男ヤンデレ専用エロ小説スレ Part1

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1名無しさん@ピンキー
現実と妄想を区別できない人・未成年立ち入り禁止。

男性ヤンデレのSSを書いて投稿するスレッドです。
DV、ストーカー、レイプ、猟奇、男性のヤンデレなら何でもおk。
女性利用者が多くなると思われますが、801厳禁。
荒らし完全スルー、良識ある書き込みお願いします。
sage進行。
2名無しさん@ピンキー:2010/03/08(月) 14:31:28 ID:x6KDbU9u
既存のヤンデレスレは男ヤンデレNGなので立てました。
二次創作も投下可能です。
3名無しさん@ピンキー:2010/03/08(月) 15:32:46 ID:ddNfWtu/
4名無しさん@ピンキー:2010/03/08(月) 16:45:14 ID:P63qxImG
男のヤンデレはキモい誰も特がない
5名無しさん@ピンキー:2010/03/09(火) 02:58:48 ID:QGP7RlwB
>>1
>DV、ストーカー、レイプ、猟奇

君はヤンデレを分かっていない
6名無しさん@ピンキー:2010/03/09(火) 05:01:29 ID:7Ppkg6cZ
ヤンデレの真髄とは
7名無しさん@ピンキー:2010/03/09(火) 07:14:26 ID:JlY3hj2V
愛するが故に無理やり…… Part3
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1251197866/
8名無しさん@ピンキー:2010/03/09(火) 07:20:52 ID:Zb4SpYXr
こういうの待ってたんだぜ
でもすぐおちそうだな…
9名無しさん@ピンキー:2010/03/09(火) 13:38:29 ID:Se4lmaZS
これは伸びない
10名無しさん@ピンキー:2010/03/09(火) 14:59:20 ID:sSbnUFO0
ヤンデレの意味を分かってないだろ
11名無しさん@ピンキー:2010/03/09(火) 15:02:15 ID:UraYaT0b
圧縮直前にこんなくだらねースレ立てやがって
このスレの分だけどっかのスレが落ちたんだぞ
12名無しさん@ピンキー:2010/03/09(火) 15:08:41 ID:zWMETVlr
>>6
男のヤンデレと女のヤンデレはちょっと違う
13名無しさん@ピンキー:2010/03/09(火) 15:18:24 ID:LerAEHi+
>>1
乙!
こういうスレ欲しかった
14名無しさん@ピンキー:2010/03/09(火) 15:51:40 ID:HBt8f0rS
まず破壊力が違うな
15名無しさん@ピンキー:2010/03/10(水) 00:24:56 ID:Oe9bxEeR
ヤンデレ男はやれー!
16名無しさん@ピンキー:2010/03/10(水) 01:03:38 ID:Oe9bxEeR
>>3見たけどぬるすぎるなぁ
普通の女ってそういう中途半端でぬるいもんしか書けないんだろうか
17名無しさん@ピンキー:2010/03/10(水) 01:07:01 ID:pa24Mjnm
男のヤンデレって…、草加雅人(小説版)の様な感じなのか?
18名無しさん@ピンキー:2010/03/10(水) 01:19:34 ID:d2qDHdcL
怖い話系のスレで出たコピペ(現物が無くてスマソ)で、

引っ越してきた可愛い女の子と仲良くなるんだけど、その子が
いじめられて荒んでゆき生活も荒れて来て、結局なんやかやで
寝たきりになってしまう。
それでも一途にその子の傍にいた男にさすがの女も心を開く
が、結局それをしくんだのは全て男でした。
「コレで彼女は全部僕のもの」

みたいなのがあったんだけど、こういう感じでいいのだろうか→ヤンデレ男
19名無しさん@ピンキー:2010/03/10(水) 02:14:45 ID:aT52XU9p
そういう感じのSS読んだことあるな
幼なじみの子を他人にレイプさせてトラウマ植え付けて自分が面倒みる話
あれ、どこのスレだったかなぁ…
20名無しさん@ピンキー:2010/03/10(水) 04:46:46 ID:qMW0hTEk
スレ立て乙

>>3
めちゃくちゃ萌えた
21名無しさん@ピンキー:2010/03/10(水) 07:05:22 ID:b2RCTc1J
>>1
萌え具体例としてssを投下してみてくれ
22名無しさん@ピンキー:2010/03/10(水) 07:17:25 ID:iG07SJC6
>>18
ああなんかあったな
あれはなかなかいい感じだった
怖い系を探せば意外とあるのかなヤンデレ
23名無しさん@ピンキー:2010/03/10(水) 23:32:17 ID:fq4uG+Vg
>>19
【心と】  障がい、不自由のある日常  【身体】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1204098249/
のユウちぃですね、わかります。
千佳たんが可愛い過ぎて萌え死ぬ
24名無しさん@ピンキー:2010/03/10(水) 23:45:01 ID:aT52XU9p
>>23
ああ、それだ
てかけっこう見てるスレかぶってる人いるんだな
25名無しさん@ピンキー:2010/03/11(木) 22:11:13 ID:4O/wz796
コピペあった

僕の家の隣に女の子が越してきたのは小四の夏休みだった。
彼女の家庭にはお父さんがいなかった。
お母さんは僕の目から見てもとても若かったのを覚えている。
違うクラスになったけど僕と彼女は仲良くなった。
彼女はあまり明るいほうではなく、女子の友達も少なかった。
本ばかり読んで親しい友人のいなかった僕と彼女はお互いの家に遊びに行くほど仲良くなった。
そのうち彼女は愚痴を言うようになった。
母親がすぐ殴ること。
同じクラスの女子が意地悪をすること。
すきな男の子ができたけどその子はほかの女子にも人気があること。
最初は僕のほうがよくしゃべっていたけれど、この頃からは一方的に彼女が話し僕が聴くようになっていた。
 
ある日を境に彼女は学校に来なくなった。
好きだった男子の取り巻きたちにいじめられていたのが理由だ。
彼女は僕に会うたびに自分をいじめた女子が憎いといった。
そのいじめを見てみぬ振りしていたクラスの皆も憎いといった。
そして現実味のない復讐やクラスメイトの悪口を延々と話し続けた。
僕はただ黙って相槌を打っていた。

中学に入ってから彼女の素行が荒れ始めた。
夜遅くまで帰ってこないようになり、これ見よがしにタバコをすい始めた。
家庭環境も悪化し、深夜にいきなり親子喧嘩が始まったりもした。
一度は警察が彼女を迎えにやってきた。この頃から近所と折り合いが悪くなり、
中傷ビラや落書きなどの悪質な嫌がらせが彼女の家に行われた。
一度は郵便受けに刻んだ猫が入っていた。
僕も母に彼女と付き合うのをやめるよう言われた。
26名無しさん@ピンキー:2010/03/11(木) 22:11:36 ID:4O/wz796
僕が高校を出たとき、彼女は部屋に引きこもるようになった。
僕も彼女の姿を見ることがめっきり減った。
めっきりふけこんだ彼女のお母さんに話を聞くと
昼は絶対に出てこない。
ご飯は部屋の前においていく。
深夜になるとトイレに行くときだけ出てくる。
そんな生活を送っているようだ。
僕は久しぶりに彼女に会いにいった。

彼女は僕に会うのを拒絶した。
扉越しに帰れと怒鳴った。
何を話しても黙っていた。
一度なんかはドアがあいたと思ったら味噌汁をかけられた。
ちらりと見えた彼女はげっそりと青白くやつれていた。
絞った雑巾のようだった。
僕は毎日彼女に会いに行った。
親とけんかした。
やっとできた友達と疎遠になった。
それでも毎日彼女の部屋まで会いに行った。

そのうち彼女は扉越しに話をするようになった。
悪い仲間と付き合っていたこと
万引きが癖になって警察に捕まったこと
恋人ができたと思ったら避妊に失敗して子供ができたとたんに逃げられたこと
助けてほしくて相談した母親に半狂乱になって殴られたこと
子供をおろしたこと
死のうと思ったこと
手首を切ったこと
昔と同じ様に彼女が一方的にしゃべり続け、僕は相槌を打つ。
意見を求められたときはなるべく無難な意見を言う。
27名無しさん@ピンキー:2010/03/11(木) 22:11:58 ID:4O/wz796
そのうち彼女は部屋を出た。アルバイトも始めた。
だんだん性格も明るくなり始めた。彼女のお母さんから泣きながらお礼を言われた。
ある日、彼女は近所の団地から飛び降りた。
下が植え込みだったこととたいした高さじゃなかったために一命は取り留めたが
脊髄が傷ついたために今後の人生は車椅子のお世話になるそうだ。
ベッドに横になった彼女はなきながら謝った。
親や僕に迷惑をかけていたのがすごく申し訳なかったから飛び降りたんだそうだ。
泣いている彼女を慰めた。寝転んだまま泣いている人を慰めるのは難しいと思った。
慰めながら彼女にプロポーズした。結婚を前提に付き合ってくれるように頼んだ。
彼女は全身の水分を絞りつくすようにして泣きながら「本気?私でいいの?本当にいいの?」
と何度も聞き返した。訊かれる度にうなづき返した。
君のことがずっと好きだった。
顔をゆがめてクラスメイトの悪口を言っていたときも
悪い友達と付き合って荒れていたときも
一方的に愚痴をしゃべり続けていたときも
君が泣きながらお母さんが自分を殴ることを告白したときも
引きこもって別人のようにやせたときも
小学生の頃に君が好きな男子の名前をその取り巻きたちに教えたときも
君の家のポストに入れる猫を刻んでいたときも
足の感覚を失い白いベッドに飲み込まれそうに小さく横たわっている今も
ずっと君が好きだ。
これで完璧に君は僕だけの「彼女」だ。

僕たち今度結婚します。
28名無しさん@ピンキー:2010/03/11(木) 23:04:19 ID:/IOJ7RlP
ヤンデレキャラで「まっとうに」ハッピーエンドにしてやろうとしたら
それはもうヤンデレではなくなるのかな?
ぬるくて中途半端なヤンデレ未満ということになるんだろうか
29名無しさん@ピンキー:2010/03/11(木) 23:08:30 ID:o8UY27tv
ぬるいならぬるいで問題は無い
30名無しさん@ピンキー:2010/03/12(金) 00:48:35 ID:fj7Sa68O
スレタイで冬彦さんが浮かんだ
31名無しさん@ピンキー:2010/03/12(金) 00:57:09 ID:8EVjgSbN
生産性のないスレだな
つかなんかこのスレでのヤンデレの定義って
少女漫画に出てくる俺様キャラ? じゃね
32名無しさん@ピンキー:2010/03/12(金) 01:16:08 ID:+yJT+NJa
たかだか30レスくらいでスレの傾向とか自分にはよくわからんけど
ヤンデレ男がどういう感じかいまいちつかみきれないままではある
33名無しさん@ピンキー:2010/03/12(金) 01:46:04 ID:fj7Sa68O
>>31
どっちかというとツンデレな感じがする←俺様キャラ

男のヤンデレってなんだ腹黒系?
34名無しさん@ピンキー:2010/03/12(金) 02:21:38 ID:2EZs58CD
つよきすのよっぴーを男にするとハッピーエンドがどうなるか
35名無しさん@ピンキー:2010/03/12(金) 03:03:42 ID:2EZs58CD
ちょいと書き始めたので投下

僕が、彼女の事を思うようになったのは、
彼女が誰にでも分け隔て無く接する姿を見た時だ。
彼女の中では男も女も無いように思えた。
虐められている男も女も……虐める側の男も女も……
……みんなが彼女を「好きだった」


――ザーザー。
梅雨前線がやってきた。
ただひたすらに、この季節は心をダメにする。
植物は、真夏の日差しを乗り越えるために水の恩恵を蓄えるのだろう。
だが人にとっては、この水の恩恵も只の水なのだ。
授かるというよりも不変でいつもそこにあるような物のように感じる。
……それが人間だ。
だがここに一人違う者がいる。
「お〜い、穂菜美〜」
下駄箱から見える所に彼女がいる。
雨の中傘をささずにポツンと空を見上げるその姿。
彼女の故郷は、空の上。天なのだろうか。
「な〜に、さ〜や。今、自然に溶け込んでたのに。」
聞こえてるようには見えなかったが、ちゃんと聞こえていたようだ。
けど……
「さ〜や言うな!僕が女みたいだろ!」
僕にとって『鞘』という名は、コンプレックスでしかない。
どうせなら刀とつけて欲しかった。
「え〜、だってかわいいじゃん。いいでしょ〜? 」
「かわいい言うな! それよりもお前風邪ひくぞ」
「別に着替えるから大丈夫だよ〜」
そう言い放つと鞄ををまさぐり始めた。
……
…………
「あれ?ないよ?」
同意を求められても困る。
「本当に無いのかよ」
三度鞄をまさぐる。
「ない……」
ショボーン(´・ω・`) と困ったように眉間にしわを寄せる。
「取り敢えず、僕のタオル貸すからそれで水を拭いな。それと保健室でも行ってろよ」
「脱ぎなだって!?」
「ぬ、ぐ、い、な!」
ボケてると風邪引くぞ……


続く
36名無しさん@ピンキー:2010/03/12(金) 05:45:24 ID:L7DaRusZ
投下するならsageた方がいい
37名無しさん@ピンキー:2010/03/12(金) 08:57:24 ID:VaI2s+un
続きwktk
38名無しさん@ピンキー:2010/03/12(金) 19:53:23 ID:2EZs58CD
続き投下

――放課後の保健室
穂菜美をとりあえず保健室に押し込み、僕は養護教諭である鳩屋眉喜を呼ぶことにした。
「ちょっと鳩屋呼んでくるよ」
「ありがとう、さーや。」

――職員室
「失礼します」
一礼して職員室に入る。
「おお、さーやじゃん。どうしたんだいこんな放課後に」
出迎えてくれたのは、体育教諭の長和三郎。
こいつの授業進行にいつも助け舟を出してるので気に入ってるようだ。
「鳩屋先生はいらっしゃいますか?」
「おう、今給湯室に入るぞ」
「呼んでいただけますか?」
「分かった。おーい、鳩屋先生。
1-Bの柊鞘が用あるみたいだぞ」
カップに口をつけた姿で白衣のおじさんが出てくる。
「ふーふー、熱! ん、さーやかどうしたよ」
こいつカップ置けよ。
「はい、同じクラスの若井穂菜美が、ボーっと雨浴びてたみたいで
着替持ってくるの忘れたそうなんで保健室のジャージとバスタオル貸してあげてもらえますか。
取り敢えずは、僕のタオルで軽く体拭いてもらってるのですが。」
そういった時、少しぎょろっとした目をニヤリとさせたのを僕は見逃さない。
「分かった。これを飲んだら行くよ」
「ありがとうございます」
こいつには、確か今までいろんな噂があったのだ。
宇宙人と会っただの。
他にも女生徒を襲って、変な物をつけて宇宙人に捧げようとしたり……
こんなに汚い奴なら利用しても罪悪感湧かないなー。
「ごくごく、ぷはー。さあて、行くか」
「はい」
「失礼しました」
職員室を後にする。
39名無しさん@ピンキー:2010/03/12(金) 19:56:48 ID:2EZs58CD
――階段
コツコツコツ。
「ところで先生」
「ん、何だ」
「宇宙人の為に地球人を傷つけたりしますか」
「ああ、私にとっては地球人よりも、あの時の宇宙人の方が素敵だった。」
外見を言ってるのか、中身を言ってるのか。
「じゃあ、先生は地球なんてどうでも良いんですよね」
「私にとって地球は、今すぐ宇宙人に明け渡したいくらいでね」
「まずは、彼女を供物にしてみませんか? 」
驚いたように振り向く鳩屋。
「それは、魂を抜き取る事だが」
「僕見張ってますよ」
「さーや、お前がそうする理由は? 」
「もちろん、地球人に愛想をつかしてるからですよ」
そんな事あるわけがない。
けど、こういったイカれた奴は同じ奴を見つけたがる性質を持っている。
「そうかそうか、お前もか。じゃあ、捧げてくるよ」
保健室に出る前に盗聴器仕込んどいたんだよ
今時通販でも売ってるくらいだしな。
俺は、受信機のイヤホンジャックに二股ジャックをつけ、イヤホンと録音用のケーブルを取り付ける……
40名無しさん@ピンキー:2010/03/12(金) 20:00:29 ID:2EZs58CD
――保健室
「お待たせ、とりあえずこのバスタオルを、ホイ」
ごそごそといじりバスタオルを穂菜美に投げつける。
「ありがとうございます。先生」
受け取った穂菜美は、お礼を言うと顔を拭き始める。
「お礼は」
ドサッ。
「処女を宇宙人に捧げてもらう事にするよ」
「んー! んん、んんんんんー!」
口を抑えられ、思う事を伝えられない。
「こんなびしょびしょになって、宇宙人に捧げられたいと言ってる様な物だ。
うん、そうだ。」
びしょびしょに濡れた制服を脱がし始める。
「んー! んー! んんー!」
ドタッドタ。
「痛いなー。悪い地球人はこうなるんですよ〜っと!」
穂菜美の腕と足をシーツを使ってキツキツに拘束する。
口にはタオルを縛りテープで止める。
「んんん! んんっーん!」
「アンダラハンサラ、ハムソニムファブ!」
カッととんでも呪文を唱え、目を開く。
「交信終了。宇宙のおります、主よ。今よりこの穂菜美を捧げる。」
ブラを外し、穂菜美の胸をもむ。
「豊かな物だ。こんなにも大きい。」
「んんーー! ん! んっー! んん!」
悪夢を望むかの様な顔で鳩屋を睨みつける
「おっとこれでその顔がどうなるのかな? ちゅっ、ちゅう、れろちゅっ」
乳首を吸っては舐め、吸っては舐める。
「んー!んん!」
感じているのを隠そうと暴れる。
対する鳩屋も暴れる穂菜美を抑えつけるように吸い尽くす。
「っちゅっ、ぢゅちゅーーーーーーーーーーーー」
「んんんー!」
「ちゅっ、ぷはー。さあて、お次はこちら。パンティ脱がしちゃいますよー。」
「んっんー!」
抵抗虚しく脱がされる事に穂菜美は絶望する。
41名無しさん@ピンキー:2010/03/12(金) 20:04:55 ID:2EZs58CD
「さあて、ほいっ!」
「んーーっ!」
一度に指を三本も秘部へ。
「ほらほら、もっと中を指に締め付けなよ」
「んんっんんっ!んぅんっ!」
感じる穂菜美の事などお構いなしにひたすら攻めている。
じゅぽっ、じゅぴゅ、じゅぽじゅぽ、じゅびゅじゅぽ。
「いくのか、汚らしい地球人め!」
三本の指を強める。
ずぽずぽ、ずびゅ、くん、ずぽずぽくんくいっ。
「んんーー! んっ! んんっ!」
ずぽ、くんくんずぽ、くん、ずぽずぽ。
「もうすぐかな」
「んんっ! んっ!んんぅ!」
必死に堪えるしか抵抗の手段がないと悟ったようだ。
ただ誰かが来るのを待っている。
「中々抵抗するねー、穂菜美さん。けど宇宙人はもうそろそろあなたのエクスタシーを感じ取りたいそうだよ」
鳩屋はスパートをかける。
ずぽずぽずぽずぽくんくんずぽずぴずぽくん。
「んんー!んっ!」
「失礼しまーす!」
「んんーー!」
「誰だ!」
「なんだ、この声は……」

さあて、とりあえず演技ついでに殴っておくか。
「ヘブシッ」
正拳を横っ腹と顔へ素早くぶち込んだ。
「うう、痛いな誰だよ!っ!」
「強姦魔には退散して頂きます」
「ちょ、ま」
何かを言おうとした口が邪魔なので顎に一発軽く掠らせる。
舌を噛まれちゃたまらないからな。
「着替えるだけなのに穂菜美遅いから来たんだけど、なんかやばい事されてたみたいだな。
このアホ教師捨ててくるわ」
何かを言おうとする鳩屋にガンを飛ばし、黙らせる。
そして、鳩屋を引きずり保健室を出る。
42名無しさん@ピンキー:2010/03/12(金) 21:00:05 ID:2EZs58CD
――男子トイレ
「ごめんね、先生。あんた利用したかっただけなんだ。
あいつにも怖いものがあると知りたかったんでね。
けど、先生下手な事しない方が良いよ、被害者がいるから先生の発言はいくらでもを疑われるから
、黙ってた方が良いよ。一部始終の証拠も僕持ってるから、あんたをいくらでも好きに制裁できる。」
取り敢えず釘を刺しておく。
「はひ、分かりました。だ、だれにも、言いません」
「宇宙人も頑張った先生を褒めてくれると思うよ。
ちなみになんか僕について噂が流れたら、あなたが発信源だとして証拠を然るべき所へ渡すから」
言うべき事は言ったのでその場を去る。

――保健室
「待たせてごめん!さっさと解くよ!」
予想以上に固かったので、机の上のカッターで肌を傷つけないようにシーツを切り裂く。
そして、テープを取り、タオルを解くと。
「怖かったよー!」
穂菜美は泣きじゃくる……
「私、ぐすん、何か悪い事、ひっく、したの……
ぐすん、誰からも恨まれる事の無いようにって、ひっく、ひっく、ゆうのが私の生き方なのに……
ひっく、何処かで失敗したのかな、ひっく、ひっくひっく」
「穂菜美が悪かったのか、失敗したのかは僕にはわからないよ
けど、怖かったよね。どんな事だかは想像するしかないけど」
「ひっく、駄目!」
ペチン!
「さーやに、ひっく、想像されちゃ、ひっく、恥ずかしい……」
「想像と言うか、今お前裸だぞ」
「ひっく!」
まるで今まで犯されていた事を忘れていたかのように怒り狂う。
「変態! 見ちゃ駄目!」
「はいはい」
後ろを向く。
「あれ、着替はどうすんだよ」
「いい、早くこの部屋から出たい」
「おいおい、風邪引くぞ」
「いいの、傘差してもまた濡れるから」
「待ってろ、ジャージ探してみる」
ちっ、ミスったな。まあ、盗聴器を回収する手間が省けるわ。
「どれ、どれ」
最初保健室をでる時に隣のベッドに投げ込んでおいた小型盗聴器を回収する。
ついでに引き出しを片っ端から探る。
「あったぞ」
「見ないでね」
「ほーい、ほらよ!」
目を隠しながら渡し、後ろを向く。
「ありがと、さーや。」
「家まで送るよ、僕が保健室に連れてこなかったら、そもそもこんな事になんなかったんだから。」
「それは違うんじゃないの?悪いのはあの犯そうとした鳩屋でしょう?
思い出したらまた怖くなってきた。だって何言ってるのか本当に意味分かんなかったもん」
「そう言ってくれると助かるな。でも送ってくよ」
「ん、ありがとう。」
着替も終わったようなので、穂菜美を連れて保健室を後にした。
43名無しさん@ピンキー:2010/03/13(土) 00:52:52 ID:iftrHPxC
wktk
いいぞいいぞ
44名無しさん@ピンキー:2010/03/13(土) 12:09:17 ID:ytlFpTCi
前に本スレに織り姫×彦星で投稿したことあるけど…こっち向きだろうか?
45名無しさん@ピンキー:2010/03/13(土) 12:20:43 ID:jy4vG1E0
男ヤンデレなら是非投下してくれ
46名無しさん@ピンキー:2010/03/14(日) 13:40:31 ID:QCb0G2S5
47名無しさん@ピンキー:2010/03/18(木) 15:04:27 ID:QGFb/dj1
48名無しさん@ピンキー:2010/03/18(木) 16:06:11 ID:NnX9DbzX
過疎い
もう駄目猫のスレ
49名無しさん@ピンキー:2010/03/20(土) 12:47:09 ID:gmly4hB6
えええ
50名無しさん@ピンキー:2010/03/20(土) 22:42:04 ID:Y0EIZCft
まだ立ったばかりなのにせっかちだなw
51名無しさん@ピンキー:2010/03/23(火) 20:00:25 ID:GohweIKX
あぁ、そうだな投下に期待したい
52名無しさん@ピンキー:2010/03/24(水) 14:47:12 ID:yzuLfd2i
ヤンデレの男verスレあるんだな
珍しい
53名無しさん@ピンキー:2010/03/25(木) 03:30:08 ID:7vHG9gYJ
ほなみさんの人です
執筆時間は夜だけにしてるので遅くなります
バイトで寿司屋に行くので、帰ってくると寝てしまう
4月中旬までには書き上げたい
54名無しさん@ピンキー:2010/03/26(金) 00:02:18 ID:Fe22kCpU
楽しみだ!
55ほなみさんの人:2010/03/28(日) 03:46:37 ID:5yd5nj+t
ほんのちょっと投下
又書きダメします


僕が愛しているのは、「イレギュラリティ」な事象だ。
整ってない空間やバラバラに散らばる鉛筆とでも言おうか。
そもそも僕は、刀を納める「鞘」という規則的さが昔から嫌だった。
刀にも規則的な部分があるが、刀の方がバラバラだ。
人を殺せるし、人も守れる、人以外への敵意としても使える。
そんな僕が愛してやまない「イレギュラー」は、人だ。
みんながみんなバラバラで、行動は規則的に見えて気まぐれだ。
そんな中で突出する規則を自己に課している人は、僕にとっては「イレギュラー」でしかない。
いつからか、僕の好きな「イレギュラー」に、僕にとっての「イレギュラー」を加えてみたいと思い始めていた。
だから僕は彼女の「何も分け隔て無い」というのを変えてみたい。
それに彼女は、僕の好みだからね……
56名無しさん@ピンキー:2010/03/28(日) 08:15:28 ID:zli6oOtq
ネタがないならさっさと落とせ
57名無しさん@ピンキー:2010/03/28(日) 11:54:30 ID:05EMxwrl
お、投下されてる!
続き楽しみ
58名無しさん@ピンキー:2010/04/01(木) 00:14:34 ID:etb7raI6
wktk
期待
59名無しさん@ピンキー:2010/04/20(火) 23:04:24 ID:+XDzWaul
支援
60名無しさん@ピンキー:2010/04/21(水) 01:04:55 ID:uMjUBruC
60
61名無しさん@ピンキー:2010/04/27(火) 12:25:03 ID:vUkaRx3Q
おまけに彼女の名前ときたら「紗耶(さや」で、
しかも女だ。つまり鞘。「何の分け隔ても無く」「刀」を受け入れる鞘。
あの日、彼女がコクられて(相手はスポーツしか能が無いような下らない男だった)
恥かしそうに(でも嬉しげに)顔を真っ赤に染めているのを見て、僕は気付いたんだ。
彼女がこれから何本も薄汚れたつまらぬ刀を受け入れていく前に、僕が「イレギュラー」を加えてやろうと。

幸い、僕らは都会に住んでないから、彼女を拉致するのは簡単だった。
下校途中の、人気のない場所で後ろから棒で頭をぶん殴ったら彼女はすぐに崩れ落ちた。
後は茂みに隠しておいたトランクに詰めてゴロゴロ家まで運べば終わり。
女って小さいから便利だ。特に紗耶は小柄だから、まったく簡単だった。
誰にもあわないうちに家についた。僕の部屋は離れだから家人に怪しまれる心配もない。
まぁばあちゃんに気付かれてもなんとでも言える。「ネットで買った」といえば、アレはどんなもんでも
何かが宇宙から送られてきた、みたいな反応をするだけだ。
後は母さんだけど……本当にネットで買ったわけじゃないから請求書がいくわけでもなし。

部屋についてから早速トランクから紗耶を取り出した。
ぐったりと動かない。アレ、しんだのかな、と思って胸をさわったたら心臓がドクドク動いてた。
胸はあったかくて、思ったよりやらかかった。思わずぐっと手に力を込めると紗耶が急にうめき声をだした。
眉間に皺がよってる。へー痛いんだ。もっと力いっぱい、握りつぶすみたいにつかんだら眼が覚めるかなと
思いやってみようとしたけど、目覚めた瞬間に逃げられたらメンドーなので
この日のために用意した手錠をはめることにした。右手と右足、左手と左足にはめよう。

……さあ、準備はできた。後はお姫さまのお目覚め……あれ、目を覚ましたのか。
何、怒ってるの?パンツ丸見えで怒ってても怖くないよ。
あははもがいても無駄だよ、その体制だとぜったいパンツは隠せないんだって。
いくら叫んでもばぁちゃんは耳が遠いから無駄。うるせーないい加減にしろ!!
ほら、君が騒ぐから叩いてしまったじゃないか。顔は好みなんだから、もう殴りたくないし、それにガムテなんか張りたくないんだよ……
62名無しさん@ピンキー:2010/04/27(火) 22:29:09 ID:JMMkoTzm
こんな良スレを見逃していたなんて……
キティぽくていいよ、支援wktk
63名無しさん@ピンキー:2010/04/28(水) 01:20:36 ID:CKlggcE2
>>61
続きを期待しています
64名無しさん@ピンキー:2010/05/09(日) 00:34:48 ID:KjW6otnJ
男ヤンデレ!

紳士な男ヤンデレとかいいなあ
いつも敬語で人当たりよさそうで穏やかな紳士なんだけど、
中身は相当病んでるみたいな。
フェミニストで、殴る蹴る罵るみたいな暴力は一切ふるわないけど、
惚れ込んだ相手を手に入れるためには監禁とか謀略とか調教に容赦がない。

65名無しさん@ピンキー:2010/05/14(金) 00:24:07 ID:S2cizcpE
>>64
そういう病みかた好きだな
日常生活を普通に営み社会では好人物だと思われてるが
致命的なレベルでブッ壊れてるとか
66名無しさん@ピンキー:2010/05/14(金) 09:57:07 ID:YxygTXwW
>>61
これは間違いなくヤンデレを履き違えてる。
67名無しさん@ピンキー:2010/05/14(金) 15:27:55 ID:l14+vhFS
まだ途中なのに何を
68名無しさん@ピンキー:2010/05/15(土) 00:09:13 ID:5rynHNsf
>>66
お前のヤンデレの定義とかチラ裏にでも書いとけ
69名無しさん@ピンキー:2010/05/15(土) 10:59:31 ID:I/gwRyEY
ほなみさんの人です
色々あえ書きだめがすすみませんw
>>61は別の方のようですので、そちらはそちらで楽しみにしています。
>>66
ヤンデレはデレ相手を傷つけたりはしないとか言いたいのでしょうか。

単純に例えると、言葉様と世界で世界の方がヤンデレ言われないのは、誠を殺してるからというのもあります。

70名無しさん@ピンキー:2010/05/15(土) 11:00:41 ID:I/gwRyEY
ミスった……
○色々あり
71名無しさん@ピンキー:2010/05/18(火) 02:58:23 ID:QK/M/Pto
>>61 投下してくれて乙!ではあるけれど、

確かに自分も、ヤンデレ対象をぞんざいに扱ってたり、
相手への愛情があんまり感じられない部分があるかな?とは思った。

デレが愛情みたいなもんをあらわしてるわけで、
それがなかったら「ヤンデレ」じゃなくてただの「病んでる人」になっちゃうかな?と

72名無しさん@ピンキー:2010/05/18(火) 22:11:11 ID:NgYA9D/P
対象への病的なまでの溺愛とか愛玩物への異常な執着とかあってこそのヤンデレというのは確かだな
ちなみに個人的には>>61みたいなのも大好きだなw
73名無しさん@ピンキー:2010/05/19(水) 00:38:50 ID:BgVe0MyB
デレはこれから出てくると思って読んでたけど
皆早とちりしすぎじゃね?
74名無しさん@ピンキー:2010/05/19(水) 00:56:14 ID:1eiOjwwE
>>67と同意見かな。
とりあえず最後までみたいです、続き楽しみにしてます。
75名無しさん@ピンキー:2010/05/20(木) 03:48:47 ID:IsLrkVxw
ヤンデレに初挑戦しようとしたが
病ませ方を間違えた気がする
76名無しさん@ピンキー:2010/05/20(木) 03:49:24 ID:IsLrkVxw
 ようするに俺は臆病なんだ。
 人付き合いなんてものはイコール利害の一致。
 恋愛なんて絶対にできないだろうなと思っていた。
 それが……。
 君のことが気になり始めたのは、本当に安直な、反吐が出るほどのテンプレシチュエーションによるものだった。
 ……無口、無表情、無愛想。しかも『金持ちのボンボン』らしく、近寄りがたい、と、クラスメイトから遠巻きにされていた俺に、君だけが『普通に』声を掛けてくれた。
 何気ないことだった。
 熟睡中の俺を「問3、当てられてるよ」と起こしてくれた。
 「消しゴム落ちてたよ」「今日日直だよ」「プリント回してるよ」
 そんなことで。
 ……と、君は言うかもしれないけれど、そんなちょっとしたことだって、負の感情は隠せないもの。必要以上に素っ気なかったり、一瞬も目の合うことがなかったり、そもそも見て見ぬふりをされていたりと、『普通』というのは、本当に得難いものなんだ。
 擬音で言うならコロリ、と。
 俺は君に好意を持った。
 最初は……そう、人当たりの良い店員の「いらっしゃいませ」に思わず会釈を返したくなるような、ごく人間的な好意だったはずだ。
 俺と君との間に会話なんてものはなく、あるのはただの伝達だけ……。
 正直、君の名前もうろ覚えだった。
 変わったのは、初夏だ。
 衣替えのとき、君は夏服になると同時に髪を切った。
 白地のセーラー服は君の下着をうっすらと透かせていた。
 それまで髪に隠されていたその首は、なんて細くて、なんて白かっただろう。
 力任せにつかめば折れてしまいそうな二の腕。
 心持ち短くなったスカートに……。
 その日一日、顔から熱が引かなかったのを覚えている。
 端的に言えば、欲情した。
 実在人物の夢を見たのも初めてなら、クラスメイトの女子で抜いたのも初めてだった。
 ……ん?
 ああ、君の裸やら性器やらを想像して、日がな一日扱きまくった。
 それで……俺はもしや君のことが好きだったのか? ……と思ったんだ。
 他の女子も夏服になっていたはずだが、俺の目に焼き付いたのは君だけだった。
 夢に出てきたのも君だけだったし……。
 試しに君の親友でも扱いてみたが、何度やってもイけなかった。
 それからというもの、グラビアやアダルトビデオが途端に味気のないものになった。
 そんなものより君を裸にしたくて仕方なかったし、抱きしめたり、においを嗅いだりもしてみたかった。
 この時点での疑いは四割といったところだ。
 なるほど、君への好意は『人当たりの良い店員』から『毎晩のオカズ』にまで育ったわけだが、それが恋愛感情かと言うとはなはだ疑問と言ってよかった。
 明確な定義を持っていたわけではないが……。
 恋愛感情というのはもっと……。
 もっと……。
 ……上手く言えない。
 とにかく俺は、残りの六割で君は性欲の対象なのだと考えた。
 君の肉体が思いがけず魅力的だっただけで、内面への興味は依然『店員』のままのはずだった。
 君と俺を繋ぐものは、未だにただの伝達だけだったから……。
 そこで俺は君を知ることにした。
 君の人間性を知悉した上で、君への感情を整理しようと考えた。
 まず、クラスメイト全員を買収した。
 実験場に不確定要素が含まれているのは好ましくない。
 いくら金を積んでも演技力は上がらなかったが、一同の努力のおかげで、親友がイジメに遭っていたときの君の対処、イジメの対象が君に移ったときの反応などなど……。様々なデータを得ることができた。
 怒った顔や泣きそうな顔、貴重な映像も撮ることができたが、まもなくたいして意味がなかったと気がついた。
 こういった特異な状況下での対応も人間性をはかる上で重要なことではある。
 が、……俺が知りたかったのは『普段の君』だったんだ。
 だからすぐに手を引かせた……つもりだが、もしも俺の目の届かないところで何かされていたら言ってほしい。
 もっとも、俺の目をかいくぐれるヤツがそうそういるとも思えないが。
77名無しさん@ピンキー:2010/05/20(木) 03:50:09 ID:IsLrkVxw
 さて。次にご協力いただいたのは君のご両親……。
 ……ああ、責めないであげてくれ。
 ご両親は最初猛反対されていた。俺が少々駄々をこねてしまっただけで、心情的にはおそらく今も反対だろう。
 生憎、我慢してもらうしかないけれども。
 とにかく。
 君の家には今、523個の隠しカメラが仕掛けられている。
 数が中途半端なのは後から追加したいだけ追加していったからだが……、なんとなくキリが悪いから、新たに27個増やそうかとも考えている。
 本音を言えば、いくつあっても足りないといったところだ。
 ……家での君は、実に俺の興味をそそってくれた。
 学校では結構ネコを被っていたんだな。心優しい典型的優等生かと思っていたら……。
 君は本来、ちょっと口が悪くて、ものすごく天の邪鬼なんだ。
 外面は何事もそつなくこなし、冗談も交えて軽妙な人間関係を築いているが、遠慮がなくなればなくなるほど不器用になって甘えられなくなる……。
 違うかな。
 学校では当然ながら君の親友が一番近いところにいる。しかし、それでもご両親ほどじゃないから、君は『良い子』の皮を脱ぎ捨てられない。
 ……いや、責めている訳じゃない。君が友達をだましているとも思っていない。
 君は、本当は不器用なんだ。
 俺はそう思っている。
 何が言いたいかというと……。俺は君が好きらしい、ということだ。
 体だけでなく、心も。
 この時点で俺は割と確信を抱いていた。
 しかし……。
 今度は、気の迷いではないか? と考えた。
 特に何が引き金になったわけでもない。
 ……俺が君に告白して、例えば君が「私も好き」と言ったとしよう。俺と君は自然の成り行きとしてお付き合いをすることになる。そして、だ。
 君が「ごめん、やっぱりあなたのこと、好きじゃなかったみたい」。
 ……どうだろう。
 そんなことを、他でもないこの俺が君にしてしまったりしないように、まずは自分の気持ちに絶対の自信を持てるようになろう、と考えたわけだ。
 そのために、俺は一般的に考えて『百年の恋も冷める』ような光景を見ることにした。
 はっきり言えば、君の排便、排尿、おならをするところまで、余すところなく見せてもらった。
 ムダ毛の処理などはすでに見ていたから、他に現実的な光景というとそのくらいしか思い浮かばなかったんだ。
 排便はちゃんと、様々な形状をひり出すところを音付きで観察したが、別段嫌悪感を抱くようなことはなかった。
 生物は排泄をするものと知っている。
 想いが冷めるどころか、それまでは興味の範囲外だったアナルセックスをやってみたくなったくらいだ。
 それと……。君は便秘のとき、家に一人っきりでいる場合にのみ苦しそうな声を漏らすが、俺はあの声がとても好きだ。
 オナニーするときはどの映像を使用しても音声はあれを流していた。
 ……そんなわけで、君の排泄姿はまったく問題がない。
 しかし……、俺はそこまでで一つ、気になっていたことがあったんだ。
 君の風呂、体の洗い方だ。
 君は毎日風呂に入っているのに、何故かおま……ああ、悪い。何故か女性器は洗おうとしていなかった。
 いや、君が排尿の後にちゃんと拭いているのは知っているとも。
 大丈夫。処女の中には性器に触れること自体、忌避感を抱く女が多くいるらしい。
 肉ビラを開いてまで洗ったりしないのは割と普通のことらしく、処女のそこがひどくにおったり、恥垢がたくさんこびりついていたりするのも別に珍しいことではないそうなんだ。
 とはいえ、それを目の当たりにした男の大半が萎えているのも事実らしいが。
 そう、俺は元々君の性器に興味があったから、洗っていないそこをつぶさに見てしまえば今度こそ幻滅するのではないかと考えた。
 トイレや風呂場に仕掛けたカメラは性器を観察するには不充分で、もちろん、においを伝えるなんてできるわけもなかった。
78名無しさん@ピンキー:2010/05/20(木) 03:51:34 ID:IsLrkVxw
 ──弓張り月というのかな。月がくっきり浮き出た晩だったのを覚えている。
 君の生理が終わって一週間たったその日、俺は君の部屋に入れてもらって、ぐっすりと寝ている君にクロロホルム漬けのタオルを押しつけた。
 目覚まし時計を大音量で鳴らしてみたり、君の母親にいつものように声を掛けてもらったり。力いっぱいくすぐっても起きなかったから、俺は、安心して君を抱きしめた。
 ……君は柔らかくて、温かくて、良いにおいがした。
 抱きしめただけで射精できそうだった。
 君に意識があった場合を想像した途端、一秒と間をおかずイってしまった。
 ところが、放った端からバキバキと硬くなってくる。
 俺は猿のように君の脚に擦りつけた。
 ……開かないまぶたがもどかしくてたまらなかった。
 正気を失いそうになるほど興奮していながら、心の底では途方もない虚しさに凍えていた。
 これほど勃起する対象が君以外にいるわけがない。
 俺はもう自分の恋心を受け入れて、君に告白してもいいのではないかと思った。
 しかし……。
 笑わないで聞いてほしい。
 ……俺は、恋愛なんて微塵もするつもりはなかったくせに、結婚するなら初めて犯した女だと決めていたんだ。
 札束の風呂でも作ってしまえば、何人でも孕ませることはできるだろう。通達すれば十分と待たずに準備が終わるだろうが、今まで一度も実行しようとしたことはない。
 肉さえあればいい女なら、ダッチワイフに金を積んだ方が気が楽だ。
 愛がなければ……なんて思っていたわけじゃあないが、まるで自分自身に掟を定めたように、初めて抱いた女を『生涯ただ一人』と決めていた。
 君に会わなければ……俺はまったく機械的にその相手を決めただろう。
 だが……。君に会い、君を知り、君に恋をして、俺は怖くなった。
 気持ちはいつか冷めるもの。恋なんて、衝動的感情の最たるものだ。
 当然のこと。知っていたこと。受け入れていたこと。
 なのに、俺は認め始めた君への気持ちが『永続的』であることを、『今』確かめたくてならなかった。
 ──生涯ただ一人と定める女。
 やはり、俺は君の性器を見なければならない。
 君に『真実』を誓えることを、俺は先にはっきりと知っていなければならない。
 君のパジャマを脱がせるときに指先が震えてしまったのは、あふれ出した性欲のせいでもあるが、これから明かされる答への恐怖心でもあった。
 これまでの『映像』を全部無意味だと切り捨ててもやむなしと思えるほど、『実体』の君は艶やかすぎた。
 ……生物の湿り気を伴った、確かなぬくもりの……、ほのかに漂う、甘い香り。
 俺の頭を痺れさせるそれらが、何かの拍子に裏返って無味乾燥なものになるとは、到底信じられるものではなかった。
 俺はすっかり熟睡している君に向かって、何度も「好きだ」と叫んだと思う。
 ……実際に声を出していたかどうか、思い出せない。
 ただ暢気な寝言を言っている君を、少々恨めしく思ったのは覚えている。
 むにゅむにゅと動く唇を見て、キスをしようかと迷った。
 俺はまず人差し指を差し込んで、唾液だけを味わってみた。
 好きな子のなら甘く感じるのかと思ったが、何の変哲もない味だった。
 それでも俺は夢中になって、何度も何度も、水飴のように舐めしゃぶった。
 かすかな口臭を感じ取れてからは、いっそう無我夢中になったような気がする。
 他にも。毛穴の黒ずみや、鼻の穴の中、耳の穴の中。カメラではとらえきれなかったそれらを、思いついた端から注視していった。
 君は恋という妄想の産物などではなく、『君』として実在しているのだと、いくら確かめても飽きなかった。
 さんざん迷ったが、……キスをするのは見送った。
 本当はするつもりでいたし、欲を言えばくわえさせてもみたかったのだが……。
 意識を失っている君にキスしても、『キス』にはならないのではないか。
 上手く言えないが……そんなことを考えて、すんでのところで思いとどまった。
 その代わり、唇以外にはたくさん痕を残してしまったが、君が心配していたような皮膚病なんかじゃないから安心してほしい。乳首が腫れていたのも俺が何度も吸い付いて甘噛みしたからであって、病気じゃあない。
 君の胸は愛らしかった。
 君を背中から抱きしめて、乳房をそうっと押し包んだときに、この手にすっぽりと収まったその充足。ふにゅふにゅとした感触は、紅茶に溶けていくマシュマロを思い起こさせた。
79名無しさん@ピンキー:2010/05/20(木) 03:53:59 ID:IsLrkVxw
 何時間味わっただろう。
 胸だけでなく、腹も、腕も、脚も。どこもかしこも白く、柔らかくて……。
 時々くぐもった感じで「……んぅ」と声がもれると、俺はたまらなくなって、そのたびにそのとき触れていた場所にキスをした。
 君も知らない、君の感じるところ。
 俺は必死になって焼き付けた。
 もちろん録画はしていたが、カメラの方が俺よりも君を知っているなんてことは許せなかった。
 たった一箇所を残して、俺は君の全身にくまなくこの手を這わらせ終えた。
 君の下着は色を変えていた。
 わかっている。君に意識はまったくなかった。それは単に刺激に対するごくごく自然な反応だっただろう。
 それでも、他でもないこの俺がもたらした刺激で、蜜を吐き出したのは紛れもなく君の膣内だった。
 ──興奮した、なんてものじゃない。まさに麻薬だ。食虫植物が放つ強烈な芳香のごとく、一度認識してしまえば五感すべてが引きつけられる。
 俺は最初に感じていた恐怖心など微塵も思い出さずに、力任せに君の下着をはぎとっていた。
 ……綺麗だった。
 ああ、恥垢はやっぱりついていた。
 においも想像よりずっと生臭かったし、呼吸するように蠢く膣口からは白みがかった粘液がわき出していて、一般的な……芸術を愛でる観点から言うと、むしろグロテスクと言った方がしっくりくるかもしれない。
 しかし俺の脳髄に駆け抜けた衝撃は、「綺麗だ」で相違ないと思う。
 確かめたかったことの答は出たわけだが……。
 そんなこともとんと忘れて、俺は鼻を根本まで埋め込んでいた。
 嗅いで、嗅いで、嗅いで。
 ぐちゅぐちゅという音に、躍起になって舌を伸ばした。
 入り口から、中腹から、届くだけ奥へ。
 舐めて、すすって、えぐって、押し広げて、しゃぶって、味わって……。
 君の嬌声を遠くで聞きながら……。天国のようだったが、地獄のようでもあった。
 入れたい。
 処女膜を目視した喜びは、一瞬の後に耐え難い渇望となって襲いかかった。
 君の中を──。
 何度も往復して! 蹂躙して! 俺の形を覚え込ませて! 俺のにおいを擦りつけて!
 何度も何度も! 俺だけに感じるようにして! 子宮の入り口をコツコツとノックして! ぐりぐりとキスをして!
 俺の白いので隙間もないようにして! 幾日も繋がったまま馴染ませて! それから、それから──。
 笑い合って、「だいすき」と言ってもらうのだ。
 ……ずっと。
 死が二人を分かつまで。
 ……。
 その日は指を差し込んだところまでで終わった。
 耐えられたのは、自分でも信じがたい奇跡だったと思っている。
 かけてしまった精液を洗い落としたときも箍が外れそうになったが、君はまだ正真正銘の処女だ。安心していい。
80名無しさん@ピンキー:2010/05/20(木) 03:54:42 ID:IsLrkVxw
 ……次の日、俺はクラスメイトにもう一度通達を出した。
 今度は君に危害を加えないように、ただ君と関わらないことだけを命令した。
 君につけていた護衛や監視も十倍に増やして、全員もれなく去勢させ、不細工な顔に整形させた。
 家族の買収はハトコにまで拡大し、君との交流の一切を禁止。
 俺の両親は息子がやっと恋をしたのがよっぽど嬉しかったらしく、君の財産や家柄などは関係ないと言ってくれた。
 あとはおまえが気持ちを通じ合わせるだけだ、とも。
 俺は──。
 ……さんざん説明してきたのでわかってくれたと思うが、俺は、臆病なんだ。
 だから、考える。検証する。確かめる。
 ……俺は今や君のことを誰よりも理解していると思っている。
 言うなれば、君のご両親よりも俺の方が君のことを知り尽くしている。
 それだけの実験を経てきたし、それだけの映像をとらえてきた。
 ただ、これまでの過程で、『俺に対しての君』だけは、未だに不鮮明なままでいる。
 とはいえ、それもこの長話のおかげでおおよそ把握することができた。
 ……にらまないでくれ。悲しくなる。
 君のその目、反応、罵声、涙。すべて予想はできていた。
 その上で、どうしても確かめておきたいことがあったんだ。
 結果は思った通り。
 俺は……、君が俺を好きにならない場合においても、やっぱり君のことが好きらしい。
 ああ。
 だから、ようやく自信を持って告げられる。
 ──俺は君が好きだ。
 ずっと。何があっても。
 君が俺を──蛇蝎のごとく嫌っても。
 この先、決して笑うことがなくても。
 ……大好きだ。
 俺の、生涯ただ一人のひと。


おわり。
81名無しさん@ピンキー:2010/05/20(木) 22:42:26 ID:kuld1ApE
これまで読んだ男性ヤンデレもので一番ツボった
超GJと言わせてくれ、素晴らしすぎて語る余地もない
82名無しさん@ピンキー:2010/05/20(木) 23:21:19 ID:fQmwNLJS
>>76
素晴らしくいいヤンデレの形のひとつだと思います、GJ!!
病んだ男の描写がうまかった!

いきなり排泄物きてちょっとびびったけどw
83名無しさん@ピンキー:2010/05/21(金) 01:39:47 ID:E9x0Pc7V
>>75-80
GJ
すげぇー狂気w
深く静かに狂ってるな
こういうの大好き
84名無しさん@ピンキー:2010/05/23(日) 10:30:45 ID:JqNxkwDA
ロリコンのヤンデレは…
85名無しさん@ピンキー:2010/05/23(日) 11:49:26 ID:gVByv9xe
ロリコンといわれると源氏物語の紫の上思い出す。
あとは足長おじさんとかな。

自分の手の中でひそかに育ててきた女の子を・・・
っていうのはひそかにヤンデレ臭がするな。
86名無しさん@ピンキー:2010/05/23(日) 11:59:52 ID:V1FsI3y1
ちっちゃい子が痛い目に遭うのは嫌だな。
ヤンデレに気づかず幸せになってたり、
ヤンデレを容認してる状態ならいいけど。
育つまで待つのは全然問題ない。
87名無しさん@ピンキー:2010/05/23(日) 15:41:22 ID:66GRI6I0
女のヤンデレは基本男が無自覚な設定だけど

男のヤンデレは決まって、女が愛サレ(笑)だからよく有る俺様王子みたいな小説と大して変わらないんじゃないか?

88名無しさん@ピンキー:2010/05/23(日) 17:40:20 ID:V1FsI3y1
>>87が愛され設定なら全部同じに見えるだけじゃないか?
オリジナルシチュエーション系のスレがこんだけ細分化してる中で
細かい内容にこだわらないというのはある意味強みかもしれんね。
89名無しさん@ピンキー:2010/05/24(月) 15:21:35 ID:IjGoEjTh
爺のヤンデレ考えるの難しいな
90名無しさん@ピンキー:2010/05/24(月) 15:40:52 ID:To91l50k
>>89
クロックタワー3だな
91名無しさん@ピンキー:2010/05/24(月) 15:48:56 ID:H54qhLz5
孫同然にかわいがってきた子がとうとう嫁に行くらしいと聞いた好々爺の変貌
産まれた頃から見守って来たが、自分から距離を置くようになったお嬢様に対して老執事は…
楽しいなおい
92名無しさん@ピンキー:2010/05/26(水) 01:33:04 ID:hYmE8GdM
独占欲の強い執事はヤンデレにならざるをえない。

老いも若きも。
93名無しさん@ピンキー:2010/05/30(日) 22:52:04 ID:BuQwsWfJ
クロタワ3は取説で壮大にネタバレかまされたな
あれは萎えた
94名無しさん@ピンキー:2010/06/06(日) 02:35:38 ID:UP7f8wzO
優しい男ヤンデレ
95名無しさん@ピンキー:2010/06/13(日) 03:09:18 ID:wFVkOkPs
優しい…異常なまでに過保護なヤンデレしか想像できない
誰かカニバリネタ書いてくれないかなぁ
96名無しさん@ピンキー:2010/06/23(水) 18:15:04 ID:dCiF5LmX
SS期待あげ
97名無しさん@ピンキー:2010/06/24(木) 03:13:21 ID:LN8CKMiD
>>94
無理やり犯されて、嫌だと泣きながら抵抗する女。
自分のものになっていく相手の泣き顔は、なんてかわいいのだろう、
とうっとりと凝視しながら座位でゆっくりじわじわと処女を奪ってゆく男。
今は泣き叫んで嫌がるけど、大丈夫ですよ、
すぐに僕のことしか見えなくなりますよ、
僕が欲しいと甘えてねだってくるようになります。安心してください。
と微笑む男ヤンデレ
を想像した。
98名無しさん@ピンキー:2010/06/25(金) 07:31:41 ID:uKLwI5Yh
男ヤンデレと聞いて
まず細川忠興しかry
99名無しさん@ピンキー:2010/06/25(金) 13:48:46 ID:BZOsXt6z
あんまり詳しくなかったんだが、調べてみたら恐ろしいほどの
ヤンデレのテンプレだったな。

嫁さんが他の男に挨拶したただけで首はねたり
使用人をかばっただけで嫉妬して殺したり
幽閉先にまでおしかけて抱いて妊娠させたり、
あげくの果てに人質になって色んな男の目に触れさせるのが嫌で
自殺を選ばしちゃうとか
ほんとぱねえっす忠興さん
100名無しさん@ピンキー:2010/06/26(土) 00:03:28 ID:CRsvZLrl
>>94
優しい男ヤンデレとは何ぞやと思い書いてみました
非エロ、殺人、女視点なんで無理と思ったらタイトル『手紙』で回避・スルーしてください
投下します
101手紙:2010/06/26(土) 00:05:05 ID:CRsvZLrl
 西田篤志 様

拝啓
今日もお仕事お疲れ様です。
西田フードカンパニーの次期社長になるべく今日も会社のために尽力されたことだと思います。
あなたに手紙を書くのは初めてですね。
私はあなたのように達筆ではないので、読みにくいかもしれませんが、お許しください。
あなたもご存知かもしれませんが、まず私の生涯をここに綴っておこうと思います。
私、小早川ゆりは小早川家の長女として生まれました。
極々普通の少女として育ち、近所の公立高等学校に進学しました。
そこで私は夫となる進藤孝信と出会いました。
彼は学校の古典の教師、私は女子生徒の一人。
お互いが想いあっていることは気づいていましたが私は想いを伝えないまま高校を卒業してしまいました。
高校を卒業後は医療系の専門学校に進学しました。
朝から夕方までぎっちり詰まったカリキュラムに疲れきっていた五月の下旬、大学に進学した友人に誘われ、
母校の文化祭に顔を出すことになりました。
覚えたての化粧をして、高校の時よりも大人びた流行の服を着て、胸を高鳴らせながら母校に向かいました。
私が卒業して二ヶ月しか経っていませんでしたが、母校に足を踏み入れた瞬間、懐かしい気持ちになりました。
顔も知らない高校に入学したての一年生の中、後輩達の中、私は辺りを見回します。
進藤はなかなか見つかりません。
高校時代を思い出すように食堂で友人と昼食を楽しみながらも、私の目は進藤を探します。
それでも進藤は見つかりません。
すべての展示を見終え、生徒の保護者達達が帰途につく中、私達も校門へと向かいます。
校門の前では教師達がずらりと並び、保護者に挨拶をしています。
その中に漸く進藤を見つけました。
私が声をかけようか迷っていると、友人は元気一杯に進藤に駆け寄っていきました。
私も友人に後からついて行き、進藤の前に立ちます。
進藤は教師らしく、私達の学校生活を気にかけるようなことを話し、私達も自分達の学校生活を進藤に話しました。
そこで何もかもが終わってしまうかと思われましたが、進藤は私に渡しそびれたものがあるからと私を職員室につれていきました。
職員室で渡された渡しそびれたもの、それは彼の住所、携帯電話の番号とメールアドレスでした。
その日から私達の交際はスタートし、一年後私が成人を迎えると共に私達は結婚しました。
結婚生活を始めると共に私達は新居に引っ越しました。
そうです、あなたも暮らすあのマンションに。
私達夫婦は805号室、あなたは801号室の住人でしたね。
進藤ゆりとなった私の新婚生活は幸せに満ち溢れていました。
愛する進藤と夫婦になれた。これ以上の幸せはありません。
しかしです――学業と家事に追われる日々は二十歳の私の世界を狭めたのも事実です。
そんな時にあなたと出会いました。
あなたは22歳の国立大学に通う学生でしたね。
専門学校に通い、家事に勤しむ私には新しく大学生と知り合いになるというのは、些か新鮮なことでした。
若くして結婚し、慣れない家事に奮闘する私をあなたはいつも褒めてくれました。
進藤も私を何かと気遣ってくれましたが、それでも他人のあなたに褒められるというのは格別に嬉しいことでした。
それ以外にも、あなたとの何気ない日常のおしゃべりは楽しかったです。
進藤とは一回りも年が離れていたので、同世代のあなたが持ってくる日本経済の話、サークルの話、音楽の話、大学生活の話、
私はそれらを楽しみにしていました。
ああ、もし進藤と結婚していなければ、私とあなたは付き合っていたかもしれませんね。
しかし進藤と結婚し、マンションに引っ越してきたからこそあなたと出会ったのであって、
引越しさえしなければあなたと出会うことは一生なかったのかもしれません。
102手紙:2010/06/26(土) 00:06:42 ID:CRsvZLrl
引越しから半年後、私と進藤は待望の子どもを授かりました。
妊娠中も学校に通い、年内に私は卒業に必要な単位を取り終え、後は安心して子どもを産むだけでした。
しかし、あなたもご存知の通り、その年の年末進藤は帰らぬ人となりました。
学校の忘年会の帰り、進藤は駅のホームから落ち、電車に轢かれ、原型も判らぬ姿になって私のもとへ――。
進藤を亡くし、涙に暮れる私を励ましてくれたのは、やはりあなたでした。
安定期に入った私のお腹は日に日に大きくなっていきます。
この子は進藤の忘れ形見。
あなたに励まされて、私は元気な赤ん坊を産むため、泣くのを止め、前向きに生きるように努めました。
私が21歳になってすぐに、私と進藤の子ども、娘の皐月が生まれました。
娘の名前を命名するときに相談に乗ってくれたのもあなたでしたね。
出産後は西田の残してくれたお金で生活には困りませんでしたが、娘の夜泣きには随分と手を焼きました。
初めての子育てに梃子摺る私の協力者になってくれたのもやはりあなたでしたね。
あなたも大学院に進学し、研究が忙しかったことだと思います。
それなのに私達親子のために貴重な時間を割いてくれて、本当にありがとう。
今でもあの時のことはとても感謝しています。
しかし、この頃進藤の両親はあなたと私が親しくしていることをあまりよく思っていなかったようです。
後に若い私には再婚の道があると理解をしてくれるまでは大分嫌味を言われ続けました。

さて、しかし、それでもこの頃はまだ幸せでした。
これから先は私の不幸な日々です。
皐月二歳の夏。
皐月はひき逃げ事故に遭い、夫のもとへと旅立ちました。
私は23歳にして夫の忘れ形見である、最愛の娘までも喪いました。
私のこの悲しみ、あなたは私の傍で見ていましたよね?
私は食べるものも喉を通らず、まともに歩くこともできなくなり、入院を余儀なくされました。
その時、私を支えてくれたのもあなたでした。
もうその時には私の両親よりもあなたは私に近しい存在でした。
進藤と皐月の分まで幸せに。
進藤と皐月の分まで力強く生きろ。
あなたはそう言ってくれました。
あなたは私の代わりに進藤と皐月の月命日には墓参りをしてくれました。
そして、あなたは私に告白してくれました。
私はそれよりも前からあなたの想いには気づいていましたが、ずっと気づかないふりをしていました。
すぐにあなたの気持ちに応えることはできませんでした。
私の心の中には進藤と皐月がいました。
あなたは笑顔で待つ、ずっと傍にいると言ってくれましたね。
103手紙:2010/06/26(土) 00:08:50 ID:CRsvZLrl
ねえ、篤志さん。
あなたはどんどんと幸せになっていったのでしょうね。
でも反対に私は坂道を転がり落ちるように不幸になっていったのです。
篤志さん、あなたは大学院を卒業し、あなたのお父さんの会社に入社しましたね。
あなたは私の傍にいてくれると言ってくれましたけど、会社員となったあなたは以前よりも私といる時間は少なくなっていましたよね。
だからあなたは私に同棲を持ちかけた。私はあなたに応えた。
篤志さん、私はあなたのすぐ傍であなたが幸せになっていく様子を見ていました。
その裏でね、篤志さん。
私はあなたのお母さんに会っていたのですよ。
篤志さん、あなたのお母さんは私と初めて会った瞬間、私を張り飛ばしたんですよ。
息子はあなたのせいでおかしくなったのよ、と私を何度もぶったんです。
私をあなたの実家に連れて行くと、あなたの自室、そして倉庫に連れていったんです。
驚きましたよ、篤志さん。
あんなに驚いたのは初めてでした。
壁一杯の私の写真。無数のモニターに映し出される進藤のマンション。私が出したゴミ、ゴミ、ゴミ――。
倉庫から見つけたのは、皐月が事故にあった時無くなったとばかり思っていた、私が手編みしたピンク色の兎の耳がついた毛糸の帽子。
篤志さん、あなたのお母さんを責めてはいけませんよ。
これは私が進藤と皐月の死の真相を確信した出来事にすぎないのです。
あのね、篤志さん、それ以前から私は気づいていたのですよ。
だってね、あなた、進藤の葬儀で、皐月の葬儀で、二人の遺影を見る度に、嬉しそうに笑っていたんですよ?
それはそれは嬉しそうに嘲笑っていたんです、あなたは。
篤志さん、私は夫の葬儀の日から決めていたんです。
進藤を殺したあなたに復讐することを。
まさかあなたが私の愛娘まで手にかけるとは思ってもいませんでしたがある意味納得しました。
あなたは本当に外道だったのですね。
人の風上にも置けませんね、あなたは。
さて、篤志さん。
私の復讐はどうでしょう?
嬉しいですか?
悲しいですか?
絶望を感じていますか?
死にそうな気分ですか?
あなたが私を心の底から愛してくれていたことは死ぬほど知っています。死ぬほど知っているのです。
だから私の復讐はあなたにかすり傷ぐらいの痛みは与えていることだろうと思います。
ねえ、篤志さん。
リビングにぶら下がり、虚ろな目をしてあなたを見下ろす私の姿はあなたの目にどう映っているのでしょう?
美しいですか?
綺麗ですか?
可愛いですか?
汚らわしいですか?
歪んでいますか?
醜いですか?
篤志さん、今私はとても幸せです。ようやく幸せを取り戻せたのです。
あなたの手の届かない場所、夫と娘のいる場所へ旅立ったのですから。
さようなら、篤志さん。
私はあなたを許しません。
            敬具
               進藤ゆり(旧姓:小早川ゆり)


追伸
私のお腹の中にいるあなたの子供は道連れです。当然ですよね?
104名無しさん@ピンキー:2010/06/26(土) 00:11:58 ID:CRsvZLrl
以上で投下終了です
後味の悪い文章で申し訳ありません
105名無しさん@ピンキー:2010/06/27(日) 23:18:45 ID:Z0+i8XhU
>>97
いいな、それ

>>100
GJ。男ヤンデレはやっぱ報われねぇなww
106名無しさん@ピンキー:2010/06/28(月) 01:56:44 ID:+Xlcfk48
>>104
GJ!!
いいね、手紙形式。とてもリアル感があって面白い!
手紙読んだあと発狂したようになるヤンデレが想像に難くない。

少しは報われる男ヤンデレもみてみたいな。

敵対している、婚約者がいるなどの理由で手に入らない女を、
たまらなく好きになってしまってしょうがなくって
病んで、連れ去って監禁して、>>97みたいな状態で。
気の強い女の、周りにいた人間の命をネタに脅して
ベッドの上でいうことを聞かして毎日抱きまくって調教して。

もちろん女はそんな男を蔑んでいる。
でも家からださない、身体を好きに扱われる、という以外の暴力はふるわず
飴とムチで甘やかすように溶かすように接してくる男の他に女には縋り付けるものもなく、
そんな毎日を過ごしていく中で
一見余裕そうに微笑んでいるように見えた男の精神構造の中の弱さみたいなのを発見したりもして、
少し憎めなくなってきてしまう、でもそんな自分が許せないで相変わらず冷たい態度で意地をはる女。

そんな気付かないうちに実はちょっぴり報われてる男ヤンデレ。


みたいなのとか。
107名無しさん@ピンキー:2010/06/28(月) 12:41:19 ID:AG6f6YIt
>>100-103
GJすぎる
ヤンデレ男好きなはずなのにスカッとしてしまったw
ヤンデレに大事な存在をぶち壊された女が発狂して病んでいく
ヤンデレの連鎖美味しいな
108名無しさん@ピンキー:2010/07/01(木) 00:27:54 ID:5YIJkiPI
いいね!
109名無しさん@ピンキー:2010/07/05(月) 23:24:15 ID:BWKDb/VO
好きすぎてストーカーしたり、隠しカメラで監視、部屋一面に女の子の写真、他の男と目合わせただけで嫉妬→男のほうを死ぬまで殴る

みたいなのが好きすぎてたまらんのだが
110名無しさん@ピンキー:2010/07/06(火) 00:39:39 ID:gqJ1lvQ8
よいよね。
自分も好きだ。
三次元だと悲惨だが二次元だと萌える。

111名無しさん@ピンキー:2010/07/06(火) 04:08:48 ID:WYIlj9O6
>>106の報われている男ヤンデレと
>>109みたいな男ヤンデレが書きたかったので
勢いで書いてみました
男ヤンデレがハイスペックすぎてありえないんですが
気に入らなければスルーしてください
女視点です
112佐藤君と悠紀ちゃん:2010/07/06(火) 04:11:21 ID:WYIlj9O6
「悠紀ちゃん、帰ろうか?」
サークル活動がまさに終了した瞬間、佐藤君がうちのサークル部屋に入ってきました。
先輩達は一斉に私と佐藤君の顔を交互に見ながらにやにやと笑います。
「今日もラブラブだね、二人とも」
佐藤君は「彼女は佐藤悠紀になる人ですから」とはにかみます。
盛り上がるメンバー。先輩に肩を叩かれる佐藤君。
どこか別世界の光景のようです。
この十年間、頻繁に見てきたはずなのにいつも私だけが置いてけぼりです。

サークル部屋を出、キャンパス内の掲示板に立ち寄ります。
全学部向けの掲示板の真ん中にA4の紙が貼られていました。
そこには私と佐藤君の所属する学部の教授の名前と彼が本日付けで大学を解雇されたことが簡潔に書かれていました。
原因は女子学生に対するセクシャルハラスメント。
昨今ではあまり珍しくもない事件ですが、あまりにも手段が悪質だったために昨夜のニュースで大々的に取り上げられていました。
怖くなって佐藤君の手を握り締めます。
「佐藤君」
「うん?」
「あんまり悪いことしちゃダメだよ?」
佐藤君は答えず、私の手を握り返しました。

佐藤君と初めて出会ったのは、小学校3年生の春でした。
佐藤君は他所の県から来た転校生。
転校生とはいっても、佐藤君は頭も運動神経も良く、社交的ですぐに友達もたくさんできました。
でも、何と言ったらいいのでしょう、佐藤君はとても変わっているところがあります。
偏執的、執着的、一つのことにこだわりすぎるところがあります。
例えば、洋服。
佐藤君はなかなかおしゃれですが、スーツや制服以外の私服はトップスは絶対に黒と決めています。
食べ物だとオムライスが好きです。
三食365日オムライスでも彼は飽きないでしょうが、栄養バランスが偏ってしまうので、これは厳しく制限しています。
そしてこの佐藤君の困ったところは恋愛にもいえることで、
小学校3年生の時、始業式の日、隣の席になったあの時から佐藤君の好きな女の子はずーっと私なのです。
小学3年生の佐藤君はとても私に優しかったです。
でも私は佐藤君のことがなんとなく怖く、仲良くなろうとしませんでした。
気がつけば佐藤君は私のストーカーになっていました。
気がつけば佐藤君は私がお喋りしていた男子を橋の上から突き落としていました。
気がつけば佐藤君は私と目の合った男子をイジメて不登校にしていました。
113佐藤君と悠紀ちゃん:2010/07/06(火) 04:12:13 ID:WYIlj9O6
佐藤君は頭が良く、それゆえに狡猾でした。
佐藤君の悪行は大人にバレませんでした。
バレそうになることもありましたが、他の生徒に擦り付けていました。
このままではまずいと思った私は表向きは佐藤君と仲良くなることにしました。
そして佐藤君に「悪いことはやめるように」と言うと、佐藤君はちゃんと私の言うことを聞いてくれました。
その頃から佐藤君は私のお願い事の大半を聞いてくれていました。
小学生の頃は私達も子供でしたからまだ可愛いものでした。
中学生になると、体も大きくなり、力も強くなります。
男女の関係も変わります。
中学生になると佐藤君は私と付き合っているとクラスメイトに堂々と宣言していました。
それが嫌で嫌でたまりませんでした。
私は佐藤君と付き合いたいと思ったことは一度もありません。
それにその頃やはり私にも人並みに好きな男の子がいました。
サッカー部の活発な男の子。
私の隣にはいつも佐藤君がいたので話したことはなかったけれど笑顔の素敵な男の子でした。
でもいつの間にか彼は笑わなくなっていました。
佐藤君が学年ぐるみで彼をいじめていました。
陰湿ないじめの末、彼は心を壊して、入院を余儀なくされました。
だから実を言うと、この私も壊れそうになったことがありました。
ストレスで不眠になったこともありました。
リストカットをしようとしたこともありました。
マンションの屋上から飛び降りようとしたこともありました。
その度に佐藤君が現れて、佐藤君式の荒療治で何度も救われ、私は今日も生きながらえています。
佐藤君には何度も殺されそうになっているのに、何度も救われているというのは何だか変な話です。

「ごちそうさま」
佐藤君は茶碗と橋を置くとしっかりと両手を合わせます。
「悠紀ちゃんのご飯はいつも美味しいよ。いや、悠紀ちゃんが作るから美味しい」
おそらく世の中の女性にとっては、佐藤君みたいな人は理想の彼氏なのでしょう。
中学生の時から『結婚資金』を貯めるためにインターネットを使って稼ぎまくっている佐藤君は何でも奢ってくれます。
しかし外食ばかりはいけないので、私はできるだけ料理を作るようにしています。
佐藤君は何でも食べてくれます。何でも同じように美味しく食べてくれます。
きっと佐藤君にも嫌いな食べ物はあるのでしょうが、未だに私は佐藤君の嫌いな食べ物を知りません。
汚れた食器を片付けながら溜息をつくと、佐藤君は「疲れているならかわろうか?」と言ってくれます。
疲れている――疲れているのかもしれません。
佐藤君の部屋は私の写真でいっぱいです。
どこから手に入れたのか、私の赤ん坊の頃の写真もあれば、卒業式の写真、登校途中の写真――私の性器の写真まで。
床から天井まで、プリクラサイズのものから、ポスターサイズのものまであります。
そして大きなラックには無数のモニター。
そこには佐藤君の隣の部屋、私の部屋の様子が映し出されています。
佐藤君はよくこんな部屋で暮らせているなと不思議に思います。
114佐藤君と悠紀ちゃん:2010/07/06(火) 04:13:45 ID:WYIlj9O6
自分の部屋に帰ると、無数の監視カメラが私を迎えてくれます。
トイレとお風呂場にカメラを取り付けないことを条件に、
その他の場所にはいくらカメラをつけてもいいと私は佐藤君に許可しています。
気がつけばまたカメラが増えた気がします。
お風呂に入り、髪を乾かし、パソコンでニュースやメールをチェックして、今日は就寝することにしました。
ベッドに入るとメールの着信音が鳴りました。
サブディスプレイには佐藤君から『おやすみ』のメッセージ。
いつも通りに佐藤君の部屋の壁を叩いて、部屋の電気を消しました。

