690 :
サトリビト:2010/05/05(水) 12:29:18 ID:HLEr4wWp
「慶太は秋祭りの時にウチのこと大好きだって言ったんだぞ!!」
「私だって占いで12月になったら慶太が私のこと好きになるって言われたんだから!!」
「何度も言わせないでください!!慶太さんは電話で私のこと大好きだって言ってくれたんです!!」
岡田さんの意見だけが相当弱い。それに姉ちゃんも恭子ちゃんも都合のいい部分だけ抜き出さないで。
混沌とした修羅場が続く中、一つの笑い声が聞こえてきた。
「アハハハハハハハッ!!!」
陽菜だ。一体何がおもしろいのかものすごい笑い声だ。
「みんな醜いな〜。慶太がさっき言ったでしょ?好きなのは私だって。あなたたちが喧嘩したところで何の意味もないのよ?」
陽菜の目が今まで見たこともないくらい濁りきっていた。
「それにこの際だからはっきり言うわね?まずは・・・祥姉ぇ」
声をかけられただけだというのに、姉ちゃんが怯え始めた。姉ちゃんが怯えるなんて初めてだ。
「慶太はあんたに同情して好きだって言ったのが分からないの?実の姉のくせして弟を愛しているなんて・・・気持ち悪すぎ」
おかしい。陽菜がおかしい。まるで別人だ。
対する姉ちゃんはいつものように言い返さない。ただ下を向いて何かをこらえているようだ。まさか泣いているのか?
「恭子ちゃんは一体何様のつもりなの?すぐ男の家に転がり込んだりして・・・飢えてんの?」
「ち、違います!!それは慶太さんが―――」
「飢えるの意味分かるの?その年で分かるなんて先が思いやられるわね。言っとくけどビッチは嫌われるわよ?」
陽菜の波状攻撃に恭子ちゃんが泣き始めた。だが陽菜は口撃の手をやめない。
「だいたい他人のくせに妹とか・・・そういうのがマジで男受けすると思ってんの?頭悪いんじゃないの?」
恭子ちゃんの顔が真っ青になっている。心の中で壊れた人形のように、ただ僕の名前だけを呼びながら。
「最後は・・・結衣ちゃん」
「・・・なによ」
岡田は口撃に備えて構えている。僕はただただ見守るしかない。
「正直、言う事は何もないの。結衣ちゃんはかわいいし、みんなの人気者だし、すっごい憧れてるよ?ただね・・・」
陽菜が言葉を切った。多分ここから攻撃に移るのだろう。
「私、結衣ちゃんのこと大っ嫌いっっ!!私だけの慶太を奪おうとするなんて!!顔見るだけでムカつくっ!!」
「は、は〜!?意味分かんないんですけど!?だいたい慶太はあなただけの人じゃないでしょ!!」
「私だけの物よ!!私だけが慶太を理解できるし、慶太だけが私を理解してくれるんだからっっ!!」
「物って・・・慶太は人間でしょ!?それを物扱いするなんて、あなたこそ何様なの!?」
「物だよ!!慶太は人間であって私の所有物でもあるんだから!!だから勝手に人のもの盗もうとしないでよっっ!!」
僕の意思とは無関係に話が飛び交っている。なんだかものすごく怖い。
「ぬ、盗むってあなたね!!大体慶太の彼女はわ・・・ううん、口で言っても分らないなら見せてあげる」
そう言って岡田は僕に近寄ってきた。その行為に対し怪訝な顔をする陽菜。
「ねぇ慶太、私と慶太は彼氏彼女の関係だよね?なら・・・」
言い終わらないうちに僕の口が何かでふさがれた。
なんだろう?今までに感じたことのない温かな感触だ。ただ周りの声がうるさく聞(聴)こえた。
「どうだった?もしかして慶太のファーストキスだった?」
そっか、感触の正体は岡田の唇だったのか。どうりで温かかったわけだ。
そんなことを漠然と考えてしまった。
「アハ、アハハハハッッ!!本当に・・・結衣ちゃんは・・・ムカつくなっっ!!」
生まれて初めて陽菜の激昂した姿を見た気がする。
陽菜はいつも持ち歩いていたポーチに手を入れてあるものを出した。
・・・刃渡り10cmはあろうかというナイフだ。
「ぶっ殺してやるっっ!!」
そのままいきり立った陽菜が岡田に突進した。
691 :
サトリビト:2010/05/05(水) 12:30:07 ID:HLEr4wWp
「って、うおぉぉぉぉぉーーーー!!」
そんな叫び声とともに飛び起きた。
なぜか目の前には布団がある。それにどうやらここは僕の部屋のようだ。
あれ?さっきまでカラオケボックスにいたはずじゃあ・・・?
とりあえず携帯を見る。そこには今日が何の変哲もない平日だという事が記されていた。
どうやら今までのことは全部夢だったらしい。
よかった。本当によかった。でもなんてリアルな・・・
「ん〜・・・どうしたのぉ〜、お兄ちゃん?」
隣で眠っていた恭子ちゃんが目を覚ました。
「あ、起しちゃった?ごめんね・・・ってあれ?なんで恭子ちゃんが俺のベッドに?」
「だ、だって・・・お兄ちゃんと一緒に寝るの気持ちいいから///」
そういって僕に抱きついてくる恭子ちゃん。
あれ?なんだか夢のときもこんなに積極的だったような気がするぞ?
「・・・歯、くいしばれや慶太・・・」
あ、あれ?まさかこれも夢なの?
それを確かめるために僕は姉ちゃんに振り返る。そして・・・
「今日はお美しいですよ、お姉さま☆」
「ほぅ・・・いつもは美しくないと?」
フフ、ものの見事に一字言い間違えたみたいだ。
バチーーーーーン!!!!
