おにゃのこ改造 BYアダルト16

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156蜂女アンヌは俺の嫁!
【1】

眼下には、一面の緑で覆われた未開の惑星が拡がっていた。

ここは地球から10.5光年離れた、エリダヌス座イプシロン星の第2惑星ビメイラ。自転・公転周期が地球と
ほぼ同じこの惑星の、表面から400km上空の衛星軌道上に、大型の有人調査船がぽつんと浮かんでいる。
この調査船むがけて、いま、一隻の古びた小型輸送船が接近しつつあった。

輸送船のコクピットでは8人の男女が、モニターに大映しになった探査船の姿を、かたずを飲んで見守っていた。
「パパ・・・とうとう、ここまで来たのよ」
腰まである長いプラチナブロンドの髪の、若い娘がつぶやいた。16歳くらいの、お譲様然とした美少女だ。
首からつま先までくまなく覆う純白の“サイバータイツ”に包まれた、華奢でスレンダーな肢体と、それとは
不釣り合いなほどにたわわな胸が眩しい。
少女の隣で神経質そうに見守っているのは、赤いフードを被った、長身でメイクの濃いオカマっぽい男。隣に
座っている図体の大きな黒人に、しきりに何かを話しかけている。
寡黙な黒人はひとしきり相づちを打つだけで、腕を組んだまま身じろぎひとつしない。
「あれを見ろ。下部の降下船が切り離されたままだ。どうやらクルーのほとんどはまだ惑星上にいるらしい」
鋼色の瞳に鋭い光を宿した、20代半ばの男が、パネルを指さしながら答えた。どうやらこの船のリーダーらしい。
なかなかの美形だが、年齢の割りに落ち着いた物腰が、この男が重ねてきた幾多の経験を物語っている。
男が言う通り、確かに調査船の下部は着陸モジュールが切り離され、大きくえぐられたように窪んでいた。
「ドグ、ブラウヴァルIIIとの回線はまだ繋がらないの? 状況が判明し次第、接舷の許可を求めて」
輸送船の操縦席に座る、セミロングの栗色の髪の女が後ろを振り向いて、部下らしき小太りの男に呼びかけた。
はちきれんばかりの豊満なボディを真っ赤なサイバータイツにピッチリと包んだ、20歳過ぎの絶世の美女だ。
気丈そうなその顔にはまだ少女のあどけなさが残っていたが、落ち着いた態度はベテラン航宙士のそれであった。
「いま繋がりましたよ、姐さん。・・・調査船ブラウヴァルIII、こちらは民間輸送船ステルナ・パラディシア。
乗員は8名。うち3名は科学者。貴船とのコンタクトを希望する。現在の貴船の状況を当方に伝えよ、以上」
157蜂女アンヌは俺の嫁!:2009/11/20(金) 20:40:44 ID:wrCeTT5p
小太りの男はコンピュータ関連のエキスパートらしく、目にも止まらぬ早さでキーボードを処理する。
「・・・妙ですね、姐さん。コンピュータが『ブラウヴァルIIIには現在乗員が一人もいない』と返答してきましたよ」
それを聞いて、8人の中で最年長らしい初老の男が驚いた様子で叫んだ。
「それは妙だ。軌道周回中の調査船本船には規則で、最低1名は乗員を残しておかなければならないはずだ」
「いや間違いないです、ミスター・ジョージ。あの船はいま、完全自律モードで動いています」
「とにかくあの船に乗り移って状況を確認したい。レイラ、船を接舷させてくれ」
「了解。ドグ、向こうにドッキング許可を求めて。ホイ、急いで接舷の準備を」
「アラホラサー!」
小惑星輸送船団で流行りの了解の掛け声を上げ、部下の凸凹コンビが直ちに行動を開始した。ホイと呼ばれた
背のヒョロ長い痩せた男がコンソールに向かい、輸送船のバーニアを操って探査船のドッキングベイに近づける。
その時!
モニターを見つめていた鋼色の目の男が大声で叫んだ。
「レイラ! 急いで船を引き離せ! ・・・攻撃される! 早く!!」
「えっ!?」
栗色の髪の美女が反射的に操縦桿を引いた、その瞬間。
強烈な光が輸送船を包み込み、爆発音とともに船体が激しく揺れた。
「きゃああッ!」
探査船から、隕石などの障害物を破壊する、電磁砲の強烈な一撃が放たれたのだ。
幸い直撃は免れたらしいが、強烈な電磁波で電気系統にダメージを受けたのか、輸送船は衛星軌道を離れ、眼下の
惑星めがけてゆっくりと自由落下をはじめた。
【・・・非常事態発生! 非常事態発生! 航行不能。気道離脱。・・・大気圏ヘノ突入、避ケラレヌ見込ミ。・・・乗員ハ
タダチニ、惑星びめいらヘノ不時着ニ備エテ下サイ】
コンピュータの無機的な音声がけたたましい警報に混じって、叫びと怒声が乱れ飛ぶ船内にこだました。
158蜂女アンヌは俺の嫁!:2009/11/20(金) 20:41:10 ID:wrCeTT5p
【2】

23世紀初頭。人類はついに、太陽系外宇宙への進出を果していた。
重力子の流れを一点に集束させるバブーシュカ・コイルの発明と、それを応用した時空掘削炉「マイナトロン」
の開発が、人類に新しい世界の扉を開いたのだ。
マイナトロン駆動炉を搭載した最初の実験船が、地球と月の間の超空間ジャンプに成功してから既に7年。
人類は既に、太陽系から10光年前後の範囲に探査船を送り、惑星に基地を建設するまでに至っていた。

「地球外生命」の発見。
それが、太陽系外の惑星探査が人類にもたらした成果のうち、最も有意義なものであった。
地球に最も近い恒星、アルファ・ケンタウリAに送られた探査船が、その第4惑星の海で類シアノバクテリアの
コロニーを発見したのが4年前。ついで、しし座ウォルフ359の第1惑星、くじら座リュイテンの第2惑星など
に相次いで生命の痕跡が発見された。もはや生命の存在は、この宇宙において地球のみに起こった偶発的な現象
ではなく、地球型惑星において普遍的に起こり得る、ありふれた現象なのだと考えられるようになっていた。
驚いたことにどの惑星の生命も、蛋白質と核酸の協働により生命活動を維持するという、地球生命と同様の
システムの元に成り立っていた。違いは、核酸を構成する塩基の種類のわずかな相違程度にしか過ぎなかった。

こうした地球外生命の発見は、地球人に対し、新たな期待と危機感を煽るきっかけとなった。
知的生命が築いた“地球外文明”との遭遇の可能性が、にわかに現実性を帯びてきたからである。

2年前に、来たるべきファースト・コンタクトに備え、国連が主導となって各国合同で統一宇宙軍が組織された。
地球外の知的生命が必ずしも友好的とは限らない以上、個々の宇宙船が不用意に地球外文明との接触を起こすこと
を避けるためである。
だが、地球上で唯一の超大国であるユメリア共和国だけは、外宇宙開発に関して独立路線を貫くことを表明。
統一宇宙軍への参加を拒むばかりか、手近な惑星に手当たり次第にペナント(占有旗章)を打ち込んでは領有権を
主張し、あちこちで宇宙軍との間にトラブルを引き起こしていた。
159蜂女アンヌは俺の嫁!:2009/11/20(金) 20:41:35 ID:wrCeTT5p
こうして国際的な緊張感が高まる中、エリダヌス座イプシロン星に送られた無人探査船が、地球に驚くべき
情報をもたらした。
第2惑星に、星全体を覆う発達した森林と、地球の昆虫に似た巨大動物群の存在を確認したのだ。
知的生命発見の可能性を秘めたこの星に向かって、今から2ヶ月前、統一宇宙軍の主導で30名規模の研究者を
乗せた調査船「ブラウヴァルIII」が派遣された。“巨鯨”の名を冠する通り、宇宙軍が誇る大型の最新鋭艦である。
調査隊の隊長はアンドレア大の宇宙文明論の権威、ピエール・シャンブロワ教授。それに統一宇宙軍のアギーレ・
フィツカラルド少佐以下、7名の軍人が護衛として随行していた。
だがこの調査隊が、3週間前、謎の通信を最後に突如消息を絶った。
運の悪いことにこの直後に、ユメリア共和国が突然、この星の領有権主張を始めた。人命優先による特例の救助を
訴える統一軍の要請にも耳を貸さず、ユメリア軍はこの方向の星域に至る超空間回廊を封鎖。救援船の派遣は
宙に浮いたまま、ストップするかたちになってしまった。

シャンブロワ教授の親友であった極東大学宇宙考古学の教授、印出壌二が、宇宙軍のビッツ大佐の紹介で腕利きの
ハンター、アラン・カルテマンの元を訪れたのは、それから4日後のことであった。国際紛争に巻き込まれて
宇宙軍が動けない今、頼れるのは民間のハンターだけだったのだ。
アランは無愛想な男だったが、人情のわからぬ人物ではなかった。遠征隊を何としても救出したいという印出教授、
の熱意にほだされて、船の手配を約束した。
そしてその2日後、月の裏側にある、小惑星輸送船団専用の寂れたノルン宇宙港から、7名の乗員を乗せた輸送船
ステルナ・パラディシアが、ユメリア宇宙軍の目を避けながらイプシロン星の第2惑星ビメイラを目指して
ひっそりと飛び立った。
160蜂女アンヌは俺の嫁!:2009/11/20(金) 20:42:01 ID:wrCeTT5p
【3】

真っ赤に染まったイプシロン星が、どこまでも続く森の彼方の地平線めがけて、ゆっくりと沈んでゆく。

夕闇が迫り来る小高い丘の上、地表に長いわだちのような強行着陸の跡を残して、ステルナ・パラディシアは
船体を傾けたまま停止していた。そこは一面の森の中にそこだけひときわ高く盛り上がった、膝丈ほどの草原に
覆われた丘だった。
あちこちから、キチキチキチキチ・・・というカンに障る、正体不明の声が響いてくる。
この船は外見こそ古ぼけたポンコツの太陽圏内輸送船だが、民間船としては異例なことに、宇宙軍払い下げの
マイナトロン駆動炉を備えた、れっきとした恒星間輸送船である。地球上で最も長い距離を移動する渡り鳥、
ステルナ・パラディシア(キョクアジサシ)の名は伊達ではなかった。
だがブラウヴァルIIIの電磁砲を浴び、着陸モジュールだけでなく船体ごと不時着してしまった今となっては、
この船自慢のエンジンもまったくのお手上げであった。
船長のレイラ・アシュクロフトが、部下のエンジニア、ノッポのホイ・チェンマイと共に、船体とエンジンの
損害をチェックしている。もう一人の部下の小太りのオペレーター、ドグ・ドイカムは、コンピュータの起動
チェックに忙しい。
レイラは、小惑星帯の運び屋グループのボスであったトビアス・アシュクロフトが、60の坂を越えてから設けた
最愛の一人娘だった。まだ22歳だが、父親譲りの大胆さと几帳面さ、そして義理堅い性格で周囲からの人望も篤い。
父親の代から仕えている二人の部下、ドグとホイも、ともに彼女の人間的な魅力に心酔している同士であった。
もっとも、彼女の魅力は内面的なものだけではなかった。トレードマークでもある真っ赤なサイバータイツに
包み込まれた、はちきれんばかりの92センチの巨乳、そして野生の猫類を思わせるしなやかで引き締まったボディ。
その蠱惑的な肉体の前には、ドグとホイならずとも、男なら誰でも虜にならずにはいられなかったろう。
船の修復に懸命な彼らの様子を見守っているのは、鋼色の瞳に精悍な光を宿した25歳の男、アラン・カルテマン。
元はレイラの父親が仕切る輸送船団の一員だったが、今はフリーのハンター稼業だ。ハンターとは、深宇宙への
旅行者がおもに傭う、民間の護衛兼、案内者の通称である。
アランは心なしか苛だっていた。彼は船から離れると、膝まである草原の中に陣取って惑星の環境を調べている
科学者たちの様子を確かめに行った。この科学者たちも印出教授同様、遭難した遠征隊とは深い繋がりがあ
る学者たちらしいのだが、アランの苛立ちの原因のいくぶんかは、彼らにあった。
《・・・ふん。やっこさんたち、まだ何か隠しているな。どうやらこの仕事、高くつきそうだ・・・》
161蜂女アンヌは俺の嫁!:2009/11/20(金) 20:42:26 ID:wrCeTT5p
船の周囲は野生動物の襲撃を警戒して、簡易の力場フィールドが張り巡らされていた。科学者たちはノーマル
スーツ(船内宇宙服)に、空気濾過装置付きの簡易ヘルメットを着け、めいめいの作業に忙しい。
キチキチキチキチ・・・・
あの耳ざわりな音が、またも高く鳴り響いた。
ビメイラの大気は、雨あがりの草むらのような、ムッとする濃密な草いきれで満ちていた。風はなく、空気は
乾燥していたが、試しにヘルメットを外してみたアランは、換気の行き届かない温室の中のような不快感に
襲われて、あわててロックを締め直した。
「ダメよ、アランちゃん。まだヘルメット外しちゃ。どんな病原体がいるか、まだわからないんだから」
メイクの濃い、痩せたオカマ風の男が叫んだ。マントのように裾の長い真っ赤なフードを被り、白と黒の縞模様の
悪趣味なサイバータイツをピッチリ身につけ、黒髪をオールバックに撫で付けるという奇抜なスタイルであったが、
これでもマスメディアでも有名な、宇宙生物学の権威であった。ウルフガンス・フランケンフンガー教授である。
アランは初対面の時の、彼の馴れ馴れしい態度を思い出した。
「よろしくザマス♪ アタシのことはウルフ、って呼んでちょうだいね、アランちゃん♪」
赤ずきんを被ったオオカミかよ、と思ったが、むろんアランは口に出したりはしなかった。
「ウルフ。一体何だこの匂いは」
「大気中に微小浮遊分子のかたちで、植物が発するアルカロイドが多量に含まれてるのね。要するに“クスリ”よ。
アタシたちに対してどんな生理活性作用があるのか、実験しないとわからないのが怖いわね」
「それを今調べているんですよね、ウルフさんは」
ウルフの仕事を興味深げに眺めているのは、純白のサイバータイツをまとった16歳くらいの美少女である。
彼女はアンヌ・シャンブロワ。遠征隊隊長のピエール・シャンブロワ教授の一人娘で、なんと、船の密航者だった。
ステルナ・パラディシアがノルン宇宙港を飛び立って2時間ほど経った頃、貨物室でホイに保護されたのだ。
「・・・お願いです皆さん、わたしもビメイラに連れて行って下さい。どうして娘のわたしが、パパを探しに行っちゃ
いけないんですか!」
密航者は宇宙空間に放り出すのが輸送船団の掟だという、ホイの冗談を真に受けながらも、アンヌは必死に
アランたちに食い下がり、とうとう同行を了承させてしまった。もっとも、それにはレイラの尽力も大きかった。
162蜂女アンヌは俺の嫁!:2009/11/20(金) 20:42:52 ID:wrCeTT5p
レイラの父、老トビアスがカイパーベルト小惑星帯での事故で消息を絶った時、まだ17歳だったレイラは
仲間が諌めるのも聞かず、付近の小惑星を泣きながら延々としらみ潰しに調べ、父親の姿を探し続けたのだった。
父親が行方不明になった時、娘がいったいどんな気持ちでいるのか、彼女には痛いほどわかっていたのだ。
こうして同行を許されて以来、アンヌはレイラを実の姉のように慕い、とても懐いている。
アンヌは身長160センチ足らず。スレンダーな身体つきで、すらりとした二本の脚が眩しい。腰のあたりまである
細いプラチナブロンドの髪は量が多めで、後頭部に付けた黒いリボンがよく似合っている。大きな目は湖のように
青く澄み、意思の強さをあらわすようにややつり目がちである。
実際、アンヌは強い娘であった。父親の船、ブラウヴァルIIIから攻撃を受けたというショックからも、早くも
立ち直り始め、生物学者で医師でもあるというウルフの仕事をせっせと手伝っている。
ウルフが大気成分の分析結果を読み上げた。
「酸素56%、窒素32%、アルゴン8%、二酸化炭素2%・・・いい、アンタたち。この星ではゼッタイに火を
使っちゃあダメよ。地球の3倍も酸素が濃いから、爆発的に燃え上がるわよ」
「どうしてそんなに酸素が濃いんだ? 植物が多いせいか?」
「理由はまだわかんないわ。あと、さっきのアルカロイドを抜きにしても、この星の大気は直接吸わないにこした
ことはないわよ。血中酸素濃度に影響を与えるほどじゃないけど、酸化作用が激しいせいで、細胞の老化が
地球より数倍早く進んじゃうのよ」
アンヌがえッ、と叫んで思わずヘルメットを押さえた。サイバータイツをまとったアンヌたちのヘルメットは
アランたちのものとは異なり、首元のチョーカーに接続した前掛け状の金具に取り付ける、金魚鉢形の小振りの
仕様である。
「美容に悪いというだけじゃない。この星の生き物たちの寿命は、地球の生き物よりもずっと短いはずよ」
アランは足下を這っていたトカゲのような生き物を素早く捕まえ、シッポを持ってつまみ上げた。6本の足を
持つ、昆虫にも似た、角質のウロコで覆われた小動物だった。アランはフン、と鼻を鳴らして生き物を草むらに
放り投げた。
キチキチキチキチ・・・という耳障りな音が、またも森の方から高く響いてきた。
「あれは何の声だ? 鳥か?」
「たぶん鳥じゃないわ。この星に降りてから、鳥の姿はまだ見てないもの。おそらく、虫が出す音ね」
「虫? あんなに大きな音を出す虫だって?」
163蜂女アンヌは俺の嫁!:2009/11/20(金) 20:43:15 ID:wrCeTT5p
その隣では、依頼人の宇宙考古学者、ジョージこと印出壌二が、知的で誠実そうな黒人の大男とともに、重力と
磁場の測定を行っていた。大男は宇宙地誌学者のベンドバンブゥ・マゴンセブ教授。通称はバンボだ。
バンボがアランたちに向かって、首を振りながら言った。
「これほど緑が多いのにこんなに湿度が低いなんて、地球では考えられないことです。どの植物も葉が小さく、
硬い。乾燥に適応した形態をしているのです。おそらく、惑星のどこにも海や湖がないせいでしょう」
そう言われて、アランは輸送船のモニターごしに見たこの惑星の、緑一色の表面を思い出していた。
「でも、海なしで生命が発生するなんて、ふつう、ありえませんよね?」
アンヌの素朴な疑問に、バンボが頷いた。
「それなんです。それがこの惑星の最大の謎ですね。海なしで一体どうやって、生命圏が維持できているのか」
「アランさん、ちょっといいですか?」
その時、ドグが意味深な笑いを浮かべながら近づいてきた。
「このデータを見て下さい。墜落の直前に船のコンピュータがハッキングを受けてるんでさあ」
「ハッキング? 誰が? まさか、ブラウヴァルIIIが?」
「それ以外には考えられませんね。やっこさん、どうやら船の墜落ルートに修正を加えて、わざわざこの船の
不時着地点を指定したようです」
アランたちは思わず息を呑んだ。
「すると、ここに不時着することは、あらかじめ仕組まれていたことだと言うのか?」
ドグは無言で頷いた。
「・・・じゃあ、じゃあパパたちが、わたしたちをここに招いたっていうの?」
「ジョージ。一体どういうことだ。あんた、この星について、まだ俺たちに何か隠しているだろう」
「わからない。わたしにもまだ、何が何やらわからないんだ」
初老の男は、ブルブルと首を横に振るばかりだった。
「ならジョージ、遠征隊が最後にあんたたちに送ってきた通信とは何だったのか、教えてくれ。宇宙軍に伝えた
情報、あれはまったくの嘘っぱちだろう。」
ジョージは仕方なしに頷いた。
「隠したわけではない。まだ確信が持てなかったんだ。最後の通信は“ワレラ、ツイニ異星文明ト接触ス”だ」
アランは思わず息を飲んだ。ドグがヒューッ、と口笛を吹いた。
この星のどこかに、まだ見ぬ異星文明がある。そして遠征隊の遭難は、それと関わりがあるらしい。なのに自分
たちはいま、船を墜落させられてまったく身動きが取れない状態なのだ。
アランは、背中が冷汗でじっとりと湿るのを感じていた。
164蜂女アンヌは俺の嫁!:2009/11/20(金) 20:44:26 ID:2VnFikdJ
そのとき、船体のチェックを終えたレイラが、途方に暮れた様子で一同に近づいてきた。
「レイラ、具合はどうだった?」
「お手上げよ、アラン。船体はほぼ無事で超空間航行にも影響はないけど、燃料電池のユニットがおしゃかなの。
バブーシュカコイルで重力制御を行うのに充分な電力が確保できないと、この星からの離脱ができないのよ」
「大気圏外に出られない、ということか」
「ええ。もともとこの船は、スペースコロニーと小惑星帯の往復用で、地球へ降りる時は着陸モジュールだけを
切り離すようにできているから、燃料電池はもともとたいして積んでいなかったの。それが全滅に近いというわけ」
「船載の小型飛行艇にも積んであったろう」
「それもアウト。まるで狙い撃ちしたみたいに、燃料電池のユニットだけが残らずはじけ飛んでいるのよ」
アランは首をひねった。
「電力さえ確保できればいいのか」
「ええ。外部からの供給でいいから、電力さえ何とかなれば、無事にこの星から離れられるわ」
「バンボ。この星の環境で電気を起こすとすれば、どういう手段が考えられる?」
「風が弱く、地表に目立った水も火山活動もなく、火を使うにはリスクが高過ぎる・・・まったくお手上げですね」
しばらく熟考した後、アランはレイラに向かって尋ねた。
「レイラ、超空間通信で救援は呼べるのか?」
「ええ可能よ。1週間もあれば近くの星域から宇宙軍の救援が来ると思うわ」
ジョージがあわてて口をはさんだ。
「・・・待ってくれアラン。我々は着いたばかりで、まだ遠征隊の痕跡すら発見していない。宇宙軍の救援を呼べば
ユメリアが動く公算が高い。そうなれば、二度とこの星に救援を差し向けられない可能性もあるんだぞ」
「今はそんなことを言ってる場合じゃない。二次遭難の危険に瀕しているんだ」
「雇い主はわたしだぞ!」
「俺は、あんたの命令を聞くために雇われたんじゃない。あんたたちの、生命を守るために雇われたんだ。電力を
確保できる目処が立たない限り、遠征隊の救援や、異星文明との接触どころの話じゃない」
二人は険悪なムードで睨み合った。
「あのう・・・」その時、アンヌがそろりと間に割って入った。
「要するに、電気が手に入ればいいんですよね? ・・・ほら、あれって、電気の光じゃないですか?」
165蜂女アンヌは俺の嫁!:2009/11/20(金) 20:44:46 ID:2VnFikdJ
アンヌが指さしたのは、森のはるか東にある森の中だった。うっそうとした木々の中にぽっかりと穴が開き、
そこから青白色の強烈な光が漏れている。その色は次第に紫へ、赤へと刻々と変化してゆく。イプシロン星の
位置が高いうちは目立たなかったが、夕暮れが近づいたせいで、今はこの高台からも光がはっきりと確認できる。
「あれは何だ? 自然の光ではなさそうだが」
「まさか、あれが“異星文明”でしょうか?」
バンボが手を目の上にかざしながらそう呟いた。
「ホイ、あそこまでの距離を計って」
ホイが測定器を目に当てながら計算する。
科学者たちは光の正体について喧々と議論を交わした。だがアランが議論を遮り、リーダーとして決断を下した。
「俺たちは、何者かの意思によってこの高台に招かれた。そして狙いすましたように、あの光る穴の出現だ。
電力うんぬんは別にして、俺たちはあそこに行かなきゃならない。俺はそう確信する。行方不明の遠征隊の
手掛かりも、きっとあそこで得られるに違いない。・・・よし!」
アランは全員の顔を見渡しながら言った。
「明日の朝、ここを発ってあの光る裂け目に向かおう。到達まではおよそ5日。荷物や必要な食料は今夜中に
俺が用意しておく。7日経っても到達できなければ船に戻って救援を呼ぶ。異存はないか?」
誰も意義のあるはずはなかった。アランは最後にアンヌの方を振り返った。
「アンヌ」
アンヌはキュン、と首をすくめて険しい顔で身構えた。
「君はこの船でお留守番だ、・・・などと言っても、素直に聞いてくれそうにはないかな、このお嬢様は」
アランはアンヌの肩をポン、と叩いた。
「一緒について来い。目の届くところにいてもらった方が安全だ」
アンヌの顔がパッ、と明るくなった。
「はいっ!」
「ベッドで眠るのも今日でしばらくお預けだ。十分に睡眠を取っておけ」
アランはアンヌの耳元でそう伝えると、船に戻っていった。
見渡す限り黒々とした森が延々と続くビメイラの地平線に、真っ赤なイプシロン星がゆっくりと沈んでゆく。
キチキチキチキチ・・・という耳障りな音が、森の中にまたも高く鳴り響いた。
166蜂女アンヌは俺の嫁!:2009/11/20(金) 20:45:20 ID:2VnFikdJ
【4】

