1 :
名無しさん@ピンキー:
_人人人人人人人人人人人人人人人_
> ごらんの有様だよ!!! <
 ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^
_______ _____ _______ ___ _____ _______
ヽ、 _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ 、 ノ | _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ 、 |
ヽ r ´ ヽ、ノ 'r ´ ヽ、ノ
´/==─- -─==ヽ /==─- -─==ヽ
/ / /! i、 iヽ、 ヽ ヽ / / /,人| iヽヽ、 ヽ, 、i
ノ / / /__,.!/ ヽ|、!__ヽ ヽヽ i ( ! / i ゝ、ヽ、! /_ルヽ、 、 ヽ
/ / /| /(ヒ_] ヒ_ン i、 Vヽ! ヽ\i (ヒ_] ヒ_ン ) イヽ、ヽ、_` 、
 ̄/ /iヽ,! '" ,___, "' i ヽ| /ii"" ,___, "" レ\ ヽ ヽ、
'´i | | ! ヽ _ン ,' | / 人. ヽ _ン | |´/ヽ! ̄
|/| | ||ヽ、 ,イ|| | // レヽ、 ,イ| |'V` '
'" '' `ー--一 ´'" '' ´ ル` ー--─ ´ レ" |
>>1 いちおつ〜。
前スレも700ぐらいまでは大丈夫なんじゃなかろうか。
…私は…ここから >>1と新しい関係を作りたい
相手が>>1とならきっと―
>>1乙
5 :
名無しさん@ピンキー:2009/10/17(土) 05:21:45 ID:tM+QPYWN
いちおつ
9 :
名無しさん@ピンキー:2009/10/22(木) 21:00:59 ID:C719PAFB
謎なマイナーカポーSS投下します。
内容は
矢野→風早→←爽子
の矢野の片思いです。
キスの描写があります。
エロ描写は一切ありませんorz
苦手な方はタイトル「雪と涙と罪悪感」スルーでおねがいします。
携帯からなので改行など、おかしな点があるかもですが御了承ください。
12 :
雪と涙と罪悪感:2009/10/24(土) 08:52:52 ID:wJqR/soA
カレシは断然年上でしょ。
だって年下とか同学年の男子って低レベルな奴ばっかり。みんな馬鹿みたいに見えるんだもん。
あと嫉妬とか束縛とか面倒くさいから嫌。
嫉妬とかって何か醜いし。
私恋愛していても自由でいたいし。
大人っぽい人とスマートな恋愛がしたいんだ。
あたしは。
なんて、思ってたんだ。
「ごめん今日図書館寄るから先行くわ」
「じゃーねーやのちん」
「ま、また明日!!」
「寒……」
首に巻いたマフラーに顔を少しうずめ、手をブレザーのポケットに突っ込んで廊下を歩いた。
こんな日にはもう冬なんだなぁとしみじみ思う。
昇降口まで来て、足が止まった。
壁に背をもたれて、立っている彼を見つけたから。
「風早」
その姿を見つけて、思わず声を掛けてしまったことを少し後悔した。
でも、あたしの声に気づいた風早は何も知らずにこっちを向いて微笑んだ。
「あ、矢野。……さわ…黒沼知らない?」
『爽子』
2人きりの時はそう呼んでるんだ。
そりゃそーか。
何を今更、と思いつつ胸はずきずき痛んだ。
「…さっきまで教室で一緒だったから、今来るんじゃない?」
「そっか」
短くそう言って、風早はまた視線を外した。
風早の吐き出す息が白く漂う。
13 :
雪と涙と罪悪感:2009/10/24(土) 08:55:24 ID:wJqR/soA
「今日さみーなー」
何気なく呟いた風早の言葉に、あたしは返事をすることが出来なかった。
風早のもたれかかっている壁に私も背をつけて、彼の右隣に立った。
風早の横顔を、見るだけでせつなくて、泣きそうなのに、なんであたしここにいるの。
それでも一緒にいたいとそう思っている自分が嫌だ。
━━いけない。
これじゃ、いつものあたしじゃないみたいに見えるかもしれない。
あたしは痛む胸をぐっとこらえて、口を開いた。
「あんた、ちゃんと爽子と上手くやってるんでしょーね」
「…………っきゅ、急に何言って…!?」
風早の頬が一気に赤くなるのが見てわかる。
また胸がずきん、と痛んだ。
「だって気になるんだも〜ん。ねぇ、どこまで進んでんのよ。」
「言えるか!!!」
そんな事わざわざ聞かなくったって、爽子の様子を見ていれば分かることだった。
日に日に可愛く、そして綺麗になっていく爽子。
上手くいっていないはずがない。
「大切にしてよね〜。私の可愛い可愛い親友なんだからさ」
「…言われなくても分かってるよ!」
風早は頬を赤く染めて、視線をそらした。
窓からは寒々しい空から雪がしんしんと降っているのが見えた。
知ってる。
あの髪も声も全て私のものになんてならないっていうことも。
…知ってる。
あの弾けるような笑顔も、優しい声も、あたしに向けられたものではないっていうことも。
「………あたしの可愛い…親友…」
小さく呟いた言葉は誰に届くわけでもなく、虚しく宙を舞って落ちた。
14 :
雪と涙と罪悪感:2009/10/24(土) 08:58:26 ID:wJqR/soA
みんなみんなみんな
彼の全てが
あたしの可愛い親友に向けられたものだっていうこと。
知ってる。
知ってるよ。
だから、今だけは
「─…風早」
「━━━━え?」
彼の襟を掴んで唇を奪った。
このまま、
時が止まってしまえばいいのに。
唇を離すと熱い吐息が漏れた。
「…矢野っ!?」
当然の如く、風早は今何が起きたのかわからないようだった。
慌てふためく彼の姿が愛おしい。
「練習よ、練習〜。じゃ、あたし行くから」
まだ風早は何かを言っていたようだけど、あたしは背を向けて昇降口を後にした。
一瞬だけでいいから、
あたしのこと見てほしかった。
考えてほしかった。
だから。
「ばっかみたい………」
空からは雪が途切れることなく降ってきて、その様子があたしの心を表しているように見えた。
おわり
大変お粗末さまでした。
小説の矢野の過去などは一切無視したものですいません…。
一応風早と爽子が付き合って半年か一年くらいたった後を想像して書きました。
謎な文章満載で申し訳ありませんでした…。
せつねーー
でもGJ!!
いいよーいいよー
GJ!切なくて萌えたわー
前スレは全部埋まったってことでいいのかな?
その発想はなかった!
パラレルだからこそ言うけど、もし本誌でこーゆう展開になってたら、すごい切なかったんだろうな…
と、妄想させてもらいました。
それほどの表現力、GJ!
前スレの最後の埋めにびびった
新スレ祝いに神が降臨しないかな+(0゚・∀・) + ワクテカ +
新スレ祝いにこっそり投下させてくださーい。
風爽未来話で、息子くんが出てきます。
オリキャラ設定でサーセン…orz
エロ無しほのぼの系の、ある日の風早さんちのお話です。
ではでは↓
********
「ぼく、きょうはおかーさんといっしょにねる!」
パジャマ姿の息子の突然の宣言に、風早と爽子はきょとんと目を丸くした。
「…どーした、急に」
驚く風早を尻目に、どこかムスっとした面持ちで母親の膝に飛び乗り、父親をキッと睨みつけた少年の名は快人という。風早と爽子の一人息子で、五歳になったばかりのわんぱく盛りだ。
「だって、ねるときはおとーさんいっつもおかーさんのことひとりじめしてんだもん。ずるいっ」
「おまえは自分のベッドがあるだろ」
「やだ。おかーさんとねるー!」
両足をバタバタさせながら、むぎゅうと爽子の柔らかい胸に顔を押し付けた快人は、てこでも動かないぞとばかりに爽子にぴったりと抱きついて離れようとしない。
観念した爽子が、「じゃあ、今日は三人で川の字になって寝ようか」と提案した。
快人はぱぁっと顔を輝かせて大喜びし、その一方でどこか納得いかなそうに眉をひそめた風早は、妻と息子に連れられて歯磨きをしに洗面所に向かった。
三人で歯磨きを済まして、風早と爽子の寝室に向かう。
ダブルベッドに飛び乗りぴょんぴょんと飛んで遊ぶ快人をたしなめて、爽子は快人の部屋から持ってきた小さい枕を、ふたつ並べられた夫婦の枕の間に置いた。
「快くん、早く寝ないと明日幼稚園に遅れちゃうよ。電気消すから、布団に入ってね」
はぁい、と元気よく答えて、羽毛布団に潜り込んだ快人は、隣に寝転んだ爽子にぴったりと身を寄せた。
「おかーさん、あったかい」
ニコニコと嬉しそうに自分を見上げてくる息子をいとおしげに見つめて、爽子はその小さな頭を優しく撫でた。
少し癖のある黒髪は、隣で膨れ面のまま寝転がる夫にそっくりだ。
電気が消えて、寝室が漆黒の闇に包まれる。
しばらくしてから、爽子の腕の中から規則正しい寝息が聞こえてきた。
寝入った快人を起こさないようにそおっと仰向けに寝かせて、冷気が入り込まないようにしっかりと掛け布団をかけてやる。
ふと、布団にかけた右手が何かに捕まれて、爽子は小さく悲鳴をあげた。
「……翔太くん?」
暗闇に慣れてきた目が、すぐそこで頬を膨らませたままの風早の顔を捉えた。
「…まだ寝てなかったの?」
「…寝れないよ。爽子がとなりにいないと」
冗談なのか本気なのかわからない口調で、風早は爽子の手を握ったまま呟く。
「爽子をひとりじめできんの、この時間くらいなのにな」
日中はほとんど快人が爽子にべったりなため、快人が別室で就寝しているこの時間こそが、いつもならば夫婦水入らずの時間だというのに。
「……もしかして、ヤキモチ焼いてるの?」
くすくす、と笑いながら爽子がきゅっと風早に握られた手に力を込めた。
「……そりゃ、焼くよ。快人だって男には変わりないんだから」
俺以外の男に俺の爽子をひとりじめされて、面白くないわけがないよ。
爽子がゆっくりと身体を起こす気配がした。すっかり夢の中の快人を起こさないように、少しずつ風早の方に顔を寄せる。
横を向いて寝ていた風早の頬に、柔らかい温もりが触れたのは一瞬のことだった。
「…今日は、これで我慢してね」
耳元でそう囁かれて、愛しさがぶわりと胸いっぱいに広がった。
繋がれたままの手のひらにぎゅっと力を込めて、恥ずかしそうに布団に顔を隠してしまった爽子に聞こえるようにそっと呟く。
「……明日は、寝かせないからね?」
おわり
24 :
秋の夜長に:2009/10/25(日) 03:35:07 ID:ylOo4u98
以上ですー。
風早は自分の息子にも容赦なくヤキモチ焼いてればいいと思います。
そして延々と爽子争奪戦が繰り広げられればいいよ!
イイヨーイイヨー
GJやー
争奪戦いいよーーww
息子にまでヤキモチを焼く風に萌えたw
GJ!!!
新婚風爽でほのぼの話を投下ですー。
エロ無しでサーセンorz
******
「…あ、降ってきた」
爽子の声に顔を上げてベランダの窓を見れば、真冬の空に粉雪がひらひらと舞っている。
「どーりで寒くなってきたわけだよね」
テーブルに置かれた爽子お手製のココアは、いつのまにかすっかり冷めてしまっていた。
ソファーに置いてあった爽子愛用のブランケットを引き寄せて、ふわりと自身を覆い、そのまま後ろから爽子を抱きしめて爽子ごとブランケットでぐるりと覆う。
「…ふふっ、翔太くん、これじゃあ動けないよ」
「いーじゃん。寒いんだし、このままくっついてようよ」
俺の腕の中で恥ずかしそうに小さくなって固まっている爽子の頬にチュッと音を立てて口づけて、そのまま細い肩に顎を乗せる。
ストーブに乗せたヤカンがしゅうしゅうと音を立てながら白い湯気を放っているのをぼおっと眺めながら、爽子の体温を感じる。
書きかけの年賀状はテーブルに広げたまま、俺たちはしばらく深々と降り積もる窓の外の雪を眺めながら、お互いの体温を感じる暖かいまどろみの中でいつのまにか深い眠りについていた。
「……翔太くん、起きて。こんなとこで寝てたら風邪引いちゃうよ」
夢うつつの中でぼんやりと爽子の声を聞いた。
うっすらと目を開けると、心配そうに俺を覗き込む爽子の顔が見えた。
「んっ…いま何時?」
「もうすぐ11時。私たち、晩ごはんも食べないで寝てたんだね」
そういえば、今週は年末ということもあってかお互いに仕事が忙しく、疲れも溜まっていたのかもしれない。
ようやく訪れた週末の休日を使って年賀状作りをしようと計画したものの、疲れには勝てずすっかり眠ってしまったようだ。
「私、なにか簡単にご飯作るね」
慌ててエプロンを羽織った爽子はパタパタと駆け足でキッチンに向かって行った。
手持ちぶさたになった俺は、中断させていた年賀状の宛名書きを再開させる。
爽子と結婚してから、もうすぐ一年が経つ。つい最近、結婚式を挙げたばかりのような気がしていたのに、あっという間に一年が過ぎ去ってしまった。
たまに電話をくれる両親からは、「そろそろ孫の顔が見たい」などという余計なお世話な催促もちらちらと聞こえてくる。
結婚して一年。そろそろ子供の存在を考え始めてもいいかもしれない。
「………爽子、」
「…なあに?」
キッチンでなにやら包丁を動かしていたエプロン姿の爽子がぴょこんと顔を出した。
「……そろそろ、子供ほしくない?」
ゴトン、と何かが勢いよく落ちる音がして、「わあっジャガイモがっ」と慌てた爽子の声が聞こえてきた。
少ししてから皮が剥きかけになっているジャガイモを二、三個手にして、爽子が再び顔を見せた。その顔はどこかほんのりと赤く染まっている。
「……しょ、翔太くん…子供ほしいの?」
爽子の問いかけに、うーんと少し考えて、爽子につられて俺も少し頬が赤くなる。
「爽子とずっと二人きりってのも悪くないけどさ。…いや、最近さ…北幌の母さんがうるさく電話してくんじゃん」
この分では、お正月に地元に帰った時にもくどくどと催促されるに違いない。
「…そ、そうだね…。今まであんまり考えたことなかったけど…」
「結婚してから一年経ったし、そろそろかなー…なんてさ」
おもむろに立ち上がり、キッチンに立つ爽子の元に向かう。
後ろから抱きしめれば、びくりと体を震わせたのが伝わってきて思わず苦笑いしてしまう。
「いーかげん慣れてよ。こうやって触るの」
「だ、だって…ドキドキが…止まらなくて…」
瞬く間に耳まで赤くなりながら、ふしゅうと小さく縮こまってしまう。
…こーゆーとこも、かわいいんだけどね。
「…じゃあ、さ…今晩、さっそく…」
首筋に優しくキスを落とせば、ぴくんと小さく肩が震える。
爽子の赤くなった顔をこちらに向かせて、そのまま頬や瞼にキスを落とす。
「えっ…えっ?…い、いきなり…!?」
激しく動揺する爽子の唇を塞いで、しばし甘く蕩ける時間。
爽子の甘い唇を味わいながら、ふと横目で見たベランダの外は、キラキラと星が瞬く星空に、小さな粉雪がはらはらと舞い散っていた。
おわり
32 :
星空に降る雪:2009/10/28(水) 23:37:38 ID:7Nu4pYbk
以上です。
お付き合いドモでしたー。
33 :
名無しさん@ピンキー:2009/10/29(木) 00:37:08 ID:l6KZowxf
GJGJ!なんかキュンキュンした!!
強引に仕向けるんじゃなくてやさしいところに
イケメンさを感じたw
かいてくれてありがとー
やっと今月の読んだ〜
これで甘甘話をあと一、二セット(恋人初心者編、恋人上級者編とか)挟んだあとにはベッドシーンだな!!
とか思った俺は、心底エロスに汚れてるなと反省した…
マーガレットはそんな雑誌じゃねぇですね、わかります
実際問題、まだ話として山谷あるんだろうけど…途中要所要所にエロパロ妄想向けの甘甘な余地があったら俺特だなぁ…
神降臨まだかな(´・ω・`)
男性読者もいるんだねこのスレ!
男性目線で書かれたお話ってのも読んでみたいな(・∀・)
確かに!読んでみたい!
ほっしゅ。12月号でたら投稿増えるといいな。
ほしゅ
オリキャラとかでちゃうの読みたいな!
ほしゅー
バレスレ読んじゃった…
やばい…
ほす
何故か 風爽←ケントっぽい短編 エロなしゴメン
−−−1−−−
三浦は線香花火に照らされた白い横顔を見つめていた。
いつものように風早が発起人になって
クラスのみんなで花火大会をすることになった。
1学期の期末試験も終わり、少し気の抜けた日々を過ごしていた
クラスメイトはすぐに飛びついた。
それがいつの間にやら広まって
風早が行くなら、風早がやるならと
他のクラスからもちょこちょこと人数が集まって
ちょっとしたイベントみたいな盛り上がりをみせた。
三浦もそれにのっかって知り合いの女の子達によかったら来ないかと声をかけ、
その子たちがまた友達をひっぱってくるといった具合で
軽く2クラス分くらいの人数が集まる規模にまでなった。
あまりに多人数だと花火なんかする場所がないかなとの危惧は意外にも爽子が解決した。
もともとボランティアでゴミ拾いをしていた縁などもあって
彼女の交渉によりあっさりと河川敷の一角を使用する許可が出た。
もちろん安全には万全の注意を払い、後片付けもきちんとするといった条件付で。
みんなの役に立てたと静かに喜ぶ爽子の側で愛しそうに風早は爽子をみつめていた。
−2−
その光景をいまやほとんどの人が違和感なく受け入れていた。
学園祭で気持ちが通じ合った二人はいまではすっかり公認の恋人同士だ。
皆が集まった頃には宵闇だった空はすっかり闇色に染まっていた。
しかし月が煌々と空を照らしていたので
懐中電灯などは必要ないほどだった。
バケツの数だけのグループに分かれ、花火大会ははじまった。
シュッ パッという花火の音と火薬の匂いが漂い夏の夜の空気を彩った。
そこかしこで色とりどりの光が燃え、静かに散っていった。
「貞子ちゃん楽しんでる?」
「あっ…師匠。」
−あ、いい笑顔。
三浦は少し瞳を細めた。
まあこの子は暗固い笑顔をほぐす特効薬を手に入れたってことなんだろうな。
三浦はちくんとする痛みに眼を瞑って
爽子のほのりとした笑顔に自分も笑みで答えた。
そして爽子の隣にいる彼女の特効薬に軽く挨拶した。
「しかし相変わらず仲いいね、風早と貞子ちゃん」
その言葉にぽっと頬を染める爽子とは対照的に風早はくすっと笑った。
「まあな。」
「風早随分余裕でてきたなー。前はえっらく短気な奴だと思ったけど。」
−3−
「お前が変なこと言うからだろ。おかげで酷いめにあったんだからな。」
黒沼にあんまかまうなとか、黒沼が可哀想とか…
その時のことを思い出したのか黒いオーラを滲ませはじめた
風早の背中を三浦はぽんと叩いた。
「まーまー、すんだことは水に流せよ。」
「それお前が言っちゃだめだろ…」
はははっと軽く笑って三浦は爽子に言った。
「おれにも一本花火ちょーだい。」
「あ、どぞ。」
「何だよ、お前ツレんとこ帰れよ。」
「いーじゃん。そんなに貞子ちゃんひとりじめしたいのかよ。」
三浦が風早にからかうように言うと側にいたあやねと千鶴がブーイングを発した。
「ちょっとケントあたしらの存在無視?」
「別に爽子は風早の独占物じゃないしねえ…。」
不満げな二人に三浦は明るくウィンクした。
「やだなー俺の目に花がうつらないことがあるわけないじゃん。
あやね、そのかっこ色っぽいね。千鶴は相変わらず足がいいねえ。
ミニスカ似合うよ。」
三浦の軽薄さに二人はフリーズした。
そして千鶴はまた錯覚かと眼をこすり、あやねは生温い笑みを零した。
−4−
「し、師匠 あの、花火はどれが」
爽子がおずおずと発した問いに三浦はへらりと笑いながら答えた。
「貞子ちゃんのしてるのとおそろいがいいな。…線香花火?」
「あ、あの、派手さには欠けるけど…」
爽子はほんのりと優しくはにかんだ微笑みを見せた。
「…これが一番好き。」
三浦は誰にも気付かれないよう 溜息を噛み殺した。
爽子から細い線香花火を受け取って火をつけると
ジジっと小さな白い花が咲いた。
爽子も風早も線香花火に火をつけてその小さな白い花をみつめていた。
そして三浦はその白い光に照らされた爽子の横顔を
こっそりと盗み見ていた。
「…あっ」
爽子の小さな声に三浦が我に帰るとぽとりと線香花火の火玉が落ちた。
千鶴がきししっと笑って揶揄した。
「へたくそー。普通はも少し長く持つよな。」
「あ、まだ線香花火はあるから…」
花火を持たない片方の手で渡そうとする爽子の言葉を三浦は笑顔で遮った。
「や、もういいよ。俺もダチんとこ戻るわ。」
花火の燃えカスを水の張ったバケツに放り込むと
三浦は爽子たちから離れていった。
−5−
花火大会もピークをすぎて 各自片付けに入り
終った人から三々五々と帰る人が出始めた頃。
三浦はふっと風早と爽子の姿が見えないのに気が付いた。
あーあ。まあ二人きりになりたいのはわかるけど、
風早大好きジョーとかが探しに行くかもしれないんだからさ。
あんなKYに見つかったら大変だぞ?
三浦はくすっと笑うと風早と爽子の姿を探しに歩き出した。
少し歩いたところで草むらに少し隠れるように爽子の影が見えた。
淡いパステルブルーのワンピースに爽子であることを確信すると
三浦は近付いて声をかけようとした。
しかし、その瞬間息をのんでそれを止めた。
爽子の側にはごろりと寝転がって眼を閉じている風早が見えた。
どうやら眠っているらしく爽子は静かに微笑みながらその寝顔をみつめていた。
愛しそうなその視線は風早が爽子に向けるまなざしと同じで、
そこに満ちる澄んだ優しい空気を生み出していた。
そして三浦はもう一度息をきゅっと飲んだ。
爽子がすーすーと寝ている風早の頬にそっと唇を落したのだ。
−6−
絹のように優しい口付け。
ほんのかすめるだけの一瞬の口付けなのに、
まなざしも、表情も、すべてが愛しさを囁いていた。
今まで女の子とは何人も付き合った。
ファーストキスなんて忘れてしまうほど前に済ませてる。
けど。
…俺はあんな風に宝物みたいにキスしたこともされたこともない
三浦はぎゅっと己の胸を掴んだ。
風早の頬にキスした後、
爽子は急に自分の行動が恥ずかしくなったのか頬を押さえて
そっとその場を立った。
そして少し歩いて木陰ですう、はあと呼吸を整えていた。
三浦はほとんど無意識に爽子のほうへ歩いていった。
「みーちゃった」
三浦の声に爽子は弾かれたように振り向いた。
「しっ師匠…!?どうしてここに?」
「だって風早も貞子ちゃんも見回したらいなかったからさ。
探しにきたんだよ。」
「お、お手数をおかけして」
爽子のそんな言葉はさらりと流して三浦は言った。
「風早にいっちゃおー 貞子ちゃんがおまえの寝込み襲ってたって」
爽子は白磁の頬を瞬時に染め、
それは月明かりだけでも十分わかるほどだった。
「襲ってたなんてそんな」
−7−
爽子は無意味に両手をわたわたとあげたりさげたりしながら慌てた。
「…内緒にしてほしい?」
爽子はこくこく頷いた。
「は、恥ずかしいのでなにとぞ」
「…おんなじことしてくれたら黙っててあげてもいいよ」
「ーはい?」
「ほっぺにちゅってしてくれたら黙っててあげる。」
「ええええええ!?」
爽子はますます真っ赤になり口をパクパクさせた。
あ、可愛い。
でもその可愛さは俺の、じゃない。
「…風早と反対側がいいな。」
三浦は真顔で爽子に迫った。
爽子の三浦を見上げる目に不安が交じる。
しかし真っ赤になりながらもきゅっと唇をかむと
爽子はたどたどと言葉を搾り出した。
「あ、あの、師匠にはとてもお世話になったし、
そのお礼という意味ではありなのかもしれないけれど、
でもそれはできなくて…」
言葉を一生懸命紡ごうとする爽子に三浦はぷっと吹きだした。
「やだなー貞子ちゃん本気にしちゃった?」
「…え?」
−8−
「だめだよ貞子ちゃんまじめにとっちゃ。
こういうのは適当にあしらうのがいい女の条件だよ。
あと、無防備に隙見せすぎ。
男なんてバカだから隙みせたら…勘違い、したくなるからね。」
「レッレクチャー…!そっか師匠はそれを教えるために!」
飲み込まれた苦い笑みに気づかずに爽子は感心をあらわにした。
爽子の瞳の中の不安はすっかり消え、無邪気な信頼が再度宿っていた。
−だって無理矢理したって
あのたからものにするみたいな柔らかい口づけはもらえない−
三浦は爽子の全き信頼から逃げるように眼を逸らした。
「…適当なとこで風早おこしなよ?二人で消えたってみんなが探し始める前にさ。」
「う、うん。あの、師匠。」
「ん?」
林檎の花みたいなほほえみが爽子の口元から柔らかく広がった。
「ありがとう」
三浦ははもう一度唇を噛んだ。
「あー、俺行かなくちゃ。」
どうしてもっと早くに出会えなかったのかと問うてしまうまえに、行かなくちゃ。
三浦は苦い笑みをそっと押し殺した。
−9−
「風早が起きる前に消えるよ。
意外とあいつやきもちやきだから。あいつ貞子ちゃん大好きだしね」
爽子は真っ赤になって もごもごと
そんな、おこがましいなどと言っていたが、
やがてほんの少しだけ笑みをこぼした。
そして そうなら、嬉しいなあと独り言のように呟いた。
「じゃ、ね貞子ちゃん。」
「あっ うん、師匠」
「師匠か…。うん。そうだね、おれは貞子ちゃんの師匠だからね
ー弟子にはきちんと教えないと、だからね。」
三浦はくるっと爽子に背を向けばいばい、と手を振った。
さっき彼女の白い横顔を照らし出していた線香花火は
清潔で儚い光を散らして闇に静かに消えた。
胸の奥のこの淡い光も同じように静かに消えればいい。
三浦は心の中でそっとそう呟いた。
(fin)
−−−−−−−−−
以上です。
前スレ終わりのケン爽祭便乗しようかと思ってたら間に合わなかったギャフン
おおおおおおお!!!!
初めてリアルタイムで読んだ!GJです!!!
ケント→爽は切ないなぁ…線香花火って爽子にぴったりだ
夜勤さんありがとう!
ケントも幸せになってほしい。
うおおお…!私の好きなケン爽だ!最高、ありがとう!
こんな美しい作品の後で非常に投稿しづらいですが…
規制中なので携帯から失礼します。
上手くいかなかったらすみません!
12月号発売まで残り一週間、頑張って皆で乗りきりましょう!という想いで投稿します。
凹み早じれ太くんが変な方向へ焦り、ただの嫉妬厨になっております。
ド変態ドSドスケベな風早くんなので、爽やか風早きゅん好きな方はスルーして下さい。
風×爽+ちょいケントです。
それではドゾー
------------------------━1━
「爽子ちゃん、ここわかんないんだけど教えてよ」
「ほら、もっと自然に笑って!笑うと爽子ちゃんすっげえ可愛いんだからさ〜」
最近、不愉快な声がよく俺の耳に入ってくる。
爽子の隣の席の三浦の声だ。
どうも最近、やたら爽子に構ってくるようになったのは気のせいか?
いつのまにか、呼び方も「貞子ちゃん」から「爽子ちゃん」になってるし。
俺と爽子が付き合ってるのはこのクラスの全員が知ってるはず。
なのに、あいつはおかまいなしに爽子にちょっかいを出してくる。
あいつが女子には誰にでもみんな馴れ馴れしく接する奴だってことは知ってる。
だからといって爽子にも馴れ馴れしくするのは許せない。
爽子も爽子だ。なんであんな奴に優しくする?笑顔を向ける?
「師匠」なんて呼んじゃってるし。なーにが「師匠」だよ。
誰にでも「優しくしてくれた」「いい人だ」と、疑う心を持たないのは爽子の良いところだ。爽子のそんな性格が俺も好きだ。でも・・・
正直、俺はそんな爽子にムカついてる。
誰にでも好意を持ち、良い顔をする爽子は残酷だ。
━2━
本当は俺だけに好意を持ってほしい。
他の人間に向けられた好意が恋愛感情じゃないなんてことはわかってる。
それでも俺だけを見てほしい。俺だけを見てよ、爽子。
爽子と両想いだってことがわかって付き合いだしてからもう半年が経とうとしてる。
実は、キスより上のことを爽子とまだしていない。
それは、純粋で綺麗な爽子を大事にしたかったから。
もちろん俺も男だから、爽子とキス以上のことがしたい。
でも、爽子のことは大事にしたい。とっても大切な子だから・・・。
爽子との関係をゆっくり、大事に築いていきたいと思っているからだ。
でも、正直そんなことも限界にきている。
今すぐにでも本当の意味で爽子を自分のものにしたい。
爽子を・・・爽子のすべてを支配したい。
が、そんなことをしたら爽子に嫌われるんじゃないかとビビってる自分もいる。
寛大で優しいふりして、心は嫉妬でいっぱいだ。
「ちっちぇえな・・・俺も」
自虐的に笑ってみると、目の前にいる龍が「?」とキョトンとした顔で見た。
━3━
爽子との帰り道。
「そしたらね、ちづちゃんが・・・」
楽しそうに今日のことを話している爽子を見てると、心が和む。
「爽子、みんなの前でも自然に笑えるようになってきたね」
「え、そ、そうかな・・・」
照れる顔がまた可愛い。
「あ、そう言えば師匠が」
“師匠”、その言葉を聞いた途端、俺の顔が曇る。
「自然に笑ったほうが良いってアドバイスくれるんだけど・・・。
女の子には自然に笑えるようになってきたけど、師匠とか、他の男の人にはまだうまく笑えないなあ・・・風早くんにだけはそんなことないのに」
俺の顔にまた笑顔が戻る。
俺だけは自然に笑えるけど、三浦や他の奴には自然に笑えないらしい。
爽子の中では俺は「特別」なんだと実感してうれしくなる。
けど、俺の幸せってちっちゃいなー・・・。
「あ、そうだ。次の日曜、爽子あいてる?爽子行きたいっていってた店あったじゃん、あそこに・・・」
そう言うと、言いにくそうに爽子が口を開く。
「あ・・・えっと・・・、次の日曜は予定が入ってて・・・ごめんなさい」
「そっか・・・じゃあまた今度一緒に行こっ」
「う、うん」
次の日曜は爽子とここに行って、これを食べて・・・なんて勝手に期待して妄想しちゃってた俺はひどく落胆した。
あー・・・こんなしょーもないことでヘコむ俺ってホントちっちゃいな・・・。
━4━
週明けの月曜。
いつものように遅刻ギリギリで教室に入ると、なんか教室がざわついている。
教室のドアを開けると、矢野と吉田をはじめ、爽子を囲って女子が騒いでいた。
「爽子、すげー変わったじゃん!可愛いよ!」
「やっぱ髪型変わると女の子って変わるよねー」
「前より全然いーよ!!」
女子に囲まれた爽子を見ると、長かった髪が軽やかなセミロングになっていた。
なんだあれ・・・すっげー可愛い!!!
「あ、あんたの彼氏が来たよ」
俺に気づいた矢野が冷やかすように言う。
「か、風早くん・・・!」
またまた、冷やかすように吉田が
「どーよどーよ、ニュー爽子は!!」と言う。
どうって・・・んなもん、可愛すぎるに決まってるだろ。
「ん・・・すげー似合ってると思う」
と、みんなの前だし照れもあったから控えめに言う。
すると、爽子の顔からとびきりの笑顔が出た。
あー、ホントやめてくれ、可愛すぎるから。
━5━
放課後、やっと爽子と二人きりになれる時間がきた。
「ちょっとどっか寄ってかない?」
今まで以上に可愛くなった爽子とどうしても今日はもう少しいたくて、爽子を誘ってカフェに入った。
「髪切ってたからビックリしたよ」
「ど、どうかな・・・本当に変じゃない?」
「すげー似合うって言ったじゃん。すげー可愛い」
「ほ、ホント・・・?うれしいな・・・」
赤くなった顔がまた可愛い。
「あ、もしかして、日曜、髪切りに行ってたの?」
「あ、うん」
「なんだ、そう言ってくれれば良かったのに」
「ご、ごごごめんなさい!師匠が内緒にしておけって言ってたから・・・」
俺は耳を疑った。
何?今、師匠って言った?