どうやらこれは夢ではないらしい。そのことが分かっただけよかったよかった。
「お兄ちゃんになんてことするんですか!?」
「これは愚弟に対する制裁だ。ってかオメーも何の気もなしに慶太のベッドで寝てんじゃねーよ!!」
「だって私とお兄ちゃんは兄妹だもん!一緒に寝ててもいいじゃないですか!」
「いいわけあるか!来るたびに毎回慶太のベッドに忍び込みやがって!」
「なんでそんなに怒るんですか!?もしかして・・・あなたもお兄ちゃんと一緒に寝たいとか?」
「そ、そんなわけあるかっっ!!」
姉ちゃんと恭子ちゃんが僕をはさんで討論を繰り広げている中、ふと夢であった気になる点を思い出した。
カラオケのときは聴こえるはずの声が聴こえなかった。
冷静になって考えると、最近サトリの能力が不安定になっている気がする。
そういえば以前は強い感情にしか反応しなかったんじゃないのか?
でも最近は以前は聴こえなかったはずの小さい声もたまに聴こえるぞ?
一度考えだすと疑問がたくさん湧いてきた。
「しかたないな・・・」
僕は昔サトリの研究を手伝わされた教授の元に行くことを決めた。
「え?ち、ちょっと待て!し、しかたないってお前!?」
(え?嘘!?慶太がウチと一緒に・・・一緒に寝るって!?)
「お、お兄ちゃん!?本気なの!?」
(嫌だぁ!!そんなの絶対にダメ!!お兄ちゃんと一緒に寝るのは私だけの特権なんだから!!)
・・・はぁ・・・もう好きにしてくれ・・・
692 :
サトリビト:2010/05/05(水) 12:33:24 ID:HLEr4wWp
以上投下終了です。
今回はいろんな意味でひどい回になってしまいました。すいません。。。
それと最後まで読んでくださった方、ありがとうございました。
慶太君、カラオケで、C&AのWAIKと、氷室の永遠&ダイアモンドを歌う作業に戻るんだ…。
GJです
GJ!
夢オチか…
恭子ちゃんカワイイなぁ…
GJ
陽菜終わったなと思ったが別にそんな事は無かったぜ
でも夢オチじゃない可能性を模索している俺がいる
GJ!
恭子ちゃん可愛いな
そして陽菜さんが遂にはっちゃけたw
GJ
慶太のキャラもう最高!!
そういえば昔々8話まで出来てるといったから遂に新境地に至ったんですね。頑張って下さいGj
5話投下します。
教室に帰還すると、1時間目が終わって休み時間になっていた。顔の皮脂と性格がねちっこいハゲヤマ(本名忘れた)はもう居なかった。
隣席の片山にノートを借りようと声を掛けたが「あ?物理?嫌いだからノート取って無い。」とか言いやがった。俺はお前が嫌いになりそう。
こうなったら理系脳の寂に昼飯食う時にでも教えてもらうか。こういう時に活用するのが人脈(腐れ縁)なのである。
次は…小遊鳥(たかなし)先生の現代文か。楽だな。とか考えて机に教科書ノート文房具の3点セットを用意した。
待望の昼休みが到来した。ポケットに財布の存在を確認してから物理の3点セットを手に持ち購買に向かう。
焼きそばパンとクリームパンと濃厚きなこオーレDXを買って寂のいる1組に足を運ぶ。
1組の教室に入るとやはり噂の通り魔の話題で持ち切りだった。皆好きだねぇ。お、いた、頼れる理系脳こと寂が。
寂もこちらに気付いたようでパタパタと弁当を持ってこちらへ接近してくる。
「おう。購買行って遅れた」
「いいわ。それよりどこで食べよっか?」
「屋上とか。」
「朝、雨降ってたわよ?」
「いま晴れてるからベンチも乾いてるだろ。」
「まぁ、いいけど。」
「んじゃ、早く行こ!」
パタパタと小動物みたいに小走りで走る寂。朝方とはえらい違いだな。まぁ安心したけど。
屋上に着いた。けれど太陽は休み開けで仕事をさぼっていたかった様でベンチはあまり乾いて無かった。
ポケットからハンカチを出してベンチの水滴を拭き取る。綾小路ちゃんの涙で学習してちゃんと持ってきたぜ!偉いな俺!自画自賛してみた。
「ゆーちゃんにしては上出来ね。」
寂にも誉められたが何か心に刺さる物があるね。うん。
「んじゃ食うか。」
「うん。」
俺は焼きそばパンの封を切り、寂も弁当を開けて箸を伸ばす。そういえばもう一つの目的も言っとくか。
「あーそうそう。実はさ、物理教えて欲しいんだ。」
「え?なんで?ゆーちゃん物理苦手じゃないでしょ?」
「いや、一時間目の物理すっぽかした。」
「え?なんで?」
「あーいや、通り魔に刺された1年の女子が…その…知り合いでさ。お見舞いにいった。まあハゲチャビンの授業サボれたしラッ…キー…」
話してる途中で寂の顔がヤバいように見えた。ん?なんで?
「ねぇ…その子…綾小路美月って名前?」
目が怖い!ハッ!こいつは覚醒モードレベル1!ちなみに最大レベルは5だ。
「ん?ああ。寂も知ってるのか。なんか綾小路グループの令嬢らしいから知ってて当然か。朝までその事知らなかった俺とは違うな!いわゆる人とは違うんです!だよな!」
意味分からん3流以下のジョークで場を和ませようとしたが失敗した。顔怖いよ!特に目!お前の目はメデューサの目か!
