君に届けでエロパロ★5

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1名無しさん@ピンキー
まだまだ引き続き神光臨超期待!

前スレ
君に届けでエロパロ★4
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1255699694/


保管庫(管理人さまに感謝)
ttp://wiki.livedoor.jp/ekdo31/
2名無しさん@ピンキー:2010/02/03(水) 11:15:22 ID:b2dbzk9g
では、はじめてでドキドキですが、職人様の降臨を願って立てました。

http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1265163217/

君に届けでエロパロ★5

もし間違っていたりしたらすみません。
3名無しさん@ピンキー:2010/02/03(水) 15:12:44 ID:Tu3Si461
さっそくスレ立て乙!!
4名無しさん@ピンキー:2010/02/03(水) 15:34:26 ID:mw/x0kCQ
>>1のこと乙する気持ちが、すごくすごく大きいよ……!
5名無しさん@ピンキー:2010/02/03(水) 15:46:51 ID:3WQylzzD
おっつ!
6名無しさん@ピンキー:2010/02/03(水) 17:48:12 ID:KcNj2h4w
>>1乙&即死回避
7名無しさん@ピンキー:2010/02/03(水) 22:45:10 ID:mw/x0kCQ
即死回避と新スレ祝いに投下しに来ましたー
・風爽 新婚さん
・ある種のマニアックプレイw世の男性の夢?
5レスほど。次レスからゴーです。
8日常:2010/02/03(水) 22:46:23 ID:mw/x0kCQ



「さーわーこっ、今日ご飯何?」

翔太と爽子とは、つい先日無事に入籍し、晴れて夫婦となった。
エプロン姿でキッチンに立つ爽子に話し掛けるのは、同じくキッチンに居る翔太だ。

「……んっ、しょう、た、くんっそんなことしてたら……ご飯できない……っ!」
「そんなことって、どんな……?」

翔太は後ろから爽子を抱きすくめるように、セーターの裾から両手を差し込み、やわやわと胸を揉みしだいていた。

「……っ、い、いじわるっ!」

耳元でそう囁かれては、爽子もたまったものではない。
抵抗するように、セーターの上から翔太の手を押さえるのをやめ、ガタンとキッチンに両手をついた。

「……耳、弱いよね?」

爽子の制止する手がなくなり、翔太は一層自由になった手で好き放題に爽子の胸をまさぐった。

「もっ、やだ……っ!」
「ね、これ邪魔なんだけど、外してい?」

翔太はブラジャーのホック部分をぱちんと弾く。

「だ、だめっ」
「さーわこっ、お願い!」

楽しそうに笑う翔太に、爽子はちろりと視線を向けた。もちろん、少しの恨みを込めて。

「……爽子、それは狡い、だめ」

翔太は言うが早いか、服の下に忍び込ませた手をそのままぐいっと押し込んだ。
爽子の胸元から飛び出した翔太の手は、爽子の小さなあごをとらえ、翔太は無理矢理に唇を奪う。

9日常:2010/02/03(水) 22:48:01 ID:mw/x0kCQ



「んっ!?ん、むっ……んんっ」

爽子はジタバタと手を動かすも、男の力には敵わない。
その内に、翔太の舌がねろりと差し込まれた。

「ふむっん、んあ、やぁっや、あっ」

開いた隙間から、やめてほしい、と爽子は意思表示するのだが、それは反って翔太を煽るのみだった。

好きなだけ爽子の咥内を味わうと、翔太はやっと爽子の唇を解放した。
その頃既に、爽子は自分の力では立っていられず、いつの間にか腰に移動していた翔太の腕に、依存するようにもたれ掛かっていた。

はぁはぁ、と、爽子の吐息が音になって漏れる。

「……爽子、ちょーエロい……」

ごくり、唾を飲み込むと、翔太は爽子の体を自分の方へ向けた。
エプロンが邪魔だな、と思いつつも、ある考えが翔太に過ぎり、病的なまでにその考えに取り付かれる。

「爽子、ちょっとバンザイして。バンザイ」

素早くエプロンの肩紐を外すと、翔太は爽子に指示を与える。
意識も曖昧な爽子は、言われた通りに両腕をあげた。

と、抵抗する間もなく、爽子は下着を残して上衣を取り払われてしまう。

「あっ!やだ、翔太くん!」

反射的にそう叫んだ爽子だが、翔太はするんとエプロンの肩紐をかけ直した。

「これで見えないじゃん、いいでしょ?」
「でも……恥ずかしい……」

10日常:2010/02/03(水) 22:49:21 ID:mw/x0kCQ
「んじゃ、俺も脱ぐから」

おあいこ、と言って、翔太は着ていたパーカーを脱ぎ捨て、爽子に上半身を晒した。
爽子はぱっと顔を反らせたものの、もじもじとした動作を繰り返す。

「ん、おいで。抱きしめてほしいんでしょ?爽子、キスの後はそうだもんね?」

翔太が両腕を広げると、ためらうそぶりを見せた爽子だったが、やがてすっぽりと翔太のそこに収まった。

「これ、外すよ?いい?」

翔太がブラジャーに手をかけると、爽子は胸に顔を埋めたまま、小さくコクンと頷いた。

そうして言葉巧みに誘導する翔太により、爽子は今や、エプロンを身につけるのみになっていた。

対面で抱きしめられながら、爽子は体を這う翔太の指を感じる。

「んん……っ」

直接的には触れず、背筋をつつつと撫でたり、太ももをさする翔太に、爽子は切ない声を漏らす。

翔太は、爽子から求めてくるのをじっと待っているのだ。

「…………ずるいよ、翔太くん」

少し体を離して、爽子は睨むように翔太を見上げる。

「〜〜〜〜っ、ずるいのは、爽子の方だって!」

私の何が、と言おうとした爽子だが、翔太の次の行為にそれも出来なくなる。

エプロン越しにも形がわかるほどに、ピンと尖った二つの突起を、翔太が撫で始めたのだ。

「あんっ、あっ、やっ、ああぁんっ」
「爽子っ、すげーすき」

「んっ、わたしもっ、はぅんっんっ、すきぃっ」
11日常:2010/02/03(水) 22:50:45 ID:mw/x0kCQ



宝物でも触るような丁寧な愛撫に、爽子は徐々に高められていく。

じんじんと疼くそこに、爽子ももう耐えられない。

「しょっうた、くんっ、おねがっい、こっちも、こっちもして……っ」

爽子は翔太の片腕をとると、エプロンの横から自分のそこへ導いた。

「…………すごい濡れてる。爽子、大胆」
「…………っ!翔太くんの、せいだもん……」

ほとんど泣きそうになりながら、爽子は小さく、はやく、と言った。

「……どうしてほしい?」

爽子がそんなお願いをすることが珍しくて、もっと言ってほしくなり、翔太は表面をゆるゆるとなぞるのみで、そこから先には進まない。

「も、もぅっ、やだっ、今日翔太くんいじわるだ……!」

それでもやめるとは言えない爽子は、観念したように呟く。

「……ゆ、指、入れて……」
「ん、了解……」

爽子からいやらしい言葉が紡がれたのに感動しながら、翔太は爽子の望み通りに中を掻き回す。

爽子の嬌声が上がり、翔太はジーンズの下で熱を持つ自身をそろそろ抑えられなくなって来ていた。

「……爽子、指だけで、いいの?」

熱い息を吐き出しながら、翔太は爽子に尋ねる。あわよくば、爽子からのおねだりが欲しいのだ。
自分を求める爽子が見たくて仕方がないのだ。


12日常:2010/02/03(水) 22:52:31 ID:mw/x0kCQ



「あっ、んふっ、や、いやっ、指だけじゃ、やっ……!」
「言って。何が欲しいの?」

「んっ、しょ、たっくん!しょうたくん、がっ、欲しい、の……っ」

その言葉を聞いて、翔太はジーンズも下着もすぐさまに脱いでしまう。

「爽子、後ろ、後ろ向いて」

翔太はぐるりと爽子の体を反転させると、キッチンの作業台に手をつくように言う。
しっかり両手をついたのを確認して、濡れそぼるそこへ一気に自身を突き入れた。

「ああああっ……!!」

正面から見たエプロンだけの姿もさることながら、爽子の後ろ姿は一層翔太を駆り立てる。

翔太は、爽子の細い腰を両手で掴むと、ずんずんと腰を動かす。

「やっ、あっはっ激し!ゆっく、りっ、ゆっく」
「ごめん、無理!」

一言だけ謝ると、翔太はスピードを緩めることなく、爽子のそこへ自身を埋めていく。

爽子の高い声が始終上がり、翔太もそのまま高みへ昇る。

「爽……っ!イッ、く……!」

どくどくと、翔太は欲望を爽子の中に吐き出す。
全てを出し終えると、ゆっくりとそこから引き抜いた。

どろりとこぼれる白濁液が、何ともリアルで生々しい。

二人の荒い息が交わるキッチンで、夕飯のために用意された食材だけが二人を見ていた――……



おわり
13名無しさん@ピンキー:2010/02/03(水) 22:53:51 ID:mw/x0kCQ
おわりーです

このスレが栄えて行きますように!
今後もエロしくお願いします
14名無しさん@ピンキー:2010/02/03(水) 23:53:09 ID:tT5hqiZ5
新スレ立って早々の投下GJでした!
風早マニアックだなwww
15風早くんの悩み:2010/02/04(木) 01:33:45 ID:vdU8vkr/
スレのお祝いに下手くそながら便乗します。

某スレでのやりとりから思いついた話です。
初投稿なので、もしどこかでかぶっているお話があったらすみません。
まだまだ文章力もいまいちですが、お目汚しすみません。

風×爽。高校2年生
つきあいはじめて、もうエッチは数回経験済みという設定です。
16風早くんの悩み1:2010/02/04(木) 01:35:15 ID:vdU8vkr/
最近、風早には悩みがある。

爽子との付き合いはすごくうまくいっている。
問題は学校だ。クラスに愛しの彼女がいるのはいい。すごく嬉しいんだ。
だけど、彼女の髪が風にふかれて項がふと見えたときとか、風に吹かれてスカートが少しめくれてしまったときとか、可愛い声がふと聞こえたときに・・・
ふと、あの時のことを思い出したりして、気づかないうちに自分の下半身が元気になってしまうんだ・・・

そういうときはいつでも「あ"ーーーーーっ」と声に出してしゃがんでみたり、ポケットに手をつっこんでごまかしたり、最悪はトイレにかけこんでひとりで抜いてみたりするんだけど、そのあとに決まってため息がもれてしまう。ああ、どうしたもんだろう?
でも、こんなこと、黒沼にも話せないし、龍に言ったところでなあ、と解決策が思いつかない。
17風早くんの悩み2:2010/02/04(木) 01:38:33 ID:vdU8vkr/
そんなある日、風早は自分の部屋でまた黒沼を求めていた。
目の前で自分を受け入れてくれている彼女。ほんとに愛しい彼女。
黒沼も、最初のときは痛かっただろうにがんばってくれて、
それから回数を重ねるにつれて少しずつ感じるようになってきてくれている。

お互い初めてだから、試行錯誤している。
風早はAVや雑誌で見たり読んだりして得た知識を思い出しながら、
こうやったら感じるかな、気持ちいいのかな、と試すくらいの余裕はでてきたつもりだ。
彼女の唇を自分の唇で多い、彼女の口の中に舌をいれてころがす。
そうすると、最近は彼女も控えめながら答えてくれる。感動だ。

そうして、手を少しずつ下にはわせ彼女の体をすみずみまで撫で回す。
その吸い付きそうな肌に、少し汗ばんだその肌。
少しずつ荒くなっていく彼女の息使い・・・
どんどん興奮してくる。

この前可愛い乳首をつまんでみたら、感じてそうだったから、
左手で胸をなでまわし、乳首をつまみ、
右手で彼女の一番感じるところを丁寧に丁寧になでてみた。
18風早くんの悩み3:2010/02/04(木) 01:46:49 ID:vdU8vkr/
「はぁぁあん・・・」
「!」
「えっ!?」

この声、黒沼??びっくりするようなエロい声が聞こえてきたんだ。
こんな声、黒沼出したっけ?
え!?
も、もしかして、すごく感じてる?
お、俺で感じてる?

彼女のそこから出る蜜も今まで以上に溢れている。
はじめて結ばれたとき、湿った程度しかなかった蜜が、こんなに溢れるようになってきたんだ。
なんだか声にもその仕草にも、なんだかもうすべてのことにものすごく感動してしまい、
そうしたら下半身がものすごく熱くなってしまい、頭の中が真っ白になってしまった。

「が、がまんできない!」
声にならない叫びを心の中であげ、もう挿れずにはいられない衝動にかられてしまい、
ゴムもつけずにそのまま彼女の中に自分自身を挿れてしまった・・・

「な、なんだ、この感覚・・・」

自分自身をそのまま包みこむようなその生暖かい肉感。
すべてを迎え入れてくれているような、小刻みな動き。
もうたまらなくなって腰を動かそうとしたら・・
19風早くんの悩み4:2010/02/04(木) 01:55:39 ID:vdU8vkr/
「か、か・・かざ・・はやくん!」

ふと気づくと、黒沼が涙目になってこちらを見ている。
細い手で自分を押し戻そうとしている。

「あーーーっ」
「そ、そうだ、ゴ、ゴムつけてない!ごめん」と真っ青になる。

あわてて風早は自分自身を抜き、「ほんとにごめん」と謝りながらゴムをつける。
一瞬すごく情けなくなったけど、目の前の黒沼に堪えられるわけもなく、
ゴムをつけて彼女の中にはいり、そうして、2人の行為は終わった。

でも、風早の脳裏には、あの生の感覚はしっかりと残ってしまった。


「ごめんな、黒沼。」
「俺、我慢できなくて・・・。ちゃんとしなきゃだめだよな・・・」
「う、ううん・・・」
2人の間に少し沈黙が流れたけど、それを割くかのように黒沼がぽつぽつと話し出した。

「今日は、なんだか私もすごく、き・・・気持ちよかったし、
感情もなんだか変な感じになってしまって・・・だから」

「ほ、本当はそうできたら私も嬉しいなって思ったんだけど、
でも私たちまだ高校生だし・・・・・」

「でも、でも、いつかこのままずっと先につながっていけたら、
いつかは何も考えずにそのまま風早くんと・・・、」
「え?」

「つ、つながりたい・・・」

この言葉を聞いたら、もう感動して、涙でそうだったから
ばれない様に、黒沼に深く深くキスをした。
20風早くんの悩み5:2010/02/04(木) 02:01:28 ID:vdU8vkr/
黒沼を送って部屋に戻ってから、今日の彼女の言葉を思い出してひとり感動し、
黒沼の溢れる蜜を思い出していたら、また下半身が元気になってきてしまった。
「あーーー、なんで俺ってこうなんだよっ!」とひとり部屋で叫んでたら、
ふと右手に今日黒沼とやるはずだった数学の宿題の問題集があるのに気がついた。

「もうこれでもやるしかない!」と思って、宿題に取り組んでいたら、
問題がわからなかったり、難しかったりしたのもあって、
下半身がおとなしくなってきた。
「あれ!? これ、使えるかも!」

俺だって、将来、道がずっと黒沼につながっていればいいと切に思う。
そうして、今日の感触をとことん味わっても問題ない状況になったらいいなと思う。
そう、いつかはちゃんと生でやりたい!何も考えずに。

でもそのためには、独り立ちしなきゃいけない。
だとしたら今自分ができることは勉強じゃん。
そうすれば、黒沼にも追いつけるかもしれないし、
おまけに、学校でも下半身の暴走も止められるじゃん!

そうして、翌日から、教室でやたら数学の問題集を解くようになった風早の姿が
見られるようになったのだった。

「黒沼の影響かー!」
「そうだよ、わるい?」

なんて会話があったけど、その裏の真意に気づくクラスメイトは誰もいなかった。

おわり
21名無しさん@ピンキー:2010/02/04(木) 02:03:41 ID:vdU8vkr/
最初改行、なんかうまくなくってすみませんでした。
(文章だけじゃなくって、改行もむずかしいですね・・・)

「日常」の新婚の風×爽につながるといいな、と思って書きました。

このスレの発展をお祈りしつつ、素敵な職人さんの降臨をお待ちしています!
22名無しさん@ピンキー:2010/02/04(木) 02:35:29 ID:Xw7wggtg
>>8さん、>>16さんGJです!!
きゅんきゅんしました♪
23さく:2010/02/05(金) 10:05:25 ID:Tu9qqhZg
新スレお疲れ様です!埋まってもいないのに新スレ投下すみません

風爽小説、ご馳走様です…!やっぱ文才をお持ちの方は妄想させて頂けるな…
私も文才があったら涙

見る専門にするって言っておきながらすみません… リクエストしたいなって思って少しながら雰囲気漫画を(エロじゃないですが)
バレンタインでエロな風爽を…どなたか書いて頂けないでしょうか?図々しくすみません

http://p.pic.to/126n21
http://e.pic.to/15l7u9
24名無しさん@ピンキー:2010/02/05(金) 12:04:52 ID:rN+sdUwg
>>23
か、かわいいいい!!
さくさんのイラすきだ、ほんと……
リク、私で良ければ考えてみます(無理だったらすみません……)
えっと、前スレ埋まってないですが、新作出来たので持って来ました。
くる爽の続きです。
前スレか、まとめサイトにあるので、そちらを読んでからどうぞ!


※百合
※くるみがひどい
※黒風降臨しそう
※終わりにもやっとする
以上が納得出来る方はどうぞです
25くる爽2:2010/02/05(金) 12:08:24 ID:rN+sdUwg



(ああ。悩んでいるんだな)

くるみは、憂いを帯びた翔太の顔を見て思った。

(そう、たぶん、あのことで……)

口角をくいっと上にあげると、くるみは小走りで駆け寄り、翔太の肩をぽんと叩く。

「風早!……ちょっと、いい?」
「胡桃沢」

翔太がくるみを振り向く頃には、上手に憂いを隠しているようだった。

くるみは不思議だった。
あんなにもすきで、手に入るなら何を捨ててもいいとすら思った人なのに、もはやくるみは翔太に対してときめきを抱いてはいなかった。

「最近、さ。爽子ちゃん……ちょっと変じゃない?」

爽子の名前が挙がると、目に見えて翔太がぴくりと動いた。

「風早はさ、そう思わない?」

重ねるようにくるみが言うと、翔太は観念したようにこくりと頷く。

「よそよそしいっていうか、何て言うか。なんか悩んでんのかなって思う」
「そっかー……やっぱり」

「胡桃沢っ、なんか知ってんの?」

むむっと唸るくるみに、翔太は身を乗り出すようにする。

「うーん……心当たりがないわけではないんだけど」


――爽子がくるみのもとを訪れたのは、つい数日前のこと。

『……くるみちゃん、男の人と、その、す、するのってどんな感じかな?』

それを聞いて、くるみは、ああいよいよか、と思った。
くるみの気持ちはどうであれ、爽子の公認の恋人は翔太なのだ。

爽子は、くるみとの関係を『運命共同体』として捉えているのかもしれない、くるみはそう思っていた。


26くる爽2:2010/02/05(金) 12:10:18 ID:rN+sdUwg



『……風早に誘われた?』

声が震えないように努めるのは至難の技だった。
爽子が翔太と体を重ねてしまったら、『男』を知ってしまったら、きっと自分の元には戻らない、そう考えると、出来るだけそうなってしまうのを避けたい、と思うくるみがいた。

くるみは、爽子と居ると満たされた。
例え自分が彼女の一番でなくとも、他に誰も知らない部分まで踏み込んでいるということで、『爽子の全てを手に入れたい』と思う気持ちを抑えてもいた。

「う……ううん……!違うの!違うのだけど、でも……」

爽子は顔を赤くして言い淀む。
くるみはほっと安堵の息をつきながら、話の続きを促した。

「えっと……くるみちゃんとするような、あの、キキキキスをね、したの……」

どきり、と、またくるみの心臓が音を立てる。
キス、爽子が言うそれは、互いを求めるような深いものであることはまず間違いがない。
つまりそれは、くるみの恐れる事態が刻一刻と迫っていることを示していた。

『か、風早は……何て?』

爽子は翔太とのキスを思い出しているのか、おろおろとしていて、くるみの震える声には気付かない。

『か、風早くんはね、と、とまらなくなるから、今はこれでやめとく……って』

湯気が立ち上りそうな爽子の隣で、くるみはさっと顔を青くする。

時間がない、時間がない、と、それだけがくるみの頭を廻っていた。




27くる爽2:2010/02/05(金) 12:12:24 ID:rN+sdUwg



それでもくるみは「簡単にはしちゃだめ」だとか、適当なアドバイスを爽子に残し、その場での会話を終えた。

異性との体の重ね方、それを爽子が聞いたということは、すなわち『嫌ではない』ということに他ならない。
互いが互いを求めているのだ。けれど、くるみに、簡単にはしてはいけない、と諭され、内なる欲望を隠すしかない爽子からは、何ともアンニュイな雰囲気が漂っていた。


それを、くるみが翔太に伝えるわけもない。

爽子を失わずにいるために、くるみはまた策略を練っていたのだ。
そしてそれが実行可能だと踏み、今、翔太に声を掛けた。

「ねぇ風早。わたしにいい考えがあるんだ。……乗る?」
「……乗る」

にこっと笑ったくるみに、翔太は藁にも縋る気持ちになった。



***


(い、いいのかな、俺。ホントにこんなとこにいて)
――ある放課後。
翔太は鍵付きのロッカーの中に居た。

北幌高校には、男子女子それぞれの更衣室が有り、更衣室そのものにも鍵がかかるのだが、防犯のため、各ロッカーに簡易の鍵を付けていた。
その鍵がかけられるのは、体育の授業中で、財布など、置きっぱなしにするにはためらわれるものを各々で施錠して管理する。
もちろん体育が終わればそれは取り出され、普段、鍵は刺さったままになっているのだ。

その内のひとつに、翔太はいた。
28くる爽2:2010/02/05(金) 12:14:00 ID:rN+sdUwg



くるみから聞いた計画はこうだった。

『あのね、風早には言いにくくても、わたしになら言えると思うんだ』

だからわたしが聞いてあげる、と続けるくるみに、翔太は疑問をぶつける。

『それで俺、どうやって黒沼の話を聞くの?』
『うん、だからね、風早はばれないようにロッカーの中にいて?何にも出来ないようにわたしが鍵を掛けてあげるから』

女子更衣室の話をくるみから聞くと、翔太はぽんと顔を染めた。

『で、出来ない!むり!』
『……もー、風早ってば!』
『無理だって!』

その後に続いたくるみの言葉に、翔太はぐっと息を飲むことになる。

『……羞恥心と、爽子ちゃん、どっちが大事?』


放課後だし、更衣室にも鍵をかけるから、他には誰も来ないよ、と言われ、モラルも飛び越えて翔太は承知した。

それが、とんでもない結果を産むだなんて1ミリも気付かずにいた――


***


「く、くるみちゃん、どうしたの?更衣室なんかで……」
「まぁいいじゃない、たまには!ほら、座って座って!」

爽子とくるみの声がして、翔太が心臓を高鳴らせていると、くるみに促されて、ちょうど翔太の視界に入るところに爽子が腰掛けた。

覗き見ている、という背徳感に、翔太は軽い興奮を覚えた。

「爽子ちゃん……」

そこへ、くるみが近づいたかと思えば、ごく自然に爽子と口づけを交わした。

「!?」

29くる爽2:2010/02/05(金) 12:16:40 ID:rN+sdUwg



「ん……くるみちゃん、そんないきなり……」
「いいじゃない。初めてじゃないんだし」

焦る翔太のすぐ目の前では、およそ信じられない光景が繰り広げられていく。
心中穏やかでは居られない。

「そうだけど……」

『そうだけど』
爽子からは出た肯定の言葉に、翔太は上げかけた拳を下ろした。

呆然としている間にも、くるみは爽子の衣服を開けさせていく。
爽子からは上がる甘い声に、意志とは反して翔太の下半身も反応を始める。

「んっ……くるみちゃんっ、ああぁあっ」

小ぶりだけれど綺麗な爽子の胸を、これまた端正な顔立ちのくるみがねぶる。
素晴らしく甘美なその光景に、翔太はごくりと唾液を飲み込んだ。

「あっは……!はうぅんっ、くっくるみちゃ……!あんっ、あっ、あふぅんんっ」

放心したまま、だけど目は逸らすことなく、翔太はそれを見続けた。

やがてくるみは、爽子を座らせたままに地べたにひざをつき、爽子のスカートの中へ頭を潜らせる。

爽子はそれを当然のように受け入れたばかりか、うっとりと恍惚の表情を浮かべている。

「……は、あっん!んんっ」

びくびくと跳ねる爽子の体で、剥き出しになった乳房はくるみの唾液によりヌラヌラと光っている。
翔太はぎりりと拳を握り締めた。

「くっ、くるみちゃん……!こえ、声が……っ!」

30くる爽2:2010/02/05(金) 12:18:21 ID:rN+sdUwg



大きくなってしまう喘ぎの声を爽子が訴えると、くるみは慣れたようにハンカチを差し出した。
爽子がそれを口に入れると、くぐもった声が翔太に届きはじめる。
次第に色を失うような翔太の目は、それでも爽子を捉らえて離さなかった。

「……っ、ふ、んんぅっ、ふうぅーっ……!」

びくびくと大きく痙攣したかと思うと、爽子はだらりと脱力する。
達したのだ。

「…………く、くるみちゃん、も」

はぁはぁと荒い息を吐いて、爽子は言った。

「今日はわたしはいいの。爽子ちゃんの可愛いところが見たくなったんだ、ごめんね?」

可愛い、という言葉に、爽子はぽっと頬を染める。
先程まで情事にほだされていたとは思えない、少女のようなそれに、翔太は夢であればいいのに、と思わずには居られなかった。

「ね、爽子ちゃん!お茶して帰らない?」
「うん……っ!」

衣服の乱れを直し、連れ立って更衣室から出て行った二人だが、外からの会話が翔太に届く。

「あーっごめん!爽子ちゃん!わたし、今日の体育の時、ロッカーの鍵かけたままだったの!ちょっと待ってて!ね!」
「あっうん!」

ガチャ、と更衣室が開く音がしたかと思うと、翔太の視界にくるみが飛び込んできた。

翔太のいたロッカーが開錠すると、くるみは翔太の手に何か柔らかいものを押し付けた。

「ねぇ……わかった?」

31くる爽2:2010/02/05(金) 12:19:33 ID:rN+sdUwg



冷たい声でそう言うと、くるみは踵を返してパタパタと走り去って行く。

翔太が手の中を確認すると、そこにはじっとりと湿った一枚のハンカチが握られていた。

「…………っ!」

翔太はそれを口にくわえると、ズボンから自身を取り出し、今にもはち切れそうなそれから欲望を吐き出させた。


涙とも汗とも判断しがたい何かが、翔太の頬に一筋の線を残した。



やがて、残骸を処理した翔太が立ち去った女子更衣室の床には、二人分の唾液に濡れたハンカチだけが、くしゃくしゃになって転がっていた――……



おわり
32名無しさん@ピンキー:2010/02/05(金) 12:21:38 ID:rN+sdUwg
おわりです。
おわりと言っていいのかどうかwたぶん続きも書くと思います。
たぶん……w

不快に感じた人が居たらすみません!最近くる爽妄想が止まらなくて!
33さく:2010/02/05(金) 12:30:34 ID:Tu9qqhZg

何度も再読み込みしながらリアルタイムで拝見させていただきました… くる爽いいですねっっ!!!!!ロッカーであんな光景見せられておあずけな風早に同情しました
くる爽、いつか描かせて下さい
いつも嬉しいお言葉ありがとうございます
34名無しさん@ピンキー:2010/02/05(金) 17:32:00 ID:N7I/yF1i
新婚&現在風爽もくる爽もGJです!
風爽至上主義だから二人の他キャラとの絡みは無理だと思ってたのに
百合は別腹でいけることに気付いてしまった…w
35名無しさん@ピンキー:2010/02/05(金) 19:35:38 ID:qiiztyCi
くる×爽 きてた!楽しみに待っていました。

まんがの風早なら潔癖なので、このまま別れの展開もありえるのかな、って思うけど、
でも、もう爽子とつきあってそのよさを知ってしまったあとだとすると・・・
あ、風早は自分がくるみをふってしまったから、爽子に仕返しされたのか、
申し訳ないとかも思ったりするのかな?
これサスペンスなら、刃物ざたになりそうな展開ですよね!
でも、最終的には風×爽 のぬるぬるの展開がいいな。

あー、次が楽しみです!
36あやピン1 ◆UMVJuOSqvNKZ :2010/02/06(土) 02:47:39 ID:Vlbqodew
マイナーなあやピンを投下。エチなしです。

***

久しぶりだった。
男の腕の中に入るのは。


静まり返った図書室に本をめくる音がする。
綺麗に整えられた爪、そしてその形の良い爪に彩られた七色。
本から視線を上にたどっていくと見えるのがポテっとした唇。長いまつげ。
外見とは裏腹にまじめな彼女の秘かな楽しみはこの静かな空間で本を読み漁る事だった。

ぱさ…

静かな空間に本をめくる音が一定に聞こえる。
そんな静寂を打ち破るかのように激しいドアを開ける音、そして地響きのような足音が聞こえる。

「はぁ…」

こんな非常識な音を立てる人物をあやねは一人しか知らない。

「ちょっと!ここ図書室なんだけど!ちょっとは静かにしなさいよ!」
「んあ!?なんだお前、こんなところで」
「図書館で本を読んでるの。見てわかんないわけ?」
「っはーん、見かけによらねぇ行動してんなー」

「見た目は関係ないでしょうが!」

この男は担任の荒井 一市、通称:ピン。
あやねの苦手な男ナンバーワン。自己中、俺様、デリカシー0の最悪男だ。
37あやピン2 ◆UMVJuOSqvNKZ :2010/02/06(土) 02:48:08 ID:Vlbqodew
「何で図書館に用事なんてあるのよ。あんたと真逆の世界でしょうが…」
パタンと本を閉じて上を向く。
ピンは背が高いからどうしても少しだけ上を向かなければいけない。
一度何かの拍子に視線だけを上に向けたら「その年から媚売ってどうする」と言われた。別に上目づかいをやろうとしてやったわけではないが、非常に屈辱的だったのでコイツと話すときは何となく角度を気にしてしまう。

「ああ、調べもんだ」
「へぇー何か先生っぽいじゃん」
「俺様は先生様だ!」

言葉のやり取りが弾むがピンの顔がキラリと光る。

「おい!」「いや!」
「まだ何も言ってねぇだろうが!」
「言わなくったってわかるわよ!何か面倒事押しつける気でしょうが!」
「面倒とはなんだ!お前らの成績を上げる為の事だろうが!」
「ああああそう!じゃあ何よ言ってみなさいよ」

「このプリントまとめてホチキスやれ」

ほーらやっぱり。

「っていうかこれ職員会議の資料じゃない!私何かが見ていいもんじゃないでしょ!」
「出た!くそまじめ!」
「教師の自覚持て!あほ担任!」

…ったく…
どちらからも全く同じ言葉が出ると思わず二人の視線が絡んだ。

「急ぎなわけ?」
それっと綺麗な爪をちょいちょいとプリントに指す。
38あやピン3 ◆UMVJuOSqvNKZ :2010/02/06(土) 02:48:42 ID:Vlbqodew
「ああ、4時から使う」
「はぁああ?もう後20分じゃん!」
「だから手伝えって言ってんだよ!」
んもう、ほら…
手を出すとピンはにやりと笑ってその手にプリントを置いた。

ピンは調べ物、あやねは地道にプリントをホッチキスで打つ。
お互い無言だ。普段口数が少ない方じゃない二人にしては珍しい静かな空間だった。

「お前」
「んー?」
「先週の日曜日、駅の真ん前で大立ち回りしてただろ」
「は…なんでそれ…」
「あれ彼氏か?」

先週の日曜日。
悪夢のような日だった。

友達に騙され待ち合わせ先には団体がいた。
てっきり友達だけかと思ったらどうやら合コンの場所にきてしまったらしい。
そこで知り合った男のしつこさったら口にするのもオゾマシイくらいだった。
結局まいたと思ったら駅の前で待ち伏せされていて、外面センサー万全で対応していたものの、怒りと気持ち悪さにリミッターが外れ思わず説教タイムをしてしまったのだった。

「彼氏じゃないわよ。ちょっと知りあったらしつこくてキレただけ」
「相変わらず男運ねーなー」
「うるさいわ!」
39あやピン4 ◆UMVJuOSqvNKZ :2010/02/06(土) 02:50:18 ID:Vlbqodew
「いい女なのにな」
「…はぁ?」
「良い啖呵だったぜ」
「何それ」
「まぁ頑張れや。俺様のようなビックな男を捕まえろ」
「あんたみたいな男捕まえたらとんでもない目に合うわよ。絶対」
「はん!くそガキ。俺様の魅力がわかんないとはションベンくせーわけだな!」
「…こんな事言う男の何処を好きになんのよ…はぁ」

「お前…あー、まぁ聞き流せばいいけど、お前って仮面ばっかだろ。
 黒沼だの吉田だのと一緒にいりゃあ姉御肌。他の前にすりゃ人当たり良し鉄仮面付けて、
 男には踏み込ませないように鉄壁仮面。仮面仮面仮面ばっかだぞ。人間仮面かぶんのは当然だし、
 必要だけどな、仮面の数増やせば増やすほど重てーぞ」

「仮面って」
「分厚い化粧してっからかもしんねーな。まぁとにかく化粧も仮面も外してもいいと思えるやつを探せ。ってことで俺のようなビックな心を持つ男を探せって言ってんだ。まぁ俺程の男はいないがな」

ぱちん、最後のホッチキスは何だか何処かのスイッチが入る音と似ている気がした。


「終わった」
「お、サンキュー!さぁガキはもう帰れ!帰って勉強して糞して寝ろ」
40あやピン5 ◆UMVJuOSqvNKZ :2010/02/06(土) 02:51:02 ID:Vlbqodew
ばさばさとプリントを整えてやりつつ時計を見ると、4時まで後5分。

「ピン、汚れついてる」
「ああ?どこだ」
「そこ」
「あ?」

頬っぺたと指さすとピンの手がプリントを持つ手の反対の手で頬を撫でた。
するとあやねは自分の体をするりとピンの体にすりつけた。

「お、おい」
「待って確認中だから」
「んあ!?なん、おい!」
「ちょっと待てって言ってんでしょ!」

ピンのTシャツに頬を付ける。
トクントクンと心臓の音がして、何処か男臭い。
思い切ってえいっと腕を広い背中に回せば、完全にあやねから抱きついた格好になった。

「お、おい!この離せ!」
「んー、そうね、まぁそんなもんよね」

「あ?」

「あんたみたいな男探せっていうからどんなもんかと思って確かめてみたのよ」
あやねはすっと体を放し、ニヤっと笑う。

「まぁ悪くなかったから検討する」
「何いってんだ!?つーか今度は悪女仮面か!ガキの分際で!
41あやピン6 ◆UMVJuOSqvNKZ :2010/02/06(土) 02:51:36 ID:Vlbqodew
「わかんないならいいわ。っていうか遅れるわよ」
「あ、やべ!ったくおぼえてろよ!」
「覚えておくわよ」
「そういう意味じゃねーよ!ち、ちくしょー!」

教師の捨て台詞と思えない言葉を吐いて図書室を飛び出して行ったピンに、あやねはこみ上げる笑いを止められず、腹を抱えて笑った。
静かな図書室に、今度はあやねの笑い声だけ響く。

そして気づく、ちょっとだけ涙が出そうになっている事に。

「ピンの癖に的得た事言ってんじゃないわよ」

ちくしょー。
初めて自分の中までを見られた気がした。それも男に。しかもあの最悪男に。

男と付き合うと必ず思う。表面だけだと。

自分の表面だけを見て勝手に判断される。それが煩わしくて彼氏という存在を作っていない。
爽子と仲良くなり、爽子と風早の二人の関係を見守っていると時々羨ましくて仕方なかった。
お互いに短所を認め合い、補い、成長する二人が。
二人のそんな姿を見て、恋をしてみたいっと素直に思えた。

でも自分の周りに現れるのは表面しか見ていない男だらけ。

そんな事を思っている時にピンの言葉が自分の心の中にスーッと入った。
42あやピン7 ◆UMVJuOSqvNKZ :2010/02/06(土) 02:52:21 ID:Vlbqodew

寄り添ったら、どんな気分になれるのだろうか…とそれしか頭に無かった。体を摺り寄せたのはもう衝動でしかなかった。

男の腕の中に入ったのは久しぶりで…。
久しぶりだから心地よく感じたのかもしれないが、でも違う感じ取れたものがある。

安心感。

心地よい安心感があそこにはあった。



「まぁ悪くなかったわね」
もう一度入りたいと思えるくらいに。


ふふふ、あれとじゃ進展しないだろうけど…そう思っても、先ほど入ったスイッチはオンのまま。
あやねは持っていた本を本棚に戻すと、一度だけ自分達の居た場所を振り返り、そしてカバンを取って始まりの場所を後にする。


どんな本より面白い物を見つけた。
楽しそうな足取りは軽く、ちょっとだけあやねを女の子にしていた。

fin
43 ◆UMVJuOSqvNKZ :2010/02/06(土) 02:58:24 ID:Vlbqodew
短いですが、とりあえずここまで。
この二人が好きすぎてやばくなったので金曜の夜一人でこそこそ投下。

今度はピンやのエチありに挑戦したい!
ピンやの神が降臨してくれる事を祈ってます。
44名無しさん@ピンキー:2010/02/06(土) 22:01:48 ID:nWYaN3nP
あやピンキター!
神キター!

私も矢野ピン好きなんで嬉しかったです。
エチありWktkで待ってます!

ところでピン矢野?ピンあや?どっちなんだろ…と思った
45名無しさん@ピンキー:2010/02/07(日) 03:54:19 ID:mlR58D+x
みなさんGJすぎです!
連続投下うれしすぐるw

くる爽の方、続きを!続きお願いします!
ぜひ連載してほしいんすけど…
百合なんて好きじゃないのに書き手様の文章に引き込まれてしまうw

あとさくさんキター!!
さくさんのペースで構わないので、また投下お願いします。
あと前みたいなエロ絵も大歓迎っすw
46名無しさん@ピンキー:2010/02/07(日) 10:54:20 ID:1UsmiCM1
ピンあや良かったです。
まだ本誌でほとんど補完されていないので、妄想しがいのある二人ですw

さくさんにバレンタイン捧げに来ました。
小ネタしか出来なかった……orz
しかも風が鬼畜ww
くる爽で黒風書いてるからかw

次レスだけです。
47おしおき:2010/02/07(日) 10:55:34 ID:1UsmiCM1




「くろぬま、知ってる?」


熱い吐息と高く甘い声が乱れるある一室で、風早翔太が目の前の黒沼爽子に問い掛けた。
、翔太の目の前には爽子の顔などではなく、いわゆる局部が蜜を溢れさせて居たのだが。

「チョコってさ、ここの温度でも溶けるんだよ」

言うと、翔太は茶色いハート型の物体を爽子のそこに押し当てる。

「ああ……っ、や、いやぁ……」

部屋の真ん中に置かれたテーブルの上には、その物体が入っていたであろう箱と包み紙が散乱していた。

「ほら、もう溶け始めてる」
「やっ……だ、そんなっとこ……!だめ、ぇ……っ」

爽子はいやいやと首を振りながら、涙の混じった声をあげる。
どうしてこんなことになっているのか、爽子にはわかっていなかった。

「もぅ許して……っ!」
「…………許す?何を?……俺が何に怒っているか、黒沼気付いてないんでしょ?」

翔太が局部に付着したチョコレートを舐めあげると、爽子は一際高い声で鳴いた。

「……風早くっ、あっ、あぅっ……!」
「言ったでしょ?お仕置きなんだって」

「やあ……っ!」
「『黒沼ごともらうよ』って」

にやりと笑った翔太は、反り返った自身をずぶりと爽子の中に埋めた。

――後のことは、二人しか知らない。



おわり
48名無しさん@ピンキー:2010/02/07(日) 10:57:43 ID:1UsmiCM1
風が切れてる理由は、多分爽子が一番にチョコを渡したのが健人さんだったとか、そんな小さい話だと思いますww

ストーリーでVD書ける人はぜひお願いします!
49名無しさん@ピンキー:2010/02/07(日) 13:48:22 ID:L/C4vrrq
うわああああっ、独占欲いっぱいの風早と鈍い爽ちゃんが可愛すぎますッ
この前後が書いてみたいくらいです……GJ!
50名無しさん@ピンキー:2010/02/07(日) 14:32:20 ID:YBUcAbkK
鬼畜風早、萌えるw

>一番にチョコを渡したのが健人さんだったとか

爽子やりそうw
バレンタイン当日に学校で会った順番で普通に渡してそうだw
51名無しさん@ピンキー:2010/02/08(月) 00:15:52 ID:wCqCCLBz
つきあった後の風早の独占欲、萌えますね〜
52名無しさん@ピンキー:2010/02/09(火) 02:24:04 ID:G7Q0dxxw
バレンタインに向けて投下します。
風×爽、初めてエチ。キスは済。
まだ途中なんで前半の爽子side投下します。
後半は風早side、もうちょいかかりそう。

では次レスから。
53名無しさん@ピンキー:2010/02/09(火) 02:24:27 ID:G7Q0dxxw
去年は色々あって渡せなかったチョコ。
今年は渡すことができるんだ…。

付き合い始めてもう半年以上経つというのに、未だにドキドキしてしまう。
心から欲しいと願った、あのお日様のような笑顔が自分に向けられる度に、
頬は赤く染まり、心臓も、周りにその音が聞こえるのではないかというほど高鳴ってしまう。

この半年の間も色々な初めてがたくさんあった。

夏休み、初めて手を繋いで歩いた。
大きくて、少し冷たくて骨っぽくて…。
男の子の手だなぁって。
家に着くまでずっとそわそわ落ち着かなくて、でも離したくなくて。
そんな気持ちがバレてしまったのか、いつもより少しだけ、遠回りして帰ってくれた。


そしてクリスマス、初めて、キスをした。
雪が触れてすっと溶けたみたいな、柔らかいキス。
きっと5秒も触れていないのに、永遠みたいに長く感じた。
冷えたくちびるにゆっくりとぬくもりが伝わって、離れてもいつまでもぬくもりが消えなくて
その日はなんだかいつまでも眠れなかった。


風早くんと付き合ってから、本当に初めての事だらけで、その度に震えて真っ赤になってしまう自分を
彼はいつも笑顔で受け止めてくれる。
キスをした後もそうだったっけ…。

「黒沼?」
「ご、ごめんなさい…初めてで、その、ふ、ふふ震えちゃって…」
「うん…俺も初めてだよ」

ギュッと手を握りしめ、はにかみながら言ってくれたその言葉が、とても嬉しかった。
初めてを一緒に増やしていけるなんて、こんなに幸せな事はないもの…。
54名無しさん@ピンキー:2010/02/09(火) 02:25:02 ID:G7Q0dxxw
「爽子、あんた今年はちゃーんと風早にチョコあげなさいよ?」
「そうだよ爽ー。去年のリベンジ!今年はあいつ爽子のしか受け取らないだろーしなっ」
あやねちゃんとちづちゃんと、そんな流れでチョコ作りを一緒にやろうって盛り上がり、
バレンタインの前日、土日の午後から、私の家に集まることになった。

この3人で過ごす時間は宝物みたいに楽しくて、大切な時間。
風早くんもわかってくれているみたいで、あやねちゃんとちづちゃんとの約束がある時は
いつも笑って「行っておいで」って言ってくれる。
あやねちゃんとちづちゃんは、クリスマスや誕生日には「風早と一緒に過ごしなよ」って言ってくれる。

私ってなんて恵まれているんだろう。
ついこの前まではそんな風に思える日が来るなんて思ってもいなかったのに…。
風早くんと、あやねちゃん、ちづちゃんのおかげだなぁ。

だいすきな人に、だいすきって言える幸せ、言ってもらえる幸せ。
全部この3人からもらってるから。

今日できたチョコは風早くんと、あやねちゃん、ちづちゃんにもあげたいの。

「あんたそんなの風早に言ったら、あいつまーたやきもち焼くよー」
あやねちゃんは笑いながら、でも嬉しそうにそう言った。
ちづちゃんは涙ぐみながら「あたしも爽子だいすきだー!!」と、抱きしめてくれた。


「それはそうと、さ」
チョコを作り終えて私の部屋でお茶をしながらあやねちゃんが切りだしたのは
私の身にはまだまだ起こらないだろうと思っていた、お、大人…の、お話で。

「あんたたち、まだだよね」
最初はなんだかわからずに「え、まだってなにが?」って普通に聞き返しちゃったけど
あやねちゃんがクスッと笑って小さな声で「めくるめく大人の世界のコト」って…。
一瞬きょとんとして、すぐに理解して、顔から湯気が出そうなくらい真っ赤になってしまった。

「も、もちろん、知識としてその行為のことは知っているけど、でっでもまさか自分がそんなっっ!!」
「うわーゆでダコ」
「かっわいいなー爽子はもー」
「だ、だってまだっこここ高校生なのにっ!」
「今時中坊だってやってるわよそんなの!」
「やのちん卑猥…」

ひとしきりわぁわぁ言ったあと、一気に心拍数が上がって息も絶え絶えな私に、あやねちゃんは諭すように言った。
「ねぇ爽子」
「はいっ」
真っ赤になって涙ぐんでる私を落ち着かせるように、肩に手を優しく置いて。
「きっと風早は待ってるよ。あんたともっとずっと特別になりたくて、でも男だからガマンしてんのよ」
「え、そ、そうなの…かな?」
「あーったりまえじゃない見てりゃわかるわよ」
「ファーストキスまで半年かかったしなー」
「……っ」
恥ずかしいのと嬉しいのとなんだかごちゃまぜな気持ちで、声が出なかった。


風早くんが私を…?

風早くんと私が…?

55名無しさん@ピンキー:2010/02/09(火) 02:25:29 ID:G7Q0dxxw
「あんたは風早とそういうコトするの、嫌じゃないんでしょ?」
「あの、か、考えた事なくて…その…」
「考えた事もないの?」
「う…うん……」
「哀れ風早…」
うなだれて小さな声でそうつぶやき、もう一度私の目を見てあやねちゃんはこう続けた。

「じゃあ今から考えな。風早のことだからあんたがいいって言うまでずーっとず〜っと待ってくれるだろうけど」
「…うん」
「それじゃちょっとかわいそうじゃない」
「……うん」
「あんたから風早にそんなこと言うのは無理だと思うけどさ、いつもよりたくさんくっついたり、キスしたりとか、
 サインはいくらでも出せるんだから。ね?」
「やのちんおっとなー」
「うるさいわねっ」

「でも、無理矢理自分を納得させなくてもいいのよ。あんたがそうしたいと思った時、そうしてあげな」
「うん」
「大好きな人にもっと触れたいって思うことは、全然恥ずかしい事なんかじゃないのよ、爽子」
「今年のバレンタインは日曜日だしね?」


56名無しさん@ピンキー:2010/02/09(火) 02:25:50 ID:G7Q0dxxw
晩御飯を終え、二人が帰ってからも、まだ治まらない動悸と格闘しながら、またさっきの事を考えた。

さっき、少しだけうそをついたこと。
本当はちょっと考えたこと、あるのに言えなかった。
すごく恥ずかしくて…。

でもあやねちゃんは「恥ずかしい事じゃない」と言ってくれた。

そうか、恥ずかしいことじゃないんだ。
風早くんと手を繋ぐたび、キスをするたびに、いつも本当にどきどきしていっぱいいっぱいだけど
でも、心のどこかで『もっと』って言ってる自分がいて。
そんなふしだらなこと考えてる私はなんて恥ずかしい子なんだろうって思ってた。

いつかそんな日が来るのかなって、漠然と想像したことはあったけど
まさかもうこんなに早くその日が訪れるかもしれないなんて考えてもいなくて…。

でも、嫌では決してない。
だいすきな風早くんに……

「…………っっ!!」


そこで私の想像力は限界を超え、気づけば朝を迎えていた。
57名無しさん@ピンキー:2010/02/09(火) 02:26:16 ID:G7Q0dxxw
そして迎えた翌日。
今日はバレンタインデー。

昨日作ったチョコと、ご家族の皆さんへのケーキを持って、風早くんのおうちへ。
風早くんの家に行くのは久しぶりで、それに加えて昨日のあやねちゃんからの言葉もあって
いつもの何十倍も緊張しながら待ち合わせ場所に向かった。

「あ、黒沼!こっちこっち!!」
「風早くんごめんね、待たせちゃった?」
「んーん。マル連れてきたから大丈夫!」
「あ、マルちゃんおはようー」
「ウーッワンワン!!」
「あははははっ」

あ、笑った。
いつもの風早くんだ。

実は金曜日、少しだけいつもと違う感じだったから心配だったのだけれど、今日はいつもの風早くんだ。

「じゃ、行こっか」
「うんっ」
「今日は朝からマルが散歩散歩って落ち着かなくてさー」

話しながら、まるで100年前からの決まり事みたいに、自然にお互いの手が触れ合い、絡まる。
このまま指先から溶けてひとつになってしまえたら、どんなに幸せだろう…。
そんなことをぼんやり考えていたら、急にあやねちゃんの言葉を思い出した。

『大好きな人にもっと触れたいって思うことは、全然恥ずかしい事なんかじゃないのよ』


い、今思い出さなくっても…私…っ!!

「黒沼?どうかした?」
急に黙ってしまった私を覗き込む風早くんの顔が…ち、近い。
「ど、どうもしないよ!?大丈夫っ」

どうしよう…今私絶対顔真っ赤だ…。う、動きもぎくしゃくしてないかな…。
ああああっもう!忘れよう!
あやねちゃんの言った事は今日は忘れよう!
だって今日いきなりそんな風にはなってくれないだろうし…

って

え?!なって欲しいの?!

私何考えてるのー!?


58名無しさん@ピンキー:2010/02/09(火) 02:26:42 ID:G7Q0dxxw

それからの会話はあまり思い出せない…。
気が付いたら風早くんの家に着いていて、ご挨拶をしようと思ったら今日は誰もいないと告げられた。

「え、弟さんの野球の試合?」
「うん。なんか今日は遠征試合なんだって」
「そうなんだ!じゃあ今頃頑張ってるんだねぇ」
「うん」
「でもそっかー。ケーキ持って来たけど、今日はいないんだね」
「うん。…でも」
「?」

少しの沈黙の後、風早くんはそむけていた顔をこちらに向けて、言った。
「ふたりきり、だね」
「え…」

ドクンッ


『大好きな人にもっと触れたいって思うことは、全然恥ずかしい事なんかじゃないのよ』


ドクンッ ドクンッ

聞こえちゃわないかな、心臓の音。

「あー、と、とりあえず、さ、俺の部屋行こうよ。今お茶持ってくから」
「あ、あのあの私っ、手伝いますっ」
「うん、あ、あありがと」
「あ、ケ、ケーキ、冷蔵庫…」
「うん、ありがと」

なんだかぎこちない二人の空気。
浮かれているような、そわそわふわふわ、落ち着かない感じ。

どうしよう。
風早くんに私の考えてる事がばれませんように…。

59名無しさん@ピンキー:2010/02/09(火) 02:27:06 ID:G7Q0dxxw
お茶を飲んで少しだけ落ち着いて、風早くんに二年越しのチョコを渡した。
「あのこれ、作ったのだけれど…よかったら…」
「うわ!やったーありがとう黒沼!」
「いえ、どういたしまして…」
「今年は俺だけだよね?日曜日だし、学校のやつらにはないよね?」
「あ、あやねちゃんとちづちゃんには昨日一緒に作った時にあげたんだけど、男の子は風早くんだけだよ」
「なんだあいつらにまた先越されちゃったのか…」

目に見えてがっくりと肩を落とす風早くんがなんだか可愛くて愛しくて、ふふっと笑った。
「あ、笑った。黒沼」
「え?」
「今日まだ笑ってなかったし、さっきもなんかちょっと様子がいつもと違ったから…でもよかった」
「いつもと…ち、違うかな…」
「…うん。顔赤いし、緊張?いまさら?って思ったけど」
「緊張は…えぇっと…」
余計なこと考えてひとりでドキドキしてるの見透かされてる…!?
赤くなった頬を隠すように両掌で覆ってみたらすごく熱くて、余計にドキドキしてしまった。

「でも…なんか付き合い出した頃みたいで、その…可愛かった」
「えっ」
「いや!今ももちろん可愛いしっていうか今のがもっと可愛いし全然すごいなんていうかあぁもう俺何言ってんだろ」
「ああああの風早くん!?」
「いやごめん!なんか今日黒沼すげー可愛くてなんか俺緊張してるかも…」
「緊張…風早くんも?」

「黒沼?」
まっすぐ見つめてくるその瞳に吸い込まれてしまいそう。
「私、緊張…してるの。すごく」
「え…?」

これ以上は恥ずかしくて口では絶対に言えないから、だから自分から、瞼を閉じた。
初めて自分からキスしてほしいと意思表示をした。
風早くんの手をきゅっと握って、彼を待った。


60名無しさん@ピンキー:2010/02/09(火) 02:39:38 ID:G7Q0dxxw
すみませんとりあえずここまでで…。
後半は近日投下できるよう頑張ってます。

お目汚し失礼しましたーっ
61名無しさん@ピンキー:2010/02/09(火) 02:48:29 ID:49d5Zwzo
投下乙です!
しかし風早にもここの住人にも何という寸止めwww

続きワクテカしながら楽しみにしてます〜
62名無しさん@ピンキー:2010/02/09(火) 03:02:17 ID:u9rXbaCZ
乙です!ありがとう〜GJすぎる…

うわあああああ続き読みたてえええええ
なる早で…と言いたいとこだけど、いつまでも待ってます!
63名無しさん@ピンキー:2010/02/09(火) 10:29:34 ID:WGgyhUX2
もう完全にこっちに移行してるみたいだけど前スレまだうまってないよー
64名無しさん@ピンキー:2010/02/10(水) 00:08:19 ID:ooK50wy+
>60
寸止めかッ
正座して続きを待ってる
65名無しさん@ピンキー:2010/02/10(水) 00:23:20 ID:YOCZtyAn
>>60
私も正座して待ってます!

あと、くる爽・・・続き、気になります。
風早大丈夫かなあw
6660:2010/02/10(水) 00:59:07 ID:uim67NvM
風早side、出来上がったので持ってきました。

>>63さんごめんなさい。
もうこちらに作品投下されていたから前スレ落ちたと勘違いしていました。
後半だけあっちに落とすのもなんかあれなのでこちらにしますが、
以後気をつけます。

では次レスから風早sideです。
67名無しさん@ピンキー:2010/02/10(水) 01:00:11 ID:uim67NvM
突然の事に、俺は一瞬頭が真っ白になった。
目の前にいる黒沼が、目を閉じて…キスを待ってる…!?

ふと昔の事が頭をよぎったが、でも5秒経っても、目は閉じられたままで…。
そっと空いている方の手で黒沼の頬を包み、ゆっくりと、くちびるを重ねた。

柔らかく、温かい黒沼の感触は、何度キスをしても何度でも触れたくて。
でも怖がらせちゃいけないと、いつもはすぐに離してしまうんだけど、今日は。
もっと触れていたくて、何度も何度もキスを繰り返した。
じっくりとゆっくりと。
重ねられていた手の指を絡ませ、肩をぐっと抱き寄せて…こんなに長いキスは初めてだった。


「ん…」

息苦しさからか、黒沼が上ずった声をあげた。
「あ!ご、ごめんっ苦しかった?」
「ううん、ちがうの…」

ドクンッ

赤く染まった頬に、潤んだ瞳、濡れた半開きのくちびる…。
ヤバイ、ヤバいってその顔は黒沼!!!
急速に一ヵ所に血液が集まる感覚があって、慌てて身を引こうとした時。

「風早くん…だいすき…」
「く、ろぬま…!?」

ううう嘘だ!!
今起きているのは夢か幻か俺の願望が見せている白昼夢か!?
夢なら覚めて、いや覚めないでくれ!!

黒沼が俺の肩に顔を埋めて、せ、背中に手をまわしっ…ええええええええええっ!?


情けなくも硬直していると、黒沼が小さく震えているのに気付いた。

あぁ、なんて可愛いんだろう。なんて愛しいんだろう。
こんなに震えるほど緊張してまで、俺の胸に飛び込んできてくれた可愛い俺の黒沼。

そっと黒沼の背中に腕をまわし、両手でぎゅうっと抱きしめた。

「俺も…だいすきだよ、黒沼…」
「……」
俺の腕の中でこくりと小さくうなずく愛しいこの子を、決して離さない。
「だいすきだ…爽子…」
「!」

そっと腕の力を緩め、再びキスをする。
今度はもっとたくさん、もっと長く、深く───。

息次ぎの間に薄く開いたくちびるの隙間から舌をそっと割り入れると、少し肩をぴくっとさせていたけど
次第におずおずと、俺の動きに応えてくれた。
どんどん深くなっていく。
どうしよう、このままじゃ、これ以上は……でも。

68名無しさん@ピンキー:2010/02/10(水) 01:00:57 ID:uim67NvM

ゆっくりくちびるを離し、漆黒の瞳を覗き込んだ。
「黒沼…あのさ、俺、黒沼が…その……」
「風早くん…?」
「あの、嫌だったら言って、その、俺…黒沼と…もっと……」

ああああっ言えねー!!
これ以上言ったら俺絶対黒沼に軽蔑されt
「嫌じゃないよ」
「へ?!」

うわ、素っ頓狂な声出しちゃった…。
「黒沼?…えと、あの俺、」
「風早くんとなら…嫌じゃない、ていうか嫌なわけない、です…」
「え、あの、俺の言いたい事…わかっちゃったり…して?」

「…うん」


まっすぐ俺を見てる。
さっきまであんなに震えていた黒沼が、「うん」って、「嫌じゃない」って…。
「本当に?」
「うん」
「わかってる?」
「うん」
「嫌じゃない?」
「うん」
「俺…」
「風早くんじゃなきゃ、嫌…」

そう言って俺の胸に額を当て、真っ赤になっている。
情けない。また黒沼に先に言われてしまった。


いつも大事なこと、黒沼は先回りして俺の欲しい言葉をくれる。
いつもいつも、ワガママな俺の事、受け入れてくれる。

ぎゅっと抱きしめて、またその優しさに甘えてしまう。
「黒沼…俺、その…初めてだからうまくできないかもしれないけど、でも絶対無理だけはしないから」
「うん」
「嫌だったり、痛かったり、無理って思ったら、言って?」
「うん」
「すごい、嬉しいよ…絶対大事にするから…」
「私も、嬉しいの…」
「黒沼…」
「だってまた、初めてのこと…一緒にできるから」
「……っ!」

泣きそうになった。
こんなことを言ってくれるなんて。
そんな風に思っていてくれたんだ…黒沼。
69名無しさん@ピンキー:2010/02/10(水) 01:01:39 ID:uim67NvM

「じゃ…いい?」
「は、はい!よろしくお願いしますっ」
「ぷっ!あははははっ」
「え、えと、あの」
突然噴き出した俺に面食らった顔の黒沼。
こんな顔も可愛いなー。なんて、そんな余裕ないくせに、俺。
「武士の初夜じゃないんだからさ」
「は、はい…」
「ごめん、俺も今そーとー緊張してるからさ」
「はい」
「爽子」
「はいっ」
「だいすきだよ」

そう言って再びキスをして、今度はゆっくり、その手を肩から胸へと降ろしていく。
服の上から優しく、そのふくらみをなぞるように包んでいくと、それだけで黒沼はぴくんと反応し、
その度にくちびるが離れてしまう。
「だーめ」
「んんっ」
黒沼の頭を手のひらで押さえてキスをして、もう片方の手でボタンを外していく。
肩をすべらせ、腕を抜いて腰のあたりまでワンピースを降ろすと、かわいらしいキャミソール姿に。
これだけでも十分可愛いし色っぽいけど…この中にはもっと素敵な光景がっ
…と、はやる気持ちを抑えつつ、キャミソールに手をかける。

「黒沼、ばんざいして」
「え?ばんざい?こ、こうかな?」
素直に従う姿も可愛い。
両手をあげた状態から、下から一気にキャミソールを捲り上げ、引き抜いた。
「きゃっ」
ピンクのブラ、ばっちり見えたけど。両腕で隠すその姿もまた可愛い。
あー俺って本当に黒沼に骨抜きなんだな…。

すっげー…白くて綺麗で…本当に俺が触れてもいいのかな。
わき腹からおへそのあたり、きゅっとくびれててなめらかで…思わず手のひらでゆっくりなでたら
「ひゃぁあっ」
って可愛い悲鳴。
「ごめっ、急にさわって」
「う、うん…あの、くすぐったくて…」
「ああっごめん…」
「ううん、平気」
「……」
「……」

「「ふふっ」」

おでこを合わせてくすくすって笑いあって、お互い余裕なんてこれっぽっちもなかったから、ようやく気付く。
「寒くない?」
「ちょっと…寒い、です」
「ベッド、行こ」
「…はい」
70名無しさん@ピンキー:2010/02/10(水) 01:02:18 ID:uim67NvM
手を引いて、ベッドにあげる時にワンピースを降ろし、下着だけの姿になった黒沼。
細くて白くて…思わずゴクッと生唾を飲み込む。

「あの…恥ずかしいのであまり…見ないで…」
「あっごめん、でも黒沼すげー綺麗で…ずっと見てたいくらいなんだけど」
「そんな…っ」
ああ、また顔真っ赤。
でも色っぽくて。
こんな表情もするんだ。
俺にだけ、俺にしか見せないで、黒沼。
絶対絶対俺だけにして。

避妊具を机の引き出しから取り出して、こっそり枕の下に忍ばせる。
そして自分も服を脱いで下着だけになった。
「これで恥ずかしくないよね?」
「も、もっと恥ずかしいですぅぅ……」
消え入りそうな声をあげながら、両手で顔を隠してしまった。

あのー、爽子さん?
丸見えなんですけど…。

まぁいいか、言うとまた照れちゃいそうだし。
黒沼にふとんをかぶせて、隣にもぐりこんで抱きしめた。

「だいぶ体が冷えちゃってるね…ごめん、俺余裕なくて」
「ううん、平気…風早くん…あったかい…」
「黒沼…っ」

抑えきれずにキスをした。くちびるからおでこ、まぶた、頬、こめかみ…。
そのまま首筋、肩、胸へと顔を降ろしていく。
ブラの肩ひもをずらして…って、あれ。どうやって取るんだ?これ。
背中に手をまわして探り探り…あ、外れた!
「ん…」
ふるりと締め付けから解放された黒沼の胸は、思っていたよりちょっと大きくて、すべすべで柔らかくて…。
たまらずやわやわと揉みしだき、綺麗なピンク色の先端が誘っているようで、恐る恐る触れてみると
「あっ」
黒沼から艶のある声がした。

なんだかもっと聞きたくて、先端を口に含み、もう片方は指で転がすと、今度はこもった声がした。
「ん、むーっ、んっ」
見ると、手の甲で口を押さえて声を我慢してるみたいだ。
その手を取り、駄々っ子みたいに言ってしまう。
「黒沼、声、聞かせて。抑えちゃダメ」
「だ、だって自分のこんな声…あっ…はずっ、かしぃ…んっ」
「大丈夫、俺しかいないから…いっぱい聞かせて?」
「や…あんっ」

黒沼は素直に手を口から外し、懸命に応えようとしてくれている。
いじらしい、可愛い姿に一層俺は余裕をなくす。

なめらかな肌はまるで陶器のようで、少し強く吸いつくだけで赤い花がその肌に散る。
夢中で胸への愛撫を続けていると、黒沼は足を捩って切ない声を上げる。
「は…あっあっ…」
「黒沼…可愛い…」
「かぜは…くっ…」

するするとした腰のラインを辿り、最後の下着に手をかけると、少し抵抗をしながら、でもお尻をあげて
脱がすのを手伝ってくれる。
そんな些細なことですら本当に愛しくて…。
71名無しさん@ピンキー:2010/02/10(水) 01:02:54 ID:uim67NvM
多分初めて他人が触れるであろう黒沼の大事な部分に手を伸ばす。
もちろん俺自身も初めてで、本やビデオで知ったような知識しかないけど。
「やっそこは…」
「ダメ?でもここダメって言われちゃうとこの先いけないんだけど…黒沼は、嫌?」

あ、俺ずるい。
黒沼が嫌って言うわけないって、わかってて言った。

「嫌じゃ…ない」

ほら。

ごめんな、小さい男で。
先に進む勇気さえ、君に背中を押してもらわないと、怖くて進めないような奴なんだよ。俺。

「じゃあ、力抜いて、足ちょっとだけ開いて…」
「う…うん…」
「うわ、すごい濡れてる…」
「やっ…言わないで…」
「俺で感じてくれてるんだって証拠だもん、すげー感動…」
真っ赤になって恥じらう姿も、全部俺だけが知ってる黒沼なんだって、そう思うと更に感動…。

ぬめりを掬うように、ゆっくり割れ目を撫で上げると、腰をくねらせて身を捩る。
「あっ、ああ…や…」
「ここ?ここ気持ちいいの?黒沼」
ちょうど割れ目の先端、小さな赤い芽がぷくっと顔を出しているのが見えた。
そこを親指の腹で円を描くように擦りあげると、黒沼の反応が急に大きくなった。
「ひゃっ…や、やあああ…っ」
「これはどう?」
そう言って、その一番敏感な赤い芽を舌で転がしてみた。
なんだかすごい事してるけど俺…。
舌で上下に小刻みに動かしてみたり、口に含んで吸ってみたり…
「やんっ、も、ダメ、だめ…ぇ、あぁ…んっ、ああああっ」
その動きに合わせて黒沼の声がだいぶ高まってきて、余裕がない感じになってきた。

しっとりとしたふとももに頬を挟まれて、ちょっと苦しいけど頑張って続けた。
蜜があふれてやまない壺にも、恐る恐る指を挿し入れてみた。
狭っ!指一本できっついかも…。

「あっかぜはやくっ…も、やっあぁっ…はぁっはぁっ」
俺の動きを制止しようと手で俺の頭を押さえつけて、体を必死で捩らせて、目には涙まで浮かべて…。
ビクビクと震える黒沼の細い腰を、逃がさないように腕でがっしり捕まえる。
やべ、この声とか表情とか腰の動きとかもう…たまらない。
俺でこんなに感じて、乱れてる黒沼…すげぇクる。
ゾクソクする。

くちゅくちゅと音を立てて、指を抜き差し続けると、少しづつほぐれてきたみたいで、もう一本増やしてみる。
すごい溢れてきて止まらない。ああ、早くこの中に入りたい…!
「あっやっもう、もうっ、だめ…わたし…へん、へん…だよ、こわい、こわい…っ」
「大丈夫だよ…俺に見せて、全部…こわくないから…俺がここにいるから」
そう言って俺は少し上に移動して黒沼の顔を覗き込み、涙の浮かぶ目元にくちづけて、
赤い芽を擦る指の動きを速めながら、もう片方の手でしっかりと黒沼を抱きしめる。
「やっ、あっ、あーーーーーーっっ!」
ひと際高い声を上げると、黒沼の全身はがくがくっと震え、力なくベッドに沈んだ。

72名無しさん@ピンキー:2010/02/10(水) 01:03:49 ID:uim67NvM
イッた…のかな。
すごい、こんな風になるんだ。
はぁはぁと荒い呼吸で、白い肌に長い髪が乱れていて、目もとろんとしてて、すごく色っぽい…。
もう少し休ませてあげた方がいいんだろうけど…俺が、ムリ。

「黒沼…あの、いいかな、俺…そろそろヤバい、かも」
「う、うん…いいよ」
本当はちょっと黒沼にも触って欲しかったんだけど、たぶん触られたら俺、もたない自信ある。
さっき忍ばせておいた避妊具をなんとか身に着けて、黒沼に覆いかぶさる。

「痛かったらすぐ言って。…って、俺もそんなに余裕ないかもだけど」
「大丈夫…風早くんだから、いいの」
「黒沼…っ」
ぎゅっと抱きしめて、キスをする。

こんなにまっすぐで純真で無垢な君を、俺は今から傷つけるんだよ。
それでも…。

「いくよ…」
「うん…」
「ちから、抜いて。腕、こっち」
俺の首に黒沼の腕を巻きつかせて、ゆっくりと腰を進める。
「あれ、ここ…あ、入っ」
「〜〜〜〜〜〜〜っ」
「うわ!痛い!?」
「だいじょうぶです…」
みるみる顔が歪んでいく。やっぱ相当痛いんだろうな…。

俺はまだ先端がちょっと入っただけだというのに、その包みこまれるような温かさに
我を忘れてしまいそうになっていた。
「ゆっくり、するから」
「うん…だいじょうぶ…いたく…ないから…っ」
「黒沼…」
「かぜはやくん…すき…」

ほらまた。
そうやって君は俺を許すから。
だから、甘えてしまうんだ。


「黒沼…すきだよ…」
ぐっ、と力を入れて腰を進める。
「すきだよ…くろぬま、だいすきだ…」
「うん…わたしも…だいすき…」
キスを繰り返し、背中をさすりながら、ようやく全部がおさまった時、お互いの目には涙が溢れていた。
きっと黒沼の涙は、半分以上痛みからものもだろうけど。
俺はなんだかものすごく感極まってしまって…。
嬉しくて、愛しくて。
黒沼は今俺の腕の中にいるのに、俺も今、黒沼の中にいる。
73名無しさん@ピンキー:2010/02/10(水) 01:04:44 ID:uim67NvM
「全部、入ったよ…すごい…熱い…」
「うん…嬉しい……」
そう言って黒沼は俺の背中を強く抱きしめてきた。
俺もぎゅうっと、愛しさをこめて抱きしめる。
汗か涙かわからない、少ししょっぱい味がするキスをたくさんたくさんしながら、ゆっくりと動いてみた。
「いっ…」
「痛い?ごめん…」
「だいじょうぶ、あやまらないで…」
そう言って俺の頬を優しく包み、とびきりの笑顔でこう言った。

「風早くんとひとつになれて、ほんとうにしあわせなの…」


ああ、きっと俺はこの子には絶対敵わない。
俺こそ、俺の方こそ幸せなんだ、黒沼。


「んっ、あ、ん…はぁっ」
少しずつ、時間をかけてゆっくり進めて、痛さだけじゃなくなってきた事を声で感じて
ちょっとだけ速度をあげてみる。
「あっ…かぜはやくんっ…かぜはやくん………っ」
「さわこ……すきだ、さわこ…っ!」
お互いの汗一滴さえも全部全部必死になってぎゅうううって隙間を無くすみたいに抱きしめ合いながら。
どこまでもどこまでも深くずっと繋がっていたくて。
あたたかく絡みつくその全てに、何とも言えない痺れるような感覚が背筋を走り抜け、
俺はそのぬくもりに包み込まれて達した。




「黒沼、大丈夫?」
「うん…」
後始末を済ませ、ベッドの中でまどろむ。
お互い裸で、絡み合うように抱き合って。

「風早くんの肌、すべすべで気持ちいい…」
「ちょ、えぇ!?」
普段の黒沼からは絶対に発されることのないようなセリフがすとんと聞こえて、俺は真っ赤になってしまった。
こんな姿も、これからはきっと、もっと見られるのかな。

疲れて寝入ってしまった君を抱きしめながら、うっとりとそんな事を思う。


学校に行ったら盛大にあの二人に冷やかされる自分と、
何とも言えない色気を放つ黒沼にハラハラし通しになるのは、明日以降のお話。

7460:2010/02/10(水) 01:05:15 ID:uim67NvM

以上です。お付き合いありがとうございました。
金曜日、若さでたまらんことになってた風早と、それを見て爽子にけしかけるあやね&ちづとか
せっかくあげたチョコの事も置いてけぼりですいません。
納まりきりませんでした。てか力尽きた…orz
初めてのエチ書くの初めてなんで、なんか尻すぼみ感満載で申し訳ないです。
ヘタレ風早モチケツ!!が書きたかっただけなんですw
では失礼いたします…
75*86* :2010/02/10(水) 02:35:29 ID:D1mQKiRs
ふわわわわ〜〜〜!しゅ、しゅごい良すぎですっ!!!
乙でっす☆
やっぱり初めてっていうのはいいですね!
爽子を見て余裕ない風早にクラクラきますWw
76名無しさん@ピンキー:2010/02/10(水) 02:44:37 ID:Er+uhKre
GJ!前スレの方もGJ!
ナイスバレンタイン過ぎてニヤニヤした
77名無しさん@ピンキー:2010/02/10(水) 02:47:38 ID:JgvKYfLE
なんだこれ…目から水が…
78名無しさん@ピンキー:2010/02/10(水) 07:57:14 ID:uBMWkmSx
GJです!はじめての感じがなんかよかったー
なんとも言えない色気を放つ爽子に
ハラハラどきどき嫉妬する風早くんも見たい!
79名無しさん@ピンキー:2010/02/10(水) 22:04:56 ID:Ars5cj/s
徹とちづなんてアリなんでしょうか?
ここだとタブーっぽくなるのかな。
80名無しさん@ピンキー:2010/02/10(水) 22:23:40 ID:WptFvNvf
>>79
まとめサイトとか見てますか?たくさんありますよ
風爽・龍ちづみたいな公式カプ以外にもたくさんあります
あまりにアブノーマルな設定であれば注意書きをすればおkです
作品があるならどうぞ投下を!
81名無しさん@ピンキー:2010/02/11(木) 01:35:35 ID:byqLljND
風早×爽子
時期は高二の夏くらい
風早がハメ撮りに挑戦
もうこの時点でキャラ崩壊してるので
ダメな人はタイトルでNG
小ネタでまたリボン使ってます
爽子視点
10レスもらいます
82風早くんハメ撮りに挑戦 1:2010/02/11(木) 01:36:32 ID:byqLljND
1

「風早くん、ちょっと待って・・・!せ、制服がしわになるから・・・!」

わたしが風早くんの猛攻を一旦制止してみせると、彼はうんと
いつものように制服を脱ぐわたしが恥ずかしくないように背を向けてくれる。

「あ、黒沼。リボンはつけたままで、ブラウスは脱がなくていいからね」

「は、はい・・・」

これだけは守ってねとお決まりの言付けのように彼の口から出るいつもの言葉。
風早くんのこだわり…。わたしにはいまだ理解出きない部分でもあるのだけど…。

上着とスカートだけ脱いで彼の方を
振り向くと、風早くんは少年のような笑みをわたしに向ける。

「黒沼。これで撮っていい?」

「ええ!その、カ、カメラで撮影するってこと?」

「うん。黒沼はいや?」

「さ、さすがにそれは・・・!」

わたし、無意識にNOという意思表示を両手でしてしまっている。
だって、ただでさえ、恥ずかしいのに撮影なんて・・・。

「黒沼との思い出として残したいんだけどダメ?」

「お、思い出・・・?」

「黒沼…、お願い」

「・・・でも。とても恥ずかしいので」

ごめんなさい。風早くん、これは無理です。

「絶対に誰にも見せないから」

ああっ…。風早くんのそのおねだりするような顔に弱い・・・。
こんな顔、絶対学校では見せない、わたしだけに見せる顔・・・。

「黒沼だっておれが黒沼にベタぼれだってことしってるでしょ?」

「で、でも、わたしも風早くんにベタぼれだよ?」
83風早くんハメ撮りに挑戦 2:2010/02/11(木) 01:38:35 ID:byqLljND
2

風早くんの頬がどんどん赤く染まっていく経過が見て取れたけど
わたしのほうがずっと前から風早くんを意識してたから間違ってないよね…?

