【絶望先生】久米田康治エロパロ総合 Part23【改蔵】
304 :
桃毛:2010/01/13(水) 19:55:36 ID:KJkS/idv
倫の意識を呼び覚ましたのは、乳房の先端の、新しい快感だった。
仰けに横たわった自分の胸を兄が吸っているのだと気づいた。きらりと光るものも見える。望の眼鏡の弦だった。
(お兄様ったら、こんな時まで眼鏡を)
軽く苦笑しながら、揺れる兄の頭を抱きしめる。夢中で胸に顔を埋める兄を見ていたら、なんだか可愛く思えてきた。
「気づきましたか。軽く、イってしまったみたいですね。可愛かったですよ、倫」
倫はまた恥ずかしさに顔を赤くしてしまう。胸から顔を離した望は倫の上体をおこすと、その手を軽く握った。
「倫、今度は私のも‥いいですか?あの夜の続きを、してくれるんですよね‥?」
「‥あ」
倫は望の部屋着の襟がはだけているのに気づいた。胸板と薄い腹筋が闇を透かして見える。その下には―。
「み、見えませんわ‥」
どうやら倫が気をやっている間に、望も帯を解き、下着を脱いだようだった。倫と同じように、前をあけた着物だけになっている。
「じゃあ少し、明るくしましょうか?」
不意に兄の上体が遠ざかった。もそもそと闇を探る気配がする。そしてカチリというスイッチの入る音。
と、急に弱いが暖かい光が少し離れた場所に灯った。どうやら枕元の置行灯のようだった。
望は普段これを就寝前の読書にでも用いていたのだろう。
今の明るさは最低限に調節してあるようで、先ほどの暗闇よりはましというほどでしかない。
が、お互いの身体が見える程度ならば十分だった。陰影が強く出て、輪郭は闇に溶け込んでいる。壁に襖に、大きな薄い影が映じていた。
枕元に腰をおろした望が振り返る。
「うっすら見えます‥綺麗ですよ、倫」
倫は兄の言葉に引き寄せられるようにその膝下に身体を伸ばした。
「あ‥」
今度は見えた。ほの明かりに屹立する、兄の肉棒が。
これが、お兄様の―。そういえばあの時は直接これを眼にしたわけではなかった。ふと見上げると兄も顔を真赤にしているのがわかった。
そろそろと手を伸ばす。そうだ、あの時、自分は―。
倫は兄の膝にまたがるとその首に腕をまわし、そして肉棒を手のひらに包んだ。
赤い兄の顔を見ながら、ゆっくり手を上下に動かし始めた。時に強く、早く。そしてゆっくり、やわらかく。
―戻ってきた。私の手の中に、これ。私の、お兄様―。
今度はもうはねのけられたりはしない。望は視線を泳がせ、口を半開きにして喘いでいる。ああ、可愛い、お兄様。
倫は望の足に乗った腰をうねらせ、敏感な部分を擦り付ける。背筋を駆け上がってくる快感に顎をそらせながら、兄へ問いかけた。
「お兄様、気持ちよくって‥?倫の手、気持ちよくって?」
「ええ、いいですよ、倫‥」
兄の肩が時に震え、すくめ、どうにもやるせないような感覚を味わっているのだとわかった。
眼鏡の奥の、睫毛の長い瞳が潤んでいるのが見える。妹と目が合った望は恥ずかしさを覚えたのか、眼を閉じてしまった。
ところが、その手は倫の揺れる乳房に伸びてきた。片手に倫のうねる腰を抱き、片手で胸をもてあそび始めた。
「あっ!お兄様、手癖がよろしくなくてよ‥」
倫は指を肉棒の先のほうににもってゆき、亀頭のえらをしごきはじめた。指が何か粘つく液体に湿る。
「お兄様、これ―」
「知らなかったんですか、倫。男も、濡れるんですよ―」
「まぁ。‥倫の指で、感じてらっしゃるのね‥いやらしいお兄様」
薄く笑った望が、唇を重ねてくる。倫は躊躇なく舌を絡め、吸い付いた。
粘液質の音が時おり響く中、二人の手は互いの身体をまさぐり続ける。
しだいに荒くなる望の呼吸に、倫はある瞬間が近いのかと感じ取る。さっきのお返しとばかり手の動きを激しくし、兄の顔を凝視する。
「お兄様、お兄様もいきそうですの?‥見せて、私に見せて、お兄様のイくところ見せて!」
「り、倫、もう‥あぁっ」
望の身体が一瞬こわばった。波打つような痙攣―。倫が掌中の兄の分身に眼をむけたその時、望は妹の手の中に精を放っていた。
「きゃっ」
思いもよらない勢いに手から撥ね飛ぶそれを、倫はほの明かりにはっきり見た。
同時に背筋を走るたまらぬ快感―。腕の中の兄は、眼をあらぬ方にそらし、低く喘いでいる。あの時見れなかった、その顔―。
倫の視線に気づいたのか、一瞬こちらを見てすぐに眼をそらした兄に、倫はたまらぬいとおしさが湧いてきた。
「お兄様、可愛い‥」
305 :
桃毛:2010/01/13(水) 19:56:33 ID:KJkS/idv
火が出そうな顔になった望は、冷ますようにかぶりを振ると手を置行灯の方に伸ばした。
その下に置いてある鼻紙箱から何枚か摘み取ると、倫の手をぬぐい始める。
「ほ、ほら。綺麗にしなさい」
倫にはその細やかな気づかいは嬉しかったが、拭き取られてゆく兄の絶頂のあかしが、なんだか少し勿体無いような気もする。
つい、と手を引くと残滓の残る指の谷間に鼻先を近づけてみた。頭がくらくらするような、濃い匂い。兄の、牡のかおり。
「こ、こら‥倫‥」
何か言いかける兄の眼を見ながら、それに舌を伸ばした。
「へんな味‥お兄様の‥味」
倫の膝には、まだ頭をもたげている兄の分身が当たっていた。
倫は濡れた唇を舌でなぞると、兄の太ももから降りてその腿に膝枕のようにころり横たわる。まるで子猫のようだ。
「綺麗に、しますわ‥」
「そ、そういう意味では‥!」
倫は鼻先にある兄の肉棒にくちづけると、先端を口に含んだ。
「うぁっ!り、倫」
射精直後の敏感な亀頭を、妹の舌が這い回っている。望は背をそらせ、それでも眼下の倫のあられもない横顔から眼を離せない。
ぎこちなくはあったが思い切りのいい舌の動きに、望は声が出るのを堪えるのに必死だった。
身をよじる兄の反応が面白くなったのか、倫は肉棒の根元に指を伸ばすとゆるゆるとしごきあげる。
同時に先端をねぶる舌がそろりと動くたび、ぴくりと引きつる兄の反応が倫を興奮させた。
体の奥が、また熱くなってくる。倫は今度は我慢しなかった。空いた手を己の秘裂に伸ばしまさぐりだした。
芯が抜けたようだった兄の肉棒がだんだん硬さを取り戻し、やがて倫がしっかりくわえていないと飛び出してしまいそうになった。
ちゅぷちゅぷと、糸を引くような音が倫の唇から上がっている。
倫はひとまず肉棒を口内から解放すると兄を見上げ、唇は触れさせたまま聞いた。
「お兄様、倫の口は、舌はいかが?気持ちよくて‥?」
「ま、まったく‥お前は‥この方面の才能も大したものですね‥。ええ、気持ちいいですとも。気が遠くなりそうですよ」
答えながら、望は倫の髪を撫でてやる。
「嬉しい‥」
「ああもう、つくづく可愛いですね‥。じゃあお返しに」
望はまだ手に持っていた先刻の丸まった鼻紙を行灯の向こうの屑籠に放り投げ、自分も倫の足の方へと倒れ込んだ。
妹の柔らかい太ももを持ち上げ、その足と足の間に頭を突っ込む。
「や、そこは」
「お前のも舐めてあげますよ」
望はそこにあった倫の手首をつかむと、その濡れ光る指先にくちづける。指先を口にくわえ、舌を這わせねぶりあげた。
「ふふ‥倫の味がします」
「やぁあ‥」
306 :
桃毛:2010/01/13(水) 19:57:14 ID:KJkS/idv
望は妹の手をどかすと鼻先をさらに奥へと進めた。もっちりと柔らかい太ももの弾力が頬に心地よい。
糸すら引いてぬめるそのあたりは、倫の甘い牝の匂いでむせかえるようだ。
「綺麗ですよ、倫。お尻も、‥ここも」
薄めの茂みをかき分け、めざす妹の秘所を目の当たりにした望はふぅ、と息をふきかけてやった。
「きゃぁっ!‥いやぁ、お兄様‥みな‥いで‥」
肉棒をくわえる倫が悲鳴のように鼻をならす。それでも肉棒をしごく手の動きが止まらないのが可笑しい。
「すごく、綺麗ですよ‥倫のにおいが、します」
くすりと笑った望はうすい茂みをかきわけ、その先の肉の芽に軽く口づけた。
「ひぁ‥っ」
二度三度、舌で舐め上げ転がすと、たまらなくなったのか、倫の片足が望の頭にくるり巻き付けられてきた。
肉襞を押し広げる。脈打つそこに唇を押し付けると舌を挿し入れ、あふれる蜜を舐めすすった。
忘れずに指も挿し入れると、肉の芽の裏をこね回してやる。
じゅるじゅるという淫らな音に、倫は思わず声を上げてしまう。
「あぁ、やぁああ!お兄様、お兄様のばか!そんなこと‥っ」
―舐めまわされている。吸われている。かきまわされている。お兄様に倫の、あそこが―。
一秒ごとに味わったことのない快感が自分の脳をひっくり返す。
じゅるり、ぴたぴた、ちゅくちゅく。淫らなねばつく音はその間ずっと続いている。
兄の丹念な愛撫は自分への愛情そのものなのだと、倫は胸がいっぱいになった。
―好き。お兄様好き。でもそれ以上、倫を苛めないで―。また、おかしく――。
倫は、唇のなかの兄の亀頭への愛撫に気を散らそうとしたが、どうやら無駄だった。
「やぁあぁあっ‥!」
押し寄せる快楽の波に、ふたたびさらわれてしまった。
307 :
桃毛:2010/01/13(水) 19:58:15 ID:KJkS/idv
撫でられている。頬が撫でられている。
倫が気づくと、望の顔がすぐ近くにあった。添い寝のように、二人並んで寝そべるような態勢らしい。
兵法を嗜んだ者らしく、倫は自分を取り巻く状況を本能的に把握しようとする。
身体がしびれ、けだるく重い。
「まったく‥お前はすごく感じやすい質なんでしょうかね。大丈夫ですか?」
感じやすい、などと言われて倫は途端に恥ずかしくなった。襟をかきあわせると兄から顔をそらす。
と、その視界に陰がよぎる。
望が上体を倫にかぶせるように手をついた。膝が割られる。頬が再び、優しく撫でられた。
あ。そうか。
倫は望が何をしようとしているか思い至る。
「お兄様、その‥するんです‥ね」
ひんやりとした空気の中で汗ばむ二人の身体は熱かったが、それでも兄のより熱い部分が脈打っているのが倫にはわかった。
「え、ええ‥」
「すみません、また私だけよくなってしまって‥。お兄様もどうか、倫で気持ちよくなって」
倫はゆっくりと膝を開いていったが、望はそれから動かない。
「倫‥本当にいいんですね‥?此処から先は」
この期に及んでいつもの気弱な兄が帰ってきたのかと、倫は半ば呆れつつ苦笑した。
刃を抜いた先ほどなら冗談ではすまなかったろう。
だが想いを通わせ肉体の親しさを持った今では、情けない兄の発言も愛嬌のひとつ位に思えるようになっていた。
あんなに格好良く啖呵を切ったくせに。
こういういざとなって弱いところも、兄なのだ。私の愛しい、兄なのだ。
「まぁ!お兄様ったらなんたるチキン!妹の身体をこれほどもてあそんでおいて、今更いいか、もありませんわ」
倫の手がふわりと伸びる。下から望の首を抱きしめると、そっとささやいた。