「・・・何、内緒って」
「えと、あの、師匠が髪を切ったほうが風早くんもきっと可愛いと思ってくれるって言ってて・・・知り合いの美容院に連れて行ってくれたの。ビックリさせたほうがいいから、風早くんには黙っておけって言われて、それで・・・」
急に真顔になった俺の顔を見て、爽子はわけもわからずあたふたしている。
俺のために可愛くなりたいと思った爽子の気持ちはうれしい。
だけど、それは三浦が指図したことだと思ったら腹が立った。
少なくともこの数日間、三浦と秘密を共有してたってこと?
日曜、俺の誘いを断って三浦と一緒にいたってこと?
だめだ、嫉妬する気持ちが抑えられない。
イライラする。
━6━
次の日、なんとなく爽子の顔がちゃんと見れなかった。
爽子を避けるつもりなんてないけど、結果的にそんな行動をしていたのかもしれない。
休み時間、爽子が慌てて話しかけてきた。
「えと、か、風早くん・・・私、何か怒らせるようなことしたかな・・・そうだったら、ごめんなさい!」
爽子にこんなこと言わせるなんて・・・俺ってだめだな・・・。
「ううん、何もないよ。気にしないで」
曇った表情のままの俺を見て、爽子がちょっと涙目になっているのがわかった。
気づいたけど・・・今日はなんか余裕がなくて、気づかないふりをしてジョーたちのいるところへ行った。
放課後。
爽子が再び声をかけてきた。
「か、風早くん、一緒にかえろ・・・?」
「あー・・・、ごめん、俺ピンに呼び出されてて・・・先に帰ってて」
「そっ・・・か・・・」
泣きそうな爽子を尻目に、俺はピンのところへ行った。
数時間後、ピンから解放された俺は早く帰りたくて自分のカバンを取りに教室へ向かった。
くっそー、ピンめ。またしょーもない自慢話のために呼び出しやがって・・・。
今日はなんかずっとイライラしてる。早く帰って休もう。
そう思って教室の前まで行くと、誰かが話してる声がした。
爽子と・・・三浦!?
すぐ声をかければ良かったのに、なぜか動けなかった。
━7━
爽子の席で、三浦が後ろから爽子の髪を結んでいた。
「ほら、髪がこのくらいの長さだと簡単にまとめられてアレンジできるっしょ」
「ほ、ほんとだー!この髪型、前にあやねちゃんがしててすごく可愛いと思ってたの・・・!師匠、ありがとうございます!」
「いやいや、どうしたしまして。俺って結構器用でしょ?前の彼女によくやってあげてたんだよねー」
「そ、そうなんだあ・・・!すごく上手だね・・・さすが師匠・・・」
「ははっ。でも爽子ちゃんて可愛くし甲斐があるなー。髪型一つでこんなに変わる子、見たことないよ。すっごく可愛いよ、爽子ちゃん。風早も絶対に可愛いって言ってくれるよ」
「そ、そんな・・・」
かあっと赤くなる爽子に、三浦が言う。
「ほんとだって。爽子ちゃん可愛い。ほら、スマイルスマイル!」
すると、爽子がとびきりの笑顔を見せた。
無理に笑った笑顔じゃなく、俺にいつも見せてくれる自然な笑顔。
そんな笑顔、三浦に見せないでよ。
俺以外の男には、そんな顔しないでよ、爽子。
━8━
その笑顔を見て、驚いた表情で三浦が言う。
「うわ・・・笑うとホントに可愛いな、爽子ちゃん。なんか風早のためだと思うと悔しくなってきちゃうなあ」
えっ、えっ、とあたふたする爽子に、三浦は追い討ちをかける。
「風早に傷つけられたら、いつでも俺んとこに来ていーよ。なぐさめてあげるから」
すると、爽子の肩を抱いて、慌てる爽子のリアクションを楽しむかのように後ろから耳に息を吹きかけた。
「ひゃあっん・・・!!」
その色っぽい声を聞いて、俺は我慢できずに教室のドアを勢いよく開けた。
俺を見ると、三浦はがっかりした表情で言い放った。
「なーんだ、いいとこだったのに。じゃあね、爽子ちゃん」
そう言うと、自分のカバンを持って俺がいるほうの出口に向かってきた。
ものすごい形相で三浦を睨み付ける。
「なんだよ、サワヤカくんのくせに怖ぇーなあ」
そして、すれ違う瞬間、俺だけに聞こえる小さな声で三浦が言った。
「爽子ちゃん、すっげぇ可愛い声で鳴くんだな」
その瞬間、俺の頭にカッと血が上った。
廊下に出た三浦を追いかけようとすると、
「か、風早くん・・・?」
という爽子の声に足が止まった。
違う。三浦じゃない。
問題は爽子のこの警戒心のなさだ。
この先、三浦以外の男に言い寄られても、爽子が警戒することはないだろう。
自分のその魅力に気づいてないんだから。
「・・・爽子、帰ろ」
「う・・・うん・・・」
━9━
無言で歩く俺を、爽子はチラチラと気にしている。
爽子が悪いんじゃない。わかってる。
だけど、ムカつく。
爽子の純粋さに、今日はひどく腹が立っている。
「・・・爽子、今日うちに来なよ」
「・・・え?え、えと・・・」
「来て」
「う・・・うん」
戸惑いながら、爽子は返事をした。
俺の家に着くと、爽子は家の中をキョロキョロと見回した。
「か、風早くん。お母さんは・・・」
「うちは夜までは基本的に誰もいないよ。いいから俺の部屋に来て」
イライラした口調で言うと、爽子は慌てて俺のあとをついてきた。
部屋に入ると、俺はベッドに腰をかけた。
「爽子、ここに座って」
俺が座ってる横をポンポンと叩いた。
緊張した面持ちで、爽子は俺の隣に座った。
「爽子、キスして」
「えっ・・・」
「早く。嫌なの?」
怒った口調で言うと、爽子は顔を赤らめて俺にそっとキスをした。
「もっと深くキスして」
「は、はい・・・」
慌てて爽子は再び俺にキスをした。
「もっと・・・もっと深くだよ爽子。こうだよ」
「んぅっ・・・」
俺は爽子の口の中に舌を入れた。
ディープキスは初めてだった。
いつも、優しく触れるだけのキスしか爽子にしたことがなかった。
ディープキスさえ、爽子にしてはいけないような気がしてた。
そのくらい、爽子は俺の中で純粋で、綺麗なものだった。
━10━
爽子の口内をねっとりとなぞると、爽子が苦しそうに息をする。
「んっ、ふぅ・・・っ、か、かぜは・・・ん・・・っ!」
喋る隙さえ与えなかった。
そのまま、爽子の制服の上から胸を弄る。
「んぅっ!んーー!!」
驚いて、俺の身体を引き剥がそうとする。
珍しく抵抗をする爽子。
でも、ダメだよ。許さない。
涙目になっている爽子を見つめる。
いつもと違い、サイドに結んだ髪がひどく魅力的だ。
でも、これは三浦が施したもの。
見てるとイライラしてくる。
三浦が結んだであろう髪飾りを俺は爽子の髪からシュッとほどいた。
「あっ・・・!」
爽子の髪が、サラリといつもの下ろした状態に戻る。
「かぜはやくん、なん・・・っんん!!」
再び深いキスをしながら、爽子の制服のリボンをほどく。
シャツのボタンを一つずつ外していくと、爽子の抵抗がより大きくなる。
俺の身体を一生懸命引き剥がそうとしてるけど・・・それで抵抗してるつもりなんだろうか。
爽子の非力な力では、俺の身体を到底動かすことはできない。
いつも大事にしてきた爽子。
でも今日は・・・今日は爽子を汚してやりたい。
思い切り傷つけてやりたい気分になった。
━11━
シャツのボタンをすべて外すと、清潔そうなレースのブラジャーが見えた。
シャツ越しにブラのホックを外し、胸が露になった。
想像していたよりも少し大きくて、形の良い胸。
見ただけで、どうにかなってしまいそうだった。
たまらず胸をやわやわと揉みしだく。
「か、風早くんっ、恥ずかしいよっ・・・」
きれいなピンク色の乳首を、口に含む。
「やぁ・・・っ!!だめぇ・・・っ!!」
ちゅぱちゅぱレロレロと音を立てて、反応を楽しむ。
「ん・・・おいしいよ、爽子のおっぱい」
「やだぁっ・・・恥ずかしいよぉ・・・!ぁんっ・・・!!」
今度は爽子を押し倒して、両手を押し付けて自由を奪った。
執拗に乳首を刺激すると、爽子の抵抗する力も弱くなっていった。
「おっぱい気持ちいいの?爽子・・・」
「やぁっ、違っ・・・あんっ・・・」
乳首を吸いつつ、スカートを捲り上げて、ショーツの上から爽子の一番敏感な部分に触れた。
「だ、だめぇっ・・・!!そこはっ・・・ふぁっ」
「すっごく濡れてるよ、爽子・・・これでもまだ抵抗してるつもりなの?」
「やだぁ・・・!怖いよ風早く・・ん・・っ」
「怖いって何?俺のことが嫌いなの?」
「ち、違っ・・・」
ショーツを脱がして、指で直に触れる。
「あぁん!やぁ・・・あんっ・・・」
指で敏感な部分をなぞり、グチュグチュとわざと音を立てる。
「ほら・・・こんなに音を立てて・・・やらしいね、爽子は」
「やだっ、違っ・・・ふぁんっ、ぁあん」
━12━
あまりにもたくさん蜜を出すから、味見してみたくなった。
足の間に顔をうずめて、爽子の秘部に吸い付く。
「あぁっ、だめっ、きたないよぉ・・・ああんっ」
「汚くないよ・・・爽子の、すごくおいしい」
爽子の身体がピンク色に火照ってきたのを見て、身体を離す。
「・・・?」
急に動きを止めた俺を、爽子が不思議そうに見る。
「爽子ばっかり気持ちよくなってずるいよ・・・今度は俺も気持ちよくしてよ、爽子」
「えっ・・・?」
ズボンを下ろし、下半身を露にする。
初めて見るであろう男の部分に、爽子は顔を真っ赤にさせて目をそらす。
「ほら・・・早くさわってよ」
「えっ、えっ」
戸惑う爽子の手を引いて、俺自身を握らせた。
「ほら、こうだよ」
手を前後させて、しごかせる。
顔を真っ赤にして涙目になる爽子に言う。
「次は口でして」
「えっ・・・」
「できないの?俺のことが嫌いだから?」
「違う、違うよっ」
「俺のことが好きだったらやってよ」
俺は、爽子がこう言えば絶対にやると知ってる。
爽子の純粋さを俺は利用した。
爽子は先端を小さな舌でペロペロと舐め、ゆっくりと口に含んだ。
「ああっ・・・・」
初めて感じる想像以上の快感に、俺は頭が真っ白になった。
「んむぅっ・・・、んっ、んっ・・・」
爽子の綺麗で可愛い口が、俺自身を口に含んで吸い付いている。
爽子のすべてを支配した気がして、俺は身体がゾクゾクするのを感じた。
━13━
「はぁ、はぁ・・・もうダメだっ・・・」
爽子の口から自分自身を抜いて、再び爽子を押し倒した。
コンドームを装着すると、爽子の足を開かせた。
「もう我慢できない・・・爽子、入れるよ・・・」
「えっ、ちょっとまっ・・・ぁあんっ!!」
俺は我を忘れて、思い切り腰を振った。
「爽子、爽子っ・・・!」
「んっ、んっ・・・」
爽子は自分の口を手で押さえ、声をもらさないようにしている。
間もなく、俺は爽子の中で果てた。
ゆっくりを抜くと、ベッドのシーツに血がついてることに気づいた。
当たり前だが、自分も初めてなら、爽子も初めてに決まっているのだ。
「あっ・・・爽子・・・ごめん!!痛かったよな・・・ごめん」
「ううん、ちょっと痛かったけど・・大丈夫だよ・・・」
いつもの可愛い笑顔で爽子は言った。
━14━
「っ・・・!ごめん・・・爽子」
「どうして謝るの、風早くん」
「だって、爽子に無理矢理こんなこと・・・」
「・・・わ、私、うれしかった・・・よ・・・」
「え・・・?」
「だって・・・こ、こういうことは・・・大好きな人としかしないものでしょう?だから、私・・・好かれてるんだなって思えて・・・うれしかったよ」
「爽子・・・」
ぎゅっと爽子を抱きしめた。思わず泣きそうになってしまった。
「ごめん、俺・・・三浦にすげー嫉妬してた・・・」
「ええっ、師匠に?なんで・・・」
「だって、あいつ爽子に触ったから」
「え・・・?あっ、ごごごめんなさいい!!!」
「いや、俺が独占欲強すぎるのが問題なんだよ・・・ごめんな」
「そんなこと・・・」
「でも・・・できればもう、あんまり三浦に・・・他の男に触れさせないで」
「は、はいっ!ごめんなさい・・・!!」
「あー・・・。俺ってホント爽子をひとりじめしないと気がすまないんだな・・・」
「そんなの・・・私もだよ。「おなじ」でしょ?」
告白のとき、俺が言った言葉を今度は爽子が言う。
あーもう、俺本当に爽子が好きだわ。
「爽子・・・すきだよ。すっげー好き。」
「私も・・・風早くんがだいすきだよ」
もう一度、ギュッと爽子を抱きしめた。
爽子越しに時計を見て、時間に気づく。
「あーっ!やべ、そろそろ母ちゃんが帰ってくる!!」
「え、あわわわわわわわわ・・・!!!」
俺たちは慌てて服を着た。
服を着ると、お互い髪がボサボサになっていて、声を出して笑った。
ずっと・・・俺は君のための俺でいるよ。
(完)
------------------------
終わりです。
見づらい点があったらすみません!
変態作品ですみませんでした!
68 :
名無しさん@ピンキー:2009/11/09(月) 02:05:25 ID:9oAPOkJA
乙です☆
ぎゃあああ(悶
風の独占欲強すぎなとこって萌えるよね、、
二人には悪いが、これが原因になっての喧嘩っていう展開は是非みてみたいな・・
あーーー!いいなあ、職人さん連続降臨!
夜勤さん、いつもながらの手腕、素晴らしいです。
ケントのせつなさが伝わります。御馳走様です。
君だけの〜さんの独占欲風、最高!
爽子の無防備さは、確かに危険だw
でもきゅうに狼化した風早氏に引かなかった爽子えらいw
えと、突然ですが前スレラスト近辺でピンあやを書かれた職人さんいらっしゃいますか?
実はあのお話の設定を使わせていただいて、勝手に続きなるものを書いているのですが。
もし、許可戴けるのであれば、頑張ってラストまで突き進みたいと…!
誠に勝手なお願いですが、諾否お聞かせ願います。よろしくお願い致します。
71 :
風×爽1:2009/11/10(火) 02:11:30 ID:2fEMgeTI
4レス借ります。風×爽 キスだけ。
自転車通学をやめた。
黒沼との登下校の為。
少しでも、彼女と一緒にいたかった。黒沼を見ていたかった。
黒沼の優しく柔らかく、小さな可愛い手の感触は、ようやく自分になじんできた。
抱きしめたのは、あの時の教室での一度きり。
その一度で、どれだけ自分が黒沼に飢えているか思い知った。
でも、大事にしたかった。
「あのさ、黒沼」
「はい」
「ピンの家に行った帰りにさ、その。ピンの奴の、変なアドバイス、あったでしょ」
「あ!」
爽子の顔がほんのり赤くなるのが分かって、胸がずくりとなった。
「あの……掴んで、5秒?」
「うん。それ」
触れ合ってもいないのに、黒沼の感触や体温や匂いを意識して、視界がぼやける。
手の平に、じんわりと汗をかいた。
俺、ヤバイ奴だよな。
「あれ、さ。も一度やってくれないかな。……で、その、5秒じゃなくて、10秒にしてみて、さ?」
「……10秒に、するの?」
「うん」
5秒じゃ足りないかもしれないから。
歯切れの悪い俺の注文に、黒沼は、ほてった顔のままほんの少し首をかしげて俺を見上げた。
可愛くて、後ろめたくて、頬が熱くなる。
俺の焦った顔を見て、黒沼が、首を少しかしげたまま。
花の様に、微笑んだ。
その笑顔に、時間が引き延ばされる。
彼女は微笑んで。そのまますうっと目をつぶってくれる。
「……こう?」
目をつぶった黒沼の。
……俺の彼女、の。綺麗なかお。
少し上げた顎。前髪から見え隠れする可愛い額。
-------さわこ。
彼女と、キスがしたかった。
肩を抱いて。
そして。
時が止まった様な 錯覚。
10秒数えて、黒沼のまぶたがふっと開く。
何も起こっていない。
さっきと変わらない距離で、触れもせず、そんな彼女をじっと見つめている俺に、彼女は戸惑いの視線を送る。
彼女に見つめられて、だんだんと顔が熱くなってくる。
72 :
風×爽2:2009/11/10(火) 02:12:41 ID:2fEMgeTI
「風早、くん?」
「……ごめん!」
「え?」
「俺、ずるいことした。 やっぱ、こういうのはダメだ! ちゃんと言わないと!」
顔が、熱くて仕方ない。湯気が出そうだ。
「え? え?」
「-------黒沼」
「は、はい」
俺は、向かい合った彼女の下ろされた手を両側から握って。
首をかがめ、彼女の顔を、覗き込み。
「キス、していい?」
きょとんとした、彼女の顔。
黒沼の顔が真っ赤になるまで、3秒かかった。
「わ、私で、よかったらっ」
そんな返事の彼女が可愛くて、愛しくて。
俺は赤い顔で微笑んだ。
「俺、黒沼じゃないと、嫌だから」
微笑んで。
両手を握ったまま。
顔を近づけた俺に、ひくっ、と顔を緊張させ、目を瞑った彼女の額に。
少しすぼめた唇を押し当てる。
額にキス。
黒沼が、赤くなりつつもあれ? という顔で瞳を開ける。
俺と黒沼の前髪同士がまざりあって、真っ赤になってお互いの目を覗き込み合う。
嬉しくて。可愛くて。
口元が緩むのが止められない。
「……さわ、こ」
気がつけば、声に出して呼んでいた。
俺に名前を呼ばれて、彼女の耳までが綺麗に赤くなる。
おれの、さわこ。
そして俺はゆっくりと、彼女の唇に近づいた。
俺の目を見ていた爽子の潤んだ目が閉じても。
俺は、ずっと彼女を見つめていた。
73 :
風×爽3:2009/11/10(火) 02:13:47 ID:2fEMgeTI
「……ん」
ついばむ様に、初めての口付けをする。
さわこ。
さわこ。
好きだ。さわこ。
初めて聞く、爽子の微かな喘ぎ声。
仕草も、匂いも、感触も、全て五感に刻み込んで。
多分一生忘れられない。
なごり惜しげに、何度も綺麗な唇にこすりつける様にして、ついばんで。俺の唇を覚えてもらう。
「……は」
息があがった彼女が、潤んだ目をふっと開ける。
「わ、わたしっ」
我に返った様子の爽子が俺と目が合うと、泣きそうな瞳でこれ以上ない程顔を赤らめて、
俺の手から逃れ様とする。
「さわこっ」
74 :
風×爽4:2009/11/10(火) 02:14:45 ID:2fEMgeTI
嫌だ。離さない。
憑かれた様に彼女を抱きしめて、頭にほお擦りした。
「か、風早く、ん。 恥ずかしい、よ」
泣きそうな彼女の声。
愛しくてたまらない。
一瞬も逃さずに、全部、記憶に刻み付ける。
「大丈夫。誰もいないよ。俺以外、誰にも見せないから」
「か、風早くんに、見られるの、一番恥ずかしい……」
「ごめん。それはダメ。俺は見たいんだ」
「か、風早くん」
「だーめ。彼氏の特権」
笑って、腕の中の愛しい子の願いを却下する。
甘い気持ちが、どんどんこみ上げて止まらない。
もう、止めなくてもいいんだ。
「爽子」
「は、はい」
「……好きだよ」
「っ、わ、わたし、も。好き」
「……大事にするから」
「わ、私もっ。大事にします」
俺、幸せでどうにかなりそう……。
「もう一度、キスさせて?」
「う、うん」
一瞬、震えた腕の中の愛しい身体が、しばらくして緩んだ。
夢の様な、甘い瞬間。
「好きだよ。さわこ」
おわりです。
乙乙!!
グッジョブすぎて死んだ…っ!!!
モゾモゾきゅんきゅんする感じがすごくあの二人っぽくていい!!
風早はやっぱり真正面の正攻法で行ってほしいよね…
あぁいいねぇ〜幸せそうで見てるこっちも幸せになるよ〜
GJ!!
可愛い…可愛すぎる
原作の初KISSもこんなだといいなー
キスしていい?
これヤバイ!
あああー
キスでドギマギする風早も独占欲丸出しで狼化する風早も良いよ良いよー
12月号発売まで身がもたん…投下がありがたいっす!
うわー職人様方GJ!
本当にここは投下が途切れないなー
風早は嫉妬深いし爽子は鈍いから付き合っても互いに苦労しそうだ
だがそれがイイ!
職人様GJ!!!!!
なにこれこの(´д`)ハァハァする可愛さ!!
萌え死んだ
久々にきたらなんだこの投下祭りは!
みんなGJすぐる!!
新婚さん祭りはいつ始まりますか?
あああ穴はどこですか
>>83 エロパロスレでそれを見ると、違う意味に解釈できてしまうから恐ろしいw
リクを柿逃げ
大学生か社会人の風爽
別々の大学(or職場)
風早の大学の友達(or職場の同僚)が『風早の彼女』な爽子にうっかり惚れ(彼女だと知ってる上で)
惚れたと分かった途端失恋ケテーイな切な系
もしくはそこからドロドロスタート!
気が向いた職人さんいましたら頼んます!!
風早くんって絶対包茎だよね。
で、すっごい悩んでそうw
誰か、こんなネタで頼む。。。
>>87 それはいやだw
剥けなくて病院にでもいくのか?w
いや、いかなくちゃと思うんだけど、なかなか踏ん切りがつかない。
その葛藤を描いてほしい。
>>87さんのナイスアイディアをお借りします。
病院に行く/行かないの葛藤とは違う形になってしまいました。
ご不快な思いをなされませぬようOKな方だけドゾ…!
------------------
「はー……。」
俺は今日何度目になるかわからない溜息を吐いた。
「かっこわりぃ。」
何がって?ナニが。なんて冗談が言いたい訳じゃない。
今日は日曜。そんでもって、今からマルの散歩。
散歩の前にベッドの上で下半身丸出しにしてる理由は
今から黒沼に会って、黒沼がかわいい顔して笑っても
俺の素直な分身が勝手にはしゃがないように、"処理"
しとこうって思ったから。
でも、最近気になることがあって……。
「もー!なんなわけ!?お前っ!」
黒沼とは昨日の帰りに約束してて、朝起きたら普通に
支度したかったんだけど、黒沼に会えるとか、"朝"っ
てこともあって、やたらと元気な分身に向かって、俺は
苛立ちをぶつけた。
別に俺の分身がこんな状況なのを気にして怒ってるん
じゃないんだ。これについては休みの日に黒沼に会え
るんだから、当然だぞって思う。
問題なのはそこじゃなくて。
「どーにかなんねーかなー……。」
俺はぼやきながら分身の先端にたぐまった皮をしばら
く伸ばしたり縮めたりして、わずかながらの快楽を得る。
指できつめに押さえて根元へずらすと、皮の中の先端が
見えた。
そうなんだ。俺、ホーケーなんだよね……多分。
今まで気にしたことなかったんだけど、最近気になる。
すっごい気になる。
てゆーか、イヤだ。
こんなん黒沼に見せらんない!
「いや、見せるとか当分先の話だし!ってゆか!
当分ってなんだよ!黒沼はまだそんなつもり……
でも俺……俺は、黒沼……黒沼の……。」
やばい。手、止まんない。
「黒沼……爽子……爽子、爽子爽子さわこ……ッ!」
頭の中に現れた、俺以外の誰も見ちゃいけない格好を
した黒沼を掻き消すように、視界が白く染まる。
「……逢いたい。」
そして俺は支度を済ませてマルと一緒に河原まで走った。
思いっきり。早く黒沼に逢いたくて。
おしまいです。
何というGJ 男の子な風早君イイヨイイヨー
GJ!!
86さんのリク聞くのかと思ったら87かよww
神職人は包茎が好きなんですね、わかります
GJ!!可愛いなあw
95 :
名無しさん@ピンキー:2009/11/20(金) 21:09:13 ID:s+R1v1vm
ヘタレ風早の流れにのって、初投下してみます。
風×爽 初えち話ですが、
風早がヘタレで残念なかんじですので、ご注意。
タイトル「First Time」
96 :
First Time(1):2009/11/20(金) 21:12:26 ID:s+R1v1vm
夢みたいだ――――――
俺の腕の下で、黒沼が真っ赤な顔で固まったまま、涙目で俺を見てる。
「・・・・・・・・・ほんとに、いいの?」
ダメって言われても止められないかもしれない。
そう思いながらも、俺はかすれた声で黒沼に問いかけた。
黒沼は赤い顔のまま、何度もコクコクとうなずく。
「ど・・・・どうしていいか、あんまりわからないけれど・・・。
い・・・いやじゃないよ、私、風早くんとなら・・・」
いっしょうけんめい言葉をつなぐようにして、震える声でそう告げられたら、
体中の熱が一箇所に集まってくるのを感じた。
緊張と興奮で、心臓がありえないくらい早く鳴りはじめる。
『黒沼が、少しでもつらくないように』
この日のために、何度も自分に言い聞かせた言葉を頭の中で繰り返しながら、
俺は、ゆっくりと、黒沼に触れていった。
透き通るような白い肌が、俺が触れるたびにピンクに染まっていく。
唇をかみしめて、ぎゅっと目を閉じている黒沼は、
それだけで、もうどうしようもないくらいエロくて。
本当に、心臓が壊れるんじゃないかってくらい、早く鳴り続けてるのを感じてた。
1枚1枚、黒沼の服を脱がせながら、もどかしい思いで、自分の服も脱ぎさる。
恥ずかしそうに目を閉じたままの黒沼の顔。
見てるだけで、理性が完全に飛びそうになって、
全身の血液が、痛いくらいに一箇所に集中してるのがわかった。
(・・・・・・・・・・・やばい。俺、最後に抜いたのいつだっけ・・・)
まさか、今日、こんな風になるとは思わなくて。
あまりにも、突然飛び込んできたチャンスだったから・・・。
(・・・・・・今からこんな状態で・・・も、もつのかな、俺・・・・)
一抹の不安がよぎるけど。
でも、もう止められるわけなんてなくて。
そのまま、黒沼の胸に指をはわせる。
97 :
First Time(2):2009/11/20(金) 21:14:12 ID:s+R1v1vm
「・・・・・・・・・・・んっ」
それまでかたくなに結ばれていた黒沼の唇から、微かな吐息がもれた。
男なら誰だってそうだと思うけど、こうなる前に、何度も、この日のことを頭の中で想像してた。
そのたびに、少し罪悪感に捕らわれながらも、空想の中の黒沼に、いつもすげー興奮してた。
だけど今、もれるように聞こえてきた黒沼の声を聞いた瞬間。
そんな空想の興奮なんて、はるかに飛び越えるスピードで、
頭の中がガンガンするくらいに血が上ってくるのがわかる。
かけらしか残ってなかった理性をいつのまにか完全に手放して、
無我夢中で、俺は黒沼に触れていた。
「・・・・んっ、・・・・・っあ、やっ・・・・」
俺が触れるたびに、少しずつ、黒沼からもれる声が増えていく。
その声が聞こえてくればくるほど、俺の中の熱が高まって、行き場を求めてさまよいだす。
(・・・・・まじで、俺、我慢できねー・・・)
今すぐにでも、黒沼の中に入りたいと思う気持ちが膨れ上がりそうになって。
でも、いつも自分に言い聞かせてた言葉が、呪文のように浮かび上がってくる。
『黒沼が、少しでもつらくないように』
(だめだ・・・まだ・・・・早い・・・・・焦んな、俺・・・・)
98 :
First Time(3):2009/11/20(金) 21:16:10 ID:s+R1v1vm
拷問のような焦燥感に耐えながら、俺は黒沼の下腹部に手を伸ばした。
(・・・・・・・・・・・うわ・・・)
きつくしまったそこは、だけど、少ししっとりと濡れてて
初めて感じるその感触に、また理性が流されそうになる。
その部分を、ゆっくりと探りながら、黒沼の方を見ると、
瞳に薄く涙を浮かべながら、熱に浮かされたような顔で
黒沼が口を開いた。
「・・・・・やっ・・、あ・・・・は・・恥ずかしいよ・・・・」
(――――――っ! その顔、やばいって・・・・)
それ以上見ていることができなくて、かわりに俺は、黒沼の唇をふさいだ。
酸欠になりそうな勢いでキスを続けながら、黒沼の感じる部分を探りあてようと、あちこちに触れる。
「・・・・・・・・・・・はっ・・・あ・・・んっ・・・・」
キスの合間に、黒沼からもれる吐息と声が、俺の脳みそを溶かしていくみたいだった。
下半身に全部の血液が集中してるみたいな切羽詰った感覚が襲う。
(・・・ちょ・・・・俺、まじで、やばい・・・・)
この状態だけでイキそうで、あわてて呼吸を整えようとした時。
黒沼が無意識に動かした手が、俺のその部分に触れた。
「――――――――っ!!」
突然の衝撃に、俺があわてて腰を引こうとしたのと同時に、
朦朧とした意識の黒沼が、何かにすがるように、無意識のうちに俺のその部分を軽く握った。
(―――――――う、わっ! やばい、出るっ・・・)
その瞬間、自分でも止められない速さで、一瞬にして熱がはじけ飛ぶのをかんじた。
ものすごい快感が襲ってきて、俺の中の熱が、外に放たれる。
思わず、その快感にのみこまれて、心ゆくまで味わってしまった後、
次の瞬間、自分の体中から、さーっと音を立てて、血の気が引くような気がした。
99 :
First Time(4):2009/11/20(金) 21:17:34 ID:s+R1v1vm
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
正直、頭の中が真っ白で、言葉が出ない。
「・・・・か、ぜはやくん?」
突然動きを止めた俺に、不審そうに黒沼が声をかけた。
(・・・・・・・・・あ、黒沼の、手・・・・)
黒沼の手を汚してしまったんだじゃないかと、あわてて見たけど、
幸い、それはまぬがれてたらしい。
「え・・・・と・・・・・・、ちょ、ちょっと・・・・待って・・・・」
しどろもどろで、黒沼に声をかけながら、
とにかく手近にあったティッシュで、手早く身づくろいをした。
一度熱を放出したからか、頭の中はさっきより冷静で、
それが余計に情けない気持ちに拍車をかけていた。
(・・・・・ど、どーすりゃいいんだ、ここから・・・・)
焦れば焦るほど、どうしていいかわからなくなって
何か嫌な汗をかきはじめてる自分に気づく。
「風早くん?・・・・どうしたの?」
(どうしたのって・・・・・。この状況、説明すんのかよ・・・・・・俺・・・・)
どうしていいかわからずに、俺が無言のままでいると、黒沼の顔が一気に不安そうになった。
「わ・・・・・私、何かいけないこと、したかな・・・・・」
「―――い、いやっ! 違う! 違うから!」
「でも・・・・それじゃぁ、どうして・・・・」
黒沼は、泣きそうな顔になりながら、俺を見つめて言葉をつなぐ。
「な・・・・・・なんでも言って!
私、あやねちゃんにいろいろ教えてもらっても、本でいろいろ勉強しても
わからないことだらけで・・・・。
きっと、風早くんに迷惑かけてると思うけど・・・・。
でも、何かいけないことしたなら、教えて、ほしい・・・・」
言いながら、じわじわと黒沼の瞳に涙が盛り上がっていく。
「・・・・ちょ、ちょっと待って! ほんとに違うから。 黒沼のせいじゃなくて・・・・」
そこまで言っても、なんて言って続けていいのかわからない。
沈黙を打ち破る言葉を探しながらも、情けなさに消えてなくなりたいような気分になっていた。
でも、そうしているうちにも、黒沼の表情はどんどん翳っていく。
100 :
First Time(5):2009/11/20(金) 21:18:24 ID:s+R1v1vm
(あー・・・・、もう・・・・。・・正直に、説明するしか、ない・・・・か・・・)
「・・・・・ほんとに、黒沼のせいじゃなくて・・・。
なんていうか・・・俺の責任で・・・。
・・・・・・・ちょっと、失敗・・・っつーか・・・・・・・・・」
「え・・・・? 失敗って・・・? どんな?」
(ど、どんな・・・!? この状況でさらに『どんな失敗?』って聞く?)