「ねえレイラさん、アランさんって・・・」
輸送船のレイラの私室で、洗った髪を乾かしながらアンヌが話しかけた。
「怖いだけの人かと思ってましたけど、優しいところもあるんですね」
レイラはプッ、と吹き出し、笑いながらこう答えた。
「そうね。あいつは照れ屋で、素直じゃないけど、根は純粋で、自分より人のことを最初に考えるヤツよ」
「レイラさんはアランさんと、どういう関係なんですか?」
「ずいぶん長い腐れ縁、ってやつかな。あいつは宇宙客船の遭難事故で10歳の時に孤児になってね、うちの親父が
引き取って育てたのよ」
「じゃあ、兄妹みたいなものですね」
「兄妹、ねえ・・・。確かに、どんなに離れてても引き寄せ合っちゃうという意味では、兄妹みたいなものかもね」
レイラはしばし遠い目をした。その様子を、アンヌはブラッシングの手を止めて神妙な視線で見つめた。
「ところでアンヌ、そのサイバータイツにはもう慣れた?」
「はい。はじめはすごく恥ずかしかったけど、でももう慣れました」
「そう、よかったわ。あんな地上服では、この星を探検するなんて無理だもんね」
アンヌの肢体は、素肌に密着する純白の人工皮膚で全身ピッチリと覆われ、ボディラインが露わになっている。
ネコミミのような形の黒いアンテナが2つついた制御用カチューシャが、彼女の淡い金髪によく似合っていた。
167蜂女アンヌは俺の嫁!:2009/11/20(金) 20:45:36 ID:2VnFikdJ
彼女たちがまとっているサイバータイツは、正式にはサイバーヴァイズド・スキンタイトスーツ(電脳管理皮膚
密着スーツ)と言い、鋼鉄の5倍の強度を持つというクモの糸を再現した高分子蛋白質繊維を、セラミック繊維で
コーティングして作られた宇宙用のスーツである。
アランたちが着用しているノーマルスーツとは異なり、空気の層を作らずに皮膚に密着し、首から下の全身を
袋状にくまなく包み込む形状をしている。足元がハイヒールの靴になっている以外は、皮膚と同じ形状である。
厚さ1ミリ足らずのスーツの内部には、体温調整のための生理液が毛細血管のように通い、全身の状態をチェック
する電極網が首元の制御チョーカーによって管理されている。そのため全身の熱交換と皮膚表面の老廃物処理を
効率良く行うことができ、宇宙空間の強烈な放射線や、800度までの熱からも身体を守ることができる。着脱や
温湿度等の制御は額にはめた、小さな三角形のアンテナが付いたカチューシャによって、装着者の脳波で行われる。
それはまさに理想的な「第二の皮膚」であり、ヘルメットさえ着ければ簡易宇宙服として、宇宙空間における
長時間の船外活動すら可能であった。
だが全身を緊く締め付け皮膚に密着するその性質上、サイバータイツを男性が装着することには問題があった。
男性器の形が外からすっかり露わになる上に、股間の締め付けが装着者に強い苦痛を与えるのだ。
このため、サイバータイツを装着するのは今のところ少数の例外を除き、女性のみであった。
ウルフのように、あえて股間にファウルカップを装備した上から装着する、物好きな者もいるにはいるが、
その場合、空気の層が皮膚との間に発生するため、宇宙服の代用となるなどのサイバータイツの恩恵を十分に
受けることはできなかった。サイバータイツはあくまで、女性専用の宇宙用スーツだったのだ。
168蜂女アンヌは俺の嫁!:2009/11/20(金) 20:45:53 ID:2VnFikdJ
一着あたり数千万ゴルドはするというこの高価なスーツ、軍以外で装着しているものはごく少数であった。
アンヌがいま身にまとっている純白のサイバータイツは、レイラが予備として船に用意していたものである。
アンヌは密航が発覚した時、純白のブラウスに青地に白のビスチェ、横に拡がったフリルスカートに黒タイツ
という、油臭い宇宙輸送船には場違いの地上服を着ていた。見かねたレイラがアンヌに、着脱カプセルに入って
サイバータイツを装着するように勧めたのだ。
色は装着時に自由に設定できるため、レイラがアンヌの清楚なイメージに合わせて白に設定した。
初めての装着直後、アンヌは恥ずかしさのあまり、他の乗員の前に姿を見せることができなかった。何しろ
サイバータイツは皮膚を垂直方向に強く締め付ける。そのためボディラインが裸同然に露わになるのだ。
しかも全身をくまなく締め付けているため、重力で乳房が垂れるのを防止するブラジャーのような補正下着は
必要なくなり、乳房は自然に、胸部の前方に向かってふわりと浮き上がるかたちとなる。そして身をよじるごとに
乳房も、尻も、ゆさゆさと大きく揺れるのだった。
アンヌはスレンダーな体形だったが、華奢なボディに似合わず豊満なバストの持ち主だった。ロケットのように
前方に突き出した双つの柔らかいふくらみ。触れると折れそうなほどに細くくびれた腰。引き締まった肉付きの
よいお尻。それら、神の業にも似た絶妙のバランスで造形された美しいアンヌの肢体が、サイバータイツによって
すっかり浮き彫りになっていた。
そればかりではない。厚みが1ミリに満たないサイバータイツは、まるで全裸であるかのように、乳首のかたちも、
股間の性器の溝も、スーツの表面にくっきりと浮き上がらせていた。男性の視線に慣れていない16歳の処女に
とって、それは全裸以上に恥ずかしい恰好であるに違いなかった。
169蜂女アンヌは俺の嫁!:2009/11/20(金) 20:46:10 ID:2VnFikdJ
「恥ずかしいのは最初だけ。すぐに慣れるわよ」
レイラはそう言って笑いながら胸を張った。彼女の豊満な胸にも、乳首のかたちがはっきり浮き上がり、股間には
恥丘を縦に貫くスリットが見事に浮き上がっている。
「初めて身に着ける時、痛かったでしょう? でも一度装着したら、脱ぐ必要なんてめったにないのよ」
アンヌは顔を赤らめて、股間をそっと手で押さえた。
アンヌの肛門と膣にはいま、排泄時に使用するノズルプラグが奥深くまで埋め込まれている。
サイバータイツは皮膚に密着する性質上、下着を着けず、全裸の上に直接装着しなければならない。体毛も邪魔
になるため、装着者は放射線照射によって頭部以外の全身を永久脱毛した後で、排泄孔にノズルプラグという
特殊な栓を奥深く埋め込んでから、着脱カプセルという専用の機械を用いて装着を行う。
これは排泄行為の効率化のためである。サイバータイツの着脱は、装着者自身が設定した音声パスワードを、
カチューシャを通して脳波入力することで行える。だが再装着には時間がかかるため、排泄行為のたびにいちいち
サイバータイツを脱ぐことは現実的ではなかった。そのため、排泄は股間に埋め込んだノズルプラグに、トイレに
備え付けの専用のチューブを接続し、機械で吸引することで行うようになっていた。
そのため、一度装着すればサイバータイツを脱ぐ必要はほとんどなかった。体表面の温度調整も完璧であるため
シャワーを浴びる必要もなく、脱ぐ必要があるのは事実上、セックスを行う時だけであった。
逆に言えば、第三者がサイバータイツを勝手に脱がせることは、着脱カプセルに入れない限り不可能であり、
また鋼のような強度を持つサイバータイツを破くことも至難の技であったため、これは装着者を不慮のレイプ
事件などから守る上でも効果的であった。そのため、長期に渡って男女混成で遠征を行いがちな統一宇宙軍の
女性軍人や職員の間で、サイバータイツは広く愛用されていた。
170蜂女アンヌは俺の嫁!:2009/11/20(金) 20:46:29 ID:2VnFikdJ
「そうそうアンヌ。明日から船のサイバータイツ用トイレが使えなくなるから、携帯トイレの使い方を教えたげる。
こっちにいらっしゃい」
そう言ってレイラは、10センチ四方程度の立方体の機械を取り出した。
「使い方はさっき教えた船のトイレと同じよ。こうやって、ノズルチューブを引き出して・・・」
カーペットの上に膝立ちになったレイラは、自分の股間を片手でまさぐり、スーツにはっきりと浮き上がった
陰唇を押し拡げてノズルプラグの位置を確かめた。
サイバータイツを装着した女性の股間には、大陰唇に沿って灰青色の栓が一直線に埋め込まれている。これが
ノズルプラグである。大陰唇を指でこじ開けると、クリトリスから膣孔にかけて、膣前庭を覆うようにノズル
プラグが覆っており、尿道孔と膣孔、そして肛門の位置に、チューブを差し込むための孔が3つ開いている。
レイラは自分の陰唇を拡げると、そこに先が三股になったチューブを次々と差し込んだ。
「うッ! 」
レイラは顔を赤くしながら、チューブを接続した股間をアンヌに示した。
「・・・ふうッ、はいこれで準備完了。小用のみの時は、チューブはいちばん前の一本だけでいいのよ。大の時は
前と後ろね。真ん中のノズルプラグは生理の時だけで、ふだんは使う必要はないの。でも、これを使うとね」
レイラはアンヌの耳元で、悪戯っぽく囁いた。
「…こっそり女のコの悦びを楽しむことができるのよ。ちょっと試してみるわね」
そう言ってレイラはクスリと笑い、立方体の白いスイッチを押した。
機械がブンブンと音を立て、ズブズブという音とともに吸引が始まった。
「・・・うっ・・・あ・・・あ・・・ああ・・・あっ・・・あっ・・・」
レイラは恍惚とした表情で股間を押さえ、豊満な胸をゆさゆさと揺らしながら、激しくあえいだ。
171蜂女アンヌは俺の嫁!:2009/11/20(金) 20:46:49 ID:2VnFikdJ
3本のチューブに対応したノズルプラグのうち、膣孔に埋め込まれた中央のものは本来、新陳代謝ではがれ落ちる
膣粘膜組織や、生理時の出血を吸着するためのものだったが、女性たちにはむしろ自慰目的で愛用されていた。
いや女性たちの要望によって、そういう機能が特別につけ加えられていたのだ。
サイバータイツの最初の装着時に、装着者は膣の奥深くに、ノズルプラグの本体を埋め込まれる。と言っても
本体はゼラチン状のぷるぷるした物体に過ぎないから、アンヌのような処女であっても、大切な処女膜を傷つける
ようなことはなかった。生理タンポンのように気軽に挿入するだけでよかったのだ。
だがこのプラグにノズルチューブを深く差し込んで、吸引機を作動させると、ノズルプラグ本体はとたんに固く
巨大にふくれ上がり、表面が激しく蠕動して膣壁を刺激するようになるのだった。同時にこのノズルプラグは
クリトリスにはめ込まれた電極とも連動していて、装着者に快感をもたらすよう、絶妙の調整が施されていた。
レイラが股間を押さえたまま、ひっきりなしにあえぐ様子を、アンヌは顔を真っ赤にして見守った。
自慰すらまだ覚えていないアンヌにとって、それは、書物で知っているだけの未知の世界だったのだ。
「・・・はあっ・・・はあっ・・・これで・・・終了よ。あとは、この赤いスイッチを入れて、吸引したものを焼却するの」
レイラが身をかがめ、大きく肩で息をしながら、立方体のスイッチを押した。キィーン、という音とともに
排泄物の焼却が完了し、青いランプが点灯した。レイラは立ち上がると、股間のプラグからからノズルチューブを
ゆっくりと引き抜き、先端を立方体の中央にある溝にかざして殺菌してから、アンヌに向かって差し出した。
「・・・さあアンヌ。あなたも使ってごらんなさい。真ん中のノズルプラグ、使うのは初めてよね? 怖がらずに
試してごらんなさい。あなたが女のコに生まれた悦びを、心ゆくまで満喫できるから」
「えっ?・・・でも」
「大丈夫! 大事な処女膜が破れるようなことはないから安心して」
「は・・・はい!」
アンヌは好奇心の強い娘だった。おっかなびっくりでチューブを受け取ると、レイラのように床に膝立ちになり、
純白のサイバータイツに包まれた股間に指を伸ばした。ふくらんだ恥丘を縦に走るスリットをそっと押し拡げて
挿入位置を手探りで確かめてから、ノズルチューブの先端をプラグの中心めがけて、おそるおそる差し込んだ。
「・・・うっ!」
アンヌの膣の中に挿入された、ノズルプラグ本体がじわじわとふくらみ始めたのだ。快感とも不快感ともつかない
不思議な感覚に、アンヌの背筋は思わずこわばった。下腹部に生じた異物感が、どんどん大きくなってゆく。
アンヌはこわごわと立方体のスイッチを入れた。とたんにアンヌの股間に、ずしんと電気のような快感が走った。
「…ひゃあっ!」
アンヌは思わず、大声で叫んだ。
172蜂女アンヌは俺の嫁!:2009/11/20(金) 20:47:08 ID:2VnFikdJ
生まれて初めて味わうその感覚は、快感とも不快感ともつかない、激しい衝撃であった。アンヌはガクガクと
腰を痙攣させ、耐えきれずに四つん這いになった。そして腕で身体を支えることもできなくなり、腰を持ち
上げたままうつ伏せになった姿勢で、チューブが接続された腰をただガクガクと振り続けた。
「・・・ん・・・ん・・・んんッ・・・あッ・・・あッ・・・あッ・・・あああッ!」
股間の衝撃が、徐々に、えも言えぬ快感へと変わってきた。膣壁の中いっぱいに拡がったノズルプラグが表面を
激しく蠕動させ、電極に包まれたクリトリスがビリビリと震える。自慰すらまだ知らなかったアンヌにとって、
それは生まれて初めて味わう性の快感、目眩く官能の世界であった。
アンヌは顔を真っ赤に染め、股間を両手で押さえたまま、ひっきりなしにうめいた。股間が耐えられないほどに
熱くほてり、全身を火花が駆け巡る。
「・・・んッ・・・んッ・・・んんッ・・・あ・・・あ・・・ああッ・・・あンッ・・・あンッ・・・あうッ・・・あうッ・・・ああうッ!」
うつ伏せになったアンヌの指が知らず知らずのうちに、股間に固く盛り上がった小さな肉の豆に伸びてゆく。
何しろそこがいちばん、気持ちがいいのだ。アンヌの指は電極に包まれた自らのクリトリスを探り当てると、
細い指先でそれを玩び始めた。指が豆をはじくたびに、さらに激しくじんじんと、快楽の嵐が押し寄せる。
アンヌは髪を振り乱しながら上体を起こし、身体をのけぞらせて部屋中に響き渡る高い声であえいだ。
他人の目もはばからず、理性をかなぐり捨て、ただ快感に身を任せてよがり狂った。
「・・・ああッ・・・ああッ・・・あうッ・・・あうッ・・・あううッ・・・あううッ・・・あうううンッ!」
「あーらまあ。思ったとおり快楽に飲まれちゃったか。処女が初めてこれを使うと刺激が大き過ぎるから、
時々、快楽の虜になっちゃうのよね。・・・でも、素敵よアンヌ。今のあなたって、とっても女らしいわ」
レイラはそう呟くと、自分も真っ赤なサイバータイツの股間へと手を伸ばした。やがて切ないため息が、レイラの
口から断続的に漏れ始めた。
アンヌは半狂乱になってあえぎ続けた。嬌声が部屋中に響くのも気にせず、ひたすら快楽を求めて指を動かした。
真っ白な人工皮膚で覆われた、ロケットのように前に突き出た美しい双つの乳房が、アンヌが悶えるたびに
ぶるんぶるんと激しく揺れ動いた。
173蜂女アンヌは俺の嫁!:2009/11/20(金) 20:47:28 ID:2VnFikdJ
【5】

翌朝、アランたち一行は船を離れ、めいめいの荷物を背負って丘を下り始めた。
「さあ、楽しいピクニックの始まりだ」
燃料電池が全滅したため、飛行艇も、二人乗りバイク型のフロートライナーも使うことができない。
あの光る裂け目までは、徒歩で行くしかないのだった。
後続者のために慎重に踏み跡を地面に付けながら、先頭を歩くのはアラン。そのすぐ後ろにアンヌ。さらに
ウルフ、ジョージ、バンボ、レイラと続き、いちばん重い荷を背負ったドグとホイが最後尾を勤めた。
歩きやすい草原が終わり、いよいよ目の前に暗くうっそうとした森が迫ってきた。キチキチキチキチ・・・という
不穏な音がさらに大きく迫り、一行の不安をかき立てた。
森の中は下草がまばらで、地面は乾燥していた。森はどうやら複雑な地表の褶曲の上に生えているらしく
大きな起伏が何度も続く上に、たびたび巨大な根が前方に立ちふさがり、それを乗り越えるのに時間が取られる。
「・・・はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・キャッ!」
アンヌがまたも前のめりにつまづき、地面に手をついた。
女性たちがまとっているサイバータイツにはポケットが付いていないため、アンヌやレイラは軍用のベスト
ジャケットをはおり、ハイヒール状になった脚には、その上から行軍用のニーハイブーツを重ね履きしていた。
だが悪路を歩くことに慣れていないアンヌにとっては、歩きながら足を置く場所を選ぶような余裕などなく、
いくら高性能な靴を履いていても意味が無かった。
「平気です。これでも長年バレエで鍛えていますから・・・キャッ!」
アランはやれやれと肩をすくめた。体力のないアンヌだけではなく、その後ろのウルフも遅れて隊列を乱す。
「ちょいと、アランちゃん、待ちなさいよってば。んもっ、この根っこ。歩きにくいったらありゃしない!」
174蜂女アンヌは俺の嫁!:2009/11/20(金) 20:47:47 ID:2VnFikdJ
「ウルフさん、いったい何やってるんですか。さっきから無駄な動きが多いんですよ」
レイラがイライラして後方から叫んだ。確かにウルフは歩きながら、あちこち寄り道ばかりしている。
「うっさいわね。未知の植物がこんなにいっぱい周囲にあるのに、平静でいられるわけがないじゃないの!」
なるほどウルフは生物学者らしく、遭遇した未知の生物すべての特徴をコンピュータに記録し続けていたのだ。
だがビデオカメラを構えるたびになぜ、ビシッ!といちいち妙なポージングを付けなければならないのか、他の
者にはまったく理解不能であった。
「アタシは由緒あるフランケンフンガー(フランク人の空腹)家の末裔。知的な貪欲さでは誰にも負けないのよッ」
ウルフの足が遅いせいで、その後ろのバンボたちは何度も足止めを喰らっていた。バンボはかがみ込み、草を
払うと足元の地面をそっと調べ始めた。
「見て下さいジョージ、これは・・・コンクリートだ!」
「何?」
ジョージもかがみ込んで地面を確かめた。多孔質の岩に見えた地面は、長時間にわたる侵食で表面がカスカスに
腐食していたが、地球産のものと同じ、紛れもないコンクリートだった。
「知的生命が造ったものだろうか?」
「形成方法はわかりませんが、自然産の可能性もあります。なにしろこの量ですからね。でもこれで、この
惑星にむかし海があったという証明にはなるかも知れません。なにしろコンクリートの原料となる石灰岩は、
海中のサンゴが海水から炭酸カルシウムを取り出すことで生み出されるんですから」
「驚いたな・・・コンクリートの上にこれほどの規模の森が生えているのか」
「ええ、コンクリートは土壌としては極めて劣悪ですからね。これもこの星の謎のひとつでしょうか」
175蜂女アンヌは俺の嫁!:2009/11/20(金) 20:48:05 ID:2VnFikdJ
アンヌが疲労困ぱいの様子なので、ちょうど森の中の開けた場所に出たのを幸い、アランは休息を命じた。
「今のうちに昼食を摂っておこう」
力場フィールドを張ると、一行は思い思いの場所に腰掛け、簡易ヘルメットを外して固形ブロック状の昼食を
摂った。医師でもあるウルフから、短時間ならヘルメットを外しても構わないとのお墨付きがでたおかげだ。
ヘルメットを外したとたん、ムッとする強烈な草いきれと、キチキチキチキチ・・・という耳障りな音が、
ひときわ強く襲ってきた。
食事を拡げる前に、アンヌが言いにくそうに、アランにもじもじと小声で囁きかけた。
「・・・あのう、アランさん。わたし、そのへんで用を足してきたいんですけど・・・」
「わかった。できるだけこの近くから離れるな」
顔を赤らめたアンヌが立方体の携帯トイレを持って、薮の中に姿を消した。やがて薮の中から、切なげな甘い
あえぎ声が小さく断続的に聞えてきた。
「・・・んッ・・・んッ・・・んんッ・・・んんッ・・・あんっ・・・あン・・・あン・・・ああン・・・ああン・・・!」
昨夜の初使用以来、アンヌは小用のたびに、ふだん必要のない膣孔ノズルプラグを使うことを止められなく
なっていた。既に10回以上は使用しただろうか。男性経験はおろか、自慰すら知らなかったアンヌは、生まれて
初めて体験した女としての快楽に、麻薬中毒のように耽溺していたのだ。
慣れたもので、アランたちは平然とその声を聞き流しながら食事を続けた。若い娘にはよくあることなのだ。
その時、キチキチキチキチ・・・という音がひときわ高く森の中に響き渡った。
不穏な気配を感じ、アランは短針銃を手に立ち上がり、身構えた。
その時だ。
「きゃああああッッ!!」
アンヌの鋭い叫び声が響いた。アランはいち早く薮の中に飛び込み、アンヌの姿を探した。
「アンヌっ!」
176蜂女アンヌは俺の嫁!:2009/11/20(金) 20:48:25 ID:2VnFikdJ
薮の中の開けた場所に、アンヌが怯えた様子で股間にチューブを差し込んだまま立ちつくしていた。
彼女の視線の先には、真っ黒で巨大な奇怪な生物がいた。
アランに発見されたことに気付いたその生物は、ウォルルルグォォォッ、と低くうなると、アンヌ目がけて
勢いよく襲いかかった。
「チイッ!」
すかさずアランは短針銃の引き金をひいた。
グォッ、グォ、グルルルゥ! 無数の針が怪物の頭部に命中したが、怪物はそのままアンヌの首筋に噛みついた。
「キャアアッ!」
アンヌが倒れると、怪物は頭を起こしてぶんぶんと振り、頭部に命中した金属製の針を払い落とした。
「畜生ッ!」
アランの第2撃も怪物には効果がなかった。怪物はアランの方を振り返り睨むと、今度はアラン目がけて
素早い動きで飛びかかってきた。
とっさにアランは頭部を銃でかばった。アランの下腹に怪物の足が食い込み、鋭い爪がめり込む。思わず
後ずさるアランの銃に、怪物は鈍い音を立ててガリガリと噛みつく。金属の粉がバラバラと落ちる。アランは
渾身の力で怪物をふるい飛ばし、連続で銃を放った。
「どうしたッ、アンヌ!?」
ガサガサと薮の中からジョージたちが現れた。新たな加勢の気配に怪物は勢い良く飛び退くと、目にも止まらぬ
早さで木によじ登り、太い枝の上から一同を威嚇した。
この時、一同は初めて怪物の姿をはっきりと確認した。それは1メートル半ほどの体長で、6本の足と3つの
複眼を持った、まるで地球の黒豹とハンミョウが合体したかのような奇怪な生物であった。全身が固い外骨格で
覆われている。アランの短針銃が効かなかったのもこのためだろう。
一行はめいめい銃を構え、一斉に怪物を狙った。
その時だった。キチキチキチキチ・・・という例の奇妙な音が、突然高く、大きく、周囲にこだました。
その音は彼らの周囲から、まるで四方八方取り巻くように聞えてきた。
177蜂女アンヌは俺の嫁!:2009/11/20(金) 20:48:45 ID:2VnFikdJ
それを聞くと、枝の上の黒い怪物は急に身体をすくませ、まるで何かに怯えているかのように逃げ腰になった。
突然、木々がざわざわと揺れた。
高い空からパラシュートのようなものが、幾つも、ふわり、ふわりと舞い降りてきた。それに気付いた怪物は
グワッ、と叫ぶと弾かれたように逃げ出した。
だがパラシュートのようなものは、意外な早さで吸い寄せられるように怪物に追いつき、傘を拡げて怪物の上に
次々と舞い降りた。傘は怪物に触れたとたんキュッと締まり、傘に包まれた怪物はギュルルルルゥ、と叫んで
倒れ、苦しそうにのたうち始めた。
パラシュートは幾つも、幾つも怪物の上に降りつもる。暴れ回る怪物の姿は、やがて傘の被膜に覆われて
すっかり見えなくなった。
数分の後、半透明の被膜にすっぽりと覆われた怪物は、その動きを完全に止めた。
「何だ、一体何だこのパラシュートは!?」
ジョージが思わず叫んだ。ウルフは手近にあった長い枝を拾い上げ、おそるおそる被膜に包まれた塊を小突いた。
被膜の塊はカチカチに固まっており、まったく動く気配を見せなかった。
ウルフは危険がないことを確かめると、そっと近づいて被膜の塊を確かめた。
「これは・・・植物よ。おそらく植物の種」
「種? 種がこいつを襲ったというのか?」
「ええ。この種はおそらく高い運動能力と知覚を有していて、獲物の上に被さり、窒息させて殺してから、その
養分を使って発芽するんだわ」
「なるほど、栄養分が少ないコンクリートのような土壌に、適応した発芽方法ですね」
「・・・何てことだ。動物を襲う植物だなんて!」
「でもなぜ、この子だけを狙ったのかしら? なんでアタシたちには襲いかからなかったのかしら?」
アランが我に返ってアンヌの元に急いだ。
「アンヌっ、アンヌは無事か!?」
レイラとドグ、ホイの3人が、気を失ったアンヌを介抱していた。
「大丈夫よアラン。気を失っているだけ。首筋を咬まれたけど、ヘルメット装着リングのおかげで無傷よ」
アランは安堵した様子で、気絶したアンヌの目に被さりかけている汗ばんだ髪を、指でそっと撫で払った。
178蜂女アンヌは俺の嫁!:2009/11/20(金) 20:49:04 ID:2VnFikdJ
「・・・ん・・・」
アンヌが目覚めた。覗き込んでいるレイラたちの顔を怯えた目で見つめ、それからレイラの胸に顔を埋めて泣き
じゃくり始めた。
「・・・怖い!・・・怖い!・・・」
「大丈夫よアンヌ。もう怪物はやっつけたから」
レイラがアンヌに肩を貸し、ゆっくりと立ち上がらせた。アンヌはぴったりとレイラに寄り添い、離れようとは
しなかった。
昼食場所に戻ってきたアランは、怒りに満ちた声で叫んだ。
「…畜生ッ! ヘルメットが壊されてるぞ! 全部だ、全部!」
一行があわてて駆け戻ってきた。昼食を摂るために外したヘルメットがなんと一つ残らず、強化ガラスフードに
穴を開けられていた。穴からは四方にヒビが走り、もはや役には立ちそうにない。
アランは自分のヘルメットを拾い上げ、傷を確かめた。
「これだ。この銀色の針が、ガラスを貫いたんだ」
ウルフとジョージが近寄って、アランから手渡された針を確かめた。長さ3センチほど、太さは1ミリ足らずの
小さな針だった。
「断言はできないけれど、昆虫、特に蜂の針に似ているわね」
「ハチ? 生物が放ったものだと言うのか? 特殊強化ガラスを貫いているんだぞ!?」
宇宙服のヘルメットフードに使われている特殊ガラスは、宇宙船外壁のチタン合金と変わらない強度がある。
それをやすやすと貫ける針を撃ち出せる生物が、この星にいる。その事実が、一行の背筋を寒くした。
「だが一体、何のためにヘルメットだけを? 昼食にはまるで手がつけられていないんだぞ?」
「そんなことより、俺たちはヘルメット無しでこれ以上進めるのか?」
「アタシは賛成しないわ。この星の大気、長時間吸い過ぎると危険よ」
「レイラ、船に戻れば予備はあるか?」
「全然足りない。全部で10個しか積んでこなかったの」
アランとジョージ、それにウルフは論争を始めた。長い議論の末、ヘルメット無しで行軍を続けることになった。
「いいことアンタたち。もしも誰かに少しでも異常が現れたら、すぐに船に引き返してもらうわよ」
179蜂女アンヌは俺の嫁!:2009/11/20(金) 20:49:23 ID:2VnFikdJ
その日はそれから何事もなく、行軍を続けることができた。船からおよそ30kmは進んだかと思われるところに、
丁度よい開けた場所を見つけた一行は、そこにテントを張ることにした。
テントといっても布製ではなく、力場テントを3台稼働させ、3つに分かれて就寝することにしたのだ。
男が3名ずつ2つに分かれ、残るひとつがレイラとアンヌのテントだった。
力場テントとは、2メートル角の立方体の形をした、不可侵の力場を作り出す装置のことである。力場は音声
パスワードを唱えない限り、内部へのあらゆる物体の侵入をシャットアウトし、空気の緩慢な流通のみを許可する。
雨や風に対する防護はおろか、遮光機能もあるので、内部の人間は安心して眠りに就くことができる。
昼の事件以来、アンヌは常に怯えていた。ガタガタと震えながら身体を縮こめて、しきりに不安を口にした。
「・・・怖い・・・怖いのよ・・・レイラさん」
レイラはアンヌの隣に横たわり、背中からそっとアンヌの身体を抱き締めた。熱を通さないサイバータイツごしに
感じられる肉体は、ひやりとして、なめらかで、人間の素肌とはまるで違っていた。
「大丈夫。あなたは一人じゃない。みんながついてる。何も心配はいらないのよ。安心してお休みなさい」
アンヌは身を翻してアンヌの胸に顔を埋め、えっ、えっ、とかすれるような声で泣いた。レイラはそんなアンヌ
を姉のように優しく抱き締め、サイバータイツに包まれた華奢な肢体を愛おしげに愛撫した。
アンヌも泣きじゃくりながら、レイラの乳房に頬をすり寄せた。頬にレイラの乳首が当たったのを感じたアンヌは、
幼児返りしたかのように舌をチロリと這わせ、乳首を口に含んで赤ん坊のようにしゃぶり始めた。
真っ赤なサイバータイツに包まれていても、敏感な箇所への刺激はレイラを熱くさせるのに十分だった。レイラは
紅潮した顔で、両手でアンヌの頬をはさみ、ゆっくりと自分の顔を近づけると、彼女の唇に自分のそれを重ねた。
「・・・ふんっ・・・むふぅ・・・んんっ・・・」
180蜂女アンヌは俺の嫁!:2009/11/20(金) 20:49:42 ID:2VnFikdJ
レイラの細い指が、自然にアンヌの股間へと伸びる。まさぐり当てたアンヌのクリトリスを、レイラは人差し指で
絶え間なく刺激しながら、薬指で膣孔の周囲を円を描くように愛撫する。
「・・・ああっ・・・あん・・・あんっ・・・レイラさん・・・だめッ・・・あうっ・・・あうっ・・・アンッ・・・アンッ・・・」
女性の性感帯を知り尽くしたレイラの指が、そして舌が、性に目覚めきっていないアンヌの全身を這い回り、休む
ことなく刺激を与える。華奢な首筋を、脇腹を、背中を、太ももの内側を、そしてツンと立った乳首の先端を。
「・・・アンヌ・・・可愛いコ・・・可愛いコ・・・」
「・・・ああッ・・・レイラさん・・・レイラさん・・・あうッ・・・あうッ・・・あンッ・・・あンッ・・・」
しなやかなサイバータイツの肌どうしがこすれ合う感触が、ゾクゾクと二人の興奮を高めてゆく。
サイバータイツに包まれた皮膚の感覚は、カチューシャからの脳波指令で自由に感度を変えることができた。
昼間森の中を歩いている間は、厚着でいる時と大差ない感度に下げていたが、今は全裸でいる時と変わらない、
いや全裸以上の感度にまで高められていた。性感帯にわずかに触れられただけで、凄まじい快感の嵐が走る。
それは、サイバータイツを身にまとった者だけが味わえる、陶酔と官能の世界であった。
男を知らないアンヌは、この目眩く快楽の嵐にたちまち溺れ、理性をかなぐり捨ててただひたすらに快感を求めた。
ふとレイラはアンヌから身を放し、携帯トイレを取り出すと、自分とアンヌの膣孔に埋め込まれたノズルプラグに
チューブを差し込んで作動させた。それも目盛りを「最強」にして。
「・・・ああッ・・・ああッ・・・レイラさん・・・あうッ・・・あううッ・・・あうううンッ!」
アンヌとレイラは股間から長いチューブを伸ばしたまま、お互いのボディを堅く抱き締め合った。
狭い力場テントの中。赤と白の人工皮膚に包まれた二体の美しい妖精が、激しく肉体をからまり合わせ、お互いを
求め合っている。二人は身も心もひとつに溶け合わせたまま、狂おしい愛撫に身を委ね、ただひたすらに快楽の園
に遊び、女に生まれた悦びをむさぼり合った。
そして二人はいつしか、うとうととまどろみ、堅く抱き合ったまま夢の中へと落ちていった。
181蜂女アンヌは俺の嫁!:2009/11/20(金) 20:50:01 ID:2VnFikdJ
【6】

