375 :
名無しさん@ピンキー:2010/01/19(火) 18:18:43 ID:li8SeVJr
ここは四条学園高等部。西日本有数の伝統とレベルを誇る私立四条学園大学の付属高校として学業・部活動共にとても熱心であり、また生徒総数1500人というマンモス高校としても知られている。
あ、自己紹介が遅れたね、僕は一条守。一応生徒会副会長やってます。
で、話の続きだか、そんな四条高校の生徒会長を務めるのが、三年生の九条香織先輩である。
スラッとしたスタイル、ウェーブのかかった黒髪に眼鏡が特徴で、知的な顔立ちをした美人であり、気立てが良く誰からも慕われ、成績もトップクラスの完璧超人にして、史上初の三年連続生徒会長に選ばれている。ちなみに文芸部。
生徒の自主性を何よりも重視する四条高校では生徒会の仕事はかなり多いが、大抵の事は彼女がいれば事足りてしまう。学校側との総部活予算の折衝、学園祭や体育祭その他行事の運営、
さらには学校側と協力して行う入学希望者対象の説明会などもほとんど彼女が切り盛りしている。
しかし、どんな優秀な学校にも不良はいるもので、唯一彼女をもってしても一筋縄にはいかないのが校内の非行グループである。
非行グループとはいえ、なまじ頭のいい生徒ばかりなので、いじめなども表に出にくい形で行われる上に、ひねくれている彼らは「美人で性格もよい生徒会長」だからといって言うことを聞くような素直さは持ち合わせていない。
そんな彼らと話をまとめて問題を穏便に解決しているのが副会長の僕なわけで。一見どちらかというと優等生タイプ(に見られていると思っている)の僕だが、
ひょんな事から非行グループとの信頼関係を築く事に成功し、学校側へいじめを訴えて大問題になった挙げ句うやむやになっていじめがさらに悪化するよりは、直接生徒会(というより僕)に相談する生徒が多いくらいだ。後は先輩の秘書的立場かな。
とまぁ、大変ながらもやりがい?のある四条生徒会なんだけど、今年になって頭の痛い問題が出てきたんだ…
376 :
名無しさん@ピンキー:2010/01/19(火) 18:20:53 ID:li8SeVJr
この高校には生徒会とは独立して、すべての部活動の連合組織である部活会があり、各部活の予算配分権は部活会にある。
ちょっと複雑だからもう少し説明すると、学校側に対して全ての部活動に支給される総予算額を交渉して決めるのは生徒会の役割で、
その総予算をどう配分するか決めるのが部活会の役割なわけです。生徒会が学校側へ提示する予算総額は部活会との事前の交渉で決められる。(部活への予算は年二回組まれる)
頭の痛い問題というのは今年の部活会の委員長に姉さんの一条友理が就任した事で…
今までは部活会は各部活の予算請求を抑えて予算請求総額が大きくなりすぎないようにする一方で、生徒会は部活費が少しでも増える様に学校側と交渉する事でお互いに協力してきたんだけど、
姉さんは何故だか九条先輩と犬猿の仲で、今年の部活会は生徒会に対して予算総額の大幅アップを強行に主張している…
377 :
名無しさん@ピンキー:2010/01/19(火) 18:25:20 ID:li8SeVJr
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
「だから何度も言ってるじゃない。今年は各部活で道具の買い替え時期が被ってしまって予算がいつもより必要なの。
うちは大会で優秀な成績を残す部が多いからこれは死活問題なのよ。」
そうそういい忘れてたけど姉さんは吹奏楽部で、凛とした顔立ちにちょっと茶色がかった髪をアップにしている。
弟の僕から見ても美人なんだが、性格はどちらかというと男勝りな感じ。
「あなたの言う事は分かるけど、急に予算を増やすのは無理です。
部活間で道具の買い替えに優先順位をつけるなりしてもらえないかしら?」
「それが出来ればこんな予算案出さないわよ。大体買い替え時期が遅れる事で大会が不本意な結果になったらどうしてくれるのよ。三年生にとっては最後の大会になのに予算がないから諦めろって言うの?
学校の収支報告だとお金には余裕があるんだからこれくらいの増額は何でもないんじゃないの?」
「守くん、学校の去年時点の内部留保はいくらになってる?」
「28億6940万です。ちなみに去年の総部活費は816万ですね。」
対して姉さんたちが提示してきた予算案は1200万だから去年に比べてかなりのアップ要求になる。
「確かに学校全体から見れば大した金額じゃないとも言えなくはないけど、急に予算が増える前例を残すと今後安易な予算アップに繋がらないとも限らないの。
本来必要ないものまで学校のお金で買うなんて事は四条として絶対にあってはいけないのよ。」
「そんなあるかも分からない事を心配するより今現実に差し迫ってる問題を心配しなさいよ。今の言い方だと生徒会が学校側と交渉すればやっぱりこれくらいの予算は通るみたいだけど、だったら結局あなたのやる気次第じゃない。
大会がある部活にとってそれがどれだけ大事か、まぁ文芸部のあなたには分からないでしょうけど。」
「……」
相変わらず九条先輩には容赦ないな姉さんだけど、どうも姉さんは校内でも輝かしい実績を誇る吹奏楽に比べて大会という活躍の場もない文芸部を見下している感があるんだよな。
さすがの九条先輩もちょっとショックだったみたいだし、フォローを入れとくか。
「姉さん、いくらなんでも言い過ぎじゃあ…。九条先輩の言うように、もし予算の使い道に関する不祥事があったらその部活は廃部になるかもしれないんだよ。
四条は自主性重視といってもけじめには厳しい学校だし…」
「あんたは黙ってなさい!何であんたはいつも九条を庇うのよ。
というかあんたも吹奏楽部なんだからこの予算が通らないと次の大会がヤバイのは分かってるでしょ。
楽器は高いから予算が増えなかったら間違いなく吹奏楽部の配分から削られるのよ?少しはあんたも協力しなさいよ。」
378 :
名無しさん@ピンキー:2010/01/19(火) 18:26:15 ID:li8SeVJr
忘れてたけど僕も吹奏楽部である。がまた同時に文芸部でもあるんだがなぁ。
四条は中等部からあり、部活も中高の結び付きが強いため、中等部に入った時に選んだ部活を6年間続ける場合が多い。
僕が中等部に入った時は姉さんと九条先輩がそれぞれ自分の部活に入る様勧誘してきて、結局両方に入る事になった。…何故かその頃から姉さんが僕をぞんざいに扱う様になった気がするんだが。
「いや、まあ、確かにそうなんだけど―」
「守くんは生徒会副会長として今この場にいるんだからそのつもりでいてくれるよね?」
「あ、はい、勿論です。」
「何よあんた結局九条の味方なわけ?お姉ちゃんや部活のみんなを裏切るの?」
「いや、そうじゃないけど…」
「え?じゃあ守くんはお姉さんの味方なの?」
「いや、そういうわけでもないんですが…というかあまり困らせないで下さいよ…。」
「「あんた(守くん)がはっきりし(てくれ)ないからじゃない!」」
あぁもう、なんでこの二人はいつもこう無理を言うんだ…
結局この日も会議は平行線のまま終わった。
正直姉さんの言い分もわからなくもないが、九条先輩の言う事ももっともなわけで、
僕としては双方が折れるしかないと思うんだが…あの二人はお互いムキになっていてそんな気配はない。ここは僕が調停役になるしかないという事か。
379 :
名無しさん@ピンキー:2010/01/19(火) 18:33:45 ID:li8SeVJr
「九条先輩」
生徒会室の片付けを終え帰宅する途中、僕はまず先輩を説得しようと話しかけた。
「なぁに?」
「さっきの事なんですけど、先輩の言う事はもっともだと思いますし、姉さんの求める額は大きすぎると思います。でも姉さんもああいう人だから、やっぱり少しは妥協しないとまとまらないと思うんです。
ですから1000万くらいで学校側と交渉してみるという事にしてみてはどうですか?」
50%アップは無理でも25%くらいならギリギリ許容範囲なんじゃないか。道具の買い替えが被ってるのは事実だし。
「確かに守くんの言う通り、友理は折れない人だよね。でもね、今まで100万以上の増額すら前列がないのよ?それを200万近く増やすだなんてやっぱり良くないと思うの。
こんな事は少し考えれば分かる事なのに、友理は私の事が気に入らないから無理を言っているのよ。そういう個人的な事で学校の正規のお金についてあれこれするわけにはいかない。守くんだってそう思わない?」
「えっと、まあそんな感じはしますよね・・」
「大体友理はいつもそうなのよ。私が文芸部の正規の活動として古書店お手伝いに守くんを連れていこうとした時だって、
吹奏楽部の特別練習だと言って行かせないようにしたり、生徒会の仕事で吹奏楽部の練習になかなか出れないのも、
私はなるべく守くんの仕事が多くならないように頑張ってるつもりなのに分かってくれないし――」
380 :
名無しさん@ピンキー:2010/01/19(火) 18:34:27 ID:li8SeVJr