「と、とにかくさ・・・。おれと黒沼だけの秘密にするから」

「ひ、ひみつ…?」

「そう、二人だけの秘密」

風早くんのこの表情で言われると弱いなぁ・・・。断りにくいなぁ・・・。
風早くん、わたしに目を据えたままずっと見つめてる。どうしよう・・・。
恥ずかしいけど、風早くんと二人っきりの秘密で終わるんなら・・・?

「うん・・・。じゃあいいよ・・・」

「やったぁ!」

ああ!風早くんのこの笑顔・・・!

「あの、お願いだから、絶対他の人には見せないでね・・・!」

「もちろん!黒沼こそ、矢野とかに言っちゃダメだよ?」

「うん」

あ、わたし、なんでもあやねちゃんに報告してた・・・!
もしかして裸リボンのことも言わない方がよかったのかな?

「じゃ、黒沼。ここに腰掛けて」

って自問自答してる間に風早くんから注文が入る。集中しないと・・・。
わたしの上半身はボタンが外れかけたブラウスと首にはちょっと緩んだ状態のリボン、下半身は下着姿のまま。
ベットに腰掛けると、風早くんがすぐさまわたしの肩を引き寄せる。

「ひゃぁん…!」

やだ、風早くん。いきなり耳の裏を舐めるから、声出ちゃった…。

「いいよ…!黒沼、今の声。最高」

「え?もしかしてもう撮ってるの?」

「え、そうだよ。それより黒沼、カメラに目線合わせててね」

そう言うと風早くんはわたしの唇にキスをする。

「ああ、んん…」
84風早くんハメ撮りに挑戦 3:2010/02/11(木) 01:40:54 ID:byqLljND
3

「ほら、黒沼、どんどん顔が赤くなっていってる」

「だ、だって…!」

「ほら、カメラ見て」

「んん〜…!あむぅ…、や、やっぱり恥ずかし、んん〜」

わたしがすべて言い終わる前に口を風早くんの口で塞がれてしまう。

ずるいよ・・・!風早くん。と思った瞬間、風早くんがわたしとのキスを突然やめる。
そしてベットから数歩下がると、カメラをわたしに向けて、ニッコリ微笑む。

「じゃあまず、黒沼。自己紹介からしないとね」

「えええ!カメラの前でわたしがするの!?」

わたしったらすごい声出してしまった・・・!でもこれはさすがに無理だよ・・・!

「うん。いつか、黒沼と一緒にこれ見たとき、いつ頃だったかなあってわかるでしょ」

「ええ!風早くんと一緒にこれを見るの!?」

わあ!わたし、さっきから大きな声を出しすぎ・・・!

「そう!・・・じゃあ名前と年齢を言ってね」

「そ、そんなの無理だよ・・・。だって撮るだけだと思ってたのに・・・。裸でリボンだし・・・、は、恥ずかしいよ」

「そう?それがカワイイのになあ。じゃあ、これは今はいいや」

ええ!?いつもの風早くんならもうすこし粘ってくるはずなのに。
しかも風早くんも、断わってしまったわたしにそんなガッカリしたわけでもなく・・・。
もちろんカメラの前で自己紹介なんて恥ずかしくて絶対無理なんだけど、
もうちょっとねだってくる風早くんの顔をもっと見たかったり・・・。

「黒沼。さっきの続きからね」

そういうと風早くんは再度、わたしの横に腰掛けて再び肩を引き寄せる。
そしてわたしが気になっているカメラは、机に上に再び置かれ固定された。

「黒沼・・・」

「・・・んん」

ああキスされながらもカメラのレンズが気になってしまう・・・。
85風早くんハメ撮りに挑戦 4:2010/02/11(木) 01:41:24 ID:byqLljND
4

「あぁ、ん・・・」

首筋にキスされててもいつのまにかレンズに目がいってしまってるわたし・・・。
ああ、どうしよう。後で風早くんが録画した映像を見たとき、わたしが意識してたの丸わかりだよね・・・?

「黒沼、おれのワイシャツのボタン外してくれる?」

「え?・・・う、うん」

まさかわたし、婚約もしてないのに男の人の服を脱がすような大胆なことをしてるなんて・・・。
しかもそれをカメラで撮影されてるのに・・・。

「黒沼。手震えてるけど緊張してるの?」

「う、うん・・・」

なんかボタンが外す度に現れる風早くんの体を隅々まで観察してる・・・。
痩せてるけど、骨と皮だけじゃなくて、うっすら筋肉がまとってある体・・・。
わたしたち、女の子の体とは全然違う・・・。やっぱり男子・・・。

「ありがと。黒沼」

「い、いいえ・・・!」

「じゃあ、ワイシャツも脱がしてくれる?」

「うん」

彼のワイシャツをぬがすためにちょっと前のめりになると彼の体から伝わる体温。
いまだにお互いの体温が近づく感覚はドキドキして慣れない・・・。

「じゃあ、今度は黒沼もブラウス脱いでみて?」

「う、うん」

って風早くん、なんでまたカメラを持って構えるの!?

「はい、じゃ脱いでいいよ。リボンはつけたままでいいから」

「ちょ、ちょっと待って・・・!正面から撮られるのは恥ずかしいのだけど・・・!」

「じゃ、後ろ向いてでもいいから」

ああ、よかった…。今のわたしの顔を撮られたら風早くん失望しちゃうから・・・。

「黒沼、こっちきて?」

「・・・あっ」

脱ぎ終わると同時に背を向けた状態のまま彼から抱きしめられる。
えーと・・・、前を向けば背中越しから抱いてる風早くんのもってるカメラがあるし、
横を見れば風早くんの顔、どこを見ればいいんだろう・・・。
86風早くんハメ撮りに挑戦 5:2010/02/11(木) 01:41:52 ID:byqLljND
5

「黒沼、カメラ意識しないでいいから、おれだけを見てて・・・!」

わたしの耳元で囁かれる風早くんの声。
この一言でさっきまで散漫だったわたしの意識が風早くんに戻される。

「うん・・・。風早くんだけを見る・・・!」

振り向けばすぐそこに風早くんの顔。こんな近い距離で意志を確認しあったのは初めてかも。
ってあれ?風早くん、目が合ったら一瞬体がビクっとした?どうしたんだろう?

「黒沼!ホントにその行動のすべてがズルすぎ!おれ、今の黒沼の表情でドキッとしたじゃん」

「キャッ…!」

わっ!風早くん、急に力強く抱きしめるから・・・!

「これ、とるね」

「え!あれ?」

風早くん、なんでカメラ片手にそんなにうまくブラのホック外せるの・・・!?
すごい・・・!ってわたし、どうしよう・・・。もう上、裸なのに、と、撮られてる!

「黒沼、恥ずかしい?」

「うん・・・」

それはもう、もちろん。すごい恥ずかしいよ・・・!

「黒沼、手、どかしてほしいんだけど?」

そういってカメラをもってないほうの手で胸を隠してるわたしの腕を掴むのだけれど
ごめん、風早くん。わたしの意識があるうちはどうしても手をどけることは無理そう・・・。
だってわたし、上は裸で下はパンツ一枚だけなんだよ・・・?あ、えーと・・・、首にはリボンついてるけど。

「じゃぁ、黒沼が手をどかさざるえないようにしようかな〜」

あ、とりあえず目の前のカメラはやめてくれるの?わたしはホッと胸を撫でおろした。
すると再びカメラを机に上に置いて、今度はそのカメラの目の前の位置になるようにわたしを座らせる。

「黒沼・・・、じゃあさ」

風早くんはわたしの背中に回り、後ろから抱きしめてニヤリと笑いかけると耳元で呟く。

「耐えてみてね?」

「ひゃぁ・・・!」

わたしの後ろ髪をかきあげ、首筋をやさしく噛むので、また意図しない声が・・・!
さらにわたしの太ももに置かれた風早くんの手がどんどん上にあがってくる。
87風早くんハメ撮りに挑戦 6:2010/02/11(木) 01:44:30 ID:byqLljND
6

「あ、やぁん・・・!」

「パンツの上からもシミが出来てるのわかるね」

「やぁー、そんなこと…」

その風早くんの言葉に思わず、自分のパンツに上に両手をかざしてしまう。

「ほら。ね?胸を隠してた手がどいた」

「あ…!ひ、ひどいよ。風早くぅん!」

わたしの背中ごしの風早くんを振り返って見つめると、いつもとちょっと違う風早くんの笑い顔。
なんか・・・、これ、不敵な笑みっていうのかな?初めて見る翔太くんの表情。だけどなんかすごくカッコいい・・・。
わー、なんだろう、わたしって、翔太くんならなんでも許せてしまえる・・・!

「黒沼、こっち向いて」

「んんッッ!」

ああ、またこのキス・・・!
風早くんとわたしとの身長差で風早くんの顔を見上げると半開きになった口に毎回、
タイミングよく舌を入れられてしまう。もちろん、嫌じゃないのだけど・・・。

「あ、ひゃぁん・・・!」

キスの折しも風早くんがわたしの下着の中に指を這わせ、指を1本、2本と入れてくる。

「あぁぁっ!ま、まって」

「黒沼、すっかり感じるようになったね」

「ちょ、ちょっと待ってぇ…!ぬ、脱ぐから・・・」

「黒沼、さっきから肩で息してるけど大丈夫?」

下着を脱ぎ終わったわたしの体を抱きしめて肩上で囁く。

「う、うん。なんか今日は・・・」

「黒沼、いつもより体も熱くなってるね?ひょっとして興奮してるの?」

「だって。なんか普段と風早くん違うから・・・」

「今日のおれは嫌い?」

「え?そんなこと一度足りとも思ったこともないよ・・・!」

この先、思うこともないよ・・・!

「と、ところで、風早くん」

「ん、なに?」
88風早くんハメ撮りに挑戦 7:2010/02/11(木) 01:45:19 ID:byqLljND
7

「あの、このリボン、汗ジミができちゃうからもう取ってもいい?」

風早くんの言う通り、わたし、今日は体が熱くて汗かいちゃってるし・・・。

「え!?・・・それはダメ!絶対ダメ!」

ああ、風早くんのこの顔で言われたら・・・。断れないよ。
でもこの前、リボンだけをわたしが洗ってる現場をお母さんに見られてるし、そろそろおかしいって思われてるよね・・・。

「・・・うん、わかった。つけてます」

「ありがと!黒沼」

さっきの真剣な表情から打って変わって、この笑顔!
風早くんに触られてドキドキして、風早くんの表情にドキドキして、わたしどうなるんだろう。

「触ってもないのに、なんかもう先っぽ硬くなってるね」

「やぁっん・・・!」

風早くんに乳首を摘まれて、また声あげちゃった。

「黒沼は次はどうして欲しい?」

そう言いながら、わたしの敏感になってる部分に指を入れる。

「あぁんっ・・・!お、おねがいっじ、じらさないで」

「指がいいの?それとももっと熱くて太いモノ?」

わたしが恥ずかしくて黙ってると風早くんはずっとわたしの目をみている。
なんか今日の風早くんはわたしが直接言わないと許してくれないのかな。

「黒沼、ちゃんと言って?」

ええ・・・!、やっぱり言わないとダメなの?
でも机の上のカメラのRECが赤く光ってるのが気になってとても言えないよ・・・。

「お、お願い・・・!風早くん、もう許して・・・。わ、わたし、もう恥ずかしくて」

もはや首から上がのぼせたように上気してしまってるわたし。

「ハハハ。嘘だよ。大丈夫、わかってるから」

よかった・・・。もう心臓が痛いくらい鳴って、恥ずかしくて死ぬそう。

「最後だけ、確認させて?指じゃない方がいいの?」

「う、うん・・・」

うう、やっぱり最終的にはわたしが決断しないといけないんだ・・・。
やっぱり今日の風早くんはなんか違うけど嫌じゃないのはなぜだろう。

「よかった。じゃあ挿れるよ?」

「あっんんッッ」
89風早くんハメ撮りに挑戦 8:2010/02/11(木) 01:47:08 ID:byqLljND
8

この挿いってくる感覚はいまだ慣れない。
でも風早くんを感じるためにも唯一慣れたくない感触かも。

「大丈夫?」

「う、うん」

目をつぶってコクコクと首を振ることしか出来ないわたしに彼はわたしのおでこに軽くキスをしてくれる。
風早くんの所作のひとつひとつが今わたしの緊張しきった心をほぐしてくれるが唯一の救い。

「黒沼がこんなにかわいいの知ってるのおれだけど、いい?」

そういうと風早くんは腰を深くわたしの中に沈める。

「んんっ!あっ・・・!え?どういうこと?」

「つまりね、おれが黒沼をひとりじめしていい?」

「あっ!わ、わたし、風早くん以外、好きになることない・・・よ」

これは、ほんとうのわたしの気持ち。絶対風早くんを嫌いなることなんてないよ・・・。本当だよ。
って一人心の中で思ってたら風早くんまたカメラ片手に構えてた!なんかちょっとショックだったり・・・!

「ごめんね。黒沼。でも絶対このカワイイ黒沼を人に見せたりなんかしないから。おれだけのモノ・・・!」

「・・・うん」

信じられる。風早くんの言葉だから。

「あッ・・・!」

風早くんがわたしにカメラを向けると反射的に胸を隠してしまう。

「黒沼、どうしても胸隠しちゃう?」

「う、うん」

だって、リボンもついてて、なんかとても恥ずかしい・・・。

「でも、そうやって腕で胸を隠そうとすると、カワイイ谷間ができるね?」

そしてその滅多にできないわたしの胸の谷間のふくらみに
彼の人差し指がプニュリと入ってくる。

「やぁん!」

「なんか、黒沼、いつもよりなんか熱いし、なんか違うね?」
90風早くんハメ撮りに挑戦 9:2010/02/11(木) 01:47:44 ID:byqLljND
9

「え?んんっ!よ、よくわからないけど、なんか変・・・」

「撮られてるから?」

「え?そ、それはわからないけど・・・んんッ!」

たしかに・・・なんか普段よりドキドキ・・・。
認めたくないけどやっぱりカメラがあるからなのかな?

「でもいつもの黒沼とは違うよね?」

そうなのかな?ほんとによくわからないの・・・。けど、
体の芯を抜ける感覚になにか近いものが体の中で起こってるのがわかる。

普段より肩で息をする回数が多く、ときおりツラそうな表情をするわたしのことを
風早くんが気をもんでいるのがわかる。もちろんツラくはないのだけど。

「大丈夫。黒沼?」

「・・・うん」

「ツライの?」

「そ、そうじゃないの。も、もしかしたら、わたし、イク?のかも・・・!ああッ」

「え?」

「んぁっ!な、なんか怖いよ・・・。かぜはやくぅん」

「黒沼!?イキそうなの」

「お、お願い・・・!風早くん!わたしを抱きしめてて・・・」

手をさしのべる恍惚の爽子に、カメラを無意識に放り、爽子を抱きしめる。

「わぁ!ふわっ・・・!ああっ・・・ん!」

ビクビクっと体に電気が走る感覚に襲われる。

「黒沼・・・!おれも・・・」

意識が飛びそうになり、風早くんの体を力いっぱい抱きしめた。

     ※    ※    ※

お互い肩で息をし、グッタリしたまま動けない。
風早くんもイッタみたい・・・。わたしも体にまだ力が入らないし
体の末端まで痺れがちょっと残ってる。でもこんなの体験は初めて・・・。

「大丈夫?黒沼?いま、どくから」

わたしと重なってた体を起こして、わたしの横に移動する。

「うん、大丈夫だけど、ありがとう」

「体のほうは大丈夫だった?」
91風早くんハメ撮りに挑戦 10:2010/02/11(木) 01:48:59 ID:byqLljND
10

わたしの頭をやさしく撫でてくれる彼の手を取ると、自分の指を絡める。
絡んだ指に彼から時折握り返してくれる反応がなにか心地いい。

「うん・・・。風早くんでよかった」

心配そうに見る風早くんにわたしが今出来るなりの笑顔で返すと
ふとわたしたちの横に放置されたカメラが目についた。

「あ、風早くん、カメラが・・・」

「あ、忘れてた」

風早くんはカメラを手にとると録画してたスイッチを消した。
さきほどまであんなに熱心になってた撮影行為にもはや関心がないかのように。

「そ、そういえば!ごめんなさい!わたし、『抱きしめて』とか言って、風早くんの撮影するという楽しみを奪ってしまって」

「いや、いいから!あんな顔で黒沼にお願いされたら、断れないから!やっぱり黒沼が一番大事だし!」

その言葉を聞いて、赤みがさした頬のまま俯いてるわたしの鼻を彼はチョコンと人差し指で触ると照れながら頬を緩めた。

「黒沼。言ったこっちが恥ずかしいんだから、なんか反応してよ」

「ご、ごめんなさい・・・!あの、う、うれしいよ!わたしも風早くんが一番大事・・・!」 

「いや、そこまで言ってくれなくても。でもありがと!黒沼」

「ううん、こちらこそ・・・」

「でも黒沼の最後の最高の顔を撮れなかったのは残念だったかな。おれも顔、見れなかったし」

再びカメラを手に取ると、ちょっと寂しそうな顔をする彼。

「あ、あの!じゃあ今度また撮ってくれてもいいよ」

「え?」

「も、もちろん毎回撮られるのは恥ずかしいから・・・!でも、たまにだったら」

「ええ!?」

                       おはり
92名無しさん@ピンキー:2010/02/11(木) 17:23:36 ID:irWWcRDw
エロ早なwにwwしwwてwるwwww

GJです!!
93名無しさん@ピンキー:2010/02/11(木) 17:33:04 ID:FLHAlo7m
ま、まさか、うちでこっそり見るのかーーー!w
弟に見つかったらどうする!!w
94名無しさん@ピンキー:2010/02/11(木) 19:07:45 ID:atNMvHQ6
またリボンwww
どんどん風早がマニアックになっていくよwwGJwww

前スレもようやく埋まったね〜
こっちでの職人さん方の新作楽しみにしてます!
95名無しさん@ピンキー:2010/02/11(木) 19:47:47 ID:irWWcRDw
前スレの埋め作品乙です…!

埋めには勿体ないくらいの良作乙でした!
96名無しさん@ピンキー:2010/02/11(木) 19:53:38 ID:xSf4o63c
この手の撮影ものは流出だけには気を付けて欲しい
風早、パソコンで編集なんてするなよw
97名無しさん@ピンキー:2010/02/11(木) 19:57:18 ID:FLHAlo7m
>>96
流出、こわすぎる〜w
ネットにつないでないパソコンを一台買うべきw
98名無しさん@ピンキー:2010/02/11(木) 20:27:41 ID:zMAiF+rf
もう100レス行きそう。豊作ですね〜嬉しい!!
前スレ梅も乙でした!

最後の爽子のあれヤバいっ!かわいすぎる!!
風早が憎いぜw
99名無しさん@ピンキー:2010/02/12(金) 00:22:08 ID:1Q8KhyFv
もう風早はリボンを自前で一個買えよw
100名無しさん@ピンキー:2010/02/12(金) 00:35:41 ID:7jhYDK/W
ちなみにうちの高校のリボンは1500円くらいでしたw
101名無しさん@ピンキー:2010/02/12(金) 01:25:39 ID:yi9gbk+z
久々に爽子の陰気&怖い顔を本編中でいっぱい見た気がするw
改めて最初の頃の爽子を見るとほんと対人スキル低かったんだなぁ…

そして外見じゃなく、爽子の内面を知っていくうちに
どんどん爽子に惹かれてく風早がやっぱりいいなぁ…
102名無しさん@ピンキー:2010/02/12(金) 01:26:18 ID:yi9gbk+z
わ、ごめん誤爆したww
103名無しさん@ピンキー:2010/02/12(金) 15:58:41 ID:wsjo2gGZ
風早もはや私の中では変態
104ピン矢野1 ◆UMVJuOSqvNKZ :2010/02/13(土) 01:10:45 ID:V5jU2U0L
流れをぶった切ってしまいスイマセンがピン矢野エロあり投下します。
ちょっと長いです。
前回「ピンあや」と書きましたが「ピン矢野」のほうがしっくりきたので
これからは「ピン矢野」明記にします。

ではどぞ。


いつからかわからないけど、私には持て余す感情が確かに存在していて、
いつからかわからんが、俺らしくなくする感情を持て余して、

結果、二人の体は重なった。



***

「すき」の二文字を伝えた後、激しい後悔に陥った。
まさか担任で、なおかつこの「ピン」を好きになるなんて思ってもみなかったのに、卒業後どうするんだ?なんて聞かれたら衝動的にその

二文字を口にしていた。

その時やっとわかった。
あやねの心を乱す理由。ピンが何かをすれば腹立たしく、ピンが何かを言えば胸がざわつく。
認めたくなかったからあんなに居心地が悪かったのね。
私、ピンをいつの間にか好きになってたんだわ。

その事実が自分の体を震わせた。

「脈絡ねーぞ」
てっきりくるみの時のように茶化されて終わるかと思いきや、ピンは真面目な顔であやねを見ていた。

「私もそう思う」
お互い、張りつめた緊張感の中、微動だにしなかった。

「早く…」
「え?」
「3月になんねーかな」
「どういう意味」

「今その服は脱がせんだろ」

ピンの言う台詞が、体の奥底に火をつけたような気がした。

「エロ」
「うるせー。そん時が来たら脱がせていいんだろ?」
「…そん時じゃなくても今でもいいんだけどね」
「ば!ばか言うな!」

赤い顔をしてピンは進路指導室を出て行った。
残されたあやねはその場にへたり込んで、思わずため息を出した。
それは熱い吐息だった。


105ピン矢野2 ◆UMVJuOSqvNKZ :2010/02/13(土) 01:11:36 ID:V5jU2U0L

―――卒業式。


今日であやねはこの制服を脱ぐ。
ピンとは目も合わせてない。でも視線だけは感じる。
ぱっと顔を上げるとピンが呼んでいた。
どうしようかと悩みながらもピンの傍に近寄る。

「今日で卒業だな」
「うん」
「まだまだだが、一歩ガキから成長したな」

(そのガキに脱がすだなんだと発言した教師のセリフかこら)

「で、何?」
「携帯教えろ。んで今日これからクラスのやつらとの集まり終わったら家に来い」
「何するつもり?」
「もう一段階大人に近づくのもオツじゃねーか?ニシシ」

何処までエロオヤジだと思いながらも、首はコクリと縦に落ちた。
そこから先はたぶんずっとうわの空だった。
気づいたら私はピンの家まで走っていて、体当たりするようにピンの体の中に入った。

「おせーよ」
「遅くないわよ。ちゃんと一次会しか出ないで急いできたわよ。メイクなおしたかったのに」
「お前厚塗りだからはげたくらいが丁度いいんじゃねーか」
「殺すわよ?」

二人で抱き合って付く悪態は今までにない甘さが広がる。

「私って馬鹿よね」
「あ?」
「こんな最悪な男…しかも担任に惚れて卒業式からあんたの腕の中に入る事しか考えられなくて…」

一次会で切り上げて髪も顔もキレイに整えるのも忘れてあんたに体当たりして…
かっこ悪…

あやねのつぶやきに、ピンの腕の力が一層増した気がした。
106ピン矢野3 ◆UMVJuOSqvNKZ :2010/02/13(土) 01:12:01 ID:V5jU2U0L

「ところで…あんた部屋キレイにしてあるでしょうね…」
「あ〜…ぼちぼち?」
「なんで疑問形なのよ」
「うるせーよ。つか離れろ。ここは玄関だ。アホ」
「じゃああんた放しなさいよ。馬鹿力で抱きしめてるのは何処のバカよ」

「口の減らねぇ女だな」
「口の減らない男ね」

その口は…塞いでしまえばいいんじゃない?


弄りあうように唇を押し付けて、あやねのぽってりとした唇に舌を這わせる。
残っていたグロスを舐めとって、そのまま口内へと進む。
体は宙に浮いてキスをしながら広くないピンの部屋の奥へと進む。

「まだ…制服…」
そう言えば、はっとピンは唇を外してあやねの体を畳の上へと置いた。

「風呂入れ」
「え?」
「それ脱いでこい」
「制服?そんなにこれ嫌なの?」

「お前は今日で脱ぐからいいだろうけどなぁ、俺はずっとそれ見てんだぞ?犯罪者にでもなった気分で勃つもんも勃たねえ!」

言われたとおりにしようかと悩みながら、あやねの顔にニンマリと嫌な顔が浮かぶ。
107ピン矢野4 ◆UMVJuOSqvNKZ :2010/02/13(土) 01:13:29 ID:V5jU2U0L
「ふーん、じゃあ制服見るたんびに思い出しちゃう?」

ふわっとブレザーを脱いで、緩くつけられていたリボンをポトンと落とす。

「お、お前、や、やめろ!」

「こうやって脱いでいく私を思い浮かべちゃう?」

靴下をスルリスルリと脱いでぽいっとその辺に放る。
そしてスカートのホックに手をかけた。

「こうやってスカートが落ちる瞬間や…」

「こうやってワイシャツのボタンをどうやって外していたのか…」

思い出してくれる?

あやねの意地の悪いストリップが続くかと思えば、シャツもすべて脱いで下着だけになったあやねをピンは押し倒した。

「いた…」
「てめぇ…よくもやってくれやがったな…」
「ピン、顔真っ赤」
「赤くねぇ!ガキのストリップなんざ…見たって…」

「その割には反応してると思うけど?」
するっとピンの局部を触れば、ピンの体はびくっと跳ねる。
それを確認して嫌な笑みをますます深くする。

「こ、この…痴女!魔女!淫乱糞女!」
「あんた…そこまで言う?」

クックックと喉で笑うあやねに、反撃とばかりにピンもニヤリと笑う。

「一足飛びに大人にしてやらぁ」
108ピン矢野5 ◆UMVJuOSqvNKZ :2010/02/13(土) 01:14:01 ID:V5jU2U0L
ピンの大きな手と太い指があやねの体をツーっと這う。
その刺激にピクンと動いて小さめの吐息が溢れた。
後ろを向くように言われピンに背を向けるとピンの舌が腰から背中へどんどんと登ってくる。
ブラジャーのホックに当たると、そこに歯をかけ、プツリとはずす。

「野獣のくせに器用じゃん」
「うるせ…」
ブラジャーはあやねの放漫な胸を隠すのを止め、重力に逆らうこともせず堕ちていく。
後ろから抱き締められると、完全に支配されたように感じて、あやねはまた吐息を漏らした。

そのまま後ろから手を伸ばされ、胸の突起をきゅっと掴む。
声を上げる間もなくピンはあやねの首筋にキスをした。

「ん…」
「お前、ここスゲー良い匂いだな」
「そう?」
「…たまらん」
「おやじ」

髪をかき上げてウナジにから耳の下、顎、鎖骨、匂いを嗅がれながら愛撫される。

「変態みたい」
「おお、今気づいたか」
「あんたね…」

それが教師の台詞と言いたかったのに最後まで言えなかった。
ピンの指が知らず知らずにあやねの局部に達していたのに気付かなかったあやねは急にそこを撫でられてビクンと跳ねたからだ。

パンツの横からそっと入ってきた太い指は、少しだけ湿ったそこを撫で、出てきた蜜を絡め取ってそのうえにある突起を弾く。

「ピン!」
109ピン矢野6 ◆UMVJuOSqvNKZ :2010/02/13(土) 01:14:39 ID:V5jU2U0L
今まで、呼ぶと感情が抑えられないからと呼べなかった名前を狂ったように呼ぶ。
呼んで呼んで呼んで、善がる。
腰が熱い、頬っぺたが熱い、お腹が熱い。
冷たいところを探して手を伸ばす。
一番冷たかったのはピンの頬っぺただった。

頬っぺたを挟んで、顔を覗き込む。そして名前を呼ぶ。

「〜〜〜〜〜!畜生!狂いそうだ!」

こいつのこんな顔を俺は知らない。いつだってひょうひょうとしていて、いつだって大人びていて、こんなに縋るような眼を向けられた事

など一度もない。

辛抱出来ずパンツをずり下げて指を蜜壺に突っ込む。
一瞬あやねが悲鳴を上げた。
その声がたまらなくて、ピンはあやねの胸にしゃぶりつく。
あやねはそんなピンの頭を抱き込んで、全身で答える。

二人とも外では決して見せない余裕のなさ。
それが二人をとても興奮させた。

いつからかわからないけど、私には持て余す感情が確かに存在していて、
いつからかわからんが、俺らしくなくする感情を持て余して、

結果、二人の体は重なって今こんなにも熱く溶け合っている。


「ピン…もう、いい…」
体と共にでかい手と太く長い指。
それが今、自分の中に入って自分を乱す。
110ピン矢野7 ◆UMVJuOSqvNKZ :2010/02/13(土) 01:15:13 ID:V5jU2U0L
胸をしゃぶり、指を動かす。
もっともっとその声を聞きたくて、もっともっと乱れた姿を見たくてどうにかなってしまうんじゃないかという程、膣に入った指を動かす



だんだんと中がわなめいてきた。
ピンは愛撫していた胸から指の入っている部分の上にある敏感な突起を口に含んだ。

「ああ!んもういい!いいから!ピン!ピン!〜〜〜ダッメ!」

瞬間ビクンビクンビクンと体が三回ほど痙攣するとあやねの体から力がくたりと抜けた。

「いったな。いったよな!よし!」
「何が…よし…よ…バカ」
「気持ち良かっただろ?俺様のテクでイカねぇ女はいない!やはり俺天才!」
「デリカシーってもん知ってる?」
「あ?」
「何でもない」


他の女と比べてんじゃねーよ。という心の声に気付かないピンはいそいそとコンドームを用意している。
ふつふつと怒りのボルテージを上げたあやねは小さい声で反撃する。
111ピン矢野8 ◆UMVJuOSqvNKZ :2010/02/13(土) 01:15:37 ID:V5jU2U0L

「まぁ私も久しぶりだからすぐイッただけじゃない?」
「あああ!?」
即座にその言葉に反応するピン。

「確かにアンタも上手かもね」

あやねはそこまで言うとポスっとピンの匂いのする枕に顔を埋めた。

(言い過ぎた…かな…)

ピンが他の女の話なんかを持ち出さなかったら絶対言わない台詞。
ピンの馬鹿…涙が浮かびそうになるあやねを前にピンは悪魔のような顔でコンドームをつけていた。

うつ伏せになっていたあやねの尻をぐっと持ち上げると、もう一度そこをぺろりと嬲る。

「ん…は!」
うつ伏せになっていてわからないがどうやらピンの舌がまたしても自分のそこを刺激している感覚がわかったあやねは「何て格好させるの

よ!」と悪態をつきながら翻弄される。
しばし舌が動きまわっていたかと思えばピタリと止み、その変わりに何とも言えない質量のものが自分のそこに押し当てられたのがわかる



「ちょ…ピン!まさかこのまま…!?」
「黙れ!俺様を怒らせた罰だ!」

何でよアンタが悪いんでしょ!そう思うも口からは何も出てこない。
変わりに出てくるのは苦しさを耐えた声だけ。

「ピン!私、久しぶりだからゆっくり…」
「久しぶりとか言うんじゃねー!このまま入れんぞ!テメェ他の男なんかと比べたりしやがったら殺すからな!」

めちゃくちゃ。
ズン!と入り込んだ指とは比べ物にならない太さと熱さ。
あやねの体が弓なりに撓る。
瞬間ぱさっと髪が舞い上がり、先ほどまで愛撫していたうなじがちらりと見える。
112ピン矢野9 ◆UMVJuOSqvNKZ :2010/02/13(土) 01:15:56 ID:V5jU2U0L

「まぁ私も久しぶりだからすぐイッただけじゃない?」
「あああ!?」
即座にその言葉に反応するピン。

「確かにアンタも上手かもね」

あやねはそこまで言うとポスっとピンの匂いのする枕に顔を埋めた。

(言い過ぎた…かな…)

ピンが他の女の話なんかを持ち出さなかったら絶対言わない台詞。
ピンの馬鹿…涙が浮かびそうになるあやねを前にピンは悪魔のような顔でコンドームをつけていた。

うつ伏せになっていたあやねの尻をぐっと持ち上げると、もう一度そこをぺろりと嬲る。

「ん…は!」
うつ伏せになっていてわからないがどうやらピンの舌がまたしても自分のそこを刺激している感覚がわかったあやねは「何て格好させるの

よ!」と悪態をつきながら翻弄される。
しばし舌が動きまわっていたかと思えばピタリと止み、その変わりに何とも言えない質量のものが自分のそこに押し当てられたのがわかる



「ちょ…ピン!まさかこのまま…!?」
「黙れ!俺様を怒らせた罰だ!」

何でよアンタが悪いんでしょ!そう思うも口からは何も出てこない。
変わりに出てくるのは苦しさを耐えた声だけ。

「ピン!私、久しぶりだからゆっくり…」
「久しぶりとか言うんじゃねー!このまま入れんぞ!テメェ他の男なんかと比べたりしやがったら殺すからな!」

めちゃくちゃ。
ズン!と入り込んだ指とは比べ物にならない太さと熱さ。
あやねの体が弓なりに撓る。
瞬間ぱさっと髪が舞い上がり、先ほどまで愛撫していたうなじがちらりと見える。
113ピン矢野9 ◆UMVJuOSqvNKZ :2010/02/13(土) 01:16:35 ID:V5jU2U0L
「いや!ピン!ちょっと!」
「いやってなんだくそ!」
「違う!そうじゃなくて!ピン!ピン!ピン!」

あやねは枕を必死に掴みながら、ピンの名前を呼び続けた。
やっとその声が届いたのか、ピンの動きが少しゆっくりになる。

「お願いだからアンタの顔見せて――。馬鹿で俺様でどうしようもないけど、私の大好きなアンタの顔見せて」
こんな事言うのは屈辱的だったがそれでも背に腹は代えられない。
あやねが必死に言うと、ピンはあやねのそこに自分を突き刺したまま、あやねの体を反転させた。
向かい合うようになると、あやねはまたそっとピンの頬っぺたを手で挟む。

「さっきの言葉は…アンタのせい」
「あああ!?お前喧嘩売ってんのか!?」
「違う!アンタが「俺様のテクでイカねぇ女はいない!」とかって言ったから」
「だからなんだよ」
「アンタ私が元彼とか昔の事持ち出したから怒ったんでしょ?それと同じよ」
「…そんな事言ったか?俺?」
「言った!…でも、私もひどい事言ったから…ごめん」
「…悪い」
「あのね。今思うんだけど…私、本当に今日感じてる。比べてるとかじゃなくて、ずっと欲しくてたまんなかったから…相手がアンタだか

ら滅茶苦茶感じてる。他の奴がどうこうじゃなくて…アンタだから…ピンだからたまんないの」

覚えておいて。じゃ続きしていいわよ。
114ピン矢野10 ◆UMVJuOSqvNKZ :2010/02/13(土) 01:17:09 ID:V5jU2U0L
「…テメェは本当に悪魔だ。いや「ど悪魔」だ」

我慢しねぇぞ。まじで足腰立たなくてしてやっからな。


ピンはそっとそのままあやねを後に倒すと、あやねの前髪を手ですくった。
律動はどんどん速くなり、どんどん余裕がなくなっていく。

「畜生!えらいのに捕まった!」
「あ!ん!はぁ!ん〜!」
「テメェマジ…くそ!くっ!」
「ピン!ピン!ピン!」
「んああ〜!」
「…くっ!」




負けた…あやねの耳元でピンは一言呟いた。
今まで貰った愛の囁きのどの言葉より輝いていて、そして心に響いた。

好きだ
愛してるだ
君しかいらないだ

何て陳腐だったんだろ。


俺様のピンから貰った最上級の愛の言葉。
あやねはいつもとがったピンの髪をぐしゃぐしゃにしてその言葉に答える。

もう絶対はなしてやんない。

達した脱力感と、あやねの言葉にピンの体から力が抜ける。

重い〜!下にいたあやねはバタバタしながらも幸せそうに微笑んでいた。

Fin
115 ◆UMVJuOSqvNKZ :2010/02/13(土) 01:18:47 ID:V5jU2U0L
途中間違えて記事を重複させてしまいましたorz
読みづらくなってごめんなさい…!
とりあえずピン矢野エチありおしまいです。
ぬるいのかエロいのかわかりませんがこの二人への愛だけは本物なので
色々と許してやってください。
116 ◆UMVJuOSqvNKZ :2010/02/13(土) 01:25:27 ID:V5jU2U0L
あ、メモ帳からコピペしたら改行もめちゃくちゃに…
重ね重ねど素人でごめんなさいorz
117名無しさん@ピンキー:2010/02/13(土) 01:38:23 ID:vyj2KAtE
よかった。すごくよかった。
118名無しさん@ピンキー:2010/02/13(土) 01:57:32 ID:wjAwMBTd
こんな時間に更新されてるとは思わなかった!
ピン矢野すごい良かった!

あんまり興味なかったカップリングだけどちょっとはまりそうだwwww
119名無しさん@ピンキー:2010/02/13(土) 23:42:15 ID:QI08tHSE
ピン矢野いいねーー

そのうち照れながらピンじゃなくて一市って呼ぶあやね。
ピンも「一市様」と呼べとか言いながら照れてそうww

という妄想をしました。
120名無しさん@ピンキー:2010/02/14(日) 01:33:47 ID:EXUCHopo
なにそれ萌える
121名無しさん@ピンキー:2010/02/14(日) 11:16:52 ID:FqZ43Oqy
いやいや、今日は日曜日だから風早は爽子の家の前でうろうろしてると予想
122名無しさん@ピンキー:2010/02/14(日) 11:28:24 ID:FWradIJi
おおお、久々にきたら新スレなうえに良作品が投下されまくり!!!
職人様方GJGJ!!!
ピン矢野はげしく萌えた。

123名無しさん@ピンキー:2010/02/14(日) 12:25:59 ID:ZoQm7Z2L
風早×ちづ
高校3年の夏。龍にとっては最後の夏。
その試合を観戦する二人。
単に二人っきりで話させてみたかっただけです。
まるで面白く無いです。2スレもらいます
124ちづの応援1:2010/02/14(日) 12:26:45 ID:ZoQm7Z2L
「あ〜〜〜あ」

4番の龍が二死3塁のチャンスの打席でセカンドライナーに
打ち捕られると一斉に北幌高校のスタンドからタメ息声が響き渡る。
そのタメ息の混じった歓声が終わる前に千鶴の隣にいた風早が怒鳴った。

「吉田ぁ!!!」

「な、なんだよ!風早!ビックリした〜」

耳元でいきなりだからホントにビビったわ。なんなの突然。コイツは!?

「吉田!」

“まだわかんねえのかよ”って言いたげな風早のこの顔がまたムカつく!

「だからなに!?」

身を乗り出して、風早に詰め寄る勢いで言い返すと風早も負けじとムッとした顔で応戦する。

「応援スタンドの身内がタメ息ついたときが一番選手のやる気を奪うんだってこの前教えただろ!」

「・・・あ!そうだった!・・・龍に聞こえたかな?」

わたしは心底、やってしまったぁ〜と落ち込みかけていたのに、風早の次の台詞が

「いや、もうウチの応援団すら、一緒にタメ息ついてるから吉田一人のタメ息が混じっても意味ないけど」

ときたもんだ。
まったく。隣にいるわたしを使ってまわりに『タメ息するなアピール』を告知したかったわけか!?

「じゃあ、あたし一人が意識しても意味無いじゃん」

「や、まあ、うちの学校がベスト16まで残るなんてピンの世代以来らしいから
 応援の仕方を知らないのもしょうがないんだよな。でも吉田だけは龍の打席で
 タメ息ついたらダメだろ」

あ、そういう意味か・・・。こいつ、爽と付き合うようになって
人の思い入れに気を使うようになったなあ。・・・って感心してる場合じゃない。
いまは北幌野球部が。チームの軸の龍が全力でうちこめるようにするのがわたしの役目なんだし。

「・・・うん。そうだね。次は気を付けるわ」

「たのむよ。吉田にしかできないことだかんな」


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


「終わった・・・。負けちゃったよ。風早。もうさすがにあたし、泣いてもいいだろ?」

「・・・ああ。でも龍に会うまでその感情は溜めておけよ」

って、吉田、もう泣いてるのか。
そりゃそうだよな、龍も泣き崩れるチームメイトに囲まれてるくらいだし。
ときおり涙を袖でぬぐう龍の姿がここからでも確認出来た。
125ちづの応援2:2010/02/14(日) 12:28:06 ID:ZoQm7Z2L
あれでも龍は抑えてるんだろうな。主将だからまだ新人戦控えてる後輩のいる手前、思いっきり泣けないんだろう。

「でもうらやましいな・・・」

あ、やべ。ボソッとつい口に出してしまった。吉田に聞かれてないよな?
横を見るとハンカチで鼻を抑え目を赤くしたまま、しっかりこっちを見てる吉田の顔。
あちゃぁ、この顔はしっかり聞いてたな。

「アンタ、やっぱ、野球やってればよかったって思ってるんじゃない?」

「え?・・・そりゃ、グラウンドであんなに泣ける龍を見てればな。あそこで一緒に泣けてたらって思うよ」

ふいに核心を突かれたせいもあったが吉田のこの人懐っこさをもった性格の前だと
心のなかにしまってた本音もつっかえもなく自然に出てしまう。

「でも、しょうがないよ。あんた、リトルリーグ肘だったんだし」

「それでも中学までは出来たんだけどな」

リトルリーグ肘。成長期に投球動作で肘を酷使しすぎて慢性的な痛みを伴う症状。

「それも騙し騙しだったでしょ」

「・・・そうだな。高校野球はそれで誤魔化しきれる世界じゃないしな」

「ま、なかなかうまくいかないよね。しょうがないわ」

「・・・だな。しょうがない」

こちらを向いてニヒヒと笑う吉田に、しょうがないで納得できてる自分に驚く。
3年間決して人に野球への未練のことで口外しなかったのに吉田に喋ったことで
ずっとつかえていた胸の内がすこし晴れているのもまた不思議だった。
そーいや、黒沼から一番遠いのはおれだって指摘したのもコイツだったよな。

「あ、爽と矢野ちん戻ってきた」

爽子は炎天下の中の観戦で体調が悪くなり、矢野に連れられ、医務室で休んでいた。
風早は一緒に行こうと申し出たが爽子に龍の最後の試合だから最後までいてあげてと促され
吉田と残って、観戦していた。

「ま、風早。高校で野球は出来なかったかもしれないけど、かけがえのないものを得られたじゃん」

「はあ?なにそれ」

「いいから!ほら、矢野ちんにバトンタッチしてもらって、爽子んとこ行ってあげなよ」

「ん、ああ」

千鶴は風早の背中をぽんと押す。
ありがと、吉田。なにそれとぶっきらぼうに返答にしてしまったが吉田の言ってるその意味はわかってた。
でも今の龍を慰められるのはおまえだけだから。
龍のことはおまえにバトンタッチしておく。

「あ、吉田。このあと、龍のことよろしくな」

「ま〜かせとけッて!」

                          おはり
126わたしの仕事なので1:2010/02/14(日) 14:09:49 ID:ZoQm7Z2L
風早×爽子
新婚の爽子が電球の取り替えに挑戦してるとこを
翔太が目撃するとこから
2レス


「さ、爽子。なにやってんの!?」

「え?切れた電球を取り替えようと思って」

「そういうのはおれがやるよ」

「いえ、こういう家事はわたしの仕事なので」

「危ないよ。脚立が倒れたらどうすんの!?おれがやるよ」

「え、大丈夫だよ。もう半分登ってるから」

「じゃ、おれが爽子落ちないように体を支えるまで待って」

「あ、はい」

わたしが落ちないようにと翔太くんが
少し脚立に登ってわたしの腰の辺りを支えてくれる。

「じゃあ、取り替えていいよ」

「うん。よいしょ。よいしょ」

「大丈夫?手を伸ばしてもギリギリだね、代わろうか?」

「だ、大丈夫だよ。でもちょっと倒れそうだからもう少し上のほう支えて欲しいかも」

それを受けて翔太くんはさらに登って、わたしの胸の下に腕をまわす。
あれ?なんか、支えてくれてるっていうより、抱擁されてるような・・・。

「あ、あの。なんか・・・」

「え?どうしたの?」

「なんか翔太くんの支える手つきがくすぐったいよ」

「うん、でしょ?こう持たざる得ないのは不安定だってこと。だからこういうのはおれがやるから」

「で、でも。ここまで登ったので、わたしがやります」
127わたしの仕事なので2:2010/02/14(日) 14:10:29 ID:ZoQm7Z2L
爽子は狭い足場でつま先立ちをしてさらに背伸びをしようとする。

「さ〜わこ!」

「ひゃあ!」

爽子の名を呼び、ギュッと細い腰を翔太は抱きしめると爽子の口から高い声が出た。

「あ、危ないよ。ビックリして落ちちゃうよ」

「そのときはおれが体を張って守るよ。ぜったい爽子に怪我をさせないから」

「そんな!翔太くんに怪我されたら、わたし・・・」

「うそうそ。でも爽子、こういうのはおれがやるから」

「でも」

「やっぱり危ないから。おれの大事な奥さんなんだから、爽子。ね?」

「はい・・・」

わたしにとっても翔太くんは大事なんだよ。

「じゃ、ゆっくり降りて?」

わたしが降り始めると、床に足が着く前に翔太くんに抱きかかえられてしまう。

「え?え?」

「なんか爽子触ってたら、したくなっちゃった。ちょうど電球切れて部屋暗いし、このままいいよね?」

                             おはり
128名無しさん@ピンキー:2010/02/14(日) 14:45:26 ID:zGcPf7nq
GJGJ!!
なんだこの甘々な夫婦は!
バレンタインだからか!
129名無しさん@ピンキー:2010/02/14(日) 23:54:31 ID:rUM51meP
まさかの風早&ちづきたああああ!
好きなんです、この二人の会話。
130名無しさん@ピンキー:2010/02/15(月) 02:15:34 ID:Fm9AyCsC
風早×ちづってこの二人でカップリングかと思ってスルーしそうになった
あくまで友情ネタで安心したwww

●●×■■■って所謂カップリングに対する表記だと思うんだけど
特にカプじゃないなら●●&■■■、●●と■■■
とかにした方が誤解がない気が…

でも風&ちづも風爽もGJでした!!
131名無しさん@ピンキー:2010/02/15(月) 02:50:09 ID:Z4GGeTMx
私も>>130さんと一緒で勘違いしてしまったので
「×」より「&」表記でお願いしたいです!

ともあれ風ちず話良かったです!
エロパロでまさかこんな爽やかな話が読めるとはw
GJです!

あと風爽の電球話も素敵すぐるw
何気にえっろおおおw
欲を言うなれば、爽子視点か神視点か統一していただけると有難いっす。
ああ〜偉そうに…すみません…
また投下お願いします!
132名無しさん@ピンキー:2010/02/15(月) 14:33:54 ID:FWRi6yfC
たしかに自分も
徹×ちづはスルーしてしまうが
徹&ちづなら読みたい!
だからけっこう表記で損してる作品があると思うので
この最初の部分だけはチェックしてから投稿してほしい。
133名無しさん@ピンキー:2010/02/15(月) 18:35:03 ID:4b3WSQKz
数々の作品、もうほんと楽しんでます!
134名無しさん@ピンキー:2010/02/16(火) 01:51:34 ID:cZFoFaG6
スレ立ってからまだ2週間くらいなのに作品いっぱいあって嬉しい!

あといつの間にか保管庫も更新されてた!
管理人さんいつもありがとうございます!!
それにしても保管庫をみると風爽だけで3桁…圧倒的すぎるwww
135名無しさん@ピンキー:2010/02/16(火) 16:53:59 ID:u/Uqz12o
わ、本当だ。保管庫更新されてる…!
管理人様ありがとうございます!
136名無しさん@ピンキー:2010/02/17(水) 03:01:49 ID:RMC6mwxU
>>130
>>131
表記の件、了解しました。こちらのミスで誤解させてしまったようでスイマセン。
あと視点の指摘、ありがとうございます。ごっちゃになってますね^^;


風×爽子
大学2年の夏休み、風早の進学先近くの下宿に遊びに来た爽子。
爽子に高校の制服をまた着て欲しいと懇願する風早。
NGはタイトル。3レスもらいます
137今時の女子高生風に1:2010/02/17(水) 03:05:43 ID:RMC6mwxU


「黒沼、あれ、ちゃんと持ってきてくれた?」

「う、うん。言われた通りもってきたよ」

「じゃあ、今着てみせて・・・!」

「ええ!?い、今着るの?」

「うん。だから持ってきたもらったんだけど?」

風早くんが『着てみて』と言ってるのは去年の3月までわたしが高校で着てた制服のこと。
まさか卒業してからこんな形で再び着ることになるとは思ってみなかったけど。

「おれ、前に言ったじゃん。高校の制服着た黒沼の写真を改めて撮りたいって」

「う、うん。それは聞いたよ」

「じゃあ、黒沼、お願い」

「え、う、うん」

わたしがしぶしぶと今着ているワンピースの背中のボタンを外し始めると
風早くんがなにやら黒い布の束をわたしに手渡す。

「あと、この黒ソックス穿いてね」

「え?」

「黒沼、高校時代はいつも白だったから、たまにはね?」

「う、うん。あの・・・、あと、出来れば着替えるとこは見ないで欲しいのだけれど」

「わかった。着終わったら呼んでね」

なぜかこういうときは聞き分けがよくなる風早くん。
でもたいていこの後、わたしには恥ずかしい展開が待っているのだけど。

「風早くん、着てみたよ・・・」

「うん!変わってないね」

「そ、そうかな?1年半ぶりくらいに着たんだけど」
138今時の女子高生風に2:2010/02/17(水) 03:06:43 ID:RMC6mwxU


「でもなんか黒ソックスだとこのままでは違和感あるね。ちょっとブラウスの第一ボタンは外してみようよ」

風早くんがイメージするところがわたしにはわからないのでとりあえず言われた通りしてみる。

「これでいいの?」

「それと同時にリボンもちょっと緩めていい?」

そういうと彼はわたしの首についてるリボンを緩める。
風早くん、さすがリボンの扱いは馴れてる・・・!

「あと、もう少しスカート上にあげてみて」

「え?上げる?どうすればいいの。だってこれ標準だよ」

「ほら、こうやって絞っていけばいいんだよ」

すると風早くんはわたしのスカートの腰の部分をクイクイっと絞り上げていく。
こ、こんなふうにしてみんなスカート上げてたの!?
でもちょっとこれは短すぎではないでしょうか?

「すごくカワイイよ!黒沼!」

「そ、そうなの?」

「でも、高校時代に、それで学校行ってなくてよかった。行ってたら確実に他の男子生徒が・・・」

突然怖いくらいの真顔で語りだす風早くんに、わたしは彼が次に発するであろう言葉に対して息を呑んで集中する。

「え?か、確実に?なんなんでしょうか・・・?」

「・・・黒沼、わからないの?」

「う、うん」

「うーん、じゃぁ、おれのひとりじめってことでいい?」

「え?は、はい・・・」

よくわからないけど、2年ぶりの風早くんのひとりじめ宣言をもらえました。

「黒沼、こっちの鏡で自分の姿見てみなよ?」

彼はわたしの手を引くと、寝室の全身鏡の前にわたしを立たせる。
視線を鏡に移すと、そこにはわたしとは思えない今風の女子高生っぽい姿。
139今時の女子高生風に3:2010/02/17(水) 03:07:40 ID:RMC6mwxU


「ええ!これわたしなの?」

「どう、カワイイと思った?」」

「え?カ、カワイイとかは感じなかったけど、なんかあやねちゃんやちづちゃんたちの着てたスタイルに似てるかも」

「違和感ないでしょ?」

そう言われて、そうなのかな?と思わずクルリと鏡の前でまわって確認してしまう。

「黒沼。いま、下着見えそうだったよ」

「ええ!?ほんとに?やだ、わたしったら・・・」

「というか、見えてたけど。薄いピンクだよね?」

「そ、そんな。言わないでよ。風早くん・・・」

笑顔のまま風早くんはわたしのとこに歩み寄ると腰に手をまわし、わたしをギュッと抱きしめる。

「ねえ、黒沼。この制服、ちょっとくらいシワがついても大丈夫だよね?」

な、なんとなく風早くんがこの先言いたいことはわかるかも・・・。
で、でも写真撮るのはどうするんだろう?

「う、うん。もう日常生活では着ないよ」

「じゃあ、このまましていい?」

や、やっぱり・・・!そうなると思ってたよ・・・!

「で、でも。写真撮るんじゃ・・・?」

本来の目的から外れてしまうことを恐れながら指摘するわたしに
風早くんは耳元で息を吹きかけるようにささやく。

「だって黒沼、カワイすぎだから・・・!」

「ええ!?そ、そんな・・・!う、うん。じゃあ、いいよ」

ええ!?とかまるで思ってもなかったような反応してしまったけど
実は風早くん以上にこの先を期待してたわたしなのに・・・、なんかズルイかも。

「黒沼・・・」

風早くんはわたしの名を呼ぶと、わたしの手をとり、ベットに座らせる。
あ、そうだ。シワはついてもいいんだけど、次回のためにも・・・!

「あ、あの。後でアイロンは貸してね?次にするとき、シワクチャじゃ風早くんも嫌でしょ?」

「え!?黒沼!次もこういうのでアリってことなの?」

え?そういうつもりじゃなかったのかな?あと、わたしだけじゃ恥ずかしいから・・・。

「あ、あと・・・。次は風早くんも昔の制服を用意して着てね?」

「ええ!?」
                 おはり
140名無しさん@ピンキー:2010/02/17(水) 03:57:16 ID:5abRe/e+
GJ!
着せても結局すぐ脱がせるのかw
141名無しさん@ピンキー:2010/02/17(水) 11:28:08 ID:GMsZIiNf
リボンといい制服といい…
ほんと風早は変態だなww
GJです
142名無しさん@ピンキー:2010/02/18(木) 02:31:11 ID:gXKDYivV
龍ちづ職人さん待ってます。

ちづるのかわいすぎる言動に理性飛んじゃって
がっついちゃう龍が見たい

アニメの影響でぶっ飛んじゃってる要求サーセン。
143名無しさん@ピンキー:2010/02/18(木) 03:30:08 ID:wvXKd637
初投下。
風早視点で爽子ラヴです。

――――――――――――――――――――――
真っ黒な長い髪。
透き通りそうなほど青白い肌。
綺麗に切り揃えられた前髪。
かすかに動く、閉じられた瞼。
顔の真ん中にあるのは可愛い鼻。
その可愛い鼻から漏れるのは、かすかな寝息。
そしてその下にある薄桃色の唇。

俺はその唇が名前を呼んでくれるときのことを思い出す。
「翔太君」
ホントに嬉しそうに、俺の名前を呼んでくれる。
そんな可愛い、大好きな、大切な女の子が。
俺のすぐ側で安心しきった顔で眠っている。
これって実は、ものすごく貴重なことなんじゃないだろうか。

ああ。
俺は今、人生で最良の時なのかもしれない。
もし人生で幸せの量が決まってるなら。
俺は今、幸せを全部使い果たしてるのかも。

…あ、でも、使い果たしちゃダメだ。
これからもずっと、俺はこの大好きな女の子を幸せにしてあげなきゃならないんだから。
俺のことを好きだと言ってくれる女の子。
俺に、女の子の初めてを全部捧げてくれた、この世界の誰よりも大事な彼女。
生まれて初めて出来た、自分よりももっと大切な存在。
そんな子を、俺は全人生を掛けてでも幸せにしなきゃいけない。
毎日を、あの極上の微笑みで過ごさせてあげなきゃいけないんだ。

「…ん」
 爽子の唇が微かに動く。
「爽子?」

「…た…くん」
 ほのかに赤らんだ頬で、爽子は囁くような声で言う。
「…うた、くん」
 寝言で、俺の名前を呼んでくれてる。
 翔太君、と、いつものように。

「爽子」
 眠っていてもいい。
 聞こえてなくてもいい。
 爽子に伝えたい。爽子に答えたい。俺はここにいるよ、って。
144名無しさん@ピンキー:2010/02/18(木) 03:30:38 ID:wvXKd637
 眠ってるはずの爽子の頬はなぜだか赤く火照っている。
「き…の」
「爽子?」
「…すきなの」
「…」
 胸の中が一杯になってしまう。
 初めてそう言われた時のことを思い出す。
 教室で。放課後の教室で、爽子がそう言ってくれたときのこと。
 気がついたら、爽子を抱きしめていたこと。
 目の前の女の子が、ものすごく好きで、ものすごく大好きで、とてもとても大切で、絶対に無くしたくないと思ったときのこと。

 だから、つい、大きな声で言ってしまった。
「好きだよ」

 ぴくん、と体を跳ねさせて爽子は目を覚ました。
 そのつぶらな瞳は、何故だか涙を浮かべている。

「爽子。大好きだよ」
「え? あれ? か…、しょ、翔太君?」
「俺も爽子のことが大好きだから」
「…う。…くっ…ふぅっ…ぐぅ…」
 ヘンな声で、押し殺したような泣き声をあげる爽子。
「泣かないで。怖い夢でもみたの?」
「…っく…翔太君が…」
「俺が?」
「…いなく、なって…ひぐっ…こ、告白した、あの日、でも、そのあと、翔太、君が、いなく、なっちゃって…」
 俺は爽子の頭を抱くようにして、その艶やかな黒髪を撫で続ける。
「わ、わたし、っ…ひとり、ぼっちに、なっちゃって…」

「いま、今までの、ぜんぶ…翔太君、が、好きだって言ってくれたのも、全部、ゆ、夢だったんじゃ、…ぅっ…ないかって…」
 黒水晶みたいなキレイな瞳のふちを涙で溢れさせながら、俺の大好きな女の子が涙声で。

 だから俺は、そんな爽子の耳元に囁いてあげる。
「夢じゃないよ」
「――そしたら、翔太君、が…っくっ…ふうっ…」
「俺はずっと、爽子の側にいるからさ」
 絹みたいにすべすべで、柔らかくて、つややかな黒髪の後頭部を撫でながら、世界で一番愛しい女の子に教えてあげる。
 俺がどんなに爽子のことが好きか。
 俺にとって爽子がどんなに大切か。
 伝えたい。伝えてあげたい。
 でも、言葉だけじゃ伝わらない。伝えきれない。

 だから、俺はシーツの下に手を伸ばす。
「夢なんかじゃないよ」
 そう言うと、俺はシーツの下で爽子の手を握る。
 そしてその手を繋いだまま、爽子の顔の前に繋いだ手を持ってくる。

 俺の左手の薬指と、爽子の左手の薬指。
 二人の指に光るのは銀色のおそろいの指輪。

「もう俺たちは夫婦なんだから――死が二人を別つまで、って昨日誓っただろ?」
 その細くて白くて柔らかい左手薬指にキスをする。何度も。何度も繰り返して。
 爽子の心臓に繋がってる指に唇を触れさせ、その指輪にも体温を伝える。
 俺の爽子を大好きな気持ちが全部、爽子の心に染みるようにと。
145名無しさん@ピンキー:2010/02/18(木) 03:31:18 ID:wvXKd637
「爽子は俺の可愛い奥さんなんだから――絶対に、離したりしないよ」
 新婚初夜の明けたホテルのベッドの上で。
 カーテンの隙間から注いでくる朝日に照らされて、とても…すごく…キレイな爽子を目にしながら。
 その体の暖かさと柔らかさを感じながら。

「愛してる」
 そう言ってベッドの中で下着姿の爽子を抱きしめる。
 そしてキスをする。綺麗な眉毛に。いいにおいのする額に。涙の跡の目尻に。火照っている耳たぶに。可愛らしい小鼻に。

 そして最後に、爽子の薄桃色をした唇に。
 その体温を通じて、その感触を通して、この想いが全部、爽子に届けばいい。…届け。


―――――――――――――――――――――――――――――――――


以上です。
エチシーンを書こうともしてうまくいかないw
なんとか書けたらそこも投下したいな
146名無しさん@ピンキー:2010/02/18(木) 09:43:51 ID:BbQyxwpd
乙です。
エチシーン無くても萌えました
147名無しさん@ピンキー:2010/02/19(金) 01:48:47 ID:a/evXO+T
ラブラブいいな〜
148名無しさん@ピンキー:2010/02/19(金) 14:44:11 ID:4EPY4Fls
GJでした!
新婚風爽はマジ鉄板だな〜読んでて2828する〜

エチありもこっそり期待してますwww
149名無しさん@ピンキー:2010/02/19(金) 20:30:51 ID:07bE/2nn
自分も感動した。
爽子の外見を知らなくてもどういう子なのか情景で想像できるのがすばらしい。
次回も期待してます。
150名無しさん@ピンキー:2010/02/21(日) 01:25:41 ID:+zUAGz4J
胸がぎゅぎゅっとなった
こんな文が書けるなんてすごい
また書いて下さい
151名無しさん@ピンキー:2010/02/23(火) 14:53:14 ID:x2QBLb67
風早視点もっと読みたいです、職人さんお願いします
152名無しさん@ピンキー:2010/02/23(火) 21:16:36 ID:Lx3E7VOk
今回本誌は初のがっつり風視点だったけど、
ここの職人さん達は当たり前のように前から書いてたよね
(むしろ風支店のほうが多かった気がする)

それほどやっぱりいいよね風視点。
153名無しさん@ピンキー:2010/02/24(水) 07:12:55 ID:rzroAQ4m
個人的にこの2人は進路とか(爽子の能力的に北大いくとか東京いくとか)
爽子の変化(人間関係がうまくなる、容姿に気をつけるようになる)とか、
そういうのでいったん離れて、ちょっと違う人に目を向けるけどやっぱりだめー
ってなるような気がするんですよね。そして結婚一直線って感じ?

進路では、爽子から風早のためにつきあうことをやめる(身を引く)、
爽子の変化には風早が嫉妬でついていけなくなる感じ?

風早も他の女にいったん目を向けてみたほうがいいと思うしw
そういう話、見たことあるんだけど、もっと読みたいです。
職人さん、よろしくお願いします。
154名無しさん@ピンキー:2010/02/26(金) 13:32:27 ID:aSKSz56h
そろそろ大作が投下されると信じてます
155名無しさん@ピンキー:2010/02/26(金) 19:51:34 ID:pBGz+o+c
大作ではないですけど落とします。
風×爽 たぶん新婚さん
次レスから3つ借ります ぬるめ
156こたつとみかん:2010/02/26(金) 19:52:18 ID:pBGz+o+c


「はー……冬はやっぱりこたつでみかんだよなー」

外寒かった、と言いながら、翔太はいそいそとこたつに入りみかんの皮を剥き出した。

「翔太くん、みかんすき?」

爽子はくすくすと笑って、翔太の入るこたつと同じこたつ、翔太の向かい側に腰を降ろした。

「あ、だめ。爽子、こっち」

そんな爽子に翔太は声をかけ、自分の隣をたすたすと叩く。

クエスチョンマークを頭に掲げながらも、爽子は翔太の隣にすとんと座り直す。

「みかん、すきだけど、こたつと揃うと最強だと思う」

翔太はそう言うと、筋を取り終えたみかんを一粒口に放り込む。

「そういうのって、あるのかもしれないね。すきやきと卵、とか?」

爽子はもう一度くすくす笑った。

「そうそう、お好み焼きにソースとか」
「食べ物ばっかりだね」

「じゃ、俺ん家に爽子」

翔太はぱくぱくとみかんを食べ終え、小さくごちそうさま、と言うと、爽子の腰に手を回した。

「え?」

ぽん、と頬を染める爽子に、翔太は口角をくいと上げる。

さわさわと、爽子の小さなお尻を撫でると、当たり前のようにその背中に手を忍ばせた。

「えっ、ちょっ、あの、翔太くん!?」
「うん?」
157こたつとみかん:2010/02/26(金) 19:53:01 ID:pBGz+o+c



「わ、私、食べ物じゃないよ!?」
「うん」

何を今更、という顔を向ける翔太に、爽子は困惑を隠せない。

「み、みみみ、みかんと一緒はちょっと、あの」
「うん、だから『俺ん家に爽子』なの」

翔太はなおも、爽子を撫でる手を進めながら、いつもの笑顔で笑った。
全然爽やかではない行為とのギャップにはついて行けない爽子だが、その顔にはきゅんとときめいてしまう。

「どっ、どういう意味でしょう……」
「だからね」

言いながら、翔太は爽子の下着のホックを難無く外す。
そういった行為も手慣れたものだ。

「しょっ、しょうたくん……っ」
「爽子単体でももちろんだいすきなんだけど、俺ん家、つまりここね?ここに爽子が揃うと最強に幸せってこと」

いつの間にか、爽子の背後に移動していた翔太は、爽子の体を包むように、よいしょ、と座り込んだ。

当然のように潜り込む翔太の手は、爽子の二つのふくらみを包む。

「ふ……っ…………ぁ」
「……かわい」

好き勝手にはい回る翔太の指を止めるように、爽子は服の上からそっと押さえてみるのだが、特にそれが障害になることはなく、爽子の口からは甘い息が洩れた。

こたつの温度も相まって、上昇する熱に爽子が音をあげる。

「……しょっ、た、くんっ……!もうっだめ……!」
158こたつとみかん:2010/02/26(金) 19:53:53 ID:pBGz+o+c



それを聞いて何を思ったのか、翔太はするすると手の位置をさげ、爽子の大事なところに触れた。

「ふあっ」
「……ほんとだ、濡れてる」

しよっか、そう言うと翔太は、ジーンズのジッパーをおろし、中から自身を取り出した。

「えっ!?ち、ちが……」

慌てる爽子を置き去りにして、翔太はスカートに隠された下着を取り払う。

「爽、もちょっと足開いて?」
「え、あの……っ」
「お願い」

爽子が首だけで翔太を振り向くと、おあずけを喰らった犬のような瞳と目が合う。

「…………っ!」
「おねがい」

そうなると爽子ももう『やめてほしい』などとは言えない。

翔太の内心でのピースサインなどには気付くことなく、半分こたつに入ったまま、爽子は翔太に身を委ねるのだった――



おわり
159名無しさん@ピンキー:2010/02/26(金) 19:54:59 ID:pBGz+o+c
折角かいたので、春が来る前にあげてみましたw
160名無しさん@ピンキー:2010/02/26(金) 20:33:19 ID:s0zYYrSa
かわいい!GJ!!
161名無しさん@ピンキー:2010/02/26(金) 20:34:48 ID:aSKSz56h
自分にとっては風×爽 はすべて大作です。
よかったです
新婚シリーズのイチャイチャから爽子に手を出す翔太が大好きです^^
162名無しさん@ピンキー:2010/02/26(金) 23:27:48 ID:MlqL/O1S
うわー、新作来てた!かわいいです。GJ!
163名無しさん@ピンキー:2010/03/01(月) 04:21:04 ID:4AGbsJvI
皆さまGJです!