ヴィン! ヴィン! ヴィン!
そんな至福のまどろみを破ったのは、アランが鳴らした突然の警報だった。
レイラはテントの力場を解除すると、寝ぼけ眼のアンヌの腕を引いて男たちの野営場所へと急いだ。
アランの目の前に、ロープで縛られた、黄色い奇怪な生物がいた。
「テントの回りをしきりに窺っていたのを捕えたんだ」
それは4本の腕と3つの複眼を持つ、昆虫のような人間大の生き物だった。背中に大きな翅を持ち、全身が黄色と
黒の縞模様で彩られているところは、地球の“蜂”を連想させる。
生物の全身は、固い外骨格で覆われている。関節部や指先の爪を見ても、地球の昆虫に近い生き物であることは
間違いない。
だがその生き物の顔面は昆虫というより、人間に似通っていた。人間よりも、人を象った能面と言う方が近いかも
知れない。二つの複眼の下に鼻のような突起があり、その下に薄い唇のついた口がある。顔だけではない。
完全直立した姿勢、道具も自由に扱えるだろう発達した指、そして反応の端々に感じられる高い知性。それらは
この生き物が地球人と同じ、まぎれもない“知的生物”であることを示していた。
蜂のような姿のその知的生物は、口を大きく開くと、その中にある昆虫のような大顎を激しく打ち鳴らして、
キチキチキチキチ・・・という耳障りな音を鳴らした。
アランたちは驚いて思わず身体をそむけた。
どうやら森の中に絶えず響き渡る、カンに障る音の主はこの生物らしい。
ウルフがおそるおそる蜂人間に近づき、その身体を観察した。
「地球の昆虫に酷似してるわね。見なさい。身体の側面に沿って孔がいくつも開いてるでしょう。この気門で
呼吸をしているのよ。でも・・・妙ね・・・」
ウルフは急によどんだ言い回しになった。
「この子の外骨格、最初からこんな形に進化したのだとは思えないわ。身体つきが地球人にそっくり。まるで
元々は内骨格の地球人に似た生き物だったのを、無理やり外骨格に造り変えたみたい・・・よし!」
ウルフは蜂人間の顔を正面から覗き込んで、意地悪っぽく言った。
「アナタ、夜が明けたら解剖して調べてあげるわよ」
182蜂女アンヌは俺の嫁!:2009/11/20(金) 20:50:21 ID:2VnFikdJ
その言葉が理解できたかのように、蜂人間は急に頭を上げた。そしてキチキチキチキチ・・・という音をさらに強く
鳴らした。複雑なリズムで打ち鳴らされるその音は、まるで異教の呪文か何かの暗号のようであった。
突然、不穏な気配を感じて一行はギョッ、と周囲を見渡した。
いつの間にか彼らの周囲の森いたることころから、応えるかのようなキチキチキチ・・・という音が幾つも、幾つも
鳴り響き始めたのだ。
「・・・囲まれてる!」
めいめい武器を手にとり、手に汗をにじませて警戒するアランたちの目の前に、森のあちらこちらから人間大の
影がいくつも姿を現れた。それは目の前に捕らわれになっている生物と同じ、蜂人間の群れであった。
あらゆる方向から鳴り響くキチキチキチ・・・という音が、耳を聾するばかりに高まった。アランたち一行を
包囲する蜂人間たちの数はどんどん増えてゆき、やがて数えきれないほどの大群に膨れ上がった。
アンヌは必死に耳をふさいでレイラに固く寄り添った。銃を構える一同の背中に冷たい汗が流れる。
その時だ。蜂人間の群れの中から、聞き慣れた地球標準語が響いてきたのは。
「その者を離しなさい。そうすれば、お前たちに危害を加えることはしない」
その声は、若い女のものだった。驚く一行の目の前に、蜂人間たちの間からひとつの影が現れた。
その顔を見たジョージは、思わず驚きの叫びをあげた。
「きみは・・・チアキ! チアキ・ダイドウジくん!」
名前を呼ばれたその相手は、長い真っすぐな黒髪を額で一直線に切り揃えた、神秘的な美貌の東洋人の娘であった。
「知り合いか、ジョージ!?」
「ああ、シャンブロワ教授に随行した、ウォーレン・キンバリー教授の研究室にいた大学院生だ。教授のお供で
遠征隊に志願したと聞いたが、まさか、まさか、そんな・・・!」
ジョージの驚きはもっともだった。なぜなら、大道寺千明と呼ばれた娘の身体は、明らかに人間のものでは
なかったのだ。
183蜂女アンヌは俺の嫁!:2009/11/20(金) 20:50:41 ID:2VnFikdJ
はじめは、彼女は青いサイバータイツを装着しているのだと誰もが思った。だが彼女の首元には、状態制御用の
チョーカーが見当たらない。そもそも遠征隊の随行学生ごときが、高価なサイバータイツを所有しているはずがない。
そう、彼女の全身を美しく彩る濃い青色の肌は、サイバータイツではなく、紛れもなく彼女自身の皮膚であった。
真っ青なボディの中で、小振りだが形の良い乳房だけが、真っ赤な乳首を中心とした黄色と黒の同心円状の模様で
くっきりと彩られており、呼吸とともにゆっくりと蛇腹状の膨張を繰り返していた。それは、まさに地球産の蜂の
腹部、そのものだった。
チアキの両手両脚は、真っ白なエナメルのような質感の、手袋とブーツ状の組織で覆われていた。背中には
巨大な4枚の翅がキラキラと輝き、額からは真っ赤な長い触角が伸びて、ピクピクとせわしなく動いていた。
そして彼女の股間には、女性のしるしである恥丘を縦に貫くスリットが、くっきり刻まれていた。恥ずかしげも
なく露出したその割れ目は、絶えずヒクヒクと、まるでナメクジのように蠕動を繰り返し、呼吸に合わせて
淫らな開閉を繰り返していた。真っ青なスリットが開くたびに、その奥に赤い肉がチラリと見える。
整った美貌の顔面と、長いつややかな髪だけが、地球人の女性そのままの姿を保っている。だがそのボディは、
周囲の蜂人間たちとは別の意味で、昆虫を連想させるものだった。そう、彼女の肉体は既に地球人のものではなく、
昆虫と女体が見事に融合した“蜂女”とでも呼ぶべきものに変貌していたのだ。
「・・・ア、アンタ、一体なんなのよッ、その身体は!?」
ガタガタ震えながら放ったウルフの問いに、チアキはただ沈黙を返すのみだった。
彼女のボディは乳房を除けば青が基調であり、全身が黄色と黒の縞で覆われた周囲の蜂人間どもとはまるで別種
であったが、見る者には両者が同質の存在であることが、理屈ではなく、直感的に感じられた。まるで、蜂人間
どもが働き蜂であるとしたら、彼女がその女王蜂であるかのように。
驚きで呆然となった一同の頭の中で、さまざまな推測や疑念が乱れ飛んだ。
本当にあれは地球人のチアキ本人なのか? 本人ではなく蜂人間の巧妙な擬態かも知れない。ではなぜさっき地球
標準語を話したのだ? チアキ本人の記憶を奪い、昆虫人間のメスに移し替えたものかも知れない。だったらなぜ、
一匹だけがこんな姿を? そもそも他の遠征隊のメンバーはどうなったのだ?
184蜂女アンヌは俺の嫁!:2009/11/20(金) 20:50:59 ID:2VnFikdJ
「教えてくれ。きみは地球人のチアキ・ダイドウジ君、本人なのか!?」
チアキはジョージの方を無言で見つめると、ゆっくりと頷いた。
「きみは、きみは何者かによってその姿に、蜂女に改造されてしまったのか!?」
チアキは妖しく意味ありげに微笑むと、もう一度ゆっくりと、しかもはっきりと頷いた。
やはり、本人だったのか。予想はしていたものの、明白に事実を告げられたことで、一行は強いショックを受けた。
「きみはいったいなぜ、この蜂人間たちと一緒にいるんだ。きみたちの目的は一体何なんだ!?」
チアキは澄んだよく通る声で答えた。
「その者をこちらに帰しなさい。そうすれば、我々はここから すぐに立ち去る。さもないと・・・!」
チアキの合図で、最前列にいた蜂人間の数体が、両腕を上げてアランたちの方に向けた。シュシュッ!という
鋭い音と共に何かが手首から放たれた。
アランたちの背後にあった立ち木の幹に、縦一列に何かが突き刺さった。
振り向いたアランたちは、それが自分たちのヘルメットを破壊した、あの超硬の針であることに気付き、思わず
ゾッとなった。
アランとジョージは、顔を見合わせて頷き合った。やむを得ない。アランがロープをほどくと、介抱された
蜂人間は翅を震わせて、仲間のほうを目がけて素早く飛び去った。
仲間が開放されると同時に、アランたちを取り囲んでいた蜂人間たちの姿が、徐々に消えていった。
キチキチキチ・・・という耳障りな音も、次第に遠ざかってゆく。
185蜂女アンヌは俺の嫁!:2009/11/20(金) 20:51:19 ID:2VnFikdJ
「待って!」
叫んだのはアンヌだった。
「パパは、ピエール・シャンブロワは、一体どこにいるんですか!?]
アンヌは蒼い顔で震えながら、思い詰めたような声でそう蜂人間たちに尋ねた。
だが蜂人間たちは言葉が通じないのか、どんどんその場から姿を消してゆく。最後にその場に残ったのは、蜂女に
改造された地球人女性チアキと、そしてもう一人の、地球人の顔を持った蜂女だった。
「き・・・きみは、デボラ・アーネルセンくん! ・・・エリック・デニケン教授の研究室にいた!」
それはゆるやかにウェーブした長い亜麻色の髪と、緑の瞳を持った、北欧系の美しい娘だった。
デボラと呼ばれた小柄なその娘の全身もまた、青いなめらかな皮膚でくまなく覆われ、ロケットのように前に
大きく張り出した豊満な乳房には、黄色と黒の同心円模様がくっきりと浮かび上がっていた。
彼女たちの脇の下から太ももにかけて、体側に沿って小さな孔が幾つも開いていた。それは呼吸とともに開閉を
繰り返す、蜂人間たちと同じ、昆虫の「気門」であった。
チアキ同様、昆虫人間として改造されたらしいデボラは、エナメルの手袋を着けたかのような細い腕を伸ばすと、
アンヌの方を指さしてこう告げた。
「そのまま道を進みなさい。その先に、あなたが望む答えがある」
デボラはクスッ、と妖しく笑うと、翅を大きく拡げ、真っ黒な夜空めがけて飛び去った。それに続いてチアキも
妖しく微笑みながら一同をゆっくりと眺め渡し、そして翅を拡げてふわりと浮き上がり、デボラの後を追った。
キチキチキチキチ・・・という蜂人間たちの合図が次第に消えてゆく。
呆然と後に残された地球人たちの周囲を、ただ、夜の沈黙が冷ややかに包み込んだ。
186蜂女アンヌは俺の嫁!:2009/11/20(金) 20:51:39 ID:2VnFikdJ
【7】

その夜は誰もが興奮して眠れなかった。翌朝、一同は無言で朝食を摂ると、そそくさと荷物をまとめ、ただ前を
目指して歩き出した。
不安はあったが、もはや船に引き返すことなど誰も考えていなかった。仮にそうしても、何の意味もないことが
わかっていたからだ。蜂女になったデボラが告げたごとく、もはや前進するしか、彼らに道はないのだ。
ジョージは歩きながら、昨夜コンピュータで確認した、蜂女たちの素性を思い出していた。いずれも遠征隊に
随行した、2名きりの女性隊員だ。
大道寺千明、24歳。アンドレア大学宇宙文明学研究室、博士課程所属。162センチ、48キロ。
デボラ・アーネルセン、23歳。同大学宇宙考古学研究室、博士課程所属。156センチ、45キロ。
どちらも普通の学生だ。特筆すべきことは、どちらもモデルにスカウトされたこともある、大学きっての美女と
いうことぐらいか。その彼女たちが一体なぜあんな姿に? そもそも人間をあんなふうに改造することが、例えば
現代の地球人類の科学で可能なのだろうか?
ゆうべ、ジョージにそう尋ねられたウルフはこう答えた。
「・・・ぜんぜん無理ね。あれはおそらく遺伝子改造。人間の細胞ひとつひとつのDNAを組み換えて再発現させた
うえ、組織そのものを根底から造り変える必要があるのよ。確かにナノマシンを大量に投与すれば遺伝子組み換え
そのものは可能だけど、改造組織をあそこまで定着・安定させるのには培養カプセルに入れても数か月はかかるわ。
要するにあのコたちの身体は、現代の地球の科学以上のもので造られているってこと」
ではこの星でいったい何者が、そんな科学力を持っているのだ? ジョージは彼女たちの周囲にいた、蜂人間たちの
姿を思い出していた。いやそんなはずはない。確かにあの蜂人間たちは高い知能を持ってはいるようだが、文明の
担い手であるとはとうてい思えない。むしろ野生動物に近い気配を放っていた。ならば他に、いったい誰が?
ジョージにはかいもく見当もつかなかった。
187蜂女アンヌは俺の嫁!:2009/11/20(金) 20:51:59 ID:2VnFikdJ
アランもまた、無言で歩きながら考えていた。ヘルメットを破壊したのが、あの蜂人間たちの仕業だということは
わかった。だが何のために? そして連中が、自分たちをどこかへ導こうとしているらしいことも。だがそこに
何があると言うのだ? いくら考えても、答が出るはずもなかった。
アランは腹を決めた。ならば進んでやろう。奴らが何を企んでいるにせよ、それをこの目で確かめてやろう。

ジョージやアラン以上に、不安を胸に抱えながら歩いていたのはアンヌだった。
行方不明の遠征隊のうち、少なくとも2名が発見された。だが彼女たちは地球人ではない、異形の蜂女へと改造
されていた。では、残りのメンバーはいったいどこにいるのか? 今ごろ、どんな目に遭っているのか?
「パパは・・・パパはいったい、どうなったの?」
アンヌの傍に寄り添ったレイラが、彼女の肩を無言でギュッと抱き締めた。バンボが慰めるように言った。
「アンヌさん。私の国のことわざにあります。目を閉じて逃げた者は野獣の餌となるが、目を開けて逃げた者は
家族に迎えられる、と。考えるのはおよしなさい。しっかり目を開けて、ひたすら前だけを向いて進むのですよ」
アンヌはうるんだ目を上げ、キッと涙をぬぐうと、小さな声で皆にありがとうと呟いた。
188蜂女アンヌは俺の嫁!:2009/11/20(金) 20:52:16 ID:2VnFikdJ
やがて一行は、森の中に草原が大きく開けた場所に出た。衛星軌道上からの観測で、深緑色の森の中でそこだけ
鮮やかな緑色をしていることからグリーンスポットと名付けられた、地表に点在する円形の草原のひとつであった。
いざ草原に足を踏み入れてみると、最初に目をひいたのはあちこちに散在している、さまざまな動物の干からびた
外骨格の群れであった。
草原の中心らしき場所には、大きな太い幹の木が一本生えていた。特に注意を引かれるのは、地面の上に放射状に
伸びる、幅1メートルほどの細い溝である。どうやら溝は中央の巨大な木から、草原全体に伸びているらしい。
一行が草原に辿り着いてしばらくすると、驚くべきことが起こった。
周囲の森の中から、ソロソロと無数の動物たちが姿を現したのだ。ゾウのような巨大な生き物がいる。シカの
ように敏捷な生き物も、ウサギのように小さな生き物もいる。空を飛ぶ小さな虫らしきものもいる。どの生き物も
共通して6本の足と3つの複眼を持ち、固い外骨格で覆われている。今まで森の中でほとんど動物に遭遇しなかった
だけに、意外に思えるほどの数だった。
「いったい、何が始まろうって言うんだ?」
その理由はすぐにわかった。ゴボ、ゴボ、ゴボ、という音とともに、中央の巨大な木の幹に幾つもある洞から
澄んだ水が湧き出し、放射状の溝に沿ってゆっくりと流れてきたのだ。
動物たちは頭部を溝の中に屈め、夢中で水を飲み始めた。大きな獣も小さな獣も、夢中で渇きを癒し続ける。
そして溝を流れる残りの水は、周囲の森の中に消えて地面に染み込んでゆく。
バンボが感嘆の声を上げた。
「驚きました。これは一種の灌漑システムですよ。あの木が水を供給し、付近の生き物たちを養っているんです」
ドグが溝を流れる水をすくい上げ、唇をつけた。
「姐さん、この水、ほんのり甘いですよ!」
その言葉に他の者も腰をかがめ、水をすくっておそるおそる口に運んだ。確かに、うっすらとした甘みが舌に残る。
「はあーん。たぶん樹液が含まれているのね。きっとミネラル分が豊富よ、この水」
ウルフが簡易試験機を使い、水に毒性が無いことを確認した。
道中で水を補給できる見込みが低かったため、彼らは飲料を節約しながら歩み続けていた。喉が乾いていた一行は
遠慮なしに水辺に屈み込み、澄んだ水をゴクゴクと飲み続けた。
189蜂女アンヌは俺の嫁!:2009/11/20(金) 20:52:36 ID:2VnFikdJ
「美味しい!」アンヌが今日初めての笑みを浮かべた。
「こりゃ美味ぇや」ドグは溝を流れる水流に直接口をつけ、ガバガバと音を立てて飲んでいる。
だが突然。
ウッ!とうなったかと思うと、ドグの様子がおかしくなった。両手で喉を押さえたまま仰向けになって激しく
暴れ出した。息ができないのか、声無き悲鳴を上げながら、顔面蒼白になって身体を痙攣させている。
「いけない! 喉に何かが詰まったらしい!」
アランとウルフ、レイラが駆けつけた。アランが暴れるドグの顔を押さえつけて顎を開かせ、ウルフが喉に指を
突っ込んで吐かせようとする。レイラは必死でドグの背中をマッサージする。
「おえっ!・・・ぐほっ・・・ゴホッ・・・ゴホッ・・・」
ドグの口から、透明なアメーバのようなものがドロッ、と流れ出した。
ようやく息ができるようになったのか、ドグはむせて激しく咳き込んだ。ドグの口から飛び出したゲル状のものは、
地面をツ、ツ、ツと這って溝の中に必死で戻ろうとする。
「ちッ! こいつめ!」
ホイがブラスター(熱線銃)を構え、アメーバ目がけて撃った。
「はわわッ! 火はダメだって言ってるでしょッ!」
ウルフの警告は間に合わなかった。アメーバはたちまち黒焦げになったが、勢い余って草原に火が点き、人の
背丈よりも高い炎がその場に勢い良く吹き上がった。
アランとジョージはすかさず水路に飛び降り、脱いだジャケットに水を汲むと、勢い良く火にぶち撒けた。
しばらくの奮闘の後、ようやく火は鎮まった。
「・・・な、何だったんだ、この生き物は?」
「水の中に住むゲル状の生命体ね、きっと。水と一緒に動物に飲まれると食道を塞いで窒息させ、あとから
死体をゆっくり消化するのよ」
「そうか・・・あちこちに死体が転がっているのは、こいつの仕業だったのか」
「・・・おちおち水も飲んでいられないってことね、この星では」
レイラが咳き込み続けるドグの背中を、何度もマッサージしながらそう呟いた。
190蜂女アンヌは俺の嫁!:2009/11/20(金) 20:52:55 ID:2VnFikdJ
【8】

水の補給ができたため、一行の足取りは少し軽くなった。草原を横断し、彼らは再び森の中に足を踏み入れた。
誰ももはや口を開こうとはしない。重苦しい沈黙が一行を支配していた。
森に入るとともに、蜂人間たちが対話しているらしい、キチキチキチキチ・・・という音が再び響いてきた。
その音を聞くと、誰もが暗鬱とした思いに囚われた。昨夜の蜂女たちのことを思い出さずにはいられないからだ。
とうとうホイが沈黙に耐えられなくなって、出し抜けに軽口を飛ばし始めた。
「そう言えば姐さん、こないだシリウスに旅立った調査船の話が聞きましたか? 太陽よりもずっと表面温度が
高いのに、ふつうの耐熱防御しかしていないってんで問題になったやつですよ。で、そのことを追求された
技術者の奴、何て言ったと思います? 『だったら夜間に飛べば問題ないじゃないか』って」
アンヌがプッ、と吹き出した。ホイは調子に乗って、次々とくだらないジョークを飛ばし始めた。
「アンヌ、こないだ月のモイライ宇宙港であった話なんだけど、火星のマーズポート行き231便が出港時刻から
1時間経っても動き出さなくてさ、乗客がイライラし始めた頃に船長からのアナウンスがあったんだ。この船は
イオンエンジンの故障が発見され、爆発の可能性があるので急遽出港を中止します。次の便に乗り換えて下さい
って。それを聞いた乗客が怒り出したのさ。何しろ1週間に1便しかないからね。あまり乗客が騒ぐものだから、
根負けした船長が言ったのさ。じゃあ出港しますって。そうしたら船内はさらにパニックになったってさ」
「や・・・やだぁ、ホイさんったら」
アンヌは顔を両手で必死に押さえ、クックックッ、と必死になって笑いを堪えている。
アンヌだけではない。普段ならクスリともしないようなジョークを聞いて、一行の顔はなぜかゆるみ始めた。
突然、ウルフがアランに向かって、タウ・ケチで自分が発見したネコクラゲについての自慢話を始めた。
ドグが意外な美声でオペラを歌い始めた。寡黙なバンボが饒舌になって、この惑星の海の行方についての仮説を
延々とジョージに語り始めた。アンヌももはや開いた口を隠そうともせず、涙を流しつつコロコロと笑っている。
どういうわけか全員、異常なハイテンションになってしまったのだ。
アランが偶然、内部が洞になった枯れ枝を踏み抜き、その音で我に返った。
「おいみんな! 急いでここから離れろ!」
アランの叫ぶような声を聞いても、一行は合点がいかないのか、まだポカンとしていた。
彼らが佇んでいるのは、周囲の森よりも一段低くなった椀状の窪地だった。何かの微細粒子だろうか、うっすらと
霧のようなものが立ちこめている。
「空気中に麻薬成分が含まれてるらしい! ここは危険だ!」
191蜂女アンヌは俺の嫁!:2009/11/20(金) 20:53:13 ID:2VnFikdJ
その時、キチキチキチキチ・・・という蜂人間たちの暗号が、突然テンポを変えた。まるで歌うような抑揚に富んだ
リズムへと変わった。
「早く、早く高台に登るんだ!」
アランがアンヌの手を掴んで走り出そうとした。その時だった。
周囲に生えている木の幹にいくつも開いた、洞のような穴から、白く太い触手のようなものが無数に現れた。
触手はピュピュッ!と勢いよく伸び、アンヌとレイラの二人を目がけて、四方八方から襲いかかった。
「チッ!」
アランは反射的にアンヌをかばって地面に押し倒した。襲い来る触手を手にした電磁ナイフでなぎ払う。触手は
見かけによらず固く、切り刻まれるとバラバラと地面に落下した。一方のレイラは・・・。
「きゃああああッ!」
「姐さん!!」
レイラは四肢を触手にからみ取られ、一行の頭上へと引きずり上げられた。そして四方向から両手両脚を大の字に
引っ張られたまま、地上5メートルほどの高さにうつ伏せ状態で吊り下げられた。
そして太い触手を伝って、別種の細い触手が何本もうねうねと伸び、レイラの身体に迫って来た。
「いやああッ! やめて!」
細い触手の群れはレイラに触れると、まるで全身を確かめるかのように、サイバータイツの上をうねうねと這い
回り、脇を、尻を、太ももをわさわさと撫で回した。豊満な乳房にグルグルとからみつき、乳首をもぞもぞと
舐めるように刺激した。大きく拡げられた股間をスリットに沿ってチロチロと何度も往復し、探り当てた肉の豆を
触手の先端でぐりぐりとこねくり回すように玩んだ。
「いやッ! いやあああッ!」
そしてひときわ太い触手がレイラの目の前に迫ると、抵抗するレイラの唇をこじ開けて、勢いよく口の中に
ズブズブと潜り込んできた。
「んぐッ!・・・ん・・・ん・・・むぐう・・・」
太い触手はレイラの口腔の中をしきりにまさぐり、喉の奥に向かってもぞもぞと潜ってゆく。触手の表面から
分泌された刺激性の粘液がレイラの喉の奥に流れ込み、カッと煮え滾るような衝撃が彼女の脳天を貫く。
「・・・ん!・・・ん!・・・んんっ!・・・」
全身の性感帯をじんじん刺激する、無数の触手の淫靡な動きに、レイラの正気がだんだんと遠くなってゆく。
192蜂女アンヌは俺の嫁!:2009/11/20(金) 20:53:36 ID:2VnFikdJ
「姐さんッ! 今たすけるぞっ!」
ドグとホイが木によじ昇り、触手のような枝を掴もうと必死に腕を伸ばす。だが体重を支える枝は細く、触手の
位置が高すぎるので、あとちょっとのところで届かない。アランも触手に向かって短針銃を放つが、効果がない。
「畜生ッ! 姐さんっ!」
触手に全身を嬲られるレイラに向かって、さらに大小無数の触手がうねうねと集まってきた。レイラの拡げられた
両脚の間、大きくこじ開けられたスリットの中に、縦に並んだ灰青色のノズルプラグがはっきりと見えている。
触手の群れは彼女の股間めがけて殺到し、まるで侵入できる穴を探しているかのように、ノズルプラグの上を
しきりになまめかしくまさぐり続ける。
「・・・んんッ!・・・んんッ!・・・むんッ!・・・んんんッ!!」
レイラの頭は真っ白であった。股間を責める触手の動きが、彼女の理性を奪い、熱い衝動を喚び覚ます。彼女は
触手に陵辱されながら、明らかに感じていた。いつしか彼女は顔を紅潮させ、触手からもっと快感を得ようと
無意識の裡に腰をひねり、ゆっくりと揺すり始めた。腰を揺すると、快感は爆発的に増大した。レイラは夢中に
なって腰を揺さぶった。引き締まったかたちのよいお尻を、ぶん、ぶん、と嬉しそうに揺さぶった。
「・・・んっ・・・んんっ・・・あうん・・・あうん・・・あうっ・・・あうっ・・・」
「姐さん! 辛抱だ!」
ホイが木から飛び降りると、自分のバックパックの中から船体壁切断用のエンジンカッターを取り出した。
「ウドの大木め! 見てやがれ!」
ホイはカッターの動力を入れると、レイラを捕えている触手の一本が延びている木めがけて、鬼のような形相で
切りかかった。
ブバババ!バリバリバリッ!
耳をつんざく凄まじい音とともに、切り裂かれた幹から、血のような真っ赤な液体がブシューッ、と飛び散った。
「きゃあッ!」
その凄惨な光景に思わずアンヌが叫ぶ。
ボイは真っ赤な樹液まみれになりながらも、そのまま渾身の力を込めて木の一本を切り倒した。
193蜂女アンヌは俺の嫁!:2009/11/20(金) 20:53:56 ID:2VnFikdJ
支えが一本失われたことでバランスを失った空中のレイラは、ぐらりとドグが掴まっている木の方へ移動した。
すかさずドグが、触手のような枝をナイフで断ち切った。レイラの身体は地上に向かってずるりとすべり落ち、
駆け寄ったアランが落下する彼女の身体を見事に受け止めた。
ドグが急いで木から飛び降り、気を失ったレイラの頬を平手でぺちぺちと打って正気づかせようとする。
その時。キチキチキチキチ・・・という音が耳を聾するようにカン高く響き渡った。その音に驚いた一同が周囲を
見回したその隙に。
「ぎゃああああァァーーーッッ!!」
木を切り倒したホイめがけて、怒りに狂ったかのように無数の触手が襲いかかった。ホイの身体は触手によって
凄まじい力で空中に吊り上げられ、そして凄まじい断末魔の悲鳴とともに、血と肉塊の混ざったものがボトボトと
地上に降り注いだ。
「・・・いやああああッッッ!」
アンヌが絶叫した。その悲鳴で意識を取り戻したレイラは、顔面蒼白になったドグの顔を見つめ、それから地上に
ぶち撒けられた血と肉塊に視線を移し、ようやく何が起こったのかを理解した。
「ホ、ホイィッッ!!」
レイラは跪いたアランの腕からガバッと飛び起きると、ドグの腰に下げられたブラスターを素早く奪い取り、
触手の生えた木めがけて狂ったように熱線を放った。
「よせっ、レイラ!」
「 よくも!!・・・よくもホイをッッツ!!」
耳をつんざくような爆発音とともに、たちまち木は燃え上がり、周囲は凄まじい猛火に包まれた。
194蜂女アンヌは俺の嫁!:2009/11/20(金) 20:54:16 ID:2VnFikdJ
「みんな早く、早く高台に逃げるんだ!」
バンボがとっさにアンヌを腕に抱え上げると、斜面を駆け上がった。ウルフも、ジョージも、脱兎のごとく窪地
から高台目がけて一目散に駆け出した。
アランとドグは半狂乱になったレイラの両腕を掴み、引きずってでも業火の中から抜け出そうとした。だが
火の手はまたたく間に彼らの周囲を炎の壁に変え、逃げ場を完全に塞いでしまった。強烈な熱気が逃げ遅れた
3人に容赦なく襲いかかる。
「ちぃっ! これまでか!」
その時だ。
キチキチキチキチ・・・という音が遠くにかすかに響くのが聞えたかと思うと、炎の下からシュウシュウという音と
ともに、白い煙のようなものが吹き上がった。煙を浴びたとたん、火の手が急激に収まってゆく。
「いかん! 炭酸ガスだ!」
アランが直感的に叫んだ。
「息を止めろ!そのまま、全力で走るんだ!」
3人は息を止めたまま、周囲に立ちこめる真っ白な煙の中を必死で抜け、高台に駆け上がった。
息を切らしてゼイゼイとあえぐアランたちの隣で、ウルフが茫然とした声で言った。
「植物が・・・植物が火を消したんだわ。炭酸ガスを放って」
「・・・そんな・・・まさか・・・植物が」
もうもうと白い煙に包まれた窪地を見下ろしながら、バンボが呆然と呟いた。
レイラは地面にうつ伏せに倒れたまま、手で顔を覆ってウッ、ウッ、ウッ、と咽び続けている。
その傍らにうずくまったドグは、姐さん、泣かないで、姐さん、と呟きながら、自分もボロボロと滝のように
涙をこぼし続けていた。
195蜂女アンヌは俺の嫁!:2009/11/20(金) 20:54:37 ID:2VnFikdJ
【9】

ホイを失ったレイラの落胆は、それは気の毒なほどであった。
今度はアンヌがずっとレイラに寄り添い、フラフラと足取りもおぼつかない彼女を支えながら歩いた。
無理もない。ホイ・チェンマイとドグ・ドイカムの2人は、レイラの父トビアスが健在だった頃に拾われて以来、
ずっとレイラとトリオで宇宙の海を渡り歩いて来た、家族同然の存在だったのだ。
その夜、力場テントの中でも、レイラはアンヌに背を向けたまま、真っ赤に泣きはらした目でしきりに何かを
つぶやいていた。ごめんね、ごめんねという切れ切れの言葉だけが聞き取れた。
アンヌも涙ぐんだまま何も言えず、背中からレイラに寄りそうと、ただギュッと抱き締めた。ふくよかな胸に
触れた手のひらの、体温を通さないサイバータイツ越しに、トクントクンという心臓の鼓動だけが伝わってきた。
その鼓動に秘められた悲しみの音を感じて、アンヌはレイラの背中に顔を埋め、もらい泣きを始めた。