「来て、お兄様‥。私をお兄様のものにしてください。想いを遂げさせて‥」
「‥倫」
308 :
桃毛:2010/01/13(水) 20:14:25 ID:KJkS/idv
望は倫の入り口に肉棒をあてがうと、そのまま一気に奥まで貫いた。
「いっ‥あ‥!」
倫のそこは一瞬だけ、にぶい痛みが閃く。兄の背に回した腕に力がこもった。
「倫、大丈夫ですか?」
「‥ええお兄様。どうか好きに動いて。この日を私が忘れないように」
「まったく‥お前は‥」
妹の剛毅さに少々気圧されつつも、望は言われるまま遠慮なく腰を使い始める。
はじめ抵抗を少し感じたものの、十分に濡れていたせいかそのうち気にならなくなった。
「ああ‥きついですね‥でも暖かくて‥。すごく良いですよ、倫」
倫は直前の軽い絶頂の余韻もあったためか、痛みはさほど感じなかった。
今はただ、己の暗い妄想の中の産物でしかなかった兄との交わりが現実のものとなったという感動にひたっていた。
ほろりと一粒、涙がながれ落ちる。
その涙が枕の上に消えるころには、倫は自分の奥底から押し寄せる体験したことのない快感の中に浮かんでいた。
望が動くたび、奥に望の先端がぶつかるたび、倫は衝動を抑えることができずにあえいだ。
「はぁ、ふぁあっ!おにいさまあぁっ‥!」
「倫、いいんですね?私も凄く気持ちいいですよ‥!」
倫の入り口はきつかったが、奥のしめつけは絶品だった。剣術で鍛えられた体幹の肉が、臍下丹田のさらに奥底で望を絞り上げる。
望はその子宮を何度もこづき、腰にひねりを与えながら、今度は浅く入り口をこね回してやる。
どう動いても上がる妹の甘いあえぎが、官能を煽りたてる。
慣れた望も気を抜くとあっという間に果ててしまいそうになる。
「おにいさま、これ、いいです、おにいさまっ」
互いに汗まみれだった。夢中で妹の肉に腰を打ち付ける望は、もう熱さに我慢ができなくなった。
望は上体をおこし、汗で重くなっている部屋着の袖をはらい脱ぎ捨てる。
眼下に喘ぎとともに上下する妹の乳房をわしづかみし、もみくちゃにした。
「やぁっ!‥もう、おにいさま、私の胸、すきなんですの‥?」
「ええ、程よい大きさで、可愛いですからね‥」
「‥すって。私のむね、吸って!」
望はいわれるまま倫の白い乳房にむしゃぶりつく。勃起した乳首を舐めまわし、吸い上げ、甘噛みしてやる。
腰の動きに合わせて愛撫してやると、倫の嬌声はひときわ高く上がった。
309 :
桃毛:2010/01/13(水) 20:15:23 ID:KJkS/idv
女のからだに慣れた望でも、倫との交わりは格別だったといっていい。
小さな頃から遊び相手になってやった、十程も年の違う妹。
女わらべの時分からおんなとして熟してゆくその全ての姿を、自分は見てきていた。
嫁入りして糸色の姓を捨てたい、などと言っていたその妹。
その言葉通りに自分の前からいずれ離れてゆくのであろうと思っていた妹のからだを、今こうして兄の自分が抱きしめている。
倫もこうなることを望んだ日から、それは想い遂げたとしてもけして陽の下では一緒になれないとわかっていたはずだ。
だから、この闇の中では。
その禁忌を犯したからこそ得られる禁断の果実―背徳の愉悦と官能が、自分たちの脳髄を灼く。
今はその果実を、官能を、一瞬でも長く味わいたい。この愛しい妹にも味わわせてやりたい―。
望は乳房から口をはなすと倫のからだを抱きかかえながらともに上体を起こし、つながったままあぐらをかくように座った。
倫の腰を抱きながら下からゆっくり奥深くをかきまわす。
兄の首に両手をかけた倫は兄の腰がうねる度にのけぞり、後ろに倒れそうになって揺れながらあえぎ続けた。
「おにいさま、いや、こわい、怖いの‥。でも、きもち、よくて‥」
置行灯の薄い灯りに倫の肉が跳ね、うねり、反る。倫の背後で壁に映ずる淡い影も同じく美しくも淫らな影絵を踊っていた。
倫の髪が揺れ、汗が舞い散る。まるで幻のような光景の中で、望は限界に近づいていた。
「倫、そろそろ、私は‥」
「だめ、だめ、おにいさま!一緒じゃなきゃだめ!‥もっと、ね、あと少し‥」
望に抱きついて背をかきむしる倫は、今度は自分から腰をひねりだした。
「うぁっ!り、倫、それは‥」
「おにいさま、うふふ、どう?もっと気持ちよくなって‥」
望の肩を甘噛みし、舌を這わせる倫。
味をしめた倫は首筋や鎖骨に歯を立て、兄の背に爪を立て引っ掻き、そして首筋にキスの雨を捧げる。
唇で吸いつきながら、兄の肉を前歯で細かくついばみ、舐めまわした。
「あ、つっ‥倫、やめ‥!」
望にはそんな痛みすらも快感だった。腕の中の妹を突き上げながら、そのうねる腰の与えてくる刺激に陶然とする。
これ以上は本当にまずい。このままでは、妹の膣内に‥。
310 :
桃毛:2010/01/13(水) 20:16:38 ID:KJkS/idv
体重をかけてくる倫の上体の動きに、望はそのまま後ろにひっくり返ってしまった。
「はじめと反対ですわね、おにいさま‥ふふ‥おにいさま可愛い」
今や倫は望の腰にまたがり、感性の赴くまま腰をうねらせていた。
自分が動くたびに湧き上がる新しい感覚に、そして兄の反応に官能を昂ぶらせてゆく。
その激しい動きに白無垢が肩からしだいにずり落ち、やがて倫は兄の上で一糸まとわぬ裸体となった。
「まったく、お前は‥初めてのくせにはしたないですよ」
望は下から倫の胸をすくい上げ、揉みしだきながら腰を跳ね上げる。
それは倫の子宮を、脳髄をえぐり、快楽を刻みつけた。
「きゃぁっ!ぁあ、でも、おにいさまだから、‥おにいさまだからこんなにいいの」
倫も突き上げてくる望の動きに、もう腰に力が入らなくなっていた。
上体を折るとぱたんと望の胸に倒れこむ。
最後は兄の胸に抱かれていたかった。
望は倫の尻肉をつかむと、最後の力とばかりに妹の内に腰を送り込む。
「ふぁ、ぁあおにいさまぁああっ‥!」
倫が望の胸にしがみつき、力を込めてその肉をつかむ。剣を執らぬ間伸びていた爪が食い込んだ。
薄くにじむ兄の血を見た時、倫に自分でも恐ろしいほどの昂ぶりが押し寄せてきた。
―今日でいくつ、兄の身体に傷をつけただろう。でもいいのだ。つけていいのは、私だけなのだから―。
「倫、もう限界です、外に‥っ」
「だめ、私に、わたしのなかに!」
「‥り、倫っ!」
「おにいさまぁぁっ‥!」
兄の肩をおさえ、下腹を擦り付ける。ぜんぶ、うけとめられるように。
ああ。わたしの、お兄様。
望の吐息が聞こえ、倫のなかに何か熱いものが叩きつけられる。
世界が、真っ白に晴れ上がった。
どれほど経っただろう。
倫は、まるで眠りから覚める一瞬前のような、そんな夢うつつの官能の波に浮かんでいた。
もうひとりではない。孤独の時間は永遠に終わったのだ。心結んだこの時間が、倫にそれを教えてくれる。
あたたかい兄の胸にすがりながら、幸せで泣きそうだった。
‥そうか、泣いてもいいのだ。
悲しいからではない、悔しいからでも怖いからでもない。
嬉しくて泣いてもいいのだ―。
‥そう、この世界は、昨日までとは違う世界に、変わったのだから。
静かに流れる倫の涙を、兄の指がそっとぬぐった。
311 :
桃毛:2010/01/13(水) 20:18:32 ID:KJkS/idv
翌朝。
あのあと倫は何度か兄を求めた。疲労の果てに眠った後、兄より早く起き出して自室に戻っていた。
身を清め、衣服を整える。
そしてなんとなく居着けなかったので、庭に散歩に出た。
庭の池を臨むあずま屋には着替えた望が座して茶を喫していた。
ぼう、とほほに上ってくる血の温度を感じながら、倫は声をかけた。
「おはようございます、お兄様」
望の方もどこか気恥ずかしいらしい。挨拶をかえすと視線をそらしてしまう。だが一服茶を立て、倫にすすめてくれた。
倫は礼を返し、望の隣に座った。しばし無言の時間が流れる。
やがて、望が口をひらいた。
「倫、昨晩は」
「‥はい」
兄の首筋に自分の噛み跡を見つけた倫は、そのままうつむいてしまった。
「その‥」
「‥お兄様、顔が赤いですよ」
「お前の方こそ。‥ええ、まぁ、なんというか」
望は手にした茶碗を一気にあおった。
「言い方は悪いんですが、いや、お前にも悪いんですが‥。我ながら大変なことになったな、と―」
「まぁ」
いつも通りの何処か情けない兄の台詞に、倫は呆れつつも微笑ましい思いを抱かずにはおれない。
やはり、兄は相変わらず兄なのだ。
情けなくて、カッコ悪くて、臆病で、でも愛しい―私のお兄様。
「それと‥倫。必死だったのかもしれませんが‥あんな刃物を自分に向けるような真似はもう二度とは」
「‥すみません、お兄様。‥でも、普段やたらと死にたがるお兄様がそんな事をおっしゃるなんて」
倫は冗談に紛れさせようとしたつもりだったが、望は真顔だった。
「私は今まで一度も本気で死にたいと思った事はありません」
「お兄様‥」
「今日からは離れていても一緒ですよ。それを忘れないで下さい」
倫は返答のかわりに、頭を兄の肩にあずけた。
「いやぁ‥それにしてもとんでもない事に‥明日からが思いやられます、本当に」
「またいつもの恨み節ですの?‥ふふ、そんなに仰るなら『長恨歌』にでも書いておけばいかが?」
そのいつもの兄に、倫も普段のごとく舌鋒でちくりと刺してみた。
「‥書けるわけないでしょう」
むろんそんな事をしたらそれは破倫の恋の証拠品になってしまう。できるわけがない。
望は抱えたままの茶碗を盆に戻すと、ふいに倫の方を向く。
「ですがそれとは別に‥お前との事は‥墓まで持って行きますよ」
きっぱり言った。それはこの関係を誰にも明かさないという意志のあらわれだった。
倫も心得ている。それは昨晩しとねでかわした黙契なのだ。
「休み明けからは、お前は私のクラスの生徒です。学校では、大人しくしていてくれないと困ります。
うちのクラスは、何と言うか、やっかいな生徒ばかりですから」
「わかっていますわ、お兄様。なんでもクラスの女子は全員お兄様のお手つき、とか」
「そっ、そ、そんなわけ‥」
倫は、兄の眼を見てくすりと笑う。
「安心なさって。張り合うつもりは、ありませんもの‥」
そして兄の手指に指を絡めながら、新しい世界に、思いを馳せた。
312 :
桃毛:2010/01/13(水) 20:19:30 ID:KJkS/idv
兄と妹、教師と生徒の恋人同士。
陽の下では絶対に秘さねばならない関係となった今となっては―。
きっと自分は今までにも増して、学校で兄をからかい、いじり、いたずらを重ねることだろう。
兄を取り巻く同級生たちに、表には出せぬ嫉妬を抱くだろう。
それでいいのだ。
この恋は、誰にも明かせぬ、かげのみやび。
光の下では、胸につかえを積み上げよう。
そして胸の重さにあえぐ頃、ふたりきりの闇の中。
思い切り愛し愛されよう。
一夜の破倫の交わりに、胸のつかえを飲み干せば。