くる爽の作者さま、いらっしゃいましたら続き投下お願いします!
164名無しさん@ピンキー:2010/03/01(月) 04:55:48 ID:BA3RX0tn
>>155-159
ああ。やっぱり風爽はいいなあ。
GJだー。

というわけで、>>143-145の続き。
エチシーンがなんとなく浮かんだので書いてみる。

翔太と爽子の結婚式の翌朝、新婚旅行に出発する寸前という感じで。
165名無しさん@ピンキー:2010/03/01(月) 04:56:03 ID:BA3RX0tn
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 そんな風に、昨日から俺の奥さんになった爽子を抱きしめてるうちに。
 いつものように、俺の息子は爽子の臭いを感じてギンギンになってしまう。
 この節操ナシめ!
「…翔太君…」
「…あ、その。うん。爽子が、柔らかくて、その、キモチイイから、つい」
「ううん。あのね、私、嬉しいんだよ?」
「へ?」
「これって、翔太君が私のことを好きな証拠なんだから」
 と爽子。
「あのね。あやねちゃんが教えてくれたの」
「矢野が?」
「翔太君がこうなるのは、私のことを想ってくれてるからだって」
 爽子がそう言って、俺の背中に手を廻してくれる。
「だからね、全然、イヤじゃないよ」
 爽子はそう言うと、俺の首筋辺りに頬を寄せて、熱い吐息を漏らしてくる。

「……いい?」
 夕べは二次会でピン(いまだ独身)にしこたま飲まされて、爽子も爽子で、矢野や吉田に絡まれて嬉しそうにしてたせいか
すっかり疲れてたみたいで、ホテルの部屋に着いたとたんに二人とも寝てしまった。

 新婚初夜。

 夕べがそうだったのに、何にもしなかった。

 そのことを思いだした途端、なんだか上手くいえないけど、胸の中に熱い何かがほとばしってきて。
「爽子…いい?」
 俺はズルい。
 そう言ったら、爽子がイヤと言えないのを知ってるのに。
「で、でも、翔太君…そ、その、ま、まだ朝、なのに…」
 暗くないのにしちゃダメ、だというそんな妙に古い考えの爽子。そんなところも可愛いと思う。
「爽子。恋人同士だったら、夜にしかエッチしちゃダメなんだけど、夫婦だったらいつでもしていいんだよ」
 俺がそう言うと、
「え? ホント? そうなんだ。知らなかったよ」
と欠片も疑ってない爽子の声。


「…ぷっ」
「え?翔太君」
「ウソだよ! 信じるなよそんなこと」
 笑いながら爽子を抱きしめる。
 人を疑うとか、誰かを嫌うとか、そんな負の感情とは無縁な女の子。
 けなげで、一途で、真っ直ぐで。
 一生大切にする。
「一生大切にする。ずっと、俺と一緒にいて欲しい」
 想いがいつしか言葉になって漏れてた。
 爽子は顔を真っ赤に染めながら、潤んだ瞳で俺を見ながら小さく頷いた。
166名無しさん@ピンキー:2010/03/01(月) 04:56:24 ID:BA3RX0tn




――「北幌高校だとしたらこっちです」
 爽子を初めて見た瞬間感じた気持ち。
 それが何なのか、判るまで半年以上かかった。

――「ほめ言葉…!!」
 俺のことを嬉しそうに友達に話していた爽子。
 爽子はそう言ってくれた。

――「そんな事言われたの…うまれてはじめて……」
 肝試しの夜。生まれたての雛みたいな純粋な瞳で俺を見つめながら、そう言った爽子。

――「? …?」
 隣の席になって、三秒以上その綺麗な目を見つめようとしたときの爽子の表情。


 出会ってからずっと、ずっと見てきた爽子の姿が、表情が浮かんでくる。


――「…どうしよう…私、嬉しくて…嬉しすぎて…」
 はじめてのキスのあとで、涙に溢れた笑みを見せてくれた爽子。

――「あの…恥ずかしいけど…わ、私で、よかったら…!」
 爽子に「お前を抱きたい」と言ったときの言葉。
 その後で「男として、お前を抱きたい」って言ったときにも、同じ表情で答えてくれた。

――「私こそ…私を…翔太君のお嫁さんにしてください」
 俺がプロポーズしたときの、爽子の答え。


 そんな爽子の姿が、俺の瞼の裏に浮かんでくる。

 爽子の背中に手を回すと、ブラのホックを外す。
 ふるん、と音をたてそうなくらい柔らかい爽子の胸の膨らみ。
 よくキスをしたり触ったり揉んだりしてるからなのか、ここ一年で爽子の胸はちょっと大きくなったみたいだ。
 それは俺がおっぱいが好きってことじゃなくて、あくまで爽子のことが好きってだけの話で。
 どんな美人のモデルだって、水着のグラビアアイドルだって、爽子にはとても敵わない。

 爽子の乳房を優しく撫でる。
 指の腹で愛しむように。
 手のひらで包み込むように。
 唇にキスをしながら、左手で爽子の耳たぶを撫でながら、二つの膨らみを丹念に愛撫する。

 手から伝わる柔らかさ。そして幸せ。
 爽子の肌に触れるまで、俺は女の子がこんなに柔らかくて温かくて、そして幸せなものだなんてことを知らなかった。
 触れ合ってるだけで嬉しい。
 体温を感じられるだけで幸福になれてしまう。

 恥ずかしいのか、爽子は感じてくると手で顔を隠してしまう。
 俺はその白くて細い指の手を掴むと、天の岩戸をこじ開けるように爽子の顔を覗き込む。

 耳まで真っ赤にした爽子が、涙で瞳を潤ませながら恥ずかしそうにしてる。
「可愛い顔見せてよ。俺、爽子が感じてる顔すごい好きなんだ」
 そう言うと、爽子はもっと頬を赤らめて、泣きそうな顔になる。
「妻の可愛い顔を見るのは、夫の特権なんだよ」
 と言ってやるとまた嬉し涙を浮かべる。見てるだけで蕩けちゃいそうな微笑を浮かべながら、目尻には涙の粒を光らせてる。
ああもうなんて可愛いんだこの泣き虫っ子は!
167名無しさん@ピンキー:2010/03/01(月) 04:57:01 ID:BA3RX0tn
 涙をキスで拭い、オンザ眉毛の爽子の前髪をかきあげて額にもキス。眉毛にも、瞼の上にもキス。
 可愛い小鼻にもキス。火照ってるほっぺたにも。形のいいあごにも。充血して赤くなってる首筋にもキス。

 爽子の手を握る。白魚みたいな指に触れて、俺の指と指と絡み合わせる。
 鼓動と体温が伝わる。伝わっていく。伝わってくる。

 両手をそんな繋ぎ方で封じ込めると、俺は爽子の可愛い顔を一番近くから覗き込む。
 俺の胸の下で爽子のおっぱいがむにゅ、と潰れる。
 鼻と鼻を押しあてながら、爽子の吐いた息を吸い込む。俺の息を爽子に吹き込む。

 ふんわりした乳房の先端にキスをする。ほのかに薄紅色に色づいているそこは、唇で軽く噛んでいるとズキンズキン、と脈動して硬く立ち上がってくる。
 弾力のある勃起した爽子の乳首を舌先で舐めると、微かな声が漏れる。
 両手で爽子のおっぱいを捧げ持ちながら、その先端を舐め、しゃぶり、舌で愛撫をする。

「…くっ」
 何度えっちしても、爽子は自分の感じた声を俺に聞かれるのは恥ずかしいらしい。
 ちゅるっ、と音がするくらい少し強めに爽子の充血した乳首を吸い上げる。
「…ふわあっ」
 声が出ないよう唇を押さえた手のひらの下から、声が漏れている。
「美味しいよ」
 そう言うと俺は左の乳首に唇を移す。
「だ、だめっ」
「だめなの?」
「…だ、だめ、じゃない…けど…恥ずかしいから…」
 爽子はこれまで、えっちする時にも部屋の電気を暗くしてと俺にお願いをしていた。
 薄暗がりのなかでしか、爽子の感じてる顔を見たことがなかった。

 恥ずかしがってる爽子。
 羞恥にはにかんでる爽子。

 昨日のウェディングドレス姿を思い出す。
 純白のベールに覆われた顔。
 漆黒の髪の色と、白いドレスとのコントラスト。
 両肩が露出した、ベアトップのウェディングドレス。
 ふっくらとした胸。つい触りたくなってしまったその優しい膨らみ。
 それが今、俺の手の中にある。

 つきあい始めて三年もよくガマンしたと思う。
 成人式の日。去年の一月。爽子が、俺に女の子の初めてを捧げてくれたその日。
 その日、ホテルのベッドに敷いたタオルに染まった赤い血を見て泣いている爽子を痛がってるのだと勘違いした俺に、「嬉しいんです」と震える声で告白してくれたこと。
 その日から全然変わらない。
 いや。その日から全然違う。
 もっとずっと好きになった。爽子がもっと、ずっと大好きに、大切になった。

 乳房にキスをすると、おかしくなったのかと思うくらい激しい反応を返してくれる爽子。
「俺のお姫さま」
 とか、くすぐったいことを言うと顔を真っ赤にしつつも嬉しそうな顔を見せてくれる爽子。
 出会ったときから変わらない。そして出会ったころよりもずっともっと深い気持ち。
 大好きなんだ。
「爽子の全部、見せて」
 爽子の鼻にキスをする。
 恥ずかしそうに頷く爽子。
168名無しさん@ピンキー:2010/03/01(月) 04:57:47 ID:BA3RX0tn
 その表情を見てるうちに、不思議な感覚が湧き上がってくる。
「魔法みたいだ」
「…え? あの、その、翔太君、私、魔法とか霊感とかって――」
「爽子の笑ってる顔、魔法みたいだ。俺、魔法に掛かったみたいだ。爽子と出会ってからずっと」
「…」
「爽子が笑ってくれると、俺、すごく嬉しい。ウキウキする。生きててよかったって思う」
 爽子の慌てて驚いたような顔が、次第に微笑みに変わってくる。
「爽子の笑顔が見れたらもう、それだけで幸せ。爽子の笑った顔が見れない日はもう、辛くて苦しくて、胸がつまりそう」
 そう言うと爽子は表情を変える。
「だったら、私、翔太君のために笑う! 毎日、毎日!」
 違った意味で慌ててる爽子。
 そんな爽子も可愛くて愛しくて。
「だめ。俺、爽子が心の底から幸せで笑ってる笑顔しかダメなんだ」
「だから、ちょっとでもイヤだって思ったら、そう言って。じゃないと俺、わかんないから」
「…翔太君がイヤだなんて、思ったことないよ…」
「でも。約束して。俺には隠し事しないって。俺も、爽子にはなにも隠さない。約束する」
「…うん」
 涙を浮かべながら頷く爽子。



「生で、していい?」
 これまで何回ともなく爽子を抱いて、えっちしてきたけど。
 毎回ゴム越しでしか爽子に触ってない。
 生まれたままの爽子に、生で触りたい。
 なにも隔たりがない状態で、爽子を愛したい。
 そう言う俺に、爽子は照れながらも無言で頷いてくれる。



 俺は、アレをゆっくりと、濡れてる爽子のあそこの入り口に押し当てる。
 爽子は薄く微笑んで首をちいさく縦に振る。
 その笑みだけで体の奥から熱いなにかがこみ上げてきた。
 言葉にならない。
 言葉にならない感覚が、俺の芯から溢れてくる。
 よくわからない熱が、俺の全身を貫いていく。

 とろとろに蕩けた爽子の粘膜が、ギンギンになった俺のアレの先端を柔らかく包んでいく。

「なま、の、翔太君…」
 内側の粘膜の熱さ。柔らかさ。襞々の感触。溢れてる女の子の液の感触。

 思わず爽子の胸の膨らみを掴んだ手に力が入ってしまう。
「…っ」
「あ、ゴメン! 痛かった?」
 慌てて手を離そうとする俺の手を爽子が押し留める。
「違うの…翔太君に、ぎゅってされたら…気持ちよすぎて…」
 爽子は俺の目を真っ直ぐに見て言う。
「あ、あんまり、えっちだと、翔太君、私のこと呆れるかなって…思って」
「俺も、爽子が感じてるの嬉しいから」
 そう言いながら、爽子の唇に唇を押し当てる。
 キスした唇を離すと、俺は爽子に囁きかけた。
「だから、隠さないで。俺、絶対爽子のこと嫌うなんてありえないから」

 ドキドキする。
 ウキウキする。
 そわそわしてしまう。
 俺が、こんなに爽子のことを大好きで。
 爽子が、俺のことを好きだって言ってくれて。
169名無しさん@ピンキー:2010/03/01(月) 04:58:12 ID:BA3RX0tn
 そんな子と、こんなに深く繋がることができて。
 俺は今、この地球上で一番幸せな人間なんじゃないかと思えてしまう。

 俺は爽子を深く貫いたまま、動かない。
 動けない。ちょっと動いただけで、気持ちよすぎて爆発しちゃいそうだから。

 深く深く爽子と繋がったまま、またゆっくりとキスをする。
 爽子の舌を、唇を味わっていく。
 爽子の肌の滑らかさ。
 肌の下の肉の感触。胸の柔らかさ。
 もう、なにもかもが大好きで。

 ゆっくりと俺は爽子の中から引き抜く。
 俺を離すまいとするかのように、爽子の内側は俺の先端をくわえ込むようにねっとりと抱きしめてくる。
 その内側のひだひだの感触が俺を沸騰させる。
「…っくぅっ」
 情けない声が出てしまう。
「しょ、翔太君っ」
「爽子っ…」
 息を整える。
「爽子のなか、熱くて…気持ちよすぎる」
「翔太君が、生で、感じられて、その、とっても…きもち、いいの…」
 爽子はその綺麗な瞳のふちに涙を湛えながら、恥ずかしそうに、でも嬉しそうに言ってくれる。

「愛してる…爽子っ」
 そう言いながら、爽子の中に押し入る。
 脳が溶けてしまいそうなくらい、気持ちいい。
 ため息が漏れてしまう。粘膜と粘膜が直接触れ合う。爽子の心臓のドキドキが俺の胸に伝わってくる。
 そしてゆっくりと引き抜くときの爽子の内側の感触。襞の一枚一枚が、俺のことを抱きしめてくれる。
「爽子っ」
 俺は大好きな、俺のお嫁さんになってくれた女の子の名前を呼ぶことしかできない。
「しょう、翔太君っ…」
 耳まで赤くしながら、それでも爽子は俺のことを感じてくれてる。
 俺のあれを、女の子の部屋で抱きしめながら、気持ちいいと思ってくれてる。

 溢れそう。
 この気持ちが、溢れてしまいそうだ。
 突き入れる。抜き出す。
 押し入る。引き抜く。
 腰の動き一つ一つに爽子は可愛らしく反応してくれる。
 熱い吐息が、甘い嬌声が俺の肌に響く。
「爽子っ」「翔太君っ」
 二人がお互いの名前を呼ぶたびに。
 俺の汗と爽子の汗が交じり合うたびに。
 気持ちは高まっていく一方で。
 俺が爽子を好きで好きでたまらない気持ちがオーバーヒートしていく。
 爽子が俺の名前を呼ぶ強さが大きくなっていく。
170名無しさん@ピンキー:2010/03/01(月) 04:59:12 ID:BA3RX0tn
 もう限界。
 これ以上、気持ちよくなれないと思った瞬間。
 俺は気が遠くなるほどの快感と共に、真っ白い純粋な幸福感に包まれて。
「爽子っ」
「翔太君っ――」
 爽子はこれまで聞いた事のないような、甘くて蕩けそうな喜びの悲鳴をあげて。

 俺は柔らかな何かに包まれている。
 漏れそうだ。漏れてる。

 爽子が、俺のことを抱きしめてくれてる。
 両腕で、しっかりと。
 俺の腰にしがみつくように、その足も使ってしっかりと。
 びゅく、びゅく、と脈動をはじめてる俺のアレを、女の子の部屋でしっかりと抱きしめながら。
 気の抜けたような、幸せなまどろみに浸っているみたいだ。

 俺はそんな爽子にキスをする。
 何度も。何度も。
 こんな可愛くて、素敵で、大好きな女の子が、俺の奥さんになってくれただなんていう幸福に感謝しながら。

「しょう…たくん」
 甘い喘ぎ混じりで爽子は俺の耳元に囁いている。

「だいすき…」
 俺が爽子の一番奥まで、熱いほとばしりを発射したとき。爽子はそう言ってくれた。









 爽子の体は大好きだけど、べつにえっちなことをしなくても触れ合ってるだけでシアワセだ。
 そう思う。
 激しく爽子のなかで弾けたまま、そのまま爽子と抱き合う。
 つながったまま、その暖かさ、熱さを感じたまま。
「そういえばもう黒沼…じゃないんだな」
「風早…爽子」
 爽子は嬉しそうにそう言う。
 その笑み。すごく可愛い、微笑み。

 ああ、もう。可愛い。すごく可愛い。この世界のどんなものよりも可愛い!

――――――――――――――――

 結局抜かないまま、そのまま三回も爽子のなかで爆発して。
 さすがに疲れてしまったのか、朝の日差しの中でまどろんでいる爽子。

 俺はそんな爽子に囁く。
「爽子。愛してる」
「……わたしも」
 キスをする。
 俺は爽子の唇を吸い、爽子は俺の舌を素直に受け入れる。
171名無しさん@ピンキー:2010/03/01(月) 05:01:51 ID:BA3RX0tn
 シアワセだ。
 この幸せがずっと続くといい。
 いや、続かせなきゃダメなんだ。続かせてみせる。
 俺はそう決意した。





 13時の便だから、11時に空港についてればOKだよな。
 爽子に続いてシャワーを浴びた後で、そう思いながらズボンを履いて、携帯をポケットに入れようとした途端、
それがチカチカしてるのに気づいた。

「名実ともに貞子をお嫁さんにしてやったのかな?この色男!果報者ッ!」
矢野からのメールだ。

「貞子泣かしたら承知しねえぞ!あのこは笑ってる顔がいちばん可愛いんだからな!」
こっちは吉田。可愛いなんて、そんなの知ってるよ!

「酔っ払ってナニ言ったんだか覚えてねえ。とにかく子作りに励めよ」
ピンだ。何言ってんだ。

「無事で」
龍らしいや。

「せいぜいお幸せにね!私は風早なんかよりもっといい男捕まえてやるんだから!あとで吠え面かくなっ!」
胡桃沢だ。

 俺は下着を着けて、ワンピースの背中に手を廻してる爽子を抱きしめると、そのファスナーを上まであげてやる。
そしてベッドに腰掛けながら、爽子を後から抱きしめて、腕の中の最愛の奥さんに携帯を見せる。

矢野からのメールを見せると、恥ずかしそうに頬を染める爽子。
吉田からのメール画面ではちょっと嬉しそうな顔をした。
ピンからのメールではよくわからない顔。
龍からのメールでは嬉しそうにうんうんと頷く爽子。
胡桃沢からのメールを見ると、爽子は涙ぐんでいる。

「翔太君…私、幸せになるね!」
 そう言った爽子の顔。
 大切で、大好きで、この世界のなかで一番の女の子。俺の奥さん。
 そんな子とこんな風に抱き合えて。
 俺は、幸せ者だと心の底から思う。




 ホテルの廊下。
 爽子の白いワンピース姿は可愛い。
 爽子が持ってる重そうなバッグを奪い取ると、肩に担ぐ。
 俺に抗議しそうな爽子に俺は言う。
「いいからさ。夫らしいことさせてよ」
「だ、だったら、私これ引っ張るから」
 と爽子は俺のキャリーバッグを掴む。
 俺は爽子のおおきなショルダーバッグを担ぐと、もう片方の手で爽子の手を握る。
「うん」
 なんだか嬉しくなって、俺は爽子と繋いだ手に力が入ってしまう。
「…ふふっ」
 爽子が嬉しそうに微笑む。
172名無しさん@ピンキー:2010/03/01(月) 05:02:39 ID:BA3RX0tn
「なに?どうかした?」
 そう訊くと爽子は答える。
「あのね、私ね、今、夫婦なんだなって、思えて」
 どうしよう。
 こんなに可愛くて。こんなに大好きで。
 だからエレベーターを待ってる間にも、俺は思わず爽子を抱きしめてしまう。
「しょ、翔太君?!」
 この想いが届くように。爽子に。大好きな爽子に。届け。



―――――――――――――――――――――――――――
終わり














読んで下さった方にふたりのラブラブっぷりが伝われば幸いです。
173名無しさん@ピンキー:2010/03/01(月) 11:07:01 ID:oJPjWq4J
わー!寝てる間に投下されてた!
超大作乙です!
すっごいよかったー♪
174名無しさん@ピンキー:2010/03/01(月) 12:38:43 ID:oxVP/tAd
目から汁が…
すごくよかったです!GJ!!

ちづ&あやねのメール「貞子」なのが残念…w
175名無しさん@ピンキー:2010/03/03(水) 13:41:28 ID:ajVUc065
GJでした!

>>163様、待っていて下さりありがとうございます。
風早が黒過ぎて、なかなか筆が進みませんw

代わりに夫婦ものを投下するので、良かったらどうぞです。
次レスから4つ。
何だか前の方と似たようなネタになっちゃいました、すみません。
176幸せという名の甘い罠:2010/03/03(水) 13:43:18 ID:ajVUc065



「なっ、なんか……緊張しちゃうね……っ!」

爽子が顔を真っ赤にしてそう言う。
いや、緊張っていうか、何て言うか……俺は期待しすぎて大変なことになってるんですけど。

『授かりものだから、すぐに出来るわけではないかもしれないけど、欲しいと思ってからにしよう』って二人で決めて、今まで避妊は怠ったことはない。

もしもそれでも授かったその時は、もちろん生まれて来てほしいって思ったし、だけど、避妊せずに体を重ねるのは『本当に子供が欲しい』って思った時にしようって、結婚の話が出た時に話し合った。

実は、今まで生で挿れたくなかった、なんて言ったら嘘になる。

結婚してんだからいいじゃんって、何度も何度も誘惑に負けそうになった。
子供が出来て困るわけでもなし、いいじゃんって。
つーか、子供欲しいって、なんて心に言い訳もしたりして。

でも、それでも我慢して来たのは、やっぱり爽子のことが愛しいから。
二人で交わした約束を破りたくないと思う気持ちが、欲望に打ち勝つことが出来たから。


それで、今。やっとこの瞬間が来たわけで。

爽子が言う緊張ももちろんあるけど、何て言うか、感動の方がすごくでかい。

「……翔太、くん?」

爽子が不安げに俺を見上げる。
ほんのりピンクに染まった頬、視線を落としていくと、デコルテにはいくつもの赤い花が咲いていて、ピンと尖った乳首もさらに通り越してみると、蜜で溢れた泉が俺を待っている。

177幸せという名の甘い罠:2010/03/03(水) 13:44:02 ID:ajVUc065



「爽子……じゃ、挿れるよ?」

余裕があるように言ってみるけど、俺のそこはこれでもかってくらい反り返っていて、先の方は期待しすぎた液体でてらてらと光っている。

余裕なんてあるわけない。今も昔も変わらない。
俺は少しだけ行為に慣れて、行為そのもので爽子を気持ち良くさせてあげられるようになった。
変わったのはきっとそれくらい。

相変わらず俺は、爽子のふとした仕種に欲情するし、我慢も効かない。
そんな俺を受け入れてくれる爽子も、昔からずっと変わらない。

「や……っ、翔太くん、焦らさないで……!」

爽子の口から搾り出されたその言葉に、俺の下半身はずくんと疼く。
痛いくらいに勃ってる。

……爽子もちょっとは変わったんだ。こうやって、俺を欲しがってくれるようになった。

「ん。いくよ……」

ずぶ、と泉に先を埋め込む。

う、あ。やばい、なんだこれ。
ゴム着けてるのと全然違う。
口でしてもらうのともまた違う。

「…………っ」

気持ち良すぎるっ。

「翔太、くんっ、おねがい、もっと……もっと奥まで……っ!」

……ねぇ、爽子。それは反則なんだってば。
何でそんな煽るみたいな事言うの?

もっと爽子の中を深く味わっていたいのに。
我慢できなくなるだろ?めちゃくちゃに、突き動かせたい気持ちになるだろ?

「んはっ、あっ、は……っ、はあんっ」

あーもう。
やばい。
その声も。表情も。必死にしがみついて来るその手も。

178幸せという名の甘い罠:2010/03/03(水) 13:44:45 ID:ajVUc065



「……はっ、爽、俺っ、やばい……」

まじで。
まじでやばい。出そう。

「んっ、うん……っ、しょ、たくんっ、気持ちいいよぉっ」

泣きそうな、顔。

知ってる、これ。爽子ももうすぐでイクんだ。
俺さえ我慢出来れば。

でも無理。もう無理。
早過ぎてかっこわりー、けど。

「爽子……っ!」

弾ける。
あたたかいそこで、何もかもを吐き出す。目の前がちかちかして、何も考えられない。

ごめん、爽子、ごめん。一人で勝手にイッてごめん。


「………………ごめん」

爽子の上にのしかかるように抱きしめて、荒い呼吸を繰り返す。

「うん……大丈夫。ちゃんと、気持ち良かったよ?」

爽子はそう言ってくれるけど、本音ではあるんだろうけど。
事後には、何も話せないくらいにへなへなになっちゃう爽子がいい。
いつもそれくらい気持ち良くしてあげたいって思ってる。

あー俺ってダメだ……


せめて、と、深いキスをして、爽子の乳首をくにくにと弄る。
甘くて可愛い声が上がって、下の方に締め付けを感じる。

少しだけこそばゆいけど、うん、何とか大丈夫そうだ。

「や、あんっ翔太くぅんっ、あ、んっ!」

行為ももう終わり、そう思ってただろう所に俺からの刺激。

爽子は可愛い声を上げて、俺をきゅうきゅう締め付ける。

「爽子の中、俺を離すつもりないみたい、だよ?」
「んっ、やあっ、違……!」
179幸せという名の甘い罠:2010/03/03(水) 13:45:31 ID:ajVUc065



かあっと、羞恥に耳まで赤く染めて、それでも俺を抱きしめて来る爽子のそこ。

「認めちゃえばいーよ。……気持ち良くなりたいんでしょ?」

耳元でそう囁くと、より一層ぎゅっと締まった。

あ。
なんか、このままもう一回行けそうかも……

腰を引いて、まだ柔らかいそれを、抜けない辺りまで持ってくる。
そのまままた押し入って行ってみると、今までにない感覚が俺に伝わる。

そりゃそーか。
半勃ちのまま入れたりなんて、ゴム着けてはなかなかしないもんな。

「しょっ、翔太、くんっ」

切羽詰まったような爽子の声に、気持ちいいんだな、とわかる。

「爽子、このままもっかいしよ?」

徐々に熱と固さを取り戻す俺の分身は、難無く爽子の内壁を擦って、爽子からは甘い声が上がりつづけた。

生って、続けて出来るって利点もあるんだなーなんて考えてた俺だけど、次第にそんなことも考えられないくらいに目の前の爽子に夢中になっていく。

「爽子、爽子っ、すきだ……!」


結局、2回目も程なくして果てた俺は、体力と時間の許すかぎり、何度も何度も爽子の中に欲望を吐き出した。
爽子も何度も達して、ついには「もう勘弁してください」と小さく言った。

わかってる?爽子。
これ毎回続くんだよ?俺達に子供がやって来てくれるまで。

やべー、俺、超幸せ。



おわり
180名無しさん@ピンキー:2010/03/03(水) 13:47:41 ID:ajVUc065
おそまつさまでした。
くる爽絶賛執筆中です。たぶんシリーズとしてあと二つ三つで完結すると思われます。
次回が一番黒いので、ちょっと執筆止まってます。すみません。
181名無しさん@ピンキー:2010/03/04(木) 00:13:29 ID:coNBpDF3
くる爽の人きてたーーよかったです!
この抜かずの・・・、なんかすごい!でも、この2人ならできそう。
くる爽もwktkして待ってます
182名無しさん@ピンキー:2010/03/04(木) 03:15:59 ID:b8fLtUMe
しばらく繋がらなくて見てない間に新婚風爽がダブルで来てたーーーーーーーー!!!
ラブラブでいいなぁ…しあわせそ〜〜
しかもエロくて最高です!!

>>180
くる爽ワクテカしながら正座して待ってます!
黒い風早も超期待!!
183名無しさん@ピンキー:2010/03/04(木) 04:34:12 ID:ELbj8v17
わ〜生々しい!
やっぱり文章うまいなあ…
ありがとうございました!GJすぎです!

>>163です、逆に焦らせてしまってすみません!
いつまでも待ってますんで気にせずマイペースで構いません!
黒風、期待しちゃってもいいんだよね?
184名無しさん@ピンキー:2010/03/05(金) 10:33:21 ID:Xbl6CfOA
連投になってしまいます、すみません。
くる爽の続きを持ってきました。
以下、注意書きを良く読んでください!

※保管庫にくる爽1が、>>25からくる爽2が読めます
※百合話
※くる爽なのに、くるみが出てこない
※風早がひどすぎる
※爽子が可哀相過ぎる
※終わりまで読んでももやもやする
※多分何かを無性に殴りたくなるw

もう何でもいいって人だけ、次レスからどうぞ
8レス借ります
185くる爽3:2010/03/05(金) 10:34:25 ID:Xbl6CfOA



「最近どうしたの、あんたたち」

矢野あやねは深刻そうに、爽子へと視線を向ける。
深刻そう、どころではない。事態はすでに引き返せないくらいに深刻だった。


翔太はめっきりと笑わなくなったし、たまに笑顔を見せたとしても、その瞳には光を宿していなかった。

爽子との会話も、以前のようではなく、爽子が話しかけることでやっと会話が成立するものだった。

その爽子も、会話を拒むような翔太の態度には混乱を隠せず、どうしてよいかわからない、という風に、二人にはどんどん溝が出来ていった。


そしてそんな爽子と翔太の様子を心配した二人の親友が、こうして爽子と放課後を過ごすために集まっているというわけだ。

とある喫茶店で、一つの丸テーブルに着き、爽子の眼前には矢野あやねと、吉田千鶴。

「……どう、したんだろう、ね……」

爽子が翔太のその変化に気付いていないわけはない。

「なんかさー、最近風早変じゃない?元気ないってか、無気力ってか……」
「ちづ!」

曖昧に、けれど一生懸命に笑顔を作ろうとする爽子を見て、あやねは千鶴を制止する。

「いいの、あやねちゃん。本当なの……だけど、どうしてなのかがわからないの。私……私が…………そうさせているのかもしれない」

お日様みたいな笑顔がぱたりと見られなくなったの、と爽子は続け、こらえ切れずにその頬を涙が伝った。



186くる爽3:2010/03/05(金) 10:35:00 ID:Xbl6CfOA



翔太がそうなった理由は明らかだった。
やっと手に入れたはずの爽子が、大事に付き合ってきた爽子が、いよいよこれから愛を深めて一歩進んだ関係になろうとしていた爽子が、実は手に入っていなかったという大きな落胆が、翔太をそうさせていた。

問題なのは、その理由を爽子が知らないという事実と、人の手に渡ってしまった爽子をそれでも手放したくないと思う翔太だった。

決定的な何かを言ってしまえば、それこそ爽子を失うことになりかねない。黙っている限りは、表向きだけでも『爽子の恋人』で居られる。

そんな気持ちを抱いたまま爽子の側にいるのは辛い――そんな積み重ねが、翔太から表情を無くさせていた。

「……聞かなきゃ、わからないよ」

沈黙を破ったのは、やはりあやねだった。

「何かがあったからそうなってるのはもう明白でしょ。爽子に理由がわからないのなら、聞くしかないんじゃない?」

「うん……だけどね、だけど、あやねちゃん…………私、こわい」

爽子が流す涙は、止まることはなく、頬を伝って顎からどんどん滴り落ちた。

「爽子……」

爽子の涙はこれまでにも見て来たのに、今、あやねと千鶴は胸がえぐられるような気持ちになる。

膝の上でぎゅっとにぎりしめた手の甲に、ぽたりぽたりと涙が落ちて、やがて速度を増したそれは、爽子のスカートにも染みを作った。


意味のある言葉は出せず、ただ嗚咽を漏らす爽子にかける言葉が見つからないあやねは、込み上げる何かにぐっと胸を詰まらせる。
187くる爽3:2010/03/05(金) 10:36:00 ID:Xbl6CfOA



「うがーっ!もうっ!!」

突然頭を抱えて大声で唸る千鶴に、爽子はびくっと肩を揺らした。

「ち、ちづ……?」
「……あたしはね!難しいことわかんないよ!あほだから!」

「ちづちゃ……」

千鶴は爽子の方に身を乗り出して、いつかのように啖呵を切った。

「すきなんでしょ!?風早がなんかおかしーのも本当なんでしょ!わかんないなら聞いてこいっ!……そんで何かあっても、あたしらが居るから。爽子は一人じゃないから!」

「ちづ……」

千鶴の熱い言葉に、爽子は今度こそ言葉を失って、ただコクコクと頷いた。

「爽子、あたしもさ、ちづに便乗しちゃうけど、うん、聞いといで。話といで、ちゃんと。……あたしら待ってるから。必要なら、慰めてやれるから……ね?」

「……うん…………っ」

搾り出すように声を出した爽子に、あやねと千鶴は顔を見合わせて頷きあった。


どう転ぶかは、誰にもわからない。
それはきっと、翔太にすらわからないことだった。

翔太も随分と頭を悩ませ、そして胸を痛めもしていた。
思い出してしまうのは、扉一枚を隔てたところで、淫らに乱れた愛しい彼の人の姿。

自分が一番に触れるはずだった色々な箇所が、既に他人によって暴かれていて、それを嫌がるそぶりも見せなかった爽子。

「くそ……っ!」

翔太は自室で一人、枕に拳を振り落としていた。
行き場のない感情を処理することは、今の翔太には難しすぎたのだ。
188くる爽3:2010/03/05(金) 10:36:43 ID:Xbl6CfOA




翌日、爽子は決心が鈍らないうちに、と翔太を呼び出した。
中庭のベンチに二人は座り、周囲に誰も居ないそこで、相も変わらず気まずい雰囲気を醸し出していた。

「……なに?」
「……っ、えっと、その!」

なに、と問われても、爽子の方は何から話していいかわからない。
人付き合いにはまだまだ慣れていない爽子だ、それも無理からぬことだった。

「用事があって呼んだんでしょ?こんなとこ」
「…………あのっ、風早くん、何か……あった……?」

「…………どうしてそう思うの?」

何か、なんてあったに決まってる。何故それを爽子の方から、しかも何もわかっていない様子で切り出すのか。
いよいよ自分との関係を終わりにしたいのか。
と、絶望に似た気持ちで翔太は震える声を吐き出した。

「あの……何だか前と違うと言うか、元気がないというのとはまた違うのだけれど……」

翔太はそこで、あれ、と思う。
もしかしたら、爽子は何も知らないのではないか、そういう結論にたどり着く。

「黒沼……」

安心しかけた翔太だが、同時にはっとする。
『爽子がくるみを受け入れた』事実は消えていないのだ。

「私、私……できることがあるなら、したい。風早くんの笑顔がすきだから……風早くんが、すきだから……っ」

爽子からの『すき』も、もはや翔太を照らせない。
どす黒い感情が翔太を支配して、口から飛び出した言葉は爽子を困惑させる。
189くる爽3:2010/03/05(金) 10:37:20 ID:Xbl6CfOA



「じゃあ……俺と寝れる?」

(俺と『も』寝れる?)
翔太は半ば自暴自棄になった状態でそう言った。

「え……え?寝……?」
「意味、わかるよね?今日俺ん家誰も居ない。……わかるよね?」

翔太の言葉を咀嚼して、爽子は顔を真っ赤に染めた。
爽子だって、覚悟が全く出来ていなかったわけじゃない。むしろ、もしかしたら行為のないせいで翔太をそんな風にさせていたのかと思い当たり、決心したようにこくっと頷いた。

翔太の中で渦巻く感情には微塵も気づかずに。

「…………行こ」


そこから、翔太の家へ着くまでは、二人はほぼ無言だった。

爽子は何度か話しかけようとしたのだが、思い詰めたような翔太の表情に言葉を詰まらせ、そのままの状態で目的地まで着いてしまった。

まっすぐ自室へ向かう翔太の後を、爽子はやや緊張した面持ちで着いていく。

どさり、と鞄を降ろし、ブレザーを脱ぎに手を掛けながら、翔太はやっと爽子に言葉を向けた。

「何してんの?……脱げば?」
「…………!う、うん……っ!」

爽子は慌てて自分の制服に手を掛ける。
男女の交わりの始まりはこんなものなんだろうか、と不思議に思いながらも、目の前でトランクス一枚になっていく翔太から目を反らし、爽子は一枚ずつ衣服を取り払って行った。

190くる爽3:2010/03/05(金) 10:38:09 ID:Xbl6CfOA



「……んっむ、ふぁ」

爽子がブラとショーツになっていく様をじっくりと眺め、下着姿を確認すると、翔太は何も言わずに爽子の唇を荒々しく貪った。

吸い付くような肌に手を這わせながら、くらくらと目眩すら覚えながら、それでも翔太はどこか冷静だった。

初めての行為は、きっと幸せに満ちているはずだという理想は、もはや翔太の中から消え失せていて、ただ性欲を満たすための、一瞬でも爽子を支配するための、そんな手段と化していた。

「ふ、あっ、あぁんっ」

くるみのそれとは違い、何故か無機質にすら思える翔太の愛撫に、爽子は恐怖すら感じた。
けれど、怖いから止めてほしい、などと言えるはずもなく、体をはい回る翔太から、少しでも快感を得ようと爽子は神経を張り巡らせた。

幸か不幸か、くるみによって開発された爽子は、翔太の無骨な愛撫からも、何とかそれを感じ取り、翔太が爽子の大事な所に手を伸ばした時には、そこは蜜が溢れ出していた。

「……淫乱なんだ、黒沼って」

嘲るような翔太に、爽子はかっと頬を染める。

「違……」
「違わないよ、濡れてるじゃん。もう挿れるよ。いい?」
「……う、うん…………」

翔太は手早く避妊具を装着すると、乱暴に爽子に押し入ろうとする。

「いっ……た……!痛いっ、かっ、風早く、まって、まっ」
「ああ、痛い?そっか、指しか入れたことないんだよね?……大丈夫、すぐ慣れるよ」




191くる爽3:2010/03/05(金) 10:38:44 ID:Xbl6CfOA



爽子の悲鳴を無視するように、翔太は無理矢理自身を捩込んだ。

「動くから」

焼けるような痛みの中、爽子は涙で視界すら失い、ただ翔太の動きに合わせて揺れる人形のようだった。
翔太が突く度に、爽子からはポンプのように呼吸が漏れ出し、翔太にとっては、それが喘ぎ声のように刺激となった。

「……っ、黒沼!イクよっ」

薄いゴム越しに、爽子の中へ欲望を吐き出すと、翔太はそれをずるりと引き抜いた。

だらん、と脱力した爽子からは、出血の跡も見られて、翔太はぞくりと支配感が満たされるのを感じた。

さっさと後処理を終えて、翔太は自分だけ服を着替えると、未だベッドの上で肢体を横たえる爽子に言った。

「ありがと。もう帰っていいよ」

「…………うん……」

爽子は消え入りそうな声で返事をして、痛みに悲鳴を上げる体をおして身支度をした。

いつもなら、送っていく、と爽子がそれを承諾するまで言い続ける翔太なのに、爽子が部屋から出ようとしても、翔太は爽子の方を見なかった。

「か、帰り、ます……」

小さくそう言い、爽子は風早家を後にした。
歩く度に、ずくんずくんと焼けるように痛む。

くるみちゃんが男女の交わりを反対したのにはこんなに痛いことも知っていたからなのかな。
ぼんやりと考えながら、定まらない思考で爽子は自宅への道を辿った。

(風早くん、これで元気になってくれるのかな……?)

そうとは思えない翔太の態度に不安にはなったものの、一縷の期待を込めて、爽子はそう願うしかなかった――
192くる爽3:2010/03/05(金) 10:39:58 ID:Xbl6CfOA



一方で、ついに爽子と関係をもって、幸せでいられるはずだった翔太は、やり切れない思いをまた枕にぶつけていた。

乱暴にしたいだなんて、思っていたわけじゃない。
なのに、なのに――


結果的に、翔太は無理矢理爽子を犯したようなものだったし、そんな行為で翔太が満たされるはずもなかった。

(なんで、こうなったんだ……)

嫌じゃなかったわけがない、なのに爽子は自分を受け入れてくれた。
翔太は爽子の気持ちのベクトルがどこへ向かっているのかもわからず、ぐるぐると思考を巡らせた。

(どうして胡桃沢と……?)
(どうして俺と……?)


「あー…………もう………………ごめん……っ」

翔太は一人、誰も聞くはずのない謝罪の言葉を呟いた。

二人の明日は、まだ誰にも見えなかった。
そう、誰にも。




つづく
193名無しさん@ピンキー:2010/03/05(金) 10:42:14 ID:Xbl6CfOA
こまぎれ連載ですみません……なにせ、黒風のテンションを維持できないもので……!
というか、幸せな話の後にこんなんでホントにすみません!

期待には沿えてないと思います。自己満なので。
ありがとうございました。
また続き書けたら持ってきます。
194名無しさん@ピンキー:2010/03/05(金) 10:42:34 ID:ySuOi8FS
リアルタイムキタ - .∵・(゚∀゚)・∵. - ッ!!遅番万歳w
黒い風早いいなぁ。切ないなぁ。
職人様乙!!GJです!!
195名無しさん@ピンキー:2010/03/05(金) 11:44:15 ID:DRZLNs61
くる爽の人、きてたー!せ、切ない。
普通に考えたら、別れるしかないと思うけど、
違う方向に行くのかな?wktk

夫婦ものとのテンションの違いに、
なんか不思議世界を覗いてるようでした。
196名無しさん@ピンキー:2010/03/05(金) 12:00:10 ID:B66yCTHF
黒風きたぁああああああ!GJ!GJ!
注意書きすげーwと思ったけどホントだwww読後もやもやするwwww
でもこの二人(くるみ含めて3人か)がこの先どう転ぶか想像できなくて先が気になる…!
197名無しさん@ピンキー:2010/03/05(金) 12:02:43 ID:B66yCTHF
もやもやを晴らすために思わず新婚風爽を再読w
ほんと職人さんのこのギャップすごいなー
198名無しさん@ピンキー:2010/03/06(土) 18:01:06 ID:zJRmhjMM
イイヨイイヨー!(・∀・)面白いよー!
199名無しさん@ピンキー:2010/03/06(土) 18:25:30 ID:LJZacPbT
うわああああああ!!くる爽作者様のファンです!
たまらん!想像以上で吹いたw
「ありがと。もう帰っていいよ」の黒風台詞やべえ!!黒い!w
これは続きが気になりすぎます・・・。
原作9巻の終わりくらいもやもやして「は、早く続きを!」ってなったw
続き、また首を長くして待ってますね〜!
200名無しさん@ピンキー:2010/03/07(日) 01:28:57 ID:rDvj+0lP
深いよーーGJ!!!
エロパロとは思えん作品だわww
続き楽しみにしてます
201名無しさん@ピンキー:2010/03/07(日) 04:00:13 ID:CBdB1+w4
本家のキャラを忘れさせるお話。すごい!
くるみ、風早対決くるかなwktk
202名無しさん@ピンキー:2010/03/07(日) 08:35:02 ID:CBdB1+w4
うわーーーん、爽子が悪いんだけどさ、
こんな男別れちゃいなよ〜
203名無しさん@ピンキー:2010/03/07(日) 15:23:34 ID:xRzHdJJk
くるみ頑張れ超頑張れ
百合別腹すぎるw
204名無しさん@ピンキー:2010/03/07(日) 18:22:07 ID:MbebSVnq
爽子ネトラレとか今まであった?
205名無しさん@ピンキー:2010/03/07(日) 19:13:25 ID:lUf7D3D7
>>204

あったはず
酔った爽子にケントがやっちゃうやつ
206名無しさん@ピンキー:2010/03/07(日) 21:33:12 ID:cnyA5N0d
この話、くるみ・風早両方が爽子を愛してる状況で

くるみ→あくまで爽子にやさしい
風早→鬼畜

これはもう百合の道一本でしょww
というわけで、くるみがんばれ
207名無しさん@ピンキー:2010/03/07(日) 22:54:20 ID:IdCHRi08
くる爽さんだけじゃなくて過去の話含めて、
爽子は風早ケントその他男キャラ、矢野くるみの女キャラの相手までやってるってすごいねw
しかも基本総受けで、いろんなことをしたりされたりw

少女マンガの主人公なのに、そういう妄想が浮かびやすいキャラってことなのかな?
208名無しさん@ピンキー:2010/03/07(日) 23:24:58 ID:T5EGP7Rx
でも保管庫見てると圧倒的に風爽が多いんだけどね

一番王道なのも萌えるのもやっぱり風爽なんだろうけど
甘いもの(風爽)の合間にたまにしょっぱいもの(建人絡みとか百合とか)
も食べたくなる感じなんじゃないかとw<職人さんの心理
209名無しさん@ピンキー:2010/03/08(月) 02:44:07 ID:Oxpo85zA
もちろん職人さんのもって行きたい方向になるんだろうけど、
黒風がひどすぎて、女の敵!って感じになってるから、
くるみに成敗してほしい気分。噂流しちゃえーって感じ。
こんな風に思うのも、職人さんの文章に引き込まれてしまってるんだろうな。
続きが楽しみです。
210名無しさん@ピンキー:2010/03/08(月) 07:40:29 ID:7hXrtne7
黒風が本当に黒すぎて正直泣いたwwひで〜(´;ω;`)
本当にグッジョブです。引き込まれる。どうなるか分からないね〜
211名無しさん@ピンキー:2010/03/08(月) 13:52:04 ID:aketAUpc
私は何気に黒風すきだw
8・9巻のやさぐれ風早が好きだったからかな?
くる爽読んだあと原作読んで、「はん、この風早があんなことするようになるなんてなぁ〜…」
とか普通に考えてしまったw
ホントそれぐらいリアルに引き込まれてしまった!
続き楽しみに待ってますね〜
212名無しさん@ピンキー:2010/03/12(金) 12:13:43 ID:TbyndUFe
ほしゅ
213名無しさん@ピンキー:2010/03/12(金) 20:56:28 ID:Oxzo90j1
保守・・・したほうがいいよね
214名無しさん@ピンキー:2010/03/13(土) 00:28:12 ID:UNiJwiB/
風早×爽子
エロなし。3レスもらいます。

結婚して1年余り。
翔太はまだ二人だけの生活をしたいなと思っていたが
爽子はそろそろ子供が欲しいと最近それとなく態度で匂わせている。
そんな爽子を見て、翔太もじゃあそろそろと思い始めた時期のある日。
NGはタイトルで
215膝枕で耳掃除するんじゃないの?1:2010/03/13(土) 00:29:11 ID:UNiJwiB/


「爽子。あのさ。綿棒ない?」
「え?えーと・・・。あ、あるよ・・・!」

翔太は居間のふすまを開け、リビングのソファに腰掛けて編み物をしてる爽子に問うと
彼女は少し考えてから、手を伸ばして小物入れから綿棒を取りだしてみせた。

ありがとう、とお礼を言って、爽子から綿棒を受け取ろうと近づくと
それを手渡すわけでもなく彼女はまず膝の上の編み物を足下に置いた。
そしてソファの中央からハジに座リ直す。その一連の行動を見終わってから
爽子の持っている綿棒を手に取ろうとするおれを見て、爽子は不思議そうに見る。

「あれ?」
「え?」

お互いの行動の行き違いに二人の口から疑問符のついた言葉が出た。

「え?爽子?」

もう一度、爽子の顔を見ると
はい。どうぞ?、と爽子は膝枕の用意があることを仕草でしてみせる。

「あっ、もしかして爽子、耳やってくれるの?」
「え?う、うん。え?あれ?・・・耳掃除、するんじゃないの?」

首をかしげ、目をまん丸くして見る爽子にちょっとドキドキして、
自分が使用するべく綿棒の本来の目的もこのさいどうでもよくなってしまう。

「じゃ、じゃあ、やってもらおうかな」
うん。どうぞ、とまるでありふれた日常事のようにおれに膝枕を提供してくれる爽子になんか照れる。
「なんか久しぶりだなあ。爽子に耳掃除してもらうの」
「そ、そうかな?一週間前にしてあげなかった?」
「そうだっけ?あー、でもやっぱ気持ちいい。爽子の太ももってフニフニしてて」
「あ、あの。えーと・・・。翔太くん、耳じゃなくて、そっちなんだ・・・?」

いや、耳も気持ちいいよ、と取ってつけたような言い訳をすると、
「もう・・・!」と彼女は笑うと、さきほどの綿棒のやりとりの違和感について訪ねてきた。

「そういえば翔太くん、耳掃除、してもらいたくて綿棒を探してたんじゃないの?」
「え?あ、うん。テレビのリモコンのボタンとボタンとのすき間の埃を取ろうと思って、それなら綿棒がいいかなって」
「ええ!じゃあ、わたし、勝手に勘違いしてたの・・・?」

こういう天然の勘違いが良い方向にころがるのが最近の爽子。
でもおれってここまで爽子がパブロフのなんとやらになるまで
耳掃除のたびに膝枕してってせがんだっけ?
216膝枕で耳掃除するんじゃないの?2:2010/03/13(土) 00:29:52 ID:UNiJwiB/

「と、とりあえず。こっち終わったよ。翔太くん」
「うん、ありがと」

さきほどの自分の勘違いにちょっとあたふたしたままの爽子の太ももから頭をあげ、
ソファから立ち上がろうとすると爽子は
「あれ?反対はいいの?」
ともうちょっとおれにサービスしてくれるみたいだ。この際だから。

「あ、じゃあ、お願いしようかな」

どうぞ、と自然とフンワリとした微笑を浮かべる爽子にこちらの顔も緩んでしまう。

「えーと、この場合、爽子の方に顔を向ければいいんだよね?」
「え?うん。そうだよ?」

じゃ、お願い、と爽子のほうを向いて、彼女の太ももに頭を乗せる。
目の前には彼女のお腹。彼女特有の香水が放つものとは違う匂いがいい感じで鼻をくすぐる。

「うん。こっち側の耳はキレイだね」
「爽子、あのさ」
「ん?どうしたの?」

爽子の返事を待ってから、やさしく腰に腕をまわし、自分の頭を彼女のお腹に押し付ける。

「え?ど、どしたの?翔太くん?」
「ちょっと爽子の匂い嗅いでるだけ。大丈夫だから、続けて」

おれが爽子の腰や脇腹をサワサワと触る動きに同調して彼女の手の動きが止まるのが面白い。

「あ、あの・・・。翔太くん?」
「なに?」
「あの、わたしのお腹やお尻を触られると・・・。ちょっとやりにくいのですけど」
「ごめん。でも目の前にいい匂いのする爽子の細い腰やかわいい胸があるのにガマンしろって無理」
217膝枕で耳掃除するんじゃないの?2:2010/03/13(土) 00:30:27 ID:UNiJwiB/


爽子の胸に手で触れ、そのふくらみに自分の指がどれだけ沈み込むのか確かめてみる。
「ひゃっ!ちょ、ちょっと、待って!翔太くん!今耳掃除してるから・・・!今そういうことされると危ないよ!」
おれの耳に入れていた綿棒を即座に抜いて、両手を小さく上げると、これ以上できませんよ、とアピールする。

「じゃあ、耳のほうはもういいよ。こっちの続きでいい?」
「え?こっちの続きって・・・?わたしは翔太くんの耳掃除しかしてないよ」
「爽子は嫌なの?」
「だって・・・、今日はすでに夕方にしたばかりで・・・」

このさい、良いチャンスだから彼女におれの思いを伝えてもいいかな?

「おれもそろそろ夫婦から家族になってもいいかなって思ってるよ?」
「え・・・!それって・・・。こどものこと?」
「うん。・・・そういうこと。どうする?今度にする?」

もちろん、爽子と今したいだけの欲求からじゃなく、
自分と爽子の二人のこどもってどんな子になるのかなと最近考えてのこと。

おれがこどもに興味持ち始めてるのを察したのか
「そ、それならいいよ・・・!」
と、突然目をキラキラさせて見つめてくる爽子にちょっと焦ってしまう。

「そ、それで今日は、大丈夫な日なんだっけ?」
「え?もう・・・!翔太くん。夕方も同じこと聞いてきたよ??」
「じゃあ、今日は確率的にかなり低いんだよね?やめて、もっと確実な今度にしておく?」
「そ、それは・・・。翔太くんの体力次第だと思うよ・・・?」

それはいつもより回数たくさんしてってことなのかな?
なんかこどものことになると俄然やる気なる爽子に対してこちらがちょっと弱気になってしまう。
まあ、結果的にこどもは出来たら出来たでそれでいいかな?

「それじゃ、いまからいい?」
「うん、いいよ・・・!」

爽子はおれの髪の毛を撫でながら、おれが行動に移すのを待ってるようだった。
爽子の膝から体を起こして、彼女の小さな肩を抱き込むと彼女はおれの耳元で囁く。

「これから毎日、がんばってね。未来のおとうさん・・・!」


               おはり
218名無しさん@ピンキー:2010/03/13(土) 01:35:00 ID:RPg//3rk
>「あの、わたしのお腹やお尻を触られると・・・。ちょっとやりにくいのですけど」

結婚しても言葉遣いかわらない爽子かわいいよ爽子

GJだぜ
219名無しさん@ピンキー:2010/03/13(土) 19:41:08 ID:qrBnNPJE
幸せそうな新婚風爽!GJでした!
爽子ってエチに対して結婚後も羞恥心大きそうだからいつも控えめな感じだけど
子供のためだったら確かに積極的になりそうw
220名無しさん@ピンキー:2010/03/15(月) 04:27:27 ID:1H56Wdqm
GJ!
でも耳掃除中にいちゃいちゃするのは危険だよ、風早w
221名無しさん@ピンキー:2010/03/16(火) 11:26:04 ID:TO26wRzL
耳掃除が習慣になってるのはいいですねーw
可愛いです
222名無しさん@ピンキー:2010/03/16(火) 11:34:31 ID:TO26wRzL
くる爽を持って来ました。が、ここで注意。
※百合萌えの人はここから先読まないほうがいいかもしれません。作者はやはり風爽萌えの人でした……
※布石?伏線?回収へ向けて進んでいくので、ここから先あまりエロくなれないです。
※今回は、くる爽絡みの最後です。これを含めて3連載で終わりそうです。

なんでもいい人だけ読んでください、ほんとに。

1は保管庫、2は>>25から、3は>>185からです。ここまで来たので題名はくる爽で統一します
次レスから4つ借ります
223くる爽4:2010/03/16(火) 11:35:18 ID:TO26wRzL



濃厚なキスをした後で、爽子ちゃんは言った。

「くるみちゃんとこういうことするの、終わりにしたいの」

爽子ちゃんは目の前でそう言った。
爽子ちゃんは、まっすぐにわたしを見ていた。わたしだけを。

「…………どうして」

聞かなくても、わかってた。
爽子ちゃんのすきな人はわたしじゃないことなんて、ずっとずっと知ってた。

「風早くんが、すきなの」

きっぱりと紡がれたその言葉に、わかっていたことなのに、わたし、傷付いてる。

「じゃあどうして!どうしてここに来たのよ!呼出しに応じたのよ!」

わたしはベッドから枕を掴むと、それを爽子ちゃんに投げつけた。
体に当たってから、どさりと床に落ちた枕を爽子ちゃんは拾い上げて、ぽんぽんと叩く。

「……そういう所がむかつくのよ……っ」

今は枕なんてどうだっていいのよ!
投げたのはわたしだけど!

「……ごめんなさい」

と、謝る爽子ちゃんにすら、腹が立って仕方ない。

「で?どうしてここに来たのよ」
「……報告を、しなくてはと、思ったので」

わたしを見てくる爽子ちゃんの瞳は、決意に満ちていて、悔しいけど……綺麗。
思わず見とれてしまいそうなほど。

「……風早とヤッたんだ」

やっとの思いで搾り出した言葉が、ぎゅっと胸を締め付ける。
こくりと頷く爽子ちゃんに、痛みは肥大させられる。

……どうして。わたし、泣きそう。
224くる爽4:2010/03/16(火) 11:35:56 ID:TO26wRzL





「くるみちゃ」
「淫乱!」

ああ、もう。
何を言ってるんだろう、わたし。
でも、でも……止まらない。

「結局男の方がいいのよね!爽子ちゃん、気持ちいい方をとるんだっ。ほんと淫乱!」
「…………違う」

「違うって何がよ!今あんたはこうして!わたしを突き放そうとしているじゃないっ」

――だめ。
もうだめ。涙、こぼれちゃうよ。

「違うの。くるみちゃん」

え……?

「もしも、気持ちいい方をとるのなら、私はくるみちゃんと居ることを選ぶよ」
「え……?何……?」

ならどうして、わたしは爽子ちゃんに振られようとしているの?

「風早くんとは……痛みしかなかったの」

ただ痛みに耐えるだけの行為だった、と爽子ちゃんは言った。

そうだ。
わたし、そうなるように仕向けたんだ。


風早は意外と短気だから、もしも二人が体を重ねても、風早が怒りに任せて行為を進めるようにって。
そのためにわたし、風早を傷付けて怒らせた。

どうやらその通りになったらしい、のに……どうしてわたし、振られるの?

痛いこととか酷いこと、するような風早を要らないって、わたしのところに爽子ちゃんがおさまるように、そう仕向けたはずなのに……

「どうして……?」
「……くるみちゃんとの方が、ずっとずっと気持ちいいよ」

……じゃあ、どうして?
225くる爽4:2010/03/16(火) 11:36:41 ID:TO26wRzL



「わたし、これからだって気持ち良くさせてあげるよ!?爽子ちゃんが満たされるようにしてあげる!」

縋るようなわたしに、爽子ちゃんは目を閉じて首を横に振った。

「…………だめなの」
「どうして……っ!」

ぎゅっと爽子ちゃんにしがみつくと、包むような腕が背中に回される。
わたしは、これさえあればいいのに。

「逃げたくなってしまうから、だから、だめなの……」

爽子ちゃんから放たれた言葉に、わたしは愕然とする。
そうだ、この子、楽な方へ逃げる子じゃないんだ。わたしとは違うんだ。

「風早くんから与えられる痛みなら、私はそれも大事にしたいの」

聞きたくない、聞きたくないよ、爽子ちゃん――

「風早くんが、すきなの……」

――ああ。
もうだめなんだ。

そう思ったわたしの頭は何故か冷静で、わたしは爽子ちゃんのスカートの裾から手を差し込んでいた。

「……くるみちゃん!?やだっ」

下着の中に手を入れると、爽子ちゃんが感じるポイントを探る。

「んぁ、ああ……っ!」

途端に蜜は溢れ出す。
爽子ちゃんのいい所なんて、全部知ってる。
ここも、ここも、ここも。爽子ちゃんの感じる所。

「ひっ、あ、ふあっあああっ」
「……気持ちいいくせに」

「あっ、だめぇっ……!くる、みちゃっ、だめっ」

中も、外も、これでもかってくらい、刺激する。
爽子ちゃんの息遣いが熱く早くなって、高まっていくのを肌で感じる。

226名無しさん@ピンキー:2010/03/16(火) 11:37:34 ID:TO26wRzL




「気持ちいいくせに……っ!」

どうしてわたしじゃだめなのよ……!

「あぅっ、は、あっ、だ、めぇ……っ、あっも、もうっ」
「イキなさいよ!すきでもないやつに触られて、イキなさいよっ!」

「あああああああ……っ!」

びくびくと何度か痙攣して、爽子ちゃんは絶頂を知らせる。
爽子ちゃんをイカせるのなんて、もう簡単になっちゃった。

たくさん勉強したもの。ねぇ、それは誰のためだかわかってる?


「……私、くるみちゃんをすきだよ」

はあはあと、荒い呼吸を繰り返した後に、爽子ちゃんは言った。

「友達だと、思ってるよ……」
「友達じゃない!」

何なのよ!聞きたくないよ、そんなこと!

「友達になりたかったんじゃない!あたしはあんたの……っ!」

たった一人になりたかった――その言葉は、紡がれることなくわたしの喉の奥に消えた。

なれるわけないんだもん、最初から。
わかってたもん。
全部、知ってたもん。だけど、だけど――……

「……ありがとう、くるみちゃん」

今までありがとう、と爽子ちゃんは言った。
わたしの想いになんて、気付いてるはずもない。

もうここへは来ない、と告げて、爽子ちゃんはわたしの部屋をぱたんと閉めた。



頬を流れる涙は冷たかった。

冷たかった――



つづく

227名無しさん@ピンキー:2010/03/16(火) 11:40:32 ID:TO26wRzL
ありがとうございました。
続き、ほぼ出来てます。
次とその次、つまり最後まで出来てから、連投で持ってくるつもりです。
エロパロっぽくなくてホントに申し訳ないので、さっさと終わらせてしまいたいと思います。
続きを待ってくれている人には、すっきりできる終わりになれたらいいな、と思ってます。
228名無しさん@ピンキー:2010/03/16(火) 12:02:28 ID:nVLUnKJZ
くる爽の人きたーーーーーーーー!相変わらずGJです!!
自分も普段は風爽好きで百合は別腹というかこのスレで開眼しちゃった感じなのでw
風早も爽子も(出来ればくるみも)どうか報われる形で着地してくれると嬉しいなぁ…
続き気長に待ってます〜
229名無しさん@ピンキー:2010/03/16(火) 12:09:40 ID:TO26wRzL
あ、すみませんw
やっぱり次の話も落として行きます!
なんか携帯のメモ帳いっぱいになってしまって見にくいのでw(そんなとこで書くな)
最終話だけ少々お待ちを。
次レスから8つ。
今回はくるみ回収話。
230くる爽5:2010/03/16(火) 12:10:28 ID:TO26wRzL




「何しに来たのよ!」

ふわりと髪を揺らして振り返ったくるみは、あやねが何をしに来たのかに気付いているかのように大きな目であやねを睨みつけた――……


*****


「あっ、ふあっ、かっかぜはやく、んっ、あああっ」
「……ろぬまっ、くろぬまっ」

「あっあああああ……っ!」
「……くぅ…………っ」

甘く乱れた男女の声が、一つの部屋で混ざり合う。
ひとつの激しい行為が終わって、男女――風早翔太と黒沼爽子――は肩での呼吸を繰り返した。

初めて体を重ねてから、幾度かの機会があった。
爽子ももう、痛みを訴えることはなく、素直に翔太を求めていた。

けれど依然として、翔太の瞳は色を失ったままだった。


行為そのものは乱暴ではない、けれど、翔太の独りよがりな愛撫は相変わらずだったし、爽子はいつもそこから快感を拾い集めることに集中していた。

「ごめん」

そして、行為後に必ず発される翔太からの謝罪。
どうして謝るの、と爽子が尋ねてみても、翔太はだんまりを決め込むのだった。



「――あんたたちさぁ、うまくやってんの、ほんとに」

放課後、花壇で水やりをする爽子に、あやねが、紙パックのジュースをちゅうっと吸い込みながら言った。

後日、爽子から『翔太と関係を持った』と聞いて、あやねと千鶴は一安心したものである。
しかし、どうにも二人の様子はおかしいままで、それに対してあやねが業を煮やし、今こうして直接尋ねたというわけだ。

「……ん、うん……」

231くる爽5:2010/03/16(火) 12:11:12 ID:TO26wRzL



たぶん、と続ける爽子に、あやねはずばりと叩き込む。

「ちゃんと気持ち良くしてもらってる?」

ぶはっと吹き出す千鶴の横で、あやねは真剣な顔で爽子を見つめた。

初めのうちは痛いかもしれないけど、その内気持ち良くなれるものだから――

破瓜の痛みを相談した時にあやねからもらった言葉。
爽子はそれを反芻して、こくっと息を飲んだ。

「……い、痛くは、なくなった……よ」

嘘の付けない爽子は、気持ちがいい、とは言えず、言葉を選んでいるようだった。

「あー!なんか生々しいっ!生々しいってば!」

千鶴は顔を朱に染めて耳を塞いだ。

「ちょっとちづ黙ってて」

あやねはぴしゃりとそう言うと、爽子、と呼び掛ける。

「あんた、あたしらに言ってないことあるでしょ?ほんとは、原因に心当たりあるんじゃないの?」

ギクリ、と音を立てたような爽子に浮かんだのは――……くるみ。

「やっぱりね。言ってみな?解決してやれるかもしれないよ?」
「えっ。矢野ちん、何の話?」

大きく、呆れたように息を吐いたあやねの横で、千鶴はクエスチョンマークを頭上に飛ばす。
解決したんじゃないの?と。

「ちづ、あんたホントに鈍いわね……爽子と風早、気まずいまんまじゃん」
「え……あ、そう言われれば、そうかも……」

むむ、と唸った千鶴をよそに、爽子はぽつりとつぶやく。

「……い……言えない、よ……」

爽子としては、私だけの話ではなくなってしまう、と思ってしまったのだ。
232くる爽5:2010/03/16(火) 12:12:03 ID:TO26wRzL



そんな爽子に、あやねはもう一度盛大なため息をつく。

「爽子、あんたね」
「だ、だって……!」

「だってじゃ、ない。聞きな!」
「…………っ!」

有無を言わせないようなあやねに、爽子は言葉を詰まらせる。

「あんた、風早を欲しいと思ったんでしょ?何を置いても、風早が欲しいって、そう思ったんでしょ?」

爽子が頑張ったから想いが届いたんでしょ、とあやねは言い、爽子が小さく頷くのを認めると、さらに言葉を続ける。

「今、それが壊れかけてるかもしんないんだよ!?あんた、それでいいの!他の何かに気を取られて、一番欲しかったはずの風早失って、本当にそれでいいの!?」

千鶴はその横で、おお〜、などと手を叩いている。
ほとほと、と涙を零し始めた爽子は、腕でそれを拭いながら、首を横に振る。

「……爽子、いいから言いな。あたしらのこと信じてよ。あんたもう、自分だけで解決できないとこまで来てんでしょ」
「うん、あたしも。聞くよ、爽子」

二人の親友の気持ちが、爽子に痛いほど伝わって、ないまぜな気持ちに折り合いをつけるように、爽子はごしごしと涙を拭った。

そして、くるみとの一部始終を話し出した――……



愕然としたあやねと千鶴だったが、爽子が気持ちを言葉にし終えると、あやねはその肩をぽんと叩いた。

「……くるみのことは、任せな?あんたは風早とちゃんと話すこと!どうなるか……はわかんないけど、ちゃんと爽子の気持ち話しといで」

233くる爽5:2010/03/16(火) 12:12:51 ID:TO26wRzL



そんなあやねに戸惑う爽子だったが、くるみのことは心配しなくていい、と重ねて言った千鶴に、爽子はこくりと頷いた。

「……怖がってばかりじゃ、だめだよね……」

このままなんて嫌だから、と爽子は言った。

学校では電源の入れられることのなかった、爽子の携帯電話が、軽快な音を立てて起動する。

翔太の番号を探し当てると、そのまま電話をコールした。
プルル……と聞こえる呼出し音に、爽子は無意識ながらに震えていた。

そんな爽子を支えるように、二人の親友は両側から爽子の肩を抱く。


『……もしもし』
「風早くんっ、黒沼です!」

『うん……知ってる』

どうしたの、と続けた翔太への言葉を告げるために、電話を持たない方の手の平を、爽子はぎゅっと握り締める。

「……話したい、ことがあるの。ちゃんと、話がしたいの……!」

握った拳の内側から、溢れるような汗が噴き出して、爽子はそれをもう一度握り締める。

「風早くんと、話がしたいの」

爽子がはっきりとそう告げた後、わずかの沈黙があり、そして翔太が口を開いた。

『…………わかった』

何かを諦めたような翔太には不安になった爽子だが、場所の指定などを求められ、すべては直接会ってからだ、と思い直した。

なるべく早く、二人きりで話しがしたい、そう思った爽子は2年D組の教室を指定した。
外ではゆっくりと話が出来ないし、屋内ですぐに二人きりになれる場所がそれ以外に思い付かなかったからだ。

234くる爽5:2010/03/16(火) 12:13:37 ID:TO26wRzL



すぐに行く、と返事をした翔太にほっとして、電話を切った後、爽子は二人の親友に微笑んで見せた。

「私……がんばるよ……!」

爽子は教室で翔太を待つのだと言い、花壇の世話を手早く終えると、逸る気持ちを抑え切れないように駆け出して行った。

「……あたしさ、ちょっとだけわかる気がすんの。くるみの気持ち」
「え、そうなの?」

あやねと千鶴は、残された問題をどう対処すべきかと話し合う。

ここまで来てしまったことには、爽子にももちろん責任があったし、爽子と翔太の関係については、あやねと千鶴に出来ることはない。
せいぜい、爽子の話を聞いてやったり、必要であれば助言をする程度だ。

でもくるみは、とあやねは思っていた。

「矢野ちん……」
「ねぇちづ。あたしに任せてみてくれない?」

あやねはそう言って千鶴と別れると、情報通、高橋千草の元へ向かった。
彼女なら、くるみの居場所を知っているかもしれない、と踏んだからだ。

「最近、放課後よく屋上にいるみたいだけど?」

と、千草から情報を仕入れ、あやねは一人屋上に足を運んだ。

そしてそこで、ふわりと髪を揺らして振り返ったくるみは、あやねが何をしに来たのかに気付いているかのように大きな目であやねを睨みつけた。

「何しに来たのよ!放っておいて!」
「……放っておけるわけないでしょ。あんた、爽子に何したかわかってるの?」

あやねは、腕を組みながら、ふぅとため息をついた。
235くる爽5:2010/03/16(火) 12:14:32 ID:TO26wRzL



「……へぇ。爽子ちゃん言ったんだ。内緒って言っておいたのに」

くるみは開き直っているのか、そうでないのか、冷たく暗い表情のまま、ぽつりと漏らした。

「そういう話をしているんじゃない!」
「……わかってたのよ」

あやねが苛立ちを隠せずに声を張り上げると、一呼吸置いてくるみが言った。

「わかってたのよ!こうなることは!」
「……くるみ」

「爽子ちゃんの一番はわたしじゃないもん!……どうあったって、わたしはそれになれないもん!」
「くるみ」

「だけどそれでも欲しかったの!……欲しかったのよ!足掻くのってそんなにいけないこと!?わたしは」
「くるみ!」

あやねは、溢れる涙も堪え切れずに、コンクリートを濡らすくるみの両肩に手を置くと、その紡ぎ出される言葉を止めた。

「……なによ。何しに来たのよ。わたし馬鹿みたいじゃん!わたしひとり、すごい惨めじゃん……っ」

くるみの伏せた大きな瞳から、重力に耐え切れずにぼろぼろと涙はこぼれ落ちる。

助けを求めるわけでもないその痛々しい姿に、あやねも胸を痛めた。

「……本当は、こんな風にするつもりなかったんでしょ?」

あやねは支えるようにくるみの肩に手を置いたまま、ゆっくりと口を開く。

「…………っ」
「ただ、寂しかったんでしょ?」

既に決壊していたそこから、どんどんと涙は生み出され、くるみが気丈に振る舞うために施した化粧をもぐちゃぐちゃに消していく。

236くる爽5:2010/03/16(火) 12:15:08 ID:TO26wRzL



「うるさい……っ」

涙混じりの声で、くるみはあやねの腕に手をかけた。
振り払おうとしてもそれはかなわず、逆にあやねの力が強まっただけだった。


「爽子じゃなきゃだめだったんでもない、体の関係がないとだめだったんでもない……でも」
「……やめて!」
「…………手っ取り早かったんだよね」

爽子は『人を赦す人』だから、そう続けたあやねに、くるみは振り払おうとした手も下ろし、脱力した。

――自分が、黒く汚いものを抱えていることなど、くるみはとっくに気付いていた。
自分を癒す存在、自分を認めてくれる存在、汚い自分すらおおってくれる存在、それが、翔太であり、爽子だった。

自分を自分として見てくれる人、それが欲しくて翔太をすきになった。
あとからあとから、溢れるような翔太の魅力に、最初のきっかけもどこへやら、汚いことをしてでも手に入れたいと願ってしまった。

くるみは赦しが欲しかった。

そこへ現れたのが爽子だった。
赦された、気がした。全てを手に入れた気がした。汚れた世界でも、生き続けることが出来る気がした。
居てもいいよ、と言われた気がした。


――そんな不純な動機で爽子を求めたことに、気付いていて、気付きたくなくて、曖昧にしてきたそれが今、あやねの言葉で真実になってしまった。

「……もう嫌…………」

抜け出せないのだ、とくるみは思った。


237くる爽5:2010/03/16(火) 12:15:53 ID:TO26wRzL



『ここ』からどこにも行けないのだ、と――諦めかけたくるみに、手を差し延べるようにあやねは言う。

「さみしくて、いいじゃん。かなしくて、いいじゃん。欲しいもの全部が手に入る世界なんて絶対ないんだから」

――吸い寄せられるように、くるみはあやねに体を寄せる。
あやねはくるみを優しく抱きしめ、肩を濡らす涙を受け止めた。

「……っ、う、わああああぁぁぁん……!」

幼い頃のように、くるみはただ泣き続けた。
大きな声を上げて。

何もかも包み込むようなあやねの腕に、どこか安心しながら、その涙が止まるまで、ずっと。


あやねは、くるみの狂気にも似た愛を、重く受け止めていた。
自分の中にも、それは潜んでいるのかもしれない、と――……



つづく
238名無しさん@ピンキー:2010/03/16(火) 12:17:19 ID:TO26wRzL
ちょみってあやくるちっくに、くるみはシメ。
次回で終わりです。
風爽回収頑張ります。
239名無しさん@ピンキー:2010/03/16(火) 13:40:04 ID:WiFxQpCL
うわーー、くる爽さんきてた。GJです。
というか携帯で書いてたのにびっくり。
くるみぃ〜〜(泣)
最終話楽しみにしています。
240名無しさん@ピンキー:2010/03/16(火) 15:21:25 ID:EG+ZhIOv
本誌でいい感じなので…

