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>>114-121の続き)
今日もアンドレはオスカルを背中から抱きしめてベッドで寝た。
もう幾日も寝ていない。情欲と睡魔の間に揺れた体はようやく眠りを選択した。
窓から月を見ていたオスカルは、アンドレのほうが先に寝入った様子をけどり、上半身を起こして月明かりに照らされた幼なじみの顔をしげしげとみつめた。
華奢ではないが、些細なことにまで気配りの出来る繊細さが顔つきに表れていた。
おおらかで明るい性格、自称楽天家というわりにはやや寂しげなところもある。それは幼いときに両親を亡くしたということが関係しているのだろうか。
まるきり無防備に寝ている、私のエンデュミオン。そっと口づけを唇に落としてみる。
もしかしたら目を覚ましてくれないかと期待したが、アンドレの眠りはかなり深いようだった。
さっきまでオスカルの胸に回していた手を取ってみる。やや節くれ立った男の手だが、指の形がきれいだということに初めて気づく。
オスカルはもう一度夜具の中に潜り込んだ。男に体を愛撫されるというのはどんな気持ちなのだろう、そういう小さな好奇心がいたずらっぽくわきあがる。
夜着の前ボタンをいくつか外すと、オスカルはアンドレの手を取って自分の胸にすべりこませてみた。
もしこんないたずらをしているところでアンドレが目を覚ましたらどうしようとちょっと思ったが、その時はその時だ。
乳房に押しつける。
−アンドレだったらどう触るのだろう−
よくわからないので、掌で乳房全体を覆うようにしたり、一番尖ったところに指が触れるようにしたりしてみる。
くすぐったい。
アンドレはよほど疲れているのか、全く起きる気配がない。
−アンドレ、本当はおまえに抱いてほしいんだ−
オスカルは夜着のボタンを全部はずした。胸も腹も脚も全てがあらわになるとアンドレに抱きついた。
しばらくそうしていたが、アンドレの手を取って自分の女の部分にあててみる。
なんだか生きているということの根源にその手が触れたような気がした。