解せぬ
さっきのCr+7M/szです。ちょこっと続きです。
***
ミレイは自室へ戻り、なんとか着替えを済ませるとベッドへ倒れ込んだ。スプリングがきいていて体が弾む。何もない天井をぼうっと仰ぎ見る。
どうしてあんなことをしてしまったんだろう、という後悔の念で一杯だった。
「私は裏切ってしまったのか…」
小さな声で呟くと、それは決定的になってしまったような気がした。
もうとっくに終わった関係なのだから、今更関係は無い、もう何をしようが自由なのだと言い聞かせようとする。だがまだどこかでそれを認められない自分が強く拒む。
まさか、あのどうしようもないわがままお姫様があんなことまで言ってくるとは流石に思わなかった。
でも思惑は分かっていたし、ヤケになっていた所もあったのであえて乗ったのだが、今となってはやらなければよかったという気持ちしかない。
行為の最中は酷い虚しさが襲い、リズを『あの方』に思わず重ね合わせてしまって辛かったのだ。
『ミレイ好きよ、大好き。愛してる』
目を細めて笑みを浮かべる『あの方』に愛おしくなって口付けをしたあの日のことが頭を過ぎり、胸が締め付けられるような感覚。高い声、紅潮した頬、荒い息、白い肌、いけないとはわかっていても、一度引き出された記憶は次々と『あの方』を思い起こさせる。
『ミレイ…私は貴女とこういう関係になれて幸せよ…』
優しい声が心の中で何度も響く。もう二度と聴くことはおそらく無い声。
ミレイは自身の下着が濡れていることにようやく気が付いた。心ここに非ずの状態で着替えていたので下着までは着替えていなかったのだ。
ショーツの中に手を入れると、そこはもう十分に潤っていた。
『ここをいじられるのが大好きなのよね、ミレイは』
一番敏感な部分を摘まむとびりびりと体じゅうに電流が走ったような気がした。声が脳内で自動再生されるように流れ、『あの方』にいじられているような感覚に陥る。
『私はミレイの弱いところ、どこでも知ってるのよ。ほら、どう?』
指を中に入れ、一番感じる部分を突く。声を抑えることが出来ない。限界までもう近い。
「あっあっあっあっ…ああああ」
『かわいいわ…愛してる』
そして限界は訪れる。
ひくひくと収縮する感覚の後、温かい液体が一気に放出され、太ももを濡らす。
『あの方』の幻影が消えると、後悔と虚しさに襲われる。悲しくて涙が出る。
「もう、貴女に会わす顔もありません…」
それ以前にもうどうやっても会えないのが現実なのだが。
ミレイは、これからのことなどこれっぽっちも考えてはいなかった。
過去に縋りながら涙を流すと、疲れてそのまま眠りについてしまった。
いいね!期待
GJ!
同性の主従関係もなかなか良いものですな。
保守
沈夫人の料理人という漫画があってな
金持ちの奥方と天才料理人の主従関係料理モノなんだが
SM臭くてエロい
保守
韓流ドラマだけど「キング〜Two Hearts」に準主役で出てきた
奔放イマドキ高飛車王女様と石頭の王室近衛部隊中隊長がツボだった…。
途中から見たけど中隊長の石頭っぷりがこれがまたいいんだ。
高飛車王女様も途中で下半身不随になったりとか
どんな時でも冷静で我を失わない
(その冷静さを買われて敵からスカウトされた)中隊長が
最期死ぬかもしれない任務に赴くとき
思い余って初めてキスするところなんかこれぞ主従モノだと萌えてたな
ま、最後中隊長死んじゃったけどな(´д⊂)
韓流イラネ
こんなとこにまで持ち込むなチョンが
いい主従であれば無問題・・・
もっといい主従頼む
>>313
>>313 なんでこんなとこにまでチョンとか韓流イラネとか君の信条を持ち込んで罵倒する?
自分はそのドラマ全然知らないが
>>312はただ主従スレで主従の話してるだけだ。
ここは主従スレであって嫌韓スレじゃないぞ
「女王様」と「お姫様」って結構似たような立場なのに言葉のイメージが真逆じゃない?