体が熱いような、苦しいような、そんな感覚に目を覚ましました。
体がやけにすーすーするなと思ったら、私は全裸で、足元には佐藤君がいました。
佐藤君は私の両足を大きく開かせて、私の割れ目に指を入れて、掻き混ぜていました。
どれほど佐藤君がそうしていたのかはわかりません。
長いこといじられていたのか、ぐちゃぐちゃといやらしい水音が室内に響きます。
「やだぁ……やだっ、佐藤君……」
色んなことを諦め、許してきた私ですが、これだけは私も諦められないし、許せません。
しかし佐藤君も健康な青年なので、時折私を夜這いにくることがあります。
「悠紀ちゃん。気持ちいいでしょ?」
佐藤君の指が一番敏感な箇所を引っ掻くと、腰が跳ねます。
私はまだ処女ですが、中学生の時から佐藤君に女の快楽というものを無理やり教え込まれています。
ぐりぐりと弄られ、摘まれ、擦られ、引っ掻かれて、嬌声が断続的にあがります。
「ほら、悠紀ちゃん、イっちゃって?」
「あっあっいやぁぁああああっ……!」
全身が震え、頭が真っ白になり、自分が達したのだとわかりました。
唾液が頬を伝って首にまで流れ落ちていきます。
すでに下を脱いでしまっていた佐藤君の熱が達したばかりの私の性器にあてがわれます。
「ねえ、悠紀ちゃん。繋がろうよ。もういいよね?気持ちいいよ?」
欲望にまみれた佐藤君の目が私を見下ろします。
子宮がきゅんと疼くのを感じました。
それでも私の理性が私に首を横に振らせます。
佐藤君は残念そうな顔をしながらも私の足を抱え上げます。
私の性器にローションをたっぷり落とし、私の太ももとぴっちり合わせると、私の太ももと性器の間に佐藤君の熱が挿入されます。
佐藤君は最初から激しく腰を使います。
一度達し敏感になった私の体は、佐藤君に激しく擦られて、感じてしまいます。
「あっ、やっ、佐藤っ、くんんっ!」
「悠紀ちゃん、悠紀ちゃん!」
佐藤君の体がぶるっと震え、佐藤君の精液が私の胸や顔に飛び散ります。
「悠紀ちゃん、すっごくエロいね」
佐藤君は私の顔に飛び散った精液を拭いながら、私の目から溢れた涙を舐めとってくれます。
そんな佐藤君を見ていてどうしてだか私の胸は熱くなります。
「佐藤君、どうして無理やり……入れないの?」
佐藤君がやろうと思えば、私の処女などはとっくの昔に佐藤君に奪われていてもいいはずです。
佐藤君は私の体を抱きしめてきます。
「だって悠紀ちゃんの心まで欲しいから。悠紀ちゃんが許してくれるまで入れない」

佐藤君、佐藤君。
あなたは一体私をどうしたいのですか。
私もどうしてだか最近おかしくなってきた気がするんです。
だって今も、どうして私も佐藤君を抱きしめているのでしょうか。
私よりも大きな体。
十年前とは違う男の体。
あたたかい、体。

佐藤君と私は、一体どこに行きつくのでしょうか。
115名無しさん@ピンキー:2010/07/06(火) 04:16:04 ID:WYIlj9O6
以上です
早速誤字脱字発見orz
話もエロも短くてすみませんでした
116名無しさん@ピンキー:2010/07/06(火) 11:02:51 ID:gqJ1lvQ8
>>115
GJJ!!
超いい!好きだー!
いいなあ佐藤くん、とても好きだ。
しかし性器の写真は嫌だなww四六時中見てたらつらくないか?
117名無しさん@ピンキー:2010/07/06(火) 13:50:14 ID:+rM9kS7s
ヤンデレ男性に対して電波な女の子とか、
そういうの組み合わせてみたらどうなるのかすごく気になる。
ヤミの部分が空回りするような相手っていないのかしら?
大抵の対象者がヤンデレにつられて病んできたり絶望する未来しか浮かんでこないので
探せる物ならヤンデレが太刀打ちできないような相手が豪気というかぶっ飛んだ話が読んでみたい。

でも>>115さんの話好きだー。
現実に居たらとてもこんなこと言ってられないけど佐藤君好きだー。
118名無しさん@ピンキー:2010/07/07(水) 23:58:58 ID:uG57sRYm
>>115
乙!
素晴らしい!
そして、いい病み具合。
ヤンデレでのハッピーエンドは共依存だな。
119名無しさん@ピンキー:2010/07/08(木) 02:00:25 ID:UGXCiCCJ
『手紙』と合わせてGJ・感想ありがとうございます
今すらすら書ける時期なので勢いにまかせて
>>117さんの電波な女の子との組合せを書いてみました
電波っていうよりオカルト好きの天然女の子です
そうゆう子無理&非エロは嫌って人はスルーしてください
前半女の子の姉視点、後半ヤンデレ男視点です
120伊集院君と沙夜ちゃん:2010/07/08(木) 02:02:39 ID:UGXCiCCJ
なんだか最近妙に視線を感じる。
妹が私の家の近くの大学に進学を決めて、引っ越してきてからかな。
近くで救急車もよく出動してるし――この街の治安は大丈夫なのかしら。
「沙夜。なんか視線を感じない?」
占い雑誌を読みふけっている妹に尋ねると、
妹は「もしかして幽霊!?」と喜色満面の笑みを浮かべ立ち上がった。
大学生になれば少しはまともになると思ったら、相変わらずオカルトが好きみたい。
ムカついたのでキッチンから塩を取ってきてその辺に撒いてやった。
「お姉ちゃんやめてよ!幽霊祓っちゃダメ!」
お前は家で幽霊を飼おうとするな。
「うるさい。黙れ。ちょっとはおしゃれして合コン行くようになったと思ったのに、どうして根本が変わってないの?
 この前の合コンはどうだったの?男の子とアドレス交換した?その後、デートした?」
この前まで田舎の真面目な高校生をやっていた妹にそこまで期待してないけど。
案の定、妹の顔色が曇った。
「アドレス交換したんだけどね、そのー……、男の子みんなあの後入院しちゃって、連絡つかないの。
 みんな悪霊ついてたのかなー?」
入院?一人ならばわかるがみんなってどうなのよ?
「はあ?男の子みんな?女の子側はみんな無事なの?」
「うん、女の子はみんな無事。男の子達は食中毒とか事故とかで……可哀想だよね」
可哀想だけど。
女が無事で男どものみ全員入院。
うちの妹に本当に悪霊憑いてるんじゃなかろうか?
「あ、そういえばお姉ちゃん。私の部屋でカメラを見つけたんだけど、心霊ビデオ撮ろうとしてくれてたの?」
妹は一度部屋に戻ると、小さいレンズとコードが付いたものを持って来た。
これって隠しカメラとか監視カメラとか呼ばれるものでは?
勿論設置したのは私ではない。
私にオカルトな趣味があるわけでもなし。妹の趣味に協力する道理もなし。
もしかして、この妹にストーカーとかいうものがいるのでは?
私かもしれないけど、私の部屋で視線を感じない。
妹との共有スペースで視線を感じるのよね。
121伊集院君と沙夜ちゃん:2010/07/08(木) 02:03:42 ID:UGXCiCCJ
妹にストーカーって考えにくいけども、変わった人間っているわけだし。この妹みたいに。
「沙夜。最近、男の人に後つけられたりしてない?つけられてるようなら警察行こう?」
妹は目を丸くして、次の瞬間ぷっと吹き出した。
「そんなのないよー。私、本当に、男の人とは全然だしー。
 あ、でもね、最近仲良くなった男の子がいるんだ」
ぽっと頬を染める妹。なんともわかりやすいやつ。
「ふーん。だから最近女の子らしくしてるの?」
「う、うん」
「どんな子?」
「伊集院君っていって、今高校三年生の子」
高校生かー。っていっても、三年生なら妹の一つ下でしかないんだよね。
「お姉ちゃん、年下の男の子好きになったら変?」
「変じゃないよ。うちのお父さんとお母さんだって、お父さんの方が三つ年下じゃん」
「そうだよね。よかったー。お姉ちゃんがそういってくれて。
 今日はもう寝ようかな。お姉ちゃんとこうゆう話ができるようになって嬉しい」
幽霊と占いにしか興味のなかった妹とこんな話ができる日がこようとは。
やっと普通の姉妹の会話って感じ?
そして意外にもうちの妹は素直で可愛い。
伊集院君ってのが悪い子じゃなければいいんだけど――。

翌朝、ちょっと寝過ごして、急いでマンションのエレベーターから降りると、
自動ドアの前に見知らぬ高校生を見つけた。
学ラン、黒髪眼鏡の、どっちかっていうと可愛い感じの男の子。
このマンションにあんな子いたっけ?
もしかして朝帰りなのかも。
自動ドアの前で少し減速して、自動ドアが開くと同時にダッシュ。
「沙那お姉さん。おはようございます」
振り返ると、高校生が自動ドアの向こうのロビーへと入っていく。
せっかく挨拶してくれたのに挨拶しそびれた。
あれ?あの男の子、どうして私の名前知ってるんだろう?
122伊集院君と沙夜ちゃん:2010/07/08(木) 02:04:58 ID:UGXCiCCJ
沙夜さんと初めて出会ったのは近所のレンタルビデオ店。
俺はその時海外ドラマものにはまっていて、よくレンタルビデオ店に足を運んでいた。
そしてオカルト好きの弟に怖いビデオを頼まれていてよくホラーの棚も覗いていた。
するといつもホラー映画の棚の前には沙夜さんがいた。
俺はあまりオカルトに詳しくなかったので、どうゆうものがお勧めなのか沙夜さんに尋ねてみた。
沙夜さんは目を輝かせ、「このビデオには本物が映っているらしい」とか
「これが創作では一番面白い」とかを事細かに俺に教えてくれた。
多分そこの店員よりも詳しかったと思う。
単純なんだけど、俺はその日、恋に落ちた。沙夜さんに惚れた。恋に理由なんてない。
でも中高一貫の男子校に通う俺にはアプローチ方法なんて分からず、名前も聞けず、
ちゃんとお礼さえもできずにレンタルビデオ店を後にしてしまった。
沙夜さんが選んでくれたDVDは弟に大絶賛だった。
お礼がしたくて――というよりも、もう一度沙夜さんに会いたくて、俺は足繁くレンタルビデオ店に通った。
三度目でDVDを返しに来た沙夜さんと会えた。
この前のお礼をして思い切って沙夜さんの名前を聞いた。
また怖いビデオを探していると嘘をついて沙夜さんにDVDを選んでもらった。
そして店の前で別れたふりをして、沙夜さんの後を尾行し、沙夜さんのマンションをつきとめた。
それからは沙夜さんのマンションとレンタルビデオ店、沙夜さんの通う大学を行ったり来たり。
沙夜さんがお姉さんと二人暮しをしていること、所属している学部、交友関係なんかはすぐにわかった。
でも俺は沙夜さんのことがもっともっと知りたかった。
沙夜さんの家の間取りはどうなっているかだとか、家ではどんなことをしているかだとか、
それと――沙夜さんの体はどんなだとか。
俺は自分と同じような悩みを抱えている人が集うSNSのコミュニティに入り、そこで様々なノウハウを得た。
犯罪まがいなことも多くあったけど、もうそんなのどうでもよくなった。バレなきゃいい。
SNSには小学校三年生の時から想い続けた女性と両想いになった男性もいた。
俺も沙夜さんとそんな風になれたらなんて――。

沙夜さんにボールペンをプレゼントしたら喜んでくれた。そのボールペンは盗聴器付きだったけど。
沙夜さんにキーホルダーをプレゼントしたら喜んでくれた。発信機付きだったけど。
沙夜さんの家の合鍵もつくり、初めて沙夜さんの部屋に足を踏み入れた瞬間、泣きそうになった。
沙夜さんの部屋はやっぱりオカルトグッズがいっぱいあって、お札とか、魔方陣みたいなものとか、
不気味な日本人形とか、ホラービデオのDVDBOXとかあったけど、それでも沙夜さんの部屋は
女の子のいい匂いがした。
隠しカメラをいたるところに設置させてもらった。
沙那お姉さんには申し訳なかったけど、廊下やリビングにも。
その結果、沙夜さんについてわかったこと。
沙夜さんはこちらが驚くほど裏表のない人だった。
大学の友達と話すときは、あまりオカルトの話をしないようだったけど、性格はまったく変わっていない。
無防備すぎてこちらが心配になるほどだった。
123伊集院君と沙夜ちゃん:2010/07/08(木) 02:05:55 ID:UGXCiCCJ
そしてやはりというか、沙夜さんが男と知り合う機会はたくさんあった。
沙夜さんのお友達はお節介にも、頻繁に合コンに沙夜さんを誘った。
最初のうちは沙夜さんも断っていたけど、あまり断るのも申し訳なく思ったのか、合コンに参加した。
気軽に沙夜さんに話しかけ、べたべたと沙夜さんに触れる男どもが俺は許せなかった。
ある日、私服で沙夜さんの大学に向かうと、沙夜さんのアドレスを聞いた男を食中毒にして入院させた。
別の男は横断歩道の前で立ち止まりケータイに夢中だったので、俺は男の横に立ち、横断歩道は赤信号だったけれど一歩踏み出した。
男はケータイ片手に歩き出し――車に轢かれた。
沙夜さんの周りの男を俺が手を下さずに潰すのは簡単なことだった。

沙夜さんは合コン相手や大学の男友達が皆入院してしまったことに驚いていたけど、
悪霊のせいだと思ってくれて俺はとても助かった。沙夜さんがオカルト好きでよかった。
俺と沙夜さんは着実に仲良くなっていると思う。
休みの日にデートに誘ったりしていいだろうか。
沙夜さんはやっぱり心霊スポットとかがいいのかな。
自宅のモニタの前で沙夜さんの部屋の様子を覗く。
沙夜さんはパジャマ姿で占い雑誌を読んでいる。
そして突然呪文のようなものを唱え始めた。どうゆう効果があるのだろうか。
「伊集院君、好きっ!」
俺の思考は一瞬停止した。
沙夜さんのことを思いすぎて、幻聴が聞こえてきたのだろうか。
画面の中の沙夜さんは雑誌に顔を埋め、じたばたとベッドの上で身もだえ、ベッドから落ちた。
俺も手足が震えてどうしていいのかわからない。
「あ、なんだろう。これ……」
あ、ヤバイ。隠しカメラが見つかった。
沙夜さんが引っ張ったのでコードが千切れて、モニタが一つ真っ黒になる。
あのカメラ、後日回収にいかないとな。
それで、その、沙夜さんは本当に俺のことが好きなのだろうか?
もしかして俺らは両想いでいいのだろうか?
でも、もし、両想いで、付き合うことになったら?
盗撮や、盗聴はやめた方がいいのだろうか?
そもそもこのことがバレたら嫌われてしまうのだろうか?
わからない。
後でコミュニティの掲示板に書き込んで、Sさんにアドバイスをもらおう。
124名無しさん@ピンキー:2010/07/08(木) 02:13:32 ID:UGXCiCCJ
以上です
作中に出てきた盗聴器は実在します
この話を書くために調べてみたらやたら盗聴器に詳しくなりました
男ヤンデレについて調べてみようと思って調べてみたんですが
参考になるようなサイトなどなかなか見つかりませんね
みなさんお勧めの作品や参考になりそうなサイトなどありますか?
125名無しさん@ピンキー:2010/07/09(金) 02:54:38 ID:lO4nR3Ik
小学三年の頃からの…、Sさん…、…まさか。 佐藤君のことかーッ!

二人ともとても可愛くて、紗夜ちゃんの気にしなさすぎな所にツッコミつつも、
これからの二人を妄想してしまいニヤニヤしてしまいました。
GJでございます。
126名無しさん@ピンキー:2010/07/09(金) 13:14:11 ID:dFNfjxeC
佐藤くんなにしてるんですかww
面白かったGJ
127名無しさん@そうだ選挙に行こう:2010/07/10(土) 22:23:12 ID:Agbu1Mr0
ここってエロなしでも投下してもいいのか?
128名無しさん@そうだ選挙に行こう:2010/07/10(土) 22:52:51 ID:51ZeIZ08
少なくとも自分は全力で歓迎する
129名無しさん@そうだ選挙に行こう:2010/07/11(日) 12:10:58 ID:i9jI8uTf
自分も投下があれば嬉しいし大歓迎だよ
素晴らしいもん読ませてもらってるからね
130名無しさん@ピンキー:2010/07/18(日) 09:01:26 ID:DFpemoWh
今更ながら佐藤くんと伊集院くんGJ

>だって悠紀ちゃんの心まで欲しいから。悠紀ちゃんが許してくれるまで入れない
このセリフで頭パーン!になった
131名無しさん@ピンキー:2010/07/18(日) 19:58:27 ID:9oSVPlN8
GJ
上手い
男のヤンデレってこんな感じだよな
132名無しさん@ピンキー:2010/07/25(日) 22:37:35 ID:jib/qKmP
佐藤君と伊集院君パネぇっすw

ただ寝取りとかこういう風に仕組んで仲良くなるのも良いけど
普通に両想いでカップルになったら男がヤンデレってのも大好き
女の方はヤンデレでだとわかってるけど惚れた弱みで強く言えず
愛しては居るがさすがにこれはどうよって思ってるのが見たい
でも両想いなんでなんだかんだで仲が良いとか
133名無しさん@ピンキー:2010/07/26(月) 14:48:31 ID:QNTF7vGD
ヤンデレ×ツンデレが好物だ。
セラヴィー×どろしー(赤ずきんチャチャ)とか、コンチ×菊花(ろまんが)とか、
好き過ぎるんだけど、ハマったのが遅くて二次創作ほとんど無いorz
134名無しさん@ピンキー:2010/07/26(月) 23:52:05 ID:BFu4nUL+
自分の男ヤンデレ好きの起源はなんだろうと考えてたが
好きな女の子を虐めちゃう男好きが起源なのかなぁ……
135名無しさん@ピンキー:2010/07/27(火) 06:41:49 ID:XaQCMAsH
自分の起源はオペラ座の怪人かなぁ
136名無しさん@ピンキー:2010/07/27(火) 17:46:29 ID:/9B7qF+n
好きな女の子をイジめる男は好きだけど
それはヤンデレなのかな?
ある意味ヤンデレか?
137名無しさん@ピンキー:2010/07/29(木) 12:10:10 ID:StQ7M0a1
>>112
今更だがGJ
ヤンデレにも色々なタイプがあるけど、すごく私好みのヤンデレだった
続編を希望!!
138名無しさん@ピンキー:2010/08/03(火) 18:13:28 ID:aBR41WSa
なんとなく思いついて書いてみた
超ロリコン注意報
139名無しさん@ピンキー:2010/08/03(火) 18:14:25 ID:aBR41WSa
少女が窓から見下ろすのは学生服を着た幼馴染の少年。
部活動の帰りか大きな荷物を抱えて、向かいの家に入っていく。
彼女の視界を遮るために、カーテンを閉めると、彼女は非難めいた視線を向けてくる。

「裕也君はもう千尋ちゃんとは遊んでくれないよ。
 裕也君には中学校でできた裕也君のお友達がいて、千尋ちゃんのことなんかもう忘れちゃったよ」

彼女が病気のために学校に通えなくなってもう三年になるだろうか。
彼女が病院に通い、家で寝ている間に、彼女の幼馴染や友達は学校で学び、遊び、大人へと成長していく。
どんどん、どんどん彼らの中から彼女のことは忘れ去れらていく。
寂しい。悲しい。
少女は大粒の涙を零す。
その悲しくも美しい少女の涙を僕は舌で受け止める。
涙の伝った跡を上へと舌を滑らせて眼球を舐めあげる。
少女は全身で拒絶を示し、短い悲鳴をあげた。
体力のない彼女の抵抗など長くは続かず、大人しくなったところで抱き上げて、ベッドへと横たえる。
パジャマのボタンを一つ一つ丁寧に外していき、上を脱がせる。
パジャマのズボンを両足から抜き取る。
白い下着を捲りあげて、露わになった白い腹に唇を落とす。
ふくらみ始めたばかりの胸は横になると平らだが、それでも触れると柔らかく、こちらの指をやんわりと押し返してくる。

「先生、いや……」

この行為の意味を少女はまだ知らない。
それでも、遺伝子に刻まれた女の防衛本能が警鐘を鳴らすのか、いつも嫌がる。

「大人になるためには大切なことなんだよ」

訂正。
主に僕の支配欲と性欲を満たすために大切なことだ。
少女の小さな顔を両手で包み込み口を吸う。
甘んじて受け入れているという風に少女はかたく目を閉じてしまう。

「千尋。君が裕也君を好きだと思うより、僕はもっと千尋のことが好きだよ。
 君の黒髪が好きだ。眼球は抉り出して食べてしまいたいくらい好きだ。
 柔らかい頬はそぎ落としてソテーにして夕食に並べたいくらいだ。
 君の嫌がる声が好きだ。首筋から香るまだ子どもくさい匂いが好きだ。千尋、千尋」
140名無しさん@ピンキー:2010/08/03(火) 18:15:18 ID:aBR41WSa
ほんのりと薄桃色に染まる乳首にむしゃぶりつくと、頭上から千尋の「いやぁ!」という可愛い悲鳴が上がる。
赤ん坊のようにちゅうちゅうと吸い、舐めて、軽く噛んでやる。
最初は奥へと引っ込んでいた乳頭は、僕の熱心な愛撫と刺激によって、ぷくりと勃ちあがる。
早く僕の子どもを孕んで、大きなお腹に苦しみながら、母乳を垂れ流しにすればいいのに。
そしたら子どもなんかには吸わせずに、僕が全部搾り取ってあげるのに。
千尋の乳首から口を離し、その部分を見下ろすと、唾液でべとべとになって光っている。
その光景に満足しながら、千尋の膝裏を掴んで、まんぐり返しにする。

「あぁっ、嫌っ、先生、これいやだぁ!」

千尋のそこは、大人の女のように濡れそぼってはおらず、パンツは乾いていた。
秘裂を布一枚ごしにぺろりと舐める。
後ろの穴から花芯まで性器全体を舌でベロベロと舐めると、羞恥と嗚咽で千尋の足がぷるぷると震える。
その様子がまるで捨てられ、雨に打たれた仔犬のようで、僕はたまらずに自分の性器を取り出す。
腹につき、血管が浮き出るほどに興奮していて、右手で扱くとすでに爆発寸前だった。
千尋の足を解放し、千尋の上に跨り、千尋の顔の上で陰茎を扱く。

「ほら、千尋のせいでこんなになっちゃったよ」

強めに陰茎を扱くと、実にあっけなく白濁が飛び散り、千尋の顔を濡らす。
顔を精液だらけにした千尋の瞳に光は、ない。

「……先生、もう死にたい」

千尋にぶちまけた精液をテッシュで拭い去りながらまた口付ける。

「もし君が死んだら、僕が食べてあげるよ」

そして本当の意味で僕らは一つになる。
僕はそっと千尋の首に手をかける。
141名無しさん@ピンキー:2010/08/03(火) 18:29:53 ID:aBR41WSa
以上です

>>136
表向きはヒロインと憎まれ口ばかり叩いてヒロインをイジめたり馬鹿にしたりするけど
裏ではヒロインの周りから男を排除し、男は自分一人という環境をつくりあげる主人公
という話を書いたりもしてるんだが男ヤンデレと定義していいのか自分も困ってる
142名無しさん@ピンキー:2010/08/03(火) 22:47:55 ID:ZRxnmPBs
>>141、GJ!
美味しくいただきました。ロリコンと言いつつ、具体的な年齢
が書いてないから良かったです。暴走するヤンデレは良い。

 136さんではないのですが、暗躍する主人公は確実に
ヤンデレだと思います。
ヒロインに好かれているけど、クールぶってセフレ扱いする
男ヤンデレが好きだ。処女だったヒロインを調教、淫乱にして
喜んでいるヤンデレが好きだ。ヒロインが自己評価低くて、
共依存気味だと最高だ。調教の末、奉仕行為は巧いけど
キス、手をつなぐだけで顔真っ赤なヒロインがいたら成仏しそうです。
143142:2010/08/03(火) 22:49:49 ID:ZRxnmPBs
すいません。キモイ上に改行変でした。
妄想が暴走気味ですみません。
144名無しさん@ピンキー:2010/08/05(木) 12:03:51 ID:G6ygVjur
保守
145名無しさん@ピンキー:2010/08/06(金) 23:24:47 ID:ADBqCINX
>>141
乙です!!ここまで逝ってる男も良いですねぇ
こういうタイプは居そうであまり見かけないから素晴らしい

もう一つのほうの投下も期待してます。
今回みたいなのも大好きだけど両想いなのも好きなので
女は普通の恋愛感情だけど男はヤンデレ
そして女は相手がヤンデレなのを知ってるけど諦め気味なのが好き

>>142
貴方とは気が合いそうですw
146名無しさん@ピンキー:2010/08/07(土) 23:04:41 ID:rg1+HJCl
>>23で出てるゆうちぃがドストライクだなそういう系統だと
147名無しさん@ピンキー:2010/08/08(日) 18:06:12 ID:okIbq7N/
>>141
GJ!たまらん。

最近ヤンデレサイト増えてきたな。
148名無しさん@ピンキー:2010/08/08(日) 19:07:47 ID:m92ONEM0
>>147
sage進行にして下さい。
お願いします
149名無しさん@ピンキー:2010/08/09(月) 10:40:29 ID:SfWm4thq
ここって昔あった愛あるレイプスレみたいなもん?
150名無しさん@ピンキー:2010/08/09(月) 12:15:59 ID:XJw+OZzr
>>149

愛するが故に無理やり…… Part5
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1280147771/
151名無しさん@ピンキー:2010/08/09(月) 17:28:52 ID:SfWm4thq
>>150
d スレタイ変わってたのね
152名無しさん@ピンキー:2010/08/10(火) 14:03:05 ID:UAIF2ajW
そこ凶悪荒らしに目つけられてる所じゃねーか
変に関連付けしないで欲しいんだがなあ
何か起こった時こちらにまで飛び火されたら困るんだわ
153名無しさん@ピンキー:2010/08/10(火) 16:00:04 ID:t04Bq7bQ
ダチョウ倶楽部的な意味で?
154名無しさん@ピンキー:2010/08/12(木) 20:15:08 ID:LOZFH0yV
冒頭のみエロあり男視点の長編なんですけど、投下して大丈夫ですか?

>>145の『女は普通の恋愛感情だけど男はヤンデレ』に触発されて書いたはいいけど、めちゃくちゃ長くなってしまったww
155名無しさん@ピンキー:2010/08/12(木) 20:39:13 ID:U+kkYFcU
よっしゃこい!
156名無しさん@ピンキー:2010/08/12(木) 21:40:50 ID:LOZFH0yV
投下します!!

ヤンデレ男とヤンデレに気付かない彼女。男視点長編。前半ただのイチャイチャ、後半からヤンデレ入る…はず。

初SS投下につき至らない所あると思いますが、ご容赦下さい。
157優しい陽炎(ゆうとと加奈):2010/08/12(木) 21:58:50 ID:LOZFH0yV
捕まえようにも捕まえられない。君は陽炎のようなひと。


※※※

三度めの吐精を逐えたところで、僕の体は急速に脱力し始めていた。
泥を被っているように腰と尻が重くなり、太ももに至っては少し痙攣している。
長時間酷使し続けたせいだ。
体が休ませてと叫んでる。
それでも終わりたくなくて、僕は再び腰に力を入れた。
肉棒を捻りこみ、押しては引く。
ズルリと生温い感触がしたかと思うと、痺れるような鈍い痛みが粘膜を突き刺した。
本当に限界が近いらしかった。

「もう終わり!」

声が響き渡った途端、目を瞑っていた僕の頬に軽い衝撃が走った。
驚いて見下ろすと、顔を真っ赤にした恋人が僕を睨んでいた。

「もう、お・わ・り!!」

恋人の手の平が中途半端に浮いている。
頬に走った衝撃は、どうやら恋人に叩かれたのが原因だったみたいだ。
僕はその腕をふり払った。
恋人の…加奈の顔が、また一段と赤くなった。

「ゆうと、終わりってば」
「嫌だ」
「嫌って、そんな死にそうな顔しながら言われても」
「うるさい」
「ゆうとも疲れたんでしょ?」
「疲れてない」

腰を引いて逃げかけた加奈の体を抑え込む。片腕を腰に回して尻を掴み、もう一方の腕で加奈の足を開けば、力を入れなくても性器と性器を密着させる事が出来た。
僕は再び動きを開始する。

「ゆうと、もうやだ。やめて」
加奈が苦しげに呻く。
だけど僕は聞かない。

「ゆうとだって、痛いでしょ。お願い」
「痛くない」
嘘だけど。

だって、僕のコレは加奈のココを埋める為に存在しているんだ。時間が許す限りは、ちゃんと塞いでおかないと。
158優しい陽炎(ゆうとと加奈)A:2010/08/12(木) 22:08:24 ID:LOZFH0yV
「っん…あ…、い、痛い。お願い…やめて」
加奈の声が掠れている。本当に痛いみたいだ。でも、そんなの僕は知らない。
とにもかくにも、彼女の中を無茶苦茶にかき乱したい。
より一層激しさを増した僕の動きに、とうとう加奈が怒った。

「もう終わりって言ってるでしょ!!」

腕を突っ張って、全力で僕の胸を押す。体を引き離そうと必死だ。
だけど、力なんてそう入ってなくて、加奈の余力が底をついてるのは明らかだった。
こんな腕、一捻りするのなんて簡単だけど、結局僕は折れた。
加奈は強情だ。ここで引かなければ、次は何をするか分からない。

「分かったよ」
「……」
「僕はまだまだいけたのに」
「嘘つき」
「まだ足りない」
「もう充分だよ」
「足りないよ。ねぇ、加奈」
「何?」
「舐めさせて」

加奈は素早く僕から離れてシーツにくるまった。両腕を体に巻き付けて、警戒心剥き出しの犬みたいに僕を睨みつけて来る。
それでも僕は気にならなくて。加奈ににじり寄って、腕に手をかける。
耳に息を吹き掛ければ、加奈は面白い程に体を固くした。

「やめて」
「舐めてあげる。綺麗にして、いっぱいイカせてあげる」
「やだ。もうアソコ痛いんだよ」
「優しくするから。ね? 指も使わないし」
「いや」
「気持ち良くしてあげるよ」

僕の舌と唇で。いつもみたいに。
首筋に舌を這わせると、加奈がまた逃げた。
「やだっ!キスマークだけは絶対に駄目!」
加奈はキスマークが嫌いだ。
僕が噛むせいもあるけど、人に見られるのが嫌らしい。

「駄目?」
「駄目」
「どうしても?」
「どうしても!」

僕はため息をついた。肩を竦めて、頭をかく。

「エッチも駄目。舐めるのも駄目。キスマークも駄目。じゃぁ何ならいいの? 一つぐらい僕の望みを聞いてくれたっていいだろ」

不満を露に愚痴る僕に、加奈は「うぅ」と顔を歪める。
加奈は善人だ。だから僕が「不公平だ」とか「対等じゃない」と言えば勝手に心を揺れ動かすし簡単に反省もする。
今も、譲歩出来る点はないかと必死で頭を回転させている様に見える。
だから僕は頃合いを見計らって、最後の一押しをした。
159優しい陽炎(ゆうとと加奈)B:2010/08/12(木) 22:21:08 ID:LOZFH0yV
「せめて、キスマークだけでも駄目? 今日だけでいいから」

殊勝な態度で頼めば、加奈は断れなくなる。
「……じゃあ一つだけなら」

(一つなんて無いも同然じゃないか)
だけど、僕は加奈の見せた隙に飛び付いた。おずおずと手をどける加奈を乱暴に抑えつけて、首に噛みつく。
ウナジに近い、どちらかといえば後ろ側になる首の部分。そこなら皮膚も筋肉も厚いから思う存分噛める。
加奈は悲鳴をあげる。
足をバタバタさせて抵抗するけど、そんなの関係ない。
血が滲むぐらいに歯を突き刺した後に、もう一ヶ所狙いをつけた。
体を離して舌なめずりする。

「駄目だってば!」

気配を察したのか、かなが怒鳴った。
ゴンっという鈍い音とともに額に痛みが走った。激痛がこめかみを突き抜ける。
…頭突きされた。
僕は思わず頭を押さえて、加奈の肩口に顔を埋めて悶える。

「駄目だって言ったのに、強引なゆうとが悪いんだよ!謝らないから!」

僕の愛しい恋人は、怒り狂っていた。


※※※

「もう…なんでゆうとはこんなの付けるかな。本当にキスマーク好きだよね」

姿見の前に座りながら、加奈は自分の首に消毒液を塗っていた。時折眉をしかめて苦痛にうめく。染みるのだろう。
僕は額に手を当てて、そんな加奈の様子を眺めていた。

「いい加減諦めろよ」
「何でそんなにキスマークにこだわるの?」
「加奈が付けないからだろ」
「なんで私が付けなかったらゆうとが付けるのよ」
「印は必要だろ。マーキングだよ」
「犬じゃないんだから。人を電信柱みたいに言って」

加奈が怒って立ち上がった。
机の中から救急箱を取り、絆創膏を抜き出す。
だけど、ふと思案して、部屋に備えつけてある単身者用の小型冷蔵庫へと向かった。
そこから氷を取り出し、ビニール袋に入れる。冷たすぎないようハンドタオルで包んでから僕の側に戻ってきた。

「私、浮気しないよ」
「知ってる」
「何度も言ってるでしょ」
「うん。言ってるね」
「それでも付けたいの?」
「うん。それでも」
「なんで?」
「加奈には分かんないよ」

僕がどういう気持ちで君を見てるか。

加奈は不満そうな顔をした。眉を寄せて、唇を噛み締めている。
160優しい陽炎(ゆうとと加奈)C:2010/08/12(木) 22:32:03 ID:LOZFH0yV
聞かなくても分かる。加奈の頭の中は、きっとこうだ。
(私を信用出来ないからキスマークなんて付けるんだ)
そう思ってるに違いない。
(でも、そうじゃないんだよ。加奈)
僕は笑った。加奈が不思議そうな顔をした。表向き、加奈には『浮気防止』だなんて言ってるけど、本当は違う。
キスマークの意味なんて浮気防止でも男避けでも何でもない。ただ加奈を傷つけたい。僕という存在を刻みつけて、痛みを伴って、片時も忘れる事がないよう。ただそれだけなんだ。
(言ったってどうせ分かんないだろうけど)
僕は加奈の首筋に手を伸ばした。
赤黒くうっ血した傷跡から、小さな赤い丸が点々と浮き出てる。
赤い丸はやがて重さに耐えきれなくなり、一筋のか細い赤い線となって白い肌に滲んでいく。
僕はそれをしばらく眺めた後、指で拭って少し舐めた。

「……痛いの嫌い」
加奈がポツリと呟いた。

「僕の事、嫌いになった?」
加奈が首をふる。
胸がチクりと痛んだ。

「まだ好き?」
「うん」
「残念」

本当に残念だと思う。どうしたら加奈は僕を嫌いになってくれるんだろう。
早く嫌いになってくれればいいのに。
そしたら楽になれるのに。僕も。加奈も。

「貞操帯、買ってこようかな」
「ていそうたい?」
「うん。それか、加奈を監禁する」
「あはは」
「冗談じゃないよ」

幼い加奈。多分、貞操帯の意味も知らない。
僕は加奈の腕を取って、強く抱き締めた。氷が床に落ちて、滴が飛び散った。

「冗談じゃない」
「ゆうと…」
「本気だ」
「ゆうと、痛い」

加奈の息遣いが途切れ途切れになり、苦しそうに「離して」と懇願する。
最後に一度だけ力加減せずに抱き締めた後に、僕は加奈を離した。
加奈は咳き込み、ベッドに突っ伏す。
僕は足元に落ちた氷を拾って、ごみ箱に捨てた。ハンドタオルは濡れそぼって使えないので、とりあえず机の上に置いてみる。

「ゆうと?」
「僕の事、嫌いになった?」
161優しい陽炎B修正:2010/08/12(木) 22:45:11 ID:LOZFH0yV
すみません。文章が抜けてしまった部分があるので途中から修正させて頂きますm(_ _)m
※※※

「もう…なんでゆうとはこんなの付けるかな。本当にキスマーク好きだよね」

姿見の前に座りながら、加奈は自分の首に消毒液を塗っていた。時折眉をしかめて苦痛にうめく。染みるのだろう。
僕は額に手を当てて、そんな加奈の様子を眺めていた。

「いい加減諦めろよ」
「何でそんなにキスマークにこだわるの?」
「加奈が付けないからだろ」
「なんで私が付けなかったらゆうとが付けるのよ」
「印は必要だろ。マーキングだよ」
「犬じゃないんだから。人を電信柱みたいに言って」

加奈が怒って立ち上がった。
机の中から救急箱を取り、絆創膏を抜き出す。
だけど、ふと思案して、部屋に備えつけてある単身者用の小型冷蔵庫へと向かった。
そこから氷を取り出し、ビニール袋に入れる。冷たすぎないようハンドタオルで包んでから僕の側に戻ってきた。

「浮気防止でしょ」

聞きながら加奈は氷を僕の額に当てた。
加奈の白い首筋の、噛み跡から血が少し出ている。痛そうだ。
僕の頭なんかよりも、先に絆創膏を貼ったらいいのに。

「私、浮気しないよ」
「知ってる」
「何度も言ってるでしょ」
「うん。言ってるね」
「それでも付けたいの?」
「うん。それでも」
「なんで?」
「加奈には分かんないよ」

僕がどういう気持ちで君を見てるか。

加奈は不満そうな顔をした。眉を寄せて、唇を噛み締めている。
162優しい陽炎(ゆうとと加奈)D:2010/08/12(木) 22:53:52 ID:LOZFH0yV
加奈は一瞬黙った。だが、すぐに、机の側で立ち尽くす僕に笑いかけて首をふった。

「ならないよ。ゆうとがちょっと変わってるの、昔から知ってるし」

(ちょっと?)
僕は加奈から目をそらした。椅子を引寄せて腰をかける。
頭が痛い。加奈の言葉が耳の中でこだましている。
「ちょっとで済むんだ」
腹の中で、黒い何かがとぐろを巻き始めている。

「加奈はいつもそうだ」
「ゆうと、どうしたの?」
「黙れ」

乱暴な言葉使いに、加奈は一瞬躊躇した。

「ゆうと、また不安がきたの?」

不安がきたの?
加奈は僕の癇癪をいつもこう言う。
僕の異常性も、加奈にとっては『少し変』で終わり、ノイローゼ染みたヒステリーも『不安』の一言で片付けられてしまう。
僕は唇を噛む。皮膚が千切れて血が出た。

「ゆうとどうしたの? また私余計な事言った? ゆうとを不安にさせた?」

加奈は心配そうに僕に声をかける。意味も分からずに謝罪を繰り返す。

「ゆうとごめんね。どうしたの? ねぇ、教えて」
「僕の気持ちなんて加奈には一生分からない」
「そんな事ない。きっと分かるから」
「何を根拠に」
「だって私、ゆうとの事好きだから」
「だから、きっと理解出来るよ。ね?」

僕は加奈を睨みつけた。

「違う」
「え?」
「僕の好きと、加奈の好きは違う」

加奈は驚いた顔をした。でもまたすぐに心細気な顔に戻った。今にも泣き出しそうだ。

「何で? 同じ好きだよ。好きじゃなきゃ私、キスもエッチもしないよ。分かってるでしょ。私、ゆうとの事ちゃんと……」
「そうじゃない!」

僕が怒鳴ると加奈は目を伏せてうつ向いた。所在なげにベッドに座って、僕の言葉を待っている。
こういう時の加奈は辛抱強い。普段は反抗的で豪胆なくせに、こういう状況になれば、僕がどんなに理不尽な言動をとっても絶対に怒らない。
その物分かりの良さが、僕を苛立たせる。

「……加奈には分からないんだよ」

僕の『好き』がどういう類いのものなのか。何を意味するのか。きっと、一生、君には分からない。

「…ゆうと」
「僕と加奈は違う。話したって分かりっこない」
163優しい陽炎(ゆうとと加奈)E:2010/08/12(木) 23:04:20 ID:LOZFH0yV
加奈は純粋だ。無垢で清廉で混ざり気のない。

僕は小さい頃から一人ぼっちだった。父も母も家に寄り付かず、時折食料と金を投げ込む以外には顔を見せなかった。小学生に上がる時、僕は祖母に引き取られた。状況は大して変わらなかった。
成育環境のせいか、僕は少々陰気な少年に育った。
当然の事のように、クラスメイトからは嫌われた。嫌がらせもされた。
だけど僕は何とも思わなかった。傷つく事を知らなかったからだ。

そして5年生に上がり、そこで初めて加奈と出会った。
加奈は優しく僕を包んでくれた。衝撃だった。毎日が奇跡だと思えた。
こんなに親切で可愛い子が、僕の手を引いてくれる。
嫌がらせで教科書を捨てられたら、加奈は何処からか新しい物を持って来て、いつも僕にくれた(後で聞いたら無くしたと嘘をついて親に買って貰ってたらしい)。
ご飯も既製品しか食べた事がないと言うと、家に呼んで、暖かい食事を振る舞ってくれた。食卓という言葉の意味を、僕は初めて理解した。
僕はいつしか家族の一員として扱われるようになっていた。
優しいおじさんおばさん。
安全な寝床。清潔なお風呂場。居心地の良い場所。
環境が激変したのは私生活に留まらず、いつの間にか僕は学校で友達が出来ていた。
不思議な事に、加奈の側に居るとあっという間に人だかりが出来る。
その輪に入る事で、自然と僕の交遊関係は広がっていったのだ。
勉強し、遊び、家に帰る。勿論、加奈の家。
『この子、大切にしてね』
飼っていた十姉妹のうちの一匹を、加奈はそう言って僕にくれた。
手にした小さな命。幸せだった。何もかも。

そして、中学2年の夏、僕は加奈を犯した。
予兆はあった。
昔から加奈を見てると、突如として沸き起こる激しい感情。
それが何だか分からなかった。
ただ、鬱屈としたドス黒い激情は、日々僕の中で肥大化していった。
『愛憎』
その言葉に辿りつくのに時間はかからなかった。
愛憎。僕は加奈を愛していた。憎いほど。

だからあの日、加奈を犯した。
犯して犯して犯しまくった。

僕だけを見て欲しくて。僕の事だけを考えて欲しくて。他の何も考えられなくなるよう、僕の事だけを。
164優しい陽炎(ゆうとと加奈)F:2010/08/12(木) 23:12:51 ID:LOZFH0yV
だけど、汚すつもりで犯した体でさえ、彼女は寛容に受け入れてみせ(もしかしたら知らない所で苦悩したのかもしれないけど)、
それどころか僕を許して、付き合おうと言ってくれた。好きだと言ってくれた。
堕とすつもりが救われた。
でも、喜びに満ちたのはほんの一瞬で、僕の心境が変わる事はなかった。
暗い欲望。加奈が欲しい。全部欲しい。なのに手に入らない。
結局、残ったのは惨めな焦燥と自虐だけで、それは5年経った今でも変わらない。

「加奈は『与える愛』なんだよ」

新しい教科書、お揃いのシャーペン、暖かい家族に優しい友達。ペット。痛みさえも。
何も持って居なかった僕に全て与えてくれた女の子。見返りを求める事なく。まさしく無償の愛。
僕はそれを享受した。何一つ返せないと分かっていながら。そして手放した。彼女を傷つけたい一心で。

「結局、加奈は加奈なんだよ。僕が何したって。何を言ったって」

加奈を怒らせたい泣かせたい傷つけたい。
めちゃくちゃに打ちのめして悲鳴をあげさせて絶望の淵に叩き堕としたい。
でも加奈はいつだって優しい加奈だった。僕がどんな事をしても。
目の前で教科書を捨てても。シャーペンを折っても。おじさんおばさんに酷い言葉を吐いても。友達にかなの悪口をふきこんでも。祖母の家に戻っても。鳥を殺しても。
――犯しても。
加奈はいつだって僕を許して来たんだ。

『大丈夫。わざとじゃないって分かってるから。ゆうとが痛い痛いしてるの、かな知ってるもん。大丈夫だよゆうと。かなはずーっと一緒だよ』

加奈の純粋な明るさが優しさが僕を苦しめる。殺してやりたいぐらい憎いのに、でも、好きなんだ。
この矛盾を、僕はどうしたらいい?どうやって折り合いをつける?

「加奈は僕の苦しみなんか知らないんだ」

本当は君を閉じ込めたい事。手足を縛って、擦りきれるまで抱いて、その口をめちゃくちゃに汚して、僕の名前だけを呼ぶように、犯して狂わせて犯して狂わせて。
そうして僕を見ながら死んでいって欲しい……なんて、そんな願望を持ってる事、君は想像すらしないだろう?

「僕は加奈とは違うんだよ。でも加奈はそんなの全然気にならないんだ」
165優しい陽炎(ゆうとと加奈)G:2010/08/12(木) 23:26:18 ID:LOZFH0yV
感情を自覚した時から気付いていた。僕は奪う愛。奪う事でしか満足出来ない。
加奈の一つ一つを奪って支配したい。傷つけて壊して縛りつけたい。
なのに、加奈の無邪気さが、優しさが、それに気付かない。僕の加奈を想う愛情が、それを許さない。
永遠に交わらない。
気付いたら涙が溢れていた。

「ゆうと?」

加奈が僕の頬に触る。
いつの間に来たんだろう。加奈はベッドから移動して、僕の目の前に座っていた。

「私は頭良くないから、ゆうとの難しい話は今はよく分かんない。でも、きっといつか分かる日が来るよ。絶対に」
「私、ゆうとが大好きだよ。愛してる。本当だよ」

加奈の唇が僕の唇に下りてくる。
ついばんだかと思うと、軽く音を立てて離れた。
そして優しく僕の涙を拭う。
小さな声で「かな」と呼ぶと、彼女はゆっくりと目線を合わせて、微笑んでくれた。

「ゆうと、好き。大好き」

あぁ、可愛い加奈。

…僕はどこに行くんだろう。
願望を捨て去る事も出来ないくせに、みっともなく加奈にすがりついている。
満たされないと知りながら、飽きもせず加奈を欲している。
消える事のない欲望。打ち勝つ手段なんてあるはずもないのに。

「加奈」

無理やり笑顔を作って加奈を抱き寄せた。
もう何度繰り返したか分からない戯言。でも、加奈が嬉しそうに笑うから。
僕はその言葉を吐く。言いたい事を押し殺して。離したくない一心で。

「僕も好きだよ」
(殺してやりたいほど)

加奈の白い首筋。
打撲のように赤黒く沈着し始めている僕の歯形がそこにある。
でも、これもすぐに加奈の心の中から消えるんだろう。
加奈の清らかな逞しさは、こんな傷跡も綺麗に押し流す。結局、加奈を引きずり下ろす事なんて僕には出来やしない。

(僕はどこまで追いかければいい?)
届きそうで届かない。
(僕はどうなる?)
傷つき疲弊する事を知りながら、それでも加奈と一緒に居たいだなんて。
(……どうなるのかな)

きっと、答えなんてどこにもない。
166名無しさん@ピンキー:2010/08/12(木) 23:41:46 ID:LOZFH0yV
終わり!
ヤンデレ男に引きずられないぐらい、明るい女の子を書きたかったんです……。多分、ちゃんとヤンデレSSになってるはず。多分。
嫉妬狂いも大好きだけど、自分で自分の首を絞めていくヤンデレも良いなと思いました。お目汚し失礼致しました!
167名無しさん@ピンキー:2010/08/13(金) 02:10:45 ID:i+eCT4aF
乙でした。
先の作者さん達とはまた違った魅力を感じた。
読ませてくれてありがとう
168名無しさん@ピンキー:2010/08/13(金) 07:56:48 ID:L/JkTPy+
>>157
すごく良かった。
ドキドキしながら読ませていただきました。
169名無しさん@ピンキー:2010/08/13(金) 14:37:34 ID:fuNuCPgV
荒らされ易いテーマだからsageて下さい
目立つと危険です
170名無しさん@ピンキー:2010/08/13(金) 18:59:30 ID:+ViXZ2ph
>>156-166
乙です!!!
加奈ちゃんにはこれからも狂ったゆうと君を嫌いにならず
暖かく包み込んでいって欲しいな
続きもあるなら期待したい
このままじゃゆうと君カワイソス過ぎなんでw

>>169
下手にそういうレスすると変な人がスレを見た時に
逆に目を付けられそうだが……
171156です:2010/08/14(土) 18:05:54 ID:D/rsfBZY
>>167>>168>>170ありがとうございます!
実はE辺りで割愛してしまった、中2ゆうとヤンデレ自覚→覚醒→レイプ描写があるんですが、それを加筆+修正してまた投下してもいいですか?それとも長文作品の連投は避けた方が良いでしょうか…
>>170
自分自身を追いつめてくヤンデレ男が書きたかったので、今後の展開が全く思いつきませんww
どうしたらこの男を収束出来るのか。
…誰か知恵を恵んで下さい(/_;)
172名無しさん@ピンキー:2010/08/14(土) 18:25:27 ID:2a/p5qBg
>>171
私は加筆+修正したやつを見たいから是非上げて欲しい。
173名無しさん@ピンキー:2010/08/14(土) 20:33:19 ID:V8vI/Sif
>>171
別に連投は避けなくても大丈夫
投下前と投下終了の告知をすれば良いだけ
出来ればヤンデレ自覚からレイプまでの動向が見たい

今後は加奈ちゃんが荒々しい神を宥めすかして甘やかす巫女の如く
付き合って行けば良いんじゃないかとw
まぁ、なんだかんだでゆうと君も依存しまくりだし
加奈ちゃんを殺したら後はもう死ぬしかなさそうだし
決行は無理そうだからね
174156です:2010/08/14(土) 22:23:15 ID:D/rsfBZY
>>172-173
分かりました!ありがとう!!!区切って投下しますが、長くなると思うので今の内に謝ります。すみませんm(_ _;)m
今から加筆して明後日ぐらいに投下します。
>>173
『荒々しい神を宥めすかして甘やかす巫女の如く』←やばいコレ。何かが降りて来ました。
この設定使って続編というか最終章みたいなの書いてもいいですか?
175名無しさん@ピンキー:2010/08/15(日) 18:44:12 ID:Wml5NIAK
腐敗臭がすさまじいな
176名無しさん@ピンキー:2010/08/15(日) 19:49:25 ID:XSR7PlDs
小さい頃から面倒見てた子を女性として好きになってしまって
近づく男がないように排除したりしながら
その子を自分好みにしつつ、依存させていくっていうのを
脳内で考えているが文章にできないジレンマ
177名無しさん@ピンキー:2010/08/15(日) 21:44:53 ID:1QCay0si
>>174
続き待ってる

>>176
源氏物語並みの調教劇ですね
178名無しさん@ピンキー:2010/08/16(月) 04:59:08 ID:gsTf1QBU
エロゲでも陵辱調教物が好きなんで
ヤンデレ男が好きな女の子にかなりエグくてエロい調教を施して陵辱するのが読みたい
179名無しさん@ピンキー:2010/08/17(火) 00:06:42 ID:J5XsZMkh
「師匠」
「ん?」
「また男の子がお話してくれなくなっちゃった」
「そう。なんでだろうね」
「仲良くなれたと思ったのに、この前の授業参観から
 みんな話しかけてくれないし、話しかけても冷たいの」
「……そう」
「師匠、なんで笑うの!」
「別に。男の子なんか仲良くなれなくていいだろ、
 僕がいるんだから」
「……うん!」



セリフだけだとヤンデレかどうか分からないな
180名無しさん@ピンキー:2010/08/17(火) 14:55:11 ID:2Ta7Esxb
こんなスレがあったのか。

天女とヤンデレ男の話が書きたいというか読みたいのであらすじだけ書いて投下。
エロ小説スレなのにエロなくてすまぬ。



湖に水浴びにきた天女に片思いした男が羽衣を隠し、こっそり燃やしてしまう。
帰れなくて困った天女を家に連れて行き甲斐甲斐しく世話をする。
一緒に暮らしているうちに天女はやさしくしてくれる男にほだされて
やがて真剣に男を愛するようになるが
男はもともと羽衣を燃やしてしまった引け目もあり疑心暗鬼から次第にヤンデレ化。
「お前は天に帰れなくなったから俺のそばにいるだけだろう?」
「羽衣が目の前にあったらすぐさま俺の前から去るんだろう?」
天女は否定するが全く聞き入れてもらえず
逆に暴力を振るわれ、監禁拘束されて陵辱の限りを尽くされてしまう。
心身ともに擦り切れていく天女。

そんなある日、天女の元に天界から羽衣を携えた使いのものが一人現れる。
行方不明になった天女を探しにきたのだ。
「やっとお前の長年の望みがかなうなぁ、ははは嬉しいだろう。」
「ええ、やっと。気が狂いそうなくらいこの日を待っていました。」
「・・・そうか。」
絶望した男は自ら鎌で首を切り、身動きできない天女の前で自殺する。

拘束から開放され、羽衣を手渡された天女は
体を清めてから帰りたいから、と湖に使者をつれていく。
水浴びの間後ろを向いていてと頼まれて後ろを向いた瞬間
羽衣に隠し持ってきた鎌で天女は使者を殺し、
再び男の家に羽衣と鎌を片手に戻ると
男の亡骸の前で羽衣を鎌でバラバラに切り裂いた。

「ずっとこの日を待っていました。
 こうして貴方の目の前で羽衣を私の手で引き裂かなければ
 貴方はきっと私を信じてはくれなかっただろうから。」

うつろな瞳で天女は微笑み、
鎌をそのまま自分の胸につきたてた。



以上です。
181名無しさん@ピンキー:2010/08/17(火) 22:11:20 ID:IFc/dgI4
>>180
ヤンデレ×ヤンデレ(前者と意味が異なる)
って感じですね、新しい
182名無しさん@ピンキー:2010/08/20(金) 10:14:10 ID:3+BQQSXD
>>179-180
お二人共乙
こういうのも良いなぁ

>>179
これは師匠が排除してるんですよね?w

>>180
男がヤンデレと思ったら女が上回っていたw
183名無しさん@ピンキー:2010/08/20(金) 20:36:44 ID:ysY/ra4v
>>182
179だけども、そう。
師匠が病んでて、女の子を独占しようと色々して。
でも女の子はそんなこと気づきもしない的な……

ちゃんと話にできず申し訳ない
184名無しさん@ピンキー:2010/08/21(土) 00:22:41 ID:5E7EUtQy
>>183
素晴らしい師匠だ
なるべく両思いで女の子が師匠のヤンデレっぷりを
知った後もズブズブでラブラブなら尚良いw
185名無しさん@ピンキー:2010/08/21(土) 01:29:28 ID:rIpsvGlN
>>184
ありがとう!そう言ってもらえると嬉しい。
ちなみに二人はラブラブだw

>>174殿が来るまでの暇つぶしになればと思い、
>>179を頑張って文章にしてきた。
拙いし、慣れてないし、エロもまだないが……

短いから、2レスくらいで済むと思います。
186師匠と弟子少女 1/2:2010/08/21(土) 01:30:35 ID:rIpsvGlN
 学校が終わって、走って家に帰る。
 私が帰る時間になると、師匠がいつも家の鍵を開けておいてくれるから
私は一目散に、ドアを開けて中へ飛び込んだ。

「師匠、ししょー!」
「誰ですか勝手に家に入らないでください」
「あっ、えっと、ただいま師匠!」
「おかえり」

 ただいまを言い忘れたことに気付いた私に師匠は
 早く手を洗ってきなさいと促す。

「おやつ、ある?」
「冷蔵庫」
「わーい」

 師匠は、9歳で親に捨てられた私を引き取ってくれた不思議な人。
 これまで数年、家事や勉強、遊びや護身術と、あらゆることを教えてくれた。
 だからこその「師匠」だ。

 …本当は一度だけ、お兄ちゃんとかお父さんとか、普通の呼び方も試してみたけれど、
 それはやめてくれ、と言われた。

「今日は学校楽しかった?」
「うん。でも……」
「ん?」

 冷蔵庫に入っていたケーキを取り出して、
 そこで、学校のことを思い出す。

「師匠。私、また無意識に人の嫌がることをしたみたいなの」
「またかい」
「うん。だって、また遊んでくれなくなっちゃった」
「……そう」

 私が中学校に入ってしばらくした頃だろうか。
187師匠と弟子少女 2/2:2010/08/21(土) 01:33:50 ID:rIpsvGlN
 それまでいつも、遊びの話だとか、テストの話をしていた
 クラスメートの男子が、急によそよそしくなったのだ。

 女子は今までどおりだから、いじめではないと思う。
 なぜか男子だけ、誰かと仲良くなるたび、急に――
 不定期にではあるけれど、必ずそうなった。
 だから私は、もう男子と話すこともあまりなくなってきている。

 男子どうこうより、友達がいなくなることが寂しい。

「気にしないの」
「師匠」
「君の友達が君を嫌いになっても、僕は絶対に嫌いにならないよ。
 だから、気にすることはないさ」

 うつむく私の髪を撫でてくれる師匠は
 とても優しい目をしていて、私はたまらず抱きついた。

「師匠大好き」
「知ってるよ」
「昨日、授業参観に来てくれたでしょ。
 みんな、師匠かっこよくて羨ましいって!」

 師匠は私の自慢だよ、と見上げたとき、何故か師匠の口角がつり上がっていた。

「師匠、なんだか楽しそうだね」
「楽しいからね」

 何が楽しいの?と聞いてみたけれど、答えてはもらえなかった。

188名無しさん@ピンキー:2010/08/21(土) 01:37:04 ID:rIpsvGlN
尻切れトンボな感じでごめん……

じゃあ、スレ汚し失礼しました。
皆さんの投下を楽しみにROMってます。
189名無しさん@ピンキー:2010/08/21(土) 20:47:01 ID:ni9G47eY
素朴な疑問。
ヤンデレものって大体現代物が多いけど
このスレ的には魔物とかメイドロボみたいなSFとかファンタジーとかはOKなの?
190名無しさん@ピンキー:2010/08/22(日) 00:13:35 ID:X0Vswd1t
>>185-188
乙です!!
しかしこれは女の子の両親もw

>>189
何故駄目だと思うのです?
大丈夫に決まってます
191名無しさん@ピンキー:2010/08/23(月) 11:03:09 ID:zJtk/Ixe
>>174
続き待ってる
192名無しさん@ピンキー:2010/08/28(土) 19:52:00 ID:23EEct1j
投下期待
193名無しさん@ピンキー:2010/08/31(火) 22:40:10 ID:fWNzFu2T
みんな規制されちゃってるのかな

誰にも気づかれず、愛する女性にすら本性(病んでる部分)を気づかせず
自分が人から「異常」と言われるのを分かった上で、上手く女性を自分のものにするっていうのが好きなんだけど
話したら友達に引かれたぜ
194名無しさん@ピンキー:2010/09/01(水) 00:21:33 ID:vMNwenB8
>>193
無茶苦茶俺好みの設定で吹いたw
でも確かに普通は引かれるかもなw
195名無しさん@ピンキー:2010/09/02(木) 23:42:41 ID:fw6H/Fn0
過疎ってる
196名無しさん@ピンキー:2010/09/06(月) 22:06:31 ID:yaFMgKHo
ヤーンデレデレヤーンデレー♪

頑張って考えても文章にするの大変。あげ
197名無しさん@ピンキー:2010/09/07(火) 00:31:04 ID:SkLXIsPD
男が病んだら犯罪者になっちゃうぞ
198名無しさん@ピンキー:2010/09/07(火) 00:38:35 ID:CXYXwq5p
女だって病んだら犯罪者になるだろww
199名無しさん@ピンキー:2010/09/07(火) 04:05:52 ID:EENu9BO+
>>197
だがそれが良い
女のヤンデレより性犯罪者臭全開なのが良いのだ
200名無しさん@ピンキー:2010/09/07(火) 20:44:26 ID:yZ8LCa/N
若い人は知らないと思うけど、横溝正史著の「三つ首塔」に出てくる主要登場人物
(金田一じゃないよ。)は、かなりのヤンデレ。ここの人の気にいると思う。
子供の頃うっかり者の親と一緒にドラマで見てしまい、トラウマにw
っていうか男ヤンデレ好きの属性になってしまいますた。オヌヌメ

あと、シンドラーのリストも、ユダヤ人収容所の所長とユダヤ人女性との
萌えシーンあったなー。
201名無しさん@ピンキー:2010/09/07(火) 21:07:37 ID:CXYXwq5p
なにそれすごく気になる
202名無しさん@ピンキー:2010/09/08(水) 09:26:14 ID:xEXGqaNs
最近見た海外のドラマの犯人が男ヤンデレだったわ
ドラマ自体はつまんなかったけど
203名無しさん@ピンキー:2010/09/08(水) 14:37:45 ID:A94NAaQN
スイーツスレw
204名無しさん@ピンキー:2010/09/08(水) 15:44:01 ID:CRnq9xuR
人間不信とか荒んでた奴が純粋に自分になつく女の子に心を開き
……までは普通に見えて

やがて人間不信だったのが災いして
女の子に執着し、女の子を独占しようとする
そんなのも考えたがこれはヤンデレなのか
205名無しさん@ピンキー:2010/09/08(水) 20:54:24 ID:h2/SAZxS
>>204
ヤンデレだと思うよ
自分は度を越えた執着はヤンデレだと思ってる
206名無しさん@ピンキー:2010/09/09(木) 00:21:39 ID:Pa3/zJdN
>>204
それが良いんだよ
207名無しさん@ピンキー:2010/09/09(木) 09:15:48 ID:DhOvzVbK
>>205-6
204だけど、そうかヤンデレか。ありがとう

なんというか、男は信じられるのが女の子しかいないのに
女の子には友達とか大切な人がいて、それが嫌だ…
みたいなのを考えていたんだ。
語彙がないもんで、文章下手ですまんw

男ヤンデレいいよ男ヤンデレ
208名無しさん@ピンキー:2010/09/09(木) 21:55:44 ID:Pa3/zJdN
>>207
男側がマトモに友達も居ないような奴でヤンデレ
女の子側は友達、知人一杯なのは良いな
萌える

エロが濃厚で変態的で男側がドSなら良い
209名無しさん@ピンキー:2010/09/10(金) 17:55:05 ID:sfaRDaA5
ぬるすぎワロタ
210名無しさん@ピンキー:2010/09/10(金) 18:20:14 ID:lgKCKnEU
個人的にはキツい方が良いので良いネタを落として欲しい
211名無しさん@ピンキー:2010/09/10(金) 18:26:12 ID:/W2nornh
204・207だけど、いつか持って来られるように
ちょっと変態エロヤンデレ野郎の文章を練習してくるよ。

ヤンデレ男の設定ならいっぱい考えられるのになーww
212名無しさん@ピンキー:2010/09/11(土) 01:17:43 ID:ZWmdnxAo
>>211
楽しみにしてるよ
鬼畜で変態でエロいヤンデレ男に犯される女の子ハァハァ
213名無しさん@ピンキー:2010/09/12(日) 00:30:56 ID:RObqY0OH
貴志祐介『悪の教典』の主人公ハスミンこと蓮実先生がかなり良い感じ
愛はなく、目的のためならなんでもする天才サイコパス教師なだけだけど
ネタバレになるから言えないけど、ヤンデレっぽい要素もある
なによりかっこいい
214名無しさん@ピンキー:2010/09/12(日) 20:06:47 ID:LVY5bpa0
そういえば歪みの国のアリスもヤンデレ男いるな
主人公のアリスの母親の彼氏がそんな匂いさせてた。
215名無しさん@ピンキー:2010/09/12(日) 20:50:05 ID:Z+DtsyIn
>>214
言われてみれば……
あんぱん達の強烈さしか頭に残ってなかったです。
思い出してみれば、うさぎは最初からフルスロットルでヤンデレですね
チェシャもエンドによっては…?
216名無しさん@ピンキー:2010/09/12(日) 21:09:21 ID:jbn+axwS
Janne Da Arcの7-sevenがヤンデレ過ぎてときめく
217名無しさん@ピンキー:2010/09/12(日) 21:30:28 ID:KGqQQuc2
>>174
続きはマダーですか?
218名無しさん@ピンキー:2010/09/14(火) 01:47:39 ID:w/0iO9Dv
保守
219名無しさん@ピンキー:2010/09/16(木) 02:37:37 ID:XugukE83
年の差夫婦(まだ作中では婚約中)の変態的夜の営みを妄想して書いてみた
夫がどうしようもない駄目なロリコン男で暴力も振るう
妻はロリで健気
暴力と放尿がある、というかそれしかないのでご注意ください
220青田買い 1/2:2010/09/16(木) 02:39:11 ID:XugukE83
この国の男女は同じ階級同士でしか結婚できない。
上の階層に行くほど結婚できる相手の数は限られてくる。
だから上の階層の男どもは婚姻最低年齢に達していない女を見つけるとひどい青田買いをする。
ひとまず婚約をしておいて、手元で女を育てつつ、女が婚姻最低年齢になるまで待つのだ。

自分は上から二つ目の階級だ。
自分もこの国の最低な男どもの一人であり、手元で未来の妻を育てている。
名前はキオ。
彼女を見つけて婚約した時は彼女は11歳だった。
それから数年経つが、彼女は相変わらず素直で明るく可愛い性格だ。人懐こい仔犬に似ている。
彼女も一途に私のことを想ってくれる。
私達はきっと良い夫婦になる。
だからこそ私は今夜も他の女を抱く。

翌朝彼女が暮らす奥の間をこっそりと覗くと、案の定彼女は私を想い、丸い目にいっぱい涙を溜めて、私のプレゼントした手巾を握り締めていた。
私を想い、私が抱く女に嫉妬し、一人涙を流す彼女の愛らしさといったら天下一だ。
しくしくと泣き濡れる彼女の姿に私はひどく興奮し、女を抱いてきたばかりだというのに一人こっそり自慰に耽る。
私はけして女が好きだから女を抱くのではない。
婚約者であり数年後に妻となる彼女を嫉妬させるために、女を抱くのだ。
どんな美しく素晴らしい女を抱けば、彼女は嫉妬し、泣き喚き私に縋りついてくれるのか。
その姿を想像するとどうしようもなく楽しくて私は今夜の女を見繕うのだった。

可愛い婚約者に対してそのようなひどい仕打ちを働いていたある日、私はたまたま家の門の前にキオと一人の若い男を見つけた。
二人は手を握り合いくつろいだ表情で何事かを話し合っていた。
私はその彼らに忍び寄ると、キオの腰を掴み抱き上げて、家の中へ無理やり戻した。
奥の間に入ると、キオを下ろして、畳の上に押し倒す。
「キオ。さっきの男は何だい」
キオは震える声で「あれは三番目の兄です」と答えた。
「兄だろうと何だろうと、婚約中の女が夫以外の男の手を握るとは何事だ。実家とうちでどうゆう教育を受けてきたんだ」
キオの頬を打つと、彼女の透き通るような白い肌が赤く染まる。
私はキオの表情の変化をじっと観察する。
初め驚きで呆然としていた顔が、見る間に歪み、眉が下がり、目尻に涙が溜まる。
桜色の唇は肩と同じようにぷるぷると震えだす。
涙で潤んだ瞳で私を見上げてくる。
「ユーヒさん。ごめんなさい……もう今日みたいなことはしません」
「ああ。そうだ。しばらくこの部屋から出るな。反省しろ」
そう命じて、私はその部屋を出た。
221青田買い 2/2:2010/09/16(木) 02:40:06 ID:XugukE83
日が沈み夕餉を食べ終わっても、その夜はどこにも行く気がしなかった。
はたして婚約者は私の言いつけを守り部屋から一歩も出ていないか。
そればかりが頭のほとんどを占めていた。
女中を捕まえてキオの様子を尋ねると、人払いをして、部屋に篭っているとのことだ。
戸の隙間から覗いてみる。
キオはその場に正座し瞼を閉じている。
思わずキオの長い睫毛と細い顎に見惚れる。
我に返ると女中から桶を借りて、キオの部屋に入り、後ろからキオを抱きしめる。
「一歩も外に出ていないな」
彼女は何度も無言で頷いた。
ということは彼女は何時間も用を足していないということになる。

私は桶を畳の上に置き、キオの服の裾を捲り上げ、下着を下ろす。
彼女は控えめに抵抗したが、昼間あんなことがあった後では彼女が強く出れるはずがない。
背後から彼女を抱きすくめた状態で彼女の露わとなった下半身を見下ろす。
とても成熟しきった体とはいえないが、下腹やふとももの辺りに少し肉がついてきているようだった。
下腹部に触れるとそこはパンパンに張っていた。
桶を彼女の股の下に来るように移動して、彼女の左の膝裏を抱え上げると、羞恥から彼女の頬を一筋涙が伝い落ちた。
「ほら、ここに出してしまいなさい」
「いやぁっ……お願いです、やめてください」
軽く彼女の下腹部を押すと、彼女は「ぐっ」と呻いて、下唇を噛んで耐える。
しかし彼女の体は用を足したがっている。
次第に彼女の額に脂汗が滲み、顔に赤みが差し、呼吸が乱れてくる。
「ほらっ」
「だめ、押さないでぇ……」
なかなか出そうとしない彼女の下腹部から下に手をずらして、正面から見れば丸見えな彼女の陰核に触れる。
皮を剥き、外気に晒される敏感な場所をくりくり弄ると、彼女はあられもない声を上げて、左足を痙攣させる。
「そこだめぇっ!」
陰核への刺激を続けながら、さらに尿道口に触れる。
そこからじわりと少量液体が滲み出た。
「ほら、ちょっと出た」
我ながら残酷なほど楽しそうな声で愛しい妻に囁くと、彼女は汗で濡れた首筋に艶かしく髪をはりつかせながら、狂ったように頭を振っていた。

十代の少女には体力的にも限界が来ていた。
最後にぐっと強く下腹部を押さえた次の瞬間、彼女の下半身にぐっと力が入り、つま先がぴんと伸びた。
「やぁぁああぁあぁああ……!」
琥珀色の液体が勢い良く噴出し、桶の中へと注がれていく。
彼女はまるで女が絶頂に達する時のように全身を震わせながら絶望の色を滲ませたか細い喘ぎ声を出し続けた。
ぴちょんと最後の一滴が零れ落ち、桶の中に波紋を作る。
彼女は私の胸に背中を預けぐったりしたまま静かに涙を流した。
いつの間にか私は勃起していたが、彼女を観察することに忙しく、彼女を犯したいとは不思議と思わなかった。
222名無しさん@ピンキー:2010/09/16(木) 02:44:23 ID:XugukE83
以上です
この夫は妻に接する時はやたらツンツンしてますがいつも内心妻にハアハアしまくってます
ヤンデレ要素薄くてすみませんでした
223名無しさん@ピンキー:2010/09/16(木) 10:26:30 ID:vkcK1mf4
>>222
乙です!
嫉妬させたいから浮気とか、なのにキオちゃんが他の男と話すのは
許せないとか、旦那十分に病んでると思うよ!
これからどうなるか楽しみだw
224名無しさん@ピンキー:2010/09/16(木) 22:56:15 ID:MZtcjzZe
>>219-222
GJ過ぎる
キオタンが可愛い過ぎて激しく萌える
この駄目男は今後も鬼畜で糞な行動を取るべき
続き待ってます
225名無しさん@ピンキー:2010/09/17(金) 00:00:59 ID:pnMgvn0j
>>222

キオちゃん可愛い
俺もキオちゃんの前で他の女と犯って泣かせたり
キオちゃんに言い掛かりを付けて折檻したり
無理矢理放尿させたりしたい
226名無しさん@ピンキー:2010/09/18(土) 01:43:18 ID:ryOe42r2
>>222
GJ!!
ヤバい続きが気になる
これは普通にヤンでるし全然おkだと思いますよ。

>>141さんの虐めっ子な男ヤンデレとか
>>174さんの続きとかも待ってる
227名無しさん@ピンキー:2010/09/18(土) 21:14:02 ID:1hpmPNdm
各作品の続き期待
228名無しさん@ピンキー:2010/09/21(火) 23:27:13 ID:aUpl+BmW
そろそろ投下来るか?
229222です:2010/09/22(水) 22:39:19 ID:pYRJnz7K
レスありがとうございます
相変わらずヤンデレ要素は薄いですが続きを書いてみました
ただの痴話喧嘩で妻にお仕置き緊縛してます
途中でぬこを虐待している描写がありますのでご注意ください

>>226
実は>>141も自分です
少し違う方向にいってしまいこうゆうものができました
230浮気の代償 1/2:2010/09/22(水) 22:42:34 ID:pYRJnz7K
相変わらず私は性懲りもなく女を買い続けていた。
女の顔といえば私はキオの顔しか見ていないような男なので抱いた女の顔などは覚えていないが、抱いてきた女はどれも評判の美しい女だったようだ。
というのも私の婚約者の彼女は特に美しい二十歳前後の女に嫉妬心を駆り立てられ、よく泣いてくれるので、条件に合う女を見繕ってもらっていたからだ。
しかし最近になって遊郭から出入り禁止を言い渡された。
彼女と喧嘩をして機嫌が悪い時に擦り寄ってきた遊女に酒をぶっかけて突き飛ばしたのがどうも悪かったらしい。
いや、とりあえず遊郭に来たという事実を作るために部屋に居座っただけで女と口も聞かずにいたのが悪かったのだろうか。
理由は忘れた。どうでもいい。
親父に太鼓のばちでケツとふとももを死ぬほど叩かれたのはさすがに堪えたので、しばらくは家で大人しくしていた。

家にいたらある日こんなことがあった。
彼女の猫が彼女の大事にしている絵で爪を研いだのだ。
彼女は動物のやることなのでと以前と変わらずに猫を可愛がっていた。
それが面白くなかった。
彼女が母親と出かけている間に小銃で猫の額を打ち抜き川に捨てた。
家に帰ってきた彼女は二度と帰ってこない猫の姿が見当たらないと猫の心配をしていた。
一週間も経つと「きっと死に際を悟って出て行ったのだろう」と諦めていたがそれでも落ち込んでいた。
私が約一年半後に妻となる婚約者のために仔猫を飼ってきて彼女に贈ると、それはもう満開に咲いた花のような笑顔を私に見せて喜んでくれた。
猫には悪いが彼女のためならば私は何匹でも猫ぐらい殺せると思った。
だからうちでは猫を飼うことをやめない。