矢野ピンの職人さんがこないか楽しみにしてまふ
241名無しさん@ピンキー:2010/03/17(水) 02:46:36 ID:NzJSnX1C
くる爽作者さま、ありがとう!!
やっぱり大好きですあなた様の文章!!
風爽萌えで今回くる爽に開眼した私にはツボすぎる作品だ〜
最終回、超超超楽しみにしてますね!
242名無しさん@ピンキー:2010/03/17(水) 15:34:51 ID:aINg6OIC
くる爽作者様の最終話、wktkして待ってます!
243名無しさん@ピンキー:2010/03/18(木) 16:51:45 ID:dLl9+nzo
風早×くるみが普通に見たい
244名無しさん@ピンキー:2010/03/20(土) 12:51:05 ID:nJOAadFe
GJGJ!!
最終話たのしみだー
最近かそってる泣
245名無しさん@ピンキー:2010/03/21(日) 00:02:00 ID:Iyfb85qF
コソーリくる爽作者さんの作品楽しみにしてました。
んが次回最終回とな!!
全身テカテカにしてまってます!!
たのしみだー!!
246名無しさん@ピンキー:2010/03/25(木) 04:25:28 ID:VftKq189
今日も投下はまだか…

wktk待ちホッシュ!
247名無しさん@ピンキー:2010/03/25(木) 17:26:21 ID:aIpOoKXz
くる爽続きです。
わー、スレ止まってるの私のせいですかね!
すみません、ほんと、すみません。ちょっと他の作業にかかってました。
急いで仕上げたので、なんか変かもしれませんが、すみません……

1は保管庫、2は保管庫か>>25から、3は>>185から、4は>>223から、5は>>230からです。ここまで来たので題名はくる爽で統一します。
アンカミスってたらすみません。

以下注意書き。
※もはやくる爽じゃない
※エロでもない
※ただの伏線回収
※作者の自己満足

次レスから8こ借ります。
248くる爽6:2010/03/25(木) 17:27:13 ID:aIpOoKXz




翔太は、苦い思いで自転車のペダルを漕いでいた。

自分が爽子にひどいことをしているという自覚はあった。
それでも拒まない爽子に甘え、感情を押し殺して抱き続けた。

本当は、爽子の上げる甘い声をずっと聞いていたくて、爽子の体を心行くまで味わいたくて、けれど、愛情を持って爽子と関係を結んでしまえば、自分がどんどん惨めになる。
まるでピエロのように。

それでも爽子と離れることが出来なかった翔太は、ただただ純粋な欲望を吐き出すことで、せめてひと時でも爽子を支配することで、何とか気持ちを保っていた。
いわば、ギリギリの状態だったのだ。


電話口での爽子の、決意に満ちたはっきりした声、翔太が『自分は捨てられてしまうんだ』と判断した瞬間だった。

本当は、そんな話はしたくない。聞きたくない。
けれど、爽子の思うようにもしてあげたい、せめてもの償いに、話を聞くことはしなくてはいけない。

翔太なりの覚悟で、今、翔太は北幌高校にたどり着いた。

震える手足を叱咤しながら、教室までの道程を進む。
扉に手を掛けながら、ガラス窓から中を窺うと、爽子は既にそこに居た。
いつものように背筋を伸ばして、教室の真ん中でじっと佇んでいた。

「黒沼……」

翔太の口から呼び掛けがこぼれ落ちると、爽子はびくりと肩を揺らし、ゆっくりと翔太を振り向いた。

249くる爽6:2010/03/25(木) 17:27:46 ID:aIpOoKXz




「……風早くん」

教室に足を踏み入れた翔太は、後ろ手に教室の扉を閉め、重い足取りでありながらも、爽子の近くまで歩を進めた。

「来てくれて……ありがとう」

きゅっと噛み締められた爽子の唇が、何を紡ぐのだろうかと、翔太はじっと爽子を見つめる。

「話って……?」

自分から別れを切り出した方がいいのかもしれない、今までに幾度となく翔太は思った。
けれど、初めて欲しいと思った、心の底から欲した少女を、どうしても自分からは切り捨てることが出来なかった。

「…………私、風早くんがすきです」
「え……?」

長い沈黙の後、ぽつりと話した爽子の声には、どこにも嘘はなくて、翔太の覚悟が少し乱れる。

「風早くんのことが、だいすき」

だから今のままじゃ辛いの、と爽子は言った。

「……今の、ままって」

それが何を指すのかと、翔太は訝しげに爽子に視線を送る。

「何も見ていない風早くんの目を、見ているのが辛いの」

爽子はそう言うと、ほろり、一粒の涙を零した。

「……俺と…………別れたい?」

人との繋がりを、これでもかと大事にする爽子だ、切り出せないのかもしれない、と、翔太は観念してその言葉を口にした。
『別れ』、覚悟したはずの翔太の心臓が、その言葉を受けてズキリと痛んだ。

「…………え?」

ところが、爽子はきょとんと目を丸くする。

250くる爽6:2010/03/25(木) 17:28:37 ID:aIpOoKXz




「えって……え?」
「どうして、私が風早くんと別れたいだなんて思うの?」

逆なら仕方がないのだけれど、と続けた爽子に、翔太の混乱具合も上昇する。

「ちょ、待って。黒沼、別れ話をするために俺を呼んだんじゃないの?」
「ええっ?」

なぜ!?とうろたえる爽子に、今度は翔太が目を丸くする番だった。

「ちょっ、え?だって、ええ?」
「かっ、風早くん、少し落ち着こう……っ」

深呼吸、と爽子が言って、二人は同じタイミングで大きく呼吸をした。
教室で二人きり、やっていることは深呼吸。何とも奇妙な光景に、翔太は笑いそうにもなったのだが、そんな場合ではない、とやっと気を取り直す。

「じゃあ、話って……?」

翔太が爽子を促すと、爽子はごくっと喉を鳴らした。

「あの、あのね。風早くんに、前みたいに笑って欲しいの。……そのために、私が離れなくてはいけないのなら……私、私……」

そこまで言葉を紡ぐと、爽子は堪え切れずに大粒の涙を零し始める。

目の前で泣く爽子を、抱きしめたい気持ちと同時に、翔太の中で黒い感情が渦巻いた。
伸ばしかけた手をぐっと握り締め、翔太は口を開く。

「じゃあなんで……っ!……や、何でもない」

怒鳴り散らしてしまいそうだと、翔太はもう一度深呼吸を繰り返した。

涙を腕で拭うと、爽子は真っ直ぐに翔太を見つめたまま、震える声で言葉を紡いだ。
251くる爽6:2010/03/25(木) 17:29:21 ID:aIpOoKXz



「風早くんの気持ち、聞きたい……私に、ぶつけてほしい」

私も思っていることをちゃんと言うから、と爽子は言った。
風早くんの前では正直でいたいし、探り合いなんてしたくない、そう言った爽子は、もう涙も零さずにまっすぐ翔太を見ていた。

今度は、翔太がゴクリと喉を鳴らす番だった。
言いたいのは、聞きたいのは、たったひとつだけ――

「…………黒沼が『すき』なのは、誰?」

翔太の言葉に、爽子は一瞬だけ驚いた顔を見せてから口を開いた。

「風早くん。風早、翔太くん」

翔太に向かって伸びるその言葉は、まっすぐに響いて、世界が少しだけ色を取り戻す。
それでも、脳をかすめるのは可憐な少女の姿。

「……胡桃沢と、そんな関係になったのは、どうして?」

「!」
「ごめん……知ってるんだ、俺。俺、てっきり、黒沼は胡桃沢をすきになって、自分は捨てられるんだって思った。今日だって、きっぱり引導渡される覚悟で来たんだよ……」

翔太が紡ぐ言葉を、爽子は慌てて否定する。

「まさか………っ、私が風早くんから離れたいと思うことなんて絶対ない……!あるわけがないの!風早くんは、私のたった一人の人だもの……!」
「…………っ!……じゃあ、じゃあっ、どうして!?」

例え、爽子の気持ちがはっきりと自分に向いていると感じたって、関わった全てをはっきりさせないと、翔太はどうにも動けなかった。
きゅっと唇を噛んだ爽子が、ゆっくりそれを解いて、そこから紡ぎ出される何かを、翔太はただじっと待った。
252くる爽6:2010/03/25(木) 17:30:01 ID:aIpOoKXz




「…………おこがましいけれど、『助けてあげたい』と思ったの。そうしないと、くるみちゃんはぼろぼろに壊れていきそうだったの……」

ただそれだけだったの、と語る爽子は、真摯に翔太を見つめた。

「黒沼は……胡桃沢のこと……」
「友達だと、思っているよ」

『友達』
そのたった二文字の言葉は、翔太の中の燻りをやわらかく溶かしはじめる。

「……浮気、って言われても否定出来ないこと……ってわかってた?」

爽子を責めるつもりでもなく、ただ、爽子の思いを確かめるために翔太は問い掛けた。
それに爽子は羞恥を感じたのか、かっと赤面する。

「……いけないことだった、と気付いたのは、最近なの。くるみちゃんと、関係を終えてからなの」

本当に無知で、と爽子は続けて、羞恥のためか俯いた。

「……え……?終わってる、の?」

翔太の頭に、以前よりも艶っぽくなった爽子が浮かんでは消える。
翔太は特に最近の爽子からそのような色気を感じ取っていて、それは、くるみとの仲が深まっているからだと思っていた。

でもそうではないらしい、それなら、爽子をそうさせる要因など、自分以外に有り得ない――
そこに思い至った翔太は、みるみる顔を赤く染めた。

「……風早、くん?」
「ごめっ、ちょっと今見ないで……」
253くる爽6:2010/03/25(木) 17:30:48 ID:aIpOoKXz




爽子の色気を生み出すのがくるみだと思ったからこそ、ただ性欲だけを満たす交わいを行ってきた。
でもそれが自分だった――……

嬉しさと共に翔太に訪れたのは、どうしようもない、罪悪感。


自分をすきだと、ただ、すきなんだとひたむきに想ってくれる爽子を、無機物のようにかき抱き続けた。
ずん、と重くのしかかるそれを掻き消すように、翔太はぽつりと言葉を紡ぐ。

「……俺を傷付けるかも、とは思わなかった……?」

罪を正当化させるような自分に嫌気がさしながら、ゆっくりと爽子に目を向けると、爽子は覚悟を決めた瞳で翔太を見つめ返した。

「私、それで風早くんに見限られてしまうのなら、しょうがないって思ってる。……許してもらえないかもしれないことをしたんだって、気付いてるよ」

だけれど、ちゃんと話をしなくちゃって決めたの――そう話す爽子はどこまでもまっすぐで、翔太の心臓を貫く。

自分に全ての非があるように話す爽子、翔太から受けた痛みについて責める気持ちを微塵も抱いていない爽子。
翔太は、目の前で、自分を守ることもなくまっすぐ向かってくる少女に、果てしない愛しさを感じた。


『――リスク背負ってでも本当のことを言うから』
いつか、自分が言った言葉が蘇る。

自分と爽子は違うのだ、と思い知る。
離れたくないから、と逃げるわけでもなく、きちんと向き合おうとする爽子に、自分はまだまだ届いていないんだ、と翔太は思った。
254くる爽6:2010/03/25(木) 17:31:34 ID:aIpOoKXz




「黒沼……抱きしめてもいい?」
「えっ……?」

「つーか、抱きしめさせて」

翔太は愛しい愛しい少女を、承諾を得る前に強く抱きしめる。
腕の中で混乱のために身じろぐ爽子に、ふっと口元を緩めながら、翔太はゆっくり話し出した。

「……俺も、同じなんだよ」
「…………え?」
「黒沼から、離れるなんて考えられないんだ。……はっきりさせるのが恐くて、ずっと逃げてた…………ごめん」

黒沼は強いね、と翔太が言うと、爽子は翔太に抱きしめられたままぶんぶんと首を横に振った。

「私……っ」
「いっぱい痛いことしてごめん。ひどく扱って、ごめん。……許して、なんて言わない」
「そんな……私は」
「俺も、黒沼を許さない」

爽子の言葉を逐一遮りながら、翔太はきっぱりと告げた。

「全部正しくなくていいんだ。罪、持ちながら生きよう、一緒に」
「風早くん……」

そこまで言うと、翔太は少し体を離して、爽子と視線を交わらせた。
そしてまた言葉を続ける。

「俺の全部、黒沼にあげる。だから、黒沼の全部俺にちょうだい。……絶対もうだめだから。もう『俺の』だから」

この髪も、目も、頬も、口も、全部。
言いながら、翔太はそのひとつひとつに口づける。

「すきなんだ……爽子」
「…………っ!」

翔太は、零れてしまった爽子の涙を拭い、もう一度強く抱きしめた。
爽子も今度は翔太を抱きしめ返して、二人はしばらくそのまま影を重ねていた。
255くる爽6:2010/03/25(木) 17:32:14 ID:aIpOoKXz



何時とも知れないチャイムの音を合図に、翔太と爽子は体を離し、二人で小さく笑った。

「送ってくよ、爽子」
「……うん、翔太くん」

二人の間には、以前のような柔らかい空気が戻って、どちらからともなく手を繋いだ。

罪は罪のままで、一緒に生きると誓い合って、その夜二人は久し振りに安眠を味わうことが出来た――……



***

「あ」

翔太とくるみが廊下ですれ違いそうになり、同時に声をあげた。

「……爽子、もう俺のだから!渡さないから」
「知ってるわよそんなこと!最初っから!」

くるみがふん、と腕を組みそっぽを向く。

「……胡桃沢」
「泣かせたら……っ許さないから!」

呼び掛けた翔太に、すらりと長い指が突き付けられ、多少面食らいながらも翔太は言葉を返す。

「……胡桃沢に言われたくねーよ」
「そりゃそーね!じゃ、ばいばいっ」

「胡桃沢っ!」

悪びれることなく去ろうとするくるみの後ろ姿に、翔太は声を掛け呼び止めた。

「……なに?」

不機嫌に振り向いたくるみだったが、翔太から続けられた言葉には端正な顔を崩すしかなかった。

「爽子、また友達として話したいって言ってた」

「…………ばかじゃないのっ」
「うん、俺もちょっとそー思う」

そう言いながらも翔太は愛しげに笑って、今度こそくるみと別れた。
思い出すのは、あの日から数日後のこと――


二人はようやくなんの気兼ねもなく、愛情を込めて体を重ねた。

最中には二人して涙を零し、「泣けて来るもんなんだね」と二人で笑った。


続いていく幸せをかみ締める。これからも、ずっと――



おわり
256名無しさん@ピンキー:2010/03/25(木) 17:35:35 ID:aIpOoKXz
と、いうわけで完結です。
百合エンドを期待されてた方がいらっしゃったらすみませんです。

そして作者はSS書きに戻りますです。
慣れない連載は神経を使う……プロットから組むべきだったと後悔してます。
お付き合い下さりありがとうございました!

他の職人さんが一刻も早く萌えを吐き出しに来てくれますように!
257名無しさん@ピンキー:2010/03/25(木) 22:13:22 ID:HYMLR+8e
GJ!GJ!!ありがとう〜〜!!
素晴らしかった!
258名無しさん@ピンキー:2010/03/25(木) 22:50:06 ID:tW0QLh4G
wktkしながら除いたら作者さんが!!!
いやーええわーありがとうございます〜!!
百合は別腹でこれはこれとして・・・と思ってましたが、
このラストナイスでした。
黒風も幻のように爽やかな読後感!

また新作投下楽しみにしています〜。
GJでした〜!!
259名無しさん@ピンキー:2010/03/25(木) 23:13:05 ID:aLp4vLFQ
百合もいいかな、と思ったけど、風爽主義の自分にはなんかすごくいい読後感!
百合あり、風爽の2人の成長の軌跡ありと最高でした。
もしサイトをお持ちでしたら、是非伺いたい〜〜
260名無しさん@ピンキー:2010/03/25(木) 23:35:40 ID:00F4OUnC
大作乙です〜!!
春だし投下祭とかおきないかなwktk
261名無しさん@ピンキー:2010/03/28(日) 17:54:55 ID:7FrPG6QM
くる爽作者さま、素晴らしい大作ありがとうございました!
エロパロ板でこんな良い連載物を読めるとは…まさに夢みたいだー!
ノーマルカプにこんな自然に百合を取り入れるなんて凄すぎっす。
待ってる時間含め、楽しませてもらいました!
SSもまた出来たら投下お願いします!
262名無しさん@ピンキー:2010/03/29(月) 14:46:33 ID:gmh/6Al3
新作期待しながらsage
263名無しさん@ピンキー:2010/03/31(水) 21:41:51 ID:9oVYc8IC
保守w
264名無しさん@ピンキー:2010/04/01(木) 23:35:20 ID:axd9bIyN
ほしゅー
265名無しさん@ピンキー:2010/04/04(日) 02:10:58 ID:/U8T6mj9
爽子と風早
大学一年生の春。
大学が始まって一ヶ月後の週末、部活をし始めた爽子は
自分の通う大学の部室に寄ってから風早の下宿先に、遊びに来た。
エロなし 3レス
しょーもないコスプレっぽい話なんでNGはタイトルで
266爽子、達人への道1:2010/04/04(日) 02:11:34 ID:/U8T6mj9


「それが部活で黒沼が使ってるもの?」
テーブルの上に肩肘を突きながら目線を黒沼のバッグの横の衣服の塊に向けて言うと
黒沼はおれのその目線の先を確認し、うん、そうだよ、と口元に笑みを浮かべて返事をした。
意外にも嬉しそうな顔をするもんだからビックリ。
「なんか不思議。黒沼が武道やるなんて」
「ぶ、武道なんて、そこまでのものじゃないよ・・・。
 合気道は武より精神性を鍛えていけるものだから、・・・と教わってます」
彼女は道着を手元に寄せてから膝の上にのせると、広げてたたみ直した。
「ふーん」とおれはなにやら不思議な気持ちのまま彼女のまだ真新しい道着を眺めていた。

黒沼は大学で合気道部に入った。
部員の半数が女子であり、練習は週に3回でそれも平日に行われるというので決めたという。
なにより彼女はもっと精神的に強くなりたいという理由だとか。今でも充分強いのに。
しかし華奢な黒沼がこういう運動系の活動に積極的に参加してるというのは嬉しい。
ただ残念なのはお互いの大学が違うために彼女の練習姿を見れないこと。
せめて彼女の道着姿くらいは見たいなと思っていたら、
彼女の手元にあるじゃない、と頭にポンっと浮かんだ。

「黒沼。それ、着て見せてよ」
「え!?」
「おれ、たぶん黒沼が大会とか出るような時じゃないと黒沼の道着姿見れないから」
「でも、これ、部室に忘れてたのを、風早くんの部屋に来る前に大学に寄って
 たままた持ってきてるものだからわたしの汗で汚れてるし・・・」

本当に一瞬でいいから、と拝み倒すように頭を下げると彼女は必死なおれの姿に困惑しながら
じゃあ、ちょっと着るだけだよ、と寝室の襖を開けて中に入っていった。

しばらくすると、黒沼が襖をちょっと開けて、顔だけ出すと
「あの。笑わないでね・・・」とすこし警戒したような表情を向けた。
うんうん、と頷き、黒沼の姿を自分なりに想像しながら彼女の心構えが出来るまで待った。
顔を真っ赤にしながらヒョイっと出てくる黒沼は普段の黒沼とはまるで別人。
表情は恥ずかしげでいつもの黒沼ではあるのだが、道衣を着てるせいか立ち姿が凛としていた。
彼女によると、道衣を着た瞬間に気が引き締まるという。
267爽子、達人への道2:2010/04/04(日) 02:12:10 ID:/U8T6mj9


「黒沼、まるで・・・、千葉佐那みたいだよ・・・!」
「ええ!?・・・ば、幕末の千葉道場の?そ、それはないよ・・・!」
「いや、なんかすごく純日本人ってイメージが出てる」
自分で何をどう表現しているのかよくわからなかったが
一言で言うならば、かわいいのはもちろんなんだけど、なんとも凛々しい黒沼の姿。
彼女の長い黒髪と上半身の白の道衣とのコントラストが彼女の存在を際立たせ、
下半身の黒の袴は彼女のウエストの細さを出しながらも足元に行くに太くなり、彼女の持つ芯の強さをよく出していた。
今の心身ともに強そうな彼女に、なぜかおれを怒ってもらいたいというよくわからない願望が出てくる。

予想以上の道衣と黒沼のハマリ具合にもっと近くで見たくなり
彼女のそばにススッと近づくと、女性がこの手の道衣をそのまま着ると出てしまうある違和感に気づく。
「あれ?黒沼!こ、これじゃ襟を取られてたら、前がはだけちゃうんじゃないの!?」
冷静に指摘したかったのに、興奮気味に彼女の襟を触りながら言ってしまった。
「あ、こ、これは、普段は下にTシャツを着るんだよ。
 でも今日は、道衣を着る予定なかったのでTシャツをもってきてなかったの」
こちらの不意な興奮模様と、そのときに黒沼の襟をちょっとめくって下着が見えてしまったのもあって、
彼女も焦ったのか、襟の内側から見える彼女の胸元の白い肌がみるみる紅葉していった。
しかしその黒沼の焦りはこちらの指摘だけじゃないようで。
「あ、あの。風早くん、さっきも言ったけどこの道衣、洗うつもりのものだから」
そうなんだ、と言いつつ、腕を交叉させればすぐに黒沼を抱擁できる距離まで近付く。
「だ、だから、わたしの道衣、汗臭いと思うので、近づかない方がいいよ」
「汗臭い黒沼でもぜんぜん大歓迎だけど?」と言って、
徐々にのけぞる彼女の背中に構わず腕を回しその下がる動きを止める。
「か、風早くん」と黒沼はそんなこと言われると恥ずかしいです、と言いたげな表情を返す。
もし黒沼がおれに近付かれることが嫌ならおれのこと投げ飛ばしていいよ、と言うと
「ま、まだ基本動作しかやってないので投げるなんてとても・・・、それに」と、
黒沼はまだ話の途中だったようだがおれは口を挟んで、
黒沼は真面目だから上達も早いし、来年にはこんなことするおれは投げられてるだろうね、と
彼女の真っ直ぐで決して曲がったことをしない性格を素直に褒めるつもりで言った。
268爽子、達人への道3:2010/04/04(日) 02:13:51 ID:/U8T6mj9


「・・・そんな。風早くんを投げるなんて・・・、それにね・・・」
黒沼はもっとなにかを伝えたいようだが、声が途切れ途切れに小さくなっていくので聞き取れなかった。
そんな彼女に、どうしたの、と問うと
「あの、風早くんを投げるなんて、わたし、この先、絶対ないよ・・・!
 それに・・・!わたしに触れてくれる風早くんは嫌じゃなくて、むしろうれしかったり・・・」
と頬を両手で抑えながらうっとりした表情を見せるものだから
「ああ、黒沼・・・!本当に・・・本当にすごくかわいい・・・」
と、普段なら心の中だけで終わってるはずの彼女への思いがすべて口から出てしまう。
そして黒沼の足が地から浮いてしまうほど強く抱き寄せた。
「おれ・・・、したくなってきたんだけど、ダメ・・・?」
自分の頬に当たる彼女のうなじの辺りの体温が上がっていくそばから懇願した。
「ご、ごめんなさい・・・!、風早くん。この道衣を着たままじゃ、これ以上ダメだよ・・・!」
と言われてしまい、ごめん、と彼女を抱擁していた手をバッと離して即座に謝った。
彼女にとっては神聖な武道に入るための立派な道衣。感情のままで動きすぎた自分のことを反省した。
さっき、黒沼に怒られたいとは思ったがこういう拒絶の形じゃない。本当にしまった、と思った。
おれのそんなしょげた顔を見た黒沼はおれの行き場のなくなった手を取って言う。
「あの、大丈夫だよ。わたし、風早くんから逃げるなんてことないから・・・、だから・・・、脱ぐまで待っててくれれば・・・」
おれの心をくすぐる彼女の絶妙な台詞と頬を赤らめながらもニコやかな表情を自分に向ける姿が相まって、再び
「黒沼っ!!」と抱きしめてしまう。
「あ、あの・・・!本当に逃げないから。せめて脱ぐまで待ってね・・・!」
と、彼女のやってる合気道とは別におれをおとなしくさせる術を心得てるかのように、
おれの唇に人差し指を当てて、ニコリと見つめてから言うので、
うん、と彼女の言葉に素直に従い、正座している自分がいた。

                おはりで
269名無しさん@ピンキー:2010/04/04(日) 03:01:24 ID:l03CTgzE
いいなぁ。
道衣萌えますな。

しかしこの作品は男の子の方も
萌えてしまって困る。
270名無しさん@ピンキー:2010/04/04(日) 03:42:50 ID:aJffw7Qj
おぉおおおおおお投下GJです!
武術やる爽子って新鮮…でも道衣似合いそう〜
和服は独特の色気があっていい!!!
271名無しさん@ピンキー:2010/04/05(月) 00:35:33 ID:yIniMXh9
千葉佐那に笑った
これの元ネタは龍馬伝かな
272名無しさん@ピンキー:2010/04/05(月) 00:45:38 ID:UJhOJADp
練習のときは爽子はポニテにするのかなハァハァ

風早はそれを見てまた欲情しちゃうんだろうなw
273名無しさん@ピンキー:2010/04/06(火) 02:45:52 ID:TqrBOHqV
なんか新作投下がにぶってますね。規制のせいかな。
274名無しさん@ピンキー:2010/04/09(金) 02:50:36 ID:Ac20B0f2
規制明け保守
275名無しさん@ピンキー:2010/04/09(金) 09:45:11 ID:4rOj5Z8P
久々に龍ちづを。
ちづ視点なので描写ぬるめですw
初えち話……かな。2レス借ります。

あと、くる爽ご支持いただけまして、大変嬉しかったです。皆様、ありがとうございました。
>>259
嬉しいです。
良かったらまとめからいらしてくださいませ。
(エロいのはだいたいここに載せてますがw)
276はんぶん恋心:2010/04/09(金) 09:46:13 ID:4rOj5Z8P
「ちょっ、いきなり何すんのっ」

なんかいきなり体をぐいぐい押されたかと思ったら、気付けばあたしは仰向けにベッドに押し付けられていて。

「……別にいきなりじゃない」

って、意味わかんないし!

ベッドに沿って膝は曲がって、足の裏はきっちり床の上。
つまりはベッドの向きには直角に寝そべらされているんだけど。

「ちょっ、龍!」

ぎしりと音を立てながら、龍があたしの体を挟むように膝をつく。
覆いかぶさられるような体制に、どうしたってあたしはどぎまぎしてしまう。

龍は無言でタンクトップの裾からごつい手を差し込んできて、あたしの腹を撫でる。
ここまでされたら、あたしだって龍の思惑くらいわかるんだけど。

「な、なんか順番とか、そういうのないの!」
「…………千鶴」

どき。
いや、だから、その。

急にまっすぐ見つめられたりしたら、ドキる。ってかキョドる。

「な、なに!」
「すきだよ」

…………顔、熱い。
じゃ、なくて!

「いきなりそれは狡いってば!」
「千鶴が順番って言ったんだろ」

その間にも、龍の手は進んで、下着越しにあたしの胸に触れる。

「はぁ!?ちょっ、待って!」
「…………なんで」

なんでって、なんでって!

277はんぶん恋心:2010/04/09(金) 09:46:54 ID:4rOj5Z8P



「こ!心の準備!それにすきだからいいってんじゃなくて!えっとほら!いきなりそんなとこ触るんじゃなくて……」
「キスでもするか?」

だからっ、なんでそういうことをさらっと言うかな!

「だからそーじゃなくてっ」
「焦らすなよ」

「へっ」

焦らすって、あたしいつ焦らした?
いや焦らしてない。っつか、そんな雰囲気じゃなかったはず……!

「あんま焦らすと、加減できなくなる」
「ちょっ、龍……っ」

「なるべく優しくするから」
「…………っ」

そんな、熱っぽい目であたしを見ないで。
こころのじゅんび、とか、どうでもよくなっちゃうよ。

「……千鶴、すきだよ」

熱い。
熱い、口づけひとつ。

ああ、だめ。
もう何も考えらんない。

龍の手に、声に、息に、翻弄される。
すきだよ、あたしも。いっぱいすき。

待って、なんて、もう言えない空気に飲まれて、そこからはもう、されるがまま。

途中、わけわかんなくなったり、すごい痛かったりしたんだけど、終わってみて、龍の腕の中で一息ついてみると、なんか、意外に『こんなもんか』って感じで。

「痛かったか?」
「うん」

「……悪い」
「うん」

「もうしたくない?」
「……ううん」


だって、やっぱりちょっと幸せだったんだもん。



おわり
278名無しさん@ピンキー:2010/04/09(金) 20:12:31 ID:3T9uVZCX
うおおおお!!!!
新作キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!

龍ちづGJです!!!
うはー。まぶたに情景が浮かんできます!!!

作者様最高!!
279名無しさん@ピンキー:2010/04/10(土) 13:47:02 ID:NB21EQBk
龍ちづありがとうざいました!
280名無しさん@ピンキー:2010/04/11(日) 22:55:58 ID:OHS4tTPr
>ベッドに沿って膝は曲がって、足の裏はきっちり床の上。
>つまりはベッドの向きには直角に寝そべらされているんだけど。

よく分かんない
281名無しさん@ピンキー:2010/04/11(日) 23:09:14 ID:rqlKTxBn
それはお前の読解力が足りないだけww
282名無しさん@ピンキー:2010/04/12(月) 01:46:15 ID:XjcDKYnJ
ベッドの長い辺に腰掛けた状態から押し倒されたってことだろ

現国ちゃんと受けたのかー
283名無しさん@ピンキー:2010/04/12(月) 01:51:11 ID:f97OPwHR
別に煽らんでも
284名無しさん@ピンキー:2010/04/12(月) 01:54:47 ID:XjcDKYnJ
ごめん煽る気はなかった

もし許してくれたら
爽子のエロい妄想するよ俺
285名無しさん@ピンキー:2010/04/12(月) 11:37:15 ID:yaJFqzV9
ゆ、許す
286妖風 @309:2010/04/13(火) 18:47:52 ID:gkiFiuwM
ご無沙汰してます。前に脳内会議ネタとか落としてた309です。
別マ5月号の熱にうなされて、勢いで久々にちょいエロいものを書いてみましたんで投下させて下さい。
※以下、別マ5月号の内容を含む注意書きを書きますので
まだ読んでなくてネタバレされたくない方はスルーして下さい。




※注意書き※
・5月号で出てきたニュータイプのエロ風早・妖風をイメージして書きました。
妖風→倒れそうになった爽子を支えるシーンで出てくる妖しい目をした風早さん。
あの異様な色気と余裕さと爽子への狂愛を感じさせる風早を見て
思わず遠い昔の冬彦さん・のりおさんを思い出しましたw

・設定は風爽新婚初夜
・爽子さん、風早の妖しい目にとりつかれてまんまとはめられちゃってる感じ
・えち描写軽め
・3レス分使います。
・だめな方は「妖風」NGでスルーして下さい。

287妖風 @309:2010/04/13(火) 18:49:55 ID:gkiFiuwM
1

欲しいものなんて もうなにもない
やっと手に入った 俺だけの宝物 ――

キャンドル灯し、赤い光を二人で囲む。
風早はテーブルの上で爽子の手に掌を置き、包み込むようにそっと握る。
爽子の赤く火照った顔にゆっくりと影が落とされていく。
愛らしいその唇に触れるだけのキスをする。
唇を離していくと、爽子の頬は先ほどまでよりも真っ赤に染まり、
困ったような瞳で風早を見つめた。

「…何で、そんな顔するの?」
「っ。だって……」

爽子の瞳に涙が滲んでいく。
風早は爽子の目尻に溜まる涙をそっと指で拭う。

「幸せで…。幸せすぎて… こわくて…」

爽子は瞳を揺らしながら切なそうにそう言うと、
風早は涙に濡れた彼女の頬に唇を軽く押し当てた。
ぴくっと爽子の頬が震え、恥ずかしそうにもう一度風早の顔を覗く。
風早は、目の前の不安気な彼女を優しく包み込むような瞳で見つめる。
その妖艶とも言える微笑みに、
爽子は全身に痺れをきたすような感覚に堕ちていった ・・・

うっとりとした目になった爽子を見て、
風早は彼女の髪をゆっくりと撫でながら囁いた。

「大丈夫だよ。もう怖いものなんて…なにもない。」

288妖風 @309:2010/04/13(火) 18:51:54 ID:gkiFiuwM
2

風早はもう一度爽子の唇に口付けた。
柔らかな感触を惜しむように、何度も角度を変えて押し当てていく。
爽子はその甘い刺激に耐えながら、
震える手で、風早の胸元のシャツをすがるように握る。
風早がその手をとり、細く折れてしまいそうな彼女のその指の間に
そっと自身の指を絡めていく。
そして、重なる唇のもっと奥まで味わっていく・・・

「…んっ…」

執拗な口付けを続けていくうちに、爽子の口から熱い息が漏れ
次第に風早の熱も上がっていく。
風早は少し唇を離し、優しく問いかけた。

「…どうする?」
「……?」

爽子はゆっくりと瞼を開くと、風早はもう一度訊いた。

「この後どうするかは、爽子が決めていいよ。」
「えっ…」

風早は、羞恥心の強い爽子が
自分から求めることを恥ずかしがるのを知っていた。
けれども、爽子を安心させるように優しい目で見守り
彼女が答えてくれるのを待った。
爽子は戸惑いつつも、風早の熱視線と今までのキスで
すでに全身が熱に煩悩されていた。

「……欲しい…」
「ん?」
「翔太くんの… 全部がほしいの…。」

恥ずかしがりながら、蕩けるような瞳で自分を求めてくる爽子に、
風早は堪らない愛しさを感じた。
風早はくすりと微笑み、その場を立ちベッドの方へ向かった。

「ん。ちゃんと言えたね。」

そして、カーペットの上でまだ座ったままの爽子に呼びかけた。

「…おいで?」

289妖風 @309:2010/04/13(火) 18:54:27 ID:gkiFiuwM
3

生まれたままの姿になった二人は、ベッドの上で重なり合う。

「ぁっ…あ、だめ…っ」

くまなく愛撫を続ける風早。
爽子の全神経が、彼の手と舌の動きに研ぎ澄まされていく。

「ねえ、爽子…」
「んっ、…ぅん」
「俺のこと、すき?」

風早の舌が爽子の耳朶をなぞり、
その声が爽子の耳の奥から痺れをきかせて全身に響く。
そして風早の指が爽子の一番敏感な場所へと伝いはじめると
爽子はびくっと仰け反った。

「…っ!! すっ…き…」
「ちゃんと言って。聞こえないよ」
「す き… すきなの…!」
「……うん。」

風早は口角を上げ、指の動きを早めながら
爽子の艶かしい表情をじっと見つめる。

「俺もすきだよ。これからもずっと…」

風早は爽子の脚を開き、自身を埋める。
爽子は眉をしかめながら、すがりつくように風早に腕を絡めた。

二人は激しい妖艶な波に溺れるように
幸福の果てに堕ちていった ・・・――



「 爽子は一生俺のだからね。 」



君が望むなら
全てあげるよ
この愛が零れないように ――


* * * * *

以上です。お目汚しすみませんでした。
こんなのよりもっと素敵な妖風職人さんが誕生することを期待してます。
読んで下さった方、ありがとうございました!
290名無しさん@ピンキー:2010/04/13(火) 19:06:56 ID:ws5MXb6B
GJです!!!!
投下ありがとうございました!ごちそうさまです!

エロいよ妖風、エロいよ!!
291名無しさん@ピンキー:2010/04/13(火) 21:38:16 ID:ikJPt79M
すごいよかったです!
風早、これから君はどこにいくのか…?w
292名無しさん@ピンキー:2010/04/13(火) 22:48:28 ID:yFs113yT
なんかもう本誌の風早がすでにエロくて2828が止まらないところに
妖艶風早仕様な風爽GJでした!!

あーほんと今月の風早エロくてヤバイ〜
293名無しさん@ピンキー:2010/04/14(水) 10:09:10 ID:klWa/U/X
風×爽 本番無し
黒風→妖風のつもりです。
注意!
わらび餅を販売する車の描写があります。
そんなのないよって地域の方は、焼き芋のわらび餅版を想像してくださいw
5レスもらいます。
294desire:2010/04/14(水) 10:09:51 ID:klWa/U/X



「んっ、んむ、かっんんっ、ふ、あ!」

何度も何度も唇を貪る。
甘い。甘い。甘くて、溶けそう。

開いた隙間から、喘ぎとも抵抗ともとれる音が黒沼から漏れ出る。
それだけで、体の芯が熱くなって、もっともっとと執拗に口づける。

「風っんむっ、うぅっ、んっ」

何も、言わないで。
拒否の言葉なんて聞きたくないから。

胸元に当てられた黒沼の両手が熱い。いや、熱いのは俺だけかもしれない。
逃げないように、後頭部をしっかり掴んで、口の中を犯す。


ああ、どうしてこうなったんだっけ。
キスに集中する思考の片隅でぼんやりと考える。

ああもう、何もかもどうでもよくなるくらい、熱い――……



***


『わらびーもちー』

窓の外から、間延びした音声が飛び込んできた。
この時期になると、わらび餅やアイスを売りながら車が走るんだ。

「あ、わらび餅」

ふと黒沼が呟いて、俺は視線を彼女に向ける。

向かい合うようにテーブルについて、その上にはまるで色気のない教材の山。
夏休みの宿題一緒にしようよ、なんて誘ったはいいけど、思いの外つまらない。


295desire:2010/04/14(水) 10:10:39 ID:klWa/U/X



…………というか、真剣な彼女の表情に気を取られて、一向にシャーペンが進んでくれない。
正座をして、背筋を伸ばして、ノートやプリントにペンを走らせる黒沼を、ちらちらと盗み見てはため息をつく。

不埒な思いが頭から消えない。

彼女が呟いたのはそんなタイミングだった。

「……すきなの?わらび餅」
「すき、というか、嫌いではないんだけど、夏になると食べたくなる、かな?」

黒沼は、何気ない俺の質問に一所懸命に答えてくれる。
そういえば、と思い立って俺は提案することにした。

「ちょっと休憩する?スーパーの安売りで良かったら、わらび餅が冷蔵庫に入ってたと思うから」
「えっ?で、でもそれは、誰かが食べる用に買ってあったものなのでは……!」

あわてふためく黒沼に、思わず噴き出す。

「『誰か』じゃん、俺達。待ってて、取って来る!」


勉強会、なんて口実つけずに、俺ん家おいでよって言えば良かったかな。
勉強中って、なかなか気軽に話し掛けづらい。もっと沢山話したいのに。

そんなことを考えながら、パック入りのわらび餅を二つ手にして階段を昇る。
タンタンっと足音が軽いのは、きっと、食べている間なら会話が出来るだろうから。

「お待たせっ、あ、テーブル片してくれたんだ?ありがとー!」

拡げられていた宿題が片付けられていて、飲み物以外に何も乗らないテーブルにわらび餅を置いた。

296desire:2010/04/14(水) 10:11:22 ID:klWa/U/X



「ううん、でも、あの……本当に頂いてもいいのかなぁ」
「いいってば!はい、黒沼の分!」

冷たくて美味しいね、と言いながら笑い合う。
こういう時間ってすごくすきだ。

同じ空気を纏ってるみたいに思うのは、気のせいじゃない。きっと気のせいじゃない。


丁寧に両手を合わせて、黒沼は「ごちそうさまでした」と言った。
ちらりと黒沼を見遣ると、小さな口の端にきな粉が少しついていた。

「黒沼?きな粉、ついてるよ」
「えっ?」

ぽっと頬をピンクに染めて、黒沼はそっと口を拭う。

「あー、もうちょっと上」
「わーっ恥ずかしい……!こ、このあたり?」

なかなか付着したきな粉を拭えない黒沼を見て、淫らな思い付きをしてみたりする。
思ったら、もう実践せずにはいられなくなって。

「黒沼。恋人らしいこと、していい?」
「え……っ」

黒沼の答えを聞く前に、素早くにじり寄ってその腰を抱き寄せて、そう、俺の舌できな粉を舐めとった。

「…………っ、んっ」

そのまま軽く口づける。
柔らかい感触に頭がぼうっとなって、誘惑に勝てずに唇を重ねる。

抵抗するように、黒沼の両手が俺の胸元を軽く押した。


逃げないで。
俺から逃げないでよ。

完全にスイッチが入った俺は、黒沼の抵抗も何のその、半ば無理矢理に深いキスを始めたんだ。
297desire:2010/04/14(水) 10:12:06 ID:klWa/U/X



っつか、そろそろキツイ。
下半身はとっくに意志を持っていて、狭く閉じ込められながらその存在を主張して来る。

あーでも。
まだ、俺達そんな関係じゃない。
ない、のに。ああ、わかってるのに。止まらない。
止めなければ、と思って唇を離すほど、さっきより強く引き寄せられる。

黒沼が、いけないんだ。
だってこんなに甘いから。


左手が黒沼の後頭部を支えたまま、俺の右手は半分無意識に黒沼の首元をうろついた。
目当てのものにたどり着くと、そのままブラウスのボタンをぷつりと外す。

黒沼の両手に込められた力が少し強くなったけど、でも、だめ。
だって黒沼が悪いんだから。

「……っ、かぜはやくん!」

突然呼ばれた自分の名前に、はっと意識を取り戻す。

えーと。俺、何して――

「〜〜〜〜っ!?ごめっ、俺……っ!」

慌てて黒沼から離れると、彼女の顔は真っ赤に染まっていて、ああ、本当に可愛い――……って、そうじゃなくて!

「すみませんでした!」

床に額がつきそうな勢いで謝る俺。
『そんな関係』なんて、キスすら数えるほどだってのに、何やってんだ本当に。
自分の理性の弱さに愕然とする。

「かっ、かぜはやく、あの、頭、あげてください……」

黒沼の震える声を受けて、俺はそーっと顔をあげる。
視線が交わる。

298desire:2010/04/14(水) 10:12:47 ID:klWa/U/X



――ねぇ、どうしてそんなに色っぽい目をしてるの?
少し荒い息遣いに、ぷっくりと綺麗に色付く唇。

まるで、もっとしてほしい、って言われてるみたいに――

「きゅ、急にどうしたの……?」

戸惑った黒沼の瞳が揺れて、俺はまた我に返る。

『急に』か……
考えたことも、ないのかな。
その先に進むことなんて。
俺がそれを願ってることなんて……

「ごめん……びっくりしたよな」

触れてもいいって権利はあるんだと思う。
抱きしめて、キスをする権利だって、与えられてるんだって思う。
でも……

「ちょ……っと、だけ……」

黒沼は小さくそう言うと、顔を覆って赤面を隠した。


そうなんだ。
『触れてもいい』から触れたいんじゃない。
『触れてほしい』と思ってもらって触れたい。

黒沼が俺を欲しがってくれてから、先に進みたい。

俺の自分勝手なんかじゃなくて。
独りよがりとかじゃなくて。

「黒沼……」

手を伸ばして、彼女の長い黒髪を撫でる。
それを受け入れてくれる彼女を愛しく思う。

脆弱な理性なんて全く信じられないし、今回でそれも立証されてしまったわけだけど、俺、黒沼に無理をさせたいんじゃないんだ。


欲しがって。俺を。
箍が完全に外れてしまう前に。

早く、早く……早く。
俺のものになって。

狂おしいほどに黒沼を求める。
手に入るなら、何だって捧げる。

だから…………はやく――


おわり
299名無しさん@ピンキー:2010/04/14(水) 11:03:14 ID:rtrB8T3N
妖風キター!!ひゃっほーい妖風祭ヽ(´▽`)/
しかも黒風とのコラボwGJです!!いろっぺ〜。悶えました!
300名無しさん@ピンキー:2010/04/14(水) 11:41:04 ID:ZMBKN1qu
職人さまのつなぎで。

タイトルは前のお話の真似で英語ですみません。

風×爽
エロなし
(今外でその先が書けなかったです、すみません)

たぶん2レスほどお借りします

301名無しさん@ピンキー:2010/04/14(水) 11:44:39 ID:ZMBKN1qu

最近教室でよく不思議な感覚に陥る。

何かにまとわりつかれているような……-
何かに絡みつかれているような……-
何かに捕らわれているような……-

なんだろう?

と爽子は思う。

先生に呼ばれて、教卓の方へ行ったとき、
用事があって教室から出ようとするとき、
あやねちゃんやちづちゃんと話しているとき、

ふとした瞬間にそれは訪れる。

何?
なんだろう?


302名無しさん@ピンキー:2010/04/14(水) 11:57:31 ID:ZMBKN1qu
***


「黒沼、帰ろ!」
「うん」

いつものように風早君と学校から帰る放課後。
他愛もない会話。
最近はこの時間が本当に愛おしい。

ふと横を見る。

風早くんの無骨な手。
少し骨ばった腕。
見上げていくと
Yシャツをあけているから見える鎖骨。
そして、女の子とは違う喉元。

あ、なんだろう?自分の息が熱い、この感覚。

爽子は、いつの間にか会話がなくなっていることに気づく。

ふと上を見上げると、風早君の視線。

あ、これ。
この感覚。

教室で感じる

何かにまとわりつかれているような……-
何かに絡みつかれているような……-
何かに捕らわれているような……-

この感覚。
風早くんの視線……-
妖しいような、不思議な視線。

「黒沼……」

と名前を呼ぶが早いか風早の顔が爽子に近づく。
ふたりは自然と目を閉じ、そしてお互いを口付ける。

「黒沼が、俺を、あ、熱い視線で見るから……」

笑いながら少し大人びた顔で風早は言った。

303名無しさん@ピンキー:2010/04/14(水) 11:59:53 ID:ZMBKN1qu
***

「今日これから俺のうちに来る?」

「うん」

何かにまとわりつかれているような……-
何かに絡みつかれているような……-
何かに捕らわれているような……-

でも

どこか懐かしい
どこか嬉しい
どこか狂喜に満ちたような
その感覚に包まれながら
2人は手をつないで歩きだした。


おわり



駄文でお目汚し、失礼しました。
途中視点がわからなくなってしまいました、すみません!
携帯での思いつきだとやっぱりだめですね…
2レスと言いながら3レスになりました。

エロい職人さんの降臨を膝を抱えてお待ちしています!


304名無しさん@ピンキー:2010/04/14(水) 12:02:57 ID:ZMBKN1qu
すみません!タイトルがgazeです。
sageと間違えました。全裸で吊ってきますorz
305名無しさん@ピンキー:2010/04/14(水) 20:50:00 ID:M+YJrUnA
ちょwww
でもこの後を色々想像出来て、いい感じでした!

妖風はどれもこれもみんな、ドキドキが止まらない!
心臓がくるしいwww
みなさまGJです!
306名無しさん@ピンキー:2010/04/15(木) 01:32:05 ID:SohUEEKl
>>293
わらび餅の注意にワロタw
みんなGJです。かわいいなあ、もう。
307名無しさん@ピンキー:2010/04/15(木) 04:05:49 ID:9FkzyUmo
>>298
エロい

エロすぎるぜ
風早でなくてもハァハァしちゃうぜ

GJ


で。
この続きはいつ読めるんだい?

>>303
これはこれでエロス!
308名無しさん@ピンキー:2010/04/15(木) 23:46:15 ID:yz4ixZrj
原作に2828してこのスレ覗いたら祭りじゃあ!
妖風祭りだー!
もう(゚∀゚)=3ハァハァとまりません。職人方GJ!!
これで二ヶ月生きていけるよ・・・
309名無しさん@ピンキー:2010/04/20(火) 21:56:25 ID:q25x0dS2
妖風さんでもう一本。
マニアックプレイ注意。
5レスいただきます。
310求愛:2010/04/20(火) 21:57:05 ID:q25x0dS2


ぴちゃり。


まるで生き物のような舌が体を這い廻る度に、爽子はびくびくと体を揺らした。

「…………っ、ん……っ」

きゅっと一文字に締めた唇から、小さく音が漏れ、"舌"はその持ち主の唇をぺろりとなぞった。

「背中、感じるの?」

持ち主、風早翔太は、たった今自分の舌が這った後である、爽子の背筋をつっと撫でる。

「あっ違……あっ」

かあっと顔を朱に染めて、爽子が振り返りながら口を開くと、それを待って居たかのように、翔太は爽子の首筋をねぶった。
そのまま舌で耳の形をなぞり、その小さな穴に差し込むと、爽子の体はふるりと震える。

ぴちゃぴちゃという水音が脳にダイレクトに響き、爽子はこのまま身を委ねてしまうのがいいか、それともまだ恥じらいが勝る今、小さく抵抗を続けるべきか、と、かき集めた意志で思考した。


*****

「抱いてもいい?」

翔太がそう言ったのは、都合よく他に誰もいない風早家でのことだった。

既にその意味を知るところとした爽子は、顔を一気に赤く染めて、翔太を見上げたり目を反らしたり、口を開きかけたり、と、動揺を繰り返した後で、やがてこくりと頷いた。

翔太は軽い笑みを落とすと、正面から爽子を抱きしめる。
一束持ち上げた爽子の髪に口づけして、倒れ込むようにベッドへとダイブした。

「あっ、わ!お、重いよ!」

311求愛:2010/04/20(火) 21:57:48 ID:q25x0dS2



爽子を抱きしめたまま、翔太は背中から倒れ込み、翔太の体の上に爽子が乗る形になっていて、それを回避しようとする爽子の意志は叶うことなく、逆に翔太の手に力が込められた。

やっと体が離れたとき、視線を交わした爽子に電撃のような何かが走る。
これまでの体を重ねてきた中で、何度か目にしたことのある『男』の目が爽子に向けられていたからだ。

「あ……っ!」

爽子がさっと顔を横に向けようとすると、「そらさないで」と翔太から声がかかる。

「黒沼、俺が"恐い"?」

『こわい』のか。そう問われると実のところはわからない。
爽子とて、もうその先を知っている。むしろ、期待さえしている。

それでも、その目で見つめられるとどうしていいかわからなくなる。
『狩るもの』と『狩られるもの』。そんな言葉が爽子の頭でちらついた。

「……ね、黒沼」
「え……?」

「今日は、さ……俺の好きにさせてくれる?」

熱っぽい翔太の目が、爽子の頭の先から足の先までを往復して、爽子の目を捉えた。
どこからどうしようか、と品定めされているような気分になり、爽子はどくんと心臓を鳴らした。

「いい?黒沼……」

翔太の『好きに』されたら、自分はどうなってしまうだろうか。爽子は好奇心にも似た興奮を覚えて、けれどそんな自分が恥ずかしくて、それを隠すようにうろたえる。

「あっ……の、私……」

一度伏せた目をもう一度翔太へ向けると、依然としてその目が爽子を見ていた。

312求愛:2010/04/20(火) 21:58:30 ID:q25x0dS2



「……黒沼……お願い」

切なげで、それでいて色気が漂う翔太の雰囲気に飲み込まれて、爽子の口が思うより先に動いていた。

「…………い、いい……よ……」

言い終わるのと同時に、爽子の視界がぐるんと周り、目の前には、口角をあげた翔太とその後ろに天井があるだけだった。

「黒沼が"いい"って言ったんだからね……?」


*****

翔太に剥がれた爽子の服は、ベッドの下に散乱していたが、そんなことを気にする余裕すらない程に爽子は翻弄させられる。

「あ………っ、うぅんっ」

翔太の舌は、爽子の体を這い回り続けて、今なおそれは止んでいなかった。

「……ん、んっ……はぁ……っ」

ぞくぞくと、何かが爽子の中心を駆け上がるのに、翔太はポイントをわざと外して舐め回す。
何ともじれったいその愛撫に、爽子の腰が自然とよじれた。

肩から二の腕、ひじからそのまま指先まで。
おへそのまわりをぐるっとまわって、中心は避けて太ももへ。

内股をねぶられた時には、爽子はことさらに体を揺らした。

「は、あっ……あぁ」

翔太の舌がそのままひざへ降りると、爽子からは残念そうな吐息が漏れる。
今や自分でもわかるほどに、爽子は蜜を溢れさせていたのだ。

それに羞恥を感じる気持ちよりも、与えられる快感が爽子を支配していた。

「黒沼、気持ちいい……?」
「……ふっ、んん、きっ、きもち……っ」

爽子の足を持ち上げ、撫でながら翔太が問うと、必死で言葉を集めながら爽子は答える。

「気持ちいい……っ、けど……!」

313求愛:2010/04/20(火) 21:59:15 ID:q25x0dS2



『けど』
自分の口から出た言葉に爽子ははっとする。
けど、何だと言うのか。

「…………けど……?」

爽子が恐る恐る翔太を見上げると、翔太は何とも妖艶に爽子を見下ろしていた。

ごくん、と唾を飲み込んだ後、爽子は言葉が出なくなる。
しばらくして、翔太は爽子の足先に舌を這わせ始めた。

「…………っ、あぅっ、う……っ」
「『けど』…………何?」

「あっ、は、やぁっ、も……やっ」

じゅわ、と中心から泉が湧き出したのを感じて、爽子はそれを隠すように足を引くのだが、そこは翔太に掴まれたままびくともしない。
爽子の抵抗をものともせず、翔太は、一本、また一本と、爽子の足の指を口に含んでいく。

「や……あ……っ、そんなと、こっ、あぁんっ」

爽子の足首を掴む方とは逆の手が、爽子の太ももをさらりと撫で、爽子が隠したかったそこへと到達する。
これでもかと言うほど濡れそぼるそこへ、翔太は難無く指を差し込んだ。

「黒沼……ここ、すごいよ……」
「やっ……だ……!やぁっあっ、ふ、うぅん……っ」

爽子の顔は、羞恥により真っ赤に染まり、その瞳は今にも零れそうなほどの涙を宿す。

「……や、じゃない、でしょ?」

翔太が指を二本に増やすと、爽子の体はびくんと跳ねた。
今までわざと触れてもらえずにいたそこは、待望の刺激へ喜びの涙をどんどん流し、もはや無視できない本能からの望みを、爽子は震える声で紡ぐ。

314求愛:2010/04/20(火) 22:00:05 ID:q25x0dS2



「……欲しいの……っ」

目をギュッと閉じた爽子の前で翔太が目を見開いて、そしてふわりと笑った。

「やっと……」
「…………え……?」

「……ううん、いくよ」
「えっあっ、あああああっ!」

翔太の呟きを聞き直そうとする前に、爽子の中は求めていたそれでいっぱいになる。
焦らされ続けたためか、爽子は軽い絶頂に達してしまった。


求められたかった相手から求められる。
そんな祈りが通じて感極まったのか、翔太の動きは激しさを増し、爽子は何度も何度も絶頂を味わった。


『やっと、言ってくれた――』



おわり


315名無しさん@ピンキー:2010/04/20(火) 22:01:32 ID:q25x0dS2
おわりーです。
爽子から見た妖風が一番萌える気がする今日この頃。
316名無しさん@ピンキー:2010/04/20(火) 22:05:54 ID:u42CO1W1
乙!
317名無しさん@ピンキー:2010/04/21(水) 01:23:20 ID:X5ZWGXJo
はわぁああああああ!!!
妖風のエロねちっこくて…いい!!
318名無しさん@ピンキー:2010/04/22(木) 00:03:00 ID:FMGAneB9
風早と爽子
高校生の二人。
ようやくデートにもお互い馴れた頃、
とある日のデートの最中、家電量販店に寄った二人。
エロなし。
しょーもないネタなのでNGはタイトルで
1レスもらいます

「とにかく触りたがる風早」
319とにかく触りたがる風早:2010/04/22(木) 00:03:30 ID:FMGAneB9

「黒沼!あのテレビ、3Dテレビを体験出来るみたいだよ」
「3Dテレビ〜?」
ほら、観てみようよ、と彼はわたしの手を引いて3Dテレビが展示してある前まで移動した。
そのテレビの前には人の高さほどになる3Dメガネの代わりになるスコープのような台が設置してあった。
風早くんはすこし屈んでそれを覗き込むと歓声をあげる。
「黒沼!すごいよ、これ!本当に目の前にあるみたいで!」
「そ、そんなにすごいの!?」
「うん、黒沼も見てごらん」
彼はわたしの背後に回るとわたしの両肩に手を乗せて
ほら、早く、とそのスコープの台の前まで促してくれた。

わたしがその台の前に立つと、わたしの目線より高かった。
背伸びして覗こうとするのだけどやっぱりそのスコープには届かない。
「黒沼、届かない?」
「・・・うん」
「おれ、店員さんを呼んでくるよ」
「あ、いいよ!別に今、見ることできなくても大丈夫だから・・・」
と言った後、目線をすこし下げると台の下のとこに
『台の高さは調整できます』と書いてあった。
「あっ風早くん!だ、大丈夫だよ・・・!高さ、調整出来るって」
「ほんとに?」
と彼はその注意書きに見たあと、すこし間を置いてからわたしに振り向くとニコりとした。
「黒沼。もっと簡単に体験できる方法があるよ」
と言うと、後ろからわたしのお腹の辺りに手をまわして、
そのスコープの目線の高さにまでわたしを抱っこして持ち上げた。
「ええ!ちょちょっと、か、風早くん!あ、あの!」
「・・・ほら!黒沼、早く見て見て」
わたしを持ち上げてる彼の腕を疲れさせてしまうかもしれないから、とりあえず
うん、と言って覗こうとするのだけど、まわりの人たちの目が気になってしまう。
「どう?すごいでしょ?黒沼」
彼は抱っこしたままわたしのすぐ耳元で感想を聞くのだけど、
ごめんなさい、なんかうれし恥ずかしで、3Dテレビどころじゃないです。
 
                     おはりです
320名無しさん@ピンキー:2010/04/22(木) 03:16:17 ID:scCkJ0pM
>>315
最後に中だしされるとこまで書けよー
じゃないとナマゴロシだぜ


>>319
なにこのバカップル

もっとやれ
321名無しさん@ピンキー:2010/04/23(金) 08:56:34 ID:JbFVFa6t
>>310さんGJ!いい妖風でした!

>>319さん乙です!二人ともかわいい

>320自分で好きなだけ書けばいいじゃないか…
322名無しさん@ピンキー:2010/04/24(土) 20:59:38 ID:d2Q2oL7o
>>310
グッジョブでした!
妖風は絶対前戯がねちねち長いと思ってたw

>>319
爽子に触りたがりなワンコ風早カワユスカワユス〜w
323名無しさん@ピンキー:2010/05/04(火) 14:41:03 ID:nhhbXMdl
エロなしごめんなさい。風爽と龍ちづは付き合ってる設定です。
風龍のボーイズトーク。




いつものマルの散歩道。ランニング中の龍と会った。
今は土手で2人、腰を下ろして川を眺めてる。
マルが龍にじゃれて、龍もマルもスゲー嬉しそう。

久しぶりだな。こうして龍と話すの。

俺が黒沼と付き合いだしてからは、龍と2人になる機会も無かったし、
ここぞとばかりに互いの近況を報告し合ってたんだけど

「ええっ?!そっかぁ……そうだよな…」

ビックリした。
その…吉田と… 『 深い仲 』 になってたなんて…!

「お前らだってもう済ま…「まだだっ!!」

わっ!思わず全力で否定をっ!マルをあやしていた龍の手が止まる。

「え、なんで?」

「なんでって…」

「…シタくねぇーの?」

「シタいに決まってるっ!あっ!ぃゃ…」

さっ、叫んでしまったっ!!龍がビックリして、今まで見た事ないくらい目を見開いてる。
そりゃシタいよ!大好きな黒沼なんだ。そういうコトを考えない訳がないよ!

「ショータ訳わかんねー」

「うっ…」

自分の両膝を抱え込み、俯く。
俺、今きっと顔真っ赤だよぉぉ ゆ…夕方で良かったぁ〜

「俺なんか千鶴とそうなるまでに… ん〜(指折り)8回寸止めされたけど?」

「はっ、8か…!」

龍はマルを弄りながら、淡々と話す。
324名無しさん@ピンキー:2010/05/04(火) 14:41:35 ID:nhhbXMdl
「そんだけ拒まれて凹まない?」

「なんで? 俺はそういうので困る千鶴も可愛いから別に。それに最初に言ってあったしな。
『千鶴が好きだからシタい気持ちは止めらんない。嫌ならお前が止めろ』って。
 大体両思いなのに、何の遠慮があるんだ?」

龍… お前すごいよ。

「まぁ、俺とショータは違うから。付き合う経緯も。俺は千鶴と付き合えるようになって決めたから。
 もうこれからは隠さない抑えない。恋愛感情を表に出せる、それだけで嬉しいし幸せだ。」

そう言って穏やかに笑う。 ほんと…幸せそうだよ。
龍と吉田… きっと俺が思ってる以上に絆が深いんだろうな…

俺は…?俺と黒沼はどうなんだ?龍と吉田みたいな絆が俺たちには

「ショータは考えすぎじゃね?」

龍は立ち上がり、続ける。

「ショータが思ってるより、くろぬまはオトナだと思うけど。
 まぁ俺はお前じゃないし、くろぬまの事も知らないし、無責任言えないけどな。」

最近の俺は、黒沼に嫌われたくないばっか思ってて、自分の気持ちを抑えてた。
抑えるのに必死で、黒沼の気持ちをちゃんと理解してたかな…

「お似合いだよ。お前らは。」

俺ははっとして、龍を見上げる。

「じゃ帰るわ。千鶴がラーメン食いにくっから。」

「あ、うん。また。」

「じゃな。ペドロ!」

会った時と同じに、龍はランニングで帰っていった。
はぁ…。なんか急に…いや、いつもだけど…

『 黒沼に会いたい… 』

♪♪♪♪…♪♪♪♪… わっっ!電話!!くっ黒沼だ!!
325名無しさん@ピンキー:2010/05/06(木) 17:50:07 ID:t+MVtdS7
続きは?
なんか過疎ってるね
326名無しさん@ピンキー:2010/05/06(木) 20:15:03 ID:t7CIHzh8
規制かな?
自分もまだ続きあると思ってレス控えてた。
327323:2010/05/06(木) 23:41:16 ID:yNZYn+at
>>323からの続きです


「もしもし…黒沼?」

『か…風早くんですか?』

ちょっとおっかなびっくりな、かわいい声。素直に気持ちを伝えたくて…

「…びっくりした。今、すっげー黒沼に会いたい…って思ってたから。」

『えっ?!』

「あっ!まぁ、今も会えてないけどねっ!あははっ」

『う…嬉しい…。私も風早くんに会いたいと思ってた…』

無理だ。そんな事言われたら…

「……俺、我慢できない。」

『え?』

「今から会いに行くからっ!」

俺は立ち上がり、マルのリードを握り締める。

『あ…!でも今、家に居なくてっ!夕日がすごく綺麗だから、
 風早くんと一緒に見たいなぁ…と思って電話を…』

「夕日?…ほんとだ… 俺も黒沼と見たいよ…」

『あ……風早くんっ!』
「あ……風早くんっ!」

電話から聞こえる声と、直接耳に届く声が重なる。
呼ばれた方に振り向くと、10メートル程先に黒沼が立っていた。
328323:2010/05/06(木) 23:42:07 ID:yNZYn+at
「黒沼っ!」

思わず走り出す。黒沼も俺の方に駆け寄ってくれて…

「風早くん…やっぱりここだった…」

黒沼がふわっと顔を綻ばせる。俺の大好きな笑顔。
なのに最近は笑顔を貰うたびに、下心が疼いて苦しい。
抱きしめたい…抱きしめたい!止まらないんだ…

「ゎ……」

驚く黒沼の小さな声。
俺は黒沼の頭と腰をグッと引き寄せ、自分の腕の中に閉じ込める。

「ごめん…急に…」

抱きしめながら、謝る。黒沼は無言で頭を小さく左右に振った。
黒沼の頭を胸に抱いてるから、表情は見えないけど…。
良かった… 嫌ではないみたいだ。

もっと黒沼を感じたくて、抱きしめる腕に力を入れた。
だらんと下ろされていた黒沼の両腕が、ゆっくり動いて俺の腰へと回される。
え?!く…黒沼?俺と黒沼の密着度が上がる。黒沼の身体は柔らかくて、いい匂いがして。
お…俺のムネと、黒沼のムネがっ…!下半身もこんなに… ややややばいっ!気持ちい…

「きもち…ぃぃ…」

えっ?!黒沼…今なんて?
そして腰に回された黒沼の腕にも、ぎゅっと力が入ったのを感じた。
今…どんな顔してる?黒沼の顔が…見たいよ…

「俺も…すごく…気持ちいい」

そっと耳元に囁くと、俺の心が読めるみたいに顔を上げてくれた。
うっわぁ…色っぽい…!そんな目で見上げられたら俺…
329323:2010/05/06(木) 23:42:56 ID:yNZYn+at
「こうやって抱きしめてくれるのが……
 風早くんの気持ちが…伝わってくるみたいで…す…すき…です」

そう言って、また俺の胸に顔を埋める。かわいいっ…!
ああああ!もうっ…!今ここでどうにかしちゃいそーになるじゃん!!
顔が熱い…身体も熱いよ!もう、抑えられそうにない。

「風早くん…いつもその…私に…ふ…触れる時…謝るから…
 だからちゃんと伝えなきゃ…って思って…」

いつも君は俺の気持ちに敏感で、先回りして気付いてくれる。
黒沼に触れたいと思う度に感じていた自己嫌悪が消えていく…
俺…もっと素直に黒沼を求めても…いい?

「…ありがとう。でも……ほんとはこんなんじゃ足りない」

黒沼の肩がちょっと揺れた。俺、調子に乗りすぎた?
でも抱き締める力を緩めず、黒沼の耳元に…

「今ね…すごくキスしたい」

掠れた甘い声色になって、何だか恥ずかしい…余裕なんて無い。
黒沼の頬に手を掛けて、そっと上を向かせる。すごく…綺麗だ…。
瞳は少し潤んでいて、夕焼けに照らされて透明に輝いてた。
ゆっくりと顔を近づけると、黒沼は目を閉じてくれて、受け入れてくれると感じる。
黒沼の…きゅっと閉じられた、ふっくらした小さな唇を……こじあけたい…!
俺は目を閉じ、黒沼の唇に触れる時が近づ…

「きゃぁ…!!」
ワンワンワン!ワンワンワン!ワンワンワン!ワンワンワン!

エエエっ?!目を開けると、目の前にあったハズの黒沼の唇は無く、

「こおらぁ!!マルっ!!!ダメダメダメっ!!」

「まままま待って!マルちゃんっ…!」

黒沼がマルに襲われ(?)てる!黒沼が持っていた「マルのおやつ」に気付いてじゃれ付いて!
…マルを連れてるの、すっかり忘れてた…

マルは俺と黒沼の 『 恋のキューピット 』 だったハズなのにーーーーーーーーーーーっ!!!



おわりです。失礼しました。
エロありも、書けるもんなら書きたいです〜
330名無しさん@ピンキー:2010/05/07(金) 00:29:12 ID:E85qUyfJ
か、かわいい!
GJ!
331名無しさん@ピンキー:2010/05/07(金) 02:22:11 ID:OA/pGpvX
黒沼が可愛いなあ
可愛いなあ

頑張ってエロも書いてくれ!待ってるから!
332名無しさん@ピンキー:2010/05/07(金) 03:35:22 ID:olgnl0Po
待っててよかったGJ!
かわいいなあもう
333名無しさん@ピンキー:2010/05/07(金) 15:43:14 ID:KiVCunH/
後半のキュンキュン盛り上がり具合ハンパねえ!w
GJ!ごちそうさまでした!!
334名無しさん@ピンキー:2010/05/08(土) 00:15:07 ID:AhoAfsG0
かわええ〜!GJです!

妖風ブームにのって、一本。
エロなしですが、ちゅーはあり。
335【○○男子】:2010/05/08(土) 00:16:17 ID:AhoAfsG0
(…あれ?)

いつもと変わらない休み時間。

何気なく見た方向には、やっぱり彼がいて。
男子の群れの中心で楽しそうに笑うその顔は、やっぱり輝いて。

(気のせい、かな?)

いつもと変わらない眩しい笑顔なのに、一瞬感じた違和感。
すぐに周囲の男子学生で隠れてしまった。
目を擦って開ければ、彼の姿が見えて、

やっぱりいつもと同じで。



「さ〜わこっ」
「…へっ!?」

突然呼ばれた名前に、ひっくり返った声で返事をする。
爽子が姿勢を正せば、そこには爽子を観察したであろう、あやねと千鶴がいた。

「ご、ごめんなさい!私ったら話の途中に…!」
「いーの、いーの。いつものちづのラーメン語りだし」
「やのちんヒドイ!」

あわあわとする爽子に、あやねは手をヒラヒラとさせながら口元を緩ませる。
「無意識に彼氏を見ちゃうなんて…イイんじゃな〜い?」とからかうような口調に、
騒いでいた千鶴もノッてくる。

「まったく、あたしの熱〜いラーメン語りよりも彼氏に目が行くなんて」
「いや、ラーメンはいいから」
「か、彼氏…!!」

『彼氏』という言葉に顔を赤く染める爽子に、
「いや、そろそろ慣れろよ」とあやねは冷静に突っ込む。
しかし爽子にはその突っ込みは届いていないようで、顔の熱を冷まそうと両手を頬に添える。
その熱が照れによるものだけじゃないことを爽子が一番よく知っていた。

(…やっぱりさっきのは見間違いだったのかな?)

そんなことを考えながら、意識を会話へと集中させていった。
336【○○男子】:2010/05/08(土) 00:18:30 ID:AhoAfsG0
* * *

夕日が教室に差し込んでくる時間になると、生徒もまばらになってきた。
しかし、爽子がこの時間まで残っていることは珍しいことではなく、
今日も職員室にクラス全員分のノートを届けてきたところだった。

役目を終えて満足げな爽子が教室に入れば、そこには風早の姿があった。
以前なら用事がなければ学校に残っていなかった風早だが、
ここしばらくはこの時間になっても残っていることが多くなってきた。

「黒沼!」

もちろん、爽子を待っているのだ。
手伝える時には(爽子は遠慮してしまうが)、手伝うことも多い。
その優しさに小さな感動を覚えながら、「風早くん!」と駆け寄る。

「用事、早かったんだね」
「ピンに雑用押しつけられていただけだしね」

そう言って笑う彼につられて、思わず笑みがこぼれる。
ふと、爽子の視界に見慣れないものが入る。
その視線に気づいたのか、風早はそれを手に取り、何気なく耳に掛ける。

「これ?ジョーの忘れもん」

なんかモテたいからって買ったんだってさ。
伊達なんだけどね、と笑う風早の声は爽子の耳には入ってこない。


(め、メガネだぁ〜!)


