奴隷・ペット・家畜にされる女の子 2匹目

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540名無しさん@ピンキー:2011/01/17(月) 17:54:32 ID:FyQOClac
アタシ達が地上に上がるエレベーターの前に行くと、二年の先輩方が待っていた。
「先輩方、お疲れ様です」
由紀乃に続いてアタシとちさとも先輩方を労った。
「やーん!ちさとちゃん会いたかったよ〜」
「深雪!独り占めズルイ!」
むむ、ちさとめ。
相変わらず先輩方のマスコットだな〜。
「なつきさん、ちょっと…」
おや?ちひろ先生、なつき先輩と内緒話?そんな事したら…
「やだ、ちさとちゃん、そんなしかめっ面しちゃダメだよ〜」
「ほら、笑って笑って」
ジェラシーストームが吹き荒れてますなぁ。

その内にエレベーターが来たので地上に上がる。
先輩方は一時の休息を得られるけど、アタシ達ひよこ組はもう一仕事残ってる。
「今日はどうする?」
「そうねぇ…」
「和食でいいんじゃない?今週はまだ和食は出してないもん」
「んじゃ、和食って事で」
そう、アタシ達生徒の料理である。
エリート奴隷には、接待疲れで手料理に飢えているご主人様をもてなすスキルも必要…らしい。
先輩方は、ハッキリ言えば毒味役で試験官なのだ。
「じゃあ私は…ブリ大根にしようかな。ちさとは?」
「私は…きんぴらごぼうかな」
「ん〜……お、タイがあるじゃん。刺身はどうよ?」
「いいわねぇ」
「ちゃんとウロコ取ってよ?」
「分かってるっての!」

刺身とは言え、三学年八人とアタシらひよこ組三人の分だから、二匹捌かなければいけない。
ここに来て、初めて包丁を握ったアタシには、半年程度じゃあまだまだ時間がかかる。
「……ん、いい味」
「私も出来たよ…あれ、優香ちゃん、お刺身じゃなかったの?」
「ふっふっふ……まあ聞きねぇ聞きねぇ皆の衆」
由紀乃とちさとが怪訝な顔でアタシの話を聞く。
話を聞いてるうちに…その顔はある表情に変化していった。

夕食の時間になり、先輩方が食堂に集まってくる。
「あら?これ、カルパッチョよね?」
「ドレッシングかかってないよ?」
さて…先輩方がどんな反応をするかな?
「えっと、今日のメニューはブリ大根と、きんぴらごぼう、鯛のカルパッチョ…お、おまんこソース仕立てですっ」
さすがにこんなバカげた料理を口にするのは恥ずかしいか、ちさと。
先輩方の反応は……
う、ぽかーんとしてる…外したかな?
「アッハッハ!!!」
「やっちゃったよこの子ら!!!」
「アホだー!!」
「優香ちゃんだろ〜!これ考えたの!」
いや、そうなんですけどね?
「はいはい、静かに!」
三年の智香先輩が笑いながら手を叩く。
「とりあえず、食べてみましょう。ちさとちゃん、いらっしゃい」
「え〜!?」
「ジャンケンで決めましょうよぉ!!」
二年と一年の先輩方が不満を上げるが、智香先輩はニヤリと…
「あら?上級生に逆らうおつもり?」
アタシ達生徒は完全な年功序列で、上級生は先生の次に偉いのだ。
541名無しさん@ピンキー:2011/01/17(月) 17:56:19 ID:FyQOClac
結局ちさとは三年のテーブルに。
アタシはなつき先輩に呼ばれて二年のテーブルについた。
「それでは…」
なつき先輩が一切れ、トロトロになっているアタシのおまんこに鯛を絡める。
「ひゃう…」
「……ん!結構美味しいじゃない!」
「え、本当?」
紗弥加先輩が続いて…
「あんっ!」
「……あら本当!少しの砂糖とお酢を下味にしてるのね。優香ちゃんのおまんこソースと上手く合ってるわ」
「へぇ〜」
「どれどれ?」
「んぅ…あっ、ああんっ!ゆ、悠里先輩クチャクチャしないでぇ!!」
深雪先輩に続いて悠里先輩が、アタシのおまんこに鯛を押し付けてマン汁によーく絡ませる。
「ん〜!絶品かも!」
「確かに美味しいけど…」
え?
「悠里先輩、お気に召しませんでした?」
その問いに答えたのは、なつき先輩だった。
「ほら、貴子先輩が難しいお顔をなさってるでしょ?出るわよ〜『海原貴子先生』が」
驚いて三年のテーブルを見たと同時に、貴子先輩が立ち上がった。

「主を呼べぃ!!!」
あのマンガそっくりな口調で貴子先輩が叫ぶ。
なつき先輩が笑って「行ってらっしゃい」と私を促した。

「え〜と?貴子先輩?」
絵に描いたようなごますりキャラで貴子先輩に近寄るアタシ。
「味わ悪くないわ。最高と言ってもいい。でも優香さん、あなた決定的なミスを犯していてよ」
決定的!?そんなバカな!?
「まず、あなた達がテーブルの上に座る事で、私達の座る位置が制限されてしまう事…私達三年や一年は二人だから、まぁ許容範囲だけど」
なつき先輩達を見て、呆れたように首を振る。
「なつきさん達は四人もいるのよ?どうしたってこの料理を食べようとしたら、席を立つ事になるわ。お食事中に席を立つのは、はしたなくってよ」
「ぅ…確かにそうです…」
奴隷だろうとご主人様だろうと、確かにそれはマナー違反だ…
「次に、ちさとさんをご覧なさいな」
「え?」
「ふぇっ!?」
びっくりしてちさとを見るアタシと、ちさとの視線がぶつかった。
「ちさとさんのおまんこソースが、テーブルクロスを汚しているわ…他のテーブルも同じじゃなくって?」
見れば、先輩方がウンウンと頷いている。
「味がいくら良くても、これじゃ台無しだわ。そう思わない?」
「……そ、の…通りです…」
情けない。
先輩方に喜んで頂きたかったのに、結局はちさとにも由紀乃にも迷惑をかけちゃった…
「申し訳ありません…」
情けなくって、涙がポロポロこぼれるよぉ…
「泣かないの。あなたが私達のためにしてくれた、その想いは十分に解るわ。でも、完璧な奴隷として、もう少し考えてもらいたかったのよ」
その慰めが、余計アタシを情けなくさせた…
542名無しさん@ピンキー:2011/01/17(月) 17:57:38 ID:FyQOClac
「まあまあ、そんな落ち込まないで。考え方を変えればいいのよ」
助け舟を出してくれたのは智香先輩だった。
「最初からこうして…ん…」
鯛を一切れ、自分のおまんこに入れ、クチュクチュと…マン汁がよく馴染むように絡ませる。
「おまんこソースに和えて盛り付ければ良かったの。はい、アーン」
アタシの口に鯛が入れられる。
「ん〜!!!智香先輩のおまんこソース、ベストマッチです〜!!!」
そりゃあ、先輩方に食べて頂く以上、味見はするけど、アタシもちさとも、由紀乃のおまんこソースだってこんなに美味しくなかったよ!
「あらあら、泣いたカラスがもう笑ったわ」
食堂にみんなの笑い声が響く。
……カッコ悪いなぁ。
「さあ、食事の時間が終わっちゃうわ。優香ちゃん、早くおまんこソースに絡めてちょうだい」
なつき先輩の声で、私達はいつもの食事風景に戻る。

「ごめん。ちさと、由紀乃。アタシがバカだったよ…」
食事の後、皿洗いの時間。
アタシは自分の失敗を二人に謝った。
「何言ってるの。先輩方にも喜んで頂けたじゃない」
「そうだよ。それに、貴子先輩に叱られた事だって、私にも由紀乃ちゃんにも責任あるし」
「でもさぁ…」
発案者がアタシである以上、アタシだけが失敗の責任を負うべきだと思うんだ。
「…今日はアタシ、オナ禁するよ」
アタシ達は寝る前に、それぞれのオナニーを見せ合いっこする。
当然、それだけじゃ物足りずにレズっちゃうけどね。
でも、今日はアタシがアタシに与えるお仕置き。由紀乃とちさとが気持ちよくなってる声をガマンして聞きながら寝よう…
「優香…」
「まぁ、これも『おあずけ』の訓練だと思えば、だし?アタシの事は気にしないでよ」
無理矢理に明るい声でアタシは話を打ち切る。
「それがそうもいかないのよねぇ」
いきなり後ろから掛けられる声に驚いて振り向くと、なつき先輩が立っていた。
「優香ちゃん、あなたおまんこを洗わずに寝るつもり?」
「え?」
「そんなことしたら、おまんこの中が生臭くなっちゃうわよ?」
「あ!?」
想像して身震いする。
……そんな臭いおまんこを、毎朝しているおまんこチェックで晒すなんて!!
「それに美味しい料理のご褒美に、私達があなた達のおまんこ洗ってあげようと思ったんだけど?」
「お願いしますっ!!」
さっきまでの落ち込みなんかどこ吹く風。
アタシのおまんこが期待にキュッと締まり、マン汁が溢れてきた。
「優香ちゃん…」
「ポジティブねぇ…」
由紀乃とちさとが呆れたように呟く。
ふん!悪いか!これがアタシなんだ!
543名無しさん@ピンキー:2011/01/17(月) 17:59:28 ID:FyQOClac
寮のお風呂は以外と大きい。
生徒全員が入っても、かなりの余裕があるけど、そこは年功序列。アタシ達は一番最後なんだけど…
「何をしてるの?早くいらっしゃい」
今日だけはなつき先輩達二年の方々と一緒だ。
「じゃ、まずはおまんこの臭いをチェックしましょうか」
悠里先輩と深雪先輩が、椅子…スケベイスに座らされたアタシのおまんこを覗きこむ。
「あら〜…」
「やっぱり生臭いね」
毎朝のおまんこチェックに慣れてるはずだけど…やっぱり間近で臭いを嗅がれるのは恥ずかしいなぁ…
「じゃ、おまんこ洗っちゃおっか」
悠里先輩が指にボディソープを付けて、アタシのおまんこに…入れる。
「ああんっ!」
ヌルリとした感触、ゆっくりとした指の動き。
「あっ…せ、んぱい…気持ちいっ…」
襞を丁寧になぞり、アタシの反応を楽しむように、指はいやらしく動く。
「ひっ…いいの…指がぁ…あひぃっ!」
Gスポットに指が触り、アタシの体に電気が走る。
「優香ちゃんはココが弱いんだね…」
アタシの弱点を知った悠里先輩が、そこを重点的に責めたてる!
「あんっ、先輩っ!そこばっかりいやぁっ!ア、タシおかしくなるうっ!!」
「いいのよ…ほら、おまんこの臭いも牝の臭いになってるよ…」
「い、やあ…!ダメなのぉ!アタシダメぇっ!」
目がチカチカしだして、体かイく寸前だと訴える。
「こっちも綺麗にしようね」
「はひぃっ!?何なのぉ!?」
深雪先輩が、アタシのアナルに指を入れた!
おまんことアナルの同時責めが、こんなにも気持ちいいなんて―!!
「ダメぇ!!アタシもうダメぇっ!!イくぅ!もうイくのぉ!!!」
頭の中が焼ききれそうになる寸前、ピタリと指の動きが止まる。
「ああ!?どうして!?止めないで!止めないでぇ!おまんことアナルくちゅくちゅして下さいぃっ!!」
「うふふ…」
「やだなぁ、優香ちゃん。おまんこも、アナルも洗い終わったんだよ?」
「私達は優香ちゃんを洗ってあげるとは言ったけど、優香ちゃんがイくかどうかなんて知ったことじゃないよ」
そ、そんな…!
このままじゃアタシ、おかしくなっちゃうよ!
「お、お願いします!アタシを…アタシを…!」
もうイく事しか考えられなくなっていたアタシに、最後の理性がストップをかける。

これじゃ、普通の奴隷と変わらないよ―!!

