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644 :
情合 :2009/12/24(木) 17:05:43 ID:Dl8o+3da
(守くんと私が……ここで……)
風丸に言われた言葉を反芻し、じっと彼を見つめ――木野はカァッと頬を染めた。
約1ヶ月前。
それはGWに行った、合宿中の出来事。
男子は体育館、女子は音楽室が寝る場所で。
それをこっそり抜け出して、円堂と自分が部室でしていたことを知っている者がいるなど、思いも寄らなかった。
周りに誰もいないことを充分に確認したはずだったのに。
けれど、それは始める前。
行為に没頭していた最中に誰かが来たのなら、おそらく気づかなかっただろう。
(ウソ、あれ、見られてた――!?)
あの晩のことを思い出し、木野は真っ赤になる。
「――あの時の木野さん、可愛かったなぁ」
あまりの恥ずかしさに呆然としていた木野は、耳元にフッとかけられた吐息に驚いて身を引いた。
円堂としたのはあの時が2度目で、初めての時と比べれば多少は緊張もしていなかったせいか、随分とはしたない声を出してしまっていた。
それも聞かれていたということなのか。
風丸はクスクスと面白そうに笑っている。
「優しくて気が利いて、あんなに可愛い木野さんなんだから、円堂が惚れるのもしょうがないよな。でも――」
風丸の手が、木野の頬へと伸びた。
これは、褒められているのだろうか。
そうだとしたら――笑っているはずの風丸の瞳が、鋭い刃物のように突き刺さるのはなぜなのか。
木野はいつの間にか自分の体が小刻みに震えていることに気がついた。
――逃げたい。
風丸のこの瞳から、逃れたかった。
それなのに、逃げるどころか、風丸の両手にしっかりと顔を押さえられ、目を逸らすことさえ許されない。
「何で木野さんは円堂なんだ? 確かに円堂は良い奴だよ。でも、世の中に男なんていくらでもいる。アイツ以外にいくらでもいる。なのにどうして木野さんは円堂を選んだんだ? どうして他の奴じゃなくて、円堂なんだ――!」
オウフオウフオウフオウフオウフオウフオウフオウフオウフオウフオウフオウフオウフオウフオウフオウフオウフオウフオウフオウフオウフオウフ
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646 :
情合 :2009/12/24(木) 17:06:11 ID:Dl8o+3da
鬼気迫る、というのはこういうことを言うのかと、どこかで客観的に見ている自分がいる。
けれど木野本人は、怖くて動けなかった。
風丸が何を言いたいのか分からない。
ただ、冷たい瞳が恐ろしかった。
「――ねぇ、壊させてよ」
風丸の手が離れた。
怖いと思うのに視線を逸らせない彼の表情に浮かぶのは、やはり冷たい微笑みで。
『手に入らないなら、いっそのこと壊してしまいたい』
先ほどの風丸の言葉が甦る。
そして、これまでの彼の行動。
結びつくのは――彼が、自分を好きでいたということ。
そう思うのは簡単だった。
けれど、木野は納得ができなかった。
もしそうだったとしたら、自分が円堂とつき合っているために風丸はフラれたことになるのだから説明はつく。
説明はつくが、やはりピンと来ない。
何かが違う。
一体、何が違うのだろうか。
しかし、木野に考える時間は与えられなかった。
風丸の手が、制服のリボンを解いた。
「やだ! 風丸くんやめて!!」
木野は体を捩って逃れようとするが、下半身が動かないので大した抵抗にはならない。
手に巻かれたタオルも予想以上に固く縛られているらしく、必死に動かしてみるが解けない。
風丸の手は次々に木野のシャツのボタンを外していく。
「風丸くん! お願い、やめて!!」
しかし、木野の願いは聞き届けられなかった。
ボタンをすべて外し終えた風丸は、彼女のブラジャーへと手を伸ばす。
「これ、前で止めるやつ? 気が利くね」
ホックが前だろうが後ろだろうが結果的には変わらなかっただろう。
けれど風丸の囁きに、今日着けてきたものがフロントホックであったことを木野は呪った。
「ここにも、円堂は触れたんだろう……?」
「ひゃっ……!」
ブラジャーのホックを外し、姿を見せた木野のふたつの膨らみを、風丸はそっと撫でた。
彼氏でもない男の子に裸の姿を見られて、恥ずかしくて堪らない。
恥ずかしくて堪らないのだが――
「木野さん、見た目より胸あるんだね。それともやっぱり円堂のせいかな……?」
そう言う風丸の口調はどこか意地が悪いのに、動かす手は優しい。
無理に掴まず、胸の形に沿ってゆっくりと揉んでいる。
(やだ、何で……!)
嫌なはずなのに。
オウフオウフオウフオウフオウフオウフオウフオウフオウフオウフオウフオウフオウフオウフオウフオウフオウフオウフオウフオウフオウフオウフ
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648 :
情合 :2009/12/24(木) 17:07:12 ID:Dl8o+3da
(やだ、何で……!)
嫌なはずなのに。
「あっ……風丸く……ぁあん……っ!」
吐息が濡れる。
涙が溢れてくるのは辛いからではない。
悔しいことに――気持ち良い。
「風丸く、ダメぇ……っ!」
円堂に触れられるのは、恥ずかしいけれど気持ち良かった。
好きな人なのだ、当然と言える。
けれど風丸の愛撫は、それよりも遥かに心地良い。
――巧い。
そうとしか言えなかった。
外側から内側へゆっくりと揉みしだくその手に、快感すら覚える。
乳房を摘む親指と人差し指の力加減は絶妙だ。
これが円堂の場合は力が強すぎて少し痛い思いをするのだ。
「木野さん、顔が全然嫌がってないけど?」
楽しそうに風丸が言った。
その表情に、先ほどまでの冷たさは感じない。
だから、微笑む彼は、ただカッコイイだけだ。
「そんなこと……!」
女子の誰もが見とれるであろう笑みを風丸に向けられ、木野は真っ赤になって慌てて顔を背けた。
円堂のことが好きなのに。
他の男の子にこんなことをされて悦んでいるなんて、信じられない。
信じたくない。
「誰も見てないんだ。我慢なんかしなくていい」
そう言って――ちゅく、と風丸が木野の乳房を口に含んだ。
「んあっ! か、風丸く……やぁんっ!」
木野は身を捩って逃れようとする。
けれどいつの間に回されたのか、風丸の腕が腰を抱いてそれを許さない。
彼の舌が乳房を転がして、硬くなったその先端を強く吸う。
「あっ……ぁあっ……はぁんっ……!」
呼吸が乱れる。
体中が熱い。
(やだ……やっぱり守くんより巧い……!)