あの時感じた違和感とは、『コレ』である。
視力が良いらしい風早は―当たり前だがメガネをかけない。
しかし、今日は口癖のように「モテたい」を連呼するジョーが、
読んだ雑誌の影響で買った伊達メガネを学校に持ってきていたらしく。

休み時間にみんなでまわして掛けていたということだった。


メガネは至ってシンプルな、フレームが少し太めの黒縁メガネ。
シンプルなそのデザインが風早によく似合っていた。
それでもメガネを掛けると、どこか違った、落ち着いた雰囲気を演出している。

頬を紅潮させ、目をキラキラとさせたまま爽子は
うんうん、と強く頷く。

「す、すっごく似合っているよ…!」

その褒め言葉もだが、それ以上にその表情、仕草が可愛くて、
風早はかぁぁっと頬を赤く染める。
それが何だか気恥ずかしくて、「そういえば!」と無理やり話題を変える。
337【○○男子】:2010/05/08(土) 00:19:34 ID:AhoAfsG0
「俺、今日の日誌当番だから…コレ、書くまでちょっと待っててもらっていい!?」
「あ、うん!大丈夫だよ…っ」

ガタガタと音を立てて椅子に座り日誌を開くと、立ったままの爽子が視界に入る。
隣の席に座るよう促すと、
「し、失礼します…」とまるで面接かのように座る姿がどこかおかしくて、
風早は少し落ち着きを取り戻す。

(あ、メガネ)

取ろうかとも思ったが、早く一緒に帰りたいという気持ちが勝って、そのままにする。
(5分もかからないし、いいよな)と、風早は意識を日誌へ集中させた。


サラサラと流れるようにペンを動かし…ということは出来るわけがなく。
時々途中でペンを止め、文章を考える。

思った以上に難航しているであろう風早は眉間にしわを寄せ、考える。
爽子はというと、特にすることもなく、その様子をじっと観察していた。

(…手、おっきいなぁ)

文字を書いたり、顎を乗せたり、頭を掻いたり…
色々な動きをするその手はやっぱり女子の手とは違う、「男の」手だ。

ふと、その手がメガネのフレームに触れる。
やはり普段掛けていないせいか、慣れないのだろう。
目線は日誌に落としたまま、軽くメガネを掛け直す。

たったそれだけの仕草が。

(な、なんか…色っぽい…っ)

男の人にこんなことを思うのは失礼だろうか、と思いながらも
心臓はドキドキしっぱなしだ。

「…黒沼?」
「は、はぃ!?」

本日二度目のひっくり返った声で返事をすると、風早は不思議そうに顔を覗き込んでいる。
普段と変わらない仕草のはずなのに、今日はそれにさえもドキドキしてしまう。
かぁ〜っと頬を染める爽子に、風早はふっと笑みを浮かべる。

「…黒沼」
「は、い…」


「キス、しよ」

338【○○男子】:2010/05/08(土) 00:20:02 ID:AhoAfsG0
* * *

体中の熱が上昇したかと思うほど、顔が熱い。
普段だったら声を上げて驚くところだが、今日は声すらも出ない。
仕草も、表情も、声も、いつものあどけない雰囲気はどこにもない。

落ち着いた、大人っぽい、『男』の雰囲気だ。

「あ、の…え、その…」
「キス、しよ?」

それでも戸惑っている爽子にお構いなしに、風早は席を立ち、右手を隣の机に乗せる。
華奢な体を引き寄せると、ビクッと小さく体が震えたが、
それが拒絶でないことを風早は知っていた。


ゆっくりと座ったままの爽子の上に覆いかぶさり、距離を縮めていく。

相手の吐息が分かるくらいの距離になって、ようやくぎゅっと爽子が目を瞑る。
目を瞑ったのが合図であるかのように、そっと唇を合わせる。

湿った柔らかい感触を、ゆっくりと味わう、触れるだけのキス。

それだけなのに、時間を長く感じた。

それは爽子も同じで、ゆっくりと唇を離すと「…は」と小さく息をつく。
潤んだ瞳に映る姿はまるで別人だ。


「…爽子」


囁くように大切なその名前を呼ぶと、名前の主は頬を染めたまま、目を大きく見開く。
しかし、それ以上に

「〜〜〜っ!」

風早が耐えきれなかったのか、手で顔を隠しながら勢いよくそっぽを向く。
耳まで赤くなった姿に、「え、え!?」と爽子は困惑する。
風早は顔をそむけたまま、「あ"ー」っと声を上げる。

「…やっぱ、無理。恥ずかしすぎる…」

何が無理なのかは爽子には分からなかったが、
照れたその横顔が、さっきとはあまりにも違いすぎて。
思わず、くすりと笑みが零れる。

風早はやはり顔を背けたまま、目線だけを爽子に「笑うなよ〜…」と情けない声で抗議する。
そして、少し拗ねた雰囲気で呟いた。


「…今度覚悟しておいてよ」

「へ?」

339名無しさん@ピンキー:2010/05/08(土) 00:23:14 ID:AhoAfsG0
以上です。
公式携帯サイトで見た眼鏡男子な風早から。
エロい妖風がもっと見たいです(・∀・)
340名無しさん@ピンキー:2010/05/08(土) 00:29:39 ID:3sUbLWec
うおおお〜〜!!GJです!
メガネ風早萌えるわ〜w
こっちまでドキドキしてしまったwありがとう!
341名無しさん@ピンキー:2010/05/09(日) 12:11:05 ID:vQV7W7RU
Jです!攻めなメガネ風早イイです!

323です。風爽。キスハグは数回有りで、エチは未だの設定。
なんとか頑張って初エチまで書きたいです〜
一度にうp出来ないかもなので、どんどん割り込んでください。すみません。




『もっと触って欲しい』だなんて。私の下心は、すごくエッチで…
風早くんの下心は…私と同じですか?


今日は金曜日。学校が終わってから、風早くんのお家で勉強会です。
風早くんの弟の透太くんは、風早くんのお父さんが指導している少年野球チームに入っていて、
他県で開催される大会に参加する為に、今週末はご両親と共にお家を空けるそうで。
私たちがお家に着いた時が丁度お出掛けの時だったから、お見送りできて嬉しかった。

♪♪♪♪…♪♪♪♪…
二人っきりになって30分程経った頃、風早くんの携帯が鳴る。

「あれ…?トータからだ。……もしもし、どーした?」
風早くんがみるみる困った顔になって。分かったよ、と言って電話を切った。

「黒沼ごめん!トータが忘れ物したって。持ってかなきゃ。」
「うん、行ってあげて。」
「駅までチャリ飛ばしてくるから待ってて!」
「…気を付けてね!」

風早くんは何度も謝って、すぐ戻るからとお家を飛び出していった。


「う〜〜〜ん…っと」

両腕を上げて伸びをする。
試験が近いし、昨日も遅くまで勉強しちゃったから、ちょっと頭が疲れちゃったな…
すぐ後ろには風早くんのベッド。座ったまま身体をベッドに向け、ふかふかの枕を自分の前に引き寄せる。
枕の両端を握り、悪戯にぱふっと顔を埋めて。
石鹸の香りと、お日様の匂い。それから、『風早くんの匂い…』

「うふふっ…」

何やってるの?私。でもとても心地いい…。風早くんが…戻って…くる…ま……で……―――――



―――――私の髪を梳いている手の感覚…何度も何度もゆっくりと…

……かぜはや…くん……?

優しく梳く感覚が、とても気持ちよくて…寝てる振りをする…

「さわ…こ」

風早くんの声。髪を梳いていた彼の手が、私の頬を撫でる。
指先が唇を掠めたかと思うと、首筋を撫で辿り鎖骨をそっとなぞって…。
服の上から胸を包まれる。風早くんの手の熱が胸に広がる。なぞるようにゆっくり動いて…。
敏感な部分を擦られると、自然に身体がぴくんと反応してしまう。
342名無しさん@ピンキー:2010/05/09(日) 12:15:31 ID:vQV7W7RU
レスの G が抜けたorz 改めて「GJ」ですっ!
では続きをどぞ。

私の意識は完全に覚醒した。胸を辿る風早くんの手首を掴む。

「黒沼っ!?ごごごごめんっ…!」

目を開けると横には、真っ赤な顔で両肩を上げ硬直する彼がいた。
その口は半開きで少し震え、眉をよせ潤んだ瞳は泣きそうに見えて。
風早くん…?どうしてそんな顔するの?
彼は手を引っ込めようとするが、手首は掴んだまま。

「謝らないで……私、解ってるから……
 男の人と二人っきりになれば、こういうこともある…って。」

彼のとまどいに揺れる瞳を見詰めながら続ける。

「嫌だったら…こんなこと許したりしない…よ…?
 風早くんの下心は……私の下心と同じ…ってことでしょ?」

彼は目を伏せ肩を落とし、どこか自虐的にみえる表情で、ぷぃと顔を横に背ける。

「…絶対違うと思う。俺のは…もっと黒くて自己中で。黒沼には想像できないよ。」

拗ねてるみたいな声。そんなこと言わないで……!私だって風早くんと同じだもの。
掴んだままの手首を引き寄せ、彼の手を自分の胸に強く押し付ける。
風早くん、驚いた…?すっごくビックリした顔してる…。
ホントの私は、こんなことも出来ちゃうんだよ……?

「……じゃあ、教えて?」

「え…?」

「教えてください。風早くんの下心…」
343名無しさん@ピンキー:2010/05/09(日) 12:15:57 ID:vQV7W7RU
座った私の肩を掴んで、強引に引き寄せられる。そして目を閉じる間も無く、噛み付くようなキス。
目が合って、慌てて瞼を閉じる。なんだか風早くんの目が…ギラついてて知らない人みたいで…
自分で押し付けたはずの彼の手は、今は彼の意思で胸を鷲掴んでいる。少し痛いけれど、それも嬉しくて。
私の唇全部が風早くんの唇に包まれ、吸われる。いつものキスじゃない。これが大人のキス…?

「ちゅぱ……ちゅ…ぱちゅ…ぱ…ちゅちゅ…ぷ……ちゅ…ぱ…」

吸われる度、耳に届くキスの音。なんだかとても…エッチな気分になるのは何故…かな?
掴まれた胸は、円を描くように撫で動かされ、ぎゅっと握られる。
胸の頂きを指でカリカリと掻くように刺激されると、私の身体は勝手に跳ねて、痺れるような感覚が走り抜ける。
その感覚に耐えられなくて、顔を上に仰け反らせてしまう。

「ン!!あんっ…!」

キスを逃れた唇からは、自分じゃないみたいな恥ずかしい声が漏れてしまって。思わす両手で口元を塞ぐ。
解らないよぉぉ…初めての感覚。私…あんな声出して…!風早くんに軽蔑されたくないよ…。

「…胸の…ココ。……感じるの?」

目の前に嬉しそうな彼の顔があって、熱っぽい目で見詰められながら、さっきの刺激が与えられる。
んんんっ…ああ……また…っ!恥ずかしいよぉ… だめだめ!声は出しちゃダメ…!
自分の身体が支えられなくなって、風早くんの肩に頭を預ける。

「ほんとうの私を…嫌わないで……」

「く…黒沼を嫌うなんて絶対ないよっ!絶対ない…から…」



「……本当の俺も…嫌わないで……?」




昼からごめんなさいw とりあえずココまでです〜
344名無しさん@ピンキー:2010/05/10(月) 01:55:17 ID:U91d0TeJ
続くんだよな?
345名無しさん@ピンキー:2010/05/10(月) 03:10:54 ID:KsQyu4Kl
>>343
イイヨイイヨー!GJです!!
続きできたらまたお願いします。
楽しみに待ってます!
346重ねる下心:2010/05/11(火) 19:52:10 ID:TXxv9XQQ
>>343 続きです。


『ほんとうの私を…嫌わないで……』

それはこっちのセリフだよ。…………決めた。俺、もう何も隠さない。
立ち上がり、夕日が射す窓辺へ歩む。

ガラガラガラッ―――――カチッ! シャ―…ッ

窓を閉め、カーテンを引いて。意を決して振り返り、彼女の前へ。

「こっちへ…」

彼女の腕を掴んで立たせると、そのままベッドへと促す。
手にわずかな抵抗を感じて振り向くと、俯いて不安げな彼女の姿。

「あのっ…上着を……脱ぐ…のでっ…」

「…あっ!そ、そうだね、俺も…」

背中を向けて、制服のジャケットを脱ぎ合う。ど、どうしよう…すっげードキドキしてきたっ…
でも大丈夫だ。俺たちの思いは、同じだから……

「黒沼……ベッドにおいで……?」

そっと彼女の手を取って、優しく言った…つもり。
黒沼はこくんと頷き、俯いたまま、膝を付きおずおずと上がってくる。
彼女の身体を支えながら、一緒にゆっくりと腰を下ろす。
ベッドの上に、黒沼とふたり… これからセックスをしようとしている。

「……キンチョーすんねっ」

「う…うんっ…」

「………」

「……………」

「……風早くん」

「なに?」

「さっきね……私の頭を、ずっと撫でてくれてたよね…?」

膝の上でスカートを弄りながら、恥ずかしそうに言う。

「あーー…!……うん…」

やっぱりあの時から起きてたんだ。髪だけじゃない、胸も。
我ながら何て事をしたんだと思う。


347重ねる下心:2010/05/11(火) 19:52:40 ID:TXxv9XQQ
無防備な寝顔が可愛くて… 気がついたら触れていた。

「黒沼の髪が…すごくキレイだな〜って…」

「え…そうか…な?」

「うん、大好き。それに……」

逃げないように抱き締めて、項にかかるサラサラの髪に顔を埋める。

「………いい匂いがする。」

わざと鼻を鳴らして嗅ぐ。鼻先で耳を探りあて、ふっ、と息をかけると

「あん!っ…か…風早くんっ…」

戸惑って身を揺らす彼女がかわいい。調子に乗って、愛撫をエスカレートさせる。
耳たぶを舐り甘噛みして、舌先で輪郭をなぞり、耳穴にチロチロと突っ込む。
黒沼の身体が跳ねるのを押さえ込んで。

「…ア…うん…ッ…やあっ…ん…ま…待って!か…風…早クンっ…!」

「待たない。」

耳から項、喉元から顎へとでたらめに舐め上げ、甘い息を漏らす愛しい唇を塞いで。
キスしながら彼女に被さり、ゆっくり体重をかけ押し倒す。

「……大好きだよ、爽子…」

黒沼を好きになるまで、自分がこんなにスケベだったなんて知らなかった。
一人の女の子をこんなにも欲して胸を焦がして…。こうすることを夢見てた。

「もう、じゃれるのは終わり。―――――しよう」

潤んだ瞳は揺らいでいたけど……俺に答えるかのように、微笑んでくれる。

「―――――して。………翔太くん…」

その一言で、俺の理性は簡単に崩れた。



つづく
348名無しさん@ピンキー:2010/05/12(水) 09:41:17 ID:BJwC6KhJ
できればまとめてあげてほしい
誘い受けなの?
349名無しさん@ピンキー:2010/05/12(水) 14:58:32 ID:Oipg9HWk
というか、エロのセンスがない
350名無しさん@ピンキー:2010/05/12(水) 17:27:24 ID:BJwC6KhJ
いや別に、センスうんぬんは書き慣れることでついていくもんかもしれないし、いいけど。
一気にうpれない理由もわからんし、全部書いてからあげるのが基本と思う。
351名無しさん@ピンキー:2010/05/12(水) 18:58:39 ID:8N8hE6JY
まあまあいいじゃない
最近昔に比べると過疎り気味だし、作品うpしてくれるだけでも嬉しい

イマイチ好きになれない作品はスルーすればよろし
あんまり非難して他の人も作品うpしづらくなるのは避けたい
まあできれば全部完成させてからうpしてほしいってのはあるけど
「くる爽」の人みたく、一話のボリュームがありすぎて連載という形にする、
ってのはアリかもだけど
352名無しさん@ピンキー:2010/05/12(水) 19:02:12 ID:ilS9TE5y
完結さえしてくれれば自分のペースで投下してくれていいとおもう
353名無しさん@ピンキー:2010/05/12(水) 22:59:38 ID:f+9fnbEq
自分は完結しなくても
二人でこんなエロが、こんなネタが思いついたーって感じでどんどん投稿してほしい
最近ここ過疎りすぎで・・・
354名無しさん@ピンキー:2010/05/13(木) 03:51:03 ID:8mn9bsVM
繋ぎにでもなればと、短めのを。初投下です。

風×爽
最初からやってますが挿入はありません。
初体験から数回経った頃のエチ位をイメージ。

355風爽:2010/05/13(木) 03:53:55 ID:8mn9bsVM
耐えて耐えて、それでも抑えきれなかったように細く高い声が部屋に響く。
「我慢しないでいいよ」
慌てて口元に当てた白い手を上から取って、翔太は爽子に微笑みかけた。

初めての時、緊張からか石のように冷たく固まった体と同じものとは思えない程に
今ではひとつひとつの動作に敏感に反応を示す。
自信なんて無い、だけど目の前の彼女を悦ばせているのは確実に自分なのだと翔太は思う。
火照る肌も滲む汗も、舌に触れる全てが砂糖のように甘くとろけそうになる。

足をなぞり、付け根を何度か往復する。
奥に潜むソコは既に溢れそうになっていて、いとも簡単に指を迎え入れた。
一気に壊してしまいたい衝動を押さえ込んで、そっと、ひとつずつ差し込む。
「っあ…!」
秘部に入り込んだ異物の感覚に爽子は短く声を上げた。
翔太はなだめるように彼女の頬に音を立て口付ける。

ぎゅっと閉じた瞼の奥を見る事は叶わないが、その代わりとばかりに全身は応えてくれる。
生き物のように中をかき回せば、くちゅくちゅと水音がなる。
幾度の重なり合いで知る事の出来た部分をこすると、爽子は一際大きく跳ねた。

「あ、か、風早、くん…」

乱れる体に対し、爽子の態度はいつだって清らかだった。
むやみに声を上げる事もなく、名前ひとつ呼ぶだけでも初々しさを感じさせるのだ。
情事には似付かぬ可愛らしさ、それは翔太を更に高ぶらせる。

高ぶりを吐き出すように、翔太は爽子の赤い唇に強く口付けた。
濡れた唇が開いて、熱い舌が絡み合う。
「んっ、むぅ…かぜはやく…っ」
「くろぬま…っ」
何度も唇を重ねては、その合間に互いを呼ぶのは無意識だ。
ぎゅっと抱き合う肌と肌が心地よく、本当にひとつになってしまいそうな気さえする。


頭の隅で、まるで獣のようだと自嘲しながらも、止める事は出来なかった。
この先に待つ更なる快感を、幸せを、もう覚えてしまったのだから。
356名無しさん@ピンキー:2010/05/13(木) 03:56:11 ID:8mn9bsVM
以上です。
投下して改めて短さに驚きましたがw
暇つぶしにでもなれば幸いです
失礼しました〜
357名無しさん@ピンキー:2010/05/13(木) 04:35:39 ID:b/LhX0R2
すごくよかったーー!
情景が浮かんで、どきどきしました!
358名無しさん@ピンキー:2010/05/13(木) 04:48:59 ID:0AVgaKjY
風爽はいちいちドキドキキュンキュンしちゃうぜ

ふたりともかわいいなあ
359名無しさん@ピンキー:2010/05/13(木) 09:31:54 ID:Mr+54C2V
す…っごい!GJです!
情景がありありと浮かんでくるよー!
何て言うか、エロ綺麗!
360名無しさん@ピンキー:2010/05/13(木) 12:18:36 ID:zxc8CuUr
>>355
> 乱れる体に対し、爽子の態度はいつだって清らかだった。

いかにも爽子で萌えた。
そして文章表現もうますぎて鼻血出そうだった。
GJすぐる!!
361名無しさん@ピンキー:2010/05/14(金) 20:01:49 ID:qmLMxil0
爽やかな人のバースデーにフライング。
酔っ払い爽子さん。
エロ描写は少なめだと思います。補完で楽しんでいただけたら幸いです。
5レス借ります。
362酔い心地:2010/05/14(金) 20:02:30 ID:qmLMxil0



「しょーたくぅん、だっこ」


とろん、と半分しか開かない目で翔太を見上げるのは……垂れ下がりそうな両手を『だっこ』のために持ち上げる爽子だ。


「ちょっ、誰!?爽子に酒飲ましたの!」

翔太は慌てて、その犯人がいそうな方向へ目をやった。
……罰が悪そうに目を反らしたのは、矢野あやね。

「矢ー野ーっ!」
「だ、だって、薄いカクテルちょっとで、そんなにまわるとは思わなくて!」

あやねの弁解通り、爽子はコップにたった3分の一ほどの薄いカクテルを口にしただけだ。
ほとんどジュースでリキュールを少し、あやねがこれなら爽子も飲めるんじゃないか、と作ったそれを、こくっと一口飲んだ爽子は「美味しい」と言った。
三口目を口に運んだ後、爽子は「なんだかぽかぽかするね」と言い出したので、あやねは爽子からカクテルを取り上げたのだが、時既に遅し。

「爽子は酒めちゃくちゃ弱いって言っただろ!?」


***

今日は翔太の21回目の誕生日。
なかなか集まる機会の取れなかった面々がやっと予定が合い、翔太の反対を押し切ってパーティーを催すことになった。

パーティー、とは言え、ただ食材や飲み物を持ち寄って騒ぐだけ。
場所も、一人暮らしの翔太の家が使われると勝手に決まり、宴もたけなわ、さてこれから後片付けでもしようか、とそんな時に起こった出来事だった。

「しょーたくぅん……」

普段ほとんど耳にすることのない甘えた爽子の声に、居心地の悪くなった面々は「あとよろしく!」と、そそくさと帰って行ってしまった。
363酔い心地:2010/05/14(金) 20:03:05 ID:qmLMxil0
もともと、夜通し騒ごうぜ、という提案が出ていたために、爽子を家に送り届けることはしなくていい。
いいのだが。


「さ、爽子」
「んん……だっこ、して?」

いつまで経っても『だっこ』してもらえずに、爽子は拗ねたように頬を少し膨らませた。

誕生日に、ふたりきり。

それは翔太が望んでいたことだったし、あわよくば、なんて考えがなかったわけでもない。


それでも、アルコールによってぼんやりする爽子をどうにかしてしまうのは翔太のポリシーに反する、というか、あくどい気がしてしまう。

けれど目の前の爽子は、翔太のなけなしの理性を崩してしまうくらいに色香を放っていて、翔太は慌てて目を反らした。

「さ、爽子……みず、水飲んだ方がいいんじゃない?」
「……おみず?」

『だっこ』どころか、触れてしまえば自分を抑えられない気さえして、翔太はコップに水を注いで爽子に手渡した。
その行動が自分の首を絞めることになるとは思わずに。

「のど、かわいてたの……ありがとう……!」

ふわり、と笑った爽子は、いつものように翔太の胸をときめかせて赤面させる。
こくこくと水を飲み下す爽子だが、口に入り切らないほどにコップを傾けたのか、口の端から喉に向かって、つつっと一筋の水が流れた。

ごくり。
翔太の喉が鳴る。

何でもないはずのことが、やけに色っぽく思えるのだ。
ことんとコップをテーブルに置き、爽子は潤んだ瞳で翔太を見上げる。濡れた唇がそっと開き、魔法の呪文を唱えた。

「しょーたくん、だっこ」


364酔い心地:2010/05/14(金) 20:03:53 ID:qmLMxil0



実は爽子は前にもお酒に酔ったことがあり、それは爽子の二十回目の誕生日でだった。
その時にも、この『甘えた爽子』が登場したのだが、それが黒沼家での席だったために事なきを得た。

ストッパーである彼女の父親がいない時であったなら、と翔太は思い描き、爽子には酒を飲ますまい、と決めたのだ。
ところが今、ストッパーどころか二人きりなのだから、翔太の激しい動揺は行き場をなくしていた。

「さっ爽子、ちょっと、その、落ち着こう?」

およそ半年前、爽子はどうなったんだったっけ、翔太は混乱する頭でぐるぐると考えてみるのだが、思い出すより先に爽子が動いた。

「……だっこ、して」

ふわりと翔太の首に爽子の腕が巻き付いて、ちょうど喉仏に熱い吐息がかかる。

気付けば、翔太は何かに耐えるかの如くこぶしをぎゅっと握り締めていた。
甘い香りが鼻腔を刺激するし、ぴったりと張り付いて来る爽子はやわらかくて温かい。
自分は今、何を耐えているんだろう、とくらくらする頭を思考だけが巡って、我慢なんてする必要はないんじゃないかという考えに至った。

「…………だっこしてくれないの?」

そこへ来て、爽子が悲しそうに言葉を漏らしたのだから、翔太のこぶしはついに開いて、自分に絡み付く可愛い生き物を、これでもかというほどに強く抱きしめた。


だめだ。
どうしてだよ、こんなに爽子は可愛いのに。

だめだったら。
だってもう止まらない。

でもだめなんだ。

「しょーたくん……ちゅう」
「え」
「ちゅうが、いいな」

だめなんかじゃ、ない。
365酔い心地:2010/05/14(金) 20:04:38 ID:qmLMxil0



ついには理性を手放して、翔太は荒々しく爽子の唇を貪った。
舌を差し込むと、爽子のそれも待っていたかのように絡まって、隙間からは時折小さく喘ぎが漏れた。

キスを終えて、爽子の顔を覗き見ると、上がった息と紅潮した頬、さらには蕩けた目の全てが翔太に愛を囁いていて、翔太の熱はさらに煽られる。

「……すき」
「…………っ」
「しょーたくん、すき」

えへへ、と笑った爽子の背中を撫でると、翔太はそのまま爽子を抱き上げた。

「……爽っ、ベッド、いこ」

すっかり火のついた翔太などいざ知らず、爽子は「えへへ、だっこだ、えへへ」と無邪気にはしゃいでいる。

「爽子が誘ったんだからね?」

免罪符のようにそのセリフを口にすると、翔太は爽子をベッドに下ろし、そのまま組み敷いた。
その日に限って、爽子は露出の多いホルターネックのワンピースを纏っていて、首の後ろで結ばれたリボンは、翔太の手によって難無く解かれる。

自分が着ていたシャツもさっさと脱ぎ捨て、翔太は下着を取り払った爽子の胸にむしゃぶりついた。

「あぁっん!」

大きく口から飛び出した喘ぎも、今日の爽子は止めることなく、翔太から刺激を与えられる度に体をしならせて声を上げた。

「爽子っ爽子っ!」

無心に爽子の名を呼びながら、翔太は目の前で乱れる女の体を溶かしていく。

こんな爽子は知らない。
そう思いながら、確かに高まる自分の熱に忠実に、翔太は爽子を開いていく。
いよいよたぎった自身には、薄いゴムを装着して、ぐしゃぐしゃに濡れた爽子の中に押し入ると、そこはいつもよりも数段熱を帯びている気がした。

366酔い心地:2010/05/14(金) 20:05:29 ID:qmLMxil0



きゅうきゅうと締め上げて来る刺激に眉をしかめていると、いつもには考えられない声が爽子から上がる。

「ふぁっ、もっとっ、しょーたく、もっとぉ!」
「……爽子っ!」

要望通りに腰を突き動かすと、爽子からは一際大きな声が上がり出す。
それが相乗効果となり、翔太は爽子の奥で弾けた。
真っ白になった頭のまま、翔太は愛しい爽子を抱きしめて、荒い呼吸を繰り返した。



その後、理性を取り戻した翔太は、慌てて爽子から自身を引き抜き、謝ろうとした時には、爽子は既に小さな寝息を立てていた。

ぐしゃぐしゃと自分の頭を掻きむしると、使用済の避妊具の処理をして、翔太は爽子の隣に滑り込んだ。
爽子のおでこに小さくキスを落として、掛け布団を引っ張り上げ、翔太もそのまま眠りにつく。


明日の朝、この子はどんな反応を示すだろうか、それを想像して、翔太はくすっと笑みを零すのだった。




おわり
367名無しさん@ピンキー:2010/05/14(金) 20:11:09 ID:qmLMxil0
キャラ改変でどうもすみませんw
爽子は酒に弱くても強くても萌えられると思います。
368名無しさん@ピンキー:2010/05/14(金) 21:43:03 ID:eyH2vm9W
GJ!
えろくてもかわゆすw
369名無しさん@ピンキー:2010/05/14(金) 21:53:43 ID:VodVBUUo
GJ!
一行目から爽子が可愛すぎて2828した…
370名無しさん@ピンキー:2010/05/15(土) 02:32:06 ID:ejnb0szC
>>367です
保管庫に管理人様よりお知らせが更新されました。
とりあえず今までの分はまとめてみたので、SS作者様、今後はご協力お願いします。
気付いたら勝手に誰かが掲載してくれているかもしれませんが。
371名無しさん@ピンキー:2010/05/15(土) 14:09:23 ID:1prthmGs

上の作者さまに影響を受けてお酒続きの派生バージョン。
少しかぶってる部分があるかもしれなくてすみません。

エロ描写はまだ苦手なので大目に見ていただけると嬉しいです。
たぶん3レスくらいお借りします。
372飲みすぎに注意 その1:2010/05/15(土) 14:11:01 ID:1prthmGs

「大丈夫かな・・・」

ひとり爽子はひとり暮らしの翔太の部屋でため息をつく。
今日はそれぞれの講義のあと翔太の部屋で落ち合う予定だった。

― ごめん、クラスの奴らにつかまって、少し遅くなる。
― 部屋で待ってて。

合鍵を使って部屋に入ったとたん着信したメールをみて
ふと爽子は不安になった。

(クラスの人と会うだけだよね?)

と気を取り直して部屋で待っている間に飲もうと
コンビニで何本か色の綺麗なチューハイを買ってきて、
それを飲みながら翔太の帰りを待っていた。

一抹の不安で爽子は飲まずにいられなかったのだが、
お酒に強い爽子はチューハイくらいではあまり酔えなかった。


「ただいまーー!」

と勢いよくドアが開いて翔太が帰ってきた。

「あ、翔太くん、おかえりなさい!」

と爽子は玄関の方へ走っていった。

「爽子だーー。大好きっ、爽子、ただいまっ」

と言いながら、翔太はいきなり爽子を抱きすくめ、キスをした。
その妙に明るい態度に爽子は不安になる。
必死に身体を離して翔太に質問しようとするのだが、
男ひとりの力に勝てるわけもなく、翔太の意のままになってしまう。

翔太は、強引に爽子の唇をこじあけ、執拗に爽子の咥内を嘗め回す。
これでもか、これでもかと、唇を離す気配はない。

「し、翔太くん!」

焦りを隠せない爽子は、やっとの思いで翔太の腕の中から逃れ、
翔太に質問した。。
翔太のキスからもうそれはわかっていたのだけれど。

「も、もしかして、飲んでる?」

「うーーん、生ビール2杯くらい?」

「えーーっ!?」

そのことを確認して爽子はさーっと青くなった。
373飲みすぎに注意 その2:2010/05/15(土) 14:14:16 ID:1prthmGs
大学に入ると、サークルだクラスだと飲む機会がぐっと増える。
それでわかったのだが、翔太は酒に弱いのだ。
翔太はちょっとの量のお酒ですぐほろ酔い気分になり、盛り上がる。

みんなと飲むときは明るいお酒で安上がりでそれはそれでいいのだけれど・・・
生ビール2杯くらいでこんなに明るくなれる翔太が羨ましくもあるのだけれど・・・

そんなことを爽子が漠然と考えていると

「なんで、俺から離れるの?」
と責めるような眼差しで翔太は爽子に詰問してきた。

「と、とにかく玄関じゃなくって部屋に入ろう?翔太くん?」

とりあえずこの場の状況をなんとかしようと
なだめるように、翔太の手をひっぱって部屋に引きずり込む。

そうやってやっとの思いで部屋にいれ、ふーっと爽子が息つくやいなや
翔太は爽子の腕をつかみベッドに押し倒した。

「し、翔太くん!ま、待って!」

再び焦った爽子は、とりあえず落ち着こうと細い腕であがくのだが、
翔太はひく様子もなく言った。

「すぐにしようよー。爽子だってさー、したくてしたくてたまらなかったでしょ?」

普段の翔太は、こんなときでもすごく優しい。
それなりに時間をかけて、だんだんとそういう方向に持っていく。
大好きな彼だから、爽子もそれが嬉しかった。

だけど、お酒の入った翔太は少し違う。
なんというか、強引で理不尽なのだ。

なんて返事をしていいか困っていると、追い討ちをかけるように
翔太が爽子に質問をしてくる。

「爽子さー、今日男と話した?」

お酒がはいって少し充血してはいるけれど、真剣な眼差しで翔太が爽子の答えを待つ。
その射るような眼差しに元々真面目で嘘のつけない爽子はきちんと答えてしまう。

「え?ゼミで一緒の男の友達と教授と・・・あと、駅で道聞かれたときにも話したかな・・・」
あ、しまった、と嘘つけばよかったかも、と思ったときにはもう遅い。

「俺以外の男と話したんだ・・・どういうこと?お仕置きしないとね。」
と訳のわからないことを言う翔太。
374飲みすぎに注意 その3:2010/05/15(土) 14:17:59 ID:1prthmGs

「だ、だって、それは・・・」
と慌てて爽子は弁解しようとするけれど、全くそんなのには耳を貸さず

「早く脱いで」

と半ば強制的な命令をしてくる。

もうその雰囲気には逆らえず、爽子は着ているワンピースのボタンをはずしにかかるしかなかった。

(こんなボタンの多いワンピースじゃないほうがよかった・・・)

と少し後悔しながらボタンをはずすのにもたもたしていたら、

「あー、もう、遅いよ!」
と翔太は少しいらいらしたように、ボタンに手をかけ、ぐっと前をあけてしまった。

「あ」と爽子が止める間もなくワンピースのボタンは四方八方にがはじけ飛ぶ。

「こうした方がはやいじゃん」となぜか翔太は嬉しそうに笑う。

そうやって無理無理爽子の衣服を剥ぎ取ったあと、

「じゃあ、次は俺を脱がして。」とまた次の命令をしてくる。

諦めの気持ちの中にあるいつもと違う動悸を感じながら、爽子は丁寧に
翔太の上着を脱がしていく。

「これでいいかな?」

「うーーん、もっと大好き、早く脱いでって感じでやってほしいなあ。」
とかまたもや訳のわからないことを言う翔太。

「じゃあ次は、俺のこと、上から下までキスして嘗め回して?」
「え?嘗めまわ・・・上から下まで?」
「全部だよ、全部。俺を気持ちよくしてよ。」

まるでご主人さまのような態度の翔太に翻弄させられながらも
爽子は翔太の額から頬から唇から深い深いキスをおとして行く。

(なんだか理不尽だなあ)

最初のうちはそう思う爽子も、翔太の身体にキスを落とし
翔太の匂いに囲まれていくうちに、だんだんと思考が奪われていく。
そして、なんだか変な気分になり熱くなり、身体の中心から
熱いものが迸るのを感じる。

ついにはすでに今か今かと待ち構えていたような彼自信のそこにたどり着き
唇をあてる。そこからは既に何かが溢れていて・・・
爽子は彼自信から迸るその液体を、まるでおいしいものを飲むかの如く、
いとおしく舐め取る。

「ふう・・」

といつもと違うため息をつく翔太に爽子は嬉しくなる。
375飲みすぎに注意 その4:2010/05/15(土) 14:22:03 ID:1prthmGs

「翔太くん・・・、気持ちいいですか?」

ついつい丁寧な言葉で爽子は聞いてしまう。

「うん、もっとやって。」

翔太は爽子の頭を押えて髪の毛を手でからみとり、熱い吐息をはきながら懇願する。

「んっ、爽子のもやってあげるから、反対向いて。」

そ、それは恥ずかしいのだけれど・・・とちょっと理性が戻った爽子だったが、
こうなるともう翔太の強引さに勝てる気がせず、翔太の言われたとおりの体勢になる。

「爽子、すごい濡れてるじゃん。やっぱり俺が欲しかったんじゃん。」

「そ、そんなことは・・・ん、・・・っ」

翔太の舌が爽子の敏感なところを嘗め回し、その水音や感触に
どんどん爽子の理性は飛んでいき、強引な翔太の言葉に反旗を翻すこともできず

「はい、欲しいです・・んっ」

と答えてしまうのだった。

「うん、よく、できました。じゃあ、ご褒美あげる。」


そうやって、まだ電気も消さず明るい翔太の一人暮らしの部屋には
2人のお互いを舐める隠微な音、お互いを求める声、
その後に2人が肌を合わせる音だけが響いていくのだった・・・

***

「ワンピース、どうしよう・・・」

お互い理性を飛ばしあい、求め合い、肌を合わせたあと、
冷静になった爽子はため息をつきながらボタンをかきあつめ
ため息をつく。

ベッドの上では、気持ちよさそうに翔太が寝息をたてていた。

明日の朝になれば、爽子のボタンのとれたワンピースを見て

「お、俺、なんかやった?」

と焦る翔太が目に浮かぶ。

(とりあえず、糸と針をこの部屋に常備しよう。)

と爽子は思い、くすっと笑いながら、翔太の横にもぐりこんだ。

(おわり)

376名無しさん@ピンキー:2010/05/15(土) 14:29:02 ID:1prthmGs
3レスといいながら4レスでした。
上手な作者さまのあとでドキドキでした。
拙い文章で失礼しました。

そして・・・、風早君誕生日おめでとう!


377名無しさん@ピンキー:2010/05/15(土) 17:20:57 ID:cPuLo81b
乙。
お酒に弱い爽子も可愛いけど、強い爽子はかっこいいな!
と思ってたら風早がw
378名無しさん@ピンキー:2010/05/16(日) 02:01:04 ID:lEEPo1fO
個人的に爽子=強い、風早=弱いのイメージだったので
これは嬉しいww GJ!!!
379名無しさん@ピンキー:2010/05/16(日) 04:38:08 ID:wgO0HA7R
舐めるとこ、めっちゃやらしい!!
いや〜ドキドキしました。
GJです!
380名無しさん@ピンキー:2010/05/16(日) 21:35:47 ID:UcGwXMOM
>>376 です。投下したあと読み返したら、誤字脱字、変な文脈いっぱいありました。
すみません。
で、上を読んだら、自分でwikiに投下とのことだったので、訂正がてら投下してきます。
ありがとうございました。
381名無しさん@ピンキー:2010/05/20(木) 01:11:41 ID:rWcFqynJ
おお、まとめスレの管理人さん、いままでありがとうございます。
みんなで維持出来るよぅにがんばります
382名無しさん@ピンキー:2010/05/23(日) 03:19:14 ID:YjBlFj1M
風早×爽子で一本。

未来話で、二人が教師(中学校あたり?)になった設定。
風早は一人暮らし、爽子は実家通いな感じで。

風早絶賛暴走中かもしれません。
383「風早先生」「黒沼先生」:2010/05/23(日) 03:23:58 ID:YjBlFj1M
「ひゃ…、」

夕暮れ時。
アパートの一室では濡れた音と堪えきれず零れた声が支配していた。
壁に押しやった爽子にキスを繰り返しながら、ゆっくりと焦らすように太ももを撫でていく。
その手を押し退けようとしても、身体ごと壁に押し付けられ十分に身動きが取れないでいる。

「か、風早く…」
「『先生』、でしょ?『黒沼センセ』」

意地悪そうに風早は笑みを浮かべ、耳元で囁く。
吐息と共に耳に届いた声は爽子の身体からじわじわと力を奪っていった。

* * *

土曜日の午後。
お互い午前出勤だったため、午後からデートとなった。

爽子は緩く纏めたみつあみに、ロングスカートという新米教師らしい清楚な服装で、
遅れて来た風早はスーツ姿で、

二人は待ち合わせるとゆっくりと歩き出した。
仕事のことや今日の天気のことなど他愛もない会話をしていると、途中風早が「あ」と小さく呟く。

「飲み物なかったかも…ちょっとコンビニ寄っていい?」

頷いた爽子は肩にかけた少し大きめのバックを持ち直す。
爽子のバックには財布にポーチ、筆記用具に少しの仕事の書類、そしてお泊まりセットが入っていた。
明日は日曜ということもあり、爽子が一人暮らしの風早の部屋に泊まることになっていたのだ。

(最近忙しかったから…お家に行くのも久しぶりかも)

と密かに胸弾ませる爽子に、突然「あー!」という子どもの声が飛び込んできた。
ビクッと体を弾ませ振り返れば、そこには野球のユニフォームを着た教え子たちの姿があった。
汚れたユニフォームを着た教え子たちは次々と
「黒沼センセーじゃん」「センセー、何で居んのー?」と疑問を投げかけてくる。

爽子は突然のことに戸惑いながらも「みんなは試合だったの?」と問いかける。
その問いかけに教え子たちは次々に、
すぐ近くの学校で練習試合だったこと、あと少しで勝てそうだったことを伝える。
その一言一言に「うんうん」「おしかったね、よく頑張ったね」と答える。

その姿を飲み物を選んでいた風早はじっと眺める。
次々と出てくる子供たちの言葉を一つ一つ丁寧に受け答えする爽子は、
みんなの「黒沼先生」という言葉がピタリと当てはまる、そんな感じだった。

そんなことを考えていた風早の背中に、ドスンと衝撃が走る。
慌ててみるとそこには悪戯に成功した笑顔を見せる教え子の姿。

「へへー!ビックリした?」
「ビックリというよりいってーよ。そっか、今日は練習試合か」

部活帰りであろう、汚れたスポーツバックを背負った教え子は「ウチの学校で!」と言い、
誇らしげにVサインをする。
頑張ったなぁ、とがしがしと頭を撫でると、真新しい絆創膏が貼られたほっぺを軽くデコピンする。
いってー!と騒ぐ教え子に「おかえしだ」と風早は悪戯気に笑う。

そんな様子を生徒たちから解放された爽子は少し離れた所から眺める。
384「風早先生」「黒沼先生」:2010/05/23(日) 03:25:24 ID:YjBlFj1M
「すごいなぁ、風早くん」
「え?」

コンビニから出て風早の家へ向かう途中、爽子は思い出したように呟く。
「生徒さん、すごく嬉しそうだったもん。慕われてるんだなぁって」と話すと、チラリと風

は矢に目を向ける。

「風早くんの『風早先生』っていう顔が見れて、嬉しいなぁ」

そう言って少し照れたように笑うその顔に、風早はきゅんと胸を締め付けられる。
赤くなる頬を誤魔化すように、風早は「俺も」と口を開く。

「俺も、爽子の『先生』の姿が見れて嬉しいよ」
「!」

頬を少し赤く染めた爽子は、「そ、そんなちゃんとしたこと、さっきしてなかったし…!」

と手を顔の前でパタパタとさせる。
そんなことをしている間にアパートに着く。
部屋の前で鍵を開けている風早の隣で、爽子は独り言のようにぽそりと
「『先生』って…なんか照れちゃうなぁ」と呟く。

かちゃり、と扉の鍵が開くと同時に
風早の中で一つの案がうまれる。


そんなことを露ほど知らない爽子は「お邪魔しまーす…」控えめに言って部屋に上がる。
風早は早々に荷物を置き、さっき思い浮かんだ一つの提案をした。

* * *

繰り返されるキスに、爽子の体は徐々に力が抜けていく。
触れるようなキスから徐々に触れる時間は長くなっていき、求めるようなものに変わってい

く。
力が抜けていくと同時に思考も奪われていくような感覚が爽子を襲う。

『今からお互いに『先生』呼びしよう』

確かそんな提案を出され、てっきりちょっとした悪ふざけの「ごっこ遊び」だと思い、あっ

さりと頷いた。
頷き、風早を見るとニッと笑みを浮かべている。
妖し気なその雰囲気に戸惑っていると、スッと唇に暖かい感触が触れる。
突然のことに驚いていると、すぐに唇は塞がれる。
いつの間にか持っていた荷物は床に置かされ、空いた手には風早の指が絡んでくる。

降り続けるキスに意識が向いているといつの間にか、リビングの壁が背中に当たった。
その感触に意識が今の状況に向こうとすると、唇の間から舌が割り込んでくる。
このままではいけない、と隙をついて軽く抗議すると、
風早は「『先生』呼びでしょ」とまるで罰ゲームかのように耳元に息を優しく吹き付ける。

耳がめっぽう弱い爽子はあっという間に力が抜けていってしまう。
その体を支えていた手はいつの間にか下に移動し、ゆっくりと太ももを撫で始めたのだ。
385「風早先生」「黒沼先生」:2010/05/23(日) 03:27:55 ID:YjBlFj1M


(ヤバ、止まんないかも)

風早はキスを繰り返しながら相手を見る。
軽く纏められていた髪は、体を押しつけられているのと自分が指を絡ませているせいで乱れ気味だ。
そしてその髪の持ち主はぎゅっと目を瞑ったまま、乱れ熱の篭もった息を吐く。
その息は第一ボタンの空いたシャツの間の首に当たる。

自分でもヒドイと思う。
提案して、爽子が頷いた瞬間に触れたかと思うと、徐々に深く深く味わうようになり…。

合間に漏れる声はいつの間にか熱を篭めはじめている。
その熱が伝わり、手はもう一つの弱点の太ももへと伸びている。

ホントに、自分でもヒドイと思う。

それでも、わざと耳元で囁けば頬を染め、体を震わす彼女が可愛くて。
「みんなの黒沼先生」の…、皆が知らない「黒沼先生」が見てみたくて。
自分が考えるよりも先に体が動いていく。

「か、風早く…。風早…『先生』」
「!」

言いかけて、まだ抵抗があるのか小さく囁くように彼女は口を開く。
提案した本人なのに、実際に呼ばれると恥ずかしい。
そんな自分勝手なことを思っていると、俯いたままだった彼女がゆっくりと顔を上げる。

乱れた髪に―息がうまくできなかったのか―潤んだ瞳に荒い呼吸。
そして赤い頬で上目遣いで見上げられ、自分の顔が赤くなっていくのが分かった。

誤魔化すようにぎゅっと抱きしめ、「ずりー…反則」と素直に自分の気持ちを出す。
「え、え?」と戸惑う彼女がまた可愛くて、もっと強く抱きしめる。
密着し、彼女の香りと体温が伝わってくる。
彼女の熱が伝わってくるかのように、体に熱が籠ってくる。

それが伝わったのか、彼女は体をビクッと小さく震わせる。
そのことが合図かのように、風早は行為を再開させた。
386「風早先生」「黒沼先生」:2010/05/23(日) 03:28:21 ID:YjBlFj1M
抱きしめられ、彼の異変に気づき、体が離れたかと思うと、
すぐに顔が近付いてきて、耳を舐められた。

(せ、先生って呼んだのに〜!?)

てっきり、『先生』と呼べば終わりかと思ったがそうではないようだった。
恥ずかしさを押しのけて言ったのは思い違いのようだ。

今の行為が嫌というわけではない。
むしろ、彼から与えられる刺激は、より近くで彼を感じられるようで嬉しい。
しかし、まだ夜とは言い難い時間帯に、それもリビングでというのは抵抗があった。
それを伝えようと、勇気を出して呼んだのだが、どうやら違うようだ。
与えられる刺激に対してぎゅっと瞑っていた目を開け、それを伝えようと彼を見る…が。

(な、なな…なんか色っぽい…っ!)

上着こそ脱いではいるが、スーツ姿にきゅんと胸が締め付けられる。

スーツ姿を見るのは今日が初めてではない。
今までも仕事帰りに会うということは何回かあった。
しかし、スーツ姿のまま迫られるということはなく、
ネクタイは緩められ、外された第一ボタンの間から覗く鎖骨はなんとも言えない色気があった。
男性に色気というのも失礼かも、と思いながらもその色気には勝てず、徐々に快楽に身をゆだねていく。

「…『黒沼先生』」
「ひゃ!?」

呼びなれているはずの言葉なのに、彼から零れるその一言にビクリと体が震えてしまう。
スーツ姿でそう呼ばれると、見慣れた彼の姿ではなく『風早先生』に見えてくる。
だから、つい釣られて「風早先生」と呼んでしまう。
その声は彼からの刺激に、途切れ途切れになってしまっていたが。
387「風早先生」「黒沼先生」:2010/05/23(日) 03:29:43 ID:YjBlFj1M
刺激に耐えながら呼ばれ、風早の理性が持つわけがなかった。
壁に押しつけていた体をソファに移動させ、ソファに体を預けた爽子の上に覆いかぶさる。
みつあみで少し癖のついた黒髪が白いソファに広がる。
戸惑っている爽子はそれでも「風早…先生?」と先生呼びを続ける。

こうして見ると、本当に『黒沼先生』を押し倒しているようだ。
邪魔なネクタイを外しながら、そう考えると自然に笑みが広がり、耳元でそっと囁く。

「もう止まんない…ダメ?」
「え」
「ダメ?」

今度は目を見て尋ねると、爽子は顔を赤く染めたままこくんと頷く。
その動作にすら風早の中に愛しさが湧いてくる。
愛しさをあらわすように、ゆっくりと服を捲り、柔らかい膨らみに手を伸ばす。

留め具は既に外しており、小さく声を漏らす爽子に合わせるようにゆっくりと揉んでいく。
恥ずかしいのか、顔を隠そうとする手を空いている指に絡ませる。
しかし、それでは片手しか使えないと気付いた風早はスッと舌で頂点を舐めあげる。
ビクリと体を震わせる、さっきとは違う反応に満足すると、もう片方にも同じ刺激を与える。
そのうち、柔らかい感触を楽しんでいた手は下へと伸び、太ももを愛撫しはじめる。
スッと撫でるようにすれば、控えめながらも可愛らしい声が聞こえてくる。

もっと、もっと声が聞きたい。
そんな欲求が出てきて、急かす気持ちからか、服も下着も中途半端に脱がせたまま、彼女の

一番大切な所へと手が伸びる。
そこは普段よりも蜜に溢れていて、指に絡みついてくる。

「いつもよりも濡れてる…」
「や…言わないで…」
「『先生』呼びに興奮しちゃった?」
「!?」

真っ赤になりながら目をパチパチとさせる姿が可愛くて、
恥ずかしさからか声も出ない彼女が可愛くて、
つい、意地悪を言ってしまう。

「黒沼先生は、ここがいいんだよね?」
「ひゃ…っ」

そう言いながら、わざとくちゅくちゅと音を出し、中に入れた指を動かす。
ずいぶん自分も余裕が出てきたもんだな、と自嘲しながら、
自分だけが知っている彼女の顔を眺める。
快楽による涙で潤んでいた瞳が、風早を見つめる。
ドキ、と胸が鳴ったかと思うと、可愛らしい口がゆっくりと言葉を紡ぐ。

「も…、かぜ…はや…せん、せいの…おねがい…」
388「風早先生」「黒沼先生」:2010/05/23(日) 03:30:06 ID:YjBlFj1M
前言撤回。
余裕なんて全然ありませんでした。


服を脱いでいる時間すら惜しくて、
既に熱を籠らせた自身を取り出して準備が整うと、ふとももの付け根あたりに当てる。
それにすら、反応する爽子は本当にかわいいと思う。

「いい?」
「は…は、い…」

真っ赤に俯いたままの彼女の額に軽くキスをし、風早はゆっくりと自身を埋めていく。
彼女の熱さにクラクラしながらも、突き動かしていく。
最初はゆっくりとした動きも徐々に激しさを増し、互いを求め始めていく。

「ぁ、んぁ…、あっ…!」

爽子の手もいつの間にか風早の背中に回され、体が密着する。
耳元で聞こえる喘ぎ声がより興奮を増していく。
シャツ越しに柔らかな彼女の感触を感じながら、限界が訪れる。

「も、やば…」
「…ぁっ…!あ あ…ん、あぁ…っ!」
「…っ」
389「風早先生」「黒沼先生」:2010/05/23(日) 03:31:06 ID:YjBlFj1M
乱れた息と独特の濃厚な匂いが部屋に充満する。
このまま寝てしまいたい感覚に襲われたが、そうはいかないと風早はゆっくりと体を起こす。
そして、その状況を見て一気に意識が覚醒する。

ソファでぐったりと息を切らしている爽子の服は中途半端に脱げた状態で、
インナーやスカートは捲られた状態、膝辺りに脱ぎかけの下着が引っ掛かったままだ。
自分の服装もネクタイが外れただけで、中途半端に着たままだ。

「ん…」
「!」

ぐったりとしていた爽子がゆっくりと瞼を開ける。

そういえば、途中何回か爽子は何かを言いかけていたような気がする。
真面目な彼女が風呂にも入らず、周りが暗くなってきたばかりの時間に、
リビングのソファでの行為にいい顔をするはずがない。
この状況を見て何を言われるのか、最悪、嫌われないかと嫌な汗をかきながら彼女を見つめる。

「あ、あの、さわ…」
「私」

「知らなかった風早くんを知れて、嬉しい…」

ちょっと恥ずかしかったけど…と、照れながら微笑む彼女に
さっきまでの不安はあっという間に吹っ飛んで、
思わず抱きしめてしまった。



しばらくの間、お互い職場で『先生』と呼ばれる度に
思い出して赤面するのは、また別なお話。
390名無しさん@ピンキー:2010/05/23(日) 03:36:37 ID:YjBlFj1M
以上です。思った以上に長くなってしまいました;

あの二人は先生が似合うな―なんていう妄想でした。
あと、お互いの知らない顔を見たとき、

爽子→知らなかった顔が見れて嬉しい
風早→全部知りたい、知らない姿なんてヤだ

なんていう価値観の違いが出るとおもしろいなーなんて思ったり。

爽子はいつまでも「風早くん」呼びしてそうなイメージが。

では、長々と失礼しました。
391名無しさん@ピンキー:2010/05/24(月) 00:53:09 ID:r9or+r8Q
おぉおおお先生プレイきたーーーー!
余裕がありそうでなさそうな風早いいね!
392名無しさん@ピンキー:2010/05/24(月) 01:40:32 ID:z4mUM4E4
いいねいいね。
大人になってもいいなあ。
かわいい。
393名無しさん@ピンキー:2010/05/24(月) 03:40:27 ID:x47/A0X0
いいねいいねGJ!!
以前ほど頻繁じゃないけど投下あるとやっぱ嬉しい
394名無しさん@ピンキー:2010/05/24(月) 16:20:24 ID:MWxYRDVI
シチュエーションがすん〜〜ごいよかった〜!!
少し大人になった二人の絵が浮かびまくり!
GJ!!!
395名無しさん@ピンキー:2010/05/31(月) 15:50:10 ID:45xOuu/m
最近過疎化が進んでいるな。
6月の別マに期待
396名無しさん@ピンキー:2010/06/04(金) 12:41:18 ID:hgsOTfHP
>>395
自サイト持ちさんも増えたしなかなか難しいのかもね


でもココはここで楽しみなので保守
397名無しさん@ピンキー:2010/06/05(土) 17:42:13 ID:7pYr+1e8
最近変態な風早を妄想してしまうので一本書こうと思うけど、
いまいちまとまらないので、次号発売を待ってさらに妄想を深めてからにしようと思います
398名無しさん@ピンキー:2010/06/05(土) 20:24:58 ID:UsUewkgZ
絶対むっつりなんだよな風速は
399名無しさん@ピンキー:2010/06/05(土) 20:43:30 ID:RpN+QIC2
風速と言われると早漏をまっさきに想像してしまった
400名無しさん@ピンキー:2010/06/06(日) 00:20:42 ID:C9scSOgc
「風早くんっ、風早くんっ・・・!!」
「はぁはぁ・・・あうっ!!!!」
「風早くんっ・・・風・・・・・・速っ!!」
401名無しさん@ピンキー:2010/06/06(日) 05:30:15 ID:yYPLlUwl
たぶん、風早は監禁系か拘束系が好きな気がする。
ただし、爽子に限る
402名無しさん@ピンキー:2010/06/07(月) 11:17:10 ID:D2J6F6fH
投下します。7レスいただきます。風早視点で新婚さん。タイトルがアレなのは気にしないでくださいw
403俺の上のさわこ:2010/06/07(月) 11:18:01 ID:D2J6F6fH


耳を疑うって、こういう時に使うんだって知った。


「しょうたくん……っあのね、あのっ……きょっきょう……!し、したい、の……っ」

ぎゅっと目をつぶって、エプロンの裾を掴む手にも力を込めて、きっと精一杯の勇気でそれを言っただろう爽子。
一瞬、信じられなくて、ぽかんと口を開ける俺。

ベッドの上の情事、10分前のこと。


「さ、わ」
「あっ、だ、だだだ、だめだったら、その、いいの!いいの!ううん!もう忘れて……っ」

顔を真っ赤にして弁解して、慌てて後ろを向いた爽子を、こちらも慌てて追い掛けて後ろから抱きしめた。

「翔太く」
「いーの?」

爽子が誘って来るなんて初めてのことで、軽く目眩すら覚えるほど感動して、既に熱くなりかけているそこを諌めながら問い掛けた。

「ほんとにいーの?」

自分のことは、よくわかってるつもりだ。
たぶん、このままベッドに直行したら、いつもよりテンション上がっちゃって、むちゃくちゃにする。
爽子が嫌って言っても、たぶん止まんない。だって誘ったの爽子じゃん、とか言うと思う、俺。

「わっわたしが……したいんだよ……?」

そのままの姿勢で、爽子は俺を見上げて来るから、なんか既に俺の理性も限界だった。

「ん……じゃ、いこ」

逸る気持ちを抑えつつ、爽子をひょいと抱き上げる。

「きゃっ、しょ、翔太くん、歩ける!自分で歩けるから!」
「うん、いーの。させて」

404俺の上のさわこ:2010/06/07(月) 11:18:43 ID:D2J6F6fH



いつもより広い歩幅で寝室へ向かう。
あと二歩でドア。そこから三歩で二人のベッド。

やばい、期待しすぎてる。これは、一回目は早いかも、なんて考えながら、爽子をどさりとベッドに降ろす。

「あっ、ま、まって」
「……何?」
「あの、私、あの、まだエプロン付けたままだし、それに」

いーのに、そんなこと。
言いかけた俺は、続いた爽子の言葉に制止する。

「きょ、今日は、私が」

「――え?」


……なんか、覚えがあるというか、何と言うか。

「爽子?」
「は、はいっ」
「なんか見た?それか、誰かになんか言われた?」

爽子の様子がおかしい時は、だいたいが誰かの入れ知恵がある時だ。

「え、えっと」
「怒んないから、言って?」

俺はふっと笑顔を作る。そりゃ、爽子から誘って来るなんて初めてだしさ、このまま突き進んじゃってもいいんだろうけど、無理させるんじゃ、意味ない。

「……あ、あのね」


結局、爽子の話を要約すると、テレビ番組だかで『たまには自分から積極的に攻めてみないと夫から愛想をつかされる』なんて情報を仕入れたらしく、ご丁寧に矢野のオススメマニュアルなんかを買ってきて一所懸命練習までしたらしい。

「……あのね、爽子」
「わ、わかってるの!」
「え」

「翔太くんは愛想尽かしたりする人じゃないってわかってるの!でも、あの、勉強していたら、翔太くんにしてあげたいなって、したいなって、そう思ったの……!」

405俺の上のさわこ:2010/06/07(月) 11:19:23 ID:D2J6F6fH



ベッドの上でそんなセリフを言うことが、どんなに攻撃力があるかなんて、爽子はたぶん一生知らないままなんだろうな。
とにかく、俺の口元はだらしなく緩んでいたと思う。

「ん、じゃあ……――して」



ただ、主導権を譲るつもりは毛頭なくて、下から爽子を触りまくる。
自分の体重を支えずに居られるのっていいもんだなーとか、どうでもいいことを考えながら。

爽子はいつもより避けやすいらしく、俺の愛撫には何度も待ったをかけられる。
その度に俺は拗ねて見せるけど、もういいや、爽子濡れてるし、もう入ると思う。

「爽子爽子、じゃあ……してくれる?」
「え……っ?」

私が、と言った割には、上下の位置が違う以外にはあんまりいつもと変わらなくて、爽子の蕩けた目が俺を見下ろした。

「『してくれる』んでしょ?今日は爽子が上、ね?」
「う……うん……っ」

自分が言い出したことなのに、爽子は顔を真っ赤に染める。
そんなうぶなところも可愛らしいんだけど、悪戯心が沸いている俺は、いつもは着けるところさえ見せない避妊具を、爽子の手で着けるよう促した。

ベッド脇の引き出しから、薄くて四角い包みをひとつ取り出して、爽子は慣れない手つきでそれを破る。

「…………っ」
「……爽子?顔赤いよ?大丈夫?」
「だっ、だいじょうぶ……!その、これ、どうやる……の?」

困ったように眉を下げる爽子に、装着方法を教えると、これまた彼女らしく、一所懸命になって着けてくれた。

406俺の上のさわこ:2010/06/07(月) 11:20:17 ID:D2J6F6fH



正直、あの爽子がいかがわしい類のものに触れたり、それを使ったり、というシチュエーションだけでも結構キてる。
ごろん、と押し倒して突き入れてしまいたい衝動を何とか抑えて、俺は爽子に「入れて」と言った。

「……うん、そう。そのまま……ゆっくり腰下ろして……?」
「んっ、こ……こう……?」

爽子が腰を沈めるにつれて、暴発しそうなそこが爽子に埋まっていく。
内壁が擦れるのか、爽子はぶるっと何度か震えて、それからやっと全てが中に納まった。

ほぅっと爽子が熱い息を吐く。
しばらく待ってみても何も動きがないものだから、俺は痺れを切らして声をかけた。

「……爽子?動ける?」
「あ……っ、う、うん……、ま、待ってね」

ふるっと体を震わせて、爽子は目を固く閉じたままゆっくり腰を上げて、またゆっくりと降ろす。
それを何度か繰り返して、

「気持ち……いい?」

と爽子は聞いた。
いや、まあ……気持ちいいかどうかと言えば気持ちいいんだけど、刺激が足りないのも事実で。

「ん、もうちょっと早く動ける?」

俺がそう言うと、爽子は赤い顔をさらに赤くして、小さくこくんと頷いた。

「……んっ、は、あっ、あんっ」

小刻みなリズムで爽子の体が上下し始めて、その度に長い髪がふわっと揺れる。ところどころに爽子の体にはりつく髪がまたエロい。
心地いい刺激に気を良くして、爽子の体に少しだけ遅れて上下するその小振りな胸に手を伸ばした。

片方の腕で体を支えてみると、意外に自由に片手が使えるもんだ。

407俺の上のさわこ:2010/06/07(月) 11:20:53 ID:D2J6F6fH



「あっ!?やぁっ、翔太くんっ」

爽子が動くのに合わせて、既に固くなった乳首に手を乗せると、敏感な爽子が少し声を張り上げた。

「どうしたの?そのまま動いて?」

動きを止めてしまった爽子に、俺は少し体を起こして、今度は両手を使ってその頂きをこねくりまわす。

「やっ……は、はうぅんっ」

結合部がきゅううと締まって、爽子が感じていることを知らせてくる。
そういえば、普段は挿れた後にこんな余裕はなかったな、と思うと、少し自分が情けない。

俺が体を起こすと、行き場をなくした爽子の腕が俺の肩を掴む。
繋がったままに、胸をいじったり首筋に舌を這わせてみると、敏感なところに触れる度に爽子は俺を優しく締め上げた。

「ね、気持ちいい?」
「……っ、しょーたくんのいじわる……っ!」

耳元で聞こえた震えた声に苦笑して、俺の手を爽子のおなかから下に向かって這わせた。
結合部より少し上に、ぷっくりとした膨らみを見つけて、俺はそいつを優しく摘む。爽子の体がびくんと跳ねて、局部の締まりを感じ取ると、もっともっとと執拗にそこを責める。

「あっ!やっ、やあっ、ん、は、あぁっ、やあぁっ!」
「……爽子、動いて」
「ふあっ、む、むりっだ、よ……っ、あっ、ふあぁん……っ」

締め付けと、あと、俺の肩に置かれた手の力が強まったのを感じて、俺はにんまりと笑う。

「じゃ、イッてもいいよ」
「あ……っ!はぁんっ、やっやだっ、だめ!だめぇっ!ん、やっ、やあぁっ」

震える爽子の体に同じ刺激を続けると、やがて強い締め付けと共に爽子は達した。
408俺の上のさわこ:2010/06/07(月) 11:21:42 ID:D2J6F6fH



きゅ、きゅ、と弱い締め付けを繰り返して、爽子は長くて熱い息をついた。
こてん、と爽子の頭が俺の肩にもたれかかって、その脱力を知らせてくる。

「爽子。さーわーこっ」
「……んっ、翔太く、ん」

ぼんやりとする爽子。俺の、可愛い爽子。

「イッちゃったね」
「……っ、うん……」
「一人でイッて、オナニーみたいだったね」
「…………っ!?なっ、えっ……」

にっこりと笑ってそう言うと、爽子はこれでもかと羞恥にまみれた顔をして、俺から離れようと身をよじった。
当然俺がそんなことを許すはずもなくて、がっしりと腰をつかまれて当惑する爽子をにやにやと見つめる。

「……俺イッてないじゃん」
「で、でもっ、私もう動けな、ああんっ……!?」

下からぐんと突き上げてみると、予想通りに爽子が跳ねた。

「だいじょうぶ。俺が動くから」

そう言い捨てると、答えも聞かずに何度も突き上げる。
まだひくつく中と、嬌声を上げる爽子に高められながら、刺激的な幸せを噛み締める。

女性上位って、正常位より深く入るってほんとなんだなー、ってか、角度的に擦れ方も強くていい。
いつもより動くのに力がいるけど、突き上げるのも新鮮で、何より、爽子の反応がイイ。

「やぁっ!やっああん!それっだめぇっ、なかっなかがっ」
「擦れる?気持ちいいね?」

言いながら、乱れる爽子にさらに肉欲をたたき付ける。
高まって高まって、いよいよ熱を放出しそうになった時、爽子の声も一層高く上がった。
409俺の上のさわこ:2010/06/07(月) 11:22:25 ID:D2J6F6fH



「ん、あっ、ああっ、しょーたくっ、あっまたっ、また……っ」
「イキそ……?んっ、いーよ、一緒にイコ……?」

ラストスパートには少しスピードを速めて、爽子の強い締め付けと共に――頭が真っ白になって俺の熱は放出された。

ごろんとベッドに背をつけて、爽子を抱きしめる。
じっとり汗ばむ爽子の体も、その重みも、全てが愛しい……


しばらくすると、爽子は「全然何も出来なかった」などと落ち込んでいて、俺は声を立てて笑った。

新鮮で充分気持ち良かったよ、と言うと、爽子はまるで少女のようにぽっと頬を染めた。
今までしていたこととのギャップに、爽子を愛おしむ気持ちが盛り上がる。こんなにすきになれる人、一生で一度なんだろーな、と何度目かも知れない考えに俺は微笑んだ。

「爽子、すげーすき。だいすき」
「……っ、私……!私も!」

顔を赤く染める爽子をぎゅうっと抱きしめて、その耳元で囁いた。

「……もっかい、しよっか?」

今度は俺が上でね?



おわり
410名無しさん@ピンキー:2010/06/07(月) 12:32:18 ID:Wto+n0YG
ひとりで一生懸命練習する爽子を想像してモエモエた…!
風早の言葉攻めも適度にSで優しくてかつ変態でいいw
GJです!
411名無しさん@ピンキー:2010/06/07(月) 12:56:03 ID:SMQpXt5p
GJ!エロい!エロすぎて萌えすぎてどうしようw
風早の変態加減と、乱れる爽子が最高です!
この後何回やるんだ二人は。
412名無しさん@ピンキー:2010/06/07(月) 20:17:06 ID:jVfyowKg
GJ! 練習する爽子いいね!
こんな奥さまだったら浮気とか絶対なさそうw

風早は何回でもできそうに思えるw 絶倫のイメージw
生きるパワーがありそうなんだよね。
413名無しさん@ピンキー:2010/06/10(木) 15:57:36 ID:m1ALcCHA
連続投下すみません。
燃料投下で我慢できませんでした。2レス借ります。
414風早さんちの朝:2010/06/10(木) 15:58:30 ID:m1ALcCHA




「翔太くん、時間……」

「ん……まだ大丈夫だよ」


窓の外では、チュン、と雀が鳴く、今は朝。
そして平日の今日、出勤のための準備を思って、爽子は翔太を押し返した。

「だめ。ね、もう起きよう?」
「まだ大丈夫だって」

それをものともせず、翔太は爽子を後ろから抱きすくめた。
――ここは、ベッドの中。


「もう、翔太くんたら……ぅんっ」
「ねえ、もう一回しようよ」

甘える夫にくすりと笑った爽子だが、先程情事を終えたばかりのまだ火照る体、しかも敏感に尖ったままのそこを弾かれては、甘い声を上げる他なかった。

「あ、ぁんっ、やっ、しょっしょうたくっんっ」
「もういっかい、ね?」

爽子には、見えないはずの夫の、にやりと笑う顔が見えた気がした。

「だ、だめ……っ」
「俺、こんななんだよね。爽子も時間気にしてるんでしょ?早く観念しちゃった方がいーよ。俺諦めないもん」

そう言う間にも、翔太は爽子の体を解いていく。
まだ熱を持ったままの泉は、難無く翔太の指を受け入れ、くちゅりと音を立てる。

415風早さんちの朝:2010/06/10(木) 15:59:06 ID:m1ALcCHA
「……っん、んんっ」
「爽子」

入口を開くように翔太が日本の指を広げれば、爽子の体はびくんと跳ねた。

「ふ、あっ、だって、ああっあ!よ、夜もした、のに……っ」
「うん。何回でも、何回でもだよ、爽子。すきなんだもん」

うつぶせに移行して逃れようとする爽子を追い掛けながら、翔太はなおも爽子の中を掻き回す。

「ねぇ、こんな濡れてんのに、やめていいの?」
「……っ!や、だ……っ」

「そ。わかった。じゃあやめるよ。お楽しみは夜に取っておきまーす」

翔太はそう言うと、あっさりと爽子から指を抜き、ちらりと爽子を見た後に、その指をぺろりと舐めた。
ぞくんっと、爽子の体を何かが駆けて、何も刺激されない泉が潤いを増した。

「……起きよっか?」

ベッドから降り立った翔太は、ぐんとひとつ伸びをする。
一方で爽子は、小さな声で何かを漏らした。

「…………て」
「ん……?」
「……やめないで、して」

その言葉を受けると、翔太はすぐさまに爽子の隣に滑り込み、にやりと笑った。

「だから、言ったのに」



――風早さんちの朝は、早い。



おわり
416名無しさん@ピンキー:2010/06/10(木) 16:00:34 ID:m1ALcCHA
毎度スレをお借りしてすみません。そしてお目汚し失礼しました。
新婚さん注意書きつけ忘れた……
417名無しさん@ピンキー:2010/06/10(木) 19:46:46 ID:QDUPXisM
新婚さんGJ!
おねだり爽子かわいいよ爽子
418名無しさん@ピンキー:2010/06/11(金) 03:41:53 ID:T54z5SGn
うはー!!いいね夫婦いいね!
グッジョブ!
419名無しさん@ピンキー:2010/06/18(金) 12:15:33 ID:O4wXcoJz
保守

職人さんも規制組が多いのかな
420名無しさん@ピンキー:2010/06/19(土) 14:23:41 ID:6aMAHfaH
ほしゅー
421名無しさん@ピンキー:2010/06/22(火) 21:32:06 ID:70edS9b1
ふとした疑問。
風早はエロビ派かエロ本派か
422名無しさん@ピンキー:2010/06/24(木) 03:17:06 ID:GW7IUvpr
エロ本派に一票。
423名無しさん@ピンキー:2010/06/24(木) 04:48:50 ID:IHnFluMC
風早の部屋に遊びに来た爽子にソレを見られちゃうんだよね
424名無しさん@ピンキー:2010/07/01(木) 04:28:05 ID:i/o7LBa3
保守
425名無しさん@ピンキー:2010/07/04(日) 01:18:20 ID:x+BZeS05
スレの過疎化に心配になってコソーリ投下です。

高3の風爽。もうエチーも済ませてる設定。
風早がただエロイやつになってますサーセン

426ふたりだけの教室@:2010/07/04(日) 01:20:18 ID:x+BZeS05

夕陽がじわりと差し込む放課後の教室に、小さな喘ぎ声が木霊している。
それは白いカーテンの中で絶え間なく響いて、風早の鼓膜を震わせた。


「…っ…だめっ…風早くん、そんなとこ触っちゃ、やっ…!」


やんわりと爽子の柔らかな胸の膨らみに触れていた風早の手を爽子が止めるが、お構い無しに風早はピンクのレースの下着を押し上げて、膨らみの頂点にある突起を口に含んだ。


「ふわっぁんっ…やあっだめっ…あっ…ふ、あっ…」

ちゅくちゅくと卑猥な音を響かせながら、風早は片手で爽子の艶やかな黒髪をすいて撫で上げる。サラサラの髪は風早の指の隙間からするりと流れ落ちていった。


「やだっやだよ風早くん…っ誰か来たらどうするの…っ?」

「もう放課後だし、誰も来ないよ。もし誰か来ても、こんなにかわいい黒沼は誰にも見せてやんないから」


風早はくすりと笑って、教室の窓際の白いカーテンに包まれ、密着している自分たちの身体にカーテンを厳重にきつく巻き付けた。
すっかり至近距離に密着した爽子の瞼や頬に優しくキスを落として、その真っ白な耳たぶをやんわりと甘噛みした。


「…っひゃんっ!」

「…黒沼、耳弱いよね…感じるの?」

「やあっ、ちが…感じてなんか…っ」


爽子は必死で抵抗するが、風早の唇や舌が耳に触れるたびに、びくんっと身体を震わせていた。
その様子が可愛くて、風早は悪戯心に爽子が降参するまでその可愛い耳たぶを攻めたてた。


「…はあっ…はあっ…んっ…ふっ…ふぁっ…」

「かわいい…くろぬま…」

熱に浮かされたように熱く短い呼吸を繰り返す爽子を熱っぽく見つめて、風早は爽子の額やこめかみ、鼻や唇にキスを落としていき、首筋にたどり着くと、強く吸い付いて赤い斑点をたくさん刻み付けた。

427ふたりだけの教室A:2010/07/04(日) 01:22:03 ID:x+BZeS05

「んっ…あんっ…風早くん…っくすぐったいよ…っ」

「だめ。がまんして。これは黒沼は俺のものだって印だから」


首筋に口づけながら、風早は爽子のシャツのボタンを襟元から外していく。
ぼぉっと思考回路が正常にまわっていなさそうな爽子は、もう風早の動きを止めようとはしなかった。

ボタンを全て外し終わって、風早は爽子の浮き出た座骨にも何度か口づけると、脱げかかったシャツの間から背中に手を這わせ、慣れた手つきでブラジャーのフックを外した。

するりと滑り落ちたブラジャーの下から、ふるんっと控えめな膨らみの乳房が顔を出した。
風早はその柔らかな膨らみをやわやわと揉みながら、もう片方の手をスカートの中に潜り込ませて、細い太ももをするりと撫で上げる。
びくんと反応した爽子ににやりと笑みを浮かべて、ショーツの上から足の付け根のあたりを撫でた。


「もう濡れてるよ、黒沼」

「…っやあっ…言わないで…っ」


あまりの恥ずかしさから、目尻に涙を浮かべた爽子の髪を撫でて、風早は溜まった涙を唇で拭った。

その間にも太ももや腹部を撫でる動きは止めずに、頃合いを見計らって、ショーツの間からするりと指先を滑り込ませた。


「あっ…やあっ…だめっやだっ風早くん…っ」

「ん…大丈夫。きもちよくしてあげるから」


不安そうにぎゅっと目を瞑った爽子の頬に涙がつたり、風早がそれを唇で拭う。
ショーツの中に潜り込ませた指先は、熱く濡れそぼった秘所の中を優しく撫で上げた。
くちゅくちゅと卑猥な水音に、爽子は頬を執着に赤らめた。
そんな爽子の様子を知りながら、風早は時折、先のほうにあるぷくりと膨らんだ蕾をつまんでやると、爽子はたまらなそうに喘ぎ声を上げた。

428ふたりだけの教室B:2010/07/04(日) 01:23:10 ID:x+BZeS05

「ふわっぁんっ…やあっ…あっあっ…やぁんっああんっ…かぜ、かぜはやく…っ」

「…もう、イキそう?」


容赦なく風早に攻められ続けた爽子は、ふるふると身体を震わせながら絶頂が近いことを感じ、風早の問いにこくこくと頷いた。


「んっ…いいよ…イッても…ちゃんと支えててあげるから」


風早の指の動きが激しくなり、敏感な所を何度も攻められ、爽子は快感に身を震わせる。


「ああんっ!やあっはぁんっ!あっああっ…んっはあっ…は、あっ…あんっああんっ!」

「黒沼、がまんしないで…イッちゃっていいよ?」

「あっあっあっ…やあっだめっ…ふぁんっやだっ…あっ…あっああああんっ!!!」


ふるふるっと身体を大きく震わせて、爽子は風早の腕の中で力が抜けたようにくたりと寄りかかった。


「…イッちゃったね…」

「ん…っ」

「きもちよかった…?」

「…っう、ん…っ」

「そっか、よかった」


爽子の秘所から引き抜いた指に付着していた愛液をぺろりと舌で舐め上げて、風早はにやりと不敵に微笑んだ。

爽子はその微笑みにどきりとしながら、まだ羞恥に耐えられずに風早の胸に顔を埋めた。


「……帰り、おれんち寄っていくよね?」




…………つづき、しよ?