作戦その2!濃厚きなこオーレDXを口にして落ち着こう作戦!チュー…なんてこった…隣が怖すぎて味がしねぇ…。
ふむ、人は耐えがたい恐怖に直面すると一時的に味覚が消えるという結論がでた。今度学会に発表しよう(アメリカの学者風)
支離滅裂な思考が頭で回る。更に対俺用マシンガントーカーJYAKUが質問を撃ってくる
「でさ、通り魔についてなんか話してた?」
「いや、なにも。」
ナンデソンナコトキクノ?いや、実は寂は人知れず戦う正義の味方なんだ。スパイダーマンなんだ。いやスパイダーウーメンか。
「そう、ならいいの」
と言うと寂は覚醒モードを終えて再び箸を動かす。あー怖かった。寿命縮んだかと思った。
よし、覚醒モードと俺と寂の食事がが終わったから再度交渉してみよう。
「で、物理の件なんだけど…」
「もう時間ないから、放課後私の部屋に来ない?」
なんだってー!!
「今日はお父さんもお母さんも居ないんだ。だから遅くまで教えれるよ。」
ナンダッテー!!これはあれ?いっちゃてイインデスカ?ムハー!!!
「じゃあさ…ついでに保健体育を…」ドゴッ!!おゥフ!!!!!腹を思いっきり殴られた。こうかはばつぐんだ
「あ、あああああ…アンタね!!へ…へへへへ…変態!!」反応が面白い。いやー寂をからかうのは楽しいなぁ。
「いや、マジになんな。」
「馬鹿!!!!」ゾゴッ!脛を蹴られた!ひぎゅん!!
「あ、ご…ごめん!」しゃがみこんだ俺を介抱しようとする。
「おー、大丈夫大丈夫。」2人同時に立ち上がる。風が吹き抜けたのはその時だった。
寂のスカートが重力に逆らった。水色と白のボーダー柄の布が見えた。いや、これは不可抗力なんだ!とか思いながら凝視した。
全国の高校生の男子諸君に女の子に来ていて欲しいパンツと聞かれると純白の「白」、情熱的な「赤」、扇情的な「黒」、可愛らしい「ピンク」、一部に人気の「ウサちゃんパンツ」…
だがッ!今ッ!俺がッ!見ているッ!パンツはッ!その中でも上位に君臨するであろうッ!「縞パン」だアアアアアアッ!それもッ!水色とッ!白のッ!カラーリングッ!
見事だ。ムチムチな下半身と縞パンのハーモニー。割れ目もくっきり見えている。すばらしい。これは100点…いや、200!300!400!1000!!ば…俺のスカウターが…ドゴッ!!!!!
うぎゃあああああああああああああああああ!!頬をグーで殴られた。痛ええええええええええええ!!ゲホッ…ゲホッ!!
寂を見上げると泣きそうな目で顔を赤くしてから自分の弁当箱を回収して走り去った。
罪悪感はあったけど、それよりも目の満腹感が上回った。不謹慎ですね。神様ありがとう。
けれどドアの付近に堕ちていた水滴を見て目の満腹感より罪悪感が勝ってしまった。寂を泣かせてしまったらしい。はぁ、自己嫌悪。
私は屋上のドアをぶち破ると近くの女子トイレに駆け込んだ。好きな人を殴ってしまったから逃げた、それもある。けどもう一つ理由があった。
個室に入ってすぐに太ももとふくらはぎを経由して靴下にまでお汁を垂れているびしょびしょの淫乱おまんこを触る。パンツ越しからでも酷く濡れているのが手に伝わり自己嫌悪を催した。
「ばれちゃったかな。私がパンツ見られておまんこ汁垂らした事。びしょびしょにしてたこと。」
好きな人にパンツを見られて下半身が大洪水なんて…我ながら情けない。
パンツをずらして便器に座る。学校でオナニーするなんて恥ずかしいけど、仕方ない。このまま授業に行っても集中出来ないもの。
ハンカチを噛んでいつものように右手の中指を入れてみる。けれど物足りなかった。
イケない…。グチャグチャとゆっくり丁寧にいやらしくねっとり掻きまわすけど快感の波が来ない。
だから私は初めて薬指をおまんこに挿入した。すると挿れた瞬間に快感のビッグウェーブが押し寄せた。
「ひぐッ!!」声が漏れる。凄く気持ちよかった。誰かにバレるかもしれないスリルと初めての2本指での自慰行為。けど、淫乱のど変態の私は更に快感を求めた。
ふとウォシュレットのコントローラーが視界に入った。私は空いていた左手で操作してみた。そして私は威力を最大に、水温を38度にして放水のボタンを押す。
肛門にウォシュレットのぬるま湯が届き、快感の波が暴走する。
「ングッ!!はう!!んああああ!!!!!!」
そしてその快感の大波は私の中の堤防を決壊させて絶頂に達する。絶頂に達した後、私は蓋にもたれてだらしない体勢になる。そして
ジョボボボボ…。失禁してしまった。誰にも見られてないのに恥ずかしかった。けど生きてきた中で一番気持ち良いおしっこだと感じた。
キーンコーンカーンコーン…しまった!予鈴が鳴ってしまった。あと5分で授業が始まってしまう!
立ち上がろうとしたら快感の余韻の所為で膝が笑ってしまいうまく立ち上がれない。うぅ…早く行かないと…。私は快感で疲れ果てた体に鞭を打って歩き出した。
5時間目の数学の授業には何とか間に合った。けれど、余程しんどそうに見えたのか井上先生から「天野さん…大丈夫〜?保健室で休む〜?」と提案されたのでお言葉に甘える事にして保健室のベットに横たわっていた。
ベットに横たわっている間、考え事をしていた。
ゴキブリ(綾小路美月)がゆーちゃんに接近した事。
ゴキブリ(綾小路美月)に今までの犯行がバレている事。
ゆーちゃんが一時間目の授業をすっぽかしてゴキブリ(綾小路美月)に会いに行ったこと。
そして今日の放課後、ゆーちゃんと私が2人っきりになれる事。
ゆーちゃん、物理と保健体育を教えて欲しかったんだよね?うぅん、私分かってるよ。保健体育が一番したいよね?私も初めてだけど…ゆーちゃんになら良いよ。
そして私はベットの中でしばしの眠りにつくことにした。
5話終了。
gj! 水色と白の縞パンいいよな。
個人的にはピンクと白も好きだ
706 :
名無しさん@ピンキー:2010/05/05(水) 19:17:35 ID:cXbinkFb
好かれてる 中心
gj!
omosirokaltutaze
早く続きが見たい…
寝よ
709 :
名無しさん@ピンキー:2010/05/05(水) 22:22:36 ID:cXbinkFb
超信じられてる
gj次も期待です。頑張って下さいね。この作品応援してますので。
711 :
名無しさん@ピンキー:2010/05/06(木) 11:13:08 ID:N67gqxjU
GJ!!