明日からまた、仮面のままでいられるのだから――。
「でも、それまでは‥。ね、お兄様、もう一度‥今から」
「‥え?!」
数日後、東京府小石川区某高校、新学年度開始日。
同日付をもって、糸色倫、二のへ組に編入。
313 :
桃毛:2010/01/13(水) 20:20:23 ID:KJkS/idv
『その後・昭和八十三年・神無月』
夕刻の小石川区。糸色倫は自らの通学する某高校の校門をくぐり、区内に所有する自宅に帰宅しようとしていた。
倫はそのこぢんまりとした家への帰還には徒歩を心がけている。
その家は兄の高校に通うため、倫にすれば小遣い銭にもならない額で即金購入した仮宅である。
執事の時田には『貧乏ごっこの一環』などと揶揄されていたが、倫は黄昏時の下町の雰囲気が気に入っていた。
彼女には未知の、庶民の生活感息づく世界だったからだ。
いくらも歩かぬうち、歩道を行く倫の歩みに合わせるように後方からゆっくり走行してきた黒塗りの車が、横にふいに止まった。
倫はその車に見覚えがあった。
日産プリンスロイヤル。それは過去において皇室の御料車であった車であり、倫の同級生が通学に用いていた車であった。
倫は停車の状況から、校門を出た時から尾行されれていた事を悟った。
だが倫は驚かない。なぜなら、その車が自分の歩みを追う理由など、ただひとつしか考えられなかったからだ。
防弾仕様であろう窓ガラスがゆっくりと下がってゆく。
「お久しぶりです倫さん。乗っていかれませんか?」
あらわになった堅牢な車体の中、シートに背を預けこちらを向いていたのは、懐かしい無二の学友の顔だった。
互いの環境の変化もあり、剣の稽古を共にすることも絶えていた。再会は一年半ぶりとなる。
倫は何の躊躇もなく友人の誘いに乗った。
「私この国の未来に憂れいています」
挨拶もそこそこに憂い顔の内親王は凛然たるかんばせを曇らせて、時勢の不穏を論じ出しかねない剣幕だった。
だがそれは、かつての学友との私的な会話のための導入に過ぎなかったらしい。
彼女は途端に口調を変え、倫を見て続けた。
「ですが、友人の恋のゆくすえも案じていました。倫さん、首尾はいかが?」
それこそ倫の予想し、また待っていた質問だった。
それもそのはず、倫がこの話題を語ることの出来る同性の友は、この世で内親王ただ一人だったからだ。
彼女は学習院の制服を纏って来ていた。
倫に会うのに往時と変わらぬ友誼を示すためわざわざ着込んできたとの事である。携えた刀もあの時のままだ。
ちなみに前部座席と仕切られたこの後部では、会話は運転手に漏れる事はない。
「‥想いを遂げました」
万感こもったその短い返答に、内親王は一瞬遠くを見るような表情を見せ、そして柔らかく笑みをこぼした。
「そう‥よかった。おめでとうございます、倫さん」
倫は頬を赤らめて微笑む。友人を慮ってか少々の罪悪感をただよわせたその表情に、内親王は初めて倫を可愛らしい、と思った。
「いろいろ障りはあるでしょうが‥どうか頑張って」
「ええ‥確かにいつも一緒にいれるわけでもありません‥でも、そのもどかしさは、貴重な時間の、よろこびの糧となりますわ」
314 :
桃毛:2010/01/13(水) 20:22:14 ID:KJkS/idv
倫のその言葉に、今度は内親王の頬が赤く染まった。
けして許されぬ関係を生きる者たちの、秘められた淫靡な時間を想像してしまったからだった。
―やっぱり、倫さんに先を越されてしまいましたね―。
自らの未だ知らぬその世界。敗北感とちょっぴりの羨望を込めて、かつて恋した友を横目に見る。
確かに、以前と何処かたたずまいが違う。
―倫さんは、少女から女へと変わったのだ。
「綺麗になりましたね、倫さん‥。
私もいつか、よい殿方と出会って、結ばれて、その方の赤ちゃんを宿して―そんな日がくれば‥。
‥あ、申し訳ありません‥。倫さんどうか気を悪くされないで‥」
意識せずにつらつらと、倫の痛いところに触れてしまったかと狼狽する内親王。
だが倫の反応は意外だった。
「大丈夫。きっとあなたにも素敵な物語が待っていますわ。そうですね、もし私に赤ちゃんができたら‥」
「‥あらあら」
「私の赤ちゃん‥。男の子なら、なんて名前にしましょうか‥」
本気で思案する倫を見て内親王は心に白旗を掲げ、振り回した。
―まったく、この糸色倫という友は。剛毅も剛毅、花の下での出会いから色々あったけれど。
やっぱり倫さんは倫さん。
とりあえず今日は――ごちそうさま、というところかしら。
‥どうかあなたとあなたのお兄様が幸せでありますように。
「では、女の子なら?」
「それなら、華、とでも名づけますわ」
なんじ、人中に咲く絶華なれ。その意はすなわち絶世美人―。
「華。いとしきはな。まぁ、可愛らしい名前‥。
でも今の倫さんこそ、まさに華のよう」
二人は、顔を見合わせて静かな笑みを交わした。
それは、過去と未来を祝福する笑いであった。
二のへの教室。
担任教師糸色望は、今日も女生徒にとりまかれている。
彼を巡っての恋の鞘当ては陽に陰に激しさを増し、時には血を見る日もあるという。
だが、糸色倫はそれを時には超然と、時にはいたずらっぽく笑いながら見ている。
そのやわらかな笑みの意味を知るものは、この教室には一人もいない。
―糸色倫の物語は、つづいてゆく。
いつか誰にも訪れる、定められた最後の日まで。
その日に華はまだ咲いているか―それはまだ誰にも、わからない。
『絶華の暦 破倫の歌』 完結
315 :
桃毛:2010/01/13(水) 20:23:26 ID:KJkS/idv
大作乙だよい。
読み手の好みは分かれるだろうけど、こういう想いの詰まった投稿があるのは幸せなことだね。
317 :
266:2010/01/13(水) 21:52:11 ID:UBQaWW+F
大長編、乙でした。
文章量、密度、描写にキャラクターへの思い入れなど、どれをとっても感嘆するばかりの作品でした。
桃毛さんの描かれる倫ちゃんは一挙手一投足がイキイキとしていて魅力的でした。
本当にGJです。
ところで、私事なのですが、みなさんにお伺いしたい事が一つ。
先週のマガジンの温泉ネタでエロを一本書いたのですが
女の子同士でのシーンがエロ部分の八割以上になってしまいました。
完全な百合ではなく、また百合スレのノリとも違うと思うのでこちらに投下したいのですが、よろしいでしょうか?
どうぞ
お願いします
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/ | ご自由に | \/
| お持ち帰りください。 | /
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321 :
266:2010/01/14(木) 20:57:34 ID:GQyPEjXx
昨日お話しした先週のマガジンの温泉ネタのエロSSを投下させていただきます。
それではいってみます。
322 :
266:2010/01/14(木) 20:59:10 ID:GQyPEjXx
もくもくと立ち昇る白い湯気。
寒風吹きすさぶ寒空の下にあっても、その場所だけはホカホカと心地良い空気に包まれていた。
ここはとある温泉旅館。
しかし、この旅館、普通の温泉宿と比べると随分と様子が違っていた。
大勢の客達の応対をするのは、全員が十代の年若い少女達ばかり。
実は彼女達、2年へ組の女子一行もこの温泉に客として訪れた人間だった。
ところが、彼女達がたっぷりと温泉を楽しんで旅館の館内に戻ってみると、つい先ほどまでいた筈の従業員達は揃って姿を消していた。
残されていたのは、『温泉をよろしくおねがいいたします おかみ』と書かれた書置きが一枚きり。
彼女達は旅館の運営を託されてしまった。
実はこの温泉旅館は『かくし湯』ならぬ『たくし湯』だったのだ。
というわけで、女将代理の千里を筆頭に2のへの絶望少女達は旅館の従業員の代わりを務める事となってしまった。
そんな所にふらりと現れた彼女達の担任教師、糸色望。
彼がやって来た事によって、事態はさらにややこしい方向へと進んでいくのだった。
旅館自慢の露天風呂、現在、その一つは十数人もの入浴客ですし詰め状態になっていた。
しかも、そのほとんどが女の子である中にたった一人男性が混ざっているという奇妙な状況。
女の子達はみな件の2のへの少女達、男性は彼女達の担任・糸色望である。
これにはちょっとした事情があった。
いくつもある露天風呂の中からまだ誰も入っていない風呂を選んだ望。
しかし、この『たくし湯』において、その行動は少し軽率だった。
『たくし湯』に一番最初に入ってしまった者は他人から何かを託されてしまう。
今回、望が託されてしまったもの、それは……
「託されてしまいました」
「託されちゃいました」
温泉に入った望の左右から寄り添ってくるまといとあびる。
彼女達に惚れちゃってた若干ストーカーっぽい男達から、望は二人の事を託されてしまったのである。
そして、ソレはまといとあびるの二人だけにはとどまらなかった。
次から次へとやって来る見も知らぬ男達が、勝手に絶望少女達の事を望に託して去っていくのである。
気が付けば、温泉にやって来た2のへ女子のほとんどが望のたくし湯に入っていた。
残っているのは可符香と千里の二人だけである。
可符香は立て続けの『たくし』連発によってすっかりドツボに嵌った望の姿を見ながらニヤリとダークな笑顔
「これはまた、いい委ね」
なぁんて事を言ってみたりする。
一方、千里は裸の女子生徒達と露天風呂でハーレム状態の望にご立腹。
可符香曰く「絶望先生 混浴温泉で女生徒に囲まれてもっはもっはの巻」なこの状況に対して
にっこり笑顔と共にスコップを構え
「いや、普通に湯けむり殺人事件だろ」
と、殺る気マンマンである。
若く瑞々しい素肌を晒す少女達に囲まれてガクブル状態の望はそれに気付く余裕もない。
このまま毎度の猟奇な展開に突入するのに、さして時間は掛からないだろう。
ところが、そんな時である。
「そっか……あの人が千里先生の好きな人なんだ……」
「へっ!?」
いつの間にやら、彼女の背後に立っていたまだ小学生と思しき少年。
彼は望の姿を見ながら、少し寂しそうに呟いた。
「やっぱり、僕みたいな子供じゃ千里先生の相手は出来ないよね……」
その言葉で千里は思い出す。
以前、千里は以前、小学校で(ちょっとばかり過激かつ危険な内容の)図画工作を教えた事があった。
その時、千里によく懐いてくれた男の子が一人いたのを思い出す。
「僕は、千里先生に幸せになってほしいから……だから、お願いしますっ!!!」
少年の手の平が千里の背中をポンと押した。
それはごく軽い力だったのだけど、不意をつかれた千里はバランスを崩しそのまま望達の浴槽にドボン!!