円堂の行為でも充分満たされたと思っていたのに。
あれ以上の悦びを感じてしまっている自分が恨めしい。
オウフオウフオウフオウフオウフオウフオウフオウフオウフオウフオウフオウフオウフオウフオウフオウフ
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651 :
情合 :2009/12/24(木) 17:07:53 ID:Dl8o+3da
「……んっと、エロい声。こんな声聞かされたら、あの円堂もあんなになっちゃうよな」
ぷはっ、とわざと音を立て、風丸は木野から口を離した。
木野はカァッと頬を染める。
円堂は普段は恋愛のれの字も思い浮かばないようなサッカーバカで、女の子に興味などないようにさえ見える。
木野は円堂の彼女であるが、それでもいつもは以前のようにキャプテンとマネージャーとして接しているし、2人きりになっても彼はベタベタしてくるような人ではなかった。
エッチをする時だって、始める前はおどおどしていて、少し不安になるくらいだ。
けれど始めてしまえば、これがいつもの円堂と同じ人物なのかと本気で疑うほどに激しくなる。
求められるのも、そういう時に強引なのも、抱かれる木野の方としては嬉しいし、愛されているという証拠だから幸せだ。
ただ、自分しか知らないはずの円堂の姿を風丸が知っているというのは――。
「か、風丸くん、どこまで見てたの……!?」
「んー……全部、かな」
にっこりと笑った風丸に、木野は今なら顔から火を噴き出せそうだと思った。
「――ねぇ、そろそろいい?」
瞳を細めてそう言って――風丸は木野の秘所へと指を入れた。
「ひぁ……!」
「すごく濡れてるね」
ぞわりと背を粟立たせた木野に、風丸がクスクスと耳元で囁く。
木野は恥ずかしくて泣きそうだった。
濡れていることなんて、彼に言われるまでもなく分かっている。
円堂のことが好きなのに。
他の男の子にされてこんなになってしまうとは、自分は何てはしたないんだろうか。
「気にすることないよ。相手が好きじゃない男だって、こんなことされて濡らさない子はいないさ」
それは慰めているのだろうか。
いや、慰めているのだとしても、全然嬉しくなどない。
「風丸くん、お願い、もうこれ以上は……」
「やめないよ」
風丸の笑う声がぴたりと止んだ。
「ここに円堂は挿入たんだろ?」
風丸が指を動かした。
たっぷりと濡れたソコに、人差し指はするりと入る。
「やっ、風丸く……!」
ナカで彼の指が動く。
「ほら、まだまだ溢れてくる……木野さんだって、本当は欲しくて堪らないんだろう?」
オウフオウフオウフオウフオウフオウフオウフオウフオウフオウフオウフオウフオウフオウフオウフ
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653 :
情合 :2009/12/24(木) 17:08:58 ID:Dl8o+3da
「……っ!」
風丸の言葉に、木野はまた真っ赤になる。
図星だった。
こんなにされて、求めずにはいられない。
けれど、目の前にいるこの人に挿入れて欲しいとは思わない。
それだけは、円堂でなくてはダメだ。
「風丸くん、私、守くんが好きなの……! 好きなのは、守くんだけなの……!」
やめて。
お願い。
木野はじっと風丸を見つめ、涙を浮かべた瞳で懇願する。
しかし――
「だから?」
木野は瞳を瞠った。
自分を見下ろす風丸の瞳は、また冷たく恐ろしいものになっていた。
「挿入れてやるよ。円堂が挿入れたココに、オレのもブチ込んでやる……!」
風丸は木野のナカから指を抜き、彼女の肩を掴んだ。
今まで壁に預けられていた木野の背中は、床へと押し付けられる。
風丸は立ち上がり、ズボンと下着を脱ぎ捨てた。
姿を見せた彼自身に、木野は顔を青ざめさせる。
「やっ……いや……風丸くん、やめて……!」
小刻みに体を震わせ、木野は首を横に振る。
半身を起こそうとしたが、すぐにまた風丸が跨ったためにそれも叶わない。
彼がゆっくりと腰を沈ませて来る。
「いやぁ!! やだやだ!! 風丸くん、やめて!! お願い、やめてーーーーー!!」
「秋!?」
木野が悲鳴を上げた直後、バンッと部室の扉が開かれた。
木野も風丸もそちらへ目を向ける。
そこに立っていたのは――
「守……くん……」
木野の大好きな人の姿は、すぐに涙で見えなくなった。
オウフオウフオウフオウフオウフオウフオウフオウフオウフオウフオウフオウフオウフオウフオウフ
オウフオウフオウフオウフオウフオウフオウフオウフオウフオウフオウフオウフオウフオウフオウフ
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655 :
情合 :2009/12/24(木) 17:09:24 ID:Dl8o+3da
円堂は、絶句した。
部室に忘れた携帯電話を取りに行ったきり戻って来ない木野を心配して、自分も部室までやって来た。
そして木野の悲鳴が聞こえ、慌ててドアを開けたのだが――。
「秋……それに、風丸……?」
状況がまったく飲み込めない。
暗い部室で、電気も点けずに何をしているのか。
なぜ風丸はズボンをはいていないのか。
どうして木野は服を脱がされ、ほとんど全裸の状態で、風丸に組み敷かれて泣いているのか。
「っ! 秋!? おい、何してんだよ風丸!!」
円堂は慌てて中へ駆け込み、風丸を突き飛ばした。
そしてすぐに自分の上着を脱いで、木野に掛けてやる。
「どうしたんだよ秋!? 一体どういうことなんだよ……!?」
木野を抱き起こし、円堂は彼女の手が後ろで縛られていることに気づく。
解いてやれば、木野はガバッと円堂に抱きついた。
「ま、守く……! 守くん……!」
木野はボロボロと涙を零した。
円堂のシャツがそれを吸い込んであっという間に濡れる。
「秋……」
彼女の体が震えている。
これはきっと、泣いているせいだけではない。
「――おい、どういうことだよ、風丸」
円堂の声に、彼に突き飛ばされた風丸はむくりと半身を起こす。
少し打った後頭部を撫でながら、自分を睨んでいる円堂へと目を向けた。
「別に。ちょっと木野さんとセックスしようとしてただけだよ」
「お前……っ!」
まるでサッカーの練習をしようとしていたとでも言うかのように、悪びれる様子もなくさらりと言った風丸に、円堂は奥歯を噛んだ。
「どういうつもりだ? 秋に無理やりこんなことして。これってただのレイプだろ!? こんなことしていいと思ってんのか!? お前はそんな奴だったのかよ!?」
円堂はギッと風丸を睨んだ。
それを真正面から受け止め――風丸はぷっと吹き出した。
656 :
情合 :2009/12/24(木) 17:09:50 ID:Dl8o+3da
「無理やり? そうとも限らないんじゃないかな? 木野さんのアソコ見てみろよ、すごく濡れてんだ。オレの手に、お前よりもイイ声出してたと思うんだけど?」
「なっ……!」
風丸の言葉に、円堂はカッと瞳を見開いた。
今すぐにでも風丸に殴り掛かろうかという勢いで怒りが込み上げたが、腕の中で震えている木野に気づいて押し止まる。
「ご、ごめんなさ……守くん、ごめんなさい……!」
ガクガクと目に見えるほどに彼女は震えている。
両手で顔を覆っているが、零れた涙が床へと落ちていた。
「大丈夫だ、秋。お前は何も悪くない。そうだろ?」
優しくそう言って、ぽんぽんっと頭を撫でてやれば、木野は再び円堂の胸に抱きつく。
彼女を抱き締めて背中をさすってやり、円堂は風丸へと顔を戻した。
「何考えてんだよ、風丸。秋がオレの彼女だって、お前知ってるだろう? それなのに、何で……!?」
「そんなの、円堂の彼女だからに決まってるじゃないか」
ハァ、と溜息をつきながら、風丸は後頭部を掻いた。
意味が分からず、円堂は眉根を寄せる。
そんな彼の表情を見て、風丸はフッと笑った。
「なぁ円堂、そんな女やめろよ。彼氏でもない男に触られて悦んでるような女だぞ? むしろお前よりもよっぽど悦んでたね。そんないい加減な女、円堂には似合わない」
自分たちの前にいるのは、本当に風丸一郎太なのだろうか。
円堂も木野も、彼の言葉が信じられず、瞠目して彼を見つめた。
風丸は優しくて、足が速くて、成績も良くて、誰からも慕われて、けれどそれを鼻に掛けることなどなく、自慢できる友達だ。
そのはずだった。
円堂と木野がつき合っていることは、サッカー部員には何となく知れ渡っているが、自分たちの口からそれを言った相手は多くない。
その多くない相手の中に、風丸はいた。
つまり、信頼していたのだ。
特に円堂にとって彼は幼馴染みであり、他の友達よりもずっと信頼の厚い相手だ。
その、風丸が。
657 :
情合 :2009/12/24(木) 17:10:46 ID:Dl8o+3da
「何……言ってんだよ……風丸……」
ウソだろ?