文芸部は図書委員とほぼ同組織化していて、学校の図書館管理や各種読書会の他に、古書店の手伝いにいって本の流通実態調査なんて事もしている。
まぁ単なる先輩の趣味だろうけど。
そんなんだからついていくのは先輩と仲のいい部員数人と僕くらいなんだけど、姉さんは吹奏楽部の正規の活動日じゃないのに特別練習といって僕を行かせないようにした事があったのだ。
先輩のいう通り、姉さんは何かと先輩を非難するし、それは僕が生徒会に選ばれた去年から一層激しくなった気がする。
先輩は姉さんと違ってあまり気が強い方ではないから、表には見せずとも色々とまいっているのかもしれないな。
「そうですよね。その、すいません…」
「どうして守くんが謝るの?」
「だって自分の姉が先輩に理不尽な事を言って苦しめてるわけですし」
「守くんが謝る事ないよ。守くんはいつも私を助けてくれてるじゃない。」
「いやそんな大げさな事は出来てないですけど…」
「ううん、私には出来ないいじめの解決とかをしてくれるし、友理にあれだけ言われても生徒会の仕事に必要な資料をいつも用意してくれるし、本当に助かってるの。ありがとう。」
「いえ、僕こそ先輩が会長じゃなかったらとても生徒会の仕事なんてやりきれないので」
まぁ僕を副会長にさせたのは先輩なんだけど
「だから守くんからも友理を説得してね?私が言うより守くんから言う方が友理も聞くと思うから。」
しまった、と思った。先輩を説得するつもりが結局先輩の全面支援する流れになってしまっている…
しかし誰あろう九条先輩に頼まれては仕方ない。
「わかりました」
僕は先輩にそう告げてから別れ、姉さんの待つ自宅へと向かった。
381 :
名無しさん@ピンキー:2010/01/19(火) 18:39:51 ID:li8SeVJr
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
帰宅した私は真っ先に守の部屋に向かう。守は生徒会の片付けをしてから帰ってくるからまだ30分くらいはある。そう、守は九条香織と帰ってくる――
それを考えると胸が苦しい。守を香織に盗られた気がして心が張り裂けそうだ。
だから私はいつものように守のベッドに転がって守の枕の匂いを嗅ぐ。愛しい弟―しかしその気持ちを気づかれてはいけない思い人の匂いが私を満たしていく。体の奥が疼いて熱くなっていく。そうして私は自分を慰め始めるのだ。
「ん…守ぅ…」
既に固くなっている自分の乳首を弄ると思わず声が出てしまう。香織よりやや小ぶりな胸を弟に激しく揉まれ、犯されるのを想像する。
左手を足の間に降ろすと、既に下着には染みができていた。
「ハ…、はふ…、守、やめて…そこは…」
弟に無理矢理責められるのを想像をしながら下着の中に手をいれクリトリスをこすっていく。痺れるような甘美な感覚が脳髄を貫き、意識が遠くなりそうだ。
382 :
名無しさん@ピンキー:2010/01/19(火) 18:40:17 ID:li8SeVJr
「やめて守、そこはダメなの!あ、あ、ダメ…!ん、んんん!」
早くも絶頂が近い。クリトリスだけで昇り詰めてしまう淫乱な自分という事実さえも今の私には快楽を与えてくれる。
そうしていつものように弟に赦しを請いながら絶頂へと駈け上る。
「あん、あ、あ、ごめんね、こんな淫乱なお姉ちゃんで…!私、守に犯されながら喜んでる変態なのぉっ!
ごめん、ごめんなさい、淫乱でごめんなさい…!でもっ、あ、でも気持ちいいのっ!とまらないのっ!
あ、あ、あ、ごめんなさいイキますっ!淫乱なお姉ちゃんイキますっ!イク、イク、あ、アアァァァーーー!!!」
――全てが白くなる――
心地よい余韻にひたりたいところだがそうもいかない。もう弟が帰る頃だ。私はいつもの私に戻らなければならない。
ベッドと自分の衣服をととのえ、部屋を後にしようとした時、ベッドにほんのわずかな染みができているのに気づいた。明らかにそれは自分の愛液だった。
今日もこのベッドで弟は寝る。その事を考えると体が快楽でふるえてしまう。私は落ち着かない様子で部屋を後にした。
……規制?
携帯からでもいいので返事ください
携帯すら規制という可能性も
桁がおかしい
ジンバブエ$かよ
387 :
名無しさん@ピンキー:2010/01/19(火) 22:44:05 ID://7scLYS
有る 主人
>>386 生徒数1500人×一人当たりのの年間平均授業料200万と想定した場合、収入は単純に考えて30億となり
更にOBからの寄付金やら株式運用(?)やら外貨取引(?)やら講師による出張講義料やらで賄えば
莫大な維持費と人件費を対処するには十分事足りる…のか?
学校法人は税金を払う必要はあったかな? そもそも学校自体が株や外貨を扱うなんて出来るのか疑問は尽きないな
何にせよ、
>>382GJ!
次からはメール欄にsageも入れると良いぞ
389 :
名無しさん@ピンキー:2010/01/20(水) 02:53:32 ID:K2w5LU9H
>>388 学校法人でも株などの取り扱いはできるぞ。しかし駒沢大学って大学は経営陣がトレードで大損して一時破綻してるがなwwwしかも担保は大学の資産だから学生大迷惑wwwwww
(´・ω・`)
どうでも良いけど荒らしじゃないなら
sageでお願いします、マジで
すまんこwwwwwwすまんこwwwwww
もしもしからだとすぐ忘れるんだよなwwwwww
携帯でも専ブラ使えよ‥
投下します
と言ってもキモ姉が書きたかったので、短編です
大学受験についての内容を含みますので、受験生の方は不快に思われるかもしれません
ご注意ください
以下本編
カリカリと鉛筆の走る音。ペラペラと紙をめくる音が、俺を焦らせる。
何でだよ。
頭を抱えた。視線を落とした先、薄い冊子に印刷された数式が踊っている。マークシート式の解答用紙はぽつぽつとしか黒点がない。
考えようとしても、頭が働かない。
腹が痛い。ごろごろと腹が鳴る。最初の方は腹が鳴るたびに、周囲の反応が気になったものだが、今となってはもうどうでもよかった。
お腹をさすりながら、問題文を必死に追う。だめだ、腹痛で集中力が散漫になっていて思考に霞がかかっている。
思えば今日は朝から最悪な一日だった。朝食に食べた卵が悪くなっていたのか、朝はずっとトイレに篭っていた。
何とか腸の中すべてを出し切ってセンター試験会場に来たのはいいが、腹痛で思うように問題に集中できない。
今日はセンター試験二日目。理数系科目の試験日で理系学部をねらっている俺にとっては、最も大事な一日。
なのに、この有り様だ。理不尽だ。俺が一体何をしたというのだ。叫び出したい衝動を堪える。
こんな所で叫び出した日には、不審人物としてあっという間に教室から連行されるだろう。
まあ、こうして机にかじりついて悪あがきしてみたところで、出来ることなんて高が知れているのだけれど。
周囲の音が、解けていないのは俺だけじゃないかという焦燥を抱かせる。その焦燥に意識を取られ、問題を解くのに集中できないという、悪循環。
何で、何で、何で、何で、なんで 、なんで―――
ぴぴ、と機械音。
「鉛筆を置いてください」
試験官が無情にも死刑宣告を告げた。終わった。呟く声は小さく、しわがれている。
試験官の指示によって素早く解答用紙が集められ、試験官が出ていく。やがて教室が、にわかに活気づき始めた。
どうだった、まあまあかな、結構簡単じゃなかった、この問題の答え何にした……。
何故か耳が拾うのは、喜びのにじんだ声ばかり。他に居ないのか、俺のように魂の抜けた奴は。はは、と疲れ切った笑みが漏れた。
「終わった」
再び呟く声は、一度目よりも少し大きく。それが、何の救いになるはずもない事が妙に悲しかった。
銀世界でワルツを
ざく、ざく、と雪道を歩く。
雪があまり降らないこの町で、数年ぶりに雪が積もったのは俺に対する皮肉か何かだろうか。
神なんていない。そんな若干ガキ臭い言葉を口の中で転がした。俯いた顔が上がらない。肩もこれ以上下がったら、きっと関節が外れてしまう。
「俯いてたら、いい結果も悪くなるわよ」
そう言って今朝送り出してくれた姉の声が蘇った。悪くなるも何も、最初から最悪だったんですが。
2日間の大学受験の最初の関門、センター試験から一夜明けた今日。何故か高校に登校して、皆で揃って自己採点し予想通り、否、予想以上に酷かった点数を持ち帰る。
足が重い。足の裏が雪にくっ付いて凍ってしまっているんじゃないか、と思うくらいに。
道端に小さな雪だるま。間抜けな顔をして、こちらを見ている。
「何見てんだよこの野郎」
ギスギスした気持ちで、雪だるまを蹴飛ばした。頭がころころと転がっていく。
その拍子に小枝と木の実で出来た目、鼻、口が抜け落ちてのっぺらぼうが俺を恨めしげに睨んでくる。ざまあみろ。
まぁ、俺も転がり落ちたんですけどねー、はは……はぁ。
もうこれ以上は下がらないと思っていた肩がさらに落ちた。
はあ、と吐いた深く、暗く澱んだ息は冬の空気に白く光って、直ぐに霧散した。俺も同じように消え去ってしまいたい。