「ちょ…ちょっと待ちなさい!!」
ズブ濡れになった千里が体を起こし、周囲を見回した時には、既に少年の後姿は遠く彼方へと走り去っていた。
残された千里はただただ呆然。
そんな彼女の所へ、晴美が近付いてくる。
323 :
266:2010/01/14(木) 21:00:22 ID:GQyPEjXx
「なるほど〜、あの子にとって、千里は憧れのお姉さんだったわけだ」
「な、な、な、何よ晴美!?何なの、その言い方?」
「千里ってなんだかんだで面倒見は良いもんね。年下の子に好かれちゃうのもわかるなぁ……まぁ、それはともかくとして…」
戸惑う千里の前で晴美はにやまりと満面の笑みを浮かべ
「ていっ!!」
「きゃあああああっ!!!」
千里の着ていた着物を、肩からズリ下ろし、下着も脱がせて一気に彼女を裸に剥いてしまう。
「ちょっと晴美、何するのよっ!!!」
顔を真っ赤にして怒る千里に、晴美は悪びれた様子も見せずにこう答える。
「千里こそ、何をボンヤリしてるのよ。せっかくのチャンスなんだから積極的にいかないと!」
「あっ……」
そうなのだ。
現在のこの状況、千里は他の絶望少女達と同様に自分の事を勝手に望に託されてしまったのだ。
これは望に想いを寄せる千里にとって、またとないチャンスである。
すぐ近くには少女達に囲まれて、すっかり弱り切っている望の背中が見えた。
「そうね。私だって……」
望の後姿を見ながら、千里はぐっと拳を握り締める。
というわけで、『たくし湯』での絶望少女達による望へのアプローチはさらに激しさを増していく事になった。
一方、そんな温泉の様子を見ながら可符香は満足そうに微笑んでいた。
千里による猟奇オチも良いが、この展開もなかなか悪くない。
だが、絶望教室の黒幕はどこまでも貪欲だ。
彼女は望む、さらなる混沌と混乱を…………。
「もしもし、ちょっと用意していただきたいものがあるんですけど……」
温泉をこっそり抜け出した可符香が、電話で依頼した『ある物』は、この後、望と少女達をとんでもないパニックへと導く事となる。
それは突然の出来事だった。
「うわあああっ!!!しまった、積荷がっ!!!!」
露天風呂の外から聞こえてきた強烈なブレーキ音と叫び声。
それから少し遅れて夜空に弧を描き、その『積荷』とやらが温泉に飛び込んできた。
パッと見、セメント袋のようなそれは露天風呂の敷地の内側に落下した後、水に濡れた石床を滑りその全てが望達のいる浴槽へと突っ込んできた。
「きゃあああああっ!!!!?」
悲鳴を上げる少女達の目の前で『積荷』はお湯の中に落ちてしまった。
しかも、ここまで飛ばされてくるまでに袋が破れてしまったらしく、その中身がどんどんお湯に溶け出していく。
大草さんが袋に印刷された文字を読み上げて、少女達は温泉のお湯を白く濁らせていくソレの正体を知った。
「……片栗粉…業務用!?」
「片栗粉って、あんかけとか料理にとろみをつけるのに使う、あの片栗粉?」
意外な答えに声を上げた奈美に、大草さんは肯いた。
空から飛来した片栗粉の大袋。
訳のわからない状況にお湯の中の面々は呆然とするしかない。
「とにかく、このままだと片栗粉がどんどんお湯と混ざってしまいます。とりあえず、お湯の中から出してしまいましょう」
そんな中、兎にも角にもこの異常事態に対処しようと立ち上がったのは望だった。
彼は周囲の2のへ女子達の裸が目に入らぬよう顔を伏せながら、片栗粉の袋に近付いていく。
そして、袋の近くにしゃがみ込み、そのまま袋を持ち上げようとしたのだが……
「ひえっ!?」
スッテーン!!!!
望は足を滑らせて、水しぶきを上げながらその場に転倒してしまった。
「先生っ!」
さらに心配して駆けつけようとした愛も同じように足を滑らせ
「危ない、加賀ちゃん!!」
彼女の体を支えようとした奈美も、巻き込まれてお湯の中に倒れこむ。
「ど、どうなってるの、コレ?」
「とにかく助けなきゃ」
そう言って、千里と晴美が三人の方へ一歩踏み出したが
「駄目っ…足元が滑って進めない!」
「なんだかお湯がぬるぬるしてきてるよ、千里…っ!!」
ねっとりと肌に絡みつくお湯がそのぬめりで少女達の動きを阻む。
この露天風呂の中で何が起こっているのか、ここまで来れば理解出来ない者はいなかった。
「片栗粉のせいで温泉にとろみがついちゃったの!?」
呆れたようなまといの声が響く。
324 :
266:2010/01/14(木) 21:00:55 ID:GQyPEjXx
だが、一見すると馬鹿馬鹿しいだけのこの状況、よく考えると実は非常に拙い。
「きゃっ!滑った!!」
「翔子、大丈夫?って、しまった、私まで!!?」
片栗粉が混ざって粘性を持ち始めたお湯のせいで、少女達は滑ったり転んだり散々な目に遭ってしまう。
しかも、元々十数人が一緒に温泉に浸かっていたせいで、浴槽の中は誰かが手足を動かせば別の誰かに当たるような状態である。
誰かが転べば、周りの誰かにぶつってしまう。
ぶつかられた誰かはバランスを崩して、次の誰かを巻き込んで自分も転ぶ。
次々と起こる連鎖反応のおかげで、いまや露天風呂の浴槽内は完全にパニックに陥っていた。
しかも、そうやってじたばたともがく少女達の動きにかき混ぜられて、お湯はさらにとろとろのぬるぬるになっていく。
「うわっ!!」
「きゃあああっ!!?」
ぬめるお湯に足を取られて転んだカエレは、咄嗟に目の前にいたあびるの体に抱きついた。
「ごめん、あびる……」
「カ、カエレちゃんこそ大丈夫?」
謝るカエレと、彼女を心配するあびる。
二人の顔は真っ赤だった。
なぜなら、あびるに抱きついたカエレの右手はあびるの右の乳房を掴み、左手はあびるのお尻の辺りを抱きしめ、
最後に右頬はあびるの左乳房に押し付けられていたのだから。
気心知れた友達同士とはいえ、この密着状態は恥ずかしすぎた。
「す、すぐに体勢立て直すから、待ってなさい…!!」
慌ててあびるの体から離れようとするカエレだったが、足元もおぼつかないこの状況では簡単な事ではなかった。
慎重に、慎重に、バランスを立て直そうとするカエレ。
しかし……
「カエレちゃんの指…胸に当たって…ひああっ!?」
「あ、あびる?」
カエレが体勢を立て直す際、体中のいたる所を彼女の手の平で触られ、
ぬるぬるの肌を密着させられるその未体験の刺激が、今度はあびるの体のバランスを崩させた。
当然、あびるに寄りかかって立っていたカエレも同じ運命を辿る。
二人の体はもつれ合うようにしてぬるぬるのお湯の中へドボン!
「ああんっ!?…あびる…そこ、触っちゃ駄目ぇ……!!」
「カエレちゃん…太もも、すりつけないで……っ!!」
お湯の中で起き上がろうとする動きがぶつかり合って、意図せずして相手の体を刺激してしまう。
二人の大きめの乳房がぶつかり、くにゅくにゅと形を歪めながら何度も押し付け合わされる。
必死にしがみついてくるあびるの指先に背中をなぞられて、カエレがたまらずに声を上げる。
「ひっ…あっ…あびる…だめっ!…だめよぉ!!!」
「カエレちゃん…止まってぇえええっ!!!」
抜け出そうとすればするほど、互いの体が刺激し合って体がさらに敏感になってしまう。
あびるとカエレはまるで底なし沼にでもはまったように、ぬるぬるの中でもがき、悲鳴を上げ続けた。
325 :
266:2010/01/14(木) 21:02:06 ID:GQyPEjXx
一方、片栗粉の袋の付近で倒れた望、奈美、愛の三人は、袋から直接溶け出した特に片栗粉の濃度の濃い場所にいた為にほとんど身動きを取れずにいた。
方膝立ちの望に左右から奈美と愛が必死でしがみついている。
三人ともこの状態が恥ずかしくて仕方がないのだが、手を離せばたちまち滑ってぬるぬるのお湯の中に沈んでしまい、
二度と起き上がれなくなりそうだったので、このままの体勢から動くことが出来ない。
「日塔さん、加賀さん、二人とも大丈夫…ですか?」
「う…うぅ…あんまり大丈夫じゃないかもです」
「すみません…こんなはしたない格好で先生にくっついたりして……」
互いを気遣いながらも、三人は決して目を合わそうとはしない。
思いを寄せる担任教師が相手に、素っ裸で密着しているこの状況。
お湯の熱さも手伝って、ほとんど脳が茹で上がってしまいそうな恥ずかしさである。
この上相手の顔など見てしまった日には、頭がショートしてしまいかねない。
「こうなっては、もう片栗粉の袋を回収しても意味はありません。とにかく、誰か一人でもここを出て助けを呼んで来ないと……」
望はそう呟いて周囲を見渡すが、ぬるぬる温泉の中の少女達は誰もがほとんど同じような状態で、ここから抜け出せそうな者はいない。
「わ、私がいってきます……」
愛が静かにそう言った。
「加賀さん、無茶ですよ」
「そうだよ!こんなにぬるぬるじゃ、お風呂から出る前に絶対転んじゃうよ!!」
望と奈美がくちぐちに愛を止めようと言葉をかける。
「でも、誰かが行かなければならないんです……」
しかし、愛の決意は固かった。
「それじゃあ、いってきます……」
慎重に最初の一歩を踏み出す愛。
お湯の底のぬめりの状態に気を付けながら、さらに一歩、もう一歩と進んでいく。
だが、しかし……
「きゃあああああっ!!?」
やはりそれは無謀な挑戦だったのか?
