教室の隅っこで
『白』とか『ピンク』なんて言うのを聞きながらドキドキしてたもんだ。
 要はムッツリだろ、と言うチビを無視して足をさする。
113三つ葉のクローバー 10 7/17:2010/05/29(土) 03:07:19 ID:3cGO2Bue
「水色……」
「え?」
 俺の視線の先に気付いて、慌ててきょとんとした顔を睨みを利かせたバージョンに変える。って、恐くないんだってばそれ。
 真っ赤な頬でスカートの裾をぎゅっと押さえて、俺の前にぺたんと座り込む。
「……誘ったくせに、何恥ずかしがってんだよ」
「だって……んっ」
 抱き寄せて唇を重ねると途端に躰の力が抜けていくのが、背中や腕にに廻してきた手の感じでわかる。さっきまでの威勢の良さは
ドコ行った、おい。
「や……やぁ、んんっ」
「嫌なん?」
 ブレザーをはだけてブラウスの上から胸を触り、ボタンをひとつふたつ外すと白いレースがちらっと覗く。
「や……じゃないけど、恥ずかしいんだもん、見られんの」
「じゃ触るのは?」
 レースの浮いた隙間から指を差し込む。
「それも恥ずかし……っあんっ!?」
 ブラのカップと肌の間に滑り込んだ俺の手のひらの裏と表に、生地とおっぱいのふわふわのそれぞれに心地良い柔らかさと
温かさが……これまたもう。
「この中身なんか何べんも見てんのに。もう慣れただろ?」
「そういう問題じゃないんだってば、バカ!慣れたからって平気なわけじゃないんだからね」
「俺のほうにはあんなコトやこんなコトしてくれるじゃんかよ……」
 それは恥ずかしくないんか。
「……だって、せんちゃん嬉しそうじゃん」
 俺だってそうだ。こいつが気持ちイイって悦んでくれたら嬉しいんだ。そりゃその前に触りたいくっつきたいっていう、俺自身の
エロ心も大いに関係してますけども。
「だからそれは恥ずかしいけどもっと……あ、ちょっとダメ!」
 ブラウスのボタンを全開にしてから押し倒そうとして、両手で押さえて身ごろを合わせ止められる。
「エエェェエエ〜……」
 お前さっきシていいって……今更そんなあぁ……。
「しわになるし」
「え?ああ、そゆことね、ハイハイ」
「ね?だから仕舞うから……」
「ん〜でも勿体無い」
 要は崩さなきゃいいんだろ?
 チビの手を取るとベッドに手を置かせて跪かせ、背中から抱き締めた。
114三つ葉のクローバー 10 8/17:2010/05/29(土) 03:08:38 ID:3cGO2Bue
「ちょっと……あっ」
「こうしたら脱がずに触れる……」
 立て膝した状態で、ベッドに掴まるようにしがみつくチビの躰を後ろからぴったりくっついて抱き締めた。というより半ば
乗っかかるみたいな。
 既にはだけてしまったブラウスの裾をスカートから引っ張り出し、背中に手を入れてホックを外す。
 カップを持ち上げるように下から手を入れると、柔らかな重みをそれに受け止める。
 ふにふにっと形を変えて指の動きに吸い付いてくる弾力のあるおっぱいは、小さなため息と共に捩る躰が前屈みになっていく
せいで余計に重く大きく感じる。おお、なんか得した気分。重力は偉大だ!
「……な、なんか……ね」
「うん?」
 勃ってきた乳首をくりくりと擦ると、声を詰まらせてぴくっと震える。
「ふぁっ……なんか、こんな格好してる……と……んっ……イケナ……イ事してるみた……い……あぁんッ」
「ん……そうかな?」
 イイコトなんだけど、この状況を考えるとイケナイ事なのかな、やっぱ。
「せんちゃんとここで……勉強以外の事するとは思わなかった……もん」
 首筋に息を吹きかける。
「きゃんっ」
 甘い悲鳴があがってすくめた肩は、耳たぶに押し付けた唇とつまんで擦る乳首の動きに合わせて喉を鳴らして仰け反らせ、
震えてがくんと下がる。
「受験には関係無かったもんな」
「なにが……あっ」
「保健体育」
 実践付きで。
 スカートの裾から手を入れて尻を撫で回す。女子高生に痴漢する野郎はこんな気持ちなんだろか。
 そりゃ触りたくもなるわな、こんな尻が、太ももが目の前にあったら。匂いだって嗅ぎたいわな、こんなサラサラの黒髪が
目の前で揺れてたら。
 しかし、だ。もうこれは俺のだし、近い将来は全部そうなる予定でいるし。となると他の野郎に指一本触れさせたくなんかない。
冗談じゃねえ。んな目に遭わせてたまるか。
「なあチビ。お前は俺が守るから」
 これから先、ずっと。
「だから側にいろよ」
「……やだ」
「なぬっ!?」
 まさかの拒否!ここまで来て……こんなの聞いてねええぇぇ!!
「……パンツ脱がせながら言わないでよ」
 あ、ですよね。頭をぱしっと叩かれた。
115三つ葉のクローバー 10 9/17:2010/05/29(土) 03:09:49 ID:3cGO2Bue
 両端に指をかけ、するすると小さな布が下りてくる。スカートから突き出した尻が見えそうだ、と生で拝もうとして睨まれた。
 いいよ。直で見るだけがエロじゃねえ。
 太ももで止まったパンツの真ん中が染みになって色が変わってる。触ってみるとやっぱり。
「こっちも……」
「!?……ひっ……あ……」
 脚の間に差し込んだ指先が割れ目を見つけて撫でると、ぬめりに合わせてくちゃくちゃと滑る。
「……やあぁんっ……あ……ああ」
 ぷっくり膨らんだ柔らかい毛の感触のする肉を掻き分けて、可愛いお豆さんを転がす。くりくりと撫でてやると、膝を震わせて
スカートのプリーツがゆらゆらと揺れている。
 隠れて見えないその中で、俺の指がチビの一番大事な所を好きなようにイジってるのを、頭の中に思い浮かべては鼻息を荒くする。
 童貞歴が役に立ったぜ。想像力パネぇ。
「恥ずかしいよぉ……あっ、や、だめ、ん」
「でも気持ちイイんだろ?」
「ん……」
 付け根から内股に流れ落ちる愛液をすくって指に絡め、あそこを焦らすように撫でなで擦る。うう、やっとこういう事が出来る
までになったか。もうちょい、我慢ガマンだ!ズボンの中の暴れん棒を心の声で叱咤する。
 しかしアレだな、こう……後ろから悪戯するのも視覚的には(AV的な意味で)悪くないんだけど、やっぱ正面から攻めたいよな。
だってこれじゃ顔やおっぱい見れねえ。つうか揉みながら吸い付きてえぇ!!
「せ……んちゃ、お願い……胸……もぉ」
「ん?」
 下ばっかり触って上がお留守になってた。どんどん濡れてくるチビの女の子の部分に夢中になって、柔やわな大好物を可愛がる
のを忘れてた。てへっ。
「あっ……そっ……そこぉ、やぁんっ……あぁ、あっ、はんっ、ん」
 集中、集中。上下の粒をそれぞれ丁寧に弄る。しかし難しい、あちらを勃てればこちらも勃つし、おいらのアソコも……。
「ああもう、辛抱たまらんっ!!」
「きゃあぁっ!?ちょ……ああっ、あああっ」
 チビの躰を抱えてベッドに放り上げ、仰向けに転がったところにのしかかった。
116三つ葉のクローバー 10 10/17:2010/05/29(土) 03:10:49 ID:3cGO2Bue
「ちょっと、破けるっ!」
 少し乱暴にブラウスを広げ、むき出しのおっぱいに食らいついた。ええい、邪魔だ!ブラを首まで押し上げて再開。
 とっくのとうに硬くつぼんだ先っぽを、ちゅうちゅうコロコロして遊ぶ。まだ柔らかいのが段々硬くなってくのを楽しむのも
良いもんなんだけどね。これはこれで良し。なんたって反応がもう。
 さっきまでのでもうすっかり出来上がってるカラダは、少しだけ鳥肌を立てながらも熱く震えて、膨らみに顔を埋める俺の頭を
抱きしめて呻く。
 散々味わって口を離すと、その胸を揉みながら片手でスカートを捲り、中途半端に下ろしたパンツはそのままに茂みに覆われた
お宝を探す。
 こいつ割と薄い方だと思うんだよなぁ。いや、まあ比べてるわけじゃ無いけど、てか本物他に見てないから比べようが無いけど。
ってほっとけ!
 だから余計こういうシチュは『後ろに手が回るんじゃないか』という有り得ない心配にびびる。んでその分血圧が上がる。
気分は腹上死。
「ふ……んっ、んむっ、ん……んんうッ」
 ちょっとずつ声が高くなってきたチビの口を塞ぐために、俺の口で蓋をして舌を押し込んで絡める。
 キスだけでも何かすっげえ気持ちいい。
 食=エロス、うむ、どっかで聞いた気がするが、なんかわからんでもない。飯食ってる時にそんな事考えたことなんか無いのに、
乗せる物が女の舌だとこうも違うのか。
 この舌で俺のアレもぱっくんしてこんなふうにされたらそりゃ……たまらんわな。何でいちいちエロいんだこいつは!!
 キスの音に被せて下を弄る指がくちゅくちゅと濡れている。どっちがどっちのか区別つかない湿ったリズムを奏でつつ、
それにあわせて俺たちの躰も重なったまま跳ねる。
「ん……せ……んちゃ、もう、だめっ」
「……ん……イく?」
 うう、と呻いて唇を離して首を縦に振る。
「イけよ」
 小刻みに動かす指を速く、擦る力も少し強く。
「ああっ――ああぁっ――は……っんっ――!!」
 背中を大きく反らせながら俺の肩にしがみつき、脚をぴんと伸ばしながらぷるぷると震えた。
117三つ葉のクローバー 10 11/17:2010/05/29(土) 03:11:49 ID:3cGO2Bue
「いやぁっ、もう……だめえぇ!!」
 ゆっくりと尻から太ももを撫でる手を必死で抑えてくる。
「感じ過ぎちゃうから……だめ」
 じわっと涙を浮かべて真っ赤なほっぺして。
「やぁんっ……だから……だめえ」
「はいはい」
 かわええ。耳たぶ噛んでイタズラしたらちっちゃくなって震えてる。子猫みたいに丸くなって、イヤイヤ、って。
「もっと気持ち良くなるんだからぁ……イイの」
「え?あ、うん」
 けど、それって無理っすよ?
 ズボンのベルトに手を掛けて気が付いた。
 ――アレ、持ってねえ!!
 さすがにナマはまだヤバいだろうよ。これから親に正式に交際許可を貰おうって男が、たとえ今日許しを頂いたとしてもだよ、
あっという間に孕ませたとあっちゃそりゃ……ねえ?
「それなら大丈夫」
 脱がせかけのパンツを穿きなおすと、机の上のバッグから小さな箱を取り出した。
「これ、この前買ったの」
「お前……んな物どこで」
「通販。コスメとか下着とか、女の子向けの雑貨と一緒にそういうのもあったりするんだ。中身もバレないようにしてくれるし」
「へー」
 キラキラした可愛い箱に、よく見るとそれらしい説明書きがある。一見しただけじゃ俺みたいなのにはわからない。なる程ね。
「いつもせんちゃんに任せっきりだからね。こういうのって、やっぱり2人の問題だし」
「……ありがとう」

『女の子からこういうのって、嫌?』

 こういう時決まって付いてくるであろう台詞を言わせないために、先に礼を言った。
 ちょっと前の俺なら、嬉しく思わなくは無くとも、女の子の行動としてはどっかで引いて身構えたかもしれない。
 けどこいつは全てが俺のためで、ヘタレな俺に尽くしてくれながら一歩先を見て歩こうとしている。
 俺色に染まりつつ、後ろをついて追っかけて来ては、時々予想を超えて前を行く。
 そんなチビの色に染まりながら一緒に歩くのも悪くないと思うんだ。
118三つ葉のクローバー 10 12/17:2010/05/29(土) 03:12:59 ID:3cGO2Bue
「……」
「どうした?」
 ちっちゃな袋を摘んだままで悩んでる。
 おい、早くくれ。念のためのズボン半脱ぎだがこのままじゃシワになる。流石に今日はジーパンじゃないからな。つうか尻寒い。
「あのさー、これ、着けてみたい」
「げっ!?」
 まーじーかー!!いや、そんな、そりゃそういうの見てハァハァした事もあるけどさ。
「実習実習」
 袋を破って、確認しながらムスコに触れてくる。仕方ねえ、保体のお勉強といきますか。って、恥ずかしいんですけど、俺。
 手順を教えながら、自分以外の手によって準備が整えられていくのをじっと見てるのは、なんか変な気がするが。
「どう?」
「よくできました」
 よしよし、はなまるをあげよう……と言いたいトコロだが、今はこっちだよな。
「えっ……うっそ!?――あぁっ」
 俯せに寝かせて膝を立てお尻を上げると、パンツをまたぐいっと引いて下ろす。
 おお、いい尻。
 白くて丸い柔らかなふたつの肉の真ん中を指で押し開くと、今までと違う角度で全部が丸見えになる。
 そこに腰を押し付け、慎重に場所を合わせて挿し込んだ。
 こんな角度でするのは初めてだからか、チビの着けてくれたゴムのせいなのかちょっと引っかかる感じがする。キツい。
「ねぇ……なんかおっきい?」
「えぇっ?」
 くぅっと声をあげては枕に顔を埋める。うおい、こら、腰揺らすな!
「し、締めるなよ、お前……」
 すぐイッちゃうじゃないかこれじゃ。
「そんな、あたし何も……や、ふぁ、あんっ、だめ、はげ……し……」
 優しくしてぇ、と泣きそうな声を出す。でも、痛いってわけじゃなさそうだ。動かす度に絡まる液の量が多くなって、今度はめちゃくちゃ滑る。
 一旦抜くと、くるりとひっくり返して仰向けにしたチビにまた乗っかかる。
 折り曲げた膝に引っかかったパンツ。それを足首までずり下げて抜くと、スカートを捲り上げて思い切り大きく脚を開かせる。
 朱く濡れてヒクヒクするヒダにアレの先を擦り付けてつつくと、早く早くと口にしなくても腰を浮かせてねだってくるから
欲しがってるのが手に取るようにわかる。
 ああ、俺だってイきてえよ。
 内股に手を添えて押さえると、一気に腰を沈めた。
119三つ葉のクローバー 10 13/17:2010/05/29(土) 03:14:16 ID:3cGO2Bue
 押し曲げた膝に乗っかるように躰を押し付け、腰を揺らす。
 ギシギシと軋むベッドは2人で寝るには狭いから、激しく動くと窮屈で可哀想なくらい音を立てて揺れている。
 これじゃ隣どころか階下へも丸聞こえかもしれない。留守宅で良かったと考えながらおっぱい丸出しで喘ぐチビを見下ろして、
『親の留守に教え子を犯す不埒な家庭教師』な気持ちになった。もしくは間男ってこんなん?
 早くイカなきゃ、と思い始めて焦る。だめだ、気が散る。すっげえ気持ちいいのに……変な義務感みたいのが湧いてきて頭が
冷えて集中できん。くそう。
 いっそ手でしてもらう方がいいかもな。
 じゅるっと滴るような音で滑らせたモノを抜こうとして引いた腰が、物凄い力で引き止められた。
「!?」
 折り曲げて広げた脚を俺の腰に絡めて、しっかりと捕まえて離してくれない。うっそぉ!?
「あっ――あぁんっ――だめ!抜いちゃだめ!いやぁっ!!」
 首をぶんぶん振りながら、俺の肌と密着した部分を腰をくねらせて擦りつけてくる。
 うおっ!なんて事するんだお前という奴は。
 ハァハァしながらとろんとした目で見るな。半開きの唇がまた、あぁもうっ!!
 脱童貞した友達が昔『自慰の方が気持ち良い』って言ってたが、俺はそう言い切れない。
 出したいだけならそれはそれで間違い無いんだろうけど、到達する前のいちゃいちゃうふふが大好きな俺は断然えっちの方がいい。
 チビのもちもちの肌の温もりや柔らかさを知ってしまってから、たまにこっそり自家発電してみても、ティッシュに吐き出された
所詮『欲望の塊』でしかないそれと空っぽの腕の中に、虚しさ以上のものを見つける事が出来なくなった。
 若くて可愛いのは今のうちだ。
「なあ、チビ。俺……がおっさんになっても、こういう事……できる?」
「んっ……」
 虚ろな目でみあげつつ頷く。
「せ……んちゃんは、あたしがおばちゃんになったら無理?」
「うんにゃ」
 熟女モノも嫌いじゃないぜ。だから多分、こいつで勃たなくなったら俺の男としての人生終わる。惚れた女に萌えらんなくて
どーすんだ。
120三つ葉のクローバー 10 14/17:2010/05/29(土) 03:15:17 ID:3cGO2Bue
 俺だって若いのは今のうちだけだしな。すげえイケメンでもセレブでも無い俺が誇れるのは、でかいだけの背と、まだ無事な頭髪
アンド腹周り以外はそんなもんだ。確実に俺の方が先に酷い事になるだろうし、いつかチビを――ひとりにしてしまう時がやってくる。
 それまで全力で愛し抜くつもりだ。文句あっか。
「んんんっ……も、だめ、あぁ、やぁ、っ、んぁんっ、うぁ、――あッ」
 ほんのりと朱く染まった肌に、つうっと一筋の汗が流れた。
 震える首筋に唇をあて、互いの躰を力一杯きつく抱き締め合ったまま終わる。
「んあ……っ」
 絞り出す声の掠れた色っぽさに身震いがした。
 心地よい疲れに浸りたい気持ちを我慢して、チビをのしかかる体重から解放しようと腕を伸ばした。
 ああ、抜きたくないなこれ。
 今はまだ薄い膜越しにしかチビの胎内を感じる事が出来ないけど、そこから一刻も早く退散しなければならない現実はちょっと辛い。
 だって淋しそうに見てくるチビの顔に、俺も切なくなってくるんだ。
 前は終わるとすぐに躰を離して、処理をするとその流れで服を着たりしてるうちにそのまま帰り支度、なんて事になってた。
 それをチビが哀しそうにするのに気付いてからは、片付けだけは早く済ませて(いや、挿れっぱなしは危険だっていうし)
なるべく肌を合わせるようにした。それでようやく自分でも、こういう時間が何気に大切なんだなと解ってきた。
 いきなり繋がっていた温もりがなくなるのは不安になる。
 素に戻ると照れくさいけど、汗に貼りついた髪を梳いておでこにキスする時の充実感はたまらない。
 ――が、今日ばかりはそうも言ってらんないみたいで。
「制服ぐしゃぐしゃ……どうしよ。恥ずかしくて近所じゃクリーニングに出せない」
「……すまん。責任とってうちの近所に出すわ」
「それはやめた方が良くない?」
「なんで」
「……こういう目で見られるよ」
 おい、なんだその汚いモノを見るような目は。もっと見……いや、その、確かに変態扱いされるかもしれんな。下手すりゃ
犯罪者呼ばわりかも!?――お、俺は淫行はしてねえ!!
121三つ葉のクローバー 10 15/17:2010/05/29(土) 03:16:34 ID:3cGO2Bue
 あまり馴染みのない店に出しておくという事にして制服を脱ぐ。おお、生ストリップ。
 紺のハイソと下着だけの格好を見て、股……いや、胸がキュンとなる。
「きゃっ!せ……」
「もうちょっとだけ……」
 外れたホックを留めようとした手を掴んで抱き締めると、むき出しの背中を撫でる。
 軽く抵抗したチビの唇を塞ぐと、浮いたブラのカップの下から手を入れて胸を軽く揉んだ。
 ああ、このまま2回戦にいきたいなぁ。けど、もうこの辺で止めとかないと。
 汗ばんで少しパンツの貼りついたお尻を名残惜しく撫でる。
「……ごめんな」
 ううん、と恥ずかしそうに微笑んで俯くチビの顎を上げさせ、もう1度だけ――と唇を寄せた。
 途端に電話が鳴って、慌ててチビが廊下の子機を取りに走る。
「――もう××まで来てるって!」
 なぬう!?ああ、そこならあと5分てとこか。甘い雰囲気は一瞬にしてぶっ飛んで、身支度を整えようとバタバタする。
「替えの選んでやろうか?」
「……!?エロ親父っ!!」
「痛ってぇ!?」
 汚してしまったパンツを脱がそうとして、両手でぱちんと頬を挟まれた。
 そうこうするうち、あっという間に時間は過ぎる。
 車の音がして急いで階下へ。
 鍵を開けチビが出迎える間に、ソファで冷めたカップを手に取る。
「やあ、待たせたね」
 渇いた喉をごくりと鳴らしながら腰を上げた――。


* * *

 穏やかな春の土曜日、夕暮れの土手を散歩する。
 バイトを終えたチビを迎えに行って買い物。片手にエコバッグ、もう片方には――。
「あったかくなったねぇ」
「そうだな。風も気持ちいいし」
 まだ明るい原っぱには、走り回る子供らや犬の散歩を楽しむ人たちの姿があった。
 前はこういう景色を見ても、大した感動もせず当たり前の日常の風景の一部としか捉える事が出来なかった。
「のどかだねぇ」
「だな」
 今は、何気ない日々の中の小さな出来事一つひとつがとても大切に思えてくる事がある。
「あ、見て」
「お、すげえな」
 そして他人にとってはどうってことないものが、自分にとって特別なものに成り得るという事も。
 自分より少し小さな柔らかな優しい手。
 その温もりを確かめながら、目の前に広がる白と緑の絨毯を眺めた。
122三つ葉のクローバー 10 16/17:2010/05/29(土) 03:17:56 ID:3cGO2Bue
「ねえ、知ってる?」
「何を……うわっと!?」
 質問の意味を答える前に、チビはさっさと繋いだままの手を引っ張って土手を下りていく。
「危ねえな。坂になってんだから急に走るな!何なんだよお前は」
「いいからいいから。見て?」
 原っぱの真ん中でしゃがみだすチビに合わせて腰を下ろした。
「この花、シロツメクサってゆーんだよ」
 見れば辺り一面揺れている、白い綿帽子みたいな丸い花。間を埋める緑の葉っぱには覚えがあった。
「あ、クローバーか」
「すごいね、ここ。また見つかるかなぁ」
 きょろきょろと周りを見ながら何かを探している様子。
「何しとんじゃ。……で、何を知ってるって?」
「ん?ん〜っとねぇ、花言葉」
「花言葉?何か意味あんの」
「そう。あたしもこの前たまたま知ったんだけどね」
 ちょいちょいと足下の葉っぱを指でよけながら、目線は忙しなくその先を探っていく。
「四つの葉にはね、愛情とか、信仰、希望、幸運とそれぞれ1枚ずつに意味があるんだって」
「へぇー」
「それから他にも『約束』と」
 ふっと笑顔が消え、真っ直ぐ俺の目を覗き込む。
「なんだよ」

「……『私を見て』……」

 脳裏にあの夜のやりとりが思い浮かんだ。
 少しちくりと疼き痛む片想いの傷をいとも簡単に塞いでしまった、今は手帳の間に眠るたったひとつの小さな葉っぱ。
「驚いちゃうよね」
 偶然と呼ぶべき確率の出来事だったんだろう。だけどその幸運の葉にはきっと、その時気付く事の出来なかったチビの想いが
密かに託されていたに違いない――いや、そうあって欲しいと願う。
「……約束するよ」
 あの日受け取った『言葉にならない告白』に対する俺なりの答えだ。
「ずっと」

 ――お前だけを見ていくから。

 その言葉に潤んだ目を伏せながら胸元の三つ葉の飾りを弄るチビの手をとった。
「約束ね」

 守るよ。

 指切りしながら心に誓った。
 贈られた愛情と贈った誠意を一生涯忘れはすまいと。
123三つ葉のクローバー 10 17/17:2010/05/29(土) 03:19:59 ID:3cGO2Bue
 辺りを見渡してみれば、近くには人の姿は無い。
「あっ!あった!!」
 いきなり大声で何かを見つけ出すと、小指を絡めたまま身を乗り出して前の方を覗き込む。
「もー何してんの?唇尖らせて」
「誰のせいだ、だれのっ!」
 しゃがんでるうちに足が痺れて、引っ張られた勢いでよろけて尻餅ついた。つか、せっかく誰も見てなかったのに……くすん。
「ほら、それ」
 得意げに指し示す先にあるのは。
「おお、すげぇ!!」
「でしょ?」
 摘もうとした手を思わず止めた。買い物袋を持ってたから、やや強引に動かして中身がガサガサと暴れる。
「ちょっ!卵割れるじゃん!!何すんのー?」
「わり。いや、なんかさ、そのままにしておいた方が良いかと思って」
 穏やかな風に揺れるそれを見ていたら、何だかそんな気になった。
「もう俺らには必要ないだろ?」
 その言葉に笑って頷いてくれたチビに肩を借りて立ち上がると、もう一度しっかりと繋ぎ直した手を引いて歩き出した。
「帰ったらあのカップでコーヒー飲もうか」
「そうだな」

 だから他の誰かにその幸運を。

「今日……泊まっていける?」
「うん。でもそのかわりにね」
「何だ?」
「来週はうちでお姉ちゃん達呼んで飲もうって。お父さんが」

 この世界に生きる人々の中で、俺が唯一の相手を見つけ出す事が出来たように。

 たくさんの三つ葉の中に埋もれたあの四つ葉を見つけ出してくれたらと思う。

* * *


「ねえ、せんちゃん」
「なんだチビ」
「その呼び方やめてよ。――ね、これなんかどう?」
「いいんじゃね」
「投げやりだなぁ……もういいよ!勝手に決めるから」
「いや、そーゆんじゃなくてだな……その」
「何よ。似合わないならそう言えば」
「そうじゃねえから困ってんだよっ!き、綺麗だ……だあぁっ、何言わすんだっ!?」
「……タコだ」
「誰がタコじゃ!」
「だって真っ赤だもん。……じゃ、これにしよっかな」

 目の前にいる純白のウェディングドレスの彼女。

「引き出物決めなきゃ」
「カタログがいいな、俺」

 満面の笑みを浮かべて微笑む側に寄り添っているのは、勿論――。


――完――


124名無しさん@ピンキー:2010/05/29(土) 04:38:38 ID:pWTElgXK
超GJ!!!


親に会う直前に制服でとかw大胆なチビにやられたw

作者様、長編お疲れさまでした!
毎回エロいし泣けるしほのぼのするしで、大変楽しませて頂きました

ありがとう!
125名無しさん@ピンキー:2010/05/29(土) 08:27:56 ID:SbxOZ90S
長編ご苦労さました。
そしてGJ!
126名無しさん@ピンキー:2010/05/29(土) 11:43:21 ID:2w+wWsBA
GJ!!
毎回楽しみにしてました。
読み終えて、胸がいっぱいだー!

お疲れ様でした!
127名無しさん@ピンキー:2010/05/30(日) 07:46:25 ID:GeyfOFc7
GJGJGJ!!
エロくて笑えてそして全俺を泣かせてくれた
作者お疲れ!
128名無しさん@ピンキー:2010/05/30(日) 23:31:07 ID:l3C6Qd1m
>>107-123
ちょっとトイレに行ってくr

ウッ!!

ふぅ…。
129名無しさん@ピンキー:2010/05/31(月) 23:23:06 ID:xN2VT9Yr
ほんとによいはなしだったGJ
ありがとうありがとう


チビの友達からみたチビとせんちゃんはどう見えるのだろうか。
ちゃんとオトナでかっこいい感じに映るのだろうか。
しんぱいだw
130名無しさん@ピンキー:2010/05/31(月) 23:39:31 ID:KV3oS6Do
>>107-123
乙過ぎる
エロい実にエロい感動した


そして俺もチビの友達から見たせんちゃんとチビが気になるw
131名無しさん@ピンキー:2010/06/02(水) 17:31:34 ID:YKDAHj1n
彼氏が35で私が20ですが結婚するまでHはしないって言われたんだけど
したくてたまらない
ひとりえっちできそうな歳の差SSをお願いします
132名無しさん@ピンキー:2010/06/04(金) 23:11:20 ID:RnsOPkt9
2人のめぐみはまだでしょうか
133名無しさん@ピンキー:2010/06/06(日) 04:22:46 ID:GF/9EHCd
淫行教師の続きもな
134名無しさん@ピンキー:2010/06/10(木) 02:25:21 ID:G+HRsu+n
保健室の先生とかエロいよね
135名無しさん@ピンキー:2010/06/10(木) 21:51:42 ID:FXy1fnnB
>>134
あぁ、エロいな
136名無しさん@ピンキー:2010/06/10(木) 22:58:47 ID:FGMV9PzJ
保健室の先生と男子生徒とかは俺得すぎるから困る
137名無しさん@ピンキー:2010/06/11(金) 02:46:56 ID:VF/OyLZ2
授業そっちのけでやっちゃってその後怒られるのは定番だな
138名無しさん@ピンキー:2010/06/11(金) 15:45:47 ID:d/YCQIVR
>>137
それは怒られる程度じゃすまんでしょ
139名無しさん@ピンキー:2010/06/12(土) 22:56:00 ID:acT4SOmH
「先生、俺、我慢出来ません……」
「こ、こらっ!! もう授業が始ま……んんっ!!」
「あぁ、先生。 すげぇ、たまんないです」
「ほ、本当に怒るわよっ!! 学校でするのはダメって、いつも言って……ふぁっ!?」
「こんなに濡れて、保健室のベッド、汚れちゃいますね」
「バ、バカっ」
140名無しさん@ピンキー:2010/06/13(日) 01:16:31 ID:H+kWwkog
>>139
さぁ早く続きを執筆する作業に戻るんだいや戻ってくださいお願いします
141名無しさん@ピンキー:2010/06/18(金) 09:12:40 ID:66PhEjI5
 +   +
  ∧_∧ + 
 (0゚・∀・)  ワクワク
 (0゚∪ ∪ +   テカテカ
 と__)__) +
142名無しさん@ピンキー:2010/06/19(土) 19:26:07 ID:EfhMlL81
>>139
>「バ、バカっ」

おかしいな、俺の画面だとここで終わってるんだが
続きはどうやって見るんだ?
143名無しさん@ピンキー:2010/06/19(土) 23:00:38 ID:chVyaYse
>>139
つ、続きは!?
144名無しさん@ピンキー:2010/06/20(日) 16:36:20 ID:vHZHMd8w
もちろんその先生は
巨乳でグラマーな大人のお姉さんだよな?
145名無しさん@ピンキー:2010/06/20(日) 21:13:10 ID:1BpdJxcZ
大人のお姉さんなのに貧乳というギャップも捨てがたい
146名無しさん@ピンキー:2010/06/20(日) 22:37:22 ID:o+JeQW2i
スレンダーでモデル体質な女性も良いからな
貧乳でも全体が美しい大人のお姉さんハァハァ
147名無しさん@ピンキー:2010/06/20(日) 23:37:53 ID:lYlxoppn
胸も大事だが、それよりも性格が大事だな!
優しくていっぱい甘えさせてくれるお姉さんなのか、
ドSだけど2人っきりの時には甘えさせてくれるお姉さんなのか。

俺は後者が大好物です。
148名無しさん@ピンキー:2010/06/21(月) 01:57:10 ID:RpbCpS2J
ドSだけど2人っきりの時には甘えさせてくれるちみっ娘が良いです
149名無しさん@ピンキー:2010/06/22(火) 05:54:49 ID:sQLajGae
厳ついおっさんと薄幸そうな美幼女のカップルに萌えます。
初潮イベントも出来るし
150名無しさん@ピンキー:2010/06/24(木) 19:45:18 ID:RSaHmRyl
女性上、女性下どちらでもおk
151名無しさん@ピンキー:2010/06/24(木) 23:43:37 ID:PRTC8E0o
騎乗位的な意味でかと思った(*´Д`)ハァハァ
152名無しさん@ピンキー:2010/06/26(土) 05:14:44 ID:hIn0phdQ
年上のヤキモチは破壊力抜群
153名無しさん@ピンキー:2010/06/26(土) 18:17:29 ID:D36uou3R
>>152
良いよね
154名無しさん@ピンキー:2010/06/27(日) 02:25:22 ID:DxnxLE00
 無駄に広々とした昇降口。
開け放たれたドアから入ってくる夕方の爽やかな風が、汗ばむ肌に気持ちいい。
そんな放課後の廊下で、僕は島田さんに呼び止められた。
「涼介、涼介!」
「島田さん? どうしたの」
「この前、貸してもらった映画のDVDね、見終わったの。 はい、これ」
 そう言って、島田さんは僕が貸していたDVDの入った袋を差し出した。
その袋を受け取る時、一瞬、島田さんの指と僕の指が触れたような気がした。
「ありがとね! 今度、お礼するからさ」
「いいって、気にしないで」
「私も映画とか大好きなんだぁ。 一緒に映画、観に行こうよ。 今週の土曜日とかさ、暇してる?」
 僕の言葉が聞こえなかったのだろうか、島田さんは勝手に話しを進めて行く。
高校生の男女が2人で映画を観に行くだなんて、まるでデートみたいじゃないか。
──いや、間違いなくデートの誘いじゃないか、これは。
「今週の土曜日は、えっと……」
「おっけー、おっけー?」
 今週の土曜日、暇だ。
「うん、土曜日なら、別に用事は──」
「──伊藤くん」
 その時、タイミングを見計らっていたかの様に、急に背後から声を掛けられた。
それはとても聞き慣れた声で、それはとても耳に心地良い声だ。
「先生」
「あ、高宮先生だ、やっほー」
「暑いのに元気ね、島田さん」
 そう言いながら、ふっと気だる気に微笑む先生。
美人なだけに、気だるそうなその微笑みも画になるものだった。
やはり、先生も夏の暑さというのは苦手なのだろうか。
いつもは下ろしている黒い髪も、今日はルーズな感じで軽く纏めてアップにされている。
155名無しさん@ピンキー:2010/06/27(日) 02:27:18 ID:DxnxLE00
「ところで、伊藤くん。 話しがあるのだけれど」
「えぇー。 先生に呼び出しされるとか、何か悪いことしたの涼介?」
 身に覚えがないよと、僕は苦笑いで否定した。
「ま、しょうがないか。 今晩、メールするね」
「分かった」
 靴箱に上履きをしまい、またねと言いながら手を振ると島田さんは帰って行った。
斜めに差し込んでくる夕方の陽射しが、無駄に広々とした昇降口をオレンジに染めている。
誰の行き来もない放課後の廊下に僕と先生が取り残された。
「──伊藤くん」
「はい」
「島田さんと仲がいいのね」
「そうですか?」
「伊藤くんのことを下の名前で呼んでいたわ」
「友達ですし」
「土曜日は島田さんとデートかしら」
「聞いていたんですか」
「たまたま、聞こえてしまったのよ」
「そうですか」
「それで、土曜日は島田さんとデートかしら」
「まだ、決まってはいないです」
「伊藤くん」
「はい」
「土曜日は暇かしら」
「はい。 ──……は?」
 僕が手に持っている映画のDVDが入った袋を、先生はじっと見つめていた。
「なんとなく、なんとなくなんだけれど。 ──映画が見たくなったわ、伊藤くんと」
 後に僕の恋人になってくれる女の人は、ちょっと嫉妬深くヤキモチ焼きな女の人なのだった。
156名無しさん@ピンキー:2010/06/27(日) 03:03:40 ID:ndzYK5Uo
>>154-155
続きは!?
157名無しさん@ピンキー:2010/06/27(日) 16:57:58 ID:sP0U8uZr
>>154
寸鯉寝獲りGJ!
158名無しさん@ピンキー:2010/06/27(日) 17:20:32 ID:Qbzyx5HY
>>154-155
GJ! 設定が俺得すぎるぜ!!!!!!!!
159名無しさん@ピンキー:2010/06/28(月) 00:29:35 ID:1ogVrFBp
ちょっとややこしい話だけど
先週、知人(23)の妹(17)が知人の彼女(14)の
兄(17)の彼女(28)の父親(46)と結婚したらしく
「このロリコン野郎ゥッッ!」と怒ってた。
ツッコんどくべきだったかな
160名無しさん@ピンキー:2010/06/28(月) 00:44:22 ID:zjNqjuZz
>>159
思わず図示したわ
29歳差はロリコンっつうか犯罪だ
161名無しさん@ピンキー:2010/06/28(月) 02:43:39 ID:2TxZl/Hi
知人のほうが犯罪……ってかみんな歳の差www
162名無しさん@ピンキー:2010/06/28(月) 03:54:19 ID:YGuI4B2Z
>>159
その結婚した17歳って現役で高校生やりながら人妻なの?
163名無しさん@ピンキー:2010/06/28(月) 09:41:25 ID:xOs4/ww2
その父親と娘の歳の差が18しかないのが…
御盛んだなー
164名無しさん@ピンキー:2010/06/28(月) 21:32:07 ID:tJLNU7x7
娘の立場だと、自分より11も年下の義理母が出来るのか…
てゆーかよく読んだら自分の彼氏と同い年なのかw
すげえw
165名無しさん@ピンキー:2010/06/28(月) 23:23:42 ID:F2qipA/A
>>154-155
で、その先生と恋人になるSSはまだなのかね。
 +   +
  ∧_∧ + 
 (0゚・∀・)  ワクワク
 (0゚∪ ∪ +   テカテカ
 と__)__) +
166名無しさん@ピンキー:2010/06/29(火) 21:28:43 ID:SN0xJ9Ou
一口に先生と言ってもだな
保健室の先生と数学の先生で大分イメージが変わってくるよな
主にエロい意味で
167名無しさん@ピンキー:2010/06/30(水) 02:50:10 ID:ArQvBkvc
俺初恋が中学生の時の
26歳の社会の先生だったな
168名無しさん@ピンキー:2010/06/30(水) 06:16:05 ID:bGL3dN/d
>>166
美人で大人の女性な数学教師とかなら俺得
169名無しさん@ピンキー:2010/06/30(水) 15:21:13 ID:baf5xjWx
俺的には数学教師は固くて不器用なイメージがある。でちょいツンデレ。

理系数学好きの女子ってちょっと変わり者っていうか世間とずれてそう。
恋愛に不慣れそう。
170名無しさん@ピンキー:2010/06/30(水) 15:59:03 ID:bGL3dN/d
>>169
年上で既に社会人なのに不器用でツンデレで恋愛に不慣れな女性とか萌えキャラ過ぎて辛い
ベッドでは年下の男に良いように弄ばれるんですね。
171名無しさん@ピンキー:2010/06/30(水) 21:31:42 ID:QTZ2/n62
保健室の先生は優しくてお姉さん気質でおっぱいなイメージ
数学の先生は厳しくてドSだけど2人っきりの時はデレるイメージ
172名無しさん@ピンキー:2010/07/01(木) 16:46:51 ID:tFKNmQWv
家ではだらしない格好でゴロゴロしてる先生とかもいいね
173名無しさん@ピンキー:2010/07/01(木) 23:54:46 ID:KZHz0w7/
「だらしない格好」が
「はしたない格好」に見えた
174名無しさん@ピンキー:2010/07/02(金) 01:26:47 ID:QjkGi1xj
175名無しさん@ピンキー:2010/07/02(金) 17:28:46 ID:+7Wf3fLJ
あぁそういうことだ
176名無しさん@ピンキー:2010/07/02(金) 22:06:39 ID:RYAqSsvo
流れ読まなくてすまん
高杉さんちのおべんとーの紹介文が俺らホイホイすぎるんだが
実のところどうなんだ>読んだ奴
177名無しさん@ピンキー:2010/07/02(金) 23:28:17 ID:yPoVgwuU
>>174
お姉さんに膝枕してもらっているのではなく、
お姉さんを膝枕してあげている…、だと…?

(*゚∀゚)=3
178名無しさん@ピンキー:2010/07/03(土) 20:51:00 ID:H5rGbW6B
>>174
kwsk
179名無しさん@ピンキー:2010/07/03(土) 22:02:16 ID:BGPnLSPC
>>176
にまにまできる
くるりがかわいい
2巻はこないだでたばかりで、特典ペーパーついてるとこで買うとよろしい
180名無しさん@ピンキー:2010/07/06(火) 18:48:51 ID:SM/jTo0F
>>179
dです
最初の一文で全てが伝わりました
181名無しさん@ピンキー:2010/07/08(木) 08:37:23 ID:wzoAnZ/8
連投規制に引っ掛かるかもしれないから、そうしたらまた後で投下する。
エロは次回の予定だ、すまんね。
182名無しさん@ピンキー:2010/07/08(木) 08:39:32 ID:wzoAnZ/8
 土曜日を前にした週末の夕方。
 その日の帰り道、僕はいつもと違う路線の電車に乗り、いつもと違う駅で電車を降りた。
見慣れない街の中を歩き回り、大勢の知らない顔の人達の間を縫うようにして通り抜ける。
夕日に背中を照らされながら、付かず離れず、一人で先を歩いている僕の影が彼女に踏まれた。
外を歩けば自分の影を他人に踏まれ、他人の影を自分が踏んで歩いていることだと思う。
普通なら気にも止めないそんな事も、彼女にとっては気に止める事だったのは間違いない。
僕の隣りを同じ速さで歩いていた先輩が、彼女に気付いて立ち止まる。
僕が知らない彼女の最初の嫉妬で、最初のヤキモチだったのだろう。
 それが2008年の12月、冬のことだ。

 ■

 すっかりと日に焼けて色落ちした薄い生地のカーテンが、ゆらゆらと風に揺れている。
運動場に照りつける夏の陽射し、鳴り止まないセミの鳴き声はどこまでも響いていく。
教室内で団扇を仰ぐ生徒を目にしない日はないし、半袖のワイシャツの袖を更に捲って、
柔らかそうな白い二の腕を露わにした女子生徒達は目の毒であり、目の保養でもある。
涼しい風の入る窓際の特等席で、入道雲の登る群青の空を僕はぼんやりと眺めていた。
「えー、四段活用というのは既にご存知かと思いますが、これは──」
 やたらと礼儀正しい言葉遣いで説明することで有名な古文を担当する年配の男性教師。
黒板にチョークで書かれていく例文を、何人の生徒達がノートに写しているのだろうか。
「この場合はですね、ここで文節の区切りになるので──」
 と、説明の途中で終業のチャイムが鳴った。
それでは今日の授業はここまでです、と告げて教室を出て行く古文の年配教師。
至極退屈で眠たくなる古文の授業が終わった途端、室内が一気に騒がしくなる。
これから一時間の長い休憩時間、昼休み、かっこよく言うとランチタイムだ。
 僕は通学用のトートバッグの中からコンビニの袋を手に取ると、椅子から立ち上がる。
数人の女子生徒達と連れ添い、恐らく学食へ向かうのであろう島田さんを呼び止めた。
「島田さん、この前のお礼」
「わぁ、ありがとねっ!」
 校則違反に触れない程度に染められた茶髪のショートヘアーが、ふわりと風に舞う。
183名無しさん@ピンキー:2010/07/08(木) 08:46:48 ID:wzoAnZ/8
コンビニで買った紙パックの飲み物ひとつで大袈裟なくらい喜んでくれる島田さん。
 先日、財布の中には銀行から下ろしてきたばかりのバイト代の一部の一万円札しかなく、
小銭のない僕が自販機の前で困り果てていると、島田さんが小銭を貸してくれたのだ。
それに対する対等なお礼である。
「朝、買ったからさ、温くなっちゃてるでしょ?」
「大丈夫、大丈夫、学食のおばちゃんから氷もらうから」
 島田さんは胸を反らして──どうしても胸に目が行ってしまう──自慢気な顔で語る。
「それにアップルティーとか、涼介は私の好みがちゃんと分かってるよねー」
 勿論、偶然だ。
「お昼ご飯だしさ、一緒に食べよっ、ね?」
「島田さん、岡本さん達と一緒でしょ。 僕、ちょっと用事があるんだ」
「えぇー」
 あからさまにそうがっかりされても反応に困る。
ほら、島田さんの友達も、なんだか笑いを堪えた様な顔をしているし。
「お昼休みに、お昼ご飯より大事な用事があるの?」
「うん」
「あっちゃあー。 島ちゃん、フラレちゃったかぁ」
「可哀相にね」
 岡本さんと渡さんに茶化された島田さんは、頬を染めて反抗する。
だから、そういう反応をされてしまうと、僕もどういう反応をすればいいのやら。
僕は苦笑いをしながら、また誘ってねとだけ告げると、足早に教室を出て行った。
教室を出たところで、別のクラスの友人の男子生徒に学食へ行こうと誘われたが断った。
夏の陽射しを受けるリノリウムの床、通り過ぎる教室から聞こえてくる生徒達の騒ぎ声。
この学校の校舎の廊下は窓を開けていても風通しが悪く、蒸し暑さが肌に汗を浮かばせる。
 早く彼女に会いたかった、貴重な昼休みの時間、一秒でも長く一緒にいたい。
そう思ってしまうのは、やはり惚れた相手だからに違いない。

 ■

 理科準備室なら分かるが、英語準備室とは一体なにを準備する部屋なのだろうか。
準備室で準備をしなければならないような教材が、果たして英語の授業であるのだろうか。
そんな用途不明の英語準備室のドアをノックすると、どうぞと低く落ち着いた声がした。
キィ──と、準備室の中から、あの古めかしい椅子の軋む音がする。
「失礼します」
184名無しさん@ピンキー:2010/07/08(木) 08:49:42 ID:wzoAnZ/8
 ドアを開けると、廊下と変わらないほどの蒸し暑さと熱気が襲ってきた。
この英語準備室、先生が暑い寒いと文句を言い、エアコンを設置したはずなのだが。
「なんでエアコン、つけないんですか……」
 窓から少し離れた場所に、古めかしい椅子の背もたれに背中を預ける先生がいた。
「ほら、この方が夏らしいでしょう?」
 窓際に吊された鯉の描かれた風鈴と、昭和を感じさせるデザインの扇風機とを指差した。
ちょうど窓から風が入り、ちりんちりん──と、風鈴がその風流な音色を響かせる。
まぁ、八畳程のこの部屋なら、窓から入る風と扇風機の風に当たれば涼しいかもしれない。
それにしても、先生は暑いのが苦手なのだから、素直にエアコンをつければいいのにと思う。
黒のタイトスカート、シワひとつない白いワイシャツは胸元の第二ボタンまで開けられて、
薄紫のキャミソールが──先生の“比較的”大きな胸の谷間も──見えてしまっている。
 あの先生がこんなにだらしない服装をするとは、間違いなく暑いに決まっているのだ。
「先生」
「なにかしら」
「暑いんじゃないですか?」
「伊藤くん」
「はい」
「今朝、コンビニのビニール袋に入れていたアップルティーはどうしたのかしら。
 私はお昼ご飯の時に持ってくるのかと思っていたのだけれど、そうじゃないみたいね」
 しまった、そうきたか。
「……なんで知っているんですか?」
「今朝、廊下で君のことを見たのだけれど、手にはコンビニのビニール袋が下げられていたわ。
 それとこの前、君は島田さんに自販機でジュースをおごってもらったとも言っていたわね」
「それはおごってもらったんじゃなくて、小銭がな」
「三時限目の英語の授業で、私が伊藤くんの教室へ行った時」
 僕の弁明は無視された。
「まだコンビニのビニール袋はあったわよね、鞄と一緒に。 勿論、中のアップルティーも。
 伊藤くんは人から受けた恩を忘れない優しい男の子だし、別に私は君が誰と何をし──」
「あれは島田さんにあげました」
「──伊藤くん」
「はい」
 先生が背もたれから身体を起こすと、キィ──と、椅子の軋む音がした。
先生は無言でビニービニーの黒い鞄の中から未開封のペットボトルの紅茶を取り出した。
準備室にひとつしかない白い正方形の机の上に、氷の入った透明なグラスが置いてある。
185名無しさん@ピンキー:2010/07/08(木) 08:55:03 ID:wzoAnZ/8
僕が来る少し前に用意されたものだろう、まだグラスの中の氷はそれほど溶けていない。
先生はペットボトルのキャップを開けると、その冷えたグラスに紅茶を注ぎ込んでいく。
カラン──と、グラスの中の氷の揺れる涼しげな音が、二人しかいない準備室に響く。
グラスの紅茶は陽射しを受けて、白い机にゆらゆらと揺れる飴色の美しい影を落とした。
 そして、先生はグラスを手に取ると紅茶を飲んでいく。
グラスを傾け、先生の白い喉が少し反らされ、こくんこくんと紅茶を飲んでいるのが分かる。
「──ん、美味しい」
 蒸し暑い校内を急いで来た僕には拷問だった、いろいろな意味で。
「先生」
「なにかしら」
「喉が渇きました」
「ごめんなさい、伊藤くん。 コップがひとつしかなくて」
 ニヤリ、と意地の悪い笑みを浮かべながら言わないでほしい。
先生の細くて綺麗な指が、円形のグラスの縁をなぞる様に撫でる。
「先生」
「なにかしら」
「今度、ちゃんと先生にもアップルティー、買ってきます」
「あら、そう。 ありがとう」
 澄まし顔の先生はまた一口、紅茶を飲む。
「だから、その、友達になにか買ってきてあげただけでヤキモチとか焼かな」
「伊藤くん」
「はい」
 お気に入りの古い椅子を軋ませながら、先生は僕の方に向き直る。
「伊藤くんは私とお付き合をしています、恋人関係です、間違いありませんね?」
「間違いありません」
「私が他の男子生徒と仲良く話しをしながら二人で歩いていたら、君はどう思うかしら?」
 先生が、他の男子生徒、僕以外の男と楽しそうに話しをしながら歩いていたら──。
「──すっごく、嫌です」
「どう、分かってくれたかしら?」
「……あぁー、はい。 よく分かりました」
「そう、ならいいわ」
 僕の答えに満足したのか、先生は机の方に向き直った。
それにしても暑いわね、なんて言いながら、机の上に置いてあった団扇で仰ぎ始める。
今日はこの夏で一番の猛暑らしいですよ、と壁にかけられた温度計を見ながら僕は言う。
186名無しさん@ピンキー:2010/07/08(木) 08:57:35 ID:wzoAnZ/8
カーテンが風に揺れ、入口の隅に鎮座する大きな古時計の針の動く音が準備室に木霊する。
先生が紅茶を飲もうとしたその時、何かを思い出したかの様に先生の動きがピタリと止まった。
「──あ」
「あ?」
「喉の渇きを主張する私の恋人がいます」
 なんだろう、先生が僕を見つめながらニヤリと意地の悪い笑みを浮かべている。
「喉が渇いているのよね、伊藤くん」
「はい」
「ちょっと、こっちに来てくれるかしら」
 そう言って、先生は自分の座る椅子の隣りを指差した。
素直にそれに従い先生の隣りへ行くと、先生はすっと椅子から立ち上がった。
こうして先生と並ぶとよく分かるが、先生は僕より目の位置が少しだけ高い。
 まぁ、先生は大人で僕はまだ十七だし、背丈の差はあって当然だと思う事にしている。
そう言えば、先生との歳の差は今年でちょうど十歳だったかな、と唐突に思い出す。
「喉、渇いているのよね?」
「はい」
 再び確認してくる先生。
一体何なのだろうかと訝しんでいると、先生は机の上のグラスを手に取り、紅茶を飲んだ。
また自分だけ飲むんですかと、心の中で苦笑いをしながらツッコミを入れていたら、
冷えたグラスを持つ先生の右手が急に僕の背中へと周り、その身体を抱き寄せられた。
「わっ、ちょっと、先生!」
左手は僕の頭の後ろへと添えられ、先生と僕の身体が服越しにぴったりと密着する。
この蒸し暑さのせいだろうか、少しだけ頬を紅潮させた先生の顔が僕の目の前にあった。
香水の香りが微かに漂う、頭がくらくらしてくるこの匂いは僕の好きな先生の匂いだ。
後頭部に添えられた先生の左手に促されて顔を近付けると、先生の唇と僕の唇が触れ合った。
「──っ!」
 瞬間、僕の口の中にとても冷たくて甘い液体が流れ込んできた。
訳も分からず気が動転している内に流れてくるそれを、無意識にこくこくと飲み干していく。
先生が口の中に含んでいた紅茶なのだと気付くまでに、やたらと時間が掛かってしまう。
「──ん、ん、……はぁ」
 口の中の紅茶を全て僕の口に流し込んで、舌を絡ませあってから唇を離す。
ぬらりとした先生の舌の感触がたまらなくエロくて、すごく興奮した。
「せっ、せんせっ……」
187名無しさん@ピンキー:2010/07/08(木) 09:00:44 ID:wzoAnZ/8
 余りの出来事に呼吸が乱れ、僕が息を整えている間に先生はまた紅茶を口に含む。
そして、ゆっくりとまた僕に口づけをし、含んでいた紅茶を流し込んでくる。
先生の細い腰に回した僕の両手は震え、先生の白いワイシャツがシワになるほど強く握る。
先生はグラスに紅茶を継ぎ足すと口に含み、僕が何か言う前にその唇を合わせてきた。
こくこくと紅茶を飲まされる度に、暑さだけではない理由で頭の中がぼーっとして、
気が付いたら僕の身体は先生の両手に支えてもらわないと立っていられない程だった。
「……はっ、はぁ、ん、……はぁ、せんせっ、せんせぇ……」
「もっと飲みたい?」
「……は、ぃ」
 先生はニヤリと笑い、またグラスを傾けて紅茶を口に含んだ。
僕の身体は限界を迎えており、先生の口から流し込まれる紅茶も上手く飲む事が出来ず、
僕の口の端からは飲みきれなかった飴色の紅茶がツーっと垂れ、喉を伝い滴り落ちる。
肌を滴るひんやりとした紅茶の雫を先生の舌が受け止め、ゆっくりと舐めとられる。
舌は首筋を零れ落ちた紅茶の軌跡を上へと辿り、僕の唇の端に到達する。
「ん、あぁっ……、せん、せっ……」
 耳朶を甘噛みされてやっと終わりかと思えば、今度は反対側の首筋を舐め始める先生。
先生の責めにビクビクと反応を示す僕の身体は、まるで自分の身体じゃないようだった。
先生に抱き締められながら快感に襲われる僕は、女の子みたいな喘ぎ声を漏らしてしまう。
死ぬほど恥ずかしいのだが、先生にされているからだと思うと、喘ぎが止まらなかった。
「も、もっ、ダメっ……!」
「何が駄目なのかしら?」
「はぁ、はぁ……。 せんせぇ、ダメ、やめっ……、くださ……」
「あら、そうだったの」
 意外だわ、と言った顔をする先生。
今まで散々、好き勝手に責め続けていた僕の身体を、先生はあっさりと解放する。
未だ足腰に力の入らない僕の身体は、冷たい床の上にゆっくりとへたり込んでしまった。
呼吸を落ち着かせて顔をあげると、ニヤリと意地の悪い笑みを浮かべる先生と目が合った。
「はぁ、……ぇ、あ、せんせ……?」
「駄目と嫌がられてしまったようなので、やめてあげます」
「え……、ちょ、ちょっと、せんせ……」
 先生はとても満足気な顔で言う。
「伊藤くん、ご馳走様」
188名無しさん@ピンキー:2010/07/08(木) 09:07:54 ID:wzoAnZ/8
 いや、あんなことをしてご馳走様って、なんだかとてもイヤらしい表現じゃないですか。
こんな気分のままで終わらされるとは、焦らしプレイか放置プレイかなにかに違いない。
僕の脚の間に割って入り、脚を絡めてきていた先生の太股に僕の硬く膨らんだモノが強く、
それはもう強く押しつけられていたのだ、先生も僕の股間の昴ぶりに気付いているはずだ。
「さ、最後まで、して……、下さい……」
 先生としたい、やりたい。
その欲求は僕を大胆にして、けれど恥ずかしさに耐えて消え入りそうな声で懇願する。
それに対して、駄目よ、と冷たく言い放ちクスクスと笑う先生の姿はまさに悪魔だ。
「そんな泣きそうな顔をしても、してあげないわよ」
 可愛いけれどね、と小声で付け足してくる先生。
「もう昼休みも終わりでしょう、それに学校で性行為はしません」
「そ、それなら、今日! 今日、学校が終わったら、その……。
 せ、先生の家でしてくれませんか、続き……」
 一体、この時の僕はどんな顔で先生を求めていたのだろう、あまり想像したくない。
「駄目──と、言いたいところなんだけど」
 先生は腕を組み、わざとらしく悩む仕草をして見せた。
「私だって、今、我慢しているのよ」
「……先生」
「伊藤くん」
「……はい」
「今日の放課後、駅前の東口で待っていてくれるかしら?
 私も仕事が終わったら、なるべく早くに行くから」
「は、はいっ!」
 僕が返事をしたその時、チリンチリン──と、窓際に吊された風鈴が風に揺れた。
窓から見える群青の空はどこまでも美しく、うるさいくらいの蝉の声はどこまでも響いていく。
先程まで僕と先生が絡み合っていた準備室は、何事も無かったかの様にいつも通りだった。
風に揺れる風鈴の音、蝉の鳴き声、隅にある大きな古時計の針が刻む音、それだけである。
行儀悪く机に腰掛けて足を組む先生が僕の名前を呼び、もう直ぐ夏休みね、と呟いたが
その声に僕は気付かず、風に揺れる先生の綺麗な黒い髪、その美しい横顔に見蕩れていた。
僕はゆっくりと立ち上がると、机に腰掛ける先生の隣りに同じようにして腰掛けた。
189名無しさん@ピンキー:2010/07/08(木) 09:11:22 ID:wzoAnZ/8
「──先生」
「ん?」
「大好きです」
「奇遇ね。 私も大好きよ、涼介」
「嬉しいです」
「それで、私のことはどれくらい好きなのかしら?」
 上目遣いでそう言いながら、先生の身体が僕の身体にそっと寄りかかってくる。
おずおずと左手を先生の肩に回して抱き寄せてみると、先生の頭が僕の肩に乗せられた。
その時の先生の顔がとても幸せそうに見えたのは、僕の見間違いじゃないと思いたい。
 あんなにうるさかった蝉の鳴き声が、今はすごく遠くに聞こえた。
 それが2009年、7月のことである。

 ■群青譚詩 終
190名無しさん@ピンキー:2010/07/08(木) 09:12:15 ID:wzoAnZ/8
投下オワタ
191名無しさん@ピンキー:2010/07/08(木) 19:41:08 ID:u9VIZILb
久々の投下GJ!!

