実姉弟もの注意
ファンタジーでも現代でも取れるようそういう関係の描写も無し
エロシーン無
ないないづくしですが、投下の間のおつまみにでもどうぞ。
「姉さん、今夜も来たよ」でNG可。
やあ、姉さん。今夜も来たよ。調子はどうかな。
ん、何?
うん。
うん。
――へえ?
ふうん。姉さんはこの関係が嫌だと。
面白いことを言うね。
ああ、大丈夫だよ。姉さんがそうしたいなら何も言わないよ。
ただね。現状を考えればそれは得策じゃない。
姉さん。何故姉さんは僕と一緒にいるんだい。
うん。
「姉さんが家出しようとしたときに偶然僕がいたから」。
まあ、半分正解というところ。でも、根本的なところはそこじゃないね。
――姉さんが一人じゃ何もできないからだろ。
小さいころに両親が別居して、僕らは別々に育てられたね。
姉さんは父さんに。僕は母さんに。
母さんは厳しい人だったよ。でも、そのぶんしっかり育てられた。自活の仕方とか、商売の仕組みとか、
人との関係の作り方とか。実生活に役立つことを中心的に教えられた。もしかしたら、自分が早くから
居なくなってしまうことが見えていたのかもしれないね。
そう思っても不思議じゃないくらいあの人は聡い人だった。
おかげで、こうして僕は自分と姉さん、二人が暮らしていけるような環境を作れている。
――姉さんのほうは違ったみたいだね。
父さんに縁談を強制されそうで、それが嫌で家飛び出したんだろう?
丁度、母さんの訃報を知らせに来た僕と一緒にね。
でも、そのあと。僕は愕然としたよ。髪の結い方すら知らなかったんだからね。
ほぼ無意識なんだと思うけど、当時の姉さんの口癖。覚えてるかい?
「全部父さんがやってたから」
前々から薄々感じてはいたけど、よほど甘やかされて育ったんだね。本当、世間知らずというか。
怪しい話にはすぐ騙されるし、夜中に出歩こうとするし、僕がそばに居なかったらどうなってたことか。
本当に困ったよ。
ああ、謝らなくていいよ。仕方の無い事だし、僕自身は楽しかったよ。
でももし僕がいなかったら。姉さん、自分がどうなってるか判るかい。
自分で生活できないのは自分でもわかるだろう。それだけならまだいいさ。騙されて不当な借金を
背負わされたり、それを理由に強姦されたり、売り飛ばされたりするかもしれないんだよ。姉さんは
顔貌が整ってるから、そっち方面では引く手数多だろうね。
怖い?
何を言ってるんだい。僕と離れるってのは、そういうことだよ。そういうのを踏まえて言ってるんだよね。
違う?「こういう関係は嫌だ」って言ったんだから、姉弟関係をやめたいんだろ。
――へえ。こっちのこと?
それは頭になかったな。だって、いつも悦んでくれているじゃないか。
あれだけ、濡れて、乱れて、悶えて、甘い声出しておいて。
ほら、否定できない。それだけ赤面硬直して、肯定してるようなものじゃないか。
……姉弟だからおかしい、ね。根拠は? もちろん言えるだろ。
倫理的な問題?そんなものは変動するものだよ。近親婚がまったく問題のないところもある。
父と娘が婚姻して子孫を残し、今に至ると伝えられてる神話があるくらいだ。
遺伝? ああ、たしかに生物の生存確立が低くなっていくという統計はあるね。大丈夫、
ちゃんと避妊するよ。だって姉さんに子供ができたら、姉さんをとられてしまうだろ。
で、僕が姉さんを抱くことがだめだ、という根拠。他には?
姉さん自身が「嫌だから」? ハハハッ!それこそ笑い話じゃないか。
でもね、どれだけ大変だったか判るかい。
寝巻き一枚で歩いたり、温いからって風呂に呼び出したり、寝ているときの無防備な姿とか、
どれだけ僕が自分を抑えるのに必死だったか。
しばらくして姉さん自身がそれを望んでいるんだと気付いたら、すとんと合点がいったけどね。
ああ、いいよ。もう嘘だらけの言葉はいらない。
最初に言っただろう。「姉さんがそうしたいなら何も言わない」と。
姉さんは僕を求めてるってことを、言葉以外でまたじっくり教えてあげるだけ。
姉さんの弱いところを撫であげて。甘噛みして。突き上げて。掻き乱して。蕩けさせて。
一晩、たっぷりかけて判らせてあげる。
姉さんは僕だけの姉さんだってことを。
愛してるよ。姉さん。