円堂は風丸に、瞳でそう訴えた。
風丸に自分たちがつき合うことになったと報告した時、彼は笑顔で「良かったな」と言ってくれた。
あの時の笑顔を信じたかった。
しかし――
「オレは、お前たちが別れればいいと思ってる」
冷たい瞳で言った風丸に、円堂も木野も言葉を失った。
彼がそんな風に思っていたなんて、知りもしなかった。
大体、どうしてそう思われなければならないのだろうか。
そう考え、円堂はふとあることに思い至った。
「風丸……お前、もしかして秋のこと……?」
円堂の口から出た言葉に、木野は驚いて彼を見上げた。
さっき、自分も少しだけそう思った。
だけど違う。
きっとそれは違う。
木野も風丸を見つめた。
2人の視線を受け止め――風丸はまた、フッと笑った。
嘲るような笑みだった。
「そうだったら、どんなにマシだったろうな」
風丸の言葉の意味が分からず、円堂も木野も首を傾げた。
困惑する2人をよそに、風丸が立ち上がる。
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659 :
情合 :2009/12/24(木) 17:11:13 ID:Dl8o+3da
「おい、かぜま……!」
このまま帰るつもりなのかと思い、円堂はすぐに声を掛けた。
しかしそうではなく、風丸は部室の端に置いてあった自分の鞄の元へ行き、その中から携帯電話を取り出した。
ピピピ、とプッシュ音が何度かして、
「円堂、これ見てみろよ」
風丸が自分の携帯を円堂に向かって投げた。
円堂は慌ててそれを受け取り――瞳を大きく見開く。
「な……んだよ……コレ……!」
驚愕する円堂に、木野も携帯を覗いて見る。
そしてやはり、瞳を大きく見開いた。
「何コレ……!?」
携帯に写っていたのは――円堂と木野。
それも、ただの写真ではない。
どちらも裸で抱き合っている。
暗いので顔は判別しにくいが、それでも知っている者が見れば充分に誰か分かるだろう。
「それ、この間の合宿の時のだよ。お前ら、全然気づかないんだもんな」
ククッと笑う風丸の声に、2人は彼へと顔を戻した。
あの時のことを見られていただけでなく、写真にまで納められていたなんて。
円堂は携帯を操作する。
その1枚だけでなく、他に何枚も自分たちの姿が写されていた。
「消したければ消していい。でもそれを消しても、オレの家のパソコンには同じものが保存してある」
「なっ……!」
円堂は顔を上げ、再び風丸を見つめた。
一体、何の目的でそんなことを?
唇を噛む円堂とは対照的に、風丸はやはり冷たく笑っていた。
「お前らにしては、学校でヤるなんて軽率だったな。もしその写真が出回ったらどうなる? お前らも謹慎処分くらいもらうだろうし、サッカー部だって廃部になりかねないよな。そんな写真、残ってたら困るよな……?」
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662 :
情合 :2009/12/24(木) 17:12:40 ID:Dl8o+3da
風丸の言葉に、円堂も木野も何か交換条件を求められていることに気づく。
木野は円堂のシャツをぎゅっと握った。
円堂も、彼女をより自分の方へと抱き寄せる。
「オレたちに、どうしろって言うんだ……!?」
円堂は風丸を睨むように見つめた。
風丸は、その言葉を待っていたとでも言うかのように、微笑んだ。
「別に大したことじゃない。オレの前でヤれよ、円堂」
「は……!?」
言われたことの意味が分からず、円堂も木野も瞠目する。
予想外の条件だったとも言える。
風丸が木野とヤらせろと言うならまだ分かるが、自分たちにヤれとはどういうことか。
「どうせオレは、すでにお前たちのを見てるんだ。今更恥ずかしがることないだろう?」
そういう問題ではない。
ククッと笑う風丸を、円堂は更に睨んだ。
「何でそんなことしなくちゃならないんだよ」
セックスは見せ物などではない。
まして、命令されてすることでもない。
低い声で唸るように言った円堂に、風丸は肩を竦めた。
「本当は、オレが木野さんとヤってる写真を円堂に送ろうと思ってた。
そうすれば円堂が怒って、別れるんじゃないかと思ってさ。でも現場を見られた今も、お前は木野さんのこと全然疑ってないんだもんな。だからオレの目の前で証明してみろよ。お前らが、本当に好き合っているってことをさ」
そう言った風丸に、円堂は唖然として言葉が出てこない。
一体どういう理屈なのだ。
まったくワケが分からない。
「守くん……」
木野が困ったように円堂の顔を見上げた。
それに気づき、円堂は大丈夫だと彼女の肩を叩き、風丸に向き直る。
「そんなこと言われて、分かったなんて言えるわけないだろう?」
「別にいいさ。ヤらないって言うなら、あの写真を全校生徒にバラ撒くだけだ」
「お前……っ!」
冷たい微笑みを浮かべる風丸に、円堂は奥歯を噛み締める。
木野の肩を抱く左手にも、風丸の携帯を持ったままの右手にも力が込められる。
どうしたらいい?