自分はお姫様は守ってあげたくなるし、女王様には踏まれたくなる。
でもどっちも美味しい・・・不思議だ
女王様は傀儡がいい
気弱な女王様を支え自立させつつ操るのがいい
>>315 女王様は「王(上に立つ者)」だけど
お姫様は「姫(守るべき者)」だからじゃないか?
・・・なんとなくだけど。
>>316 女王様が肉体を与える代わりに
有能な臣下が国を治めるのに力を貸してくれる
「昼は女王夜は娼婦」的なシチュを想像したw
ダークロウズか
まだ年若い王女を女王に仕立て上げ、自分は後ろで実権をを握りながら
夜は汚れを知らぬ女王をじっくり開発するエロ宰相とかいいな
女王と宰相が叔父姪の関係とかだとさらに萌える
実は女王の父である先王をこっそり謀殺したのも宰相だったりして
すべては愛する姪を女王にしてその女王を犯すという二重の禁断プレイのため
最初は優しく手ほどきしていた宰相が、女王に父王を殺したのが自分だとバレて
拒絶されはじめてヤンデレに堕ちる展開がいいな
NTRになるけど
他人の傀儡になってる女王様を優しく優しく導いてあげて
欲なんかありませんみたいな聖者顔で一人前にして
傀儡にしてた相手も蹴落として脱傀儡
その後女王様が自分に惹かれて自ら手の中に堕ちてくるのを待つのも萌え
>>319 いいねぇ
NTRになるってことは、最初の傀儡主は当然女王様を食っちゃってるよね
導く方のエセ聖者は、自分からは決して手出しをしないんだけど
もう性の悦びを知ってる女王が、前の傀儡主から離れてから禁欲生活が続いてるところに
エセ聖者がさりげないボディタッチとか、気づかれないように罠を貼って
女王様が我慢できなくてお願いしに来るよう周到に仕掛けてるという話を
ねっとり描写で読みたいです
「我慢できないのですか?しょうのない方だ…」みたいなエロ中年どなたかプリーズ
◯トウヨに触れんなよ
宰相にしろエセ聖者にしろ、女王は歳の離れたおっさんに犯されるわけだ
なにそれ可哀想…だが超萌えるな!
お姫様は気弱で可憐で健気で、庇護欲そそるけど同時に嗜虐心煽る感じがいい
保守
エセ聖人がおっさんだったらNTRれる傀儡主はイケメンの方がメシウマな気がするw
ほしゅ
ほしゅ
過疎だな……
保守
断裁分離のクライムエッジって結構萌える主従(権利者と代償)多いね
女王様な副会長とSに見えてドMな生徒会長もいいけど
今のところ一番萌えたのは盲目のピアニストと耳の聞こえない男かなー
主人公達は主従に見えないんで割愛するw
保守ついでに人外執事×人造お嬢様のお食事タイム小ネタ
簡単な状況説明
・お嬢様が狙われてるせいでお家壊滅
・逃避行中の戦闘後
・執事は人外パワーで敵を殲滅したけどおなかが空きました
・執事の好物はお嬢様の精気、そのため人間に化けてお家に潜り込んでました
以下本文
「お嬢様、こちらへ」
誘われ、怖じ気づく心を叱咤するため、深呼吸をひとつ。
家があったころと同じお仕着せの服。今は傷を縛るのにタイを使い、首もとが少し乱れている。
柔らかな麦わら色の髪。切れ長の鋭い目元。
片眼鏡で左の瞳は見えないけれど、覗く右目の柔らかさに背を押され、私は踏み出した。
おずおずと、執事の元に足を進める。差し出された手に手を預け、相対したまま立てられた膝に腰をかける。
小柄な私が膝にかけたところで、目線の高さは執事と同じ。彼の、きれいな黄色の瞳を間近に見ることになり、緊張がいや増す。
耐えられなくて顔を伏せる。額にこつん、と当たるもの。執事の額だ。お互いの胸元を覗くような体勢。
「お嬢様」
促され、ドレスの胸元に手をかけ、首に巻かれたリボンを解いた。
指が、肌がちりちりする。彼の視線の圧力を感じるようで、胸が、息が震える。
ひとつ、ボタンを外す。続いてもうひとつ。
三つ目を外すため、合わせに手を入れると軽く前が開く。思わず執事を上目で見遣ると。
