オリジナル魔法少女陵辱スレ9【和姦も】

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1名無しさん@ピンキー
オリジナルの魔法少女のエロを扱うスレです。
陵辱に限らず和姦でもOK
魔法少女が陵辱しても全然OKよ

【前スレ】
オリジナル魔法少女陵辱スレ8【和姦も】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1254959024/


【注意事項】
○sage進行でお願いします。
○職人さんは特殊嗜好の作品の場合は投下前に注意書きをお願いします。
○職人さんが投下しづらい雰囲気はやめましょう。供給があってこそのエロパロ板です。
○好みに合わない作品や意見はスルー(読み飛ばし)を推奨します。
○荒らし、煽り、広告はスルーしましょう。
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【過去スレ】
オリジナル魔法少女陵辱スレ7【和姦も】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1235747369/
オリジナル魔法少女陵辱スレ6【和姦も】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1225259428/
オリジナル魔法少女陵辱スレ5【和姦も】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1213170878/
オリジナル魔法少女陵辱スレ4【和姦も】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1208254990/
オリジナル魔法少女陵辱スレ3【和姦も】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1204801095/
オリジナル魔法少女陵辱スレ2
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1187699066/
オリジナル魔法少女陵辱スレ
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1156666135/

【保管庫】
http://kuma.usamimi.info/magi/
2名無しさん@ピンキー:2009/10/27(火) 22:16:42 ID:zI2dqbNz
スレ立て乙。
3名無しさん@ピンキー:2009/10/27(火) 22:49:01 ID:FojynQhu
いちおつ
4名無しさん@ピンキー:2009/10/27(火) 22:52:28 ID:XrGh24Zt
>>1
5名無しさん@ピンキー:2009/10/28(水) 00:27:13 ID:wzDSy1EG
保管人は?
6名無しさん@ピンキー:2009/10/28(水) 01:30:01 ID:LfYmF1jh
乙っとな。
7名無しさん@ピンキー:2009/10/28(水) 01:36:07 ID:27NkKEIr
立てるときも気になったけど>>1の保管庫ってもしかして動いてない?
8名無しさん@ピンキー:2009/10/28(水) 01:47:38 ID:yewdO672
一応、動いてはいるけど、管理人が忙しくて更新が遅れているんだったかな
誰かが第二保管庫を作ってくれると良いのだが
9名無しさん@ピンキー:2009/10/28(水) 07:35:09 ID:nrnkaJ1S
>>1
乙彼
10名無しさん@ピンキー:2009/10/28(水) 07:53:05 ID:EWxlK/aZ
1乙です
11名無しさん@ピンキー:2009/10/29(木) 13:36:05 ID:QK2+BUfp
即死回避に作品の投下来ないかね…
12名無しさん@ピンキー:2009/10/29(木) 18:16:21 ID:E/AkRQ2r
投下したくても、規制で書き込み出来ない罠。
これは携帯から。

まぁ、まだ書き上げてないわけですが。
13名無しさん@ピンキー:2009/10/29(木) 18:54:56 ID:vFKlnr66
雑談もOKだよね? 陵辱されるならラスボスの圧倒的な力に蹂躙後派なんだが、
どうやってラスボスのとこまでたどり着かせようか。
敵組織の目的が封印されていたラスボスの復活という流れなら探さなくてもラスボスの
居城のほうから都心のど真ん中に出現してくれそうだけど。
14名無しさん@ピンキー:2009/10/29(木) 19:27:04 ID:Gcsnhjid
>>13
復活したラスボスが
「あの娘(魔法少女)好みだから、連れてきて」
と命令。
15名無しさん@ピンキー:2009/10/30(金) 02:31:54 ID:06sxqYoL
ラスボスといえば…マユの人の作品のラスボスであろう、陛下を倒すと
マユちゃんのパパが失業しそうだな…w
16名無しさん@ピンキー:2009/10/30(金) 21:49:25 ID:4iOWCJov
>>15
逆にマユちゃんがやられちゃったら、
マユちゃんパパが心神喪失状態で、会社に大損害を与え潰してしまう。
こんな形で敵討ちとか。
17名無しさん@ピンキー:2009/10/31(土) 03:14:51 ID:c0EBOgvO
ベヨネッタが凌辱されるSSください!
18名無しさん@ピンキー:2009/10/31(土) 04:55:38 ID:vIqpSL99
ベヨネッタさんは魔法少女と言えるには無理があるな
その…年齢的に
19名無しさん@ピンキー:2009/10/31(土) 06:45:51 ID:QuYfK4uT
>>18
変身するとロリ化。
これで解決。
20マユ作者:2009/10/31(土) 15:43:00 ID:+2DwQtiD
今晩中に第八話投下します
21名無しさん@ピンキー:2009/10/31(土) 15:46:43 ID:c0EBOgvO
いや、いい
22名無しさん@ピンキー:2009/10/31(土) 19:25:38 ID:vIqpSL99
いやいやいやいやいや!来いやぁ
規制に負けぬ投下待ってたよ
23マユ作者:2009/10/31(土) 21:28:50 ID:N2ykeP+K
こんばんわ、魔法少女マユ第8話を投下します。
今回は苦痛系の陵辱シーン、リョナシーンがあります。
24魔法少女マユ 第8話 1/19:2009/10/31(土) 21:30:57 ID:N2ykeP+K
深夜の公園に、二人の少女と一体の魔物が対峙している。
「もう逃げられないわよ!観念しなさい!」
手にした長剣を魔物に向けて、マユが言い放つ。
『グググ…こ、このガキぃ…調子に乗るじゃねぇ!!』
蟹型の造魔が叫び、巨大な鋏を振るう。
「っ!?」
少女は身を低くしてそれを回避する。
「マユちゃん!下がって!」
もう一人の少女、リィンが周囲に光の矢を作り叫ぶ。
マユが飛び退くのと同時に、無数の光の矢が放たれる。
『こんなもん効くかぁ!!』
造魔は両手の鋏で正面をガードして光の矢を防御していく。
「なんて硬い装甲なの…」
殆ど無傷の造魔を見て、リィンは呻く。
「私がアイツの鋏をなんとかするよ…リィンはでっかいのチャージしてて!」
「マユちゃん!危険だよ!」
「大丈夫!信じて、私を!」
長剣に魔力を込め、光の大剣を作り上げると、マユは造魔に向けて跳ぶ。
造魔は振り下ろされた光の大剣を、両手の鋏で掴み取る。
『な、舐めるんじゃねぇ…俺はこれまでの連中とは違うんだよ!』
「くっ…うぅぅ!」
徐々に剣が押し戻されていく。
マユの表情にも焦りが浮かぶ。少女と造魔では純粋な力では造魔に分がある。
「ま、負ける…もんかぁぁ!!」
少女は叫びと共に、更に魔力を剣に送り込む。
大剣はより強く輝きを放ち、掴んでいた造魔の鋏に亀裂が走る。
「でやあああぁぁっ!!」
全力で少女は剣に力を込めた。
光の大剣が、造魔の両腕を破壊する。
『ギャアアアアッ!!?お、俺の鋏が!?』
激しい痛みに、造魔は絶叫を上げた。
「リィン!今だよ!」
マユは造魔の前から退避して叫ぶ。
「いっけーーーー!!!」
リィンのロッドの先から、光の奔流が放たれる。
『ガアアアアアアアアアアアアア!!!』
奔流に呑み込まれ、造魔は消滅していく。
25魔法少女マユ 第8話 2/19:2009/10/31(土) 21:31:42 ID:N2ykeP+K
「ふぅ…なんとか倒せたか」
額の汗を拭って、マユは一息つく。
「マユちゃん、無鉄砲過ぎるよ…危なかったじゃない…」
「あ、あはは…ゴ、ゴメン…」
心配そうに言うリィンに、マユは申し訳なさそうに頭を下げる。
「でも…マユちゃんは凄いね、ドンドン強くなっていく」
(それに比べて私は…)
心中でぽつりと呟くリィン。
リィン達と合流してからのマユの成長は目覚しいものだった。
リィンが教える魔法を次々と物にし、前は使えなかった転移や、結界の魔法も使えるようになり。
不得手だった広域系の魔法も使えるようになりつつある。
天性の才能とでもいうのだろうか…エルメリアの魔法使いのレベルで見ても、彼女の強さは相当なものだ。
「どうしたの?リィン」
「え…?う、うぅん…な、何でもないよ!」
自分の顔を心配そうに覗き込むマユに気づいたリィンは慌てて首を振る。
「そっかぁ…とりあえず、事後処理したら帰ろうよ。シャーナさん待ってるだろうし」
「う、うん…分かった」
マユの言葉に、リィンは頷く。
(私も強くなりたい…マユちゃんの足手まといにならないように…魔族達に負けない力が欲しい)
リィンは心中で強く願った。
26魔法少女マユ 第8話 3/19:2009/10/31(土) 21:32:29 ID:N2ykeP+K
「ちくしょー…あの嬢ちゃん達のせいで散々な目に遭ったぜ…
 流木がタイミングよく流れてなかったら危ないところだった」
ぶつぶつと漏らしながら少年は機械の組立を行っている
「自業自得だよ。彼女達とやり合うなら、僕を呼べば良かったのに…それに何で転移で帰ってこなかったんだい?」
隣に立つ、レドリックが溜息をつきながら彼に尋ねる。
「防御で全力使ってたんだよ…ああしなけりゃ、俺も造魔達と一緒に消し飛んでた」
「…ホントは転移で帰れるの忘れて、必死に泳いでたんじゃないのかい?」
「………」
(図星か…)
青年の言葉に、ラディウスは無言になる。
この少年は、明晰な頭脳を誇るが、妙な所で間の抜けたところがあるのだ。
少年が黙りこくってしまい、気まずい空気が流れる状況を打開する為に、青年は話題を変える。
「まぁ、それはともかく…彼女達の魔力を封じたってシステム興味があるな…
 僕にも頂戴よ。それがあれば、狩が早く済みそうだ。」
「んな簡単に言うな。俺はドラ○もんやQじゃ無いんだ。
 アレは貴重な材料とか使ったりしてるから、無茶苦茶製造コストがかかるんだ。そうホイホイと作れるか…
 それに俺は今回の実験で分かった課題点を克服した物を作って。次の実験を行いたいんだよ。」
「それは残念」
青年は肩をすくめて見せる。
「でもホント、何を始める気だい?」
「この世界に壁を作る事さ…連中だけが通れない壁をな」
「…また突飛な事を考えるね…まぁ、頑張りたまえ」
機械の組立に没頭している少年に一声かけると、青年は部屋を出て行こうとする。
「あ、これが完成したら。お前の出撃に同行させて貰うぞ。こいつの実験がしたい」
「ん?まぁ、いいけど…それより、研究計画を陛下に提出するなら、急いだ方がいいよ」
「…何か有るのか?」
青年の言葉に、ラディウスは首を傾げる。
「陛下が御三方を召集なさった。近々、今後の動きを決める戦略会議が開かれるよ」
御三方…それはエルメリア攻略を担う、各方面軍の長である3体の最高位魔族の事だ。
王が彼らを全員招集するのは開戦以来始めての事である。
「む…そりゃ急がないとな…発表のチャンスを逃しちまう」
「そういう事、急ぎたまえ」
難しそうな顔をする少年に笑いかけると、青年は研究室を出て行く。
27魔法少女マユ 第8話 4/19:2009/10/31(土) 21:33:28 ID:N2ykeP+K
「…今日も特に異常はなさそうだね」
夜の無人のビルの屋上に立っていたリィンは、周囲を見回して呟く様に言った。
『そうだね。もうちょっと見回ったら、今日は帰ろうよ』
「うん、分かった」
交信相手のマユの言葉に、リィンは頷く。
「…早く見回りして戻ろうっと」
リィンは一言呟いて次の場所に移動しようとしたその時。
「っ!?魔族の気配…」
唐突に現れた気配、恐らく転移してきたのだろう。
場所を探索するリィン。
「…このビルの中に居る…私を狙ってきたの?」
『リィン、一度下がって。合流してから二人で行こう!』
「……分かった、マユちゃん、転移で少し離れた場所に移動するね」
交信を終えると、リィンは転移の魔法を発動させようとするが…
「えっ…発動しない?どういう事…」
『どうしたの?リィン』
「転移の魔法が発動しないの…」
『そんな…私、急いでそっちに行くから、無理しないで!』
彼女はどうしようか迷った。ここを動き、敵の元に行くか…それともマユとタイミングを合わせて仕掛けるか。
「マユちゃんはすぐには来れないよ」
「っ!?」
ビルへの入り口から聞こえてきた声に、リィンは反射的に身構える。
声の主がゆっくりと歩いて来た。
「このビル一帯は、今ラディウスが実験をしているからね…それの影響で、お仲間はすぐには来れないんだよ」
「…レドリック」
リィンは絞り出すような声で、自分の前に立つ青年の名を呼ぶ。
「こんばんわ、また会ったね。リィンちゃん」
青年はにこりと微笑んで挨拶をする。
少女は無言のまま、身構えている。
「そろそろ君達も鬱陶しくなって来たからね…今回で各個撃破させて貰うよ。まずは君からだ」
「…この間の様にはいかないんだから!」
ロッドを真っ直ぐ青年の方に向けて、彼女は言い放つ。
28魔法少女マユ 第8話 5/19:2009/10/31(土) 21:34:22 ID:N2ykeP+K
「その強気がいつまで続くかな…では、始めるとしよう!」
レドリックの右腕が無数の触手に変化し、少女に向けて振るわれる。
それを横に跳んで回避し、少女は触手を風の刃を放って切り裂く。
次々と切り裂かれる触手、だが次の瞬間には新たな触手が青年の腕から生えている。
触手の先端には大きな単眼が存在し、そこから次々と閃光が放たれていく。
リィンはそれをバリアを展開して凌ぐ。
そして、次の攻撃が始まる前に解除して、青年との距離を取る。
「少しはやるようになったかな?魔力も上がってるようだし。だが、まだこの程度じゃなぁ…」
にこやかな笑みを浮かべつつ、青年は批評するように語る。
少女は黙ったまま、じっと彼を見据えていた。
(アイツの言動に惑わされるな…焦ったり、怒ったら向こうの思うつぼだ…)
冷静になるように自分に言い聞かせ、リィンは魔法を準備する。
「いけぇっ!!」
周囲に光の矢を展開して、青年に向けて放つ。
青年はそれを跳躍して回避していき、避けきれないものは、片手を突き出して掻き消す。
リィンは、その間も次の魔法を構成していく。
青年が着地して足を止めた瞬間、準備していた魔法を発動させる。
「くっ!?」
彼の足元に赤い光の魔方陣が描かれ、そこから生じた炎が青年を呑み込む。
だが次の瞬間、炎が消滅し、青年がリィンの間近に接近してくる。
「うぅっ!」
青年の右腕が変化した刃を、ロッドで受け止めた。
力比べになると、非力な彼女が圧倒的に不利だ。
徐々に刃が彼女の方に迫ってくる。
更にダメ押しとばかりに、青年が左腕を鋭い爪を持つ、太い魔物の腕に変化させる。
「っ!!」
咄嗟にリィンは後ろに飛びながらバリアを展開した。
「あああぁっ!!」
バリアで一撃を防いだものの、凄まじい衝撃が彼女の体を吹き飛ばす。
「あぐっ!」
入り口近くの壁に叩きつけられ、彼女は苦悶の声を漏らした。
少女の元に、ゆっくりと青年が近づいてくる。
青年が片手を振り上げたその時、彼の足元に魔方陣が描かれる。
「何っ!?」
魔方陣から放たれた光が、青年の体に巻きついて自由を奪う。
「ひっかかったわね!」
リィンは跳躍し、青年の頭上で魔法を発動させる。
突き出されたロッドから次々と光が放たれ、青年に降り注ぐ。
「ぐああああああああ!!!」
無数の光弾は青年の体に着弾し、炸裂していく。
少女は着地し、爆風に包まれた青年の方を油断無く見ている。
29魔法少女マユ 第8話 6/19:2009/10/31(土) 21:35:07 ID:N2ykeP+K
爆風が収まり、青年の立っていた場所を覆っていた煙が晴れる。
無数の光弾が着弾したせいで、彼の立っていた場所は大きな穴が出来ていた。
周囲に彼の姿は無い、服の切れ端や、彼の物と思われる血が幾らか残っているだけだ。
しばらく警戒するように立っていたが、やがてリィンは、下を確認しようと穴に近づいていく。
「っ!?」
突如、穴から触手が伸びてきて、少女の右足に巻き付く。
「きゃあああ!!!」
凄まじい力で引っ張られ、バランスを崩して倒れこむ。
そのまま少女は、ビルの中へと引きずり込まれる。
「うぁっ!!」
床に叩きつけられ、激しい衝撃が少女の体を襲う。
更に無数の触手が伸びてきて、少女の華奢な体に巻き付き、締め付けていく。
「く、ぅぅ…くぁ!」
ぎりぎりと音を立てて、少女の体が締め上げられる。
「いやいや…さっきのはちょっと痛かったよ…油断した」
暗がりから、片手を触手に変化させた青年が歩いてくる。
既に再生が始まっているものの、青年の体には無数の傷が存在した。
(そ、そんな…あれだけ直撃を喰らって平気なんて、どれだけタフなのよ…)
多少ダメージを負っている様だが、いつもと変わらぬ調子の青年に、少女は心中で呻く。
「酷いよ、この服気に入ってたのになぁ…」
お気に入りの服をボロボロにされた事に、青年は嘆くように言った。
「さて…今度は僕の番だよ。たっぷりとお返しをしなきゃね」
邪気を含んだ笑みを浮かべた青年は、少女を締め上げる触手に、更に力を込める。
「ああっ!!」
凄まじい力に、少女は苦痛に顔を歪め、声を上げた。
締め上げは唐突に緩められる。だが、次の攻撃は間を置かずして開始された。
力任せに触手を振るい、少女を壁に叩きつける。
「がはっ!!」
触手が解かれ、少女は床に崩れ落ちるように倒れた。
ぐったりとしている少女の元に近づき、青年は少女の腹部を踏みつける。
「うぁぁ…」
腹部を踏みにじられ、少女は苦しそうに呻く。
少女は痛みに苦しみながらも、手元に落ちているロッドに手を伸ばそうとする。
だがその行為を、青年は見逃さなかった。
青年の右腕が蛇の様に変化し、少女の右手に噛み付く。
「うあっ!!」
突然生じた新たな痛みに、声を上げる少女。
ロッドは別の触手によって、遠くに放られる。
「…ま、前回よりは楽しめたかな…でも、これだけじゃ足りないな」
少女を見下ろしながら、青年は悪意に満ちた笑みを彼女に向ける。
それは、陵辱の始まりの宣言だった。
30魔法少女マユ 第8話 7/19:2009/10/31(土) 21:35:52 ID:N2ykeP+K
「ダメだぁ…マユちゃん。私の転移も使えないよ」
「ユーリィでもダメか…なんで急に…」
転移魔法を使おうとしたユーリィの言葉に、マユは表情を険しくする。
「…とにかく急がないと、リィン一人じゃ危険だよ」
「うん、行こう!ユーリィ」
少女達は頷き、リィンの居るビルへと走っていく。
「…マズイな、この気配…レドリックだ」
目的の廃ビルの前についたマユは、中に居る気配に呻く。
転移魔法が使えない…近い様な状態を少し前に経験した彼女は、現れた魔族はラディウスだろうと予測していた。
だが、実際に居たのは彼よりもよっぽどタチの悪い相手だった。
魔法少女達を次々と狩っている最高位魔族、レドリック…正直な話、
リィンと二人がかりでも勝ち目は薄いかもしれない。
「アイツが…だ、大丈夫かなリィン…」
ユーリィも不安そうに漏らす。
「ここで言ってても始まらないよ…行こう」
少女達はビルの中へと足を踏み入れた。
注意深く、ビルの中を進んでいく少女達。
「…リィン、大丈夫かな」
中間辺りの階まで登った所で、ユーリィが不安そうに漏らす。
「アイツが相手だから…心配だね」
敵の強さもそうだが、リィンはあの魔族の青年に激しい憎しみを抱いている。
無茶をしていなければいいけど…マユは心中で呟いた。
いつしか、少女達の注意は上に向き、周囲への警戒が薄れていた。
ある階に差し掛かった所で、突然少女達の周囲からガスが噴射される。
「な、何これっ!?」
二人は慌てて口を塞ぐも、ガスを吸ってしまう。
マユはユーリィを抱えて走ってガスを突破し、近くの部屋に非難する。
「げほっ、げほっ…ト、トラップ…?」
「ご名答だ、お嬢ちゃん」
咳き込んでいたマユの耳に、声が聞こえる。
白衣を着た少年が、部屋の中に入って来た。
「ラ、ラディウス…」
苦しげな表情を浮かべながら、マユは少年の名を呼ぶ。
「予想通り、俺には気づかなかったな。ま、上でレドリックが暴れてりゃ、嫌でも向こうに注意がいっちまうか」
苦笑しながら少年は、指を鳴らす。
長い尾を持つ、狐の様な造魔が少年の背後に姿を現す。
「お前さんの相手はコイツだよ。ああ、ちなみに…さっきのガスは、軽い物だが体を麻痺させる効果がある」
にやりと笑うと、少年は後ろに下がっていく。
少年の言うとおり、マユの体には異変が生じていた。
全身が痺れて、上手く動けないのだ。
ユーリィも同様の状況で、マユの手の中で苦しそうに息をしている。
「俺は実験のデータを集めなきゃダメなんでね…コイツと遊んでてくれ、じゃあな」
少年は転移魔法を展開して消えていく。
「くっ…こんな所で立ち止まって暇なんて無いのに…!」
思うように動かない体に、顔を顰めながらマユは呻く。
31魔法少女マユ 第8話 8/19:2009/10/31(土) 21:37:30 ID:N2ykeP+K
『ゲヒャヒャ!いくぜぇ!!』
造魔がマユに襲い掛かる。
「う、うぅっ…」
ユーリィを近くに下ろしたマユは剣を構えるも、体には殆ど力が入らず、足元はふらついていた。
一気に彼女との距離を詰め、造魔は彼女に体当たりを喰らわせる。
「うあああっ!!」
凄まじい衝撃で、マユは吹っ飛ばされ、地面に叩きつけられた。
その際に剣も手放して、遠く離れた位置に落下する。
「し、しまった…」
呻きながら起き上がろうとする少女を造魔が押さえつける。
「がはっ!」
少女の腹に、造魔の拳が叩き込まれ、少女は苦悶の声を上げた。
造魔は更に何度も少女の腹を殴りつける。
「ぐぁっ!がふっ!があっ!!」
拳が叩き込まれる度に、少女は身を捩って声を上げる。
10回近く殴りつけて、造魔はようやく少女から離れた。
「がはっ…げほっ…ぐええええっ!」
身を起こした少女は、苦しそうに咳き込んでいたが、やがて堪え切れなくなり、胃の中身を吐き出す。
(こ、このままじゃ負けちゃう…)
少女が受けたダメージは、決して少ないものではない。
更に全身の痺れは、未だに治まる気配が無かった。
『ボサッとしてんじゃねぇよ!』
「っ!?くぁっ!!」
造魔の鋭い爪が少女の左腕を掠めた。
赤い筋が走り、血が滲み出てくる。
素早い動きで彼女の周囲を走り、時折爪で攻撃を仕掛ける。
「くっ!うう!きゃっ!」
少女の服も、爪によって少しずつ破り裂かれていく。
「きゃあああ!!」
胸の辺りに深い傷を付けられて、少女は吹っ飛ぶ。
少女は地面に倒れこみ、胸の傷を押さえて苦しそうに身を捩る。
『まだ終わりじゃねぇぞ!』
造魔は叫びと共に、起き上がろうとしていた少女に尻尾を伸ばす。
32魔法少女マユ 第8話 9/19:2009/10/31(土) 21:38:26 ID:N2ykeP+K
「うぁっ!?」
長い尻尾が、少女の細い首に巻きつく。
そのまま、強烈な力で引っ張られて、少女は地面に倒れこむ。
「くっ…うぁぁ…」
首を締め上げられた状態で、少女はずるずると造魔の方へ引き寄せられる。
必死に締め付けと解こうと、尾を掴んで引き剥がそうとするが、腕に力が入らない。
『ゲヒャヒャヒャ…残念だったな。てめぇはここで終わりだよ』
尻尾が持ち上げられ、マユは首を絞められた状態で宙吊りにされた。
造魔は舌なめずりをした後、マユの頬を舐める。
少女の意識は既に朦朧としている、あと少し締め続けてやれば、気絶するだろう。
造魔は自分の勝利を確信する。そして、この少女をどうやって陵辱してやろうかと心躍らせていた。
だから、背後に生じた魔力にも気づかなかった。
「マユちゃんを放せぇ!!」
ガスの効果が切れ、起き上がったユーリィが、次々と魔法を造魔の背中に浴びせる。
『ガッ!グゲッ!!…て、てめぇ!!』
衝撃で尻尾を離し、マユを地面に落とした造魔は、怒りの叫びを上げてユーリィの方を向く。
その隙を逃さず、マユは魔力刃を作り出し、造魔の背中に突き立てる。
『ガゲッ!?な…ど、何処にそんな力が…』
散々痛めつけた少女からの思わぬ反撃に、造魔は驚愕の声を漏らす。
少女は刃を介して、造魔の体に魔力を叩き込む。
『グギャアアアアアアアアアアア!!!』
絶叫と共に、造魔の身体は崩壊していった。
造魔が消滅すると、少女は地面に座り込む。
「くっ!…はぁ…はぁ…た、助かったよ。ユーリィ…」
「マユちゃんちょっと待ってて、すぐに体の痺れ治すから」
ユーリィはマユの元に近づいて、回復の魔法を使う。
しばらくすると、全身に残っていた痺れが治まっていく。
「ありがとう、ユーリィ…もう大丈夫…行かなきゃ」
体が動く事を確認すると、マユは立ち上がり、フラフラとした足取りで剣を拾いに行く。
「待ってよマユちゃん!その体じゃ無理だよ!」
「で、でも…リィンが…上でアイツと戦ってるんだよ…!」
慌てて止めようとするユーリィにマユは搾り出すような声で言った。
「それでもだよ!せめて傷の手当だけでも!」
ユーリィは少女の腕にしがみ付いて訴える。
彼女の言う事も最もだ…焦って先に進んでも、今の状態じゃ勝負は目に見えている。
リィンの所に一刻も早く行きたいが…今は状態を万全にしよう、マユはそう考えた。
「…うん。じゃあ、出来るだけ急いでね」
「分かった!待ってて」
マユの言葉に頷いて、ユーリィは回復魔法を使い始める。
(今行くから…無事で居てね。リィン…)
治療を受ける間、上で戦っているであろう少女の無事を、マユは祈り続けた。
33魔法少女マユ 第8話 10/19:2009/10/31(土) 21:39:44 ID:N2ykeP+K
「さて、何をしようかなぁ」
動けないリィンを前に、青年は顎に手をあてて首を捻る。
「お姉さんの様に、魔力を吸い取ろうか…心が壊れちゃうくらいに快楽で責めるか…色々やってみたいなぁ」
(こんなヤツに…何をされたって屈したりするもんか…絶対に!!)
考え込む様に目を閉じている青年を睨みつけながら、リィンは心で叫んでいた。
んー、としばし考え込んでいた青年だが、やがて笑みを浮かべて少女の方を向く。
「決めた…君には痛くて苦しい思いを、たっぷりとしてもらおうか
 君があの時生かされたのを後悔するくらいに…殺してって言うくらいに」
「そ、そんな事…思うわけ…無いっ!」
少女の言葉に、少し気分を害したらしく、むっとした様な表情を浮かべるが。
やがて気を取り直したように青年は笑う。
「その強気がどこまで持つか楽しみだね…それじゃ、始めよう」
青年は両腕を触手に変化させて、片方で少女の両手を縛り、宙吊りの状態にする。
そして、もう片方で少女の体を打ち据えた。
「あぐぅ!」
脇腹を打ち据えられ、少女は苦悶の声を漏らす。
青年は腕を何度も振るい、少女の体を打ち据えていく。
打たれる度に、少女の纏う服が破れ、白い肌には赤い筋が出来る。
ビルのフロアに、少女の悲鳴と、触手の打ち据えられる音が延々と響く。
少女の苦悶の声を楽しむように、青年は触手を振るい続けた。
「うぅ…く…」
ようやく止んだ責めに、少女は項垂れて苦しげに息を吐く。
少女の服は至る所が破れていて、布切れと言った方がいい様な有様だった。
触手がそれを破り裂いていき、少女は下着一枚の姿にされる。
青年は片手を元に戻すと、少女の胸に手を伸ばす。
「あぎいぃ!!」
胸に生じた激しい痛みに、少女は叫び声を上げる。
青年が凄まじい力で、伸ばした爪を少女の胸に食い込ませていた。
「う、ぐぅぅ!い、いだい!!」
爪が食い込んだ部分から、血が滲み出てくる。
それでも構わず、青年は時折指の位置を変えて、胸を掴んでいく。
「うああああ!!」
あまりの苦痛に、少女は涙を流して叫ぶ。
青年が手を離すと、少女の胸は自らの血で赤く染まっていた。
手についた血を、青年は美味そうに舐める。
不意に両腕を拘束していた触手が解かれ、少女は地面に倒れこむ。
34魔法少女マユ 第8話 11/19:2009/10/31(土) 21:41:01 ID:N2ykeP+K
「はぁ…はぁ…」
「お疲れのようだけど…まだ終わりじゃないよ」
体を起こして地面に座り込み、両手をついていた少女の髪の毛を青年が掴む。
「うぁ…」
小さく声をあげた少女の前に、青年のペニスが突き出された。
「吐き出したらダメだよ」
「ぇ…?」
にっこりと微笑んだ青年の意図を、少女は理解できず、呆けた様に声をもらす。
青年はいきなり、リィンの口の中にペニスを突っ込む。
「んぐううっ!?」
突然の行為に、少女は驚いて顔を退いてペニスを抜こうとするが、青年に頭を掴まれていて、動かせない。
青年は笑みを浮かべながら、少女の頭を前後に動かす。
「んん!!むぐうう!!」
舌や上顎に、ペニスが擦り付けられる。
「ふごっ!ん!むがああ!」
しばしの間ピストン運動を続けていたが、やがて青年が口を開く。
「んんーーーーー!!」
「出すよ、頑張って飲んでね」
青年の言葉と共に、口内に大量の精液が吐き出される。
「むごおおおお!!」
精液は口の中をすぐに満たし、喉の奥へと流れていく。
凄まじい吐き気が少女を襲うが、口は青年のペニスによって塞がれている。
何割かを飲んだところで、青年が射精を終えて、ペニスを引き抜く。
「ぐ…うぐ…うげえええええええええ!!」
塞いでいたペニスが抜けた事で、堪え切れなくなっていた少女は、床に口内に残っていた精液を吐き出す。
「吐き出したらダメって言ったじゃないか」
少し怒ったような青年の声が頭上から聞こえる。
横手に回った青年は、少女の腹を蹴りつけた。
「あげっ!?」
少女の体は吹っ飛び、何回か地面を転がる。
腹に受けた衝撃で、また少女は精液を吐き出す。
「吐いちゃったから、お仕置きだ」
少女の元に近寄った青年は、少女の首に、片手を変化させた触手を巻きつける。
「うああああああああああああああ!!!」
巻き付けられた触手から、凄まじい電流が少女の体に向けて放たれる。
「あああああああああああっ!!!」
電流が少女の体を駆け巡る。全身を焼くような痛みに、彼女は絶叫を上げた。
放電が止められると、少女は体を痙攣させ、苦しげに息を吐く。
青年はしばらくは黙って見つめていたが、また少女の頭を掴んで、無理矢理体を起こさせる。
35魔法少女マユ 第8話 12/19:2009/10/31(土) 21:41:54 ID:N2ykeP+K
「今度はちゃんと飲むようにね」
だらしなく口を開いている少女に微笑むと、また少女の口の中にペニスを突っ込む。
「もぐぅ!?」
そして、また少女の頭を前後に動かす。
「むぐううう!!」
今度はさして間をおかずに、青年は喉の奥へとペニスを突っ込み、射精を開始する。
だが、その量や勢いが先程より遥かに増していた。
「むあああああ!!?んぐうううううう!!」
食道に直接流し込まれる大量の精液に、少女は目を白黒させる。
青年は、射精が収まりかけた所で、少しペニスを引き、口内も精液で満たす。
「んげえええええええ!!…げほっげほっ」
射精の終ったペニスが口から引き抜かれると、また堪え切れず口内の精液を吐き出す。
すると、青年は少女を突き飛ばし、地面に仰向けに倒れさせると、少し膨れ上がった腹を力いっぱい踏みつける。
「げぼっ!!ぐげえええええ!!」
衝撃でまた精液を吐き出す少女。
数度踏みつけて、精液を吐き出させると、青年は笑顔を浮かべながら少女に言い放つ。
「はい、またお仕置きだね」
「ひっ…や、やめ…あぐううううううう!!!」
少女の言葉を無視して、今度は少女の股間を踏みつけた。
「が…あがぁ…」
大きく口を開いて、少女は痙攣を起こしている。
踏みにじる様に青年は足を動かし、その度に少女は体を震わせた。
少女の股間から足を離し、また青年は少女の頭を掴んで、体を起こさせる。
そして、またペニスを少女の口の中に挿入し、頭を前後に動かす。
「吐いたらまたお仕置きだからね、頑張りたまえ」
射精の直前に、青年が言葉を発する。
少女は、今度こそ飲み切ろうとするが…
「ぶごおおおお!!?」
青年のペニスから放たれる精液は、先程よりも更に勢いが増している。
おまけに射精時間も長くなっており、量は先程の比ではない。青年は射精をする度に、量を調節しているのだ。
少女は耐え切れず、また吐き出してしまう。
やり直しとばかりに、青年はまた少女の腹を蹴りつけ、飲み込んだ精液を吐き出させる。
そして今度は放電を行い、少女を苦痛を与えた。
以降はそれの繰り返しだった。
青年は射精の度に、量を増やしていく為、少女は毎回飲み込めずに吐き出してしまう。
その度に、青年はお仕置きと称して、少女を嬲っていく。
股間を踏みにじり。首に巻き付けた触手を締め上げたり等して、少女に苦痛を与え続けた。
8度目で飽きてきたのか、青年は射精の量を最初の半分ほどにする。
少女は必死にそれを飲み干した。
「ぷはっ…はぁ…はぁ…」
「はい、ちゃんと飲み込めたね。よく出来ました」
ペニスを引き抜かれ、苦しそうに息をしている少女に、彼はにっこりと微笑んだ。
36魔法少女マユ 第8話 13/19:2009/10/31(土) 21:42:49 ID:N2ykeP+K
「じゃあ、次と行こうか」
「な…」
これで終った、そう安堵していた少女に更に絶望的な宣告を突きつける。
「言ったじゃないか…君があの時生き延びた事を、後悔するくらいの苦痛を与えるってね。
 それにはこの程度じゃまだ足りないよ」
悪意に満ちた微笑を浮かべた青年。
「い、いやぁ…」
少女は青年から離れようと、後退りをする。
青年の触手が伸ばされ、少女を拘束し宙に吊り上げた。
「やだっ!やめてっ!!助けて!マユちゃん!!」
恐怖のあまり、少女は泣き叫んで助けを求める。
「無駄無駄、初めに言ったよね?ここでラディウスが実験をやってるって。
 転移魔法が使えないのはそのせいさ…それに、彼も一匹手駒を連れてきてるから、
 マユちゃんもそいつに痛めつけられてるかもね…」
青年はさも可笑しそうに笑うと、少女の股間に向けて触手を伸ばす。
踏みつけられた跡が残る、少女の下着を破り裂くと、膣口に触手を近づける。
「まず一本」
「ぎっ!!」
青年の言葉と共に触手が挿入される。
「あ、がああ…うううううう!!」
触手は細めの物だが、膣壁に擦り付ける様にしながら、子宮口付近まで進む。
「ひぎゃっ!!」
触手の先端に、子宮口を圧迫され、少女が悲鳴を上げる。
更に青年は、もう一本少女の膣に挿入した。
「ぐ、うぐううううううう!!」
先程の物とは反対側の膣壁を擦るように、奥へと進んでいく。
「んー…2本くらいは入るか…細めのヤツだったし…じゃあ今度は2本同時にいこうか」
顎に手を当てて、考え込む仕草をしていた青年は、微笑んでまた触手を伸ばす。
「ダ、ダメ!やめて…いや、いやああああああああ!!」
涙を零しながら首を振っていた少女の膣口に更に2本の触手が侵入した。
「あぎいいいいいいいいいい!!」
幾ら細めの触手とはいえ、発達途中の少女の膣は、受け入れるには小さかった。
膣壁を押し広げるようにしつつ、2本も子宮口へと向かう。
さすがにもう入れないだろう…いっぱいだ。少女はそう考えたが、青年の考えは違った。
「もう2本くらいは頑張れば入るよね」
「え…む、無理!無理無理!!もう入らない!入らないよぉ!!」
「いやいや、人間やれば出来るって言うじゃないか。チャレンジしてみようよ」
泣き叫ぶ少女に、青年は微笑む。
37魔法少女マユ 第8話 14/19:2009/10/31(土) 21:46:10 ID:N2ykeP+K
「はぎゃあああああああああああ!!」
少女の絶叫が周囲に響く。
挿入された4本の触手がそれぞれ膣壁を広げようと動き出したのだ。
強引な拡張行動は膣壁を傷つけていき、膣口からは血が流れ出てくる。
ある程度隙間が確保されると、待機していた2本が侵入を開始した。
「がああっ!!うがああああああああああああ!!!」
計6本となった触手は更に膣壁を広げながら突き進んでいく。
普通の人間ならとうに死んでいる苦痛が、少女に襲い掛かる。
「ぎいいいいいいいいいっ!!」
6本揃った触手は子宮口をこじ開けて侵入した。
少女の体が、ぼこんと歪に膨れる。
「ほら、入ったでしょ?人間やれば出来るもんだ」
あはは、と明るい笑いを零す青年。
「じゃあ、こっちには僕のを入れるね」
「うぇ…?」
激しい痛みで思考が働かない少女に、青年の言葉の意味は理解できなかったようだ。
触手が動かされ、少女は青年に向けて尻を突き出す格好で近づけられる。
そして青年は、無言で少女のアナルにペニスを突っ込んだ。
「あぎゃあっ!?」
肛門が裂けそうな程の激しい痛みに、彼女は叫ぶ。
6本の触手と、青年の極太のペニスを挿入され、膣口と肛門は裂け。壁を傷つけられている。
その状態で、青年は触手を動かして、少女の体を動かす形で、ピストン運動を開始した。
「がぎいいいいいいいいいいいいい!!ごわれる!!ごわれちゃうううっ!!」
「壊れない壊れない」
叫び声を上げる少女に笑いかけながら、青年は少女を突き続ける。
びちゃびちゃと結合部から血が流れていく。
膣壁と腸壁が大きく拡張された状態で前後運動を行う為、間の肉を磨り潰さんばかりの激痛が走る。
(誰か…助けて…もう…耐えられないよぉ…)
激しい苦痛を与え続けられた少女の心は折れかけていた…
青年は出来るだけ苦しみを与えれる様に、ゆっくりと抜き差しを繰り返す。
「ぎゃううううう!!ひぎいいいい!!」
体が動かされる度に、少女は咆哮にも似た叫び声を上げる。
幾度それが繰り返されただろうか。
ついに青年が射精を始める。
「うがああああああああああああああ!!!」
触手とペニスが同時に凄まじい量の精液を流し込み、少女の腹は破裂しないとかと思うくらいに膨れ上がる。
それでも放たれる精液が、結合部から血と交じり合って流れ出た。
38魔法少女マユ 第8話 15/19:2009/10/31(土) 21:47:19 ID:N2ykeP+K
射精が終ると、ペニスが引き抜かれ、続けて触手が引き抜かれていく。
栓が抜けたように、リィンの二穴から赤と白の混じった液体が流れ出る。
青年は触手を振るい、その流れ出た水溜りに少女の体を放り捨てた。
(もう一押しかな…この子が折れるのも)
衣服を整えながら青年は、ぐったりと倒れている少女を見下ろす。
これまで様々な苦痛を少女に与えてきた。
彼女はいずれ心が折れ、言うことになるだろう…「一思いに殺して」と。
無論、青年は殺すつもりは無い。それを拒否して、更なる苦痛と絶望を与えるつもりだ。
そして、最後はラディウスのラボに引き渡すことになるだろう。
仕上げは何をして追い込もうか…そう思案していた青年は、近づいてくる気配に気づく。
「おや…マユちゃんか。いらっしゃい」
入り口に現れた少女を見て、青年は微笑む。
「リィン!!」
マユは青年を無視して、倒れている少女に向かって叫ぶ。
リィンの姿は酷い有様だ。
全裸にされ、体には無数の赤い筋や痕がある。
綺麗だった髪は白濁に汚されていた。
「よくも…リィンを…!!」
怒りの感情を露にさせ、マユは剣を構える。
だが、その表情には疲労の色が濃く、足元も少々震えていた。
「その様子だと…随分下で痛めつけられたみたいだね」
大丈夫かい?と声をかける青年を、少女は睨みつける。
「…ユーリィ、私がアイツを引き付けるから、リィンをお願い」
傍らの妖精に小声で伝えると、少女は青年に向かって駆け出す。
「はあっ!!」
青年に向かって剣を振るうも、難なくそれを回避されてしまう。
片手を突き出し、青年が光球を放ってくる。
「くっ!」
次々と飛来する光球を、マユは剣で防いでいく。
「リィン!しっかりして!」
倒れているリィンの元に行ったユーリィは、彼女に回復魔法を使用し始める。
「ユ、ユーリィ…」
ぼうっとした様子のリィンが小さな声で妖精の名を呼ぶ。
「じっとしてて、治療するから」
リィンを安心させるように微笑んだ時、ユーリィの耳に少女の悲鳴が飛び込んだ。
39魔法少女マユ 第8話 16/19:2009/10/31(土) 21:51:29 ID:N2ykeP+K
「あぐううぅっ!!」
光球を防いでいたマユの腹部に、青年の触手が叩き込まれ、衝撃で少女の体は吹っ飛ばされた。
床を転がった少女は、苦しげに腹を押さえる。
青年は、痛みで動けない少女に近づき、背中を踏みつけた。
「ぐあっ!」
「ふふふ…万全な状態だったら、君は一発が大きいから厄介なんだけど…疲弊していたらこの程度か。
 君もたっぷり痛めつけてあげるよ。」
苦痛に呻く少女に、サディスティックな笑みを浮かべながら言い放つ。
背中から足を退かすと、少女の脇腹を蹴りつける。
「ぎゃんっ!!」
短く叫んで、マユはまた吹っ飛ばされ、床に倒れた。
「ぅ…うぅ…」
よろめきながらも少女は立ち上がり、近くに転がってた剣を拾う。
立ち上がった少女に笑みを向けていた青年は、右手を開いて前に出す。
「こういう余興は…どうかな?」
突き出して魔力を収束させていた手を、横に向ける。
「っ!?」
青年の手は倒れているリィンと、彼女を手当てするユーリィの方に向けられていた。
マユは全力で駆け、青年とリィン達の間を遮る。
無数の光球を、青年が作り出すのとほぼ同時に、マユは前面にバリアを展開した。
次々と光球が着弾し、バリアの力を削いでいく。
「くっ!う、うぅ…!」
少女は必死に魔力を送り込んで、バリアを支えようとするが、ついに突破されてしまう。
「うあああああっ!!」
残っていた数発の光球を喰らい、マユは悲鳴を上げる。
「マユちゃん!」
崩れ落ちる少女を見て、ユーリィが叫ぶ。
「あははは…やはり飛び込んできたかい。予想通りだ」
マユの行動を嘲笑う青年は、ゆっくりと彼女の方に近づいていく。
「こ、このぉ…!きゃうっ!?」
立ち塞がろうとしたユーリィは、青年の放った衝撃波に吹き飛ばされてしまう。
立ち上がって、剣を構えようとしてたマユの後ろに回りこみ、腕を触手に変えて拘束する。
「うぁ…」
あちこちを触手で締め上げられ、少女は苦悶の声を漏らす。
「消耗してると思ってたけど、結構元気もあるし、魔力もあるようだね…
 痛めつけ易いように、もうちょっと力を削ごうか」
青年は笑みを浮かべると、少女の首筋に顔を近づける。
「…君の血は美味しいかなぁ?」
ぺろりと首筋を一舐めして、青年は悪意に満ちた笑みを向けた。
40魔法少女マユ 第8話 17/19:2009/10/31(土) 21:52:54 ID:N2ykeP+K
「あっ…」
青年が、背後から少女の首筋に噛み付く。
ゆっくりと少女の体に牙を突き立てていく青年。
「くぁ…う…や、やめ…」
少女は身を捩るが、全身を触手に拘束されていて、逃れることは出来ない。
やがて、頚動脈まで牙が到達し、青年は流れ出てくる血を飲み始める。
マユの体を激しい脱力感が襲う。
(血だけじゃない…魔力も吸われてる…)
朦朧としていく意識の中で、少女は自分の魔力が失われていくのを感じる。
「ふぁ…ん…く…ダメ…やめてぇ…ぁぁ」
少女はいやいやと首を振って、弱々しい声を漏らす。。
しばらく吸い続けた後、青年は口を首筋から放し、口元についていた血を拭き取り、満足げな笑みを浮かべる。
「美味しかったよ、君の血…でも、まだ足りないなぁ」
「ぇ…?や、やだぁ…」
「君に拒否する権利など無いよ」
哀願する少女に微笑み、青年はまた首に噛み付く。
「ひぁ…」
少女は小さく声を漏らして震える。
更に空いている側の首筋に、口を開いた触手が噛み付いた。
「んやぁ!…だ、だめぇ…」
触手と青年に同時に吸われ、先程よりも更に強い脱力感が彼女を支配していく。


「ん……マユ…ちゃん…」
霞がかったような意識の中で、リィンは眼前で血を吸われている少女の名を呼ぶ。
彼女は抵抗する力を失いつつある、このままでは自分と同じように、激しい陵辱を受ける事になるだろう。
(また…私は何も出来ないの…?あの時の様に…)
過去の光景がフラッシュバックする。
黒竜に次々と殺され、犯されていく仲間達。自分を守ろうと戦い、レドリックに嬲り殺しにされたアゼル…
(もう…あんな思いは嫌っ!…守りたい!…マユちゃんを…大切な仲間を…!)
彼女の思いに応える様に、少しずつだが体に力が湧いてくる。
激しい痛みを堪えながら、ゆっくりと身を起こす。
ありったけの魔力を右手に収束させる。
「いっけえええええっ!!」
気合の叫びと共に片手を突き出して魔法を放つ。
41魔法少女マユ 第8話 18/19:2009/10/31(土) 21:53:45 ID:N2ykeP+K
「なっ!?」
後方に感じた魔力に、青年は少女の首筋から口を離して振り向く。
目前に少女の放った光球が迫っている。
「があああっ!!」
背中に直撃を受け、青年は吹き飛ばされる。
その衝撃で、マユの体の拘束が解かれた。
「バカな…何処にそんな力が…!」
散々痛めつけた少女の、思いもよらぬ反撃に、青年は驚愕の表情を浮かべている。
「がっ!!?」
呆然としていた青年は、腹に衝撃を受け声を上げた。
剣を拾ったマユが、彼の胸に構築した光の大剣を突き刺している。
少女の魔力が青年の体内に叩き込まれていく。
「ぐあああああああああ!!」
全身を駆け巡る痛みに、青年は叫ぶ。
「がはっ!ぐ、ぐぅ…こ、この…」
青年は血を吐きながらも、光の刃に手をかけた。
強引に自分の魔力で相殺し、少女の光の大剣を消滅させる。
「な…う、うそ…」
「っ…お、惜しかったね…この程度じゃ、まだまだ死なないよ…」
後退り、呆然としている少女に、青年は苦しげな表情を浮かべながらも笑う。
リィンの方も魔力を出し切って、動けないようだ。
青年が反撃に移ろうと動いた時、声がかけられる。
「レドリック、タイムアップだ…ずらかるぞ」
「…なんだって?これからが本番なのに…」
下の階から上がってきたラディウスを睨みつけて、青年は言う。
「アホか、予め伝えてた稼動時間ぶっちぎりやがって…それに周囲を探ってみろ」
不機嫌そうな少年の言葉に、彼は周囲に複数の魔力反応が集まっているのを感じる。
「大方、その子のねーちゃんが、呼び集めたんだろう…俺とお前を仕留める為にな。言っとくが俺は手伝わんぞ」
「…この数を、今の状態で捌ききるのは至難の業だね…分かった。退こう」
周囲に集まっているのはエルメリアの魔法使い達だろう。
これだけの数、万全な状態ならともかく、ダメージを追った状態では流石に苦しい。
状況の不利を悟った青年は、素直に頷く。
「そうしろ、んじゃ俺帰るわ。実験データまとめないと」
少年はとっとと消えてしまう。
「相変わらずの研究バカっぷりだなぁ…」
青年は苦笑すると、少女達の方を向く。
「君達のお仲間がやって来たようだ…本来ならここでケリを付けたかったが、ここは退くよ…
 次に会った時が、君達の最後だ。それでは…御機嫌よう」
剣を構えていたマユ、そして倒れているリィンに笑いかけると、青年は消えていく。
敵が去った事で緊張の糸が切れたのか…マユも地面に倒れこんでしまう。
42魔法少女マユ 第8話 19/19:2009/10/31(土) 21:54:37 ID:N2ykeP+K
「リィン…しっかりして…リィン!」
(お姉ちゃんの声だ…)
ぼうっとした意識の中で、リィンは自分を呼びかける姉の声を聞く。
うっすらと目を開けると、目の前には大粒の涙を浮かべたシャーナの顔がある。
「リィン!よ、よかったぁ…」
「おねえちゃん…」
抱きついてくる姉にリィンは声をかける。
周囲には他にもエルメリアの魔法使い達が何人か居る。
「リィン、大丈夫?」
顔見知りの魔法使いの少女も居て、心配そうに覗きこんできた。
「う、うん…なんとかね…そうだ!マユちゃんは!?」
少女の問いに微笑みながら答えたリィンは、自分を助けに来てくれた少女の事を思い出して声を上げる。
「マユちゃんなら大丈夫よ、ユーリィや他の子が診てるわ」
「そう…よかったぁ…」
姉の言葉に、ほっとしたように一息つく少女。
「すごいね、あの子もリィンも…あのレドリックを撃退したんだから」
感心したように少女は言う。
「うーん…撃退したって言うよりは、皆の気配を感じて逃げちゃったんだけどね」
ユーリィと一緒に近づいて来たマユが、苦笑しながら言う。
「リィン、大丈夫?」
マユはリィンの側にしゃがみ、彼女に尋ねる。
「なんとかね…マユちゃんが助けに来てくれたお陰だよ。ありがとう」
笑顔と共に発された謝辞に、マユは顔を赤らめる。
「わ、私もリィンに助けて貰ったんだから…おあいこだよ」
マユも微笑み、二人は笑顔を向け合う。
「今度は…勝とうね」
「うん、頑張ろうリィン…もっと強くなろう」
リィンの言葉に、マユも頷く。
あの青年を倒せるよう、もっと強くなりたい。
そう誓い、二人は頷きを交わした。
43マユ作者:2009/10/31(土) 21:56:47 ID:N2ykeP+K
今回は結構時間がかかりました…もうちょっと描写を細かくしたいところだけど、なかなか上手くいきませんねぇ…
さて、次回は前線組の幹部3人の登場します。魔族側も大きな動きを開始します。
そして、虐げられしあの人の逆襲が…
でわ、また次回にお会いしましょう。
44名無しさん@ピンキー:2009/10/31(土) 23:56:37 ID:q/myUmo/
GJ!
迂闊で残念な姉がマユへの復讐に父親に近づいて逆に食われる姿を幻視したぜ!
45名無しさん@ピンキー:2009/11/01(日) 00:48:43 ID:cd+Y7s9W
>>43
乙です!
酷いなレドリックw
セディアさんがどんな負けフラグを立てるのやらw
46名無しさん@ピンキー:2009/11/01(日) 05:33:10 ID:E9TB+JTo
ベヨネッタも意外といけると思うぜ!
少女じゃないけどな!

でもエロいしいいんじゃね?
47名無しさん@ピンキー:2009/11/01(日) 06:51:22 ID:Xy6e17h7
>>40
GJ
吸血ってエロいよね。
48名無しさん@ピンキー:2009/11/01(日) 10:54:56 ID:XxbppCF0
ベヨネッタとか、オリジナルでも魔法少女でもない。
スレ違いにも程があるだろ。
49名無しさん@ピンキー:2009/11/01(日) 11:15:46 ID:Up55LrQt
>>43
GJ!
魔法少女三人組の身体寄せ合って互いを心配し合う様と、そんな少女が暴虐に曝される様が上手く合わさって、たまらなくエロいよ
50名無しさん@ピンキー:2009/11/01(日) 12:13:54 ID:ZDovUSx/
某ニュースを見てダミアン攻略法が見つかった気がする
51名無しさん@ピンキー:2009/11/01(日) 17:04:11 ID:E9TB+JTo
は?
いきなり意味不明なこと言うなよ
52名無しさん@ピンキー:2009/11/01(日) 21:10:49 ID:bK/V3FD5
職人さんキテー
53名無しさん@ピンキー:2009/11/02(月) 11:49:39 ID:SO34VsQ+
魔法少女さんキセイフィールドを何とかしてよ!
54名無しさん@ピンキー:2009/11/02(月) 12:26:09 ID:Ki/iQEuD
>>50
ダミアンはショタじゃないからティンコ爆発なんてことにはならない
55名無しさん@ピンキー:2009/11/02(月) 13:17:27 ID:YeeFYgzC
まあ世の魔法少女の中には触手で出来た箒をオナホにして、怪人のチンコを強制的に肥大化させ
エネルギーを絞ったうえで必殺キックかますようなヤツもいるからな
ダミアンだって危ない
56名無しさん@ピンキー:2009/11/02(月) 13:30:19 ID:SO34VsQ+
ダミアンを何とかするには、あのティンコを無力化しなければならないが…
あれちょん斬っても瞬時に再生しそうだ。
57杏の人:2009/11/03(火) 00:52:10 ID:OH0Z6/De
どうも、ちょっと間が空いてしまいましたが、杏の人です。
ちょうど先程、規制も解除されたようですし、
魔法少女の涙 第6話 共通 通常END BADENDを投下させていただきます。
今回は共通5レス、通常END4レス、BADEND7レスです。
陵辱シーンは通常ENDの4レス目、BADENDの2レス目〜7レス目です。

今回は注意点として
・基本的に苦痛系(わずかに快楽系)
・描写は軽いですが、スカシーンあり(腸内、膀胱洗浄 中身はあんまり出ません)
・DEAD END
・一般人の虐殺シーン
等があります。ご注意ください。

それでは、次レスからの投下となります
58魔法少女の涙 第6話 登場人物紹介:2009/11/03(火) 00:52:38 ID:OH0Z6/De
・リム(鈴木リム)
12歳 金髪のロングヘアー 身長145cm
称号:涙
コスチューム:ブルーを基調にしたスカートとジャケットにブーツ、グローブ 全体的にフリフリがついていて、子供っぽい
武器:エレメント(さまざまな形に変形可能な攻撃媒体)
魔物を倒すために日本に派遣されてきた魔法少女。
小さいころに両親を亡くして、孤児院育ち。
シーナと共に中学校に通い、美術部に所属。
隆志のことが気になっている。
宿敵、ライムをついに撃破した。

・シーナ(鈴木シーナ)
13歳 青髪で肩までのセミロングヘアー 慎重143cm
称号:烈火
コスチューム:地味なグレーのワンピース型ローブ
武器:背丈ほどの長さの杖
リムと共に日本に派遣されてきた魔法少女
仁のことが気になっている。

・高崎命
12歳 黒髪のショートヘアー 身長150cm
コスチューム:全身黒の、へそが出ているピッチリとした上着にスカート、スパッツ
リムとシーナの同級生で友達。大人しく、自己主張が弱い性格。
魔物に襲われた際、リムの魔力を受け取って魔法少女になる。
和博と少しいい感じ?

・セリナ
17歳 緑髪でウェーブのかかったセミロングヘアー 身長157cm
リムとシーナの上司であり、サポート役。

・杉浦隆志(すぎうら たかし)
12歳 黒髪で短髪 身長173cm
リム達と同じ班の男子で、剣道部所属。
少し内気だが、優しい少年。リムのことが好き。

・瀬尾和博(せお かずひろ)
12歳 少し茶髪の長髪 身長160cm
リム達と同じ班の男子で、サッカー部所属。
下ネタを好む、少しチャラチャラした少年。命のことが好き。

・高砂仁(たかさご じん)
12歳 黒髪のスポーツ刈り 身長163cm
リム達と同じ班の男子で、野球部所属。
古臭い、硬派なスポーツ少年。シーナのことが好き。

・高田夕実(たかだ ゆみ)
12歳 茶色がかった黒髪のサイドテール 身長158cm
命と同じ班の女子で、リム達とも仲がいい。美術部幽霊部員。
ノリのいい性格で、恋愛ごとなどに興味津々。情報通。

・千葉良子(ちば りょうこ)
12歳 黒髪セミロング 身長165cm
命と同じ班の女子で、リム達の友人。美術部幽霊部員。
のんびりして穏やかな割に、言葉に刺がある。夕実とは幼馴染。
59魔法少女の涙 第6話 共通1/5:2009/11/03(火) 00:53:09 ID:OH0Z6/De
「やっぱ、これがいいんじゃ〜ん?」
夕実は飛び切り布地の少ないビキニを手に取って、リムに突きつけてくる。
「ちょ、ちょっとこれは、さすがに無理だよ……」
トップはただの紐に申し訳程度に布が付いているだけにしか見えないし、ボトムは驚くほどのローライズだ。
上は少し動いただけでズレてしまいそうで、下はリムじゃなかったら下の毛の処理をしなければならないだろう。
こんな水着が堂々と売られていることにリムは驚きを隠せない。しかもリムに合うようなサイズがあるとは。
「ふぁ〜、色んなのがあるね」
「これだけの中から選ぶのは、ちょっと大変ね」
シーナと命は辺りに陳列された水着の数に圧倒されている。
ワンフロアを丸々埋め尽くす膨大な数の水着は、一般的なものからそうでないものまで、多種多様に取り揃えられていた。

プールに行こう。夕実が高らかにそう宣言したのは1学期の終業式直後だ。
「プールって、学校で入れるよね?」
そう言ったリムの頭に、夕実は軽くチョップをかます。
「何言ってんの。男女別のプールなんか入っても楽しくないでしょーが!」
中学校のプールは夏休み中、お盆以外の平日は大抵開放されているが、男女が午前と午後に分けて入る決まりになっている。
なんとしてもリム達と男子の関係を近づけてやりたいと意気込む夕実にとっては、学校のプールなど価値がないのだ。
夕実が提案したのはレジャープールだ。男子3人も誘って、みんなで行こうと言う。
渋るシーナや恥ずかしがる命を、いつも通り強引に押し切って説得してしまった。

というわけで、女子5人はその日を翌日に控えた今日、水着を買いにやって来ていた。
場所は、この都市の中心街を少し離れた所にあるビル。
あまり有名ではないのだが、水着が豊富なことで一部に人気の店らしい。
「よくこんな店知ってるわね……」
シーナは呆れたような、感心したような様子で呟く。当然、この店に案内したのは夕実だ。
「マニアな人向けの店って感じだけどね〜」
良子は超ハイレグの水着を摘み上げて、不思議なものを見るように眉を寄せている。
「やっぱり女の子は、水着姿で男子を魅了してナンボでしょ!」
まるで世界の真理を語るように、夕実は言う。
その後も夕実は大胆な水着ばかりをリム達に勧め続け、午前中に店に入ったのにも関わらず、店を出た頃には日が暮れかけていた。
60魔法少女の涙 第6話 共通2/5:2009/11/03(火) 00:53:32 ID:OH0Z6/De
「どう?いい水着は見つかった?」
リム達が家に帰るなり自動的にテレビの電源が入り、セリナの顔が映し出される。
男子と一緒にプールに遊びに行くと告げてから、セリナは自分のことではないのに妙に乗り気だった。
まるで我が子の恋を見守る親のような心境だ。自分のことのように胸を弾ませている。
「うん。とりあえず、買えたよ。選び疲れちゃったけどね」
「あたしは、もう二度とあそこには行きたくないわね」
2人とも、げんなりしている。
長時間のショッピング。そんな、えらく女の子チックなことなどした経験がないため、慣れないことで疲れ果ててしまった。
「どんなの?見せてみせて!」
セリナは珍しく年相応な様子で瞳を輝かせる。
「えと……。ごめんね、恥ずかしいから……や」
「家でわざわざ水着を着るって、なんか不思議な恥ずかしさが……」
「え〜〜?」
立て続けに拒否されて、セリナはガックリとうな垂れた。そのまま、テレビの電源が落ちる。
「……かわいそうだったかな?」
「オーバーリアクションしてるだけよ。大して気にしてないでしょ」
悪いことをしたような気になってしまったリムを、シーナはバッサリと切り捨てる。
セリナはいい人だ。いつも自分達によくしてくれるし、努めて明るく振舞ってくれている。
その分、セリナの心のうちは見えない。自分達のことを悪く思っていないのは分かるが、本音が出てこない。
(セリナさんって、どんな人なのかしらね……?)
そういえば、セリナのことを全然知らないと、シーナは気付く。
周囲の噂などに対して2人とも疎かったので、セリナに関する情報は、自分達の上司でありサポート役であること以外、何も知らない。
「シーちゃん。リム、ちょっとお風呂で水着、着てみるね」
リムがそう声をかけてきた。そして、そそくさと風呂に入って扉を閉めてしまう。
(別に、いつも裸なら見てるんだから隠れなくても……)
そう思いながらも想像してみると、意外に恥ずかしさが込み上げてくるのが分かった。何故だろう。
身体を洗うために裸になるのと、水着になるのでは目的が違うからだろうか。
水着はプールに入るため、というのは口実で、実際は水着になるためにプールに行くのだと、シーナにも分かっている。
でなければ、あんなに時間をかけて水着を選んだりなどしない。
風呂に入る時の裸は見せるためのものではない。しかし、水着を着た姿は見せるためのものなのだ。だから恥ずかしいのだろう。

同じことをリムは風呂の中で考えていた。
(隆志くんに、この水着を着たリムを見てもらうんだ……)
裸の状態で、水着を手にしたままリムは考える。
水着姿で、男の子の気を引く。それは、心ではなく、身体で相手にアピールするということだ。
そう思うと、リムの膝はガクガクと震え出す。繰り返された陵辱の記憶が溢れだしてくる。
分かっている。男の子は少なからず性的な欲求を抱いているものなのだ。
恋愛の目的の1つはそこにあるし、そこまでたどり着くかはともかく、相思相愛になったなら、多くの恋人たちが目指すであろう道である。
顔を上げると、まだ何も身につけていない自分の身体が鏡に映っていた。
胸の膨らみは最近になってシーナを追い越したが、まだ小さく、なだらかなカーブを描くにとどまっている。
細い腰のゆるい曲線を越えると、自らの性器を内包するクレバスが目に入った。その上方には、まだ陰毛が生えてこない。
幼いこの身体。これは隆志を魅了することができるのだろうかと不安になる。
そこまで考えたとき、リムは突然の寒気に襲われた。
この寒気は一体何なのか。それを今のリムには理解することができる。
ある種の恐怖。あの、媚薬に犯されてしまった時の自分の醜態。あれを連想してしまっているのだ。
肉体的な欲求を求め、相手が魔物でもかまわずに快楽をむさぼる。そんな自分の姿が心に焼き付いている。
隆志を肉体的に魅了し、隆志に肉体的な接触をし、肉体的な欲求を満たしたいと思う。
その心が酷く薄汚れた、憎むべきものであるかのように思えて仕方がない。
だが同時に、リムはこれをチャンスなのだと感じていた。
ここを乗り越えれば、陵辱の呪いから逃れられる。
隆志に触れたい。この気持ちは、醜く乱れたあの時の自分のものとは違うのだと認識すればいい。
恋なのだと、愛なのだと確信できれば、きっとリムの心は解放される。
リムは鏡に映る自分を見つめながら、ギュッと水着を握りしめた。
どうか、素敵な明日になりますように。何事もなく、楽しい時を過ごせますように。そう祈りながら。
61魔法少女の涙 第6話 共通3/5:2009/11/03(火) 00:54:00 ID:OH0Z6/De
問題は、集合の時点で起こった。
「来れない!?」
リムは携帯電話に向かって叫んだ。電話の相手は夕実と、その隣にいるらしい良子である。
『そーなの、ごめんね。急に用事が出来ちゃってさ。ま、ちょうど3ペアなんだし、楽しんできてよ。それじゃね!』
ブツッ、と電話が切られた。

いつも引っ張ってくれる夕実と良子に取り残された男女6人は、ぎこちない空気を作りながら、プールを目指した。
夕実の存在がどれだけ大きかったのかを思い知る。6人は皆どこか内気な面を持っていて、緊張で上手く会話が弾まない。
短く、不自然な会話が何度か発生してはすぐに黙り込む。それを繰り返しているうちに目的の駅に到着してしまった。
最寄りの駅から急行で約20分。駅を出てすぐのところにある、規模の大きい遊園地のような施設は、夏場にはプールも開業している。
子供に人気のアトラクションが多いためか、年齢層は比較的低めだ。
耳が痛くなるような甲高い叫び声に耐えながら、先に着替えを終えた男達は各々の目当ての少女を待っていた。
夏も真っ盛りで空は快晴。ジリジリと肌を焦がしながら照りつける太陽を浴びながら、すぐそこにある水には足の指一本触れずに待つ。
熱気と冷気が飛び交う中で、同じように彼らはどうしようもない熱い期待を抱き、すぐに駄目だ駄目だと首を振って冷静になろうとする。
プールに来ているとはいえ、あからさまに邪な視線を向けていたら愛想を尽かされてしまうかもしれない。
自分は彼女の身体が目当てなんじゃない。そう自己欺瞞的に言い聞かせ続ける。
「お、おまたせ……」
リム達が躊躇いがちに姿を現した。そのまばゆさに、彼らの目は釘づけにされてしまう。
リムは薄いグリーンにイエローで模様が描かれたセパレート型の水着を着ていた。
普段はストレートに垂らしている長い髪も、プール用に三つ編みのおさげにしている。
トップはチューブトップ型で、遮るもののない首筋や肩のラインが眩しい。
ボトムはショートパンツのような形で、パッと見では水着でないようにも見える。
しかし細く伸びる腰のラインと、その中央にある臍。膨らみの根元あたりまで隠すもののない胸元。スラリと伸びる足。
ボーイッシュな活発さを秘めたリムを体現したようなその姿は、なんとも魅力的だった。
一方、シーナはシンプルなブルーのワンピースだ。
余計な装飾がない水着に、シーナのスレンダーな全身が縁どられている。
肩の辺りまであるの髪を、頭の後ろでまとめてアップにしていた。
いまやリムに身長も胸も抜かれた幼い肢体は、背徳的に胸を揺さぶる力を持っていた。
そして命はというと、驚いたことに、露出の多い薄ピンク色のビキニを着ている。
夕実にしつこく勧められた挙句、断りきれなくなってしまったのだ。
せめてもの抵抗として、ボトムの上からパレオを纏っている。
中学生ならば標準的なサイズの乳房だが、布地が小さいトップのせいで、その存在が際立っている。
しかも恥ずかしげに胸を隠そうとするものだから、腕に寄せられてわずかながら谷間が垣間見えるといった具合だ。
三者三様の美しさに、男達はしばらくの間、呆けた顔で見つめていた。
「よ、よし。とりあえず入ろうぜ」
和博がどもりながら言って、流水のプールに身を沈めた。追うように隆志と仁が、続いてリム達がプールに入る。
これは水着姿を見てしまう、あるいは見られてしまう恥ずかしさを隠すのと同時に、のぼせ上がった頭を冷やそうという狙いがあった。
しかし、熱を持った身体が水で急激に冷やされても、頭と顔面の熱だけは引かない。
それどころか、水に濡れた髪や顔を目にした途端、沸騰したようにさらに熱さを増す。
結局、気恥ずかしさに慣れるまで、水の流れに任せて3周ほど浮いたり沈んだりしながら、みんなで回っていた。
周囲から見れば、さぞかし滑稽に映ったことだろう。
62魔法少女の涙 第6話 共通4/5:2009/11/03(火) 00:54:20 ID:OH0Z6/De
「あ、あれやってみようか」
リムは軽い気持ちでそれを口にした。
あれ、とはウォータースライダーのことだ。子供も大人も、楽しげに水の流れるコースを滑り降りている。
くねくねと曲がりくねった長いコースは、勢いをつけて滑れば、軽いスリルも味わえそうだ。
後悔したのは列に並んだ後、親子連れ以外は大抵がカップルだったことが分かった時だ。
カップル達は小さな丸い、ゴム製のボートのようなものの上で、身体を密着させて滑っていく。
あるカップルなど、女性の方が明らかに意図的に、大きな胸を腕に押しつけた格好のまま、わざとらしい悲鳴を上げて下りて行った。
(あんなこと出来ないよぉ……)
あそこまでする必要はないのに、変に自分の中でのハードルが上がってしまい、リムはガチガチに緊張していた。
それは隆志も同じだった。いや、それ以上かもしれない。
なにせ、相手は意中の女の子だ。その身体に触れるのは願ってもないことだが、同時にとても気を使うことだった。
男は、気軽に女性に手を触れるべきではない。隆志はそう思っていた。下手に触れてしまって、リムを傷つけることだけは出来ない。
お互いが悩んでいる間に、いつの間にか順番がきて、係員に強引に乗せられてしまった。後ろを見ると長い列ができている。
「ひゃああああっっ!!」
無造作にゴムボートに投げ込まれ、そのまま滑り出してしまう。
リムと隆志は向かい合う形で横に並んでいた。リムが叫んだのはスリルのせいだけではない。隆志の顔が目の前にあるのだ。
急なカーブを曲がった拍子に、リムは思わず隆志の腕にしがみついた。
後で気づいてハッとなる。まるで、さっきの女性のような格好だ。違うのは胸のサイズとわざとらしさぐらいか。
飛び退こうにも、滑る勢いは結構なもので、なかなかうまくいかない。
ずっとしがみついていると、リムは隆志の身体の大きさに気付く。
同年代の男子と比べて特に大きいわけではない。だが、リムからしたら逞しい男子には違いない。
あまりガタイのいい方ではないが、隆志の腕はそれなりに太く、しっかりと筋肉が付いていた。
気がつけば、リムは隆志の腕をより強く抱きしめている。そこから伝わる隆志の熱を、心地よいと感じ始めていた。
背中から触れてきたものに、一瞬ビクッと身体を震わせた。それが隆志の腕だったことを少ししてから理解する。
隆志はいつのまにかリムの背中を抱きしめている。自分の腕にしがみつくリムを愛しく思う気持ちが膨れ上がって止められなかった。
リムは一瞬驚いたものの、隆志の腕を拒まなかった。強い、力。男の子の力。それをじっくりと噛みしめる。
(あ……)
そうか。リムは思う。自分は隆志のことが好きなのだ。
水着姿で半裸のまま直接、肌と肌を触れ合わせて、初めて分かった。
性欲のような本能的な欲求とは違う。もっと高次の、贅沢な、そして抑えきれない欲求。
隆志と触れていたい。いつまでもこうして……。
そんな時間も、すぐに終わりを告げる。
大きな水音を立ててゴムボートは終点にたどり着き、勢い余ってひっくり返った。
「げほっ!げほっ!」
突然のことで、リムは鼻から水を吸い込んでしまって、ひどくむせる。
鼻の奥のツンとした感覚を堪えて目を開けると、隆志も同様にむせていた。
「……は、あはははっ!」
「ははっ、あはははははは!」
リムと隆志はお互いの顔を見合せて一瞬固まり、同じように笑い出した。
こんな間抜けな姿を、どうしようもなく愛おしく思っている自分がいることに気づく。
そして、それをとても嬉しいと思えた。
63魔法少女の涙 第6話 共通5/5:2009/11/03(火) 00:54:41 ID:OH0Z6/De
2人の幸せな時間は簡単に引き裂かれる。
突然、流れるプールの水がまるで竜巻のように渦を作って、高く立ち昇った。
プールで泳いでいた人達は、大きく渦巻く水の中に囚われていた。
そこにいた誰もが、いま目の前で起こっていることを理解できない。
竜巻が静まって、水はそびえ立つ1本の太い柱のようになった。それと同時に、巻きこまれていた人たちは宙に投げ出される。
ほんの僅かな上昇の後、幾多の体が自由落下していく。無数の濁った音と共に、周囲が赤に染まった。
水に混じった血は、芸術的とすら錯覚するような軌跡を描いて滲んでいく。
「きゃあああああああああああああああああああああっ!!!!!!」
「うわああああああああああああああっ!!!!」
その段になって、初めて悲鳴が上がった。危機を認識して、蜘蛛の子を散らすように逃げ出して行く人々。
逃げ出さずに動けない者もいた。誰かを探して、地獄のような光景の中を歩き回る者もいた。
そういった人間から、魔物は取って食う。
水柱から枝のように伸びてきた鞭のような触手が、その体を持ち上げて地面に叩きつけた。
トマトでも投げ捨てるように、体が弾ける。
「リムさんっ!!!魔物だ、逃げないと!!!!」
凍り付いていたリムの手を握って、隆志はぐいと引っ張る。
リムは呆然としていた。いったい何が起きているのか?
前回のライムもそうだった。
一般人や魔法少女を食って、自らを肥大化させていくことだけが目的のはずの魔物が、人を虐殺している。
何の意味がある?ありえない。魔物は本能に従って、人を襲う。だからこそ、無駄なことなどするはずがないのだ。
自分を襲ってくるわけではない人間を、魔力を吸い取るでもなく、ただ殺すことなど、ただの無駄でしかないはずなのに。
隆志に導かれるまま水から上がって、逃げ惑う人の群れにまぎれそうになったところで、リムは立ち止まる。
戦わないと。
混乱して、当然のことに気が付いていなかった。しかし、すぐに問題に気付く。
隆志がいる。目の前に、隆志が。
目の前で変身してしまえば、自分の正体がばれてしまう。認識阻害の魔法も、目の前で変身するところを見られてしまえば効き目はない。
だが、正体がばれたところで何の問題がある?ばれたっていい。今は隆志を含めた、皆を助けることが先決じゃないか。
そこでリムは気が付いてしまった。あの動画の存在に。自分を犯すライムの姿。そして、陵辱に喘ぐ自分の姿。
隆志がそれを知っているかどうかは分からない。だが、仮に知っていたとしたら……。
自分が魔物に犯されているところを、隆志に見られてしまうかもしれない。それが自分であることを知った上で。
嫌だ。それだけは嫌だ。それならば、このまま人ごみに紛れて、はぐれてしまえばいい。
それには多少の時間を食ってしまう。その間にも、誰かが死んでいく。
「どうしたの!?早くっっ!!!」
立ち止まって動こうとしないリムに隆志は呼びかける。
その時、新たにもう1人の犠牲者がプールサイドに赤い花を咲かせた。
もう、悩んでいる暇すらない。
64魔法少女の涙 第6話 通常END1/4:2009/11/03(火) 00:55:21 ID:OH0Z6/De
リムは、瞬く間に魔法少女に変身した。水着からいつものコスチュームに変わる。
「え?リム……さん?」
隆志は信じられないものを見る目でリムを見つめる。
胸が痛んだ。苦しい。死ぬほど苦しい。
「……ごめんね」
呟いて、リムは隆志をワープさせた。
この施設の入り口付近まで。そこなら安全だろう。まさか、水着姿のまま路上に放り出すわけにもいくまい。
リムは水柱をよく観察する。すると、上方の中心辺りに、バスケットボール程度の小さな異物が浮かんでいるのを発見した。
あれだ。リムは確信する。本体は、あの小さな魔物。水を操って手足のように動かしているのだ。
シーナと命はどこに行ったのか。気配を探ると、忙しなく動き回っているのが分かった。
かろうじて息のある怪我人に応急処置の魔法を施した上で退避させている。魔物の相手はリムに任せたということだろう。
水を使ってリムに挑むとはいい度胸だ。リムは怒りを燃料に、集中力に火をつけた。
誰でもいいから殺してやろうと這いまわる触手が誰かを捕らえる直前、ほんの少しだけ動きを逸らしてやる。
あれだけ大量の水を、まるで固体のように形を維持させたまま操るのは相当な能力がいる。
それに対して、リムは最後の最後だけ狙いを外させればいいのだ。勝負は見えていた。
触手はことごとく獲物をとり逃し、イラついたようにバタバタと振り回されている。
「グギイイイイイイイ!!!!!なまいきなやつ!!!!リム!!ころす!!!!!」
「え……?」
魔物が、喋った。
リムは驚きを隠せない。人語を操る魔物。それがあのライム以外にいるというのか?
だが、魔物は明らかに人の形をしていない。あまりにも小さすぎる。
つまり、人間を取り込んだ可能性は低いのだ。魔物として、生まれつき高い知能を有している。
それに、リムと言った。なぜ名前を知っている?そもそも、リムがいるこのプールを襲ったのは偶然ではなく意図的なのか?
明確な意思を持ち、リムをターゲットにして虐殺を働いた。
無差別に人を殺したのは、どれがリムなのかを判別するのが無理だったか、あるいは面倒だったのかもしれない。
(もし、高い知能を持った魔物が自然発生してるなら……)
それは、かなり危機的な状況だと言っていい。他の世界でも、そんな現象が起きているところは全て、激戦地と化している。
「イヒヒッ、リム、おまえ、くう。グチャグチャにおかして、ころす!!!」
水柱から、水が槍のように突き出される。だが、リムはそれをヒラリと交わした。
(これ……)
リムは先程から疑問に思っていた。
(もしかして、頭が悪い?)
魔物は確かに人語を操っているが、片言だ。攻撃の方法も大雑把。そして感情的。
子供だ、とリムは思った。
大きな力を持ってしまった子供だ。ただ感情的に暴れまわり、周囲のものを破壊する子供。
馬鹿の一つ覚えの如く、いくつもリムに向けて水槍を放ってくる。どれも当たりはしない。
リムは血液が煮えたぎるような怒りを覚えた。
こんな子供に、無意味に沢山の人が殺された。それが悔しくてしかたがない。
「いけない子には、お仕置きが必要な時もあるよね」
リムは唇を噛みながら言う。口元に一筋、血が流れた。
魔物に向けて右手を突き出して、指を大きく開く。精神を集中しながら、その指に力を籠めて、ゆっくりと拳を固めていった。
「ギュ!?ガグググッ!!おまえ!!!なにしてるぅぅっ!!!!」
魔物は苦しげにもがいた。水圧が高まっている。前回、ライムを倒したのと同じ手だ。
この魔物は弱い。単純に、力押しで一握りに出来てしまう。
「グゲエエエエエエエエエエエエッ!!!!!!!!」
こんな風に。魔物の身体は潰れ、跡形もなくなってしまった。
もともと、体の小さな魔物だったのだ。あれだけの水量をリムの膨大な魔力で操れば、造作もなく消し去ることができる。
だが、こんな勝利の先に喜びなどあるはずがない。多くの人間が死んだ。助けることを考える暇もなく。
リムは血で染まったプールサイドに膝をつき、涙を流す。
魔物を砕いた水が、滝のような雨になって降りしきり、その涙を洗い流してしまった。
しかし通り雨よりも短いこの雨は、この場で起きた惨劇までも洗い流すことはできない。
65魔法少女の涙 第6話 通常END2/4:2009/11/03(火) 00:56:33 ID:OH0Z6/De
「リムさん……なんだよね?」
隆志がいつの間にか戻ってきていた。座り込み、項垂れているリムに声をかける。
「ごめんね、隠してて」
洗い流されたはずの涙が、また込み上げてきた。
「ごめん、なさい……みんなを、救えなくて……」
泣き崩れるリムの身体を隆志はしっかりと抱き締める。
スライダーの時なんかよりもずっと強く。力の限り。
リムは隆志の胸の中で、ひたすら泣き続けた。