最近ここ2週間で良作が相次いで連載されていますが、これまで投稿の中心だった連載作家さん方(特にポケモン黒や題名のない長編12,14,15の執筆者)がいないのは寂しいですな。また何時でもいいんで最新話出来たなら更新して下さいね
だいぶ前にも書いた気がするが、俺はTomorrowと変歴伝をいつまでも待つ
715 :
名無しさん@ピンキー:2010/05/06(木) 18:35:36 ID:/0OfmoTq
隣の彩さん まだかな
せっかく書いても返ってくるのは素っ気ないGJだけだからな
そりゃあ作者様も離れていくわ・・・
まだ居たのかアンタ
こいつ完全に作者じゃん
そんなに感想書いてほしければ、もっと面白いのを書いてみろよ
>>716 そうゆう誤解を招く発言は控えなよ
>>718 こっちも作者かどうかなんてわからないのに誤解を招く発言は控えて
要するにこのスレを潰したくて仕方ない人、と
当スレでは来るもの拒まず去る者監禁となっております
自分でレスしておいて何だが
間違えてヤンデレスレをクリックしてすぐ閉じようとしたら閉じれなくてどうたらこうたらなる電波が届いた
空気を読まずに、群青が染まる 第八話を投稿します。
………
……
…
「神々の試練はとても厳しいものでした」
後半刻ほどもすれば昼時のためか、少しだけ浮ついた空気と、服を絞れば汗が
滲みでるぐらいの日差しの中で、指先の汗が羊皮紙を湿らせても、一枚また一枚
と丁寧に捲っていく。
「とある森にある呪われた人食い屋敷は、人を森に捕らえ惑わせ、そしてその精
神を食べてしまうという恐ろしいものでした。精神の抜けた肉体は屋敷の使用人
としてこき使われるのです」
ゆだった身体に、風が胸を上から下に撫で下ろすように通り抜けていくのを、
心地よいと思いながら、いつまで経っても水を浴びたぐらい濡れて湿っている背
中に、カビでも生えるのではないかと考えても、そのままにしておくしか他にな
かった。
「“最果ての森”と呼ばれたその森の中心に居座り、屋敷に取り憑かれた男は最
初、素知らぬ顔をして勇者を出迎えました、が、それは罠でした。なんと、勇者
の食事に毒を盛ったのです!」
口々に「ひきょうだ!」「せいせいどうどうと戦え!」と容赦のない子供達に、
なんだか自分が言われているような気持ちにさせられる。
「身体が痺れて動けなくなった勇者に、男が使用人達を次々と襲い掛らせます。
その中にはそれぞれの手に剣を、斧を槍を握り締めた全身が鉄で出来た中身を持
たない鎧達も混ざっていました」
そこで一度、海が近いせいで素肌にからみつく若干の塩分を含んだ湿気を飲み
込むように、長い文の読み疲れに水分を求めた喉を我慢させようと深く息を吸い、
二つに分けて吐いた。
「多勢に無勢、勇者はもはやこれまでというところまで追い詰められてしまいま
した……」
「ねぇ、たぜいにぶぜいってなぁに?」
「しっ、今いいところなんだから静かにしろよ!」
その小さな疑問に、難しい言葉を使いすぎだよ、と内心呟きながら、答える間
もなく続きを待つ子供達のために、若干の痛みを伴い出した口をまた開く。
「追い討ちをかけるように携帯袋にいたはずの猫が、心を許しかけていた大切な
猫が、勇者を置いて一人で逃げてしまっていたのです。これに勇者は、その肉体
の痛みの比にならないぐらい心が打ちのめされてしまいました」
「もうだめか、と勇者はその立とうとしたはずの膝を折りました、しかし!」
「そんな諦めかけていた、絶体絶命の勇者には心強い味方がいたのです。なんと、
逃げたはずの小さな猫が魔法の薬を持ってきたのです! そして猫は言いました
『勇者様! この薬をある老人から授かりました!』、と」
どこかで聞いた事あるような、見たことあるような、
「勇者はそれに涙を頬に走らせながら、その強い想いを胸に渾身の力を振り絞っ
て、人々の魂を抜き取る悪い男に投げつけました。すると、途端に正義の心を取
り戻した男が、勇者にこう言いました『これでやっと父と母の下へ謝りに逝ける』、と」
そんな話に何度か首を捻っても、
「悪い男の両親は、男を助けるための薬を作る途中で、自らの命が絶たれても、
その魂をその想いを受け継ぐ時を待っていたのです。そして、猫が持ってきた薬
こそ、その想いの結晶だったのでした!」
一向に、漂う雲を掴めないのと同じように、ことごとくすり抜けていく。
「勇者はその全身に痣をつけ、疲れ果て、挙句の果てに息も絶えかけなのに、そ
れでも尚、役割だけ押し付けられ、誰も助けてはくれなかった自分という存在の
ためだけに頑張った猫を、大切に、そして強く優しくその胸に抱き、『ありがと
う、これからは私が君を守ってみせる……』、と言ったのです。こうして、誰か
の想いを知ることにより勇者は、また一つ強くなったのでした」
区切りの良い頃に、何度読み返してもよく作られているな、と感嘆の念を打ち
ながら、この勇者が“彼女”だったのなら間違いなく、全てを破壊しきっていた
ことは想像に容易かった。
だからこそ子供用に作られたであろうこの話にある種、拭いきれない違和感を
持ったところで、高らかに響き渡った鐘の音に、座ったまま仰ぐ形で手を天高く
伸ばし倒れこむのではないかというほどに背筋を反らせた。
……実際にはほとんど反ることができなかったのだけれど。
………
……
…
いつもより悲しげな空間を見ないようにただ呆然と、そのどちらかといえば村
と呼べる町は、宵闇にそこ一帯だけ照らし出されていて、周囲から切り取られ浮