女遊びは控えていたが、キオの女中に誘われたので、キオの部屋の隣室で事に及んだ。
終わった後襖にわずかな隙間が開いていたのを確認し、自然と頬が緩む。私がいつもするように、彼女も覗いたのだろう。
翌日からの彼女はというと、何も喉を通らないほどにショックを受けている様子だと母親に聞かされた。
さらに私の性格も悪い癖も知っている母親には、すでに女中に手をつけたことがいっていたのか、
「あんまりにもキオさんを苛めるならばキオさんを実家に戻しますよ」と釘を刺された。
彼女を手放す気は全く持ってさらさら微塵もない。
いい加減にしておかなければ彼女の元許婚も出しゃばってきそうだと改めて危機感を抱く。
これからが彼女は女ざかりだ。彼女を手に入れたからといって、慢心していては、今度は逆に彼女を横取りされてしまうことになりかねない。
あくまでまだ私達は婚約段階で社会に認められた男女ではない。

足を忍ばせ、物音を立てずに襖を開けて、そろりと彼女の部屋を覗く。
ちょうど彼女は婚約指輪を指から外し箱に戻しているところであった。
「キオ!」
彼女の名前を叫ぶ。振り向いた彼女の赤い目尻には涙が溜まっていた。
「どうして私が贈った指輪を外すんだ?」
「……私は、ユーヒさんの妻にはなれません」
「どうして?」
首を横に振る。
それから何を聞こうとも彼女は首を横に振るばかり。
元来彼女は頑固者だ。
私の求婚にも最後まで頷かなかったのは、彼女の両親ではなく、何を隠そう彼女自身だ。
――喋らないならば喋らせるまでだ。
231浮気の代償 2/2:2010/09/22(水) 22:43:35 ID:pYRJnz7K
実のところ彼女の裸を見るのはこれが初めてのことだ。
現在彼女は畳の上に仰向けに転がされ、惜しげもなく裸体を私の前に晒している。ただし上半身は後ろ手に縄で縛り上げられて。
彼女の体力のことも考えてぎちぎちに縛り上げているわけではない。
しかしながら、乳房は上下の縄で縛られ通常よりも彼女の胸を大きく見せ、色素の薄い桃色の乳首を押し出している。
二の腕の柔らかい肉に縄が食い込んでいるところは思わず触れてしまいたい。
彼女の下半身には何にも施さなかったが、彼女は太ももをぴっちりと閉じ、逆に不自由そうにしている。
ちらりと太ももと下腹の間を見下ろすとまだ陰毛は生え揃っていなかった。
まだ若すぎるくらいの彼女の体だが私のみならず男を興奮させるには充分な魅力を放っている。
そしてなにより社会的に高貴な身分の女を罪人のように縄で縛る、この倒錯感に酔いしれずにはいられない。
「それで、どうして婚約指輪を外した?婚約破棄する気だったのか?」
彼女が婚約破棄をする気でも、双方の合意なしでは勝手に婚約破棄はできない。
私は婚約破棄するわけがないので彼女がその気でも逃がしはしない。
彼女に問い詰めても彼女は私から顔を逸らし黙り込んでしまう。
顔を背けた際に見える彼女の頬の線も滑らかで美しい。
この前のように何時間も放置してその場で放尿もいいが、せっかく彼女の体にお仕置きできる絶好のチャンスを棒に振るのはあまりにも惜しい。
彼女の頬に手をあて、首から鎖骨、乳房へと手を滑らせていく。
乳房を両手で掴みマッサージをするように揉みしだく。
普段から彼女とくちづけすることはあっても今まで性的接触はほとんどなかったので、彼女は顔を真っ赤にして、目を見開き私を見上げる。
「ほらほら、言わないと痛いことをするぞ」
彼女はやだやだと頭を振るが口を開こうとしない。
仕方なく両乳首を抓み上げた。
「ひぁっ」
突然の鋭い痛みに彼女は短い悲鳴を上げて、はくはくと口を開けて酸素を吸う。
まだ痛みの引かない乳首を引っ張ると、痛みに可愛らしい高い声を上げる。
「痛いから、やめてください……」
「で、婚約を破棄してほしいのか?」
乳首を引っ張るのをやめて、彼女に問いかけながら優しく乳房を揉み、乳輪を円を描くように指でなぞる。
「婚約を破棄したいのではなくて……でも……」
彼女の瞳にぶわりと涙が溜まる。
「ユーヒさんは他の女性が好きなのでしょう……?私はお飾りの正妻にするおつもりなのでしょう?」
妻から見た私の顔は目が点になっていたことだろう。
私が愛しているのは妻だけだ。子供を作り一緒の墓に入りたいと思っているのも正妻の彼女だけだ。
特別な問題が起こらない限りは妾を持つ気はない。
しかし妻は私が妻以外の女を好きで、妻をお飾りの正妻にしようと思っているなどと勘違いしている。
何故そんな勘違いを――といいたいところだが、すべて私の言動が原因なのは自覚している。
彼女に妻はキオ一人だけで、お飾りの正妻にするつもりもないと伝えるが、信じてもらえなかった。悲しい。
彼女を縛っていた縄を丁寧に解き、できうる限り優しく妻の体を抱きしめる。
「私が生涯に愛する女はキオだけだ」
「そんなの……嘘です。今だってあなたは他の女性を抱いて……ずっと一緒にいたら、私も老いていって、若くて美しい女性がきっとあなたの目の前に現れる」
「そんなことを言ったら私の方がキオよりもずっと早くおじさんになって、おじいさんになるよ」
軽く彼女の口を吸うと、彼女の怒っていた顔が少しだけ和らいだ気がした。
「その言葉が本当ならばもう他の女性のところに行かないでください。その……私のことは、好きにしてくださって構いませんから……」
僅かに私の服を握る彼女の手に力が入った。
彼女はいつから夫を誘う術を身につけたのだろうか。末恐ろしい。よし、子供は少なくとも5人だ。
この一件により、私の華々しい女遊びの日々が幕を閉じ、妻との子作りの予行練習の日々が始まったのだった。
232名無しさん@ピンキー:2010/09/22(水) 22:51:10 ID:pYRJnz7K
以上です
エロも少なかったような
浮気はやめたみたいですが性欲が幼妻に全部向かってしまうのもどうかと
233名無しさん@ピンキー:2010/09/23(木) 02:10:46 ID:OKN7MZfC
>>229-232
キオちゃんが可愛らしくて健気でいじらし過ぎるから萌えて悶え狂いそうw
このおっさんマジ鬼畜ですね、大好きだけど
しかしキオちゃんには元許婚が居たのか…強奪編とか見たいかも
キオちゃんがどういう変化でこのおっさんを受け入れたか気になる

このおっさん性欲だけは異常みたいですしね
でもそんな強烈な性欲の餌食になるキオちゃんが楽しみですw

後、余裕があるのなら全力で好きな子を虐める
虐めっ子ヤンデレ男の話も是非w
234名無しさん@ピンキー:2010/09/23(木) 18:45:19 ID:xYCHQMN7
>>229-232
乙!!年の差は萌えるなあ
子供は少なくとも5人に笑ったw
235名無しさん@ピンキー:2010/09/23(木) 21:30:54 ID:sWpcs4HJ
>>232
旦那はマジヤンデレだと思うw
あまり身体が丈夫じゃない幼妻が年上の性欲全開の夫を受け止めるとか
股間もとい胸が熱くなるな……


そして子供は5人に俺もワロタw
236名無しさん@ピンキー:2010/09/24(金) 02:20:17 ID:hxO7z/zS
>>229-232
>その言葉が本当ならばもう他の女性のところに行かないでください。その……私のことは、好きにしてくださって構いませんから……
キオタンがドMになりきれるかが勝負の分かれ目ですね、わかります。
続き待ってます。

そして>>141ネタを待ってます。
237名無しさん@ピンキー:2010/09/25(土) 16:53:13 ID:z18TIECH
 彼は中性的な美しい容姿さえとればこの屋敷にありふれた召使いの一人だった。
 気まぐれ、というか幼い少年を好む気質の母から気に入られ孤児院から引き抜かれ、ここで執事の勉強をしながら育てられた。
 以前家族から酷い捨てられ方をしたと聞いた。そのせいか否か彼は誰にも心を開こうとしなかった。
 無口で無表情で、近寄ってくるものをすべてはねのけてしまいそうな感じがして幼い故に彼に怯えた眼差しでみてしまった。
 傷つけてしまっただろう。

 名前なども聞いたことはなかった。
 だが年を重ねるとまた違うもので彼を見かけるたび心の隅で哀れみ、いつか彼の笑顔が見れる日がきたらいいと思っていたりする。
 言い方によっては一目惚れ、かもしれないが。


「ベティ、ちょっと話があるの」

 そんなある日、妙に上機嫌な声で母から呼び止められた。
 何かおねだりでもしてくるのかと思ったが彼女はレモンティーを啜って、ただ一言。

「あなたへの誕生日プレゼントよ」


 しかし私の部屋のド真ん中に置いてあったのは誕生日プレゼントではなかった。物ですらない。
 真っ暗の燕尾服をきこなす細身の長身。月のような輝きを持った金髪、くりっとしたエメラルドグリーンの瞳。
 中性的な美しい顔立ちの、彼だ。

「…………」

 彼は何も喋らない。ただその瞳で無表情に私を見つめるだけだ。
 何か動物的な思わず引き下がりそうになる。

「あのごめんなさい、失礼かもしれないけどあなたが……母からの誕生日プレゼント?」
「はい」

238名無しさん@ピンキー:2010/09/25(土) 17:01:12 ID:z18TIECH
前置きとか書き忘れた死にたい
239名無しさん@ピンキー:2010/09/25(土) 17:08:59 ID:anblKe+a
まぁまぁ、死なずにとりあえず今から説明すればいいじゃないか
240名無しさん@ピンキー:2010/09/25(土) 17:21:03 ID:z18TIECH
ありがとう

分かりにくいけど一応ヤンデレ。主従関係。従者が男。
諸事情によりちょこちょこ(一時間くらい)間が空くしグダグダ長いしオチは特にない
主従とかいってるけど従者が主人に暴力を働いたりする。

お暇があればせいぜい目を通してやってください。
241237:2010/09/25(土) 17:54:53 ID:z18TIECH
 慌てて彼を私の部屋に置いてけぼりにしたまま母の部屋へ駆け込んだが母はこともなさげににしていた。
 貴族の娘が16にもなったからには従者が必要だろうと母は言うが、そこは普通婚約者とかじゃないのか……。
 ちょっとがっかりしつつ、でも彼が大嫌いという訳でもないので笑顔を作り部屋に戻る。
 相変わらず彼は部屋の真ん中で無表情に突っ立っていた。

「とりあえず座ったら? ……えーと」
「ジャクリーンとお呼びください、ベティ様」

 ベティ様。名前を知っていたのか。
 彼のはじめて聞く声で呼ばれると自然と胸が高鳴ってしまう。
 ずっと見守っていた彼が、私の従者。嬉しさが噴出してくる。
 (……姉さんたちにとってはもう普通のことなんだろうけど)
 だがそれでも義父に溺愛され幼いころから執事がいた姉たちと比べると少し落ち込んだ。
 後妻である母の実の娘なのだから仕方ない。
 でも、嬉しいことに変わりない。そう思いなおすと笑顔で彼に手を差し出した。

「よろしく、ジャクリーン」
「よろしくお願いいたします」

 ジャクリーンはそう言うと私の手をとりすっと膝をおってひざまずいた。
 手の甲が彼の顔に近づく。

「え」

 ちゅ、と音を立てた。
 ああそうか、従者ってこういうものか。新しい友人のように思い握手を求めたつもりだったのでかなり動揺してしまった。情けない。
 顔があつくなってくる。今さらになって昔から男性に免疫がないのも恥ずかしく思った。
 まともに彼が見れずに顔を背けた。

「ベティ様」
「な、なに?」

 呼ばれてなんとか振り返る。

「わたくしはこの日を何より心待ちにしておりました」

 握った手はそのままに彼は立ち上がってふっと花が咲くようににこりと微笑みかけてくれた。

(……笑った)
242237:2010/09/25(土) 18:31:06 ID:z18TIECH
 ジャクリーンは思っていたよりも感情が豊かで声を上げることはないがよく私に笑いかけた。屋敷の皆が言うほど無口にも思えない。
 淡々と私の身の回りの世話をして自分の仕事をこなし、時には私の姉や父に対する愚痴を聞き時には二人で買い物に出かけたりもした。
 常に二人一緒。一日の何時だって離れることはなかった。 
 幸せだった。姉や父にどんな理不尽な言いがかりをつけられてもジャクリーンに話せば彼は必ず「大丈夫ですよ」と答え、そのたびに何故か安心した。
 春を過ごし、夏を過ごし、秋を過ごし、そして冬がきた。

「ベティ、ちょっとおいで。……ああ、ジャクリーンは席を外して頂戴」

 その日は大雪の日だった。ジャクリーンと共にサロンから帰宅するとリビングに父と母、それから見知らぬ青年とその母親らしき夫人が座っていた。
 青年は私を見ると取り繕ったような笑みを浮かべ、ソファから立ち上がった。

 なんでも彼はウェスティン公爵家の次男坊とのことだった。公爵家はかなりの財を持つし、たとえ次男坊でも邸宅の一つは貰えるだろう。
 婚約の話は当の私を置いて大人たちの間でだけどんどん進んでいく。
 頼りのジャクリーンはいないし婚約相手は私に目もくれない。隅っこの方で小さくなりながら一時間弱を過ごした。
 玄関まで公爵家の二人を送ると、父と母とは会話もせず階段にのぼり部屋に駆け戻った。


「じゃ、ジャクリーン……!」
「ベティ様」

 案の定彼は私の部屋にいてくれたので、思いっきり弱音をはきながらジャクリーンに飛びつくように抱きついた。

「なんか嫌な人だったよおおおおおお私を見てすらいなかったあああああうわああああ」
「…………」

 ジャクリーンは無言で私の腰に手を回し赤子を宥めるように頭を撫でた。
243名無しさん@ピンキー:2010/09/26(日) 04:00:12 ID:o98hinc2
>>237-238
>>240-242
乙!!
続き気になる

だけど投下終了時の告知は欲しいかも
244名無しさん@ピンキー:2010/09/26(日) 12:23:59 ID:Y9M3bSVH
このスレいいヤンデレいすぎて楽しみすぎるでござる

>>240-242はもう終わりなの?
245名無しさん@ピンキー:2010/09/28(火) 11:52:10 ID:NUTMWgst
>>244
流石にこれで終わりでは無いだろ……
246名無しさん@ピンキー:2010/09/28(火) 20:39:36 ID:mmhingVl
>>245
いや今回の投下って意味で…
247名無しさん@ピンキー:2010/09/29(水) 21:13:08 ID:waVyyYle
>>242の続き期待してます
これで職人さん規制とかだったら泣きそう
248名無しさん@ピンキー:2010/09/30(木) 23:11:52 ID:2nErZEzI
ちょっと書いてみたので空気読まずに投下
全3レス程度でエロは無し
一応ファンタジー物です
249追いかけっこ 1/3:2010/09/30(木) 23:12:52 ID:2nErZEzI
彼…『クラシス』は、今正に、愛しい人を追っていた。
大好きで、大好きで…気が狂ってしまいそうになる程、大好きで…。
想いを自覚してからは、何年も想い続け、追い続け、数年前に彼女は、自分の『婚約者』となった。
結婚と一言で言っても、当人同士は決して愛し合っている訳ではない。
所謂、彼女の父親と、クラシスの祖父が勝手に取り決めた、政略結婚の類なのだが、
クラシス自身、彼女と共に生きられる幸せを、世界の何よりも切望していた。
無論、結婚に対する彼女の意思は、完全に無視される形で話は強引に進められ、
数日後には、式が無事に執り行われる筈…だった。

これで、彼女の心が手に入る、彼女が僕だけを見ていてくれる。
積年に募る想いが、実りを結び、婚約が決まった瞬間、クラシスの心は歓喜に震えた。
後は、式を挙げ、蜜時溢れる新婚生活を夢見ていたその矢先に、彼女が、自分の前から突然姿を消したのだ。
(僕の全てを掛けて一生護ると誓ったのに、何故なんだ…?)
(―――の欲しい物は、僕が必ず手に入れて見せるし、僕だけが―――をこんなにも愛しているのに…)
(―――の心は、僕だけのものだ…絶対、誰にも渡さない…)
そう、クラシスは何度も何度も繰り返し、思う。
彼女に逢えないもどかしさが、焦燥感となって、クラシスの心に現れる。
不安で、苛立つ負の感情が、じわりと広がると、精神を闇色に染め、そのまま蝕んで行く。
そんな時には、気持ちを落ち着かせるために、深く溜息を吐くと目蓋を閉じる。
目蓋を閉じると、浮かぶのは、彼の愛する彼女の笑顔。
耳を澄ませば、聞こえるのは、クラシスの名を呼ぶ彼女の声だけ。
今直ぐ逢いたい…声を聞きたい…。
抱き締めて温もりを分かち合いたい…。
彼の心全てが、今、『彼女』に魅了されている状態なのだ。

件の彼女…『リレア』とクラシスが初めて互いを知ったのは、二人が、未だ乳飲み子の頃。
二人の関係をあまねく言えば、幼馴染兼乳兄弟…という間柄で、
クラシスは、集落の長・ディランの孫として、この世に生を受けた。
クラシスの両親は、クラシスが生まれて直ぐに、流行り病で既に他界しており、
乳を与えるのに困ったディランが、丁度同時期辺りに、出産を控えていたリレアの母、
レーネに頼み込み、リレア出産後、乳母として、クラシスが乳離れするまで働いて貰っていたのが、
クラシスとリレア、二人の出会った最初のきっかけだ。
クラシスは、幼い頃より、長になるべくディランに期待され、学問やら一般常識等の、必要と成り得る、
知識を徹底的に教え込まれた御蔭か、気付けば、集落で一番頭の良い、賢い子供となっていた。

集落と言う、狭い土地柄、弥が上にもクラシスとリレアの出会う機会は多く、気が付けば物心付く前から、
自然と二人は共に学び、良く遊ぶ仲になる。

クラシス曰く、リレアの事自体、初めは、別に何とも思わなかったらしく、精々、思っていても、
『手の掛かる妹』程度のそんな思い…だった。
250追いかけっこ 2/3:2010/09/30(木) 23:13:28 ID:2nErZEzI
だが、その思いが打ち砕かれる一つの出来事が起こる。
リレアの運命が大きく変わった日の出来事に、クラシスは、当事者として、深く係わっていたのだ。
あの日は、彼にとって生涯忘れられない日となった。
話せば長くなるので、此処では割愛するが、ともかく、その出来事がきっかけで、
クラシスのリレアに対する想いが、兄妹愛のそれから、クラシスの一方的な、恋慕の情に変わってしまった。
それ以来、クラシスは執拗にリレアを追い回す様になり、リレアに好意を抱く集落の若い男共を、
庇護の名の下牽制し、序に権力と暴力を持って、排除し始める様になる。

「リレアは、僕の事…嫌いになった…のか…」
クラシスは溜息を吐くと、ぼそりと一言呟く。
自ら呟いた台詞が、不安感を煽り、心に影を色濃く落とす。
「…リレアに限って、そんなことは、絶対にあるわけない…よな…」
独りでぶつぶつ呟くと、近くの樹に背中を預け止しかかり、どうしてリレアが自分の下から突然、
何も告げずに姿を消したのかを、真剣に考える。
ふと見上げた、天から降り注ぐ柔らかな木漏れ日が、眩しくクラシスの顔を照らし出す。
「だったら何故…?」
木漏れ日の、暖かな光とは真逆な、暗く冷たい心の闇が、渦巻き、さんざめくのを感じながら、
クラシスは自分に都合の良い答えを、無意識の内に探していた。
「ああ…そうか…そうなんだ…」
目は全く笑ってはおらず、口元だけに笑みを作ると、納得の行く一つの答えにたどり着く。
「僕の事を…僕が、どれだけリレアを愛しているのか、試しているんだね…」
自分の愛を試されていると、勝手に思い込み、クラシスの心は甘く…歓喜に震えた。
これは、自分が普段からどれだけリレアの事を愛しているか…行動を把握できているのかを
リレア本人に直接示せる、千載一遇の好機ではないのか…?と、そう考える。
つまり、リレアを見付け、無理矢理にでも捕まえてしまえれば、リレアの全ては自分のモノ…と言う、
真実とはかけ離れた、随分と身勝手な…自分本位の答えだが、クラシスにとっては、それでも良かった。
彼にとっては、どんな事実より、リレアへの偏った愛の方が比重は大きく、例え、真実を知っても、
自分の内で、解釈を捻じ曲げ、勝手に自ら都合の良い方向の言い分へと変換し、納得してしまうのだ。
「そうだ…捕まえたら、何処か安全な所に、僕が良いと言う迄、ずっとずっと隠れていて貰わなくちゃ…」
世間一般的に、それを『監禁』というのだが、さも当然のように、クラシスはさらっと言ってのける。
リレアの事に関して言えば、この男、良心の呵責も無く、罪悪感のかけらすら持たないらしい。
「折角、僕の愛が伝わったのに、又、何処へと行ってしまったら嫌だから、
 ちょっと重くて、動きづらいかも知れないけど、鎖付きの素敵な首輪もプレゼントして…」
そう言いつつ、贈り物を身に着けた、あられもない姿のリレアを想像しては、男としての精神を昂らせる。
「…可愛いよ…リレア…」
妄想は留まる事を知らず、自分にとってこの世の何より清らかで、犯さざるべき存在のリレアが、
自分だけに従い、自分だけに愛を捧げ、愛を求め懇願する…そんな淫らな姿を思い浮かべると、
その愛らしさに、クラシスは眩暈すら覚えそうになる。
「…リレア…僕が欲しい…?」
妄想で創り上げた、クラシスへと直向に愛を懇願するリレアの幻影に、そう一言嬉しそうに呟くと、
「良いよ…あげる…」
(君に千尋の愛を…)
そう心で付け足し、病的な程、慈愛に満ち満ちた表情を浮かべ、幻影へと優しく微笑む。
「僕の全てはキミだけのモノ…なんだよ…?」
焦点の定まらぬ瞳で、幻影を見詰め、己も負けじと熱情の篭る愛を囁く。
仮初の幻影だが、リレアが自分だけのモノになった嬉しさが、今更ながら、
抑え切れぬほど込み上げてきて、清濁入り乱れる感情が、津波のように押し寄せてくる。
リレアも、自分を愛していると勘違いし、思い込んでいるからこそ、
自分も、リレアのその想いを大切にしたいと、クラシスは、本気でそう思う。
251追いかけっこ 3/3:2010/09/30(木) 23:14:37 ID:2nErZEzI
「ふふっ…ははははっ!」
端正な顔立ちが醜く歪む事も恐れず、再び口元だけで笑みを作り、けらけらと、楽しそうに笑う…。
楽しそうにしてはいるが、心は決して真の意味での安寧を得てはおらず、
クラシスの瞳に宿る鈍色のそれは、正しく獲物を狩る、獣の様な危険性を孕んでいる。
「そして僕以外の誰も、リレアには絶対に近づけさせないんだ…」
リレアだけが自分の傍に居れば良いし、リレアの直ぐ傍に居いる人物は、自分一人だけで良い。
そんな歪な感情が、クラシスの心を、真綿で締め付けるが如く優しく包み、
やがて闇の彼方へと引き摺り落とす。
其処から、這い上がる術を知らないクラシスは、もう…戻れない。
徐々に心を腐らせ、病んでいくしか、他に術は無いのだ。
「…リレアも、きっとそれを望んでる…」
(だから、夫である僕の許可も無しに、目の前から突然姿を消したんだ…)
何処をどう捉えれば、そんな答えに辿り着くのかは判らないが、リレアの都合もお構い無しに、
其処に、自分の目指す、一方的な幸せの全てが繋がっている様な気がして、
クラシスは、改めてリレアを追う決意を固める。
「…楽しみだな…」
やがてやってくるだろう時を確信し、そう言うと、益々膨らむ、リレアとの甘い蜜時を安易に妄想する。
もう少しで手に入るだろう幸せが、今は、只管待ち遠しく、どれ程離れているかは不明な、
リレアとの距離が、じれったく燻り、クラシスの心に内包する歪んだ欲望を益々震わせた。
「待っててね…僕が今、迎えに行くから…」
瞳を閉じると、其処には、こちらに両の手を差し伸べ、『早く迎えに来てね…』と、言わんばかりの、
真摯なリレアの、その姿が鮮明に浮かび、目の前へと映し出される。
だが、クラシスが幾ら手を差し伸べ、抱こうとしても、目の前に映るソレは、所詮幻影でしかない。
瞳を開ければ、当然の事ながら、目の前にリレアの姿はどこにも無く、
彼女がここに…自分の、目の届く範囲に居ない現実が、幾重にもクラシスの心を打ちのめし、深く傷付ける。

早く逢いたい…早く逢いたい…早く逢いたい。
早く逢いたい…姿が見たい。
リレアが望むのなら、何でもしてあげたい…。
彼女を縛り付ける全ての柵(しがらみ)や、運命から解放してあげたい…。
全てから解放されたリレアを、幸せにしてあげたい…。
だから、僕が、リレアを護るんだ…。
いや…絶対に護らなきゃいけないんだ。
それが出来るのは、してあげられるのは自分だけなのだと、何度も何度も繰り返し、
言い聞かせると、その都度心に刻みつける。
「必ず僕が、リレアを護ってあげる…」
狂愛と言う、縛鎖がクラシスの全てを絡め捕っている限り、クラシスがリレアに焦がれる、
この想いに終止符が打たれることは、まず無い。
リレアの存在だけが、今のクラシスを突き動かす原動力で、彼の生きる全てなのだ。
「だって、リレアは僕の大切な花嫁…なんだから…」
そう、独り呟くと、クラシスは、只管に森の中を駆け抜ける。
愛するリレアの姿を追うために…。

〜 END 〜
252248:2010/09/30(木) 23:22:28 ID:2nErZEzI
以上です
ここまで読んで下さって有難う御座いました
では再びROMに戻ります
253名無しさん@ピンキー:2010/10/01(金) 01:08:29 ID:GP1uiMlR
>>248-252
乙です
リレア側の心情とか続きもあれば読みたいですw
しかしクラシス兄ちゃんは良い感じで逝っちゃってるなぁ
これは彼女の為なんだとか言いつつ、余裕で直接的な暴力も振るうだろw
大好きだけどw
254名無しさん@ピンキー:2010/10/01(金) 01:58:36 ID:mnU/Lxhx
おぉ、>>252おつです
リレア逃げて、超逃げて
い…いや、あられもない姿を期待してなんて…
255名無しさん@ピンキー:2010/10/01(金) 22:07:51 ID:+eS7UIsw
>>252
乙です
クラシス兄ちゃんはいいヤンデレですねwwそれにしてもなんという文章力
256名無しさん@ピンキー:2010/10/03(日) 10:05:21 ID:VSspyXEW
投下期待
257名無しさん@ピンキー:2010/10/04(月) 04:23:56 ID:PYjr4tH8
だ、誰か……
ULTIMOのルネで書いて下され
258名無しさん@ピンキー:2010/10/07(木) 10:08:10 ID:i4jLrrUp
ユーヒとキオたん読んでたらなんか新しい方向のヤンデレに目覚めたでござる
259名無しさん@ピンキー:2010/10/08(金) 01:13:10 ID:QAB4X3/T
キオたんは激しく可愛かったので続き期待
てか俺がキオたんを虐めたい……
260名無しさん@ピンキー:2010/10/09(土) 17:18:21 ID:gSBNHeNe
投下が途絶えてしまった……
261名無しさん@ピンキー:2010/10/12(火) 00:31:05 ID:oatxHqW9
ヤンデレにばっかり気に入られる子ってのもいそうだよね
262名無しさん@ピンキー:2010/10/12(火) 12:17:19 ID:sMopfZGR
>>261
ヤンデレ共に壊れるまで陵辱される女の子か……ヤバい興奮してきた
263名無しさん@ピンキー:2010/10/12(火) 17:37:20 ID:oatxHqW9
>>262
ヤンデレ数人×女の子……たまらんがカオスそうだw

実は自分、以前に師匠と弟子少女を書いた者なんですが
続きじゃないですが同じ二人で一つ書いたんで、投下します。
風呂ネタ、本番はないです。師匠が物凄く気持ち悪い変態ですが、暇なら読んでやってください
ちょっと長いので6レスくらいかと…それ以上とかなったらごめんなさい…
264師匠と弟子少女 1/6?:2010/10/12(火) 17:39:23 ID:oatxHqW9
 雨の降る夕暮れ時。
 朝から厚い雲で覆われて空が低かったので、僕はあの子に傘を持たせていた。
 なのに、あの子は雨に濡れて帰ってきた。
「傘は?」
「貸しちゃった」
「誰に」
「知らないお兄さん」
 雫が滴る髪をタオルで拭きながら、あっさりとした口調で言う。
「どうして」
「だってそのお兄さん、お店の軒下で困ってたからさ。私なら家も近いし、まぁいいかって……」
 笑顔の彼女は冷えて肌寒いのか、頬が赤い。もう秋なんだからそうなって当たり前だが。
 この子は困っている人を放っておけない質で、多少なら平気で自分を犠牲にするところがある。
 勿論良いところなのだが、他の男を惹き付けることにもなり得る。それを僕は許せない。
 だからといって、そんなことを言うわけにもいかないから……この子から男を遠ざけるよう動いてきた。
 万が一にも僕以外の誰かに靡くことのないようにしてきた。
 学校に行く用事がある度、君の周りに男子が近づくことのないように、クラスメートの彼らに「お願い」もしてきたのに。
 それを、通りすがりの男に邪魔されたのではたまらない。
「お兄さんってことは大人だろう? 放っておいて良かったんだ」
「でも、師匠……」
「それで君が風邪を引いたらどうする」
「……ごめんなさい」
 タオルに唇を隠し、こちらを見つめてしょんぼりと肩を落とす。もう18だって言うのにどうも幼いが、それもまた可愛くて仕方ない。
265師匠と弟子少女 2/6:2010/10/12(火) 17:41:28 ID:oatxHqW9
 まだ幼かった君を引き取ってからもう9年が経った……あと少しだ。あと2年待てば君は成人する。
 成人さえしてしまえば僕と君が何歳からの付き合いであろうと、結婚することを誰も何とも思わない――犯罪にはならない。
 今からその日が待ち遠しいと微笑んだ時、くしゃみする声が聞こえた。彼女は少し震えている。
「ほら、熱出す前にお風呂に入りなさい」
「うう……はーい」
「あ、待って」
 しぶしぶ風呂場に向かう小さな背中を呼び止めると、きょとんとした眼差しがこちらを向いた。
「そのお兄さんに触った?」
「え……? あっ、うん。傘渡すのにちょっと……」
 ああ……やっぱり。
 僕は黙って彼女に歩み寄り、濡れた体を抱き上げる。
「し、師匠?」
「触ったんだろう? じゃあ今日は僕が洗ってあげないと……」
 その綺麗な目も、夏空のように鮮やかな青の髪も、きめ細かな肌も、全て僕のものだから。
 学校の授業で仕方なかったって君が言っても、この子が僕以外の男に触った日はいつもそうしてきた。
「ま、待って、師匠」
「知らないお兄さんには触って、僕に触られるのは嫌なのか」
「そんなことない!」
「じゃあ大人しくしなさい」
 いつからだっただろう。
 一緒に風呂に入るのを躊躇ったり(しても今みたいに言えば良いんだが)、入ったら入ったで体を隠したり、頬を染めたりするようになったのは。
 その時は、きちんと異性として意識してくれているのだと思って嬉しかったものだ。
「師匠、洗ってくれるだけじゃないの? 一緒に入るの?」
「ついでにね」
 衣服は全て脱がせ、勿論タオルも巻かせない。もじもじと胸を隠して、僕を見ようとしないのもまた初々しくて可愛らしい。
266師匠と弟子少女 3/6?:2010/10/12(火) 17:44:03 ID:oatxHqW9
「ほら、洗ってあげるから座って」
「はーい……」
 まず僕が椅子に座り、彼女がその足の間に収まるように座る。
 正直、目前に裸の彼女がいるだけで、勃起しないように自分を諫めるのはなかなかの苦行だ。
 とりあえず最初は髪を洗ってやる。痛くないように、目に入らないように、優しく。
 そうしていると、湯で温まるせいか、彼女の緊張も和らいできて笑顔も見られる。
「師匠に髪触ってもらうの、好き……」
「毎日触ってるだろう」
「うん……だから、幸せ……」
 大きくなっても、僕になついているのは変わらない。僕に抱きついて甘えるのが好きなのも。
 いつまでもこうして僕だけを見て、僕だけを慕う君であって欲しいものだ。
「ひゃっ!」
「何をびっくりしてるんだ。次、体だよ」
「だって師匠が手でやるから!」
「いつもだろう」
 せっかくの絹のような肌を傷つけたら大変だからと、手のひらで彼女の体を洗う。
 そんなものは建前だといってしまえばそれまで。君の肌を堪能したいのも本当だからね。
 まず腕、それから肩、首筋、脇……ゆっくりマッサージするように手を滑らせていく。
 これもいつものことだというのに、彼女は触れる度に体を震わす。その敏感なところもたまらない、愉しくて背筋がゾクゾクするよ。
 そして柔らかい乳房に手が行くと、さらに体が強張った。この手に収まらないほど成長した膨らみを、円を描くように手のひらで揉む。
「し、師匠っ……胸ばっかり、そんなに……っ」
「駄目だよ、ちゃんと洗わないと」
「ひあっ!」
 つい時間をかけ過ぎてしまったため彼女の息が荒くなってきたが……。
 気にせず乳房の中央にあるピンク色の蕾までじっくり洗ってやる。親指と人差し指でそっと摘まんで、捏ねるように。
「や……やだ、ししょ……だめぇ……」
「何が駄目なの」
「あっ……また、もやもやしてきたのぉっ……」
 後ろから覗くと、彼女の頬はすっかり上気し、だんだんと瞳も潤んできている。
無意識のうちに、つい苛めてしまっていたようだ。
 濡れて冷えた体を温めるために風呂に入らせたのに、僕がさらに濡らしてどうす……まぁいいか、温まるには違いない。
267師匠と弟子少女 4/6?:2010/10/12(火) 17:47:16 ID:oatxHqW9
「ごめんごめん、やり過ぎた。じゃあ洗う場所変えるよ」
「師匠のばか! いっつもそう言って胸ばっかりっ……!」
 乳房から手を離して、腹から腰へ。それから、敢えて秘所には触れずに足を洗ってやる。
 彼女がもどかしそうに身動ぎするのには気づかない振りをして。
「あ……」
「どうしたの」
 泡があるとはいえ、やけにぬるぬるした太ももまで来た時、彼女がそれを拒むように、すらりとした足を擦り合わせる。
「ほら、足開いて。ここも綺麗にしようね」
「ま、待って師匠っ、んあぁっ!」
 泡以外のもので滑りの良くなった割れ目から外陰までをなぞると、彼女の体がびくんと跳ねた。
「洗ってるだけなのにどうしたの」
「あっ……なんでっ、師匠と入ると、いつもっ……」
 外陰を摘まんで押しつぶすように捏ね回すと、いやいやをするように頭を振って抵抗する。
 ――実は数年前から、消毒と称して彼女を風呂に入れる度に下を濡らしてやっていた。
心だけでなく体まで僕に依存するように仕向けるためだ。
 でもそれが、君には分からないのも無理はない。保健体育では、こういうところを弄られたら気持ち良くなるなんて習わないからね。
「もやもやして、体が変になるけど、本当は嫌じゃないだろう?」
「うん……」
 彼女は微かに頷いた。
「怖いけど……すごく、きもちいい……」
 小さく蜜の音がしている。風呂場には、彼女の甘い声とそれだけが響く。
 彼女の表情はまだ未知の体験に対する戸惑いが滲んでいるが、笑っていた。……本当に、なんて純粋でいい子だろう。
 これが「如何わしいこと」だなんて微塵も思ってない。ただ僕に可愛がられて喜んでいるんだから。
「あっ、ああぁぁっ……ふぁぁあん……!」
 割れ目から中には何もせず、ただ外陰を攻めていただけだが、彼女が達するには十分な刺激だったようだ。
 彼女はぷるぷると体を小刻みに震えさせ、きゅっと強く瞼を閉じ、唇をわずかに開いて虚空を仰ぐ。
 その瞬間に、普段の子供っぽさからは想像もつかない色気が彼女の全身から放たれたように感じられ、
思わず挿入までしてしまいたくなるがぐっと堪えて、肩で息をしている彼女の髪を撫でる。
268師匠と弟子少女 5/5:2010/10/12(火) 17:49:08 ID:oatxHqW9
5レスで大丈夫でしたすみません


「ししょ……」
「気持ち良かった?」
 彼女は僕に寄りかかると、はにかんだ笑顔で首を縦に振った。無知ゆえに変なところで正直だ。それがいいんだが。
「大人になったらもっと気持ち良いことしてあげるよ」
「ほんと……?」
 僕が言うと、嬉しそうに目を細めて首を傾げる。もうすでに快楽の虜らしい。
「ああ、本当さ。だから……ずっといい子で、僕の傍にいるんだよ」
「うん……約束する」
 大人になるまで……いや、大人になっても僕だけの言うことを聞くいい子でいるんだよ。
 ああ、でも大丈夫。もし聞かなくても追い出したり手放したりなんてしない……ただ、ちょっとお仕置きしなきゃならないけどね。

 君が大人になったらどんな風に気持ち良くしてあげようか。考えて僕は笑った。
269名無しさん@ピンキー:2010/10/12(火) 17:50:45 ID:oatxHqW9
以上です。何せ語彙がないもので拙くてすみません。
それでは、ROMに戻って他の素晴らしい書き手さんの投下を待つ生活に戻ります
270名無しさん@ピンキー:2010/10/12(火) 18:59:49 ID:PhySyjlC
>>263-269
乙です!!!

いや物凄く気持ち悪い位で丁度良いのではなかろうか?
そして師匠のお仕置き見てぇぇぇぇぇ!!
二度と逆らう気がなくなるように、精神をポッキリどころかバキバキに折りそうw
271269:2010/10/13(水) 07:55:20 ID:o0eu1F7N
書き忘れた。
これ、中世に現代混ぜてファンタジー入った感じなんで…女の子の髪とか師匠があまりにキモいとか
あんまり気にしないでください

>>270
いつになるか分からないがお仕置き書けたらまた持ってくる
272名無しさん@ピンキー:2010/10/14(木) 19:23:11 ID:lsgo4i4S
>>271
お仕置き楽しみにしてます
273投稿します:2010/10/14(木) 21:25:55 ID:i8ADcmBv
注意
・これは七夕の話(織姫と彦星)のヤンデレverです
・グロ、流血表現あり
・男女ともヤンデレ
・オリジナル設定多少あり
・二人語りみたいになっている
・季節外れ
274血濡れの願い:2010/10/14(木) 21:38:18 ID:i8ADcmBv
やっと今日は待ちに待った、年に一度だけ愛しい織姫に会える日
天気は心地いい晴天、川も穏やかに流れていて安全に渡れる
「元気かな?織姫…早く会いたいな」
自然に笑っている自分に気づいて、少し恥ずかしくなる


今日はやっと彦星さんに会える日だわ。嬉しくて胸が高鳴るの
…なのに、どうして?
どうしてお父様は嫌そうな顔をして、彦星さんを悪く言うの?
「酷いわ…お父様」
私が泣いても、まだ顔をしかめたまま…どうすればいいの…


相変わらず空は晴れていて、今日はずっと晴れそうだ
少し早足で、織姫の屋敷に向かう


もうすぐ彦星さんがくる
ふふっきっとこの贈り物気に入ってくれるわよね?楽しみだわ!!
275血濡れの願い:2010/10/14(木) 21:57:06 ID:i8ADcmBv
>>274の続き

…?屋敷の前に着くと妙に静かで、嫌な予感がして慌てて扉を開け叫ぶ
「織姫!!何処にい」「ふふっ此処よ、彦星さん」

織姫の声に振り向けば、血まみれの織姫が立っていた

「ふふっ此処よ、彦星さん」
私の声に振り返った彦星さんの安堵の笑みが、一瞬で驚愕に染まり俯く
「貴方への贈り物。お父様さえいなければ、毎日毎日会えるでしょ?ねぇ名案でしょ?愛しい彦星さん」
ちらとお父様の屍に目を向け、抱きつき頬に手をあてれば貴方は震えていた
どうして?なんで震えるの?私は貴方のためにやっ…
「やっと…堕ちてくれたんだね、織姫。すごくうれしいよ」


抱きついてきた織姫から、視線を外せば見るも無残なゴミが一つ
クク…あぁやっと
「やっと…堕ちてくれたんだね、織姫。すごくうれしいよ」
やっと僕と同じところまで堕ちてくれた。親殺しと言う大罪を罪と思わず妖艶に笑う
待ち望んでいたよ、その最高の笑みを
276血濡れの願い:2010/10/14(木) 22:21:55 ID:i8ADcmBv
>>254の続き

ぎゅっとわたしを抱きしめた貴方は、何時もの穏やかな笑みじゃなくて怪しく笑う
でも、その絵がをの方が素敵よ。やっぱりお父様を消して正解だったわ
「これでずっと、永劫ずっと一緒にいられるのね?」
「うん、ずっと一緒だよ織姫…僕らは一つになるんだ」
え?この痛みは…なに?
どうして刀がお腹に刺さ…


織姫を刀で貫けば、ぞっとした顔で見上げる。血の甘い香りがする
刀を回転させ傷口を深くすれば、とても心地よい悲鳴が聞こえる
「アハハ!どうしたの?僕は君を食べて君と永劫一つになる…そうすればもう、織姫は僕だけのもの!!」
僕は手早く織姫を桶に入れて解体していく、手足を切り落とした
愛しい生首に口づけ、目玉を抉り出し口に入れる。それは金平糖よりとても甘い
舌を噛み切り咀嚼する、上質な肉にガぶり付いたような陶酔感

鍋に入る大きさに切り分け、血も入れていく
ハハッ!!織姫のごった煮。とても美味しそうな芳香が漂酔いしれる
「いただきます、これで僕らは永劫一緒だよ。愛しい織姫」

彦星は、うっとりと妖艶な…見る者全てをぞっとさせる満面の笑みを浮かべていた


終わり
277名無しさん@ピンキー:2010/10/16(土) 18:48:46 ID:6I8ITRTa
>>273
…………パクリ乙。
去年七夕あたりのヤンデレスレに投下されたのと、おんなじ内容じゃないか。
本人だったらゴメンだけど、この季節感無視っぷりからして、それはなさそうだし。
278名無しさん@ピンキー:2010/10/17(日) 02:24:24 ID:GC6TIEAa
ヤンデレ数人×女の子っていいんでね?と思ってたら何かできました
結婚秒読みだった女性が亡くなってしまい男がその女性のクローンを執念で作り上げる
が、その男も死亡してしまい、男の兄がクローンの女の子を犯すという話です

架空の世界の話
クローン技術云々はまるっきりのデタラメです
肉体は十代後半精神は子供の女の子をおっさんが無理やり犯してます
兄視点、全部で5レスです
無理そうなら『偽者同士』でNG回避お願いします
279偽者同士:2010/10/17(日) 02:26:27 ID:GC6TIEAa
先日弟が亡くなった。
死因は過労死。
道端で倒れているところを通行人に発見された。
葬儀は親族だけで行い骨と灰になった弟を連れて、弟の家に帰る。
「おかえりなさい、まさあき」
十代後半と思しき少女が玄関まで走ってきて僕を出迎える。
「ただいま……奈緒」
この少女を奈緒と呼んでいいものなのか躊躇いながらも、少女の名前を口にすると、少女は外見よりも幼い笑顔を浮かべる。
奈緒の手を引いてリビングに入ると、女の子用の玩具がフローリングに散らかっていた。
「駄目じゃないか、奈緒。こんなに散らかしちゃ」
「だってまさあきがおそいからさみしかったんだもん。昨日もなおのことおいていっちゃうんだもん」
ずっと寂しいのを我慢していたのだろう。
奈緒は堰を切ったように泣き出し僕にしがみつく。
僕は弟を左腕に抱き、右腕で少女を抱きしめた。

僕が奈緒という名前もDNAも同じ少女と出会うのは二度目のことだ。
一人目の奈緒は十五年前僕の弟の雅昭と恋に落ちた。
大学の学長の息子として生まれた僕と弟は学生時代は勉強、研究者となってからは研究しかしていなかった。
そんな弟の前に現れた一人の女子学生が奈緒だった。
聡明で優しい奈緒に弟はいつしか惹かれ、奈緒も真面目で才能ある研究者である弟に惹かれていた。
恋愛などしたことのなかった弟のアプローチは世間からは随分ずれていたことだろうが、それでも彼らの仲は少しずつ少しずつ深まっていっていた。
結婚も秒読みかと思われていたある日、奈緒は死んだ。
車に轢かれ即死だった。
奈緒の遺体は奈緒の遺志通り、うちの大学に運ばれ、今後の国の生物工学の発展のために使われることとなった。
280偽者同士:2010/10/17(日) 02:28:09 ID:GC6TIEAa
それからだ。弟が狂い始めたのは。
僕はその頃から大学の経営の方に携わるようになり研究からは外れてしまった。
だから最初は弟がどんな研究をしているのかはわからなかったが、学生や教授連中から弟が何かに憑かれたように研究に没頭しているという噂は耳にしていた。
奈緒の死から立ち直れないかもしれないと心配していた僕は、奈緒以外に弟の支えとなるものができてよかったと暢気に考えて、弟の研究を影ながら見守った。
研究の成果は目覚しかった。
論文をいくつも発表し、研究成果に見合うだけの賞を受賞し、大学やスポンサーからも多額の研究費が出ていた。
驕ることなくひたすら研究に明け暮れた弟は研究者の間でも高く評価されていたらしい。
その弟が命を賭した極秘研究の結果がこの二人目の奈緒だ。
僕の腕の中にいる奈緒は一人目の遺伝子から作られたクローン人間だ。
弟は元々兵器用、産業用のクローン人間を量産する研究を行っていた。
しかし、課題は多い。
人間は動物のクローンと違って成体になるまでに多くの時間と費用を要する。
それを克服するために世界中で研究が行われている。
弟はこの二人目の奈緒の肉体をたった十年で十代後半まで育て上げた。
さらに評価すべき点は培養液の中で育てられていたにも関わらず出てきたときには小学校低学年並の教育が施されていた点だと弟のチームの一人が熱弁していた。
大学ではこの奈緒を世界に発表するべきか否かを話し合っているようだが、僕は発表は見送るように大学に掛け合っている。

これは偉大な研究なんかではない。
ただの弟のエゴだ。
「奈緒。僕は昨日雅昭の部屋で日記を見つけたんだ。雅昭は君との子供が欲しかったそうだよ」
確か奈緒は生前卵子の提供を行っていた。
その卵子と雅昭の精子を掛け合わせれば、文字通り簡単に彼らの子供はこの世に生を受けただろう。
しかし雅昭はそうしなかった。
それはおそらく彼がそんな形で子供が欲しかったからではないからだろう。
奈緒と家庭を築き、自分達の体をもって子供を授かり、自分達の手で子供を育て上げたかったのだろう。
二人目の奈緒は不思議そうに赤い目で僕を見上げてくる。
「まさあきは赤ちゃんがほしいの?」
僕は苦笑する。
奈緒の目には僕の顔が弟と同じものに映っているのだろう。
いや、それはまさにその通りなのだ。
僕らも二人の奈緒と同じようにクローンなのだから。
ただし僕らは天然のクローン。つまるところ一卵性双生児だ。
数日前この部屋で二人目の奈緒と出会い、弟の雅昭が死んだことを告げると、奈緒は首をかしげてこう言った。
「まさあきはここにいるのに?」と。
不意を突かれた僕は自分の名前を名乗りそこない、第二の雅昭となった。
281偽者同士:2010/10/17(日) 02:29:04 ID:GC6TIEAa
「奈緒。赤ちゃん、作ろうか。どうせ僕は雅昭で、君も奈緒だ。生まれてくる子供は雅昭と奈緒の子供だ。そうに違いない」
僕は弟の骨壷を置き、奈緒を寝室へと連れて行く。
ベッドに座り、奈緒を抱き寄せ、彼女の髪を梳いてやる。
「奈緒。キスしていい?」
僕は奈緒がキスを知っているのか、弟とすでにキスをしているのかも確かめる意味で奈緒に尋ねた。
「うん」
奈緒が目を閉じたので、奈緒の唇に触れるだけのキスをした。
「裸で抱き合ったことは?」
奈緒はぱちりと目を開き、困ったように僕を見つめてくる。
NOなのだろう。
奈緒との子供が欲しくて、莫大な時間と費用をかけて奈緒を作ったくせに、奥手にもほどがある。
奈緒の耳朶を口に含み食むと、奈緒から「ひゃあ」と驚いた声が上がる。
「くすぐったい」
胸と腋の際どい箇所をくすぐると、「くすぐったいよー」と奈緒はくすくすと笑う。
「服を脱がせるからね」
「うん」
奈緒のブラウスのボタンを一つ一つ外していく。
ブラウスの下にはスポーツタイプのブラジャーを着けていた。
それも剥ぎ取ると、非常に魅力的な柔らかそうな白い胸が零れ落ちる。
女の腹から生まれていないのに、弟の研究はたいしたものだと僕はここに来て弟の才能に感動すら覚えた。
弟の奈緒への執着すら感じられる。
「弟はすごいよ」
言いながら、スカートとパンツを脱がせる。
ここで嫌がるようならばやめようと思っていたが、弟の前に裸を晒すのは慣れているのか、奈緒は嫌がる素振りを見せない。
僕も服を脱ぎ、奈緒をベッドの上に押し倒した。
奈緒の頬を撫でて「大人のキスをしようか」と言うと、「なあにそれ?」と奈緒は興味津々で返してくる。
「ちょっと口を開いて。うん、そう。苦しいかもしれないけど我慢して」
おずおずと口を開いた奈緒の口を塞ぐ。
舌を侵入させると、奈緒はびっくりして舌を引っ込めてしまったが、奈緒の頭を撫でると安心したのか僕の舌にちょこんと自分の舌をあててくる。
戯れるようにして舌と舌とを絡ませあえば、奈緒は僕の腕を掴みながらも僕にすべてを委ねてくれる。
奈緒が息苦しくなったところで唇を離す。
奈緒ははあはあと息を整えながら「これが大人のキス?」と訊いてくる。
「そう。大人のキス」
胸をやわやわと揉み、首筋を舐めると、くすぐったいのか奈緒は身を捩る。
愛撫を施すと、やはり体はちゃんと女なのか、次第に反応し始める。
ぴんと存在を主張する胸の突起を口に含むと僕のことを「赤ちゃんみたい」と言いながらも奈緒は熱い息を漏らす。
硬くなった乳頭を口内で転がし、軽く歯を立てる。
「やぁっ……まさあきぃ」
「何が嫌?」
口から乳首を離し、僕の唾液で濡れる乳首を指で抓みながら問いかけると、奈緒は涙目で僕を見上げてくる。
「なんか変だよ」
「赤ちゃんを作るためには必要なことだよ」
282偽者同士:2010/10/17(日) 02:30:03 ID:GC6TIEAa
奈緒の体に隅から隅まで唇を落とし、撫で回す。
特に奈緒の足の指から太ももの付け根までを丁寧にいやらしく舐めていった時には奈緒の息は上がり、
おそらく弟も触れた事がない奈緒の秘部からとろとろと蜜が溢れ出ていた。
奈緒の足を割り開き、秘部から溢れる愛液を指に絡めて、奈緒の目の前に持って行く。
奈緒は僕の人差し指と中指の間で透明な糸を引くそれを不思議そうに眺める。
「奈緒。いっぱいおもらししたね」
「えっ、ご、ごめんなさい……」
上気した顔をさらに赤くさせて奈緒は恥ずかしそうに、僕の指から目を外し、顔を背けてしまった。
僕は悪役さながらに意地悪くくつくつと喉で笑う。
奈緒の精神の方の発達は今も物凄いスピードで進み、肉体の年齢に追いつく頃に徐々にスピードを落としていくらしい。
そう遠くない未来に僕は精神的にも成熟した奈緒に今行っていることが原因で殺されるかもしれない。
それも雅昭の本望なのかもしれないなと思いながら、奈緒の花園に顔を埋める。
芳しい香りの蜜を舐め取ると頭上から奈緒のひぃん、という情けない声が聞こえてくる。
もっと色っぽい声を上げさせようと舌と指による愛撫にも熱が入る。
「んっ……あ、あっ……」
陰核を指で小刻みに刺激し、秘部に舌を出し入れさせると、漸く嬌声らしい嬌声が奈緒の口から漏れ出し、奈緒の太ももががくがくと震える。
「まさあき!やだっこわい、熱いのやだッ……はぁっ、あん、やめてぇッ」
愛液と唾液が混ざり合い、ぐちゃぐちゃと卑猥な音を立て、奈緒の聴覚までもを犯す。
そのまま指と舌とで激しく犯すと、奈緒は弓なりに体を反らし、全身を痙攣させ達した。


奈緒はぐすぐすと泣きじゃくっていたが、もうどんなに奈緒が嫌がっても僕は止める気がなかった。
いきり立った僕の肉棒をあてがい、奈緒の中にゆっくり沈める。
初めて男を受け入れる奈緒の中はきつかったが、前戯に相当な時間をかけていたおかげで充分に潤い、僕を受け入れる。
「やだっ!入ってくるぅ……まさあき、痛いよぉ」
「うん。大丈夫、大丈夫」
奈緒にとっては何も大丈夫なことなどないのだろうが、僕は奈緒の顔にキスの雨を降らし、誤魔化しながら根元まで奈緒の中に自身を埋め込んだ。
「奈緒。全部入ったよ」
年甲斐もなく明るい声で僕が言うと、奈緒は涙を流しながら恨みがましい目で僕を睨んでくる。
こうゆう時だけは女の表情だ。
奈緒に僕にしがみつくように促すと、奈緒は僕の首に腕を絡めて、しっかりとしがみついてくる。
奈緒の膣がきゅうっと締まり、僕を膣全体で握り締めてくる。
かなりキツイが、もう若くない僕にはある意味いい刺激だ。
そういえば久しぶりの女とのセックスだ。
「奈緒、気持ちいいよ」
軽く奈緒を揺すると、「んー」と苦しそうな声が上がる。
ゆっくりとした抽挿から始め、奈緒が慣れてきた頃に徐々にスピードを上げて、奈緒を大きく揺さぶる。
「あんっ、まさあきっ、はっ、あ、あぁん」
奈緒からも甘い声が溢れ出す。
「ほら、気持ちいいな。奈緒」
「まさあき、まさあきぃ」
いつしか僕は激しく奈緒に腰を打ちつけ、奈緒の精神年齢が子供だと言うことも忘れて、奈緒の体と唇を貪っていた。
283偽者同士:2010/10/17(日) 02:31:00 ID:GC6TIEAa
もしかすると僕は初めから、十五年前から、奈緒とこうなることを望んでいたのではないだろうか。
奈緒の子供が、奈緒が欲しかったのは、弟ではなく、本当は僕の方だったのではないだろうか。
「奈緒っ、お父さんとお母さんになろう」
「ああぁっ!何か来るっ……まさあきぃ!」
奈緒が喉を仰け反らして達する。
膣が痙攣し僕を締めつける。
奈緒の最奥まで貫き、奈緒を抱きしめ、僕も奈緒の中で達した。

僕が奈緒の中から萎えたペニスを抜き、奈緒を窺うと、彼女は奈緒は胸を上下させて呆然とした表情で天井を見上げている。
急激に醒めていく頭の中。
あれだけ最中は意地悪なことを言っておきながら、今は彼女にかけるべき言葉が見つからない。
僕が黙り込んで、彼女の秘部から自分の精液が垂れてくるのを眺めていると、ゆっくりと奈緒が体を起こした。
「まさあき、怒ってるの……?」
僕は小さく首を横に振る。
「ほんとうに赤ちゃんできるの?」
「どうだろうね……」
「ふーん」
唇を尖らせる奈緒。
子供っぽい仕草。
僕はそこで改めて気づく。
あの奈緒と、この奈緒は全くの別物であると。
いくら奈緒のクローンであろうと、同じ奈緒になるわけではない。
環境によって性格も仕草も全く異なってくる。
僕が弟と異なる性格、異なる道を選んだように、きっとこの奈緒も、あの奈緒とは違う女性になる。
それでいいかと思う。
その方がいい。
「奈緒」
「ん?」
「偽者同士、末永くよろしく」
奈緒の額に僕の額をぶつけると、奈緒はゆっくり瞼を閉じた。
雅昭の偽者の僕は、奈緒の偽者に、そっと唇を寄せる。
284名無しさん@ピンキー:2010/10/17(日) 02:37:09 ID:GC6TIEAa
以上です
スレチだったらごめんなさい
むしろここから兄のヤンデレライフは始まるのではないかと思います
285名無しさん@ピンキー:2010/10/17(日) 06:38:47 ID:8WGQokJh
>>278-284
おつです!
兄がどうヤンデレていくのかで奈緒たんも変わるだろうなww
286名無しさん@ピンキー:2010/10/17(日) 10:01:01 ID:LKyMM2vd
>>277
最初に書かなくて誤解させてすまん
去年投稿した本人です
こっちに投稿した方がいいと意見があったので
287名無しさん@ピンキー:2010/10/21(木) 23:37:28 ID:Fw5l4qY2
>>284
兄ちゃんの方が双子の片割れより余程ヤンデレだったでござるって話かw
奈緒ちゃん可愛いので良い!!
続きあるなら期待してます

>>286
確かにこのスレ向きの作品かもしれませんね
288名無しさん@ピンキー:2010/10/23(土) 22:29:03 ID:R641j0iP
保守
289名無しさん@ピンキー:2010/10/24(日) 22:19:47 ID:RASBG8FT
書けるかな
290156:2010/10/24(日) 22:24:44 ID:RASBG8FT
おお出来た!!

>>156です。規制の間に繁忙期突入&再度規制で書き込めませんでした。
3ヶ月も放置してしまってすみません。

『ゆうとと加奈』の続編投下します。
長くて全部は投下出来ないので区切りっていきたいと思います。
291優人と加奈(予兆):2010/10/24(日) 22:41:29 ID:RASBG8FT
※ゆうと平仮名表記→漢字表記へ変更
※一人称形式→三人称形式へ変更
※小6時。二人の境遇や心境の違いに重点を置いてるのでエロ無し、ヤンデレ成分微少、冗長です。苦手な方はスルーお願いします。




「加奈ちゃん。優人くんと仲良くするの、やめたほうが良いと思うよ」
「へ?」

昼休み後の五時限目。
気だるげな空気が教室を支配する中、
教科書から重要箇所を抜き出してノートに写していた加奈は、突然降って来た声に驚いた。
手を止めて、顔を上げる。
前の席に位置する級友の顔が、そこにはあった。

「だから、優人くんと仲良くするのやめなって」

授業中だというのに、級友は体を捻ってこちらに向き直っている。
加奈は、ちらりと教壇の教師を盗み見た。
ホワイトボードに書き殴られた長い日本語の羅列。
日本史の年表を書す教師の指は神経質そうに強ばっていた。
しばらくは、板書に集中していそうだ。
姿勢を低くしてから、加奈は小声で話しかけた。
「何で?」
つられて姿勢を低くした級友がボソボソと答える。
「だって、優人くん変なんだもん」
292優人と加奈(予兆)A:2010/10/24(日) 22:49:11 ID:RASBG8FT
変?
変とは一体どういう事だろう。

「変って何が?」
「変は変なのっ」
「……?」

確かに彼には変わったところがある。
あるが、関係を見直す程のものだっただろうか。
加奈は困惑する。
級友が何故こんな事を言うのか分からない。
それに、記憶違いでなければ確かこの級友は以前、優人の事が気になると自分に告白して来たはずだった。

「絵美ちゃんさ、この前『優人君の事好き』って、かなに言って来なかったっけ?」

指摘してみると、級友は顔を歪めた。

「うん。好きだったよ。でもやめたの」
「やめたって何で? 優人の優しい所、好きって言ってたじゃん」
「言ってたよ。でも、違ったんだもん」
「違ってないよ。優人は優しいよ?」

一瞬、級友は加奈を睨んだ。
だが、すぐに苦笑いしたような顔になり、ため息を吐いて肩を落とした。
「優人くんは優しいよ」
そう認めたあとに、「でも」と語調を強める。
「加奈ちゃんにだけ、ね」

加奈は驚く。
優人の好意を、そんな風に捉えた事は今まで一度もない。
そんな加奈の様子に気付く事なく、級友はまた言葉を続ける。

「私気付いちゃったんだ。優人君、加奈ちゃんしか見てないって」
「へ?」
「今だってそうだよ」

「ほら」と、目線だけで促されて斜め後ろへと視線を動かせば、確かに二列挟んで後方に座る優人がこちらを見ていた。
目が合い、無意識に加奈は笑顔をつくる。
優人も優しくそれに微笑み返し、やがて加奈から視線を外した。
優人の顔をしばらく眺めてから、加奈は級友に向き直った。

「見てたけど……」
「ね?分かった? 優人くん、いつも見てるの加奈ちゃんのこと。怖くない?」
「ただの偶然だと思うけどなぁ」
「偶然じゃないって」
「そうかなぁ……」
「そうだってば絶対!!」

突然教室中に響き渡った声に、教師の怒声が重なる。
注意されてしまった級友は、慌てて座り直して前を向いた。
だが、最後にもう一度だけ振り返り、抑えた声で呟いた。

「優人君、少しおかしいと思う」

加奈は再び優人を見てみた。
振り向いた先の彼は、もう余所見をする事なく、黒板だけをまっすぐに注視している。
優人の様子を確認した後に、加奈もまた授業へと戻った。
ペンを握り、教科書を開く途中ふと思う。
先ほど見た優人の顔。
それがいつもより冷たく感じたのは、気のせいだろうか。
293優人と加奈(予兆)B:2010/10/24(日) 22:59:03 ID:RASBG8FT
「加奈。今日何話してたの」

そう聞いて来た優人は、人のベッドの上で寛いでいた。
頭は濡れて、上半身は裸だ。
風呂上がりの彼が、髪を盛大に濡らしたままTシャツ片手にやって来たのは、10分程前の事だった。
部屋に入れる際に、加奈は怒ってタオルを渡した。
ベッドに上がる前にも、シャツをちゃんと着なさいとそう促した。

だが、当の本人は全く拭く気配を見せず、未だに半裸状態でベッドを占領している。
痩せた肩に滴が垂れ、蛍光灯の下で濡れて輝いていた。

結局、我慢出来なくなった加奈は、優人の手からタオルを奪い取り彼の後ろへと周る。
タオルを叩きつけて、思いっきり頭をこすってやった。
「痛い!」
叫ぶ優人の声は無視する。
質問にだって、答えてやらない。

「何?拭いてくれるの?ありがとね」

そんな加奈に、優人は白々しく礼を言った。
加奈は肩を竦めた。
彼がこうして髪を濡らしたままやって来るのは、実は今回が初めてではない。
優人は度々、風呂上がりに部屋を訪れてはよく加奈を困らせていたのだ。
そして、決まって加奈に拭かせるように仕向けてくる。
最近になって、ようやく気付いた。
彼は全部分かったうえで、こうしている事に。

「ねぇ優しい加奈。髪を拭いてくれるのは嬉しいんだけど、無視しないでよ。今日何話してたのって聞いてるのに」

優人が寂しそうな声を出す。
勿論、これは彼の演技なんだと気付いてはいたが、いつまでも人を無視出来るほど加奈は器用ではない。
冷たい声を出す事ぐらいでしか応戦出来なかった。

「何が?」と、一言だけ口を聞く。
怒っているのだと、せめてもの意思表示。
だが、優人は笑っただけだった。
「怖い声」と、加奈の精一杯の意地を一笑の元に受け流す。
加奈は諦めた。
心理戦で、優人に敵うはずもない。

「加奈達、授業中先生に怒られただろ」
飄々と優人は続ける。

「うん」
「それで、何を話してたらあんな大きい声出せるのかなぁって思って」
「大声出したの、かなじゃないよ」
「分かってるよ。でも、知りたい」
「……」

加奈はあの時の会話を思い出してみる。
優人と付き合わないほうが良いと忠告してきた級友の言葉。
全てを話したら、彼は傷つくだろうか。

「優人って、優しくないの?」

結局、曖昧に言葉を崩した。
294優人と加奈(予兆)C:2010/10/24(日) 23:14:04 ID:RASBG8FT
「え、僕?」

当然のように、優人は怪訝な顔をする。

「何で?」
「加奈が聞いてるの! ねぇ、皆に優しくしてないの?」
「さぁ……」

しばらくの思案の末に、突然彼は笑いだした。

「そんなの考えた事もないし、考えたいとも思わないから。どうなんだろ? 自分では分かんないよ。
でも、こんな風に思ってるって事自体、優しくないのかな?」

一気に喋った後に、彼は沈黙した。
加奈を振り向いて見つめたあとに、低い声で彼女に尋ねる。

「で、何?僕の話してたってこと?」

加奈はあえてその質問を無視する事にした。
「でも、優人は加奈に優しいでしょ」
「うん」
「どうして加奈には優しいの?」
「だって加奈は優しいから」

きっぱりと言い切る優人に、加奈は違和感を覚えた。
その言い方が、まるで周りが優しくないと言ってるように聞こえたのだ。

「……じゃあ、優しい人には優しくするの?」
「しないよ。するわけない。加奈が加奈で、加奈が優しいから僕も優しくするんだよ」
「意味分かんない」

優人の言葉はいつだって複雑だ。
本心を喋っているのか、それとも言葉の裏側に何らかの意図を隠し持っているのか。
分からなくなる。
だから加奈はいつだって混乱するのだ。
そして当の本人は、そんな加奈の困惑ぶりを見て楽しんでいる節がある。

「優人の言葉はいつも分かんない」
「加奈が鈍いだけだよ」
「でも、かなをからかって面白がってる時があるでしょ」
「それはさすがに疑い過ぎ」

優人はさらりと言いのける。
納得出来ないのはいつもの事なので、加奈は会話を引きあげる事にした。

髪が乾いてきたので、シャツを着るように彼に指示をする。
バンザイをして来た彼の頭を叩き、自分で着用させた。
それでも懲りずに「もっと頭を触って」と甘えて来るので、とりあえず頭皮を揉みほぐしてみる。
満足したのか、優人はうっとりと目をつぶり、加奈の指先へと頭を預けた。
指を止めると、もっと撫でてと催促する犬のようにぐいぐいと頭を押し付けてくるので、加奈は笑って、しばらくマッサージに興じる事にした。

つむじを眺めてるうちに、ふと、1年前の彼の姿を思い出す。
痩せて、汚れた服を来た男の子。
何に対しても反応が乏しかった少年は、いつも冷めた目で教室を見ていた。
295優人と加奈(予兆)D:2010/10/24(日) 23:21:43 ID:RASBG8FT
(……1年もたったんだ)
短くなった優人の髪をかきあげながら加奈は思い返す。

1年前までの優人は、蓬髪の少年だった。
無造作に伸びた髪の毛は肩まで垂れて。
鼻に届かんばかりの前髪の隙間から、いつも外の世界を覗いているような子供だった。
空気のように透明で、希薄な優人。
そんな彼の髪を切ったのは、他でもなく加奈だった。
隣に母を座らせ、慎重に散髪していく過程で、加奈は初めて優人の素顔を知る事となる。
優人は輪郭の美しい子供だった。

後頭部から項にかけての曲線には一切の歪みがなく、そして、額からこめかみ、首、肩へと続くなだらかな傾斜には完成された一種の造型美があった。
加奈は驚きを隠せなかった。
母も側で感嘆の息を漏らした。
刈り取られた髪の間から徐々に出てくる瀟洒な優人の横顔に、加奈は陶然と見惚れたものだった。

(……あの日から変わった)
正確に言えば、彼の周囲が。

当人は、さして自分の容姿に興味を持たず、それどころか視界が眩しいと愚痴をこぼすばかりだったが、とにかく、彼をとりまく環境は一変した。
考えれば、あの頃から優人との仲介を図る申し出が頻発してきたように思える。
加奈はその度に喜んで協力したが、結局、実った恋は一つもなかった。
そして大抵、恋破れた女の子達は、優人は元より加奈からも離れて行き、やがて目も合わせなくなった。
優人と彼女達の間で、どのような交渉があったのかは分からない。
ただ、良い方向に進展出来なかった事は明白だった。

「優人」
「なに?」

夢心地でいたのか、呼びかけられた優人は目を細めて加奈を見上げる。
その頬が優しく緩んでいるのを見、加奈は苦しくなった。
『優人くん、少しおかしいと思う』
気持ちが届かず、最終的には手を引いて行った友人達。
優人は髪を切ろうと切るまいと、変わらず孤独を愛しているようだった。

「優人は好きな人、いないの?」

無意識に出た言葉だった。
舌から滑り落ちるように、予期していなかった言葉だった。
加奈はマズイと思った。
この手の話しは、優人は嫌いなのだ。

案の定、脈絡のない加奈の質問に、優人は眉間に皺を寄せた。
その顔が徐々に怒りで染まっていくのを見て、加奈は狼狽した。

「なに、いきなり」

乱暴に腕を払って、加奈から離れる。
296優人と加奈(予兆)E:2010/10/24(日) 23:42:00 ID:RASBG8FT
「なんでいきなりそんな事言ってくるんだよ。興味なんかないくせに、知りたいふりするな!」

当然の如く、爆発した。
加奈はたじろいだ。
近頃の優人は、前触れもなしに激情する事が多い。
そしてその傾向は、大抵、恋の話を持ち出した時に頻出するのだ。

「なんでもないよ!ただ何か聞いてみただけ。ごめんね本当に、気にしないで」

弁解するも、優人は完全に機嫌を損ねている。
底光りする目で加奈を睨みつけ、ベッドの端から動かない。
その表情に、やがて猜疑と絶望の色が浮かんで来た。

「また友達に何か言われたの?」

震える声で聞いてくる。
加奈は慌てて否定した。

「違う!」
「何で?僕、そういうのやめてって言ったよね?女の子の友達なんかいらないって、いつも言ってるよね?」
「違うよ優人!何も言われてないから」
「何で加奈はいつもそんな事するの?僕の嫌がる事して楽しいの?」
「優人違うから、お願いだから聞いて!」

完全に、加奈を疑っていた。
加奈は目に涙を溜めて、「ごめんね」と繰り返しす。

「私本当に何も言われてないよ。信じて」
「……」

硬化していた部屋の空気が、次第に落ち着きを取り戻していく。
だが、漂う静寂はまだ緊張を孕んでいた。
優人の瞳は依然と鋭い光を灯している。
まるで体全体で加奈を非難しているかのようだった。

「変な事聞いてごめんなさい」

謝罪には答えずに、優人は呟く。

「何で、あんな事聞いたの」
「本当に何でもないの……。ただ気になったから聞いてみただけで、何も考えてなかったの……本当にごめんね」
「……」
「優人、ごめん」
「……部屋戻る」

加奈は焦って引き留めた。
このまま、彼を傷つけたままで帰すわけにはいかなかった。

「優人も一緒に寝よう? ね? もう遅い時間だし」

加奈は布団を捲り上げて、自分の隣をポンポンと叩いた。
優人は添い寝が好きだ。
隣に眠らせれば、機嫌が良くなるかも知れない。
そんな加奈の下心を察知したのか、優人は暫くドアの前に立っていた。
警戒心をあらわに逡巡している様にも見える。
普段は穏やかな優人だが、ふと無表情になる事がある。そういう時は大抵頭の中を高速回転させているのだ。
だが結局、彼は加奈の隣へと滑りこんで来た。
297優人と加奈(予兆)F:2010/10/24(日) 23:59:27 ID:RASBG8FT
良い兆候だった。
加奈は安堵した。

「ごめんね優人」
「……うん」

辛抱強くこちらの意思を伝えれば、最終的に優人は再び歩み寄ってくれる事を加奈は熟知していた。だが、気付いてはいなかった。
その優人の『歩み寄り』が、彼の狂わんばかりの葛藤の末にもたらされた『妥協』の産物であるという事に。

「電気消すよ」
「うん」

腕を伸ばして加奈は部屋の明かりを消す。
布団に入り、天井を見上げた。
隣に優人の体温を感じる。安心するが、今は彼の沈黙が怖い。

加奈は天井から視線を外し、優人を見た。
彼は黙ってこちらを見つめていた。

「何で見てるの?」
「さあ?」

見つめてくる優人の瞳は、暗くて何を考えているのか分からない。
夜の湖面の、波紋一つさえない静謐さとよく似ている。
『いつも見てるの加奈ちゃんのこと』
級友の声が蘇る。