泣き止んだ後、可能な限りの応急処置を怪我人に施して、後は一般の医師に任せた。
死臭の立ち込めるプールを離れて、みんな元の服に着替える。
仁も、和博も、見てしまっていた。シーナと命の変身を。
あの非常時では仕方がない。見られることを覚悟の上で、変身する必要があったと納得している。
非常事態のせいで電車が止まっていたので、男子も一緒にワープする。
もう正体がばれているのだから、これぐらいしても何の問題もない。
地元の駅前まで帰ってきても、誰も、何も切り出せずにいた。
かといって、そのまま帰ることもできず、立ちつくしている。
みんな思い悩んだ顔をしているが、中でもリムが飛び抜けて落ち込んでいた。
やっと掴んだ恋。それを、自分は失ってしまうのだ。多くの人の命と一緒に。
だって、魔法少女だ。極めて異質な存在なのだ。
みんな、魔物から自分達を守ってくれるから好意的に受け入れているが、今日も、この間も、それすらできなかった。
自分に利益のない異質な存在など、人は受け入れてはくれない。
もしかしたら、自分に好意を抱いていてくれたかもしれない隆志だって……。
「リムさん」
リムの絶望的な思考を断ち切って、隆志が語りかけた。
「僕、君に言っておかないといけないことがある」
身体が震える。足が竦み、歯がガチガチと音を立てる。初恋の終焉を前に、全身が拒否反応を示している。
目を閉じ、耳を塞いで、今すぐここから逃げ出したい。だが、そういうわけにはいかないのだ。
受け入れなければいけない。これから自分に突きつけられる結果は、紛れもなく自分の責任において導かれたものなのだから。
隆志はリムの顔をジッと見つめている。迷う様子もない真剣な表情に、リムはこんな時でも魅了されてしまう。
「君のことが好きだ」
「……え?」
リムは、しばらくその言葉の意味を掴めずにいた。なんとか意味を理解すると、今度は耳を疑った。
隆志は混乱して、心にもないことを口走ってしまったのではないかとすら思った。混乱しているのはリムの方だ。
「突然こんなこと言い出してごめん。でも、いま言わなきゃいけない気がしたんだ。いま言わないと、2度と言えない気がした。
僕は君の全てが好きだ。声も、仕草も、表情も。笑顔も、泣き顔も。何もかも。だから、僕と付き合ってほしい!」
隆志はお辞儀をするように体を曲げ、右手をリムに差し出した。その目は固く閉じられている。
リムは、その手を食い入るように見つめた。すらっとした体格に似合わず、無骨な手。
いつも、それに触れたいと思っていた。でも、もう2度と触れられないと思っていた。
それなのに、隆志の方から差し出されたその手を前にして、リムは怯えてしまっている。
この手を取ってもいいのか。その資格が自分にはあるのか……。
思わず、助けを求めるように周囲を見回す。みんな、呆気にとられて固まっていた。
だが、シーナはリムの視線に気づくと、ジッと見つめ返してくる。
頷くでもなく、かぶりを振るでもない。ただ、決して目をそらさない。
(そうだよね、自分で決めなきゃ……)
自分はなんて臆病だったのか。誰かに助けを求めていいことじゃない。自分の想いに正直に、答えればいいのだ。
リムは震える右手をそろそろと持ち上げ、隆志の手をとった。隆志は強く握り返してくる。
「リムも、隆志くんのことが好きだった。きっと。だから、よろしくお願いします」
そう言って、頭を下げる。
ああ、そうだ。自分は、やっぱり隆志のことが好きだったんだ。
口にして、改めて実感する。心が晴れ渡り、言いようのない気持ちに何故だか涙が零れた。
しばらくそのまま固まっていた二人は、同時に顔を上げると、照れくさそうに苦笑いした。
2人の傍で、シーナと仁、命と和博も、自然と手を組み合わせていた。
魔法少女であることなど関係ない。ただ君が好きなのだと、正直に伝えられない気持ちを代弁するように、強く強く握りしめていた。
66魔法少女の涙 第6話 通常END3/4:2009/11/03(火) 00:56:55 ID:OH0Z6/De
同時刻。
夕実と良子は学校からの帰路についていた。2人は予定をすっぽかして、学校のプールに来ていたのだ。
「ね、リムたち、うまくいったかな?」
「どうだろうねぇ」
リム達だけでデートのようなことをさせれば、何か進展があるのではないか。そう思って、2人はリム達を騙していた。
男3人に対して女5人ではデートといった感じがない。
自分たち2人が抜けて、自然といつもの組み合わせが3組できれば、どうしてもデートを意識せざるを得ないだろう。
日が暮れて少し涼しくなった空気の中を、まだ少し濡れた髪を揺らしながら歩く。
今晩、電話してみよう。いい結果が聞けるといいのだけれど……。
顔を見合わせ、幸せに頬を綻ばせた夕実と良子を、突然、暗闇が包んだ。
「え……!?」
「な、なにっ!!?」
何も見えない。いったい何が起こったのか。少しでも何かを掴もうと手を伸ばす。
「ひっ!!!」
「夕実!?」
少し手を伸ばしただけで、ぬめり気を帯びた何かに指が触れる。思わず悲鳴を上げそうになった。
「おまえら、ユミとリョウコだな……」
声が聞こえる。身体をビリビリと震わせるような低い声だ。
「な、なんで……」
得体の知れないものが、自分達の名を呼んでいる。それが途轍もなく恐ろしかった。
声の主、魔物は触手の集合体だ。太さも長さも違う幾本もの触手は、複雑に絡まり合って自在にその姿を変える。
2人を包んだ闇の正体は、球状のドームに変化して2人を取り込んでしまった魔物だった。
高い密度で密集した触手は、堅固な肉壁となって2人を完全に密閉してしまっている。
「ひゃあっ!!な、なにっ!?」
足元に何かが張り付く感触に、夕実は悲鳴を上げた。
「さ、さわらないでっ……」
普段はいつも落ち着いている良子も、腕に巻きついてきた異物の存在に、湧き上がる恐怖を隠しきれない。
「なんの真似よっ!!……ま、まさか……!!!」
夕実は気付いてしまった。ネットで溢れる噂。魔物は若い女性を「食べる」のだという、あの噂。
「やだっ!!!!やめてっ、やめなさいよおおっっ!!!」
両手を無暗に振り回し、足を振って、自分に迫ってくる触手を振り落とそうとした。
だが、何の効果もなく、魔物はどんどん夕実の身体に纏わりついてくる。
「くく……うらむなら、おまえのゆうじんをうらめ。リム、とかいうやつだ」
「リムちゃん!?」
突然リムの名前が出て、良子は疑問を抱く。なぜ、ここでリムが関係してくるのだろう?
「ちょっと!!!あんた、まさかリムに変なことしたんじゃないでしょうねっ!!!!」
夕実は怒りを露わにする。今や四肢を包んでしまった触手の拘束がなければ、飛びかかっていたことだろう。
「なにかされた、はこっちのほうだ。しょくじしてるだけなのに、じゃましやがる。あのまほうしょうじょども」
「ま、魔法……少女?」
「リムちゃんが……?」
2人とも、驚きで表情が凍り付いている。
世間で大きな話題を呼んでいる魔法少女。魔物と戦い、人々を救っている魔法少女。それがリムだということが信じられなかった。
「あいつをくるしめるのに、いちばんこうかてきなほうほうは、これだ」
「きゃああああああっ!!!!
「やだっ、やだあああああああっ!!!」
触手がスカートの下に入り込み、下着の上から2人の割れ目をなぞる。
2人の悲鳴はまるで、悪夢の始まりを告げるホイッスルのようだった。
67魔法少女の涙 第6話 通常END4/4:2009/11/03(火) 00:57:22 ID:OH0Z6/De
2人を覆う壁から、何本もの触手が剥がれ落ちるようにして伸びてくる。
「ううっ!!!やっ、このっ、触るなあっ!!!」
「こないでっ!!気持ち悪いっ!!!」
表皮から粘液を滴らせた触手が、服の中から外から、全身を舐め回すように纏わりついた。
夏服の薄い布地は濡れて、豊満な胸を隠す下着のラインがくっきりと浮かび上がる。
「ちょっ……どこ触ってんのよっ!!」
「い、痛っ!!!や、やめ……あぅっ!!」
触手が胸に迫った。夕実のブラジャーをずらして、無防備になった乳首をコリコリと弄る。
「いぎぃっ!!!!」
触手は先端を大きく開き、乳頭にかぶり付き、なかなかにボリュームのある胸をこねた。
「あがっ!!ひっ!!いづぁあああああっ!!!!」
夕実は歯を食いしばって鋭い痛みに耐える。胸から流れ出た血液が、白いセーラー服に赤黒い染みを作った。
「あうううううっ!!!!」
一方、良子はそのたわわな胸をグルリと触手に巻きつかれ、締め上げられている。
元より大きな胸は根元から絞られて膨れ上がり、ブラジャーに収まりきらない膨らみは歪な形を描いた。
「ああああああっ!!痛い!痛いっ!!!!!」
触手に凄まじい力で締め上げられ、胸がもぎ取られるのではないかと思うほどの痛みが走る。
「おまえら、よわいからな。せいえき、のませたらすぐにしぬ。びやくもつかえない。だから、しぬほどくるしめ」
魔物の触手は暴れ狂い、2人の衣服を引き裂いた。制服は裂け、ブラジャーは千切れて、弄ばれる胸が曝け出された。
スカートもすぐに取り払われ、下着も強引に引き千切られる。固く閉ざされた秘所は微塵も濡れていない。
そんな2人の股間に、触手が触れた。
「ひっ!!!う、うそ……うそでしょ……!?」
「いぐうううううっ!!!!やめっ……やめてえええええええっっ!!!!!」
泣き叫びながらの拒絶もむなしく、触手は未開の膣の中へと突入する。
「ぎゃああああああああああああああっっ!!!!!」
「いぎいいいいいいいいいいいいっっ!!!!」
2人同時に処女膜を突き破られ、引き裂かれるような痛みにボロボロと涙を零しながら叫び声を上げる。
「ぎゃっ、ぎっ、あがっ!!!!た、たすっ、たすけ……っ!!!!!」
「があああああああああっ!!!!!こわれるっ、こわれ……ひぎゃああああああっっ!!!」
媚薬もなしに彼女らが快楽を得ることなどありえない。それならば、ひたすらに苦しめることが一番の楽しみだ
死んでしまわない程度に手加減をしながら、しかし容赦はせずに淡桃色の膣壁を削り取る。
触手は溢れる血液を潤滑油に激しく前後する。一度、股間から引き抜いてから、そのまま一気に子宮口まで貫く。
「あぐっ!!がっ、げはっ!!はぎゃあああああああああああああああっっ!!!!!」
「いぎゃあああああああああああああああああああああああああああっ!!!!!!」
触手がアナルにまで侵入した。すぼめるように閉じられた菊門を押し開き、直腸を膣と同じように犯す。
玩具のように犯される少女たちは、掴まれて不自由な手足を必死で動かし、触手から少しでも逃げるように身体を捩った。
「おごおおおおおおおおおおっっ!!!!!」
「むがああああああああああああっっ!!!!」
口の中に押し入った触手が喉に栓をする。息苦しさにくぐもった声を上げてもがくほど、呼吸は苦しくなる。
「んぐうううううううううううううううううううううううっっ!!!!!!!!」
「がげええええええええええええええええええええええええええええっっ!!!」
膣とアナルと口を犯す触手が、可能な限り奥にまで押し込まれた。
夕実も良子も、断末魔にも近い叫び声を上げ、恐ろしいまでの苦痛と呼吸困難で気を失う。
ぐったりとした身体から触手が勢いよく引き抜かれ、同時にその身体に大量の精液が降り注いだ。
触手の肉壁で出来たドームが取り払われると、辺りはすでに暗闇に包まれていた。
地面に放り投げられた2人は血液と精液に塗れ、息も絶え絶えに、しかし辛うじて生きている。
「くくく……。うまかったぞ」
魔物は宙に浮かび、無残な少女の姿に満足げな言葉を残して姿を消した。
去り際、リムがその存在に気付くよう、わざと魔力の痕跡を残して。

/第6話 通常END
68魔法少女の涙 第6話 BAD END1/7:2009/11/03(火) 00:58:51 ID:OH0Z6/De
リムは人ごみに紛れるように走り出した。後ろから聞こえる隆志の呼び声を振り切って、ひたすら走る。
「え!?うぐううっ!!!」
もう変身してもいいだろうと思ったその時、前後左右からの圧迫感に包まれた。
同時に浮遊感。触手は逃げ惑う人々を束にして掴み、振り上げていた。そして振り下ろす。
(やばいっ!!)
変身が間に合わない。リムは何もできずに、多くの人と共に地面に叩きつけられた。
「ぐうううううううっっ!!!!」
衝撃と押し潰されるような圧力で身体が軋む。そのまま意識が遠のいた。

どのぐらい気を失っていたのか。リムは圧し掛かる重さを押し退けて立ち上がる。
「あ…………」
息が止まった。あまりの光景に茫然と立ち尽くす。
すでにリム以外の人間は誰も息をしていなかった。
立ち昇る水柱の下に、2人の魔法少女の姿が見える。
血に塗れ、犯し殺されたその身体は、水の流れに任せて揺れながら浮かんでいた。
「あぁ……あぅあぁぁ……」
唇をわなわなと震わせながら、リムは全身の力が抜けていくのを感じる。
シーナと命が死んでいる。きっと隆志達も死んでしまったのだと直感した。
どこにも生命を感じない。ここは赤く染まり、むせ返るような血の匂いだけが立ち込める死のプールだった。
怒りすらも湧いてこない。絶望の淵に立った者は、ただ立ち尽くす以外に術を持たないのだ。
「おまえ、リムか。あいつら、ちがった。でも、うれしい。まだ、まほうしょうじょ、くえる」
水柱の中にある塊が言葉を発する。
リムはそれを疑問に思うこともなく、ただ眺めていた。
触手がゆっくりと伸びてくる。リムは待ち望むように、それを受け入れた。
早くこの悪夢のような現実を終わらせてほしい。ただそれだけを願う。
69魔法少女の涙 第6話 BAD END2/7:2009/11/03(火) 00:59:14 ID:OH0Z6/De
魔物が最後に残った獲物をそう簡単に殺してしまうわけがない。どんな風に味わってやろうかと舌なめずりをしている。
「ククク……。おまえ、うまそう。すこしずつ、くって、ころす」
「きゃああああっ!!!!」
触手はリムの左足を掴み、一気に高く持ち上げて逆さまに吊るした。
身体がバランス悪くゆらゆらと揺れ、自由な右足は所在なげにバタついている。
「うぅ……っ」
次第に頭に血が上ってボーっとしてきた。
「ひぁっ!!」
触手がショートパンツ型のボトム越しにリムの股間を刺激した
そのまま挿入しそうな勢いで、先細った先端をグリグリと押し付けてくる。
「あぅ……くぁっ!!」
膣口の縁を楕円を描くように擦り、少しずつ位置をずらしてリムの性器全体をねっとり味わうように責める。
「んんっ!!!」
水着越しに染み出してきた水分がクリトリスに触れると、リムは鋭い性感に悶えた。水全体が媚薬の効果を有しているらしい。
「ひぁうううっ!!!おっぱいやめてええっっ!!!」
別の触手がリムの胸に食らいつく。水着のトップがずれて右の胸が露わになった。
ボリュームの増してきた胸は重力に引かれて、いつもより少し大きく見える。
「んくっ、は……あうぅっ!!ひぅ……ゃうっ、んはああああっ!!!!」
身体が揺れるたび胸が引っ張られる。紡錘形に引き伸ばされ、あるいは抓られ、捻られ、時に押しつぶされた。
(……悲しいのに、なんでリム、こんなに感じてるんだろう……)
友の死に絶望し、肩を落としていたはずなのに、魔物に触られると途端に身体は素直に反応してしまう。そんな自分に嫌気がさした。
「ひぅっ!!!い、痛い……む、むりだよ、そんなの……っ」
触手は水着ごとリムの膣への侵入を試みる。伸縮性に富んだボトムは圧力に応じるようにリムの中へと触手を迎え入れた。
膣口の辺りを広げながら、少しずつ膣の奥深くへと入っていく。強引な侵入に、水着に裂け目が入る。
裂け目が大きく広がり、遮るものがなくなると、触手は弾かれたようなスピードでリムの膣を駆け抜けた。
「ひあああああああああああああああああああああああっっっっ!!!!」
一気に子宮口まで突かれ、リムは盛大に嬌声を上げる。あまりの衝撃に全身が波打った。
「なんだ、もうイったか。でも、まだまだだ」
「ひくっ、んあ……あうううううううっ!!!!!」
水柱から触手に向けて大量の水が送り込まれてきた。触手はリムの膣内でその太さを増していく。
「あぐ、ぐぎぃああああああっ!!!裂けるっぅうううううううっ!!!!!!!!!」
膣が内部から膨れ上がった。
さらに触手の先端は固体化を解き、一気に子宮内に流れ込む。
「ひやあああああああっっ!!!冷たいっ!!冷たいの、中に入ってくるっ!!!!!」
子宮に水を湛えたまま、触手はピストンを開始した。リムの身体が揺れると、子宮内で水がちゃぷちゃぷと波打つ。
「はぎっ、ああああんっ……やだ……っ、子宮の中で、あばれ……てるぅっ!!!」
「ほら、イけ!もっと、イってみせろ!!」
魔物はピストンを激しくした。先端が子宮内にまで達し、溢れる愛液を飛び散らせてリムの身体を大きく揺さぶる。
「ひゃあっっ、だっ……だめっ!!いっちゃ、いっちゃううっ、リム、いっちゃうっ……、んひあああああああああああっっっっ!!!!」
理性で抑えきれない快楽に流され、リムは潮を吹き散らしながら絶頂に達した。
ぽかんと開かれた口からは、下品に突き出された舌が覗いている。
「ヒヒ、やっぱり、うまい。まほうしょうじょの、まりょく」
リムの魔力を削るように吸収しながら、魔物はその甘美な味に舌鼓を打つような様だ。
この魔法少女を限界まで食らい尽くしてやろうと意気込む。
リムの周囲には、すでに大量の触手が順番を待つように首をもたげていた。
70魔法少女の涙 第6話 BAD END3/7:2009/11/03(火) 00:59:43 ID:OH0Z6/De
「おまえ、ぜんぶ、おかす。すみずみまで、ぜんぶ」
「ひくうううぅぅっっ!!!!」
触手がリムの全身に纏わりつき、揺れていたリムの身体は一転、微動だに許さない拘束を受けた。
「まずは、きれいに、してやる」
「ひゃんんっ!!!!」
膣から触手が引き抜かれる。その動作で、リムはまた軽くイってしまった。
抜かれた触手の代わりに、細い触手がリムの割れ目に近づいてきた。そしてそれは、リムの予想を超えた行動を起こした。
「ひうっ、んんっ、な、なんで!?なんでそんなっ!!!?」
触手が入り込んだのは膣ではなく、その上方に位置する、膣よりも小さな穴だった。
「う、うそっ!!やぁあああっ!!!」
触手は短い尿道を通り抜けて膀胱に満ちる。そして尿道は塞いだまま、膀胱内で液化した。
「うぅ……い、いたいっ……っ!」
膀胱が破裂しそうだ。尿とまじりあった水に内部から圧迫され、痛みと激しい尿意がリムを襲った。
触手は続けて水を送り込む。膀胱が膨れ上がり、痛みと尿意はさらに激化する。
「んぎいいいいいっ!!!やめっ、もうやめてっ、ださせてええっ!!!」
恥も外聞もない。魔物の前で放尿することによる羞恥などお構いなしに叫ぶ。何よりもこの苦痛から逃れたかった。
「だめだ。まだ、つづき、ある」
魔物はそれを許さない。
続き。一体、何があるというのか。もうすでに膀胱は限界を迎えつつあるというのに。
「ひぎゃあああああああああああああああああああああああっ!!!!!」
リムは悲痛な雄たけびを上げる。突然の苦痛に、何が起こったのかもわからない。
触手はリムのアナルに突き刺さっていた。膣に侵入したときのように、水着を突き破って強引に挿入する。
「あ……が、ぐ……っ!ひぐっ、か、はぁっ!!あ……ぅ……はぐっ!!!!」
息を切らしながら喘ぐように呼吸をするリムは、触手がただ挿入されただけではないことを知る。
「やだっ!!!おなかっ、つめひゃっ!!!!やああああああああっ!!!!!」
膀胱にしたのと同じように、直腸からさらに奥へと水を送り込む。
「い゛ぃいいいいいっ!!!やあぁっ、いたい、いたいっ!!!!!!!」
リムは強烈な腹痛に苦しむ。大量の水が腸の中を何度も往復し、排泄物を飲み込んで分解していく。
「キヒヒ……。おれ、おまえくう。だから、きれいにしないと、まずい」
「あぐうううっ!!!うぎぃっ、が……がふっ、はがあああああっ!!!!」
膀胱と腸を水で満たされ、激しい痛みと限りない排泄の欲求がこみ上げるが、その出口は塞がれてしまっている。
身体を動かして痛みを紛わせようにも、四肢をがっちりと固定されて身を捩ることすらもできなかった。
「ぐる……じぃ……っ!!出させてっ、出させてっ!!!!おねがいいいいっ!!!」
唯一自由な頭をブンブン振り回して、リムは懇願する。
腹の蠢くような鈍痛を何とかして鎮めたいと、一生懸命、排泄しようとして下腹部に力を込める。
「ぐぎいいっ!!!うああああああっ!!!あがあああああああっっ!!!!」
排出しようとしているはずなのに、触手がさらに流し込む水に押し返されてしまう。
膨大な量の水分は既に、緊張であまり食べられなかった朝食の残骸など跡形もなく分解してしまっている。
「んぎぃいいいっ!!!んんんんんんんんっ!!!んはっ!!!?」
死に物狂いで力むリムは、唐突に抵抗がなくなったのを感じる。
「んひゃああああああああああああああああああああああっっ!!!!!」
触手が突然引き抜かれ、栓を無くしたリムの2つの穴から一気に水が噴き出した。
「あひいいいいいいいいっっ!!!!ひぎっ、はぎゃああああああああああああああああっっ!!!!!」
尿道と肛門が破裂しそうな勢いで飛び出す水流で、敏感になったリムの身体はまたも達してしまう。
激しい苦痛の後の苦しいまでの快楽はリムの身体を大きくビクつかせる。
「ぁぎ……、は……、はぅ、はぁっ、はぁっ!」
まだ痛みと激感の余韻が残る身体を震わせ、リムは大きく息を吐く。脂汗と涙で顔がびっしょりと濡れていた。
71魔法少女の涙 第6話 BAD END4/7:2009/11/03(火) 01:00:19 ID:OH0Z6/De
「は……っ、は、は……むぐっ!!!?むごおおおおおおおっ!!!!!」
息を整えていたリムの口に触手が挿入されて、息ができなくなる。
「んげっ!!ごっ、がはっ!!ん゛んんんんんんんっ!!!!!」
手の指と足先をジタバタと動かして、リムは息苦しさに悶える。
(し、死ぬっ!?苦しいっ!!!)
早く死んでしまいたいとすら心のどこかで思っていたのに、死を実感すると途端に恐怖に襲われた。
「んげはっ!!!はああああっ!!!はっ、はっ、はっ!!!」
触手が口から出て行った。呼吸を許されたリムは必至で息をする。
「がふっ!!!ふげええっ!!!?はむううううっ!!!!!!!」
わずか4秒足らずで、触手はまたリムの口を塞いだ。さらに食道を用いてピストンをする。
「あがっ!!!げへっ!!!!ごがあああっ!!!!がはあああああああああっ!!!!!はぁっ!!!はぁっ!!!」
再び自由になった口で、大きく息を吸い込む。
喉が無理に拡張されたせいで激しく痛むが、そんなことを気にしてはいられない。ここで精一杯呼吸をしないと、死んでしまう。
「がぎゅうううっっ!!!!ごべえええっっ!!!はぎっ!!がぶっ!!!げはあああっ!!!!」
喉が裂けそうに痛む。いや、実際に裂けているのかもしれない。触手に血が滲んでいた。
「ひゅうっ、ひゅぅっ!!はっ……ごえええええっっっ!!!!!!!!」
さらにインターバルは短くなり、リムの呼吸は切迫された。
「ん?どうした?」
「…………」
リムの叫び声が止んだ。触手を抜くと、息をしていないわけではない。
4度目の挿入で、あまりの苦しさと呼吸困難から気を失ってしまったようだ。
「はんのう、ないと、つまらない。おきろ!」
魔物は触手を大きく振りかぶり、リムの身体をプールサイドに叩き付けた。
「あがあああああああああああああああああああああっ!!!!!!!」
1度、固いコンクリートの上をバウンドした後、リムは痛みで覚醒する。激突した肩と頭が割れるように痛んだ。
その程度で済んでいるのはリムが魔法少女だからだ。変身していないときの身体能力は落ちるが、身体の耐久性だけは保たれている。
「いぎゃあああああああああああああああっ!!!!!」
痛めた方の肩を掴む形で触手がリムの身体を持ち上げる。刺すような痛みでリムは絶叫した。
すぐさま先程と同じ格好にされ、同じように喉を犯された。
「げぶううっっ!!!!ぶげえええええええええっ!!!!!!」
魔物はこの行為を何度も繰り返す。リムは平均3回目の挿入で意識を失い、その度に地面に叩きつけられて目を覚ました。
「ひぎああああああああっっ!!!がっ!!ひいいいいっ!!!!!」
5度目の激突で、リムの左腕は折れかけていた。激痛が鎮まるのも待たず、魔物は行為を続ける。
だが、今度は触手の様子がおかしかった。透明な水の塊だった触手の芯に、濁ったものが見える。
(ま……まさか……!?)
「うべええっ!!がふっ!!ひゃぎゃあああああああああっ!!!!!!」
リムの予感は当たっていた、それは魔物の精液だ。しかし、目に見える精液のその量は、尋常な量ではない。
触手がピストンを繰り返すたび、それは先端に迫ってくる。
リムはそれを、まるで死刑執行のカウントダウンのように感じていた。
「ぴぎゃああああああああああああああああああああああああああっっっっ!!!!!!!!」
リムの口内で精液が爆発を起こした。
精液は食道に流れ、鼻腔を満たし、鼻の穴と口から飛び出す。
「げ……ひ……、はが…………」
リムは顔を白く濁った精液で染め、白目を剥いていた。
72魔法少女の涙 第6話 BAD END5/7:2009/11/03(火) 01:00:41 ID:OH0Z6/De
「はぎっ!!?」
追い打ちをかけるように、リムのアナルに再び触手が侵入する。
「ぐうううっっ!!!や゛……やめでっ!!!お、おくまで……はいらない、でっ!!!」
触手は柔軟にその形を変えて、リムの腸の中を器用に進んでいく。
大腸を抜け、小腸を通り、十二指腸を埋め尽くして胃の出口を塞いだ。そしてそのまま動かない。
「が……っ!な、なに……するつもりっ!?」
今までにないほど深くまでリムの中に侵入しながら、動こうとしない。リムはその意図を掴みかねていた。
「んむっ!!!!?」
疑問に頭を巡らせていると、リムの口内に大量の水が注ぎ込まれた。
今度は触手で埋められたわけでない。しかし顔が上向きに固定され、うまく水を吐き出すことができない。
「ん……、こくっ……こくっ……」
飲むしかない。そう判断したリムは、頬を膨らませるほどの水を飲み下し始めた。
「んっ、ぐっ!!ごくっ、ごくっ!!!ぷはぁっ!!!は、はぶううっ!!!」
水を飲み終え、やっと息が着けると思ったところで再び水が注がれた。
予想はしていたが、思った以上に辛い。息苦しさもさることながら、胃を圧迫する水を、いつまで飲み続けられるだろうか。
「うぐぇっ、……ぐ、ごくっ、ごくっ!!!んぐっ!んがはっ!!!はっ、はぁっ!!!」
少女の胃は小さく、大した容積はない。10回も飲み干した頃には苦しいほどに胃が満たされ、逆流するのを抑えるのが精一杯だった。
「うげええええっ!!!げぼぉっ、がへえっ!!!」
リムは何度も小さく水を嘔吐した。しかし嘔吐した水はリムの口を満たすだけで、また飲み干さなければならない。
「んぐううっ!!!がぶっ!!がぶぅっ!!ごくっ!!!!」
かぶり付くように水を飲む。少しでも早く飲まなければ。
魔物は楽しんでいるのだろう。水を注ぐ間隔が一定であることにリムは気付いていた。
つまり、早く飲み干せばそれだけ呼吸を整える時間が延びる。
逆に、次に注がれるまでに飲み干せなければ、振り出し以前の状態からやり直しということになる。
「はっ、はっ、はごおおおおおおっ!!!!」
なんでこんなことを必死で繰り返しているんだろう。リムは自分でも不思議だった。
こんなに苦しいのに、何故こうまでして生にしがみ付いているのだろう。死にたかったはずなのに、今はどうしても死にたくない。
陵辱を受けるたび、魔物への怒りが燃えてきたからだろうか。
何としても自分だけは生き残って、みんなの仇を討ちたい。そんな希望がいまさらになって浮かんできたのかもしれない。
「げふっ!!!は……、がふ、はぅっ、ひゅぅっ!!!」
いつか来るかもしれないチャンスを待ち望み、リムはひたすら苦痛を耐え忍んだ。
「うぇっ!!!えげえっ!!!あががああおおおおおっっ!!!!!」
それにしても、あまりに苦しすぎる。胃の膨らみは細いリムの腹を内側から押し上げていた。
息をするたびに全てが流れだしそうになる。
「んがっ!?がげええええええええええええええええええええっっっ!!!!!!!」
予想外の衝撃に、リムの身体は大きく脈打った。
遥か下方から伸びてきた触手が、リムの膣を貫いたのだ。膣を抜け、子宮の最奥を突き、そのまま胃を押し上げた。
「うぐげがああああああああああああああああああああああああああっっっ!!!!!!!!」
リムは全身を揺するように痙攣しながら、胃の中のものを噴水のように吐き出した。
「ごええええええええええええええっっ!!!ぶげええええええっ!!!!!!!」
「ケケケッ!おもしろい」
魔物の嘲るような笑い声の中、リムは壊れたおもちゃのように震えながら水を吐いていた。
73魔法少女の涙 第6話 BAD END6/7:2009/11/03(火) 01:01:04 ID:OH0Z6/De
「ひがああっ!!!!!」
水を吐いていたリムの口から突如、触手が飛び出した。
「が……げえええっ!!!!かはっ……は、が……」
リムのアナルから伸びていた触手が、身体を貫通したのだ。
リムの身体を拘束していた触手が離れていくと、アナルから口まで貫通する触手だけがリムを支えていた。
「えげええっ!!!!ぎゃひいいいっ!!!!!!!」
リムの身体は下からまっすぐに長く伸びる1本の触手をずり落ちる。
アナルを、腸を、喉を、口を、ゴリゴリと擦られる痛みにリムは呻いた。
「がぎっ!!!!?」
落下の途中でリムの身体が止まる。触手がリムの腕を掴んでいた。
今度は触手がリムの身体を思い切り引き上げた。
「ひげええええええええええええええええええっ!!!!!!あがぎゃああがががああああああっ!!!!!!」
落下よりも速い速度の上昇は、さらに激しい苦痛をもたらした。
「がががががっががががああああああああああああああ!!!!!!!!!」
「ぶげえええええええええええええっ!!!ぎぎゃああああああああああああああっ!!!!!!!」
リムの身体は触手に貫かれたまま大きく上下させられた。まるで巨大なペニスを、身体全体を使って扱いているようだ。
「ぎゃぎいいいいいいいいいいいいいっっ!!!!!!!!!」
触手の頂点まで持ち上げられる。そこで一旦動きが止められた。
「は……はがっ!がひっ……ひぅ……はっ!!!」
ままならなかった呼吸を、思い出したように取り戻す。
(なに!?なにがおこったの!?)
常軌を逸した行為に、リムの頭はついていけない。
「ぶべげはがああああああああああああああああああっっ!!!!!」
息を吐いたのもつかの間、触手から精液が放たれた。
「げっ!!ばがっ!!ぐぶえっ!!!ごがあああああああああ!!!!!!!」
アナルの根元まで下がっていた触手から放たれた精液は、リムの消化器官を遡るようにして、口から排出された。
それは同時に、高濃度の媚薬効果を有する精液が、リムの消化器官に大量に送り込まれたことを意味する。
「あひやあああああああああああああああっっ!!!!!!!!」
触手が軽く動くと、リムはすぐに嬌声を上げた。
「がげっ!きゃひいいいいいいいいいいんんっ!!!!!」
触手に再び貫通されても、リムは快感に悶えている。
苦痛なのに変わりはない。だが、苦痛のような激しい感覚ほど、媚薬を浴びたリムの身体は快楽としても受け取ってしまうのだ。
「あはああああああああああああああああっっ!!!!!!」
膣にも、また触手が挿入された。同時に尿道にも。
アナル、口、膣、尿道。4つの穴を同時に犯されて喘ぐ少女。
現実のものとは思えない行為が繰り広げられていた。
「がひゅうっ!!!!ひくううっっ!!!!あぐっ!!!ひがあああああっ!!!!!」
触手は短い間隔で何度も射精するようになった。とくに膣と尿道である。
「あぎゃっ!!!お、おなかっ!!!!おっきくなっひゃうっ!!!あかひゃん、うまえひゃうっ!!!!」
散々精液を注がれたその腹の膨らみは妊婦のそれをも凌ぐほどで、実際に子供を産み落としても不思議ではないように思えた。
「ぴげえええええええええええええええええええええええええええええええええっっっっ!!!!!!!!」
また思い切り身体を引き揚げられた後、胃から、膣から、尿道から、触手に激しく射精され、リムの身体は打ち上げられた。
無造作にリムの身体が中に投げられ、落下していく。
「ぎゃひいいいっ!!!うげえええええええええええええええええええええええええええっっ!!!!!」
赤く染まったプールサイドに、白いリムの身体から吐き出された白濁液が広がっていく。
リムの最期は近い。
74魔法少女の涙 第6話 BAD END7/7:2009/11/03(火) 01:01:27 ID:OH0Z6/De
「もう、いい。あとは、しぬまで、あえいでろ」
魔物はそう言って、リムの身体を水柱の中に取り込んだ。
「んぐうううううっっ!!!!!!」
今度こそ、まったく息ができない。触手による拘束はないのだが、激しい水流の中ではもがくことしかできない。
「ごおおおおおおおおおおおっっ!!!!!!」
水が口から入りこんで、アナルから出て行くのがわかった。しかも触手のように終点はない。
リムの口からアナルまで、水は絶えることなく流れ続け、リムを絶頂に導いた。
「んぶううううううううううっ!!!!!ごべえええええええええ!!!!!!」
子宮と膀胱では、水が渦を巻いていた。どちらもまた、破裂寸前まで膨らまされている。
水は鼻の中にまで入り込み、途中から口―アナル間の流れに合流した。
「ひゅぎいいいいいいいいいいいいいいいいいいっ!!!!!!!!」
リムは胸に違和感を覚えた。凄まじい快感に、リムは身体を震わせる。
水はリムの乳腺にまで入り込んでいた。その未発達な器官までも、ピストンの道具として使われている。
リムは全身を隈なく犯されながら、何度も達した。
呼吸の機会は与えられない。このまま、死ぬまで水柱の中でイかされ続けるのだ。
「ごぼおおおおおおおおおおおおっ!!!!!!!!!!」
消化器官を下る水流も、鼻腔をかき回す水も、子宮と膀胱を膨らませる水も、乳腺でピストンする水も。
果ては呼吸の困難すら、今のリムには快感としか思えなかった。
リムは10秒に1度は絶頂を迎え、遠くなっていく意識の中で身体を痙攣させて悶えた。
「げぶうううううぅ!!!!!むごおおおおおおおおおおおっっ!!!!!!」
最期の時まで、リムはイき続ける。
「がぶっ!!げ……」
次第に反応が弱くなる。白目をむいたリムの瞼が閉じられていく。
「ぁ…………」
そして意識が途切れるのと同時に全ての魔力が吸い取られ、リムの身体はただの抜け殻と化し、2人の魔法少女と共に投げ捨てられた。

/第6話 BADEND
75杏の人:2009/11/03(火) 01:04:05 ID:OH0Z6/De
以上です。
次回は第7話の投下を予定しています。

規制で投下をどうしようかと思っていましたが、ちょうど書き終えたころに解けたようでよかったです。
個人的な事情で、これからペースが落ちるかもしれません(むしろ上がる可能性もありますがw)。
気長に待って頂けると幸いです。
それでは、今回も読んでいただければ幸いです。
また、次回お会いしましょう。
76名無しさん@ピンキー:2009/11/03(火) 01:05:23 ID:e4UX8EZo
超GJ!
うひょおおおBADENDいいわぁ
77名無しさん@ピンキー:2009/11/03(火) 07:37:43 ID:JYqMNKjO
しっかしよくこれだけバッドエンドの引き出しがあるもんだなぁ
溺死まで持ってくるとか流石としか言いようがない
多分最後の最後に残るのは最終回でのバッドエンドを経てのトゥルーエンドの後にある、
アナザーバッドエンドでの交通事故死だな
78名無しさん@ピンキー:2009/11/03(火) 10:16:37 ID:og3P2X1P
>>75
自分はまだ規制中です。
色々なスレのレスからみてまだまだ規制はあるかも

それはともかくあえて二人をさくっと退場させることで
リム一人への凌辱密度を上げて喉責め、水責め、水噴水と文字どおり流れるような展開。
貫通もリムを上下させるというあるようでない
オナホール描写がまた独特の切れ味で素敵です。
いつも通りすぐ使えちゃいました。

通常ENDで凌辱ありなのが展開変わってきてる感じですね。
79名無しさん@ピンキー:2009/11/03(火) 14:35:13 ID:OVq2/UBY
>>74
GJ
尻から口まで貫通とか、水で全身くまなく犯すとか堪んないね。
80マユ作者:2009/11/03(火) 22:06:22 ID:G4ZjFjVB
杏の人、投稿お疲れ様です。
描写の細かい凌辱シーンに脱帽ものです。
この先の展開楽しみにしています。これからも頑張ってください!

さて、魔法少女マユ第9話を投下します。
今回は凌辱シーンは全編快楽系。
途中、ふたなりにされて女同士で絡み合うシーンがありますので、苦手な方はご注意ください。
人物紹介の後に本編を投下します。
81魔法少女マユ 人物紹介:2009/11/03(火) 22:09:39 ID:G4ZjFjVB
秋月真由(マユ)
14歳 両親と3人で、平穏な生活を送っていたが。ユーリィと出会った事で、戦いに身を投じる事になる。
背は小柄で、背中の半ばほどまで届く栗色の髪を後ろで纏めている。
変身時のコスチュームは桜色のミニスカートに赤を基調としたジャケットを纏っている。

秋月夫妻
マユの両親、父、宗一郎は大手製薬会社の部長を務める。
母、美幸は専業主婦。二人は社内恋愛をして結婚。マユいわく、万年新婚夫婦との事。
二人とも年齢は30代後半だが、実年齢より若く見える。

ユーリィ
異世界エルメリアの住人である妖精、マユのパートナーとして彼女の戦いをサポートする。
長いストレートの青髪にフリフリのついた白やピンクのドレスを着ている。

リィン
14歳 エルメリアから増員として派遣されてきた魔法使いの少女。
髪型は薄いブロンドの長い髪をツインテール。
青を基調としたワンピースの上に、短い白のマントを羽織っている。

シャーナ
23歳 リィンの姉。リィンと共にエルメリアからの応援として地球に来た。
緩くウェーブがかった薄いブロンドの髪を、腰に届くほどまで伸ばしている。
純白のローブを纏う。 エルメリアにフィルという婚約者が居る。

ヴァルアス
魔族の王。100年前の戦いで敗れた先代の跡を継ぎ魔族を統率する。表の顔は大企業の社長。
銀髪の髪をオールバックにしている。黒のスーツを好んで着る。
その真の姿は、黒い装甲を身に包む巨大な竜。

レドリック
魔王ヴァルアス腹心の一人、魔法少女を狩る為に地球に招集される。
焦茶の髪を肩に触れるくらいに伸ばしている。黒の軍服を纏う。
ラディウスとは子供の頃からの付き合いで悪友関係。

セディア
魔族の幹部。序列は低く攻略軍に参加できず、地上での人間狩りをする担当に回されている。
度重なる失敗により失脚。陛下の制裁を受けた後、資料室送りに…
黒髪のセミロング、着ている服は黒尽くめで、露出の高い物。

ラディウス
セディアの弟 魔族の造魔開発においての、中核メンバーで、王の腹心の一人。
力は魔族の中でもかなり低いが、類稀なる頭脳を理由に、王に取り立てられる。
長い黒髪を三つ編みのお下げにしている。常に白衣に身を包む。15歳くらいの背格好
82魔法少女マユ 第9話 1/19:2009/11/03(火) 22:11:10 ID:G4ZjFjVB
魔族の本拠地たる地下施設。
その通路を一人の男が歩いている。
年の頃は20代前半といったところか…長い青髪を背中に届く辺りまで伸ばしている。
上下を黒いレザー製の服で包み、その上にグレーのロングコートを羽織っていた。
線の細い優男風の顔立ちで、丸縁のサングラスをかけ、腰には長い刀を収めた鞘を下げている。
「相変わらず、ここは騒々しいな…」
通路の横手の窓から見える景色を見て、呟くように漏らした。
彼の眼下には、無数の成長途中の造魔のカプセルが並んでいる。
技術者達や下魔達が、忙しそうにその周囲を歩き回っていた。
「おーおー、大分数が揃ってきてるな。結構な事だ。前線の連中への土産が出来そうだな」
くくっと小さく笑いを漏らす男に、背後から声がかけられた。
「おや、アンタも今着いたのかい。ローエル」
「お…イレーヌの姐さんじゃないですか」
ローエルと呼ばれた男は、声をかけてきた女の方を振り向く。
女性は年齢は30代半ばくらい、紫がかった黒のストレートの髪を腰の辺りまで伸ばしている。
紫色のローブを纏い、その上に漆黒のマントを羽織っていた。
気の強そうなつり目が印象的な美人で、片手には扇子が握られている。
男は軽く一礼し、二人は連れ立って歩き出す。
「そちらの戦況はどうです?」
「エルメリアの連中の散発的な攻勢がたまにある程度さ…あーあ、早く攻勢に出たいよ」
「はははは、そちらも同じですか。その辺の事を今日話すんでしょうよ。後はゲリオスの爺様がお出でになりゃ…」
ローエルの言葉に、女は苦笑する。
「じーさんなら、いの一番、3時間も前に来てるらしいよ。アタシがビリみたいだ」
「相変わらず早いな、爺様。普段はのっそり動いてるのに」
「陛下にお小言言ってるんじゃないのかい?早く世継ぎを作るよう、お妃を見つけろって」
「違いない。爺様は陛下の前で口を開くと、大抵それだ」
二人は口うるさい最後の一人の事を思い出して笑う。
83魔法少女マユ 第9話 2/19:2009/11/03(火) 22:12:14 ID:G4ZjFjVB
「お忙しいところ、ご苦労様です」
会議室に入ったローエルとイレーヌを、黒衣を纏った青年が出迎える。
「よう、レドリック。そっちの按配はどうだ?」
「まぁ、それなりに狩りは進んでいます。僕としては、向こうで戦争を楽しみたいんですが…
 ローエルさん、良かったら代わって貰えませんか?」
男の言葉に、レドリックは笑いながら答える。
「よせよせ…俺は好き好んで女斬る趣味はねーよ、お前さんが一番適任だ」
「むぅ…皆さんばかり,、戦争を楽しんでずるいですよ…」
「アタシもお断りだよ。エルメリアの連中と知恵比べする方が楽しいからね」
不満そうな顔をする青年に、二人は笑う。
「お二人がその調子では…ゲリオス老にお願いしても無理そうですね…」
「そりゃそうだ。爺様が一番戦争楽しんでるんだから。爺様やる事えげつないぞー」
「なんでもありだからね…爺様は」
ローエルとイレーヌ、そしてあと一人…彼らがエルメリア攻略軍を統べる3将にして、
魔族の中でも最強クラスの3人である。
彼らから比べれば遥かに若輩では有るが、レドリックを加えて四天王と呼ぶ者も少なくない。
彼ら全員が一堂に会するのは、開戦直前以来久しぶりだ。
「前線の方は問題ありませんか?」
「幕僚達が上手くやるさ、敵の攻撃も止まりつつあるからね」
広げた扇子で口元を覆ったセディアが答える。
彼ら3将以外にも、此度の戦には、戦上手と言われる魔族達が高い地位についている。
力を重視した先代の時代に比べ、現王ヴァルアスは指揮能力なども重視していた。
故にこの戦争の開戦当初から、エルメリア側は魔族側の数の多さと、彼らの奇策に苦しめられている。
「うーん…トカゲみたいな宇宙人が攻めてきたよー…助けてー光の国から来た人ー…」
机に突っ伏して寝ているラディウスが寝言を漏らした事に、レドリックは苦笑した。
「何だい…また徹夜続きかい?この子」
「ええ、造魔製造システムの改良型の製作、それ以外に彼自身が進めている研究もありますから」
少年の頬を突いているイレーヌに、レドリックが答える。
「まったく…しょうがない子だね。あんまり無理すんじゃないよ」
母親が子供に見せるような微笑を向けつつ、イレーヌは呟く。
84魔法少女マユ 第9話 3/19:2009/11/03(火) 22:13:08 ID:G4ZjFjVB
「遠路ご苦労…皆、揃って居る様だな」
扉が開かれ、黒スーツを纏った銀髪の男が、秘書ともう一名を伴って入ってくる。
部屋に居た者達は、少年以外全員が深々と男に一礼する。
「…遅かったな、二人とも」
黒や金で彩られた法衣を纏った、手足の生えた三つ首の蛇が、ローエルとイレーヌの方を見て言った。
「お前が早過ぎるだけだ。ゲリオス」
銀髪の男ヴァルアスが、付き従って入室してきた年老いた蛇に苦笑する。
「そーそー、俺達まで爺様みたいに、小言言う為に早く来たら、陛下がまいっちまうぜ」
「何を馬鹿な事を…私は王たる者の務めとして、早く世継ぎをだな…」
ローエルの言葉が気に障ったのか、長々と語り出そうとするゲリオスと呼ばれた蛇。
「ゲリオス、後にしろ…会議が始められん」
「は…陛下がそう仰るのならば、後にします…」
ヴァルアスに窘められ、蛇は頭を垂れる。
そのやりとりを見ていたレドリックは、隣で寝ている少年の体を揺する。
「こら、起きたまえ。ラディウス」
「んー…んあ?もう朝?後5分くらい寝かせてよママン…」
「バカ言ってないで早く起きたまえ。陛下も御出でだ」
「んぁー…左様か」
レドリックの言葉に、渋々目を開けた少年は、大きく背伸びした。
全員が席に着席する。秘書の女性が司会役として立つ。
「では始めましょう…初めにエルメリアの各戦線の状況についてですが…」
女性が手元の端末を操作すると、正面に設置された大型モニターに映像が映し出される。
エルメリアに現在展開している、魔族軍の状況が詳細に表示されていく。
「北部軍集団は、連中の攻勢を全て押さえてますよ。だが、如何せん数が足りなくなりつつある」
「南部軍集団も同様の状況だね。大攻勢に出るなら、大幅な数の拡充が必要かと」
ローエルとイレーヌが順々に状況を述べる。
「中央軍集団も他の2軍とさして変わりありませんな…防衛には何の支障もありませんが、
 攻勢に出るとなると、状況は厳しいです」
最後にゲリオスが状況を述べると、ヴァルアスが口を開く。
「それについては、会議後に現在仕上がっている造魔を各軍に配備する。
 当分はそれで凌げ。ラディウス博士…新型システムの状況は?」
「現在試作機を2台完成させ、データ収集の為の試験運用を行っています。現時点では従来機より、
 半分以下のエネルギー消費量で、同クラスの造魔を製造が可能とデータが出ています」
少年の報告に王は満足したように頷く。
85魔法少女マユ 第9話 4/19:2009/11/03(火) 22:13:52 ID:G4ZjFjVB
「更に改良を行い、性能の向上に努めてくれたまえ…それと、君が提案したいというプランについて聞こうか」
その言葉にラディウスは頷き、資料を手に取る。
「は…現在、地上におけるエルメリア側の妨害は苛烈になっております」
「そうだな…こちらの攻勢が停滞している事をいい事に、次々と魔法使いを送り込んできている」
王の言葉に、「そのとおりです」と少年は頷いた。
「連中はここの場所も捜索しております…レドリック卿が狩っていますが、
 今後も増員が送られて来るでしょう…そこで、根本的な解決法を提案します」
そこで言葉を切った少年に、王は「続けたまえ」と一言発する。
「この世界に大規模な対転移結界を展開し、敵のこれ以上の増派を止めるというのはいかがでしょうか?」
「…ちょっといいか?対転移結界というが、俺らの軍の運用は大丈夫なのか?」
「そこは問題ないですよ。あくまでエルメリアの魔法使いがが行使する転移魔法を妨害する結界なので…
 向こうで転移を発動させて、こちらに来ようとしても、この世界に出口を作れないわけです。
 同様に、今こちらに居る者達も、エルメリアに転移する事は無理です」
片手を上げたローエルの質問に、少年が答える。
「…技術的に目処は立っているのかね?」
目を閉じて、耳を傾けていた老蛇が口を開く。
「はい、試作機を用いた初期実験は、既に幾度か行い、良好な結果を得られました。
 後はこのシステムの大型化及び、永続的なエネルギー供給源を確保できれば…
 エネルギー源については、エルメリアの制圧地域に、最適なレアメタルの鉱山があります」
少年の言葉に、秘書が端末を操作する。
制圧地域を表示していた画面に、場所を示すマーキングと、鉱山の映像が小さく表示された。
「それじゃ、アタシからも質問だ。結界を張るのはいいが、母体集めの方はいいのかい?
 魔法使いの方がいいんだろ?こっちの一般人より」
イレーヌが扇子を持った手を挙げて尋ねる。
「それも問題ありません。結界展開後に、現在こちら側に居る魔法少女を全て狩り出し、
 そいつらを造魔の母体に当てます。新型システムが確立すれば、製造効率は大幅に上がりますよ。
 母体を一定サイクルでローテーションさせる事で、負担をかけ過ぎて潰す心配も減ります」
「なるほどね…結界を発動させて、この世界の魔法少女を狩りつくせば。もう邪魔はされない…
 後は、戦力を好きなだけ拡充し放題って訳わけだね。そりゃ楽でいい」
レドリックが感心したように頷く。
一通り意見が出たのを確認すると、ヴァルアスが口を開く。
「…よろしい、ラディウス博士、君のプランを承認する。新型造魔製造システムの目処が立ち次第、
 そちらの研究に全力で取り掛かりたまえ。予算は好きなだけ使っていい。レアメタルも早急に確保させる…
 一日も早く、その結界を展開できるようにしたまえ」
「はっ!全力を持って当たります。吉報をお待ちください!」
王からの承認の言葉に、少年は深々と一礼する。
「…造魔システムの件といい、君には難題ばかり押し付けるな…」
ヴァルアスは珍しく穏やかなトーンで、少年に労いの言葉をかける。
王のその言葉に、また少年は頭を下げる。
「いえ…序列も低く、頭だけが取り得の、魔人族の落ちこぼれを取り立てて下さった、
 陛下への御恩は、この程度では返しきれません…どうぞ、存分にお使いください」
「これからも君の働きに期待する」
少年に向けて笑いかけると、王は立ち上がって、集まった面々を見回す。
「エルメリア帰還作戦も新たな局面を迎えつつある…各々、全力を尽くして欲しい…我らが勝利の為に」
ヴァルアスの言葉に、皆力強く頷いた。
86魔法少女マユ 第9話 5/19:2009/11/03(火) 22:15:43 ID:G4ZjFjVB
「…この世界を覆い尽くす対転移結界か…相変わらず突飛な事を考える子だね」
会議が終った後、イレーヌは一人で廊下を歩いている。
レドリックは王と共に退室し、ラディウスは研究室に引っ込んだ。ローエルはゲリオスに捕まって、今頃説教地獄だろう。
廊下を歩いていた彼女は、書類を片手に持って、とぼとぼと歩いている女性とすれ違う。
「おや…セディアじゃないか」
イレーヌはその女性が親しい者だと気づき、声をかける。
声をかけられた黒髪の女性、セディアも振り返る。
「せ、先生…」
イレーヌの姿を見て、彼女は大粒の涙を瞳に浮かべた。
「イレーヌ先生ーーーーー!!」
書類を放り出して彼女はイレーヌに抱きつく。
「どうしたんだい、アンタ…」
泣きじゃくる彼女の頭を撫でながら、イレーヌは尋ねる。
彼女セディアは、イレーヌが魔術を仕込んだ弟子だった。
出来はそれほど良くなかったが、彼女の母親と親友だったイレーヌは、
何かと彼女と弟のラディウスに世話を焼き、可愛がっていた。
「ふーん…人間狩りを失敗し過ぎて、資料室送りにされた訳か…
 やっぱり無理言ってでも、アンタをウチの方面軍に捻じ込むべきだったかねぇ…」
まだ泣いているセディアの頭を撫でながら、彼女は溜息をつく。
「それもこれも…全部、あの生意気な小娘のせいなんですよ…」
「話には聞いてるよ。かなり出来るらしいね…レドリックも何回もしくじってるとか…
 そいつを捕らえれば、これまでの失態はチャラに出来るな…」
「先生?」
扇子の先を口元にあてて呟いているイレーヌに、セディアは首を傾げる。
「アタシが一回だけチャンスを作ってあげるよ…コイツを使いな」
片手を挙げ、何も無い空間から透明な球体に包まれた植物を取り出す。
「先生…それは…」
「アタシの魔力を注ぎ込んで造り上げた、アタシ版の造魔さ。その中でも最高クラスの出来だ…
 そんじょそこらの上級魔族より、ずっと強いよ。コイツを使って、その魔法少女倒すんだ。陛下にはアタシが話を通す」
彼女の肩に手を置いて、イレーヌは微笑む。
「ホントは手伝ってやりたいが…アタシもすぐに戦線に戻らなきゃいけないからね。
 上手くやりな…弟に負けるんじゃないよ」
「先生…ありがとうございますーーー!!」
セディアはまたイレーヌに抱きついて泣き出した。
「こらこら…泣くのは上手くやってからにしろ」
困ったように笑いながら、イレーヌはセディアの頭を撫ぜる。
87魔法少女マユ 第9話 6/19:2009/11/03(火) 22:17:03 ID:G4ZjFjVB
「ふふふふ…先生がくれたこの魔物で、あの小娘を捕らえてやるわ…
 おまけに一般市民も沢山捕まえて、ラディウスとレドリックのヤツを驚かせてやるんだから!!」
デパートの屋上に立つセディアは、自信満々に語る。
彼女の目的はマユの捕獲だけではなかった。
資料室送りにされた自分に、救いの手さえ差し伸べない弟。
そして、彼の友人であり、セディア自身も幼い頃から知る青年。
彼らは助けるどころか、様々な命令を下して、彼女を使い走りに使っていたのだ。
そんな彼らを見返す為にも、大きな戦果が必要だ。
故に彼女は、結界を作って対象を隔離はするものの、白昼堂々、人の集まる所で狩りをしようとしているのだ。
彼女の行為は、人間狩りのルールを破る行為だが、彼女はまったく気にしていない。
結果を出せば文句は言われない。セディアはそう考えているのだ。
「いくわよーーーーー!!」
彼女は高らかに叫び、周囲に予め準備していた魔術を発動させ、デパートを包み込むように結界を展開する。
下に見える人間達が、突然の出来事に混乱しているが、彼女は気にしない。
「出てきなさい!アンタの力…見せてもらうわよ!!」
手に持っていた球体の封印を解除する。
球体から解き放たれた植物は、見る間に人よりも大きな植物の怪物に変化した。
セディアは魔物を伴ってデパートの中へと入っていく。