さて、今晩はクーラー無しで全裸で続きを待つかな
192名無しさん@ピンキー:2010/07/08(木) 21:41:29 ID:3H4G0lg5
>>181-190
乙!!
可愛いな流石に先生は可愛い
193名無しさん@ピンキー:2010/07/09(金) 09:28:44 ID:3fFOSAmp
エロ部分の投下に期待が高まる
194名無しさん@ピンキー:2010/07/09(金) 21:27:59 ID:zJFBFhZJ
40代男と20代女のネタはスレチですか?
195名無しさん@ピンキー:2010/07/09(金) 22:28:43 ID:3fFOSAmp
>>194
むしろ何故スレチと思うのですか?
196名無しさん@ピンキー:2010/07/09(金) 23:28:38 ID:YN69SILz
>>181-190
日テレの映画を観て鬱な気分で来てみたら、
ここでさらに追い討ちをかけられるとは…
昼休みに口移しとかイチャイチャしやがって…
GJ!
197名無しさん@ピンキー:2010/07/10(土) 01:03:33 ID:4yu8K3+C
>>196

まぁまぁ、耳をすまして虫の音を聞いて落ち着け
198名無しさん@ピンキー:2010/07/10(土) 01:41:34 ID:I5c8tjNB
>>194
スレチじゃないですよ当然
ところでそんなレスするという事はそのネタで投下するという事ですよね?期待してます!!
199名無しさん@そうだ選挙に行こう:2010/07/11(日) 09:00:26 ID:whL27yd9
投下期待
200名無しさん@そうだ選挙に行こう:2010/07/11(日) 23:19:35 ID:S3g2y9oW
先生と伊藤君の続きまだー?(・∀・ )っ/凵⌒☆チンチン
201名無しさん@ピンキー:2010/07/12(月) 03:52:09 ID:BCkJ3yn+
>>194の40代男と20代女ネタ投下にも期待


勿論高宮先生と伊藤君のエロシーン投下にも期待
202名無しさん@ピンキー:2010/07/13(火) 02:56:05 ID:4VRs25uZ
投下待ち
203名無しさん@ピンキー:2010/07/13(火) 22:01:08 ID:UM33s+Y7
十日町
204名無しさん@ピンキー:2010/07/14(水) 02:45:12 ID:r6mG7aNp
>>31
今更だがプロイセン王国陸軍参謀総長を務めた大モルトケ閣下も凄いぞ
42歳の時に26歳年下の女性と結婚してる
しかも実妹の義理の娘w

ttp://www.geocities.jp/trushbasket/data/my/dame03.html
>モルトケが妹アウグステの娘、男の子のように奔放で生気に満ちた美しいマリーに出会い、初対面から恋に落ちたのは、モルトケ
>39歳、マリー13歳の時。前々回の内容ともかぶるので、いちいち詳しい定義なんかには触れませんが、モルトケよお前もか、って
>感じです。だいたい妹の娘が幼い内につば付けにかかるあたり、自力で普通に外から伴侶を捜し出してくる意志が全くもって感じら
>れません。そもそもこの言い方では、相手云々以前に、結婚自体がもしものことに過ぎないですし。自分からこんな言明してしまう
>のはどうなのか。なんだか全力で普通の恋愛や普通の結婚を諦め切った、素敵な姿勢を感じます。開き直りに清々しさすら漂って
>います。救いがあるとすれば、マリーを生んだのがアウグステではなく先妻で、すなわちマリーはモルトケにとって義理の姪であり、
>血のつながりが無かったってところくらいでしょうか。それでもちょっと良い感じにダメ人間ではないかと思いますよ。

>そもそも彼は、デンマーク時代には、ふさふさしたブロンドの髪と気だての良い青い目に飾られた誠実な容貌、物静かでありなが
>ら話し好きで愛想の良い人柄によって、友の記憶に残っており、後にはフランス皇帝ナポレオン3世を訪問する親王に随行し、ウー
>ジェニー皇后に、寡黙な紳士ながら打てば響くように返答する面白い人物と評されることになる男です。それなりの年齢のふさわし
>い伴侶を社会に求め自力で見つけ出してくることが、それほど困難であったとは思えないのですが…。なのにここまで諦めきってる
>のは、気質的にちょっとばかりダメな何かがあると言わざるを得ないです。

有名なルーデルさんといいドイツ人マジパネぇっす
205名無しさん@ピンキー:2010/07/14(水) 02:54:24 ID:r6mG7aNp
とまぁ、こんな感じで、このスレでネタの出汁になる為みたいな人生を送った御仁です。
206名無しさん@ピンキー:2010/07/16(金) 19:15:22 ID:HT5SdBeE
>>194ですけど投下します。
では。
207名無しさん@ピンキー:2010/07/16(金) 19:21:12 ID:HT5SdBeE
「んんっ!……んはあ!……せ、せんぱい……。」
「ああ、すごく、ん、…すごく良いよ……。」
そう言いながら俺は壁の時計をちらっと見た。昼休みが終わるまで
後30分か。俺は事務机に両手をついた彼女の紺色のスカートをまくりあげ、
張り詰めた物を叩き込んでる尻をつかみ、自分の腰のピッチを早めた。あまり
時間が無いからだ。出来ればもう少しじっくりと楽しみたい。こんな事は、
もう最後だから。
「はああ!!そ、そんなにしたら!私!もう!!……。」
208名無しさん@ピンキー:2010/07/16(金) 19:30:56 ID:HT5SdBeE
>>207の続き
話は1ヶ月くらい前に遡る。俺が配属されたこの仕事は退屈極まり
無いものだった。会社の物流部門と言えば聞こえは良いが、平たく
言えば荷受窓口にすぎない。毎日やってくる大型トラックや宅急便
で送られる様々な荷物を手作業またはフォークリフトで受け取り、
仕分けし、送り先の部署に内線で連絡する。ただそれだけだった。
4大卒で入社してもうすぐ20年。販売に始まりあっちこっちの
部署をたらい回しにされ、知らない仕事を転々とし、年取った一年生
の繰り返しの上にこの扱いとはリーマンとして終わった事を意味する
以外考えられなかった。俺は出世コースから完全に外れたのだった。
しかし俺はその事実に不満は無かった。同期や後輩で次々出世するやつら
の疲労困憊ぶりが尋常では無かったからだ。俺自身にヤツ等と同じ仕事が
出来るかと言われれば、正直NOだ。人間には分相応という物がある。
俺にはこの状況が似合ってるのだ。どうせ独り者だし給料が上がらなくても
構わない。もともと高くもないしな。そう思いながら事務所(今にも崩れ
そうなホコリ臭いプレハブ小屋)で感慨にふけってた時、彼女が息せき切って
現われた。
209名無しさん@ピンキー:2010/07/16(金) 19:39:36 ID:HT5SdBeE
>>208の続き
「あっあの!先輩!!」
「は?」
はあはあと荒い息で飛び込んできた若い女子事務職。短大新卒で今年入社
したばかりの、人事総務の女の子だ。身長は150くらい。とてもスリム
な体型で、ショートカットで背筋が伸びてて顔立ちは信じられないくらい
整ってる。まるで作ったようなルックスだ。笑うと白い歯がまぶしくて、
一見して清楚の見本のような感じが会社の受付として来客の相手にうってつけ
だった。他にも総務的な業務を山ほど持っていて、俺なんかより遥かに多忙
なはずだ。その会社の看板娘が、やたらとテンパってこんな場末の部署に何の
用だ?
「ああああの!私宛の荷物って届いてなかったですか?!!」
「? 君宛?」
「そうです!今日海外からの来客が大勢予定してて!!も、もうすぐこちらに
見えるんです!先方の国旗で!日章旗と一緒に掲げないと大変な事に!!」
この娘宛の荷物?国旗?それってひょっとして……。
210名無しさん@ピンキー:2010/07/16(金) 19:48:52 ID:HT5SdBeE
>>209の続き
「これか?」
俺は朝から事務所内の棚に入れっぱなしの小さなダンボール箱を彼女に
手渡した。
「ああああそ、それ!それです!!……って、何で連絡してくれなかったんですか!!
私がどんだけ探したか!!何でそんな意地悪するんです!!会社にとっても大変な
事なのに!!」
「したよ。」
「いつ?!。」
「今朝一番。君んとこの課長に内線いれたがなあ。君に伝えてくれって、俺はそう
言ったけど。」
「聞いてません!そんな事!!」
顔を真っ赤にして彼女はそう怒鳴った。ああ、そういう事か。組織ではありがちな
トラブルだな。俺は自分の経験から、正面から彼女に文句を言うのは非常に危険
だと判断し、たまたま作業服のポケットに入れっぱなしだった缶コーヒーを彼女に
手渡した。実はさっき会社を抜け出してコンビニに行ってたのだ。
「まあ飲め。」
「はああ?!!」
「冷たいうちにがーっと飲みな。そしたら説明してあげるから。」
憮然とした表情で彼女は缶を取り、一気に飲み干した。
「ん、ん、ん、……ぷはーっ!!……はああ……」
211名無しさん@ピンキー:2010/07/16(金) 19:53:36 ID:v9KL/7OY
>>206
割り込むようで悪いですが書きながらの投下ですか?
もしそうならメモ帳かワードに書き貯めてからのほうが良いですよ
後、もし投下が終了しているのでしたら、投下初めだけでなく終了の告知もお願いします。
話は楽しみにしてます。
212名無しさん@ピンキー:2010/07/16(金) 19:58:14 ID:HT5SdBeE
>>210の続き
大きく溜め息をつく彼女の表情は、さっきより明らかにゆるんだ。
よし、今だ。
「良く聞いて。どうやらそっちの課長で話しが止まってたらしいね。
まあ、あのダンナも暇では無いから無理ないけど。」
「だって、だって私、必死になって探してたのに課長は知らないって
そればっかで……。」
そう訴える彼女の目は、何となく潤んでるように見えた。やべ、
無茶苦茶可愛いじゃねえか。俺は自分の感情を押さえながら、興奮させない
よう穏やかな口調で彼女に話しかけた。
「うん。ドタバタしてて忘れたんだと思う。大人だってそういう事は珍しく
ないんだよ。重要なポストについてる人は特にね。忙しいからどうのこうの
って、言い訳はしてた?」
「それはありません。」
「そりゃ素で忘れてたんだな。よし、じゃあこうしよう。これから君が
捕まらなかったら、総務の君の先輩にするよ。課長はスルーだ。これなら
再発はしないと思う。どうかな?」
彼女は鼻をぐすっとすすって俺に言った。
「……よろしくお願いします。」
213名無しさん@ピンキー:2010/07/16(金) 20:05:43 ID:HT5SdBeE
そう言うと彼女は荷物と空缶を抱え、とぼとぼと事務所を後にした。
俺ははーっと溜め息をつくと、どっかと椅子に座り込んだ。やれやれ、
あやうく面倒事に巻き込まれるところだったぜ。タダでさえ会社では
役立たず扱いだってのにこれ以上変な事になってたまるかい。
そう思って気を抜いたところ、彼女がいきなりドアを開けて顔だけ
事務所に突っ込んだ。あっけに取られた俺は、その場で固まってしまった。
「先輩!コーヒーご馳走様でした!!今度お礼しますね!!」
それだけ言うと、彼女はダッシュで出て行った。
「は、……はははははははは!!あっはははははははははは!!!!!」
自分より20も若い娘に不意を突かれた俺は、そんな自分自身が妙におかしく
なって一人で大笑いしてしまった。こんなに笑ったのって、本当に久しぶり
だった。
214名無しさん@ピンキー:2010/07/16(金) 20:14:41 ID:HT5SdBeE
>>213の続き
そんな事があって、彼女は頻繁に俺の事務所に顔を出すようになった。もちろん
表向きの理由は荷物を取りに来るためだが、そんな彼女をもてなすために俺は
事務所の机にお茶菓子を常備するはめになった。まあそれ自体は別に嫌な事では
無いんだが。
俺達は菓子を食べながら、少しずつだがいろんな話しをした。仕事の事、家族の
事、自分自身の将来の事、そして恋愛の事。聞けば、短大の頃から付き合ってる
彼氏とうまくいってないらしい。
「それでね、彼ったらむちゃくちゃな事いうんですよ〜。」
「どんな?」
「俺は流行りの草食系だから、そんなにしょっちゅうセックス出来ないって。
訳わかんない!」
「そりゃ、確かにわからんな。」
昼間っからシラフでそんな話しをふるお前もな。しかも社内で。つかこいつの
彼氏って壮絶な罰当たりだな。こんな上玉を欲求不満で放置するなんてありえない
だろ普通は。あるいはこの娘がどうしようもなく男運が悪いのか。それとも……。
215名無しさん@ピンキー:2010/07/16(金) 20:23:19 ID:HT5SdBeE
>>214の続き
「あの…。」
そういうと彼女は俺の右腕を握り、自分の胸にぐっと押し付けた。紺色の制服
の上から小ぶりだがはっきりとした乳房の感触(パットもかなり混ざってそうだが)
が俺の右肘に伝わる。
「私ってそんなに魅力ないですかあ?ぐす、男の人から見てどう思われます?」
「どうって、そりゃ……」
潤んだ瞳で彼女が俺を見つめ、若々しい体臭と化粧の香りが俺の鼻をくすぐった。
「魅力無いなんてそんな事無いよ。絶対無い。俺が断言する。君の彼氏が分かってない
だけさ。出来る事なら変わってやりたいよ。」
「ほんとに?!」
がばっと、彼女が俺に抱きつき正面から見つめてきた。密着する上半身と紅潮する彼女
の顔から体温がじわっと伝わってくる。待て。ちょっと待て!!
「私、私先輩とだったら、どうなっても……。」
彼女は目を閉じ、俺に唇を突き出した。俺のどこかで大切な、とても大切な何かがブチっと
切れた。
216名無しさん@ピンキー:2010/07/16(金) 20:36:10 ID:HT5SdBeE
>>215の続き
その後は坂を転げ落ちるようなものだった。俺達は周囲の目を盗み、
このプレハブ事務所の隅っこで週に3〜4回ほどセックスした。他の
社員に見つかる不安は無かった。なぜなら会社というのは実に不思議な
場所で、大勢の社員がいるくせに誰の目にもつかない死角のような空間が
結構多かったりする。社内に人が出入りする時間帯はあらかじめ決まってる
し、各部署は原則として関係者以外立ち入り禁止だからだ。したがって事前
に確認を怠らなければまとまった時間、完全に無人となる部屋が数多く
存在するのが解る。
しかもこの事務所に至っては管理責任者が俺なのでもう無法地帯と言っても良い。
俺の上司など、作業中に事故さえ起こさなければもう俺のことなど知った事ではない
と思ってるようで、ここへはほとんど来た事が無いしそも俺の事を部下と認めてる
かも怪しいくらいだから。
俺は彼女の若い身体に完全に溺れた。いい年をして何を考えてるのかとも思うが、
それだけの価値が彼女から感じられたのだ。彼女とのセックスを楽しむため、俺は
あらゆる努力を惜しまなかった。タバコをやめ酒を控え、夜更かしをやめ亜鉛のサプリメント
を飲み、毎日ストレッチを欠かさず、宿便が勃起不全の原因と知るや腹痛を承知で
便秘薬に手を出す始末。全く自分でもあきれるほどだった。そんな俺達だが何故か社外で
会おうとはしなかった。今のこの危険極まりない逢瀬が、どうにも楽しくて仕方なかったのだ。
217名無しさん@ピンキー:2010/07/16(金) 20:45:56 ID:HT5SdBeE
>>216の続き
でももうそれもやめだ。火遊びにもほどがある。落ち着いて考えたらもし
ばれたらお互いとんでもない事になってしまうのは避けられない。何より
前途有望な彼女の足を引っ張るなんて論外だからだ。だから決めた。今日、
それを彼女にはっきり言おうと。
「あはあ、はああ、あうんんん……ひゃあ!やだ!」
俺は腰を突き上げるように挿入を繰り返しながら右手の平で彼女の内腿を
撫で回し、中指と人差し指でクリトリスを捕らえて包皮の上から転がした。
たまらず彼女の上半身から力が抜け落ち、机の上でがくりと突っ伏した。
「やっやっやめっやめてっそれ、そこは……」
女体の一番敏感な部分を刺激され、彼女の嬌声は途中で声にならなくなった。
俺は左手を彼女の脇の下から伸ばして制服の上着の中に差込み、さらにその
中のライトブルーのブラウスのボタンを外してブラジャーと乳房の隙間に
指を差し込んだ。クリトリスと同じように、固くしこった右の乳首をころころ
と弄ぶ。この感触が実に良い。
218名無しさん@ピンキー:2010/07/16(金) 20:53:12 ID:HT5SdBeE
>>217の続き
「ひあっ!ひああああ!!せ……せんぱい……わた、私、もう!!……」
「うん。良いよ。イっちまいな。」
そう言うと俺は彼女にとどめを刺すつもりで、パン!パン!パン!と楽器を
鳴らすように腰を打ち込んだ。
「はああ!はああああ!!あっあっあっあっあっああああああ〜〜〜〜〜〜
ひぃああぅあああああ〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!………あああ……
うんん……。」
さすがに周囲が心配になるような絶叫を上げ、彼女は達した。ぜいぜいと肩で
息をし、柔らかな前髪がべったりと顔に張り付いていた。俺は彼女の前髪を
優しくかき上げその表情を確認した。目は半分白目で何も見えていないようで、
口は大きく開いてうわ言を言うようにかすかに動き、だらしなくよだれを
垂らしていた。意識など、銀河の反対側へ飛んだ様だ。
219名無しさん@ピンキー:2010/07/16(金) 21:02:48 ID:HT5SdBeE
>>218の続き
「まだだよ。」
「……え?……。」
「俺はまだイってないから。」
俺はそう言うと、机の前で大きく開かれた彼女の片足をつかみ、張り詰めた
俺自身を奥まで差し込んだまま、ゆっくりと持ち上げた。
「ひい!なっ何を?!」
「このまま仰向けになって。顔を見ながら出したいから。」
「そ、そんな…うふう!!…な、中で、私の中で、先輩のが!……。」
机の上を転がすように、俺はゆっくりと彼女の向きを180度変えた。
そのため俺の物が彼女の膣壁をドリルのようにえぐり上げる。
「ひい!ひううううう!!!……」
可能な限りゆっくりと時間をかけ、俺は彼女を仰向けにひっくり返した。
机の上であごを出してのけぞり、はあはあと必死に酸素を取り込みながら
両手両足どっちもバンザイするように持ち上げたその姿は、まるで路上で
ひっくり返って絶命したカエルの死体のようで無様な事この上ない。普段
来客に見せている清楚な営業スマイルなどカケラも想像つかない。
220名無しさん@ピンキー:2010/07/16(金) 21:10:51 ID:HT5SdBeE
>>219の続き
俺はそんな彼女にお構いなしに両手で彼女の足首をつかむと、渾身の力で
ピストン運動を始めた。再びパン!パン!という音がホコリ臭い事務所に
響き、まるでスパンキングのようだ。
「んっんっんっ……ああ、締まる……。」
「あ゛っあ゛っあ゛っあ゛っあ゛っあ゛っあ゛っ〜〜〜〜〜〜〜〜………。」
完全に白目をむき人外のような声を上げて彼女は再び果てた。今度ばかりは
俺も耐えられない。
「んんっ!………くう!」
汗だくになって彼女の両足を抱えながら、俺はようやく射精にこぎつけた。
その時彼女はただぴくぴくとケイレンするだけで一切の反応を示せない。
酸欠で、なかば失神しているようだった。
221名無しさん@ピンキー:2010/07/16(金) 21:21:54 ID:HT5SdBeE
>>220の続き
「はあ……またイかされちゃった……やだな。こんなに気持ち良くされたら
言い出せなくなっちゃうじゃないですか。」
備え付けのウェットティッシュで自分の股間にべったりと張り付いた淫水を
ぬぐいながら彼女が言った。俺はその言葉に、コンドームを処理する手を
ぴたっと止めた。
「? 言い出すって何を?」
「昨日、彼と会ったんです」
「!……それで?」
「俺が悪かったって。お前と別れたくないから、ちゃんとセックスしようって、
彼そう言ってくれたんです!!」
「そ、そう、良かったじゃない。」
「だから、だからもう、先輩とは……。」
そこで彼女は初めて口ごもった。予想外の展開だが好都合には違い無い。
気まずい話しを俺から切り出す手間が省けたって訳だ。彼氏君も男を
見せてくれたみたいだしな。
「もう、先輩とは、もう……。」
うつむいたまま、彼女は黙ってしまった。そんなに俺の事を想っていて
くれたのか。彼女の言葉に心のどこかを針で刺されたような鋭い痛みを
感じずにいられなかった。でもこれで良い。これで良いんだ。このまま
別れたほうがお互いのためだ。俺はもう終わった中年だが、彼女の人生は
これからだ。辛いのは事実だが、何かの拍子に俺の事を時々思い出して
くれればもうそれで……。
222名無しさん@ピンキー:2010/07/16(金) 21:29:19 ID:HT5SdBeE
>>221の続き
「先輩とは、週一エッチで我慢して欲しいんです!!」
顔をあげ、ぱーっと明るい笑顔で彼女はそう言った。
「へ?」
「ほんと言うと昼間に先輩とエッチして夜に彼とするのが理想的なんですけど、
それだと彼に悪いじゃないですか〜。あっちが本命だし〜。」
「へ?」
「でもエッチの腕は先輩のほうが上なんですよね。やっぱ年の功ってやつですか?
昔はブイブイ言わせてたんでしょ?バブル期とかそんなころに。」
「へ?」
「それに私、先輩とエッチすると身体の調子がすごく良いんですよ〜!顔のむくみも
減ったしニキビもきれいになったし!髪もつやつやだし!何か最近は便秘も生理痛も
軽いんです〜!おかげで仕事がはかどって、課長にほめられました〜!!」
「そ、それはどうも……。」
「だから先輩とは、これからもここでエッチしたいんです。回数減っちゃいますけど
ダメですか?」
223名無しさん@ピンキー:2010/07/16(金) 21:38:18 ID:HT5SdBeE
>>222の続き
凝固したままの俺の表情をのぞきこむ様に、彼女が顔を寄せてきた。
俺はしどろもどろになりながらも、何とか彼女に自分の意思を
伝えようとした。
「あ、あの…あのさ、その事なんだけど……」
「何です?」
「いや、その、なんて言うかその……」
「はい?」
彼女は俺の表情をうかがったまま、軽く首をかしげた。さらっと前髪が
揺れて、吸い込まれるような深い深い瞳の色が俺を捕らえる。駄目だ。
とてもじゃないが逆らえない。
「し、週一で良いよ。正直こっちもきつかったから。ああ、そのくらいが
良いな。うん。そのくらいで逢うのが、一番良いと思う。」
「ほんとですか?!!やったー!!ありがとうございます!!実を言うと、
ちょっと不安だったんです!最近の先輩元気なさそうだから、ひょっと
したら私と別れるつもりなんじゃないかなって!!」
「ちょっと待て。それってつまり……。」
「来週からまたお願いしますねー!!あ、そのゴム早く処分したほうが良いですよ。
もうお昼休み終わるし!見つかったら大変ですから!それじゃ!!」
224名無さん@ピンキー:2010/07/16(金) 21:48:24 ID:HT5SdBeE
嵐のように言いたい事を言って、彼女は事務所を去った。ドアの向こうから
会社指定のサンダルの音がぱたぱたと遠ざかって行く。
俺は震えそうな手でコンドームを始末しウェットティッシュの残りで自分の
物をふき取って作業服を整えると、がっくりと椅子に座り込んでしまった。
「は、………ははは………あははははははははははは!!!!!!はーっは
はははははは!!!!!………はあ、はあ、はあ………。」
俺は椅子から転げ落ちそうになって大笑いした。もう、笑う以外何も出来なかった
のだ。
なんて女だ。最凶の天然ビッチじゃねえか。しかも自覚も悪意もゼロときたもんだ。
小悪魔なんて可愛いもんじゃないな。真性の魔女だよあれは。彼氏が距離を置こう
としたのも今の俺なら理解できる。単に身体がもたないのがその理由だったんだ。
俺はその男に心の底から同情したくなった。
そうこうしてるうちに午後の始業を告げるチャイムが鳴った。俺は作業に戻るべく、
軍手と安全帽をつかんで事務所を出た。

彼女のおかげで底なし沼に放り込まれたのは俺の方なのに、何故だろう。俺は自分の
足取りが妙に軽い事実に気がついていた。


END
225名無しさん@ピンキー:2010/07/16(金) 21:54:12 ID:HT5SdBeE
以上です。あー疲れたw

なんかもう壮絶に無理のあるシチュですなw時間とか状況とか。
たったの30分でどうやったらこんだけ出来るんだよと。
当初の予定では二の宮ひかるのマンガみたいにしたかったんだけど
遠く及ばなかった様です。まあヒロインのビッチっぷりだけはそこそこ
かなとは思いますが。
>>211
すいません。事前にワードで下書きしてから書き込んでたんですが。
マズかったですか?
226名無しさん@ピンキー:2010/07/16(金) 22:40:03 ID:2GKW+eS+
>>225
乙でした。
投下ペースが遅かったから、書きながらだと思った、と推測。
実際、自分もそう思ってた。
227名無しさん@ピンキー:2010/07/16(金) 23:05:39 ID:v9KL/7OY
>>225
乙です
こういうおっさんと若い娘も良いですね。
そこはかとないビッチ臭も良い


後、割り込みすみません
ペース的に書きながらの投下と思ってしまいました。
228名無しさん@ピンキー:2010/07/16(金) 23:55:17 ID:3iQgZkqO
乙。うまく感想がまとまらないけど、とても面白かった。
229225:2010/07/17(土) 19:56:59 ID:6C0dNbgP
>>226>>227>>228

レスありがとうございます。勢いで書いたけど楽しんでいただいて幸いです。
ネタ元はちょっと言えませんが割りと実話です。ええ、かなり実話が混じってますww
今、高校出たばっかのDQN小僧と30後半独女の組み合わせを考え中。書き込むのはかなり
先になると思いますがご容赦ください。

エロくなるかどうかは微妙w
230名無しさん@ピンキー:2010/07/18(日) 08:54:48 ID:9j6P+5AY
>>229
楽しみにしてます
231名無しさん@ピンキー:2010/07/21(水) 00:50:20 ID:aa4rahSc
>>154-155 >>182-189の続き。
232名無しさん@ピンキー:2010/07/21(水) 00:53:19 ID:aa4rahSc
 いい雰囲気だった、思い切って告白をしてみたけれど、結局はフラれた。
 僕は全く気が付かなかったのだが、先輩には今も初恋の人がいるらしい。
 それが2008年の12月、冬のことだ。

 ■

 まだ肌寒さが微かに残る3月の初旬、先輩が高校を卒業した。
結局、先輩の好きな人が誰なのかは聞けなかったが──いや、わざと聞かなかったのか。
全校生徒が涙している頃、先輩の卒業で廃部を目前にしてしまった文芸部の部室に僕はいた。
文芸部と言っても、幽霊部員を含めて五人、これと言って明確な目的や活動があったわけではない。
毎日の放課後、先輩と僕、お互いのバイトが休みだったら、部室でお茶を飲みながら話すだけ。
先輩と他の先輩達3人が卒業したら、部員は1年の僕だけとなり、翌年には廃部の烙印が待っている。
 窓の外から、卒業証書を片手に写真を撮る卒業生達の涙と笑いの混じった歓声が聞こえてきた。
校舎裏で好きな人から制服の第二ボタンを受け取る生徒達の高鳴る鼓動すら聞こえてきそうだ。
どこの学校の卒業式でもあるだろう、そんなありふれた光景が繰り広げられているに違いない。
いつもの様に誰もいない閑散としたこの部室で待っていれば、先輩が来てくれるのではないか。
開け閉めし難いあの扉を開けて、いつもの様に明るい声で僕に挨拶をしてくれるのではないか。
古いパイプ椅子に座りながら、先輩が山と置いていった青年漫画を読んで待っていた。
──けれど、先輩は来なかった、当然だ。


 その日の夜、お風呂から上がって自分の部屋に戻ると、携帯に一通のメールが届いていた。
誰からだろうと携帯を開いてみれば、メールの差出人は神野薫、先輩からのメールだった。
僕は直ぐにそのメールを開くことが出来ず、携帯の画面を見つめたまま、暫く立ち尽くしていた。
その時の僕がどんな気持ちで、なぜ直ぐにメールを開かなかったのか、今でもよく分からない。
ナチュラル色の丸いローテーブルの上にあったリモコンを手に取り、テレビをつける。
適当にチャンネルを回す、ドラマ、バラエティー、ドラマ、ドラマ、ニュース、映画、バラエティー。
ちょうどその時、有名な歌番組で90年代前半に流行った洋楽バンドのセレナーデが流れていた。
ヴォーカルの若い女性が恋人を称える詞を歌い、メロディギターがそれに合わせてリズムを刻む。
知らない曲だったが、いい曲だな、と素直に感じた。
233名無しさん@ピンキー:2010/07/21(水) 00:56:49 ID:aa4rahSc


 あの日の夜に受け取った先輩からのメールは、今でも読んでいない。
あのメールを最後に、先輩からメールが届くことも、着信が来ることもない。
きっと、もう携帯も変えてしまっているのだろうし、僕から連絡をすることもないだろう。
 以前、先輩の同級生の蒔恵さんと会って話しをした際、先輩は引越しをしたと教えてもらった。
引越し先の住所と電話番号を聞いているから教えようか、と言われたが断った。
楽しくて辛い思い出と共に、いつまでも埋もれていたかったのだ。
 ■

 暖色に染まる夕暮れの空はこんなにも美しいのに、空を見上げているのは僕だけだった。
デパートや家電量販店といったビルで囲まれた東口の駅前広場は、沢山の人の姿で溢れている。
大学生くらいに見える男性が僕の前を通り過ぎ、街路樹脇のベンチに腰掛けて携帯を取り出した。
タクシー乗り場の前にいるスーツ姿の中年の男性二人組みは、ご機嫌な様子で話しを弾ませている。
制服姿の高校生の男女が手を繋ぎながら歩いており、駅前で流行りのカラオケ店へと入って行った。
 これと言って待ち合わせの時間を決めていなかったので、先生がいつ来るかは分からない。
左手首に巻かれたワイアードの腕時計の文字盤を見ると、二つの針は午後18時14分を指している。
高校生が身に付けるには少し大人っぽい、黒い文字盤にシルバーを基調としたデザインの腕時計。
これは僕の誕生日に先生がプレゼントしてくれた品だ──結構、いい値段がするやつだったりする。
学校ではいつもスーツ姿の先生だが、意外とファッションにはうるさく、流行に敏感なのだ。
妹の涼香にも、最近のお兄ちゃんはなんだか服のセンスが良くなったね、と誉められるほどだ。
それもこれも、全て先生のおかげなのである。
 そんな風に回想に耽っていると背後から、伊藤くん、と僕の名を呼ばれた。
いつでも冷静、低く落ち着いたその声の持ち主が誰なのか、僕は直ぐに分かる。
「お待たせ」
「──先生」
「遅くなったかしら、悪かったわね」
「今来たところです」
「……君は5時前には学校を出ていた気がするのだけれど、私の勘違いかしら」
 腕組をしながら、うーむ、と頭を傾げてわざとらしく考える先生。
「初々しいカップルの初デートの雰囲気を味わおうと思って」
「それなら、遅れてくるのは彼氏の方でしょう」
234名無しさん@ピンキー:2010/07/21(水) 00:59:53 ID:aa4rahSc
「主役は遅れてやって来るんですよ、僕にとっての主役は先生ですから」
「……よくそんな恥ずかしいことを言えるわね」
 先生は呆れた顔をしてそう言うが、ちょっと照れてる辺り効果はあったようだ。
 僕の彼女である先生は、街中にいると少し目立つ。
どことなく冷たい感じのする顔立ちが素敵な美人だし、背も高い。
そんな先生の隣りに立っている高校生の僕は、やはり先生とは不釣り合いな男なのだろう。
自分で言うのもなんだが、スーツ姿の美人な女性と制服姿の男子高校生とは不自然な組み合わせだ。
デートで行った先の映画館で姉弟に間違えられて、ファミリー割引を進められたことだってある。
その時、先生は“これからはお姉ちゃんと呼びなさいね”と言って笑いっぱなしだったけれど。
普段からそんなに声を出して笑わない先生だが、姉弟に間違えられたのがそんなに可笑しかったか。
他人から見ると恋人同士に見えないのかと僕はショックを受けたのに、先生は姉に間違えられても
平気なんだなと思うと、僕は先生から見たら弟の様なものなのかもしれないと思いショックだった。
「電車、ちょうど急行が来る時間ね」
 先生は右手首に巻かれたシルバーの腕時計を見る、僕とお揃いのワイアードの腕時計だった。
メンズものの腕時計すら似合ってしまう辺り、さすがは先生。
「それじゃあ、行きましょう、伊藤くん」
 腕組みをしながら僕と立ち話をしていた先生が、先を歩き始めた。
涼しい夕方の風が吹き、先生の髪がふわりと揺れると、先生の優しい香りが僕の鼻先をかすめた。
本当なら手を繋ぎたいところなのだが、学校の最寄りの駅前でそんな大胆なことは出来なかった。
二人で並んで歩いているだけなら、たまたま会って話しをしていただけですと言えば、それで済む。
僕の彼女です、と堂々とみんなに言えるようになる日はずっと、ずっと先の事なのだろう。
「ところで、伊藤くん」
「はい」
「──手、繋ぐ?」
 先生は立ち止まって振り返ると、その白くて綺麗な手を差し伸べてくる。
 まるで僕の考えは全てお見通しだと言うかの様に、先生はニヤリと笑った。
235名無しさん@ピンキー:2010/07/21(水) 01:02:41 ID:aa4rahSc

 ■

 この時間帯の電車は学生やサラリーマン、他にも家路につく人達で物凄く混む。
揺れる電車の中で吊革に掴まりながら、他の乗客達から先生を守る様にして立っていた。
先生は僕の胸に背中を預ける形で吊革に掴まっていたから、後ろ姿だけで顔を見ることは出来なかった。
綺麗な黒い髪を後ろで緩く束ね、前髪と横の髪は下ろしているという、先生の夏仕様の髪の纏め方。
こういう髪の纏め方は何と呼ぶのだろうか、とくに呼び方はないのかもしれないが、僕の好きな髪型だ。
「ご乗車、ありがとうございます。 次の停車駅は──」
 車掌がアナウンスを入れると、次の駅はもう直ぐそこだった。
 駅のホームに滑り込んだ電車の揺れが収まり、ドアが開くと一斉に乗客達が降りて行く。
冷房の効いた車内から、途端に蒸し暑い外の空気の中に放り出される気分は最悪なものだ。
学校のある駅から数えて7つ目の駅で降り、そこから徒歩10分の所に先生の住むマンションがある。
ベージュを基調とした洋風の外観──プロバンス風と言うのだと先生に教えてもらった──は、
5階建てということもあって、それはまるでヨーロッパの侯爵様のお屋敷みたいなマンションだ。
 手すりにまで彫刻の彫られた螺旋階段をぐるぐると上り、4階の一番奥の角部屋が先生の部屋。
「さ、どうぞ」
 先生が鍵を回してドアを開ける。
「お邪魔します」
 先生と付き合い始めて3ヶ月、先生の部屋に来るのはこれで三度目だ。
一度目は先月の僕の誕生日、二度目は二週間前、そして三度目が今日。
「思ってたより、遅くなってしまったわね」
 時刻は19時37分だった。
「──先生」
「ん?」
 ハイヒールを脱ごうと片足を上げていた先生を、背後からギュッと抱き締めた。
「伊藤くん?」
「先生……」
 抱き締めたまま首筋に顔を埋めて、先生の匂いを堪能する。
あぁ、この甘くていい匂いに、頭の中を溶かされたかったのだ。
236名無しさん@ピンキー:2010/07/21(水) 01:04:24 ID:aa4rahSc
「伊藤くん」
 僕の名を呼ぶ先生の声音が、珍しく焦っているようだった。
二人が絡み合うには狭い玄関で身体を密着させる、僕のものは早くも熱を帯びて硬く膨らんでいた。
先生の身体に夢中になりすぎて、危うく脱ぎ捨てられていた片方のハイヒールを踏みそうになる。
「汗、かいてるから」
「すごくいい匂いです」
「そういう問題じゃないのよ」
 僕の腕の中で、先生がもぞもぞと動き抵抗してくる。
「ちゃんとシャワー、浴びてから……」
「そんなの、我慢出来ません」
 白いワイシャツの胸元のボタンをひとつ、ふたつと外しに掛かる。
「やめて、伊藤くん」
 まだ一度しか先生と身体を重ねていなかったが、早くも拒まれるとは思ってもいなかった。
そもそも、今日のお昼の続きをやらせてくれるのではなかったのか、駄目だと言われても止まらない。
開いたワイシャツの間から手を差し込んで、薄いキャミソール越しに先生の比較的に大きな胸に触れる。
「伊藤……、くんっ! やめて……!」
 その時、僕の方に顔を振り向けた先生の目には、うっすらと涙が滲んでいた。
「え、ちょ、え、先生?」
 まさか、そんな、涙を滲ませるほど嫌だったのか。
今までに見たこともない先生の姿を見せられて、僕は一気に冷静さを取り戻して行った。
今、僕がしようとしていたことは、大好きな先生に無理矢理、身体を求めて迫ったのだ。
女の人が嫌だと言ったら、しちゃ駄目だろ、僕。
「あ、あの、先生……」
「いとぉくん」
「……はい」
 ちょっと鼻声の先生が可愛いと思ってしまった、こんな時なのに。
「離して」
「はい」
 両手の力を緩めると、先生がスッと身を離した。
なんだか、とても悲しかった。
237名無しさん@ピンキー:2010/07/21(水) 01:07:49 ID:aa4rahSc
「いとぉく、……っ、ゴホン!」
 僕の名前を呼び掛けて、すごくわざとらしい咳払いをした。
「伊藤くん」
 いつもの先生の声だ。
「私が嫌だと言ったら、ちゃんとやめて下さい」
 僕と一緒にいる時に先生の喋り方が敬語になるのは、何か良からぬ事をしようと企んでいる時か、
または僕に何かをちゃんと分かってもらいたい時かのどちらかだ、と付き合って数ヶ月で分かった。
「……はい」
「帰って来て直ぐ、いきなり玄関でするのは駄目です。 ちゃんとシャワーを浴びてからです。
 ……あのね、伊藤くん。 女の子は──って、私はもう、女の子っていう歳でもないのだけれど」
 片足だけ履いていたハイヒールを脱ぐと、脱ぎ捨てられていたもう一足と揃えて玄関の靴棚に置く。
「君の靴も、その棚に入れておいてね」
「あ、はい」
 急いで両足の靴紐を解いて、靴棚に置いた。
「それでね、女の人は身なりを気にするのよ。 とくに、好きな男の人とする時はね」
 好きな男の人って、この場合、僕のことでいいんですよね。
「君だって、汗をかいていたら、好きな女の人の前では汗の匂いを気にするわよね?
 相手がいい匂いだって言ってくれたとしても、やっぱり気になるでしょう」
 確かに、気にしてしまう。
「だから、ちゃんと性行為をする前にはシャワーを浴びましょう、先生との約束です」
「あの、ごめんなさい。 で、でも、先生の匂い、本当、甘くていい匂いで……」
「ありがと」
 そう言って、先生は僕のことをギュッと抱き締めてくれる。
シャワーを浴びないと駄目なんじゃないですかと言おうとしたら、キスで唇を塞がれた。
やっぱり、先生は甘くていい匂いがする。
「──ところで、伊藤くん」
「はい」
「私を困らせたのだから、それ相応のお仕置きを受けてもらうわよ」
 さっきまで目にうっすらと涙を浮かべていた人だとは思えない、先生の瞳が急に輝き出した。
お仕置きってなんですか、という僕の質問に対して、先生はニヤリと笑うことで応えてみせる。
この笑い方はなんだかとても嫌な予感がする、まるで楽しい悪戯を思いついた子供みたいだ。
238名無しさん@ピンキー:2010/07/21(水) 01:10:53 ID:aa4rahSc

 ■

 リビングからエアコンの動く音が聞こえる、僕の家のエアコンの音と違って、かなり静な音だ。
室内は少しだけ灯りの落とされた電球色に照らされていて、とても落ち着いた雰囲気になっている。
内を七段に区切られた本棚が壁沿いに五つあり、どの棚にも書店のカバーのかかった沢山の本が並んでいた。
文庫本に新書、あのサイズは漫画だろうか、どれもカバーがかかっているから、どんな本かは分からない。
 僕は今、学校指定の半袖のワイシャツ一枚だけの姿にされて、ベッドの縁に腰掛けていた。
所謂、裸ワイシャツというやつで、それは女性がするから興奮するのであって、男性がしても──。
まぁ、これは先生が言うお仕置きらしいので、ここは素直に先生の言うことを聞くしかないのだが。
 そうして、部屋の中を眺めながら暫く待っていると、浴室から響くシャワーの音が止んだ。
濡れた髪をタオルで拭きながら、黒色の上下の下着姿の先生が浴室から出て来た。
いきなり下着姿でのご登場とは、先生、僕は男として見られていないのですか。
──まぁ、なんと言うか、やはり、先生はすごくスタイルがいい、エロい。
先生は冷蔵庫を開けてペットボトルの清涼飲料水を取り出すと、こくこくと飲んで喉を潤していく。
このマンションの部屋はリビングと寝室に敷居がなく、フローリングの床のまま、一部屋として繋がっている。
そんなわけで、なんだか先生の私生活を覗いている様な気分になってきた、デザイナーズマンション、最高だ。
「──ふっ」
 気が付いたら、先生が僕のことを見ながらニヤニヤと笑みを浮かべていた。
先生の下着姿をじっと見つめていたのが恥ずかしくなって、僕は慌てて視線を逸す。
「なっ、なんですかっ」
「ん? 可愛いな、と思って」
「か、可愛い?」
 先生は声を潜めて、くっくと笑う。
 そうだった、今の僕の姿は男にあるまじき裸ワイシャツだったのだ。
大きく膨らんでいた自分のものを、さり気ない風を装って両手でそっと隠す。
だが、目敏い先生がそれに気付かないわけがなかった。
「隠しても駄目よ」
 そう言うとまた、声を潜めて笑う先生。
「さすがに、これ、恥ずかしいです」
「──やっぱり、可愛いわね」
 うんうん、と一人で納得したかの様に頷いている。
239名無しさん@ピンキー:2010/07/21(水) 01:13:32 ID:aa4rahSc
こんな状況で可愛いと言われても、あまり嬉しくはない。
先生は手に持っていたペットボトルを冷蔵庫に閉まうと、ゆっくりと僕の方へやってきた。
僕の前まで来て立ち止まる、ベッドの縁に腰掛けていた僕は、自然と先生を見上げる形になる。
 先生の右手が伸ばされ、僕の頬に触れた。
さっきまで冷えたペットボトルを持っていたその手は、ひんやりとしていて冷たかった。
「せん」
 先生、と呼ぼうとした唇を人差し指で止められた。
「お仕置き」
「え?」
「これから何をされても、喋っては駄目よ、伊藤くん。 頑張って耐えて」
「それが、お、お仕置き?」
 自分の口からお仕置きという言葉が出て来るのが、すごく恥ずかしかった。
「分かったかしら」
「もしも、喋ったら?」
「激しくなります」
「何が?」
 先生は膝に手を当てて前かがみになると、ベッドに腰掛けている僕と同じ目線になって見つめてきた。
至近距離で見つめられると恥ずかしいので、視線を下に逸らしたら目の前に先生の胸が、谷間があった。
飾り気のない黒い下着に包まれた先生の胸はとても柔らかそうで、白い柔肌に血管が透けて見えるほどだ。
──むちゃくちゃ、揉みたい。
「上から84、60、85のEカップです」
「きっ、聞いてませんよっ、そんなこと!」
 また声を潜めて笑う先生、僕の狼狽する姿を見て楽しんでいるのは間違いない。
しかし、悲しいかな、先生のスリーサイズとEカップは、しっかりと僕の頭に刻まれていた。
結局、質問には応えず、先生はゆっくりと迫ってきて、僕の唇に自分の唇をそっと重ねた。
軽く触れ合っていた唇の間から、先生の舌が他の生き物の様に僕の口腔内の奥にまで入ってくる。
それは直ぐに僕の舌を捕らえると、ねっとりと絡まされ、まるで味見をされているみたいだった。
先生の両手が僕の頬に添えられ、頭をしっかりと固定されて、絡め合う舌の動きが激しくなった。
240名無しさん@ピンキー:2010/07/21(水) 01:15:47 ID:aa4rahSc
「──……んっ」
「……はっ、んん」
 キスの合間、息が漏れる。
キスをしているだけなのにすごく気持ちがいい、ベッドのシーツがシワになるほど強く握り締めた。
砂糖水みたいに甘く感じる先生の唾液が僕の口の中に流し込まれて、それを僕はこくこくと飲み干していく。
快感にきつく瞑っていた目を開けると、ちょうど先生も瞼を開けたところみたいだった。
もっと飲みたいと目で訴えると、先生は直ぐに分かってくれて、また口の中に甘い唾液が溢れてくる。
先生の舌が引かれ、自分の口の中まで僕の舌を誘い、僕の舌をその唇で挟んで吸い上げてから解放した。
頬に触れていた両手が離れていく。
僕はキスだけで息が上がってしまったというのに、先生の方はまだまだ余裕と言う感じだった。
「……せ、んせぇ」
「喋ったわね」
 しまった、と思った時には、もう遅かった。
「それでは激しく、させてもらいます」
 そう言うと、先生は床に両膝をつき、僕の脚の間に身体を入れてくる。
硬く膨らんだ僕のものが、先生の顔の少し下にあった、まさか、まさか。
「えっ、せん──」
 先生、と言いかけて、慌てて口を閉じたのだが、先生はニヤリと笑った。
「お仕置き、ね」
「──え、うっ、ああぁっ!?」
 躊躇うことなく、先生は僕のものを根元まで一気に口の奥まで含んでしまった。
先生の両頬が深く窪むほど口腔内を窄めて、僕のもの全体を思いっきり吸引してくる。
「んんっ、……んむ」
「あ、あっ、あぁああぁっ! せんせっ、せんせぇっ!」
 こんな責めをされては、声を出すなと言う方が無理な話しだ──だから、お仕置きなのか。
硬く張りつめた幹の部分を、ぷっくりとした瑞々しい柔らかな唇が上下に激しく扱きたてる。
裏筋の敏感なところまで下唇が刺激すれば、上唇はカリ首に引っかかり敏感なところを擦り刺激する。
また口腔内を窄めて吸引しながら根元まで唇が下りて行き、また裏筋とカリ首まで唇が上りの繰り返し。
僕の両脚の間で先生の頭が上下に激しく動いているその光景は益々、僕の気持ちを昴ぶらせていく。
「うあぁ……、せんせっ! だめ、もっ、ああっ!」
241名無しさん@ピンキー:2010/07/21(水) 01:18:31 ID:aa4rahSc
 まだ性行為の回数が片手で足りてしまう僕が、フェラという未経験の刺激に耐えられるはずもない。
「せんせぇ、ほんと……、うっ、うあぁ! やめっ、出ちゃ、出ちゃぅ……!」
 僕の限界の悲鳴を聞いた先生は、より激しく僕のものを唇で扱き、吸引して責め立ててくる。
「んっ、んっ! ……んん!」
「せんせえぇっ! もっ、出る、出ちゃっ、あっ、ああぁ、うぁ、ああぁあぁっ!」
「ん、んくっ!?」
 射精の瞬間、僕は思わず先生の頭を両手で掴み、股間に強く抑えつけてしまう。
それに驚いた先生は眉間に深く皺を寄せ、目をきつく瞑り、美しい顔は苦悶の表情に歪ませている。
それでも先生は射精中で震える僕のものを、その頬を窄めて吸引し続け、更なる射精を促してくる。
どくんどくんと物凄い勢いで、熱い精液が先生の口の奥深くに何度も吐き出されていく。
あの先生の口の中に精液を吐き出しているのかと思うと、快感で射精が止まらなかった。
「うあ、ああぁ……、せっ、んせぇ……、すご……、気持ち、いぃ……」
「ん、んくっ、んっ、んく、んん……」
 射精される大量の精液が飲み込まれていくのが、口腔内の脈動の仕方で分かる。
先生の白い喉がこくこくと鳴らされて、僕の精液が先生の体内に消化されていく。
「あぁあ、あっ、せんせ、せんせぇ……、すごっ……」
 程なくして射精が収まると、尿道に残る精液まで絞り出そうと先生が口を窄める。
射精直後の敏感な亀頭部分だけを口に含み、添えられた手で幹を扱き、淫らな音を立てて激しく吸われた。
鈴口を舌先でぐりぐりと弄られ、敏感になっている亀頭が悲鳴を上げるが、先生はお構いなしに責め続ける。
「あ、やっ、やめ、ああ! 出した、ばっかは……、やめ、あぅっ、ああぁああぁ!」
 許容量を越える快感と敏感になっている亀頭への刺激に、思わず腰が引けてしまう。
逃がさないとばかりに先生は僕の腰に両手を回して、根元に届くほど口を股間に沈ませる。
情けなくも尖った声を上げて、僕の顔はだらしなく快楽に溶けると、薄暗い天井を仰いだ。
舌で亀頭全体を丹念に舐め回されてから、唇を亀頭の表面に這わせてゆっくりと離していく。
先生の口の中からぬらぬらと濡れ光る亀頭が出て来るその光景が、とてつもなくエロかった。
「……んっ、……ご馳走さま」
「はっ、はぁっ、はぁ、……せん、せ……」
242名無しさん@ピンキー:2010/07/21(水) 01:21:13 ID:aa4rahSc
 切れ長の瞳で上目遣いに見つめてくる先生。
「ふっ、そんなに良かった?」
「は、ぃ…、すご、すぎ……」
 まだ快感の余韻に浸り、息の整わない僕はそれだけを言うのが精一杯だった。
「そう、あんなに可愛い声を出しちゃってたものね。 せんせー、せんせー、って」
「そんなっ、言うの……、や、やめて、下さ……」
「あんなに悦ばれるようだと、お仕置きにならなかったわ」
 喋るな、と言われていたのに、僕は喋るどころか喘ぎっ放しだった。
わざとらしく溜め息を吐いて、先生は呆れた風な顔をして立ち上がる。
先生の口元が僕の我慢汁やらなにやらで淫靡に汚れていて、それは先程の口淫の激しさを現していた。
その口の端の汚れを舌先で舐め取る仕草が、射精したばかりの僕のものを再び大きく昴ぶらせていく。
最後に口元を手の甲で拭うと、先生はニヤリと笑った。
「伊藤くん」
「……はい」
「君、意外とマゾだったのね」


 とろけるほど甘く深いキスをしていると、視界がぐらりと傾いてベッドに押し倒された。
倒された先には狙い済ましたかの様に枕が置かれていて、僕の頭が柔らかい枕に沈み込む。
先生が僕の頭の横に両手をついて見下ろしてきて、犯される前の生娘の気分が味わえた。
さっきまで濡れていた先生の髪は乾いていて、顔を埋めてシャンプーの香りを嗅ぎたかった。
「さて、伊藤くん」
「はい」
「いただきます」
 その言い方はやめて下さい。
「こういう時は、もう少しムードとかを出してほしいです」
「随分と乙女な考えね、伊藤くん。 それに別なものは、さっきいっぱい出したのに」
 ピンク色のコンドームに包まれた僕のものを、ニヤニヤしながら指でつついてくる。
「品がないですっ!」
243名無しさん@ピンキー:2010/07/21(水) 01:23:28 ID:aa4rahSc
 どうして先生は、こういう時にこうなのだろうか。
表情ひとつ変えずに英語の授業を進めるクールな先生は、どこへ行ってしまったんだ。
授業中以外は英語準備室に籠もりっきりな先生は、どこへ行ってしまったんだ。
──きっと、どこへも行ってなんかいないのだろう、ずっと、ここにいてくれたのだ。
今、こういう時にこうなのが分かった気がする。
これが先生、僕だけに見せてくれる素の先生なのだ。
「では、改めて──」
 穿いていた黒い下着、その股の部分を指で掴んでずらすと、先生の薄い茂みが少しだけ見えた。
 まさか、下着を穿いたままで、ずらしての挿入ですか、それはエロすぎます先生。
僕のものに手を触れて自分の入口にあてがうと、そのままゆっくりと中に沈めていく。
膣の奥深くにまで届いた時、先生の口から息が漏れ、んっ、と押し殺した声が聞こえた。
「……全部、入った」
 形のいい整った眉を苦しげに歪ませて、けれど、その顔は僕を愛しそうに見つめてくる。
そんな先生の表情を見ているだけでたまらない気分になり、射精してしまいそうになった。
「せ、先生の……、中、すご、きつっ……」
 薄いゴム越しに感じる膣の中はとても暖かく、僕のものが溶けてしまいそうな感覚に陥った。
先生が、んっ、と押し殺した切ない声を上げる度に、膣内が反応してキツく締め付けてくる。
「せんせっ! も、もぅ……、やばい、かも……!」
「出ちゃいそう?」
「……はぁ、はぃっ……、うあ、うっ! あっ!」
「早漏」
「そ、んなっ、言われ、てもっ……!」
 先生に言葉で弄られるのが恥ずかしいのに気持ちがいい、本当にマゾになってしまったのか。
「まぁ、少し前まで君は童貞くんだったんだし、今日で2回目の性体験なんだから、仕方がないわ」
 先生は僕の両手首を掴むと、その掴んだ両手を枕に沈む僕の頭の上の辺りへと持って行く。
快楽に溺れた瞳で先生の顔を見つめると、大丈夫よ、と言うように優しく微笑んでくれた。
僕はベッドに仰向けの状態で先生に跨られて、軽く両手を上げた万歳の態勢になっている。
それから、先生が僕の両手に自分の手を重ねてきて、先生の白くて細い指と僕の指が絡み合った。
手を握り締められていて身動きの取れない騎乗位は、まるで先生に犯されているみたいで興奮した。
244名無しさん@ピンキー:2010/07/21(水) 01:26:03 ID:aa4rahSc
「伊藤くん、我慢しないで、好きな時にイッていいから」
 そう、僕を見下ろしながら言う。
 暖かい膣の中でキツく締めつけられながら、そんなことを言われたら、本当に射精しそうになる。
僕の腰にぴったりと密着していた先生の柔らかなお尻が、カリ首の辺りギリギリまで持ち上げられる。
たっぷりと愛液に濡れて、てらてらとイヤらしく光る肉の棒が、先生の身体を貫いているのが見えた。
瞬間、先生のお尻が一気に下ろされて、僕の腰に激しく打ちつけられ、肉の棒が最奥の子宮口を圧迫する。
「──やっ、んんっ!」
 口を真一文字に閉じて押し殺した声、先生の美しい顔が快楽に歪む。
人の肌と肌のぶつかる音が部屋中に、リズミカルに響いている。
「ん、んっ、あっ! んんっ、やっ、あっ!」
 先生の身体が上下に跳ねる度に、僕の目の前でその豊かな乳房も激しく揺れる。
形が変わるくらい滅茶苦茶に、乱暴に揉みしだきたかったが、手を握られていて身動きが取れなかった。
薄い桃色の乳首は痛いくらいに勃っていて、思いっきり乳首を抓りあげて先生を泣かせたい衝動に駆られる。
「くっ、あぁ、うわぁ、せんせぇ……!! きもち……、よすぎっ!」
 強すぎる刺激と快感に僕の腰は引けてしまい暴れようとするが、僕に跨った先生の身体で抑えつけられた。
僕の腰に先生の身体が沈む度、結合部からはぬちゃぬちゃと卑猥な水音が聞こえてくる。
先生も僕のもので感じてくれているんだなと思うと、なんだか無性に嬉しくなった。
 まだ挿入してから三分と経っていなかったと思う、実際にはもっと短かったのかもしれない。
兎に角、あっという間に、僕はもう限界を迎えてしまった。
「……あぁ、せん、せっ! せんせぇっ! もっ、出る、出るっ!」
「んっ、んぁっ! ……はぁ、はぁ……。だ、出して、いぃ……、わよ……。
 全部、受け止めて……、あげるから……。 んっ、んんっ、やあっ!」
「ああぁ、あぁ、せんせぇ、せんせぇっ!」
 その手が白くなるほどに指を絡ませて、お互いに強く、強く手を握り合う。
「せんせっ、せんせっ! うあっ、んっ、あぁあっ!」
「いと……、くぅんっ! や、あっ、ダメっ、も、イッ……! んあっ、やっ、ふああぁっ!」
245名無しさん@ピンキー:2010/07/21(水) 01:28:23 ID:aa4rahSc
 僕が我慢出来ずに先生の膣に締められて射精するのと、先生が絶頂に達するのはほぼ同時だった。
先生はそれ以上、声を押し殺しておくことが出来ず、背中を弓なりに反らして嬌声を上げる。
身体を仰け反らせて白い喉を晒し、僕に見せつけるかの様に揺れる胸を前へと突き出した。
先生の痴態を眺めながら、僕はコンドームの先端を破かんばかりの勢いで射精し続けた。
「……ん、あ、んっ、ん……。 はぁ、すごい……、まだ、……んっ、出てる……」
 先生は息を荒げながら、僕のものがびくびくと震えて射精する脈動を膣内で感じ取っている。
力の抜けた先生は僕の胸に倒れ込んできて、その後で甘いキスを子供の様にせがんできた。

 ■

 目を覚ますと、見慣れない天井が目に入ってきた。
仄かな電球色に照らされたこの部屋は先生の部屋だ、と思い出す。
僕の腕の中で丸くなり、可愛い寝息を立てている先生の寝顔がある。
性行為の後、二人で他愛もない会話をしていたら、そのまま抱き合って眠ってしまったようだ。
ベッドサイドテーブルの上に置いてあった小さな時計を見ると、二つの針は22時を過ぎていた。
 そう、22時、だ。
「……ヤバ」
 ここからだと家に帰るまで、一時間以上は掛かる。
バイトで帰りが遅れたと適当に言い訳をすれば、なんとか誤魔化せるか。
先生を起こさないよう、そっとベッドから出る──出たところで、裸ワイシャツだったと気付く。
裸ワイシャツのまま部屋の中を歩き回るのは気が進まないので、ワイシャツのボタンをとめる。
ベッドの近くの床に脱ぎ捨てられていた僕の下着を広い、それを履いた。
本当はシャワーも浴びたいのだけれど、その時間はちょっと無さそうだ。
「えっと、携帯は……」
 これもまた、床に脱ぎ捨てられていた制服のズボンの下に携帯が埋もれていた。
携帯を拾って開いてみると、母さんと妹の涼香から着信とメールが数件きていた。
どちらから送られてきたメールも、帰りはまだかといった内容のものだった。
 数分、何と返信しようかと考える。
「あー、えーっと……」
246名無しさん@ピンキー:2010/07/21(水) 01:30:02 ID:aa4rahSc
 これまでのメールの受信履歴を下にスクロールさせながら、返信の内容を考えている時だった。
受信履歴は数ヶ月前のページにまで進んで、僕がたまたま手を止めたそこに彼女の名前があった。
「──神野、先輩」
 あの日の夜に先輩から受け取ったメールは、今でも読んでいない。
メールを受け取ったあの時でさえ、なぜ直ぐにメールを読まなかったのか、今でも分からない。
それが何故、今になって受け取ったメールを読んでしまったのか、それも僕には分からなかった。
無意識か、気紛れか、偶然か、必然か、気が付いた時には既に親指が勝手に決定キーを押していた。
 メールの書き出しは、桜の木の絵文字が打たれた後に、高校を卒業しちゃった、と書かれていた。
長い内容のメールだった、先輩の明るい声が僕の頭の中に響き、先輩の無邪気な顔が鮮明に蘇る。
あの日、先輩に告白して振られた時のことも、思い出したくないことまでも蘇ってしまう。
メールは僕と先輩が過ごした一年間の思い出話しが殆どだった。
けれども、最後の最後で、先輩らしいオチが用意されていた。
“以上、私の初恋の人への最後のメールでした!”
──先輩は12月のあの時から、ずっと、嘘を吐いていたのだ。
嘘を吐いた理由だなんて、分かるわけがない。
嘘を吐いた理由が分かりたいとも、思わない。
 携帯を握り締めたまま立ち尽くし、僕はただ固まっていた。
エアコンの風に当たるフローリングの床が素足に冷たかった。
「──青春ね」
「うわっ!?」
 急に背後から声を掛けられ、驚いて振り向く。
飾り気のない黒い上下の下着姿の先生が、僕の携帯の画面を覗き込んでいた。
「青春だわ」
「み、見てたんですかっ!?」
「伊藤くん、って声をかけたのだけれど、気が付かなかったみたいだから」
「あの、このメールは……、えっと、その……」
「別にいいじゃない、初恋と失恋は早い内に経験しておくものよ。 あぁー、青春ね」
 先生の言葉が、やけに僕の心に重くのしかかった。
「……どうして、ですか?」
「経験者は語る」
247名無しさん@ピンキー:2010/07/21(水) 01:32:45 ID:aa4rahSc
 当然、先生にだって初恋はあっただろうし、悔しいけれどその相手は僕ではない。
そして当然、僕にも初恋というものがあって、残念だけれどその相手は先生じゃない。
 それが産まれてきてからの10年という差であり、僕と先生との埋まらない歳の差なのである。
「でも、ね」
 まるで僕の考えはお見通しだと言わんばかりの表情で、先生は言葉を続けた。
「私はこう思うのよ。 初恋よりも今の恋だ、って」
「今の恋?」
「そう、今の恋。 今の恋を大事にしたい、君のことを好きなんだっていう気持ちを、ね。
 好きな相手に振られるだなんて、誰だって二度はごめんよ。 そうじゃない、伊藤くん?」
 先生は、言ってやったぞ、と満足気な顔をしてニヤリと笑った。
僕は今、泣きたくなるほど、男として幸せなやつなんじゃないかと思う。
好きな人にこれだけ想われているのだと、心の底から実感する事が出来たのだから。
「だからね、伊藤くん」
「はい」
「今日は、今日だけでもいいから──。 今夜は、私と一緒にいてほしい」
 先生は僕のワイシャツの裾を力無く握り、僕の胸にそっと頭を預けてくる。
先生の細い身体を力強く抱き締め、綺麗な黒い髪を撫でながら、涙に濡れる瞳を隠すようにキスをした。
僕よりも少しだけ背が高く、いつでも冷静な先生が、今はなんだか、僕よりもずっと小さく見える。
あの夜、テレビで聞いた洋楽バンドの曲も、こんな恋人同士の関係を称えた歌だったな、と思い出した。
 その日、僕は先生の家に泊まった。
少し遅めの晩ご飯には、お世辞にも美味しいとは言えない先生の手料理をご馳走になり、
翌日の土曜日には高校生活二年目にして、初めて朝帰りといものを体験したのであった。
 それが2009年、7月のことである。

 ■アイネ・クライネ・ナハトムジーク 終
248名無しさん@ピンキー:2010/07/21(水) 22:33:10 ID:NFsOrQcJ
>>231-247
乙です!!
先生エロ過ぎ抜けた
249名無しさん@ピンキー:2010/07/22(木) 23:35:43 ID:mxFmNOaZ
>>231-247
GJ!
先生かわゆすなぁとか思ってたら、最後で切ねぇ話しに…(´;ω;`)
250名無しさん@ピンキー:2010/07/25(日) 09:12:55 ID:2RThqTqM
そろそろ次の投下期待
251名無しさん@ピンキー:2010/07/27(火) 16:39:25 ID:gHwSSlf2
期待age
252名無しさん@ピンキー:2010/08/01(日) 03:45:53 ID:2njCawKE
童貞は中1の時に大学生のお姉さんに捧げ
その勢いで高校時代は
25歳のOL、14歳のJC、19歳の女子大生、
29歳の女教師の4人の女性でハーレムを作り
毎日の様に肉欲に溺れつつしっかりと
一流国立大に入学。
そして大学生時代は自慢のイケメンで
家庭教師のバイトでJC喰いまくり。
そして卒業後ある程度有名な企業に就職し
上は35歳から下は15歳まで様々な女性と付き合った
結果、最終的に
中学からの友人の娘(当時高校生)と結婚した
俺の兄はある意味天才
因みに兄は結婚時39歳

兄曰く「年に差がある方が魅力的だし気持ちイイ」
らしい
253名無しさん@ピンキー:2010/08/01(日) 06:10:39 ID:Iu24S/by
>>252
何ですそのエロゲ?
254名無しさん@ピンキー:2010/08/03(火) 21:53:18 ID:C4kSrJR6
お前らの身の回りって何でそんなに恵まれてんの
何で肝心のお前らは恵まれてないの
255名無しさん@ピンキー:2010/08/04(水) 08:31:15 ID:mhjeIY83
>254
確かに!!!w
そんだけ近くにネタがあって当人出会い無いなんて…
256名無しさん@ピンキー:2010/08/04(水) 17:15:25 ID:K9d19nuB
>>252の兄は強者過ぎる
257名無しさん@ピンキー:2010/08/06(金) 03:06:19 ID:hG7MhxSM
このスレ見てスゴい人思いだした。
知人(37)の親父(59)が一昨年、なんと19歳の大学生
と再婚したらしい。因みに知人は既婚で
39歳の妻と16歳の娘が居る。

嫁と11歳離れてる自分が一般的に見えてきた
258名無しさん@ピンキー:2010/08/06(金) 08:53:45 ID:wWuSLcS3
5スレ目になってからネタくさいレスが増えたな
259名無しさん@ピンキー:2010/08/08(日) 02:22:22 ID:sKkcps5s
嘘くさい話が増えたよね
260名無しさん@ピンキー:2010/08/08(日) 10:08:30 ID:bJbyZwMO
童貞で日々そんな妄想にあけくれてる俺からするとうらやましすぎる話ばかりだ
ネタであってもらわないと困る
261名無しさん@ピンキー:2010/08/09(月) 17:32:50 ID:DalrViVa
>>259
投下されるSSの肥やしになれば良い
262名無しさん@ピンキー:2010/08/10(火) 18:12:19 ID:BCQbfkEd
そこの君、俺の伊藤くんと先生の続きはまだかね。
 +   +
  ∧_∧ + 
 (0゚・∀・)  ワクワク
 (0゚∪ ∪ +   テカテカ
 と__)__) +
263名無しさん@ピンキー:2010/08/11(水) 01:23:39 ID:/1Wx8Mz9
高校の時に女の先生に告白してフラレたから
伊藤くんが羨まし過ぎて生きるのが辛い…
264名無しさん@ピンキー:2010/08/12(木) 21:45:54 ID:YVh7T8JI
不良中学生と女子大生の話はありですか?
265名無しさん@ピンキー:2010/08/13(金) 05:56:23 ID:pXvJmqQF
>>264
ありに決まってる
むしろ何故聞く必要があるのか謎ですが?
266名無しさん@ピンキー:2010/08/13(金) 18:56:18 ID:+ViXZ2ph
>>264
勿論あり、投下歓迎
267名無しさん@ピンキー:2010/08/13(金) 22:09:50 ID:fcZ3QkrO
>>264だが
わかった
とりあえず投下がしばらく先になりそうな上、
エロもあんましなさそうなものでよければ投下させてもらいます
268名無しさん@ピンキー:2010/08/14(土) 18:26:24 ID:q6vRVQXZ
>>267
待ってます。
269彼女の王子様 1/5:2010/08/18(水) 16:09:11 ID:JjlYf3Vl
エロ無し
なんとなく読んでください


* * *

『彼氏が出来た』
 そう言って白い頬を朱く染めて身を縮めたのは、1月の雨の寒さのせいだけでは無かったのだろう。
 世話焼きで、何事にも手を抜かず地味に頑張り屋の彼女は自分自身の心には不器用で、長い間ひとりの男性を想い続けた。
『忘れるための恋は出来ない。新しく恋をしたらきっと初めて忘れられる』
 そんなだったから、高校はおろか短大に入っても全く恋愛関係に発展するような相手は現れはしなかった。
 そんな彼女がやっと振り向かせた男とはどんな。


 それからひと月後。紹介して貰った彼氏を目の前にして、初めましての挨拶をした後自分の頭の中身を暫し整理しに取り掛かる。

 年上で、という事は大人のオトコ。
 会社帰りに、スーツ姿のビジネスマンで。
 長身――という事はもれなくイケメ(ry

 頭に勝手に描いてあったビジュアルをそのまま目の前に持ってこようとして、躊躇なく投げ捨てる。
 背はすごく高い。立って挨拶した時そう思ったし、座ってからもバランスは悪くないから脚もそこそこ長そう。
 けどひょろい。会社帰りだけあってスーツ姿ではあるけど正直言ってそこらへんにある量販店で吊ってそうなやつだし、まあまあって
とこ。バリバリのビジネスマンって言うよりはそこそこの……って感じ。
 何より。
「ちょっとはネクタイ替えなよ。これにはあっちのが良いって言ったじゃん」
「いや、そのつもりだったんだがな」
「また結んだまま輪っかの状態で引っ掛けてあったんでしょ?面倒臭がらずにちゃんと一回いっかい結びなよ」
「それもだけど、あれ汚れてるから」
「なんで?まさか……今度は何!?」
「えー昨日の昼にカレーうどんを食べまして」
「……シャツはどうしたの」
「それは染み抜き洗剤つけてすぐ洗ったから大丈夫」
 んもー!と牛みたいな鼻息を繰り返しては彼氏のコーヒーに砂糖とミルクを放り込む。
 そういえば、さっきは脱いだコートも受け取ってぱっぱと畳んでおいてあげてたっけ。
270彼女の王子様 2/5:2010/08/18(水) 16:10:21 ID:JjlYf3Vl
 デキる大人のオトコというよりは冴えないそこらの兄ちゃんて感じがする。年下の女の子に叱られても何の違和感もないような。
 ていうかこの娘ってこんなタイプだったっけ!?
 居酒屋でこれ見よがしに料理取り分けして家庭的アピールするような女の子と違って、ひたすら地味に後片付けに回るような
タイプ――むしろ目立たないように――そんな感じだったんだけど。
 他の男の子なんか眼中にない、って黙々と飲み食いしてたあの頃の彼女とは明らかに別人。文句言いながらも口とは裏腹に
その瞳はキラキラ活き活きとして、ぷっくり膨れた頬はほんのり朱い。
 彼氏の方はというと、あれまあ。
「大阪のおばちゃん並みに騒々しいなお前は」
「うるさい」
なんてやり取りしつつちょっと……いや、かなり嬉しそう。

「あ、ごめんうちから電話」
 ぼーっと色々考えながら目の前の恋人達を眺めていたら、友達の彼氏と2人その場に取り残された。
 初対面で置いてけぼりにされた私達はそこで一気に気まずくなる。
 目の前の男は、彼女がいなくなった途端にもじもじそわそわして挙動不審になった。なんていうか、ただならぬ緊張感が伝わってくる。
 あ、コーヒー零した。熱そー。
「大丈夫ですか?」
 お絞りを渡すと、恐縮しながら手を拭いて、それから慌ててシャツの袖を見て「おお、セーフ」
と呟きほっとしてる様子。
「あの、いつもこんな感じなんですか?」
 さっきの様子だと、染みになったら怒られちゃいそうだもんね。
「えっ!?ああ……俺あんまりこういうの慣れてないから」
 どういう意味だろうと首を傾げていると、
「女の子とうまく話せなくて……」
あいつなら平気なんだけどなあ、と恥ずかしそうに頭を掻く。いい年をしてまさかとは思うけど。
「あんまりお付き合いとか……された事無いんですか」
 不躾だとは思うけどこの際だから聞いてみた。最初の質問からちょっとずれてる気もしないでも無いんだけど。
「えー恥ずかしながら……その……」
 マジでか。
 苦笑いしながら、手持ち無沙汰になったのか口にしたコーヒーを慌てて飲んでまた熱そうに舌を出した。
271彼女の王子様 3/5:2010/08/18(水) 16:11:40 ID:JjlYf3Vl
 どこが良いんだろう。
 悪いけど、これまで紹介したり告られた男の子達の方がかっこいいのがいたのにと思う。私なら惜しい。親友として勿体無い。
別に悪い人じゃないんだろうけど、何年間も引き摺り続ける程の……とも思えない。
 もっといい男なんか幾らでもいるでしょうに。

 暫く沈黙が続いて、いい具合に慣れてきたのか半分程飲み干せたカップを置くと向こうから口を開いた。
「あ、あの。あの娘とは随分仲良いみたいだけど」
「はい。中学からずっと一緒で」
 だからその頃から彼女に想い人がいたという事実は知っていた。幾分か美化させすぎたかもとは今になって思うけど。
「高校の時とかどんな感じだったの?」
「どんなって……あまり浮ついた雰囲気は無くて、でも暗いとか変に大人しくはなかったけど、周りをよく見て気を遣う娘でした。
 だけど自分の意見はちゃんと持ってるし、人の言葉に流されない真っ直ぐないい娘ですよ」
 これは親友としての本音だ。今更ヨイショする必要もないし。
「だったらモテたよね?」
「そうですね。目立ってどうって事は無かったけど、彼氏いるのかとか聞かれたことありましたし」
 いわゆるクラスの可愛い子ちゃん的な扱いじゃ無いけど、その分本気度はかなり高かった。それら全てに首を横に振り続けた
結果が――これか。
「だろうなぁ。何で俺なんか良かったんだが」
 うん、全力で否定は出来ない。
「そんな事ないですよぉ」
 とりあえず、ありきたりのお愛想を返して紅茶を啜る。本当にねえ。悪くはないんだけど、そこまでして色んなモノを守り抜いた
相手にしては物足りなく感じてしまう。
「だから大事にしなきゃな……」
 ひとり言なのか、私に向けて掛けられた言葉なのかわからなくて返事をせずにいたら、取り繕ったようにまたカップに口をつけ始めた。
 ひょっとしてかなり不器用?
 よっぽど女の子に弱いのかな、と考えてみたら何だか憎めなくて笑えて来てしまった。
272彼女の王子様 4/5:2010/08/18(水) 16:12:42 ID:JjlYf3Vl
「ご両親に会って貰うかもって聞いたんですけど、本当ですか?もしそうなら……」
「あ、そこまで?……ああ、うん、近いうちにと思ってるんだ」
「真剣なんですね」
 うん、と小さく微笑んで置いたカップに目線を落とす。少しは会話が続きだしたけど、やっぱりまだ緊張してるのかな。
「でも……私達まだ学生です。十代ですよ?来年には就職も決めなきゃ……そのために今まで頑張って来たんですけど……それ、
 どうする気なんだろう、あの娘」
「それは勿論頑張って貰うつもりだけど」
「えっ?でも……ご両親にって事は」
 つまりはそのつもりなんじゃ。
「いずれは、ね。けど、それはこの先時期が来ればで良いし。その約束を果たすためにもあの娘の親御さん達にはきちんと話を
 通しておかなきゃと思ってるんだ。じゃなきゃ安心して任せて貰えないし……。ほら、何せ俺はすぐおっさんだからね」
「えー。そんなでも無いでしょ?」
 今度は愛想抜きで言った。確かに少しは上かもしれないけど、昔と違って今ならそれ程問題のある差ではないだろうに。
「せっかく夢があって頑張って来たんだから、それを無駄にしたり諦めるような事はさせたく無いんだ。だからその位は待つ
 つもりだし、協力もする。……ま、その時分には俺は三十路のおっさんかもしれないけど」
「……そんなの気になんかしないと思いますよ」
「うん、まあそうだろうなって俺も思う」
「結局ノロケてませんか?軽くムカつくんですけどー」
 言ったらまた小っちゃくなって笑ってた。茹でダコ一丁あがり。

「あー何なに、結構2人で盛り上がってない?何話してたのよう!」
「ないしょ〜。ねえ?」
「あ、うん。これは口が裂けても勿論裂けたらもっと言えない重要なつまりは秘み」
「わけわかんないっつうの!!ていうか何か凄く……仲良くなってない?まさか浮気の相談とか〜」
「さあ、どうかなぁ」
「おいおいっ!?いや、あの違……」
 私の態度が軟化したのに気付いてほっとしたように頬を緩めて微笑んだ彼女と一緒になって、私達の間で赤くなったり青くなったり
オロオロ震えて目を泳がせる彼を弄りながら、お腹を抱えて笑った。
273彼女の王子様 5/5(終):2010/08/18(水) 16:13:50 ID:JjlYf3Vl
* * *

 週末の結婚式の余韻に浸りながら、爽やかな晴れ空の下歓声をあげて走り回る園児達を眺める。

 宣言通り、彼は彼女が私と同じ幼稚園教諭の職に就く事を望み、夢を果たさせた。暫くは2人で共稼ぎで頑張るのだそうだ。
おかげで料理の腕が上がったと、相変わらずの赤面を引っさげて嬉しそうに語っていた。
 年上の、それも当時幼い少女だった彼女にはとくに大人に思えた男のひとは、成長するにつれ違和感なくその精神的距離は
縮まって、下手をすれば追い抜けてしまうのではと思えるまでになったけれど、結局は同じだけの年月を経たにもかかわらず
変わらずをえない成長期の彼女のもっと先を歩いているのだ。

 恋を知らぬ少女の頃に心に想い抱き憧れた大人の男のひとは、スマートで隙のない王子様のような存在に思えた。
 控え室の扉の奥、真っ白なドレスに身を包んだ花嫁を愛おしむ花婿は、お世辞にも王子様とは呼べない様な冴えない非モテな
おじさん予備軍になりつつあったけど。

『いい加減さあ、チビって呼ぶのやめない?子供達だってちゃんと“知美せんせー”って呼ぶよ』
『じゃあ、お前も俺の事これからはちゃんと呼べよ』
『えー今更ぁ?』
『だってお前も今日から“せんちゃん”だろが』

 ――だから離れるんじゃないぞ――

 それは結構、男らしくて格好ヨカッタかも。

 年上だからとか年下だからって気にするのは当人以外だけなのかもな。私は甘えたい方なんだけど、案外年下も頼りになったりして。
うん、悪くない。

「せんせぇ〜」
「なぁに?まー君」
「あのね、ぼくがおとなになるまでけっこんしないでね?」


 ――初めて私に彼氏を紹介してくれてから暫くして、正式?にプロポーズされたと伝えられた。あの人の事だ、夜景がどうのとか
言ってたけど相当頑張ったに違いない。その時の決して高価とは言えないネックレスを誇らしげに掲げて見せてくれた彼女の
幸せに満ち足りた顔はきっと一生忘れない。

「大人になるまで……か」

 あと15年も待てるかしらねぇ?
「先生おばちゃんになっちゃうよー」

 小さな求婚者を追い掛けて砂場へと走った。


「終わり」
274名無しさん@ピンキー:2010/08/18(水) 20:45:04 ID:NIFCMKnw
……ああ。
なんていうか。

もしかしてもしかして……と読み進めていって、
、不覚にも最後、泣いたー。

GJ!!!
GJしかおもいつかないよ〜。
ありがとう!
275名無しさん@ピンキー:2010/08/18(水) 23:34:30 ID:g2skeU37
>>269-273
乙です!!
確かにせんちゃんにチビは勿体無い
超嫉妬


しかしこのラストだとチビの友達の話に移行出来そう
276名無しさん@ピンキー:2010/08/19(木) 20:26:02 ID:9Deisoww
後日談GJ!