一日目は良かった。国語は8割取れていたし、英語に至っては9割だった。1日目終わった後は余りの手ごたえの良さに、小躍りしてしまった。
しかし問題は二日目だった。数学はどちらも四割、生物と化学は五割。物理なんか三割、赤点だった。
文系の大学へ行くならば、まあ、高望みしなければ落ちる事はないだろう。しかし理系となれば話は別、というか論外だった。
採点する前からある程度結果は分かっていたが、点数が出たら出たでがっつり凹んだ。
数日後志望校への合格率が出る前に、行けるわけがない事は火を見るより明らかだった。
更に、そんな俺に追い打ちをかけるかのように、中学のころから付き合っている恋人に振られた。
何でも、別々の大学に行きながら付き合い続けるのは無理、なんだそうな。
二次試験は頑張るからとか前期がもし駄目でも後期が、終いには文系の学部に変更するからと説得を試みたのだけれど、受かる訳ないじゃん、と一蹴された。
俺と彼女の志望校は国内有数の大学で、文系であっても理数系の科目がこんなに悪すぎては受かる可能性は限りなく低かった。
それならどこでもいいから近くの大学を受けるよ、と縋ってはみたものの、どうせ直ぐに同じ大学の人と浮気するんでしょ、と何故か睨まれた。
何でだろう、俺ってそんなに信用なかっただろうか。別々の高校に進んでも、俺は恋人一筋だったのに。
かくして、俺は志望校どころか希望していた大学全ての合格が絶望的になり、挙句、恋人すら失った。
俺はたった一日のそれも、腹痛という情けない理由で地獄のどん底にたたき落とされた。もう、面白すぎて笑いも出てこない。代わりに何でだろう、涙が……。
「ぐす、泣いてないもん」
少しでも気分を盛り上げようと呟いて、鳥肌が立った。我ながら今のはキモすぎた。ふらふらと、小さな公園に入り込んだ。真っすぐ家に帰る気分にはなれなかった。
この名もない公園――否、正確には名前はあるんだろうが、俺は知らない――は、俺にとってとても思い出深い場所だった。
俺は母親の顔を知らない。俺を産んで1年後に死んでしまったので、幼かった俺は母親との記憶が一切ないと言ってよかった。
父も俺と姉さんとの生活のため、と妻を亡くした悲しみから逃げるために、仕事に懸りきりになり俺は両親の愛を知らずに育った。
幼い俺は、周囲の子供たちが各々の両親と仲よく過ごしているのを見るたびに、まるで自分が世界で一番不幸であるような、今思えば幼稚な悲しみに暮れた。
そんな俺を支えてくれたのが、たった2つしか年の違わない姉さんだった。
姉さんは俺に優しく、そして時には厳しくまるで母親のように接してくれた。そう、俺にとっての姉さんは姉であり、そしてまた、母でもあった。
しかし、矢張り俺も当時は幼かったのか、姉の愛情に気付けず両親のいない寂しさから反抗し、家を飛び出してしまう事が多々あった。
そんな時は、俺はいつもこの公園の、まさにこのベンチに座ってぐずっていた。
この公園のベンチは、丁度俺たちが住むアパートの窓から見える場所にあってここに居れば、探しに来てくれた姉さんが俺を迎えに来てくれた。
幼いなりの反抗は、やっぱり姉さんに構って欲しい故の行動だった。見慣れた公園も、一面銀世界でまるで違う場所に迷い込んだようだった。
姉さんは、俺の事をいつも第一に考えてくれた。姉さんの大学進学の時も、本当は進学せずに就職するつもりだった姉さんを散々説得して、どうにか説き伏せたのだ。
その時も姉さんは、理由を言わなかったけれど、きっと俺のために就職するつもりだったのだろう。
この田舎町に住みながら通えるような大学は、一つもなく、姉さんは俺を一人にしないために進学をあきらめるつもりだったのだ。
そして姉さんの大学進学から2年がたって、今度は俺の受験の年になった。その年の夏休みに帰省した姉さんは、唐突に、
「半年間、学校休むから」
と宣告した。驚いた父親と俺が理由を尋ねると、
「一理の家庭教師やるから」
と、さも当然といった顔でさらりと言ってのけた。
「文系の姉さんに理系の俺の家庭教師が務まる訳ないじゃん」
と抵抗する俺に対して、
「センターの範囲くらい楽勝よ。というか、もう休校届も出してきたから」
とまったく聞く耳もたなかった。
その日から、姉さんのマンツーマンによる勉強会が始まったのだけれど、超スパルタだった。
問題が解けなければ、手どころか足まで飛んでくるわ、恋人と勉強会に行くと言えば、
「二人きりで勉強しても、どうせイチャイチャするだけで集中できないわよ」
と、許してくれなかった。
何度かこっそり彼女の家に行こうとしたら、悉く見つかってみっちり折檻された。姉さんには第三の目でもあるのだろうか。
まあ、その時は恨み節を心の中で毒づいていたけれど、姉さんのお陰で成績が上がったのは確かだった。
やはりというか理系科目についてはあまり成果が出なかったけれど、苦手な文系科目がぐんと上がったのは姉さんの分かり易い教えがあってこそだった。
理系は元々得意だったから、文系の点数底上げによって志望校が合格圏内にたった半年で近づいたのも事実だった。
センター一日目が終わった時なんて、センター試験が終わったら姉さんに何かお礼をしようと思っていたくらいだ。
それなのに、終わってみればこのザマ、合わせる顔があるはずなかった。
俺のために、わざわざ半年間休校してまで俺に勉強を教えてくれた姉さんに申し訳が立たない。
姉さんは、まだ結果が出ていないんだからウジウジしないの、と昨夜から落ち込んでいる俺を優しく慰めてくれたのに、
「うるさいな!放っといてくれ!」
と、八つ当たりしてしまったのも会いにくい要因の一つだった。それから口も聞こうとしなかった俺を今朝、姉さんは哀しそうな顔をしながら笑って送り出してくれた。
あんな姉さんの顔を見るのは、そう、姉さんが大学進学を機に家を離れるとき以来だったと思う。公園のベンチに積もった雪を払い、腰を下ろす。
ひんやりと尻が残った雪に冷やされる感覚。普段はズボンが濡れるのは最悪だと思うところだけれど、今日はその感覚さえ何処か心地よかった。
雪。
ぱらぱらと雪が降っている。大粒だが綿のような、確か牡丹雪と言っただろうか。
この町は、普段ならば雪は降らない。余り雪が降っている様子を見た事がない俺としては、テンションが上がってもいいものだろうが、
残念ながら、今の俺がそんな気分になれるはずもなかった。寧ろ、絶望の象徴でしかない。次から次へと、舞い落ちる、舞い落ちる、と。
座ったまま、足元に積もった雪を蹴り飛ばす。花びらのように、雪が中空にふわりと舞う。そして落ちる。
せめて。
せめて、雪じゃなくて、雨が降ってくれればよかったのに。
地面に叩きつけるように、強く、強く、降ってくれれば思いきり泣けそうな気がする。思いきり泣けば、このやり様のない気持ちも楽になってくれるかもしれないのに。
只、冷酷に雪だけが降る。それはまるで、絶望にも似た。
たった、一日だ。たった一日で俺の人生は、大きな転換を余儀なくされていた。
「どうすればいいんだよ」
曇天の空に吐き捨てる。浪人や私立に行くようなお金はウチにはない。頼めば許してはくれるだろうけど、今まで男手一人で育ててくれた父親に負担はかけたくなかった。
「どうしたら、いいんだよ……」
俯く。かくんと首が曲がり、暫くは顔を上げる事が出来ないかもしれないと思った。
神様なんていない。
もし居るならば、せめて、これから俺はどうしたらいいのか教えてほしい――
と、制服の胸ポケットでケータイが震えた。どうせメールだろうと思ってしばらく放置しても振動は止まらない。どうやら電話のようだった。
ゆるゆると手を胸ポケットにつっこんで、ケータイをとりだした。
画面には「姉さん」の文字。
電源ボタンを押そうとして、刹那の躊躇の後、通話ボタンを押した。
「もしもし……」
ケータイを耳にあてた。
「……」
けれど、ケータイの向こうに居るはずの姉さんは応えない。ただ、かすかな息遣いのみが聞こえてくる。
「姉さん?」
再度呼びかける。それでも返事はない。
イライラがこみ上げてくる。弟がこんな思いをしてるときに、イタ電かよ。ち、と聞えよがしに舌打ち。
「何だよ、悪戯かよ。何もないなら、もう切るぞ」
イライラを隠さずに告げて、電源ボタンに手をやろうとして――
ぐす、と鼻をすする音が聞こえた。
「な、まさか泣いてるのかよ」
その時の俺の気持ちは、驚愕、といっても良かっただろう。姉さんが泣いてる所なんて、最近見たことなかった。
申し訳ないな、という気持ちが再び胸を過った。姉さんは俺の事を思って勉強を教えてくれて、そして失敗した俺の事を心配してくれている。
それなのに、俺ときたら自分の事ばかりで。姉さんの気持ちなんて、考えようとしなかった。
「姉さん、その……」
ごめん、とどうしても言いにくい一言を絞り出した。小さくて聞き取りにくかっただろうけれど、姉さんまでは確かに届いただろうと思う。
その証拠に姉さんは、
「ずず、へ、何か言った?」
「鼻すすってただけかよ!?」
俺の感動を返せ!利子つけて返せ!