「あら〜、どうしたのかしら〜?」
生鮮食品売り場に居た美幸は、周囲や入り口付近で、人が騒いでいる事に首を傾げる。
いつもここに料理の材料を買いに来ているが、こんな事は初めてだ。
「まぁいっか〜…今日は何をしようかしら〜。宗一郎さんの好きなシチューかな〜。
 それともマユちゃんの好きなスパゲティにしようかしら〜」
マイペースな彼女は、周囲の騒ぎをよそに、品物を手に取りながら歩いていく。
のんびりとした様子で歩いていたが、レジの方にも殆ど人が居ない事に、さすがにおかしいと思ったらしい。
「何か事故でもあったのかしら〜…」
不安そうに呟いた時、上の階からピンク色のガスの様な物が降りてくる。
「何かしら〜?」
何だろう、と彼女は首を傾げる。
入り口の方に集まっていた人々が、そのガスを吸って次々と倒れていく。
「あ、あれ?あれれ?」
驚いて周囲を見回すも、周囲の人間も次々と倒れる。
「はれ…なんかー…眠く…なってきちゃった…」
焦点の合わないぼんやりとした視界の中で、フラフラと倒れこむ美幸。
目を閉じる直前に見たのは、上の階から降りてくる黒髪の女性と、大きな花の様な怪物だった。
88魔法少女マユ 第9話 7/19:2009/11/03(火) 22:18:01 ID:G4ZjFjVB
「皆、大変よ!」
リィンの部屋で魔法の本を読んでいたマユ達は、駆け込んでいたシャーナの言葉に首を傾げる。
「どうしたの?お姉ちゃん、血相変えて…」
「いいから、下に来てテレビを見て!大変なのよ!」
シャーナの言葉に、3人は下のリビングに降りる。
リビングのテレビには、赤い光に包まれたデパートが映し出されている。
周囲には人だかりが出来ており、カメラの前に立つリポーターがまくし立てていた。
「結界だ…誰が…」
ユーリィが呆然とした様子で漏らす。
「これ…この町のデパートだね…」
「ええ、私も美幸さんとよく行く場所なの…」
リィンとシャーナの会話に、マユは不安そうな顔をする。
「…お母さん、いつもあそこに買い物に行くから…巻き込まれて無いといいけど…」
「丁度その時間帯だし…心配だね…」
マユの言葉に、ユーリィも頷く。
「とりあえず…リィンとマユちゃんは現場に向かってちょうだい。
 近くの人の居ない場所に転移して、結界を調査して欲しいの」
「うん、入れそうなら先行して、中も調べるよ。お姉ちゃん」
「気をつけなさいね…私とユーリィは周辺の仲間に応援を依頼しに行くわ。
 これを行ったのが魔族なら、事後処理も大変そうだし、後方要員を集めてくるわね」
シャーナの指示に、3人とも頷く。
変身したマユとリィンは、デパートの近くの路地裏に転移する。
「…この魔力…結界を張ってるのは魔族だよ」
目を閉じて、結界の構成を分析していたリィンが言う。
「転移は出来そう?」
「それは問題ないよ、あくまでこの結界は物理的な出入りを妨げるものだから」
マユの問いに、彼女は頷いて答える。
「そっか…となると、私達を誘ってるのかもね。邪魔をされたくなければ、
 この間の様に、転移できないようにするはず」
「だね…気をつけようね。お姉ちゃんにも連絡しておくよ」
シャーナへの連絡を終えると、少女達は転移の魔法を使い。光に包まれて、その場から消えた。
89魔法少女マユ 第9話 8/19:2009/11/03(火) 22:19:11 ID:G4ZjFjVB
「………」
秘書が電源を入れたテレビを、無言で男は見ている。
「姉貴のアホ…何考えてんだ…」
ソファーに座っていた少年は、頭を抱えながら呻く。
「これは困りましたね…」
男の傍らに立つ、スーツ姿の青年が苦笑する。
「イレーヌの頼みで、彼女にチャンスをやったが…間違いだったようだな」
不機嫌そうに、ヴァルアスは漏らす。
彼ら魔族には、狩りを行うのは夜というルールがある。
目標以外の人間に被害を出さない為と、目立たない様にする為だ。
世間に彼らの存在が、知られるのは好ましくない。
いつ何処から、エルメリア側に尻尾を掴まれるかも分からないからだ。
「…すぐに止めさせますか?」
「いや…ここまで騒ぎを起こしてしまったんだ…最後までやらせてやろう。
 結果を出せば良し、出さなければ…それ相応の罰を与えるだけだ」
傍らのレドリックの言葉に、溜息をつきながら答える。
「殺っちゃいますか」
青年はにこりと微笑みながら王に尋ねる。
「あ、あの…陛下…その…」
「分かっているよ、ラディウス。殺しはしないさ」
恐る恐る口を開く少年を安心させるように、男は笑う。
「なーんだ、つまんない」
王の言葉に、青年が残念そうに呟く。
「勘弁してくれ。レド…」
「冗談だよ、ラディウス」
「おめーのそういう冗談はマジ笑えねぇ…」
顔を青ざめさせている友人に、青年は笑いかけるが、少年は溜息をつき、頭を押さえながらぼそりと言う。
二人のやり取りを見ていたヴァルアスが口を開く。
「レドリック…母体の回収、事後処理の為の部隊を編成しておけ」
「御意、現場にすぐ向かえる様にしておきます」
青年は一礼して、部屋を出て行く。
「…前回同様、制裁を加えるだけだ。安心したまえ」
「陛下の温情に感謝いたします…」
がっくりと項垂れながら少年は言う。
「まぁ、イレーヌの駒を連れているようだし…上手くやるだろう」
「それを祈りますよ…さすがにあのお嬢ちゃんも、イレーヌ様の作品には敵わないだろうな」
王の言葉に、少年も顔を上げて、未だ中継の続くテレビに目をやる。
90魔法少女マユ 第9話 9/19:2009/11/03(火) 22:20:10 ID:G4ZjFjVB
「…来たわね」
デパート内に転移してきた反応に、生鮮食品売り場に居たセディアは呟く。
あの少女ともう一人、エルメリアの魔法使いと思われる反応だ。
「…あの小娘、更に力を増してるみたいね…もう一人もそれなりに強力か」
忌々しげに呟く彼女、だがすぐに笑みを浮かべる。
「なぁに、こっちには先生の作品が居るんだからね…問題ないわ」
そう言って、セディアは後ろを向く。
そこには周囲の人間の魔力を少しずつ吸って大きくなった植物が居た。
様々な植物が融合したような大きな植物は周囲に触手を伸ばし、捕らえた人間から魔力を得ている。
「ここまで大きくなるとはね…頼もしいわ」
にやにやと笑っていた彼女の耳に少女の声が聞こえる。
「そこまでよ!魔族!」
ロッドを構えたリィンが言い放つ。
「っ!…アイツは…!」
隣に立つマユが、セディアの姿を見て、声を上げる。
「知ってるの?マユちゃん」
「うん…ラディウスの姉のセディアっていうの…でもアイツは…」
リィンの問いに答えようとしたマユの言葉を、セディアが遮る。
「そうよ、アンタのせいで…アタシは陛下のお怒りを買い、資料室送りにされたわ…
 弟達にはコキ使われ…地獄の様な日々だったわ…でも、そんなアタシに救いの手を差し伸べてくれた人が居るのよ!」
俯いて、肩を震わせるようにしながら語っていた彼女は、ばっと顔を上げる。
「アンタを倒し、そして多くの母体を一気に集めて。アタシは先生の軍に加えてもらうわ!
 行きなさい!あの小娘達を徹底的に陵辱してやるのよ!!」
びっと指を突き出して、魔物に指示を放つ。
彼女の指示と共に、魔物が少女達に触手を伸ばす。
少女達は左右に跳んで、触手を回避する。
魔物の頭部と思われる、巨大な薔薇の花の中心に有る、爬虫類の口の様な物から、次々と黒い球体が放たれた。
床に転がった球体が弾け飛び、中から随分サイズ小さいものの、魔物と同じ姿の植物が姿を現す。
それらはすぐに、大人の人間程に大きくなって、少女達に触手を伸ばした。
繰り出される無数の触手を掻い潜りながら、少女達は一体一体撃破していく。
「っ…雑魚は問題ないけど…本体が厄介だね」
「触手も斬ったそばからすぐに再生しちゃう…」
背中合わせになって会話をする二人。
周囲には生み出された魔物が3体ほどと、親玉の魔物から伸ばされた触手が蠢く。
「人が居ない場所なら…広域系の魔法を使って殲滅できるのに!」
苦虫を噛み潰したような表情で、リィンが漏らす。
周囲には無数の人が倒れている。
その為、広範囲に影響を及ぼす魔法は使えず、二人は一体ずつ倒しているのだ。
91魔法少女マユ 第9話 10/19:2009/11/03(火) 22:21:00 ID:G4ZjFjVB
「ふふふ…人が邪魔で苦戦してるみたいね。計算どおりよ」
セディアは有利に事が進んでいる事に、笑みを浮かべる。
「一気に殲滅しないと、ジリ貧になっちゃうわよ?もっとも、そんな事をしたら…
 周囲の人間も、ただじゃ済まないけどね!おーほっほっほっ!!」
手の甲を口元にあて、高らかに笑うセディア。
そして一頻り笑うと、近くに倒れていた女性を魔物の一体に拘束させる。
「動くんじゃないわよ!ちょっとでも抵抗してみなさい…一人ずつ殺していくわよ!!」
魔物達を倒していた少女達に向けて叫ぶ。
「「っ!!?」」
魔物が拘束した女性を見て、少女達は息を飲む。
拘束された女性は、彼女たちのよく知る女性…美幸だった。
マユは「お母さん」と叫ぼうとしたが、リィンが押さえる。
(ダメ!マユちゃん…アイツにバレたら何をするか分かんないよ!)
(そ、そっか…でも…どうしたらいいの!?このままじゃお母さんが…)
(うぅ…何とか美幸さんを助け出せれば…)
念話で会話する二人…だが、今の二人に美幸を助ける手立ては無かった。
彼女の細い首に触手を巻きつけ、締め上げようとする魔物。
「待って!殺さないで!!お願い!!」
思わずマユが叫ぶ。
「ふふん…殺されたくなかったら、武器を捨てなさい」
「………」
マユは悔しそうにセディアの方を見つめていたが、やがて剣を床に落とす。
リィンも、彼女と同じようにロッドを床に置く。
生き残っていた魔物が、それを掴んでセディアの元へと歩いていく。
「良い子ね…それじゃ、たっぷり可愛がって貰うといいわ」
セディアの言葉と共に、親玉の魔物から触手が伸ばされる。
「あぐっ!!」
「きゃあっ!」
体を打ち据えられ、吹っ飛ばされる少女達。
「う、うぅ…」
起き上がろうとした少女達は体を触手で拘束され、魔物の眼前に引き寄せられる。
頭部の花が蠢き、口からガスを少女達に向けて噴射した。
「きゃっ!げほっ、げほっ…」
「ごほっ…くっ…うぅ…」
少女達はガスを吸って、苦しそうに咳き込む。
ガスを浴びせられると、少女達は唐突に拘束を解かれ、床に落下する。
倒れこんだ少女達の身体に、徐々に異変が生じていく。
身体のあちこちが疼き、そして熱を帯びてくる。
「くっ…はぁ…あぅ…」
「ふぁ…ああ…」
二人とも身体の異変に戸惑い、自分自身を抱きしめる様に手を回す。
92魔法少女マユ 第9話 11/19:2009/11/03(火) 22:24:11 ID:G4ZjFjVB
「さっきのガスは超強力な催淫ガスよ…アンタ達はもうじき、自分で快楽を求める様になるわよ」
「な…そ、そんな事…するわけ…ひぁ!」
立ち上がろうとしていた少女達は、背後から魔物の触手で尻を撫でられ、嬌声を上げて倒れこむ。
倒れた少女達に追い討ちをかけるように触手が伸ばされる。
「ひやあああ!や、やめ…はうぅん!」
「やだ!お尻触っちゃやだぁ!!」
少女達は尻を触手に撫で回されて、声を上げて悶えた。
更に、股間にも触手が伸ばされ、秘所を弄られる。
「んやああああっ!!」
「きゃうううん!!」
激しい快楽に、少女達は体を震わせながら声をあげる。
ガスには、身体の感じる快楽を倍加する効果もあるのだ。
少女達の声を無視して、触手は少女達の尻や秘所を責め続ける。
触手が放されると、快楽に震えていた少女達は、やがて自分達の胸に手を伸ばす。
「ひぁ…んくぅ…はぁん…」
「はぅぅ…ふぁ…」
激しい快楽に襲われ、我慢できなくなったのか…少女達は自分の胸を揉み始める。
服の上から胸の掴み、ゆっくりと揉み、その度に湧き上がる快感に甘い声を漏らす。
(な、なんで…胸を揉んじゃうの…止まってよ!…こんなのやだぁ!)
(マユちゃん…体が止まらないよぉ…!)
まるで操られたかの様に、自分の意思に反して動く手に、少女達は戸惑いの声を心中で上げる。
「ふ、ふふふ…おーほっほっほっほっ!!!グゥレイトッ!!最高よアンタ!!」
少女達の様子を見ていたセディアは、高笑いを上げる。
「さすがは先生の自信作!もっと責めて、この子達を快楽に溺れさせるのよ!」
魔物は再び少女達に向けて触手を伸ばす。
「きゃっ!?」
「ひゃん!!」
触手の先端から白い液体を放って、少女達の顔や胸に浴びせかけた。
液体は少女達の纏うコスチュームを溶かし、胸を露にする。
少女達に液体を浴びせた触手が大きく口を開く、そして他の触手が少女達の手を胸から引き剥がす。
邪魔がなくなった触手は、吸い付くように少女達の両胸を覆う。
「あああああああっ!!」
「やあああああん!!」
胸に吸い付かれ、引っ張られた少女達は嬌声を上げる。
触手の裏側にも無数の小さな触手がブラシの様についていて、少女達の胸に纏わりつく。
胸を揉むように器用に動かし、じっくりと愛撫を加える。
「んやぁ…らめぇ…ふぁ」
「あうぅん…ひぅん…くひぃ…」
小さな触手で表面をくすぐる様になぞられ、少女達は悶える。
更に、吸い付いている触手本体から、舌の様な器官が伸ばされ、勃起してきた乳首を弄ばれる。
「はうううううううう!!」
「んきゃあああああっ!!」
身体を弓なりに反らして、少女達は激しい快楽に声を上げた。
93魔法少女マユ 第9話 12/19:2009/11/03(火) 22:25:03 ID:G4ZjFjVB
魔物は更に触手を伸ばし、少女達を宙に吊り上げる。
「ひぁっ!」
「んんっ!」
そして、下半身にも先程浴びせた液体をかけた。
覆っていたスカートや下着が溶け、少女達は殆ど裸の状態にされる。
「あうっ!?」
マユが急に逆さまに体勢を変えられて小さく叫ぶ。
魔物は触手を動かし、互いの股間を近づけるように少女達を動かす。
リィンの方の向きを90度回転させて、開かれた足で十字を組むような形に位置を調整すると、一気に少女達の股間をくっつける。
「ひきゃああああああああ!!?」
「あああああああああん!!」
突然の行為と、擦り合わされる股間の快感に、少女達は叫び声を上げた。
そのまま、魔物は少女達の体を動かして、少女達の秘裂や勃起したクリトリスを擦り合わせる。
更に触手が伸ばされ、少女達の股間に媚薬が浴びせかけられていく。
「いやああああ!らめ!らめえぇぇぇっ!!」
「きゃうううううう!たすけてぇ!おねえちゃ、ひやあああああ!!」
互いの股の部分に、クリトリスや膣口が擦り付けられ、激しい快感が生じた。
凄まじい快楽に、少女達は口を大きく開け、涎を零しながら叫び続ける。
浴びせられた媚薬と、それぞれの膣から流れ出た愛液が混ざり合い、淫靡な臭いと音を周囲にもたらす。
「んくくく…いいザマね。でもまだまだいくわよ!」
セディアが指を鳴らすと、魔物は少女達を離れさせる。
「うぅ…」
「ひぁ…あぅ…」
激しい責めから開放された少女達は、ぐったりと力なく項垂れていた。
「そっちの子を、アタシの方に持ってきなさい」
彼女の言葉どおりに、魔物はリィンをセディアの目の前に突き出す。
「ふふふふ…アタシ、良い事思いついちゃったわ」
にやにやといやらしい笑みを浮かべていた彼女は、少女の股間に手を向ける。
呪文を唱え、少女の股間に魔力を送り込んでいく。
「おし、なかなかいい物が出来たわね」
詠唱を終えたセディアは、にやりと笑いながら、少女の股間に出来上がったモノをつつく。
「ひやっ!?な、何…!?」
今までに無い感覚に、少女は恐る恐る自分の股間に目をやる。
そこにはそそり立つ様な、男性の性器が存在した。
「な、何これっ!?なんで私にこんな物あるの!?」
有り得ない光景に、少女は混乱して叫ぶ。
「何って…アタシが作ってあげたのよ。一時的なものだから、一回やっちゃえば消えるんだけどね…
 でも、射精もキッチリ出来る優れ物よ」
笑みを浮かべていたセディアは再び指を鳴らす。
「へ…な、何、何をする気なの!?」
怯えたように声を上げるリィン。
魔物はゆっくりと少女を動かし、快楽によって放心状態のマユの方へと近づける。
「ま、まさか…いやっ!やめてえぇぇぇっ!!!」
セディア達の意図を理解したリィンは、髪を振り乱しながら首を振って叫ぶ。
94魔法少女マユ 第9話 13/19:2009/11/03(火) 22:25:47 ID:G4ZjFjVB
少女の哀願を無視して、魔物は一気に少女の身体を動かし、少女のペニスをマユの秘所へと突き立てる。
「あきゃあああああ!?」
突然身体を襲った快感に、マユは顔を上げて叫ぶ。
「ひぅぅ……えっ…リ、リィン…!?」
下半身を見下ろしたマユは、信じられないという様な顔をする。
リィンが何か言おうとした時、それを遮るように、魔物が二人の身体を動かす。
同時にマユの胸や脇に触手が吸いつく。
「んにゃあああああ!!」
叫び声をあげる少女、それによって挿入されているペニスの締め付けが一段ときつくなる。
「あうううう!!き、きついよぉぉぉ!マユちゃん!!!」
「んやあああああ!!そ、そんな事言われたって…ひあああああ!!!」
少女達の体を動かす形で行われるピストン運動。
耐え難い快感に、少女達は悶えながらも、この異常な事態に混乱し、泣き叫ぶ。
「おーほっほっほっ!!どう!?大事なお友達と結合する気分は!?あはははははっ!!!」
泣き叫ぶ二人を前に高らかに笑うセディア。
(勝った!!ここまで快楽で滅茶苦茶にされたら、もう抵抗なんか出来るはず無い!!)
心中で勝利宣言をする彼女。
「んひいいいいいい!!ひやあああああああ!!」
「ああああああああ!らめてぇ…もうらめぇぇ!!」
徐々に上げられるスピードに、少女達は声を上げ、悶える。
そろそろだろうと判断した魔物は、一際大きくリィンのペニスを奥へと突き刺す。
「はきゃあああああああああああ!!!」
「やああああああ!!出る!!でちゃううううううう!!」
身体を反らしたリィンのペニスから、マユの子宮へと精液が注ぎ込まれる。
「「ああああああああああああああっ!!!」」
少女達は絶頂を迎え、身体を痙攣させていた。
射精が終ると、術が解けたらしく、リィンにあったペニスが消滅する。
同時に、触手の拘束から開放された少女達は、絶頂の余韻に震えていた。
「さって…今度はアンタの触手で犯してやんなさい。前も、後ろもね」
「あうっ!」
「やぁん!」
少女達は触手に体を起こされ、四つん這いの体勢で魔物に尻を向けさせられる。
そして前後の穴に、それぞれ2本の触手を挿入された。
「はくうううううううううう!!」
「んきゃああああああ!!!」
挿入された少女達は、逃れようともがくが、四肢を拘束されて動けない。
「もっと入れなさいよ。まだ入るわ!」
セディアの言葉に魔物は、更に2本ずつ、前後の穴に触手を伸ばす。
「やああああ!もう入らない、入らないってば!!」
「らめぇぇ!らめらめ!無理だよぅ!」
少女達は首を振りながら哀願するが、魔物はその言葉を無視して動く。
95魔法少女マユ 第9話 14/19:2009/11/03(火) 22:26:38 ID:G4ZjFjVB
「ひやあああああああああっ!!」
「あうううううううううううう!!」
ずぶずぶと音を立てて挿入される触手に、少女達は叫び絶頂を迎える。
計8本の触手を挿入され、少女達の膣口と肛門は限界まで広げられていた。
これだけの本数を挿入されたのだ、少女達を激しい痛みが襲うはずなのだが…
それを掻き消すような快楽が、股間に散々浴びせられた媚薬によってもたらされている。
「んんああああああ!!やあうううううううっ!!」
「ひくうううううううん!!」
前後運動を開始され、少女達は顔を上げて叫ぶ。
「んふふふ…完璧に雌犬って感じね…無様だわ」
四つん這いで、だらしなく口を開く少女達は、セディアの言う通りと言った状態だった。
「はきゃあああああ!!たすけてぇ!おかあさんんんん!!」
マユは激しい快楽に押し潰されそうになり、声を上げる。
だが、助けを求められた美幸は、魔物に捕らえられたまま、未だ深い眠りについている。
叫んだ後で、マユはしまったと内心で考えた。
捕らわれている美幸が、自分の母親だと分かったら…この魔女は母にも恐ろしい事を始めようとするだろうと。
幸い、セディアには気づかれなかったようだ。
「呼んだって、アンタのママは助けになんか来てくれないわよ」
笑みを浮かべながらこちらを眺める彼女に、ほっとするものの、また激しい快楽が少女を襲う。
「あああああん!ひやあああ!」
「ひうううううううう!はあああああああああん!!」
挿入の度に、触手で腹を圧迫され、少女達はガクガクと体を揺らす。
更に魔物は触手を伸ばし、ムチの様に少女達の背中を打ち据える。
「あきゃ!?ひやん!!あうっ!!や、やめっ!!」
「やん!ぶ、ぶたないでぇ!!ああっ!」
背中や突き出された尻を打たれて、少女達は新たに生じた快感に悶えた。
ピッチを上げて突き続けていた触手が、奥へと突きこまれる。
「はやああああああああああ!!」
「ああああああああああん!んきゃあああああああ!!」
少女達の絶頂と共に、少女達の身体に大量の精液が注ぎ込まれる。
計8本から放たれる精液は、すぐに少女達の体を満たし、さらに結合部からあふれ出続ける。
射精を終えると、また触手は前後運動を開始した。
「きゃううううううう!!」
「ひあああああああっ!」
じゅぶじゅぶと淫靡な音を立てて、触手が抜き差しされ、その度に白い液体が結合部から流れる。
大量の精液が潤滑油となり、魔物はこれまでよりも速く触手を動かす。
「きゃあああああああん!!も、もうらめぇぇぇぇぇ!!」
マユは髪を振り乱しながら首を振り続ける。
「やああああああああ!ゆ、ゆるしてぇぇぇ、おねがひいいいいいいい!!」
リィンはジタバタともがいて叫ぶ。
96魔法少女マユ 第9話 15/19:2009/11/03(火) 22:27:42 ID:G4ZjFjVB
少女達の周囲に触手が次々と集まってくる。
ピストンを続けていた触手が、深く突き刺さる、魔物が2度目の射精を迎えようとしていた。
「ああああああああああああああああああ!!!」
「んああああああああああああああっ!!!」
びくん、と身体を反らして叫ぶ二人。
既に限界に近い少女達の中に、更に精液が注ぎ込まれる。
そして、周囲の触手達も射精を始め、少女達の体を白濁に染め上げた。
少女達の腹が、破裂せんばかりに膨れ上がった所で、ようやく魔物が射精をやめる。
「あひぃ…ぁぁ…」
「うぅ…ふぁ…」
触手を身体から引き抜かれた少女達は、力なく声を搾り出す。
拘束された少女達は項垂れ、二穴から洪水の様に白濁の液体を漏らし続けた。
「……そろそろ限界みたいね…仕上げといきなさい」
魔物は少女達を、自分の頭の方へと持ち上げる。
そして、頭部にあたる薔薇の花の中心にある口が大きく開く。
「んぁぁ…あぅ…」
まず、マユが花の口に呑み込まれる。
度重なる責めに消耗している少女は、抵抗すら出来ず、魔物に呑み込まれていった。
続けてリィンを呑み込む。こちらもさしたる抵抗は無かった。
呑み込まれた二人は、魔物の体内の大きな空間に閉じ込められる。
魔物の身体の表面の一部が開き、外からでもその光景が見えるようになった。
少女達のいる空間は、座り込んだ少女達の腹が漬かるくらいの、白い液体に満たされていた。
内部は甘ったるいような臭いで充満しており、その臭いが、少女達の思考を麻痺させていく。
彼女達を取り巻く壁には、無数の小さな触手やヒダの様な物が蠢き、少女達の下半身を刺激する。
「んやぁ…はぅぅん…」
「らめぇ…たすけてぇ…」
少女達は、抱き合うように体を密着させて、下半身を襲う刺激に震えていた。
触手が伸ばされ、そのままの体勢で二人を拘束する。
それを合図に、無数の触手が少女達の体を愛撫していく。
ヒダが少女達の秘所や肛門を擦る様に前後に動く。
「あぁあぅ…」
「ひあぁぁ…ら、らめぇ…」
弱々しく声を漏らす少女達。
更に先端に口がある触手が少女達に纏わりつき、腋や太股に吸いついたり舐め回す。
「あふぅん…ふぁ…」
「ひぅ…あぁ…ふにゃぁぁ…」
少女達は、緩やかながらも延々と続く責めに、身を委ねつつあった。
97魔法少女マユ 第9話 16/19:2009/11/03(火) 22:28:38 ID:G4ZjFjVB
「んふふふ…それじゃ、最後の仕上げよ。見なさいアンタ達」
「ぅ…」
「ふぁ…?」
セディアが指を鳴らすと、触手が動き、項垂れていた二人の顔を上げさせる。
「よーく見てなさい…体張って守ろうとした人間が、ぐちゃぐちゃに犯される様を!!」
彼女の言葉と共に、美幸を拘束していた魔物が動き出す。
「くっ…あぁ…」
首を締め上げられ、美幸が苦しそうに息を漏らす。
息苦しさに目を覚ました彼女の身体に、無数の触手が伸ばされ、服を引き裂こうと蠢く。
「きゃぁ!…な、何なのぉ…!?」
自分の置かれている状況に混乱する彼女は、身を捩って逃れようとする。
「い、いやぁ…たすけてぇ、宗一郎さん…マユちゃん…」
恐怖に怯える彼女は、愛する家族の名を呼び助けを求める。
朦朧とした意識の中で、その光景を見つめていたマユは、自分の名を呼ぶ母の声に意識を覚醒させる。
「ぉ、おかあ…さん…」
震えながら小さく声を漏らす。
眼前で母親が魔物に陵辱されようとしている。
助けなきゃ…少女は心中で呟く。
だが、どうやってここから脱出を…そう考えたところで、彼女は気づいた。
この魔物の核と思われる、強力な魔力の集中する部分が、自分達の真上にある事を。
美幸を襲っている魔物も、この魔物から生み出されたものだ…こいつを倒せば無力化できるかもしれない。
絶望的な状況に、僅かながらに勝機が見えてきた。
(でも…私一人の残りの魔力じゃこの壁を貫いてあれを破壊出来ない…リィン!)
未だ続けられる愛撫を必死に耐えながら、マユはリィンに呼びかける。
(マ、マユちゃん…?)
彼女も完全に快楽に堕ちた訳ではなかった。弱々しいながらも返事を返す。
(こいつを倒すために力を貸して!…私一人の力じゃ無理なの!)
(うん、分かった…助けよう…美幸さんを…!)
少女達は、身体を襲う快楽に耐えつつ、握り合っていた手を頭上に掲げる。
そして、残り僅かな魔力を手に集中させていく。
狙いを定め、少女達は限界ギリギリまで集めた魔力を、叫びと共に開放する。
「「貫けえええぇぇぇっ!!!」」
少女達の手から放たれた凄まじい閃光が、魔物の身体を貫き、少女達の頭上に存在した核を撃ち抜いた。
98魔法少女マユ 第9話 17/19:2009/11/03(火) 22:29:30 ID:G4ZjFjVB
「なっ!?」
突如放たれた閃光に、セディアは驚愕の声を上げる。
勝利を確信していた彼女は、少女達に反撃が出来るとは考えておらず、全く注意を払ってなかったのだ。
核を撃ち抜かれた魔物は、のた打ち回る様に触手を振り回しながら、少しずつ崩壊していく。
美幸を犯さんとしていた魔物も、本体の崩壊が始まると同時に、崩れ始める。
「ぐっ!」
「うぁ!!」
腹部に空いた大穴から、少女達の体が投げ出される。
魔物の身体は完全に崩壊し、泥の様な塊が床に広がっていく。
「う…うそ…先生の作品が…」
信じられない、とセディアは呟く。
「くぅぅっ!!…だけど、さっきので打ち止めみたいね。もう魔力残ってないでしょ。アンタ達…今の状態なら私一人で十分よ!」
冷や汗をかきながらも笑みを浮かべる彼女。
「いいえ、貴方の負けよ」
「っ!?誰っ!!」
背後から聞こえた声に、彼女は振り向く。
そこには、また意識を失った美幸を支えている女性が立っていた。
「お、お姉ちゃん…」
「ごめんなさい、遅くなって…」
安堵の表情を浮かべる妹に、シャーナは申し訳なさそうに言った。
他にも次々と転移魔法で、魔法使い達がセディアを取り囲む様に現れる。
「ぐっ…」
周囲を見回して、セディアは呻く。
不利を悟った彼女は、緊急逃走の為にと渡されている転移用の道具を発動させる。
「覚えてなさい!!…この次こそ!」
マユの方を忌々しげに睨みつけながら、捨て台詞を吐いて彼女は消えていった。
「マユちゃん、リィン、大丈夫!?」
ユーリィが少女達の方に近づき、心配そうに尋ねる。
「だ、大丈夫だよ…それより、お母さんは?」
マユは彼女に微笑んだ後、シャーナの方を向く。
「大丈夫よ、まだ何もされてないわ…ちょっと怪我してるけど、今治療してるわ」
「そっかぁ…良かったぁ」
シャーナの言葉にマユは安心したように呟く。
「さて…ここからが大変ねぇ」
シャーナは困ったように呟く。
周囲は散々な状態だった。
「こりゃ、事後処理にかなり骨が折れるぞ…当面は俺らで結界を維持して、証拠隠滅作業だな」
彼女に呼ばれてきた魔法使いの男が、溜息を漏らす。
その後、魔法使い達は総がかりで証拠を消していく。
魔物の残骸や、陵辱の痕跡、破壊された後も出来る限り修復する。
そして、多少意識のあった者達の記憶を改ざんしたり、監視カメラも全て記録を消去した。
事後処理を終えると、結界を消去して、全員転移で退避する。
99魔法少女マユ 第9話 18/19:2009/11/03(火) 22:31:24 ID:G4ZjFjVB
「……美幸さん…美幸さん!」
呼びかけられる声に目を覚ました美幸は、ゆっくりと目を開ける。
目の前には、愛する夫の顔が心配そうに、自分を覗きこんでいた。
「宗一郎さん…」
「良かった…気がついたんだね!」
彼女が意識を取り戻した事に安堵した彼は、彼女を強く抱きしめる。
「ちょ、ちょっと苦しいです〜…」
あまりにも強く抱きしめられた為、彼女は少し顔を顰める。
「あ!…す、すまない…君が何時までたっても目を覚まさなかったから…」
「私…どうしたんですか〜?」
気がつけば自分はベッドに横たわっている事に気づく。
「あれれ〜?私お買い物に行った筈なのに〜…あれれ?」
「お母さん、覚えてないの?買い物に行ったデパートで倒れたの…」
宗一郎の隣にはマユとシャーナとリィンが立っていた。
「大騒ぎだったんですよ?あのデパートで何かあったらしくって…テレビでも中継してましたよ。
 何か化物が現れたって証言してる人も居るそうで…救助の人が入った時には、皆倒れていて意識が無かったそうなんです」
「ふぇ?よく覚えてないわ〜…」
シャーナの言葉に、彼女は首を傾げる。
「お母さんが、何時までたっても帰ってこないから心配してたら、病院から連絡あってびっくりしたよー…」
「私もマユから電話を受けて驚いたよ…慌てて会社を早退して来たんだ」
「ん〜、何が有ったのかしら〜…思い出せないわ〜…」
更に首を傾げる彼女。思い出せないのは当然だ。美幸の記憶には特に強く改竄がかけられている。
「ああ!晩御飯の準備が〜!」
突然叫んで慌てだす彼女に、皆苦笑する。
「もう夜中だよ、お母さん…」
「あ、あうぅ…そんなぁ…」
マユの言葉に、美幸は頭を抱える。
「検査もあるし、今晩はここに一泊する事になるからね…明日は休みだし、私が付き添うよ」
「はぁ…分かりました〜…」
「本当に…無事で良かった…」
じっと彼女の顔を見つめていた男はまた彼女を抱き寄せる。
「ご心配をおかけして…すみません〜…」
美幸も、男の背中に手を回す。
居づらくなった3人は、邪魔をしないようにと、こっそり部屋を出る。
「もうちょっと、場を考えて欲しいなぁ…あの二人」
廊下を歩くマユは、はふぅと溜息を漏らす。
「でも…無事で良かったね」
「うん…ホント良かった」
リィンの言葉に、彼女は微笑む。
(本当に良かった…お母さんを守る事が出来て)
大切な家族を守れた事に、マユは安堵した。
100魔法少女マユ 第9話 19/19:2009/11/03(火) 22:32:39 ID:G4ZjFjVB
逃走したセディアは、本部地下施設の廊下を歩いていた。
「くうぅぅ…またしても…あの忌々しい小娘ぇ…」
ぶつぶつと怨嗟の呟きを漏らしながら、彼女は歩き続ける。
「見てなさいよ…次こそは…次こそは必ず!!」
「次…?そんな物があると思っているのかい?」
突如かけられた声に、彼女は振り向く。
「レ、レドリック…」
搾り出すような声で、背後に居る青年の名を呼ぶ彼女。
青年は無言で彼女に近づき、彼女の首を掴んで、壁に押し付ける。
「あぐぅっ!?」
「貴方に呼び捨てにされるほど、僕は地位は低くありませんよ。無礼な…」
必死にもがくセディアに、冷淡に言い放つ青年。
「貴方みたいな無能者に次があると…?何をバカな事を…今回でさえ、
 イレーヌさんの嘆願が無ければ、有る筈もなかったのに…おまけに白昼堂々あの様な騒ぎを起こすなんて…」
唐突に、首を掴んでいた手を離され、セディアは地面に崩れ落ちる。
「陛下は大変お怒りだ…ラディウスの願いもあって、殺される事は無いが…
 お仕置きと、10年単位の牢獄行きは、覚悟しておく事だね」
「ぅ…うぅ…」
座り込んで咳きこんでいるセディアに、青年は頭上から言葉を浴びせる。
「連れて行け」
レドリックの言葉に、背後に控えていた下魔達が彼女の両脇を押さえて、歩き出す。
「待って!もう一度、もう一度だけ!!こ、今度こそ!」
「言い訳は陛下の御前で言いたまえ。最も、言う余裕すらすぐに無くなるだろうけどね」
連行されながら、必死に叫ぶ彼女に、青年は吐き捨てる。
「い、いやああああああああああああああっ!!!」
セディアの叫びが、通路に空しく木霊した。
101マユ作者:2009/11/03(火) 22:39:18 ID:G4ZjFjVB
はい、迂闊で残念なおねーさんはまたしても失敗しました。これで彼女の出番は今度こそ終了です。
また陛下にお仕置き喰らってますが、今回は割愛しました。
前スレで天地の人が某魔術師のキャラの事を仰っておられましたが、あのキャラがラディのデザイン上のモチーフです。
今回登場した3人で、魔族幹部クラスは全員出揃いました。
3人は前線組なので直接マユと対峙する事はありませんが、それぞれ話には関わってきます。
魔族側も大がかりな動きを開始し、そろそろ話も後半に突入しつつあります。
でわまた次回にお会いしましょう。
102名無しさん@ピンキー:2009/11/03(火) 23:07:27 ID:JYqMNKjO
>>101
GJ!
あなた方のお蔭で最近毎日が楽しみでたまんないです
これだけのクオリティのお話が集まるのって最近のゲトマガですらないからね
103名無しさん@ピンキー:2009/11/04(水) 00:19:12 ID:enVj7y2m
前の人が投下してから一日くらいは間隔を開けようよ
104マユ作者:2009/11/04(水) 04:50:52 ID:qlAeaoVM
>>103
間隔をちゃんと開けるべきでしたね…
すいませんでした。
105名無しさん@ピンキー:2009/11/04(水) 05:22:05 ID:Y7HWq+aI
別にあけなくてもいいよ
106名無しさん@ピンキー:2009/11/04(水) 05:45:17 ID:enVj7y2m
ところで地の文でキャラのことを青年とか少女とか言い続けてるのにはこだわりがあるの?
名前をちゃんと書いてくれないと読みづらい
107('・ω・`) :2009/11/04(水) 13:00:23 ID:pVavDcnp

前スレ>>236の者だお
続きが書けたので投下します
本当は他の人の投下した後はもうちょっと時間を置きたいんだけど
事情があって今日どうしても投下しておきたかったのですごめんなさい

・未定だったタイトルを決定。『華と散る。』

・エロはお下劣つーか、汚い。快楽とかよりも精神的、肉体的に陵辱しております。

・「わたしの戦闘力は五十三万です」みたいなノリ大好き。無駄に広がるお話のスケール。いんふれ。

・だいたい前回と同じ量の投下を予定。
108華と散る。:2009/11/04(水) 13:02:02 ID:pVavDcnp

 フラムは……トレノが陵辱の限りを尽くされる光景を、絶望の表情で見つめ続けていた。ただ見ていることしかできなかった。
 肉体的にも、精神的にも、先ほど受けたダメージが大きいということもある。
 だが、それ以上に怖かった。信じられなかった。
 仲間が……大切な友達が、自分の目の前で、処女を無理やり奪われ、泣き叫びながら許しを請い、玩具のように弄ばれ続けている。
 あまりに悪夢的なことに、思考が追いついていかず、それゆえ、フラムは動けないのだ。
 そして、いま動いてしまえばあの巨人の注意がこちらに向くかもしれない……つぎに陵辱されるのは自分かもしれない。それが怖くて動けないのだ。
(――ふざけるな!)
 フラムは自分自身を叱咤した。気づいたのだ。おのれの愚かで恥知らずな考えに。
(友達があんな目に合わされているというのに、わたしは……わたしは我が身かわいさゆえに放っておくつもりか!?)
 フラムは恥じた。恥じ入った。一瞬でも恐怖に捕らわれたおのれの心の弱さを恥じた。自分がああならなくてよかったと安心した心の弱さを恥じた。
 視線の先では、相変わらずモーヴの悪逆非道が続いている。
「ひゃっひゃっひゃっ! きもぢえっ♪ きもぢええっ♪」
「あぎいいいっ、ぎっ、ぎひいいいいっ」
「もっどおっ、もっと動がす、もっどぎもぢえぐなる、ぶへへへへっ」
「ぎっ……おごっ、もっ、やめ゛っ……」
 トレノの華奢な肉体が、あのような過酷な仕打ちにいつまでも耐えられるはずがない。黄色の魔法戦士の反応はだんだんと弱々しいものへと変わってきている。
「やめろ……」
 よろめきながらも立ち上がり、フラムは言った。
 無防備に背を向けていた魔人がこちらを振り返る。ペニスに突き刺さったトレノごと。
「なんだぁ? えっ、えんがぢょみみず、げひっ、えんがぢょっ、こっち来るな゛」
「……その子を……トレノをはなせ」
 決死の表情で、フラムはモーヴをにらみつける。
 だがモーヴは、怯みもせずに涼しい顔だ。
「やだ。このぢょうぢょ、おでの。おで、もっどごいつで遊ぶ」
 そう言ったモーヴは、トレノの体を持ち上げ、
「やめっ」
 フラムの制止も無視して、思いきり、ペニスがトレノの子宮の入り口をバゴオッ! と抉るほど勢いよく落とした。
「ああああああぎいいいいいッッ!」
「トレノ、トレノおおっ!」
「ぎゃははははははっ! ええごえ、ええ声で鳴ぐなあっ、おで、もっどぎきたい、もっと聞きたい、おで、にんげんのひめい、大好きだでなあっ!」
 ぐっちょ! ずちょっ! ずどん、ずどん、ボゴォンッ!
「やめでええええっ、ぎぐぐぐぐうぎぎぎぎっ! ごわれるごわれるこわれるごわれるううううっ」
「ごわれろごわれろごわれろっ! ……お、おでのいもうど、いもうど、言ってだ。にんげんは、おも、おもぢゃ、玩具だ。
 おでだちのために生ぎておでだちのために死ぬ……おでだぢを楽しませてぶっ壊されるだめだげに生まれでぎた、おもぢゃだっで! おでもそう思う! ひゃっひゃっひゃっ!」
 狂ったように笑うモーヴと、狂ったように泣き喚くトレノ。
109華と散る。:2009/11/04(水) 13:02:57 ID:pVavDcnp
「やめろ――おねがいだからやめてくれ! なんでもする……なんでもするから……!」
 フラムは哀願していた。友達が破壊されていくのを見ているなど耐えられなかった。
 その言葉を待っていたかのように、モーヴはトレノをいたぶる手を止めて、言った。
「なんでも゛お……? ほんどが?」
「あ、ああ。なんでもする……だからおねがいだ、トレノを傷つけないでくれ……」
「ほんどにほんどが? なんでもずるが?」
「本当だ。なんでもする、どんなことでもやってみせる!」
 ――人間は頭のいい生物だ。だが自分の現状があまりにも切羽詰ったり余裕がなくなったりすると、先のことを考えられなくなって馬鹿なことをしでかしたり、普段なら絶対にやらないような失敗を犯したりしてしまうものだ。
 いまのフラムがそうだった。賢い者、自分の状況がよく見えている者ならば、悪魔が差し出してきた契約書にサインなどしない。
 モーヴは悪魔も逃げ出すほどの邪悪に満ちた笑みを浮かべた。
「んじゃ、おまえ゛、いぬ゛になれ」
「え……? い、犬……?」
「ぞ、そうだ。おまえ、いまがら、おでの犬」
 フラムはモーヴの言っていることが分からなかった。犬になれという言葉の意味。それは理解しがたかった。だが理解しなければならなかった。大切な友達を助けるために。
 まず四つん這いになろうとした。それが犬の姿勢だから。だが止められた。
「まで。おまえ゛、なんで、ふっ、ふぐ、服を着でる?」
「……え……?」
「いっ、いぬ、いぬは、ふっふぐなんで着ない、ぎないっ! ぶぇへへへっ!」
 フラムの胸中を絶望が覆った。青い顔で、愕然として巨人を見上げる。
(このおぞましい化け物は……わたしを本気で犬にするつもりなんだ……)
 そう思うと、涙がこぼれ落ちた。これから服を着ることすら許されず、人間としての尊厳をすべて打ち砕かれていくのだ。そう思うと涙がこぼれ落ちてとまらなかった。
「ほら。おめえも見でみろ゛、いまがらごいづ、犬になる゛。おんもじれえぞお」
「おごおおおおっ」
 ペニスに刺さったまま無理やり半回転させられたトレノの正面が、フラムのほうへと向いた。ふたりの視線が合う。
(トレノを助けるためだ。どんなことでもわたしはやる)
 そんなフラムに、いつの間にか隣に立っていたキャナルが声をかけた。
「……フラム。あたしもいっしょにやるから」
「キャナル……」
「あたしもいっしょに犬になるから、怖くない……でしょ? ちょっと裸になるだけよ……それでトレノが助かるなら安いものだわ……そうよ、簡単よ……」
 ぶつぶつと呟くキャナルの顔色もまた青ざめていた。その台詞など単なる強がりに過ぎないのだ。
 ふたりは意を決して、自分の魔法装束から魔力を抜き取った。消え去った魔法装束の下にあったのは、普通の私服だ。それらに手をかけ、ボタンを外し、スカートを脱ぎ、下着ですらも剥ぎ取る。覚悟した彼女らの行程に迷いはなかった。
110華と散る。:2009/11/04(水) 13:04:22 ID:pVavDcnp
 長身のフラム、その裸体は見事な美しさを誇っていた。乳房はあまり大きくないが形がよく、脚はすらりと長い。
 小柄なキャナルもフラムと同じく滅多に見られないほどの美少女だ。やはり胸は大きくないが、少し大きめだが整った形の美尻と、むっちりとした太ももの脂の乗ったような艶やかさは、男なら誰でも魅了されるほどの色気がある。
 ふたりとも、乳首は綺麗なピンク色で、肌は染みひとつない白磁のよう。体毛も薄く、陰毛は秘所を隠しきれていない。
 もしもこの場に芸術家がいたならば、彼女らの肢体を一心不乱にその目に焼きつけ、すぐにでも作品を作り上げようとするだろう。
 美少女ふたりの一糸まとわぬ姿が夜気に晒された。ふたりとも、顔色は悪いものの、恐怖に震えることもなく、屹然とした態度で巨人の悪意に立ち向かっている。
 モーヴは、フラムとキャナルの裸身をじろじろと遠慮なく眺め回し、十分に楽しんだあと、言った。
「いぬ゛になれ゛」
 その言葉を拒否する権利は、フラムとキャナルにはない。ふたりは無言で地に膝をつき、そして両手をついた。四つん這い。犬の体勢。土下座するような、敗北のポーズ。
「フラムちゃん……キャナルちゃん……」
 嗚咽を漏らすように、ペニスで刺し貫かれたままのトレノが言った。
 犬のポーズのまま顔を上げることすらできない、うつむいたままの魔法戦士たちを、モーヴは指差して笑い転げた。
「ひゃっひゃっひゃっ! ほ、ほんどにやっだ、ほんどにいぬ゛になっだ! バカバカ馬鹿ばか、おまえら゛馬鹿だなあ、げっひゃっひゃっ! な、なっざげねーの! ぶぇははははっ!」
「……あんたがやれって言ったんでしょうが……馬鹿はどっちよ、イカレ野郎」
「あ゛?」
 低く呟いたキャナルの言葉を、モーヴは聞き逃さなかった。
 ペニスが腹部を貫通しかねないほどの力をこめて、トレノの体が下に落ちた。
「ぎゃひいいいいいいっ!?」
「やっ、やめっ――」
「犬になったじゃない! 犬になったじゃないのよ! もうやめてよおっ!」
 絶叫する三人。
 モーヴは静かに言った。
「いぬ゛がおでを馬鹿にずるな。おでを馬鹿にじでいいの゛は兄貴だちだげだ。もっども、あにぎはおでをばかになんでじねえけどな」
 深く静かな怒りのこもった、ドスのきいた低い声に、魔法戦士たちは黙るしかなかった。
 モーヴは普段の言動から馬鹿に見られがちだ。だがただの馬鹿ではけっしてありえない暗黒の悪のオーラが、この巨人からは滲み出ていた。
「あやま゛れ。おでにあやま゛れ。ごめんなざい、じろ。でねぇど――」
 そう言い、再びトレノを上下させようとする。トレノは恐怖で息を呑み、フラムとキャナルは慌てた。
「わかったから……あやまる、あやまるから」
「わたしもいっしょにあやまる……だからもうトレノをいじめないでくれ……」
 フラムとトレノは、地に額を擦りつけるようにして、同時に謝ろうとした。
 だがしかし、なんのつもりか、モーヴはそれを止めさせた。巨人が彼女らに向けているのは侮蔑の視線だ。
「お、おまえ゛ら、馬鹿が? 馬鹿か? い、いぬ゛はしゃべらねえ。しゃべる犬な゛んで、い゛な゛い」
 ならばどうやって謝れというのか。
 もはやわけがわからなくなったフラムとキャナル。
 モーヴは言った。
「吼え゛ろ。吼えであやま゛れ、めず犬ども」
 フラムは、歯を食いしばった。
 夏場とはいえ野外に素っ裸でいるとさすがに肌寒い。だがその冷気でさえ、この火照った体を冷ますには不十分だ。赤の他人、それも男に全裸を見られるなど初めてのことなので、羞恥のあまり体が熱くてたまらなかった。
 予感があった。いや、というよりは予定だ。
 いまから自分を襲うのは、こんな火照りなどとは比べ物にもならないほどの、生き地獄だ。
111華と散る。:2009/11/04(水) 13:06:04 ID:pVavDcnp
「わん! わん、わん、わんっ! わんわんわん!」
「きゃんきゃんっ! きゃううううんっ、きゃんっ、くううん、くうううううんっ!」
 ふたりは二匹と化して、声の続く限り吼え続けた。涙を流し、震えた声で吼え続けた。高らかに吼えるたび、自分にとっての大切なもの……人間としての矜持が破壊されていくようで怖かったが、トレノのためなのでどうしようもなかった。
「ぶへへへへっ! ほんどに吼えだ……やっぱりおま゛えら、いぬ゛だな゛」
 モーヴの嘲笑を受けて、恥ずかしさのあまり、ふたりそろって身を震わせる。
 そしてつぎにモーヴが下した命令は、もっと無慈悲なものだった。
「おでの、ち、ちん゛ぽを舐め゛ろ」
 フラムにとっては、とうとう来たか、といった命令だ。トレノを犯しつくした巨人の残虐さ、いやらしさからして、いつか自分たちにも淫らなことを指図するだろうというのは、十分に予測できたことだ。
(キスだって、したことないのに)
 思わず、トレノが刺さっているモーヴのペニスを凝視してしまう。ひたすら巨大でグロテスクで、およそこの世のものとは思えない奇怪な肉棒。あんなものを舌で舐めるなど、考えただけで吐き気をもよおし、鳥肌が立つ。
(最低だな……こんなことなら恋のひとつでもしておけばよかった)
 そして恋人にファーストキスを捧げておけばよかった。愛する人のペニスなら喜んで口に含み、奉仕することもできたかもしれない。
 だがもう遅い。いまだ誰にも味わわせたことのないフラムの唇は、モーヴのペニスによって穢されてしまい、永久に清らかさを失うのだ。
 フラムと同様にキャナルも絶望していた。
「これは夢……これは夢……悪い夢……」
 ぶつぶつと呟きを繰り返すキャナルの瞳からは、いつもの力強い光が消えていた。
 ふたりはのろのろとした緩慢な動作で、モーヴのところへと這っていく。四肢の動きは重く、その歩みはまるで処刑台に向かわされる罪人のように遅々としていた。
 しゃがみこんだモーヴのペニス。その下には睾丸の入った玉袋がふたつぶら下がっていて、股間は全体が剛毛に覆われていた。間近で見ると、思わず目を背けたくなるほどの光景。そして鼻が曲がるほどの臭い。
(く、臭い……)
 もともとまともに体を洗っていないモーヴの凄まじい体臭に加えて、濃厚な精液と血液と小便の臭いが入り混じり、猛烈な悪臭となってフラムとキャナルを襲う。
 躊躇してしまったふたりに苛立ちを感じたのか、モーヴの声は怒りを含んでいた。
「おい。い、いづまでまだせる゛んだ? おで、も、もう我慢でぎねえ」
「わ、わかったから……いま、舐めるから」
 四つん這いのまま首を伸ばし、モーヴの玉袋に舌を這わせる。フラムの頭よりも大きな睾丸だ。
「うぐううう……」
 うめき声を上げてしまう。
 想像していた以上の激臭と、苦痛に思うほどの味。ありえないほどの生臭さに脳が痺れ、舌が拒否反応を起こして麻痺する。
 隣では、キャナルがすすり泣きながらモーヴの肉棒の幹に舌を這わせている。肉トゲまみれのおぞましい本体だ。
 ぴちゃぴちゃ、ぺろぺろ……。
 身を震わせて声もなく泣きながらの奉仕は五分間も続き、ふたりは屈辱のあまり死をも願いそうになった。
 だがそんな決死の覚悟を、モーヴはつまらなそうに否定した。
「あ、あん゛まり気持ちえぐねえなあ。おまえら゛、ぜんぜん気合いが入っでねぇも゛ん」
 ならばどうすればいいというのか。これ以上の奉仕は本当に無理だ。フラムもキャナルもモーヴを満足させるためにはどうすればいいのか、まったく見当もつかない。
 だがそんな心配は無用というものだ。
 犬には自立した思考など必要ない。やるべきことは主人が考え、命令してくれる。
112華と散る。:2009/11/04(水) 13:06:41 ID:pVavDcnp
「お゛い、そ、そっぢの、あっ、あがいほう、赤いみみっず、みみずっ」
 フラムに、主人から、絶望的な命令が下る。
「おま゛え……おでのケツを舐め゛ろ」
 フラムの思考は、モーヴの言ったことを理解しようと必死になった。だがどうしてもできなかった。理性では分かっていても本能が拒否をする。人間としての最低限の矜持が、モーヴの命令を拒否しようとするのだ。
「え……? ……?」
「ぎ、聞こえ、なっ、ながっだのが? おでのケツを、なっ、舐めろ゛。ウンコの出る、あ、穴を、舐めろ! ひゃっひゃっひゃ!」
 いままでとは比べ物にもならないほどの虚無の絶望が、フラムを襲った。
 表情すらなくし、涙を流す。
 フラムは、地べたに額を擦りつけて懇願した。
「む、無理です……」
「……ああ゛?」
「無理です……おねがいですから、それだけは許してください……おねがいします、それだけは許して……」
「だ、駄目だな゛。おま゛え、おでの犬。おでの言う゛こど、なんでも聞く。そ、そう約束しだ」
「でも、無理です……おねがいします、それだけはゆるしてください……無理なんです……ほかのことならなんでもしますから、許してください……」
 恥ずかしさと惨めさで涙が止まらなくなるほど無様な、屈服と哀願。
 モーヴは、許さなかった。
「駄目だぁ。お、おでのケ、ケツの穴を舐め゛ろ。でねえどこいつを突ぎ殺ず」
 トレノの体が小刻みに動かされた。ズタズタに引き裂かれた膣をさらに酷使されて、黄色の魔法戦士は悲痛な叫び声を上げる。
「いだいいいいいっ! いやだあああっ、もうイヤあああああっ! たすけてえっ、おねがいだがらだずけでえっ! フラムちゃんだずげでええっ! 苦しいよおおおっ!」
 その声を無視することは、フラムにはできなかった。
 すべての感情を殺し、モーヴのまたぐらをくぐりぬけて尻のほうへと這っていく。
 キャナルの瞳は生気を失っていて、フラムに声をかける余裕すらない。彼女とて肉棒奉仕の絶望と屈辱で悶死しそうなのだ。
 そしてフラムは巨人の尻に到着した。
 毛むくじゃらでイボだらけの尻は、やはり臭いもひどかった。糞便の臭いだ。意を決して窄まりへと顔を近づけてみると、目に染みるほどの刺激臭が漂ってきた。
 モーヴはどうやら用を足したあとにそこを綺麗にするという習慣がないらしい。
 いったい何年分の垢と糞のカスが蓄積されているのか、見当もつかなかった。
「でっ、手を、づ、づかうなよ゛、ひっひっ! お、おめえ゛はいぬ゛だがらなあ゛」
 無情な指示。
 四つん這いのまま、尻の割れ目に顔を埋めろというのだ。
「舐める゛どきは、ぢゃんど言え! お、おでのゲツをぎれいにずるっで、ぢゃんと言え! なめざぜでもらっでありがとうございまずっで、ぢゃんと言え!」
 しかも、声高に敗北宣言をしろとまで、モーヴは命令してきた。
 フラムは、ためらった。だが彼女の精神はもはや抵抗をあきらめかけてしまっていた。たび重なる悪夢が、激しく燃える心の炎を吹き飛ばしかけていた。
「わ、わたしは……」
 そして。
「たっ、ただいまから、尻の穴を舐めます……犬の分際で、ごっ、ご主人さまのお尻の穴を、舐め清めさせていただきます! ありがとうございますっ……! くぅううん、わんわんっ!」
 フラムは言ってしまった。キャナルにもトレノにもモーヴにも聞こえる大きな声で、最終的な敗北宣言――みじめなアナル舐め奴隷の身分に堕したことを証明してしまったのだ。
 とうとう、フラムはその汚らわしい部分に口をつけた。
「……く……っく、……ぐううっ……うええっ……」
 もじゃもじゃとした毛が顔面を蹂躙する。垢と糞便の残りカスの凄まじい悪臭と味が、フラムの精神をズタズタに引き裂いて、踏みにじる。
(くっ、くさいっ……くさいっ! でもっ、舐めないと、トレノが……ああ、くさいっ……こんなの、こんなのって、あんまりだ……)
 思い切り突き出した舌先が、モーヴの尻の奥のどす黒い窄まりに触れた。とびきり苦い、舌が痺れるほどの刺激が、そこの味だった。
113華と散る。:2009/11/04(水) 13:07:17 ID:pVavDcnp
「ひっ……えっ……ふぐっ……うっ、うっ……」
 嗚咽が止まらない。
 いつも凛々しい表情で悪と戦っていた魔法戦士フラムは、もはや死んだ。
 いまの彼女は、ただの犬。命令とあれば敵の尻の穴ですら舐め清める、人間以下のメス犬でしかない。
 死にたい、と。生まれて初めて、フラムは本気でそう願った。これまでの人生、楽しいことも辛いこともあったが、それらすべてを含めて彼女は自分の人生を楽しんでいた。自分を産み落としてくれた両親に感謝していた。
 そんなフラムが、いま、初めて思う。あまりの惨めさと恥ずかしさゆえ、死んでしまいたい、と。
 生まれてきたことすら後悔する、おぞましい地獄。
 だが……いま立っているここですらゴールではなくスタートなのだと、フラムはまだ気づいていなかった。
 ブブウウウッ、ボブウウウウウウウッッッ!
 大きな爆発音。それがモーヴの尻の穴から発生した。突風のようなものを受けて、フラムは後ろに突き飛ばされるようにして倒れていた。
 ――放屁だ。
 圧倒的な激臭が、周囲に漂った。
 髪を乱し、目を白黒とさせて、きょとん、としていたフラムの表情が、不意に哀しく歪んだ。
(なんで、こんな……みじめっ……みじめすぎる……)
「う……うげえええっ、げええええええっ」
 その場でうずくまり、嘔吐。胃に入っていた食べ物も胃液もすべて吐き出し、目からは際限なく涙を流し、鼻水と涎まみれの口を拭おうともせず、胸を掻き毟るようにしてのた打ち回る。
 ペニスを舐めていたキャナルも同様だ。
 呼吸困難を強いられる、最低最悪の超悪臭。催涙スプレーを顔面にくらったかのような衝撃に、ふたりの魔法戦士は悶絶して苦しみ続ける。
 モーヴは満足げに笑っていた。
「ぶっひゃっひゃっひゃっ! へぇ出だっ、屁が出たあっ。ひゃっひゃ、づ、づらいだろうなあ゛。い、いぬ゛は、鼻がよぐぎぐがらなあ」
 本当に犬であったならば、フラムもキャナルもショック死している。それほど、モーヴの放屁は強烈だった。
 もう、フラムもキャナルもうずくまったまま、四つん這いの姿勢に戻ることもできない。
「もうやだ……やだ……おうち帰る……もうやだぁ……父さん……母さん……たすけてえっ……もうやだぁっ……」
「お兄ちゃん……お兄ちゃん、助けてよぉ……お兄ちゃん……」
 ふたりとも、それぞれの大事な人の名前を呼びながら、身を震わせて泣き崩れていた。
 非情なモーヴは、ふたりに小休止すら許さなかった。
「おい゛。おまえ゛ら……な、なに休ん゛でる? おではま、まだ満足じでねえぞっ!」
 巨大な手のひらが、フラムとキャナルをがっしりと掴む。そしてフラムを尻の穴に、キャナルを玉袋へと押し付け、奉仕を強要した。
「ほら゛っっ! なめ゛ろっ、なっなめ゛まわじでおでを気持ちえぐざぜろっ!」
「んんぶうぐぐぐぐうううっ!? うげえええっ、あがあああっ」
「やだああっ、ぶはっ、やっ、んむぐううっ、やだっ、うぶうううっ!」
「ひゃははははっ! お、おまえら、おでのだめのおもぢゃっ! お、おでのおでのおっ!」
 悪夢だ。
 狂乱する悪夢だ。
 モーヴの持つあまりにも圧倒的なパワーと、残虐な本性……それらは魔法戦士たちを容赦なく蹂躙し、辱め、壊していく。
 希望は、ない。
114華と散る。:2009/11/04(水) 13:08:41 ID:pVavDcnp
「ひゃあああっははははははははははっ!」
 モーヴは、気分をよくしていた。とても充実した気持ちだった。楽しくて楽しくて仕方がない! 人間は虫けらだ。小さくて、ひ弱で、愚かで、哀れになるほどちっぽけな存在だ。魔族の食事になることでしかその存在の価値が生まれない、この世でもっとも下等な種族だ。   
 そんな人間どもを圧倒的なパワーで蹂躙する快感ときたら、どうだ!
 最高だ!
 今夜はじつに気分がいい……。この虫けらどもを犯しつくして気持ちよくなったあとは、兄に贈り物として捧げよう。ちょっと調子に乗って壊してしまったかもしれないが、なあに、さほど問題はあるまい。気持ちは伝わる。兄へのみなぎる尊敬の気持ちは。
「でへっ、でへっ、ほめでもらえる、お、おで、あ、あにぎに褒めてもら゛えるっ」
「――あら。それは無理よ」
 声は突然に聞こえた。
 と同時に、モーヴはやたらと涼しい自分の股間に気づいた。
 ――ペニスが、根元から切断されてなくなっていた。
「あ……?」
 きょとんとした声を出した直後、その壮絶なまでに美しい断面から、思い出したかのように血が噴き出た。
「あでえええっ!? ぢんぼっ、おでのちん゛ぽおっ!?」
 フラムとキャナルを乱暴に放り投げ、ペニスの傷口を押さえる。
 中空に投げ出されたフラムとキャナルを、何者かが受け止めた。まったく反対方向に飛ばされたふたりを、ほぼ同時に救ったのだ。尋常な移動速度ではない。
 モーヴのペニスは、彼から十メートル以上も離れたところに落ちていた。トレノを突き刺したままで。切断面からはおびただしい量の血液が流れ出ている。
 ひとりの女が、そこに立っていた。
 燃えるような赤髪を腰に届くほど伸ばし、穢れなき純白のレオタードと、真っ赤なグローブやブーツを身にまとっている。
 凄まじいまでの美女だ。年齢は二十二歳ほどか。百八十センチほどの長身。大きく豊満な乳房と、くびれた腰、健康的で肉付きのいい尻と脚。すべてが完璧で、目にまぶしい。男なら誰もがこの女性の寵愛を得ようと躍起になるはず。
 柔らかで優しげな目つきは聖母のよう。そして両肩に担ぎ上げているフラムとキャナルをそっと地に横たえる姿は、慈母のようでもある。
 女性は、両手にそれぞれ長剣を携えていた。極めて外見の酷似した双剣。どちらも西洋風で、装飾のほとんどない、長さ一メートルほどの両刃剣だ。
 地べたに寝かされたフラムはその女性の姿を見上げて、弱々しく、しかしはっきりと呟いた。
「せ、先生……?」
「こんばんは、フラムちゃん。――トレノちゃんはまだ動かさないで。刺さっている物の血が抜けてからのほうが簡単に抜けるから」
 そして。
 女性は、モーヴのほうへと向き直り、その両手に握る双剣を構えた。
「――誰もあなたを二度とは褒めない。あなたはここで、」
「おま゛えはごごで死゛ぬッッ!」
 女性の口上を、モーヴは聞いてなどやらなかった。
 股間から流れる血をそのままに、怒りをあらわにした巨躯が跳ぶ。低く鋭い跳躍のスピードからは、局部を破壊されたダメージを感じさせない。
 キャナルが反応することすらできなかった、モーヴの超スピード。
 フラムが抵抗することすらできなかった、モーヴの超パワー。
「遅い」
 炎髪の女性は、それらを余裕の動きで待ち構え……そして、モーヴが突き出してきた巨大な拳を、片方の剣の刃で受け止めた。
 がきぃん、という、甲高い音。
 拳と刃がぶつかった音ではありえないが、しかし、現実に衝突しているのは拳と刃だ。
 モーヴの表情に驚愕の色が広がった。自分のパワーを正面から防ぐ存在など信じられない、そんな驚きがありありと浮かんでいる。
「ぬう゛ううっ!? お、おま゛え……おでの、こ、こぶじを゛っ!?」
「拳? こんなものが?」
 ふっ、と。せせら笑うように、女性は言った。聖母の顔はすでにない。あるのは戦士の顔。魔法戦士の顔。戦女神の顔。戦いの顔。
「お姉さんが教えてあげる。――本当の拳というのはね、これよッ!」
 女性の体がモーヴの拳をかいくぐり、低く沈み込む。
 鋭く伸びるストレートパンチ。剣を握ったままの右拳が、モーヴの腹を深くえぐった。
「ぐべえあああああああっ!?」
 巨体が後ろに向かって大きく吹き飛ぶ。
115華と散る。:2009/11/04(水) 13:10:47 ID:pVavDcnp
 戦車砲の直撃ですら通用しないタフさを誇るモーヴが、地面を何メートルも転がり、血反吐を撒き散らしながら悶絶した。
 軽く柔らかそうな女の手でありながら、内包しているのは大砲をも超えた超破壊力だ。
「どう? 勉強になった?」
 涼しげにそう言い、悠然とその場に佇む、女。
 女性は、信じがたいことに、モーヴを圧倒していた。魔法力二十五万を超える怪物を、ただの人間が。
「う……う、ぐうううっ……お、おまえ゛、ぢょうぢょ、じゃない……だっだ、だんごむじでもない゛、みっみ、みみず、でもない゛っ」
 女性を凝視するモーヴの瞳に、光が宿る。理解の光だ。
「あっ、あにぎが言っでだ。虫けらどもにも、つっ、強いのがい゛る。おでだぢのごはんをジャ、邪魔する、蛆虫っ! ……いのぜんど・ないづっ!」
「ご名答。気づくのがちょっと遅かったわね、ぼくちゃん?」
 挑発するように女性は言う。
 モーヴは、血を吐いてうずくまり、動かない。なにやらぶるぶると震えている。恐怖だろうか? いままでさんざん好き勝手に悪逆の限りを尽くしてきた魔人が、自分以上の力の持ち主と出会ったがゆえ、恐怖で身を震わせているのか。
 それを証明するかのように、モーヴは地べたに両手と額を着けて、土下座の姿勢をとった。
「ごめんなざい」
「あら……なんのつもりかしら?」
「ご、ごめんなざい。お、おで、あや゛まる。ゆるじでぐだざい。ゆっ、ゆるじで」
 あまりにもあっけない、敗北宣言。
 もちろん女性にはモーヴを許すつもりなど微塵もない。なぜなら、
「お、おで、おまえ゛を、みっ、見くびっでだ」
 なぜなら、顔を上げたモーヴの瞳には、邪悪な殺意と戦意が満ち満ちていたのだから。
「ほっ、ほん、ほんぎ、本気を出じで、おまえ゛を、ごっ、殺ず」
 モーヴの周囲で、空間そのものが爆裂した。
 二十五万の魔法力が膨れ上がる。
 と同時に、この山全体からいっせいに野鳥たちが飛び立った。犬や猫などの獣たちもわれ先にと逃げ出していく。彼らはギャギャアと泣き喚きながら、顔を青くして全速力で逃げ出した。モーヴのあまりの魔力に、野生の本能が恐れをなしたのだ。
 朦朧とした意識のなかで、フラムとキャナルは、悟った。
 モーヴは本当に、自分たちのことなど玩具としか見ていなかったのだと。ここまでの戦いで、あの魔族は、本当の実力の一割も出してはいなかったのだと。
 ――モーヴの全身が小さく縮こまっていく。四メートルもの巨躯がみるみるうちに小さくなっていき、身長二メートルほどのサイズにまで変貌していく。
 股間の切断面から流れていた血がピタリと止まり、肉が盛り上がり、再生していく。魔族特有の超生命力ゆえか。
 無意味に膨張していた筋肉が限界にまで引き締まり、より戦いに適した形態へと変化を遂げる。
 それは、余分な要素、無駄な要素を取り除き、その強さを濃縮していくかのように。
 切れ味の鋭い刃物が、より高度に研ぎ澄まされ、洗練された業物となるように。
 獣がより速く走り、より強い牙を持つように。鳥がより高く、より素早く飛ぶように。魚がより深く海に潜るように。人間がより賢くなるように。
 モーヴの全身が輝いた。肉体のサイズを半分以下にまで凝縮したことによる進化。それは光り輝く全身の筋肉。異常なまでに密度を増した、ダイアモンドの筋肉。
 だらしなく弛緩していた口元が精悍に引き締まり、大きく深すぎた呼吸が小さく静まる。
 モーヴの瞳……三つの目の色が、黒から赤へと転じた。禍々しく爛々と光る、紅の瞳。
「この姿になるのは、久しぶりだ。人間界では本気になる必要もなかったからな」
 重低音の声でモーヴが言った。鉈の重みと剃刀の切れ味を含んだ声だ。先ほどまでの暴走する野生はない。あるのはただ静謐なまでの知性だ。
116華と散る。:2009/11/04(水) 13:11:50 ID:pVavDcnp
「俺の名はモーヴ。――女。おまえの名は?」
「七大魔法戦士がひとり、《聖炎》のイノセント・プラーミア」
 プラーミアはそう名乗り、両手の双剣に魔力を流した。刀身が炎に包まれる。魔をことごとく滅する、聖なる魔法の炎。
 突風が吹き荒れた。木々がざわめき、これから始まる死闘の激しさを予告する。プラーミアとモーヴの双方が放つ鬼気が、激しくぶつかり合って戦っている。それが物質的な風となっているのだ。
 にやり、と。モーヴは口の片端を吊り上げた。
「プラーミア。強いな。おまえは強い。見れば分かる。虫けらではない」
「あなたもね。魔将軍クラスといったところかしら?」
「いいや。ただの雑兵だよ。俺はできそこないだからな。――魔界には俺よりも強い奴など大勢いるぞ。あきらめろ、魔法戦士。人間には勝ち目などない。素直に俺たち魔族に従属すれば、苦しまずにすむ」
 モーヴは饒舌だった。いままで混沌としていた頭脳の方向性を戦闘だけに向けたがゆえ、思考が統一され、洗練されたのだ。ただ粗暴なだけだった言葉遣いも変わり、いまでは全身から大戦士としての風格を漂わせている。
「かもしれないわね」
 プラーミアはそう応え、しかし言葉とは裏腹に戦う意思を瞳に灯す。
 低く腰を落とした戦闘態勢。女戦士は凛々しく言う。
「でもそれは、奴隷の選択よ。そして奴隷の行く手にあるのは地獄の未来。私は魔法戦士として、それだけは選べない。あきらめるのはあなたのほうよ、モーヴ。私たちはあなたたちがあきらめて立ち去るまであきらめないわ」
「――いい返事だ。まさに、戦士。おまえほどの敵と、二度とは戦えまい」
 モーヴは両腕を広げ、握り締めた拳と表情を歓喜で震わせた。
 充実し、膨れ上がっていく、モーヴの巨大なる魔法力。
 そしてそれは、突然、爆発した。
「この出会いに感謝を! ――行くぞッ、死ねいッッ!」
 モーヴの足元の地面が吹き飛ぶ。偉大すぎる跳躍力に、柔弱な人間界の地では耐えられなかったのだ。
 地表すれすれを異常な前傾姿勢で跳ぶモーヴの速度、すでに人間の動体視力で反応できる限界を超えている。
 音速を超えて跳んできた巨体と拳を、プラーミアは軽く上半身を反らすことによってかわし、直後、体を戻す反動を利用することによって斬撃を見舞う。
 お互いに足を止めた至近距離での白兵戦は、熾烈を極めた。
 プラーミアの炎を帯びた双剣が煌くと、モーヴの両拳がそれを防御する。
 モーヴの拳が怒涛の勢いで炸裂すれば、プラーミアはそれをあざやかに避け続ける。
 拳が飛ぶ。
 刃が舞う。
 二転、三転。お互いの位置がめまぐるしく立ち代る攻防。
 ふたりの戦いは、舞踏のようでもあった。腕どころか脚の動きですら残像を生む、超高速のダンス・バトル。
 二十五万の魔法力をフルパワーで身にまとっているモーヴに、生半可な攻撃魔法は通用しない。人間が扱えるほとんどの物理攻撃や魔法攻撃の歯が立たない、鉄壁の肉体だ。戦艦の主砲ですら、いまのモーヴを害することは不可能。
 では、プラーミアの刃がモーヴの体を少しずつ傷つけ、ときには深く斬りつけることができるのは、なぜなのか。
 その謎の答えは、プラーミアの双剣に揺らめく炎にある。魔法によって生み出されたこの炎は、魔力を食らって燃え続ける。モーヴの防御力を増している魔力を食らい、無効化し、鋼鉄よりも硬い肉体にダメージを与えることに成功しているのだ。
 これこそ、魔法戦士プラーミアが《聖炎》の二つ名で呼ばれるゆえん。いかなる魔的生命体であろうとも、この炎の刃で斬りつけられて傷つかぬ理由はない。
117華と散る。:2009/11/04(水) 13:12:52 ID:pVavDcnp
「ぐ……ッ!」
 胸を深く斬りつけられたモーヴの表情が、苦悶で歪む。
 が、それもまた楽しいとでも言うかのように、苦しみを笑顔で打ち消して、魔人モーヴは猛り狂った。
「ぐ、ぐははははっ! 面白い、面白いぞ、プラーミア!」
 あまりにも素早い両腕の動きのため、その数が増えたようにすら見える、モーヴの打撃。
 残像を生んで迫りくる拳をプラーミアはかわし続け、あるいは剣の腹で防いだが、何発かは肩や腹部に当たった。今度はプラーミアの表情が苦痛で彩られる番だった。大砲よりも爆発力のある拳だ。魔法力をまとっていなければ受けた箇所が爆ぜている。
 さらに。
 モーヴの手の甲から肉を突き破って、三枚のブレードが伸びた。鋼鉄の色。両手で合わせて六枚のブレードは、それぞれ五十センチほどの長さを持ち、この世の刃物とは思えぬ鋭利な切っ先を尖らせていた。
 拳を武器とするモーヴにとって、これ以上の凶器はない。
 モーヴが拳を突き出し、叩きつけるたび、空間が裂けるかのような威力が生じる。
 ピュン、ピュンッ! と、口笛のような音が間断なく続く。それらはすべてモーヴによる斬撃の音色。ダイアモンドですらチーズのように切り裂く攻撃が狂ったようにかき鳴らす、死神の笛の音だ。
 常人ならば最初の一撃すら認識できずに微塵切りとなる殺人暴風域。
 プラーミアは超人的な動体視力と反射神経によって、そのすべてに対応していた。神業というしかない。が、攻めの姿勢に転じる機会を見つけられてないのも事実だ。
 体力で敵に劣るプラーミアにとって、この戦況、長引けば長引くほど不利になる。
 単純な魔法力の数値で勝っているのは、プラーミアだ。だがモーヴは魔法力の差を埋めるほどの膨大な体力、巧みな体さばき、狂ったような覇気と怒涛の攻めによって、歴戦の魔法戦士と互角以上の戦いを演じているのだった。
「くっ――」
「どうした!? この程度か!? 違うだろう、プラーミア! 本気を出せ! 見せてみろ、おまえの全力ッ!」
 横殴りのブレードがプラーミアを襲う。
 剣で受けては、折られることは必定。
「はあっ!」
 プラーミアは後ろへとのけ反るようにして必殺の一撃をやり過ごし、そのままくるくると後方転回。軽業師のような身のこなしで、モーヴの攻撃範囲から逃れた。
 切り傷まみれのモーヴが、血を流しながら追撃してくる。
 プラーミアは、静かに詠唱を開始した。
「炎よ」
 双剣を交差させ、そこに大きな火球を作り上げる。
「偉大なる炎の精霊たちよ! 契約者イノセント・プラーミアの名において命じる!」
「させるかあっ!」
「そのすべてを焼き尽くす業火をここに。――素早く来たりて、わが敵を討て!」
 プラーミアの眼前で揺らめいていた炎が、巨大化した。直径五メートル以上の大火球。それはすぐさまモーヴへと襲い掛かり、魔人の全身をたやすく飲み込む。
 モーヴの絶叫が響き渡る。いかに不死身の生命力を誇る魔族とて、その不死身の根源たる魔力を食らい尽くす魔炎に包まれては、死は逃れられない。
「うおおおおっ、まだ、まだだあああああっ!」
 大火球を突き破って、モーヴが飛び出た。全身を炎に焼かれながらプラーミアに突進。人間はもちろんのこと魔族ですらも致命傷となる大火傷を負いながら、それでもプラーミアに向かっていく。なんという執念か。
 プラーミアは動かない。いや動けないのか。大魔法を使用し、疲弊したのか。それとも勝利を確信し、慢心していたのか……どちらにしても、一瞬の判断のミスが命取りとなる戦場において、その隙は致命的だ。
 モーヴの拳から伸びているブレードが、音速を超えてプラーミアの顔面を貫いた。
 だが、モーヴの表情を染め上げたのは、勝利の喜びではなく、愕然とした驚愕。
「なにっ!?」
 その驚きは当然のものだ。
 仕留めたと思ったプラーミアの姿が揺らめき、炎と化したのだから。
 魔法の炎による幻影。
 そう悟ったモーヴは、瞬時にして竜巻のごとく回転した。
「そこかあッ!」
 背後への打撃。
 それは、低く身をかがめたプラーミアには当たらず――
 モーヴの心臓を、そして腹部を、双剣の切っ先が貫いた。
118華と散る。:2009/11/04(水) 13:16:07 ID:pVavDcnp
「ぐ……お、おまえ……」
 内部から焼き尽くされていく激痛のさなか、モーヴは驚きを禁じえなかった。
 プラーミアは最初に放った大火球の内部に潜んでいたのだ。そしてモーヴが飛び出すまで彼のすぐそばで身を隠し続け、幻影に騙されたモーヴが無防備な背中を晒し、偽りの勝利と驚きによってほんの一瞬だけ油断するまで、じっと待ち続けたのだ。
 自分で作り出した火球とはいえ、少しでも魔力の操作が狂えば、自分自身をも焼いてしまう、常識外の精密作業。プラーミア以外の魔法戦士に同じことはできないだろう。
「な、なんという……奇知……なんという度胸……女にしておくのは、惜しいな……」
「あなたもね。……こんな奇策を使わなければ勝てないほど、あなたは強かった。魔族にしておくには惜しいほどにね……」
 魔法戦士と魔人は、互いを好敵手と認め、微笑みあった。かたや獰猛に、かたや優雅に。
「楽しい……これほど楽しい戦いは、初めてだ……ぐぶっ!」
 体内から逆流してきた血液を吐き出すことを、モーヴは全力を使って堪えた。傷口の筋肉を収縮させて、刃を血が伝うことすらさせない。眼下にはプラーミアがいる。この壮絶なまでに強く美しい敵を、おのれの血反吐で穢すことなど、彼のプライドが許さなかった。
 死期を悟ったモーヴの表情に、安らかな感情が広がる。
「身勝手な、ね、願いで、すまんが……ひとつ、頼まれてほしい」
「……なにかしら?」
「お、俺の家族に出会ったなら、こう伝えてほしい。……俺は……幸せだった、と。どうしようもない落ちこぼれの俺、だったが……みんなのおかげで、俺の生涯、は……素晴らしく、光り輝いていた、と……」
 モーヴの三つの瞳からは、涙が流れていた。それはこの邪悪な魔族には似合わないほど清く澄んでいて、彼の内部の聖なる部分が溶け出したかのようだった。
 だからなのだろう。プラーミアがゆっくりとうなずいたのは。
「約束するわ」
 それを聞いて、モーヴは安心したように目を閉じた。
「あ、ありが、とう。……お、おで、安心しで逝げる。……あ、あにぎ……ごめんよ゛、おで、もっどあにぎの役に立ぢだがっだ……」
 その目から、耳から、口から、真っ赤に燃える聖なる炎が噴き出す。
 それはやがてモーヴの全身を焼き尽くし、魔族の悪の精神と肉体を浄化していった。
 ぼろぼろと崩れ去る灰と化し、その灰すらも空気中に溶けるように霧散していくモーヴを、プラーミアはしばらく見届けていた。
 やがて、彼女はモーヴの名残に背を向けた。腰の鞘に双剣を納め、倒れているフラムたちのほうへと歩み寄っていく。
 フラムは、再び戦闘装束を構成して身に纏いながら、プラーミアの姿を見上げて言った。
「先生……」
「がんばったわね、フラムちゃん。体のほうは大丈夫?」
「は、はい。わたしは、大丈夫です。でも、トレノが……トレノが……」
 柔らかな聖母の微笑を浮かべていたプラーミアだったが、黄色の魔法戦士トレノの心身を蝕んでいるおぞましい惨状を改めて目にすると、自らのことのように悲しげな目つきになった。
 虚ろな視線をさ迷わせているトレノが、プラーミアのことを認識している様子はない。無理もないだろう。あれだけの陵辱の限りを尽くされ、身も心もボロボロになるまで破壊されたのだ。
 プラーミアはトレノの横に、そっとしゃがみこんだ。
「そろそろ、抜いてもいいでしょう。……トレノちゃん……我慢するのよ」
 そう言い、モーヴのペニスの根元近くを掴む。それは血液が抜け出たおかげでずいぶんと小さく縮んでいたが、人間にとってはいまだに大きな逸物であることに変わりはなかった。
 ずりゅりゅりゅっ……と一気に引き抜かれる極太ペニス。
「ぎいいいいいいいっ」
 肉トゲが膣を引っかいたのか、トレノは苦痛に満ちた絶叫を上げた。
 プラーミアはそれでも躊躇なくペニスを引きずり出し、捨て去ると、トレノを安心させるようにその頭を撫でる。
119華と散る。:2009/11/04(水) 13:19:28 ID:pVavDcnp
「ごめんなさい。……もう心配ないわ。回復魔法で治療してあげるから」
 トレノのお腹に当てたプラーミアの手のひらが、優しい光を帯びる。
 その淡い光が輝きを増すと、トレノの表情から苦しみの色が消えていき、壊しつくされた彼女の内部も、元通りとなっていた。対象となった者の回復能力を高める、治癒魔法だ。
 しかし、あれだけ傷つけられたトレノを瞬く間にして回復させたプラーミアの手腕は、異様なほど卓越している。並みの術者が同じことをしようとすれば一時間はかかるだろう。
 いつの間にか気を失ったトレノの寝顔は、誰もが胸をなでおろすほど安らかなものだった。
 立ち上がったプラーミアも、ホッとしたような顔を見せる。
「さあ、これでもう大丈夫」
「あ、ありがとうございます、先生……」
 よろよろとしながら、フラムは深く頭を下げた。
 キャナルも同じく、頭を下げる。やはりいつまでも裸体のままでは恥ずかしいし寒いのだろう、すでに魔法装束を着ていた。
「そうよ……プラーミアさんがいなかったら、あたしたち……」
 あのモーヴの圧倒的パワーを思い出したのか、フラムとキャナルの顔は青いままだ。
 もしもプラーミアが現れなかったなら、いまごろ、彼女たちを待ち受けていたのはどのような凄惨な末路なのか。想像するだけで背筋が震えてくるのだ。
 プラーミアは、聖母の微笑を浮かべていた。
「お礼なんていいのよ。私は当然のことをしたまでだから。――だって私は、あなたたちのお姉さんですもの」
「先生……」
「プラーミアさん……」
 一年前を思い出し、フラムはこみ上げてくる熱い感情をこらえきれず、涙を流した。
 魔法戦士や魔族のことなどなにも知らない、ごく普通の女子高生だったあのころ。
 偶然にも魔族と出会い、なんの抵抗もできないままに嬲り殺されようとしていた炎堂寺翔子を助けてくれたのは、目の前のプラーミアだった。
 そして翔子は知った。この世界の真実。魔界の存在と、そこから迫りくる魔族の恐ろしさ。強大な悪と戦う魔法戦士イノセント・ナイツのこと。多くを知った。
 知ったからには、放ってはおけない。
 無辜の人々を襲う卑劣な魔族どもを許してはおけない。
 炎のように強く燃え上がる、正義の塊。それが炎堂寺翔子という少女だった。
 プラーミアは無関係の少女を魔法戦士とすることに最初は難色を示したが……翔子の固い決心を知ると、自身もまた心を決めた。この少女を、必ずや一人前の魔法戦士へと育ててみせると。
 翔子の戦いはその日から始まった。プラーミアの指導のもと、肉体を鍛え上げ、精神を磨き、技を覚え、日を数えるごとに強さを増した。
 同じような境遇の戦士、イノセント・キャナルとイノセント・トレノという心強い味方もできた。
120華と散る。:2009/11/04(水) 13:19:59 ID:pVavDcnp
 半年ほどの期間を経て、イノセント・フラムは戦士として戦場に立った。
 プラーミアは国外での魔族との戦いに赴くため、日本を旅立ったが……師匠がいなくなったあとも、その厳しくも優しい存在を忘れたことなど、フラムは一度もなかった。
「ごめんなさい、先生……わたしが未熟だったばかりに、こんなことに……」
「気にする必要はないわ。モーヴの強さは高位の魔人そのものだったもの。魔法戦士になりたてのあなたたちでは歯が立たないのも無理はないわ」
「ですが……わたしは……」
 なおもめそめそと泣き言を続けるフラム。
 プラーミアは、ふうっ、と、ため息をつき、
「フラムちゃん。顔を上げなさい」
 言われた通りに顔を上げたフラムのその額に、強烈なデコピンがヒットした。
「あきゃうっ!?」
「まったく、いつまでもメソメソと……お姉さんは、フラムちゃんをそんな弱い子に育てた覚えはありません!」
 瞬間移動のようにフラムの背後へと回り込んだプラーミアは、両手でフラムの胸を鷲づかみにした。
「あうっ!? せ、せんせい、なにを……!? あひいっ!?」
「ほぉら、悪い子にはお仕置きよぉ。もみもみ」
「あっ、だっ、だめ……先生、やめてぇ……あぁん……」
「ふふっ、なかなかの感度ね……それに、以前よりもちょっと育っているわ」
「そっ、そんな……くううんっ! せんせぇ……」
 いやらしく巧みに動き回るプラーミアの指先を感じて、思わず喘ぎ声を上げてしまう、フラム。その艶っぽい響きに、キャナルまでなにやら悶々としたものを下腹部に感じてしまっていた。
「ちょ、ちょっと……プラーミアさん、フラムも、なにやって……」
 そう、キャナルが言ったときだった。彼女は、プラーミアとフラムの背後、何メートルも先に、見知らぬ男の姿を見た。
「――あれ、だれ?」
 ぽかんとした表情の、キャナルの言葉。
 プラーミアもフラムも、ふざけた雰囲気をすぐさま打ち消して、振り返った。
 モーヴが倒された場所に、ひとりの青年が立っていた。百九十センチにも達する長身と、それを包む漆黒のライダースーツ。黒髪のオールバックと純金のアクセサリーが異様に目立つ。
 古森霧人だ。とはいってもフラムたちのうちの誰一人として霧人の顔と名を知る者はいない。だがそれでも、霧人の放つ異様な雰囲気だけは、全員が感じ取ることができた。
 息を呑む魔法戦士たちの眼前で、霧人は身をかがめた。
 地面に落ちていた一握りの灰の山を、グローブをはめた手で掴み取る。
「これが、弟の名残か。……ずいぶんと小さくなってしまったものだな」
 独白からは、霧人が抱いている感情を窺い知ることはできなかった。怒りも悲しみもなく、ひたすら乾いていて空虚だったのだ。
 プラーミアが言った。
「あなたが、モーヴの家族?」
「ああ、そうだ。俺の二番目の弟だった。三千年の時間を共に過ごした兄弟さ」
「……伝えることがあるわ。モーヴの最後の言葉よ」
「ほう……?」
 それまで掌中の灰を見つめていた霧人が、初めて魔法戦士たちに眼を向けた。
 なんという暗い光を灯した双眸なのか――フラムやキャナルどころかプラーミアですら気圧されそうになるほどの暗黒がそこにはあった。
「幸せだった、と。自分は落ちこぼれだったけれど、家族のおかげで素晴らしい人生を送れた、ありがとう、と。彼はそう言っていたわ」
「そうか」
 ぽつり、と。灰の山に視線を戻した霧人は、呟いた。
「そうか。あいつめ、そんなことを言ってくたばったのか。ははははは、そうか」
 風が吹いた。それがモーヴの遺灰をさらっていき、大気に混じった。霧人はそれを追うような仕草すら見せなかった。
121華と散る。:2009/11/04(水) 13:20:34 ID:pVavDcnp
 ただ、霧人の哄笑のみが山中に響いた。
「はっはっはっはっは、そうかそうか、ははははははははは」
 いつしか立ち上がり、のけ反るような勢いで笑い続けている、霧人。
 フラムたちの胸中に、怒りが去来した。
 なぜこの男は笑っているのか? 兄弟が死んだというのに悲しくはないのか? なぜヘラヘラと笑っていられるのか。やはり魔人には情愛など欠片も存在しないのか。
 だが、フラムは気づいた。霧人の眼から頬にかけて、一筋の涙が流れていることに。
「泣いて、いる……?」
「ん……? ああ、これか……これは、これが、涙というやつなのか?」
 霧人は自分自身で流した涙のことにいまさら気づいたのか、それを指先で拭ってみせた。そして、ぺろりと舐めた。
「塩辛いな、涙とは。知らなかったよ」
 自嘲をこぼした魔人は、魔法戦士たちに向き直る。
 その表情には、乾ききった深い笑みが張り付いたままだ。
「笑ってくれよ、魔法戦士たち。……俺は魔族だ。五千年も生きてきて、いままで誰かに負けたことがない。かなえられなかった願いもない。実力でも、知恵でも、おまえたち人間どもに劣る部分は皆無だと自負している」
 霧人は淡々と語った。
 それは、フラムたちに話しかけているというよりは、自分自身に問いかけているかのよう。
「その俺が……誰よりも強く賢いはずの俺が、この胸を締め付ける感情の名を、知らない。どういう顔をすればいいのかも分からない。……はっはっはっ、笑えよ、滑稽だろう? ははははは、どうすればいいのか分からないからとりあえず笑ってみたんだ、はははははっ」
 無限に響き渡る高笑い。その音はひたすら乾いている。
 フラムは、愕然とした。
 人間がどれだけ長生きしようとも、その時間はたかだか百年そこそこだ。つまりは、ひとりの人間が誰かを愛したとしても、感情を募らせる時間は百年ほどでしかない。
 ならば……三千年もの期間を共に歩み、絆を強く深めた兄弟の悲哀など、人間に理解できるはずがないのだ。
 それはまるで、思春期の人間が、初めて抱いた恋心の正体に戸惑うように。この魔族は、肉親の死によって生まれた感情の、その名すら知らないのだ。
 なんという、悲しい存在なのか。
 悲痛そのものの表情で、プラーミアは言った。
「それは、悲しみという名の感情よ」
 母が子に諭すような響き。
 霧人の哄笑が、ピタリとやんだ。
「そうか。――そうか。これが、悲しみか。肉親を失うというのは、こんなにも、胸が苦しくなるものなのか」
 涙はすでに乾いている。
 霧人の表情にあるのは、静かなる決意だった。
「こんな苦しみを、残った家族たちに味わわせたくはない」
「……ならば魔界に帰りなさい。そしてもう戻ってこないで」
「断る。後ろの半分だけはな」
 霧人の言葉の意味は、フラムたちには分からなかった。
 そのときだった。
 霧人の横手の空間が、ぐにゃりと水あめのように歪む。
「兄さん!」
 ひとりの少年の姿が、空間の歪みから飛び出すようにして現れた。眼鏡をかけた、黒髪の、異常なまでの美少年だ。
 少年――リュートは、モーヴの灰が落ちている地面にひざまずき、わずかに残っている灰を必死になってかき集め始めた。
「あ、ああっ……そんな、兄さん……嘘だ、こんなの……嘘だ……」
「無駄だ。あきらめろ、リュート。そこまで破壊されては、もはやおまえの能力でも生き返らせることは不可能だろう。……モーヴは死んだ。それはもうどうしようもない、決まったことなんだ」
「嘘だ……うそだあああああっ! うわああああああああっ!」
 霧人の冷静な言葉を、そんな事実など知らない、聞きたくない、と。リュートは両手で耳をふさいで、首を左右に激しく振って泣き崩れた。ぼろぼろと流れ落ちていく涙と、その取り乱しようから、この少年がどれほど兄を慕っていたのか窺い知れる。
122華と散る。:2009/11/04(水) 13:21:04 ID:pVavDcnp
「うぐあああああっ、ぎいいっ……いやだいやだいやだ、いやだああああっ……!」
 うずくまって涙をこぼし続ける、リュート。
 その視線が不意に上がる。
 きっ、とフラムたちを睨み付けるリュートの眼は、赤く腫れていた。
「おまえらか……!」
 よろよろと立ち上がる、リュート。眼鏡の奥で爛々と光る双眸には、凄絶なまでの憎悪と憤怒と殺意が宿っていた。
「おまえらが、兄さんを殺したのか……おまえらがおまえらがおまえらが……!」
 リュートの周囲で、魔力が渦巻いた。
 その膨大な魔力がモーヴのそれをはるかに超越していることに、魔法戦士たちは気づく。
「おまえらごとき虫けらどもがッ! よくもよくもっ、ボクの兄さんを!」
 突風のごとく吹き付けてきた魔力が、魔法戦士たちをまとめて大きく後退させた。
 木々に背中から叩きつけられ、うめき声を上げる戦士たち。トレノを担ぎ上げていたプラーミアは、さすがに歴戦の戦士だけあって踏みとどまっていたが、それでも顔に浮かぶ戦慄だけは隠しようもなかった。
 魔法戦士たちをゴミクズのように吹き飛ばす、この魔力。だが、リュートにとっては、ちょっと力を解放しただけ……人間で言うならば、そう、呼吸しただけにすぎないのだ。
 現在のリュートの魔法力、九十万以上。いまだ異常な速度で際限なく上昇中。
 魔力の渦が小型の台風と化し、その中心部で、リュートは残忍な笑みを浮かべていた。
「楽に死ねると思うなよ、おまえたち。ボクは拷問が得意なんだ。……死にたくなるほど酷い目にあわせてやる。腕や足をひきちぎって、下級魔族どもの精液便所にしてやる。死んだら生き返らせてもういっぺん殺してやるっ、何度でも何度でも殺してやる……!」
 魔力よりも、煮えたぎる憎悪のほうが、より強烈に魔法戦士たちを打ちのめした。
 感情とは、これほどまでに熱く沸騰するものなのか。
 人間ではどうやっても届くはずがない、はるかな高み、そしてはるかな深みで、魔族たちの感情は渦巻いているというのか。
 おそらくは外見に反して何千年もの時間を生き永らえてきたリュートの感情は、まさに、人間を殺せる武器と化していた。
 その狂気じみた激情が、不意に静まった。
 嘘のように消えていく魔力の暴風。
 霧人がリュートの肩に片手を置いていた。
「やめろ、リュート。おまえはすぐに熱くなる……悪い癖だ」
「……ッ、兄さん……! でも、この虫けらどもは……!」
「モーヴを殺した罪は必ず償わせるさ。だが、ものごとには順序ってやつがある……焦るな。わかるな?」
 霧人はあくまでも冷静で、乾いていた。
 リュートは、まだなにか言いたげだったが、絶大な信頼を置く兄の言葉であるため、強く拳を握り締めながらも、しぶしぶといった様子でうなずいた。
「いい子だ」
 ぽん、とリュートの頭を軽く叩いてから、霧人が進み出てくる。
 フラムたちを守るように立ったプラーミアと、霧人の視線が、真っ向からぶつかり合った。
「さっきのおまえの台詞だが」
「……なんのこと?」
「魔界に帰れ、とか言っていただろう。そしてもう人間界には戻ってくるな、と。……無理な相談だ」
 霧人はポケットに片手を突っ込んでリラックスした姿勢を保っている。
 対して、プラーミアは、いつでも敵の攻撃に対処できるよう、両手で剣の柄を握り、全身に緊張をみなぎらせていた。
 ネズミがライオンと出くわしたならば、危機感はありったけ持つ必要があるのだ。
 ライオンは、悠然としている。相手はいつでも食い殺せる獲物。どうして焦らなければいけないのか。
123華と散る。:2009/11/04(水) 13:21:31 ID:pVavDcnp
「普通の人間が蓄えている魔力は、数値にしてみればたかだが五十や百といった程度でしかない。これは知っているな?」
「……ええ」
「だが面白い事実がある。人間は、極端に強い感情が爆発した場合……そう、たとえば極度の興奮状態や恐慌状態に陥ったとき、溜め込んでいる魔力の数値がはねあがる。多いときには十倍や二十倍にまでなるそうだ。むろん、瞬間的な増幅でしかないが」
 事実だ。プラーミアも知っている。だからこそ、魔族は、おぞましい方法で人間を殺し、その魔力を奪い取るのだ。
「そして、魔力の摂取は俺たちにとって必要不可欠だ。わかるか? 人間はこの世界のどこにでも数多くいるし、自分たちで勝手に体調管理をして増えまくる。味も悪くはないし、そのうえ栄養価が高いときている。ひ弱で愚かだから収穫も容易だ」
 淡々と語る霧人の言葉の恐ろしさに、魔法戦士たちは絶句した。
 この魔族はまるで食品のことを語るように人間を語る。
「わかるな? ――おまえたちは、魔族にとって最高に都合のいい栄養食品なんだよ。いまさら手放す気にはなれん。おまえたちだって豚を食うのはやめられんだろう。それと同じさ」
 本当に、食品だとしか思っていなかったようだ。
「ふざけるなあっ!」
 フラムが、飛び出した。
 キャナルやプラーミアが制止する暇すらなかった。
 突発的に跳んだフラムが、その右の拳に炎を纏わせて、霧人に殴りかかる。
「俺はおまえたちを食って過ごすこの世界での生活におおむね満足していたところだったが、問題が起こった。俺の大切な弟が、豚の反撃にあって殺されてしまった。……豚という表現でかまわんだろう? どうせ同じようなものだ」
 霧人は相変わらずしゃべりつづけている。
 フラムの拳は、霧人の顔面に当たる寸前で止まっていた。
 フラム自身が止めたわけではない。フラムは完璧に霧人を殴り飛ばすつもりで拳を突き出したのだ。かといって霧人は微動だにしていないし、リュートも関与していない。
 あと、ほんの数センチで霧人に直撃するはずのパンチが、見えない壁にでも阻まれたかのように、当たらない。それ以上、どうやっても進まない。炎も、霧人の睫毛一本ですら焦がせない。
 霧人は瞬きすらしなかった。フラムの拳が自分に当たるはずがないということを知っていたかのように。
「家畜が牙や爪を持っている……これは危険なことだ。おまえたちならどうする? 決まっているよな。品種改良を行う。牙も爪も生えていない、反抗心すら皆無の種族を生み出すんだ。安全で、怠惰で、食われるために生まれてくる、家畜専用の種族だ。俺もそうしようと思う」
「人間は、豚ではないッ!」
「豚だよ、お嬢さん。そして牙や爪とは、おまえたちのことだ」
 すうっ……と自然な動作で、霧人の手のひらがフラムの腹に当たった。
 直後、大きく後ろへと吹き飛ばされる、フラムの体。プラーミアが受け止めていなかったなら、何十メートルもゴロゴロと転がっていたはずだ。不思議とフラムの体に痛みはなかったが、抗えない衝撃だった。
「フラムちゃん、勝手に飛び出しちゃ駄目でしょう!」
「す、すみません、先生、でもあいつは……!」
「いいから私に任せて。――悪いけど、フラムちゃんじゃ相手にならない」
「まるで自分なら俺の相手になるような言い草だな」
 あざ笑う、というよりは呆れたように、霧人は言った。そしてきびすを返し、魔法戦士たちに無防備な背中を晒す。
124華と散る。:2009/11/04(水) 13:22:05 ID:pVavDcnp
「一ヶ月だ」
 指を一本、ピッと立てた。
「一ヵ月後、俺は人間どもをこの地上の頂点から引きずりおろす」
 その台詞の意味を、この場の誰も理解できなかった。霧人の実弟であるリュートですら面食らったように眉根を寄せている。
 プラーミアが言った。
「どういう意味?」
「準備にかかる時間が一ヶ月だ。まず、魔界を一週間で征服する。そのあと魔族全軍を掌握するのに一週間。使いものになる軍隊としての体裁を整えるまでにまた一週間。残った一週間と何日かで、魔界から人間界に魔族すべてを送り出すための巨大なゲートを作る」
「……なんですって……?」
「魔族全軍で人間界に侵攻するということだ。断っておくが、人類を皆殺しにするつもりはないぞ。みせしめのために何億人かは殺すかもしれんが、できるだけ多くの食料を確保しておきたいからな。魔界の連中は、みんな腹ペコだ」
 魔法戦士たちのほうから、霧人の顔を見ることはもうできない。
 ただ、やはり、乾いた無表情のまま、淡々として語っているのだろう。
 そういう男だ。いま出会ったばかりのフラムでも分かる。目の前の魔人はいつも淡々としていて冷酷で無感動だが、言ったことに偽りはないし、嘘はつかない。やるといったら、やってしまう。
「大量虐殺はなるべく避けたいところだ……ああ、おまえたちは駄目だぞ。苦しめて殺す。だからいまは生かす。一ヵ月後、なにもできない自分たちの無力さを噛みしめながら死んでいけ。……家族の敵は必ず痛めつけて殺す。それが俺の流儀だからな」
 こともなげに言って、霧人は歩き始めた。その姿が蜃気楼のようにぼやけて、消えうせていく。
 意地の悪い笑みを浮かべたリュートが言った。
「ふふふっ……よかったねえ、おまえたち。ちょっとだけ寿命が延びたよ。いや、不運かな? 兄さんはやると言ったら必ずやるひとだからね。おまえらを待ち受けているのは死ぬよりも辛い末路だけさ」
 その指がプラーミアを指し示す。
「そこのおまえ」
「あら、なにかしら?」
「蛆虫どものなかじゃあ強いほうかもしれないけど……いいとこ四十万くらいの魔法力だろう?」
 当たっていた。リュートの眼力は正確だ。
 プラーミアの魔法力は四十万そこそこ。人間としては規格外の数値であり、イノセント・ナイツに所属するすべての魔法戦士たちと比べても、トップクラスの魔法力を誇っている。
 だが、先ほどリュートが見せた魔法力のほんの片鱗ですら、九十万を軽く超えていた。
125華と散る。:2009/11/04(水) 13:22:31 ID:pVavDcnp
「その程度じゃあ、ぜんぜん怖くないな。……言っておくけど、ボクの家族にはボクよりも強い兄さんや姉さんたちがいる。ボクにすら勝てないおまえらがいくらがんばっても無駄なのさ。あきらめて自殺しちゃえば?」
 リュートは霧人などよりもはっきりと侮蔑と嘲笑、そして憎悪を向けてくる。外見が絶世の美少年なだけに、かえって凄みを増していた。
 だがプラーミアはほんの少しも気圧された様子がなく、腕組みして艶然とほほ笑む余裕すら見せた。
「言いたいことはそれだけかしら、坊や?」
「……はあ?」
「お兄さんが言っていたわね。一ヵ月後、と。――首を洗って待っていなさい。人間の結束力と、進化した文明の力を見せてあげる」
 自分の二倍以上もの魔法力を持つ敵に対して、このふてぶてしいまでの揺るぎない態度。フラムたちのような若輩者にはない、円熟した貫禄がプラーミアにはある。
 リュートは気分を害したように舌打ちし、その姿を空間の歪みへと沈めていった。
「どこまでも不愉快な糞虫だよ、まったく。……いずれ絶対に拷問してやる。おまえらごときの脳みそでは考え付かない方法でいたぶりつくしてやる。おねがいですから殺してくださいと泣いて哀願するおまえらの顔が、いまから楽しみだ……」
 呪詛の言葉が夜の闇に響いて溶けていく。
 そして、あとに残されたのは四人の魔法戦士だけになった。
「先生……」
「プラーミアさん……」
 フラムとキャナルが、その表情を緊張で硬くして、師であるプラーミアを見つめる。
 プラーミアはかわいい弟子たちのほうへと振り返り、とびきりの笑顔を作った。
「大丈夫よぉ、フラムちゃん、キャナルちゃん。……たしかに魔族は強大だわ。私たちだけではかなわないかもしれない。……でも、忘れないで? 私たちにはね、心強い仲間がたくさんいるのよ」
 だから安心して、と。余裕たっぷりにウインクしてみせた。フラムとキャナルの表情から、いくらかの恐怖の色が消える。それほどまでに絶大に、プラーミアの言葉を信じているのだ。
「すぐにイノセント・ナイツの本部と連絡を取るわ。あの魔族の言葉が本当なら、世界すべてが戦場になる。それだけは、絶対に防がないと」
 決意を秘めた瞳で頭上の満月を見上げる、プラーミア。
 その輝きは、彼女らを祝福するのか、それとも――?
 誰も知らない。おそらくは、神そのひとでさえ。
126華と散る。:2009/11/04(水) 13:23:16 ID:pVavDcnp
 古森邸は悲しみの気配に包まれていた。この屋敷で働く魔族のメイドや執事たちは、敬愛するモーヴの死に大きく驚き、深く憤り、そしてなによりも悲しんだ。邸内のどこにいても、誰かがすすり泣く声が聞こえるほどだ。
「いまでも信じられません。まさかあのモーヴさまが、人間ふぜいに……」
「相手は、人間にしてはなかなかの使い手のようだった。それにモーヴは弱かったからな。驚くほどのことでもない」
 執事長、牧島零次の言葉に、霧人は相変わらず淡々とした調子で答えた。
 牧島は三十代後半ほどの年齢に見える、柔和な表情を崩さない優男だ。銀髪をオールバックに整えていて、いつも漆黒の燕尾服を身に纏っている。牧島零次というのはもちろん偽名で、魔名ではないが、本人が平凡な本名を嫌っていて、偽名のほうで呼ばれることを好んでいる。
 霧人と牧島は、古森邸の地下深くに存在する、巨大な空間に立っていた。地上の屋敷とほぼ同じ規模を誇る、とてつもなく大きな地下室だ。
 石造りの部屋の空気は冷えていて、照明は存在しないため、薄暗い。
 ――わずかに床が発光している。床に広がっている大きな紋様が光っているのだ。
 赤黒い液体で描かれた不気味な紋様。見る者が見たなら、それらの紋様は非常に高度な知識の持ち主の手による魔方陣だと、一見して理解できる。
 超巨大魔方陣の中央――そこには、霧人と牧島だけでなく、霧人の大切な家族も集合していた。
 うつむき、唇を噛みしめながら拳を震わせている、リュート。
 そのリュートの腕を掴み、彼の背中に顔をうずめて嗚咽を漏らしている、カトレシア。
 霧香は普段どおりの様子を装ってはいるものの、その眉間には深い皺がよっていて、静かな怒気を漂わせている。
 そして、秋人は。
 次兄の秋人だけは普段となんら変わることがなく、暗い雰囲気のままでそこに立っている。怒ることもなく、悲しんでいるという様子もなく。
 霧人は家族の表情を一通り見渡したあと、彼らと、そして背後に控えている牧島に言った。
「俺はこれから魔界に行く。そして向こうをさっさと支配したあと、その戦力を使ってこの世界も支配しようと思う」
「……あなた、魔王になるつもり?」
 腕組みしていた霧香が、真意を問うような視線を霧人に向けた。
 霧人は双子の妹に対しても感情の揺らぎを見せない。
「それが魔界を支配する王の称号だからな。……史上二代目の魔王の誕生というわけだ」
 イノセント・ナイツの認識としては、魔界には魔王という絶対的君主が存在していて、その者こそが魔族を人間界へと送り込み、いずれ支配しようとたくらんでいる諸悪の根源だ、ということになっている。
 が、実際は違う。
 魔王が存在していたことは事実だが、それはすでに誰もが忘れ去るほどの遠い過去の話だ。かの存在はすでにいずこかへと消え去り、以後、何万年もの時間が流れたが、その後継者は現れていない。
 魔界は、完璧なる弱肉強食、すがすがしいまでの実力主義の世界だ。
 強さこそがすべての、冷酷なる世界。
 そこには、我こそは魔王の跡継ぎなりと唱える猛者も大勢いる……が、たとえ何十万という魔法力の持ち主だろうとも、魔界全土を支配するには役者不足でしかなかった。
 魔界と呼ばれる世界の広さは、およそ地球の二十倍。
 そしてそこに蠢く魑魅魍魎のごとき魔族の総数は、五百億を超える。
 あまりにも圧倒的な数量、質量は、個の武勇など容易に飲み込み、圧殺してしまう。
 それでも、人類の歴史が始まるはるか以前から、魔界では、おそろしい魔族どもが牙を剥き、互いに殺し合い、血肉を食らい合って、ひたすらに頂点を目指し続けてきた。
127華と散る。:2009/11/04(水) 13:31:28 ID:pVavDcnp
 なぜ頂点を目指すのか? それは魔族どもとて知らない。ただ彼らは自分たちの奥底にある本能に突き動かされるまま、他者を蹴落とし、食い殺し、踏みにじって、頂点を目指すのだ。
 ときには、一対一で。
 ときには、何億という数と、何億という数が、天災のごとく。
 そんな血で血を洗う殺し合いを何万年も何十万年も続けていても、君主が決まったのは、ただの一度きり。最初の一回だけ。
 魔王となったのは、魔界が発生した当初の、最初に生まれた原初の魔族。
 彼の正体を知る者は、もはやいない。ただその圧倒的すぎる強さから、彼こそが魔界そのものだったのではないかと語られる。
 初代魔王の御世は、およそ十五万年ほどだったという。
 ある日、突如として魔王は彼の城の玉座から姿を消した。
 そのときには栄華を極めていた魔界の文明も、王の消失と共に崩れ去った。後継者の座をめぐって、醜い争いが勃発したのだ。
 現在の人間界など足元にも及ばない、極度に洗練された高度な文化や技術が土中に埋もれるために要した時間は、発達するために費やした時間と比べるとあまりにも短かった。
 そしてそれから数十万年の時間を経て、霧人は魔王になろうとしている。
「俺ひとりでも、イノセント・ナイツを皆殺しにして人間界を掌握するのは簡単だ。だがそれでは足りない。人間どもの絶望が足りない。モーヴが味わった無念の何億分の一かでも人間どもに思い知らせるためには、魔界の軍勢が必要だ」
 その理由が、いままで魔界の支配に興味を示さなかった霧人を、玉座へと上らせるのだ。
「牧島。いま、魔界でもっとも勢いのあるのは、誰だ」
「はっ。二十億の軍勢を指揮下に持つ、《蒼銀龍》グラディバールさまではないかと」
 グラディバール。その名を聞けば魔界の誰もが震え上がるといわれる、歴戦の古強者だ。五万年もの齢を重ねた魔族であるグラディバールは、普段の外見は蒼い髪を長く伸ばした絶世の美青年だが、その正体は、蒼く光る銀の鱗に全身を覆われた、巨大なドラゴンである。
 体躯は全長五十キロメートル。口から吐き出す火炎はこの世のありとあらゆるものを焼き尽くし、大きく咆哮するだけで、三日間にも及ぶ地震を発生させる。さらには魔術にも長けていて、相手の思考を読み、昼を夜に変えたり、隕石を召喚するなど、呼吸のように行うという。
 魔法力三百万を誇る、まさに正真正銘の怪物だ。
「……そうか。グラディバールか。しばらく魔界には帰っていなかったからな……そんなことになっていたのか」
「はい。魔王の座に近い者といえば、以前は《大棍鬼》ロッゼムさまでしたが……数年前、グラディバールさまとの決闘に敗れております」
 《大棍鬼》ロッゼム。こちらも大物中の大物といっていい。
 山よりも大きな体躯の巨人ロッゼムは、その身の丈よりも巨大な棍棒を使い、全長十キロメートル級の巨大竜ですら一撃で屠る猛者として、魔界では広く知られていた。
 魔法力二百五十万の強大なるパワー。台風を呼び、火山を噴火させ、足踏みするだけで地震を起こす。そのうえ、大陸ひとつを軽々と持ち上げる怪力は、誰にとっても恐怖の対象だった。
「――なるほどな。これは、しまった。嘘をつくのも、つかれるのも、俺は嫌いなんだが」
 ため息をついて、霧人は言った。
「グラディバールごときが大きな顔をしているというのであれば、いまの魔界のレベルなどたかが知れている。……支配するのに一週間もかからん。二日あれば十分だ」
 もしもこの場に魔界の現状を知っていて、さらに霧人のことを知らない者がいたなら、彼の発言を笑うよりもむしろ哀れに思って聞き流したことだろう。
 しかしこの場でそんなことをする者など誰もいない。
 誰もが、霧人のことを知っているからだ。
「行くぞ、霧香。おまえは俺だ。どこへでもついて来い」
「濡れちゃうようなお言葉、どうもありがとう。言われなくても承知してるわよ」
 双子が、並び立つ。
「おまえは東を攻めろ」
「わかったわ。それじゃあ、西は任せるわね、お兄ちゃん?」
 茶化すようにウインクしてみせる、霧香。
 魔族たちの足元で、魔方陣が起動した。
 赤黒い色が、鮮血のような真紅へと転じ、妖しく光り輝く。
 低く振動し、唸るような起動音が、地下室に響き渡る。
「お、お゛にい……さま゛……」
 リュートの背に隠れていたカトレシアが、進み出てきた。その前髪に隠れていて表情は見えない。
 カトレシアの声は、なぜか暗く濁ったような、不明瞭なものだった。喉を泣き腫らしてしまったのだろうか? いや、そうではない。もっと暗黒で、おぞましい、変貌の予兆だ。
128華と散る。:2009/11/04(水) 13:32:55 ID:pVavDcnp
「わ、わだくしも゛ッ……いっしょ、に゛……お、おな゛か、へって、わ゛たくしっ……」
「……ああ、そうだったな。怒ると腹がへるんだったな、おまえは。……いいぞ、来い。なにせ五百億もいるからな、魔族は。人間と違って、おまえがちょっとヤケ食いしたぐらいでは絶滅しないだろうさ」
 許しを得たカトレシアが、ふらふらと歩みを進める。
 霧人と霧香、カトレシアの三人が、魔方陣の中央に立った。
 彼らの姿を、足元から立ち昇る赤光が包み始める。
「兄さん」
 それまでずっと黙っていた秋人が言った。
 秋人の瞳。自分を見つめるそれを見て、霧人は薄くほほ笑む。
「その気になったか、秋人……いや、魔名で呼んだほうがいいか?」
「秋人でいいよ。こっちの世界にいる限りは、僕は古森秋人だから」
「そうか。――もっとも頼りになる弟が本気を出すなら、俺がこの世界のことを心配する必要は皆無だな。あとは任せた。好きなようにやれ」
 すぐに戻る、と告げて、霧人たちは魔界へと旅立っていった。赤い光が彼らの全身を包み込んだかと思えば、一瞬で消えたのだ。
「……兄さん。すべてを任されたのは、あなただ。ボクはあなたに従うよ。たとえそれがどんなことでも」
 兄たちへの絶大な信頼をその双眸にみなぎらせて、リュートが言う。
 秋人は、小さくうなずいた。
「ああ。頼りにしてるよ、リュート。……花蓮、いる?」
「ここに」
 秋人の背後に、長髪長身のメイドが、ひざまずいた。
「すまないけど、花蓮にも働いてもらう。僕の直属の部下で一番強いのは、きみだからね」
「身に余る光栄……!」
 感極まったように瞳を潤ませて、花蓮は深く頭を下げた。敬愛する主人に信頼されるということが彼女にとってどれほどの福音なのか、うかがい知れる。
「……モーヴは、かわいい弟だった」
 いつもどおりの陰鬱な声で、秋人は言った。誰に対してのものでもない、独白のように。
「馬鹿だったけど、僕のことをよく慕ってくれる、かわいい弟……愚かだけど純朴で優しい、大切な弟だった」
 秋人の拳が硬く握り締められて、震えた。
 瞳にはいつの間にか、燃える怒りと固い決意。
「罪は償わせる。魔法戦士たちの死体はバラバラに粉砕して豚の餌にする。……これは、復讐だ。容赦はしない」
 憎悪の焔を燃え滾らせる秋人の言葉が、魔族と人類の戦いを静かに告げた。
129('・ω・`) :2009/11/04(水) 13:41:32 ID:pVavDcnp
投下終了だお
今回もちょっと長くなってしまった・・・