あまりにストレートな黒沼の質問に、情けなさを通り越して、やぶれかぶれな気持ちになってきた。
きちんと説明するまで、きっと黒沼は、自分のせいなんじゃないかと思って、納得しないだろうし。
覚悟を決めると、勢いをつけて、一気に言った。
「あー・・・、あのね。
黒沼があんまりかわいくて、お・・・俺だけ先に気持ちよくなっちゃいました。
ごめん・・・」
情けなくて、恥ずかしくて、黒沼の顔が見れない。
「・・・・・・・・・・・・・か、かわいくて!?」
(そこかよ!)
思わず心の中でつっこみを入れながら、ちらっと黒沼の方を見ると、
黒沼は、頬を真っ赤に染めて、俺をみつめてた。
さっきまでの情けなさが嘘のように、また、俺の身体が少しだけ熱を帯び始める。
「か・・・風早くんは、気持ちよかったってことだよね?」
「え・・・・、う、うん・・・まぁ、それはそうなんだけど・・・」
俺が一応うなずくと、黒沼は花が咲くみたいに、ぱあっと、満面の笑みを浮かべた。
「そっかぁ・・・・。よ・・・よかったぁ。
なんだか、すごく、うれしいなぁ・・・」
その笑顔を見た瞬間、また俺の中で急速に気持ちが盛り上がっていくのを感じた。
純粋な黒沼の心をそのまま表してるような、そのセリフと、
恥ずかしそうに手で胸を隠しているだけのその裸体のアンバランスさが
ありえないくらいエロくて。
俺の中の熱が、また一箇所に集まり始めた。
自分でもちょっとびっくりするくらいの速さで、身体も心も準備が整っていく。
(・・・・・もう1回いけるかも・・・)
「・・・・・で・・・でも、まだ、途中だから・・・・・・。
・・・黒沼とちゃんと、・・ひとつになりたい・・・。
もう1回、続きから、はじめてみてもいい?」
俺が言ってる言葉の意味は、たぶんすべては理解できていないんだろうけど。
黒沼は、また恥ずかしそうに全身を赤く染めて、それでも、コクっと一度うなずいた。
101 :
First Time(6):2009/11/20(金) 21:19:55 ID:s+R1v1vm
1回出したからか、そこからの俺は、結構冷静で。
初めての黒沼に、痛い思いはさせちゃったとは思うけど、
それでも、できるかぎり優しく接することができたと思う。
「・・・・・大丈夫? 身体つらくない?」
終わった後に、おそるおそるそう聞いたら、黒沼はうなずいて言った。
「うん・・・。いろいろ教えてもらった通り、
少しは、やっぱり・・・痛かったけれど・・・」
そこまで言うと、少し言葉を選ぶように、沈黙して、また口を開いた。
「・・・・・・・・・・また新しい『幸せ』を知ったよ。
『幸せ』って、たくさんあるんだね。
いつも、風早くんが、私に教えてくれるんだよ」
そう言うと、また、少し涙目でにっこりと笑う。
そんな姿が、かわいくて、愛しくて、大切すぎて。
俺の方が、少し泣きそうになるよ。
胸がいっぱいになりながらも、俺は、忘れてはいけないひとつの事柄を思い出した。
「く、黒沼・・・。あのさ、たぶん、矢野とかに今日のこと聞かれると思うけど」
「う、うん・・・」
「詳しいことは、な・・・内緒にして欲しいんだ。
いや、詳しいことっていうか、基本的に全部内緒にして!
まぁ、俺とこういうことになったってことは、報告したいと思うし、してくれていいんだけど。
なんちゅーか、詳細は・・・・ちょっと・・・」
「あ・・・うん、それは・・・私も、恥ずかしいし・・・」
でもたぶん、黒沼が恥ずかしがっても、あいつら(特に矢野)なんとかして聞き出そうとするに決まってんだ。
102 :
First Time(7):2009/11/20(金) 21:21:06 ID:s+R1v1vm
(俺、今日のことあいつらに知られたら、絶対立ち直れない・・・)
「あのさ、やっぱり、ふたりだけの秘密にしたいっていうか、
今日のこと、俺、すっげー大事に思ってるから・・・。
だから、矢野たちが根掘り葉掘り聞いてきても、絶対・・・内緒にして・・・!」
「う、うん!!」
黒沼は、キラキラ光る目で、大きくうなずいた。
(う・・・うそは言ってない・・・)
若干、後ろめたい気持ちを抱えながらも、俺はひとまず胸をなでおろすと、
腕の中の黒沼を、もう一度、しっかりと見つめなおす。
「・・・・・・・俺、黒沼のこと・・・・・これからも、ずっと・・・・大事にするから」
いろんな気持ちをこめてそういうと、
黒沼は見開いた目に大粒の涙を浮かべて、俺にぎゅっとしがみつくと
つぶやくように、小さく言った。
「・・・・・・・・・・・・・・・幸せ、だな・・・・私」
それは、俺のセリフだよ、って思いながら。
俺は、もう一度、黒沼のことを、強く強く抱きしめた。
(END)
思ったより長くなった・・・。ごめんなさい。
早すぎて漏れ太くんwww
かわかむりくんも漏太くんもGJ!!萌えワロタ
漏太ww
>>102 GJ!!可愛い!最高!ヘタレ祭りですかw
最近の風早見てるとしっくりきますなー
>>103 ピン乙w
>>102 風早漏太君www
やっぱり風早は基本ヘタレであってほしいなwww
風早のセリフとか原作っぽくていいね
いやー、GJです!
「か…可愛くて?」
そこかよ!
に吹いたw
爽子って実は天然のSだなぁ。可愛いGJでした〜。
GJGJ!!
ヘタレいいよヘタレ
原作絵でリアルに想像できてしまったw
今はよくわかってない爽子も知識が増えたり、回数重ねれば失敗の詳細理解しちゃうんだろかww
最終回は高校卒業と同時にちづ、あやね達が爽風の手作り結婚式を開くと予想。
誰か、おねがいしま
風早ヘタレ弄り祭りに便乗して、風早脳内会議ものを。
16スレほど消費します(長くてすません…)
風爽は大学1年の設定で。ネタに走ってるので風早イケメン台無し注意。
イケメンをお求めの方はタイトルNGで。
1
「おかえりなさいませ、ご主人さま。」
「・・・・・・・。」
俺は今何を見てるんだ?
なにこれ夢?
夢みたいだ・・・って違う違う違う!!
落ち着け。
落ち着くんだ俺。
えっとなんだっけ・・・―――
=風早翔太の脳内バトル・START=
[管理人]リーダーシップ風早
『はい注目ー!今本体風早がフリーズしたみたいだから、脳内バトル開始しまーす。
説明とかいらねーよなもう。勝者が本体風早の行動を担当するってだけの話!
今回はリアルタイムモードにしとくから途中飛び入りで選手交代もありだからな。
みんなログインの準備はいいな?俺は監視にまわるから。じゃーなっ!』
□焦れ太(以下、焦太)−ログイン
□爽やか翔太(以下、爽翔)−ログイン
□下心のみ太(以下、のみ)−ログイン
焦太『なんで!?なんで爽子がメイドの格好してんの…!?』
爽翔『あははははっ!落ち着け焦太!お前今どこにいんのか分かってる?』
焦太『どこ!?俺いまどこ!?俺夢見てんの!?』
爽翔『だから!爽子の大学だって!風早は今爽子の大学祭に来てんだろ?
で、ここは爽子のクラスの模擬店。さっき表に“メイド喫茶”って書いてあっただろ?』
焦太『・・・――はっ!!』
のみ『爽子の太もも… 太もも… (じゅるっ)』
焦太『――!? いやっ、うん場所は分かったんだけど、ちょっ…ちょっ!!
何で爽子こんなミニスカート履いてんだよ!?』
のみ『“ご主人さま”だって!お風呂にしますか?ご飯にしますか?それとも…
うわ――やばいっ!爽子それはだめだって〜!』
爽翔『もーお前ら……。いーよ俺が行く!』
=The player is 爽やか翔太=
2
「うわっ!爽子!?」
「あ、かっ風早くん…!?」
「びっくりした〜、爽子ウェイトレスやるって言ってたからまさかこんな…」
「うっ、うん……似合わないとは思うんだけど…」
爽子はそう言いながら
顔を真っ赤に染めて俯いた。
いや、…ていうか…
「そんなことないよ…。すっげー似合ってる!」
「えっ…!?」
「俺以外に見せるのもったいないくらい。」
「…えっ?え?」
「ははっ!じょーだんだよ!」
=online=
焦太『なんかイラっとすんな、この爽やかさ…』
のみ『爽子の太もも… 太もも…』
=====
俺は爽子に招かれながらテーブル席に座った。
あ、ちなみに今日の爽子の大学祭には龍とジョーも一緒に来てんだ。
龍達は後で吉田や矢野と合流するらしいし、
俺はこの後爽子と一緒にまわる約束してるから、
爽子の当番が終わるまでここで待ってることにした。
「へへ〜貞子大学入ってからキレーになったよなー!」
「…ジョー!お前ジロジロみんなよ。」
確かに爽子は大学に入ってから変わった。
メイクもするようになったし、
表情も前よりずっと柔らかくなったせいかすごく可愛くなった…。
(いや、前から可愛かったけどな。)
「しょーた、アレはいいのか?」
「え?」
俺がメニューを見ていると、龍にそう話しかけられ
俺は龍の指差す方に振り返った。
すると・・・
3
「爽子ちゃんメイドさん似合うじゃん!」
「そっ…そんな!お恥ずかしい……」
「つーか脚ほっそいな!大丈夫?ちゃんと食べてる?」
「うん…!それは、もちろん…」
・・・!?
そこには爽子と、その横で馴れ馴れしく爽子に話しかける男が居た。
しかも『爽子ちゃん』って名前呼んでるし…
なに?仲いいのそいつと!?
=online=
焦太『あっあれ? 爽やか君、俺みたいなキャラになってない?』
のみ『爽子の太もも… 太もも…』
焦太『のみ太…。え〜っと…爽やか君!爽やかさ無くしてるから!選手交代!』
=The player is 焦れ太=
俺は横目で爽子とそいつらを見ながら様子を伺っていた。
「へぇ〜…あ!そうだ、あれ言ってよ!」
「えっ!?」
「“ご主人さまお風呂にしますか?ご飯にしますか?それとも私?”っつって!」
「わー何お前、黒沼さんにそんな事言わせるの?」
「いーじゃんギャップ萌えだろ?」
「俺も聞きたい!爽子ちゃん言って!お願い!」
!!?・・・何言ってんだこいつら!?
爽子、まさか・・・
「え、えっとじゃあ……」
言う気じゃ・・・
「ご主人さま…、お風呂にしますか?ご飯にしますか?それとも…」
4
=online=
焦太『スト――――――――――ップ!!』
□黒風−ログイン
爽翔『あれ?黒風さん来ちゃったの?』
黒風『……連れ去る。』
爽翔『えっ!?いや、さすがに爽子当番中だしそれはまずいでしょ!あははは!』
黒風『……連れ去る。』
焦太『あぁああもう何でもいーよ!
爽子が!爽子が今俺しか聞いちゃいけない言葉を言おうとしてんだから!
ちょっ 誰か!コラ!誰か早く止めろよ!早くしねーと…』
黒風『……連れ去る。』
=The player is 黒風=
・・・――――
「えっ!?風早くん…!?」
俺は爽子の手を引いてその場から逃げ出した。
俺以外にそんな台詞言わせない。
冗談だって言わせない。
廊下に出て宛てもなくただひたすら走り続ける。
どこだっていい。
爽子と二人きりになれるのなら・・・
=online=
爽翔『待って!黒風さん!』
黒風『……待てない。』
爽翔『いやあのさ、二人っきりになれる場所知ってんの?ここ爽子の大学だけど。』
黒風『……っ!!』
焦太『えっ!?ちょっ…も、もしかして何も考えずに連れ去ったのかよ!?』
黒風『……………』
□黒風−ログアウト
焦太『うわ逃げた!!』
爽翔『ははははっ!さすが黒風さんだな!弄られるキャラじゃないもんな!』
のみ『ちょー早く爽子と二人っきりになりたいんだけど!』
爽翔『のみ太…お前は本当に欲求に素直だな。
じゃ、焦れ太!後はよろしくな!ヘタレらしく言い訳して来いよっ!』
焦太『えっ…え、まじ!?』
=The player is 焦れ太=
5
俺は走らせていた足を止めた。
そしてすぐ振り返ると、
爽子が肩で息をしながら俺をじっと見つめてきた。
ええっと・・・
「さっきの…、同じクラスの奴…?」
「えっ?…あ、うん…。そうだよ?」
「そ、そっか……」
・・・じゃなくて!
えっとどうすればいいんだこの状況…
ま、まず謝らないと…。
「ごめんな…、急に連れ出したりして…」
「…うっううん…!どうしたの…?」
「あぁ〜…いや、爽子と二人っきりになりたくて…」
「…えっ…」
っていうかあいつらに群がれる爽子を見たくなかったんだけど。
・・・・・。
っつーか俺よく考えてみればまだ注文もしてないのに
なにいきなり飛び出してきてんだよ!?
まだ店入ってから5分も経ってねーし。
あ゛〜〜もう俺ってほんとせっかちすぎるにもほどが・・・
「じゃあ…、もうすぐお昼休憩入るから……」
「…え?」
「ここで待っててもらってもいいかな…?お弁当…、持ってくるので…」
爽子は頬を赤くしながらおずおずとそう切り出した。
ま・・・まじで!?
「え!?いいの?」
「うん…!」
「そっか…わかった。じゃあここで待ってる。」
「…うん!またあとでね…!」
=online=
□苺早ベリ太(以下、ベリ)−ログイン
焦太『うわっ!誰だお前!?』
ベリ『やった!!やったぞ俺!爽子との二人っきりの時間ゲットだ!夢みたいだ!』
焦太『新風早!? っつか夢みたいはいいすぎじゃ…』
のみ『やった!!メイド爽子の太ももをひとりじめだ!!』
爽翔『はははっ! ベリ太とのみ太のテンション一緒だな!よかったなお前ら!』
焦太『…なんなんだこいつら…うぜー…』
ベリ『よしっ!次俺いく!次俺いくよ!』
=The player is 苺早ベリ太=
6
その後俺達は爽子のとっておきの場所だという屋上で昼食をとった。
爽子の手作り弁当の味をかみ締めながら、
秋空の下で二人っきりの時間をすごす。
ああ俺今幸せだな… なんて心の中でつぶやく。
爽子と一緒にいる時間はいつだって俺にとっての宝物だ。
弁当を食べ終え、その場でごろんと寝転がりながら
爽子の横顔を盗み見た。
「休憩終わるまでまだ時間あるんだっけ?」
「うん、あと30分くらいかな…」
「そっか。…じゃあそれまで爽子をひとりじめできるんだ」
「えっ?」
爽子と目が合う。
爽子は驚いた顔をしたあと、
顔を赤くさせながら小さな声で言葉を返した。
「私も…、それまで風早くんをひとりじめできるんだね…」
「……えっ」
「うれしいなあ…!」
うわっ!
なにこの可愛い笑顔!
やばっ・・・ こんなの誰にも見せたくない…。
=online=
のみ『おい!ベリ太!押し倒せ!押し倒すんだ!!』
焦太『ちょっ…のみ太!それはまだ早いって!』
爽翔『え、“まだ”って何?』
=====
爽子の笑顔をじっと見ていたら、
突然爽子がはっと何かに気付いたように表情を変えた。
「風早くん…、腕痛くない…?」
俺は寝そべりながら自分の腕を枕にしていたからか
爽子はそれを心配そうに見てきた。
「ううん、痛くないけど」
「あ、あの… もしよかったら…だけど…、」
「……?」
「お昼寝するなら… ここ使ってもいいよ…?」
・・・・・・。――えっ!?
7
=online=
のみ『爽子の膝枕きた――――――――!!』
焦太『ええっ!!ほんとに!?これ何かの罠!?』
ベリ『罠じゃないよ!夢じゃないよ!』
のみ『ふっともも♪ ふっともも♪ 俺次行っていい?』
爽翔『ははっ!のみ太が行くと危険すぎるだろ?俺に任せろって!』
焦太『おい爽やか君!お前そーやって爽子のふともも独り占めする気だろ!
この腹黒爽やか翔太がっ!』
爽翔『え!ちょっとまって、独り占めするもなにも俺ら全員風早だから。』
焦太『――はっ…!!』
=The player is 爽やか翔太=
「え、本当にいいの?」
「うっ…、うん…!」
爽子は恥ずかしそうにしながらコクコクと頷いた。
・・・いいんだよな?
「じゃあ…」
俺は恐る恐る爽子の膝に頭を乗せた。
うわー… なんか照れるな…
「…脚、しびれたら言ってね?」
「ううん…!大丈夫だよ……」
どくんどくんと心臓の音の速さが増していく。
ちらっと爽子の顔を横目で見上げてみるとバチっと目が合った。
目が合うと爽子の顔はどんどん真っ赤に染まっていって…
「はははっ!爽子顔まっかだ!」
「えっ!?…あ、これはそのっ…! か、風早くん寝ないの…?」
「んー…寝るけど爽子の顔も見てたいかも。」
「!!? なっ、何を言って…!?」
「あ!それかー、爽子がキスしてくれたら寝る!」
「ええっ!?」
=online=
焦太『おい!誰か!このイラつく爽やか男の口を封じてくれ……っ!!』
ベリ『なに言ってんだよ焦れ太!これも風早なんだよ!これもお前なんだよ!
みんな爽子にベタ惚れなんだよ!』
のみ『なーなー、爽子の太ももペロってしていい?いいよね?いいよね?』
焦太『ああぁぁぁダメだ!!やっぱ俺が行った方が風早として一番ましな気がする!』
=The player is 焦れ太=
8
俺が笑ってそう言った後、
爽子は顔面を真っ赤にさせたまま硬直してしまった。
えっ・・・
「さ、爽子…?」
「…!! ああえっと…あのそのっ……」
んっ…!? なんか凄く困ってる!?
まずい・・・
「ご、ごめん!冗談だからさ!はははは…」
「えっ!じょ…じょうだん……」
「…えっ?な、なに…?」
「…!! ううん!なんでもないの…!」
爽子は両手をぶんぶんと振りながらそう言った。
ああもう… かわいいよなあ何でこんなにかわいいんだろう。
なんか…やばい。俺このまま寝るとか絶対無理…!
「爽子…、寝返りうっていい?」
「あ、うん、いいよ…?」
俺は爽子のお腹側から外側へと頭の向きを変えた。
爽子の顔が見えるとなんだか色々と落ち着かない。
はぁ…落ち着け俺・・・
・・・って うわっ!!
目の前に爽子の… 生脚!?
=online=
のみ『触れ!触るんだ!いいから触れ!!』
焦太『うっ…うるせー!触れるかっ!触ったら爽子びっくりするだろ!?』
=====
どきどきどきどきどきどきどき・・・
っつーかスカートほんとに短くねーかこれ…!?
こんなんでこれからも外歩くのかよ…
「か… かぜはやくん…?」
ドキ――――――!!!!
なっ・・・なにもしかして脚見てんのバレた!?
「…気持ちいい…?」
・・・・・・・。
9
=online=
のみ『うおぉぉぉぉぉ!何それ何それ“気持ちいい?”って!!』
爽翔『えっ!焦れ太…お前まさか俺らが見てない隙に… おっとこれは俺の口からは言えないか。』
のみ『まさか爽子に○○を触らせてたんじゃ…』
焦太『――ちがうからっ!!』
=====
「…っえ!?なにが…」
「あっ…起こしちゃったかな…!ごめんなさい気持ちよく寝てる所を…」
「・・・・・・・・。」
“気持ちよく寝てる”
「あ、そういう意味……」
「…え?」
「!? ああ〜〜いやっ なんでもない!」
うあ〜何焦ってんだ俺…。
ああもうやっぱりだめだ!この体勢は何かとまずい!
「ありがと爽子!もういいから!」
俺は体を勢いよく起こした。
すると爽子は・・・
「えっ!いいの…?まだ全然寝てないんじゃ…」
「いいの!爽子も疲れるだろ?」
「ううん、私はいいのに… あの、まだ時間あるし気を遣わなくても…」
「いいんだって!」
これ以上膝枕してもらってると変な気分になりかねない…。
っていうかもうなりかけてたし。
・・・なんて爽子には言えないけど。
「じゃあ…」
「……ん?」
「ごっ…、ご主人さまのお好きなようにして下さい…」
「・・・・・・・。」
=online=
のみ『どけ!!どけ焦れ太!俺の出番っ!!』
焦太『あぁ〜〜〜待ってのみ太!たぶんそーゆう意味じゃな…』
のみ『だって“お好きなように”って言ってんだぞ爽子が!?しかも“ご主人さま”って!』
爽翔『あははははっ!のみ太大変だなっ!』
ベリ『ご主人さまか・・・ 夢たいだな…。』
焦太『おい爽やか君とベリ太!お前らものみ太抑えるの手伝えよ!』
のみ『もう我慢できない!ごめん俺我慢できない!』
=The player is 下心のみ太=
10
「……んっ!」
――・・・・
気がつけば俺は爽子と唇を重ねていた。
そんなセリフ、冗談でも言っちゃだめだよ。
俺ずっと耐えてたんだから。
ポニーテールにまとめられた綺麗な長い髪と綺麗なうなじ。
体のラインがはっきりと分かる制服。
ハイソックスとスカートの間に見える反則的な白い脚。
それだけでも目がくらくらするのに・・・
爽子の仕草、その表情、その言葉が俺の理性を崩壊する。
爽子の背中と頭の後ろに手をまわし、体ごと俺の方に引き寄せる。
もっともっと爽子に触れたい・・・
俺の手が爽子の太ももを這う。
そしてそのままスカートの中へ忍び込ませていく。
重ねた唇から漏れる吐息をまた塞ぐように深く口内を侵食する。
すると突然、爽子の細い腕が俺の懐辺りを強く押しはじめた。
唇をそっと離していくと・・・
「…く、くるしい…、よぉ……」
「…――!?」
顔を覗きこむと、爽子は目に一杯涙を溜めながら
りんごのように真っ赤になった顔で俺を見つめている。
うわっ… その顔やばすぎ…
=online=
焦太『スト――――――――――ップ!!』
のみ『ええっ!?なんでだよ!これからが本番だろ!?』
焦太『爽子が泣いちゃう!泣いちゃうから!頼むからもうやめてくれ!』
=The player is 焦れ太=
11
「ご、ごめん爽子……」
「……うっ、ううん…」
爽子の大きな瞳からポロっと涙が零れた…
わぁあ〜〜〜〜!や、やばいっ!
やりすぎた!!うわどうしよこれ…
「ごめん…!爽子があんなこと言うから俺我慢できなくて…」
「あ、あんな…こと?」
「“お好きなように”ってやつ…」
「………あっ!」
爽子は顔をはっと驚かせた。
そして慌てて言葉を続けた。
「あの…!あれはその…、私が勝手に妄想してしまったからで…」
「・・・・へ?」
「えっと…今日はこんな格好してるし…、
風早くんが…わ、私のご主人さまで…、私がメイドで…
風早くんにお仕えする妄想を… あぁああ〜ごめんなさい私なにを言ってるのだろう…!」
「・・・・・・」
=online=
焦太『・・・・・・・。』
爽翔『おーー…い焦れ太?フリーズした?』
のみ『ちょっと!爽子がメイドプレイ妄想してたって言ってんのに何フリーズしてんだよ!』
爽翔『いや、たぶんお前が想像する妄想と違うぞ!何てったって爽子だからな!あははっ!』
ベリ『ちょっと爽子ハグしてきます!』
爽翔『えっ?あ、うん。お前が適任ぽいな。よろしくな!』
=The player is 苺早ベリ太=
「……――きゃっ!」
俺は堪らなくなって爽子の体を抱き寄せた。
ほんとに・・・ なんでいつも君は・・・
「……いっしょだよ。」
「……え?」
「俺もおなじだよ。」
=online=
焦太『――って おい! 何が同じなんだよ!絶対同じじゃないだろ!』
ベリ『ちがわないよ。おなじだよ。』
=====
12
「そっか… おなじ…」
「うん…」
爽子の体を少し離して笑顔を贈ると、
爽子も恥ずかしそうに笑顔になった。
しばらく二人で見つめ合っていると、
突然爽子が目を丸くして何か落ち着きない様子で下を見た。
「あれ…?なんか当たってる気が……」
「……えっ?」
「なんだろうこれ…」
爽子はもぞもぞと手を動かし始めた。
なんだ…?
一緒に下を見てみると、その場所にあるものは・・・
俺の・・・―――!!?
「…あ、これだ… ――はっ!!」
「――っ!?」
=online=
のみ『うおぉぉぉぉぉぉ!! 爽たんに握られてしまった――――!!』
焦太『うわ――――――!! ちょっ…ちょっちょっうわ――――!!』
爽翔『あはははは!落ち着けってお前ら!』
焦太『落ち着けるかー!!』
ベリ『夢みたいだ・・・』
焦太『うん夢みたいだ…じゃなくて!!爽子に気付かれちゃっただろ!?
どう説明すんだよこれ!おい爽やか君!お前爽やかに切り返してこいよ!』
爽翔『ええっ!?い、いや・・・ごめん!そんなボキャブラリー持ってない俺!』
□爽やか翔太−ログアウト
焦太『ああっ!爽やか君逃げちゃった…』
□黒風−ログイン
焦太『おかえり黒風さん…、って、えっなんで戻ってきたの!?』
のみ『あまりの緊急事態だからでしょ!…うああ!爽子やばい…動かさないで…もうだめっ』
黒風『……なにが悪いんだ……』
焦太『えっ!?』
黒風『……起ってなにが悪いんだ……』
=The player is 黒風=
13
「爽子のせいだからね…?」
「……え?」
爽子の羞恥に満ちた目をじっと見つめる。
爽子の手が恐る恐る俺のものから離れていった瞬間、
俺は一気に爽子の体を押し倒した――
「かっ…かぜはやくん…!?」
「爽子が悪いんだ…」
「えっ…わ、わたし……?」
意味が分からないと言ったように目を泳がせる爽子。
「そんな格好して… 最初から誘ってるとしか思えない。」
「えっ… ええっ!?」
爽子の唇を封じ込めようとした
その時―――
「――あー!爽子と風早じゃん!」
「……って何やってんのあんた達!?」
―――!!?
=online=
[管理人]リーダーシップ風早
『みんなフリーズしたな…。
じゃあこの後は俺の独断と偏見で、焦れ太に全てを任せることにするからな!
みんなお疲れー。』
□苺早ベリ太−ログアウト
□下心のみ太−ログアウト
□黒風−ログアウト
焦太『え・・・ええっ!?』
=風早翔太の脳内バトル・GAME OVER=
14
反射的に俺は爽子の体から離れた。
えっ・・・
吉田・・・ 矢野・・・ !?
「ちょっと何!?あんたまさか…」
「…え!?ちっ、ちがっ…」
や、やややややばいっ!!
なんでよりによって吉田と矢野…
いや吉田と矢野じゃなくてもまずい!
今の体勢見られたのは絶対まずい!
・・・はっ!
っていうか俺・・・
「えっ 風早くん…?」
俺はアレが吉田と矢野にみつからないように背を向けた。
あ゛〜〜ったく何でこんな時に見つかるんだよ…!!
「な〜に隠してんの風早〜。」
「――!!?」
矢野がこっちに寄ってきて横から俺をジロジロと見てきた。
〜〜っ!!もう見るな!あっち行け!!
「……はっ!」
「…??」
突然正面にいた爽子が何かに気付いたように表情を変えた。
な・・・なに??
「あの、ちがうのあやねちゃん…!これはその…」
え!?さ、爽子何を言い出す・・・
「これは…私が悪いの…!私がこんな格好してるからで…」
―――!!?
「っだああ―――――!!爽子!言っちゃだめ!!」
「ええっ!?」
「…ぷっ!あはははは!風早!なにあんた爽子のメイド姿に耐えられなくなったの?」
「ぎゃはははは!!風早スケベだもんなっ!爽子も大変だったなそりゃ!」
「――〜っ!!?」
15
最悪だ・・・俺の人生お先真っ暗だ。
絶対こいつら一生ネタにする気だ。
ああ〜〜もうなんでこうなるんだよ!?
「わ…、私も…すけべなので…!!」
「えっ……」
「えっ!?」
「……!?」
・・・・・・はい?
「か、風早くんに対しては…す、すけべ…なので…、大丈夫だよ…」
「・・・・・」
「・・・・・」
「・・・・・」
さ、さわこ〜〜〜・・・?
爽子は顔を真っ赤にして俯きながらそんな爆弾発言を放った。
吉田と矢野は目が点だ…。
「……ああもうやってらんねーよこのバカップルがっ!!」
「……そーね。おじゃまみたいだから行こっかちづ。」
「あっ…!あやねちゃん、ちづちゃん…!」
「じゃーね爽子!また後であんたんとこの店に顔出すから!」
「ああっ…!う、うん!またね…!」
吉田達はそう言いながら屋上を出て行った・・・。
えっ・・・っていうか
「さ、爽子…??」
「あっ!あの…さっきの続きなんだけど…」
「……え?」
「ここだと…外だと、さっ さすがに恥ずかしいので…、また今度おうちで…できないかな…?」
――!!?
16
俺たぶん今爽子以上に顔面真っ赤だと思う。
だって爽子がこんなこと言うなんて・・・
っていうかこれほんとに爽子!?
「…だ、だめかな…?」
「……!!」
爽子に上目遣いでそう聞かれて
俺はしきりなしに頭を横にぶんぶんと振った。
すると爽子は少しほっとしたように表情を緩めた。
まったく爽子の脳内がどうなっているんだろうか。
時々彼女は俺の想像の遥か斜め上を行く言動をするので
その度に俺の思考はフリーズする。
でも・・・そんな彼女のことがすきなんだ。
これからもきっと何度も惚れた弱みを握られる羽目になるんだろう―――
「じゃあさ、今度うちくる時その制服持ってきて?」
「……ええ!?」
〜おわり。〜
これはwww新しいwwww
超GJ!!
以上です!大量レス消費すみませんでした。
(さっき「16スレ」って書いちゃったけど「16レス」の間違いです!)
あーなんかすっきり。風早はもっと弄られればいいと思うよ('∀' )
ではでは〜
ちょwwベリ太がナイスキャラすぐるww
超GJGJ!
>>128 ほぼリアルタイムで読んでしまったw
ちょw何この風早’s!!!アホ可愛いな!!!
ここ最近のヘタレ祭っぷりに2828が止まらないwww
アイデア賞だな
発想がすごい
のみ太wwwwww
>>130 GJ!!面白すぐる!!
ベリ太www
「夢みたいだ…」はきっと伝説になるんだろうなw
しかし深夜なのにみんな元気だな…w
やばいgjすぐるwwwwww
くそワロタ、のみ太のハァハァが痛いほどよく分かるww
やべええええ
テンション上がってきたーーー!!GJ!!
のみ素直すぎるwww
超GJ!
爽早が、ムカつくキャラなのがなんか笑えるw
GJ!
もしや浅野いにお好き?
140 :
309:2009/11/24(火) 12:16:12 ID:nCra43W3
脳内バトル書いた者です。
>>139 > もしや浅野いにお好き?
えっとごめんなさい(;^_^A その方知らないです…。
作風がもしかして似てましたか?
プンプンとか書いてる人だよね
脳内俺サミットは悩めるお年頃ならよくあることだからいにお好きとは限らんのではw
爽子に風早の息子について
「お父さんのと形が違う…」とか言わせて凹ませたい
>>142 凹んだ後、「爽子が俺の、お父さんのと同じ形にしてくれる?」
と言って責める風早が浮かんだ。
ごめん、最初レス思いっきり読み間違えて
爽子と風早の息子が、自分のムスコを見て「お父さん(風早)のと形が違う…」といって凹んだ。
てな風に勘違いして勝手に和んでしまった。
うおおお!!なにこの投下祭り!!!
皮太くんに、漏太くんに、ベリ太くん!!!wwww
もうめっさすばらしい!!!職人様方GJGJ!!!!
>>143 爽子と風早の息子が、自分のムスコを見て「お父さん(風早)のと形が違う…」といって凹んだ。
てな風に勘違いして勝手に和んでしまった。
これはこれで和めていいな!!!