もう終わったと思ってたから読めて嬉しい
277名無しさん@ピンキー:2010/08/20(金) 20:22:37 ID:L++arEcX
17歳の肖像って見た人いる?
地元の映画館でこれからやるんだけど、あらすじが俺らほいほい
278名無しさん@ピンキー:2010/08/20(金) 22:35:06 ID:fQHpkvWY
なんかの映画の特集でタイトルは聞いたことがあるな
279名無しさん@ピンキー:2010/08/24(火) 02:12:35 ID:Ms+zlIGD
いまさらですが前に投下したものの続きを……
7レスほどお借りします
280二人のめぐみ:2010/08/24(火) 02:13:30 ID:Ms+zlIGD
 緊張している。
学芸会で長いセリフを言った時よりも緊張している。
人生で一番緊張している。
「おじゃまします」
「いらっしゃい。何もないところだけどね」
 俺はおずおずと足を踏み入れる。女性の家に上がるのはもちろん初めてだ。
「恵くん何か飲む?」
「い、いや、恵美さんに任せます」
「じゃあ紅茶にするね」
 本当に来てしまったんだ。
キッチンに立つ恵美さんを眺めながら俺はぐるりと部屋を見渡した。
たしかに余計なものは何もない。
でも難しそうな本は棚に多く並べられていた。勉強家の恵美さんらしい。
 衝撃のファーストキスから1ヶ月と半分。
あれ以来俺たちの仲は近くも遠くもならなかった。
昼ご飯を大学内で一緒に食べ、たまにデートする。
そんなある日のことだ、『家に泊まりに来ない?』と誘われたのは。
男としては何とも嬉しいお言葉。しかし同時にとても緊張してしまった。
お誘いから3日間、まともに寝られなかったし恵美さんを直視すら出来なかった。
「恵くん、恵くん?」
 声をかけられ現実に戻る。
いつの間にか目の前に恵美さんがいて、またもや目を反らしてしまった。
「緊張しすぎ」
 そう言われても、やはり意識してしまうのは男の性なのか。
対して恵美さんは落ち着いている。
普段からクールだから少しのことでは気が動転しないのだろうか。
それとも年長者の落ち着きなのか。
ダメだダメだ。そんなことを考えては。
年齢差を意識してはいけないと自分に言い聞かせているじゃないか。
「恵くん」
「は、はい」
「これ飲んだらしようか?」
 ん?『しようか』って『シようか』と解釈していいんだよな……?
えぇぇ!!?今来たばっかりなのに!?
「まだ明るいけど、夜まで待ったら緊張でおかしくなるでしょ?」
 たしかにそれもそうだ。でも今すぐというのも……心の準備が……
ちらっと恵美さんの方を見ると、変わらず涼しい顔をしていた。
もちろん俺だって恵美さんとシたいし、そういう想像をしたことだってある。
だけどいざそういう事態に直面すると緊張してしまう。
「先にシャワー浴びてくる?その間に洗い物しちゃうから」
 無言の俺を肯定と捉えたのか。恵美さんはそのつもりで話を進める。
言われるままに俺はシャワーを借りた。
浴室で改めて考え直す。
今から俺は恵美さんとセックスをするんだ。
なんというか実感がわかない。
281二人のめぐみ:2010/08/24(火) 02:15:06 ID:Ms+zlIGD
 恵美さんがあの落ち着いた態度な分、余計に焦りが出る。
もう全て任せてしまっていいのか?
男としてどうかと思うが、それもでもいいのか?
相手の方が年………いや、落ち着いているのだから。


シャワーを終えた俺と代わりに恵美さんがシャワー室へと消える。
緊張の中、部屋を改めて見直すがワンルームのこの部屋にこれといったものはない。
机と難しそうな本ばかり綺麗に陳列された本棚、テレビ、そして今自分が座っているベッドがある程度。
この年齢の女性というのはこんなものなのだろうか。残念ながら俺にはわからない。
写真の類もない。
思えば付き合い始めてから一度も撮ったことがない。今度撮って飾ってもらおう。
「ん?」
 綺麗な部屋の中、一冊の雑誌が引き出しから無造作にはみ出ていた。
慌てて片付けたといった感じだ。
恵美さんが読む雑誌とはどんな雑誌なんだろう?どうしても気になった俺はそれを引き抜いた。
「これって……」
 手にしたのはその…そういった方面の雑誌の女性用だった。
可愛らしい表紙に反してかなりエロいことが書いてある。
そして特集は………『絶対成功☆彼とのドッキドッキ初体験』
ゴクリ……
生唾を飲み込み恐る恐るページを開こうとしたその時だった。
「あの、恵くん?」
 突然声をかけられ驚いた俺はハッと振り返った。
ラフな部屋着に着替えた恵美さんが気まずそうな表情で俺を見ている。
「それね…前にお姉ちゃんが渡してきて、無理矢理にだよ、だからその……
たしかに、読みはしたけど…その、参考程度で。あ、違う、え、何言ってんだろう私…」
 初めて見る恵美さんの慌てる姿。
いつもは涼しい顔も今は真っ赤に染まり泣き出しそうだ。
「ごめんね…本当は私の方が緊張してて。こういうこと初めてで、だけど私の方が年上だし……わ!?」
 これ以上恵美さんにつらい思いをさせないように、必死な彼女が愛おしくて、思い切り抱き締めた。
緊張してるのは俺一人じゃなかったんだ。
いや、年上だからというプレッシャーの分より辛かっただろう。
「おあいこですよ。俺もすんげー緊張してますから」
 触れ合う体はお互いにこわばっていて、しかし時間が経つと共にそれも和らいでいく。
「恵くん……」
 腕の中にいた恵美さんが顔を上げた。
女心はよくわからない俺だが、今だけは何が言いたいかわかる。
すんなりと俺は唇を重ねられた。
282二人のめぐみ:2010/08/24(火) 02:16:25 ID:Ms+zlIGD
 あの時以来、人生二回目のキス。
しかし、それは前のように軽いものではない。
というより自分に我慢の限界が来てしまった。
いつも涼しい顔の恵美さんが今では頬を朱に染めている姿が可愛いすぎた。
俺は抵抗する隙も与えず彼女の口内に舌を入り込ませた。
突然の動きに一瞬固まったがおずおずと恵美さんも舌を絡ませてくれる。
「ー……ん」
「…んはっ、ん」
 初めて同士が行うそれは端から見たら拙いことこの上ないのかもしれない。
それでも初めてのディープキスはお互いの感情を高ぶらせ、甘い吐息をさせる。
「あ……」
名残おしそうに何か言いかける恵美さんを、ベッドに組み敷きキスの雨を降らせた。
首元にも強く吸い付き紅色の跡をつけた。
それは、自分の思いを形にしたいから。
「あの、脱がしても、いいですか?」
 直接に顔を合わせるのが恥ずかしいらしく、顔を横に向けてこくりと小さく頷く。
ああもう、なんて可愛いんだ!!
普段とのギャップに完全に俺は虜になっている。いや、元から惚れてはいるけど。
震える手でシャツの裾を捲る。現れた透き通るような白い肌に眼を奪われた。
この先を捲ると……いよいよ、む、胸が……
意を決して服を脱がせると、眼前にブラジャーに包まれた胸が姿を見せた。
一瞬恵美さんの手が動いたが、力を入れ直しぐっと体の横に置き直した。
「さ、触りますよ」
 上擦った声で言うだけ言い、おそるおそる触れてみる。
それはブラジャー越しにも関わらず、「ふにょん」という音が聞こえきそうなほど柔らかかった。
「め、恵くん」
 夢中になって揉み続けていたら恵美さんが小さく声をあげた。
なんだろう?もしかして……痛かったんだろうか?
そんなことを考えていると続きが聞こえてきた。
「あ、あの、ごめんね……私、あんまり大きくなくて…」
 恵美さんはなんとか言い切ったという具合に再び顔を逸らす。
「そんなことないです。恵美さんのとっても柔らかいし……その俺にとってちょうどいいっていうか……」
 そりゃあグラビアアイドルのように巨乳ではない。むしろ小さいほうだ。
でも俺の手にぴったり収まる大きさは心地よく、これで大満足だ。
背中に手を回しホックに指をかけて……アレ?うまく…いや、そんなはず…え、え!?
色々なところから得た知識を使うも上手く外れない。
緊張で指先がうまく動いていなかった。
「ふふ、こうだよ」
283二人のめぐみ:2010/08/24(火) 02:17:37 ID:Ms+zlIGD
 オロオロする俺の様子を見て緊張が和らいだのか、起きあがった恵美さんは手を背中に回し俺の手に重ねた。
されるままに指を使うと、パチっという音と共にそれはとても簡単に外れた。
「これで覚えた?」
「は、はい」
 まだ少し顔は赤いが先ほどよりはマシになったようだ。
「次からは大丈夫です」
「次?あ、いや、そうだよね、この次は、だね」
 事あるごとに顔を赤らめる恵美さんが本当に愛おしい。
軽くキスをし、もはや用をなさないブラの肩紐に手をかけ完全に取り去る。
隠そうとする恵美さんを押さえ、何も身に着けない上半身と対面した。
「………綺麗です」
「…………」
 それだけ言うのが精一杯だった。
白い肌が、小振りだがとても形のいい胸が、その頂点にある桜色の乳首が、全てが綺麗だったのだ。
「…………」
 せっかく収まりつつあった羞恥心がまた襲い、恵美さんは顔を下に向けていた。
「………え!?」
 そんなことお構いなしに俺はベッドに再び押し倒す。二人の体重でベッドが深く沈む。
下からやわやわと揉みしだき顔をうずめるとどこか甘い香りした。
「ん……んん…」
 長い時間をかけて揉んでいると恵美さんの口から吐息が零れ出てきた。
気をよくした俺は堅くしこり立つ桜色の乳首をキュッと摘む。
「んんっ……あ…
 両方ともに弄ぶと僅かだ声のトーンがあがり、俺をさらに興奮させた。
あの恵美さんが甘い声を出している。
いつも大人の余裕を出しているあの恵美さんが。
二人とも初めての行為なので年齢差は関係ない。それが嬉しかった。
俺にとっての初めては、恵美さんは既に経験していることがほとんどだ。でも今回は違う。
「ぁ……んっ…」
 ズボンを脱がし、下腹部に手を当てるとそこわ僅かに湿っていた。
それが何を意味するかを考えると頭がカッとなった。
きゅっと割れ目にそって押し込むとはっきりとした弾力が指を押し返す。
何度か縦になぞっているとぎゅっと背中に手を回され抱き締められた。
「恵くん……お願い」
 聞こえるか聞こえないかの小さな声で恵美さんは言った。
初めてとは思えないほど最後の一枚を脱がし、自分も服を脱ぎ捨てる。
改めて恵美さんの裸体を見て眼が釘付けになった。
全身の白い肌がほのかにピンク色に染まっていて、キュッと括れた腰から足先への見事なライン。
小振りな胸や淡く茂るそこもーー
なんて表現したらいいかわからない。
ーーとにかく綺麗だった。
284二人のめぐみ:2010/08/24(火) 02:18:25 ID:Ms+zlIGD
「あ、あの……いいですか?」
 両脚を開き体を入れる。淡い茂みの下にある秘裂わずかに開き、てかてかと濡れ光っていた。
いよいよ、いよいよだ………
恵美さんと、一つになる。
「め、恵くん……あの…ごめんね」
 覆い被さろうとする俺の胸に手をつき恵美さんが制する。
何かマズいことをしただろうか?
「ごめんね、あの、嫌な訳じゃなくて……その、えっと……」
 よほど気まずいらしく、伏し目がちで口を濁らせる。
歯切れの悪い恵美さんの様子に心配になった。
「今日はやめときますか?」
 本音を言うと、今すぐにでもシたいが無理をさせるわけにはいかない。初めて同士でここまで来れば上出来だ。
しかし決してそのつもりはなく恵美さんは目を瞑り頭を横にブンブン振る。
その顔は今にも泣き出しそうだった。
意を決したように恵美さんはベッドから降り、机の引き出しを開いた。
「その……これ、着けてもらえる……かな?」
 震える手に持っていたのはコンドーム。
しまった……舞い上がっていて完全に忘れていた。
今日のために自分も持ってきていたのに。
「す、すいません!!俺、舞い上がってて」
「いいよ、気にしないで。ごめんね、本当は私も初めてはそのまがいいんだけど……そういう訳にもいかなくて…」
「そうですよね、俺もそう思います」
 やっぱり恵美さんは俺なんかよりずっと大人だ。
ちゃんと先のことを考えている。
欲に溺れることなく、冷静な自分がいて。二人の将来ことも考えていて。
俺とは大違い、申し訳ない気持ちでいっぱいになった。
「恵くん……」
 不意に背中から抱きつかれる。肌が直に触れ合い、背中に当たる2つの柔らかい感触に節操もなく肉棒に力が漲る。
「二人で最後まで……しよ?」
 ………耳元でそれは反則だ。
恵美さんをもう一度ベッドに寝かせ受け取った袋の封を破る。
目の前で着けるのは恥ずかしく後ろを向いて準備を整えた。
「恵美さん……い、いきますよ」
「………」
 特に言葉はなく、顔を真っ赤にしながらただコクリと頷いた。
確かめるようにお互いの舌を絡ませた後、肉棒の先端を姫割れに添わせた。
「………っ!!」
 ほんの少しだけ腰を進めるだけで恵美さんの顔が歪む。
充分に濡れていると思えたそこはとても狭く、これ以上進めるとは思えない。
285二人のめぐみ:2010/08/24(火) 02:19:23 ID:Ms+zlIGD
それでもなんとか先へ行こうとぐっ腰を前にした時、恵美さんが声を上げた。
「………いっ……いた……はぁ…はぁ」
「恵美さん、大丈夫ですか!?」
 紛れもない苦痛の表情、もはや羞恥心すらも忘れている。
しかし引き抜こうとしても出来なかった。亀頭だけが体に残り動けなかった。
「ごめん、痛いってわかってたけど…想像より、いたくて……」
 痛がっている相手に対して何も出来ない。ただ目尻の涙を拭うことしか出来ない。
それどころか、埋め込まれた亀頭から刺激が伝わってきていて今にも射精しそうだ。
「なるべく力抜いてください、一回抜きますから」
「いっ…た…!!」
「ちょっ、あ、くっ……」
 それは不意打ちだった。
中から引き抜こうとすると同時にモノへの締め付けが強くなった。
ゴム越しでもはっきり伝わる無数の肉襞の感触。
童貞かつ既に限界だった俺がその刺激に耐えきれるわけもなく……
一度出始めてしまえば止まることなく、ドクドクと欲望は吐き出される。
薄い膜の中に留まるその光景を眺めていると情けなくなってきた。
「恵くん……?」
「いや、あのー……恵美さんの中がとても気持ちよくて、あはは」
「本当に?だって、私……」
 たとえ恵美さんが痛くても、俺にとっては十二分に気持ちいい。
本当はもっと深く、長く繋がっていたいけど……それはすぐには無理そうだ。
「すいません、恵美さんに痛い思いさせて」
 体に異物が入るなんて痛いに決まってる。ならばもっと前戯に時間をかけて気持ちよくさせてあげたり出来たはずだ。
俺が焦りすぎた。
シュンとうなだれているとフワッと恵美さんが抱きしめてきた。
慈愛に満ちた、とても優しい目が俺を捉える。
「でもね、こんなこと言うのもなんだけど……嬉しかったよ。少しでも一つになれて」
「……俺もですから。むしろ俺の方が喜んでると断言します」
「やれやれ、恵くんには適わないな」
  わざとらしいため息をついてから恵美さんが微笑む。
俺は恵美さんを抱き返しベッドに横並びになった。
「恵美さん、今日はなんかいつもと違いますね」
「そう?どんな風に?」
「いつもはもっとクールというか……冷静で大人っぽくて。でも今日は表情豊かで可愛いです」
 あれ?恵美さんの姿が見えない、と思ったら毛布で顔まで隠していた。
「……細かく指摘されると恥ずかしいじゃない」
 ひょこっと目元まで顔を出して小さく言う。その姿がまた可愛い。
286二人のめぐみ:2010/08/24(火) 02:20:13 ID:Ms+zlIGD
「今日は私も余裕なかったからね。初めてのことだから、男の人を家に呼ぶのも、その、こういうことするのも」
 ということは慣れるとまたいつものクールな恵美さんになってしまうのか。
いつもの恵美さんも好きだけど、今日みたいな恵美さんも素敵だ。それを見れなくなるのは少し惜しいと思った。
「恵美くん、言いにくいんだけど……」
「なんですか?」
「できたらまた後でもう一回……挑戦しよ?」
 急いで言い切るとまたすっぽり頭まで毛布を被ってしまった。顔は真っ赤になってるに違いない。
俺は毛布を捲り恵美さんと目を合わせる。
「俺の方こそお願いしていいですか?」
 年の差など関係なく同じタイミングで初めてを共有できることが嬉しい。
返事の代わりに恵美さんが顔を寄せる。
もう一度抱きしめあい俺達はキスをした。
やっと恋人としてのスタートラインに立った気がした。


おわり

287二人のめぐみ:2010/08/24(火) 02:22:11 ID:Ms+zlIGD
以上です。
前回との間が空いてしまいすいません。
また続きを書くかは今のところ未定
288名無しさん@ピンキー:2010/08/24(火) 03:33:42 ID:RPx+kARM
えええええ、続いてくださいよ!
GJ過ぎるもの。としの差カップルなのに初めて同士って何かほのぼのしていいね。
289名無しさん@ピンキー:2010/08/24(火) 20:51:05 ID:nYiWdq5W
>>279-287
やっと続きが来たか、GJ!
恵美さんも初めてだったのか、可愛いな(*´Д`)ハァハァ
290名無しさん@ピンキー:2010/08/24(火) 21:29:33 ID:yaN4I1or
>>287
やだ……何これ……萌える
291名無しさん@ピンキー:2010/08/30(月) 16:14:03 ID:DvDzhinN
保守
292名無しさん@ピンキー:2010/08/30(月) 22:25:15 ID:FcyZyPtR
>>264です
とりあえず出来たので投下します。やたらと長くなってしまいましたが…。
15歳の不良中学生と20歳の女子大学生の話です。
293遠子と英介:2010/08/30(月) 22:26:46 ID:FcyZyPtR
英介君が生まれたのは、ある四月のあたたかな日の事でした。
その頃五歳になったわたしは、三歳になった弟を連れて、よく英介君の家に遊びに行っていました。産まれたばかりの英介君を見るためです。
やわらかな産着にくるまれた英介君は、本当にちいさくて、たとえようのないくらいかわいい赤ちゃんでした。わたしが人差し指を差し出すと、英介君はわたしの顔を見つめながら、わたしの指をきゅっと握りました。
おばさんはわたし達に、「英介がもう少し大きくなったら、二人とも一緒に遊んであげてね」と言いました。わたしは笑顔でうなずきながら、「大きくなったら、一緒に遊ぼうね」と、まだ口もきけない英介君にそう言ったのを憶えています。
それから英介君はすくすくと成長していきました。わたしが小学校に上がった頃、英介君はもう言葉も覚え始めていました。
わたしは弟と英介君とおばさんと一緒に近くの公園で遊びました。英介君はよく人見知りする子で、知らない人が話しかけると、わたしの後ろによく隠れました。わたしや弟の後ろをついて歩き回る英介君を見ると、わたしはもう一人弟が出来たみたいですごくうれしくなりました。
時々走って転んだりして、よく泣いたりもしました。おばさんにだっこされてからようやく泣き止む英介君は、なんだかかよわい仔犬のようでした。それからも、わたしは弟と英介君と一緒に遊びました。
294遠子と英介:2010/08/30(月) 22:30:37 ID:FcyZyPtR
ですが、それもあまり長くは続きませんでした。
わたしが、小学校の中学年に上がった頃から学校の友達と遊ぶようになったからです。英介君も英介君で、幼稚園に入園し、そっちの友達に夢中になっていました。わたしもそれならその方がいいと思い、そのまま自然と遊ぶことは無くなっていきました。
わたしが六年生になったとき、ようやく英介君は小学一年生になりました。
学校で姿を見かけた時はよく声をかけていました。英介君は大きくなったわたしに慣れないのか、声をかけてももじもじするばかりでした。
やがてわたしが中学校に上がると、もう完全に英介君との付き合いは途絶えていました。わたしは部活に入って帰りが遅くなり、英介君の生活リズムとはまったく違った生活を送っていたのです。
おばさんとは、家の近所ですれ違った時にあいさつを交わしていました。たまに世間話をする事もありましたが、英介君の名前が出たことはあまりありませんでした。
たまに、英介君の家の前を通るとき、不意に寂しい気持ちになることが何度かありました。もうこのまま、英介君には会えない。そんな気が、したからです。それでも、時間はながれていき…。
わたしは、いつのまにやら大学生になってい
295遠子と英介:2010/08/30(月) 22:34:01 ID:FcyZyPtR
わたしは、いつのまにやら大学生になっていました。

顔をなでる風が気持ちよい。夕暮れの街並みは、ノスタルジックでわたしの心をくすぐる。わたしは鼻歌を歌いながら自転車を漕いでいく。
コンビニの角を曲がった所で、ふと前方に、見覚えのある姿が見えた。英介君のおばさんだった。
おばさんもこちらに気がついた。わたしは自転車に乗ったまま軽く会釈し、「こんばんは」といった。
おばさんもこんばんは、と返してくれた。だがその直後、わたしはおばさんに呼び止められた。
「あ、遠子ちゃん」
わたしは数メートル走った後、ブレーキをかけた。振り向くと、おばさんは小走りにこちらにやってきて、
「遠子ちゃん、今、ヒマ?」
わたしにそう聞いた。

久しぶりに入った英介君の家は、前に見た時より小さく感じられた。こんな感じだったかなぁ、とわたしがきょろきょろしていると、おばさんが台所から顔を出して言った。
「遠子ちゃん、お茶とコーヒーどっちがいい?」
わたしは、頭の中では“どうぞおかまいなく”と思っていたのだが、つい「あ、じゃあ、お茶で」と言ってしまった。
「そう、じゃ、ちょっと待ってて」
おばさんはそう言うと台所の中に消えた。
部屋の中は静寂に包まれた。なんだか一秒一秒がすごく長く感じる。わたしはローボードの上に置かれた、なんだかよくわからない置物を眺めていた。
296遠子と英介:2010/08/30(月) 22:37:04 ID:FcyZyPtR
おばさんはわたしに頼みたい事があると言っていた。何だろう、頼みたい事って。わたしにできる事なんだろうか。そんな事を考えていると、ふとあることが気になった。
そういえば、今英介君は居るのかな。別に居ようが居まいがどうともないのだが、一度気になると無性に確かめたくなってきた。
わたしはこっそり玄関に戻ると、置いてある靴を調べた。
自分のスニーカーと、おばさんのものらしき女物の靴が二、三足。それと、男物だけどどうやらおじさんのものらしきサンダルが一足。
英介君はまだ、帰ってきてないようだった。
「おまたせー…あら?何やってんの?」
いきなりおばさんに話しかけられ、わたしはとびあがりそうなほど驚いた。
「あっ…えっと、靴を直そうと思って」
「あぁいいのよ気にしないで。ほら、お茶淹れたから、座って座って」
おばさんはソファをあごでしゃくった。わたしはすごすごと居間に戻り、ソファに座った。
おばさんはわたしの前にお茶を差し出すと、「おかき食べる?おいしいわよこれ」と、一緒におかきのたくさん入った器も差し出した。
わたしはいただきます、とお茶を一口すすると、おばさんをちらりと伺った。
「それでね、頼みたい事なんだけど」
…来た。わたしは少し身構えた。
「うちのね、英介の勉強を見てほしいのよ」
297遠子と英介:2010/08/30(月) 22:39:12 ID:FcyZyPtR
心臓がびくん、と動いた。
予想していなかったと言えば嘘になるが、それでも違うだろうという考えが大部分を占めていた頭の中は、一瞬だけまっしろになった。
「…え、英介君の勉強ってことは、要するに、カテイキョーシ、ってことですか」
意識せずとも、声がしどろもどろになる。
「まあ、そういうことになるかな。ほら、英介も今中学生で、しかも今年は受験あるでしょ?あの子ほっとくと勉強なんてほっとんどしないもんだから…」
「あれ?英介君ってもう中学生…?」
わたしがいま二十歳で五歳下なのだから当たり前なのだが、わたしは時の流れは恐ろしいと心から思った。
「ねー、この間まで赤ちゃんだと思ってたのに、時間の流れってあっという間だよねぇ。あたしも遠子ちゃんが大学合格したって聞いたときそう思ったもん」
「あっちょっと何ですかそれー」
わたしはおばさんと二人で笑った。おばさんは笑いながらおかきを一つ取ると、袋を開けながら言った。
「…うん、だから遠子ちゃん、ちょっとあいつの勉強見てやってよ」
「でも、受験のためだって言うなら、わたしよりもプロの人雇った方が良いんじゃないですか?わたし雇うよりそっちのほうがよっぽど確実ですよ」
おばさんはおかきをほおばり、苦笑しながら言う。
「うーん、まあそれも考えたんだけどね、でもー…今、あの子ちょっと荒れてんのよ」
298遠子と英介:2010/08/30(月) 22:41:57 ID:FcyZyPtR
…荒れてる?わたしはいまいち、英介君と荒れてるという言葉が繋がらなかった。
「荒れるっていうと…つまり…不良ですか」
おばさんはうん、とうなずいた。
なんてこった。あの小さかった英介君が、不良になっていたなんて。あの、わたしの後を一生懸命ついて歩いたあの英介君が…。
わたしはショックでしばらく何も言えなかった。そんなわたしを安心させるためか、おばさんは言った。
「…あ、大丈夫よ、荒れてるって言っても、そんなにひどい状態じゃないから。安心して。…まーそんなわけで、プロの人に頼もうとも思ったんだけどね。
見ず知らずの人じゃ、言うこと聞かないかもと思って。遠子ちゃんなら、小さい頃一緒に遊んだし、あいつも言うこと聞くだろうからさ」
「はぁ…」
どうやら、おばさんの話ではそれ程ひどい状態でもないようだ。でも、それもどの程度かは、わからない。
「心配しないで、そんな有名な進学校に上げろって言う訳じゃないの。せめて商業ぐらいで良いから…」
商業といえば、言っちゃ悪いが馬鹿が入る高校として有名だ。それで“せめて”と言うからには、かなりひどいのだろうか。自信がなくなってきた。
「ね?おねがいよ遠子ちゃん。あたしもなんだかんだ言ってもあいつがかわいいし、中卒で終わらせたくないのよ。情けない話だけど」
そう言うとおばさんは手を合わせて頭を下げた。
299遠子と英介:2010/08/30(月) 22:45:01 ID:FcyZyPtR
「うう…。で…でも…自分で言うのも自意識過剰ですけど、やっぱり中学生の男の子っていうと…その、いろいろあるんじゃ…」
自分で言っててなんだか恥ずかしかった。だが、おばさんは全然気にしないといった感じで笑い飛ばした。
「ああなに?思春期だから?ぜーんぜん大丈夫よあいつにそんなとこあるわけないじゃない、それに部屋で二人っきりってのが気まずいんだったらほら、ここでやったら良いじゃない。あたしは邪魔しないし」
そう言うとおばさんは目の前のテーブルをばしばしと叩いた。湯のみがかたかたと揺れた。
確かに、ここならあんまり気まずいという感じがしない。それに隣におばさんも居るなら安心できる。
わたしが少し気を許したのをおばさんは見逃さなかった。
「それに知り合いだからって別にタダでやらせようってんじゃないのよ。ちゃんとお金は払うし」
お金。この言葉にわたしの心は大きく動いた。今のわたしには確かにお金が必要だった。
わたしは大学の学費を自分で払っている。自分が行きたいと言って入った大学なのだから、それが当然だと思っていた。
ただ、いまのバイトでは学費と“諸々の支払い”で精一杯だった。自分で自由に使うお金もあまりない。
確かに、小遣い稼ぎには丁度良いかもしれない。
300遠子と英介:2010/08/30(月) 22:47:37 ID:FcyZyPtR
わたしの心が大きく揺らぐ。確かに英介君が不良になってしまったのはショックだが、その英介君の面倒を見るだけでお金が貰えるなら、嬉しいことこの上ない。
それに…不良の相手をするのは慣れている、つもりだ。どうしよう、引き受けてしまおうか。
その時だった。わたしが答えあぐねていると、玄関の扉の開く音がした。たぶんわたしは今日一日でこの瞬間が一番驚いた。
「あら、英介かしら?」おばさんはソファから立ち上がると、ちょっと待っててね、と言い残して玄関へと消えた。わたしは居間に一人取り残された。
奥から、おばさんの声が聞こえる。どこからか心臓の鼓動も聞こえる。
おばさんの声に、もう一つ、低い声が答える。鼓動が早く、そして大きくなっていく。
不意に、おばさんの“あいさつしなさい”という声が聞こえた。低い声は嫌がっているようだったが、おばさんはそれでも諦めなかった。
わたしは、会いたいような、でも会いたくないような、ヘンな気持ちで一杯だった。これほどヘンな気持ちになったのは今まで一度もない。
そうこうしているうちに、二つの足音が、こちらに向かってやってきた。
―ち、ちょっと待っておばさん、まだ心の準備が…!!
「ほら、久しぶりなんだし、ちゃんとあいさつしなさいよ」
おばさんは後ろに向かってそう言った。
301遠子と英介:2010/08/30(月) 22:50:02 ID:FcyZyPtR
おばさんに腕を引っ張られて、英介君が、部屋に入ってきた。
英介君は思ったよりも背が伸びていた。おばさんよりも頭一つ分くらい大きかった。
わたしは「あ、の、久しぶり」となるべく普段のようにあいさつした。「久しぶり」の部分が裏返った。
英介君とわたしは一瞬だけ目が合った。だけど英介君の方がすぐに目を逸らしてしまった。そして、これまた思ったよりも低い声で「…どうも」と言った。
わたしもなんだか気まずくなって、目を伏せようとした。しかし改めて見てみると、やっぱり不良なんだ、とつくづく思った。
伸びた茶色い髪、だらしなく開いた学ラン、シャツはもちろん出ているし、ズボンはだらだらと引きずっている。その姿に昔の英介君を重ねても、ただただ悲しいだけだった。
「これからあんたの勉強の面倒見てもらおうと思って、今話してたとこなのよ。もし決まれば、これから世話になるんだから、ちゃんとしなさいよあんた」
おばさんは英介君に言ったが、英介君はおばさんを睨むと、
「…別にいらねえし」と言って部屋を出て行こうとした。おばさんはちょっと待ちなさい、と言って英介君の腕を掴んだが、英介君は思い切り振りほどき、
「別にいらねえっつってんだろ!誰がんなこと頼んだんだよ!!」
と怒鳴った。
びっくりしているおばさんとわたしを一瞥すると、舌打ちを一つして、部屋を出て行った。
302遠子と英介:2010/08/30(月) 22:52:59 ID:FcyZyPtR
おばさんは、階段をのぼっていく足音にむかって、
「あんたご飯どうするの?」と聞いたが、返事の代わりにドアを閉める音が返ってきただけだった。おばさんはわたしを見ると、力なく笑いながら言った。
「…ごめんねぇ、みっともないトコ見せて」
おしまいに、大きな溜め息を一つついた。
…お気持ち、察します。おばさん。
おばさんは、なんだかさっきより老けて見えた。

翌日。わたしは弟の部屋を訪れた。襖をトントンと叩く。
「総太郎、ちょっと入っても良い?」
返事はない。今度はさっきよりも強めにバンバンと叩く。
「総ー、聞こえてんの!?入るよ!?」
やっぱり返事はない。もういいや、開けちゃえ。
勢いよく襖を開けると総太郎はびくりと体をふるわせてこちらを見た。CDでも聞いていたらしく、金色の頭からヘッドホンを取ると、わたしを睨んでいった。
「何勝手に開けてんだよてめえ」
「ちゃんとノックしたんですけど。あんたが聞かなかったくせに勝手もクソもあるか。…ていうか、あんた相変わらず部屋きったないねえ」
わたしは足の踏み場を探しながら部屋へ入る。
「おい入んなよ」
「良いじゃんちょっとぐらい」
部屋をぐるっと見回す。脱ぎ散らかした服に、ゴミ、積み上がった漫画や雑誌、CDやゲームのケース…よくもまあ、こんなにものがあふれるものだと逆に感心してしまう。
303遠子と英介:2010/08/30(月) 22:55:13 ID:FcyZyPtR
「うわ、あんたこれタバコの吸い殻!?捨てなさいよこれ、さいてー」
わたしは吸い殻の何十本もたまった灰皿を拾い上げる。
そう、何を隠そう、うちの弟総太郎もまた立派(?)な不良だったのだ。
「あんた今日仕事休みなの?」
「休みじゃなかったら居るわけねーだろ」
ベッドの上に大の字になって寝転がる総太郎に尋ねる。総太郎は昼間働いて、夜学校に通っている。
わたしはCDのケースを踏まないように奥へ進み、押し入れの前へたどり着く。
「あんたさぁー、中学の時の教科書とか持ってない?」
わたしは押し入れを開け、下の段を漁ってみる。
「えー知らねー。捨てたんじゃねーの、つか勝手に開けんなってだから」
総太郎はベッドから起きあがると服やゴミを踏んづけてわたしの隣に来た。
「いや、あんたは持ってるはずだよ。あんたはそう言う奴」
わたしはダンボールを片っ端から開けながら言う。箱の一つには小学校の時のランドセルが入っていた。これなら教科書もどこかにある可能性が高い。
「おー懐かしいなこれ」
わたしが開けたダンボールを覗きながら総太郎が言う。その表情はまるで子供のようだ。
なんだかんだ不良ぶってても、昔から思い出を大事にするやつだった。わたしは弟のそういうところが好きだ。
思い出に浸る総太郎を横目で見ながら、わたしは五個目のダンボールを開けた。ようやっと、お目当てのものが顔を出した。
304遠子と英介:2010/08/30(月) 22:58:01 ID:FcyZyPtR
「おお、あったあった。えっと国語、数学、理科、地歴公民、それに英語。うん主要な教科は全部揃ってる。ちょっとこれ借りるよ」
「…良いけどなにすんの?」
「ん?まぁちょっとね、家庭教師のバイト始めるかなと思って」
総太郎はきょとんと目を丸くした。
「家庭教師?家庭教師って、あの家庭教師?え?お前が?教えてもらう側じゃなくて?」
「そうよその家庭教師よ、まあまだ決まった訳じゃないけど。っていうわけだから、ちょっとこれ借りてくよ」
わたしは来た道を、またCDのケースを踏まないように気を付けながら、かろやかに戻っていく。
「ふーん…っておいお前これ片づけてけよ!」
後ろで総太郎が怒鳴ったが、聞こえないふりをした。

自室に戻って早速教科書を見てみる。後ろには汚らしい字で
「三年二組 渡瀬 総太郎」
と書かれていた。
国語を手にとってパラパラとめくってみる。案の定、落書きだらけだった。
「…あいつ…」
予想してはいたことだったが、予想していた分なおさら呆れた。だが、殆どがくだらない落書きの中にも、たまに面白いのが幾つかあって、中には腹を抱えて笑ってしまったのもいくつかあった。
…英介君も、こんな落書きをしたりしているんだろうか。
昨日見た英介君は、いろんな意味で変わっていた。でも、それと同時に…おばさんもなんだか変わった気がした。なんだか無理に笑っている感じがした。
305遠子と英介:2010/08/30(月) 23:00:40 ID:FcyZyPtR
―見ず知らずの人じゃ、言うこと聞かないかもと思って。遠子ちゃんなら、あいつも言うこと聞くだろうからさ―
あの時おばさんはそう言っていた。でも本当の理由は別にあったんじゃないだろうか。
おばさんは、わたしに英介君を戻して欲しいのかもしれない。昔の可愛くて、優しかった英介君に。
「…なんで変わっちゃったんだろ、英介君」
わたしは溜め息をつきながら、積み上げた教科書の上に頭を寝かせた。そっと目を閉じる。色々考えたけれど、特に答えは思い浮かばない。当たり前か。…なんで当たり前なんだろ。
…そっか、英介君のこと、何にも知らないからか。
わたしは、わたしが見てこなかった八年間の英介君を何も知らない。好きな食べ物すらわからない。それを知るには、やっぱり。
しばらく考えた。答えが決まった。
「…やるか、家庭教師」

---------------------

寝返りを打ったところで、目が覚めた。ぼやけた目で時計を確認する。
十一時半。三時間目が終わるところか。
のっそりと起き上がり、あくびをしながら首の後ろを掻いた。今日はいつもより起きるのが遅くなった。昨日なかなか寝付けなかったせいで。
“あの人”が、来たせいで。
最初、誰だかわからなかった。大きくなっていたし、小さい頃にはしていなかった眼鏡をかけていたし、化粧していたし。
306遠子と英介:2010/08/30(月) 23:04:07 ID:FcyZyPtR
だから最初、“あの人”だってわからなかった。たぶん向こうも、わからなかったと思う。
…家庭教師か。“あの人”が。あのババア、なんでいらねーことばっかりすんだよ。
「…あーめんどくせぇ」
そう呟きながら、俺は制服に着替え始めた。

---------------------

その日の夕方、昨日と同じようにバイトから帰ってきたわたしは、また昨日と同じように英介君のおばさんと出会った。
わたしが家庭教師を引き受けることを決めたと伝えると、おばさんはとても喜んでいた。
「わたしいつもこれ位の時間にバイト終わるんで、それから弟のご飯作ってってなると…六時頃になるかな。時間はいつ頃が良いですか?」
「ああいいのよこっちはいつでも大歓迎だから」
307遠子と英介:2010/08/30(月) 23:05:01 ID:FcyZyPtR
「じゃあ…晩御飯の後にしますか。英介君いっつも何時頃ご飯食べ終わります?」
わたしがそう言うとおばさんは急に苦い顔になった。
「ああ…うーん、晩ご飯、…いっつもバラバラなのよね。早く帰ってくる日もあるけど、帰りが遅くなる日もけっこうあるから」
これは盲点だった。確かに不良が規則正しい生活なんて送ってる訳がない。でも、決まった時間に始められなくちゃ、こっちも困る。
「でも、あたしもなるべく決まった時間に帰ってこさせるように頑張るから。せっかく遠子ちゃんがやる気だしてくれたんだもんね」
おばさんはやる気に満ちた表情で言う。
「ええ、そうしてください。じゃあ…来週の月曜日の、午後七時半頃、そっちに行きますから」
わたしはそう言うと、おばさんと別れ帰宅した。
さて、これからどうなるか。期待と不安の入り混じった気持ちで、わたしは玄関のドアを開けた。
308遠子と英介:2010/08/30(月) 23:08:50 ID:FcyZyPtR
今回はここまでです。
エロまで持っていけるかどうかわかりませんが、というか持っていけてもいつになるかわかりませんが、とりあえず気長に待ってもらえればいいと思います。
309名無しさん@ピンキー:2010/08/31(火) 01:50:41 ID:P6ayYV3l
>>308
乙!!
やさしい眼鏡のお姉さんですか
エロに期待
310名無しさん@ピンキー:2010/08/31(火) 10:24:15 ID:1wL+3gGX
>>292-308
GJです。
これは今後に期待
311名無しさん@ピンキー:2010/09/02(木) 18:08:31 ID:PFpFvUqA
投下待ち
312名無しさん@ピンキー:2010/09/04(土) 20:28:23 ID:zexN42MN
これの逆バージョンも良くないか
不良娘とおっさんとか
313名無しさん@ピンキー:2010/09/04(土) 21:36:01 ID:i3uTJw+J
この板、お姉さん×少年だけじゃなく
おっさん×少女需要は、あるんだな?
よかった 俺だけかと思っていた ちょっとずつ書いてみよう
314名無しさん@ピンキー:2010/09/04(土) 21:41:57 ID:kF32pejW
>>312
おっさん相手に照れる不良娘とか萌える

>>313
ありまくるよ過去の作品や雑談見ても大人気
期待してます。
315おっさん(←)少女:2010/09/04(土) 23:06:50 ID:i3uTJw+J
じゃあほんの軽いものだけど置いていく

***

 そこそこの日々、そこそこの給料、そこそこのアパート。
なんとなく自炊してなんとなく寝に帰って、でも好きな作家の文庫はすぐ手元にあるような、
そんな住み慣れた部屋の扉の前。
くたびれたスーツのポケットから鍵を探し当てる作業の途中で、支倉は深く、わざとらしい溜息を吐いた。

「…お前なあ」

 じゃり、指に引っ掛けたキーホルダーには雑多に色んな鍵が引っかかっていて、
その中から扉の鍵を選びながら、自分の部屋の前に近づく。
暗い中でも“それ”が扉の前で膝を抱えるように座り込んでいたのに気づいたのには、
もちろん訳がある。
年頃の娘らしく、彼女の携帯は常に開かれたままで、
強い光を放つ液晶が彼女の繊細な鼻筋を浮かび上がらせていたからだ。

 できるだけ音を立てずにと、神経を使いながら安っぽい階段を上がってきたところで、
少女はとうの昔に彼の帰宅に気づいていた。
だがわざわざ視線をやったとして、何を言えばいいのか分からず、
毎回毎回こうして無言の出迎えをしてしまうのだった。

 スーツに似合う質素な革靴が床を叩く無機質な音で、ようやく楓は顔を上げる。
目の中に映りこむ液晶の光がきらきらと瞳を光らせ、潤むような瞳で見上げられる支倉に
視覚的になにかを訴えかけてきたが、そんなことはもう日常茶飯事なのでときめくなんてことはない。
まさかガキでもあるまいし、と老けた考えをめぐらせながら、楓が立ち上がるのを確認した。

「この不良娘め、また家出モドキか」
「うるさいな、黙って泊めてよおっさん」
「…ちっ、口の減らねえ」

 オッサン、と言われたことに、もはや反論できない年まで来ていることを、支倉は自覚していた。
例えば、睡眠時間が短くなってしまった次の日は使い物にならなくなってきてしまっただとか。
前は好んで摂っていたはずの油分をあんまり欲しがらなくなったことだとか。
もはや何も言うまい、別に後悔など微塵もしていないのだから。

鍵を差しこみ、がちりと音を立ててロックが解除された。
立て付けの悪いドアが軋みながら開かれ、そして外に立ったままの少女を見たのち、
「夕飯は」
「支倉さんまだでしょ、私が食べてるわけないじゃん」
するりと、猫のように部屋に上がりこまれる。
だがしかし、しっかりとローファーがかかとを揃えて並べられていることに気づき、
…ちょっとだけだ、ほんのり和んだ気がした。
316おっさん(←)少女:2010/09/04(土) 23:07:40 ID:i3uTJw+J
「たばこくさい」
「棚の上な」
「…、いい、面倒だし」
 部屋に上がりこむなり、他人の部屋に文句を言う女子高生。
そんなやり取りも慣れたもので、楓が転がり込むようになってから常備されるようになった
消臭スプレーを指差すと、決まって楓は断った。
支倉は、楓が断るのを知っていたが、なぜか何度も同じことを繰り返してしまう。
それは彼女が制服を着ているからで、それにこんな危険物の匂いが移ってしまったら
なんというか、教育上よろしくない気がするからだ。

 ポストに突っ込まれていた郵便物を玄関先に乱雑に投げ捨てると、
楓が請求書やらハガキやらの中からひとつを拾い上げた。
「…新聞も読まずに出て行くの?」
「ん? ああ、今日は急いでてな」
 今日の朝は小雨が降っていたから、新聞にビニールがかかっていた。
それが破かれることもなく夜まで放置されていることが最近多くなってきている。
小さい文字を読むのは仕事だけでいい、だなんて、そろそろ眼鏡の買い替え時だろうか。

「そういや、お前」
「…」
「おい」
「……」
「楓」
「なに」
 名前で呼んでやると、わかりやすく態度が変わる。
こちらをちらりとも見ずに野菜を切り続ける楓に、いつの間にかエプロンがつけられていた。
それも、楓が来るようになってから支倉の家に増えたものの一つだ。
渋みのある色で飾り気など全くないそれは、彼自身がつけるために購入されたのではない。
真っ白で薄そうな背中に張り付くシャツ。
その上で結ばれたエプロンの紐が彼女の体が揺れると同じように揺れた。

 だが、今の問題はそこではない。
「お前、朝よりスカート短くなってんだろうが」

 とん。
 包丁の音が止まり、楓が慌てて振り返った。
元々色が白いせいで動揺などが隠しにくい彼女の耳先が真っ赤になってゆく。
「…ど、どこ見てるわけ!? えろおやじっ!」
「えろおやじだぁ? 俺はお前に健全に学業に励んでほしくてだな。
 あとハイソックスはどうした、ニーソックスは暑いんじゃねえのか」
「…っ、ばか! えっち! …ばかあ!」
317名無しさん@ピンキー:2010/09/04(土) 23:10:26 ID:i3uTJw+J
書き込んだあとに気づいた、エロ無しです ごめんなさい

女の子とおっさんの組み合わせがたまらない
おっさんの年齢は三十半ばぐらいだろうか
318名無しさん@ピンキー:2010/09/05(日) 01:46:15 ID:XD3uj/E2
>>315-317
乙!!
ニヤニヤ出来る良い話だった
消臭スプレーを使わないのはおっさんの臭いが恋しいから?
続きとか過去編に期待したい
319名無しさん@ピンキー:2010/09/06(月) 00:38:30 ID:leZnkvEf
おっさん少女いいね〜
320名無しさん@ピンキー:2010/09/06(月) 06:04:23 ID:R1HdLvkG
おっさんと美少女の組み合わせは背徳的で萌える
おっさんのネチっこい責めで鳴かされたりとか
321名無しさん@ピンキー:2010/09/06(月) 13:32:54 ID:a+eBARHe
少女じゃないけど、川上弘美の「センセイの鞄」は歳の差カップルものとして面白い
322名無しさん@ピンキー:2010/09/07(火) 07:53:42 ID:7EetIG5+
>>320
お前は俺か

RPGとかで必ず一人はいるおっさんとヒロインの組み合わせとかが好き
同人とかエロパロでも数は少ないけど
323名無しさん@ピンキー:2010/09/07(火) 17:22:42 ID:p2ppb/6U
FEにはけっこうおっさんと少女あるね
烈火のオズセラとか蒼炎のハルジルとか
まあ自分の好みだけど
324名無しさん@ピンキー:2010/09/07(火) 18:41:28 ID:1rT/U6CE
これを貼れと言われた気がした。みんな分かってるな。

ttp://waranote.livedoor.biz/archives/1255348.html
325名無しさん@ピンキー:2010/09/07(火) 20:08:10 ID:7b1eErUl
それを見てここに戻ってきた。
同志よ

>>323
ハールさんやオズインさんは本当に理想のおっさんだった
個人的にロレンスさんとグルニア双子はセット
326名無しさん@ピンキー:2010/09/07(火) 22:14:58 ID:HoFREbk9
>>323
自分もその二組大好き。お前と飲みに行きたいぐらいだ。
オズイン×セーラは仕事一筋堅物騎士(しかも老け顔)と唯我独尊ツインテシスターっていう何から何まで正反対な二人なのにペアエンド用意してあってびっくりしたwww
ギャグはもちろんだけど、ウーゼル絡みでシリアスもいける。
何よりオズインにきつく叱られて泣き出したセーラが、その後一気にオズイン様好き好き状態になるのが可愛すぎ。

ハール×ジルは不真面目おっさん×真面目少女とテンプレ通りでゲーム中何度もニヤニヤしたww
暁で正式にくっついたと聞いた時は思わずガッツポーズ取ったほど
327名無しさん@ピンキー:2010/09/07(火) 23:45:17 ID:rLLYw19F
親父×少女(幼女)だとFF10のアーロンとリュックや精霊の守り人のジグロとバルサ、
ブラックラグーンの銀次と雪緒とかが好きだ
後映画シン・シティのハーディガンとナンシーとか…親父の死亡率半端ないけど

>>315と遠子と英介、どっちも凄くよかった
優しいだけじゃなくて意外としたたかそうな遠子も年相応に純な英介も
ツンツンしててもうぶな楓も老けに自覚的だけどまだまだ現役そうな支倉も
全員続きが楽しみだ。待ってる。
328名無しさん@ピンキー:2010/09/08(水) 02:56:08 ID:U/WNBz3f
>>324のスレの21って何の作品?
329名無しさん@ピンキー:2010/09/08(水) 03:41:58 ID:egiBUDsM
一つ火の粉の雪の中を思い出した
330名無しさん@ピンキー:2010/09/08(水) 03:46:25 ID:Mrtkxpwu
このあいだ、ピクサー映画のバグズ・ライフを初めて観てみたんだが
主人公の青年アリとチビ姫さまに、めっさ萌えてしまった
おっさんと少女ってほど年齢差はなさげだったが
誰からも理解されない主人公アリの発明品を素直に喜び、無邪気に懐くチビ姫とかもう堪らんわい

あと、映画といえばレオンがよく話題に出るけどマイ・ボディガードも最高
あれぞおっさんと少女の醍醐味がつまっている
331名無しさん@ピンキー:2010/09/08(水) 11:58:02 ID:kP+hBnne
藤田和日郎の瞬撃の虚空に出てくるじいちゃんはかっこ良かったな
アメリカ軍の姉ちゃんが、最初は協力を仰ぐだけだったのが
途中から明らかに羨望の眼差しで見つめてるのが堪らんかったよ
332名無しさん@ピンキー:2010/09/08(水) 16:11:01 ID:GGRFuE0D
>>315-317
少女が通い妻状態で家事してくれるの萌える


少女に慕われたり羨望されるおっさん良い
333名無しさん@ピンキー:2010/09/08(水) 21:32:48 ID:b9XW/Pzg
>>315です。
つづきを書いたんだけど、また非エロです ごめんなさい。

次から4レス失礼します
334>>315つづき 1/4:2010/09/08(水) 21:33:39 ID:b9XW/Pzg
「…」
 楓は朝が弱い。
それはたまに自分のベッドを明け渡してやるようになってから知ったことのひとつだ。
今日のネクタイはどれにするかな、なんて考え始めた支倉は、
未だに掛け布団の中で丸まったままの楓を見やる。
時計へスライドし、さすがに起こしてやらにゃ可哀相かと、ベッドの上の膨らみに声を投げかけた。
「お嬢ちゃん、起きてるか」
「……」
「おい、楓。起きろ、トースト冷めんぞ」
「……いま、なんじ」
「八時」
 楓が飛び起きた。
布団を蹴飛ばすようにしてベッドから跳ね出る楓は、花の女子高生らしからぬスウェット姿で、
それもまたベッドと同じく支倉がいつも着ているものの内の一組だ。
色気のないことだ、と内心で思いつつ、
髪を慌てて撫で付けながら制服の掛かったハンガーに手を伸ばす彼女を眺める。
無意識のうちに手が胸ポケットを探っていて、はっとした。
我慢だ我慢、未成年の居る場所で喫煙なんぞ。

「え、あ…う、嘘つき! まだ七時半じゃん!」
「あーすまんすまん、見間違えだ」
「…老眼!」
 なにやら不名誉なことを言われた気がするが、支倉は相手にしようとしない。
起き抜けの楓は機嫌が悪いから、
下手に近づけば重箱の隅に風穴を開けたいんじゃないかと思うぐらいに突っつきまくる。
さすがにポストが赤いことまで支倉のせいにされてはかなわない。

彼女が洗面台に向かうのを確認して、湯を注ぐために電気ポットのボタンを押す。
マグカップの中に入っているのは朝の定番インスタントコーヒーの顆粒――ではなく、
安い紅茶のティーバッグだ。
支倉は紅茶は飲まない、これも楓のために買ったものである。
ティーバッグを手荒く揺すり、シンクに放り投げる。
あらかじめ温めておいた牛乳を注いでやると、
真っ白なそれが透明感のある紅茶の中に濁って一体化していった。
335>>315つづき 2/4:2010/09/08(水) 21:33:59 ID:b9XW/Pzg
「ほらよ」
「ありがと」
 トーストに紅茶、それに個別包装された小さなチョコレートをひとつを添えてやり、
支倉は自分の口の中にもチョコレートを放り込んだ。
朝に一粒のチョコレート、それはいつごろからの習慣かと聞かれれば、
それもまた楓と会ったときからのことだった。
なんだかんだ言っても楓とは長い付き合いで、まあ、簡単に見捨てられるような関係ではない。
口の中にべったりと溶けていく甘い味を味わいながら、楓と向き合うようにテーブルを挟んで座る。
ジャムは塗らずにバターのみ、紅茶には砂糖無しの牛乳のみ。
楓が支倉好みの味付けができるように、支倉も楓好みのメニューを用意することができるのだ。
「支倉さん」
「どうした」
「ネクタイね、青いストライプのがいいんじゃないかな」
「あーあれな、うん。まあ。そうするか」
 そういえば忘れていたが、襟を立てていたのはネクタイを締めるためだ。
腰を下ろしたばかりで面倒だが、ものすごく面倒だが、立ち上がってネクタイを締めて襟を正さねばならない。
「ところで楓、髪がはねてるのは最近の流行なのか?」
「…!!」

***

「いつまで洗面台にくっついてるつもりだったんだか」
「だ、だって。…か、……髪が、………はねが…」
「ん? なんだって?」
 楓が何事かを口の中でもごもごと言った気がしたが、
支倉のギア操作の音によってかき消される。
聞き返したが答える気はないらしく、楓は黙って助手席に座っていた。
スカート丈は昨日より長い。
信号待ちの間を埋めるように、カーステレオが今朝のニュースを読み上げる。
今年の夏は例年以上に暑いので――政府はこの件について方針を――遊園地のコマーシャル、天気予報。
ぼんやりと聞き流しているだけだが、無言よりもずっといい。

 八時になっても洗面台から離れない楓を見てられず、甘やかしていると自覚もしていたが、
学校まで送ってやろうかと言ったのは支倉だった。
「…」
 ちらりと腕時計を見る。
楓の学校の始業には間に合いそうだ、
支倉だって別に急がねばならないほど余裕がないわけではない。
ゆっくり安全運転で彼女を送り届けてやろう。
信号が青になり、ギアを入れ替えてアクセルを踏んだ。
少しエンジンを温めたのちにギアを進め、加速してゆく。
「遠藤さん、元気か」
「お母さんもお父さんも元気。よろしくねって言われてる」
「はは」
 なおさら安全運転をしなければならないに違いない。
尊敬する先輩の娘さんなのだ、怪我のひとつでもさせるわけには。
336>>315つづき 3/4:2010/09/08(水) 21:34:32 ID:b9XW/Pzg
 “遠藤さん”は、楓の父であり、支倉の先輩であった。
彼女が生まれる前からの付き合いで、大喧嘩だって経験したことのある、気の置けない人物。
尊敬しているし、大事な友人としてこれからも付き合っていきたい。
だがいかんせん多忙な人だ、妻兼助手を務める奥さんと一緒に仕事に追われる毎日と聞いている。

「じゃあちゃんと面倒見てやらねえとな」
 そう、“尊敬する先輩の娘さん”と“面倒を見てやる近所のおにいさん”。
そういえば最初はそうだった。
自分がお兄さんと呼ばれるのに違和感を感じるようになったことに時間の流れを感じる。
楓だって、今こそすまして「支倉さん」、なんて呼んではいるが、
十年前は支倉のおにいちゃん、だったはずだ。
楓ちゃん。支倉のおにいちゃん――そんな時期があったことも、もはや思い出の一ページ。

 ふと気が向いた。
「楓ちゃん」
 本当に気まぐれだった。
何の気なしに、昔の呼び方を思い出したからただ口にしてみた。
思ったより響きが懐かしくて、時間の流れというものは早いんだなあ、と思ってみたりもする。
楓、と呼び捨てるようになったのも、楓が中学に上がる頃にせがまれてだったような気がする。
たぶんあの頃の楓は思春期真っ盛りで、小学校からの呼び方なんて子どもっぽくて嫌になったんだろう。
二週間ほど呼んでやれば満足するだろうと思ったが、ずるずると今まで引きずってきて、
――いまさら“楓ちゃん”だなんて。

 返答がない。
ちらりと助手席を見やると、ばちっと楓と目が合った。
なんだ聞いてるんじゃないか、と言いかけたところで、急に支倉の携帯が震えだした。
マナーモードにし忘れたのか、初期設定の電子音が狭い車内に響く。
「やべ、会社か…? はい、支倉です」
 運転中に電話に出るのは本当は悪いことだが、信号待ちだから許して欲しい。
ここの信号待ちは長いことで悪名高いのだ。
電話の向こうは幸いにもただの友人で、連絡事項を数点早口で伝えられてすぐに切れた。
随分と簡単な同窓会のお誘いだ、ハガキとか来なくていいんだろうか…などと考えつつも、
まあ幹事がやることに口を挟むものでもないと携帯を畳む。
337>>315つづき 4/4:2010/09/08(水) 21:36:43 ID:b9XW/Pzg
 軽い溜息を吐くと、助手席のシートベルトが外される音がした。
「わ、私、行くね」
「は? 校門まで乗ってきたいっつってたろ」
「いいの」
 あまりに長い信号待ちに焦れたのかと思ったが、
楓はむしろ外に出たそうにしているように見えた。
まあ無理やりに引き止めるのもどうかと思ったし、歩きたいなら歩かせるべきだ。
ドアを開けて、楓の華奢な体が朝日に晒された。真っ白いシャツの首元に揺れるリボンが赤く、目に痛い。

 ドアを閉める直前。
 楓は意を決したように顔を上げ、自分の選んだネクタイを締めた支倉をまっすぐに見て、早口で言った。
「ありがとう、支倉の…おにいちゃん」
 言い終えるか微妙のラインでドアは手荒く閉められ、楓は歩道へ駆けていった。
その後姿を眺め、それから、ああ今のはさっきの“楓ちゃん”を受けての返答だったのかとようやく合点がいく。

「…俺も年取るわけだ」
 あんなに小さかった“楓ちゃん”は本当に楓なのだと突きつけられた気がして、支倉は溜息を吐いた。
まだ信号は変わらない。
338名無しさん@ピンキー:2010/09/08(水) 21:38:17 ID:b9XW/Pzg
今回は以上です。

ところで、今回みたいな非エロ純愛SSをここに投下しても大丈夫なんだろうか?
この二人でエロまで持ち込むにはちょっと時間かかりそう…
エロパロに長々とエロなしSSを投下するのも申し訳ない気はするんだが
339遠子と英介:2010/09/08(水) 22:14:50 ID:jpADLTfv
>>338
そんなこと言ったら自分のSSなんてどうなるんだ…?エロにいくまで大分かかる予定なんだが

個人的にはエロに入るまでの過程をじっくり書いてくれた方がエロシーンの喜びもひとしおなんで構わないけども
340名無しさん@ピンキー:2010/09/09(木) 01:04:43 ID:Pa3/zJdN
>>333-338
乙です!!
いや「エロ」「パロ」板だしないならないで構わん
勿論濃厚でねっちょりと詳細なエロ描写はあるならあったほうが良いけど
支倉さんはベッドヤクザな予感なのでエロ楽しみにしてます。
別にエロまで長くても良いので

>>339
遠子と英介も楽しみにしてます
341名無しさん@ピンキー:2010/09/09(木) 01:11:15 ID:VT3BWwff
>>338
GJ!