フラリと倒れこんできた女子の背中にぶつかられて、愛の体勢はいとも容易く崩れてしまった。
「か、加賀さんっ!!」
こちらに倒れてくる愛に向かって、望は咄嗟に手を伸ばし、彼女の体を受け止めた。
その衝撃に望は危うく転倒しそうになるが、そこをさらに奈美が支える。
「だ、大丈夫ですか、加賀さん?」
「はい……でも…」
しかし、この一連の動作によって望、奈美、愛、三人の体勢はさっきより不味い感じになっていた。
望は愛を正面から受け止めたため、当然二人の体の前面は否応なしにくっつき合う形になっていた。
さらに望を背後から支える奈美の胸が、彼の背中にぎゅうぎゅう押し当てられている。
しかも、三人はこれ以上バランスを崩さないために、互いに強く抱きしめ合っていなければならないのだ。
密着した肌から伝わってくる体温の熱さが三人からだんだんと思考能力を奪い去っていく。
「せ、せんせ〜い……すみません…すみませぇん……!!」
「ちょっ…加賀さん、落ち着いて!体を擦り付けないでくださいっ!!」
「うう…加賀ちゃんばっかりズルイよ…私だって、せんせい……」
次第に暴走を始めた愛と奈美。
二人に前後から挟まれ、サンドイッチ状態の望には抵抗の術もない。
ぎゅっと望をしがみついて体を擦り付けてくる愛と、そんな愛と望、二人の体をまとめて抱きしめてくる奈美。
「せんせい…!せんせい……っ!!」
「ああっ!!せんせいがドキドキしてるの、伝わってくるよう……」
絹よりも滑らかな二人の少女の肌が、ぬるぬるのお湯を潤滑剤にして望の体の上を滑る。
愛と奈美は望の体の感触を全身で受け止めて、さらなる興奮の渦に飲み込まれていく。
当然、こんな状態で望の体の、男性としての機能が反応しない筈がない。
「あ……せんせい…なにか硬いものがあたってます……うあ、これ、熱いですぅ……」
「か、加賀ちゃんばっかりずるいよぉ……先生…先生ももっと私のこと感じてください……」
「二人とも勘弁してください!ていうか、止まって!止まってくださいよぉ!!」
無論、望の哀願など聞き入れられる筈もない。
愛は望の腰のタオルを下から盛り上げる硬い部分に、夢中になって自分の大事な部分を擦りつけ
同じく奈美も、大事な部分を背後から望のモモに擦り付けて、何度となく切なげに声を上げる。
「せんせい…すみません…わたしっ!…わたしぃいいいいいいっ!!!!」
「ふああああああっ!!!!せんせい…私…もう……っ!!!!!」
一際大きな声を上げ、全身をビクビクと震わせてから、奈美と愛はその場にへたり込んだ。
326 :
266:2010/01/14(木) 21:03:59 ID:GQyPEjXx
「…もう私…お婿に行けません……」
そして、望も力尽きたようにその場にペタンと尻餅をつく。
もはやこの三人に、旅館の館内にまで助けを呼びにいける気力など残っていなかった。
さて、今度は露天風呂の浴槽のフチ近く、そこでは美子が必死になってお湯の中から脱出しようとしていた。
だが、浴槽の外に伸ばされた彼女の腕はお風呂の外の石敷きを空しく滑るばかり。
溢れ出たぬるぬるのお湯が周囲を囲んで、浴槽の外までも滑りやすくしているのだ。
「や、やっぱり駄目みたい…きゃっ!?」
幾度かのチャレンジの後、お湯の中に滑り落ちそうになった美子の体を、翔子が支える。
「美子、あんまり無理しないでよ」
「ごめん、翔子……」
二人は色々と工夫を凝らして浴槽の外への脱出を図っていたが、それらはことごとく失敗に終わっていた。
「このまま脱出できないのは辛いわね……だいぶのぼせてきちゃった。頭がくらくらするわ」
翔子に背中を預けたまま、美子がぼやいた。
彼女達がこの露天風呂に入って、はてさてどれくらいの時間が経過したものか。
冷たい外気に直接触れる事のできる露天風呂とはいえ、そろそろ熱いお湯の中に留まり続けるのも限界である。
それなのに、風呂から上がろうとしても、目の前のせいぜい数十センチの段差を越えられないのだ。
「普通に従業員がいるなら、そっちの助けを期待してもいいんだけどね……」
いい加減ぼんやりし始めた頭を抱えて、翔子もため息を吐いた。
現在、この旅館の営業は全て彼女達2のへの女子に託され、本来の従業員は影も形もないのだ。
そして、その2のへ女子ご一行はほぼ全員がこのぬるぬる温泉から抜け出せない状態。
まさに打つ手なしである。
と、そんな時……
「うわわ…すべる…すべっちゃう、翔子助けて!!」
「み、美子っ!!?」
翔子にもたれかかっていた美子の体がぬるりと滑って浴槽の中にひっくり返りそうになっていた。
そうなれば最後、とろみのついたお湯の中から這い上がるのはかなり困難である。
翔子は慌てて美子に抱きつき、彼女の体を支えようとした。
ところが、翔子の手の平が掴んでしまったものは……
「しょ…翔子…痛い…そこ、痛いから!!」
「あ、美子……ご、ご、ご、ごめんっ!!!」
翔子が掴んだのは美子の乳房だった。
そんな所に滑り落ちそうな自分の全体重がかかっては、痛いのも当然。
しかし、翔子にはそれに対処する術もない。
せめて腋の下に手を入れられれば、そこで美子の体を支える事が出来るのだが、あいにく彼女は美子の両腕の外側から体を抱きしめていた。
美子も手足を動かして何とか自分の体がこれ以上沈まないように踏ん張るが、なかなか体勢を元に戻すことが出来ない。
ぬるぬるのお湯の中でじたばたともがいて、ようやく美子が起き上がる事が出来たのはそれから五分も経過した後だった。
「あうう…翔子、ごめん…ただでさえのぼせてるのに、疲れさせちゃって……」
「き、気にしないで、美子……」
ようやくピンチを脱した二人は、さっきの二の舞にならぬよう、互いの体にしがみついて支え合っていた。
しかし、体力を激しく消耗した二人の意識は、温泉の熱に当てられてだんだんぼんやりと霞んでいく。
327 :
266:2010/01/14(木) 21:04:42 ID:GQyPEjXx
朦朧とする意識の中で翔子は、さきほど掴んだ美子の胸の感触を思い出していた。
(美子のおっぱい…柔らかかったな……形もキレイだし………もう一回ぐらい、触ってみたいかも……)
頭の芯までのぼせきった翔子の思考回路は、なんだか妙な方向へ流されていく。
翔子にしがみついて、自分の体を休めるのに精一杯な美子はそれに気付く由もない。
やがて、翔子の左手はゆっくりと美子の胸に伸びてゆき……
「ひあっ!?…ひゃあ!!…しょ、翔子!!?…いきなり何して……!!!」
「やっぱり美子の胸、すごく柔らかくてすべすべ……気持ちいいな…」
美子の悲鳴も耳に届かないのか、翔子は夢中で美子の胸を交互に触り、揉み、手の平の中で弄ぶ。
現在の体勢を支えるので精一杯な美子は、その間、翔子にぎゅっとしがみついている事しか出来ない。
翔子の手の平はあくまで優しく美子の乳房に触れてくる。
先ほど胸に感じた痛みとの落差もあって、美子は親友の指先の感触をいつしかこそばゆくも心地良く感じ始めてしまう。
翔子の指に弄られるたび、美子は翔子の体に抱きついた腕にぎゅっと力をこめる。
(あ、また美子がぎゅっとしてきてる……もしかして、気持ちいいのかな……?)
そして、そんな美子の行動がさらに翔子を暴走させてしまう。
美子の胸の先端、薄桃の突起を指の間に転がし、何度も力をこめて摘み上げる。
敏感なその部分を刺激されて、美子の息はどんどん乱れていく。
「ふあっ…ああっ……翔子っ…翔子ぉ!!!」
「美子、可愛い……すごく可愛いよぉ…」
翔子の責めを味わい続ける美子には恥ずかしさを感じる余裕など既に無く、何度も大きな声を上げてしまう。
そして、普段はクールな親友の乱れた声が、翔子の興奮をさらに高めていく。
「美子っ!好きっ!大好きっ!!」
「あああっ!!翔子っ!私もっ!!私もぉおおおおっ!!!」
温泉で高められた体温がさらに燃え上がり、密着した素肌を通じて二人を高みへと導いていく。
「ひっ…あっ…くぅううんっ!!…翔子っ!…翔子ぉおおおっ!!!」
「ああああっ!!!美子ぉおおおおおっ!!!!」
やがて、美子はビリビリと全身を痙攣させたかと思うと、ぐったりと翔子の体へ寄りかかってきた。
翔子はそんな彼女の体を愛しげに、優しく抱きしめる。
それから、荒く息を切らす美子の耳元に、翔子はこう囁いた。
「ねえ……今度は美子が私にさっきのアレ、してくれないかな?」
それを聞いた美子は少し考えてから、
「うん……」
頬を赤く染めて、肯いたのだった。
328 :
266:2010/01/14(木) 21:05:51 ID:GQyPEjXx
美子と翔子がそんな事をやっているそのすぐ隣では、音無芽留がなにやらじたばたともがいていた。
(は、放せっ!放しやがれぇええええっ!!!!)
「こら、芽留ちゃん、そんなに暴れないの。お湯が周りに飛び散って迷惑でしょう?」
(お前がオレを放さないからだろうがぁ!!!)
芽留は大草真奈美の膝の上に抱かれていた。
というか、麻菜実に捕まって、ぎゅうっと抱きしめられていた。
芽留はこの状況が非常に不味いものであると理解していた。
普段ならば旦那さんの為に苦労して、危ないお金儲けに嵌ってしまう以外はごく常識人の麻菜実だが、
ときどきとんでもない暴走をし始める事があるのだ。
芽留の脳裏に昨年の、ダメAEDでの一件のときの麻菜実の姿が蘇る。
今の彼女は、あの時と同じ目をしていた。
「芽留ちゃん、おとなしくして。でないと、ちゃんと体を洗ってあげられないじゃない」
(だから、何でオレがオマエに体を洗ってもらわなきゃならないんだよ!)
怪しい光をたたえた眼差しを向けられて、芽留の全身が震え上がった。
麻菜実は芽留の体をそっとその指先で撫でて
(ひ…ああっ!?…なんか、今、体がゾワって……っ!!?)
「タオルが流されちゃったけど、私の手で丁寧に洗ってあげるからね、芽留ちゃん」
優しげな声で芽留にそう囁きかけた。
それから、麻菜実は芽留の体を洗うべく、彼女の体中をその柔らかな手の平でこすり始める。
麻菜実の指先は一切の遠慮無しに芽留の肌の上を動き回る。
小学生と見紛うほどに小柄な芽留には、そんな麻菜実の手の中から逃れるだけの力は無い。
ただ、甘んじて麻菜実の指先が体中を撫でて、揉んで、こするのを受け入れるしかない。
(…うあっ…くぅううっ!?…そんなとこ…さわんなぁっ!!!)
腋の下に脇腹、そして小さな胸に至るまで麻菜実はどんな場所でも一切手加減なし。
敏感な場所を好きなように弄くられて、芽留は何度も体を仰け反らせ声にならない悲鳴を上げた。
(…っあ…こんな…むちゃくちゃされたら…オレ…変になるぅ……)
目尻に涙を浮かべる芽留を無視して、麻菜実は彼女の幼い胸を徹底的に揉み洗い。
さらに、先端の突起を指で摘まみ
「芽留ちゃんのここ、綺麗な色してる……」
なんて言いながら、指の間でくにくにとこね回す。
(はぁ…ひぃ…くぁあああっ!!…だめ…それいじょ…むりなのにぃいいっ!!!)