分からない。
――条件を、呑むしかないのか。
しかし、それでは自分はともかく、木野が可哀想だ。
663 :
情合 :2009/12/24(木) 17:13:04 ID:Dl8o+3da
ふたつ、約束しよう」
風丸の声に顔を上げる。
彼はそばにあったパイプ椅子を引き寄せて、そこに座った。
「ひとつは、パソコンに残っているお前たちの写真を全部消すこと。もうひとつは、二度とお前たちの仲を壊そうとしないこと。ヤると言うなら、それを約束する。ただし」
風丸の声のトーンが落ちる。
円堂も木野も、体を強張らせた。
「ヤらないなら写真をバラ撒くし、オレはまた木野さんにちょっかい出すかもな」
ククク、と風丸は笑っていた。
わざわざ椅子に座って見物を決め込んだくらいだ。
断るとは思っていないのだろう。
円堂はますます奥歯を強く噛む。
掴んだ携帯がミシミシと音を立て始め――そこに、木野の手が重ねられた。
「――秋?」
振り向けば、木野は真っ赤な顔で俯いていた。
掛けられた円堂の上着を、胸元でぎゅっと握っている。
「――いいよ。サッカー部を守るため……だから」
重ねられた手は、微かに震えていた。
けれど、そう言われてしまったら――
「――分かった」
円堂は風丸を見つめた。
ギッと、彼を睨みつける。
「その代わり、ちゃんと約束守れよな」
円堂の唸るような声に、風丸はもちろんだと微笑んだ。
664 :
情合 :2009/12/24(木) 17:13:31 ID:Dl8o+3da
「風丸に、挿入れられてはいないんだよな?」
「う、うん……」
カチャカチャとベルトを外しながら訊ねた円堂に、木野は自分に掛けられていた彼の上着を畳みながら頷いた。
「そっか、良かった」
木野の返事に円堂はホッと胸を撫で下ろす。
彼女が服を脱がされて色々されたのだと思うと腹が立つが、挿入したのとしないのではまた違う。
許せるとは思わないが、風丸を一生怨み続けることにもならないだろう。
こんなことになったとはいえ、彼は小さい頃からの大切な友人なのだ。
それを失いたいとは思わなかった。
そう思ってしまう自分は、甘いのだろうか。
「スカート、脱いどかないと汚れるかもしんないぞ」
「えっ、あ、うん……」
円堂に言われ、木野は彼の後ろをちらりと見る。
パイプ椅子に腰掛けたままの風丸と目が合って、にこりと微笑まれた。
慌てて顔を背けると、今度は円堂がちらりと後ろを振り返った。
「大丈夫。秋のことはちゃんとオレが隠すから」
円堂と木野は、風丸の真正面の位置に移動していた。
風丸にできるだけ木野の姿を見られないようにしようと、円堂が彼に背を向ける格好になっている。
文句は言われなかったので、それくらいは許すということだろう。
木野はスカートを下ろし、足首に引っ掛かったままだった下着も脱いだ。
円堂もズボンを脱いで、2人は向き合って座り直す。
木野の頬を、円堂の手が包んだ。
「ごめんな、こんなことになっちゃって……」
「ううん、守くんのせいじゃないよ……」
木野は小さく首を横に振り、円堂の手に己の手を重ねた。
やはり、彼の手が1番落ち着く。
指の皮が厚くて少しデコボコしているけれど、大きくて、優しい手。
木野が微笑むと、円堂は唇を重ねた。
優しい口付けに、木野はそれだけで満たされる。
円堂は彼女の背に手を回し、そっと寝かせた。
じぃっと彼女の瞳を覗き込む。
「風丸に、どこ触られた?」
「キスされて……あとは胸」
木野は言いづらそうに、目を逸らしてボソボソと呟いた。
けれど円堂はちゃんとそれを聞き取って、「ん」と小さく頷く。
それからもう一度彼女に口付けた。
そして舌で唇をなぞって口内に入り、上下の歯列をなぞる。
更に奥へ差し入れ、隅から隅まで舌を走らせた。
まるで、自分が触れていない部分はないとでも言うかのように。
665 :
情合 :2009/12/24(木) 17:14:29 ID:Dl8o+3da
「んっ……んんっ……!」
しかし、彼の舌が奥深くまで入ったために、木野は苦しくて声を漏らした。
円堂は慌てて彼女から離れる。
「ご、ごめん……っ!」
「ん……大丈夫……」
ケホケホッと咳き込みながらも、木野は微笑んだ。
瞳の端に涙を浮かべている彼女に、円堂は反省した。
いくら風丸に対して悔しい思いを抱いているからといって、木野に無理をさせるのは間違っている。
円堂は彼女の涙を舐め取り、再び唇を重ねた。
今度はゆっくりと舌を滑り込ませ、彼女のソレと絡め合う。
「ん……ぅん……」
木野の口から声が漏れた。
けれど、今度は先ほどのように苦しそうではない。
木野は円堂の首に己の腕を回し、自らも舌を絡ませる。
熱くて、優しくて、愛しくて。
(守くん……大好き……)
思考のすべてが彼に支配される。
体中が熱くて。
このままでいられるなら、今すぐこの世界が終わってもいいとさえ思えてくる。
しかし、円堂は離れて行った。
ぼんやりとする頭で、木野は閉じていた瞼をうっすらと開ける。
彼が離れるのが寂しい。
けれどすぐに胸に置かれた手に、その思いも吹き飛ぶ。
円堂は掴むように彼女の胸を揉み始めた。
円を描くように揺らし、乳房を親指の腹でクリクリと弄る。
「ふあ……っ、ぁんっ、守く……んんっ!」
円堂の舌が胸の上を這う。
硬くなった乳房に軽く歯が立てられ、ちうちうと吸われた。
「んぁあ……っ、まも……っ、守く……!」
木野がビクビクと震える。
体を反らしてしまうのは無意識だ。
そして円堂も、逃がさないというように彼女の腰と背中に腕を回して抱き留める。
(ダメ……! おかしくなっちゃう……!)