非エロ純愛が長々続いた挙句、
エロは朝チュン程度でしたwにならなければいいんじゃないか?
個人的にはじれじれ展開も大好物なので大歓迎
続き全裸で待ってるw
342遠子と英介:2010/09/09(木) 23:16:18 ID:ivfZdoZj
前回の続きです。とりあえず、前回よりは二人が会話してます。



時計の針の音が、一定のリズムで鳴っている。わたしは、時計を見上げた。もう何度目になるかわからない。
午後七時五十七分。時計は、間違いなくその時刻をさしていた。居間には、わたしとおばさんの二人だけがいた。
「…ごめんね、遠子ちゃん。あいつ、ほんとどこで何やってんだか…」
おばさんは溜め息をつきながら言った。
わたしが英介君の家に着いたのは、今から三十分前の事だった。扉が開くなり、困惑した表情のおばさんが出てきた。
英介君が、まだ学校から戻ってこないらしく、おばさんは相当慌てていた。
わたしは、忘れているのかもしれない、もしかしたら途中で思い出して帰ってくるかもしれないと言って、おばさんを落ち着かせ、待たせてもらうことにした。
そうして三十分間、じっと待ち続けてきた。
「ほんとうにごめん、あれだけ何回も言っておいたのに…」
おばさんが言った次の瞬間、時計から音楽が流れてきた。音楽に合わせて時計の中の人形達が踊り始める。とうとう、八時になってしまった。
ある程度は予想していた事だったが、いくら何でもあんまりだ。わたしはしびれを切らして立ち上がった。
おばさんははっとして、不安げな表情でわたしを見上げた。帰ってしまうのかと心配したのだろう。でも安心して、おばさん。
わたしは言った。
「英介君を、探してきます」
343遠子と英介:2010/09/09(木) 23:18:05 ID:ivfZdoZj
---------------------

「おい、今何時」
隣でコーラを飲んでいた小林に聞いた。小林はえー、何時だ?と呟きながらポケットから携帯を取り出し、片手で開いて画面を確認した。
「お、ちょうど八時だ。こーいうのってなんかちょっとラッキーじゃね?」
八時か…。もうそろそろ、帰っただろうか。
「牧田も携帯ぐれぇ持てばいいのに。今時別に早くもねえべ中学なら」
小林の隣に座っていた江橋が携帯をいじりながら言った。俺はああ、と曖昧な返事を返した。
最初に言われたのは、一昨日のことだった。家に帰ると、ババアがいきなり出てきて言った。
“あの人”が家庭教師として来ることに決まったから、これからは早く家に帰るようにしろと。
俺はもう、怒鳴る気にもなれなかった。何でこうも、いらない事ばかりしてくれるのか。
そのままババアは、明後日の七時半には来るから、それまでには帰ってきて飯を済ませろと言ってきた。
だが俺はそんな気さらさらなかった。勉強何て面倒臭いし、何より、“あの人”と会いたくなかった。
だから今、こうやってコンビニの前で時間を潰している。しかも、家の近くのコンビニではなく、少し離れたコンビニでだ。
ふと、腹が鳴った。そう言えば昼から何も口に入れてない。
「…おめーらなんか食った?」小林に聞いてみる。
344遠子と英介:2010/09/09(木) 23:20:29 ID:ivfZdoZj
「ん?俺は家で飯食ってきたけど、江橋は?」
「んー?俺もさっき食った」
江橋は相変わらず携帯をいじりながら言った。何だよ、何も食ってねーの俺だけかよ。
「…何か買ってくるわ」
俺は面倒臭えと思いながら立ち上がろうとした。その時だった。
「英介君」
高い声で、名前を呼ばれた。

---------------------

「英介君」
わたしは膝に手をついて立ち上がろうとした英介君を呼んだ。
英介君と、その隣に居た二人の男の子が、一斉にこちらを見た。
カンが当たって良かった。わたしは何となくここだろう、と思っていた。
というのも、総太郎もよくここに来ていたからだ。
お父さんと喧嘩してそのまま家を出ていく総太郎を探すのがわたしの役目だったから、不良の行きそうな場所というのは何となく目星がついていたのだ。
コンビニにたむろするなら家の近くにもあるのに、わざわざちょっと離れた所を選ぶのは、家から少しでも離れたいという心理の表れだろうか。
まあ何にしてもご苦労なことで。
「…な、何で…」
何でわかった、てか?
英介君は目を丸くしてこちらを見ている。隣で座っている男の子は、何があったのかわからないという顔でわたしと英介君を交互に見た。
「何となくここじゃないかって思ったの。さ、早く帰ろう。勉強始めるよ」
わたしは英介君のそばへ行くと、手を差し出した。英介君はわたしの方を見ずに、ただ黙っていた。
345遠子と英介:2010/09/09(木) 23:22:42 ID:ivfZdoZj
「…おい牧田、こいつ誰?」
英介君のすぐ隣に座っていた男の子が英介君に言った。こいつって…せめてこの人って言いなさいよ。
わたしはそう言いたくなるのを抑えて、もう一度英介君に言った。今度はさっきよりも、強い口調で。
「英介君、何度も言わせないで。早く帰るよ」
「…っせえな…」
英介君は、わたしに聞こえるか聞こえないか位の声でぼそっと言った。
「勉強とか面倒臭えし…」
それに続いて、英介君の隣の男の子が言った。
「つーかさ、勉強って別にやる意味なくねえ?あんなん社会に出ても大して使わねーだろ」
…何言ってんの、この子。わたしはこの言葉に苛立ちを覚えた。
社会に出ても使わない?まだ社会に出たこともない子供が、何を偉そうに言ってるんだ。
わたしは、英介君だけじゃなく、三人を見据えて言った。
「君たち、英介君もだけど、高校に行きたいと思わないの?高校に行くには、勉強して、受験に受からないとだめなんだよ」
すると、携帯を片手に一番奥に座っていた少年がめんどくさそうに口を開いた。
「別に高校なんて、行けりゃどこでもいいし…」
その言葉が、さらにわたしの神経を逆なでする。
どこでもいい。自分の人生のこれからを決めるっていう時に、“どこでもいい”だと?あまりに人生をナメている。
さらに、英介君が続けた。
「…つーか、高校なんて出なくても別に生きていけんだろ」
346遠子と英介:2010/09/09(木) 23:25:09 ID:ivfZdoZj
その言葉がいけなかった。わたしの一番触れてはいけない部分に、触れてしまった。
わたしにしか聞こえない音を立てて、堪忍袋の緒が切れた。
「…おい、今なんつった」
「…は?」
三人がわたしを見上げた。わたしはもはや、決壊したダムのようだった。
「別に高校出なくても生きていけるだぁ!?生意気な事ぬかしてんじゃねーぞこのクソガキが!!
今大学出ても仕事がねーっつーこの時にてめぇ十五そこらのガキが高校もロクに出ねーでどうやって飯食ってくっつんだよ!!あんま世の中ナメてっとぶっ飛ばすぞこのタコスケが!!」
周囲が一瞬にして静まり返る。三人は目をまん丸にして、わたしを見上げ固まっていた。
「…あ」
やってしまった。つい…総太郎と喧嘩する時のようにやってしまった。
通行人が、全員こちらを見ている。それどころかコンビニの中の店員や客までもが、何があったのかとこちらをのぞいている。
わたしは体中の血が顔に集まったかというほど、顔が熱くなった。赤面しているのが自分でもよくわかる。
「…とっ…とにかく、そういうことだから、英介君は勉強しないとダメなんです。さ、行きましょう行きましょう」
ぽかん、と呆けている英介君の腕を、わたしは強引に引っ張った。英介君はよろけながら立ち上がり、引っ張られるままわたしのあとについてきた。
347遠子と英介:2010/09/09(木) 23:27:57 ID:ivfZdoZj
よし、なんとか英介君を連れ出すことに成功した。かわりに、何か女として大切なものを失ったような気もするけれど。

---------------------

二本の細い腕が、俺の腕を掴んでいる。俺はしばらく何が起こったのかわからず、ただされるがままに、引っ張られていた。
相手がババアならともかく、…“この人”ともなると、力任せに振りほどくのも何だか気が引ける。
不意に、“あの人”が足を止めた。おそるおそる、という感じで、こっちを振り向く。
「…あの…さっきの…びっくり、した?」
…びっくりしたなんてもんじゃない。むしろ…ショックだった。“この人”に、まさかあんな言葉でののしられるとは思ってもみなかった。俺は無言で頷いた。
「やっ…やっぱりそうだよね…はぁ…。ごめんね、あたし弟と喧嘩する時いっつもあんな調子だから…ごめんね、引くよね…」
あうう、と言いながら、頭を抱えた。
「あ…でもね、高校出なくても生きていける、なんて、間違いだと思ってるのは本当だから」
また振り向いて、まっすぐに見つめられる。
これが、何だか慣れない。昔は俺の方が見上げていたはずなのに、でも今は。向こうが俺を見上げていて、俺が向こうを見下ろしている。
「…説教かよ」
まっすぐに俺に向けられた視線から逃れたくて、俺は目を逸らした。
「…違うよ、ただ心配なだけ。…さ、早く帰って勉強するよ」
そう言うと、また“あの人”は俺の腕を引っ張った。
348遠子と英介:2010/09/09(木) 23:29:22 ID:ivfZdoZj
まずい。このままじゃ、どうしても勉強から…いや、“この人”から逃れることは出来なさそうだ。…まあ、無理やり腕を振りほどいて逃げることもしようと思えば出来るんだが。
…その時、俺はあることを思い出した。
「…おい、俺腹減ってんだけど」
うまくいってくれるかどうかはわからないが、言うだけ言ってみた。“あの人”の足がぴたっと止まる。
「あー…そっか、英介君ご飯食べてないんだもんね…」
うーん、と小首を傾げて少し考え込む。頼む。
「…わかった。じゃあもう遅くなるし…今日はやめにしよう」
少し寂しそうな顔で“あの人”はそう言った。やった。俺は心の中で小さくガッツポーズした。…ん?“今日は”?
「じゃあ、次はいつの日がいい?今回はわたしの方で日付決めちゃったけど、やっぱり英介君の都合も聞かないとだめだよね」
…しまった。今日はなんとかこのまま逃れられそうだが、これじゃ根本の解決にはなってない。
…い、いつが良いって聞かれたってなあ…。
「…あ〜〜〜えっと…」
俺は答えに詰まった。でも、向こうは答えを待ちわびてる。どうする、なんて答えればいい。
…いや、答える必要はないんじゃないか。むしろここで本心をぶちまけてしまえばこれから先こんな面倒臭い思いをすることもない。
俺は一瞬だけ迷ったが、結局、言うことにした。
349遠子と英介:2010/09/09(木) 23:31:24 ID:ivfZdoZj
「…あのさぁ」
「…ん?」
「俺…こないだも言ったよな。そういうのさぁ、ほんと…いらないから」
そう言った瞬間、“あの人”のものすごく悲しげな顔が見えた。頼むから、そういう目で俺を見るのはやめてほしい。
「…そう…なの。い、いらない…か」
俺の腕を掴んでいた手が離れた。今のうちだ。
「…じゃあ、そういう事だから」
俺はそう言いながらその場を離れた。少し罪悪感が募ったが、これで良いんだと言い聞かせた。向こうは…もう俺に呆れただろうが、それでいいんだ。俺は少し早足で歩き始めた。
「…でもダメ」
…は?ダメ?俺は思わず後ろを振り返った。
結構距離を置いたはずだったが…目の前に、“あの人”がいた。俺は一瞬幽霊かと思って正直死ぬほど驚いた。
「英介君が何と言おうと…わたし、もう英介君を高校に行かせるって決めたから!次、しあさっての木曜日、また来るから!今度は逃がさないからね!覚悟してなさいよ!」
それじゃ、とそう言うと、“あの人”はダッシュで帰っていった。
俺はそのまま、そこに残され立ち尽くしていた。…ていうか、俺が“あの人”を置いていくつもりだったんだが。
「…まあいいか」
俺はそう一人で呟き、いつも通りの早さで歩き始めた。あーあ、帰ったらまたババアがうっせんだろうな…ていうか、木曜。どーするよ、オイ。
350遠子と英介:2010/09/09(木) 23:34:49 ID:ivfZdoZj
---------------------

息を乱れさせながら、わたしは自宅の玄関を閉めた。
はあ、はあ、はあ、はあ。
薄暗い玄関に、わたしの息の音が響き渡る。猛ダッシュしたのなんて、高校を卒業して以来なかった。…さすがにちょっと運動不足か。息が整うのに、まだしばらくかかりそうだ。
わたしは靴も脱がずに、そのまま玄関にへたり込んだ。足が棒のようになっている。
…結局、何も教えられなかったなぁ…。まあ、世の中の厳しさについてはちょっとだけ教えられたような気もするけど。さすがにサボられるとは思わなかった。
あーあ、それにしても…英介君に恥ずかしいとこ見せちゃった。英介君のぽかん、とした顔が思い出される。完全に引いてたよね…。
でも私だって、ショックだった。「いらない」って、言われたとき。ついカッとなって、あんな風にまくし立てちゃったけど。
わたしの中で、“お節介”の三文字が、暗闇から浮かび上がる。英介君の中でわたしは、ただのお節介焼きでしかないんだろうか。
そういえば、話してる最中、英介君、わたしと全然目を合わせてくれなかった。返事はしてくれていたけれど、目は完全にわたしとは違う方をみていた。
「わたし…英介君に嫌われてるのかなぁ…」
意識したわけではなかったけれど、勝手に口をついて出てしまった。喋ることで、体の中からその気持ちを出したかったのかもしれない。
351遠子と英介:2010/09/09(木) 23:38:51 ID:ivfZdoZj
けど、不安は体の中から消えなかった。何だか自信が無くなってきた。わたしの中で諦めの気持ちが膨らんでくる。
英介君が高校に行こうが行くまいが、わたしの人生にはそんなの…。
いや、駄目だ。ここで諦めちゃいけない。わたしはおばさんからお金を貰うんだし、それに何より
…きっと英介君も後悔すると思う。そして、英介君に後悔させたわたしが一番、後悔すると思う。だからそんなの駄目だ。たとえそれが、わたしのエゴだとしても。
気がつけば息はもう整っていた。かわりに吹き出るような汗を全身に感じる。
「ああ…汗かいちゃったぁ…シャワー浴びよっと…」
わたしはそこで初めて靴を脱ぎ、家に上がった。着替えを取るために、一旦部屋に戻ることにする。
…あ。…鞄英介君ちに忘れた。…あ。しかも「探してくる」って言ったのにそのまま帰って来ちゃった。
…まぁ、いいか。鞄ならおばさんも英介君も勝手に中見るような人じゃないだろうし。英介君もそのうち帰るでしょ。腹減ったって言ってたし。
…それより、木曜。さて、どーするか。



今回はここまでです。二人が仲良くなるまでまだまだかかりそうですが気長に読んでもらえたらと思います
352名無しさん@ピンキー:2010/09/10(金) 12:38:35 ID:Yjr3zUQ8
>>351
GJ
353名無しさん@ピンキー:2010/09/10(金) 14:08:02 ID:r7a/WiRL
GJです。続きを楽しみにしてます。
あともう少し短めに改行してもらえるとありがたい。
354名無しさん@ピンキー:2010/09/10(金) 23:56:02 ID:lgKCKnEU
>>351
乙ですお!!!
何気英介ママンが良いキャラだな
まぁ、良い親でも子供がグレる時はグレるからなぁ
英介は母親に愛されてる事に気付く時はくるのか?

後、遠子は過去になんかありそうですね
次回も楽しみにしてます。
355名無しさん@ピンキー:2010/09/11(土) 01:01:28 ID:CR8yCi5h
自分今37歳で28歳年下の少女と付き合ってるよ、勿論SEXもしててほぼ毎日やってる。
356名無しさん@ピンキー:2010/09/11(土) 01:11:11 ID:3ITxs1a4
もげろ!!
357名無しさん@ピンキー:2010/09/11(土) 02:27:15 ID:ZWmdnxAo
事実なら羨ましすぎでムカつく
その話をSSしてここに投下する事で謝罪の気持ちを表すべき
358名無しさん@ピンキー:2010/09/11(土) 06:49:10 ID:zRWZN3R3
事実なら羨ましいってか犯罪だろ
359名無しさん@ピンキー:2010/09/11(土) 08:25:01 ID:pWTPkLnm
まぁ、相手が13歳未満なら法定強姦になる可能性が濃厚だしね
13歳以上なら例え何らかの形で法的制裁を加える動きがあっても
双方合意の上ならガチで最高裁まで争えば多分無罪だろうが
360名無しさん@ピンキー:2010/09/11(土) 14:59:33 ID:yv47iTIL
スレが久しぶりに賑やかになってたぽいので便乗

30歳リーマン×17歳女子高生でネタを構想してるんだけど
少しずつ投下してもいい?
三十路っておっさんと呼べるには微妙な年齢だけど。
361名無しさん@ピンキー:2010/09/11(土) 15:04:49 ID:MmyjhtMT
ここは別におっさん(おばさん)スレじゃなくて年の差スレだから何の問題もない。
ささ、どうぞどうぞ。
362名無しさん@ピンキー:2010/09/11(土) 15:59:39 ID:ZWmdnxAo
>>360
投下楽しみにしてます。
363名無しさん@ピンキー:2010/09/11(土) 22:11:51 ID:CR8yCi5h
>>359それは十分承知の上での関係だよ、ちなみに少女は後2週間程で二桁の年齢になるよ。
364名無しさん@ピンキー:2010/09/11(土) 22:39:45 ID:pWTPkLnm
>>360
待ってますお

>>363
まぁ、互いに後ろめたく無いと確信してるなら良いんでは
しかし事実か創作かはともかく30代後半の男と1桁女児の関係とか萌えるから投下をw
365総一郎と茜_四度目の6月 0 ◆DswpUl0rgY :2010/09/12(日) 02:16:25 ID:mr4jDSeE
規制解除キター 投下します。
エロ寸止め。
366総一郎と茜_四度目の6月 1 ◆DswpUl0rgY :2010/09/12(日) 02:18:30 ID:mr4jDSeE
 初日
 
 全く悪気がなかった、と言えば嘘になる。
 多少は下心があった。
 クールでドライな彼女が、慌てるさまを見られるかもしれない、なんて、ささやかな悪戯心が。

「こちら小笠原先生。君の指導教員だから」

 目の前の恋人は、その人形のような無表情をぴくりとも変えることもなく、よろしく、と、軽く頭を下げた。

「よ、ろしく……お願いします」
 準備していたはずの心は、簡単に動揺をして声が裏返る。
 隣に立つジャージ姿の学年主任が、にやにやと笑いながらこちらを見ている。

 小笠原先生は美人だからなあ、なんて、アンタに言われなくても知っている。
 そんなことで動揺をしているわけじゃあないのだ。
 その美人は、総一郎を見上げてうっすらと対外用の笑みを浮かべると、いけしゃあしゃあと言い放った。

「久しぶりだな、浅尾」

 この人の面の皮の厚さには、ほとほと感心する。たぶん、ここは見習わなければならないところだろう。
「………………はい、お久しぶりです」
 ひきつった笑顔で何とか答えて、お元気でしたか、も付け足したほうがよかったかと思った時には、もうジャージ先生が口を開いていた。
「おや、ご存じでしたか」
「ええ。彼は化学部員でしたから。部長も務めたんです。覚えているか、浅尾?」
「……もちろん、です」
 覚えているどころの騒ぎじゃない。今自分が、こうして職員室の朝礼に立っているのは、あの化学部の活動の日々があったからだ。
 ……まあそんな理由、他人に話せることではないけれど。
「そうですか。じゃあ話は早い。まぁ頑張りなさい」
 背中を力強く叩かれたところで、タイミングよく予鈴が鳴る。
 ――ああ、この、少し間の抜けたチャイムが懐かしい。
 感慨に浸って目の前の現実から逃げようとしたところで、「指導教員」が総一郎を見上げて笑う。
 営業スマイルや、総一郎が好きな柔らかい笑顔じゃなくて、あの、くちびるの端をゆがめる、にやり笑いだ。

「よろしく。浅尾『センセイ』」

367総一郎と茜_四度目の6月 2 ◆DswpUl0rgY :2010/09/12(日) 02:19:04 ID:mr4jDSeE



 センセイにセンセイと呼ばれる日がこようとは。いや問題はそこでなく。
「センセイ!」
 ホームルームへと向かう道すがら、歩きながら小声で呼びかける。
 茜は足を止めることなく、浅尾先生、と繰り返した。
「ここには先生が大勢いる。小笠原、と呼びたまえ」
「……おおお小笠原先生! ちょっと、聞きたいんですけど!」
「なんだ?」
「今日から俺が来るって知ってた?」
「もちろん知っていた」
「俺の指導教員って、事前に決まってた?」
「決まっていた。告知もされた。君を受け入れる準備は万全に整っている。それが何か?」
「どうして教えてくれなかったんですか!」

 若干大きめのウィスパーボイスで訴えると、茜がぴたりと足を止めた。
 茜が担任を務めている2−Bの教室の、目の前だ。
「君が、この実習のことを私に伝えなかったのと同じ理由だ」
「ぐ」
 それを言われてしまうと、もう反論の余地はない。

 確かに総一郎は、母校での教育実習が決まりましたと茜に伝えなかった。
 当日の朝礼で突然総一郎が現れて、この鉄仮面がどんなふうに驚くだろうと勝手に想像をして結構長い間楽しんでいたのだ。
 なんと申し開きをしたものか。一瞬の間に様々な言い訳を考えて、そのどれをも却下した瞬間に茜が口を開く。

「忙しさのあまり、うっかり忘れていたのだろう?」
「…………う、ん。はい、その通りです」
「私もうっかり君に伝えそびれていた。そういうこともある。さあ、余計なおしゃべりは終了だ。ホームルームが始まる。
 これからの君と私は、しがない教育実習生と指導教員だ。それ以上でもそれ以下でもない。いいな?」

 総一郎の返事を聞く前に颯爽と踵を返して、茜はさっさと木製のドアと対峙する。
 そのさらさらの髪が揺れる後ろ頭を見つめながら、――前途は想像以上に多難かもしれない、と密かに溜息をついた総一郎だった。


368総一郎と茜_四度目の6月 3 ◆DswpUl0rgY :2010/09/12(日) 02:20:06 ID:mr4jDSeE
 三日目

 雨と様々な薬品とインスタントコーヒーの香り漂う実験準備室。
 懐かしいにおいは、総一郎の記憶を一気に高校時代へと引き戻してくれる。

 ここで、茜といつも他愛もない会話を繰り返していた。テスト期間中には猛勉強もさせられた。
 何度も言い負かされた。不思議と、悔しいとかそういう気持ちは湧いてこなかった。
 誕生日やクリスマスにプレゼントを渡した。今思えば、甘酸っぱすぎてこっぱずかしい。
 幾度か白衣の茜を抱きしめたし、「一度」だけ、キスもした。
 たった三年ほど前の出来事のはずなのに、こんなにも懐かしい。

 総一郎ここに戻ってくるために教師を目指したようなものなのだ。
 こんなにも早く、予行練習とは言えその目標を達成できてしまったことに少々戸惑ってもいる。
 茜と毎日顔を合わせられる喜びと、日々の慌ただしさと緊張がごちゃごちゃに混ぜ合わさり、視界と思考がぼやけている。
 今この瞬間ですら、もしかして夢なのではないか、なんて錯覚を抱いて、慌てて頭を振り刺激を与え、現実逃避を終了させた。

 三日目にして、今日は部活にも参加をした。
「三年前の部長だ」
 簡潔な説明では納得しなかった二年生が、去年の部長が一年の時の部長、というまどろっこしい説明におお、と歓声をあげた。
 長峰と朝倉の率いていた去年は化学部の黄金期だったらしい。
 腕試しに、と出場した「高校化学グランプリ」にて、一次選考突破まであと一歩だった生徒が四人もいたそうだ。大変に素晴らしいことだ。

 茜と二人っきりだったあの年から、もう四年。
 自分が部長の任を負い、長峰がそれを引き継ぎ帰宅部の代名詞だった化学部を一気にこの学校の花形部へと押し上げた。
 結果、予算も新入部員も、四年前の倍以上だ。

 化学部の成長は確かに嬉しい。

 でも、すっかりと様変わりしてしまった活動内容に寂しさも感じるのだ。
 実験は金曜だけ。その他の曜日は、延々と過去問を解いて、傾向と対策を練る。
 実験室の一番後ろから、机に向かう生徒の丸まった背中を見つめていると、まるで授業中のようだ。
 ただ違うのは、生徒たちが自由に立ちあがって、茜か、もしくは勉強に興味がなさそうな女子が総一郎に「彼女はいないの?」なんて質問をぶつけてくることぐらい。
 まさか「そこに立っている人」とも言えず、ご想像にお任せする、なんて曖昧に誤魔化しながら総一郎は、数年前の実験室の様子を克明に思い出していた。

 きっと今の部員たちは、茜のきれいな指先が薬品を薬包紙にとてもすばやく丁寧に包んでしまう様子だとか、丸型フラスコより三角フラスコのほうが使用頻度が高いとか、
顕微鏡をのぞくときは眼鏡が邪魔そうだとか、シャーレに何かを入れるときが一番嬉しそうな顔をするとか、そういうことは知らないままなんだろう。
 それは、とても勿体ないことでもあり、自分だけの甘美なヒメゴトでもあった。実に複雑である。

369総一郎と茜_四度目の6月 4 ◆DswpUl0rgY :2010/09/12(日) 02:20:42 ID:mr4jDSeE
「お疲れ」

 凛とした声音に顔をあげると、両手に湯気の立つマグカップを持った茜が隣に立っていた。
 その片方を、茜が目の前に置いてくれる。
「ありがとう、ございます」
 そのマグカップは、三年前に総一郎が使っていたものだ。
 味もそっ気もない、白い陶器のカップ。
 懐かしさに手を伸ばして両手で包みこみ、その熱さに驚いて手を引っ込める。一連の動作を見ていた茜が小さく笑う。
 総一郎もへらりと笑い返した。

 なんか、幸せかも、とふと思う。

「これ、まだあったんだ」
「ん?」
「とっくに割れちゃったかと思ってた」
 ああ、と、うさぎのマグに口をつけた茜が、そのまま一口啜って向かいの席に着いた。
 舌に温感センサがない茜は、湯気の立つそれを口にしても表情を変えない。
 総一郎にとってはおそらく焼けるような熱さのコーヒーを喉に流し込み、曇った眼鏡のままさらりと言葉を続ける。
「長いこと棚に入れっぱなしだったからな。割れようもない」
 その言葉に、ふと、思いついたままを口にする。
「……誰も、これ使ってないんですか?」
「そうだが?」
「俺専用ってこと?」
「………………まあ、そういうことだ。実験準備室に単独で入り浸る生徒は、君以来いない」

 すっかりと様変わりしてしまった活動内容が、確かに寂しくもある。

 だけどそのおかげで、必要以上に茜と親しくなる生徒もいないってことだ。
 人見知りで鉄仮面だけど、一歩踏み込んでしまえば以外に無防備で押しに弱い茜を、勝手に心配していた時期もあった。
 校内には若い男性教師がいない今、不安材料は生徒だけだ。その不安が簡単に取り除かれた。喜びに、にやりとくちもとを歪める。

 誰にともなく言い訳をするが、別に茜を信用していなかったわけじゃない。
 ただ、勘違いやうぬぼれや、妄想を逞しくする生徒が現れれば、そいつと茜の両方が傷つくと、勝手に危惧をしていただけだ。
 心配ごとが減るというのは、実に気分のいいものだ。晴れやかな心もちだ。
 
 ご機嫌に笑みを浮かべた総一郎を見て、茜もやわらかく笑う。
「浅尾。女子高生に囲まれて、少々脂が下がっていたぞ。気を引き締めるように」
 ほほ笑みを瞬時に引きつり笑いに変えた総一郎の身体は、その体温を一瞬にして氷点下まで下げた。

 凍える肉体と精神をなんとか通常温度まで戻す過程の中で、ふと三年前の文化祭の、熱気を孕んだ準備室を思い出す。

 ――センセイは、アンドロイドじゃなくて、嫉妬も、独占欲も、性欲も持ってるけど見せられなくて、俺との年の差に相当なコンプレックスを抱いている。
 その状況証拠から導き出される結論は。まさか。

「……センセイ、もしかしてヤキモチ?」

 図星だったのか、単なる不謹慎だったのか。
 茜は眼鏡の奥からじろりと総一郎を睨み、ただの忠告だ、とそっけなく言うと、すぐに机の上の日誌に目を向ける。

 同じ質問をしたあの頃の自分なら、言葉どおりに受け取って情けなく凹んでいただろう。
 だけど、伊達にこの嘘つきでクールで鉄面皮のドSと恋人をやってきていないのだ。

 茜がこちらに視線を向けないのをいいことに、総一郎はにやにやと笑みを浮かべながら己も目の前のレポートに向き合った。

370総一郎と茜_四度目の6月 5 ◆DswpUl0rgY :2010/09/12(日) 02:21:49 ID:mr4jDSeE
 七日目


 流石に疲労の色が濃くなってきた。
 慣れにより緊張の糸が緩んできたせいでもある。
 だけど、ここで気を抜くわけにはいかない。
 明日は研究授業なのだ。
 校長から教頭から、学年主任までが総一郎の行う授業を、評価のために見学に来る日。
 むっとする湿気が肌に不快を与える放課後の実験室。
「ああ……」
 思わずあげたうめき声に、棚の整理のために瓶を鳴らしていた茜が、後ろにまとめた黒髪を揺らしながらこちらを振り返る。
「どうした?」
「……明日の授業を思うと、気が重いんです」
「そうか」

 まるで他人事のようにそれだけを言うと、すい、と視線を目の前の瓶のラベルに視線を戻す。
 肩こりをほぐすようにくびをぐるりと回して、身体をひねり指先に掴んだ瓶を総一郎の右側に置いて、抑揚のない口調で告げた。
「まあ……イニシエーションだな。乗り切るしかあるまい」
「イニシエーション?」
「通過儀礼」
 ああ、なるほど。
 深く納得をして、ふと、抱いた疑問を口にする。
「センセイも、教育実習したんですよね?」
「普通に考えたまえ。通過したに決まっている」
「どうだった?」
「思い出したくもない。つまり、そういうことだ。張り切って恥をかくといい。それもまた儀式だ」
 経験者の談は実に説得力がある。
 これが、非常にやりにくいところで、またその逆でもある。

「明日のことよりも目の前の部活動記録は書けたのか? そろそろ職員室に戻れるだろうか」
「まだ三行です。毎日、そんなに書くこともないです」
「そこを捻り出すのが教師の腕の見せ所だ」
 がんばれ、と抑揚なく告げて茜は再び、薬品の並ぶキャビネットに向き合う。
 ためいきをひとつ吐いて、あまり彼女を待たせるわけにもいかず急いで文章を捻り出す。
 焦りが総一郎のHPをじわじわと削っていく。

 やっと五行ほど文量が伸びたところで、茜がこちらに背を向けたまま、ぽつりとつぶやいた。
「……実はな、浅尾」
「ん?」
「君の、指導教員の話がきたとき、ほんとうは断ろうと思ったんだ」
「え? なんで?」
 作業の手を止めた茜が、無機質なキャビネットに背を預けて総一郎に向き直る。
 白い指をぴ、と一本だけ立てて、お得意の箇条説明を始めた。

「1、指導に当たるには年齢が若すぎて、経験が少なすぎる。
 本来なら将来の教育を担う若手を育てるために、もっとベテランが当たるべきなんだ」
 最もかもしれない。茜よりももっと経験の深い理科教師などこの学校にもたくさんいる。
「2、君も私もやりにくいだろうと考えた。ニ・三日ならともかく、
 二週間の長丁場、気を抜かずにやり遂げられるかどうか、不安もあった」
「じゃあなんで引き受けたんですか?」
「1に対しては。君の専攻が化学だからだ」
「は?」
「現在この学校に、化学が専攻の教員は私と三年の学年主任のみだ。
 主事も兼任している先生に、どうしても自分には無理だ、いい経験だから頼むと泣きつかれた」
「はあ」
「2は……君の状況を我が身に置き換えて考えてみた。
 授業ごとに私が仁王立ちしているのと、最後の授業のみそうしているのと、どちらがやりやすいか。
 前者だと判断したが、間違っていただろうか?」
371総一郎と茜_四度目の6月 6 ◆DswpUl0rgY :2010/09/12(日) 02:22:34 ID:mr4jDSeE
 視線を空中に彷徨わせて考える。
 確かに、一番初めの授業は、これが初めてであるという事実と茜が見ているという緊張でほとんどパニックのまま授業を終えた。何を話したのか、未だに思い出せない。
 しかし回を重ねるごとに、教室の後ろで仁王立ちする彼女の姿は、安心材料へと変わってきている。
 明日の研究授業も、茜がそこで見ていてくれてる、と思うだけで、抱く感情は緊張だけでなく若干の興奮も混じっているのだ。

「……いえ。センセイが、指導教員で、ほんとによかったです」
「…………そうか。よかった」
 そう言ってふわりと笑った茜がどう思うか判らないが、それはまぎれもなく本心だ。
 茜に認められる授業がしたい。
 自分を認めてほしいのは、あの頃から今でも、茜だけだ。
 なんと進歩のなく、頑固なことだろう。だけどそうさせているのは、他ならぬ茜なのだ。

 その当人が、三本目の指を立てて、珍しく口ごもりながら、もうひとつ、と付け足す。
 その言葉の響きの真剣さに、居住まいを正して総一郎も上体を茜に向けた。
「はい」

「もう一度……私の教えられること全部を、君に教えたかったんだ。最後の機会になりそうだから」

 急に胸が苦しくなる。爪の先から甘いしびれが脳天まで昇ってくるような錯覚に陥る。
 たぶん、幸せが過ぎるせいだ。
 愛の告白を受け取ってもらえたとき、海外から電話をもらったとき、
チョコレートをもらったとき、初めてキスをしたとき、夜明けのコーヒーを飲んだとき。
 幾度も経験をしたこの感覚。いつ味わっても、泣きそうにせつなくなる。嬉しいはずなのにほんとうにおかしい。

「センセイ」
 胸がいっぱいに詰まってしまった総一郎が呼んだ声は、情けなく掠れていた。
「……ありがと」

 やっとそれだけを言う。
 ひとつ頷いた茜は、くるりと身体の向きを変えると上段の棚に向かって腕を伸ばす。
 彼女も珍しく動揺をしているらしく、危なげによろめく後姿を見て、総一郎は慌てて立ちあがって茜の背後に位置を定めた。
「これ?」
 茜の指の先にある瓶を手に取り、ラベルを向ける。
 ああ、ありがとう、と表面的には平坦に礼を述べた茜が、その瓶を中段に戻してまた上段に手を伸ばした隙に、思いあまって後ろから抱き締めた。
「……っ! 浅尾っ?」
 狼狽を露わに身を捩る細い体躯を、きつく腕の中に閉じ込めてしまう。
「駄目、だ」
「ごめん、ちょっとだけ」
「学校だぞ」
「うん、判ってます」
「誰か来たら」
「鍵、かけてあるから大丈夫」

 嘘ではない。三日ほど前から、もしかして万が一こういったチャンスがあるんじゃないかと、周到に用意をしていたのだ。不毛な努力がやっと実を結んだ。

 まったく。
 あきれ返ったように、深い息とともにそう漏らして、茜は力を抜く。
 総一郎は遠慮なく、黒い頭のてっぺんに鼻をうずめて柔らかな身体の抱き心地を楽しんだ。
 すっかりと身体になじんだ甘い香りが、肺いっぱいに入り込む。
 数年前からずっと変わらずに愛用している、彼女の香水の香り。
 この香りに、素直に反応をして欲情をした。
 まるでアレだ、パブロフの犬。

372総一郎と茜_四度目の6月 7 ◆DswpUl0rgY :2010/09/12(日) 02:23:20 ID:mr4jDSeE
「センセイ」
 顔を離して、ささやきのように呼びかける。
 茜が、ゆっくりと総一郎を振り返った。
 その形のいい顎に、そっと人差し指を添えてこちらに仰がせて、何か言う前に盗むようにそのくちびるにそっと触れた。

 重なったくちびるの下で、茜が息をのんでまた身を固くする。
 気にせずに、触れるだけのキスを繰り返して茜の油断を誘った。
 五度目に触れたと同時に、抱きしめる手に力を込める。
 温度の低いくちびるに舌を割り入れて、するりと内部に侵入を果たした。
 茜は、驚くほど素直にこちらの舌に応える。
 勢いのついたくちづけは歯止めを知らず、どんどんと野性的なそれへと様相を変える。

「ぅんん!」
 抗議のような声が聞こえた気がするが、頓着をせずにキスを続ける。
 茜の両腕が、総一郎の身体を引き離そうと肩を押してきた。
 その抵抗はごくささやかで、邪魔だな、程度の感想を抱いた総一郎は、腕の中に拘束をするように細い腕に己のそれを巻きつけて、茜の身動きを封じてしまう。

 細い腰に回っていた左手をするすると移動させて、薄いシャツの裾から差し入れて素肌に触れた。
 手のひらに吸いついた茜の腹は、もう6月だというのに心地よくひんやりとしている。
 彼女の体温が常に低いせいか、それとも自分の手が熱すぎるせいなのか。
 判らないまま、口内に誘い込んだ茜の舌をかぷりと噛んだら、腕のなかの細い身体がいっそう硬くなった。

 名残惜しげに顔を離して、白い首筋に顔をうずめた。
「……浅尾、」
 熱い吐息混じりの声で、茜に呼ばれた。背筋がぞくりと震える。
 ついでに弱々しく身を捩りながら、離れなさい、とも言う。

「ごめん…もう少し」
 だめだ。まだ離したくない。まだエネルギーチャージには全然足りていない。
 最後に茜に触れたのはいつだっただろう。
 特別な親しみと性的なニュアンスを含めて触れたのは、恐らくひと月ほど前のことのはずだ。
 こんなにも長い間触れなかったのは、まだたった17の高校生だったころ、禁欲を強いられていたあの頃以来のことのような気がする。
 
「センセイが、あんなこと言うから、さ……我慢できない」
「……私の、所為か」
「そ。センセイの所為」
 
 投げやりに言い放ってしまえば、茜は諦めたように抵抗をやめた。
 駄々をこねる子供には何を言っても無駄だと思われたんだろう。
 それを好意的に受け取って、あらためて白い首筋に湿ったくちびるを押しつけた。
 熱い舌を這わせて甘く噛みつく。びくり。茜の身体が小さく震え、甘い吐息がそのくちびるから漏れた。

 耳の後ろに軽くくちづける。
 ぺろりと舌を出して舐めながら、耳のふちをくちびるで挟んでやわやわと口で愛撫する。
 茜の呼吸が乱れる。
 彼女はここに弱い。
 最初は緩やかに丁寧に、そして高ぶってきたら突然乱暴に扱ってやれば簡単に理性を手放す。三年をかけて知ったことだ。
 
「センセイ……」
 熱い吐息を吹きかけるように声をもらす。てのひらの下の茜の腹が、また熱くなった。
 空いた右手もシャツの裾から差し入れて、下着の上から柔らかな胸を数度揉んでみる。
 抵抗をされないのをいいことに、ふくらみを覆う布地を避けるように上から指を差し入れて、かり、と硬く尖り始めた乳首を指先ではじいた。
「ぅん!」
 高い声が漏れると同時に、総一郎は己の理性が徐々に壊れていくのを実感した。
373総一郎と茜_四度目の6月 8 ◆DswpUl0rgY :2010/09/12(日) 02:27:21 ID:mr4jDSeE
 ここは学校。それは判っている。
 まだ就業中である。それも十分承知だ。
 いい加減にしないとそろそろクールな茜から平手打ちが飛んできそうだ。嫌というほど経験をしている。
 そもそもこんなところで初めても、欲求を満たせる最後まで持ち込めない。

 もろもろを理解している理性がそれでも、あとちょっと、もう少しだけ、という欲求に打ち負かされていく。
 茜の抵抗が、ごくささやかであることも総一郎の暴挙に拍車をかけていた。
 しかも、触れてほしいとばかりに、密着させた腰がくねるのだ。
 小刻みに震える肩も手も、しっとりと汗ばんできた白い肌も、ぴんと尖った乳首もすべてが総一郎の理性を奪っていく。
 おかしい、と総一郎は思う。自分がおかしい、と。
 この場所から始まった関係はすっかりと成熟をしているはずで、今更こんなに我を忘れてしまいそうなど彼女を欲しくなるなんて。

 右手で胸のふくらみを弄りながら、反対の手をするすると下ろして黒いスラックスのボタンに手をかける。
 一瞬茜が身を固くしたが、気がつかないふりをしてボタンとファスナーを一気にくつろげ、隙を見せることなく下着の中に指を滑り込ませた。
「……っ!」
 押し殺した悲鳴とともに、くちゅり、という水音が聞こえた気がした。
 実際はそんな音が立つほどではないにせよ、濡れ始めているのは確実であるそこに、指の腹をぐいと押し付ける。

「あっ……だめ、だ、浅尾っ」
 そんな声で名前を呼ばれたら、ますます止められない。
 彼女自身の形を確かめるように撫で上げる。茜の腰がびくりと震える。
 ああ、もうムリだ。
 理性を完全に放棄した総一郎は、汗ばんだ首筋に口づけながら胸の頂きを弄り、下肢の敏感な部分を中指で刺激する。
 茜の息がどんどんと荒くなり、花芯を弄る指先がどろどろに濡れてゆく。

 さあ、と柔らかな音が響いた。
 今日は夕方から降り始めた雨がだんだんと激しくなり、明朝まで続くでしょう。傘のご用意をお忘れなく。
 可愛らしいお天気キャスターが今朝のニュースでそう伝えていた。
 だから今日は二本用意してきた。
 少し大きめのサイズの雨傘と、折り畳みの黒い傘。後者はずっしりと重い鞄の奥底でスタンバイしている。
 二本目の傘の出番はないといい。出来れば、一つの傘に身を寄せ合って一緒に帰りたいと、寝ぼけた頭で思ったのだ。

 生ぬるい空気を孕んだ風が、熱くなった頬を撫でた。
 その風は遮光のための黄色いカーテンをふわりと押し上げたのだろう。
 ということは窓が開いている。早く閉めなければ、雨が降りこんできてしまう。
「あ、あ…ん、あさ、や、んっ」
 どれだけ余所事を考えて理性を取り戻そうとしても、茜の甘い声が簡単にそれを阻止してしまう。
 普段は冷たいはずの肌は、総一郎の手と同じ温度の熱を孕み汗ばんでいて、しっとりと吸いついて心地いい。
 秘裂をなぞるたびに、そこからはどろりとした愛液があふれて指先に絡みつき、彼女の悦びを露わにしている。
 ぐいと秘部に押し入れば、信じられないほどの熱をもって総一郎の指を締め付ける。
 そんな風に切なげに締め付けられたら、関節をぐいと折り曲げて中を堪能したくなるではないか。

「……あ、だ…め、ん、んっ……や、」
 茜の声がだんだんと余裕のないものへと変化をしている。
 終着が近いようだ。膝や腰がくがくと震えて、総一郎の手を握り締める指先にもぐっと力が籠ってきている。
 
374総一郎と茜_四度目の6月 9 ◆DswpUl0rgY :2010/09/12(日) 02:28:13 ID:mr4jDSeE
 快楽から逃れようと、ぶるりと首を振った茜のくちびるを捕えて、己のそれであっさりと塞いだ。
 重なったくちの下で茜が息をのむ。
 直後に熱い呼吸が流れ込んできて、彼女が呼吸を求めるのと同じタイミングで舌を割り入れた。

「んっ…んん…………ぅ、んっ、ぁんんんっ!」
 
 押し殺してはいるけれど十分な甘さをもった悲鳴が聞こえた。
 自分の身体に密着させた茜の太ももがぷるぷると震え、右の掌でぴったりと覆った汗ばむ肌はせわしなく上下して、少し話したくちびるからは荒い呼吸が漏れている。
 差し込んだ総一郎の指を咥えこんだ秘肉が、脈打つように関節を締め付けて絶頂を伝えてくれる。
 その鼓動が、どくどく、どく、とだんだんにスパンが長くなるに従い、総一郎の思考も熱いながらも徐々に落ち着きを取り戻していった。
 そして真っ先に思うことは、――ヤバい、この一言に尽きた。
 一度絶頂を迎えた茜の頭も身体も、総一郎と同じように少しずつ冷えていくことだろう。
 彼女はゆるく頭を振って総一郎のキスから逃れ、深くうつむいてしまって表情を見せないようにしていた。

 ヤバい、マズい、やりすぎた、ヤバい、ヤバいヤバい。

 お咎めが恐ろしすぎて、身体が一気に冷える。
 分け入ったままの指の所在を決めかねてぐるりとかき回してみたが、茜は少し息を飲んだだけで甘い声を上げはしなかった。
 それどころかゆっくりと上下させた肩ごしに、そろりそろりとこちらを仰ぐ。
 大慌てで指を引き抜く。
 ぴったりと貼り付けていたてのひらも、密着させた身体も引き離して、ゆっくりともろ手を挙げホールドアップのポーズを無意味にとった。
 広げた指先の、人差し指がぬらぬらと光っているのがどうにも卑猥だ。

「……浅尾、」
 振り向き切る前にいつもより低い声で呼ばれた。
 はい、と掠れきった声音で答えた語尾に重なるように、準備室の内線がけたたましい音をたてた。
 見ていたかのようなタイミングに、二人の肩がびくりと震える。
 一瞬後に相変わらず感情の読めない表情のまま、茜が目の前の総一郎を押しのけた。
 足音もなく自分のデスクの前に立つと、と受話器を取って耳に当てる。
「――はい、小笠原です」
 耳になじんだ心地よいアルトが、いつもと違う余所行きの音程で響く。

 衣服は乱れたままだが、とくに急いで直すそぶりはない。一度に二つのことがなかなかできないひとなのだ。
「ええ、いますよ……いえ、もう終わりましたが」
 言いながらちらりとこちらを見る。
 眼鏡の奥のその視線に感情は特に読めないが、なんとはなしに咎められている気がして総一郎はいたたまれなくなる。
 だが当の彼女は、ふいと顔を反らして視線を目の前の電話に落してしまった。
 そればかりか彼のほうに背を向けて、視界に総一郎が入らないようにさえしてしまっている。

 あれ、と総一郎は思う。
 ここは極限に冷えた目で睨まれてしかるべきだ。
 電話を切った直後にお説教に入るべく、総一郎を逃さないようにしつつ臨戦態勢にはいるのが常である。

 その後、二、三言返事を返した茜が、通話を切って受話器をゆっくりと下ろす。
 相変わらずこちらに背を向けたままだ。
「浅尾、学年主任がお呼びだ。職員室に戻りなさい」
「……はい」
「先に戻っていてくれ。片づけと戸締りをしてから私も行くから」
「……はい、あの、センセイ」
「うん」
 即座に返事は返ってきたものの、その声は掠れていて意外なほど弱々しかった。
 よほどの怒りをこらえているのか、それとも別の感情と戦っているのか。

「えー……服、治したほうがよくないですか」
「ああ、うん」
「センセイ?」
375総一郎と茜_四度目の6月 10 ◆DswpUl0rgY :2010/09/12(日) 02:28:49 ID:mr4jDSeE
 手を伸ばして肩に触れる。
 細い肩がびくりと震えて、総一郎の手を避けるように身をよじった。
 俯けていた顔をあげて、上目に総一郎を見つめたその瞳は若干の熱を持っていまだ潤んだままだった。
 ――え、何その反応。
 素直に動揺をして両目を見開いた総一郎の表情を目の当たりにした茜は、眉間に少ししわを寄せ、くちもとを手のひらで隠して再び背を向けた。
 耳までを赤く染めて、左手で胸元を掻き合わせてぎゅっと握る。
 そのうちに何か言ってくれるかと辛抱強く待ってみるものの、ただ時間だけが過ぎていく。

 柔らかだった雨音が、若干激しくなったようだ。
 ああ、そうだ、窓を閉めなくては。それに、早く職員室に戻らないと学年主任が呼んでいるのではなかったか。
 できることならば待ちたかったが、いい加減タイムリミットだった。
「あの、センセイ……怒ってます、よね?」
「…………うん」
「軽率でした、ごめんなさい」
「ああ」
「だから、いつもみたいに正論で責めてもらえませんか」
「……今は…無理だ」
「は?」
「駄目だ、違う、なんでもない。いいから早く行きなさい」
「なんでもないって何ですかそれ」
 茜はやはりこちらに背を向けたままぶるりと首を左右に振った。
 だからなんでもない、と吐き捨てたその口調は、クールなだけでなくいっそ剣呑だった。そんな態度の茜を見るのは、ものすごく久しぶりな気がする。

「センセイ……ちょっと普通じゃないよ、どうしたの」
「普通じゃないとも。それが?」
「なんで普通じゃないのか言ってください」
「……ああ、言わせたいのか君は。とんだヘンタイだな。
 それも私の調教のたまものなのか? 君に問いつめられるなんて私は教え方を間違えたのかもしれないな」
 そう言いながら、やっと茜は顔をあげてこちらを見つめた。
 どの口がそれを言うか、と思ったものの、やっと硬直状態が解けたのだから黙って続きを待つことにする。
 一瞬聞こえた「調教」という言葉は、気のせいだということにした。

「いいだろう、告解をしよう。しっかりと聞きたまえ。
 私には君を怒る資格などないんだ。なぜなら不覚にも私も楽しんでしまったのだ。
 学校で、しかも私の聖域であるこの化学準備室で、ネクタイを締め白衣を着た君に後ろから抱き締められていいように弄ばれて、私は異常に興奮をした。
 意識が飛びそうなほど追いつめられて迎えた絶頂の余韻が、いまだこの身から引かず困り果て、同時に深い自己嫌悪に陥っているところだ。
 君を怒るのは、思う存分自分を責めたそのあとになるだろうから、残念ながらご期待には添えないだろう。反省は一人でやってくれ。
 以上――なにか、質問は?」
「い、いえ……特にありません」
「だったらそういうわけだから、早く一人にしてくれないか。あたまを冷やしたいんだ」
 よっぽど動揺をしているらしく、いつもより早口でそうたたみかけられて、総一郎もつられて動揺をする。
 はいっ、と勢いよく返事をし、職員室に戻るべく散らばった筆記具をかき集めようとしたところで、ふと、ぬらりと光る己の指に気が付いてしまった。

「あっの、センセイ……手だけ洗わせてもらっていいですか?」
「……ご勝手に」
 茜は引き続きつっけんどんに言い放つと、自分の椅子に腰をかけて机に突っ伏してしまう。
 ここは、恐らくそっとしておくべきなのだと判断した総一郎は、大急ぎで手を洗い職員室へとダッシュしたのだった。
 
 
376総一郎と茜_四度目の6月 11 ◆DswpUl0rgY :2010/09/12(日) 02:29:33 ID:mr4jDSeE


 天気予報の通り、夕方から降り始め徐々に勢いを増した雨は、帰宅時刻になっても強さを維持したままだった。
 帰り支度を済ませて隣の席の茜に、もう帰れますかと尋ねると、物凄く時間がかかりそうだから先に帰りなさいと冷たくあしらわれた。
 避けられるのは当然と納得がいくので、せめてこれだけはと思い折りたたみ傘を差し出したところ彼女は、
いらない持っているお疲れと低く告げて、真剣な面持ちでパソコンに向かってしまった。
 その可能性を考えてなかった自分の浅はかさに自分でびっくりした。
 疲れのせいか、普段以上に視野が狭くなっているのかもしれない。
 あと三日。集中して実習をこなさないといけない。明日からはまた指導教官と教育実習の関係に戻って、真面目にすごそう。
 そしてこれが終わったら一番に茜とセックスがしたい。
 不健全な目標を立てて、改めて一心不乱に励もうと気合を入れなおした。

 それから。
 二度とそのようなハプニングもなく、またハプニングを起こす余裕もなく、なんとか教育実習を終了した総一郎を待っていたのは、なぜか一か月の禁欲生活だった。
 猛然とレポートを書きあげて茜に会いに行ったのがその翌週の週末のこと。
 部屋には入れてくれたものの、いざコトに及ぼうとした瞬間に
「あの日の自責がまだ終わってないから今日は無理」とこちらの罪悪感を巧妙に煽られた。
 切なげに伏せられた瞳が、また心を深くえぐるのだ。引き下がるしかあるまい。

 それから三度同じ断り文句を聞いたところで、俯いた茜のくちびるの端が上がっているのに気が付き、それが詭弁だと知った。
「もしかして……からかって、ます?」
「ああ、やっと気がついたのか、浅尾」
 顔をあげた茜は、やっぱりにやり笑いをしていた。物凄く楽しそうな。
 なんか最近この顔を見た気がする。
 逡巡をして、すぐに思い至った。教育実習の初日だ。

 やっと追い付けると思ったのだ。まだ片足を踏み込んだだけだけど、同じ場所に立って、茜と肩を並べるに値する自分になれそうだと思ったのだ。
 実習に行ってみて判ったのは、教師ってホントに大変だなということと、茜はビジネスライクなりに生徒ときちんと向き合ってるということ、実は彼女は白衣フェチだということ、
 そして――やっぱりまだまだ、茜には勝てそうにないということ。

「……ヘンタイ」
 やっと出てきた文句はそれだった。
 褒め言葉か、と茜が言いきる前にくちびるを塞いだ。彼女は抵抗らしい抵抗をみせず、珍しく大人しく総一郎の舌を受け入れる。

 意識も飛んでないのに、いつもより若干大きめの声を上げて応えているあたり、もしかして彼女も欲求不満だったのかもしれないけど、
聞いても教えてはもらえないだろうから真実は闇の中だ。
 いつかこの天邪鬼をぎゃふんと言わせてやる。
 今日じゃなくていつかという所に多少虚しくなったが、すぐにそんなことも忘れて、久しぶりの快感にのめりこんでしまったのだった。




以上です。お付き合いありがとうございました。
377名無しさん@ピンキー:2010/09/12(日) 10:33:08 ID:J0VE+ERo
投下キター!!
待っていました、解除オメデトウゴザイマス!

興奮して涙目になってしまった、アホ過ぎる
頭冷やして、今、ちゃんと隅から隅まで読めました。
GJすぎる

ああ、白衣ネクタイ……
378名無しさん@ピンキー:2010/09/12(日) 14:29:37 ID:eXajpV6o
俺の総一郎きたああああああああああああああああ

……って、総一郎が教育実習生にwwwww
先生は相変わらず可愛いな!
GJ!
379360:2010/09/12(日) 15:34:32 ID:WiAv+vbc
すみません遅くなりました。
昨日外出して帰ったら深夜でへとへとだったもので…。

ではちょくちょく投下していきますね。
380『約束』 ◆tsGpSwX8mo :2010/09/12(日) 15:37:39 ID:WiAv+vbc

『もうアルと会えなくなっちゃうの、いや!』
『また会えるさ。…じゃあこうしようか。
 俺のスカーフをお前に預ける。リンはそれを俺に返してくれ。
 なくさずに大事に持っててくれよ、高かったんだから』
『…うん!わかった!
 あたしおっきくなったらアルにスカーフ返す!
 そしたらまた、会えるよね?』
『ああ。約束、だ』
『うん、やくそく!』



――――――――――――



「アスファルトの日照り、蝉の鳴き声。ここもあんまり変わってないなぁ」
あれから10年。
あたし、霧原凛はようやく日本に帰ることができた。
アメリカでの暮らしが一段落着き、おじいちゃんから日本帰国への許しが出たのだ。
電車で駅まで来て、バスに乗って目的地の停留所を降りる。
それにしても日本の夏は暑く感じる。
8月の真っ最中も暑いが、9月になっても残暑は厳しいという。
「さて、と。帰ってきたんだからやることやらなくちゃ!」
あたしは昔懐かしい道路の坂道を下って行った。

ぴんぽんぴんぽん
目的の家の門に立ち呼び鈴を鳴らすと、10年経ってもさほど変わらない声が届く。
『はいはい、どなたでしょうか』
「あ、あの。あたしです。10年前真向かいの家に住んでたリンです。覚えてますか?」
『リン…?もしかしてあの凛ちゃん?まぁ、こんなに大きくなって。お元気そうね。
 ここじゃお暑いでしょうから中にお入り』

久しぶりに会った綾子おばさんは、相変わらず美しい人だった。
とても長い日本家屋の廊下を案内されながら、会話を続けた。
「でもよくあたしのことわかりましたね。嬉しいです。
 7歳の頃とだいぶ変わったと思ったんですけど」
「わかりますわよ。昔の面影が残っているんだもの。
 それはそうと、日本に帰ってきたのなら連絡をいただければお迎えをしたのに」
「そんな悪いですよ〜。竜造おじさんや他の人達もお元気ですか?」
竜造おじさんとは、綾子さんの旦那さんである。
「ええ、ええ。…皆、元気ですよ。有斗も今休暇でこちらに帰ってきてるのよ。
 今は外出してるけど、夜になったら家に戻るだろうから、それまでここにいらっしゃい」
「アル…トさんもこっち帰ってくるんですか!?」
「そうよ。というより、凛ちゃん有斗に会うためにここに来たのでしょう?」

ええ、そうなんですけど(笑)
今日、あたしがアルこと針木有斗の実家を訪ねたのは帰国後の挨拶でもあるし、
綾子おばさんからアルの近況を尋ねて、現在の場所も聞きたかっただけだったのだ。
10年前アルも大学生だったけど、今もあのアパートに住んでるとは限らないし。
381『約束』 ◆tsGpSwX8mo :2010/09/12(日) 15:39:32 ID:WiAv+vbc
アルとあたしは真向かい同士の家で、幼なじみだった。
おじいちゃんと竜造おじさんが昔からの知り合いだったんだって。
まぁ幼なじみといっても、あたし達は13歳も年が離れてるから、
お兄ちゃんと妹みたいな感じで、小さい頃から面倒を見ててくれたらしい。
家族と同然だったから、あたしはアメリカへ行くのが嫌で、泣いて駄々をこねた。
そこでアルが、大事にしてたスカーフを返してくれるように『約束』をしてくれた。
…そして、それが『はじまり』だった。

アル、元気にしてるかな。
もう30歳だからあの時よりもっと大人になってるのかな。
あたしのこと、覚えててくれてるかな。
早く会いたいなぁ。

…10年、長かったな。




――――――――――――



あたしとアルは簡単に再会できた。
意外に早く、アルは真っ暗になってしばらくのちに帰ってきた。

「リン…か?久しぶりだな。元気か?
 しばらく見ねぇうちにでっかくなったな」
「おんなじこと綾子おばさんにも言われたよ。
 あたし成長したのびっくりした?」
「まぁ、子供の成長は早いって言うしなぁ」
「子どもじゃないもん!もう高校生なんだよ?」
「いーや。俺からしたらまだまだ子供だ」

覚えてくれてた!
久しぶりに交わしたアルとの会話は相変わらずだった。
ちょっと皮肉屋だけど、頼れるお兄さんで本当は誰よりも優しい人。
やっぱり思い出の時よりもずっと大人な男性になっていた。

「でもさ、一人で実家帰ってきてていいの?奥さんとか心配じゃない?」
―もう、結婚しちゃったのかな。さりげなく聞いてみる。
「……いや、結婚は、してねぇよ。もう少し独身生活を楽しみたいしな。
 何だ?俺が結婚してなくてほっとした?」
「別にそんなことないですよーだ」
―そっぽ向いて言いつつ、本当はすごくほっとした。

綾子おばさんの提案で、あたしは夕飯を御馳走になった。
それに「もう夜遅いから今日は泊っていきなさい」とまで言われてしまった。
帰国してからの住まいや高校への編入手続きはある程度終わって、
落ち着いた上で針木家に来たので特に支障はなかったんだけど、子供のころとは違って気は遣う。
しかし辞退したものの、結局は押されて泊っていくことになった。
382『約束』 ◆tsGpSwX8mo :2010/09/12(日) 15:40:51 ID:WiAv+vbc
「ね、こっちの部屋で寝ていい?」
「……は!?」

おばさんに部屋を一室あてがってもらったものの、
すごく広くてあたしには落ち着かなくて、なかなか寝付けなくてアルの部屋の襖を軽くノックした。
襖が開いたと思ったらアルが凄く驚いた顔をしていた。

「だってお部屋広くて落ち着かないんだもん。それにこの10年あったこと色々お話したいし!」
「お前…。年頃の娘が男と同じ部屋で寝るもんじゃないぞ」
「どうして?」
「どうしてってなぁ…。一つの部屋に男女が一緒に寝たらどうなるかわかってないのか?」
「わかんないことはないけど。でもアルがあたしにそんなことするわけないと思うよ?」
「言ってやがるぜ。まぁお前に色気があるとは思わないから安心しろよ」
「ちょっとそれどういう意味!?」

もう、相変わらず人をおちょくるんだから。
でもなんだかんだでアルはあたしを部屋に入れてくれた。
心なしか布団の位置をすごく離してたけど、会話できるには十分な距離だったし
さほど気にしてなかった。

あたしはアルにこの10年アメリカにいた頃の話をいっぱいした。
最初は知らない国で不安だったこと。
アメリカで大切な友達に出会えたこと。
声楽を勉強して、コンテストにも何度か出場できたこと。
嬉しかったこと、楽しかったこと、辛かったこと、アルはあたしの話をずっと聞いてくれていた。
相槌を打って頬杖をついて、うすく笑みを浮かべながら。


『アル!あのね、あのね!今日がっこうでうさぎにエサあげたの!』
『そっか。良かったなぁ。うさぎ可愛かっただろ?』
『うん!でね、それから同じクラスのしゅん君がね…』


思い出の時とちっとも変わってない。今でも覚えてる。
あたしの大好きな笑顔。

時計が何時になったのかわからなくなったけど、アルの「もう寝ようぜ」という言葉で
あたし達はそれぞれの布団にもぐった。
あたし自身も少し眠たくなってきてたから丁度いいタイミングだった。

アルは思い出の頃と変わってない。
ううん、見た目や雰囲気はだいぶ変わってた。ずっと落ち着いた感じになっていた。
…でも、それだけじゃなかった。
あたしと話してるとき、アルは笑っていたけどどこか悲しそうだった。
383『約束』 ◆tsGpSwX8mo :2010/09/12(日) 15:43:47 ID:WiAv+vbc
ちょっとここでいったん区切ります。
また流していくのでよろしくお願いします。
384名無しさん@ピンキー:2010/09/12(日) 21:35:03 ID:KGqQQuc2
>>376
乙!!
先生良いな、相変わらず良い

>>383
こちらも乙!!
アル兄ちゃんはリンちゃんが居ない間に何かあったぽいですね
385名無しさん@ピンキー:2010/09/13(月) 23:38:53 ID:wlVnXsFl
待ってた!小笠原と浅尾!
386名無しさん@ピンキー:2010/09/14(火) 00:00:04 ID:gRKTa59X
おかえりなさい先生!
387名無しさん@ピンキー:2010/09/14(火) 00:22:52 ID:w/0iO9Dv
>>376
先生最高や

>>383
この仲良いけど微妙な空気が漂ってる雰囲気が良い
続きまってます
388名無しさん@ピンキー:2010/09/14(火) 03:37:23 ID:CaDzfSs3
先生来てた!!