緊張で中折れなヘタレ風早話見たいっす
ちょwこれは新しいw
他スレっぽいwww
最後はのみ子が出てきちゃったんですね
わかりますwww
ほ
ネ申職人様いつもありがとうございます。
個人的に、ちづ×龍のエロいのが読みたいんですけど、
どなたか書いて頂けるネ申様がいましたらよろしくお願いします。
ちづ×龍… アリだよね?
ありあり
そういえば保管庫1ヶ月以上更新してないけど
管理人さん大丈夫かなー
すげぇGJ!! まじで面白かった。
これは確かに新しい!!
今やってるアニメ(初期の頃の君届)はまさに爽早の独壇場だったからな。
はやくのみ太出て来いよってこれからアニメ見るたびに念じるわ。
ほしゅ
過疎ってるねえ
もうすぐ本誌発売だし、祭りくるかな?
☆
保守
ほほほ
脳内で考えてみたけど・・・
ダメだ、クソすぎるor2
ほしゅー
別マ発売記念で神降臨を期待
>>156 私もww
思い付くけどエロ小説を読んだことなくて表現が乏しくなる…
難しいよねえ
162 :
名無しさん@ピンキー:2009/12/15(火) 12:56:19 ID:aJyrxOIn
ちず×龍も、脳内会議も難しくて書けないけど、
エロ妄想力をフル回転せて書きましたよw
初エロ初投稿なので読みにくかったらごめんなさい!
※注意 風早やりたい放題
↓
↓
↓
↓
↓
163 :
秘密:2009/12/15(火) 12:58:54 ID:aJyrxOIn
1
「…っ声、…我慢しないで」
力なく振られる顎をつかんで、噛みしめる唇を強引に開く。
「……っ、はっ…あっ…やめっ」
「指、…噛んでいいよ……こっち、みて」
節ばった指を入れ、いじわるく笑う。熱にうかされた瞳がただ一人の少女の痴態を舐める。
昼だというのに薄暗い部屋、雪のちらつく真冬の空気は、曇った窓ガラスに阻まれて届かない。
ゆるゆるとグラインドさせる腰、時折わざと深く穿つ。
「っひぅ…っ!」
上がる嬌声に口角があがる。腿をつたう汗、卑猥な音を鳴らすソノ、ブブン。
無意識に高くくねる細い腰、快感を主張する××を下腹にすりつける。
(…あぁ…エロい……たまらない、よ)
ごくり、何度飲み込んだかわからない唾をまた飲み込む。乱れる桃色の裸体が風早の情欲を煽る。
「……舐めても…いい?」
言うやいなや、お楽しみ中のペ×スを自らずるりと引き抜いた。
「ここ…口でしたことなかったよね」
164 :
秘密:2009/12/15(火) 13:02:18 ID:aJyrxOIn
2
「……?」
言われた意味を少女が理解しようと眉を寄せた時には、
口を開け舌をのぞかせる端正な顔があらぬ所に埋まっていた。
「!!…っやめて!あっ…嫌っ」
制止する声を頭の隅で聞きながら、白くやわらかい腿を限界まで開く
ぷくりと膨らんでしまったはずかしい××に突き出した舌を絡める。
「っ…やっ…やぁっ、顔はなしてっ……ああっ!」
しっかりと抱え込まれた腰はびくともしない。
「お願いっ…だめっ…だ、めぇ!」
ちゅくちゅくと音をたてて吸われる、必死で頭を押しのけようと腕をつっぱるが
非力な少女の抵抗など風早の嗜虐心を煽るだけ。
くつくつ喉の奥で笑い、感触を楽しむように何度も舌を這わせる。唇で甘噛みしてはびくびく震える腰をなだめ、濡れた淡い茂みに指を優しく絡めて遊ぶ。
あふれ出るジュース、もったいないと大きな口でうけとめる。尖らせた舌を入れてとろとろの中をかき回すと、もう耐えきれない、少女の口からはひっきりなしの甘い声が漏れる。
「…んぅっ…あぁっんっ……もぅ…も、やっ……!んんっ…んんっ……!…っ…ああぁん」
(爽…かわいい)
かわいい、かわいい…どんな顔も見逃したくない。もっと見せて俺だけに見せて、精一杯我慢した泣き顔もトロトロに溶けたイイ顔も…。
きゅうきゅう締め付けられる舌を名残惜しそうに抜く、そして代わりに長い指をことさらゆっくり差し込んでやる。
「……どっちが、イイの?……指の方が好き?」
聞きながら指を増やして反応をみる。ずり上がり逃げる腰をつかまえて右足を肩に担ぐ。
組み敷かれた身体、卑猥な指が容赦なく責める。
ぐちゅぐちゅ音を響かせて次第に加速させる律動に少女の切羽詰まった悲鳴があがる。
「だっダ…メッ!もうっ…もっ…あっあっ…あっ…」
「……大丈夫だよ…このまま、イって…」
強すぎる快感にかぶりを振る、ねじれる肢体、容赦なく追い上げるリズム
「ああっ…やめっ!ヤッ……あっアァッンン〜〜〜〜っしょうた、クゥンッ」
165 :
秘密:2009/12/15(火) 13:04:48 ID:aJyrxOIn
3
ドクンッ
イク寸前ふいに呼ばれる名前………ドク、ドク、ドク、ドク、暴れだす欲望。
(…爽子、ダメだよ 我慢 できない…)
フリーズする思考、狂った心臓の音、やけにうるさい。
痛いくらい勃起した先端を痙攣し続ける入口に埋める。
くらり、最高の予感に眩暈がする。
「…さわこっ」
「アアアアァ〜〜〜ッ!」
いっきにぶち込み、すぐさま思う存分打ち付ける。腰が自分の物じゃないみたいに動く、とまらない、とまらない、絞られる快感。
ゾクゾク背骨を駆けのぼる快楽に泡立つ肌。
イキながら犯され、訳もわからず伸びた腕が風早の背にすがりつく。
歓喜する欲深な本性、欲しい人は、腕の中。
まるで永遠に続くような、この幸福の嵐
(俺と君つながって、このまま……)
ーーーぜんぶぜんぶ、溶けてしまえ
白く染まる視界
熱い願いを、舞い散る雪が覆い隠す。
甘い甘い、秘密。
166 :
名無しさん@ピンキー:2009/12/15(火) 13:08:27 ID:aJyrxOIn
そして、なぜ名前が緑色なのかわからない自分…残念すぎる…
読んでくれてありがとうございましたw
昼間から投下乙です!
まさに用件のみ!なエロっぷりグッジョブwww
ぐっ …じょぶ…っっ!!
これは良いエロ
正直ぬれた
歌詞みたいで斬新やで
ほんまgjやで
>>163 えろぉおおおおおおおいいいい!!!!
gjですた!!!
>>166 メ欄にsage。ggって調べてみたら良い
良いエロですたGJ!
うわああーー優しいっっ
ありがとーー!!sage sageっと
GJ!!!!
昼間に見て後悔したw
エロい!エロすぎる!
ごちそうさまでした!!
最近の別マ読んでからここ来たら、久々に冬コミ行きたくなったw
少女漫画の同人って何日目になるんだろ?
スレチすみません
風早が爽子を抱こうとすると恥ずかしさのあまりデフォルメ爽子になって愛撫しても「ひょ、ひょーーー!!」としか言わなかったら風早可哀想すぎる
ムード台無しだよw
でも風早だったらデフォ爽子も可愛いと思うに違いない
駄文ですが、投下します。誤字、脱字、あと携帯からなので文字化け等あったらすみません。
風×爽キス済、初エッチ、直前くらいまでの設定です。
風早目線。
黒沼が、俺の前に座っている。
俺は今、何故かトランクス一枚という出で立ちで、当然というか何と言うか、黒沼も、ブラとショーツだけという、所謂下着姿だ。
そして今、俺達は俺のベットの上で、向かい合うように正座している。
黒沼は、これ以上ないくらいに顔を真っ赤にしていて、眩暈がしそうなほど可愛いんだけど、その官能的な姿も相まって、なんていうか、その。
心臓うるさい。
っていうか、何でこんな状況になっているのかが問題で、って、別に問題じゃないんだけど。有り得ないくらいに嬉しすぎる展開なんだけど。黒沼、可愛い。可愛い。もうこれ触っていいのかな。キスとかしちゃっていいのかな。
って、ダメだろ、おい。いやダメじゃないのかな。とにかく状況を整理しなくちゃ。うん、理性理性。
「あの」
不意に黒沼が口を開く。それだけでもう、俺の心臓は口から飛び出してしまいそうになる。
「えっ、ななな何?」
動揺しすぎだろ。もう。
「あの。恥ずかしいので、あんまり見ないで欲しいのだけれど……」
真っ赤にした顔を伏せて黒沼は言う。
「ごめん!そ、そーだよなっ!恥ずかしいよな!」
ぐりんっと音がしそうなほど、俺は慌てて首を横に向けた。その勢いが生み出した風が、ふわりと甘い匂いを俺に届ける。
体の奥の方がじんとする。
見ないでって、見ないでって、無理だろ。普通に。
「ごめん」
「えっ」
「ごめん。黒沼のこと、見たいから、見せて」
驚いたように顔をあげる黒沼を、俺はよくよく観察する。
なんか、勝手なイメージだけど、黒沼は白のレースの下着だと思ってた。想像ではいつもそうだった。
目の前の黒沼は、薄いピンクに小花柄の刺繍があるそれを着けている。上下が揃っていることは言うまでもないんだけど、黒沼の白くて華奢な体によく似合っている。まるで黒沼のために作られているみたい、って何考えてんだ、俺。
あぁ、もう、何でこんな状況なのかとか、どうでもいいや。むらむらするってこういうことなんだ、多分。
「黒沼」
「はっははは、はい!」
黒沼の両肩がびくんと跳ね上がる。なんでいちいち可愛いんですか。
「キス、していい?」
多分、今これを聞くのはずるい。黒沼が断れる訳無いんだから。
「えっ?あ、あああのその、ええっ!?」
「……いい?」
こうやって俺のことだけで困る黒沼を見るのが、ちょっと好きなのかもしれない。
「黒沼。『うん』って言ってよ」
俺は黒沼の頬に手をかける。少し震えている。
いじめすぎ、かな?
「あのっ」
「えっ?」
何?何でちょっと怖い顔してるの?やっぱ俺やりすぎた?
と、思ったら、黒沼の顔はみるみる紅く染まる。
「し、してください!」
「〜〜〜〜〜〜っ!」
なんでこう、斜め上を行く反応をしちゃうんだろう、俺の彼女。
もう無理。
ぎゅっと抱きしめたら、黒沼はホントにやわらかくて、いい匂いで。
「……ずるい」
ぼそっと呟くと、黒沼は「ええっ!何が!?」なんて、俺の腕の中で慌てている。
もう一度、顔をよく見ようと、黒沼の肩に手をかけてそっと離す。そうして俺はごく自然に唇を寄せた。
なんかもう、今時間が止まっちゃえばいいのに。って本当に止まったら困るんだけど。もっともっと黒沼を味わいたいんだけど。
そうも言っていられないので、俺は名残惜しくも黒沼から唇を離す。
「……な、なんか、照れる、ね」
依然として黒沼の顔は真っ赤で、だけど俺の大好きな顔でふわりと笑う。
もうホントずるい。
たまらずもう一度、もっと、もっとと口づける。
「んっ……か、風は、んんっ」
黒沼は俺を押し離そうとしているようで、胸のところにかすかな力を感じる。離すつもりなんて毛頭なくて、俺は片手を黒沼の肩から後頭部に動かしてしっかりと掴む。
「ん、む……ん」
時たま漏れる声がまた煽情的で、本能の赴くままに俺は舌を差し込んだ。
口を塞がれて言葉を発せない黒沼は、声にならない叫びをあげるけど、構わずに奥で縮こまる舌を探る俺。
脳みそが溶けちゃうんじゃないかと思うほどくらくらする。
すきだ、黒沼。黒沼。くろぬま。くろぬま。
甘い舌を絡め取りながら、まだ肩にあった片手をゆっくりと黒沼の胸へ近づける。
触っていいんだ。俺の、なんだ。
初めて触るそこは、ブラジャー越しでも柔らかくて、何だか感動してしまって、少しキスから意識が離れる。
隙を突いたように黒沼がぷはっと息をついた。
そんなことより、俺は何だか黒沼の胸に夢中になっていて、後頭部においた手までも持ってきて両方の乳房を覆うようにそこに触れる。
「か、風早くん、恥ずかしい」
その声にはっとして顔をあげると、黒沼は両手で顔を覆っている。俺は胸に両手を置いたまま、黒沼の耳元に唇を寄せる。
「ちゃんと触っていい?」
もっと、中まで見たい。
答えも聞かないうちに、ブラジャーと肌の間に人差し指を挿し込んで、ぐいっとずらす。ぷるんと揺れこそはしないものの、形のいい胸が顔を出して、申し訳なさそうに乳首がちょこんと付いている。
「あっ、やっ、風早くん!」
黒沼は、大事な所が突然外気にさらされてびっくりしたのか、慌てて俺の二の腕辺りを押さえた。
我慢なんか出来るわけもなくて、黒沼の小さな抵抗に気付かないふりをしてそこに直接触れる。
「ふぁっ、やっ、かぜはやくん、まって」
触れる度に黒沼は体ごと震わせて、小さな口から喘ぎにも似た言葉を紡ぐ。
「や、なの?」
俺がぼそりと耳元で呟くと、黒沼はより一層体を震わせた。
「あっ、違っ、ちがう、けど」
「外していい?」
短く吐き出される息と、親指の下で硬くなって来る感触が嬉しくて、黒沼の抗議らしい声は俺の頭まで届かない。
あれ?でもブラジャーのホックってどうやって外すの?散々思い描いたはずなのに、想像みたいには上手く行かない。
「かっ、風早くん!」
黒沼が少し大きな声を上げたので、俺は我に返って青ざめる。
どうしよう、絶対性急過ぎたんだ。どうしよう。黒沼が俺に幻滅してたらどうしよう――
「じ、自分で外します」
黒沼はそう言うと後ろに両手を回した。
――え?
うわ。ナニ、これ。
めっっっちゃエロい!
直視出来なくなって、視線を反らして口元を手で隠す。
やばい、絶対緩んでる。
「……あのぅ」
「わぁっ、なに!?」
「あの、できました」
ニヤついた自分が恥ずかし過ぎて、黒沼から声がかかって本気でビビる。
え、『できました』って……
黒沼の方へ目を向けると、胸を覆っているものがブラジャーから黒沼の手へと変わっていた。
ちょ……その格好で見上げられるとか…………!
うん。ごめん。もう限界。
俺は、黒沼を押し倒した。
「きゃっ」
「黒沼」
「風早く」
「手、どけて?」
言うが早いか、俺は黒沼の両手を顔の横に押さえ付けて、ぷっくりとしたその乳首に口を付けた。
「ひあっあっあぁん、んんっ、んふっあぅぅん」
我慢しているような、だけど堪えきれないような喘ぎ声が黒沼の口から漏れる。もっと聞きたくて、貪るように俺は舌を動かせる。
掴んだ手首の下で、だんだんと抵抗の力が弱まって来た。それを見計らったように空いた乳首に片手を落とす。
黒沼の声は一層激しさを増して、俺はどんどん先に進みたいと思い始めていた。もう片方の手をそろそろと黒沼の体に沿わせる。お腹、下腹、そしてついに黒沼を隠す最後の一枚に俺の手がたどり着く。
「やっ!だめ!!風早くん、だめ!!」
張り上げた黒沼の声に驚いて、飛びのくようにそこから離れる。離れたかったわけじゃもちろんないけど、条件反射ってやつだと思う。
ほとんど裸で仰向けに転がって、両腕で目を覆っている黒沼は、無言で震えている。俺はそうっと黒沼のそばへ四つん這いのまま進んだ。
「……ごめん。嫌だった、よな」
そう言えば、何度か嫌だと聞こえた気がする。
「違うの」
「え?」
「違うの。違うの!」
「く、黒沼?」
違うの、と連呼する黒沼の、顔を覆う両腕をそっと掴んでどける。
「ドキドキしすぎて、心臓がもたないよぅ」
涙目で、少し睨むように俺を見上げる黒沼は、可愛くて、可愛すぎて。
「……あんまり煽んないでよ」
「…………え?」
「黒沼のこと、大事にしたいのに、可愛すぎて止められなくなる」
「え?かわい……かっ可愛くないよ!」
反応してほしいのはそこではないんだけど、けど。
「かわいいよ、黒沼は」
俺、全然余裕ない。そうさせるのは黒沼なんだって、いつになったら気付いてくれるの?
「いえっ!ほんとに!可愛くはないので!」
NO!とでも書いていそうな手の平を俺に向ける黒沼。俺は少しむっとする。だって、俺はこんなに可愛すぎて困るくらいなのに。
「どうしてそう思うの?」
「え、どうしてって、だって本当に可愛くはないよ。今日だって、」
黒沼はそこまで言うと、あわわわと口を手で塞ぐ。
『今日だって』そんなつもりじゃなかった、とか言われるんだろうか。そうは思ったけど、言ってもらえない方が嫌だ。
「何?言ってよ」
「いや、あの、これはさすがに恥ずかし過ぎるというか、わ、わたし、わたしってばもう」
「黒沼」
「は、はい」
「言って」
俺が有無を言わせないようにそう言うと、黒沼はしばらく目を伏せて、やがて決心したように俺を見つめた。
「あ、あのね?嫌わないでね?」
「嫌わないよ、何?」
黒沼のこの顔、すごく好きだなーなんて考えていたら、その黒沼からとんでもない爆弾が落とされる。
「あの、言うから。言うけど、見られていると恥ずかしいので、だ……抱きしめていてくれないかな!?」
完全KO。
刺激的な格好で、可愛い顔で、そんなことを言う。あぁもう。お姫様の望むようにしますってば。
「これで、いい?」
黒沼の顔を俺の胸に埋めるようにして、ぎゅっと抱きしめる。サラサラの髪が肌に触れて、理性はもう崩壊寸前だけど、君が望むのはこういうことなんだよね。
「う、うん、あのね」
なんとか堪えて黒沼の話を聞くことにする。
「あの……想像したの。たくさんたくさん、想像したの。あやねちゃんに、恋人同士がするようなことを少し教えてもらってね」
精一杯の理性をかき集めて、俺は黒沼にうんうんと頷く。
「それはあまりにも私の想像を超えていて、って、知識ではわかっていたんだけどね、なんか、自分がとか思えなくて」
まぁ、そうだよな。俺が考えるようなえっちなこと、黒沼が考えるわけはないと思ってた。
「だけどそれじゃだめだなって思ったの。……あの、勉強しなきゃって」
「え?勉強?」
って、何の?
「そうなの!私何もわからないから!だからね、そういうことが書いてある雑誌とか買ってね」
「えっ買ったの?」
俺とのことを勉強するために?なんか、なんかもう、嬉しすぎる。
話、まだ続くのかな。正直、もう襲い掛かってしまいたい。
「それで、いっぱい想像したの。風早くんの嬉しいことってどんなことかなって。私と、こういうことしたいとか、思ってもらえるのかなって」
……いや、それはずっと思ってるけど。じゃなくて、黒沼が俺を喜ばせたいと思ってくれていたってことだよね?俺、自惚れてもいいんだよね?
「く、くろぬま」
「だから、もしもそういうことをする時が来たら、ち、ちゃんとしようって思ってたのに、なのに私ったら、翻弄されちゃうばっかりで」
「…………!」
「全然ちゃんと出来なくて、だからね、だから、私にかわいいなんて言葉もったいないの!」
あ……そこにつながっちゃうわけね。
でも、うん。俺の彼女、多分世界一、いや、俺の中では絶対、世界一可愛い。
「うーんと、さ、黒沼?」
「え?」
「あの、俺初めてだけどさ、こういうのって男がリードするもんだと思ってるんだ」
うまくは出来ないと思うけど、と続ける俺を、そんなそんな!と黒沼は否定する。
「だからさ、俺が触れたりすることでさ、その、黒沼が感じたりしてくれてるなら、俺、嬉しい」
「え、あ……や、役に立てなくても?」
黒沼が少し俺の胸を押したから、そっと離して黒沼の顔を見る。不安げな表情を浮かべていて、それもまた可愛らしいんだけど、やっぱりその不安は取り除いてあげないとなって思う。
「んー、黒沼は、俺が黒沼の役に立たないと、嫌いになる?」
「そんなわけないよ!すきで、すき過ぎて!……傍にいられるだけでとても幸せなのに」
間近でそんな告白をされて、色々といたたまれなくなる。顔を逸らして一つだけ咳ばらいをして、もう一度黒沼と視線を交わす。
「『同じ』でしょ?……俺も、そうなんだよ」
俺が意識的に微笑むと、黒沼も微笑む。これで、とりあえず問題は何もないはずだ。そうだよな?黒沼。
「『続き』していい?」
にやりと笑みをこぼしてそう囁くと、黒沼はまた顔を真っ赤にして消え入りそうな声で「お願いします」と言った。
早速とばかりに黒沼の体中にキスを落とし始めると、
「で、ででででもね、あの、本当にずんどこずんどこと心臓が破裂しそうなので、ゆ、ゆっくりお願いします!」
なんて可愛らしいことを彼女が言うので、俺はとにかく本能との戦いに理性が勝利してくれることを祈るのだった。
終わり
終わりです。
なにぶん初めてなもので、1レスにどのくらい字数を入れるべきかすらわからず……
大量にレス消費してすみませんでした!
gj!!!!
二人ともらしさが出てて超よかったです!!
初々しいな〜
そんな時まで丁寧語で話す爽子がそれっぽくて良い!
グッジョブ!
でも本番直前で止められると何だか寸止め感がっwww
保管庫にあった「もう一度、君に届け」読みました。
すっごく面白かったです。
なにより読みやすいくて一気に読んでしまった。
しっかしこの二人には原作でもこれでも試練が多いですねw
GJ!
風早の心理描写とかうまいなー
…続きが気になるw
177-195です。
わー反応があるって嬉しいですねー(´∀`)風早の心理描写うまい、は嬉しかったです。風早はえっちの時、くろぬまかわいい、とかしか考えれてないような気がしますww
もっと何か書いてみようかなー?ところで、1レス何字くらいが読みやすいのでしょうか?
新妻爽子ってフレーズが頭から離れない。
何年後の二人とか◯巻の〜〜の話の後とか
いつどこでなのかをなるべく書いて欲しい
>>200 GJ!!!
やばいやばい〜〜〜!悶えた!超にやけた//
二人が可愛いすぎて萌えつきました。続きあったら書いて欲しいなー!
>>198 な、なんと。(゚Д゚;)半年前に書いたやつにレスが…!
あわわわわ。。ありがとうございます!
>>200です。
続きというか後日談です。初えっちは無事に成功した模様ですw
どうも、直接的なエッチ描写ってあんあん言ってるだけで苦手なのです。うまくかける人すごいなー……orz
では次レスからお話。
エロ無し。
205 :
下着談義:2009/12/21(月) 16:36:46 ID:nSCwaku5
「貞子ちゃーん」
朝、ここ北幌高校の教室で三浦健人が黒沼爽子に話し掛けていた。
「わっ師匠!おはよう!」
突然声を掛けられ驚きつつも、爽子はガタンと席から立ち上がり朝の挨拶をする。
「おはよー☆」
健人は以前に『俺がこうしたら笑顔だよ』と言ったあのウインクを繰り出しながら、誰のとも知れない爽子の前の席に腰掛けた。
座りなよ、と促されて、爽子もそのまますとんと腰を下ろす。
爽子の机を挟んで向かい合うようにする二人の距離は近く、爽子の彼氏である風早翔太がその光景を見たら怒り出しそうだ。
206 :
下着談義:2009/12/21(月) 16:39:01 ID:nSCwaku5
「貞子ちゃんさー、最近風早とどお?」
「え、ど……どう、とは?」
健人の問いに、爽子は頭上にクエスチョンマークを飛ばせる。
「だぁからー、うまくいってる?」
爽子にもわかるようにと健人が言い直すと、途端に爽子の頬が赤く染まる。
「うっ、うん……!そうだと思う!」
爽子は、おこがましいかな、違ったらどうしよう、などと、折角拳を作ってまで断言した言葉をあわあわと濁す。
そんな爽子に苦笑しながら、健人は人差し指を立てて爽子の眼前に突き出した。
「俺、貞子ちゃんに『イイコト』教えてあげようと思ってさー!」
「いいこと?」
健人の言葉を受けて、爽子は斜めに首を傾げる。
「そうそう。すっげーイイコト!」
「な、なにかな……?」
爽子は健人の方へ少し体を乗り出した。
207 :
下着談義:2009/12/21(月) 16:41:34 ID:nSCwaku5
「風早と貞子ちゃんもさー、いつかは『そういうこと』をすると思うんだよね!『ハジメテ』の時は白のレースがいいよー!」
にかっと笑う健人に、爽子はまたクエスチョンマークを浮かべる。『そういうこと』や『はじめて』が理解できないでいるのだ。白のレース、が一体何を指しているのかも爽子はわからずにいた。
「相変わらず鈍いなぁ。えっちなことする時の下着のこと!」
健人はそんな爽子にこしょこしょと耳打ちする。
「えっ」
爽子はみるみる顔を真っ赤にして、かと思えばさっと顔を青くさせた。
「風早みたいのはさー、そういう王道が効くんだよなー」
そんな爽子には気付かず、健人はうんうんと頷きながら言葉を続けた。
208 :
下着談義:2009/12/21(月) 16:44:13 ID:nSCwaku5
「ど……どうしよう!」
爽子は真っ青になりながら眉尻を下げ、助言を得ようと健人を見つめる。
健人の言う『ハジメテ』を済ませた時、爽子の下着は白ではなかったのだ。どういうわけか、風早くんに嫌われちゃう!と思い込んでしまった爽子は、言わなくて良かったことまで健人へ知らせてしまう。
「私、あの時白じゃなかった!」
「……え?」
まさか翔太と爽子が既にそんな関係だとは思っていなかった健人は、一瞬ぽかんと口を開ける。
「え、なに?二人もうヤッちゃったの?」
「どうしたらいいんだろう……!」
「なーに爽子いじめてんのよ、KENTO!」
慌てる爽子の後ろに、彼女の親友二人が登場する。軽く健人を睨むあやねの横で、千鶴は大きなあくびをしている。
「ちーがうって。いじめてないって。ちょっとアドバイスをと思ったんだけど、もう必要なかったみたい」
健人はそう言うと、両手をひらひら振った。
「はぁ?」
会話の流れが掴めず、あやねはとりあえずおろおろしている爽子を撫でる。
209 :
下着談義:2009/12/21(月) 16:46:34 ID:nSCwaku5
「だからさぁ、『ハジメテ』の時の下着について」
健人がそこまで言うと、爽子があやねに泣き付いた。
「白じゃなかったの!ピンクだったの!あやねちゃん、どうしようー!!」
うわぁん、と言う爽子を軽く抱きしめて、なんとなくあやねはいきさつを悟った。
「あー……あのね、爽子」
あやねは爽子に、それはただの杞憂だとなんとか伝える横で、千鶴は健人と会話する。
「なに、あんたまた何かしたの?」
「何かっていうか、余計なこと言っちゃったみたい」
お手上げポーズをとる健人に、よくはわからないものの、千鶴はふーんと答えておいた。
210 :
下着談義:2009/12/21(月) 16:48:41 ID:nSCwaku5
そんな4人の様子は、端から見ると楽しそうで、それは今教室に入って来た翔太にも目に留まった。
教室に入るなり爽子の姿を探した翔太は、談笑しているらしいメンバーに健人を見付け、焦りを覚えて声を掛ける。
「くっ黒沼!」
「風早くん!おはようっ!」
『白の下着じゃないといけなかった』わけではないとようやくわかった爽子は、翔太の姿を認めて笑顔になる。
「おはよう。……あの、何の話してたの?」
翔太としては、そこのところが気になって仕方ない。
ところが、爽子は爆発でもしそうな程顔を真っ赤にして、何も言えなくなってしまった。
「え?な、なに?」
翔太はそんな爽子を見て、一層不安になりその他のメンバーに目を向ける。
「聞かないでやんなよ。恥ずかしいんだってさ」
あやねはぷぷっと笑いながら翔太の肩を叩く。
「え?何だよ、聞きたい!」
聞かない方があんたもいいと思うけどなー、と話すあやねをよそに、『聞きたい』と言われた爽子は真っ赤な顔で言葉を紡ぐ。
211 :
下着談義:2009/12/21(月) 16:50:50 ID:nSCwaku5
「あ、あのねっ、し、しし下着が……」
「え!?下着!?」
「白じゃなかったから……!」
要領を得ない爽子の説明を何とかかみ砕いて、ようやく理解した頃には翔太の顔も真っ赤に染まっていた。
加えて、『事後』であることを大勢に知られてしまったのだと翔太は気付く。
「き、嫌いにならない?」
あやねに諭されはしたものの、やはり少し不安だったのか、爽子は翔太を見上げた。
「な、なるわけない……っていうか、その」
あ〜〜〜〜と頭を掻いた翔太は爽子にこそっと耳打ちする。
「どんな下着でも黒沼は魅力的だから!」
おわり
終わりです。
今これのおまけというか、続きを書いてます。まとまったら投下しようと思ってます。
しかし、千鶴出した割に全然しゃべってない……
213 :
名無しさん@ピンキー:2009/12/21(月) 16:57:51 ID:vn202+tT
2828
連続投下乙です!どっちもGJ〜
ちづはその手の会話が苦手っていうか
口挟めない気がするw
おおお。続きがきてた!
更に続きもあるなんて楽しみすぎます!
どうしよう……
おまけがおまけじゃない程に長くなってきちゃいました。
ただいまエロ部分執筆中です。がんばります。
wktk
正座して待ってます
長い分には全然構わないよ!
いつまでも待ってますっ!!!
>>216 意欲的な方で素敵…!いいなぁw
どんどん書いて下さい!
いつまでも裸で正座して待ってますw
わーww
ありがとうございます!