いていたが、
「ついてるで、丁度いい時間やないか!」
すりがねの、和太鼓の、篠笛の祭囃子の音がそれらの違和感を和らげている、
陽気さを醸し出す町を見ながら、荷台の横木にもたれかかる。
耳を通り抜けていく不自然な騒がしさも、その源を視界に収めながらも一切頭
に入ってこず、より不自然な荷車の暖かみの消え失せた空間を横目に、さらに深
くもたれかかった。
……たったあれだけのことなのに、なぜ近づけたと思ったんだろうか。
いつからそんなに空いていたのかと考えて、ついた瞬間、いやつく前から既に
その姿を闇に潜めて消えていた彼女の仕草を何度も想い返す。
そんな誰もいるはずのなく、所在無げに戸惑っている空間に手を伸ばしかけて、
不意に似たような事が前になかっただろうか、という思考が一寸過ぎった。
「トモヤはん、そんなところで呆けてないで、行くで!」
まるで思い返す自分を邪魔するかのように、肩に置かれた手に、声に、中へと
入ることができず町の入口近くに停車された馬車に、到着したことを否が応でも
認識させられる。
手を振りながら喜び急ぐハルに従って頭を不必要に振りながら降りて、
やっと気付いた、祭りが行われているという事実に、
「……!」
辺り一面に垂れ下がっている灯篭に、賑やかな人の騒がしさに、そしてお腹が
空腹感を訴えてくるほど香ってくるタレを焦がす匂いに、焼けた肉の穀物の香り
に反射的に気持ちが上向くと共に口内からあふれ出しそうなほどの涎にも、今何
が起こっているのかと何度か瞼を瞬かせる。
「何してるや? 置いて行くでー」
幼い頃より空想に描いた祭りに参加できるという嬉しさが瞬時に胸一杯に広が
っても、それでもどこか空虚な、抑えようのない“逃げたさ”を感じたのはどう
してなのだろうか。
「い、今、行くよ!」
居心地の悪さと、ほんの少しだけの罪悪感を抱えたまま、見失う事のない自分
より一回り大きく、お腹を空かせ今か今かと待ちぼうけした後の少年のように先
を歩く彼の背中を追いかけた。
……誰かと一緒にいる嬉しさと、彼女と一緒にいれない寂しさを抱えて。
そこには、怒声のようにも聞こえるほどの掛け声がひしめきながら立ち並ぶ出
店群、それに子供達がこれもあれもと手にとっては物珍しそうに、また手に取っ
ては小銭を数えたり、座り込んで動かない子供に参ったように頭を抱えた親達も、
次の瞬間には一緒に笑ってたり、この世の楽園とさえ勘違いしそうなほどの光景
があった。
それは憧れ続けていた祭りで、到底届くことのなかった故郷のあの町よりかは
規模は小さかったが、それでも確かに祭りだった。
「あかん、また負けてもうた! おっさん、もう一回や! 次こそ絶対に勝った
るわ!」
だから、子供達に混ざって一緒に笑いながら遊んでいる彼を幾分か離れた位置
で眺めながら、祝福するかように通りすぎた雲のない空に見える星達の中で、小
雨が降った後みたいに、頬を拭う事もなく濡らしていた。
「ほら、トモヤはんもやろうや! 今日はとことん暴れまくったるわ!」
不意に気付けば、旧来からの知り合いのように手招きをしているハルに、思わ
ず嬉しくなって駆け足で近づいていく。
だからなのだろう、前を全く見ていなかった事で、
「きゃっ!」
「っ!」
急に現れた人影に、お互いの身体が反発して腰をしたたかに容赦なく打ち付け
るほどに、ぶつかり合ってしまった。
「ご、ごめ……ん……」
反射的に謝ろうとして、未だに立ち上がろうとせずに倒れたまま、零れた杖を
取ろうと土を、地面を手で何度も擦っている焦点の全く定まっていない少女に、
目が見えてないのではと、居たたまれなくなる。
同時に、側にあった杖を拾い少女に握らせ有無もなく力に任せて立ち上がらせた。
「あ、あの、ありがとうございます……」
自分も痛いのだから当然、汗を額に満遍なく湿らせた少女の痛いだろう腰を何
度もさすりながら今にも消え入りそうに感謝するその言葉に、ぶつかってしまっ
た事への罪悪感が一層募っていく。
「ご、ごめんね!! ま、前を、見てなく、その、と、とりあえず、ごめん!!」
「い、いえ! わ、私は大丈夫ですから、あの、丈夫な身体ですし、その……」
言葉の終わりに近づくほど聞き取れない大きさになっていく、杖を胸の前に抱
いたまま、何かを探すように見えないだろう視界を下方に落として左右に振りな
がら指同士を擦り合わせている少女
ふと背筋をはって行く蛇に睨まれたかのような寒気を感じた時に丁度聞こえた、
「トモヤはん! 遅い、ん? なにをやってるんや?」
ハルの急かす声に、今にも破けそうなほどの麻の服を着た少女に見入ってしま
った事にやっと気付いて、慌てて視線を逸らす。
「あ、トモヤ、さんって言うんですね!! わ、私は、「あー、贄やないか、」」
「に、え……?」
その突然の声に、思わずハルを凝視するままに出したオウム返しの声に、少女
は身体を竦ませた。
「そうやで、豊穣を祝う生贄に選ばれた孤児や」
「それは、どういう、!!」
問いただそうと声を張り上げた瞬間、少女が追い詰められた鼠のように肩は一
度大きく震えさせ、定まらなかった視線を固定させる。
見えない目を上げた顔の先には、きっと少女を追ってきたであろう人達が怒声
をあげながら走ってきていた、その手には鍬を鎌を、斧を抱えている。
それに反応してか、慌てて逃げだそうとして転んだ少女の手を無意識に、その
到底丈夫とは思えない華奢な身体を無理に、この賑わいの中で独りだけ世界から