そうだ。
アタシは一番の奴隷になるって決めたんじゃない!
こんな責めぐらいでガマン出来なくて、ちさとや由紀乃に勝てるかっての!
「ゆ、悠里先輩、深雪先輩、アタシのおまんこを洗って下さってありがとうございました」
床に正座して、頭を下げる。
「う〜ん…追い込み方が足りなかったかな」
「そんなことないよ。やっぱり、ちひろ先生がゴリ押しして担任になるだけあるよ」
え?どういうこと?
544名無しさん@ピンキー:2011/01/17(月) 18:01:07 ID:FyQOClac
「えっと?ちひろ先生がゴリ押ししたって…」
「あら、優香ちゃん知らないんだ?」
深雪先輩がまずい事を言ったかな、と悠里先輩を見る。
「話してもいいんじゃない?その方が覚悟も決まるだろうし」
「そう…だよね」
姿勢を正した深雪先輩が、ボソリと話し出す。

「元々ね、ちひろ先生は三年の担任だったんだよ」
「それが四ヶ月前かな。最高の素質を持った子がいるから、どうしても私が育てたいって、上に掛け合ったみたい」
四ヶ月前…ちさとがここに来た時期と一致する。
そっか…やっぱりアタシ、ちさとには勝てないのかな…
「この子達なら、最高落札記録…十二億だったかな…それを更新出来る!って、言ってたらしいよ」
「え?」
この子達?
「この子達って…アタシもでしょうか?」
「そりゃあ由紀乃ちゃんは主持ちだし、複数形で言うからには優香ちゃんとちさとちゃんしかいないじゃない」
何を言ってるのという目でお二人がアタシを見る。
「あは…あはは…」
「ちょ、ちょっと、優香ちゃん?
「いきなり何?」
嬉しくて笑いだしたアタシを薄気味悪そうに先輩方が見るけど、そんなのどうだっていい。
ちひろ先生がアタシにつけた三億、それが正当な値段だった事が凄い嬉しい!!
「悠里先輩!深雪先輩!」
「ひっ!?」
「な、何?」
「ご奉仕させて下さい!」

後で聞いた話。
深雪先輩曰く「ほとんど脅迫だったよ」と言えるぐらい、アタシのお願いは怖かったらしい―反省しなきゃ。
545名無しさん@ピンキー:2011/01/17(月) 18:07:05 ID:FyQOClac
ここまで。

3月ぐらいまで忙しくなりそうなので、次の投下からは暇を見ての短い投下になるかも…
このご時世、仕事があるのはありがたい話なのでご容赦を。
546名無しさん@ピンキー:2011/01/17(月) 18:58:45 ID:SHXz2KJn
面白くてわらっちまったよ
下半身は正直に反応してたけどw

気長に待つから大丈夫さっ
547名無しさん@ピンキー:2011/01/18(火) 22:05:05 ID:fkgdM5lv
>>545
GJ
続き待ってる
548名無しさん@ピンキー:2011/01/20(木) 17:45:46 ID:6cQokrVf
仕事上がりの電車待ちから投下。
昨日の夜に書いてて、気がついたら午前2時だったとか大丈夫か俺orz

ではスタート
549私立桜蘭学園特別進学科:2011/01/20(木) 17:48:00 ID:6cQokrVf
アタシが桜蘭に来て早くも八ヶ月が過ぎようとしていた。
桜蘭の名に相応しく、寮の周りには何本もの桜が、チラホラと花を咲かせる。
「いよいよ明日だねぇ…」
「そうねぇ…って、あんっ!ちさと、少し休ませてってば」
「おお!?ちさとのクセに生意気な!やらせはせん!やらせはせんぞぉ!」
「優香も対抗心を燃やさないでよ!」
久しぶりの休日を、日がな一日アタシ達は裸のお付き合いをしていた。

明日は待ちに待った高等部の入学式だ。
アタシ達は、ひよこから奴隷としての第一歩を歩み出す。
由紀乃もちさとも長い付き合いだ。口に出さなくても解る。
授業について行けるのか、と言う不安。
ついて行けなければ容赦なくBクラス落ちになる。アタシ達は、それを本当に見た。
「あいり先輩、また戻ってこれるよね?」
「……うん」
「大丈夫よ。あいり先輩なら…」
そう答えながらも、アタシも由紀乃も分かってる。聞いたちさとだって、本当は分かってる。
一旦Bクラスに落ちた人は、九割方戻る事はないって。
アタシ達Aクラスの生徒が最も恐れる試験―長時間の寸止めプレイ。
一年のあいり先輩の追試をアタシ達は、幸か不幸か、見学させてもらえた。

『イかせてぇ!!!もうイヤあああっ!!!殺してっ!!!あいりを殺してぇっ!!!』
テレビでよく見るラジオの収録スタジオみたいな部屋。
そのミキサー室に、あいり先輩の絶叫が響いていた。
「ねぇ!?大丈夫だよね!?あいり先輩大丈夫だよね!?」
ちさとが必死にアタシと由紀乃に聞いてくる。
「当たり前じゃん!」
「そうよ、大丈夫。あいり先輩なら大丈夫…」
答える由紀乃も、必死になって祈っている。それだけ、あいり先輩の様子が限界だと分かってるから。
『あ゛あ゛あ゛あ゛っ!!!イくうぅっ!!…いやああっ!?止めないでえ!!イかせてっ!!お願い致しますからあいりをイかせて下さいぃっ!!!』
信じられなかった。
あのクールでカッコいいあいり先輩が、顔をグシャグシャにして、頭を振り乱して泣き叫んでいるなんて――!!
「時間は…!?」
あと一時間もある!!
「あいり……!」
食い入るように見ていた青葉先輩が、苦しそうにあいり先輩の名前を口にした。
550名無しさん@ピンキー:2011/01/20(木) 17:49:29 ID:6cQokrVf
『ハアッ、ハアッ……いひぃっ!!もっ、もういやああ!!!死ぬうぅ!!死なせてぇっ!』
体中を椅子に縛られ、U型便座みたいな座板の下からは機械仕掛けのバイブとアナルバイブが情けの欠片もないピストン運動で、あいり先輩を追い込み
別の機械から延びるアームは、乳首とクリトリスを電動歯ブラシみたいな器具、それと変わりばんこで小さいカップが吸い付いて一気に吸引する。
アタシにだって想像しなくても、地獄のような責めだって分かる。
「あいり!あと五分よ!!」
「頑張って…!先輩!」
青葉先輩が祈りから、必死の呼び掛けに変わった。代わりに、今度は由紀乃が手を組んで祈り始めた。
ちさとは……ちひろ先生にしがみついて、ただ泣いていた。
「先輩、ファイトー!」
あと三分だ――!!

機械を操作している聖子先生にも悲痛な表情が見える…
桜蘭に来てからすぐに解ったけど、先生方は厳しいけどアタシ達が出会った大人の中では、誰よりも優しかった。誰よりもアタシ達の事を考えてくれてた。
仕事とは言え、自分が手塩にかけて育てている教え子を、自分の手で地獄に落とすんだ。気分がいいはずがない。
『殺してぇ!!!おまんこ死ぬぅ!!!ケツまんこずぼずぼしてよぉっ!!ダメぇ!!!止めないでよぉ!!!』
時計の針は―一分を切った!

「ああ…先輩…」
時計を見た由紀乃が、安堵の声を漏らした途端だった。
「そんなにイきたいの?」
聖子先生がマイクのスイッチを入れて、あいり先輩に呼び掛けた。
『はひぃっ!!イきたいの!!イかせて下さぁいっ!!!』
聖子先生から出た言葉は、あまりにも残酷な選択肢だった。
「……Bクラスに落ちてもいいの?」
「ダメぇっ!!耐えて!耐えなさいあいり!!!」
ついに部屋を隔てるガラスを叩いて、青葉先輩が叫ぶ。
「あいり先輩!」
「頑張って!頑張って!!」
「あと三十秒です先輩!」
アタシも、ちさとも由紀乃も声の限りに叫んでいた。

『いいですっ!Bクラスでいいですからあっ!!あいりを殺してぇっ!!!!』

その場にいる全員が声にならない叫びを上げた。
「……解ったわ。イきなさい」
「待って下さい先生!もう一度!もう一度チャンスを―!!!」
青葉先輩が聖子先生に叫ぶけど、聖子先生は唇を噛み締めて機械を動かした。
『あああああ!!!!死ぬうぅっ!!!死んじゃうぅっ!!!!』
あいり先輩の体が強ばり、糸の切れた操り人形みたいにガクンとなった。
「聖子せんせ…!?」
聖子先生に、何とかお願いしようとしたアタシの目に映ったのは…噛み締めた唇から流れる血を拭おうともせずに、硬く目を閉じる姿だった。
551名無しさん@ピンキー:2011/01/20(木) 17:51:37 ID:6cQokrVf
しばらくして血を拭った聖子先生がPHSを取り出し、どこかに電話をかけた。
「もしもし、大嶋です……はい…いえ、新城あいりは…落第、です…はい…お願い、します…」
落第――それは、Bクラスに落ちると言うこと。

あの、あいり先輩が?
アタシがここに来て一ヶ月「そろそろ体がうずくでしょ?」って、お風呂上がりにもう一度、お風呂に連れこまれておしっこ―聖水を頂いて、
その後のお掃除の仕方まで教えて下さって…
次の日、自分から聖子先生に申告して、一週間の貞操帯の罰を受けたのを聞いたアタシが、何でアタシなんかのためにそこまでって理由を聞いたら一言―
「私も同じだったからね」
その晩、アタシは由紀乃の胸で、寝るまで泣いていた。
アタシはその恩をひとつも返せていない!それなのに、先輩ともう会えなくなるなんて!

「聖子先生!」
「……何か?」
抑揚の無い、静かな声にビビりながらも、アタシは必死にお願いした。
「あいり先輩、頑張ったじゃないですか!あと十秒も無かったんですよ!?それなのに…!」
「そうですっ!あんまりですっ!これじゃ、あいり先輩がかわいそうですっ!」
ちさともアタシに乗っかって聖子先生にお願いする。
「もう一度、もう一度チャンスを…っ!?」
必死に食い下がるアタシとちさとに、青葉先輩がビンタを――!
「かわいそう、ですって?」
震える声で、青葉先輩がアタシ達を詰問する。
「ひよこのクセに、あいりに同情しようって?あなた達、何様のつもり!?」
「ち、違います!」
「そんなつもりじゃ…!」
「じゃあ、何なのかしらね?」
アタシも、ちさとも……何も言葉を返せない。
「あいりには所詮、Bクラス程度の素質しかなかった。それだけの話よ……先に教室に戻らせて頂いてもよろしいでしょうか?」
「ええ、私もあいりさんの処置が終わったらすぐに行くわ」
失礼します、と話を無理矢理に打ち切って、青葉先輩が出ていく。けど……
あんまりの暴言じゃない!?許せない!
「そんな言い方ってないんじゃないですか!?」
アタシの声に振り向かないまま、青葉先輩の姿が消えた。
追い掛けようとしたアタシを由紀乃が抱きついて止める。
「優香!……解ってるんでしょう?解ってるわよね?」
そう。解ってる。
アタシだってバカじゃない。青葉先輩が、あいり先輩のプライドを…奴隷としてのプライドを守ったんだって。
「…っく…う…っ…ぐ…」
アタシには――声を殺して泣く事しか出来なかった。
552名無しさん@ピンキー:2011/01/20(木) 17:53:00 ID:6cQokrVf
夕食の時間、誰一人として言葉を口にせず、黙ってカレーを食べていた。
貴子先輩と智香先輩はアタシから事情を知り、二年の先輩方は既に結果を知っていた。

居るべきはずの人がいない。
その事実は、アタシ達を残酷に打ちのめした。

「遅くなりました」
青葉先輩が十分ぐらい遅れてやって来た。
「……あいりから、皆さんに伝言です」
下を向いたまま、青葉先輩が言葉を紡ぐ…

「アイ・シャル・リターン…私は必ず帰る、と」
しばらくの無言の後、紗弥加先輩がいきなり笑いだした。
「あはははっ!マッカーサーかよ!青葉ちゃん、あの子落ち込んでるなんてもんじゃないだろ〜!」
「そうなんですよ!『ちょっとBクラスがどんなのか見てくるわ』って、まるで旅行気分!」
泣くのを堪えて下を向いていたと思ってた青葉先輩が笑って答えた。
……笑いを堪えてたの!?
「やれやれ、この分じゃ明日には帰ってきそうねぇ」
智香先輩が呆れたように笑う。
「案外、Bクラスの授業が気になって、わざと行ったんじゃないの?」
「うわ、ありそー!」
深雪先輩も、悠里先輩も、とんでもない推測を口にして笑っている。
それからは、普段と変わらない食事の時間になっていた。