*****
「んで、何の用だよ」
ケータイの向こうに向かって話す俺の声は、すっかり剣呑なものになっていた。
「何よ、不機嫌ね。何かあった?」
対する姉さんは、至って涼しげ。全く気にした風もない。
何かあったって、テメエな……。
「別に何も」
何もなかったわけがないのだが、はっきりと答えるのが癪で意地を張る。
それでも姉さんには、何があったか手に取るように分かったらしい。
「ダメだったのね……」
と、ようやくしおらしい声で呟いた。
まあ、昨夜からあんなに落ち込んでいたんだから結果がどうであったかなんて推して知るべし、だろう。姉さんの献身的な助力空しく、俺は失敗した。
ごめんな、と謝ろうとしたけれど羞恥とかプライドとか、そんなちっぽけな感情が邪魔をして言葉にはならなかった。
無言のままの俺に対し、
「それで、どうするの?」
「どうするって……」
「玉砕覚悟で第一志望受けるの?」
「無理に決まってんだろ」
玉砕覚悟とかの前に、既に砕け散っている。木っ端微塵に。
「じゃあ、ランク落とす?」
「こんな点数で行ける大学なんて、国立にはねえよ」
もしかしたら、私立や片っ端から探せば国立にもあるのかもしれないが、このセンターの点数で行ける所なんて言葉は悪いが高が知れている。
第一志望が、第一志望だっただけに、何というかプライドが許さないのだ。
「でも、それなら、彼女とどうなったの?」
「……振られた」
「そう、それは何と言うか……ご愁傷さま?」
「慰める気あんのか、この野郎」
野郎じゃないわよ?と惚けた事をぬかす姉さん。
志望校が分不相応にレベルが高かったので、姉さんにしつこく理由を聞かれ結局ゲロってしまったのだ。
こんな傷口に塩を塗りこまれるような羽目にあうと知っていたなら、どれだけ暴行にあっても決して口を割ったりしなかったのに。
「浪人するつもり?」
「出来るわけないだろ」
「何で?金銭面の話なら別に1年くらいなら大丈夫だと思うわよ」
「そうかもしれないけどさ……」
父親に負担をかけたくない、とは何となく恥ずかしくて言えない。
俺が口ごもっていると、くすくす、と笑い声が聞こえた。
「一理らしいわね」
「な、何がだよ」
笑い声で姉さんが答えた。どうやらお見通しのようだ。俺の顔が、かあっと赤くなったのが自分でもわかる。
寒さのせい、寒さのせい、と言い聞かせる。首をすくめマフラーに鼻から下を埋めた。
「ねえ」
姉さんの声。何だろう、さっきまでとは声の質が違って聞こえた。
何だか、緊張しているような、少し硬い声。
緊張?姉さんが?一体何に?
「一理はさ、」
姉さんが俺の名を呼ぶ。少し上ずったような声で。
俺は眉をしかめた。何だろう。姉さんのこんな声聞いた事がない。
何だよ、と訝しげに尋ねる。
うんとね、と姉さんは歯切れが悪い。それからお互い無言のまま、5秒くらい間をおいただろうか。
ようやく姉さんが口を開いた。
「私と同じ大学受ける気はない?」
「は?同じって、姉さんの大学でも無理なんだけど……」
姉さんが通う大学は、俺の第一志望ほどではないにしろ、そこそこ偏差値が高い。
国立大学には珍しく、都市部にキャンパスがあるので受験者も多いほうだ。俺のセンターの結果では前期も後期にも受かる芽はなかった。
けれど姉さんは、そうじゃなくて、と少し必死さのにじんだ声色で否定した。
じゃあ何だよ、と答える俺の声はまた剣呑さを増していた。
自分にしか非はないと分かっていたとしても、センターの結果について触れられるとイラついてしまう。
「一理が言っているのは理系の学部に限定しての話でしょ?文系の私と同じ法文学部なら倍率も例年低いし、文系科目のセンターの配点高いし……」
大丈夫、だと、思うん、だけど。
俺の無言をプレッシャーのように感じたのか、姉さんの言葉が尻切れトンボになっていく。
俺はと言えば、姉さんの言葉を咀嚼していた。法文学部ねえ。
「俺、法律とか全く興味ないんだけど」
「そんなの、不純な動機で第一志望選んだ一理には関係ないと思うんだけど」
俺の声ににじんだ迷いに感づいたのか、姉さんの声が直ぐに平常に戻る。
確かに俺は将来の夢もない、ニート予備軍のような人間で、志望校も彼女に合わせただけだが。
それでも、法律を学ぶというのはちょっと腰が引けてしまう。
大体法律を勉強して、どうするというんだろう。将来は弁護士にでもなれっていうのか?
「最初に言っとくけれど、法文学部に言ったからって法律ばっかり勉強するわけじゃないから。まあ、大学によってくるとは思うけど、
少なくとも私が通う大学は、法律科目以外の講義もあるし、何より単位を取るのはそんなに難しくないわよ」
あと、弁護士とか一理には絶対無理だから、と付け加えてきた。
……姉さんは俺の心の中が読めてたりするんだろうか。
「そこなら、私二次試験の勉強についてもアドバイスできると思うし、何より入学した時家賃もかからないし……経済的だと思わない?」
「って、一緒に住むのかよ!」
「別にいいじゃない、どうせ当初はモトカノと住む予定だったんでしょ。それが私になるだけじゃないの」
「恋人と姉じゃ、全然違うと思うんだが……」
「元、恋人、でしょ?」
嫌がらせなのかわざわざ元を強調しやがる。この野郎。心の中で毒づいた。
「父さんに負担をかけたくない一理に、私としても物騒な世の中で女の一人暮らしは何かと不安なの。どう、利害は一致すると思うんだけど?」
「不安って、姉さんがそんなタマかよ」
「あら、自分でも言うのもなんだけど私結構綺麗な方なのよ?」
「本当に自分で言うのもなんだな」
だが、否定はできなかった。確かに姉さんは綺麗だ。
女性の割に背は高く、足がすらっと長く所謂モデル体型。胸は少し小ぶりだが、時に運動もしていないはずなのにウエストはきゅっと引き締まっている。
高校までは、肩までの長さだった黒髪が大学生になって、色は茶色に、長さもさっぱりとショートカットにして印象がガラリと変わっていた。
目は少し切れ長で鼻はすっと筋が通り、唇は小さい。大学生になって何度かスカウトされたこともあるようだ。
その割には男の気配が全くないのは、ちょっぴりSっ気のある性格のせいか、はたまた彼氏はいるが只隠しているだけなのか。
後者だとすると、この半年俺に付きっきりだった姉さんを彼氏として許せるほど、心の広い男と言う事になるが。
「何信じてないの?これでも、何度か痴漢にあった事もあるし、不審者に声かけられたこともあるのよ」
「え、大丈夫だったのか!?」
「大丈夫に決まってるでしょ?そうじゃなかったら今こうして一理と話せていないわよ」
「……それもそうだな」
それにしても、正常な男の俺にとっては、痴漢とかそういうのは漫画とかフィクションの世界のモノでしかなかったが、こんな身近に存在しているモノなのか。
「それで、どう?悪くはない話だと思うんだけど」
確かに悪い話ではない。何度も言うようだがセンター試験1日目、つまり文系科目の手ごたえは良かった。
自己採点による点数も文系に限って言えば8割ちょいで、姉さんが通う普通の大学の文系学部は、基本的にセンターの文系配点が理系よりも高く受かる可能性は高い。
倍率も1〜2年でそうそう上がるものじゃないだろうし、姉さんの言うとおり低いのだろう。
「それなら、別に姉さんと一緒じゃなくても別の大学の文系受けるのも手だと思うんだけど」
姉弟一緒の大学と言うのは、やっぱり気が引けるというかなんというか。けれど、姉さんは、
「あのね、今更別の大学の二次対策として勉強を始めた所で、そうそう上手くいくわけないでしょ」
「そうなのか?二次試験なんてどこも似たり寄ったりじゃ……」
「そんなわけないじゃない。二次試験はセンターよりも難易度は上がるし、正直私に教えられるのなんてウチの学部の二次対策だけよ」
「う〜ん、でも別に赤本とか買って、1か月みっちり勉強すれば……」
「元々、理数系の一理じゃ無理よ。何、浪人したいの?」
「そ、そういうわけじゃ……」
別にどこの大学も国立で似た偏差値ならば、二次試験に大した差はないとは思うのだけど、経験のない俺よりも経験者の姉さんの言葉の方が説得力があった。
もし、自分の考えを信じて姉さんの通う所とは違う大学を受けて失敗したら、それこそ目も当てられない。
それに、こう言う事で姉さんが嘘をつく動機がない。俺と一緒の大学に通いたいと言うならともかく。
浪人・私立は無理、姉さんの言葉を信じるならば、残された道は確かに一つしかないようだった。俺は、深く息を吐いた。相変わらず吐息は、白く光る。
「分かった。そこ目指してみるよ」
「そう、それなら明日から二次対策ね」
素っ気なさを装ったような声はしかし、ほんの少し喜色が滲んでいるように感じたのは俺の錯覚だっただろうか。
それにしても、いつまでたっても姉さんに頼ってばかりだな。