「優人」
「なに?」
「いつもかなを見ているの?」

優人の口端が吊り上がる。
皮肉げに加奈を見つめる。
近頃よく見る笑い方だ。

「だとしたら何?」
「何でもないけど……」
「嫌?」
「嫌じゃないよ」
「だったら気にするなよ」

そこで問答は終わった。
加奈はため息をついてベッドへと体を沈める。
頭の上に暖かい感触が降りてきたので顔をあげれば、また優人と視線が合った。
だがその瞳はどこか痛切だ。

「加奈は好きな人居ないの」

振り絞るような声で聞いてくる。

「すきなひと?」
「うん」

何故彼はこんなに哀しそうな顔をしているのだろう。

「好きな人居ないよ。居ないけど、もし出来たら両思いがいいなぁ。ずーっと両思いがいい」
「なんで?」
「お父さんとお母さんが、ずーっと両思いだったから」
298優人と加奈(予兆)G:2010/10/25(月) 00:12:16 ID:M3VHho7o
この頃加奈は、寝しなに両親の恋物語を優人に聞かせるのがお気に入りだった。
尊敬する二人の、夢のような恋愛譚。
おとぎ話にも似た甘い世界の話に加奈は傾倒していた。

「かなは、お父さんとお母さんが大好きだから二人みたいな恋がしたいな」

慣れっこの優人は、またそれが始まるのだと思い聞く態勢に入った。
迎合して、加奈の頬を撫でて囁く。

「聞きたいな。おじさんとおばさんの話」

加奈は優人の指を取り、握りしめた。
嬉しそうに頷き、そして唇を開いた。

――加奈の母親には二才離れた自閉症の弟が居た。
当時、父親はその弟の通う特別学校の新米教員で、補助係として送迎バスに乗車していた。弟の送り迎えをしていた母親はそこで父親と出会った。
母親は高校に入学したばかりだった。

「お父さんは、お母さんを初めて見た時、可愛い人だなって照れちゃったんだって」

想像も出来ない程若かった頃の二人を、目を閉じて加奈は何度も思い描く。
愛情と、尊敬と。少しばかりの憧憬を込めて。
加奈が楽しそうにクスクス笑うから、つられて優人も笑顔になる。

実際、優人は加奈の両親の話を何度も聞いていた。
台詞なんて暗記しているぐらいだ。
正直辟易する時もある。
だけど加奈が笑うから。
彼は話を遮る事はしない。

「遊園地でしょ、動物園、水族館、山形の温泉と、北海道」

二人の愛の痕跡。交際から結婚に至るまでの甘い道のり。
その軌跡を、森の中に降り注ぐ木漏れ日のように、加奈は淀みなく紡ぎ続ける。

「そして、かなが生まれたの」

優人の瞳を見つめながら加奈は告げる。

「だからかなは幸せなの」

優しく微笑む。
優人は加奈に掴まれたままの指先を引き寄せて、そこに口付けをした。
何故かそうしたいと思った。

「擽ったい」

加奈が笑みを湛えたままで身を捩る。

「そう?」
「うん」
「じゃあやめる」
「かな、指怪我してないよ?」
「分かってるよ」
「じゃあなんで口をつけるの?」
「さぁ? 何となく」

指を離して、自分を見つめる加奈の髪を撫でてみた。
うつ伏せに寝てこちらを見上げる加奈の顔は、ベッドに頬が擦れて変な形に潰れている。
299優人と加奈(予兆)H:2010/10/25(月) 00:21:35 ID:M3VHho7o
優人は、その柔らかな肉の膨らみに指を押し付けながら、しばらく無表情で頬の弾性を確かめていた。

「変なゆうと」

頬に圧されて中途半端に開いた加奈の唇は不格好だ。
優人はまたそれに指を押し付ける。
加奈が笑って指に噛みつく。
そこでようやく、手を引っ込めた。

(…加奈は子供だ)
見つめながら、そう思った。
柔らかな気配に包まれた加奈の顔。
その表面に、加奈の幼さを見つける。

(両親のなれ初めに幻想を抱いている。それが悪いとは言わないけれど)
優人の父親は高級クラブの支配人だった。母親はその従業員。性風俗に従事する両親から生まれた優人は、早熟で現実的な子供だった。
彼に自分の人となりを教えたのは祖母で、その淫売さについて得々と教えたのもまた祖母だった。

(加奈は分かっていない)
恋人になり、夫婦となり、親となるまでの間に加奈の両親が営んで来たはずの生臭い過程。
男女の求愛行動がどんなに肉感的なものか、きっと彼女は知らない。

(夢をみてる。錯覚だ)
現実の恋物語は、実際にはもっと汚濁の色が濃い。
男は精を撒き散らし、女はそれを飲み込む。子種を残す事よりも、念頭にあるのは快楽への追従だけだ。
優人はそれを理解していた。
それでも優人が加奈の話に耳を傾けるのは、それを文字通り『眠りの前に聞く夢物語』だと定義付けているからで、話す人間が加奈でなければ、唾棄して圧し伏すような代物だった。
300優人と加奈(予兆)I:2010/10/25(月) 00:26:58 ID:M3VHho7o
加奈は夢を見ていた。
両親の幻影に。優人に。

だから6年生に進級した今でも、彼を同じベッドに入れ、指や唇に触れられても何も感じない。男として見ない。

(加奈は僕を『寂しそうな同級生』と思っている)
あるいは『守るべき相手』として。

愛情を注ぎ、慈しみ、同情ではなく、ただ純粋にそうあるべきだと信じて。
優人はその行為を、『水を欲しがる鳥に水を与える』程度の順当さだと認識していた。
加奈の心には偽善も下心もない。
宗教で言う所の隣人愛。端的に言えば完全なる善だ。
(加奈はいつになったら気付くんだろう)
僕がもう、可哀想な『男の子』じゃないんだってこと。
心も体もやがて成熟していく『男』の子供なんだってことを。

「加奈」

微睡み始めた加奈の耳に優人は語りかける。加奈は気だるげに瞼をこすって優人を見た。その瞳に、優人は優しく微笑みかけた。

「大好きだよ」

加奈はゆっくりと頷いて瞳を閉じる。
やがて優人も、その寝息に耳を澄ませながら瞼を閉じた。
加奈の夢物語。
いつかその幻想の中に、男としての自分が入り込む。
そして、全てを打ち砕くのだろうと確信しながら。

301156:2010/10/25(月) 00:48:46 ID:M3VHho7o
終わり。一応『予兆編』として区切ります。ここから徐々にヤンデレ激化していく優人君。レイーポまではまだ長いけど。

続き待って下さった方、お待たせして本当にすみませんでした。
また続編投下しに来ます。規制されたら泣く
302名無しさん@ピンキー:2010/10/25(月) 02:24:14 ID:wpkcYmee
>>301

優人パネェw
加奈ちゃんはこのまま優人に身を委ねるのですねゴクリ
303156:2010/10/25(月) 07:30:53 ID:M3VHho7o
3ヶ月近くぶりの投下がエロ無し続編長編というのもアレなので、別作品も投下したいと思います。
大量にレス使用してすみません。
少しでも暇つぶしになれば幸いです。

>>302基本受身だけど、実際一番逞しいという加奈クォリティ狙ってますw
304救済の搭:2010/10/25(月) 07:47:40 ID:M3VHho7o
※宗教注意。神様冒涜しまくってます。
※強姦アリ。性行為自体の描写少なめ。
※ハッピーendではありません。
苦手な方はスルーお願いします。



修道院の朝は忙しい。

AM4:00

鶏舎に赴く為に尊(タカシ)は起床した。
鶏、鳩、雉に七面鳥。
騒がしい鳥達に給餌した後は、堆積した白い糞の鍾乳石を蹴飛ばして卵の回収をする。
それを一旦食堂へと運び、次は残飯を片手に家畜小屋へと向かう。
そうした重労働の後に、ようやく見習い修道士は朝食にありつける。

食堂に並ぶ周りの修道士の顔は、白、黒、褐色。様々だ。
だが黄色は一人も居なかった。
尊はこの修道院でただ一人、唯一の日本人だった。

日本から遠く離れたバルカン半島。
ブルガリア東部に位置するこの修道院は山間部に配されながらも、黒海を臨む事が出来た。13世紀初頭に建築された建造物は、建物自体が薄暗く堅牢で、何処となく刑務所を想起させる造りとなっている。

「タカシ、今日は祈りの後に葡萄を収穫するよ。ワインを作るんだ」

胚芽入りの粥を口に運んでいると、鳶色の目をした鷲鼻の男に声をかけられた。
(トビにワシ。ホークじゃなくて、何て言ったっけ)
名前が出てこない。
外国人の顔は特徴的だが、名前と顔を結びつけるのは難しい。
尊は曖昧に笑って頷くだけに留まった。
食器を片付けて、彼の後を追った。


※※※

救済の搭。
尊が寝起きする別棟の傾いた搭は、周りからそう呼ばれていた。
正式なクリスチャンでは無く、何らかの『罪』に追われてこの地に辿りついた流れ者の為の施設。
だから、『救済の搭』。
305救済の搭A:2010/10/25(月) 08:01:38 ID:M3VHho7o
礼拝堂のイコン。
回廊のフレスコ画。
中庭の彫刻。

偉大なる全能の神が創造した完全なるミクロコスモス。
だけど、『興味深い事は全て闇の中で起こる。人間たちの本当の歴史など、誰も知らないのだ』
そう唱えた彼の人は誰であったか。
聖アウグスティヌスの労働論争。
美貌コルンバヌスの異郷遍歴。ペレグリナティオ。
恍惚とした表情で講釈を垂れ流す司祭を尻目に尊は欠伸をした。
そして、精神労働に従事した司祭は満足気に締めくくる。

「感謝と祈りを」

彼らにとって祈りは神への確信であり、己への悛改であり、また讚美でもあった。
生きとし生きるモノへの感謝。
前提として、神が君臨する。
しかし、修道士であるはずの尊はいつもこの瞬間、別の思いに囚われるのだ。
彼が讚美し、信奉するのは神でも無ければ天使でもない。
ただの人間。22才の、ただの女だった。

「親愛なるシスターマーサ」
口の中で呟く。
目を瞑り、指先を組み、彼女の魂に祈る。
意識の底に鎮座する彼女。
その存在を、一度だって忘れた事はない。


※※※

『私の生まれは佐世保なの』
そう呟いた彼女の名前はマーサ。
黒い髪、小さな唇、青い瞳を持った若いシスターだった。彼女の体には、半分異国の血が流れている。
「尊、あなたは随分と熱心ね。日本人じゃないみたい」
あの日、遠い昔まだ日本に居た頃。
尊は協会わきの旧礼拝堂に彼女を呼び出した。
礼拝堂の中は広くて冷たい。
取り外されたパイプオルガン。壁面に取り残されたイエズス像が、妙に生々しかったのをよく覚えている。

「懺悔をしたいという事だったけど、私では力不足だわ。私では聴罪司祭には成りえないの」
尊は首を振った。
彼女でなければ駄目だった。
「俺はあなたに聞いて欲しいんです」
あなたじゃなければ。

「……分かりました」
シスターはため息を吐き、告解室へとゆっくり歩き出す。
そして祈りの言葉を口にする。
「父と子と精霊の御名によりて…」アーメン。
囁く唇を、尊は目がくらむ思いで凝視した。「……に信頼して、あなたの罪を告白して下さい」
祈りを終えて頭を下げる。
本当は格子ごしの彼女の青い瞳を眺めていたかったが、告解中は顔を上げてはならない。
だから、手を組み大人しく告解に勤しむ。
306救済の搭B:2010/10/25(月) 08:07:40 ID:M3VHho7o
「シスター。俺はとある人を犯しました」

シスターマーサが息を飲むのが分かった。

「その人は聖職者でした。シスターです。奉仕活動の一貫として、更生施設に訪れたそのシスターに、俺は一目惚れしてしまったんです」

脳裏に蘇る、初めて彼女を目にした日の事。光の中で笑うシスター。
その笑顔は、いつだって俺を離さない。

「来る日も来る日も彼女の事ばかり考えて、彼女しか見れなくて、施設を出て世俗に戻った後でも、彼女を忘れる事が出来ませんでした」
「苦しかった。死ぬかと思った」
「だから自分の足で協会に通い、彼女を見つける事にしたんです」
「彼女は俺を覚えてくれていました。優しく名前を呼んでくれました。愛しくて嬉しくて、俺は始めて神に感謝しました。彼女はまさしく天使だ。俺を救いに来てくれた永遠の……」
「尊」
シスターマーサが名前を呼んで制止する。
ささやかな声量だったが、震えているのは確認出来た。

「あなたの罪は……」
「彼女をレイプしました」

再びシスターマーサが押し黙る。
その沈黙が、何を意味するのか尊には分からない。

「神に貞操を捧げた彼女を、レイプしました。俺の、この固いので、処女膜を突き破って何度も出し入れして、射精しました。貞節を汚してその体を存分に弄んだんです」

格子の向こう側で、シスターマーサが頭を抱える気配がする。
空気が流動する。
緊張が高まり、告解室の温度がにわかに上昇し出すのを尊は肌に感じた。
彼女はきっと、恐怖に打ち震えているのだろう。羞恥と怒りで顔を赤くしているはずだ。
尊はそれを性行為のようだと思った。
この狭い室内をシスターマーサの膣だとするならば、自分は今、決定的に彼女の精神的貞潔を凌辱する事に成功した冒涜者だ。
307救済の搭C:2010/10/25(月) 08:12:35 ID:M3VHho7o
「……それで、あなたは悔いているのですね」
「……」
尊は答えなかった。
予想していなかった沈黙に、シスターマーサが声を尖らせる。

「尊、答えなさい。あなたは悔いているのですよね?」
「……はあ」
「だからこうして告解室に居るのですね?」
「……」
「何故黙るのです」
「それは多分、俺は後悔していないからです」
「……では何故ここで懺悔しているのですか」
「ただあなたに聞いて欲しかったから」
「……」
「それに、いずれ罪を認めて後悔する日が来るかも知れない。でも、その時はあなたはここに居ないだろうから、今日、俺の罪をあなたに聞いて欲しかったんです」
「……あなたに悔やむ気持ちがあるのであれば、神はその罪を許してくれるでしょう」
「……」
「……天使祝詞を唱えなさい。聖母マリアを讃え、その助力に感謝するのです」

尊は告解室を出た。
祈りを三回唱えている間にどうやらシスターマーサは先に出ていたらしい。
がらんとした礼拝堂の席に、口元を押さえて座っていた。
尊は務めて柔らかく声をかける。

「シスターマーサ」
彼女の肩がぴくりと反応した。
だがこちらを見ない。
その姿がやけに可愛いかった。

「シスターは、処女なんだね」
尊の言葉にシスターマーサは顔をあげた。
瞳が疑心と嫌悪に満ち、憎悪を隠そうともしない。
『罪を憎んで人を憎まず』の精神は一体どこへ。神の意思に抗がうシスターマーサの矛盾は、若さ故のものなのか。

「やめて。今は、少し一人にして」
彼女の紅くなった頬と唇が愛しかった。
青い瞳まで燃え上がってしまいそうなほどの憤怒。
尊はそんな彼女の表情に陶酔し、一歩足を踏み出した。

「シスター」
「なに」
「あなたは俺を許してくれた」
「……」
「有難うございました。俺の言葉を聞いてくれて。俺、一生忘れません。あなたの事」
永遠に。今から何が起こっても。

シスターマーサが眉間に皺を寄せてこちらを見つめてくる。
やがてふとため息を吐くと、宙を見上げた。その仕草までも、途方もなく美しい。
308救済の搭D:2010/10/25(月) 08:18:17 ID:M3VHho7o
「……あなたが…傷つけたというその女性…」
吐き出すようにシスターマーサが話し出した。
「その女性は、私も知っている人?」
先程から懸念していたのだろう。
同士に傷ついた者がいる。その考えにシスターマーサは囚われているようだった。
尊は肯定する為に頷いた。
彼女の瞳が僅かに大きくなる。
「私の同士なのね」

尊は言葉を探した。
実際のところ、同士と言っていいのか分からなかった。彼女に別段他の意図があった訳ではないようだが、このシスターマーサの質問は、意外な所で尊の核心を突いていた。
尊には、計画があった。
それは告解を布石として、シスターマーサの発言で効力を発揮する。
誘導して罠に掛けようと思っていた兎が、自ら飛び込んで来たのだ。ある意味、拍子抜けした。

「あの、シスターマーサ」
「ああ何てこと。彼女はきっと今も苦しんでいるんだわ……」
「その事なんですけどシスター。聞いて下さい。同士というか、何というか。あなたに告白しなければならない事がある」
「何なの」
「俺が犯したという女性は、あなたの事なんです。シスター」

最初、シスターマーサは呆然としていた。
だが、やがて覚醒して来たのか、再び瞳が憤懣やる方ないと、怒りの色を宿し始めた。
その形相までも、尊にとっては愛くるしくて罪作りだ。
告解が必要なのはもしかしたら彼女の方なのかも知れないと、場にそぐわない事を考えてしまう。下半身に、血流が集中し出すのを感じた。

「あなた何を言っているの?私をからかっているの?」
「ごめんなさい。実は先程の告解で、俺はあなたに1つ嘘をつきました」

一呼吸置いて、ゆっくりと呟く。

「犯した女性はいないんです。今から犯す女性はいても」

シスターマーサの口が開いた。
徐々に顔から血の気が引いていき、瞳が泳ぎ出した。
聰明なるシスターマーサは、どうやら事の全貌に気付き始めたらしい。いや、予感したのだろうか。
どちらにせよ、尊はシスターマーサのその鋭さを常日頃から敬愛していた。

「何、言ってるの」

シスターマーサが椅子から立ち上がろうとしている。
だが、足が思うように動かないらしい。尻だけで無様に後退している。
どうして彼女はこうも容易く、俺の琴線に触れる事が出来るのだろう。

「あなた何言ってるの?だって懺悔を…」
「うん。だからね、『今から犯す』罪の懺悔をしたんです」
309救済の搭E:2010/10/25(月) 08:26:41 ID:M3VHho7o
ゆっくりと歩を進める。
閑散とした礼拝堂は、まるで空虚な箱庭だ。シスターマーサの隣に腰を下ろし、その腕を握りしめる。
一度払われたが、また掴んで動きを封じた。ついでに空いた手で彼女の太ももを撫でてみた。

「ね、シスターは俺の告解を聞いた。そうでしょう? そしてこう言いました。『あなたに悔やむ気持があるのであれば、神は受け入れてくれるでしょう』。あなたが神に俺の罪を伝えて、赦しを与えてくれた」
「ねぇ、シスター? 神は俺の『今から犯す』罪を認めて、赦してくれたんでしょう?」
「詭弁です! やめなさい!」

シスターマーサが激しく首をふる。
漆黒の修道服が音を立て、埃の匂いが空中に飛散した。

「どうして? じゃあシスター、こういう事? あなたはありもしない罪を神に認めさせて、いたずらに彼の御心を弄んだって事?」
たたみかければ彼女は健気に否定する。
逃げ道を探し、抵抗をする。
それが何の意味も成さない事に気付きながら。

「存在しない罪を認めさせて、彼を裏切ったっていう事?」
「違う、違う!」
「それって、あなたの『神に対する冒涜』なんじゃないの?」
「違う…やめて……」

哀れなシスター。
神になんか傾倒するからこんな事になるんだ。

「シスター安心して下さい」

彼女の肩にゆっくりと頬を寄せる。
掴んでいた腕を離して背中を抱きしめた。
耳元で、ガチガチと歯のなる音がする。
小刻みに震える振動はまるで歪な揺りかごだ。可愛いらしいが、癒しにはならない。

「これも全てあなたの愛する神がお与えになった試練」

スカートの裾をたぐり寄せ、彼女の足を撫でる。
「やめて」と小さな声が聞こえるが、知らないふりをする。
だって彼女の『神』ですら、今、彼女の救いの言葉を耳にしていない。

「神が許してくれた罪の為にも、」

彼女の信仰を破壊する為に、ゆっくりと呟いた。

「俺があなたを犯さないとね」
「いや!!やめて!」

叫んだ彼女の唇を塞ぎ、椅子の上へと押し倒す。
聖なるイエズス像は、ただ目を閉じ静寂に甘んじ続けていた。
310救済の搭F:2010/10/25(月) 08:35:06 ID:M3VHho7o
夕食後、夜の祈りと瞑想を終えて尊は腰を上げた。
同様に今日1日の働きを終えた修道士達もそれぞれの部屋へと戻る支度をする。
祈りと労働を専科としている修道院の生活は、毎日同じ事の繰り返しだが、退屈ではない。
最もそれは、自分が神を崇拝しない、発展性も未来への展望もとうに捨てた人間だからなのかも知れないが。

「タカシ」

振り向くと赤ら顔の神父が立っていた。
講堂から出て来たらしい彼の手には書物が握られている。
名前と顔を覚えるのが苦手な尊ではあったが、この人物の名前だけは忘れた事がなかった。
彼は、流れ者である尊をこの修道院に招き入れた人物その人だった。

「君の顔は良くなった。凄く良くなったよ。これからも神に祈り、日々の恵みを糧に生きなさい」

訛りのある口調でそう言う。
尊は微笑みを持ってその言葉に追従する。
偉大なる神父。尊敬すべき父性。
だが、その手の中に握らせた札束こそが、この異邦人を最大限に救うであろう事を、互いに承知していた。

「タカシ。君に神の御加護があらんことを」
逃亡の末に見つけた避難所は、皮肉にも彼女が崇拝していた神の世界だった。
地球を半周して辿り着いた安息地は、隔絶された羊達の楽園。
他の介入を許さない優しくて頑丈な檻は、犯罪者にもその口を淫らに開ける。

「ありがとうございます、神父」

尊はもう一度微笑し、踵をかえす。
薄暗い救済の搭を音もなく戻って行った。


※※※

部屋の中は薄暗かった。
本棚へと指を這わせ、一連の儀式に取りかかる。
上から二段目、左から五冊めの本。
取り出してすり切れたページを開けば、彼女の体が鮮やかに思い出される。

初めて会った時に彼女は言った。
『神の御加護を』
そう言って渡してくれたのは聖書だった。
『私の宝物です。あなたにあげますわ』
優しく微笑んでくれた唇。甘い声。

「ああ親愛なるシスターマーサ」

今も、この本の中に彼女はいる。
あの日、犯した時の体液を、彼女が一番好きだったページに塗りたくった。
破瓜の血と愛液。
紙は皺だらけになって、今では饐えた匂いもするけれど、それでも満足だ。
彼女を閉じ込めた。
多分、彼女の一番望む形で。

「本望だろうシスター? 聖書の一部になれて」

ベッドへと腰掛け、陰茎を取り出す。
彼女の匂いに当てられて膨らんだ欲望は、際限なく快楽を求める。
311救済の搭G:2010/10/25(月) 08:43:20 ID:M3VHho7o
「シスター見てあげる。また見てあげるよ」
裏表紙とカバーの間から数枚の写真を抜き出した。
それはあの日の彼女。
犯されて泣き叫び、神に救いを求めたシスターの顔。腕。胸。そして、精液であふれかえる柔らかな膣の写真。
愛すべき至福の思い出たちだ。

「綺麗だよシスター。ねぇ、気持ち良いよ。あなただって気持ち良かっただろ?」

シスターは泣いていた。
『こんなにグチャグチャにして。恥ずかしいねシスター』
『お願いやめて』
『どうして泣くの?こんなに喜んでいるのに』

そう言って、膣を指でかき回せば彼女の体はとても喜んで。隆起した乳首も、のけぞる喉も酷く美しかった。

『シスターほら見て。あんなに痛いって騒いでたくせに、今はもうほらこんなだよ。俺の飲み込んで離さない』

彼女の膣が窮屈だった。俺を食べようと、肉壁が舌を這わせて涎を垂らしていた。

『ね?イエス様に見せよう。罪を認めてくれてありがとうございますって。おかげでこんなに気持ち良くなってますって』
『嫌ぁ!!離してぇ!』
『ほら、足を開いてあげるね』

イエズス像の前で足を広げさせて、彼女がいつも持ち歩いているロザリオで肉芽を淫らに愛撫した。
蜜を撒き散らして喜色にあふれた彼女の割れ目に陰茎を突き刺せば、また凄く喜んだ。
きゅうきゅうと締め付けて、腰が抜けるんじゃないかと思った。気が狂って、このまま猿にでもなってしまおうかと思えるぐらいに。そして、彼女自身も気が狂ったらしく、何度も何度も男の名前を呼んでいた。
俺じゃない、他の男の名前を。

『お許し下さい…お許し下さい…』
『シスターまだ分からないの?』
『天におられる私たちの父よ…』
『この男があんたに何をしてくれるって言うんだよ』
『喜べ…完全であれ…朗らかで…』
『今まで一度だって、こいつがあんたに何かしてくれた事あったのかよ』

命も時間も貞操も捧げて来たあなたの22年間。その間、こいつは何をした?

『俺なら何だってしてあげるよ。ご飯だってお風呂だってトイレだって』
『そうすれば神はあなた達と共に……』

あなたから奪った膨大な時間。こいつは一体何をしてきた?
今あなたが泣き叫んでいるこの瞬間。こいつは一体何処にいるんだよ。
312救済の搭H:2010/10/25(月) 08:47:31 ID:M3VHho7o
『ほら、こんなに気持ち良い事だってしてあげる』
『っあ……!いや!』
『俺に乗り換えなよ』
『いや!もうやめて!』

彼女は最後まで俺を見なかった。
だから罰を下したんだ。

『可哀想なシスター。じゃあ彼の所へ行きなよ。俺の精子を手土産にしてさ』

命の灯火が消える瞬間。過去最高の締め上げが俺を射精へと導いた。
他者を慈しみ愛するシスターは、最後まで俺を先導して喜ばせてくれた。

「死んだ今でもね」

彼女の写真を見下ろし自慰にふける。
陰嚢は右手、竿は左手。
尻を浮かせ、彼女の胎内をイメージする。
暖かくてキツい、楽園の庭。
咲き乱れる花々は白。
それを汚してまた欲情する日々。

「なんて幸せなんだろう」

朝起きて獣どもの世話。
朝食を食べて、畑の手入れ。
昼食を食べた後には礼拝堂。夕食を摂り、祈りを捧げて肉欲にふける。
神様なんてクソ食らえだ。

「誰も俺を邪魔しない。邪魔出来ない」

ねぇシスター。
あなたが最後の最後まで忠誠を誓った神は、今、こんなにも至福の時を俺にもたらしてくれているよ。

「あなたの写真を見て眠る日々。どれだけ幸せな事か」

ねぇシスター。あなたが心酔した世界で、あなたの魂は汚されています。死んでも尚。

「眠る前も、夢の中でも、その後も」

あなたを思いながら吐精する。あなたを汚す。永遠に。

「ねぇシスター」

あなたが愛したはずの偉大なる神。
さて今そこに、果たして彼は居るのでしょうか。
313名無しさん@ピンキー:2010/10/25(月) 09:00:47 ID:M3VHho7o
終わり。聖職者とヤンデレって相性悪くないか?と思って書きました。
お目汚し失礼しました。

今更ながら>>278乙です!
こういうセンス凄く好き。本気で羨ましい。
314名無しさん@ピンキー:2010/10/26(火) 02:18:50 ID:cV2BOk2A
>>313

シスターマーサ(´・ω・`)
まぁ、ヤンデレ男に目を付けられたら結末はこんなものかもしれませんね
こういうのも嫌いじゃない

加奈ちゃんの方は振り回されつつも御す事が出来てるようで何より
上の方のレス的に加奈ちゃんはこのわがままヤンデレに巫女として
その身を捧げて奉り一生を過ごす覚悟なのかしらん?
大変そうだなあw
むしろ加奈ちゃんの方がある意味ヤンデレ……好きだけど
315名無しさん@ピンキー:2010/10/26(火) 15:35:50 ID:Y5ABMGcN
>>313
GJでした
2作連続とは気合い入り過ぎですw
シスターは可哀想……男は愛を貫くのだろうか?

加奈ちゃんのほうは序章って感じですね
初体験編が楽しみ
316名無しさん@ピンキー:2010/10/30(土) 18:29:26 ID:7R34xLwl
超GJ!
シスター逃げてー!でもエロ的には逃げないでー!ってモニター前で頭抱えたぜ
317名無しさん@ピンキー:2010/10/31(日) 21:01:23 ID:tW04BBk0
ヤンデレ男って何故かドSのイメージが強い。相手の事を四六時中考えているって点では充分献身的なはずなんだけど…

ドMなヤンデレ男っているのかな??
攻撃的な奴しか思いつかないや。
318名無しさん@ピンキー:2010/10/31(日) 22:07:42 ID:X7UckNlj
>>317
なんか囮捜査官とかいう二時間ドラマでそんな犯人いたような。
検事だか弁護士だか、偉いその女性の助手で
どんなに叱られたりなじられたりしても離れられなくて
むしろその女性が嫌ってる人間や、
その女性を悩ませる人間を許せなくて殺したっていうの
319名無しさん@ピンキー:2010/11/01(月) 02:45:25 ID:kHLJQfZD
青田買い、浮気の代償に引き続きまたヤンデレ旦那を書いてみました。
だるま(四肢切断)といったグロテスクな表現があります。
相変わらずの最低具合ですが今回は……
前半2レスが旦那の話、後半2レスがおまけでキオが実家に帰る話です
320人形 1/2:2010/11/01(月) 02:47:34 ID:kHLJQfZD
 布団の上に仰向けに寝そべる一回りも二回りも小さくなった妻。
 随分と短くなった手足をぱたぱたと動かす度に余った袖と裾が揺れる。
 顔を歪める妻は「足首が痛い」と私に助けを求めた。
 彼女の足首などはとうの昔に切り落としてしまったのだが、私は本来妻の足首があるべき場所を撫でる。
「ほら。キオ。もう大丈夫だ」
 何も無い場所を、あたかも足首がそこにあるように熱心に撫でてやる。
 ほんの少しばかり顔の表情を和らげた妻の体を抱き上げる。
 元々軽い妻の体は四肢が無くなることで更に軽くなった。
 本当に可愛い。
 だるまのようだと妻を敬遠し世話をしたがらない女中もいるが私にとってはかえって好都合だった。
 妻の食事を、排泄を、風呂を、髪を結うのだって私が何から何まで妻にしてやれる。
 一日中彼女の傍にいることができる。
 彼女に必要とされている。
 以前よりも満たされた毎日に自然と顔の筋肉が緩む。
 赤子を抱くように彼女を抱えると彼女は不思議そうに私を見上げる。
「そんなに嬉しそうな顔をしてどうしたのですか?」
「ああ、今日もキオが可愛いと思って」
 言うと今日一日比較的機嫌が良かった妻の顔が曇り、遂にはわっと大粒の涙を零す。
 ただ一つ私達の生活に問題があるとすれば彼女が以前よりも情緒不安定になったことだ。
 どうしたんだと尋ねると、彼女は唇を震わせて、首を横に振る。
 彼女から零れ落ちる涙がもったいなくて自分の舌で受け止める。
 しょっぱいのに、どこか甘美で病み付きになる味だ。
 彼女は私の舌から逃れようと私から顔を背けてしまう。
「近所の子どもにも笑われて、あなたに惨めな思いをさせて。もう生きていたくありません」
「そんなことは言わないでくれ。キオに死なれたら私はどうしたらいいか。
 愛してるんだ、キオ。君のことだけを愛してる。君がどんな姿になろうとも私は君と過ごせるだけで幸せなんだ。
 キオ、ずっと私と一緒に生きてほしい。それでも君が死にたいのならば死ぬときは私も一緒だ」 
 妻と熱いくちづけを交わしながら、妻の服にそっと手をかけた。
 
 妻の体を再び布団に横たえて、妻の裸体を上から拝む。
 私よりもずっと年下の妻の肌は若く瑞々しい。人目を憚り外出もしなくなったために病的なまでに白く透き通っている。
 首などは片手でへし折れそうなほど細く、それでいて乳房は私の片手では余るほどに豊かだ。
 特筆すべきはやはり短い手足だろうか。手足の先は少し肉が歪になっているが神経はちゃんと機能している。
 そのためなのか手足も妻の性感帯の一部となっている。
 私の視姦に妻は恥ずかしそうに顔を背けるがその体を隠すための腕はどこにもない。
 彼女は私に目でもって犯され続ける。
 妻の名前を何度も呼びながら、キオと何度も唇を重ねる。
 涙を止めて彼女は嬉しそうに私に応じ、彼女自ら私の口内に舌を侵入させる。
 舌を絡め、唾液を交し合いながら、妻の乳房を揉み、先端を刺激する。
「んんっ……ユーヒさん」
 手足を失ってから娯楽といえばコレばかりの妻はすっかり熱に浮かされた目でその先を強請る。
321人形 2/2:2010/11/01(月) 02:48:38 ID:kHLJQfZD
 彼女の髪を梳き、額に唇を落としていると、隣室から鈍い音が響いた。
 妻は首だけをそちらに向ける。
「何……何がいるのですか」
 隣室から響く低い唸り声に怯える妻を抱きしめる。
「……人形が棚の上から落ちただけだよ」
 彼女の意識をこちらに戻そうとしても、こちらに向かってくる衣擦れの音に妻の視線は襖に釘付けとなる。
 本当にいつもいつもいつもいつも肝心なところでヤツは邪魔をしてくれる。
 人形にしてやったのにそれでもまだ邪魔をするというのか。
「いやだ……こっちに来てる」
 襖がゆっくりと開き、光が部屋に差し込む。
 四肢を切断し、眼球を抉り取り、すべての歯も抜き取ったはずの人形は――元の姿へと戻っていた。
 少年はその幼い顔に微笑を浮かべると、右手を妻に差し伸べる。
「キオ、迎えに来たよ」
「スオウ?どうして……」
 キオが短い右腕を差し出すとそこから腕が伸び指ができ、元許婚の手を掴む。
「ほら、左腕も両足も戻る。全部元通りだ」
 腕の中からキオの体がするりと抜け出し、少女に戻ったキオは嬉しそうに少年と駆けていく。
 一度も後ろを振り返らずに。

 目の前が真っ暗になり、世界がぐらぐらと揺れる。
 揺れているのは自分の体だと気がつくと、飛び起き、辺りを見渡す。
 布団が二組引かれた寝室。
 私の傍らには驚く婚約者の姿があった。
「随分うなされていましたが、怖い夢でも見ていたのですか?」
 彼女は私を気遣いながら額にかいた汗を拭ってくれる。
 夢、そうか夢だったのか。
 私達はまだ結婚してもいなければ、婚約者の彼女はあんなにも豊満な体はしていない。
 彼女の体を引き寄せ抱きしめる。
 華奢な体からは細くともしっかりとした手足が伸びる。
 彼女も私の服の胸元を握り締めた。
 ああ、やはり腕も、足も、あった方がいい。
「スオウ君は元気かい?」
「えっ……さあ、私はまったく。スオウのことでしたら、トーマさんに訊かれたらどうでしょう?親しいのでしょう?」
「どうだったかな」
 急に彼女の幼馴染のことを尋ねる私に首を傾げる彼女を抱きしめたまま布団の上に倒れる。
 キオの体温を感じながら再び夢の世界へと落ちていった。
322おまけ 1/2:2010/11/01(月) 02:50:03 ID:kHLJQfZD
 この国の他家に嫁いでいった女性は誕生月の最初の休日に実家に顔を出すことになっている。
 誕生月を迎えたキオもその日実家へと一人赴いた。
 使用人に通された部屋で一番上の兄を待っていると、部屋の前を三番目の兄が通りかかる。
 三番目の兄はそのまま部屋を素通りしたかと思うと後ろ足で再び戻ってくる。
「リノかと思ったら、キオだった。どうしたんだ。もしかして婚約破棄されて戻ってきたのか」
「違います!誕生月だから顔を出しに来たのよ」
「お前の誕生月は来月だろ?」
「今月!レン兄様はいっつもこうなんだから」
 そうだったかなと首を傾げながら三番目の兄は部屋を出て行く。
 続けて二番目の兄が部屋の前を通りかかり、三番目の兄同様キオの姿を見て目を丸くする。
「婚約破棄して戻ってきたのか。大丈夫、まだスオウ君にはいい人がいないそうだから寄りを戻せばいい」
「だから違うったら!誕生月だから挨拶に来たのよ」
「キオの誕生月は先月じゃなかったか?」
「もう!セン兄様まで!」
 二番目の兄は肩を竦めて目を吊り上げる妹から走って逃げていく。
 入れ替わるようにして一番上の兄が顔を出しキオの向かいに座る。
「おかえり、キオ。亡き父上も母上も元気にキオが帰ってきてくれて喜んでいることだろう。
 今回のことは気を落とさずに、君もまだ若いんだから。まだまだこれから。スオウ君もまだ一人身だ。
 スオウ君が駄目ならば後輩だけならたくさんいるからいくらでも紹介してあげよう」
「……シン兄様、婚約破棄して戻ってきたわけじゃありませんからね」
「え?だったらどうしてうちに?」
 きょとんとする兄に一言「誕生月」と言うと、兄は真剣な顔をして「再来月だろ?」と問いかけてくる。
 キオは頭を抱えた。
 どうしてうちの兄達はこうも無神経で物覚えが悪いのだろう。
 婚約者の彼は誕生日だろうが、婚約記念日だろうが、キオの両親の命日だろうが何でも覚えていてくれるのに。
323おまけ 2/2:2010/11/01(月) 02:51:12 ID:kHLJQfZD
 完全に機嫌を損ねた妹をシンは一生懸命に宥めるが、なかなか妹は機嫌を直そうとしない。
 元々キオは気が強い上頑固なところがあり、三人いる妹の中では一番手を焼いていた。
 例の後輩と婚約してから少しはおしとやかになったと思っていたのに。
「そうそう。ユーヒは元気かい?仲良くやってるかい?」
「元気ですよ。兄様達とは違って、ユーヒさんは何かと私のことを気遣ってくださいます。でも……最近は何だか私が怒ってばかりいて」
「キオがプンプンしてるのは昔からだから。ユーヒもわかってるさ。変わりないってことか。うん」
「そんなに言われるほどプンプンしてません」
 キオは唇を尖らせる。
 ユーヒにまだまだ子供扱いされていると思っていたが、実家の兄達の方がよっぽど扱いが酷い。
 ユーヒや義母にゆっくり羽を伸ばしてくればいいと送り出されて来たのに、何故だろう、逆に疲れが溜まる気がする。
 いつの間にか出された湯のみに口をつけ、喉を潤す。
 障子が取り払われ、廊下から部屋の中が丸見えだ。
 廊下にまた一人通りかかる。
 その人物と目が合い、キオはぶっと茶を噴き出した。
 キオが手絹で口許を拭っていると、「あれ?何でキオが?」と部屋に入ってくる。
「スオウ君いらっしゃい」
「どうも。シン兄さん。どうしてキオが帰ってきてるんですか?」
 キオの幼馴染兼元許婚は兄に親しげな笑顔を向ける。
「誕生月らしいよ。私はてっきり再来月だと思ってて何も用意してないのに」
「ああ、なるほど。僕はてっきり婚約破棄されて帰って来たかと」
 兄達の悪影響を多大に受ける幼馴染は無邪気に歯を見せて笑った。


「あれ?義姉さん。早かったですね。何泊かしてきても良かったのに」
 結局キオは半日で実家から婚約者の元に戻ってきた。
 偶然玄関で一緒になった婚約者の弟のトーマに疲れた顔で言う。
「本当に私はユーヒさんを選んでよかったと思いました。ええ、本当に」
「それを言ったらスオウ君が可哀想じゃないですか。明るい素直な後輩ですよ、彼は」
 明るくて素直で無神経な元婚約者の顔を思い浮かべて、キオは大きく溜息をついた。
「兄にそっくりな夫を持つなんて私は絶対に嫌です」
324名無しさん@ピンキー:2010/11/01(月) 02:59:05 ID:kHLJQfZD
以上です
前半は旦那ざまあ話でした
後半はやたら登場人物が多いですがシンとユーヒが学生時代の先輩後輩
トーマ・レン・スオウが同世代といった感じです
シンは長女のリノをユーヒに紹介したのにユーヒは次女のキオを気に入って現在に至ります
325名無しさん@ピンキー:2010/11/01(月) 16:29:49 ID:l5J0mRKz
>>319-324
超乙!!!
今回も良かったです
この旦那達磨にしてやりたい願望とかあったのかw
その癖あんな悪夢をみるなんて罰があたったんですねw


そしてキオちゃんは相変わらず可愛いなぁ
でも今回で印象が変わったかも、深窓の令嬢と言うより
明るく健康的な美少女だったんですね、これはこれで凄く良い
ますます旦那の危なさが際立つ気もしますがw

後、元婚約者と兄弟がこんなお気楽な人達だったなんて
旦那は悪い事をしてる自覚があるからしなくても良さそうな警戒をしてるのかw
次回も楽しみにしています。
326名無しさん@ピンキー:2010/11/04(木) 00:21:57 ID:sfQpNveu
>>324
GJ
続き待ってる
327名無しさん@ピンキー:2010/11/07(日) 20:02:34 ID:wM4ho0ip
保守
328156:2010/11/08(月) 17:20:23 ID:7ARCPD3r
>>324 超GJ!!本気ダルマかと思ってビビったw
キオちゃん良いですね!家庭環境まで美味しいとは。お兄ちゃん'Sも幼なじみも良い味出してるし、旦那も何か可愛くて憎めないw前作の『よし、少なくとも子供は5人だ』が強烈過ぎて未だに忘れられませんw続編期待してます!

ちょっと皆さんに伺いたいんですけど、近々>300の続編投下予定なんですが、例によってエロ無し長編なのでその前にまたエロ有作品を投下しようと思ってます。
その際は連投は避けて、1日ぐらい置いてからそれぞれ投下した方が良いですか?それとも2作一気に投下した方が宜しいでしょうか……一人で大量にレス消費するのは非常識な気がしたので^^;
329名無しさん@ピンキー:2010/11/08(月) 18:10:04 ID:woKglWPs
>>328
元々投稿少ないし、その日に確認して投稿する人が居なければ一気に投稿していいんじゃない?
330名無しさん@ピンキー:2010/11/08(月) 19:20:04 ID:7ARCPD3r
>>329 そうですね。では、その日に投稿が無ければ2作まとめて投下したいと思います!
331名無しさん@ピンキー:2010/11/08(月) 21:38:39 ID:6pNJ61w6
>>328
>>330
まぁ、エロパロスレですから投下してくれる人が最優先ですよ
投下待ってます。
332名無しさん@ピンキー:2010/11/10(水) 20:52:27 ID:QRYoGn/i
投下期待
333156:2010/11/14(日) 05:00:27 ID:ZcxqP0eP
予定狂った。
先にエロ有り作品投下します。短編のつもりが長かった。しかもエロだらけです。
334秘密:2010/11/14(日) 05:05:08 ID:ZcxqP0eP
※江戸物
※ドS男×ドM女(ヤンデレ成分微小?)
※長文&言葉攻め苦手な人はスルーお願いします。






「ほら、しっかり腰をあげなさい」

薄暗い部屋の中で、柔らかな声が単調に響く。

「尻が下がって来ていますよ……あなたはもう少し我慢を覚えないといけませんね」

低いが、女のように柔らかな口調で男がそうたしなめると、暗がりの中から「はい……」という小さな声が続いた。
まだ幼さの残る、か細い声だった。

「でも、七雄さん……」
「口答えは許しません」
「……」
「これは全てあなたの為なんですよ」

淡々と言って、男は女の足の裏に舌を這わせた。
行灯からこぼれる微かな光が、吐息を漏らす女の顔をおぼろ気に照らし出す。

男は布団の上に女をうつ伏せに寝かせ、その体を愛撫していた。
尻を上げるように女に命令して、今は女の足の裏をゆっくりと丹念に嘗めあげている。
指の股から土踏まず、足の踵に至るまでに丁寧に愛撫をし、女の尻を震わせていた。
女は寝着の浴衣の裾を腰まで捲り上げ、込み上げる羞恥を噛み殺していた。
小さくて白い女の足は、力が入って爪先が丸まっている。

「っふ、あ……ななお、さんっ」
「ここが良いんですか?」
「違っ……んっ、何か変、擽ったくて…」
「それは『良い』って言うんですよ」

女が一番反応した土踏まずに、男は舌を押しつける。
強く舐め上げて、窪みに歯を立てて甘噛みをした。

「ひぁ!あ、やっ」
「……足裏で感じるなんて、伊予は本当にスキモノですね」
「やだ!」
「その上、自分を知らないと来てる」

女の非難の声を無視して、男は細く尖らせた舌先で土踏まずをいじくり回す。
喘ぎ声を大きくさせた女の足に、更に舌を這わせて、ふくらはぎへと歩みを進めた。
淡い光に照らされる女の足は、熱を帯びている為に白い皮膚の下から血の色が透けている。
そしてその表面には細い唾液の道が出来、ゆらゆらと輝いていた。

「良い眺めですよ、伊予」

うっとりと、ふくらはぎを見つめながら男はそう呟いた。
強い弾力を示す女の皮膚に唇を押し付けて、揉み込むように上へ上へと按摩する。
膝裏に到達するとまた長い舌を出して、その窪みを舐め攻めた。
335秘密A:2010/11/14(日) 05:10:29 ID:ZcxqP0eP
女は布団に顔を押し付けて、小さな悲鳴を上げた。

「お嬢は本当に変わっていますね」

こんな所がお好みなのか。
そう言って意地悪く笑うと、涙を溜めた瞳がこちらを振り返った。

「お嬢って、呼ばないでください」

熱く湿った吐息を溢しながら女は男に抗議した。
健気に赤く染まった女の唇を見つめながら、男は体を起こす。
首をかしげて女の顔を注意深く観察した。

「嫌ですか」
「だって、私はもう七雄さんの妻なのに…『お嬢』だなんて……寂しい」
「それは失礼しました」

男は柔らかく微笑した。
女性のような、華やかな男の笑みを見て、女は更に赤くなった顔を臥せた。

女は――伊予は、『呉服問屋近江屋』の一人娘だった。
年は数えで17になる。
七雄と呼ばれる青年とは、十ほど年が離れていた。
二人は半年前に祝言をあげたばかりだ。
七雄は近江屋の元手代で、婿入りをして店を継いだ。

「何せ奉公時代からお嬢と呼んでいるもので」
「……」
「でも、『お嬢』と呼ばれるの好きでしょ?こういう時に」

こういう時に。の言葉と共に、七雄は伊予の尻に、ついっと指を滑らせる。
白い柔肌を揉みこみながら、仄暗く笑った。

「ほら」

肉を割り開いて秘裂を晒せば、くちゅり、と湿った音が静寂の中でこだまする。
伊予は歯の間から吐息を漏らして、唇を噛み締めした。

「いや……」
「お嬢。分かりますか?」
「……っ、やめて…下さい」
「やめてと言われましても、ねえ?」

七雄は苦笑した。
人差し指と中指を、秘部の曲線に押し当てる。
薄い下生えの茂みから会陰まで、前後にこすって摩擦すれば、大して力も入れて無いはずなのに大袈裟な音が出た。

「ほらお嬢」
「んぁ、あ、やめて…ななおさん…」
「好きなくせに何を言いますか」

小陰唇、大陰唇、肉厚なヒダの間。
七雄は、熱を吐き出す蜜壺を指の表面で埋め込んで、擽るようにゆっくりとその全体を撫で上げていく。
決して指を膣には挿入せずに、ただ緩慢に伊予を犯す。
秘裂の先端をなぞり、とめどなく溢れ出る愛液の出所を塞げば、指先から蜜がこぼれて、七雄の手首まで伝わって来た。

「全く。私の手まで濡らすとは」

七雄は冷たい声を出した。
336秘密B:2010/11/14(日) 05:15:15 ID:ZcxqP0eP
「ぅう、ごめんなさい……」

布団に顔を押し付けて謝る伊予の頬を、七雄はじっと見つめる。
紅潮した伊予の皮膚は産毛が銀色に光り、まるで桃のようだった。

「……」

七雄は思案した。
黙り込む七雄を不審に思い、伊予は赤い顔で彼の様子を伺う。
七雄は無表情に彼女を見下ろしながら、ポツリと呟いた。

「仕様が無いですね。浴衣を脱ぎなさい」

表情を動かさずに、そう言った。

「え……」
「腰までたくし上げてるとはいえ、この先濡れないとも限りません。呉服屋の娘が浴衣に染みを作って下女に洗わせるなんて、恥でしかないでしょう」
「……でも」
「それとも、下女に洗わせるのもあなたの趣向の一つですか」
「ち、違います!」

伊予は慌てて首を振った。
すると、余波で腰まで揺れて、下腹部に当てられた七雄の指に敏感な肉芽の先が触れた。
「――っ!」
突然走った細やかな刺激に、伊予の喉は熱くなる。
横目で七雄を確認すると、彼は相変わらず澄ました顔で伊予を見つめていた。
七雄は伊予が服を脱ぐまで行為を再開させないつもりだった。
その意地の悪い心づもりを伊予は感じとって、仕方なしに、こくんと頷いた。

「……分かりました」

腕を立てて上体を起こす。
服を脱ごうと、七雄の指から体を逃がした途端、七雄の手のひらが伊予の尻を打った。

「っい」
「誰が起き上がって良いと言いましたか」

七雄が抑揚のない声で伊予を叱る。
赤子のように尻を叩かれた伊予は、痛みも忘れて狼狽した。

「だって七雄さんが浴衣脱ぎなさいって」
「服を脱ぐくらい、片手間でも出来るでしょう。あなたはうつ伏せのまま、私の言う事を聞いていればいいんです」

品の良い七雄の顔は、表情を無くすと、いっそ冷酷とも捉えられる程に冷え冷えと見える事がある。
今も、和紙でろ過された行灯の光に照らされた七雄の顔は、精錬された瓦焼きの人形のように無機質で冷たい。

伊予は怯えながら布団へと体を臥せた。
片手で帯を解いて、手間取りながらも浴衣を脱ぎにかかる。
中々抜けない腕に四苦八苦しながら体を動かす。
すると、七雄が後ろから声をかけて来た。

「私の指が離れないように、注意して動いてくださいね」
337秘密C:2010/11/14(日) 05:18:39 ID:ZcxqP0eP
口調が明らかに笑いを含んでいる。
彼が、服を脱ごうと躍起になっている自分の姿を楽しんでいると分かった。
伊予は羞恥で身を震わせた。
彼の命令を無視して体を起こそうとした瞬間、飄然とした声が伊予の動きを制した。

「指が一寸でも離れたら、今夜はお開きにします」
思いもしなかった七雄の言葉に驚いて、伊予は彼を振り返った。
七雄はただ柔和な笑いを浮かべて、伊予を見つめている。

「まぁ、頑張ってください」



※※※

「伊予、腰が揺れてますよ」

七雄が指を離すなと言ったから、伊予は慎重に慎重に服を脱いだのだ。
だがそれでも、やはり体は多少は動く。自ずと力も入った。
七雄の指から体が浮いてしまいそうな気配を感じると、伊予は慌てて腰を落とした。
その度に、甘い刺激が体をつき抜けた。

(……こんなの、酷い)

普段の七雄は、愛撫に余念のない男だ。
伊予の足を開き、その間に顔を埋め、指あるいは舌で時間をかけて伊予の肉壺を口説き落とす。
そんな、執拗な性癖を持つ男だった。
伊予の体に異常な執着心を持ち、例え伊予が泣いて『止めて』と懇願しても、自分が『ここまで』と決めた回数を達成するまでは、絶対にその手を休めなかった。
快楽攻めと言えばまさしく快楽攻めだった。
祝言を上げてからの2ヶ月間は、店に立つのもままならない状態が続く程だった。

(なのに何で……)
今夜の七雄は違う。
いつもの淫らな手法とは異なり、伊予を焦らす事に腐心している。
うつぶせに寝かせたかと思えば内ももには何の関心も示さず、足裏やふくらはぎを舐めるだけ。
ようやく下腹部に触れてくれたかと思えば、今度は入口に指を当てるだけで緩慢に動く以外には、大した動きを見せてくれない。

(酷い。七雄さんは、酷い人だ)

伊予は物足りなさで、頭が呆っとした。
いつもの、七雄の烈火の如く激しい性技を、心の芯より待ち焦がれて居た。

「何か不満があるのですか?」

伊予の不満を感じとった七雄が、静かに口を開く。
だが伊予は唇を噛んで、布団に頬を押し付けたまま動かなかった。

「伊予」
「……」
「言いたい事があるなら言いなさい」
「……」
「言えないんですか?」

言える訳がなかった。
その長い指で、もっとして。だなんて。
言えるはずがない。
338秘密D:2010/11/14(日) 05:25:08 ID:ZcxqP0eP
「……」
「お嬢」

言い淀む伊予の後ろで、七雄は不機嫌に声を落とす。
低くて冷たい声を出しながら、伊予の腰を強く掴んだ。

「入れますよ」
「え、まっ…」

制止する間もなく、七雄が後ろから腰を打ち付けて来た。

「 ―――っっ!!」

強烈な痛みが伊予を引き裂く。
何の躊躇いも見せずに、突然に七雄の肉塊は伊予の中身を抉りに来た。
散々お預けをくらっていた秘部は、濡れに濡れてはいたが、結局のところ、七雄は一度もその中に指を入れてはいないのだ。
伊予の秘部は、男の男根を入れるまでの準備が施されていなかった。
膣口だけが熱で潤み、その先の肉壁はまだ固いままだ。
柔軟性の乏しい伊予の体は、男の非情な仕打ちに悲鳴を上げた。

「い、痛いっ、や……七雄さん!」

歯をくいしばって訴えるも、七雄は動きを止めない。
それどころか、嬉々として腰を振っている様子さえ窺える。

「っあ、待っ!……待って、お願い!」
「こういう具合の方が、好きなくせに」
「ひぅっ! 違っ……七雄さ、」
「違う事は無いでしょう」

ぐいっと、伊予の片腕を七雄は引っ張った。
更に侵入が深くなり、ねじれた上体に、伊予の腰と膣が軋んだ。

「ひぁ!」
「ほらね」
「ゃ……んあ!あ、あ、七雄さんっ」
「こうして…キツいぐらいが一番あなたは感じるんだ」

激しく肉がぶつかり、伊予の内股はしぶきを上げる。
淡い光の中に浮かび上がる部屋の壁には、獣染みた二人の影が踊り狂っていた。

「あっ、ぁん!あ、ひぁっ」

七雄の体が伊予の体にのしかかり、厚い胸板と背中がぶつかる。
その衝撃で崩れそうになった伊予の胴を七雄は片腕でしっかりと抱き込み、もう一方の手で伊予の口を塞いだ。

「黙りなさい」

腰を打ち付けながら伊予の耳元で囁く。

「静かにしないと、下で寝てる下男に気付かれますよ」
「っ…」
「まぁ、聞かれても私は構わないんですけどね」

伊予の耳の中に舌を入れる。
吐息を流し込むように抜き差しすれば、手の平が暖かく湿っていくのを感じた。
伊予が、涎を垂らしていた。
伊予の瞳が熱で蕩ける。

(――……本当に可愛い方だ。お嬢は)
339秘密E:2010/11/14(日) 05:38:41 ID:ZcxqP0eP
伊予の後ろ暗い性質に七雄は気付いていた。
彼女は、被虐のタチだ。
何時だったか、行為の最中に七雄は伊予を手荒く扱った事があった。
余りにも彼女が愛しくて可愛いくて仕方なかったので、意地悪く、高圧的な態度を取ってしまったのだ。
残忍な言葉を吐き、おぞましい体位で彼女を攻め、痛みを与えた。
余興のつもりだった。
彼女が怒るなら、別にこんな戯れ、何時でも止めて良いと思っていた。
だが、伊予は予想外の反応を示した。
高飛車な男の言葉と仕打ちに心を乱し、瞳に恐怖の色を浮かべながらも、その体を熱くさせて身悶えた。
まるで七雄に支配される事を喜ぶように、眉根を寄せて、男の加虐的な愛情に耐え忍んで、肉棒を飲み込んだ。
その膣の蕩(とろ)け具合と言ったら。
飲み込まれて、そのまま咀嚼されるのではないかと思ったぐらいだ。

「淫乱なお嬢」

歌うように呟くと、伊予の肩が動いた。

「元手代に犯されて、良いようにされて。どんな気分です?嬉しいですか?」
「ふぅぅ……」

七雄の指先から伊予の吐息が漏れる。
涙を流しながら伊予は快楽に身を揺らしていた。

「こんなに乱れて、ほんの半年前までは生娘だったのにねぇ。はしたなくて、淫らなお嬢だ」
「んんん!?」

手を開いて、七雄は伊予の口の中へと強引に指を浸入させた。
伊予は目を瞑って、七雄の悪戯に耐える。
舌を引っ張られ、口腔を掻き回される。
だが、涙を流しながらも、伊予は不思議に思っていた。
苦しいだけなはずのこの行為に、先程から何故か膣は潤みっぱなしだ。
自分の性癖に気付かない伊予は、ただただ困惑する。

「でも、私はそんなお嬢が好きなんですよ」
七雄は、伊予の胴に回していた腕に力を込めて、彼女の体を勢い付けて抱き起こした。
小さな伊予の体が、七雄の膝の上に倒れ込んで来る。
自然と、背面座位の形になる。
七雄は伊予の唇から指を引き抜いて、代わりに彼女の片膝を掴んで思いきり開かせた。
自分は態勢を整えて、胡座をかいた。

「動きなさい」

伊予の耳たぶを唇で擽る。
340秘密F:2010/11/14(日) 05:43:49 ID:ZcxqP0eP
「お嬢のあなたが、元手代の私を犯すのですよ」

伊予の膣が急速に溶けだす。
肉棒がしとどに濡れて、肉壁が全てを飲み込もうと嚥下を繰り返す。

「ねえ、お嬢」

七雄が胴を強く抱きしめると、伊予は喉をのけぞらせた。七雄の、程よくしなった腕に自分の腕を絡ませて甘い息を吐く。
七雄は伊予の肩に口付けをして、熱っぽい声で囁いた。

「早く私を気持ち良くさせて」

動き出した伊予の背中に額を押し付けて、七雄はゆっくりと口端を歪めていった。



※※※

一陣の熱風は、心地よい汗を七雄に残して通り過ぎていった。
荒々しく乱された布団は綺麗に敷き直され、伊予は今、背を向ける形で七雄に抱かれている。
行為の後、伊予は必ず七雄に背を向ける。
理由は、恥ずかしいから。らしいが、七雄からすれば「何を今更」だ。
だが、恥じらいを持ち続ける伊予の拙さも嫌いではないので、七雄は今のところ彼女の好きにさせている。

「昨日、仙蔵さんを見ました」

腕の中で伊予が呟いた。

「へえ」
七雄は思わず目を見開いた。
懐かしい名前を聞いたと思った。

「珍しい。何処で見たのですか」
「両国橋向こうの……回向院辺りで」
「ふぅん」
「身なりは整っていたんですけど、人相がすっかり変わってしまっていて」
「……」
「別人みたいでした」

仙蔵というのは、4年前まで近江屋で働いていた番頭だ。
三十前の美貌の男で、商売人として抜きんでた才覚を持ち、将来は婿入りして伊予と夫婦になる予定だった。
だが、祝言前に仙蔵は姿を消した。
噂では、女に入れ込んで博打に手を出したという話だった。

「あんな男の事は放っておきなさい」

七雄は冷たく言い放つ。

「もう私達とは関係ない男です」
「でも、私、寂しくて。仙蔵さんが居た頃の近江屋は本当に本当に活気溢れる店だったのに……」

仙蔵が失踪した後、近江屋は凋落の一途を辿った。
伊予の父が精神を病み、手代の一人が店の金を持って逃げた。
額は100両をゆうに越え、更に悪い事に、その金は、伊予の父が問屋仲間から預かった仲買金だった。
近江屋は苛烈な吊るし上げを喰らった。
店が急速に傾き、看板が燃やされる寸前、仲裁役を買って出たのが七雄だった。

「だから、私が来たのでしょう」
341秘密G:2010/11/14(日) 05:46:11 ID:ZcxqP0eP
当時の七雄は、近江屋と昵懇の間柄の河内屋の手代だった。
次期番頭を約束され、将来を有望視されていた。
近江屋は呉服屋。絹織物を主に取り扱うのに対し、河内屋は太物屋、木綿や麻を売りにしている。
七雄と近江屋の繋がりは、彼が17の頃半季奉公として僅かの間、近江屋で働かせてもらった事が始まりで、伊予とは挨拶を交わす程度には仲が良かった。

「それは分かってます。近江屋は、七雄さんが居てくれなければ、今頃潰されていましたもの」

七雄は近江屋の窮状を知るや否や、次期番頭の座を捨ててまで彼らの救済に奔走した。
貯めていた金を返済に当て、死に物狂いで店を立て直した。
河内屋時代に培った勘と人脈を生かし、古手物を掲げ、客が居なければ自ら裏店、裏長屋、武家屋敷を周り、直接訪問して品物を売った。
近江屋は大伝馬町にある。
地域の有利性を生かして商売に励み、そうして3年の月日が流れた後に、近江屋は無事に元の大店へと返り咲いた。

「なら、この店を捨てて女に走った男の事など忘れなさい」

背を向けたままの妻に話しかける。

「昔は番頭でも、今は素性の知れない男ですよ」
「でも……」
「恨みこそすれ、あなたが同情を覚える義理はないのです」
「……」
「分かりませんか。私は妬いているんですよ」

女の背を抱いて囁いた。
七雄はいつの間にか熱くなっていた昂りを伊予の腰に押し付けた。
上下に摩擦すれば、彼女の体が徐々に熱を帯びていくのを感じた。

「近江屋を救ったのは私なのに」

うなじを舐めて、そのまま背骨に沿って降下する。
指先で彼女の肌を優しく撫でて、まだ夜は終わってないのだと、愛しい妻の背に教え込む。

「あ……七雄さん」

伊予が身を捩って逃げ出そうとする。
だが七雄は更に強く伊予の体を抱き込む。

「待って、私もう……っん」
「私が何故、近江屋を助けたか分からないんですか?」

伊予の肩に軽く歯を立てる。

「河内屋の番頭の座を捨ててまで、どうして斜陽の呉服屋を救いに来たのだと?」
「ぁ、ふぁっ…ご、ごめんなさい」

七雄は、肩胛骨を舐める舌を休ませずに、手を伊予の恥部へと移動させた。
粘液を吐き出す蜜壺を焦らし、その周辺をまさぐる。

「あなたを愛していたからですよ」
「んっ……あ、や…あ…」
「あなたの為に全てを捨てたのです」

342秘密H:2010/11/14(日) 05:53:20 ID:ZcxqP0eP
伊予の閉じた足の間に自分の太ももを差し入れて、大きく開かせる。
空いた空間に誘われるように、そのまま股に指を差し込んだ。
殊更ゆっくり動かせば、それだけで伊予は軽く絶頂を迎えた。

「お嬢、亭主に叱られて喜んでいるんですか?」
「違いますっ……ぁうっ」
「どう見たって喜んでいるでしょう」

背中への愛撫は忘れずに、今度は二本の指の腹で伊予の恥丘の先を転がす。
耳の後ろを舐めて、その下の皮膚を甘噛みする。

「全く。ここまで来るのに私が一体どれだけ苦労したと…」

言いかけて、七雄は口をつぐんだ。
その先は、まだ言ってはいけない事だった。急に息を殺した七雄を不思議に思い、伊予は彼を振り向く。
振り向いた先の七雄は目を細めて静かに笑っていた。

「近江屋を立て直すのに、どれだけ苦労したかと言ったのですよ」

言うと、七雄は突然に伊予を布団へと押し付けた。
うつ伏せに抑えつけて、その背中に歯を立てる。尻たぶを掻き分けて、媚肉の割れ目に指をねじりこんだ。
伊予が小さく声をあげた。
だがその悲鳴は、あくまでも悦楽の悲鳴だ。
(……まだ言うわけにはいかない)
体の下で悶え狂う妻の姿を眺めながら、七雄は自分に言い聞かせた。
(まだ期は熟していない)

「お嬢」
「っひん! あっ……な、何…」
「いつかお嬢に大切な事を教えてあげましょう」

私が何をしたか。何を考えて生きて来たのか。
指を抜き差ししながら耳を舐めると、震えた声で伊予が聞き返して来た。

「ふ……あ…たいせつな…こと?」

七雄は微笑する。

「そうです。大切な事」
「私の…喜ぶこと?」
「はい。その時にはきっと、喜んでくれると思いますよ」

――……何故、近江屋がここまで落ちぶれたのか。
美しく真面目だった仙蔵。彼に博打を仕込んで胴元に紹介したのは誰なのか。女を宛がい、金を持たせてあの男の欲望を牛耳ったのは誰なのか。
(……アレはすぐに気に入られた)

七雄は伊予を犯しながら満足気に笑った。

(見た目も、数字を読む才も人並み外れていた男だ。丁重に扱われているに決まっている)
身なりは整っていたという仙蔵。
その姿が七雄には安易に想像出来た。当たり前だ。
彼が重宝されるのは、至極当然な事なのだ。
343秘密I:2010/11/14(日) 06:01:50 ID:ZcxqP0eP
金を盗んだ手代。病に伏した大旦那。

莫大な金があると、手代を唆(そそのか)した人物。愛人関係を表面化させ、大旦那の精神を圧迫させた人物。それらが全て同じ人物の仕業だとしたら、伊予は一体どう思うだろう。
(今はまだ早い。まだ、傷が癒えていない。教えれば、きっと発狂するだろう。だが、時が経てばいずれ伊予は私の言葉を受け入れる様になるはずだ)

寵愛し、快楽を教え、思考を洗脳していく。
そうして何もかも支配した後に、事の委細を告げれば、きっと彼女の体は淫らに喜び狂うはずなのだ。七雄は確信していた。

(全てはあなたを手に入れる為にした事なのだと、そう告白すればきっと、伊予ははしたなくも涎を垂らす)

男の深く暗い愛情を知った時、きっと伊予は恍惚となる。
自分を縛る鎖の存在を知った時、きっと彼女は喜ぶ。それが大切な人々の犠牲の上に仕掛けられた罠だとしても。
既に伊予は食べられる喜びに気付き始めている。支配される事を望むようになっている。
身も心も侵略される事に、快感を覚えていた。

(今は傷つくだけだ。だけど……)
遠くない未来に、きっとその傷口すら淫楽のはけ口となる。
だからその日まで、あまやかな秘密は秘密のままに。

「……不実な妻には、一つ趣向を凝らしたほうがいいかも知れませんね」

冷たく呟いた七雄の声に、伊予は息を止めた。七雄は素早く指を引き抜いて、伊予の体を抱え直す。
動きを封じられた伊予の体は強ばり、肩が僅かに震え始めている。

「お嬢、腕を縛ってみましょうか」

軽やかで丁寧な七雄の声はまさしく呉服屋の若旦那そのものだ。
その女のように優しい声で、七雄は淫らな言葉を臆面もなく吐く。

「亭主以外の男に心を動かした罰です。ね、軽薄な妻には、躾用の縄が必要でしょう?お嬢はそう思いませんか」

暫くの間。部屋を静寂が包んだ。
七雄は伊予の言葉を待った。
やがて、小さく頷いた妻の背を確認して、しっかりと抱きしめた。
肩に顎を乗せて頬擦りをする。

「いい子ですねお嬢。じゃあ、今から店先に降りて、『ある物』を取って来て下さい」

真っ赤に染まった妻の耳朶に息を吹き掛ける。
344秘密J:2010/11/14(日) 06:05:30 ID:ZcxqP0eP
「番頭台に、今日買付けした古手物が置かれています。その一番上の腰紐を、取って来てくれませんか?。
あなたを縛ろうと思って私が買っておいた紐です。自分がどんな紐で縛られるのか、その目で確かめて来なさい。そして私に持って来なさい。今から自分を縛り上げる紐を手に持って、ちゃんと私の前まで来て、目を見て言うのですよ。『私を縛って下さい』と」

伊予から離れて七雄は片膝を立てた。
煙草盆からキセルを取って、葉を詰める。
火を付けて、ゆっくりと吸い込んだ。

「くれぐれも下男には見つからないように」
煙を吐いて妻を見た。
布団の上で黙ってうつ向いていた伊予は、やがて一つ熱い吐息を漏らすと頼り気なく立ち上がった。
歩き出した伊予の腰のあたりから、僅かにだが、匂い立つような色香が溢れ出すのを、七雄は見た気がした。
(……半年前までは子供だった)
伊予の幼く節ばった体を愛していた。
だがそれ以上に、彼女の体を『女』として開発していくのも、倒錯的で気持ちが良かった。
(私が伊予を女にする。私だけのものだ)

「伊予」
扉に手をかけた妻の背に、七雄は優しく呼びかける。

「ちゃんと出来たら、『お仕置き』も『ご褒美』もいっぱいしてあげますからね。だから早く戻って来るのですよ」

伊予は振り向かなかった。
だが、小さく「はい」と答えた声を七雄は聞き逃さなかった。
期待で身を震わせながら階下に降りていく妻の背を、七雄は仄暗い笑みを浮かべて見送った。
345156:2010/11/14(日) 06:24:54 ID:ZcxqP0eP
終わり。
前作の尊でドン引きさせたかなぁと思って、今回は少し大人しめのヤンデレ男です。
変態度は変わらないんですが。
この後七雄は伊予に『理非知らず』をキメて楽しんだはず。

ちょっと予定狂ったので優人と加奈続編は少し時間置きます。また投下しに来ます!
346名無しさん@ピンキー:2010/11/14(日) 13:24:38 ID:RAyWYqLp
GJ!!!!えろーい!甘ーい!良い夫婦だ。
347名無しさん@ピンキー:2010/11/15(月) 19:11:41 ID:EP/Nee1I
>>345
伊予たんが可愛い過ぎるw
真性の淫乱ドMなのですね、エロいです

七雄は鬼畜だなぁ、続きを期待したいw
348名無しさん@ピンキー:2010/11/19(金) 00:34:05 ID:R1mA6efC
>>345
すげえええGJ!!
なんでこんなうまいの書けるんだ
続編全裸待機して待ってます
349名無しさん@ピンキー:2010/11/19(金) 01:00:07 ID:Z7pPohxI
>>345
すごいなぁ、自分にはこんなの書けない…羨ましい
350名無しさん@ピンキー:2010/11/20(土) 21:38:47 ID:nuktMI7E
優人と加奈の続きも待ってる
351名無しさん@ピンキー:2010/11/21(日) 03:46:14 ID:llA80+Cm
自分も優人と加奈待ってる
352名無しさん@ピンキー:2010/11/21(日) 20:10:13 ID:QF2/a+8M
キオたんも待ってる
353名無しさん@ピンキー:2010/11/26(金) 20:52:07 ID:P78KuSoE
出だしですが投下します。弟ヤンデレですが、最初の頃は病んでません。
途中までで申し訳ないのですが、投下しないとモチベーションが上がらなくて…。
嫌な方はスルーでお願いします。

「ただいま」
そう言うと、バイトから帰ってきた姉はそのまま部屋に入り、着替えてから風呂に行く。
大学の帰りにバイト、そして帰宅。そんな毎日が数年続いている。バイト以外で帰りが遅くなる事はなかった。


それも仕方ない事なのかもしれない。何しろ姉は不細工だ。今時、染めた事もない黒髪。
一応化粧はしているが、メガネブスで服装も大きめサイズのTシャツにGパンばかり。
昔からこんな感じで同級生にもブスと陰口を叩かれていたようだった。
反対に俺は中の上位の顔で生まれてこれたおかげで、割と人気はあったようだ。
共学の高校に入ってからは、何人か彼女もできた程度にはモテている。
こうも違うのは、俺海堂瞬と姉片桐湊の親が連れ子同士の再婚だったからだと思う。
父を早くに亡くし、片親だった母は俺が10才の頃、今の父親と再婚したのだ。当時姉は12才だった。
当時は俺と比べられては姉は不細工だとイジメられていたらしかった。
そのせいか姉は学校から帰ると、よくベッドで泣いていた。イジメに合いだしてからは俺と距離を取り出し、
中学に入る頃には家以外では、あまり会話をする事もなかった。
自分も友人に「不細工な姉さんだな」と言われるのが嫌だったので、自然な事だったと思う。
両親も「思春期だから仕方ない」で済ませてくれたし、有り難かったな。
だから、この毎日が変わる事はないと思っていた。あの日までは…