次回はまたいつになるか分からないお
でもがんばって書くお
今回もがんばって書いてるので、読んで楽しんでもらえるとうれしいです
130名無しさん@ピンキー:2009/11/04(水) 14:06:44 ID:1jrwGc3D
投下乙
だが昨晩といい早過ぎるぜ…
131名無しさん@ピンキー:2009/11/04(水) 19:59:36 ID:VnbK06qc
>>129
すげー怪獣みたいな一家だな
フリーザとかシラスみたいに食ってそう

こんな連中の全力の暴力に曝される魔法戦士がどうなっちゃうのが想像もつかん
132名無しさん@ピンキー:2009/11/04(水) 23:23:59 ID:BBDZ5XLK
>>129
これはいきなりクライマックスな展開
広大な世界観と数値化は珍しい
133名無しさん@ピンキー:2009/11/05(木) 00:22:50 ID:WoVmQd4c
なんか数が滅茶苦茶過ぎてギャグのレベルだな…
134マユ作者:2009/11/05(木) 02:20:57 ID:657G0L9D
ご感想、ご意見ありがとうございました。
地の文については、自分でこっちの方がいいかなぁっと考えてました。
確かに、ちゃんと名前だした方がよかったですね…次回から変更していきます。

今回はタイミング的に悪かったですね…ちょっとへこんでます。これからは注意しないと…
135名無しさん@ピンキー:2009/11/05(木) 16:38:56 ID:wXc54LSz
ドンマイ
勢いのある流れってのもあるさ
136名無しさん@ピンキー:2009/11/05(木) 19:49:06 ID:fjvK/p8e
せっかく投下してくれた作者さんにGJの一言もない住人が多数、か
このスレの終焉も近いと見える
なにもしなくても作品が続々と投下されてる現状に慢心してるんだな
失ってから気付いた時にはもう遅いというのに
137名無しさん@ピンキー:2009/11/05(木) 19:53:41 ID:BirvNb+c
むしろGJしかつかないようなスレになったら終焉といえる
このスレの感想見てる限りみんなちゃんと作品読んでるから
まだ続くと思うよ
138名無しさん@ピンキー:2009/11/05(木) 21:14:45 ID:AJx3o22g
>>136
何がなんでも、スレの雰囲気を悪くしたいんだな
139名無しさん@ピンキー:2009/11/05(木) 22:06:35 ID:fjvK/p8e
わけのわからん事を
あまっちょろい考えでいるのはお前の勝手だがな
ここで言っとかないと後悔することになりそうだ
せっかくいい感じに育って来たスレを見殺しにはできないんだよ
140名無しさん@ピンキー:2009/11/06(金) 02:38:57 ID:HOhF8vTv
終焉とか言われた方が、投下する気はなくなると思う。
141名無しさん@ピンキー:2009/11/06(金) 16:27:08 ID:qZrRceM/
これは、内部崩壊を狙った魔法少女側の罠だな。
スパイを捕らえて、犯ろう。
142名無しさん@ピンキー:2009/11/06(金) 18:34:52 ID:ag+WmMhG
>>141
志村ー!志村ー!
143名無しさん@ピンキー:2009/11/06(金) 18:39:03 ID:whztvMhB
魔法少女がスパイならプロフェッサーに、スパイを摘発する為の装置を開発してもらわねば
144名無しさん@ピンキー:2009/11/06(金) 21:59:27 ID:cB+pDxGT
魔法少女スパイ尋問プレイか!

堪えきれず情報を話した時にはすでに味方が全滅していたとかいう展開
145名無しさん@ピンキー:2009/11/06(金) 22:45:55 ID:XRPw5Zw9
魔法少女を性的に尋問。
耐え切ったと思ったのもつかの間、情報は全て魔法で引き出されてました〜見たいのが良い。

「私一言ももらして無いのに!?」
「ああ、全て魔法で調べさせてもらったよ」
146名無しさん@ピンキー:2009/11/06(金) 23:21:13 ID:HD+otwj5
あるあるWWW
147名無しさん@ピンキー:2009/11/07(土) 09:56:14 ID:u4vzApqb
尋問や拷問に堪えたのに無駄でした、ってのは良いね。
148名無しさん@ピンキー:2009/11/07(土) 12:57:37 ID:eS6Z6x9O
レベルジャスティスの展開は良かったなぁ。

一番ヒーローやりたがってる(コスチューム考えたりポーズつけたり)子をとっ捕まえて、
拉致監禁陵辱拷問展開で情報を引きずり出そうとする。
んでもって彼女は仲間が助けにきてくれる、と信じて頑張ってたんだけど、
「ああ、服についてた発信機とか帽子についてた奴とか全部取っ払ってあるから」
と、最後の最後にネタ晴らしされて陥落。

一番ヒーローやりたがってたのに、悪の組織のスパイになっちまうという。
149マユ作者:2009/11/08(日) 11:32:22 ID:dUnFUuJD
こんにちわ、魔法少女マユ第10話が書きあがったので投下します。

今回は、前半のシーンは苦痛系と虐殺展開がありますのでご注意を
後半のシーンは快楽系です。
人物紹介の後に、本編を投下します。
150魔法少女マユ 人物紹介:2009/11/08(日) 11:33:50 ID:dUnFUuJD
秋月真由(マユ)
14歳 両親と3人で、平穏な生活を送っていたが。ユーリィと出会った事で、戦いに身を投じる事になる。
背は小柄で、背中の半ばほどまで届く栗色の髪を後ろで纏めている。
変身時のコスチュームは桜色のミニスカートに赤を基調としたジャケットを纏っている。

秋月夫妻
マユの両親、父、宗一郎は大手製薬会社の部長を務める。
母、美幸は専業主婦。二人は社内恋愛をして結婚。マユいわく、万年新婚夫婦との事。
二人とも年齢は30代後半だが、実年齢より若く見える。

ユーリィ
異世界エルメリアの住人である妖精、マユのパートナーとして彼女の戦いをサポートする。
長いストレートの青髪にフリフリのついた白やピンクのドレスを着ている。

リィン
14歳 エルメリアから増員として派遣されてきた魔法使いの少女。
髪型は薄いブロンドの長い髪をツインテール。
青を基調としたワンピースの上に、短い白のマントを羽織っている。

シャーナ
23歳 リィンの姉。リィンと共にエルメリアからの応援として地球に来た。
緩くウェーブがかった薄いブロンドの髪を、腰に届くほどまで伸ばしている。
純白のローブを纏う。 エルメリアにフィルという婚約者が居る。

ヴァルアス
魔族の王。100年前の戦いで敗れた先代の跡を継ぎ魔族を統率する。表の顔は大企業の社長。
銀髪の髪をオールバックにしている。黒のスーツを好んで着る。
その真の姿は、黒い装甲を身に包む巨大な竜。

レドリック
魔王ヴァルアス腹心の一人、魔法少女を狩る為に地球に招集される。
焦茶の髪を肩に触れるくらいに伸ばしている。黒の軍服を纏う。
ラディウスとは子供の頃からの付き合いで悪友関係。

ラディウス
セディアの弟 魔族の造魔開発においての、中核メンバーで、王の腹心の一人。
力は魔族の中でもかなり低いが、類稀なる頭脳を理由に、王に取り立てられる。
長い黒髪を三つ編みのお下げにしている。常に白衣に身を包む。15歳くらいの背格好。

ゲリオス・イレーヌ・ローエル
魔族エルメリア攻略軍を統べる、3将軍。
いずれも、戦術戦略に長けた人物で、様々な策でエルメリア軍を苦しめる。
筆頭のゲリオスは、先王の頃から側役を務める重鎮。幻術などを用いて、裏工作を行うのを好む。
イレーヌは、魔族随一の魔術の使い手である紅一点。
ローエルは、戦いを何よりも愛する武人。また気さくで面倒見もよく、部下の信頼も厚い。
151魔法少女マユ 第10話 1/18:2009/11/08(日) 11:35:38 ID:dUnFUuJD
どす黒い黒雲が空覆う平原。
至る所で黒煙が上がり、無数の魔族が蠢いていた。
少し前まで、ここは戦場だった。敵が撤退した今、魔族達は戦利品を求めて徘徊している。
逃げ遅れた少女や、まだ息のある女を捕え、奪い合う様に凌辱を行っていた。
「くっ…魔王ヴァルアス…これほどの力とは…」
杖を支えに立っている少女が苦しそうに呻く。
年の頃は15歳前後といったところか…身に纏っている、純白の生地に金の刺繍が入った法衣は、あちこちが破れ、泥に汚れていた。
腰ほどにまで届く、長く綺麗だった銀髪も、泥や煤で汚れている。
『ふふふ…楽しませてもらったぞ。輝竜に仕えし巫女リーファ、そしてその守護騎士よ。
 これほど手傷を負ったのは、いつ以来だろうか…』
少女の眼前に立つ黒竜、魔族の王ヴァルアスは、嬉しそうに笑う。
銀髪の少女リーファは、自分の守護を務める騎士と共に、戦場に突如現れた黒竜から兵達を逃がす為に戦ったのだ。
黒竜の装甲には幾つか亀裂が走り、触手の殆どは切断されている。
だが、リーファ達が死に物狂いの攻撃で与えたダメージは、瞬く間に修復を開始している。
「に、にげて…ください…リーファ…」
血塗れで倒れている金髪の若い青年が、消え入りそうな声で、リーファに言う。
青年の纏う白銀の鎧は、あちこち貫かれていて、剣は半ばほどから折れている。
「ルイン…貴方を置いて逃げるなんて出来ません!!」
フラフラと歩いて近づき、倒れている騎士、ルインに縋りついたが…彼は既に事切れていた。
「あ、ああ…い、いやぁ…ルイン…」
リーファは大粒の涙を零しながら、ルインの亡骸を抱きしめる。
「輝竜レイシェンよ…どうして…どうしてこの様な暴虐が許されるのですか!!」
天を仰ぎ、自らの仕える神に叫ぶリーファ。
『ふ、ふふふ…ふはははははははっ!!』
「な、何がおかしいのです!?」
突如放たれたヴァルアスの哄笑に、リーファは彼を睨みつけて叫んだ。
『神などこの世に存在するものか!お前の信じる神が居るのなら…我々は100年前に滅んでおるよ!!』
一頻り笑うと、ヴァルアスは一歩踏み出して、リーファに向かって言い放つ。
『この世は力が全て、強者が全てを制するのだ!お前達人間に力があった故、我々は100年前に敗れ去った。
 だが、今度は負けぬよ。我々は100年の間、力を貯え続けた!』
高らかに叫ぶと、更に一歩踏み出し、彼女の間近に来た。
『さて…敗者の務めだ。お前には、もう少し付き合ってもらうぞ』
「ああっ!!」
ヴァルアスに胴を掴まれ、リーファは彼の目の前に引き寄せられる。
『その美しい顔が、恐怖と絶望に染まるのが楽しみだよ…』
「…わ、私は…貴方なんかに屈しません!絶対に!!」
震えながらも気丈に叫ぶリーファに、ヴァルアスは目を細めた。
『いい返事だ…その気丈さがいつまでもつかな』
嬉しそうに言うと、長い舌を伸ばし、リーファの頬を舐める。
「くぅ…」
頬に生じた不快感にリーファは小さく声を漏らす。
152魔法少女マユ 第10話 2/18:2009/11/08(日) 11:36:30 ID:dUnFUuJD
「流石は陛下、圧倒的ですね…」
『ローエルか…この二人には楽しませてもらった』
傍らに近付いて来た男、ローエルにヴァルアスは答える。
「…逝っちまったか。ルイン」
ローエルは倒れている青年の元に近づき、残念そうに漏らす。
「こいつとの戦いは面白かったんですがねぇ…」
ルインは、エルメリアでも屈指の強さを誇る騎士であり、卓越した戦術家でもあった。
ローエルと彼は幾度となく、戦場で剣を交えた。彼の策に引っかかり、軍に大きな損害を被った事もある。
好敵手だった騎士の死を、ローエルは少しばかり寂しく思った。
『それはすまん事をしたな…相手を奪ってしまって』
「いえ…また、楽しめる奴を探しますよ」
主の言葉に、ローエルは笑って答える。
まだまだ戦争は続く、その内面白い相手が見つかるだろう、と。
「…ん?」
平原の彼方を見つめていたローエルが、眉を顰める。
「…リーファよぉ…お前さんのお仲間、帰ってきてるぞ」
「な…?そ、そんな…」
ローエルの言葉に、驚きの表情を浮かべたリーファが顔を上げる。
彼の言うとおり、平原に軍勢が進軍してきていた。
確かに、自分達が殿を務めて逃がした友軍だ…しかも先程より数が増えている。
「教会の信徒までお前を助ける為に、武器を取ったみたいだねぇ…人望が厚い事だ」
軍に混じって見える一般市民達に、ローエルは呆れたように呟く。
『いずれにせよ…戦場に出てきたのだ…それ相応の覚悟があるという事だろう』
「左様ですな…全力を持って、歓迎してやりませんとね」
主の言葉に、ローエルも頷く。
「ま、待って…待ってください!皆さん!!来ないでぇっ!!!」
ヴァルアスの腕に掴まれたリーファは、必死に叫ぶ。
軍勢は一斉に突撃を始め、こちらを目指してくる。
『ローエル…全軍で踏み潰せ』
「御意…景気づけに、派手にぶっ放して頂けますか?兵達の士気があがりますので」
『よかろう』
ローエルの言葉に頷き、ヴァルアスはゆっくりと前進し始める。
「待って!や、やめて…」
哀願するリーファを無視して、ヴァルアスは攻撃態勢を取った。
再生を完了した、全ての触手の先端に、単眼が出現する。
同時に肩の装甲部分が開き、内部に隠された無数のレンズ状の発光体が輝きを増す。
大きく口を開き、光を収束させる。
長い尻尾の先端が開き、口同様に光を収束し始めた。
「やめてええぇぇぇぇぇっ!!!」
リーファの叫びを合図とばかりに、黒竜は光を一斉に解き放つ。
全ての触手から放たれた無数の閃光が兵士達を撃ち抜いていく。
口と尻尾の先端から放たれた光の奔流が、逃げようとした市民を呑み込む。
肩の発光体から次々と放たれる光球が、複雑な軌道を描きながら、雨の様に軍勢に降り注いだ。
障壁を作って防御しようとした者も居たが…光の本流の前に一瞬で呑み込まれるか。光球の数に押しつぶされていった。
一連の砲撃で、軍の陣形は完全に崩壊し、兵達の士気は一瞬で挫かれる。
153魔法少女マユ 第10話 3/18:2009/11/08(日) 11:37:59 ID:dUnFUuJD
「全軍!踏み潰せ!!一人たりとも逃すんじゃねえ!!」
砲撃が終ると同時に、片刃の長剣を振り上げ、ローエルが全軍に聞こえるように叫ぶ。
『オオオオオオオオォォォォォ!!!』
将の言葉に応えるように、魔族達が咆哮を上げる。
「行けぇっ!!!」
振り下ろされた剣を合図に、魔族達は雪崩の様に突撃を開始した。
『後は任せたぞ、ローエル』
「はっ…お任せを、陛下」
ヴァルアスの言葉に、ローエルは恭しく一礼すると、近くに待機していた黒馬の背中に跨る。
そして馬を走らせ、軍勢の中に入っていく。
「ぁ…あぁ…」
リーファは呆然とした様子で、目の前で繰り広げられる惨状に声を漏らす。
『ここは特等席だ。我々はここで見物するとしよう…』
ヴァルアスの言うとおり、この場所は一際小高い丘になっており、戦場を一望できる場所だった。
既に、至る所で一方的な殺戮が始まっていた。
逃げ惑う兵士や市民達に、次々と魔族達が襲い掛かる。
「お願いです!止めさせてください!!」
『その願いは聞けぬな…彼らはお前達のお陰で逃げられたのに、自ら戻ってきた。
 …戦場に来たのだ。死は覚悟の上だろう…ならば、我々が成すべき事はただ一つ。
 その覚悟に応え、相手をしてやるだけだ。それが例え、相手を一方に踏み躙るような戦でもな』
黒竜の言葉に、リーファは愕然とした表情を浮かべる。
目の前で繰り広げられる光景は、最早戦いと呼べるものでは無かった。
至る所で、魔族による一方的な殺戮が行われている。
「リ、リーファ様…た、たすけ…あぎいいいいいい!!」
リーファ達のすぐ近くで、少女の叫び声が聞こえる。
まだ幼い魔法使いの少女が、大型のトカゲに極太のペニスを突き立てられていた。
戦利品を得た魔族達が、陵辱を開始している。
「むがあああああっ!!」
若い女の兵士が、蛸の様な造魔に捕えられて、三つの穴に計15本もの触手を挿入されていた。
顎は外れ、股は裂け、下の二つの穴かからはピストンの度に血が流れ出る。
「い、いやっ…いやだぁぁっ!!産まないでえぇぇぇっ!!」
カマキリの姿をした上位魔族に、産卵管を子宮へと突き立てられた少女が泣き叫ぶ。
少女の叫びを無視して、魔族は卵を少女の子宮内に送りこんでいく。
大量の卵を産み付けられた少女の腹が、ボコボコと膨れ上がる。
「はぎっ!?ごぼぉっ!!うぐうううっ!!!」
運良く獲物に有りつけた下魔達が、少女の3つの穴にペニスを突き立てている。
幸運な仲間の相伴に預かろうと他の者が集い、少女を取り囲む下魔は増え続けた。
「い…いやああああああああっ!!!もうやめてええええええ!!!」
眼前で繰り広げられる、地獄のような光景に、リーファは叫び耳を塞ぐ。
『これは彼女達が、自ら望んで戦場に出た結果だ。戻ってこなければ生き延びれたものを…愚かな事だ』
周囲を見渡し、ヴァルアスが呟くように漏らす。
154魔法少女マユ 第10話 4/18:2009/11/08(日) 11:39:26 ID:dUnFUuJD
『さて…こちらも始めるか』
ヴァルアスの言葉と共に、触手が動き、リーファの法衣を引き裂いていく。
「きゃああっ!!」
肌を露わにされて、リーファは叫ぶ。
『お前の様な、力有る乙女の純潔は…さぞ美味であろうな』
リーファの、起伏に乏しいが白く美しい体を、黒竜の舌がゆっくりと舐める。
「くっ…あぁ…」
全身を襲う不快感に、リーファは小さく声を漏らす。
ヴァルアスはゆっくりとリーファの体を動かし、自分の股間へと近づける。
「ひっ…」
自分に向けて突き出される、黒竜のペニスに、リーファは怯えた様に声を上げた。
眼前で行われている惨劇を目にしたリーファに、先程までの気丈さは残っていない。
「い、いやぁ…誰か…助けてぇ…」
恐怖に顔を引きつらせ、いやいやと子供の様に首を振るリーファ。
だが、彼女を助けようとする者は誰も居ない。
彼女を守護していた騎士は死に、彼女を助けようと立ち向かってきた人々は、魔族の軍勢に踏みにじられている。
黒竜は無言で、リーファの秘所を己のペニスへと宛がう。
そして有無を言わさず、一気にペニスをリーファに突き刺す。
「あぎいいいいいいいいいっ!!!」
受け入れがたい太さの剛直が無理やり挿入され、股が裂けた。
処女膜は破られ、膣壁を傷つけながらペニスが奥へと進んでいく。
「ぐがあっ!!」
子宮口にペニスの先端が到達するも、ペニスはまだ半分も入っていない。
ヴァルアスはリーファを掴む手に更に力を込め、強引に下へと下げる。
「ぐうううううぅぅぅ!!」
子宮に突入したペニスが子宮壁を圧迫した。
リーファの腹部が歪な形に膨れ上がる。
「あ…かはっ…」
抜いて!破裂してしまう…リーファはそう叫びたかったが。腹が圧迫され、息が詰まって声が出ない。
天を仰ぎ、大きく口を開いて痙攣を起こす。
黒竜が、ゆっくりとリーファの体を動かし始める。
「がっ…うぎいいいいいいいいいい!!」
引き抜かれようとするペニスのカリが、挿入の際に削られるような傷のついた膣壁を、さらに傷つけていく。
ペニスは赤く血に染まり、膣口から血があふれ出る。
一度引き抜かれたペニスが、また挿入されていく。
「ぐええぇうあぁぁぁ…!」
ヴァルアスは、リーファの悲鳴を楽しむ様に、彼女の体をゆっくりと動かす。
155魔法少女マユ 第10話 5/18:2009/11/08(日) 11:40:11 ID:dUnFUuJD
悪夢の様なピストン運動が続く。
突き刺される度に、腹が歪な形に膨れ上がり、リーファは息が詰まって呼吸できなくなる。
初めはゆっくりだった挿入の動きが、徐々に速くなっていく。
「げうううぅぅっ!!」
ずどん、と音が聞こえるような強引な挿入に、リーファは声を上げる。
次の行動に移る間隔も回数を重ねる度に早くなっていく。
「がぎいいいいいいいいい!!」
凄まじい音を立てて、ペニスが引き抜かれる。
そして、間を置かずにまた突き立てられた。
幾度それが繰り返されただろうか…
「あがああああああああああ!!!」
醜い叫び声をリーファが上げる。
黒竜が射精を開始したのだ。
凄まじい勢いで、ペニスから精液が放出される。
瞬く間にリーファの子宮を埋め尽くし、更に膨れ上がらせた。
それでも射精は止まらず、赤と白の混じり合った液体が、膣口から流れ出ていく。
足もとに大きな水たまりを作った頃に、長い間続いた射精がようやく止まる。
「がっ…はっ、はっ…あぐ…」
リーファは息も絶え絶えといった様子で、苦しげに息をしている。
『よく耐えた…大抵の者は、この辺で死んでいる』
ヴァルアスは楽しそうに笑いながら、リーファの体を引き抜く。
引き抜かれたリーファは、水たまりに放り捨てられた。
やっと終わった…地面に倒れたリーファは心中で安堵するが…
『さて…次は他の穴で楽しませてもらおうか』
ヴァルアスは呟くように言うと、無数の触手を伸ばし、リーファの体を絡め取る。
「あ…あぁ…い、いやぁ…」
リーファは逃れようともがくが、弱々しく体を揺らす事しか出来なかった。
「うぐっ!?」
腹を触手で打ち据えられ、リーファは苦悶の声を上げる。
開かれた口に、極太の触手が4本挿入された。
「んごおおおおおお!!?」
口の中を占領する触手に、リーファは激しい吐き気を覚えた。
更に、アナルにも5本の触手を挿入する。
「ぶげええっ!!ごぶうううう!!」
激しい痛みに、リーファは体を震わせた。
『…気が変わった。他の穴でと言っていたが、こちらにも入れるぞ』
「ひゃめ…ひゃめで…」
ヴァルアスの言葉に、止めてと叫ぼうとするも、触手のせいで発音がまともに出来ない。
膣口の前に、7本の触手が集まる。
『殺さぬ程度に数を加減しているのだ。我慢しろ』
体を揺らしながら、涙を流すリーファに、冷淡に言い放つ。
156魔法少女マユ 第10話 6/18:2009/11/08(日) 11:41:47 ID:dUnFUuJD
「おげああああああああっ!!!」
ずぶずぶと音を立てて、7本の触手が挿入される。
全ての触手が挿入されると、それらは一斉に動き始めた。
「おぶっ!?ぶげっ!!ごあああああ!!」
触手に突き上げられ、リーファの体が激しく震える。
極太の触手が腸壁を傷つけ、結合部から血が流れ出ていく。
先程の行為によって拡張された膣も、7本もの触手を受け入れるにはあまりに狭く、触手が動く度、さらに傷つけられていく。
「ぐぶえっ!!げぼおおおおおおおおぉぉぉぉっ!!」
喉の奥で暴れまわっていた触手が、その更に奥、食道へと侵入する。
同時に、触手が深々と突き刺さり、一斉に射精を行う。
3か所同時に放たれた濁流が、リーファの体を埋め尽くす。
消化器官は精液で満たされ、溢れ返った精液の反動で触手が口から飛び出てくる。
「ぐえええええええええ!!ぐぼおおおおおおおお!!」
栓をしていた触手が抜けた事で、リーファは嘔吐を繰り返す。
下の二穴に行われていた射精も止まり、触手が引き抜かれていく。
「はぎっ…はぁ…はぁ…げふっ…うげええぇぇっ」
二穴からも精液を漏らしつつ、必死に精液を吐き出し続ける。
少し間をおいて、再び触手が蠢きだす。
「ひぁっ!ひ、いやぁ…もういやぁ…」
恐怖に顔を引き攣らせ、リーファは身を捩った。
股間からは、黄色い液体がゆっくりと流れ落ちる…恐怖のあまり失禁してしまったのだ。
必死に首を横に振る彼女を無視して、先程より数を増した触手が、穴へ侵入しようとしたその時。
「陛下」
背後から声がかけられる。
「さすがにその辺で、お止めになってはいかがですか?…彼へのお土産が台無しになりますよ」
『……これはしまった…久しぶりに手荒に扱っても壊れない相手だったから、少々はしゃぎすぎたな…』
背後に立っていた青年、レドリックの言葉に黒竜は行為を止める。
『頑張ってくれている博士への土産を、危うく潰すところだった…すまんな、レドリック』
「いえ、お気になさらず…お気持ちはよく分かりますから。自分も同じ立場なら、殺すまでやってそうです」
主からの言葉に、レドリックは微笑む。
「…しかし、ズルイですよ。僕に視察を押し付けて、自分だけ戦を楽しむなんて…」
『お前は地球で狩りを楽しんでいるだろう…我慢しろ』
不満の言葉を漏らすレドリックに返答しつつ、リーファの拘束を解く。
彼女は恐怖のあまり気絶し、ぐったりとした様子だった。
ヴァルアスが指示を放つと、下魔達が彼女を抱えて運んでいく。
それを見送ると、彼は黒い靄に包まれ、人の形へと姿を変化させる。
黒いスーツを身に纏った男に姿を変えると、ヴァルアスは歩き出し、その後にレドリックが従う。
「…作業状況はどうだ?」
「すべて滞りなく、これだけ打撃を受けたのです、連中の妨害も暫くは無いかと」
二人は歩きながら言葉を交わす。
157魔法少女マユ 第10話 7/18:2009/11/08(日) 11:43:05 ID:dUnFUuJD
彼らは、ラディウスが進める計画に、必要なレアメタルの採掘が行われている鉱山の視察の為に、ここに来ていた。
折しもエルメリア軍が、鉱山地域の奪還の為に大部隊で進軍し、北方軍集団の将ローエルと交戦中だった。
間近で行われる戦場に、ヴァルアスはレドリックに視察を任せ、自ら戦場に介入する。
彼の介入の結果、エルメリア軍は壊滅的な打撃を受けた。
この戦で魔族は、敵軍の要であった巫女を捕えた…これは非常に大きな意味を持っている。
「一番の若輩者とはいえ…ついに、円卓の一角を崩せれましたね」
「ああ、これは大きな前進だ。父の恨みも幾ばか晴らせれただろう」
レドリックの言葉に、王は満足そうに頷く。
円卓…それは100年前の戦で、ヴァルアスの父である先代魔王を倒した12人の実力者の集まりの総称だ。
功績を立てた彼らは、英雄として崇められ、円卓は現在エルメリアの最高意思決定機関となっている。
最も、当時のメンバーは皆死に、現在はその子や孫が地位についていた。リーファはその一人だ。
代替わりしたとはいえ、彼ら一人一人の影響力は強く。それを倒した事は、エルメリア側に大きなダメージを与える事になろうだろう。
「民への精神的ダメージも大きそうですね…彼女は神の代弁者と呼ばれ、信奉の対象でしたから」
リーファは、エルメリア創世の神と崇められる輝竜レイシェンに仕える巫女だ。
まだ幼いながら、慈愛に満ちていた彼女を信奉する者は、エルメリア全土に居る。
「そうだな…そして彼女は若いながらも、凄まじい魔力を誇っている…ラディウス博士も喜ぶ事だろう」
「あんな玩具を得たら、逆にサボりそうで不安ですがね…別の研究に、うつつをぬかしそうですよ」
王の言葉に、レドリックは好奇心旺盛な友人の事を思い出して苦笑する。
目の前に新しい玩具を出されて、彼が本来の役目を忘れそうだと。
「そこはそれ…君が手綱を握ればいい」
「やはりそういう事になりますか…もう慣れましたよ、その役目」
陣地に戻った二人の元に、黒馬に跨ったローエルが追い付いてくる。
「陛下、我が軍はこのまま余勢を駆り、連中の駐留していた都市の攻略にかかります」
「ここの守備を盤石にする為にも、それがよさそうだな…任せる。私は地球へ戻る」
更なる追撃を行うというローエルの言葉に、ヴァルアスは鷹揚に頷く。
捕えられたリーファが、彼らの元に運ばれてくると、レドリックが転移魔法を発動させ、光になって消える。
彼らが姿が消えると、ローエルは溜息を一つつく。
「わりぃなルイン…ホントはリーファも苦しまないように、
 お前の所に送ってやりたかったんだがな…こっちにも事情があってよ…」
連れていかれたリーファは、本拠地で造魔の母体として使われる事になるだろう…
彼女ほどの魔力の持ち主だ…さぞ高い能力を持つ造魔が造られるはずだ。
同時に、それは彼女が楽には死ねない事を意味している。
殺さないように加減しつつ、延々と造魔を造る為に魔力や命を搾取されるだろう。
「これも、お前らが信じた神サマが決めた運命ってやつか…」
ローエルとしては、死んでしまった好敵手の為に、少女を楽に死なせてやりたかったが…それは叶わぬ望みだった。
「…化けて出るんじゃねぇぞ。怨むんなら、こんな運命決めた神サマ怨め」
黒雲に包まれた空を見上げ、ローエルはぼそりと呟いた。
158魔法少女マユ 第10話 8/18:2009/11/08(日) 11:43:54 ID:dUnFUuJD
「え…リーファ様が…?」
シャーナから告げられた内容に、リィンは呆然とする。
「そ、そんな…」
ユーリィも信じられない、といった様子で呟く。
「にわかには信じられないでしょうけど…これは事実よ。昨日、円卓のお一人であるリーファ様が魔族に捕らわれたわ」
「………」
マユだけは事態がよく分からず、首を傾げていた。
「あ、ごめんなさいね…マユちゃんには詳しく話さないと、分からないわね」
シャーナは申し訳なさそうに言うと、マユに話し始める。
円卓の役割について、そしてリーファの事を。
「大変な事になってるんだね…エルメリア」
事の重大さを理解したマユは俯き、不安そうな顔をする。
「ええ…ここにきて、魔族軍にも大量の増派が行われたみたいなの、各地で攻勢を開始しつつあるわ…
 それに、リーファ様はこちら側への応援要員の派遣を、強く勧めていた方なの」
「私達にも、急に戻ってきなさいって指示が来てるもんね…」
シャーナの言葉に、ユーリィも頷く。
「3人とも…エルメリアに帰っちゃうの…?」
不意に告げられた内容に、マユは表情を曇らせる。
「…現状の整理って事で、全員招集して意見を交換しようって事になったの…
 心配しないで、マユちゃん。3日で帰ってくるから」
「リィンの言う通りよ。今回の件は、連中の拠点を探る為の情報交換の集まりなの。
 それに、円卓にもまだ推進派の方はいらっしゃるわ」 
リィンがマユの手を握り、安心させるように言う。
シャーナも妹の言葉に頷く。
「うん…分かった…その間は、私だけで見回りしておくね」
「ごめんなさいね。こっちの勝手な都合で…」
「気にしないで、シャーナさん」
申し訳なさそうに頭を下げるシャーナにマユは微笑む。
「無理しないでね、マユちゃん」
「分かってるって、心配性だねユーリィは」
心配そうに尋ねてくるユーリィに苦笑しながら、その頭を撫でる。
3人はエルメリアに向かうべく準備をし始めた。
「ゴメンね…ホントは一緒に居たいんだけど…」
準備の手を止め、マユの隣に座ったリィンは、申し訳なさそうに漏らす。
「気にしないでよリィン。私一人でもなんとかやれるよ…約束する、無茶はしないって」
「うん…気をつけてね。お土産何がいい?」
マユの微笑みに、つられるように笑ったリィンは尋ねる。
「んー…向こうの美味しい食べ物食べてみたいな、こっちと色々違うでしょ?」
「ふふふ…食べ物か、了解。美味しいもの買って来るね」
二人はまた笑顔を交わす。
1時間後、3人は転移魔法を発動させ、エルメリアへと向かっていった。
「……一人は久しぶりだなぁ…」
家に戻り、自室に入ったマユは少し寂しそうに呟く。
159魔法少女マユ 第10話 9/18:2009/11/08(日) 11:44:31 ID:dUnFUuJD
それから二日、マユは一人で夜の見回りに行った。
特に、異常は無かったが…一緒に誰も回ってくれないという事が、彼女の心に不安と寂しさをもたらす。
いつもはユーリィやリィンと、常に二人で回っていた。
リィンの家に戻ると、シャーナが温かい飲み物を用意して待っていてくれた。
当たり前の様に行われていた事が抜け落ち、マユはいい様の無い孤独感と不安を覚える。
「マユちゃん〜?」
「ふ、ふぇ?な、何?」
ぼーっと食事をしていたマユは、美幸からかけられた言葉に、驚いて声を上げる。
「何、じゃないわよ〜…どうしたの?元気が無いけど〜…」
「確かに、あんまり食欲も無いみたいだね…大丈夫かい?」
心配そうな様子の美幸に同意し、宗一郎も心配そうに顔を覗き込む。
「な、なんでも無いよ!ちょ、ちょっと食欲が無いだけだよ…」
「そう〜?…ホントに大丈夫〜?」
慌てた様子のマユに、美幸は首を傾げながら尋ねる。
「だ、大丈夫だって!し、心配性だな、お母さんは…」
マユはそこで言葉を切って、出来るだけ早くご飯を食べ、自分の部屋に戻った。
逃げるように部屋に入ったマユは、ベッドに寝転び、枕に顔を埋める。
「…大丈夫だよ、今日で最後だ。3人が帰ってくるんだから…」
自分自身に言い聞かせるように、マユは呟く。
リィン達は、日付が変わる頃に戻ってくるという話だった。
「よし、行こう!」
気合いを入れる様に、力強く言うと、ベッドから起き上がる。
そして、魔法少女のコスチュームを身にまとい、転移魔法を発動させた。
二日間何もなかったんだ、今日も何事もなく終わる。
広がる不安を抑えようと、何度も心の中で呟きつつ、マユは夜の見回りへと向かった。
160魔法少女マユ 第10話 10/18:2009/11/08(日) 11:47:52 ID:dUnFUuJD
「…特に異状無しっと…魔族の気配も感じないし、今日も平和だね」
ビルの屋上に立ったマユは周囲を見回して呟く。
「今日は早く帰って皆を待ってようっと…お土産何があるかな」
沈んでいた気分を振り払うべく、独り言を漏らす。
(…でも、本当に帰ってきてくれるのかな…向こうも大変みたいだし…)
心中を過ぎった不安に、マユは慌てて首を振る。
エルメリアに行った3人から、この3日間何も連絡が無い事が、マユにこの様な不安をもたらす原因だった。
(だ、大丈夫!!ちゃんと帰ってくる!)
心中で必死に叫び、彼女は祈る様に目を閉じる。
その時、マユは街に蠢く気配に気づく。
(魔族だ…2、3体大きい気配の奴が居る…なんだってこんな時に…)
現れて欲しくなかった気配に、マユは心中で呻く。
(しっかりしなきゃ!今戦えるのは私だけなんだから…魔族が人間を襲う前に止めないと…!)
マユは転移魔法を使い、気配の元へと向かう。



マユの向かった先の工場。
そこでは、荷物の搬出が行われていた。
人間の姿に擬態した下魔達が、大型のトラックに次々とコンテナを積み込んでいく。
「ドクター、通信ですぜ。レドリック様からです」
「おう、貸せ」
作業を監督していた白衣の少年ラディウスは、護衛の造魔が差し出す通信機を受け取る。
『やぁ、ラディウス…今何処に居るんだい?』
「ああ、ちと工場の方だ…今日が第一陣の出発だからな、そいつに同行する為だ」
聞こえてきたレドリックの言葉に、ラディウスは答える。
『今日がそうだっけか…しかし、まどろっこしい事をするね。システムを本社地下で直接作ればいいじゃないか』
「アホか。そんな事したら試運転の段階で、本拠地がバレちまう。本社にエルメリアの連中が雪崩れ込んでくるぞ」
ラディウスは溜息をつきながら、通信相手に説明を始める。
彼が中心となって進める対転移結界展開計画。これの要たるシステムは、超大型の設備ゆえ、
各地の工場でパーツ単位で製造し、それを一箇所に集めて組み立てる計画になっている。
当初は、本拠地地下にシステムを設置するという案もあったが、それは本拠地発覚のリスクを伴う為、ラディウスが却下した。
システムの稼動には膨大な魔力を消費する。試運転をするだけでも、簡単に気づかれるだろう。
それ故、彼は本拠地から離れた、人気の無い山奥の施設を指定したのだ。
『なるほどねぇ…あ、そうそう…用件はね。陛下からのお土産が、製造に使えるくらいまで、
 回復したよって伝えようと思ったのさ。君だけが使っていいとの事だよ』
「へぇ、そりゃ楽しみだ…」
レドリックの言葉に、ラディウスは笑みを浮かべる。
161魔法少女マユ 第10話 11/18:2009/11/08(日) 11:49:39 ID:dUnFUuJD
数日前、彼らの主ヴァルアスが捕らえてきた、円卓の一人である少女…
彼女を使っての造魔生産は、ラディウスの楽しみにしていた事であった。
「新型システムの製作過程で作った。特別なタイプのシステムを使う機会が来たか…楽しみだぜ」
『あまり、そちらに熱を入れすぎないように…陛下にご迷惑がかかるからね』
「分かってるよ…節度は守るさ。それにこの計画は俺の最大の楽しみだからな…こっちがメインだ」
通信機からの苦言に、ラディウスは苦笑する。
「ま、すぐに行ってすぐ戻るさ」
『了解、採掘の状況についても新しい情報が入ってるからね。待ってるよ」
「分かった…じゃあな」
通信を切って、造魔へと手渡す。
「ド、ドクター…ま、魔法…少女…」
傍らに立っていた、もう一体の造魔がラディウスに告げる。
「あ?……マジだ。しかもあの嬢ちゃんじゃないか…面倒な事になったな…搬出状況は?」
造魔の言うとおり、魔法少女と思われる反応が近づいてきている。しかもよく知る者の気配だ。
顎に手をあて、表情を険しくするラディウス。
「丁度終りました。すぐに出せますぜ」
もう一体の造魔の返答に頷くと、ラディウスは口を開く。
「よし…お前はそのまま移送部隊に随行しろ。俺とこいつで迎撃する…万が一って事があるからな、そっちにも護衛が必要だ」
「俺としちゃあ、そちらに行きたいんですがね…了解しました」
造魔は頷くと、下魔達と共にトラックの中に乗り込む。
「コイツ使え、試作品だから短時間しか使えんが…気配を隠せる」
トラックに乗り込んだ造魔に、小さな四角い装置を投げて渡す。
「分かりました。ドクターもお気をつけて」
装置を受け取り、造魔は主に頭を下げる。
発進したトラックを見送ると、ラディウスは控えているもう一体の方を振り向く。
「おし、隠れて奇襲をしかけるぞ…場所を少し変えてから作動させるか」
先程の装置をもう一つ取り出して、造魔に告げる。
「りょ、了解…お、犯して…いい?」
「構わん、だが殺すなよ」
たどたどしく言葉を紡ぐ造魔に、頷いて答えた。
彼らは工場から離れ、近くの廃ビルに移動する。
「ふふふ…こんな事もあろうかと、このジャミング装置持ってきて良かったぜ」
にやにやと笑いながら、ラディウスは手に持つ装置を弄ぶ。
それは、一定範囲内の魔力反応を感知できにくくする能力を持っている。
先程、トラックの造魔に渡した物も同じだ。
今頃彼らもアレを使用して、上手く隠れていることだろう。
「さて…来るなら来い」
魔法少女の気配が近づいて来るのを確認して、彼は装置を作動させる。
162名無しさん@ピンキー:2009/11/08(日) 11:51:05 ID:Twh3Naa0
しえん
163魔法少女マユ 第10話 12/18:2009/11/08(日) 11:52:11 ID:dUnFUuJD
「…おかしいな、さっきまでこの中から気配がしたのに…」
ビルの内部を見回して、マユは表情を険しくする。
移動を始めた魔族を追って、このビルの中に入ったのに、あと少しという所で突然魔族の気配が消えた。
「…何処かに隠れて、気配を隠してるのかな」
マユは注意深く歩き出し、再びビルの探索を開始する。
(しっかりしろ…こんな事で怖がっててどうするの…!)
心中でざわめく不安を必死に押さえようとしつつ、上の階へと登っていく。
勘の良い普段のマユなら、造魔の隠れている場所にも気づいたかもしれない。
だが…不安と怯えに、心を揺れ動かされていた今の彼女には出来なかった。
凄まじい音と共に、壁が砕かれ、その穴から尻尾が伸びる。
「っ!?」
完全に不意を突かれたマユは、鳩尾に一撃を受けて吹っ飛ぶ。
「うあぁっ!!」
吹っ飛ばされた彼女は、壁に叩きつけられる。
崩れ落ちたマユは、腹を押さえて苦しそうに呻く。
「おし、奇襲成功っと…良くやった」
壁に穴を開けた、造魔の横に、ラディウスが姿を見せる。
サンショウウオに似た、二足歩行の造魔の背中を撫でながら、彼はマユに声をかける。
「よう、またあったな。お嬢ちゃん」
「ラ、ラディウス…」
「よくよく、お前さんとは縁があるね…運命ってヤツか?俺は乙女座じゃないから。
 センチメンタリズム的なものは感じないけど」
マユは無言で立ち上がって、剣を構える。
「まぁ、お喋りはここまでにしとくか…こちらも忙しいんでね。やれ」
ぽん、と背中を叩くと、造魔がゆっくりとマユに近づいていく。
『キシャアアアアアッ!!』
咆哮を上げ、造魔が突進してくる。
横に跳んで回避するが、その際に生じた腹部の痛みに、顔を顰める。
痛みに動きを止めてしまったマユは、続けて放たれた尻尾を回避出来ず、足を払われる。
「あうっ!?」
地面に倒れこんだ彼女に、造魔が飛び掛る。
「うああああぁぁぁっ!!!」
造魔の巨体に圧し掛かられたマユは、全身を襲う重圧に、苦悶の声を上げた。
長い舌を伸ばして、身動きを取れないマユの顔を舐め回す。
「うぁ…くっ…うぅ…」
大量の唾液を塗りつけられて、気持ち悪そうに呻く。
造魔は同時に、体中から粘液を分泌して、肌を擦り付ける形で全身に塗りつける。
マユの服に染み込んだ粘液は、更に肌から浸透していった。
164魔法少女マユ 第10話 13/18:2009/11/08(日) 11:53:30 ID:dUnFUuJD
(……おかしいな、不意打ちを加えてたとはいえ、コイツが勝てるような相手じゃないのに)
圧し掛かり、マユの動きを封じた造魔を見つめながら、ラディウスは心中で呟く。
このサンショウウオ型の造魔は、彼の作品の中ではそれほど強くない部類だ。
スピードも鈍く、力任せの戦いしか出来ず。時間は稼げても、彼女を圧倒できるとは思っていなかった。
(どうやら本調子じゃないようだな…何が有ったかは知らないが…こいつは好都合)
「くっ…はぁ…ひぅ…ぁぁ…」
マユが頬を紅潮させ、擦り付けられる身体によって生じた快感に、甘い吐息を漏らす。
粘液が身体に浸透し、徐々に効果を現し始めるのを確認すると、造魔は次の行動に移る。
造魔はゆっくりと起き上がり、マユの体を抱き寄せて、服を肌蹴させた。
以前より少し膨らみを増した彼女の両胸を掴み、更に粘液を塗りつけていく。
「ひぁっ!…はうぅ…やぁん…」
粘液に含まれていた媚薬によって快感を増幅され、マユは身を捩る。
「むぐぅ!?」
開かれていたマユの口に、造魔の長い舌が侵入してきた。
「ふぁ…んちゅ…はぅん…」
舌を介して、造魔の涎を無理矢理飲まされる。
(い、いやぁ…誰か…助けてぇ…)
身を襲う激しい快感に震え、マユは心中で叫ぶ。
造魔の責めは徐々に激しくなっていく。
胸を揉むだけでは飽き足らず、秘所へと片方の手を伸ばす。
「んやぁっ!!」
下着を破り裂かれて、粘液に塗れた手を擦り付けられ、びくん、と身体を震わせる。
マユの抵抗を無視して、造魔は秘所をなぞり、粘液を塗りつけていく。
口内を蹂躙する舌も、その動きの激しさを増す。
「んむぅ…ひゃぁ…ちゅぱ…あぅ…」
舌に口内の至る所を舐め回されて、マユは弱々しく声を漏らす。
勃起していた乳首を摘み、勢いよく引っ張られる。
「ふやああああん!はああああぁぁぁ!!」
体を弓なりに反らして、マユは嬌声を上げた。
散々口の中を犯した舌が、やっと引き抜かれる。
「ぷはっ!うぅ…ふぁ…」
口の中を占領していた物が抜かれ、苦しそうに息を漏らす。
胸と秘所を責めていた手も引かれる。
(な、何でいきなり止めるんだろう…)
唐突な行動に、マユは疑問を覚えたが、激しい快感で体が思うように動かず、呆然と造魔に身を預けたままだ。
「きゃああっ!!」
造魔が両足を掴み、彼女を逆さまに吊り上げた。
そして、そのまま地面に下ろし、まんぐり返しの大勢を強いる。
「ひぁぁ…や、やだぁ…放してぇぇ…」
秘所へと注がれる造魔の視線に、激しい羞恥心を覚え、マユは必死に首を振って哀願する。
165魔法少女マユ 第10話 14/18:2009/11/08(日) 11:54:17 ID:dUnFUuJD
造魔はマユの太腿を掴み、閉じようとしていた股を無理やり開かせる。
そして舌を伸ばし、彼女の股を濡らす愛液を、美味そうに舐めとっていく。
『美味いぃぃ…お、お前のお汁、美味いいぃぃぃ…』
嬉しそうに造魔が声を上げる。
「やあああああっ!!やめて!やめてえぇぇぇっ!!」
舐められる度に生じる激しい快感に、マユは堪え切れない様子で叫ぶ。
(助けてぇ…ユーリィ!リィン…シャーナさん…)
次々と行われる凌辱に、マユの心は激しい恐怖に支配されていた。
怯えながら必死に、ここに居ない仲間達の名を叫び続ける。
「ひぁっ!!はううううう!!ゆ、ゆーりぃ…ひやあああああん!!」
「…あっ!?また忘れてた!!アイツら来てないよな!?」
嬌声に交じって漏らされたマユの言葉に、ラディウスは慌てて周囲を見回す。
前回は妖精の存在を忘れていて、あと一歩というところで失敗したのだ。
だが、今回は周囲に気配は無いようだった。
「んーむ…探知の魔法にもひっかからん…居ないのか?こりゃラッキー」
顎に手を当て首を傾げていたが、居ないと結論付け、安心したように言う。
造魔はその間もマユの股間を舐め続けていたが、次第にその行動をエスカレートさせていく。
表面だけでは飽きたのか、造魔はマユの秘裂へ舌を侵入させる。
「ふああああああああああ!!!」
膣壁を舐め取られ、マユは叫び声を上げた。
唾液や粘液に含まれた媚薬は全身を侵し、マユに激しい快感をもたらす。
マユの反応に気を良くしたのか。造魔は更に舌を奥へと入れながら、満遍なく膣壁を舐めていく。
「きゃううう!ひゃん!あああああっ!!」
子宮口に到達した舌は、強引にこじ開けて、子宮内に侵入した。
そして、子宮を押し広げるように、舌をグリグリと押し付けていく。
「はきゃあああああああ!!」
本来なら、激しい痛みをもたらす筈の行為だが…大量の媚薬によって、それ以上の快楽がマユを襲う。
一頻り、子宮内で舌を暴れさせると、造魔は舌を一気に引き抜く。
「うくうううううううううううっ!!!」
その行為でマユは何度目かの絶頂を迎える。
最後に一度、マユの秘裂を舐めると、造魔はマユの腰を掴み、己の股間へと近づけた。
マユは絶頂の余韻に震え、抵抗の素振りすら見せない。
狙いを定めると、造魔は一気にペニスを突き刺した。
「ああああああああああっ!!!」
突然生じた快感に、マユは身を捩って声を上げる。
造魔は勢いよくペニスを動かし、互いの股間を打ち付けた。
大きな体に見合った、造魔の大きなペニスが、膣壁を傷つけていくが…痛みよりも快感の方が、遥かに凌駕していた。
「ふああっ!んきゅうううううう!!やああああああああん!!」
ハイペースにピストン運動を繰り返した造魔は、すぐに射精を行う。
「んやあああああああああ!!!」
大量の精液を子宮に注ぎ込まれ、マユは身体を痙攣させた。
166魔法少女マユ 第10話 15/18:2009/11/08(日) 11:55:19 ID:dUnFUuJD
射精を終え、ペニスを引き抜くと、造魔はマユの腰から手を離し、地面に横たわらせる。
「ふぁ…はぅぅ…」
マユは全身を支配する、快楽の余韻に、弱々しく震えていた。
そんな彼女を、造魔は肩を掴んで無理矢理立ち上がらせる。
「んぁ…」
小さく声を漏らしたマユの眼前に、造魔の大きな顔が近づく。
「お、おい…あんまりやり過ぎるなよ…」
造魔のやろうとしている事を理解して、ラディウスが額に汗を浮かべながら言った。
『だ、大丈夫…大丈夫…』
分かってる、とばかりに振り向いて彼に頷いて見せると、造魔はマユの方に向き直る。
『い…いただき…ますぅ…』
一言発すると、ばっくりと大きく口を開き…造魔はマユの体を、肩辺りまで自らの口に入れる。
「んんんーーーーー!!!」
突然の事態に、マユは混乱してバタバタともがくが、造魔に拘束されていて何も出来ない。
口内に含んだマユの顔を造魔の舌が舐め回す。
「んやぁぁっ!!やめてぇぇ…放してぇぇ!!」
べちゃべちゃと顔を舐め回されながら、マユは必死に叫び続ける。
造魔の口から、彼女の上げる声が微かに聞こえるが、グチャグチャという口の音に掻き消された。
マユの体を持ち上げ、呑み込み易い様に高さを合わせると、今度は二の腕辺りまで口に入れる。
「ひああぁぁっ!!くううぅぅん!」
舌を胸に巻き付け弄びながら、ゆっくりと少しづつ、マユの体を呑み込んでいく。
最後まで暴れ続けていた足を飲み込み、造魔は大きく息を吐き出す。
『ご、ごちそうさま…ごちそうさま…』
マユを呑み込み、異様なまでに膨れ上がった腹を、満足そうに撫ぜる。
「あー、ちゃんと吐き出せよー…」
ぽりぽりと頭を掻きながら、ラディウスは不安そうに呟く。
167魔法少女マユ 第10話 16/18:2009/11/08(日) 11:56:01 ID:dUnFUuJD
「ひあぁぁぁっ…はうぅぅぅ…も、もうやめてぇぇ…」
丸呑みにされたマユは、造魔の腹の中で弱々しく声を漏らす。
周囲の肉壁に圧迫され、身体は思うように動かせない。
体内には、むせ返る様な甘く、そして淫靡な臭いが漂い、彼女の思考を麻痺させていく。
肉壁から分泌されていく液体で、ジャケットやスカートが溶かされる。
手袋やブーツも溶かされ、全身を裸にされてしまう。
「ふあああああああああっ!!!」
手足を肉壁に包まれ、まるで咀嚼するかのように肉壁が動き、マユの体を快感が襲う。
分泌された液体は、服を溶かすだけでなく、強力な媚薬の効果もあった。
全身が肉壁と触れる度に、激しい快感が生じ、マユは何度も絶頂する。
肉壁は激しく蠢き、マユの体に快感を与え続けた。
(ダ、ダメぇ…耐えられないよぉぉ…)
激しい快楽で押しつぶされ、何も考えれなくなりそうだった。
肉壁の中から、3本の太い触手が伸ばされてくる。
「んやああっ!!」
まず、下半身の二穴に触手が挿入された。
続けて、口を塞ぐように挿入される。
「ふぐううっ!?」
挿入された3本の触手が凄まじいスピードで前後運動を開始する。
「むあああああっ!げぼぅっ!!」
それに合わせる様に、肉壁の動きも更に速くなっていく。
全身を激しい快楽が襲い、マユの意識は途切れそうになる。
だが、それを許さないとばかりに、激しいピストン運動が繰り返され続けた。
「むがああああああああああああああ!!!」
体内に一斉に射精され、マユは叫び声をあげる。
入りきらない精液が、穴から溢れ出し、彼女の裸体を白く染めていく。
「あひ…ふぁ…」
触手を引き抜かれると、マユは弱々しく体を震わせる。
更に大量の液体が肉壁から分泌され、マユを包んでいく。
(こ、このまま…消化されちゃうの…?やだぁ…助けてぇ…)
頭を過った可能性に、マユは恐怖し震えた。
快楽に襲われ、絶頂を迎える度に、造魔に魔力を吸われている。
魔力が尽きてしまったら、自分は消化されてしまうかもしれない…
残りの魔力もさほど多くない…もう駄目だ。マユは半ば諦めたように眼を閉じる。
だが、延々続いていた行為が突然止まった。
外から、何か声が聞こえる。
168魔法少女マユ 第10話 17/18:2009/11/08(日) 11:56:46 ID:dUnFUuJD
「コラーッ!さすがにやり過ぎだ!!お前消化する気だろ!?」
『あ、あうぅぅ…ご、ごめんなさい。ドクター…そ、その…美味しくってつい…』
いつまで経っても吐き出さない造魔に、ラディウスがついに痺れを切らしたのだ。
彼に腹をバシバシと叩かれ、造魔は申し訳なさそうに声を漏らす。
「言い訳はいいから。さっさっと出せ!死んだら元も子も無いんだよ!」
『わ、わかりました…』
残念そうにつ呟くと、造魔は腹を蠢かせ、マユを口から吐き出した。
「う…うぅ…」
造魔の体液に塗れたマユは、力なく体を震わせる。
弱々しく震えていた手に、何かがぶつかった。
(ん…?)
なんだろう、とマユは薄く眼を開けてそれを見る。
それは、造魔に転倒させられた時に手放した、自分の剣だった。
剣を見たマユの思考は、徐々にクリアになっていく。
マユを捕らえようと、ゆっくりと造魔が近づいてくる。
(チャンスは一瞬…気取られないようにしないと…)
気絶した振りをしつつ、彼女は魔力を少しづつ集めてチャンスを待った。
造魔が、マユの様子を確認しようと頭を下げる。
(今だ!!)
マユは眼を開け、剣を掴み体を起こす。
『んぁっ!?』
突然マユが動いた事に、造魔は驚いて動きを止める。
「でやああああっ!!」
力を振り絞って、マユは剣を造魔の喉元に突き立てた。
『ガゲッ!?』
口から大量の血を吐いて、造魔が声を上げる。
追い討ちをかける様に、マユは集めていた魔力を剣に注ぎ込む。
剣によって魔力が増幅され、光の大剣を形どる。
『ゴギャアアアアアアアアっ!!!』
構築された光の大剣で頭を裂かれ、造魔が叫び声をあげた。
マユは一気に剣を振りおろし、造魔の体を真っ二つに切り裂く。
真っ二つにされた造魔の体は、ドロドロと溶ける様に崩壊していった。
「マ、マジかよ…何処にそんだけの力有るんだよ…」
一瞬で造魔を撃破され、ラディウスは驚きの声を漏らす。
疲弊している今の彼女なら、弱い自分でも倒せるかもしれない…ラディウスはそう考えたが、それを振り払う。
ここは退くべきだ…万が一、自分が死ねば、王が待ち望む計画は水泡に帰しかねない。
そう判断した彼の行動は早かった。
「まぁ…元々時間稼ぎのつもりだったんだ…欲は張らない…あばよ」
独り言の様に言うと、ラディウスは転移魔法を使い、マユの目の前から消える。
「はぁ…はぁ…や、やった…」
なんとか勝てた…心底安堵したマユは、残り少ない魔力を振り絞って、転移の魔法を使う。
リィン達の家の中に転移した彼女は、そこで力尽き床に倒れこむ。
169魔法少女マユ 第10話 18/18:2009/11/08(日) 11:57:39 ID:dUnFUuJD
「ぅ…」
数時間後、マユは眼を覚ます。
(こ、ここは…?)
ぼんやりとした状態で、周囲をゆっくり見回す。リィンの部屋だ…マユは心中で呟く。
「…あ、気がついた?マユちゃん」
椅子に座っていたリィンが、マユの方を覗きこんでくる。
「びっくりしたよー、帰ってきたらリビングにマユちゃんが倒れてて…」
ユーリィも心配そうな顔でマユの近くに飛んでくる。
「リィン、ユーリィ…帰ってきてくれたんだ…」
マユは安心した様に言うと、涙を零し始めた。
「マ、マユちゃん…?」
驚いてリィンが身を近づけると、マユが抱きつく。
「寂しかった…怖かったよ…ぅ、うぅ…」
リィンの胸に顔をうずめ、マユは嗚咽を漏らし始める。
「…ゴメンね…ゴメン、マユちゃん…」
彼女を落ち着かせるように、リィンもマユの背中に手を回す。
「マユちゃん…ゴメンね、寂しい思いさせて…」
ユーリィもマユの腕に体を寄せる。
「もう…寂しい思いは…させないから…」
胸で泣きじゃくるマユの頭を優しく撫ぜながら、リィンは彼女を抱きしめた。