彼の視線は胸元にあてられたままだった。前髪から覗く右目が、ほんの少し絞られる。
たったそれだけのことで、背筋にぞくりと震えがはしる。怯えを増した心に倣って、体がすくみ縮こまる。
動きの止まった指に、少し固い声で彼が促した。
「お嬢様」
思い切ってボタンを外し、そっとドレスの前をはだける。木陰の涼やかな風が合間から進入し、頼りない胸元をなでていく。
指先に、皮膚とは違う冷たい感触。目に映るのは胸に埋まる宝珠の硬質な蒼のいろと、皮膚にびっしりと走る魔法陣の刺青。
彼にとっての栄養であり、ご褒美であり、そして私が狙われ、……古き我が家の血統が、私一人を残し滅びた原因。
私はどうやら、尋常の生き物ではないらしい。
「いただきます」
暖かく湿った吐息が胸元を擽る。少しかさついた彼の唇が宝珠に触れ、そっと吸い上げる。
とたんに身体から抜かれる何か。全身を脱力感が覆い、血の巡りだけがはっきり感じられる。熱量と拍動が胸元に集まり、宝珠を介して彼に流れ込む。
それとともに駆け上がる快楽。尾てい骨のあたりからびりびりとしたものが腹を通り背をなぜて頭に溜まり、視界が霞む。
「ふっ……あ」
こらえようとした声は呆気なくこぼれ落ちた。恥ずかしい程欲に溺れたそれに、執事の帯びる気配が一段と熱をはらむ。
「全く、仕様のない方だ」
唇を宝珠から離さないままの小言。伝わる振動に、背を辿る指に、じりじりと体温があがっていく。
ふいに、腰に回されていた彼の腕に力がこもる。私は腰掛けている彼の堅い足にさらに押し付けられることになり、その結果。
「んっ……あ、あ、やぁっ」
幾重もの布越しに秘所へと与えられる感覚に、次々と喘ぐ声がこぼれてしまう。
「ああ、お嬢様。私なぞの膝でそんなに乱れるなど、ご両親が存命ならなんと言われることか。実に淫らで、お美しい」
吸い上げるのは止めないまま、押し付けた膝を緩く動かして。笑顔でそういってくるのを必死に睨みつければ、さらに腰を引き寄せられて。
「あっ…!」
「ああ、その表情は実に良いですね。教え込んだ甲斐があるというものです」
一際強く胸元を吸われ、膝に押し付けられ。全身を縛る痙攣とともに、私の視界は白い闇に染められる。
意識もその中に沈む瞬間。
「やはり貴女の魂は美味ですね。おかげで私は貴女から逃れられそうもない」
自嘲するような執事の声を聞いた気がした。
GJ!
続きはまだだろうか
「お嬢様、保守のお時間でございます」
「えっ…、い、いや…保守は、保守は嫌!」
「何をおっしゃいます。このスレの保守はお嬢様の大切なお役目。
微力ながらこのわたくしめもお手伝いいたしますゆえ、ささ」
「いや…いやぁ…保守なんて恥ずかしいわ…ああっ」
「まだまだです。まだ保守には足りませんよ」
「やめて…ゆるして…あっ!あ…んっ!」
「興が乗ってきたようですね。ではこのあとはどなたかにお任せしましょう」
「いやっ…!…放置しないでぇ…っ!」
「放置ではございません、保守でございます。お次の方が現れるまで我慢なさいませ」
ほしゅ
女主
337 :
名無しさん@ピンキー:2014/04/10(木) 21:39:59.65 ID:tvSOSsB5
ジョヌシ
338 :
名無しさん@ピンキー:2014/04/11(金) 21:28:04.31 ID:RNfuaOPS
だれかいないの?
ここにおります、お嬢様
どうぞなんなりとお申し付けください
下克上支援
お嬢様「……やきゅう……みたい……」
執事「畏まりました」
お嬢様「……」
執事「お嬢様お連れしました」
お嬢様「 ……バッファ……ロー……?( 野獣か!? 使えないやつ)」
執事「野獣牛べえ様です。柳生新陰流の免許皆伝にしてサニー千葉様ともご縁があります」
お嬢様「…………(こいつ使える!)」
マーベラス!