354名無しさん@ピンキー:2010/11/26(金) 20:55:32 ID:P78KuSoE
「あの…瞬…変じゃない?」
学校から帰って自室に戻ると、姉が部屋にやって来た。
「いきなり開けるなって…はぁ!?」
ノックもせず、いきなり部屋に入って来た姉に俺は素っ頓狂な声を上げてしまった。
「な…どうしたんだよ…それ…」
思わずどもってしまう程、姉が変わっていた。ストレートで真っ黒だった髪は巻いて茶色くなり
服も今まで見た事ないような丈の短めの可愛いワンピース姿だった。
何より一番驚いたのはメガネ姿ではなかった事だ。メガネのない彼女を見るのは何年ぶりだろう。
「その…今日…バイト先の人と食べに行くから…少しはお洒落しないと…って思って」
マジマジと見つめる俺に、居心地悪そうに視線を下にそらせ呟く。
「…」
姉のその言葉に、一瞬息を飲む。「お洒落しないと」って事は相手は男…だよな。「男出来たんだ…良かったじゃん」
「別に…食べに行こうって言われただけだし…」
俺の言葉に下を向きながら言い返す。食事に誘われただけって割に気合い入りすぎじゃん。
と、口を開こうとしたが我慢した。何となく言ってはいけない台詞まで言ってしまいそうだったのだ。
「今までの格好よりはいいじゃん」
「そっか…」
そう言って姉は部屋から出て行った。ドアが閉まるのを確認すると、俺はベッドに腰掛ける。
『ブスが髪染めても似合わない』
『スカートとかマジ無理』
イライラして、思ってもいない言葉が口から出そうになった。
胸がムカムカして、胃のあたりがモヤモヤする。なんでこんな気持ちになるのか…。
何もする気が起こらず制服を脱いでTシャツとGパンに着替えると、 そのままベッドに横になった。

355名無しさん@ピンキー:2010/11/26(金) 20:58:05 ID:P78KuSoE
以上です。ペースは遅いかもしれませんが、また投下する時はお願いします。
弟は今後病んでいく予定です。
356名無しさん@ピンキー:2010/11/26(金) 23:24:02 ID:m6UyaPUC
>>355
投下乙!
姉ちゃんが可愛くなってくのと同時に病んでくのか…?w

続き楽しみに待ってるよー
357名無しさん@ピンキー:2010/11/27(土) 02:55:43 ID:Qj5SqzdH
>>355

乙です!続きが気になる………w

ここじゃ不味いかな?今やってるドラマの「秘密」って奴主人公がだんだんヤンデレ化してきてちょっと萌えたw 荒れたらごめんね
358名無しさん@ピンキー:2010/11/27(土) 21:57:16 ID:R9KoXuiG
>>355
乙!すごい好みなシチュだなぁ
続きも楽しみにしてるw
359名無しさん@ピンキー:2010/11/28(日) 00:47:16 ID:9dH2zW3g
>>357
あれは佐●木さんがホラー過ぎて逆に笑えるドラマw

でも歳の差を気にして、だんだんヤンデレ化する男(おっさん)はいいかも
若い恋人の交友関係が気になって、鞄に盗聴器を…
360名無しさん@ピンキー:2010/11/28(日) 13:59:07 ID:NeTHmww6
>>357
「秘密」はあらすじとラストを知ってしまうと
胸糞悪すぎて見れないw
ヤンデレとしても中途半端
361名無しさん@ピンキー:2010/11/28(日) 18:31:57 ID:5C5nDpQn
>>355
まぁ、ヤンデレでも面食いなのは当然だよね、男だものw
可愛いけど野暮ったい女の子って大好きだから期待してますw
362名無しさん@ピンキー:2010/11/29(月) 20:55:47 ID:t1AbZsma
>>361
面食いとかそういう事ではない気が
少なくとも可愛くなったから好きになったって事ではないと思う
今まで自覚が無かっただけでこれがきっかけになったって感じがする
偉そうに語ったけど、作者さん違ったらごめんなさい
363名無しさん@ピンキー:2010/11/29(月) 21:10:24 ID:el/klPui
面食いっていうか
お姉ちゃんがお洒落してる=男の影=複雑
が、歪んだ方に行っちゃったのかもしれないじゃないか
364名無しさん@ピンキー:2010/11/29(月) 23:17:51 ID:YT150WN7
瞬と湊の続き投下します今回も短いですスミマセン


『あれ瞬のお姉さん?』
学校からの帰り道、友人に言われて家の方を見ると玄関から中に入って行く姉が見えた。
『へ〜瞬の姉さん?結構可愛くね?』
別の友人が姉が去った後に目をやり、ニヤニヤしていた。胸がモヤモヤして俺は思ってもいない言葉を吐く。
『不細工だよ…あんなのが姉なんて最悪だよ』
『そっか?』
『そうだよ…貞子みたいだろ』
『まぁ確かに…髪も真っ黒で暗い感じだった』
俺の言葉に友人達が頷いて、そのまま別れた。
それから何週間としない内に姉は周りからブスと噂されるようになった。
『貞子みたい』の一言から、色々な話が出来上がっていったようだった。その噂を聞いていた俺は…。


目を開けると、暗い自室だった。ベッドに横になって色々考えている内に寝てしまっていたようだった。
「あの夢…昔の…」
自分でも忘れていた過去の記憶。あれがきっかけで姉は「貞子」「根暗ブス」とイジメに合うようになったのだ。
あの噂を聞いた時、自分はどんな顔気持ちだったのだろうか?それを思い出す事なく目を覚ましてしまった。
「ただいま」
玄関の方から姉の声がする。電気を点けて時計を見ると夜の10時を回っていた。
5時間も寝てたのか自分は…。てか、母さんも起こしてくれたらいいのに。
そう思いながら台所に向かうと、廊下で姉に出くわした。彼女はここ最近見た事もない笑顔で
「瞬ありがとう!この服良いって言ってもらえたよ」
そう言うと自分の部屋に戻って行った。馬鹿だな…服じゃなくて姉さんを褒めたんだよ…。
「…っ」
あんな笑顔、ここ数年見た事なかった。あの人、あんな風に笑えたんだな…。胸がジリジリする。
家で家族と話す時でも笑う時は口に手をあてて顔を隠すようにしていた。それなのにさっきは、普通に笑っていた。
「なんだよ…それ…」
廊下に座り込み、一人ごちる。アンタは他人の前で笑わなくてもいいんだよ。貞子なんだから…。
365名無しさん@ピンキー:2010/11/29(月) 23:23:16 ID:YT150WN7
あれから三ヶ月程経つが、姉は今もたまに俺に服や髪型について聞いてくる。
一度「何で俺に聞くの?」って言ったら「瞬…モテるし…彼女さん沢山居るし…」って答えられたが、沢山も居ないからな。
姉とは反対に俺は苛つく事が多くなった。


「瞬君…瞬君!やぁ…!あ…ん…後ろばかり嫌ぁ…」
彼女をラブホのベッドに四つん這いにさせて、後ろから腰を振る。
最近イライラする事が増えた俺は、それを解消したくてセックスをする回数が増えていた。
乱暴に服を脱がし、胸にしゃぶりつき膣に指を入れ、何度も抽挿する。女が腰を揺らしてきたら
一気に自身を挿入し、ひたすら腰を打ち付ける。女がアンアン言ってイク時に自分も達する。
「し…瞬君最近スゴい…何かあったの?」
事後に聞かれて自己嫌悪に陥った。
「ごめん…優しくしないで」
「いいの…私も気持ち良かったし…強引なのも好きかも」
そう言って彼女は疲れたのか寝入ってしまった。違う…そうじゃない…。俺がバックでやっていたのは…。
後ろから犯していた相手は…。脳内で犯していた相手は…。


『瞬!!瞬!!やぁ…止めてぇ…後ろは嫌ぁ』


睡魔に身を委ねる直前、あの人の叫び声を聞いた気がした。
366名無しさん@ピンキー:2010/11/29(月) 23:27:13 ID:YT150WN7
以上です。
367名無しさん@ピンキー:2010/11/29(月) 23:37:57 ID:ncI5WR7G
乙。
歪みだした弟くんイイ!
368名無しさん@ピンキー:2010/11/30(火) 22:50:44 ID:7CrB02uK
こんなスレあったのか
狂愛はここですか?
好きになるうちに相手を監禁、とか 他の誰にも見せたくない みたいな
369名無しさん@ピンキー:2010/12/01(水) 01:16:58 ID:j+egS/ht
>>366
GJ!!
弟の歪みっぷりに期待

>>362-363
いやまぁ、顔は好みの見た目のが良いよねって意味合いでw

>>368
ここで良いんでね?
370名無しさん@ピンキー:2010/12/03(金) 13:09:42 ID:REtImfD+
なんか某R18乙女ゲーに設定そっくりな気がする
主人公の名前も…
いろいろ勘ぐってしまう
371名無しさん@ピンキー:2010/12/03(金) 13:32:35 ID:f6vlnbpv
えっそうなの?
372名無しさん@ピンキー:2010/12/03(金) 15:55:06 ID:REtImfD+
ゲームの主人公の名前が片桐奏だった
全然関係ないなら作者さんには申し訳ないけどここまでソックリだと…
373名無しさん@ピンキー:2010/12/03(金) 16:37:40 ID:J34OsNW/
>>372申し訳ありません。作品は知っていますが似せたつもりはありませんでした
読み返してみると似てますね…名前も美奈子にしようと思ったのですが某ゲームと被るので湊にしました
ゲームはプレイする予定はありませんが、このままこちらのスレに投下するのは荒れる原因となってしまいますね
浅はかに投下してすみませんでした
374名無しさん@ピンキー:2010/12/03(金) 16:43:01 ID:f6vlnbpv
いや、パクリじゃないなら荒れないと思うんだ!
全くどこの作品にも似てないものってたぶんないしね!
375名無しさん@ピンキー:2010/12/03(金) 18:15:26 ID:yVfJEYFI
>>373
いや知ってるだけでプレイしてないならパクろうにも勝手に解離がデカくなるだろうし
パクリじゃないと言うなら別にこのまま投下しても良いでしょ
むしろ投下して下さい……
376名無しさん@ピンキー:2010/12/03(金) 20:09:55 ID:J34OsNW/
>>374>>375ありがとうございます
不憫な弟とか好きなもので…思いついたら一気に書いて投下してしまうもので…
なるべく書き溜めて投下して早く終われるようにします
377名無しさん@ピンキー:2010/12/05(日) 23:07:16 ID:Sd1mnmBs
瞬と湊の続きを投下します。
エロはありませんが弟が変態すぎるので変態が嫌な方はスルーでお願いします



「ただいま」
玄関のドアを開けて家の中に入る。靴を脱ごうとして玄関先に目をやると姉の靴があった。
今はまだ夕方だ。今日はバイトがあると言っていたから、夜まで帰って来ないはずだが…。
大した事じゃないだろうと思い、そのまま部屋に行こうとすると何か音がした。
「気のせいか…?」
音がした方に顔を向けたが特に何もなかった。勉強のしすぎで疲れているのかもしれない。
もうすぐで中間テストがあるので、最近俺は学校が終わると図書館で勉強をしていたのだ。
正直勉強なんて好きではないが、成績さえ良ければ何も言われないですむ。これ位の苦労は楽なものだ。
彼女に勉強を教えるのが面倒で家で勉強をしようと思い、真っ直ぐに帰って来たのだが、幻聴が聴こえる程疲れていたのだろうか…。
「疲れてるのかな?」
そう思い部屋に入ろうとしたら、また音がした。音というよりは、かすれた声…?声がした方を見るとそこは姉の部屋だった。
「…んっ」
「姉さん?」
また聞こえた。さっきよりも確かな声だった。もしかして体調が悪くてバイトを休んだんじゃ!?
378名無しさん@ピンキー:2010/12/05(日) 23:10:38 ID:Sd1mnmBs
姉の部屋に向かう途中、無意識に俺は足音を忍ばせて歩いていた。何故だかはわからない。ただ、予感がしたのだ。
気配を消すように、そっと姉の部屋の前に立つと先程よりも声がハッキリと聞こえてきた。
「…ん…ふぅ…」
かすれたような姉の艶のある声を聞いた瞬間、躰が熱くなるような感覚が全身を襲った。
気付かれないように隣の物置部屋に入り、鞄からボイスレコーダーを取り出しスイッチを入れる。
学校の授業で先生の説明を録音して聞き返すのに丁度良いと思って購入したボイスレコーダーが、こんな所で効果を発揮するとは思わなかった。
「はぁはぁ…んっ…」
録音を開始した後も姉の部屋からは押し殺したような厭らしい声が聞こえてきた。ボイスレコーダーを置いたまま、俺はそっと物置部屋を離れた。
そのまま家を出ると少し離れた公園に向かった。公園に誰も居ないのを確認しトイレに入ると、ズボンを下ろし熱を持った下半身を露出させる。
「姉さん姉さん姉さん!!」
先程の姉の声を思い出し、俺は本能のまま下半身を扱く。一人でオナニーをして感じている姉の姿を想像しながら、一気に放出した。
トイレの個室から出て、鏡を見るとそこには醜く歪んだ笑顔の自分が写っていた。


『確かに貞子みたいだな』
『ああ…暗そうだな…』
友人達の言葉を聞き、別れた彼らの背中を見ながら一人で笑っていた俺は、こんな顔をしていたのだ。
379名無しさん@ピンキー:2010/12/05(日) 23:14:25 ID:Sd1mnmBs
家に戻ると部屋の前で姉に出くわした。姉は少々驚いていたが、俺は何食わぬ顔で声をかける。
「あれ…姉さん早いね?バイトは休みなの?」
軽いようなトーンの声で、さも驚いた風を装うと姉は安心したような顔をした。
「うん…休みなの忘れてて早く帰ってきたの。今からお風呂入るね」
「もう?夕飯前に?」
「うん…少し汗かいちゃって」
そう言い残して風呂場に向かう姉を振り返りもせず、俺は物置部屋からボイスレコーダーを回収し自室に戻る。
「くくくっあっはっはっは!!」
部屋に戻るとベッドに顔を押し付け大声で笑った。近所迷惑だろうが笑わずにはいられなかったのだ。
馬鹿な湊姉さん…俺は全部知ってるんですよ?貴女がナニをして汗をかいたのか…その理由を…。
ひとしきり笑った後にそっと姉の部屋のドアを開ける。彼女は風呂が長いから、今の内に部屋に侵入する必要があるのだ。
ゴミ箱の中を確認すると袋に詰められたティッシュが幾つも入っていた。
ゴミ箱を漁った事が気付かれないように、そっと袋から一枚ティッシュを取り出し逃げるように姉の部屋を出て自室に戻る。
部屋に戻った俺はズボンを下ろし、己の下半身に、手に入れたばかりのティッシュを絡める。
若干湿り気を帯びたそれを巻き付けると、先程欲望を吐き出したばかりなのに、またしても下半身が誇張し出す。
固くなったそれを一心に扱き、姉がオナニーをしたであろうティッシュに欲望を吐き出し、俺は果てた。

380名無しさん@ピンキー:2010/12/05(日) 23:16:58 ID:Sd1mnmBs
以上です短くなってしまいスミマセン。勢いで書いてしまうので
あと弟が変態っぽいのでスレ違いでしたらスミマセン
381名無しさん@ピンキー:2010/12/07(火) 04:55:42 ID:YfEoXmi3
>>380

GJ!今後も気になる〜♪
382名無しさん@ピンキー:2010/12/11(土) 18:37:25 ID:/mj7q11w
>>380
GJ!!
続きが気になる
弟が全力で変態的な行動を取るのを期待したい
383姉さん、今夜も来たよ:2010/12/12(日) 15:20:26 ID:it1wuNG3
実姉弟もの注意
ファンタジーでも現代でも取れるようそういう関係の描写も無し
エロシーン無

ないないづくしですが、投下の間のおつまみにでもどうぞ。
「姉さん、今夜も来たよ」でNG可。
384姉さん、今夜も来たよ:2010/12/12(日) 15:32:41 ID:it1wuNG3
やあ、姉さん。今夜も来たよ。調子はどうかな。
 ん、何?
 うん。
 うん。
 ――へえ?
 ふうん。姉さんはこの関係が嫌だと。
 面白いことを言うね。
 ああ、大丈夫だよ。姉さんがそうしたいなら何も言わないよ。
 ただね。現状を考えればそれは得策じゃない。
 姉さん。何故姉さんは僕と一緒にいるんだい。
 うん。
 「姉さんが家出しようとしたときに偶然僕がいたから」。
 まあ、半分正解というところ。でも、根本的なところはそこじゃないね。
 ――姉さんが一人じゃ何もできないからだろ。

 小さいころに両親が別居して、僕らは別々に育てられたね。
 姉さんは父さんに。僕は母さんに。
 母さんは厳しい人だったよ。でも、そのぶんしっかり育てられた。自活の仕方とか、商売の仕組みとか、
人との関係の作り方とか。実生活に役立つことを中心的に教えられた。もしかしたら、自分が早くから
居なくなってしまうことが見えていたのかもしれないね。
そう思っても不思議じゃないくらいあの人は聡い人だった。
 おかげで、こうして僕は自分と姉さん、二人が暮らしていけるような環境を作れている。
 ――姉さんのほうは違ったみたいだね。
 父さんに縁談を強制されそうで、それが嫌で家飛び出したんだろう?
 丁度、母さんの訃報を知らせに来た僕と一緒にね。
 でも、そのあと。僕は愕然としたよ。髪の結い方すら知らなかったんだからね。
 ほぼ無意識なんだと思うけど、当時の姉さんの口癖。覚えてるかい?
 「全部父さんがやってたから」
 前々から薄々感じてはいたけど、よほど甘やかされて育ったんだね。本当、世間知らずというか。
 怪しい話にはすぐ騙されるし、夜中に出歩こうとするし、僕がそばに居なかったらどうなってたことか。
 本当に困ったよ。
 ああ、謝らなくていいよ。仕方の無い事だし、僕自身は楽しかったよ。
 でももし僕がいなかったら。姉さん、自分がどうなってるか判るかい。
 自分で生活できないのは自分でもわかるだろう。それだけならまだいいさ。騙されて不当な借金を
背負わされたり、それを理由に強姦されたり、売り飛ばされたりするかもしれないんだよ。姉さんは
顔貌が整ってるから、そっち方面では引く手数多だろうね。
 怖い?
 何を言ってるんだい。僕と離れるってのは、そういうことだよ。そういうのを踏まえて言ってるんだよね。
 違う?「こういう関係は嫌だ」って言ったんだから、姉弟関係をやめたいんだろ。
385姉さん、今夜も来たよ:2010/12/12(日) 15:32:56 ID:it1wuNG3
――へえ。こっちのこと?
 それは頭になかったな。だって、いつも悦んでくれているじゃないか。
 あれだけ、濡れて、乱れて、悶えて、甘い声出しておいて。
 ほら、否定できない。それだけ赤面硬直して、肯定してるようなものじゃないか。
 ……姉弟だからおかしい、ね。根拠は? もちろん言えるだろ。
 倫理的な問題?そんなものは変動するものだよ。近親婚がまったく問題のないところもある。
父と娘が婚姻して子孫を残し、今に至ると伝えられてる神話があるくらいだ。
 遺伝? ああ、たしかに生物の生存確立が低くなっていくという統計はあるね。大丈夫、
ちゃんと避妊するよ。だって姉さんに子供ができたら、姉さんをとられてしまうだろ。
 で、僕が姉さんを抱くことがだめだ、という根拠。他には?
 姉さん自身が「嫌だから」? ハハハッ!それこそ笑い話じゃないか。

 でもね、どれだけ大変だったか判るかい。
 寝巻き一枚で歩いたり、温いからって風呂に呼び出したり、寝ているときの無防備な姿とか、
どれだけ僕が自分を抑えるのに必死だったか。
 しばらくして姉さん自身がそれを望んでいるんだと気付いたら、すとんと合点がいったけどね。 

 ああ、いいよ。もう嘘だらけの言葉はいらない。
 最初に言っただろう。「姉さんがそうしたいなら何も言わない」と。
 姉さんは僕を求めてるってことを、言葉以外でまたじっくり教えてあげるだけ。
 姉さんの弱いところを撫であげて。甘噛みして。突き上げて。掻き乱して。蕩けさせて。
 一晩、たっぷりかけて判らせてあげる。
 姉さんは僕だけの姉さんだってことを。

 愛してるよ。姉さん。
386姉さん、今夜も来たよ:2010/12/12(日) 15:49:34 ID:it1wuNG3
以上です。
387名無しさん@ピンキー:2010/12/12(日) 18:48:46 ID:Qo4c7NFI
>>383グッジョブ!知識や賢さを
姉のために(姉を囲っておくために)使っちゃう弟は病み怖い
388名無しさん@ピンキー:2010/12/12(日) 21:16:51 ID:Bl8F8gzc
>>386
GJ!!
年上なのにお嬢様育ちで生活能力皆無の女の子大好き
389名無しさん@ピンキー:2010/12/12(日) 21:53:08 ID:Qp5/US/U
姉弟祭万歳 神々GJ
390名無しさん@ピンキー:2010/12/12(日) 21:55:55 ID:Qp5/US/U
スマン、下げ忘れてしまった orz
近いうちに謝罪投下いたします
391名無しさん@ピンキー:2010/12/12(日) 21:59:29 ID:Bl8F8gzc
>>390
マジで!?
投下に期待w
392名無しさん@ピンキー:2010/12/16(木) 01:20:57 ID:gxDi1Z1M
>>324
キオちゃんの続き待ってます
393名無しさん@ピンキー:2010/12/24(金) 10:11:34 ID:/Uqi+SGI
瞬と湊を投下します。
今回もエロなしで会話も全然ないので嫌な方はスルーでお願いします。


あれからテスト期間までの10日の間、姉は最低でも3回は自慰をしていたようだった。
確証が持てるのが3回だっただけで、実際の回数は不明だったが録音した声を聴いている限り若干慣れているような気がした。
姉が男と親しく出かけるようになって三カ月は経っているので、もしかしたら以前から自慰をしていたのかもしれない。
録音した声を聴きながら、姉の自慰姿を妄想して使用済みティッシュでオナニーをするのが最高だった。



「姉さん…その後上手くいってるの?」
「え…?上手くって?」
テスト期間も終わり、部屋で寛いでいた俺の所に姉が来たので、何となく聞いてみた。
「付き合ってるんだろ?」
「付き合ってはない…けど……あ〜…でも…」
ストレートに聞く俺に姉は歯切れの悪い返答をする。
「振られ…ちゃった…」
「…!?」
驚いて姉を見ると、彼女は下を向いていた。
「なんか私と居てもつまんないって言われて…」
「もう行くね…」と言い残し、そのまま姉は部屋を出て行くとバイトに出て行った。
姉の出て行ったドアを見つめながら俺は呆気に取られていた。ここ数ヶ月の彼女は楽しそうで家でも笑顔でいたのだ。
そんな彼女と居て「つまらない」などと言って姉を振った男に憎しみすら覚える。
まぁ相手の男にしてみれば、適当に親しくしてやれば、簡単に犯れる女だと思っていたのが誤算だったのだろう。
振られたのに身綺麗にしているのは姉にしては成長したな…とも思うが…。
394名無しさん@ピンキー:2010/12/24(金) 10:16:08 ID:/Uqi+SGI
相手の男に対する憎しみはあるが、同時に安堵している自分がいるのも可笑しい話だった。
彼女はまっさらなままなのだ。その事実が何よりの喜びだった。自分の中の姉への感情が間違った方向に向かっているのがわかる。
いつからこうなってしまったのかは解らない。多分、自分自身が姉を陥れ
回りから隔絶されるように仕向けた時には既に彼女にそういう想いを抱いていたのだろう。
姉が一人ぼっちでいるのを遠くから見ているのは嫌な情景ではなかった。
友人達が姉への陰口を話している光景も内心、喜んでいたのだ。「…」
蓋を開けてしまった感情で心がドロドロになりそうだった。興奮と歪んだ想いのバランスに下半身が熱を持ち始める。
俺は引き出しの奥から姉の使用済みティッシュを取り出すと、ズボンを脱ぎ捨ておもむろに下半身に巻き付ける。
「はぁはぁ…姉さん…姉さん!!」
パソコンで録音した姉の自慰の声を再生させながら夢中で扱いていた。
395名無しさん@ピンキー:2010/12/24(金) 10:19:16 ID:/Uqi+SGI
姉が男と別れてから、いつも通りの日々に戻ったが姉と俺の関係は変わっていた。
以前の姉は俺と会話をしてもあまり笑顔を見せる事はなかったが、今では笑顔を見せるようになったのだ。
振られた後も彼女は平静を装っていたが、自室でこっそり泣いている事が何度かあったので、慰めていたのだ。
傷付いた彼女に付け入るのは簡単だった。優しい言葉を掛け、姉がどれだけ綺麗になったかを語り他愛のない会話をする。
こんな日々を続けただけで、いとも簡単に姉は俺に笑顔を向けるようになったのだ。

「振った男も簡単に手なづけたつもりだったんだろうな…」
姉を振った男の事を考える。相手の男は手を出そうとする時期を見誤ったようだが、俺は決して間違えない。
湊を他の男に奪われる前に自分の物にする。無理矢理自分の物にするのではなく、
湊の方から俺を欲するように、ゆっくり彼女の心を歪ませる。彼女はまた別の男に声を掛けられたと言っていたが構わない。いじめに合っていた経験から湊はガードが固い。
次もまた振られるだろう。もし振られたら、俺がまた慰めて彼女の心に付け入るだけだ。



以上です。
396名無しさん@ピンキー:2010/12/24(金) 20:51:59 ID:6S54pITd
乙〜
いい感じに歪んでる!
エロも期待して待ってます。
397名無しさん@ピンキー:2010/12/26(日) 05:52:29 ID:I1GF9czm
ここって二次創作はありやなしや
398名無しさん@ピンキー:2010/12/26(日) 18:58:27 ID:K5hplCtP
>>397
ありに決まってる
むしろ何故ないと思うのか?
399名無しさん@ピンキー:2010/12/26(日) 20:18:50 ID:nLdJ/mxC
「着信あり」

 画面に浮かぶ字を見て、凛子は眉をひそめた。携帯を握る手にじんわりと汗が滲む。
 午前2時。こんな時間に23回もかけてくる人間は一人しかいないと凛子は確信している。
 隣の部屋の住人、和である。
 彼とは幼なじみだった。親同士の仲がよかったため、生まれた時から一緒と言っても過言ではない。一度も途切れることのない長い付き合い。
 彼は凛子がいないと何もできない。
 昔から大人しい気質で口数が少なく友人もあまりない和はいつも凛子についてまわっていた。
 それは今も同じである。小中高大全て同じ学校、同じアパート。流石に就職先は違ったが連絡先を知っているのでほぼ毎日会っている。
 凛子はため息をつきながら布団から出た。
 ソファーに投げていた上着を羽織り、仕事の疲れがまだ残っていても、どうしても放っておけない。
 いつものこと。馬鹿みたいな悪循環。分かっている。
 眉間のしわを深めながら凛子は部屋をでた。

「凛子」
 イラストレーターの部屋はとても雑然としていた。
 ぼさぼさの頭、気のまわらない服。顔立ちは飛び抜けいいはずなのに凛子の心には何も響かない。

「凛子……」

 ドアをあけるなり凛子を抱きすくめ、そのままベッドの方へ倒れこむ。


申し訳ありませんが続きは後日になりそうです 
400名無しさん@ピンキー:2010/12/27(月) 00:15:16 ID:yVIbIG4G
>>399
相手がヤンデレって分かってて呆れても要るが
それでも彼女を続ける女の子が好きなのでGJ
401名無しさん@ピンキー:2011/01/04(火) 11:15:04 ID:atlPwWYT
ホッシュ
規制書き込めるかな
402名無しさん@ピンキー:2011/01/05(水) 13:36:05 ID:G2rXb9Ae
>>399
いいね!
続きが気になる。
403名無しさん@ピンキー:2011/01/07(金) 11:56:42 ID:EeY/fb6/
続き期待
404名無しさん@ピンキー:2011/01/07(金) 21:24:14 ID:k5vk+SyM
期待期待、ホシュ
405名無しさん@ピンキー:2011/01/09(日) 22:34:30 ID:mS6Xl6b5
キオちゃんの続き期待
406名無しさん@ピンキー:2011/01/13(木) 00:24:04 ID:XeKM0l4f
投下来ないね
407名無しさん@ピンキー:2011/01/14(金) 06:42:23 ID:asrKIZa3
師匠と弟子少女も続き気になる...
408名無しさん@ピンキー:2011/01/16(日) 12:10:53 ID:lxGjXXsj
このスレの不協和音的な雰囲気がたまりませんな
409名無しさん@ピンキー:2011/01/16(日) 18:54:37 ID:xxsaRSxN
ヤンデレ男と好かれてる女性の間にある断裂的な?
410名無しさん@ピンキー:2011/01/17(月) 00:00:45 ID:HgLtMrZn
ごめんなさい
以前言ったお仕置き編はまだ色々考えてて書けてないけど、
師匠と弟子少女を投下しにきました…
今回はエロなしなのがさらに申し訳ないのですが、
他の投下までの繋ぎにでも読んでやってください。
また5レスくらいの予定です。

嫌な方は「師匠と弟子少女」でNGお願いします
411師匠と弟子少女1/5:2011/01/17(月) 00:05:47 ID:HgLtMrZn
「師匠ー、見て! こっちのチューリップ咲いたよ!」
「そう、良かったね」
 春はあの子が丹精込めて育てている花が綺麗に咲く季節で、
 それを見たあの子がとても嬉しそうに笑うから、好きだ。
 ただそれは最近になってやっと落ち着いて、そう思えるようになった
 というだけで、少し前までは心配事の多い季節だったのだ。
 ――あれは、まだあの子が十歳の頃だっただろうか。
 あの子……ヴァナを引き取ってきて一年が経った春。
 進級して、クラスも変わったばかりの頃だ。


「師匠ただいまー」
「おかえり、ヴァ……」
 可愛い弟子を出迎えた笑顔が凍りついたのが、自分でもよく分かった。
「どうしたんだい、その怪我は」
「けんかしたの」
 何やら不機嫌そうに唇を尖らせ、つんとそっぽを向いて言うので
 とりあえず手を洗わせてから、居間のソファーに座らせて
 頬や手足の擦り傷を消毒してやる。
「何があったのか、言ってごらん」
 そっと、ゆっくり髪を撫でてやると、深紫の瞳がじわりと潤んだ。
「クラスの子がさ……私のこと変って言うの」
「変? 確かに阿呆なところはあるけど」
「わ、私のことってそういうことじゃないよ!」
 じゃあ何かと尋ねれば、ヴァナは零れた涙を袖で拭って僕を見上げてくる。
「お父さんやお母さんがいなくて、師匠しかいないのは変だって。
 どこの子かも分からないのに、この学校にいるのは場違いだって」
「……誰に言われたの」
「……ミナちゃんとか、サラちゃんとか」
 ヴァナの口からは、ぽつぽつと三人ほどの名前が出てきたのだが
 確かそれは、中流階級の中途半端に裕福でプライドの高い家の子供だ。
 なるほど、偏見や差別意識はありそうだ。
412師匠と弟子少女2/3:2011/01/17(月) 00:16:07 ID:8fOzy4/W
ああまた予測を間違えた…半分で済みました…



 出来るだけ下卑た人間に関わらせずに済むようにと
 格式高いと評判の学校に転入させたのだが
 やはり、どこにでもそんな人間はいるものだなと溜め息が出る。
「私のこと変って言うのはいいの。
 師匠にもバカだバカだっていつも言われてるから。
 でも、今日は師匠のことまでバカにされたみたいで嫌だったの……」
 ヴァナの言葉はすでに涙声で、震えていた。
「ヴァナ、泣かなくていいんだよ。僕のために有難う」
 僕も隣に座り、細い体を抱き締めてやると、
 ヴァナは僕の胸に顔を押し付けて頷く。
「でもね、僕のためでも喧嘩はいけない。
 君は女の子なんだから、傷跡でも残ったら大変だ」
「傷なんていいの! 私お嫁になんて行かないもん。ずっと、ずーっと師匠と一緒がいい」
 やだやだと頭を振るヴァナの手が、僕のシャツをぐっと掴む。
 お嫁に行かない? ずっと一緒? 言われるまでもなく、もちろんそのつもりだ。
 とはいえ君がこんなに素直で純粋に、僕に懐いてくれていることには
 情けないが口角がつり上がるのを堪えきれない。
「僕とずっと一緒にいたいの? ヴァナは僕が大好きなんだね」
「大好き! 師匠だーい好き!」
 顔を上げたヴァナは目や鼻が赤くなってはいたが満面の笑顔で、
 それは例え幼くても、僕にとっては世界で一番愛らしくて美しい。
 君の体が大人になれば、さぞかし可愛がり甲斐もあることだろう。
「師匠、私ね、明日もし先生に叱られても謝らないの」
「どうして」
「師匠を悪く言う人に謝るのは嫌!」
「そう。でも大丈夫だよ。僕が先生に叱られないように
 ちゃんとお願いしておくからね」
 僕は微笑んで、風船のように膨らんだ白い頬を人差し指でつついた。
 そう、君は何も間違っていないのだから、叱られることはない。
 ……悪いのは、何も知らないその子供達だ。
413師匠と弟子少女3/3:2011/01/17(月) 00:26:37 ID:8fOzy4/W

 ――花に水をやり終えたらしいヴァナが、木陰で見ていた僕に駆け寄ってくる。
「春が来ると、クラスメートとケンカしたの思い出すなー」
「どの喧嘩のこと?」
「そんなにしてないでしょ!?」
 ヴァナは、とぼける僕のことを睨んだかと思うと、
 どことなく悲しそうに目を伏せた。
「……あの子たち、まだ見つかってないんだよね」
 心ない言葉で自分を傷つけた人間を思って悲しむことが出来る、
 とても優しいヴァナを慰めるように僕は微笑み、その肩を抱く。
「それはきっと、もう見つからないよ」
 ……そんな愚かな人間が、今もこの世に存在している訳がないじゃないか。
 心中で呟いて、花を眺める彼女の髪を結ぶリボンが
 見知らぬ柄であることに気がついた僕は、眉を潜めた。
414名無しさん@ピンキー:2011/01/17(月) 00:30:00 ID:8fOzy4/W
以上です。
お仕置き編への繋ぎというつもりで書いたので
最後はちょっと微妙な感じになってます…

それでは失礼しました。
毎回レス数を見誤り申し訳ないです…。
415名無しさん@ピンキー:2011/01/17(月) 00:45:10 ID:6jZqFevg
師匠怖いよ師匠
それが良いけどw
お仕置き編待ってます
416名無しさん@ピンキー:2011/01/17(月) 19:25:34 ID:YAZXKcCN
GJです!!お仕置き編楽しみだ
417名無しさん@ピンキー:2011/01/17(月) 19:32:34 ID:WLUBK7zk
>>411
GJ!!!師匠怖すぎwwだけど好きだww
続編楽しみにしています。
418名無しさん@ピンキー:2011/01/18(火) 17:08:29 ID:fkgdM5lv
師匠にお仕置きされるとヴァナちゃんが壊されそうで心配や
いや楽しみだけどw
419名無しさん@ピンキー:2011/01/20(木) 00:07:25 ID:zUpEShRn
期待age
420名無しさん@ピンキー:2011/01/22(土) 07:18:17 ID:bYbAVDrP
加奈とゆうとまた見たい
421名無しさん@ピンキー:2011/01/23(日) 00:21:57 ID:DDDujntm
色んな作品の続き来いっ!
422名無しさん@ピンキー:2011/01/26(水) 02:06:12 ID:acTPXUsz
ド鬼畜で性欲強くてドSで独占欲、所有欲全開のヤンデレ男と涙目状態の女の子がみたい
女の子が儚くて華奢で脆い感じの薄幸の美少女的娘さんならなお良し
423名無しさん@ピンキー:2011/01/28(金) 11:31:09 ID:RRE/qL+J
表面的には明るい甘えん坊ヤンデレ男と
天然だからそれに気付かないで世話焼いたりする女の話見たい
家を教えてないのに何故か玄関の前にいて
「お腹すいたー」とか言って部屋に上がり込んで寝転ぶ男に
まあしょうがない、みたいな感じでご飯あげるみたいな
男は学校とかで常に女の横にいて周りを寄せ付けないようにしてる
女がもし違う人と遊んだりしようとしたら死に物狂いで止める
止めるというか薬盛ったり

これヤンデレ男かな
424名無しさん@ピンキー:2011/02/03(木) 10:13:10 ID:3dxetZAf
>>423
良い感じに狂ってると思う
425名無しさん@ピンキー:2011/02/06(日) 08:45:23 ID:sxFo0J+S
投下期待
426名無しさん@ピンキー:2011/02/08(火) 20:15:36 ID:zF1F9KJV
幼馴染みである近所の姉ちゃんが大好きで、独占欲丸出しで嫉妬深い、監視カメラ置いたりストーカーしたりのテンプレヤンデレ。だけど殴られて喜んじゃうMでめげないヤンデレ男

姉ちゃんは男の方が何してるか知っていて、鉄拳制裁したり相手しないで無視したり呆れたりしながらも、なんだかんだで弟分として面倒見てあげている……


というのを考えたが、これってヤン……デレ……? ギャグでしかない気がしてきた
力関係が女>男だし
427名無しさん@ピンキー:2011/02/08(火) 20:49:23 ID:QO1USDmn
>>426
あると思います
さあ早く文章化する作業へ戻るんだ
428名無しさん@ピンキー:2011/02/08(火) 21:17:43 ID:s6RwZqhz
>>426
それはそれで(・∀・)イイ!!


まぁ、それで男側優位なのも好きだけど
その設定でも女側が保護者っぽくてある種ド突き漫才ぽくて良いのでは?w
429名無しさん@ピンキー:2011/02/08(火) 23:34:13 ID:sHonMG3W
シリアスなだけがヤンデレじゃない。

ラブコメヤンデレ、あると思います。
430名無しさん@ピンキー:2011/02/09(水) 09:00:12 ID:F3/MgOJV
友人が独身の頃は美術館等のメインの後は、その場のノリで適当に買い物、昼食、おやつの流れだった。
友人が結婚してからは、事前にメインの後の食事買い物ルートを二人で決めて遊ぶようになった。

この前友人と遊んだ時、「これがあると、どこに居ても旦那が迎えに来てくれる。」と嬉しそうにココセコムを見せてくれた。
家から出なくていいように、ウォーキングマシンを買ってくれた。
日々の買い物も率先して行ってくれる。
ネットショッピングも旦那が休みの日に配達指定し宅配の人に会わなくていい。
自治会、近所付き合いも旦那。もうとにかく家から出なくていい。
と、幸せそうに惚気てくれた。

既婚で男友達皆無の元喪の私としか付き合いが続いてない理由に彼女は気づいてないらしい。
彼女の夫はまさしくヤンデレだが、上手く噛み合えば幸せカップルになるんだと思う。
私は二人を見ているのが好きだ。こんな話が読みたい。



431名無しさん@ピンキー:2011/02/09(水) 16:59:43 ID:zNQYDyJj
>430 何も事件が起こらないほのぼのヤンデレとは新しい。
432名無しさん@ピンキー:2011/02/09(水) 19:42:31 ID:F3/MgOJV
>>431、三次元だから事件が起こりにくいかも。
彼女がアクティブな人なら壮絶な脱出劇、離婚劇が起きたに違いない。
経済力のある軟禁系とひきこもりは二次元でも相性良さそう。
ほのぼの系ヤンデレ話はただのエロかバカップル話になりそう。
433名無しさん@ピンキー:2011/02/10(木) 01:52:17 ID:FKxuVHco
>>430
>>432
SSとして読みたい
ほのぼのヤンデレ話良いよ
434名無しさん@ピンキー:2011/02/11(金) 03:22:45 ID:0xM486JC
できたら大切なものは、宝箱に閉じ込めて、誰にも見せずに、誰にも触らせずに大事に、大事に仕舞っておきたい。
―――そう思うことの、どこが異常なんだろう?
435名無しさん@ピンキー:2011/02/11(金) 19:11:38 ID:wyKt5Lpz
その逆で、
誰かに甚振らせて、自分以外の者に傷つけられるのを楽しんで、自分は触れもしない、
でも執着している、という男ヤンデレも美味しい。
436名無しさん@ピンキー:2011/02/12(土) 08:40:39 ID:CkEg2rFe
そんな>>434にオススメソング

米米クラブ Collection
437名無しさん@ピンキー:2011/02/15(火) 00:18:25 ID:V5LRakGA
投下待ち
438名無しさん@ピンキー:2011/02/18(金) 00:15:38 ID:7Q0Di1ob
過疎だ
439名無しさん@ピンキー:2011/02/18(金) 01:17:41 ID:QFCyu4a1
皆さん規制…とか?
440名無しさん@ピンキー:2011/02/18(金) 03:23:30 ID:uEA3QSHx
規制だな…自分もこの間まで規制組だった
次に規制に巻き込まれるまでにSS一本くらいは投下したい
頼むからまた来ないでくれよ〜
441名無しさん@ピンキー:2011/02/18(金) 09:26:16 ID:QFCyu4a1
>>440
投下楽しみにしています!
442名無しさん@ピンキー:2011/02/24(木) 00:23:48 ID:r6etkl5h
>>440
待ってます
しかし皆規制か…
443名無しさん@ピンキー:2011/02/26(土) 23:22:37.45 ID:1zXRGVAN
続きが読みたいの多数…
444名無しさん@ピンキー:2011/03/01(火) 13:46:52.65 ID:AZuo6M1c
もうすぐ春ですね
ちょっとヤンデレてみませんか

続き物多いだけに規制が恨めしい…
445名無しさん@ピンキー:2011/03/02(水) 19:41:18.42 ID:D+vooxnd
好きな女の子にヤンデレたい
446名無しさん@ピンキー:2011/03/03(木) 00:44:18.51 ID:8FvvjzcM
やめておきな
447名無しさん@ピンキー:2011/03/03(木) 19:20:16.79 ID:3z0zx8l9
>>446
でもこのスレはそういうスレなのさ
448名無しさん@ピンキー:2011/03/03(木) 21:31:13.62 ID:ePZToOLj
やったー規制食らう前に出来たぞッ

注意事項
・格闘漫画「エアマスター」のエロパロ
・盛大に原作のネタバレあり
・NGするなら名前欄で「ジュリマキ」

内容解説
・相川摩季…戦う男前系女子高生、超ツンデレ
・坂本ジュリエッタ…イケメン変態紳士、どうしようもねえドMヤンデレ
・上記二人によるバイオレンスなレイプ
・ハッピーEDなので安心して欲しい

それでは、神が現れるまでのおつまみのようなものとしてお楽しみ下さい
449ジュリマキ:2011/03/03(木) 21:33:33.50 ID:ePZToOLj
「死ぃ…ねぇっ!」

顔を真っ赤にした少女が怒りに満ちた怒声を搾り出す。
力のこもった肘打ちが側頭部に入り、こめかみから脳内にかけて鋭い衝撃が走る。
決して軽い一撃ではない。普通の人間なら一発で昏倒する威力を備えている。自分だから耐えられるのだ。
そんな一撃も、大量に分泌された脳内麻薬で完全にハイになっている頭には、むしろ心地良かった。

なぜこんなにハイなのかというと、文字通り涙と鼻水を垂らすほど恋焦がれた女が、気がつくと据え膳のごとくベッドの中で添い寝をしてくれていたからだ。
なぜ添い寝されていたのかというと、彼女がストリートファイトをしている最中に乱入し、相手(フカミチとかいう男だ)を日本から排除しようとしたところ、彼女に蹴られまくって気を失ったからだ。
そして、なぜその彼女に肘打ちを食らっているかというと、据え膳を遠慮なく堪能するべく、彼女の寝間着を全力で引きちぎったからだ。

***

坂本ジュリエッタという男の中には、“ジェニー”という理想の女性がいる。
自分の全てを受け入れ、柔らかな胸に閉じ込め、どうしようもない飢えを癒してくれる、そんな素敵な女性だ。
彼女は子供の頃、家の壁に貼られていたポスターの中で微笑んでいた人で、ジュリエッタの初恋である。
ジュリエッタにとって“ジェニー”とは、とてもとてもとても特別な存在だった。

そんなジュリエッタの27年の人生の中で、運命の相手と思える人は現れなかった。
というのも、ジュリエッタには理想の高さに加え、ある特殊な癖があったため、他者と深い関係を築くことすら困難だった。
その特殊な癖とは、「ふとした拍子に相手を蹴り飛ばしてしまう」ことだった。
それがどんなスイッチなのか、自分でもよく解らない。
とにかくそのスイッチに触れられると、気がついたら相手が文字通り吹っ飛んでいるのである。
191センチという無駄に大柄な体は、人間を30メートル蹴り飛ばす化け物じみた危険性を内包していた。
これが意図せずして炸裂するものだから、誰かを愛したい思いとは裏腹に、人間関係はすっかりガタガタである。
しかし世の中モノ好きはいるもので、ジュリエッタの家にはいつの間にか3人の美女が居着いていた。
ジュリエッタも肉体的には健康な男なので、彼女たちを受け入れはしたが、しかし何度ベッドを共にしようとも、飢餓感が満たされることはなかった。
このどうしようもない孤独と飢えを満たせるのは、ジェニーだけなのだ。

そんなジュリエッタの心に風穴を開けたのが、一人の少女だった。
彼女――相川摩季(マキ)というその少女は、“エアマスター”という異名の通り、空気を支配するかのごとく空を飛んで戦うストリートファイターだ。
そしてジュリエッタは、ストリートファイトが横行する夜の街で一目置かれる、いわゆるボス的な存在だった。
とは言っても、気の赴くままに誰かを蹴り飛ばし続けて、気がついたらボスとして畏れられていたという、そんな成り行きで築かれた地位ではあったが。
夜の街に彗星のごとく現れ、次々とストリートファイターを撃破する女子高生の噂は瞬く間に広まり、すぐジュリエッタの耳にも入った。
ストリートで自由自在に暴れ回る彼女が、ストリートのボスであるジュリエッタと出会うのは自然な流れだった。

燃えるような赤い髪に、日本人離れした長身。夜の都会の雑踏の中でも一際目立つマキを一目見た瞬間、ピンとくるものがあった。
もしや彼女は、ジュリエッタが長年求め続けた、“ジェニー”なのではないか――そんな予感がしたのだ。
しかし、彼女が本当に“ジェニー”なのか、その時はまだ確信が持てなかった。
彼女は記憶の中のジェニーとは似ても似つかない。
金髪ではないし、綺麗なドレスを纏っているわけでもない。でも耳の形は綺麗だ。それに可愛い。
野生の虎を思わせる輝きを持つ瞳からは、ナイフのように鋭い視線をぶつけてくる。
けれどその視線は決して不快ではなく、むしろ自分でも知らない隠れた性感のスイッチを押されているような、そんなゾクゾクする魅力があった。

そしてマキと一戦交えたジュリエッタは、ファイターとしても男としても――見事にやられてしまったのである。
450ジュリマキ:2011/03/03(木) 21:34:42.70 ID:ePZToOLj

***

重い肘打ちが側頭部に連続で入ったが、体勢は微塵も揺らがない。
体の節々が悲鳴を上げ、腕は完全に折れているが、そんなものはこれからヤることを思えば些細な問題だ。
折れた腕でマキの太股を撫で上げる。吸いつくような肌触りがたまらない。

「愛してるぞ…」

狂おしいほどの熱い思いを込めて囁きながら、焦りと恐怖に満ちたマキの顔にキスの雨を降らせる。
唇をついばんで軽く吸い上げると、さすがに彼女も激しく動揺して髪を引っつかんで引き剥がそうとする。
そんなささやかな抵抗も、とても可愛らしい。
喉の奥から漏れるくぐもった声を聞くと、ますます体が熱くなった。

歯の隙間に舌を滑り込ませ、マキの舌を絡めとる。
組み敷いた体がびくりと硬直し、髪を引っ張る力が急激に弱まった。
彼女は必死に首を振ってディープキスから逃れるが、すぐ追いついて再び唇に吸いつき、舌をねじ込む。

「んーっ…!」

逃げ回る舌を捕まえて優しく弄ぶと、硬直していた彼女の体が再び暴れ始める。
頭を引き剥がすのは諦めたのか、髪を引っ張っていた彼女の手は肘打ちの猛反撃を再開した。
それに加えて、鍛え上げられた太股による殴打が脇腹に幾度も打ち込まれた。
内臓が潰れる感触はあったが、キスによる高揚感のおかげでどこか遠い所の出来事のように感じられる。
肘打ちも膝蹴りも顔面蹴りも関節技も、彼女に振るわれる暴力ならばいくらでも大歓迎だ。それによって体が壊されても一向に構わない。
マキの手にかかり、視界をマキでいっぱいにしながら死ぬ自分は、世界一の幸せ者であると確信する。

口内をすっかり味わい尽くすと、上体を起こして唇を開放してやる。
マキはすっかり息が上がって、胸を大きく上下させていた。
唾液でべったり濡れた唇と、潤んだ切れ長の目がなんとも扇情的で、もはや自分を誘っているようにしか見えない。
ジュリエッタは身に着けていた衣服を全て破り捨て、再びマキに覆い被さった。
臨戦状態に入っているジュリエッタの分身を直視し、顔を引き攣らせたマキが必死に応戦する。
頬に飛んできた左フックを甘んじて受け入れながら、火照った体を彼女の滑らかな肌とぴったり密着させ、健康的な色の首筋に吸いつく。

「んっ…」

しなやかな体がきゅんと縮こまり、こめかみに入る肘打ちの威力が格段に下がった。
首筋に自分の印を付けるたびに、マキは甘い悲鳴を抑えながら必死に抵抗するが、ストリートファイトで猛威を振るっていた力は目に見えて失われていた。

唇を少しずつ下へずらしていき、高校生にしては豊満な乳房の柔らかさを存分に堪能していく。
先程まで太股を撫でていた手で乳房を優しく包み込み、やんわりと揉みしだく。
マキが小さく息を詰まらせるのが聞こえた。
ぴんと尖った頂点のそれを指で軽く挟み込むと、よりはっきりとした小さな悲鳴が上がる。
そして、濃い桃色に色づいたもう片方を唇に含んだ瞬間――

「ひあっ」

マキの体が跳ねた。
敏感な反応を示す彼女を体重で押さえつけながら、容赦なく吸い上げて舌で刺激してやる。
乳房を弄んでいた手は肋骨のラインをなぞり、腰のくびれを撫でつつ、少しずつ下へ移動させていく。
本当はもう少し優しくゆっくり可愛がってやりたいが、今までかなり我慢してきたので、正直こちらもちょっと余裕がない。

股間の茂みをかき分ける手に気づいたマキが身を捩るが、もう遅い。
わずかに襞が露出した割れ目を撫でると、彼女は一際高い声を上げた。
ソコに触れた指から、ぬるりと潤った感触が伝わる。恋愛には鈍いが、感度は抜群だ。
彼女の体がしっかり愛撫に反応していることが分かり、下半身の熱がみるみる高まっていく。
昂った熱を持て余し、彼女の太股に己のモノを擦りつけながら、彼女の秘められた場所を指でまさぐった。

「やああっ!…そこっ…さ、わる、なあぁっ…!」
451ジュリマキ:2011/03/03(木) 21:36:41.45 ID:ePZToOLj

女の敏感な場所に指を軽く押し当てたとたんに、可愛らし過ぎる反応が返ってきた。
優しく円を描くように動かすと、脇腹を蹴っていた太股がびくびく震え、腰が浮き上がる。
もはや肘鉄を放つ余裕はなくなったらしい。
口で乳房を愛撫するジュリエッタを引き剥がそうとする手も、すっかり力が弱っていた。
十分に濡れているし、これならもう繋がっても大丈夫そうだが、念には念を入れて、できれば二,三度イかせてからにしたい。
前は急ぐあまり、軽く一回イかせただけで進もうとして、反撃の余裕を与えてしまった。
今回は抵抗する気力も完全に削り取っておかねばならない。

実のところ、ジュリエッタがマキを犯そうとするのはこれが初めてではない。
一度目は、彼女の蹴りによってハートをブチ抜かれた日。もう彼女しかいないと思った。
キスで弱らせたところを自宅に連れ込んでコトに及ぼうとしたが、顔面を蹴られて逃げられた。
二度目は彼女の風呂上りで、全裸の彼女を見た途端に辛抱たまらなくなって押し倒した。
その時は抵抗を受けつつも本番手前まで進められたが、スーパーMAX状態の男根を膝で破壊されて意識が飛んだ。
こういうわけで、三度目の正直と言おうか、今回ばかりは何としても思いを遂げたかった。

「ん、ふっ…んん…!!」

敏感な突起を指でこね回しているうちに、マキはあっさり一度目の絶頂を迎えた。
快感に顔を歪め、激しく体を痙攣させながらも、唇を噛み締めて声だけは押し殺している様のなんと可愛らしいことか。
切なげな表情をじっくりと観察しつつ、彼女の痙攣が収まっていくのに合わせ、指の動きを少しずつ緩めていく。
もう今すぐにでも下半身で疼く熱の塊をねじ込みたくなってしまうが、ぐっとこらえる。
男を知らない体を慣らすため、突起を嬲っていた指をぬめる花弁の中に滑り込ませた。

「あっ、やぁっ!」
「ごめんな、いきなりで…すぐ良くなるから、ちょっと我慢してくれ」
「このっ…くたばれっ!」

さすがに絶頂の余韻どころではなくなったようだ。
マキはわずかに気力を取り戻したようで、今までより必死な形相で肘打ちと蹴りを再開した。
指で中を探るたびに強烈な打撃が体のあちこちにぶち込まれるが、気にせず彼女のあちこちにしゃぶりつく。
ストリートファイトで鍛えられているせいなのか、マキの中はかなりきつく、挿し込んだ指を押し潰さんばかりに締め上げた。
中はくちゅくちゅと音がたつほどに潤っていて、ジュリエッタをたまらなく興奮させる。

「ひぁっ!」

壁の中に潜む“泣き所”を探り当てたとたんに、罵声が甲高い嬌声へ変わった。

「ん、ここか?」
「ちが…あぅっ!ん、んんっ」

口で否定してはいても、中は“そこ”を擦り上げるたびにひくひくと蠢いて、実に正直な反応を返してくれる。
指の動きで生み出される快感に、彼女は顔を歪めて耐える。
それがなんとも健気で、もうとことん可愛がってやりたくなった。
少しずつ指を増やし、色んな角度や動きで彼女の中で眠る快楽を呼び覚ましていく。

「ん、んぅ、んんーっ…!」

一度イって感覚が鋭くなっているのか、それほど時間も経たないうちにマキは泣きそうな顔で再びイった。
しかし声を我慢できているところを見ると、まだ心は折れていないようだ。
いったん指を引き抜き、絡み付いた彼女の蜜を舌で味わう。
それは今までに味わったことのない、舌を通して脳神経を焼かれそうな、甘美でいて官能的な味だった。

――マキの蜜をもっと味わいたい。
ぼんやりと考えながら、ジュリエッタは脱力したマキの太股を持ち上げる。
今までジュリエッタの体を蹴り続けていた脚は、さしたる抵抗もなく開いた。

「やああぁっ!」
452ジュリマキ:2011/03/03(木) 21:37:58.95 ID:ePZToOLj

気がつくと、彼女のぬらりと艶を帯びたソコに誘われるようにして顔を突っ込んでいた。
女性器を舐められるのは初めてらしく(当然か)、マキの反応は今までで一番大きかった。
顔面を蹴ろうと動いた太股を片腕で封じ、もう片方の足に頭部や肩を蹴られつつも、勃ち上がって顔を出した小さな突起に吸いつく。

「やあっ!そこっ…やめてえぇっ!」

悲痛な涙声を無視し、彼女の中を溶かすべく、突起を軽く吸ったり舌で転がしたりと刺激を与えていく。
頃合いを見て、先ほどジュリエッタの指を咥え込んでいた膣に舌を挿し込み、シーツを濡らすほどに溢れた蜜をすする。
甘酸っぱい味が強烈な快感となり、脳天から背骨にかけて駆け巡った。

「やぁ、あ、あぅっ、く…」

突起を指でこね回し、絶えることなく湧き出る愛液を舌と唇で吸い取るたびに、マキは上ずった嬌声を途切れ途切れに漏らす。
彼女の心が折れかけている証拠だ。
しかし今は彼女を屈服させることよりも、彼女の味を脳に刻み込むことで頭がいっぱいだった。

「ふぁ、んぅ、んっ、んんーっ…!」

マキが何度か続けてイったことにも構わず、ジュリエッタは彼女の秘所を指と舌で味わい続けた。


「も…や、め…」

マキの味をたっぷり堪能したジュリエッタは、息も絶え絶えのマキを優しく撫でた。

「…ごめんな、先に謝っとく。手加減できなかったら、ごめんな」

心から謝罪しつつも、はちきれそうなほど硬くそそり立ったモノを、彼女の入り口へ押し付けることはもはや止められなかった。
体内に侵入しようとする異物を感じてか、マキは脱力しきった体で弱々しくジュリエッタを突っぱねる。

「や、め…」
「キツいだろうなあ…初めてだもんなあ…。痛かったら殴っていいからな、止められないけど」
「…死ねっ!」

渾身の右ストレートがジュリエッタの顔面を捉えた。
マキのくびれた腰をわし掴み、体がグラつくのを堪えきると、彼女の体に覆い被さって腰を確実に推し進めていく。
鼻先からぽたりと水滴が流れ落ち、彼女の頬に赤い染みを作った。
赤はマキの肌にとても映える。
彼女は顔を強ばらせてそれを拭いとるが、かえって広がるだけだ。それに、赤い雫がポタポタと続けて落ちて行く。
愛しい女が自分の血でみるみる染まっていく様は、まるで彼女を自分の色で染めているようで、たまらなく嬉しい。

先端が中にめり込むと、マキが呻き声を漏らし、ジュリエッタは先端からダイレクトに伝わる強烈な快感に息を呑んだ。

――ああ、これがマキの中か…!

十分に濡れた彼女の中は、ジュリエッタと同じくらい熱かった。
指で十分広げたはずなのに、奥へ進めば進むほど拒絶するかのようにきつく締まり、少し動いただけで我慢しっぱなしだった分身が暴発しそうになる。
なるべく長く快感を味わっていたいのに、もう限界寸前まで高まってしまった。

「ああ、マキ…!お前の中、イイなあ…!」
「う、るせっ…おら、さっさと、抜けっ!『安心』、やっただろ…!」

顔を痛みに歪めながらも、マキは気丈に吐き捨てる。
453ジュリマキ:2011/03/03(木) 21:39:01.42 ID:ePZToOLj

彼女の言う『安心』とは、彼女の貞操――つまり処女のことである。
ジュリエッタは『安心』が死ぬほど欲しかった。
彼女の初めての男となることが、彼女の中で自分という存在を確固たるものにできる手段だと考えていた。
その強さ故か、彼女は男女問わず他者を惹きつける、不思議な魅力を持っていた。
彼女の周囲には彼女を色んな形で慕う者たちが集い、中には恋愛対象として意識する者もいた。
どこの馬の骨とも知れない輩に奪われる前にモノにしてしまえば、彼女の“特別”になれると思ったのだ。

確かにこれで、マキの初めての男はこの坂本ジュリエッタということになる。マキの“特別”という地位は手に入れた。
しかし考えてみて欲しい。
例えば、砂漠のど真ん中で、カラカラの喉に冷たい水を一口流し込んだだけで、人間は満足できるだろうか?
愛しさのあまり殺意すら抱いたほど惚れ込んだ女と、こうしてキスをして、体の隅々まで味わい、一つになって――
――男として、止められるだろうか?

「甘いな…甘いぞ…ここまで来てっ…“最後”まで行かずにいられるかっ…!」
「ぐあっ!」

根本まで一気に貫いた。マキがはっきりと苦痛の悲鳴を上げるが、今はそれも情欲の燃料にしかならない。
本能に突き動かされるままマキの中を往復する。
彼女が苦しまないように、すぐ終わってしまわないようになるべく優しく腰を動かすが、それでもやっぱり早々に限界が来てしまった。

「はぁっ、はぁっ…ぁ…!」

抗いようのない快楽の波が全身を襲う。背筋がゾクゾク震え上がり、頭の中が火花で埋め尽くされた。
今まで溜め込んできた欲望が堰を切って溢れ出し、大量にマキの中に注ぎ込まれる。
抗議の声を上げるマキの体を抱き竦め、あまりにも素晴らしい絶頂によって飛びそうになる意識を必死に繋ぎ止めた。
射精で失神しそうになるのは、生まれて初めてだった。

全てを吐き出し終え、マキの体にどっかり全身を預けて心地良い脱力感に浸る。
すると、マキが怒りに任せてジュリエッタの脇腹を殴った。
肋骨が軋む音が聞こえた気がするが、頭がぼんやりしてあんまり気にならない。

「このバカ!さっさとどけっ」

マキはそう言うが、正直一回だけでは到底満足できなかった。
それに、まだマキのすべてを見ていない。
指でイく顔も見られたし、舌と指で攻められて泣きそうな顔も脳にしっかり刻み込んだ。
となると、ジュリエッタのモノでイく顔ももちろん見たい。

中に入ったままのジュリエッタが復活しつつあるのを感じたらしく、マキの顔がさっと赤く染まった。
バキバキの両腕に力を入れ、わずかに上体を起こし、真上から愛しい女を見下ろす。

「やっぱりなあ…ちゃんと俺のでイってもらわないとなあ…」
「そ、そんなの無理…くっ」

腰をゆっくり動かしてみる。先ほど注ぎ込んだ精液のおかげで、滑りは良好だ。
指で探り当てたマキの弱点を、今度は自分のモノで擦り上げる。
その間、拳や肘打ちを絶え間なく顔面に受け、上半身には幾度も蹴りがぶち込まれた。
しかし皮肉にも、その動きによってマキの中は激しく収縮を繰り返し、ジュリエッタに新たな刺激を与えてしまう。
あまりに具合が良いものだから、思わず腰を強く打ちつけてしまった。

「ああ…マキっ…マキぃっ…!」
「う、あっ、やぁっ、んっ…」

マキの声が、少しずつ苦痛ではない別の色を帯びていく。同時に、接合部からいやらしい水音が鮮明に聞こえるようになってきた。
じわじわと侵食しつつある快楽の兆しに抗おうというのか、ジュリエッタの体を蹴る力が一層強くなる。
そのうちの一撃がみぞおち近くに命中し、肋骨が数本折れる感触と共に喉の奥から生暖かい液体が逆流した。

「あ…」
454ジュリマキ:2011/03/03(木) 21:40:23.34 ID:ePZToOLj

マキの大きな胸元が赤く彩られた。
日に焼けていない白い肌に飛び散ったそれは、まるでバラの花弁のようだった。
激しく咳き込みながら、ジュリエッタは顔面蒼白のマキに微笑みかける。

「綺麗だぞ、マキ…とても、とても綺麗だ…」

血に塗れた唇でマキの唇に吸いつき、彼女の口内に舌で唾液と共に己の熱い血を送り込む。
ジュリエッタの色に染まった乳房を揉みしだきながら、様々な角度で当たるように腰を動かし、敏感な箇所を幾度も攻め立てた。
マキは突き上げるたびに上ずった呻きを喉から漏らしながらも、己の手足を振るってジュリエッタが与える快楽を拒絶し続けた。
数え切れないほど蹴りを受けた体はとっくに骨も関節もイカれて、精神力だけで体を支えている状態だったが、まったく辛くはなかった。
むしろ、これ以上ないというくらいに最高だ。
この数々の傷がマキから与えられているものであるという事実が、痛みをまったく別のものに変化させていた。
攻撃を受けるたびに体中の血管が激しく脈打ち、彼女と繋がった分身がびくびく跳ねる。
マキが殴れば殴るほどジュリエッタが元気になるという、彼女にとっては最悪な悪循環が出来上がっていた。

やがて、マキが限界に近付きつつあるのか、断続的にジュリエッタをきゅっと締め上げるような動きを見せ始める。
接合部はすでに、ジュリエッタが動くたびに二人の色が混ざり合った蜜が溢れ、シーツを淡い赤に染め上げていた。
何かから逃れようとするかのように、マキが首を左右に振ってうわ言を漏らし始める。

「もっ…ヤダっ…ヤダぁっ…」
「いいぞ、マキ…全部っ、見せてくれ…ちゃんと、見ててやるからなっ…!」

彼女の赤い髪を労るように撫でながら、再びこみ上げてきた絶頂に向けて、より深く奥を突くように腰を打ち付ける。
もはやマキの目は焦点を失い、切れ長の目の際からは雫が滲み出し、月明かりを受けてきらきらと光っていた。
それを舌で舐めとりながら、ジュリエッタはさらに激しく、強く彼女を攻め続ける。
ジュリエッタを殴り続けていた腕は、いつしかジュリエッタを求めるように首に回されていた。
たとえそれが、彼女にとっては苦しみからの逃避に過ぎないとしても、ジュリエッタにとっては歓喜の瞬間だった。

「やあっ…うぁっ、あ、あ、ああ…っ!」
「マキ、マキ、まっ…、きぃっ…!」

甘い嬌声と共に、マキの体が弓なりにしなる。
両足はびくびく痙攣しながらジュリエッタの腰に絡みつき、ジュリエッタ自身を深く咥え込んだ膣が、食いちぎらんばかりにきつく締め上げる。
愛しい女が己のモノによって絶頂に震える瞬間を網膜にしっかり焼き付けながら、ジュリエッタも二度目の絶頂を迎えた。
力尽きて意識を手放すマキの奥深くに、熱い想いの全てを最後の一滴まで注ぎ込む。
すべてを出し切り、全身から力が抜けていくさなか、胸の奥が今までに味わったことのない温かさに包まれるのが分かった。

「…最高だ…」

ジュリエッタは、ようやく満たされた。

***

しばらくして、ベッドの中で繋がったまま、意識を取り戻したマキがぽつりと呟いた。

「バカ」
「うん」
「変態」
「うん」
「ケダモノ」
「うん」
「…死ね」
「腹上死か…マキの上で…いいなあ、それ」
「いや、やっぱダメだ」

ジュリエッタは思わず笑ってしまった。
455ジュリマキ:2011/03/03(木) 21:41:27.98 ID:ePZToOLj

「愛してるぞ、マキ」
「バカ」
「愛してるぞ」

マキは頬をぽっと赤く染め、むっつりと押し黙る。
それでも構わず、ジュリエッタは繰り返し耳元で愛を囁き続けた。
やがて根負けしたのか、マキはそっぽを向いたまま、小さく漏らす。

「…あたしも、す…好き」

それを聞いた瞬間、マキの中で大人しくしていたジュリエッタの分身が――活力を取り戻し始めた。
マキもそれを感じ取ったらしく、赤い頬を引き攣らせた。

「ちょっ、まっ…」
「マキっ!もう一回だけ…いや、できれば二、三回っ…」
「やっぱり死ねっ!」

逃げようとするマキの腰を抱え込むジュリエッタ。
その顔面に、怒りの鉄拳が炸裂した。



明け方、坂本ジュリエッタは全身複雑骨折で、満面の笑みを浮かべながら病院に運ばれた。
病院のベッドで迎える心地良いまどろみの中、ジュリエッタはマキの面影を持つ少女の夢を見た。
なんとなくだが、彼女とは近いうちに会えそうな、そんな予感がした朝だった。

END
456名無しさん@ピンキー:2011/03/03(木) 21:45:09.65 ID:ePZToOLj
以上です。
本スレとこちらとどちらにしようか迷ったんですが、
自分的にはヤンデレネタとして書いたので、こちらに投下させて頂きました。
お楽しみ頂ければ幸いです。

ちなみに坂本ジュリエッタが自分のヤンデレ入門でした…
今ではヤンデレ男にしか萌えなくなっちまったぜ!
457名無しさん@ピンキー:2011/03/03(木) 22:32:29.34 ID:oJFhokMQ
>>456
GJ!
原作知らんが萌えた
ちょっと明日漫喫行ってくる
458名無しさん@ピンキー:2011/03/04(金) 00:47:06.00 ID:hYPs2lUX
>>457
恐縮です!
絵にかなり癖がありますが、キャラが魅力的なのでぜひ!
坂本さんは三巻の終わりごろから出ますので、どうぞよろしく
459名無しさん@ピンキー:2011/03/04(金) 23:18:21.39 ID:GR2ZgQl+
こんなところでジュリマキが見れるとは…!GJ!!

460名無しさん@ピンキー:2011/03/06(日) 17:15:52.77 ID:7JiV8+kS
うわあ〜〜〜GJGJGJ!!
この二人大好きなんだ!!
まさかエアマスのSSが見れるとは思わなかった・・・!!すごく嬉しい!

というか半端ない描写力と再現率・・まんまあの二人だな。
原作、絵が・・・っていう人はアニメから入るのがおすすめ。
自分はジュリエッタほど幸せなendを迎えたヤンデレは知らん。
ジュリエッタ最高に格好いい。マキちゃん死ぬほどかわいい。
461名無しさん@ピンキー:2011/03/07(月) 00:24:27.34 ID:YDxk6yZ7
久しぶりに>>248-252読んだら悶えたww
クラシス兄ちゃんヤンデレ過ぎるww
462名無しさん@ピンキー:2011/03/07(月) 00:29:28.66 ID:YDxk6yZ7
>>456 超GJ!!
素晴らしい文才!原作知らないけど惹きこまれた。
ほかの作品ぜひぜひ!!
みんな文章力高すぎ。
久しぶりに>>248-252読んだら悶えたww
クラシス兄ちゃんヤンデレ過ぎるww
463名無しさん@ピンキー:2011/03/07(月) 17:22:29.01 ID:ThgBBtaX
続きを待ってる作品が多い……
464456:2011/03/07(月) 18:35:39.49 ID:qP4vixAF
おお、エアマス知ってる人がいて嬉しいなあ!
お褒めの言葉、皆さんありがとうございます!
坂本さんは人間としてはアレなんだけど、愛の深さはガチなんだよね
この人がマキちゃんに吐く台詞は熱い名言のオンパレードで心が震える
興味を持たれた方はぜひ、彼の恋の結末を見届けてあげて下さい

では、神様の降臨を待ちながら自家発電に戻ります
465名無しさん@ピンキー:2011/03/17(木) 05:11:08.55 ID:uHB6hAHr
皆様無事かな?
また投下や雑談で賑わいますように
466名無しさん@ピンキー:2011/03/18(金) 07:06:39.88 ID:VZo9goFk
なんとか生きてるぜ
東北もそうだけど、関東圏の人たちも停電とかで大変そうだね
今は一日も早く復興することを祈るばかり…
467名無しさん@ピンキー:2011/03/20(日) 21:21:05.34 ID:LZnW1hqx
キオたんと弟子の女の子の続き待ってる
468名無しさん@ピンキー:2011/03/29(火) 22:40:43.76 ID:liTDWOIB
投下期待
469名無しさん@ピンキー:2011/03/31(木) 20:19:01.42 ID:Zv4IJLDp
ところでヤンデレ男に犯される可哀想な女性はどんな人が良い?
個人的には儚げだけど芯は強いとか、エロい事には抵抗感を持ってたりすると最高なんだが
寝所で玩具みたいに扱われて犯されてガチ泣きしたりしてると興奮する
470名無しさん@ピンキー:2011/03/31(木) 22:13:23.38 ID:AJsZ8K6j
芯が強い禿同!あと内気で健気な子や、対局で前向きで芯が強く正義感とかある子が可哀想な感じになるの萌える。
そんな子が墜ちる瞬間たまらんw個人的にヤンデレの性格は内気な子なら表向き明るい策士タイプで、芯が強い子なら内向的で感情が一途過ぎて歪む様なのが好きだなー。
471名無しさん@ピンキー:2011/03/31(木) 23:11:11.12 ID:iO1S1Amy
やっぱりすぐには屈しない芯の強さは重要!
個人的には、他に片思いでしてる人がいたんだけどヤンデレ男に犯されて
ストックホルム症候群みたいに段々ヤンデレ男に絆されてしまうNTRっぽいのも好き
472名無しさん@ピンキー:2011/04/01(金) 13:50:37.53 ID:ALBec79m
>>471とはうまい酒が呑めそうだ
473名無しさん@ピンキー:2011/04/01(金) 23:59:21.26 ID:m/t5KB/A
やっぱり堕ちるまでじっくり楽しみたいよな
ヤンデレ男に犯されてもすぐに諦めずに、必死に抵抗したり泣いたりして欲しい
474名無しさん@ピンキー:2011/04/03(日) 17:51:16.24 ID:IFbHdLuD
スレッド一覧で別スレクリックするはずが
偶然間違えてこのスレにたどり着いたんだが
こんなところでジュリマキ見れるなんて望外の喜び>>456乙!!