巧さで言えば、風丸の方が上だった。
けれど、ここまで感じるのは。
体の奥深くから熱いものが込み上げてくるのは、相手が円堂だからに他ならない。
「ま、守くん……! 私、もう……!」
666 :
情合 :2009/12/24(木) 17:14:51 ID:Dl8o+3da
元々、風丸のお陰で限界の近づいていた体だった。
円堂の愛撫に蜜は止まることを知らず、内股までびしょ濡れになっている自覚がある。
震えた木野の声に、円堂はハッとして体を起こした。
柔らかな彼女の胸から離れるのは名残惜しかったが、今はゆっくり味わっている場合ではない。
円堂は手を彼女の秘部へと伸ばした。
もう充分すぎるほどにたっぷりと濡れている。
指先でくちゅくちゅと蕾を押してやれば、木野はビクッと体を震わせた。
「んあっ……守く……」
潤んだ瞳。
紅潮した頬。
震える細い肩に、濡れた吐息。
「秋……」
ぞわり、と円堂は全身を粟立たせた。
好きな子のこんな艶っぽい姿を見て、興奮しない男はいないだろう。
「秋、秋……!」
「ぁっ、守く……ぁあん……っ!」
円堂はズブズブと彼女のナカへ指を入れた。
1本は容易に入ったのでもう1本入れ、ナカを掻き乱す。
「あっ、あっ、だめぇ……っ! 守く、それじゃ足りな……ぁあっ!」
「何、秋? 何が足りないんだ?」
嬌声を上げ続けている木野に、円堂の方も限界は近かった。
けれどまだ焦らす。
分かっていて、わざと意地の悪い顔をする。
「ま、守くんの……欲しいの……っ!」
「オレの何が欲しいんだ? 言ってよ、秋」
ハァ、ハァと肩で呼吸する木野は本当に辛そうで。
それでも円堂はまだ意地悪く言うが――
「お、お願い……守くんの、挿入れて……」
恥ずかしさと辛さから涙を浮かべた瞳で懇願されては、円堂の方も我慢ならない。
円堂は木野のナカから指を抜き、代わりに膨張してビクビクと震えている自身をソコに宛がい、そして――
染岡染岡染岡染岡染岡染岡染岡染岡染岡染岡染岡染岡染岡染岡染岡染岡染岡染岡染岡染岡染岡染岡染岡染岡染岡染岡染岡染岡染岡染岡染岡染岡染岡
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染岡染岡染岡染岡染岡染岡染岡染岡染岡染岡染岡染岡染岡染岡染岡染岡染岡染岡染岡染岡染岡染岡染岡染岡染岡染岡染岡染岡染岡染岡染岡染岡染岡
668 :
情合 :2009/12/24(木) 17:15:28 ID:Dl8o+3da
「秋……秋……っ!」
「あっ……んああ……っ! 守く……ぁあん……っ!」
円堂が腰を沈ませる。
侵入してくる彼自身に、木野は体を震わせた。
ズブリ、ズブリと彼が挿入ってくる度に、体中に幸福が溢れてくる。
彼と繋がり、ひとつになる。
そう思うだけで満たされた。
「秋……大丈夫か?」
自身をすべて彼女に飲み込ませ、円堂は木野の額に手をやった。
汗で貼り付いた前髪を除けてやると、木野は大丈夫だと微笑む。
円堂も微笑み返して、じゃあ動くぞと告げて腰を浮かせた。
彼女の内壁に自身を擦り付けるように、ゆっくりと腰を回す。
「あっ、あんっ、守く……ぁあんっ!」
離さないように、円堂は木野の腰を持つ。
そしてナカでは、木野が円堂を離さないようにしっかりと締め付ける。
「秋、秋……!」
円堂が深く突き上げる。
子宮まで届きそうな律動に、木野はもう限界だった。
「守くっ、私もう……!」
「オレも……!」
くっと表情を歪ませて、円堂は木野を強く抱き締めた。
「秋、秋ーーーーーっ!!」
「守く……っ、んああぁぁっ!!」
円堂は彼女のナカを深く貫き、射精した。
(ああ……私のナカ、守くんのでいっぱい……っ)
彼の熱いモノで体が満たされた感覚に、木野は恍惚に浸る。
乱れてすぐに整う気配のない呼吸も、苦しくなど感じない。
彼に触れられていて、彼と繋がっていて、彼のモノで溢れていて。
ただそれだけで、幸せだった。
「秋、大丈夫だった?」
円堂が木野の頬へと手を伸ばし、反対の頬へちゅっと軽く口付ける。
それをくすぐったそうに笑ってから、木野は大丈夫だと微笑んだ。
「すごく……気持ち良かった」
恥ずかしそうに――けれど満足そうに微笑んだ木野に、円堂も微笑み返す。
そして、自身を抜こうと腰を浮かせ――
669 :
情合 :2009/12/24(木) 17:15:58 ID:Dl8o+3da
「風……丸くん……?」
自分の肩越しに見た何かに瞠目した木野の視線を追うように、円堂は振り返った。
正直、途中から風丸の存在はすっかり忘れていた。
それに、椅子に座って見物していたはずの風丸が、今はどうして自分の真後ろに立っているのだろう。
「か、風丸っ!?」
円堂は慌てて木野の上に覆い被さった。
少しでも彼女の姿を風丸の視界に入れないようにと抱き締めながら、彼を仰ぎ見る。
「なっ、何だよ? お前の言うことはちゃんと聞いたぞ? まだ他に何か……」
言いかけ、円堂はハッとした。
風丸はシャツは着ていたが、まだズボンも下着もはいていないままの状態でいた。
つまり下半身は丸裸で、彼のモノが反り立っているのが分かる。
木野の姿を見て興奮して、やはりヤらせろとでも言うのだろうか。
円堂は木野を抱き締める腕に力を込めた。
「秋には、触らせないからな……!」
唸るように言って、円堂は風丸を睨みつけた。
風丸は――フッと、口角を引き上げる。
「いいよ。木野さんなんかに興味はない」
「なっ……!」
木野に何かしようというのではないらしいので安心したい所だが、大好きな彼女に対して“木野さんなんか”と言われれば腹も立つ。
言い返そうとした円堂だったが、風丸の方が早かった。
「円堂。オレ、お前のことが好きなんだ」
「…………は?」
悲しそうに微笑んだ風丸に――円堂は瞳を丸くするほかなかった。
670 :
情合 :2009/12/24(木) 17:16:40 ID:Dl8o+3da
「好きなんだよ、円堂。オレはお前のことが好きなんだ――」
そう言って、風丸はその場に膝をついた。
そして円堂の尻を持ち――ちう、と後ろの穴に口付ける。
「えっ!? ちょっ、かぜま……んあっ!?」
思ってもみなかった風丸の行動に、円堂はビクッと体を震わせた。
「ぁんっ!」
円堂と木野はまだ繋がったままだ。
彼が震えたことで、木野の体もまた刺激を受ける。
「あっ、ごめん、秋!」
円堂はそう言って、すぐに自身を抜こうとするが――
「うあっ!?」
風丸に舐められ、またビクンッと震えた。
そして木野も体を震わせる。
「か、風丸! どういうつもりなんだ!?」
このままでは埒が明かない。
円堂は風丸を振り払おうとするが、無理に動かせば木野が悲鳴を上げる。
結局この場から動くことができない。
「好きなんだ、円堂」
円堂の穴を愛撫しながら、風丸はそう繰り返す。
どこか悲しそうで、楽しそうで――常軌を逸している彼の微笑みに、円堂はゾクリと恐怖を感じた。
――あんな風丸、見たことない。
小さい頃から、いつも一緒だった。
クラスはあまり同じになったことがないが、それでも誰よりも信頼できる大切な親友だった。
遊ぶ時も勉強する時も、隣にはいつも彼がいて。
落ち込んでいる時はいつも励ましてくれた。
後ろ向きな時はいつも背中を押してくれた。
大切な、大切な親友だ。
だから、自分も風丸のことは大好きだ。
でも、それはあくまでも男同士の親友としてで。
671 :
情合 :2009/12/24(木) 17:18:51 ID:Dl8o+3da