>>341 ちょうどおさわり探偵プレイしてるから、里奈とじいで再生されたw
344 :
保守:2014/05/25(日) 21:43:21.91 ID:OMiYP7l/
「…おねがい…」
切なげにお嬢様が見上げてくる
「自分では、どうしようもないの…このままではおかしくなってしまうわ」
恐る恐る手を伸ばし、彼女に、触れる
撫でるように、その手を動かす
「うんっ…いや、お願い、もっと強く…」
言われるがまま、私は手に少しばかり力を込めてさする
「ああ、もどかしいわ」
お嬢様は胸元のボタンを外し、ブラウスをずらして肩をはだけさせた
身をくねらせるお嬢様の背中から手を差し込み、直に触れる
「あっ…そこ」
「ここでございますね」
「ええ…痒くてたまらないの。自分では届かないんですもの。
もう少し下よ…ああ…そこ。そこよ」
お嬢様は気持ちよさそうに溜息をつく
私は滑らかなお嬢様の背中に爪を立てぬよう、細心の注意を払ってそっと掻く
「孫の手を買っておきますので、次からはご自分でなさいませ」
「なぜ」
「私のような者がこのようにお嬢様のお肌に直に手を触れるなど、許されぬことです」
お嬢様は振り返り、艶然とした笑みを浮かべて言った
「おまえは私の気持ちを何もわかっていないのね」
>>344 小悪魔お嬢ごちでした!
執事の年齢はじいでも若いのでも色々妄想して楽しめますね
小悪魔GJ
いいわーいいわー
「お嬢様、支度はお済みですか」
声をかけて、半開きの扉から部屋へ入ると、下着姿のお嬢様が目に入った。
「まだそのような…
パーティのお客様がいらっしゃる前に身支度をなさいませ。
メイドはどうしたのです」
「下がらせたわ」
つっけんどんな声。
機嫌は最悪のようだ。これは手こずるぞ、と内心腹をくくる。
窓際の肘掛け椅子に腰掛けたお嬢様は、自分の身なりに一切頓着しないまま、
そのまま素足の膝を抱え込んだ。
「……お前は知ってるの?このパーティは私の結婚相手探しのためなのよ」
あられのない姿から目を逸らしながら答える。
「もちろん存じております。
良いお相手が見つかるよう、私も微力ながらお手伝いさせていただきます」
「私は嫌よ」
にべもなく言い捨てる。機嫌が悪い時のお嬢様はいつもこうだ。
「そのようなわがままをおっしゃってはいけません。
旦那様のお顔に泥を塗るようなことはしてはなりません。
当家の令嬢として恥じないよう、きちんとした振る舞いをなさらなければ」
お嬢様はふいと窓の方を向いて、聞き取れるか聞き取れないくらいの小声で微かに呟いた。
「……言われなくてもわかってる、そんなこと」
窓の外を睨みつけ、一つ息を吐くとお嬢様は意を決したように振り返った。
「じゃあお前が着せて頂戴」
「…かしこまりました」
私は床に投げ出されたワンピースを拾い上げる。
肩を出したワンピースのため、お嬢様は胸元はビスチェタイプの下着をつけており、下はショーツだけだ。
このようなはしたない格好でも、お嬢様はまったく意に介していない。
所詮私は異性ではなく、ただの使用人ということか。
背中のファスナーをいっぱいに広げ、ワンピースを床にまるく広げる。
お嬢様は渋々とその中に足を入れた。
ワンピースを持ち上げ、胸のところで体に合わせると、腰からファスナーを引き上げる。
体にぴったりとフィットしたデザインのため難しいが、なるべくお嬢様に直接触れぬよう、よく気をつけながら。
静かな部屋に、ジジジ…とファスナーの音だけがやけに大きく響く。
「これでようございますか」
「パニエを」
「はい」
椅子に放り出された白いパニエを取る。しかしこれはどうすればいいのかわからない。
「どうぞ」
お嬢様に手渡そうとすると、キッと睨まれた。
「私にさせるの?履かせて頂戴」
腰の部分を手に持って広げると、お嬢様が裸足の足をするりと伸ばし、軽やかにパニエの中に立つ。
私の目の前に、美しい脚をわざと見せつけているかのようだ。体の奥でじんわりと生まれる熱に気づかないふりをして、私はことさらに淡々と続ける。
「どうすればよろしいのでしょう」
「ホックがあるでしょう。それを留めるのよ」