今構想してるのが
女上司に初恋してしまったモテ男新入社員が
思わせぶりな女上司の態度にオレいけるよな!と期待していたら
実は女上司の妹に好かれていて、妹を付き合ってくれない?と言われ
妹のためなら何でもできるっていうシスコン女上司にヤンデレて
関係を無理矢理強要→写真を撮られて妹にばらされたくないですよね?で
妹とのさわやか交際を日々事細かに報告という名の名目で女上司を犯し続け
勿論避妊はせず、子供出来たら産んでくださいよ、認知はしないけどと
心の中ではめっちゃ生んで欲しいと思いながら犯し続け
無限ループに陥るっていうのはこのスレ向きだろうか…
475名無しさん@ピンキー:2011/04/03(日) 18:22:01.95 ID:gSLUhnZ2
>>474
恐ろしいほどヤンデレ男じゃないか!
476名無しさん@ピンキー:2011/04/03(日) 22:00:15.56 ID:zKGezXOo
>>474
さあ、早くその構想を作品化する作業に入るんだ
477名無しさん@ピンキー:2011/04/03(日) 22:13:29.90 ID:/PUAmFb3
>>474 何故かレンホウ思いだした
「私にこだわる理由はなにがあるんでしょうか。妹(二番目)じゃだめなんだしょうか」
貴方(姉)じゃなきゃ意味がない。二位じゃ意味がないんだあっ
姉は世界一いいいい

しかし妹は不憫な子
478名無しさん@ピンキー:2011/04/03(日) 23:07:35.96 ID:IFbHdLuD
あ、よかったこのスレ向きだったか
他のスレだとなんか違うような気がして
ここが一番近いのかなとおもって聞いてみてよかった。
頑張ってみるが、期待はしないでいてくれw

>>477
レンホウ気になったのでKwsk
479名無しさん@ピンキー:2011/04/04(月) 00:42:46.91 ID:0tCfm+tT
>>478
事業仕分けの蓮舫
全然関係ないうえに原型もなくなってたな
変なテンションだった、すまない。
480 忍法帖【Lv=2,xxxP】 :2011/04/04(月) 15:18:12.65 ID:nzCPW7ph
俺も読みたい
しかし完全に話の出汁な妹哀れw
まぁ、こういうキャラが出るとより一層男のヤンデレっぷりが際立ちそうだが
481名無しさん@ピンキー:2011/04/06(水) 08:59:26.54 ID:b0CPGxYW
投下期待
482名無しさん@ピンキー:2011/04/07(木) 22:26:47.84 ID:Tlq52Qij
狂四郎2030を読みはじめたばかりなんだが
八木少将がヤンデレチックでかなり素敵だw

完璧な遺伝子をもつ完璧な男の八木少将は
ヒロインには爽やかな面しかみせていないんで
過去リアル男から性的暴行ばかり受けていたヒロインは信頼してて
でも裏ではヒロインがバーチャルセックスで自淫している所を見て
わからない事をいいことに胸に精液かけていったり
心の中ではヒロインを犯したくて堪らなくて
ヒロインを過去犯してた上官(八木少将にとっては下)を陥れたり
ヒロインが遺伝子的に劣っているから
セックスパートナーとしては不合格だとしると
遺伝子改造しちゃうぞ!な狂愛っぷりがいいw
483名無しさん@ピンキー:2011/04/08(金) 01:27:15.50 ID:uHm9Poc2
>>482
どんな奴かと思って画像検索かけたら吹いちまったじゃないかw
ターちゃんの中の人の作品か、これはいいヤンデレ軍人…
484名無しさん@ピンキー:2011/04/08(金) 07:42:17.41 ID:gr5sqps5
ほんとだ八木少将でググって画像検索で一番に出た画像が酷すぎるw
保守ついでに八木少将のその後



ヒロインは八木少将の本性を知り
遺伝子操作された化け物にしか見えなくなるが
段々とヒロインを人間らしく好きになっていきその証を見せ始める彼に
人間に見えるようになり殺して逃げる決心が鈍り始める
しかし八木少将はヒロインに真に好きな夫が居る事を知り逆上
刑務所の女に飢えた男たちの前で強姦し裸で放置するが
それはヒロインが助けを求めるようにしたお仕置き…で男たちを皆殺しにする
この劣性遺伝子の屑がと呼びながらもヒロインを手放すことが出来ない
その後夫を殺せばヒロインは自分の物になるで夫と対決で死亡
死亡した後に録画していた映像がヒロインにながれて
その映像では人間らしい部分の八木少将がヒロインに
今までの事を謝罪するというものだった…

段々と人間らしくヒロインの為に変わっていく少将とか
ヒロインの裏切りに怒りながらも手放せないとか萌え滾ったぞw
485名無しさん@ピンキー:2011/04/08(金) 20:23:04.04 ID:oY5lxK/3
やはり男ヤンデレは好きな女を苛めてこそだよな
溢れんばかりの過剰性欲をブチ撒けて欲しい
486名無しさん@ピンキー:2011/04/09(土) 01:14:11.28 ID:W88Iud0+
クラシスとリレアの続きが書けたので投下させて下さい。

一応監禁編への繋ぎとして書いたのでエロは薄めで全16レス程度。
多少の血腥い描写があるのでそこだけ注意。

NGはかくれんぼでお願いします。
487かくれんぼ 1/16:2011/04/09(土) 01:14:56.88 ID:W88Iud0+
女が、薄暗い森の中を只管に駆け抜けている。
我武者羅に走り、転び、それでも再び立ち上がり、擦り剥いた膝から、
血が出ていることなどお構いなしに、走り続け何かから、必死に逃れようとしていた。
森の中を昼夜問わずに駆け抜け、気が付けば三日近く碌に寝てはいない。
食事を摂る暇すら惜しみ、走り続けた所為もあってか、既に身体は限界を超え、悲鳴を上げている。

女が逃げなければならなかった理由は、多々あるが、逃げ出す決め手となったのは、
突然父親から告げられた、望まぬ相手との婚約に起因する。
望まぬ相手…である『クラシス』と女は、所謂幼馴染の間柄。
彼の祖父と自分の父が勝手に取り決めた婚約から、女…『リレア』は逃げ出したのだ。

「も…もう駄目…足が…」
リレアは、木立に疲れ切った身体を預け、暫しの休息を得る事にした。
さらさらと流れ行く風が、疲れで火照った頬を撫でて行き、とても心地が良い。
「喉…も…乾い…て…」
喉が焼け付く様に渇き、身体が、頻りに水分を欲する。
途中、沢で汲んで来た新鮮な水を詰めた水筒の蓋を開け、その中身を一気に呷る。
「んっ…んっくっ…はぁっ…美味しい…」
乾ききった心ごと包み込む、優しい生命の源の味が、身体の奥深くへと染み渡る様に広がり、
リレアは不意に涙が毀れそうになった。
途中、呷り切れなかった水が、唇より溢れてやがて零れ落ちる…。
着ている僧衣の間に水が、巧みに滑り込み、肌を伝うその冷たさで、ふるりと一度身体を震わせた。
(…どうしてこんな事になっちゃったのかな…)
リレアは、膝の治療がてら、大きな溜息とともに、そう心の中で呟き、先程迄、呷っていた水筒の残り水を、
血の滲んだ膝へと掛け、傷口に付着する砂や、泥を丁寧に洗い流す。
「…んっ…つうぅぅ…」
傷口に水が滲みたのか、じくじく感じる僅かな痛みに、一度眉を寄せれば、懐より、清潔な白い布を取り出し、
洗い流され綺麗になった、傷口へと丁寧に巻き付ける。
「…本当に、どうして…」
きっと今頃、逃げ出した自分に向かって、追っ手が放たれている事だろうと、リレアは確信する。
だから、捕まりたくない一心で、一歩でも、一秒でも良いから遠くへ逃げたかった。
否、逃げなければならなかった。
そうしないと、望まぬ永久への契りを、クラシスと交わさねばならず、それは自分の本意では無い。

「あの日から皆、おかしくなっちゃった…」
集落に住む人達の、リレアに対する態度が急変した刹那の記憶を、思い出せば彼女の心は、
その都度ずきりと痛み、散々に乱れる。
「皆がおかしくなったのは、きっと、全部、私の所為…」
そう、一言呟くと、青金石(ラズライト)色した瞳から、大粒の涙をほろり、ほろりと零していく。
「お父様もお母様も、あの日から、人が変わってしまった…」
それは、リレアの両親すら例外ではなく、リレアの能力が顕現してからは、自分達が産み、育てた娘である、
リレアの足元に傅く様跪き、恭しい態度で逐一、自分のご機嫌取りをして来る様になったのだ。
488かくれんぼ 2/16:2011/04/09(土) 01:15:29.55 ID:W88Iud0+
「こんな能力なんて…私は要らないのに…」
望まぬ能力を、開花させてしまったリレアにとって、切実にそう願うのは、無理も無い。
「どうして、こんな…」
俯いたまま、呟き、そこ等辺に生えている草を、土ごとぎゅっと握り締め、きつく唇を噛み締める。
「…こんな能力なんて、欲しく…なかった…っ」
そして、声を殺し、木々のざわめきにそっと忍ばせると、心の中に蟠る本音を、ゆっくりと吐露していく。
豹変した、あの日の事をどうにか忘れたくて、頭を過振りするが、その記憶は油の入り混じった、
泥の様にリレアの脳裏へとこびり付き、中々忘れさせてはくれない。

「戻れないって、過去は変えられないって、解っている…でも…」
そこまで言うと、両手の指先でそこ等の土ごと草を強く掴んで、憤りを超えた思いを、地面に八つ当たりする。
途中掌が握り締めた草によって切れ、鋭い痛みが神経を遡って、じわりと身体の内部へ広がるが、肉体に感じる痛み等、
今のリレアにとっては、どうでも良い事であった。
「…幸せだったあの頃に帰りたい…」
そう何度も呟き、胸の辺りを押さえて、蹲る。
瞳に涙を湛え、天を仰ぐと、在りし日の記憶を、心に呼び覚ます。
未だ、幸せだった頃の…幼き日々が走馬灯の様に脳裏へと駆け巡った。
その瞳から今も止まる事を知らぬ涙は、自分の心すら満足に癒してはくれない。
只、悪戯に悲しみを助長し、リレアを更に追い詰める。
「無理だって判っている…判っているんだけど…」
それまでは、極普通に接してくれた集落の人々が、急に自分の事を神か、悪魔を見るような目付きで、
態度で、接してくる様になったあの日の出来事が、又、リレアの脳裏を抉る様に掠める。
「もう一度、やり直したい」
頭を抱え、軽く過振ると、瞳を強く閉じて心に堪る、不快感や、不満と言った、
負の感情を咽喉奥から搾り出し、言葉にする。

「それに…私、今迄知らなかった…」
集落では、リレアの事を、『奇跡の神子』等と言って勝手に祀り上げる始末で、リレアの能力を当て込んだ、
宗教紛いの商売が盛んになり、依頼者に対して、能力を使う代償として、法外な金銭や、
高価な宝石等を請求したりしていると、逃げる際、壁越しに誰かがそう話していたのを、
リレアは悲痛な面持ちで思い出す。

「集落の皆が、そんな酷い事していたなんて…」
無論、多額の金銭を持たない者には、『奇跡の神子』の恩恵には与れず、邪険に扱い集落から追い返しているらしく、
その事実も、又、リレアの心を深く傷付けた。
「もう、何を信じれば良いのか判らない…」
勿論この事は、略、霊廟に軟禁されていた状態にある、リレアには、全く知らされてはおらず、あくまで無償の、
人助けの一環として彼女は、その能力を今迄使っていたのだった。
「…私…産まれてきちゃ、いけなかったのかな?」
答えの出ない応えを求め、そう、リレアは、自問自答を繰り返す。
「唯、普通の幸せを望んじゃいけないのかな…?」
呟いてその侭俯けば、再び、大粒の涙が、勝手に瞳からボロボロと零れて行く。
「私はただの『リレア』で、『奇跡の神子』なんかじゃないのに…」
そう、声を絞り出して呟き、己を慰める様に自らの肩を掻き抱く。
勝手に流れ落ちる涙を止められない、自分の弱さが今のリレアには只、歯痒い。
489かくれんぼ 3/16:2011/04/09(土) 01:16:02.87 ID:W88Iud0+
「でも…この能力の所為にしちゃいけない…よね…」
(この能力自体、決して悪い物じゃないって信じたい…)
と、リレアは心で付け足してからそう言うと、再び樹に身体を預けて暫く考え込む。
「それに…もし、この能力が無かったら、あの時、クラシス兄様を救えなかった…」
不意に、変わる前の、幼い彼の笑顔を思い出しては、あの時救えて良かったと、心より思う。
二人で過ごした幼き頃の…優しく穏やかな記憶が、彼女の胸中にずっと在り続ける限り、
リレアは、クラシスの事を心底嫌いに、なれはしない。
「…付いて来るなって、昔は良く怒られたっけ…」
涙を拭って晴天を仰ぎ、自虐的に笑うと、大きく溜息を吐く。
昔は、どちらかと言えば、リレアの方が積極的にクラシスへと近づいて行き、良く邪険に扱われたものだと、
リレアは、過去の記憶を思い出しがてら、苦笑いを一つ浮かべた。
そして同時に、多分、昔の…変わる前のクラシスであれば、喜んで婚約を了承出来たかも知れない…と、
刹那的に、リレアは思う。
「昔は、あんなに『好き』…だったのに…」
クラシスは、リレアにとって、優しくてとても頼りになる、憧れのお兄さんであり、又、初恋の相手でもあった。
幼い頃…皆と同じ、クラシスの態度が、豹変したあの日迄は、二人とも極普通の、幼馴染関係だったのだろうと、
自負出来る自信が、リレアにはある。
「今は、クラシス兄様が…『怖い』…」
どうやらリレアの心を蝕む、クラシスへの恐怖心が、無意識に現れたらしく、そう搾り出す様に呟けば、
全身をカタカタと、小刻みに震わせる。
その姿は、まるで、肉食獣に捕食される寸前の小動物の様であり、見ていてとても痛々しい。

「どうして…どうして変わっちゃったの…?クラシス兄様…」
リレアは一人、そう呟くと、なるべく嗚咽を立てない様、抱えた膝に顔を埋め、静かに泣き崩れる。
泣き崩れた所で、結局何の解決にも至らない事なんて、リレア自身良く解っていたつもり…だった。
だが、勝手に涙が溢れ出で、止まらない。
否、止める術など、生憎、今のリレアには持ち合わせては居ないのだ。

「僕が…どうかした…?」
樹に隠れたリレアの背後から、甘く…それでいて冷やかな、何時も聞き慣れてはいるが、
今一番聞きたくない人物の声がする。
その声を聞いた途端、リレアの全てが一瞬にして戦慄した。
咽喉の奥から、「ひっ…」と上擦った情けない声が、リレアの唇から漏れる。
一度大きく跳ね上がった心臓は次第に焦りを称え、鼓動を早めて煩く耳を突く。
(どうしよう、どうしよう、どうしよう、どうしよう、どうしよう、どうしよう…)
リレアの脳が、声にならない悲鳴を上げた。
(は…早く…ここから逃げる方法を、見つけなきゃ…)
リレアは心の中で、逃亡の算段を必死に考える。
だが、頭の中が、一瞬にして真っ白に塗りつぶされてしまっては、考えも巧く纏まらない。

お願いだから、聞き間違いであって欲しい…。
自分の勘違いであって欲しい…。
お願いだから…。

リレアは、そう祈る様に、そして自分に言い聞かせる様に、心の中で、何度も何度も繰り返し呟く。
額や掌からは、嫌な汗が滲み、日差しは麗らかで、気候的には寒くは無い筈なのに、悪心から来ているであろう、
震えが勝手に全身を包み、止まらない。
目線は完全に明後日の方向へと泳ぎ、動揺を如実に現していた。
490かくれんぼ 4/16:2011/04/09(土) 01:16:42.76 ID:W88Iud0+
「ク…ク…クラ…シス兄…様っ…?」
そのまま振り返ると、リレアは、完全に恐怖の覚めやらぬ唇で、声の主であろう、人物の名を紡ぐ。
必死に、咽喉奥から声を絞り出そうとはするが、リレアの思い通りには行かず、吃り、上擦って震えた。
「ふふっ…リレアみーつけた…」
その声の主が、台詞と同時にリレアの眼前に現れ、親しげに彼女の名を呼べば、
彼の持つ、金糸の髪が風に揺れ、炎よりも鮮やかな紅玉(ルビー)の瞳が、真っ直ぐリレアを射抜く。
「ど…う…して…?」
眼前に現れた人物…即ちリレアの婚約者である『クラシス』へと、リレアがそう問い掛けると、
「どうしてって…そんなの決まっている…」
間髪も入れずに、クラシスは、そう返事をする。
「愛しい、キミを、迎えに来たんだよ?」
そして、次に視点定まらぬ表情を浮かべて言い放ち、リレアの腕を掴んで、身体ごと強引に引き寄せれば、その内に抱く。
服越しだが、確かに伝わる仄かな温もりと香りが、クラシスの心の不安を優しく取り除き、
彼は、無常の安寧を得た。

「やっと、やっと見つけた…僕の…僕だけのリレア…」
(ああ…この感触…温もり…間違いない…本物のリレアだ…)
クラシスは瞳を閉じて、そう心で呟けば、温もりを…存在を感じていたくて、リレアを強く強く、抱きしめる。
「い…いやっ…ク…ラシスっ兄様…放して…」
息も出来ぬ程、強く抱き締められたリレアは、抵抗する様に、擁かれているクラシスの腕の中で、身動ぎを繰り返す。
だが、クラシスは、その腕でがっちりとリレアを包み込んで、決して放そうとはしない。
「駄目、放さない」
リレアを見詰めてから、次に耳元で、クラシスは、甘く囁く…。
そして囁きがてらに、彼女の姿を確認すると、クラシスは、一度愁眉を寄せた。
「膝もそうだけど、ここも…怪我してるね」
指をつうう…っとリレアの耳朶に這わせると、葉が掠って付いたであろう切り傷を軽くなぞり、
ぷっくりと浮き出ている、彼女の紅を巧みに指へと絡め取れば、そのまま唇の中へと放り込む。
「ん…っ」
不意に耳に触れられて、リレアの身体が軽く跳ねた。
ぞわりと駆け上がる、言い知れぬ悪寒の様な、この感覚を忘れたくて、反射的に瞳を閉じる。
「僕が消毒してあげる…」
クラシスは序に、耳朶へと唇を寄せると、そのまま挟み込み、舌でその感触を楽しむ様に、リレアの治療を開始した。
リレアの流す、鉄を含んだ紅が、クラシスの寄せる唇の中へと、吸い込まれれば、やがて唾液と共に混じり合う。
彼は、それを充分味わい、咽喉を鳴らしてこくりと美味しそうに飲み込むと、彼女が残す、
鉄の甘やかな風味が、口の中へと広がった。
耳朶を舐められ、リレアが再びぴくりと、反応する。
「…に…さまっ…おね…がい…だから、やっ…め…」
空かさず否定の言葉を口にするが、クラシスの行為は一向に収まらない。
「や…あっ…」
弱々しい声を立て、リレアの肩口が、僅かに震え始めた…。
表情は、恐怖で僅かに引き攣り、心もそれに合わせ急激に冷めていく。
「やめっ…て…くだ…っさ…」
リレアは、瞳をぎゅっと閉じ、顔を背けると、か細い両腕を使って必死にもがく。
ぴちゃぴちゃと耳朶を舐める音も、生温かなクラシスの舌の感触も、、今のリレアにとっては、
恐怖の対象にしかならず、疲労で桜色へと染めた頬は、見る見る内に青ざめ、彼女の胸中に、
言い知れぬ、不安な感情だけが色濃く宿る。
491かくれんぼ 5/16:2011/04/09(土) 01:17:23.41 ID:W88Iud0+
クラシスは、暫く、味わっていた耳から、名残惜しそうにその唇を放すと、
「リレア…僕の、僕だけのリレア…キミだけだ…キミだけなんだ…」
次に、リレアの新緑にも似た、長い髪の一房を優しく指に絡め取ってから、軽く口付けを落とし、
「キミだけが、こんなにも、僕の心を、狂おしく掻き乱し、惑わし、そして、救ってくれる」
再び耳元で、囁き呟けば、クラシスは慈しむ様な、艶笑を浮かべた。
「………!」
囁かれて言葉を失くし、リレアが僅かに硬直する。
表情は更に恐怖で引き攣り、じわりと滲み出た冷や汗が、不快な感触となって背筋を伝う。
「大好きだよ…リレア…愛してる」
クラシスがリレアへと捧げ、紡がれ続ける愛の言葉は、一筋の糸となって、リレアの心へと、
巧みに潜り込めば、その中枢を恐怖で絡めとり離さない…。
だが、その糸を断ち切らない限り、リレアに自由は無く、その自由を得んが為に、彼女は行動を起こす事にした。
絡め取られている糸を、断ち切ることは容易なことではないが、これで、もう、リレアの心は揺るがない。
「わ…っわ、私…は…っ」
必死に紡ぐ、自分にとって救いになる筈の台詞が、緊張で吃り上擦る。
唇が震えて止まらない。
「今の、クラシス兄様なんて、嫌いです」
やっとの事でクラシスの腕を振り解き、一歩後退すると、リレアは真剣な表情で彼を見詰め、言い放つ。
もう、言葉にしたのだから、取り消せないし、取り消すつもりなんて無いと改めて、リレアは思う。
「だから絶対に妻には、なれませんし、集落に帰るつもりもありません…!」
リレアは、纏う衣服をぎゅっと握り締め、勇気を振り絞って、クラシスに向かい、尚も必死に思いの丈をぶちまけた。
「妻…?ああ…結婚の事ならもう、しなくても良いよ」
リレアの台詞を聞いて、クラシスは、「何だそんな事か…」と心で付け足して、軽くあしらう様に嘲笑する。
クラシス自身、あれ程拘っていたリレアとの婚礼だったが、実際の所、それは彼女を手に入れる為の、
一つの手段でしか無い事に気付き、その形式に拘る必要は無いと、改めて思う。

無論、花嫁姿を見てみたい欲望はあるが、リレアを手中に収めてしまえれば、後から如何とでもなるだろうし、
これからの人生を、二人で共に過ごし、歩めれば、クラシスは、もう何でも良かったのだ。

「クラシス兄様…解って戴けたんですね!」
初めて理解を示す様なクラシスの言葉に、リレアの心は酷く安堵した。
(嬉しいな、これで私は、本当の意味で、自由になれる気がする)
心は暗雲から、晴天へと変わり、穏やかな気持ちが徐々に彼女を包む。
「…ですから、お願いします…」
リレアは、今、自分の感じる正直な気持ちの全てを、クラシスへと伝える事にした。
(今のクラシス兄様なら、解ってくれるかも…)
そんな、根拠の無い愚鈍にも似た淡い希望が、リレアの背中を僅かに後押しする。
「もう私の事なんて、諦めて忘れてくださ…」
「だって、妻になんかならなくても、リレアの全ては僕のモノって最初から、決まっている事だし」
だが、リレアの台詞を途中で遮って、クラシスが、更に彼女を叩き落すための言葉を、口走った。
「それに、僕達、これからずっと、ずっと死ぬまで一緒に暮らすんだから…ね?」
焦点の合っていない、虚ろな瞳を辺りに漂わせるクラシスの口角が、弧を描いて醜く歪むのを間近で見て、
やっと穏やかになりつつあったリレアの心に、暗雲が立ち込め始める。
492かくれんぼ 6/16:2011/04/09(土) 01:17:54.54 ID:W88Iud0+
「…え…何を言って…る…んですか…?」
その台詞を聞いたリレアの表情が、若干硬くなる。
「お願いですから、ちゃんと、私の話を…!」
クラシスを説得しようと、リレアは、真剣に彼を見詰め、語り掛ける。
「聞いてるよ…?」
優しい視線を、リレアへと向けると笑い、クラシスは答える。
「だったら…私の言っている事が…」
「うん…解ってる」
そう頷いて、リレアに向かい呟けば、間髪入れずに、
「そうか…嫌いになるまで、リレアは、僕の事を想っていてくれてたんだ」
(愛憎の感情と言うのは常に表裏一体だと言うし)
クラシスは、そう語りつつ、脳内でリレアから送られた言葉の意味を操作する。
「嬉しいな…」
(だから、先程のは、リレアが僕に与えてくれる、愛情の裏返し…と言う奴なんだ)
リレアの語る言葉は、クラシスの脳内で全て操作され、完全に真逆の意味へと、変化を果たす。
彼女が否定の言葉を幾ら紡いでも、それはもう、彼の中では意味を成さない。
「…私、そんな意味で言ったんじゃないんです…!」
クラシスの言葉を否定する為、声を張り上げ、頭を横に振れば、自ら纏う僧衣の胸辺りを、軽く掴んで、
「確かに昔は尊敬してましたし、憧れていました…でも、今のクラシス兄様は………!」
感極まったのか、瞳にうっすらと涙を浮かべ、リレアは訴える。
「今の僕は…何?」
クラシスは、その先の言葉が気になり、聞き返す。
「…どうして…どうして、変わってしまわれたんですか?昔はあんなに優しかったのに…」
リレアは、お互い、なるべく傷付け合わずにすむ様に言葉を選び、慎重に彼へと伝えた。
「ねえ…リレア…覚えている…?昔の事」
リレアの問いに答えるべく、遠くに視線を漂わせ、クラシスはぽつりと昔語りを始める。
「昔キミは、その能力で以て、僕を助けてくれたよね…?」
胸を焦がす様な、愛しいリレアへの熱情を、消さない様自らの掌で優しく覆い隠し、
「あの時程、キミの存在が、こんなにも尊く、そして愛しいものだと思ったことは無かった…」
瞳を軽く閉じれば、そう呟いて、
「『初めて』を僕にくれた時、僕の中にキミとの繋がりを、はっきりと認識することが出来たよ」
嬉しそうに表情を弛めれば、クラシスは語る。
「そんな…初めてだなんて、誤解を招く様な言い方、しないで下さい…!」
クラシスから投げかけられた言葉に、リレアは、慌てて言葉を重ねる。

あの時の事が、クラシスの脳裏を過ぎる。
それは、リレアにとって生涯忘れえぬ最悪な日であり、彼女が彼女として生きられなくなってしまった、原因の日。

図らずも彼女がその身に宿す、能力の恩恵を…祝福を、一番最初に…文字通り『初めて』自らの身で体験したからこそ、
特別な感情を抱くのは無理も無く、この出来事が切っ掛けで、クラシスは、心に眠るリレアへの想いを自覚するに至ったのだ。
493かくれんぼ 7/16:2011/04/09(土) 01:18:25.04 ID:W88Iud0+
「でも、そのお陰で、僕は、こうして、真実の愛を知る事が出来たんだから…」
リレアを熱く見詰めれば、クラシスは、何処までも優しく微笑む。
祝福を受けた、その後、彼は、自らを『神子の騎士』と勝手に名乗り、護衛と称し彼女に四六時中付き纏う事となる。
その付き纏い方…否、愛し方は、病的な程過剰なもので、昔のクラシスを誰よりも良く知り、
彼の事が好きだったリレアは、劇的な態度の変化に、当時酷く戸惑ったのを、今でもはっきりと覚えている。
「は…はぐらかさないで、真面目に…」
優しく微笑むクラシスに、好きだった頃の、彼の面影が刹那的に重なり、リレアは思わず、頬を紅に染め上げた。
「それに、前にも言いましたけれど、あ…あれは、完全に不可抗力だったんです…!」
その幻影を振り払う為に、必死に否定の言葉を積み重ねれば、
「と…兎に角、私は、クラシス兄様と一緒に、集落に帰るつもりはありません・・・!」
成るべく顔を見ない様に背け、焦りつつリレアは、思いを告げる。
やはり、クラシスが何を言っても、今のリレアには、帰るつもりなど毛微塵ほども無い。
「ああ、そうだ…一つ言い忘れてたけど、集落には、もう、帰らなくても良いんだよ…?」
そんなリレアの頬を、慈しむ様に撫で、
「正確に言えば、『帰れない』…の方が正しい、かな?」
瞳を細めると、意味深にクラシスは、言葉を紡ぐ。
「帰れない…って、どう言う…?」
リレアは、彼の言葉が気になり、答えを求め、彼へと問い掛ける。
瞬時に感じる嫌な予感が、彼女の胸中を幾重にもざわつかせた。
「キミの居ないあんな場所なんか、もうなんの価値も無い…だから」
柔らかく、それでいて穏やかに笑い、
「キミが居なくなった次の日の朝に、僕が全部、跡形も無く『壊して』きたんだ」
クラシスは自らの犯してきた罪を、褒めて欲しくて、嬉しそうに告白する。
曇りの一切混じらぬその笑顔は、傍から見ても、ゾッとするような美しさと共に、何処か人事の様な、
冷めた雰囲気を醸し出しており、心にある、語り切れぬ何かが、彼の心を支配しているだろう事は、容易に想像が付く。
「そ、そんな、う…うそ…ですよ…ね…?クラシス…にい…さま…」
クラシスが言い放つその言葉に、リレアの心は激しく動揺する。
動揺から来る身体の変調によって、軽い耳鳴りと共に、血の気が一気に引き、足元が覚束ない。
喩えるなら、砂浜の波打ち際に、素足で立っている様な感覚に近く、何時足元を掬われ、崩れ落ちるのか、
と言った、漠然たる不安が、彼女の胸中へと飛来し、巣食う。
「僕は、リレアの前で嘘なんか、絶対に付かないよ?」
「疑うなんて酷いなぁ…」と後から付け足して、屈託のない笑みを浮かべれば、クラシスが答える。
「わ…私は、そんな言葉、信じません…!」
珍しく声を荒げ、リレアが反論を示す。
虚偽一切が判らぬ中、クラシスの語る事柄が余りにも重く、リレアは、中々その事を信じられないでいた。
「本当かどうか、僕の姿をきちんと見れば、直ぐに判ると思うけど?」
含み笑いを浮かべたクラシスが、リレアに向かい、自信たっぷりにそう、放言する。
「………」
リレアは、半ば、祈る様な思いで、集落に住む人達の安否を願うと、真実かどうかを確認する為に、
恐る恐るクラシスの容貌を、その瞳に映す。
「…これで、信じてもらえたかな?」
リレアを見詰め、溜息を吐き捨て、クラシスは言いのける。
確かに彼の纏う白い外套には、どうやら剣を拭った際に付いた返り血らしい、赤黒い染みの様なモノが、
あちらこちらに、べっとりとこびり付いており、リレアが無い知恵を絞り、幾ら考えても、最終的にはクラシスの供述を、
裏付ける結果に合点が行き、集約されてしまう。
494かくれんぼ 8/16:2011/04/09(土) 01:18:56.39 ID:W88Iud0+
「う…うそ…嘘…そんなの、そんな事信じたくないです…!」
リレアはクラシスを見詰めれば、ありったけの声量で叫ぶ。
心の中では、即時に、両親や集落の皆の安否等、様々な思いが錯綜するが、思考が中々、追い付いて来ない。
「未だ疑うんなら、剣も見せようか…?」
少しむっとした表情で、クラシスは、そう言い返すと、腰に差すバスタード・ソードを、得意気に鞘から、抜く。
抜く際にシャキンと言う、小気味の良い音が、辺りに響いた。
次に、クラシスは、簡単に拭取ってはいるが、人の流す赤黒いソレと、脂の入り混じったモノが浮く、
剣身をリレアへと見せ付ける。
「…どう、これでも信じない?」
狩りを覚えたての獣が、初めての狩りを終え、戦利品を皆に褒めて欲しくて、
見せびらかす様な…そんな自信に満ち溢れ、期待で顔を綻ばせた、クラシスが、言う。

リレアは、怖い気持ちを押し殺し、恐る恐るその剣を凝視すると、握りや、鍔の部分にも、
多少ではあるが、入り混じるモノが、こびり付き、飛散しているのが確認出来た。

「い…いや…いや…いやあぁぁぁっ!」
襲い来る現実と感情とのズレにより、半狂乱になって、リレアは頭を過振りすれば、よろよろと一、二歩程後ずさる。
上半身を支える腰は、その場で抜ける様に力を失い、そのままの格好で、ずるずるへたり込んでしまう。
「来ないで…来ないでえぇぇっ!や…やだぁ…っ」
儘ならない身体を引き摺らんが如く、元来余り無いであろう、腕の力を必死に使い、
リレアはクラシスとの距離を取ろうと、尚も逃げ惑う。
逃げ惑い、引き摺る手足に、無数の擦り傷が刻まれて行くが、今の彼女には、その痛覚さえ感じない。
先程摂取した水分しか含まぬ、胃の中からは、熱いモノが徐々に込み上げて来て、その都度胸を焼き焦がす。
吐き気に苛まれながらも、クラシスの外套を染め上げている、赤黒いソレに、剣に浮かんだ脂の中に、
自分の友人や、知り合いのモノが、どれ位、混じっているのだろう…?と、リレアは反射的に想像してしまう。
余り熟考に沈みたくは無いが、その中には、自分の両親のモノやら、クラシスの祖父のモノが含まれているかも知れないと、
ほんの少しでも思惟するだけで、彼女の精神は、どうにかなってしまいそうだった。
「あははっ…変なリレア」
そこら辺に剣を投げ捨てれば、視線を辺りに漂わせ、けらけらと、クラシスは愉しそうに笑う。
「やっ…こ、来ないでえぇぇぇっ…」
慄然とした表情で、リレアは、逃げ道を探す。
だが、背後へと存在する樹に行く手を阻まれ、逃げる事は叶わない。
「全てキミの為にやった事なのに、どうしてそんな事言うの…?」
訳が判らないと言った面持ちで、クラシスは、リレアを視線で捉え、一歩又一歩とにじり寄り、次第に距離を詰めて行く。
「僕はね…リレア、全ての汚い物から、唯、キミを護りたいんだ…」
光を宿さぬ瞳を漂わせ、クラシスは呟く。
「だからって…こんな事、許されて良い筈がないです…!」
クラシスに対する怒りと、憎しみ、そして言い知れぬ悲哀に似た感情が、綯い交ぜになって入り混じり、
リレアの精神は、動揺を隠せない。
「何でそんな酷い事をしても、クラシス兄様は、平気でいられるんですか…!!」
胸の奥に宿る、遣る瀬無い思いが、リレアの心を支配する。
上ずる声で、リレアは、精一杯の罵声をクラシスへと浴びせた。
495かくれんぼ 9/16:2011/04/09(土) 01:19:25.97 ID:W88Iud0+
「リレアだって、心の底では、それを望んでいた筈だよ…」
心外だと言わんばかりの表情を浮かべ、追い付いたリレアの前へ立ちはだかれば、一瞬、仄暗い表情を浮かべて見下ろし、
「だって、リレアは、僕の愛を試すために…」
しゃがみ込んで、リレアの頬へと優しく触れる。
「僕に、こうして全てを『壊して』欲しくて、僕の前から姿を消した…そうだよね?」
と、間髪入れずに、慈愛に満ちた笑みを浮かべ、クラシスが甘ったるく囁く。
「そ…そんな事…私、望んで…っ!」
そこまで言って、リレアは、はっと気付く。
「もしかして…わ…私が、逃げた…所為、なんです…か…?」
声を搾り出す様にして、続けてリレアが呟く…。
クラシスは、その問いに、よく出来ましたと、にっこり笑って答え、嬉しそうに軽く頷く。
知りたくなかった答えを、知ってしまったリレアは頭を抱え、ぎゅっと強く瞳を閉じる。
閉じた途端に、その瞳から大粒の涙が一筋、零れ落ちた。
「あっ…あ…ああああああぁぁぁぁぁぁっ…」
声が嗄れそうな程、泣き崩れながら、リレアは、心の中で、
(お父様、お母様、皆…ごめんなさい…)
何度も何度も繰り返し、届かぬ謝罪の意を口にする。
(全部、全部、私の所為…私がクラシス兄様を、拒絶したから…)
そう再び心の中で呟けば、尚も、リレアは思い悩む。
(私っ…私…逃げなければ良かった…)
自分の引き起こした、短絡的な行動の所為で、両親や、罪の無い集落の皆が、無慈悲にも、
死門に追い遣られてしまったと言う、自責の念が、リレアを蝕んで、追い立て続けた。
(そうすれば、誰も死なずに済んだのに…)
悔しい思いが、後から後から溢れて来て、その都度、彼女の瞳を涙で曇らせる。
そんな状態のリレアを、クラシスは、人を殺めたその腕(かいな)へと、再び抱けば、涙を指で優しく拭ってやり、
「優しいね…リレアは、罪を感じることなんて、何も無いのに」
微笑んで、思っている事を、包み隠さず切言した。
「悪いのは、リレアの苦しみを理解しなかった、あいつ等の方なんだから…」
さも、『自分だけはリレアの苦しみを、全てを解っているんだ』と言った面持ちで、声色で、
クラシスは台詞を吐き捨てる。
「…な…なん…で…どうしてそんな…」
リレアはすっかりと憔悴しきり、弱々しく声を落とせば、怯えた表情で、彼を覗き込む。
「何の罪も無い小さな子供だって、居た筈なのに…」
心を蝕む、施しようの無い悲しみが、痛みとなってリレアを内側から苛んだ。
「それに、集落の皆が皆、悪いって訳じゃ…」
泣き腫らした眼で、クラシスを見詰め、呟くとリレアは直ぐに項垂れた。
「何でリレアは、そんなに、あいつ等の事を気に掛けるの…?」
リレアの台詞に、ざわり…とクラシスの心が、波風を立てる。
「キミの能力に寄生し暴利を貪る、只のろくでなしに成り下がった、あいつ等とは違って」
理解しがたいと言った表情で、クラシスは、矢継ぎ早に、尚も、荒々しく言葉を紡ぐ。
「あいつ等に虐げられた、謂わば犠牲者…なんだよ?キミは…」
次に、リレアの肩を強く掴んで揺さぶれば、クラシスが吼え立てる。
「それを折角、僕が救ってあげたのに…」
強く掴まれて、彼女の柔らかな肌に、彼の爪が強く食い込む。
496かくれんぼ 10/16:2011/04/09(土) 01:20:02.64 ID:W88Iud0+
リレアが逃げ出した当時、翌朝には、集落では捜索隊が既に結成されていた。
貴重な金蔓が消えたのだから、皆は躍起になって、探し出そうとしていたのだが、
何故かクラシスは、それに加わろうとはしなかった。
彼女の信頼と、愛を得るのは自分だけで良いし、もし、万が一にでも、他の連中が自分より先に、
彼女を見付けてしまったら…。
そんな恐怖と不安が、彼の精神を悪戯に逆撫で、犯す。
それを全て薙ぎ払う為に、彼は、彼女に媚び諂い、彼女の優しさを集団で貪る、気に食わない集落の連中を、
血祭りに上げる形で、全て排除してきた。
あんなに尊敬していた祖父を、虫けらの如く簡単に殺め、許しを請う彼女の両親をも手に掛けた。
その手は血に塗れ、どんなに洗い流したとしても、怨念が染み付き、綺麗になる事は決して無いだろう。

「何で?何でなんだ」
その表情は、狂気そのもので、どう見ても気が触れているのではないか?としか言い様が無く、
クラシスのそんな様子に、リレアは更に竦み上がり、痛みに耐える。
「クラシ…ス…にい…さま、い…痛い…っ…」
痛みに耐えかね、リレアが苦悶する。
苦悶する、彼女に気付かず、クラシスは、思うが侭爪を食い込ませ、リレアの肩口に傷痕を刻む。
薄っすらと血の滲んだ肩口には、半月の形をした紅い印が残り、当分消えそうも無い。
「解らない…僕には解らないよ…」
虚ろな視線を漂わせ、クラシスは、頭を抱え、独り言の様に呟きを漏らす。
「リレアをあんな狭い霊廟に閉じ込め、苦しめた奴等なのに」
クラシスは、徐々に声を荒げ、そこまで早口で語ると、
「それに、あいつ等全員、キミの事を、金儲けの道具としてしか見てなかったんだよ!」
少しでも解って貰う為に言葉を荒げ、捲し立てれば、彼は尚も、リレアへと詰め寄った。
「死んで当然…だって、リレアは思わないのか!?」
両の拳を強く握り締めると、尚も、自分の言っている事が正論だと主張する。
主張すればする程、胸の中に、もやもやとする不快な感覚が巣を作り、やがてクラシスを苛む。
彼自身、少しでも早く、この感覚を、唾棄したかったし、折角彼女の為に全て壊してきたのに、
肝心のリレアが、自分を褒めてくれない事に対する不満で、無性に腹を立てる。
「でも…それでも…です…っ」
詰め寄られた事に、恐怖を感じながらも、今度は、クラシスを真剣に見詰め、
「それでも、どんな事があっても」
大きく息を吸って、
「簡単に人を傷付け、殺しても良いと言う理由には、絶対になりませんっ!」
リレアが声を荒げ、啖呵を切る。
「それに、私が逃げた所為と言われるのなら」
鬱積した思いが爆発したのか、尚も、捲くし立てる様に、リレアは喋り続けた。
「何も告げずに逃げ出してしまった私にも、責任があります」
そして、クラシスを毅然とした態度で、見詰め、そこまで言い切る。
497かくれんぼ 11/16:2011/04/09(土) 01:21:06.36 ID:W88Iud0+
「そう…そうだ、そうだよ…勝手に逃げ出した、リレアが悪いんだ…」
クラシスは、仄暗い感情が篭る瞳を、辺りに漂わせればリレアを見据え、
「僕は唯、キミと一緒に居たいだけなのに…」
独り言の様に、ぶつぶつと呟くと、
「何も言わずに姿を消して、僕はとても、傷付いたんだよ」
自らの精神を追い詰め、悪戯に精神を掻き乱す。
「キミに傷付けられ抉られた、僕のこの心が痛みを訴え、啼くんだ」
一歩、又一歩と彼女に迫る。
クラシスに迫られ、リレアはじりじりと逃げ場を探す…。
…が、背中へと樹が当たり、完全に逃げ場を失ってしまう。
(どうしよう…もう、逃げられない…)
リレアの胸中は、焦りの色を隠せない。
心臓は、早鐘を打ち続け、冷や汗が背筋を凍らせる。
「痛い、痛いって…」
彼は、そう言いつつ、リレアが逃げない様に、覆い被さる形で一度樹へと両手を付く。
「いっ…いや…放し…てっ」
そして、嫌がるリレアの手を無理矢理取れば、自らの心臓へ取ったその手を宛がい、
「僕の受けた心の痛みが、キミに解るかい?」
悲痛な面持ちをし、自らが受けた心の傷を、少しでも解ってもらう為に声を荒げる。
「解りません…解る筈が無いです…」
リレアは、自分の纏う僧衣の一部を握り締めて、小声で呟く。
「確かに、真実を知った時は、愕然としましたし、とても悲しかった…」
そこまで語ると、引き裂かれる様な痛みが、リレアの心を支配する。
「でも、それでも、誰かを傷付け殺すなんて…やっぱり、間違ってます!」
瞳に涙を浮かべて、クラシスを真正面から見据え、真剣な表情で、言葉を紡ぐ。
「だって、これは私個人の問題で」
声色を下げれば、ゆっくりと搾り出す様に、リレアは語りだす。
「本来だったら、私が一人で解決しなくちゃいけない事…だったんです!」
(そうだ…クラシス兄様の事も含めて、全部一人で立ち向かわなくちゃいけなかったのに…)
自らに言い聞かせるが如く、自分の犯してしまったであろう過ちを曝け出し、
「それを、全て放棄して私は一人、逃げ出してしまった…」
(その所為で皆は…)
瞳に、後悔の念を宿して俯けば、涙を零し、自らの顔を、両手で覆い隠して、
「だから、責められるべきは、自分であって、決して集落の皆じゃないんです…」
(ごめんなさい…本当に…ごめんなさい…)
リレアは、同時に心で慟哭すれば、そう言葉を詰まらせる。
どんなに酷い仕打ちを受けようとも、結局自分は故郷に居た皆の事を、憎悪の感情を向ける程、
嫌いにはなれないのだと、リレアは後悔と共に、こうして思い知る事となった。
「…ぜだ…なぜ、何故、庇う…?」
だが、彼女の告解の言葉を聞いても、彼の嘆きや苛立ちは、一向に収まらず、
寧ろ悪化の一歩を辿っており、傍から見れば、その姿はまるで、母親の言うことを聞かない、
駄々っ子の様にも見えてしまう。
「どうして…僕の愛が伝わらない…」
中々伝わらない想いに、小声で呟いて、リレアを見詰めれば、
「どうして、どうして、解ってくれないんだ!?」
次にそう、煩い程、クラシスが捲し立てる。
498かくれんぼ 12/16:2011/04/09(土) 01:21:40.90 ID:W88Iud0+
(ああ、面白くない、面白くない、面白くない…)
リレアとの度重なる会話によって、クラシスの心の中には、どす黒い闇の様なモノだけが溜まっていく。
彼女が、集落の皆を庇い立てする様な態度が、クラシスには癪に障って仕方が無いのだ。
「わ…解りません…!」
クラシスを細腕で、押し退けて拒み、リレアが放言する。
「私の話を、まともに聴いて頂けない、クラシス兄様の事なんて、解りたくもありません!」
会話は、平行線を辿り、これ以上の解決など望めそうに無いと、リレアは、悟る。

「おかしいな…僕のリレアは、そんな事絶対に言わない筈…なんだけど」
(ここまで言っても、何故、あいつ等を庇うんだ…?)
(もしや、あいつ等に弱みでも握られてて…)
(いや、その可能性は薄いな…)
(そういう事が起こらないように、僕がずっと護ってきたんだから)
(それに、あいつ等は、僕が殺してきたんだから、今更何の問題も無い筈だし…)
様々な思考が、クラシスの脳裏を掠める。
「ああ…そうか、そうなんだ」
その思考が、自分の中で合点したのか、そこまで言うと、
「あいつ等に誑かされて、余計な事を吹き込まれる内に、心が穢されてしまったんだね…」
心半ばで命を落とした、集落の皆へと、憎しみと蔑みの感情を込めた、そんな表情を一瞬浮かべた後、
「だからそんな事を言うんだね…」
悲哀に満ちた痛々しい顔をし、クラシスは、リレアをじっと見詰める。
「な…何を…?」
リレアは、クラシスの語る言葉の意味が良く解らない。
いや…解らない方が良いと、心の中にある何かが、強く警告を発する。
「でも、大丈夫だよ」
そう言って、懐から何かを弄れば、リレアにソレを見せ付ける。
クラシスが、懐から取り出した、ソレは、玻璃細工の小瓶…であった。
細やかな宝飾が施されている、その小瓶の中には、紫色した液体が、並々と詰まっており、
見た目にも、禍々しい雰囲気が漂う。
「これで、リレアの―― に張り付いた穢れを、取り除いてあげるからね…?」
まるで、この後の展開を、示唆するかのように、ざあぁ…と一斉に木々がざわめく。
クラシスの言う、『―― に張り付いた』の部分が良く聞き取れず、リレアは困惑を隠せない。
「え…?何て…」
リレアは、その台詞が気になり、聞き返そうとする。
「………」
だが、クラシスは答えない。
答えの代わりに、硝子の蓋を開け中身を一気に呷ると、瓶を辺りに投げ捨て、リレアの腕を付かんで引き寄せる。
投げ捨てられた瓶は、近くの岩へと当たって、見るも無残に砕け散った。
リレアは、その砕け散る玻璃の小瓶と、自分とを一瞬重ね合わせてしまい、無意識に身体を硬直させる。
「やっ…クラシス兄…様…っ!」
そして、無理矢理唇を重ね合わせると、口に含んだ液体を、リレアの口膣の中へと、ゆっくり移していった。
499かくれんぼ 13/16:2011/04/09(土) 01:22:12.67 ID:W88Iud0+
「んっ…」
口付けされ、リレアは、一瞬大きく目を見開く。
なるべく口を閉ざそうと、抵抗を試みるが、彼がそれを許さない。
巧みに滑り込んだクラシスの舌が、リレアの舌を捕らえてなぞれば、互いの唾液と、液体が、口の中で混ざり合う。
「ん…ふっ…」
リレアは、その刺激に戦慄しながら、何とかしようと色々試みるが、頭を抱える様に、押さえつけられていては、
逃げる事さえ敵わない。
これを飲んだら絶対に駄目だ…と、リレアの脳は警告する。
だが、息もさせては貰えない程に、強く口膣内を犯されては、それも儘ならず、酸素を得るためには、
その液体を全て吐き出すか、不本意だが飲み込むしか、他の術はない。
(嫌…絶対に嫌…絶対に飲みたくない…)
リレアは、瞳に涙を湛え、心で叫びながら、只管苦しみに耐え続けた。
「んぅっ…」
唇より、互いの唾液が入り混じるモノが溢れて、端から零れ落ちる。

このまま全部、毀れ落ちて流れて行って欲しい…と、リレアは切に願う。
そうすれば、全て飲み込まなくて済むし、もし、飲み込んだとしても、軽度の被害で済むだろう。
この薬の効能が判らない今、リレアに出来る精一杯の防衛策は、これしかない。

「駄目だよ…ちゃんと全部、飲んでくれなきゃ」
そんなリレアを見透かしたのか、唇を解放させ、嘲笑うかの様に、クラシスが囁く。
「まあ、無理に飲みたくなければ、それでも良いけど」
リレアの背中には、何時の間にか、小型の短剣らしきものが、抜き身の状態であてられており、
彼女の体中に緊張が走る。
「でも、飲まなければ…解ってるよね?」
目を細め、口元を歪ませ、クラシスはあからさまにリレアを脅す。
溢れ出る、嫌な冷や汗が、不快な感覚を纏って、リレアの背筋を伝い落ちる。
「これは、キミの為…なんだから」
薄く笑い、クラシスは再び耳元で囁く。
これでもう、吐き出すと言う選択は、完全にリレアの中から排除される事となった。
飲まないでクラシスに刺されるか、飲んでどうにかなるしかないと言う、二つに一つの選択を、
リレアは今、選ばねばならない。
(嫌…絶対飲みたくない…)
(でも、飲まなかったら…)
(脅しに屈して、飲むくらいなら、ここで潔く、クラシス兄様に刺された方が…)
(それで、命を散らせてしまった皆の魂が、少しでも安らげるなら、その方が良いよね)
色々な事が、脳裏を掠めていくが、リレアの意思は、固かった。
自分の意思を枉げてまで、クラシスに屈したくは無い気持ちが、僅かに勝る。
(父様、母様…待っていて下さいね…もう直ぐ、お側に参りますから…)
リレアは、そう心で呟くと、瞳を閉じて、死門に立つ覚悟を決めた。

―――― だが、前者の選択を許す程、クラシスは甘く無い。

「飲むのが、怖いんだね…だったら…」
新緑に似た、リレアの髪を強く掴むと、無理矢理後ろへと引っ張る。
「僕が飲ませてあげる…」
意図も簡単に引っ張られて、顔だけが天を仰ぐ形にさせられた、リレアの瞳に薄っすらと、痛みの涙が浮かぶ。
選択の余地さえ与えては貰えない事実が、更に彼女を苦しめる。
それ程迄に、クラシスの心は、余裕が無く、他に何を仕出かすか判らない程、追い詰められていたのだ。
500かくれんぼ 14/16:2011/04/09(土) 01:22:43.13 ID:W88Iud0+
「ねえ、リレア、知ってた?」
クラシスは、薄く笑ってリレアの咽喉元へと、自らの人差し指を、頤を通じ、鎖骨迄軽く這わせれば、
「こうすると、ほら…自然に咽喉奥へと入っていくんだよ…」
そう、嬉しそうに耳元で囁く。
「不思議…だよね」
咽喉元触れられて、ふるりとリレアが震えた。
クラシスの冷たい指先が、彼女の体温を奪っていく。
「………!」
与えられたその感覚に、リレアは軽い戦慄を覚える。
確かにクラシスの言うとおり、指を這わせる事により、自らの意思とは関係なく、咽頭が僅かに跳ねて鳴り、
薬の入り混じった唾液が食道を通り、胃の中へと落ちて行く、そんな感触が、
僅かな違和感と共に、咽喉奥を駆け抜ける。
飲み終えて、薬の持つ、仄かに甘く、苦い味が、舌を通じ、次第にリレアの鼻から抜け落ちた。
「うん…ちゃんと飲めたね」
良く出来ましたと、語尾に付け足して、クラシスは、掴んでいた髪を解放させ、優しくリレアの頭を撫でては、
熱っぽく見詰める。
指からさらさらと流れ落ちる、その感触がクラシスには堪らない。
「ごほっ…ごほっ…」
無理に飲まされ、二〜三度、喘ぎ、リレアが強く咳き込めば、咽喉の奥に僅かな痛みが残り、
瞳には、息苦しさ故の涙がじわりと浮かぶ。
「はぁ…はぁ…はぁ…」
肺に入る空気が、ゆっくり満たされると、呼吸を整える為、リレアは、一つ二つと大きく息を吐く。

「なっ…なに…この…薬…変にあま…い!?」
薬が持つ余りの甘さに吃驚したのか、やっと呼吸の落ち着いたリレアが呟いた。
じわり、じわりと包む、妙な甘ったるさが、次第にリレアの体内に染み渡る。
飲まされてから数刻も経たないうちに、軽い眩暈の後、くらり…とリレアがよろめき、その場に蹲る。
身体がふらつき、立っている事さえ、今のリレアには、儘ならない。
「え…!?何…?…のど…が…あつ…いっ…」
咽喉を覆う、その甘さは、時と共にやがて牙を剥き、リレアを内側から、攻撃し始める。
じわじわと襲い来る甘い熱に焼かれ、犯された患部が感覚を失っていく。
(あ…あつ…いっ…咽喉が熱くて…それに意識…も…)
胸の鼓動が早くなり、身体中から、じっとりと嫌な汗が滲み出す。
咽喉奥の焼け付く様な痺れと共に、強烈な睡魔がリレアを襲った。
「………ぁぅ…っ…ぅぅぁぁぁっ…」
(…く、く…るしっ…いっ…だ…誰かたすけて…お願いだから、誰か水を…)
咽喉から、漏れ出る音が、声としての機能を、殆ど失っている事へと気付くのに、然程の時間は有さない。
ひゅうひゅうと、空気だけが、咽喉奥を捕らえ、悪戯に通り過ぎていく。
リレアの声帯はその機能を失い、新たに声を紡ぐ事すら出来なくなってしまったのだ。
「…ぁ…ぅぁぁぁっ…!」
(嘘…こ…声が…出ない…!)
リレアは、その事実に愕然となりながらも、咽喉を掻き毟る仕草をし、必死に届かない助けを呼び続ける。
501かくれんぼ 15/16:2011/04/09(土) 01:29:53.54 ID:W88Iud0+
「ぅぅっ…ぁぁぁぁっ…っぁぁ…」
(…どう…して…)
どくん…どくん…と脈打つ胸の鼓動は、どうやっても、焦りしか生まず、更にリレアを追い詰める結果に結びつく。
「…効いてきた様だね」
飲ませた薬が、効果を発揮したのがそんなに嬉しいのか、リレアを見据え、クラシスは微笑む。
「ぁぁっ…ぁっ…ぅぁぁぁっ」
遠くなる意識の中、リレアは、必死に、精神を建て直し、打開策を模索する。
だが、幾重にも襲い来る睡魔が、それを阻害する様、邪魔をし、逆に彼女を追い詰めた。
「苦しい…?でも、これで大丈夫…」
耳元で、クラシスが囁く。
「大丈夫。これで、キミは救われるし、もう、穢れない」
その囁きは、悪魔の如く甘美で、苦しみに喘ぐリレアを更に、絶望へと追いやる。
「本当…こういう時、リレア…キミの能力…と言うか、体質は不便だよね…」
ふふっと笑い、苦しみに喘ぐ、リレアを見詰め、優しい声色で言葉を紡ぐと、
「キミは、他人であればどんな病気や怪我も、その体液で簡単に癒し、穢れを祓う事が出来るけど」
リレアの能力を自分の事の様に、得意気になって、嬉しそうに話す。
「肝心の自分の事は全く、癒せないし、祓う事もできないんだからさ」
(だからこそ、ほっとけないし、僕が、しっかりと護ってあげなきゃいけないんだけどね…)
そう心で付けたし、全く…と言った面持ちで、
「いきなり声が出なくなって、今は未だ不安かも知れないけど…」
頭をあやす様に撫で、クラシスが囁く。
「穢れを完全に取り除いたら、又話せるようにしてあげるから」
今度は先程よりも、簡素な作りの小瓶を懐から取り出し、リレアへと見せ付ける。
液体の色は、薄い水色をしており、不思議と禍々しさは感じない。
「…この中身が、何か…なんて、言わなくても解っているよね?」
クラシスは小瓶に軽く口付けを落し、リレアを横目でちらりと見る。
「………!?」
(も…しかして…)
その中身が、解毒剤である事に気付くのに、リレアは然程の時間を有さなかった。
確証も無ければ断定も出来ないが、声を取り戻せるかも知れないと言う、淡い希望が、心を駆け巡る。
「そう…リレアの考えている通りの、モノ…だよ?」
クラシスは、僅かな希望の宿る、リレアの表情の変化を、決して見逃さない。
そう言って、小瓶を玩具の様に弄り、その様をリレアへと見せ付ける。
途中態と、蓋を開け、中身を全部零そうとしたり、掌から落とす仕草をし(実際には零したり、落としはしなかったが)、
彼女の注意を引く事も、忘れはしない。
「ぅ…ぁぁっ…っ…」
(ああ…クラシス兄様やめてっ…そんな事したら薬が…)
リレアは、咽喉奥にじわりと染み渡る、甘い熱に侵されながら、苦悶の表情を浮かべ、呟く。
今は、一刻も早く、焼け付き、痺れる咽喉と強烈に襲い来るこの眠気を、彼女自身どうにかしたかった。
呻きながらも、その小瓶を手に入れようと、必死に手を伸ばす。
「この薬が欲しい…?」
が、伸ばした手はクラシスによって意図も簡単に阻まれ、後もう少しの所で届かない。
「駄目だよ…今は、未だあげない」
クラシスは、その薬を大事に懐へと仕舞うと、愉しそうに相好を崩し、リレアを見詰める。
502かくれんぼ 16/16:2011/04/09(土) 01:30:34.16 ID:W88Iud0+
「だから…」
リレアへと言い聞かせる様に、台詞を奏でると、
「この薬を手に入れたければ…これ以上無駄な事なんて考えないで…」
今度は、ふわりと軽く、優しく抱き締め、
「良い子で、大人しくしてなくちゃ…ね?」
彼女の耳元へと甘く、囁きを落とす。
「………!!」
告げられ、リレアは、瞳を一度大きく見開く。
彼の言っている意味を一瞬で理解し、精神が暗闇に落ちて行く様な感覚が、リレアを襲う。

囁かれたソレは、クラシスからの忠告と取引きを意味していた。
裏を返せば、無駄な抵抗はせず、クラシスに従順であれば、リレアに声を返しても良いと言う、
強腕的な提言が、この発言の主旨であり、この条件を飲むも飲まないも、全ては、彼女の意思次第…なのだ。
即ち、声を取り戻したければ、彼に傅き、愛を捧げ、情けを請うしか他に手は無い。

所謂、リレアを屈服させる一つの手段として、クラシスは、彼女自身の声を、人質にする事を、無意識に思い付く。
一時的にとは言え、声を潰してしまいさえすれば、他に助けを呼ぶ事は、難しくなるだろうし、
自分に対しての、否定的な言葉を、聴かなくて済むだろうと、これも無意識下ではあるが、考えていた。

―――― 結果として、クラシスの目論みは、こうして成功を収めるに至る。

「…ぅぁぁ…ぁぁぅ…」
(駄目…駄目…駄目…ここで気を失っては…)
リレアは、襲い来る闇に閉ざされ、薄れ行く意識の中、涙で歪んだ視線の先へと存在する、クラシスを、
恐怖に引き攣った表情で見詰める。
「ぅ…ぁ…」
だが、ここで、遂に、リレアが限界を迎える事となった。
瞼が重くなり、身体が中々言う事を利いてはくれない。
クラシスの纏う外套を掴んだ手が緩み、空を切って徐々に、ずり落ちる。
力が抜け落ちていく感覚が、リレアを襲い、クラシスの腕の中で、今迄必死に持ち堪えてきた、
その意識を、一瞬にして、カクリと手放す。
クラシスは、崩れ落ちる彼女を、自らの腕で軽々と支え、
「これで、やっと全ての災厄から、キミを護ってあげられる…」
(これで、リレアは、僕のモノだ…他の誰にも渡しはしない)
同時に胸中にも呟きを落とし、リレアの頬に触れ、自らの腕の中で、眠ってしまった彼女を、
唯、狂おしい程に、熱い眼差しを向ければ、一度口付けを落とし、病的な笑みを浮かべた。

そして、そのまま、壊れ物を扱う様な手付きで、優しく横抱きにリレアを抱くと、
「おやすみ…リレア、良い夢を」
本人に届かない囁きを耳元に落とし、その侭森の奥へと消えて行く。

この後、目覚めたリレアを待ち受けるのは、無限の愛が燦々と降り注ぐ狂った天国か、暴力によって虐げられる地獄か…。
それは、意識を手放してしまった、今のリレア自身には判らない事であった。

〜END〜
503名無しさん@ピンキー:2011/04/09(土) 01:31:05.98 ID:W88Iud0+
今回の投下は以上になります。
ここまで読んでくださり有難う御座いました。
では神職人の降臨を待ちつつ再びROMに戻ります。
504名無しさん@ピンキー:2011/04/09(土) 01:41:40.42 ID:d/XkKKpO
>>503
GJ!!
リレアたんの聖女っぷりが
クラシス兄さんのヤンデレっぷりといい感じに合わさって萌える
続き待ってます
505名無しさん@ピンキー:2011/04/09(土) 03:42:28.07 ID:IuoBk7rG
クラシス兄様マジ酷いな(褒め言葉
リレアタンはペロペロしたいw
GJでした!!
506名無しさん@ピンキー:2011/04/09(土) 12:34:44.13 ID:Woc5b+vh
クラシス兄様マジこえぇぇぇぇぇ!!!!

乙、そしてGJ!
507名無しさん@ピンキー:2011/04/09(土) 15:57:36.02 ID:76Q3J4je
ヒャッハー!神の新作だァーッ
クラシス兄さんの言動の端々から滲み出る鬼畜の片鱗がシビれる憧れるッ
頑張れリレアさん!なるべく正気を保ってたっぷり可愛がられて下さいw
508名無しさん@ピンキー:2011/04/10(日) 17:41:10.62 ID:N4bA/Z2N
待ってた!!GJ!!
愛溢れる兄さんに折檻されるリレアが早く見たいww
509 忍法帖【Lv=2,xxxP】 :2011/04/11(月) 01:00:42.89 ID:HJKlfjxM
クラシス兄様に折檻されるリレアたんか……股間が熱くなるな……ゴクリ
510名無しさん@ピンキー:2011/04/12(火) 17:59:55.13 ID:nGUfEui7
弟子の女の子とかキオたんの続きとか新作とかも待ってる
511名無しさん@ピンキー:2011/04/17(日) 19:13:33.69 ID:FTYQiAwO
ストーカー監禁系男子の弟とごく普通に弟を可愛がっている姉の話
今回はエロありませんがいずれ近親相姦・暴力表現等バンバン出てくる予定
前半姉視点後半弟視点
無理そうだったら『ご褒美』でNGお願いします
512ご褒美 姉 1/3:2011/04/17(日) 19:15:56.88 ID:FTYQiAwO
「お姉ちゃん、助けて」
八年ぶりに再会した弟が助けを求めてきたのは去年の冬のことだった。
両親は八年前に離婚し、父は弟を、母は私を引き取った。
キャリアウーマンの忙しい母との生活は大変なことも多かったけれど、
母は再婚もせず、男を作ることもなく、娘の私のことを大切にしてくれ、
大学に進学し、一人暮らしを始める私を快く送り出してくれた。
八年間父と弟とは一度も会わなかった。
そういう決まりだったから。連絡さえ取らなかった。

一方ある日突然私の前に現れ助けを求めてきた弟の八年間は私とは真逆だった。
家庭的とはいえない父は弟に金だけ渡し、家には寄り付かなかった。
突然帰ってきたかと思えば、再婚相手となった若い女性を連れてきて、家に住まわせた。
それでも弟は頑張って、父と新しく母となった女性と仲良くしようとしたが、
父と義母との間に生まれた子供の誕生と、思春期を迎えた弟を父が持て余すようになり、
弟は居場所を無くし、家の中で孤立していった。

そこで弟が助けを求めてきたのは姉である私だった。
目の前に私よりも背の高くなった中学三年生の弟が現れた時は弟の成長に戸惑ったけれど
弟の話を聞くにつれ、やはり成長しても弟は私の弟のままで。
五つ年下の弟は私が守らなければ。
そんな強い気持ちで父との話し合いに臨み、結果私は春から高校に進学した弟と暮らしている。
513ご褒美 姉 2/3:2011/04/17(日) 19:19:53.45 ID:FTYQiAwO
梅雨もあけ、大学は夏休みに入り、弟が通う高校も明日から夏休みに入る。
「ただいま」
玄関を開けると家の奥からお味噌汁の匂いがこちらまで漂ってくる。
パンプスを脱いで、台所に顔を出すと、弟が眉を吊り上げて私を睨む。
「お姉ちゃん遅い!痴漢に襲われたらどうするんだよ」
「大丈夫だよ。今が一番日が長いときなんだから。ご飯とお味噌汁と煮物と魚?
 お惣菜買ってきたけど、これだけあったらいらなかったね」
弟と同居を始めてから弟は自発的に家事をしてくれている。
本当は弟にもっと甘えてほしいのだけれど、弟に怒られることの方が多く、姉として情けない。

夕食後、できた弟は通知表を私に差し出してきた。
期末テストの順位が良かったことも知っているので、私は特に心配することなく通知表を開いた。
5、5、5、5、5――。
良いとは知っていたけどほとんどオール5の通知表に目を丸くした。
「すごい。頑張ったね」
家庭環境が変わって、家事も頑張っていたのに、勉強も手を抜かなかった弟を心からすごいと思った。
弟は年相応の無邪気な笑顔を日焼けした顔に浮かべる。16歳といっても笑った顔は幼い。
514ご褒美 姉 3/3:2011/04/17(日) 19:22:12.32 ID:FTYQiAwO
「お姉ちゃん。俺、頑張ったよね?」
「もちろん。私が一番隼人が頑張ってたこと知ってるよ」
「あのさ、頑張った俺にご褒美くれる?」
「うん。いいよ。何が欲しい?携帯古いって言ってたから新しいの買ってあげようか?
 それともご飯食べに行こうか?焼肉でもしゃぶしゃぶでもお寿司でも、遠慮なく言ってみな」
弟はにこにこと笑って「明日」と答える。
「明日になったらお姉ちゃんに言うよ」
欲しいものがたくさんあるのかしら。
弟は今まで我侭が言えない環境にいたから、その分私が聞いてあげよう。
弟の頼みならどんな高いものも買ってあげよう。
なんて暢気なことを考えながら床についた。
515ご褒美 弟 1/3:2011/04/17(日) 19:23:49.57 ID:FTYQiAwO
八年前の秋、母と姉は去っていった。
どんなに俺が「一緒に連れて行ってくれ」と叫んでも、二人は一度も振り向かずに、タクシーに乗り込んで、遠くに行ってしまった。
それからは父と俺、そして時々やってくる祖母との生活が始まった。
家には帰らない父、母への恨み言しか言わない祖母。
小学校の低学年までは家に帰るのが辛くて仕方なかった。
確かに父と母が離婚する以前も両親は帰ってくるのが遅かった。
けれども家には母が作っていってくれたご飯と姉がいた。
お姉ちゃん。
そう、生まれてからずっと俺の側にはお姉ちゃんがいてくれた。
一緒の保育園に通い、小学校に上がってからはお姉ちゃんが迎えに来てくれた。
お腹が空いたときにご飯を温めてくれたのはお姉ちゃん。
熱を出したときに看病してくれたのもお姉ちゃん。
思い出の写真を撮ってくれたのもお姉ちゃん。
父もいらない。母もいらない。
だけどお姉ちゃんは俺には必要だった。
でも母にもお姉ちゃんにも会ってはいけないと俺は周りの大人たちにきつく言い聞かせられてきた。
お姉ちゃんに会うことも、連絡も取ることもできずに、お姉ちゃんに会いたいという気持ちだけが募っていった。
516ご褒美 弟 2/3:2011/04/17(日) 19:24:58.99 ID:FTYQiAwO
中学に入学した頃、父は若い女性と再婚した。
その頃から俺は頻繁に友達の家に泊まるようになり、その日も寝床を求めて久しぶりに母方の祖父母の家を訪れた。
母方の祖父母は温かく俺を迎え入れ、現在の母とお姉ちゃんの様子を教えてくれ、写真まで見せてくれた。
中学校に入学したお姉ちゃん、陸上部で大会に出たときのお姉ちゃん、中学を卒業したお姉ちゃん、高校に入学したお姉ちゃん。
年を重ねるごとにお姉ちゃんは活発で素直なところはそのままに女性らしくなっていく。
母に愛されて育っただろうお姉ちゃん。
同じ父と母から生まれたのに、こんなに俺達は境遇が違う。
お姉ちゃんだけずるい。
憎たらしい。
でも大好き。
月曜日には高校入学時の高校名からお姉ちゃんの高校を突き止めて、お姉ちゃんの高校の前でお姉ちゃんを待った。
下校する高校生の中からすらりと背の高いお姉ちゃんを見つけるのは簡単だった。
声をかけることはできなかった。
ただただお姉ちゃんの姿を目に焼き付けることに必死だった。
お姉ちゃんは高校三年生になったばかりだというのに週四日も予備校に通っていた。
予備校がない日もお友達とおしゃべりがてらコーヒーショップで参考書を開く。なんて勤勉なんだろう。
お母さんのようになりたいという夢に向かって一生懸命な男っ気が全くないお姉ちゃんを俺はいつも見守った。
隣の席に俺が座ってもお姉ちゃんは俺が弟だということに気がつかない。
そんな鈍感で、警戒心のないところも可愛くて。
お姉ちゃんは俺が守ってあげないと。
517ご褒美 弟 3/3:2011/04/17(日) 19:26:21.70 ID:FTYQiAwO
一年後、お姉ちゃんは大学に合格し一人暮らしを始めた。
女性の一人暮らしは危険だ。
高校の時よりもお姉ちゃんはお洒落になったからなおさらだ。
大学にも、サークルにも、バイト先にも男はいる。
さりげなく追い払ってはいるものの限界がある。
お姉ちゃんが誰とも接触しなければいいのに。
いや、もっといいのはお姉ちゃんが家から出なければいいのに。
ずっと俺の側にいればいいのに。
願ったところで、祈ったところで、叶うことがないことはそれまでの人生でわかりきっていた。
行動して、努力して、そうなるように仕向けなければ何も手に入らない。
思い立った日から俺は少しずつ少しずつ周りの状況を整えていった。
家の中で反抗的な態度で振る舞い、家族との溝を深め、お姉ちゃんに大学から程近い高校に通えるように勉強した。
最後に父との仲がどうしようもなくなった頃にお姉ちゃんに助けを求めた。
優しいお姉ちゃんならば俺を助けてくれる。現に助けてくれた。
アイツもお姉ちゃんに俺を押し付けた。
最終的にまんまと俺は楽園を手に入れ、計画は最終段階に突入した。
お姉ちゃんは俺だけのもの。
俺もお姉ちゃんだけのもの。
お姉ちゃんと二人だけの日々が今、始まった。

つづく
以上です
518名無しさん@ピンキー:2011/04/17(日) 21:57:19.35 ID:FWTtb6bq
>>511 GJ!!! 続きが楽しみです!
519名無しさん@ピンキー:2011/04/18(月) 00:18:21.99 ID:vqNLw7e9
>>517
GJです
弟の狂気に期待
520名無しさん@ピンキー:2011/04/18(月) 06:35:48.07 ID:cyuOtUz0
>>517
GJ
続き待ってる
521名無しさん@ピンキー:2011/04/18(月) 22:29:15.78 ID:8KuPw72f
豊作だね
522名無しさん@ピンキー:2011/04/20(水) 01:18:12.02 ID:fhzWTchW
投下に期待
523名無しさん@ピンキー:2011/04/25(月) 21:32:42.81 ID:wWJmURkD
続きが気になる作品多すぎる
524名無しさん@ピンキー:2011/04/26(火) 00:34:46.30 ID:2h5FZYmD
期待
525名無しさん@ピンキー:2011/04/30(土) 13:35:22.68 ID:AyuG8Wot
男ヤンデレの魅力とはなんぞや
526名無しさん@ピンキー:2011/04/30(土) 19:30:15.13 ID:RmckH41Y
狂気
527名無しさん@ピンキー:2011/04/30(土) 19:45:15.45 ID:vsr3f+LA
迸るような狂気で女を犯して欲しいな
ヤンデレ男に犯される女ハァハァ
528名無しさん@ピンキー:2011/04/30(土) 22:41:47.94 ID:pSY2VkuT
狂気。それに
犯される女の子もたまらん
ただの嫉妬から病んでいくのとか
んー…色々あるけどさ。単純に
はなれたくないとか、はなしたくないとかだったのが…みたいな
俺はそういうのが好きだな。上の方にあった、パッと見
のほほんとした夫婦かと思いきや
嫁を閉じ込めておきたい旦那の話みたいなのも好きだけど
529名無しさん@ピンキー:2011/05/01(日) 17:51:58.87 ID:Nqxes7Lw
>>528
貴様キオたんは渡さんぞ
530名無しさん@ピンキー:2011/05/01(日) 18:11:56.36 ID:BKkkpXpm
キオたんの続き待ってる
531名無しさん@ピンキー:2011/05/02(月) 23:34:37.43 ID:ju4/y8WH
投下期待
532名無しさん@ピンキー:2011/05/03(火) 01:51:55.73 ID:ihzP9BrJ
まぁ、忍法帖とか規制とか色々あるし
このスレには素敵な書き手さんもたくさんいるし
気長に待とう
533名無しさん@ピンキー:2011/05/06(金) 22:42:52.68 ID:LYbwJlpc
面白い作品多くてすごく素敵ですね
534名無しさん@ピンキー:2011/05/08(日) 01:39:34.40 ID:ZeOPKZsB
535彼女の笑顔:2011/05/08(日) 08:35:14.70 ID:1RqXgITi
投下いきます。
ダークで、鬱で、電波も含みます。