落ち着いたマユは、シャーナも交えて皆と話をする。
「そうなの…最後の日に限ってそんな事が…」
「結局、なんでラディウスが居たのかはよく分かんないの…ただ、時間稼ぎの為に襲ってきたみたい」
「んー…気になるわね…その辺りを明日調べてみようかしら」
マユの言葉に、シャーナは首を傾げながら言った。
「でも、良かったぁ…3人が帰ってきてくれて…一人はすごく心細かった。魔族に捕まった時も、いつも以上に怖かったよ…」
「ゴメンね…せめて私だけでも残っておけば良かった…」
ユーリィが俯きながら言う。
「仕方ないよ…気にしないで、ユーリィ」
「うん…分かった」
微笑むマユに、ユーリィは頷く。
「やっぱり皆と一緒の方が一番だなぁ…皆と居れば、どんな相手だってへっちゃらだよ」
3人の顔を見回すと、マユは嬉しそうに微笑む。
「そうだね…皆で力を合わせて、頑張ろう」
「うん、頑張ろうね!」
「ええ、私も出来る事は少ないけど…頑張ってサポートするわ」
マユの言葉に、3人も笑顔で頷く。
4人は真中で手を重ね、笑みを交わした。
ずっと皆と一緒に居たい…マユは心中で強く願い続けた。
170マユ作者:2009/11/08(日) 11:59:09 ID:dUnFUuJD
投下支援ありがとうございました。
今回もちと難産でした…
魔族側のキャラは書いてて楽しいです。特にラディと陛下が。
次回も早く書けるといいなぁ…
それでは、また次回お会いしましょう。
171名無しさん@ピンキー:2009/11/08(日) 12:07:58 ID:udhVIl0G
リアルタイムで乙です。
172名無しさん@ピンキー:2009/11/08(日) 13:01:48 ID:5++9HWm0
>>170
GJ!
陛下の砲撃モードかっけーw
173名無しさん@ピンキー:2009/11/08(日) 13:46:05 ID:m9xtsL18
巫女様の末路に期待だな
174名無しさん@ピンキー:2009/11/08(日) 16:07:52 ID:hGP8YLLI
>>170
乙です!
しかしマユ達は海で戦った時に、ラディを捕まえるべきだったね。
とんでもない事企んでるじゃないかアイツw
175名無しさん@ピンキー:2009/11/08(日) 16:20:57 ID:MkZJV2Ax
>>164
GJ
丸呑み、堪らん。
口の中で舌で嘗めまわすとかは結構あるけど、腹にまで入れちゃうとは。
176名無しさん@ピンキー:2009/11/09(月) 00:24:05 ID:iiTabKgM
一応、陛下に傷を負わせられる程度の戦力が、魔法少女側にも十二組は存在しているんだね

並レベルの魔物と魔法少女なら、魔法少女側の方が強そう
だけど、幹部レベルの魔物には、名のある魔法少女でも、てんで歯が立たない
って感じだったけど、そいつらと同レベルの魔法少女もいたわけだ

12人総出なら陛下も倒せそうなのに、別世界のお話同様、やっぱり戦力を集中せずに各個撃破されるんだろうかw
177名無しさん@ピンキー:2009/11/09(月) 00:53:24 ID:+P0toHgb
陛下の拠点が異世界の大企業を隠れ蓑にしてるし、戦場に出てくるのも気まぐれだしな
今回は同じぐらいのレベルのボスと戦ってたら、いつの間にか敵パーティーにラスボスが混ざってたって感じか
178名無しさん@ピンキー:2009/11/09(月) 00:55:14 ID:aeQ/Sfcr
100年前の人間の子供とかも居るって話だから…おっさんとかおばさん、老人も居そうだな。
そして、戦闘には役に立たない。親の七光というパターンかもw
179名無しさん@ピンキー:2009/11/09(月) 07:39:25 ID:Opl7Wut4
>>177
戦闘中にランダムにラスボスが現れるRPGとかやってらんねぇw
180名無しさん@ピンキー:2009/11/09(月) 11:27:08 ID:Gz4Alep/
敵軍と交戦してたら突然、敵の総大将が出てきて無双して行くんだからな…兵士はやってられないだろうw
181名無しさん@ピンキー:2009/11/09(月) 14:24:00 ID:sPck3Ndf
俺なら即フリスビーだな
182マユ作者:2009/11/09(月) 16:03:36 ID:Gz4Alep/
こんにちわ、昨日投下した所ですが、スレを見て、勢いで書いてしまった話が書きあがったので投下します。
魔法少女マユの閑話という形になります…マユちゃん達出てこないのでw
魔族祭りです、それでは投下を開始します。
183魔法少女マユ 閑話 1/10:2009/11/09(月) 16:04:45 ID:Gz4Alep/
一時は膠着状態に陥っていた、エルメリアで繰り広げられる魔族と人間の戦い。
ここにきて、魔族側に大量の増派が行われ、防戦に徹していた魔族達が反撃を開始する。
三つの軍集団の一つ、中央軍集団もつい先日、敵の大都市を一つ制圧する事に成功した。
「くぁ…ひぅぅぅっ!」
制圧した都市に設けられた、魔族の拠点となった建物…そこに、少女の悲鳴が木霊する。
建物の一室に捕らわれた少女は、天井から伸びる鎖に両腕を縛られ吊るされていた。
年の頃は14歳くらいか…淡いピンク色の髪を肩に触れる辺りまで伸ばしている。
身に纏っていた服は、触手が放った液体で溶かされ、裸同然の姿にされている。
彼女の名はアーシス…この都市の防衛を行っていた軍所属の魔法使いだ。
幼いながら、高い魔力と知識を持っており、エルメリア側の防衛の要となっていた。
だが先日の戦いで、敵の将ゲリオスの罠に陥り、捕虜にされた彼女は、魔族の尋問を受けている。
アーシスの体には、造魔の触手が纏わりつき、全身を愛撫していた。
『このガキ…まだ吐きやがらねぇか…』
尋問をしているトカゲ型の魔族が吐き捨てる様に言う。
「続けよ…徹底的に責め、消耗させよ」
部屋の奥の机に座っている、法衣を纏った三つ首の蛇が、尋問を行っている魔族に告げる。
『承知しました。ゲリオス様』
振り向いて、蛇に恭しく一礼すると、魔族は尋問を再開した。
「ひあああああっ!!ら、らめっ!」
触手が蠢き始め、アーシスは声を上げる。
『止めて欲しけりゃ、とっとと質問に答えやがれ!お前が『円卓』一人の直属の部下だってのは、
 分かってるんだ!お前なら、『円卓』の現在の動きも知ってるだろ!?』
「だ、誰が話すもん…か…くぁっ!きゃうううう!!」
口を開いた触手に、両方の胸に咬みつかれ、アーシスは悶える。
「……爺様、俺がこういうの、苦手だって知ってて呼びつけただろ…」
ゲリオスの隣の席に座る若い青髪の男、ローエルが頬杖を突きながら嘆息する。
「アタシは好きだよ、こういうの…痛い事たっぷりしてやれば、吐くと思うんだけどね…じーさんちょっと甘くないかい?」
ローエルの反対側に座る、長い黒髪の女性、イレーヌは扇子で口元を隠しながらクスクスと笑う。
それぞれ、北方軍集団と南方軍集団の長である二人は、ゲリオスの招集により、この都市に来ていた。
「お前のやり方では、吐く前に潰れる可能性も高い…それに捕虜は有効に活用せねばならん」
イレーヌの方を向いて、ゲリオスは語る。
「ローエル。貴様も将ならば、選り好みするな…」
「へいへい…だが苦手なもんは仕方ねーよ…」
ゲリオスから向けられた言葉に、ローエルは適当に返事を返す。
彼らが話している間にも、アーシスへの拷問は続けられる。
「ふああああああああああっ!!!」
胸を甘噛みされ、アーシスは悶え体を震わせた。
更に触手の舌が、勃起した乳首を舐め回し、時に圧迫したりする。
「ひ、ひやああああっ!!はううううっ!!」
やがて、胸から触手が離れると、アーシスはがっくりと項垂れた。
184魔法少女マユ 閑話 2/10:2009/11/09(月) 16:05:32 ID:Gz4Alep/
『いい加減吐けよ…楽になるぞ?』
アーシスの頬を軽く叩きながら、魔族が告げる。
「だ、誰が…アンタ達の言いなりに…なるもんか…!」
『ケッ…よく吠えやがる…んじゃ、しばらく快楽で悶えやがれ。始めろ』
震えながらも魔族を睨みつけるアーシス。
魔族は呆れたように言うと、彼女を拘束している造魔に指示を出す。
アーシスを拘束していた造魔は、触手を一斉に動かし始める。
「あふぁっ!?くふぅっ!!あああん!!」
触手が小さな胸に巻き付き、激しく揉み始めた。
股間にも太い触手が一本通され、股間を擦り始める。
「うーん…快感で責め落すなら、もっと感度良くした方が良くないかい?」
拷問を楽しそうに眺めていた、イレーヌが立ち上がり、アーシスの方に近づく。
そして、片手を差し出すと、イレーヌの手の平に、球体に包まれた植物が現れる。
彼女が空いている手の指を鳴らすと、球体が消えて、植物が動き出す。
「ふごっ!?」
植物から伸ばされた蔦が、アーシスの口に挿入された。
口内で枝分かれし、そこら中で暴れだす。
「むぐうううっ!!んやああっ!!もごっ!!」
口内を蹂躙する蔦の群れに、アーシスは目を白黒させ、激しい嘔吐感を覚える。
どぶっ、という音と共に蔦が一瞬膨れ上がり、その細さからは到底考えられないような量の液体を放出する。
「んんんーーーーー!!」
大量の液体が口内を満たし、更にその奥へと濁流のように流れていく。
放出し終えると、蔦はまた一本に纏まって、口から引き抜かれる。
「ぷはっ!…げほっ…ごほっ…」
栓をしていた蔦が引き抜かれ、アーシスは激しく咳きこむ。
「早めに吐いた方がいいと思うよ?こっから先は結構キツくなるからさ…」
植物を何処かに消し、口元を扇子で隠しながら、イレーヌが尋ねる。
「い、嫌よ…絶対に…話すもんか…」
「おー怖い怖い…その気丈な態度がいつまで持つやら…再開していいよ」
睨みつけてくる少女を、笑みを浮かべながら見つめていたが、一言魔族に告げると、席に戻っていく。
イレーヌの言葉に、造魔の触手が再び動き出す。
「ひあああっ!?な、何これっ!?」
先程の責めの際に感じた時より、遥かに激しい快感に、アーシスは驚いて声を上げる。
「何って…アタシが丹精込めて造り上げた、あの子の媚薬をたっぷりと飲んだからだよ…気持ち良いだろ?」
席に座ったイレーヌが、堪え切れぬ様に笑いを漏らす。
「あひいいいぃぃぃっ!!きゃううううううううっ!!」
胸を弄られる度に、股間に触手を擦りつけられる度に、アーシスは嬌声を上げる。
触手の責めは速くなり、その激しさを増していく。
「んああああああああああ!!」
責めが止まるまでの数分の間に、彼女は幾度も絶頂を迎えた。
185魔法少女マユ 閑話 3/10:2009/11/09(月) 16:06:09 ID:Gz4Alep/
「あひっ…ふぁ…はぁ、はぁ…」
責めが止まると、アーシスは目に涙を浮かべながら、苦しそうに息をする。
あまりに激しい快感に、叫び続けたせいで息苦しさを覚えていた。
『そろそろ、吐いたらどうだ?大分キツそうじゃねぇか』
「だ、誰が…話す…もんか…」
快感の余韻に震えながらも、魔族を睨みつけ吐き捨てる。
彼女は絶対に屈するつもりは無かった…助けが来る事を信じていたから。
(絶対に…リヒトが助けに来てくれる…!それまで…負けるもんか!!)
自分と同じ部隊に所属する少年。
彼が助けに来てくれる事を、アーシスは信じ続けていた。
魔族は溜息を一つつくと、ゲリオスの方を向く。
ゲリオスは黙って頷く。
「お望みどおり、徹底的にやってあげなさいな」
クスクス笑いながら、イレーヌも言う。
「………」
ローエルはいつの間にかヘッドフォンを耳に当て、何か音楽を聞いている。
「アンタもホント、女をいたぶるのに興味無いのねぇ…」
そんな彼を見て、イレーヌが嘆息する。
『ゲリオス様からのお許しが出た…お楽しみに入っていいぞ』
魔族の言葉を聞いて、造魔は嬉しそうに体を動かす。
そして、アーシスの股間に、触手を伸ばした。
「あくううううううううっ!!」
ずぶずぶと音を立てて、極太の触手が膣に挿入され、アーシスは声を上げる。
アナルにも同じサイズの触手が伸ばされる。
「ひっ…い、いや!や、やめっ!んああああああああっ!!!」
アーシスの哀願を無視して、アナルにも触手が挿入された。
挿入された二本の触手は激しくピストン運動を開始する。
「あうん!!やあぁぁん!ひぅっ!!」
触手が動く度に、アーシスは快感に悶え声を上げた。
「んぐぅ!!」
更に口にも触手が挿入される。
そして、全身に口のついた触手が伸ばされ、胸を甘噛みされ、腋や臍を舐め回される。
「んーーーー!!むああああっ!!」
全身を快楽に包まれ、アーシスは体を震わせた。
「むぐうううっ!んああああああっ!!」
(ダメぇ…こんなの耐えられないよ…助けて!リヒト!)
激しい快楽に押し潰されそうになり、彼女は心中で叫ぶ。
挿入された触手が一斉に射精を開始する。
「うぐううううううううううう!!」
大量の精液が、アーシスの口や二穴から溢れ出る。
耐えきれないほどの快楽に襲われ、彼女は気絶しそうになる。
186魔法少女マユ 閑話 4/10:2009/11/09(月) 16:06:49 ID:Gz4Alep/
触手がゆっくりと引き抜かれていく。
「かはっ……あぅ…んぁぁ…」
アーシスは白濁にまみれながら、弱々しく震える。
『いい加減吐けよ?これ以上は耐えれないだろ…』
魔族が半ば憐れむような声で彼女に問いかけた。
「……い、いや…だ…ぜ、ぜったい…」
「もうよい…必要な情報は既に頂いた…」
気力を振り絞って、拒否しようとしたアーシスの言葉を遮るように、ゲリオスが呟くように言った。
「予想通り…巫女リーファを失った事で、『円卓』内部で権力争いが生じている…
 力無き者が、力有る者を妬み、罠に嵌めようと動いているようだ」
「ふーん…じーさんの仕込みが効いてるようだね…おーい、ローエル」
ゲリオスの言葉に頷いていたイレーヌは、対面に座っている男の名を呼ぶ。
「ん…?ようやく終わったかい…」
呼ばれている事に気づき、ローエルはヘッドフォンを外す。
「な…何を…言って…」
アーシスは呆然と声を漏らす。
ゲリオスの言っている内容はでまかせでは無かった…彼の言うとおり。
輝竜の巫女リーファを欠いた『円卓』は、内部で主導権争いが始まっていた。
魔法の才能などで劣る者達が、それに秀でた者達を追い落とそうと暗躍を開始しているのだ。
そも…リーファも本来なら戦場に出る役目では無い人間だ…それを一部のメンバーが煽り、彼女を前線に立たせたのだ。
彼女と、その守護騎士であり、エルメリア屈指の騎士であるルインを、戦力として利用する為に。
リーファの守る事が役目の彼が、前線に出てくる事は通常有り得ない。
ならば…守るべきリーファを前線に立たせれば良い、一部の者がそう考え、実行に移したのだ。
「なんで…私は何も話して無いのに…」
声を震えさせながら、アーシスは表情を曇らせていく。
「じーさんはね…アンタの心を読んだのさ。快楽で精神集中もまともに出来ない、アンタの心を見るなんざ…じーさんには朝飯前さ」
「う…うそ…」
イレーヌの口から語られる事実に、アーシスは衝撃を受ける。
「…更に追い討ちをかけるようで悪いが…リヒトとか言ったかね…
 君が助けに来てくれると信じている少年は…昨日の戦で私が喰ったよ」
呆然としているアーシスに、ゲリオスは淡々と述べる。
「ぇ…リ、リヒトが…嘘…嘘よ!あの子が負けるはずなんて!!」
「認めたくない気持ちは分かるが…これは事実だ。私が彼を喰い殺した。
 証拠を見せてやりたいところだが…もう消化してしまったしな…」
「あ…あぁ…」
ゲリオスの言葉に、アーシスは放心したように小さく声を漏らす。
彼女の心を支えていたものは、完全に崩れ去ってしまった。
187魔法少女マユ 閑話 4/10:2009/11/09(月) 16:07:38 ID:Gz4Alep/
呆然としているアーシスに視線を合わせると、ゲリオスの目が赤く光る。
「ひぐっ…あ…うぁ…」
赤く光った蛇の目を見たアーシスは、突然頭を抱え出す。
「抗っても無駄だ…」
頭を抱え苦しむ彼女に、ゲリオスは言い放つ。
しばらく苦しみ続けていた彼女は、やがて糸が切れた様に動かなくなり、力なく項垂れる。
「…適当に処置をして、彼女の仲間の見つけやすい場所に放置しておけ」
『了解しました』
ゲリオスの言葉に、魔族は頷き、下魔達にアーシスを運ばせる。
「また…あの子も仕込みに使うのかい?」
「当然だ…言っただろう。捕虜は有効に活用せねばな」
運ばれていく少女を見送ると、イレーヌが呟くように言い、それにゲリオスが答える。
ゲリオスは幻術や精神支配の術を得意としていた。
これまでも、幾度となくエルメリア側の捕虜の洗脳し、わざと開放している。
洗脳した捕虜を使い、破壊工作や誤情報の流布、様々な裏工作を行っていた。
「しっかし…リーファ一人欠いただけで、内部抗争に発展するとはね…」
「奴らはまだ現状を甘く見ているのだ…そして、現場を知っている連中と揉めるのは当然の事だ」
呆れたように言うローエルに、ゲリオスが答える。
現在、『円卓』のメンバーの中で戦場に出ているのは、若いメンバーばかりで、その数は半数以下だ。
残りは、高齢だったり、魔法の才能に乏しい者なのだ。
それ故、『円卓』全体で魔族への危機感に、温度差が生じているのだ。
「かつて先王陛下を倒した『円卓』も…ひどい有様だねぇ」
イレーヌは嘲笑うように漏らす。
先代魔王ヴェルゼーを倒した、12人の戦士達の血に連なる『円卓』
…だが、今は半数のメンバーが力の無い老人…祖先の功績にしがみ付いて権力の座に居る者達だ。
リーファの様に力有る者も、数名は居るが…纏まった力を持たれるのを懸念した他のメンバーが、
バラバラに配置するよう圧力をかけているのが現状だ…
全ての者が集まって居たのなら、脅威となったかもしれないが…人間の個の力など、その気になれば数で圧殺できる。
「だが、気を抜くなよ…追い詰められた連中は侮れん。今は守勢を基本に進めていく。
 そして、隙あらば奴らの力を確実に殺いでいくのだ」
ゲリオスは他の二将を見て、言い放つ。
「了解っと…向こうで行われてる計画が完遂され、更なる増援が来るまでは…今しばらく守りだな」
「フフフ…楽しみに待とうじゃないか、全てを踏み躙れる時をね…」
イレーヌとローエルは不敵な笑みを浮かべながら頷く。
「いずれ、奴らに思い知らせてやるとしよう…我々が百年前とは違う事をな」
ゲリオスは立ち上がり、笑みを浮かべて言った。
188魔法少女マユ 閑話 4/10:2009/11/09(月) 16:08:56 ID:Gz4Alep/
「ぅ…うぅ…」
リーファは呻き声を上げながら、ゆっくりと目を開く。
「ここは…何処…?」
周囲を見回してみたが、まったく見覚えのない場所だった。
彼女の周囲は円筒型のガラスに囲まれ、柱の様に伸びる触手に、彼女は拘束されていた。
「お目覚めですか?輝竜の巫女殿」
いつの間にか、リーファの目の前に、二人の魔族が立っている。
「あ、貴方達は……」
リーファはその二人に、見覚えがあった。
「偉大なる魔王ヴァルアス陛下にお仕えするレドリックと申します」
片方の青年が、優雅な動作で一礼する。
「…同じく、ラディウスだ。造魔関係の責任者を務めてる」
白衣を着た少年は、ぶっきらぼうに答える。
「では…ここは…貴方達の…」
「ええ、地球に存在する我々の本拠地です」
リーファの問いに、レドリックが笑顔で答える。
「といっても…ここには複数層に渡る対魔結界やその他もろもろ、通信を阻害するような物が仕掛けてある。
 こっちに居るであろう仲間に、連絡しようとかするのは諦めなよ」
ラディウスは付け加えながら、手元のコンソールを操作し始める。
「私を…どうするつもりですか…?」
「アンタには、俺の実験に付き合ってもらうぜ…並みの魔法少女じゃ、
 一匹仕上がる前に潰れちまうだろうが…アンタなら耐えられそうだからな」
リーファを捕えていた触手が蠢き始める。
「んぐぅっ!?」
触手が口の中に挿入され、リーファは驚いて声を上げた。
前後運動を触手が始めるのと同時に、無数の触手が彼女の体に巻きついていく。
「むうううっ!」
口の中を蹂躙され、リーファは逃れようと必死に身を捩った。
「ねぇ…このシステムは通常型とはどう違うんだい?」
少女の様子を楽しそうに眺めていたレドリックが、ふと思い出したようにラディウスに尋ねる。
「ああ…コイツはな…通常、生産効率を考えて作らないような、高位の造魔を作る為のシステムだ。
 あんまりにも消費がでか過ぎて、一度使っただけで一人潰れたから、お蔵入りしてた代物さ」
「へぇ…これまでのより強力な奴が作れるんだ」
「おう、今は数の少ない、攻城戦に用いるような大型種が作れるぜ」
レドリックの問いに答えながら、ラディウスは操作盤に指を走らせる。
大型種、それは通常の魔族の10倍ほどの大きさを誇る、竜種などの代表する高位の魔獣族の事だ。
100年前の戦の際に、大半が討ち滅ぼされ、残存する10頭程度が前線に出ているだけだ。
圧倒的な体躯と力を持ってして、攻城戦などで活躍する大型種は、前線でも重宝されている。
189魔法少女マユ 閑話 7/10:2009/11/09(月) 16:10:35 ID:Gz4Alep/
「ま、あれだけデカくて強い種族を作るんだ…並みの魔力じゃ足りないだろうな…
 初めて作った奴は、母体の魔力が途中で尽きて、不完全だった…」
「でも、彼女ほどの魔力の持ち主なら…出来ると?」
「おう!あのマユってお嬢ちゃんでも作れると思うぜ」
レドリック達の会話の間にも、リーファへの凌辱は続く。
「むぐっ!?んんーーーーーー!!」
彼女の口内を犯していた触手が喉の奥に液体を噴射する。
「げほっ、げほっ…」
触手を引き抜かれると、リーファは苦しそうに咳きこむ。
液体を飲まされた彼女の体に、異変が生じていく。
「ひぁっ!やああん!!や、やめ…やめて!!」
体が熱を帯び、触手が蠢く度に嬌声を上げてしまう。
「準備完了っと…本番行くぜー」
呑気な声で言いつつ、ラディウスが装置を動かす。
リーファを拘束する肉の塊から、極太の触手が伸ばされる。
「ひっ…」
その触手のサイズを見て、リーファは怯えたように声を上げた。
触手はゆっくりと、リーファの膣口に向けて狙いを定める様に動く。
「い、いやぁ…いやぁぁぁぁ!!!」
恐怖のあまり、リーファは泣き叫ぶ。
それを無視するように、触手は動き、一気に挿入を開始した。
「あぎいいいいいいいいいいいいいいいっ!!」
極太の触手が挿入され、リーファの股が裂ける。
膣壁を激しく傷つけながら、触手が子宮を目指す。
「あぐっ!!…か、かはっ…」
ずどん、と鈍い音と共に、触手が子宮内に侵入する。
触手がゆっくりと動き、子宮内に大量の溶液と造魔の卵を吐き出す。
「うああああああああああああああああっ!!!」
リーファの小さなお腹が、ボコボコと膨れ上がり、妊婦でも有り得ないような大きさになる。
液体を吐き出し終えると、触手はゆっくりと引き抜かれていく。
「ぐっ…あぐうううううっ!!」
激しい痛みに、リーファは苦しそうに声を上げる。
「あれ?抜いちゃうの?」
レドリックが引き抜かれていく触手を見て、首を傾げた。
通常のシステムは、卵を回収する為に、触手は入れたままなのだ。
「見てりゃ分かる…かなり魔力吸うから、ゆっくり見物してろ」
下魔が運んできたコーヒーを飲みながら、ラディウスは図面を広げて、パソコンの前で作業を始める。
「ふーん…じゃあ、ゆっくり見させてもらおうかな」
レドリックは笑みを浮かべると、用意された椅子に座り、コーヒーを受け取った。
190名無しさん@ピンキー:2009/11/09(月) 16:11:56 ID:tOziFR/6
しえん
191魔法少女マユ 閑話 8/10:2009/11/09(月) 16:12:07 ID:Gz4Alep/
引き抜かれた触手の代わりに、別の触手が膣に挿入される。
先程の物よりは随分細いが…それでも、幼いリーファの膣には大きいものだった。
「ふぁっ!…きゃうううううううううっ!!!」
触手が挿入されると、リーファは嬌声を上げて、体を震わせる。
触手の先端が激しい震動を開始したのだ。
アナルにも、同様の触手が挿入され振動を開始する。
「はあぁぁぁぁぁん!!ひあああああああっ!!」
溶液の媚薬効果で、リーファの体は更に感度を増し、激しい快感をもたらす。
大きく口を開き、涎を零しながら、リーファは髪を振り乱して、悶え続ける。
胸に巻き付いた触手の先端が口を開き、乳首に咬みつく。
咬みついた触手の先端も、激しい震動を始める。
「ふあああぁぁぁっ!!らめっ!らめえぇぇぇぇっ!!」
触手達は様々な方法で、リーファに快楽を与えていく。
彼女が悶え絶頂に達する度に、子宮内の卵が、彼女の魔力と生命力を吸って大きくなっていく。
レドリックはそれを楽しそうに眺め、笑みを浮かべていた。
無数の触手が舌を伸ばし、リーファの首筋や耳の裏を舐める。
「ひうううっ!!いやっ!いやぁっ!!」
快楽に悶えながら、彼女は必死に身を捩るが、全身を拘束され、逃れる事は出来なかった。
「あひいいいいいいいいいいいっ!!!」
突然彼女が声を上げ、体を弓なりに反らす。
咬みついている触手から激しい放電が行われている。
暇を持て余したレドリックが、勝手に操作盤を弄ったのだ。
「おーい、勝手に弄るんじゃない」
「えー、いいじゃないか、少しくらい触ったって」
振り向かずにかけられたラディウスの言葉に、レドリックは不満そうに漏らす。
「ダメダメ、大事な実験なんだ。素人に弄られて壊されちゃたまんない」
ラディウスは操作盤にロックをかけて、レドリックが悪戯を出来ないようにする。
「ぶーぶー…ケチだなぁ」
「うるさい…もうちっと待てよ…面白い物見れるからよ」
不平を漏らすも、ラディウスに言われ、レドリックは黙りこくる。
192魔法少女マユ 閑話 9/10:2009/11/09(月) 16:13:14 ID:Gz4Alep/
1時間はその行為が続けられただろうか…リーファが息も絶え絶えといった様子になった頃。
何かを告げる様に、電子音が鳴り響く。
「さて…お楽しみの時間だ」
ラディウスが作業を止めて振り返る。
ぐったりとしていたリーファの体に、異変が生じる。
腹の中で成長した造魔の卵が蠢いているのだ。
「くぁっ!?な、何…?」
リーファが声を上げ、自分のお腹を見る。
「君から十分に栄養を貰った造魔が、孵化するのさ…」
「へぇ、このタイプは孵化するんだ!」
ラディウスの言葉に、レドリックが面白そうに声を上げる。
「ぇ…い、いや…いやぁ…魔物の子供なんて…産みたくない!産みたくないぃぃぃっ!!」
顔を蒼白にして、リーファは声を上げ、体を震えさせる。
ぼこり、と大きくリーファの腹が膨れ上がった…中の魔物が孵化したのだ。
「あぎいいいいいいいいいいっ!!!」
リーファが凄まじい絶叫を上げる。
彼女の腹の中を、生まれた者が蠢き、外に出ようとしているのだ。
「ふふふ…これは素敵だ。輝竜に仕えし聖なる巫女が、魔物を産むなんて…」
レドリックは心底楽しそうに、その光景を見つめる。
「あぐううううううううっ!!!いやぁぁ!いやあああぁぁぁぁっ!!!」
絶叫するリーファの膣口から、鱗に包まれた小さな手が出てくる。
更にもう一本突き出され、彼女の膣を広げる様に動く。
ゆっくりと魔物が顔を出す…赤い鱗に包まれ、眼はまだ開いていない。
「はぐううううううううううう!!んぎいいいいいいいいいいいい!!」
膣口が裂け、魔物の体が半分ほど、膣から出てくる。
触手が伸ばされ、一気に膣から体を抜いた魔物を受け止めた。
生まれた魔物は赤い鱗に身を包んだ竜だった。
リーファも触手から解放され、力無く地面に崩れ落ちる。
床に下ろされ、ゆっくりと目を開けた子竜が、リーファの方へと這って近づいて行く。
何かをせがむ様に、可愛らしい鳴き声を上げる。
「あ、ああぁぁぁ…」
リーファは呆然と、その子竜を見つめていた。
生み出されたのが、醜悪な魔物だったら、まだ彼女は自我を保てたかもしれない…
だが、生み出されたのは、リーファが敬愛した神と同じ竜だった。
その事実が、彼女の心を壊してしまった…
震えながらもリーファは手を伸ばし、子竜を抱き寄せる。
「よしよし…よしよし…」
先程まで流した涙で濡らした顔で、慈愛に満ちた笑顔を浮かべ、子竜を抱きよせ優しく撫でてやる。
193魔法少女マユ 閑話 10/10:2009/11/09(月) 16:13:56 ID:Gz4Alep/
「……ラディウス、君も結構酷い事するね」
子竜を抱きよせ、撫ぜているリーファを見つめていたレドリックは、隣に立つ少年に言う。
彼女の一番思い入れの強い者に近い魔物を、よりによって最初に選んだ事のはラディウスだ。
「んー…一思いに壊れた方が楽だろうぜ…これから続く地獄を考えたらな」
レドリックに言われ、ラディウスは溜息をつきながら答える。
リーファは、自分の乳房を子竜にくわえさえていた。
体に注入された溶液の影響で、魔力が母乳となって出ているのだ。
子竜はそれをゆっくりと飲み続けている。
「いい子ね…ルイン…」
かつて愛した自分の騎士の名を付けて、母乳を飲み続ける子竜を、愛おしそうに撫ぜ続ける。
「あちゃー…これはこれで大変だな…その内、培養層に移動させる時が面倒だ…」
ぱん、と手を額に当てて、ラディウスが呻く。
このまま、母体に育て続けさせるのは時間的に長すぎる。
いずれは彼女から引き離し、通常の造魔同様、培養層で成長させ、必要な知識を学習させる必要があるのだ。
これだけ母親が執着していれば、引き離す時が大変なのは目に見えていた。
「ま、それは仕方ないね…君がこんな事しちゃうから」
「へいへい…分かってますよ。母体がまた使えるレベルまで達した時に引き離すよ。
 んで、また代わりの子を産んでもらうさ…やべ、とすると…竜しか作れないじゃないか」
レドリックの言葉に、ラディウスは頭を抱える。
この大型造魔を生むシステムは、通常の数倍は負担がかかる。
如何に強大な魔力を持つリーファでも、かなり消耗していた。
傷が癒えるのも含め、再度生産できるようになるまでは、暫くかかるだろう。
「それも仕方ないね…別に問題無いと思うよ。御三方も文句は言わないだろうさ」
「だといいがね…ともあれ、初期実験は成功だ…成長させる時が楽しみだぜ」
二人は言葉を交わしながら歩いて行く。
リーファは、眠りについた子竜を優しく抱き、子守唄を歌っていた。
彼女に、かつて巫女と言われた頃の面影はない…いや、優しさに満ちた顔だけは以前のままだったか…
愛しい我が子と共に、疲れ果てていた彼女も眠りについた。
194マユ作者:2009/11/09(月) 16:16:47 ID:Gz4Alep/
はい、と言う訳で魔族祭りでしたが…陛下はハブされました。
少し前に話題になってた尋問ネタがやってみたかったのと
リーファの末路を書きたくなって、本編そっちのけで勢いで書いてしまいました。
次回は本編に戻ります。
でわまた次回にお会いしましょう。
195名無しさん@ピンキー:2009/11/09(月) 16:19:33 ID:ylkpSfCw
権力争いで円卓も先が知れたな
196マユ作者:2009/11/09(月) 16:21:03 ID:Gz4Alep/
忘れてた…4/10が3つもあった…orz
197名無しさん@ピンキー:2009/11/09(月) 18:10:12 ID:sPck3Ndf
ちょっと連投しすぎじゃないの
前に凹んでますだの言ってたのはただのポーズだったのかな
198名無しさん@ピンキー:2009/11/09(月) 19:45:46 ID:9b25+4DP
>>194
えっと、これはこれでめでたしめでたしデスか?
いや、やっぱ違うなw


>>195
そんなの最初から分かってたじゃないかw
199名無しさん@ピンキー:2009/11/09(月) 20:20:30 ID:iiTabKgM
いや、ラディも言うように、間違いなくハッピーエンドだな
むしろ、あっさり壊れるなんて、この作者さんにしては生ぬるいとすら思ってしまったw
200名無しさん@ピンキー:2009/11/09(月) 20:27:49 ID:tOziFR/6
魔族の方が結束強そうだなw
やはり陛下の人徳かw
201名無しさん@ピンキー:2009/11/09(月) 20:58:50 ID:9b25+4DP
>>199
えー、でもこの子竜がやがて大量殺戮マシーンと化すんだぞ!w
口から吐くブレスで、魔法少女がこんがりとか、
鋭い爪で魔法少女がすっぽんぽんとかだぞ!w
202名無しさん@ピンキー:2009/11/09(月) 21:34:09 ID:S3QNs4/X
>>194
GJ過ぎる……
やっぱ十二英雄の末裔達にはそれなりの尺を取ってあって他とは違うよねぇ
203名無しさん@ピンキー:2009/11/10(火) 04:30:49 ID:wb10TUSA
光の巫女と聞いて飛んできました
204名無しさん@ピンキー:2009/11/10(火) 07:00:35 ID:HnsOCcCJ
円卓の腐敗ぶりは力で勝る魔族にとってみれば逆に屈辱だろうな
我等が王を倒した者の裔がこんな連中か…みたいな苛立ちが募ると思う

リーファ様が奇跡的に脱出をして、「魔族に兵無し」とか演説でもしないと戦局が一気に傾くな
205名無しさん@ピンキー:2009/11/10(火) 08:12:41 ID:NWshBWNi
>>204
円卓メンバーでも無い騎士が、将軍クラスとある程度やり合ってたようだし。
油断ならないって考えてそうな気もする。
206名無しさん@ピンキー:2009/11/10(火) 12:48:29 ID:kBk+DaWK
>>185
GJ
我慢が無駄になっておまけに待ってた人は死亡済みとか、やっぱいいね。
終わった後でいっぺんに絶望が襲ってくるのが特にいい。
207名無しさん@ピンキー:2009/11/10(火) 20:00:03 ID:7TkWilUr
>>204
でも、魔族連中は搦め手大好きなんだもんなぁw
正々堂々戦いたいのか、要は勝ちたいだけなのかはっきりして欲しいw
208('・ω・`):2009/11/10(火) 20:17:43 ID:eP+r97QI
明日の朝か昼あたり、作品を投下しときたいと思ってるお
そんなには長くならない予定だお
209名無しさん@ピンキー:2009/11/10(火) 20:31:33 ID:/I/K5n3v
今夜投下予定だったんですが…。
控えた方がいいですか?
210('・ω・`):2009/11/10(火) 20:36:01 ID:eP+r97QI
いえいえ
おいらのことは気にせず投下してください
バァーンと
211名無しさん@ピンキー:2009/11/10(火) 20:47:04 ID:ZJUSj19l
> バァーンと

これ見てイツ花思い出した。もう一度やってみるかな……
212('・ω・`):2009/11/10(火) 21:03:16 ID:eP+r97QI
ていうかイツ花そのもの
この前アマゾンでポチったお
昔のゲームのくせに面白いなあチクショウ
213名無しさん@ピンキー:2009/11/10(火) 21:30:12 ID:NWshBWNi
投下wktk

>>207
幹部によって方針違うんじゃね?
214名無しさん@ピンキー:2009/11/10(火) 22:37:02 ID:7TkWilUr
>>213
魔法少女側が一致団結したら、策略で切り崩し&各個撃破にあったでござるの巻き
ってのが、目に見えるようでw
215名無しさん@ピンキー:2009/11/10(火) 23:07:23 ID:UrAR9rB6
>>210
お言葉に甘えて投下させていただきますね。

と思ったら、この短時間で規制されてました。また巻き添えか…orz
というわけで携帯よりレス。

とりあえず緊急措置としてブログの方に上げました。http://magicalaz.blog117.fc2.com/blog-entry-56.html

今回の注意点は、
・前半苦痛系、後半(主に)快楽系
・流血、失禁描写あり
です。

対策考えて、投下出来そうなら、次回の前にスレの方にも投下させて頂くかもしれません。
次回の投下は最終話です。

急にこんな形になってしまいましたが、楽しんで頂ければ幸いです。
それでは。
216名無しさん@ピンキー:2009/11/11(水) 07:07:34 ID:1M02RUwl
>>215
乳腺責めGJ
夕実、なんて友達想いなんだ。犯りたくなっちゃうじゃないか。
217名無しさん@ピンキー:2009/11/11(水) 11:15:20 ID:kDJYKIKb
王子様がシンデレラとの結婚によるヒロイン特有の幸せになると周りが不幸になる呪いでの王国滅亡の運命から逃れようとするネタを思い出した。
218('・ω・`):2009/11/11(水) 11:40:39 ID:DAjaLiiF
見事なまでに規制されてやがるお
というわけで投下は見送ります、無念です
219名無しさん@ピンキー:2009/11/11(水) 12:35:25 ID:cmg1HGLe
>>215
乙です!
幸せから絶望への突き落とし具合が凄すぎる…
220名無しさん@ピンキー:2009/11/11(水) 15:08:32 ID:Z46kUTH6
通常ルートでメイン二人も鬼畜展開とは予想外 この苦痛系が堪らんです。
しかし投下間隔が早い上にもう最終回なんて……
好きなシチュと描写だけに悲しいぞー
221名無しさん@ピンキー:2009/11/11(水) 16:01:44 ID:Hx46Q6Yx
おのれ…キセイフィールドめ…
222杏の人:2009/11/11(水) 23:24:59 ID:tfEzVyoJ
感想ありがとうございます。
早々と規制解除されたようですので、改めてこちらに投下させて頂きますね。
魔法少女の涙 第7話12レスです。
陵辱シーンは6〜11レス目となっております。
今回は注意点として、
・前半苦痛系、後半(主に)快楽系
・流血・失禁描写あり
といったものがあります。ご注意ください。
それでは、次レスから投下です。
223魔法少女の涙 第7話 登場人物紹介:2009/11/11(水) 23:25:30 ID:tfEzVyoJ
・リム(鈴木リム)
12歳 金髪のロングヘアー 身長145cm
称号:涙
コスチューム:ブルーを基調にしたスカートとジャケットにブーツ、グローブ 全体的にフリフリがついていて、子供っぽい
武器:エレメント(さまざまな形に変形可能な攻撃媒体)
魔物を倒すために日本に派遣されてきた魔法少女。
小さいころに両親を亡くして、孤児院育ち。
シーナと共に中学校に通い、美術部に所属。
隆志と付き合うことになった。

・シーナ(鈴木シーナ)
13歳 青髪で肩までのセミロングヘアー 慎重143cm
称号:烈火
コスチューム:地味なグレーのワンピース型ローブ
武器:背丈ほどの長さの杖
リムと共に日本に派遣されてきた魔法少女
仁のことが気になっている。

・高崎命
12歳 黒髪のショートヘアー 身長150cm
コスチューム:全身黒の、へそが出ているピッチリとした上着にスカート、スパッツ
リムとシーナの同級生で友達。大人しく、自己主張が弱い性格。
魔物に襲われた際、リムの魔力を受け取って魔法少女になる。
和博と少しいい感じ。

・セリナ
17歳 緑髪でウェーブのかかったセミロングヘアー 身長157cm
リムとシーナの上司であり、サポート役。

・杉浦隆志(すぎうら たかし)
12歳 黒髪で短髪 身長173cm
リム達と同じ班の男子で、剣道部所属。
少し内気だが、優しい少年。リムのことが好き。
リムと付き合うことになった。

・瀬尾和博(せお かずひろ)
12歳 少し茶髪の長髪 身長160cm
リム達と同じ班の男子で、サッカー部所属。
下ネタを好む、少しチャラチャラした少年。命のことが好き。

・高砂仁(たかさご じん)
12歳 黒髪のスポーツ刈り 身長163cm
リム達と同じ班の男子で、野球部所属。
古臭い、硬派なスポーツ少年。シーナのことが好き。

・高田夕実(たかだ ゆみ)
12歳 茶色がかった黒髪のサイドテール 身長158cm
命と同じ班の女子で、リム達とも仲がいい。美術部幽霊部員。
ノリのいい性格で、恋愛ごとなどに興味津々。情報通。
魔物に陵辱されてしまう。

・千葉良子(ちば りょうこ)
12歳 黒髪セミロング 身長165cm
命と同じ班の女子で、リム達の友人。美術部幽霊部員。
のんびりして穏やかな割に、言葉に刺がある。夕実とは幼馴染。
夕実同様、魔物に陵辱されてしまう。
224魔法少女の涙 第7話 1/12:2009/11/11(水) 23:25:59 ID:tfEzVyoJ
鉄道というのはややこしい。
まさに蜘蛛の巣といった様相で張り巡らされた地下鉄と電車の線を見るだけで、リムは頭がクラクラした。
だが、今日使うのは広大な路線図の極々一部だ。それ以外の部分など気にする必要はない。
「ほら、リムさん。もう電車来てるよ?」
隆志の声にハッとなる。
いけない、ボーッとしてちゃ。リムは小走りで隆志の側に駆け寄り、一緒に電車に乗り込んだ。
リムの恰好はいつもの普段着とは雰囲気が違う。
制服のとき以外は大抵パンツルックにキャミソールかTシャツのリムが、今日は白いワンピースを身に纏い、隆志の隣で恥ずかしげに硬くなっている。
「1駅で乗り換えだからね、めんどくさいけど」
「う、うん……」
リムはぎこちなく頷く。
目的地は1駅先で乗り換えて、さらに1駅行ったところにある。
そんな短い距離を電車で行くのもどうかと思ったが、歩いて行くには少し距離がある。
せっかくのデート、行きの道のりで歩き疲れてしまったのでは目も当てられない。
(そう、デート。デートなんだ……)
それを実感するたびに、リムは緊張でガチガチになってしまう。
緊張しているのは隆志も同じだった。ただし、それを表に出さないように必死で平静を装っている。
2人ともデートでどこに行ったらいいかなど分からないので、とりあえずこの都市の中心街に行って映画を見ることにしていた。
それ以外のコースは隆志が必死に考えたが、結局ほとんど決まらず、その場の流れに任せることにした。
どちらも初めてのデート。2人が放つ緊張のオーラのようなものが、周囲の乗客にもなんとなく伝わっていた。

2人が乗った車両の隣の車両。不自然な帽子やサングラス、伊達眼鏡を身につけた一団があった。
(ねぇ、そんなに顔出したらばれちゃうよ!)
連結部の窓から2人を覗き込む和博を、命が小声で諌める。
「はぁ、まったく。邪魔をしたら悪いと思うが……」
仁は呆れ顔で呟いた。
「そんなこと言って、ちゃんと来てるじゃないの」
そう言うシーナもしっかり付いてきている。
リムと隆志のデートに、こっそり付いて行って様子を見ようと言い出したのは和博だ。
それは口実で、ただ命と一緒にいる理由が欲しかっただけなのだが。
そして他の3人も、意中の相手と一緒にいたいというのが本音だった。
だから、文句を言いながらも仁やシーナが来ているのだ。
そんな6人を乗せた電車は短い道のりを走り終え、終点を告げるアナウンスと共に停車した。
225魔法少女の涙 第7話 2/12:2009/11/11(水) 23:26:20 ID:tfEzVyoJ
その4日前、プールでの戦いを終えた後のこと。
リムは隆志の告白を受けて浮かれた気分でいたところを、魔物の気配に水を差された。
そして駆け付けた場所で目にした光景に、絶望的な気分にまで一気に叩き落とされてしまう。
(夕実ちゃんと良子ちゃん!?)
そこにはもう魔物の姿はなく、犯されて白濁液に塗れた2人の少女が倒れているだけだった。
リムも、一緒に来たシーナと命も、言葉を失ったまま2人に駆け寄る。
「う……うぅっ……」
抱きかかえると、夕実は微かに目を開き、呻き声を漏らした。
「大丈夫!?」
リムは涙を湛えながら呼びかける。魔物に犯されたなら、通常の人間は死んでしまっていてもおかしくない。
「……あぁ、そうか。リム……なんだ、ね……」
「え……?」
夕実の消え入るような声が、リムの胸を強く叩く。本来なら、夕実が自分に気づくはずがないのだ。
「あいつが……言ってた。リム。あんたが魔法少女だって……」
「…………」
リムは黙り込んでしまった。
こちらでも、魔物はリムのことを知っていた。ならば、魔物が夕実と良子を狙った理由は……。
「リム!」
予想外の強い声に、リムはビクッと身体を震わせる。夕実の腕がリムの服の胸の辺りをしっかり掴んでいた。
「リム。あんた、気にしちゃ駄目だよ……」
夕実は、リムの心のうちを見通すようだった。
魔物はリムの友人として夕実と良子をターゲットにした。それならば自分に責任があるとリムが考えるのが分かっていたのだ。
「で、でも……」
「あいつはさ……、それを狙ってたんだ。だから、気にしちゃ駄目。リムには何の責任もないんだから」
夕実が痛みに顔をしかめる。リムは慌てて癒しの魔法を使った。胸に点々とついた歯型や、膣と直腸の裂傷が消えていく。
「あぁ……あったかい。魔法少女ってすごいんだね……」
夕実の表情が和らいだ。だが、リムの魔法で癒せるのは身体の傷だけだ。
心の傷は治せないし、記憶を消すこともリムにはできない。
家に連れて帰って、セリナに記憶を消してもらうべきだろうか。リムは心を決めかねていた。
「ねぇ、リム……」
「……なに?」
夕実は眼を閉じたまま、リムに話しかける。
「今日はどうだった?何か、進展はあったの?」
「え……えっ……?」
突然の話題にリムは戸惑ってしまう。ついさっきの事を思い出して、顔が赤らんだ。
「はは……。その様子じゃ、なにかあったんだ」
夕実の口元が僅かに笑みを作る。
「う、うん……。……あのね、付き合ってほしいって、言われた」
リムは俯きながら、顔を真っ赤にして答える。
「そっか……。じゃ、リム。いま一番考えないといけないことが何か、わかるでしょ?」
「……隆志君の、こと……?」
「そ。だから、このことは気にしちゃ駄目。女の子なんだから、悩むのは恋のことだけでいいの」
夕実は重たそうな瞼を開いてリムに笑いかける。そして力尽きたように静かに眠りについた。
リムはその身体を強く抱きかかえた。
226魔法少女の涙 第7話 3/12:2009/11/11(水) 23:26:41 ID:tfEzVyoJ
「グギャアアアアアアアアアアアアアアアアッッ!!!」
リムは目の前で苦しげにもがく魔物を、冷たい目で射抜いていた。
身体を自由に変化させる、触手で出来たその身体は大抵の拘束を受け付けない。
だからリムは、分厚い氷の壁を持つ球体で魔物を覆い包んだ。
氷の壁は魔物がどれほど触手を叩きつけても傷1つすらつかない。
抵抗も出来ない魔物に対して、球体の内部で細い氷の矢がいくつも飛び交った。
触手の1本1本に突き刺さり、赤紫色をした魔物の血液が滴る。
「た、たすけて……たすけてくれ……!!!」
魔物の命乞いも、リムの耳には届かない。

「ライムの残党……?」
「そう。いま考えられるのはそれぐらいしかないわ」
テレビの前で深刻な顔をするリムとシーナに、セリナは重々しく告げる。
「どういうこと?ライムは確かに倒したはずでしょ?」
シーナの心中は穏やかではない。
当然だ。あれだけ苦しめられた魔物を、やっとのことで倒したというのに。
「正確に言うと、ライムが作り出した魔物である可能性が高いの。
 あなたたちから吸収した魔力と、自分の知能を分け与えて作った魔物。だから、知能レベルは低いんだと思う」
「それが、リム達を襲ってきてるんだ」
リムは怒りで小さな拳を固く握りしめる。
「そう。お友達の言葉を話を聞く限りでは、特にリムちゃんを憎んでる様子ね」
「逆恨みじゃないの!」
シーナも怒りを隠せない。
「セリナさん。あと、何体ぐらいいると思う?」
「そうね。魔物を作り出すのには結構な魔力を消費するから……せいぜい残り2体か3体といったところかしら」
「じゃあ、それを全部倒すまではライムに勝ったとは言えないわけね」
シーナは腰に手を当ててため息をついた。その隣で、リムは静かに怒りの炎を燃やしている。
絶対に自分の手で倒してやる。そう固く胸に誓いながら。

夕実と良子を襲った魔物を見つけるのは容易いことだった。
リム、シーナ、命の3人は交代で近隣の魔力を絶えず探り続けた。
魔物がリムを苦しめることを目的としているならば、必ず姿を現すはずだからだ。
成果が出たのは3日目。
午前中の学校。女子がプールに集まっている時間帯に、魔物の魔力を感知した。
その時間を担当していたリムがすぐさま向かって、あっという間に魔物を拘束してしまった。
「いまさら、許してもらえるなんて考えないでよ……」
「ヒ……ガアアアアアッ!!」
球体の内部の温度が急激に低下していく。すぐに氷点下を下回り、触手の身体が凍りついた。
「……ばいばい」
リムがそう呟くと、既に氷のオブジェと化していた魔物は砕け散る。
魔物の最期を見届けることもせずに、リムは姿を消していた。やらなければならないことがあるのだ。

どんな魔物を前にしたときも、これほど緊張したことはない。
リムは、自分に告白した時の隆志の気持ちが少しわかった気がした。
「えいっ!!!」
思い切って携帯のボタンを押す。コールの音が回数を重ねるごとにリムの心拍数も高なった。
夕実と良子を苦しめた魔物は倒した。ならば次は夕実の望み通り、隆志のことだけを考えよう。
「た、隆志君?あのね……えっと、えっと……」
思った事がうまく口に出せない。携帯を壊れるほど握りしめながら、死ぬ気でその一言を絞り出す。
「リ、リムと……デート、してくれますかっ!?」
227魔法少女の涙 第7話 4/12:2009/11/11(水) 23:27:02 ID:tfEzVyoJ
「面白かったねっ!」
「うん、そうだね」
映画を見終えたリムと隆志はお互いに笑みを交わす。
何の映画にするか、随分と頭を悩ませたのだが、結局、外国の有名なCGアニメーション映画になった。
子供から大人まで楽しめると評判の映画に、リムはどちらかというと子供サイドの楽しみ方をしたらしかった。
熱のこもった様子で、映画の感想を隆志にしゃべり続ける。気恥ずかしさも忘れた様子だ。
「お昼ごはん、どうしようか?」
「あ〜、えっと……。何か軽いものがいいかも」
映画館を出た後で訊ねた隆志に、リムは腹を押さえつつ答える。
映画の最中に欲張ってポップコーンを食べすぎたせいか、あまりお腹が空いていない。
リムの提案通りに、映画館と同じ館内にある喫茶店に入って軽食を頼む。
また映画の話を隆志と交わしながら、リムは気が気でなかった。
(……やっぱり、ついてきてる)
少しタイミングをずらして喫茶店に入ってきた4人の気配を感じ取る。
シーナ達の尾行はリムには完全にばれていた。魔法少女であるリムに尾行など通用するはずがないのだ。
もちろんシーナは承知の上だが、面倒なので黙っている。
(も〜っ!なんでついてくるかなぁ!)
「リムさん?」
「ほわっ!?」
不満に顔を歪ませていたリムを不思議に思った隆志がリムの名を呼ぶと、リムは素っ頓狂な声を上げる。
「どうかした?」
「う、ううんっ!なんでもない、なんでもない!」
慌てたリムは、両手を顔の前でブンブンと振り回して否定する。
(どうしよう……どこか、2人きりになれる場所ないかなぁ……)
常にシーナ達に見られていると思うと全く落ち着かない。
「そうだ!」
「え……!?ど、どうしたの?」
急に大声を出したリムに隆志は驚いた。
「あ、ごめん。あのね、この後、行きたいところを思いついちゃって」
「行きたいところ?」
隆志は首をかしげる。
「そ、あそこ!」
リムはサラダを刺したままのフォークを天井に向けて微笑んだ。
228魔法少女の涙 第7話 5/12:2009/11/11(水) 23:27:25 ID:tfEzVyoJ
500円ずつを支払って、2人はゴンドラに乗りこんだ。
リムが提案したのは、さっきまでいた建物の別館、何故か街中で激しく自己主張している大きな赤い観覧車だ。
「…………」
リムは焦りすぎていた。シーナ達に見られる緊張から逃れることばかりを考えて、2人きりになることの緊張感を忘れていた。
(ど、どうしようかな……)
狭いゴンドラの中で2人きり、対面で座っているのはとてつもなく恥ずかしい。
映画の話をするのも何か違う気がした。この空間は、恋人同士がもっと深く突っ込んだ話をする場所のような……。
「ね、リムさん」
「なに……?」
「あの、もしよければでいいんだけど、魔法少女のこと、少し教えてくれないかな」
隆志はどこまで踏み込んでいいのかを探るように、慎重に話をしてくる。
リムはそうか、と思う。気にならないはずがない。自分の恋人が魔法少女だというのだから。
「そうだよね。じゃあ、どこから話したらいいかな……」
リムは1つ1つ、順を追って説明していった。こことは違う世界のこと、属する組織のこと。魔物の存在や、魔法使いの役目のこと。
「それで、魔法使いになる時に、みんな称号を貰うんだ」
「へぇ、それじゃリムさんも称号があるんだね」
「あ〜、あはは……。リムの称号は……あの、笑わないでね?『涙』なんだ」
「『涙』?」
隆志は不思議そうな顔をする。普通、称号に涙なんてものがあるとは思わないだろう。
「それでね、シーちゃんが『烈火』なんだけど」
「あー、なるほどね」
隆志はリムがシーナにそれを聞いた時と同じような反応を返した。
「やっぱり、リムだけ変だよね。シーちゃんは結構カッコいいのに。泣き虫だから仕方ないかもしれないけど……」
「確かにリムさんはよく泣いてるイメージだけど……」
隆志の言葉に、リムはシュンとなって俯いてしまう。
「でも、少ししたらすぐに笑ってるよね。なんか、通り雨みたい」
「通り雨?」
「そう。少しの間、恵みの雨を降らして、でもすぐに太陽をのぞかせる通り雨。烈火だっていうなら、シーナさんが太陽かな?」
「じゃ、じゃあ、雨があがった後のリムは何になっちゃうの?」
リムは身を乗り出して訊ねた。隆志は恥ずかしそうに少し顔を逸らしてから、もう1度リムに向き直って言う。
「虹、じゃないかな。雨が止んだ後、太陽が照らしてくれるなら、虹がかかるよ」
「虹……」
リムは目を見開いて聞き入ってしまった。虹。いつもすぐに泣いてしまう自分に、そんな見方があったのかと思う。
「だからさ、泣いてもいいと思うよ。後で泣き止んでくれさえすればいい。シーナさんっていう、最高のパートナーもいるんだからさ」
胸に熱いものが込み上げてきた。
自分なんかよりもずっと、自分のことを知ってくれている人がいる。それが隆志であることがどうしようもなく嬉しかった。
「あ……」
頬を涙が伝う。
「言ってるそばから、また泣いちゃってる……。リム、ほんとに泣き虫だね」
そう言ってから指で涙を拭うと、リムは今自分ができるとびきりの笑顔を作って見せた。
気がつけば、リムの顔は隆志のすぐそばにまで近づいている。
そのまま身体を預けるようにもたれかかり、隆志に口づけた。
隆志は驚きに身体を固くしているが、リムは構わず隆志に抱きつく。
幾度となく魔物に穢されたこの唇。その穢れを拭うように、隆志の唇に柔らかく重ねる。
すぐに離れた短いキスは、それでもとても重要な意味を持っているとリムは感じた。
戸惑いの表情を浮かべた隆志に、リムはもう一度、優しく微笑みかける。隆志もすぐに笑みを返した。
そんなリムの表情がすぐに凍りつく。
隆志の笑顔の奥、少し上方に見える隣のゴンドラから、シーナ達が全員身を乗り出してこちらを見ていた。
リムの表情に気付いた隆志も振り返りシーナ達に気付くと、2人してひどく赤面してしまう。
このとき、リムは恋の幸せに酔いしれ、間違いなく幸福の頂点に立っていた。
それが何を意味するのかも知らずに。
229魔法少女の涙 第7話 6/12:2009/11/11(水) 23:27:49 ID:tfEzVyoJ
「じゃあね、しぃちゃん」
「うん。それじゃ」
命に手を振って別れ、シーナは家路についた。
(それにしてもリムってば……。先を越されちゃったわね)
先程の、リムと隆志のキスの場面を思い出す。リムは、姉代わりのシーナよりも先に恋の階段を上り始めていた。
シーナも、仁への気持ちが恋なのだと気づいている。だから後は勇気を出して告白するだけなのだ。
(あっちから先に告白してくれればいいのに……)
きっと仁も自分のことが好きなのだという確信に近いものはあった。
だから隆志がリムにしたように、仁も自分に告白してくれないものか。
そんな物思いに耽るため、シーナはワープもせず、ゆっくりと歩いて帰っていた。
「んっ……、えっ!?」
そんなシーナの足が止まる。止めたのではない。足が上がらないのだ。
「な……っ!?」
シーナの足に蔦のようなものが絡みついていた。それが魔物だと認識するよりも早く、蔦はシーナの全身を這いまわった。
「むぐぅっ!!!ふむぅぅっ!!!」
急速に増殖していく蔦は、シーナの身体の動きを完全に封じ、さらに口まで塞いでしまった。
「あごおぉっ!!んぐうううううううっ、ふぐっ!うぐぅっ!!」
蔦が蠢くたび、表面の小さな棘がシーナの服と肌を刻んでいく。同時に魔力が吸い取られていくのを感じた。
(な、なんなのよ……これぇっ!!?)
全身を包む脱力感でシーナは変身もままならない。
Tシャツとジーンズがボロボロに引き裂かれ、うっすらと血のにじんだ柔肌が蔦の隙間から覗いている。
「むぎっ!?ぐむうううっっ!!ふごおおおおおっ!!」
手足が強引に引っ張られて、関節が外れそうなほどに痛む。
地面から大量に伸びてきた蔦が壁のようなものを形成し、シーナは磔刑に処されたように大の字で拘束されていた。
「げはっ!!!はぁっ、んぎ……、がふ……いづぅぅっっ!!!」
口と胴体から蔦が引いていく。その代わり、両手足首がきつく壁にくくりつけられていた。
シーナの纏っていた服は既にボロ切れと化し、ブラジャーは右肩から垂れ下がっていて胸を隠す役目を果たしていない。
股間も丸出しにされていて、傷にまみれた全身の肌を夕日が照りつける。
「く……っ、離しなさいよっ!!!」
手足をジタバタと動かしてもがくほど、手首足首が切り刻まれて血が流れ出した。
シーナの言葉は魔物に通じている気配はない。そもそも、この蔦の本体がどこにあるのかも定かではなかった。
「ひぎっ!!がっ、いぐ、ああっ、いやあああああああっっ!!」
蔦が鞭のようにしなってシーナの胸を打ち据える。白いシーナの肌に薄赤い跡がいくつも刻まれた。
「ぎゃっ、がひっ!!ぐ……、がはぁっ!!!や、やめ……ひぎゃあああああああっっ!!!!」
何発目かで、蔦はシーナの乳首を正確に捉えた。恐ろしいほどの痛みにシーナの身体が震える。
「ぃ……あ、がぁ……っ」
太腿を熱いものが伝った。あまりの衝撃にシーナは失禁してしまったのだ
「あ……ぅあ……」
漏らしてしまった自分を恥じるように、シーナは顔を赤らめる。
追い討ちをかけるように、蔦はより勢いを強めてシーナの身体を打った。
「ひいいいっ!!!ぎゃうっっ!!へぶっ、んあああああっっ!!!がひいいいっ!!!!!」
今度は胸に留まらない。尿に濡れた太腿を打ち、脛を叩き、顔を弾いた。
無数の赤い軌跡からはところどころ血が滴り、頬にも切り傷が走っている。
「はぅっ……、んく……。くそぉっ!!」
身動きの取れないシーナには耐えることしかできない。
そして、ひと際太い蔦が地面から振り上げられ、シーナの股間を打ち据えた。
「あぎゃあああああああああああああああっっ!!!!!」
再び、尿道から小水が弾けるように流れ出す。シーナは眼を見開き、口を大きく開けて痛みに打ち震えた。
いっそのこと、気を失ってしまいたかった。だが魔物がそんなことを許すはずがない。まだ始まったばかりだ。
230魔法少女の涙 第7話 7/12:2009/11/11(水) 23:28:11 ID:tfEzVyoJ
蔦はシーナの股間を左右から引っ張って広げる。左側の陰唇が大きく裂けていた。
「あぐうううううっ!!!!」
裂け目を棘に刺されて、文字通り刺すような痛みにシーナは悶える。
広げられて露わになったシーナの膣口めがけて、5本もの蔦が迫ってきた。
「あうううっ!!!む、むり……、そんな、入るわけ……っ」
5本の蔦は、膣口に先端を競うように押し付けている。どう見ても全部は入りそうにない。
「んぎっ!!?ああああああああああああああっっ!!!」
そのうち、1本が侵入に成功した。あまり鋭利ではない棘は、膣壁を切り刻むことはなかったが、それでもシーナに相当な苦痛を与えた。
「あぎっ、は、んあっ!!や、ちょ……うごかない……でぇっ!!!」
蔦は子宮口に先端を突っ込ませ、そこを起点にして激しくしなる。シーナの狭い膣を前後左右へとくねらせた。
「ひぎいいいいいっ!!!うぞっ!!?むり!!むりいいっっ!!!!」
先に侵入した蔦を押しのけるように、2本目の蔦が膣内に入り込んでくる。
「んはああああああっっ!!!!あぐっ!ぎっ!がっ!!ひがああああああああああああああっっ!!!!!」
2本の蔦が左右に分かれ、シーナの膣を横に広げた。それだけでも千切れてしまいそうなのに、その中心にもう1本の蔦が挿入される。
「んぎはっ!!!はぐっ、むりっ!!!むりいいいいっ!!!!しんじゃうしんじゃうしんじゃうっ!!!!!」
攻略法を見つけたように、蔦は再び3方に分かれて膣を広げる。隙間に4本目の蔦が突入した。
「が……っ!!!だ、だずげ……げああああああああっっ!!!がっ、ごげっ、ぎいいいいいっ!!!!!!」
シーナは唯一自由な首を千切れそうなほど振り回して叫ぶ。あまりの痛みに、脚の痙攣が止まらない。
そして最後の蔦を迎え入れるべく、今度は膣を4方に拡張する。
一番大きな5本目の蔦は、もう限界と思われるほどに広げられた膣には到底入りそうに見えない。
「ぎいいいいいいっっ!!!むり、むりよおっ!!!もおやべでえええええええええええっっ!!!!」
4本の蔦が作る細い道に、最後の蔦は先端をグリグリと押し込もうとしている。その仕草が余計にシーナを苦しめた。
「がっ!!!が、が、が、ごがぎっ!!がぎゃあああああああああああああああああああああっっ!!!!!」
先端がほんの少し入ると、後は流れるように奥深くまで飲み込まれていった。
「いぎいいいいっ!!びぎゃっ!えぐ、あぎ、げっ、はがああああああっっ!!!!!」
膣内を完全に埋め尽くした蔦は、中央の蔦に周囲の蔦が圧迫され、棘を膣壁に食い込ませていた。
「いだいっ!!!ちぎれっ、ちぎれじゃうっ!!!あだじのながっ!!!ごわれじゃうううううっっ!!!!!」
5本の蔦は一体になってシーナの膣内を蹂躙する。あろうことか、膣壁に棘を食いこませたまま回転し始めた。
「…………っ!!!!!!!ぎゃひいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいっっ!!!!!!!」
一瞬言葉を失ったあと、シーナは遠吠えのような咆哮を上げた。
「ごわれでるっっ!!!あたひの、おまんご、ごわえへうううぅっっ!!!!!!!!!」
激痛に、シーナは理性を失いかけたまま叫ぶ。
231魔法少女の涙 第7話 8/12:2009/11/11(水) 23:28:32 ID:tfEzVyoJ
半分白目を剥いたまま、顎が外れるほど広がった口から舌が飛び出している。溢れた唾液が口元からダラダラと垂れた。
「あぎゃっ!!げひっ!!!ころひてっ!!!もうころひてええっ!!!!」
蔦は右に左に回転を繰り返しながら、同時にピストンの動作を始めた。
地獄のような苦痛に、シーナは死を願う。
「おにぇがいっ!!もうやらっ!!!ひにたいっ!!ころひえよおおっっ!!!!」
回らない舌で、必死で殺してくれるように頼む。もう耐えられそうにない。
シーナの言葉が通じたのかどうなのか、蔦の根元辺りからシーナに引導を渡さんと、塊のようなものが流れてくる。
「うそ……れしょ……?らめ……こわえひゃうよっ!!おにゃか、ばくはつして……っ!!!!」
塊は一気に蔦の先端まで駆け上る。その勢いを殺さぬよう、外に向けて、シーナの中に向けて駆け抜けた。
「ぼげえええええええええええええええええええええええええええええええええっっっっ!!!!!!!!」
射精の瞬間、シーナの腹部で爆発とも思えるほどの衝撃が起こった。
細いシーナの腹が、一瞬で妊婦のように膨れ上がり、余波で拘束された四肢がガタガタと揺れる。
「が……ぅげ……」
短い呻きを残して、シーナは意識を失った。
同時に、膣を巡る競争からあぶれて蠢いていた蔦が、精液のシャワーをシーナの身体に浴びせかけた。
そして拘束が解かれる。まだ抜けない股間の蔦だけがシーナに繋がっていた。
蔦で密閉された膣だけを支えにして、シーナは逆さ吊りにされる。重力に引かれて、シーナの身体が少しずつずり落ちていった。
「がひゃああああっ!!!!!!!」
棘が膣壁を引き裂く痛みがシーナの意識を覚醒させる。
中央の蔦が身を引くと他の蔦も一気に引き抜かれ、シーナは顔面から地面に墜落した。
「ごべっ!!」
血の赤が混じった精液が、シーナの股間から滝のように流れ出す。もうシーナには、指1本自由に動かすだけの力も残ってはいなかった。
232魔法少女の涙 第7話 9/12:2009/11/11(水) 23:28:53 ID:tfEzVyoJ
同じころ、命にも魔物の手が及んでいた。
今夜、勇気を出して和博に電話してみよう。いや、メールがいいだろうか。
そんな幸せな悩みを抱えていた命の背後から、サッカーボール大の球が豪速で迫っていた。
「がっっ……!!!!!!」
完全に不意を突かれた命は、後頭部を狙った攻撃を防御する暇もなく、一撃で打ち倒されてしまう。