出来ましたので投下始めますー。
長いです。エロシーンありありです。
風早がエロ親父ですwww
その放課後。
日課になっている二人だけの帰り道で、翔太が意を決したように爽子に声を掛ける。
「あっあのさ、ところで、今日の下着は何色なの?」
「えっ?」
突然そんなことを言われて、爽子は目を見開いた。
「見て、いい?」
「えぇっ!?」
目を見開いたまま、爽子は顔を赤くする。
「俺ん家、今、誰もいないんだ。だから、だからさ……いや、あの、見たら絶対見るだけなんかじゃ終われないんだけど…………」
翔太は恥ずかしいのか、爽子から視線を外したまま隠すように手を口元へやる。
ちらりと爽子に目を向けると、爽子は顔を真っ赤にして俯いていた。
「……あっ、俺何言ってんだろーな!そんな急に無理だよな!」
あはは、と翔太は会話を笑い話に変えようとする。そうでもしないと自分がみじめになりすぎる気がしたからだ。
222 :
その後:2009/12/22(火) 10:07:07 ID:hJAnMtj8
「行こっか!」
そう言って、爽子の家への道程を歩みだした翔太のブレザーの裾が、くんっと何かに引っ掛かる。
翔太がそっと爽子を振り返ると、その手がきゅっとブレザーの裾を握っていた。
「黒沼?」
「…………い、行く」
そうして連れ立って翔太の家に着いた二人は、さっそく翔太の部屋に入りキスを交わした。
「風早くん……」
「……あの、じゃ、いいかな?」
キスに酔いしれる爽子のブレザーに、翔太はそっと手をかける。
ブレザーは簡単に取り払われ、翔太が爽子の首元のリボンに触れた時、無情にも爽子の携帯電話が鳴った。
「あっあの」
「いーよ、出なよ」
舌打ちをしそうな翔太を尻目に、爽子は通話ボタンを押す。
「も、もしもし」
『あ〜爽子?』
「あやねちゃん、どうしたの?」
223 :
その後:2009/12/22(火) 10:08:27 ID:hJAnMtj8
『風早は?』
電話の相手はあやねで、翔太はふうっと息をついて自分もブレザーの上着を脱いだ。受話音量が高いのか、電話の声は筒ぬけで、あやねの声ばかりかその向こうに居るらしい千鶴の声まで届いてきた。
「え?うん、今一緒に居るよ」
『じゃあさー爽子、気をつけなよ!』
「え、な何を?」
『あいつスケベだからさー、絶対言うよ!下着何色?って!見せて、とかも言うかもね!!』
そんなあやねの言葉を受けて、翔太がはっとして爽子を見ると、爽子は目をキラキラと輝かせていた。
「く、黒」
「すごーい!どうしてわかるの!?あやねちゃん、すごい!!」
翔太が止める間もなく、爽子は興奮して電話口に喋り出す。
『え!?まさかマジで?マジで言ったのか、あのスケベ王子!』
『スケベだ!どスケベだ!!』
ぎゃはは、と二人分の笑い声が翔太の部屋に届き、翔太は盛大に頭を抱えてしゃがみ込んだ。
爽子はと言えば、何故二人が笑っているかも、何故翔太が凹んでいるかもわからず、「え?え?」とおろおろしている。
224 :
その後:2009/12/22(火) 10:09:54 ID:hJAnMtj8
『……あ〜お腹痛い。食べられちゃうよーって言おうとしたんだけど、遅かったみたいね。まーいっか、楽しみな』
まだ笑いの収まらない様子でありながら、あやねはそう言うと電話を切った。
「わ、わたし、何かいけないことしたのかな……?」
爽子はクエスチョンマークを飛ばしながら、しゃがみ込む翔太の隣に一緒になってしゃがんだ。
「も〜〜〜〜!」
悪気がないから怖い、と翔太は言い、立ち上がりながら爽子を抱き上げた。
「きゃ、きゃあっ」
俗に言う、お姫様抱っこというやつで、爽子はびっくりして翔太の首にしがみつく。
どさり、と下ろされたそこは翔太のベッドで、気付けば爽子は翔太に組み敷かれていた。
「風は」
「こーなったらもう容赦しないから!」
「え?え?」
混乱する爽子を置いてけぼりにし、翔太は制服のリボンをするりと外した。
「ど、どうしたの?」
爽子がそう尋ねる間に、ブラウスのボタンがひとつ、ふたつと外された。
225 :
その後:2009/12/22(火) 10:11:13 ID:hJAnMtj8
「か、風早く、んっ」
爽子の声と体がびくりと跳ねる。たった今、翔太が爽子の首筋に口づけたからだ。
翔太はそのまま舌を出し、耳の方へと唇を這わせる。その間にも、爽子のブラウスのボタンは次々に外されていく。
「あっあぅっんんっ、みっ耳はだめぇ……」
爽子の耳に翔太の舌が差し込まれ、爽子は逃げ出すように身をよじる。が、そうはさせまい、と翔太の左手が爽子を押さえ付ける。
爽子の反応に気を良くしたのか、翔太は耳に差し込んだ舌を動かし、ピチャピチャと卑猥な音を立てた。
「ふぁあっん、んあっあっやっやぁっ……やだぁ」
『嫌』と言う割には、爽子は腕を翔太の首に回している。
爽子のブラウスのボタンを全て外すと、ようやく翔太は舌を引き抜いた。
もちろん、下着の色を見るため、である。
「……水玉」
今日の爽子は、白地に赤のドット柄の下着を着けていた。部屋と同様、似合わなくても人から見えないところなら可愛らしいものを身につけていてもいいだろう、という考えからだ。
翔太の感動が入り混じった言葉を受けて、爽子はびくっと体を揺らす。
226 :
その後:2009/12/22(火) 10:12:45 ID:hJAnMtj8
「あのっ、似合わなくてごめんなさい……」
「なんでっ?すげー似合ってるよ!すげーかわいい!」
絵に書いたようにしょぼんとする爽子を、翔太は即座に否定する。
「ほ、ほんとう?」
「ホントだよ。……食べちゃいたいくらい」
翔太の『男』の目が爽子の瞳をじっと見つめた。
しばらくして、口づけるために翔太が顔を近づけようとすると、爽子はまたしても爆弾を投下する。
「い、いいよ」
「…………え?」
「た……食べちゃって、い、いいよ」
見ると爽子は茹蛸のように顔を赤くして、下から翔太を見上げていた。
「…………!」
翔太は一気に理性が崩壊しそうになり、必死でそれを食い止める。
「だから……っ!そういう可愛いこと言ったら俺、我慢出来なくなるってば!」
無理矢理爽子から視線を外した翔太は、搾り出すように言った。
「…………いいの」
「優しくしたいのに……え?」
「我慢、しないで?」
うっかり爽子と視線を交わしてしまった翔太は、爽子に何を言われたかすぐに忘れてしまうくらい、その唇にむしゃぶりついた。
227 :
その後:2009/12/22(火) 10:14:20 ID:hJAnMtj8
しばらくして、翔太が満足したように爽子から唇を離すと、爽子は乱れた呼吸をそのまま吐き出した。
トロンとした目の爽子を見ていると、翔太は何だか堪らなくなって、そっとスカートの中に手を差し込んだ。
膝から上へじわじわと翔太の手が進み、触れるか触れないかという触り方に、爽子はもじもじと腰を動かす。
「黒沼……感じてる?」
「……ふぇっ?」
何とも情けない声が口から飛び出し、爽子はばっと両手で口元を覆った。
行為をした、とは言え、羞恥の気持ちが消えるわけではない。
翔太はくすっと笑って、ショーツの横からそっと指を差し入れた。
「……んんっ」
「…………黒沼、濡れてる……」
そこはすでに受け入れることが出来そうなくらい潤っていて、翔太が爽子の顔に目をやると、手で口を覆ったまま真っ赤な顔で涙を滲ませていた。
翔太が少し指を動かすだけで、くちゅくちゅといやらしい音が鳴る。
「俺、まだキスしかしてないよ……?」
「!!」
「期待、してた?」
翔太の問いに、爽子はぶんぶんと首を振った。
「そうなんだ。俺はしてたよ。俺だってもう、こんなだ」
そう言いながら、翔太は爽子の手を自身へと導いた。
228 :
その後:2009/12/22(火) 10:15:41 ID:hJAnMtj8
スラックスの上からでもわかるほどにそこは固くなっていて、爽子は始めて触れるその感触に目を見開く。
「ね?同じでしょ?黒沼のことすきだからこうなるんだ」
「……す、すきだから?」
「そう。すきだから」
爽子の手が翔太から離れていって、少し残念な気持ちになりながら翔太は微笑んで見せた。
そんな翔太に新たな爆弾が投下されるとは、一体誰が予想しただろうか。
「わ、わたしも……風早くんがすきだからこうなるのかな……」
「こうって?」
「あの、あのね。…………さっきからずっと、ずっとね、風早くんが欲しいの」
「…………」
「…………」
「……え!?」
「……恥ずかしいんだけど、だけど…………この間みたいに、風早くんを近くに感じたい、の」
「え、ちょ……黒沼!?そそそれって」
もじもじと言葉を紡ぐ爽子を翔太は驚いて見つめる。
「い、いれてほしい……ってこと?」
まさか、いやでももしそうだったら……そんな気持ちで翔太が問いかけると、爽子はゆっくりコクンと頷いた。
229 :
その後:2009/12/22(火) 10:17:21 ID:hJAnMtj8
「……ずるすぎ」
翔太はぼそっと呟くと、爽子をギュッと抱きしめた。
そして手探りで自分のスラックスとトランクスを脱ぐと、爽子のスカートの中に隠された下着に手をかける。
「ごめん、全部脱がせてる余裕ないから」
そう言いながらも、コンドームはしっかりと装着して、濡れそぼった爽子のそこへズンッと突き刺した。
「ああっ!」
「黒沼っ……!黒沼!」
覆いかぶさるように爽子を抱きしめて、翔太は必死に腰を振る。高みへと昇るために。
「あっはっはぅうん!かっ風早くん!風、早くぅんっ」
「黒沼!黒沼!黒沼!」
「すきっ」
「!」
「すきなのっすき……!だいすきっすきぃっ!」
爽子は翔太にしがみつき、翔太の動きに合わせて短く呼吸しながら何度も『すき』と言う。
「俺もっ俺もすきだ!」
翔太はもう達してしまいそうになりながら、それが勿体なく思い、堪えながらもストロークはやめない。
と、爽子の声が一際高くなり内側がキュウキュウと締め付け始める。
230 :
その後:2009/12/22(火) 10:18:31 ID:hJAnMtj8
「あぁっ、はっあっやあぁっ、やっだっ、だめっぇ……!」
今までになかった、快感を加速させる刺激に、翔太はくっと眉を寄せる。
「くっ…ろぬま……!」
「こっこわいっっ!こわいよぉっ……!」
翔太の首に回される爽子の腕にも、ぎゅうっと力が入る。
「黒沼、イキそ……?」
「えっ、あぅっなにっ?あぁっ、な、なんて……っはっあっふうぅん!」
「俺もっ、俺もだからっ、一緒に……一緒にイコ?」
翔太は腰の動きを速めて、一気に高みへと上り詰める。爽子はもう何がなんだかわからなくなっていて、ただ翔太に翻弄されていた。
「やっ!?激っし……!やっ!あっ!?あアああぁぁぁッッ……!!!」
「……っく、さわっ…こぉ……!」
爽子が大きな叫びを上げる頃、翔太は爽子の一番奥で動きを止めた。
爽子が放心状態でなかったなら、翔太のモノが内側でびくびくとうねったのがわかっただろう。
先程までとは打って変わって、翔太の部屋は静かになった。爽子の喘ぎ声も、ベッドの軋む音もしない。
翔太は爽子の横に顔を埋め、繋がったまま互いの荒い呼吸を聞いた。
231 :
その後:2009/12/22(火) 10:19:42 ID:hJAnMtj8
「はー……っ、…………すっげ、良かった……」
翔太が爽子をぎゅっと抱きしめると、爽子の体がびくりと跳ねた。
「……黒沼?」
「あ……わ、わたし!」
なんて淫らな!と叫ぶように言うと、翔太とは反対側に顔を向けた。
初めての昇天を、爽子は恥ずかしいものと捉えたのだ。何も考えられなくて、目の前に火花が散るようで……
「イッた……よね?」
「えっ……えっ?」
恐る恐る尋ねる翔太の言っていることが、爽子には理解できない。
「だから、あの、気持ち良かった、よね?」
「……う、うん!すごく!…………だ、だめだよね、こんなえっちな子、風早くん、嫌いだよね……っ!」
翔太の方を見ないまま、爽子は両手で顔を覆った。
「えっ、いや、黒沼!?」
「頭の中真っ白になっちゃったよぅ……!」
「ちょ……ちょっと待って、抜くからじっとして?」
翔太は、爽子が達したのを理解すると同時に、それをいけないことだと誤解する爽子にも気付いた。
翔太がずるりとイチモツを引き抜くと、爽子は背筋を何かが駆け抜けるように感じる。
「んんっ……!」
爽子のびくびく震える体と嬌声に、翔太はもう一度出来そうな程気持ちが高まったが、それは堪えることにする。
232 :
その後:2009/12/22(火) 10:20:49 ID:hJAnMtj8
「黒沼、俺も気持ち良くなったんだよ」
「え……?」
翔太は、ホントはこんなん見せたくないんだけど、と前置きして、コンドームに溜まった白いものを爽子の視界に入れた。
「これが、気持ち良くなった証拠!頭、真っ白だったよ、俺も」
「え、そ……そう、なの?」
「だから!全然悪いことじゃないから!むしろ、黒沼が気持ち良くなってくれて、すっげー嬉しかった!」
「そっ……か、そっかぁ……!」
爽子がふわりと笑うと、翔太の中に欲情にも似た衝撃がつきあがる。
「……ほんと、ずりー……」
「えっ、私?何が?」
「…………」
「風早くん?」
「なんで俺、こんなに黒沼がすきなんだろー……」
自分に問いかけるように翔太は言う。
「私も、風早くんのことだいすきだよ……」
爽子は柔らかい微笑みを携える。その瞬間、二人は確かに幸せを感じていた。
「あ……制服、しわしわ…………」
ブラウスのボタンこそ外されていたものの、スカートがめくり上がった状態で行為に及んでいた二人、当然シワだらけだ。
「ごめん、俺我慢できなくて……」
「うっううん!それはいいのだけど……このままじゃ帰れないので、アイロンを貸してくれないかな……?」
233 :
その後:2009/12/22(火) 10:22:02 ID:hJAnMtj8
そんないきさつがあって、爽子は翔太の部屋でアイロンをあてている。それだけならまだ普通とも言える状況なのだが、爽子の格好が普通ではない。下着姿なのだ。
翔太はアイロンの間だけでも、と自分の服を差し出したのだが、爽子がそれを丁重に辞退したのだ。ドキドキしすぎてしまうから、と。
(俺の方が、ドキドキしすぎて大変だ……)
そう考えながらも、翔太は爽子を背後からじっと見つめる。
時折長い髪が揺れて、隙間から赤いドットが覗く。下の方へ視線をずらすと、正座した小さな足の上に柔らかそうな小さなお尻が乗っている。
(もう一回したい、とか言ったら黒沼困るのかなー)
そう考えながら翔太は爽子の方へじりじりと近付いた。後ろからふわりと抱きしめる。
「ひゃっ、えっ、風早くん?」
「アイロン、もう終わる?」
「おっ、終わる、けど、あの……離れてくれないかなっ」
爽子が耳まで赤くして抗議の言葉を述べると、翔太はぷーっと頬を膨らませる。
「なんで」
「なっ、何でって、あの……またしたくなっちゃうから……」
爽子は軽く振り向くと、うっすらと涙を浮かべて翔太を見上げた。
「〜〜〜〜っ!」
翔太にとってみれば、それは『反則』だ。彼女に可愛らしい顔で『もう一度』をねだられているのだから――
「だから、あの……」
「しようよ」
「えっ?」
「もう一回、しよ?」
翔太はそのままの体制で爽子に口づけると、爽子の手からアイロンを奪ってスイッチを切った。
さあ、二回戦の始まり――……
おわり
なんか、すいません。
ダラダラ長くて……orz
天然ドSな彼女を持つと苦労しますよねーww
現実では絶対有り得ない、えっち二回目にして気持ち良くなっちゃう女を書いてしまった……
鼻血でた・・・
GJ!超GJ!
風早はアレの時いつも余裕ないイメージw
これオマケってレベルじゃねーぞw
っていうか3連作立て続けに投下乙!
読み応えあってマジで良かったよー!GJGJ!!!
風早はエロの時も直球な感じだよねwww
下着何色?って聞く風早と、それを予想するあやねのくだりが書きたかっただけなのにww
風早ったらどんどん暴走してくれちゃってwww
おまいはどんなに爽子がすきなんだっつーw
爽子視点も書いてみたいけど、天然おとぼけで進まないだろうなー……
あ〜爽子かわいいよ爽子(´∀`)風早にやるのがもったいないよww
風早はもっといじり倒されればいい!
GJ
gjgj、ホホエマシス
GJ!
風早ー、スカートくらい脱がせてあげようよw
しかしふたりがここまでの関係になったら
風早の独占欲はどうなちゃっんだろうw
241 :
1:2009/12/23(水) 02:11:14 ID:4jJaswqk
前に【保守妄想、百合キス注意】で投下させてもらった矢野×爽子に尾ひれつけてみた。
風早と爽子は一応は付き合ってる設定なのにキス描写があるので駄目な方はスルーして下さい。
7レスかります。やのちんのキャラ崩壊気味、gdgdオチがない、読みにくいの三重苦
ーーーーー
ここはいつもの教室、いつもの昼休憩……のはずだった。
4限の終わりにぐだぐだと始まったピンの合コン自慢話には誰も興味を示さなかった。
が、その話のなかに出てきた‘王様ゲーム’は暇潰し――という名の男女の触れ合い――にぴったりだった。
(あほ男子め。魂胆が見え見え、っていうかスケスケなんだよ)
クラスの半数が巻き込まれてしまったこのゲームに、あたしは冷たい視線を投げながらそっと独りごちた。
その割に王様の命令ときたら尻文字や一発ギャグなど、バカな事ばかりで健全といってしまえばそれまでで。
ジョーから受け取ったノートの切れ端で作られたクジを指先で弄んでいると、脇役男子の固まりが「そろそろ本気でいかね?」「次はちょっと際どいの求む!」などと不穏なことを言い出していた。
正直、うんざりな気分だったが周りの盛り上がりように一応は空気を読んでみる。
(チャイム、早く鳴れー)
「 「 「 王様、だ〜〜れだっ!? 」 」 」
妙に息の合った掛け声で、一斉にがさごそと音をたててクジを開いていく。
クラス中の人間が多大な期待のあまり鳴りを潜めるなか、引き当てたのは。
「おお? あたしだ」
右隣にいる千鶴がぴらっと紙を翻せばそこには確かに王様の二文字。
ざわめくなかでお祭り女の女王様は、憎らしいほどあっけらかんと、且つ高らかに命令を下した。
「じゃ〜……、8番がこのクラスの誰かにチュー!!! ま、相手からOKでたらだけどな!」
8番、8番……と視線や野次が飛び交う。
「爽子は何番だった?」
「私は13番だったよ」
「やのちんは? 何番だった?」
「……………………」
「やのちん? もしかして、もしかしなくても……」
「あ、あやねちゃん……」
今のあたしの顔はきっと見るも無残な顔をしているだろう。
声音にもドスがきく始末。
「…………ちづ」
「はいっ!!」
「今度ラーメン奢りね」
「ラジャー……」
蒼白な千鶴とその向こう側で不安げな爽子を横目に、どうしたものかと思案に余る。
龍はぼんやりと見守り(どうせ意識は明後日の方を向いているのだろうが)、ちゃっかり爽子の隣に陣取った風早は驚きつつもこちらを窺っているようだった。
「マジで……矢野とキス…!!」
「すげぇテクニックなんだよな?百戦錬磨だっけ?」
「うわ〜、俺選ばれねえかなー…。即OKなのに」
「選ばれた奴、しばく!」
他男子にいたっては俺か俺かと異様な興奮を見せながら、囁きあっていた。
「まあでも確かに……やのちん、キス上手そうだよなぁ…」
千鶴までもが同意して呟くのにはほとほと頭が痛くなる。
視線を一身に浴びながら、あたしは心底呆れ果て、溜息をついて内心毒づく。
(たかがキスぐらいで……ガキが…)
ああ、悪い癖がでそう。
(……やってやろうじゃん)
我ながらあっぱれなほどの男気、ここで引いたら“女が廃る”精神だ。
242 :
2:2009/12/23(水) 02:12:07 ID:4jJaswqk
あたしは周りをもう一度、品定めのためにも見直した。
龍と風早は論外として、千鶴はなにか違う、どうにも違和感が半端ない。
適当な他男子を選ぼうにもがっつく猿のような雰囲気にどうにも気分が萎える。
(ちっ。だからタメは嫌なんだよ)
ふと、視線が止まった先にいたのは爽子だった。
考え事に耽っているのか、地で斜め上をいくモノローグがだだ漏れだ。
風早に見せつけられるし、爽子なら……と決意を固める。
「……よし。決めた。爽子とならっ、キスしてもいいよ? 爽子が嫌ならもちろん無理強いはしない」
野郎共に見せつけるべく、とびっきり妖艶な笑顔できっぱりと言い切ってみせた。
そんなあたしの発言に、一番抵抗したのは予想通り、爽子本人ではなく風早だった。
指名された当人は頬を赤くはさせているものの、変に勘ぐり「役に立てるなら…!」と勇んでいる。
「だめだめ!! だめだってばそんなの! お、女の人同士だしそれに」
「それに何? 風早はあたしが好きでもない野郎とキスすればいいと?」
「いや、え、そういうわけじゃ…でもっ!!」
埒が明かない風早は結局“自分以外の男子じゃなければOK”な他男子が押さえつけ、すったもんだの末、爽子に決定。
「本当にいいの? 爽子。無理しなくていいんだよ?」
「う、うん、大丈夫。よろしくお願いします」
こちらが謝らなければいけないぐらいなのに、呑気にぺこんと頭を下げる爽子。
この子を見ていると、触れると、いつもむず痒いような庇護愛のような気持ちにかられる。
二人の周り、1メートルほどの距離を保ち場所がひらけた。
椅子に腰掛ける者、机の上に乗り出す者、埃がつくのも構わず地べたに正座する者。
皆一様に生唾を飲んで凝視した。
爽子は長いスカートの端を握り締め、きつく目を閉じて待っていた。
そんな爽子の肩をあたしは両手で包み、怖がらせまいと精一杯優しく引き寄せる。
「ん゛む゛ぅーーーーーーーーーーっっ!!!」
口まで塞がれた風早の悲痛な叫びが教室の外まで漏れたのと同時に、薄い唇と、ふっくらとグロスをのせた唇がスローモーションで触れ合った。
「……んッ…」
明らかに慣れていない爽子が不器用に息をすると鼻から甘い声が漏れた。
それは思ったより大きく、静まり返った空間に響く。
風早も阻止を諦めたわけではないだろうが、その光景に目と耳を奪われ指一本動かせない。
軽く冗談程度のフレンチキスで済ますつもりが、超至近距離の爽子の可愛さを通り越した愛らしさに、柄にもなくいつの間にか煽られるているが自分でも分かった。
(う、わー……)
酸素不足からか、うっすら口を開けてしまう爽子に舌を差し込んでしまった。
つい、出来心だった。
どんな反応を返すのか、どんな表情をみせるのか、見てみたくなったのだ。
「ンッ! …んぅ、ふ……」
肩に添えていた掌を自然に移動させると、髪に指先を絡ませ、うなじを押さえつけて逃げを許さない。
息苦しさからか涙で濡れる瞳を薄く開き、制服の上着に爪を立て、爽子はあたしに夢中で縋りつく。
その行為は“求められているんじゃないか”と錯覚してしまいそうになるほどに扇情的なものだった。
緊張で固まった口内をくまなく舌先で撫でていき、上あごを擽るように舐め上げては爽子の舌をくちゅくちゅと可愛がった。
唾液がどちらのものとも判らなくなってくるにつれて、漏れる吐息もどんどんと大きくなってくる。
「……ふぁ、あ……ぁ……やね、ちゃ…、んぅ…」
「ッ!!」
名前を呼ばれてようやく自身の痴態に気付いた。
かっと見開いた目だけが本心に忠実に従っては彼女をとらえたままで、あたしは飛び退いて体を引き離した。
音もなく離れた唇の間には細い糸がひいて、キスしたこと、夢ではないのだと思い知らされる。
243 :
3:2009/12/23(水) 02:12:55 ID:4jJaswqk
やりすぎだ、と思えても、そこには後悔を余裕で上回る、異様な興奮があるのは確かだった。
(は……? なに、これ)
鈍器で殴られた並みの衝撃を引き連れて戻ってきた現実が一瞬であたしを真っ白にさせる。
雰囲気にのまれて固まったままのクラスメイトたちの存在も眼中の外で、あたしの頭の中は動揺と困惑でいっぱいいっぱいだった。
未だ息の整わない爽子は、赤く染まった目元でぼんやりとこっちを眺めていた。
とろんと涙で溶けてしまいそうな瞳は曖昧で、それは視線が合っているのかすらもあやしいものだった。
「すっげえ……」
誰かが小さく口火を切ると、周りも次々に倣って同意し始める。
「本当すげえ!!」
「いいもん見さしてもらったよ、ありがとう」
「俺、感動しちゃったよ〜」
「……二人とも、大丈夫?」
また勝手に盛り上がっていくのを尻目に、千鶴が近づきあたし達の肩を掴んで揺すってくる。
心配してくれる千鶴には悪いが、今は自分を立て直すのに返事をするにも億劫だった。
「大丈夫、大丈夫だよ…、ちょっとびっくりしちゃって……」
先に爽子が答えると、後ろから開放された猛牛が突進してきた。
「黒沼ぁぁあああ!!」
ああ、間違った、爽やかくんだった。
あたしの脳が猛牛を風早だと認めるや否や、校内はもちろん、校庭の端の端までチャイムが鳴り響く。
心のどこかで、ざまぁみろ、と思ってしまった。
爽子の腕を掴んでがっくり肩を落とした風早が、何を思いついたのか、急にブレザーのポケットを探り出す。
「あった! よかった! これあげる、食べて?」
身長の割には大きめの掌に、コロンと転がったのは一粒の、大玉の飴だった。
問いかけたくせに返事も聞かずに封を開け、袋越しに掴んだそれを爽子の眼前、口元近くへ差し向ける。
急なことで思考が追いつかない爽子の唇を半ば強引に抉じ開けて、反射的に舌に受け止められた色鮮やかなピンク色の飴玉はぐいぐいと押し込まれていく。
「ん、ぐ」
爽子は戸惑いで瞳を歪ませるも、必死にその小さな口で大きな飴を含む。
(あーあ。焦りすぎ、嫉妬しすぎだろ、風早)
いつになく強引な風早の行動に呆れつつも、気付けば、薄い唇が不器用にむぐむぐと忙しなく動くのを見つめていた。
(……この口とキスしたんだ……)
「………!!?」
今、あたし、なに考えた?
いつのまにかきつく握り込んでいた手には嫌な汗が滲み、心臓が物凄い速さで爆音を轟かせていた。
全身の体温が発火でもしそうなほどに上がっていく。
自分が信じられない、意味が解らない。
あんなのキスのうちにも入らない、ただのおふざけだ。
だったらこの説明しがたい気持ちは、一体。
「……矢野、気分でも悪いのか?」
「え? わっ!! 本当だ、顔真っ赤だよ、やのちん!」
あたしは一人相撲をしていたせいで、こちらに向けられていたあけすけな龍の視線にも気付けないでいたみたいだ。
(むちゃくちゃ恥ずい、居た堪れない…!)
「ほ、保健室いってくる。なんか気分、わるい、かも」
「よかったら私、付き添って―――」
「いい!! 一人で行けるからッ!」
歯切れの悪い全く上手くつけなかった嘘を、素直に信じた爽子からの気遣いを即答で断って、あたしは半ば走り出すようにして教室を後にした。
その背後で、爽子が自分の態度の所為でショックを受けているのは火を見るよりも明らかなのに。
あたしはそれより何より、今はどうしても、“友達”にこの顔を見られたくなかった。
244 :
4:2009/12/23(水) 02:13:42 ID:4jJaswqk
白い天井、白いカーテン、白い布団と枕にシーツ。
保健室のぱりっとした冷たいシーツがやっと肌に馴染んだ頃、やっと頭が冷えた。
あたしは、友達で、親友で、風早が好きな、あの子が好きなんだ。
思い起こしてみれば、そういう予兆のようなものはあった。
互いの勘違いや言葉の行き違いでぎくしゃくした時も、核たる気持ちはもう友情の範疇をすでに超えていたのかもしれない。
風早とのことを応援していたのも彼女可愛さ故のこと。
自覚してしまった。
名前をつけてしまった想いが、容赦なく膨らむ。
(なんで、爽子なんだろ)
同い歳と同じ学校、この二つは自分の中の恋愛条件ではタブーだった。
なのに、初めてそれらを捩伏せてまで好きになったのがさらに同性だなんて。
意図せず溜息が漏れた。
スカートが皺になるのも構わず横を向いて、上掛けを股の間に挟む。
(……女同士ってどうやってヤるんだっけな)
雪山へスク水で挑むような馬鹿げた笑えない状況なのに、頭は都合よくありえない未来を心配している。
世間一般的に、というよりも“友達”として信頼していてくれているこの関係を、どう考えても打破できる気がしない。
諦めるか、告白するか。
僅かな糸口を妄想のなかで可能性にかえてみても、先がみえないのは同じだった。
(どれにしたって、つっこむのも、つっこまれるのも叶わないじゃん)
パイプベッドからはみ出した2本の腕、綺麗に整えた爪が蛍光灯の灯りをうけて鈍く輝いた。
着地点のない思考に疲れた頭がぼんやりと霞み、目の前の光景が遠のいていった。
「失礼します……」
「失礼します」
「いらっしゃい。お見舞いに?」
「はい……あやねちゃんの容態はどうでしょうか…?」
「ふふっ、“容態”ってほどでもないわね。今は眠ってるんじゃないかしら」
「矢野、こっちですか?」
「そこは別の子だから開けちゃダメよ。矢野さんは一番奥のベッドよ」
夢現、誰かの声が聞こえる。
ぬるい水の底から徐々に意識が引き上げられる。
「先生、ちょっとヤボ用で職員室へ行くから、あとをお願いしていいかしら。他の生徒が来たらそう伝えてくれるだけでいいから、ね?」
先生が出て行く気配がして、カーテンに映った二つの影がぼそぼそと話し始めた。
「まだ寝てんのかな?」
「わ、私とキ、スなんかしたから…胸焼けで起き上がれないのかも……」
(…んな訳ねえ)
爽子のとんちんかんなマイナス思考に心の中でつっこんでしまった。
「あのさ黒沼、俺ずっと考えてたんだけどさ……」
神妙に喋りだした風早が言い淀むので、あたしはもっと耳をそばだてた。
「友達であっても、女の人であっても、矢野であっても! 俺以外の人とキス…しないでほしいんだ。俺たち、一応は付き合ってるんだし…?」
語尾に自信のなさが出ちゃってますよ、お兄さん。
「ごめんなさい、でもあのときは少しでもあやねちゃんの助けになればと思って……」
「それが黒沼のいいところなのは分かってるんだけどさ。俺がちっさい、だけで……」
自分で言っといて傷ついてりゃ世話ないだろ。
(てか何しにきたんだ、この二人)
いちゃつくだけなら帰ってほしい。
自覚したての胸は馬鹿正直に痛むばかりだ。
いつも通りのひねりのないウブなやりとりを終え、当初の目的を思い出したらしく、二人の靴音がこちらへと近づいてくる。
それに伴ってカーテンに映った影がゆらゆらと大きくなった。
245 :
5:2009/12/23(水) 02:15:08 ID:4jJaswqk
カーテンレールが背後で軋み、目の前にある真白いカーテンもが揺らめいた。
新しく入れ替わる空気に肌が粟立つ。
「!!! だめ、風早くんは入っちゃだめっ」
「え?」
(え?)
何事かと首だけを起こすと爽子が風早を向こうへと押しやっていた。
「あやねちゃんのスカートが、その、ちょっと、あれだから、私一人で様子見てくるッ」
自分の寝姿をよく見れば、股に布団を挟んでいるせいもあってミニから腿の大半が丸見え状態だった。
ここは狸寝入りを決め込むところなのだろうか、と悩んでいるうちに厳重にカーテンを閉め、爽子が静かに入ってきた。
瞬時に息を潜めて、指一本に至るまで力を入れて動かないように固定する。
じっとしようと思えば思うほど体がむず痒く、大声でもあげてみたくなるものだ。
爽子の気配が瞼を通してちらつくのが気になって、呼吸の乱れに気をつけて、あたしはそっと瞳をあけた。
(少しだけなら大丈夫、なはず)
「…………、っ!!!」
「あ……!!」
失敗した。
目を開けると爽子が真ん前にいてバチンと目が合った。
咄嗟に声をあげようとする爽子の手を引いて、もう片方の手でその口を塞いだ。
何か言おうとした口が掌の中でむぐむぐと動いてくすぐったい。
とりあえず体を正して淵に座りなおして、吐息に近い声量で「しー」とベッド横に立つ爽子に伝え、塞いでいた方の手を外した。
意図を汲んだのか、爽子も同じようにカーテンの内側にのみ、互いにだけに聞こえるように小さな声で話し出す。
「ぷはっ……あやねちゃん、大丈夫? 私が…」
「違うから。あのキスはあたしのわがままだったんだよ? 爽子が謝ることじゃないでしょ」
「…………うん」
頷いたきり俯いてしまった爽子、まだ掴んだままだった手を引いて顔を下から見上げる。
耳も首までも真っ赤だった、それはもう、見事に。
「ちょ、爽子こそ気分悪いんじゃ」
「違うっ、違うの。あ、あやねちゃんの口から、あの、き、“キス”って言葉聞いたらなんか……思い出しちゃって」
ごめんなさい……、と消え入るような声が囁いた。
また胸がぎゅうっと締め付けられる。
(なんで……なんであたしは爽子なんだろう)
同い歳じゃなかったら、同じ学校じゃなかったら、せめて同性じゃなかったら?