俺だって、姉さんに何かしてあげられるような事があればいいのだけど、今の身分じゃ経済的にも地位的にもできる事は少ない。
「姉さん、あのさ」
「ん、どうしたの?」
「いつも、ありがとう、な」
「……どうしたの急に」
「センターの事もそうだけどさ、俺っていつも姉さんに頼りっぱなしだからさ。それに、これからもきっと頼る事になりそうだからさ」
「ふふ、いいのよ。私がやりたくてやっているんだから」
「うん、でもさ」
手袋に包まれた自分の掌。温かく、柔らかいものに守られている俺の掌には、マメ一つない何の苦労も知らない、掌。
この掌は小さくて、限られたものしか掴めない。凡人である俺に守れるものなんて、そう多くない。
「俺さ、大学に合格したらバイトするから。家事だってやる。姉さんがいない2年間の間に料理できるようになったんだ」
姉さんへ少しでも多く恩返しがしたい。そのためなら、一緒に暮らすというのも悪くない。勿論、恥ずかしいけれども。
「そう、それは今から楽しみね」
姉さんがケータイの向こうで優しく笑う声が、やけに近く聞こえた。
「俺、頑張るよ。今度こそ、絶対上手くやるから」
ええ、と姉さんが耳元で囁いた。ふわ、と体が温かく、柔らかいものに包まれた。
え、と思わず口から声が漏れた。いつの間にか背後にいた姉さんに、抱きすくめられていた。
「良く、頑張ったわね」
姉さんの声が、耳にピッタリと付けたケータイよりも近い所から聞こえる。
目頭が熱くなる。いつもそうだ。姉さんに抱き締められると、とても安心して泣きたくなってしまう。
「まだ、終わってないし」
何とか平然を装ってみせる。けれど、そんな強がりが姉さんに通用するわけもなくて。
「そうね、これからも一緒に頑張りましょ」
ぐす、と鼻が鳴ってしまう。態と体を震わせて、寒いせいだよとアピールする。姉さんは何も言わず、抱きしめる腕の力を強めた。
やっぱり姉さんには敵わない。少なくとも、今はまだ。
「一理は変わらないわね。幼いころから、何か辛い事があったらこの公園のベンチに座って。じっと涙を堪えている姿が、今でも目に浮かぶわ」
ねえ、覚えてる?と姉さんは続ける。お互い厚着なのに、密着した体から熱を伝わってくる。姉さんの吐息が耳にかかって、こそばゆい。
「一理がこの公園に逃げ込んだ時は、いつもここで一緒に踊ったこと」
「『哀しい事を全部ばらまいて、一緒に蹴り飛ばしながら踊りましょう』だろ」
今もしっかりと覚えている。初めての家出でこの公園に迷い込んだ俺をあっという間に見つけた姉さんは、そう言って俺の手を取り一緒に踊りまわったのだ。
踊るというには余りにも拙く、傍から見れば、ただ、足を振り上げながらぐるぐる回ってだけにしか見えなかったのだろうけれど。
それ以来、俺が何か悲しい事があってこの公園に逃げ込んだ時はいつも、姉さんと一緒に踊る事が習慣になったのだ。
「もう、そんな言葉まで覚えていたの、恥ずかしいじゃない。あの頃はまだ私も多感なお年頃だったの」
姉さんが、俺の頬をきゅうと引っ張った。俺が痛てて、と軽く呻くと姉さんは直ぐに手を離した。次いで首にまわした両腕もほどき、俺から離れた。
すうっと冷たい風が、体に吹き付ける。少しだけ、名残惜しい気持ち。うう、俺ってシスコンなのだろうか、なんて。
そんな俺のささやかな苦悩には気付かず、姉さんが俺の目の前に回った。中屈みになって、すっと手を差し出してきた。
白く、細やかな姉さんの手。けれど、その手には手荒れのあとが深く残っている。
感謝と申し訳ない気持ちになって、俺は自分の手から手袋を取った。その手袋を姉さんに渡そうとするけれど、姉さんは軽く首を振って、
「さあ、踊りましょう?」
普段の俺なら、恥ずかしがって手を取ろうとはしなかっただろう。けれど、今日は無意識に姉さんの手を取っていた。
姉さんの手、冬の空気にきんと冷やされている。まだ熱を持っている俺の手で、少しでも温める事が出来たらと思う。
俺の掌より、一回り小さな掌。零れおちないように、そっと力を込めた。姉さんに手をひかれて立ち上がる。
そして、やっぱり拙い足取りで、二人、くるくると回り出す。時折足を蹴り上げて、その拍子に積もった雪が花吹雪のように中空を舞う。
宙に舞った雪が、キラキラと輝く。気がつくと、雲の切れ間から一筋の光がさしていた。
祝福の光の射す銀世界を、疲れて息が上がるまで踊り続けた。
*****
ふむ、と一理が問題文を視線で追っている。私は、愛する弟である一理のすぐ隣に座ってその様子を眺める。
一理が新たに目指す大学の二次試験まで、後1か月弱しかない。マークシート方式のセンターとは違って、二次試験は記述式でそれだけでも難易度は高くなる。
とはいえ、一理のセンター試験の結果は文系科目だけならかなり良い点を取れているのでこのまま行けば、ほぼ合格だろう。
そう、最早、私と一理が姉弟で一緒の大学へ通うだけでなく、一緒に暮らす事は確定事項と言っても良い。
「どうしたんだ、姉さん、にやにやして」
問題を解き終わったのか、一理が訝しげな視線を送ってくる。
いけない、いけない。あまりにも計画が上手くいきすぎて、思わずにやけてしまった。
まずあり得ないだろうけれど、一理に計画の事を悟られるのはまずい。
ふむ、念には念を押して、後で下剤も処理しておいた方がいいかしらね。
あと、ケータイにある一理の元恋人とのメールとメアドも。
……他に、処理しておいた方がいい物はあったかしら。
頭の中で、後始末の手筈を思い浮かべながら首を振る。
「何でもないわよ」
「ふーん?」
一理は特に気にした風もなく、再び参考書に視線を落とした。
「ねえ、一理?」
「ん〜?」
呼びかけると、視線はそのままで一理が生返事。
「楽しみね、これから」
「ん〜、まあ、大学受かってからだな。まずは」
「ふふ、そうだったわね」
そう言いながらも、私は来るべき日々に思いをはせる。
久しぶりにこの町に降った雪もあと数日後には、跡形もなく溶け去ってしまうだろう。
そして、直ぐに桜が咲いて、春が来る。麗らかな日射しの中で、まずは一理と二人散歩をしよう。日当たりの良い公園で、昼寝をするのも良いかもいしれない。
キラキラと輝く、眩しい未来を想起して、私の頬は矢張り緩んだ。
以上です
キモ度は低いかもしれないですが、キモ姉を書けて満足しました
それではスレ消化失礼しました
なかなかタイムリーなお話で。なんか……いいっすね……。
久し振りに爽やかなのを読んだ気がするよ。
ぐっじょ!!
406 :
名無しさん@ピンキー:2010/01/21(木) 13:34:42 ID:neS5uJsb
非常に和んだ
よかった
GJです!
なんだか和んでしまいました
弓張月の続きも楽しみにしています
三つの鎖 13 前編です。
※以下注意
血のつながらない自称姉あり
エロあり
アナルあり
誰もいない早朝の教室で私はぼんやりしていた。
最近、梓は早朝に登校することはない。いつもお兄さんと登校しているらしい。昔に戻っただけだけど、それでも少し寂しい。
私はため息をついた。霧のように不安がまとわりつく。別に嫌な事があるとか、不安を感じさせる出来事があるわけではない。むしろ逆だ。何もかもが順調なのだ。
お兄さんはすごく優しい。優しいだけではなくて、私の望んでいる事をさりげなく行ってくれる。
最近、私とお兄さんは放課後に一緒にいる事が多い。いつもお兄さんがそれとなく誘ってくれる。本当なら柔道の練習に行ったり家事があったりでお兄さんは忙しいはずだけど、家事は梓と分担するようになり、柔道は頭を強打したのでしばらく休むらしい。
放課後にぶらぶらした後、私の家でエッチするのが最近の日常だった。思い出すと思わず顔が熱くなる。
優しいお兄さんも好きだけど、ベッドで私を求めてくれるお兄さんも好きだ。私の好みに合わせて少し激しくしてくれる。
私は変態なのかもしれない。お兄さんにちょっと乱暴に抱かれるのが好き。必要とされているように感じて嬉しいし気持いい。お兄さんは最初は優しくしてくれたけど、私の好みが分かってくれたのか最近はいつも少し激しくしてくれる。
その後お兄さんは料理を作ってくれる。お兄さんはいつも食べずに帰るので私は一人で食べるけど、寂しいと思ったことは無い。いつも自分で作ったカレーを一人で食べるのに比べたら何とも思わない。
順調なのに不安を感じる。いや、順調すぎるから不安を感じるのだろう。ぜいたくな悩み。
私はため息をついて窓から校門を見た。まだ誰かが登校する時間ではない。早朝の部活に参加する学生だってまだ家にいる時間だ。と思ったら一人歩いている。
誰か一瞬で分かった。お兄さんだ。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「びっくりしましたよ」