お風呂の後、アタシ達は青葉先輩の――青葉先輩と、あいり先輩がいた部屋を訪ねた。
「ん?みんな揃ってどうしたの?」
部屋に入れてくれた青葉先輩が、いつもと変わらない優しい声で聞いてくる。
「先程は…申し訳ありませんでした」
「先輩のお気持ちも解ろうとしないで、恥ずかしいです…」
アタシとちさとが青葉先輩に謝る。
「いいのよ。逆にそう言ってくれる後輩がいない方が悲しいからね」
笑ってアタシ達の謝罪を受け入れてくれた。
「別に謝ってもらう事じゃないわ。私も成り行きとは言え、あなた達に酷い事をしたしね…さ、この話はおしまい。帰って三人でレズって寝なさい」
「いえ、あと一つ、お聞きしたい事が…」
「何かしら?」
「あいり先輩の、本当の伝言って何ですか?」
「っ!?」
何度も言うけど、アタシはバカじゃない。って言うか、バカはAクラスに居られない。
妙にテンションの高かった深雪先輩と悠里先輩。
口調こそ普段通りだったけど、拳を握り締めていた青葉先輩。
簡単な話だ。先輩方は、アタシらひよこ組を気遣って、わざと場を明るくしてくれんだ。
553名無しさん@ピンキー:2011/01/20(木) 17:55:24 ID:6cQokrVf
「そっか……バレてたか…」
青葉先輩が長いため息を吐く…
「あいりは何も……ただ『みんなに、ゴメンて謝って』って」
寂しそうに笑う青葉先輩に、アタシ達は何も言えなかった。
改めて部屋を見回して思う。
「一人だと広いですよね…」
「ああ…そうだね。だから明日からは深雪先輩と悠里先輩の所にお邪魔させて頂くの。おいでって言ってくれたし…」
「せ、先輩。私…ここに泊まっちゃダメですか?」
「ちょ、ちさと!」
ちさとの気持ちは分かる。ちさとだってあいり先輩にはお世話になったんだ。あいり先輩の香りが残るベッド…そこに居たいんだろう。
「あらあら、ダメよちさとちゃん。今日は私達の相手をするの」
いきなり後ろに現れた智香先輩と貴子先輩が、ちさとを抱きかかえた。
「ふぇ?せ、先輩!?」
「う〜ん、軽いなぁ。ちさとちゃん」
「体重何キロなのかしら?」
「とにかく拉致!それでは皆さん、いい夢を!」
「ふえぇ!?おーろーしーてー…!」
台風みたいな勢いで先輩方が去って行くのを、アタシ達はポカーンと見ていた。
「あの人達、あんなフットワーク軽かった?」
誰にともなく聞いたアタシの呟きは、青葉先輩にも由紀乃にも答えはなかった。

「も、もうダメぇ…」
アタシとちさとの愛のこもった?責めをタップリ一時間受けてた由紀乃がついにギブ。
「ふ…はは…まだだ、まだ終わらんよ由紀乃…アタシはあと十年戦えるぞぉ…」
「私は疲れたよぉ……」
よし勝った!参ったか、ちさと!

心地いい疲れを、春の陽気が癒していく。
「頑張ろうね、あいり先輩の分まで…」
アタシの腕枕でちさとが呟く。
「ええ…」
これまたちさとの反対側でアタシを腕枕にしている由紀乃が呟く。
「……重いから退きなさいっての!」
当然でしょ!?か弱い乙女の腕は、枕にするためにあるんじゃない!
「ちょ、由紀乃!ちさと!」
「……くー…くー」
「すぅ…すぅ…」
「はぁ!?」
マジ寝!?ちょっと、嘘でしょ!?
「くー…」
「すぅ…」
「…ま、いっか……」
アタシでさえドキッとするほどカワイイ寝顔が、どーでもよくさせたのだった。

554名無しさん@ピンキー:2011/01/20(木) 18:05:46 ID:6cQokrVf
ここまで。

ちょっとシリアスにしすぎたかな。
あと、次こそは授業風景……いや、まだ出せないか。申し訳ない。
555名無しさん@ピンキー:2011/01/21(金) 19:32:11 ID:CCwVtIrA
>>554
GJです!!
556名無しさん@ピンキー:2011/01/22(土) 01:25:37 ID:o9JU2bxJ
期待age
557名無しさん@ピンキー:2011/01/24(月) 17:46:30 ID:Mg/iCOm/
GJ
全裸待機は奴隷たんにまかせよう
558名無しさん@ピンキー:2011/01/25(火) 15:00:17 ID:FvsI5Mwl
GJ!

そういえばここって魔物系はありなの?
怪物に奉仕する女の子とかが好きなんだけど…
559名無しさん@ピンキー:2011/01/27(木) 23:06:56 ID:V1xJMmD6
>>558
ありですよ
書いて下さい!!
56056:2011/01/30(日) 22:20:29 ID:U0wCUU/L
 久しぶりに書きます。
 去年のバレンタインに合わせて書いてたけど、間に合わなかった話。
 ふと思い出したんで仕上げてみました。

 また女の子同士の話。
 中ごろからはスカ要素が入ります。
 今回の書き込み分は、半分ほど非エロ。

 以上、好みに合わない方はタイトルで飛ばしてください。
561聖なる日から:2011/01/30(日) 22:21:17 ID:U0wCUU/L
 二月に入り、街は華やかなディスプレイに彩られるようになってきた。
 洋菓子店の前には派手に飾られたワゴンが並び、少女たちが取り囲んでいる。
 そんな光景を横目に見ながら、那柚はさりげなく足取りを緩めた。
 人ごみの中に知った顔がいないことを確かめ、足を止める。
(入りづらいんだよなぁ・・・)
 群れをなした少女たちが、グループで固まり嬌声を上げている。
 その中に割ってはいるのは、考えるだけで臆してしまう。
 こんなイベントに合わせてチョコを買うのも、渡すのも、キャラに合わないのは判っていた。
 中性的な顔立ちと、さっぱりとした気性のせいで、同性から異常に慕われる自分。
 チョコは渡すものではなく、貰う物だとずっと思ってきた。
(どうしよう)
 即断即決をモットーにしているのに、ここではそれが生かされなかった。
 らしくもない逡巡を抱え、一度は店を通り過ぎる。
 想いを打ち明けられない男子がいるというのなら、思い切ることができただろう。
 だが、店に入ろうとする理由は、少し違っていた。
 そもそもチョコを買っていいのかどうか、思い切るべきかどうか、その答えが出せないでいる。
(今日はやめとこ・・・)
 店の前を二度通り過ぎた末、那柚は結論を先送りにしていた。
 