といっても、ホックを留めるためにはパニエをウエストの位置まで持ち上げなければならない。
「失礼いたします」
そういってパニエを持ち上げる。服を着せるためだと頭ではわかっていても、お嬢様のスカートの中に手を入れていく様はなかなかに卑猥だ。
パニエを持つ手が、ときどきするりとお嬢様の脚に触れる。自分の手元を正視することができない。
「早くして」
「…お嬢様、申し訳ありませんが少々スカートを持ち上げていただけますか。ホックが留められません」
そう伝えると、お嬢様はスカートをたくしあげてウエストのあたりでまとめ持った。
美しい弧を描いたヒップラインが丸見えになる。
その上を通り過ぎ、ウエストまでパニエを持ち上げると、いくつかならんだホックを留めてゆく。
内心の動揺が指先に伝わり、小さなホックをうまく引っ掛けることができない。
「何してるのよ、遅いわね」
「…は、申しわ…け、ありません」
小さなホックと悪戦苦闘している私をちらりと見下ろすお嬢様の口元に、一瞬ふと笑みが浮かんだ。
…ように見えた。
「靴はどちらになさいますか」
やっとのことでホックを留め終わると、お嬢様に尋ねる。
「それよ。その紅い革の」
それは緋色のドレスに合わせて誂えられた美しい紅い靴だった。
つま先から踵へ美しい曲線を描いて持ち上がり、すらりと細いヒールが全体を締めている。
跪き、靴をやや持ち上げるように傾ける。お嬢様は私の肩に片手を置き、体を支えながらするりとつま先を靴の中に滑らせる。
私の肩に、お嬢様の重みがかかる。お嬢様は怒りにまかせてわざと力を込め、肩においた手をつねるように握り締めるが、さしたる痛みではない。
心地よい重み。心地よい痛みだ。
張り付いたような無表情のままお嬢様を見上げると、お嬢様は私が痛みを全く表情に出さないことが面白くないらしく、
眉尻を釣り上げて見下ろしている。私はその表情の美しさにうっとりと見入った。
ああ、この瞬間、いまこの瞬間で時を止めてしまえたら。
頭をひとつふり、叶わぬ妄想を追い払う。
「お支度はこれですべてお済みですか」
「アクセサリーがそこに」
大きな鏡の下のジュエリーボックスの手前に、イヤリングとネックレスが揃えてある。
ネックレスを手に取り、お嬢様の後ろに回る。
お嬢様は髪をまとめて前に垂らし、うなじを出して見せた。
ネックレスを持った左手を後ろからお嬢様の体に回し、片方の端を右手に持ち替える。
私の腕の中にすっぽりとお嬢様が収まってしまう。
こんなに近くにいて、腕をすぼめたら簡単に抱きしめてしまえる距離で、それでも私はお嬢様にできるだけ触れぬよう注意を払いながら、金属の留め具をつける。
留め具をつけて、ネックレスをそっと首に置いたとき、私の指先がわずかにお嬢様のうなじを掠めた。
お嬢様はぴくりと身じろぎし、ゆっくりと振り返る。
潤んだ瞳が、部屋のシャンデリアを映してキラキラと光りながら私を見上げる。睫毛が濡れているのが間近に見える。
「おまえは……これで、いいの」
「もちろんです」
嘘をつくのは慣れている。
本当の心を隠すのに慣れすぎて、もう自分の本当の望みなどどこにあるかわからなくなってしまった。
それでも。
こんな風にお嬢様に問われると、封印したはずの感情が胸の奥で疼き、鈍い痛みを伴って心臓を締め付ける。
「お嬢様の幸せこそ私の最上の喜びですから」
にっこりと笑いかけたはずが、お嬢様の瞳には、泣きそうに顔を歪めた自分が映っていた。
これ以上はここにはいられない。
「私には髪を結って差し上げることはできませんので、メイドを呼んでまいります」
そう言ってお嬢様から離れる。
お嬢様のなにか物言いたげな視線を背後に感じながら、ドアへ歩み寄り、
そして、閉めた。
350 :
349:2014/06/05(木) 06:34:07.93 ID:5VH8v3p8
以上3レスです。
注意書きもしてなくてすみません。
1レスで終えるつもりだったのに膨らみました。
(心も体も)少し触れたかと思うとまた離れて……を繰り返すところが何ともたまらん!
いい主従でした
GJ!