『通過儀礼』はあまり思い出したくないwww
389名無しさん@ピンキー:2010/09/14(火) 04:31:26 ID:SlEvOWxC
>>379-383
これは続き期待
390名無しさん@ピンキー:2010/09/16(木) 03:22:57 ID:BwlXLUGI
桜庭一樹の『私の男』っていう小説オススメ
父と娘の近親相姦の話なんだけど、イケメン設定の父親が9歳の娘に手出すんだよ
娘もそれを受け入れてそれ以降来る日も来る日もヤりまくり
自分たちの邪魔をする者は徹底的に排除するわ娘は「おとうさんならなにしてもいいの」なんて言うわあばばばばばばばばばばば直木賞半端ねー
391名無しさん@ピンキー:2010/09/16(木) 06:09:01 ID:Y/YaBHdX
タイトルしか知らなんだがそんな話だったのか…そりゃすげえええ
映画なら、かなり古いが「天はすべて許し給う」がまあまあよかった
大学生の子どもがいるが若々しくもてもてな未亡人が、年下の庭師と恋に落ちてプロポーズされる
が、狭い田舎町で噂は瞬くまに広がり、保守的な周りの人々や子どもらからも反対され…っていう
392名無しさん@ピンキー:2010/09/16(木) 18:34:26 ID:4VdoRa/9
リン可愛いナァリン
393名無しさん@ピンキー:2010/09/17(金) 00:21:37 ID:tl82Zybu
父娘で年の差カップルも萌えるね
394名無しさん@ピンキー:2010/09/17(金) 10:15:11 ID:s6azTtfU
>393
父が娘より年下と付き合って、娘が父より年上と付き合って、
その付き合っている娘と男が実は義理の母子とか、そういうことか?
395名無しさん@ピンキー:2010/09/17(金) 11:38:00 ID:Z2TZPotQ
>>394
単に>>390を受けての「近親相姦もアリだね」ってことなんじゃないか?
個人的には近親より擬似家族の方が萌えるな

最近読んだのでは中村明日美子の「片恋の日記少女」がよかったな
いわゆる少女漫画の短編集だったんだが、可愛かった
もともと中村さんがBL作家なので気にしない人には勧めたい。
396名無しさん@ピンキー:2010/09/18(土) 01:58:54 ID:1hpmPNdm
>>394
>>395の人が言う様に普通に父娘相姦年の差カップルのつもりだったがそれも良いな……


しかしあれだおっさんと美少女の組み合わせは浪漫だね
イタリアのベルルスコーニ首相は18歳の女の子に手を出したそうだがw
397名無しさん@ピンキー:2010/09/18(土) 06:44:29 ID:g2z4BADi
おっさんと少女とか、もう字面だけでときめくwわ
398名無しさん@ピンキー:2010/09/19(日) 00:33:20 ID:EyUT6G4/
おっさんの濃厚でいやらしい行為で性的に嬲られる美少女か
萌える
399名無しさん@ピンキー:2010/09/19(日) 08:13:35 ID:GO5x1ere
エロもいいが「萌え」という点ではプラトニックの方が好きだ
レオンみたいな
400名無しさん@ピンキー:2010/09/19(日) 08:25:10 ID:rOCZrZgZ
レオンってベッドシーンなかったっけ? 記憶違いかな……。
あとやっぱマイボディーガードも外せないよな。
401名無しさん@ピンキー:2010/09/20(月) 02:10:14 ID:+PyZKSH+
>>399
そいうのも良いけど俺としては萌えも込みでおっさんと美少女のエロが見たいw
402名無しさん@ピンキー:2010/09/20(月) 06:17:20 ID:aodEmdbh
>>400
レオンは完全版だかディレクターズカット版だか
何か後から出たやつに恋愛っぽい描写が入ってるんじゃなかったか

見てないから違うかもしれないけど
403名無しさん@ピンキー:2010/09/20(月) 17:42:09 ID:6air2eRI
「子どもに手なんて出すわけないだろう」っておっさんと、
「もう私子どもじゃないのに」って少女時代脱しかけ位の娘が
じりじりプラトニックした挙句に、
おっさんがよその若造に嫉妬したりをきっかけに
大人の本気で濃厚にいたすようなのが好きだ。
404名無しさん@ピンキー:2010/09/20(月) 18:02:53 ID:Ru3zR+v3
>>403
凄く萌えるなそれは
405名無しさん@ピンキー:2010/09/21(火) 00:05:19 ID:t2HH3qC9
おばさんとショタの魅力についても、もっと語られるべきだと思います!

ほんの気まぐれや同情、あるいは悪戯心から年下の男の子に手を出したはずの女の人が、
少年ならではの真摯な思いにほだされ、やがて彼を本気で愛するようになってしまうんですよ。
酸いも甘いも噛み分けた大人の女性が少女のように恥じらう姿とか、最高じゃないですか。
406名無しさん@ピンキー:2010/09/21(火) 00:53:39 ID:aUpl+BmW
年下の男の子に本気で恋する乙女状態になる熟女は良いな
いくら貞淑でも既に経験済みなら身体は嫌でも淫乱だろうし
年甲斐も無く嫉妬する可愛いババアとか見たい
407小ネタ(1/2):2010/09/21(火) 03:23:12 ID:m942qZ6N
「あっっ……ん、むーちゃん」
「その呼び方はやめろ」
 耳元で囁く。
 減らず口は相変わらずだが、ベッドの上では従順で可愛らしい声も出す。
 この半年、彼女の身体を開発したのは自分だ。
 最初は痛がっていたが、今ではすっかり感じるようになった。
 いたずら好きで、寂しがり屋で、好奇心旺盛な彼女は、夏休みだから、と家族がいないのを良いことにこの部屋に居着く始末だ。
帰宅すると、やれご飯まだか、とかレポート手伝え、とかギャーギャー騒ぎ、時々、甘えて誘ってくる。
 毎日襲えば少しはしおらしくなるんじゃないかとも思うが、非常に残念なことに俺にそんな体力はない。
 今日なんて「クールビスしなきゃね」と、キャミソールとパンツ姿で抱きついてきたのだ。
アホか、と彼女を諫めるフリして乗っかってしまう自分も自分なのだが、そこはそれ、男の悲しい性だ。
とは言え、腹が減っては何とやら。夕飯を作り、二人で食べて、更に食器を洗ってから形ばかりの説教をし、ベッドに傾れ込んだのである。
 アホは俺か。
「あっっむーちゃ、むーちゃぁん、だめ、そこっっ」
 だめ、と言われたのでわざと動きを止めた。
「え?」
 実里の潤んだ瞳には、自分の愉悦に浸った表情が映っている。
 普段は色々とやりこめられている分、こういう時位は優位に立たないとな。
「だめなんだろ?」
「あ……」
「……やだ、やめないで。むーちゃん」
「だから、呼び方」
 焦らすように動く。
 熱く絡みついてくるが、誘いには乗らず、しなやかな腰を撫で上げた。
「もー、エロオヤジ」
 30歳はまだ中年じゃない。しかもエロとは何だ。別にエロい事を言えって訳じゃないだろう。
 年上に対する呼び方を教え込んでいるだけだ。
「さんを付けろ、デコ助娘」
「……むーさん?」
「みーのーりー」
 流石にネタが古すぎたか。
 軽くデコピンをかますと、腰を掴んで一気に引き抜いた。
 俺が本気だと、ようやく実里も気付いたのだろう。
 今度はきちんと、俺の名前を呼べた。
408小ネタ(2/2):2010/09/21(火) 03:24:09 ID:m942qZ6N
「やっだめっっ、む、睦月さん、睦月さぁん」
「いいコだ」
 汗ばんだ額にキスをし、彼女を俯せにひっくり返した。
 白くまろやかな尻を両手で揉みほぐすと、段々と腰を浮かせて来た。
「むつきさん、早く、早くぅ」
 甘く、焦りを帯びたおねだり、太腿からは既に淫液が滴り、ヒクヒクと媚肉が震えている。
 少しやり過ぎたかと反省し、今度はゆっくりと実里の感じる所を擦り上げるように挿入した。
「っっっっっっ」
 散々焦らしたせいか、身体を仰け反らせ、あっという間にイった。今度は声が出ず、ただ口をパクパクさせるのが精一杯らしい。
 だが、ここで終わらせてやる程俺は親切じゃない。
 ゆっくりと引き抜き、抜ききる前に勢いよく奥へと挿入する。
 獣のように後ろから突き上げた。肉がぶつかり合う音、そのリズムに合わせて実里の尻もふるふると震える。
「ひゃぁん、あっっっ、あん、あぁん、やぁ、も、私、イ……のにぃ」
 一度は力の抜けた肉壁が、擦り上げるごとにまたきゅっと締め付けてくる。
「誘ったのは、お前、だろ、実里」
 偉そうに実里を苛めておきながら、全くもって恥ずかしいことに自分も限界に近い。
 だが、これも年上であり、男である自分の意地と面子で、あんまり早くイく訳にはいかない。
 今度は後ろから抱き上げ、身体を揺すりながら右手で乳房を、左手でクリトリスを弄る。
「やっっ、あぁん、だめ、また、まっっっっ」
 制止しようとしているのか、それとも求めているのか、実里は俺の首に腕を絡めてきた。
 汗で張り付いた髪から白い首筋が覗いていた。誘われるように首筋を舐め、軽く吸うと、実里の身体が再び仰け反った。
「あ、あ、ああぁぁぁぁ」

「ねぇ、むーちゃん」
 着替えの後ろから、柔らかくて愛しい身体がくっついてくる。
「だから、その呼び方はやめろ」
「だって、むーちゃんって呼んだ方がいっぱい気持ちいいことしてくれるんだもーん」
「!!!」
 結局、俺は実里には勝てないのだ。

409名無しさん@ピンキー:2010/09/21(火) 18:29:45 ID:NHxu/61R
>>407
GJ!
実里かわいいなー最初みさとって読んじゃったけど
睦月より一枚も二枚も上手な感じがいいねえ
410名無しさん@ピンキー:2010/09/22(水) 02:12:39 ID:oTYfgcqa
>>407-408

実里強いなw
411名無しさん@ピンキー:2010/09/23(木) 02:57:17 ID:AKD34Jj0
『高杉さん家のおべんとう』がヤバイ
料理物ってことで読んでみたらこのトキメキ具合は死ねる
12歳少女と30男ってだけでもヤバイのに

タイトルでぐぐってレビューサイトだけでも見てくれ
トキメイて死ねる
412名無しさん@ピンキー:2010/09/23(木) 15:47:48 ID:I76yGbjc
さてはキサマ、授業で「いとこ同士は結婚できる」って知ったら
家系図書いてみて妄想してみたり
ベランダから背中に向かって小声で
「ハぁルぅ――……」と呼びかけて赤面したりに悶えたクチだなっ!?
413411:2010/09/24(金) 21:40:07 ID:eblOmzDP
>>412
違う!
俺が一番ときめいたのは
30男が家を空けることになって
初めて出来た友達の家に12歳少女が預けられることになって
友達やその家族とも楽しく過ごせたけど
夜に30男と電話したあとに
「楽しかった よ。けどね」
で、言葉が途切れるところだ!
ここでその話も終わってしまう、どんな顔で言ってるのかも描写されない
そこが俺の紳士脳を攻め立てるんだ!!!
414名無しさん@ピンキー:2010/09/25(土) 19:22:21 ID:ttancQDC
まぁ、おっさんと美少女は浪漫
415名無しさん@ピンキー:2010/09/25(土) 19:38:16 ID:wkSmpM9U
>>411
横からだが、ぐぐって作者名見たら驚いた
この人の作品は白泉者からデビューした当時に読んでたんだけど
いつの間にか消えちゃったんで見失ってた

ひさびさに読んでみるよ、ありがとう
416名無しさん@ピンキー:2010/09/28(火) 04:14:19 ID:p/LmBRHY
まさかポケモンで年の差萌えくるとは思わなかった
ヤーコンとカミツレいいよー
417名無しさん@ピンキー:2010/09/28(火) 23:39:40 ID:ZhpQtiiO
418名無しさん@ピンキー:2010/09/30(木) 19:39:46 ID:/aIQQYz+
419名無しさん@ピンキー:2010/09/30(木) 19:54:52 ID:6/t7JfYJ
>>417-418
何これ?
420名無しさん@ピンキー:2010/09/30(木) 22:31:39 ID:M+3FIrtD
オカルト学院とかいうアニメの…これは二次絵?
そういやあれは、年上ver.と年下ver.を同じ相手で体験(?)するという
ひと粒で二度おいしいアニメだったんだな…。今ごろ気づいた
見てない人にはイミフだな、すまん
421遠子と英介:2010/10/01(金) 22:20:54 ID:cuNr2x5T
続きを投下します。
なるべく短く改行するようにしました。



翌日、俺は十時半頃、学校に到着した。
校門をくぐると、正面玄関の脇、校内からは見えなくなる所に、数人がたむろしているのが見えた。
その内の一人が、こちらに気付いて手を上げる。
「よお、牧田」
声をかけたのは、小林だった。隣には江橋もいた。
手前で座っていた大島と井口が振り向いた。
俺は心の中で舌打ちした。
間違いなく、小林と江橋は昨日の事について聞いてくるだろうと思ったからだ。
「おう牧田、こっち来いや」
大島は口から煙草の煙を吐き出しながら言った。
…無視すると後からうるさい。
俺は渋々、大島達の方に近寄った。
あまり長くそこに居たくなかったから、立ったままで居ることにした。
「おい牧田、昨日のあれさぁ、結局何だったん?」
…やっぱりな。
案の定、小林は昨日の事を聞いてきた。
しかも最悪なことに、二人の時や江橋だけならまだしも、大島と井口も居る前で。
「あ?何だ昨日のあれって」
大島は小林に尋ねた。
「いやさー、昨日牧田と江橋と三人でコンビニの前でダベッてたらさぁ、何か知らねー女がこいつのこと呼びに来てさ。なあ、江橋」
小林は江橋に振った。江橋はああ、と頷いた後俺を顎でしゃくった。
422遠子と英介:2010/10/01(金) 22:22:45 ID:cuNr2x5T
「んで何かさぁ、こいつがその女の事起こらせちまってよ、もンのすげぇ怒鳴られたんだよ。もう超おっかねーの」
俺は小林と江橋を殴りたい衝動に駆られた。
大島と井口はそれを聞いて下品に笑っていた。
「…え?それで?その後どうなった?」
井口はまだ少し笑いながら小林に尋ねる。
俺はおい、もう良いだろ、と言いかけたが、それよりも先に小林が口を開いた。
「その後、俺らポカーンってしてたら、何かそのまま牧田がその女に連行されて行っちまったよ」
「ふーん…牧田、おめーの彼女ドSなのなぁ」
大島がニヤつきながら俺を見る。
「…別に、彼女とかそんなんじゃねえし」
「じゃあ誰なんだよ」
井口もニヤつきながら聞いてくる。
答えたくない。だが、このまま黙っていると本当に彼女ってことにされそうだ。
気がつくと、その場の全員の目線が俺に集中していた。
…クソ。俺は心の中で悪態をついた。
「…ただの家庭教師だよ」
幼なじみの、ということはあえてふせておいた。
家庭教師!?
その場にいた全員が、口を揃えて聞き返した。
「お前いつの間に家庭教師とかつけたんだよ?え?何、お前勉強すんの?」
井口が心底意外だとでも言いたげに聞いてくる。
その口調が何だかムカつく。
「しねえよ。何か親が勝手につけやがった」
「へえ、大変だな。…おい、可愛かったか?」
大島は、なぜか俺ではなく小林と江橋に尋ねた。
小林と江橋は互いに顔を見合わせた。
「まあ…眼鏡かけてたけど…まぁけっこう美人だったよな」
小林は江橋に言った。江橋もうん、と頷く。
423遠子と英介:2010/10/01(金) 22:24:49 ID:cuNr2x5T
美人。褒められてるはずの言葉だが、こいつらが言うと何か引っかかるものがある。
すると、ニヤリと口元を歪めながら大島が言った。
「おーいいじゃん。え、やっぱさあ、エロいこととか教えてくれたりしねーの?」
…あ?今、なんつった?
井口も、それに続く。
「おーイイなそれ、セックスのヤり方とか教えてもらいてぇー」
大島と井口はそこで二人爆笑した。
小林と江橋もニヤニヤと笑っている。
俺はもう、怒りで声も出なくなっていた。
ただ四人を、黙って見下ろしていた。
「あー俺も美人の家庭教師とセックスしてえー」
俺はもはや、この場で全員を殴り倒したかった。
いや、殴り倒そうとした。
…おい、お前ら。喉元までその言葉が出かかった時だった。
「おい、お前ら!」
不意に大声で怒鳴られる。
声のした方を振り向くと、生活指導の長谷川が玄関から身を乗り出しこちらを睨んでいた。
「そこで何やってる!さっさと教室に戻れ!」
そのままこちらへと向かってくる長谷川。
「おおっやべっ煙草消せ煙草!」
慌てて煙草を消しにかかる大島達。
それを見ながら、俺は茫然とその場に立ち尽くしていた。
「ほらお前ら、さっさと教室戻れ!」
長谷川に急かされ、大島達はだらだらと立ち上がる。
「…あれ?そういえばさっき、お前何か言おうとしてなかった?」
ふと、小林が立ち尽くす俺を見て言う。
「…別に、何でもねえ」
俺はそう言って、やり場のなくなった怒りを小林にぶつけた。
わざと肩をぶつけてやった。
後ろで小林が、どーしたんだ、アイツ、と言ったのが聞こえた。
…うるせぇ。てめーが勝手に昨日のことベラベラしゃべるからだろーが。
俺は心の中でそう答えた。
424遠子と英介:2010/10/01(金) 22:27:46 ID:cuNr2x5T
…それにしても腹が立つ。
まさか、知り合いをああいう目で見られることが、こんなに不愉快だとは思わなかった。
俺は校舎の中へ入った。
前をだらだらと歩く大島と井口の背中を、心の中で何度も殴っていた。

二日後。俺はその日、学校が終わるとまっすぐに家へ帰った。
いつもなら、小林達と適当に寄り道して帰るところなのだが、今日はそういうわけにもいかない。
俺は玄関の扉を開けた。
黙って靴を脱ぐと、奥からババァが顔を出した。
「あんた早かったねぇ。今日また遠子ちゃんくるんだから、あんた今日こそは大人しく家にいてちょうだよ」
うるせぇ、と呟きながらもう片方の靴も脱ぐ。
ババァはふん、と言いながらまた奥に消えた。
よし、今のうちだ。
俺は音を立てないように引き返すと、下駄箱の中を漁りサンダルを取り出す。
鞄を開け無造作にサンダルを中に突っ込んだ。
どうせ大したものも入ってない。
俺はちらりと後ろを伺った。
こちらには気づいていない。
俺は何事もなかったかのように居間の扉を開けた。
奥にいるババァに呼びかける。
「おい」
ババァはきょとんとした顔でこちらに振り向く。普段、俺から話しかけることは滅多にない。
「なに?」
「今から夕方まで寝るから。絶対起こしたりとかすんなよ」
俺はそれだけ言うと、扉を閉めて階段を上がっていく。
ちょっとわざとらしい気もするが、念には念を、だ。
425遠子と英介:2010/10/01(金) 22:30:10 ID:cuNr2x5T
部屋に入ると、俺は鍵を掛けた。いつの間にか、そうする癖がついてしまった。
鞄をベッドに放り出すと、制服を脱ぎ適当に着替える。
どこかで暇を潰すため、一応財布をポケットに入れる。
俺は鞄からサンダルを取り出すと、窓を開けた。
窓のサッシに腰掛け、サンダルを履くと、そのまま雑草の生い茂った下へと飛び降りた。
鈍い音がし、両足に衝撃が走る。
「っと…」
わずかに衝撃の残る足を慣らしながら、俺は窓を見上げた。
開けっ放しになってしまったが、まあいい。
一瞬、“あの人”の顔が脳裏に浮かぶが、すぐにかき消した。
雑草で足を切らないよう注意しながら、俺は家の裏へと回っていった。

---------------------

わたしは携帯を取り出し、時刻を確認した。
駅前の本屋「新星書堂」の、従業員用玄関。
ちょうどバイトを終えて出てきた所だった。
午後四じ五十五分。うん、いつも通り。
わたしが頷いて携帯を鞄にしまおうとした時だった。
急に携帯がふるえだした。
驚いて携帯を落としそうになる。
慌てて携帯を開くと、画面には“おばさん”と出ていた。
英介君のおばさんからだ。
ふと、いやな予感がわたしの中をかすめた。
恐る恐る、電話に出てみる。
「…はい、もしもし」
『あっ!?遠子ちゃん!?』
電話の向こうから、おばさんのせっぱ詰まった声が飛び込んできた。
「はい、あの…どうしました?」
わたしが尋ねてみると、おばさんはしばらく無言になった。
そして、ひどく泣きそうな声で、おばさんは言った。
『英介が…逃げた』
「…あー」
わたしは別段驚かなかった。
むしろ、予感が当たってもしかしてわたしってちょっとすごい?なんて思ったくらいだった。
426遠子と英介:2010/10/01(金) 22:32:16 ID:cuNr2x5T
『英介、今日はいつもより早く帰ってきて…あたしもようやっとやる気になったかなってちょっと安心したの。
それで、夕方まで寝るから絶対に起こすなって言って部屋に入っていったのよ。
あたしも寝るくらいならまぁいいかってそのままにしておいて。
それでちょっとした頃にあたし英介に用事思い出して、部屋に行ったんだけど返事が聞こえないのよ!
何回も呼びかけたのに!
…で、これはおかしいって思って…下から窓確認したら、開けっ放しで…』
おばさんはそこまで一気に喋ると、長いため息を一つ吐いた。
『ごめん…遠子ちゃん。もうあたし、どうしたらいいか…』
おばさんの声が一気に弱々しくなる。
「あ…だ、大丈夫ですよ。あの、わたし今ちょうどバイト終わったところなんで、これからしばらく、英介君探してみます」
『ほんと…?あ…でも遠子ちゃん、総太郎君のご飯作らないといけないんじゃ…』
「あ、その辺は大丈夫です。前の晩、カレー作り置きしておいたんで」
そう、こんなこともあろうかと、前の日カレーを作り置きしておいたのだ。
カレーなら、勝手に温めて食べればいい。
まぁ、それがどうしたと言われればそれまでなんだけど。
「とにかく、こっちの方は心配いらないんで、おばさんは家で待っててください。
ちゃんと英介君、つれて帰りますから」
わたしはおばさんとの電話を切ると、急いで駐輪場へと向かった。
「まったく…世話かけさせる子なんだから」
わたしはそう言いながら、自転車にまたがった。

「…ヤバい…どこにもいない…」
駅前のマクドナルドの店内で、わたしは一人、うなだれていた。
ジンジャーエールをひとくち飲むと、思わず大きなため息が出た。
ちらりと時計を確認する。…げっ、もう六時半!?
427遠子と英介:2010/10/01(金) 22:35:09 ID:cuNr2x5T
あれからしばらく色々なところを探し回った。
どうせまた今回も、適当な所でたむろしているとたかをくくっていた。
わたしの記憶の中にある“不良の行きそうなところ”をくまなく当たってみたけれど、どこにも英介君は見当たらなかった。
ここマクドナルドにも、飲み物を買うついでに英介君が居ないかと入ってみたのだが、居るのは学校帰りの学生ばかりで、英介君のえの字もなかった。
わたしはまたジンジャーエールを飲む。
やっぱり、英介君は英介君だった。
同じ不良だからと言って、英介君と総太郎をひとくくりにするのは無理があったのだ。
わたしはカップの中の氷をストローで突っつきながら、またため息をついた。
「ああ…もうお手上げ。今回はわたしの負けで良いから…お願いもう出てきて〜…」
わたしは一人で呟きながら、テーブルの上に突っ伏した。
そのままぼんやり窓の外を眺める。その時だった。
視界の端に、ふと何かが写り込んだ。
わたしは思わず自分の目を疑った。
「うそ…出てきた」

---------------------

「ありあとざっしたー」
やる気のない声に見送られながら、俺は店を出た。
漫画喫茶でこのまま夜まで時間をつぶそうと思ったのだが、午後六時以降は
428遠子と英介:2010/10/01(金) 22:38:29 ID:cuNr2x5T
未成年は利用できないと言って追い出された。
胸糞の悪さを覚えながら、俺は次にどうやって暇を潰すかを考えていた。
…そういえば、今日は木曜日か。チャンピオンの発売日だ。
とりあえず、立ち読みしながら考えるか。
俺はとりあえず、少し先にあるコンビニを目指して歩き始めた。その時だった。
ぽんぽん、と肩を軽くたたかれた。
「?」
俺は思わず後ろを振り向いた。
細い指が、俺の頬を押した。
「あは、引っかかった。」
細い指の持ち主はそう言うと、にっこりと微笑んだ。
「もう、ずいぶん探したんだよ。
漫画喫茶に隠れるなんて、やるじゃない。ちょうどそこから出てくるとこ見えたんだよ」
そう言い終わるのが先か、俺は身を翻してとっさに逃げた、はずだった。
「あっ…待ってッ!」
細い腕が二本、にゅっと伸びて俺の胴に絡みついた。
後ろから抱きしめられる格好になる。
「なッ…!?」
俺はとっさに腕を引きはがそうとするが、がっちりと組まれてなかなかほどけない。
それどころか、ますます体を密着して…というか、背中に何かが…。
「ッ…!っおい、何やってんだッ…は、離れろッ!」
「やだッ…英介君が勉強するって言うまでッ…離さないッ…!」
俺の目の前を、小学生がこっちをまじまじと見ながら通り過ぎていく。
更に周りに目を配ると、通行人までもがこっちを見ていた。
429遠子と英介:2010/10/01(金) 22:40:26 ID:cuNr2x5T
「ッ…――クソッ見せモンじゃねえぞゴルァッ!!」
俺はこちらを見ている通行人どもに怒鳴り散らした。
通行人どもはさっとその場を離れていく。
「お前もいつまでくっついてんだよ気持ちわりぃッ!!」
そのままくっついていた“あの人”を力ずくで引き剥がす。
「わっ…!」
勢い余って後ろに倒しそうになる。
俺は少し気まずくなったが、そのままその場から逃げるように立ち去ろうとした。
が、またしても、服の袖を引っ張られ逃げられない。
「おい何だよしつけえぞ…!」
「ねえ、英介君…もしかして、わたしの事、嫌い…?」
…はい?頭の中を、予想すらしていなかった言葉が駆け抜ける。
「この間から…なんか…わたしのことずっと避けてるよね…?」
袖をつかむ手がかすかにふるえているのがわかる。
違う。確かにずっと避けてはいたけど、違う。
あれは、嫌いとかそんなんじゃなくて。
「喋ってるときも…全然目合わせてくれないし…
嫌いならいっそのこと嫌いって言ってくれた方が」
「…違うっ…」
「…え?」
しまった。思わず口に出してしまった。
「…違うの?どういうこと?」
「…いや、えっと、」
………。どうする、なんて言えばいい。
なんて言えば、ごまかせる。
「だ、え、その…」
「…英介君?」
…何だよ。俺は心の中で返事をする。
「…恥ずかしがってる?」
「なッ!?」
なんでわかっ…いや。
心臓が飛び出すかと思った。
「な、なんで…」
「え…だって英介君、昔っから照れると耳まで真っ赤になるから…」
そ、そうなのか…。
自分でもあまり気づかなかった。
俺は思わず自分の耳をさすった。
430遠子と英介:2010/10/01(金) 22:41:55 ID:cuNr2x5T
「?でもなんで恥ずかしがってるの?」
…それを聞くか、あんたが。
丸い目が俺をまっすぐに見上げてくる。
駄目だ。この目からは、逃げられそうにない。
「…だから、…その、あ…あんたが」
段々と声が小さくなっていく。
「…あの…き、…でっかくなってたから…お、俺も…こんなんなってるし」
ああ、ダメだ。自分でも何言ってるかわかんね。
俺はもう、何をどうしたらいいかわからず黙っていた。
「…え?それだけ?」
それだけって…。
丸い目がさらに丸くなり、まさに“きょとん”とした顔になった。
「…ぷっ」
…ぷっ?
「っあははははっ!な、何それ、え?つ、つまり、ただ“人見知り”してたってこと?」
「なっ…!ひ、人見知り!?」
それだと大分ニュアンスが違う。
大体人見知りって初対面の相手にするもんじゃなかったか。
「えー、だって、わたしに対して恥ずかしがってたってことは、要するに人見知りみたいなもの…でしょ?」
くくく、と笑いをこらえながら“あの人”が言う。
…いい加減腹が立ってきた。
しかし向こうは一向に笑うのをやめない。
「ふ、ふふふっ…な、なんか…英介君」
「…何だよ」
笑いをこらえつつ、ちらっと上目づかいで俺を見る。
「な…なんか…かわいい」
…な…。かわ、かわいいだと…。
「…バ」
俺は頭に血が上るのを感じた。決して恥ずかしいからじゃない、決して。
431遠子と英介:2010/10/01(金) 22:43:58 ID:cuNr2x5T
「バッ…バカにすんじゃねえよ!!…ッあ゛〜クソッだから言いたくなかったんだよッ!!」
俺はそう怒鳴りながら、掴まれたままだった袖を振りほどいた。
少し声が裏返った。
そのまま逃げるように歩き出した。
「あっごめ…っていうか英介君、家そっちじゃないよぉ」
少し遅れて、慌てた声が俺の後をついてきた。
家がこっちじゃない?知るか。

---------------------

英介君を家に連れ帰る頃には、もうあたりはすっかり暗くなってしまっていた。
チャイムを鳴らすと、間もなくおばさんが扉を開けた。
わたしと、その後ろに立つ英介君を見ると、おばさんの顔が安堵からか少し和らぐ。
しかしそれもつかの間ますぐにきっと英介君を睨むと大きな声で言った。
「…あんた部屋抜け出して今までどこほっつき歩いてたの!」
わたしはそのまま続けようとするおばさんを手で制した。
「あーおばさん…今日はそれ位にしてください。時間がアレですから。
英介君お腹も空いてないみたいだし、早速始めようと思うんで」
「あ…そ、そう?じゃあ、どうぞ」
おばさんはそう言うと扉を押さえつつ道をあけた。
わたしはおじゃましまーす、と言って玄関にあがり、靴を脱いでそろえる。
後から英介君も、無言で玄関に上がった。
「…じゃあ、二年のおさらいからやろうと思うから、二年の教科書取ってきてくれる?」
わたしが英介君に伝えると、英介君は面倒くさそうな足取りで階段を上っていった。
だがしばらく上ったところで、英介君の足はぴたりと止まった。
そのまま十秒ほど止まっていたかと思うと、英介君は階段を下り始めた。
そして無言でわたしの横を通り抜け、玄関を出ていこうとする。
432遠子と英介:2010/10/01(金) 22:47:04 ID:cuNr2x5T
「…英介君?どこ行くの?」
わたしは英介君の背中に尋ねてみるが、返事はない。
「ちょっと英介!あんたっ…どこ行くの!?」
おばさんが強い口調で言うが、それでも反応はない。
「英介!」
おばさんがさらに怒鳴る。
すると英介君はこちらを振り向いて言った。
「…うっせえな!部屋に鍵かけちまったから窓からじゃねえと入れねんだよ!」
そのまま、英介君は音を立てて玄関の扉を閉めた。
わたしとおばさんは顔を見合わせると、どちらからともなく笑いだした。

居間のソファに座りながら、わたしは英介君を待っていた。
待ちながら、さっきの英介君を思い出していた。
わたしに対して恥ずかしがってたなんて、意外と(って言うのは変かな?)可愛いもんだ。
そう言えば、英介君は昔からよく人見知りする子だったっけ。
わたしと英介君が一緒にいるとき、わたしの友達に会ったりすると、いつも決まって、わたしの後ろに隠れたりした。
案外、英介君の根本的な部分は小さい頃のままなのかもしれない。
そりゃそうだ。人の根っこの部分なんて、そう簡単には変わらないはずだ。
そんな事を考えている間に、階段を下りてくる音が廊下に響いた。
間もなく、大量の教科書を抱えた英介君が居間のドアを開けた。
「…あ、あった?教科書」
「…ん」
英介君は、両手に抱えた教科書をわたしの目の前に置いた。
「わー、国語ってまだこの教科書なんだ。あ、社会は新しいのに変わってる!へーえ」
わたしはその中から適当に英語を手に取り、パラパラとめくってみた。
落書きあるかな…。
433遠子と英介:2010/10/01(金) 22:49:00 ID:cuNr2x5T
最初のほう。結構まじめにやってたみたいだ。
落書きもあるけど、所々線を引いたりしてある。
真ん中のほう。あまり線が見られなくなってきた。
落書きも最初のほうに比べてめっきり少なくなっている。
さらにめくっていく。
最後のほう。完全にきれいな状態だった。
折り癖すらも、ついていなかった。
「………」
…なんだか、思ったよりもひどい。
総太郎も荒れ始めたのは丁度中二ぐらいの時だったが、それでも教科書は落書きだらけで、一応授業に出て教科書は開いていたわけだ。
でも、英介君の教科書、特に後半の方にはそれがない。
つまり、教科書を開くことすらしていなかったわけだ。
わたしは頭の奥の方で、不安と一緒に、何か頭痛のようなものを感じ始めていた。



今回はここまでです。
434名無しさん@ピンキー:2010/10/02(土) 12:26:30 ID:Wh39fnxJ
GJです。改行の件、ありがとうございます。続きも楽しみにしてます。
435名無しさん@ピンキー:2010/10/03(日) 00:04:53 ID:/vnSGjZb
>>422-433
GJ!
ぶっきらぼうな男の子とお姉さんの会話はたまらんな(*´Д`)ハァハァ
436名無しさん@ピンキー:2010/10/05(火) 02:05:33 ID:38Cd2g1Z
テスト
437名無しさん@ピンキー:2010/10/05(火) 23:52:44 ID:HY30vzad
先週。帰る途中に20〜25歳のお姉さんに
中学生がフェラしてもらってるの見た。
夜10時くらいに路地裏で
438名無しさん@ピンキー:2010/10/06(水) 08:43:05 ID:g9AOHXwK
>>437
これが格差社会か……
439名無しさん@ピンキー:2010/10/12(火) 01:12:48 ID:ddP8vXvu
学校の先輩後輩のSSを頭の中で考えてニヤニヤした。
440名無しさん@ピンキー:2010/10/12(火) 04:51:54 ID:sMopfZGR
>>439
さぁ、文章化して投下する準備を
441名無しさん@ピンキー:2010/10/12(火) 22:16:03 ID:EbQG+RMs
ムハンマドってこのスレ的にすごい人だったんだな
ウィキペディアの記事読んで感動した
惜しむらくはイスラームネタは危険すぎるってことか
442名無しさん@ピンキー:2010/10/13(水) 17:06:38 ID:ahK/sWkf
ホントだw
年上の未亡人から9歳の幼女までムハンマドさんマジパネェwww
でも今の自分らとは価値観も何もかも違うだろうし
SSにするには色々難し過ぎるな
443名無しさん@ピンキー:2010/10/13(水) 20:07:00 ID:be5pxuRO
>>441
まぁ、昔なら9歳児めとった人も居るしw
今でもイスラム圏には10歳前後を妻にするおっさんが居るそうだが
後はイスラム圏でなくても女児を連れてくるとこも……
444名無しさん@ピンキー:2010/10/17(日) 19:52:07 ID:BrnF2d5x
テスト
445名無しさん@ピンキー:2010/10/18(月) 20:58:16 ID:s16+uV+f
イスラム圏は女大事にしないからなあ
特に幼女は死んじゃうケースが多いから
カワイソス過ぎてどうにも……。
446名無しさん@ピンキー:2010/10/18(月) 21:44:35 ID:pVZvf7hk
スパルタは30男に15女がデフォだったらしいぞ

年の差ドラマキタ━━(゚∀゚)━━ !!と思ったら違ったんだな。
ttp://www.tv-asahi.co.jp/himitsu/index.html
まあどちらにしろ素晴らしく犯罪臭がするから見るけど
447名無しさん@ピンキー:2010/10/18(月) 21:55:40 ID:ilQaI78q
原作ではS学生の設定じゃ無かったっけ?
さわりしか読んでないからイマイチ記憶にないけど
448名無しさん@ピンキー:2010/10/18(月) 23:05:23 ID:pVZvf7hk
>>447
11歳らしいからそうだな
とりあえず中の人で妄想しておく
449名無しさん@ピンキー:2010/10/18(月) 23:08:46 ID:W5X2RxWl
これ広末がやってたやつか
450名無しさん@ピンキー:2010/10/18(月) 23:53:00 ID:X4eSvCCw
フジや日テレでも年の差ドラマがあったよな
451名無しさん@ピンキー:2010/10/19(火) 14:48:49 ID:seLwNupm
>>原作ではS学生の設定じゃ無かったっけ?

結末までの時間経過を、映画枠ではやり切れないからな
452名無しさん@ピンキー:2010/10/19(火) 19:13:24 ID:NJHTUeuI
日テレのanegoはドラマを余り見ない俺でも見てた。
年下の新入社員に年上で美人の上司とか、どんなご褒美だよ。
453名無しさん@ピンキー:2010/10/20(水) 04:16:59 ID:1focq1Sd
女年上で男年下物で男がドSな話が読みたい……
30代で身体は良い感じに熟れてるのに性的な事が苦手な女が
中高生の若くて性欲が有り余ってるドSな少年に身体を開発されるような話
454名無しさん@ピンキー:2010/10/20(水) 21:17:11 ID:wvMrJPm1
NHKのセカンドヴァージンってドラマ見てる奴いる?
あれはこのスレ的にどうなの?
455名無しさん@ピンキー:2010/10/20(水) 22:57:15 ID:GG2taM4O
456名無しさん@ピンキー:2010/10/20(水) 23:49:24 ID:qXjXATM/
kwsk
457名無しさん@ピンキー:2010/10/21(木) 02:55:33 ID:1I/QLb1V
>>454
あれは続編のサードバージンの方がおもしろい
458名無しさん@ピンキー:2010/10/21(木) 15:33:31 ID:oujF/+Fl
そして空気を読まずに黒人男性さんと白人女子の小ネタ(エロ無し)を投稿
体格差はいい。異論は認めない


彼の温かい腕と手の平を背中と腰に感じる。
体温も、呼吸も、逞しい体つきも全て服越しに伝わってきた。
優しく抱きしめられてはいるのだけれど、シーツの上で身じろぎしようとすると制されてしまう。
仕方なく目線だけでもずらしてみると、暗い部屋の中彼の首元が目に入った。
私とは違う、茶色い肌。
2、3年前、今より子どもだった時はこの肌がどうしてもチョコレート色にしか見えなかった。
今でもたまに、この肌を舐めてみたら甘い味がするのだろうか、
なんて思うことがあると知られたら彼は笑うだろうか。

―なんで私抱きしめられてるんだっけ・・・
どうにも頭がぼーっとして、上手く思い出せない。
でも経緯なんて、どうでもいいと思った。
なんとなく、今までぶらりと力を抜いていた腕を持ち上げる。
出会った頃はこの筋肉バカの背中に両腕を回しても届かないくらいだった。
でも今の私は背だけならば大分伸びたので、簡単に手と手が触れ合う。
そうして少し力を入れて抱きしめ返してみると、今度はもっときつく抱きしめられた。
破壊締めかと思うほどの力に驚いていると、彼は私の首に顔をうずめて息を吐いた。
その吐息が首に当たって、ぞわぞわする。

確か昔もこうやって抱きしめてくれた。
私はあの時間が大好きで、この腕の中にいるととても落ち着いた。
今もそれは変わらないはずなのに、どうしてこんなに落ち着かないんだろう。
なんでこんなに鼓動が早まるんだろう。
こうしていることが何よりも好きなはずなのに、何で切ない気分になるんだろう。
もう、昔とはきっと違うのだ。
自分の体が成長するにつれ、彼との体格の違いが気になってくる。
男の子といるとこの人と比べてしまうし、彼が異性といれば心穏やかでいられない。
頭を彼の首にもたれかけさせて、ゆっくり目を閉じる。
自分の気持ちに、私はとっくに気づいていた。
459名無しさん@ピンキー:2010/10/21(木) 19:00:03 ID:3H7Lr7Xv
>>458
年の差あって体格差も大きいとか俺得過ぎるよGJ
460名無しさん@ピンキー:2010/10/22(金) 21:37:31 ID:RTnRnXzw
おなごの背が男の胸の辺りにあるのが個人的に理想的ですありがとうございます
461名無しさん@ピンキー:2010/10/22(金) 23:54:45 ID:sPEN8Bbi
>>458
GJ!
黒人男性と聞いて、規格外の巨根を
真っ先に想像した俺の心は汚れきっている…。
462名無しさん@ピンキー:2010/10/23(土) 00:05:51 ID:N8wzO8tw
>>458
GJGJ!年の差と体格差大好物、たまらんなぁ
463名無しさん@ピンキー:2010/10/23(土) 14:06:48 ID:mjliLcmo
GJ!
年の差・体格差・人種差と三拍子揃ってて大変萌えた
…しかし「破壊締め」がどうしても怖いとか思ってしまうよすまん
464名無しさん@ピンキー:2010/10/24(日) 21:49:31 ID:LUocc4PZ
>>463
そうかー、これ怖いか。スマン・・・まあ大げさな比喩だ比喩

そして小ネタで終わらせるつもりがなぜか両手が勝手に本編を書き始めたという
何故だ・・・というわけでそのうち晒す
465名無しさん@ピンキー:2010/10/24(日) 23:33:00 ID:9m3+81i8
>>464
凄く期待してます
466名無しさん@ピンキー:2010/10/29(金) 09:36:31 ID:74oZJ48Q
>>464
wktk
467名無しさん@ピンキー:2010/10/29(金) 16:45:00 ID:lBIJZ1GB
女生徒と男教師みたいな関係はここだけかね?
468名無しさん@ピンキー:2010/10/29(金) 20:07:26 ID:/K4jdbN3
>>467
他のシチュスレでもやる気なら大丈夫だと思うが?
469名無しさん@ピンキー:2010/10/31(日) 00:08:37 ID:qL4SpWC8
今朝、5歳前後の幼女が自分の祖父(70歳前後)
に「大人になったらお爺ちゃんと結婚するもん!」
と笑顔で言っているのを見て
「こいつぁとんでもねぇ年の差だぜ…ゴクリ…」
と思った俺は汚れてるな。うん
470名無しさん@ピンキー:2010/10/31(日) 06:23:12 ID:/tWsYsAp
大人になる頃にはもうおじいちゃん死んどるwwww
471名無しさん@ピンキー:2010/10/31(日) 18:47:59 ID:dF7Sz2IH
生きてても性交渉は_と思ったが
鍛え上げられたじい様の手技でイカされるとかなら有りだな
472名無しさん@ピンキー:2010/10/31(日) 19:27:03 ID:lXeIs7G0
醜悪な老人のブツを仕込まれるがままに懸命にフェラチオしてテクニシャンになる幼女、
そして勃起すると枯れた身体に相応しくない猛々しい男性器。
細くて頼りない老人の指でいじられた幼い蜜壷にじっくりと挿入。
悲鳴をあげそうになりつつ「お爺ちゃん……すきぃ…っ」と涙目の幼女。
そして子種は期待できないと思いつつの膣内射精を繰り返して、
気付くと孕んでしまった幼女。謝る老人。だがお互いに堕胎は考えない。
相手は誰かを両親に問い詰められ答えられず、張本人の老人の元に押しつけられる幼女。
田舎の縁側でひなたぼっこする老人と乳児と、そして母と呼ぶには幼すぎる娘。
「**ちゃん、パパですよ」と言えず老人の名前を呼んで幸せそうに微笑む娘。
――うん、ありだ。
473名無しさん@ピンキー:2010/10/31(日) 20:26:08 ID:dF7Sz2IH
>>472
何それ萌える
474名無しさん@ピンキー:2010/10/31(日) 23:05:26 ID:WNFOlKua
>>472
おいおいこれから自分の祖父とその幼女がそういう目でしか見えなくなる
>>469の気持ちを考えろよ
475名無しさん@ピンキー:2010/11/01(月) 00:17:05 ID:IwoMQdVE
ここ男ばっかだろうけど、すんごい好みのマンガ見つけた
西炯子『娚の一生』ってやつ

51歳の枯れたおっさんと35歳のとうのたったキャリアウーマンのお姉さんの話

おっさんの枯れた雰囲気と大人の穏やかさと冷酷さと
お姉さんの美乳がエロスな作品だった
オススメ
476名無しさん@ピンキー:2010/11/01(月) 00:18:36 ID:IwoMQdVE
オノナツメのリストランテパラディーゾ好きな人にはど真ん中だろう
ジジ専にはたまらん
477名無しさん@ピンキー:2010/11/01(月) 12:05:36 ID:xuYs7s1r
娚の一生もリストランテパラディーゾもよかったよな
リストランテはルチアーノとニコレッタの組み合わせに
ちょっとイイなと思ってたんだがw(傘の想像とか)
478名無しさん@ピンキー:2010/11/01(月) 16:33:19 ID:dHkzzfdd
>>469
1・本人の身内の「5歳前後幼女×祖父(70歳前後)」
2・5歳前後幼女×「本人身内の祖父(70歳前後)」
3・本人無関係の「5歳前後幼女×その祖父(70歳前後)」
の3通りの読み方ができるけど、どれなんだろう。


479名無しさん@ピンキー:2010/11/01(月) 23:20:32 ID:g/RVa4FV
結構ここではベタかもしれないけど未だに「ふしぎの海のナディア」
のサンソン×マリー思い出してときめいてしまう事がある。
38の男が15歳の少女とできちゃった婚て…
しかも声優使って二人の初夜の歌まで出してる徹底ぶりw

おっさん×少女好きも、青年×幼女好きもコレ知らない方は必見。
480名無しさん@ピンキー:2010/11/02(火) 00:21:55 ID:iNscdzoB
懐かしい。
ネモ船長×エレクトラさんに萌えた当時中学生の自分・・・
481名無しさん@ピンキー:2010/11/02(火) 02:05:47 ID:Q8VqBXim
今にして思うと、エレクトラさんはどうやってネモ船長を落としたんだろう?
娘扱いから旧ノーチラス沈没の時の修羅場を経て、南の島編の間にどうにかしたんだろうけど、
ノベライズ版でしっかり忘れ形見までこさえててびっくりした記憶が……。
482名無しさん@ピンキー:2010/11/02(火) 02:18:45 ID:Eb630R8P
奥田瑛二の「少女」は萌える
若干ポルノだが基本は純愛
不良警官のオッサンと小娘が援交で恋に落ちるっつーかなり倫理的にマズイ設定
だが萌える
あと完全なる飼育の香港情夜ってやつもイイ
オッサンがカッコイイ
48335×17 0/4 ◆mFBFPkmfCk :2010/11/02(火) 15:33:42 ID:1qj969Zv
こんにちは
>>315です。今回からトリップつけてみました

続きができたので投下します
4レス消費・NGワードは自慰です ぬるエロは3レス目から
48435×17 1/4 ◆mFBFPkmfCk :2010/11/02(火) 15:34:25 ID:1qj969Zv
 少女の手の中にある、銀色の鍵。
頭にボールチェーンで鈴がつながれているそれは、あのアパートの部屋の鍵だ。
溜息を吐くと、きゅっと唇をかみ締めた。決心して、電気のついていないあの人の部屋の窓を見る。
「べ、別に、居るだけだし……」
 誰に言うわけでもない言い訳を考えながら、楓は甲高い音を立てながら階段を上る。
ローファーにニーソックス、腰で一回巻かれたスカート。
最近ちょっと肌寒いからと羽織るようになったカーディガンのポケットの携帯、そして掌の中の鍵。ずっと握り締めていた

から、冷たい空気に似つかわしくないほど生ぬるい鍵だ。
「……」
 部屋の前に立って鍵を刺そうとすると、鈴が鳴った。控えめな音に逆にどきりとさせられる。


「落とすなよ」
 なんてことない顔をして、支倉は楓の手にそれを握らせた。
やらんでいい、と言う支倉の言葉を無視して、楓が洗い物を済ませてしまったときのことだった。
水の冷たさをちょっと不快に感じる気温の移り変わりの中、ちょっと考えたのちに支倉が出した結論である。
 食器の水分を取ったあと、こたつに潜り込んでくる楓の冷たくなった指先を、
支倉の首元に当てるのも日常だ。温かい人肌と、嫌がるけれど拒絶しない支倉の優しさが嬉しくて、
何回叱られてもやめられない。なのに、今日はそれさえ実行できなかった。
目を丸く開き、微かに開いた唇から零れたのは、疑問とも溜息とも取れる情けない声だけ。
最近に支倉の家に登場したコタツに足を入れたまま、立っている楓を見上げる支倉。
「お前、俺が居なくても部屋の前に座り込んでるだろ」
「……」
「風邪でも引かれちゃ敵わん」
 たぶん、それが支倉の言い分の全てだろう。
楓がこっそり期待するようなあれやそれやらの意味合いなど皆無だ。
自分は支倉に相手にされてもいない、だが例えそうだとしても、この掌の重みは本物である。
“合鍵”――その言葉の響きに、楓の胸の奥が締め付けられる気がした。
慌てて鍵を握りしめ、ぶんぶんと首を縦に振った。
 勢いが良すぎて、くらりと眩暈を起こす。目の前がふうっと白くなり、膝の力が一瞬だけ抜けおちる。
慌てて目の前の支倉の肩に掴まり、膝をついた。
「おい、楓!」
「……大丈夫、ちょっと立ちくらみ」
「急に頭揺らすからだ。……ああ、手ぇ冷たくなっちまって」
 冷たい指先に触れる、温かいぬくもり。
「……っ!」
 はっとして瞳を開けると、楓の冷たかった両手は大きな掌に包み込まれていた。
少し荒れた、でも楓のそれよりもずっと大きい手だ。
どちらの手にも、赤いインクやマジックが付いていて、寒いからと落とすのを面倒がったのが窺えた。
思わず笑みが浮かぶ。それほど寒いのに、芯まで冷えた楓の掌に、体温を分け与えようとしてくれている。
他の人の前では絶対にできない顔をしているのだろうな、と自覚して、楓は目を閉じた。
「……、寒いね。支倉さん」
「ああ、寒いな」
48535×17 2/4 ◆mFBFPkmfCk :2010/11/02(火) 15:34:50 ID:1qj969Zv
 がちり。音を立てて、鍵が回った。
「……あ」
 そういえば、ここの鍵を自分で開けたのは初めてだ。
いつもは鍵も扉も支倉が開けて、自分を待っていてくれる。それが、今は一人だ。
自分の意思で扉を開いてしまった。扉から鍵を抜いて、ドアノブに手をかける。
背後にも横にも誰もいない、静かなアパートの廊下。意を決して、楓はそれを回した。

 楓は、慣れた手つきで、薄暗い中から電気のスイッチを探り当てる。
もう日が落ちかけている時間帯で、朝に支倉が出てから人のいなかった部屋は冷え冷えとしていた。
身震いをして、コタツのヒーターの電源を入れる。暖かくなるまでの時間で、楓は冷蔵庫を覗く。
牛乳、卵、栄養ドリンクにお酒――チョコレート。
隙間の目立つ中身に驚き呆れつつ、楓は冷気を遮断する。

 そして何気なく振り向いて、どきりとした。
「……」
 支倉の、布団だ。
慌てて出て行ったのか、敷きっぱなしの布団が、少し乱れた状態で放置してあった。
掛け布団と毛布、シーツ、枕。たぶん、きっと、絶対、支倉が寝ているそれだ。
もともとこの部屋には簡易式ベッドがあったが、
楓が転がり込むようになってからはもっぱら楓専用になっている。
「……。誰も見てないんだから、いいじゃん……」
 そう、誰も見ていないなら、ちょっとの“わるいこと”も許される。
そっと楓はスリッパを脱いで、布団に膝をついた。指先をそろりと伸ばして、枕に触れてみる。

 ちょん。
「…………、……っ!」
 途端、えもいわれぬ恥ずかしさが込み上げてきて、楓は両手で顔を覆った。
だが、それだけだ。恥ずかしさの波が引いた後、薄目でこっそりと布団を眺めたあと。

ぼすん。

さきほどまでとは打って変わって大胆に、楓は支倉の布団に飛び込んだ。
スカートがめくれるだとか、見えちゃうだとか、そんなことも気にしない。
最近干されたばかりなのかふかふかした羽根布団に顔を埋めて、ぎゅうっと目を瞑る。
 シャンプーの匂い、ボディーソープの匂い、整髪料とたばこの混ざった匂い。
全部がごちゃごちゃになって、楓に一人の人間を感じさせた。
「……はせくらさん」
 囁いて、そっと頬をすり寄せる。枕を抱きしめ、布団に潜り込んだ。
枕を抱え込むように体を丸めて、掛け布団の中に隠れてしまう。
自分の呼吸と、心臓の音と、支倉の香りしかしない薄暗い空間。
ほう、と溜息をついて、楓は――自分の変化に、気付いていた。
無意識に内腿を擦り合わせてしまう。徐々に熱を持ってきているのだ。
だめだと思うし、はしたないとも思う。
48635×17 3/4 ◆mFBFPkmfCk :2010/11/02(火) 15:35:21 ID:1qj969Zv
 だけれど今は、あんまりに居心地がよすぎた。
「う、……んっ……」
 くぐもった声は、音量はそんなに大きくないはずなのに、やけに大きく聞こえる。
支倉の布団に押さえつけられた中は、狭いながらも楓だけの場所と時間を保障してくれていたのだ。
楓自身の体温で布団が温まり、少しずつ着衣が乱れていく。
首に揺れるリボンタイを解き、布団の外に放り出した。待ちきれず、シャツのボタンを外しにかかった。
焦りすぎていつもの倍ほど時間がかかってしまう。
 やだ、こんな。恥ずかしいのに。
考えながらも、服を脱いでいく手を止めることができない。
ようやく前を開くと、そろそろと胸の真ん中に手を伸ばした。
今日の下着は白いレースで、ふわふわ柔らかく生クリームを思わせるデザインに、
いやらしくない大きさに整えてくれるパッドが入っている。
人並みより小さいのがコンプレックスで、底上げもどきの下着なんて恥ずかしくて仕方が無い。
なのに、支倉の前では、ちょっとでも……おっきく見せたい。
生足が好きだと言うから、わざわざここに来る前にタイツからニーソックスに履き替えてくるのに、
反応もない。この前ようやくニーソについて触れたと思ったら、「寒くないのか?」

「……ばぁか、……っ」
 寒いに決まってる。なのに、それをさせないのはあんたのせいなのに。
 ぷつん、フロントホックが弾けた。熱く火照った体に冷たい空気が触れる。
急いたように胸をまさぐり、楓は、そろりと小さいそれを包み込んだ。
ふにふにと遊んでみるが、自分に普段から付いているものなので目新しい発見はない。
だけれど、つんと立っているソレに爪が掠ったとき。
「ひうっ!」
 上がった声に、楓は飛び跳ねた。
な、なにこれ……? 背筋から腰までを電撃のように駆け抜けていく、きゅうっとした痺れ。
そして後を引いて下腹部に訴えかける、もう一度と痺れを望む感覚。
感覚に抗えず、羞恥に勝った好奇心によって恐る恐る、桃色のそれを摘んでみる。
「きゃふ、あっあ……!」
 腰が浮き上がって、思考が濁っていく。
くにくにとこねくり回すと、自分の体にこんな敏感な場所があったのかと思うぐらい、
夢中になってしまう。指に唾液をたっぷりとつけ、桃の突起に塗りこむ。
濡れたせいで滑りがよくなり、触れるとびくりと下半身が疼く。
ぷっくりと浮き上がったそれと呼応するように、楓の手は下半身へと伸ばされた。
「ん、……んんっ……あ」
 こんなの、私じゃない。これは支倉さんのせいだ。
 こじ付け以外の何でもない言葉を呪文に、楓は自分に魔法を掛ける。
自分の気持ちに気付かない――或いは気付いていない振りをする支倉が悪いのだ。
だからこの行為はおかしくなんかない、恥ずかしくない。
混濁した考えでスカートをたくし上げると、ブラジャーとお揃いの白いショーツが露出した。
躊躇いもなく、下着の上から、切なく疼くそこをなぞり上げた。
触れただけで痛いほどの快感が走る。
「ひああぁんっ! ……あっ、は、せくら、さ……」
 彼の布団の中で、敏感な場所を一心不乱に擦る。
たまに指先がぐちゃぐちゃにとろけた蜜壷の芽に引っかかり、電流によって声が上がった。
下着の上から触っているのに、ぐちゅぐちゅ音を立てているそこに……“欲しく”なる。
考えただけで羞恥に耳を真っ赤にさせ、瞳を潤ませるほど刺激的な考えだったが、楓は本気だった。
48735×17 4/4 ◆mFBFPkmfCk :2010/11/02(火) 15:35:42 ID:1qj969Zv
 クロッチをずらし、白い指を自分のナカに入れる。
ずちゅ、つぷ。くちゃり。
狭い布団の中いっぱいの雌の香り、卑猥な音、元々の持ち主の匂い。
楓はもういっぱいいっぱいで、背中を反らしながら右手で大事な場所を、左手は胸の突起を掻き鳴らした。
「ひうう! やっ、ああ……ふ、はせ…くら、支倉、さぁんっ!」
 目を閉じて、相手を想像する。この手を彼だと錯覚しようと、必死にあの手を思い浮かべた。
赤いボールペンのインクがついたままの大きな手が、自分の胸をまさぐり、この足の付け根を撫でる。

 楓の肉芽を、「ひあぁッ!」
あの手で、「あっ、ンッ!」
押しつぶして、「あ、あ! いいよっ、支倉さんぁっ!」
摘んで、「んふう、あッ、やあ」熱くとろとろとした自分のそこへ、彼のものが入る。
 そして――優しい声で、「……き、私も、……好きぃっ!」

 夢中で指を動かす楓。
一生懸命に恋しい人を夢想しながら、ぐち、指が最奥のどこかを捕らえた瞬間に、内から激しく震えた。
「あっ、あ!? ん、あ、あああッ……んぁ!」
 悶えが腰から上へと駆け上がっていく。
ぶるぶるっと体が震え、ぎゅうっと体が引き絞られた気分だ。
その痺れはつま先から頭へと雷のように一瞬で完走し、頭の芯と足先とを何度も往復して、
徐々に落ち着いていった。身もだえが落ち着くと引き換えに心臓の鼓動が激しくなって、息が整わない。
「んん、ふっ……は、はあっ……あ」
 身もだえが落ち着き、呼吸も整えようとしている。そうすると自然と、思考も凪いでくるもの。
「ふ、はぁ…………、…………、ばっ、な、何やって、私……」
 どろどろになった愛液だらけの下着を足に引っ掛け、しっとりと汗ばんだ体と、
ひたすら大きな羞恥心が、支倉の布団の中の楓に渦巻いていた。
それを無視できるほど楓は馬鹿になりきれない。
だから早くこの状況を処理せねば、と焦った楓が布団から跳ね起きると――

 ギギ、玄関で、立て付けの悪いドアの軋む音が聞こえた。
488 ◆mFBFPkmfCk :2010/11/02(火) 15:36:11 ID:1qj969Zv
今回は以上です。
ありがとうございました
489名無しさん@ピンキー:2010/11/02(火) 16:48:01 ID:pJz+hKFn
ぬあああああああああGJGJGJ!!
まさかの急展開ktkr
楓エロすぐるwww次まで全裸待機するわ
490名無しさん@ピンキー:2010/11/02(火) 17:16:50 ID:7TmULXHX
楓ちゃん淫乱可愛いよ楓ちゃん
491名無しさん@ピンキー:2010/11/02(火) 18:39:02 ID:WVstHhnD
初々しくて可愛らしくてGJ!なんだが
ちょwなんというところで続く
続編までベランダで全裸待機してます。
492名無しさん@ピンキー:2010/11/02(火) 21:15:20 ID:PuNjIzzZ
>>491が閉め出されたと聞いて

久々に来ていいもん読めた
続きまってます
493名無しさん@ピンキー:2010/11/03(水) 08:53:03 ID:jILVKa0H
楓いいぞ、もっとやれ!