 
 迷いながら日を送っているうちに、二月の十四日はあっけなくやってきた。
 もてない男子からの恨めしげな視線を受けながら、貰ったチョコを紙袋に仕舞い、帰り支度をする。
 何日も迷い、そっけないものではあるが、チョコの包みは用意した。
 だが、結局それを渡すことなどできないまま、一日が終わろうとしている。
 自分がこんなに思い切りの悪い性格だとは、思っても見なかった。
 那柚は切なげにため息を吐くと、自分を鼓舞するように頬を叩き、横目で教室の一番後ろの席を窺った。
 鞄に教科書を詰める長身の少女を見つめ、咽を鳴らして唾を飲み下すと、さりげなく歩み寄る。
「よお、翠。またずいぶんと貰ったな」
「あ、うん・・・」
 机の傍らに置かれた紙袋には、那柚と変わらないほどのチョコが詰められていた。
 無口で物静かな、同年齢とは思えない落ち着きを見せる少女は、那柚とは違う人気を同性から集めている。
 普段はそれをあまり気にしていないようだが、実のところ迷惑なのだろう。
 断りきれずに貰いはしたが、処理に困っているのが判った。
562聖なる日から:2011/01/30(日) 22:22:28 ID:U0wCUU/L
「まったく、女子高でもないのに、なんだって私たちに渡すのかな?」
 クラスの半分以上は男子で、その中にはそこそこのいい男もいる。
 何も、わざわざ女である自分たちにチョコを渡してくる必要はないだろう。
 那柚も翠も、胸は標準以上に大きく、女であることを強くアピールしているというのに。
「・・・仕方ないから」
 決まった異性への恋愛感情を持たない少女たちが、擬似恋愛の対象としてほのかな憧れを寄せるのが、
自分たちとは異質な同性なのだろう。
 中性的な那柚と、落ち着きを見せる翠とは、共にその対象となっている。
 自分でもそれが判っているのだろう。
 翠はあきらめたようにつぶやき、チョコの詰まった紙袋を持ち上げた。
「私なんかは、チョコ好きだからいいんだけどさ。翠、迷惑じゃないか?」
「・・・チョコは嫌いじゃないし、みんなの気持ちを断るのも・・・」
 暗に迷惑だと言っているが、直情型の少女はそれを解さなかった。
 翠はチョコを受け取ってくれる。
 それだけを理解し、自分の中で咀嚼する。
「あ、あのさ」
 肩を並べ、しばらく無言で歩いていた那柚が言葉を発したのは、周囲に人影が無い踊り場だった。
 かばんを開いて小さな包みを取り出し、できるだけ素っ気なく相手に差し出す。
「いつも、世話になってるからさ。お礼ってことで」
 実際には、そんな簡単なチョコではない。
 だが、本当の気持ちは言えなかった。
 言い訳をしながら、赤らめた顔を逸らした那柚は、鼻の頭をかきながら、チョコを真っ直ぐ翠に向けた。
「・・・・・」
「・・・翠?」
 相手の反応の悪さに不審を抱き、上目で伺う。
 そこにあったのは、悲しそうな恨めしそうな、涙を滲ませた瞳だった。
 意外な反応に困惑し、チョコを手にしたまま固まってしまう。
「・・・ごめん。それ、受け取れない」
「え、おい、翠」
 苦しそうに言い残し、翠は長い髪を靡かせながら走り去った。那柚は呆然と、その背中を見送る。
「はは・・・、柄に無いことするもんじゃないな」
 受け取ってもらえなかったチョコを見つめ、自分をあざ笑う。
 この小さな包みを買うためにどれほど迷い、どれほど思い切ってレジに足を向けたか。
 装った何気なさに隠れて、どれほどの深い想いがあったか。
 それを思うと、力無く嘲う以外になにも出来なかった。
「・・・・・」
 手の中に残された、ただひとつ自分で用意した包みを見つめる。
 その包装に、小さな水滴が落ちて跳ねた。
563聖なる日から:2011/01/30(日) 22:23:15 ID:U0wCUU/L
(・・・やっぱり、止めとけばよかったな)
 冬の短い夕暮れ時、部屋に篭った那柚は、ベッドの上で枕を抱えて座りこんでいた。
 共働きの両親は、まだしばらく帰ってこない。
 あまり嬉しくは無いが、落ち込む時間だけはいくらでもあるはずだった。
「ん? あっ!」
 憂鬱な沈黙を打ち破ったのは、軽快な着メロだった。
 無視しようかとも思ったが、聞こえてくる曲に繋がる名前がそれを許してくれない。
「も、もしもしっ?!」
『あ、那柚、さっきはごめん』
「い、いや、いいよ、気にしてない」
『そう? でも、ちゃんと謝りたくて・・・。今、前にいるんだけど、会ってくれる?』
「え、家の?」
『うん』
「す、すぐ行く。待ってて」
 言いながら、既に階段を駆け下り始めている。
 すぐに階下に至った那柚は、門の前に佇んでいる長身のクラスメイトを迎え入れた。
「ほんとに、ごめん。酷いことをして・・・」
 部屋に上がり、向かい合って座ると、翠は再び詫びの言葉を口にした。
 那柚はうろたえ気味に首を振り、全く気にしていないと繰り返す。
 その言葉に、少しだけ寂しげに笑みを返し、翠は訥々と話し始めた。
「私、バレンタインになると、みんなからチョコを渡されて・・・。一度も、誰かに渡したことなんか無くって・・・」
「翠・・・」
「みんなが、私を男みたいに思ってて・・・。誰かに渡すなんて、許してもらえないみたいになって・・・」
 女の子として、それは辛い状況だろう。
 恋愛に興味が薄い那柚ですら、この時期には憂鬱を感じていた。
「でも、断れないから・・・。みんなが買ったチョコ、返すわけに行かないから、仕方なく受け取ってた。
 ほんとは、辛かったけど、我慢してた」
「・・・うん」
 あまり考えていないように見えた那柚も、何も感じていないわけではなかったらしい。翠の言葉に神妙に頷いている。
「那柚は私と同じだったから、判ってくれてるって思ってた。同じ気持ちを分け合ってるって、そう思ってた」
 その言葉に、那柚が愕然と固まった。頭を強く殴られたような、目がくらみそうな感覚が襲ってくる。
 翠がチョコを断った理由。
 皆まで言われなくても、それが嫌というほど判った。
 もう、これ以上聞きたくない。自分が犯した過ちを、責められたくない。
 恥ずかしさと情けなさに包まれながら、そう叫びたい衝動を必死に押さえ、続けられる言葉を全力で待ち構える。
564聖なる日から:2011/01/30(日) 22:24:43 ID:U0wCUU/L
「だから、那柚がチョコを出してきたとき、すごくショックだった。すごく悲しかった。裏切られたみたいに思って、
 なんだかすごく腹が立って、どうしても受け取ることが出来なかった」
「・・・ごめん、私・・・」
「謝るのは私のほう・・・。そんなの、私の勝手な思いこみなのに・・・。
 勝手に怒って、那柚に嫌な思いをさせちゃったって、一人になってから気づいた」
「翠・・・」
「私、こんなことで、那柚と気まずくなるのがいやだから。だから・・・ごめん。勝手だって判ってるけど、許して欲しい・・・」
「い、いや、いいんだ。私が無神経だったんだから」
 相手との関係を壊したくないのは、那柚も同様だった。笑顔を作って無造作に手を振る。
 その仕草に心を和ませたのだろう。翠が小さく笑った。
「あのチョコ、まだある?」
「え、うん、あるよ」
「じゃあ、あつかましいけど、貰えるかな?」
「あ、うん、ちょっと待って」
 それを、仲直りの契機にしたいのだろう。一度は断ったチョコを、今度は自分から求めた。
 那柚は部屋の隅に置いてあった紙袋に取りつき、一つの小さな包みを取り出す。
「そ、それじゃ、これ・・・」
「うん、ありがとう」
 ぎこちなく差し出された包みを、翠が大事そうに受け取った。
 正座の足の上に丁寧に載せ、両手を添えている。
「でも、珍しいね。那柚が、こんなことするなんて」
「う、うん。自分でも、そう思う」
 何気ない言葉は、この上ない好機だった。ここで、自分の気持ちを伝えてしまえと、心の奥で叫ぶ声がする。
 だが、拒絶を恐れる心が、反対から制止の声を投げてきた。
 それでも那柚は大きく息を吸い、まっすぐ目の前の少女を見つめる。
「軽い気持ちじゃ・・・ないんだ」
「え・・・?」
「そのチョコ買うのに、すごく迷った。何日も店の前で考えて、その度に止めとこうって逃げ出して・・・。
 でも、やっぱり諦められなかった。いい加減な気持ちじゃない。本当に、真剣に、翠の事が好きなんだ」
「ちょ、ちょっと、那柚・・・」
「自分でも、変だって思うよ。私は女で、お前も女で、それなのに、ちゃんと判ってるのに、それでもお前が好きなんだ。
 どうしても、諦める事ができないんだ」
「そんな・・・こと・・・」
 思いがけない告白に、翠は困惑を浮かべて俯いた。その表情に、那柚が後悔に包まれる。
 言わないほうが良かったのだと、嫌でも判ってしまった。
「ごめん、那柚。私、すぐには返事できない・・・」
「そ、そうだよな。こんな事、急に言われちゃ・・・」
「少し、考えさせて」
「あ、うん」
 その場で断られると感じていたが、帰ってきたのは別の言葉だった。
 翠は時間を要求して部屋を去り、那柚は一人部屋に残された。
(言っちゃった。もう、後戻りできない・・・)
 激しい後悔が湧き起こり、少女の心を包み込んだ。
 どうにもできない苦しさから逃れようと、那柚はベッドの上で毛布をかぶり、体を丸めて硬く目を閉ざした。
565聖なる日から:2011/01/30(日) 22:25:45 ID:U0wCUU/L
 翌日からが土日だったのは、恐らく都合が良かったのだろう。
 あんなことがあった次の日に学校で顔を合わせては、気まずい事この上ない。
 だが、日を置いているとはいっても、翠と会うのが気まずいのに変わりはない。
「ふぅ・・・」
 那柚は憂鬱そうにため息を吐きながら、不自然にゆっくりと廊下を歩いていた。
 いったい、どんな顔をして翠に会えばいいのか、全く判らない。
(着いちゃった)
 どんなにゆっくり歩いたところで、教室までの距離などたかが知れている。
 那柚は目の前の扉に手をかけ、思い切ってそれを開いた。
「あれ・・・?」
 自然と向けられた翠の席に、いつも見なれた姿が無い。
 体調不良による欠席だと判ったのは、朝のホームルームの時間だった。
 担任がそれを口にしたのを聞いたとき、那柚だけは、その本当の理由を理解していた。
 まだ、結論が出ないのだろう。
 もしかしたら、悪い結論を言いづらくて休んでいるのかもしれない。
 良い方向に考えられないまま、一日の授業は終わった。