夏美ちゃんと僕は屋上のベンチに座って話した。
「こんな早くにお兄さんが来るなんて」
確かに登校には早すぎる時間だ。他に学生は誰もいないだろう。
「今日はどうしたんですか?」
不思議そうに僕に尋ねる夏美ちゃん。まっすぐな視線が突き刺さる。
「教室で本でも読もうと思って」
本当は違う。家にいずらいのだ。最近、梓は何かと僕を心配し気を遣う。何か感づいたのかもしれない。何かと世話を焼き甘えてくる。それがつらい。今は一人でいたい。
あの日以来、僕は春子を幾度となく抱いた。
春子のご両親が留守の時は春子の部屋で、そうでない時はホテルを利用した。いつも春子から誘ってきた。
僕は断らなかった。断われるわけがなかった。脅されているとはいえ、罪の意識は消えない。
春子の誘いに僕は抵抗した。何度も春子にやめるように頼んだ。
それでも春子は聞いてくれなかった。映像の事を持ち出して僕を脅した。そうなると僕は何も言えないし、逆らえない。
夏美ちゃんと一緒にいる今も、強烈な罪悪感が胸を締め付ける。
「夏美ちゃんこそこんな朝早くにどうしたの?」
僕は罪悪感を隠して夏美ちゃんにほほ笑んだ。絶対に知られるわけにはいかない。
夏美ちゃんは何も言わずにじっと僕を見上げた。澄んだ瞳が僕を映す。
瞳に映った僕は何も変わらない穏やかな笑顔だった。笑顔を作るのだけはうまくなった。
突然、夏美ちゃんは僕に抱きついてきた。僕の胸に顔を埋める。
「どうしたの?」
僕は夏美ちゃんの背中に腕をまわし抱きしめた。夏美ちゃんは僕の腕の中で震えている。
「嫌なんです」
夏美ちゃんの言葉に心臓が止まりそうになる。
「あの家にいると、昔を思い出して嫌なんです」
違った。安堵のため息を飲み込む。
「何がだい?」
「私のお母さんとお父さん、今はお仕事で海外に住んでいます。二人とも別の国にです。お父さんもお母さんも一緒に住もうって言ってくれますけど、私選べないんです。だから私一人であのマンションに残ってるんです」
夏美ちゃんの声は震えている。
「お父さんもお母さんも仲はいいです。私、お父さんもお母さんも大好きです。だからどちらか選べって言われたとき、選べませんでした。だから私一人で日本に残ったんです。正直寂しいですし、不安です」
僕にしがみつく夏美ちゃんの腕に力がこもる。とても非力な力。
「今も不安なんです。お兄さんが優しいのが不安なんです。もしかしたら何かあるんじゃないかって。私の事が好きなんじゃなくて他の理由で私に優しくしてくれているんじゃないかって」
胸に渦巻く罪悪感が僕を苛む。今すぐ逃げ出したい衝動を必死で抑えた。
「分かってます。私の被害妄想だって。お兄さんはそんな人じゃないのに」
夏美ちゃんの言葉が僕の心に突き刺さる。
「ごめんなさい。私お兄さんの事を愛しています。でも好きになればなるほど不安に思うんです」
「安心して夏美ちゃん」
僕は夏美ちゃんの頬にキスした。
「僕も愛しているよ」
泣き笑いの表情で夏美ちゃんも僕の頬にキスしてくれた。
僕は最低だ。
今すぐに何もかもをぶちまけたい。でもそんな事をしても何になるのか。
「ひっくっ、好きです、ぐすっ、愛しています」
ぐずりながら僕に愛していると囁く夏美ちゃん。罪悪感が胸を締め付ける。
僕はキスしながら夏美ちゃんの太ももを撫でた。夏美ちゃんがびくりと震える。
「あっ……そんなっ……だめですっ……」
かすかに顔を赤くして身をよじる夏美ちゃん。僕はスカートの上から軽くなぞる。
「ひあっ……こんな場所で……あんっ」
恥ずかしそうに抵抗する夏美ちゃん。
「夏美ちゃん」
僕は囁く。
「忘れさせてあげる」
夏美ちゃんは震えた。期待するかのように僕を見上げる。何度も見た綺麗な瞳。
僕は夏美ちゃんのスカートに手を入れ下着に手をかけた。夏美ちゃんは腰を浮かす。脱がした下着はかすかに濡れていた。
スカートの下から手を差し入れ、夏美ちゃんの膣の入り口をなでる。
「ひうっ……ああっ……んっ……」
僕の腕の中で震える夏美ちゃん。吐きだす息が熱い。僕は指を膣に挿入した。
「ひっ!」
硬直する夏美ちゃん。膣はすでに濡れていた。僕は指を何度も出し入れする。
「ひあっ…あっ…んんっ…きゃふっ」
可愛い声を出して震える夏美ちゃん。僕は指を抜いた。
荒い息をつく夏美ちゃんに僕は囁いた。
「どうする」
夏美ちゃんが泣きそうな顔をする。
「ひぐっ…おにいさん…いじわるしないで…」
「ごめん」
僕は夏美ちゃんの頬にキスした。手早くコンドームをつける。ベンチを降り床に座る。
夏美ちゃんの体を引きよせ僕の膝の上に向かい合って座らせた。夏美ちゃんの腰を浮かせ、膣の入り口に剛直の先端を当てる。夏美ちゃんの体がびくりと震える。
「入れるよ」
僕はゆっくりと夏美ちゃんの体を沈めた。剛直がゆっくりと膣に包まれる。
「ひっ…ああっ…入ってますっ…あうっ…」
僕にしがみついて震える夏美ちゃん。声には隠しきれない快感。
やがて剛直の先端が膣の一番奥をつつく。夏美ちゃんがひときわ大きく震えた。
夏美ちゃんにキスして僕はゆっくりと小さい体を揺さぶった。
「ひあっ…んんっ…きゃうっ…ああっ…」
ゴム越しでも夏美ちゃんの膣をこする感覚が気持いい。僕はゆっくりと揺さぶり続けた。夏美ちゃんの体が震える。
「んっ…おにいさんっ…おねがいです…あっ」
夏美ちゃんは僕の腕の中で切なそう僕を見た。この姿勢だと夏美ちゃんの顔がすぐ目の前にある。
「もっとっ…乱暴にっ…」
目の前の夏美ちゃんの顔が羞恥に染まる。
何度も夏美ちゃんを抱いて分かったけど、夏美ちゃんは少し乱暴にされるのが好きだ。もちろん、本気を出して腰を動かすと夏美ちゃんの体力が持たないし、僕ももたないのでで抑えているけど。
僕は夏美ちゃんに少し乱暴にキスすると、腰の動きを少し速めた。
「ひうっ!?」
夏美ちゃんが嬌声を上げる。少し大きめに腰を動かし、膣の奥を何度もつつく。
「ひあっ、きゃんっ、ああっ、ひっ、やあっ」
嬉しそうに夏美ちゃんが体をよじる。僕はその動きを抱きしめて抑え、さらに夏美ちゃんを責める。
「やあっ、らめっ、ひぐっ、ひあっ、いやっ」
夏美ちゃんの言う事とは逆に膣は締まる。僕は動きを抑えつつも執拗に責めた。
「ひあっ、なしゅみっ、もうらめっ、らめっでふっ、あっ、ああっ、あああああああーーーーーっっっっ!!!!!」
強烈な快感。夏美ちゃんの膣が剛直をきつく締める。僕は腰の動きを止めた。背中を反らし震える夏美ちゃんの首筋を舐める。
「ひうっ…あっ…ああっ…」
とろんとした目で僕の顔を見る夏美ちゃん。僕は耳を甘噛みした。
「ひゃう!?」
「まだいける?」
僕は硬いままの剛直で夏美ちゃんを突き上げた。
「ひうっ!」
震える夏美ちゃん。夏美ちゃんは僕を見てこくこくと頭を縦に振った。
僕は腰の動きを再開した。夏美ちゃんの甘い声と体に僕はおぼれた。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
最近兄さんの様子がおかしい。
見た目こそいつも通りだけど、何となく元気がない。いや、苦しんでいるように見える。聞いても何でもないと微笑む。その笑顔も見た目はいつも通りだけど、何か違う。
今日の兄さんは朝食を食べたらすぐに家を出た。今日は私が食事当番だから私は朝食を片付けていた。
片付けが終わると私はすぐに家を出た。兄さんのそばにいたい。
学校に走る途中、学生は誰もいなかった。まだ早い時間だ。
私はまっすぐに兄さんの教室に向かった。教室には誰もいなかった。いったいどこに行ったのだろう。
ふと夏美の事が脳裏に浮かんだ。夏美はいつも朝早くに登校する。もしかしたら夏美と話しているのかもしれない。
邪魔していいのだろうかと一瞬考えたけど、構うものかと思った。本当ならこの時間は家で兄さんと一緒にいる。一緒に登校している。今の兄さんの時間は私のものだ。
しかし私のクラスにも兄さんはいなかった。夏美もいなかった。
誰もいない教室で私は考えた。どこにいるのか。ふと屋上が浮かんだ。屋上は私もよくいく。もしかしたらそこにいるのかもしれない。
私は階段を駆け上り屋上への扉に手をかけた。そこで私は固まった。
かすかに聞こえる喘ぎ声。
私はゆっくりとドアのノブを回し、微かに扉を開いた。隙間から屋上をのぞく。何も見えない。
屋上の間取りを脳裏に浮かべる。ベンチは入り口から死角にある。私は音をたてないようにドアを開き屋上に足を踏み入れた。はっきりと聞こえる。喘ぎ声。夏美の声。
私は壁からベンチのある方向をこっそりのぞきこんだ。
屋上に座った兄さんにまたがる夏美。夏美は兄さんに揺さぶられて嬌声をあげている。兄さんは何度も夏美にキスした。そのたびに夏美は甘い声をあげて震えていた。
目の前の光景が理解できない。頭が真っ白になって何も考えられなかった。