ハードな展開もありますが、精神的な病み具合を中心に書いてみたかったので、
このスレを選ばせていただきました。

では、よろしくお付き合いください。


536彼女の笑顔:2011/05/08(日) 08:36:06.22 ID:1RqXgITi
遠くに見える教材倉庫の扉を見ながら、僕は両足をガタガタと振るわせる。
倉庫の中で起こっている惨劇を、僕は分かっている。ひとりの女生徒が、大勢の獣に襲わ
れているのだ。なのに僕は、助けに行くこともできない。
早く終わってくれ。これ以上、白井さんを陵辱しないでくれ。
僕だけの天使が、手の届かないところで、汚されていく。

白井さんのことを、僕は思う。
当人に言えるはずもないが、彼女は、僕にとって最高のオカズであった。
僕の部屋にある机の、一番上の鍵付きの引き出し。そこに、僕にとっての天使がいた。昨
年の体育祭で撮られた、たくさんの写真。
その中の一枚では、リレーのアンカーだった白井さんが、見事にゴールテープを切り、ク
ラスを優勝に導いていた。そして感激に溢れたクラスメイトに囲まれ、女友達に小突かれ
ながら、満面の笑みを浮かべていたスナップ。
彼女と接点のない僕だったけど、偶然にも彼女の隣で写真に写ることができていた。切り
取られた世界の中で、お互いに笑顔を浮かべていたのだ。
その笑顔は、たくさんのクラスメイトがいる中で、僕に向けられたものだったのではない
かと、今でも僕は思っている。

話すことはないけど、写真を見ているだけで、幸せだった。
僕は、写真を見ているだけで、彼女と繋がっていると感じていた。

白井さんは、体操服が似合う。
後ろで短く束ねられた髪を携えて、白いシャツとブルマに身を包んだ姿は、何にも変えが
たい美しさを誇っていた。
胸はそんなに大きくないけど、むしろ華奢な上半身は僕の好みである。加えて、運動で鍛
え上げられた脚には、余分な肉がちっとも付いていない。
体操服をまとった、僕だけの天使だ。
天使には、笑顔が似合う。
だから、僕は許せない。天使を傷つけているだろう、不良たち。無理やり彼女を押し倒し
て、苦痛を与え続けているだろう、あの不良たちが。
でも最も許せないもの、それは自分だ。彼女がいま輪姦されているだろうに、踏み込むこ
ともできずにその状況を見守っている。
僕は弱い。
ごめんね。ごめんね。ごめんね。
もっと早く、助けてあげたかったのに。


やがて体格のいい不良たちが、教材倉庫から出てくるのを、僕は双眼鏡で確認する。彼ら
は周囲を警戒している一方で、ニタニタと笑いを浮かべている。きっと、この学校の中で、
自分達に敵はいないと考えているのだろう。教師に見つかろうが、それが女教師なら平然
とレイプするのだ。
不良たちがぞろぞろと去っていくのと反対方向の廊下に、僕は静かに回り込む。部活でも
使われていない建物なので、放課後の今、人影は無い。不良たちの笑い声が遠く消えてい
けば、そこにあるのは静寂のみ。
だけど、静寂の教材倉庫に残された女生徒を、僕は知っている。
教材倉庫の前に立つ。
だが、そこで迷った。どういう風に入っていったものか。
輪姦されて無残な姿を晒しているだろう彼女に、どんな言葉をかけてやれるというんだ。
答えは見つからない。
だけど、僕はここに入っていくと決めたんだ。
お互いに、どんなに苦しみを伴うものであっても、僕は彼女を救うと決めたんだ。
あの笑顔を取り戻すために。
537彼女の笑顔:2011/05/08(日) 08:37:05.76 ID:1RqXgITi
「…」
「…」
精液くさい空間で、互いに無言。
「山本くんか。あんたも、お仲間なの?」
最初に口を開いたのは、彼女。仰向けに裸体を晒し、体中に精液をまみれさせて、虚ろな
目をたたえている。
もっとはっきり言えば、絶望をまとって、白井さんは僕の前にいた。
「いや…」
「あんたもさぁ、私とヤりにきたわけ?」
「いや、ちょっと待ってくれ」
「はぁ?」
何から話したものか。でも大声を上げて人を呼ぶようなことをしないのは、ありがたい。
この状況を人に見られたら、誤解されるのは確実だ。
「は、話をしよう」
「出てって」
慎重に言葉を選んで対話をしようとする僕を、彼女が制する。
「いいから、出てってよ。ここで見たことは誰にも言わないで。それでいいから」
すらすらと言葉を紡ぐ彼女は、極めて冷静に見えた。裸体を隠すそぶりも見せない。そし
て輪姦された事実も、次いで場違いに闖入してきたクラスメートに対しても、心を動かす
ことはない。
「聞いてくれ。廊下には誰もいない。…あいつらは、不良たちは遠くに行ったのを確かめ
てから、僕は入ってきた。だから、少しだけ僕の話を聞いてくれないか」

「あんたさ、今のこの状況、わかってんの?」
「いや、説明させる気はない。いきなり入ってきて驚かせたのも、すまないと思ってる」
「山本くんも、何考えてるのか分からないね。あいつらが帰ってきたら、殺されるよ」
淡々と、言葉を交わす。このあたりの会話は想定していた範囲だが、あまりに白井さんが
冷静なので、現実感が欠けている。
「で、何しにきたの?」
「何をって言われても、ちょっと答えずらいんだけど」
「なら、帰ってくれない?」
「僕に出来ることが、ないかな」
「は?」
当然の反応だ。僕の申し出が、やけに間抜けに響いた。
「その…今さら、入ってきて、何を言うかって感じだけど。僕はこれ以上、白井さんを辱
めることはしない。信じて欲しい」
「うん。それで?」
「あいつらが女を襲ってるって噂は、聞いたことがあったんだ。さっきも、こんな場所に
不良たちが集まっていたのを見たから、もしかしたらと思った。だけど、怖かった」
僕の声が震える。彼女は、黙って僕の話を聞いてくれていた。
「最近、白井さんの様子がおかしいのも、気づいてた。時々、すごく悲しそうな顔をして
るから。強姦されてるかもしれないとも思った。でも、そんな事を直接聞けるわけない。
何かを抱え込んでいるんだろうとは思ったけど、僕が何をしてあげられるのかわからなか
った」
「あー、山本くん、意外と鋭いのね」
「あいつらが倉庫を出て行くのを見て、何が起きていたのかは大体分かった。でも、いた
ずらに先生を呼んで騒ぎを大きくするのは、良くないかもしれないと思ったんだ」
「はは…冷静に考えたんだ。かっこいいね」
「黙って立ち去って、誰にも言うなと白井さんが言うなら、そうする。でも、ずっとこの
ままってわけにもいかないでしょ。体操服とかさ、持ってきてあげようか?」
538彼女の笑顔:2011/05/08(日) 08:37:40.53 ID:1RqXgITi
夕暮れの、静かな廊下。
僕の右手には、水と雑巾の入ったバケツ。左手には、白井さんの体操服。
人の目に付かないように、細心の注意を払って、再び教材倉庫の前に立つ。
「白井さん?僕だ、山本だ。入るよ?」
「うん」
薄暗い教材倉庫の中で、背の高いロッカーに隠れるようにして、彼女は座っていた。
「ほら、言われたもの、持ってきた。あと一応、人が来ないように見張ってるよ」
両手に持ったものを彼女のそばに置き、僕は彼女に背を向ける。そして窓から廊下を覗い
てみる。
「紳士ぶるねー。私のハダカなんて、さっきも見たでしょうに」
チャポンと雑巾を浸す音が、背中のほうから聞こえる。
「…」
「…」
会話が、途切れてしまった。
着替えを持ってくるという目的は果たしたんだから、僕はもうこの場を去るべきなのだろ
う。彼女も、そう思っているかもしれない。でも、今の彼女を一人にさせたくないと、僕
は思った。こんな事に首をつっこんだ以上、中途半端に切り上げるのは、はばかられた。
「…5回目なんだ」
静かに、白井さんが口を開いた。
「なに、が?」
「あいつらに無理やりやらされるの」
「…」
「ひと月くらい前に、外の体育倉庫であいつらに捕まった。それで、無理やりやらされて、
恥ずかしい写真いっぱい撮られた」
「うん」
「そっから先は、写真で脅されて、ズルズル」
人事のように、白井さんは自分の不幸を淡々と語る。
「誰かに。誰かに相談は?」
「言えると思う?」
「…ごめん」

「助けてもらったんだから、今のわたしのことくらいは、話そうかと思ってね」
「いや、ごめん」
「なにが?」
「そ、そんな事さ、話したくもないだろうに、言わせちゃったみたいでごめん」
「ははっ、別にいいの。なんかね、私も現実感、ないんだよね」
こんな話の中で、白井さんはケロっと軽い笑いを浮かべている。
「いつもの退屈な授業を受けて、放課後には部活に出る。わたし、陸上部なんだ。走るの
好きでさ」
「うん。去年の体育祭のときにも、なんか表彰されてたね」
「よく覚えてるねー。光栄でございます」
「いえいえいえ」
「でもね…」
軽い調子の語りが、にわかに陰りを帯びる。

「そんな普通の日常があるからこそ、自分が不良たちに襲われて、弱み握られて何度もさ
せられてるなんて、思えないんだ」
「うん…」
「あいつらが出てこなければ!それ以外の日常は、いつも通りなのよ!」
声を荒げる白井さんに驚き、振り返る。
うつむき、雑巾を握り締める彼女の顔から、ポタポタと涙がこぼれている。
「いつも通りの日常が続いているから、ああ、あれは悪い夢だったんだなと思おうとする
の。でもそんな時に限って、あいつらは現れる。あれが現実だったと私をうちのめすみた
いに!」
539彼女の笑顔:2011/05/08(日) 08:38:27.84 ID:1RqXgITi
「日常、か」
「そう!山本くんにも日常があるでしょ?親御さんとか友達と話したり、学校に来たりす
ること。そんな当たり前の幸せが、続いているのか、途切れているのか、今のわたしには
わからないのよ…」
感情が高ぶっている彼女は、少しの言葉で崩れてしまいそうに見えた。
慎重に、言葉を選んで答える。
「白井さん」
「うん…?」
「…何と言ったらいいかな。そんな無理をして、取り繕おうとしても、難しいのかもしれ
ない」

「無理をして?」
「うん。無理してる感じ、するよ」
「そう…」
複雑な顔をして、黙り込む。僕もまた、どんな表情で彼女に言葉をかけるべきか戸惑う。
「最近の教室での白井さんも、さっき自分のことを話してくれた白井さんも、すごく痛々
しい」
「そっか。そんな風に見えてたんだ」
「僕だけじゃない。他のやつだって、何か感じているかもしれない」
「じゃあ、もう私、おしまいかな」
彼女の両目が、まっすぐに僕を捉える。
「無理して取り繕っても、すぐに周りに知れちゃうって言いたいの?私がどんな気持ちで、
毎日を過ごしてきたか、わかる?こんな恥ずかしいことがみんなに知られたら、わたし、
絶対に学校にいられなくなるよ。わたしの人生、おしまいなんだよ。そう考えて、いつも
いつも怖かったのよ!」
僕は、白井さんの痛みを気遣うことも出来ず、軽率な言い方をしてしまったのかもしれな
い。
僕の言葉は、彼女の傷口をさらに広げているに違いない。
だけど。
それでも僕は、進まなければならない。
「正直さ、僕も、ここに入ってきて、白井さんに何て言葉をかけるかなんて、考え付かな
かった。大勢の男達に強姦されるなんて、どんなに怖いのか、臆病な僕は考えることもで
きない。だから、白井さんの痛みを分かるなんて、とても言えない」
「そうよ…だから、もう、私のことは放っておいてよ」
「だけど、ひとつだけ、言わせてほしい」
「なに?」
「少しでも、僕は白井さんを守ってあげたかったんだ」

緊張しながら、言いたかったことを言葉にした。
鼓動が早く感じる。
そりゃそうだ。愛の告白と同じ程度の台詞を、僕は放っているんだ。

「不幸な女の子に手を差し伸べて、かっこいいと思うの?わたしの心が、それで動くと思
った?」
だが、彼女は冷ややかな視線を投げかける。
「それで、感激したわたしが、あなたと恋に落ちるなんて、そんなバカなこと考えてる
の?山本くんは」
「白井さん、待ってくれ」
「あいつらと同じ!わたしを、弄びにきたっていうの!」
「白井さん、違うんだ。聞いてくれ」
「何が違うのよ!」
僕の言葉は、僕が思っていた場所とズレた場所に命中してしまった。危険だ。彼女を錯乱
させてはならない。ゆっくりと軌道を修正していく。
「僕は、怖かったんだ」
「怖かった?そうよね。不良たちにボコボコにされるのは、痛いでしょうよ。だけどわた
しは、そんな事…」
「いや、僕が怖かったのは、白井さんだ」
「…わたし?」
540彼女の笑顔:2011/05/08(日) 08:39:15.19 ID:1RqXgITi
実際のところ、彼女の言うとおりだったかもしれない。
僕の中には、彼女を助けて、彼女の心を多かれ少なかれなびかせる快楽も、思い描いかれ
ていたのかもしれない。
だけど、僕が持っていた感情は、言葉で恋愛と呼ぶものとは違っている。相互的な関係で
はない。自分ではそう思う。

「教材倉庫の扉に手をかける前に、すごく怖かったんだ。もし、扉を開いたら、白井さん
がそこにはいなくて、不良たちに殺されていたらと考えてしまった。あるいは、自分で窓
から飛び降りたりしてはいないかと、そんな風にも考えてしまった」
話しながら、また怖くなって、僕の頬を涙が伝う。
「な、なに勝手に泣いてんのよ。バカじゃないの」
「僕は白井さんとは、別に仲がよくなんてなかった。だけど、白井さんを助けてあげたい
と思った日から、僕は、救えなかった時の事を考えて、どこまでも怖くなってしまった。
怖くなって、何も見なかったことにしようと考えたこともある」
助ける助けないとか言いながら、僕の口から出るのは、自分自身の愚痴と弱みばかり。彼
女は少し困ったような顔をしていたが、段々と表情の強張りを解き、僕の言葉に耳を傾け
てくれていた。
「僕の行動は、どこまでも一人よがりだった。ヒーローになりたいっていう自己満足だ。
だから、白井さんには軽蔑してもらっても構わない。僕のこれまでの言動が嫌だったなら、
本当にごめん。だけど、僕は、笑っている白井さんが、素敵だと思ったんだ」
「さっきも言ってたじゃない。無理してて痛々しいって。それが素敵って言いたいの?」

「違うよ」
僕は断言する。無理してる彼女の姿なんて、見ていたくない。
「もっと前の、普段の白井さんの笑顔を、僕は見ていたかったよ。体育祭でゴールした時
とかさ。自分じゃ気づいてないだろうけど、白井さんの笑顔は、周りをみんな、幸せにし
てくれてたと思う」
「今さら…そんな事言わないでよ。もうわたし、笑えないよ。戻れないよ」
諦めたような顔をして、白井さんが答える。
じっさい、彼女を蝕んでいる絶望は、僕の一言二言で溶かせるような代物ではない。
それに、僕は彼女の絶望を、直接どうこうする資格なんて持ってないだろう。
「僕は…臆病だから、いたずらに白井さんを勇気付ける言葉なんて、言えない。白井さん
の手を引いて、この状況から、助けてあげられる自信もない。でもさっきバケツを持って
きたみたいに、少しでも白井さんの力になれるなら、そうしたいと思う。…もちろん、そ
れは僕のエゴだってのは分かっての気持ちだけど」

「…」
僕の正直な気持ちは、伝わっただろうか。
「は、ははっ」
彼女が、歪んだ笑いを浮かべる。先ほどの自嘲的な痛々しい笑いと似ているが、笑いなが
らもその目はこちらを見ている。
「バカじゃないの」
「そう…だね」
「勝手に意気込んで、わたしの心に踏み込んできて、結局は何も出来ないなんて、自己完
結にもほどがあるね。わたしに関わっても、山本くんは不幸になるだけだろうに。わたし
の笑顔がどうとか、わけわかんない。けど…」
白井さんの頬を、再び涙が伝う。けど、その顔は少し晴れやかに見えた。
「あー、ごめん。やっぱりわたし、うまくお礼は言えないや。山本くんのことも、そんな
に信用できないかも」
「やっぱり、キモかった?僕の話は」
「そうだね。ちょっとアレだね。でも、バケツと服を取ってきてくれたのは事実だし、そ
れについては本当に、ありがとね。助かったよ」
「そっか」
541彼女の笑顔:2011/05/08(日) 08:40:10.09 ID:1RqXgITi
長い時間、僕達は話しこんでいた。
彼女はその間ずっと、汚れた体中を雑巾で拭い、自分の体を清めていた。
そして、ようやく作業を終えたのか、彼女は雑巾をバケツに放り込んだ。
「さてと。じゃあもう一度言っとく。今日のことは誰にも言わないでね」
「ああ、わかってる」
「だけど、色々と、ありがとう」
「うん」
「少しだけ、山本くんに勇気をもらえた気がする」
「勇気?」
思いがけない言葉をいただいて、僕は戸惑う。
「山本くんは、自分の行動をエゴだなんて言った。だけどエゴだとしても、そこまで自分
に正直に行動して、わたしを助けに来てくれた山本くんに、勇気をもらった気がするの。
これからどうしたらいいのか、わたしにはわからない。元の生活に戻れるかもわからない。
だけど、前に進む勇気だけは、もらった気がするの」

「…じゃあ僕も、同じ言葉を返すよ」
「同じ言葉?」
白井さんが、戸惑った顔を見せる。今さっきの関係を、ちょうど逆にさせてしまった。
「こんな僕でも、誰かを救えるっていう勇気。僕のエゴに基づいた行動でも、白井さんを
少しでも救えたという勇気と自信かな」
「…あー、そんな風に捉えちゃうんだ。じゃあわたしも…って、それじゃキリないじゃ
ん!」
「あはははっ」
「ふふふっ」
真剣な話をしていたのに、お互い変なところで譲らないのがおかしくて、僕達は笑ってし
まった。
クスクスと笑い交わしながら、僕は少しだけ、彼女の心に近づけた気がした。
まだ痛々しい色を含んでいるものの、やっぱり白井さんの笑顔は、僕にとっては天使の微
笑みなのだ。

「ふふふっ…あーあっ。笑ったら、少しスッキリしたわ。んじゃ、せっかくだから、この
体操服を着て帰ることにしますかね」
僕の持ってきた袋から、白井さんが、ブルマを引き出す。
裸の白井さんと、ブルマ。
倒錯的な光景に、僕の視線は吸い寄せられる。
毎晩、体操服の白井さんをオカズにしていたなんて、口が裂けても言えやしない。だけど、
僕の視線に気づいたのか、白井さんは黙って背中を向ける。
「なんか、見られてると恥ずかしくなってきたわ…」
下着は汚れてしまったのだろうか。付ける様子はない。直接ブルマに足を通し、バランス
を取りながらずり上げていく。
「白井さん」
彼女の美しい肩甲骨を見ながら、僕は静かに問いかける。
「んー、なに?」
「僕は、僕のエゴのために、また白井さんに救いの手をさしのべるかもしれない。いいか
な?」
彼女が滞りない調子で、シャツを袋から引き出しながら、答える。
「ここまで来ちゃった以上は、ノーとは言えないよね。まあ、山本くんは意外に思慮深い
し、誰かに言うこともないか。わたしも、自分でどうすべきか考えようと思う。そして、
山本くんの助けが借りられそうになったら、お願いしようと思う…。それで、いいか
な?」
「ありがとう。白井さん」
シャツに頭を突っ込む彼女。
モゾモゾと動き、スルっとシャツの首から彼女の頭が抜け出す。


542彼女の笑顔:2011/05/08(日) 08:40:53.35 ID:1RqXgITi


スルっとシャツの首から彼女の頭が抜け出す。

シャツの首から彼女の頭が抜け出す。

頭が抜け出す。


その瞬間を、僕は見逃さない。
滑らかな動きで、懐に隠していたロープを取り出す。黄色と黒のロープ。学校でよく使う
代物だから、当然この倉庫にも置いてある。来るべき日に備えて、この倉庫にある束から
切り取って持ってきたものだ。
長いロープの一端を、背の高いロッカーの上に放り投げ、反対側に落とす。

そして、ロープのもう一端を僕は引き寄せる。そちらの先には、輪が作ってある。引っ張
ると輪が絞られるような結び方で。
後ろを向いている、彼女の無防備な首筋に、狙いを定める。
フワっと軽やかに。
軽やかに僕は首筋に襲い掛かり、首に輪をかける。
「えっ」
彼女が声をあげる。
だが大丈夫だ。突然の出来事に体が対応できるはずもない。
ロープが彼女の顎をくぐり、しっかりと深く収まったのを確認して、僕はロッカーの反対
側に回りこむ。
そして、力いっぱいロープを引いた。

確かな手ごたえだ。振動が手に伝わってくる。そして、ガンガンとロッカーの向こうから、
音が響いてくる。彼女がもがきながら、つるし上げられていく様を僕は想像する。
ごめんね。ごめんね。ごめんね。
今は苦しいけど、少しだけの辛抱だから。
白井さんの味わっている肉体的苦痛を思って、僕は涙する。そして思う。彼女のことを。
白井さん、僕はきみが大好きだよ。
話すことはないけど、遠くから見ているだけで、幸せだった。
そう、あの日までは。

きみの様子がおかしいと、僕が思い始めたころのことだった。
きみの姿を、近所のドラッグストアで見かけた。きみの姿は学校でしか見ることはなかっ
たから、普段のきみを見る機会に恵まれたのは幸運だと思った。それに、最近きみを悩ま
せているのがなんなのか、僕は知りたいと思った。
僕は、他の客にまぎれながら、遠くからきみを観察した。
そして、我が目を疑ったね。
白石さん。きみが、妊娠検査薬を、そっと懐に隠して店を出て行ったんだから。

その日の晩、僕は発狂したよ。
そっと見ているだけで幸せだった、僕だけの天使。きみが、男相手に股を開いて、どんな
ことをしているのか、考えたくもなかった。なのに考えてしまって、僕はひたすら絶望を
味わったよ。
大切な写真をビリビリに破いて、全部燃やした。泣いて泣いて、夜通し泣いて、そして誓
ったんだ。
きみを、誰にも渡さない。独り占めしてやるってさ。
543彼女の笑顔:2011/05/08(日) 08:41:37.72 ID:1RqXgITi
不良たちにレイプされていると気が付いてしまってからは、それはもう、辛かったよ。純
白だった天使が、日に日に汚されていくのが分かっていながら、すぐに手を打つことが出
来なかったんだから。
僕は、じっと機会を待っていたんだ。
きみの時間を止めてあげる、この日をね。
汚されて、妊娠して、学校を辞めて、どうやったって、きみの未来には絶望しかないじゃ
ないか。
きみの笑顔は、未来永劫失われてしまうじゃないか。
体育祭のときに僕に見せてくれた天使の笑顔。それを完全に失ってしまわないうちに、早
く死ぬんだ。
きみは汚れた体を脱ぎ捨てて、本当の天使にならなければならない!

だから、僕が手を貸してあげるんだ。
きみも、さっき、そう言ったはずだ。
それに、僕は気づいていたんだよ。きみが教室でも、僕に視線を送っていたことを。今日
という邂逅を迎えるまでもなく、助けて欲しいというメッセージを送ってくれたきみのこ
とを、僕は気づいていたんだ。
そう、僕達は魂で結ばれていたんだよ!


「ふ、ふははっ」
どれくらい、僕はロープを掴んでいたのだろう。
どれくらい、彼女への愛を、頭の中で繰り返しただろう。
気が付くとロープに伝わっていた振動は、収まっていた。
僕は静かにロープを引き、引いたロープを古びた机の脚に結わえつけた。
そして僕はロッカーの反対側へと回りこむ。
僕だけの天使を、確認するために。

「っ!」
戦慄した。
あまりの、美しさに。
この情景を、何に例えることが出来るだろう。
蜘蛛の巣に引っかかった、純白の蝶?
深山幽谷の岩壁にひっそりと咲いた、可憐な山野草?
否。そんなチャチなものじゃない。
この世の中に並ぶものなんてない。間違いなく、ここは切り取られた異世界だ。
僕は、放課後の倉庫に現れた異世界に、ゆっくりと足を踏み入れる。

「う、うひゃあっ!」
だが、彼女に近づこうとした僕は、間抜けな声をあげてしまう。
「は、ははは。出ちゃった。出ちゃったよ…。白井さん」
僕は射精していた。
目の前の情景を見て、精神が極限まで昂ぶっていた。そして足を踏み出したとき、股が擦
れたのが引き金になって、僕は達してしまったのだ。
「う、うあっ…」
この場所に精液を垂らしておくのは、マズい。僕は手早くズボンを脱ぎ、股を垂れていく
精液をハンカチで食い止める。脚を拭い、最後に敏感になった亀頭を拭うが、射精が終わ
っても、僕の性器は猛りを止めてくれない。
仕方ないので、上を向いたままの性器を無理やりしまいこんで、ズボンをはいてしまう。
そして、改めて、彼女の姿を確認する。

だらりと四肢を投げ出し、彼女は絶命していた。
糞尿の香りが漂っているが、そのくらいは本で読んだので驚かない。
死装束に、彼女にもっとも似合う服である体操服を選んだのが幸いした。ブルマが黒いお
かげで、糞尿の染みがそんなに目立たない。太ももを伝う黄色い液体が、微かに靴下を濡
らすのを除けば、生きているときの彼女とそう変わらない。
544彼女の笑顔:2011/05/08(日) 08:43:02.78 ID:1RqXgITi
僕は、持ってきていたデジカメで、彼女を撮影する。
様々なアングルから、メモリーが許す限り、彼女の姿を撮影する。
頭から体を経て、腰、脚、つま先まで、全てを僕のものにしていく。
「白井さん、綺麗だよ…」
遠くから見ているだけだった天使は、いま、僕だけの天使になったのだ。

彼女の前に椅子を持ってきて、その上に立つ。
もう動くことのない唇が、僕の目の前にある。
「やっぱり白井さんの笑顔は、天使の笑顔だね」
僕の願っていた通り、彼女の死に顔は、笑顔のように歪んでいた。
当然だ。願っていた通りに、僕に殺されたんだから。
少し冷たくなった彼女の唇に、僕はそっと自分の唇を重ねる。
最初で最後のキス。
嬉しかったけど、僕はどこかむなしい気がした。
理由はわかっている。
ここにあるのは抜け殻で、本当の白井さんはもういない。
でも、本当の白井さんに限りなく近いものを、僕はデジカメの中に手に入れているのだ。

彼女を痛々しい状態で放置しなければいけないのは、正直いってつらい。しかし他方で、
僕はこの痛々しいやり方にも意味を見出している。
もし、僕が彼女の死体を持ち帰って、自宅保存でもしたら、どうなるか。彼女は、皆にと
って空白の存在として、忘れ去られるだろう。
それよりも、死を通してきみを、皆にとっての天使にしてあげる事を、僕は選ぼうと思う。
どうせ、きみの本当の痛みは、僕しか知らなかったんだ。ならば、表面的な思い出を胸に、
嘆き、涙を流すことくらい、クラスメートにも許してあげるとしよう。
だから、今はこの場所を去ることにする。
天使の微笑を浮かべる彼女に、最後に声をかけてあげよう。
「あっちの世界でも、笑顔の白井さんでいてね。約束だよ」



彼女の遺体が発見され、騒ぎになるのに時間はかからなかった。
ニュースで事件が報道され、学校も一時休校になった。
今頃、あの不良たちはどうしているだろうか。
強姦か、あるいは殺人も追加されて捕まっているだろうか。
彼女の悲しみを分かっていた僕は、何をすべきだろう。
調べ上げて皆殺しにしてやろうか。
こんど、白井さんと相談してみよう。

ひとつだけ、予想外のことがあった。
警察官が僕の家にやってきて、事情を聞いていったことだ。
「こんな時にごめんね。コレ、わかる?一緒に映ってたコに、話聞いてるんだけどね。お
たく、彼女とよくしゃべってたかい?何か、最近の彼女について気になったこととかある
かな?」
僕は驚いた。
警察官が持ってきたのは、あの写真だ。
僕があの日まで、毎晩オカズにしていた、体育祭のスナップだ。現物ではなくカラーコ
ピーだったから、他の警察官も同様に聞き込みをしていると考えられる。
「体育祭の写真だと思いますけど、それがなにか?」
「ああ、この写真なんだけどね、亡くなった白井さんが、生徒手帳に入れて大切に持って
いたらしいんだよ。それで、クラスメートに話を聞くにあたって、一緒に写っていた生徒
は仲がよかったんだろうということで、こちらに伺ったんだけどね」
でっぷりと肥えた警察官の両目が、僕を捉えている。僕はけだるい表情をなるべく崩すこ
となく、淡々と答えた。
「いや…。たぶん一緒に写ったのは偶然だと思います。僕、あの子とはあまり話したこと
ないんで…」
「そうか。疲れているときにすまなかったね。ご協力、感謝しますよ」
「はあ…」
545彼女の笑顔:2011/05/08(日) 08:44:08.19 ID:1RqXgITi
警察官が帰っていき、部屋に戻った僕は、家族にばれないように気をつけながら、歓喜の
声をあげた。
「う、うははははっ!」
僕はいま、確信した。
彼女は僕と、魂で結ばれていたことを。
僕が思っていた通り、以前から白井さんは僕を頼ろうとしていた。彼女は僕にサインを送
っていたのだ。僕に向けられた視線は、気のせいじゃなかったんだ。
僕だけが、彼女の悲しみを知っていたんだ。
僕だけが、彼女を救ってあげられたんだ。
自分の行いが、彼女の願いと重なっていたことを改めて実感した僕は、喜びの中で、日課
に入ることにした。

「白井さん、今日、おまわりさんが来てね…」
僕は、デジカメの中の天使に、話しかける。
肉体はないけれど、彼女はそこにいる。
「…うん。そうなんだ!白井さんも、あの写真を大事に持っててくれたんだね。でも僕は、
あの写真は破いて燃やしちゃったんだよね。ん、ああ、まだ話したことなかったっけ。あ
まりかっこいい話じゃないんだけどさ…」
言葉は発しないけど、僕達は互いに気持ちを通じ合わせることが出来る。
「白井さん、もう、いいかな。僕、我慢できなくなっちゃって」
僕は、いつものようにジッパーを降ろす。
「白井さんは、そのままでいてくれればいいよ。その綺麗な姿を見せてくれるだけで、僕
は気持ちよくなれるんだ。本当だよ。だから、こっち見て」

僕だけの天使を見ながら、僕はオナニーする。
毎日、僕だけの天使が、笑顔を浮かべてオナニーのお手伝いをしてくれるんだ。
天使の微笑み。なんて素敵な微笑みだろう!



END
546名無しさん@ピンキー:2011/05/08(日) 20:10:42.07 ID:YcKqsilX
乙……
ヒロインは主人公好きだったんだな
なんかせつねぇエゴイズムだった
547名無しさん@ピンキー:2011/05/08(日) 20:27:57.83 ID:KW1glV8d
GJです
これは辛い……
しかし男のキレっぷりは凄ぇな
まさしくヤンデレ
548名無しさん@ピンキー:2011/05/08(日) 23:01:38.09 ID:eQ+xilOM
これは精神にじわじわくる……お疲れでした
549名無しさん@ピンキー:2011/05/09(月) 01:27:12.98 ID:sXMKTF1M
なんという真性のヤンデレ…胸のときめきが治まらないぜ!
今はすっかりハーフパンツが主流だけど、ブルマはやっぱりロマンだね
550名無しさん@ピンキー:2011/05/10(火) 22:26:48.95 ID:dmCrZV3K
ものすごく衝撃を受けた…本当にジワジワくるなこれ
文才ありすぎw乙でした
551名無しさん@ピンキー:2011/05/11(水) 00:13:56.72 ID:13iagTL7
警察の訪問を受けた後の反応が真性過ぎてマジ恐怖だった(褒め言葉)
552名無しさん@ピンキー:2011/05/14(土) 17:17:08.72 ID:VhqkCRbh
色々な作品の続き期待
553名無しさん@ピンキー:2011/05/16(月) 21:26:32.53 ID:TG2vXOoS
キオたんと弟子少女の続き読みたい
554名無しさん@ピンキー:2011/05/17(火) 09:40:50.60 ID:a+rAwtfK
>彼女の笑顔
ロープが出てきた瞬間愕然となった。白井さんがひたすら可哀想だ。だがそれがいい。
二回読むと山本がいじらしく思えてきた。どうしてこんな真性のキチガイになってしまったのか。ヤンデレだなあ
ものすごく好みでした。本当に乙、ありがとう
555名無しさん@ピンキー:2011/05/18(水) 16:23:28.33 ID:h+phlnjD
ドラマの名前をなくした女神のママ達の夫にヤンデレ夫が一人いて内心萌え萌えして仕方がない…
556名無しさん@ピンキー:2011/05/18(水) 19:54:33.06 ID:rnNWSFhO
>>555
同士よ
あの夫婦だけ空気が違う気がするw
557名無しさん@ピンキー:2011/05/19(木) 22:07:57.70 ID:6dq+KeNi
WORKING!!の一枝姉さんの旦那も
ある意味このスレ向けのヤンデレだと思うのは自分だけだろうか……
558名無しさん@ピンキー:2011/05/20(金) 02:54:23.59 ID:Mw7J2nyl
>>557
それドラマ?小説?
どんな風にヤンデレなのか気になるkwsk
559名無しさん@ピンキー:2011/05/20(金) 07:46:42.16 ID:f77b02W8
基本四コマ漫画でアニメ二期もきまったやつ
旦那っていうか元旦那だったゴメン
セラヴィー先生のように幼馴染の一枝さんに何事も勝ち続け
罵倒されてもまとわりつき心の折れた一枝さんに結婚してもらうけど
ドMだから浮気誤解された時に
浮気したというといつもより怒ってもらえると思い
浮気したと嘘を吐いて離婚されたが
毎日嫌がる一枝さんに電話で復縁を迫ったりやら
事あるごとに会いに来て罵られ続けてるってキャラ
560名無しさん@ピンキー:2011/05/20(金) 09:27:22.76 ID:rPVBCiJm
ヤンデレっつーかただのアホじゃないのかそれ
561名無しさん@ピンキー:2011/05/20(金) 16:36:09.71 ID:XLXVgqow
ハイスコアの麗二パパのようなポップなヤンデレだよね
麗二パパのほうがヘビーだけどw
562名無しさん@ピンキー:2011/05/20(金) 19:58:58.24 ID:Qx4r8xlj
自分もなんか書いてみたいなーと思ったけど
ヤンデレの思考って難しいわw
職人さんすげえなあ…
563名無しさん@ピンキー:2011/05/20(金) 22:50:48.59 ID:Mw7J2nyl
>>561
なるほど…>>559はポップなヤンデレなのか…明るいヤンデレってなんか新しいな
ち、因みに麗士パパはどんな風にヘビーなのかkwsk…!

>>559
教えてくれてありがとう
なんつーかオバカなヤンデレだねw毎日電話とか罵ってる元妻もすげえ
チャチャの漫画うろ覚えだけど、チャチャスレ見に行くとセラヴィーのヤンデレ率高いねw

ヤンデレ男萌えに目覚めたばかりな自分は>>555の名前〜のドラマしか思い付かないな
>>556
それぞれの家庭はドロドロしつつもほんわかするシーン結構あるけどヤンデレ男の家庭だけは空気が重いよねw
妻にお小遣い与えないし、お小遣い欲しかった妻がこっそりパートしてるのに気付いてパートまでstkして妻が上司といるときに妻がお世話になってますって爽やかに乱入するシーンにはひえええええと思いつつもヤンデレ男役の人がハマりすぎて萌えてしまう
まあその夫婦に挟まれた子供はかなり気の毒だけどね…
564名無しさん@ピンキー:2011/05/20(金) 23:51:04.37 ID:XLXVgqow
>>562なりのヤンデレ投下待ってるよ!

>>563
Kswkされて調子にのって麗二パパ解説してみるw
ポップなヤンデレとしてオススメだ

↓以下ウィキベースに麗二パパ解説。

非合法な手段で妻の景織子さんと入籍した疑惑が強く
結婚を迫る過程では「あらゆる手段を使って精神的に追い詰めた」等、
恋愛が絡むと極めてデンジャーな人物。

例:毎日「結婚してくれないと死んで化けて出てやる!」
といい輸血して景織子さんの家で自分を刺して血まみれに。

ただし、妻子が絡みさえしなければ基本的には良識ある人物。

娘を溺愛し娘に近付く男には容赦しないが、
妻への愛は父性本能を遙かに上回り
妻の為なら娘を殺せると笑顔で断言している。
565名無しさん@ピンキー:2011/05/21(土) 13:39:05.15 ID:I4UJEyPV
セックスしなくても満足しそうなヤンデレは賢者
566名無しさん@ピンキー:2011/05/21(土) 14:12:54.56 ID:IUNF+gga
むしろ直接的なセックスをしない場合、性欲が更なるヤンデレ行為に昇華されて
マジキチ度ただ上がりになりそうで逆に怖い件w
567名無しさん@ピンキー:2011/05/21(土) 20:27:26.79 ID:5RJwI5Xb
>>564
教えてくれてありがとう
なにその夫婦ときめいた
つーかウィキにも書いてあるんだネットって凄い
私に文才があったらその夫婦をモデルにした小説を書きたいのに小説の書き方すら分からないから悔しいw
568名無しさん@ピンキー:2011/05/21(土) 20:44:44.41 ID:EP66OUiS
まさか、このスレでHIGH SCOREのキャラ名を見ることになるとはw
569名無しさん@ピンキー:2011/05/21(土) 21:22:02.63 ID:4w+qvfyM
HIGH SCOREは昔好きだったんだけど、りぼん卒業と同時に読まなくなったな……
そんな事になっていたのかwww
機会があったら集めてみようかな。想い出補正で撃沈する気もするけど。
570名無しさん@ピンキー:2011/05/21(土) 21:41:20.85 ID:3rSoSeTo
>>564だけ見るとただのヤンデレだが
あれは景織子さんが強すぎるからポップなヤンデレだよなw
脅されて、毎日自殺未遂されて部屋の掃除がめんどくさいし
印鑑偽造されて婚姻届出されて結婚したとか
「いっそ結婚してじわじわねちねち苛めてやろう」
と当初は言っていたけど
後からはじつは麗二パパのお父様の綺壱さん(亡き妻一筋)に一目ぼれして
綺壱さんの義理の娘になれるから結婚したとも言っていたw

子供産んだときは出来ることない?何でもするよっていう麗二に
「二階(?)から飛び降りて死ね!」って言ってほんとに飛び降りさせて
「何でもするって言ったのに死ななかったくせに」とか

景織子さんに一日に2、100通もメール送るから
旦那なのにメルアド教えてなくって
娘のめぐみに教えてもらったら「reijibukkorosu@〜」
でも麗二はオレの名前使ってくれてる!と大喜びとか

初めはなんだかんだ言っても景織子さんは
麗二の事ちょっとは好きなのかなと思っていたら
作者がそれはないって言っていたのが衝撃だったw
571名無しさん@ピンキー:2011/05/21(土) 22:18:55.52 ID:RhbeGzrl
それ奥さんも相当病んでるなwww
ヤンデレ×ヤンデレで相性が良いのか、
SMが合致してるから相性が良いのかw
ヤンデレでも男がMだとギャグっぽくなるよね

ヤンデレ×ヤンデレというと、数年前の戦隊で
自分を裏切って他の女と結婚しようとした間夫を相手もろとも殺したヤンデレ遊女
…のヤンデレの部分を気に入って、ヤンデレすぎて人外と化した女を攫って来て自分の傍に置いて数百年間囲い続けた敵の大将が印象的だった。
女が自分と似た境遇にいる仲間の男のことを気にしていると「奴を殺って来い」と命令し、
案の定女がその男を殺せずに帰ってくるとDV。
女が自分のヤンデレ具合に疲れて、もう恨みを捨てて成仏したい…とかいった弱音を吐くと
わざわざ女のトラウマを思い出させて、お前があいつを捨てられるわけがないだろ?と煽ったり
これは新しいタイプのヤンデレ男・・・と思った。
572名無しさん@ピンキー:2011/05/21(土) 22:57:10.91 ID:3rSoSeTo
なにそのお子様にはお見せできないよ!な戦隊物w
素敵すぎるww

それが読んでみると景織子さんはヤンデレには見えないんだなw
本当に麗二パパが嫌いなんだろうなって感じ
573名無しさん@ピンキー:2011/05/21(土) 23:22:46.13 ID:o2AFD0Cq
>>571その着眼点はなかったわ
言われてみれば最初から最後まですげー病んでたな御大将
574名無しさん@ピンキー:2011/05/21(土) 23:36:46.76 ID:EkbFazjZ
御大将はツンデレだと思ってたら、そうかヤンデレだったのか・・・
萌えで川の水が溢れたぜ!
575名無しさん@ピンキー:2011/05/22(日) 00:26:55.98 ID:CM+pfviM
御大将ってググっただけで出るはずが…
とおもったら出るとはパネェな御大将w
すごく気になったのでDVDレンタルしてくるか
576名無しさん@ピンキー:2011/05/22(日) 01:49:22.99 ID:9YjnAljw
ヤンデレ男側がドMだと割りとギャグにしやすいよね
男の方が真性のドSで性欲も強過ぎだと女性側が受け入れても暗くなりがちだが
まあ、それが良いんだが
577名無しさん@ピンキー:2011/05/23(月) 01:48:38.11 ID:43m5h2pz
ギャグ風のヤンデレも面白そうだね
見本はチャチャのセラヴィーとどろしーちゃんかな?
読んだ事ないから違うかもしれないけど上のスレにも書かれてるね
578名無しさん@ピンキー:2011/05/23(月) 08:54:40.45 ID:4dTjBsen
>>575
御大将+戦隊でググってな!
御大将だけでググったら、他アニメ作品がヒットしたので念のため
579名無しさん@ピンキー:2011/05/23(月) 22:56:00.27 ID:3Ms7tdN3
575だけど
おおありがとう!
でも御大将だけでも二番目にばっちり出てたんだぜ?
wikiで太夫の主な出演回をチェックしてみるとしてみます!
580名無しさん@ピンキー:2011/05/24(火) 01:11:15.79 ID:qPRn8jSc
>>579
レギュラーだから1話からいるよ
敵メインになるのは8話とか25・26話とか40話とか47・48話だけど
それ以外の回のわずかな時間でじわじわ積み重ねていく作りだから
余裕があったら最初から見るのをお勧めするw

>>576
でも良く考えればいくらドMなヤンデレ男でも、
相手の嫌がることをやり続けてるんだからドMでありながらしてドSだよね
ヤンデレ男の本質は実はドSだと思うw
581名無しさん@ピンキー:2011/05/28(土) 18:11:29.94 ID:trcbRBt/
ヤンデレ×自由奔放なカプが大好きすぎる
ヒロインが自由すぎてヤンデレヒーローが振り回されるってのが萌える
でもどんなふうにヤンデレヒーローが振り回されるのか、ヒロインの自由っぷりはどんくらい凄いのか、私の脳内妄想では思い付かないのが悲しい…
582名無しさん@ピンキー:2011/05/28(土) 18:25:57.65 ID:SAkD9x8r
>>581
思いつかないのに好きなの?
版権で言うとどんなん?
583名無しさん@ピンキー:2011/05/28(土) 20:20:57.96 ID:izSJEeVC
自分581じゃないけど
自分は同人ゲーでそういうのやったなw
本屋に寄り道したヒロインが家帰ったら
にこやかに喋っていた彼氏が豹変して「どこ行ってたの?」
ヒロインの心の中(豹変キターーー)「本屋だよ」→「その割には時間かかってたよね」→レシート提出
(女性雑誌立ち読みしてたなんて言えない←ヤン彼から検閲入るから見せてもらえない)
「どうして誤魔化すの?レシートの時間だと遅すぎるよねオレの事嫌いになった?」→「料理本探してたの」
→「どうして、オレの作る料理嫌なの?なんで秘密にしてたの?ねぇねぇ。やっぱり俺だめ?」
→「秘密にしてびっくりさせたかったから」→「なんだ、よかった」
(ほっ、今日も乗り切った・・・)
みたいな?昔やったから記憶ウロだけど
主人公が乗りこなしてるヤンデレに新しいって思ったw
584名無しさん@ピンキー:2011/05/28(土) 22:49:30.10 ID:SfPPVLnU
Twitterの細川忠興&たまめっちゃニヤニヤできる
もちろんなりきりなんだけど、書いてる人が上手い
585名無しさん@ピンキー:2011/05/29(日) 10:58:46.85 ID:78EL0fZY
他で細川さんネタが熱いの見て何でだろうとおもったがツイッターで熱かったのかw
586名無しさん@ピンキー:2011/05/29(日) 15:31:18.55 ID:D0hTx69u
忠興は戦国無双3Zでも逃げる嫁を追いかけまくって、
モ武将ながら凄い存在感だったらしいよ。
私はハードないからやってないけど。
史実の彼が好きなので人気が出た(多分)のは嬉しい。
587名無しさん@ピンキー:2011/06/05(日) 00:06:18.11 ID:SnLaVJ5T
>>586
モブ将扱いで顔グラ一枚なかったけどな…
もうちょっとぐらい扱いよくしてくれと泣いたわ

史実の忠興が既に完成された男ヤンデレで
ものすごいよな。
ガラシャ夫人もどっこいどっこいのキレ味だけど。
588名無しさん@ピンキー:2011/06/05(日) 00:55:17.45 ID:1ammwu7r
鋼の精神力がなければヤンデレ男の相手は務まらんというわけだな
心を完膚なきまでにバキバキに折られて蹂躙されるのもオツだけどね
589名無しさん@ピンキー:2011/06/05(日) 05:24:53.37 ID:dxrgNzsk
>>588
>心を完膚なきまでにバキバキに折られて蹂躙されるのもオツだけどね

薄幸そうな美少女がヤンデレ男にそんな目に合わされ
従順になるとか最高だと思うんだ
590名無しさん@ピンキー:2011/06/07(火) 02:34:11.70 ID:araRWNJj
ヤンデレ男に玩具も同然に愛され弄ばれる女の子がみたい
愛しては要るが歪みまくりで精神的にも肉体的にもDVするヤンデレ男と
酷い目に合いながらも依存してしまう激弱な女の子に萌える
591名無しさん@ピンキー:2011/06/07(火) 22:47:42.17 ID:Mu/krkb+
>>590
イイネ
没落して、からゆきさんになった女の子が資産家の華僑に買われて囲われる的な
お話を妄想した。
(ついでに、ヤンデレ男が実は黒社会の構成員とかで、根が真面目なヒロインがそれを知って心折れていったらいいかも)
592名無しさん@ピンキー:2011/06/08(水) 12:57:43.16 ID:u8HQDYNd
>>591
微妙に違うが、
最近発売された蝶の毒花の鎖ってゲームいいよ。
乙女ゲーだけどBADが多くて強烈でヤンデレ臭がしてすごくよかった。
593名無しさん@ピンキー:2011/06/08(水) 15:01:29.11 ID:u8HQDYNd
と思ったがあれは主人公の女の子のボイス無しだから男にはあれかも。
描写的には結構男性向きだとも思うんだけどねえ・・・

594保守小ネタ:2011/06/10(金) 20:42:34.15 ID:TWR17n54
■男体盛り焼き肉ディナー■

あるところに、愛し合う若い男女がいました。
どちらも由緒正しき高貴な家柄の出で、幼少からの許婚です。
お似合いの紳士と令嬢だと、社交界でも評判でした。
二人は清く爽やかな交際を続けていました。

紳士は威厳を持った聡明な人物です。
さらに大変な美食家でもありました。
美味のためならば金に糸目をつけません。
また、料理の腕前は一流の料理人にも引けを取りませんでした。

愛しい令嬢にあらゆるご馳走を振る舞うことが、彼の喜びでした。

ある日のこと。
令嬢は紳士から晩餐会に招待されました。
「君だけの為に特別なディナーを用意しました。今まで誰にも出したことのない料理です」
招待状にはそう書かれていました。
食通の彼が今度はどんな珍味を提供してくれるのかと、期待に胸が膨らみます。

婚約者のお屋敷に到着すると、令嬢は執事に食堂まで通されました。
しかし、いつもは笑顔で出迎えてくれるはずの紳士が、今夜はいません。
令嬢は怪訝に思いましたが、晩餐会は主人不在のまま始められてしまいました。

次々に上質の料理が運びこまれます。
食前酒、前菜、スープ、パン、魚料理、肉料理、冷菓。
順調に献立を消化して行くものの、いっこうに紳士の姿は見えません。
執事に所在を尋ねてみても、何も答えてくれません。
独りぼっちのディナーに、令嬢は寂しさを禁じえませんでした。

次は、二番目の肉料理の番です。

「!?」
給仕二人がかりで食卓に並べられた「それ」に、令嬢は絶句しました。
肉を盛り付けている皿が生きていたのです――なんと、裸の人間の男性なのです。
それも、自分の婚約者だったのです。

驚きのあまり、思わず令嬢は席を立ってしまいました。
婚約者の肌を見るのはおろか、異性の肌を見るのも初めてなのです。
595保守小ネタ:2011/06/10(金) 20:45:02.86 ID:TWR17n54
「君さえ嫌でなければ、席に着いて欲しい。……もちろん、このまま帰ってくれても構わない」
食卓に横たわった紳士は静かに言いました。
令嬢は躊躇いがちに席に戻ります。
長い時間をかけて築き上げて来た信頼関係が、そうさせたのです。

令嬢は、改めて眼前の紳士の姿を見ました。
筋骨の凹凸がはっきりとした、張りのある若々しい体躯です。
ところどころ汗が光っています。
極上の焼き肉が、筋肉群の構造、流れに従って配置されています。
まるで、完成された一つの美術品のようです。
官能的ですらありました。

「さあ、召し上がれ」
「……いただきます」
恐る恐る、慎重に。
食器によって皮膚を傷付けてしまわないように、そっと赤い肉を掬います。
「あっ、んふぅ」
逞しい胸筋の上に位置する突起を、匙が掠めたとき、生きた皿が悶えました。

口に押し込むと、それは絶品でした。
香ばしく、塩味がよく効いています。
一切れ一切れに、旨味が見事に凝縮されているのです。

「なんだか、あなた自身を食べているみたい」
今の二人は捕食者と被食者の関係にありました。
彼の生殺与奪の権を、令嬢が一手に握っているかのようです。
令嬢はこの状況に、倒錯的な興奮を覚えていました。

息を切らしながら紳士が呟きます。
「もし、食べて貰えなかったらどうしようかと、不安だった」
これが、彼なりの不器用な愛情表現なのです。
令嬢に数多のグルメを振る舞ううちに、満腹になった彼女の笑顔を見ているうちに。
いつしか、自分のことも美味しく食べて欲しいと、考えるようになったのです。
歪かつ純粋な愛の形です。
今夜のディナーは、「愛情を確認する儀式」とも言える作業だったのです。

ナプキンで口元を拭いながら、令嬢は照れ臭そうに聞きました。
「ねえ、これも食べていい?」
濃厚な肉汁の滲んだ極太ソーセージを、フォークでチクチクとつつきます。
「もちろん。今夜のメインディッシュなんだ」
紳士ははにかんで、そう答えました。

後に二人はめでたく結婚し、幸せな家庭を築きました。

FIN.
ソフト男ヤンデレを目指した。
596名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/10(金) 23:11:44.31 ID:jKB2IEiL

フォークで刺すなw
597名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/11(土) 00:36:33.02 ID:rBlVwky4
ヤンデレってか変態だー!w
598名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/11(土) 00:56:02.19 ID:AV8xU7x6
正に変態という名の紳士だなw
599名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/11(土) 10:57:49.78 ID:3dh/mGcU
でもコレ令嬢も素質あると思うんだけどw
変態同士幸せな家庭を築きそうだ
600名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/11(土) 12:57:20.64 ID:oTKYKeAU
デレデレですね。

でも、こう言うのも好き。
601名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/11(土) 16:44:31.57 ID:bPHJ2HhB
大変変態だーーーーーww
カミングアウトがうまくいった素敵な例ですね、わかります。
後日令嬢が素敵な男性をみたら
君の皿は僕だけだっとか嫉妬丸出しで呟きそうだなw
602名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/12(日) 23:48:39.18 ID:SzxsQW91
フォークでチクチクに思わず吹いた
面白かったw
603名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/13(月) 04:53:11.50 ID:ieTO+LNz
まあ、男ヤンデレは性的にも全力で変態な位で丁度良い
604名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/14(火) 18:46:11.17 ID:o8T4VGSy
>>594-595
この二人は間違いなくいい変態夫婦になるww



そんな面白いネタの後で申し訳ないけど
師匠と弟子少女のお仕置き編を少々書いたので投下しにきました。
まだお仕置き全部は書き終わってないんだけど、ねちねち長くなりそうだからとりあえず一区切りまで。

剃るとかの辱しめ系がちょっとあるので
苦手な方は、師匠と弟子少女をNGでお願いします
605師匠と弟子少女 お仕置き編:2011/06/14(火) 18:48:30.80 ID:o8T4VGSy
 今朝は、珍しくヴァナが起きるのが遅かった。
 階段を下りてきた彼女に訳を聞いてみれば、別に寝坊したわけではなく、探し物をしていたという。

「その……リボンが見当たらなくて」
「リボンならしてるじゃないか」

 髪を結っている白いそれを指すと、俯きがちにふるふると首を振る。

「これじゃないの。クリーム色で、白い水玉模様が入ってて、レースがついた……」
「ああ……最近よく着けていたやつか。僕には、あれを買ってあげた覚えはないが」

 僕が声を低くしたことに気づき、ヴァナはハッとして顔を上げ、こちらを見つめて誤魔化すように笑った。

「あれは貰った物で……かわいかったから、気に入ってたの」
「誰に貰った物なんだい?」
「お友達!」
「何さん?」

 名前まで訊かれるとは思わなかったのか、わずかに彼女の目が泳ぐ。

「えっ……とね、ミューちゃんだよ」

 ミューちゃん、というのはこの子の数少ない友達だ。
 賢く礼儀正しい子で、小さい頃から仲良く遊んでいるのを何度も見かけている……だから。
 そのミューちゃんに貰った物なら、貰ったその日にすぐ報告してくることも、
一度「お友達」と誤魔化したりせず、「ミューちゃんに貰った」とはっきり言うことも、よく知っている。

「へぇ、ミューちゃんにね……そう、分かった。とりあえず朝御飯にしようか」
「作ってくれたの!?」
「ああ、君も遅かったしたまにはね。早く食べて元気を出しなさい」
「うん……ありがとう、師匠!」

 ぽん、と軽く叩くように頭を撫でてやると、ヴァナは僕が怒っていないと思い安心したらしく、表情を綻ばせた。

「今日も出掛けるのかい」
「うん、ちょっとね」
「そう。僕も仕事があるから昼間は少しいないけど、ちゃんと門限は守るように」
「はーい、分かってます」

 食卓に着いてサンドイッチをかじるヴァナの笑顔は、どう見ても浮かれている。
 「どうしてそんなに嬉しそうなんだい」と訊ねてみても良かったが、止めておいた。
 どうせすぐに判ることだし、いま根掘り葉堀り訊いて妙な不安感を抱かせてもいけない。

「ヴァナ、じゃあ行ってくるから。良い子でいるんだよ」
「もー、師匠。私、そんなに子供じゃないって言ってるでしょ」
「子供じゃなくても心配なんだよ」

 玄関先まで見送りについてくるヴァナの頬を掌で包むと、彼女は少し不満そうに唇を尖らせた。
606師匠と弟子少女 お仕置き編:2011/06/14(火) 18:50:36.33 ID:o8T4VGSy
 常日頃から栄養には気をつけていたおかげか、ふっくらしたその唇は健康的で血色も良く、触れたらさぞかし柔らかいだろう。
 早く毎朝毎晩それを啄み味わってみたいものだが、まだそれには早いと自制して何年になるだろう。
 しかしそれもあと少しの我慢なのだ。それを待ち遠しく思いながら、
一つの荒れもなくなめらかな額にキスをして家を出る。

「いってらっしゃい、師匠」

 キスされた額に幸せそうに触れてから、頬を染め手を振るヴァナの青い髪が、太陽の光を浴び輝いて見えた。
 僕は彼女に微笑んで、小さく手を振り返した後、着ているジャケットの胸ポケットから携帯端末を取り出す。

「――目を離すなよ」

 端末の向こうで部下が返事をしたら通話を終了し、画面を切り替えて、今度は地図の中心に明滅する赤い点を確認。

「感度は良好だな」

 独りごちて、端末を再びポケットへ押し込んだ。
 待たせておいた車に乗り込んだところで、先ほど仕舞った端末が今度は着信したため仕方なく出る――
父から仕事の連絡ついでに、「まだ結婚しないのか」と小言を食らった。

「心配しなくても、もうすぐ連れて帰りますよ」

 ため息混じりに言う。喜んだ父が、何処の令嬢か、名前は何だと矢継ぎ早に訊いてきたが、答えずに切った。
 端末を握ったまま、長く息を吐く。
 あの子の家は僕の所だけ。僕が名前をあげて、何年もかけて大切に育ててきた。
 だからヴァナは僕のことが誰よりも大好きだ。大好きなら妻になるのも当然というもの。
 僕は再び端末へ目をやり、画面に映る点の動きを確認しながら、車の窓から覗く街並みを眺める。
 本当は仕事に行くには少し早い時間なのだが、野暮用があるから丁度良いだろう。

「――師匠」

 仕事帰り、人込みの中でヴァナを見つけた。目立つからすぐに判る。
 振り向いた彼女は驚いた顔をしていたが、どこか虚ろで元気がなかった。

「なんでここに? お仕事、終わったの?」
「早く帰らないとヴァナが寂しがって泣いちゃうからね」
「もう泣かないやい」

 ヴァナは小走りで近づいてきて、僕の着ていたジャケットの下の白いカッターシャツをぎゅっと掴むと、頬を擦り寄せる。
 一緒に暮らし始めた頃には、仕事に行こうとする度に「行かないで」と泣きつかれたのを思い出した。

「どうしたんだい? 元気がないね」
「……」

607師匠と弟子少女 お仕置き編:2011/06/14(火) 18:53:22.35 ID:o8T4VGSy
 ヴァナは僕の問いに、「何でもない」と首を振って弱々しく笑う。

「そう。じゃ、ここで何をしてたんだい」
「それは……その」

 言葉に詰まる様子を見て笑いたいのを堪えながら、はっきり言ってやった。

「また誰かがいなくなったのかな」

 びくりと、ヴァナの肩が震える。

「し……師匠は、何でもお見通しだね」
「お見通しというか、君のそういう顔を見るのは初めてじゃないから」

 まぁ、本当に何もかもお見通しと言っても過言じゃないんだが。
 僕がそんなことを考えているとは知る由もないであろうヴァナは、不思議そうに此方を見上げてくる。
 心なしか不安げなその瞳を見ると、思わず抱き締めて口づけたくなるが、そういう訳にもいかない。
 とりあえず手を繋ぐだけで我慢しつつ家へ帰ることにした。

 ヴァナを居間のソファに座らせ、落ち着かせるために温かい紅茶を淹れた。
 彼女はそのカップに触れる前に僕の手を引っ張り、隣に来て欲しいとねだるので
僕はわざとらしく、やれやれと呆れたような素振りで座ってみせる。

「で、何さんがいなくなったのかな」
「……それは」

 どう言えばバレないのか、叱られないのか悩んでいるのだろう。
 その曖昧な態度を見て、僕は今思い出した――そんな風に装って言う。

「ああ、ごめんね。言えないよね」

 そして彼女の耳元へ唇を寄せ、囁く。

「だって、言ったら君が約束を破ったことがバレるもんね?」
「えっ……」

 かかる息がくすぐったいのか瞼をぎゅっと閉じて、こちらを見ずにヴァナは聞き返してきた。

「そ、それは、どういう意味……?」
「そんなもの、君が一番よく分かっている筈じゃないのかい。『師匠は何でもお見通し』って言ったくらいだから」

 言いながら、僕はヴァナを抱き上げる。
 風呂に行くのを察した彼女が、床に落ちてでも僕から離れようとするがそれは無駄なことだ。

「待って師匠、話を聞いてっ」
「聞く必要はない。なんであれ約束を破ったのには違いないからね」

 「約束を破った」と言うとヴァナは悲しげな目をして黙ってしまう。
 師であり、ただ一人の家族でもある僕の言ったことを守らなかった、その罪悪感が彼女を無抵抗にさせるのだ。
 そうして大人しくなったヴァナを裸にして風呂へ連れ込んだ。

608師匠と弟子少女 お仕置き編:2011/06/14(火) 18:56:28.96 ID:o8T4VGSy
「――さて、ここでひとつ質問だ。約束を破ったらどうなると思う?」

 髪を洗ったところでこちらを向かせて訊いてみたが、ヴァナは答えない。
ただ、彼女の怯えた目は、どうなるか分かっていると言っている。

「君がどんなに悪い子だったかはその態度で分かるけど……詳しく訊くのは後の楽しみにしようね」

 僕と目を合わせたがらないヴァナの、胸を隠すように組まれたその手を掴んで引き寄せ、その体を背中から抱き締めた。

「とりあえず、君は僕に隠れて男に会っていたんだから、これも丹念にやらないとね」
「んっ!」

 柔らかく豊かな乳房を指でなぞると、小さく肩が震える。昔はくすぐったがるばかりだったが、今や随分と敏感になった。
 それは、彼女が幼かった頃のことを思えば背徳感があるが、自分の苦労を思えば何とも言えない幸福感がある。

「師匠、ごめ、なさ……ぁぁっ……」

 ヴァナの言葉は途中で吐息になって聞こえなかった。
 石鹸をたっぷり手に塗って、硬くなった薄桃色の乳頭を指先で摘まんだり、
乳房へ埋めるように押し込んだりと、彼女の体を弄っていたせいだが。

「奇麗にしてあげる」

 首筋、耳元、胸から括れ、腰から太もも、足……あらゆる場所へ丁寧に掌を滑らせる。
 顔を覗き込むと頬が紅潮しており、細められた瞼の奥の瞳は蕩けるように潤んでいた。いつの間に、これほど感じやすくなったのやら。

「ししょ……師匠っ」
「なんだい」

 ヴァナを愛撫している僕の手に、その彼女の手がそっと触れた。

「は、やくっ……」

 ヴァナは、いつものように外陰を弄って欲しいのだろう。

「早く、なんだい?」
「い、いつもみたいに……して……」
「いつもみたいに何をするの」
「うぅぅ……」

 僕の問いにヴァナは唇を噛んで小さく唸る。
 未だに上手く言えないのは、彼女が教科書で得た性交に関する知識と、今していることが合致していないし、
自分が欲しいものがいわゆる絶頂だということも、よく分かっていないから。どう言えば伝わるのか分からないのだ。

「あと1年もすれば成人だって言うのに、おねだりも上手に出来ないとはね」
「ごめんなさい……」

 大げさにため息をつくと、ヴァナは少ししょんぼりしてしまった。
もちろん本気ではないし、気にしなくともいいんだよ。別にヴァナが悪い訳ではないから。
609師匠と弟子少女 お仕置き編:2011/06/14(火) 18:58:49.32 ID:o8T4VGSy
「まぁ、このくらい謝ることでもないさ。出来ないならこれから覚えればいいしね」

 僕が敢えて言葉では何も教えずに、消毒やお仕置きと言って、愛撫や軽い絶頂の感覚を教えてやるだけにしてきたことが原因だものな。
いつも、ねだらなくても気持ち良くしてあげていたし……それに、おねだりが出来たところで、
今日はお仕置きなのだから、あまり関係がない。

 ヴァナから手を離し、用意しておいた剃刀を手に取る。

「師匠?」
「ああ、立たなくていい。座って」

 ヴァナは黙ってその場に膝を抱えるように座り込んだ。が、

「そうじゃない。足を開いてごらん」
「えっ、で、でも、師匠……」
「いいから開くんだ」

 語気を強めるとヴァナも観念して、おずおずと付け根から足を開く。
薄く外陰を覆う陰毛に隠れて、奇麗なピンク色をした深い割れ目が見てとれる。
 誰にも、何にも侵入を許していないそこは、まだ僅かに開いて見える程度だが、じんわりと濡れているようだ。
 中に指が入らないように気をつけながら、ゆっくり割れ目をなぞり愛液を確かめると、ヴァナの腰や足が跳ねる。

「ひゃっ、あ! 何するのっ……!?」

 なぞった指が愛液でねばつくのを見てから、何も言わずに陰毛の生えた部分へクリームを塗り始めた僕に、ヴァナが不安を露にする。

「ねぇヴァナ。今なにをしているか、分かっているよね?」
「お、お仕置き?」
「そう、お仕置き。だから今日は、君にたくさん恥ずかしいことをするんだよ」
「!?」

 そのままクリームを塗ったところへ剃刀を這わせる。ヴァナの瞳が恐怖で揺れたのが分かった。

「やっ……いやっ、師匠!」
「ほら、動くと危ないよ……切っちゃうかも知れないじゃないか」

 言った途端に僕の手を押さえようとした彼女の手が止まり、泣き出しそうな目でじっと剃刀の動きを見つめるだけになった。
 剃刀を上下に、そっと滑らせる度に、クリームと一緒にその毛がなくなってゆく感触がする。

「いやぁ……そんなとこ……やだ、師匠、やめてぇ……」
「おや、どうして嫌なんだい」

 訊きながらも、剃刀を持つ手は止めない。まだ安心させてやるつもりは毛頭ないよ。

「こんなのやだ……恥ずかしい……っ」

 見れば、ヴァナはもう涙を滲ませていた。
610師匠と弟子少女 お仕置き編:2011/06/14(火) 19:04:10.46 ID:o8T4VGSy
「ん? 言ったよね。恥ずかしいこと、たくさんするって。
これはお仕置きなんだよ、ヴァナ。君には拒否することなんて出来ない、そうだろう?」

 あざといほど悲しげな風を装って彼女の頬を撫でる。

「ねぇ? 君は僕の信頼を裏切ったんだからさ。仕方ないよね?」
「ごめんなさい、もうしないから、だから許して……」

 ヴァナが瞼を強く閉じて頭を振った時、遂にその目尻から涙が零れた。
 それを指の背で拭ってあげたのは良いけれども、もしや僕の笑顔は彼女に判るほど歪んではいないだろうか。
 ……君の笑顔も怒った顔も可愛くて好きだよ。でも、今日の君の表情はそれよりもずっと、特別に可愛いんだ。
 どうしてだろうねぇ?