 とても部活に出る気にはなれず、今日は休むと部員に伝えて校門に向かう。
「おーい、那柚」
「ん?」
 とぼとぼと歩く背中に、聞き慣れた声が投げつけられた。
 足を止めて振り返ると、同じクラスの朝霞と美里が、並んで小走りにやってくる。
 それほど親しい訳でもないが、呼ばれて無視する訳にもいかない。
 足を止めて待つ那柚に追いついた朝霞が、眼鏡の奥に皮肉な笑みを浮かべた。
 遅れてやってきた美里も、普段の快活さを潜め、小ばかにしたような笑みを見せている。
「今から翠の家に見舞いに行くんだ。那柚も一緒に行こうよ」
「え、いや、私は・・・」
 今、一番顔を合わせづらい相手の家を、自分から訪れるなど考えられない。
 朝霞の厚意を断るのは気が引けたが、適当な理由をつけて逃げ出そうとする。
「あ、断るのは無しね」
「なんだよ、それ」
 那柚の言葉が終わらないうちに、笑いを含んだ言葉がかぶさってきた。
 理不尽な言い分に眉を吊り上げた那柚に、美里は勝ち誇った笑みを浮かべる。
「翠に愛の告白したんだって?」
「えっ、なっ、ど、どうして・・・?」
「翠に相談されたんだよ。那柚から告白されたけど、どうしたら良いだろうって」
「ずいぶん悩んでたよ。だめじゃない、翠を困らせちゃ」
 からかわれているのだと、口調で判った。那柚は顔を真っ赤にして半笑いの二人を睨みつける。
「か、関係無いだろ、お前達には」
「そうだね、翠が相談してこなければ・・・ね」
「知っちゃった以上、無関係って訳にはいかないんだよねぇ」
 口調も視線も、蔑みに満ちていた。そんな態度に我慢が出来ず、憤然と足を止めて踵を返す。
566聖なる日から:2011/01/30(日) 22:26:27 ID:U0wCUU/L
「私、こっちから帰るから」
「なに勝手な事言ってるんだよ」
「そんな我侭はゆるさないよ」
 立ち去ろうとした那柚の前に、美里が立ちはだかった。
 前後を同級生達に挟まれた那柚は、不機嫌を露に前後を見やり、大きく息を吐いて見せる。
「なにがしたいんだよ」
「さっきから言ってるだろ。翠の家に行くんだよ」
「私は嫌なんだよ」
「生意気な口を利くなよ。変態のくせに」
「なっ、なにぃ!?」
 挑発の言葉に、打って響くように激昂する。そんな那柚を見下しながら、美里が口を挟んできた。
「変態だよねえ、レズは、立派な」
「そ、そんなこと・・・」
「じゃあ、みんなに言ってあげよっか? 那柚は翠に愛の告白をしましたって」
「や、やめろっ!」
「ほら、ばれたら困るんでしょ。自分でも判ってるんじゃない」
 女の子に特有の、底意地の悪い笑みが目の前で揺れている。
 相手の弱みを握った女が、どこまでも残酷になる瞬間がそこにあった。
「ま、私達としては、そんな変態が大きな顔をしてるのは許せないんだよね」
「変態は変態らしく、大人しくしてなきゃ」
「まず、翠に謝ってもらわないと。あんたみたいな変態に好かれてたなんて、迷惑以外のなにものでもないからね」
「で、それから、私達のおもちゃになってもらうね。あーんなことや、こんなこと、色々してあげる」
 淫らに指を蠢かせる美里の声に、那柚の我慢が限界に達した。
 足を踏み鳴らし、今にも噛みつきそうな表情で睨みつける。
「ふざけるなっ! だれが、そんな事」
「あれ、逆らうんだ。いいのかなぁ、みんなにばらしても」
「勝手にしろ! 私はちっとも困らない」
「あんたは困らないかもしれないけど、翠はどうかな?」
「嫌だろうねぇ、学校中にレズだって噂が広がるのは」
「お前ら・・・」
 友人までを脅しの材料に使うやり方に、嫌悪を抑えられない。
 だが、その脅しが有効なのは確かだった。自分だけならともかく、翠に迷惑はかけられない。
 怒りと悔しさとに震えながら、俯き歯軋りする。その姿を見ながら、美里が更に言葉を続ける。
「千歳は、翠に迷惑はかけられないって、そう言ったけどねぇ」
「千歳? なんで、千歳が?」
 朝霞たちの幼馴染で、いつも同じグループにいる同級生の名に、那柚が反応した。
 期待通りだったのだろう。美里はうれしそうに、上げられた顔を覗きこむ。
「あんたと同じ。ま、三ヶ月ほど早かったけどね」
「今じゃ、すっかり私達のおもちゃだよ。後で見せてあげるけどね」
「これでおもちゃが二つになるから、朝霞と取り合いにならずに済むね」
 勝手な事を言っているが、反論ができない。
 屈辱に拳を握り締める那柚の姿に、屈服の姿勢を見て取ったのだろう。
 朝霞が乱暴に肩を押し、後ろを振り返らせた。
567聖なる日から:2011/01/30(日) 22:27:12 ID:U0wCUU/L
「それじゃ、行こうか」
「・・・・・」
 二人に挟まれた那柚は、上機嫌な朝霞と美里の間でずっと唇を噛んでいた。
 翠の家に行けばどうなるのか、色々な考えが頭に浮かぶが、一つとして明るいものは無かった。
「さ、着いたよ」
 来たく無かった家の前で、三人の足が止まった。
 那柚が辛そうに、翠がいるだろう部屋の窓を見上げる。
「翠、入るよ」
 勝手に上がりこんだだけでなく、ノックもそこそこにドアを開く。
 押されて部屋に入った那柚の目が、ベッドに腰掛けて目を逸らしている翠を見出す。
 その傍らにはクッションに腰掛けた少女が控え、嬉しそうに微笑んでいた。
「ほら、そこに座りなよ」
「あうっ!」
 突き飛ばされ、ふらつきながらクッションに座る。
 朝霞と美里がその左右を占め、睨み上げる少女を見据えた。
「早かったね、千歳」
「はい、走ってきましたから」
 答えながらクッションを外し、床に正座する。
 教室とは違う、へりくだった口調に違和感を覚えた那柚が眉を寄せた。
「さてと、それじゃ始めようか」
「ほら、那柚。翠に言う事があるだろ?」
「な、何を?」
「あんた、さっきの話を聞いてなかったの? 翠に謝れって言っただろ」
「なんで、私が」
「当たり前だろ、迷惑かけたんだから」
「迷惑・・・なのか? 翠、私が好きになると、迷惑か?」
 攻め立てる言葉に打たれた那柚が、助けを求めるように翠を見上げた。
 その言葉を向けられるのを恐れていたのだろう。
 翠はベッドの上でびくりと竦み、追い詰められた目をゆっくりと向けてくる。
「翠・・・」
「・・・ごめん、那柚。迷惑・・・だよ」
「みど・・・・り」
 言いたくない言葉を搾り出したのだろう。その声は小さく、震えていた。
 現実を突きつけられた那柚は、絶望に崩れ、ぼたぼたと涙を零し始める。
「ほら、泣いてないで謝れよ。好きになってすいませんって」
「そうそう。あんたの変な趣味に巻き込もうとしたんだからね」
 ふられたばかりの少女に向かって、あまりに残酷な言葉が投げつけられた。
 だが、那柚はただ泣いているばかりで、その言葉に反応を見せない。
 面白くないのだろう。朝霞が床で丸くなっている那柚の尻を、乱暴に蹴り飛ばした。
 あまりのことに、那柚が涙で汚れた顔を上げ、朝霞を睨みつける。
568聖なる日から:2011/01/30(日) 22:27:58 ID:U0wCUU/L
「な、なにすんだよっ!」
「あんたさぁ、自分の立場ってもんが判ってるか?」
「判ってないよねえ。判ってれば、私達にそんな口を利けないもん」
「見せてやらなきゃ判らないかな」
「そうだね。変態は人間じゃないって、ちゃんと教えてあげようよ」
 二人の視線が、正座を続けている少女を捕らえた。
 何を求められているか判っているのだろう。
 千歳が二人の足元にすりより、上目で命令を待ちうける。
「千歳、レズがどんなに浅ましい存在なのか、こいつに教えてやりな」
「翠、餌をあげて」
「う、うん」
 朝霞が命令を与える一方で、美里が指示を放った。
 翠はベッドから腰を上げ、穿いていた下着を脱ぎ落とすと、小さく丸まったそれを放り投げる。
 千歳は目を輝かしてそれを受け取り、許しを求めるように朝霞を見上げた。
「まず、裸になりなよ。そうしたら、許してあげる」
「はいっ!」
 元気に答え、千歳は着ているものを脱ぎ始めた。
 同級生に命令され、自分から服を脱ぎ落として行く様を、那柚は呆然と見ている。
 最後の一枚を脱ぎ落とした千歳は、飾り毛を奪われた無様な股間を全員の前に晒した。
「那柚、よく見ておくんだよ」
「後で、同じ事してもらうからね」
 全裸で正座した千歳は、翠のショーツに頬擦りすると、うっとりと鼻先に押し当てた。
 深く大きく息を吸い、胸一杯に匂いを吸い込む。
「あ・・・あ、翠の・・・翠の匂い。はぁ・・・翠の、あそこの匂いぃ」
 千歳の目が焦点を失い、口元が緩んだ。
 何度も繰り返し匂いを嗅ぎ、だらしなく涎を零す。
 自然に伸びた右手が股間に触れ、同級生達の中で自分を慰め始めた。
「あ・・は・・・翠、翠ぃ。はああ、みどりぃ」
「や、やめろ! 千歳、やめろおっ!」
 翠の名を繰り返しながら、その下着の匂いを嗅ぎ、股間をまさぐる。
 その姿を見るに耐えないのだろう。那柚が涙を零しながら制止の言葉を投げつけた。
「おっと、だめだよ邪魔しちゃ」
 這い寄って、腕ずくで止めようとするその体を、背後から朝霞が止めた。
 そのままうつ伏せに組み伏すと、短いスカートを捲り上げ、下着に覆われたお尻を剥き出しにする。
「羨ましいのは判るけど、邪魔はいけないな」
「なっ、だ、誰がっ!」
「隠すなよ。したかったんだろ、翠とあんなこと」
「ふ、ふざけるなっ、私は、そんなっ!」
「ふぅん。その割にはかわいい下着つけてるね」
「はははっ、もう、やる気満々じゃないかよ」
 痛いところを付かれて、那柚が沈黙した。
 確かに、今日は普段穿かないようなものをつけている。
 隠しきれない下心を見透かされ、悔しさに赤く染まる。
569聖なる日から:2011/01/30(日) 22:29:01 ID:U0wCUU/L
「はあっ、あっ、ああっ!!」
 千歳が翠の下着に顔を埋め、体を震わせた。
 体に指を挿したまま、ぼうっと虚空を見上る。
 薄笑いの美里がその前に立ち、いとおしげに嗅いでいる布を取り上げた。
 千歳は未練がましく目で追うが、口には何も出さずに堪えている。
「ほら、那柚の番だよ」
「よかったな。ほら、これが翠のパンツだぞ」
「んっ、く、やめろっ」
 鼻先に下着を押しつけられ、那柚が激しく首を振って抵抗した。
 その態度が癇に障ったのだろう。朝霞が眉をしかめ、乱暴に髪を掴んだ。
「本当に生意気だね。変態は変態らしく、翠のパンツでオナニーしてればいいんだよ」
「そうそう、千歳みたいに素直になりなよ」