「何……言ってんだよ、風丸……っ」
木野に負担をかけないように、円堂は風丸から与えられる刺激に必死に耐える。
彼の言う好きが、普通でないことは円堂にも分かった。
だからこそ、訊ねる。
「オレ、男、なんだぞ……っ!? 分かって、いる、のか……!?」
「分かってる。オレは男として――男のお前が好きなんだ。お前が、木野さんを好きなような気持ちで――」
ぢゅう、と風丸が強く吸った。
「んあぁっ!」
「ぁあんっ!」
円堂も木野もビクンッと大きく体を震わせた。
「オレも、最初は信じられなかったよ」
風丸は立ち上がり、円堂の顎を持ち上げた。
視線が交差する。
円堂は、驚いたように。
風丸は、悲しそうに。
2人はじっと互いを見つめ合う。
「円堂のことは、小さい頃からずっと好きだった。
それは、友達として好きなんだと思ってた。お前がオレのこと、親友って言ってくれるのが嬉しかった。
ただそれだけだったはずなんだ。だけど――」
風丸は奥歯を噛んだ。
眉根を寄せ、苦痛を浮かべた表情に、円堂は困惑する。
「あの日――合宿の日、お前と木野さんがヤってるの見て、嫉妬してる自分がいることに気がついた。
2人がつき合うことになったって聞いて、
少し寂しいと思ったけど円堂が幸せならそれでいいって思ったはずなのに。もう、止まらなかった。円堂のこと、誰にも渡したくないと思った。でも、オレは男だから。
だから諦めようって、思ったのに――」
672 :
情合 :2009/12/24(木) 17:19:27 ID:Dl8o+3da
「風……丸……」
「風丸くん……」
辛そうな風丸の言葉に、円堂も木野も言葉が出なかった。
彼の感情は普通ではない。
普通ではないが――決して軽蔑などしない。
彼は本当に、本気で円堂のことが好きなんだと、理解ができたからだ。
そして、木野は納得した。
風丸が言っていた好きな奴は円堂。
それを盗ったのは――自分。
自分が謝るようなことではない。
けれど木野は、風丸に悪いことをしたという気持ちでいっぱいになった。
「風――」
「でも、諦めきれなかった」
謝罪の言葉を述べようとした木野だったが、風丸に遮られた。
そして、冷たい光の宿った彼の瞳に恐怖した。
「どうせオレの気持ちが円堂に通じることはない――そう思ったら、何もかもどうでもよくなった。だから、円堂がセックスした木野さんとセックスすることで、自分が円堂とヤってるような幻を見ようとした。それで2人の関係が壊れればいいとさえ思った――オレは、最低だな」
最後の方は、声が震えていた。
風丸の行動は許せるものではない。
しかし、彼にそうさせるまでに追い詰めてしまったのが自分だと思うと――円堂は、何も言い返せなかった。
「だけど、もうここまで最低なことをしたんだから――」
風丸が円堂の顎を更に持ち上げた。
唇が触れ合った。
円堂も木野も、驚いて瞳を瞠る。
風丸だけは、涼しい顔をして円堂から離れた。
ホモは投下すんなっていってんじゃん
801はしたらばここに書くな死ね
馬鹿な職人(笑)ばっか死ね
674 :
情合 :2009/12/24(木) 17:20:25 ID:Dl8o+3da
「もうひとつ、最低な奴になってやる」
ククッと笑って、風丸は円堂の後ろへ戻った。
そして円堂の尻を掴む。
円堂はハッとして振り返った。
「えっ!? 風丸、まさか……!?」
「これっきりだ。許せ、円堂」
そう言って――ズブリ、と風丸は自身を円堂のナカへ沈ませた。
「あっ、ちょっ、かぜま……っ! うあぁっ!」
今まで感じたことのない痛みに、円堂は悲鳴を上げた。
そして思わず体を反らし――
「ふあぁっ!」
やはり悲鳴を上げた木野にハッとする。
「わ、悪い、秋……ひぐぅっ!」
「だ、だいじょう……ひあっ!」
円堂は木野に謝るが、風丸は更に深く侵入してくる。
そのために体を震わせて、また木野が悲鳴を上げる。
「か、風丸……! 秋だけでも……!」
このままでは木野が持たない。
彼女に挿入れたままの自身だけでも抜かせてくれと円堂は風丸を見るが、彼はククッと意地の悪い笑みを浮かべた。
あれだけ議論されたのにすました顔で投下とか最早荒らし
死ね
死ね
死ね
本当にお前だけは死ね
自分達で決めた事も守れねえ屑
お前だけは死ね
677 :
情合 :2009/12/24(木) 17:22:47 ID:Dl8o+3da
「木野さんは円堂のが挿入ってて気持ちイイんだろ? だったらもっと気持ち良くしてやれよ!」
言って、風丸は円堂を貫いた。
奥深くまで挿入ったソレに、円堂は悲鳴を上げる。
しかし風丸は休む間もなく、腰を動かし始めた。
「ああ……円堂のナカ、温かくて気持ちイイよ……! それに、すごく締め付けて来る……!」
ハァ、ハァと呼吸を乱し、恍惚とした様子で風丸は腰を振る。
こんなのは嫌だ、こんなのは間違っている――頭ではそう思っているのに、円堂の体はナカで暴れる風丸に反応していた。
「んあっ……はっ……んん……っ!」
「ま、守く……」
目の前で嬌声を漏らす彼氏に、木野はどう反応したらいいのか分からない。
彼がこんな顔をするとは思ってもみなかった。
それに、相手は男なのに――。
しかし、深く考えることはできなかった。
円堂は風丸に反応して興奮している――つまり、彼自身も勃起していて。
「あっ、守くっ……ふああっ!」
自分の中で質量を増す彼のモノに、木野も堪らずに腰を振った。
「うああっ!?」
後ろは風丸。
前は木野。
両方に攻められ――
「あっ……ああー!!」
一際高く上がった円堂の声に、風丸は彼の腰をしっかりと押さえる。
「円堂、射精すぞ!!」
「ダメぇっ、これ以上は……!!」
円堂のモノがナカで激しく暴れていた。
もう限界だと言いながら、木野は腰を振るのをやめられない。
風丸が射精し、木野が締め上げ、円堂も射精する。
「ああっ、あああああーーーーー!!」
「うああああっ!!」
「ぁああああんっ!!」
3人は、同時に達した。
678 :
情合 :2009/12/24(木) 17:23:20 ID:Dl8o+3da
「2人とも、ごめん……」
円堂のナカから自身を抜き、重なり合ってぐったりとしている円堂と木野に風丸は謝った。
自分は、どんなに謝っても許されない最低なことをしたのだ。
だからこれはせめてもの罪滅ぼしで、けれど返事などもらえなくて良かった。
「オレ、部活辞めるよ。もうこれ以上、2人に迷惑を掛けないと約束する」
元々その覚悟はできていた。
これからも顔を合わせることはあるだろうが、言葉を交わすことはないだろう。
それでいい。
すべてを失う代わりに、この一時だけの幸福を自分は選んだのだから。
「本当に、ごめん……」
風丸はのろのろと立ち上がり、部室の端のロッカーからタオルを取り出した。
3枚手に取り、2枚を円堂と木野の横に置く。
そしてもう1枚で、汗と精液にまみれた自分の体を拭き始め――
「――ふざけんな」
円堂の声に、風丸は手を止めた。
ゆらゆらと円堂が半身を起こす。
木野から彼自身を抜けば、「んっ」と彼女が声を漏らした。
そして円堂の手を借りて、木野も半身を起こす。
円堂は彼女にタオルを掛けてやってから、風丸を振り返った。
「お前がサッカー部を辞めることなんか、許さない」
睨むような円堂の視線に、風丸は瞳を瞠った。
この状況ならば、彼の方から部活を辞めろと言ってきてもいいくらいだ。
それなのに、なぜ?