あたしは彼から彼女を奪おうとするんだろうか。
ちょうど目線にある爽子の胸元へもたれかかった。
カッターシャツ越しに体温を感じて、額が温かい。
「あやねちゃん…?」
「……ゴメン」
訳も分からないだろうに、爽子は戸惑いながらも空いた手で優しく背中をさすってくれる。
それが嬉しいやら辛いやら、ぐちゃぐちゃの感情がせめぎあい込み上げる。
この子が、愛おしい。
大きく深呼吸をして、あたしは顔を上げた。
「ありがとう。もう少し寝たら戻るから。爽子は風早と戻りな?」
繋がっていた手を離して、バイバイしながら未だ心配そうな爽子を見送った。
カーテンが引かれて姿が見えなくなる。
「矢野どうだった?」
「うん……ぐっすり寝てたから、もう少ししたらきっと、良くなると思う……」
「そっか良かった。行こっか」
爽子に嘘をつかせてしまう形になったのは申し訳なかったが、上手く誤魔化してくれたのはありがたかった。
あとで問いただされたって説明のつけようもない。
(こんなこと、誰にも言えんわ)
もう一度、体をベッドへ投げ出す。
自分の心を目の届かないどこかへ飛ばして、あたしは何も考えないようにした。
246 :
6:2009/12/23(水) 02:16:53 ID:4jJaswqk
頭がガンガンする、完全に寝不足だ。
昨日は結局6限にも出ず、午後の授業は全部サボった。
HRが終わったであろう時間に教室に戻り、心配してくれる千鶴や爽子を尻目にあたそはそそくさと帰路についた。
夕飯を食べ終え、湯船の中で二人に簡単な謝罪メールを送ろうと思い立ったところまではまだよかった。
問題はその後。
爽子へのメールをうつのに1時間以上かかってしまったのだ。
「……乙女かっつーの」
いや、乙女だけどさ。
メールを送れた後は案の定、そのままうだうだと悩み続けた脳みそはアドレナリン大放出で、眠れたのは新聞配達の音を聞いてからだった。
「あんた何その隈!! 女、失格だねッ。それじゃあ、彼氏も逃げてくわ」
一階におり、リビングへ顔を出したあたしに母が汚いものでも見たかのように捲し立てた。
確かに、自室で髪と着替えは済ましたとは言え、顔は最強にして最悪だった。
「……前の彼氏はあたしがフったの」
「へー。朝ごはんは? 出かけんでしょ?」
「気持ち悪くなりそうだからいいや……。ちづと爽子と映画行って、それから買い物。もうすぐしたら来る」
「迎えに? 砂糖もやめとく?」
「うん、ありがと」
受け取った熱々のブラックコーヒーを目の前の化粧ポーチの横、ローテーブルへ置いてソファへ座りなおす。
マグから伝わり温もった掌で目元を押さえた。
「あー……ねむ。化粧めんどいなー」
「その顔で外出る気?」
「まさか」
とは言ったものの、本当に今日は酷く億劫だった。
化粧は自分のためにするものだと思ってた、いや今でも思っていることだ。
なのに、その対象ともいえるべき存在が男から爽子へ変わってしまった今では、なんだか気恥ずかしいような、あざといような。
「泣いたの?」
「…まさか、ただの寝不足だよ」
この人が真正面から切り込んでくるのはいつものことだが、やっぱり疲れているのか皮肉の一つも返せない。
瞼越しにグリグリと眼球の感触を確かめる。
不意に、隣に並んだ母が呟く。
「そうね、あんたは昔っから泣かない強い子だったわ」
完璧な化粧と髪形で、紅い唇をキュッと引き上げて母が笑った。
(なにを幸せそうに笑ってんだか……)
あたしも自然と笑ってしまう。
昔から喧嘩も沢山してきたし、キツイ見た目で言われなくてもいいこともたくさん言われてきたけど、そんなことであたしは泣いたりしなかった。
「うん、あたし、自分でも自分のこと強い子に育ったなーと思ってる」
そうだった、忘れてた。
弱った姿を見せつけて、泣き喚いて欲しがって頼み込めば、優しいあの子は困り顔で、半分はいつもの勘違いで嬉しそうに受け入れてくれるかもしれない。
いや、きっとそうだろう。
でもそんなの“私”じゃない、そんなことしたって惨めになるだけだ。
ポーチをあけて化粧を始める。
日焼け止めに下地、ラインに眉毛、ビューラー、マスカラ、アイシャドー、コンシーラーは入念に、あとはファンデと口紅を。
自分に一番似合う色彩と濃淡を肌にのせていく。
うじうじするのは性に合わない、だって、あたしは強かだ。
最後に窓から差し込む自然光でメイクの総チェックをしているところにピンポーンと間延びしたチャイムが鳴った。
玄関の向こう側から、千鶴のはしゃぎ声がする。
247 :
7:2009/12/23(水) 02:18:32 ID:4jJaswqk
「着いたんじゃない? 友達」
友達といった母の言葉に、今はね、と胸の内だけで呟いて返す。
少しだけ待ってもらうように伝えてほしいと頼めば、母はパタパタとスリッパを鳴らして消えていった。
ゆるく纏めていた髪をほどいて手櫛で整え、完成した鏡の中の自分へと微笑んだ。
私は名実共に、イイ女になる。
「やっほー、やのちん」
「あやねちゃん、お、おはよう」
ロングブーツのファスナーをしめ、あたしは鞄を持ってドアの外へ出た。
絶対にイイ女になってみせる。
絶対。
「おはよう。ちづ、爽子」
ーーーーーーーーーーーーーー了
爽子の唇・矢野ちんの絶対領域ハァハァ^^とか考えてたらできた
サイト餅、3レスぐらいの予定だったのに尾ひれデカすぐる
あと自分は矢野ちんに夢をみすぎている気がする
前の方との投下間隔、もっとあけたかったんだけど年末年始で暫くpc触れなさげだったんで…
申し訳ないです
しばらくこれなかった間にいきなり投下が続いてて吃驚
風爽連作も矢野ちんのもGJです〜〜
おいしくいただきましたw
想像を膨らませてくれる作品でした
投下してくれた方乙です
GJ!
千鶴って龍の部屋で勝手に寝てそうだよな
あー龍が羨ましい
>>251 逆に龍に同情するな…健全な高校生だぜ?
>>252 寝てる千鶴を横目に一人励む龍を想像したら萌えた
風と爽の結婚後の話
年は40あたり
エロなし
文章下手でスイマセン
NGする方は「北幌高校同窓会」で
===============================
北幌高校同窓会
「爽。じゃあ、行こうか」
「はい…!」
その呼び掛けに対し、翔太の目を見つめながらも
頬を赤らめ返事をしたのは爽子だった
今日は北幌高校の同窓会だ。
会場に入ると
ワッと風早夫妻の登場に歓声があがる
そして会場の半数以上があっという間に風早夫妻のまわりに集まる
「え!貞子なの?」「え〜〜貞子??」「風早、若いな〜。全然変わってねえ」
と口々に言われる中、やっぱり輪の円の端辺りからは
「貞子、あんなに可愛かったっけ?」
「おまえ、風早と黒沼の結婚式のときにも同じこと言ってたぞw」
当然爽子の耳にもその驚きの感想は聞こえてくるので
やや俯き加減に恥ずかしそうにしてる
その人だかりの円をかき分けて長身の女性が入ってくる。千鶴である。
ヒールを穿いてるせいか、ゆうに175センチを超える。
爽子のまわりに出来てる男連中の人だかりを前に満面の笑みで
「ど〜よ?アンタたち。高校ん時に『貞子』なんて言ってた
自分たちの愚かさを骨身に染みてるかい?ガハハ」
と、爽子と風早の背後に回り込んで間に入り、
さらに二人を引き寄せるように腕を肩にまわしながら、言う。
「そうそう。貞子ちゃんの本質を見抜けてたのはおれと風早だけだったからね」
その声の方向は長身の千鶴よりさらに上のほうから聞こえた。三浦健人だ。
「あ〜おれも貞子ちゃんと1年から同じクラスだったらなあ〜、
おれが貞子ちゃんの隣に今いれたかも知れないのに」
と言った後、ケントはチラッと風早の顔を見るが、
昔のように挑発に乗ってこず、笑みを浮かべたままであった
勘の良いケントは風早と爽子には強い絆が結ばれてるのを風早の動じない表情から感じ取った
「(いや、やっぱ、おれじゃ貞子ちゃんをここまで繋ぎ止めることは無理だったかね…)」
千鶴は爽子だけをその人だかりから引き離すと
「それにしてもまたアンタ綺麗になったねえ。ホント会う度に驚かされるよ」
「ありがとう…!!でも、ちづちゃんだって全然変わってないし、綺麗だよ。あれ?そういえば龍くんは?」
「ああ〜、あいつ高校の野球部で監督やってるから、いま選抜の予選始まってて出れないんだよ〜。
だから今日はわたしが夫の龍の分まで飲んで、話して、騒いでがんばるからッ!!」
「まあ、爽子んとこの息子とうちの息子が来年、龍の野球部に入ってくるから、
アタシら夫妻とももっと会えるようになるよ」
すると化粧室に行ってたため席を空けていた、あやねが戻ってきた
"久しぶり”のセリフより先に
「爽子!!あんた、ホントにアタシたちと同い年なんかい?ホントビックリさせるね、だって子供だって
二人いるはずでしょ?それにまた髪伸ばしたんだね。綺麗だよ!!
と爽子の相変わらず変わらぬ姿に驚く
「ありがとう…。あやねちゃん…!!よかった、今日会えて…」
「たしかひとり目の爽太くんが生まれる前に一回バッサリ髪切ったんだよね。
そっから何度かアンタとも会ったけど、肩くらいまでしか伸ばしてなかったから
もう長くしないかなって思ってたんだけど。
「うん。子供二人とも中学入って、ちょっと手があいたから。
それにこういう同窓会のとき、『私』だって気づいて貰いやすいかなって思って…。
あと風早く、あ、翔太くんにも、もう一度見せたかったし」
「ふふふ。アンタ、本当に幸せなんだね…笑」
「えっと…、こんな家庭の事情を喋ってしまうなんてお恥ずかしい限りです…」
「もう、アンタたちのウブコント見てるのも悔しいから
今度帰省するときは爽子ん家に邪魔しに泊めさせてもらうよ(笑
(それにしてもあのヘタレ王子にここまで爽子を輝かせる甲斐性があるとはねえ)」
-------------------------------
同窓会の帰り道、タクシーを途中で止めて、
昔二人の通学路であった河原を歩く爽子と翔太
「楽しかった?」
「うん。みんな…変わってなくて。それにいっぱい元気貰えた」
「おれなんか、男子連中にさんざん恨みを買ってきただけになったかも(笑。」
翔太は頭を片手で軽く抱え 照れくさそうに言った。
爽子は歩きながらもすこし前かがみになり、翔太の顔を覗き込み
「え…。なんか私、粗相したでしょうか…。
もしかしてハシャギすぎて、また翔太くんや、風早家の株を下げてしまったのでは…!!」
と両手で口元を押さえる仕草を見せる
「あはは…、ちがうちがう。違うよ。
『なんで風早だけが黒沼が美人になるのを見抜ぬいて黙ってたのか』と、責められてたの。
『黒沼の底知れぬ可能性に気づいてたのなら"みんなの黒沼”として協定結ぶべきだって」
「え、わたし、美人じゃないよ。
もちろん翔太くんの前でだけは綺麗でいたいと思ってるけど…」
「そんなことないよ。爽はおれにはもったないくらい魅力的な女性だよ。
爽を独り占めしたおれはたしかに怨まれるのもしょうがないかなって気もする」
「そんな…。違うよ…。わたしだって翔太くんを独りじめしてる…」
翔太は立ち止まり、爽子の両手を握って、爽子の顔を見つめる
「あらためて、言うよ。爽子。おれと一緒になってくれてありがとう…この今ですら夢みたいだ」
20年以上前、学祭で手を握って、お互いの気持を確認したときの情景が爽子の脳裏に蘇った
あのときのような手の柔らかさや若さは今の翔太にはなかったが
その手はたしかに20年間、爽子とともに歩んできたその手だった。
そしてその見つめる目はあのときとまるで変わらないことも爽子は感じ取っていた
「あたしほうが先に、協定破ってるんだよ? 『風早くんはみんなのもの』の。」
「あはは、なにそれ。『おれは爽子のもの』でいたいから」
そして二人はまた歩き出すと、翔太がポツリと喋りだした
「正直、結婚してからもこんな高校生の時のような気持が20年も続くなんて思わなかったよ。」
再び爽子の横顔を見ながら
「たぶんまだすべての想いを爽に届けてないからかな」
「わたしも…。わたしもすべてを翔太くんに伝えきれてないかもしれない。だから…」
「だから…?」
「またこれから伝えるのに20年過かるかもしれないけど、翔太くんに届けていきたい…」
「うん。おれも爽子に届けるよ」
同窓会の間じゅう、ずっと凛々しい表情を保っていた翔太とは打って変わって、爽子の前だけで
やさしく、照れてハニかんだ翔太を見せられた途端、爽子は思わぬ言葉を語り始めた
「あの…、今夜は子供たちもお祖母ちゃんたちの家に泊まりに行ってるし…」
「うん?」
「えっと、できれば…"下心”ありで今夜"も”、わ、わたしを愛して欲しい…んですけど」
翔太の顔を真正面から見れず、夕方、爽子が結んであげた翔太の胸元のネクタイに
視線を合わせたまま、真っ赤になって言う爽子を目前にし、
翔太もそんな突然告白する爽子の可愛さに耐えきれず、自分の膝に手をつくように前かがみになり
「…うん。了解!!」
と爽子と同じくらい赤くなった顔をあげて答えた
そして二人は、再び手をつなぎ、夜空の下を黙ったまま、家に向かって歩いていった
===============================
黒い風早を見せたくなったのでこんなんしました
読んでくれた方がいたら、同じような表現ばかりで読みにくかったと思います
それではありがとうございます
GJ
さわこから求めるなんてエッチすぎる><
翔太35歳、爽子34歳
結婚10年目あたりで子供あり
爽子が髪をまた伸すきっかけの話で3レスもらいます
文章相変わらず読みにくいので
ダメな方はNG「あの頃に戻りたい」で
=======================================
「あ、みなさん。宴もたけなわのとこ申し訳ないです。そろそろ失礼させていただきます…」
「ちょっと風早先生、もう帰るんですか〜。もっと飲みましょうよ〜」
「ゴメンナサイ。子供も心配だし、翔太く、じゃなくて主人が帰る前にあったかいお風呂だけでも用意させてあげたいんです」
「まあまあ森先生。風早先生のとこは仲睦まじい夫婦なんですからいいじゃないですか。
それじゃ風早先生。今年はお疲れ様でした。また来年もよろしく」
「はい…。それじゃ失礼します。ほんと申し訳ないです…」
深々と頭を下げ、その場から離れた女性は風早と結婚し、34歳になった爽子だった。
爽子は保健医として小学校に勤務している。今日はその小学校の忘年会であった。
もともとマジメで思いやりのある爽子は職場での評価が高い
さらに昔の歌謡曲が得意な爽子は40代より上の同僚や教頭、校長に大変好かれている。
そんな爽子が途中で忘年会を抜け出したのは、もちろん前述の夫と子供のことを考えてだ。
まずは子供たちを預けてる爽子の実家の通り道にある、自分たちの家である風早家の
風呂だけでも沸かしてからと
駆け足で家の前までくると、お風呂場のほうから水を流す音が聞こえる
「あれ、今日は子供たちは実家の方に夜まで頼んであったんだけど…」
「翔太くんが帰ってる…?まだ10時前なのに」
玄関を開けて、お風呂場までくるとそこにはたしかに翔太と子供の衣服の着替があった
「翔太くん…?」
「え?爽?もう帰ってきたの?」
「翔太くんこそ」
「うん。今日は早く帰ってきて、子供たちを先に風呂入れて寝かせちゃった
それで爽が帰ってくるまでに、またお風呂入りながらついでに湯船洗って
新しいお湯入れておこうと思ってたんだけど…、ゴメン。思ってたより長湯しちゃってたみたいだ」
「翔太くん…」
「ん?」
「まだお風呂入ってるの?」
「あ、ごめん。爽が使うんならもうあがるよ」
「…いいの!!まだ入ってて…。お願い」
「え、うん」
翔太の目には脱衣所のすりガラスの扉に映る爽子が服を脱いでいる姿が映った
「爽?」
「一緒に入らせてもらってもよいでしょうか…?」
「えっ!?…うん」
「エヘヘ。それじゃお邪魔します…」
「ひょっとして爽、酔ってる?」
「え?う〜ん…ちょっとは飲んだから…
でも酔ってるからってわけじゃないよ。
ただ…ホントに翔太くんと一緒にお風呂入りたかったの…」
-------------------------------------------------------
翔太は自分だけ湯船からあがり、爽子を自分の方に背を向けるように湯船にそのまま浸からせた
そして爽子の髪にコンディショナーをつけて馴れた手つきで丁寧にブラシでとかしてあげてると
爽子は目を瞑りながら、気持ちよさうな顔をする
「ねえ…。しょうたくぅん。また髪伸ばしてみようかなって思ってるんだ…」
「え…?子供が生まれる前のときくらいに…?」
「うん…。そしたらまたこうやって翔太くんに長い時間、髪とかしてもらえるでしょ…
あのころ、毎日お風呂でアタシの黒髪洗ってとかしてくれてうれしかったなぁ」
「そういえば、子供生まれてから、忙しくて、お風呂も爽と一緒に入る時間なかったかもな…
でも爽が言ってくれれば、どんな時間であろうと、一緒にお風呂入って、こうやって爽の髪をとかしてあげるよ」
「あ、ゴメンナサイ。そういうつもりで言ったんじゃないの」
「いや、おれ、こうやって爽をずいぶんいたわってやれなかった。爽はおれにやってくれてるのに
爽のいろいろやりたいことを我慢させてたかも」
「違うよ…そんなんじゃないの」
「いや、また爽の綺麗な長い黒髪を見せてよ。子供も喜ぶよ。もちろん俺もね…!!
伸びるまでまた俺が爽の髪の手入れは手伝うよ。また一緒に入ろう」
「ゴメンナサイ。なんか甘えてみたくなってこんな流れにしてしまって…」
「爽子」
「はい…」
「いいんだよ。甘えてくれて。甘えて欲しいんだよ」
「え…うん。じゃあ甘える…」
「なんなりと受賜りますよ」
「じゃあ…、お風呂上がったら愛して欲しいなあ…」
「やっぱ酔ってる?」
「え、酔ってないよ?」
「(ま、いっか)はい。かしこまりました」
そしてお風呂から上がるとバスタオル一枚の爽子をお姫様抱っこして
翔太自身は腰にタオル一枚巻いたままで寝室に向かう風早夫妻であった
いやー12月忙しくてスレ全然見てなかった!
みんなGJ!!
ちょっと早いけど来年もこのスレがひっそりと栄えますように…
連続でGJ!
将来に続く二人が妄想できてなんか幸せな気分に
グッジョブ!
新婚ネタはわりと見るけどこの世代設定の風爽って珍しいね
いやー歳とってもこんな感じでいてほしいわぁ
>>241 GJすぎる
矢野爽すきだすきだすきだ
やのちんの爽子愛は風早に匹敵すると思う
爽子のやのちんへの慕情は風早へのそれとは形が違うけど
やっぱり匹敵するほどだと思う
同性同士だけど切なくてほろ苦くて可愛い
そして爽子の淫靡なエロスとやのちんのフェロモンエロスがあわさると
ほんとにエロイ。
>>254 >>259 これまたGJ エロもいいけど風爽が仲良くしてて
それをほのぼのと周りが見守るのはほんとに和む
一生風爽はいちゃいちゃしてればいいよ
旦那は外面はイケメンなのに 奥さんにはデレッデレいいよ
奥さんはいつも淑女なのに時たま積極的!OKです
SSではないのですが、会話だけの小ネタを。
びっくりするほどつまんないです・・・
--------------------------------
「送ってくれてありがとう、風早くん」
「・・・・。」
「・・・風早くん?」
「・・・あのさ、黒沼。お願いがあるんだけど・・・」
「お願い・・・?」
「うん」
「な、何でも言って!私にできることなら何でもするよ・・・!」
「・・・名前」
「え?」
「黒沼のこと、下の名前で呼んでもいい・・・かな?」
「え・・・・!?」
「ダメ・・・?」
「ダメじゃない!ダメじゃないよ・・・!!すごく嬉しい!ただ・・・」
「ただ?」
「お父さん以外の男の人に名前で呼ばれたことないから、呼ばれる度に照れてしまうかも・・・」
「いーよ、そんなの!」
「あの、あの・・・じゃあ・・・すごくおこがましいのだけれど・・・
わ・・・私も、風早くんのこと・・・な、名前で、呼んでもいい・・・かな?」
「・・・もちろん!すげー嬉しい!!」
「わ、私も嬉しい・・・!」
「爽子・・・」
「し、しし・・・しょう・・・たくん」
----------------------------------
本誌でこんなやり取りがあるかどうかわからないけど、
最終回までにはお互い名前で呼んで欲しいなぁ
ついでにもうひとつ。
----------------------------
「・・あ、あやねちゃん!ど、どうしたら胸って大きくなるかな・・・!?」
「は!?なに?突然どうしたの?」
どうやら爽子は先程クラスの男子が「彼女は胸が大きい方がいい」
という話をしているのを聞いたようだ。
「風早くんも・・・大きい方がすきなのかなぁって思って・・・」
「あー・・・なるほど、ね」
「まぁ、一般的に手を合わせて押すように力入れるといいとか聞くし
雑誌にもよく胸が大きくなる商品の広告とか載ってるけど・・・」
「そうなんだぁ・・・!」
「でもさ、爽子。風早はそういうの気にしないと思うよ」
「え・・・?」
「風早はさ、”爽子”がすきなんだから大きかろうが小さかろうが
”爽子”ならなんだっていいと思うよ?」
「そ、そうなのかな・・・?」
「爽子は風早がもっと背が高かったらいいなとか思う?」
「そんな!風早くんは今のままで十分素敵過ぎて・・・!
これ以上望むことなんて何もないくらい!」
「・・・でしょ?で、あんたらは”同じ”なんだから」
「そうかぁ・・・!」
「ま、多少大きい方が一般男子には受けがいいのかもしれないし、
女らしさが出るのかもしれないけどさ」
「うん!ありがとう、あやねちゃん!」
あやねの話に納得したものの、こっそり自室で胸が大きくなるという
体操をちょっぴり試してみる爽子であった・・・
----------------------------
雑誌の広告とか見て真剣に買うか悩んでたりしたら可愛いなぁw
うんうんかわゆいなあ
短くても妄想膨らませてくれるだけで充分です
乙でした^^
小ネタいいよ小ネタ
爽子の胸も小さいほうがいいよ^^
3レスほど借ります。
風×爽 付き合い立て付近おそらくちゅーもまだ。
微エロ?
272 :
ロッカー:2009/12/29(火) 16:30:32 ID:brOHYLdK
「あ、風早くん」
教室のドアをがらりと開けた爽子は、翔太の姿を確認した。
「黒沼、用事終わった?」
窓にもたれかかっていた翔太は、爽子に「一緒に帰ろ」と言った。
「も、もしかして、私を待っててくれたのっ?」
爽子は嬉しそうにぽっと頬を赤らめる。翔太はくすくす笑って、
「俺が黒沼以外の誰を待つっていうの?」
と言った。
「ピンの用事、何だった?」
「え?えっとね、今度進路希望の用紙を配るそうで、そのコピー……」
「ったく。そんなんあいつが自分でやればいーのに」
翔太は担任の悪口を二言三言言うと、自分の鞄を手に取り「帰ろ」と言った。
その時、どすどすと聞き覚えのある足音が二人の耳に届く。
「黒沼!こっち!」
ピンだ!そう思った翔太は咄嗟に爽子の手を引いて教室後ろのロッカーに入っていた。
吉田専用、と書かれたそこである。
この所、爽子と二人きりで居るところを見つかってはピンに邪魔されてきた。翔太にはそれがたまらなかったのだ。
「風早く」
「しっ」
呼び掛ける爽子を制止して、翔太はじっと耳を澄ます。
程なくして、教室のドアが荒々しく開く音がした。
「……ちっ、いねーのか!」
ピンはぼやくようにそういうと、またどかどかと足音を立てて去っていく。
273 :
ロッカー:2009/12/29(火) 16:31:33 ID:brOHYLdK
翔太はふーっと深い息を吐いた。そして、はたと気付いた。
爽子を後ろから半ば抱きしめる様にして狭いロッカーに収まっていることに。
慌てて離れようとした翔太に、ふわりと甘い香りが届く。
ぞくん、と何かが背筋を走るのを感じると同時に、翔太は爽子を抱きしめていた。
「か、風早くん」
爽子は翔太の腕の中で身じろぐも、翔太が離してくれる気配はない。
どうしたんだろう、そう思っていると、爽子は首の辺りに柔らかいモノが押し当てられたのを感じた。それが翔太の唇だと気付くのにそう時間はかからず、爽子は体温が急激に上昇するのがわかった。
「風は、あっ」
何が起こっているのかわからなかったが、首筋をねろりと舐められ、爽子は思わず声を漏らしてしまう。
そんな爽子に気を良くしたのか、翔太は舌で爽子の首をなぞり、耳元までたどり着くとその耳たぶを軽くはんだ。
「ん、んっ」
爽子の背筋を、何かがぞくぞくと駆け抜ける。
何かよくわからないものに支配されながらも、翔太こ頭の中では「だめだ、やめろ」と聞こえていた。
でも、止まらない――
翔太が爽子の胸元にするすると手を近づけた時、ピンポンパンポン、と校内放送の合図が響いた。
『2年D組、風早翔太!どこぞでいちゃこらしてるか知らんが、直ちに職員室に来ーいっ!!教室でお前の鞄は確認している!居るのはわかってるんだぞ!!』
ピンの声が響きはじめたと同時に、翔太は爽子を引き連れてロッカーから飛び出していた。
「…………」
「……ごめんっ、黒沼!」
274 :
ロッカー:2009/12/29(火) 16:34:27 ID:brOHYLdK
先程まで自分の口が捕らえていた耳を、真っ赤な顔で押さえる爽子に、ほとんど土下座しそうな勢いで翔太は謝った。
ただピンに邪魔をされたくなかっただけで(結果的には邪魔されたのだが)、いやらしいことが目的で連れ込んだわけではなかった、なんて、ただの言い訳にしかならない。
ただ、翔太の理性が本能に負けた、つまりはそういうことだった。
「黒沼、殴っていーよ」
「そっそんな!殴るだなんて!私の方こそ……!」
それに続いた爽子の言葉に、翔太は耳を疑った。
「風早くんにああされて、わ、私何だか変な気持ちになってしまって!」
「…………え?」
「しっ下心が、前よりも酷くなっているみたい……!!」
「黒沼、それって――」
『2年D組風早翔太ああぁぁ!』
……――結局、またもやピンに邪魔をされ、爽子の真意もわからぬまま逃げ帰られてしまった翔太は、しばらく悶々とした夜を過ごすのだった……
おわりでーす。
実はピンってうっとおしくてあんまり好きではないんだけど(たまに可愛く思うけどww)、場面の切り替えには持って来いだと思う今日この頃。
あと、らぶいちゃすぎてかゆい時にもいいと思うwww
ピンは結果的に二人を付き合いまでに導いたきっかけのひとつにはなってはいるけど
すべておもしろがっての自分本意の行動だからねw
さっそく爽子の下心の真意がチラチラと見える内容でよかったです
乙でした^^
吉田専用ロッカーふたりもはいれんのwww
実は自分も、そりゃあ無理だろと思いながら書いてたw
なんか、短いけどよかった〜
本能のままの風早くんをもっと見たいです。
風×爽
大学に進学して半年あまり。
お互いの下宿先に行き来して
すでに初体験は済ませている関係。
微エロ
NGは「気持ちイイこと」でお願いします。
========================================
秋のとある祝日に風早の家に遊びに来てる爽子。
夕方になり、秋風が開け放した窓から吹き抜ける
二人は窓際の壁に寄りかかって座っている。
風早は窓枠に腕を乗せて、夕日を眺めている。
爽子はその風早のすぐ隣で料理の本を読んでいる。
夕日に染まる爽子の顔見て、風早は問いかける。
「あのさ…。黒沼はおれといるとき、なにをしてたときが一番気持ちいい?」
「え?気持ちイイ?」
「うん。どんなときに気持ちよさを感じる?」
「えっと…、ん…。その、『気持ちいい』という意味がよく…」
「たとえば、おれが黒沼を抱きしめたときとかは?」
「ええー…!そういう意味で?」
「うん、そう。おれに抱きしめられたときって、ひょっとして嫌だった?」
「ううん!…そんなことないよ。すごい嬉しいし、ど、ドキドキするよ…」
「それは気持ちよくない?」
「え、えっと…。大好きだから、き、気持ちいいかなあ…?」
「じゃ、じゃあさ、おれと“してる”ときは?」
「え?“してる”…?」
「その、つまりセックス…」
風早は恥ずかしさのあまり最後の方には蚊の鳴くような声でしか言えなかったが
爽子は風早がなにを言わんとしてるかすぐにわかった。
「え、ええー!」
爽子は一瞬ビクっとなり、爽子の膝の上の本が宙に浮いた。
「お、驚かせて、ご、ごめん」
「……」
「いや、もし黒沼がおれに義務感を感じて、おれがただ黒沼と
“したい”がばっかりに無理やり“させて”るんなら…」
「あ、あの…、そ、そんなことはないです…、わたしも嬉しいので…」
俯きながら、爽子は答える。
「じゃあ、おれと“してる”ときは気持ちイイと、思っていいの?」
「それがよくわからないの…」
「え…、き、気持ちよくなかった…?」
「そ、そうじゃないの!ただ風早くんと“してる”ときは裸だし、恥ずかしくって…、
それで“いっぱい いっぱい”で何も考えられなくなってしまうから…」
「じゃ、じゃあ、考えられる範囲では…」
「え…、言わないとダメ…?なのかな…?」
「うん…」
「キ、キスかなぁ…」
「キス?」
爽子はもはや一文字足りとも読んでもない膝の上に本に目線を固定したまま呟く。
「…う、うん。風早くんとキスしてるとき」
「私の名前を呼んでくれて、キスが終わった後に風早くんと目が合った時…。
すごいドキドキするの…。それでまた抱きしめてくれて…」
「爽子…!」
風早はやさしく爽子に微笑みかけ呼びかけた。
「はい…!?」
風早はすこし腰を浮かせ、爽子の隣ににじり寄り、そして爽子の首の下から右腕をまわし、
肩をかるく引き寄せ、しっとり濡れた唇にキスをする。
「あ…、ん〜っ…」
さらに残ったほうの左手で爽子の膝の上にのってる手に自分の指を絡めると
一瞬にして脱力していく爽子。
「…こういうの?」
風早がそう問うと、爽子は風早の目を見つめ、夕日で赤いのか、
自身の体温で赤らめているのかわからないようなトロンとした表情で返事をする。
「うん…。こういうの。気持ちよくて”好きなの”…」
「わあー、もうだめだあー。爽子〜」
爽子の華奢な体をギュッと抱いて押し倒しにかかる風早。
「だ、だめだよぉ!風早くん、もうお夕飯作らないと」
と口では抵抗しつつ、風早の首に腕を絡める爽子であった。
おはり
なんか連続で嬉しい!GJ!
書ける人にリクエストなのですが、恋人同士になった今年の初詣(orお正月)を
エロ含むで読みたいです。
(まんがの初詣の初々しさもよかったけど。
/ l ト、 ヽ ト、 '.
ノィ / | !,斗 ┼-}ハ、 }
j /| |_! { ,」=-‐- 、ミv¬、
|i {_」.⊥、 ̄ ´ {:::jノ }j::. ,′
矢野さん! ^'ーヘ {:::j ¨´ jノ/⌒V
ち、ちがうの、これは・・・ `¨ 、 //// _.イ |
∨/ ,.. 、 ノ^'フ .:' |
\ ! _) // j
ヴ 〃 -- 、. > .__.. ::'=-‐ '゙..::´ /
. ィ / ヾ / /⌒ ̄``<..___..∠,..,-‐-、
│ | | 彡 /,:ァ′ ヽ └ーァ'^7Y⌒
. ン | | / / ':. / 八{ ヽ
. | |ヘ , / ,゙ / ト、',
/´ ̄'ゝ/ ′ { { |__〉|
〈/ ̄` ;′ ,ノ .: \[ |
r 「`Y\ 〈/ ̄` { / .::/ }
ノ|! ゙マ } V´ ̄` ノ ソ 〃‐------‐ゥ、__ ,′
爽子誕生日まであと30分!