取り残された少女を助けたくて、幼い頃の自分を助けようと手を引いた。
「あっ……」
成すがままに引っ張られるまま何も言わずついてくる彼女に悪いと思いながら、
それでも縦横無尽に、聞こえてくる罵声や悲鳴に耳もくれずに、人波を掻き分け
て駆けていく。
足が地面を踏むたびに合わせて、所々痛んで跳ねている、後ろで結った少女の
髪は風にたなびいて馬の尻尾ように揺れていた。
そんな少女が転ばないように、半ば抱きしめるような形で走り続ける。
「はぁ、はぁ……ぜぇ、振り、切った……?」
どこをどう走ったのか、どこまで来たのかわからない。
一つだけわかるのは今いるのは境内だということだけ、随分奥地にあるためか
木々に囲われた社には、豊作祝と書かれ、その舌を軽快に伸ばした蛙の像がしめ
縄と共に奉じられていた。
「あれ、ハルは……?」
大分落ち着いてきた息に、見入っていたその像から視線を外し、知るわけがな
いだろう少女に移しても、
「も、もう走れません……」
肩で深い呼吸を繰り返しながら、どこかで落としたのだろう、杖も持たずにた
だ座り込んでいた。
「あ、あの、はぁ、ありがとう、はぁ、ござい、ます」
それに、何と答えていいのかわからなくなる。
ハルが言ったのは本当のことなのか、助けてよかったのか、聞きたいことはい
くらでもあった、あったのだけれど、どうしても聞くことは躊躇われた。
……彼女のように力を持たない自分に何が出来る? この少女をどうしたいんだ?
今更ながら少女に自己を投影していたことを恥じながら、ならばどうしたら良
かったんだ、という疑問は一向に答えがでなかった。
729 :
名無しさん@ピンキー:2010/05/06(木) 21:14:17 ID:xVYkfoie
解 持つ
「も、もう大丈夫です、あ、あれ、な、ない……」
「あー、たぶん失くしたの、かなぁ……」
やっと気付いたのか、杖がないことに狼狽える少女に向けた言葉が最後、お互
いに何もいえなくなってしまった。
辺りが静まるとより大きく聞こえてくる賑やかな祭囃子のその音が、擦り傷だ
らけの少女の手の平が、いつもより心にささくれをもたらした。
「あの、」
何分にも満たないほどのわずかな時間だが気落ちしていた少女が、不意に口を
開いた。
「本当にありがとうございました」
「い、いや、こんな事になっちゃって……」
見えてないだろうけれど手を左右に振りながら、何度も感謝して頭を下げる少
女を放っておくことはやっぱり出来ないな、と思えてくる。
「どうして、追われていたの?」
その質問に強張った顔で少女が口を開こうとした瞬間、
「いたぞー!!」
聞こえた声に伸ばしかけた手は、未だ疲労し切って肩を上下に動かす少女を掴
んで走る事は出来ず、どうしようもなく宙ぶらりんに浮かせたまま固まった。
そんな自分達を尻目に一人また一人と、十数名ほどの人達が手にそれぞれ武器
を抱え、闇を掻き分け押し入ってくる。
「手間かけさせやがって!!」
苛立ちを露にしながら逃がさないと囲うようにばらける町人達に、成す術なく
固まったままの手を下ろした。
これが彼女なら、マリンなら……。
「す、すみません!! ご、ご迷惑をおかけしました、あ、あの! トモヤさん
は何もしていないので、関係ないです! わ、私が勝手に逃げただけです! 怖
くて、そ、その……あの、怖くて!」
“誰か”を庇うようによろめきながら立ち上がろうとする少女に、何も出来な
いとわかっているからこそ、胸が締め付けられる。
手を伸ばしてもいつも届かす力がなくて、何をしたらいいのか、どうすればい
いのかわからなくて、だから、
「マリン! お願いだ!! 助けてくれ!!」
……気がつけば呼んでいた。
怒っていることもわかっている、都合のいいことのはわかっている、聞こえる
わけが、そして、来てくれるわけがないこともわかっていた
なのに気がつけば、今では呼ぶ事に違和感を持たないほど馴染んだ彼女の名を
木々が痺れるぐらいに大きな声で呼んでいた。
だから、まるで待ち構えてたと言わんばかりに突然に出でた、瞬間に悲鳴を漏
らし、尻餅をついてその場でもがく人々を見下ろす彼女に、
「マ、リン……」
「また大変な目に会っているようだな」
来てくれたことが嬉しくて、そんなことを知ってか知らずか薄い笑みを浮かべ
る彼女に、視界が潤んでぼやけていく。
「あかんでー、豊穣祭の邪魔したら」
また一つ割り込んできた声に、狙い済ましたかのように樹木にもたれながら、
彼女とは違い嫌悪さえ含んだ笑みを仮面として携えた男に、旅が始まって以来感
じていた些細な悪意のような感情を、この時ばかりは強烈に実感できた。
「その娘はこの先の湖の主への供え物や、そうせえへんと、主が怒って湖から穀
物のための水が取れなくなる。そうなると、この町はお終いや。毎年人一人の命
で、たったのそれだけで町が助かるんなら、諸手を上げる行うだろう? それに、」
木々のさらに奥を指差しながら、品定めをするような獲物を捕らえた狩人の目
をしてこちらを向いた彼が笑う。
「孤児が死んでも誰も困らんわ」
「そうだそうだ」と口を濁しながら下を向いて呟く人々はマリンの一挙一動に怯
え戸惑い、動かない足を引きずりながら離れようともがいている。
「わ、わた、し、だ、だい……じょ、う……」
そんな町人のためにならないのかもしれない、それでも、放心して全身の力が
腰が抜けて立てず、喋る事もままならない少女の力に何とかしてなりたかった。
「お、おれが……」
代わりに? そんな馬鹿な……!