翌日、一行は切り立った屏風状の崖の前に辿り着いた。高さは30メートルほど、無数不定形の穴が表面に開いた
黒灰色の壁が延々と連なり、一行の行く手を阻んでいる。
「見ろ! これは・・・この壁は、コンクリートだ!」
ジョージが壁の表面に触れながら叫んだ。
「間違いない。これは・・・人工のものだ。自然にできたものじゃない!」
予想していたとはいえ、異星文明のはっきりとした痕跡との遭遇にジョージは興奮し、あちこちの穴を覗き込んだ。
穴の中から奇怪な羽虫がバタバタバタ・・・と数匹飛び出してきて、一行を驚かせた。
「確かに、これは異星人の建築群のようですね。でも使われている気配はない。どれも今は、下等な生物の巣穴に
なっているようですよ」
「生活の痕跡はないのか!? どこかに、これを建設した連中のことがわかるようなものは残されてないのか!?」
「放棄されてずいぶん経つようです。すべて風化して、何も残ってはいないのでしょう」
「じゃあ住人は、住人は一体どこに消えたんだ!? せっかくこんな文明を築きながら、絶滅してしまったのか!?」
「例の蜂人間じゃあないの? アタシたちが森で遭遇した」
「いや、連中は空を飛べる。だが見ろ、この建物は、陸上生活をする生き物が作ったものだ」
興奮して議論を繰り返す科学者たちに向かって、アランが、青い顔をしたレイラと彼女に寄り添うアンヌの方を
横目で見ながら言った。
「ジョージ。バンボ。気持ちはわかるが、本格的な調査が必要なら帰りにでもしてくれ。今は、先に進むことだけ
を考えるべきだ」
「・・・ああ、そうだったな。すまん」
ジョージは名残惜しげにうなずくと、バンボと共にアランたちの後を追った。
196蜂女アンヌは俺の嫁!:2009/11/20(金) 20:54:58 ID:2VnFikdJ
進路を求めて遺跡群の迂回を続ける一行の前に、やがて、崖壁面の巨大な亀裂が現れた。亀裂の奥からなにやら
うっすらと青い光が放たれている。
「どうやら、この中に入ってゆくしかないようだな。バンボ、入っても崩れないだろうか?」
「風化の具合からして、かなり古い洞窟ですね。崩落の危険は当面ないでしょう」
「何が襲ってくるかわからん。全員ひとかたまりになって離れないようにしろ」

洞窟の幅は広く、天井は高かった。およそ20メートルはあっただろう。薄暗いとはいえ、洞窟の中から漏れる
青い光は途絶えず、一行は足元に煩わされることもなく、まっすぐに延びた道を順調に歩んでゆくことができた。
そう、それは明らかに道であった。何者かがここを歩むことを想定しているかのような、平坦な道が延びていた。
誰が、いったい何のためにこの道を作ったのか? この星の消えた文明の担い手と、あの蜂人間たちとに関係は
あるのか? 謎はいっそう深まるばかりだった。
だが、洞窟内をほのかに照らしている不思議な青い光の正体は、すぐに判明した。
「・・・信じられないわね。アンタたち、これをごらんなさい」
壁の窪みの中で光を放つ青い球体を、ウルフが針でつついて見せた。パン! という音とともに球体がはじけ、
中からフィラメントのようなものが現れた。
「これは・・・グロー放電球? ・・・中の気体は炭酸ガスか?」
「そう。低圧の炭酸ガスの中で放電を行い、白色光を出すシステムよ。光が青く見えるのは、球体を作っている
植物の組織のせいね」
「・・・植物! ・・・植物が、蛍光灯のような機能に進化しているのか!?」
「どうやら、この蔦が電気を送電しているようですね。植物繊維が金属結晶を大量に取り込んだ、いわゆる電導
ヅタなのでしょう」
「待ってくれ。植物がなぜ発光する必要がある? こんな洞窟に灯りをともす必要がどこにあるんだ!?」
「ここを通る誰かさんたちのために。親切な電気屋さんがわざわざ配線してくれたのよ」
喧々諤々と議論を沸騰させる科学者たちを、アランが再び制した。
「その親切な奴が誰であろうと、ただひとつ確かなことは、この先に電力の供給源があるということだ。そして
俺たちが用のあるのもその場所だ。・・・さあ! 先に進もう」
197蜂女アンヌは俺の嫁!:2009/11/20(金) 20:55:18 ID:2VnFikdJ
洞窟内で夜を明かし、一行が船を離れてから5日目の朝を迎えた。
一行の耳に、遠くからドドドドド、という水の響きが聞えてきた。歩みとともに水音は次第に高く、大きくなって
ゆき、やがて一行が進む洞窟の中の細い道は、地底を流れるとうとうとした河に並んだ。
アランたちが進む道よりも50メートルほど下の亀裂を、真っ黒な水が猛々しい怒濤とともに流れてゆく。
久しぶりに嗅ぐ、爽やかな水の匂いが、疲れた一行の心を癒した。
「やはり予想通り、地下に大量の水があったんだな」
「ねえ、見なさいよあのパイプ!」
ウルフの指さす先にあったのは、地底の河に水をちょろちょろと放流する無数のパイプであった。
「あれは・・・根よ。植物の根が変形したものよ!」
「根? 根が水をここに供給しているのか?」
「そう。きっとあの根は地下に張り巡らされていて、わずかな雨水を地表から集めて、この河に注いでいるのよ」
「そしてその水を、例の木が効率的に動物たちに配給している・・・と」
科学者たちは顔を見合わせた。
「驚いたな。本当に海の代わりを行うシステムが、地中にあったとは・・・!」

さらに半日ほど進むと、前方にまばゆい光がきらめく空間が現れ、一行を驚かせた。
そこは、直径数百メートルはありそうな円形の空間。洞窟の中の開けた広場だった。そして、そこが洞窟の終点、
行き止まりだった。
「・・・うわぁ、きれい・・・!」
そこは、夢の中のような幻想の世界であった。
広場の床は、丘のように盛り上がった草原だった。大小さまざまなゆるやかな隆起が、波打つように続いている。
丘の表面には地球人の腰くらいの高さの、タンポポの綿毛のような形をした真っ青な草が、無数に生えていた。
その綿毛は、洞窟の壁に生えた無数の放電植物が発するまばゆい光に映えてキラキラと輝き、まるで光の絨毯の
ように絶え間なくそよいでいた。
放電管植物が放つ光は、青から紫、赤から黄色へと、刻一刻とその色を変え、この世ならざる不思議な光景を作り
出している。
198蜂女アンヌは俺の嫁!:2009/11/20(金) 20:55:39 ID:2VnFikdJ
アンヌが嬉々とした表情で丘を駆け上がり、綿毛の真ん中で軽やかにクルクルッ、と回った。
「・・・ステキ! まるで光の中を歩いているみたい!」
アンヌは子どものようにはしゃぎながら、足を揃えてバレエのステップを踏んだ。光の絨毯の中で軽やかに舞う
その姿は、まるで純白の花の妖精であった。
レイラも力ない笑顔を浮かべながら、ぽつんと呟いた。
「ほんと・・・綺麗ね」
その様子を、ドグが横目で心配そうに窺う。
時おり、綿毛がふわり、と舞い上がり、洞窟の上めがけて上昇してゆく。よく見るとはるか数十メートル上の
天井にはぽっかりと穴が開いており、夕暮れの空を雲が渡ってゆくのがアランたちからも見える。
上空に舞う綿毛を、黒い影のようなものが素早く近づいては抱きかかえ、フイッと穴の外へ消えてゆく。
「・・・そうか、船から見えたあの裂け目の光は、ここだったんだ」
ウルフとバンボが綿毛をよく調べ、ひとつの仮説を立てた。
「ここはね、おそらく森の苗木がある程度成長するまで育てる“苗床”みたいな場所なのよ」
「外は水が不足しています。水の豊富なこの洞窟で苗木を育ててから、あちこちに植樹をしているのでしょう」
「植樹って、いったい誰が?」
「そりゃあアンタ、森の管理人でしょ?」
「・・・管理人・・・!?」
ゴクリと唾を飲み込んだまま、誰もが次の言葉を発することを躊躇した。
だが彼らにはもう、おぼろげながら真実がわかっていた。
これまでの旅で、森の状況が変わるたびになぜ、キチキチキチキチ・・・というカン高い音が鳴っていたのか。
なぜ音に反応するかのように、都合よくパラシュート植物や、二酸化炭素を吹き出す植物が現れたのか。
そう、森にはそれを見守り、事故が起こるたびに植物たちに適切な指示を下す者がついているのだ。
そしてアランたち侵入者の行動は、四六時中、管理人たちによって見張られているのだ。
嫌な雰囲気を払い退けるように、ジョージが咳払いをしながら言った。
「とにかく、外はもう日暮れ時のようだ。調査の必要もあるだろうし、今晩はここで野営しよう」
199蜂女アンヌは俺の嫁!:2009/11/20(金) 20:56:20 ID:gi4jNT1D
【10】

夕食が済み、学者たちは綿毛の採取と分析に忙しく動き回っていた。可哀そうに、ドグは荷物を右から左に運ぶ
のにホイの分まで奔走させられている。
力場テントを設営した場所からポツンと離れた丘の上で、レイラは膝をかかえて座り、風にそよぐ綿毛の色が
少しずつ変わってゆくのを無言で眺めていた。
いつの間に来たのか、アランが彼女の隣にそっと腰を降ろした。
「綺麗だな」
「・・・ええ」
アランはレイラの寂しそうな横顔をじっと見つめた。
「レイラ、自分一人を責めるな。あれは事故だ、輸送船団員には付き物の事故だ。ホイもきっとそう思ってる」
「違うの。そんなことじゃないの」レイラはかぶりを振った。
「わたし・・・自信がなくなったの。父さんがいなくなってから、今までわたし、男たちに負けるまいと必死に
やってきたわ。わたしの力でこの輸送船を支えているんだという自負を持って踏ん張ってきたわ。でも、いざ
ホイがいなくなってみたら、これからわたし自身の力でいったい何ができるのか、ぜんぜん自信を持てなく
なってしまったの」
「レイラ、それは・・・」
「考えてみたらわたし、今までずっと誰かの腕に守られてきたのね。父さん、アラン、ドグにホイ。あーあ、
わたしの力って、いったい何だったんだろう」
レイラは思い詰めたような目でアランの方を見つめた。
「・・・ねえ、アラン。もう一度、やり直せないのかな?」
アランは眉をひそめた。
「何を言う」
「あなたに戻って来て欲しいのよ」
「よせレイラ。俺たちの仲はビジネスオンリーだ。そう二人で決めたじゃないか」
「いいえ。今だから言える。わたしにはあなたが、もう一度必要なのよ」
「よしてくれ! 俺はもう輸送船団には戻れない。今さら、誰も受け入れてくれるはずがない」
「あれは事故よ。あなたが全部、罪をかぶることなんてなかったじゃない!」
「済んだことだ。もう3年も前にな。俺たちの仲と一緒に」
200蜂女アンヌは俺の嫁!:2009/11/20(金) 20:56:38 ID:gi4jNT1D
「アラン・・・」
レイラは立ち上がった。
「我侭だってわかってる。でもわたしには、あなたがもう一度必要なの。ねえ、もう一度愛して! 過去のことは
何もかも忘れて、もう一度、わたしを愛して!」
レイラは目を閉じて、小さな声で呪文のような言葉を唱えた。カチューシャのアンテナが輝き、レイラの全身を
ピッチリと包んでいた真っ赤なサイバータイツが、腰までスルリと脱げ落ちた。真っ白な豊満な胸が露わになり、
ぷるん、と大きく揺れた。
「レイラ、お前・・・」
レイラは屈み込むと股間に手を伸ばして、秘所の奥深く挿入されたノズルプラグをゆっくりと引き抜いた。
膣の内部をいっぱいに満たしていた、長さ10cm余り、太さ3cmほどのぶよぶよした灰青色の物体がずるり、
と引き抜かれ、粘液の糸を引きながらレイラの股間に垂れ下がった。
その重みで、サイバータイツがレイラの足元にバサリと落ちた。
22歳の娘の、ふくよかで引き締まった美しい裸身がすっかりあらわになった。12歳の時に父親に初めてサイバー
タイツを着せられて以来、放射線で永久脱毛処理を施し、完全な無毛になったその肌は、大理石の彫刻のように
白く透き通り、なめらかで美しかった。
そしてあらわになったレイラの陰唇は、色素の沈着もほとんどなく、処女のようにきれいなピンク色だった。
驚いて立ち上がったアランの前に、レイラは自分のすべてをさらけ出し、うるんだ瞳でこう言った。
「ねえ見て、このカラダ。綺麗でしょう? ・・・あなたがいなくなってから、わたし、どんな男にも身体を許して
いないのよ。あの時のままなのよ。・・・お願いよアラン。わたしを抱いて。もう一度、もう一度わたしを愛して!
あなたの存在をこのカラダに感じさせて! わたし・・・もう、一人ぽっちには耐えられない!」
「よせ、レイラ。よすんだ・・・服を、早く服を着てくれ」
レイラはかぶりを振ると、倒れるようにアランの胸に身を投げ出した。
アランのたくましい胸板に顔を埋め、豊満な乳房をアランの身体にギュッと押し付けながら、レイラは彼の
身体を緊く抱き締めた。彼の背中に回した細い腕が、ブルブルと震えている。
「別れてからのこの3年間、あたしは、ずっとあなたのことが忘れられなかった。あなたにもう一度抱かれること
だけを夢見てきたの。お願いよアラン。抱いて。わたしを愛して! あなたが欲しい! あなたに抱かれたい!
あなたが、あなたが必要なの!」
レイラは右手でアランの左の手を握り、自分のふくよかな乳房の上ににそっと導いた。そして彼の手を掴んだまま、
円を描くように自分の乳房を揉みしだかせた。その速度は徐々に早くなり、レイラの吐息が次第に荒くなってゆく。
201蜂女アンヌは俺の嫁!:2009/11/20(金) 20:56:56 ID:gi4jNT1D
「やめろ、やめてくれレイラ・・・」
アランは必死に顔をそむけ、悲しい声でつぶやく。
「俺にはもう、お前を抱ける資格なんかない。何もかも、あの日を最後に失ったんだ」
「嫌よ! そんなの嫌! ・・・もう一度、あの頃に戻りたい! ねえアラン、あなたは覚えてる? わたしたちが初めて
結ばれたあの夜を。わたしは、わたしははっきり覚えてる。17歳のわたしが女になったあの日を!」
レイラは自らの乳房に置いたアランの手を、ギュッと握りしめた。
「わたしは、わたしは、決して忘れないわ! あなたに、処女を捧げて、いっぱい注がれて、女にしてもらった
あの熱い夜のことを! わたしは、決して忘れない! わたしの中に、あなたが初めて入ってきた時の、あの、
痛みと、悦びとを、わたしは決して忘れない!アラン! あなたは、わたしにとって初めての男(ひと)。そして
今もただ一人の男(ひと)!」
避妊剤が発達したこの時代、膣内射精は当たり前の行為であり、女性たちにとっては自分の中に愛する男の
精液を注いでもらうことが、最大の幸福の証であった。
レイラは、自分の腰をアランの太ももにぴたりと密着させたまま、挑発するように艶めかしく尻を動かした。
彼の手を掴んで自分の尻に導き、腰のくびれからヒップにかけての曲線を撫でるように触れさせた。まるで、
そうすることによって自らの肉体の感触を、アランに思い出させようとするかのように。
「そしてあの星の浜辺! あなたと何度かカラダを重ねて、女の悦びに目覚めて、砂の上を裸になって一晩中
愛し合ったあの夜! あなたに何度も何度も貫かれて、注がれて、気絶して、また愛し合って、また注がれて。
狂ったようにお互いのカラダを求め、貪り合った、あの狂おしい夜のことを、わたしは一生忘れないわ!」
レイラはそう言いながら、アランの両手首を掴んだまま、ゆっくりと後ろにのけぞるように地面の上に腰を
落とした。そして引き締まった長い両脚をM字型に開くと、ギラギラと目を輝かせながら、アランの腕を手前に
ぐいと引き寄せた。アランの身体を、拡げた両脚の間で受け止めるかのように。そう、レイラは欲望が抑えられ
なくなった時、いつもこうやって、アランを自らの股間に花開く快楽の園へと誘ったのだ。
レイラの鼓動は早鐘のように打ち、息は荒く乱れ、目はらんらんと輝いていた。股間の肉の割れ目がすっかり
あらわになり、蜜に濡れそぼった真っ赤な肉が割れ目の中にヒクヒクと動いているのがアランにもはっきり見えた。
「わたしの魂は、あれからずっと、あなたの元に繋がれているの。わたしのカラダには、二度と消えないあなたの
烙印が刻まれているのよ。わたしのカラダの、細胞のひとつひとつが、いまもあなたの愛撫を覚えているの!
わたしの魂も、カラダも、ぜんぶあなただけのものなのよ! だから、だから今すぐ抱いて! わたしを抱いて!
早く! 無茶苦茶にして! お願い!!」
202蜂女アンヌは俺の嫁!:2009/11/20(金) 20:57:18 ID:gi4jNT1D
「やめろ、やめろォっ!!」
アランは緊く握ったレイラの手をふりほどくと、彼女に背中を向けた。
「やめてくれ・・・レイラ・・・」
「どうして!? どうしてなのアラン!?」
レイラの声は悲しみに張り裂けそうであった。
「わたしは、心まで愛してなんて贅沢は言わない! わたしのカラダを使って、楽しんでくれればそれでいいの!
あなたとひとつに繋がることさえできれば、わたしはそれで幸せなのよ! ・・・欲しいの。あなたが欲しいの!
わたしを激しく抱いて! 毀れるくらいに強く抱きしめて!」
レイラは立ち上がって、アランの背中に堅くしがみついた。
アランは振り返ると彼女の肩を掴み、乱暴に引き離した。そして、涙をはらんだ瞳で彼女の顔を正面から見つめ、
悲しげにこう告げた。
「もう、すべては終わったんだ。やり直しなど無意味だ。お前も過去のことは忘れろ。新しい恋に生きてくれ」
レイラは無言の叫びをあげ、絶望と悲しみで顔をくしゃくしゃにすると、その場にくずれ落ちた。
地面に小さくうずくまり、膝を抱えて、ウッ、ウッと押し殺した声で泣き始めた。
「先に帰る。早く服を着て、お前もテントに戻れ」
アランの姿が見えなくなり、夕暮れ時の肌寒い風がレイラの裸身を冷やしても、彼女の嗚咽は止まらなかった。
「アラン・・・どうして・・・どうして駄目なの・・・!」
レイラはフラフラと立ち上がり、全裸のまま、よろめく足取りで丘をとぼとぼと下り始めた。その時だった。
「むぐッ!」
いきなりレイラは、背後から何者かによって口を塞がれた。
右手を強い力で掴まれ、左手を巻き込むかたちで背中に後ろ手を回されている。自由を奪われたレイラは必死に
首を曲げ、背後にいる曲者の顔を覗き見ようとした。長い黒髪がサラリ、とそよいだのが目に入った。
「やっと、あれを脱いでくれた」
その声は、蜂女の姿に改造されたあの地球人女性、チアキのものだった。
動揺したレイラの顔を、チアキは背後から悪戯っぽく覗き込んだ。そして妖しく微笑むと、蠕動する黄色と黒の
蜂模様の乳房を、レイラの背中にしっかりと密着させた。
プスリ。
「・・・!!」
チアキの乳首から鋭い針が飛び出し、レイラの裸身を貫いた。何かの液体が勢いよく注射され、レイラの意識は
クラクラと遠のいていった。
チアキはぐったりとなったレイラの裸体を両腕で抱えると、もう一人の蜂女に触角を震わせて合図を送った。
亜麻色の髪の蜂女、デボラが陰からあらわれた。デボラは草原の上に脱ぎ捨ててあった、レイラのサイバータイツ
を抱えると、大きな半透明の翅を拡げて音もなく、レイラを抱えたチアキとともにどこかへ飛び去った。
203蜂女アンヌは俺の嫁!:2009/11/20(金) 20:57:52 ID:gi4jNT1D
【11】