「ぅ……うぅ……」
命が目を覚ますと、妙な浮遊感に襲われていた。
「あ、あれっ!?」
手足が自由に動かない。それに、全身を奇妙な温かさが包んでいる。
自分の身体に目をやると、命は全裸で身体をスライムに拘束されていた。
頭だけが外に出た状態で、全身がスライムに包まれている。
「ま、もの……?んっ!や……、なに、これっ!?」
命の胸が波打つ。スライムが揉みしだいているのだ。命はその感触に甘い声をこらえきれない。
「まさか、あんっ!!び、やく……?やだっ、胸、熱い……っ!!」
左右の胸が対象に揺れ動く。未発達とはいえ、中々のサイズを持つ乳房の先端が尖り始めた。
「ひゃああんっ、んはっ、ひぅ……やぁんっ!!だめ……や、だよぉっ!!」
乳首を捻るように圧迫され、円を描くようにグルグルと回される。
「ふぁっ、やだ……さきっぽ、いじっちゃやだっ!!」
胸を占める快感に、命は不自由に身体をくねらせた。瞳を潤ませ、頬は上気し、喘ぐように細かく頻繁に呼吸する。
スライムは命の胸を根元から先端まで何度も揉み上げるような動きを始めた。絞られるような動きに、命は奇妙な感覚を覚える。
「あふんっ、んぃっ!え……な、なんか……っ!?う、そ……まさか、あんっ!そんな、ひうううううんんっ!!!!」
命はその感覚に酷くうろたえた。体験のしたことのない、あり得ない感覚。
胸の奥から先端に向けてこみ上げる、ただの快感とは違った気配。
「だめっ!!!おっぱい!おっぱいでちゃうよおおっっ!!!!!!!」
命の未成熟な乳腺を液体が走り抜け、乳首の先から発射される。
「ひあああああっ!!あううっ!!いやああああああああああああああっっ!!!!」
その衝撃で命は凄まじい快感に全身を痙攣させた。命を拘束するスライム全体がブルブルと震える。
命の胸から放たれたのは母乳ではない。命が気を失っている間に、スライムが乳腺の奥深くまで侵入し、潜んでいたのだ。
「あ……ひっ、やうぅぅ……」
絶頂にも近い感覚の余韻に呆然となる命の胸を、スライムは休まずに揉み続けている。
「ん……はぁっ!!おねがいっ!!いまは……いまは、触らないでっ!!!んくううっ!!!」
敏感になった乳首を押しつぶされて、命は痛いほどの快感に咽ぶ。
「ひっ!?んやああっ!!そっちも、いじっちゃいやぁっ!!」
スライムは命の下半身を責め始めた。秘裂をなぞり、陰核の包皮を捲り、陰核亀頭を捻り上げる。
「あああああああああああああああああっ!!!!」
高まっていた快感に追い討ちをかけるような責めを受けて、命は絶頂の感覚と共に高らかに叫んだ。
「や……くっ、はぅ、んひぃっ!!ひゃうっ、んきゃあああああっっ!!!!!!」
引き攣る手足の指を大きく開き、小刻みに震わせる。
絶頂の波が去った後も責めは激しさを増して、命の快感に休みが与えられることはない。
「あはあああああああああああああああああああんんぅっ!!!!」
今一度、命は全身を震わせて絶叫した。
233魔法少女の涙 第7話 10/12:2009/11/11(水) 23:29:23 ID:tfEzVyoJ
「あふ……やめ……もう、ゆるして……っ」
2度続けての絶頂も、スライムが責めを緩める理由になりはしない。ただ、次の段階へ進むだけだ。
「はひぃっ!!!んにゃっ、はいって……こないでええっ!!!」
命の膣内にスライムが入り込んでくる。同時に、尿道にまで侵入してきた。
「んぐっ!!はやぁぁっ!!!ぎっ!?そ、そこは……ちがっ!!ふわあああああっっ!!!」
膀胱に入り込んだスライムは、すぐに尿道を引き返した。放尿の感覚さえ快楽に犯されている命は激しく身震いする。
「んひゃああっ、やっ!!おしっこ、でちゃううよぉっ!!」
同時に、膣内のスライムの一部が命のGスポットを探り当てて張り付き、バイブレーターのように振動し始めた。
「はやああああああああああっっ!!!!あぅぅっ、やめへえええっっ!!!!」
身体の芯から突き抜けるような衝撃に、命は唾液を撒き散らしながら悶える。股間から噴出した液体がスライムの中に溶けていった。
残りのスライムは濃度を高めて凝固したまま、膣内を奥へ奥へと進む。
周囲に繊毛のように伸びた部分が膣壁をくすぐり、掻痒感のような快感を生み出した。
「あひやぁぁぁんっ!!!ひゃめへっ、ひゃめへえええっ!!ひうあああああああああああああっっ!!!」
胸への責めも休められていない。押しつぶされそうなほどに圧迫される胸も乳首も、痛みではなく悦びしか感じていなかった。
「りゃめっ!!おかひくなっひゃううっっ!!!やだっ、わたひ……こんな、はしたない子じゃ……っ!!!!」
魔物に愛撫されて何度もイきまくる自分など、到底受容しきれるものではない。
羞恥心に苛まれながらも、媚薬のせいで敏感になりすぎた身体はスライムの責めを歓迎するように打ち震える。
「んはっ!?はああああああああああああああああああああああっっ!!!!!」
硬化したスライムが子宮口を突いた。繊毛を操って子宮口の裏側を撫でまわす。
「あはっ!!!はひぃっ、ひゃうっ、たしゅけてええええええええええええええっっ!!!!」
胸と尿道と膣内のGスポットと子宮口。4か所を同時に責められて、命は押し寄せる快感に目の前で火花が散るような思いだった。
何度も小さな絶頂を繰り返し、波が引き終える前に次の波が打ち寄せてくる。
「くはっ!!!むりっ!!そんな、奥まで入ってこないでええええええっっ!!!!!」
繊毛を蠢かせながら、スライムは濃度を変化させて縮み、小さな命の子宮の中まで侵入する。
子宮内に到達すると繊毛を収納して小さな球体になり、子宮内を飛び回った。
「あぐっ、かはっ!!お、おなかのなか……あばれ、ないで……えぇっ!!!」
子宮で暴れる振動が全身を震わせ、そんな刺激ですら命はよがり狂った。
234魔法少女の涙 第7話 11/12:2009/11/11(水) 23:29:43 ID:tfEzVyoJ
そして、スライムはその圧縮された質量を解き放つ。
本来の4分の1にも収縮していたスライムは、一気に濃度を薄めて膨らんだ。
一瞬で命の子宮が引き伸ばされる。腹の中で風船でも膨らませたように、命の腹が丸く張り出した。
「ぎひゃああああああああああああああっっっ!!!!あひっ、かっ、ひがああああああああああっっっ!!!!」
こんな行為でもやはり快感は打ち寄せてくるものの、さすがに今度ばかりは多大な苦痛を伴った。
「があああっ!!!わたひっ!!わたひのしきゅうっ、やぶれひゃう!!!あかひゃん、うめなくなっひゃうおおおおっっ!!!!」
命は自分の女性としての機能を失ってしまう恐怖に泣き喚いた。同時に、押し寄せる快楽で絶頂に達しながら。
「ぐぶぅうっ!!!ごはっ!!かへっ、はがっ、ごえええええええええええっっ!!!!!」
命の膨らんだ腹が急に萎む。かと思えば、先程以上に膨らみ、また縮む。
「ぎゃぎぃっ!!いひゃいっ!!!いひゃいいいいいいいっっ!!!!!」
子宮の中でスライムが大掛かりな伸縮を繰り返しているのだ。
ラストスパートをかけるように、命を包み込むスライム全体が細かく強烈に振動し始めた。
「ひはあああああああっっ!!!げほおぉっ!!!!おげええええええええええええっっ!!!!!!」
媚薬の投与と度重なる絶頂の末に、全身が性感体のように過敏になった命の身体を、余すことなく刺激する。
頭の中を全て塗りつぶされてしまいそうな快楽が命の身体を絶えず波打たせ、体内で起こる連続した爆発のような衝撃が痛めつける。
「もうたすけてええええええええええええええええええええっっっっ!!!!!!!」
命の絶叫が最後の時を告げる。
陵辱の仕上げとして、命の腹を最大限まで膨らませた状態から、子宮内のスライムが流れ出た。
「きひゃああああああああああああああああっっっ!!!!!でてる゛ぅぅっ!!でてるうううううっっ!!!!!」
大量のスライムは、細い膣を通ってはすぐには出られない。
膣口から細く流出するスライムは、たっぷり1分以上の時間をかけて命を苦しめた。
「ひゃうううううううううううううっっっ!!!もう……ゆるひっ!!!てえええええええええええええええええっっ!!!!」
命は白目を剥いて助けを請う。
スライムが出切った後、最後に大きく身震いすると、命の首がガクンと項垂れた。
死ぬほどの快楽と苦痛を味わわされた命は、虫の息で地面に投げ出されて、小刻みに痙攣し続けている。
235魔法少女の涙 第7話 12/12:2009/11/11(水) 23:30:04 ID:tfEzVyoJ
「今日はありがとね、隆志君」
自宅の玄関前で、リムはここまで送ってきてくれた隆志に礼を言う。
「ううん。僕も楽しかったし、それに……」
「それに?」
リムは照れた様子の隆志に訊ねる。きっと答えは自分が思っているのと同じだ。
「キス、出来て……嬉しかったよ」
「……うん、リムもっ!」
はにかむ笑顔を2人で交わす。
リムは自分なんかがこんなに幸せでいいのだろうかと思ってしまった。
「それじゃ、ね」
「うん。バイバイ」
名残惜しそうに別れを切り出した隆志を、未練を振り切って送り出す。
エレベーターの扉が閉まっても、リムは1人で手を振っていた。
「はぁ〜、今日は楽しかったなぁ」
ひとりごちて、リムは家に入る。
「どうだった?リムちゃん」
リビングに辿り着く前に、セリナの声が聞こえてきた。
本当に色恋沙汰が好きなんだろうな、とリムは苦笑する。でも嫌な気分ではない。
「へへ〜っ、キスしちゃった!」
「ええ〜〜〜〜っっ!!」
驚きを隠せないセリナに、リムは内心でささやかな優越感を抱く。
待ち合わせから1つ1つ、微に入り細に入り報告した。話をするのが楽しくて仕方ない。
「なるほど。私もシーナちゃん達と一緒に尾行したかったな〜」
「やめてよぉ、セリナさん」
談笑の最中、リムはふと、まだ帰ってこないシーナはどうしたんだろうと思った。
あの後、観覧車を降りてから少し怒って、先に帰ってもらったはずなのに。
リムの心配と呼応するように、携帯電話のメロディーが鳴る。
「あら?携帯電話っていうやつ?」
セリナは見慣れない機械に興味津々だ。
「うん。シーちゃん……は携帯なんて使う必要ないもんね。隆志君かな?」
リムは胸を躍らせて携帯電話を開く。メールが2通、届いていた。
「あれ、2つ同時に来たのかな?えいっ!」
癖になっている軽い掛け声と共に、決定ボタンを押す。
2通とも無題で、差出人は別々の見知らぬアドレスだった。
(スパムメール、ってやつかな?)
隆志ではないことに落胆しながらも一応メールを開いてみると、画像ファイルが添付されている。
何故か嫌な予感がした。やめた方がいいと思いつつも、そのファイルを開いた。
「え……?」
天地がひっくり返ったような思いがした。細く漏れた呻き声以外に、何も言葉にできない。
「リムちゃん?どうしたの、リムちゃん!!」
セリナの声もどこか遠くで鳴っているようで、耳に入ってこなかった。
リムは震える指で、もう1つのメールを開く。やはり画像ファイルだ。
「ぅぁ……うああああああああああああっっ!!!!」
リムは泣き叫んだ。
手から転げ落ちた携帯の液晶画面が、セリナの目に留まる。
そこに表示されていたのはシーナの姿だった。血と大量の精液に塗れて倒れているその眼は、呆然と開け放たれている。
1通目は命だった。全裸で倒れる命の周りにはスライムのものと思しき粘液が散らばっていた。
リムは学ぶことになる。幸せの頂点に立ったものは、往々にして絶望のどん底まで転げ落ちてしまうのだということを。

/ 第7話 END
236杏の人:2009/11/11(水) 23:31:05 ID:tfEzVyoJ
以上です。
次回は最終話の投下になります。

昨日はなれない携帯からのレスで、
名前も書き忘れて何の作品だかわからないわ、改行もミスしてるわで申し訳ありませんでした。
それでは、次回またお会いしましょう。
237名無しさん@ピンキー:2009/11/12(木) 00:54:12 ID:EU2FkY9N
>>236
お疲れ様です&GJ!
魔法少女のお腹が丸々と膨らむのはやっぱり良い
最終回も凄い事になりそうで楽しみッスよ
238名無しさん@ピンキー:2009/11/12(木) 02:14:34 ID:hO2jPXKi
禁○目録の元ネタがネイティブアメリカンの予言にある2012年精神VS物理の世界大戦と言う話を聞き
魔法少女と機械兵士のガチバトルのネタが浮かんだ。
239名無しさん@ピンキー:2009/11/12(木) 04:02:23 ID:/6Gcfidq
たまに意味不明の書き込みがあるよね
他には>>217とか
240名無しさん@ピンキー:2009/11/12(木) 10:41:19 ID:tAbfUjzo
魔法少女ネタは基本触手や怪物だから、機械の敵は新しいかも
241名無しさん@ピンキー:2009/11/12(木) 18:11:06 ID:kfjhanWX
>>238
そういえばスプリガンのティア・フラットは機械化歩兵と戦ったっけ?
アークをめぐる戦いでティアと機械化歩兵が出てきたのは覚えてるけど、
直接干戈を交えたかどうか忘れてしまった。そもそも魔女であって魔法少女じゃねえといわれると反論できんが。
242名無しさん@ピンキー:2009/11/12(木) 19:25:48 ID:KP59lRuS
>>240
ただ、魔物系は魔法少女をとっつかまえたら、いろいろする理由があるが、
機械系の敵がいたとしても、魔法少女を捕らえてどうこうすることなく処分しそうで・・・
243名無しさん@ピンキー:2009/11/12(木) 19:46:03 ID:620HwS7V
>>242
魔力が機械の動力源ならOKじゃね?
エロい事して魔力吸収。
244名無しさん@ピンキー:2009/11/12(木) 20:15:21 ID:lvMT1FrQ
機械のバックに政府がいて、魔法の解析の為に魔法少女を捕らえようとするでOKじゃね?
同様の理由で魔物さんを乱獲する自衛隊とか
245名無しさん@ピンキー:2009/11/12(木) 20:16:01 ID:DHUBTa6R
全自動凌辱マシーンとか駄目ですか
246名無しさん@ピンキー:2009/11/12(木) 20:20:00 ID:KP59lRuS
>>243
FF6を思い出したw

>>244
なんか残虐話になりそうで怖いなぁw
247名無しさん@ピンキー:2009/11/12(木) 21:10:10 ID:/ZXD9zmF
濁音悲鳴サイコー
248名無しさん@ピンキー:2009/11/13(金) 14:33:54 ID:O9hdO7pG
たとえば組織対個人で戦うのはどうだ?
総務省魔法技術庁所属のいち魔法少女が組織の暗部を知り、内部告発を行う。
そこに差し向けられる最新型対魔法遣い用機械兵器。彼らの正体は生体改造された犯罪者だった。

しかも元強姦殺人犯とかそんな奴中心に投入してくる組織。 
エロ+機械敵を融合させてみた。
249名無しさん@ピンキー:2009/11/13(金) 15:48:47 ID:UME9RmhJ
ロボコップ2ですね
250名無しさん@ピンキー:2009/11/13(金) 16:48:01 ID:rAqaJoXy
自らの理想とする絶対秩序を掲げる「俺達が正義、邪魔者は悪党」な某十字や某地球至上主義な対魔組織
民間人犠牲にして浄化可能な悪魔を倒したのを文句を言った魔法少女は袋叩きにされ捕まり親も投獄され拷問を受け組織の兵器に改造されたでござるの巻
251名無しさん@ピンキー:2009/11/13(金) 20:16:58 ID:IQzAXCVS
魔法少女「声が大きい人、怖いんです」
252名無しさん@ピンキー:2009/11/14(土) 11:59:09 ID:SUj7OZ8c
>>250
地球至上主義者集団ってあれ?
「なら女らしく扱ってやるよ!」ってレイープとかしちゃう金髪リーゼントとかいるような
253名無しさん@ピンキー:2009/11/14(土) 12:03:47 ID:SBVSbyo8
先輩「アイツらの横暴を許してはおけないわ!」

後輩「そう言って出た先輩は数分後、変身アイテムを奪われケフィアまみれになって帰って来た」
254名無しさん@ピンキー:2009/11/14(土) 15:14:19 ID:SUj7OZ8c
そんな姿に屑市民な僕はチンコを固くする事しかできない訳で
255名無しさん@ピンキー:2009/11/14(土) 18:02:00 ID:YJgXMgmW
姉さん事件です。
お客様の中に、魔法少女の方がいました。
256名無しさん@ピンキー:2009/11/14(土) 19:55:51 ID:SBVSbyo8
>>253
先輩「リベンジよ!魔法界の軍団出身の精鋭8人なら大丈夫!」

後輩「と思っていたら巨人のような体格の20体の機械兵士に襲われたと言う連絡を最後に一人も帰って来ませんでした」
257名無しさん@ピンキー:2009/11/14(土) 23:30:53 ID:K1D29zHE
・出撃から徒歩1分の路上で魔法少女があそこから白い液を流して倒れていた
258名無しさん@ピンキー:2009/11/15(日) 00:18:10 ID:QE4h5lQ3
・買い物中に秘密基地が機械兵士に襲撃され、魔法少女も「魔法少年も」全員レイプされた
・もうこんな街に居られないとバスに乗ったら乗客全員が魔界に撤退する魔族だった。
・組織に逆らって陵辱される確率が150%。一度機械兵士に襲われ今度は下級魔族に襲われる確率が50%の意味
259名無しさん@ピンキー:2009/11/15(日) 04:45:24 ID:gm/Rmr4p
学校の社会見学で行った企業が、敵組織の本拠地で
魔法少女だという事がバレて捕まっちゃう少女。
260名無しさん@ピンキー:2009/11/15(日) 11:34:40 ID:1AC3iSCR
そして捕まった少女の前でなぜか自らの悪事をべらべら喋りまくる敵のボス!
261名無しさん@ピンキー:2009/11/15(日) 16:33:19 ID:f4e9RMpJ
そして副官(元上司の魔法使い)に機密漏洩の罪で営倉にブチ込まれ、更迭される敵のボス。
そして洗脳されても生真面目なんだなぁ先輩と思う魔法少女 
262名無しさん@ピンキー:2009/11/15(日) 17:06:33 ID:hq9PFCu+
>>261
悪堕ちした知り合いの魔法少女に犯られる魔法少女ってのもいいね。
263名無しさん@ピンキー:2009/11/15(日) 17:42:22 ID:dk5KA81l
悪堕ちした知り合いの魔法少女を犯る魔法少女ってのもいいね。
264名無しさん@ピンキー:2009/11/15(日) 19:13:14 ID:dp8OtpRL
浄化のためにエロというのはエロゲじゃよくあるよね。
ところで日本人は西洋人より若く見えるというけどマスコットがそのせいで年齢誤認して
社会人の女性を魔法少女にスカウトしちゃったりしたら嫌だ。
265名無しさん@ピンキー:2009/11/15(日) 20:29:50 ID:CWwiJ9IT
それは嫌だなぁ…ちゃんと事前調査をしてもらわないとw
266名無しさん@ピンキー:2009/11/15(日) 20:49:29 ID:k7BLGWA8
それよりも、マスコット(日本製?)が、西洋人のマジでちっちゃい子を
対象年齢と誤認する方が怖いかもw
267名無しさん@ピンキー:2009/11/15(日) 23:43:08 ID:f4e9RMpJ
「何コレ、喋った!」
「僕は魔法界からやってきたモノっス。貴方は魔法適性があるようだ…年齢もちょうどよさそうだし。」
「は?」
(中略)
「と言う訳で今世界がヤバいっス。もうダメポ。」
「ハイハイ分かったわ、OTAKU受けしそうな服着て何とかーズをぶっ潰しゃ良いんでしょ。」
「アリガトウっス、ここに契約は結ばれた。魔導の杖よ使い手に授けられん。」

「ところで何歳なんスか?メアリー。」
「8歳よ、何か?」
(ヤベエ、15歳以上対象の奴使わしてしまったっス、幼女には見えなかったっス…)

年齢確認ミス…。
268マユ作者:2009/11/16(月) 00:30:44 ID:rvDUfVsL
こんばんわ、今日のお昼くらいに11話の投下をします。
269名無しさん@ピンキー:2009/11/16(月) 00:56:48 ID:g1bj5Ftj
ついに最終回か…
ゴクリ
270名無しさん@ピンキー:2009/11/16(月) 01:19:54 ID:axlvt9Gw
マユはまだ最終回じゃない・・・よね?
271名無しさん@ピンキー:2009/11/16(月) 01:35:29 ID:jpZxw/JU
最終回は涙のほう。どんな勘違いなんだよ
いくらなんでも失礼すぎる
土下座して謝罪すべき
272名無しさん@ピンキー:2009/11/16(月) 03:33:32 ID:MJletA5A
俺が触手様に土下寝するから抑えて抑えて
273名無しさん@ピンキー:2009/11/16(月) 06:32:33 ID:jpZxw/JU
マジで謝罪無しかよ
最悪だな
死ねばいい・・・・・
274名無しさん@ピンキー:2009/11/16(月) 07:40:07 ID:g1bj5Ftj
>>268
一晩経ってスレ覗いたら…。
マジで勘違いしてました。
不快な念を抱かれたのなら、深く謝罪をいたします。
先の書き込みは私の稚拙な判断による純粋な誤解によるもので、御作の終了を願うものではありません。
これに腹を立てずに、これからも存分に筆を奮う事を願っております。
最後にもう一度謝罪をさせて頂きます。
本当に申し訳ありませんでした。orz
275名無しさん@ピンキー:2009/11/16(月) 07:43:04 ID:xNe09YY2
なんだろう思いがけず朝から笑ってしまった
276名無しさん@ピンキー:2009/11/16(月) 09:36:13 ID:MJletA5A
ま、ID:jpZxw/JUはいつもの頭がちょっとアレな人だろ
スルー推奨
277名無しさん@ピンキー:2009/11/16(月) 10:44:27 ID:jpZxw/JU
なんだそりゃ
職人さんの作品を馬鹿にしたクズよりも俺を叩くのかよ
アホか?
278マユ作者:2009/11/16(月) 10:59:43 ID:rvDUfVsL
投下しようとスレ開いたら…変な事になってる…
>>274さん、自分は全然気にしてないんで、お気になさらないで下さい。

魔法少女マユ第11話を投下させて頂きます。
今回はユーリィにとって、因縁の相手が登場します。
人物紹介の後に、投下を開始します。
279魔法少女マユ 人物紹介:2009/11/16(月) 11:02:35 ID:rvDUfVsL
秋月真由(マユ)
14歳 両親と3人で、平穏な生活を送っていたが。ユーリィと出会った事で、戦いに身を投じる事になる。
背は小柄で、背中の半ばほどまで届く栗色の髪を後ろで纏めている。
変身時のコスチュームは桜色のミニスカートに赤を基調としたジャケットを纏っている。

秋月夫妻
マユの両親、父、宗一郎は大手製薬会社の部長を務める。
母、美幸は専業主婦。二人は社内恋愛をして結婚。マユいわく、万年新婚夫婦との事。
二人とも年齢は30代後半だが、実年齢より若く見える。

ユーリィ
異世界エルメリアの住人である妖精、マユのパートナーとして彼女の戦いをサポートする。
長いストレートの青髪にフリフリのついた白やピンクのドレスを着ている。

リィン
14歳 エルメリアから増員として派遣されてきた魔法使いの少女。
髪型は薄いブロンドの長い髪をツインテール。
青を基調としたワンピースの上に、短い白のマントを羽織っている。

シャーナ
23歳 リィンの姉。リィンと共にエルメリアからの応援として地球に来た。
緩くウェーブがかった薄いブロンドの髪を、腰に届くほどまで伸ばしている。
純白のローブを纏う。 エルメリアにフィルという婚約者が居る。

ヴァルアス
魔族の王。100年前の戦いで敗れた先代の跡を継ぎ魔族を統率する。表の顔は大企業の社長。
銀髪の髪をオールバックにしている。黒のスーツを好んで着る。
その真の姿は、黒い装甲を身に包む巨大な竜。

レドリック
魔王ヴァルアス腹心の一人、魔法少女を狩る為に地球に招集される。
焦茶の髪を肩に触れるくらいに伸ばしている。黒の軍服を纏う。
ラディウスとは子供の頃からの付き合いで悪友関係。

ラディウス
セディアの弟 魔族の造魔開発においての、中核メンバーで、王の腹心の一人。
力は魔族の中でもかなり低いが、類稀なる頭脳を理由に、王に取り立てられる。
長い黒髪を三つ編みのお下げにしている。常に白衣に身を包む。15歳くらいの背格好。

ゲリオス・イレーヌ・ローエル
魔族エルメリア攻略軍を統べる、3将軍。
いずれも、戦術戦略に長けた人物で、様々な策でエルメリア軍を苦しめる。
筆頭のゲリオスは、先王の頃から側役を務める重鎮。幻術、精神支配などを用いて、裏工作を行うのを好む。
イレーヌは、魔族随一の魔術の使い手である紅一点。身内には優しいが、敵には容赦がない。
ローエルは、戦いを何よりも愛する武人。気さくで面倒見もよく、部下の信頼も厚い。
280魔法少女マユ 第11話 1/12:2009/11/16(月) 11:04:48 ID:rvDUfVsL
かつて、エルメリアで行われた戦争の終焉の地、ザルカヴェイド。
ここで12人の戦士を筆頭とした人間側が、魔族の王、魔装竜ヴェルゼーを討ち滅ぼした。
王の敗北により、魔族の統制は乱れ、その多くが討ち取られる。
王子ヴァルアスを中心とした一部の軍勢は、異世界へと逃亡した。
戦いは人間側の勝利に終わった。
地球に逃亡した軍は、100年の時をかけて力を蓄える。
そして、半年前にエルメリア帰還作戦を発動、侵攻を開始する。
最初の目標に選ばれたのは、かつのて本拠地ザルカヴェイドだった。
突如現れた、地を埋め尽くすほどの軍勢は、瞬く間に都市を制圧し、ここを拠点に各地に侵攻を開始する。
現在、この地には魔王ヴァルアスを迎える城を建造中だった。
エルメリアの占領地から集められた人間の男や、下魔などが作業を行っている。
既に完成している区画に、各軍を統べる将達が集まっていた。
広いテーブルの上に地図が広げられ、各軍の将軍付きの幕僚達が議論を交わしている。
それを横目に、ローエルはワインの入ったグラスを傾けていた。
「大分この城も出来あがってきたね…」
彼と相席して、酒を飲んでいたイレーヌが、窓から見える景色を見回して言った。
ローエルもサングラス越しに見える、城の光景に目をやる。
「ですねぇ、陛下をお迎えできる日も近いかな…でもあの人、あっちの城も気に入ってるみたいだしなぁ」
「こっちが出来たらお出でになるさね、あくまで向こうの城は繋ぎなんだし」
ローエルの言葉に、イレーヌはクスクスと笑いを漏らす。
「陛下をお迎えするのは、当分先だ。更に戦線を拡げ、エルメリアの支配地域を盤石なものにしてからだ」
二人の元に近づいて来たゲリオスが低い声で言い放つ。
「分かってるさ…まぁ、ゆっくり進めようぜ。ラディウスやレドリックが進めてる計画の事もあるしな」
「そうだね…ところでじーさん、この間仕込んだ子は使ったのかい?」
イレーヌはふと思い出したように、ゲリオスへと尋ねる。
1か月前、都市を攻め落としたゲリオスは、『円卓』のメンバーに仕える魔法使いの少女に、精神支配の術をかけていた。
イレーヌ達も、それを目撃していたので、少し興味がわいて尋ねてみたのだ。
「あの少女か…『円卓』の側近という、またと無いチャンスだからな。まだ使っていない…
 念入りに隠蔽を仕掛けてあるからな、主も仲間達も気づいておらん…今は主である、『円卓』リミュエルの元に居る」
「へぇ、リミュエルのお嬢ちゃんも脇が甘いな…」
ゲリオスの言葉に、ローエルが苦笑する。
前線に出ている『円卓』の一人の元に、仕込みを潜り込ませれたのは、大きな成果だった。
情報の入手、要人の暗殺、様々な使い道がある。
「いつ使うんだい?そんな面白い手札」
「…使いどころは今考えているところだ。貴重な手札だ、温存させてもらうとしよう」
イレーヌの問いに、ゲリオスは楽しそうに笑う。
「えげつない手に使うのは、ちと賛同しかねるが…爺様の仕込みだ、好きにすりゃいいさ」
「…我々に求められるのは完全なる勝利だ。そこまでの過程の、綺麗汚いなど…瑣末な事だ」
苦笑するローエルの方を見て、ゲリオスは言い放つ。
100年前の失敗は許されない…時が来れば、人間達を完膚なきまでに叩きつぶす。二度と立ち上がれないほどまでに…
それは、3人の…いや、魔族の総意であった。
281魔法少女マユ 第11話 2/12:2009/11/16(月) 11:05:41 ID:rvDUfVsL
「よしよし、いい子ね…」
魔族の地下拠点の一室、リーファは子竜に母乳を与えていた。
彼女のすぐ側には、大型犬くらいまでのサイズに成長した赤い竜、ルインが寝そべっている。
かつて、神に使える巫女と崇められた彼女が、魔物に母乳を与え慈しむその光景。
傍から見れば、異常な光景だが…リーファは幸せそうにいつも笑っている。
彼女の心は壊れているのだ。最初の子、ルインを生んだその時に…
ルインを産んで一か月、その間にリーファは新たに2匹の子を産んだ。
2匹目の子供は今、施設の培養槽の中に入っている。
彼女の腕の中に居る、緑色の鱗のに身を包んだ竜はゆっくりと母乳を飲み続けていた。
「ふふふ…沢山飲んで、早く大きくなるのよ」
慈愛に満ちた頬笑みを浮かべ、愛おしそうに我が子の頭を撫でてやる。
その様子をじっと見つめていたルインが、起き上がってリーファに近づく。
「きゃっ!?こ、こらぁ…ルイン、やめなさいぃ…」
彼女の胸元に首を近づけたルインが、開いているもう片方の乳房をくわえたのだ。
出てくる母乳を飲もうとしたが、リーファに叱られて、慌てて口を放す。
「もぅ…いきなり何するのよ…もう貴方は普通に御飯が食べれるでしょ?」
少し怒った様子で、リーファはルインを叱りつける。
『だって…ウェセルだけずるい…いつもお母さんに抱っこしてもらえるし…』
しょんぼりとした様子で、首を下げながら小さな声でルインが漏らす。
彼は、母が弟ばかりを構っている事に嫉妬したのだった。
「…もう、甘えん坊なんだから」
リーファは困ったように笑うと、乳を飲み終えた子竜を膝に下ろし、俯いているルインを抱き寄せる。
『お母さん…?』
「ルインの体は大きくなり過ぎちゃったから、抱っこは出来なけど…これで我慢してね?」
開いている手で、ルインの頭や背中を優しく撫ぜてやる。
『うん!僕…お兄ちゃんだから我慢できるよ!』
「いい子ね…ルイン」
嬉しそうに頷くルインの頭を撫ぜて、リーファは微笑む。
愛しい子供達と暮らせる事に、彼女は心から幸せを感じていた。
282魔法少女マユ 第11話 3/12:2009/11/16(月) 11:06:34 ID:rvDUfVsL
「……順調に成長してるようだな」
リーファとルインのやりとりを、監視カメラで見ていたラディウスは呟くように言った。
ここは、彼女達の部屋から少し離れた場所にある監視ルームだ。
前例の無い初めて試みなので、ラディウスはリーファの周囲に、念入りに監視を配置したり、結界を展開している。
リーファ当人の魔術は使えないようにし、一定領域ではルインも巨大化できないように制限をかけていた。
通常の造魔同様、成長を促進した結果、既にルインは20m程まで体を大きくする事が出来る。
知識も十分に与え、実戦投入は可能なレベルだ。
だが、精神成長の方が体についてきておらず、未だに母親の元から離れたがらない。
「母親から離れたがらないってのは、問題だね…あれじゃ使い物にならないよ」
ラディウスの隣に立って、モニターを見ていたレドリックが言う。
「問題無い…次の調整の際に、その辺もなんとかするさ」
別のモニターで、データを確認しながら、ラディウスは答える。
「魔力の回復は順調なようだな…2番目が培養槽から出てくる頃には、4番目が作れそうだ」
画面に表示される、リーファの魔力の状態を見て、彼は呟くように言った。
リーファ達の部屋には、魔封じの結界などの他にも、彼女の生命力や魔力を、少しづつ回復させる結界も張られている。
母体の消耗を考えなければ、もっと短いサイクルで生産が可能だが…ラディウスはそれをよしとしなかった。
「随分あの子に甘いね…情でも移ったかい?」
「バカ言うな…せっかくの貴重な母体なんだ。延々産み続けて貰うだけさ」
からかう様な口調のレドリックに、ラディウスは気分を害したらしく、むっとした表情で答える。
「前線からも、早く実戦投入可能な物を用意しろって、催促が来てるよ」
現在、エルメリア攻略軍の各軍集団には、それぞれ3〜4体の大型種が所属している。
作戦規模に応じて、各集団から呼び集める形で、都市攻めなどに投入していた。
非常に貴重な戦力の為、ラディウスが大型種の造魔を作った事を聞きつけた3将軍が、挙って派遣要請を送ってきていた。
「そう簡単に出来るかよ…まだ手探り状態なところがあるんだからな…簡単に前線には出せない」
レドリックの言葉に、ラディウスは嘆息しながら答える。
「だろうね…ところで、例の計画の進捗はどうなんだい?」
「陛下にはご報告してあるが…計画自体は進捗7割方ってところだ。間もなくシステム本体が組みあがる。
 その後、試運転を行い。調整を行う…問題はそこからだ」
「確実に、連中に気取られるだろうからね…」
283魔法少女マユ 第11話 3/12:2009/11/16(月) 11:07:26 ID:rvDUfVsL
世界規模の対転移結界を展開するという彼らの計画は、エルメリア側の激しい妨害が予想された。
既に幾度か大規模な実験を行っており、それはエルメリア側にも知れているはずだ。
この世界に増派が送れなくなれば、現有戦力だけでこちらに対抗しなければならない。
それははっきり言って不可能だ。そして、本拠地を見つけたとしても攻める事すら不可能になる。
日増しに不利になっていく状況で、エルメリア側は本拠地の割り出しに躍起になっていた。
こちらに増援が送れず、魔族側だけが一方的に増援を送り放題になるこの計画を、確実に阻止しようとしてくるだろう。
「防衛の為に、エルメリアから一部の部隊を呼び戻してるよ。防衛プランも現在練ってる最中さ」
レドリックはこの計画に際して、軍事面での総指揮をヴァルアスより命じられていた。
「こっちも急いで防衛用の造魔を生産中だ。当然あの竜…間に合えば2番目も投入する」
母親や弟と寄り添うように、眠りについている赤竜を見つめて、ラディウスが言った。
「了解。それまでに僕は、出来るだけ狩りを進めておくよ」
レドリックは頷いて、部屋を出て行こうとする。
「あ…狩りで思い出した。イレーヌ様から聞いたが…グラーズの奴がこっちに帰ってきたぞ」
「…なんだって?」
ラディウスの言葉に、レドリックを振り向いて顔を顰める。
グラーズ…それは、魔族の中でも強大な力を持つ一体の名だった。
3将軍やレドリックには及ばないものの、彼固有の力は強力で、エルメリアの多くの魔法使いを屠っていた。
だが、他人の指示を聞かない性格が災いし、組織の中では扱いは悪い。
以前は人間狩りを行っていたが…派手に暴れ過ぎた為、レドリックの前任者が、前線に厄介払いしたのだ。
「あの自称『断罪者』め…また魔法少女を殺しまくる気か…そも、アイツはイレーヌ様の元に居たはずじゃ」
「それがよ、イレーヌ様も厄介払いしたのさ。全然言う事聞かないからって」
やれやれ、とラディウスが肩を竦めて見せる。
「…奴がマユちゃん達を狙う可能性があるな…陛下から生け捕りを命じられているのに」
「あー…あの野郎は喰い殺すか、精神潰すまで犯し続けるからな…勘弁してほしいぜ」
この大事な時期に、頭痛の種が増えた事に、二人は揃って溜息をつく。
284魔法少女マユ 第11話 4/12:2009/11/16(月) 11:08:10 ID:rvDUfVsL
その日、シャーナ達の家に、唐突かつ驚くべき来客が訪れた。
『円卓』の一人で、地上に派遣された魔法使い達の統括者、『紅蓮の将』コーネリア。
彼女の来訪に、シャーナ達は慌てたものの、客間へと彼女を案内する。
「あ、あの…コーネリア様…今回はどの様なご用件で?」
紅茶をコーネリアの前に置いて、シャーナがおどおどとした様子で尋ねた。
何か自分達に落ち度が合ったのだろうか…エルメリアに帰還させられるのか…
シャーナとリィンの頭には様々な不安が駆け巡っていた。
「そう硬くなるな…君達に関して、何か言いに来た訳じゃないんだ」
シャーナ達の様子から、彼女達の不安を察したコーネリアは、安心させるように笑顔を浮かべた。
年の頃は19歳くらい、燃えるような赤い髪を背中の半ば程まで延ばしている。
髪と同じ、赤い瞳からは力強い光を宿しており、気の強そうな印象を受けた。
「現状について、色々と話して起きたい事があってな…方々を回っているんだ」
「そ、そうですか…それは大変ですね…」
「いや、いい息抜きになってるさ。こっちの食べ物は美味いなぁ」
シャーナの言葉に、コーネリアは快活そうに笑って答える。
その時、来客を告げるインターホンが鳴った。
「私が行ってくるね…マユちゃんだと思う」
リィンが立ち上がって部屋を出て行こうとする。
「あ…連れてきてくれ。噂の魔法少女、会ってみたい」
「え?…わ、分かりました」
コーネリアの言葉に、リィンは驚いたが、頷いて出て行く。
「そちらにも噂になってますか…」
「そりゃそうだ、あのレドリックとドクター・ラディウスを、幾度も撃退している魔法少女…噂にもなるさ」
コーネリアは、「一度会って見たかったんだ」と付け加えて笑う。
少し間をおいて、リィンがマユとユーリィを連れて戻ってくる。
「お、来た来た。君がマユ君か…初めまして、私の名はコーネリアだ」
「は、初めまして、秋月マユです!あの…その…」
「ああ、緊張しなくていい。私のことは気にせず、普段通りにしてくれ」
リィンから話を聞いていたのだろう、緊張した様子のマユに、コーネリアは笑顔で言う。
「ユーリィやシャーナ達が世話になってるそうだな…ありがとう。君のお陰で、多くの人が助かっている」
「あ…いえ、そんな…私の方こそ、ユーリィやリィン達に助けて貰ってばかりです」
頭を下げるコーネリアに、慌てて首を振るマユ。
「謙遜しないでくれ、君の力はエルメリアの基準で見ても、かなり強いレベルだ。本国にスカウトしたいくらいだよ」
「コ、コーネリア様!そ、それは…」
「冗談だよ、本気にするな」
慌てた様子のシャーナに、またコーネリアは笑う。
「さて…挨拶はそこそこにして…本題に入ろうか。マユ君も聞いてくれ」
表情を改めて、コーネリアは言った。
皆も頷き、ソファーに座る。
285魔法少女マユ 第11話 5/12:2009/11/16(月) 11:09:08 ID:rvDUfVsL
「まず…エルメリアの現状についてだが…あまり良くない。
 魔族の攻勢が弱まり、膠着状態になっていた状況だが…ここに来て、敵側に過去最大の増派が行われた」
コーネリアは、深刻そうな表情で言った。
大量の増援を得た魔族は、各地で反撃を開始、エルメリア側のいくつかの都市が陥落していた。
「増派が思うように出来ない様に見せかけて…こっちに造魔を貯め込んでたようだ。おまけに、新型も各地で確認されている。
 連中は造魔製造技術を向上させ。狩りを妨害されても、現有の母体だけで数を生産できるようになりつつある様だ」
その為か…最近は一般人を狩ることが少なくなり、魔法少女達にターゲットを絞り込んでいるようだ。
シャーナ達にも、幾人も魔族に捕えられたという連絡が届いていた。
「なんとか連中の拠点を見つけ出したいのだが…いかんせん隠れるのが上手い。
 調べている者達は、レドリックが次々と狩っていく…未だ手がかりすら掴めない」
コーネリアは俯きながら言葉を続ける。
「『円卓』内部でも…効果の上がらない狩りの妨害など止めて、こちらに全戦力を呼び戻せ…なんていう奴もいる。
 現状を知らぬ老人共が…奴らの拠点を探し出し、潰す事こそ、この戦いの突破点だというのに」
「そんなに切迫してきてるんですか?」
「まぁな…正直な話、増派の結果勢いを増した魔族達を押し返せるかどうか、際どいところだ。
 連中が積極的に攻勢を仕掛けて来ないのが、せめてもの救いだ」
シャーナの問いに、コーネリアが答える。
「それと…魔族がこちらで大掛かりな動きに入っているらしい…以前、シャーナから報告があったな。
 ドクター・ラディウスが実験を繰り返していると」
「はい、転移魔法を封じる実験を行っていた事が幾度かあります」
シャーナが頷いて答える。
「ああ…その件なんだが…連中、この世界全体にその転移を封じる結界を、展開しようとしてるんじゃないかって話が上がってる。
 その結界を展開して、我々がこちらに、増援を送れないようにするつもりじゃないのかってな」
発生場所はバラバラだが、大規模な転移封じの結界が、この世界で幾度か展開されていた。
その範囲は回数を重ねる度に広がり、最新の物では大きな国が一つ収まる範囲の展開が観測されている。
「で、では…その結界がもし展開されたら…」
「こちらに我々は増援を送れず、連中だけが送り放題…更に、こちらにいる戦力を狩りつくせば、妨害もなくなる。
 連中のやりたい放題になる…そして、例え拠点を見つけたとしても、現在こちらにいる戦力では攻める事は難しいだろう」
転移封じの結界が世界レベルで展開される…それはエルメリアの敗北にも繋がりかねない事態だった。
「現在、調査要員を私の権限で増員し、連中の動きを探っている…なんとしてでも阻止しなければならない」
コーネリアの言葉に、マユ達は無言で聞き入っている。
「君達にもこれまで以上の働きを期待している。なんとしても…この不利な状況を打開しなければならない。頑張ってくれ」
絶対に阻止しなければ…皆、心中で思いながら頷く。
その後、いくつか話をしたコーネリアは、次の所に行くと言って、彼女達の家を後にした。
286魔法少女マユ 第11話 6/12:2009/11/16(月) 11:09:53 ID:rvDUfVsL
「世界規模の対転移結界か…そんなの作らせる訳にはいかない…」
その晩、夜の見回りに出たリィンは、人気の無い公園で呟くように言った。
マユは両親と出かけていて居ない。シャーナは少し離れた場所を回っている。
結界が展開されれば、リィン達はエルメリアに戻れなくなる。
そして、敵の本拠地を見つけたとしても、攻める事すら出来なくなるだろう。
仲間達の敵である、ヴァルアスの居場所を探している彼女には、絶対に阻止しなければならない事だった。
ふと気がつくと、周囲に異様な魔力が漂っていた。
「っ!?…しまった…!」
今日聞いた話の事を考え続けていたリィンは、警戒を怠っていた。
「フフフ…見つけたぞ、魔法少女…」
リィンの目の前に、灰色のローブを纏った者が現れる。
彼女は慌ててロッドを構えて、戦闘態勢を取った。
フードを被り、その中は黒くて何も見えない…いや、暗い闇がフードを被っているような存在だった。
ローブから延ばされた手も真っ黒で、片手には禍々しい魔力を秘めた杖が握られている。
「魔族…」
「そう、名はグラーズと言う…汝を裁く者だ…」
年老いた老人の様な、低い声が発される。
「汝の罪が汝を殺す…」
グラーズと名乗った魔族が、呪詛を唱え始め、カン、と杖で地面を叩く。
それと同時に、体から黒いガスを放出し始める。
「な、何を…」
唐突な行動に、リィンは戸惑う。
杖が魔力を放ち、グラーズの体から流れ出た黒いガスが、次々と一つに集まり形を作っていく。
「え…こ、これって…」
周囲を見回して、リィンは声を漏らす。
彼女を取り囲むように、無数の黒い魔物が現れる。
魔物達の姿に見覚えがある…かつて自分が倒した造魔達だ。
「さぁ、断罪の時だ…」
グラーズの言葉を合図に、魔物達が一斉に襲い掛かってくる。
「くっ!?」
後方に跳んで、リィンは魔物達から距離を取った。
(無茶苦茶だ!こんな数の魔物…まともに相手してられない!)
繰り出される攻撃を掻い潜りながら、魔法を準備する。
「いけぇっ!!」
突き出されたロッドの周囲に、無数の光が発生した。
光から、次々と小さな光の弾が発射され、魔物達を撃ち抜いていく。
前方から放たれた光を回避できず、魔物達は次々と崩れ落ちていく。
(…一体一体は脆い!これなら…!)
あっという間に数を半分以下に減らした魔物達を見て、リィンは更に追撃を放とうと構える。
287魔法少女マユ 第11話 8/12:2009/11/16(月) 11:10:53 ID:rvDUfVsL
「無駄だ…亡霊達は、この程度では滅びぬよ」
グラーズが呪詛を呟き、また杖で地面を叩く。
周囲を漂っていたガスが再び集まり、魔物達の姿になる。
「な…そ、そんな…」
完全に再生した魔物達を見て、リィンは呆然としていた。
隙を見せたリィンに、クラゲ型の魔物から触手が延ばされる。
「くっ!?し、しまった…」
ロッドを持った腕を絡め取られ、リィンは呻く。
「うああああああああああああっ!!!」
魔物から放たれた電撃が、彼女の体を駆け巡る。
「うぅ…あぐぅ…」
電撃が止むと、リィンは苦しそうに膝をつく。
動けなくなった彼女の周囲を、魔物達が取り囲む。
「きゃああっ!」
伸ばされた無数の手や触手が、リィンの体を拘束する。
服を破り裂き、彼女の体を裸にしていく。
必死にもがくが、完全に取り囲まれ、動く事すらままならない。
体中に触手が巻き付き、無数の手がリィンの体を弄び始める。
「きゃうっ!!」
魔物の何体かが、媚薬をリィンに吐きかけた。
触手や手が、それを丹念に体に塗りつけていく。
「くぁぁぁ…やぁん!ひぅっ…」
リィンは頬を赤く染めて、声を上げる。
右胸は触手に巻きつかれ、搾乳するかの様に搾り上げられる。
左胸には魔物の手が伸ばさる。揉みまわされ、乳首を抓り上げられた。
「う、うぅぅぅっ!んやああああっ!」
魔物達は彼女の責めようと、様々な行動を取る。
手を蛙の様な魔物に咥えられ、魔物の口内で舐め回される。
もう片方の手にも、別の魔物の舌が伸ばされた。
舌が絡みつき、指を一本一本ゆっくりと舐められていく。
ブーツも溶かされ、素足にぬめぬめとした触手が巻きつき、締め上げていく。
「うあっ!!い、いやぁぁぁっ!!あうううぅぅぅっ!!」
全身を駆け巡る快感、そして無数の魔物に襲われる恐怖から、リィンが涙を流しながら叫ぶ。
「もっと恐怖しろ…己の犯した罪に…」
魔物の群に愛撫されるリィンへ、グラーズは陰鬱な声で言い放つ。
288魔法少女マユ 第11話 9/12:2009/11/16(月) 11:11:48 ID:rvDUfVsL
「マユちゃん!大変!リィンが魔族に襲われたみたい!」
両親と外出から帰ってきたマユが、部屋のドアを開けると、ユーリィが開口一番に叫ぶ。
「えぇっ!?…そ、それで大丈夫なの!?シャーナさんは?」
「分かんないの!…私じゃ破れない様な結界が張られてて、連絡も取れないの…
 シャーナさんは先に向かってるみたい…」
今にも泣き出しそうな様子で、ユーリィは語る。
「すぐ行かないと…」
マユは部屋の中に入り、首に下げたペンダントに手をかける。
「変身っ!!」
力強い声と共に、マユの体が光に包まれ、魔法少女のコスチュームを身に纏う。
「じゃあ行くよ?」
変身を終えたマユに、ユーリィが尋ねる。
「お願い、ユーリィ…大丈夫だとは思うけど…急ごう」
マユは頷いて答える。
ユーリィが転移魔法を使い、リィンと連絡が途絶えた付近に転移する。

「ここか…」
リィンから連絡が途絶えた場所には、ユーリィの言うとおり結界が張られていた。
シャーナの姿は無い…どうやら先に入ったようだ。
「結構強力な結界だね…これは確かにユーリィ一人じゃ難しいね…」
張られている結界に流れる魔力を読み取って、マユは剣を構えた。
「ちょっと下がってて…はぁぁっ!!」
ユーリィを下がらせると、マユは剣に魔力を込めて、一閃する。
結界に人一人通れるくらいの穴が出現した。
「行こう、ユーリィ…って、どうしたの?顔真っ青だよ…」
ユーリィは何かに怯えるように自分を抱きしめ、顔を青ざめさせて震えていた。
「……この気配、アイツだ…間違いない…」
マユの言葉が聞こえなかったのか、ユーリィはぶつぶつと独り言を呟きながら震えている。
結界を切り裂いた際に、感じ取れた中の存在に、ユーリィは気づいたのだ。
「ユーリィ!どうしたの!?」
「あっ…ゴ、ゴメン…マユちゃん…」
呼びかけられて、ようやく気がついたユーリィ。
「どうしたの…?ユーリィ」
「私…この中に居る魔族に心当たりが有るの…」
ユーリィの言葉に、マユもはっとした表情を浮かべる。
「まさか…私と会う前のパートナーが襲われたって言う…」
「うん…グラーズってヤツ…自分の事を『断罪者』って名乗る、恐ろしい魔族…」
マユと出会う2週間前…ユーリィとエルメリアから共に来た少女は、魔族に襲われ、敗れ去ったのだ。
激しい陵辱を行われ、少女は精神を壊されてしまう…ユーリィは捕まりかけたところで、少女が逃がした為助かった…
「…でも、行かなきゃ…リィン達が中でそんなヤツと戦ってるんだから。助けに行かないと!」
「う、うん…行こう!マユちゃん!」
まだ怯えた様子だが、マユの言葉にユーリィも頷く。
二人は結界の中へと入っていく。
(無事でいて…リィン、シャーナさん…!)
走りながらマユは、奥で戦っているはずの二人の無事を祈り続けた。
289魔法少女マユ 第11話 10/12:2009/11/16(月) 11:12:48 ID:rvDUfVsL
「ひくぅっ!ふぁぁぁっ!」
魔物達のリィンへの陵辱は、更に激しさを増しつつあった。
「んむぅぅぅっ!?」
口に触手が侵入し、口内を蹂躙していく。
顔には舌が伸び、舐めまわされた顔は唾液に塗れている。
幾度と無く白い液体を触手に吐きつけられ、リィンの髪や体は、白濁に染められていた。
太腿やお尻には手が伸ばされ、媚薬を塗りつけられ、揉みまわされる。
「はぁん…くふぅっ…」
小さなお尻を揉まれる度に、リィンは甘い声を漏らす。
秘所には触手が複数集まり、秘裂を擦ったり、クリトリスを圧迫していく。
「はううぅぅぅっ!!ら、らめぇっ!らめぇぇぇ!!」
股間に生じる、激しい快感に叫び声をあげて、体を震わせる。
「ひきゃあああああああああっ!!」
勃起したクリトリスを縛り引っ張られ、激しい快感がリィンを襲う。
「リィン!!」
陵辱されるリィンを眺めていたグラーズは、背後から発された声に振り向く。
「ほぅ…もう一人来たか…事前に聞いていた話では、あと一人居るはずだな」
「い、妹を…放しなさい!!」
グラーズから放たれる気配に圧倒されかけながらも、シャーナは叫ぶ。
「それは聞けぬ頼みだな…汝も妹同様、亡者達の供物となるがよい…」
「えっ…きゃあああっ!?」
背後から伸ばされた触手に、シャーナは体を絡め取られる。
いつの間にか、彼女の背後にローパーが姿を現していた。
グラーズの気配があまりに強く、弱い気配のローパーにまったく気付けなかったのだ。
リィンを襲っている輪に加われなかった魔物達が、シャーナを取り囲む。
「あうっ!きゃあっ!…や、やめてっ!」
魔物達がシャーナの体に液体を浴びせ、服を溶かしていく。
露わになった豊かな胸に、魔物手が伸ばされる。
大きな胸を掴むと、激しく揉み動かす。別の魔物の手が、乳首を圧迫する。
「ああっ…やぁん!…くぅ…」
悶えるシャーナの口に、複数の魔物の触手が挿入される。
「んぐぅっ!?」
触手は争うように口内を蹂躙し、上顎に体を擦り付けたり、喉の奥へと侵入したりした。
シャーナの体にも幾重にも触手が絡みつき、締め上げる。
「むぐううぅぅっ!!」
一匹魔物が屈んで、シャーナの股間へと顔を近づけた。
そして長い舌を伸ばし、彼女の膣口を舐めまわす。
「んああああああああっ!!」
体を弓なりに反らし、シャーナは快感に体を震わせる。
290魔法少女マユ 第11話 11/12:2009/11/16(月) 11:13:23 ID:rvDUfVsL
「あああああああああっ!!!」
リィンを犯していた魔物達が、挿入を開始した。
前後を挟まれ、膣とアナルに極太のペニスを挿入される。
そして、そのまま激しく前後から突かれ始めた。
「うぁっ!ああっ!!」
激しいピストンに体を揺らされながら、リィンは声を上げる。
「むごっ!?んんーーーーー!!」
口内に侵入していた触手も数を増し、喉の奥を突いていく。
取り囲む魔物達も、ペニスや触手をリィンの体に押し付け、擦り始める。
シャーナを襲っていた魔物達も、同様の行動を始めた。
「んぐうううううぅぅぅっ!?」
口に挿入されていた触手に加えて、魔物ペニスが挿入され、シャーナの顎が外れるかと思うほど開かれる。
背後から近づいた魔物が、ペニスをアナルに挿入する。
残された膣口には、触手が我先にと殺到してきた。
「んんんんんんんんっ!!」
(入らない!もう入らない!!やめてぇぇっ!!)
シャーナは叫びたかったが、口はペニスと触手に塞がれ、満足に声を出す事すら出来ない。
次々と触手が入り込み、膣壁を傷つけながら前後運動を繰り返す。
「んぶうううっ!あぐっ!?ぐげっ!!」
「あがああああっ!!むぐううっ!!」
二人とも激しく体を揺らされながら、苦痛に声を上げる。
「ぐえええええええええっ!!」
「んぐううううううぅぅっ!!あぎっ!ぶべっ!!」
逃れようともがくが、体は魔物の手や触手に抑えられ、自分の意志ではほとんど動かせない。
体には無数の舌も伸ばされ、体を愛撫される。
ピストンの速度が徐々に速くなっていく。
体を襲う、激しい快楽と苦痛に、二人の頭はショートしそうになる。
(助けて…マユちゃん、助けて!!)
リィンは必死に心中で叫ぶ。
魔物達が一斉にリィンに向けて射精を開始する。
「んあああああああああああああああああっ!!!」
膣と直腸に向けて、大量の精液が放たれる。
口からも大量の精液が胃に向けて放出された。
到底受け入れきれない精液が、結合部から血と混じって溢れ出す。
同時に、体に擦りつけられていたペニスや触手からも一斉に射精され、リィンの体は真っ白に染められる。
「えぐうううううううっ!!ぐげえええええええええっ!!」
少し間をおいて、シャーナを犯している魔物達も精液を放つ。
口から大量の精液が、触手と共に吐き出される。
妹同様、大量の精液を浴びせられ、シャーナも白く染め上げられた。
射精を終えた魔物達は、精液のプールに、二人の放り捨てる。
291魔法少女マユ 第11話 12/12:2009/11/16(月) 11:14:15 ID:rvDUfVsL

精液に塗れたリィン達は、身動き一つ出来ずに、精液のプールに倒れていた。
息も絶え絶えといった様子の二人を前に、魔物達が融合を始め、二つの黒い肉塊に姿を変える。
肉塊は再びリィンとシャーナを捕え、半ば取りこむように、手足を包み込んで拘束した。
そして、再び膣口とアナルに向けて触手を伸ばす。
「ひっ…」
「い、いやぁ…」
意識を取り戻したリィン達は、二穴に迫る無数の触手を見て、怯えながら首を横に振る。
「ククク…そうだ、もっと恐怖しろ…その恐怖こそが、私の何よりの喜びだ」
恐怖に心を染め上げられた二人の姿を見て、グラーズは愉快そうに笑い声を漏らす。
実際のところ、この魔物達は亡霊でもなんでもない。グラーズ自身の体の一部なのだ。
相対する敵の記憶を読み取り、その中に存在するかつて倒してきた魔物を、彼の体を使って形にして操っているのだ。
それを恐怖を煽る為に、亡霊と称しているのだ。
だが、効果は抜群だ。かつて自身が倒してきた魔物達に襲われ、大抵の者が冷静さを欠いてしまう。
そして、能力を出し切れずに、数で押し潰され、精神が壊れるほどの恐怖を与えられて、死んでいく。
その恐怖こそが、彼にとって最高の御馳走だった。
「うああああああああっ!!」
「ああああああああ!!!」
幾本もの触手を膣とアナルに挿入され、リィン達が苦痛に声を上げる。
肉塊から、魔物達の顔や手が現れ、二人の裸体を手で弄び、舌で舐め回す。
「やぁぁっ!舐めないでぇ!」
「もうやめて…お願い、お願いよぉ…」
リィンとシャーナは、恐怖に顔を歪め、必死に哀願する。
「フフフ…駄目だ。亡霊達の怨みはこの程度では治まらない…もっとだ、もっと恐怖しろ、苦しめ…そして、死ぬがいい」
陰鬱な声で笑いつつ、グラーズは哀願する二人に言い放つ。
「くあああああああああ!!」
「きゃあああああああああっ!!」
グラーズの言葉と共に、激しい放電がリィン達の体に放たれる。
放電が止むと、二人は力なく項垂れる。
それを許さないとばかりに、挿入された触手達が激しく動く。
「くぁっ!?あぐうううっ!!」
「ひぎっ!うあああっ!…や、やめ…ご、ごわれるっ!!」
更に触手を挿入され、激しく動かれた二人は、激しい苦痛に叫ぶ。
「ん…?もう一人近づいて来る者が居るな…」
グラーズは、接近する魔力に気付き、そちらへと振り向く。
この二人よりも、遥かに強い魔力だ。
「誰が来ようと…同じ事だ、絶望と恐怖を与えてやるとしよう…」
グラーズは周囲にはまたガスが放出されつつあった。
準備を整えながら、彼はその存在が来るのを待つ事にした。
292マユ作者:2009/11/16(月) 11:17:46 ID:rvDUfVsL
また分割間違えてしまった…しかも、注意書きも忘れちゃったorz
前半快楽系、後半苦痛系な輪姦ネタです…
今回はかなり長くなってしまいそうなので二回に分割しました。
後編はしばらく間をおいてから投下します。
魔族の方針について話がありましたが、基本連中は勝てれば良いって方針です。
そうでなきゃ、結界張って一方的に増援送り放題な状況は作らないかとw
リーファの末路と、前回言いましたが…まだ彼女の話は少し続きます。
それでは、また次回にお会いしましょう。
293名無しさん@ピンキー:2009/11/16(月) 16:25:36 ID:nIrg8h2R
>>289
GJ
恐怖で犯すのいいね。
294名無しさん@ピンキー:2009/11/16(月) 20:02:57 ID:gP2R3TCi
GJ
精液まみれになるの大好きです。
295名無しさん@ピンキー:2009/11/16(月) 20:55:29 ID:74iGOnw3
レドリックじゃないが、凄惨な目に遭いまくっている多くの同胞に比べて、リーファの境遇は今のところ生ぬるいなw
296名無しさん@ピンキー:2009/11/16(月) 21:11:11 ID:FOAvAiTQ
>>295
ホントにラディ、情が移ってそうなくらいだねw
しかし、本土での戦は順調に魔法少女側に負けフラグが立ってるな…
297名無しさん@ピンキー:2009/11/16(月) 21:29:53 ID:ec0yJloG
>>296
もうフラグ立てるってレベルじゃないようなw

あと、
【経済】 「脳に働きかけ、精神面の禁忌を取り除こうとする」 〜女性用の性欲高進剤 バイアグラ並みの“革命”か
http://tsushima.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1258345496/

妄想に現実が追いついてきたw
298名無しさん@ピンキー:2009/11/17(火) 08:35:25 ID:ZTkUn/VQ
>>297
地球の方のお城攻めなきゃ、勝ち目なさげだよな…w
299('・ω・`):2009/11/17(火) 11:07:20 ID:gx6+s2Rh
規制解除か・・・これでやっと投下できるお
昨日、他の作者さんが投下したばかりだというのにアレだとは思うのですが
いつ忍び寄ってくるかもしれない規制が恐ろしすぎるので投下できるうちに投下します。ごめんなさい。
300華と散る:2009/11/17(火) 11:09:25 ID:gx6+s2Rh

 モーヴとの戦いから、数日が過ぎた。
 あれから、炎堂寺翔子たちの周囲で、とくに変わったことは起きていない。
 そう、まるで嵐の前の静けさのように。
 あのライダースーツの魔族が言ったように、魔族全軍の侵攻が地球に迫る……その気配は、いまのところまったくといっていいほど、ない。魔族の出現もなく、ここ最近は平和なものだ。
 学校の屋上。
 昼休み。
 翔子は、転落防止用のフェンスを片手で掴みながら、青い空を見上げていた。それがどこか曇天のようにさえ思えるのは、翔子自身の心の様子を反映しているからだろうか。
「……不安よね……やっぱり」
 翔子といっしょに屋上に上がってきていた氷雨が、暗い雰囲気を漂わせながら言った。
「あの、モーヴとかいう魔族にだって、あたしたちはぜんぜんかなわなかった。だっていうのに、魔界にいる魔族すべてが攻めてくるだなんて……想像するだけで気がおかしくなりそうよ」
「……うん。それに、どれだけの数の魔族がいるのかも、魔界がどんなところなのかも、わたしたちは知らない……敵の情報が少なすぎる」
「プラーミアさんは、どう言っているの?」
「まずは本部にかけあって、魔族への警戒を強めるって。それと、この町に大規模な応援を要請しているらしい。ここが最初の戦場になる可能性があるから、って」
 この町が、戦場になる。プラーミアがそう危惧しているのは、魔族たちの憎悪が自分に向いていることを知っているからだ。
 魔族による被害は絶対に防がなければならないが、魔界と人間界を繋ぐゲートはどこに発生するのかわからない。
 へたに戦力を分散させて弱体化するよりは、少しでもゲートの開く可能性のある場所にイノセント・ナイツを集め、魔界の軍勢がやってきたと同時に全力で叩き潰す。
 それがプラーミアの考えだ。
 彼女は自分の立案した作戦を実行するために、寝る間も惜しんで駆けずり回っている。
「先生、せっかく休暇ができて、こっちに戻ってきたのに……」
「しかたがないわよ。あのオールバック野郎の言うことが本当なら、とんでもないことだもの。でも」
「うん?」
「本当に、くると思う? 魔界の魔族が、全軍で」
 氷雨はどこかためらうように言った。まるで自分の言葉を否定してほしいと望んでいるかのような。
 だが翔子は嘘をつくことなどできなかった。現実から逃げるのではなく、戦うために。
「あの魔族は、嘘をつくような奴じゃなかった。ちょっと出会っただけだけど、それは分かるんだ。できないことをできると言うような奴でもない。魔族を支配して、人間界を攻めると言ったなら、きっと本当にそうしてしまう」
「そっか。……そうよね……」
 うつむく、氷雨。
 翔子は金網をぎゅっと握り締めた。
301華と散る。第三話:2009/11/17(火) 11:10:24 ID:gx6+s2Rh
 視線の先には町がある。
 ここは、翔子の町だ。
 ここで生まれて、ここで育った。
 幼いころはよく公園で泥だらけになるまで遊んだ。
 商店街の八百屋のおじさんや魚屋のおばさんは、翔子が買い物に行くと愛想よく笑って、たくさんおまけをしてくれる。
 楽しい話をたくさん聞かせてくれた、小学校のときの校長先生。
 夕暮れに照らされながら歩いた、学校から自宅までの長い道。
 いままでに翔子の周りに集まった、たくさんの友達たち。
 父親と母親。
 大切なひとたち。
 大切な思い出。
 そのすべてが、この町には詰まっている。
 この町は炎堂寺翔子そのものだ。
「絶対に、壊させない」
 唇を引き締め、瞳に宿した炎をメラメラと燃え上がらせながら、翔子は言った。
 こくり、と、氷雨もうなずく。
「そうよね。……あたしも、この町を守る。イノセント・ナイツだからとか、そういうことじゃなくて、ここがあたしの町だから」
「ああ。がんばろう、氷雨」
 翔子と氷雨は向き合い、お互いの存在に無限大の頼もしさを感じながら、視線を交わした。
 そこに楓が突っ込んできた。
「きゃっほー! あたしもいるよー!」
 元気いっぱいの声。満面の笑顔で、翔子の胸に飛び込んでくる、楓。
 翔子はいきなりやってきた楓を受け止めながらも、戸惑ったように言った。
「かっ、楓……!?」
「うーん、ひさしぶりの翔子ちゃんエネルギー! はぅー、やっぱりこれがないと生きていけないよぅ」
 蕩けた表情で翔子の胸に頬ずりを繰り返す、楓。
 最初はただただ驚いていた翔子と氷雨だったが、やがて、気遣わしげに翔子が言った。
「楓。……その……もう大丈夫なのか?」
 ぴたりと、楓の動きが止まった。
302華と散る。第三話:2009/11/17(火) 11:11:05 ID:gx6+s2Rh
 モーヴから過酷すぎる陵辱を受けたあの夜から、すでに三日。イノセント・トレノこと楓は、ずっと学校を休み、自宅に引きこもっていた。その理由は体調不良ということになっているが、実際はそうではない。
 陵辱による傷は、プラーミアによってすべて癒されていた。
 問題となったのは、肉体ではなく、精神の傷。まだ十七歳の少女にとってはあまりにもむごい仕打ちが、楓の心をズタズタに引き裂いていたのだ。
 翔子や氷雨は、もちろん彼女の家に見舞いのために訪れていたのだが、楓が自室から出てくることはなかったし、翔子たちを招き入れることもなかった。
 楓は、翔子の胸に埋めていた顔を、ゆっくりと上げた。
 そこには、いまにも恐怖と絶望に押しつぶされそうな、少女の顔があった。
「正直に言うとね……いまでも怖いよ。すごく怖いの。あれから三日も経つけど、あの夜のことは、絶対に夢に見るの。そして悲鳴を上げながら飛び起きるの」
「楓……」
「でもね!」
 楓は翔子から離れながらも、その表情を満面の笑顔で染めた。
「いま、この町が大変なことになろうとしてる。それを、ただ部屋に引きこもって見過ごすことなんて、あたしにはできないよ。パパやママ、学校のみんな、それに翔子ちゃんや氷雨ちゃん。あたしの大切なひとたちがいるこの町を、魔族の好きにさせるなんて、できないよ!」
 楓の心は折れてなどいなかった。生来の天真爛漫な優しさを持つ彼女にとって、あの悪夢は、むしろより強くなって復活するための起爆剤となったのだ。
 あんな苦しみを、大切な家族や仲間にも味わわせるわけにはいかない。
 その純真で聖なる信念こそが、少女を地獄の苦悶から立ち上がらせたのだ。
「楓……」
「……ふん、ちょっとはおとなしくなるかと思ってたのにね。やっぱり楓はいつも通りか」
 瞳を潤ませる翔子。
 氷雨は憎まれ口を叩いてはいるものの、親友の復活に、こみ上げてくる嬉しさを隠しきれていない。
 翔子はいま新たに強く思った。
「勝とう、魔族に」
 このすばらしい友人たちに迫る災厄があるというなら、片っ端から叩き潰すまで。
「――絶対に勝つんだ。楓。氷雨。いっしょにがんばろう!」
「うん、うんっ! がんばろうね、翔子ちゃん! よーっし、燃えてきたぞおっ!」
「はいはい、まったく暑苦しいのよ、あんたたちは。……ま、それでこそっ、ってところよね」
 威勢よく拳を天に突き上げる楓と、クールに肩をすくめる氷雨。
 まったく性格のちがうふたりだが、翔子にとっては、なによりもかけがえのない親友たち。このふたりさえいれば、百万の魔族にも負けはしない。そんな勇気が湧いてくる。
 再び青い空を見上げる、翔子。
 先ほどと同じに見えるが、絶対にちがう。
 なぜなら、いまの翔子の心もまた、雲ひとつなく晴れ渡っているのだから。
303華と散る。第三話:2009/11/17(火) 11:11:47 ID:gx6+s2Rh



 翔子たちが学校の屋上でお互いの絆を深めているころ、プラーミアは、町の中心付近に建っているホテルの一室で、その表情を険しく歪めていた。
 純白のブラウスとブラウンのロングスカートに身を包んだプラーミアは、椅子に腰掛け、机の上にあるノートパソコンと向き合っている。
 ノートパソコンのディスプレイには、ひとりの男の胸から上の映像が映し出されていた。リアルタイムで映像と音声を伝え合っているのだ。
「――ええ。ですから、そう言っています。もはや一刻の猶予もありません。早急に、部隊をこちらに向かわせてください」
「しかしだねぇ……」
 身を前に乗り出すようにして言うプラーミアに対し、男はいかにもわざとらしく渋面を作っていた。
 男の年齢はおよそ四十代半ば。灰色の頭髪を丁寧に後ろへと撫で付けた、なかなか整った顔立ちの持ち主だ。黒い軍服のようなものを着ている。にやにやと厭味な笑みを浮かべてはいるものの、その眼光は鋭い。数多の戦場をくぐりぬけた軍人の風格がある。
 壮年の男の名を、ギルバート・ノイマンといった。
 イノセント・ナイツの上級幹部。組織が魔族と戦うための戦術の立案と、各地への魔法戦士たちの派遣の権限を司る、極めて重要な立場にある男だ。自身もまた魔法力十万を誇る、腕利きの魔法戦士でもある。
「プラーミアくん……きみの言いたいことはよく分かった。つまり、こういうことだね? 根拠はないが、正体不明の強力な魔族が、大軍を率いてこの世界に押し寄せようとしている。だから貴重な戦力をその辺鄙な島国によこせ、と。そういうことだね?」
「……ええ、そうです」
「できない相談だな。ただでさえ魔法戦士は数少ない。証拠もない妄言のために、そんなくだらん田舎へ送るなど、許されることではない」
 各地で戦う魔法戦士たちの数も質も足りていないというのは、残念ながら事実だ。しかし、そんなことよりもはるかに色濃く、ギルバートの瞳には、日本という国そのものを、そしてプラーミアを侮る色が満ちていた。
「だいたいその魔族の言葉の真偽も疑わしい。魔界を支配するだと……? はははっ、不可能だな。魔界には四十億もの魔族が存在するとされている。それらすべてを掌握するなど、夢物語だろう。ここだけの話、私は魔王とやらの実在とて信じてはいないのだ」
 実際には、五百億を超える数の魔族が、魔界には実在しているわけだが。
 人間が手に入れている魔界についての情報はあまりにも少なく、さらには大きく誤っていた。
 だがその誤解こそが人間を助けている部分もある。
 五百億もの悪鬼の軍団と、単騎にてそれらを支配する王者の存在。それらを知ってしまったなら、人間の戦意など簡単に挫かれてしまうのだろうから。
「とにかく、増援の派遣は認められないな。……勘違いしないでくれたまえよ? 私とて七大魔法戦士のひとりであるきみの頼みごとには喜んで協力したいのだ。だが、ねぇ? 確たる証拠もない言葉に右往左往させられては、組織というものは成り立たんのだ」
 小ばかにするような笑み。
 プラーミアは太ももの上に置いた拳を握り締めた。悔しさのあまり下唇を噛む。
(……いい加減なことを! どうせいつものように、私のことが気に入らないだけでしょう……!)
 ギルバートがプラーミアに対して非協力的なのは、昔からのことだったのだ。
 プラーミアは魔法戦士としての才能を早くから開花させ、いくつもの戦地で多大な功績をあげてきた。若くして七大魔法戦士のひとりに数えられ、その慈愛にあふれる性格から多くの人間と交友関係を築き、無限大の信頼と影響力を得てきたのだ。
 それをこころよく思っていない一派が、イノセント・ナイツには存在していた。
 ギルバートは、そうした連中のなかでも、とくに露骨な態度を表している。
304華と散る。第三話:2009/11/17(火) 11:12:18 ID:gx6+s2Rh
 現場の人間があまりにも力を持ちすぎては、組織としての連携がおぼつかなくなってしまう。絶対的であるべきなのは、後方から命令を下す司令官。それがギルバートの持論だった。
 それそのものは間違っていないと、プラーミアは思う。現場の人間には現場の人間なりの考えがあるように、幹部には幹部の考えがあるものだ。
 だが、それがまさか、こんな大事な場面で牙を剥いてこようとは。
 最強クラスの魔法戦士であるプラーミアといえども、ギルバートが下した決定に逆らうことはまず許されない。
 イノセント・ナイツ……その規模はとてつもなく大きく、歴史は古い。
 千年以上も昔に結成され、人類の歴史の裏側でひたすらに魔族と戦い続けてきた、世界最大級の魔法結社。
 通常の軍隊が持つ兵器などでは太刀打ちできない魔族に対し、古今東西の国家はイノセント・ナイツに頼り続けてきた。常識を超える能力を操る魔族に対抗できるのは、魔族と同様の異能を持つ魔法戦士だけだからだ。
 けっして一般人にはその存在を知られることなく、ひっそりと、秘密に、それでいて絶対的に、イノセント・ナイツは活動し続けてきた。
 そのトップに近い地位に立つギルバートの財力、発言力、影響力は、闇社会において、大国の首脳と同等以上のものを誇っている。
 戦闘能力には優れていても、政治力を持たないプラーミアにとって、ある意味では魔族などよりも厄介な相手といえた。
 それでも、あきらめるわけにはいかない。自分たちだけではあの強大な魔族に対抗することはできないのだから。
「待ってください。無茶は承知していますが、それでも……」
「しつこいねぇ、きみも。私はこれでも忙しい身の上だ。いまから大事な会議がある。悪いが、通信はここまでにさせてもらうよ」
「そんなっ、待っ――」
「以上だ。おっとその前に、ひとつアドバイスさせてもらうとしよう。他人の助けばかり求めずに、少しは自分の力で問題を解決しようと努力してみてはいかがかね? 《聖炎》のプラーミアくん。はっはっはっ!」
 高笑いと共に、映像と音声が消えた。通信が一方的に切断されたのだ。
 静寂。
 プラーミアは、強く歯軋りをした。