「翠はノーマルだから、どんなに待ってたってお前の相手なんかしてくれないんだよ。パンツを貰えただけで十分だろ。
 匂いを嗅ぎながら、寂しく自分を慰めろよ」
「翠と一緒に、ちゃんと見ててあげるからさぁ」
 二つの笑い声が重なった。
 悪意に満ちた揶揄を叩きつけられ、那柚が唇を噛み締める。
 その様子を見ながら、朝霞は美里を手招き、丸出しになっているお尻を指差した。
「陸上やってるだけあって、張りのあるお尻だねぇ」
「はあっ、や、やめろおっ!」
 恐らくは一番のお気に入りと思われる下着に指を添え、ゆっくりと下ろす。
 レースに飾られた下着の下から、予想以上に白く、滑らかな肌が現れた。
 美里は微かな嫉妬を目の中に浮かべ、抜き取った下着を意地悪く広げて見せる。
「あははっ、朝霞、パンツ濡れてるよ」
「ふん、なんだかんだ言っても、翠のパンツで興奮してたんだね」
「ちがう、そんなんじゃない」
「じゃ、これはなんなのかなぁ?」
 必死で否定する那柚の前に、自身が汚した下着が広げられた。
 粘液を吸い、色を変えた下着の有様に、恥じ入りながら目を逸らす。
 美里はその視線の先へと下着を動かし、現実を突きつけつづけた。
「認めちゃいなよ。今更だしさぁ」
「そうだよ、みんな那柚が変態なのはわかってるんだから」
「ほら、千歳みたいに匂いを嗅ぎながらしてごらんよ。きっと、気持ち良いよ」
「大好きな翠に見てもらえるんだしね。足を開いて、よく見て貰えよ」
 二人は執拗に、那柚を責めつづけた。
 諦めるまで手を緩めるつもりは無いのだろう。
 那柚は悔し涙を滲ませながらも、片手を自身の股間に伸ばし、既に濡れている場所に指を這わせた。
 押さえていた朝霞が体を退け、那柚を仰向けにさせる。
 普段の快活さも、こういった状況では発揮できないものらしい。
 しおらしく足を閉ざし、申し訳程度に指を動かしている。
 そんな姿を、千歳は羨望を浮かべて見つめ、比べられないほど大胆に自分を慰め始めた。
 朝霞と美里は底意地の悪い笑みを浮かべてそれを見比べ、翠は昂ぶりを押さえながら目を逸らしている。
570聖なる日から:2011/01/30(日) 22:29:58 ID:U0wCUU/L
「はう・・ん、んぁ・・・あふ・・ぅ・・」
 しているうちに、気持ちが入ってきたのだろう。那柚の口から、切なげな声が漏れ始めた。
 片手で翠の下着を持ち、正座の足を少し崩してスカートに潜らせた手を蠢かせる。
 全てを晒していた千歳よりも、ずっと淫靡な姿だった。
「み、美里、そろそろ・・・」
 惹きこまれるように見ていた朝霞が、不意に傍らの相棒にささやいた。その声に、相方が戸惑いながら大きく頷く。
 美里は足を忍ばせて那柚の背後に回り、行為に浸り始めている少女を抱きしめた。
 驚いて振り向いた顔に凄惨な笑みを見せ、千歳に命じて足を押さえさせる。
「楽しそうだったね、那柚」
「な、なんだよ、もういいのか?」
「いや、あんまりもどかしいから、おもちゃを貸してあげようと思ってさ」
「なに?」
「ほら、これ」
「なっ、なんだよ、それっ!」
 朝霞が取り出したのは、赤黒い色をした、淫猥な形の棒だった。
 それが何なのかぐらいは、那柚も知っている。
 ただ、初めて目にするその凶悪な道具の姿に、叫ばずにはいられなかった。
「バイブだよ。知ってるだろ、これぐらい」
「なっ、ま、まさか。おい、やめろ! 頼む、やめてくれっ!!」
 その道具を手に近づく朝霞に、那柚が青ざめて叫んだ。
 これ見よがしにバイブを揺らし、股間へと下ろしながら、朝霞が歪んだ笑みで見上げる。
「ずいぶん嫌がるね?」
「あっ、あたりまえだっ! まだ、したことないんだぞっ!」
「ふぅん。それじゃ、これが初めての相手になるんだね」
「いやだっ! そんなのはいやだっ!」
「なに言ってるんだよ。翠とする事になってたら、初めての相手はどうせこれだったんだぞ」
 必死に拒む少女に向けて、笑いながら言い放つ。確かな現実に言葉を失う那柚の後で、美里が楽しそうに笑った。
「せっかくだから、翠にやってもらったら? 那柚も、それなら納得するだろうし」
「ああ、そうか。ま、それぐらいの気は使ってやろうか」
 二人が揃って笑い、翠を呼びつけた。
 押しつけられたバイブを、おずおずと見つめるその姿に、那柚が激しく首を振る。
「充分濡れてるから、すぐに行けるよ」
「うん・・・でも・・・」
 嫌がる那柚に、この棒を押しこむ度胸は翠に無かった。
 躊躇い、逃げ出そうとするその背中を、朝霞が無慈悲に押し止める。
「嫌ならしなくていいけど、それだと私がしちゃうよ。遠慮なんかしないからね」
「・・・那柚」
「・・・・・」
 心底困った様子の翠に、那柚は答えを返す事ができなかった。ただひたすら怯え、苦悩している。
 追い詰められたその姿に、気持ちが固まったのだろう。
 喉を鳴らして唾を飲み、手に持っているバイブをきつく握り締める。
571聖なる日から:2011/01/30(日) 22:30:47 ID:U0wCUU/L
「私が・・・する」
「お、その気になった?」
「那柚の初めては、私が・・・」
「翠・・・」
 ここで拒めば、朝霞が無慈悲な行動に出るのは判りきっている。
 それならば、せめて翠に捧げたい。
 拒まれたとはいえ、気持ちはまだ翠に向いている。
 那柚がきつく唇を引き締め、自ら足を開いた。美里の手を振りほどいて体を倒し、両腕を交差させて顔を隠す。
「那柚、いくよ」
「・・・・・」
 そんな事を言われても、返事のしようがない。何も答えず、ただ握った拳に力を込めた。
 それが、那柚なりの覚悟の姿だと理解したのだろう。
 翠は指先を那柚にあてがい、熱く濡れている柔肉を押し広げた。
 淫猥な無機質をそこへと押しつける。
「う・・うぁ・・・」
「くぅう!」
 バイブを持つ手に力を込めると、女の肉体は、軽い抵抗を見せながらもそれを飲みこんで行った。
 初めての手応えに声を漏らす翠の前で、那柚はやはり初めての感覚にうめいている。
 二つの声が交わる場所では、一本の棒が次第にその姿を短くし、那柚の中へと消えて行っている。
「はい・・・・った。入っちゃった・・・」
 バイブを奥深くまで押しこむと、翠はその現実に呆然と呟いた。
 那柚は奥歯を噛み締めながらも、時折大きく口を開いて深く息を吐いている。
「せっかくだし、動かしてあげなよ」
「え・・・でも、苦しそう・・・」
「してるうちに気持ち良くなるから大丈夫だよ」
「・・・・・判った」
 勝手な意見に納得した訳ではないが、翠はバイブを持つ手を、ゆっくりと手前に引いた。
 横から手を出そうと構えていた朝霞が、薄く笑って肩を竦める。
 粘液に塗れた棒が、それを咥えこんでいる柔肉を引き出しながら、姿を現してくる。
 先端の頭を残すだけになった頃、再び奥へと押し込み、それを何度も繰り返す。
「血は出てないみたいだね」
「まあ、必ず出るって訳じゃないからね」
 出入りするバイブを観察し、美里と朝霞が言葉を交わした。
 初めての時は、出血するものだと思っていたのだろう。
 美里が驚きを浮かべ、問い返している。
「個人差があるんだよ。それに、激しい運動してると、自然に破れちゃうこともあるらしいし」
「那柚もそうなのかな?」
「どうだろう? ま、初めてでも痛くないんだから、羨ましい事だよね」
 初体験の痛みは破瓜だけが原因ではないらしいが、経験からはそう思えないらしい。
 出血していない同級生を不満げに見下ろす顔が、不公平を呪っている。
「朝霞は痛かった?」
「ああ、酷かった。あれは、この世のものとは思えない」
572聖なる日から:2011/01/30(日) 22:33:47 ID:U0wCUU/L
 自身の初体験を振り返った朝霞が、凄絶に顔を歪ませた。
 こちらは、まだ男を知らないでいる美里が、自身の将来を想像して表情を曇らせる。
「ま、最初のうちだけだけどね」
「うー、一回だけでも、嫌だなぁ」
「でも、それを乗り切らないと、楽しめないからさ」
「うん・・・判ってるけどね」
 そうは言われても、だったらすぐにでもしようという気にはなれないらしい。
 ただでさえ、最後の一線を踏みきる度胸が持てない中、それは更に躊躇いを強くさせる言葉だった。
「運が良ければ、最初から気持ち良いよ。こいつみたいにさ」
 大人しくなってしまった相方に、朝霞は笑いながら足元を指し示した。
 腕で顔を隠しながらも、バイブに合わせて喘ぐ那柚がそこにいる。
 躊躇いながら動かしていた翠も、那柚の反応にそそられたのだろう。
 隠された顔を下から覗きこみ、激しくバイブを出し入れさせている。
「いいなあ、那柚。初めてなのに楽しめて」
「翠にしてもらうなんて、幸せだね。ほら、千歳が羨ましがってるよ」
「顔隠してないで、見てみろよ。自分が、どんなことになってるか」
「あっ、こ、こんなのっ!」
 言葉で攻めながら、顔を覆っている腕を退かせる。
 頬を上気させ、酔ったような目つきの少女を抱き起こし、下半身へと目を向けさせる。
 気持ちを寄せた少女に、バイブで犯されている。
 それを悦び、受け入れている自分の肉体。
 その浅ましさに、絶望すら感じられた。
「それじゃ、那柚がいくところを見せてもらおうか。翠、もっと早く動かして」
「う、うん」
「うあっ、あっ、あぅん、はっ、あっ、ああっ!」
 翠の手の動きが早まると、普段の男っぽさからは想像できない、可憐な喘ぎがこぼれ始めた。
 そんな姿を見せ付けられては、我慢ができないのだろう。
 思わず唾を飲み込んだ朝霞に縋りつき、千歳が訴えるように見上げた。
「なに?」
「こんなエッチな声を聞かされたら、我慢できないです。私も、エッチしていいですか?」
「ふふ、まあ、仕方ないね。ほんとに、エッチな声だもんね」
「はああ、ありがとうございますぅ」
 礼を述べながら、千歳は既に指を動かし始めていた。
 バイブを動かす翠と、飲みこんでいる那柚とを見ながら、淫靡な喘ぎに聞き入る。
 それらを自分に転化しているのだろう。指で自分を慰める千歳の顔には、この上ない幸福があった。
「はああっ、いっ、いああ、はっ、あああっ!!」
 激しくバイブを動かしていた手が、それを深く突きたてた。
 那柚の背中が激しく反り返り、長く尾を引く歓喜の叫びが上がる。
 バイブが強く締めつけられ、動かす手が思わず止まった。
 翠が見上げると、那柚は朝霞の腕に倒れこみ、肩で息をしていた。