おわり

429ふたりだけの教室:2010/07/04(日) 01:24:29 ID:x+BZeS05
以上ですー。
ただエロイだけの話でサーセン…!

スレ活性化を願って!
430名無しさん@ピンキー:2010/07/04(日) 03:33:05 ID:LBfqtAJO
覗いて良かった!ありがとう!
教室とか…エロパロでの風早は相変わらず変態すなぁw
GJでした!
431名無しさん@ピンキー:2010/07/04(日) 04:59:03 ID:Kh0KXPBa
おぉ…!久々の投下!
職人さんありがとう!!悶えました!!
432名無しさん@ピンキー:2010/07/04(日) 06:37:25 ID:uQG8yhfF
GJGJ!!
433名無しさん@ピンキー:2010/07/04(日) 14:41:12 ID:00rAlG+Z
久々にキター!GJです!
434名無しさん@ピンキー:2010/07/06(火) 00:17:22 ID:SEJEglMN
投下します。龍ちづ。夫婦もの。龍が外仕事設定のパラレル(やっぱ龍にはラーメン屋を継いでほしいですがw)
ちづが一人でしちゃう話。4レス借ります。
435愛しい、ひと:2010/07/06(火) 00:19:04 ID:SEJEglMN



「ねーどう思う!」

かつては、吉田千鶴という名であった女は、今は真田千鶴に名前が変わり、けれどその真っすぐな性格は何一つ変わることもなく、矢野あやねという親友を前に、夫婦の愚痴を赤裸々に語っているところだった。

「どう思うって言われても、ねぇ……」

あやねの、手入れの行き届いた指が、テーブル上のカップをさらうのを、千鶴はじとっとした目で追った。

「冷たい!やのちん冷たいよ!」
「……だって、のろけ聞いてるようにしか思えないんだけど」

ハーブの香りを楽しみながら、あやねはカップの中身を一口含み、その後でふぅとため息をつく。

「どこがだよー!あたし本当に悩んでるのにー!」
「あんたねー……今まで毎日してて?最近龍が忙しくて?抱きしめられて眠るだけの毎日で?」

これをのろけと言わずに何と言うの、とあやねに続けられ、千鶴は言葉を詰まらせた。

「だっだけど!」
「ちづ」
「……な、なに」

千鶴はテーブルを越えて迫り来るあやねにたじろぎ、すらりとした指にあごをとらえられれば、冷や汗すら流れ落ちる。

「体が切ないならね、自分でしちゃえばいーのよ」

あやねは、千鶴のあごをくいっと持ち上げ、そのままするりと指を外す。

「じゃ、ごちそーさま。あたしも暇じゃないからさ、もー行くわ」

呆然とする千鶴を置いて、ひらひらと手を振ったあやねは場を後にする。
喫茶店に残された千鶴はしばらくすると、あやねの言った意味を理解して、もはや隠せないほどに顔を赤くしたのだった――……

436愛しい、ひと:2010/07/06(火) 00:20:24 ID:SEJEglMN



千鶴が冷たいベッドに潜り込む時間になっても、龍はまだ帰宅しなかった。
最近ではそれが常で、一人で食べるご飯も何だか味気ない。

そうなる前までは、確かに毎日といって言いほど情事に耽っていた。
自分を求める大きな手が恋しくて、感触すら思い出せるというのに、だけどすぐに掴むことも出来なくて、千鶴は体に巻き付けた布団をぎゅっと握った。

『……千鶴』

耳元で囁かれた自分の名前がリフレインする。
呼んでも、彼の人はそこにいない。それがわかっているからこそ、千鶴の胸は締め付けられて、切ない。

『自分でしちゃえばいーのよ』

ふと、昼間のあやねの言葉がよみがえって、心臓がどきりと鳴った。
だけどそんなのしたことない、と、千鶴はごろんと寝返りを打つ。

『…………千鶴』

目の前には壁しか見えない一人きりの部屋。けれど、ありすぎる思い出が、千鶴の頭に鮮明に映る。

どきんどきんとうるさい心臓に、千鶴はそうっと手を伸ばした――


「……んっ」

龍にいつもどうされていたかなんて、千鶴自身がよく覚えている。
自分への愛撫を繰り返すと、居ないはずの龍の声さえ聞こえる気がする。

『千鶴、気持ちいい?』
「は……っ、ばかっ……」

『千鶴、こっちは?』
「……うぅんっ、んっ、んぁ……っ」

『……千鶴、入れていい?』
「…………っ」

つぷ、と中指を差し込んでみると、中は既に大洪水で、千鶴の細い指で満足出来ようはずもない。

「ん、これ、くらい……?」

指を、二本、三本と増やしてみて、千鶴は大きく体を震わせた。
437愛しい、ひと:2010/07/06(火) 00:22:00 ID:SEJEglMN



「はっ……あぁ……」

『千鶴……っ』
「あ、あっ、りゅうっ、りゅう……!」

気分も最高潮に、ごろんと寝返ると…………目を見開いて千鶴を見下ろす龍と目が合った。

「…………やっ!」

かあっと顔が熱くなる。
局部から指を引き抜いて、慌てて拭ってみても、もう遅い。

「何してんの」
「ちがっこれは」

違う、なんて言ってみても、何が違うと言うのだろうか。
ふーっ、と息を吐く龍に、千鶴はびくっと肩を揺らした。

「いつも、してたの?」
「……はっ、はじめて……」

消えてなくなりたい、と千鶴は思うけれど、そうは行かない。
自分が姿勢を正した横に、龍がどさりと座ったからだ。

「……き、嫌わ……ないで……」

千鶴の目から、ほろりと涙が零れて、ひとつふたつと滴になる。

「あ?……あー……いや、だから」
「龍がっ、いなくて、いつもいなくて、さみしくて、そしたらやのちんが」

誰かのせいにしたいわけではないのに、千鶴の口からは言い訳めいた言葉が紡がれる。
そんな自分にも嫌気がさして、千鶴はますます縮こまった。

「……千鶴」
「え」

名前を呼ばれた一瞬後には龍に組み敷かれていて、千鶴はわけもわからず龍を見上げる。

「いいよな?」

なにが、という言葉が出る前に、千鶴の口は龍のそれに塞がれて、何も考えられないほどに激しく咥内を這い廻る舌に、燻っていた千鶴の熱が再燃しはじめた。

「んっむ、りゅ……」

千鶴の方からも舌を絡めてみれば、じゅわりと泉がわくのを感じる。
438愛しい、ひと:2010/07/06(火) 00:24:18 ID:SEJEglMN



千鶴が欲しかった龍の手が、体中に触れる。
幸せ過ぎて零れた涙すら、惜しむように舐め取られて、わけもわからないままに、千鶴は何度も絶頂に達した。

結局、何度繰り返したかもわからないほどに貪られて、千鶴はくたんと体を龍に預けるほかなかった。
厚く大きな胸板にもたれかかると、足りなかった何かが満たされる。

「……龍…………」

ああ、居場所はここなんだ、と、千鶴は確信に近いものを感じて、満足げに息をひとつ漏らす。

「千鶴、すきだよ」

頭上から聞こえた囁きに、重い頭を持ち上げると、龍はすでに規則的な寝息を立てていた。
くすっと笑ってそっと口づけると、千鶴は『居場所』におさまって、近くまで来ていた眠気を手繰り寄せた――


「そういえば、昨日はちょっとだけ早かったんだね」

目覚めて、慌ててシャワーを浴びに行った龍に朝食を用意する。
まだあくびのおさまらない様子で戻ってきた龍にそう言うと、「まぁな」とそっけなく返される。

「……珍しいもんが見れたから、早く切り上げてきて良かった」

と呟かれては、昨日の自分の失態から激しい情事までの一連を思い出し、千鶴はぼっと顔を染めるしかない。

「ちょっ!」

慌てて龍に目をやる千鶴には、優しい微笑みが向けられていて、千鶴は言葉を失って立ち尽くした。

「じゃ、行ってくる」

玄関先で龍を見送ると、千鶴の耳元で昨夜の最後の一言がもう一度囁かれる。
閉まる扉を確認してから千鶴はぼそっと呟いた。

「あたしもだよ。ばーか……」



おわり
439名無しさん@ピンキー:2010/07/06(火) 00:25:31 ID:SEJEglMN
おわりです。
スレが栄えてほしいです。職人さんにネタが舞い降りますよーに!
440名無しさん@ピンキー:2010/07/06(火) 03:50:46 ID:mdSUZb70
あああもう!千鶴が可愛すぎる!

GJ!
441名無しさん@ピンキー:2010/07/06(火) 23:46:31 ID:Fy4wytma
規制解除記念に投下。

新婚風爽でエチなし事後。
442名無しさん@ピンキー:2010/07/06(火) 23:49:58 ID:Fy4wytma
(暑…)

風早は眠気眼のまま、ぼんやりと自室の天井を見上げた。

髪は汗で額に張り付き、体は何となくべたべたする。
部屋には、独特の匂いと気だるい雰囲気が流れており、それが情事を終えた後のものだと気付き、隣を見る。
普段なら隣でくっついているはずの爽子の姿はなく、代わりに部屋の外から「トントン」と刻みのよい音が聞こえてくる。

時計を見れば、「7:00」

薄暗い外と、外のTVから聞こえてくるバラエティー番組から、夕方であることに気付き、気だるい体を起こす。
が、さすがに今のまま部屋から出るのは如何なものかと考えなおし、
適当なジャージを見つけ、下だけ着替え、部屋を出る。

「おはよー」
「あ、おはよう」

料理をしていた爽子は振り返り、風早の姿を見てわずかに赤面する。

「夕方だから『おはよう』は変かな?」と言いながらも、ぐるぐるとお玉で鍋をかき混ぜる手は爽子の動揺を表しているようだ。
風早は邪魔するかのように、爽子の華奢な肩に顎を乗せる。
二つに結われた髪からふわっとシャンプーの香りがする。

「シャワー浴びたんだ?」
「うん、汗が凄かったから…」
「起こしてくれればいいのにー」

わざとらしく拗ねる風早に、爽子は「な、なかなか起きなくって…!疲れているのかな、って!」と慌てた様子で弁解する。
そんな姿も可愛らしくて、思わず腰に手を回しぎゅっと抱きしめる。
同時に、風早の首筋からつぅーっと汗が一筋流れる。

「あ、ごめん。汗臭いよな」

そう言って離れれば「そんなことない」と爽子は首をぶんぶんと振る。
汗を拭いながら、(可愛いなぁ)なんて考えている風早には気づいていないようだ。

額に張り付く髪が鬱陶しいのか、「暑ぅー…」とうめき声を出しながら片手で前髪をかきあげる。
その姿を見ていた爽子は料理の手を止め、ぽーっと見ていたかと思うと、徐々に顔が赤くなっていく。

「え、何?」

かぁーっと顔を赤らめる爽子に尋ねれば、ビクンと体を震わせ、一通り目を泳がせたあと、赤い頬を隠すように両手で包みながら、口を開く。
443名無しさん@ピンキー:2010/07/06(火) 23:51:51 ID:Fy4wytma

「だ、だって翔太くん…色っぽいから」

ポツリ、と呟かれた言葉に風早は一瞬固まり、
言葉の意味を理解すると、ボッと顔が赤く染まっていく。

「お、俺シャワー浴びてくる!」

逃げるかのように、浴室へ入る。
色っぽい、なんて自分からは程遠いと思っていた風早は、爽子の言葉を反芻し、赤面する。
そして、ちょっと前の爽子を思い出す。

(『色っぽい』のはそっちじゃんか…)


暑くてまとめられた黒髪。
まとめられた黒髪から、普段は隠れて見えないうなじ。

白い首筋に流れる一筋の汗。

熱さで紅潮した頬に気だるけな表情。


―そんな色気を放つ爽子に風早の理性が勝てる訳もなく、気が付いたら首筋に唇を落としていた。


汗で髪が肌に張り付き、溶けていく爽子の姿を思い出し、自然と口元がゆるむ。
そんな自分が何だか気恥ずかしくて、早々とシャワーを浴びて部屋に戻る。

リビングに入ると、食欲をそそる匂いが鼻をくすぐる。
あとは煮込むだけだから、という爽子の言葉がもうすぐで出来あがることを教えてくれる。

風早は幸せをかみしめながら、リビングのソファーへ座る。
扇風機の風が濡れた髪を揺らして、涼しい。
湯上りで火照ったからだを涼めていると、「そのままだと風邪ひいちゃうよ」と爽子が顔をのぞく。
444名無しさん@ピンキー:2010/07/07(水) 00:02:08 ID:Fy4wytma
「髪乾かすのメンドー」
「え?」

涼しいし、髪は短いからすぐ乾くからいいと言う俺に、爽子は「でも…」と口ぐむ。
何かを思いついたのか、爽子は洗面所へ行きタオルを持ってくる。
洗いたてのタオルをふわり、と風早の頭にかぶせる。

「じゃあ、私が乾かすね」

ドライアーをする気がない風早を見かねたのか、タオルで優しく水気をふき取っていく。
それはまるで高校生の頃のようで。

「高校の時とは逆だね」

くすくすと笑いながら爽子は、わしゃわしゃと、タオルで風早の髪を乾かしていく。
そういえば、そんなこともあったなぁ、と風早も釣られて笑う。

あの時触れた、さらさらと流れるような自分とは違う感触に密かに感動したのは今でも覚えている。
今では当たり前のように触れるが、手から滑り落ちるようなこの感覚が好きだ。

一方、爽子も風早の髪を乾かしながらも、ふわふわとした感触を楽しむ。

為されるがままの風早は自分がまるでマルになったかのような気がしながらも、
どこかくすぐったく感じながらその身を委ねていく。


たまにはこんなときがあってもいいのかも、

お互いに小さな幸せを感じながら二人はゆっくりと唇を合わせた。
445名無しさん@ピンキー:2010/07/07(水) 00:03:35 ID:Fy4wytma
以上です。

暑い時の色気っていいよね!(・∀・)という話のはずが…。
別マの帽子を取ってあげるあの1コマの2人がかわいすぎたのがいけない。

お目汚し失礼いたしました。
446名無しさん@ピンキー:2010/07/07(水) 00:13:26 ID:7Nsx8nIV
暑いときの色気まるっと同意(´ω`*)最高!!
グッジョブです!
447名無しさん@ピンキー:2010/07/07(水) 00:22:02 ID:X2E+eELH
かわいー!かわいー!
やっぱ新婚風爽いいわー…無条件で萌える!

自分も別マのデート後の帽子取るシーンに萌えたクチですw
もうすぐ今月号発売ですね!爽子は風早と手を繋げたのか…気になる!
448名無しさん@ピンキー:2010/07/07(水) 02:54:13 ID:9cH14nVJ
龍ちづも風爽もいい!!!
職人さんGJGJです!

もうすぐ別マ発売だー
449名無しさん@ピンキー:2010/07/07(水) 13:53:05 ID:f0gpdiWj
>>401の監禁・拘束系がどんなんか気になる
ごめん変態で
450名無しさん@ピンキー:2010/07/07(水) 21:06:14 ID:p9rLNqAo
誰か海の話を〜
451名無しさん@ピンキー:2010/07/07(水) 22:08:48 ID:9zgGV8NV
今更だけど龍ちづGJ!!!
452名無しさん@ピンキー:2010/07/12(月) 20:56:47 ID:C9CXoN3X
別マ発売でニヨニヨしながらきたら職人さんたちの
燃料が!!!
もうどれもこれもはあはあしましたが、
龍ちづGJ!!!
あのふたりも好きだー!!
453名無しさん@ピンキー:2010/07/17(土) 23:21:17 ID:7Sq2eEa4
エロくありません。が雰囲気エロを目指しました。
暇つぶしになれば幸いです。

454夕立1:2010/07/17(土) 23:22:10 ID:7Sq2eEa4
あたりが急に暗くなったかと思うと、激しい雨が降り始めた。
どこからか聞こえてくる雷鳴。
突然の雨に、二人は雨宿り出来そうな場所を求めて走った。
偶然通りかかった公園で屋根つきのベンチを見つけて、ふぅっと息をつく。

「少し濡れちゃったね」

と風早が言うと、爽子がカバンからタオルを取り出して、風早に差し出した。

「はい、どうぞ。」
「えっ、いいよ!黒沼が先にふいて!」

風早は、あわててタオルを押し戻した。

「あ・・・うん・・・」

爽子は、雨で濡れた体をふき、額にはりついた髪をなおした。
いつもはきちんと整えられたストレートの髪がバラけ、汗ばんだ首すじに貼り付いている。
走ったせいで、少し蒸気している頬。乱れた息。
うつむきながら、髪を耳にかけるその仕草が色っぽくて、風早は吸い込まれるように爽子から目が離せないでいた。

(触れたい・・・。)

「どうぞ、風早くん。タオル少し濡れちゃってるけど・・・」

目の前にタオルを差し出され、ハッと我に返る。爽子からタオルを受け取ると、体に押し当てた。

(あ・・・いい匂い・・・)

何だかドキドキして、水滴をぬぐうのもそこそこに、タオルを返した。


「ありがと。・・・びっくりしたよな。突然降ってくるんだもんなー。」

空を見上げて風早が言うと、爽子は、でも、こうやって風早くんと雨宿り出来るの楽しいよと、嬉しそうに笑った。
その笑顔が風早の体の熱をあげる。

(・・・そうだよな。こうやって黒沼と二人きりになれたし)

「そうだな!でも、黒沼カミナリ怖くねーの?」ははっと爽子に笑顔を返した。

(・・・でも、キンチョーする。やべー、か・・・会話・・・会話を!)
455夕立2:2010/07/17(土) 23:24:03 ID:7Sq2eEa4
「雨、止まないね・・・」

止んで欲しくないな、と思いながら風早はチラと爽子を見た。

「・・・うん」

どこか遠くを見つめるような爽子の横顔がキレイで、ますます自分の内なる熱が上がるの感じる。

(・・・黒沼、今どんなこと考えてるんだろ?)

先ほどまで耳に届いていた、雷鳴はもう聞こえない。聞こえるのは、雨音と虫の鳴き声。
風早は外界から遮断されたふたりだけの空間を、もっと味わいたかった。
爽子と同じ景色を見て、同じ空気に触れていることが単純に嬉しかった。

雨が乾いた土を濡らし、草花の香りが夏の空気と重なる。
二人の間の沈黙が、なお一層、夏の匂いを濃密にしていた。

(触れたい・・・!)

「髪・・・」
「えっ?」
「髪、・・・さわってもいい?」

爽子の答えを待たずに、風早は爽子の髪に触れた。
初めて触れた、女の子の髪。大好きな人の。
絹のようにサラサラで、掴んでもスルリとこぼれていく。
だから、もっともっと触れたくなる。


「あ・・・あのっ」

ふと見ると爽子がうつむきながら

「私も・・・風早くんの・・・髪、さわってもいいかな・・・?」
と細い声で言った。
思いがけない爽子の申し出に嬉しくなり、どうぞどうぞと頭を爽子の方に傾けた。
で、では失礼しますと、おずおずと爽子の白い手が頭に伸ばされる。

ふわっ。

風早の髪を、爽子はやさしくなでた。
ほっそりした指の動きに、風早は全神経を集中させた。
あまりの心地よさに、体が動かない。

「風早くんの髪、サラサラだね!」

爽子のはにかんだ笑顔が可愛くて・・・気がついたら、爽子を抱きしめていた。
自分の心臓がものすごい速さで鼓動している。苦しい、胸が。呼吸がうまく出来ない。
でも、この感触を手放したくない。爽子の華奢な体は力を入れると壊れそうで、でももっと近づきたくて
背中にまわした腕に少しだけ力をこめた。
456夕立3:2010/07/17(土) 23:24:48 ID:7Sq2eEa4
どれくらいそうしていただろうか。
しばらくすると、風早がそっと腕の力を緩めた。

「急に、ごめんな」
「うっ、ううん・・・」

真っ赤な顔してうつむく爽子が愛しくて、愛しすぎて・・・。

爽子の髪に手を伸ばし一房すくうと、そこに口付けた。甘いシャンプーの香りに体がしびれる。

「か・・・風早くん・・・?」

恥ずかしそうな顔をして見上げてくる爽子にニコッと微笑むと

「そろそろ、帰ろっか」

と声をかける。いつの間にか雨は止んでいた。

「うん・・・!」

手をつないで家路へと向かう。二人の夏は始まったばかり・・・。

END
457名無しさん@ピンキー:2010/07/18(日) 00:07:00 ID:+MCsH3Cm
うっわあああー!!
すっごいドキドキしたあああーー!!
GJです!最後らへんはあの妖しい風早の表情でイメージしました
458名無しさん@ピンキー:2010/07/18(日) 03:29:08 ID:Y10qKp5G
地の文がやわらくていい。
こういう表現出来るのがうらやますい。
GJです。
459名無しさん@ピンキー:2010/07/18(日) 23:29:03 ID:P7gTKGOU
雰囲気がエロイ!
GJ!!!!
460名無しさん@ピンキー:2010/07/22(木) 00:44:02 ID:0GSQM6t6
>>457-459 GJありがとうございます
>>401 >>449の監禁・拘束系を勝手に妄想してしまいました。
でも、爽子に乱暴に出来ない風早なので
何だかよくわからない話になってしまった。
エロって難しい。途中で混乱しました。

暇つぶしになれば幸いです。
461放課後1:2010/07/22(木) 00:44:58 ID:0GSQM6t6
「やっ・・・!やめてっ・・かぜ・・・はやくんっ。だめぇっ!」

倉庫で押し倒され、大きく足を開かれた。

「ここ、使われなくなって大分たつから誰も来ないよ。」

だから、声だしていいよ・・・そう言うと、風早は爽子の足の間に顔をうずめた。

「ああああっ・・・!」

爽子はどうして自分が今ここにいるのか、どうしてこうなったのか考えようとした。
けれど、生暖かい舌がうごめくと、もう何も考えられくなった。



(風早くんと前より距離あいた気がする・・・)

進級して再び同じクラスになったものの、うまく接することが出来ない自分に
爽子は落ち込んでいた。

(席が離れているから・・・?)

・・・ううん、そうじゃない。私が臆病になっているだけ。
風早くんに嫌われたくなくて、どうしていいか分からない・・・。
花壇の手入れを終えると、爽子は校庭にある手洗い場へと向かった。

(もっと話したいな)

蛇口から流れる水を見ながら爽子はぼんやり思う。

「あれっ、黒沼?」

振り返えると、風早が立っていた。薄紫色と、オレンジ色の混ざった夕日の中に。
逆光なので表情はよく見えないが、スラリとした長身の影に、爽子の胸は高鳴った。

「どしたの?こんな時間まで」
「あ・・・私は・・・花壇のお手入れを・・・」
「えっ!?今まで!?」
「か・・・風早くんは?」
「俺はピンにつかまって雑用。」

あいつ人使い荒くて、と髪に手を当て風早はぼやいた。

「そっ・・・そうなんだ。お疲れさま・・・」

風早の目をまともに見られずに、爽子は視線をそらした。
試験が近いためか、夕日に照らされた校庭に人影はない。
爽子は言葉を続けたいのに、頭には何も浮かんでこなかった。
一方の風早も、それ以上言葉を発しなかった。黙って、爽子を見ている。
俯いても感じる視線に、爽子の心音はますます速まる。
空の薄紫色が、わずかに濃くなった気がした。
462放課後2:2010/07/22(木) 00:45:45 ID:0GSQM6t6
「もう帰るんでしょ?暗くなるし送ってくよ」

先に沈黙をやぶったのは、風早だった。

(・・・・!!)

「ええっ!?だ・・・だい・・・じょうぶ・・・!!」

と答えた後で、またも後悔の念が押し寄せてくる。

(まちがえた・・)

「え・・・っと、あのっ、家近いしっ、まだ・・・陽も落ちてないしっ」

(感じよくしたいのに。風早くんを前にするとどうしてこうなっちゃうんだろう・・・)

その場に居づらくて、急いで別れの挨拶を告げると、クルリと背を向けた。

「待って、黒沼!!」

風早に左手をつかまれる。

「ちょっと、こっちきて」

(えっ?ええっ・・・?)

なかば、引きずられるようにして、倉庫の方へ連れて行かれた。

「あのさ・・・俺がこの前教室で言ったこと、まだ気にしてる?」

(・・・!?)

爽子の頭に、あの時の光景が蘇る。

『男子の中じゃ一番近い存在かと思ってた』

「ごめん、変なこと言って。困らせるつもりじゃなかった・・・・・・ごめん」
「あっ、謝らないで!風早くんは何にも悪くないよ・・・!私がっ・・・」

(・・・意識しすぎて、うまく話せないの。)

赤い顔をして俯いてしまう爽子に、風早が静かに問う。

「じゃあ、どうして俺と目を合わせてくれないの?俺と喋ってくれないの?」

えっ?と爽子が顔を上げると、暗い目をした風早がいた。
次の瞬間、突然強い力で手を引かれ、倉庫の中へ引き込まれていた。

463放課後3:2010/07/22(木) 00:46:57 ID:0GSQM6t6
その場所は窓から夕日が差し込んでいるものの、ひどく薄暗い。
壁にライン引きが立てかけられ、床は白い粉で汚れていた。
側面が大きくへこみ変形したロッカーが、部屋の奥に置かれている。


カチャリ

振り返ると、風早が扉に鍵を取り付けていた。それは、数字を三つ合わせると開くような
どこにでもある小さな鍵だった。あわてて爽子が扉に駆け寄ろうすると、風早の
手によって制される。

「無理だよ。だって黒沼番号知らないでしょ?」

風早の目が妖しく揺らめき、爽子に近づいていった。
二人の視線が交わる。その目は、普段教室で見せている少年のものではない。
爽子は、とりつかれたように、その場から動けなかった。
積み上げられたマットの上に、静かに押し倒される。

「かっ、かぜっ・・・んっ」

言葉を発しようと開いた口を、風早の唇で塞がれた。
驚いて離れようと腕に力を込めるが、体を押さえつけられ、身動きが取れない。

(い・・・いやっ!どうしてこんな)

「んっ、んーー!!」

爽子が全身を使って激しく抵抗すると、唇の隙間から舌が差し込まれた。

「あっ・・・っ」

風早の舌が口内をなぞり、爽子の舌を見つけると、熱く絡ませてきた。
互いの唾液が混ざり合う。頭がぼうっとして、体の力が抜けた。
風早は鞄から制服のネクタイを取り出すと、爽子の両手を前で交差した。

「ちょっと痛いかもしれないけど、ごめん」

そう言うと、ネクタイを器用に爽子の手首に巻きつけた。
爽子は、何が何だか分からず、ただ自分が拘束されていくのを見つめていた。

464放課後4:2010/07/22(木) 00:47:45 ID:0GSQM6t6
再び再開された淫らな口付けに、爽子はされるがままとなっていた。
力を失った爽子の体に、風早がのしかかる。
拘束された両腕は、頭の上で押さえつけられた。
風早の骨ばった大きな手が、爽子の制服のリボンを緩めると、ブラウスのボタンを
ひとつずつ、はずしていく。いつの間にか、ブレザーのボタンもはずされていた。
風早の手がブラウスにかかり、胸元がはだける。
薄ピンクのレースが、爽子のふくらみを隠していた。
乱れたシャツの間から手を入れ、爽子の体を少し傾けると、ブラジャーのホックをはずした。
開放されたふくらみは、暗がりの中で、白く浮かび上がった。

「み・・・見ないで!!」

熱い視線に耐え切れず、爽子は交差された腕で懸命に隠そうとする。

「あっ!」

簡単に腕を押し戻され、薄桃色の先端を甘く吸われた。
舌で転がされ、もう片方のふくらみは大きな手に包まれ、揉みしだかれる。
時折、先端をやさしく摘まれると、爽子は小さく喘いだ。
風早の手がスルスルと爽子のスカートをなぞり、白い太腿に触れた。
ショーツの上から、指で刺激される。

「・・・!!そこはっ、だめぇっ!!」

爽子の声が届いていないかのように、風早の長い指がショーツの隙間へと伸ばされた。

「もう、濡れてる」

恥ずかしさから、爽子の顔は真っ赤に染まり、目にはじんわり涙が溜まった。

「黒沼、かわいい」

風早の唇が涙をぬぐい、ショーツをすっと抜き取る。
足を広げられ、風早の指が爽子の蜜をすくうと、突起部分にやさしく塗り付けた。

「痛いっ・・・」
「・・・敏感なんだな、黒沼って」

爽子の首に息を吹きかけながら、風早はクスリと笑った。
そして、徐々に爽子の泉に顔を近づけていく。

「やっ・・・!やめてっ・・かぜ・・・はやくんっ。だめぇっ!」
「ここ、使われなくなって大分たつから誰も来ないよ。」

だから、声だしていいよ・・・風早の顔は、爽子の足の間に埋まっていった。

465放課後5:2010/07/22(木) 00:48:22 ID:0GSQM6t6
「・・・痛くない?」

膨らんでしまった突起に舌が触れるか触れないかの、もどかしい愛撫が執拗に続く。
足の間から見上げる風早の問いに、爽子は答えることが出来ない。
代わりに爽子の口からは、甘い喘ぎ声が響いている。
爽子は、いまだかつて感じたことのない快感の波にのまれていた。
それと同時に、風早の愛撫に反応してしまう自分に、困惑していた。

(こんな声、風早くんに聞かれたくない!はずかしいっ)

必死に耐え、身をよじるものの、風早に強く膝をつかまれ
波から逃れられない。
爽子の声に応えるように、風早の舌の動きが次第に激しさを増す。
薄い茂みをかきわけ、尖らせた舌が割れ目を何度もなぞった。
溢れた蜜を吸われ、熱い舌が突起に触れると、小刻みに刺激する。

「あっあっ・・・だっ・・・だめぇっ!!あっあっ!」
「イキそう?黒沼」
「やっ・・・離してっ、あっ・・・ああああーーっ!!」

ビクビクと体を震わせて、爽子は達した。

「はぁっ、はぁっ・・・」

風早は、肩を大きく上下させ呼吸する爽子の首筋に吸い付くと
間髪入れず、爽子の中に指を一本差し込んだ。

「あっ!」

異物感に爽子がのけぞった。

「すごく熱いよ、黒沼のここ」

風早はゆっくりと爽子の壁をこすり上げながら、熱っぽく言った。
溢れ出した蜜が、風早の欲情を色濃くする。

「や・・・あんっ」
「気持ちいい?」
「んっ・・あっ・・・」
「ね・・・?答えて?」

長い指を動かしながら、風早は爽子の耳を甘噛みした。

「・・・き・・・きも・・・ち・・・いいっ・・・」

息も絶え絶え爽子が答えると、風早は指をもう一本差し込んだ。
ゆっくり、ゆっくり熱い壁をこすりながら、音を立てて甘い蜜を吸った。

「やぁっ!まっ・・・またっ・・・私・・・おかしくなっちゃうっ!!」

指で中をかき混ぜられながら、爽子は頭が真っ白になった。
466放課後6:2010/07/22(木) 00:48:58 ID:0GSQM6t6
カチャ・・・

金属音がして目をやると、風早が制服のベルトを緩めていた。
初めて迎えた絶頂によって、爽子の思考は完全に停止していた。

「俺も気持ちよくして」

肩をつかまれ、引き起こされると、反り立った熱い塊が目の前に迫っていた。

「口あけて」

頭を抱えられ、風早の塊がゆっくりと爽子の口にのみこまれていく。
爽子は反射的に、きつく目を閉じた。

「・・・くっ・・・っ」

今まで感じたことのない快感に、風早は思わず声を漏らす。
塊は一定の速度で爽子の口内を侵食し、脈打っていた。
目の前の情景に、爽子の表情に、快感が風早の全身を支配する。
危うい気配を感じ、塊を口から引き抜くと、鞄をから袋を取り出した。

「黒沼、俺のものになってよ」

避妊具をつけ、爽子に覆いかぶさる。
爽子は、風早の体の重みを感じて無意識に体を硬くした。

「力抜いて・・・」

熱い塊が、押し当てられる。

「い・・・痛・・・」

下半身に重い痛みを感じて、爽子は苦痛で顔を歪ませた。

「ごめん、ゆっくりするから」

言葉通り、少しずつ、それは爽子の中へ侵入していった。
爽子が痛みで声を漏らすたび、風早の唇が体中に落とされる。
やがて全部おさまると、爽子の頬に手を伸ばして、囁いた。

「動くよ?」
「・・・っ!!」

爽子の様子を伺いながらぎこちなく動いていた腰も
滑りがよくなると、速度を増していく。水音が、熱の篭もった部屋に響いた。
「・・・黒沼・・・っ」

せつなげに自分の名を呼ぶ声に、爽子の胸はしめつけられる。
密着した体から風早の匂いと体温を感じて、泣きそうになった。
ふわり、と風早の唇が爽子の唇に触れる。・・・それはやさしい口付けだった。

「黒沼・・・俺・・・黒沼がすきだよ・・・誰にも・・渡したくないっ・・・」

467放課後7:2010/07/22(木) 00:50:06 ID:0GSQM6t6
(・・・すき?風早くんが私を?)

爽子は信じられない思いで、風早を見つめた。

「すきなんだ・・・」

爽子の顔がみるみる紅潮し、涙で視界が滲んでいく。

(伝えたい、私も。言葉にしたい)

「私もっ・・・風早くんが・・・すき」

爽子の震える声が、部屋に響いた。

「・・・えっ!?」

風早の動きが、止まる。

「え・・・それって・・・・・・「風早くんのことっ・・・、ひとりじめしたかったのっ」

堪えきれず涙が溢れた。風早の目が大きく見開かれる。

「ずっとっ、目を合わせたかった」
「前みたいに、話したかった」
「すきなのっ・・・ずっと前から」

溢れ出た想いが、涙と一緒に流れた。

「・・・黒沼・・・」

風早は、うつむいて動かなかった。強く結ばれた唇が、小さく震えている。
やがて、顔をあげると爽子をやさしく抱き起こした。

「こんなことして、ごめん」

小さく呟くと、風早はスルリとネクタイをほどいた。
解放された爽子の腕が行き場を失って、さまよう。

「ほんと、ごめんっ」

肩を落として、うなだれた。
風早の手に、爽子はそっと自分の手を重ねる。

「こんな俺でも、すきでいてくれる?」

風早は不安げに爽子を見上げた。その目は少年に戻っていた。

「うん」

微笑みながらそう告げると、爽子は風早の背中に細い腕をまわした。

「・・・続き、して?」
468放課後8:2010/07/22(木) 00:51:00 ID:0GSQM6t6
淫らな水音と、爽子の甘い声に。
自身を締め付けるやわらかな壁に風早は翻弄され、終わりが近いことを悟った。

「はぁっ・・・も・・・限界。・・・いい?」

コクリと爽子が頷くと、風早の腰が激しく打ち付けられる。

「・・・・・・っ!!・・・」

快感が背筋を駆け上がる。声にならない叫びをあげ、風早は熱を放った。




夜の闇に包まれ始めた倉庫の中で、風早はグッタリした爽子を抱きしめていた。
無理もない。
爽子の白い体に無数に付けられた赤い跡が、自身の激しさを物語っていた。

「か・・・ぜはや・・・くん?」

うっすら目を開けて、爽子が身を起こした。

「すきだよ」

爽子の前髪をかきあげ、額に口付けるとギュッと抱きしめた。

(すきだよ、誰よりも・・・・・・)

END
469名無しさん@ピンキー:2010/07/22(木) 16:25:19 ID:USlG9YRT
うっひょおおおおおおGJでした!!
告白前のエロパロが今読めると思わなかった。
黒風を久々に見た気がするw
470名無しさん@ピンキー:2010/07/23(金) 01:00:30 ID:OivEQVJe
GJ!!!
黒風は監禁&拘束系が似合うw
471名無しさん@ピンキー:2010/07/23(金) 02:02:37 ID:RY5DjdiW
>>469-470 GJありがとうございます。

最後は、普通の男子高校生・風早のエロっぽさを目指しました。
これにてストック放出終了ですが、また何か思いついたら
投下したいです。

472The 男子高校生1:2010/07/23(金) 02:04:24 ID:RY5DjdiW
夏休みに入った最初の土曜。

「ちょっと!龍!打ち上げ花火するから、そこどいて!」

吉田は打ち上げ花火や、大きな音のする派手な花火ばかり手に取って、火をつける。

「ちょっと、ちづ。こっち向けないでよ〜」
「・・・千鶴、あぶない」

部活の後呼び出された龍は、線香花火を手にあくびを連発していた。


爽子は今晩、矢野と吉田の家に泊まるらしい。そのおかげでこうやって
嬉しいお誘いがあったわけだ。
闇夜に浮かぶ光。オレンジ、赤、黄色、緑。色とりどりの夏の花が咲いては散っていく。光に照らされた爽子の顔をチラと見た。そこへ吉田が
「爽〜、火ーちょーだい」
黒沼の手元の花火から火種をもらうと、吉田の持つ花火が激しく閃光する。
ギャー、ちづ!こっち向けんな、と矢野が波打ち際に退散した。
そんな様子に、爽子は子どものような笑顔を向けていて、思わず口元が緩んだ。

砂浜に散らばった燃えカスを拾っていると、矢野に手招きされた。
「風早、ちょっと」
「何?」
「後は二人っきりにしてあげるから。ちゃーんと千鶴の家まで送り届けんのよ?」
「・・・おう。」

「爽子ー。うちらちょっと買出し行くから!龍、あんた荷物もち!」
「えっ?千鶴ちゃん・・・?」
吉田が龍の腕をつかみ、引きずりながら歩いていった。
多分、気を遣ってくれている・・・!そう言うと爽子は頬を赤らめた。


「ちょっと散歩しない?」
風早は、爽子の手を取って、海岸を歩き始めた。
夜の海は、学校際の打ち上げで来たことはあるけど、爽子と二人きりだと
まるで違う場所のように感じる。
しばらく歩くと、柵によりかかった。
「花火、楽しかったね」
風早が言うと、爽子が目を輝かせた。
「うん!私、友達と花火って初めてだったの!すごく、すごく楽しかった!」
「じゃあさ、また今度やろうよ!」
俺と二人で・・・と続けたかったけど、言い出せなかった。
473The 男子高校生2:2010/07/23(金) 02:05:15 ID:RY5DjdiW
「・・・ん、・・・あっ」
(・・・!?)
どこからか、女の人のくぐもった声がする。
風早があたりを見回すと、たくさんのカップルが、甘いムードを漂わせていた。
体を密着させた男女の影がいくつも目に付く。
(・・・!!)
とてもじゃないが、爽子と居られる場所ではない。
(俺がどーにかなっちゃうよ!)
駐車場のそばに自動販売機を見つけると、急いで爽子に言った。
「・・・あ、あっちでジュースでも飲もっか!」



ガコン

「はい、どうぞ」
取り出し口から冷たいミルクティーと取り出すと、爽子に渡した。
「ありがとう、はい、お金」
爽子は小銭を風早に渡そうとした。
「ん、いいよ。この前クッキー作ってきてもらっちゃったし」
超ささやかなお礼!と言って、風早はジュースのプルトップに手をかける。
人気がない海ってちょっと怖いね・・・そう言って駐車場を見ると
奥に一台車が停車していた。
(ん?)
中に人影が見えた。車が、不自然に揺れている。
(あ、あれは!!・・・絶対・・・そうだよな?)
カーセック・・・。
ゴクリッと喉をならした。風早の心臓は今にも破裂しそうな勢いだ。
(黒沼は気付いてる?)
振り返ると、爽子はコクコクと美味しそうにミルクティーを飲んでいた。
よかった、と安堵の溜息をついたものの、車中の様子が気になって仕方ない。
下半身に強烈な熱を感じる。
(やべー、どうしよう、黒沼にバレたらカッコ悪すぎる!!)
心とは裏腹に、どんどん主張し続ける下半身を誤魔化そうと、しゃがみこんだ。
風早の様子を見て、爽子は心配そうに言った。
「風早くん、どうしたの?気分でも悪い・・・?」
上目遣いで顔を覗き込まれて、その瞳に完全ノックアウトされた。
こうなると、もうたまらなくなって、爽子にキスをした。
今日会ってから、ずっとずっと、こうしたかった。

ミルクティーを飲んだばかりの唇はひんやりとして、甘い・・・。
舌を差し込むと、おずおずと応えてくれる。
雰囲気にあおられ、どんどん激しくなるキス。心の奥に潜んでいた欲望が騒ぎ出した。
「・・・黒沼、・・・俺、黒沼の胸みたい」

・・・・・・言ってしまった。
驚いて固まった爽子の顔を覗き込んで、再度ねだった。
「・・・ダメ?」
爽子が、様々な思いと葛藤しているのが分かって風早は辛抱強く待った。
ダメかな?あきらめかけた時、消え入るような声で爽子がいった
「・・・いいよ」
474The 男子高校生3:2010/07/23(金) 02:06:04 ID:RY5DjdiW
ワンピースのボタンを、爽子の白い手がひとつずつ、はずしている。
自分でお願いしたことなのに、風早は目の前の光景に信じられない思いで一杯だった。
「・・・はずしたよ」
俯いてしまった爽子。風早は、震える手でワンピースに手をかけた。
華奢な体のわりに、ふっくらした胸。
これだけでも十分嬉しいけど、ふくらみを隠す布にもどかしさを感じる。
「下着、はずしていい?」
「・・・そ・・・それは・・・」
「ちゃんと見たい」
「・・・うっ・・・」
コクリと爽子が頷いたのを確認すると、背中に手をまわしてブラジャーのホックを
はずした。
きれいな形の胸が、街灯に照らされる。白くて、吸い込まれるような光を放っていた。
おそるおそる手を這わせると、すべすべした肌のなめらかさと、やわらかさに
感動を覚える。
ひゃあっ、と声があがった。
「・・・はずかしいよ・・・」
見上げると、潤む爽子の瞳があった。
その瞳が、風早の理性を簡単に崩壊させる。
再び、キスをすると唇をずらし、首筋に吸い付いた。
唇を徐々に下へ降ろし、顔を胸にうずめた。
「かっ、風早くんっ!!」
爽子が真っ赤になって、風早を押しとどめた。
しまった、つい・・・!
自分のしたことを思い出し、顔から火が出そうだった。
「ごごごご、ごめんっ!!」



結局あの後、黒沼を吉田の家に送り届けて、龍の家にお邪魔したら、いつの間にか眠ってしまったらしい。
龍は部活へ行ったようで、龍の親父さんに挨拶をすると、家路へと向かう。
今日も暑くなりそうだな、見上げた空を見て思った。


途中、向こうから矢野が歩いてくる姿が目に入って、声をかける。
「おはよー」
「おはよー、じゃないわよっ」
矢野は、手に持ったコンビニの袋を、風早の足に勢いよくぶつけた。

「あんたねー、我慢きかなさすぎ」
「は?」
「爽子の首」
「く・・・首!?」
「つけんのはいーけど、ジェントルマンなら、ちゃんと見えないとこに
つけなさいよね!!」
キ・ス・マ・ー・ク、と矢野は耳打ちした。
(・・・あっ!!)
昨夜の秘め事が頭に浮かぶ。風早の顔が、ゆでダコのように赤くなった。
「あんまガッつかないでね、ジェントルマン」
不敵な笑みを浮かべる矢野に、風早は絶句した。

END
475訂正番 The男子高校生1:2010/07/23(金) 10:05:43 ID:RY5DjdiW
今読み返したら大分穴がありました。
訂正させて下さい。
初心者丸出しですみません。スレ消費申し訳ないです。以後、気をつけます。

476訂正番 The男子高校生1:2010/07/23(金) 10:11:28 ID:RY5DjdiW
夏休みに入った最初の土曜。

「ちょっと!龍!打ち上げ花火するから、そこどいて!」

千鶴は打ち上げ花火や、大きな音のする派手な花火ばかり手に取って、火をつけた。

「ちょっと、ちづ。こっち向けないでよ〜」
「・・・千鶴、あぶない」

部活の後呼び出された龍は、線香花火を手にあくびを連発している。


爽子は今晩、あやねと千鶴の家に泊まる予定になっていた。そのおかげで、こうやって
皆で海辺の花火を楽しむことになった。
闇夜に浮かぶ光。オレンジ、赤、黄色、緑。色とりどりの夏の花が咲いては散っていく。
風早は、光に照らされた爽子の顔をチラと見た。そこへ千鶴が割って入った。
「爽〜、火ーちょーだい」
爽子の手元の花火から火種をもらうと、千鶴の持つ花火が激しく閃光する。
ギャー、ちづ!こっち向けんな、とあやねが波打ち際に退散した。
そんな様子に、爽子は子どものような笑顔を向けていて、風早の口元が緩んだ。

砂浜に散らばった燃えカスを拾っていると、あやねに手招きされる。

「風早、ちょっと」
「何?」
「後は二人っきりにしてあげるから。ちゃーんとちづの家まで送り届けんのよ?」
「・・・おう。」

「爽子ー。うちらちょっと買出し行くから!龍、あんた荷物もち!」
「えっ?千鶴ちゃん・・・?」
千鶴が龍の腕をつかみ、引きずりながら歩いていった。
多分、気を遣ってくれている・・・!そう言うと爽子は頬を赤らめた。


「ちょっと散歩しない?」
風早は、爽子の手を取って、海岸を歩き始めた。
夜の海は、学校際の打ち上げで来たことはあるけど、爽子と二人きりだと
まるで違う場所のように感じる。
しばらく歩くと、柵によりかかった。
「花火、楽しかったね」
風早が言うと、爽子が目を輝かせた。
「うん!私、友達と花火って初めてだったの!すごく、すごく楽しかった!」
「じゃあさ、また今度やろうよ!」
俺と二人で・・・と続けたかったけど、言い出せなかった。
477訂正番 The男子高校生2:2010/07/23(金) 10:12:41 ID:RY5DjdiW
「・・・ん、・・・あっ」
(・・・!?)
どこからか、女の人のくぐもった声がする。
風早があたりを見回すと、たくさんのカップルが、甘いムードを漂わせていた。
体を密着させた男女の影がいくつも目に付く。
(・・・!!)
とてもじゃないが、爽子と居られる場所ではない。
(俺がどーにかなっちゃうよ!)
駐車場のそばに自動販売機を見つけると、急いで爽子に言った。
「・・・あ、あっちでジュースでも飲もっか!」



ガコン

「はい、どうぞ」
取り出し口から冷たいミルクティーと取り出すと、爽子に渡した。
「ありがとう、はい、お金」
爽子は小銭を風早に渡そうとした。
「ん、いいよ。この前クッキー作ってきてもらっちゃったし」
超ささやかなお礼!と言って、風早はジュースのプルトップに手をかける。
人気がない海ってちょっと怖いね・・・そう言って駐車場を見ると
奥に一台車が停車していた。
(ん?)
中に人影が見えた。車が、不自然に揺れている。
(あ、あれは!!・・・絶対・・・そうだよな?)
カーセック・・・。
ゴクリッと喉をならした。風早の心臓は今にも破裂しそうな勢いだ。
(黒沼は気付いてる?)
振り返ると、爽子はコクコクと美味しそうにミルクティーを飲んでいた。
よかった、と安堵の溜息をついたものの、車中の様子が気になって仕方ない。
下半身に強烈な熱を感じる。
(やべー、どうしよう、黒沼にバレたらカッコ悪すぎる!!)
心とは裏腹に、どんどん主張し続ける下半身を誤魔化そうと、しゃがみこんだ。
風早の様子を見て、爽子は心配そうに言った。
「風早くん、どうしたの?気分でも悪い・・・?」
上目遣いで顔を覗き込まれて、その瞳に完全ノックアウトされた。
こうなると、もうたまらなくなって、爽子にキスをした。
今日会ってから、ずっとずっと、こうしたかった。

ミルクティーを飲んだばかりの唇はひんやりとして、甘い・・・。
舌を差し込むと、おずおずと応えてくれる。
雰囲気にあおられ、どんどん激しくなるキス。心の奥に潜んでいた欲望が騒ぎ出した。
「・・・黒沼、・・・俺、黒沼の胸みたい」

・・・・・・言ってしまった。
驚いて固まった爽子の顔を覗き込んで、再度ねだった。
「・・・ダメ?」
爽子が、様々な思いと葛藤しているのが分かって風早は辛抱強く待った。
ダメかな?あきらめかけた時、消え入るような声で爽子がいった
「・・・いいよ」
478訂正番 The男子高校生3:2010/07/23(金) 10:15:35 ID:RY5DjdiW
ワンピースのボタンを、爽子の白い手がひとつずつ、はずしている。
自分でお願いしたことなのに、風早は目の前の光景に信じられない思いで一杯だった。
「・・・はずしたよ」
俯いてしまった爽子。風早は、震える手でワンピースに手をかけた。
華奢な体のわりに、ふっくらした胸。
これだけでも十分嬉しいけど、ふくらみを隠す布にもどかしさを感じる。
「下着、はずしていい?」
「・・・そ・・・それは・・・」
「ちゃんと見たい」
「・・・うっ・・・」
コクリと爽子が頷いたのを確認すると、背中に手をまわしてブラジャーのホックを
はずした。
きれいな形の胸が、街灯に照らされる。白くて、吸い込まれるような光を放っていた。
おそるおそる手を這わせると、すべすべした肌のなめらかさと、やわらかさに
感動を覚える。
ひゃあっ、と声があがった。
「・・・はずかしいよ・・・」
見上げると、潤む爽子の瞳があった。
その瞳が、風早の理性を簡単に崩壊させる。
再び、キスをすると唇をずらし、首筋に吸い付いた。
唇を徐々に下へ降ろし、顔を胸にうずめた。
「かっ、風早くんっ!!」
爽子が真っ赤になって、風早を押しとどめた。
しまった、つい・・・!
ハッと我に返る。、顔から火が出そうだった。
「ごごごご、ごめんっ!!」


翌朝・・・。
結局あの後、爽子を千鶴の家に送り届けて、龍の家にお邪魔したら、いつの間にか眠ってしまった。
龍は部活へ行ったようで、龍の親父さんに挨拶をすると、家路へと向かう。
今日も暑くなりそうだな、見上げた空を見て思った。


途中、向こうからあやね歩いてくる姿が目に入って、声をかける。
「矢野おはよー」
「おはよー、じゃないわよっ」
あやねは、手に持ったコンビニの袋を、風早の足に勢いよくぶつけた。

「あんたねー、我慢きかなさすぎ」
「は?」
「爽子の首」
「く・・・首!?」
「つけんのはいーけど、ジェントルマンなら、ちゃんと見えないとこに
つけなさいよね!!」
キ・ス・マ・ー・ク、そっとあやねは耳打ちした。
(・・・あっ!!)
昨夜の秘め事が頭に浮かぶ。風早の顔が、ゆでダコのように赤くなった。
「あんまガッつかないでね、ジェントルマン」
不敵な笑みを浮かべるあやねに、風早は絶句した。

END

479名無しさん@ピンキー:2010/07/23(金) 22:30:12 ID:oDEQFdjC
規制がとけたー!

ひさしぶりに来たら、いっぱい投下されていてびっくり。
職人さまたちGJです。
480名無しさん@ピンキー:2010/07/29(木) 22:21:08 ID:nSS7uwM0
いつの間にかいろいろ投下されてた!
黒風も年頃の高校生らしいエロさのある風早も
どっちもいい!!!
481名無しさん@ピンキー:2010/07/30(金) 19:59:31 ID:3ItBzLSg
執筆者9名による壮大なリレーSSを投下致します。
長いです。とにかく長いです。
8レスで規制がかかるため、複数名で順々に投下して参ります。
時に投下が滞ったり、レスの順番がおかしくなることもあるかもしれません。
(まとめサイト転載時には修正いたします)
スレ住人様、お付き合いくださいますと幸いです。
では次レスより、なんと35レスw
※注意、黒風、オリキャラ、黒爽子

482きずあと1:2010/07/30(金) 20:00:19 ID:3ItBzLSg



(そんなつもりは本当は全くなかったんだ…)

今の状況にそんな自省の気持ちも持ちながらも翔太はどこか嬉しい。
こんな自分は知らなかったのだ。

また知らない自分に会えた…


********

夏休みを直前にしたこの時期、2人はアパートの一室にいた。
大学生になって、お互い独り暮らしをはじめた2人だったが、
大学が違うのもあって、高校のときのように毎日は会えない。

なので、どちらからということもなく試験も終わったこの時期に
数日2人で一緒に過ごそうと決めたのだ。
2人で一緒に食事をしたり、DVDを見たり、遊びに行ったり、
そんな風にのんびりと過ごそうと。

でも、2人でいればお互いを求め合うのはもう必然の状況になっていた。
そうして、2人はお互いを求め合った後、余韻の抜けきれないまま
中途半端に衣服を着こんだ状態で、翔太のベッドの上でたわいもない話をしていた。


その時…

ピピピ…

爽子の携帯の着信を知らせる音がした。

「もしもし…あ、…くん?」

(え?男?)

ベッドで並んでいるので、相手の声と爽子の会話は嫌でも耳に入ってきてしまう。

「うん、うん…、そうなんだ、わかった、じゃあ、明日」

と言って爽子が電話を切った。


(明日、明日ってなんだよ。この3日間は2人でいようって…)


翔太は黒い気持ちが心の中にわきあがっていくのを感じて
少し嫌な気持ちになる。

483きずあと2:2010/07/30(金) 20:01:05 ID:3ItBzLSg



「ごめん、翔太くん、大学の友達がどうしても相談したいことがあるって…
明日ちょっとだけ会ってきてもいいかな?
あ、男の子なんだけど、なんか彼女のこととかだから、全然も、問題とかなくって…っ」

と慌てて爽子は説明した。

「…」

高校時代と違って、爽子は随分と人づきあいがうまくなった。
そんな姿を喜ばしいとも思うんだけれど、どこかおもしろくない。

わかった、いいよ、と言えばいいのに、その言葉をすんなりと言うこともできず
「何か飲んでくる」と翔太はベッドから立ち上がった。

(俺って心せまいよな…)

と思いながら冷えたミネラルウォーターをとろうと冷蔵庫の方へ向かったとき、
ふと横にある荷物に目がいった。

それは、去年の学祭で使ったもので、何かに使えるかもととってあったものだった。

お遊びでやってるようなサークルに参加して、なんかドタバタのミステリーまがいをやったんだよな、と思い出してその袋の中を見て、無意識のうちにそれを取り出した。

それは、おもちゃの手錠。

少しうごきやすいように、器用な奴が鎖の部分を長く改造したものだった。

ほとんど無意識のうちに口角のあがった翔太は、それを手に取り
冷蔵庫からペットボトルの水を取り出すと、爽子の元へ戻った。

「喉乾いた?」

「うん」

「水、持ってきたよ。」

翔太は自分の口に水を含ませると、爽子の唇に自分の唇を押しあてて、
爽子の喉を潤した。

「おいしい…」

「ね、爽子、ちょっと目つぶってて」

「…うん、こう?」

翔太の言動に素直に従った爽子は眼を閉じる。
484きずあと3:2010/07/30(金) 20:01:45 ID:3ItBzLSg



爽子が目を閉じたのを確認して、翔太は爽子の右手に後ろ手に隠していたそれ
…手錠をはめた。

かちゃ。

「え?何?翔太くん?」

ひやりとした金属の感触に、爽子はぴくりと体を震わせる。

「――翔太、くん?」

答えが何も返ってこないことに不思議に思いながら、愛しい恋人の名前を繰り返すと、もう一度、かちゃ、と金属の音が鳴った。
ちゃらり、と細い鎖が擦り合わさる音が鳴る。

「もう、目を開けてもいいよ」

翔太の声に爽子がゆっくりと目を開く。
違和感のある右手に目を向けると、そこには今まで実物を目にしたことはないもの、けれどそれが何かは一目でわかるもの――手錠――がしっかりとはめられている。

「…………え?」

ゆっくりゆっくりと手錠についた鎖を辿った爽子の目に映ったのは、翔太の左手に同じようにはめられた手錠、そしてその先に見えた翔太の不敵な笑みだった。

「爽子」
「え」

ただでさえ、状況を把握できていない爽子は、その先に続いた翔太の言葉を受けて、さらに頭を混乱させることになる。

「約束は、やぶってもいいと思う?」
「え……?」
「――答えて」

翔太が爽子に向ける目がつい先ほど感じていた『男』の目であることに気付いて、爽子の芯が熱くなる。
ぞくりと駆け抜けたものの正体に気付きながらも、爽子は震える声を放った。

「……や、約束は……守らないといけません……」
「でしょ?」

約束したよねこの3日間は2人でいようって、と続けた翔太に、爽子ははっと目を見張った。

「あ……っ」
485きずあと4:2010/07/30(金) 20:02:37 ID:3ItBzLSg



「これで、爽子はどこにも行けない。俺のところにずっと居る」

そうでしょ?と翔太ははにかんだ顔で笑う。
その健全さと自分たちの格好のギャップに、爽子はどちらが現実なのかわからずにいた。
――どちらも現実なのだが。

「私……」

どこにも行かないよ、と言おうとして、視界の端に移った携帯電話が爽子にこうなるまでの経緯を思い出させる。
『ごめん、翔太くん、大学の友達がどうしても相談したいことがあるって…明日ちょっとだけ会ってきてもいいかな?』

「翔太く」
「約束、破ろうとしたのは爽子なんだからね?悪いことなんだから、わかる?」

にこにこと笑う翔太の右手が、爽子の顎をくいっと持ち上げた。

「翔…太く…」
熱い息が爽子の薄い小さな唇から漏れた。
その息を舐め取るように風早は執拗に口付けた。

てろりと引く糸に爽子が恥ずかしそうに目を伏せた。
その慎ましやかな様子が男の本能を煽るのだと、この愛しい人は何度教えればわかるのだと風早は腹立たしいような、それでいて可憐な獲物を前に滾るような悦びの入り混じった気持ちに襲われる。

そっと耳朶にくちづけるとふるりと耳が震えた。

「ウサギみたいだね。」
囁く声にもぴくんっと爽子の華奢な体が震え、ぞくんとするような色香を堪えた瞳が縋るように風早をみつめた。

「…やだ、こんなの、こわいよぉ」

涙をにじませ、おもちゃの手錠をじゃらりと動かしてはずして欲しいと爽子は訴える。

爽子の右手の動きに合わせて動いた風早の左手はすぐ主導権を取り戻し、爽子の頬に触れた。
486きずあと5:2010/07/30(金) 20:03:17 ID:3ItBzLSg



「だーめ。」
「でも…」
「ずっと2人きりって言ったのに。うそつき。」
爽子は唇をくっと噛んだ。
「あの…約束を破ってごめんなさい…でも、と、ともだちと約束したか」

風早はにっと笑った。

「俺との約束はいいの?」
わざと意地悪を言うと爽子は本気で困惑したような顔をした。

風早がわりとヤキモチ焼きなのはさすがに爽子もわかってきたけどそれでも友達との約束を反故にさせるような理不尽な事は言わなかった。

爽子の困惑した顔に答えるように風早はどこか楽しそうに言った。

「でも…確かに爽子だって友達は大切にしたいよね。…だからさ、」
ひそっと風早は囁いた。

「爽子をぜんぶ食べていい?」

そしたら、約束、守っていいよ。

そう言うと爽子がびくっと顔を上げた。

−ああ、なんでこのひととおれはこの世界でふたりきりじゃないのかな。

風早はこれから捕食する可憐な獲物の極上の味を既に舌に感じながらぼんやりと思った。


「そう…うん、じょうず。」
”今日は爽子が脱がせて。”
そう爽子に告げると爽子は恥ずかしそうに頬を染めたが、風早がなおも促すとこくっと息を飲んで手を伸ばした。

「あ、ちょっと待って。」
「え…」
風早は爽子と繋がったままの左手をぐいっと引き寄せた。
「きゃ…っ」
そして手錠でつながれた爽子の右手にちゅっと口付けた。
「…こっちの手は使っちゃだめ。」

深くなる爽子の困惑を楽しそうに風早は眺めた。

そっか。たまに爽子に意地悪したくなるのは、こうすれば爽子が俺のことしか考えられなくなるからだ。
487きずあと6:2010/07/30(金) 20:04:05 ID:3ItBzLSg



きれいでやさしくて、だから独り占めできないひと。

風早は愛しそうに爽子の白い指を食んだ。
「ひぁ…っあっ」
指の間にざらりと舌を這わすと爽子の顔が快楽を堪えるように歪んだ。

どくんと血が沸き立つ。
既に分身は解放を求めて痛いほどになってきている。

風早は己の声が情欲に掠れるのがわかった。
「早く、脱がせて?じゃないと、着たまま抱いちゃうから。」

爽子が肌を合わせないセックスを好まないのを知っていてわざと風早はそう言った。

爽子の左手がたどたどと風早のシャツのボタンを外した。
上半身が露わになったあと爽子の手が躊躇するように風早のデニムのジッパーに触れた。
そこに篭る熱に爽子の指がぴくっと揺れた。

「はっ…焦らすの?」
「ちがっ…」
爽子はかあああっと耳まで染めた。
風早はくすっと口角をあげた。

「…手が難しいなら、口であけて?」

その妖艶ともいえる微笑みに爽子は恍惚とする。
なんて理不尽なことを言うのだろう、頭ではそう思うのに。
その思考を聞かず甘く蕩けるような彼の声に疼いていく自身の体に、爽子はひどく羞恥する。
こんな厭らしい自分を隠すように風早から視線を逸らし、彼の指令の通り唇をジッパーに近づけていった。

爽子は左手でたどたどしくボタンを外し、歯でジッパーをつつと降ろしていく。
最後まで降りた時には、布越しに爽子の熱い吐息がかかりその奥で篭る分身が一層けたたましく熱を宿していくのを風早は感じる。
爽子は、これでいいの?と訊くように上目遣いで風早を見つめた。
488きずあと7:2010/07/30(金) 20:04:51 ID:3ItBzLSg



爽子のこの甘い視線が、風早の征服欲を沸き立たせていることを彼女は知らない。
今すぐにでもこの熱を開放させたいと思う一方で、もっと虐めたいという欲が風早を支配していく。

「…ん、できたね。」

風早がにっこりと微笑みながら爽子の髪を撫でると、爽子は安堵するように頬を染めた。
しかし、その安堵は彼から紡がれる次の言葉によってすぐに覆されるのだ。

「じゃあ、次は爽子の番だよ」
「……え?」
「自分で脱いでみて。」

風早は目をまんまるに開けて見上げる爽子の耳朶を甘く噛んだ。

「全部、ね。」

妖しげに笑う翔太の要求に、爽子は羞恥心に負けそうになりながら素直に従った。
さきほどの情事のあとに、軽く羽織るように着ていたワンピースの首元に指先で触れて、二、三個だけはめていたボタンを片手だけで外そうとする。
だが、利き手ではない左手では不慣れにもたついてしまい、数個のボタンを外す
だけのことに悪戦苦闘してしまう。


「…ああ、もういいよ」


もたもたといつまでもボタンと戦っている爽子を見かねて、翔太はひとつ溜め息を吐いた。
そして、どこか冷徹な眼差しで爽子をちろりと眺めて、手錠が繋がれていない方の手で爽子の首元のワンピースの襟に手を掛けると、そのまま勢いよくワンピースの繋ぎ目から真下に引きちぎった。

ビリビリと布が破れる音と、ぶちんぶちん、コロコロ…といくつものボタンが千切れて床の上を四方八方に転がっていく音がした。


「…しょっ…翔太、く…っ!」


あまりにも乱暴な翔太の行動に、爽子は急に翔太への恐怖を感じて、びくりと身体を震わせた。
489きずあと8:2010/07/30(金) 20:09:07 ID:PWjWv39C
…どうしよう、いつもの翔太くんじゃない…。


冷たい指先で爽子の真っ白な頬をさらりと撫でて、頬骨から首筋に手を這わせて、細い肩に引っ掛かっただけの無惨な姿になったワンピースをするりと脱がせた。
ぱさりと小さな音を立てて小花柄のワンピースが床に落ちた。

ワンピースの下には、下着を身に付けていなかった爽子は、恥ずかしそうに頬を桃色に染めて、左腕で胸元を隠す。


「隠しちゃだーめ。」


少し汗ばんだ爽子の額に掛かる前髪をよけてやり、チュッと口付けを落とすと、やんわりと爽子の胸元にあった細い腕をすっと下に下ろして、そのまま指先を這わせて指の間に自分の指を絡ませて、ぎゅうっと強く握った。


「…爽子のぜんぶ、俺に見せて?」


握り合わせた手の甲をぺろりと赤い舌で舐め上げて、翔太は熱に浮かされたような熱い眼差しで爽子の漆黒の瞳をまっすぐに見つめた。

まっすぐな翔太の瞳に捕らえられて、爽子は視線を逸らすことができない。
見つめ合う二人の距離は徐々に縮まっていき、自然に唇が触れ合ってお互いの体温を感じる。

啄ばむようなキスは、少しずつ激しさを増して、何度も何度も荒々しく繰り返されていく。
未だかつて、爽子は翔太とこんなに乱暴で独りよがりなキスを交わしたことはなかった。

翔太の舌が爽子の歯列をなぞり、その奥で縮こまっていた柔らかくて甘い舌を捕らえて、そろりと舐めた。
ぴくん、と爽子の肩が大きく震え、苦しそうな小さな喘ぎ声が漏れ聞こえてくる。
翔太は爽子の肩を強く押さえつけて、しばらく唇から離れようとしなかった。
490きずあと9:2010/07/30(金) 20:11:56 ID:PWjWv39C



いよいよ爽子の呼吸が限界まで続かなくなったようで、
全身の力を振り絞って翔太の胸を押し離す。
お互いに荒く深い呼吸を繰り返し、求めていた酸素を肺いっぱいに吸い込むと、
爽子は途端に体中の力が抜けてしまったようで、ピンと張り詰めた糸がぷつりと切れるように、その場にくたんとしゃがみ込んだ。


「……どうしてこんなことするの……?」


心なしかとろんと溶けてしまいそうな色気が漂う瞳を翔太に向けて、
どうにも答えがわからない疑問を、爽子はぽつりと口にした。

どこか不安そうに眉を顰める爽子を見つめて、翔太は顔を俯かせたまま、静かに呟いた。


「………爽子が、悪いんだよ………」


爽子が悪いんだよ?
だって約束したのに。ずっと2人でいるって言ったのに。
なのに、他の男のところへ行く、なんて言うから。
爽子の綺麗な瞳に他の男を映すなんて言うから。




翔太は自分と爽子をつなぐ金属に目を向ける。
こんな風に俺と爽子が「つながっている」事がわかるような何かがあったらいいのに。
爽子に、爽子の周りにいる男どもに、そして、ちょっとした事ですぐに幼稚な独占欲が出てしまう自分に。
「爽子と俺は離れることのない定めなのだ」と示してくれる何かがあればいいのに。

翔太は幼いころによく女子が言っていた「運命の人とは赤い糸で結ばれている」という台詞を思い出した。
「女子って時々よくわかんないことを言うよな。」
幼すぎてまだ恋も知らなかったあの頃、翔太は深く考えることもなく
周りにいた男友達と笑いあった。
491きずあと10:2010/07/30(金) 20:13:01 ID:PWjWv39C


今になってみると、女子達の言っている事もわかる。
俺と爽子の間に赤い糸が繋がっているならば、そしてその糸が誰にでも
簡単に見ることが出来たのならば
きっと、いや多分


他の男達と笑いあう爽子を見ても簡単に動揺することはないのに。

自分が今思っている事が真実ばかりではない事を翔太は知っている。
赤い糸が見えたとしたら今よりかなり安心していられる事は間違いないけれど
どうしたって、たとえ赤い糸が見えたっていつだって翔太は不安なのだ。
爽子と自分が「ひとつ」じゃない以上、それはどうしようもない事。

爽子と俺がひとつではないのなら
せめて今、俺達が繋がっていると実感させて?