>>491
は潜入任務から無事帰れるのか、全裸で。
494名無しさん@ピンキー:2010/11/03(水) 19:31:38 ID:goM4GUlP
楓ちゃんかわいすぐる
GJ!
495名無しさん@ピンキー:2010/11/03(水) 22:13:13 ID:7Ow5C3AC
楓ちゃんがエロ過ぎで興奮した
496名無しさん@ピンキー:2010/11/06(土) 20:53:44 ID:BhUm1hNH
フジで中日vsロッテを見てたら浅尾が出ていたので覗きに来ました。
497名無しさん@ピンキー:2010/11/07(日) 01:28:58 ID:Kxn47aUM
ヤメレwwww
今度からそーゆー目で見てしまうじゃないか
498名無しさん@ピンキー:2010/11/07(日) 18:22:13 ID:Eihlk/+P
>>477
丁度先週位にこの2作を読んだよ。
まさにどストライクだったわw
499名無しさん@ピンキー:2010/11/07(日) 23:44:03 ID:mvdlEvA/
元々ファンだから、最初からそういう目で見てきたw
浅尾かわいいよ浅尾。打たれたけどな・・・
500名無しさん@ピンキー:2010/11/09(火) 13:50:36 ID:DpdZ82Ap
今他スレの為に、二次の年の差書いてるんだけど
書けば書くほどに、自分の中で年の差カップル熱の燃え上がりが半端なくやばい…
ホンマ年の差は地獄やで
501名無しさん@ピンキー:2010/11/09(火) 23:19:55 ID:DuT6WuLF
>>475
読んだ。おいら好きだ。
確かに女性向きかもしれんが、おねーさん乳出しすぎだろとも思ったが、
良かった。
502名無しさん@ピンキー:2010/11/09(火) 23:50:43 ID:rdjGt4gx
>>500
ヒャッハー!
我慢出来ねぇ、年の差萌えだ!
503名無しさん@ピンキー:2010/11/11(木) 22:30:42 ID:VkeOtHtx
良かったでしょ!
お姉さんの乳、綺麗よね

先生の「もうなぁ一回一回が大事なんやぞ」っていう台詞がお気に入り
枯れたおっさんがガツガツしてるの萌える
504名無しさん@ピンキー:2010/11/13(土) 23:49:00 ID:0MFp+iJ6
年の差カップルはいねぇがー?
505名無しさん@ピンキー:2010/11/15(月) 22:24:05 ID:sif5WXks
エロなまはげが出たぞ〜
506名無しさん@ピンキー:2010/11/15(月) 22:47:33 ID:a7a5GGaP
気の合いそうななまはげだ
507名無しさん@ピンキー:2010/11/16(火) 00:03:45 ID:kjEfwHxY
真っ白な冬。
北国のお祭りで出会った、怖いお面を付けたなまはげ。
あの頃の僕はまだ子供で、なまはげが本当に怖くて大泣きしてしまった。
そんな僕の泣き顔を見たなまはげは僕と同じ目線まで腰を落とすと、
その鬼の様な形相のお面を外したのだ。
お面の中から出て来た顔は、真っ白な冬が似合うお姉さんだった。
508名無しさん@ピンキー:2010/11/16(火) 03:44:25 ID:D7D+FD/N
>鬼の面、ケラミノ、ハバキを身に付け、大きな出刃包丁(あるいは鉈)を持った
>なまはげが家々を訪れ、「泣ぐコはいねがー」という荒々しい声を発しながら怠け者、
>子供や初嫁を探して暴れる。主人はなまはげをなだめながら丁重にもてなす。

低温火傷が出来そうな引き篭り夫に泣く新妻(16)の元に現れるなまはげ。
早く子供を作れと田舎の風習的に周囲に責められて泣く新妻(16)。夫(42)は二次元好き。
祭り無関係に篭る夫の自室の隣りの囲炉裏端でなまはげに組み敷かれる新妻(16)。
異形のものに激しく犯される新妻(16)今日は危険日。
やがて気付く。なまはげの正体は義父(68)。
「泣ぐコはいねがー」とばかり言い続けた義父(68)がやがて初めての絶頂を覚え、
気を失う新妻(16)の頬を撫でてぽつりと「すまん……**さん」。
若い娘と老人の淫臭に噎せかえるような囲炉裏端。
不似合いな防音ドアの向こうからこぼれてくるアニメ音楽。
そして男を知らなかった新妻(16)の無防備な肢体と、ぽっかりと口をあけた淫穴から
どろりと溢れる濃厚な精液。
それから毎晩、新妻(16)と義父(68)は暗い納屋で交わり続ける。
正体をはっきりと明かしてはいけない気まずさに、更に目隠しをする新妻(16)と、
「泣ぐコはいねがー」としか言えない義父(68)。
やがて互いにやりきれないながらも男女の情愛が芽生えるが、一歩が踏み出せない。
義父(68)の腰の上で初めての騎上位に乱れ、そして泣く新妻(16)。
とうの昔に死んだ妻以外と初めてキスをする義父(68)。
冷え込む納屋の中、互いの熱を求めるようにそっと抱き合う。
509名無しさん@ピンキー:2010/11/16(火) 17:47:05 ID:V7MfwAw1
さあ、お前は>>507>>508のどっちを選ぶ
510名無しさん@ピンキー:2010/11/17(水) 07:52:03 ID:1oLiDJay
泣き喚くどころかなまはげ(中身:地元出身の大学生)に懐いちまう少女でひとつ
511名無しさん@ピンキー:2010/11/17(水) 10:23:47 ID:MyylP5LZ
萌え悶えた
なまはげにこんな可能性たちが残っていたなんて
512名無しさん@ピンキー:2010/11/17(水) 22:08:29 ID:1fADqmYh
>>510
うわ〜何ソレ萌える…
好奇心旺盛で積極的な少女と少女に振り回される大人の男ってキュンとくる。

昨日久々に「探偵物語」(薬師丸ひろ子と松田優作の方)見た。
あれラスト10分、神だな。
どんだけ萌えさせるんだよ若かりし薬師丸と生前の優作。
513名無しさん@ピンキー:2010/11/18(木) 23:10:29 ID:ZGY/uE4a
>>509
どちらもw
てか>>508は普通に夫婦間でも話を作れるじゃろw

>>510
可愛らしいチビっ娘万歳!!
514名無しさん@ピンキー:2010/11/19(金) 01:25:59 ID:SpoWgAgM
507
507一択で
515名無しさん@ピンキー:2010/11/19(金) 08:49:19 ID:ulIyjHG2
>>513
わかってないな
それ言ったら>507も>510も小学校の催し物で同年齢なまはげが可能だ
そこをあえて年齢差を出すのがキモなのが年齢差カップル萌えだ
516名無しさん@ピンキー:2010/11/19(金) 11:28:45 ID:HrkzOlU5
>>515
よくわからんが>>508の新妻と夫は十分年齢差カップルだろ……
落ち着いて>>508を読むんだ
個人的には設定的に新妻と夫のが萌えるかも
517名無しさん@ピンキー:2010/11/19(金) 13:13:32 ID:FULS5GmA
>>513
泣いてる新妻のところに顔を隠して「泣く子は居ねが」と慰めに行く
田舎の風習の圧力から逃がしてやろうと、息子の代わりに乱暴にではあるけれど抱く
そんな男は義父 バレたらヤバい。だけど愛し始めてる
このギリギリ感が堪らないんじゃないか!
518名無しさん@ピンキー:2010/11/19(金) 13:57:49 ID:HrkzOlU5
>>517
正直な話ギリギリ感なら>>508を読む限り夫婦の方も大概アレだろw
519名無しさん@ピンキー:2010/11/19(金) 18:22:51 ID:ulIyjHG2
じゃあ>>508の二次元好き夫(42)は実は唯一の三次元が寝取られ属性で、
寝取られでないと勃起しない。
新妻(16)が実の父親(68)に種付けされているのを見て初めてリアル妻勃起。
今更新妻(16)に手を出そうにも、寝取られでないと勃起しない。
寝取られて初めて気付く新妻(16)の魅力、だが夫(42)には三次元人間関係が
上手に出来ない。何かしようとしても出来ない自分に更に引き篭る。
今日も納屋で新妻(16)がなまはげ姿の父親(68)と激しくまぐわっているのを、
アニメソング大音量で誤魔化しつつ覗く夫(42)……ってここは寝取られスレじゃないorz。
520名無しさん@ピンキー:2010/11/21(日) 21:35:05 ID:QF2/a+8M
>>519
わざわざ寝取られにせんでも夫婦で完結させればえぇやんw
521名無しさん@ピンキー:2010/11/22(月) 01:43:28 ID:+aXW+7To
引き篭もり男に無理矢理嫁がされた無垢な少女が徐々に夫と心通わすようになる
ってだけでも十分萌え
522名無しさん@ピンキー:2010/11/22(月) 02:13:21 ID:gv3Ua0FR
>>521
激しく読みたいw
もう中年なのに対人能力皆無なおっさんと
無理矢理嫁がされて来たけど夫婦なんだからと健気にお世話をする無垢な少女とか良いなぁ
523名無しさん@ピンキー:2010/11/24(水) 23:07:35 ID:gOrI2DYQ
後1ヶ月でクリスマスですね(´・ω・`)
524名無しさん@ピンキー:2010/11/25(木) 02:41:10 ID:02N2mKI6
>>523
そういや後1ヶ月で神楽幻想譚の発売日だな
楽しみ過ぎる
525名無しさん@ピンキー:2010/11/25(木) 23:06:11 ID:3Cg9NdWp
インテルのCMの井川遥と濱田岳に激しく萌える。
新人編集者?と浮世離れな美人作家おねーさん。
526名無しさん@ピンキー:2010/11/26(金) 05:40:25 ID:hQgc2eQN
あれ、濱田岳だったのか。イケメンになったなぁ
結構歳の差妄想できるドラマ出てるイメージ
527名無しさん@ピンキー:2010/11/27(土) 06:22:55 ID:wUZPXY44
小笠原先生は元気かな? <br> <br> 浅尾、ちゃんと暖めてるかな?
528名無しさん@ピンキー:2010/11/28(日) 00:26:39 ID:/hDWoDcL
オッサン×少女燃え保守
529名無しさん@ピンキー:2010/11/28(日) 01:23:36 ID:5C5nDpQn
オッサンと少女
大人のおねいさんと男の子

どちらも萌える
530名無しさん@ピンキー:2010/11/30(火) 06:56:35 ID:/vfMDFSi
おっさんと少女
お兄さんと幼女(十数年後↑)
体育教師と運動音痴な女子生徒

教育実習生のお姉さんと男子生徒
美人上司と新米リーマン
女編集者と売れない漫画家

最近の寝る前の妄想ネタ
531名無しさん@ピンキー:2010/11/30(火) 18:24:21 ID:ukivJdrf
>>530
女の子が幼女の時、既に男側がおっさんと言うのも萌える
532名無しさん@ピンキー:2010/11/30(火) 21:16:18 ID:XTJZl4wg
指名手配中の男(30前後)と勝手についてきた女子中学生の逃亡劇(西日本編)

オイラの最近の妄想ネタ
533名無しさん@ピンキー:2010/11/30(火) 23:43:43 ID:/vfMDFSi
>>531
イイネ
「○○子、将来おじさんのお嫁さんになるー!」
「ハッハッハそうかそうか(無理だろJK)」

↓15年後

「私の初恋はずっとおじさんのままなんです!><」
「( ゚Д゚)」

>>532
傷ついた逃亡中のおっさんを、一人暮らしの女子大生が手当てしてかくまい
一緒に暮らす→おっさんの容疑が晴れてケコーンて妄想ならしたことがある。
534名無しさん@ピンキー:2010/12/01(水) 00:32:11 ID:j+egS/ht
>>532
西日本編っつうのはなんね?w

>>533
積極的に迫る女子中学生だか女子高校生に圧倒されるおっさんか
夜は逆転ですね
535名無しさん@ピンキー:2010/12/01(水) 00:44:41 ID:5ilCTE8Z
女子高生誘拐監禁事件だったか 松田美智子の著作数点を思い出した
JKがストックホルム症候群とかになるやつ 私生活のが不幸だったとか

あの変な姉女優と再婚する前の、松田優作の最初の妻の研究作品
536名無しさん@ピンキー:2010/12/01(水) 01:33:32 ID:A7Qt2I+i
女子高生が50歳くらいのオサーンに誘拐されて
なんやかんやのうちに女子高生がオサーンに惚れてまう同人ゲーがあったな。
537名無しさん@ピンキー:2010/12/01(水) 01:54:31 ID:VhS+4r1K
長期監禁されると世界がその部屋と誘拐犯だけになっちゃって
いつの間にか誘拐犯を好きになってしまうって何かで見たな

うーん
鬼畜系も嫌いではないが、愛情が一方的すぎるなぁ
538名無しさん@ピンキー:2010/12/01(水) 10:57:58 ID:4lYhtEWd
ここ見てると集合的無意識を信じたくなるなww
おっさん×女子高生のストックホルムとかまじめにここ三日考えてるわ

>>536
あったあった 萌えたしよかった
539名無しさん@ピンキー:2010/12/02(木) 01:10:18 ID:i5SuJ0cY
その手の話のストックホルム症候群って、
おっさんが女子高生に一切手を出さない、という状況が続いた上で発生するの?

おっさんに犯され続けているうちに身も心も篭絡されてしまいました、っていうんじゃ
多分ストックホルムとはちょっと違うよね
540名無しさん@ピンキー:2010/12/02(木) 08:17:42 ID:8YM0CJ66
>>539
wikiによると
人質が犯人の心情や事件を起こした理由を聞く→同情・共感
→やがて犯人に対し信頼や愛情を感じるようになるってあるから多分そうじゃない?

前者は萌えるけど後者はやだなぁ
凌辱のすえ精神不安定になってるだけだし、だいたいそれなんてエ(ry
541名無しさん@ピンキー:2010/12/02(木) 12:06:27 ID:irUsF1gx
>>359
358だけど、個人的には前者しか頭になかったわ
この板的には後者もあったんだね

しかしこのスレにやにやするから一人のときじゃないと開けないな
542名無しさん@ピンキー:2010/12/02(木) 12:08:26 ID:irUsF1gx
間違えた >>459と458ね
はずかしい
543名無しさん@ピンキー:2010/12/02(木) 12:13:20 ID:irUsF1gx
また間違えてるよ何焦ってんだ
>>539宛でした やべー恥ずかしい
544名無しさん@ピンキー:2010/12/02(木) 15:10:51 ID:4nYGc+wn
トヨエツの「青い鳥」ってドラマも最初幼女と青年の交流、後半は少女とおっさんの
逃避行だったな確か。
眠ってるトヨエツに少女がこっそりキスするシーンが萌えでした。
545名無しさん@ピンキー:2010/12/04(土) 18:23:43 ID:1/+Oa/88
寝ている間にキスってすげー萌える
546名無しさん@ピンキー:2010/12/06(月) 04:06:52 ID:YpyDsSm/
ラノベの主人公はルーデル禁止らしいがこのスレ的には大歓迎だな、年の差的意味で
547名無しさん@ピンキー:2010/12/08(水) 05:14:01 ID:J3ZsZCVa
>>488
楓ちゃんの続きが読みたいです
548名無しさん@ピンキー:2010/12/08(水) 05:38:19 ID:rJj7XD2J
新作こないねぇ
まぁこうやってクレクレ言うのも申し訳ないんだけど
文章書けないからなぁ…
549名無しさん@ピンキー:2010/12/09(木) 23:29:16 ID:86RFRfVA
女性向けラノベだが、こんなの発見
ttp://www.tiarabunko.jp/?p=2562
24歳差は萌える・・・
550名無しさん@ピンキー:2010/12/10(金) 21:57:49 ID:yjWBwOBc
「うさぎドロップ」って漫画も確か24歳差。
親戚の女の子6歳を引き取った30歳独身男の子育て奮闘記!
かと思って読んでたらその10年後…とっても素敵な展開にw
551名無しさん@ピンキー:2010/12/11(土) 04:07:23 ID:MGGGrkjY
買いづらい路線の少女漫画だから書くか迷ってたけど便乗
ttp://skygarden.shogakukan.co.jp/skygarden/owa/solc_dtl?isbn=9784091333599
男子高校生と女子小学生
表紙買いしたけどかなり良かった
552名無しさん@ピンキー:2010/12/11(土) 22:41:31 ID:snqLKmg9
>>549
つい買ってしまった。甘甘だった
年齢差の葛藤があればもっと好み
553名無しさん@ピンキー:2010/12/14(火) 01:17:53 ID:KaRCt+2L
>>551
読んだ、まさにここ向けw
早く大人になって意識されたいなあは鉄板だよな
554名無しさん@ピンキー:2010/12/14(火) 19:03:22 ID:F79drAK2
新井理恵の漫画はこのスレ的にはどう?
「子供たちをせめないで」とか
「ろまんが」とか
作者自身が高校生×小学生みたいな歳の差スキーだってどっかに書いてた
555名無しさん@ピンキー:2010/12/18(土) 20:11:44 ID:/MZvFnwt
小学生の女の子と年上の男って素晴らしい萌えを生むよね
556名無しさん@ピンキー:2010/12/19(日) 05:18:52 ID:VllvmMFL
このスレって商業作品の情報もありだからいつも助かってる
557名無しさん@ピンキー:2010/12/19(日) 09:32:39 ID:49ALyejd
SPEED GRAPHERってアニメが好きだったな
主人公33歳、ヒロイン15歳の逃避行
558名無しさん@ピンキー:2010/12/19(日) 15:21:04 ID:jfXx4iaq
既出だったらスマソだけど、いくえみ綾の『君の歌がある』に収録されてる「あの星になるから」
高校生男子と女子小学生で
前世で結ばれなかった恋を成就ってのに萌えた
559名無しさん@ピンキー:2010/12/20(月) 12:32:21 ID:OwF0vlAn
花ゆめから出てる「花の名前」が好きだったなあ
両親を事故で亡くした女子高生が親戚の作家♂の家で同居生活始めるっていう
まあ少女漫画にはありがちだけど徐々に心通ってく描写とか♂が女子高生に惹かれてく様子がたまらなかった
中年×女子高生(女子大生)とか好きな人にはオススメ
560名無しさん@ピンキー:2010/12/21(火) 11:35:22 ID:LssPr+59
>>559
同意
蝶子さんの清楚な感じがたまんねぇんだ
561名無しさん@ピンキー:2010/12/22(水) 01:31:44 ID:cYDQV7XQ
>>557
バトルメインで恋愛はうやむやに終わるのかと思ったらガチで最後愛し合う関係になってて萌えたよ
終盤はでこちゅーだの壮大な愛の告白だのやらかされてもうwww
枯れた感じの黒コートカメラマンと世間知らずのお嬢さま美少女のビジュアル対比もツボだった
562名無しさん@ピンキー:2010/12/22(水) 13:14:15 ID:JvEdY5b5
女が上のほうのおすすめもほしい
563名無しさん@ピンキー:2010/12/22(水) 23:54:49 ID:CCBEjuyh
それなら、俺の人生のバイブルをオススメしてやろう
おいしいコーヒーのいれ方だ
564名無しさん@ピンキー:2010/12/23(木) 02:21:55 ID:mAhk7AC3
>>557
スピグラはいいよな
自分は水天宮×神楽に萌えた
565名無しさん@ピンキー:2010/12/24(金) 08:51:55 ID:ECIW+lvC
>>563
おいコーいいよね
年下主人公の葛藤とせっくるシーンが良いw
10巻くらいまでしか読んでないの思い出して猛烈に続き気になってきた
正月はこれ読むわ
566名無しさん@ピンキー:2010/12/24(金) 17:57:41 ID:H6sqL0Up
>>557
早速見てみた
写真に命賭けてる戦場カメラマンと世間知らずなお嬢様(18歳差)って
最高に萌える組み合わせだな
567名無しさん@ピンキー:2010/12/24(金) 19:48:50 ID:sodnjIJs
>>563
あらすじだけざっとぐぐったけど好みそうだ
ありがと
568名無しさん@ピンキー:2010/12/25(土) 07:31:40 ID:/syvyT13
>>563
最近新刊でててびびった。まだ終わってなかったのな。
始まって十数年・・・完結はしてね。作者さん・・・
569名無しさん@ピンキー:2010/12/26(日) 16:35:11 ID:nrDLkwq/
恋愛もの書かせたら村山由佳さんの右に出る者はいないな
本人もむちゃくちゃせつない物語を書きたいって言ってたしね
10年くらい前に彼女の作品読みさくったよ
570名無しさん@ピンキー:2010/12/26(日) 20:04:10 ID:iom8wuAF
見える、見えるぞ…
かれんとショーリの初々しさにニヤニヤしている>>567の姿が…
571名無しさん@ピンキー:2010/12/28(火) 18:38:24 ID:b3tECS8J
丈と京子ちゃんも見えるゾ…
572名無しさん@ピンキー:2010/12/28(火) 23:08:04 ID:/xD+A9Zf
>>324を見て、これはとんでもない俺得だぞとピーンときて直ぐにレオンを予約してから早3ヶ月
図書館じゃなくてツ●ヤで素直に借りればよかったとも思ったが待って良かった。
2828が止まらなかった。個人的にはおっさん少女の最高峰。確かに見る人によっては
恋愛じゃないだろうが、逆に言えば俺らには恋愛としてとらえ放題の萌え放題というわけさ
573名無しさん@ピンキー:2010/12/29(水) 01:47:22 ID:Mpc10R2X
必殺仕事人の涼次と如月に微妙に萌えてた。
如月が大人になるまで一緒に暮らしてどーにかなってほしかったなあ。
574名無しさん@ピンキー:2010/12/29(水) 13:19:40 ID:ZYP9K9KK
>>573
俺がいる
575名無しさん@ピンキー:2011/01/03(月) 23:29:24 ID:Kqgyuagg
そういえばコナンに最近登場した長野県警の人たちも年の差
たった6歳だが、勘助は十代前半の頃には既に6歳下の由衣に恋していた強者
576名無しさん@ピンキー:2011/01/04(火) 03:07:39 ID:z7QdVw00
>>575
生粋のロリコン「でもある」人だなw
6歳差で自分が10代前半の頃に好きとかだとそう言わざる得ないw
577名無しさん@ピンキー:2011/01/04(火) 12:41:59 ID:BBIs6pV3
うらぶれた探偵のおっさんに、過去助けられたあと通い妻化してる女子高(中)生とか萌えツボなんだが、そーゆーのないもんか
578名無しさん@ピンキー:2011/01/04(火) 16:17:08 ID:Yu9shJh5
>>577
海外の小説でもよければ『眠れる犬』と『笑う犬』の連作とか
まあ絶版だけど
579名無しさん@ピンキー:2011/01/05(水) 18:05:03 ID:atMYbf+w
>>576
18歳が12歳の娘に惚れていることになりますな
おっさん少女が大好きだが青年少女も悪くない
>>578
あらすじ読んだだけで萌えた
つか笑う犬って
580名無しさん@ピンキー:2011/01/06(木) 03:08:09 ID:0/tDasUc
>>577
ああ素晴らしいよね

>>579
いや自分が10代前半の時だから13歳の時に7歳の女の子が好きだったとかだ
まさに生粋w

18歳の時に12歳の女の子が好きだったとかも十分生粋だがw
581名無しさん@ピンキー:2011/01/07(金) 23:36:02 ID:CUT6LBa9
>>569
天使の卵は切なかったな(´・ω・`)
582名無しさん@ピンキー:2011/01/10(月) 23:01:17 ID:+XXQ8rF1
秀吉と利家の戦国お友達コンビが羨まし過ぎるな
秀吉はねねと恋愛結婚で結婚はねね14歳の時だがそれ以前から交際してたようだし
だが一番は利家、自分の父親の養女になったまつを見初めて
数えで12歳、つまり11歳の娘と結婚して種付け孕ませて
12歳の女の子に子供産ませるとかパネぇっす
583名無しさん@ピンキー:2011/01/10(月) 23:39:52 ID:mNb5OM2A
いまさらだが>>550のうさぎドロップ買った
萌えた。ありがとう
平積みされてるなーと思ったらドラマ化か
584名無しさん@ピンキー:2011/01/11(火) 00:59:21 ID:8KDNg6rI
投下期待
585名無しさん@ピンキー:2011/01/11(火) 01:42:18 ID:Wnl6NSzN
女性が年上の話なら年下の男の子(14才差小説)と砂の城(16才差漫画)とメンズ校(10才差脇カプ)とか?

観用少女読んでエロ妄想いっぱいしてごめんなロリ人形たち
586名無しさん@ピンキー:2011/01/11(火) 01:50:16 ID:ltnvMXs+
>>585
メンズ校の脇カプ、自分も萌えたな
と言うか、あのカップル目当てで読んでたw
587名無しさん@ピンキー:2011/01/11(火) 22:48:58 ID:7U9dmO1H
>>458です
やっとブレまくっていた設定が固まったので投下
アレックスとルーシーでいきます
時間かかった割りにたいしたことは無い
588アレックスとルーシー:2011/01/11(火) 22:50:57 ID:7U9dmO1H
アメリカ、某州。
朝はまだ空けたばかりで、聞こえるのは鳥の囀りと、
窓から見える下の道路を時折車の通る音だけだ。
3階の窓からは向かい側の同じようなアパートの窓が見える。
ここは町の中でも店が密集している地区だったが、
少し目線を上げればそう遠くは無い山々が見えた。
住もうと思えば、子供が一人居る家族は住めるくらいの広さで、
風呂やリビング、キッチンを除けば2部屋あったが、
そのうちベッドが唯一あるほうの部屋にルーシーは居た。
仄かに外の明かりで明るくなっている部屋の中、ルーシーは既に目覚め、
肘を付いて身を起こしていた。
そして、ベッドを共有している相手の男の寝顔を見下ろしている。
二人は見ての通り、昨夜また情事を供にしていた・・・などということはまったくなく、
今までの数年間そうしてきたように、ベッドを共有して一晩熟睡していただけだった。
男は四十過ぎにも見えた。
それに比べ、ルーシーはまだ10代半ばに届くか届かないくらいに見えた。
ルーシーは、自らの顔にかかる金髪を後ろにかきあげると、
こちらに背を向けて寝ている男のランニングシャツから覗く肩を見つめた。
その黒い肌は、二人が親子でもないということを物語っていた。
589名無しさん@ピンキー:2011/01/11(火) 23:32:47 ID:iEFOfvtY
       ...| ̄ ̄ |
     /:::|  ___|
    /::::_|___|_
    ||:::::::( ・∀・)  続きはまだかね
    ||::/ <ヽ∞/>\
    ||::|   <ヽ/>.- |
  _..||::|   o  o ...|_ξ
  \  \__(久)__/_\
  .||.i\        、__ノフ \
  .||ヽ .i\ _ __ ____ __ _.\
  .|| ゙ヽ i    ハ i ハ i ハ i ハ |
590588:2011/01/12(水) 12:14:02 ID:KGDA62y6
すまん、何故かパソが不調をきたして携帯も駄目だった
続き↓
591アレックスルーシー 2:2011/01/12(水) 12:16:32 ID:KGDA62y6
筋肉がでこぼこと見えるその上には肌が張っていたが、
例えるなら像の肌のように少したるみ、ざらざらとしている。
数年前はこんな風ではなかったはずだ、とルーシーは顔をしかめた。
もう少し張りがあり、いかにも鍛えている風だったのに。
その逞しい身体に、初めて男の人との体格の違いを意識したものだ。
そう意識してみてみれば、短く刈られた髪にも白いものが混じり始めている。
思えば、年中顔を覆っている無精ひげはとっくに砂をまいたように灰色だった。
白い腕を持ち上げ、その肩に触れてみると、すこし硬い皮膚の感触がした。
肩のラインを辿ってみると、その下のわりと発達した筋肉やら血流やらが伝わる気がする。
―うん、まあこれはこれで悪くないか。
ルーシーはあっさりと考え直し、また両肘を突いた。
一方アレックスは触られたというのに、少しも目を覚ましていなかった。
まったく、それでも元警察か。
ルーシーは呆れたように溜息をつく。
アレックスは、怪我のために何年か前に引退したばかりだった。
一緒に生活していてもそのことにあまり気付かないが、
雨の日などには痛むとこぼしている。
どうやら警察の中でも危険な職種だったようで、もう続けることはできないらしい。
その分給料は良かったようなので、今もあまり生活には困っていない。
―私も一応アルバイトしているし。
でも、そのお金を生活費だといって渡そうとしても
アレックスは受け取ってくれない。
それでなくとも、働くこともできなかった小さい頃から世話になっているのに。
そりゃあ一緒に暮らし始めた時は、
生活費の代わりに私が家事をするを言う約束だったけど。
家族でもないのに、このままでいいものか。
…家族になればいんだよね。
ルーシーは、未だに寝息を立てているアレックスの横顔の上にかがみこむ。

結婚、すればいいんだ。

ルーシーは、アレックスの耳に口を近づけた。
592アレックスルーシー 3:2011/01/12(水) 12:19:53 ID:KGDA62y6
「…ルーシー?」
「おはよう、アレックス」
一度口を離し、挨拶をしてからもう一回ぱくりと耳を口に含む。
「なんだ…犬かと思った。今何時だ?」
アレックスが寝返りを打ったので、ルーシーは仕方なく顔を離す。
「なんだよ、まだ6時前かよ。もう少し寝てろよ」
そう言ってアレックスは眠そうに眼を閉じると、また眠りに落ちたようだった。
…このやろー。
結構分かりやすくアプローチを仕掛けたのに、犬とはなんだ。
直ぐ寝るとはなんだ。というかうちに犬はいない。

―結構前からアプローチしているつもりなんだけど。

はあ、とルーシーは溜息をつく。
やっぱりはっきり言わないと駄目かなあ。
私だって数年前に自分の気持ちを意識したばかりなのに。
仕方ない。寝る。
偶然眼が覚めたから起きていられるかと思ったけど、やっぱり眠い。
ルーシーがベッドに潜り込みアレックスの胸元に身を寄せると、
その腕が持ち上げられ、抱え込むようにルーシーの頭上の枕に置かれた。
―また、あの時みたいに抱きしめてくれないだろうか。
布越しのアレックスの体温が、心地よかった。

ルーシーの昔いた孤児院は、何年も前に潰れた。
同じ孤児院出身という共通点しかなかったアレックスが、
何故引き取ってくれたのかは未だに知らない。
593名無しさん@ピンキー:2011/01/12(水) 12:21:27 ID:KGDA62y6
とりあえずプロローグ的な感じで以上。短け・・・
遅筆だがなるべく早く書こうと思う
594名無しさん@ピンキー:2011/01/13(木) 21:43:32 ID:u58/RiK1
GJ!
続きも期待
595名無しさん@ピンキー:2011/01/13(木) 23:34:57 ID:FmI8y/6i
じんわりと来るエロい描写だな(*゚∀゚)=3
596名無しさん@ピンキー:2011/01/14(金) 00:57:40 ID:U3U7dQp/
>>593
そこはかとなくエロい雰囲気なのがたまらん
続き待ってます。
597名無しさん@ピンキー:2011/01/14(金) 09:27:43 ID:lRNLUiJk
GJ!
アレックスの描写が鮮明ですげー萌えた
598名無しさん@ピンキー:2011/01/16(日) 18:51:53 ID:xxsaRSxN
>>593
年の差感がよく出てて良い!!
続き待ってます
599名無しさん@ピンキー:2011/01/21(金) 02:20:26 ID:CCwVtIrA
投下期待
600名無しさん@ピンキー:2011/01/25(火) 02:02:28 ID:WBgrC66E
投下期待しつつ、スレ的にお薦めしたい本見つけたんで
ついで…と言うには長いが一応布教
子供向けレーベルでまったくノーマークだったのに完璧やられたぜ

「ファンム・アレース」香月日輪
外見年齢20代の青年と9歳の少女(婆さん口調)が追っ手をまきながら2人で旅する話
細かいネタバレ割愛でズバリ言うと、実年齢差は140歳近く
設定上、青年は少女の血で作ったエンゲージリングを左手薬指にはめている(※取れない)
契約の関係で片方が死んだらもう1人も死ぬので一心同体、一蓮托生
この年齢差ながら、旅の途中、恋愛的な意味でお互いを意識し合ったりが頻繁にある
夫婦ごっこしたり指輪プレゼントしたり、一緒に寝たり
青年が少女の下着姿は見慣れたとか言ったり色々半端なかった

っつかファンタジーだし、普通に体の関係もあるって言われても
納得するくらい普通にラブってた
エロ妄想がこんなに余裕な子供向けレーベルも珍しいと思った
601総一郎と茜_四度目の6月 11 ◆DswpUl0rgY :2011/01/25(火) 18:44:11 ID:RIGUeI7Q
>>600
ちょっと本屋に走ってくる
602名無しさん@ピンキー:2011/01/25(火) 18:44:59 ID:RIGUeI7Q
ああああああ、名前欄気にしないでください……orz
603名無しさん@ピンキー:2011/01/25(火) 21:18:30 ID:0/S1wQMH
>>602
開幕までに再度来てくれる事を待ってるぞw
604名無しさん@ピンキー:2011/01/25(火) 23:24:09 ID:vmGOjMcy
しかと見た<●><●>
605名無しさん@ピンキー:2011/01/28(金) 18:37:27 ID:M47Yy8gL
総一郎なら俺の膝枕で寝てるよ。
606総一郎と茜_五度目の9月 0 ◆DswpUl0rgY :2011/01/28(金) 20:53:47 ID:lr69GeGn
先日は失礼しました。投下します。
エロあり、マイナス思考。
607総一郎と茜_五度目の9月 1 ◆DswpUl0rgY :2011/01/28(金) 20:55:37 ID:lr69GeGn
 
「何度してもしてもし足りなくて、俺ってどこかおかしいのかな」

 総一郎がそんな可愛いことを言っていたのは、確か付き合い始めて二年がたったころだった。
 その後の長い年月がすっかりと彼を落ちつかせてくれたようで、近頃の総一郎はがっつくような求め方をしなくなった。
 夜眠る前に、予定調和のセックスばかりをしている。はっきりと言ってしまえばマンネリなのだ。
 時々それがとても、よくないことのように感じてしまう。
 この五年で、自分は随分と欲張りになったと茜は思う。
 彼がただそこにいてくれればいいと、それだけを願っていたはずなのに。


*

 遠慮がちな物音で意識が浮上した。
 薄暗い見慣れた室内の中を、ほのかな明かりが照らしている。
 それがノートパソコンのディスプレイのものだと気がつくのに、数秒を要した。
 先ほどから聞こえている規則的な物音は、キーボードをたたく音だと理解するのには、さらに数秒が必要だった。

 ぼやけた視界に映る背中は紛れもなく恋人のものだ。
 浅尾、と声をかけて、唐突に今日が金曜であること、彼がアルバイトの後に寄るとメールをよこしていたこと、
だけど自分が帰宅してすぐにシャワーを浴びたあとの記憶が全くないことを思い出した。
 総一郎の顔を見るまで起きていようと思っていたのに、相当に疲れていたらしい。
 いまだ続く暑さが、茜から体力と食欲を奪っている。
 去年までは総一郎に合わせて規則的に食事をとっていたのだが、今年に入って研究が忙しくなってしまったらしい彼は、
まめに顔を出してくれるものの長い時間を一緒に過ごせなくなった。

 そのこと自体を責めるつもりは毛頭ない。
 研究は化学を志す者にとって大事なことだ。寝食を忘れるほど没頭すべきなのだ。
 許せないのは、それを寂しいと思う自分自身だ。

「あ、ごめん……起こした?」
 総一郎がゆっくりと振り向いてくれる。
 彼からは自分の寝ぼけた顔が見えているのだろうか。こちらからは逆光になってしまい、まったく総一郎の表情は伺えない。
「ん……別にいい。……電気は、」
「ああ、いいよ。十分見えるし」
「だめだ……目がわるくなる」
「そしたら、センセイと同じ眼鏡にするよ」
 彼はいつもそんな軽口を言う。
 近視がどれだけ不便か知らないから、そんなことを言えるのだ。

 もぞもぞと布団から左手を出して、そっと総一郎の洋服を握った。
 どうしてそんな子供っぽい行動をとったのか、よく判らない。
 総一郎はその温かい手を、茜の左手に重ねてぎゅっと握りしめてくれた。
 温もりに安堵する。離したくなくて、その手を引き寄せ頬にすり寄せた。
 センセイ? と、穏やかな声がする。
 うっすらと目をあけると、思いのほか総一郎の顔が近くにあった。
 らしくない茜に驚いているのは、自分だけじゃないようだ。

 多分、自分は寝ぼけているのだ。総一郎もそれを確認するために、茜の顔を覗き込んでいるんだと思う。
 寝ぼけついでに、ずっと思っていたことを言ってしまおう。

608総一郎と茜_五度目の9月 2 ◆DswpUl0rgY :2011/01/28(金) 20:56:08 ID:lr69GeGn
「……私は、いつまで君の先生なんだ?」
 驚いたように犬のような両の瞳を見開いて、総一郎が押し黙った。
 その、形のいいくちびるを薄く開いて、慎重に、言葉を選びながら総一郎が返事をよこす。
「俺が浅尾じゃなくなったら」
「浅尾は浅尾だろう?」
 余りに当然なことだ。さらりと口に出してから、遅ればせながら総一郎が何を求めていたのか理解をした。
 彼はその返事をどう受け止めたのか、一瞬だけ浮かべた困ったような表情をすぐに苦笑いの微笑に変えて、視線を手元のノートパソコンに戻した。

 一度だけ懇願されて名前で呼んだ日のことを思い出した。
 柄にもなく緊張をした。
 どうにも口に馴染まなくて、やっぱり呼べない、と思ったまま今日まできてしまった。
 ついでに、あの衝撃的な愛の告白の、夕焼けに染まった実験室を脳裏に描く。
 あそこから始まった。
 何度も手を握られて、抱きしめてもらって、髪を撫でられて、一緒にコーヒーを飲んだ実験室。
 彼がすねて見せたり、自分が感情を露にさせられり、贈り物をしたり、言い争いだってした。
 懐かしい思い出の場所だ。
 途中から記憶はすり替わって、この部屋での出来事が主になる。

 はじめてのキスは玄関で。極限に驚いた彼の顔を今でも覚えている。
 はじめて、総一郎に食事を作ってもらった日のことも。
 彼を殴った日に、コーヒーを入れてもらった。本気で手を挙げたのは後にも先にもあの時だけだ。
 総一郎の18の誕生日に、一緒に朝を迎えた。
 それ以来何度も何度も、求めあってセックスをした。
 大学に合格して、高校から彼がいなくなって。こんなにさみしくなるとは予想だにしていなかった。
 それからも同じ時を過ごせた今日までに、感謝している。
 あまり喧嘩はしなかった。彼のこの優しさに、助けられてきた。

 だけど、時々苦しくなる。
 彼の未来を奪っていいのか、と。
 ほんとうに、未来を重ねられるのか。間違った選択じゃないか。
 だって総一郎はまだ、たったの21歳なのだ。
 五年間を共にして今さらだけど、自分はいつか彼の邪魔になってしまうのではないかと、最近特に思う。

 教師になる、と彼は言った。自分のような先生になりたい、と。
 それだって、嬉しくてくすぐったかったけれど、自分の存在が彼の選択肢を狭めたのではないか、と胸を痛くした。


 もしも、万が一彼と離れてしまったら、自分はどうなるのかとふと考えた。

 もう一度、他の誰かとあんな風に一から始めるなんて到底無理だと思うし、総一郎との思い出を上書きして塗りつぶしてしまうぐらいなら、孤独に耐えた方がいい。
 この温もりは、誰にもすり替えられない。

 そんな後ろ向きなことを考えたら、得体の知れない感情に流されそうになり、茜は慌てて眼を閉じた。
 パソコンの終了音のあとに、ぱたん、とふたを閉じる音がする。
 次の瞬間、繋いだままのものと逆のてのひらが、探るように茜の額をなでた。

 満たされている、と強く思った。だけと次の瞬間には潮が引くようにぽっかりと胸ががらんどうになってしまった。
 胸が痛い。愛していて、愛されているはずなのに、どうにも歯車がうまくかみ合っていないような違和感がくすぶっている。

609総一郎と茜_五度目の9月 3 ◆DswpUl0rgY :2011/01/28(金) 20:56:39 ID:lr69GeGn
「センセイ?」
 顔をのぞきこまれながら柔らかく呼ばれて、また満たされてすぐに虚しくなった。
 珍しく心が不安定になりすぎていて苦しい。こんなのはほんとうの自分じゃない。どうしたというのだろう。
 上体を持ち上げくちびるをぶつけて、彼を求める。
 ちょっと驚いたように身を震わせた彼が、それでもゆっくりと熱い舌を絡ませて上手に呼吸と意識を奪ってくれる。
 たっぷりとお互いの舌を味わいつくして、息が苦しくなったころに総一郎は名残惜しげに顔を離して、ほう、とためいきを落とした。

「どうしたの? なんか嫌なことでもあった?」
「……べつに?」
「疲れてる?」
「いいや」
「じゃあ、お腹すいてるの?」
「すいてない」
「眠い?」
 まるで子供扱いだな、と苦笑する。
 言われてみれば、少し眠いような気がしないでもない。
「なぜそんなことを聞く?」
「や、どうしたのかなーと思って」
 どうもしてない、と小さく呟きながら、またくちびるを重ねる。

 ――なにか思うところがあるのは君のほうじゃないのか。
 重なった温もりを引きはなして、よっぽど言ってしまおうかと思った。
 それができなかったのは、キスが心地よすぎたせいと、総一郎の思うところが茜にとって望ましいものではなかったときに、受け止める自信がないせいだ。
 自分はほんとうに弱くなった。
 彼がどこを向いていても手放したくないなんて、ただの醜い執着だ。それは愛というものなのか。
 くちびるが、体温が、かかる吐息が心地よすぎて離れられないだけじゃないのか。
 違うと言いきれない自分の弱さが、どうしようもなく嫌になる。

 今は何も考えたくない。厄介事は後回しにして、今はただこの温もりに身を預けてしまいたかった。
 キスには応えてくれるけれど、背に回った手はそれ以上動いてくれない。
 焦れったくなって、洋服の裾から手を差し入れた。
 顔を離して、くびすじに口づける。
 ぺろり、と煽るように舐めあげると、総一郎の温かい手がそっと背筋を撫で上げて身体がすぐに熱くなった。
 してほしい。抱いてほしい、訳がわからなくなるほどめちゃくちゃに、愛してほしい。

 心の中だけで呟いたはずなのに、もしかして声に出していたのかもしれない。
「する?」
 色っぽく耳元でささやかれて、皮膚があわだった。
「…………うん」
 自分でも驚くほど素直に頷くと同時に、服の間から素肌に熱い手が触れる。
 体温が一気に上昇した。回転を始めていた思考が白く濁る。
 腹を撫でていた総一郎のてのひらが、すると這い上がり乳房を包んだ。指先に掛かる絶妙な圧力が、快感となって全身を駆け巡る。

 なにかを試すように、総一郎のくちびるが茜のそれに軽く触れては離れを繰り返す。
 追いかければ浅く触れて、すぐに離れてしまいもどかしい。
 焦らされているのだと理解したら、生意気だと軽く苛立った。
 いい加減じれったくなったころに突然、熱い舌が割り込んできて口内を好き勝手に動き回った。
 かと思ったら、あっと言う間に寝間着のボタンを外される。
 ずいぶんと手慣れたものだと関心をした。
「センセイ」
 キスの合間に囁かれる声は、間違いなく茜を愛しく思う音で安堵した。

610総一郎と茜_五度目の9月 4 ◆DswpUl0rgY :2011/01/28(金) 20:57:22 ID:lr69GeGn
 
 彼はほんとうに駆け引きが上手くなってしまった。
 嫌味なほど焦らしたかと思えば、するすると淀みない動きで茜の気持ちいいところを的確に攻めて、
熱っぽく耳元で囁いて、あっという間に自分を骨抜きにしてしまう。
 文字通り、骨抜きだ。
 まだキスと軽い愛撫だけなのに、甘いしびれが腰に響いて上体から力が抜けた。

 ぐんにゃりとしてしまった身体から身を離した総一郎が、すばやくシャツを脱ぎ棄ててまた茜に向き合った。
 寝間着の前を開かれて、上半身が無防備になる。
 気恥ずかしくなって、両腕で胸を隠すような姿勢をとったけれど、すぐに解かれてしまう。
 いまさらじゃん、とからかう様な声音で囁かれた。
 確かに今更だ。だけどその声がまた茜の羞恥を誘う。

 むき出しにされた乳房を包みこまれて、くちびるが落ちてくる。
 湿った舌先が、立ち上がりかけた先端に軽く触れた。それだけの刺激で、びく、と肩がふれる。
 含み笑いを漏らした総一郎のくちびるが、乳首を挟みこんで吸い上げた。
「あっ……ん、」
 声が漏れる。その甘さに、また恥ずかしくなる。
 こんなことぐらい、と自分に言い聞かせても、湧き上がってくるぞくぞくとした快感に逆らうことはできない。

 総一郎は伸ばした舌を優しく慎重に、回すように使ってゆっくりと硬くなった頂きを転がしていく。
「やっ……」
 何が嫌なんだろう。自分が判らない。
 優しすぎてじれったい。もっと激しくしてほしいと、心も身体も思っているはずなのに、そんなことは絶対に口にできずに反対の言葉ばかりが出てきてしまう。
 総一郎の肩に両手をおいて、逃げるように身をよじらせた。
 指先に伝わる彼の体温に、また興奮する。
 その手を滑らせて、肩甲骨を撫でてうなじをたどり、後頭部までたどり着く。
 かき抱くように総一郎の頭を抱き寄せれば、乳首をきつく吸われて身体が浮き上がった。
「んぅ!」
 とっさに逃げようとした身体を押さえ込まれて、快感をやり過ごせずに思考が白くなる。
「あっ、や、待て……んん!」

 拒否の声などまるで届かないといったように、吸われた先端を熱い舌が触れてまた腰が揺れる。
 反対の先端も、少しこわばった指で強くつまみ上げられた。
「浅尾っ……ふ、ぅん!」
 全身がぞくぞくする。くすぐったい、逃げ出したい、でももっと欲しい。
 自分の中に矛盾したいくつもの感情がうずまいて、形になる前にすべて解けて消えてしまう。

 するりと衣服をすべて取り払われる。心細さに心がざわついて、奇妙な興奮が湧き上がってきた。
 足の間に割りいれられた総一郎の指先が、敏感な部分を刺激する。
 秘裂を押し広げられ、むき出しにされた花芽を指の先でちょんと弾かれて、息が詰まる。
 もうどこが感じているのかよく判らない。
 とにかく総一郎に触れられているところすべてが気持ちよくて――気持ちよすぎて泣きたくなる。
 自分の感情が制御できない。
 真っ白になる。また意識が飛んでしまいそうだ。
 そう思ったとたんに、攻めが止まって現実に引き戻される。
611総一郎と茜_五度目の9月 5 ◆DswpUl0rgY :2011/01/28(金) 20:58:03 ID:lr69GeGn
 
「センセイ」
 いやだ、そんな風に呼ばないで欲しい。
 愛されているのだと思ったら、今以上に彼のことを愛してしまう。
 それは現在の自分にとってとてもとても、苦しいことだ。
 堪えるように指先に力を入れて、総一郎の気を引いた。薄闇のなかで、なに、と彼が小首をかしげたのがぼんやりとした視界でも判った。
「……も、……」
 その先はとても口に出せなくて、ゆるりとくびを振った。
「もういいの?」
 問われて素直に頷く。暗闇でもその仕草を認めた総一郎が、でも、と小さく言った。
 そのまま彼は上体を折り曲げ耳元にくちびるをよせて、間近で低く囁いた。
「まだ、だめ」
 言い切ると同時にぺろりと耳を舐められて、身体が跳ねた。
 くちゃり、という粘着質な音が、ダイレクトに脳髄に響く。
「あっ、ん……っ!」
 咄嗟に逃れようと身をよじる。無防備になったくびすじに吸いつかれて、また全身が震えた。

 その間も、総一郎の指は柔らかな肉壁をこすり上げて、敏感な場所を刺激する。
 いつの間にか二本に増えたそれは茜の体内でばらばらと蠢いて、どんどんと自分を追い詰めていく。
「あ、ああっ……ん、」
 もう声が抑えられない。彼の肩に置いた指先に力がこもる。
 体温が熱い、と思った。自分の身体も、きっと平素からは考えられないぐらい熱くなっているだろう。
 そう考えた次の瞬間、声も出せないほどの波がやってきた。
 ――息ができない、苦しい、感じすぎて苦しい。早く、もっと、もっと……!

「んん!」
 全身がびくりと痙攣し、あっけなく絶頂が訪れてやっと息を吐き出せた。
 指の動きを止めた総一郎が、ゆっくりと上体を起こした。
 呼吸が整わないままうっすらと瞳をあけると、間近に彼の両目があった。
 総一郎がへら、と笑う気配がする。
 降りてきたくちびるを大人しく受け入れながら、いいようにされている自分を改めて不思議に思った。

 短いくちづけが終わり、茜がぼんやりと視線を彷徨わせながら呼吸を整えている間に、総一郎が手早く挿入の準備を終えて戻ってきた。
 こちらからも何か仕掛けてやろうと考えていたのに、手際の良さに少し驚く。
 恨み事を言う前に、準備が整ったそれをちらりと視界に入れたらどうしようもなく欲しくてたまらなくなった。
 太ももに掛けられた手をそっと振り払って、上体を起こす。
「……なに?」
 問いかけを無視して、総一郎の肩を押してから圧し掛かるように彼にまたがると、そっと彼自身に手を添えて先端をあてがった。
 そのままゆるりと腰を落とす。目の前が白むほどの快楽が、背筋を駆け上がって脳天へと抜けた。

「あっ……あぁ、」
 のろのろと、総一郎が自分の中に分け入ってくる。少しでも長く感じていたいのに、早くそれが欲しくて最奥がうずく。酷い矛盾だ。
 動きが緩慢なせいで、入口がひくひくと物欲しげに蠢いているのが自分で判ってしまった。
「ぁ、ん」
 媚びるような嬌声が漏れたと同時にやっとすべてが収まる。両腕を総一郎の首に回して、顔を覗き込む。
 切なげに両目を細めた総一郎が、そのまま目を閉じてくちびるを重ねてきた。
 腰を軽く揺らすと、重なった口のしたから総一郎の熱い吐息が漏れるのが、たまらなく愛おしいと、茜は思った。
612総一郎と茜_五度目の9月 6 ◆DswpUl0rgY :2011/01/28(金) 20:58:53 ID:lr69GeGn
 
 しばらく密着を楽しんだあと、唐突に肩を押されて上体をベッドに沈みこまされた。
 なに、と思う暇もなく、総一郎の腰が激しく動き、再び頭が真っ白になる。
「あ、あ……、あさおっ……!」
 少しだけ残った理性が、彼を名前で読んでみようとしたけれど口をついて出たのはやっぱり「浅尾」だった。馴染み過ぎていて、こんな状況でとても違う名前など出て気はしない。
 喘いでいるうちに、何も考えられなくなった。
 ただ喉を反らせて甘い声をあげ、強すぎる快楽にさらわれないように総一郎にすがりつくだけだ。
「……く、センセ…も、いい?」
 問われても返事もままならない。やっとの思いで、嬌声の合間に「うん」と紛れ込ませると、総一郎の動きがますます激しくなって苦しくなる。
 苦しいのは肺なのか、胸なのか、判らないまま身体を揺さぶられ続けて、妙に泣きたくなった。

 総一郎が、自分の肩に顔をうずめて低くうめいた。自身の内部でどく、どく、と彼が脈打つのが遮蔽物越しでも判った。
 終わったんだ、という安堵と同時に妙な虚無感が襲ってくる。
 それを誤魔化すように茜は、総一郎の頬にそっと手を添えてキスをねだった。


*

 心地よいまどろみから意識を浮上させると、隣に恋人の姿はなかった。
 代わりに枕もとの携帯電話がぴかぴかと光り、メッセージの受信を知らせている。
 メールは案の定、総一郎からだった。
 朝一番で実験があるから、起こさずに出ていったこと。時間ができたらまた来ます、と簡潔な連絡だ。

 一読をすると、携帯電話を閉じて放り投げた。再び枕に顔をうずめる。
 不覚にも、寂しいと思ってしまった。そういう感情は、己にはないと思っていたのに、総一郎に甘やかされているうちに、ずいぶんとわがままになってしまったようだ。
 そばにいてくれないと、何もかもが駄目になってしまうような気がする。
 一人で日常を送るのがやっとの体たらくだ。
 近頃どうしてこんなに不安になるのか、茜には何となく判っている。

 ――原因は自分だ。
 この関係を終わらせるべきだという自分と、だけど総一郎と離れたくないもう一人の自分がせめぎ合っていて苦しいのだ。
 じゃあ決断を総一郎に委ねてしまおうと思ったころから、彼の態度が少しずつ変わってきたように思う。
 考えすぎ、よくないマイナス思考だと自分に言い聞かせ、なんとか前を向こうとしたところに、忙しいからあんまり会えなくなるかも、と彼が言い出した。
 結構じゃないか、と思ったはずなのに、だけど実際会えなくなると妙な不安が自分を襲う。
 例えば、総一郎が自分と距離を置きたがっているのではないかという妄執。
 若者らしく、もっと手軽な恋愛を楽しんでみたいのではないかという勝手な想像。
 未来ある総一郎に、自分の存在はきっと重すぎる。
 彼が自分のそばにいるのは、ただの惰性か、もしくは責任感からではないかという憂い。
 でもそれを言い出す勇気も強さも、自分にはない。


 同じことを何度も考えた。飽きるほど考えたのに、今日もまた無限回廊から抜け出せない。
 思考の堂々巡りをしているうちに、一度開いた瞳が重くなってきてしまった。
 そろそろ起きて、持ち帰りの仕事をしないといけない。
 なのに身体が動かない。
 あと少しだけ、眠ってしまおう。
 眠ってしまえば、何も考えずに済む。
 もしかしたらまた、起きたらそこに総一郎がいるかもしれないし、夢の中であの温もりに出会えるかもしれない。
 
 ああ、せめてそんな幸せな夢が見たいと願いながら、茜は意識も思考も放棄した。


*
以上です。お付き合いありがとうございました。
613名無しさん@ピンキー:2011/01/28(金) 22:55:36 ID:mJjYK9iH
とりあえず、投下GJ!!
泣けてちゃんと読めないから、明日読む。
ていうか、家のモンが鬱陶しいので、明日落ち着いてからも一回読むよ。


614名無しさん@ピンキー:2011/01/28(金) 23:40:47 ID:JDg64QWX
相変わらずGJ
切ないよ・・・切な過ぎるよ・・・センセイ(つД`)
615名無しさん@ピンキー:2011/01/29(土) 05:56:19 ID:qQpkw6Gm
>>607-612
GJ!

なんだこの展開はあああああああああああああああ
どうなっちまうんだあさおおおおおおおおおおおおおおおおお
616名無しさん@ピンキー:2011/01/30(日) 02:15:03 ID:2aNDtbh9
生物の補習で何故か生物の先生に
『貴方は成績も悪いし何より字が汚な過ぎる!』
って注意されたな。
おかげで大分字は上手くなったけど
今でもたまに注意される
617名無しさん@ピンキー:2011/01/30(日) 02:22:20 ID:bYbkOaxU
>>616
のろけか?w
618総一郎と茜_六度目の10月 0 ◆DswpUl0rgY :2011/01/30(日) 19:57:22 ID:EKze9HVV
投下します。エロなし。
619総一郎と茜_六度目の10月 1 ◆DswpUl0rgY :2011/01/30(日) 19:57:52 ID:EKze9HVV
 
 ――秋の気配だ。
 浅尾総一郎は唐突にそう思った。
 通いなれた道をぶらぶらと歩く道すがら、普段は気にも留めない自動販売機の中身に「あたたかい」が加わっていると気がついたからだ。
 もう10月なのだ。今年が終わるまで、あと2ヶ月と少ししかない。大学生でいられるのは、あとたったの半年だ。
 両親や恋人がよく言う「一年はあっという間」が実感としてのしかかってくる。
 特に今年は、卒論や試験で何かとあわただしかったせいだろう。
 しかし恋人はいつも「社会人になってからが特に」というから、来年からはさぞ驚異的なスピードで時が流れるに違いない。彼女の言うことは大概正しい。

 10月。改めて気がつく。もう10月なのだ。
 相変わらずぷらぷらと歩きながら指折り数えてみる。
 付き合い始めたのが17歳の10月だったから、まるっと5年経過したということか。
 長かったようにも、過ぎてしまえばあっという間だったようにも思える。
 5年という歳月は、自分たちに何をもたらしただろう。
 17のころよりはできることが増えた、とは思う。だけど自分が茜につりあうかと聞かれたら、首を左右に振ることしかできない。

 好き、という気持ちだけで隣にいるのが苦しくなったのは、いったいいつからだろう。
 正確には思い出せないが、たぶん、自分と彼女の社会的責任の重さの違いに気がついたときだ。
 高校生のころは年を重ねればそれだけ小笠原茜にふさわしい自分になれると、漠然と考えていた。
 だけど実際は、誕生日をひとつ迎えるたびにその考えがいかに浅はかかと思い知る結果となる。
 ただ年を重ねるだけではだめなのだ。
 茜に甘えて頼ってばかりではいけないと判っていても、行動が伴わなくていつも反省していなくてはならない。
 その葛藤はおそらく、茜のそばにいる限り続くのだろう。いっそ還暦を過ぎてしまえば気にならなくなるだろうがそれは、気の遠くなるほどの未来の話だ。
 
 ため息をひとつ。
 茜はたぶん、総一郎の到着を待っているはずだ。
 ――今から行ってもいいですか? 話があります。
 そうメールを送って、茜にしては珍しく早く「○」の絵文字だけの返信が来たのは20分ほど前のことだった。
 話があるなんて書かなければよかった。
 でもただ行ってもいいかだけをたずねて、疲れてるから今日はダメ、なんて言われたら、せっかくの決意が鈍ってしまう。
 今日は、ケジメをつけに行くのだ。
 急がなくてはいけない。
 もうひとつ息を吐いて総一郎は、小走りに駆け出した。

 それから、見慣れた建物まではあっという間に到着した。勢いを殺さぬよう4階までを一気に駆け上がる。
 さすがに息が切れる。ドアの前で軽く呼吸を整えて、呼び鈴を鳴らした。
 初めてこのボタンを押したときのように胸が高鳴った。走ったせいばかりではない。呼吸が平静に戻っても、鼓動は勢いづいたままだ。

 やがてがちゃ、と大げさな音が響いて、ドアノブが半回転をする。
 ゆっくりとドアが開いて、隙間から見慣れた顔がのぞく。よく見知ったはずのその顔が、なぜか知らないひとのもののように見えて、一瞬ドキリとした。
「こ、んばんは」
 上ずった総一郎の挨拶に、部屋の主はうん、と返事をして中へ招き入れてくれる。
 その声音も、心なしか硬く聞こえた。
 すれ違いざまに表情を窺おうとしたけれど、逆にこちらの顔色を見られるのも困る。一瞬の逡巡ののち、すっと彼女の目の前を通り過ぎたら、ずいぶんとそっけなくなってしまった。
 何もかも気にしすぎだ。気負いすぎて上手く行かない。
 いつもどおり、自然体に、と思えば思うほど、そのいつもどおりがどうだったかまったく思い出せないのだ。
620総一郎と茜_六度目の10月 2 ◆DswpUl0rgY :2011/01/30(日) 19:58:26 ID:EKze9HVV
 
 いつも、ここに来たらどうしていたっけ。
 上着を脱いで、腰を下ろそうと思っても普段どこに、どのように座っていたかが思い出せなくて立ちすくんでしまう。
 振り返れば茜も、所在なさげに部屋の入り口付近で壁に半身を預けて佇んでいる。
 観察でもされているのかと思ったが、焦点が合っているようなあっていないような、茶色い瞳は総一郎を映していないようだった。

 そこでやっと、違和感の正体に思い至った。トレードマークの眼鏡をはめていないのだ。
 眠るとき以外はめったにはずさないそれは、もはや彼女の顔の一部になっている。
 くるりと部屋を見渡すと、ローテーブルの上にきちんと折りたたまれた眼鏡が鎮座していた。
「あ、もしかして寝てました?」
「うん……少しうとうとしていた」
「ごめんなさい」
「いや」
 それだけを言うと、またぼんやりとした表情に戻ってしまう。
 様子がおかしいのは寝起きだからか。いったいいつ起こしてしまったのだろう。

 寝起きの悪い茜の頭は、現在正常に回転していないに違いない。
 こんな状態で大事な話をして、聞いてもらえるのかと不安になる。
 だからといって無理やり起きてもらうのも忍びないし、また今度にしようかと後ろ向きな考えが頭をよぎったが、慌ててそれを打ち消した。
 きっとここで引いてしまったら、その「今度」は訪れないような気がする。
 今日だと硬く決心をしてきたのに、彼女の顔を見ると簡単に揺らいでしまう自分が情けない。
 このままでは駄目なのだ。きちんとした大人になると、決めたのだ。

「あの、センセイ」
 誠意を持って呼びかける。
 呼ばれた茜は眠たそうに瞬きを数度繰り返して、うつろな瞳で総一郎を見つめた。
 目が合ってドキリとするが、彼女の弱い視力では総一郎など人影でしかないだろう。見えていない、と思えば何を構えることがあろうか。
「話、あるんですけど……いいですか」
「ああ、うん……あー、コーヒーでもいれようか」
「いえ、後で俺がやりますから、ちょっとここ、座ってもらえますか」
「……うん」
 茜はのろのろと足を動かしてゆっくりと総一郎の目の前に立つと、一瞬だけちらりと彼を見上げたのちに腰を下ろす。
 総一郎もタイミングを合わせるように、その場に正座をした。
 膝を突き合わせて向かい合う二人の間に流れるのは、微妙な沈黙だけだった。

 なんだこの空気。
 総一郎はいたたまれなくなる。
 でもこの重苦しい空気を作っているのは、紛れもなく総一郎自身だ。
 やばい、と漠然と思う。
 このままでは茜を不愉快にさせるだろうし、なによりこんな空気に自分自身が耐えられない。

「あの、」
「そういえば、メロンがある。実家が送ってきてくれたんだ。切ろうか」
 さっさと終わらせてしまおうと顔を上げた総一郎と同時に、茜も口を開いて立ち上がろうとする。
 とっさに右手を伸ばして、彼女の手首をつかんで引き止めた。
 相変わらずのその温度の低さに驚く。
「それも」
 ぐい、と引っ張って茜の注意を引く。びく、と肩を揺らした彼女は、総一郎の顔を見ないまま動きを止めた。
「あとで俺がやりますから、先に、聞いてもらえますか」
「……うん」
 少し間をおいてから小さく頷いて、茜は元の位置に戻り、総一郎に倣って正座をした。
621総一郎と茜_六度目の10月 3 ◆DswpUl0rgY :2011/01/30(日) 19:59:03 ID:EKze9HVV
 
「話、二つあります。まず、これ」
 かばんから封筒を取り出して見せて、茜に手渡す。
 素直に受け取った茜は、やっぱり視線を封筒に落としたまま、これは、と尋ねた。
「採用通知。教採、受かりました。おかげさまです」
「えっ」
 珍しく心底驚いた、といったような声を漏らして、やっと茜が顔を顔を上げた。
「えっ」
 つられて総一郎も間抜けな声が漏れる。
「……ほんとに?」
「うそついてどうするんです。なに、その反応? 喜んでくれないの?」
「いや、違う……ごめん、驚いただけだ。まさかストレートで合格するとは」
「センセイが協力してくれたおかげです」
「いいや、君の実力だよ」
 そう言って茜は柔らかく笑うと、書類を置いて自分の両手を総一郎の手に重ねた。
 つめたい指先が、ぎゅっと総一郎のこぶしを握る。
 やっと顔を上げた彼女は、総一郎の一番好きな顔で柔らかく笑った。
「おめでとう」
 
 胸がつんと痛くなる。報われた、とたったこれだけのことで思ってしまう。
 もちろんまだスタートラインに経つことを許されただけで、終わったわけではないけれど、先ほど一人でこの封筒を開けたときよりも、何倍もの幸福が総一郎を包んだ。

「……ありがとう、ございます。四月から頑張ります」
 握りこぶしを作っていた手をくるりとひっくり返して、上に載っていた茜の指に己のそれを絡ませる。
 両の手のひらどうしを合わせてぎゅっと握って、指の間が痛くなるほどきつく握って、もうひとつ、と声を絞り出すと、茜の顔から表情が消えた。
「もういっこ、あります。たぶん、すごく、困らせるけど、聞いてもらえますか」
 茜は無言で頷いた。そのまま顔を伏せてしまったから、単にうなだれただけのようにも見える。