「せやな、それしか解決策はあらへん」
次いで、何をわかりきったことを、とばかりにハルが頷いた。
まるで彼の書いた筋書きそのものに乗っかって進んでいるようで、静まり返っ
たこの場に座り込んで、新鮮な空気を肺一杯に満たしたくなるほど、力が入らな
くなる。
いらないお前が代わりになればいいんだという彼の感情が、まとわりついて離
れてくれない。
「ならばトモヤ、」
その沈黙を破ったのは、決まってマリンだった、彼女しかいなかった。
「主が対価を払うというのなら、我が、殺そうぞ」
暗がりにでも青く輝く彼女の瞳は、どこか影を孕んでいて、蛇に巻きつけられ
たように思考が絡みとられていく。
「あかんでマリンはん!」
息を殺しても尚、濁り淀んだ大気、それなのに怖いとは感じられなかった。
「たい、かを、対価を払う! だから!!」
溢れ出した言の葉に、喉を鳴らして、嬉しそうに嬉しそうに、口の両端を吊り
上げ歪めた彼女は――
人々の口々に喉奥底から漏れる恐怖の声色も、弛緩するあまりにどことなく甘
い臭いを漂わせた尿を漏らしてしまった少女も、驚きに後ずさったハルも、さざ
めいて木の葉を舞わす木々も、そんな空気を和らげることなく押し潰す太鼓の音
も、町を照らし続ける灯篭の明かりも、一つたりとて余すことなく異様だった。
「その願い、確と聞き入れた」
――うつし世の別れに迎えに来た、死神のように美しかった。
以上で投稿を終わります。
gj!良作
6話投下。3レス消費
当たり前の話だが時間ってものは止まらない。そしてタイムリープして過去の失敗を揉み消す事も出来ない。助けてドラえもんと言っても未来から猫型ロボットが来る訳でも無い。
偶然だったとしてもパンツを見た事を謝罪すると決めたが気が進まない。時間も進まなきゃ良いのに。
しかし悩んでても仕方ないのもまた事実。苦しい事や辛い事実から逃げてはいけないって誰かが言ってた。誰かは知らん。
重い腰を上げる。処刑台に向かう死刑囚の気分ってこんなのかな。
とりあえず謝って無理なら土下座しよう。最悪記憶無くなるまで鈍器で殴ってもらえれば許して貰えるさ。勘弁してほしいけどな。
3組の教室を後にして寂の在籍する1組へ出頭する。が、被害者の姿は無かった。
もしかして怒って先に帰ったのか?一番最悪なパターンだな。どうしようか。と考えていると1組の保健委員をしている長谷川右京が話し掛けてきた。
「よう、保健委員。なにしに来たんだ?」
「右京か。お前も同じ保健委員だろ。」
「違うよ。お前は2年連続保健委員。そして俺は中学から5年連続保健委員のベテラン保健委員。」
「お前もしかして虐められて保健委員押し付けられてんの?」
「今、怪我人を保健室に連れていく保健委員の職務を全うしたくなった。もちろんお前をぶん殴ってからな。俺って働き者。」
「暴力反対。」
「暴力反対とか言う奴に限って口の暴力が凄まじいとか思うんだけど、この事についてどう思う?」
「口と手の暴力より数の暴力って酷いよな。俺の目の前に数の暴力によって保健委員にさせられた人間が。しくしく」
「貴方が殴られたいのは右手の鞄ですか?左の鞄ですか?」
「お前なんで学校指定の鞄2個も持ってんの?もしかして高等学校指定鞄収集家に目覚めた?」
「いや、右手の鞄はお前の幼馴染の天野の鞄。井上先生の授業の時にしんどそうにしてたから一人で保健室に行った。。」
「おいこらベテラン保健委員。お前保健委員の風上にも置けないな。」
「うるせー。本人の意思を尊重したって言え。ところで井上先生で思い出したけど昨日繁華街で一つ傘の元男の腕にしがみついてた」
「話を逸らすな。…ナンダッテー!!」
「うるさいよ馬鹿。」
「つーかなんで知ってんのさ。ストーカー?」
「ちげーよ。新聞部の新しい新聞のネタにしようと噂の通り魔を探してたら見たんだよ。」
「へー。」
「あ、良い事考えた。お前保健室に行って天野に鞄渡してこい。」
「凄く…行きたく無いです…。」
「俺にはな、井上先生の記事を書くという使命があるんだよ。」
「新聞部からパパラッチ部に進化したな。いや退化だな。というかさっきから台詞ばっかで単調だな。」
「は?なんの話?」
「いや、なんでもない。忘れてくれ。」
「んじゃ、頼んだ。」
勇輝は寂の鞄を手に入れた!(押し付けられた)
俺に鞄を押し付けたパパラッチ部(仮)の右京は俺が呼び止める前に早々に走り去って行った。なんつー速さだ。陸上部に入れよ。
さて、キーアイテムを獲得したしボスが眠るボス部屋に行きますか。
階段を降りて保健室の前に到着した。さて、覚悟を決めるか。ドアの取っ手を握る。
入って開口一番に「じゃくー」と呼んでみる。応答はすぐに帰って来た。
「あら、馬鹿勇輝」
絶賛お怒り中な様だ。
「あー、昼休みは悪かった。ごめん」
お辞儀して謝る。
「いいわよ。それより物理教えてあげるから帰ろ。」
俺の人生初の土下座披露会は中止になったようだ。
「いいのか?お前しんどいって…」
「それは誰かさんにパンツ見られて心に深いダメージを負ったからかしらね。」
ウッ…。良心が疼く。
「冗談よ。早く行きましょ。」
寂はベットから立ち上がった。
「はいよ。」
俺たちは保健室から出ていった。
幼馴染の家に上がるのは何年振りだったかな。と考えながら靴を脱ぐ。
久々の幼馴染宅は昔の記憶と殆ど変って無かった。
「早く私の部屋に行くわよ。」
「おう。」
幼馴染の跡を着いて行き「じゃく」と書かれた可愛らしい木のネームプレートが立て掛けてある部屋に入る。
第一の感想。昔の記憶とはかけ離れていた。なんかいかにも女の子な部屋だった。良い匂いがする。
「じゃあ物理の勉強始めましょうか。」
「ああ、頼む。」
寂が立ち上がって隣に来る。は?