 今回ここまでです。
 次はもう少ししっかり責める予定です。
 バレンタインまでに終わらせるつもりなので、今週中に書き込みます。

 問題はスレ容量ですが・・・。
573名無しさん@ピンキー:2011/01/30(日) 23:03:06 ID:2Z4Dmsj3
おお、GJ
続きが楽しみです
574名無しさん@ピンキー:2011/02/03(木) 02:26:52 ID:3dxetZAf
>>572
今気付いたGJ
スレ容量は確認しつつ投下
ヤバそうなら新スレ建てて誘導で良いかと

続き待ってます
575聖なる日から:2011/02/03(木) 21:42:20 ID:H/H4pGv8
 容量を気にしながら続きを。
 今回分ぐらいはたぶん大丈夫。

 今回はスカ要素ありますので、嫌いな人は回避ください。
 では。

「翠ぃ、私・・・私にもぉ」
「だめだよ、千歳!」
 自分を慰めていた千歳が、甘えた声で翠に擦り寄った。
 朝霞が鋭く叱責し、一気に青ざめた少女を冷たく見つめる。
「変態は一人でしてればいいの。翠にしてもらおうなんて、贅沢だよ」
「は、はい、すいません」
「まあ、ずっと一人遊びばっかりだったから、溜まってても無理ないけどね」
「だったら、良い相手がいるじゃない。変態同士、慰めあったら?」
「うん、それは私も考えたんだ。それで、いいものを持ってきた」
 いかにも今思いついたように提案したが、恐らく予め打ち合わせてあったのだろう。
 そうでなければ、そうそう都合よく小道具が出てくるはずが無い。
 朝霞が持ち出した双頭のディルドを見ながら、翠はぼんやりとそんな事を考えた。
「那柚、そこで四つん這いになれよ」
「なん・・で・・・」
「いいから、さっさとしなよ!」
「う・・ぅく」
 バイブでさんざん犯された後とあって、逆らうことは出来なかった。
 嫌々ながらも体を起こし、言われたとおりの格好をとる。
 朝霞は嬉しそうにその後ろに回り、突き出されているお尻をいやらしく撫で回した。
「したばっかりだから、そのままいけるね」
「何を・・・」
「言わなくても判るだろ。考えてる通りのことだよ」
「くぅ・・・」
 嘲るような言葉に屈辱を噛み締める。
 朝霞は喉の奥で笑いながら、受入の準備を整えている場所にディルドを押し当てた。
「くくっ、簡単に入っちゃう。エッチだなあ、那柚は」
「うる・・・さい」
「ふん、悪かったね」
 精一杯の虚勢を張る那柚に、朝霞が悪態をついた。不機嫌を装って尻を打ち、目線で千歳を呼びつける。
「千歳、判るでしょ」
「はい。こう・・・ですね」
「そう、よく判ってるね」
 お尻から張型を生やす四つんばいの少女を見て、淫靡に笑う。
 自分が何をすればいいのか、いや、何を許して貰えるのか理解しているのだろう。
 千歳が四つんばいになり、尻を那柚に向けた。
 期待に輝く瞳で那柚を振り返り、ゆっくりと下がって行く。
「もう少しだよ」
「あはぁ、先っちょが、入ってきたぁ」
 向かい合った二つの尻が、次第に距離を縮めていく。
 朝霞に支えられたディルドの先端が、濡れ広がった場所に頭を埋めた。
 千歳は目を細めて震え、さらに下がりながら、次第に満たされて行く自分自身を悦んだ。

 
576聖なる日から:2011/02/03(木) 21:43:56 ID:H/H4pGv8
「あんっ」
「ひっ!」
 二つのお尻が、軽くぶつかった。
 千歳は楽しげな悲鳴を上げ、那柚は嫌悪を浮かべて腰を逃がした。
 翠に思いを寄せたことでは共通する二人だが、根本が違っているらしい。
 好きになった相手が同性だった那柚と、同性の中から翠を選んだ千歳。
 翠以外の女と交わるのに、反応が違うのは仕方ない。
「こら、逃げるなよ」
 朝霞が逃げる腰を押さえて引き戻した。
 四つん這いの少女二人が、ディルドで繋がりお尻を押し付けあっている。
 そんな状況が面白くて仕方ないのだろう。
 にやにやと笑いながら、繋がっている場所を下から覗き込む。
「くぅ・・・こんな・・・こと・・・」
「あぁ・・・私、繋がってる。女の子と、繋がってる・・・」
 悔しさの余り涙を零した少女の反対では、甘美な現実にうっとりと目を細めている少女がいた。
 正反対の反応を見せる二人の腰に、朝霞が等しく手のひらを乗せる。
 反対から眺めている相方に笑いかけ、左右の腕に力を込めた。
「あっ、な、なにっ?」
「はあん、動かしたら、私・・・」
 引っ付いていたお尻が離され、ディルドが濡れ光る体を現した。
 どうやら、那柚のほうがしっかりと咥えているらしい。
 千歳の秘肉をめくり上げながら、淫液を纏った擬似男根が抜け出てきている。
「あうっ、くっ」
「ふああ、ああんっ!」
 離されていた尻が強く押し当てられ、再び離された。
 那柚は声を押さえ、千歳がかわいい鳴き声を上げる。
 今度は千歳がしっかりと締めつけているらしく、棒は那柚の中から引き出されてきていた。
「ほら、千歳、後は自分で動くんだ」
「はあい」
 数回腰を操った後、朝霞は千歳に命じた。
 その声を受け、千歳は自ら尻を動かしはじめる。
「ば、ばかっ、動くなあっ!」
「だって、動かないと気持ちよくなれないしぃ」
「私は、こんなの、気持ちよく、ないんだっ!」
「んんぅ、私は気持ち良いのお」
 勝手な動きに翻弄されながら、那柚は何とか声を押さえている。
 互いを繋ぐディルドは、二人の蜜によって濡れそぼち、膝の間に雫が溜まっていた。
 体に入ってくるものが、他人の雫に濡れている。
 生理的な嫌悪にもがく那柚とは対照的に、千歳はそれを愉しんでいた。
 同級生達の目も憚らず、腰を振っては喘いでいる。
577聖なる日から:2011/02/03(木) 21:45:25 ID:H/H4pGv8
「気持ち良さそうだなぁ、千歳」
「はっ、はいっ! 気持ちいいっ! はあっ! あっ! ああっ!」
「自分でしてるより、気持ち良いかい?」
「いっ、いいですっ! ずっと、ずっと気持ち良いっ!!」
「そう。なら、これからは那柚に相手してもらうといいよ。その代わり、オナニーは禁止だからね」
「はああっ、そんなあっ!!」
「くくっ、情けない声出すなよ。じゃあ、那柚とするか自分でするか、どっちか一つだけ許してあげる。どっちがいい?」
「なっ、那柚と、那柚とするうっ!」
「決まりだね。今から千歳はオナニー禁止。したくなったら那柚とするんだよ」
「はっ、はいいっ! んっ、んはあっ! き・・もち、いいっ・・・、んっ、んはああっ!!」
 四つんばいの姿で、千歳が激しく背中を逸らせた。
 びくびくと痙攣し、やがて床の上に崩れ落ちる。
 とはいえ、ディルドで繋がっている尻だけは高く上げられたままなので、ひどく間抜けな格好になっている。
 必死に耐えていた那柚は、無秩序な刺激から開放され、密かに息をついた。
 嫌悪を込めて背後をみやり、無言で前に進む。
 緩んだ千歳から抜けたディルドは、自然と那柚についてきた。
 濡れ光る棒が千歳から抜ける直前、不意に朝霞がその棒を掴み、那柚の中へと深く押しこんだ。
「ひぎっ!」
 不意打ちに仰け反り、濁った悲鳴をあげる。
 怒りに任せて振り返ると、侮蔑の笑みを湛えた同級生が胸をそらしていた。
「まだ、足りないのかよ」
「なに言ってるんだよ。これからじゃないか」
「・・・少し、休ませろよ」
「だめだめ、せっかくほぐれてきたところなんだから」
 言外の要求は、正しく伝わらなかった。
 勝手な事を言っている朝霞を見上げ、憮然と口にしたくない言葉を発する。
「なら、トイレにだけ行かせてくれ」
「トイレ? ああ、おしっこかい?」
 小ばかにした口調に唇を歪め、小さく頷く。
 朝霞はその前に立ちはだかって腕を組み、尊大に同級生を見下ろした。
「変態の分際で、トイレを使うつもり?」
「なっ、どういうことだ?」
「変態には、それに相応しいトイレがあるってことだよ。千歳、見本を見せてやって」
「・・・はい、判りました」
 絶頂の余韻に浸っていた千歳が体を起こした。
 四つん這いでのたのたと動き、朝霞の前で頭を床にこすり付ける。
「千歳は、おしっこがしたくなってしまいました。朝霞様、どうか、千歳におしっこのお許しを下さい」
「なっ!」
 あまりに無様な姿に、傍らで那柚が絶句する。
 同じ事を求められていると判るが故に、千歳の惨めさが胸に突き立ってくる。
578聖なる日から:2011/02/03(木) 21:46:53 ID:H/H4pGv8
「やめろ、千歳! そんな真似して、恥ずかしくないのかよ!」
「だって私、変態だから。おしっこも、うんちも、オナニーも、ぜんぶお許しを頂いてするの。
 変態にはそれが相応しいって、そう言われたから」
「お、お前、おかしいぞ」
 それが当たり前だと思っているのような態度に、呆然と呟く。
 朝霞が嬉しそうに笑い、千歳の頭に手を乗せた。
「そりゃ、おかしいさ。変態だもんな、千歳は」
「はい。私、レズですから」
「そうだな。それじゃ、レズの千歳。変態がここでどんな扱いを受けるか、ちゃんと見せてやれ」
「はい」
 従順な眼で頷き、再び頭を床にこすりつける。
 惨めな姿で、格好以上に惨めな言葉を口にする。
「どうか、おしっこのお許しをお願いします。千歳がはしたなくおしっこをする姿を、嘲笑ってください」
「仕方ないな。許してやるから、準備しなよ」
「はい、ありがとうございます」
 心底嬉しそうに答え、立ち上がる。
 小走りに部屋の隅に向かった千歳は、白いビニール袋を広げ、中から何かを取り出した。
 振りかえった少女の手には、普通よりも一回りほど大きな、金色の洗面器が乗せられている。
 医者などで見かける、縁が緩やかに広まった形のもの。
 嫌な予感しかしないその姿に、那柚が眉を寄せた。
「失礼します」
 袋から出した洗面器をテーブルに載せる。
 自らもその上に足をかけ、洗面器を跨いだ千歳は、翠に向けて足を開いた。
 逸らされた視線に唇を尖らせ、上目で傍らの朝霞を窺う。
「いいよ」
「はい、千歳のみっともない姿、よくご覧になってください」
 媚びた言葉を吐くと同時に、股間から生暖かい水流が迸り出た。
 普段からそうなのか、まとまりの悪いおしっこは、半分ほどお尻へと伝わって垂れ落ちている。
 このために金属の洗面器を使っているのだろう。
 勢いのあるおしっこを受け止めた洗面器が派手な音を上げ、垂れ落ちる音が伴奏する。
 消すのが当たり前の音が響き渡る中、おしっこが秘肉を割る音が低く小さく流れていた。
「いっぱいでたね、千歳」
「はい」
「今日は気分が良いから、久しぶりに大きいほうもさせてあげるよ」
「ああ、ありがとうございます」
 許諾の言葉に、声を輝かせる。
 気が変わらないうちにと思ったのか、すぐに力を込め始める。
「あっ!」
 小さなお尻が細かく震え、甲高いおならが響き渡った。
 朝霞と美里が声を上げて笑う下で、千歳は媚びた笑みを浮かべて力を込めつづける。
579聖なる日から:2011/02/03(木) 21:48:23 ID:H/H4pGv8
「んんーぅ、んっ、ふうぅんんっ!」
 可憐な息み声が上がり、窄まっていた穴が開き始めた。
 赤みかかった桃色の穴の間から、濃い茶色の、太く硬いものがせり出している。
 傍目に見てもかなりの大仕事だと判るが、本人にしてみたら大変な苦労なのだろう。
 千歳は顔を真っ赤にしてほほを膨らませ、両手を硬く握り締めている。
 力いっぱいなその姿に、朝霞と美里が再び笑い声を上げた。
「んっ、くぅ! 太・・い、太いの・・・がぁ・・・」
 切れるのではないかと心配になるほど張り詰めた肛門から、信じられない太さのものが現れた。
 水気の少ないうんちは、小さな塊が寄り集まって形を作っている。
 洗面器に落ちるまでに、いくつかの小さな欠片が剥がれ落ち、黄金色の液体に波紋を生じさせた。
「は・・・ああ・・・ぁ・・」
 最初の難所を超え、楽になったのだろう。
 千歳が安堵の息を吐き、うっとりと目を細める。
 太い頭を吐き出した肛門は、続きをすんなりと吐き出し、洗面器に落とした。
 一旦窄まった肛門はすぐに口を開き、さっきよりは幾分細く柔らかいものを生み出し始める。
 滑らかに生み出されて行くうんちは、塊の上に積み重なりながら、あたりに強烈な臭いを撒き散らした。
 いったいどれほどの期間溜めこんでいたのか、その量に那柚が目を疑っている。
「ははははっ、たくさん出すなあ」
「ほんと、普通の洗面器じゃぜったい足りないよね」
「臭いもすごいしなあ。食べ物にもう少し気を使った方がいいぞ」
「はい、申し訳ありません」
 酷い言葉を投げつけられながらも、どこか嬉しそうに応じる。
 そんな千歳を手で退かせ、朝霞は汚物に満ちた洗面器を指差した。
「さ、お前の番だぞ」
「私に、そこでしろって言うのか?」
「当たり前だろ。ここには、変態用のトイレなんかないんだから」
「せ、せめて、中身を処分しろよ」
「悪いけど、トイレは共同なんだ。我慢するんだね」
「たった今愛し合った相手のものなんだから、平気でしょ?」
「ふざけるなっ! そんなこと出来るかっ!!」
「できないなら、したくなるようにするだけだけどね」
「トイレの躾は大事だからねぇ」
 怒りを爆発させた那柚の前に、朝霞が小さな箱を投げつけた。
 それを見下ろした那柚が顔色を変え、背後に回った美里に過剰に反応する。
「どうする、それを使うか?」
「くっ、そぉ・・・」
 歯噛みし、雑言を吐きながら、那柚は汚物に満ちた洗面器を見下ろした。
 ついさっき、傍らに控えている少女が出したばかりのものが、そこに満ちている。
 嫌悪に歪んだ顔を、幾つもの視線がじっと見つめた。
 歯軋りの音が聞こえる中、那柚はゆっくりとそれに近づき、申し訳程度腰をかがませた。
 立っているのと変わらないような格好に、朝霞が頬を緩めている。
580聖なる日から:2011/02/03(木) 21:49:46 ID:H/H4pGv8
「そんな格好で、零さないか?」
「零したら、自分でお掃除だよ。もちろん、その洗面器もね」
「くっ!!」
 嫌々ながらも、腰を少しずつ下ろす。
 普段している格好に落ち着き、お尻の下からの臭いに顔を顰める。
 その姿を見かねたのか、翠は辛そうに顔を背けた。
「くうう・・・」
 悔しさと恥ずかしさに下唇を噛み、掴むようにして両手で顔を覆う。
 低く嗚咽が漏れると同時に、淑やかに閉ざされた足の間から、かなり控えめにおしっこが漏れ出た。
 出ているというよりも、垂れていると言う方が正確かもしれない。
 必死に押さえているのだろうが、時折勢いを増すその姿は、却ってみっともなく映る。
「なんだよ、だらしないおしっこだな」
「普段の勢いはどうしたの? 私、那柚はもっと勢いよくすると思ってたのに」
「うるさい・・・言うなぁ・・・・」
 掌の向こうから、弱々しい抗議が聞こえてきた。
 朝霞と美里が顔を見合わせて頷き、それぞれ手にティッシュを持って那柚の背後に回り込んだ。
「じっとしてろよ、拭いてやるから」
「もう、お尻がべしょべしょ。いっつもこんななの?」
「うっ、ううっ・・・」
「ま、いつもがどうなのかは、また今度見せてもらうよ」
「そうだね、学校でね」
 当たり前のような言葉に、那柚が涙に汚れた顔を上げた。
 信じられないものを見る眼で二人を見やり、その真偽を計っている。
 朝霞はその視線に酷薄な笑みを返し、酷い言葉を付きつけた。
「学校で用を足すときは、私達の許可がいるからね。ちゃんとお願いできたら、させてあげるよ」
「私達の目の前でねぇ。あ、ちゃんと、他の人に見つからない場所を探してあげるよ」
「トイレじゃ・・・ないのか?」
「あはははっ、なに言ってるんだよ。学校にだって、変態用のトイレなんかないだろ」
「来客用はあるんだけどねえ」
 二人は楽しげに笑っているが、その向こうに座る少女は、あまりの酷さに動揺を浮かべていた。
 怒りを浮かべた那柚が、憎しみに満ちた視線を突き刺してくる。
 その圧力に耐え切れず、翠は苦しそうに首を振った。
 自分が許しを求めるように、おずおずと声を出す。
「あ、あの、朝霞?」
「ん?」
「・・・・・が、学校では、普通にさせても・・・」
 一瞬言葉を詰まらせながらも力を振り絞り、ささやかな譲歩を求める。
 その言葉を予想していたのだろうか。
 朝霞はちらりと背後を窺い、大人しく控えている少女を横目で示した。
「千歳は、ちゃんとお願いしてるんだよ」
「でも、那柚は・・・・・」
 良い口実が見つけられないのだろう。口を開いて言いよどむ。
 軽く肩をすくめた朝霞は、皮肉な笑みで那柚を撫でると、何とか助けようともがいている少女へと向き直った。
581聖なる日から:2011/02/03(木) 21:52:27 ID:H/H4pGv8
「判った。それじゃ、お願いできたらトイレでさせてあげる。これ以上は譲らないよ」
「う、うん」
「那柚も、それでいいね?」
「・・・悪いって言っても、聞かないんだろ?」
「よく判ってるじゃないか。じゃあ明日から、学校でおしっこするときは許可を貰えよ」
「・・・判ったよ」
 答えはしたが、受け入れているとはとても思えなかった。
 もともと、簡単に大人しくなるような性格をしていない。
 それは判っていたが、朝霞はその返事に頷き、美里を促して立ちあがった。
「私達は帰るから。千歳、ちゃんと片付けるんだよ」
「はい、判ってます」
「それじゃねー」
 朝霞に続いて、美里が明るく手を振り帰って行った。
 千歳は排泄物に満ちた洗面器を手に部屋から離れ、後には気まずい思いの二人の少女が残される。
「那柚・・・」
「・・・ふん!」
 裏切られたという思いが強いのだろう。
 那柚は無言で服を纏い、控えめな呼びかけに侮蔑を返して姿を消した。
 翠は一人ベッドに座り、今だ漂う異臭の中で、じっと俯いていた。