レイラが意識を取り戻したのは、不思議な光に包まれた広い空間の中だった。
《・・・うぅん・・・・・・ハッ!・・・ここはどこなの!?》
周囲の壁は柔らかく、まるで生きた生物の組織のよう。あちこちに幻想的に輝いている灯りは、例の放電管植物
が放つものだろうか。
レイラは、自分が蜂女たちに拉致されたことを思いだし、青くなって自分の置かれた状況を確かめた。
彼女は全裸のまま、ベッドのように柔らかい巨大な花弁の中央に横たわっていた。両手両足首を蔦のようなもので
大の字に堅く縛ってあるらしく、いくらもがいても身動きを取ることができない。
《・・・どうしよう・・・どうしても外せないわ・・・》
チアキとデボラ、二体の美しい蜂女が、ウフフフフ・・・と妖しく笑いながらレイラの顔を窺っている。
背中の翅をゆっくりと開閉させながら、無邪気で妖艶な笑いをふりまいている。
その姿はまるで、清楚で妖艶な、双子の妖精であった。黒髪の東洋人と亜麻色の髪の白人、顔立ちこそまったく
違えども、二体の蜂女は同じ種類の生理的違和感、人間とは異質の空気を放っていた。
前髪の中から伸びる、絶えずヒクヒクと動く赤い触角を除けば、彼女たちの頭部は一見、地球人女性と変わらない
ように見える。だがよく見ると顔の皮膚は青いボディと同様、うぶ毛すら生えておらず、まるで人形のようだ。
そして何よりも、黄色と黒の同心円模様で彩られた乳房の存在が、彼女たちを人間離れした存在にしていた。
それは蜂の腹部のように絶えず蠢き、呼吸とともにゆっくりと膨張を繰り返していた。そして泪滴形をした
真っ赤な乳首の先からは、銀色の小さな針の先が絶えずゆっくりと、出入運動を繰り返していた。
その動きは人間には不可能なものであったが、とほうもなく淫靡で、エロチックで、妖しげな官能の香りを
漂わせていた。女のレイラですら、思わず自分が赤面するのを感じるほどに。
人間離れしているのは乳房だけではなかった。彼女たちの脇腹から太ももにかけて一直線に、昆虫の気門に似た
小さな孔が幾つも並んでおり、呼吸に合わせて一斉に開閉運動を繰り返していた。
そう、彼女たちの姿は人体に昆虫の組織が見事に融合した、まさに昆虫人間と呼ぶべきものであった。
《・・・信じられない。人間がこんな姿にされるだなんて。でも一体、誰がこの人たちを改造したのかしら・・・》
204蜂女アンヌは俺の嫁!:2009/11/20(金) 20:58:12 ID:gi4jNT1D
その時レイラは、この蜂女たちが例の蜂人間たちの仲間であり、森の管理者であるということを思い出した。
そして管理者の合図で、木が自分たち一行に襲いかかり、ホイが無残な肉塊にされてしまった時の記憶が蘇った。
レイラはカッとなり、いま自分が置かれている状況を忘れて大声で叫んだ。
「あ、あなたたちッ! ・・・よくも、よくもホイをッ! この人殺し! 人殺し! ・・・ぜったい許さないッ!」
突然のレイラの剣幕に、蜂女たちはあっけにとられた様子だったが、突然真顔になるとそっけなく答えた。
「殺すつもりはなかったの。あれは事故。怒った木の暴走を止められなかったの」
「あなたと、もう一人の女の子のスーツを調べることが目的だったの。あんなスーツ、わたしたちは知らない」
「いったいどうすれば、脱がせることができるのか」
「脱がさないと、あなたたちを蜂女にできないから」
そのさりげない一言に、レイラの心臓は凍りついた。
「・・・わたしを、わたしをどうするですって!?」
蜂女たちは再び、クスクスと妖しい笑いを浮かべた。
「あなたはこれから、わたしたちと同じ、蜂女に生まれ変わるの」
レイラの顔面蒼白となった。まさかと恐れていた予感が現実のものとなり、背筋に冷たい戦慄が走った。
嫌だ。自分があんな身体にされるなんて、嫌だ。絶対に嫌だ。
「いやッ! やめて! 離して! ここから、ここから離して! 蜂女なんてイヤよ、いやッ! いやだァーッ!」
レイラは半狂乱になり、手足の束縛を何とかして外そうと大の字になったまま必死になってもがいた。
蜂女たちはクスクスクス、と笑い、レイラの左右に分かれて腰をかがめ、悪戯っぽくレイラの耳元に囁いた」
「大丈夫。すぐに終わるから」
「身体を切ったりなんかないわ。わたしたちの身体の中で作った同化液を、あなたの身体に注ぎ込むだけ。
そうすればあなたはすぐに、わたしたちと同じ身体に生まれ変わる」
そう言って蜂女たちは、自分の乳房を両手で掴んでレイラの前に突きだした。乳首の先端から小さな針が覗き、
その先から何かの紫色の粘液がピュピュッ、と吹き出すのが見えた。あれが「同化液」だろうか?
「なんで! なんでこんなことをするの!? 誰かに命令でもされているの?」
蜂女たちは怪訝な表情で答えた。
「なんでって? じゃああなたは、なんでセックスをするの? 」
205蜂女アンヌは俺の嫁!:2009/11/20(金) 20:58:38 ID:gi4jNT1D
「え?」
あまりにも素朴で無邪気な問い掛けに、レイラは面食らった。
「さっきあなたは、男とセックスをとてもしたがってたわ。何のためにセックスしたかったの? 」
「気持ちがいいからでしょ? セックスをすると、気持ちよくなれるからでしょ? それから、あの男の精子を
もらって、あの男の子どもを孕みたいからでしょ? そしてそれは、あなたの本能がそう命じているんでしょ?
・・・わたしたちも同じなの」
「わたしたちはこうやって蜂女に生まれ変わったけど、まだたった2人きり。わたしたちの船には、2人しか
女の子がいなかったから。だから、もっと仲間を増やさなければならないの」
「だからずっとあなたたちを狙っていたの。あなたと、あの金髪の女の子を。わたしたちの仲間にするために」
レイラは首をがむしゃらに振って絶叫した。
「いやああああーーッッ!」
「さあ、始めるわ」
デボラが妖しく微笑みながら、腰をかがめてレイラの顔に近づいた。指先を拡げた両手で、必死に抵抗するレイラの
頬を軽くはさんだ。そっとはさまれただけなのに抵抗できない。人間の女性では考えられないほどの怪力だった。
蜂女は微笑むと、うっすらと開いた小振りな唇を、レイラのそれに重ねた。
「・・・むぐッ! ・・・んんッ!」
レイラは何物かが、唇を割って自分の口腔内に侵入してくるのを感じた。
それはデボラの舌ではなかった。もっと太く、長く、粘液にまみれ、そして激しく蠢き蠕動する何物かが、必死に
口を閉じて抵抗するレイラの口腔内に無理やり潜り込み、うねうねと暴れ回った。
レイラはそれが、彼女が木に捕えられた時に口の中に潜り込んできた、あの白い触手と同質のものだと気付いた。
触手の先端に分泌腺でもあるのか、刺激性の粘液が続々と口腔の中に溢れ、喉の奥にドクドクとこぼれ落ちてゆく。
レイラはむせかえり、耳元がカーッと熱くほてるのを感じた。
「・・・んんッ!・・・んんッ!・・・むうん!」
触手は口の中をひとしきり暴れ終わると、そのままレイラの喉の奥深くに侵入してゆき、粘液を断続的に
勢いよく吹き出した。ピュッ! ドピュッ! ドピュッ! 粘液はレイラの身体の奥に向かって続々と注がれてゆき、
彼女の身体を芯から熱く燃えるように滾らせた。
《・・・やめて! ・・・やめてお願い! ・・・熱い・・・ああ熱い・・・ああ・・・》
206蜂女アンヌは俺の嫁!:2009/11/20(金) 20:58:58 ID:gi4jNT1D
やがてデボラが満足したのか、ゆっくりと唇を放した。デボラの喉の奥から伸びていたのは、なんと黄色と黒の
縞模様で彩られた、男根状の触手であった。レイラの喉から引き抜かれた触手は、先端から紫色の液体を
にじませながら、蜂女の唇の奥にズルッと引き込まれるようにして消えた。
顔を真っ赤に火照らせ、肩で激しく息をするレイラの姿を見つめながら、蜂女は嬉しそうに舌なめずりをした。
次にデボラは、両手で自分の乳房を掴んで、ゆっくりと揉み始めた。
デボラは小柄だったが、肉付きのいい娘だった。90cmを越えるだろう、黄色と黒の縞模様をした豊満な乳房、
その中央には、泪滴形をした真っ赤な乳輪があり、先端には干しぶどう大の乳頭が頭をもたげている。デボラが
乳房の愛撫を繰り返すと、乳頭の先端が星形に割れ、その中から小さな銀色の針がニュッ、と顔を出した。
「さあ、この針をあなたの乳首に刺してあげる」
デボラはゆっくりとした動作で花弁のベッドの上に登り、大の字に横たわるレイラの上に馬乗りになった。
「・・・いやあ! 来ないで! やめて! やめて!」
レイラの身体に触れた蜂女の青い皮膚には、体毛も皺もなく、まるで合成繊維のタイツをまとっているかのように
なめらかであった。だが人間のような体温はなく、まるで爬虫類の皮膚のようにヒヤリと冷たかった。
「・・・やめてぇぇーーッ!」
デボラは上体を倒して、レイラの上に押し被さった。妖しく蠕動する同心円模様の乳房が、レイラの豊満な
乳房と重なり合った。デボラはレイラの乳首の位置を確かめると、自分の両乳首の針をその中央に押し当てた。
・・・ブスッ!
「きゃあッツ!」
鋭い痛みとともに銀色の針がレイラの両の乳首に突き刺さり、レイラは鋭い悲鳴を上げた。突き刺された針は
そのままズブズブと伸び、レイラの豊満な乳房の奥深くへ向かって侵入してゆく。
「・・・痛い! ・・・痛い! いやあッ!」
蜂女は青く染まった自分の肉体を、レイラの身体にぴたりと密着させた。蜂女の乳房は見かけとは異なり、
人間のそれよりもずっと堅く、シリコンラバーのような張りがあった。単なる脂肪の塊ではない証拠だ。
重なり合った乳房の重みで、レイラの柔らかい双丘が、むにっと平たく押し潰される。
207蜂女アンヌは俺の嫁!:2009/11/20(金) 20:59:17 ID:gi4jNT1D
「さあ、注いであげる」
デボラは自分の乳房を蠕動させながら、針の先からレイラの乳房の奥めがけて、液体を勢いよく注ぎ込んだ。
ジューッ! プシューッ!
「・・・ああッ! ・・・あああッ!」
乳房の奥に、強烈な違和感と焼けつくような刺激を感じて、レイラは激しく身をよじった。刺激は乳房の内部
いっぱいにもわもわと拡がり、痛みとも痒みともつかない猛烈な不快感が彼女を襲った。
「さあ、蜂のおっぱいになるのよ」
蜂女は妖しく微笑みながら、レイラの抵抗にかまわず、彼女の乳房の中に断続的にジューッ、ジューッと、
粘性の液体を注ぎ込んでゆく。
レイラの胸に液体を注ぐたびに、デボラの乳房の同心円模様が蛇腹状に蠕動する。そして彼女の背中から伸びる
半透明の美しい翅が、ゆっくりと上下する。
粘液を注ぎながら、デボラは愛おしそうにレイラの頬を、髪を愛撫した。小さな舌を伸ばしてレイラの唇の上を
舐めた。首筋に舌を這わせ、耳たぶに優しく噛みついた。
「・・・あッ! ・・・あッ! ・・・あッ!・・・」
液体が断続的に注がれるたびに、レイラは声を震わせてうめいた。最初に感じた苦痛は、既に消えていた。
代わりにレイラを襲っているのは、まるで性感帯をじわじわと責め立てられる時のような、不快感と隣り合わせの
奇妙な快感であった。そしてその快感は、爆発的に増大していった。
《・・・な、何? ・・・何なの、この感じ・・・ああっ・・・ダメッ・・・感じる・・・感じちゃう・・・気持ちいいッ!・・・》
レイラの抵抗が止まった。自分が何をされているかも忘れて、レイラはアランに抱かれた時のあのとろけるような
官能を思い出していた。次第に身体の力が抜け、彼女は恍惚に身を任せてかぼそい声であえぎ始めていた。
「・・・あン・・・あン・・・ああン・・・」
《・・・ああっ・・・気持ちいいッ! ・・・これが・・・これが、アランだったら!・・・》
そのまま10分も経ったろうか。レイラの透けるように白い柔らかな乳房に、徐々に変化が現れた。なめらかで
張りのある肌の上に、乳首を中心にした黒い同心円状の縞模様が、うっすらと浮かび上がってきたのだ。
乳房の表面にふと違和感を感じて、目を開けて自分の胸を見たレイラは、愕然となった。
そ、そんな!・・・わたしの乳房が、蜂女のような縞模様になっている!
208蜂女アンヌは俺の嫁!:2009/11/20(金) 20:59:35 ID:gi4jNT1D
「いやァァーーッ!!」
レイラは絶叫し、身体を激しくよじって抵抗した。身体の上に押し被さる蜂女をふりほどこうとした。
だがのしかかっている蜂女は人間離れした力でレイラの上体を押さえ込み、びくともしない。
「暴れても無駄よ。あなたのおっぱいはもうすぐ蜂女になるの。ほうら、もうこんなになってる」
「イヤぁーッ! やめて! お願い! 蜂女なんて、蜂女なんて、絶対イヤだ! 助けて! 助けてアラン!!」
レイラは死に物狂いで激しくもがいた。だが抵抗も虚しく、レイラの乳房の縞模様はますます濃く、鮮やかになる。
「そろそろ、いいかな」
30分後、デボラが上体を起こすと、乳首の針が縮んでヒュッ、と中に引っ込んだ。
レイラは息を荒げ、涙をポロポロと流しながら、大の字に縛られたままぐったりとなっていた。針を引き抜かれた
レイラの乳房は、既に蜂女たちとまったく変わらぬ、黄色と黒の見事な同心円模様でくっきりと彩られていた。
「どぅお? 蜂のおっぱいになった感想は? 素敵でしょう。もう二度と、元には戻れないのよ」
やがて重力に押し潰されていたレイラの乳房が、ゆっくりと持ち上がり、前に張り出した綺麗なお椀型に形を
整えた。そしてまるで別の生き物が巣くっているかのように、ゆっくりと蛇腹状の蠕動を開始した。
自分の胸部の、その不可思議な感触に、レイラは絶望の底に叩き落とされた。
《・・・ああ・・・とうとう、とうとうわたしの乳房、蜂女になっちゃったんだ・・・》
乳房の絶え間ない動きが、自分の乳房がもはや人間のものではなくなってしまったことを非情も告げていた。
恐怖と、絶望と、悲しみが嵐のように押し寄せ、レイラの頭の中で錯綜していた。どうして、どうしてわたしが
こんな目に遭わなきゃいけないの? ああ、アラン、助けて!
ガタガタ肩を震わせ、ヒック、ヒックと嗚咽を繰り返した後、レイラはとうとう大声を上げて泣き始めた。
そんなレイラの心中の混乱とは無関係に、泪滴状に変形した彼女の乳首が、ムクムクと膨らみ始めた。そして
中から銀色の小さな針がゆっくりと頭をもたげ、乳首の中から出たり、入ったりの往復運動を開始した。
「・・・あッ・・・ああッ・・・!」
針の出し入れは、レイラにゾクゾクするような激しい快感をもたらした。レイラは堪らなくなって、全神経を
乳首に集中させた。なんと針の出し入れは、レイラ自身の意思でも行えるではないか。
乳首から針を出し、入れる。ただそれだけの行為が、なんと官能的で心地良いのか。
レイラは夢中になって、針の出し入れを繰り返した。ああ気持ちいい! なんて気持ちがいいの!
「・・・あぅ・・・あぅ・・・ああぅ・・・ああぅぅ・・・あぅ・・・あふぅ・・・」
209蜂女アンヌは俺の嫁!:2009/11/20(金) 20:59:53 ID:gi4jNT1D
全裸で大の字に縛られたレイラは、同心円状の乳房をゆっくり蠕動させながら針の出し入れを繰り返し、身体を
大きくくねらせ、悩ましげな吐息を漏らしながらひたすらあえぎ続けた。大きく拡げられた両脚の間では、
既にピンク色の花びらが大きく開花し、ヒクヒク蠢きながらじわじわと甘い蜜をこぼし始めていた。
《ああ・・・わたし、なんてあさましいことを・・・もう。アランに顔向けできないわ・・・! 悲しい・・・でも、とっても
気持ちがいい! 気持ちいい! 気持ちいいの!!》
官能の嵐に飲まれて、ひたすらよがるレイラの様子を、2体の蜂女は妖しく微笑みながら見守っていた。
やがて2体は顔を見合わせて頷き合うと、今度は長い黒髪をしたスレンダーなボディのチアキという蜂女が、
ウフフフフ・・・と笑いながらレイラの前に立った。
「さあ、今度はわたしがあなたに、これをあげる」
チアキはそう言うと白魚のような指を、ナメクジのように絶えずヒクヒクと蠕動する、自らの股間へと伸ばした。
そして真っ青にに染まった恥丘の中央を縦に割って走る肉のスリットを、指でそっと開いてみせた。
紫色の粘液が糸を引いて、軟体動物のように淫らに蠕動する赤い肉が顔を覗かせた。蜂女たちの女性器は人間と
ほとんど同じ形状をしている。だが陰核包皮や会陰を含む小陰唇の外側までが他の皮膚と同じ鮮やかな青色で、
小陰唇の内側にある膣前庭の粘膜部分は、毒々しい赤い色をしていた。その真っ赤な肉の襞が蠢くその奥から、
巨大な何物かがズルリと姿を現し、蛇のようにぐいとかま首をもたげた。
それは、黄色と黒の鮮やかな縞模様で彩られた、男根状の巨大な触手であった。
太さ5cm,長さ20cmはあるだろうか。デボラの喉の奥から現れた触手よりも2まわりは大きい。触手の先端には
小さな穴があり、そこから紫色の粘液がじわじわと吹きこぼれていた。
男根に酷似した巨大なそのイチモツは、レイラを激しく恐怖させた。これから何が始まろうとしているのか、
男性経験のある彼女にははっきりとわかったからだ。
「・・・いや、やめて! やめてお願い!!」
「これを使ってあなたの中に、わたしの同化液を注いであげる。そうすればあなたは、完全な蜂女になれるの」
チアキは妖しく笑いながら、大の字に縛られたレイラの上に押し被さり、先端がうねうね動き回る股間の触手を
片手で握りしめ、すっかり潤んだレイラの秘所にゆっくりとあてがった。
「ひぃっ!」
ひんやりしたその奇妙な感触に、レイラは思わず腰を引いた。だが蜂女は構わずに、レイラの秘裂に沿って
触手を動かし、愛液で濡れそぼった秘孔の位置をまさぐり当てた。
「さあ、入れてあげる」
210蜂女アンヌは俺の嫁!:2009/11/20(金) 21:00:16 ID:gi4jNT1D
蜂女は肘で身体を支えながら両手でレイラの肩をしっかり押さえると、彼女の大きく拡がった両脚の間に、
ぐい、と腰を突き入れた。
「いやあああァァァ・・・ッッ!!」
不気味に蠢く、太くたくましい肉のかたまりが、勢いよくレイラの中へと侵入してきた。既に処女を失っている
肉の門をぐいぐいとこじ開け、押し拡げて、黄色と黒の縞模様の肉茎が、奥へ奥へとズブズブ潜り込んでゆく。
「・・・ああッッ! ・・・ああッッ!」
侵入しながら、奇怪な肉の触手は先端の穴から紫色の粘液を吹き出し、レイラの膣壁に塗りこめていった。
たちまち、熱く強烈な刺激がずぅぅうん!と股間から脳天に向かってレイラを貫いた。むず痒いような奇妙な
快感が股間に拡がり、彼女は本能的に半狂乱になって抵抗した。
「やめて! やめて! ・・・ああッ! ・・・あうッ!」
「・・・ふうん。あんまり使っていないんだ。もったいない」
チアキに平然と図星を突かれて、レイラは赤くなった。確かに初めての男であるアランと別れてから、レイラは
2年以上も男と交わっていなかった。毎晩、サイバータイツをまとったまま激しいオナニーに耽溺していたが、
こんなふうに他人のものを受け入れるのは、ほんとうに久しぶりだったのだ。
チアキは玩ぶようにゆっくりと腰を突きいれ、やがて肉の触手はレイラの膣のいちばん最奥部に達した。レイラと
蜂女は恥部をしっかり密着させたまま、ひとつに繋がり合った。
チアキは蜂の腹部のような自分の乳房を巧みに動かして、荒げた呼吸に合わせてゆっくりと膨張を繰り返す、
既に蜂女化したレイラの乳房に、その中心部を重ね合った。乳首と乳首が接した瞬間、じんじんとくる快感が
レイラを襲った。
「・・・あッ!」
その快感が合図となり、重なり合った乳首がピクピクと動くと、中から針が現れた。やがて乳首の針はひとつに
融合し、チアキが自分の針を引っ込めるとともに互いの乳首がひとつに繋がり合った。チアキが乳房を断続的に
震わせると、その動きに合わせて凄まじい快感がレイラの乳房いっぱいに伝わり、拡がってゆく。
「・・・あ・・・あ・・・あぅ! ・・・あぅ! ・・・あぅン! ・・・あぅン!」
「さあ、いっぱい注いであげる」
「・・・やめて・・・お願い・・・やめて! ・・・ああッ! ・・・ああッ!」
211蜂女アンヌは俺の嫁!:2009/11/20(金) 21:00:32 ID:gi4jNT1D
蜂女は股間をレイラとしっかり密着させたまま、膣の奥深く挿入した肉の触手の表面を、うねうねと蠕動させた。
まるで肉茎を膣の中で激しく抜き差ししているかのような快感が走り、ぶちゅっ、ぶちゅるるる、という卑猥な
音とともに、密着させた股間から紫色の粘液が吹き出し花弁の上にこぼれ、とろとろと流れていった。
そして蜂女は、レイラの胎内に挿入した触手の先端から、ジューッ! ジューッ!と粘液をリズミカルに注ぎ始めた。
レイラの子宮目がけて、大量の刺激性の粘液が、これでもかといわんばかりに続々と注ぎ込まれていった。
《・・・何なの? この快感! ・・・こんなの、今まで感じたことがない! ・・・ああ、気持ちいい! 気持ちがいいの!》
身体を芯からとろかすような快感が、レイラの下腹部いっぱいにじんじんと走った。
それは、女の悦びを既に知っているレイラにとってもまったく未知の、喜悦と官能の交響楽であった。
レイラは人一倍、性欲の強い娘だった。17歳の時、父親の死で自暴自棄になっていたレイラは義理の兄のアランを
誘惑し、捨てるように処女を捧げたのだ。トビアスじいさんを失い同じく心の拠り所を失っていた22歳のアランは、
それに応えるかのように妹の誘惑に応えた。こうして肉体関係を持った二人は、救いを求めるかのようにお互いの
肉体を求め合い、むさぼり合い、毎日のように激しく交わった。二人ともまだ、精神的に未熟であった。
だがレイラがこれまでにアランと体験したどんなセックスよりも、いま蜂女が彼女に与えている快楽の方が、
はるかに強烈で、目眩く官能に満ちたものだった。
「・・・あふぅ・・・ん! ・・・あふぅ・・・ん! ・・・はぅぅ・・・ん! ・・・あぅぅ・・・ッ! ・・・あぅぅッ! ・・・あぅぅッ!」
《・・・だめぇ・・・わたし・・・人間じゃなくなっちゃう! ・・・蜂女になっちゃう! ・・・助けて! アラン!!》
チアキに組み敷かれたまま、レイラが切なくあえぎ始めたのを見てとると、もう一体の蜂女であるデボラは巨大な
花弁に近づき、手をかざして呪文のようなものを唱えた。とたんにレイラの両手両脚の拘束が解かれた。
レイラの腕は自然に、自分に押し被さっているチアキの華奢な背中へと回った。チアキの身体を愛おしげに
抱き締め、手のひらはチアキの翅の付け根を愛撫すると今度は腰に向かって移動し、チアキの引き締まった
尻たぶを撫でさすり、揉むようにリズミカルに動かし始めた。
レイラとチアキの両脚はひとつにからまり合い、太ももを擦り合わせたまま、なめらかな触感を満喫し合った。
もはやレイラのかぼそい理性では、快楽を求める自らの身体の動きを止めることができなくなっていた。
《・・・ああッ・・・気持ちイイっ! ・・・これが、これがアランだったら!》
212蜂女アンヌは俺の嫁!:2009/11/20(金) 21:00:53 ID:gi4jNT1D
レイラの子宮に注がれた同化液は、子宮内膜を通ってレイラの血流内に侵入し、そのまま彼女の全身に運ばれて
いった。股間に始まった凄まじい快感が、ゆっくりと全身に拡がり、彼女を蝕んでゆく。
「・・・あぅ! ・・・あぅ! ・・・はぅ・・・ぅん! ・・・はぅ・・・ぅん! ・・・あぅん! ・・・あぅぅん! ・・・あぅぅッ!」
「・・・ウフフ。ほぉら、あなたは蜂女になってゆく。人間の身体を失い、蜂女に生まれ変わるのよ。」
チアキの言うとおり、レイラの白く輝くような皮膚が、次第に青く染まり始めた。
レイラの全身のうぶ毛は抜け落ち、柔らかな肌が、しだいになめし皮のようにしなやかな蜂女の皮膚へと
変わっていった。手首と足首だけが白く染まり、やがてエナメルのような質感の長手袋とブーツ状に変わっていった。
手の指からは爪が消失し、脚の指はひとつに融合し、かかとがハイヒール状に変形していった。
おぼろげな意識の中で、レイラは自分の肉体が徐々に蜂女へと変わってゆくのを、うっすらと感じていた。
《・・・ああ・・・わたし・・・蜂女に・・・なってしまう・・・人間じゃ・・・なくなっちゃう・・・ごめんなさい・・・アラン・・・》
もはやレイラの身体は、人間のものではなくなっていた。もはやどこから見ても、その姿は蜂女であった。
チアキはレイラの秘部に密着させた腰をゆっくりと左右に揺さぶり、レイラの肩を掴んだまま、レイラの耳たぶや
首すじにゆっくりと舌を這わせた。レイラもそれに応えるかのように狂おしく蜂女の身体に身をからませ、
蜂女の青くひんやりとしたなめらかな皮膚を愛撫した。
「・・・ああ・・・ん! ・・・あああ・・・ん! ・・・もっと! ・・・もっと! ・・・お願い! ・・・あああ・・・ンンッ!」
全身を狂おしく襲う快楽の波に身を任せ、レイラはより一層の快感を求めて、蜂女の触手を奥深くまで飲み込んだ
腰をキュッ、キュッとリズミカルに振った。そのたびに、快感は爆発的に高まった。
レイラは狂ったように腰を振った。一匹の牝となって、ひたすらにあえぎよがった。自分がいま、犯されながら
蜂女に改造されていることも忘れて、絶え間なく湧き出る快楽を、無我夢中でむさぼった。
《・・・ああ・・・わたし・・・もう・・・駄目・・・・・・アラン・・・許して・・・》
213蜂女アンヌは俺の嫁!:2009/11/20(金) 21:01:11 ID:gi4jNT1D
変化したのは、レイラの外観だけではなかった。蜂女がレイラの胎内に注ぎ込んだ同化液は、彼女の全身の細胞の
ひとつひとつに働きかけ、組織を組み換えて人間ではないものに変化させていたのだ。
レイラの筋肉が、骨が、内臓が、血管や神経が、いったんグズグズに溶かされ、新たな姿に組み上げられてゆく。
人間の骨格が消失し、皮膚のすぐ裏側に強靭さとしなやかさを備えた外骨格が形成される。脊髄の代わりに
腹髄と梯子型神経系が形成され、乳房の奥と尻の内部に巨大な神経節、すなわち第二・第三の脳組織が作られる。
気管支や肺といった人間の呼吸器官が消滅し、代わりに全身をくまなく巡る気管系が誕生する。
そしてついに、レイラの体側、脇腹から太ももにかけて一直線に、12対の小さな孔が口を開いた。24個の呼吸用の
小さな孔は、レイラの呼吸に合わせて、ゆっくりと開閉運動を開始した。気門周辺に作られた強力な空気ポンプが
全身に空気をくまなく供給するため、人間には不可能な激しい運動も酸欠になることなく可能となるのだ。
「・・・ああーッ! ・・・あーッ! ・・・あーッ! あッ! あッ! あッ! ・・・はぁッ! ・・・はぁッ! ・・・あン! あン!」
頂点に達したレイラの断末魔の悲鳴とともに、彼女の額からニョキニョキと、真っ赤な触角が生えてきた。
それが最後の仕上げであった。チアキも力尽きたように、レイラの上にがっくりと身体を預けた。
今や、巨大な花弁の上でぐったりとなって身体をからまり合わせている生き物は、長い黒髪と栗色のセミロングの、
まったく同じ姿のボディを持った2体の蜂女であった。
二体の蜂女は、密着したまましばらく動かなかった。やがて、チアキがレイラの身体からゆっくりと離れて
上体を起こした。レイラは目を半開きにしたまま、真っ青に染まったボディをぐったりと横たえて、はぁはぁと
息をしていた。ただしその息は口ではなく、体側にずらりと並んで激しく開閉を繰り返す気門から漏れていた。
チアキが腰をレイラの両脚の間からゆっくりと持ち上げ、密着した股間を離すと、黄色と黒の縞模様の触手が
ずるっ! という音とともにレイラの膣孔から引き抜かれた。触手は紫色の粘液の糸を引きながら、チアキの
股間に開いた孔の中にズルズルと引き込まれ消えていった。
214蜂女アンヌは俺の嫁!:2009/11/20(金) 21:01:30 ID:gi4jNT1D
ぐったりと力なく横たわる、蜂女レイラ。そのしどけなく開かれた股間には、真っ青に染まった恥丘の中央を
縦に走る、真っ赤な肉の裂け目があった。その下部に開いた小さな肉の孔から、紫色のとろりとした液体が
とろとろ流れ出し、小さな水たまりを作った。
「これであなたはもう、わたしたちと同じ蜂女よ。さあ、起きなさい」
レイラの混濁した意識が、次第にはっきりと醒めてゆく。彼女は横たわったまま、自らの変わり果てた姿に
力なく目をやり、自分がすっかり蜂女に変わってしまったことを悟った。
蜂女レイラは顔を手で押さえて横向きに身体を縮こめ、えっ、えっ、と嗚咽を始めた。だが、涙腺を失った
彼女の目からは、一滴の涙もこぼれてこなかった。
《・・・わたし・・・とうとう、蜂女になってしまった。・・・こんな身体、もう、アランには見せられない・・・》
しきりにかぶりを振りながら丸くなって嗚咽を続ける蜂女レイラに、2体の蜂女が優しげな笑みを浮かべながら
近づいた。そして触角をピリピリと震わせて、嗚咽を続けるレイラの触角につんつん、と触れた。
「・・・あッ!」
とたんに、何かの信号がレイラの脳に伝わった。蜂女レイラは反射的に自分の触角を震わせて、それに応えた。
「・・・あ! ・・・あ! ・・・あ!」
3体の蜂女は触角をからませ合って、対話を続けた。次第に、レイラの表情から人間的な悲しみの影が消え、
無表情な機械じみたものに変わっていった。
レイラの改造された脳組織に、2体の蜂女から凄まじい量の情報が一度に送り込まれたのだ。そしてレイラは
知った。この惑星と蜂人間たちの秘密を、自分がなぜ改造されたのかを、そして蜂女となった自分の使命を。
蜂女レイラは、ゆっくりと身を起こして、花弁の上に立ち上がった。自分の身体をうっとりした表情でしげしげと
眺め、そして絶えず淫らな蠕動を続ける、改造された双つの乳房を両手で掴んでゆっくりと揉み始めた。
《・・・ああ・・・わたし、どうして悲しんでいたんだろう。こんなに、素敵なカラダなのに! ・・・そう、わたしは
生まれ変わったの。蜂女に改造されたの! わたしは蜂女! そうよ、わたしは蜂女! もう二度と人間には戻れない!
・・・ああ、なんて素敵なの!》
215蜂女アンヌは俺の嫁!:2009/11/20(金) 21:01:47 ID:gi4jNT1D
レイラは喋り方を忘れたかのように、パクパクと口を開いた。肺と気管支を失ったレイラは、もはや以前のようには
喋れないのだった。だが、翅を動かす筋肉が収められた胸郭を収縮させ、その空気をうまく口から出すことで
発話する方法を、レイラは急速に習得していった。
「・・・ワ・・・ワタ・・・ワタシ・・・ハ・・・わたし・・・は・・・はちおんな。わたしは、はちおんな! わたしは蜂女!」
身も心も完全な蜂女となったレイラは、腰をなまめかしく振りながら、自分の改造されたボディを両手で愛おしげに
撫で回し、妖しく舌なめずりをした。背中から、半透明の美しい翅が4枚、ゆっくりと生えてきた。
レイラは自分の股間のスリットを指で開いた。改造された膣孔の中から、黄色と黒の縞模様の触手がゆっくりと
現れ、蛇のようにかま首を上げた。触手は改造された子宮の奥から伸びていた。触手が改造された膣壁の中を
往復するたびに、レイラの股間に凄まじい快感が走った。レイラは夢中になって、膣孔から触手を出し入れした。
「・・・ううッ・・・あうッ・・・あうッ・・・ああッ・・・」
蜂女デボラが蜂女レイラに、彼女がまだ人間だった時に身につけていたサイバータイツを手渡した。レイラは
妖しく微笑んで真っ赤なサイバータイツを受け取ると、装着の準備を始めた。彼女には、これから自分がしなけ
ればならないことが、はっきりとわかっていた。人間のふりをして、再び地球人たちの一行にまぎれ込むのだ。
蜂女レイラは、自らの真っ赤な膣孔を指で拡げ、その中にゆっくりとノズルプラグを挿入した。カチューシャを
額に装着して触角を栗色の頭髪の中に隠し、真っ青に染まったボディを赤いサイバータイツですっかり包み込んだ。
そして彼女が呪文のような暗号を唱えると、サイバータイツはキュッと絞られたかのように、皮膚に密着を始めた。
だが次の瞬間、レイラはウッ!とうなって苦しそうにその場に膝をついた。あわててキーワードを唱え、彼女は
サイバータイツを脱ぎ捨てた。
既に鼻と口での呼吸を行っていない蜂女レイラにとって、全身をくまなく包み込むサイバータイツは、体側に
並んだ呼吸用の気門を塞ぎ窒息させる、やっかいな衣装となっていたのだ。
レイラはちょっと困った表情でタイツを抱え込んでいたが、やがて自分の体側の気門の位置を確かめると、
サイバータイツを拡げて位置を確認しながら、自分の乳房に押し当てた。乳首から鋭い針がシュッと飛び出し、
鋼鉄の5倍の強度を持つサイバータイツの生地に穴を開けた。
216蜂女アンヌは俺の嫁!:2009/11/20(金) 21:02:05 ID:gi4jNT1D
【12】