「な…なんでこっちくんのさ!」
「え?いいじゃない。何か不満でも」
不満は無いが落ち着かなさが膨れるする。
「いや、ないけどさ。」
「ならいいじゃない。早く教科書開いて」
「分かった。」教科書を開いてテーブルに置く。
「ここなんだけど…」
「あー…ここは…」ムニュ。ム…ムネガアタッテル!ムネガ!
寂の豊満なおっぱいが俺の右腕に当たる。おまけに寂は離れない。いつもなら離して俺を殴るはずなのに。
「寂…」
「何よ…」
寂を見ると頬を紅潮させていた。いや、待て。寂は俺とは友達のままが良いって言ったじゃないか。これは悪戯なんだ。きっとそうだ。でも…耐えられん…。
「ねぇ」寂に声を掛けられて振り向いた瞬間、寂の手が俺の脇腹に伸びていて指をサワサワさせてくすぐられ俺は思わず笑ってしまう。
「あは、あははははは!!!!ちょ、やめ!!!あははははは!!!!!」
よく昔に寂とはくすぐり合ったな。と思い出す。
「いひ!!!いひいい!!あはははははは!!!!!」
笑い過ぎて力が入らずに抵抗出来ない。それから10分、20分とくすぐりが止む事は無かった。
「もう良いか。」そう言って寂は手を離して自分の衣服を脱ぎ始めた。
寂は一糸纏わぬ姿になる。
「何してんだ…何のために…」
「…きだか…」
「聞こえない。」
「好きだから!好きなの!綾小路美月に取られたくないから!」叫ぶ。
「おい、まて。俺等恋愛の相性最悪なんだろ?」
「あんなの嘘よ!告白されたのが恥ずかしくてついたの!」また叫ぶ。
「あとなんで綾小路ちゃんが出てくる?」
「金曜日に屋上で一緒に昼ご飯食べてるのを見たのよ!あとゆーちゃん物理の授業すっぽかして病院に行ったって言ったじゃない!」先の台詞より大きなの声で叫ぶ。
「だからこうして犯して私しか見れないようにしてあげる。ゆーちゃん初めてだよね?ゆーちゃんの初めて貰うから…私の初めてあげる。」と言って寂は俺の下半身に手を伸ばす。
「やめ…」くそ、笑い過ぎて体に力が入らない。寂は俺のズボンを脱がす。
「やめろと言っても下半身は勃起しているわね。そうだ、パンツでシコシコしてあげる。」寂は自分の縞パンで俺の逸物を包んで上下に運動させる。
「はうッ!!」擦れて少し痛い!!でも自分でするオナニーより気持ち良いのも事実だった。
寂が俺に跨りびしょびしょでグロテスクな女性器を見せつけて「ゆーちゃん、舐めて。」と懇願する。
「い、嫌だ!」俺はそれを拒否した。
「ふーん…」上下運動の速度が速くなる。
「ん、ああ!!」情けない声が出る。
「ヤバい!!出る!!」と声を漏らすと上下運動が停止する。
「な…んで…」
「舐めてくれるまでイカせてあげない。自分だけ気持ち良くなろうとするなんてずるいよ。」
「そんな…はう!!」寂はまた上下運動を再開する。それが5回くらい続いて
「くそ…」舌を出してペロペロと寂の女性器を舐めた。しょっぱい味がした。
「いい、ゆーちゃ…ん。もっと!!!私の淫乱でびちょびちょのおまんこ舐めて!!」寂の口から淫語が紡がれて余計に興奮する。
そして何かが凄い勢いで俺の顔にかかる。これが潮吹きてやつなのだろうか。
「げほ…げほげほ…」
「はぁ、はぁ、良く出来ました。はい」俺の下半身も精液を吐き出した。けれど勃起は収まらなかった。
「ゆーちゃんの元気なおちんぽ…いただきます…」寂が自分の性器に俺の性器を挿入しようとする。
「…」最早抵抗する気が起きなかった。もう好きにしてくれ。
挿入された。妙に温かかった。
「ねぇ!今ゆーちゃんと私、一つだよ!」
「…」狂ったように声をあげる寂に対し俺は声が出ない。
「気持ち良いよねぇ!!あははは!!!私は気持ち良いよ!!ゆーちゃんの童貞ちんぽ気持ち良いのぉ!!」
そう言いながら寂は腰を振る。さっき射精したのにまた出そうだ。ダメだ。中に出す訳には…くそ、やっぱ無理!2度目の射精を寂の膣内に放つ。
「ああ!!」寂の口から奇声が漏れる。
「ゆーひゃん…らいしゅき…」呂律の回って無い声でそう言って寂は俺を下敷きにして倒れて、疲れたのか眠ってしまった。
終了
ヤンデレっぽくなってきましたね GJです!
ハルは何者なんだろう…?