明日になったら誕生日祝い投下祭が開催される事を期待しつつ、
ちょっとフライングですが投下させていただきます。
風×爽 初エチ済、数回こなしたぐらいの時期
風早が爽子にご奉仕されるお話です。
本番はありません
苦手な方は『小悪魔の誘惑』でNGお願いします。
----------------------------
とある日曜日、爽子は沈んだ面持ちで風早家を訪れていた。
少々久しぶりとなる訪問に、本当なら思い切り胸を弾ませたいところだが、
爽子には手放しでは喜べない、のっぴきならない事情があったのだ。
「ごめん爽子、麦茶でよかった?今うちこれしかなくて――」
右手にふたり分のグラスと、小脇に麦茶の入ったガラス製のポットを抱えた風早が、部屋の扉を開けながらそう尋ねた。
床に行儀よく座っていた爽子は、風早のそんな姿を見て慌てて立ち上がり、彼の右手からグラスを受け取る。
「あ、ごめん、ありがと」
「いえいえ…あの、お構いなく……!」
「ま、座って座って」
風早にそう促されて、爽子はおとなしく、元居た場所にちょこんと座り直した。
そうしてすぐ、顔からは笑顔が消え、どことなく悩ましげな表情になる。
風早は、朝からそんな様子の爽子が気がかりでいた。
「――あ、それで。映画、見るんだったよね。どんなやつ?」
風早に声をかけられ、爽子は顔をあげた。
そして思い出したように、いそいそと自分のバッグからDVDのケースを取り出し、今度は頬を少し赤らめながら
「えっとね、いつもとはちょっとだけ趣向を変えて……ら、ラブストーリーなの」
差し出したそれには、金髪碧眼の男女が幸せそうに微笑むツーショット写真と、
なんとなく聞き覚えのあるタイトル、そして『全米が泣いた!』との、
これまた聞き覚えのあるキャッチコピーが印刷されていた。
「へえ!珍しいね、爽子ラブストーリーとか観るんだ?」
「あ、普段はそんなに…嫌いではないのだけれど、いかんせん詳しくないので、何がいいのかとか全然わからなくって」
嬉しいのやら恥ずかしいのやら、もじもじと体をくねらせながら、爽子は続ける。
「そんな話をしていたところ、トモちゃんがオススメを貸してくれたので、翔太くんと観たいなぁ…って」
「そっか。うん、じゃあ早速!」
爽子からDVDのケースを受け取った風早は、それを手早くセットし終えると、いそいそと爽子の隣に腰掛けた。
その行動に驚いた様子の爽子に、「いいでしょ?せっかくラブストーリーなんだし!」と、いたずらっぽい笑みを浮かべる。
ほどなく、映画が始まった。
お互いがお互いを好きだが信じきることが出来ず、一旦は離れ離れになり、
紆余曲折を経て再び愛し合う――内容自体はありふれたものだったが、演出や音楽が涙を誘い、
確かに良作と呼べる出来のラブストーリーだった。
映画はハッピーエンドで幕を閉じ、エンドロールが流れる頃には爽子は号泣していた。
「よ、よかったねぇ…!ロバートはほんとにダイアナを愛しているんだね……!!」
「うん、おれもちょっとうるっときた」
エンドロールを眺めながら、たっぷりと映画の余韻に浸っていた二人は、いつの間にか肩を寄せ合って座っていた。
爽子はいつまでも、ハンカチを片手に「ロバートが、ダイアナが」と、その感動を熱く語っている。
そんな様子を見た風早は、ほっとしたように微笑んだ。
「よかった、爽子、いつも通りだ」
その言葉に、爽子はえ?と風早を振り返った。
「なんか、今日元気ないみたいだったから、心配で。でも、よかった。笑ってる。」
「あ……っそれは」
爽子は言いかけて、しかし言葉を失った。風早の顔が、
もうあと数センチというところまで近づいてきたからだ。
「……キスしていい?」
言うが早いか、気づいた時にはもう、二人の唇は重なっていた。
突然のことに、最初はかたく口を閉じていた爽子だったが、
だんだん熱くなるその口づけに、自然と力も緩む。
その変化を風早が見逃すはずもなく、ゆるりと舌を忍び込ませた。
「ん……っ」
その瞬間、爽子の抵抗する力が強まった。それを感じた風早は、そっと唇を離す。
「ごめん、嫌だった?」
「ちが…っ違うの、いやじゃない……!だけど……っ」
「だけど?」
「今日は……ダメなの……!」
爽子の思わぬ言葉に、風早の表情が一瞬かたまる。
「あああああの、えっと……だ、だって、キスじゃ…終わらないでしょう…?」
「ぶ…っ い、いや…それは…そうかもしれない、けど……え?」
いったい何を言い出すのだろう…風早は、顔を真っ赤にして未だ何か言いたそうな爽子を、注意深く見つめた。
「だけど…きょ、今日は…出来ない……ごめんなさい」
そう言いながら、爽子は右手をそっと、自らの下腹部に添えた。
その仕草で全てを察した風早は、慌てて口を開く。
「あ…っそっか、ごめん、気づかなくて!いいって、謝る事じゃないし」
「でも」
「嫌な時は嫌って、無理な時は無理って言ってくれていいんだ。その方がおれも嬉しい。」
風早は、爽子の右手を優しく取り、両手でしかと握った。
「だから、うん。ちゃんと言ってくれてありがと。」
「翔太くん……」
爽子は握られた右手に力を込めた。どうしてこの人は、こんなにも優しいのだろう……
私に、何かしてあげられる事はないのかな。この優しい人を、わたしだって喜ばせてあげたいのに。
――そんな事を考えていたら、ふと、思い立った。そうだ、私にも出来る事があった、と。
「えーっと、そうだ、マルの散歩でも行く?あ、でも部屋でゆっくりしてた方が――」
「翔太くん!」
気を取り直してと言わんばかりに明るい声で言いかけた風早だったが、思いがけず爽子に遮られてしまった。
え、と驚いた表情の風早をお構いなしに、爽子は早口で告げる。
「あのね、私、翔太くんにもっともっと喜んでもらいたいの」
「?…爽子?」
「だから……えっと、その……そこのベッドに座ってください!」
いつになく真剣な爽子の気迫に圧倒され、風早は四の五の言う暇もなく、言われるがまま背後のベッドに腰掛けた。
「爽子?どうしたの?」
「翔太くんは、何もしなくていいので!本当に!」
「え、あ、はい」
そこまで言われてはと、手を後ろについて、おとなしく目の前の爽子を見つめる。
爽子はというと、風早の前、床に膝をついて、なにやら覚悟を決めている様子だ。いったい、何を……?
そう思った次の瞬間、爽子は思わぬ行動に出た。
おもむろに、風早のズボンのベルトに手をかけ、外し始めたのだ。
「ちょ……っ爽子!何して…っ」
これには流石に黙っていられない風早は、慌ててその手を掴んで止めた。
「何してんの!?っていうか、何するつもり!?」
「え…?あの、だから…翔太くんを、喜ばせたいの」
「いや、その喜ばせるってのは、具体的にどういう……」
「私もね、いろいろ勉強しなきゃと思ってて。
前に見た雑誌で、こういう事をすると男の人は大喜びってあったから」
雑誌…って、勉強…って!?どこからツッコめばいいのやら、風早があまりの事態に混乱し、
掴んだ手の力をゆるめていた隙に、爽子はひとまずベルトを外すことに成功していた。
「いつも私ばっかり気持ちよくしてもらってるから、翔太くんにも気持ちよくなってもらいたいの」
「初めてだから、上手くは出来ないかもしれないけど……」
自信なさげにそう呟くと同時に爽子の右手が、ズボン越しに、そっと風早のそこに触れた。
「…っわ」
あまりに突然きた快感に、思わず風早の口から声が漏れ出た。
爽子はその後も手を休める事なく、最初はゆっくりと優しくなでるように触れ、
慣れてくると次第にそのスピードを早めて行く。
そのたび、風早のその部分は意思に反してどんどん固く、熱を帯びて行く。
布越しにもわかるぐらいに隆起しはじめたそれを、爽子は何かにとりつかれたように愛撫し続けた。
「翔太くんのここ、固くなってる……これって、気持ちいい…ってこと、だよね…?」
言いながら、下着の間から丁寧にそれを探り当て、取り出した。
彼女の眼前に、自らのモノが、そそり立っているその光景は……なんとも言えず、官能的で。
いっそこのまま、彼女の言う通りに、快楽に身を任せてしまおうかー―
風早は、ぼんやりとした頭で、そんな事を考えた。
けれど、その直後の爽子の行動に、手放しかけた理性も引き戻さずにはいられなくなった。
彼女の顔が、その熱い棒の先端に、ゆるゆると近づいていくではないか。
このまま行けば、その口が――……
「爽子、ちょ…っ、ほんとにまって…!」
たまらず声をあげ、爽子の眼前に手のひらを突き出した。
「それは……さすがに、ちょっと!」
「え……っ ご、ごめんなさい!あの、嫌だった!?私、何か間違って…!?」
爽子は急に我に帰ったように、青ざめて後ずさった。
「いや、違…っ、っていうか……ああ〜っもう!爽子!あのね!」
がしりと爽子の華奢な両肩を掴んだ風早は、その勢いのまま爽子の体を引き寄せ、力いっぱい抱きしめた。
「しょ、しょーたく……」
「爽子はそんな事しなくていいんだってば」
風早は自分の胸に爽子の顔を埋めさせ、その黒く艶やかな後ろ髪を、くしゃくしゃに撫でた。
「おれはもう…ずっと、ずっと前から爽子に貰ってばっかりなんだから。今はお返しをする時なの」
「お、お返し……?」
「そう、お返し。だから爽子が気持ちよければそれでいい。
っていうか、おれだって、いつも気持ちいんだよ?最高に幸せなんだよ?」
「ほ、ほんとう…?」
「ほんと!だから、無理してこんなことしなくたって」
両腕ごと抱きすくめられた爽子は、そろそろと風早のTシャツを握る。
そうしてなんとか風早と自分の身体の間に少しばかりの隙間を作って、そっと顔をあげた。
「無理してなんか、いないよ?」
そう呟き上目遣いで風早を見上げると、そのあまりに甘美な光景に、風早の胸がどきりと鳴る。
「え、でも、爽子…」
「……確かに、ちょっとは怖かったけど……でも、本当に私がそうしたいと思ったら、したの」
少し潤んだ、しかし彼女らしい、意思を持った瞳。その瞳がまっすぐ、風早を見つめている。
「翔太くんはそう言うけれど、やっぱり私は、いつも幸せにしてもらってるお礼がしたくて」
「嫌でないのなら、最後まで、させて欲しい」
それに…。そこまで言うと、爽子はほんの少し視線を落として…
未だ放つ当てのない熱を持った風早のその部分に、一瞬目をやり
「素朴なギモンなのだけど……あの、これ…って、放っておいても大丈夫なもの、なの?」
そんな事を真顔で問いかけられた風早は、
『自分でなんとかするから』とも言えず、爽子の甘い誘惑に、
ただ身を任せてしまうことに決めたのだった――
----------------------------
その後風早は、爽子のお口で無事に果てましたとさ。
せっかくの爽子の誕生日に、爽子が風早を奉仕する話なんてなぁ……
と思ったので、一応、当日は避けてみましたww
お粗末さまでした!
ここのところ毎日新作があって嬉しい!GJ
爽子、お誕生日おめでとう!
職人さん方連続投下乙です!
年末でバタバタしてるのに毎日スレ覗きに来てしまうwww
どれもGJでしたご馳走様!!!!
あと爽たんお誕生日おめ!!!
年明けちゃった…今更だけど爽子誕生日おめでとう&あけおめ!!
今年はDAT落ちしませんように!
原作が続けば続くほどここでの妄想ネタのストックが溜まる
書ける人どんどんお願いします
てす
てす
295 :
翌朝:2010/01/03(日) 20:37:26 ID:hSmiFwcc
爽風です。
大学生かな?
初めての日の翌朝です
初めてなので文章下手は勘弁
――――――――――――――――――――
ん…あったかい。
ちょっと重いけど、それにすら嬉しさを感じる、この幸せな重みはなんだろう?
(起き…なきゃ…)
爽子は、ぼんやりとした意識の中で薄眼を開けた。
何だろう、この違和感は。いつもと何か違うような―…
「…!」
目の前には大きな腕。
横を見ると、愛しい男の子の寝顔があった。
風早くん。
わたしの、だいすきなひと。
どきどきを取り戻してしまった心臓をしずめながら、爽子は昨日のことを思い出していた。
そうだ。昨日私は、風早くんの部屋にお呼ばれして。
ごはんを食べて、DVDを観て、お風呂にも入らせてもらって、それで、それで―…
その先を思い出すのは、もう爽子の許容範囲を超えてしまっていて。
隣ですーすーと寝息を立てている彼に視線を落とす。
昨日私はこのひとと…
顔が熱を帯び、かああと赤くなっていくのが自分でも分かった。
296 :
翌朝 2:2010/01/03(日) 20:38:24 ID:hSmiFwcc
爽子はそのかわいい寝顔から目が離せなかった。
(まつげ、長いんだぁ…。)
すっと鼻筋の通った高い鼻。
少し茶色がかったさらさらな前髪。
細いけど、しっかりとした筋肉質の腕。
そして―…
半裸の風早に、爽子の胸の鼓動は増すばかりだった。
(おとこのひとの、からだ―…)
見ているだけできゅうっと胸が締め付けられる。
いつもは、私をまっすぐ捉えるその大きな眼を、恥ずかしくて直視できないけど――
でも、今だけはひとりじめ。
(かっこいい、なぁ…)
私にはもったいないくらい。
その時、風早のまぶたがぴくっと動いた。
「ん…」
知らず知らずのうちに近づいていた爽子の目を、彼の目が捉える。
その距離わずか20センチ足らず。
あっ、と爽子が驚きの声を口に出す前に、うわぁ!と彼が飛び起きた。
「ご、ごめんなさい!!」
爽子は飛ぶように急いでベッドから出、ドア付近まで後ずさる。
離れてから、二人はお互いに真っ赤っかの顔を見ながら、しばらく固まる。
(え?ちょ、何?今の…)
風早は腕で顔を覆い、寝起きの頭で必死に考える。
よく分からないが、爽子が近くにいて、自分を覗き込んでいた。
(見られてた?寝顔…)
いつからだよ、という疑問が頭を駆け回る。
かっこわり―、と頭を抱え、身もだえする風早。
297 :
翌朝 3:2010/01/03(日) 20:39:34 ID:hSmiFwcc
その光景を見て、爽子はおろおろする。
「ごめんなさい!あの…」
睡眠の邪魔をするつもりはなかったのだけれど、という謝罪の言葉を発しながら、遠くから風早の様子をうかがっている。
「〜〜っ」
風早は頭を少し掻きながら、おれ、なんか変なことしてた?と爽子に確認する。
爽子はぶんぶんと頭を振る。
(むしろ…素敵でした…)
心の中で寝顔を思い出すと、またもや顔が熱をもち始める。
良かった―、と苦笑いする彼を見て、爽子はやっと少し安心する。
「あの…本当にごめんなさい、睡眠の邪魔をして…」ともじもじしながら、
「お、怒ってる…?」と尋ねる。
風早は ん―、と考えた後、
「…うん。少し。」と言って にっと笑った。
(や、やっぱり!)
「ご、ごめんなさい…」
頭冷やしてきます、とドアに手をかけようとしたとき。
ぎしっとベッドのきしむ音がしたかと思うと、爽子はもう大きな彼の腕の中に捉えられてしまっていた。
298 :
翌朝 4:2010/01/03(日) 20:40:33 ID:hSmiFwcc
「か…ぜはやくん…」
後ろから抱きしめられているため顔は見えない。怒っているのだろうか?
でも、抱きしめる腕はすごく優しい。
「…逃がさない、よ」
耳の近くでつぶやきが聞こえたかと思うと、彼の手が服の下に滑り込む。
「…あ!」
ひやりとした感触が体をまさぐったかと思うと、抵抗がかなわない、大きな手が爽子の胸をふにふにと触る。
(ひゃ…っ)
首のあたりをあたたかい唇を感じる。
爽子の顔は風早の左手によって向きを変えられ、唇をふさがれる。
(も…無理…っ)
そのとき、風早の手が動きを止めた。
爽子は内心ほっとしたような、心残りのような表情で風早を振り返る。
「…かぜはやく」
「風呂、はいる?」
え、と驚く爽子の顔は、風早の「二人で。」という言葉によってまた崩されてしまった。
終わり
何か本番はやっぱ無理…
ちなみに
>>156です
つぶやきに共感してくれた方ありがとうw
よかったですよ!
関係がどこまでいっても爽子だけはずっと感動しっぱなしの性格がよく出てて最高です。
GJGJ!!
もっと脳内の妄想を吐き出しておしまい!!ww
よいです
風早かわいい
本番難しいよねw
でもこういう妄想を掻き立ててくれる事後ネタでも
全然ありだと思う
GJでした!
いいですね!
恥ずかしいと顔を背ける爽子に
「そらさないで こっちをみて!」
と風早が言った後かなと
想像してしまうくらい破壊力ありますね。
爽子の下着がかわいすぎやで!!
乙です!
>>304 萌えます〜〜〜
絵ももっと見たいです。
4レスほど。
エチなし。風早暴走気味w
高三こお正月です。次レスから。
309 :
ひめはじめ:2010/01/07(木) 19:47:32 ID:swepLVW7
黒沼とそーいう関係になってから、何度か体を重ねた。
いや、数えたら片手で終わってしまうほどの回数だけど。
黒沼は、可愛くて、可愛くて、可愛くて、それからときどきいやらしい。それがまたいいのだけど。
出会って初めて迎えたお正月から、定番のように毎年二年参りをする。
黒沼が家でものすごく大事にされているのは知っているし(特にお父さんが)、心配もかけたくないので、お参りをしておみくじを引いたら素直に黒沼を家まで送っていく。
本当は、3月で高校も卒業してしまうし、その前に受験が待っているしで、俺的に節目なわけで、もっとずっと居たいんだけど。
「じゃ、黒沼」
「うん、おやすみなさい」
黒沼から聞ける『おやすみ』それが一緒のベッドの中だったらどんなにいいだろう、なんてイケナイことを、ついつい想像してしまう。
「あ、黒沼?」
「え?」
寒さで鼻の頭を赤くする黒沼を、本当は早く家の中へ入れてあげなきゃなんだけど、呼び止めてしまう。名残惜しくて。
「あの、また会えるかな。その、冬休み中に?」
年が明けてしばらくしたら、学校が始まってしまう。
こちらから約束を取り付けないと、遠慮深い黒沼はなかなか誘ったりしてくれない。(と、思いたい。会いたいのは、俺だけじゃないよね?)
310 :
ひめはじめ:2010/01/07(木) 19:48:13 ID:swepLVW7
「あ、あのね、風早くん」
え、何でもじもじしてるの、黒沼。
何か、言いにくいのかな。
「どうしたの?聞くよ、俺」
もしも、会えないとかそんな話でも。ちゃんと黒沼から聞きたい。
「あの、3日の日なんだけど」
「うん」
「お父さんとお母さんが、お母さんの実家に帰省するので、家に誰もいないの」
って、ちょっと待った。
これはもしかするともしかして、嬉しいお誘いなんじゃ……
「よ、良かったらなんだけど……家に来ない、かな?」
やっぱり!!
行くよっ行きますとも!
チャンスじゃん!ってか、誰も居ない家に誘うなんて、これはえっと、期待しちゃっていんだよね?
「風早くん?」
感極まっている俺に、黒沼は、やっぱり迷惑だったかな、なんて言っていて。
「そんなわけないっ!是非お邪魔させて!」
あ。やばい。
俺今絶対鼻息荒かった。どんだけ期待してんだっつーの!
というわけで、新年初エッチへ向けて、悶々と3日までを堪える俺。
確かに親戚からもらえるお年玉とかうれしくて堪んないんだけど、今はそれより黒沼だ!!
待ちに待った3日がやって来て、ウキウキと黒沼の家へ向かう。
黒沼、どんな服着てんだろ。脱がしやすい服だったりして!!
浮かれまくって、冬の寒さもへっちゃら!なんたってもうすぐ黒沼に会えるんだ!
311 :
ひめはじめ:2010/01/07(木) 19:48:57 ID:swepLVW7
「い、いらっしゃい……!」
チャイムを鳴らすと、黒沼が玄関を開けてくれて。その顔はぱぁっと輝いてて。
あぁ、俺のこと待っててくれたんだなぁって思う。俺が来て嬉しいんだなぁって思う。
やばい、めちゃくちゃ幸せ過ぎる。
「い、今ね、もうすぐケーキが焼けるの!ブラウニーなんだけど、好きかなぁ……」
「うんっ好き!いつもありがとー!」
すきだよ、ブラウニーも。黒沼も!!
黒沼の部屋に通されて、程なくして黒沼がコーヒーとブラウニーをお盆に乗せて持って来た。
ホント、気が利くよなぁ……!
ところで、黒沼は布団を敷くらしいから、普段はその布団はしまわれている。
どこで『する』んだろう、なんて。
絨毯の上でも出来なくはないんだけどさ。
いざそういう雰囲気になって、布団を敷きましょうなんて、ムードぶち壊しじゃないのかな。
「風早くん、良かったら、食べて?」
「あっうん!いただきます!」
な、なんか俺、先走りすぎ?
いやでも、黒沼もそういうつもり、だよな?
黒沼お手製のブラウニーを食べながら、そっと横目で観察する。
今日も可愛いなぁ〜。何でこんなに可愛いんだろう。
で、今からこの可愛い人と、その『する』わけで……
俺はごくりと唾を飲み込む。
っつーか、もう、押し倒しちゃえばいいんじゃないかな!?
だって何かもう、期待しすぎて我慢できなくなってきた。
312 :
ひめはじめ:2010/01/07(木) 19:49:46 ID:swepLVW7
「黒沼……」
隣に座る黒沼の肩に回して、ゆっくり顔を寄せる。
順序よくキスから。うん。もうじゅうたんでいいや。
「えっ!か、風早くん、ちょっと待って!」
嫌だよ、待ちたくない。黒沼、俺のことすきでしょ?
黒沼の制止を無視して唇を奪う。
時折、黒沼の鼻にかかった声が漏れて、だんだんと体の中心に血流が集中するのを感じる。
このまま、押し倒しちゃうよ?いいよね、黒沼――
俺は黒沼の頭を包んでそっと横たわらせる。もう一度口づけて、それから、セーターの下から手を差し込んで――……
「んっだっ!だめぇー!!!」
!!?
普段そんな声出ないだろってくらいの大きな悲鳴を黒沼は上げる。
えっなんで!?
黒沼、今日誘ってくれたじゃん!
「え、黒……」
「きっきらいになっちゃうから!」
そ、それは困る!!
「きょ、今日はっ、冬休みの宿題をしようねって言ったのに……!」
黒沼は自分の体を抱きしめるようにして俺から離れる。
え?冬休みの宿題……!?
そういえば、持ってきてねって言われて、終わってないやつ持ってきてた、けど…………
え!!?
黒沼は、つまり、最初っからそんなつもりはなかった、て、こと……?
そうして俺は、新年初えっちをおあずけ喰らっちゃうわけで。
はぁ…………
おわり
がっつきすぎの、風早下心のみ太くんでした。
君がじゅうたんで良くても、爽子は嫌だよ絶対。
爽子は多分自分の部屋ではさせないと思うんだ。なぜなら妄想族だから。
絶対そこで行為があったことを想像してしまって、眠れなくなっちゃうからww
残念だったね、風早w
というわけで、今年も風早を弄って弄って弄り倒す予定です(・∀・)
職人様GJ!!!!
爽部屋なしか・・残念・・とか思ったけど、確かにw
妄想で睡眠不足になりますねwww
別マ&単行本発売日まであと少し。
GJ!
爽パパ、爽子の部屋にベッドを買ってあげてと思ってしまった。
あの部屋ベッド置けるよね?
316 :
爽子の勇気1:2010/01/08(金) 04:29:50 ID:7nNQZPFu
風早×爽子
風早18歳、爽子18歳
受験が終わった3月上旬に初体験を終えた設定
最初から最後までイチャイチャするだけです
直接的なエロなし
苦手な方は『爽子の勇気』でNGをお願いします
=======================================================
3月も下旬。高校の卒業式を終え、大学近くの下宿先に風早は引越し
数日がたったある日、黒沼爽子が引越祝いに風早のために食事を作りに来たときだった。
―――――――――――――――
「黒沼…。いい?」
風早によって仰向けにされた爽子に自分の手を爽子の手に重ねて問う。
すでに爽子のブラウスは半分以上ボタンを外され、下着で覆われた乳房も見えてる状態だった。
「ええー…!で、でも…。今来たばかりなのに…」
「黒沼はいや…?」
唇をキュッと噛み締め、顔を真っ赤にする爽子。
「いやなら、やめるよ」
「う、ううん…。そ、そんなことはないよ」
俯き加減に目を逸らす爽子にキスをする。そして爽子のスカートのファスナーに手をかけ
徐々に風早ペースで爽子はベットの上でまたもこの上ない恥ずかしさと向きあうことになった。
―――――――――――――――
風早の欲望がなんとか発散されたとき、風早のすぐ右隣のいる爽子は顔を枕に押し付け、
両の手は軽く枕カバーを握った状態で顔の横に添えられ、うつ伏せになっていた。
風早は早々に下着を履いていたが、爽子はまだ全裸のままでタオルケットが背中か腰へと掛かっている。
そんな爽子の細く白い体が半分あらわになった姿は風早にはとても艶かしく見えた。
―また…自分の欲望優先で黒沼に迫っちゃったな…―
そんなことを反省しながら隣の爽子に視線を向けると、枕から顔を半分見せ、こちらを爽子が潤んだ瞳で見てる。
「あ、ご、ごめん。黒沼…。」
317 :
爽子の勇気2:2010/01/08(金) 04:30:24 ID:7nNQZPFu
突然の風早からの謝罪に枕で半分隠れていた爽子の顔がふと起き上がり、風早を両目で見つめる。
「え…、どうしたの?風早くん?」
「い、いや。また黒沼の体を強引に求めてしまって…」
「え?わ、わたし、『いやじゃない』って言ったはずだよ?」
「でも、おれ、黒沼と二人っきりになると、いつも抑えきれなくなくなって…」
風早は理性が抑えきれなかった自分を見せてしまったことを後悔してか、視線を爽子から天井に向ける。
もう一度、風早が爽子の方を見ると、爽子はまた枕に半分だけ顔をうずめて、ニンマリした目だけを風早に向けていた。
「うれしい…」
「え?」
「わたしのことを見ようとしてくれてる風早くんも好き」
「…おれ、黒沼はてっきり嫌がってるのか思ってたから…」
「あ、あの…。風早くんがわたしにしてくれるときに出る『いやッ』って言うのは本心からじゃないので…」
爽子は風早から目線を枕に移し、恥ずかしいそうに言う。
「そ、そうなんだ…。おれ、必死でわからなくて。黒沼、泣きそうな顔してたし」
「そ、それも感動すると、すぐ涙出るので…」
「よかった。おれ、黒沼の意志を無視してるのかと思ってた」
爽子はやや右肩を浮かせ体を風早の方へ向かせ、風早の目を緊張した面持ちで見る。
「そ、そんなことないよ…!う、うれしいよ!」
爽子は右手でブンブンと振りながら否定してみせる。
その際に爽子の黒く長い髪が前の方にサラサラっと流れ、爽子の乳房にカーテンのように掛かる。
「でもわたしを求めてくれる風早くんの気持ちがうれしい…。ほんとうに…。それに…」
爽子はまだなにか続けて言うつもりだったが、風早の視線が自分の胸にきてるのを感じ、
そのとき初めて自分がまだ全裸でいることに気づいた。
318 :
爽子の勇気3:2010/01/08(金) 04:30:58 ID:7nNQZPFu
「あっ…!恥ずかしいっ…!わ、わたし、こんな素っ裸で…。」
爽子は両腕をクロスさせ乳房を隠し、そのまま枕に倒れこむ。
そして恥ずかしいながらもチョッピリつり目がちな爽子の目線と
頬を赤らめた顔から出る笑みを枕からそっと風早に向けると風早の心臓がドクンと鳴った。
いまだに爽子の顔を正面から見ると気持ちが高なってしまうことに驚くと同時に
爽子から自分の心が離れることはないんじゃないかと心底、風早は思った。
「お、おれ。黒沼が…、黒沼爽子が好きだ…。この気持はずっと変わらないし…、あ、愛してる…」
顔が赤くなって最後の方は爽子の目を見れずに顔を伏してしまったが言わない訳にはいかなかった。
「…うん。わたしも…。わたしも風早くんを愛してる…!」
風早と対称的に爽子は自身の上半身が裸ということも、口にする言葉に対しての恥ずかしもまったく
感じさせないほど凛とした態度で返事をする。
そして意を決するように風早に問う。
「あの…。ちょっとだけ…、風早くんの体を抱きしめてもいいかな?」
「え…?」
「い、いえ…!変なこと言ってゴメンナサイ」
「おいでよ…。黒沼」
「う、…うん」
爽子は肩から前の方に落ちた長い髪を一旦後ろに直すと
目をキラキラさせ風早を見つめながらにじりよっていく。
爽子は裸のまま風早の上半身の半分を重ねるように身をのせ、
風早の髪をなでるように手を添えて、風早の胸板に爽子の乳房が押し付けられる。
爽子とはまだ数回しか体の関係がない風早には爽子の胸は触ったことがあっても
このように自分の体に直に触れてこられることは初めてだった。
「風早くん、細くてもちゃんと胸に筋肉があるんだね。胸板って感じ…。やっぱ男の子なんだなぁ」
―そんなこといったら爽子だって華奢なのにちゃんとオッパイあるじゃん!―
風早は爽子の発言に心のなかで突っ込み入れる。
「風早くんを好きって自覚してから2年半くらい…」
「うん?」
「ずっとこうしたいと思ってたの…。風早くんの髪。風早くんの体。風早くんの顔。風早くんの腕…」
319 :
爽子の勇気4:2010/01/08(金) 04:32:09 ID:7nNQZPFu
そう言いながら爽子は風早のややクセッ毛の髪をなでながら、風早の胸に手を移す。
「こうやって風早くんの体に触れてることがすごいうれしい」
爽子は血色よく紅潮した顔を風早の胸板に押し付け、目を瞑る。
「大学始まっても、月に何回かくらいは風早くんとこにご飯を作りに来たいなあ…、でも週末とかだと風早くんも付き合いで…」
風早とのこれからの学生生活にあれこれ妄想に浸る爽子に対して
風早は爽子の胸の感触と自分の首のすぐ下にいる爽子からの匂いにまたもや理性を失いそうだった。
―どうしよう…、また黒沼としたくなっちゃった。でも反省しといてさらに迫ったらおれ、『ふつうのスケベ』じゃきかなくなるよな…―
「あれ…?風早くん、すごい心臓の鼓動が早いよ…!?」
「え?」
「ほら!『ドクンドクン』ってすごい早さで鳴ってる…、音が聞こえそうなくらい」
そういって風早の胸に耳をあて、さらに体を押し付ける。
「あれ…!わたしのほうもドキドキしてる…!」
爽子はすっと上半身を起こし、自分の胸に手を当てる。
「なんでだろう…。ドキドキしてる…。」
「そ、それはたぶん…、お互い裸でくっついてたからだよ」
「ええー…!そ、そうなの…?」
風早はなにやらこの状況を解明しようとしてる爽子の様子を見る
「で、でも…。このドキドキは嫌じゃないかも…」
爽子が目を閉じて胸に手を当ててる姿に、風早はこの日二回目の心臓の大きな高鳴りを聞いた。
「と、ところで風早くん!」
320 :
爽子の勇気5:2010/01/08(金) 04:33:04 ID:7nNQZPFu
「え?」
爽子の突然の呼び掛けに風早も体を起こす。
「あの…、ひょっとして風早くんの『下心?』はまだ収まってないのでは…?」
「え!な、なんで?」
「あ、あの…。だって風早くんのが…」
爽子が恥ずかしそうに風早の下半身の方向に視線をチラリと向ける。
「わーー!あ、こ、これは違うんだ!…いや、違わないか?いや、違うんだ!」
風早は下半身を抑え、爽子の方に背を向けるように丸まる。
「か、風早くん…!」
「ご、ごめん。黒沼。もう少ししたら収まるから!」
「あの、もし、したいんなら、いいよ。…ううん。わたしもしたい…!」
「え、く、黒沼…!」
「あの、さっき、言おうと思ってたんだけど、わたしも風早くんを欲しいときがあるの…」
風早はゴクンと喉を鳴らし、さらに爽子の言葉に耳を傾ける。
「も、もし。わたしのほうから風早くんを求めてしまっても嫌いにならないで欲しいの…」
「嫌うワケないよ…!もっと黒沼の声を聞きたい」
「う、うん…!」
「く、黒沼!」
風早は爽子の肩に手を置くと、爽子は自然と風早を見つめる。
「もう一度してもいい?」
「…は、はい」
風早は爽子の体を抱き寄せると爽子もそれに応えるように風早の背中に手をまわす。
そして二人は夕暮れの差し込む部屋のベットに再度倒れ込む。
おはり
よかったです
爽子ーかわいい
いつんになっても爽子に恥らいがあるからいいんだろうなあ
乙です
携帯規制中で書き込みできなかった…
爽子来て早々に押し倒すせっかちな風早にワロタww
ほんのり爽子の下心も見え隠れする感じでいいね!