その頃、光る草原のふもとに野営している地球人たち一行は、夕食の時間が過ぎてもレイラが戻って来ないので
全員血相を変えて彼女の行方を探していた。
最後まで一緒にいたアランは強い責任を感じ、草原の中に彼女が倒れていないかと隅々までくまなく、何度も、
何度も探し回った。ドグはひょっとしたら姐さんは地底の川に飛び込んだのかもと危惧して、アンヌが止めるのも
聞かずに、50メートル下の亀裂に向かってロープ一本を頼りに降りていった。
だが必死の捜索にも関わらず、彼女の行方は杳としてつかめなかった。
焦燥の色濃く彼らが力場テントにとぼとぼと戻ってくると、なんと、そこにレイラが平然といるではないか。
「レイラさん!」
「レイラ! 今までいったいどこにいた!?」
「姐さん、よかった。本当によかった・・・」
口々に叫びながら詰め寄る一行を制すると、レイラは無表情な声で答えた。
「ごめんなさいみんな。草原が気持ちいいからずっと散歩していたの。みんなとは行き違いになったみたいね」
その態度に一同は奇妙な違和感を感じたが、とにかく無事にレイラが戻ってきたことで安心し、めいめいのテント
に戻ることにした。アンヌが、疲れちゃった。先に休んでるね、と言って駆け出した。
レイラがその後を追おうとすると、後ろから呼び止めた者がいた。
「ちょっと待ちなさい、レイラちゃん」
ウルフがいつになく怖い表情で立っていた。眉をひそめたレイラの全身をしげしげと見つめ、ウルフは言った。
「話があるの。ちょっとこっちに来なさい」
217蜂女アンヌは俺の嫁!:2009/11/20(金) 21:02:24 ID:gi4jNT1D
力場テントから離れた丘の陰で、ウルフはレイラに強い調子で詰め寄った。
「ねえレイラちゃん。あなた、本当に今まで散歩していたの?」
「どうして、そんなことを聞くの?」
「そして、どうしてそのサイバータイツ、脇に穴がいっぱい開いているのかしら?」
「・・・これは、うっかり引っ掛けて破れたのよ」
「うそおっしゃい。アタシだってサイバータイツを着てるのよ。エンジンカッターを使っても穴を開けられない
ことぐらい、知らないと思って? そして、アナタのその鼻と喉の動き・・・!」
ウルフは隠し持っていた短針銃を取り出し、レイラに銃口を向けた。
「医者でもあるアタシを騙せると思ったの? アナタは、口や鼻で呼吸をしていないわ! それに、皮膚ごしに
透けて見えるはずの顔面の静脈が見当たらない。そう、アナタは人間じゃない。本物のレイラちゃんじゃない!
さあ白状しなさい。本物のレイラちゃんはいったいどこにいるのッ!!」
レイラは突然、アハハハと高い声で嗤った。
「本物!? わたしが本物のレイラよ。ただし・・・!」
レイラは素早く呪文のようなパスワードを唱えた。サイバータイツがバサリと地に脱げ落ちた。
「・・・もう、人間じゃないけどね」
ウルフの銃口の前にいたのは、真っ青なボディと蜂の腹部のような乳房を持った、異形の蜂女だった。
「!! ・・・アナタ、改造されたの!?」
「そうよ。少し前にさらわれて、蜂女に生まれ変わったの。もう、二度と人間には戻れないわ」
「何のために!? ・・・アナタたちの目的はいったい何なの!?]
「もうすぐわかるわ。あなたたち全員が、わたしたちの手に落ちればね」
レイラは妖しく微笑み、ペロリと舌なめずりをした。
ウルフは躊躇せずに銃爪を引いた。一瞬の迷いが命取りになると、本能的に悟っていたからだ。だが蜂女の姿を
晒したレイラは平然と立ったままだった。蠕動を続ける同心円模様の乳房の表面から、ウルフが撃った小さな針の
群れがポロポロと落ちた。
ウルフは驚き、きびすを返して一目散に逃げ始めた。レイラはクスクスと嗤うと、乳房をゆっくりと動かして
乳首から顔を覗かせている銀色の針の照準を、逃げてゆくウルフの背中に合わせた。
「無駄よ。逃げられないわ」
ぷるん、と蜂の乳房が大きくふるえた。シュッ! 風を切る音とともにレイラの乳首から銀色の針が射出され、
数十メートル離れたウルフはウッ、と叫んでその場に崩れ落ちた。
蜂女レイラは、自分の乳房の状態を確かめるように揉みしだきながら、草原の中に倒れたウルフの方に近づいた。
そして屈みこんでウルフの背中に銀色の針が刺さっているのを確かめ、そのままウルフを仰向けに転がした。
ウルフの身体はは驚愕の表情を浮かべたまま、硬直していた。
レイラはフフッ、と笑うと、もうウルフには目もくれず、アンヌが待つテントの方へとゆっくり歩いていった。
もはや真っ赤なサイバータイツをまとおうともせず、蜂女に改造された姿を誇らしげに晒しながら。
218蜂女アンヌは俺の嫁!:2009/11/20(金) 21:02:43 ID:gi4jNT1D
アンヌはよほど疲れたのか、力場テントの隅に横たわり、クークー寝息を立てていた。
蜂女レイラは妖しく微笑むと、四つん這いになってアンヌの上に屈みこんだ。そしてゆっくりと、アンヌの純白の
サイバータイツに、自分の改造された真っ青なボディを重ねた。
「・・・うう・・・ん・・・」
アンヌが寝返りをうった。蜂女は蠕動する蜂の乳房をアンヌのふくよかな乳房に重ね、乳首と乳首を擦り合わせた。
アンヌの両脚の間に自らの腰を割り込ませ、股間と股間を密着させた。そして、額にかかったプラチナブロンドの
髪を愛おしそうに撫で払いながら、耳元で優しく囁いた。
「・・・アンヌ。さあ、サイバータイツを脱ぎなさい。・・・パスワードを唱えて。さあ!」
アンヌはぼんやりと目を開けた。自分の上にのしかかっているのがレイラだとわかると、寝ぼけまなこで微笑んだ。
「・・・いやだぁ、レイラさん・・・苦しいよ・・・」
「アンヌ。これは大事なことなの。・・・さあ、パスワードは?」
蜂女はアンヌの身体をゆっくりと愛撫し始めた。蠕動する乳房でアンヌの乳首をコリコリと刺激し、密着させた
股間のスリットから顔を出した縞模様の触手が、アンヌの固く閉じた割れ目をこじ開け、ノズルプラグの上を
もぞもぞとまさぐった。
「・・・いやだ・・・レイラさん・・・くすぐったいよ・・・やめて・・・レイラさん・・・あぅっ・・・あぅっ・・・」
蜂女の執拗な愛撫に、次第にアンヌの息が荒くなってきた。蜂女は女性だけが知るオンナの敏感な箇所を
執拗に責め、アンヌの身体を開いていった。
「アンヌ。さあ、こんなサイバータイツなんて、早く脱いでしまいましょう。さあ、早く!」
アンヌは混乱していた。身体をひっきりなしに襲う陶酔の波の中で、わずかに残った理性が疑問符を放っていた。
なんで、なんでレイラさんがそんなことを言うの? なんで、サイバータイツを脱がせようとするの?
アンヌはとろんとした目を上げて、レイラの顔を見つめた。額に、ピクピク動く真っ赤な触角が生えていた。
「・・・!」
アンヌは驚いて我に返った。自分の上に押し被さっているレイラの姿をよく見ると、なんと、全身が青く染まり
乳房には蜂の腹部のような縞模様が刻まれているではないか。アンヌは直感的に、何が起こっているのか悟った。
「・・・レイラさ・・・むぐッ! ・・・ん! ・・・ん!」
叫ぼうとしたアンヌの口めがけて、レイラの口から黄色と黒の縞模様の触手が飛び出し、勢いよく潜り込んだ。
「・・・んん! ・・・んんッ! ・・・んんッ!」
パスワードを聞き出すのは無理と悟ったレイラが、アンヌに叫ばれる前に強行手段に出たのだ、
219蜂女アンヌは俺の嫁!:2009/11/20(金) 21:03:04 ID:gi4jNT1D
顔をそむけて必死に抵抗するアンヌの唇を割って、奇怪な触手はずぶずぶとアンヌの口腔に潜り込み、先端から
紫色の同化液を噴出し、口や喉の粘膜に塗りこめてゆく。そして触手はそのままアンヌの喉の奥深くに侵入し、
大量の同化液をピュッ! ピュッ!と分泌しては、アンヌの身体を奥深くから蝕んでゆく。
《・・・どうして!? やめて! レイラさん! ・・・やめて! お願いッ!》
アンヌの瞳から涙が溢れ、ポロポロとこぼれ落ちた。レイラさんが、いつの間にか蜂女にされていた。そして今、
わたしを蜂女の仲間に変えようと襲っているんだ。嫌だ。嫌だ。蜂女なんて嫌だ。蜂女になんてなりたくない!
だがそんなアンヌの抵抗も虚しく、同化液は粘膜を通してアンヌの血液中に侵入し、全身に拡がっていった。
そして同化液に触れたアンヌの体組織は、凄まじい勢いで変質を遂げ、人間ではないものへと変化していった。
それは、あの花弁の上でレイラが改造されていった時と比べて、余りにも性急な変化だった。気道をふさぐように
ふくれ上がった触手のせいでむせかえり、息が詰まったアンヌの苦痛は、耐えられないほどであった。
混乱し薄れゆく意識の中で、アンヌは、アランに教えられていたあることを思い出した。
アンヌは渾身の力で、自分の左手首に付けられたブレスレットを床に打ちつけた。
ヴィン! ヴィン! ヴィン!
とたんに凄まじい警報が轟き、アンヌたちのいる力場テントの侵入者避けフィールドが消失した。
《いけない!》
レイラは驚いて身を起こした。アンヌの口腔深く侵入していた縞模様の触手がズルッと引き出され、レイラの
唇の中に消えていった。彼女たちは今、フィールドが消失した何もない草原の真ん中に横たわっていた。
近くにある男たちの力場テントが騒がしくなるのが聞えた。フィールドが次々に消え、武器を手にした男たちの
姿が現れた。彼らは周囲を油断なく見渡し、そしてぐったりとなったアンヌの足元に膝立ちしている、異形の
存在となったレイラの姿を認めた。
「・・・レイラ! その身体は!!」
「・・・ね、姐さん! な、なんてこった!!」
レイラは落ち着き払って髪を直しながら、ゆっくりその場に立ち上がった。そして蠕動を続ける同心円模様の
乳房を誇らしげに、男たちの前に誇示した。股間には恥ずかしげもなく女性器のスリットを露出している。
青いボディに透明な翅。体側にずらり並んだ呼吸用の気門。その身体はどう見ても、人間のものではなかった。
「レイラ、きみは・・・蜂女に改造されてしまったのか!?」
ジョージの問い掛けに、レイラはフフン、と笑って答えず、背中の翅を拡げると、そのまま垂直に飛び立った。
「レイラ! 待て! どこに行くんだ!?」
アランとドグがレイラの後を追った。レイラは草原のある広場を出ると、地底の河が流れる裂け目の方に
すーい、と降りていった。
220蜂女アンヌは俺の嫁!:2009/11/20(金) 21:03:26 ID:gi4jNT1D
バンボとジョージが、ぐったりとなったアンヌを介抱した。痙攣を続けるアンヌの上体を起こし、口に指を
突っ込んで胃の中のものを吐かせた。大量の紫色の粘液がドロドロと、アンヌの口から流れ落ちた。
背中をドンドンとはたき、マッサージを繰り返すと、アンヌの顔にようやく赤みが戻った。
「・・・アンヌ、具合はどうだ?」
アンヌは何度か咳き込んだ後、しばらく呆然となっていたが、やがてワッと泣きじゃくり始めた。
無理もない。心細い異境の旅の中で姉のように慕い頼っていた女性が、異形の姿に改造されて自分を襲ったのだ。
そしてアンヌは、自分の身体がもう既に、蜂女の同化液で侵されてしまっていることをはっきり自覚していた。
感じるのだ。自分の中で、肉体組織が少しずつ、得体の知れないものに変化しつつあるのを。
「・・・怖い! ・・・怖いの!」
「おおい! ジョージ! バンボ! こっちに来てくれ!」
アランの叫び声を聞いて、二人は顔を見合わせて頷き合った。バンボがアンヌのそばに残り、ジョージはアランの
元へと急いだ。
「これを見てくれ。ウルフだ」
アランが抱きかかえていたのは、驚愕の表情を浮かべたまま石のように硬直しているウルフの身体だった。
「・・・レイラの仕業か?」
「そうらしい。これが背中に刺さっていた針だ。サイバータイツを貫いていた。俺たちのヘルメットを壊した奴と
よく似ている」
「死んでいるのか?」
「わからない。呼吸は止まっている。仮に仮死状態だとしても、治す方法が俺たちにはわからない」
「なんてことだ!」
しばらくして、バンボに抱きかかえられたアンヌがゆっくりと歩いて来た。
「これは・・・ウルフさん!?」
アンヌはウルフのそばに屈みこむと、顔を覆ってシクシクと泣き出した。
「ジョージ。これからどうするつもりだ?」
「皆の安全を考えれば、船に戻るのがベストな選択だが・・・」
「・・・だが、それでは何も解決しない。レイラの身体を元に戻すことも、ウルフを助けることもできず、この星を
離れることすらかなわない」
「わかっている。我々には、先に進むしか道はないんだ・・・」
その時、レイラを追っていったドグが手を振りながら戻ってきた。
「河に降りる崖の途中に、抜け穴があるぞ! 姐さんはそこに入っていったんだ!」
221蜂女アンヌは俺の嫁!:2009/11/20(金) 21:03:47 ID:gi4jNT1D
【13】

硬直状態のウルフを光る草原の部屋の入り口にそっと横たえると、アランたちはドグの案内で、急峻な崖を
地底の河めがけて降りていった。幸い崖の表面は凹凸が多く、足場には不自由しない。一行は互いにロープで
身体を結び合い、一歩一歩注意しながら、高度を下げてゆく。
最初、アランたちはアンヌを草原に置いてゆくつもりだった。バンボも護衛に残るつもりであった。だが肝心の
アンヌが、頑強に同行を主張した。
「パパのこともあります。わたしは、行かなくちゃいけないんです。レイラさんの身体だって、元に戻せるのなら
そうしてあげたい! 連れて行って下さい。足手まといにはならないよう、頑張りますから!」
思いのほかに頑固なアンヌの意志を、結局、誰も曲げることはできず、アランが彼女に寄り添い見守るかたちで
同行を許すことになった。アンヌも皆に迷惑をかけるまいと、慣れない岩場歩きに必死にチャレンジする。
足元に神経を集中し、慎重に一歩一歩崖を降りてゆく。
「キャ!」
カラン、カラン、カラン、と、アンヌが踏み外した足元の岩が、眼下の河めがけて落ちていった。顔面蒼白の
アンヌに、アランが冷静に忠告する。
「体重を岩にかける前に、つま先でまず岩の状態をよく確かめろ」
「は、はい!」
岸壁との半時間余りの格闘の末、ようやく一行は抜け穴の入り口に辿り着いた。ホッと一息つけた後、抜け穴の
中をさらに進軍は続く。
抜け穴は高さが2メートルほど。中は例の放電管植物が張り巡らされているのか、ほの明るい光が漂っている。
「・・・どうやらこの洞窟、あの光の草原の真下を通って先に延びているらしいな」
そのまま半時間ほど進んだろうか。狭い通路が途絶えた先に拡がっていたのは、地中の巨大な断層だった。
幅20メートルほどの裂け目が横方向にはるか延々と続き、裂け目の両側は垂直に切り立った崖になっている。
崖の表面には、直径2メートルほどの穴が無数に開いていた。アランたちが抜けてきた抜け穴も、その穴の
ひとつに過ぎなかった。
222蜂女アンヌは俺の嫁!:2009/11/20(金) 21:04:06 ID:gi4jNT1D
「見ろ! 蜂人間たちだ!」
ジョージが指さすまでもなかった。断層をはさんだ対岸の崖の無数の穴から、蜂人間たちがゾロゾロと這い出す
のが見える。
蜂人間たちは穴を飛び出して宙に舞うと、断崖の上方にある、雛壇のようなテラスに次々と降り立った。
黄色と黒の巨大な生き物たちが、テラスにびっしりと群がり蠢いているさまは、見ていてあまり気持ちのいい
ものではなかった。
「見て! レイラさんよ!」
アンヌが指さした先は、他の蜂人間よりもひときわ高い位置にある、独立したテラスだった。そこに、蜂女に
なったレイラと、黒髪と亜麻色の髪のもう2体の蜂女がいた。地球人女性の美しいプロポーションをした蜂女
たちは、アランたち一行の存在に気付くと拡げた手を伸ばして、来るな! といった身振りをした。
「姐さんッ!」
ドグが叫ぶと、アランたちの制止を振り切って、断崖に取りついて壁を下り始めた。断層を越えてレイラがいる
テラスまで進むつもりなのだ。
「姐さんッ! 今行くからな! 待っててくれ!」
「やめろ! ドク! 危険だ!」
とたんに、蜂人間たちの群れがザワザワと騒ぎ始めた。何体かの蜂人間がテラスから飛び立ち、キチキチキチ・・・
と威嚇音を立てながらドグの周囲をしきりに旋回した。ドグのすぐ近くまで近寄って警告する者もいた。
だがドクは蜂人間たちには目もくれず、一心不乱に垂直の壁を下り続ける。
「アラン、下をよく見ろ!」
「・・・!!」
ジョージが指さした断層の底は、一面うじゃうじゃと何者かが蠢いていた。数十メートルは下になるだろう
断層の底は、無数の六角形の小部屋がぎっしりと並んでおり、その中から奇妙な小さな生き物が顔を手を出して、
餌を求める雛鳥のように空に向かってしきりに訴えている。
小さくぶかっこうな両手を上げて、ピキ、ピキ、ピキ、と鳴く、白くてぶにぶにとしたその生き物たちは、まるで
人間の胎児と蛆虫が合わさったかのような奇怪でおぞましい姿をしていた。
「・・・蜂人間たちの・・・幼虫なのか!?」
あまりのおぞましさに吐き気を堪えながら、ジョージが言った。
「どうやらそうらしい。ここは、蜂人間たちの巣なんだ。だから近寄るなと警告しているんだ」
さすがのアランも、この光景には目をそむけたくなった。
だがアンヌは、幼虫たちの姿を見たとたん、胸に奇妙なうずきを感じて思わずうずくまってしまった。
「アッ!」
223蜂女アンヌは俺の嫁!:2009/11/20(金) 21:04:24 ID:gi4jNT1D
「大丈夫かアンヌ。下を見るんじゃない」
苦しいわけではない。突然自分の乳房が、ぶるぶると震え、勝手に蠕動を始めるのを感じたのだ。驚いてサイバー
タイツに包まれた自分の胸を確かめたアンヌは、乳房がゆっくりと、まるで別の生き物であるかのように蛇腹状に
膨張を繰り返し始めたのに気付き、あわてて他のメンバーから胸を隠した。
《・・・カラダが・・・蜂女に変わり始めているんだわ・・・》
アンヌは愕然となった。テントで寝ている間にレイラに襲われ、口の中に注ぎ込まれた同化液が、彼女の肉体を
少しずつ蝕んで蜂女に変えつつあるのだ。注がれた同化液は1リットルにも満たない少量だったが、それでも
消化器の粘膜からアンヌの血流中に侵入し、彼女の全身を駆け巡っては細胞を少しずつ、人間ではないものへと
変化させつつあったのだ。
《・・・そ、そんな・・・・・・やだ・・・いやだァ!・・・》
変化しつつあるのは、アンヌの肉体だけではなかった。同化液は彼女の脳細胞をも、着実に侵し始めていた。
断層の底に蠢く蜂人間たちの幼虫を見ても、アンヌにはおぞましいという感情は微塵も浮かんでこなかった。
むしろ、愛おしくて仕方がなかった。あの子たちに、わたしの乳房をふくませてあげたい! わたしのおっぱいを、
いっぱい飲ませてあげたい! そんな母性本能にも似た感情がふつふつと沸き起こり、アンヌの頭を混乱させていた。
乳房を覆う奇妙な感覚は、特に乳首の先に集中していた。そしてアンヌは、ツンと勃った乳首の先端がムクムクと
動いたかと思うと、サイバータイツの強靭な生地をブスリ、と貫いて小さな銀色の針が表面に現れたのを見た。
彼女は驚くとともにいたたまれなくなり、あわてて針をしまおうとした。するとどうだろう、アンヌの意思に
応じて、針は乳首に自由に収納できるではないか。
針の出し入れは、アンヌに強烈な快感をもたらした。乳首から小さな針が、出る、入る、出る、入る、ただ
それだけの繰り返しが、気が遠くなるほど気持ちよく、自分を熱くさせるのだ。
「・・・あッ! ・・・ああッ! ・・・ああッ!」
アンヌは乳首から針を出し入れしたくなる欲望と必死に闘った。いけない! こんなことをしていたら、本当に
全身が蜂女になっちゃう! 嫌だ。嫌だ。蜂女になるなんて嫌だ。でも、でも止められない! 誰か、誰か助けて!
アンヌは胸を緊く抑えたままうずくまり、ガクガク震えながら快楽を求める自分の本能と闘った。
224蜂女アンヌは俺の嫁!:2009/11/20(金) 21:04:45 ID:gi4jNT1D
その頃、ドグは蜂人間たちの巣に続く断崖を、もう半分は下っていた。
蜂人間たちの警告はさらに激しくなり、とうとう、テラスの上に陣取っていた3体の蜂女たちが翅を拡げて
ドグの近くに音もなく飛来した。レイラが近づいたのに気付いたドグは、思わず彼女の方に手を伸ばした。
「姐さん! こんなところから早く離れるんだ! そして身体を治してもらおう! 地球に戻れば、きっと治せる
はずだよ!」
「・・・ドグ。早く一人でここから立ち去りなさい。わたしはもう、人間じゃないの。二度と人間には戻れないの」
「・・・そんな、嘘だろ姐さん! 嘘だと言ってくれ! 姐さん!!」
「わたしは蜂女。もう人間じゃない。わたしは蜂女。わたしは、蜂女!」
「いやだ! いやだァ! 畜生! 畜生ッ!」
ドグはブルブルと首を振ると、狂ったように断崖を下り始めた。現実を認めたくない一心で、しゃにむに崖を
下り続けた。蜂女たちの制止の声も、もはや彼には届かなかった。
レイラは仕方がない、とばかり悲しげに首を振ると、乳房をぷるぷると震わせて、乳首の照準をドグに向けた。
ぷるん、と乳房が震え、乳首から小さな針が勢いよく発射された。
ブスッ!
「ね、姐さんッ!」
背中に針の直撃を受け、ドグは振り返ってレイラの方に、震える手を伸ばした。だがすぐに力尽き、ドグの身体は
崖からはがれ落ちるようにフラリと落下した。とたんに蜂人間が落下するドグに群がり、黄色い球のようになった。
「ドグゥーーッツ!!」
叫ぶアランたちの前に、チアキとデボラ、2体の美しい蜂女が音もなく飛来した。蜂女たちはクスクスと笑うと、
乳房をぷるぷる震わせて、乳首の照準を抜け穴の中のアランたちの方に向けた。
「まずい! 逃げろ!」
アランがうずくまったアンヌを抱え上げ、やって来た方に向かって駆け出した。ジョージとバンボもあわてて
その後に続いた。
シュッ! シュッ!
蜂女たちの乳房がぷるん、と揺れ、乳首から針が次々と発射された。
225蜂女アンヌは俺の嫁!:2009/11/20(金) 21:05:06 ID:gi4jNT1D
「うわッ!」
バンボが倒れた。ジョージがとっさに抱え起こし、肩を貸して必死に歩かせようとするが、バンボの足はふらつく
ばかりで前に進まない。
「ジョージ、アンヌを頼む」
引き返してきたアランがアンヌをジョージに託し、代わりにバンボの巨体を背負った。そのまま必死で逃げる。
針の強襲は最初の一撃だけだった。連続しての発射はできないのだろう。そして巣から離れゆくアランたちを、
蜂女たちは追ってこようとはしなかった。
アランたちは抜け穴を通り抜け、必死に崖を這い登って、ふたたび光る草原へと帰還した。全員疲労困ぱいの極
だったが、休息よりもバンボの手当ての方が先だった。
「バンボ、具合はどうだ?」
尋ねなくてもわかっていた。彼の身体は既にほとんど硬直しており、喋るのがやっとだった。
「・・・ジョージ。わたしはどうやら、ここまでのようです。もう、痛みも何も感じない」
「しっかりしろバンボ! 諦めるんじゃない!」
「バンボさん!! 死なないで!!」
「いえアンヌ。わたしはどうやら、死ぬわけじゃないようです。ほら」
バンボが目でうながした先には、横たえられたウルフの身体があった。驚くべきことに硬直した彼の身体からは
タンポポの綿毛のような無数の芽が伸びていた。
「蜂女たちがわたしに撃ったのは、どうやら植物の種子のようですね。わかるんです。わたしの中で、何かが
目覚めふくらんでいこうとするのが。わたしやウルフの身体を養分にして、これから木が育ってゆくのでしょう」
「そんな! ・・・人に寄生する植物だなんて・・・なぜ蜂女が・・・!?」
「寄生? とんでもない。自然に帰るだけのことです。気がついていましたかジョージ、わたしたちのこれまでの
道程を。一面の森、泉、そして洞窟、それはまるで、女性器の奥へ向かっての旅のようでした。生命の揺り籠で
あるここはさしずめ、子宮といったところでしょうか。・・・わたしはこの旅の間じゅう、ずっと感じていたんです。
母のふところに帰ってゆくような、懐かしさを。・・・それが、いま、叶った。・・・わたしたちは、自然に、帰って、
ゆくのです。・・・死ぬわけでは、ない。・・・帰るの、です・・・」
「・・・バンボ!」
「・・・もう・・・喋るのも・・・つらく・・・なってきた・・・お別れです、ジョージ・・・また・・・会いましょう・・・」
「バンボ!!」
バンボは目を開かなかった。
226蜂女アンヌは俺の嫁!:2009/11/20(金) 21:05:27 ID:gi4jNT1D
【14】

アランたちはバンボの身体をウルフの隣に静かに横たえ、黙祷した。
「・・・これで4人。レイラを入れれば5人が犠牲になった。アラン、これからどうするつもりだ?」
「どうもこうも、俺たちは真実を求めて来たはずなのに、まだ何も知っちゃいない」
「そうですジョージさん。わたしたち、パパたちの行方を探しに来たんでしょう? 先へ進みましょう! それに・・・」
アンヌは自分の胸を手で押さえた。
「わたし、わかるようになったんです。パパが呼んでいるのが」
純白のサイバータイツに包まれたアンヌのふくよかな乳房は、もはや外から誰が見てもわかるくらいはっきりと、
蜂女たちのそれと同じような奇妙な蛇腹運動を繰り返していた。乳首の位置に開いた小さな穴からは、泪滴状に
変形した真っ赤な乳輪が覗き、その先端からは銀色の小さな針がしきりに出入を繰り返していた。
「あ、アンヌ・・・その胸は・・・!?」
「はい。蜂女になったレイラさんに襲われてから、わたしの身体も少しずつ、蜂女に変わりつつあるんです」
「そんな・・・じゃ、きみもレイラのように!?」
「いいえ、たぶん大丈夫です。わたしの意識はまだ人間のままです。でもこうなったおかげで、はっきりと
わかるようになったんです。パパはまだ生きている。そしてわたしたちを呼んでいるって。だから、行かなきゃ
いけない。前に進まなきゃいけないんです!」
3人は互いに見つめ合い、無言で頷いた。
「だが、先に進むといってもどこへ? この洞窟はここで行き止まりのはずだが・・・?」
「ジョージ、電導ヅタはどこから延びてきてる? その方向に発電場所があるはずだ」
3人は光る草原の広場を隅々まで調べて回った。だが電導ヅタは壁の裏側の地中から生えてきているようで、
電源の方向を探ることはできなかった。
227蜂女アンヌは俺の嫁!:2009/11/20(金) 21:05:46 ID:gi4jNT1D
「・・・うッ・・・!」
アンヌが急に下腹部を押さえた。苦しいのではない。奇妙なうずきが膣の中で起こったのだ。じわじわと快感が
背筋を這い上ってくる。それとともに、乳首の針の絶え間ない出入りによる快感も、耐えられないほどに
高まってきた。アンヌはその場に蹲り、必死に快感に堪えた。
《いけない! こんなことで負けちゃあ!》
アンヌは額に、むず痒いものを感じた。あわてて手を額に当てると、頭蓋骨から何かがムズムズと盛り上がって
くるのがわかった。
《・・・触角だわ。とうとう触角が生えてきたんだわ》
アンヌのプラチナブロンドの美しい髪を貫いて、額に真っ赤な触角が現れた。そしてそれとともに、アンヌの知覚
に大きな変化が現れた。目に見える光景、耳に聞える音が一変し、紫外線や超音波など、今まで感じられなかった
ものがはっきりと捉えられるようになったのだ。
「・・・何、これ? ・・・どうして、こんなふうに見えるの!?」
アンヌはパニックになって、知覚を元の人間と同じものに戻そうと神経を額に集中させた。まだ成長しきってない
短い触角がピクピクと動き、それとともに周囲の光景がどんどん変化してゆく。どうやら意識の集中によって、
触角が捉える電磁波や音波、気圧、温湿度などの範囲は自由に変えられるらしい。そのことに気付いたアンヌは
少し落ち着くと、そのまましばらく、触角の使い方を模索した。やがて彼女の触角は、洞窟の壁の中に隠された
通路の存在を探し当てた。
「ジョージさん! アランさん! 来て下さい! ここ!!」
急いで駆け寄ったアランたちは、アンヌの額に生えたピクピク動く触角を見て驚いた。
「アンヌ!? ・・・その触角!・・・平気なのか?」
「はい、たぶん。でもこれのおかげで、ここに通路があるのがわかったんです。ほら!」
そう言ってアンヌは、下腹部を押さえたまま立ち上がった。膣の中のうずきが、次第に堪え難いほど高まって
きたからだ。
228蜂女アンヌは俺の嫁!:2009/11/20(金) 21:06:22 ID:6b5Mm7gx
アンヌはともすれば快感に負けそうになる心を必死で叱咤し、ふらふらとよろめきながら洞窟の壁の一点に
向かって立ち止まらずに歩いた。蠕動を繰り返すふくよかな胸が、歩を進めるたびにゆさゆさと大きく揺れ、
アンヌの脳に官能のパルスを送る。乳首の針の出入りがさらに激しくなる。
「・・・あッ・・・あッ・・・あうッ・・・」
アンヌは顔をしかめ、必死で快感に耐えながら歩いた。壁に激突しそうになるのも恐れずに直進を続けると、
アンヌの姿は不意に壁の中へと消えた。
「!」
驚くアランとジョージに、アンヌが壁の向こうから呼びかけた。
「ここが隠し通路です。迷わずにまっすぐ進めばすり抜けられます。皆さんも来て下さい」
半信半疑で思いきって駆け抜けたアランたちは、隠し通路を抜けたところに倒れているアンヌを発見した。
「アンヌっ!」
アランが駆けよってアンヌを抱き起こした。アンヌの身体は絶え間なく痙攣を繰り返し、顔を真っ赤にして
甘くくぐもった嬌声をしきりに上げている。額の触角がさっきよりもずいぶん長く成長しているのがわかる。
「・・・ああッ・・・あッ・・・あうッ・・・あうッ・・・」
「アンヌ。もういい。静かにしていろ。あとは俺が背負ってゆく」
アンヌは驚いて、自分の乳房を手で押さえた。
「駄目です。背負ったりなんかされたら、わたし、きっと・・・」
乳首の針でアランをうっかり刺してしまうことを恐れているのだ。アランは、ならば、とアンヌをお姫様抱っこ
にして立ち上がった。
「・・・キャ!」
「これなら大丈夫だろう。さあ行こう!」
229蜂女アンヌは俺の嫁!:2009/11/20(金) 21:06:42 ID:6b5Mm7gx
「・・・あン・・・あン・・・ああン・・・あうン・・・あン・・・あン・・・」
ぐったりとなって切なくあえぎ続けるアンヌを抱いたまま、アランたちは暗い隠し通路の中を進んだ。
やがて彼らは、まばゆい光に包まれたドーム状の巨大な空間に出た。
ドームの中央には木の幹とも機械ともつかない、太さ数十メートルはある巨大な円柱が陣取っていた。この円柱
に向かってドームの壁面四方八方から無数の枝と蔦が延び、アランたちの頭上に蜘蛛の巣のように複雑にからみ
合ったネットワークを作り出していた。
天井は白い光に包まれていてよく見えない。床は磨き上げたようにつるつるに輝いていて、塵ひとつなかった。
「ジョージ、あそこを」
アランが目線を投げた先にいたのは、いつか泉でドグの喉を詰まらせたのと同じ、透明のゲル状生物だった。
このアメーバのような生き物が何匹も、まるでモップのように床の上をあちこち這い回り、落ちている塵を
捕食して床をピカピカに磨き上げていた。
「そうか・・・あいつは本来、こういう用途のために作られた生き物だったんだな。それがたまたま逃げたか何かで
野生に帰ったのが、あの泉にいた奴だったんだ」
「ところでジョージ、ここは何のための部屋なんだ? この幹みたいなのはいったい何だ?」
「おそらく、エネルギープラントだろう。地上の植物が集めてきた光エネルギーを、電気エネルギーに変換して
この星のいたるところに送電しているんだと思う。まさに、エネルギープラント(植物)だな」
「なるほど、ここが星の心臓部というわけか。ならば、ここを破壊すれば」
「だめッ! アラン!」
お姫様抱っこに抱えられたアンヌが、大声でアランを制した。彼女の額の触角は、既に他の蜂女たちに近い大きさ
にまで成長していた。
「ここは・・・この星がようやく作り上げた、再生のための最後の希望なんです。壊すなんて、とんでもないわ!」
230蜂女アンヌは俺の嫁!:2009/11/20(金) 21:07:05 ID:6b5Mm7gx
「アンヌ!? いったい、何を言ってるんだ?」
アンヌはアランに、立たせてくれるように頼んだ。フラフラとした脚で立ったアンヌは、エネルギープラントを
ひととおり眺め渡してから、毅然とした表情でアランとジョージに向かって言った。
「わたし、この触角のおかげでわかるようになったんです。森たちの話す声、いえ、森の考えが」
「森の声? どういうことだ? 森が意識を持っているとでも言うのか?」
「はい。この星はいま、森の意思によって管理されているんです。あの蜂人間たちや、わたしたち蜂女は、森の
意思を実現するための道具にしか過ぎません」
アンヌが蜂女のことを『わたしたち蜂女』と呼んだのを、アランは苦々しい思いで聞いた。
「・・・森の意思だって? その森の意思は、いったいどこにあるんだ!?」
「はいジョージさん。森の意思は、いえパパは、このすぐ下にいます」
「何!?」
アンヌがそう言ったとたん、ツルツルの床が突然ぐにゃり、と変形し、無数の触手となってジョージとアンヌの
2人をからめ取った。
「ジョージ!」
アランが手を伸ばす暇もなく、触手に包まれた2人は床に飲み込まれるようにして消えた。
「・・・くそッ!」
床を拳でガンガンと何度も殴打するアラン。だが強化ファイバープラスチックのような質感の床は、虚しい
反響音を残すだけでびくともしない。
ふとアランは、自分の後ろに人影が立つのを感じて振り返った。
「・・・レイ・・・ラ・・・!?」
そこに立っていたのは、身も心も蜂女に改造されてしまったかつての恋人、レイラ・アシュクロフトだった。
231蜂女アンヌは俺の嫁!:2009/11/20(金) 21:07:28 ID:6b5Mm7gx
【15】