 
 今回はここまで。次で終わります。
 来週頭をめどに。
 何とかスレに収まりそうな分量で。
582名無しさん@ピンキー:2011/02/07(月) 21:21:24 ID:ssyf/kIy
>>581
GJです!!
583名無しさん@ピンキー:2011/02/08(火) 21:00:11 ID:s6RwZqhz
投下乙
そろそろ次スレ建てないと落ちちゃうな
584聖なる日から:2011/02/09(水) 22:00:55 ID:FlbKHFap
 書きあがったので最後まで。
 何とか収まると思うけど・・・。


 隷属を強要される毎日が、楽しいはずは無い。
 部活に出なくなり、教室でも一人黙り込むようになった那柚に、様々な憶測が流れた。
 何もできない翠の苦悩も深まる中、朝霞と美里は嬉しそうに、今日も那柚を呼び出している。
「んっ、ふんぅ・・・んむぅ・・ん・・」
「はむぅ・・んぶ・・ぅう・・」
 金曜日の夜、少女たちはまた翠の部屋に集まっていた。
 部屋の真ん中で、全裸になった千歳と那柚が、見ていて恥ずかしくなるような濃厚な口付けを交わしている。
 千歳が淫靡に腰を蠢かし、一昨日毛を剃られたばかりの、那柚の割れ目に押し付けた。
 千歳は嬉しそうに愉しんでいるが、那柚はただ諦めているらしい。
 受身一方で、棒立ちになっている。
 背中に回されていた手が、ゆっくりと下がり、お尻を揉んだ。
 胸を押し付け、乳首をすり合わせる。
 そんな動きに体が応えるのは仕方ないだろう。
 気の無い様子であっても、那柚の太ももは濡れて光っている。
「あふぅ・・・那柚、下になってね」
「う・・・判った」
 五分以上も吸いつづけていた唇を離した千歳が、満足の息を吐いた。
 千歳の求めが何を意味しているのかはもう判っている。
 顔をしかめたものの、大人しく仰向けに横たわり、足を開いた。
 千歳は反対向きの四つんばいになり、相手の股間の上に顔を、顔の上に股間を被せる。
「那柚、もうぐしょぐしょ・・・。もっと、楽しませてあげる」
「はうぅ・・・っんあっ!」
 あの日、始めて二人を繋いだディルドを那柚へと潜らせて行く。
 那柚はそれを簡単に飲みこみ、きつく締めつけた。
 千歳はその手応えを愉しみながら、ディルドをゆっくりと引き出し、再び押しこむ。
 その動きは次第に速くなり、那柚の股間からは、湿った音が淫らに立ち上っていた。
「ね、那柚、気持ち良い?」
「はっ、ああっ、いっ、いいっ、あうっ、っああ、はぅあっ!」
 拒んでみたところで、体の正直な反応は止められない。
 那柚は自分を偽る言葉を捨て、ありのままの気持ちを口にした。
 嘲い声が聞こえたが、そんなものはもう気にならない。
「んっ、那柚のここ、すごく気持ち良さそう。ねえ、私にもしてよぉ。指でも、口でもいいから」
「ふああっ! だ、だめっ、そっ、それは、ああっ!!」
 ディルドで掻き回され、舌と指に弄られる那柚の目の前で、赤く熟れた千歳の秘所が揺れている。
 触れて欲しいとせがまれるが、それだけは出来なかった。
 間近に見ることすら気味悪く、時折垂れ落ちる欲情の雫に頬を汚されるのが酷く忌まわしい。
 ましてやそこに触れ、口を付けるなど、できるはずもない。
「もう・・・今日も、こうするしかないの?」
「はっ! あうっ! んあっ! あっ! ああっ!!」
 千歳が自身と那柚の体を巧みに動かし、ディルドを自分の中に迎え入れた。
 足を挟み合うようにして股間を押し付け、満足を求めて激しく動く。
 振りまわされる那柚が喘ぎを上げ、襲い来る快楽に没頭している。
585聖なる日から:2011/02/09(水) 22:02:16 ID:FlbKHFap
「あっ、あああっ! も、もう、もう、いっ、ひいいっ!!」
「ああんっ、那柚、早すぎるっ!!」
 まだ途中にいる千歳を置いて、那柚は一人絶頂を迎えていた。
 一際高く啼き、硬く目を瞑る。
 ディルドを通じて、那柚の膣内が蠢くのが伝わってきた。
 千歳は文句を口にしながらも動きを止め、不満げに腰を離す。
 那柚から淫らに濡れ光ったディルドが抜け、千歳に残った。
 満足を得ていない少女は、それを生やしたままで胡座をかき、股間から生え出ているものを両手で握り締めた。
「千歳、駄目だよ」
「あ、はい」
 仕方なく自分を慰めようとした千歳が、制止の言葉を受けて手を止めた。
 切なげに訴えかけながらも、じっと我慢している。
「後でさせてあげるから、少し我慢してなよ」
「はい、ありがとうございます」
「ふふ、千歳は良い子だね。それに比べて那柚は・・・」
 朝霞の眼が、ぐったりと横たわっている那柚に注がれた。
 ただならない気配を感じ取ったのだろう。
 のそのそと体を起こし、まだ反抗心の消えていない目で、躊躇いがちに睨み上げる。
「学校で勝手にトイレに行くなって言ってあったよね」
「・・・だから、行ってないだろ」
「来客用のトイレなら見つからないとでも思ってたかい?」
「!」
 小ばかにした声に、滑稽なほど反応していた。
 体を大きく震わせ、平静を装おうとして失敗する。
 落ち着き無く視線をさ迷わせ、言葉を捜す少女に対し、朝霞は冷たく笑い傍らの相方に合図を送った。
「あまり勝手が過ぎるようだから、対策を考えてきたよ」
「作るのに時間がかかっちゃったけどね」
「な、なんだよ、それっ!」
 美里が取り出したものを見て、那柚が叫びを上げた。
 翠は呆然と、千歳は驚きの後に愉しそうな表情を浮かべてそれを見つめる。
 美里の手は、パステルカラーのおむつカバーを広げていた。
 黄色地に青の水玉があしらわれ、リボンの形をしたワンポイントがついている。
 所々にベルト通しが付けられているをれを見せ付けた美里は、そこに鍵付の細いワイヤーを通した。
 たったそれだけのことで、かわいらしいデザインのおむつが、酷く禍禍しい存在に変わる。
「これなら、勝手に外せないだろ」
「中にこれを付けて、上からこれをあてるんだよ。で、この鍵をしめるの」
 手回し良く成人用の紙おむつまで用意されていた。
 余りの事に、柚那が裸のままで後じさっていく。
 その足を無造作に掴み、朝霞と美里は二人がかりで那柚を仰向けに横たわらせた。
586聖なる日から:2011/02/09(水) 22:03:05 ID:FlbKHFap
「いやだっ! おむつは、おむつはいやだっ!!」
「お前がちゃんと言う事を聞かないからだろ」
「そうそう。お仕置きも兼ねてるんだから、嫌がっても許さないよ」
 愉しそうに答えながら、二人は那柚の足をそれぞれに持ち、大きく広げさせた。
 那柚は手を伸ばして股間を押さえ、体をよじって逃れようともがく。
 激しい抵抗に眉を寄せた朝霞は、ポケットから小さな箱を取り出し、那柚の前に付きつけた。
「こいつを使う?」
「あっ!!」
 以前と同じ脅迫を受け、那柚が動きを止めた。
 よほど浣腸が嫌いらしい。その効果に手応えを得た朝霞が満足そうに頷き、紙おむつを受け取った。
 これ見よがしに広げ、その表情を窺いながら床に置く。
 尻を持ち上げてその下に滑り込ませ、足を広げさせて股を通す。
 位置を合わせを装って何度もあてなおし、ようやくテープを止めた朝霞は、カバーをつけずに勉強机の椅子に腰掛けた。
「うん、よく似合ってる。かわいいよ、那柚」
「いっ、いやだっ、こんなの、こんな格好!」
「いいじゃん、すっごくかわいい。お尻がもこもこしてて、ちょっとがに股で、ほんとに赤ちゃんみたい」
「は・・・あ・・・かわいい・・・・」
 嫌がる那柚を他所に、三人の少女が口々に誉めそやした。
 痛ましげな表情を浮かべているが、翠もその姿にときめくものがあったらしい。
 僅かに顔を赤らめ、那柚のもこもこしたお尻を見つめている。
「こんなの、中々見れないだろ。千歳、今日はこれをオカズにしてみなよ」
「はい・・・。あ、はああ、おむつ・・・那柚の、おむつぅ・・・」
「ば、ばかっ、やめろ! やめろおっ!!」
 うっとりと見つめていた千歳が、許しを得てディルドを持つ手を動かし始めた。
 こんな姿をオナニーのネタにされたのでは堪らない。
 那柚は制止の声を投げつけるが、そんなもので千歳は止まらなかった。
 惨めな少女を眼で犯しながら、ひたすら自分を慰めつづける。
「うぅ、判った。言う事を聞くから、これは外してくれっ!」
「・・・誠意が感じられないね」
「せめて、土下座ぐらいしたら?」
「うっ・・・」
 屈辱に固まった那柚の股間を、千歳の視線が犯し続ける。
 淫らな声と音とが聞こえ、自分の名前がその中に混ざる。
 とても、耐え続けることなどできなかった。
 那柚の膝が床を突き、こんもりと膨らんだお尻が突き出される。
「お願いします。おむつは、許してください」
 おむつが余程嫌なのだろう。あれほど反抗的だった那柚が、口調を考えている。
 朝霞と美里はにやにやと笑いながら足元の頭を見下ろし、わざとらしく考え込んだ。
587聖なる日から:2011/02/09(水) 22:03:41 ID:FlbKHFap
「そうだねぇ、どうしようか」
「お願いです。他の事は、ちゃんと聞きますから」
「でもなあ、せっかく用意したのに一度も使わないのもなあ」
「そうだよねぇ。一回ぐらいはねぇ」
「・・・判りました。おしっこ・・・します」
 二人が何を言おうとしているのか、判らないほど馬鹿ではない。
 悔しさを堪えて答え、土下座のままで固まった。
 そのままどれほどが過ぎただろうか。
 拒みつづける体がようやく言う事を聞いたらしく、那柚の口から小さく息が零れた。
 見られながら、おむつの中におしっこを漏らしている。
 その思いに赤く染まった那柚の体を、少女達はそれぞれの目で見つめ、千歳は一心にディルドを動かした。
「はぅ・・・」
 一度体を大きく震わせ、おずおずと視線を上げる。
 陰険に見つめてくる朝霞に息を呑み、やがて小さな声で事実を告げた。
「おしっこ・・・しました」
「・・・おむつに、おもらししたのかい?」
「はい。おもらし・・・しました」
「くくっ、そうか、おもらししたか」
「あははははっ、おもらしだって! いい年して、恥ずかしいなあっ!」
「あ、おもらし・・・那柚・・おもらしして・・あっ、はああっ!!」
 せざるを得ないように追いこんでおいて、勝手な事を言っている。
 その向こうでは、勝気な那柚の情けない姿に昂ぶった千歳が、ディルドを深く突き立てて背中を逸らせた。
 嫌悪に目を背けた那柚が、自分を囲む笑い声の中で哀訴を口にする。
「あの、おむつ・・・外してください」
「外して欲しいの?」
「はい、おもらしして、気持ち悪いんです」
 屈辱を堪えて、朝霞が喜びそうな表現をする。
 笑みを浮かべた朝霞に、一瞬だけ希望を抱いた事だろう。
 だがそれは、次の瞬間には裏切られる運命を背負っていた。
「馬鹿だろ、お前。おもらしをするなら、おむつを外せるわけないじゃないか」
「そこらで漏らされちゃ堪らないもんね」
「そ、そんなっ! 話しが違うっ!」
「えー? おむつにおしっこしたら、外してあげるなんて約束した?」
「してないよね、そんなの」
「お、お前ら・・・」
 悪辣なやり口に、怒りが込み上げた。
 憤然と立ちあがり拳を振り上げるが、下半身をおむつに包まれたいては、それすらも滑稽でしかない。
 朝霞は笑いを堪えながら那柚を手で制し、背後を指差して見せた。
588聖なる日から:2011/02/09(水) 22:04:21 ID:FlbKHFap
「おもらしの記念に写真を撮ってあげるよ。ほら、そっちを向いて」
「なっ、止めろっ! こんなの撮るなっ!」
「今更止めたってだめだよ。もう、何枚も撮っちゃったから」
「あ、おもらしの報告は、ムービーで撮ってあるからね」
「そんな・・・・・。け、消してくれ、頼むから」
「那柚がもっと素直になったら消してあげるよ」
「わ・・・かった。言う事聞くから、だから・・・」
「それじゃ、とりあえず、これを着けてもらおうかな」
「・・・・・」
 ここぞとばかりに、朝霞がおむつカバーを取り上げた。
 へたり込んだ那柚を寝かせ、足を広げさせる。
 紙おむつに包まれているお尻を覆った朝霞は、躊躇い無くワイヤー鍵を閉めた。
 前あてが開かないために、中の紙おむつを外す事も出来なくなる。
「もう一回ぐらいは大丈夫だからね。次に漏らしたら、翠に連絡して替えてもらえばいいよ」
 那柚の家からは、翠の家が一番近い。
 おむつを替えてもらいに通うにしても、来てもらうにしても、一番都合が良いだろう。
「鍵、渡しておくね」
「あ、うん」
 美里がポケットを探り、小さな鍵を手渡した。翠はそれを素直に受け取り、傍らの机に置く。
「千歳、満足したかい?」
「は、はい」
「それじゃ、今日はもういいね」
「はい、ありがとうございました」
 淫靡に微笑み、深く頭を下げる。
 それが、終わりを告げる声だった。
 千歳はディルドを片付け、おむつを着けられた那柚が、制服に手を伸ばしている。
「あ、あの。那柚は今日、泊まって行って」
「え・・・?」
「急で悪いけど・・・」
「ふふっ、その方がいいね。翠、ちゃんとおむつの面倒見てあげるんだよ」
「う、うん」
 朝霞は那柚のお尻を撫でて部屋を出た。
 美里と千歳もその後に続き、部屋には翠と那柚だけが残される。
「今度は、何をする気だよ」
「那柚・・・」
 怒りを滲ませた声に、翠が悲しそうな眼で級友を見つめた。
 その瞳を見返しながら、おむつだけを身に着けた那柚は、大きく一歩踏み出し翠に詰め寄る。
「あれだけ酷い事をして、こんな格好までさせて、まだ足りないのかよっ! 今度は何をさせる気だよっ!!」
 憎々しげに、股間を覆っているおむつカバーを掴む那柚の前で、翠は黙って俯いた。
 睨みつける視線の下で、目を逸らたまま呟く。
589聖なる日から
「那柚に・・・謝りたくて・・・・・」
「はっ! 謝る? 私をあいつらに売っておいて、今更何を!」
「そんなつもりは・・・・・」
「あいつらに私の事を言えば、こうなるのは判ってただろ! 私が千歳と同じ目にあうって、知ってただろ!
 それを承知であの二人に言ったんだろ!」
「違うっ! ・・・でも、同じ事だね」
 それまで黙って俯いていた翠が、不意に大声を上げた。
 大人しい少女の怒声に、那柚が思わず言葉を止め、不機嫌に見つめる。
「私、那柚の気持ちは嬉しかった。少し戸惑ったけど、嬉しかった」
 俯く頬に涙を伝わせながら、翠が口を開いた。その言葉の意外さに、那柚は呆然と立っている。
「千歳のときは、困っただけだった。だから二人に相談した。まさか、あんなことになるとは、思ってなかったけど・・・」
 千歳からの思いは、困惑以外の何かを生み出すものではなかった。
 一人のいい友人として、その関係を壊したくなかった翠は、朝霞と美里に相談してしまった。
 その結果、二人が千歳をあのように扱うとは、全くの予想外だった。
「那柚の事は、相談なんかしてない。答えはもう出てたから。でも、千歳の事があったから、すぐに返事ができなかった。
 那柚が、千歳と同じにされるのは嫌だったから」
「それじゃ、なんで!?」
 現実とあまりにかけ離れた独白に、どうしても納得がいかないのだろう。
 那柚が押さえきれずに言葉を挟んだ。
 その声に顔を上げた翠は、申し訳なさそうに再び顔を伏せてしまう。
「私が那柚と付き合えば、二人も千歳も、すぐにそれを見抜くと思った。そうなれば、私も那柚も千歳と同じにされる。
 だから、二人がそんな事を考えないように、予めお願いしに行った」
 その時の事を思い出しているのだろう。翠の声が震え、あふれ出た涙が垂れ落ちる。
「だけど、駄目だった。それを言う前に、二人で那柚を責め始めて、受ける気じゃないよねって、詰め寄ってきた。
 ほんとの気持ちを口にしたら、私も逃げる事ができないって、そう思って、怖くて・・・」
 その行動が、どんな結果を招くかは判っていたはずだった。
 だが、二人の怖さを知る翠には、朝霞と美里の圧力を撥ね返す事が出来なかった。自分一人だけの身を守ってしまった。
 那柚を売ったのだと言われても、否定できない。
「私は、自分だけ助かろうとした。売ったって言われても、仕方ないと思う。だけどもう、こんなのはいや。
 責められても、ののしられてもいい。那柚と、堂々と愛し合いたい」
「翠・・・」
 涙ながらの告白に、那柚の顔から険しさが消えた。
 知らずに責めていたが、翠もまた苦しんでいた。それだけで、全てが許せるような気がする。
「千歳を見てたら、怖くなるのは仕方ないよ。私だって、翠の立場だったら同じ事をしたと思う」
「那柚・・・。許して・・・くれるの?」
「私の気持ち、受け入れてくれるんだろ?」
「え・・う、うん」
「だったら、それでいい。それだけで、私は十分だよ」
 優しい笑顔だった。全てを許し、包み込んでくれるような、穏やかな笑みだった。
 翠もつられて涙を拭い、はにかんだ笑みを浮かべる。