あまりに激しい刺激に頭をイヤイヤと左右に振る芽留の反応も、暴走中の麻菜実には芽留が喜んでいるようにしか見えない。
329 :
266:2010/01/14(木) 21:06:25 ID:GQyPEjXx
「慌てないで、たっぷり時間をかけて、体の隅々まできれいにしてあげるから……」
(…ひゃ…ひゃめろ…もう…そんなの耐えられない……)
全身に絶えず刺激を与えられ続けた芽留は、もはや手足を持ち上げる気力すら失われてしまっていた。
そんな無防備を晒す芽留の体を、麻菜実の指は容赦なく侵略していく。
やがて、麻菜実の指先が辿り着いたのは、女性の体の中でも最も敏感な部分。
両脚の付け根に挟まれた大事なその部分も、麻菜実の指のターゲットになっていた。
(や…めろぉ…そこは…そこだけは……)
麻菜実が次に何をしようとしているか、それに気付いた芽留は必死に体を起こそうとするが、刺激に痺れた体は全く言う事を聞かない。
「ほんと、芽留ちゃんの体ってきれいね……私も頑張って洗ってあげなきゃ…」
(だから…洗わなくていいだろぉおおおおっ!!!?)
なんとかそれだけは回避しなければと、麻菜実の手を掴み芽留だが、指先が痺れて力が入らず、結局彼女の手を止める事が出来ない。
やがて、麻菜実の人差し指と中指が芽留の股の内側に割り入り、その部分に触れた。
(…………っっっ!!!!)
瞬間、芽留の頭の中を強烈な電流が駆け抜ける。
芽留の体のほかの部分と同じく、まだ未発達なソコを自分以外の誰かの手に触れられる衝撃に彼女は耐えられなかった。
「うわあ、芽留ちゃんのアソコぷにぷにしてる。奥の方まで徹底的にキレイにしてあげるからね」
傍から見ると、麻菜実の行動はどこぞの変態と変わらないのだが、当人に全くその自覚はない。
ただひたすらに善意と真心をこめて、麻菜実は芽留の体を洗うのだ。
そして皮肉な事に、麻菜実があくまで真摯に真面目に、芽留の体を洗おうとすればするほど、それは芽留を激しく責め立てる事になるのだ。
(ひにゃ…はうぅうううっ!!…くぅ…あはっ!…ああっ!!!…こんな…めちゃくちゃにされるなんて……うああああっ!!!)
敏感な部分を徹底的に弄り倒されて、麻菜実の腕の中で芽留の体が激しく踊る。
麻菜実の指先はさらに幼い割れ目に押し入り、くちゃくちゃと内側をかき回す。
一切の遠慮容赦のないその指の動きに、芽留の意識は何度も寸断される。
(あああっ…も…だめ…これ以上オレ、ぜったい我慢できない……)
「それじゃあ、最後の仕上げにもう一度、徹底的に洗うわよ!!」
(や、や、やめろぉおおおおおおおおおっ!!!!!)
芽留の心の悲鳴は届くことはなく、麻菜実の指先は芽留の割れ目の一番奥深くまで差し入れられた。
(ひぅ…ああああっ!!…だめだっ!!だめぇえええええええっ!!!!)
そしてその状態から、激しく内側をかき回す。
あまりに凶悪で強烈なその刺激が芽留の全身を貫く。
(…うあ…ゆるして…も…ゆるしてぇええっ!!!!)
既に許容量いっぱいの刺激を受け入れた芽留の体に、麻菜実の指がさらなる激感を送り込む。
麻菜実の指に深く強く突き上げられた芽留の体は、まるで雷に撃たれたように震えた。
全身を弓なりに逸らし、白い喉をむき出しにして、恍惚と困惑の狭間で翻弄され続けた芽留は絶頂の高みへと持ち上げられる。
(ひぅ…くぅああああっ!!…や…あぁ…イクぅ…オレ…イっちゃうよぉおおおおおおおおおっ!!!!!)
そして、芽留の体は糸の切れたマリオネットのように力なく崩れ落ちた。
「うふふ、芽留ちゃん、体きれいになったね……」
満足げに微笑む麻菜実の声も、意識を失った芽留には届くことはなかった。
330 :
266:2010/01/14(木) 21:07:26 ID:GQyPEjXx
もはや誰も彼もが乱れに乱れ、とんでもない騒ぎになっている露天風呂を見渡しながら、千里は呆然と呟いた。
「変よ。これ、絶対変だわ。ただの片栗粉だけで、みんながこんな風になる筈ない……」
千里の推理は当たっていた。
この騒ぎの原因の片栗粉、それを持って来るように依頼した犯人である可符香は、
片栗粉の中にちょいと怪しいおクスリを混ぜておくように指示していたのだ。
その成分はお湯を通して、風呂の中の全員の体にすみやかに浸透し、彼女達をここまで乱れさせてしまった。
(ちなみに片栗粉自体もこの温泉の成分と反応して、よりヌルヌル感が増すように細工をされている。)
千里はその事を、何よりも温泉の熱以外の原因で熱く火照り始めた自分の体から感じていた。
そして、この後彼女はさらに、片栗粉に混ぜられた怪しい成分の力を、嫌というほど実感する羽目になる。
「ち〜り〜!!」
「きゃっ!?は、晴美!!?」
突然、背後から抱きすくめられて、千里はあやうく体のバランスを崩してこけそうになる。
何しろ、今のこの浴槽の中はぬるぬるのお湯でいっぱいなのだ。
それは晴美も承知している筈なのだけど……
「晴美、いきなりどうしたの!?転んじゃったらどうするのよ!!」
「えへへ〜、千里、そんなに怒んないでよぉ」
「な、何?ちょっと変よ、晴美……?」
「変じゃないよ。ほら、お詫びの印………」
そう言ってから、晴美は突然に千里の唇にキスをした。
「んぅ!?…んんっ…んくぅうう……ぷあ…あ……は、晴美!!?」
「あは、千里ってやっぱり可愛い…初めて会った頃と全然変わらないなぁ……」
どこか遠くを見るような、蕩け切った晴美の瞳。
それを見て、千里は彼女に何が起こっているのかを悟る。
(やっぱり、あの片栗粉……)
何とか晴美を止めなければ、そう考える千里だったが、片栗粉に混ぜられたモノの影響を受けているのは自分も同じである。
「は、晴美…ちょっと落ち着いて…少し話しましょう」
「だーめ!千里って目を離すとすぐにどこかに行っちゃうから……今日は私、ぜったい千里の事、離さないんだ」
二度目、三度目のキスが千里の唇に降り注ぐ。
そして、親友からの口付けの感触を味わう度に、千里の中で保たれていた理性がぐずぐずと溶けていく。
(ダメなのに…こんなのいけないってちゃんと分かってるのに…私……)
心の中でぐるぐると葛藤を繰り返す千里。
そして……
「は、晴美…私も……」
「ん…んんぅ……ち、千里……」
四度目のキスは千里から仕掛ける事になった。
息継ぎも忘れて、互いの唇に自分の舌を差し入れ、夢中になってお互いの唾液を味わう。
長い長いキスが終わった後、唇を離して晴美を見つめる千里の瞳は恍惚の色に輝いていた。
今まで考えた事もなかった、同性との行為。
しかも相手は幼馴染であり、長年の親友でもあるのだ。
だけど、今の二人には一度堰を切った感情を止める事が出来ない。
「はぁ…あ…千里っ…千里ぃ……」
「…うああ…晴美ぃ……」
互いの名を呼び合いながら、ぬるぬるの温泉に濡れた艶かしい肌を擦り付け合い、まさぐり合う。
晴美には千里の、千里には晴美の感じやすい部分、触れて欲しい部分が手に取るようにわかった。
(こんな事するなんて、考えた事もなかったのに……不思議ね)
ぼんやりとした意識の中で千里は思う。
多分、これは二人が重ねてきた長い長い時間のためなのだろう。
小さな頃、ろくに友達もいなかった千里と出会い、今まで一緒にいてくれた親友。
想いはきちんと言葉にしなければ伝わらないもの。
だけど、一度伝え合う事が出来たなら、お互いの気持ちを感じ取って通じ合う事ができる、それだけのものが二人の間にはあるのだ。
331 :
266:2010/01/14(木) 21:08:07 ID:GQyPEjXx
「千里の胸、すごく可愛いね……」
「や、晴美……ダメよ。私、晴美みたいに胸、大きくないから……」
「ううん。私は千里の胸、好きだよ」
「ひあ…はぁあああっ…あっ…晴美ぃいいいっ!!!」
晴美の舌が千里のささやかな胸をぺろぺろと嘗め回す。
くすぐったくも心地良いその感覚に、千里は何度も声を上げた。
「あ…はぁ……晴美…それなら、私だって晴美にたくさんしてあげたい……」
そして、晴美が唇を千里の胸から離すと、今度は千里が晴美の胸に両手をあてがい、その形の良い乳房を優しく揉み始めた。
「あっ…くう…千里の手が…私のおっぱい触ってる…気持ちいいよぉ……」
ときに繊細に、ときに大胆に、千里の愛撫は晴美の胸をたまらない刺激で満たした。
快感の強さに耐えかねて、千里の背中に回した晴美の腕がビクビクと震える。
「晴美のおっぱい…すごく柔らかい……」
「ふあっ…ひああっ…千里っ…もっとして…もっとっ!!!」
晴美は千里の右肩の辺りに顔を埋め、そこから鎖骨を通り首筋に至るラインに何度もキスをした。
こそばゆい唇の感触を何度も味わって、千里の声も一際大きくなる。
「千里…私もっと、千里といっしょに気持ちよくなりたいよ……」
「晴美……私も…大好きな晴美と一緒に……」
そんな言葉を交わした後、千里と晴美、二人の右の手の平はそれぞれ相手の一番敏感な部分へと伸ばされていく。
「あっ…千里のここ、すごく熱くなってる……」
「あんっ…晴美ぃ……晴美のだって、すごく熱いよ……」
余った左腕で互いを抱きしめ、唇は幾度もキスを重ねる。
そして右手の指先で、愛しい親友の大事な部分に指を這わせ、くちゅくちゅとかき混ぜ始めた。
「はうっ…ふぁ…ひやああっ!!…あっ…千里っ!!すごいっ!すごいよぉ!!!」
「は…晴美ぃいいっ!!!…私も…も…気持ちよくて……うああああんっ!!!!」
互いに互いをぎゅっと抱きしめながら、一心不乱に相手の熱い部分を弄る二人。
触れ合った体の全体から伝わる、相手の強い想いが千里と晴美の行為をさらに白熱させていく。
ぬるぬるのお湯はお互いを愛撫する際の最良の潤滑剤となり、擦り付け合わせられる素肌と素肌が艶かしい光を放つ。
「ああっ…千里…いっしょにイこう……私、千里といっしょにイキたいよぉ!!!」
「私もよ、晴美ぃ!!……二人でいっしょに…いっしょにぃいいいいっ!!!!」
一際強くお互いの体を抱きしめながら、二人は叫んだ。
互いのアソコを弄る指の動きは激しさを増し、千里と晴美を際限のない快楽の高みへと引きずり上げていく。
やがて、二人の中で極限まで高められたそれは、ダムの決壊の如く津波となって千里と晴美を飲み込んだ。
「くぅ…ひあああああっ!!!!千里っ!!イくよっ!!私、イっちゃうぅううううっ!!!!」
「晴美っ!晴美ぃいいっ!!!…ああ、私もイくぅううううううううううううっ!!!!!!」
怒涛のような快感の中で、二人は絶頂へと上り詰めた。
それからしばらく、二人は動く気力もなくその場にへたり込んでいたのだが、
「千里……」
「晴美……」
お互いの名前を呼び合い、もう一度強く抱きしめあったのだった。
332 :
266:2010/01/14(木) 21:08:50 ID:GQyPEjXx
さて、そんなぬるぬる風呂での大騒ぎを物陰から見る人物が一人。
「あらら、予想以上にとんでもない事になっちゃった。クスリがききすぎたかな…?」
みんながたくし湯に入る中、一人だけ傍観者の位置をキープし続け、片栗粉を使ってさらなる混乱を招いた張本人。
風浦可符香はクラスメイト達の乱れ様を見て、流石に少し後悔していた。
「そろそろ、みんなをお風呂から引っ張り上げてあげた方がいいよね」
呟いた彼女は、救出用のロープを片手に2のへの面々の入る露天風呂へと近付いていった。
「先生、大丈夫ですかぁ?」
可符香はまず、浴槽の真ん中あたりで数人の女子に囲まれてぐったりしている望に声を掛けた。
「これが大丈夫に見えますか?みなさん、このぬるぬるのお湯のせいで大変な事になってたんですよ」
「あはは……とにかく、今、助けのロープを投げ込みますから、体重の軽い人からそれを使ってお風呂から上がってください」
「うう……そんなものがあるなら、もっと早く助けに来てくれてもいいじゃないですか」
ロープを受け取った望は、それを近くにいたマリアの手にくるくると巻きつけてやる。
その様子を見ながら、可符香が口にした次の一言。
これが余計だった。
「すみません……でも、今回は私もちょっとやり過ぎたかなって反省してるんですよ?」
「えっ!?」
驚きに顔を上げる望と、明らかにしまったという表情を浮かべる可符香。
「風浦さん、もしかして今回のコレ、ぜんぶあなたの仕込みなんじゃ……」
「い、いやだなぁ、先生……そんな事あるわけないじゃないですか……」
苦しい言い訳を口にしながら、可符香は一歩前に踏み出す。
だが、そこには露天風呂から溢れ出たぬるぬるのお湯がたまっていて……
「きゃああっ!!?」
足を滑らせた可符香は前のめりに宙を飛び、露天風呂の中へドボンと落ちてしまった。
幸い、咄嗟に望が手を伸ばして受け止めてくれたお陰で怪我はなかったのだけど……
「どうするんですか!!これじゃあ、ロープを引っ張ってくれる人がいないじゃないですか!!!」
「あ、あらら〜」
流石の可符香もこれには呆然自失。
「こ、これはですね。私も自分の事を先生に託してみたいなって……」
「託されたって、この中にいる限り私には何も出来ませんよぉ!!!!」
露天風呂の上に広がる冬の寒空に、望の絶叫が響き渡る。
2のへの面々がこのぬるぬる風呂から脱出するには、まだしばらくの時間が必要なようだった。
333 :
266:2010/01/14(木) 21:09:33 ID:GQyPEjXx
以上でおしまいです。
失礼いたしました。
すげー…………狂ってやがる(最上級の褒め言葉)
温泉が媚薬入りのローションになって乱交大会とか、その発想に勝てる気がしない
GJでした
なんというとろとろむらむら
よかったー
待望のハーレムエンド!