305華と散る。第三話:2009/11/17(火) 11:12:51 ID:gx6+s2Rh


「まったく困ったものだ、あの女にも」
 ギルバートはあざ笑う表情をそのままに、手元に置いていたノートパソコンを閉じた。
 彼がいまいるのは、欧州の大都市の、高層ビルのひとつだ。表向きは大手企業のオフィスとして知られているこの建物だが、実態はイノセント・ナイツの保有する支部のひとつだった。
 広大な会議室。丸いドーナツ状の机。十五人ほどの壮年の男たちが、椅子に腰掛けている。いずれもギルバートと同じく漆黒の軍服を着用している。イノセント・ナイツの上級幹部たちだ。
 彼らは一様に笑い声を上げ、呆れたような表情を浮かべていた。
「これだから女はいかん」
「おだてられてすっかり指導者気取りか? くだらんな」
「しょせんは女だ。組織の運営というものを知らん」
「左様。つくづく困ったものだ……現実を知らなさすぎる。夢を見るのもいいかげんにしてほしいな」
「甘ったれているのだよ。少しばかり実力があるからといって、過信しているのだ」
「はっはっはっ……まあまあ、いいではありませんか。女子供のやることです、笑って許してやるのが大人というもの……」
「ですなぁ、がっはっはっ!」
 イノセント・ナイツの実質的な支配者、すべての決定権を握っている、彼ら。
 この場に、イノセント・プラーミアの味方は、ただのひとりもいないのだ。
 ギルバートは満足そうに笑った。
「まっ、諸君らも知っての通り、最近のプラーミアの行動には目に余るものがある。戦いすぎで頭がおかしくなっているのかもな。野蛮な現場の人間にはありがちなことだ。そういうわけだから、間違っても日本に増援など送らんよう、気をつけてくれたまえ」
「分かっているとも、ギルバート。組織のためには個人の勝手な行動など許されん。近いうちに、イノセント・プラーミアには謹慎を申し付けておくとしよう」
「それよりも、奴を中東の激戦地にでも送ってやったらどうなのかね? あわよくば、かつてのフェアラートのように……」
「おっと、なにを言っているのかね? われわれはあくまでも魔族の根絶と人類の平和を願う仲間なのだ。そんな、イノセント・プラーミアの死を願うようなことを言うのはやめておいたほうがいい」
「それに、イノセント・フェアラートの死については、ただの事故……そう、あれはただの不幸な事故、いや、名誉の戦死だったのですぞ。ぐふふふふっ」
「そうだな。だが……くっくっく! ちょうど中東の戦線では兵力が足りていないところだったのだ。ここはひとつ、《聖炎》の実力を見せていただくというのもいいかもしれんなあ?」
 悪意に満ちた会話が弾む。
 彼らの目にあるのは、平和を望む気高い精神などではない。自分の保身と私服を肥やすことだけを考えている、濁った色だけだ。
 ギルバートは自分の願うとおりに状況が運んでいることに満足して、椅子に深く背をあずけた。そのリラックスしていた表情が、不意に険しく歪む。
「痛ッ!?」
 股間に走った激痛に、ギルバートは小さく悲鳴を上げたのだった。
 憤怒で燃え滾る双眸が、机の下にもぐりこんでいる少女を睨み付ける。
306華と散る。第三話:2009/11/17(火) 11:14:57 ID:gx6+s2Rh
 その少女は、なにひとつとして衣服を身に着けておらず、素っ裸のまま、ギルバートの足元にひざまずき、彼の股間に顔を埋めていたのだ。そしてズボンの開いたチャックから露出している彼のペニスをほお張り、舐め清めて奉仕していたのだ。
 金髪の美少女はずっとフェラチオしていたのだが、ギルバートがいきなり動いたため、歯が彼の肉棒に当たってしまったのだろう。
「貴様……いい度胸だな」
 冷酷なことで知られるギルバートの視線を受けて、少女は顔を蒼白にして震え上がった。
「も、もうしわけありません……!」
「ふん! 普通ならその歯をすべてへし折ってやるところだが……いまの私は気分がいい。これで許してやる」
 ギルバートはそう言うと、机の下に両手を回し、少女の頭を掴むと、自慢のペニスを思い切りくわえ込ませた。
「むごおおおおっ!?」
 少女の喉の奥をペニスの先端が抉る。
 あくまでも自分は動かず、少女の頭を揺さぶることによって繰り返す、強烈なピストン運動。
 目を剥き、涙を流しながら、オナホールにされる屈辱と苦悶を耐え忍ぶ、少女。
「おごっごっ、むごおおおおおおっ!」
「ふんっ、ふんっ! なかなか使い心地がいいな、貴様!」
 再び機嫌をよくした様子のギルバートだったが、イラマチオの手を休めることはない。
「感謝しろよ。魔法力が二千しかないクズの貴様でも、こうして私のような選ばれし者の役に立てるのだ!」
 少女の正体は、イノセント・ナイツの一員である魔法戦士だ。だが、魔法力が二千程度しかないという弱さのため、なんの役にも立たない劣等戦士としての烙印を押され、こうして上級幹部の性欲処理道具となることによって、ようやく居場所を得ているのだ。
 ただしそれも、少女のように、外見が優れている者のみの特権だ。
 多くの者は、いざ大規模な戦闘となった場合には、真っ先に戦線へと投入され、その生命を儚く散らす、哀れな尖兵である。
 よく見れば、ギルバート以外の上級幹部たちの足元にも同様に、見目麗しい少女たちがひざまずいていて、一生懸命に奉仕し続けていた。虚ろな色を浮かべた瞳から、悲しげに涙を流しながら。
「私の高貴な精液をくれてやる。ありがたく飲め! そらっ!」
 ギルバートの股間から、熱い白濁汁が一気に迸った。
「ぬぐうううううっ!?」
 喉から食道にかけて、溶かした鉛を注ぎ込まれるような衝撃。少女の背筋はビクビクと震え、体は内部へと侵入した異物を吐き出そうと動くが、彼女はそれを懸命にこらえた。
「そうだ。一滴たりともこぼすなよ。……おっと、まだ飲み込むな。いま、いいものをくれてやる。口を開け」
307華と散る。第三話:2009/11/17(火) 11:16:07 ID:gx6+s2Rh
 言われたとおりに口を開く、少女。その口内は白濁とした青臭い汁に蹂躙されていた。
 そしてギルバートは、なにを思ったのか、天を向いた。
「カーッ」
 水もなしにうがいをするような、その音。
 なにをされるのか理解した少女の瞳に、絶望が広がった。首をわずかに横に振る。まさかそこまではしないだろうという根拠のない希望。この男なら絶対にやるという、根拠のある絶望。それらが同時に少女の胸中で踊り狂う。
 無情にも、それは実行されてしまった。
「ペッ!」
 ギルバートの口から勢いよく飛んだ痰の塊が、少女の口内へと着弾した。
「くっくっくっ……精液といっしょに、よく味わって飲み込めよ」
「ぅ……あ、ぁ……」
「おい、返事はどうした? 感謝の言葉が聞こえんなァ?」
 にやにやと笑い続ける、ギルバート。
 少女は、体全体を震わせ、嗚咽を漏らしながら、口の中の痰と精液を噛んで、そして飲み込んだ。ギルバートの怒りを誘わぬよう、ゆっくりと味わうように。
 彼女を襲っている屈辱と絶望は、どれほどのものなのか。たとえそれがどれほどのものだったとしても、彼女はギルバートに屈服するしかないのだ。
 もしもギルバートに逆らえば、いままでに動画や写真として保存されてきた惨めすぎる痴態が、全世界に向けて公開されてしまう。
 だから彼女は、土下座し、犬のような姿勢で、惨めすぎる感謝を告げるしかないのだ。
「ありがとうございます、ギルバートさま……わたしのような卑しい身分の者にはもったいないものを賜り、感謝の気持ちでいっぱいです……これからも、どうか末永く、わたしをあなたさまの精液便所としてお使いください……」
「くっくっく! そうだ、それでいい。主人への忠誠と感謝を忘れるな。おまえのような生まれつき劣った者には、奉仕して従属するべき存在が必要なのだ。私のように、偉大で、高貴な、生まれつき優れた支配者の存在がな! はっはっはーっ!」
 高笑いを上げる、ギルバート。
 彼の周囲でも、上級幹部たちがそれぞれの足元にいる少女の体をいいように使い、好き勝手に性欲を処理している。
 ――どのような組織だろうと、あまりにも長く続けていれば、その内部では、まず避けようのない澱みが発生するものだ。
 長大な河川の底に、少しずつゴミがたまり、その澄んでいた流れが汚れていくように。
 箱に詰め込まれた蜜柑の山の、たったひとつが腐っていただけで、やがてすべての蜜柑が腐るように。
 イノセント・ナイツの上層部は、すでに腐りきり、甘く爛れた破滅の腐臭を漂わせていた。


308華と散る。第三話:2009/11/17(火) 11:16:50 ID:gx6+s2Rh

 イノセント・トレノは、大きく深呼吸したあと、引き絞っていた矢を解き放った。
 電光の速度で飛翔した矢が、空気を切り裂き、はるかかなたの獲物へと命中する。
 二足歩行する狼のような化け物は、凄絶な悲鳴を上げて、矢が突き刺さった胸を掻き毟ると、その場に倒れて絶命した。
「ふぅ……これで、五匹目かぁ。そろそろ終わりかな……?」
 ため息まじりに呟く。その表情には疲労の色が濃い。いかに魔法戦士とて、五体もの魔族を相手に必中の矢を放たなければならないとあっては、そのために要する精神力は尋常なものではないのだ。
 いま、トレノは、この町でもっとも背の高いビルの屋上にいる。そして四方を囲むフェンスの上に立ち、眼下の町に潜んでいる魔族どもを狙い撃ちにしているのだ。
 たとえ魔族が木々の陰に隠れていても、ビルとビルの隙間に入り込んでいても、トレノの弓矢は百発百中だった。
 だが、長く続けていれば身も心も疲弊し、腕の冴えは鈍り、衰えていく。
 視界が著しく悪化する夜間だということも、射手であるトレノにとって災いしていた。
 突如として魔族が大量発生したのが、今夜の二十三時ごろのことだ。町のいたるところから出現し、バラバラに動き回る魔族たちに対抗し、素早く排除するために、フラムたちイノセント・ナイツもまた戦力を分散させなければならなくなっていた。
 ひとりで魔族と相対することに、トレノはどうしようもなく不安を抱えた。
 無理もない。モーヴによってあれだけの暴虐をし尽くされた彼女に、魔族に対する恐怖心が残らないはずはないのだ。昼間はフラムたちの手前、気丈に振舞ってみせたが、実際は、いまでも心がくじけてしまいそうなのだ。
「でも、あたしがやらなくちゃ……」
 そう呟いて、周囲を見渡す。
 また新たな魔族を見つけた。八本の脚を持つ、蜘蛛のような外見。ビルの壁面に張り付いて、下の通りを歩く人間を狙っている。
「させないもん!」
 トレノは熟練した動きで弓矢を構えると、すぐさま矢を放った。
 音速で飛翔した矢の先端が、蜘蛛のような魔族を貫き、命を奪う。
「……よっし!」
 小さくガッツポーズ。
(怖くなんてない……怖くなんてない! あたしでも、がんばれば勝てるんだ……!)
 たとえひとつひとつは取るに足らないような勝利でも、積み重ねることで、大きな自信の根拠となる。
 魔人モーヴに敗北した傷跡を、トレノは着実に癒そうとしていた。
「なかなかの弓の腕ですね」
 その瞬間、トレノの背後から吹き付けた風は、死を呼ぶ香りを孕んでいた。
 ぎくしゃくとした動きで、トレノは、声が聞こえたほうへと振り向いた。
 知らない女が立っていた。
 かなり、いや、とても背が高い。百九十センチはあるだろう。プラーミアに匹敵するほどの傾国の美女。足首まで届くほど伸ばした頭髪をポニーテールの形に纏めている。なんの冗談なのか、メイド服を着ていた。
 長身の女は、眼鏡の奥の瞳に冷徹な光を灯し、トレノを見据えている。
(人間の目じゃない)
 震えるあまり、トレノの歯がカチカチと鳴った。女の――古森家メイド長、根小島花蓮の瞳は、それほどまでに冷たく、怖気もふるうほどの静謐さを秘めていて、人間味のかけらもなかった。
309華と散る。第三話:2009/11/17(火) 11:17:24 ID:gx6+s2Rh
 感情のない表情と声で、花蓮は言う。
「私の名は花蓮。――現役のイノセント・ナイツの戦闘力がいかほどのものか、とくと拝見させていただきます」
「ひ、……ひぃぃぃいいっ!」
 トレノは無我夢中で弓矢を構えていた。
 花蓮の全身から放たれる、圧倒的な強者のオーラ。そして膨大な魔力。いずれも、あのモーヴですら足元にも及ばない。それを、魔法戦士トレノは一瞬にして悟ったのだ。
 百発百中、一撃必殺の矢が、二秒の時間すらかけずに放たれた。
 それでは、遅すぎた。
 必殺のはずの電光矢は、花蓮の胸に命中する寸前でその動きを止めていた。根小島花蓮の、片手によって、しっかりと掴まれて。
 けっして表情を動かさず、鉄面皮のまま、花蓮は言う。
「この程度ですか。……貧弱すぎる。あなたには失望しました」
 半ばほどでへし折られた矢が、宙を舞った。トレノの矢の重さは見かけ通りのものでしかないが、その強度はチタン合金をもはるかに上回る。それをシャープペンシルの芯のように破壊する花蓮の握力、明らかにこの世のものではない。
 花蓮の姿が、かき消える。
「ひっ」
 息を呑む、トレノ。
 どこだ? あの女はどこに消えた? 混乱しながら周囲を見回す。
 そのとき、トレノが跳躍することができたのは、奇跡というしかない。彼女の内部に秘められていた生存本能が、ほんのわずかにその能力を発揮したのかもしれなかった。
 ごうっ、と、魔風が吹き荒れた。
 トレノがいままで立っていたフェンスが、大きな破砕の音と共に、紙くずのようにひきちぎられて細かな金属片と化す。
 そこに姿を現した花蓮。その手には果たしてどのようにして出現させたのか、一振りの長大な武器が握られていた。
 その武器は槍のようにも見えるが、矛先の横に斧のような刃と、その反対側には湾曲した鉤爪のようなものが付いている。
 中世のヨーロッパで開発され、使用された武器、ハルバードだ。柄の部分まですべてが金属製。白く輝き、全体に見事な装飾が施されている。
「……無様ではありますが、よくしのいだものです。点数をつけるなら十五点といったところですね」
 ゆっくりとトレノのほうを振り返りながら、花蓮は言った。斧の部分から床に突き刺さっていたハルバードが、持ち上がる。足元に広がった亀裂と、あたりに散らばった破片の数が、花蓮の攻撃の威力の凄まじさを物語っている。
「終わりにしましょうか」
 簡潔に言って、花蓮はハルバードを持ち上げ、片手の動きのみによって頭上で回転させた。ぐぉん、という、重苦しい音が響く。
 一般的なハルバードというと、その重量は二キログラムから四キログラムほどだが、花蓮の得物は特注品だ。超重合金を鍛え上げた凶器の重さは百キログラムを超えている。
 そんなものが、目にもとまらぬスピードで直撃したなら、人体はどうなってしまうのか。
 あのハルバードにたとえ刃など付いていなかったとしても、トレノの肉体は木っ端微塵になって吹き飛ぶだろう。
「ぅ、あ、い、いや、いやぁ……こないで、こないでぇっ……あ、あたし死にたくない、死にたくないよおっ、やだっ、やだやだああっ……!」
 顔面を蒼白にして、トレノはうしろに下がった。よろよろとした動き。涙を流し、首を激しく横に振り、完全に戦意を喪失している。先ほど少しだけ回復していた自信など、あまりにも強大すぎる敵の前では、風前の灯でしかなかったのだ。
 花蓮は、道ばたの石ころを見る目つきで言った。
「散り際の言葉は簡単にしておきなさい。命乞いなど、戦士のすることではありません」
 冷たい言葉と共に、花蓮の身が深く沈みこむ。突進の体勢。
 そこに、声がかかった。
「そうじゃないでしょ、花蓮」
 ブレザーの制服を着た小柄な少年。秋人だ。屋上に突如として姿を現した。
310華と散る。第三話:2009/11/17(火) 11:18:35 ID:gx6+s2Rh
 いまにも突撃しようとしていた体勢に入っていた花蓮だったが、秋人の声が聞こえると、すぐさま直立不動の姿勢をとった。
「秋人さま……」
「……生け捕りにしろ、って言ったでしょ。花蓮。どうして殺そうとしたの?」
「も、もうしわけません。久しぶりの実戦で、つい……」
 陰鬱な表情で、自分よりもはるかに大柄な花蓮を軽く睨む、秋人。
 花蓮はすっかり畏縮していて、その姿が小さく見えるほどだ。
 が、秋人はそれほど怒ってはいないのか、やがてため息をつきながら言った。
「意外とそそっかしいところがあるよね、花蓮も」
「……そ、そんな……!」
 顔を真っ赤に染める、花蓮。主人の前で恥をかいたと感じたのか。その羞恥のためか、声は震えていた。
「まあ、わざとでないなら、いいよ、べつに」
「はい……ありがとうございます。二度と、勝手なまねはいたしません……」
 深く頭を下げる、花蓮。
 そして秋人とトレノは向かい合う。
 トレノは困惑した様子で、秋人を見ていた。
「……その制服……うちの学校の!?」
「まあね。――悪いけど、きみの身柄は預からせてもらうよ。そのために町中に下級魔族を放ったんだ」
 愕然とする、トレノ。最初から魔族の狙いは自分だったというのか。自分を孤立させ、狙いやすくするために、町中に魔族を解き放ち、イノセント・ナイツの戦力を分散させたというのか。
「ど、どうして、あたしを」
「ん? ……ああ、いや、べつに、だれでもよかったんだ。孤立した魔法戦士たちのなかで、誰よりも弱くて捕まえやすそうなのがきみだった。それだけさ」
 ごく簡単にそう言って、秋人はトレノに向かって手をかざした。
「ひっ――!」
 攻撃される! そう思ったトレノは、戦士としてはあるまじきことだが、反射的に目を瞑り、身を硬くしてしまう。
 だが、直後に到来するかと思われた痛みも衝撃も、なにもなかった。
 不思議に思って、恐る恐る、目を開けてみる。
「えっ?」
 ぽかんと口を開け、間抜けな声を出してしまったのも、無理はない。
 目の前にいた秋人が、いきなり巨大化していた。その横にいる花蓮も。いや、それだけではなく、トレノの周囲の風景、ありとあらゆるすべてのものが、途方もなく大きく変化していたのだ。
 トレノからしてみれば身長五十メートル以上の巨人と化した秋人を、彼女は呆然とした表情で見上げた。
「なんで、大きくなってるの……?」
「いや、逆だよ。周りが大きくなったんじゃない……きみが小さくなったのさ」
 ただでさえ小柄だったトレノの身長、現在、十センチもない。
 秋人は、ゆっくりとトレノに手を伸ばしてきた。
 抵抗したところで、抗えるはずもない。弓矢を構える暇すらなく、トレノは呆気なく捕まえられてしまったのだ。
311華と散る。第三話:2009/11/17(火) 11:19:08 ID:gx6+s2Rh
「い、いや……はなしてっ、はなしてよおっ!」
 巨大な手に掴まれる。それは先日のあの悪夢とそっくりな状況。トレノは半狂乱の状態に陥ってしまって、もはやこの窮地に冷静に対処できる精神状態ではなくなっていた。
 それに対し、秋人の態度は冷ややかなものだ。
「これが僕の能力だ。どんなものでも小さくする。……敵を生け捕りにするには、もってこいの能力だよ」
 ポケットから取り出した小さな空き瓶にトレノを放り込み、コルクで蓋をしてしまう。
 トレノは表情を絶望で染め上げ、両手で透明なガラスの檻を叩き続けた。
「いやだよっ、いやああああっ! 出してっ、ここから出して! だれか助けてえっ!」
「無駄だよ。きみのお仲間は下級魔族たちの相手で忙しい。誰も助けにはこない。それと、忠告しておくけど、魔法は使わないほうがいい。そのガラスは魔法を反射するように作られてる。自分の攻撃で死にたくなければ、おとなしくしておくことだね」
 その言葉が本当に、トレノの抵抗にとどめをさした。
 コルクには通気用の穴が空いているので酸欠になることはなさそうだが、いくら小さくなったからといってトレノが通れるような穴ではない。
「どうして、こんな……うぁあああっ……」
 泣き崩れる、イノセント・トレノ。
 その悲痛な声を聞き届ける者は、誰もいない。――すべてが秋人の予定通りにいったならば。
 静かに、端的に、花蓮が言った。
「秋人さま。魔法戦士たちのうちのひとりが、こちらに接近しているようです」
「……へえ。ひとりにつき五体は当たらせたはずだけど。もう片付けたのか。すごいな」
「とるにたらない雑兵です。ですが念のため、秋人さまはご帰還を。ここは私にお任せください」
「うん……わかった。花蓮、気をつけてね」
「もったいなきお言葉」
「うっかり相手を殺さないように、ってことだよ」
「……き、肝に銘じておきます……」
 空間が大きく歪む。秋人はその歪みを恐れるでもなく平然として進み、そしてその姿がこの場から完全に消えると共に、燃え盛る炎が降臨した。
 はるか遠方から、ビルの屋上から屋上へと、常軌を逸した速度で飛び移ってきた火炎の正体。
 花蓮は鉄面皮をそのままに、淡々とした口調で言った。
「久しぶりですね、プラーミア。相変わらず騒々しいこと」
「……師匠ッ!? どうして……なぜ生きて……どうしてここにっ!?」
 混乱した様子の、プラーミア。両手に構えた双剣が、主人の動揺を反映したように震えていた。
 花蓮は、静謐な冷静さを保っている。
「どうして? 私が生きていることがそんなに不思議ですか?」
「あなたは中東の戦線で亡くなったはず……!」
「……ええ、そうよ。私はあの戦場で朽ち果てた。愚かな魔法戦士としての私はね。でも生まれ変わったの。新しい、真の主人を得て……私は本当の自分というものを知ったのよ」
 花蓮は自分の胸に手を当てて、どこかうっとりとしたように語った。
 プラーミアの表情が、険しさを帯びる。
「イノセント・ナイツを裏切って、魔族の手下に成り下がることが、あなたの望みだったのですか」
「あら、分かるのですか?」
「……その邪気! 魔に染まった気配ッ! 冥府魔道に堕ちた者、そのもの!」
 プラーミアの双剣、その右手に握ったほうが、花蓮に切っ先を向けた。震えは消えている。
312華と散る。第三話:2009/11/17(火) 11:20:14 ID:gx6+s2Rh
 花蓮は、くすり、と、わずかだが穏やかに微笑した。
「染まった? いいえ、ちがいます。これが私の本当の姿ですよ。イノセント・ナイツにいたころの私は、自分を偽っていました。自分の本心をごまかして、無理をして戦っていた……」
 花蓮。いや、かつてプラーミアが師事した偉大なる魔法戦士、イノセント・フェアラート。
 そのあまりにも凄絶すぎる魔力と身体能力、卓越した技術の冴えから、史上最強の魔法戦士として称えられ、数え切れない戦場で、人間に勝利をもたらしてきた。
 彼女が持つハルバードが閃けば、山塊ですら真っ二つに断ち割れる。先祖から神や竜の血を受け継いでいる。魔法力二百万の怪物と決闘をして倒した。そんな噂がまことしやかに囁かれるほどの強さを、花蓮は誇っていたのだ。
 当然、花蓮に集まる信頼や注目は並大抵のものではなく、いまのプラーミアでさえ、当時の花蓮の影響力には遠く及ばない。
 だが、そんな最強の魔法戦士が、あるとき、あっけなくその命を散らした。
 場所は中東。もっとも魔族の出現が激しく、その強さも尋常ではない、人間界最悪の最前線。そこで陣頭に立って戦っていたという花蓮が倒れ、同時に、彼女と共に戦っていた魔法戦士たちも全滅したのだという。プラーミアは遠く離れた異国の地で、それを聞いた。
 死を偽ってまで、人間を裏切ったというのか。
「なぜ、裏切ったのですか、師匠……」
「嫌気がさしたのですよ。見ず知らずの人間のために死に物狂いで戦うなど、馬鹿らしくなったのです。……あのころに比べて、いまは充実していますよ。私は私の主人のためだけに生きて働いている。本当に満足しています。あなたはどうですか?」
「どういう意味ですか」
「楽しいですか? 腐りきったイノセント・ナイツの上層部に虐げられながら、それでも盲目のように戦い続けるのは。――魔族は素敵ですよ、プラーミア。完璧な実力主義はじつに心地よいものです。強くあれば、ただそれだけで、居場所がある」
 ハルバードが持ち上がる。低く腰を落とす、花蓮。その唇が、ぽつりと言葉を漏らした。
「あそこには私の居場所などなかった。……理由といえば、それが理由です」
 直後、プラーミアは後ろへと大きく飛び退いていた。
 ほんの寸前まで彼女が立っていたところを、縦に弧を描いて落ちたハルバードが、轟音を上げて粉砕する。
 魔性の素早さでプラーミアを追撃する、花蓮。
 それを迎え撃とうと、プラーミアの全身から、轟然と燃える炎のオーラが噴きあがった。
313('・ω・`):2009/11/17(火) 11:27:45 ID:gx6+s2Rh
なんとか投下完了しますた
今回はちょっと短め。
プロローグが終わらない。

腐りきった首脳陣とか書いてて面白いですね。
もっとどんどん魔法少女側を落とし穴にぶち落として、じわじわと真綿で首を締め上げるようにしていたぶっていきたいです。
314名無しさん@ピンキー:2009/11/17(火) 14:03:30 ID:C1rn8yxt
>>313
乙です!
腐りきった上層部ほど厄介なものは無いな…
そして、気がつけば400間近、今回も駆け抜けてるなw
315名無しさん@ピンキー:2009/11/17(火) 14:13:28 ID:9Aqs3oiv
>>306
瓶詰魔法少女GJ
腐った上層部いいね。
机の下でフェラさせるのは、男のロマンだよ。
316名無しさん@ピンキー:2009/11/17(火) 19:46:17 ID:2G+UtTh0
読ませる世界観です。乙乙ー
317名無しさん@ピンキー:2009/11/18(水) 12:57:09 ID:u1VIccU0
>>313
GJ
華と散る。は魔法戦士も魔族もイノセント・ナイツの上層部も自分たちの「居場所」を守るための戦いをする物語だと思った。
318杏の人:2009/11/18(水) 15:53:22 ID:n09mHU2g
どうも、杏の人です。
今回は「魔法少女の涙」最終話 共通5レス、END3レス、BAD END13レスの投下させて頂きます
陵辱シーンはBAD ENDの2〜13レス目になります。
今回は注意点として、
・前半一部快楽系、それ以外は苦痛系
・かなりハードで暴力的・破壊的な表現
があります。ご注意ください
それでは、次レスから投下です。
319魔法少女の涙 最終話 登場人物紹介:2009/11/18(水) 15:53:48 ID:n09mHU2g
・リム(鈴木リム)
12歳 金髪のロングヘアー 身長145cm
称号:涙
コスチューム:ブルーを基調にしたスカートとジャケットにブーツ、グローブ 全体的にフリフリがついていて、子供っぽい
武器:エレメント(さまざまな形に変形可能な攻撃媒体)
魔物を倒すために日本に派遣されてきた魔法少女
小さいころに両親を亡くして、孤児院育ち。
シーナと共に中学校に通い、美術部に所属。
隆志と付き合い、キスを交わした。
シーナと命が犯されている画像が携帯メールで送られてきた。

・シーナ(鈴木シーナ)
13歳 青髪で肩までのセミロングヘアー 慎重143cm
称号:烈火
コスチューム:地味なグレーのワンピース型ローブ
武器:背丈ほどの長さの杖
リムと共に日本に派遣されてきた魔法少女
仁のことが気になっている。
蔦の魔物に陵辱された

・高崎命
12歳 黒髪のショートヘアー 身長150cm
コスチューム:全身黒の、へそが出ているピッチリとした上着にスカート、スパッツ
リムとシーナの同級生で友達。大人しく、自己主張が弱い性格。
魔物に襲われた際、リムの魔力を受け取って魔法少女になる。
和博と少しいい感じ。
スライムの魔物に陵辱された

・セリナ
17歳 緑髪でウェーブのかかったセミロングヘアー 身長157cm
リムとシーナの上司であり、サポート役。

・杉浦隆志(すぎうら たかし)
12歳 黒髪で短髪 身長173cm
リム達と同じ班の男子で、剣道部所属。
少し内気だが、優しい少年。リムのことが好き。
リムと付き合い、キスを交わす

・瀬尾和博(せお かずひろ)
12歳 少し茶髪の長髪 身長160cm
リム達と同じ班の男子で、サッカー部所属。
下ネタを好む、少しチャラチャラした少年。命のことが好き。

・高砂仁(たかさご じん)
12歳 黒髪のスポーツ刈り 身長163cm
リム達と同じ班の男子で、野球部所属。
古臭い、硬派なスポーツ少年。シーナのことが好き。

・高田夕実(たかだ ゆみ)
12歳 茶色がかった黒髪のサイドテール 身長158cm
命と同じ班の女子で、リム達とも仲がいい。美術部幽霊部員。
ノリのいい性格で、恋愛ごとなどに興味津々。情報通。
魔物に陵辱されてしまう。

・千葉良子(ちば りょうこ)
12歳 黒髪セミロング 身長165cm
命と同じ班の女子で、リム達の友人。美術部幽霊部員。
のんびりして穏やかな割に、言葉に刺がある。夕実とは幼馴染。
夕実同様、魔物に陵辱されてしまう。
320魔法少女の涙 最終話 共通1/5:2009/11/18(水) 15:54:25 ID:n09mHU2g
いつまでも泣いているわけにはいかない。
床に伏せて泣きじゃくっていたリムは、洟をすすり、涙を拭って顔を上げる。
「リムちゃん、シーナちゃん達の気配は?」
セリナに言われて、リムはこの街中の魔力を探ってみた。
「……だめ。感じ取れない」
リムは肩を落とす。これがただ範囲外にいることを意味しているのならまだいい。
(もし、魔力の反応自体が消えてしまってるなら……)
つまり、それは死だ。死んでいるものの魔力を感じ取ることはできない。
「だめだめっ!!」
頭を大きく振って、よぎった考えを吹き飛ばす。
魔物の気配も同様に感じ取れてない。
ということはシーナ達ごと、魔物は範囲外にいるという可能性の方が高い。そう自分に言い聞かせる。
「そうだ、携帯!」
こういう時こそ、携帯電話の出番だとリムは思いついた。
魔法での意思伝達は相手の魔力を確認できなければ不可能だ。だが、携帯なら繋がるかもしれない。
リムは無言で携帯電話のボタンを押した。一度もかけたことのなかったシーナの番号を選び、発信する。
「あ、あれ?」
どこかでシーナの着信メロディの鳴る音がする。命が設定してくれたものだ。
「シーナちゃん、持っていってなかったのね」
シーナの携帯電話を片手に寝室から戻ってきたリムを見て、セリナは溜息をつく。
リムは携帯電話を見つめて考える。そして、少し躊躇いを見せながらもそれを開いた。
「ごめんね、シーちゃん。ちょっとだけ見るよ」
届くことのない謝罪を口にする。いくら姉妹のように親しくても、プライバシーというものはあるのだ。
だが、今はそんなことを言っている場合ではない。シーナの受信メールを調べた。
そこには3件しかない。1つはリムが試しに送ったもの。もう1つは命だ。
そして最後の1件。
「これ……」
それは仁からのものだった。
内容は、今日リム達のデートを尾行しようと和博から連絡があったのだがどうするか、といったものだ。
普段以上に堅苦しい文章に、仁なりの緊張が読み取れる気がした。リムの胸がチクリと痛む。
ついさっきまであんなに幸せだったのに、何故こんなことになってしまったのだろう。
そう思ったところで現実が変わるわけではない。思考を切り替えて現状の打開策を探ろうとしたとき……。
「え……っ?」
目に入ったものを見て、リムは気が付いてしまった。
この悪夢を招いた仕組みに。その元凶に。
それは、シーナ達の無残な姿を目にした時よりも激しい衝撃だった。
時が止まってしまったような気がする。悲しみや涙がこみ上げるといった反応すら追いつかない。
「どうしよう……そんな、こんなのって……」
認めなくない事実も、2人を救うためには認めなくてはいけない。
何よりも、今すぐ行動しなければならない。
321魔法少女の涙 最終話 共通2/5:2009/11/18(水) 15:55:04 ID:n09mHU2g
「リムさんっ!?」
玄関のドアを開けると、隆志が慌てた顔をして立っていた。
いつしか降り出していた雨に濡れたのだろう、髪から水が垂れ、服の肩の部分が染みになっている。
「どうしたの?」
リムから渡されたタオルで髪と服を拭きながら、隆志は訊ねた。
突然、さっき別れたばかりのリムに電話で呼び出されたのだ。
その時のリムの様子は普通ではなく、必死で押さえていても不安と混乱に満ち満ちているのがすぐに伝わってきた。
「あのね……、シーちゃんとミコちゃんが……」
リムは切り出す。時折涙でつっかえながら、2人が魔物に敗れ、犯されたことを告げた。
「そんな……」
隆志は思わず訪れた事態に対応しきれないような様子で、戸惑っている。
「それで、それで……」
リムは続きを話そうとするのだが、溢れる涙でうまく言葉に出来ない。
「リムさんっ!!」
震えるリムの身体を、隆志の両腕が包みこんだ。
「いいよ、リムさん。無理しないで」
「隆志……くん?」
リムは急なことに目をパチクリさせる。
「今は全部忘れよう。だって、こんなに震えてるじゃないか」
「隆志く……、んむ……」
隆志はリムを抱きしめる両腕に力をこめ、同時に唇を重ねた。
2度目のキスは、1度目よりも長く、強い。大きな流れに背中を押されるように、お互いの唇を求めあった。
「ぁっ……っ」
隆志の手がリムの尻に触れ、リムは小さく声を上げた。
「ご、ごめん!」
唇を離した隆志は、心底申し訳なさそうな顔をした。
リムは何も言えない。拒絶すべきか、受け入れるべきか、決めかねていた。
しかし、隆志はその反応をOKととったのか、リムの胸に手を伸ばした。
「ん……っ」
リムはその感触に顔をしかめ、身体を小さく震わせる。
隆志の手が、自分の胸に触れている。それを考えるだけで、身体が反応してしまった。
いつになく積極的な隆志は、胸に触れてもリムが拒まないのを見ると、股間にまで手を伸ばす。
「や……そこは……っ!」
リムは口では消極的に否定するものの、その手は隆志を拒んでいない。
隆志はワンピースの上から胸と股間を同時に優しく触る。
乳首がほんのりと勃起し、股間が少し濡れるのをリムは感じた。
「いいかい、リム?」
隆志がリムの耳元で囁いた。
リム。初めて呼び捨てにされた、自分の名前。
その言葉に、リムは身体を貫かれた思いがした。どうしようもない感情と共に涙が溢れてくる。
そして、リムは隆志に告げた。
322魔法少女の涙 最終話 共通3/5:2009/11/18(水) 15:55:24 ID:n09mHU2g
「もういいよ……」
「え?」
リムの呟きに隆志は首をひねる。
「もういいって?」
訊ねた隆志に、リムは涙の溢れる顔を向けた。
「もう、隆志くんの振りをするのはやめてって言ってるの!!」
こみ上げる怒りを解き放つように、激昂して目の前の人物を怒鳴り付ける。
「な、なにを言って……?」
言い寄るその身体をリムは突き飛ばす。
「もう分かってるの!!あなたが、隆志くんじゃないこと、ううん。隆志くんじゃなくなったことは!!」
リムはその場に倒れこんで泣いてしまいたいのを必死で堪えながら言葉を紡いだ。
あの時リムの目に入ったのは、仁のメールアドレスだ。それはシーナを撮った写真が送られてきたものと同一だった。
そこから先は、すぐに理解することができた。
不自然だったのだ。
リムの心を傷つけようとする魔物たちはリムの友人を狙った。
それならば、隆志たちを真っ先に狙ってもいいはずだ。それなのに、隆志たちは無事だった。
無論、リム達はプールの一件以降、隆志たちに近づく魔物の気配がないかどうか、注意を払っていた。
そして結局、今日になるまで魔物は現れなかったのだ。
それがどういうことなのか、リムは今になってやっとわかった。
魔物は、いやライムは、隆志たちに既に接触していたのだ。
おそらく、ライムは残りの魔力を隆志たちの中に埋め込んだ。
そして、何らかのきっかけで目覚めるように仕組んだのだろう。
リムはその推測を、目の前の隆志の姿をしたものに話してみせた。
「ふふふ……よく、そんな想像が出来たもんだね。大した根拠もなしに……」
そう言った隆志の笑いは、明らかに従来の隆志のものではない。
「でも、正解だ。ほめてあげるよ」
隆志の眼差しが凍るほど冷たいものに変わり、リムを射抜く。
「いつから……なの?」
涙を堪えるリムが訊ねた。
「ゴンドラから降りた辺りさ。設定されていたきっかけは、キスだったからね」
なんでもないことのように、隆志は告げる。
あのキスは紛れもなくリムの幸せの頂点だったのだ。そして同時に、地獄へのターニングポイントでもあった。
「1人が目覚めたら、続いて残りの2人も目覚めるようになっていたんだ」
「……ぅ……く、ぃっく……」
リムはしゃくり上げるのを耐えきれなかった。だが、顔を上げると心を決めて変身する。
魔法少女として、魔物の前に立ちはだかった。
「出来るか?この隆志の身体を傷つけることが」
嫌らしく言う魔物の言葉に、リムは頷いてみせた。固い決意を込めて。
「ふん。なら、付いてこい!」
隆志はワープした。リムもすぐにその後を追いかける。
人のいなくなった部屋には、斜めに叩きつける強い雨の音が響いていた。
323魔法少女の涙 最終話 共通4/5:2009/11/18(水) 15:55:45 ID:n09mHU2g
ワープした先は、どこかの工場跡のような広い空間だった。
「シーちゃん!ミコちゃん!」
リムは目に入った無残な姿の友に向かって叫ぶ。
2人はグッタリしたまま、蔦とスライムに緩慢に膣を犯されている。時折、絶頂に達したように小さく身震いした。
「なんだ、きたのか」
「意外と早かったな」
仁と和博が立ち上がって言う。人は蔦、和博はスライムを操っていた。
「ぅあ……っ」
「あうぅっ!!」
シーナと命の身体が持ち上げられ、リムの足元に放り投げられた。リムは2人に駆け寄る。
全身に精液と粘液がこびりつき、血と愛液が股間からダラダラと流れている。
「どうせなんだ。そいつらを回復させて、3対3で戦おうか」
仁と和博の間に立った隆志が告げた。
2人から隆志に魔力が流れているのを感じる。シーナと命から奪った魔力を分け合っているのだろう。
悔しいが、言うとおりにする以外にない。リムは2人に手をかざす。
「ピュリファイ!」
リムが呪文を唱えると、光が全身を回って取り囲み、穢れを消し去った。
「うぅ……」
「リム、ちゃん……」
ヨロヨロと立ち上がる2人。リムは手を繋ぎ、自らの魔力を分け与えた。
リムから受け取った魔力で変身する。ずっと裸だった身体が、ようやくコスチュームに包まれた。
戸惑い。迷い。苦しみ。一様に顔をしかめるリム達に対して、隆志達は余裕の表情を浮かべている。
状況はあまりにも厳しい。
シーナと命はほとんど空になるまで魔力を奪われたため、リムの魔力を3等分した状態だ。
対する隆志達は奪った魔力で強化されている。
そしてリム達の心の傷は深い。しかも相手の身体は愛する人のものなのだ。
仮に力が勝っていても、傷つけることにはためらいがあった。
「よし、それじゃあ始めようか」
隆志がニヤついた顔で言うと、仁と和博も身構えた。
仁は蔦を、和博はスライムを操っている。そして隆志はその手に魔力で出来た刀を携えていた。
「戦おう」
リムは決意を込めて囁く。
このまま負けてしまうわけにはいかない。少なくとも防戦だけはしなければ。
リムがエレメントを剣の形に変えて構えたのにつれて、シーナと命も戦闘態勢を取った。
悲しみがリムの心を埋め尽くそうとしている。
つい先日付き合い始めた相手と、ついさっき初めてのキスを交わした相手と、戦わなければならないなんて。
だがどれだけ嘆いても現実は変わらない。リムは視界を遮ろうとする涙を堪える。
そして、隆志が最初に一歩を踏み出した。
324魔法少女の涙 最終話 共通5/5:2009/11/18(水) 15:56:06 ID:n09mHU2g
「ぐううっ!!!」
隆志が上段から振り下ろした刃を、リムはエレメントで受けた。
単純な力の勝負では押し負けてしまう。真っ向から受け止めるのではなく、横に受け流した。
「アクアバインド!」
リムは空いた左手で魔法を放ち、隆志の刀に巻き付ける。
隆志を傷つけることはできない。何とかして、攻撃を妨げるつもりだった。
「ふんっ」
だが、隆志が刃を切り返しただけで水の呪縛は蒸発してしまった。
隆志はそのまま大きく振りかぶり、刀の周囲に炎を生み出す。
「食らえっ!」
振り下ろすと、炎が二重螺旋を描き、一直線にリム目掛けて駆け抜けた。
「てやあっ!!」
リムはエレメントに水の魔力を込めて、水平に一薙ぎする。
軌道をそらされた炎はリムの左右に分かれて地面に落ち、そこから火柱が上がった。
「まだまだっ」
炎の熱さに顔をしかめる間もなく、眼前に隆志の刀が迫っている。
「くっ、……ぁうっ!!」
リムは大きく後ろに飛び退くが、繰り出された刃をかわし切れず、脇腹に一筋の切れ目が入る。
「ぃつ……」
左手で右の脇腹を押さえると、滑り気を感じた。傷は浅いが、結構な量の血が流れている。
隆志の動きは予想以上に早い。隆志を傷つけないように配慮している余裕などどこにもなかった。

「無駄に足掻くな、シーナ」
両手の先から数十本の蔦を放ちながら仁は叫ぶ。
「追いかけられたら逃げたくなるのが女心ってもんなのよ!」
シーナは追いすがる蔦をすんでのところで交わす。軽口を叩く口調とは裏腹に、顔には脂汗が滲んでいた。
いくつ火球をぶつけても、蔦は燃えるどころか焦げ付きすらしない。
「まったくっ、ほんとにこれ植物なのっ!?」
急に方向転換すると、曲がり切れなかった蔦が壁に激突し、ぶち抜いた。
「ていうか、捕まえるんじゃなくて殺す気かしらね?」
シーナは追い詰められた時ほど饒舌になる癖があるようだ。
後方支援タイプで、高速な運動に特化していないシーナは、このように追い回されるのが一番苦手だった。
(いつまで逃げ切れるかわからない。かといって、仁を攻撃するわけにも……)
シーナには現状を打破する方法が見つからない。このままでは、捕まってしまうのも時間の問題だ。

「たああああっ!!!」
命は弾丸のように飛んでくるスライムの塊を拳で打ち落としていた。
「ほらほらっ、休んでる間はないぜ?」
「和博くんっ、もうやめて!!」
命は息を切らしながらも、和博の中に普段の心がある事を信じて呼びかけていた。
「がふっ!?」
打ち漏らした一片のスライムが命の腹を直撃する。
「ああああああああっっ!!!」
胃液を嘔吐しながら命は吹き飛ばされて床を転がる。
「うぅ……あ、ああぁ……」
何とか身体を起こすが、既に迫っている次のスライムを避けることができない。
「でやあああっ!!!」
走りこんできたシーナがスライムの塊を焼き尽くす。
その背後から迫る蔦を、リムのエレメントが切り落とした。
「大丈夫!?」
「う、うん……」
一度、3人で集まって体勢を立て直す。隆志達も一旦手を休めているようだ。
「さて、どうしましょうか……」
シーナの声が震えている。もう限界まで追い詰められているのだ。どうすればいいのかなど、分かりはしない。
「…………」
リムは考える。何か、何か方法はないのか。
やはり迷っていても仕方ないのかもしれない。生き残るためには、隆志達を倒さなければ……。
決断を下すまでのタイムリミットはもうゼロに近い。
325魔法少女の涙 最終話 END1/3:2009/11/18(水) 15:56:34 ID:n09mHU2g
「シーちゃん、ミコちゃん。リムに全部任せてくれる?」
リムは決意を秘めて、2人に囁く。
「なにか、策があるのね」
「……うん。駄目かもしれないけど、もしうまくいけば……」
シーナと命は顔を見合わせ、頷いた。
「いいわ。リムに任せる」
「リムちゃんを信じるよ」
2人は自然と、リムの手を握りしめている。全てをリムに託す覚悟だ。
「どうすればいいの?」
命が訊ねる。
「手、握ってて。このまま……」
リムは既に何かに意識を集中し始めている。
繋いだ手から、シーナと命の魔力がリムに伝わっていく。
「そろそろ、終わりにしようか」
リムが何かを始めたのを見咎めた隆志達が動き出す。
余裕の表情でリム達を見ていたが、リムの様子に少し焦りを感じたようだ。
「殺さない程度に痛めつけて、それからじっくり食べてあげるからね」
隆志は大上段で再び炎を刀に纏わせる。仁は蔦を蠢かせ、和博はスライムを打ちだす用意をしている。
そして、リム達に向けて同時に打ち放った。
「「「くらえええええええええええっっ!!!!」」」
3人分の叫び声と共に、炎と蔦とスライムがリム達を襲う。
「ぐ、ううううううううっっ!!!!」
リムはシールドを形成してそれに耐えた。
衝撃に激しく揺さぶられたものの、シールドが解ける様子はない。
「ほら、どうした!?戦わないつもりか?」
隆志達は何度も同様の攻撃を繰り返した。
「ぐっ、う、うう……まだ、あと少し……」
リムは渾身の魔力を振り絞って攻撃に耐えている。
「リム……!」
「リムちゃん……っ」
シーナと命はリムの手を強く握りしめる。今はただ、リムを信じるしかない。
「あぅっ!!んぐ……うあああああっ!!!」
立て続けに放たれる攻撃に、シールドが崩れようとしている。
リムはまだ歯を食いしばって耐えていた。だが、これ以上は持たない。
「これで終わりだっ!!!」
リムの限界を見抜いて、隆志達は直接飛びかかってきた。
「ああああああああっっ!!!!」
仁の蔦と和博のスライムによる攻撃を受けて、ついにシールドが破られた。
無防備になったリムに、刀を振りかぶったまま飛びあがった隆志が迫る。
だが、リムは不敵な笑みを浮かべていた。
「マジック・エリミネーション!!!」
リムがそう高らかに叫ぶと、リムを中心にして光が広がった。
「く、おおおおおおおおっっっ!!!!」
予想外の反撃に対して隆志は苦悶の雄たけびを上げつつ、刀を握った両腕をリムに振り下ろした。
……しかし、何も起きない。
隆志の手には何も握られていなかった。
「ナ、なゼ……」
隆志の声が歪む。同時に、全身が軋むような痛みに苦しみ出した。
「グオオオアアアアアッッッ!!!」
仁と和博も同様だ。そして……。
「ん、んあああああっっ!!」
命までもが苦しんでいる。
「終わりだよ、もう。ごめんね……みんな」
リムは脱力して膝を突く。そのまま後ろに倒れそうになったのを、シーナが支えた。
命も、隆志も、仁も和博も、皆が倒れて動かない。
戦場は一転、静寂に包まれていた。
326魔法少女の涙 最終話 END2/3:2009/11/18(水) 15:59:00 ID:n09mHU2g
「リム……一体何が起きたの?」
苦しげに息を吐くリムの肩を抱いて、シーナが訊ねる。
「えへへ……」
リムはシーナに苦々しい笑みを浮かべて見せた。
「あのね、みんなを操ってた魔力って、ライムのだよね?」
「ええ、そうなんでしょうね……」
「でね、ライムの魔力って誰の魔力だった?」
「え?それは……」
そこまで言われて、シーナにも納得がいった。一体リムが何をしたのか。
ライムは元々、リムとシーナを襲った魔物の切れ端だ。その原動力は2人の魔力だったろう。
人間も取り込んだとはいえ、人間に大した魔力はない。その後にも、ライムはリムとシーナを襲ってばかりいた。
「あたし達の魔力……」
「うん、そう。だからね、頑張れば、その魔力をリムが操る事も出来るんじゃないかなって」
「馬鹿じゃないの!?そんな話、聞いたことないわよ!!」
シーナは驚いて怒鳴ってしまった。前代未聞だ。他人の中に潜む自分の魔力を操るだなんて。
「あはは……でも、出来たよ。ちゃんと、出来た。もうみんなの中にリム達の魔力は残ってないよ」
「みんなって、命も?」
隆志達と同じように苦しみ出して、今はうつ伏せに倒れる命を見やる。よく見ると、コスチュームが消えて裸になっている。
「うん。リム達以外の人が持ってるリム達の魔力を消すっていうので、精一杯だったから……」
リムの表情は相変わらず苦しげだが、どこか達成感に満ちた顔をしている。
「そうか……」
もう命は魔法少女ではないのだ。ただの、か弱い中学生の少女。
「隆志くん達は、たぶん無事だと思う。魔物が覚醒してた時間も短いし、魔力は多分ほとんどなくなってるはず」
「……本当ね。一般人レベルの魔力しか感じられない」
「ね?だから、これでもう大丈夫。全部、解決っ!」
「まったく……あんたって子はっ!!」
「はわっ!?」
シーナはリムを思い切り抱きしめた。
魔力を限界まで酷使したリムの身体はギシギシと軋んで痛い。
「無茶しすぎよ、リム!……でも、よくやったわね」
「……うん。ありがと、シーちゃん」
リムは静かに瞳を閉じる。

リムは、隆志達を傷つけない道を選んだ。
もともと、魔物とは無関係だったはずの隆志達を巻き込んだのはリムだ。
自分が生き残るために、隆志達を傷つけ、あまつさえ殺してしまう可能性のある行動はできなかった。
だからこそ敢えて選んだ険しい道が、結果的に最良の結果をもたらした。
それはリムの優しさがもたらした奇跡的な出来事だといってよい。
「ねぇ、シーちゃん……」
「なに……?」
シーナの膝に頭を乗せて横になっているリムが呟く。
「いま、リムが何考えてるか……わかる?」
「あんた……やっぱり?」
シーナは、珍しく涙がこみ上げてくるのを感じた。堪え切れず、瞳が潤む。
「えへ、シーちゃんならわかってくれると思ってた。でも、泣かないでよ……」
「だって……あんた、やっと……っ!」
「もう、これ以上はだめだよ。でも、シーちゃんは別に……」
「馬鹿っ!!」
「あいたっ!」
シーナはリムの額を小突いた。
「あたしは……いつもあんたと一緒に決まってるでしょっ!!」
「……うん、ありがと」
そこで会話は途切れ、2人はしばらく泣き続けた。
327魔法少女の涙 最終話 END3/3:2009/11/18(水) 15:59:27 ID:n09mHU2g
そして、朝が来た。
「本当に、いいのね?」
テレビの画面上ではなく、部屋の中に姿を現したセリナは2人に念を押した。
「うん!」
「はい」
もう躊躇うことなく、2人は返事をする。
「それでは、これからあなた達に関する記憶および、それに付随する記憶を、この町の住人から消去します」
セリナは50cmほどの細い杖を手に取り、頭上にかざした。
柔らかな光が、朝日が昇り始めた町を満たすように広がっていく。

リムとシーナが決めたこと。それはこの地から去ることだった。
この地で起きた一連の出来事は、リム達を原因としたものだ。
そもそも、学校に通うということはあくまでリム達の願望によるものでしかなかった。
それが結局は、命や隆志達を傷つけるという結果を生んだ。
もうこれ以上、被害者を増やすわけにはいかない。そう考えた結果だった。
リム達がこの地からも、人々の記憶からも消え去り、町は元通り。それでいい。
「あ〜あ、この家も最後なんだね」
「広すぎて落ち着かないと思ってたけど、もう住み慣れちゃったわね」
「…………」
「…………」
無言が続いた。2人とも、溢れる思いが多すぎて言葉にできないのだ。
リムは隆志のことを思うと、涙を抑えられなかった。
初めての恋。初めての恋人。初めてのキス。思い出だけをこの胸に、リムはこの地を去る。
リムは涙を拭った。泣いてもいい。隆志はそう言った。
泣いてもいいから、泣き止んでくれ。そう言ったのだ。
だから今は笑おう。不器用でもいい。引き攣っていてもいい。それでも、精一杯の笑顔で。
「あ、虹……」
昨日の夕方から降り始め、明け方まで降り続いていた雨はいつの間にか止んでいた。
雲の切れ間から覗いた太陽の光で、うっすらと町に虹がかかっている。
そうだ。虹だ。シーナと一緒なら、涙の雨を降らせた後、虹になれると言ってくれた。
その言葉を胸に、この同じ世界の別の地で生きていこう。
不幸な犠牲者をこれ以上出すわけにはいかない。リムは自分の使命の重さを強く実感していた。
シーナの手を握ると、無言で握り返してくれる。やっぱり、シーナは最高のパートナーだ。
「ね、記憶操作の魔法って難しいんだよね?」
「ん?ああ、そうらしいわね」
「そっか、そだよね」
リムは、胸の内で密かに願っていた。
ほんの少しだけ魔法の効き目が悪くて、隆志が虹を見るときにはリムのことをぼんやりと思い出してほしい、と。