「だって、オレは――」
「他の!!」
言いかけた風丸は、円堂の怒鳴り声にそれ以上続けることを許されなかった。
円堂はギッと風丸を睨む。
「他の、真っ当な理由ならお前が辞めるのだって止めない。けど、オレたちから逃げるために辞めるなんて、許さない」
「けど――」
「確かに、お前のしたことは信じられないし、許せない。だけど、オレはお前の気持ちを踏みにじりたくない」
そう言って、円堂は真っ直ぐに風丸を見据えた。
彼は睨んでいる。
けれど、強い瞳には、怒りなど微塵も感じ取れなかった。
彼の言葉の意味が分からず、風丸は困惑し、円堂を見つめ返すことしかできない。
679 :
情合 :2009/12/24(木) 17:24:01 ID:Dl8o+3da
「風丸、オレはお前のことが好きだよ。それは、お前と同じ気持ちじゃないけど――でもオレは、お前が好きなんだ。それに、秋だって」
円堂が横目で木野を見つめると、木野は微笑んで風丸を見つめた。
「確かにさっきは風丸くんのことが怖かったけど――でもね、私も風丸くんのこと、好きだよ。どんなに酷くて痛い思いさせられても、優しい風丸くんのこと、知ってるから」
「だ、だって、オレは……」
――取り返しのつかないことをした。
そのはずだ。
2人に嫉妬して、弄んで、滅茶苦茶にして。
自分がもし2人の方の立場だったら、許せるはずが――
「ある……」
ぽつりと呟いて、風丸は持っていたタオルを落とした。
例えば、円堂に裏切られ、木野に酷い仕打ちを受けたとしても。
自分はきっと許すだろう。
彼らには、そうしなければならない、そうするだけの理由が何かあったのだろう、と。
「風丸、オレは許すよ。もう二度と、こんなことしないって約束するなら、お前のことを許す。っていうか、許させてくれ。オレは、お前の親友のままでいたい」
そう言う円堂は、笑っていた。
その隣で木野も、やはり笑っていた。
酷い言葉だった。
いっそのこと冷たく罵られた方がマシだと思うくらい、残酷な言葉だった。
けれど――
「ごめん……! ごめん、円堂……! ごめん、木野さん……!」
視界が滲んだのは、悲しいからじゃない。
風丸はその場に泣き崩れた。
早く死ね
ルールも破り職人面するな
こんな時に投下するんだから職人でもないただの荒らしか
死ね
681 :
情合 :2009/12/24(木) 17:24:45 ID:Dl8o+3da
「明日は部活、休みにした方がいいんじゃないか?」
自分たちが汚してしまった部室の掃除を終え、風丸が提案した。
明日は土曜日で、学校は休みだ。
「掃除はしたけど臭いはまだ抜けないだろうし……2人とも、立っているのもやっとだろ?」
そう言った風丸に、円堂も木野も真っ赤になった。
「おっ、お前のせいだろうがっ!!」
ガッと怒鳴った円堂に、風丸はアハハと笑い返す。
そして携帯を2人に見えるように見せた。
「っていうか、もう監督に了解はもらったし、鬼道と音無さんに明日は休みになったって連絡網で回してくれるように頼んだから。2人の写真も、ちゃんと消した」
それは仕事が早いと関心するべきなのか、立ち直りが早いと呆れるべきなのか。
円堂と木野は顔を見合わせ――笑った。
「ほらほら、2人はドアから出てさっさと帰れよ。早くしないと木野さんの親が心配するよ?」
部室のドアは鍵を使って開けたわけではないので、誰か1人は入って来た時と逆の方法――つまり、中から鍵を閉めて窓から出なければならない。
風丸の言葉に、木野は慌てて携帯を見て時間を確認した。
もう8時になる。
いつもならもうとっくに家に帰っている頃だ。
「今日はお父さんは遅いって言ってたけど……」
門限が早められては敵わない。
「じゃあ風丸、悪いけど後よろしく!」
「ごめんね、風丸くん。またね!」
円堂と木野はバタバタと部室を後にした。
「またね……か」
手を振って2人の姿を見送り、風丸はフゥと息をついた。
月曜日には、また彼らと笑って話をすることができるのだろう。
もう、友達に戻れないと思っていたのに。
いや――
682 :
情合 :2009/12/24(木) 17:25:17 ID:Dl8o+3da
「友達だから――か」
風丸はフッと微笑んだ。
円堂への気持ちは、まだ友達に対するソレではない。
そう簡単に変わるようなものではない。
それでも――今は、心が軽く感じた。
時間は掛かるかもしれない。
けれど、彼のことを心から親友だと思える日は、必ず来ると確信が持てた。
次の日、風丸は学校に来た。
サッカー部は休みにしたが、他の部は練習をしているので学校は開いていた。
忘れ物を取りに来たと言って職員室で鍵を借り、今日はちゃんとドアから入る。
昨日、東西の窓を開けっ放しにして行ったお陰か、もう臭いはほとんど残っていなかった。
風丸はこの窓を閉めに来たのだ。
ついでに、部室の裏に干して行ったタオルも取り込んだ。
誰もいない部室を見渡し――風丸は椅子に腰掛けた。
またこの部室に戻れるとは思わなかった。
もうすぐ今年のフットボールフロンティアの予選が始まる。
去年優勝した雷門は、所在地の稲妻町だけでなく、周辺の街からも2連覇を期待されている。
そのチームの中に、また自分が立つ。
あーうぜー
ホモはしたらば
ホモはしたらば
ホモはしたらば
ホルスタインモーモー
685 :
情合 :2009/12/24(木) 17:26:05 ID:Dl8o+3da
「何か、夢みたいだな……」
風丸は苦笑した。
この1年、色んなことがあった。
色んなことがありすぎて――後悔することもたくさんだ。
そう、昨晩のことのように。
そういえば、と思い出す。
自分が陸上部からサッカー部の助っ人に来て、もう1年経ったのだ。
今はもう、助っ人ではない。
正式なサッカー部の一員だ。
始まりは、すべて円堂だった。
円堂の助けになりたくて、円堂の力になりたくて、円堂と一緒に戦いたくて、円堂と共に強くなりたくて、円堂と――ずっと一緒に、いたかった。
ただ、それだけだったのに。
「いや」
風丸は頭を振った。