ナイス!!!
まさかの加賀望奈美
加賀さんはなんて卑猥なんだ
gj
そろそろ容量いっぱいに近付いてきたから
新スレ立てなきゃな
ていうか、俺は無理だったので誰か頼む
>>340 乙!
最近の流れだったらまだ余裕あるかもしれないけど
いきなり大量投下もあるから安全のためには新スレ立てたほうがいいかもな
と書こうとしてたら新スレで大量投下があって吹いたw
しばらく離れていたと思ったら、なんか投稿増えているのな。
何があった?
次スレ以降の案内
エロパロなどの二次創作は、大規模なものでは、投稿ログ容量が
かなり大きいため、そろそろ次スレ移行の時期ですね。
>>340が紹介している次スレへどうぞ。
345 :
266:2010/01/23(土) 18:37:40 ID:AwvFqVpr
穴埋めついでに、先日の温泉SS(
>>322-332)の続きを少し書いてきました。
可符香総受けと、その後の絶望少女達の姿を少し。
最終的には望カフに。
それではいってみます。
346 :
266:2010/01/23(土) 18:38:29 ID:AwvFqVpr
湯煙の立ち昇る露天風呂のお湯の中、風浦可符香はかつてない窮地に立たされていた。
露天風呂に浸かる2のへの女子生徒達と担任・糸色望に彼女が仕掛けた、
膨大な量の片栗粉を彼女らの入る風呂の中に投入するという悪戯はものの見事に成功した。
片栗粉でぬるぬるになったお湯の感触と密かに配合されていたあやしいおクスリの効果で
絶望少女達は身も心もとろとろに蕩けて、湯船の中で級友や担任教師の肌の感触、体温、悩ましげな喘ぎ声に溺れに溺れた。
その様子をこっそりと物陰から見ていた可符香は、悪戯の成果に満足し
お湯のぬめりのせいで湯船から脱出不能になっている望と女子達を助けるべくロープ片手に救助に向かった。
ところが、ふとした弾みで湯船の外まで飛び散っていたぬるぬるのお湯に、彼女は足を滑らせてしまい湯船の中にドボン。
幸い、望の腕に受け止められたおかげで、怪我こそ無かったものの、
仕掛け人である彼女までがぬるぬる風呂の中に落ちた事でもう誰の助けも期待できなくなってしまった。
というわけで、現在、その露天風呂の中。
ぬるぬるしたお湯の中で迂闊に動くのは危険なため、可符香は彼女が湯船に落下したときに受け止めてくれた望の腕にしがみついていた。
周囲ではのぼせ上がった絶望少女達がさらなる快楽の渦に巻き込まれていた。
「あっ…うぁ…芽留ちゃん!…そこ…おっぱい吸っちゃだめぇ……っ!!!」
芽留の体を洗うと言って、彼女の全身を撫で回し、くちゃくちゃにしていた麻菜実。
そのせいで芽留の方にまでスイッチが入ってしまったらしく、今は麻菜実の方が芽留の手の平に全身を愛撫されていた。
(さっきは…オレが洗ってもらったんだから…今度はオレが大草さんの体をキレイにしなくちゃ……)
果たして、麻菜実の体を洗う事と、彼女の豊かな乳房に吸い付く事にどんな因果関係があるのかは分からないが、芽留は真剣そのものである。
一方、あびるはカエレの体に背中を預け、うっとりと二人で見詰め合っていた。
「あびる…ここの傷もまだ跡が残ってる……ホントに大丈夫なの…・?」
「うん。これくらい慣れてるから、ありがとうカエレちゃん………んっ」
互いの体をいたわり合うように触れながら、幾度と無く甘い口付けを交わす。
今のあびるの瞳にはカエレだけが、カエレの瞳にはあびるだけが映っていた。
うっとりと蕩けていく意識の中で、あびるとカエレは二人だけの世界に浸り切っていた。
さらに、こちらは無限連鎖商女の二人。
「あんっ…美子…そんなとこキスされたら…だめ…くすぐったいよぉ……」
「だって、翔子の肌、すべすべでいい匂いがして、私止められないの……」
湯船のフチの石に背中を預けた翔子の体の至る所に、美子が夢中になってキスマークを残していく。
美子の唇に触れられる度、翔子の体がピクンと跳ね上がる。
親友の肌の味わいを唇に感じ、そのとろけるような甘さでさらなる深みに嵌っていく美子。
二人は終わる事のない快楽のループの中で、どこまでも果てしなくお互いの存在に溺れていく。
347 :
266:2010/01/23(土) 18:39:11 ID:AwvFqVpr
「うわあ、なんだか凄い事になってますね……」
「全ての元凶のあなたが、何を言ってるんですか……」
そして、再び可符香と望。
可符香は望にしがみつきながら、周囲で繰り広げられるクラスメイト達の乱れた姿に見入っていた。
遠くから観察していただけでは分からない、渦中に居てこそ分かる絶望少女達の熱情の激しさ。
こうなる事を予想して全てを仕組んだ筈なのに、可符香はしばらくの間、言葉もなくその様子に見入っていた。
それから、先ほどから感じていた疑問を、望にぶつけてみる。
「そういえば、どうして先生だけ普通の状態なんですか?」
「そりゃあ、ここであなたの策略に乗せられれば、一発で職を失って、社会復帰もままならなくなりますからね……」
「なるほど、枯れた心とチキンハートが先生を救ってくれたわけですね」
「相も変わらず失礼な物言いですね……」
なんて、軽口まじりの会話を交わしながらも、可符香は気付いていた。
望もまた、既に限界いっぱいの状態である事を。
人一倍臆病でネガティブな精神構造がブレーキをかけているだけで、何かきっかけがあれば彼も周囲の絶望少女と同様の状態になる筈なのだ。
その証拠に、彼の胸元にしなだれかかり、そっと耳を当てれば、長風呂のおかげでただでさえ早まっている鼓動がさらにスピードを増していく音が聞こえる。
望は明らかに、自分に密着している可符香の存在を意識している。
(後は、最後の一押しがあれば先生だって………って、私、何考えて?)
そこまで考えたところで、可符香はハッと我に返る。
(私も…先生といっしょに…みんなみたいな事をしたいと思ってるの……?)