「・・・ここ・・・は・・・?」
触手の群れがほどけて、ジョージとアンヌが周囲を見回すと、目の前にあったのは巨大な壁、いや樹の幹であった。
とほうもなく巨大な樹が、果てしない暗い空間の奥底から生え、はるか天上めがけて伸びていた。背後は完全な
暗黒、上空は小さな光点が見えるだけで、他には何もない。
ジョージたちが転送されてきたのは、その巨大な樹の周囲に幾つも漂う、巨大な葉のような物体の上だった。
彼らの正面、鈍い光を放ちながらそびえ立つ、数万年の時を経たかとも思えるほど巨大なその幹は、なんと表面に
触手のような柔らかい皺が無数に刻まれ、それらはうねうねと絶え間なく蠕動を続けていた。
その皺が突然、ぐねぐねと意味ありげに動いたかと思うと、たちまち巨大な人面のかたちを取った。
【やあジョージ。遅かったじゃないか。もっと早くここまで来るかと思っていたよ】
「パパ!」アンヌが嬉しそうな声で叫んだ。
「・・・ピエール!? その声はピエールか? なぜそんな姿に!? 他のメンバーはどうしたんだ!?」
【そう急くな。みんなここにいる。ほら、ウォーレンくんも、エリックくんも】
幹に浮かんだピエール・シャンブロワ教授の顔の隣に、別の巨大な人面が幾つも現れた。シャンブロワ教授に
同行した調査隊のメンバーであった、ウォーレン・キンバリー教授や、エリック・デニケン教授の顔がそこに
あった。
【やあ、ジョージくん、久しぶりだね】
【君ならきっとやって来ると思っていたよ】
「・・・何てことだ・・・苦しくないのか、そんな姿で!?」
【・・・苦しい? 何を言っているのかね。・・・しごく快適なものだよ、この姿は】
【きみにもすぐにわかるだろう。ほら、きみの仲間もここにいるよ】
続いて現れた人面を見て、ジョージは驚きのあまり息を呑んだ。
【あーらジョージ、やっと来てくれたのね】
【だから言ったでしょう、ジョージ。また会えると】
それは蜂女が乳首から撃った種子によって植物に寄生されたはずの、ウルフガンス・フランケンフンガーと、
ベンドバンブゥ・マゴンセブの顔であった。
「いったいどういうことだ。2人とも死んだんじゃなかったのか!?」
【死んだのではありません。森に帰ったのです】
【そう。アタシたちが生まれてきたその場所に、再び帰ってきたのよ】
「どういうことだ!? 教えてくれ、ピエール! この星では、いったい何が起こっているんだ!?」
232蜂女アンヌは俺の嫁!:2009/11/20(金) 21:07:49 ID:6b5Mm7gx
【あわてることはない。きみにもすぐにわかることだ。きみももうすぐ、われわれの一部となるのだから】
「今すぐ知りたい! いったい何があった!?」
【・・・わかった。ならば説明しよう】
幹に浮かんだ人面の群れが、ピエール・シャンブロワの顔ひとつを残して消えた。
【はじめに言っておくがジョージ。きみと話をしているのは、きみの友人、ピエール・シャンブロワではない。
ピエールは確かにわれわれが取り込んだ地球人だが、既に個人という人格を失い、既にわれわれの一部と
なっている。きみと話をしているのはピエールであり、かつわれわれが取り込んだ地球人たち全員であり、かつ
この森の全体意識でもあるのだ】
「全体意識だって? どうして森が、植物が、意識を持っているんだ?」
【この星もかつては、地球と同じように大半が海で覆われた星だった。海にも陸にも、もの言わぬ植物が繁茂し、
動物たちはさまざまな環境に適応進化して、互いに争いつつも共存繁栄していた。だがこの星にも数百万年前に、
地球人と同じような知性体が誕生した】
「あの、コンクリートの街を築いた生物か?」
【そうだ。彼らは現在の地球人同様の科学文明を築き上げ、さらに水の中から水素を取り出すことで、莫大な
エネルギーを手に入れることに成功した】
「水中の水素から? ひょっとして、常温核融合か?」
【その一種だ。だが彼らは巨大な研究室ではなく、懐中電灯ほどの大きさの機械でそれを可能にしたのだ。
スポイト一滴分の水から、とほうもないエネルギーが取り出せた。彼らはさらなるエネルギーを求めて、水を
浪費した。消費された水素はヘリウムとなって、宇宙空間に飛散した。後には大量の酸素だけが残った。
彼らはエネルギー源としての水をひたすら求め、ついにはこの惑星の“母なる海”にまで手をつけて、それを
干上がらせてしまったのだ】
ジョージはようやく飲み込めた。この星に海が無い理由、なのに生命が存在している理由、そして大気中に
異常に酸素が多いその理由を。
【海を失ったことでこの星の生態系は崩れ、多くの生き物が絶滅への道を辿りつつあった。そこでわれわれは
決断した。この災厄をもたらした生き物たちを滅ぼし、星を救おうと】
233蜂女アンヌは俺の嫁!:2009/11/20(金) 21:08:06 ID:6b5Mm7gx
「われわれとは“森”のことか!? “森”はどうやって自意識を持つに至ったんだ!?」
【われわれにも、自分たちがどうやって生まれたのか見当がつかない、知性体の行った実験のせいかも知れず、
あるいはこの星の自衛本能が、われわれを誕生させたのかも知れない。いずれにせよ、気がつくとわれわれは
そこにいた。われわれは知性体のうち何体かを取り込み、われわれの一部とすることで、その知識を得た。そして
この星の現状を知り、何をするべきかをはっきり悟った。われわれはこの星のすべての植物に呼びかけ、それら
すべてにこの星の知性体に対抗できる力を与えた】
「対抗できる力、だと!?」
【われわれは生物の遺伝子を自由に組み換え、操作することができるのだ。われわれが施した改造によって、
植物たちは自由に動き回り、無限に増殖し、圧倒的な力で知性体を捕え消化する力を得た。失明光線を放つ植物が
いちばん役に立った。そして植物たちはたちまちのうちに知性体を制圧し、この星の覇権を奪い去ったのだ。
われわれは次いで、海を失ったこの星の生物を、水の少ない環境でも暮らせるように改造した。そして徹底した
リサイクルによって、残り少ないこの星の水を管理することにした】
「では、あの蜂人間たちはいったい何者なんだ? そしてあの・・・」
ジョージはアンヌの方をチラリと見た。
「・・・蜂女たちは!?」
アンヌは話を聞いているのかいないのか、超然とした態度で佇んでいた。彼女の額の触角は、既に蜂女たちと
変わらない大きさに成長し、絶えずピクピクと動いている。そしてサイバータイツごしのふくよかな乳房は、
別の生き物が胸に巣くっているかのように絶えず蠕動し、エロチックな蛇腹運動を繰り返している。
234蜂女アンヌは俺の嫁!:2009/11/20(金) 21:08:26 ID:6b5Mm7gx
巨大な樹の幹に現れたピエール・シャンブロワの顔が、ふと笑ったように感じられた。
【われわれは知性体の文明を滅ぼしはしたが、生命を無駄に奪うことはしたくなかった。だから、彼らを別の
生き物に造り変えたのだ。互いに争うことをせず、この星の資源を浪費しないような生き物にね。この星の、
地球の蜂によく似た真社会性昆虫が、よいモデルを提供してくれた。われわれは捕えた知性体の体内に触手を
伸ばし、遺伝子を組み換える特殊な同化液を使って、彼らを蜂人間に改造していった。同化液とは、地球でも
いま研究されている微小機械ナノマシン、それを有機体ベースでゼロから作り上げたようなものだ。改造が
済んだ蜂人間たちには、他の知性体を襲って同化液を体内に注ぎ、仲間を増やす力を与えた。この蜂人間たちを
地上に放つことで、わずか半年でこの星のすべての知性体は、残らず蜂人間として生まれ変わったよ。そして
蜂人間たちはいま、この星で森を管理する大切な役目を担っている。こうしてこの星には平和が戻ったのだ。
全ての生命が、自然の摂理の名のもとに幸せに暮らしてゆける、ユートピアが戻ったのだ】
平然とした口調で語られたその凄惨な話に、ジョージは背筋に冷たいものを感じた。
「では、地球人たちはどうなった!? そして蜂女たちは?」
【地球人、この者たちか。2か月前、この者たちは空から突然現れた。そして、生き物を次々と捕まえて様々な
生体実験を始めた。我々はこの者たちの1体を捕え、取り込んだ。そしてこの者たちが、われわれがかつて
滅ぼした知性体と同じ、危険な種族だということを知った。われわれにはなすべきことがわかっていた。この者
たちを捕え、改造し、森にとって無害な存在に変えねばならないことを】
「・・・それで、調査隊を全滅させたのか」
【むろん彼らの中にも、武器を持って抵抗する者たちがいた。だがこの星の上にいる限り、われわれの手のひら
の上で踊っているのと同じことだった。半日で制圧は完了したよ。そしてわれわれは捕えたこの者たちのうち、
非好戦的な科学者たちを次々とわれわれの一部として取り込んだ。そして残りの者を蜂人間に改造しようとした。
だがそれは困難だった。体内構造も、遺伝子の構成も、この星の知性体とはあまりにも違い過ぎたからだ。
試行錯誤の末、この者たちが母星から持参した遺伝子アーカイヴの中の、地球の蜂の遺伝子を使って、女性隊員
2名だけをようやく改造することに成功した。そう、地球人は女性だけしか蜂人間には改造できないのだ。
そのかわり・・・】
樹の幹に浮かんだピエール・シャンブロワの顔が、妖しい笑みを浮かべた。
235蜂女アンヌは俺の嫁!:2009/11/20(金) 21:08:47 ID:6b5Mm7gx
【地球人の女性を改造した“蜂女”は、この星の知性体を改造した蜂人間たちを大きく凌駕する、素晴らしい能力
を持つことになったよ。数千度の熱にも、絶対零度にも、恒星からの強烈な放射線にも耐えられる。寿命も、この
星の蜂人間たちが十数年なのに対し、おそらく数千年は生きられるだろう。地球母星の環境でなら、数万年から、
ひょっとしたら半永久的な寿命を見せてくれるかも知れない。そして蜂人間同様、地球の蜂に似た“真社会性”を
持っている。個体が全体を裏切ることも、全体が個体を見殺しにすることもあり得ない。まさに完璧な生物なのだ】
「・・・なるほど。ではなぜ、きみは我々をここに呼び寄せたんだ? ピエール、きみは、いやきみたち“森”は、
地球人をいったいどうするつもりなんだ!?」
【われわれの望みは、“森”の一部を地球にも広めることだよ。いまこの星は、地表のすべてが“森”の管理下
にあって、これ以上増殖の余地がない。どんな生物にもある増殖への本能が、新天地を求めているのだ。この者
たちが教えてくれた、地球という星の存在。われわれはそこに憧れる。地球をこの星と同じように、一面“森”で
埋め尽くしたい。だがそれには、それを行うにふさわしい“駒”が必要なのだ。だから、地球からきみたちを
わざわざ呼び寄せたのだ】
ピエール・シャンブロワの顔は、アンヌに向かって呼びかけた。
【・・・アンヌ】
「はい、パパ」
【わかっているね?】
アンヌは頷き、呪文のようなパスワードを唱えた。とたんにサイバータイツがするり、と脱げ落ち、陶器のように
白いアンヌの柔らかな素肌が現れた。そしてスレンダーなボディに似合わぬほどふくよかな乳房が、ぷるん、と
あらわになった。だがその乳房には、蜂の腹部を思わせる黄色と黒の同心円模様が既にはっきり浮き上がっており、
淫らな蛇腹運動を続けていた。真っ赤な泪滴状をした乳首の先からは小さな銀色の針が、しきりに出入運動を
繰り返している。その変わり果てた姿を見て、ジョージは悲痛な思いに駆られた。
そしてアンヌは、自分の股間に手を延ばしてノズルプラグをずるっ、と引き抜いた。ぷしゅっ!という音とともに
紫色の粘液が飛び散り、アンヌの膣を満たしていた、長さ10cm余り、太さ3cmほどのぶよぶよした灰青色の
物体が粘液とともに落下した。ノズルプラグを吐き出した赤い少陰唇が、まるでナメクジのようにヒクヒク蠢いた。
膣の中にずいぶん溜まっていたのだろう。アンヌの膣孔からは紫色をした粘性の液体がとめどなくトロトロと
流れ落ち、アンヌのすらりとした脚を伝って足元に大きな水たまりを作った。
ハイヒール状になったタイツから脚をすっかり引き抜き、すっかり全裸になったアンヌは、恥じらう様子もなく、
かつて父親だったものの前にその美しい肢体を晒した。
236蜂女アンヌは俺の嫁!:2009/11/20(金) 21:09:11 ID:6b5Mm7gx
【アンヌ。蜂女に託した同化液によって、お前の身体は20パーセントほどが、既に蜂女になっている。これから
われわれが、お前を直々に改造してやろう。われわれが持つ全ての技術を投入して、お前を究極の蜂女に生まれ
変わらせてやろう】
「はい、パパ!」
アンヌの声は、大好きな父の期待に応えられるという期待と歓びに満ちたものだった。
【さあアンヌ、ここに入るがいい。お前を蜂女に改造してやろう】
ピエール・シャンブロワの顔が浮かび上がった幹のやや下に、女性器のような形の大きな穴が開いた。ピンク色の
肉のような襞が絶え間なく蠢く、奇怪でエロチックな穴であった。
「はいパパ。アンヌはこれから、改造されて蜂女に生まれ変わります」
ジョージとアンヌを乗せた、浮かぶ葉が、女性器のような穴にぴたりと密着した。全裸になったアンヌは堂々と
した足取りで、その中に向かって歩いていった。
「やめろ、やめろアンヌ! やめるんだ!!」
ジョージはアンヌを止めようとしたが、その場から動くことができなかった。いつの間にか彼の足元は、無数の
蔦によってからめ取られ、固定されていたからだ。
「畜生! こいつめ! 動け、動け!!」
ジョージの足には、感覚が無くなっていた。からみついた蔦の群れはノーマルスーツを破り、ジョージの身体と
融合を始めていたからだ。周囲からうようよと集まってくる蔦や触手の群れが、ジョージの足を覆い隠し、木の
根元のように変えてゆく。
「ピエール、助けてくれ! ピエール!!」
【何を恐れているのかね、ジョージ。きみも、われわれの一部になれるのだ。これは素晴らしいことなのだよ。
さあ、抵抗をやめて、われわれの手に身体を委ねるがいい。じきに、楽になれる。至福の境地に運ばれるのだ】
ジョージは抵抗をやめ、ガックリと肩を落とした。無数の蔦や触手がジョージの姿をすっかり覆い隠すのに、
それほど時間はかからなかった。
やがて、地球人・印出壌二の意識はとだえた。代わりに、巨大な幹の表面に新たな顔が現れた。
アンヌを飲み込んだ穴が、ゆっくりと閉じていった。そして、再び沈黙が訪れた。
237蜂女アンヌは俺の嫁!:2009/11/20(金) 21:09:30 ID:6b5Mm7gx
【16】

「レイラ、邪魔をするな。あの2人をいったいどこにやった!?」
短針銃をかまえるアランに向かって、蜂女レイラはウフフフフ・・・と妖しく笑いながらゆっくりと近づいてくる。
「レイラ、答えろ!」
アランの手が小刻みに震えているのに対し、レイラはまったく動ずる気配がない。それもそのはず、蜂女の躰に
短針銃がまったく効き目のないことは実証済みであった。
レイラはアランを挑発するように、両手を自分のボディラインに沿ってなまめかしく這わせ、同心円模様の豊満な
乳房をゆっくりと揉みしだいた。そして白いエナメルの手袋をはめたような細い指を真っ赤な唇の上で遊ばせ、
そっと指先をしゃぶって見せる。ゆっくりと体側に沿って並ぶ気門の群れが、いやらしく開閉を繰り返している。
レイラの股間にナメクジのように蠢く肉のスリットから、ピンク色の蒸気がスーッ、と噴き出し、立ち昇る。
彼女が人間だった時の尿道孔は、改造されて強力な性フェロモンの蒸気を分泌する器官と化していたのだ。
その蒸気は、アランにも影響を与えていた。胸の動悸が高まったまま抑えられなくなっていたのだ。
畜生! 落ち着け! 落ち着くんだ! 何をしている、アラン!
必死に自分に言い聞かせるアランに向かって、蜂女レイラは拡げた腕を真っすぐに差し伸べ、優しく呼びかける。
「アラン、どうして抵抗するの? 今ごろはもう、アンヌもわたしたちの仲間入りをしている頃よ」
「お前たちはいったい何が目的なんだ? なぜ俺たちを襲う?」
「だって、それがわたしたち蜂女の、本能なんだもの!」
レイラは子どものように無邪気に笑った。
「人間の女が子どもを欲しがるように、わたしたち蜂女も仲間を増やしたいの。蜂女は、あの蜂人間のように
卵を産むことができないから、だから人間の女の子を襲って、無理やり仲間にするしかないのよ」
「本人の意思に反してでもか!?]
「本人の意思? 関係ないわ。だってこの世に、蜂女に生まれ変わる以上の幸せなんてあるはずがないもの!」
レイラはそう言って笑うと、自分の乳房を揉みしだいた。乳首から小さな針がゆっくりと出入を繰り返す。
アランは覚悟を決めた。レイラはもはや魔性の者。人間にとっては災いを招く存在でしかない。ならば、俺の
この手で殺すしかない。たとえ差し違えることになろうとも。それが俺の、レイラへの愛の決着のつけ方だ。
238蜂女アンヌは俺の嫁!:2009/11/20(金) 21:09:47 ID:6b5Mm7gx
「でもね、アラン」
レイラは急に甘えた声になって、アランに呼びかけた。
「蜂女にも、人間だった時の記憶と意識は、しっかり残っているの。わたし、蜂女に改造された今でも、あなたの
ことが大好きよ。だって、初めての男(ひと)なんだもの。蜂女になった今でも、忘れられるはずがない」
「・・・レイラ、お前・・・」
「ねえアラン、抱いて。蜂女になったわたしを、抱いて。わたしが人間だった時よりも、数千倍、いえ数万倍は
激しい快楽を与えてあげられるわ。だから、わたしを抱いて。もう一度、わたしを愛して」
「・・・やめろ、やめろレイラ!」
短針銃を握るアランの手が汗でにじむ。人間だった時のレイラそのままの甘い囁きが、彼の決意を鈍らせる。
「わたしたち蜂女は、みんな男が欲しいの。あの蜂人間たちとも交わってみたけど、でもあんな短いペニスじゃ
ぜんぜん物足りない。人間の男がいいの。いいえ、あなたが欲しいの。抱いて。今すぐわたしを抱いて」
レイラは手を延ばし、らんらんと目を輝かせてアランに迫ってくる。乳房の淫靡な蠕動がさらに激しくなる。
「・・・!」
ジュッ! アランは短針銃の銃爪を引いた。だが針は蜂女の皮膚を貫通することはできず、床にそのままパラパラと
こぼれ落ちた。レイラは左手を延ばして、短針銃を持つアランの右腕を握り、ぐいと後ろ手にひねった。
「無駄よアラン。抵抗は止めて、わたしとひとつになりましょう。ねえ、アラン」
「・・・やめろ、やめるんだレイラ!」
レイラの濡れたまなざしがアランの目前に迫った。半開きになった真っ赤な唇がアランの口元に近づく。
その瞬間。
ブシュッ。
「・・・ア・・・ラン・・・?」
左手に隠し持った電磁ナイフを、アランが渾身の力で蜂女の首筋に突き立てたのだ。
「許してくれ・・・レイラ・・・」
高周波振動によってチタン合金製の宇宙船外壁をも豆腐のように切断できる、彼の最後の切り札であった。
切り裂かれた首から真っ青な、人間のものではない体液を噴き出しながら、蜂女が崩れ落ちる。
「・・・ああ・・・アラン・・・」
レイラは柔和に微笑みながら、アランの方に手を差し伸べ、そのまま改造されたその身を床にバサリと横たえた。
アランはナイフを投げ捨て、レイラの身体を抱えおこして激しく慟哭した。
「・・・レイラァーッ!」
239蜂女アンヌは俺の嫁!:2009/11/20(金) 21:10:05 ID:6b5Mm7gx
アランは力尽きたレイラの身体を緊く抱き締め、改造される前とまったく変わらない、彼女の美しい顔の上に
ポロポロと熱い涙をこぼした。
「許してくれ・・・レイラ・・・お前を一人で死なせはしないぞ・・・奴らを全滅させたら、俺も、すぐに逝く・・・」
その時。
ブスッ!
「!?]
レイラを固く抱き締めた胸に、鋭い痛みを感じて、アランは思わず身を放した。動かなくなったはずのレイラの
乳房がぷるるん、と震え、針を失った乳首に新たな針が装填され、出入運動を始めるのが見えた。
レイラは目を閉じたままクスクスと笑うと、アランに抱かれた身をゆっくりと起こした。
「・・・レイラ・・・ま、まさか・・・!?」
蜂女はナイフで大きく切り裂かれた、青い体液をドクンドクンと垂らし続ける首筋の傷に手をかざした。とたんに
体液の流出が止まり、傷がみるみるうちにふさがってゆくではないか。
「・・・アランのおバカさん。蜂女は、こんな傷では殺せないのよ」
アランの胸に、銀色の小さな針が突き立っていた。意識が休息に混濁し、目の前が見えなくなってゆく。
「・・・レイラ・・・そんな・・・お前・・・・・・」
アランの目が、光を失った。唇をガクガクと震わせ、言葉にならないセリフをぶつぶつと唱えるばかりとなった。
レイラは悪戯っぽい顔でそんなアランの様子を確かめると、妖しく微笑み、両の手のひらでアランの頬をはさんで
熱く、長い口づけを行った。
レイラが唇を放しても、アランは放心したままだ。
「アラン。これであなたはもう、わたしのもの。さあ、そんな服なんか脱いでしまいなさい」
アランはカクカクと頷き、ノーマルスーツを脱ぎ始めた。下着を投げ捨て、すっかり全裸になる。
レイラはアランの前に屈み込み、彼の男根を舌で転がすように刺激した。蜂女の刺激性の唾液を粘膜に塗り込め
られて、たちまちアランの男根には張りが戻り、ギンギンに膨らんで天に向かってそそり立った。
その間も、アランの顔は呆然としたままで何の表情も表さない。
240蜂女アンヌは俺の嫁!:2009/11/20(金) 21:10:25 ID:6b5Mm7gx
レイラはそのまま口をすぼめて、アランの男根を美味しそうに頬張った。ちゅぱ、ちゅぱ、ちゅぱ、と音を立てて
舌を巧みに使いながら愛しい男の男性自身を喉の奥深くまで飲み込み、心ゆくまでむさぼった。
アランの男根の怒張は、既に頂点に達していた。先端の穴からじわじわと透明な液体が漏れ出ている。
蜂女はアランから身を引くと、脚をM字型に拡げて座った。レイラの拡げた両脚の間に、既に紫色の愛液を
噴きこぼしながら軟体動物のように淫らな蠕動を繰り返している、真っ赤な肉の亀裂が拡がっている。
人間離れした真っ青なボディに、絶えず蠕動を続ける黄色と黒の蜂の乳房、そして股間に花開いた真っ赤な肉孔。
それは明らかに人間の女性のものではなかったが、喩えようもなくエロチックで、淫靡な美しさに満ちていた。
「・・・さあ、アラン。わたしを抱いて! 抱きなさい! 蜂女に生まれ変わったわたしの身体を、思う存分貫いて!
人間の女が相手では決して味わえない、ふたりだけの至高の快楽の園に、連れていってあげるわ」
レイラが、アランに行為を促した。
「さあ!」
アランはうぉおおおお!と吼え、横たわるレイラ目がけて襲いかかった。蠕動を続ける蜂の乳房を鷲掴みにし、
自分のそそり立った男根を、前戯も無しにレイラの拡げた股間めがけて突き入れる。
「・・・あああッ!!」
ビンビンにいきり立ったアランの肉茎が、既に処女を喪失した部分を目がけて、ぐぐい、と侵入する。
「・・・ああ・・・アラン! 好きよ! 好きよ! 好き! ・・・あウッ! ・・・あウッ! ・・・はぁッ! ・・・はぁッ!」
蜂女に改造されたレイラも、渾身の力でアランの陰茎を締め付け、一匹の牝となって狂ったようによがった。
人間の男と蜂女。一人と一体のまぐわいは次第に激しさを増し、周囲の空間はレイラの放つ性フェロモンの
甘い香りと、ぶちゅっ、ちゅぱっ、ぶちゅっ、という卑猥な音、それに絶え間ない蜂女の嬌声で満たされた。
「・・・あウウッ! ・・・あウッ! ・・・はぁッ! ・・・はぁッ! ・・・あぁンッ! ・・・あぁンッ! ・・・あああンッ!」
241蜂女アンヌは俺の嫁!:2009/11/20(金) 21:10:45 ID:6b5Mm7gx
【17】