翔太は2人が「つながっている証」の金属-手錠にそっとクチヅケを落とす。
「ああ、こんなに赤くなってしまって・・・・・痛いよね、爽子。」
手錠の先にある爽子の華奢な手首を見つめて翔太はつぶやいた。

陶器のように白く滑らかな肌に、その赤は痛々しいほどに映えていた。
「ごめんね」
翔太は赤く染まった爽子の手首をぐんと唇に近づけて、謝罪の言葉と共に再び口付ける。
その言葉に芯など詰まっているはずもなく、ただただ形だけのものだというのは
彼の鈍く輝く瞳が物語っていた。

翔太は二度、三度と軽い口付けを繰り返すとそのまま舌を伸ばした。
熱くぬめった感触に、爽子は背中を強張らせ小さな声を上げる。
「っ、あ…」
「…痛い?」

なんで。
なんで彼はこんなにも幸せそうなのだろう。
自身を見つめてくる彼の視線を直に感じながら、
爽子はうまく作動してくれない頭で思考し、戸惑う。
492きずあと11:2010/07/30(金) 20:14:10 ID:PWjWv39C


そしてもうひとつ、彼女を戸惑わせるものが芽を出し始めていた。

尚も這う翔太の舌は、爽子の体にじりじりと、静かにつつくような痛みを与え続ける。
(どうし、よう…)
爽子は自身の中に生まれた感情に抗うようにきつく瞼を閉じた。
翔太はそれを見やり、彼女の手首をそっと下ろす。
閉じられた視界の中それを感じた爽子は無意識に息を吐いた。
それがたった一瞬の安寧だとも思わずに。

「ねぇ、濡れてる」
それはまるで、逃げる獲物を追うようにして。

細く長い指が爽子の秘密をそっと撫でる。
「…っ」
――気付かれた。
ゆるやかな刺激と共に、爽子の心には言いようの無い罪悪感が広がった。

違う、違う、違うのに!
爽子は必死に自身を否定しようとするが、しかし身体は正直に反応を示してしまう。
「痛いんじゃないの?…きもちーんだ?」
「ちが…!」
全てを言う事は、許されなかった。
翔太の指が、しゃがみ込んでいる"うそつき"な爽子の中にぎゅうと入り込む。
「あ…っ」
「だって濡れてんじゃん」
柔らかな内壁に包まれたその中で、責め立てるように動く。
耳元で囁く翔太の言葉は爽子が逃げるのを許そうとはしない。

「う、あ、ああ…」
身を捩る爽子の腰を掴み、翔太は彼女に膝を立たせるよう促す。
反抗したい気持ちはあるのに、もっと欲しいと願うもうひとつの心は、
翔太の願いをすんなりと受け入れた。
爽子の身体が持ち上がると同時に、彼女の中で蠢く指が更にその奥へと進む。

一際高く爽子が鳴くのを聞いて、翔太はその心地良さに目を細めた。
「…もっと気持ち良くしてあげる」

493きずあと12:2010/07/30(金) 20:15:28 ID:PWjWv39C


「はっ……ぁ…」

薄暗い室内に甲高い爽子の声が響く。

――嫌なはずなのにこんな風に抱かれたいわけじゃないのに……

頭ではそう考えるのに身体は翔太の指を求め、爽子自身の身体を動かす。
上気した頬、羞恥に濡れた瞳、堪えきれず漏れる悲鳴。
そのすべてが翔太の征服欲を満たしていく。

「そんなに気持ちいいの?」
「っ――…ちがっ…あっ…やっ……」

違うそう言いかけた爽子の中を翔太はよりいっそう掻き回す。

「そんな声出してるのに?」

いつもの優しい微笑とは違う妖しい笑みを浮かべる翔太に爽子は少しの恐怖を覚える。

彼はどうしてしまったのか、何が彼をこうさせたのか恐怖と快楽の中で爽子は思う。
彼をこうしてしまったのは私だ、私が彼との約束を破ろうとしたそれが
彼をこんな風にしてしまった。

「ほら……気持ちいいんでしょ?」

爽子の真っ白な首筋に翔太は唇を落とす。
そのまま舌を這わせ爽子の体中を舐めあげる。
熱く柔らかな感触がよりいっそう爽子を快楽の世界へと連れてゆく。

「こんなに濡れてるよ」

翔太は爽子の中から自身の指を引き抜くと、爽子の目の前で
その愛液ごとその指を口に含む。
爽子はそれをまるでスローモーションのように見ていた。

「俺が欲しい?」

翔太によって与えられた熱は爽子の思考を鈍らせる。
熱に浮かされたように爽子はただ翔太を求めた。

「……欲しい……翔太くんが欲しいです」

そんな爽子に翔太は微笑んで告げる。

「…まだあげない」

494きずあと13:2010/07/30(金) 20:16:21 ID:PWjWv39C


(え?)

「まだ、あげない」と言った翔太に懇願の目を向けながら、
爽子は漠然と昔を思い出していた。

2人がつきあいはじめてから今まで、通り過ぎたあの日々を。


―― はじめて手をつないだあの日

―― はじめてキスをしたあの日

―― はじめて体を合わせたあの日…


最初は痛みしかなかったその行為はいつしか気持ちいいものに変わり、
最初はぎこちなかった翔太の動きもいつしか慣れたものに変わっていった。

すべてが宝物のようだった。
すべてが2人が歩いてきた軌跡だった。

でもその中で確実に2人の絆は強まっていったように思うし、
人づきあいの苦手だった爽子も、翔太の横にいることで
人との関わり方、喜び、そういうものをスポンジが水を吸うように吸収していった。
そのすべてが爽子自身の自信にもつながっていったのだ。

だからこそ、今の大学生活では男女関係なく友達もでき普通に話せるようになったのに…
それは、元をただせば風早翔太の存在が爽子の中心にあったからこそといっても
過言ではないと思うのに…

いつも翔太は爽子の中に入ってくる前に、いい?、と聞く。

「まだあげない」とは言わない。聞いたことない。
爽子自身が翔太を望みさえすれば、いつでも翔太のそれは爽子の中で喜びの声をあげた。
なのに…

(今日は欲しくて欲しくてたまらないのに、もらえない…っ)

焦れるという気持ちを初めて味わう爽子。
そして驚くべきはこの状況でさえ、どこか喜びを感じている自分自身…


風早翔太は普通の男だったし、爽子にとって普通の彼氏でもあった。

495きずあと14:2010/07/30(金) 20:17:32 ID:PWjWv39C

そんなことは長いつきあいの中で爽子は重々わかっている。

…だけど、

爽子にとって、恋人であると同時に憧れの師ともいえる存在である翔太が、
何か絶望にも近いような嫉妬や征服欲のようなものを抱えることがある、という事を
爽子は根本的に理解できていなかったのだ。


手錠のはまった手をもちあげ爽子の髪をなで優しく微笑みながら
翔太がふと思い出したように声をかけた。

「ねえ、爽子、明日どういう予定なの?」

「…っ、えっ…」

もう片方の手は爽子の胸や太ももの間で優しく行き来している。

「…え、あ、明日の、くわし…い、場所は、あとでメー…ルする…あっ」

押し寄せる快感の波になんとか耐えながら爽子は息も絶え絶えに返事をする。

「そいつ、爽子しか女友達がいないの?」

「そ…そ…んなこと…はないとお…もうけ…」

「ふーん」

翔太は直感的にその相手に下心を感じとる。


「じゃあさ、明日はさ、俺のうちの近くの…
うーーん、ほらいつも行くカフェで会いなよ。13時ごろ?」

そう言い捨てると、翔太はベッドサイドにあった爽子の携帯電話をとった。
そして、受話音量を最大に変え、着信履歴を開き、
さっき電話があった男の名前を探り当てた。

「ね、今すぐ電話して。」


え?この状態で…?と爽子が疑問の言葉を吐く間もなく、
翔太は発信のボタンを押し、携帯電話を爽子の耳に押し当てた。

「きちんと普通に話して…ね。」と翔太は念を押す。

その間も翔太の愛撫はとまらない。
爽子の耳に押し当てられた電話は、無常にも呼び出しの音を鳴らす。
496きずあと15:2010/07/30(金) 20:28:29 ID:kfg/h5r0

どうか着信に気づきませんように… という爽子のささやかな願いもむなしく
かちっっと電話はつながってしまった。

「…もしもし、黒沼?」

受話音量を最大にしているためか、相手の男の声が響く。
その男の声を聞いて、翔太の指は優しく動きを強めた。

「もし…も…しっ、…くん…、ご…あっ…」

(ごくん)

艶のある爽子の声に携帯電話の向こう側にいる男は声を失った。

「……はっ、あ……あぅ……っ」

必死で言葉を紡ごうとする爽子だが、どうにもそれができない。
電話が繋がったと同時に、既に濡れそぼって翔太を待っているそこにもう一度翔
太の指が滑り込んできたからだ。

「く、ろ……ぬま……」

電話の男――海原宏平――は、口の中に溜まる唾を何度も飲み下す。
欲しているものは、電話の先で息を荒くする黒沼爽子、いや、爽子でなくてもい
い『女』が欲しい。
そう思わせるほどに、爽子の息遣いや声は熱を孕んでいた。

「あ、の……明日、なんだけれどっ……い、ちじ、お昼の……1時は、大丈夫?

「……っ、俺は大丈夫。でも、その、黒沼、大丈夫なの?具合、悪い?」

海原は建前上で爽子を気遣い、爽子は小さく大丈夫、と答えた。カフェの場所も
何とか提示して、海原の了解を得ると、爽子はほっとしたように息をつく。
時間を告げ始めた頃には翔太の手が随分と緩やかな動きになっていて、それに安
心したというのが一番の理由だった。
――それが一時の休息だとは知らずに居た。
今、ベッドに腰掛ける翔太の上に爽子は居て、無理やり開かれた足の間には翔太
の指が埋まっている。
497きずあと16:2010/07/30(金) 20:30:13 ID:kfg/h5r0

じゃあ、と告げて通話を終了し、任務を遂行したと告げるために翔太を振り返る
と、鋭い眼差しで爽子を見上げる翔太と目が合った。

「――っ!翔、太く……ああっ!」

ぐりん、と爽子の中で翔太の指が曲がった。
壁を擦られる快楽に、爽子はぎゅうと体を固くする。

(怒ってる――……!)

なぜ、と聞く余裕もなく、爽子の内部が翔太の自由にされる。
指を2本、3本と増やされて、ぎち、ときしむ入り口をものともせず、翔太はそ
の3本の指をばらばらに動かすのだ。

「はっ、やっんあぁ……っ、あァああー……!」

びくびくと震えた爽子の体が翔太に絶頂を伝えて、翔太はようやく笑みを零した


「……っ、しょ、た、くん……」

虚ろな瞳で翔太を見つめる爽子には、信じられない言葉が降って来る。

「”普通に”って言ったのに、できなかったから、おしおき。……ああ、でも、
気持ちよくなっちゃったんだ?それじゃあお仕置きにならないよね?」

妖艶に笑う翔太を、爽子はぼんやりと見つめるほかない。
ひくひくと蠢く爽子の内部が、入ったままの翔太の指を、何度も何度も抱きしめ
ていた。

「ねぇ、どんなおしおきがいい?」


結局、あのあと散々焦らされ、苦痛に近い快楽に苛まれ、何度も「欲しい」と言
わされた。
望む質量で満たされても、到達する直前で何度もとめられ苦痛なのか快感なのか
わからなくなった頃ようやく解放された。

爽子は己の体の浅ましさを呪いたくなった。
あんなふうに抱かれたいわけじゃないのに。

498きずあと17:2010/07/30(金) 20:31:58 ID:kfg/h5r0
それともやはり風早の言うように「いやらしい」のが私の本質なのだろうか。
『いいよ、いやらしくても。−俺のとこまで、きて。もっともっとおりてきて』

快楽の白い波に溺れかかりながら朦朧とそんな風早の声を聞いた。
あの声は…どこか嬉しそうで…

「−ろぬま…?」
その声にはっと爽子は顔を上げた。
「あっごめんなさいっ」
そうだ、今は相談を聞きに来たんだ!
人の役に立つのは、嬉しい。ほんとうに嬉しい。

世界が広がって、いろんな人が友達になってくれて、相談してくれるひとも多く
なって。
それがほんとうに嬉しいのに…。しっかりしなきゃ。

爽子は唇をきゅっと噛んだ。

実際爽子は誠実で、親身になってくれる上に、決して上から目線のアドバイスな
どしないということで相談される事が多かった。

「あ、ごめん、なんかぼーっとしてたからさ。…もしかして体調悪いのに無理さ
せたんじゃないかって思って…。」
爽子に相談を持ちかけた相手ー海原宏平ーは少し爽子から目を逸らしながら続け
た。
「…電話のとき…も、すこし、具合…悪そうだったし…。」
とたん爽子はあの時のことを思い出し赤くなった。

嬌声を堪えるのに必死で、無意識に握りしめた右手に自分の爪が食い込んで赤い
痕を作っていた。
それを風早はゆっくりと舐めながら言ったのだ。
『きれいな肌に傷、ついちゃったね。…これも、おしおきしないと。俺以外、爽
子に傷をつけちゃだめ。』

爽子の身の奥にちり、と火がともり、爽子は消えてしまいたいと思わず自分を恥
じた。
爽子の心情も知らず、海原は続けた。
499きずあと18:2010/07/30(金) 20:32:49 ID:kfg/h5r0
「に、しても今日はちょっと黒沼感じ違うね。」
いつもは清潔な少女らしい服装が多い爽子の今日の格好を珍しそうに彼は見た。
ブカブカのTシャツに裾をまくったデニムというラフな格好で髪をゆるく片側で編
んでいた。
「…もしかして彼氏の借りてきたんだったりして」
海原の言葉に爽子は耳まで赤くなった。
『おしおき、なんだから下着もつけてっちゃだめだよ。』
風早のその言葉通り爽子は下着もつけていない。
Tシャツの生地は厚めだから透けて見える事はないがすうすうとする感覚が落ち着
かない。
デニムの下も同様でふだん直接にはあたることのないゴワリとした感触が爽子を
敏感にした。
爽子の白い頬は羞恥と…身の内に湧く覚えのある淫らな熾火に桃色に染まった。

海原は無意識にごくっと息を飲んだ。
ブカブカのTシャツから爽子の細い腕や首筋がちらちらと見える。
白い首筋には艶かしい所有印。
恥じに絶え入る可憐な風情と、情事の痕跡をそこかしこに残した淫らさのギャッ
プがたまらなくいやらしい。

ー彼氏の服、借りてきたってことは…そういうこと、してきたってことだよな…

思うまいとしても、爽子の細く白い体が男に組み敷かれ乱れる想像をしてしまう

「黒沼…おれ…」
「ご、ごめんなさい、続けて。」
爽子の言葉にはっと海原は息を飲んだ。

「あ、うん…俺、もうそれで彼女に何言っていいかわかんなくてさ…」
相談しながらも海原はどこかで自分の下心を感じていた。
恋人とうまくいかなくなってずいぶんたつ。
500きずあと19:2010/07/30(金) 20:33:57 ID:kfg/h5r0
相談にのって欲しい気持ちは嘘ではなかったけれど、彼女とうまくいっていない
ことを爽子に伝えて
あわよくば…という気持ちがあったことは否定できない。

「うん…言葉って…難しいよね…」
伝えても、伝えても、伝わらない。
どうして翔太君はあんなことしたんだろう。
どうして、私は彼に何も出来ないんだろう…

「黒沼!?」
気が付くと爽子の眼からはぼろぼろと涙がこぼれてきていた。
爽子は呆然と自分の頬に触れた。
そしていきなり海原に頭を下げた。
「ごめんなさいっ」
「…え?」
「今日は、海原くんの相談にはのれない。集中して、聞けないから…」
そんな失礼なことは出来ないから、と爽子は泣きながら続けた。

しょうたくん、しょうたくん、しょうたくん…っ。
ひどい、人。
頭の中ぐちゃぐちゃにいっぱいで、他の事が考えられない。
「ごめんなさ…私…今度…聞くね…でも今日は…」
すすり泣きながらも懸命に言う爽子に海原は仕方なさそうに笑った。
彼が二言、三言はなすと、爽子は彼を見上げもう一度謝った。
そして首を小さく横に振って苦笑する彼に少し目をやってから爽子は駆け出した



息を切らせて爽子がアパートのドアを開けた時、風早は意外そうに爽子を見た。
その瞳はどこか迷子のように寂しい翳を含んでいた。

電気を消した一室に、外の消え伏せそうな弱い太陽の光が
窓際に佇む風早の横顔を逆光に包んだ。

「……おかえり。」

ベッドの上で窓の淵にひざをつきながら、風早は溜息と共にそう呟いた。

501きずあと20:2010/07/30(金) 20:34:57 ID:kfg/h5r0
やっと帰ってきてくれた。そういうかのように、風早の瞳にはたちまち安堵の色
に変わって行く。
予想よりは随分早かったけれど、それでも
爽子が他の男と会っていると思うだけで一秒一秒が永遠に感じた。
爽子と海原が会っていたカフェは、この窓からは見えないが
風早はじりじりとした焦燥を抱えながら、ずっと窓の外を眺めていたのだ。

爽子は息を切らしたまま、玄関で靴を脱いで風早の方に向かってくる。
風早は帰ってきた小鳥を誘うように、おいでと、爽子に手を差し伸べた。
すると、ベッドの近くまでとぼとぼと歩いてきた爽子は
その手に触れる手前、つぶれそうな声で風早の名を呼んだ。

「翔太くん……」


――泣いてる・・・?

風早は爽子の涙に塗れた頬を見て、眉をぴくりと上げた。
しかし、その涙の理由を聞こうとした意思は、次の爽子の行動でふわりと姿を消
した。

「ごめんなさい…、翔太くん、ごめんね……」
「………?」

・・・気付けば、風早は爽子の華奢な体に優しく抱擁をされていた。
それはまるで、母の温もりに触れるような、心まで包まれるような抱擁だった。
爽子は風早の背中にまわした手を撫でるように上に移していく。
風早の頭を胸に抱き、涙をひとつ、またひとつ、風早の髪に零していった。

風早は彼女の行動の意図がつかめないまま、
居心地の良いその温もりを抱きとめるように爽子を抱き返した。
帰ってきた宝物を逃がさぬように、強く、強くその愛する体に手を這わせていく


・・・そう、ずっと ここに居て
もう俺から離れないで――。
502きずあと21:2010/07/30(金) 20:35:39 ID:kfg/h5r0
しばらくした後、爽子はぽつと、涙の雫と合わせて言葉を零し始めた。

「私…、翔太くんを… ひどい人なんて、思いたくないのに……」

爽子は抱きしめていた手をゆっくりと解き、
涙に揺れる瞳を風早の正面に向けた。

「それなのに…私、昨日から… なんてこの人はひどい人なんだろうって……
そんなことばかり 考えてしまって……」
「…っ」

風早は爽子の涙の理由を悟った。
爽子はもともと人を『恨む』ことができない性質だ。
どんなに今まで周囲が彼女を傷つけようと、裏切ろうと、爽子はそれを誰かの所
為にしたり
人を恨むなどということは今まで一度もなかった。

・・・苦しいのだ、きっと――。
初めて誰かを恨みそうになること、そして
それが誰でもなく自分の大切な、かけがえの無い、愛する人だということが
今彼女の心を酷く苦しめているのだ。

だけど、この気持ちはなんと言えばいいのだろうか ・・・

「ごめんなさい……、わたし、…翔太くんの苦しみが分からないの…。
翔太くんがどうしてここまで私に『ひどいこと』をするのか…… 分からない…
…。」

震えながら、風早に感じてしまった憎悪と戦う爽子を目の前にして、
風早は胸に軋むような痛みを感じる一方、どこか満たされていくような気がして
ならなかった。


「恨めば いいのに…。」


意識と離れた場所で湧き上がってきた感情が、
するりと言葉に乗せて口からすり抜けていった。

その声と風早の瞳を、爽子は見張った。
――また、だ。
503きずあと22:2010/07/30(金) 20:37:16 ID:kfg/h5r0
感覚的にそう思ったのが早かったか否か、
爽子はベッドの上で風早に組み敷かれていた。

「恨めばいいよ…」
「……なん…でっ」

爽子の言葉は風早の唇に強く呑み込まれた。
風早に借りたTシャツの中に、強引な手が差し込まれる。
下着をつけていないその膨らみに直接風早の手が触れ、
やわやわと揉みしだかれ爽子は風早に塞がれた唇の端から必死に声を漏らした。

「やっ…!あ… んんっ やめっ…!!まって…!」
「ここ、もうたってる」
「ひゃぁっ…!」

敏感な蕾が風早の両手先に摘まれ、爽子は風早を制止しようにも
言葉が嬌声に呑まれてしまう。
風早はTシャツを捲り上げ、すでに固くなっていたその粒を片方口に含め
ちゅくちゅくといやらしい音をわざと立てながら弄んでいった。

爽子の体は、昨晩までの刺激に感化されてしまったのか
意とは反して敏感に快楽の波へと導かれてしまいそうになる。
――だめ。
流されてはだめだ、今度こそちゃんと風早と話し合わなければ、と爽子は意を決
した、が・・・。

「爽子、何で触る前からココ、立ってたの?」
「…えっ? んぁ…っ!!」

風早は舌と指でそれを転がしたまま訊いてきた。
そして、爽子の答えを待たずとして言葉を続けていった。

「へえ… そっか、下着つけてないまま男と会って 感じちゃったんだ…?」
「…――えっ!? ち、ちがうよ…っ!!」
「ほんとに違う?だったら証拠見せて。」
「っ!?」

504きずあと23:2010/07/30(金) 21:16:51 ID:3ItBzLSg



風早は爽子に貸していたジーパンを無理やり剥がせた。
爽子はぎゅっと目を瞑る・・・


「―― ちょー濡れてる…。」


爽子の秘部からは
剥いだジーパンに糸を引くほどの蜜が溢れ出ていた。
風早の瞳は狂気に包まれた――。

「…爽子って、実はすごい淫乱だったんだ?」


見下ろしてくる翔太の瞳の奥に、青く冷たい炎が静かに燃えているように見える。
ひどく鋭い視線を受けながら、爽子はぼろぼろと大粒の涙を流していた。
翔太のその視線は、どこか爽子のいやらしさを軽蔑しているようにも見え、
それと同時に、純粋で真っ白なものが少しずつ穢れを滲ませていく光景を、
ひどく嬉しそうに観察しているようにも見えた。

爽子は羞恥心に胸を焼かれそうになって、涙が流れるのも止めようともせずに、
ぎゅっと強く両手で自分の胸を押さえた。

…本当は、きちんと翔太と向き合って話をしなければならないのに。
このひとは、もう私がなにを言っても力ずくで押さえ込んでしまう。

どうしたらいいんだろう。
どんなふうに語りかけたら、彼の心の奥底の真意を読み取ることができるのだろうか。


そんなことをぐるぐると考えていたが、いよいよ翔太から向けられる視線に耐えられなくなって、
爽子は首を横にして、顔をシーツに隠してしまった。
その身体は細い肩から足のつま先までガクガクと震えていて、
どことなく小動物が狩られる恐怖に怯える様子を思わせる。


「………さわこ、」

「……は、い……」

「…こっち、みて」

505名無しさん@ピンキー:2010/07/30(金) 21:19:17 ID:3ItBzLSg



翔太のひやりと冷たい指先が、爽子の前髪をさらりと撫でた。
触れてきた翔太の感触や、問いかけられた声色は、微かに静かで物悲しい気がした。


「…ご、ごめんなさい、いまっ、は、わたし…」

「はやく、さわこ」

「…ど、どうしたらいいのかわからないの、」

「さわこ」

「翔太くんが、…どうしてそんな哀しい目をするのかわからない」

「おねがいだから、…ねえ、」


「さわこ」



半分だけ黒髪に隠れた爽子の頬に、ぽつり、と何かが降ってくる感触があった。
それはとめどなく降ってきて、爽子はゆるゆると胸で握り締めていた片手でそれに触れる。
指先に、冷たい雫が滲む。驚いた爽子が勢いよく翔太を見上げる前に、
爽子の首元のあたりに、翔太の顔がゆっくり伏せられた。
俯いていてよく見えなかったが、唇が微かに震えていたのがわかった。


「…目、逸らさないで。ちゃんと、俺のこと見てよ…」


耳元で囁かれた言葉は、小さな嗚咽にまみれた悲鳴のようだった。
爽子は無意識のうちに翔太の髪に触れて、指先でその柔らかい髪を撫でた。

「…しょーた、く…ん…」

「爽子…さわこ…さわこっ」

荒々しく抱きしめて来る目の前の大きなーいや、今は小さく見えるー腕に視線をやると、男の肩越しに見える窓には、どす黒い雲が広がっている。
それはまさに翔太の心を表しているかの用で、爽子は心がずきん、と響くのを感じた。
―目の前の男が、雨にぬれている。
降らしているのは―――…誰?

506きずあと25:2010/07/30(金) 21:21:38 ID:3ItBzLSg



二人が居るアパートは、4階建ての建物だった。
4階の、角部屋。
出来るけ景色が良く見渡せるところがいい、世界の広さを感じることが出来て幸せなきもちになれるから、そう言ったのは爽子だった。
翔太にとっては家賃の問題が最優先であったし、女の子ならまだしも男だし、と特に階数に拘ってはいなかったが、愛するパートナーが幸せな気持ちになれると言うのだから断る理由は無かった。

何度このアパートで愛し合ったろう。
何度君に愛の言葉をつぶやいただろう。

ただ、好きでいられることが、嬉しかった。
目が合うようになって、微笑んでくれるようになって、幸せだった。
愛し合える関係になれたことが、奇跡のようだった。
爽子と翔太だけの世界を求めていた頃は、過ぎ去った。

―おれがきみなら良いのに―愛する女の悲しみをも欲してしまう。
―わたしがあなたなら良いのに―愛する男の痛みを感じてあげたい。

「しょーたくん…っ、わ、わたしねっ…」

―”翔太くんになりたい”―

「って思うよ…」と続けたかった爽子が、最後まで言葉を発音出来ないうちに途切れ途切れの呼吸音を発してしまう。

「はっ、んっ…んっ」

「爽子…おれね…思うんだ」

―”俺が爽子なら良かったのに”―

翔太の肩越しに見えていた窓はいつの間にか目の前にある。
爽子は窓に両手をつきながら、翔太が背中から首に落とすキスの嵐に雲を見ることなんて忘れてしまっていた。

「見せたくないんだ、本当は」

一生縛り付けて俺の標本になればいい。
そしたらこのままの美しい姿は俺だけのものなのに。


507きずあと26:2010/07/30(金) 21:23:21 ID:3ItBzLSg



「見せたいんだ、本当は」

その美しい存在は黒沼爽子なんだと。
爽子を愛しているのは俺なんだと、誰もに理解されたい。
爽子が愛しているのも俺なんだと、確かな証拠が欲しい。
だから、行動はまるで裏腹でー
翔太はキスを辞めずにするすると爽子の洋服を慣れた手付きで脱がしていった。

「しょーたくんっ、かっ、カーテンがっ…!」

「見えちゃうね、外から―…爽子の綺麗な身体…見せたくないのに、見せたい―
…わかんなく、なっちゃったよ―」

己の欲求は一体何を求めているのか。
嵐のような思考の中で、零れ出る雨を止められないまま、まるで月かと錯覚するほどの眩しく美しい身体を、夢中で抱きしめていた。

翔太は拒絶する爽子を思いやることなく、爽子を抱きしめたまま窓の傍らまで移動した。

爽子の背中に舌を這わせ、前にある2つの山へと手を伸ばす。
いつも爽子が高い声をあげるポイントを余すところなく愛撫しようと、翔太は先端を手で押し上げ、擦りあげ、摘み上げた。
昨日から幾度となく続く翔太からの攻めに爽子は悲鳴をあげるが、いつしか悲鳴は嬌声に変わっていく。

だめ。だめだよ。
だって.....見えちゃうよ......。

少しだけ残った理性で窓の外を見た爽子は、そこに見覚えのある男性が立っているのを見つけた。
それはまさしくさっきまで爽子が会って来た男。
今、翔太にこのような「ひどいこと」をされる原因となった同級生、海原宏平だった。

どうして海原くんがここに?

記憶では3つ先の駅のアパートに住んでいる筈の海原がどうしてこんなところにいるのか。

508きずあと27:2010/07/30(金) 21:24:58 ID:3ItBzLSg



いや、それよりも。
今、自分たちが一糸まとわぬ姿で行っている営みを海原に見られてしまったのではないか。
海原は今、爽子達のアパートからは背を向けた状態で立っているが、爽子が気づく前はどうだったのか。

「い、いやっっ!」
未だ気づかず爽子の肌を堪能する翔太の腕から爽子は身をよじり抵抗する。
この2日間、どんなに理不尽なことをしても決して離れなかった爽子の初めての抵抗に翔太は目を瞠った。


「ひどいよ、翔太君。
“爽子の身体を見てもいいのは俺だけだ”って、”爽子の身体に触れていいのは俺だけだ”って、いつも言ってたじゃない。
なのに.....ひどいよ。
今はもう、他の人が私の身体を見てもいいの?
他の誰かに、翔太君と愛し合った証を見られてもいいの?」

ひっく、と泣きじゃくりながら言葉をぶつける爽子に翔太の心が動いた。
そう。俺は誓ったんじゃなかったのか。
「付き合ってください」と爽子に告白したあの日に。
-ずっと、爽子の事を大切にする、と。

「ごめん。ごめん爽子。俺が悪かった。やりすぎた。反省してる!」
いつもの表情に戻った翔太に爽子は安堵のため息をつく。
しかし、この2日間爽子はとても怖かった。翔太が違う人になったみたいで。2人の関係がこのまま壊れてしまうような気がして。

「本当にゴメン。謝って許されることじゃないかもしれないけど。
俺、爽子の事になると普通じゃいられなくなる。爽子が他の男と会うっていうだけで、いつだって穏やかな気持ちではいられなくなるんだ。」

509きずあと28:2010/07/30(金) 21:27:02 ID:3ItBzLSg



必死に言葉を紡ぐ翔太が、心底爽子の事を思っている事は爽子にだってよくわかっている。
でも爽子は思うのだ。
私だって同じ気持ちなのだと。
翔太が他の女の子と話しているのを見ると、心のある部分がズキンと痛むのだと。
そして、恋をしている人は誰でも同じ気持ちを抱いているのだいうことを、どうしてこの人はわからないんだろう。

「こ、怖かったんだからっ!
翔太君が翔太君じゃなくなるような気がして。
私が好きになった翔太君じゃなくなるような気がして怖かったんだからっっ。」

「ごめんな。俺、爽子に許してもらえるなら何でもする。
いや、許してくれなくてもいいんだ。恨んでくれててもいい。俺の元から離れないでいてくれるなら、なんだってやるから、言って?」
今まで人を恨んだことのない爽子は翔太に急にそんなことを言われてもどうしていいのかわからないでいた。
茫然と佇んだままの爽子はなんとなくゆっくりと今日を振り返ってみる。

“俺が悪かった”

先程翔太が必死に爽子に許しを請うた言葉が甦る。
「翔太君は、本当に悪かった、って思ってくれているの?」
必死にコクコク頷いている翔太を見て、爽子はぽつりと洩らした。
「悪いことをしたら、おしおきを受けなければいけません。」と。



「悪いことをしたら、おしおきを受けなければいけません。」
爽子がぽつりと洩らした一言に翔太は驚く。
が、爽子から受ける仕置きであるのなら、俺は喜んで受けよう。翔太は黙って頷く。
爽子が持ち出してきたのは、昨日爽子の手首につないだ手錠。

510きずあと29:2010/07/30(金) 21:28:37 ID:3ItBzLSg



黙ってカチリと翔太の右手首に手錠をはめると爽子はしばらく考えた末、翔太をベッドに横たわらせ
ベッドの支柱に括るかのように左の手首も施錠した。
“翔太君がやったようにだったら、私にもお仕置きをすることが出来るもの。”
たぶん、このまま何もしなくても2人はお互いを求めあうのだろう。
しかし、折に触れ今日の事を思い出す時、翔太に気まずい思いをさせたくなかったし
何より心のどこかで翔太に感じてしまった恨みが不信感に変わってしまうのが怖かった。

そっと翔太の耳朶に舌を這わせる。
そのまま首筋から鎖骨へ、そして胸へと愛撫を進める。
爽子が翔太からいつもされるように、翔太の乳輪をくるりと舐める。下から上へ、乳首をふるんと押し上げてみる。
そのまま乳首をくにくにと動かすと翔太の唇から吐息が漏れる。
「もうこんなに立たせちゃったの?」
昨日翔太から言われた言葉を思い出しながら、同じ言葉をぶつけてみる。-既に翔太の乳首もピンと尖っていたのだから。
お臍、わき腹と進んでいくと、その下にある翔太の分身が熱く力を漲らせていく。
「そんな声出して.....そんなに気持ちいいの? ほら……気持ちいいんでしょう?」
知らないうちに翔太を言葉で責めながら、爽子は熱い翔太の先端部分を舌でつつき、全体を舐めあげた。
「もっと、欲しいの?」
ううっ、とうめき声をあげた翔太を見ながら爽子は分身を指で弾く。
焦らされていた翔太は耐えきれずに精を放った。


小さな水音と乱れた息の音が、静かな部屋に響く。
3日間。一緒にいようと約束したその時間はもう既に半分を切っていた。

511きずあと30:2010/07/30(金) 21:30:11 ID:3ItBzLSg



この時間が始まる前は、もっと色んなことを考えていたはずだ。
この時間が始まる前は、もっと色んなことを話していたはずだ。
それなのに。

燃えるように熱い身体をぺろりと舐めながら、爽子は乱れた意識のほんの片隅でそう思う。
「っ、は、あ…」
男という生き物はこんなにも艶やかしい声を出すものだったのか。
恋人の喘ぎ声が爽子の鼓膜を刺激する。

"おしおき"と称した愛撫を、もう何時間続けただろう。
何度この指を、この舌を、彼の身体に這わせただろう。
慣れなかったはずのその行為は、確かに始めはただ彼の真似事をしているに過ぎなかった。
だが時間が経つにつれ、爽子は彼女自身の動きを手に入れていく。

彼が喘ぎ、呻き、達する度に、爽子の心臓は喜びに踊る。
身動きの取れない目の前の男を、つい数時間前までは絶望感が永遠に続くような気にさえさせていた男を
愛しくて愛しくてたまらない男を、今こうして思うがまま遊ばせている。

こんなの理性を失くした只の動物だ。
現状が、少なくとも普通ではないことを爽子はよく理解していた。
それでも止めようなどという考えは浮かぶ事は無い。
明るかったはずの室内は既に暗い。
開けっ放しのカーテンの向こうから入り込む、街灯と月のぼんやりとした光だけが頼りだ。

「っ、さわ…こ」
翔太が掠れた声で名前を呼ぶ。
爽子は、達した証を指で絡めとり、口に含みながら彼を見やった。
その姿はとても妖艶で淫らなはずなのに、どこかに清純さが見え隠れする。
「…またひとりでイッちゃったね」

512きずあと31:2010/07/30(金) 21:31:37 ID:3ItBzLSg



白濁を放ちひどく敏感になっているソレを爽子の舌が包み込むと、翔太は低く呻いた。

「あのね…」
「っは…な、に…?」
「私おかしいのかな…」
暗闇の中、ふたりの瞳と瞳が合わさった。
性に溺れた色がぶつかり合って、溶けて行く。
「翔太くんにこんな事してるのに…きもちいいの…嬉しいの…」

触れられてもいない爽子の身体は、じんと濡れ翔太を欲している。

「翔太くんが、本当の本当に私だけのものになったみたい…」


「あっ…んっ……」


軋むベッド、卑しい水音が響く部屋に、堪えきれない声が爽子の口から漏れだす。
翔太は自身の上で喘ぐ爽子の姿を見つめていた。


乱れる髪、上気した頬、月明かりに照らされた真っ白な身体。
濡れた瞳、時折漏れる甘い悲鳴。


―誰も知らない…こんな爽子を……俺だけがっ知っている…


爽子の中は熱く翔太の分身を締め付ける。


「さっ…爽子…もう…」

「まだ…ダメだよ……」


そう言って爽子は自身の腰を止め翔太の分身を引き抜き、そっと舌を這わせる。
翔太が果てそうになるたび爽子は動きを止める。
何度も何度もその行為を繰り返す。


「もっもう…いかせて……爽子が欲しい……」


その言葉を聴いた途端、爽子の瞳から一粒また一粒と涙が零れ落ちる。
嬉しいの…嬉しい…そう呟きながら涙を零す。


「翔太くんが…私を感じてくれる…私を欲してくれる……それがたまらなく嬉しい…」


翔太もこんな気持ちだったのだろうか…爽子はそう思う。
513きずあと32:2010/07/30(金) 21:40:58 ID:H23UKzHh


一方的に思えた行為も翔太側の立場になってはじめてわかった。
自分の舌に、指に相手の身体が反応する。頭より身体が相手を欲してしまう。
それがこんなにも幸福なことだということを爽子は今実感した。


「翔太くんはみんなのものだとずっと思ってた……
太陽みたいな翔太くんを私なんかが独り占めすることなんてできないって…」


啄ばむように口付ける。


「でも…誰もこんな翔太くんを知らない……」


翔太の分身に指を這わせやさしく擦り上げる。


「うっ……さっ…さわ…」

「私だけが知っているの……翔太くんのこんな声も…感じる場所も…」


涙を零しながらの爽子の愛撫は続く。
爽子の舌に指に翔太は翻弄され身体は爽子を求める。


「誰にもあげない……こんな翔太くんを知っているのは私だけでいい……」


大粒の涙を零しながら頬に触れ唇を落とす。


「全部あげる…私の全部をあげるから……翔太くんの全部を頂戴…?」  


懇願するような瞳でそう告げると、爽子は鍵を取り出し翔太を開放した。



部屋からはかちこちと時計の音だけが聞こえてくる。
暗い室内には2人の影はなく、デジタル時計の点滅の灯りが光っては消えている。

そんな静寂とした室内の先のバスルームから―
…男女の楽しそうな笑い声が響いている。

そこだけまるで別世界かのようだった。

さっきまで暗い混沌とした感情がうずまいていたその部屋に
似つかわしくないその笑い声。
空間のその色さえ変わってしまったような錯覚さえ覚える。

514きずあと33:2010/07/30(金) 21:41:42 ID:H23UKzHh


2人は小さなすぐにでも壊れそうなおもちゃの手錠で
お互いを縛り、お互いを蹂躙し、貪り、そして知る。

2人にそんな小さな道具は必要ないことを。

2人はお互い自分の意思で相手に見えない手錠を渡していることを。

「ねぇ、翔太くん」
「ん?」

決して大きいとはいえない浴室、小さな浴槽に翔太が爽子を後ろから抱きしめるようにしておさまっていた。

「私たち、とても似てると思うの。お互いにだけ、とっても貪欲」

爽子がふふっと声を立てて笑って、翔太もそれに同意するように小さく微笑む。

「――うん、そうかも」
「『そうかも』じゃないよ、そうなんだよ。私は翔太くんの。翔太君は……私の」

少し躊躇ってから、爽子が翔太を自分のものだと称したのを、翔太は胸を震わせて聞いて、それと同時に抱きしめる腕に力を込める。
狂いそうなほどに目の前の少女を欲する自分を、自分でも少しだけ許せそうな気がしたのだ。

「……翔太くん、わかってる?」
「え……?」

くすっと笑った爽子に疑問を投げかけると、少し緩んだ腕の中で爽子はくるりと回転して、翔太をまっすぐに見上げた。

「『翔太くんは私の』なんだから、勝手に傷ついちゃだめ。体も……心も」
「――っ!」

翔太の唇に爽子の人差し指が触れて、翔太はその体をぴくりと奮わせる。
目の前で微笑む少女が、なんとも神秘的で、狭い浴室どころか楽園にさえいる気がする。

「……さ、わ……」

515きずあと34:2010/07/30(金) 21:42:31 ID:H23UKzHh


言葉を紡ぎ始めた翔太を押しとどめるように、爽子は翔太の首に腕を巻きつけると、その唇に自分のそれを押し当て、触れるだけのキスをした。
放心状態の翔太には、まるで魂への囁きのように爽子の声が響く。

「……だいすき、なんだよ?」

勝手に不安になったらだめ。
知らないところで傷ついたらだめ。
私の知らないところへ勝手に行ってしまったらだめ。
悲しいときも嬉しいときも、ずっとずっと分け合うの。
――次に知らない間に勝手なことしたら、今度は……今度こそ翔太くんの前からいなくなっちゃうからね。

それだけを一気に翔太の耳元で囁くと、爽子は目を見開いた翔太と目を合わせる。

「だってそれが、一番のおしおきになるでしょう?『勝手なことをした翔太くんへの罰』と『翔太くんの苦しみに気付けなかった私への罰』」

眉尻を下げて笑った爽子を正面から抱きしめて、翔太は小さく呟いた。
同じ浴室に居たとしても聞こえないほどに小さく、でも心から。

「……本当にごめん」


*****

「――海原くん!」

残った最後の休みの日は、前日までの出来事がまるで嘘だったように穏やかに過ごした。
見たかったんだよね、と言いながらレンタルするDVDを一緒に選んだり、爽子の作った料理を食べたり。

休みも明けて爽子は大学で彼に声をかけた。
折角相談相手に自分を選んでくれたのに、何もできなかったという自責と、そして一昨日の真偽を確かめるために――

516きずあと35:2010/07/30(金) 21:43:17 ID:H23UKzHh


「あ、黒沼……」
「あの、あのね!ごめんね何のお話も聞いてあげられなくて!あと、その……一昨日、なんだけど……っ」

かあっと顔を熱くさせて、爽子は海原の前でぎゅうっと目をつぶる。
『情事を見ましたか?』なんて、そうそう聞けたものではない。

「……彼氏とは、うまくいった?」
「え……?あっうん!それはもう!と、いうか、うまくいかないはずがないもの」

海原の前で笑顔を見せる爽子は自信に満ち満ちた表情だった。

「だからね、だから……すきなら、大丈夫だと思うの。自分のすきになった人を信じて?その人をすきになった自分を、信じて?」

そう微笑んで言われてしまえば、海原の淡い期待も消し飛んでしまう。
一昨日のすぐに目を逸らしてしまった扇情的な光景も。

「……さんきゅ」

海原が小さく漏らした言葉を受けて、爽子は軽く頷くような仕草をして、それから口をきゅっと締めた。
「あの……」と口を開いた爽子を制するように、海原が言葉をかぶせる。

「俺さ、彼女とちゃんと話してみるわ。……あと、一昨日黒沼の様子がおかしくて追いかけたんだけど、結局見つけられなかったんだよな」

あからさまにほっとした表情を浮かべた爽子に別れを告げて、海原はひとつため息をつく。

「……彼女に電話しよっかな」



END


※総勢9名によるリレーSSでした。
長文でのスレジャックどうもすみませんでした!

517きずあと表紙:2010/07/30(金) 22:32:32 ID:H23UKzHh
さきほどのリレー小説「きずあと」の表紙イラストです。↓
ttp://imepita.jp/20100730/809770
518名無しさん@ピンキー:2010/07/30(金) 22:41:09 ID:kBNkRG5l
同人誌の転載?
ここでやらずにサイトでも借りればいいのに
519名無しさん@ピンキー:2010/07/30(金) 22:53:03 ID:3ItBzLSg
誤解されてしまうのもあれなので、弁解を〜……
リレー参加者は全員サイト持ちです。
イラストは、参加者の内1名様が書いてくださいました。
そして特に同人誌を出す予定はございません。あしからず。
520名無しさん@ピンキー:2010/07/30(金) 22:56:13 ID:Ew4MgHbk
ファンサイトのどの辺がちゃねらーか丸わかりだな
521名無しさん@ピンキー:2010/07/30(金) 23:20:06 ID:+H/iephs
ちょっと長いから容量も気になるし、サイトもちなら個人サイトにあげればいいかなとは思ったけどGJです!
おつかれさん!

522名無しさん@ピンキー:2010/07/31(土) 00:00:18 ID:Bf84pHWx
こ・・・これはさすがに長いw
でもリレー小説ならではの、表現の違いがあったりで楽しめました。
職人さまたち GJ!
絵もすんごいキレー。この調子でスレ活性化して欲しいっす
523名無しさん@ピンキー:2010/07/31(土) 00:29:14 ID:vwXODz1l
こういう形でくるとは思わんかったw
おつです
524名無しさん@ピンキー:2010/07/31(土) 01:52:03 ID:Mf0k+m0Z
すごいです!
こんな形での発表も面白いですね。
GJ!!
これから読みます!
525名無しさん@ピンキー:2010/07/31(土) 03:05:39 ID:cUbffSnp
うわぁ…
526名無しさん@ピンキー:2010/07/31(土) 05:48:22 ID:hfKVooTV
これなんて江川達也?
中間、東京大学物語みたいだった。
風早なら手錠外さずトイレ付いてって見せてって言うなw
527名無しさん@ピンキー:2010/07/31(土) 06:22:31 ID:weipIFSc
確かにトイレの問題は気になるところです
528名無しさん@ピンキー:2010/07/31(土) 23:30:09 ID:iFN1nIdd
サイト持ちならサイトでやれよ
529名無しさん@ピンキー:2010/08/01(日) 00:22:36 ID:dvuOJOYw
>>528
なんでそういうこと言うかな。
サイトにもこっちにも上げてくれてる人だっているのに。
サイト持ちの職人さんが落としてくれなくなったら過疎どころじゃなくなるけど、それはいいの?
530名無しさん@ピンキー:2010/08/01(日) 00:46:47 ID:UqmlATDR
つーかもうここサイト持ちしかいないじゃ?
どうせ後でサイトでアップするんだろうし
だったらもうスレいらないんじゃね?
531名無しさん@ピンキー:2010/08/01(日) 01:22:32 ID:dvuOJOYw
でもさ、ここ見て書いて見ようって思う人もいるんじゃ?
自分はスレあってほしいし、サイト持ちの職人さんの保守がてらの投下楽しみにしてる。
荒らしみたいなレスしてるのはサイト持ちを締め出したい人?スレ保持出来るのが一番いいと思うんだけど……
長文すまそw
ってかこんな空気じゃ新しい人も投下しづらいだろうし、最近冷たいレス多い気がする。
なんか寂しい。
532名無しさん@ピンキー:2010/08/01(日) 01:54:14 ID:0WtlMve4
まぁ2ch出身なサイト持ち多いもんね
R18のところほとんどそうじゃない?
ちゃねらーなのを隠しもしないのはちょっと痛いと思ってたけどw
でもサイト持ちが投下しなくなったらスレ落ちるだろうね
533名無しさん@ピンキー:2010/08/01(日) 01:55:43 ID:NexQ2B/r
今回の投下作品、よかったけどね
まあこういう批判レスが普通に出るのが2ちゃんのスレだと思って
職人さんは気にせず、投下してほしいな
534名無しさん@ピンキー:2010/08/01(日) 01:56:13 ID:Af5ykHVR
「読まない選択」っていうものもあるのだから、スレいらない人はもうここのことをわざわざ気にしなくてもいいんじゃないですか?自分が書かないのに、投下してくれる人に文句をいうだけなのはどうなんでしょう…
535名無しさん@ピンキー:2010/08/01(日) 01:57:35 ID:uJ7BYnBs
ここは、サイトまで行きたくない、裏のパスワード申請が面倒くさい、でもエロパロは読みたい、そんなシャイでワガママwな人の為の避難所と考えられないものか?

9人であの大作を書くのに何日費やしたか想像つかないが、ちゃんと一本繋がってる話だと思う。

作品を投下してくださる神に牙を剥いてる人は何しにここに来てるのか普通に疑問なのだが?


しかし、夏だねぇ〜(´・ω・`)
536名無しさん@ピンキー:2010/08/01(日) 02:12:43 ID:QlmTgmJo
空気を読まずに投下。

ちょっと前にスレであった「風早はエロ本派」な風爽未来話。
537『秘密にしたいことだってある』:2010/08/01(日) 02:14:29 ID:QlmTgmJo
いつもだったら、この時間は期待しているはずなのに。

風呂から上がり、ベットに腰掛けている風早は「はぁ〜…」と、長いため息をつく。
一人暮らしをはじめて、この小さなアパートの一室に爽子が泊まりに来ることは
両の手で数えることはできないくらいあった。

その度に、二人きりの夜を過ごしてきた。
どれも思わず口元が緩んでしまうくらい、甘い気持ちで過ごしてきたのに。

こんなに重い気持ちで夜を過ごすのは初めてだ。

風早はちらりとベットの脇にひっそりと積まれた雑誌たちに目線を向け、
何回目かのため息をついた。

* * *

事の始まりは一時間前。
いつものように爽子手作りの夕飯を平らげた二人はまったりと過ごしていた。

「まるで犬みたいだね」と矢野から言われている風早は(もちろん不服ではあるが)
ここぞとばかりに爽子に甘える。
甘えてくる風早が嫌ではない爽子は(むしろ「かわいい」と密かに思っている)
そのまま身を委ね、二人きりの時間を楽しむ。

そのうち、いい雰囲気になってくるのはいつものことで。

爽子の赤く染まった頬に優しく唇をおとし、風早がシャワーを浴びに行ったのは、ほんの少し前。



浴室から出た風早が部屋に入ると、
さっきとは比べ物にならないくらい真っ赤になった爽子が気まずそうに座っている。

「?どーしt」
「わ、わたし!おお、お湯、いただくね!」

理由を聞こうと口を開く前に、爽子は勢いよく立ちあがり、あっという間に浴室へ消えていった。
疑問符を浮かべながら、しばらくの間、爽子が消えていった方向を眺めるが理由がわかるわけもなく。
後で聞けばいいか、とさっきまで爽子が座っていたベットの前に目を向け、
風早は固まり、今に至る。
538『秘密にしたいことだってある』:2010/08/01(日) 02:15:22 ID:QlmTgmJo
(まさか出しっぱなしにしていたとか…)

ちらりと目の端に映るそれは、水着の女性が豊満な体を惜しみなく晒している


いわゆるエロ本。


風早だって男だ。
エロ本の一つや二つや三つは持っている。
スケベだって自覚している分、なおさら。

それでも、爽子や突然の来訪者たち(主にジョーたち)に見つからないように、しっかりと隠していた。
しかし、うっかり片付け忘れていたらしく、見せるかのように乱雑に置かれていた。

中身こそ閉じられていたが、爽子が見つけた時も閉じられていたとは限らない。
むしろ、先ほどの爽子の反応を見る限り、ばっちり見てしまったんだろう。

さすがにそのままではマズイと端に寄せたが、現状は何も変わっていない。

(やっぱ引いたかなぁ…。こういうの免疫なさそうだし)
(怒るかなぁ…。いや、爽子のことだから「自分じゃ魅力がない」とか考えそう)

もやもやとした考えが次々に浮かんできては風早に重りのようにのしかかってくる。
普段なら、どこか浮かれた気持ちでそわそわと待っている時間だが、
今は別な意味でそわそわとしている。


カチャリ。


浴室のドアが開く音が聞こえた。
ガバっと顔を上げ、嫌な汗を流しながらドアに目線を向ける。

きぃ、と音を立てゆっくりとドアが開いていく。
心臓の音が聞こえるんじゃないかと、
いつもとは違う緊張感に包まれた風早の目に飛び込んできたのは


―ワイシャツ一枚姿の爽子だった。
539『秘密にしたいことだってある』:2010/08/01(日) 02:15:54 ID:QlmTgmJo
予想だにしなかった姿に思わずぽかんとしてしまう。

白いワイシャツからは、白い素足が覗いている。
彼女の体には少し大きいのか、まるで短いワンピースのようだ。

しっとりと濡れた黒髪と紅潮した頬から風呂上がりであることを知らせており、
開けられた第一ボタンの間からは鎖骨がちらちらと覗いている。

袖はすっぽりと彼女の手を包んでおり、申し訳程度に手先が覗いている。


その姿に熱と目眩を感じながら、風早はようやく口を開く。

「ど、どうしたの」
「あ、勝手に借りちゃってごめんなさい」


いや、そこじゃなくて。


なんでそんな俺好みの格好してるの。


…なんて言えるはずもなく。
風早はまじまじと眺めながら、かぁーと音をたてているかのように赤くなる爽子の言葉に耳を傾ける。

「その、さっき偶然部屋にあった雑誌に…ワイシャツ一枚の女の人が写っていて」
「翔太くんはこういうのが好きなのかな、て思いまして…」
「でもワイシャツ持ってきてなかったから、勝手に借りちゃったの。ごめんね」

「一言断った方がよかったね」と付け足し、しゅんと項垂れる。
その姿にすっかり萌えポイントを刺激された風早は立ち上がり、そのまま爽子を抱き締める。

予想していなかった爽子の反応に安心しながらも、爽子の体温とシャンプーの香りを楽しむ。
すっぽりと腕に収まっていた爽子はしばらくすると、もぞもぞと身体を動かした。

「あ、あの」

その様子に気付いた風早は爽子の顔を覗き込む。
540『秘密にしたいことだってある』:2010/08/01(日) 02:18:28 ID:QlmTgmJo

(うっ…)


紅潮した頬に潤んだ瞳で上目遣いされるのに、風早は弱い。
そんな風早には気づかず、爽子は恥ずかしそうに口を開く。

「お腹に、その…当たっているんですが…ひゃぁ!?」
「…〜っ、爽子がそうさせているんだってば!」

気まずさを誤魔化すかのように、風早が強く抱きしめ、
既に熱を持ちはじめた自身を押しつけるような形になる。

何度体を重ねても、ひとつひとつに敏感に反応する爽子の反応が、
風早に芽生えた小さな悪戯心をどんどん大きくさせていく。

フルフルと小さく身体を震わせ反応する爽子に対し、
風早の視線は白いシャツから覗く白い太ももへと注がれている。

抱きしめていた腕を爽子の細い腰に回すと、そのまま爽子を背伸びさせる程度に体を持ち上げる。
突然のことに驚く爽子を傍目に、風早はそのまま熱を持った自身を白い太ももへと押しつける。


「…っぁ」


ビクッと跳ねた身体と小さく聞こえた喘ぎ声に気前を良くした風早は
今度は太ももなぞるかのように、それを当ててみる。
それだけではもの足りず、風早は爽子の耳たぶをはむはむと甘噛みする。


「ん…っ!」


口はそのまま首筋へと移動していき、わざとらしくちゅ、ちゅ、と音を立てていく。
声を我慢しているのかくぐもった声が漏れ、シャツの隙間からちらちらと見える鎖骨はなんとも色っぽい。
風早からの愛撫に十分なほど反応する爽子は立っていられないのか、風早の肩に腕を回し体を預ける。

それが合図のように、二人は密着したままベットへと倒れこんでいった。
541『秘密にしたいことだってある』:2010/08/01(日) 02:18:59 ID:QlmTgmJo

首筋へのキスを終えた風早は、爽子に覆いかぶさっていた身体を起こし、跨っている爽子を眺める。

シーツに広がる黒髪。
それだけなのに、どこか色気を感じさせる。
逆に爽子の表情は、まんまるく目を見開いており、みるみるうちに羞恥の色を濃くしていく。


(…かわいい)


そんなこと思ってもなかなか口には出せない風早は、代わりにキスの雨を降らせていく。
おでこ、耳、首筋、鎖骨と移動していき、最後には唇にキスを落とす。

普段ならここで終わるが、風早の頭の中に小さな欲求が生まれる。
それに突き動かされるかのように、風早は白いシャツから覗く白い太ももへとキスをする。
そのまま赤い印をつけ、爽子を見上げると耐えるかのように、ぎゅっと目を瞑り口元を手で覆っていた。


(声、聞きたいのに)


情事の時の、耐えきれずに漏れるあの声が好きで堪らないのだ。
口元を覆う手を自分の手に絡みとり、そのまま「おまけ」と呟き、ぺろりと印を舐める。


「ひゃん…っ」

思惑通り、爽子の口からは耐えきれずに甘い声が漏れる。
思わず緩んでしまう頬を引き締めながら、一旦離れ、息が乱れる爽子を見下ろす。

潤んだ瞳で、何かを訴えるような表情の爽子に気付き、耳を寄せる。
しばらくもじもじと言いにくそうにしていたが、耐えきれないのか、
消え入りそうな声で、恥ずかしそうに訴えた。

「じ、焦らさ…ないで…」


(〜…っ、色っぽいのに可愛いなんて反則だ!)

二人の夜は、始まったばかり。
542『秘密にしたいことだってある』:2010/08/01(日) 02:19:50 ID:QlmTgmJo
以上です。

「フツーにスケベ」な風早は絶対エロ本の一冊や二冊、三冊は持ってるはず。
でもすごい王道なのを持っていそう。

ワイシャツ一枚の爽子は絶対可愛いと思う。異論は認めない。
543名無しさん@ピンキー:2010/08/01(日) 13:00:06 ID:1vzt9NZK
GJ!!ワイシャツ爽子=絶対可愛いに異論なし!
544名無しさん@ピンキー:2010/08/01(日) 21:58:14 ID:7sjRxMHh
なっなんて可愛い二人なんだ!GJ!!
ワイシャツ爽子はものすごい攻撃力ですな!

いくつか投下します。エロなし〜エロあり混在してます。
545爽子からの贈り物:2010/08/01(日) 21:58:59 ID:7sjRxMHh
・風×爽  エロなし

「風早くんお待たせー」

―――カチャ

(あれ?)
風早は広げたノートの上で、腕におでこを乗せてスヤスヤと眠っていた。
(わー寝てる)
爽子は台所から持ってきた麦茶をテーブルに置くと、風早の寝顔をじっと見つめた。

(寝顔可愛いな。あ、意外とまつげ長いんだ。)
目元に落とされたまつげの影を発見し、さらに観察してみる。
(日に焼けてるなー、外で遊ぶの大すきだもんね)
校庭でクラスメートと騒ぐ姿を思い出し、爽子はクスっと笑った。
(大きな手…なんか男の子って感じ)
爽子は幸せな気持ちで、無邪気な寝顔を見続けた。

やがて、まつげが小刻みに震えて、パチッと目が開いた。

「あっ、あれっ!?ごめん、俺寝ちゃってた……」
慌てて謝る風早に、爽子はニコニコしながら言った。
「ううん、風早くんの寝顔、ずっと見てたから、平気だよ」
「え!?ずっと?」
「うん、可愛かったよ」

(可愛い…・・・!?)
可愛いのはそっちじゃん!と心でツッコミながら、風早は頬を赤らめた。
「あ、ごめんなさい。男の人に可愛いだなんて失礼だったよね?しかも、勝手に
寝顔見ちゃって………」
爽子の語尾がどんどん小さくなっていくのを聞いて、風早は思わず笑ってしまった。

「いいの!!黒沼は俺の彼女なんだから、寝顔見たっていーの!俺なんか…―――」
「えっ?」
(体育祭の打ち上げん時、黒沼の寝顔見ちゃってるしっ)
「とにかく!!黒沼はそんなん気にしなくっていーの!」
「ほんと?」
ほんと…と言いかけた風早の頭に、イタズラ心がムクムクと膨らんだ。
「んじゃあ、キスしてくれたら許してあげる」
ほんの冗談のつもりだったのに……

   チュッ

―――唇にやわらかいものが

「こっ、これでいい?」
赤い顔をして爽子が風早を見上げた。

(えええ〜!!?)


その夜風早家には、ニヤケっぱなしの長男翔太を心底不気味がる、家族の姿があった。

おわり
546告白1:2010/08/01(日) 22:25:11 ID:7sjRxMHh
・風(キザっ太くん)×爽  エロあり(直接描写なし)

黒沼の笑顔が好きだ。彼女は心から嬉しい時に笑う…嘘偽りのないキレイな微笑で。
だから、彼女の花開くような笑顔は、見るものを幸せにする魔法だと思う。
その魔法に魅せられて、黒沼をすきになるヤツなんて、きっとすぐ出てくる。
それは確信に近い予感。彼女がますます魅力を増していくたびに、この手で隠して
誰にも見つからないといいのにと願う……そう思うのは俺の弱さ。

「黒沼……」
キスして抱きしめた。髪に唇を落とし、腕にそっと力を込める。
―――大切な、大切な女の子。
ずっと、このまま腕に閉じ込めておきたいな……。
彼女の顔を覗きこむと、潤んだ瞳と目が合った。
何かを堪えるように唇をキツク閉じて、体は硬く強張っていた。
(――――――!?)
慌てて目をそらされて、心臓が大きく跳ね上がった。
どうして?……どうして、目をそらすの?
俺、何か気に障ることしたかな?今日はキスする気分じゃなかった?俯かないで……

************************

唇に温かいものを感じた。
気が付いたら風早くんのやわらかい唇が押し当てられていて、慌てて目を閉じた。
ギュッと抱きしめられ、胸に顔を埋めると、暖かいぬくもりとお日様の匂いを感じる。
穏やかで心安らぐ場所……同時に愛しさが込み上げてきて
彼の匂いを心行くまで味わった。
こんな気持ちになれる、世界でただひとつの場所。
でも、私はこのぬくもりを感じるだけでは、物足りなくなっているの。

気が付いたらいつも、彼の後姿を目で追っていた。
授業中、休み時間、放課後。彼の白いシャツが眩しくて
いつも遠くから見つめているだけだった。みんなを明るい空気で満たす太陽のような人。そんな人が私をすきだと言ってくれた。それだけで、幸せだったのに……。
こんなに大切にされているのに、これ以上求めたら罰当たりかな?
こんな気持ちを風早くんが知ったら、どう思うかな?―――受け入れてくれる?
それとも……はしたない子だって思う?
嫌われちゃうのかな?そうしたら、今私を包むこの場所もなくなってしまうのかな。
嫌だ……風早くんに嫌われたりしたら、嫌だよ。胸が握りつぶされそうな気持ちになる。

ふと、私を見つめる視線を感じて顔を上げると、まっすぐな目をした彼がいた。
その目に自分の思考を見透かされそうで、慌てて目をそらした。
547告白2:2010/08/01(日) 22:26:56 ID:7sjRxMHh
************************

「―――黒沼、どうしたの?」
「えっ?」
「……キス……嫌だった?」
「……!!ちがうっ、違うよ!」
「じゃあ、どうしてそんな悲しそうな顔すんの?」
えっ、と顔を上げると不安そうに揺れる瞳があった。
「言って。何か俺、気に触ることした?黒沼がそんな顔すると
俺、不安でたまらなくなる」
―――言えないよ……恥ずかしくて。風早くんのこと全部欲しいだなんて。
どんな答えが返ってくるか怖くて……言えないよ。
「ごっ、ごめ……なんでもな「なくないよね?」
「教えて。俺、黒沼がどんなこと感じて、どんなこと考えてるか知りたい」
風早くんはまっすぐ私を見て言った。
胸の動機がどんどん激しくなって、手の平はじわりと汗ばんだ。

「―――すき……なの」
「…もっと……くっつきたいの」
膝に置いた手が震える……言葉がうまく出てこない。
「…風早くんのこと……全部欲しいの」
ごめんなさい、欲張りで。―――嫌いにならないで…・・・


部屋に時計の秒針の音が響いた。爽子はこの静けさなら、自分の心臓の音が
風早に聞こえてしまうのでは、と本気で心配になった。
(お願い、風早くん。何か言って……)
沈黙に耐えかねて、爽子が口を開きかけた時、風早が自分の額を
爽子の額にコツンと合わせて言った。
「俺も……だよ。黒沼の全部……欲しいよ」


震えながら、それでも一生懸命俺に伝えてくれた。
俯いてしまって顔は見えないけど、きっと林檎のように真っ赤だろうな。
―――愛しい
「黒沼……」
胸にこみ上げてくる感情が、溢れそうになる。
抱き寄せて、腕の中の感触を目一杯味わった。
そっと触れるだけのキスをして、トサリとベッドに押し倒した。
サラサラの髪を指ですくい、体重をかけないように体を埋めた。
甘い匂いがして、やわらかくて、まるで砂糖菓子で出来ているような女の子。
こんな時なのに、余裕なんてまるでないのに、俺の頭にある唄の歌詞が浮かんだ。
昔、英語の授業で習った古い童謡……

『女の子って何で出来ている?砂糖やスパイス、すてきなものから出来てるよ』

―――うん、ほんとにね……そう思うよ。
俺はありったけの愛情を注いで、黒沼とひとつになった。

おわり
548秘密の場所1:2010/08/01(日) 22:52:11 ID:7sjRxMHh
・風×爽 エロあり(直接描写あり)

爽子は大量の資料を抱えて廊下を歩いていた。
仲間と盛り上がっていた風早が気がつき、声をかける。
「さ〜わこ!貸して。どこ持っていくの?」
「あ……いいの。これは私の仕事なので」
「持たせてよ、彼氏の特権で!」
こう言い出すと、風早は、絶対にひかない。
今までの経験上、爽子はそれを熟知していた。
「……じゃあ、半分お願いします」
爽子が申し訳なさそうにいうと、風早は爽子の腕から本を二冊残して、残りを抱えた。
(もっと甘えてくれていいのに……)風早は心の中で溜息をつく。
普段、学校内では爽子と二人きりになれる機会があまりないので、
風早の頬は緩みっぱなしだった。
「ところで、これどこに持っていくの?」
「社会科資料室まで」
「ん、りょーかい」
二人は仲良く歩き出した。


目指す資料室は旧校舎の一角にあり、爽子たちの教室とは別の校舎にある。
旧校舎に足を踏み入れると少しひんやりとした空気が漂っていて
薄暗く、人気が感じられなかった。
普段あまり来ない校舎のため、風早が爽子に聞いた。
「あれ?何階だっけ?」
「たしか二階の奥の方だったと思うけど」
珍しく爽子も自信がなさそうに答える。
階段を昇り、しばらく歩くと目的の資料室があった。

「あ、ここ」
爽子が、職員室から借りてきた鍵で扉を開けた。
手分けしてスチール棚に資料を収納する。
パチンと電気を消して廊下に出ようとした時、廊下のつきあたりの教室から
小さな物音が聞こえた。そして、囁くような男女の声がその後に続いた。
風早と爽子の足が止まり、思わず顔を見合わせる。
「……あっ、あんっ」
「声出すなよ」
「ん〜だってぇ……」
ひっそりとした廊下に漏れ聞こえてくる喘ぎ声と、ガタガタと机を揺らす音に
二人は石のように固まってしまった。
549秘密の場所2:2010/08/01(日) 22:52:49 ID:7sjRxMHh
(うわ……)
思わず、ゴクリと生唾を飲み込む。
AVで他人の性行為は何度か見たことがある風早も、隔たりがあるとはいえ
すぐそばで起こっている事態に、衝撃を隠せない。
隣の爽子をチラリと見ると、この状況に激しく動揺しているのが、見て取れた。
真っ赤な顔をして、遠慮がちに風早の制服のシャツをぎゅっと掴むと
「か……風早くん、早く教室戻ろう」
と蚊のなくような小さな声で言った。
「…あっ…もっと」
依然聞こえてくる女のあえぎ声が、沸きあがる衝動に拍車をかけた。
風早はニッと笑って爽子の手を取ると、先ほどの資料室に押し込んだ。
カチャリ、と中から鍵をかける。
「――かっかぜはや……」
「しーっ、大きな声出したらまずいでしょ?」
「……?」
「俺、したくなっちゃった。…しよ?」
「……えええ!?こっ……ここで!?」
ダッ、ダメだよ、と言って爽子は頭をブンブン振る。
「もー、無理。手遅れ」
風早はグイと爽子を抱き寄せると、唇を近付けた。
ダメ、と爽子の白い腕が風早を押し返した。
「学校でこんな……んっ…」
非難する唇を塞いで、抱きしめた。
頃合を見計らって爽子の唇に舌を入れ、熱く絡める。
いつもと違う風早の大胆さに戸惑っていた爽子も、絡み合う舌の心地よさに
徐々に腕の力が抜けていく。
「……んっ、はぁっ……」
唾液が混ざり合う水音と、唇から漏れ聞こえてくる荒い息遣いに、
頭の芯が溶かされるような痺れを感じた。

体にかかる爽子の重みを感じて、風早は細い腰に手をまわした。
爽子をクルリと後ろ向きに立たせると、キャビネットに掴まるようにいって、
スカートをめくりあげる。下半身に触れる空気を感じて、爽子はハッとした。
「…っダメッ、これ以上は……!」
懇願とも取れる必死な声で、爽子が最後の抵抗をみせた。
「…ダメ?」
ショボンとした顔で、風早は爽子を見つめた。
「…うっ…」
ズルイその表情、と爽子は思った。その瞳に見つめられると
どんな我儘も許してしまいそう……それはまるで免罪符。
爽子が答えないのを肯定の意味と受け取ったのか、風早は爽子の片足を持ち上げて、
ショーツの隙間に指を差し込んだ。
爽子は訪れるであろう甘い刺激を予感して、ギュッと目を閉じた。

550秘密の場所3:2010/08/01(日) 22:54:04 ID:7sjRxMHh
「…爽子さっきの聞いて興奮しちゃったの?」
そこは、すでに蜜で潤っていた。
「やっ、ちがっ…」
「ふーん、でもまだ俺キスしかしてないけど?」
爽子の首筋に唇を落としながら、風早は意地悪く言った。
長い指を泉の奥まで差し込むと、じらすようにゆっくりとした動きで
爽子の熱をあおる。中を掻き混ぜると、熱い蜜が溢れた。
「あっ…っ」
風早がやわらかい壁を指で擦り上げるたび、空気を含んだ水音が耳に響いて、いやらしい。
爽子は今にも崩れそうな体を手と足で懸命にこらえた。
「俺、我慢できないよ。いれていい?」
爽子が頷くと、スルスルとショーツを剥ぎ取った。
避妊具を付けスカートの裾を大きく捲り上げると、爽子の腰をつかんだ。
「もっと足開いて」
そう囁くと、熱い塊を一気に爽子の泉に突き差した。

「んっ…」
爽子は内臓に強い圧迫感を感じて、小さく声を漏らした。
一瞬、鈍い痛みにも似た強い衝撃が走る。
後ろからの挿入は、いつもと角度が違う分、より深さを増していた。
風早が動きだすと、慣れない感覚は消え、すぐに快感が爽子をつつむ。
「…っ…あっ……」
「声、出しちゃだめだよ」
荒い息をおさえた声が耳をかすめる。浅く、時折深く、風早は爽子の反応を
楽しむかのように、腰を動かす。爽子は唇をかんで、懸命に声をおさえた。

(……爽子、エロい。やべ、俺もたないかも)
いつもは、やわらかいベッドの上で、一から手順を踏む儀式のように、
やさしく爽子を扱う。こんな格好も、服を着たままするのも、初めてだった。
何より、学校という場所での行為は背徳感と興奮の極地の隣り合わせだった。
「さわ…こっ、…すっげー…っいい」
激しく下から突き上げながら、風早はブラウス越しに爽子の胸を荒々しく揉んだ。
表情が見えない分、聞こえてくる爽子の息遣いがいつにも増して耳を刺激する。
汗と蜜が交じり合う肌を擦りながら、風早は与える快感と与えられる快感に酔いしれた。
おもむろに泉に手を伸ばし、爽子の突起に触れる。
「あっ」
「爽子、ここすきだもんね」
蜜を指で絡めて、やさしく擦り上げた。爽子の中がキュッ締まって、感じていることを
知らせてくれる。


耳にかかる熱い息に、指に、自身を貫くそれに攻め立てられながら、
爽子は気が遠くなるのを感じた。体を支える手に力が入らない。
「…っ…かぜ…はやくんっ、わたしっ…もうっ」
切なげなに途切れた声で、爽子は迫り来る気配を告げた。
「うん…おれも…っ…」
飛びそうな意識の中で、風早は何度も愛しい名前を呼びながら、熱を放つ。
ガクガクと震える爽子の腰を抱きながら、風早は思った。

(―――いい場所、見つけちゃった)
551名無しさん@ピンキー:2010/08/01(日) 23:05:30 ID:7sjRxMHh
以上です。3話投下しました。
552名無しさん@ピンキー:2010/08/02(月) 07:20:31 ID:GSnzxJQX
GJ!
553名無しさん@ピンキー:2010/08/02(月) 07:47:07 ID:elc3UvbZ
きずあとから一気に読んだ。皆さんGJすぎてお腹いっぱい。すごい!楽しいです。
554名無しさん@ピンキー:2010/08/02(月) 18:25:59 ID:JZhaK9qz
すごいすごい!なんて大漁
9人のリレー面白かった!
黒爽子に興奮しちまったw
私はこーゆーのもアリっていうか、企画としておもしろっ!と思ったし、とにかくありがてーって思った!
そのあとの話もぜんぶよかったー!
3話一気にとか、なんてサービス
皆さんGJです!!!
555せがれいじり・1:2010/08/03(火) 13:02:10 ID:1PFvJNmP
初投稿です。駄文お許しください。

風×爽
つきあって半年くらい。初体験済みだが、2回目以降はまだない設定。
エロ描写なし。くだらないギャグ話。

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「そういえば、爽子ちゃん…誰かに似てるのよね〜」

「えええっ!?だ、誰ですか…!!」

「ちょ、もういいだろ!出てってくれよ!」

遊びに来た爽子にお茶とケーキを出しに来た翔太母が、ふと爽子に向かって言った。

(っていうか、俺としては良からぬことを言ってくれる前に、早く部屋から出て行って欲しいんだけど…)

「う〜〜ん、確か翔太が小さい頃だったと思うのよ…あっ!」

「………!?」

ドキドキワクワクする爽子。
ハラハラする翔太。
必死に思いだしながら、母は、爽子をまじまじと見つめた。

そして…。

「そうだ!セー○ームーンのセー○ーマーズよ!長い黒髪の子!気がついたら必ず毎週見てたわよね翔太!
その頃から黒髪ストレートロングフェチなのね〜ふ〜…ん」

「な……!!」

(っていうか、そんなことすっかり忘れていた!!でも確かに黒沼に似てる…かな…?)