夏美の喘ぎ声が耳に響く。嬉しそうな気持ちよさそうな声。兄さんは腰を大きく動かして夏美を揺さぶる。
分かっていた。兄さんと夏美は恋人同士だからお互いに体を重ねている事も。時々家に帰ってくる兄さんの髪から知らない香りがする事も。兄さんは私の兄さんでしかない事も。
それでも私はどこか幻想を抱いていた。兄さんが一番大切にしてくれるのは私だと。兄さんの妹は私だけなんだと。
足元にしずくが落ちる。涙がとめどなく溢れた。
私は兄さんの妹でしかないんだ。
兄さんの腰の動きが激しくなる。夏美は必死に兄さんにしがみついてる。そして兄さんの動きが止まった。二人はお互いに体を震わせながら唇をむさぼる。
私は二人に背を向けた。屋上を出て扉を閉める。走って学校を飛び出した。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
一時間目の授業は頭に入らなかった。
早朝の夏美ちゃんとの情事を思い出す。自覚すればするほど自分の行動の最低さを思い知る。
あの時、僕は夏美ちゃんに忘れさせてあげると言った。本当は逆だ。僕が忘れたかったのだ。春子に脅迫され夏美ちゃんを裏切っているという現実を忘れたかったのだ。そのためだけに夏美ちゃんを抱いた。
どこまで堕ちればいいのか。
気がつけば一時間目が終わろうとしている。いけない。僕は気持ちを切り替えた。
一時間目終わった後の休憩時間に夏美ちゃんが訪ねてきた。不安そうに僕を見る。
「お兄さん。梓から連絡来ていませんか」
もちろん無い。
聞くと、梓が学校に来ていないらしい。携帯もつながらない。お弁当の入ったカバンが机にかけたままだから一度学校に来たのは間違いないらしい。
夏美ちゃんが帰った後の授業中も考えた。今日の朝はいつも通りの梓だった。いったい何があったのだろうか。
ある事に思いつき背筋が寒くなる。まさか、朝屋上で夏美ちゃんとの情事を目撃されたのではないだろうか。
深呼吸して息を吐き出す。今は情報が少なくて何とも言えない。
次の休み時間に僕は家に電話した。しばらくして誰かが電話に出た。
「梓?」
無言。誰かの呼吸が聞こえる。そして声が聞こえた。
『兄さん』
梓だ。僕はほっとした。
「今日はどうしたの?」
『ごめん。体調不良みたい』
梓の声は沈んでいた。大丈夫だろうか。
「帰ろうか?」
『いいよ。そこまでひどくはないし。私の鞄だけお願い』
「分かった。無理はしないで」
『うん』
そう言って梓は電話を切った。
梓が体調不良なのは心配だけど、とりあえず家にいる事は確認できた。
僕はため息をついた。気持ちを切り替え授業に集中した。
梓と春子と夏美ちゃんの顔が浮かんで消えた。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
梓どうしているのかな。
私はため息をついた。三時間目は私の苦手な数学だけど、どちらにしても集中できないだろう。
梓の席を見る。鞄だけかかった机。
お兄さんも知らないって言っているし、どうなっているのだろう。
三時間目が終わった後の休み時間に私は携帯を確認した。お兄さんからメールが来ていた。
『梓は家にいる。体調不良らしい。心配をかけてごめん』
私はほっとした。梓は無事だったんだ。でも体調不良か。大丈夫かな。放課後にお邪魔でなければお見舞いに行ってみよう。
ついでに私はお兄さんをお昼に誘ったけど、先約があると断られた。残念。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
お昼休みに春子は僕の手を引いて生徒会準備室に来た。正直、一人でいたかったし、夏美ちゃんにも誘われたけど、春子は強引に僕を連れてきた。
春子は僕にお弁当を差し出した。
「お弁当を交換しよ」
春子のお弁当をずいと突き出して笑顔で言う春子。
僕が答える前に春子は自分のお弁当を開けた。サーモンマリネのあるお弁当。ちょっとおいしそうかも。
春子はお箸でお弁当のおかずをつかみ僕の顔に寄せた。輝くような笑顔を向けてくる。
「あーん」
僕はげんなりした。
「あーん」
笑顔で繰り返す春子。
僕はため息をついて春子に食べさせてもらった。どうせ断っても脅してくるだけだ。
春子のお弁当がとてもおいしいのが腹立たしかった。
最後の一口を食べる。咀嚼する僕を春子は嬉しそうに見つめた。
「今度は幸一君がお願いね」
春子は笑顔で言った。何をお願いなのだろう。
「お姉ちゃんにあーん、ってしてね」
僕は天井を仰いだ。
本気で言っているのか。
「幸一君。分かっているでしょ」
本気だ。
僕はあきらめてお弁当を開いた。梓の作ったお弁当。中身はサーモンの南蛮漬け。といってもタレは染み込む程度でお弁当のおかずとして工夫されている。
「おいしそうだね」
目を輝かせる春子。
僕はサーモンの南蛮漬けを一口サイズに分け春子の口元にお箸で運んだ。
春子は嬉しそうに口を開けて食べた。
もぐもぐと子供のような笑顔で咀嚼する春子。
「うん。おいしいよ。梓ちゃんたら腕を上げたね」
春子は嬉しそうに笑った。その笑顔に複雑な気持ちになる。
「幸一君。もっとあーんしてね」
僕はため息をついてお箸を動かした。春子はもぐもぐと梓のお弁当を食べる。
まるで子供のようにほっぺたを膨らませてもぐもぐ食べる春子。
最後の一口を春子は飲み込んだ。白い喉が小さく動く。
「ご馳走様!」
春子は満足そうに言った。嬉しそうな笑顔。
僕はお弁当を片付けた。
「幸一君。お姉ちゃんのお弁当はどうだった?」
春子は僕にもたれかかった。柔らかい春子の感触。僕を下から見上げる。濡れた視線。
「おいしかったよ」
僕は春子を引き離そうとしたけど、春子は僕の背中に両腕を回して防ぐ。
「幸一君。デザート欲しくない」
春子の吐息が首筋に当たる。熱い吐息。
「いらない」
僕は即答した。
本当にいらない。
「幸一君。分かっているでしょ」
背中に回された春子の腕に力がこもる。
「お姉ちゃんを抱いて」
頬を微かに染めて春子は囁いた。
僕は春子の顔を見た。何かを期待するかのような表情。
「春子。お願いだからやめようよ。こんな事をしても何にもならない」
「幸一君。お姉ちゃんに何度も言わせないで」
春子は僕の胸に頬ずりした。
「分かっているでしょ。お姉ちゃんに逆らっちゃだめ」
僕は唇をかみ締めた。それでも動けない。動きたくない。
春子は僕を上目使いに見上げた。ぞっとするほど濡れた視線。
「幸一君だってお姉ちゃんを激しく抱くじゃない。夏美ちゃんにできないような事をお姉ちゃんにしていいんだよ。別に悩まなくていいよ」
僕に囁く春子。
春子の吐息が熱い。
確かに僕は春子を何度も抱いた。それも乱暴に抱いた。
盗撮した映像の事を持ち出されると、怒りを押さえられなかった。
春子の顔が目の前にある。荒い息。白くて滑らかな肌。淫靡に輝く瞳。微かに桜色に染まった頬。形の良い小さい唇。
僕の唇に春子の唇が重なる。唇を割って春子の舌が入り込む。
反射的に春子の肩を押して引き離した。
春子は苛立たしげに僕を見上げた。
「お姉ちゃんを怒らせないで。いいの?」
どす黒い衝動が湧き上がる。
僕は春子を突き飛ばした。小さい悲鳴を上げて春子はベッドに倒れる。
そんな春子に覆いかぶさり僕は制服の上でも存在感を示す胸を強くつかんだ。
「ひうっ!」
顔をゆがめる春子。僕はそのまま乱暴に張るこの胸を揉みほぐす。
春子の胸は大きくて柔らかい。指がどこまでも食い込む。
「ああっ!幸一くんっ!乱暴だよっ!んっ!痛いよっ!」
春子は息を荒くして僕を見上げた。言葉とは裏腹に嬉しそうな顔で僕を見る。
それが腹立たしい。僕はさらに乱暴に春子の胸を揉んだ。
嬌声をあげる春子のスカートの下に手を伸ばし下着をつかむ。一気に脱がす。春子の膝上で黄色い下着が止まる。下着はすでに濡れていた。
春子は恥ずかしそうに顔を背けた。その頬は桜色に染まっている。
「お姉ちゃんねっ、だめなのっ、幸一君に乱暴されるとねっ、いけない気持ちになっちゃうのっ」
春子は震える手でスカートをゆっくりたくし上げた。春子の膣の入り口はすでに見て分かるほどに濡れていた。
「幸一君のせいだよっ、お姉ちゃんを何度も乱暴に抱いてっ、痛くて怖いのにっ、それなのにね、いけない気持ちになっちゃうのっ」
目尻に光るものを湛えて春子は僕を見上げた。背筋が寒くなるほど淫靡な表情。
僕は春子の膣に指を挿入した。体を震わす春子。すでに春子の膣はびしょびしょに濡れていた。
乱暴に春子の膣の中をかき回す。
「ひうっ、お姉ちゃんねっ、ああっ、幸一君にねっ、変態さんにされちゃったよっ、きゃうっ」
春子の膣を乱暴にかき回しているのに、春子が痛がる様子はまったく無い。それどころか僕の指に春子の膣が絡みつくかのようにうごめく。