その頃、16歳の絶世の美少女アンヌ・シャンブロワは、“森”の中心部にある巨大樹の中で“森”の意思に
よって改造され、完全な蜂女として生まれ変わろうとしていた。
そこは、レイラがかつて蜂女に改造されていったベッド状の花弁よりも、さらに一回り大きく豪華な印象の、
植物体で作られたベッドだった。アンヌは自分の触角に呼びかける父親の声に応えるように、平然と自分から
ベッドの上に横たわり、両手両脚を大の字に伸ばして運命の時を待った。
スルスルと蔓のようなものが四方から伸び、アンヌの両手両足首を縛るように固定した。
まだ男を知らない16歳の処女の、ピチピチで柔らかな白い肌が眩しい。同化液の洗礼を受けて、既に身体の
2割ほどが蜂女化しているはずだったが、絶え間なく蠕動する蜂の乳房以外は、普通の人間と変わりがなかった。
しどけなく拡げられた両脚の間、永久脱毛されたこんもりしたふくらみを縦に割って走る亀裂の中には、美しい
ピンク色の肉の襞が花開き、紫色の粘液をトロトロと分泌しながら絶え間なくヒクヒクと蠢いている。
《ああ・・・わたし、もうすぐ改造されちゃうんだ。やっとこの身体ともお別れなんだ・・・》
この時アンヌはまだ、人間としての意識を保っていた。自分がこれからどのような目に遭おうとしているのかも、
冷静に把握していた。ただ触角からの洗脳によって、蜂女になることに対しての嫌悪感と恐怖心は消されており、
逆に改造に対する強い期待と憧れの感情が植え付けられていたのだ。
《まだ始まらないのかな? ・・・早く、早く改造して欲しい! 早く完全な蜂女になりたい! ・・・早く! 早く!!》
アンヌの脳裏に、蜂女に改造されたレイラの美しい姿が、そしてチアキやデボラの姿が浮かんだ。ああ。わたしも
早くあの姿になりたい。こんなぶよぶよした人間の肌は早く捨てて、あの美しい青い皮膚で全身を包まれたい!
突然四方八方から、無数の蔦か触手のようなものがわさわさと延びてきて、アンヌの全身に襲いかかった。
来た・・・! と思ったアンヌは思わず全身を固くした。
触手の群れはアンヌの全身をまさぐり、舐めまわし、敏感な箇所をいたぶるように執拗に責め立てた。
「・・・あッ・・・ああッ・・・あうッ・・・あうッ・・・はぁッ・・・はぁッ・・・あうッ・・・あうッ・・・ああううッ・・・」
242蜂女アンヌは俺の嫁!:2009/11/20(金) 21:11:04 ID:6b5Mm7gx
性感帯をそんなふうに一度に責められた経験が無いアンヌは、たちまち官能のとりことなり、身体をくねらせて
切なくあえぎ始めた。顔は真っ赤に紅潮し、同心円模様が刻まれた乳房の蠕動はますます激しくなった。股間の
肉の孔からは、蜂女特有の紫色の愛液がとめどなくほとばしり出て股の間を濡らしてゆく。
かつて“森”が地球人を初めて捕え、蜂人間に改造しようとした際、障害となったのが精神的な拒絶反応だった。
地球人は精神の状態が全身の細胞の活性に影響を及ぼす種族であるらしく、苦痛や屈辱、恐怖や拒否感情に
支配された状態ではじゅうぶんな改造を行うことはできなかった。そこで“森”は、改造する対象を性的な
エクスタシーの状態に導き、全身の細胞を活性化し脳内麻薬の分泌をピークにした上で改造する手段を編み出した。
それでも、男性を蜂人間に改造することは不可能であった。男性の性的エクスタシーは非持続的で限定的であり、
数時間はかかる改造の間じゅう持続させることは困難だったからだ。だが地球人の女性は、エクスタシー状態を
長時間保つことができた。体内に子宮という、体組織改造を行う基地として最適の器官を持っていることも有利
に働いた。こうして“森”は、捕えた地球人女性をセックスを模した方法によって、エクスタシーを与えつつ
蜂人間に改造する方法を編み出したのだ。
いま、アンヌが受けている全身の性感帯への責めは、そのための第一歩であった。
触手のうち何本かが、アンヌの身体に開いた穴の中に侵入を開始した。口腔にひときわ太い改造触手が潜り込み、
狂ったように暴れ回った。改造触手の先端の孔からは紫色の同化液がプシュー!プシュー!と噴き出し、アンヌの
喉の奥にトロトロと流れ込んでゆく。むせかえるような強烈な刺激がアンヌを襲い、恍惚とさせる。さらに
口腔から飛び出した改造触手はアンヌの顔面に向かって、同化液をビュッ、ブシュッ!と吹き掛け、彼女の
紅潮した愛らしい顔を紫色の粘液まみれにした。同化液は皮膚の表面からも体内に侵入できるため、アンヌの
顔面は少しずつ、人間ではないものに変わってゆく。うぶ毛がすべて抜け落ち、毛穴や汗腺が消失してゆく。
「・・・あッ! ・・・あッ! ・・・いやッ! ・・・あうッ! ・・・あうッ!・・・」
アンヌの肛門には細目の改造触手が3本同時に潜り込み、互いにすり合わせながら直腸の中を何度も往復した。
そして紫色の粘液をとめどなく噴きこぼす膣孔の周辺を、数本の改造触手が同時にまさぐった。侵入はしないまま
じわじわと肉襞の上を這いずり回り、同化液を粘膜に塗りこめていった。膣孔の襞が改造触手の侵入を求めるかの
ように、ヒクヒクと切なく蠢いた。また別の改造触手はアンヌの陰核にまとわりつき、ぐりぐりと触手の先端で
際限なく小さな愛らしい肉の豆を責め立てた。
「・・・ああッ・・・だめぇ・・・だめよ・・・ああン・・・だめぇ・・・ああン・・・ああン・・・あふぅ・・・あふぅん・・・」
首筋を、脇腹を、太ももの内側を、全身のありとあらゆる性感帯を触手の群れが刺激し、官能の波を高めていった。
既に、アンヌの受け入れ体制はじゅうぶんに整っていた。彼女の股間に艶やかに咲いた肉の孔は、粘液にまみれた
口をパクリと拡げ、侵入の瞬間を今か今かと待ちかまえていた。
243蜂女アンヌは俺の嫁!:2009/11/20(金) 21:11:21 ID:6b5Mm7gx
そしてついに、ひときわ太くて長い、先端に小さな穴の開いた触手が現れた。太さ5センチはあろうかと思われる
その改造触手の先端は、男性の陰茎のようにひときわ太い蛇のかま首状となっており、先端の表皮はずるりと
めくれ上がって赤い粘膜が露出していた。
その姿を認めたアンヌは、思わず顔を赤らめた。医学書の挿絵で見たことがある男性性器のかたちに、あまりにも
酷似していたからだ。
《いよいよだわ・・・いよいよ、改造が始まるんだ。・・・わたし、蜂女に改造されちゃうんだ》
不安と期待で、アンヌの胸の鼓動は早鐘のように激しく高まった。
かま首をもたげた改造触手はゆっくりと侵入箇所を見定めるように動いて狙いを定め、紫色の愛液で濡れそぼった
アンヌの秘孔目がけて、勢いよく飛び込んだ。
「・・・キャアアッ!」
アンヌの膣孔に潜り込んだ改造触手は、そのままぐいぐいと力任せに中に押し入ってゆく。ピンク色の処女膜が
押し広げられ、プチッと千切れて鮮血がほとばしった。
「・・・痛い! ・・・痛い! ・・・やめて!やめて! ・・・イヤあッ!」
アンヌはこれまでも自らの膣に、ノズルプラグを奥深く挿入していた。だがぶよぶよの柔らかいノズルプラグは
生理用のタンポンのように、彼女の処女膜を傷つけるようなことはしなかった。だが今、アンヌの秘所目がけて
侵入しつつある巨大な改造触手は、まるで木製のバットのように固く、また彼女の未成熟の膣が受け入れるには
あまりにも太く大き過ぎた。
破瓜の苦痛にアンヌは思わず泣き出した。だが改造触手はそれには構わずにズブズブと奥に侵入し、ついには
先端から20センチほどがアンヌの胎内深くに飲み込まれた。
予期しなかった処女喪失の苦痛に、涙をポロポロこぼしながらえっえっ・・・と泣きじゃくるアンヌ。
だが股間に集まった改造触手の群れは、彼女を泣かせたままにはしておかなかった。
膣への挿入が始まったとたん、クリトリスを刺激する触手、肛門をまさぐる触手の動きがいっそう激しくなり、
彼女をさらなる激しい快楽の園へと連れ戻したのだ。
「・・・あ! ・・・あ! ・・・ああ! ・・・あッ! ・・・あッ! ・・・あうッ! ・・・あうッ!」
244蜂女アンヌは俺の嫁!:2009/11/20(金) 21:11:38 ID:6b5Mm7gx
膣の奥深くに挿入されたひときわ太い改造触手が、表面の襞をうねうねと激しく蠕動させながら、蛇のように
のたうち回り始めた。それと同時に触手の先端の穴から、大量の紫色の粘液、すなわち同化液がズブズブと
大量に分泌され、アンヌの子宮めがけてドクドクととめどなく注ぎ込まれていった。
「・・・ダメぇ・・・いやぁ・・・やめて・・・やめて・・・ああッ・・・あうン・・・あうぅん・・・はうっ・・・はうっ・・・」
破瓜の苦痛に代わって、強烈な快感の波がアンヌを呑み込んだ。ノズルプラグの刺激で得ていたものとは桁違いの
凄まじい快楽の嵐が、アンヌの股間から脳天に突き抜け、彼女の理性を官能の渦の中に投げ込み翻弄した。
それは、処女のアンヌが初めて味わう、凄まじい性の饗宴であった。
「・・・あうン・・・はぁうン・・・はぁッ・・・はぁッ・・・はぅうン・・・はぅうン・・・あうン・・・あうン・・・ああッ・・・」
子宮内に達した同化液は、子宮壁粘膜を通ってアンヌの血液中に侵入し、そのまま血流に乗って全身を駆け巡った。
そしてアンヌの全身の細胞を侵食し、遺伝子情報を書き換えて、彼女の肉体を地球人の女性から蜂女へと変化させ
てゆく。
「・・・あうン! ・・・ああぅン! ・・・はうぅン! ・・・はぁッ! ・・・はぁッ! ・・・はうッ! ・・・はうッ!・・・」
全身を貫く狂おしい快感に身を委ね、アンヌは歓喜の涙を流しながらあえぎ続けた。触手の愛撫に合わせて身体を
妖しくくねらせ、悶え、ひたすらあえぎよがった。快楽のあまり泣きじゃくり、何度も絶叫し、気を失い、
また息を吹き返して悦びのあまり激しくむせび泣いた。
気持ちがいい! 気持ちがいい! 死んでしまいそうなくらい気持ちがいい! この快楽をもっともっと味わいたい。
もっとよ! もっと! 我慢できない! もっとわたしを快感で狂わせて欲しい!
とめどない快楽に身を委ねて、アンヌは自分から腰を持ち上げ、夢中になって前後に揺すった。かたちのよい
引き締まった尻を、クイッ、クイッとリズミカルに揺さぶった。腰を動かすことで、官能の波はさらに高まった。
アンヌは狂ったように腰を振った。果てしなく湧き出る快感を無我夢中でむさぼった。悦びのあまり泣きじゃくり
ながら、アンヌは激しくよがり、あえぎ、のたうった。それはもはや16歳の清楚な処女ではなく、性欲に飢えて
悶え狂う一匹の牝であった。
245蜂女アンヌは俺の嫁!:2009/11/20(金) 21:11:59 ID:6b5Mm7gx
そして、アンヌの白く輝く裸身が、少しずつ変化を始めた。
全身の皮膚が、鮮やかな青い色に染まり始めた。全身のうぶ毛が抜け落ち、毛穴や汗腺が消失し、皺が消えた。
みるみるうちにアンヌの全身の皮膚は、なめし皮のようにしなやかで真っ青な、蜂女の皮膚へと変化していった。
手首と足首だけが白く染まり、長手袋とロングブーツを履いているかのようなエナメル質に変化していった。
手の指からは爪が消失し、脚の指はひとつに融合し、かかとはハイヒール状に変形した。
既に黄色と黒の同心円模様がはっきり浮かび上がっていた彼女の乳房にも、変化が現れた。それまで人間の乳房と
同じように重力に押しつぶされていた乳房がゆっくりと持ち上がり、前に張り出したロケット型のかたちを綺麗に
整えた。そして今までにも増して激しく、蛇腹状の蠕動蠕動を始めた。真っ赤な泪滴状をした乳首の先では、
銀色の小さな針が狂ったように激しい出入運動を行い、アンヌの脳に強烈な快感のパルスを伝えていった。
蜂女の同心円模様の乳房は、さまざまな化学物質を合成できる工場であった。およそ生物が体内で作り出せる
高分子化合物であればどんなものでも、乳房の内部で即座に合成可能であった。そして、“森”から託された
植物の種をしまっておく空間でもあった。種やカプセルに入れられた化学物質は必要に応じて針に装填され、
乳房を彩る同心円状の筋肉の運動によって勢いよく射出される。その射程距離はおよそ20メートル。勢いを
つければ厚さ5センチの鋼鉄板を貫通することも可能であった。
246蜂女アンヌは俺の嫁!:2009/11/20(金) 21:12:14 ID:6b5Mm7gx
アンヌの乳房以外の全身の器官も、どんどん人間ではないものへと造り変えられていった。
表皮を残して筋肉が、骨が、内臓が、いったんグズグズに溶かされた後、蜂女のものに組み上げられていった。
既にアンヌの体内には、人間の骨格は存在していなかった。皮膚のすぐ内側を覆う外骨格にとって変わられたのだ。
脊柱は痕跡だけのものとなり、脊髄の代わりに腹髄が形作られた。それまでの脳に加えて、乳房の奥に第2の脳が、
お尻の中に第3の脳が、左右対称に形作られた。胸部の脳は乳房の活動をコントロールするための、臀部の脳は
全身の運動と性行動を司るためのものであり、3つの脳が同時に破壊されない限り、蜂女は活動可能であった。
アンヌの人格は、3つの脳に同時に存在していた。たとえ頭部を失っても、再生すればそれで良かった。もっとも
集団でひとつの意識を共有する蜂女たちにとっては、個人の我の存在など、たいした意味を持つものではなかった。
そしてアンヌの体側に沿って、12対の気門が脇腹から太ももにかけて一直線に口を開いた。もはやアンヌの身体
には、人間の肺や気管支といった呼吸器官は存在していなかった。全身に張り巡らされた気管系が、気門のすぐ
内側にある、全身に空気をくまなく供給する強力な空気ポンプが、その代用を果していた。
「・・・はうッ! ・・・はうッ! ・・・あうッ! ・・・あうッ! ・・・ああッ! ・・・あああッ! ・・・あうン! ・・・あうン!」
アンヌの激しいあえぎ声に合わせて、24個の気門はパクパクと開閉を繰り返した。
《・・・ああ・・・わたし・・・蜂女に・・・なってゆくのね・・・幸せ・・・アンヌはとても・・・幸せよ・・・パパ・・・》
恍惚と忘我の境地で官能に身を任せながら、アンヌはぼんやりとした意識の中で、蜂女に変わってゆく自分の
肉体の感覚を、強烈な喜びとともに感じていた。
改造触手の侵入から、既に数時間が経過していた。巨大な花弁のベッドの上で大の字に両手両脚を縛られ、
股間に太い触手を呑み込んだまま快楽にあえいでいるのは、もはや地球人の美少女ではなかった。
それは青いしなやかなボディと同心円状の乳房を持った、地球人女性のシルエットを持った巨大なメスの蜂、
『蜂女アンヌ』であった。
247蜂女アンヌは俺の嫁!:2009/11/20(金) 21:12:33 ID:6b5Mm7gx
【18】

無数の襞が蠢く巨大樹の幹に、再び女性器のような形の穴が開いた。その中から、完全な蜂女に生まれ変わった
アンヌ・シャンブロワが、改造されたばかりの身体を誇らしげに晒しながらゆっくりと現れた。
ロケットのように前に貼り出した、同心円模様の豊満な乳房。蜂のように細くくびれた腰。長くスラリと伸びた
両脚。それは、人間女性と蜂が見事に融合した、神の造形物とも言うべき美しい姿であった。
アンヌは両手を胸に当てて祈るようなポーズをとった。すると彼女の背中から、半透明の美しい4枚の翅が
花が開くようにふわりと伸び、光の粒子を振りまいてキラキラと輝いた。
【無事に改造は終了したようだね。アンヌ、気分はどうだい?】
幹に現れたピエール・シャンブロワ教授の顔に向かって、蜂女になったアンヌは晴れやかな笑顔で答えた。
「素敵よ、パパ! 改造してくれてありがとう!」
蜂女アンヌはそう言うと、クルクルとその場でバレエのステップを踏んだ。輝く翅を拡げて華麗に舞うその姿は
まさに可憐な妖精そのものであった。
【アンヌ。お前の身体はわれわれの手によって、完全な蜂女に生まれ変わった。若く美しいそのままの姿で、
あと数万年は生きることができるだろう。だがお前の身体は、まだ完璧に目覚めているとは言えない。それは
お前がまだ、男を知らないからだ。男を知らないということは、自分の肉体の使い方をまだ知らないということだ。
男に抱かれる悦びを知って初めて、お前は完璧な蜂女として覚醒することができる】
アンヌはこっくりと頷いた。
「じゃあ、どうすればいいの? パパ」
【お前のために、初めての男を用意した。さあ、生まれて初めての性の交わり、たっぷりと楽しんでくるがいい】
「はい、パパ!」
アンヌは無邪気に笑った。無数の触手が床から渦を巻くように出現し、アンヌの身体をからめ取ると、床の中に
呑み込まれるように消えた。
248蜂女アンヌは俺の嫁!:2009/11/20(金) 21:12:53 ID:6b5Mm7gx
そこは、かつてレイラが改造された、巨大な花弁ベッドのある無数の光で照らされた部屋だった。
その中央に突然、触手の群れに包まれてアンヌが出現した。彼女は不思議そうに周囲を見渡すと、ベッドの
両脇に佇む黒髪と亜麻色の髪の蜂女を認めて、無言のまま触角を震わせて挨拶をした。
蜂女はお互いに、無意識的なテレパシーによって常にひとつの意識を共有していた。一体の蜂女が見たこと、
知ったことを、瞬時に全員に伝えることができた。だがそれでも蜂女たちには、人間だった時の人格と記憶が
はっきりと残っている。だからある物事に対して、蜂女どうしで意見が二つ以上に分かれることもあり得た。
そんな時、蜂女たちは争うことなく、触角を使って静かに対話と議論を交わすのだった。意識内のすべてを
さらけ出すため、蜂女どうしの間では嘘や裏切りは存在し得なかった。あるのは互いの存在を尊重し合う、
強い愛情にも似た連帯感だけであった。
アンヌは花弁ベッドの上に這い登り、身体を大の字に拡げてきたるべき時を待った。
しどけなく拡げられたアンヌの両脚の間には、真っ青な恥丘を縦に割って走るスリットがあり、その中央には
真っ赤な肉の襞が、ナメクジのようにヒクヒクと蠕動を繰り返していた。スリットの下端からは、紫色の粘液が
会陰伝いにトローリと流れ落ち、花弁の上に小さな水たまりを作っている。
やがて部屋の壁に穴が開き、蜂女レイラが一人の地球人の男を連れて現れた。光を失った目でぼんやりと佇む
全裸のその男は、かつての腕利きハンター、アラン・カルテマンであった。
レイラが乳首から放った洗脳催淫剤入りの針を受けたせいで、アランはもはや、思考能力をもたない抜け殻と
化していた。その代わり彼の性欲はそれまでの数十倍に高められており、今も彼の股間にはいきり立った肉茎が
天を指してギンギンに張り詰めていた。先端の孔からは既に透明な液がにじみ出ている。
アランは既に、蜂女となったレイラの胎内に、5回射精していた。そして男を求める蜂女チアキと蜂女デボラ
とも2回ずつ交わり、射精を済ませていた。蜂女にはおよそ我欲や独占欲が存在しないため、レイラは喜んで
アランと2体の先輩蜂女たちとのセックスを手助けした。
チアキたち2体の蜂女は、改造される前はおカタい大学の院生であったせいか、人間だった時の性経験が極めて
少なかった。特にデボラには、男性経験がたったの一度しかなかった。それも14歳の時、飛び級で進学した
ハイスクールの教員にレイプされたという悲惨な体験であった。
蜂女に改造されてからの彼女たちは、性の悦びに覚醒し、お互いの改造触手を使って愛し合うのを常としていた。
日に何度かは、蜂人間たちとのセックスも楽しんでいた。だがペニスの長さが10センチほどしかない蜂人間たち
とのセックスは、女の悦びに覚醒した彼女たちにとっては決して満足のゆくものではなかった。
そんな彼女たちだから、アランの大振りなペニスには狂喜してむしゃぶりつき、改造されたその肉体を駆使して
性の悦びを心ゆくまで満喫した。
蜂女たちはアランの射精が終わると、即座に乳房の中で精力剤と媚薬を調合して彼に針で注射した。すると再び、
しなびたはずの彼の陰茎は欲望に張りつめて次の性交に備えることができるのだった。絶え間なく注射される
化学物質はアランの脳髄を深く蝕み、アランは今や、再現なく蜂女たちとのセックスを強要される哀れな性の
奴隷と化していた。
249蜂女アンヌは俺の嫁!:2009/11/20(金) 21:13:11 ID:6b5Mm7gx
そしてアンヌの改造が終了したことを知った蜂女たちは、アンヌの生まれて初めてのセックスの相手をさせるため、
可能な限りの媚薬と精力剤、栄養剤をアランに打ち込み、この部屋に連れてきたのだ。
アンヌは自分の初めての男となるのがアランだと知り、内心とても嬉しかった。なにしろ彼女がまだ人間だった時、
彼女は美形のアランにこっそり憧れていたのだ。
アンヌは仰向けのまま上体を起こし、膝を立ててM字型に脚を開いた。真っ青な股間に花開いた真っ赤な肉の襞が
ヒクヒクと蠢いてアランを誘っている。
「・・・きて、アラン!」
アンヌの顔は期待で紅潮し、目はらんらんと輝いていた。
「さあ、アラン。その娘(こ)を抱いておあげなさい」
レイラの合図で、アランはうおおおおおッ!と叫び、アンヌの肢体に飛びついた。両手でアンヌの蜂の乳房を
荒々しく揉みしだき、彼女の愛らしい小さな唇にむしゃぶりついては口腔の中の舌を自らの舌で玩んだ。
そして何度か腰を浅く突き入れて孔の位置を確認すると、ギンギンにいきり立った肉茎を、蜂女アンヌのまだ
穢れを知らない神聖な場所に、ぐいッと乱暴に突き入れた。まだ男を受け入れたことのない、ピンク色の肉の
孔が押し広げられ、アランの太く固い怒張が、その中にぐいぐいと押し込まれてゆく。
「・・・ああッ! ・・・痛ッ!」
いくら改造触手によって処女膜を破られた後だとはいっても、それはまだ数時間前のことだ。アンヌの膣はまだ
挿入に慣れているとは言えなかった。アランの乱暴で性急な挿入に、アンヌは思わず苦痛の表情を浮かべた。
処女の本能が働き、あわてて腰を引こうとする。
《アンヌ! 我慢しなさい! それを越えると気持ちよくなるから!》
《そうよ、もっと腰を前に出して、密着させて! そう、その調子、その調子!》
3体の蜂女が花弁ベッドの傍に跪き、触角を震わせてアンヌを応援する。アンヌはガクガクと頷き、自らの膣
いっぱいに受け入れたアランの陰茎を、渾身の力で締め上げようとする。
「・・・ああッ! ・・・ああッ!」
アランが抽送を開始した。アンヌの華奢な上半身をしっかりと抱き締めたまま、ゆっくりと腰を動かし始めた。
「・・・あうッ! ・・・あうッ!」
アンヌの改造された膣の中を、巨大な肉の塊がぐいぐいと往復する。ちゅぱッ、ちゅぱッ!と卑猥な音とともに
一人と一体が結合した部分からは紫色の愛液がほとばしり出て、股間を濡らしてゆく。
250蜂女アンヌは俺の嫁!:2009/11/20(金) 21:13:30 ID:6b5Mm7gx
《そうよ、アンヌ。もっと、もっと、腰を振って!》
《腰を持ち上げるの。そうそう、そして、もっともっと締め付けるのよ!》
《脚をからめなさい。そうすればもっと密着できるから! そう、その調子!》
3体の蜂女たちのアドバイスにガクガクと頷き、アンヌは必死で腰を使った。腰を動かすとともに凄まじい官能
の波が生まれて、アンヌの意識を遠くさせる。
「・・・あぅん・・・あぅん・・・はぅッ・・・はぅッ・・・あぅ・・・あぅ・・・はうぅん・・・はぅん・・・はぅッ・・・はぅッ・・・」
アンヌは既に、痛みも苦痛も感じていなかった。ただ性の交わりの悦びだけが、彼女の感覚を満たしていた。
生まれて初めての性交であるにも関わらず、アンヌはもう、女としての悦びに完全に目覚めていた。
蜂女としての本能に火が灯り、アンヌは改造された肉体を、アランの逞しい身体と夢中で打ち付け合った。
改造された蜂の乳房をなまめかしく蠕動させながら、アランの筋肉質の胸にエロチックに擦り寄せた。
改造された膣でアランの分身を飲み込み、渾身の力で締め付け、切ないあえぎ声を上げてよがり狂った。
その姿は、まさに一匹の性欲に飢えた牝の蜂であった。
「・・・あうぅッ! ・・・ああぅッ! ・・・あぅン! ・・・あぁン! ・・・はぅン! ・・・はぁぅン! ・・・あぅン! ・・・あぅン!」
アンヌは、蜂のように細くくびれた腰をくねらせ、かたちのよい引き締まった尻をリズミカルにクイッ、クイッと
動かした。改造されて涙腺を失った目を歓喜でうるませむせび泣き、甘く激しい嬌声をひっきりなしに上げながら
ひたすら悶えのたうった。蜂女に改造された者だけが味わえる至高の性の快楽を、狂ったようにむさぼり味わった。
アンヌの体側に沿って並んだ12対の気門が、アンヌのあえぎ声に合わせて、激しい開閉を繰り返す。
「・・・はうぅッ! ・・・はうぅッ! ・・・あうッ! ・・・あうッ! ・・・あうッ! あうッ! あうッ! アッ!アッ!アッ!」
やがてアンヌとアランは、同時に絶頂に昇りつめた。
「・・・ああぅぅッ! ・・・あぅッ! ・・・ああッ! ああッ! ああああぅーーーッッ!!!」
アンヌは髪を振り乱して大きく絶叫した。アランはオウ、オウ、オウ、と吼え、アンヌの胎内に白濁した男の
エキスを、煮え滾った欲望の粘液を、どぴゅっ、ぶしゅっ、じゅぱッと勢いよくぶち撒けた。
アンヌの改造された膣内に白濁した粘液が迸り出ると、彼女は本能的に膣壁をキュイーンとすぼめた。
注ぎ込まれた雄のエキスを、一滴たりとも逃がすまいとするかのように。
251蜂女アンヌは俺の嫁!:2009/11/20(金) 21:13:46 ID:6b5Mm7gx
「・・・はあっ・・・はあっ・・・はあっ・・・」
アランは力尽きた自分の身体を、アンヌの改造された蜂の乳房の上に横たえた。同心円模様が刻まれた乳房は
アンヌの荒い息に合わせて蛇腹状に激しく蠕動し、アンヌの体側に並んだ気門の群れも、激しい開閉を繰り返した。
激しい性交を終えた一人の人間と一体の蜂女は、ぐったりとなってお互いの身体を重ねながら、セックスの余韻を
名残惜しむかのようにお互いの身体を愛撫した。アンヌはアランの頬を両手ではさんで自分の口元に引きつけ、
熱い口づけを交わした。
《さあ、アンヌ。仕上げよ》
レイラの触角による合図に、アンヌはコクンと頷いた。アンヌはアランの胸に組み敷かれた、自分の同心円模様の
乳房をぷるるん、と震わせた。ニョキッと勃った乳首の先に銀色の針が覗いたかと思うと、アランがウッ、と
叫んで気を失った。
アンヌは構わずに、アランの胸に突き刺した針を通して、アランの体内に何物かを続々と埋め込んでいった。
そのたびに、黄色と黒の同心円模様が妖しく蛇腹運動を繰り返す。
「アランさん、起きなさい。起きて下さい」
アンヌが優しく微笑んで呼びかけた。アランは首を振るとゆっくりと身を起こし、アンヌと繋がっていた股間
から自分のしなびきった陰茎を引き抜いた。アンヌの肉孔からは紫色の粘液がジュクジュクと溢れ出て、花弁
ベッドの上をしとどに濡らした。
アランはふらふらとした足取りで立ち上がると、次の命令を乞うかのようにレイラの方を見た。
アンヌもゆっくりと上体を起こし、大きく伸びをした。そして自分の股間にまだ残る、アランの陰茎の余韻を
確かめるかのように下腹部に手を当てながら、花弁の上にゆっくりと立ち上がった。
《おめでとう、アンヌ。あなたはついに男を知ったわ。これであなたももう、一人前の女よ。蜂女よ》
アンヌは嬉しそうに微笑むと、自分の身体を確かめるように眺め、両手で自分の乳房を、腰を、尻を、ゆっくりと
愛撫した。そしてクスッと妖しく微笑むと、腰をなまめかしく振りながら両手を横に大きく伸ばし、背中の翅を
拡げた。光を浴びてキラキラと輝く美しい翅と、妖艶なボディのコントラストは、魔界の天使のようであった。
アンヌは生まれ変わった自分に言い聞かせるように、高らかな声で宣言した。
「・・・フフッ・・・わたしは蜂女!・・・改造されて生まれ変わった、わたしは蜂女! わたしは、蜂女!」
252蜂女アンヌは俺の嫁!:2009/11/20(金) 21:14:06 ID:6b5Mm7gx
【おめでとうアンヌ。これでお前は、ついに完璧な蜂女となった】
「・・・パパ!」
ピエール・シャンブロワ教授、いや“森”の声がいずこからか聞えてきた。
【アンヌ。人間だったお前をこの星に呼び寄せたのは、お前に大切な使命を託すためだ。それは、お前たちが
人間だった頃に住んでいた星、地球を、“森”で満たし、知的文明の災禍から星を救うことだ】
蜂女アンヌは神妙に頷いた。
【お前は今から、アラン君とともに元の輸送船に乗り、こっそりと地球に帰るのだ。輸送船の燃料電池は、蜂人間
たちに修復させてある。地球に着いたらお前は、周囲にいる若い女性たちをよく吟味し、隙を見て蜂女に改造して
ゆくのだ。お前たち蜂女は子孫を残すことはできないが、人間の女性を襲ってねずみ算式に蜂女に改造できる力を
持っている。男たちに気付かれないよう、こっそりと、仲間を増やしてゆくのだ】
「はい、パパ。これを使えばいいのね?」
アンヌは自分の股間に指を伸ばし、割れ目を押し広げて見せた。真っ赤な肉の孔から、黄色と黒の縞模様の触手が
ずいっ、と現れ、かま首をあげて先端の孔から紫色の同化液をピュッ、と噴き出した。
【そうだ。それでいい。一方、アラン君の体内にはさっきお前が埋め込んだ、この星の植物たちの種子が詰まって
いる。彼には地球の適当な場所で、木になってもらおう。地球における“森”の最初の一本になってもらうのだ。
そしてお前たち蜂女は、“森”を守り、育てるのだ。“森”が地球の人間たちを制圧するのに充分な力をつける、
その日のために】
アンヌは頷き、アランもゆっくりと頷いた。
【デボラ、チアキ、レイラ。きみたちは万が一、アンヌたちが失敗した時のために、この星で待機してもらう。
アラン君をアンヌに託すかわりに、きみたちには代わりの男を用意した。みるがいい】
驚くレイラたちの前に、壁に開いた穴から一人の全裸の男が現れた。アラン同様、洗脳催淫剤で抜け殻のように
されているその男は、蜂人間たちの巣に落下したはずのドグ・ドイカムだった。
3体の蜂女たちは狂喜して、ドグの陰茎目がけて群がった。
【さあ、ゆくのだアンヌ、アラン君。きみたちが、地球における新しい、アダムとイヴになるのだ!】
蜂女に改造された美少女アンヌと、“森”の種を宿した地球人アランは、頷き合うと互いに手を取り、光溢れる
空間の中へとゆっくり歩み出していった。
                                          (おわり)