ポッと赤面してうつむく翔太。

「私もセー○ームーン見ていましたけれど…似てるなんて言われたのは初めてです…う、嬉しい…」

爽子も赤面しながら、当時見ていたアニメの登場人物に似てるという翔太の母の「褒め言葉(爽子にはこう取れたが、翔太母は他愛のないお喋りに過ぎない)」にちょっとジーンとしている様子だ。

「…そういえば、翔太の離乳がねぇ、なかなか進まなくて、2歳の誕生日くらいまでおっぱい飲んでたのよ〜」

「…!!!今関係ないだろ、そんなこと!!!」
556せがれいじり・2:2010/08/03(火) 13:08:44 ID:1PFvJNmP
とにかく必死にで母親に出ていってもらおうと頑張る翔太だが、母は怯まない。

「なによ、生まれたての頃から全然ミルクも哺乳瓶も受け付けなくてさ、寝ながらおっぱい飲むのが好きで、触ってないと落ち着かなかったくせに!
翔太がしつこすぎて参った母さんは、乳首に絆創膏貼って授乳諦めさせたのよ」

「…おおおっ(また知らない風早くんを知ることができた)!」

翔太にとって爆弾発言連発の母の、爽子の知らない幼少の翔太の話にひたすら感動する爽子とは逆に、あまり彼女に知られたくない話を話す母親を止められなく、ひたすら慌てふためく翔太。
それを見てニヤニヤが止まらない翔太母。

「赤ちゃんの頃からそんなだから、爽子ちゃん今、すごく大変でしょ〜?翔太しつこいから〜。ウフフ♪」

「………っ!ちょ、母さん!!」

「……………そういえば………言われてみれば……確かにそうかもしれません………」

「………さわ…黒沼まで………!!!!」

これ以上赤くなりそうもないくらい真っ赤で、へんな汗まで出てきた翔太。万事休す。

そして、予想してなかった爽子の反応に、ちょっとビックリしながら母は部屋を後にしようと立ち上がる。
去り際にこんな最終兵器を投下して__________。

「…アンタ…結婚するまで我慢できなかったの…?
よそ様の大事な娘さんに、早々と手出して…爽子ちゃんのご両親に顔向けできないじゃない!
彼氏側の親の立場としては、今後、順番は絶対守ってもらうわよ!じゃないと交際禁止だからね!」

「!!!!!!!!!!!!!」

チーン。

「わぁぁ!か、風早くんっ!!」

バタンとドアが閉まり、翔太は石化し、爽子が一人でオロオロしていた部屋には、すっかり冷めたお茶とケーキがいつまでも2人を待っていた。

翔太にとって敵わない敵はこんなに近くにいたのだ。
クラスの矢野あやねとは違う毒を持っていた。
自分の父親や爽子の父親の存在は今は考える余裕は今の翔太にはない。

後日、すきなひとの母親と話した嬉しさから、爽子は結婚するまでえっちしない宣言をした。

まだまだ自分たちは子供だし、結婚の約束とか、未来の話をするまで付き合いは深くはないけれど、あわよくば、そんな可能性もあるかもしれない…。
未来のお姑さんの言葉を蔑ろにできる爽子ではない。



だいすきな彼女にそこまで言われたら、約束を守るべきではないか?
俺たちまだ1回しかしてないのに〜〜っ!
…いや、1回だからダメージ軽くなる…かな…?
そう思ったのが運のツキ。

そんな翔太は、しばらく夢精が続いて、夜中にこっそり下着を洗う羽目になるのである。

=GAME OVER=

------------
557名無しさん@ピンキー:2010/08/03(火) 13:12:33 ID:1PFvJNmP
以上です。

なんかよくあるネタで、スミマセン。
世代的にセーラー服美少女戦士を見て育ってると思います。

素敵な作品の後に、スレ汚して申し訳ありません。
558名無しさん@ピンキー:2010/08/03(火) 22:34:01 ID:wc+fQFpf
おおお…!!なんか、離乳の話とかリアルだ。
かぜはや母の最終兵器にうけたw楽しかったですGJ!
559名無しさん@ピンキー:2010/08/03(火) 22:37:18 ID:F2Iw/fYn
風早くんカワイソスwww
GJ!
560名無しさん@ピンキー:2010/08/04(水) 00:17:05 ID:Ki/KALXL
おぉぉぉ!新しい風弄り!!
敵はそんなに、すぐそばだったのか!
爽子の反応もいいwwGJ!!
561名無しさん@ピンキー:2010/08/04(水) 00:23:34 ID:/E8o8ufK
こんな母親ウザすぎるwww
562名無しさん@ピンキー:2010/08/04(水) 00:38:58 ID:M7CmePAh
たしかにw
でもエロパロしてはおもしろかった
風早母はまだ登場してないからネタとしては創作しがいがあっていいかもね
563流浪の〇〇〇〇〇・1:2010/08/05(木) 12:35:47 ID:8U9uA8Y0
風早&あやね&ちづ
原作の7巻の初詣後の設定
エロ無し、ただのパロ

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【1月3日】

風早翔太は、ドキドキしながら両親の寝室にいた。
両親と弟は親戚の家に年始の挨拶に行っている。
彼はこの日、龍の家でジョーたちと新年会を予定しており一人自宅に残っていた。

「今日のチャンスを逃すと、もうあとがないんだ!!」

この間の初詣で黒沼との距離がかなり近くなったと思う。
もし来月のバレンタインで黒沼からチョコレートをもらえるようだったら、
ちゃんと「俺も黒沼のことだいすきだ!!つきあってください!!」と告白しよう!!
そしてもし、つきあえることになったら…いつか、そうなる日のためめに、用意しておかなければいけないんだ…!!

そう、アレを!!

高校1年の自分が買うには恥ずかしくて、尚且つこづかいが足りなくて一箱丸々は買えないのだ。
バラ売りしろと何度思ったことか…。

そんな雰囲気は全然感じないんだけど、父さんたちだって、まだまだやってるに違いない。
両親のダブルベッドの小さな引き出しを開けた。
誰かに借りた雑誌に書いてあったんだ。

小さな引き出しに無地のパッケージの箱が入っていた。

「これか…?」

さらにドキドキしながら、そーっと箱を開けてみる。
喉から手が出るくらい欲しい小さな個別包装が数個入っている。

「あった!!やっぱり父さん達もやってるんだ!!」

なんとなく同封されていた説明書を手にして翔太はひどく驚いた。

『極太用 ツブツブ加工』

「………ご、極太!!………つ、ツブツブ加工!!……父さんと母さんがっ!?」

…ちょ…初めての時にこんなの使ったら…黒沼ぜったい引く…それに俺、極太かどうかわからないし……。

風早は見なかったことにして、手にしていたモノを元の場所にそっと戻した。

(やべぇ…ふりだしに戻ってしまった…どうしよう…)

がっくり肩を落としながら、風早は出掛ける準備を始めた。


564流浪の〇〇〇〇〇・2:2010/08/05(木) 12:39:13 ID:8U9uA8Y0
【1月XX日】

3学期が始まったばかりのお昼休みの、1‐Dの教室。
爽子は次の授業のプリントの準備のために職員室に行っている。

「あ、そういえば…」

真田龍の義姉になる予定の片山はるかから、
『ちづちゃんは、きっと気に入ると思う』ともらった漫画を、大爆笑で読んでいる吉田千鶴と、こちらも珍しくゲラゲラ読んでいた矢野あやねが思い出す。

「すっかり忘れていた…」

自分の机の中から小さなバインダーを取り出した。

2学期の初めに、援交の斡旋だの百人斬りだのの黒い噂が流れていた頃に、誰かがあやねの机の中に入れたものを、あやねは気付かないふりをして、ずっと放置していたものだ。

「やのちん、そのバインダーなぁに?」

「いま読んでた漫画に書いてあったのと同じやつ」

「…うわっ!!」

あやねはバインダーを開いて千鶴に見せた。

可愛らしいキャラクターの表紙はカモフラージュのためか、
中もそのキャラクターのパッケージのコンドームが、1ページ6個 -1列に2個×3列 - のクリアポケットにキレイに収まっている。
ざっと20ページはあるだろうか?それでも、いくつか空欄がある。

「やのちん…微妙に減ってるけど、使ってるの?」

「まさか!あたし別れてから長いし、相手大学生だったし学校に持ってくる意味ないじゃん。
流浪のコンドーム…漫画だけとか都市伝説の世界じゃなかったのね…」

「まぁ、こういうのって買いづらいよね…
でもこんなにいらないし、彼氏に見つかったら誤解されそうな、この減り具合…
カップルを別れさせる呪いのアイテムみたいだな…」

「そだね…たぶんみんな“もしものため”に数個ずつ抜き取ってはすぐ回していたのかもね…ちづ、アンタも取っとく?」

「…ええっ!?あ、あたし!?…だ、誰と、い、い、いつ使うんだよ!!…やだなぁ〜やのちん…」

ポッと真っ赤になるのを悟られないように、千鶴は漫画に視線を戻した。

「ん〜…」

あやねは、どーしよっか、とちょっと考えたが、すぐに閃いた。
なんだ、ちょうどいいヤツがいるじゃない。…うふふふ…。

その日の放課後、一応目隠しのために紙袋に入れられたそれを、
あやねは誰にも見つからないように、風早のスクールバッグにそっと差し入れた。

「て…天の恵みだ…!!誰が俺のバッグにコレを入れたのか知らないけど、俺、全部使っていいんだよね!?」

これから半年間、ダークな日々を過ごすことになるとも知らず、雪道を足取り軽く帰る風早であった。

彼には流浪のコンドームの呪いが解けるのだろうか?

=END= *参考文献* 新井理恵・著作/小学館FSC「X-ペケ-」5巻

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565名無しさん@ピンキー:2010/08/05(木) 12:41:04 ID:8U9uA8Y0
以上です。

先日は「せがれ〜」のGJありがとうございました。

エロなカラミの描写がないのに投下していいのか迷いましたが、
スレ活性化を願って投下しました。
少しでも笑っていただけたら本望です。
566名無しさん@ピンキー:2010/08/05(木) 23:14:43 ID:rkjGnG75
独自の世界観で面白いGJ
設定が初詣後なのも笑えるw
付き合う前からこんな風早イタイww
半年後の風早くん、アーメン!
567名無しさん@ピンキー:2010/08/09(月) 22:28:21 ID:mMlft9fz
なんか本スレがこれっぽい流れでワロタ
568SECRET OF MY HEART 1〜健人〜:2010/08/10(火) 13:11:38 ID:7U5LC7eb
エロくないけど投下します
.健人 エロなし(さらに甘くもない)
健人の独白なので苦手な方はスルーしてください。 


―――――何だ あれ……
気付いたら、その場から逃げるように、走り出していた。


暗固い子だと思ってた。無理目なやつに片思いしてる、健気でかわいそうな子。
だけど、違った。笑った顔がびっくりするくらい可愛くて、健気でひたむきな君。
まわりのことに一生懸命で、見返りなんて求めることすら知らない純真な心。
初めて出会ったタイプの女の子だったから、興味本位で近づいた。
なのにオレは、いつの間にか君の持つ不思議な引力に捕らえられていた。

叶わぬ恋に身を焦がす君を知って、助けてあげたいと思った。
ハラハラと落ちていく透明な涙を見ていられなくて、つい言葉に出してしまった。
「なんならオレにしとく?」
君を苦しめるものに、終止符を打ってあげたかった。

「すきだよ!」
学祭の時、校庭に響いたあの言葉を聞いた時、オレの淡い恋心は砕け散った。
君は あいつの。

少し前から予感はあった。
「黒沼に憧れていたのは、きっと俺のほうだ」
あいつがキッパリそう言った時、オレは自分の間抜けさを呪った。
『浮いてる子ほっとけない』…そんな安っぽい同情心じゃなかったんだ。
分かってないのは、オレの方だったんだ。


オレンジ色に染まった教室でひとり、本を読んでいる君に声をかける。
「貞子ちゃん、まだ帰らないの?」
「…うん、風早くん待ってるの」
嬉しそうに、頬染めちゃって。こんな顔もすきだなー。
「そっか、じゃあねー」
今日は一緒に帰るのか〜。そういや、ここんとこあやねと千鶴が貞子ちゃんのこと
独占してたから、あいつ久々貞子ちゃんと帰れて嬉しいだろうな。

昇降口まで来て、教室に雑誌を置いてきたことに気が付いた。
借り物だしなー、やれやれ、取りに戻るか…面倒だけど。

教室の前まで来て、足を止めた。

―――貞子ちゃんと……風早?

薄く開いた扉から二人の姿が見えた。どれどれ…おっ、いい雰囲気じゃん。

あ…

二人の姿が重なった。
恥ずかしそうに風早を見つめる貞子ちゃんは、ありえないくらい可愛かった。
…あんな顔するなんて。あんな可愛い「女の子」の顔するなんて……。
互いを見つめ合うまなざしが優しい。そこだけ、流れている空気が違うようだった。
  
ドクンッ

―――――何だ あれ……

息が出来ないほど、走って走って………走った。
569SECRET OF MY HEART 2〜健人〜:2010/08/10(火) 13:16:26 ID:7U5LC7eb
家に着くと、階段を駆け上がり部屋に飛び込んだ。
カバンを放り投げ、ベッドにダイブする。上がった息を整えるよう深く呼吸を繰り返した。
キスシーン見たくらいで、何動揺してんの、オレ。
キスなんて、数え切れないほどしてきたじゃん。
苦しいなぁ……。走ったせいだけじゃないな、これは。
「あ〜〜…」
何だよ、オレ。らしくないじゃん。

「さ、わこ…ちゃん」
きれいなその名をそっと呟いた。
消化できない想いが、オレの中の黒い感情を呼び起こす。

…なんで、あいつなの?明るくて、爽やかで、人気者だから?
きっと何にも知らないやつだよ。挫折も、劣等感も、疎外感も。
記号みたいなやつだよ。ソツがなくて、人当たりの良さで、上手く泳いでいく
やつだよ。
オレのほうがずっと貞子ちゃんのこと、分かってあげられるよ。
だって君を傷つける、君を取り巻く女子の世界のことなんて、あいつは知らないよ。
オレだったら―――…

……なーんてね。

ほんとは分かってるんだ、あいつが単なるモテモテ爽やか君なだけじゃないって。
『憧れていたのは、俺』…そう、自分にはない『なにか』を持っている貞子ちゃんにあいつは憧れた。
たくさんいる女の子から、迷いもせず貞子ちゃんを見つけ出した。
まるで違う二人だけど…『決定的に違う部分』があったからこそ、
あの二人は惹かれあったのかもしれない。
570SECRET OF MY HEART 3〜健人〜:2010/08/10(火) 13:19:34 ID:7U5LC7eb
携帯が着信を知らせる。ディスプレイには、一年の時のクラスメイトの名前。
ノロノロと起き上がり、通話ボタンを押す。

「もしもーし?」
努めて明るい声を出した。
「あ、ケントー?何してたー?今から出れない?みんなで集まってんの」
甲高い声と、周りの雑音が、頭に響く。
「あー、ごめんね。今日は……」
……今日はオレ、ちょっと無理かも。

「もしもしっ、ケントー?…聞こえてるー?」
聞こえてるよ、…だけど
「…あっ、みんなで集まってんの?いいよ、行く行く!」
ははっ、やっぱ習性には逆らえないのか。待ち合わせ場所を聞いて、携帯をベッドへ放り投げた。

重い足を引きずって待ち合わせ場所へと向かう。
ふと視線をむけた先には、ショーウインドウに映った自分の情けない顔があった。
は〜〜、つくづく嫌気がさす。

「ほらっ貞子ちゃんスマイルスマイル〜」
そう言ってた自分を思い出す。
「師匠、ありがとう」
ふわりと笑った顔、風早にみせる春の花ような微笑み。
師匠か―――…もうお役ごめんだもんな。

「あっ、ケント〜!こっち、こっち!」 「ねー聞いてよケント〜」
明るい髪に、雑誌から切り取ったような服装、艶やかに彩られた唇、甘い香水の匂い。
他愛もない会話と笑い声。ここに居れば余計なことも考えないですむから、いい。
回遊する魚になって、流れに身を委ねる。
「お待たせー。あれ〜、髪切ったの?可愛いじゃん」
「もー、健人ってば、相変わらず〜。」
「何が〜?だってまじ可愛いし〜」

女の子はみんな可愛い。けど、あんなに特別誰かを可愛いと思ったのは
初めてだったかもしれない。
…君の特別になりたかったけど。


―――頬に感じた冷たい雫に意識を引き戻された。
「ヤダー、雨降ってきたよ〜」 「早くいこーよー、濡れちゃうー!」
「ケント〜?どしたのー?」

見上げた空にひとつ溜息をついて、俺は歩き出した。

おわり

571爽子の下心 in the pool 1:2010/08/10(火) 13:22:38 ID:7U5LC7eb
.風×爽 エロなし    episode47の水着参考

「黒沼、今度プールいかない?」
二人の恒例の川原デート中に、風早が切り出した。
「わあああ、プール!」
「うん、母さんからさ、割引券もらったから良かったら一緒に…いこ。
こないだ出来た室内プールなんだけど、おっきい滑り台とかあるらしいよ」
「わああ〜。私行ってみたい!」
話はすぐにまとまり、来る夏の大イベントに二人は心躍らせた。


爽子は家に帰ってから気が付いた。
水着といえば、スクール水着しか持っていない。
それに、風早の前で水着姿になるってことは、冷静になって考えるとかなり恥ずかしい。
あの時は、単純に誘ってくれたことが嬉しくて、そこまで頭が回っていなかったけれど。
水着って、どういうのがいいんだろうか。
しばらく考えた後、携帯電話を手に取り、ボタンを押した。


「うひゃーすごい水着ー、これはー?」
千鶴が水着を広げて、あやねに向かって言った。
「…ちづ、あんた爽子のキャラ考えなさいよ、却下!」
風早のことだ、あまり大胆な水着では、経験値が少ない坊っちゃんは即死する。
かといって、ワンピースなんかじゃ、イマイチ盛り上がりにかける。
あやねは、あれこれ考えて一着の水着を手に取った。
「爽子〜これなんてどう?」
あやねが手にしていたのは、白を基調に茶系の大きめな花柄のベアトップと茶色のひらひらしたスカート。
それは一見するとキャミソールとミニスカートといった、極めて普段着に近
い水着だった。
「わーお洋服みたい。水着にも色々あるんだね。」
勉強になるよっ、さすがあやねちゃん!と爽子は拳を握った。
「ね、これなら爽子にも着られそうじゃない?…でね、この下」
ベアトップを少しずらす。
「ビ・キ・ニ(はあと)」
あやねはそっと爽子に耳打ちした。
「…………!!」
「絶対風早はこーゆーのすきだよ。すけべだから。」
爽子の顔がみるみる紅潮していく。
「でも、まーいきなりビキニじゃ爽子も恥ずかしいだろうからさ、上に着るものあれば安心でしょ?」
爽子は、うーんと迷った。
(初心者の私がこんなものを着ても大丈夫なのかな?それに、ビッ、ビキニっ
て……)
そこへ、千鶴の駄目押しが入る。
「男は基本、ビキニすきだからなっ」

「……!!…試着してきます」
そう言うと爽子はあやねから水着を受け取り、試着室へと姿を消した。
572爽子の下心 in the pool 2:2010/08/10(火) 13:43:42 ID:7U5LC7eb
ほどよく混雑したプールサイドで風早は、そわそわした面持ちで爽子を待っていた。
ただじっとしていることがこれほどまで苦痛だとは…風早は逸る気持ちを抑えるよう唇をキュッと結んだ。

「風早くんお待たせしました」声がした方に顔をむけると、着替えを終えた爽子が、恥ずかしそうに立っていた。
あれ?水着……ってか洋服っぽい…けど。
(可愛い!!)
普段は決して拝めない鎖骨の色っぽさや、なだらかな肩、ほっそりした真っ白な太腿、緩くまとめられた髪。
それらが風早の心臓を恐るべき早さで鼓動させた。
「あの…そんなに見られると恥ずかしいので」
「あ、ごっごめん。」
「………」
「…じゃあ、いこっか」
二人は手をつないで、人波に消えていった。
ウォータースライダーや流れるプールで二人は思い切り楽しんだ。
しばらくすると、疲れてきたので風早は浮きボートを借り爽子に渡した。
「ハイッ」
「ありがとう」
これなら体を預けて、のんびりできるなぁ…爽子は早速腕を伸ばし、プカプカと波に揺られた。
(…何だか信じられないなぁ、風早君とこんな風に過ごせるなんて)
去年の夏期講習通いに明け暮れた夏休みを思い出し、爽子は幸せを噛み締めながら、波の感触を楽しんだ。
(良かった、黒沼楽しんでくれてるみたい)
ボートに浮かぶ爽子の様子を見て、風早は口元がほころんだ。
プールに誘った時から、ずっと緊張していた。
初めての彼女、デートに誘うだけでも色々と考えることがある。
それがプールともなれば、その心労は相当なものだった。
おかげで、昨夜はなかなか寝付けず、何度も寝返りを打っては高ぶる気持ちを必死で抑えた。
573爽子の下心 in the pool 3:2010/08/10(火) 13:48:50 ID:7U5LC7eb
「きゃっ…!」
濡れたボートから手が滑り、爽子が体のバランスを崩した。
「…あ……ぶなっ」よろけた爽子を風早が支える。
「…………!!」
薄い水着を通して、ハッキリ伝わる肌のやわらかさに、風早は言葉を失った。
あ〜!!この密着感はマズイ!
ズンと熱を持ち、自己を主張しだしたそれが、風早を更に動揺させた。
「だ、大丈夫…?」
「あ、ありがとう」
そう言って風早の手を取る爽子の姿は、息を呑むほど色っぽい。
水を弾いて水滴をまとった肌、緩くまとめられた髪が乱れて白いうなじにかかる後れ毛。
触れた指先から自分の欲情が伝わってしまいそうで、風早は慌てて爽子から身を離した。
(…俺が大丈夫じゃない!!)

激しい動悸を感じながら風早は人波に目を向けた。
(あ〜黒沼よりスゴイ水着着てる人なんていっぱいいるのに……
どうして黒沼はそんなに色っぽいんだ〜!)


急に自分から離れてしまった風早を不思議に思いながら、爽子は風早の顔をチラリと盗み見た。
視線の先を辿ると、そこには自分たちと同い年くらいの女の子たちの、色とりどりの水着姿があった。
皆そろって布の面積が少ないセクシーな水着を着て、惜し気もなく肌を露出している。
爽子は胸がチクリと痛んだ。
「……風早くん」
「な、なに?」
ゴクリと息を呑み、爽子が言った。
「…風早くんは……ああいう水着がタイプですか?」
ああいう?爽子の視線の先には、ついさっきまで自分が見ていた女の子の集団がいた。
「ああ…うん、あーゆーのもいいね」
つい正直に言ったが最後、爽子はザバッとプールから上がり女子更衣室の方へ歩いて行ってしまった。
ひとり残された風早は、何が起こったのか分からずに呆然とその姿を見送った。
574爽子の下心 in the pool 4:2010/08/10(火) 13:54:06 ID:7U5LC7eb
(ええ!?黒沼!?)
後を追いかけようと、足を進めるが依然熱を保ち続けている自身が、プールサイドに上がることを許してはくれない。
もしかして自分はとんでもないことを言ってしまったのだろうか…!?
……悔やんでももう遅い。風早は先ほどの会話を頭の中で振り返る。
(違うんだ、黒沼!そりゃビキニもいいけど、黒沼の水着姿が見られるんなら、ぶっちゃけどんなんだっていいんだ! あ〜〜、俺のアホー!)
なすすべがないまま、髪をワシャワシャと掻き毟った。
(他の子に見とれてたとか、思われただろうなぁ。もう嫌われてしまったかもしれない)
泣きそうな気持ちで、風早は水面を見つめた。


「風早くん!」
「……………!!」
見上げた視線の先には、白いビキニを身に付けた爽子がいた。
胸元には茶色のリボンが飾られているが、影を作る谷間は隠しきれていない。
ウエストはキュッとくびれていて、どこまでも滑らかなお腹には縦長のお臍がちょこんと見えた。
(あれ!?なんで?さっきの水着は!?)
風早はキツネにつままれたように惚けていた。あのね…と爽子が言葉を続けた。
「さっきの水着の下に、これ着てたの。風早くん、こういうのが好きなのかなって思ったから…」
脱いできたの……そう言って爽子は恥ずかしそうに目を伏せた。

(…もーダメだっ俺!!死んでもいいっ)
まさか爽子がここまで大胆な水着を着ていたなんて…一体誰が予想出来ただろう。
愛しの彼女のその姿は、風早にとって刺激が強すぎた。
「…変、かな?」
ポツリと爽子が言った。
「…いーと思う、かっ……かわ…いいよ」
そう小さく呟いた言葉は、まわりの喧騒と重なってほとんど聞き取れないくらいだったけれど、爽子の耳にはしっかり届いていた。
「ありがとう!」
嬉しそうに微笑む爽子。
ビキニ効果も相まって風早はますます、プールから上がれなくなってしまった。
おわり
575名無しさん@ピンキー:2010/08/10(火) 14:01:42 ID:7U5LC7eb
以上です。

改行がおかしなことに…おゆるしを
576名無しさん@ピンキー:2010/08/10(火) 15:32:34 ID:JmZx1Ek2
2作連続乙!
どっちも良かった。GJ!
577名無しさん@ピンキー:2010/08/10(火) 20:07:54 ID:CFHAGULV
両方よかった!
でも、風爽好きなのでプールの話が特に好き。
すごくありそうで楽しくてよかったです。GJ!
578名無しさん@ピンキー:2010/08/12(木) 21:29:06 ID:hcEmkVRT
ケントせつなっ。
プールの爽子かわゆい。GJ
579夏の幻 1:2010/08/14(土) 15:34:28 ID:r8I6dx63
・風×爽  エロあり(ほんのりミステリー?) 二人はまだ友達設定です


爽子は自室で夏掛けを肩まできちんとかけて、穏やかな寝息を立てていた。

「爽子」
耳元で自分の名を呼ぶ声に、爽子は浅い眠りから引き戻された。
ゆっくりと目を開くと、そこには彼女の想い人、風早翔太の姿があった。
「か、かぜはやくん!?どっどうして―――」
風早はニコッと笑うと、人差し指を口元にあてた。
「しー、大きい声だすと気付かれちゃうよ。」

(どうして?どうして風早くんが私の部屋にいるの?)
聞きたいことは山ほどあるのにうまく言葉にならない。
気が付いた時には唇に暖かいものが押しつけられていて、信じられないくらい
近くに風早の顔が見えた。


見上げた風早の肩ごしに、見慣れた天井が広がっている。
爽子はこの状況がまるで理解出来なかった。
そればかりか、金縛りにあったかのように身体がまったく動かなかった。
あっという間に一糸まとわぬ姿にされ、爽子は固まってしまった身体を
動かそうと必死にもがいた。
「風早くん待って!どうして…」
「すきだから。俺、爽子のことすきだから」
思いがけないその言葉に、爽子はただ呆然とする。
我に返って言葉を発しようと開いた口を、風早の唇に塞がれた。


風早の手が爽子の全身をくまなく愛撫する。
そのたび、爽子は自分の声ではないような甘い声をあげていた。
やけるような痛みを感じてピクッと爽子の身体が跳ねた。
風早の唇が爽子の白くて細い首筋におとされ、赤い烙印を浮かび上がらせる。

「俺の、だから。爽子に触れていいのは俺だけだから」
そう言って風早は嬉しそうに笑った。


やがて、風早が爽子の中を貫いた。
爽子は涙を浮かべてその甘い痛みを堪え忍んだ。
「すきだよ、爽子。誰にも渡さない」
朦朧とした意識の中で、風早の声が聞こえる。
風早が動くたびに、爽子も段々と痛みだけではない何かを感じはじめていた。
振り落とされないよう背中に腕を回して、細く高い声で鳴いた。
「爽子っ、爽子」
耳元で繰り返される甘い囁きに、爽子の身体は蜜蝋のように溶けていった。
580夏の幻 2:2010/08/14(土) 15:40:43 ID:r8I6dx63

―――ピピピピ……

小さな電子音で、爽子はまどろみの世界から一気に引き戻された。
ゆっくり体を起こすとカーテンの隙間から朝日が差し込んでいて、
部屋を細く照らしている。
爽子はパジャマをきちんと身につけていて、いつも変わらぬ
目覚めの光景だった。

(…夢?)
なんて夢を見たんだろう…。爽子の顔がかあっと真っ赤に染まった。
恥ずかしさのあまり爽子は両手でそっと頬を押さえた。
目を閉じると風早の体温、息遣い、自分の名を囁く声、大きな手でつつまれ
身体を貫かれた痛みと幸福――そのひとつひとつが鮮やかに蘇る。
『爽子』
確かに彼はそう呼んでくれた。普段は決して呼ばれることはないその名を。
それだけで爽子は宝物を貰ったような幸せな気分に包まれた。

(…いけないっ!もうこんな時間、遅刻しちゃう)
爽子は慌てて身仕度を始めた。


下駄箱で上履きに履き替え、教室へ向かう。
廊下を歩いていると男子たちの賑やかな声の中に、彼の姿を見つけた。
爽子の胸の動悸が、急速に激しくなる。

「あっ、おはよー黒沼!」
屈託のない笑顔を見せて、明るい声が廊下に響いた。
「お……おは……よっ…」
爽子は動揺を隠せなかった。
風早の声が今朝の夢の情事を生々しく脳裏に蘇えらせる。
爽子は風早の目をまともに見られず、小さな声で挨拶を交わすと、その場から足早に通り過ぎた。
瞬間、爽子の髪がさらりと流れ白い首がチラリと覗く。
この時、爽子はまだ気付いていなかった。
首筋にハッキリと残っていた『しるし』を。

(――俺の、だから)
爽子とすれ違った瞬間、風早の口角が僅かにあがった。
そしてゆっくりとした足取りで歩を進めた。
「あー風早、おはよー!!」
「はよっ」
「何だよ〜なんか嬉しそうじゃん、いいことあったの?」
風早は振り返って爽子の後ろ姿を一瞥すると言った。
「…まーなっ」
「え〜なになに〜」
「ひみつ」

――そう、二人だけのひみつ。

ニコニコと微笑む風早を、不思議そうに見つめる友人の視線を受けながら、
風早はまた賑やかな声の輪に戻っていった。

おわり
581名無しさん@ピンキー:2010/08/14(土) 15:46:12 ID:r8I6dx63
以上です。夏なので、少しでも皆様に涼をお届けできたら
嬉しいです。
582名無しさん@ピンキー:2010/08/14(土) 20:05:04 ID:bB+qRsRG
「風早くんの涼」だね!いいね〜!
583名無しさん@ピンキー:2010/08/14(土) 21:11:34 ID:6oIhQk6S
生霊となって夜這いする風早w
584名無しさん@ピンキー:2010/08/14(土) 22:43:31 ID:LqzRLhx1
生霊www
585名無しさん@ピンキー:2010/08/14(土) 22:54:34 ID:0M4dlUfU
黒風なら生霊になりそうだw GJ!
586名無しさん@ピンキー:2010/08/14(土) 23:29:02 ID:CwtHStfd
風早はやっぱ魔法使いだったんだね
587名無しさん@ピンキー:2010/08/15(日) 00:31:18 ID:upG5KVt7
GJ!風早って能力者だったのか!!w
588名無しさん@ピンキー:2010/08/15(日) 14:37:27 ID:o6pJEJlG
「夏の幻」を書いた者です。
断りいれず投下しちゃって、すいません…
そうです、生霊ですww  
狂ったように爽子に執着する風早を表現出来したつもりです。
本誌の爽やか風早くん、ごめんなさいw
GJ!もありがとうございました。
589名無しさん@ピンキー:2010/08/15(日) 14:42:35 ID:o6pJEJlG
>表現出来したつもりです
○表現したつもりです。重ね重ねすいません。
590名無しさん@ピンキー:2010/08/15(日) 16:33:52 ID:k1BqpW2P
投下させていただきます。

・9月号直後設定
・エロあり(直接的な性描写があります)
・若干風早がヘタレ風味

ご不快でしたらタイトル【君のためにできること】でNG処理をお願いいたします。
591【君のためにできること】:2010/08/15(日) 16:34:25 ID:k1BqpW2P
(1/6)

二人で過ごす初めての夏が終わり、俺たちは学校に戻った。

公開告白なんてことをやらかしたお陰でいろいろあったけど、二学期になったらなったで周囲の野次馬的な興味は他に移ってしまったらしく俺たちの周囲は静かなものだ。
事情通の高橋によれば、カゲキ派の中の何人かには夏の間にカレができたらしい。
俺が黒沼と二人で歩いていても、もうわざわざ振り返るような奴もいない。
他の多くの公認カップル同様に俺たちも「よくある風景」の一部として処理されるようになった。
まだ見られることに慣れていない黒沼にとってはありがたいの一言だが、俺にしてみれば拍子抜けというか。

まあそんなものなんだ、世の中ってのは。
子として、兄として、生徒として、クラスメートとして。
世の中の高2「らしく」振舞っておけば、自分の利害に関わらない限りは他人はスルーしてくれる。
今まで、手のかからない長男とか頼れるクラスのまとめ役とかそういう役割を果たしてきた自分には、そのへんの機微はわかっているつもりだ。

でも一旦そこから逸脱すれば、黒沼がかつてそうだったように徹底的に排斥される。
俺はそれを痛いほどに知っている。

だから、俺は慎重に行動する。
親や教師や友人の求める「高校生らしく爽やかな」というイメージを裏切らないように。
それが黒沼を護るために俺ができる第一のこと。
592【君のためにできること】:2010/08/15(日) 16:34:46 ID:k1BqpW2P
(2/6)

「かっ…あ、はぁ…っ!風早く…ひぃッ…ぅん!」

舌の先端で黒沼のヴァギナの入り口をぐりんとなぞる。
すでに乳首を散々嬲られた黒沼のソコはすでにしっとりと潤っている。
つい3週間ほど前に開かれたばかりの迷宮の入り口は、ピンク色のヒダをヒクつかせて俺を誘う。
ヒダの一つ一つにまで丁寧に、だが黒沼を驚かせることのないように慎重に。

「ふ…だ、め…っ」

上の口からは拒絶の言葉が漏れているのに、迷宮の門は既に開きかけている。
そろそろ門番にお伺いを立てなくては。
俺はその上の肉ヒダに舌を押し当ててぞろりと舐め上げた。

「ーーーーー!!!!」

肉ヒダの中に鎮座するのは、敏感すぎるほどに敏感な器官、クリトリス。
黒沼はマスターベーションの経験すらまったくなかったそうで、クリトリスへの直接の刺激は苦痛でしかないらしい。
でも皮の上からの愛撫は別。
ヴァギナからクリトリスの包皮までを一気に舐め回すと、黒沼の細い身体がふわっと紅く色づいた。

「気持ちイイ?」
「は…い…」
「大好きだよ、黒沼…」
「風早くん…」
「もっと、もっと…黒沼のイイ顔見たい…いい?」
「ん、あ…」

俺は包皮全体を口に含み、ころがすように唇と舌で刺激を与えた。
イクことへの恐怖心から逃げ出す腰を、俺はがっちりと手で押さえて黒沼を追い上げる。

「あ、あッ、あッ…う、く…ひ、いいいいン…」

真っ白な腹をガクガクと揺らして黒沼が達した。
一旦身体を離し、涙に濡れた黒沼の瞳をみつめると、俺は黒沼にくちづけた。
自身の愛液がついた俺の唇を、黒沼は躊躇いもなく深く受け入れた。

心にも身体にも、俺が黒沼だけのものだと刻みこむ。
あるがままでいいのだと、彼女が心から思えるように。
これが黒沼を護るために俺が選んだ、第二のこと。
593【君のためにできること】:2010/08/15(日) 16:35:16 ID:k1BqpW2P
(3/6)

本当はこんなに早く身体を繋げるつもりはなかった…と思う。
だけど夏休みに入ってから二人で会う機会ができるたびに、黒沼は俺との距離と取り方がわからなくて混乱することが多かった。
俺がいくら「そのままでいい」と言っても、黒沼がそれで納得できていないのも痛いほどにわかっていた。
黒沼をもっと楽にしてやりたかった。

ヒントをくれたのは龍だ。
「言葉ってなかなか通じないよな」と漏らした俺に、「それって必要なのか?」とあいつは応えた。
俺たちに今必要なのは本当に言葉なのか、と。

だから俺は、彼女に「仕事」を与えることにしたのだ。
言葉での約束や、親や周囲からの公認とか、そんなんじゃなくてもっとわかりやすいカタチで。

はじめて黒沼の両親にあった翌日、再び訪れた黒沼の家で。
俺は彼女を抱きしめ、キスをして、処女を奪った。

――彼女はすべてを受け入れてくれた。
最初、びっくりしたように逃げるそぶりを見せた黒沼に俺は告げた。

「これはカノジョの仕事だよ」、と。

黒沼はぱしぱしと2〜3回瞬きをすると、俺にきゅっと抱きついて「嬉しい…」とつぶやいた。

一枚一枚、服を剥ぎとりながら体中に夢中でキスをした。
彼女がまた迷ってしまわないうちにすべてを俺のものにしてしまいたいと必死だった。
うわ言のように「ありがとう」と「好き」とを繰り返す彼女に俺のすべてを注ぎ、彼女が捧げてくれたすべてを呑み干した。

そして彼女は自分の平安の地をみつけたのだ。
「カノジョの仕事」が増えるにつれ、黒沼は自分の「風早くんのカノジョ」というポジションにしっかり立つことができるようになった。
彼女の家で、野外で、時にはラブホテルで、俺は黒沼に仕事を与えた。
594【君のためにできること】:2010/08/15(日) 16:35:54 ID:k1BqpW2P
(4/6)

「黒沼、俺のも…舐めて…」

黒沼は、俺のギンギンに屹立したペニスに視線を送ると、コクンと恥ずかしそうに頷いた。

黒沼はフェラチオが好きなのだそうだ。
俺がどれだけ黒沼のことを求めているか、そして黒沼がどれだけ俺に尽くすことができるか、それが一番わかるかららしい。
長く艶やかな髪の毛を耳にかけ、黒沼はゆっくりと俺の股間に頭を落とした。

「わかるよね…?」
「うん、嬉しいです…」

反り返ってテラテラと光る俺のペニスの先端からは、既に先走りの透明な液体が滲んでいる。
黒沼はそれを舌の先っぽでチロッと舐めとると、ふわりと笑った。
それを見た俺の背中に稲妻のようなパルスが走り、ペニスがびくんと黒沼の手の中で跳ねる。
黒沼は恥ずかしそうにペニスに頬ずりをすると、一気に口の中に収めた。

「ん……んん…」
「う、あ…すげ…」

彼女は基本的に、どんなことにでも研究熱心な人で、そしてとても尽くすタイプだ。
フェラもどこで情報収集をしたのか、二回目には別人のように上達していたし。
(はじめての時は、俺がこらえきれずに黒沼の顔にぶちまけたり、噛み付かれたりでヒサンだった…)

彼女の中には、くだらない雑誌や友人情報のようなノイズなどはないのだ。
すべては俺を悦ばせるため、そのために全力を尽くしてくれる(ときには自分の苦痛も呼吸も置いてきぼりにして)。
汚いとか恥ずかしいとか、そういう心理的抵抗感も、彼女にとっては「仕事」上の克服すべきハードルの一つでしかない。
俺は彼女のそういうところをとても好ましいと思う。
そして自分も、彼女に対してはそうでありたいと願う。

「く、黒沼…そんなに…あ、あ…!」

黒沼の喉のざらざらした部分に擦り上げられた俺の亀頭が悲鳴を上げる。
敏感な裏スジを彼女の舌が這い回る。
じゅぽ、じゅぷと響く淫靡な水音が、俺の理性を侵す。

俺はそのまま黒沼の口の中に精を放った。
黒沼は一瞬きれいな眉根を歪めたが、満足そうに微笑むとコクリと喉をならしてそれを嚥下した。

彼女は最初の時から精液を呑むことに躊躇がなかった。
むしろ、それを当然と思っているらしい。
俺が「吐き出してもいいんだよ?」と言うと、心底不思議そうに首を傾げていたっけ。
彼女にとってはそれも含めて「カノジョの仕事」なので、吐き出すなど論外なんだとか。

整った彼女の口元を俺の白濁液が汚している。
それは恐ろしく劣情をそそる光景だった。
俺のペニスに、奔流のような血流を戻すには十分すぎる刺激だ。
595【君のためにできること】:2010/08/15(日) 16:36:24 ID:k1BqpW2P
(5/6)

俺は慌しくペニスを手でしごいて完全に勃起させると、コンドームを装着した。
いつものように黒沼を布団の上に仰向けに寝かせると、黒沼はおずおずと自分から脚を開いた。

「えっ…」

局部を俺に見せることをあんなに恥ずかしがっていたのに。
俺が戸惑っていると、黒沼は顔をふにゃっと歪ませた。
泣いているのか笑っているのかわからない、怒っているようにも見える表情。
でも耳まで真っ赤にして恥ずかしさに耐えているのはよくわかる。

「お仕事のレベルを上げようと思います…」
「え?」
「いつも同じところでお手間をかけるのは…本意ではないので…」

本当に黒沼はかわいい。
常に与えられた環境の中で向上していこうと努力を惜しまない。
俺は(恥ずかしがってるのを無理やり開くのも極上なんです)という心の声をぐっと押さえ、黒沼にGJサインを送った。

彼女のヴァギナはすでにうっすらと開いて、俺を受け入れる準備を整えていた。
太股に手をかけて更にぐいっと押し拡げ、ペニスの先端をあてがう。

「黒沼、いい?」
「はい…」

シーツを握り締める黒沼の手にぎゅっと力が入ったのが見えた。
俺はそれを合図として、侵入を開始する。

はっはっはっ、という短い息遣いが黒沼の口から漏れる。
十分な湿り気に助けられてずぶずぶと俺のペニスを呑み込んではいるが、やはりまだ最初は辛いらしい。

「痛い?痛かったら――」
「ううん!違う!」
「でも」
「だって、痛いのは…痛いのはカノジョになった印だから…!」

一旦引こうとした俺の腕を、黒沼の手が掴んで引き戻す。

「だから…やめないで…」

目に涙を一杯にためた黒沼に、俺は腰を一気に突き刺すことで応えた。
黒沼の内部が、それを待っていたとでも言うように俺を捕らえて擦り上げる。
もうこれだけでイッてしまいそうだ。

「あ、あふぅ…ッ!」

「動くよ」と告げた時には、もう俺は精一杯だった。
俺自体がペニスになってしまったのではないかと心配になるくらい、黒沼の中の感覚で頭が一杯なんだ。
好きな子が目の前で身体を開いてくれて、俺を受け入れてくれる、それだけでイッてしまいそうなんだ。

優しくしてあげたい、黒沼を気持ちよくさせたい、という思いとは裏腹に、俺の腰は動きを止められない。
俺はまるで女の子のように「あああ」とうめいて、あっけなく射精した。
荒い息のまま黒沼の上に体重を預け、細い身体をぎゅっと抱きしめる。

「ごめん…俺ばっか気持ちよくて…」
「ううん、そんなことない、すごく嬉しい…」

「一緒にイク」などという高等技術を俺がマスターできるのはいつのことなのだろう…。
596【君のためにできること】:2010/08/15(日) 16:36:49 ID:k1BqpW2P
(6/6)

俺が教室に入ると、黒沼はもう席についていて吉田と矢野となにか話している。
…というか、しゃべっているのは吉田だけだ。
矢野はニヤニヤ笑いながら横で爪をチェックしている。

「だーかーらー、なんであんたらいまだに『黒沼』『風早くん』なん?夏休みの間にそのくらいは進展してると思ったのに〜」
「え…だって…」
「あれから数えてかれこれ2ヶ月でしょー?なーんで名前呼びになんないかなあ?」
「えと…あ、風早くんの弟のことは透太くんって呼んでる…」
「じゃあおにーさんの方だってついでに『ショータ』でいいじゃん!ほら、言ってみ?あ、風早!遅い!」

俺の姿を認めると、黒沼はさも「助けが来た」とでもいうようにホッとした笑顔を見せた。
――本当はこんな表情ひとつだって他の男には見せたくないんだけど。

「風早あ、なんでまだ苗字呼びなん?」
「いや、えーと…なんとなく?」
「ああああ、もうじれったいいい!学校中で知らない奴はいないくらいの公認カップルなのになんで他人行儀…」
「うん、でも黒沼は黒沼だし」
「んもー、そこで見つめ合わない!二人の世界に入らない!!」

ふふふっと笑い交わす俺たちを見て、それまで黙っていた矢野が口を挟む。

「まあまあ、別に名前呼びしたから進展したってワケじゃないし、ね?」

爪越しに俺を伺う目線。
ああ、こいつは俺と黒沼のあいだに「何か」があったのを知っている。
そのうえで「何が」あったのか探ろうとしているんだ。

俺がどう返答しようか…と一瞬迷ったそのとき、黒沼が口を開いた。

「そうなんです、だから私、『黒沼』でいいんです」

はにかみながらもにっこりと笑顔で答えた黒沼は穏やかな自信に満ちていた。
矢野が目を細めてニンマリ笑ったのに、俺は何も言わずにVサインを返した。
597名無しさん@ピンキー:2010/08/15(日) 16:37:14 ID:k1BqpW2P
以上、投下終了です。お目汚し、失礼いたしました。
598名無しさん@ピンキー:2010/08/15(日) 20:51:56 ID:+TUeBLRf
爽子可愛すぎ
なにこのいじらしさ
GJ
599名無しさん@ピンキー:2010/08/15(日) 21:02:50 ID:dd2+7nUo
おお、新しい話が!
描写がエロくていいっ!
爽子が死ぬほど可愛い!
最後の風早Vサインに不覚にも萌えたw GJ!
生霊風早ストーカーを越えたねw GJ!
600名無しさん@ピンキー:2010/08/16(月) 01:13:22 ID:/G3x0ay3
おお、なんか男性向的な感じでエロいっすね
従順な爽子、可愛いすぎ!GJでした!
生霊風早もツボった…自由自在かw
みなさんうますぎるわ〜有難いっす
601名無しさん@ピンキー:2010/08/16(月) 02:21:20 ID:85cMM8VM
>>はじめて黒沼の両親にあった翌日、再び訪れた黒沼の家で。
>>俺は彼女を抱きしめ、キスをして、処女を奪った。

ちょwww
長州ばりのハイスパートwwwww
602名無しさん@ピンキー:2010/08/16(月) 09:45:04 ID:wG8amIeC
なんか風早飛ばしてるね!みなさん、GJです!
603名無しさん@ピンキー:2010/08/16(月) 12:10:08 ID:w2alvqvX
早きこと風の如し
604名無しさん@ピンキー:2010/08/16(月) 12:40:49 ID:FO3ksbly
トンでも設定だけどエロパロとしては面白い
605名無しさん@ピンキー:2010/08/16(月) 16:05:03 ID:KCECi7jh
団鬼六のSM小説みたいでいいね
書いた人男性かな。
606名無しさん@ピンキー:2010/08/20(金) 14:36:54 ID:1E11X5BK
おお、まとめwikiが編集されてる
おつかれです
607花火のあとは…:2010/08/23(月) 02:26:43 ID:iF6w2tTg
こんばんは。初心者ですが投下させていただきます。

・爽子×風早
・大学生

NGな方は【花火のあとは…】でG処理をお願いいたします。

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *


「花火きれいだったね」
「うん。すごくきれいだった。」

今日は花火大会。
花火終了後、二人は大学から一人暮らしを始めた翔太のアパートに帰ってきた。
爽子は友人にアリバイ作りを頼んだため、そのままお泊まりをすることになっている。

「爽子、下駄履いてたから足いたくない?」
麦茶をコップに注ぎながら 翔太が爽子に問いかける。

「ううん。翔太くんが手を引いてゆっくり歩いてくれたから大丈夫だよ。」
浴衣姿の爽子は頬を赤く染めて、翔太に微笑んだ。

「そっか、ならよかった。」
翔太も微笑みながら、コップを爽子に渡す。

「ありがと」
コップを受け取りながら、爽子は頬を赤く染めたまま俯いた。

(今日の翔太くん、なんだかいつもと違う…?)

待ち合わせの時から、なんだか自分を見る目に熱っぽさを感じる。
今も熱い視線感じ、身体が火照る。

(私、うぬぼれてるだけかもっ…!!)
恥ずかしさを打ち消そうと、爽子は一気に麦茶を飲みほした。
コップに氷だけが残り、カランと音を立てる。
 
「あ、そんなに喉乾いてたなら言ってくれればよかったのに。今夜も暑かったもんなぁ…」
「う、うん。浴衣自体はね、涼しいんだけどどうしても帯周りは暑くって。
汗かいちゃったからシャワー浴びたいな!!お借りしてもいいかな?」

焦って立ち上がった爽子を翔太は後ろから抱きすくめた。

「しょ、翔太くん!?……ぅんっっ」
608花火のあとは…:2010/08/23(月) 02:27:42 ID:iF6w2tTg
「そこも色っぽいんだって。」
翔太の右手は浴衣の脇下から背中に入り、慣れた手つきでブラのホックを外す。

「どうしても、だめ?」

切なげでな声が耳元で聞こえる。
爽子からは見えないが、こういった時の翔太は子犬のような目をしていると想像できた。
爽子は翔太のこの目に弱い。
さらに、既に爽子自身の身体も火照りを感じていた。

爽子は恥ずかしさから、ぎゅっと目をつぶり俯いて返事をした。

「…だめじゃない。…いいよ…。」

「やった!」
いつのまにか、翔太はブラのホックだけでなく肩ひもも外し、器用に浴衣下からそれを抜いた。
肌蹴た襟元から、スレンダーな割には大きめな爽子の胸が半分露出する。

(…恥ずかしい…!!)
その思いは声にならず、かわりに出るのは甘い喘ぎ声。

「あっ。あぁん。」

後ろから翔太の手が襟元に入り、爽子の胸をやわやわと揉み始めたからだ。
同時に、耳元やうなじに翔太の唇や舌が這いまわる。

「ふっあっ。あん…。」
胸の先端を摘ままれた時、爽子は自分で立っていることがままならなくなり、がくっと身体をくの時にまげた。

「ベッドいこっか?」
翔太の問いに爽子は声をだすことかできず、こくんとうなづく。
抱きかかえるようにしてベッドになだれ込む。

ベット上の爽子をみて、翔太はごくんと息をのむ。
609花火のあとは…:2010/08/23(月) 02:28:26 ID:iF6w2tTg
きちんと結われていた髪は乱れ、汗で顔や首周りにまとわりつく様が妙に色っぽい。
首元には自分がつけた赤いしるし。
浴衣の襟元は肩まで下げられ、胸は完全に露出していた。
膝を立てているため、裾はまくりあげられ下半身は太ももまで露わになっている。
そして、紅潮した頬、とろんとした瞳、あらっぽい息遣い…。

(やべ…!裸させるよりエロいかも!?)

Tシャツとデニムを脱ぎ捨て、爽子の上に覆いかぶさる。
深い深いキスをした後、翔太は胸元に舌を這わせた。
既にピンと尖った先端に何度もしゃぶりつく。

「あっ。あぁん。翔太くんっっ…ふっあ、あん。」
しゃぶりつく際の水音と、爽子の甘い声がしばらく部屋に響きわたった。



「確かにちょっと暑そうかも…」

足元に手を移動させようとし、翔太は爽子の帯周りをみて呟いた。
暑そうと思いつつ、浴衣を脱がせるという考えは毛頭ないのだが…。

その時、翔太の目に入ったのは先ほど爽子が飲んでいたコップに残った氷。

ニヤッと口角をあげ、コップに手をのばす。

ぴちゃん…

「…ひゃん!!」

放心状態だった爽子は、胸に当たる刺激に声をあげた。
翔太は氷を手に持ち、溶けでる水滴を爽子の乳首に落としたのだ。

「これでちょっとは涼しくしてあげられるかな」
胸に水滴を落とし続ける。
610花火のあとは…:2010/08/23(月) 02:29:20 ID:iF6w2tTg
「えっ!?翔太くん……いゃん。あぁん。」
チクッと痛みを伴う初めての刺激に、爽子は再び甘い声をあげた。

「涼しいうえに、感じちゃう?」
「…ち、違うよ…。ひゃん。あぁん…。恥ずかしいよぉ…あん」
爽子の肌に落ちた水滴を、翔太は舐めとった。
さらに氷を口に加え、爽子の首元や胸元に這わせる。

「…ふぁ、き、きもちいい…」
熱に浮かされた中での新しい刺激に、爽子の本音がぽろりと漏れた。

その台詞に気をよくした翔太はにっこり笑う。
「こっちも涼しくしてあげなきゃね。」

翔太は、浴衣の裾をさらにまくりあげ爽子の足を開きショーツを脱がせた。

「すっげー濡れてるし、すっげー熱いよここ。」

局部に顔を近づけけ、中指を入れる。
既に潤っているそこには、翔太の指をなんなく招き入れた。

「やんっ…。んっあぁん。」
「やじゃないでしょ。こんなに濡らして」

人差し指も加え、翔太は爽子の中を掻きまわす。

「ふあっ…。あぁん…。」

爽子の嬌声は高まり、いやらしい蜜がどんどん溢れてくる。
内壁が、翔太の指をきゅっきゅっと締め付ける。

「…いいよ。イッちゃっても。」

翔太がそう言うのと同時に、爽子の腰はがたがたと震えた後、かくんと力をなくして絶頂に達した。
611花火のあとは…:2010/08/23(月) 02:30:02 ID:iF6w2tTg
「イッちゃったね。気持よくなれたみたいでよかった。」
翔太は涙を溜めた爽子の目尻や頬にそっと口づけをする。

「じゃあ熱くなりすぎたここも、冷やしてあげなきゃね」

翔太は再び氷を手に持ち、胸元と同じように水滴を爽子の局部に落としだした。

「…はぅん。あぁん…。あん。しょ、翔太くぅん…。」

局部に舌を突っ込み、水滴と同時に蜜も舐めとる。

爽子の手は、翔太の頭上に置かれ髪の毛をわさわさと優しく掻きむしる。
その行為が愛しく、翔太はさらに舌を奥にすすめるのだった。

手の中の氷が溶けきったため、新しい物を手にした時、翔太は新しいアイデアを思いついた。

ずぶっ…

氷をそのまま局部へ突っ込んだのだ。

「…はぁぁん!!…あぅ」
爽子は今日一番の嬌声を披露した。

指でどんどん氷を爽子の奥へ、押し込んでゆく。
爽子の中の熱で氷は溶けだし、蜜と一緒に溢れ出てくる。

「冷たいし固いし、気持ちいいでしょう?…爽子」
嬌声をあげていた爽子だったが、翔太の質問にはうなずかず首を横に振った。

「?」

爽子は新しい刺激に快楽を見出していると思い込んでいた翔太は、その反応に驚いた。

さらに…
612花火のあとは…:2010/08/23(月) 02:30:46 ID:iF6w2tTg
「…はぁ…あっ…。冷たくなくってもいいの。翔太くんのが…いいの…」

「…へっ!…ええっ…!!」

「…しょ、翔太くんがほしいの…っ」

翔太はその言葉に頬を染め、爽子を見つめる。
今まで行為の間に、爽子から自分を欲しがる発言を聞いたことがなかったのだ。

(なにこの台詞!!夢みたいだ…!!)

爽子からの可愛い可愛いおねだりに、翔太のソコはあっというまに反りたった。
急いで下着を外し、避妊具を取り付ける。

「わ、分かった。俺の淹れるからね!」
余裕のあるふりをして、自身を爽子の局部に近づける。

「…うん。」
爽子がうなずくと同時に、自身を爽子の中に淹れ始めた。

ずぶずぶとやらしい水音をたて、自身を奥深くへ挿入していく。

「動くよ…」
根元まで達したのを感じ、翔太は腰を振りはじめた。

「…くっ…」

爽子の中に残っていた氷と冷水が、翔太のそこにも刺激を与える。
(うわ、やばいなこれ…)
熱い爽子の中での温度差がたまらなく気持ちいい。

「あん…。あぁん…。あん。翔太くぅん!!」
可愛い爽子の嬌声と、内壁の締め付けが翔太をさらなる快楽へと誘い込む。

「…はぁ、はぁ。爽子、爽子…。」
二人は何度も名前を呼び合い、貪るようにキスをしあった。
613花火のあとは…:2010/08/23(月) 02:31:26 ID:iF6w2tTg
翔太は爽子の体位を変えたくなり、脇下に手をいれ、爽子の身体を起こした。
奥まで突き刺さるような感覚に、爽子はたまらなくなって腕を翔太の首元にまわす。
浴衣の袖が翔太のピストンに合わせ、激しく揺れる。

「…はっ。あぁん…。あん。翔太くん…すきっ…」
「…爽子、爽子!!俺も大好きだよ…!!」

「…しょ、翔太くん、翔太くんっ、私…もう…」
首元にまわした腕と、肉棒を締め付ける内壁の力が一層強くなった。

「…っん、…俺もだよ、一緒にいこ…。爽子!!」

「…あぁん!!!」

甲高い爽子の嬌声とともに、翔太は薄いゴムの中に達した証を放出した。



「…翔太くん、これもう脱いでもいい?」
絶頂後、二人はしばらく放心状態だった。
それでも、爽子をぎゅっと抱きしめて離さない翔太の腕の中で、もぞもぞと恥ずかしそうに動きながら問いかける。

「…ん…。」

翔太は爽子の身体を上から下まで一瞥した。
既に胸元も足元もはだけ、帯でようやく身体に張り付いているだけの状態だ。

むくっと身体を起こし、爽やかな笑顔を爽子に向ける。

「いいよ。でも、俺に脱がさせてね。」

「…え…」

まだまだ二人の夜は終わらない。
   END
614花火のあとは…2:2010/08/23(月) 02:35:03 ID:iF6w2tTg
すいません。2ページめが抜けていました。

― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
「だめ。」

くいっと片手で顎をもちあげ、翔太は爽子の唇を奪う。

「う、ぅん…」
舌を入れ、翔太は爽子の口内を貪る。

「…ぅん。…はぁ。だめってどうして…。」
解放された爽子が、うっとりした瞳で翔太に問いかける。


「爽子の浴衣姿まだ見ていたいんだ。このまましよ?」



「え、このままって…?!きゃっ…」

爽子が返事をする前に、翔太の左手が襟元にのびる。
「あんっ、やっ、しょっ翔太くん!」
「浴衣姿の爽子、ちょー色っぽいんだもん。ね?」

今年は、爽子と翔太がお付き合いをはじめて3回目の夏。
今までも、一緒に花火大会に行ったことはあった。
その度、翔太は爽子の浴衣姿に欲情していたのだが当時はまだ高校生。
爽子の父に「まじめに付き合います。」宣言をしたこともあり、浴衣姿の爽子にそういった行為をおこなうことは難しかった。(キスくらいはしていたが…)

(けど、今年は一晩中浴衣姿の爽子をひとりじめできる!)

さらに、大学生になった今年の爽子は白地の大人っぽい浴衣柄、きっちりアップに結いあげたため露出されたうなじが、例年以上に色気を漂わせていた。
翔太の期待と欲望は、待ち合わせ時点で既にMAX状態。

爽子が翔太から感じていた、熱視線はこのためだったのだ。

「だ、だめ……っ。私、すごく汗かいてるし!」
 
615花火のあとは…2:2010/08/23(月) 02:39:55 ID:iF6w2tTg
以上です。
とても初心者な間違いをしてしまい、読みにくくて申し訳ありませんでした。

どうしても浴衣姿の爽子にくびったけの風早の妄想が頭から離れなくって…

お付き合いありがとうございました。
616名無しさん@ピンキー:2010/08/23(月) 03:27:45 ID:fOZQ2ln0
GJ
パンティーよりショーツの方が生々しいw
617名無しさん@ピンキー:2010/08/23(月) 06:46:46 ID:6Kta8WYP
>>615
GJす!!!
お互いを慈しむ感じですごく良かった。
618名無しさん@ピンキー:2010/08/23(月) 18:26:59 ID:PclUaj8S
浴衣がはだける爽子ハアハア
619名無しさん@ピンキー:2010/08/27(金) 01:07:02 ID:Icomfy1f
花火のあとは…を書いたものです。
投下失敗してしまったので緊張してこちらにきたのですが、感想いただけてありがとうございました。
お互いに大事にし合う二人がすきなので「お互いを慈しむ」は嬉しかったです。
妄想では、浴衣はだけ爽子はもっと激しいイメージでした。
スイッチ入った風早にうしろから責められたり、浴衣姿の風早に下心がでてきて
すっごいサービスしちゃう爽子ちゃんとか…。
でも、私の文章や想像力では難しくふわふわした物語になりました。
激しいのが書ける職人様いたら、お願いいたします。
620名無しさん@ピンキー:2010/08/27(金) 12:38:22 ID:DbxxgSFo
「か、風早くん!!」
「どうした、黒沼?」
「..こ...ち」
「え?」
「さわこパーンチ!!」
「わっ!!!」
621名無しさん@ピンキー:2010/08/27(金) 22:14:22 ID:zfWgNyCF
以前の職人さんはもう投下してくれないんだろうなー
新しい職人さんがいるからいいっちゃいいけど。
いちゃもんに近いこと言ってた奴には腹が立つ。
なんにせよ、新作wktkしながら待ってます!
622名無しさん@ピンキー:2010/08/28(土) 01:13:41 ID:EfO9Vfb5
合作シリーズは以前の職人さんも参加されてるようだから、大丈夫でしょう。
623スウィート トラップ 1:2010/08/28(土) 23:07:36 ID:K1pHLFAM
・風×爽  エロありです

「あのっ…今日は私が上になるので…」
素肌にシーツをまきつけて爽子が言った。

爽子の爆弾発言に風早は固まった。

(く、黒沼が上!?)
想像するだけで卒倒しそうになりながら風早は頭をかぶり振って
体制を立て直した。

(何これ?夢!?)
爽子から飛び出した信じられない言葉。
風早は頬をぎゅうとつねる典型的な方法でそれを確かめた。

(いてっ…!)
頬にじわりとひろがる痛みに彼は顔をしかめながら、未だ半信半疑と
いった顔をした。
「風早くんが…欲しいの…」
小さな声でそう呟きながら爽子が近づいてくる。
爽子のあまりの別人ぶりに、風早は一歩も動けなくなった。

(黒沼…どうしちゃったんだろう)
風早は混乱しながらも、小さくなった理性で考える。

どっきり…なわけないよな。
でも、いつもしてる時だってあんなに恥ずかしがってる黒沼がなんで。
もしかして…誰かに何か吹き込まれたのかな。いや…でも誰が…。
どうして…やっぱ、どっきり…?

何を考えても彼の頭の中をぐるぐると疑問符が回る。
それでも、二度とないかもしれないこの状況。

「…いいの?」
戸惑い半分、嬉しさ半分胸に秘めて風早は爽子に問いかける。
爽子はこくりと頷いた。

「あの…恥ずかしいので目をつぶってて?」
風早は素直に目を閉じる。
爽子の手が肩に置かれて、空気が動いた気がした。
そして甘くてやさしい匂いがふわりと広がる。
ゆっくりとかけられる体重。先端に感じる潤い。
くぷっと音がして熱い塊が爽子の潤った内壁にどんどん飲み込まれていく。
そこはとろけそうに熱くて、やわらかい。
目を閉じていても分かる、己の欲情をあおる姿に風早の心臓は早鐘をうった。
624スウィート トラップ 2:2010/08/28(土) 23:08:41 ID:K1pHLFAM

「目、あけていい…よ」

――緊張の一瞬。
その声にゆっくりまぶたを上げると、恥ずかしさを堪えるように唇をきつく
閉じた爽子が自分をみつめていた。
いつもは優美な猫を思わせるその瞳は、今や乱れた欲をほんのり覗かせている。
長い黒髪が白い肌に絡んで、彼女の白い肌が雪のように眩しかった。

(やば。この角度…なんか色々やばい)
どくどく、と身体中の熱が一点に集まっていく。
己の淫らな欲が次なる行動を促せ、と騒ぎ立てる。
風早はごくりと息を呑むと爽子の耳元でそっとお願いする。
「動いて?」
爽子は恥ずかしそうにうんと頷くと体を上下に揺らした。
ぎこちないながらも、一生懸命なその姿に理性がどんどん細く頼りなくなっていく。
水音を立てながらつながっている部分や揺れる二つの膨らみが、爽子が動くたびに
風早の網膜に焼き付いた。

「はあ…っ、かぜ…はやくん、きもち、いい?」
髪を乱しながら動く爽子の熱い吐息が顔にかかって目眩を覚えるくらい
身体が熱くなる。
「う…ん、すご…きもち、い」
口から出た声は驚くほど擦れていた。
目の前の二つの膨らみをやわやわと揉みしだいて先端を指で弄ると
可愛い喘ぎ声が耳を掠める。
自分の上を長い髪がふわふわと上下するたび、腿が彼女の蜜で濡れていく。

(ああ、気持ち良すぎて俺おかしくなりそう…)
風早は何も考えられなくなって、爽子の小鳥のように軽くてやわらかい体を
引き寄せひたすら唇を貪る。
絡み合う舌と舌。互いの唾液が交ざりあって愛しい味を分かち合う。

部屋には熱い息遣いと湿った声。きしむベッド。
爽子の腰に手をまわすと、彼女の汗ばんだ肌が手のひらにぴたりと吸い付いた。

「すき」
爽子の赤くふっくらした唇が動く。
「…俺もだいすき、だよ」

(ほんとに…ほんとにだいすきだよ。黒沼…)

爽子の手を取って指で絡め、ぎゅっと握ると爽子の腰が少し浮いた。
角度が変わったのか内壁の締付けがさっきよりきつくなる。
必死で抑えていた欲望が、もう、溢れてしまいそうだった。

625スウィート トラップ 3:2010/08/28(土) 23:10:09 ID:K1pHLFAM
「……くろぬまっ、まって!おれっ…!」
風早が必死な思いでそう言うと、爽子は一瞬戸惑いの表情を浮かべた。

(やばいんだ。もうイキそう)

爽子は大きな瞳でじっと風早を見つめた。
そして、唇が少しだけ動いて笑みを形作る。
――束の間。再びベッドがきしみだす。
「だめ…だって!くろぬ…まっ」
「…いいの。」
爽子のその一言でぷつり、と何かが途切れた。

(ああ…もう…イクっ……!)

霞掛かった意識の中、視界に入ったのは空を舞う長い黒髪――






布団の中で風早は何ともいえないあの不快な感覚を覚えて、情けない顔になった。

(やってしまった)
濡れた下着の気持ち悪さに急いで下着を取り替えると深くため息をついた。

夢か。そーだよな、あの黒沼があんな積極的……になんて。
…ない、ない!絶対ない!
天と地がひっくり返っても ――ない…な。

ベッドにごろりと横になって、風早もう一度長い長いため息をついた。
なんて夢をみたんだろう…と彼はもう一度夢で見たことを反芻する。

ちゃんとほっぺつねったのになー。夢から覚めなかったな…。
あ、でもあそこで覚めちゃったら、あんなえっちな黒沼も見られなかったわけだし。
…いつかあんな黒沼…見れたらいいな…。
今度思い切ってお願いしてみようか。…いや、……ひかれるかな。


それから彼の妄想はどこまでも果てしなく続いた。
そして不埒な物思いに耽りながらも、下着の存在を思い出すとそれを掴み
足音を忍ばせて部屋から出て行った。


おわり
626名無しさん@ピンキー:2010/08/28(土) 23:12:48 ID:K1pHLFAM
以上です。

ありがちなネタですみません。お目汚し失礼しました。
627名無しさん@ピンキー:2010/08/29(日) 01:52:21 ID:ObYdObpu
シンプル イズ ベスト
乙です
628名無しさん@ピンキー:2010/08/29(日) 02:49:57 ID:0lD/wy5I
夢精シリーズ乙
629幸福1:2010/08/31(火) 22:30:30 ID:xAJNO6Bg
・風×爽  初えっち


空色のカーテンが風をうけてふわりと揺れた。
部屋には少年と少女。
少女の長くて絹糸のようにしなやかな髪を少年は指ですくった。

「いいの?」

不安の影を覗かせる少年の問いに少女は頷いた。


―――――


重なる唇。
やがて互いを求めあいながら深く潜り込んで。
華奢な身体を包んでいた白いシフォンがはだける。
それは腰あたりにたまってゆっくりと床に拡がった。
やわらかな膨らみを包む布を取り去れば、現れる薄紅色のいただき。

「か、風早く…」

少女は注がれる視線に耐え切れずに声を出した。

「きゃ…っ!」

瞬間、身体に小さな電気が走る。
薄紅の蕾にはい回る舌。
それは水音をたてながら生き物のように動き回った。
繰り返される愛撫に戸惑いながらも少女はきつく目を閉じる。

それが合図かのように、少年の指がスカートの中をまさぐる。
湿り気を帯びた布の上から、そっとやさしく指を動かす。
少年を誘うように潤っているそこは、さらなる刺激を求めるように熱く疼いた。

「脱がせて、いい?」

遠慮がちにレースの縁にかけられる指。
大切な場所を見られてしまう恥ずかしさ。
じわじわと確実に迫るその時。
少女は逃げ出したい気持ちを必死にこらえる。

そんな思いを知る由もない指が潤った泉に触れる。
恐る恐る。次第に滑らかに。
630幸福2:2010/08/31(火) 22:33:08 ID:xAJNO6Bg

「っ…」

羞恥の中ちらちらと見え隠れする快感。
それは少年によって徐々に、しかし確実に引きずりだされやがて少女を翻弄する。

赤みを増した唇が薄く開かれ、漏れだす声は甘い。

耳に聞こえる濡れた声に、少年の熱は叫び出したいほど高まっていく。
腕の中の情景に様々な思いが入り交じる。
緊張。興奮。満たされる独占欲。
それらが身体中を駆け巡って息も出来ないほどの悦びに変わる。

「…いい?」

少年の言葉に少女は頷く。

もう言葉だけじゃ足りない。
その髪に。身体に。唇から漏れる吐息に。
全部に伝えたい。
こんなにもだいすきだって伝えたいから。


やがて……二人一つになる。

溢れそうな欲望に少年が歯を食い縛った時、少女がやさしく頷いた。

「…っ!」

二人だけしか知らない世界。ずっと夢みてた世界。
抱き合ったまま、どこまでも…。


―――――


少年が目を開いたとき、隣には穏やかな寝息を立てている少女の姿があった。
先刻の艶やかさは影を潜め、今見えるのはあどけない寝姿。
その白い頬にそっと唇を落とすと、少年はまた眠りに落ちていった。

おわり
631名無しさん@ピンキー:2010/08/31(火) 22:40:59 ID:xAJNO6Bg
以上です。今さらーな初えっちです。
「少年と少女」という響きが好きで多用してしまい読みにくくて、すいません。
読んでくださった方、ありがとうございます。
632名無しさん@ピンキー
すごくよかったです。すきなタイプの話です。GJ!