 なんだってお見通しの茜のことだ。これから総一郎が何を言うのか、判っているに違いない。
 できれば耳を塞ぎたい、と思ってるんだろう。胸が痛い。自分が少し可哀想になった。この予想が外れていればいい。

「あの、俺……このままじゃいけないって、ずっと考えてたんです。でも自分にはどうにかする資格も勇気もなくて、なんかずるずるしちゃったけど、」

 胸が痛い、痛すぎる。緊張しすぎているせいだ。
 握り締めた両手が震えている。自分のせいか、それとも彼女が震えているのかさっぱり判らない。
 顔を上げてくれないかな、と思う。
 どんどんと深くうつむいてしまって、だらりと垂れた長い髪がその頬を覆ってしまっていて表情がうかがえない。その状況がますます総一郎を不安にする。
 いつも冷たくかんじられる茜の手から温度が消えた。

「結婚、してください」

 茜が息を呑む音が聞こえた、気がした。
 静寂が場を支配する。
 つめたい空気だ。ああ、やっぱりこういう風になってしまうんだ。

「あの、軽い気持ちじゃないんです。今の俺と結婚したって、センセイにメリットなんてなんもなくて、むしろ迷惑かけ通しになるだろうし、
 いろんな人が、たとえばセンセイのご両親とか反対するだろうし、
 なんかそういうこと、色々考えたんだけど、だけど……センセイとずっと一緒にいたいんです」

622総一郎と茜_六度目の10月 4 ◆DswpUl0rgY :2011/01/30(日) 19:59:35 ID:EKze9HVV
 この関係が壊れてしまうなら、いっそ何も言わないほうがいいんじゃないかと何度も考えた。
 茜にそういうつもりで付き合ってるわけじゃない、と言われてしまえば、その後の関係に支障をきたす。
 自分が茜にとっての「結婚したい相手」じゃないという事実を受け入れるということが、どうしても出来そうにないのだ。
 いつか終わりの来るであろう関係に甘んじられるほど、達観もできない。

 だから、自分たちに終わりなんてないという約束を取り付けるために、今の総一郎では到底現実的でない「結婚」の二文字を取り出したのだ。

「あ、もちろんすぐにってわけじゃないけど……でもできたら、来年中ぐらいに。就職したら忙しくなるから、一緒に暮らしたいけどケジメはつけないといけないでしょ」

 まるで弁明をするかのようにつらつらと言葉を並べる。
 でもどれだけ思いを積んでも薄っぺらでしかなくて、発言に説得力を持たせることができない。発言に行動と実力が伴わないせいだ。

「あの、だから……俺と、結婚してください」

 お願いします、と言葉を結んで、軽く頭を下げた。もうこれ以上言うべきことはなにも見つからない。
 採用通知が届いたら、これを言おうとずっと決めていた。もし不合格なら来年以降に持ち越しにするつもりだった。
 採用を祈りながら通知を待った日々は、果てしなく永く思えて苦しい日々だった。卒論の忙しさと相まって、このところろくに眠れていない。
 でも今日のこの日のために、茜に言うべき言葉をたくさん考えてきてはいたけれど、いざその時が来てしまうと頭が真っ白になってしまい、ありきたりなことしか伝えられなかった。
 
 茜はどんな表情をしているんだろう。そして何を考えているんだろう。
 この沈黙は、何を意味しているんだろう。
 どんどんと不安になる。茜と付き合ってるうちに、マイナス思考が伝染したのかもしれない。
 以前の自分なら、根拠のない自信がどこからか沸いてきていた。何もかもうまくいく、漠然とそう考えていた。
 今思えば、あれが若さというものに違いない。
 そうでなければ、高校生の身分で10も年上の、しかも恩師に告白なんてできなかっただろう。実に恐ろしい、そしてうらやましいものだ。
 そのノリのまま「いつか結婚しましょうねー」とか「いつ結婚しますか」とか軽く伝えてきておけばよかったんだろうか。
 いや、それではただの冗談に取られてしまう。全く意味がない。
 とりあえず今ので、総一郎の本気は伝わった――と思う。
 問題は、茜の返答である。
 恐る恐る顔を上げると、視界に映った彼女のくちびるが小刻みに震えている気がした。
 何ごとかを呟くためにそれを動かそうとして、上手くいかないように見える。
 
 襲い来るプレッシャーに耐えかねて、暖かくなり始めていた茜の指をそっと開放した。
 このままでは、彼女がもし断りたくてもそうできないかと考えたのだ。
 名残惜しむようにゆっくりと、彼女の手から指を滑らせて身を引いて、――完全に離れてしまうその一瞬前に、
離したばかりの茜の手が伸びてきてすばやく総一郎の手のひらを握った。
 そしてそのまま、少々乱暴にぐいと引かれて上体が傾く。
 危ない、と思ったときには、茜の柔らかい身体が、総一郎の腕の中に納まっていた。
 一体いつの間に何がどうなったのやら、彼女のほそい両腕が総一郎の首に回っている。
 それにぐっと力がこめられて、ぐえ、という変な声が漏れた。
623総一郎と茜_六度目の10月 5 ◆DswpUl0rgY :2011/01/30(日) 20:00:33 ID:EKze9HVV
 
「セン、セイ?」
「……きみは、ちゃんと、考えたのか」
 茜の震える声が、すぐ耳元で響く。吐息がかかってくすぐったい。
 おずおずと両手を茜の背に回して、抱きしめた。
 総一郎の首を絞める腕に、さらに力がこもる。
 それに応えるように、総一郎も腕に力をこめて、ぎゅっと細い身体を抱きしめた。
「考えたよ、すげー考えた。胃が痛くなるぐらい考えたけど……これしか、答がなかった」
「後悔は、しないか?」
「しないと思う」
「…………断定しないのか?」
「ごめんなさい……えっと、後悔しません、ぜったいに」
「私は、君を幸せにする自信がないぞ」
「一緒にいてくれるだけで、十分幸せです。っていうか、それ逆でしょ。
俺だって自信なんてないけど、努力する。たくさん努力する、だから、」
「いい、君はただそばにいてくれれば、いい……」

 語尾がかき消える。鼻先が、総一郎の肩口にぐいと押しつけられた。
 抱きしめた背中が震えている。彼女の頬があたる、自分の首筋が濡れているような気がした。
「……センセイ、もしかして泣いてる?」
 首にうずめられた頭が、左右に揺れた。そういえばベッドの中以外で泣いたところ、見たことがないかもしれない。
「ね、センセイ。顔見せて」
 もういちど茜の頭が左右に揺れる。だめだ、と掠れた、情事の時のような声が漏れてどきりとした。
「なんで?」
 問いかけても返事はない。
 ねぇ、ともう一度呼びかけて、背中をぽんと叩いた。
 総一郎の首に絡まった腕から力が抜ける。

 ずっと正座をしたままだった足をゆっくりと崩して胡坐をかくと、その隙間に茜の足が忍び込んでくる。
 もっと密着をしたいのに、互いの足が邪魔で二つの身体の間に空間ができてしまう。
 身体なんていっそなくなって、一つになってしまえればいいのにと安っぽく思った。
 そうすれば、彼女が今なにを考えているかも全部判るのに。

「……センセイ?」
 しびれを切らして彼女を呼べば、小さく鼻をすする音ののち、小さな声がまた耳元で響いた。
「ひどい顔を、している……動揺した」
「動揺?」
「不意打ちだ。けっ、結婚だなんて、今まで一度も口にしたことなかったじゃないか」
「うん……ごめん」

 言っても夢物語以上のものにならないから、とか、断られるのが怖かった、とか、言い訳はたくさんある。
 そもそも、茜がそんなに動揺をしていることに驚いた。
 そのことを詳しく聞きたくなったけれど、今は、言葉は無粋になってしまう気がした。
 腕の中の温もりが、すべての幸せの象徴のように思えたからだ。

「君は、馬鹿だな」
「……うん、知らなかった? 高校生のくせに教師に愛を告白するような、馬鹿ですよ」
「知っていた。でもここまでとは、思わなかった」
 ひでぇ言い草。そう呟いたら、小さな声だったにも関わらずきちんと茜の耳には届いたようで、苦笑の吐息が総一郎の肩にかかった。
 くすぐったさに笑みが漏れる。
 こうして、いつまでも二人で笑っていられる未来にしたい、総一郎は思った。

624総一郎と茜_六度目の10月 6 ◆DswpUl0rgY :2011/01/30(日) 20:01:04 ID:EKze9HVV
「もう、君を離してやれないぞ。いいのか?」
「うん……ってそれ、また俺のセリフ」
「ああ、そうか……すまない」
「あの……ちゃんと返事、聞かせてもらえますか。もう一回、言うから、顔あげて」

 たっぷりの沈黙のあと、茜が身を起こす。
 すかさずに頬を挟んで、両目をのぞきこんだ。
 いつもより少しだけ熱っぽい瞳に、また緊張がぶり返してくる。

「ごめん、花とか指輪とか、なんも用意できてなくて……とにかく言わなくちゃって俺、テンパってて」
「いい、なにもいらない……きみだけいればいい」
 たぶん、それは茜の本心なんだろう。
 無欲に見える彼女が、総一郎だけを欲してくれている。それは、総一郎がずっと願っていた未来の形だ。

「センセイ…………結婚、してください」
「ん……ありがとう」

 そう笑った茜の目じりが、きらきらと光っていた。
 こめかみの髪をかきあげて、そこにくちづける。ぺろりと出した舌先が少しだけしょっぱくて――どうしようもなく嬉しくなる。
 やっぱりセンセイ泣いてるんじゃないか。
 その正体が嬉し涙だと確信をしたら、急に鼻の奥がつんと痛んだ。

 幸せとは今が永遠に続けばいいと願う瞬間のことらしい。いつか茜が言っていた。
 それを聞いてから、何度も幸せを実感してきたが、――今日が最高に幸せだと総一郎は思った。
 願わくば彼女も同じ気持ちでいてくれますように。
 潤みそうになる瞳をきつく閉じて誤魔化して、そっと茜のくちびるに、自分のそれを重ね合わせた。
 


*

以上でこの二人の話は終了です。
長らくのお付き合いありがとうございました。
625名無しさん@ピンキー:2011/01/30(日) 20:04:08 ID:pOkvD7Oz
リアルタイムGJ!!
いままで楽しませてくれてありがとう!
ハッピーエンドで良かったー
626名無しさん@ピンキー:2011/01/30(日) 20:30:29 ID:z6DmkrD3
GJ!!
どうなるかハラハラしたけど二人が幸せになってよかった、本当に。
627名無しさん@ピンキー:2011/01/30(日) 23:30:17 ID:Wrrbb5vV
GJ!!!
終わっちゃうのかー・・・寂しいけど、今までありがとう。
最近は投下されるの読むたびに、なんだか泣けちゃって。
いつもいつも楽しみにしてました。

投下お疲れ様でした。
628名無しさん@ピンキー:2011/01/30(日) 23:34:03 ID:5U8NOOFz
>>618-624
嘘だろ…、マジで本当に…、最終回、なのか…。
総一郎に結婚して下さいとプロポーズされたセンセイの如く、
俺も目から塩水が止まらない。

もう続きがないのかと思うと寂しくなるな…。
今まで良いものを読ませてもらった、ありがとう。
629名無しさん@ピンキー:2011/01/31(月) 01:46:23 ID:l+CsEFOI
泣いたーありがとうありがとう

また気が向いたら投下してくれたら嬉しい
630名無しさん@ピンキー:2011/02/01(火) 14:45:40 ID:viYCPwaf
お疲れ様!ホントに開幕前に来てくれてありがとう!

五度目の9月でしんみりしてしまったから
どうなることやらと心配しておったけど、良かったよ
白いコーヒーメーカー大活躍だな
631名無しさん@ピンキー:2011/02/01(火) 23:37:03 ID:NjqO7cIq
おまいら!
女教師と男子生徒ものをもっとだな
632名無しさん@ピンキー:2011/02/03(木) 02:29:51 ID:3dxetZAf
>>631
女教師ってエロいよなあ
633名無しさん@ピンキー:2011/02/03(木) 20:14:20 ID:+GlEpfAJ
このやろおおおおおおおおおおおおお
おめでとおおおおおおおおおおおおおおおおお
634名無しさん@ピンキー:2011/02/03(木) 22:51:37 ID:zw1L1KPn
えっ!?
635名無しさん@ピンキー:2011/02/05(土) 14:19:29 ID:9OgHMxlr
GJ!!!!
お幸せにいいいいいい
636名無しさん@ピンキー:2011/02/05(土) 18:49:50 ID:5cARoOAR
保管庫で今までに投下された作品を読んできたけど、
まだ未完っぽい作品の続きはまだかな(チラッ
637名無しさん@ピンキー:2011/02/05(土) 20:54:28 ID:r7bh/C01
楓ちゃんのその後が気になるぞ
どうなったんだろう…そわそわ
638名無しさん@ピンキー:2011/02/05(土) 22:50:43 ID:ooFnBL+P
俺も楓ちゃんのためにいつまで全裸待機すればいいんだと正直思いながらも今日も元気に全裸待機で眠るんだぜ
639名無しさん@ピンキー:2011/02/06(日) 17:19:33 ID:4HTZToS2
完結編で爽やかなBGMを聞きながら見ると目から汁がいっぱい出てくることを発見した
640名無しさん@ピンキー:2011/02/06(日) 18:38:45 ID:V0cUyqS6
楓ちゃんあの後どうなったんだろ。
あと遠子と英介の続きも気になる(´・ω・`)
641名無しさん@ピンキー:2011/02/09(水) 19:33:12 ID:QrhN4A6c
続きが気になる作品多過ぎ
642名無しさん@ピンキー:2011/02/13(日) 20:42:46 ID:yYtn7JC1
投下期待
643名無しさん@ピンキー:2011/02/16(水) 16:22:19 ID:KH5jkqKp
>>587-593
是非とも続きを
644名無しさん@ピンキー:2011/02/18(金) 11:55:33 ID:7Q0Di1ob
投下来い!
645名無しさん@ピンキー:2011/02/19(土) 12:02:34 ID:cq9c8mIU
年上の女の人が年下の男の子に激しく何度もセクロスされちゃって
「も、もう、無理」とか「お願い、少し休ませて」とか
「君みたいに若くないから、私の体が持たない」とか、
そういうセリフが最高にたまんねぇんだよ!
646名無しさん@ピンキー:2011/02/19(土) 21:53:58.61 ID:CZqawsWz
>>645
あぁ、年上の女性がそういうセリフを吐くのは堪らんな
647名無しさん@ピンキー:2011/02/20(日) 04:16:03.70 ID:Km4QnNoZ
そういうのが読みたい
648名無しさん@ピンキー:2011/02/20(日) 18:41:03.05 ID:QPZ+H/ek
>>645
おまえ、よく分かってるじゃないか
649名無しさん@ピンキー:2011/02/22(火) 04:06:08.91 ID:/at9lP9b
最近年の差に飢えてるんだが良い年の差ゲームはないかねえ
RPGとかで何かないすか
650名無しさん@ピンキー:2011/02/22(火) 13:55:40.45 ID:sAVeXek+
自分はやったことないもんで、詳しくは知らないけれど
PS1のSRPGに、主人公四十代の傭兵。ヒロイン十代の姫ってゲームがあったな。
651名無しさん@ピンキー:2011/02/22(火) 14:46:09.00 ID:WMuEfHv6
>>649
バウンティソード(31男←12女)
アヴァロンコード(将軍×少女)
東京魔人學園(男子高校生×女教師)
九龍妖魔學園紀(男子高校生×女教師)
東京鬼祓師(男子高校生×女教師)

一般RPGだとこの辺かな。ADVや乙女ゲー含めればもう少し増えるが
652名無しさん@ピンキー:2011/02/23(水) 16:04:37.64 ID:uSVWgZwQ
将軍と少女・・・実に良い響きだ
653名無しさん@ピンキー:2011/02/23(水) 18:51:30 ID:0N0t/yZE
>>652
なんだか卑猥な想像が湧き出てくるね
654名無しさん@ピンキー:2011/02/25(金) 00:05:59 ID:+PdQqWBx
>>653
さぁ、その湧き出た妄想を文章にまとめる作業に入るんだw
655名無しさん@ピンキー:2011/02/26(土) 23:11:46.10 ID:Ldupg2UH
ちょっと前に話題になってた「私の男」のキャラ&設定で書いてみたんだけどこういう小説パロディ的なのはスレチかな?
ちなみに父(32)×娘(16)の近親相姦モノです
656名無しさん@ピンキー:2011/02/26(土) 23:30:35.66 ID:1zXRGVAN
>>655
二次創作も当然おk
657名無しさん@ピンキー:2011/02/26(土) 23:48:13.99 ID:I0d63Nfz
リストにあった海賊の心臓を読んだら萌えたので「海賊と少女」で小ネタいきます。
容姿が多少似てしまったが、インスピレーションということに
してもらえればありがたい。非常に微々たるエロ。
658海賊と少女1:2011/02/26(土) 23:52:05.38 ID:I0d63Nfz
心地よい風が吹く緑の丘からは、美しい海がよく見えた。
その上には無数の白い帆がゆったりと浮かんでいるのが分かる。
青々とした芝生を撫でる風に促されるように、海賊は顔を上げた。
穏やかな昼下がり、頭上に輝く太陽はまだ暑いというほどではない。
だが数週間立てば、太陽は燃えあがり子供たちを海水浴へと促すようになるだろう。
ぱらり、と手に持った革表紙の本のページが風にめくられる音で海賊はまた視線を下げた。
だが、本にではない。
海賊は本を持った右腕を立てた片膝に置くと、左膝の上の小さな重みに目を向ける。
そしてすうすうと寝息を立てる小さな卵形の顔を指先で撫でた。
閉じた丸い目を縁取る黒く長い睫毛、つんと誇らしげな小さな鼻。
少し近づけば、微かにそばかすの跡。
髪を梳いてみると、見目はくしゃくしゃにも関わらず、意外に指通りが良かった。
久しぶりの陸地で昨日は湯浴みをしたのか、いつもとは少し違う匂いがする気がする。
他の船乗りども同様海上ではろくな湯浴みのかなわぬ身ながらも、不思議と不快ではない
彼女独特の匂いが少し恋しい。
何度も撫でていると、少女は少し身じろぎをした。
海賊は黒い口ひげの下でくくっ、と喉の奥で笑うと、
ささくれ立った親指で微かに開いた赤い唇に触れた。
柔らかいその感触が心地よい。
少し力を入れ、軽くねじ入れてみると、小さな歯と舌に軽く触れるのが分かった。

今年でいくつになるだろうか。
素足が覗く、投げ出された7分丈の細い足に眼をやる。
ふくらはぎ辺りになだらかな曲線を確認できるようになった気もするが、
まだまだ子供のものだ。
出会ってから2年…そうだ、確か今年で13歳だった。
少しは、女らしくなったのか。
男物の服では、曲線も何も確認できたものじゃない。
海賊は少女の顎をひとなですると、手を下に滑らせた。
ぽん、とそこに手を置いてみる。
上下する胸、伝わる鼓動。
最初は見た目どおり平らかかと思ったが、微かな膨らみが確かにそこにあった。

今起きたらどうなるだろうか。
今までも多少セクハラまがいのことはしてきたが、ここまで直接的ではない。
真っ赤になって怒るだろうか。
泣くだろうか。
俺のこの愛惜の情に、気付くだろうか。
659海賊と少女2:2011/02/26(土) 23:58:13.87 ID:I0d63Nfz
こんな未発達な子供に、と自分でも思う。
だが子供に手を出すことはこのご時勢珍しいことではなし、
彼女より幼い年齢の娼婦だって見たことがある。
まあ確かに多少変態的だし、あまりおおっぴらに出来ることではない。
なにより、一応伊達男で通っている俺らしくない。
この間などは、偶然通りかかった昔の馴染みの女にかなり冷たい目線で見られた。
まったく、まだ何もしていないというのにとんだ話だ。
そう考えると、いつも呑気な顔をして俺の隣に居るこの少女が少し憎たらしくなった。

―このままここで、犯してしまおうか。
指を、シャツの襟にかける。
このまま手を差し入れ、ささやかな乳房を包み込むのだ。
そうして眼を覚ました彼女を引き寄せ、もう片方の手で口をふさぐ。
いや、きっと驚きのあまりろくに声も出せなくなるだろうから必要ないかもしれない。
それでもまあ、その方が画的にはそそるのでそうする。
ボタンを一つずつ外す。
少しずつ露になる白い胸元。
胸の先端を弄り、無理やり立ちあがらせる。
敏感な場所を攻められて、きっと甲高い声が唇から漏れ出るだろう。
そうしたら小さな丸い耳を口に含み、尻に腰を押し付けて…

…まずい。
股間を見下ろしながら後悔する。
少しリアルに想像しすぎてしまった。
ズボンが盛り上がるほどではないが、少し硬くなっているのが分かる。
はあ、と溜息をつき、戒めるように輝く陽光を顔に受ける。
首筋を撫でていた手を引っ込み、頬杖をついた。
何が問題って、できないことはないということだ。
一応これでも海賊という名の外道だ。
無理やり犯すなど、なんとも海賊らしい行いだと思う。
だが、しない。
きっと、とても傷つけてしまうからだ。

思ってから、なんと偽善くさい言葉だと口角が上がる。
そう感じる辺り、あまり本気でそう思っていないことが自分でも分かる。
いつか自分の女にするのだ。
今純潔を奪い、完全に自分のものにしてしまったっていいじゃないか。
だが、やはりしない。
自分でも不思議だが、恐らく多少余裕があるからだろう。
だから薄っぺらい理性をどうにか保てている。
相変わらず寝息を立てている少女の顔をまた見下ろす。
赤面しがちのこの顔に、笑窪が出来る瞬間がたまらなく好きだった。
まあ、事実愛しいのだ。
ゆっくりやるさ。
海賊は、また本を開いて文面に眼を落とす。
明日には、また出航だった。
660名無しさん@ピンキー:2011/02/27(日) 00:03:12.62 ID:fqNTbrIH
微々たるどころじゃなかった。ほぼ皆無だった。すんません
この二人であと一本だけ、今度はちゃんとエロを書こうと思います。
661名無しさん@ピンキー:2011/02/27(日) 00:37:42.32 ID:GxhkOCTK
GJ!
続き楽しみだ
662名無しさん@ピンキー:2011/02/27(日) 14:34:45.94 ID:XHhXuYpd
>>657
13の少女にムラムラする海賊、大変おいしかったですごちそうさまです。

続き全裸待機
663名無しさん@ピンキー:2011/02/28(月) 00:55:22.70 ID:WbwLfLb2
>>655です
桜庭一樹の「私の男」の二次創作投下
娘視点でかなり長いです
664名無しさん@ピンキー:2011/02/28(月) 00:56:50.87 ID:WbwLfLb2

昼休みが終わり、もうすぐ五時間目の授業が始まろうとしている。
わたしたち三年生は体育館に集められていた。“親と子のための道徳セミナー”と書かれた大きな垂れ幕がステージに飾られている。生徒はクラスごとに縦一列に整列し、その隣に保護者が座ることになっている。わたしの隣の椅子は空いていた。
「花のお父さん、来ないの?」
後ろの席の章子に話しかけられて、わたしは振り返った。
「来るって言ってたんだけど‥‥、分かんない」
曖昧な笑みを浮かべながら答えると、章子の隣のおばさんはどことなく困ったような表情を浮かべて微笑んでいた。
セミナーのあとには大学進学に関する説明会をするからなるべく保護者に参加してもらうように、と担任から強く言われていた。そのことを告げると、淳悟は本当にめんどくさそうに「行くよ、ちゃんと」と短く言った。
わたしは内心不安だった。周りを見回してみると、空席はほとんど無かった。やがてチャイムが鳴り響き、大阪のオバサンのような講師の話が始まっても、淳悟は来なかった。
665名無しさん@ピンキー:2011/02/28(月) 00:57:47.79 ID:WbwLfLb2
わたしはいつの間にか頭を垂れて眠ってしまっていた。どれぐらい時間が経ったのだろう。突然、体育館の扉が開く音が響いた。その音に反応して目を開けると、体育館の入り口に見慣れた細長いシルエットが浮かび上がっていた。
だらしないのにどことなく気品を感じさせる没落貴族のような雰囲気と、ほったらかしの長めの髪で隠れがちな整った顔立ち。姿勢はいいのに、そこはかとなく漂うさびれた空気。淳悟だ。
その場にいた全員が、淳悟を見た。
「‥‥すいません、遅くなりまして」
そんなこと露ほども思っていないようなぶっきらぼうな口調で誰にともなく口にすると、壁際に座っていた担任が慌てて立ち上がった。
「あの、生徒の隣に席を用意してますんで‥‥っ」
淳悟は担任に向かって小さく頭を下げると、周囲の注目を一身に浴びながらわたしの方に歩いてきた。迷いなく、ぶらぶらと。
そんな淳悟の姿にわたしは見とれた。高校生の保護者にしてはあまりに若すぎる淳悟の登場に、体育館がにわかにざわめき始める。淳悟はわたしの正面で立ち止まった。
「‥‥来てくれないかと思った」
小さな声で呟くと、淳悟はかすかに微笑んで「来るさ」と一言だけ言った。そしてどかっと音を立ててわたしの隣の椅子に腰を下ろした。長い足を無造作に投げ出して、つまらなそうな表情で正面を見据えている。これが、わたしのおとうさんであり、私の男――――。
このような場に堂々と遅刻してくる父親を恥ずかしいと思う気持ちと、周囲の視線を惹き付ける淳悟を誇らしく思う気持ち。わたしは複雑な気持ちを抱いたまま、黙って椅子に座っていた。講師のオバサンは二、三度咳ばらいをすると、何事もなかったかのように話を再開させた。
666名無しさん@ピンキー:2011/02/28(月) 00:59:18.16 ID:WbwLfLb2
講師のオバサンは思春期の子供と親の間で大切なものはどうちゃらこうちゃらとかいうつまらない話を延々続けていた。そして「皆さんのお話も聞かせてもらおうかしら」と言ってステージから降りると、適当な生徒と保護者にマイクを向けて当たり障りの無い質問を繰り返した。
やがてオバサンはわたしたちの方へ歩み寄って来た。
「こちらのお父さん、随分お若いのねえ。おいくつかしら」
気持ちの悪い笑顔を貼り付けて、淳悟に話しかけた。淳悟がオバサンの方を見もせずに「三十二」と吐き捨てるように答えると、体育館がざわついた。質問をしたオバサンも、まさかという表情を浮かべて固まった。
「え、だってこの子高二でしょう。じゃあ十六の時の子供なの?」
講師のオバサンはまるでワイドショー好きの主婦のような目になっていた。
「まあ、そうなりますねえ」
そう答えた淳悟は、唇の端にうっすらと不敵な笑いを浮かべていた。
「あなた、それは駄目よ!」
オバサンがいきなり大きな声を出したので、わたしを含めた周りの人間は皆驚いた。それでも淳悟は動じずに、思いっきり面倒臭そうな顔をして黙っていた。
「子供が子供作るようなもんじゃない。そんなの駄目よ。産まれてくる子供が不幸になるって考えなかったの?」
‥‥このオバサンは一体わたしの何を知っているのだろう。身体の奥で小さな炎が点火した。
オバサンは機関銃のように淳悟を批判する言葉をまくし立てた。彼女は遅刻して来た挙げ句にまったく自分の話を聞いていない淳悟に苛立っているようだった。
周りの生徒や保護者、教師は皆静まり返っていて、体育館にはオバサンの五月蝿い声がよく響いていた。淳悟は明後日のほうを見ながら、平然とした様子でオバサンの一方的な批判を浴び続けていた。
667名無しさん@ピンキー:2011/02/28(月) 01:02:16.74 ID:WbwLfLb2
「失礼かもしれないけど、あなたご職業は?」
オバサンのあまりに下世話な質問に、淳悟は呆れた様子ではあ、と小さく息を吐いた。
「その質問はこの講演に関係あるんですかねえ」
相手を嘲るようなかすかな笑みを浮かべながら、ぽつりと言う。それを聞いたオバサンはばつが悪そうな顔をして黙り込んだ。しかしすぐにさっきまでの勢いを取り戻して、
「子供が子供を作るなんて、人間のすることじゃないわ。信じられない。目先のことしか考えてないのね」
また飽きもせずに淳悟の批判を始めた。
頭で考えるよりも先に、身体が勝手に動いた。
わたしは椅子から音も無く立ち上がると、淳悟の前を横切ってオバサンと向かい合い、勢いよく彼女の頬を叩いた。ばちん、という乾いた音が体育館中に響き渡り、この場にいるすべての人間が言葉を失った。
わたしは訳が分からないとでも言いたげな表情を浮かべているオバサンを、めちゃくちゃに殴り出した。髪を引っ張り、服を掴み、拳を振り上げた。
呆然としていた先生たちがハッと我に返り、慌ててわたしの方へと駆け出して来た。周りにいたクラスメイトの何人かと共に、暴れるわたしを抑え込んだ。みんな、信じられない、という顔をしていた。
「な、なんなのよあの子!!」
髪型や服がぐちゃぐちゃに乱れたオバサンは、ヒステリックに叫んだ。それを何人かの教師がなだめ、ただひたすら頭を下げていた。
668名無しさん@ピンキー:2011/02/28(月) 01:03:38.09 ID:WbwLfLb2
わたしは大衆の視線に晒されていた。ふっと我に返って周りを見回してみると、誰もがわたしを恐れるような怯えた視線を向けていた。担任が「腐野‥‥」と力無くわたしの名前を口にした。頭の中は真っ白だった。
のろのろと、救いを求めるように淳悟のほうを見た。淳悟は、珍しく驚いたような表情を浮かべて、わたしをじっと見つめていた。
「‥‥だ、だって」
わたしは叱られた子どものような気分だった。
「おとうさんを、ばかにするから」
そう口にした瞬間、ぽろぽろと涙がこぼれてきた。身体の勝手な反応に、わたしは慌てた。こらえようと思っても、涙は止めどなく次から次へと流れていく。
淳悟がゆっくりと立ち上がって、わたしの正面に来た。背の高い淳悟は泣きじゃくるわたしの顔を覗き込むかのように軽く身をかがめた。
「何泣いてんだよ、お前は」
困っているような、だけどやさしい、へんな笑顔を浮かべて言った。
「だって、‥‥淳悟を、淳悟が‥‥」
幼い子どものように泣き続けるわたしの頭に、淳悟がぽんと片手を乗せた。大きくて、だけど華奢で、温かい手。こんな状況下においても、淳悟に触れられたことで、わたしの身体は人知れず悦びを感じていた。
これさえあれば生きていける。
これさえあれば、もう何もいらない―――。
「別に気にしてねえよ、あんなの」
吐き捨てるようにそう言うと、淳悟はわたしの肩を掴んで一気に引き寄せた。わたしは淳悟の固い胸の中にすっぽりと収まる形になった。おとうさんからは昼間でも夜のにおいがする‥‥。身体が勝手に反応してしまうのを、わたしは必死になって抑え込んだ。
周りの人たちは皆、息を飲んでわたしたちをじっと見つめていた。
淳悟は一人平然とした様子で担任に声をかけた。一連のわたしたちの行動を呆然と眺めていた担任が、慌てて返事をした。
「ちょっと、外出て来ていいですか。こいつが落ち着くまで」
顎でわたしを差しながらそう言うと、担任は「‥‥どうぞ」と短く答えた。
淳悟は担任に再び小さく頭を下げ、わたしの肩を抱いてゆっくりと歩き出した。わたしは淳悟に促されるまま、引きずられるようにして歩を進めた。
わたしたちは、見てはいけないものを見てしまった、という好奇の視線を身体中に浴びながら体育館を出た。こうやって淳悟と寄り添いながら歩いていると、おとうさん特有の夜のにおいが濃密さを増したような気がして、こころがぶるぶると震えた。
669名無しさん@ピンキー:2011/02/28(月) 01:06:28.62 ID:WbwLfLb2
体育館を出て、わたしたちは身を寄せ合ったままふらふらと歩いた。誰もいない食堂の前を通りかかった時、淳悟が足を止めた。
「喉渇いた」
独り言のように呟くと、ジーンズのポケットに片手を突っ込んで小銭を取り出し、自販機でペットボトルのミネラルウォーターを買った。ごくごくとそれを飲み下す淳悟の横顔を、わたしは赤くなった瞳でただ見つめていた。
「飲むか?」
ふいに訊かれて、わたしは頷いた。
淳悟は一瞬だけ何か考えたかと思うと、再び水を口に含んだ。そしてわたしの顎を片手でやさしく持ち上げて、唇を重ねた。そうっと唇を開くと、淳悟の口内から水が流れ込んできた。
口移しで受け取った水を、わたしはごくりと飲み込んだ。そんなわたしの様子を淳悟は静かに見下ろしていた。
喉の渇きは潤ったけれど、それとは違う“渇き”がわたしのこころをますます蝕んでいく。
わたしはたまらなくなって、淳悟のシャツの裾を引っ張って、固い胸におでこを埋めた。つい今しがた泣き止んだばかりだというのに、再びどうしようもなく泣きたい気分だった。
淳悟はわたしの頭をやさしく撫でながら「どうした」と訊いた。わたしはまた涙をぽろぽろと流しながら、震える声で言った。
「おとうさんが、ほしいよ。すごく‥‥」
懇願するように顔を上げると、おとうさんは困ったような表情を浮かべてわたしを見下ろしていた。
670名無しさん@ピンキー:2011/02/28(月) 01:07:27.81 ID:WbwLfLb2
「おとうさん、お願い‥‥」
今にも消え入りそうな震える声で、わたしは必死に懇願した。淳悟はしばらくの間何も言わずに突っ立っていた。
わたしは淳悟の大きな右手を包み込むように両手で掴むと、骨ばった長い指先をそっと口に含んだ。とにかく、一秒でも早く、おとうさんが欲しかった‥‥。
淳悟はわたしのいきなりの行動に戸惑いを見せた。だけど、振り払うことはしなかった。
「花‥‥」
力無くわたしの名前を呼んだおとうさんは、なんだか今にも泣き出しそうな顔をしていた。わたしはそんなおとうさんを上目遣いに見上げながら、ひたすら指に舌を這わせた。おとうさんがいつもわたしにしてくれるように、やさしく、丁寧に。
わたしが口元から小さく息を洩らすたびに、おとうさんの表情は険しくなった。おとうさんは首を曲げて、わたしのおでこに自分のおでこをそっとくっ付けた。愛撫を続けるわたしの口元を、至近距離でじっと見つめていた。
「花、‥‥どこか人が来ないところ、あるか」
淳悟が声を発すると、吐息が顔にかかった。もうそれだけで、わたしの身体は至高の悦びを感じている‥‥。わたしは淳悟の指をくわえたまま、こくんと頷いた。
そして、わたしたちは手を繋いで再び歩き出した。
671名無しさん@ピンキー:2011/02/28(月) 01:08:36.53 ID:WbwLfLb2
わたしたちが向かったのは、ほとんど人が近付くことのない取り壊し間近の旧校舎だった。
教室は基本的に施錠されているが、鍵が開けられたままになっている部屋がひとつだけあることを、わたしは大掃除の時にたまたま発見していた。
淳悟はためらうことなく土足のまま旧校舎に足を踏み入れた。わたしもそれに倣い、ローファーのままで進んだ。
「‥‥ここ」
わたしの誘導で空き教室に一歩足を踏み入れた瞬間、淳悟は背中から腕を回してわたしを強く抱きしめた。いつもと同じ、抱きしめ方。夜のにおいが、強くなる――。
「花。‥‥‥花ぁ」
わたしたちは飢えていた。お互いが欲しくて欲しくて、たまらなかった。わたしは淳悟の長い腕の中でくるりと身体を半転させた。そして立ったままお互いの唇に食らい付いた。
わたしの短い舌に、淳悟の長い舌がまるで蛇のようにまとわりついてくる。そのあまりの勢いに一瞬おののいてしまっても、淳悟の舌はわたしを捕らえて決して離さそうとはしない。
ぴちゃ、ぐちゃ、ぐちゅ、という二人の唾液が混ざり合う音と、お互いの苦し気な吐息が静かな教室に響いて、頭がおかしくなりそうだった。
どちらの唾液なのか分からなくなるぐらい濃密に舌を絡め合っていると、おとうさんはわたしの身体を密着させたまま器用に移動させた。わたしは唇を合わせたまま、古ぼけた机の上にそっと寝かせられた。
672名無しさん@ピンキー:2011/02/28(月) 01:11:17.20 ID:WbwLfLb2
おとうさんはわたしに覆い被さるような体勢になって、執拗にわたしの口内を貪り続けた。
わたしの口元から二人の唾液が混ざり合った液体がたらりとこぼれると、おとうさんは従順な犬のようにその液体を舐め取った。
やがて淳悟の舌はわたしの口元を離れて、徐々に下降して行く。
首筋を舐め回されていると、わたしはくすぐったくて思わず吹き出してしまった。そんなわたしの反応を見て、おとうさんは苦笑いのような、複雑そうな笑みを浮かべた。
「なんだよ、さっきまで泣いてたくせに」
「‥‥だって、くすぐったいもん」
「耐えろ、もう少し」
おとうさんはいつでもわたしを大切に扱ってくれるけれど、わたしの幼い身体はまだ刺激に慣れておらず、快感に辿り着くまでにはこのくすぐったさを乗り越えないといけない。
わたしは頷いて、ぎゅっと目をつむった。おとうさんの舌が再び動き出す。
制服のブレザーを脱がされ、わたしはブラウスにスカートという薄着になった。
おとうさんの指が襟元のボウタイをするりと外し、ブラウスのボタンに伸びる。焦らすようにひとつひとつゆっくりとボタンを外してブラウスを開くと、わたしの白くて滑らかな肌があらわになった。
まだ成長途中の控えめな胸は、白いシンプルなデザインのブラジャーに覆われていた。
おとうさんは動きを止めて、わたしの上半身をまじまじと見下ろしている。
「おとうさん、そんなに見られたら恥ずかしいよ‥‥」
顔を背けようとすると、淳悟がわたしの頬を両手で包み込んでそれを拒んだ。
「いいだろ、別に。俺のもんなんだから」
さも当然のようにそう言って、わたしの頬から片手を離した。離した片手はわたしの鎖骨をなぞり、やがてブラジャーの中に侵入した。
673名無しさん@ピンキー:2011/02/28(月) 01:13:15.59 ID:WbwLfLb2
淳悟の細長い指が、わたしの胸の突起を弄り始めた。おとうさんはおとうさんだから、わたしの気持ち良いポイントをすべて知っている。押したり、こねたり、つねったり。
やがてブラジャーを外され、わたしはブラウスを肩に引っかけている以外、上半身に何も纏っていない状態になった。
控えめに立ち上がったわたしの乳首を、おとうさんが口に含んだ。舌の先を使って、まるで飴玉を舐めるかのようにころころと転がす。もう片方は指でいじくられている。
「あッ‥‥」
わたしが小さく声を洩らすと、おとうさんは愛撫を若干強めた。軽く歯を立てたり、強く吸い付いたり。
「ん、やっ、淳悟ぉ‥‥っ」
わたしは刺激を与えられるたびに跳ねるような声をあげた。淳悟の頭に両手を回して抱え込む。
「おっ、おとうさん、‥‥ごめん、ね」
ふいにわたしがそう言うと、淳悟は不思議そうに顔を上げた。口元からは細い銀色の糸が伸びて、わたしの突起の先に繋がっている。
「胸、ちっちゃいね。わたし‥‥」
わたしが顔を赤らめながら言うと、淳悟は一瞬だけポカンとして、その後すぐに人懐っこい笑顔を浮かべてクククと噛みしめるように笑った。
「なんだよ、そんなこと気にしてんのか」
わたしは無言で頷く。
「でっかくなるよ、そのうち」
「本当?」
「ああ。別にこのまんまでもいいけど、俺は」
淳悟は胸への愛撫を再開させた。
やがて片手は下降していき、わたしのお腹を撫で、スカートをめくって、太ももに触れた。
674名無しさん@ピンキー:2011/02/28(月) 01:33:35.21 ID:WbwLfLb2
太ももの内側を撫でられて、わたしの身体はびくんっと跳ねた。淳悟は焦らすかのように太ももの周辺を撫で回し、なかなかその先に進もうとはしない。わたしの身体は次の段階を待ち焦がれていた。
「じ、じゅん、ごぉっ‥‥」
懇願するように名前を呼ぶと、淳悟はやさしく微笑んだ。
「‥‥花」
わたしの名前を呼んで、ショーツの上から、そこに触れた。最初はやさしい手つきでそうっと割れ目を撫でていく。
次第に指の動きは大胆なものになっていくけれど、布越しの刺激にはすぐに物足りなさを感じてしまう。わたしは知らず知らずのうちに身体をくねらせて、さらなる刺激を求めていた。それに気付いているのかいないのか、淳悟の指がショーツの下に潜り込んだ。
ごつごつしたおとうさんの指の感触が、一本、二本。
ずっとずっと待ち焦がれていたものの訪れに、わたしはますます昂った。
すでにわたしの性器はかなりの湿り気を帯びていて、いやらしい水音が自分の耳にまで届いた。
「お前、もうこんななってる」
わたしの秘部から抜き出した指を、淳悟がいじわるく顔の前に持ってくる。指先はじっとりと濡れていた。
「い、いやぁ‥‥っ」
わたしが恥ずかしがって目を逸らすと、淳悟はにやりと笑って自分の指先を舐め上げた。
再び淳悟の指がわたしの中に入ってくる。その動きは段々と激しさを増していき、わたしは机の上で身をよじりながらひたすらに喘いでいた。
「やぁ、あッ、おと、おとうさぁんっ」
「‥‥何だよ」
「す、すきっ。すきよ、淳悟ぉ‥‥」
「ああ。‥‥俺も、好きだよ」
その言葉が何よりもうれしくて、何よりも大切で、わたしは淳悟の背中をぎゅっと強く抱きしめた。
おとうさんがわたしの中を掻き回す卑猥な音が、静かな教室に響き渡っている。





とりあえず今日はここまで。
続きます。
675名無しさん@ピンキー:2011/02/28(月) 17:12:36.77 ID:L5j420mK
子供に子供が育てられるか?は永遠の問題である
婆さんに加担する訳じゃないけど、リアルでは難しいだろうなと思う
スレチスマソ
676名無しさん@ピンキー:2011/02/28(月) 22:44:54.28 ID:l8PRFlo8
GJ!!
原作知らんがちょっと興味湧いたわ
続きも楽しみにしてる
677名無しさん@ピンキー:2011/03/01(火) 03:52:34.28 ID:tG8ImrG/
>>664-674
GJ!
エロシーンが大変よろしい、熟読した
678名無しさん@ピンキー:2011/03/01(火) 08:52:07.01 ID:ABZbWMWr
>>664-674
素晴らしい!!
夢中になって読んでしまった
なんか狂気を感じる親子だなー
つーか父親かっこええw
679名無しさん@ピンキー:2011/03/04(金) 01:01:57.45 ID:ucI9wPu5
さっきBS2でERを見ていたら、俺の中に歳の差神が降りてきた
ぽわんぽわんした感じだけどしっかり者で優しいお姉さん医師と入院中の男の子
680名無しさん@ピンキー:2011/03/04(金) 18:03:24.33 ID:D/VE94yU
>>679
何それ萌える
681名無しさん@ピンキー:2011/03/06(日) 03:38:09.71 ID:HtW9ZM+A
個人的には30歳以上の男性教師と女子中学生、小学生というのが堪らん
682名無しさん@ピンキー:2011/03/06(日) 12:49:06.17 ID:unuNM45S
朝ドラは年の差萌えの宝庫…てっぱんは駅伝に盗られたが風ハルは姉妹共に滴った
683名無しさん@ピンキー:2011/03/07(月) 20:19:58.29 ID:1XOPmSe0
>>679
そのお姉さん医師と男の子の年齢はどのくらいかね!?(*゚∀゚)=3
684名無しさん@ピンキー:2011/03/08(火) 18:58:54.49 ID:cuPjejON
>>681
おまおれ
685名無しさん@ピンキー:2011/03/10(木) 00:37:11.36 ID:cLd7BePb
>>684
同好の士かね?
仲間は嬉しい
686名無しさん@ピンキー:2011/03/13(日) 17:01:51.80 ID:ocn4IBvf
>>683
年下男子の定番と言えば、盛んなお年頃の高校生から大学生くらいで
687名無しさん@ピンキー:2011/03/17(木) 23:58:55.85 ID:xI9xZBLu
大学生の男の子がバイト先の居酒屋で出会ったのは、
ふわふわしていておっとりした雰囲気の可愛い女の人。
彼女が友達と話す姿を見ている内に、彼はどんどん惹かれていってしまう。

ある時、注文されたお酒を誤ってそのお姉さんの服に零してしまい、
それをきっかけに二人の仲は深まり度々話すようになる。
我慢出来なくなった男の子は思い切ってお姉さんに告白するも、
お姉さんは「若い内は年上の女の人に惹かれたりするもんね」と
本気にしてくれない。
自分よりもほんの少し年上だろうとは思っていたが、
なんと彼女は男の子よりも7歳も年上だったのだ。

大学生の男の子と7歳年上のおっとりお姉さん。
そんな二人が織り成すハートフルラブコメディ、乞うご期待!

続かない
688名無しさん@ピンキー:2011/03/18(金) 00:15:22.12 ID:e587j1i+
>>687
wktkでスクロールして乞うご期待、でテンションがあがったのに
最後でまっさかさまだぜ
しかし美味しいシチュエーションだな
689名無しさん@ピンキー:2011/03/18(金) 10:36:47.77 ID:ehg1s4OC
うおおおおお、続いてくれ!うおおおおおおおおおおお
690名無しさん@ピンキー:2011/03/18(金) 10:50:56.45 ID:wp8XA1aw
>>687
続けてくれ!しかし本当に美味しいシチュエーションだな
691名無しさん@ピンキー:2011/03/19(土) 03:37:34.00 ID:3CILsQS9
>>686
男子中学生なら一日でかなりの回数射精しても違和感無いよ!!

>>687
これは美味しいシチュだw
692名無しさん@ピンキー:2011/03/23(水) 03:01:35.27 ID:sCyTwvaU
保管庫を見ると止まってる作品多くて泣く
続き待ってる
693名無しさん@ピンキー:2011/03/23(水) 22:27:14.35 ID:biAMrODW
十歳近く年下の許嫁とっか良いよね
694名無しさん@ピンキー:2011/03/23(水) 22:58:33.32 ID:xWlZv73Z
>>693
いいねえ
時代劇でそういうの見たい。
695名無しさん@ピンキー:2011/03/24(木) 01:59:05.47 ID:srkD7ZDU
>>693
ああ、最高だな
696名無しさん@ピンキー:2011/03/24(木) 05:41:01.89 ID:rEe71lBu
昔はおっさんのとこに15かそこらの女の子が嫁いだりは当たり前だったしな

ちょっと妄想
少女が生まれたときから夫婦になることが決まってた相手はどっかの長男で
でもそいつは妹のように接してきた少女と結ばれることに気が乗らない
いざ夫婦になっても、まだ幼さの残る少女を女として見れないから抱いたりできない

少女の方も兄のように慕ってきた男に家族愛以外の愛情を抱けない
けど一緒に暮らすようになって、今まで気付かなかった面を見て段々惹かれていく
恋をして綺麗になっていく少女に男もまた惚れていく
でも散々抱けない抱かないを繰り返してきて今更タイミングが掴めない
最終的に少女の方が焦れて、「そんなに私は女としての魅力がないですか」って
真っ赤な顔で泣きながら押し倒す

そんな話が読みたい
697名無しさん@ピンキー:2011/03/24(木) 12:41:37.37 ID:5Dko5esa
すげー萌えた。やばい
698長道歩き-4 0/5 ◆mFBFPkmfCk :2011/03/24(木) 13:50:19.51 ID:5Dko5esa
お久しぶりです。間が開いてしまってすみませんでした
>>315です

今回エロなしです
5レス消費 お邪魔します
699長道歩き-4 1/5 ◆mFBFPkmfCk :2011/03/24(木) 13:50:39.79 ID:5Dko5esa
「え、あ……?」
 定まらない思考で、とりあえず布団の中で寝返りを打つ。
そして額に張り付いた髪が鬱陶しいなあ、と、そこまで考えてはたと気付いた。気付いてしまった。
この部屋にこんな傍若無人に入り込んでくるのは、自分を覗いて一人しか居ない。
まだべとべとに汚れた右手が震えている。
どっくどっくと痛いほどの鼓動を叩く薄い胸が、搾られるような感覚がした。
すぐさま起き上がろうとするが、塗りたくった唾液で濡れた乳首がすうっと冷えて、腰が悶えた。

「んっ」
 頭が事態に追いつかない。
楓は思わず飛び出た声を抑えることに必死で、立ち上がることもできない。
――冷静に考えてみれば、ばっくりとはだけたシャツにずり上げられたブラジャー、
汚してしまったショーツ、立ち上がれるわけがない。

 身動きが取れないでいる楓のことなど知らず、ひとつの気配が玄関に靴を投げた。
革靴の踵が乾いた音を立てる。息をのんで、その気配がこちらへ歩いてくるのを、待つ。
 布団に潜っている状態で、楓は体を丸めた。
ぎゅうっと目を瞑り、乱れたままの服や呼吸を整えることも後回しにする。
とにかくこの状況をやり過ごすことだけを考えていた。すーっと冷えていく指先を、握りしめる。
 (このまま、黙って、支倉さんのお風呂のあいだにどうにかする――!)
 とす、すぐ近くに、足音。

「……ただいま」
 楓は目を、見開いた。

 ほんの小さな一声。その声には疲労が満ち満ちていて、なのに声に出された挨拶だった。
なんとなく呟いた言葉かもしれない、玄関の靴に気がついたからかもしれない。
でも、楓には無視できない、特別な四文字だった。

「……っ、おかえりなさい」
 思わず返してしまった言葉に、はっとする。声を出してしまった。
どうしよう、と更に血の気が引いていくが、とにかくこのまま隠れているのは下策と言わんばかりに、
布団から顔だけを勢いよく出した。
熱く火照った頬に、外気が触れて、びっくりするほど冷たかった。
700長道歩き-4 2/5 ◆mFBFPkmfCk :2011/03/24(木) 13:51:09.70 ID:5Dko5esa
「は。支倉さん。あの、ごめんね布団にいるのはものすごい眠気が急激にきたから!」
「……」
「別に体調悪いとか、そういうのじゃなくて! あ、あの、お風呂、入ってきたら? うん、入ってほしいなーとか……ち

、違う」
「……」

 全く言葉が返ってこない。
勢いのままに喋り続けた楓だったが、ふと彼の様子がおかしいことに気が付いて、
無意識に逸らしてしまっていた視線を、彼に遣る。
玄関から少ししか歩いていない、すぐ側のところに立っている支倉は、
ぼんやりと部屋の真ん中を見つめていた。
慌てて布団に潜り、ようやく冷静に動き始めた思考で、ブラジャーのホックを留める。
ぬるりと纏わり付くもので汚れた指で触ってしまい、どきっとする。

「――楓?」
 更に大きく、跳ねる鼓動。
「な、なに、支倉さ……っ」
「おまえ、ポケットでチョコレート溶かしちまう癖は、治ったのか」
「…………、……はっ?」

 ポケット? チョコレート?
 布団の中で手早くシャツのボタンを留めた楓は、のろのろと体を起こした。
汗ばんだ体に、冷えた部屋の空気が寒々しく感じる。
腰のあたりから駆け上がる寒気に、ぶるりと震えた。
だがそんな楓を見ているのか見ていないのか、分からない目で、
支倉がどさりとコンビニの袋を床に投げた。反射的にそれを見て、中身にぎょっとする。

「何これ、お菓子ばっかじゃん! なんで」
「おまえがすきだから」
「すっ……!?」

 文脈を考えればどうってことない会話だが、一言で考えると破壊力抜群のそれだ。
楓は、ジェットコースターの頂点から落ちるときのアレ、もしくは飛行機の離陸のときのアレのような、
胸の下あたりがひゅっとする感覚を味わう。
支倉と話していて、なんでもないような会話の端々でこんな症状に襲われる。
確かにこれは病気かもしれない、なんて思って、楓は震える指で胸元のリボンを結び終えた。
701長道歩き-4 3/5 ◆mFBFPkmfCk :2011/03/24(木) 13:51:35.33 ID:5Dko5esa
「ど、どう、どうして」
「楓ちゃんは、いつもチョコレートなめて、べっとべとにするもんなぁ」
「べっとべと……!」

 慌てて、“べとべと”にしてしまった手を隠す。
様子の変な支倉のおかげで、どうにか格好を整えることができた楓は、
布団から逃げるように立ち上がった。
スカートが短くて、ふとした拍子に汚れて濡れた下着を見られてしまうんじゃないかと思って、
耳元が熱くなる。慌ててティッシュに駆け寄って、そのべとべとを拭う。
水気があるのに妙な粘着感があって、拭いにくくて焦る。

「楓ちゃんは」
「えっ?」
「まだ、すきか?」
 背中に投げかけられた話の流れが、読めなくなる。
聞かれているのはきっと別のことだというのに、今の熱をもった楓の頭では、それを歪めて見てしまう。
支倉の頬も心なしか赤くなっているように見えて、あるわけのない希望を、期待してしまう。
振り返ると、支倉が壁に背中を預けて座り込んでいた。
 楓は、唇を湿らせて、ぎゅっと目を瞑る。

「――好きだよ。ずっと好き」
 たぶん、初恋のまま。
「本当は、ずっと前から好きだったんだよ」
 支倉のおにいちゃん、と呼んでいた頃から、楓は支倉しか見ていなかった。
父の知り合いの、手の大きなおにいちゃん。忙しい両親に代わって、よく手を繋いで遊んでくれた、支倉のおにいちゃん。

 彼は、最初こそ楓をどう扱えばいいのか困っていたようだったけれど、
慣れてくると笑うようになって、楓も支倉にべったりになった。
支倉の車の助手席に座って、どきどきした。中学に入って、セーラー服を最初に見せたのも、支倉だった。
702長道歩き-4 4/5 ◆mFBFPkmfCk :2011/03/24(木) 13:52:01.73 ID:5Dko5esa
 でも、まだ、言ってはいけない気がした。
「好きだよ。…………“チョコレート”」

 楓は泣きそうな顔を隠すため、俯いて言った。鼻の奥がつんとなる。
でもすぐに表情を整えて、楓は支倉へと視線を返した。
座ったままの支倉は、楓の返事に安心したような顔をして、がさがさと袋の中を漁る。
「そうか、そんなにすきか。ぜんぶやるから、これ、ぜんぶな」
 漁られたコンビニ袋の中から長いレシートが出てきて、ひらりと床に滑り落ちる。
それを拾おうと屈みかけた楓は、スカートとその中身のことを思い出して、慌てて支倉の横へ座った。
なんとなくレシートを一瞥してそれを丸めようと――して、

 二度見。三度見。そして絶句した。
 なんて額だ。

「こ、これ全部……?」
「ああ。おまえのためにかってきたんだからな」
「む、むり、なんか無理……っ」
「わがままいうなよ」

 どっちがわがままだ、と言おうとして支倉の方を見やると、思ったよりも至近距離に居て心臓が跳ねた。
耳元の熱が頬にまで移っていくのが如実に分かる。
言葉が霧散して、楓の唇が何も言えずにいると、支倉の腕が楓に伸ばされた。
楓は動けない。

「楓ちゃん」
 その、セーラー服を着るようになった頃に卒業したはずの呼び方が、気に障った。
「楓って、呼んでよ」
「……楓」
 伸ばされた手が、楓の髪を掠めて、耳に触れる。
軟骨を優しく擦られて、びくっと腰が震えた。
そのごつごつした指が、楓の耳をなぞって、耳たぶをなぞり、顎のラインをくすぐる。
そして首を掌で包み込むと、その手を後ろへとずらした。
目の前の支倉に首を支えられるポーズになって、楓は黙ったまま、やはり動けずにいた。
たまに首筋をなぞるように動く指が、ぞわぞわとさせる。
703長道歩き-4 5/5 ◆mFBFPkmfCk :2011/03/24(木) 13:52:33.56 ID:5Dko5esa
 そっと、支倉の頬へ、利き手を伸ばした。
だが触れる直前で、先ほどまでの痴態を思い出し、汚れを拭いきれていない指を引っ込めた。
「!」
 だが、それを引っつかんだ支倉は、その手を引き寄せる。
そして、ちらっと手を眺めたかと思えば、べろりと。
「!!」
 舐めると、指を口の中へと入れた。何の躊躇いもなく。唐突に。

「やっ……は、はせ、支倉、さんっ!?」
 ぬるりとした咥内は、火傷しそうなほど熱かった。
ぬめる唾液が指に絡みつき、たまに指先をつつく舌が、楓には想像のつかない動きで這い回った。
くちゃりと、粘着質な音に、ほんの少し前の快感を思い出し、思わず目を細める。
じわじわと熱を取り戻す下半身に、楓は涙が浮かびそうだった。
「んうぁ……っ!」
 最後に強く指を吸われ、びりりと痺れじみた余韻が残る。
思わず上げた声にはっと口を覆ったが、それより、支倉の真意が気になった。
「は、支倉さ…………、……ん?」
 すん。
鼻を鳴らして、楓は、気付いた。
もしかしたら気付かなかったほうがよかったのかもしれない。この匂い。

「…………このっ……酔っ払いいぃっ!」
「ねる……」
「ここで寝るな! 布団で……、……べ、ベッドで寝て!」
「いっしょにねるか?」
 ばか、と言って、ベッドに支倉を押し込む。
着替えさせることは無理だし、してやらない。
乙女の純情を弄ぶような真似をしたのだ、当然の処遇だ。

 だが。
 楓は、まだ熱い指を見て、拭いきれなかった愛液を舐め取られてしまったことに、動揺していた。


「――ばか」
 まだ濡れている指に唇を寄せて、明日からの“いつも通り”に帰るために、楓は息を整える。
704 ◆mFBFPkmfCk :2011/03/24(木) 13:55:15.90 ID:5Dko5esa
以上です。ありがとうございました

今回からタイトルを「長道歩き」とつけました
年齢は支倉35、楓17です。色々後手後手ですみません
705名無しさん@ピンキー:2011/03/24(木) 18:55:31.42 ID:j5ZRQFBE
706名無しさん@ピンキー:2011/03/24(木) 20:53:14.65 ID:eVl6YNc3
GJ!!!
待ってました。楓ちゃんの乙女心に萌える。
もう一緒に寝てしまえwww
707名無しさん@ピンキー:2011/03/24(木) 21:01:30.38 ID:srkD7ZDU
楓ちゃん可愛いなwww
708名無しさん@ピンキー:2011/03/24(木) 23:40:54.62 ID:KCsPsNHW
コレは続きが気になるな!!!
709名無しさん@ピンキー:2011/03/25(金) 10:18:05.79 ID:Yw0wYQbl
ぬおおおお!!続き待ってたGJ!
焦れったい2人だなww
710名無しさん@ピンキー:2011/03/25(金) 16:17:09.00 ID:auJIwCUK
噛み合うようで噛み合わない会話がGOOD
711名無しさん@ピンキー:2011/03/25(金) 21:31:29.69 ID:cSJgcOW6
続きキタ━(゚∀゚)━!!!!!
焦れったいけど、続きを全裸で待ってます
712名無しさん@ピンキー:2011/03/30(水) 21:10:59.95 ID:AWOUqSv+
おっさんに開発される美少女とか良いよね
713名無しさん@ピンキー:2011/03/30(水) 23:35:18.50 ID:BbAMAiZj
少年に開発される美女とか良いよね
714名無しさん@ピンキー:2011/03/31(木) 00:00:32.47 ID:+6M66anV
ギャップ萌えは重要である
715名無しさん@ピンキー:2011/04/06(水) 23:16:22.05 ID:lx64PnZ/
ほしゅあげ
716 忍法帖【Lv=4,xxxP】 :2011/04/07(木) 00:25:32.44 ID:xJBP3F/B
こう、釣り合わない感じのカプが良いね
717名無しさん@ピンキー:2011/04/10(日) 02:45:59.07 ID:efroPfMH
ほし
718名無しさん@ピンキー:2011/04/10(日) 03:13:48.24 ID:hiyQqvY8
似合わない感じ良いね!
堅物生物学教師と、奔放な読モ女子高生とか。
719名無しさん@ピンキー:2011/04/10(日) 08:02:31.34 ID:htcVnD7z
その読モ女子高生が最初はビッチっぽく堅物教師をかまったりするんだが、いざ教師のほうが反撃しようとしたらキョどるような超純情処女だったら俺が割り込む
720 忍法帖【Lv=6,xxxP】 :2011/04/10(日) 11:20:47.96 ID:crqoj3zW
酸いも甘いも知り尽くしたジゴロっぽい親父と、そんなおじ様に惚れてしまった眼鏡で奥手な女子校生は頂いておきますね。
721名無しさん@ピンキー:2011/04/11(月) 08:14:34.36 ID:HJKlfjxM
女に縁が無さそうなちょっとうだつの上がらなそうなおっさんと
何故かそんな男を慕ってるガチで美少女で気立ても良さそうなお嬢さんのカップルとかも良い
男を立ててくれる年下の女の子好き
722名無しさん@ピンキー:2011/04/12(火) 12:19:03.06 ID:dOvv8Da+
流れを無視した内容であれだが
39才男×18才女

注意書きとしては
遠縁設定だが近親相姦ではないつながり
無理やり描写あり
媚薬使用の描写あり

上記が苦手は人はスルーしてほしい
723名無しさん@ピンキー:2011/04/12(火) 12:21:40.19 ID:W1cJuU53

 額に包帯が巻かれ頬にガーゼが当てられているその幼い顔に、憎い男の面影とそれ以上に愛しい女の面影を見出したとき
決してこの存在を手放さない、と心に誓った。

「おはよう由香子。俺はもう出る。高校の進路の面談には出るからな」」
「哲也さん、おはようございます。いってらっしゃい。一番遅い時間だから」

 立花哲也が遠縁の子供を引き取ったのは29才の時だった。子供は入江由香子、8才。父親の入江由之と母親の立花里香は
哲也の高校までの同級生で、由香は遠縁の娘だった。
 由香は両親を中学生の時に失い哲也の家に引き取られ育った仲だった。ゆくゆくはと婚約者のようになっていた。
 入江由之は哲也の友人で、3人が入学した高校で哲也が里香を由之に紹介し、結果的にキューピットの役回りを演じてしまった。
 2人は20才の時学生結婚をして結果哲也は友人と、婚約者を失った。
 失って初めて哲也は里香への思いを自覚した。多感な時期に密かに育っていた感情を断ち切られ、哲也はそれを忘れられなかった。
 自然2人とは疎遠になってから9年。哲也のもとに事故の知らせが届いた。

 病院の安置所で2人とその前に座る子供と対面した。何の表情も浮かべず、ただひたすら両親を見据える女の子。
 一切の感情を失ったような糸の切れた人形のようなその子は、自身も怪我をしていながらそこを動こうとしなかった。
「名前は?」
 何度かたずねても反応がない。前に回りこみ目線を合わせてようやく、子供が感情を麻痺させているのを知った。
「俺は由香、君のお母さんの親戚だ。お父さんのことも知っている。辛かったね」
 何度か頭を撫でると、細かく震えだした。見開いた目から涙があふれだす。
 いく筋も頬を伝い、落ちてゆく涙を拭いながらただ頭を撫で続けた。
724名無しさん@ピンキー:2011/04/12(火) 12:23:08.64 ID:fjkppMTM