それはもういいのだ。
想いを封印する必要はない。
けれど、彼に許された自分には、それを無駄にしない努力が必要なのだ。
好きだった。
本当に、心の底から好きだった。
だからこそ、彼の気持ちに応えたい。
――コンコン
ドアをノックする音がして、風丸は振り返った。
今日はサッカー部は休みにしたというのに、一体誰だろうか。
けれどノックをしたということは、中に誰かがいるのを知っているということだ。
職員室に鍵を借りに行って先客がいることを知ったのならば、おそらくサッカー部の誰かだろう。
「どうぞ」
風丸が返事をすると、ドアの向こうから音無が顔を見せた。
「あっ、風丸さんだったんですか。鍵借りに行ったら、さっき誰かが持ってったって言われたんで、誰かな〜と思ったんですけど。あっ、おはようございます!」
相変わらずスラスラと言葉を発する音無に苦笑して、風丸もおはようと返す。
「どうしたんだ? 今日は部活は休みになったはずだけど?」
「ええ、今日部活があるはずでしたから、今日の帰りに持って帰ろうと思ってた資料を取りに来たんです。もうすぐフットボールフロンティアが始まりますからね! 他校の最新情報をしっかりと調べておかないと!」
686 :
情合 :2009/12/24(木) 17:26:26 ID:Dl8o+3da
リサーチなら任せておいてください!と胸を張った音無に、風丸はまた苦笑した。
「そういう風丸さんはどうし――」
言い掛け、けれど音無は言葉を途切らせる。
急にどうしたのかと風丸が首を傾げると、音無は彼の目の前までやって来た。
そして、彼の顔を覗き込む。
「風丸さん、どうしたんですか?」
「え? 何が?」
「何だか、泣きそうな顔してます」
そう言われ――風丸は瞳を瞠った。
確かに気持ちは少々沈んでいた。
けれど、同じくらい晴れやかでもいたつもりだった。
だけど、やっぱり――
「……音無さん、もうちょっと前来て」
風丸が手招きすると、音無は不思議そうな顔をしながらも間を詰めた。
もう少し、と更に手招きする。
もう一歩の間もないくらい、音無がすぐ前に立つと――ぼふんっ、と風丸は彼女の胸に顔を埋めた。
「か、風丸さんっ!?」
彼の予想外の行動に、音無は真っ赤になって慌てる。
けれど風丸は完全に体重をこちらに掛けているので、音無が後ろへ下がればそのまま前へ倒れてしまうだろう。
「あのっ、風丸さ……」
「ちょっとだけ」
あわあわと狼狽える音無に、風丸はそっと瞳を閉じた。
「ちょっとだけ、ごめん……」
泣きはしない。
けれど、1人で堪えるのは辛いと思った。
誰かの温もりを、そばに感じたかった。
「風丸さん……」
音無は困ったように風丸を見つめ――その姿が、昔の自分と重なった。
どこか脆くて、突き放したりしたら、消えてなくなってしまいそうに感じた。
だから、そんなことはできなくて。
代わりにそっと、彼を抱き締めた。
687 :
情合 :2009/12/24(木) 17:26:56 ID:Dl8o+3da
「音無さんの心臓、すごいドキドキいってる」
暫くして、風丸がそんなことを言った。
音無は驚いて真っ赤になる。
「なっ!? だ、だって、急に風丸さんがこんなことするからじゃないですか!!」
「そっか、ごめん」
風丸は苦笑し、体を起こした。
「……もう、大丈夫なんですか」
頬を膨らませながらも、音無は心配そうに訊ねた。
風丸はにっこりと微笑んで、彼女の頭を撫でる。
「うん、ありがとう」
どうやら無理をしているわけではなさそうだ。
音無はホッと胸を撫で下ろし、取りに来た資料を探して棚を物色し始める。
目当てのものはすぐに見つかったようだ。
「音無さん、この後暇?」
「え? 特にこれといった用はないですけど?」
風丸の声に音無がきょとりとして振り返ると、彼は笑った。
「じゃあ、ちょっとお茶して行かないか? 今のお礼に奢るよ」
「えっ、本当ですか!? 私、前から気になってるお店があるんです! ちょっと遠いけどそこでもいいですか!?」
「ああ、もちろん」
キラキラと瞳を輝かせる音無に、風丸はまた苦笑した。
明るい彼女といれば、こんな気分もきっとすぐに吹き飛ばせる、そんな気がした。
円堂への気持ちは、簡単に諦められるようなものではないけれど。
彼に伝えた想いが、否定されなかった。
今はそれで十分だと思いたい。
彼以上に好きになる相手が、これから現れるかなんて分からない。
けれど、彼に拒絶されなかったことが予想外であったように、自分には想像もできないようなことが、これからの未来にはまだまだ待っているのだろう。
だから、今はただ進もう。
彼への想いを、この胸に大事に、大事にしまって――。
何がしたいの?
お前の作品なんて誰も読みたくない
ホモやるならしたらば
決めたじゃん
死ね
はいはい
投下の邪魔をするjW+StxaLが真っ先に死んでねー
>>628 こんな状態のスレにわざわざGJ!
691 :
龍の咆哮:2009/12/24(木) 17:32:45 ID:Dl8o+3da
瞳子×染岡…ですが、最後の方は染岡×瞳子
692 :
龍の咆哮:
「染岡くん、ちょっと来なさい」
さぁ寝よう、と皆がイナズマキャラバンに乗り込もうとしていた時だった。
瞳子監督の声に、全員が振り返る。
「何でオレが」
染岡は不満を隠すつもりもなく、唇を尖らせてそっぽを向いた。
予想通りの反応と言わんばかりに、瞳子はフフンと不敵な笑みを浮かべる。
「逃げるの? それとも私が恐い?」
「何だと!?」
瞳子の言葉に染岡は声を荒げる。
今にも殴り掛かりそうな雰囲気の染岡を、隣にいた円堂と土門が止めた。
全員が心配そうに監督と染岡を交互に見つめるが、瞳子は不敵な笑みを浮かべたまま微動だにしない。
皆に注目され――何よりも監督にバカにされたままでいるのは気に食わないので、染岡はチッと舌打ちをして、
「――分かった」
と渋々頷いた。
「皆は先に休んでいなさい」
染岡のことを心配そうに見送りつつ、瞳子監督の言葉に円堂たちは「はーい」と返事をした。