いつの間にかそんな事を考えていた自分自身に可符香は戸惑う。
とろとろ風呂のあやしい薬効にやられているのは、望や級友達だけではない。
可符香が露天風呂に落ちてまだ五分も経過していなかったが、その効果は少しずつ可符香の理性を奪おうとしていた。
このまま、湧き上がる感情に身を任せるべきか否か、可符香は迷う。
だが、彼女をとりまく状況はそんな逡巡をしている余裕など与えてくれなかった。
「ふ、風浦さ〜ん…すみませ〜んっ!!」
「か、加賀ちゃん!?」
突然、可符香の背後から抱きついてきたのは、すっかりとろとろ風呂の虜となった愛だった。
彼女は可符香の着ている着物の隙間から、その細い手を差し入れ、可符香の柔らかな肌を好き勝手に愛撫し始める。
「ひゃ…あはっ…ああっ…加賀ちゃん…くすぐったいよぉ…ああっ!!!」
「すみません…でも、風浦さんのその声、すごく可愛くて…私、止まれません……」
弱気な口調とは裏腹に、愛の責めは積極的かつ丹念で執拗だった。
可符香の首筋に、鎖骨に、柔らかな乳房に、腋の下に、背中。
彼女の上半身のいたる所に指を這わせ、特に可符香が感じやすい場所を見つけるとそこを集中的に愛撫する。
「ひ…あっ…加賀ちゃん…待って…うああああんっ!!!」
「風浦さんっ!…風浦さぁんっ!!!」
間断なく続く愛の責めに踊らされる可符香は、体を駆け抜ける刺激を堪えようとぎゅっと望の腕にしがみつく。
「加賀さん、落ち着いて。風浦さんを放してあげてください」
「あ、先生…先生も風浦さんを気持ちよくしてあげてください。私の手だけじゃ、全然足らないんです」
「って、だから、こっちの話を聞いてくださいってば!!!」
望も、そんな可符香の様子を見かねて助けようとするが、そもそも身動きの取れない状況。
愛もすっかり説得の通じる状態ではなくなっており、何をしてやる事も出来ない。
「それなら、私が手伝うよ。加賀ちゃん……」
と、その時、また別の声が可符香達に近付いてきた。
「奈美…ちゃん?」
「ふふ、可符香ちゃんも一緒に気持ちよくなろ?」
声だけはいつものまま、とろりと蕩けた目つきの奈美は愛と同じように可符香の背後から近付いてくる。
そして……
348 :
266:2010/01/23(土) 18:40:08 ID:AwvFqVpr
「ひにゃぁんっ!!?」
「可愛い……可符香ちゃんっていつも落ち着いてるから、こんな声は新鮮だなぁ…」
可符香の着物の中に手を差し込み、さらにその下のショーツの内側にまで指先を侵入させる。
奈美の指先はためらいなく、可符香の最も敏感な部分に狙いを定め、少しおぼつかない動きでそこを刺激し始める。
「な、奈美ちゃ…そこダメ…だめぇえええっ!!!」
「そんな可愛い声で言われたって止められないよ。ねえ、加賀ちゃん」
「はい。今の風浦さん、とってもえっちで可愛いと思います」
あやしいおクスリの効果のせいだろうか、二人の愛撫には一切の容赦というものがなかった。
激しく、ただほとばしる熱情のままに奈美と愛の二人は可符香の体を責め立てる。
そして、その責めを受ける可符香もまた、早まる鼓動にあやしいおクスリの成分の浸透を促進させられて、
次第に意識は朦朧と、うっとりとした気分に飲み込まれ始める。
「ちょっと、だから日塔さんも加賀さんも落ち着いて……風浦さん!しっかりしてください、風浦さん!!」
(あ……先生……先生が私の事、呼んでくれてるんだ……)
目の前で繰り広げられる可符香の痴態に戸惑い、何とか止めようとする望の声にも、
今の可符香は愛しい担任教師が自分の名を呼んでくれている事への幸福感しか感じられない。
次第に剥がれ落ちていく可符香の理性。
そして、それに追い討ちをかけるように、またまた別の人物が彼女達のところにやって来た。
「うわ、可符香ちゃん、気持ち良さそう……ねえ、千里…」
「うん、晴美、わかってるわよ……」
ぬめぬめの浴槽の底に膝立ちになって、ゆっくりと近付いてきたのは千里と晴美の二人。
彼女達は可符香の体の左右に回りこんで……
「ふふ、可符香ちゃん……」
「私達がきっちり気持ちよくしてあげるから……」
彼女の左右の耳たぶにそっと甘噛みをした。
既に体中が敏感になっていた可符香は、その刺激にたまらず声を上げる。
「ひっ…ふぁああんっ!!…千里ちゃ…藤吉さん…耳…だめぇえええっ!!!」
舌先で耳たぶのフチをねぶられ、むずかゆいような、くすぐったいような絶妙な力加減で耳たぶを噛まれる。
両耳に与えられる刺激は左右から押し寄せて、可符香の頭の中まで揺らしてしまうようだった。
さらに、千里と晴美はそれぞれ、右手と左手を可符香の着物の中に滑り込ませ、愛や奈美といっしょになって可符香の体を愛撫する。
首筋に、鎖骨に、這い回る千里と晴美の指先。
愛は可符香の両の胸を揉みしだき、さらにうなじの部分に何度もキスをしてくる。
奈美の指先は可符香の大事な部分を内側から徹底的にくちゃくちゃにかき回し、怒涛の如き快感で可符香を翻弄する。
級友四人に自分の体を好き勝手にされて、快楽の渦の中で可符香はぼんやりと考える。
(先生……先生もいっしょに……)
絶える事のない快感の波に溺れて、涙で滲んだ視界に映る担任教師の顔。
今はそれに少しでも近付きたかった、触れたかった。
(キス…したい……)
可符香はその一心で、しがみついていた望の腕を頼りに彼に少しでも近付こうとする。
望の肩に腕を回し、そっと自分の唇を彼の唇へと近づけていく。
(先生……)
数瞬後に訪れるであろうキスの瞬間を想像しながら、可符香は瞳を閉じた。
そして……
「風浦さん……」
望の腕によって、可符香の体は抱き寄せられた。
「んっ…んぅ…ぷあ……あ…先生……?」
「風浦さん…私はあなたの事が……」
強く重ねあわされた二人の唇から、互いに舌を差し出して、可符香と望は存分に舌を絡ませ合い、お互いの唇を味わった。
長く激しいキスが終わった後、唇を離した可符香が目にしたのは、まっすぐに自分の瞳を見つめてくる望の眼差しだった。
「風浦さん…私はあなたが…欲しい……っ!!!」
いつになくストレートな望の言葉。
いまやまともに思考する事も出来ないほど蕩け切った可符香には想像もできない出来事だった。
349 :
266:2010/01/23(土) 18:41:02 ID:AwvFqVpr
望の眼前で繰り広げられた、可符香と絶望少女達の行為。
それを見させられ続けた事が、ギリギリのラインで踏みとどまっていた望の理性を一気に決壊させたのである。
今の望にあるのは、愛しい少女をその腕で抱きしめたいという強い想いだけ。
「先生……先生…っ!!!」
こちらもあやしいおクスリの効果なのだろうか。
可符香もまた今までにないくらいストレートに望を求めた。
ぎゅっと抱きしめあった二人は、互いの想いを確かめ合うようにもう一度キスをする。
そして………
「私、先生とひとつになりたいです……」
「私だって…っ!!風浦さんっ!!!」
着物をはだけさせ、下着をずらし、露になった可符香の大事な部分、その入り口に望のモノが押し当てられる。
二人は潤んだ瞳で見つめあいながら、互いの耳元に囁く。
「きてください…先生……」
「風浦さん、いきますよ…」
ヌルリ。
とろとろのお湯が潤滑剤になって、望のモノはスムーズに可符香の中に入っていく。
体の内側から硬く熱い質量に摩擦されるその感触に、可符香はゾクリと身震いする。
「ふあ…ああっ……せんせ…の…入ってきて……うああっ!!!」
既に愛達四人に散々責められた体は、臨界点ギリギリの快感を叩き込まれている。
そこにさらに打ち込まれた、望の、愛しい人の確かな存在感が可符香をさらに乱れさせていく。
「ああっ…ひゃああんっ!!…せんせっ!…せんせいぃいいっ!!!…すご…きもちいいよぉ!!!!」
「くぅっ!!…ああっ!!…風浦さんっ!!…風浦さんっっっ!!!!」
そして、それは望も同じであった。
ギリギリまで理性を保ち、湧き上がる欲望を押し殺す内に溜め込まれたものが、可符香への気持ちというベクトルを与えられて一気に噴出したのだ。
激しく突き上げ、強く抱きしめ、何度となくキスをして、火がつきそうなほどに燃え上がるお互いの体温を感じ合った。
そんな怒涛の如き行為の最中、望の頭の片隅にほんの僅かに残った冷静な部分はこんな事を考える。
(こうまで自分を抑えきれなくなってしまったのは…やはり、相手が風浦さんだから…なのでしょうか……?)
「ふああんっ!!…やはぁ…せんせいっ…せんせいっ!!ああああああっ!!!!」
自分の背中に確かに感じる、一心にしがみついてくる少女の細腕の感触。
それが愛おしくて、愛おし過ぎて、望の中の熱はさらに高まり、暴走は止まらなくなっていく。
着物の前をはだけさせ、露になった鎖骨や首筋にキスをして、乳房に吸い付きその先端の薄桃の突起を舌先で思う様にねぶる。
望の責めに反応した可符香の体がビクンと跳ね、切なげな声が鼓膜を震わせる度に望の心は可符香への感情で爆発してしまいそうになる。
「ああっ!!風浦さん、好きですっ!!好きなんですっ!!」
「せんせいっ!!私も…っ!!私も先生のこと………っ!!!」
可符香と望の心が、体が、快楽と熱情の螺旋の中をどこまでも上り詰めていく。
そのあまりに激しい快感に時折途切れそうになる意識を繋ぎ止めるのは、腕の中に感じるお互いの存在だ。
二人は互いの名前を、気持ちを叫び、加速していく行為の中でついに限界を迎える。
「風浦さんっ!!私は…もう…っ!!!」
「あああっ…せんせいっ!!…私も…いっしょにぃいいいいっ!!!!」
一際強く突き上げられた衝撃が、可符香の全身を電流となって駆け抜ける。
そして、それが望と可符香の心と体の中、ギリギリまで熱を溜め込んでいた巨大なダムを決壊させた。
「風浦さんっ!!ああ…愛していますっ!!!」
「せんせ…私も…ふああああっ!!!…好きっ…好きぃいいいいいいいいっ!!!!!」
強く強く抱きしめあいながら、可符香と望は絶頂に達した。
350 :
266:2010/01/23(土) 18:41:39 ID:AwvFqVpr
それから、どれくらいの時間が経過しただろうか。
可符香と望はあの後もずっと抱き合ったまま、過ごしていた。
二人の周りには、愛に奈美、千里に晴美がそっと寄り添っていた。
「先生、これで教師失業確定……かもしれませんね」
「今回のは、単に教え子とそういう関係を持ったとか、そんなレベルの話じゃありませんからね。一体、どうなる事やら……」
「そんなに心配しなくても大丈夫ですよ。この一件は、私が先生をちょっと脅迫したいときにしか使いませんから。
他の誰かに漏らすなんて、絶対にないですから、どうぞ安心してください……」
「うぅ……そもそもはあなたの仕組んだ事なのに……」
「それに乗っかったら、先生だって同罪ですよぉ」
くすくすと笑う可符香と、心底弱り果てたような口調の望。
だけど、その言葉はともかくとして、二人の表情はどこか楽しげで、晴れ晴れとした様子さえあった。
「あんなにストレートに、先生が好きって言ってくれるなんて、なかなかある事じゃないですからね」
「実は私も……なにせチキンなものですから、普段はどうしても言えなくて……」
と、そんな時……
「そういえば、風浦さん、ちょっと前まで呂律も回らないような状態だったのに、普通に喋れてますね……」
「見てください、先生。お湯が……」
可符香は手の平ですくい上げた湯船のお湯を、望に見せた。
そこには少し前までのとろみや粘り気はほとんど残っていなかった。
「もしかして……」
望が湯船の中に投入された、あの片栗粉の袋を見ると、既にその中身は全くの空っぽになっていた。
露天風呂にはその温度を保つため、新しいお湯が流れ込んできて、古いお湯が排出される仕組みがあった。
今までは、新しく入ってきたお湯と袋から溶け出す片栗粉の量が拮抗して、常に一定以上のとろみが維持されていた。
だが、袋の中の片栗粉が尽きた事でその均衡が破れ、お湯の成分も元通りになったのだ。
「考えてみれば、家風呂みたいに少人数で使うんじゃないんだから、お湯の入れ替わりはあって当然でしたね」
しかし、お湯の方は元に戻っても、すっかりのぼせてしまった2のへの少女達はどうにもならない。
腰にタオルを巻きなおし、立ち上がりながら望が言う。
「みんな、これ以上お風呂に入れとくのは危険ですし、ここは唯一動ける私達がやるしかありませんね」
「はい、先生」
ずぶ濡れの着物の前を合わせて、可符香も同じく立ち上がる。
それから、まずは手近な四人の救出から取り掛かろうとしたところで、ポンポンと望の手が可符香の肩を叩いた。
「おっと、忘れるところでした……風浦さん」
「はい?」
振り返った可符香の体を、望が抱き寄せ、その唇にそっとキスをした。
「さっきの勢いが残っている内に……これくらいはいいでしょう?」
「は、はい……先生…」
ここで素直に照れてしまう辺り、可符香もまだ先ほどまでの雰囲気から抜け出せていないようだ。
それから、二人はおでこをくっつけて、照れくさそうに笑い合ってから、他の2のへの少女達を助けるべく救出作業を開始したのだった。
351 :
266:2010/01/23(土) 18:42:12 ID:AwvFqVpr
以上でおしまいです。
失礼いたしました。
GJ!!