 結局一番近い親戚ということで、体よく押し付けられた形で由香子は哲也のもとに引き取られた。
 親子の住んでいた家を哲也が買い取る形で一緒に住むことにして、その金と両親の保険金で生活費と学費のめどをたてた。
 大学病院の麻酔科に所属していた哲也は、それを機にフリーの麻酔科医となり時間を作り家にいるようにした。
 朝は早いが日中の手術だけをこなし、由香子の帰宅にあわせて家に戻り家事や由香子の世話をした。
 最初のうちは両親の死もあり殻に閉じこもっていた由香子も、両親をよく知る哲也には少しずつ心を開いていった。
 そのうちに由香子が家事をやるようになりこの同居生活は軌道にのるようになった。
 小学校を卒業して中学校に入学する頃には、哲也は腕の良い麻酔科医として売れっ子になっていて忙しく仕事をしていた。
 次々に舞い込む依頼をさばくために秘書というかマネージャーを雇ったのもその頃だ。
 哲也が大学病院にいた頃の医局秘書をしていた結城真紀が、私設秘書として仕事の采配や家のことまで細々としてくれる。
 それでもなるべく家に帰り、由香子の顔を見て話を聞き勉強を見てやるなど哲也はこの生活に心を砕いていた。

 順調にいっていた共同生活が中断の兆しを見せたのは、由香子が中学3年になった秋の教師との面談の時だった。
「全寮制の学校、ですか」
 それまでの志望校をがらりと変えた由香子を哲也はとまどいながら見つめた。教師は成績表を見ながら説明する。
「私も入江さんから志望校を言われたときには驚きましたが、成績からは問題はありません。大学はエスカレーターです」
 由香子はその年にしては大人びた眼差しで教師と哲也を見つめた。ショートの髪がすっきりとした面差しに似合っている。
 その顔は年を追うごとに母親の里香に似てきていた。
「分かりました。家でもよく話し合ってみます」
 哲也はそう言って面談を終了した。
 その夜、哲也は由香子と差し向かいで話をした。
「いきなりの進路変更だが、俺になぜ相談しなかった」
「決めたのが最近だったから。多分奨学金をとれると思うから、学費の負担はあまりないと思います。私の貯金を使ってください」
 由香子は哲也の手のあたりに視線を落として言葉を紡ぐ。
 いつごろからかあまり視線を合わせなくなったことに哲也は気付いていて妙にそれにいらだつ思いをしていた。
「お前の貯金は社会に出てから使うように取ってある。学費の心配はしなくていい」
「中学が終われば義務教育じゃないから、負担をかけたくないんです」
 譲ろうとしない由香子に違和感を感じつつも最後には由香子に甘い哲也は折れて、進路は由香子の希望どおりになった。
 志望校に合格して、中学を卒業した由香子はあっさりと旅立った。
「ごめんなさい。ありがとう」
 謎めいた言葉を残して。
725名無しさん@ピンキー:2011/04/12(火) 12:24:18.68 ID:n6M1nc+q

 盆も正月も戻ることをせず、由香子は3年哲也に会わなかった。手紙はよこすが電話はほとんどなく、保護者面談なども連絡を
よこさないので哲也は教師と電話で会話をするような状態だった。
 教師の話では生活や学業に問題はない、優等生として過ごしているとのことで文句も言えなかった。
 行事にも来なくていいとそっけなく卒業式すら故意か偶然か別の日を教えられ、哲也は由香子から避けられたままだった。
 大学は家から通えるところにあった。だが、由香子はアパートを借りると言ってきた。
「アパートを借りるにも保証人が必要だ。一度戻って来い」
 哲也の命令に、由香子はしぶしぶ家に戻った。3年ぶりの再会だった。

 リビングでコーヒーを飲みながら学会雑誌に目を通していた哲也の耳にその声は届いた。
「……お邪魔します」
 人の気配が近づき、リビングに現れた由香子。18歳の彼女は3年ぶりに哲也の目の前にあった。その姿は。
「里香」
 哲也は自分が呻くような声を発したのに気付かなかった。由香子は髪を伸ばし背も更にのびて見違えるほど大人っぽかった。
 何よりその顔は母親そっくりで18歳の里香を見ているようだった。
 由香子は少し緊張した面持ちでそれでも丁寧に頭を下げた。
「お久しぶりです。ただいま戻りました。アパートが決まるまでしばらくご厄介になります」
 その他人行儀な物言いに哲也は苛立ちを感じた。
「ここはお前の家だろう。ここから通えばいいのに」
「そういう訳にも……そういえば真紀さんはお元気ですか?」
「彼女は辞めた。結構前の話だ」
 そうですか、と口数は元から多くない由香子は3年ぶりの再会にも大して感動した様子も見せずに、自室に引き上げた。
 哲也に小さからぬ衝撃と混乱だけ残して。
 翌朝階下におりた哲也は食事の用意がテーブルにしてあるのに気付いた。由香子の姿はなかった。
 仕事から帰った哲也がどさりとソファに沈んでしばらくたってから由香子が帰ってきた。
「おかえり、由香子。夕食はどうする? なんなら外に食べに行くか? 」
 そんな哲也に不動産のチラシや情報誌を持った由香子はそっけなかった。
「あ……食べてきたんです」
「――そうか」
 ここまでくれば嫌でも分かる。由香子は避けていると。だが理由が分からずそれが哲也の苛立ちを誘った。
 3日ほど同じようなやり取りが続いた。
 その夜は哲也の属していた医局のパーティーで、哲也はお義理の参加を余儀なくされていた。内容のない会話や噂話、
こちらの内情を探ろうとする露骨なすりよりにうんざりして、また由香子の不可解な行動への苛立ちも蓄積されていて、哲也は
珍しく酒をかなり、――飲みすぎといえるほどに飲んだ。
 かつての同級生は家庭を持っている奴の方が多い。その現実も哲也をいらだたせた。
 深夜タクシーでようやくたどり着いた家には明かりがついていなかった。
 それがたまらない寂しさをよんだ。
 ふらふらしながら鍵穴に鍵を差し込んで玄関ドアを開けた。階段を上がろうとした足はもつれて深夜、派手な音を響かせた。
「っ痛――」
 39才にもなって何をやっている?――打ち付けた足の痛みもありその場に座り込んだ哲也の耳に軽やかな足音が聞こえた。
「哲也さん? どうしたんですか?」
 階段を下りて由香子が覗き込んでいる。その髪が哲也に触れた。思わずその髪を手にとり引き寄せた。
 驚きに目を見開く由香子の顔を捉えて哲也は忌々しげにはき捨てた。
「どうしただと? 散々人を無視してお前は何様だ?」
「――酔ってますね。酔っ払いの相手はごめんです」
 おやすみなさいときびすをかえそうとしたその手をとる。見つめる由香子の目に困惑が浮かぶ。
「はなして、下さい」
「嫌だ」
726名無しさん@ピンキー:2011/04/12(火) 12:25:21.09 ID:v6SgvOzI

 哲也は由香子を側の和室に引きずり込んだ。畳に引き据え押し倒して馬乗りになる。
 由香子は哲也を見上げる。哲也の顔には表情がなかった。ひたすらに由香子の顔を見ている。
 そしてゆっくりと覆いかぶさってきた哲也に、由香子は恐怖した。
「哲也さん、やめて、なにを」
「俺から逃げるのは許さない」
 手足をばたつかせて抵抗する由香子を体重をかけて封じ込め、手をネクタイで縛る。パジャマの上着の裾から手を入れて
素肌を触る。こんな時なのに肌触りがよいと妙に冷静に考えていた。
「っや、やめて、触らないで」
 由香子は身をかたくして捩って哲也の手を逃れようとする。それを押さえ込んで手は遠慮なく到達した胸をもみしだく。
「へえ、育っているな」
 胸の大きさを言われて由香子が赤面する。大きさを確かめるかのようにすくい上げるような手つきで触れた後はぐにぐにと
もんで感触を味わう。張りがあって柔らかい。そして乳首をつまむ。由香子はびくり、とした。
「い、いや、嫌だあ」
 声を上げたのがわずらわしく耳元に口を寄せるとべろりと舐め上げた。
「静かにしろ。うるさい女は嫌いだ。抵抗すると写真とってばら撒く」
 そのまま耳に舌をさしこんで嬲る。耳朶を噛むと由香子は息をのんだ。
 手はそのまま胸をもんで乳首をこね回す。そのうちに手に伝わる感触が変わる。
「乳首、たっているぞ」
 その言葉に由香子は羞恥を覚えぎゅっと目をつぶった。唇をかみしめて顔を横に向けた。
 耳から下へと唇が移動し、首筋をきつく吸い上げる。うっ血して赤く痕が残る。
 鎖骨や胸にも痕を散らし、哲也は乳首を唇で挟んだ。瞬間由香子がのけぞる。
「いやっ」
 哲也は体を起こし底冷えのする眼差しを由香子に向けた。
「うるさい。本当に写真撮るぞ」
 由香子にとうに血の気はない。震え始めた体を哲也はおさえつけた。パジャマのボタンをはずし胸に吸い付く。
 乳首をかまれて由香子は身を捩る。次の瞬間にはちろちろと舌で舐められた。痛みのあとでむずがゆくなるような舌の感触に
由香子は混乱した。もう片方の胸は手でもまれている。それが離れたと思った次には勢いよくパジャマの下は下着ごと膝まで
ひきずり下ろされていた。
 足を閉じようとするより早く、哲也が膝を割りいれる。そして膝からパジャマと下着を引き抜いた。
「足、開け」
 哲也の命令に由香子はかぶりをふる。じれた哲也が両膝に手をかけて強引に割り開く。
 玄関と廊下の明かりをうけて白い肌の奥のそこが晒される。
 哲也は無遠慮にそこに指を伸ばした。下からすくうように指をあててなで上げる。そこに蜜の感触はなかった。
「俺じゃ濡れないってか」
 そういうと哲也はベルトを使って由香子の足も拘束し、そこに由香子を転がしたまま浴室へと向かった。この間になんとか
逃げようともがく由香子が上体を起こしたとき戻ってきた哲也の手には何かが握られていた。
 再び押し倒されて拘束された足を上に上げられ由香子のそこが哲也の目の前に晒された。哲也はそれを観察しおもむろに
手にしたボトルを傾け手に出した。
 由香子は冷たくぬめる感触に硬直した。哲也が何かを由香子の体にたらし、塗りこめている。
 そのすべりで哲也の指が由香子の中に入り込んだ。
「やっ」
 思わず叫んだ由香子にかまわず指は内部を押し広げるようにうごめいて奥へとすすんだ。何度も抜き差しされる。
 引き抜かれてほっとしたにも関わらず、指が増やされて蹂躙される。
「哲也さん、やめて、お願い、やめて」
 異物感に反射的に涙が出る由香子を見ながら哲也の指は止まらなかった。指を入れているところの上にある突起を包皮ごと
指で押さえる。
「あ、やっ、いやああ」
 由香子が泣いて懇願しても哲也は指を動かすのをやめなかった。開かれた足の間に哲也が位置したのを泣きつかれた由香子は
気付かなかった。抜かれた指のかわりに熱いものが押し当てられた。
 ぐ、とそれが押し入れられる。あまりの痛みに由香子は硬直した。
 喉の奥からうめき声がもれる。哲也は強引に腰をすすめた。
 由香子の四肢は強張り、汗が浮かんだ。哲也とて力の入った由香子の中はきつく苦痛だった。
「由香子、浅い息をしろ、息止めるな」
 本能的にかその指示に従い、由香子は苦痛を逃そうとした。少し力がゆるんだ隙を逃さず、哲也は奥まで突き入れた。
「痛っ――」
 由香子は背中を浮かせ白いのどを晒す。そこには哲也のつけた痕が複数浮かんでいる。
 目の前に現れてから10年。いなくなって3年。
「やっと、つかまえた」
727名無しさん@ピンキー:2011/04/12(火) 12:26:23.83 ID:WNKQg5pp

 ひくつく内腔を隙間なく満たし哲也は息をつく。由香子はひくっひくっとしゃくりあげるような呼吸をしている。
「熱くなってきたか?」
 え、と頼りない声の後でじわじわと由香子の体は紅潮してきた。哲也が入っているところから熱い、むずがゆい感じがしている。
 目の前に出されたボトルの字を追うと媚薬入りのローションと記載されていた。
「びや、く?」
「気持ちよくなっていやらしくなる薬、粘膜からだから吸収早いだろう?」
 哲也がず、と中に入れたものを引くと由香子は中がうねるのを感じた。痛みはあまり感じない。
 奥に再び入れられると中を擦られてたまらない熱さを覚える。
「いいみたいだな。俺にも効いてる」
 腰を押さえて哲也は由香子の中を往復する。はじめのうちこそゆっくりだったがだんだん早くなり、上下や左右など押し広げたり
こすりつけたり。膣口付近をぐるりとこねられた時由香子は腰が勝手に浮いたのに気付く。
「ぁあ、ど、して、こんな……」
「言ったろ、いやらしくなるって。もっと腰振るようにしてやる」
 ねっとりとした腰使いでゆっくりと壁をこすられ由香子も腰を擦り付けていた。かき回されるたびにくちゅともぐちゅとも、空気を
含んだ音が聞こえてくる。それを恥ずかしいとおもうよりも音がするたびにこすられる中の気持ちよさに何も考えられなくなる。
「んぁ、ぁあ……ああっ、てつや、さん、」
「すごく濡れてきた、俺のをくわえ込んでどろどろになっている」
 指先ですくわれた蜜を繋がっている上の突起に塗り付けられ由香子はぎゅっと哲也を締め付ける。
「あああ、やあ、ぁあ、ん……そこ、おかしくな、る」
 足を抱えられて奥を突かれて由香子はもだえ狂う。それまで避けて表情にも乏しかった由香子の別人のような有様に哲也は夢中で
由香子を穿った。
 薬のせいで由香子は何度も哲也を締め上げ、痙攣した。後ろから突かれ、胸を揺らす。
 戒めをといてももう逃げなかった。
 哲也が由香子の中に射精した時、耳元で呻くように一言呟いた。
「里香……」
 半ば朦朧としていた由香子は哲也に抱きつきながらそれを聞いた。
728名無しさん@ピンキー:2011/04/12(火) 12:27:25.68 ID:BUGUNlSK

 哲也は身を起こすと散らばった服で由香子の足の間を拭った。四肢を投げ出し、由香子はされるままだった。
 よろよろと浴室へと行った哲也が浴びるシャワーの音を聞きながら、由香子は中学最後の夏を思い出していた。
 シャワーの音が蝉の声を思い出させる。
 じっとしても汗ばむ夏の日。夏期講習から戻った由香子を真紀が出迎えた。哲也は仕事で不在だった。
「ねえ由香子ちゃん。そろそろ哲也さんを自由にしてあげて」
 真紀の出してくれた麦茶を飲みながら、由香子はどう反応していいか分からずにじっと真紀を見つめた。
 毛先を巻き髪にして、くっきりとした化粧をした真紀は少し眉をひそめながら続けた。
「彼は油がのっているのに、あなたがいるからって随分条件のいい仕事を断っているの。それに、遠慮して言い出せないのか、
 私達のことをね。ねえ、私、彼の子供を産みたいの。でもあなたがいると、ね」
 由香子は真紀の言わんとしていることを察する。
「私に、どうしろと」
「全寮制か寄宿舎のある学校に行ってくれれば、丸くおさまるでしょう?」
 真紀の赤い口紅を塗った唇が笑みの形になる。
「それに、あなたは里香さんの身代わりなのよ。そっくりに大きくなるのを見せられて彼が平静でいられると思う?」
 母の身代わり。ごくたまに哲也が眩しそうに見つめるのは知っていた。
 きっと見ているのは自分ではなくて、母なのかもしれないとは思っていた。
 両親をなくして心を閉ざした自分に手を差し伸べてくれた人。
 父親代わりに振舞ってくれて、でもいつからかそれを苦しいと思うようになった。初恋、だった。
 大好きな哲也は、自分を見ていない。絶対母親には勝てっこない。――漠然と理解はしていた。
 でもそれを真紀から指摘されたのは辛く、身の置き所がなかった。
 だから、逃げた。高校の間中逃げ続けた。
 どうしても帰らなくてはならなくなって、できるだけ接触を減らそうとしていた。
 でも最悪の形で知ってしまった。やっぱり母の身代わりなのだ、と。
 哲也が抱いたのは自分ではなく婚約者だった母なのだと。
 ――由香子の中でなにかが切れてしまった。
 翌朝哲也は由香子が家を出ようとしたところを取り押さえた。
「大学はここから通うんだ。サークルも、バイトも許さない。聞き入れないならこの家を売る」
 由香子にとっての思い出の家を売る。由香子の手からボストンバッグが落ちた。
729名無しさん@ピンキー:2011/04/12(火) 12:28:28.11 ID:PLS8QLYo

 哲也は由香子を抱いた、里香の名は以後哲也の口から出ることはなかった。
 大学生になって由香子はますます綺麗になった。
 男子学生から誘われても全く応じない、大学と家を往復するような生活を由香子は送った。
「んんっ、ああっ、てつ、やさんっ」
「由香子、もう欲しいのか」
 刺激に身を震わせながら更なる快楽をゆする由香子に、哲也は応じる。何度も何度も抱いて、由香子の体を性感帯を開発した。
 今も足の指への刺激で由香子がすすり泣いている。
「ほ、しい、ちょうだい、お願い」
 喘ぎながら由香子は哲也を求める。一番触って欲しいところはわざと放置されている。
 生殺しのような状態に恥も外聞も無く、由香子は欲望を口にする。
 ようやく足を大きく開かれ、哲也がそこに指をくれた。
「あん、あぁっ。指じゃいやあ」
 由香子は哲也を求めて手をのばす。指で中をおされてよがりながらも指ではないものをねだる。
 哲也は指を抜いて猛ったものをあてがう。すりつけられて由香子の腰が浮く。
 一気に貫かれてそれだけで由香子は達した。まだ余韻でひくついている中を哲也は容赦なくかき回す。
「やっ、くうっ、ううん、ぁあ」
 由香子は快楽を追って哲也とタイミングを合わせて腰を押し付ける、奥まで届く刺激に足指がそりかえる。
 体だけでも、身代わりでも今だけは自分を求めてくれている。
 終わった後では空しいだけの考えも、今は快感を深める小道具になっている。
 哲也は由香子の淫らなおねだりに、応えてやる、深く、浅く、上下左右に由香子とともに快楽を極める。
「ゆかこ、いい……」
「ん、てつやさん、お母さんのかわりでも、いいの、あ、もう……」
 哲也に抱きすがり由香子は汗と涙と唾液で濡れた顔を見せる。
 由香子の芽を押しつぶしながら哲也はぐり、と中の弱点をこする。
 両方の攻めにあっけなく、由香子は高みに押し上げられる。きゅうきゅうと収縮した中が哲也の精を浴びて震えた。

「もう。駄目だ」
 哲也の声に気だるい体を由香子は起こす。
 抱かれるようになってから2年、由香子は20歳になっていた。哲也は苦しげにい由香子を見つめて抱きしめる。
「なにが、駄目なの? 私に飽きたの?」
 由香子の質問に哲也は首を横に振った。
「もう、里香が思い出せない。俺の中にはもう由香子しかいない。お前は里香の身代わりなんかじゃない」
 そう言われて由香子が震える。
 抱かれていても胸が痛かった。どんなに抱かれても哲也は母のことを抱いているのだと思っていた。
 それでも、あの事故の日抱きしめてくれた哲也が、育ててくれた哲也がそう望むなら。
 だが今哲也は信じられないことを言った気がする。
「お母さんの代わりじゃないの? だって里香って言った、私を抱いて里香って」
「違う、里香と言ったけどもう里香じゃないって分かっている。俺は由香子を……」
 おずおずと由香子は哲也の頬に手を当てた。それを哲也の手が上から押さえる。大きな手。
 あまり変わっていない顔には、それでも目じりに皺ができている。
「娘みたいに思っていた。でも娘でも里香でもない。由香子としか思えない」
 愛している、囁かれた言葉に涙が止まらなくなった由香子はようやく再び大切な人を手にした。
 哲也は決してこの存在を手放さないと、心に誓った。
「家族になろう」
 新しい家族の形に。頷いて交わした口付けは涙の味がした。うれし涙の味が。

 了
730名無しさん@ピンキー:2011/04/12(火) 12:30:13.53 ID:AJKCTkQr
連投規制対策でIDがばらばらになった
すまん
731名無しさん@ピンキー:2011/04/12(火) 14:31:36.42 ID:VhbEQT6r
732名無しさん@ピンキー:2011/04/13(水) 12:10:43.11 ID:yc7q/MVr
>>730
733名無しさん@ピンキー:2011/04/13(水) 22:08:06.41 ID:k10qUbob
734名無しさん@ピンキー:2011/04/14(木) 19:34:05.58 ID:fSg86TSU
gj!
すっきりした顔立ちにショートヘアの描写に俺歓喜
735名無しさん@ピンキー:2011/04/15(金) 00:17:55.25 ID:4gAs0WFy
小ネタを投下

高校教師×卒業間近の女生徒
教師目線の話になっている
736名無しさん@ピンキー:2011/04/15(金) 00:18:16.22 ID:4gAs0WFy
卒業式を間近に控えた校舎は夕方ということもあり、閑散としている。
生物準備室は校舎の端にあり、更に人気がなかった。
「せんせ」
そこに声がした。
「おう、どうした?」
準備室の中からよれた白衣を着たままで応じる。
「第一志望、受かったよ。担任の先生に報告に来たの」
扉から少し頭を傾けて覗き込む癖のない、ボブの髪が小さな顔を縁取っている。
「そりゃおめでとう。入るか? コーヒーくらいは出してやるぞ」
「失礼します」
行儀よく挨拶して入ってきた彼女は、なれた様子で準備室の雑多な備品の間を縫うように歩いて椅子に座る。
電気ケトルであっという間にわいた湯を簡易式のドリップフィルターに入れた粉の上に落とす。
湯気とともに香り立つコーヒーが、サーバーに落ちきるまで言葉はでなかった。
無骨なマグカップにコーヒーをうつして彼女に手渡す。
「じゃ、おめでとう。良かったな」
「うん、ありがとうございます。多分生物で点を稼いだんだよ」
笑って乾杯代わりにマグカップを軽くぶつける。黙って飲み込むと熱いものが体の芯をじんわりと暖める。
「春から東京か?」
「うん、一人暮らしになるんだ。明日上京してネットで予約した部屋を見にいくの」
彼女の顔は未来への期待と少しの不安で、複雑な表情になっている。
「4年なんてあっという間だからな、しっかり遊んでしっかり勉強しろ」
「せんせ、遊びの方なの?」
「そうさ、社会に出る前の長い長い休みみたいなもんだからな。思い出たくさん作れよ」
飲み干したマグカップを流しに持っていこうとした白衣の裾が、引かれる。
「せんせ、との思い出作りたいよ」
搾り出した声は少しかすれて震えていた。うつむいて顔が見えない。
737名無しさん@ピンキー:2011/04/15(金) 00:18:39.96 ID:4gAs0WFy
「俺は教師で、お前は生徒だ」
「……もう卒業するよ」
「俺を淫行教師にする気か?」
「……18歳にはもうなっているもん」
ああ言えばこう言う反応にため息をつく。
「いくつ、年が離れていると思っているんだ」
「……15」
ぎゅっと白衣をにぎって離そうとしない、その手は少し震えている。
「こんなおっさんより、大学で若い男つかまえろ」
「せんせ、がいいんだもん。せんせじゃなきゃ嫌」
もうひとつため息をついてうつむいた彼女の頬を両手で挟んで、顔を上に向ける。
もう涙がこぼれそうだった。
「お前、その顔……。人の我慢を、まったく」
呟いて扉へと行って鍵をかけて戻り、暖房の設定温度を少し上げる。
「お前も物好きだ」
「目が高いと言って」
苦笑して震える唇に口付ける。見開いた目を閉じたのを確認して、ゆると舌先で唇を舐め割りいれる。
探り当てた舌先につ、と自分の舌先をあてて動かす。反射的に引こうをする身を押さえ、舌をすくい上げた。
「……ん、んん」
鼻に抜けるようなあえかな声に、目を細めて頬の粘膜や口腔を舌で確かめる。
ぽうっとした顔を眺め、首に顔を埋めながらブラウスのボタンを外していく。
「心拍、早い」
ブラウスをスカートから出して、ボタンを全て開ける。キャミソールとその下のブラジャーの紐が垣間見えた。
大きな手をブラウスの下にすべらせ、胸を包み込む。そこからも早い鼓動を感じる。
なだめるように背中をなでると、首に手が回される。
「今なら、止められるぞ」
「……やだ」
こいつはこういう奴だった。生物部でもないのにふらりと現れては勝手にしゃべり、色々なものに関心を示して質問攻めにする。
自分で考えろ、と突き放すとどこからか専門書まで手にいれて勉強する。
確かに生物で点をかせいだのかもしれないな。志望校の学部を聞かされて一人ごちる。
風変わりで強情で、でも驚くほど素直でまっすぐに見つめてくる。
倍近く生きているのに、つかまってしまった。
738名無しさん@ピンキー:2011/04/15(金) 00:19:00.19 ID:4gAs0WFy
本腰を入れて胸をもみ始めると、緊張している様が可愛らしい。キャミソールの下から手を入れブラジャーを上にずらして
柔らかい温かい感触を味わう。すり、と先端に指をやればはっと息をつめた。
指でつまんでするとだんだんと固くなってくる。そこまで確認して胸を下から持ち上げる。
手に感じる重みを楽しみながら背中にも手を入れてホックを外した。
ブレザーとシャツを脱がせると華奢な鎖骨が誘うように現れた。
「これも脱ごうか」
キャミソールを脱がせ肩からブラの紐もはずすと腕で胸をかくした顔が真っ赤だ。
丸まる背中を起こし腕を外して彼女の座る椅子の前に跪く。白い胸の中心がピンクに立ち上がっている。
そこに顔を寄せてちゅ、と吸い付く。
「あ、せんせ……」
上ずる声を聞きたくて舌を使うと吐かれる息に甘い声が混じる。それに煽られる。
腰を押さえてスカートの舌の太腿に手を置いてさわ、と撫でる。口に入れた先端と舌と歯と唇で嬲りながら少しずつ手を奥へとすすめる。
「ん、……あ、ふぅ」
少し身をくねらせて唇から先端が逃げた。そのまま手を置いたのとは反対側の膝に唇を落とす。
ゆっくりと唇を押し当て、時々吸いながら手とともにスカートの奥を目指す。
「ひげ、くすぐったいよ」
剃り残しが刺激するのか、声に笑いが含まれた。
「ここも、くすぐったいか?」
爪で下着の中央を縦に掻くと、びくっと体が揺れた。指先に感じるかすかな湿り気に感度のよさを知る。
上下に、また円を描くように、下着の縁をなぞるように指を遊ばせる。小さく腰が揺れているのが更なる反応を引き出したい、欲求に
繋がる。本当にこんな年下相手にと自嘲する。
指を下着の横からその向こうにくぐらせると、腰を引こうとした動きより早く熱いぬるみに到達した。
感じてくれていた、と何故かほっとした気持ちになる。
「お尻、浮かして」
ゆっくりと椅子から体が浮いた隙にスカートと下着を外す。身に着けているのが靴下と上履きだけ。
なんとも倒錯的な眺めで、それに恥じらいを示されているのだ。言いようがない。
膝を開き指を会陰に当てる。つ、と上下に動かすことを何度か繰り返す。指に蜜が絡んできてすべりがよくなった。
上へと、向けた指をさらにその上の蕾に当てる。軽く押すと予想外の刺激だったのか腰がはねた。
「あっ、や、だ」
下からの蜜をまぶして円を描くと蕾は固く大きくなってくる。舌で触れると背中が反り返った。
「んっやっ、きたない、よ」
濡れ光るそこは綺麗な色をしていて、もっと触れていたい欲望を掻き立てる。
すすり泣く声を感じている証拠として、蕾を吸い、舌で転がす。指はその下で中へと沈んでいる。
形を確かめながら指で押し広げていく。ざらついた複雑な襞の感触に心がはやる。
ただもっとほぐす必要がある。何度かゆっくりと入れて抜いてみてどうにか慣れたようだと思い、また指を増やす。
739名無しさん@ピンキー:2011/04/15(金) 00:19:24.30 ID:4gAs0WFy
座らせたままの姿勢では辛いかもしれないと床に白衣や、コートを敷いて横たえた。
「ごめんな、こんな所で」
服を脱ぎながらわびると、ううん、とかぶりを振られる。
「ここが、せんせのいるここが、学校で一番好きなの」
あまりにも可愛いけなげなセリフに、どくん、と心臓が音をたてて、ついでに下半身にも血流が集まる。
だがまだだ、もっと指でと慣らしていく。2本の指をぐるりと回しても痛がらなくなったところで、避妊処置をして我慢を強いた
ものをあてがう。
瞬間生じた、恐怖。それを見て取って頭をなでる。
「いくぞ」
ぎゅっと目をつぶったけなげな顔を眺めていると、小さく、でもはっきりと聞いた。
「……きて」
ぐいと腰をすすめてすぐにきつい抵抗にあう。膝裏をかかえて割りひろげているのにきつい。
それでも蜜と自分の分泌液の助けもかりてゆっくりと先端が中に入る。
眉をひそめて、唇をかみ締めている。いたいけな少女に無理を強いていると思うと申し訳ないが一応、合意の上だ。
中を押し広げながら根元まで埋め込む。きつく締められてすぐにも達しそうだった。
辛そうな表情なのに、目が合うと笑ってくれた。
「せんせ……うれしいな」
汗で額に張り付いた髪の毛を払い、ゆっくりと動かす。
「俺もすごく、幸せだ」
あまり激しくしないように気をつけて、それでも締められる感触は気持ちがいい。
とても幸せな気持ちで中で果てた。
しばらく抱き合って互いの体温と心臓の音を溶け合わせる。汗がひいてくると途端に寒さが肌をあわ立たせた。
名残惜しかったが中から出て行くときにゴムにまとわり付く赤いものに、その色を脳裏に刻み込む。
740名無しさん@ピンキー:2011/04/15(金) 00:19:43.16 ID:4gAs0WFy
後始末をして服を身に付けまたコーヒーを飲む。まだ外は明るい。
「こんなおっさんに、後悔しないか?」
軽口は真剣な表情で封じられる。
「絶対にしない」
「だけど、俺を思い出にするんだろう?」
この後に待っているのは卒業と上京。彼女の顔が泣きそうになる。だがぐっとそれをこらえる強さを知っている。
「うん、決して忘れない思い出だよ。せんせにも私が残ってくれるといいんだけど」
そっと彼女に口付ける。忘れるはずないだろうとの呟きを胸に秘めて。

離任式にはきっと彼女は怒るだろう。顔を真っ赤にするさまが目に浮かぶ。
別に彼女のあとを追うわけじゃない。かつての同級生の研究室に声がかかってそちらに籍をおくことになっただけだ。
ただそれが東京で、それが彼女の大学の学部だと知れたら。
――きっと怒った後で笑ってくれるだろう。
よれた白衣に文句をつけながら。


741名無しさん@ピンキー:2011/04/15(金) 01:44:00.03 ID:KxrskYLo
ほっこりした。GJ!
742名無しさん@ピンキー:2011/04/15(金) 21:30:31.92 ID:k13GlFnX
小ネタなのにしっかりエロも入っててすばらしい
743名無しさん@ピンキー:2011/04/15(金) 21:45:30.43 ID:wSqRzPD6
GJ
744名無しさん@ピンキー:2011/04/16(土) 13:28:34.02 ID:nk0VoREp
>>735さん、眼福でございました。
745名無しさん@ピンキー:2011/04/16(土) 13:48:45.56 ID:Y1OWTpoO
ちょっとしたものでよいから、後日談的なものが読みたくなったぜ
とにかくGJ
746名無しさん@ピンキー:2011/04/18(月) 15:17:06.51 ID:Nn/wsi4U
エロもお話もいいね
たしかに後日談が読んでみたい

イブニングとチャンピオンに載ってる剣道漫画がどっちもいい感じに年の差で楽しみだ
特に前者は女の子を軸に年上年下両方あって実にいい
747名無しさん@ピンキー:2011/04/18(月) 23:14:06.84 ID:4KufZ3RF
ドコモのCMに萌える
女の子が上京してきてスマホに道案内してもらうやつ
紳士なおっさんと初心な少女なんて鉄板だよなあ
最初の「妹をよろしくお願いします」なシーンも嫁入りみたいでさらに萌える
748名無しさん@ピンキー:2011/04/19(火) 23:29:47.25 ID:FHCA5Bdw
>>747
わかるw
ああいうかっこいいおっさんと素朴な少女の組み合わせたまらなくツボ。
夫婦になったものの少女が純情すぎてまったく手が出せない渡辺謙を見せてくれたら
携帯ドコモにかえます。
749名無しさん@ピンキー:2011/04/20(水) 08:35:29.68 ID:GcvM55Dp
あのCMをそんな風に見てたなんてさすがはここの住人だぜ
750名無しさん@ピンキー:2011/04/20(水) 23:59:31.80 ID:+9Dslik5
むしろ皆そんな目で見てるとばかり
あのCM可愛いんだ
751名無しさん@ピンキー:2011/04/21(木) 06:56:46.27 ID:t41crnsd
○雪さん結婚
8歳年上の美人妻
いいなあ
752名無しさん@ピンキー:2011/04/22(金) 01:02:03.23 ID:JniJphmZ
8歳年上の美人妻とかドストライクなシチュだ
753名無しさん@ピンキー:2011/04/22(金) 20:19:36.31 ID:WDyEVDQS
しかも旦那の松ケンをひよっこ呼ばわりだぜ?もう漫画見たいでニヤニヤするわ
754名無しさん@ピンキー:2011/04/23(土) 17:35:45.35 ID:4ZchGGIA
松ケンの必死に頑張ってやっと手に入れました感が良かったよね

浅尾カップル思い出した
755名無しさん@ピンキー:2011/04/24(日) 02:01:31.06 ID:K3SUAcwR
浅尾元気かなぁ…
756名無しさん@ピンキー:2011/04/24(日) 03:50:11.09 ID:KyFm6llm
おっさんと少女カップルで、
そのうち少女が成長して精神的に大人になって、
いつまでも自分を子供扱いするおっさんから離れて行くような展開がいい。
757名無しさん@ピンキー:2011/04/28(木) 22:21:00.29 ID:RK8ctIOn
それなんて「切ないハッピーエンド」?
758名無しさん@ピンキー:2011/04/30(土) 02:09:16.81 ID:eiyyKSNz
このスレの住人的に
「ロンドン恋奇譚」ってどう?
759名無しさん@ピンキー:2011/05/01(日) 13:22:06.35 ID:gQpyEXgv
>>747
同じ思考すぎてフイタ。おまえらあいしてる
>>758
解説が「中年紳士と少女メイド」とはえらいど真ん中な作品だな
760名無しさん@ピンキー:2011/05/03(火) 23:36:00.12 ID:r47Ng/dV
              
761名無しさん@ピンキー:2011/05/06(金) 13:57:54.24 ID:NpzjIBWj
エログロ漫画・少女椿の鞭棄とみどりってめちゃくちゃ直球じゃねえか
762名無しさん@ピンキー:2011/05/06(金) 20:53:31.03 ID:7W4NTtvh
>>761
でもあれはオチがなぁ。
763名無しさん@ピンキー:2011/05/08(日) 17:31:44.28 ID:3roZOc+U
保守代わりのネタ
「12歳女子 塾の高3に恋」
ttp://www.yomiuri.co.jp/jinsei/danjo/20101024-OYT8T00156.htm

短い文だけど、彼の同い年の女の子に嫉妬っぽいものも感じられてなかなかよい。
764名無しさん@ピンキー:2011/05/09(月) 03:56:48.79 ID:qif7p1Or
【神父】男性聖職者の官能小説2【僧侶・神主】
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1301805818/1-100
765名無しさん@ピンキー:2011/05/12(木) 19:33:48.96 ID:QIa24OAB
小ネタ投下をした735だ
続きをおいていく
2年後設定
766名無しさん@ピンキー:2011/05/12(木) 19:34:10.38 ID:QIa24OAB

「せんせ……気持ち悪いよ」
「なっ、お前、今どこにいるんだ」
何とも心臓に悪い電話を受けて慌てて駆けつけたのは、いかにもな居酒屋だった。
個室の壁にもたれて座り込む彼女と、それを介抱する――野郎は邪魔だ。
こいつらの顔は見覚えがあるぞ。
「え? 先生、どうしてここに?」
質問してきた学生に、彼女を抱えながら答える。
「ああ、気分悪いって電話をこいつからもらったから、迎えに来た。先に失礼するよ、これ、こいつの分な」
紙幣を学生に渡す。いらないというのを、まあまあと押し付ける。一応年上、社会人のたしなみだ。
「……せんせ?」
「帰るぞ」
大人しく抱かれている彼女と俺を見ながら、学生が聞いてくる。
「先生たち、知り合いなんですか?」
「5年前から、な」

近かったので自分のアパートに彼女を連れて行く。ベッドに下ろして冷蔵庫から冷えたイオン飲料を取り出す。
一応洗面器も用意して、彼女の所に戻った。
「おい、大丈夫か。まったく、どれくらい飲んだんだ」
「ビール半分くらい、あとはサワーとかカクテル? なんかみんなが面白がって色々……」
ため息がでる。20になったとはいえ、まだ飲酒初心者にちゃんぽんはないだろうが。それとも下心ありか?
吐き気はないようなので、イオン飲料を少しずつ飲ませる。飲んで、はふうとベッドに転がった姿は。
顔が赤くなって目が潤んでいる。気だるげに俺のベッドにって、心臓に悪い。
しばらく側についていたが、目を閉じたので布団をかけてリビングに移動する。
大学に戻って2年、つまりは彼女も大学2年生ということになる。
この2年で彼女はますます綺麗になった。髪の毛はカラーリングでかぶれたとかで、黒いまんまだがそれが伸びている。
いつまで経っても俺を安心させてくれないどころか、一層気をもませている。
頭を振ってパソコンに向かい、論文の手直しを再開した。
767名無しさん@ピンキー:2011/05/12(木) 19:34:35.94 ID:QIa24OAB

区切りがついてコーヒーを淹れていると、せんせ、と小さな声がする。
彼女はベッドに上体を起こしていた。
「気分はどうだ」
「うん、良くなった。あの、ごめんなさい、迷惑かけて」
らしくないしおらしさに、頭をわしゃわしゃと撫でる。その手をとられた。必死な目が見上げてくる。
「いつまでも、子供扱いしないで」
「してないぞ」
「だって、進路の時もちゃんと考えろとか、化粧とか服とかもまだ早いとか」
言いながらうつむいていく彼女が、可愛くて仕方がない。
「あのなあ、お前、俺の教室に入るって言ったけど適性はともかく、お前の興味は別にあるだろ? そっちにしとけ。
化粧とか、服は、その、俺がどきどきするのもあるけど他の奴に見せたくないから言ってしまっただけで……」
言いながら顔が赤くなるのを感じる。いい年したおっさんが赤面したって、不気味なだけだ。
彼女がまた顔を上げた。
「卒業したら、せんせとずっといたいって言った時、甘えるなって」
「せっかく勉強して大学に入って、興味を持つ分野を見つけたんだ。社会人になってそれに打ち込むべきだろう?」
そこまで言って彼女の頬に手を当てる。
「俺だってすぐに一緒になりたい。だけど社会経験はしておいたほうがいい。それに俺とお前の年の差を考えろ?
俺になにかあった時、残されたのが社会経験のない学歴だけは高いってだったらつぶしがきかないだろう?」
四捨五入したら40になるんだぞ。貯金とか保険とか頑張るつもりだがリスクは少ないほうがいい。
「本当は心配で気が気じゃない。同世代のいい男にさらわれるんじゃないかとか、思ってるよ」
情けない本心を晒すと、彼女が目を見開く。彼女が年の差を子ども扱いされると気にするように、俺は年の差を若い子に
いれあげた中年として気にしている。
「わたし、本気でせんせが好き。本気にしていいの?」
「おう。35の本気を舐めるなよ」

768名無しさん@ピンキー:2011/05/12(木) 19:35:03.89 ID:QIa24OAB

手を彼女の後頭部に回して引き寄せる。最初は軽く、だけどすぐに我慢できずに彼女の唇を、舌を貪る。
同時に首筋を鎖骨を指でなぞると、彼女はそれだけで力が抜ける。
ゆっくりと服を脱がして、酒のせいかいつもより少し体温の高い体にふれていく。ほどよい大きさで、てざわりのいい胸をもむと
ふに、とした感触がたまらない。
「……ん、ふう」
唇を離すと濡れて赤くなっているのにどきりとしながら、乳首を含んで軽く歯を立てる。ここは時間をかけてやるほど、彼女にはいいらしい。
硬くなった乳首を舐め転がし、吸い上げる。上がる彼女の声が高くなっていく。反対側を指でこねると体が小さく跳ねた。
「あ、んん、……」
赤い痕をつけるとため息のような声が漏れる。可愛くてたくさん付けたくなるのを自制するのもいつものことだ。
手のひらで脇腹を撫でると肩に手が置かれる。下腹から柔らかい繁みに指を走らせてくすぐると、くすぐったいのか甘えた声になる。
「っやあ、んんっくすぐったいよ」
可愛いやつめ。
指で内腿をなでると腰が揺れる。唇を落としている左胸がどくんと音をたてた。膝をたてさせて開き、足の付け根に顔を沈める。
ちゅっと吸い付くとびくん、と体が反応する。舌で膣口の周囲をなぞるともう蜜が溢れている。
「はっ、あんっあぁ、ひぅ」
声にあおられながら舌はぬるむ中に入り込む。すすりとり舐め上げても彼女の蜜は、奥から出てくる。
蕾を舌先でなぞると彼女の背中がしなった。小刻みにゆらしながら指を中に沈める、途端に食いつかれたように締め付けられる。
浅いところをぐるりと一周させて、軽く指を曲げてから出し入れする。彼女の感じるところをすりあげると、すすり泣きのような声になった。
蕾も口の中で硬さを増してくる。内腿がふるふる震えだし中もぐにぐにとうねってくる。
指を増やして奥まで入れる。蕾をしごくとひときわ高い声を上げて彼女が達した。指がびくびくと動く彼女の中で締められる。
769名無しさん@ピンキー:2011/05/12(木) 19:35:23.18 ID:QIa24OAB

用意をして彼女の中に入る、いつもこの瞬間にはえもいわれぬ幸せを感じる。熱く包んでくれる感覚が先端から全体にいたるのだ。
彼女が背中にすがり付いてきて、そのいじらしさにも愛しさを覚える。
抱きしめてゆっくりと奥まで挿入する。
「せんせ、大好き」
「俺は愛してる」
息をついた彼女に言うと、彼女の顔がいっそう赤くなる。少し引いてまた入れる、ゆっくりと彼女の弱いところをこするとまた、腰が揺れる。
きゅうっと締め上げられて搾り取られそうになる。だがねちこさなら負けない。彼女の反応を見ながら小刻みに揺すったり、こね回したり。
途中で膝に抱き上げると、体重で奥まで届いて彼女がのけぞって喉を見せる。それに唇を這わせながらぎゅっと抱きしめる。
「すごく、可愛い。俺だけに見せて」
「せ、んせだけだよ、ああっん」
腰を持ち上げて落とす。柔らかい壁にこすられる感覚がたまらない。また彼女を組み敷いて、付き入れを繰りかえす。
勢いが増して限界が近い。奥を突いた時に彼女が体を強張らせて震えた。
「あ、あああっー」
きゅうきゅうとしぼられて俺も達した。いつもよりも多い気がする。
汗だくになりながら彼女を抱きしめる。俺をみつめて微笑んでくれる笑顔に手放せない思いが強くなる。

「なあ、明日指輪買いに行こうか」
肩を抱いて目を見ながら提案する。指輪を買って、彼女のご両親にも挨拶して。
目をまんまるにした彼女に口付ける。
「5年でここまできたんだ、あと5年くらい我慢する。だからお互い頑張ろうな」
15も年下の彼女。これからも俺ははらはらし通しかもしれないが、頷いてくれた彼女のことを思えば怖いものはない。
こうして一緒にいる幸せをこれからも続けられるようにと、俺は彼女を抱きしめる。


770 忍法帖【Lv=8,xxxP】 :2011/05/12(木) 22:29:40.72 ID:eABsIjox
>>769
GJ!
771名無しさん@ピンキー:2011/05/12(木) 22:36:57.85 ID:BLtcgr7o
GJ!!
772遠子と英介:2011/05/13(金) 18:13:50.92 ID:KTmJgXUT
みなさん、お久しぶりでございます。
はじめましての人もいるでしょうか。
色々あって間が空いてしまってもうホントすいませんという感じですが、
続きを投下したいと思います。
覚えてない人も居るかと思いますが…

今回は遠子の視点のみの話です。
773遠子と英介:2011/05/13(金) 18:17:39.69 ID:KTmJgXUT
六月。湿っぽい空気に梅雨の気配を感じながら、わたしは今日も、英介君の家を訪れた。
「ああ遠子ちゃん、いらっしゃい」
いつものように、おばさんが玄関で出迎える。
「こんばんは、お邪魔します」
わたしもいつも通り、靴を脱ぎ、揃えてお邪魔する。
「英介ー、遠子ちゃん来たよー!降りてきな」
おばさんは二階に向かって大きな声で呼んだ。
しばらくそのままで待つ。
すると、返事の代わりに扉を開ける音が聞こえた。
そのすぐあと、少し乱暴に閉める音がして、それから階段を降りる音に変わった。
英介君が、降りてきた。「こんばんは」
わたしは英介君を見上げながら言った。
「………」
英介君は何も言わず、代わりにちょっとだけ会釈した。
「じゃ、あたしお茶淹れてくるから、ちょっと待っててね」
そう言うとおばさんは台所へと消えていった。
「はーい…じゃ、早速始めよっか」
英介君にそう言うと、わたしは居間のソファに腰を下ろした。

「じゃ、まず英語からやろうか」
わたしと英介君が再会してから、1ヶ月ほど経とうとしていた。
あれから英介君は更に二、三度ほどサボろうとしたことがあったけれど、
わたしがその度に、根性と気合いで連れ戻していた。
774遠子と英介:2011/05/13(金) 18:20:42.92 ID:KTmJgXUT
それ以来、さすがに諦めたのか、英介君はわりと大人しく授業を受けてくれるようになった。
努力の成果が実ったのか、今もこうして、自分から教科書やワークなどを持ってきている。
「っと、その前に、こないだ言ったところ、予習しといてくれた?
ワークの三十二ページから…」
「いや、全然」
まだまだ、積極的に勉強、という風には程遠い。
予習ぐらい、やってて欲しいんだけどな…。
「…そう。じゃあいいや、教科書の五十六ページから…」
肩を落としたのを英介君に悟られないようにわたしは言った。
その時。
「お待たせー。ほい、どうぞ遠子ちゃん」
おばさんがコーヒーの二つ乗ったお盆を手に居間の扉を開けた。
そのまま手際良くわたしと英介君の前にカップを置く。
「はい、砂糖とミルクは好きに入れてね。
あとこれ、遠子ちゃんの口に合うかどうかわかんないけど」
そう言いながら、おばさんは砂糖などと一緒にあるものを置いた。
「あっ、これ…!」
それはクリーム色の丸い小さなケーキだった。
最近有名になったらしく、わたしも先日テレビで知ったばかり。
「これ最近有名な奴ですよね!
わぁ、ちょうど食べてみたいなって思ってた!
ありがとうございます!」
775遠子と英介:2011/05/13(金) 18:24:07.25 ID:KTmJgXUT
甘いものに目がないわたしは、良い年こいてはしゃいでいた。
が、ふと思い出す。
「あれ、でもこれって、確か函館のお菓子でしたよね?旅行にでも行ったんですか?」
わたしが聞くと、おばさんは何だか嬉しそうな、それでいて恥ずかしそうな表情を浮かべた。
「ん、いやね、うちの人、仕事だなんだってけっこうあちこち飛び回ってて、たまにこうしたもの送ってくんのよ。
こないだは長崎行ってカステラ送ってきたのよ、あ、なんならそっちも食べる?まだとってあるから。
こっちもまた美味しいのよ〜なんか蜂蜜入ってて…」
は、始まった。
おばさんも甘いもの大好きな上に、しかも今回は旦那さんの自慢話まで入ってる。
普段からお喋り好きなおばさんのマシンガントークが始まってしまった。
なかなか遮るタイミングがつかめない。
ふと英介君の方を見ると、なにやら英和辞書を取り出している。
あれ、自習?わたしがそう思った次の瞬間、
英介君は、その分厚い塊を、テーブルの上に思いっきり打ち付けた。
張り裂けるような音が、おばさんの話を遮った。
わたしは突然のことに身動ぎも出来ないでいたが、
おばさんは流石母親と言ったところか、すぐにその行為の意図を読み取り、
「…あ、じゃあ、あたし上に行ってるから…。遠子ちゃん、あとよろしく」
と言って、そそくさと居間をあとにした。
776遠子と英介:2011/05/13(金) 18:26:48.75 ID:KTmJgXUT
「あっ…はーい」
わたしは居間の扉を閉めるおばさんの後ろ姿を見送った。
おばさんが階段を上る音が、どこか寂しげに聞こえた。
この前から、居間におばさんがいると気が散ると言って、英介君が上に追いやっていた。
「…じゃ、やろっか」
「…ん」
わたしが言うと、英介君はシャーペンを手に取り、カチカチ、と二回ならした。

「…それでね、この文の場合のitが指してるのはKeiko's shoesになるの」
「…ふーん」
英介君は特に興味もないと言った感じで、適当な相づちをうった。
ちゃんと理解したかどうかも怪しい。
自分から教科書を用意するようになったと言っても、やっぱりその態度からはまだ
“嫌々やってる”
という感じがひしひしと伝わってくる。
今から二年の遅れを取り戻すというだけでも大変なのに、
その上本人にやる気がないのでは、この先が思いやられる。
そう言えば、前に英介君は、“高校に行かなくても生きていける”と言っていた。
まさか本当に高校に行く気、ないのかな。
777遠子と英介:2011/05/13(金) 18:29:59.10 ID:KTmJgXUT
「ねぇ、英介君」
わたしはぼんやりと頬杖をつきながら教科書を眺める英介君に言った。
英介君は目だけを動かしてこちらを見る。
「…やっぱり、高校行く気、ないの?」
「…なんで?」
「あ、あるの?」
「いや」
ど、どっちなのよ…。
「じ…じゃあ、なんで行きたくないの?めんどくさいから?」
「…まあそれもあるけど…」
英介君はそう言うと、教科書に目を落とした。
なにか考えているようだ。
まさか、“なんとなく”なんて、言わないよねえ…。
そんなふうに返されたら、わたしだってどう返せば良いかわからない。
わたしは不安になった。
けれど英介君が返した答えはわたしにとってはちょっと意外なものだった。
「…高校行ったって、やりたいこともわかんねえし」
「やりたいこと?ないの?英介君」
「うん…」
てっきり、勉強したくないとか、そう言う理由だと思ってた。
やりたいことがわからない、か…。
「部活とかやりたくないの?将来の夢とかは?」
「…部活」
わたしがその単語を口にしたとき、英介君の目が、ちょっとだけ変わった。
そのまま何か言いかけたが、すぐに顔を伏せて口ごもってしまった。
その微妙な態度がなんだか気になったが、とりあえず話を先に進める。
778遠子と英介:2011/05/13(金) 18:32:14.75 ID:KTmJgXUT
「…やりたいことなんてさぁ、みんなすぐにはわからないよ。
たぶん…それを見つけるために、高校に行くんだと思うよ」
「見つけるために?」
「うん。現にわたしも、そうだったしね」
これは本当のことだ。
わたしだって、高校に入ろうと思った理由はそんなに立派なモンじゃなかった。
ただなんとなくとか、そんなものだったと思う。
でも最初はそれで良いんだ。
その後の三年間で、じっくり決めていけば良い。
高校を卒業した今なら、そう思う。
「…ふーん…。それで?やりてーこと、見つかったの?」
「…うん、まあね。でも…なんかこういうの、ちょっと恥ずかしいね。
んじゃ、続きやるよ」
わたしがそう言うと、英介君はまた教科書に目を落とした。
けどその表情は、さっきまでのぼんやりとしたものじゃなく、何かについて考えているようだった。
わたしの言葉、きいたかな。
わたしはちょっぴり嬉しくなった。


「じゃあ、今日はここまでにするね。
次は…んーと、数学のここからやるから、ワークのここ、
二十六ページの“基礎”ってとこ、やっといて」
779遠子と英介:2011/05/13(金) 18:34:54.30 ID:KTmJgXUT
わたしは英介君にそう言った。
一応、ワークを開いて蛍光ペンで印を付ける。
「…んー」
英介君はその様子を見つつも、やる気のない返事を返した。
うーん、まだ勉強やる!って感じには遠いか。
「…わかった?英介君」
わたしは英介君の顔を覗き込みながら確認する。
英介君はちょっとうざったいという風な目でわたしを見ながら
「…わかったって」
と言った。
一応、嫌われているわけじゃないっていうのは、この間わかったけど…
それでもこういう態度を取られるとやっぱり不安になる。
態度と言えば。
わたしはこの前から気になっていた事があった。
ちょっとためらいながらも、英介君に聞いてみた。
「…ねぇ、英介君」
「…ん?」
「わたしは英介君のこと、“英介君”って呼んでるけど…
英介君、久しぶりに会ったときから…わたしのこと、全然名前で呼んでくれないよね」
「…」
わたしがそう言うと、英介君は目をそらした。
「昔はよく、“遠子おねえちゃん”って呼んでくれたじゃない。
せっかくまたこうやって会えたんだからさ…ちゃんと名前で呼んでほしいんだけど…」
…ダメ?わたしは心の中でそうお願いしてみる。
「…嫌だ」
780遠子と英介:2011/05/13(金) 18:37:10.96 ID:KTmJgXUT
くっ、ダメか。わたしの要望はいともあっさり棄却された。
でもここで引き下がるわたしではない。
「じ…じゃあ、“遠子ちゃん”とか、
なんならそのまま呼び捨てでも良いんだけど…」
確かに、中学三年生の男の子に“遠子おねえちゃん”は厳しいかもしれないけど、でもこれなら…。
「………」
こっ、これもダメか…!
せっかくの妥協案も棄却されたわたしには、もうこれ以上代替案は出せなかった。
望みの終えたわたしは、しょんぼりうなだれるしかなかった。
だがそのとき、ふと英介君が口を開いた。
「…なんかさあ、アダ名とかねえの」
「…え?アダ名…?そりゃあ、まぁ、あるにはあるけど…」
でも、わたし自身はあのアダ名、あんまり好きじゃないんだけどなあ…。
別に、いじめとかじゃないけど。
「あ、あんじゃん。何だよ?」
「う…えーと」
えー…言うの?
わたしは心の中でしぶったが、でも英介君がせっかく興味を持ってくれたのだ。
言わないわけにはいかない。
わたしはしぶしぶ言った。
「…トロ」
トロ。それがわたしが小、中、高と呼ばれ続けたアダ名だった。
781遠子と英介:2011/05/13(金) 18:40:18.49 ID:KTmJgXUT
「トロ!?え、何で」
何でこういう話題に限って英介君は食いついてくるのか。
出来れば理由は喋りたくないんだけど、まぁこうなったら仕方ない。
「えー…ただ単純に、トロいからでしょ」
「へー…でもあんま、トロい感じしねえけどな」
「え…あ、そう…?」
“トロい”と言われるのが大嫌いだったわたしにとって、
英介君のこの一言はちょっと、いやかなり嬉しい。
たぶん英介君にとっては、何気ない一言なんだろうけど。
「うーん、でもまあ、わたしも家のこととか、自分のこと、
ちゃんとしっかりできるようになったのって、高校入ってからだったんだよね。
それまでのわたしって言ったら、ホントにもう、ダメ人間だったよ」
遅刻とか、忘れ物なんてしょっちゅうで、何か得意なことなんて特になかった。
何をやっても中途半端で、家事なんてやったこともなかった。
だからあの頃は、しょっちゅうお母さんに怒られてたっけ。
「ふーん…」
「あ、あとね、もう一つ理由があるんだよね、これ」
「何?」
…うーん、英介君にわかるかな。
ていうか、知ってるかな。
「あの、なんか昔のゲームのキャラクターで、
なんかネコのキャラクター、いたじゃない?」
「…ネコ…?ああ、なんかあったな。
ていうか、今もあるけど」
782遠子と英介:2011/05/13(金) 18:42:20.82 ID:KTmJgXUT
「あ、知ってる?うん、なんかねえ、
あれに似てるからなんだって」
わたしが言うと、英介君はちょっとワンテンポ遅れて吹き出して、
そのまま笑い出した。
「なっ…なんかちょっと…わかる気がする…」
「えー、どこが!?」
「えっと…いや、何て言うか…まゆげ、とか」
ま…まゆげ!?
「えぇー!わ、わたしあんなまゆげじゃないー!」
思わず両手でまゆげを覆い隠す。
「…いや、まあ、でも、いいな、トロってアダ名」
わたしは正直、嫌なんですけど…。
そう言おうと思ったが、英介君が、そう呼んでくれるなら…それもまぁ良いか。
そう思った。
「…じゃあ、今度からトロって呼んで良いよ。
…ん?あれ?」
今何時だっけ。
わたしは時計を見上げた。
…九時…四十五分!?
「え、わ、うそもうこんな時間!?
帰ってレポートやんないと…。
じゃあ、さっき言ったところ、ちゃんとやっといてね」
わたしは数学のワークを英介君に渡すと、急いで自分の荷物をまとめた。
「…じゃあ、また来週ね」
「…おお」
英介君がそう返すと、わたしは慌ただしく英介君ちをあとにした。
783遠子と英介:2011/05/13(金) 18:46:27.17 ID:KTmJgXUT
…まさか、英介君にトロって呼ばれる日が来るなんて、思わなかったなぁ…。
そんなに似てるかなあ、うーん。
わたしはさっきの英介君のことを思い出した。
そう言えば、大きくなった英介君の笑うところを見るのは、初めてだったかもしれない。
不良になっても、笑うところはなんだか無邪気で、昔の英介君に似てた。
それだけでも、ちょっとほっとする。

今日は何だかいつもより、サクサクできそう、レポート。





今回はここまでです。
遠子のアダ名が判明したので、次からはタイトルも
「トロと英介」にしようと思います。
次はもうちょっと早く…できるかな?
784名無しさん@ピンキー:2011/05/13(金) 22:06:29.19 ID:fVo4V5Bp
>>783
待ってました!!
785名無しさん@ピンキー:2011/05/14(土) 10:57:28.18 ID:uVUWH29S
>>766-769
GJ、せんせっていう呼び方はエロいな(*´д`)ハァハァ

>>772-783
GJ、遠子お姉ちゃん!
786名無しさん@ピンキー:2011/05/14(土) 17:24:18.43 ID:FnY5jHT2
ひさびさに二つも投下で嬉しい限り
お二方ともGJです!
787名無しさん@ピンキー:2011/05/21(土) 12:42:20.12 ID:dX/MHkog
せんせ!!!!ずっと呼んでくれw
788名無しさん@ピンキー:2011/05/27(金) 16:40:59.83 ID:hX1ROP8M
ふおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
789名無しさん@ピンキー:2011/05/29(日) 05:46:19.77 ID:HFTDifRs
お、おちつけ?
790名無しさん@ピンキー:2011/06/01(水) 12:32:52.68 ID:Xrx3gjaM
ヤフーのトップで付き合って半年になる彼女が敬語をやめてくれませんって知恵袋が紹介されてたけど
お悩みのところ大変申し訳ないですがこっちからすればウハウハのシチュエーションご馳走様ですだった
791名無しさん@ピンキー:2011/06/01(水) 17:24:18.36 ID:X0FWfLyl
>>790
自分の方はトップには表示されていなかったけど、そのキーワードで検索したらすぐ見つかった。
なかなかむふふなシチュですなw ぎこちない年下娘とか自分も大好物です。
792名無しさん@ピンキー:2011/06/03(金) 03:20:31.46 ID:1E72qBXX
付き合って半年になる彼女が敬語をやめてくれませんってご褒美だろ死ねよ
年下の女の子ハァハァ
793名無しさん@ピンキー:2011/06/04(土) 08:00:04.29 ID:zn2WIy2m
嫌な言い方を敢えてすれば
年下の彼女の仮面だ多分w
彼女的にはその相談者と結婚する気なんだろ

良いなあ年下の女の子。性的に優しく悪戯したいなあ…
さすがに性欲を持て余すわw
794名無しさん@ピンキー:2011/06/04(土) 08:07:20.24 ID:zn2WIy2m
実際に読んでみたら、実質的に付き合ってすら無いのか

27でそれは鉄の精神力だなwある意味尊敬するよ
795名無しさん@ピンキー:2011/06/05(日) 00:06:50.60 ID:4NDlPhlT
年下の世間知らずで気弱なお嬢様とかドストライクだ
796名無しさん@ピンキー:2011/06/06(月) 01:09:20.82 ID:A9wegbY9
おっさんに躾られる美少女ハァハァ
797名無しさん@ピンキー:2011/06/06(月) 18:07:54.60 ID:E/Wktura
敬語ばっかりで下の名前で呼んでほしいおっさんハァハァ
798 忍法帖【Lv=5,xxxP】 :2011/06/07(火) 09:41:24.22 ID:8Dp2azXQ
ここの雑談好きだ
年下の女の子から子供扱いされたりするシチュとか萌えるかもしれん
799名無しさん@ピンキー:2011/06/07(火) 23:00:01.31 ID:01wvfDzJ
ここにくれば寝る前の妄想ネタに困らんな
800名無しさん@ピンキー:2011/06/08(水) 12:47:30.37 ID:BMjzADKT
ちょうど良く
おっさん×女性の小説スレと
隣接しててフイタ
801名無しさん@ピンキー:2011/06/08(水) 22:57:49.50 ID:XR33pjp6
>>800
ここもあっちも良スレなのに過疎ってんだよなぁ…
802名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/10(金) 21:25:19.06 ID:k42Im0db
elfのエロゲで、本編では脇役だったヒロインの母が番外編でヒロインに昇格して
その関係が結構ツボだった。
主人公は大学生だから、最低でも20歳は年の差がある。

本編では嫌味なおばさんだったんだけど、個別ルートでは母性本能全開。でも表面上はあくまでクール。
どん底に陥った主人公を叱るように慰めて、数年後にはゴールイン。
選択によっては主人公の義理の母親として幸せを見届けるんだけど、そのエッチなしのEDでも思わず涙腺が潤んじまったw
803名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/12(日) 01:47:31.62 ID:OivBhTHx
もう498KB
残量が危ないな
804名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/12(日) 02:14:36.70 ID:oxI+R6Et
次スレ立てられる人いる?

忍法帖レベルが高くないと立てられないらしいけど
805名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/12(日) 07:04:57.36 ID:w9rcAwi5
次スレこそ

『年の差カップルでエロ萌え』

になりますようにwww
806名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/12(日) 07:58:48.14 ID:Lh4eHJQF
じゃあ、レベルは足りてるはずなので試してみますね。
807名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/12(日) 08:02:59.60 ID:Lh4eHJQF
年の差カップルでエロ萌え 6歳差
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1307833263/

初代スレにならって「で」に戻しました。それでは次スレでもよろしく。
808名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/12(日) 09:54:46.21 ID:I3VlYfJ4
乙です
809名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/12(日) 11:13:33.05 ID:oxI+R6Et
>>807
スレ立て乙
ありがとう
810名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/12(日) 13:36:45.93 ID:OivBhTHx
おつおつ
811名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/12(日) 23:32:03.34 ID:aYIDqTjp
>>807
乙!
812名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/15(水) 19:57:43.61 ID:W4AsXgjQ
>>807
乙ー
813名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/16(木) 23:57:10.83 ID:pSpOZLpx
>>807
乙です

うちの職場でバイトしてる大学4年♀と高3♂がこっそり付き合ってるらしい
真っ先にこのスレが思い浮かんだ
814名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/17(金) 09:16:58.94 ID:18H7WhmL
そういう絶対に同じ学校に通えない年の差も萌えるのぅ
あ、小学校ならいけるか
815名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/17(金) 19:20:56.49 ID:5s717N35
大学でも留年すれば何とかw
816 忍法帖【Lv=8,xxxP】 :2011/06/18(土) 23:30:00.34 ID:83Nu2U46
中高一貫とか、6年制の大学とかならおK
817名無しさん@自治スレで設定変更議論中
>>815
留年するような不良と真面目な年下を連想した