僕は春子の膣から指を抜いた。息も荒く切なそうに僕を見上げる春子。僕はズボンを脱いだ。すでに僕の剛直は固くなっている。春子はパンツを完全に脱ぎ自ら足を広げた。
「こ、幸一くんっ、お姉ちゃんねっ、幸一君にねっ、乱暴されると嬉しいのっ」
春子は足を広げたまま恥ずかしそうに僕を見上げた。
「だってね、幸一くんが乱暴に抱くのはね、お姉ちゃんだけでしょ?」
息も荒く淫靡な姿勢で体を震わす春子。
春子の目尻から涙がポロリと落ちた。
「いいよっ、お姉ちゃんをねっ、滅茶苦茶にしてっ、幸一くんになら、何をされてもいいっ」
春子の両膝を押さえて足をベッドに押し付けるように広げる。僕は一気に挿入した。
「ひっ!あああああああああっっっっ!!」
体をよじる春子を押さえつけ僕は乱暴に腰を振った。
「ああっ!ひうっ!やんっ!きゃうっ!」
艶のある喘ぎ声をあげる春子。僕は乱暴に春子の膣に剛直を擦り付けた。
体を震わせ身をよじる春子。
「ひぐっ!だめぇっ!こすり付けないでっ!」
濡れた視線で僕を見上げる春子。口調とは裏腹に嫌がっているようにはまったく見えない。それが腹立たしい。
僕は剛直を抜いた。春子はぐったりと僕を見上げる。
「四つんばいになって」
春子はびくっと震えた。期待するかのように僕を見つめる。
僕は春子の胸を鷲づかみにした。思い切り力を入れた。
「いたっ!いたいよっ!んっ!」
身をよじる春子。
「僕の言ったことを聞いていた。四つんばいになって」
恐れるように、期待するかのように僕を見上げる春子。恐る恐るといったように体を起こし四つんばいになる。
僕はスカートを上げた。白い太ももがむき出しになる。
膣の入り口が期待するかのようにひくひく動く。僕は指を挿入した。
「ひゃうっ!?」
体を震わす春子。僕はそのまま指を往復させた。
「こ、幸一くんっ、指じゃなくてねっ、んっ、いれて欲しいのっ」
切なげな吐息を漏らす春子。
僕は指を膣から抜いてお尻の穴に指を入れた。
「ひっ!?」
体を硬直させる春子。僕は春子の愛液を塗るように指を前後させる。
「や、やだっ!待ってよっ!ひうっ!そっちじゃないよっ!」
悲鳴を上げて体をよじる春子。僕は開いた腕で春子の腰を思い切りつかんだ。
「つっ!こ、幸一くん?」
僕は春子のお尻の穴から指を抜いた。安堵のため息を漏らす春子。
春子の腰をつかみ、膣の入り口に剛直をあてがう。そのまま一気に挿入した。
「きゃうっ!」
震える春子。僕は腰をゆっくりと前後させた。
「んんっ、幸一くんっ、あっ、もっと乱暴にしてっ」
切なそうに言葉を紡ぐ春子。
背中越しに濡れた視線を僕に向ける。
「お姉ちゃんねっ、幸一君にならねっ、何をされてもいいのっ、お願いっ、もっと乱暴にしてっ」
僕は春子の膣から剛直を抜いた。春子の愛液に濡れた剛直の先端をお尻の穴にそえる。
「こ、幸一くん?」
不安そうな春子。
僕は春子の腰をがっちりつかんだ。
「僕になら何をされてもいいんだろ?乱暴にされるのが好きなんだろ?」
僕は春子のお尻の穴に剛直をねじ込んだ。
「ひっ!ああああああああーーーーーーーーーーーーーーっっっ!」
痛々しい悲鳴を上げる春子。
春子のお尻の穴はあまりにきつい。まだ先っぽしか入らない。僕はさらにねじ込もうと力を入れた。
「痛いっ!痛いよっ!やだっ!やめて!いやぁぁぁぁっ!」
きつい。なかなか入らない。僕は体重を思い切りかけて春子のお尻の穴を突き進む。
春子は悲鳴をあげて体を震わせる。痛々しい悲鳴が生徒会準備室に木霊する。
「いやっ!いやっ!痛いっ!やめてっ!お願いっ!抜いてっ!」
いったん腰を止めて休憩する。春子のお尻の穴は僕の剛直を拒むように締めつける。
「ひっくっ、幸一くんっ、やめてぇ、お姉ちゃん、痛いのっ」
春子は泣きながら懇願する。白い体にはびっしりと汗が浮かぶ。
「こんなのやだよぉっ、ひっくっ、お願いっ、やめてっ、やだよっ、これ以上入れないでっ、抜いてっ」
僕は春子の腰を思い切りつかんで固定し、体重を一気にかけた。
剛直がきつい隙間を押し広げる感触とともに一気に奥に進んだ。
「ひあっ!!!!!あああああああーーーーーーーーっっっ!!!!!」
春子は絶叫した。痛みを我慢するかのように背中を丸める。シーツを握る白い手が震える。
熱病にかかったかのように小さく震える春子。
「ひうっ、ぐすっ、いたい、いたいよっ」
泣きながら痛いと繰り返す春子。僕は腰を引いた。剛直が強く擦られる感触。
「ひああっ!やだっ!いたいっ!動かさないでぇっ!」
「抜いてといったのは春子だろ」
体を震わし悲鳴をあげる春子。
春子のお尻の穴は経験したことの無いきつさで締め付けてくる。力を入れて削り取るように剛直を抜いていく。
「いたいっ!やだっ!やだよ!ひああっ!やだっ!動かさないでっ!」
春子の悲鳴を無視して僕は剛直が抜ける寸前まで腰を引いた。お尻の穴から赤い血がこぼれる。
再び腰を前進させて春子のお尻の穴に剛直を進める。
「いやっ!いたいっ!いたいのっ!やめてぇっ!」
体を震わせて叫ぶ春子。その声には喜びも快感は微塵も無い。ただ痛みと苦しみだけ。
僕は強引に腰を前後させた。
「やだっ!やめてぇっ!やっ!いたいっ!やめてぇぇぇ!」
僕は春子の悲鳴を聞き流して強引に腰を動かした。拒むような強烈な締め付け。
締め付けがきつすぎて腰を前後させるだけでも体力を使う。僕はいったん腰を止めて休憩した。
「ひうっ、ぐすっ、お願いっ、やめてっ、お姉ちゃんっ、痛いよっ、こんなのっ、やだよっ」
春子は体を震わせ泣きながら懇願した。痛みのせいか全身に汗をかいている。すでに春子の上半身は汗で濡れてカッターシャツが透けて見える。
僕は後ろから春子の胸をつかんだ。力をこめて握り締める。悲鳴を上げて身をよじる春子。
「僕に何をされてもいいんだろ。乱暴にされるのが好きなんだろ」
「ひうっ、んっ、でもっ、こんなのやだっ」
春子は背中越しに僕に視線を向けた。涙で濡れた顔。
「お願いっ、いたいのっ、やめてっ、お願いだからっ」
僕は春子の腰をつかんだ。
「あの時、僕は何度も止めてってお願いした」
春子の瞳が絶望に染まる。
僕は腰の動きを再開した。春子の直腸を削り取るかのように剛直を動かす。
「いやっ、いやっ、いやぁぁぁぁぁっっ!!!!」
春子の叫びを無視して僕は何度も腰を前後させた。
必死に体をねじる春子を腰をつかんで固定する。春子がつかんだベッドのシーツの場所が皺になる。
きつい締め付けだけど膣とは全く違う感触になかなか達する気がしない。僕はさらに腰の動きを速めた。
「やだっ!やだっ!やめてっ!お願いっ!やめてぇぇぇっ!」
春子の痛々しい声が響くなか、僕は腰を振る。
徐々に射精感が高まってくる。僕は腰の動きをさらに速めた。それにつられるかのように春子の悲鳴も大きくなる。
「ひっ!うっ!ああっ!ひぎっ!うあっ!」
痛みに必死に耐えるかのように背中を丸めシーツを握り締める春子。
僕はついに達した。春子のお尻の穴に精液を吐き出す。
すべて吐き出してから僕は剛直を乱暴に抜いた。春子の体が震える。
「ひっくっ、ぐすっ、ううっ、ぐすっ」
すすり泣く春子。
痛々しい姿。足の間は血にまみれ、汗のせいでシャツは透けて見え、体にぴったりと張り付いている。白い太ももに流れた赤い血がより一層の痛々しさを誘う。
春子は涙でぐちゃぐちゃになった顔を僕に向けた。涙で濡れた顔。
僕と目が合う。春子の目が見開かれる。脅えるようにベッドの上を後ずさり、体を震わせ春子は泣いた。
分からない。春子は僕の目に何を見たのだろうか。
春子の目尻から涙がぽろぽろ溢れ出す。乱れた服もそのままに春子は体を震わせて泣いた。
その姿に胸がざわつく。そのざわつきの意味が分からないまま僕は泣き続ける春子を黙って見続けた。
投下終わりです。
読んでくださった方に感謝いたします。
ありがとうございました。
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アドレスは
>>82にあります。
また、今までに投下した作品を掲載しています。
最新作はスレにしかありません。ご了承ください。
続きは新しいスレが立った時にでも投下します。
リアルタイムGJだ
梓のターンまで全裸待機
GJ
あーちょっとこれは・・・見てられなくなってきた・・・
この話相当おもしろいです
けつ掘られて泣いてる春子もえ
てか次スレたてろ雑魚あげ
うめ
424 :
梅:
妹「なんだよお前は、アニキに文句があるのか? アニキの文句は、私に言えっ!!
お、ワタァっ!! たった今、『次スレ』の秘孔を突いた」
男「ゆ、指を抜いてくれぇっ!!」
妹「良いの? 抜いたら死んじゃうよ?」
男「やっぱり抜かないでぇっ!!」
妹「だぁめっ♪」
ピギューン……
男「たわばっ!!」
妹「眠れ、このスレと共に」