「謝っても駄目。信じてあげたいけど、今日ばかりは信じないよ。君は嘘つきだ」

 言って、剃毛を再開する。そろそろ前が奇麗になるか。確かめるために撫でてみると、
きめ細かく皮膚の薄いその部分は驚くほどすべすべして気持ち良い触り心地だった。
 せっかくだし舐めてあげたらもっと面白いと思ったけど、今はやめておく。とりあえず次はその下も奇麗にしてあげよう。

「ま、まだ、お仕置きするの?」
「勿論、簡単には許さないよ。ここに横になってごらん」

 お仕置きなんだから床に直接寝かせてもいいかとは思ったが、
ぶつかる痛みで快感や恥辱以外に意識が行き過ぎてもいけないので、
一応適当なマットを敷いて仰向けにさせた。
 それから両足を持ち上げさせようとしたが、ヴァナは恥ずかしがって素直に言うことを聞かない。

「ヴァナほら、早く」

 仕方がないので、まずは僕がヴァナの両足を持ち上げ、赤子のおむつ替えでもするかのような恰好にさせてやる。

「ひぃっ! いやっ、師匠ぉっ、いやぁっ!」
「全部奇麗に剃るんだよ。おとなしく言うことを聞きなさい」

 可愛い顔を歪ませて、嫌だと首を振るヴァナの手を片方ずつ掴み、右と左それぞれの足を膝から抱えさせた。
やめてとは言うものの、それ以上の抵抗はない。賢明な子で良かった。

「こんな恰好やだよぉ……」
「どうして」
「だって師匠に、そんなとこ……っ」

 ヴァナは羞恥で頬が真っ赤になっている。十代ももうすぐ終わりだというのに、こんな体勢にされては当たり前だろうけれども。
611師匠と弟子少女 お仕置き編:2011/06/14(火) 19:10:38.32 ID:o8T4VGSy

「へぇ。恥ずかしいのかい? いつも洗ってあげてるし、気持ちよくだってしてあげてるのに?」
「でっ、でも、見られたこと、ない!」
「ああ、そうだね、見たことはなかったね」

 言ったところで剃毛を終えて、丸見えの割れ目を上から下へなぞる。
 不思議だと思った。最初に洗うついでに愛撫してから剃毛を始めたわけだが、
時間が経っているのに愛液が乾く様子がない。
 まだ絶頂させていない訳だから、そろそろ冷静になって、これの分泌が止まってもおかしくないと思うのだ。
 なのに止まるどころか先程よりも溢れてきている。そんなに愛撫が良かったのか、それとも。

「師匠だめっ、そこ、もうだめっ」
「何が駄目?」
「わ、分かんない……師匠がそこ触ると、お腹の下の方が、きゅうってなるっ」

 なぞってばかりではつまらないので、割れ目の中ではなく
あえて陰唇にぐりぐりと指を埋めるようにしてみると、ヴァナの腰が悩ましげにくねる。
 「嫌」でなく「もうだめ」と言う辺り、本当はもっと触って欲しいのだろうな。ただ理性が飛ぶのが不安なだけで。

「ヴァナは自分でここを見たことがあるかい? いやらしいよね? 僕に見られて、触られて、ヒクヒクしてるんだよ」

 ヴァナは膣への入口を、快感が得られるところとしてはっきり意識し始めたばかりであろうに、
わざと彼女が恥ずかしがるようなことを言って、残ったクリームはシャワーで洗い流してやる。
勿論、割れ目や外陰も良く流した。ここは常にひときわ、清潔にしておかないといけないという大義名分のもと。

「ぁっ! ぁ――っ!」

 すでにクリームは全て流れていたが、シャワーを当て続ける。敏感なところへ継続的に襲ってくる刺激に、
ヴァナは掠れた声を漏らして、逃れられないと分かっている筈なのに、逃げ場を探すかのように頭を振る。

「随分いやらしい顔してるね? ……恥ずかしいお仕置きがそんなに気持ち良いの?」
「ち、違うっ」
「今までのお仕置きが気持ち良かったんなら、もっと恥ずかしいことしなきゃ反省出来ないよね」
「うぅぅ……!」

612師匠と弟子少女 お仕置き編:2011/06/14(火) 19:14:49.19 ID:o8T4VGSy
 ヴァナは潤んだ目を細めてこちらを見つめる。とろりと、新しい愛液が溢れ落ちた。
 ああ、やはりそうだ。君は辱しめられて悦んでいる。嬉しい限りだよ、僕の思う通りに体が変わっていってくれて。
 いや、もしかすると変わってなんかいなくて、元からこういう性質だったのかも知れない。そう思うと背筋がぞくぞくしてくる。
 君がそんな趣味なら、これもお仕置きにはならないね。それなら……もっと、恥ずかしいことをしてあげなくちゃ。
 僕は、お仕置きの仕方を予定と少し変えることにした。
613名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/14(火) 19:19:02.47 ID:o8T4VGSy
とりあえず今回はここまでです……
師匠はこれから、お仕置きしつつ約束破って何をしてたかを訊くんですが
それはもう少しお待ち下さい。

続き期待してくれる方がいるのに途中までで申し訳ない。
614名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/14(火) 20:04:39.24 ID:tNyy3mrJ
>>613
続き待ってた!超GJ!!
ヴァナたんがかわいすぎてやべぇ
615名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/14(火) 20:48:06.07 ID:E+KWtChA
>>613
師匠来たー!!!
616名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/16(木) 19:38:46.75 ID:oUqQL1tU
>>613
乙!!
ヴァナたん可愛いすぐる
師匠の変態っぷりに超期待
617 忍法帖【Lv=6,xxxP】 :2011/06/18(土) 17:00:53.13 ID:Njob25xo
超GJ!!
師匠におあずけという放置プレイかまされながらじれじれして
ヴァナたんの秘密聞けるのまってるよ!
618名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/18(土) 22:21:57.11 ID:tQ47rq0t
青い硝子玉のような無垢な瞳 君はいつだって僕を見ているし 僕もいつだって君を見ている

ああ、あまりに素直に、美しく汚れないから
僕はつらいほどに切なく、苦しいほどに嬉しくなる

僕は君を傷つけ、破滅していきたい
僕のこの思いを知ったら、君はどう思うだろうか

ただ何も言わず微笑んでくれるだろうか
君の口からなら罵る言葉さえ、真珠のように美しいだろう

口付けを交わすように、君の顔に左手を添える
そして親指を君の眼窩へと ぐいと押し込むのだ
不意に力強く、躊躇いもなく、穴を穿つように

それはどんな感触だろうか、ゼリィのようだろうか
僕は歓喜に打ち震えながら、淫猥に掻き混ぜ、その血のぬるみを味わうのだ

君はどんな声をあげるのだろうか
潰された目から、辰砂のように赤い涙を流して
痛い痛い、と叫ぶのだろうか

幾度交わしたか忘れるほどの 口づけの中で僕が狂おしいほどの
飢餓を思っていたことを君は知らない

君のその泣き叫ぶ声を飲み込むように、今、僕は願いを果たし、
君の舌を噛み千切る 口紅を味わうように、唇に食らいつく

ああ、ああ、それは どんなに幸福なんだろう
貪欲で意地汚い犬のように、欲望が満たすのは

君の桜色に染まる頬も、僕は憧れていた それは舌が蕩けるほどに旨いに違いない
僕はきっと癒され、幼子のように泣くだろう

君の柔らかな耳朶はどうだろうか
頬に触れる僕の唇を這い上げて歯を立てたい

いつもタルトのように甘い言葉を 囁いてきた君の左耳に僕の 本当の想いを聞かせたい
偽りは無かったけれど 秘密は幾つも有った

ああ、君は僕をどう思うのだろうか たぶん憎悪か恐怖なのだろう
僕が君を終演に至る苦痛へと誘うように 君が望むなら壊してくれても構わない
君が望むままに、僕を壊してくれても構わない

っていうサイレントヒル3の謎解き用の文章が気に入った
619名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/20(月) 01:51:50.16 ID:cFZD44bu
静岡パネェ
萌えたぎったわ
620 忍法帖【Lv=7,xxxP】 :2011/06/20(月) 07:40:59.83 ID:Ws2bNJv4
文章まんま転載は著作権的にちょっとというかアウツ・・・・!!
621名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/20(月) 15:27:15.87 ID:N0F2NR84
ちょっと考えが足りなかったな
すまん
622名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/21(火) 00:34:21.95 ID:lp7Q/Rp3
>>619
静岡ってなに?
623名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/21(火) 04:07:03.44 ID:8aq0r0p1
サイレントヒルの事だろ
サイレント→静か+ヒル→丘(岡)で静岡
624名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/24(金) 23:13:28.34 ID:utqflike
ヤンデレ男に酷くて鬼畜でエロいお仕置きを受ける女の子に萌える
625名無しさん@ピンキー:2011/07/02(土) 09:16:24.94 ID:a2wTX04I
保守
626名無しさん@ピンキー:2011/07/12(火) 01:18:08.65 ID:DbJbv6kD
原作未読だけど、アニメ版「GOSICK」は男ヤンデレが多かったなぁ…
どいつもこいつも長期間特定の相手に執着しやがって……
627名無しさん@ピンキー:2011/07/14(木) 15:57:24.61 ID:R+9nnSHO
>>626
中々良かったよね


しかし投下が途絶えて哀しい……
628名無しさん@ピンキー:2011/07/14(木) 19:43:01.51 ID:YjEPGACl
気長にまとうぜ

最近した妄想(ホモネタ注意)




ヒロインは大学で同じクラスをとりサークルも一緒な男に惹かれ
仲良くなり告白するが実は俺はホモだと言って断られる
しかし諦めきれなくて友達としての関係は続く
ある日男が俺の事本気で好き?って聞くので男の為なら何でも出来るというと
男が好きな先輩がヒロインが一晩付き合ったら男とも付き合ってくれるという
ヒロインはショックをうけながらも好きな男の為に先輩と……
しかし先輩は本当にヒロインの事が好きだったので
土壇場で男の名前を呼ぶヒロインに何もできない
男は本当は別にホモでもなんでもなく
先輩とは義兄弟で先輩が大嫌いだったが
先輩がヒロインのことを好きとしり接近したら好かれたので
ヒロインをだしに先輩を苦しめたくて
先輩が鬼畜かの如くヒロインに吹き込み
先輩にはヒロインに鬼畜に振る舞わないと
別の男にまわさせるからいいよ(ヒロインはどっちを信じると思う?)とかいって脅していた
そして慕ってくれるヒロインを愛人をやっていた母などのように信用できない
好きと言っておきながら最後には裏切るんだと
先輩に嫌がらせしながらもある意味ヒロインがどれだけひどいことをされても
自分のことを好きでいてくれるかと試しながらヤンデレってる話とかはダメか
629名無しさん@ピンキー:2011/07/14(木) 20:23:05.72 ID:3OpBkSYf
801厳禁では
630名無しさん@ピンキー:2011/07/14(木) 22:32:09.06 ID:YjEPGACl
あスマン
男がホモっていうのは
ヒロインの事を絶対好きにならないという嘘で
本当の801ではないからいいのかと思ってしまった
本当にスマン……
631名無しさん@ピンキー:2011/07/14(木) 23:22:36.47 ID:3OpBkSYf
>>630
あ、いやなんかこっちこそすまん
632名無しさん@ピンキー:2011/07/16(土) 04:51:39.92 ID:c+o2kpiw
やっぱり鬼畜なヤンデレ男は良いな
女性をしっかり性的に虐めてくれるしw
633 忍法帖【Lv=12,xxxPT】 :2011/07/18(月) 14:23:10.43 ID:3llO9V/q
保守。
634名無しさん@ピンキー:2011/07/22(金) 21:03:35.98 ID:Yj2OIP14
ベタだが他の男と好きな女が喋ってるのを見て
ビッチと罵るとかそういうシチュが好き
635名無しさん@ピンキー:2011/07/23(土) 00:48:48.06 ID:Gaw0LaG/
昔、風の悪戯でパンチラしちゃった女の子を見てビッチ扱いした小説があったと思うが
あれはかなりヤンデレてたと思う
636 忍法帖【Lv=17,xxxPT】 :2011/07/26(火) 01:02:08.31 ID:pe1FMLXA
>>474なんだが始まりの部分が書けたので3レス投下する。
次回からヤンデレになる予定です。
ヤンデレ成分はなりかけの薄めでスマン。
637Look at me.1:2011/07/26(火) 01:03:06.62 ID:pe1FMLXA
 久野木瞳子(くのぎとうこ)は会社でお局様というかバリバリのキャリアウーマンというか。
 いわゆる仕事一筋で生きて来たんだろう。
 まだ処女だろこの女という程堅苦しく地味で化粧も薄化粧。
 髪の毛も一度も染めたことなさそうな長い黒髪を、地味なバンスで一纏めにし、服装も不可も可もなくフォーマルなパンツスーツ姿だ。
 仕事を頼む態度も「これ、まとめてくれる?志藤君」とそっけなく。
 かといってわからないことがあり質問すると、意外と嫌がりもせず答えてくれるが。
 それまたあっさりと要点を押さえた説明で紋切り型なので、とっつきづらい。
 まぁ仕事だけならやりやすいと言えばやりやすいタイプの、性的な雰囲気を相手に与えない……簡単に言うと女だという事を武器にしない女上司だった。
 反対に、志藤悠真(しとうゆうま)いわゆる俺は、学生時代の勉強からそうだったが仕事はそれなりに適当にやってもそれ以上の成果をだし。
 性格も特に熱くもなくクールでもなく普通だったが、外見がすこぶる良かったせいで女には無駄にモテた。
 外見を飾るのも嫌いじゃない。女とそれなりに遊ぶのも。
 そんな会社では華やかな部類に入るオレが、彼女……主任の事を何となく気にしていたのは。
 普通の女なら俺の関心を引くのに躍起になるが、主任は俺の魅力に全く興味がなかったからだ。
 いや、なんというか俺に興味のない女はそれはいたけど。
 彼女は、俺だけになくそのほかの人間にも平等に興味がないようだった。
 それが気になった。

 そんなある日、それなりに順調に仕事をこなしていた俺が、信じられないようなミスをした。
 自分でも信じられないような凡ミス。
 しかしそのミスはすぐに気が付けば、自分の中だけで取り返しのつくものだったのに。
 いろんな要因が重なって気づくのが遅くなり。気が付いた時にはもう取引先相手に迷惑をかけるような状態になっていた。
 初めはミスを隠すか……と一瞬頭をかすめてしまう。何事もそつなくこなしてきた俺は初めての失敗に動揺していた。がそれは一瞬の気の迷いでなんとか立て直す。
 俺は俺の出来る精一杯を考え速やかに動く。意外と俺は熱い男だったようだ。
 そんな時、主任はそのミスを挽回するために一緒に取引先にあやまりに行ってくれたり、しなくてもいい残業に付き合ってくれたりと、普段は意識しない上司っぷりを見せ付けた

 そして全てが終わった後に意外にもご飯おごるからといってラーメン屋に付き合わされる。
 普段なら会社の上司と個人的に飲むなんてしないんだが。
 その日は俺はあっさりと言われるままついて行った。
 向こうもらしくないが、俺もらしくなかった。


 主任の行きつけのラーメン屋はオススメは豚骨だったので俺も同じものをたのむ。
 確かにうまい。
「まぁ新人のうちにミスするだけして何があっても対応できる図太さを身につけなさいよ。
 ミスして許されるのは新人のうちだけなんだから……まぁ同じ事だけは繰り返さないようにね」
 ずるずるとラーメンを啜り、眼鏡を曇らせる彼女に言われた。
 そしてその時気がついた、俺は主任から怒られてないと。
「怒らないんですか?」
 すごく不思議に思って尋ねると。
「怒られたいの?」
 主任は普段は見せない親しみやすい苦笑いをする。
「貴方は思っていたより……というか言わなくてもちゃんと反省してたみたいだし
 きちんと何が悪いか理解して謝ったでしょ?
 怒らないでも十分にわかってるタイプだと思ったから
 正直いって……こんな事なければ、次の日から会社来なくなるタイプだと思ってたんだけどね」
 普通なら不愉快になるような俺の評価。
 それはするりと俺のなかに浸透して行く……程には彼女を受け入れたようだった。
638Look at me.1−2:2011/07/26(火) 01:03:51.55 ID:pe1FMLXA

「意外と人の事見てるんですね、主任」
「……まぁ子育てしたから何となくは」
「え? 子供いるんですか」
「妹よ。私を何歳だと思ってるの」

 あまり興味がなかったんで、主任の正確な年齢は知らなかったが。
 30中盤ぐらいだと勝手に思っていた。けれど今年で29歳らしい7歳上か。
 地味な服装と、落ち着いた雰囲気が主任を思いの外老けさせて見せたらしい。
 年齢を説明した後。「あ、そうか居てもおかしくないわね」と主任は思い直して苦笑する。
 そして「社会人になったらあっというまだから年なんて忘れるわ」とさらに破顔した。
 その顔は思いの他、若かった……若いだけじゃなく。
 初めて見る主任のプライベートな表情に、俺は奇妙な気分になった。
 まったくもって説明がつかない。

 ――そしてさらに奇妙な気持ちになるのはこれからだった。

「主任、妹さんいるんですか?」
 俺はこの台詞を、微妙な年齢の女性に年の話題を振ってしまったことを誤魔化したくて、何となく口にしただけだった。
 この時、この言葉を言わなければ、俺にとって彼女は尊敬出来る上司のままだっただろうか。
 少なくともこの台詞は俺の……彼女との関係の分岐点だった。

>「うん! そうなのすっっっごく可愛いんだよ!美人さんなのっ!」

 ……誰だこれは。
 いきなりの彼女のテンションの変わりように俺は怯んだ。箸を取り落とす。
 まるで花を飛ばしたかのような……彼女の顔が生き生きと輝く、まぶしくて直視できない。
 その表情だけで別人のようだった。
「写真見る!?この前とったばっかりなんだ〜」
 ここでやっと俺の態度がおかしいとに気がついたようだ……しかし、主任はそれを読み違えた。
「あーこんな私の妹だからって嘘だと思ってるでしょ!本当に可愛いんだから本当に今見せるね」
 主任、酒飲んでない、よな?
 その表情はどんなに不細工な赤ちゃんでも孫なら無条件に可愛いと愛す。じじばばバカそのもので。
 必至になってバックから取り出した、主任の趣味とは思えない派手なブランド物の写真入れに入れた写真を見せてくれる。
 正直期待してなかった。
 こういうテンションの…というか女が女を褒めるときというのは、本当だった試しがない。
 自分をよりよく見せるために、自分より少し不細工な子を褒めまくる。そんな女ばかり見てきた。
 しかし見せて貰った主任の妹は、本当にモデル並の可愛さを備えていた。
 しかし俺の目を引いたのはそれよりも……妹の隣に写った普段着の彼女だ。
「かわいい……ですね」
 思わず、自然と呟いた言葉。
 じっくりと見つめていたら、ね?と小首を傾げて、主任が俺の顔を覗き込む。

 その仕草だけで。騒がしく狭いありふれたラーメン屋の店内が、急に落ち着かないものになった。


639Look at me.1−3:2011/07/26(火) 01:08:05.02 ID:pe1FMLXA
 ラーメン屋の中でどれだけ話しても。
 主任自身の情報は「妹大好き」と、派手な写真入れは妹からのプレゼントという事以外は分からなかった。
 その代り俺は、主任の妹のこまかなプロフィールを暗記できるぐらい聞いてしまう。
 それから妹トークで俺に気を許し過ぎた主任は酒を飲み、飲まれ……。
 結局主任を家にまで送っていくことになる。
 千鳥足になる主任に肩を貸す。かすかに髪から香るいい匂いやら、主任の体の感触が心地よい。
 今までにこれ程、酔った女をそのまま俺の部屋に連れて行こうと思ったことはあっただろうか。
 いや。送り狼になる前に、今までの女は据え膳で向こうからホテルに誘うような女ばかりだった。
 かろうじて勝った理性を総動員し、主任を家に送っていく。
 すると、迎えに出たのは写真に写った少女が出迎えてくれた。
 ――これが、妹か。
 写真通りのモデルのような少女。しかし、俺の彼女をみた感想は「主任の妹」それだけに過ぎない。
 妹はインターフォン越しでは、胡散臭げな声のトーンだったのに、俺の顔を見ると一気に声のトーンが上がる。
 眼をきらめかせて、俺にいい印象を植え付けようという態度だ。

 俺の今まで付き合っていた女と変わらない、見慣れたありふれた態度。
 そのぶん肩によりかかっている存在が特別なものに感じて。
 彼女らしい簡素だが……妹の写真が飾ってある部屋。らしい、実にらしいなと内心笑いながら。
 主任を布団まで運んで寝かし付けると俺はお礼に飲み物でもと言われたが、もうここには用がないとばかりにあっさりと帰った。

 次の日から、俺と主任の関係は劇的に変わった。
 俺にハイテンションな状態をつい見せた事が恥ずかしいようで俺に謝った。
「いつもはこんな事無いのよ……」
 いつもなら掴み所のない冷静さしかうかがえなかった主任の声音が、表情が、柔らかいというか、可愛く聞こえる。
 それから俺は主任ばかり見ていた。
 回りの同僚に気づかれないようにこっそりと。
 そして彼女の態度は俺に対して軟化した。
 それがすごく心を浮き立たせて。彼女も時々会社で誰もいない時には、俺と仕事以外の会話をするようになった。
 ……内容は当たり前だが「妹」の事。
 俺はそれを楽しそうに相槌をうちながら聞いていた。
 しかし内心は会話の内容はどうでもよく、仕事中には見られない彼女の生き生きとした表情が楽しみだったからだ。
 次々と膨大な量の妹の話の中に混ざる、彼女のかけらを拾い集めて。
 俺は彼女に恋をしていた。
 妹を騙るように――俺の事も語って、見て欲しいと。

 いや、妹よりも俺を好きになって欲しいと、心の底から望むようになった。


続く。
640名無しさん@ピンキー:2011/07/26(火) 02:09:59.49 ID:C9+YNuyM
>>636-639
GJ
これは期待が高まるって言うかこの男既にヤンデレ予備軍的性格を漂わしているねw
凄く惚れてて好きなのは本当なんだろうが好きな女の都合なんて考えなさげw
きっと良いヤンデレ野郎になれるw
641名無しさん@ピンキー:2011/07/26(火) 12:26:03.16 ID:GPr7RP5S
GJ!
いやむしろこの女上司こそ男をヤンデレ化させる特殊スペック所持者と見た!!

チャラ×真面目な二人の性格バランスがとてつもなく自分好みだ
期待!
642名無しさん@ピンキー:2011/07/26(火) 17:40:59.92 ID:fVfqWRN7
こっからどう堕ちていくのか楽しみだ
643名無しさん@ピンキー:2011/07/26(火) 17:46:40.48 ID:0C+NXtOa
割と爽やかな始まりだけに病むのが楽しみだな
わっふるわっふる
644名無しさん@ピンキー:2011/07/27(水) 00:32:24.36 ID:7Q2Av8B+
この女上司さん処女なんだろうか?
三十路前の処女とかメシウマすぐるぜ
645名無しさん@ピンキー:2011/07/31(日) 00:03:00.87 ID:emRE2+6s
可愛らしい女の子にヤンデレて脅えさせたい
646 忍法帖【Lv=19,xxxPT】 :2011/08/03(水) 00:24:40.37 ID:BbJXYhI7
よくドSで俺様でヒロインの事を
好きだから怯えさせて泣かせたい系のキャラを見ると
優しい系の男にトンビに油揚げされて
ヒロイン掻っ攫われてヤンデレになってしまえばいいと思う想像が働くw
647名無しさん@ピンキー:2011/08/03(水) 01:06:11.45 ID:wScZIIRk
>>646
展開と設定的には完璧だな
そして重要なのはそのようなヤンデレ野郎なら抜けるエロシーンをがっつり演出してくれるだろう事だw
648名無しさん@ピンキー:2011/08/04(木) 00:33:36.74 ID:Ii6uoC3I
好きな女を虐めるのが好きなドSヤンデレ男が
片思いの女が自分以外の男を好きになった時に
どんな反応、行動を取るかは気になるなw
649名無しさん@ピンキー:2011/08/04(木) 13:10:40.69 ID:IjnowZG+
だがしかしあえて此処で流れも空気も読まずにドSにも鬼畜にもなれないヤンデレも良いモンだぜ!などとを宣ってみる

酷い環境で育ったせいか、誰にも理解されず空虚に生き長らえて過ごしてきたヤンデレ男が不器用ながらも生まれて初めて人を本気で好きになった
……まではよかったが、無意識のうちにその娘に依存し今ではすっかり唯一の心のより所に。
その娘だけが唯一の希望であり生き甲斐であるからこそ幸せになって欲しいのだが
好意を伝えて踏ん切りをつける度胸も自信もなくてそうこうしてるうちにいつの間にか相手の男がいてそいつの事が憎くて憎くて堪らない。
でも一切そんなそぶりも見せず相手の男を憎み切る事も出来ないヤンデレ男は誰にも理解されず人知れず荒んでいけばいい。
気付けば無理心中じみた事まで思い詰めてしまうほど表面下では確実に壊れていってるのに性格上、それを一切露呈させないまま…遂に…………。

そんな内向的で寡黙で犯罪者予備軍というかまんま犯罪者なヤンデレ男もいいもんだなあ
と最近思う。

相手の事が本当に好きすぎてその娘だけが唯一の理解者で相手の事を考えて陰から眺めている時だけが唯一生きてる実感が湧いちゃう、
嫌われるとか長年縋って生きてきた唯一の希望を自ら断ち切るような物だと真顔で言えちゃうぐらいの
依存気質なヤンデレ野郎のが寧ろ病質的じゃないかと個人的には思っちゃう訳だが。

ドSの様に欲望の赴くままに独占的にも加虐的にも成り切れない不器用で口下手で情けないほど泥臭いヤンデレだって良いじゃないかと。
650名無しさん@ピンキー:2011/08/04(木) 15:42:16.34 ID:1nFR9OOI
>>649ナイス設定!
(前半まで「それ草加雅人だな」と思ったけど後半は違った)


アニメ版「これはゾンビですか?」は男主人公と美少女達の萌え作品かと思ったのに
不意打ち男ヤンデレだった……
651名無しさん@ピンキー:2011/08/04(木) 18:45:18.00 ID:Ii6uoC3I
>>649
あ、そういうのも良いな
女性はヤンデレ男の事を家族とか見たいに思ってるから
普通に他の男と付き合ってるとか

それでヤンデレ男は普段は表向き普通だけど
実際はぶっ壊れて行って最後に爆発みたいな

>>650
ゾンビは良いアニメだた
652名無しさん@ピンキー:2011/08/04(木) 20:05:59.96 ID:A5hoxNgq
>>651
反対に初めはヤンデレ男の事を好きだったが
女性はヤンデレ男の完璧すぎるそぶりの見せなさに
「私の事妹としてしか見てもらえないんだ…」と
長い間かけてヤンデレ男の事を思い切り彼氏ができた。
そしてその事を知ったときのヤンデレ男のヤンデレさとかみてみたいw
653名無しさん@ピンキー:2011/08/04(木) 22:47:07.23 ID:IjnowZG+
お…俺の拙すぎる垂れ流し説明が…猛者達によって素敵な妄想に進化しとる……www

因みに「草加雅人」は知らんかった…ごめん。
……違ってたら申し訳ないんだけど
555でOK?
知らなかったのでググッてみたら色々と凄まじかったので今度機会があったら見てみますwww

>>649をもっと深く掘り下げると

完全にヤンデレ化する以前にヤンデレ男は唯一の生き甲斐である女の子から告白らしき言葉を受け取るのだが
臆病で奥手過ぎたヤンデレ男は女の子が望むような返事はすぐには出せなかったものの、
このままでは絶対後悔すると思い、これまでひた隠してきた好意をそれとなく伝える事が出来た。
…………のだが女の子はその真意に気付けなかった。

その後女の子は自身の言葉など全く忘れてしまったかの様にいきなり知らない男と付き合い始め、
しかもヤンデレ男を完全にシカトするようになる。
理由も聞かされずシカトされるようになってヤンデレ男は見事に転落する。
ヤンデレ男は女の子がせめて視界にさえ入っていてくれればと言わんばかりに物影からそっとただひたすら追い縋るよう付け回すようになる。
(基本無口で感情の起伏の無い人畜無害な奴なので
手出しはしてこないが静かに女の子を付け回し始める。
付け回しだけでアクションを起こそうとしないから尾行されてる側からしたら余計に気持ち悪い)

その後耐え兼ねた女の子が遂に失踪…(ヤンデレ男は知らないが実は自殺)してしまう。
唯一の心の寄り所であり唯一の生き甲斐を完全に失ったヤンデレ男が完全に壊れてしまうんだがそっからが堪らんかった。

ある時、ひょんなきっかけでヤンデレ男は相手男には実は本当の彼女(ヤンデレ男が好きな女の子とは別の娘)がいた事を知ってしまう。
完全に追い詰められていたヤンデレ男は女の子が失踪した最大の原因は相手男による裏切りに違いないと決め付け、本気で殺してやりたい程、相手男の事を心底怨む様になる。
(実は自身も女の子を付け回し精神的に追い込んでしまった事に薄々気付いていたからこそ、責任転嫁したんだとオモ)

女の子が失踪してから何年か経ち、それでも忘れる事も出来ず、
仮に女の子が自殺していたとしても信じる事の出来ないヤンデレ男は
仕事が休みの日もただひたすらに失踪した女の子を捜し続ける毎日。
だがそんなある時、身も心もボロボロなヤンデレ男の元に相手男に確実に接触出来る一世一代の大チャンスが転がり込んでくる。
そのチャンスが転がり込んできた途端、誰にも言えず自身のキャパシティを越えてまで無理矢理に押さえて込んできた物が、積年の恨みつらみが一気に吹き出し
堪え難い程の憎悪の念に駆られたヤンデレ男は遂に相手男が本カノ(現今カノ)と歩いている所に特攻。
最終的に無差別殺人を起こしてしまう。

因みに
実はヤンデレ男が好きな女の子はヤンデレ男の事が大嫌いでヤンデレ男に告白したのも
訳あって逆らえない人物に脅迫されていたからしただけで好きでもなんでもなかった。
相手男といきなりお付き合いを始めたのもヤンデレ男を諦めさせる為に好きでもない相手男に無理矢理付き合って貰ってた……

という強烈なオチ付き……orz

俺が好きだったヤンデレ男が出て来る話をおおざっぱに説明するとこんな感じだった筈
654650:2011/08/04(木) 23:51:03.42 ID:1nFR9OOI
>>653 555でおk

そんでもって
>649&>653の作品名を教えるように。商業作品?
655名無しさん@ピンキー:2011/08/05(金) 01:00:41.84 ID:Xid+ZAat
>>654
>649&>653の作品名を教えるように。商業作品?

>お察しの通りNOT商業作品。そこそこ老舗の一次創作オンノベサイトさんに掲載されてた作品が元ネタ。
自分が通い始めたのは割と最近なんだが、かなり昔から何本もの長編や短編を手掛けていらした方なので
内容は言わずもがな面白い物が多いし全体的に手慣れてる感がやばい、何より作品数が半端ない。

もしコレが商業作品だったらもっとおおっぴらに布教したり語れたんだが、
何せ個人のフリー作品なもんだからずっと誰にも語れずにスッゲー悶々してた、こう言うのも何か変だけど聞いてくれてありがとう。

でもこういった場所に無断でのっけるのは大変恐縮というか恐れ多過ぎて。

商業ならともかく流石に止めといた方がいいよな…?

サイト名くらいならセフセフ?
此処の人達を信用してない訳じゃないけど、でもチキンな俺にはもし仮に作者様に迷惑でもかかったらと思うと……
656名無しさん@ピンキー:2011/08/05(金) 09:11:06.08 ID:6Stbd4e4
作者が掲示板等での紹介NGの場合もあるからなあ…
商業じゃないなら自重した方が良いんじゃない?
657名無しさん@ピンキー:2011/08/05(金) 11:18:21.45 ID:Xid+ZAat
>>656
解った。やっぱり申し訳ないし此処はきっちり自重しておく。
作者側の気持ちの都合ってもんもあるから
一読者が舞い上がって軽々しく布教する物じゃないよな。紹介NGって場合もあるし。商業じゃないならやっぱ自重すべきだよな。

正直、長々とだべらせもらってすまんかった。











因みに本編はライトSFで人外で超能力な話だった。


…………試しに先生でそのまま調べたら真っ先に出て来てくれて幸せになれたので、そのまんまかけたらきっと幸せなれるかと、多分。
658名無しさん@ピンキー:2011/08/05(金) 22:44:28.79 ID:V3El79qN
そういいながら晒して行くお前は最低だな
659名無しさん@ピンキー:2011/08/05(金) 22:49:32.74 ID:Xid+ZAat
まーなwww
660名無しさん@ピンキー:2011/08/05(金) 23:00:42.96 ID:vnkI57hJ
ヤンデレ男とヒロインは最終的に合意の上でくっついて欲しい派?
それともくっつかないor非合意派?

個人的には合意くっつく派が多そうだと思うんだが
661名無しさん@ピンキー:2011/08/05(金) 23:06:00.45 ID:L27c17Hx
>>652
両想いだったのに……ってのも良いよね

>>653
そんなオチならヤンデレ男は好きな女を犯しておくべきだったなw

>>660
どちらでもいける
しかしヤンデレと知りつつ両想いになってくれる女は貴重w
662名無しさん@ピンキー:2011/08/05(金) 23:16:13.16 ID:Xid+ZAat
>>660
もういっそのこと女もヤンデレだったらきっと同意の上で引っ付いてくれるんじゃねーの的な合意派。

でも非合意野郎の独善的なのもそれはそれでやっぱりおいしいよな。
663名無しさん@ピンキー:2011/08/06(土) 00:26:18.29 ID:+ZoAUD6v
女はヤンデレではなく普通かむしろ普通よりオドオドしてる位が良いかも
いやヤンデレの女の子も好きだけどw
664名無しさん@ピンキー:2011/08/06(土) 08:56:57.44 ID:qqAFYJ7Z
>>663
ヤンデレと純愛は紙一重という言葉がありましてね…………。
ヤンデレ同士だと……後は言わなくても解るな……?

そう思うとヤンデレ同士もそんなに悪い物じゃないぞ。
…………女の子をおどおどさせたいのならちょっち違うかもしれんが。
665名無しさん@ピンキー:2011/08/06(土) 09:33:43.56 ID:qqAFYJ7Z
>>661を見て、相手の男がヤンデレと知りつつも両想いになってた女っていたっけなーとか思い出してたら

真っ先に思い浮かんだのがさとみと文吾だった…………
666名無しさん@ピンキー:2011/08/06(土) 10:08:55.62 ID:3F8DHn5J
普通に両思い(もしくは普通に口説き落として恋人or夫婦に)
だけど、徐々にヤンデレの本性を現す男と、男の異常さに気づくが
囲い込まれて逃げ場のない女…なパターンが好きだ
女は気づいてなくて、周囲の方が男のおかしさに気づくが…
ってのもいいかも
667名無しさん@ピンキー:2011/08/06(土) 11:13:11.15 ID:qqAFYJ7Z
気付いた時にはもう手遅れのパターンだな
668名無しさん@ピンキー:2011/08/06(土) 16:42:58.23 ID:Z5qgOEo8
ヤンデレ男がハッピーエンドって、
永井のり子漫画を想像した(すげこまくんとか、みすてないでデイジーとか)
669名無しさん@ピンキー:2011/08/06(土) 19:09:34.37 ID:HglSM+mr
ヤンデレ男×ヤンデレ女ってデュラララのキャラを思い出すw
ヤンデレ男は首無し騎士の首に一目惚れして
なくなった首を追い求めてフラフラ放浪?してて
ヤンデレ女はそんな男がすきで
男に殺されそうになったとき首無し騎士の顔に整形して
男に身代わりにしてやるついてきたいなら勝手について来い
と言われ着いて行き騎士の頭を○してやろうとスコップ持ってる

男の姉も病んでて尚且つ弟が好きだしな


女に知られずにヤンデレで昔読んだ忘れられない話
ある純粋で汚れない可愛い三兄妹の末姫が
歳をとる度に城の中で孤立して行き召使もよそよそしく
舞踏会やら国外の外交のものには一切だしてもらえず
純粋なためにみんなに嫌われているは自分が悪いんだと自分を責めつづけ
唯一優しくしてくれる国の有力貴族であり英雄の幼なじみに
私と付き合ってると皆から貴方も嫌われてしまいますといって
遠ざけようとしてもその男だけが心のよりどころで大好き
しかし男視点から見ると姫が好きすぎて城の中で孤立するように画策
兄王には自分の邪魔をすると謀反を起こすと脅し
妹姫に本当の事を話そうとした姉姫は遠方に嫁がせ
姫のお気に入りの使用人は罪を着せて辞めさせ
使用人に姫と仲良くするとこうなると牽制
姫は自分だけのモノ……とえつに入ってる作品だった
670名無しさん@ピンキー:2011/08/06(土) 19:27:07.85 ID:+ZoAUD6v
>>664
まあ、ヤンデレ同士も良いよね
ただ男優位で女は男を立ててくれる系だと嬉しい

>>665-667
最後は女も男のヤバさに気付くも手遅れ
諦めつつも受け入れるとかだと個人的に最高かもw
671名無しさん@ピンキー:2011/08/08(月) 00:18:16.05 ID:H1BbaQ0z
ヤンデレ男に追い込まれて逃げ場がなくなった美女、美少女って萌える
672名無しさん@ピンキー:2011/08/10(水) 04:05:31.08 ID:wDCSoMav
ヤンデレ男にエロ酷い目にあう女の子は良いよね
673名無しさん@ピンキー:2011/08/10(水) 04:07:45.11 ID:wDCSoMav
sage忘れた
674名無しさん@ピンキー:2011/08/11(木) 04:11:22.09 ID:UfMpWz/C
やっぱり男の人が多いの?このスレって
男ヤンデレ好きだから覗いてみたら、男ヤンデレによりもヤンデレに捕われてる女の方に萌えてるという感じでビックリした
男ヤンデレに萌えるのは場違い?
675名無しさん@ピンキー:2011/08/11(木) 09:46:59.05 ID:PX9U9umD
>>674
んなこたぁない
676名無しさん@ピンキー:2011/08/11(木) 21:42:48.76 ID:d9jTRzOp
>>647
無論エロい目や酷い目に合う女の子にハァハァするのはその通りだけど
ヤンデレ男の行動を観察するのも楽しいです
677名無しさん@ピンキー:2011/08/11(木) 21:46:21.91 ID:d9jTRzOp
あ、>>674宛てです
それにヤンデレ男には感情移入出来るから好きです
まあ、キャラによりますがw
678名無しさん@ピンキー:2011/08/11(木) 23:22:50.83 ID:UDvhVUD8
レスの書き方から、なんとなく女の方が多そうと思い込んでた
679名無しさん@ピンキー:2011/08/12(金) 00:23:07.34 ID:ASrMkD04
むしろ女しかいないと思ってたw
ヤンデレ男って基本ハイスペックイケメン系設定が多いし
男→→→女要素強いから女向けな気がする
680名無しさん@ピンキー:2011/08/12(金) 01:25:21.44 ID:c2HPYTKL
ここにいる奴が男とか女とかぶっちゃけどうでもいい
人としての道を踏み外し 益々抜け出せない泥沼へとはまり込み堕ちてゆくヤンデレ男そのものに萌えるか、
ヤンデレ男に嬲られて淘汰されて骨の髓まで蹂躙される女の子に萌えるか、
現在上がってるレスを見てる限りそこに関してはかなり人それぞれみたいだし、言い出したらキリがない気がする
ヤンデレ男に萌えれればそれでいいよ、もう。

>>679
自分は酔いしれまくりのイケメンハイスペックよりも逆の
平々凡々で根暗で何考えてんのかわかんないけど本当はどうしようもなく歪みきってて卑屈な奴のが好きなんだが・・・・・・orz
ま、ただ単に好みの問題だけど

・・・・・・そうは言いつつも高慢ちきでハイスペなヤンデレの鼻っ柱が女の子によってボッキボキに折られる所とかちょっと見てみたい訳だがwww
失意の中、自暴自棄に走って最終的に強行突破に出ればいいと思うWWW

でもこれはアレか、スレチか
681名無しさん@ピンキー:2011/08/12(金) 01:30:27.09 ID:kj5e47C2
>>680
そういう卑屈なのもハイスペックなのも好きだよ
でも女の子にやられるのはイヤン
せっかくだしちゃんと犯そうw
682名無しさん@ピンキー:2011/08/12(金) 03:18:46.81 ID:2yT+fdQq
>>680
ハイスペックだからといって余裕綽々だとは限らないんだぜ

過去のトラウマが原因で、ハイスペックでありながら卑屈で自信がないヤンデレもイイ
683名無しさん@ピンキー:2011/08/12(金) 03:30:02.77 ID:eLQ42n/C
>>679
>男→→→女要素強いから女向けな気がする
そこら辺は物は言い様だなぁとも思ったり
逆に言えば女の好悪感情や都合なんざ一切考慮せずに
自分の愛情、欲望をぶつけるとも言えるし
個人的にそういう展開が好き、他のパターンもいけるけどねw

>>680
その後、女の子に生意気な態度を取った事を後悔させる展開だとメシウマですねw
684名無しさん@ピンキー:2011/08/12(金) 08:09:42.66 ID:s0YUXuek
>>679
愛するが故無理やりスレと被るな
685名無しさん@ピンキー:2011/08/12(金) 14:40:15.20 ID:g+QKL0YL
みんなこれはチェック済み?
http://www.sugar-beans.com/products/sb03/index.html
686名無しさん@ピンキー:2011/08/12(金) 19:53:15.71 ID:c2HPYTKL
…………誤爆?
687名無しさん@ピンキー:2011/08/12(金) 20:27:40.49 ID:Ygmmto9p
強気根アカ女×弱気根暗ヤンデレ男ってのもありだよな、って今思った。

男がヤンデレだからといって女を無理やり犯しにくるとは限らない・・・し
両思いも考えられるもんな。
688名無しさん@ピンキー:2011/08/12(金) 21:24:24.29 ID:c2HPYTKL
>>687
禿同

っていうか弱気根暗ヤンデレが個人的にすげえメシウマ
両思いから踏み外してドロドロヤンデレ道に転がらない可能性が全く無いとは言い切れない
積極的じゃないヤンデレだっていいじゃない

前々から思ってたが
女を無理やり犯す=ヤンデレ
ではないと思う
ヤンデレ男がみんな女を犯したがってる訳じゃないだろ

逆に女に全く触れないような気色悪いまでに潔癖で奥手な奴とかも面白いと思う
エロパロ的にはつまらないと感じる人もいるだろうしそれで一本書こうとしたら難しいかもしれんけども
689名無しさん@ピンキー:2011/08/12(金) 23:09:07.98 ID:kj5e47C2
エロは必要かと思うが気弱根暗ヤンデレ男で両想い展開も好きだな
ヤンデレで気弱根暗とわかってて女側が受け入れてるなら尚良し
690名無しさん@ピンキー:2011/08/13(土) 01:12:03.31 ID:rXEmu4Ig
逆に卑屈で根暗でヤンデレな男に、
それを受け止めてる強気女が痺れを切らして襲うとか萌える。

男は勿論女が好きだしめちゃくちゃやりたいけど、
逆に病むほど愛しすぎてるから、
他の回りくどくて病んだ愛情表現(?)はしてても(周りの男への危害・盗撮等)
真っ向から女に向かい合うと、自分がどうにかなりそう、相手をどうにかしそうで恐くて手が出せない。

女はそんなこと知ったこっちゃないわ!って感じで、私の事好きじゃないの!?って迫る、とか。

そのまま脳内混乱状態なヤンデレ男が、女にエロく攻められるもよし、
脳内ぷっつんして本性あらわなヤンデレ男に無茶苦茶に攻められるおにゃのこも大変かわゆいと思います。

691名無しさん@ピンキー:2011/08/13(土) 15:51:59.79 ID:wCW6uXiv
「愛してる!だから…僕…貴方の血が見たいな……」
「好きだから貴方を監禁する!」
「他の男と喋りやがって……もうソイツとやることはやって貫通してんだろ…じゃあ俺が犯したって解りゃしねえよな」
うはwwwヤンデレ男最高WWW萌えwww
……みたいな風潮、木っ端みじんに爆発すれば良いのに
ていうかそれの何処がヤンデレ男なんだよお前が好きなのヤンデレじゃないだろ
某腐れ少○ミの俺様キャラかよ
ただの情緒不安定で自己中なあげくに女々しい下半身直結サイコ野郎じゃねーか死ね

…………と半場本気で思ってしまう俺に一発喝を下さい
692名無しさん@ピンキー:2011/08/13(土) 16:49:32.58 ID:S4861zuX
追いつめて外堀固めてることを獲物に気づかせないのが真のヤンデレじゃね?
女がやっと男の異常性に気付いた頃には、既に逃げられない味方がいない詰みという。
もしくは>>430やゆうととかなの人みたいな鈍感力ほのぼの(?)ヤンデレとか。
693名無しさん@ピンキー:2011/08/13(土) 17:11:17.92 ID:TfAG3PlQ
>>691-692
そこら辺の定義は人それぞれだからなあ
端からヤバい雰囲気全開のヤンデレ男でも問題無いだろう

後、重要なのは女側とエロ展開だ
エロパロ板だし
ヤンデレの定義程意味不明なのも割りと珍しいと思うから
あんまり気にしすぎると負けかなと思う事にしている
お前が思うヤンデレがヤンデレだよとしか
694名無しさん@ピンキー:2011/08/13(土) 22:24:34.71 ID:/CaNJMQq
>>691
結局物はいいよう
>>691の思うヤンデレの定義がどんなものかは知らんが
他の人からすりゃ、それヤンデレじゃなくてただの○○で○○な○○野郎じゃねーか!となるかもしれんし
人それぞれのヤンデレ像があるからなあ
695名無しさん@ピンキー:2011/08/15(月) 01:42:11.36 ID:NxJL42zL
しかし男ヤンデレを女が受け入れてる拒否してる
どちらも美味しいよな

是非投下を……
696名無しさん@ピンキー:2011/08/15(月) 04:49:52.08 ID:d9jLFHiE
あんまりマイ定義がちがちに主張して
書き手のバーを上げてやるなよ……
せめて「こういうのが好き」ぐらいのニュアンスにしとけ
697名無しさん@ピンキー:2011/08/15(月) 08:43:16.49 ID:d544a/k9
確かに、あんまり言い過ぎるっ書き手さんからしたらハードル上がっちゃうわな………



…ところで、おまいらオススメのヤンデレ男ソングってある?

筋少の「蜘蛛の糸」(特に第二章)聞いてたら色々とたぎってたぎって…もう…………
698名無しさん@ピンキー:2011/08/15(月) 09:01:31.04 ID:d544a/k9
ちょっと恥ずかしいから訂正

>あんまり言い過ぎるっ書き手さんからしたら
>あんまり言い過ぎると書き手さんからしたら

…ヤンデレソングに飢えてんだよ……あとSS………orz
699名無しさん@ピンキー:2011/08/15(月) 17:36:08.73 ID:/sMyqSrr
金爆の元カレ殺スとか?

このスレもよく見たら容量もうちょっとだね
700名無しさん@ピンキー:2011/08/15(月) 19:10:45.25 ID:NxJL42zL
うむ、次スレの季節だな
ヤンデレ男のエロ小説読みたひ
701名無しさん@ピンキー:2011/08/17(水) 01:23:01.56 ID:SVz7EhuS
続きが気になる話が多い…投下に期待したい
702名無しさん@ピンキー:2011/08/23(火) 23:59:58.53 ID:Zbuvjkxr
投下期待
703名無しさん@ピンキー:2011/08/24(水) 01:13:02.52 ID:HczJs7b7
投下いきます。
ヒロイン視点で、監禁モノです。
ヤンデレ君が潔癖気味のコミュ障なので最初はエロもデレもわかりづらい感じですが、よろしくお付き合いください。
704君と過ごした××日間:2011/08/24(水) 01:16:27.54 ID:HczJs7b7
確か、学校から帰る途中のことだったと思う。
頭に衝撃が走って……目が覚めればそこは、知らない部屋だった。
「え…えっ?」
頬に当たる冷たいフロ―リングの感触に戸惑う。物の少ない部屋だ。勉強机に回転イス、縦長の本棚、ベッド。青とメタルカラ―の配色から見るに、男子の部屋みたいだ。もちろん、私の部屋じゃない。
「…ど、こ?いたっ!?」
起きあがろうとして叶わず肩を打ちつける。あれ、手が動かな、え、…縛られて、る?あ、足も!?え、え、え!?
「誰か!!誰かぁっ!」
わけのわからない現実にを拒絶したくて、悲鳴をあげる。誰か、誰でもいい、誰かにこの現実を否定してほしかった。
「……だれか…っ…たすけて…!!」
じたばたともがいた視界の端にドアを見つけ、体を打ちつけながらも必死に這う。
遠い…まだ遠い……まだ…とおいよぉ…
その時、
ガチャリ、と鍵を外すような音が聞こえた。
「ひっ」
開いたドアが鼻先を掠める。
「…えっ、と…?」
鬱陶しい黒髪と、黒縁眼鏡。
下からだと、意外に整った顔立ちがよく見える。
「鴇谷、くん……?」
そこに立っていたのは、ろくに言葉を交わしたこともないクラスメイトだった。
「えっなんで、」
「起きたんですか」
こちらのことなどお構いなしに、彼は他人行儀な口調でつぶやく。授業中の受け答えで耳にするのと、全然変わらない。いつもの調子だ。このおかしな状況にはそぐわない、冷静な声音。
「あ、あのね、鴇谷くん…」
その冷静さに何故か私は落ち着いて、私はやっとまともな言葉を言うことができた。
聞きたいことは山ほどある。でも、何から言っていいかわからない。だからとにかく、私は今一番願っていることを伝えた。
「私、家に帰りたいんだけど…」
フロ―リングは固くて冷たいし、縛られた手足はじんじんするし、もういやだ。ここは、いやだ。
「はあ?」
切れ長の目が、不機嫌そうに細められる。
「何を言っているんですか」
初めて見るような――いや、そもそも私は彼のことをよく知らない――威圧的な表情で、彼は言った。
「あなたは、今日からここで暮らすんです」
理解不能な、ひどい現実を。
私は馬鹿だった。
ここは彼の部屋に決まっているじゃないか。
鍵を開けたのは彼。だったら、閉じこめたのも彼。
私を縛り上げたのも―――彼に決まっている。

私は、自分を閉じこめた相手に、「帰して」と懇願していたのだ。
705君と過ごした××日間:2011/08/24(水) 01:17:11.79 ID:HczJs7b7
「―――っ!?ふざけないでよっ」
怒りに任せて得体の知れないクラスメイトを睨みつける。
いったい、私が何をしたと言うんだ。
何もしてない。ただ、何回か言葉を交わしただけだ。普通に挨拶をするだけの間柄だ。
「帰して!私の家に、帰してよっ」
みっともなく暴れながら、私はとっくに閉ざされていたドアを目指した。
しかし、猫の子でも掴むように、あっさりと捕まってしまう。
「うるさい。近所迷惑ですよ」
どうにか逃れようともがいたけれど、文字通り手も足も出ない。あっという間に最初にいた位置に転がされてしまった。
「たすけ―――」
それならばと大声を出そうとしたが、非情な声に遮られる。
「嘘です。防音ですよ。でもうるさいのは嫌いなので騒がないでください」
逃げ道を全部塞がれて、私はどうしようもなくなってぱくぱくと口を開閉させる。
今まで生きてきた中で、こんなに理不尽でどうしようもないことなんて遭ったことがない。逃げ出せる気もしない。
どうしよう、泣きそうかも。
「なんで…」
潤んだ目を隠すように、フロ―リングに額をつける。さっき暴れて打ちつけたところが今更痛んだ。
「…たが……ょう」
ぼそりと落ちてきた言葉は、苛立った響きで。
きっとこの状況のヒントなはずなのに、怖くて聞き返せなかった。
「鴇谷くん…帰してよ…」
「しばらく静かにしててください」
すべてを拒絶するような声音を残して、足音が遠ざかる。
キィ、とイスを引く音がしたと思うと、なにやら耳慣れた音が聞こえてきた。
まさか、この状況で普通に勉強してるの?
顔を上げると、想像通りの背中があった。そうだ、いつも休み時間でもこのポ―ズだった、このクラスメイトは。
また怒りの感情がこみ上げていく。萎えていた気持ちが色づくのを感じる。

絶対に、絶対に。
ここから出て行ってやる…!
706君と過ごした××日間:2011/08/24(水) 01:19:05.94 ID:HczJs7b7
最初に縄抜けを考えた。
でも、どうやら複雑な結び方みたいで、とれそうにない。このまま逃げるしかないみたいだ。でも外にさえ出れば誰かが助けてくれる。家中に鍵をつけてるわけがないし、あのドアさえ突破すれば大丈夫だ。大丈夫、逃げれる。
ゆっくりと体を仰向けにする。肘が少し床にぶつかったが、鴇谷くんが振り返る様子はない。舐めないでよね、とその背を睨みつけた。
さっき気づいたけれど、フロ―リングを這って進むと音がする。だから、立ち上がって、ちょこちょこ歩いていくしかない。かなり間抜けだけど。
足を曲げて、下敷きになった腕に力を入れる。勢いが大事だ。でも、静かに、静かに。
………っ!
(…ふ―)
なんとか上体を起こせた。ここからは簡単だ。足を横にしてゆっくりと立ち上がる。
そして私はもう一度後ろを確認すると、私はドアに向かった。
…遅い。全然進めない。進めない…っ!
「森さん」
「ひゃんっ!?」
ふいに声をかけられ、バランスを崩す。
あとはまたフロ―リングへまっさかさま、だ。
「痛た…」
とっさに顔は反らしたけど、他はさんざんだ。きっと明日には痣だらけになっているだろう。
「何をやっているんですか…」
首を後ろに向けると、鴇谷くんは呆れた目でこちらを見ていた。
「え、えへへ…」
とりあえず、笑って誤魔化す。
どうにか誤魔化されてまた勉強に戻ってくれないかなあ。
「ひッ」
―――そんなわけはなく
鴇谷くんは呆れた顔のまま、こちらに向かってきた。
「こ、来ないでッ!」
「…」
ずりずりと床を這って逃げるが、私の全力は彼の一歩で簡単に縮められる。
「いやっ」
荷物でも持つように抱えられ、私は冷え冷えとした寒色のベッドに放り込まれた。
あまり柔らかくないスプリングの反動に、子供の頃遊んだトランポリンを思い出す。あの時はあんなに楽しかったのに、今はただただ怖い。
反射的に閉じていた目を開くと、目の前に鴇谷くんの顔があった。恐怖と緊張で体が動かない。もはや、悲鳴も出なかった。
707君と過ごした××日間:2011/08/24(水) 01:21:23.79 ID:HczJs7b7
「……」
鴇谷くんは私に覆いかぶさり、ガラス玉のような目を見開いてこちらを凝視している。異常なまでに近い距離。それでも、薄皮一枚ほどの境が私たちの間にあった。呼吸を感じる距離なのに、決して彼は私に触れていなかったのだ。
その距離に偏執的なものを感じ、背筋が寒くなる。触れられたいわけではないが、早くこの気味の悪い均衡を崩したい。
「どいてよ!」
顔を背け、肩で押しのけようと―――する前に、鴇谷くんは離れた。何事もなかったように、ベッドサイドで私を見下ろす。
…あ、あ、あれ?これは…もしかして…
ベッド+私(動けない)+鴇谷くん(男子)=…
(犯される!?)
「い、いや!!!やめて!!卑怯者!!さいてーこっちこないで馬鹿あ!!」
今まで漠然としていた危機感が、わかりやすい形となって現れる。身の危険を感じ、私は転がってでもベッドから出ようと跳ね起きた。
「はあ…」
もちろんすぐに突き飛ばされ、スプリングの洗礼を受ける。
困ったようにため息をつくと、鴇谷くんはポケットから何かを取り出した。
「静かにしてくださいって言ったじゃないですか」
じゃき
「……ひ…ぃ……っ!?」
前髪が、一房。
目の前で散った。
彼が持っていたのはハサミだった。文房具の方ではなく、大振りのキッチンバサミ。私はよく台所に立つから知ってる。あれは、あれは―――肉も、簡単に切れる。
「急に大人しくなりましたね」
刃を開いた状態のソレで、彼は私の頬を撫でる。手つきはひどく優しく、愛撫にも似ていたが、それが余計に怖かった。
「やっぱりわかりやすい恐怖を与える方が効くようですね。でも、縛られている時点で、僕がクラスメイトであることを抜きにしてももっと怖がるべきですよ。あなたは危機感が足りない。心配です」
心配なんて、どの口が言ってるの。
せめて嫌味でも言ってやりたかったが、頬に当たる冷たい感触がそれを許さなかった。
「じゃあ、しばらく静かにしていてくださいね」
ああ、もうダメだ―――そう思って目をつむる。
しかし、覚悟していた瞬間は一向に訪れなかった。
おそるおそる薄目を開いてみると、彼の姿はない。怪訝に思って視線をさまよわせると―――また、勉強机に向かっていた。
…意味がわからない。
彼は、いったい何がしたいんだろう。
要求といえば「静かにしてください」だけだ。ただ静かに、ここにいる。そんなのまるで置物だ。
そう思うと、恐怖に萎えた心にまた怒りが灯る。もう一度、逃げてみようか。
でも、
(でも…もう、つかれた…)
ベッドに横たわっていると、理解不能な状況に疲れた思考がとろとろと溶けていってしまう。
ああ、疲れた…思考がまとまらない。頭がぼんやりする。
どうせ、今はどうすることもできないんだ。刃物は怖いし、ずっとこの部屋に彼がいるわけはないし、チャンスはいつか来るはず。
だから、今はもう…休んでも、いいよね?
そう自分に言い訳し、私は睡魔に逆らうことを止めたのだった。

続く
708名無しさん@ピンキー:2011/08/24(水) 01:38:54.10 ID:nHE5KAG8
>>703-707
GJ
これは続きが気になる
でもsageた方が良いかと
709名無しさん@ピンキー:2011/08/24(水) 01:40:18.65 ID:mKGn1j4A
続き期待
710名無しさん@ピンキー:2011/08/24(水) 02:14:32.37 ID:HczJs7b7
>708
すみませんうっかり忘れてました;次回からsageます。
続きは明日かできたら今日の深夜にでも。
711名無しさん@ピンキー:2011/08/24(水) 02:50:16.00 ID:3XOn3G5O
なぜか読んでてニヨニヨするw
なんかかわいい

続き期待!!
712君と過ごした××日間:2011/08/24(水) 20:15:10.73 ID:HczJs7b7
「ねえねえ聞いた?3組の野田さんがさあ、鴇谷のこと好きなんだって!」
「うっわありえねー!?あんなガリ勉の根暗がいいんだー」
「まあ野田さんも真面目だし、お似合いなんじゃ?」
放課後の他愛ないおしゃべり。誰が誰を好きで、誰が誰と付き合ってるか。
熱狂する気はないけど、たまに聞くには面白い。
「ねえ、あづさ―」
机に広げたお菓子をかじるだけだった私に、話の矛先が向く。
珍しく恋話に参加してるからか、友人二人の目は爛々と輝いていた。
「どう思う?」
「ありえなくない?」
そう言われて、クラスメイトの鴇谷理人のことを思い浮かべてみる。少し離れた隣の席に座っている彼は、いつも机に向かって勉強ばかりしている。私は彼の横顔しか知らない。人形のように硬質で、秀麗な横顔。
「まあ、よく見れば綺麗な顔立ちだし…」
あまり否定するのも野田さんに悪いので、そう言っておく。
「ないない!」
「仮にイケメンでも、授業以外まともに話さない奴なんて絶対つまんないって!」
確かに彼は、私が「おはよう」と言っても何も言わない。誰よりも早く学校に来ているくせに、きっと、たくさんの「おはよう」を言われているくせに、彼は決して返さない。彼が喋るのは、授業中の受け答えだけだ。
もう気にするのも忘れたけれど、確かに、彼は誰かに好意を向けられるのには相応しくない。だって、完全に無視なんだから。ひどいやつだ。野田さんも可哀想に。
「っていうか、絶対うちらのこと馬鹿にしてるよねー」
「ねー」
話題が色恋沙汰から鴇谷くんへの悪口に移行したところで、私は二人の口にポッキ―を突っ込んであげた。あまり陰口は好きじゃない。腹が立つのは確かだけど、陰口を叩くくらいなら直接言う派なのだ。
「そんなことよりさ、真奈美今の彼氏年下なんだって?」
「そーなのほんっともう可愛くて可愛くて!」
「年下とかありえないー」
「良さがわかんないなんて、まだまだお子ちゃまね由奈」

……ああ、
あの日交わしたはずの会話が、遠ざかっていく。
ああ、これは夢なのだ。何時か忘れた、いつかの。
…どうしてこんなこと、思い出したんだろう。
そう思いながら、私の意識はまた深くに沈んでいった。
713君と過ごした××日間:2011/08/24(水) 20:18:23.13 ID:HczJs7b7
どれだけ経ったのか、窓のない部屋ではすぐにはわからないが。
本能的な欲求に追い立てられ、私はぱちり、と目を覚ました。
(どうしよう…)
目なんて覚めなければよかった。
相変わらず微動だにしない背中を見て、そう思う。
(ど、どうしよ…)
向こうは私が目を覚ましたことに気づいているのだろうか。もぞ、と太股を擦り合わせ必死に堪える。
(トイレ、行きたい…っ)
どうしようか。
正直、男子に言うのは恥ずかしい。仲がいいわけでもないし、いや、そもそも監禁されてるし。
でも言うしかない。もしかしたら拘束をといてくれるかもしれない。それなら、チャンスだ。
「あ、あの…鴇谷くん?」
一か八か、声をかけてみる。
「何ですか」
普通に返事が返ってきた。クラスでの黙りっぷりを考えるとこれはすごい。奇跡だ。
奇跡が逃げないよう、少しの羞恥を飲み込んで、用件を伝える。
「トイレ行きたいんだけど…」
「ああ」
くるりとイスが回り、鴇谷くんは立ち上がる。そのままこっちへ…は来ずに、ドアを開けて行ってしまう。
ガチャリ、って聞こえたから…外鍵もついてるんだ……いや、今はそんなことはどうでもいい。早くトイレに行かせてほしい。もう我慢の限界だ。
鴇谷くんはすぐに帰ってきた。
「どうぞ」
「………え?」
鴇谷くんが床に無造作に置いたもの―――それは、なんというか、猫のトイレに見えた。砂がたっぷり入った、大きめのプラスチックの容器。
何の説明もなしに、彼はまた机に向かう。
「ど、どういうこと!?」
「すぐに片づけたいので、早くしてください」
わけがわからない。
いや、本当はわかってる。認めたくないだけなのだ。
(う、やば…)
プライドとか羞恥心とか、色々なものがそれを認めない。けれど、本能はだんだん理性を圧迫し始める。無理、無理、無理―――もう、無理。
覚悟を決めて、ベッドから降りる。
限界ギリギリまで我慢していたので、私の小さな一歩はひどくもどかしかった。
(…ぅ……)
ようやくたどり着いたけれど、やはり踏ん切りがつかない。
観念して下着を下ろそうとすると―――それが難しいことに気づいた。後ろ手に縛られたてじゃあ、戒められた足首じゃあ、下着を下ろして屈む、それだけのことが簡単にはできない。時間があればどうにかなったかもしれなかったが、今の私には余裕がなかった。
714君と過ごした××日間:2011/08/24(水) 20:23:22.65 ID:HczJs7b7
「え、ちょ、むり……っ」
膝をついて、なんとか下着を脱ごうと手を動かす。
でもできない。なかなか下がらない。どうしよう。どうしよう。どうしよ、
「……ぁ…」
太股に、生暖かいものが流れる。
必死に止めようとするけど、水音は止んでくれない。
「え…ぅ、嘘……や、…やだ…っ」
そんな、この歳で、そんな。
信じられない現実に、頭が真っ白になる。
「ふ…ぅ、うぅ…っ…ひっく…」
情けなくなって、涙が溢れてきて、どうしようもなくなって。
私はその場にびちゃ、と座り込んだ。
「……はぁ」
ため息が聞こえた方へ、反射的に顔を上げる。
聞き分けのない子供を見るような目で、彼は私を見下ろしていた。
「あ…ぅ…」
その目に、まるで自分がお漏らしをした幼児のように思えてくる。いや、実際その通りだ。恥ずかしくてうつむくけれど、視線は逸れてくれない。
「森さん」
「わ、わた…汚し…ごめ、ごめんなさい…」
後で考えれば、そもそも彼のせいなのだけど、この時の私はごめんなさいごめんなさいと子供のように繰り返すことしかできなかった。
「まったく…」
神経質なため息に、びくりと肩が震える。どうしよう、怒らせた?だよね、そうだよねあんな人一倍潔癖そうな彼の部屋をよ…汚しちゃったんだから。どうしよう。殺される?
「ひっ」
しかし鴇谷くんは私を避け、またドアに向かう。
呆然と閉まったドアを見つめていると、何枚かのタオルと雑巾を投げつけられた。少し離れたところに、バケツが置かれる。
「自分で綺麗にしてください」
恐怖と羞恥と、そして、やっとこの光景から逃れられる少しの安心から、私はコクコクと頷いた。水たまりをタオルに吸わせ、バケツに入れていく。単純な動作だったから、縛られていてもなんとかなった。あらかた終わったら、雑巾で床を拭いてそれもバケツに入れる。
終わった、と顔を上げると、鴇谷くんは机に向かっていなかった。
じっとこちらを見下ろしていた。―――無機質な物質を熱したような、気味の悪い温度をはらんだ目で。
「……ぅ、…ぁ…」
蛇に睨まれた蛙のように、動けない。
気づけばまた、荷物のように抱えられていた。
そのままドアに向かい、あっさりと私は部屋の外に出る。短い廊下を2,3歩進むと、すぐ右のドアに入った。―――脱衣所だ。
ガラリと浴室の戸を開け、私は浴槽に放り込まれる。やっと混乱から疑問符が生まれ、口を開こうとして―――濡れた下着のことを思い出した。ああ、ここも自分で綺麗にしろってことか…いや、この状態じゃ無理でしょ。
「わっ、えっ!?」
私が頭の中で言った嫌味に気づいたのかなんなのか、鴇谷くんも浴室に入ってくる。その表情は相変わらずの手がかりのなさで、シャワ―に手を伸ばした。
「……っ!?」
突然温いシャワ―を浴びせられ、いくらか温水を飲んでしまう。
「けふっ……かはっ…っな、何すんのよ!!」
全身ずぶぬれにされたところで、ようやくシャワ―は止まった。あんまりな仕打ちに、私は恐怖も忘れて立ち上がろうとする。
「森さん」
シャキ、と。
嫌な音が浴室に響く。
―――そうだ、忘れてた。
「動かないでください」
刃は太股を滑り、薄い布を探り当てる。
ちょきん、ちょきん、ちょきん、と。
お気に入りだったピンクの下着は、ただの布切れになってしまった。
「何…すんのよ…へ、変態っ!!」
凶器が下半身から離れすやいなや、私は罵倒の言葉を口にする。
しかし、彼はまったくことらのことなど気にしていなかった。ハサミを洗い、ハンカチで拭き、ポケットにしまう。
「森さんが予想外に不器用だったので」
返ってきたのは、私の不始末を揶揄するような言葉だった。
また、あの異様な温度が黒い瞳に満ちる。
「仕方ないので、僕がしてあげます」

続く
715名無しさん@ピンキー:2011/08/24(水) 23:00:48.24 ID:nHE5KAG8
>>712-714
GJ
お漏らしあずさたん可愛いな
次回は更にえちぃ事ですか?期待しています
でも猫用トイレとは分かってるな
こういう小道具、小ネタが充実してるとハァハァしやすくなるよね

ところでレベル足りてる方次スレ頼む
716 忍法帖【Lv=22,xxxPT】 :2011/08/25(木) 00:19:10.13 ID:0alaTrEB
職人さん来てるし行ってくるー
717 忍法帖【Lv=22,xxxPT】 :2011/08/25(木) 00:25:29.43 ID:0alaTrEB
立てたよー
注意書きをちょっと改変しました。
ちょうど監禁ネタ来てるし監禁とかその他諸々

http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1314199458/
718名無しさん@ピンキー:2011/08/25(木) 03:35:21.45 ID:toc/p899
投下おつ!&次スレおつ!

今のところクールで毒舌で有能っぽいけどこの後どうなるのかwktk
719名無しさん@ピンキー:2011/08/25(木) 15:11:07.76 ID:ZDFzHxCQ
>>712-714
続き期待!
>>717
720名無しさん@ピンキー:2011/08/25(木) 22:05:51.71 ID:iKU2GjdY
>>717
新スレ建立乙です
721名無しさん@ピンキー:2011/08/26(金) 23:56:07.14 ID:vEibz+h8
おお!投下来てる!続きwktk

>>717
722名無しさん@ピンキー:2011/08/27(土) 02:00:18.57 ID:4REDO1IR
>>717
次スレ乙です!

それでは続き投下します。
723君と過ごした××日間:2011/08/27(土) 02:01:38.17 ID:4REDO1IR
まず、びちゃびちゃになった靴下を脱がされた。裂かれた、に近いけど。
でも少しだけいいことはあった。ぎっちり締まっていたのが、靴下分だけ弛まったのだ。梱包用のビニ―ル紐の感触はあまり良いものではないけど、頑張ればちぎれるんじゃないかって希望が胸によぎる。
「……った!」
彼は紐の結び目を掴んで、断りもなしに私の足を上げた。上半身がずり下がって、頭を打ってしまう。ちょっと、やめてよその呆れた目。あんたのせいだからね。
そして宣言通り、鴇谷くんは私の足に泡立てたタオルを押しつけた。裏から始まって、指を一本一本丁寧に洗っていく。少しくすぐったい。
なぜか嫌悪はわかなかった。彼が精巧なロボットのようだったからだろうか。それとも、相変わらず直接肌に触れることをしないからだろうか。
ふくらはぎが終わり、一度すすがれて、またタオルを泡立て直す。
その隙にずり落ちた上半身を立て直そうとしていると、
「立ってください」
「ぅ、え?」
意図が分からず、中途半端な膝立ちでぐずぐずしていると、ため息をつかれ、浴槽から引っこ抜かれた。
「は―――わあっ」
確かに、確かに私は小柄で、鴇谷くんはそこそこ大きいけど。
こうも簡単に扱われると、なんだか理不尽さを感じてしまう。
「え、え、何っ―――ひっ」
膝立ちの形にさせられ、内腿にタオルを突っ込まれる。太ももまで洗うんだ―――もはや諦めた心地で、ただただスカ―トが捲れないかを心配した。
「足、もっと開いてください」
その格好ならできるでしょう、と言われああだからこの体勢なんだと変に納得する。確かに閉じてちゃ洗いにくいよね、うん。いいから早く終わってよ―――そんなことを考えて、簡単に従った馬鹿な自分を、私はすぐに後悔した。
724君と過ごした××日間:2011/08/27(土) 02:03:14.36 ID:4REDO1IR
「ひゃうっ!?」
泡立った繊維の固まりが、ぐり、と粘膜に押しつけられる。
「ぅ、ぁ、やめ、やめてっ!」
なんで、なんで、なんで、そんなとこ。やだ、なんで。
「綺麗にしないと」
容赦のない言葉が、ぴしゃりと耳朶を打つ。
私の制止なんて意にも介さず、彼は私の秘所を洗い出した。
「痛い痛い痛い!」
どんなに手つきが丁寧だったとしても、化学繊維のタオルでそんなとこ擦られたら痛みしかない。
痛みに暴れる私を押さえつけ、鴇谷くんは少し困ったような顔をした。
「じゃあ、どうすればいいんですか」
「痛い…やめて…」
足を閉じ、ひりひりするそこに耐えながら息も絶え絶えに言う。
崩れ落ちてしまいたかったけど、袖ごしに捕まえられた右肩がそれを許さない。
「あなたはいつもどうしているんですか?」
「…ゆ、指で…」
「わかりました」
………ぁ。
今私、なんて言った?
ひょっとして、すごく、すごく、まずいことを、言ったんじゃない?
「ぃ、いや、いや…っ」
逃げようとすると、ぐっと右肩を掴んだ手に力が入る。それだけで動けなくなってしまう。いやだ、痛い。怖い。
でも逃げ場はなくて、気づいたらまた足を開かされていた。
「ひ、ぃ…っ」
初めて直接触れた手は、思ったよりも暖かい。その温度が生々しくて―――怖かった。やっぱり彼も、生身の男なのだ。
指は丁寧にナカを探り、泡を擦り付けていく。
ボディソ―プはまるで男の体液のようで、犯されている気分だった。
「ふ……く、ぅんっ」
前の方を弄られると、奥がとろりと潤むのを感じる。赤く腫れ上がった肉が、痛みを別のものに変えようとしているのを感じ取り、唇を噛んだ。
「どうしたんですか。血が出ますよ」
こちらの気など知らず、彼は平然とそんなことを言う。
その目に揶揄の色が含まれていないことに気づき、私は頬が熱くなった。彼はただ、私を洗っているだけなのだ。性的なものを感じ取っているのは私だけで、彼にとっては、それこそ猫の子を洗ってるのと等しいことなのだ。
725君と過ごした××日間:2011/08/27(土) 02:04:08.47 ID:4REDO1IR
「いいから、早く終わらせてよ…っ」
恥ずかしさと悔しさがない交ぜになって、私は強がる言葉を吐き出す。
でも、本心だ。とにかく、今が早く終わればいい。涙の膜が張った目を、そっと閉ざした。
「もうやだ……ふあ、ぁあっ」
奥に指が突き立てられ、抑えきれない悲鳴が唇からこぼれる。
「な、んで、奥まで…ひぅっ!?…内臓まで…洗いたいわけっ」
なんとか衝撃をこらえ、私は理不尽な手の主を睨みつけた。
「そうですね。できれば」
返ってきた言葉に背筋は震えるけれど、ソ―プを擦り付けるようにじわじわと侵入してくる指が、だんだん私のすべてになっていく。
「ひぐ、っく、…あぅう…っ……んっ」
指の腹がどこかを擦って、それがとっても気持ち良くって。
嫌でたまらないはずのソレをきゅん、と締め付ける。
「森さん」
かけられた声に、いやいやと首を振った。耳をふさぎたいのに、ああ、手が動かない。
「気持ち良いんですか?」
「…っ、ひゃあぁんっ!?」
指の動きが、急に性的なものを帯びる。ゆっくりと擦りつけるそれから、激しい抽挿へ。
「わかりました」
何がわかったのか知らないけど、それ、やめて、やめ、
「ふぁ、ぅ、う、あっ」
ぐちゅぐちゅと粘ついた音が浴室に響く。
奥はぬるぬるしてて、簡単に指を呑み込んではきゅぅ、きゅぅと痙攣のように締め付けた。
いたいのに、
あついのに、
……きもちいい。
「っぁ、あぁああっ」
ビクン、と太ももが震えて頭が真っ白になる。
「ぅ、ぁ……ぁ」
もう体を支えてられなくて、ぺたん、とお尻をつける。前に倒れそうになると、右肩を掴んでいた手に支えられた。そのまま、その手にもたれ掛かる。
「……」
鴇谷くんは――見間違いかもしれないけど――何故か、嬉しそうに目を細めた。

続く
726名無しさん@ピンキー:2011/08/27(土) 04:09:48.20 ID:HtmvtvLL
>>723
続ききてた!
相変わらず先が気になる…
727名無しさん@ピンキー:2011/08/27(土) 06:14:50.19 ID:O9VGnvj4
痛い〜中は洗剤は駄目〜
728名無しさん@ピンキー:2011/08/27(土) 08:31:06.91 ID:3ZK61gnb
>>723
待ってました!続き投下GJ!!


…しかし、水差すような事言って何だけど
現実で中にボデーソープは膣が焼け爛れるように痛いらしいから、泡吹いて失神するレベルなんじゃ…………石鹸だけに……

つか727にワロタwww
729名無しさん@ピンキー:2011/08/27(土) 16:42:41.82 ID:4REDO1IR
>>728
モノ(肌に優しい系)と量によるので大丈夫です。
じゃないと普段洗えませんしね。
擦っているので終わった後はかなりジンジンすると思いますがww
730名無しさん@ピンキー:2011/08/27(土) 17:29:56.35 ID:XnnGGtVK
鴇谷くんは抜かりないから大丈夫なんだな
731名無しさん@ピンキー:2011/08/27(土) 23:48:46.69 ID:fvoUV62H
>>723
投下乙!マジ続きwktk
このスレも本当にあと僅かだな
732名無しさん@ピンキー:2011/08/28(日) 10:28:06.26 ID:XsS/+qVC
いやいや、普段も洗わないって。やってもお湯だよ。

リアル持ち込んで申し訳ないけど、あまりに違うと萎えてね。
733名無しさん@ピンキー:2011/08/28(日) 11:18:12.42 ID:WaK0D8/g
>>722おつ!
734名無しさん@ピンキー:2011/08/28(日) 15:51:03.34 ID:25t78Zx6
逆に考えるんだ、いつのまにかボディーソープがローションにすり替わっていたと
735名無しさん@ピンキー:2011/08/28(日) 17:49:21.82 ID:9YMz1EBK
なるほどwまあ俺はあまり気にしてないけどな
736名無しさん@ピンキー:2011/08/28(日) 19:00:14.64 ID:NaE4do6H
>>728
いやさすがにそこまで痛くはないよ
737 忍法帖【Lv=21,xxxPT】 :2011/08/28(日) 19:47:01.37 ID:zpOawkLU
痛い痛くないじゃなく
膣の中は洗っちゃらめぇぇぇって感じだけどねw

私的に>>734のような想像してたw
738名無しさん@ピンキー:2011/08/28(日) 21:39:46.94 ID:FjBpUaHO
>>722-725
GJ
これは何でもないような顔してるが実際はフルボッキなのかw
エロ期待

>>732
まあ、膣はヤバイがマンコの表面部は普通に洗ってるとこ見た事あるから大丈夫
中は当然痛いっぽいが恥垢堪らないようにビラの部分はいけるっぽい
739名無しさん@ピンキー:2011/08/28(日) 23:31:31.84 ID:9YMz1EBK
埋まった?
740名無しさん@ピンキー:2011/08/29(月) 00:14:21.25 ID:+s1JlGCf
意外に容量持つな
まだっぽい、もう直ぐなんだけどな
741名無しさん@ピンキー:2011/08/29(月) 01:47:07.99 ID:pobXyIGO
梅がてら

女性器は弱酸性に保たれてるから石鹸やボディソープで洗うのはよくない
つーか普段はお湯でも中は洗わんよ
表面もお湯で洗うのがベスト
洗剤使うと余計恥垢が溜まるから
742名無しさん@ピンキー
スレの流れが女性器の洗い方論争にwwなんかすみません……どうせ最後は愛液でソープ防御するしwとか軽く考えていました…
容量もうすぐみたいなので、続きは次スレの方に投下した方がいいですかね?
ちょっと間が空いて、水曜か木曜の予定です