/ END
328魔法少女の涙 最終話 BAD END1/13:2009/11/18(水) 16:00:42 ID:n09mHU2g
リムは心を鬼にする。今ここで自分達が死んでしまえば、隆志達も救えない。
多少の傷をつけてでも、彼らを止めなくては。
シーナと命にそう告げて、リムはエレメントを固く握りしめた。
「いくよっ!!」
リム達は先制して攻撃を仕掛ける。後手では不利だ。
シーナが後方で援護し、リムと命が前線で戦う普段のスタイルに持ち込む。
シーナはリムと命をバリアで守り、リムと命はシーナへの攻撃を防ぐ。
「てやっ!!」
「はああっ!!!」
伸びてくる蔦を薙ぎ払い、飛びかかるスライムを叩き落とす。
「でえぇいっ!」
「く……やぁっ!」
切りかかる隆志の攻撃も、余裕を持って受け流せる。隆志の腹を蹴って体勢を崩させた。
「ぐ……っ」
隆志の表情が歪む。リムの胸が刺すように痛んだ。
シーナの火球が隆志に襲いかかる。しかし和博が放ったスライムが横から飛んできて対消滅した。
「よし……いける!」
リムは左手をグッと握りしめる。躊躇いさえ捨てれば、同等以上の戦いが可能だ
「せやぁっ!」
リムはエレメントを隆志の構える刀目掛けて振り下ろす。
「……えっ……?」
リムは目を疑った。
エレメントを受ける直前、隆志の刀が消えてなくなる。
阻むもののなくなった刃は、隆志の右腕を切り落としていた。
「うああああああああああああっっっ!!!!」
隆志は失った右腕を押さえて絶叫する。その姿をリムは呆然と眺めることしかできない。
「あ……ぁあああ……」
「リ、リム……さんっ……」
隆志が助けを求めるような目を向けて歩みよってくる。リムは頭が混乱してどうしていいのかわからなかった。
「リムっ!!!にげてえええっ!!!!」
シーナが叫ぶ。その声でリムが正気に戻った時、既に勝負は決まっていた。
「うっ!?うわああっっ!!!!」
隆志の切り落とされた右腕から流れる血が、リムの足元に絡みつき、瞬く間に全身を縛りつけていた。
「馬鹿だね、ほんとに」
薄ら笑いを浮かべた隆志は、リムの胸の辺りに左の手を当てる。
「バーストッ!」
「きゃあああああああああああああああああっっ!!!!!!」
身体を直接叩きつけるように起きた爆発に、リムの身体は吹き飛ばされる。
「あ……うぅ、ぃ……あぐぅっっ!!!!」
全身の痛みに地面をのたうち回るリムの腹を、隆志は思い切り踏みつけた。
「リムちゃ……しまったっ!!」
リムに気を取られている隙をつかれ、命はスライムに足を取られてしまう。
「あぅっ!がっ、うあっ、あああああああああああっっ!!!!」
さらに両手もスライムに包まれ、サンドバッグのようにスライムの弾丸に撃たれる。
「いやぁっ!!!」
シーナも仁の蔦に捉えられてしまった。全身をきつく締め上げられる。
「ぎゃあああああああああああああああああっっ!!!!!」
電撃がシーナの身体を突きぬけた。手足がガクガクと震え、ダラリと垂れる。
リム達は容易く無力化されてしまった。この先には悪夢の続きが待っている。
329魔法少女の涙 最終話 BAD END2/13:2009/11/18(水) 16:01:06 ID:n09mHU2g
「あ……うあ……」
リムはもう身体が動かなかった。
身体以上に、心が限界なのだ。これ以上足掻くだけの気力が残っていない。
「それじゃあ、楽しませてもらうよ」
隆志は嫌らしい笑みを浮かべて、リムの髪を掴む。
「あうぅぅ……」
リムは頭皮を引きちぎられるような痛みに呻きながら、膝立ちの格好にさせられた。
隆志の腰に手を当てる形で何とか身体を支える。
「まずはこれを舐めてもらおうかな」
隆志はズボンのチャックを開けて、ペニスを取り出す。
初めて目にする隆志のそれは、まだ柔らかく垂れ下がっていた。
「う……」
抵抗しても仕方がない。勝つことができない以上、隆志はリムを痛めつけてでもそれを舐めさせるだろう。
控え目に舌を出して、露出したペニスの先端へと躊躇いがちに触れる。刺激でペニスが少し起き上った。
「うぅ、……ひっく」
リムは涙を流してしゃくり上げる。
隆志のペニスだ。身体だけは、間違いなく隆志のものなのだ。
いつしか隆志と、こんな関係になるかもしれないと夢見ていた。
何度も魔物に穢されたこの身体を、愛のある性交渉で洗い流してくれるのではないかと。
「ひぅっ……」
何度目かの接触で、ペニスはほぼ完全に勃起した。リムを犯さんとしている隆志の性的興奮が見て取れる。
これが、リムを陵辱するのだ。自らの浄化を望んだものに、さらに穢されてしまう。まさに絶望的な気持ちだった。
「ほら、咥えてよ」
「んっ、むぅぅっ!!!」
隆志はリムの後頭部を押さえて、ペニスをリムの口内に押し込む。
反射的に閉じようとした歯をこじ開けて侵入し、竿を擦るような歯の刺激でペニスは更に固くなった。
「ふむ……、ちゅぶっ、んえっ、ふぁっ、もごぉっ!」
髪を掴んで頭を動かされるままに、リムは隆志のペニスを口で扱く。
隆志はペニスの角度を微妙に変えて、リムの口全体を隈なく犯そうとする。
喉の奥まで入り込み、一度抜いては左の頬を内側から突く。上あごから舌の裏まで犯す。
「やぶぅっ!はむっ、じゅっ、ぴちゅっ、あむっ、おごおおっ!!」
激しく動き回るペニスに突かれて、何度も吐き気に襲われ、息が詰まる。
「ほら!ちゃんと舌ぐらい使ってよ!」
「ひぅっ!!むぁっ、れろっ、うぅ……」
隆志の叱責に飛び上るほど震えて、リムは少しスピードを落としたペニスに向けて舌を動かす。
浅い時は舌の先でカリ全体を縁取るようになぞり、深い時は舌の根元で裏筋を舐め、舌先で竿を舐めた。
「出すよ!!全部飲んでっ!!!」
「んんっ!?んぶうううっ!!!!!」
ペニスの先から精液が飛び出した。上あごに当たるように発射された精子は、いくらかが喉まで直接入り込み、いくらかは舌に落ちた。
(こ、これが、隆志くんの……)
精液の量は常人程度だった。意図的に、元の隆志のままの状態で犯しているのだろう。リムの心をよりえぐるために。
恋人なら、いつかこんな行為をするはずだった。2人にあったはずの未来を、リムは今踏みにじられている。
(でも、隆志くんのものには変わりないんだよね……)
リムは口内の精液を愛おしいもののように感じてしまった。舌の上で味わい、飲み干す。喉に絡んで少し咳込んだ。
少し苦味があるが、魔物の精液特有の奇妙さはない。
きっと本来の隆志が相手なら、顔を見て満足げな笑みを見せただろう。
だが、その隆志はもういない。
今の隆志は、そんなリムの反応を予想通りに引き出せたことをほくそ笑んでいるだけだった。
330魔法少女の涙 最終話 BAD END3/13:2009/11/18(水) 16:01:31 ID:n09mHU2g
「やっ!……あぐぅっ」
隆志はリムの頭をグイと押して突き倒す。
急に倒されて、リムは頭を強く打ってしまった。一瞬、目の前が暗転する。
視界が戻った時、目に映ったのはリムの脚の間に立ち、情欲の炎を燃やした隆志の笑みだった。
隆志はしゃがみ込んで、リムの胸に手を伸ばす。
リムはコスチュームの胸の部分が完全に破けていることに今さらながら気づく。あの爆発魔法を受けたのだから当然だ。
「んぅっ!!」
隆志の指で胸を触れられて、リムはヒリヒリとした痛みを感じる。爆発の衝撃で赤く腫れていた。
それにかまわず、隆志は両手でリムの胸をサイドから大きな動きで揉みしだく。
「ああぅっ!うぁ……んく、あふ……はぁっ、あむっ!?」
痛みだけではない感覚に喘ぐリムの口を、隆志は自分の唇で塞いだ。
「んんっ!んちゅ、はむ、むうぅ、んんんっ!!!」
ジタバタもがくが、隆志の唇はしつこく食いついて離れない。
隆志は体重をかけるようにして胸を揉みながら、口の中にまで舌を伸ばしてきた。
「んあっ!!むぐ……うえぇ!むううううっ!?」
潰しそうなほどに乳首を摘まれて、リムはくぐもった声で叫ぶ。
「ふむううっ、んううううっ!!!!!ぶはっ!!」
あまりにもがくリムに、隆志は唇を離す。
「何だよ、うるさいなっ!」
「んああああああああっ!!!!」
隆志はリムの乳首を思い切り引っ張る。
「よし、そろそろ挿れてあげようか……」
隆志は呟いて、リムのスカートを捲り上げる。
「やっ、やめて……っ」
下着を脱がす隆志の手も止められず、リムは股間に直接空気が触れるのを感じる。
「ほら、濡れてるじゃないか」
隆志はリムの割れ目を指でこじ開け、中に指を入れた。
「やだっ、やだっ!!」
リムは恥ずかしさに顔を背けるだけだ。抵抗しても敵わないのは分かっている。
「よし、挿れるよ、リム!」
「やめてっ!その呼び方だけはっ……んっ、……んああああっ!!!」
呼び捨てにされることに強い抵抗感を示しながらも、侵入してきたペニスの感覚にリムは悶えた。
「感じてるんでしょ、リム?正直に隆志のチンコでよがりなよっ!」
「んくぅっ!は、ぐぅ……うぁあああっ!!!」
隆志のペニスに貫かれる感覚で、リムの膣は強く刺激され、収縮する。
「リム」。隆志はずっと「リムさん」と呼んできた。だからこそ、目の前の隆志には呼び捨てにされたくない。
ずっと思っていた。いつか、そんな他人行儀な呼び方ではなくて「リム」と呼んでほしいと。
その願いを、隆志の皮をかぶった魔物に叶えられたくはなかった。
「ひうううっ!!!やっ、んあっ、あっ、あっ!!!」
「ねぇ、気持ち、いいんで……しょっ!?正直になりな、リムっ!」
思い切り腰を打ちつけながら、隆志はリムの気持ちを分かっていて敢えてその名を呼ぶ。
「あぁんんっ!!だ……めっ!あなたは……隆志くんじゃ……、はうううううっ!!!」
グチュグチュと音を立てて挿入されるペニスに、否定をしながらもリムは快感に打ちのめされていた。
(だめっ……このまま、じゃぁ……)
リムは錯覚してしまう。まるで、愛する隆志に抱かれているかのように。それは隆志に対する最大の冒涜だと思えた。
「ぃくっ……!?あああああっ!!!!だめっ!だめええっ!!!」
隆志は腰を持ち上げて、膣を上に押し広げながら、片手でクリトリスを、片手で乳首を強く捻った。
「ほらっ!イくよ!?ちゃんと受け取りなっ!!!」
「や……ああっ!!だめっ、中にださないで……やめてよ、隆志くんっ!!!!」
リムは両手を、顔を隠すように当てながら叫ぶ。
「ひぁっ、や、あっ、あ、ああああああああああああっっっ!!!!!」
隆志はペニスを根元まで埋め込んだ状態で性を放つ。
リムは子宮口を叩く精液の感触を味わいながら絶頂を迎えた。
「で、てる……なかに、たかしくんのが……」
絶頂の余韻に震えながら、リムは呆然として呟いた。
331魔法少女の涙 最終話 BAD END4/13:2009/11/18(水) 16:01:52 ID:n09mHU2g
シーナは蔦に両手首を上に縛られた格好で拘束されていた。
電撃の痺れがまだ抜けず、苦しげな表情を浮かべている。
「この蔦、あんただったのね……」
シーナは苦しみを耐えながら、目の前にいる仁に語りかける。
「そうだ、十分味わってくれただろう?」
「女性の扱いを知らないやつね。あんなひどい事しておいてよく言うわ」
仁はそんな言葉など大して聞いていないそぶりで、縛り上げられたシーナの身体を眺めている。
シーナの胸にあったのは怒りだ。間違ってもリムのように、目の前にいるものを仁と重ねたりはしない。
仁は比較的寡黙な男だったが、その目の奥にはいつも優しさを秘めていた。
それなのに、この男の目にはそれがない。ただ冷徹さと傲慢さに満ち満ちている。
仁はシーナのローブの胸に手をやり、下着ごと一息に引き裂いた。
「く……」
魔物相手でも、シーナは羞恥心を覚える。しかし、隠そうにも隠すことができない。
「じゃあ、この胸を優しく愛撫でもすればいいのか?」
仁は指の先でシーナの乳首を弾いてみせる。
「冗談。あんたなんかに感じさせられるような女じゃないわよ、あたしは」
「そうか、それなら証明してもらおうかな」
シーナの挑戦的な態度を受けてそう言うと、仁はその場に寝ころび、勃起したペニスを露出した。
「な、何を……あっ!?」
蔦に足を持ち上げられ、股間を一番低くした格好で吊るされたシーナは、仁のペニスの真上にまで降ろされた。
「あああああああああああああっっ!!!」
そのまま一気にペニスを咥え込まされる。濡れていない膣からは、傷は癒えていても相当な痛みを感じる。
ペニスに奥まで突かれ、抜ける直前まで持ち上げられては落とされる動きを繰り返された。
「ああうっ!!!んあっ、くはっ、はぐっ、いんんんんっ!!!」
仁のペニスを何度も奥まで飲み込む膣は次第に愛液を分泌し始め、痛みだけの苦悶は、快感を滲ませる嬌声に変わりつつあった。
「どうした?感じないんじゃなかったのか?」
「うあああっ!!そ、そうよ……。感じてなんか、いるわけないでしょっ!!!!」
シーナは歯を食いしばって、自然に漏れてくる声を必死でこらえようとする。
だが蔦は動きを更に強くし、その上、仁も腰を突きあげる運動を始めると、より一層の快感が押し寄せた。
「ひやああああああああっっ!!!だ、だめっ!!こんな、きつすぎ……っ!!!」
こみ上げる快感に、シーナは堪え切れずに嬌声を漏らす。
「くぁっ、ふぅっ、あぐっ、や、あああああああああああああああっっ!!!!!!」
シーナはそのまま一気に絶頂まで突き進んだ。痙攣の後、全身の力が抜けて一気に身体が重くなる。
シーナの身体を吊るす蔦は、緩やかに揺れる動きにギシギシと音を立てた。
332魔法少女の涙 最終話 BAD END5/13:2009/11/18(水) 16:02:14 ID:n09mHU2g
「か、和博くん……、目を、さましてっ!」
命は手足を全て拘束され、スライムの弾丸にサンドバックにされながらも、まだ和博を信じていた。
コスチュームは破け、そこから血が滲んでいる部分がいくつもある。
赤く腫れあがっている個所も少なからずあり、心臓が脈打つごとにズキズキと痛んだ。
それでも、いまだ和博の中に元の和博の心があると信じて疑わない。操られているだけで、呼びかけ続ければきっと届くのだと。
「目?目なら覚めてるよ、命」
和博は飄々とした様子で答える。
「違うよっ、いつもの和博くんに戻ってって言ってるの!!なんで……何でこんなことするのっ!?」
「なんでって、楽しいからに決まってるじゃんか。当然だろ?」
命は悲しい表情をする。
「楽しい……こんな風に痛めつけるのが?」
「ああ、そうだな。楽しい。さっきみたいに快感に悶えてくれるのもいいんだけどな」
「……っ!!」
命は顔を真っ赤にする。スライムに陵辱された時の、はしたない自分を思い出して恥ずかしくなった。
「でも、そうだな。あれにはもう結構満足してるから、今は苦しむ顔の方が見たいかも」
「ひ……っ!!」
和博の残虐な笑みに、命は怯える。
その表情をもっと見たいと、和博は命に近づいた。
そして股間のペニスを取りだす。既に固く勃起していた。
「や……いやだよ、和博くん……だって、まだ……」
まだ、付き合ってすらいないのだ。お互い、相手の事を好きだと分かっているのに、その一歩を踏み出すことができなかった。
だから、こんなことはまだ早い。もっと踏むべき段階があると命は思ったし、こんなに強引なやり口も嫌だった。
和博は命のスパッツを破り捨て、ショーツを引き千切る。そしてペニスを股間にあてがった。
「やめて、やめっ……はあああああああんっっ!!!!!!」
和博のペニスが、命の膣内に入ってくる。スライムの媚薬にあてられた命は、すぐに甘い声を出してしまう。
「違うな、そうじゃないんだよ」
和博は苦い顔をした。それでも腰は振る。
「ひゃうっ、んあっ、あう……ぃくっ!!ひうんっ、だめっ、だめえっっ!!!」
激しく悶える命の姿は確かに煽情的だったが、和博はそれでは満足しない。
和博が求めているのは、もっと激しいものだ。もっと危機的な苦しみをこそ求めている。
「あひゃああああああああああああああああああああっっ!!!!!!」
試しに命のクリトリスをグイと引っ張ってみた。千切れるほどに激しく。
命は凄まじい快感に悶え、ショックで尿を垂れ流した。
「なんだ、きたねぇな。それに、まだ違う。さっきよりはよかったけどさ」
「ひぁ……あがっ、く……ふぁ……もっと、苦しい思いをしないと……?」
命は絶望的な気持ちになる。こんなに苦しいのに。苦しいほどに気持ちいいのに、もっと激しくなるなんて、想像できない。
「やっぱり、痛めつけないとだめだな。よしっ!」
隆志はそう言うと、スライムを操った。命の遥か後方から、先程と同じようにスライムの弾丸を放つ。
「あぐぅうっ!!!!!」
背中を5発の弾丸に叩かれた命は、苦痛に叫ぶ。
「おお、いいね。その表情」
「ぐ……ぁうっ、い、いたい……こんなの、やめ、んはあああっ!!!!やめてええっ!!」
思っていなかった痛みという感覚で責められた命は、快楽に悶えながら懇願する。
「がはっ、あぐ……いやあああああああああっっ!!!!」
味をしめた和博は、再びスライムの弾丸を浴びせかけた。
苦痛に悶える命の声や表情はさることながら、その度にきつく収縮する膣の動きが和博を悦ばせた。
和博は絶えずスライムを操りつつ、コスチュームの上から命の胸を揉み、クリトリスを弄りながら腰を振る。
「ひゃううっ、がふっ、ぎ、あはああっ!!!ひぐ!?があっ、ひあああああああああああああっっ!!!!」
痛みと快楽をないまぜにして悶える命。身体が燃えるように熱く、背骨が折れそうなほどに痛い。
「ほらっ、こいつでイけえええっ!!!」
和博は胸を握りしめ、クリトリスを捻りながら腰を打ちつけて叫ぶ。
同時にスライムが命の背中を叩きつけ、命は痛みも快感も分からずに、激しい衝撃で絶頂へと上り詰めた。
「んひゃあああああああああああああああああああああああああああっっっっ!!!!!」
命は身体を大きくしならせて、凄まじい衝撃に打ち震える。そしてガクンと項垂れた。
その姿を見て、和博は命の膣内で射精する。結合部の隙間から、白濁した液体が漏れてきた。
333魔法少女の涙 最終話 BAD END6/13:2009/11/18(水) 16:03:02 ID:n09mHU2g
リムの股間からペニスを抜くと、隆志はリムの秘裂を手で押し開く。
「なんだ、愛液塗れで僕の汁があんまりわからないなぁ」
「やだっ!見ないでっ、隆志くん!!」
リムは羞恥に顔を赤く染めて叫ぶ。
リムの心は既に折れていた。目の前にいる隆志を、元のままの隆志であるかのように認識していた。
そんな2人のやりとりは、一見するとサディズムを秘めた彼氏の行為をたしなめる彼女のもののようだ。
だが、これから行われる行為は明らかに恋人同士のそれを超えている。
「ひぅっ!!ゆ、ゆび、入れないでぇっ!」
リムは膣内に隆志の指が入ってくるのを感じた
「こんなに感じておいて、嫌なわけないでしょ?」
隆志はリムのGスポットを探るように、膣内上方の壁を弄り回している。
「んぁっ、あんっ!やうぅっ……、いじわる、いわないで……っ!!」
リムはそう言いながらも、鋭い快感に襲われて何度も細かく震えた。肩を竦め、胸の前で両手を組み合わせて縮みあがる。
隆志は気まぐれに、リムの胸の小さな膨らみを舌で弄った。乳輪を円で囲うように舐め、渦を描くようにして乳首に迫る。
「あああんっ!!!だめっ!おっぱい……なめちゃあ……あふぅううんっ!!!」
乳首を責められる快感と共に、Gスポットを見事に探り当てられ、リムは膣から潮を吹きながら小さくイった。
隆志は乳首をゆるく噛みしめ、さらにリムの膣を責めた。
「ひゃぅっ!!!んはああっ!!た、たかしくんっっ!!!はげしいっ!!!!」
リムは何度も潮を吹いて小さな絶頂を繰り返す。絶えず押し寄せる快感に、下半身が痺れるような感覚に襲われた。
幻想の中で恋人に愛撫されているリムは、悶えながらも幸せを感じていた。
やっと、魔物ではなく隆志に愛撫されていると思い込んでいる。
しかし、膣内の隆志の手の動きに違和感を覚え始めた。
「えっ!?たかし……くんっ!?なに、してっ!!!?」
指ではなく、手がリムの膣内に入り込もうとしていた。五指の先端を膣口に差し込み、指を開いて膣口を押し広げる。
「んあああああっっ!!!!だめっっ!!!むりっ!!むりだよ、たかしくんっ!!!!」
それでもまだ快感を覚えているリムの膣口は、言葉とは裏腹なしなやかさをもって、隆志の手を呑み込んでいく。
「んはああああああああああああああああっっっっ!!!!!!」
一気に手首まで入り込んだ衝撃で、リムの身体はビクンと大きく跳ねた。
「んがああああっ!!!いだぃっ!!!いたいよぉっ!!!!!」
リムはさすがに快感よりも苦痛が大きくなって泣き叫ぶ。
「ひぎっ!!!?あがああああああああああっ!!うぐっ、がはああっ!!!!」
隆志は膣内で拳を握り締めた。大きな塊となったまま、膣内を往復させる。
「んがあああっ!!!やめっ!!!んああああああああああああああああっっ!!!!」
さらに隆志はリムの身体を、突き刺した腕を軸にして、高く持ち上げた。
「ひぎゃあああああああああああっっっ!!!!ごわれっ!!!ごわえううううっっっ!!!!」
バランスを保とうと膣壁の腹側にかけられた重圧が、本当に膣を破壊されてしまいそうなほどの苦痛を産んだ。
隆志の手は子宮口にまで届き、指先から細く伸ばされた爪が、細い子宮口を押し開こうとしている。
「んげえああああああああああっ!!!だずげっ!!!しんじゃうよおおおおおおおおっっ!!!!」
そして、隆志の手は子宮内にまで侵攻した。
「おごおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっっっ!!!!!」
リムの腹が隆志の拳によって膨れ上がる。
絶叫したリムは、気を失いかけて前方に倒れた。その身体を、隆志は左手で支える。
「んぎゃっ!!!うぐえええええええええっっ!!!!あがっ!!ぐがっ!!ぎゃああああああああっっ!!!!!」
隆志は膣と胸の2点でリムの身体を支え、挿入した腕を大きくピストンする。
膣口付近まで抜かれた腕が何度も子宮の奥を突いて、リムの腹が膨らんだ。
「ぎゃげっっ!!?んごっ!!!やめでっ!!たかしくんっ!!!!なんでっ!!なんでええっっ!!!」
恋人であるはずの隆志が、何故こんな破壊的な行為を自分にするのか、リムは理解が出来ない。
隆志は何度かのピストンに満足すると、リムの胸を投げるように押して、反るような格好にさせる。そして一気に腕を奥まで押し込んだ。
「うぎゃあああああああああああああああああああああああああっっっ!!!!!!!」
腹が伸びきった状態で、リムは割れんばかりの雄たけびを上げて泡を吹く。
隆志は右腕を振って、リムの身体を地面に叩きつけた。
「げぅっ!!!」
リムは胎児のような格好で、激痛の治まらない腹部を庇ってひたすら苦しんでいた。
334魔法少女の涙 最終話 BAD END7/13:2009/11/18(水) 16:03:34 ID:n09mHU2g
「あうっ!!!」
シーナは蔦の拘束を解かれて、地面に落下した。強かに打った尻がズキズキと痛む。
「……あんた、こんなことして嬉しいわけ?」
キッと仁を睨みつける。
「さっき、女の扱い方が分かっていないと言ったが……」
「え……?」
噛み合わない仁の言葉にシーナは首をかしげる。
「シーナ。君は自分の扱われ方を分かっていない」
「ど、どういう意味よ……」
シーナは仁の瞳の冷たさにのみ込まれそうになる。そこには慈悲の感情など微塵も存在していない。
「我々にとって、君たちはただの食料であり、同時に玩具だ。自分の扱いに口を出せるような立場じゃない」
「仁……」
仁はもう完全に魔物になってしまっている。シーナは心の片隅に抱いていた小さな希望も捨てざるを得なかった。
「ぐぅっ!?うああああっ!!!!!」
伸びてきた蔦がシーナの右足を絡めとり、逆さ吊りにした。
「教えてやろう。自分の立場というものをな」
冷酷な言葉を浴びせ、仁は蔦を繰り出す。
「うがっ!!!?がああああああああああああああああっっ!!!!!!!」
シーナの膣に、いきなり3本の蔦が挿入された。どこかが切れたのか、太腿の辺りに血飛沫が散っている。
「ああああああっ!!!!がひっ!!!!ひぎゃああああああっ!!!!!!!」
膣内で、3本の蔦はそれぞれが勝手な方向にうねった。
その分、膣壁はむちゃくちゃに押し広げられ、シーナの悲鳴のトーンを押し上げる。
「さっきは5本入れたんだ。これぐらいは余裕だろう?」
落ち着いた仁の声は、余計にシーナの恐怖を煽った。
「ぐはっ!!!!やめっ!!!そっちは、そっちはやめてええええええええっっっ!!!!」
アナルにも蔦が挿入される。2本、3本と、続けて押し入った。
「ぐげえええっ!!!いぎゃぅっっ!!!!おぐううううううううううっっっ!!!!!」
「何を言ってるんだ。この程度で魔法少女は死なない。知ってるだろう?」
死に物狂いで叫ぶシーナとは対照的に、仁は落ち着き払っている。
目の前で繰り広げられる凄惨な陵辱に興奮するでもない。まるで、聞き分けのないペットに躾をしているようだ。
「ぎゃひぃっ!!!むりぃっっ!!もうっ、さけるっ!!さけちゃうっ!!!!!!」
さらに膣に3本、アナルに2本の蔦が入り込んでくる。
子宮に入り込んだ蔦と、大腸を犯す蔦で、シーナの腹は2通りの膨らみを見せた。
「裂けたら後で直せばいい。直らなければ捨てるまでだ」
仁はシーナを全く人間扱いしていなかった。完全に物扱いだ。
「うげえええええええええええええええええええええっっっっ!!!!!!」
11本の触手が同時に射精する。
放尿のような勢いで噴射される精液に、シーナの腹は丸々と膨らみ、逆流した精液は漏れ出てシーナの平らな胸を汚した。
「た、たしゅけっ!!ひぐああああああああああああああああああああっっ!!!!!」
さらに触手が追加される。前に3本、後ろに4本だ。
膣口も肛門も確実に裂けている。溢れる精液の中に赤いマーブル模様が滲んでいた。
シーナの飛び抜けて幼い身体にはどう見ても不釣り合いなほど、腹は歪な形に膨らみ、蠢く。
魔法少女でなければ味わうことのない地獄。それをシーナはまさに体現していた。
「ぐぎゃあああああああああああああああああああああああっっっ!!!!!!!!」
シーナはまるで魔物の断末魔のような叫びを上げる。
蔦が更に射精したのだ。
膨らむ腹は妊婦のそれどころの騒ぎではない。まだ辛うじて人の姿を保っているのが不思議なぐらいだ。
「ふんっ!!!」
「ぎぎゃああああああああああああああああああああああああああっっっっっっ!!!!!!!!!」
仁はその異形に膨らんだ腹を蹴り飛ばした。その衝撃で精液が逆流し、噴水となって飛び散った。
「か……ふぅっ!!あが……がひぃっ」
シーナは全身を白濁液に濡らし、必死で呼吸をする。
死にそうな苦しみを堪えながら、自分は生きて帰れないのだと、ようやく悟った。
335魔法少女の涙 最終話 BAD END8/13:2009/11/18(水) 16:04:03 ID:n09mHU2g
「うく……ひっく……。和博くん……もうやめて、お願いだから……」
膣の熱と背中の痛みに顔を歪ませながら、命はまだ和博に語りかける。
「嫌だよ。ここからが面白いことだってのに」
命の懇願を、和博はあっさりと切り捨てた。
「んぁっ、や、やめ……」
和博はまた命の胸を揉む。両方の実りを両手で無造作に。
「なあ、大きくなってると思わないか?自分じゃ分からねえかなぁ?」
「ふぁっ!?ぁ……そ、そんなことっ……ああぅっ!!」
命は和博の乱暴な手つきで激しく感じている。膣から精液と混ざった愛液がポタポタと滴った。
「そんなことない、か?いや、そんなはずないんだよ。だって、大きくなるようにしたんだからさ」
「ふぁんっ!!ど、どういうこと……?ひあああっ!!さきっぽ、いじらない……でぇっ!!」
コスチュームの上から乳首を探り当てられて、太腿を擦り合わせるように、両足をモジモジと動かす。
「ま、いまに分かるって」
そう言うと和博は命のコスチュームを破り、命の膨張した胸を露わにした。
「やだっ!!やめてっ、見ないでぇっ!!!」
「何言ってんだよ、さっきまで素っ裸だったじゃんか」
今さら自分の視線を恥ずかしがる命の反応を見て、和博はケラケラと笑う。
「ひゃうぅっ!!」
直接、和博の指で乳首を触られると、命は大きく反応を示した。
ただ触れられているだけではない。好きな人の手に触れられているのだ。
既に挿入までされているのに、命は生娘のように怖々とした反応を返す。
「へへ、柔らかいな。ていうか、命は身体が小さいわりに胸だけでかいんだよなぁ」
「やっっ!!!!ふあああああっ、んくっ、あぅ、うああああんっ!!!!」
和博の言う通り、命の胸はそれ以外の部分の未発達さとアンバランスなサイズではあった。
他の部分は全て遅れを取っているのに、胸だけが人並みに成長したようなものだ。
その胸を弄られると命は、これもまた幼い顔とアンバランスな色っぽさを滲ませる嬌声を上げた。
「んぅっ!ぃやっ、なめないでぇっ!!……あれ?うそ、また……っ!?」
命は覚えのある感覚に戸惑う。
和博が命の乳首に食らいつき、吸い上げるのに連れて膨らんでくるこの感覚は、乳首からスライムを噴出した時と同じものだ。
「なん……でぇっ!?おっぱい、でちゃうっ!!!ひやあああああああああああっっ!!!!!」
命の乳首から溢れた液体が和博の喉を潤す。ほのかな甘みを伝えるそれは、まぎれもなく母乳だった。
今回は入りこんだスライムを排出しているのとは違う。
子宮に入ったスライムに魔法をかけ、命の身体を急速に母親のそれに変えてしまったのだ。
「ああああああっっ!!!やあっ!!おっぱい、吸われて感じちゃってるっ!!!あううううううっ!!!!」
スライムの陵辱によって、元の何倍も敏感な性感帯と化している乳腺は、母乳を出すたびに命を絶頂へと誘った。
乳房から口を離した和博は、命の右胸を両手で掴んで押し潰す。母乳がまるで射精のように飛び出した。
「んはああああああああああああああああああああっっっ!!!!」
魔法で強制的に大量の母乳を生成させられた命の胸は、軽く刺激しただけで母乳を噴き出してしまう。
和博は命の両胸の先端を持って、牛の乳でも絞るように母乳を捻りだした。その度、命は快感で達する。
「いひゃああああああああああああああああああああああっっっ!!!!!」
それ以上搾っても母乳が出なくなった頃には、命は15回も小さな絶頂を味わっていた。
336魔法少女の涙 最終話 BAD END9/13:2009/11/18(水) 16:04:24 ID:n09mHU2g
「あうぅぅ……はっ、はっ、んぐぅっ!」
リムはまだ縮こまって苦痛に耐えている。
そのリムを見下ろす隆志の手にはあるものが乗せられていた。
それはエレメントだ。正確にはリムが扱うエレメントをコピーしたものだが、魔力媒体としての性能は変わらない。
「ねぇ、まだ続くんだよ?これぐらいで根を上げてちゃだめじゃないか」
隆志は満面の笑みを浮かべながら言う。脂汗を滲ませるリムには、それは悪魔の笑みにしか見えない。
「よし、とりあえず入れちゃおうか」
「……な、なにをっ!?んぎっ!!!ああああっ!!!やだっ!!!もういたいのやだあああっっっ!!!!!!」
隆志はエレメントをリムの膣に押し込んだ。
無理なく入るよう、ゼリー状にして挿入したのだが、先程の行為で傷ついた膣にはそれでも重荷だった。
「これじゃ、一気に入れても同じだな。よっ、と」
「はぎゃああああああああああああああああああああっっ!!!!!!!」
最初は徐々に挿入していたエレメントを、隆志は一気に子宮内まで押し込んだ。
「おげっ!!うえええええっっっ!!!!」
エレメントは子宮の奥に衝突し、その勢いでリムは内臓を圧迫されて吐き気を催す。
「あぐっ!!げぅっ!!!やめっ、なかで……あばれてぇっ、ひぐうううぅっ!!!」
「はは、ちょーっと活きがいいみたいだね」
隆志は自分で子宮内のエレメントを無茶苦茶に跳ね回らせておいて、しれっと言う。
「さて、君にはお馴染みのエレメントを中に入れたわけだけど、これがどういうことかわかる?」
「…………うそ!!!う、うそ……だよね、たかしくん?そんなこと、しないよね、ねぇっ!!!!」
リムは最悪の展開を頭に思い描いて、真っ青になる。
「だって、中に入れるだけじゃ、スライムと同じじゃないか。特色がないもんね」
にこやかに隆志が言うと、リムの腹がボコッと膨らんだ。
「はぐええええええええええええっっ!!!!われるっっ!!!おなか、はれつするっ!!!!!!!」
エレメントはリムの子宮内で水の魔法を放った。子宮内を満たした水は子宮を膨張させていく。
「んがああああああああああああああああああああああああああああああっっっ!!!!!」
リムの膣口からホースのように大量の水が流れ出すが、それよりも生成される水量の方が勝っている。
「ぶぐえぇっっ!!!!!」
エレメントが水を止めると同時に、隆志はリムの膣に靴をめり込ませて水の流れをせき止める。
「おごおおおおおおっ!!!!やめでっ!!!!!おにゃかっっ!!!こわれるっっ、われぅっ!!!!」
子宮内の水を、エレメントを使ってかき回す。水流が子宮をボコボコと歪め、腹が波打った。
「大丈夫。魔法少女の内臓ってのは相当丈夫に出来てるんだ。この程度じゃ壊れやしないさ」
「ぎょげええええええええええええええええええええええっっっ!!!!!!」
かき混ぜながら、隆志はエレメントに電撃の魔法を撃たせた。
リムの身体が、まさに雷に撃たれたように飛び跳ねる。間抜けな咆哮を上げながら。
「だじゅげでっっ!!!!じぬ゛ぅっ!!!!あがががががあああああああっっ!!!!!!」
リムは四肢をバタバタと動かし、痺れた舌で助けを求める。
「おにぇがいっ!!!やべでぇっ!!!なんでもじまずっ!!!なんでもじまずがらっ!!!だずげでぇぇっっ!!!!」
このままでは、死ぬ前に心が焼き切れてしまう。どんなプライドもかなぐり捨ててリムは懇願する。
「いや、結構これで満足してるからさ、今は特に何もしなくていいよ」
隆志はヒラヒラと手を振って答える。悪魔の笑顔は張り付いたように変わらない。
「おにぇがっ!!!ぎゃひいいいいいいいいいいいいいいいっっ!!!!……がふっ!!!」
リムの願いが通じたのか、やっと電撃が止む。リムは絶え絶えながら、必死で呼吸をした。
337魔法少女の涙 最終話 BAD END10/13:2009/11/18(水) 16:04:52 ID:n09mHU2g
身体も、胸も小さな少女が、そこだけ丸く大きく膨らませた腹を両手で押さえて悶えている。
その悪夢のような、非現実的な光景は、隆志の嗜虐心を大いに満たした。そして、仕上げにかかる。
「……あ、つい……っ!!あついっ、あついっ!!!!!」
少しの休息の後、リムは異変に気がつく。
エレメントは少しも休んでいなかった。リムの中を流れる水は確かに熱を持ち始めている。
「あづっ!!!!あづい゛いいいいいいいっ!!!!もえるっ!!!!もえぢゃうううっ!!!!!!」
「あはは、燃えるより先に、焼けるんじゃないかなぁ。いや、熱湯で茹で上がるか」
リムが熱に気付き始めてから先は早かった。一気に水が沸騰する。
「ぎにゃあああああああああああああああああああああああああああああああっっっっ!!!!!!!」
リムは全身から滝のような汗を流している。子宮は熱耐性もあるとはいえ、本当に茹で上がってしまいそうだ。
「じぬ゛ぅうううううううあああああああああああああああああああああっっっ!!!!!!」
「あ〜、このままだと脱水症状で死んじゃうかもなぁ」
的外れなのか、的を射ているのか分からない発言をして、隆志はリムの顔の上に小さなエレメントを作り出した。
「ごぼええええええええええええっっ!!!!!んげっ、ががあああああああああああああっっ!!!!!」
リムの顔に液体が滝のように振りかかる。息が出来ず、塩辛い水が無理矢理喉の奥に入りこんでくる。
「塩分も取らないと逆効果だっていうし、とりあえず海水にしてみたよ」
「がぼおおおっっ!!!がぐえっ!!がくげえっ!!!!!!!!!!!」
助けて、と口にすることも出来ない。呼吸が遮られる上、腹は更に膨張を始めていた。
「ああ、蒸発したら水がなくなるかと思ったけど、蒸気で逆に体積は増えちゃうんだったね」
中学生なら十分に知っているレベルの知識だ。隆志はわざとやっている。
隆志は仕方ない、といった顔をして、リムの膣から靴を抜いてやった。
「えげえええええええええええええええっっ!!!ぼごあああああああああああああああっっ!!!!」
海水をボコボコと言わせながら、リムは叫ぶ。熱湯の奔流がリムの膣を駆け抜けているのだ。
多大な苦痛を伴いつつも、リムの腹がようやく縮んでいく。
あれだけ膨らまされてながら、元に戻る事が出来るのも魔法少女の回復力ゆえだろう。
だがその先には更なる地獄が待っていた。水を沸騰させていた根源は、まだ子宮内に残されているのだ。
「ぴぎゃああああああああああああああああああああああああああああああっっっっ!!!!!!」
いつの間にか海水も消えて自由になった喉から、リムは小動物のようは雄叫びを捻りだす。
超高温になったエレメントに、縮んだ子宮が触れたのだ。
「あははっ、子宮って焼き肉でなんていうんだっけ?コブクロ?カニバリズムの趣味はないんだどね」
「やげる゛ぅううううううっっ!!!!リムのしきゅうっ!!!やけじゃうっ!!あかちゃん、うめなくなっちゃ、があああっっ!!!!!」
リムは白目を剥いて、絶望の淵をのたうち回る。
「何言ってんの。どうせそんな機会ないからさ。ま、ほんとに焼ける前に出してあげるよ」
そう言って、隆志はリムの子宮からエレメントを引き抜く。もちろん、膣をかき分けて、だ。
「がああああああああああああああああああああああああああああああああっっっ!!!!!!!!!」
焦げ臭い匂いと共にエレメントが抜かれると、リムは気を失ったまま小水をチョロチョロと漏らしていた。エレメントにかかっては、瞬時に蒸発していく。
隆志はビクビク痙攣しているリムを見下ろす。
外見上はほとんど傷ついていないように見えた。魔法少女の肉体は驚異的な強度を誇る。だからこそ、地獄を見るのだが。
(でも、そろそろ限界かな)
いくら肉体が強固でも、心はそうはいかない。心だけは、ただの少女と変わりないはずなのだ。
心のない人形を犯しても何も楽しくはない。まだ心が生きているうちに、魔力を根こそぎ奪って殺してしまおう。
隆志はそう決めた。
338魔法少女の涙 最終話 BAD END11/13:2009/11/18(水) 16:05:58 ID:n09mHU2g
「ぎやああああああああああああああっっ!!!!」
計20本に増えた蔦から放たれる3度目の射精は、そのほとんどがシーナの体内には入れずに溢れていた。
「けぷっ!!げほっ!!!おえええぇっ!!!」
アナルから流れ込む精液は、胃の半分まで侵攻している。
「ぐえっ!!?ああああああああああああああああっっ!!!!」
アナルに刺さった10本の蔦が抜かれると、精液が滝のように流れていく。
まるで排便のような感覚だが、棘でズタズタに引き裂かれた腸が酷く痛んだ。
「そろそろ、自分の立場が理解できたと思うが……」
仁は荒く息を吐くシーナに告げる。
「よく考えると、どうせ死ぬだけなんだから、思い知らせる必要もなかったな」
悪い冗談だったが、仁はクスリともしない。本気なのか、シーナを苦しませるための言葉なのかすらも推し量れない。
「……がふっ!!はぁ……っ、はぁっ!!く、そ……、ひぐっ!!!」
シーナはぼやけてきた頭を振り絞って苦言の1つでも呈してやろうかと思うが、口から出るのは苦悶に満ちた呼吸だけだった。
「まぁ、どうでもいいことだ。そろそろ、もう1度俺のを味わわせてやろう」
仁は蔦を操って、まだ精液がボタボタ落ちるシーナの尻穴を自分に向けさせる。
(……ペニス1本ぐらいなら、蔦がたくさん入るよりマシ、かしらね……?)
シーナはそんな淡い期待を抱いてしまう。どうせ裏切られるのが分かっているくせに。
魔物がそんな生ぬるい事をするはずがないことは、シーナ自身がよく分かっている。
仁の身体が変化していく。人から、身体だけは人だったものから、完全な異形のものへと化身していく。
後ろを振り返る気力などないシーナには見えなかったが、その身体はまさに鬼と呼ぶに相応しい。
体積にして3倍ほどには膨らんでいるだろう。ペニスのサイズの変化は、その比ではない。
蔦10本の方が、どれだけマシだっただろう。こんなものが、少女の体内に収まるとは到底思えない。
だが、収まるのだ。それが魔法少女という存在だった。
魔物に犯されても限界まで生存し反撃のチャンスを待つことのできる身体。
それは等しく、魔物にとって最高の玩具となりえる身体でもある。
魔法少女でなければ、これほど残虐な行為は成し得ない。魔法少女は魔物の天敵であり、最大のご馳走なのだ。
まだ化身した仁の姿を見ていないシーナは、その身に降りかかる悲劇の凄惨さを理解できていない。
「ひっ!!?」
ただ、ペニスをねじ込む前にシーナの両腕を掴んだ仁の手が、異様に大きいことを直前に知るだけは出来た。
(うそっ!?いったい、どんな大きさ……)
「がああああああああああああああああああああっっ!!!!!!」
ブチブチと音を立てて括約筋をぶつ切りにし、他の内臓を押しのけて挿入されたペニスの衝撃に、シーナは吼えることしか出来ない。
「あ……?げぅっ!!が、が、あああぁ、あぅ……あが……?」
大腸を途中まで直線に引き伸ばして挿入されたペニスは、10本の蔦が蹂躙する子宮を更に腹側へ押し出し、シーナの腹は裂けそうになっている。
「がうああああああああああっっ!!!おおおおおおおおっっ!!!ぐああああああああっっ!!!!!!」
仁がピストンを開始すると、シーナは獣の如く吠え続けた。そうでもしていないと、すぐさま心が壊れてしまいそうだ。
ペニスは大腸越しに内臓を押しやりながらピストンする。強化された内臓は容易くは破壊されないが、肺が圧迫されると、息が苦しい。
「がっ、ごええっ!!!げひゃああっ!!!ぶごえええええええええええっっっっ!!!!!」
シーナは顔をグシャグシャに歪め、無様な叫び声を上げる。
まるで自慰のための道具のように、シーナは両腕を無造作に掴まれ、全身と生命をかけて仁に奉仕をしている。
まさに道具としての扱いに他ならなかった。もはやシーナは魔法少女でも、人間ですらないのだ。
「うおおおおおおおおおおおっっ!!!!!」
寡黙な仁が、低い咆哮を上げた。射精の時だ。
そのペニスから解き放たれた精液は、鋭角に折れ曲がった大腸をカーブして小腸や胃を駆け巡る。そして……。
「ぼぐえげえええええええええええええええええええええええっっっっ!!!!!!!!」
洪水のように、シーナの喉から迸った。その凄まじい勢いに歯が折れ、顎が外れる。
シーナの身体はガタガタと、壊れた人形のように揺れた。
「げえええええええええええええっっ!!!ごぶっっ!!!!あ…………げぼっ!!!」
洪水が止んだ後、ペニスをシーナから抜いた仁は、何の感慨も無くシーナを地面に落とした。
膣を犯す蔦も引き抜かれると、今度は下から洪水が起こる。
この玩具ももう潮時だ。仁はただそう思った。
339魔法少女の涙 最終話 BAD END12/13:2009/11/18(水) 16:06:20 ID:n09mHU2g
「へへへ、命、こんなにおっぱい出せるなんて、もう立派な母親かな?」
和博は楽しそうに話しかける。命は自分の身体が淫らに作りかえられていくのが堪らなく苦痛だった。
「違うっ!!母親なんかじゃっ!!!」
命は首を振って否定する。
すると、和博は嬉しそうに微笑んだ。
「そうだよな!!」
「え……?」
命は和博が何を言っているのか分からない。
「おっぱい出るだけじゃ、母親とは言えねぇよな。やっぱり、子供を産まないと」
命の顔から血の気が引いた。
「もう、用意は出来てるんだ。いつでも産めるぞ、ほら」
「ひ……いやっ!!!いやいやいやああああっっ!!!!!」
命は自分の体内で胎動する何かの存在を確かに感じ、恐怖でいっぱいになる。
その何かは、急速に大きくなっていく。子宮内のそれが大きくなるにつれて、命の腹も膨らみだした。
「やだっ!!おねがいっ!とめてっ、とめて和博くんっ!!!!やだあああああああああああああああっっっ!!!!」
自分の腹が膨らむのを見て、感じて、否が応でもにじり寄ってくる出産の恐怖に直面させられる。
「お゛ぉっ!!!が、はぁうっ!!!!」
急激に膨らんだ腹は、一般的な臨月の妊婦よりも一回り大きい。命の幼い身体には余りにも負担が大きかった。
「がっ!!ぐぅっ!!!な、やめっ!!なかから、けらないでっ!!!!!」
胎児は命の腹を胎内から蹴り飛ばし、殴りつけている。
それは、普通の胎児が腹を蹴るような微笑ましい光景からは程遠い。
「ぎいいいいっ!!!!いだいっ!!!だめっ!!!さけちゃっ!!あああああああああっっ!!!!」
腹を蹴られるたび、はち切れそうな程に腹は膨らみ、凄まじい痛みが命を襲う。
これでは、胎内から犯されているも同然だ。まだ産まれてもいない魔物に、命は犯されている。
胎児は殴る蹴るの行為には満足したのか、大人しくなった。
「いいいいいっっ!!!あっ、がああああああっ!!!!ひぅっ、はっ、はっ、はがあああっ!!!!」
命は身体を裂かれるような痛みに飛び上がる。
胎児が自らの手で子宮口を無理やり開き、生まれ落ちようとしているのだ。
「はああああっ!!!!ぐぎぃっ!!はぐっ、はぁっ!!はぁっ!!」
この胎児は人間の胎児よりもずっと大きい。それが自在に動き、強引に出てこようとしている。
命は痛みと苦しみに息も絶え絶えといった様子で、空気を求めて喘ぐ。
「ふ……ぐぎいいいいいいっ!!!!んいいいいいいいっっ!!!!!!」
この苦しみから少しでも早く解き放たれたいと、命は必死でいきむ。早く胎児を産み落とそうとする。
「ひがあああっ!!!!!!」
命の股間から、胎児の手が姿を現した。灰色で粘液に塗れたその手は、恐ろしいほどにグロテスクだ。
「あがぁああああっ!!!!ひぎいいいいいいいっっっ!!!!!!!!」
もう1本の手も外に伸ばされ、胎児は陰唇の辺りを押さえる格好で這い出ようとする。
「んんんんんんんっ!!!!!はあああああああああああああああああああああああっっっ!!!!!!!」
ゴリゴリと削り取られるような膣壁の痛みを堪え、命は出産に最後の力を注ぎこむ。
ゴトリ、と。異形の仔が床にこぼれ落ちた。その全体像は、あまりにも醜い。
爬虫類と人類を下手に掛け合わせたようなその容姿は、吐き気すらも催すほどに気持ちが悪かった。
「そいつはさ、卵を植え付けたわけだけど、特殊な能力を持っててな。植えつけられた先の卵子を取り込んで、産まれるんだよ」
「はっ、はあぁっ!!!は……ぅ、……え?それ……て……っ?」
命はその言葉が意味することの理解を拒んでいる。
「つまりさ、そいつのいくらかは、命の遺伝子で出来てるってこと。血の繋がった子供だぜ」
命の顔から色が消えた。
「いやあああああああああああああああああああああああああああああああああっっっっ!!!!!!!!」
そして絶叫する。
いま産み落としたのは、ただの魔物の子供ではなく、魔物と自分の子供。
あのグロテスクな、目を覆うような容姿のあの生物が、自分の血を受け継いだ、命の子供。
それの事実は、命の心を壊すのに十分だった。
「あ……あはっ、あはははっ!!」
命は虚空を見つめ、虚ろに笑い出した。
「ありゃ、壊れちゃったか。ま、いいや。そろそろ時間みたいだし」
和博は隆志と仁の方を見る。宴も、もう終わりが近いようだ。
340魔法少女の涙 最終話 BAD END13/13:2009/11/18(水) 16:06:58 ID:n09mHU2g
3人の少女は、それぞれの壊れ方をしていた。
リムは体内から魔法で犯され、シーナは内臓ごと犯され、命は魔物の母親にされた。
リムは痛みに身体を震わせ、シーナは虫の息でほとんど動かず、命は笑い続けている。
「もう終わりだね」
隆志が呟いた。
「ああ、終わりにしよう」
「ていうか、仁は先走りすぎなんだよ」
和博はそう言うと、仁と同様に化身する。同じように鬼の姿となった。隆志もその後に続く。
「よし、じゃあ仕上げだ」
鬼の姿となった隆志はエレメントを太く長く引き伸ばし、その先端をリムのアナルに当てた。
「ひぎぃやああああああああああっっ!!!!!うぐ、もごっ、おげええええええええっ!!!!!」
アナルからリムの体内に侵入したエレメントは、一気に喉から飛び出す。リムは苦しさに喉を引っ掻いた。
「がげええええええっっ!!!!!おごおおおおおおおおおおっっ!!!!!」
エレメントはあまりにも長く、リムを貫いてもまだ伸びている。そしてそのままシーナの口に入った。
「がふっ!!!!もがっっ!!!がげっ!!!!げあああああああっっ!!!!!!」
そして、シーナのアナルから顔を出す。その際、血が飛び散った。
さらに伸びて、命ことも串刺しにする。
「あひゃああああああああああああっ!!!!!いぐええええええええっっ!!!!!!」
3人の魔法少女が、1本のエレメントに貫かれている。エレメントは3人の身体で全体を扱くように動いた。
3人とも、喉を塞がれて息ができなかった。
エレメントはこのまま抜かれることはない。窒息するまでが生命のタイムリミットだ。
それに間に合うように、隆志たちはそれぞれの少女に巨大なペニスを挿入した。
「ぐぎがあああああああああああああああああああああああああっ!!!!!!」
「えげええええええええええええええええええええええええええええっっ!!!!!!!」
「むぼおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっっっっ!!!!!」
どう考えても少女たちの膣に見合っていないペニスは、それぞれの少女の腹をゴム風船のように大きく膨らませた。
アナルから喉のラインと膣を同時に犯され、誰もがこの世の地獄を味わっている。魔法少女の業とでもいうべき悪夢を見ている。
どうせ、もう長持ちはしない。それなら生きているうちにと思い、隆志たちはすぐに射精した。
最後の射精だ。容赦することは何もない。身体中の精液を絞り出すぐらいの勢いで噴出させる。
「みぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっっっ!!!!!!」
「ぎゃへえええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええっっ!!!!!」
「ごぼおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっっっっ!!!!!!」
3通りの断末魔の叫びが響いた。
強力な魔族による全力の射精を受けた腹は、ゴムボールのように易々と膨れ上がり、破裂の一歩手前まで広がった。
敢えて破裂させなかったのが、彼らの中に残っていた最後の良心だったのかもしれない。
だが、そんなものは何の意味もなさない。
3人の魔法少女は全ての魔力を吸い尽され、心を折られ、身体を壊されて死んだ。その事実だけが残った。
隆志たちは何も言わずにその場を去る。
残されたのは魔法少女の死体のみ。誰もが股間からおびただしい量の精液を流し、目を見開いている。
見捨てられた建物の中、魔法少女の死を見届け、嘆く者は誰一人としていなかった

/BAD END
341杏の人:2009/11/18(水) 16:08:02 ID:n09mHU2g
以上です。
これで、「魔法少女の涙」は完結になります。
杏の時と比べると随分と短期間でしたが、
最後までお付き合いくださった方、ありがとうございます。
少しでも気に入っていただける作品となっていればと願う次第です。

さて次回作なのですが、世界観を共有する別の話を書くつもりでいます。
よろしければ、これからもお付き合い頂けたらと思います。
それでは、また。
342名無しさん@ピンキー:2009/11/18(水) 18:38:20 ID:ZRMOIikh
>>340
GJ
好きな人の身体に犯されるの最高。
一本で三人連結凄い。
343名無しさん@ピンキー:2009/11/18(水) 20:44:12 ID:u1VIccU0
GJ!
エロでは串刺し、貫通、ボコ腹というこのスレならではの定番シチュで過激に彩り、「死」という頂点にまで持っていく筆力を見せて、
通常エンドでは世の古き良き魔法少女モノの定番である親しい者達からの記憶の消去による別れの演出で
タイトルの涙の意味を明らかにする。

お見事でした。
スレの進行が飛ぶように早い中で、駆け抜けるかのような短い間でしたがエキサイティング&エンジョイできましたw
お疲れ様です。
もっかいGJ!
344名無しさん@ピンキー:2009/11/19(木) 05:00:52 ID:bP1NSlH5
>>340
乙です!
まさかの展開に度肝抜かれました…
次回作も頑張ってください!!
345名無しさん@ピンキー:2009/11/19(木) 06:11:54 ID:WQ5SWRMd
少年らが操られているのは全く気づかなかった。
個人的に好きなのがここ
>蔦10本の方が、どれだけマシだっただろう。こんなものが、少女の体内に収まるとは到底思えない。
>だが、収まるのだ。それが魔法少女という存在だった。
この世界観どころか二次魔法少女の存在を表現してるのにこんな相応しい一文があろうか。
それにしてもこの悲鳴っぷりが素敵すぎる。
BADEND13レス分の密度が凄い。これだけの量をこのスピードで書き上げるのは脱帽。
しかも次回作があると思うと楽しみでしょうがない。 百万の感謝を
346名無しさん@ピンキー:2009/11/20(金) 19:00:48 ID:4MF6jlne
魔法少女「どんなに敵が強大でも…私は最後まで諦めたりしない!!」
347名無しさん@ピンキー:2009/11/20(金) 19:02:56 ID:G7alb/Bv
杖「まあ、私はとっくの昔に諦めてるんですが」
348名無しさん@ピンキー:2009/11/21(土) 03:44:29 ID:JmeM5gMH
>>346
こんな事をいう子に限って、相対する敵が竜王様とか陛下見たいなすげぇ怪物なんだろうな…
349名無しさん@ピンキー:2009/11/21(土) 05:10:49 ID:VhjykiVn
>>348
むしろこのスレ版、大ショッ○ーで
350名無しさん@ピンキー:2009/11/21(土) 12:55:06 ID:LoEVODAD
>>347
?「マスターが乙女座化してやる気が出ない」
351名無しさん@ピンキー:2009/11/21(土) 16:54:19 ID:EqGM28JF
>>350
無茶だって制止しても
「そんな道理、私の無理でこじ開ける」とか行って突っ込んじゃうんだな
352名無しさん@ピンキー:2009/11/21(土) 18:51:17 ID:5OxCTr3J
まあこじ開けられちゃうのは魔法少女の子宮口の方なんだろうけどな
353名無しさん@ピンキー:2009/11/21(土) 19:13:09 ID:i67pdsBx
誰か魔法少女の処女を、彼女の杖で奪ってくれる人はいないもんか
354名無しさん@ピンキー:2009/11/21(土) 23:30:01 ID:BvjRcH+J
自分の杖でってのは昔ナースウィッチ系SSで見たな。
意識はあるけど体を勝手に動かされて自分の手&自分の杖で処女ぶち抜かれた上にそのまま洗脳悪墜ちさせられてってのがどっかに。
355名無しさん@ピンキー:2009/11/21(土) 23:32:57 ID:+PksxmCC
そのSS俺も見たことあるきがするな
356名無しさん@ピンキー:2009/11/22(日) 00:00:43 ID:5OxCTr3J
まじしゃんずあかでみぃのファルチェみたいな、魔法少女の杖の擬人化っのも良いかも

対人インターフェースとして半実体があって、自律行動も可能な高性能機杖なのだが、
主たる魔法少女を人質に取られてしまい本体たる杖をギッチギッチに触手で縛り上げられて、破壊の危機に…
機構内部に粘液混じりの細触手が入り込み、無遠慮に弄くり回り、それに合わせて悶える対人インターフェース少女。
折れる程に撓められ軋む本体に恐怖の声を上げながらも、主たる魔法少女と並べられて蹂躙される魔杖少女…。

なんか色々有りな気がしてきた。
357名無しさん@ピンキー:2009/11/22(日) 01:02:41 ID:UdbQ47bx
>>354
ナースウィッチ小麦ちゃんまじかるて?
358名無しさん@ピンキー:2009/11/22(日) 07:43:35 ID:jVI8tZgO
>>356
杖が人化、アリだな。
359名無しさん@ピンキー:2009/11/22(日) 09:46:41 ID:25rIjecl
470間近か…大きな物はこっちに投下できそうに無いし、新スレ立てる?
360名無しさん@ピンキー:2009/11/22(日) 10:04:09 ID:flfo9iqV
キセイフィールドのお陰もあってか、きゅーちゃんも堕ちるの早かったね
361名無しさん@ピンキー:2009/11/22(日) 17:56:38 ID:jVI8tZgO
はちちゃん並みに大技使いまくったな。
一月で魔力切れとは。
362名無しさん@ピンキー:2009/11/23(月) 02:57:28 ID:BSrYQO2M
投下がしたいけどスレ容量オーバーしちゃう…
363名無しさん@ピンキー:2009/11/23(月) 03:02:30 ID:LURmL7mc
スレ作ってきてあげるから少しまちな
364名無しさん@ピンキー:2009/11/23(月) 03:05:38 ID:LURmL7mc
オリジナル魔法少女陵辱スレ10【和姦も】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1258913109/

思う存分投下どうぞ
365名無しさん@ピンキー:2009/11/23(月) 03:16:01 ID:+4b/OAeV
>>364
男前やな〜乙どすえ〜
366名無しさん@ピンキー:2009/11/23(月) 03:24:25 ID:BSrYQO2M
>>364
ありがとう、自分ではスレ立て出来なかったので助かりました。
少したら投下します
367名無しさん@ピンキー:2009/11/23(月) 12:11:49 ID:sS7QmwdX
>>364
乙彼
368名無しさん@ピンキー:2009/11/23(月) 16:49:23 ID:L9IqBsxz
>>364
乙でございます。
369名無しさん@ピンキー:2009/11/24(火) 20:57:00 ID:3V4yDTTj
きゅーちゃんの最期まだかな…
370名無しさん@ピンキー:2009/11/24(火) 21:37:28 ID:+oDPj95p
>>369
きゅーちゃんはまだ余力が微妙に残ってる、もうちょっと追い詰めないとな
371名無しさん@ピンキー:2009/11/24(火) 22:39:42 ID:yIAuNcpF
おいおい、君らプレッシャーかけ過ぎだwww
372名無しさん@ピンキー:2009/11/25(水) 00:42:17 ID:bQKQlAlt
煙突から民家に入り込み、ダークサンタに呪いの玩具を取り付けられた子供を救うサンタ魔法少女はまだかね
373名無しさん@ピンキー:2009/11/25(水) 07:57:44 ID:Q7Qj0bng
>>372
子供達を操られ、抵抗出来ない魔法少女が、その玩具で弄ばれてしまうんですね、わかります。
374名無しさん@ピンキー:2009/11/25(水) 12:52:18 ID:jDWuAuyS
子供達が本当に望んでいた「プレゼント」こそサンタ魔法少女だったのだ

って感じで、靴下型の魔法生物に飲み込まれて拘束されちゃうSSはまだかね?
375名無しさん@ピンキー:2009/11/25(水) 17:21:18 ID:SOq4tpvr
マスコット役のトナカイが操られて、サンタ魔法少女を犯しちゃうんですね。

橇を牽いてるトナカイは、角生えてるから雌らしい。
雄はこの時期、角とれてるって。
376名無しさん@ピンキー:2009/11/27(金) 06:49:00 ID:PysWgU7V
毎度の埋めネタを投下させていただきます。

いつものような外道な展開に、今回はほんの少し『触手による擬似ふたなり』という人を選びそうなシチュがあるので
苦手な方はご注意ください。
377クオンの末路 1/8:2009/11/27(金) 06:50:01 ID:PysWgU7V

楢木 九音(ならき くおん)
彼女は麻小良学園という中高一貫の女学園で教職に就いて3年目を迎える25歳の女教師だ。
背は150cmに満たず、三つ編みに結ばれた髪と愛らしささえ感じさせる顔立ちをした九音の容姿。
まるで教え子の少女たちと同じような年齢にさえ見えてしまうことが九音の大きな悩みだった。
生徒たちは教師としては少し威厳にはかけ、時にはドジっ娘のように妙なミスをする子供っぽい点もあるが真摯に自分たちに
向き合ってくれる九音のことを慕い、親しみを込めて彼女のことを「きゅーちゃん」と呼んでいた。


可愛い教え子たちと過ごす九音の楽しき日々、だがそれは突如終わりを告げた。



ある日彼女が担任を務めるクラスの生徒の一人『江月 七那子』が突然失踪し、それだけではなくもう一人、七那子の親友でもあった
『園岡 羽茅』までが姿を消してしまったのだ。
二人とも家出するような理由も無く、周囲の人々は心配で胸を痛めていた。
もちろん九音も二人のことを心の底から心配して、有志が行う捜索活動にも熱心に参加した。
昨日も夜遅くまで彼女らの家族と一緒に駅前でビラを配ったり、捜索の協力を呼びかけるホームページの
アップロードなどを行っていた。
そのために本来の教師としての仕事が疎かになってしまい、この日は朝早く学校に出勤して仕事をこなすことにしたのだ。



「えっ!?……そ、そんな……」
校舎に向かう彼女は信じられないものをその目に映してしまった。
冷たい風が当たる九音の頬は寒さだけではない何かによって震えてしまう。
うっすらとした朝日に照らされた校舎、その正面にそびえる時計塔に小柄な少女が吊るされていた。

「……あ……あぁ…………こ、江月さん……?」
九音はチャームポイントの一つであった垂れ目を思いっきり見開き、か細い声を漏らす。
手に抱えていた書類や鞄が地面に落ちるが彼女は気づかない。
九音の瞳は白い汚濁で汚された裸身、かつては彼女に明るい表情を見せていたはずの顔に絶望の影を張り付かせたままの少女
無惨に息絶えた七那子の亡骸を映し出していた。

友人や教え子からはのんびり屋さんと良く言われる穏やかな心を持っていた九音。
しかし、今の九音の心の奥底からは生まれてから初めて感じる憤怒、七那子に対する痛ましさ、そして彼女を救えなかった自責の心
といった様々な感情が一気に湧き出る。

そして共に湧き上がる魔力と言う力。
教え子を失った絶望、そしてもう一人の『園岡 羽茅』を救わなければならないという使命感が九音に魔力をもたらす。
九音の身が光り輝いて、一瞬の後に緑色のミニドレスを纏った小柄な教師の身体が現れた。


これが『魔法教師 レルティークオン』の誕生の瞬間だった。

378クオンの末路 2/8:2009/11/27(金) 06:50:52 ID:PysWgU7V

「はぁ……はぁ……てややあああああぁぁぁあ!!!!」
森の中にクオンの絶叫が響く。
普段はアニメの声優のような可愛らしい声を出している彼女とは思えない張り詰めた叫び。
その気合を込めた声と共に振るわれたロッドが触手を切り裂く。
だが裂かれた触手の後ろからまた新たな触手が伸びる。
それどころか彼女は木々の間から蠢く触手に周りを完全に囲まれてしまっていた。


魔法教師として覚醒したクオンは七那子や羽茅が魔法少女であったことを知り、未だ敵の手中にある教え子
『ミスティエイト』を救うために魔物との激しい戦いに身を投じていたのだ。



「もう息上がっているね? もうそろそろ諦めたら?」
そんな魔法教師に頭上から嘲笑うような声がかけられる。
ひときわ大きい杉の木、その頂点に立つ人物が放った幼さが残る女の声だ。
月光に照らし出されたその姿は目深に被った漆黒のフード、そしてつま先まで覆うローブに隠されている。
今宵、ローブ姿の女と遭遇し彼女からミスティエイトを捕らえているのは自分だという挑発を受けたクオンは
なんとしても倒して、教え子を救い出そうとする焦燥に駆られて深追いをしすぎてしまった。
気がつくと四方八方を触手に囲まれ、追い詰められてしまったのだ。

「諦めなんかしないっ、ミスティエイトを救い出すまではっ! キャアァァァッッッ!!!」
クオンはローブ姿の女を睨み付ける、しかし横から鞭のように伸ばされた触手が彼女の身体を弾き飛ばす。
「アグッッ!!…………あぅ……うぐっ」
木の幹に叩きつけられ、クオンはそのまま地面に倒れてしまいそうになるがロッドを支えにして踏み止まる。
「ぜ、ぜったいに……ミスティエイトは……たすける……」
額から童顔に流れ落ちる血を拭いもせずに凛とした視線を放つクオンからは凄絶な美しさを見てとれた。

「だ、大地の精よ……紅蓮の炎を立ち上がらせ……うぐっ……ほ、炎の真円を築かん!」
クオンが詠唱を唱えると彼女の周りに円を描くように炎が生じ、触手を燃え上がらせた。
触手は熱で悶えるようにその身を捩じらせる。
「うっ……」
連戦の末、残った僅かな魔力で大魔法を使ったクオン。
その反動に疲労しきった小柄な体躯が悲鳴を上げ、一瞬意識が遠のく。
しかしクオンはよろめきながらも倒れることは無い。
教え子を救う使命感が彼女を踏みとどませるのだ。

(この一撃に全てをかける……)

「――――――ッ!」

クオンが口唇から耳慣れぬ発音の呪文を唱えると、身体中から根こそぎ集められた魔力がロッドに溜まっていく。
バチバチと小さな稲妻を放つロッド。
「てやぁぁあああぁぁぁああああッッッッッッ!!!!!!!」
そしてクオンの絶叫と共にロッドが振りかぶられ、黄色い光の奔流が一直線にローブの女に伸びていく。
魔法教師レルティークオンの全身全霊の一撃。
しかしローブの女は慌てた様子は無い。それどころかフードの隙間から僅かに見える口元をニッと歪めて
自分に襲い掛かる必殺の一撃を見遣る。
次の瞬間、フッと彼女は右腕で払うような動きを見せた。

するとクオンの必殺技をも上回る、とてつもない大きさの黒い魔力の奔流が生じてクオンの魔力へ向かって一直線に伸びていく。

379クオンの末路 3/8:2009/11/27(金) 06:51:36 ID:PysWgU7V

轟音と共に空中でぶつかる二つの魔力の流れ。
拮抗したのもつかの間、まるで勢いが違う黒い魔力はクオンの光の魔力を飲み込むようにしてジリジリと押していく。
「あぁ…………そ、そんな……」
傷ついた小柄な身体で必死に魔力を集中させるも、こちら側に迫り来る漆黒の奔流に目を見開くクオン。
「きややああああぁぁぁああぁぁぁぁぁッッッッ!!!!」
そしてクオンの最後の一撃は無惨に潰え、凄まじい爆発音と共に彼女は黒い魔力に飲み込まれてしまった。


ローブ姿の女はその様子を見て満足そうに口元に笑みを浮かべる。
そのまま地に降り立つ彼女。
やがて爆発の威力の凄まじさを示した土煙が晴れると、そこには仰向きに倒れたクオンの姿があった。
コスチュームは半ば破れ飛び、傷だらけの乳白色の肌を晒してしまっている。
ローブの女はクオンに近づくと無造作にその右胸を踏みつける
「あっ……グッ!……ぐゥッ…………」
僅かに呻き声を上げ身を捩じらせるクオン。
「この身体、とても魔力を使い勝手がいいから手加減が難しくて思わず殺しちゃったかなって思っちゃったじゃない。
 でも良かった、生きててくれて。さぁ、楽しみましょう『せんせい』」
クオンが命は取り留めていることに胸をなでおろして呟くローブの女。
その『せんせい』という声音が聞き覚えがあるものであることを、意識を失ったクオンが気づくことは無かった。



「……う……うぁ………あぅ?……」
意識を取り戻したクオンが重たい瞼を開けると、飛び込んできたのはグロテスクな赤色。
敗北した魔法教師は、触手の肉塊に覆われた小部屋に囚われの身になってしまっていた。
手足も触手で縛られ、×の字に磔になっているような格好にさせられている。
(まだ殺されたわけじゃない。きっとチャンスはあるはず)
自分に言い聞かせるようにクオンはそう心の中で呟いた。

「あら、お目覚めのようね」
姿は見せないが、何処からより投げかけられるローブの女の声。
クオンはその声を聴くと歯を噛み締め、決意を込めた表情を浮かべる。
「あらあら気張っちゃって。魔物に捕らわれた魔法戦士がどうなるかは『ナナちゃん』の姿からわかっているわよね? 怖いのかしら?」
救えなかった教え子の名を出され、クオンの胸が怒りと自責の心で埋め尽くされる。
「決して最後まで諦めません。絶対にあなたを倒して、ミスティエイトも救い出してみせます!」
だが未だ希望が残るミスティエイトを救うため、彼女は凛とした決意を吐く。
教え子たちが見たことが無い大人びて、勇ましいクオンの表情。
「どこまでそう言っていられるかな?」
だがローブの女はせせら笑うような声で応じた。

クオンの大きく触手で広げさせられた股間、そこに太い触手が伸びる。
「本当はこの触手をねじ込んで激しい痛みを味あわせて起こしたかったんだけど、むかつく仕掛けのせいで無理だったのよね」
そうローブの女が口にするのと共に、触手は下着も剥がされて曝け出されたクオンの陰部に伸びていく。
だが、その肌に触れようとした瞬間、ジュッと肉が焼けるような音が響き触手の先端が黒く焦げてしまった。

触手を拒んだのは、魔法教師レルティークオンが自らの身に施した聖なる魔法『キセイベルト』だった。
新たなレスを防ぎスレの容量を守る――じゃなくて、体内への魔物の侵入を防ぐそれはクオンの身を守る最後の盾、絶対無敵の貞操帯だった。

「こんな魔法をかけれるなんてあなたすごいのね。それも意識を失っても効果が続く仕組みなんてね。でも、意識があるのに
 集中力を解いちゃったらどうなるのかな?」
「あなたなんかにどんなことをされても負けない。決してわたしは屈しません!」
絶大な効果をもたらす魔法をかけ続けるのにはとてつもない集中力を必要とするものだ。
その集中力を削ぐのに何をされるかを考えるとクオンは体が震えだしそうだったが、弱みを見せるわけには行かないと必死に耐える。
380クオンの末路 4/8:2009/11/27(金) 06:53:08 ID:PysWgU7V

クオンが身を硬くしていると、その胸元に向かって新たな触手が伸ばされていく。
触手は器用に半ばぼろきれと化したコスチュームを除けて、クオンの胸の肌を露わにしてしまう。
幼い体つきのクオンを象徴するように胸の膨らみはほとんど無く、薄い柔肉にチョンと乗っかったような
小さな桃色の乳首が愛らしさを添えていた。
「本当に子供みたいな胸ね。でも薄い胸の方が感度は高いそうよ? あなたはどうなのかしら?」
そんなことを言われても20代半ばにも関わらず経験の無いクオンは何も言い返せない。
ただ、うぶな彼女は恥ずかしさから顔を俯かせて耐える。
その視界に触手がゆっくりと胸に触れるのが見えた。

「ひぃやぁぁッッッ!!??」
触手が胸の上を這うように触れた瞬間、クオンは焼け付くような快感を覚え思わず叫んでしまう。
今まで感じたことの無い快感に、クオンは目を見開いて口唇をパクパクとわななかせることしか出来ない。

「すごい声、『せんせい』はとてもエッチなんだね」
女の声が今までの幼さが残るものから真面目な優等生といった声色、クオンが聞きなれたものに一瞬変わるが
快感の衝撃に身を震わせる彼女は気づかなかった。
「何でそんなに感じるのか教えてあげる、上を見てごらん」
その言葉に抗うことも出来ずに上を見上げたクオンの額にビチャリと何かがかかる。
思わず瞳を閉じるクオン、再びゆっくりと開いた彼女の目に飛び込んできたものは先端からクオンの身体に向けて汁をたらす
夥しい数の触手だった。

「この触手が分泌する液体を肌に触れた女性は感度を信じられないほど増大させるの。それであなたが気を失っている間に
 もうたっぷりとその身体に塗り込ませてもらったわ」
女にそう言われ、初めて自分の身体から香油の様な匂いが立ち上がっていることにクオンは気づく。
動揺をクオンが抑えきれないうちにそのツンと立った小ぶりな乳首に触手が押し当てられた。
「ひぃぃぃいややぁぁああぁぁぁッッッッッ!!!!!」
感度が高まった花芯を潰されたクオンの脳髄に快楽の津波が押し寄せ、彼女は絶頂へ一気に押し上げられる。
「まずは一回、クオンちゃんはどこまで集中を保っていられるかな?」
「あひッ!……ひぃぁ……いやぁ……」

頭を真っ白にさせて意味の無い呻きをあげるクオンに幾本もの触手が迫る。
それを見て彼女はただ恐れおののくことしか出来なかった。




「ひぃやぁああぁぁぁッッッ!!! またいっちゃううぅぅうううぅぅぅッッッ!!!」

「あらあら、腋でも感じてイっちゃうなんて、魔法教師はとんでもない発情狂ね」
触手に拘束された身体を揺らして嬌声を上げるクオン。
その肌には幾本もの触手がくねる様に伸ばされ、彼女は終わりの無い快楽責めを受け続けていた。
見開いた瞳からは涙が止めどなく零れ落ち、悲鳴のような嬌声と共に涎が弾け飛ぶ色欲に染まりきってしまったクオンの美貌。
(もう無理ぃ……耐えられないぃぃいいぃぃぃッッッ!!!)
色事には無縁なクオンの精神と肉体は限界に達しつつあり、その心の中には弱音が満ちていた。
「はぎゃややあぁぁぁッッッ!!! ひひいいいぃぃいいいいぃぃぃぃッッッッ!!!!」
それを口に出さないのは屈しない決意の表れではなく、ただ意味のある言葉を吐く余裕すら失われてしまったからである。

「こんどはここはどうかな?」
そう女の声が響くと、スカートが半ば剥ぎ取られて丸出しになったクオンの可愛らしいお尻に触手が伸びる。
『キセイベルト』に守られたアナルを避けた触手はその上、お尻の柔肉の谷間に潜り込むように身を動かす。
「はひゃっやああああぁぁぁああぁぁぁぁッッッッ!!!! おしり、おしりなんていやあああぁぁぁああああぁぁぁッッッ!!!」
今まで自分でもほとんど触れたことのない場所を性感帯として犯され、激しく頭を振り乱すクオン。
(ダメぇぇえぇッ! もう、にゃにも考えられないぃぃいいいぃぃぃッッッ!!!)
強烈な快楽にクオンの精神は耐えられずに、快楽の奔流によって全てが押し流されてしまった。

そうして最後の護り、『キセイベルト』の力はクオンから失われてしまった。

381クオンの末路 5/8:2009/11/27(金) 06:53:53 ID:PysWgU7V

魔法教師が盾を失ったことに気づいた女は、今までクオンを快楽の渦に飲み込んでいた触手を僅かに下げて彼女のアナルに狙いを定める。
そして規制が解かれたスレに多くのSS――じゃなくて、護りを失ったクオンの体内に一気に触手を突き入れた。

「ハギギイイイイイィィィイイィィィッッッ!!!」
甲高い叫び声、今までとは違うただ苦悶に満ちた悲鳴を上げるクオン。
アナルに捻じ込まれた太い触手はミチミチと音を立てながら魔法教師の体内を抉る。
「あががああああァァァああァァァァッッッッ!!!! ざ、裂けじゃうううゥゥゥううゥゥゥッッッ!!!!」
激しい痛みにクオンは目を見開き、濁った悲鳴を上げることしか出来ない。
そして魔法教師の身体のもっと奥へと進んでいく触手が更なる苦痛をクオンにもたらす。
「アギギイイイ゛イ゛イ゛ィィイイイイイィィィィッッッッ!!!!」
クオンは腸を抉るようにして体内を犯し進む触手の暴虐によって、グルンと白目を剥いてしまう。

「うふふ、とっても悲惨そうね。こんなになるまえに早く諦めればよかったのに」
今までよりクリアなローブの女の幼い声が響く。
やがて彼女は姿を見せて、悶え苦しむ魔法教師の姿を楽しそうに眺める。

「うぐぐううううゥゥゥううゥゥゥッッッ!!! も、もう゛、入ってこないででェェェえええェェェッッッ!!!」
ローブの女は、クオンの肌越しに腸を埋め尽くしていく触手の盛り上がりを見て満足な笑みを浮かべる。
「うげげええェェェえええェェッッ!!!」
(ひいいぃぃいいぃぃっっ、もうイヤァァァアアアァァッッ!!! 誰か助けてェェェえええェェッッ!!)
身体の内部を滅茶苦茶にされ、クオンは口唇から悲鳴と共に嘔吐物を吐き出してしまう。
形の良い顎へ流れ落ちる黄色い汚液。
そしてクオンの精神も限界に達しつつあった。

「うぁ……さて、もう壊れちゃうのかな?…………ミスティエイトも可哀相ね。救いに来た魔法教師がこんなに情けない奴だったなんて」
ローブの女の嘲笑いの声。
(あぁ……み、ミスティエイト?……そ、そうだ、わたしは……園岡さんを……す、救わないといけないんだ)
屈してしまいそうだったクオンの精神に、愛する教え子の名を耳にしたことで再び使命を成し遂げる決意が浮かぶ。
(もう一度、うげえええェェええェェッッ!!……も、もう一度、キセイガートをかけることが出来たら……)
「あぎィいィィッッ!! ――――、ハグウウウゥゥッッ!!」
悲鳴を上げながらもクオンは再びキセイカードをかけようと呪文を唱え始める。

「へぇ、まだ抗う気力があるんだ。……こんなことをしてもまだ唱え続けられるかな?」
「―――――――ッ、アッ!?ガガガガガアアアアアァァァアアアアァァァッッッ!!!」
ローブの女が感嘆した声、そしてその直後に悪意に満ちた声を漏らした瞬間、クオンの体内の触手が跳ねるようにして
さらに奥に進む。
腸を通り抜け、胃、そしてもっと上へと。
クオンは身体を中から引き裂かれるような激痛に襲われ、その肢体を痙攣させてもはや呪文を唱えることも出来ずに泣き叫ぶ。

「んごおおおおおォォォおおおおォォォッッッ!!! アガッ!!……ォ……アォ……」
そして食道から喉を犯し尽くした触手が、とうとう勢い良くクオンの口唇から突き出された。
クオンの目の前でくねくねと身を動かす触手。
魔法教師の身体は触手に貫通させられてしまったのだ。

「うあぁっ! 魔法教師のハヤニエ、とっても綺麗だよ!」
(ま……まだ……あ、あき……らめ……ない……きっと、助けだして……みせる……――――っ)
勝ち誇るローブの女の声。

だがクオンはその身を犯し尽くされた絶望にも屈することなく、心の中で呪文を唱え続けた。


「えっ!?」
突如光りだすクオンの身体にローブの女は驚いた声を上げる。
女が思わず後ろに下がると、クオンに突き入れられた触手が断ち切られるように跳ね飛ばされた。
クオンはその精神の強さで呪文を唱え終えることが出来、再び『キセイガード』を自らにかけることに成功したのだ。
驚いて逆にローブの女が触手のコントロールを失ってしまい、クオンの四肢を拘束していた触手が解かれる。
382クオンの末路 6/8:2009/11/27(金) 06:54:42 ID:PysWgU7V

「あぐっ!……うげぇぇぇええぇぇっっ!! ぐうううううゥゥゥうううううゥゥッッ!!」
床に落ちて跳ねるクオンの身体。
彼女は痛み、そして体内に残った触手が浄化されていく苦しみに悶える。
「すごい……もう一回キセイをかけられるなんて……」
ローブの女は心底感嘆した声を上げ、倒れ伏したクオンに近づきながら語りかける。
「ねえ、頑張ったご褒美にミスティエイトに会わしてあげようか?」

激しい凌辱の余韻で全身を震えさせながら悶え苦しむクオンの耳にその言葉が響く。
(良かった……ミスティエイトはまだ生きているのね……)
既に羽茅も七那子のように凄まじい凌辱で息絶えているかもしれないという、どうしてもかき消せなかった不安。
それが解かれ、思わずほっとする魔法教師。
やがて彼女は顔のすぐそばで女が足を止めたことに気づく。
すると涙や汗、唾液に塗れたクオンの顔にかすかに凛とした色が浮かぶ。

(もう魔力なんか残っていない……けれど、わたしの命を魔力に変えて直接こいつに注ぎ込めば倒せるはず……。
 油断しきっている今が最後のチャンス)
最後の好機に命を投げ出す覚悟を決め、クオンはそろそろと女の足に向かって腕を伸ばす。
(園岡さん……会えなくてごめんね。……江月さんも助けられなかったわたし、先生失格だよね。
 ……最後にもう一度だけみんなに会いたかったな)
2人の教え子の顔、そして他の全ての教え子の顔を思い浮かべるクオン。

そして、その腕が女の足を掴んだ。


チャンスを逃すまいと、一気に自らの命を燃やし尽くして魔力を流し込もうとするクオン。
「もう、先生はいつもせっかちですね。だからドジな失敗をしちゃうんですよ」
「えっ!?……う、うそ……でしょ…………?」
その覚悟を決めた魔法教師の耳に信じられない声が頭上から響く。

「それともわたしに会いたくないんですか? 『せんせい』」
恐る恐る顔を上げるクオン。
その瞳にフードを外して顔を晒した女の姿が映る。


彼女が一番会いたかった教え子の一人、ローブを纏った『園岡 羽茅』が笑顔でクオンのことを見つめていた。



「あぇ……?……そ、園岡さん……?」
呆然と教え子の顔を見つめていたクオンだが、やがてその瞳からボロボロと涙を零し始める。
今までの凌辱で汚れた童顔を流れる涙。
その涙は苦悶によるものではなく、心の底から感じる安堵と喜びが流したものだった。
「園岡さん……よかった、無事でいてくれて……」
「先生、今までわたしがこんなに酷いことしたのに、どうしてそんなに喜んでくれるんですか?」
冷ややかな声を口にする羽茅にクオンは泣き顔に笑みを浮かべて語りかける。
「ううん、園岡さんがこんな酷いことをするわけはないわ。きっと魔物に操られているのよね? 大丈夫、先生が必ず助けてあげるから」
クオンの慈愛の眼差しに、羽茅は暗く冷ややかな笑みで応じる。


「ええ、確かに『園岡 羽茅』はそんな酷いことをするわけはないですね。
 …………だって彼女はとっくの昔にわたしに殺されてしまったんだから」



「えっ!?…………い、今……なんて……?」
信じられない言葉を耳にしたクオンは顔面を蒼白に染め、震える声を吐き出す。

383クオンの末路 7/8:2009/11/27(金) 06:55:43 ID:PysWgU7V

「ふふ、先生……いや、お間抜けな魔法教師さんに教えてあげる。わたしの名は『ダットオチ』、魔法戦士を冥界にいざなう死の魔物よ」
dat落ち……じゃなくて、ダットオチと名乗った羽茅は言葉を続ける。
「ミスティエイトのこの身体は魔力の通りがいいからね。抜け殻になったものを乗っ取って再利用しているの。
 そうだ、ミスティエイトがどんなに無惨に死んでいったか、先生にも見てもらうね」
驚愕に顔を強張らせ、何も言えないクオンに再び触手が迫る。
そのまま羽茅と顔の高さが会うところで引き上げられてしまう。
160cm半ばの高い背丈の羽茅に合わせられると、それより頭一つ近く小柄なクオンは足を宙に浮かべさせられてしまう。

「ふふ、見せてあげる。教え子の最後を」
「あぁ……む、ムゥッ!」

突然羽茅に口唇を重ねされられ目を見開くクオン。するとその精神に鮮烈なイメージが流れ込んでくる。




「ひぃぁぁっっ……おねが…………おねがい……します…………もうゆる……し、て……」
全身の穴を犯しつくされる魔物の暴虐にもかかわらず、かろうじてその命をつなぎとめたミスティエイト。
しかし哀れな魔法少女は触手の壁に埋め込まれるように拘束され、目の前に立った少女が持つ触手ペニスに犯されていた。
「ミスティエイト、もっと頑張ってくれないとわたしつまらないなぁ」
彼女に投げかけられる少女の声。
ツインテールに髪をまとめた全裸な少女と姿は異なるが、その声はローブ姿の女、ダットオチと同じものだった。
「もう……いやぁぁ…………な、ナナちゃんの……ところに……いかせ、てよぉ…………いやぁだよぉ……」
かすれた声で呻くミスティエイト、その気高い魔法少女としての精神は絶え間なく続く凌辱に屈し
今の彼女は悲痛な呻きを漏らす哀れな少女でしかなかった。

「もう魔力も全然ないし、つまらないなあ……そうだ、最後にちょっとだけデザートつくってみようかな」
ミスティエイトの秘所を触手ペニスで抉り魔力を奪い取っていたダットオチだが、もう尽きかけた魔法少女の魔力に不満な声を漏らす。
しかし、ふと楽しげな企みを思いついた彼女は笑みを見せてそのままミスティエイトに語りかける。
「ねえ、ミスティエイト、助けて欲しい?」
「……たすけ……?…………で、も……また、ひどいことをされるのはいやぁ……。もう、いっそ……死なせてよぉ……。」
敗北した魔法少女、ミスティエイトは既に苦痛からの解放と引き換えに死さえ望むほど絶望しきっていた。

「そんなこと言っちゃダメだよ、ミスティエイト。あなたのことを思ってくれる人はまだいるんだから」
ダットオチは白々しく優しげな語りかけを行う。
彼女が腕をさっと振るうと、空間に裂け目が生じモニターのように映像が映し出される。
画面の向こうでは三つ編みに髪を纏めた小柄な女性がロッドを振るい、自分より遥かに身の丈が大きい魔物と戦っていた。
「ほらミスティエイト、見てごらん」
「うぁ……えっ……?……せ、せんせい…………!?」
虚ろな視線を映像に向けるミスティエイト、画面に映る女の姿が見覚えのあるものであることに気づいて瞳に光が僅かに戻る。

「そう、あなたの担任の『きゅーちゃん』だよ。あなたを救うために彼女は魔法教師になって小さい身体で頑張って戦っているのよ」
「あぅ……あぁぁ……せ、せんせい…………た、たすけ……て……」
絶望しきっていたミスティエイト、その心に僅かに希望の光が宿る。
目の前に垂らされた蜘蛛の糸にすがるように、映像の中の教師に助けを求める。

そのミスティエイトの表情を見てダットオチは笑顔を見せた。
「うんうん、『希望』という名のソースをかけたらまた美味しそうな魔力が湧いてきたね。…………じゃ、最後にその魔力を根こそぎ奪って
 あなたの身体ごと頂いちゃうね」
そうダットオチが呟くと、腰を動かし触手ペニスをさらにミスティエイトの奥に突き入れる。
「はぎゅううゥゥッッ!!!」
子宮口を叩く触手ペニスに悲鳴を漏らすミスティエイト。
彼女の膣の中で触手が強引にその身を捩じらせて、強引に子宮への通り道を押し広げようとする。
384クオンの末路 8/8:2009/11/27(金) 06:59:28 ID:PysWgU7V

「あぐううううゥゥゥうううゥゥゥゥッッッ!!!!! おぐに、奥に入ってこないでェェェえええェェェッッッ!!!」
ミスティエイトの苦悶の叫びもむなしく、触手はその先端を子宮へを突き入れてしまう。
「いやややあ゛あ゛あ゛ァァァァあ゛あ゛あ゛ァァァッッッ!!!! せんせい、たじゅげでええェェェええェェッッ!!!」
身体の最奥まで犯されたミスティエイトは頭を振り乱して唯一の望み、クオンへ救いを求める。
しかしその手は遠く、彼女の前には楽しげに笑う魔物しかいなかった。
「さぁ、あなたの中にわたしの全てを流し込んでその身体を頂くわね」
「がぎいいいいいィィィィィいいいィィィッッッ!!!!! ガ……グァ……」
ダットオチの一言と共に子宮を埋め尽くすような精液、ミスティエイトを乗っ取る彼女の精神体を含んだ大量の汚液が注ぎ込まれる。

目を限界まで見開き、息をも絶やして動きを止めたミスティエイト。
しかし頭に流し込められたイメージからクオンはその口唇がかすかに動くのを見てしまった。
生気を失った顔から吐かれる声にもならない呟き

「……センセイ…………タスケテ……」


その一瞬の後、羽茅の顔に表情が戻る。
しかしそれは真面目で凛としていた彼女には似つかわしい禍々しい笑み。
「うん、ちょっとおんぼろになっちゃったのが不満だけど、魔力を使いこなすのにはいい身体ね」
その口から吐かれるのはダットオチの声。それと同時に今まで羽茅を犯していたダットオチの身体が掻き消えた。




「あぁぁ……うそよ……うそでしょう…………」
まざまざと見せ付けられた教え子の最後。
顔を蒼ざめさせてその身を震わせるクオンは、魔物から放された口唇から消え入りそうな声を呟くことしか出来ない
ミスティエイトを救えなかった絶望が彼女の中から戦う力、魔力を失わせていく。
そしてその身体を護るキセイガードの効果をさえも消え失せてしまった。

それどころか魔力を完全に失ってしまったクオンの変身すら解けてしまい。襤褸切れと化してしまっていたものの
彼女が戦士であることを示していたコスチュームも掻き消えてしまう。

その場に残されたのは未成熟な裸体をさらけ出す小柄な教師、『楢木 九音』の姿だった。
戦う術を失い、自分に対して助けを求めていた教え子を救えなかった哀れな教師に、教え子の姿をした魔物、ダットオチが迫る。

「ああぁぁ……ごめんなさい…………ごめんなさい……ごめんなさい―――」
震える口唇から同じ言葉を繰り返す九音。


触手に口を塞がれるまで続いたそれは、羽茅への謝罪だったのだろうか、それとも魔物への哀願だったのであろうか?

これが魔法教師『レルティークオン』の末路であった。

385名無しさん@ピンキー:2009/11/27(金) 07:07:16 ID:zsqi48DZ
朝っぱらから乙
386名無しさん@ピンキー:2009/11/27(金) 08:35:59 ID:vEurHHYp
きゅーちゃんの最期キター!
387名無しさん@ピンキー:2009/11/27(金) 10:34:35 ID:zHI+B+uh
しかし、ここの住人のバッドエンドの引き出しの多彩さは凄いな

数字魔法少女の末路シリーズ、無理をしないプレッシャーを感じない範囲で続けていって欲しいな
GJ!朝から抜いたw
388名無しさん@ピンキー:2009/11/27(金) 11:39:12 ID:7QFD2mbS
>>380
GJ
あの手この手で魔法少女を正気に戻すダットオチに感激しました。
389名無しさん@ピンキー:2009/11/27(金) 13:28:12 ID:5FmxdvqZ
少女じゃねーw
390名無しさん@ピンキー:2009/11/27(金) 16:50:08 ID:DVAI+Fmx
見た目さえ少女なら魔法少女を名乗って良いのです
実際の年齢、性別などは特に関係ありません
391名無しさん@ピンキー:2009/11/27(金) 17:25:03 ID:7QFD2mbS
>>390
ロリ婆な魔法少女ですね。
ファンタジーとかだと、ロリ婆は大抵不思議な力持ってるな。
392名無しさん@ピンキー:2009/11/27(金) 18:05:43 ID:T66XW1So
奥さまは魔法少女ですね。
393名無しさん@ピンキー:2009/11/27(金) 18:11:29 ID:meW/bRho
なのはs(ジュッ
394名無しさん@ピンキー:2009/11/27(金) 19:23:45 ID:AzlmdCRD
相変わらずgj過ぎる…。

>>390
マスコット「見た目が少女だったので契約したら、男の娘だった…。契約破棄したい…。」
395名無しさん@ピンキー:2009/11/27(金) 20:02:59 ID:vEurHHYp
>>393
魔王様の名を口にするとは…無茶しやがって…
396名無しさん@ピンキー:2009/11/27(金) 20:10:12 ID:DVAI+Fmx
魔王19歳から色々吸い取って、9歳に戻したい
そんで犯したい
397名無しさん@ピンキー:2009/11/27(金) 22:15:06 ID:5FmxdvqZ
見える! >>396がセト神のアレッシーと同じ失敗、同じ末路を迎える姿が!
398名無しさん@ピンキー:2009/11/28(土) 00:57:07 ID:Fxjy4HCy
ならば俺が犯ろう。
世間で無敵扱いされてる子ほど汚し甲斐があるってもんだぜ。
399名無しさん@ピンキー:2009/11/28(土) 03:28:42 ID:C7TTTISN
>>394
つ おとまほ
400名無しさん@ピンキー:2009/11/28(土) 13:22:40 ID:dnOESaRJ
>>397
「子どもの時から……なのはは……やるときはやる奴だった……」
401名無しさん@ピンキー:2009/11/29(日) 05:59:45 ID:uRL1d6O+
>>398
そう言っていた彼の姿を、その後見た者は誰も居なかったという…
402名無しさん@ピンキー:2009/11/29(日) 08:30:18 ID:0X0LfyCL
なのは「さあ、お前たちの罪を数え上げるの!」
403名無しさん@ピンキー:2009/11/29(日) 17:26:12 ID:O0mLDV6I
山のようにあります、サーセンwwwwww
404名無しさん@ピンキー:2009/11/29(日) 18:39:46 ID:MLuDwiTz
魔法少女を凌辱するのは俺達の罪、それを許さないのは魔法少女の罪。
405名無しさん@ピンキー
>>404
チューリップとか古すぎだろwwww