GJでした!!
GJGJ
遅くなったけどスレのみなさんあけおめ
朝、風早は自転車を漕いでいた。
○月○○日、そうこの日はとある雑誌の発売日。
風早の月一の日課、いや、楽しみである。
「くそー、俺のこと皆は爽やかとか言うけど、俺だって健全な高校生なんだぞ。
俺だって、俺だってーっ!エロ本ぐらい買うんだっ!!」
風早、心の叫びである。
そういえば、何故早朝かというと、当然、クラスメイトに目撃されないため。
そのあたりは思春期全開であった。
○○書店。
店の前についた風早、周辺を見渡し、まず人がいないことを確認する。
慣れたものである。
10時、店のドアが開く。オープンと同時に店内に駆け込む風早。
向かうところはエロ本コーナー。
目当ての雑誌は今日発売の「清純女学園○月号」
清楚系女子高生好きにはたまらない雑誌である。
「(どこだっ!?清純学園女学園○月号っ!)」
エロ本コーナーでエロ本を探す風早の目は本気である。
「(どこだっ?どこだっ?俺の清純女学園ーっ!)」
すでにオープンから約3分が経過。
まだ目当ての本は見つからない。
風早に焦りの色が出始める
「やばい、急がないと人が・・・。。」
「(なんでないんだ・・・?)」
イヤな汗が流れる。
いつもはこの時間にはきちんと並んでるのに・・・。
風早の脳裏にひとつの可能性が思いつく。
「まさか、店員がシュリンクされた雑誌の束から本棚に並べていないんじゃ・・・。」
よくある話である。
「(何してんだ糞店員っ!やる気あるのかよっ!ちゃんと仕事しろよ、それでもエロ本のプロかよっ!)」
怒り全開の風早だが、店員は別にエロ本のプロでは決してない。
「(どうする?どうする?)」
風早、最大のピンチである。
風早「日を改めるか、いや、それはきつすぎる・・・。今日のために何日我慢したと思ってんだよっ!!」
風早の心の叫びは店員には届かない。
そして、さらに2分。。
風早の脳裏に最後の手段が浮かんだ。
「店員に聞くしかない・・・。」
しかし、それは勇気のいることであり、最高に恥ずかしいことである。
なんたってエロ本だし。
「(でも、でも、黒沼に告白する勇気に比べたらエロ本を尋ねるぐらいっ!)」
もはや、なりふり構っていられない風早。
店員に向かって歩き出す。
鼓動が高鳴る。
それはまるで、100メートル走を走り終えた時のようだった。
風早「あっ、あの、すっ、すいません、きっ、今日発売の「清純女学園○月号ってありますか?」」
店員「?あー、はいはい、ちょっと待ってね、今袋から出すから」
袋をカッターで破き、清純女学園を取り出す店員。
ほっとする風早だが。
店員「あー、これ、未成年には販売できない本だね」
風早「は?(なんていった?今なんていった??)」
店員「ごめんね、君高校生でしょ?ほら、ここに成年マーク入ってるし。」
風早「いや、あの・・・(今まで普通に買えてたのに?)」
風早の顔が落胆の色に染まる
店員「ごめんね、決まりだから、ね(ニヤリ」
風早「あ、はい、すいませんでした・・・。」
その場にいたたまれなくなり、足早にその場を立ち去る風早であった。
オチとしては、今まで買えてたのはたまたま客の年齢など特に気にしないバイト店員が
レジにいた場合で、今回、声をかけたのは店長さんだったわけだ。
疲れきった風早だが、悔しさから帰りの自転車も全快である。
風早「ちっくっ、しょっおぉー!!!」
そんな出来事から始まる、風早のとある日曜日であった。
うわー、なんか風早バカすぎておもしろすぎる!
でも、エロ本、絶対買ってるよね。
つい妄想の爽子に痴態を演じさせて、オカズにしてしまう風早。
イキそうになった瞬間、爽子で抜いてる自分に罪悪感と憤りを感じ、咄嗟に別の映像を脳内で差し替える。
何故か思い浮かぶ映像が龍しかいなかった風早。
風早「最低だ……俺って」
風早wwww
そういや本スレかどっかで風早が爽子をオカズにしてるかどうか
って話になったことあったなw
意外と男性陣が「初恋の人はオカズにできない」って
意見が多かったような
でも風早は爽子をオカズにすると思う。
エロ本もAVも、爽子にどこか似ているのを探すと思う。
そして、その後に爽子に会って「ごめん……」とか思ったらいいと思う。
風×爽でガッツリやってるの読みたいです
職人さんおねがいします
爽子のやきもち編読みたいです
おねがいします
なんか本誌で風爽おなかいっぱいで、エロが浮かばなくなってきた。
龍×ちづ。
4レスほど。ちづ視点。
二人はカップル後で、えちーも何度目かな設定。
337 :
夢中:2010/01/14(木) 14:01:12 ID:Yx8/hwf7
龍の部屋に入るなり、あたしはなぜか部屋の壁に押さえ付けられた。
「えっ、な、なに龍」
「いーから」
そう言って、龍はするりとあたしの太ももを撫で上げて、そのまま大事な所に侵入して来ようとする。
「ちょっ、ちょっと龍!」
なにがっついてんの!
ってか、濡れてるわけないじゃん!
「黙って」
あたしの反論を閉じ込めるように、龍の唇があたしのそれを塞ぐ。
あー……今日は、そんな気分じゃなかったのに。そんな気分じゃ、なかったはず、なのに。
「ふ、うっ」
あたしの舌が龍に絡め取られて、どうでも良くなって来る。
じわり、とあたしから何かが染み出したのがわかる。それを龍はキスをしながら指で撫でる。
あぁ、もう。
あんた、そんなに器用だった?
知らない龍が多過ぎる。知る度に、あたしドキドキする。
龍にドキドキするなんて、思わなかった。
どうすんの、あたし。
こんなに龍に夢中になっちゃって、どうすんの。
「何考えてる?」
龍は、やっとあたしの口を解放すると、一言そう言った。
でも、あたしの中を這いはじめた指は、ひっきりなしに動いている。
「うっ、あ、は、ば……っ、ばかじゃないのっ……!」
言えるわけないじゃん。頭真っ白になりかけてんのに、言えるわけないじゃん。
そうじゃなくても、そんな恥ずかしいこと言えるわけないじゃん。
338 :
夢中:2010/01/14(木) 14:02:12 ID:Yx8/hwf7
「千鶴」
耳元で!名前を呼ぶんじゃねぇよ……!
足が、足がもうっ……
「俺につかまればいい」
龍はそう言うと、余っている片手で、あたしの手を取る。
そのまま龍の首に手をかけさせられれば、あたしは龍にぶら下がるみたいな格好になって。
必死で足を突っ張ろうとしてみても、龍のごつごつとした指が、なぜか繊細にあたしの中を這い回って、もう、無理だ。
無理なんだってば。
やめてよ。認めるから。
龍に夢中なんだって認めるから。
これ以上夢中にさせないで欲しい。
龍の部屋に、いやらしい音が響く。
それがあたしから出ている音だとわかるから、もうたまんないくらい恥ずかしい。
やめて、龍、やめて。
でもやっぱやめないで、とか思ってる自分が恥ずかしい。
「千鶴の声、めちゃくちゃクる――」
なんだよ、それ。
聞くなよ。嫌なら、こんな声出させないでよ。
朦朧とした意識のあたしに、ジッパーを下げる音とか、パリパリ袋を開ける音とか、いろいろ聞こえるんだけど、あたしは龍の首にぶら下がったまま。
あたしの下着が取り払われたとき、『あ。』と思ったけど、そんなのホント一瞬で。
「……あァっ!」
気付けばあたしは、片足を龍に持ち上げられていて、龍はあたしの中に入って来ていた。
なんか、なんか。
「はっあ……や、野獣みたい…………」
どーせなら、ベッドでしたい、のに。
「しょーがねーだろ」
339 :
夢中:2010/01/14(木) 14:03:03 ID:Yx8/hwf7
龍はそう言うと、辛うじて床に着いている方のあたしの足に手を掛ける。
「やっ……!待って、龍!」
すごい恥ずかしい体制が想像出来て、龍にストップを掛けるんだけど、そんなのが龍に効くはずもない。
「はっ恥ずかし……!」
抱っこちゃんみたいに、あたし今龍に絡み付いてる。
服着て飛び付いてるならまだ耐えようもあるだろうけど、いや、服はほとんど着たままなんだけど。
あたしたちは今しっかり繋がっている。
龍にしがみついてなきゃ落ちちゃいそうで、でも引力に逆らってそそり立つ龍のそこが、深くあたしに突き刺さって。
もう、何を考えたらいいのかわからない。
どこに集中したらいいかわからない。
そのままゆさゆさと揺らされたら、逆らうことなくあたしの身体が上下する。
やってることは子供じゃないのに、何かなだめられてる子供みたい。
とか思ってたら、龍がぼそっと呟いた。
「千鶴は俺のことだけ考えてればいい」
考えてる。
考えてるよ。龍のことだけ。
今は意味のある言葉が出せないから、答えるように強く龍にしがみついた。
「千鶴……っ!千鶴!」
果てるときの龍の癖。あたしの名前を何度も繰り返して呼ぶ。
あたしはそれを聞くと、龍が愛しくて仕方なくなる。
「……りゅう…………っ」
340 :
夢中:2010/01/14(木) 14:03:46 ID:Yx8/hwf7
***
「千鶴、もっかい」
龍が後処理をする間、あたしはころんと龍のベッドに寝かされた。
そこへ龍がのしかかって来る。
「やだ」
「もっかい」
さっきみたいのは、もうやだ。
あたしはじっと龍を見上げる。
「やだってば」
じ、と龍はあたしを見てくる。これは、あたしの言葉を待ってる時。
だからあたし、嫌だって言ってるじゃん。
「…………」
「…………」
しばし無言で見つめ合う。いや、違う。一応これで会話になっているんだ。
どっちが折れるのかって。
「…………」
「……服くらいはちゃんと脱がして」
決まって折れるのはあたしの方なんだ。悔しいけど。
あーあ。
あたし、龍に甘いって。甘すぎるって。
でも、たまにしか見せないうれしそうな顔は、多分知ってるのはあたしだけ。
それだけで、あたしは満足しちゃうんだ。
おわり
龍ちづはやっぱ難しいと思った。
風爽におなかがいっぱいで、需要も無視してとりあえず挑戦してみたのでした。
>>341龍ちづGJGJGJ!!!
ケモノな龍いいよ!!
今月号読んで龍とちづの関係にびっくらした〜
そして矢野ちんに惚れそうになったw矢野ちんで百合って悪くないな。
そして別マ表紙の爽の視線の先には風がいるのか?と邪推したw
表紙の爽子を見て、フリフリの下着姿!と妄想したぞw
ワンピなんだろーけどさ。
裸エプロンという説もありますねw
345 :
名無しさん@ピンキー:2010/01/16(土) 01:05:26 ID:etUTWter
346 :
sage:2010/01/16(土) 01:43:07 ID:/ShqQ6wD
付き合って?年
初Hの二人。おもちゃありなので嫌な人はスルーお願いします。
「いたいっっ」
「! ごめんっ!やっぱりいたい・・・?」
今日2人は初めてのH
風早にとっては待ちに待った日
「だいじょうぶ・・・」
「でも爽子辛そうだよ 今日はやめよう」
**********************
「うまくできなかったの・・・」
「それで風早はなんて?」
「ごめんって・・俺初めてだから上手くできなくてごめんって・・・
私のせいなのに・・・」
涙を目一杯ためながら相談する爽子。
恥ずかしさを懸命に堪えて前日の出来事をあやねに打ち明けていた。
「私、どこか変なのかもしれない」
「そんなことないよ」
「でも風早くんのこと大好きなのに・・・」
「ただ単に入んなかったってことでしょ?」
爽子は真っ赤になってすこし頷く。
「聞いたことあるよ。初めてでうまくできなかったって話
お互い初めてだし、どうせガチガチに緊張してたんでしょ?
1回うまくできなかったからって気にすることないよ。
それより爽子はどうだったの? いやだった?」
「そんなことないよ!
風早くんとってもやさしかったし・・・ぎゅってしてくれて嬉しかった。」
目をウルウルさせて一生懸命に答える。
「じゃあ大丈夫!あんまり緊張しないで頑張んな」
「ありがとう、あやねちゃん・・・!!」
(しかし王子様は今頃大変だろうな)
あやねは爽子を心配しつつも風早の焦れている姿を想像してこっそり笑った。
*************:*************
「はぁ・・・」
溜息をつきながら校門をでる風早。
「か・ぜ・は・や・くん」
にやにやしながらケントが声をかける。
「三浦・・・ごめんお前と話す元気ないから・・バイバイ」
「あっれ〜?そんなこといっていいの?
せっかく初Hのアドバイスしてあげようと思ったのになぁ〜」
「なっなんだよ!いきなり!」
「へへっ さっき図書室で爽子ちゃんがあやねに相談してるの聞いちゃった
残念だったな〜」
「おまえっ!関係ないだろっ ほっとけ!忘れろ!」
「ソンナニ怒るなよ〜
初Hが上手くいくように良いものあげるから家まで来いよ」
「いいもの・・・?」
藁にもすがりたい思いの風早はケントの家に行くことにした。
「で?どうだったの?爽子ちゃん感じてた?」
「いや・・・触ると痛いみたいで・・・」
「そっか〜爽子ちゃん敏感なんだな〜」
さらにニヤニヤするケント。
「うわあああああああ!今想像しただろ!やめろ!!」
(なんで俺はこんなことを三浦に・・でも他に相談できるやつなんかいないし・・・)
「そんなに落ち込むなって、これあげるからさ」
箱に入ったものを手渡され、風早はそれを開けて真っ赤になる。
「これって・・・」
「みたことあるでしょ? それ使ってないから安心して。
とりあえずだまされたと思って使ってみなよ。だけど最初は弱く優しくつかえよ」
(確かにAVでみたことはある・・けどこれを爽子に?)
***************************
土曜日、風早の部屋で抱き合う2人。
家族は皆出掛けていていない。
(こんなチャンス当分来ない!でも・・)
「風早くん・・私大丈夫だから」
「爽子・・・いいの?こわくない?」
「いいの。風早くんのこと大好きだから・・私が・・風早くんの全部・・ほしいの」
真っ赤になりながら一所懸命こたえる爽子。
そんな姿が愛しくて風早は抱きしめる腕に力が入る。
「爽子 うれしい!ありがとう・・」
ゆっくりとベットに倒れる二人。
爽子の頬はほんのり赤くなり、目は潤んでいる。
キスをする。風早の舌を爽子は控えめにむかいいれる。
ワンピースのボタンを一つづつはずす。
爽子の白い肌がすこしずつ露になるたびに2人の鼓動は早くなる
「痛かったらすぐ言って。
俺、爽子に辛い思いさせたくないから」
「うん・・ありがとう」
小さめな胸に優しくキスをする
「んっ・・・」
「爽子・・・すごいきれい」
「・・・恥ずかしいよ・・」
ワンピースを脱がし、胸を愛撫しながら下腹部に手を伸ばす。
(やっぱり濡れてないな・・優しくしなきゃ)
「つっ・・・」
「やっぱり痛い?」
「すこし・・でもだいじょうぶだよ」
爽子は無理に微笑む。
(やっぱり爽子辛そうだ。触っただけで痛いなんて・・・)
風早は爽子の足を開き、間に頭を埋める。
そしてゆっくりと舌で敏感な部分を刺激する。
「!!かぜはやくん!? 恥ずかしいよ!それにそんなとこ汚い・・・」
「爽子に汚いところなんてないよ すごくきれいだ・・・」
さらに舌で刺激を与えると爽子の腰がビクッとちいさく反応する。
「んっ・・・あっ・・」
(爽子・・感じてる?)
「痛くない?」
「痛くないよ・・・でも変な感じがするの・・」
(感じてるってことかな・・・爽子かわいすぎっっ!!
今なら・・・三浦にもらったアレ使えるかな・・)
風早はベットの下に隠してあったローターをとりだす。
スイッチを入れると振動し、静かな部屋に音が響く。
「かぜはやくん、何の音?」
「爽子痛かったら言って?」
そういうと風早は爽子の敏感な部分になるべく優しくあてる。
「んんっっ」
その途端、爽子の腰がびくっとはねる。
「あっっ・・なぁに・・・?」
爽子は始めての感覚に驚きながら自然に出てしまう声を我慢する。
「きもちいい?声我慢しないで・・爽子のかわいい声、一杯聞かせて」
手はそのままで爽子の耳元で囁く。
「やぁっ・あっ・・はずかしいよ・・」
(爽子すごい感じてる・・すごいかわいい・・)
「あっあっっ・・か・ぜはやくんっ・・ぎゅってして・・?」
「名前で呼んで?そしたらしてあげる」
「ああっっしょう・・たぁ・・くんっ」
(やばいっ 爽子ちょーえろいよ まじでかわいい!!!)
優しく抱きしめると爽子は風早にぎゅっっとしがみつく。
「ああっだめっ・・あああっっあああっっっ!!しょうたくんっっっ!!!!」
からだがびくんと跳ね、ちいさく痙攣する。
(爽子もしかして・・いった・・?)
爽子の手の力が抜けた。
風早がそっと体を離すと爽子は寝息をたてている。
********************
爽子が目を覚ますと心配そうな顔で覗き込んでいる風早と目が合った。
「かぜはやくん?・・どうして・・」
「爽子っ よかった。気絶したかと思ったんだ」
爽子はさっきの出来事を思い出して真っ赤になる。
「わわわわわたし・・な・なにを・・・!」
「爽子すごいかわいかったよ つづき・・してもいい?」
「!!ごめんなさい!!わたしったらなんてことを・・!」
そう言うと爽子はガバッと起き上がり、すごい勢いで服を着始める。
「えっ?なに・・さわ」
「ほんとにごめんなさい!!わたし・・・やっぱりどこかおかしいみたい
ごめんなさい!! お邪魔しました!!」
猛ダッシュで部屋を出て行く爽子。
風早は一人で部屋に残された。
「なんで・・・」
************************
「ヘンタイ
スケベだとは思ってたけど変態だったとはねぇ・・・」
「やっ矢野!!もしかして爽子なんか言ってた?」
「自分で聞けば?まあ当分口も聞いてもらえないと思うけど。
しかしサイテーだわ。初めての、しかも爽子みたいなタイプにおもちゃ使うなんて。」
「ちっちがう・・・そんなつもりじゃなくて!」
「どんなつもりだったわけ?初Hは当然だけど付き合い続けるのも危ないかもね。」
「そんな・・・・」
真っ青になる風早を見てニヤニヤするあやね。
**************************
「あやねちゃんあのね・・・
すごく恥ずかしかったけど、き・・気持ちよかったの。
あんな姿みて風早くんわたしのこと軽蔑したと思う
やっぱり体がへんなのかな・・・?」
涙を流しながら言う爽子を思い出す。
(ホントにバカップルだわ・・
でも爽子も風早もお互いなんでも言い合える仲にならないとね。
王子様をからかうのもおもしろいし)
おわり
一個目sageまちがえたよ・・
駄文失礼しました
結局できなかった風早カワイソスw
初めてはそんぐらいお預けがイイ(・∀・)ね
357 :
名無しさん@ピンキー:2010/01/16(土) 18:01:39 ID:xeBvEaaT
焦太 or 黒風 が読みたい!
>341
やっと規制解除されたよぅー
本当はお話投下直後に書きたかったんだよ感想。
龍ちづ萌え!今月号の龍に萌えた直後だっただけに、更に萌え……!!
需要あるよあるって!もっと書いてくれ〜!
GJすぎる!
みんなGJだよーー
別マ最近充実しすぎてる
非リアな私には辛すぎる
いまさらだがID:zngXT7mcさんのよかった
風早目線の語り口でなおかつ風早特有の爽子に対する欲が出てるのですごい良いです
わー
>>360さんの言ってるのはどんなだろう、って検索かけたら自分だった……!
嬉しいです。ちなみに最近の龍ちづも自分です。
褒められると調子に乗るので、また何か出来たら投下しに来ます!
お互いの気持が届いた日からまだ日数経過も浅い設定。
ドタバタな初キスまで。
キャラをうまく使い切れてないので
NGは「爽子の匂いフェロモン発動」でお願いします。
=================================
あの学祭の日から一週間。
付き合い始めた爽子と風早はやっと二人きりになれる時間と空間を得た。
それは爽子が風早が学校でも着れるベストを編むと言うので
風早の寸法を計測しに、風早の家にお邪魔することになった日のことだった。
「黒沼。ちょっと冷たいお茶もってくるから先に部屋入って待っててよ」
「あ、風早くん。ほんとおかまいなく…」
風早は爽子を扉を開け放した部屋の前に残し、階下に降りて行く。
「ここが風早くんの部屋…!」
爽子は初めて入る風早の部屋を見渡し、鞄をテーブルの脇に置くとスーっと深呼吸する。
「男のコの部屋って初めて入る…。それぞれお家の匂いって違うんだなあ…」
爽子は後ろ手に組み、部屋の中をグルリと一周するとベットの上に無造作に脱ぎ捨てられた衣服を発見した。
「風早くんの…」
それは今朝、風早が脱いだと思われるパジャマであった。
ススッとベットに近づき、そのパジャマを手に取れるようにベットに腰を下ろす。
まわりをキョロキョロ見渡し、誰もいないのを確認するとソッとそのパジャマを手にとった。
それはちょっと湿っており、間違いなく今朝袖を通したと思われるパジャマだった。
ゴクッと息を飲むとゆっくりと自分の顔にそれを近づけた。
「風早くんの匂い…。風早くんの匂いだ…」
爽子はパジャマから出る匂いを鼻腔に通し、その布地の肌触りを頬に当てていた。
ほんのり汗の匂いも混じるがなぜか顔から離したくない気持ちにさせる香り。
「えーと…。このしっとりした感じの匂い、どっかで…。あっそうだ。体育の時、風早くんとすれ違うと
“風早くんの匂い”が流れてきたんだ。あの匂いと同じ…」
爽子は部屋の中をキョロキョロ見渡しはじめる。
「全部、風早くんの匂いがするのかな…」
爽子は腰掛けていたベットにある枕を見つけると、そのままボフッと枕に倒れこみ、
ゆっくりそれに顔を埋めながら枕をさすっていた。
「やっぱりそう…。これも風早くんの匂い…」
鼻腔に通るその匂いが爽子がどうしても鮮明に思い出せなかったある記憶を刺激する。
「そうだ。あの時間…」
――あの日、学祭のときの二人しかいなかったあの教室――
「あのとき、風早くんの腕の中に包まれていたときと同じ匂い…」
――チャイムが鳴り始めてから終わるまでだから結構な時間だったはずなのに一瞬で過ぎてしまったあの時間――
「風早くんのワイシャツの匂い…」
しかし今この匂いが爽子の記憶を呼び戻した。
「わたし、たしかに風早くんの腕の中にいたんだ」
爽子にとってあの日の出来事は思い出そうにも、頭が真っ白になってところどころ記憶が飛んでいた。
ただ抱きしめられたという感動は残っていたが、感覚や流れが思い出せなかった
「やっぱり現実だったんだよね…」
爽子は再度、風早のパジャマを手にとると愛おしいそうに頬に当てる。
「どうしよう。胸のドキドキが止まらない…」
そこに風早がお盆にお茶をのせて部屋に入ってきた。
「オマタs…、わ、わー!黒沼、なにやってんの!」
風早は爽子がベットに腰掛けてなにやら見覚えある自分の衣類に顔を押し当ててる現場を目撃する。
「え…?わああっ!、ち、違うの!」
爽子は顔にあった風早のパジャマを胸にしまい込む様に腕で隠した。
「そ、それ、おれのパジャマだよね?」
「え!?そ、そうです…」
風早のパジャマは爽子の膝の上におかれ、爽子はそれを俯いたまま、たたみ始めた。
「あ、ごめん!黒沼が来るのにこんなだらしなくしておいて」
風早はひとまずお盆をテーブルにおいて、部屋が散らかっていたことを詫びる。
「ええ!ちがうよ!風早くんはなにも悪くないよ」
爽子は顔をあげ、手のひらを風早の方に向け、手をヒラヒラと振って否定する。
「でも、なんで黒沼…。おれのパジャマを。顔にあててたよね…?」
「そ、それは。弁解のしようもありません…」
「ひょっとして臭かったから思わず手に取ったりとか…?」
「ちち、ちがうの。臭いなんてそんな…。か、風早くんの服の匂いが気になったので…」
「え?お、おれの服の、に、匂いを嗅いでたの?」
風早はベットに腰掛けてる爽子と同じ目線になるようにすこし距離を置いて横に座った。
「…う、うん。風早くんの匂いするかなって…」
爽子は先程たたんだ風早のパジャマを胸に大事そうに抱いている。
「それで…、したの?」
「うん…」
爽子は横から見ても赤くなってるの見て取れる顔をコクっと下に頷いてみせる。
「そっか!とりあえず臭かったり、嫌だったりしたらそんなことしないよね?」
「…そ、それはもちろん!全然臭くないよ。むしろ…」
「え?『むしろ』、どうしたの?」
風早は下から爽子の顔を覗き込む。
「む、むしろ…!安心するの…」
爽子はチラッと目線を覗き込む風早と目が合うとすぐに逸らして俯いてしまう。
「お、おれの匂いが黒沼を安心させるの…?」
「わー!…ご、ごめんなさい!今の忘れて!忘れてください…」
爽子は膝の上の自分のスカートを握って俯いてしまった。
「黒沼…!ほんと、黒沼はおれをドキドキさせる天才だね!」
風早は軽く腰を上げ、爽子のすぐ隣に腰掛けた。
「これも黒沼の彼氏としての特権だよね?」
風早は爽子の小さな背中に腕をまわし、自分の胸の中にやさしく包み込んだ。
「わっ…!」
爽子は一瞬ビクっとなり、体が硬直しているのが見て取れた。
しかしものの10秒くらいで自然と体の緊張はほぐれ、体を風早に預けていた。
爽子の頬に当たるあたたかい風早の胸。そこからは風早の心臓の音が聞こえた。そしてそこで息をするとスーっと入る風早の匂い。
体温から出るほんのり暖かい湿気と匂いが混じり合って爽子の体を脱力させる。
――わたし、風早くんにまた甘えてしまってる。さんざんわたしの態度で風早くんを困らせてきたのに…。
わたしが風早くんにしてあげれることってなんだろう…。そういえば荒井先生が風早くんが喜ぶっていってた…――
風早はあまりにも爽子がグッタリしてるのを心配して、爽子の体を支えながら自分の体から
ゆっくりと引き離すと、爽子の手は風早のワイシャツを掴んでいた。
そして爽子は目を瞑り、風早の方に黙って顔を向け、その手は小刻みに震えていた。
「(く、黒沼?これって…、き、キス?い、いいの?)」
爽子は自分の肩から二の腕にかけてつかんでいる風早の手に力が入るのを感じた。
そして顔の目の前にかすかな息遣いと体温が近づいてきたと同時に目を開くと、風早の唇と爽子の唇が触れていた。
「「うわー!」」
風早は突然目を開けた爽子に驚き、爽子は風早が目と鼻の先にいたことに驚いた
「わわっ、ええっ!いまの…!?」
爽子は自分の口元に手を当て、触れた感触を確かめる。
「え、ち、ちがうの?あっ!もしかしてピンのあれ?」
ピンのあれとはもちろん“風早にお礼するときは掴んで5秒、目をつぶれ”であった。
爽子はコクコクっと顔を赤面させてうなずく。
風早はガクッとうなだれる。
「はぁ〜(せっかくのファーストキスがまたピンのせいで…)」
「か、風早くん!」
爽子は今起こった状況を確認するかのように呼びかける。
「え、うん」
「いまの…」
「ごめん!おれ、てっきり…!」
「いまの『キス』?だよね…」
「うん…」
風早は返事をすると顔を下に俯き、爽子も同じように俯いてしまった。
「ごめん。黒沼、おれ、ほんとイッパイイッパイで」
「あ、謝らないで。風早くん。わたし…」
「でも、せっかくのファーストキスだったのに、黒沼の隙をついたようなことしてしまって…」
「ううん、一瞬だったけど…。すっごいドキドキしたよ…。ほんとだよ」
爽子の顔を赤くしながらも、それは恥ずかしさから見せる表情ではなく
艶かしく、風早を見る目もなにかを求めてるような視線だった。
「(だめだ!これ以上黒沼を見ていたら、おれ、止まらなくなる!)」
「あの…、かぜはやくn」
爽子はギシリとベットに乗せていた片手に体重をかけ、前のめりに体を風早の方に向け
風早との顔の距離を15センチもないほどまでに迫ってきた。
「あ、そうだ!黒沼!お、おれ、サイズ測ってもらわないと!」
風早はスッと立ち上がり、この揺蕩う空気を自分から破った。
「あ、…うん」
風早には爽子の表情から一瞬残念そうな顔をしたかのように見えた。
「(あれ?ひょっとして黒沼もこの先を期待してたのかな…、でも)」
風早はもう学祭の前のような言葉の“ずれ”や意識の“ずれ”での誤解を二度と生みたくなかった。
さらに爽子に海岸で「大事にするから」と約束して付き合いだした以上、
爽子の本心を確かめずに突っ走るようなマネはしたくなかった。
ピンからも念をおされていた。
「黒沼がお前に対してもつ下心をおまえのもつ感覚で一緒くたに考えるんじゃねえぞ」と。
「く、黒沼!今日はホントごめん」
「ええ!そんな、風早くんは何も悪くないよ」
「でも、これからチョットずつ黒沼との関係を深めていけたら…」
爽子は風早の目を見つめ、少し顔を赤らめたまま、
置いてある鞄のほうに手を伸ばし、メジャーを取り出すと風早の背後にまわった。
そしてポツリと言う。
「うん…、わたしもそうしたい」
その言葉の後、しばらく静寂が続いたが、爽子は巻尺を伸すと声を出して測り始めた。
「えーと、肩幅が46センチくらいかな…、それで着丈が…」
「黒沼、おれ、座ろうか?」
「うん。ありがとう…」
爽子は一通りサイズを測り終わったようだが、沈黙したまま、風早の背中に手を乗せる。
「か、風早くん…!」
そういうと爽子はピトっと風早の背中に頭をつける。
「…う、うん!」
風早の背中越しに話す爽子の声は直接風早の体を通して聞こえてくる。
「あ、あの…。今度はわたしのほうからするよ…!
ベストが出来たら、また風早くんのお家にお邪魔するね…」
「え…それって…(そのときには期待してもいいってことなのかな…
ベストはいつ編めるんだろう、一ヶ月後くらいかな…?)」
「うん。待っててね…」
まさかそれが一週間後に完成してくるとはつゆほども思っていない風早だった。
おはり
タイトル間違えた…
「風早の匂いフェロモン発動」だった…w
や、ヤバイ!!!
ドキドキが止まらん(*´Д`)ハァハァ
超GJです!
にほひ!いいね〜!GJ!!
くんかくんかしたいw
>>341 龍ちづ GBGBありがd。もっと書いて下さーい。
>>304の職人さん、いらしたらまた是非新作お願いします。
ありがとうございます。
対面座位でなにやらネタを書いてみたくなりました。
またお願いします。
>>316-320の続きの話です。
風早×爽子
―設定―
風早18歳、爽子18歳
受験が終わった3月上旬に初体験を終えた設定。
3月も下旬。高校の卒業式を終え、風早の下宿先にお邪魔した爽子。
いきなり風早から迫られすでに一回戦を終えた続き。
―内容―
直接的なエロあり。さらに“生”でガッツリやってるので
この時点で風×爽のキャラ本来の性格を壊してる可能性大。
NGは「爽子の勇気 ―爽子クラスター爆弾投下編―」
====================================================
「もう一度してもいい?」
「…は、はい」
風早はベットの上で座ってる爽子の体を抱き寄せると爽子もそれに応えるように風早の背中に手をまわす。
そして風早は爽子の頬に軽くキスをする。
「ん…」
爽子のキスされた場所はたちまち赤く染まっていく。
高校時代には色白という表現を超えて、青白いと揶揄された爽子の肌の色は
風早とのこの瞬間だけはまるで様態を変える。
「黒沼の体、あったかいね…」
爽子の細い体を抱える風早の腕はあっという間に爽子の背中を一周して乳房にまで届く。
そしてそっと乳房を触れる。
「それにやわらかい」
風早の一言一言に恥ずかしさを覚えるも、それがなぜか爽子に嬉しい。
「そ、そんなこといわないでください…」
風早は爽子の髪をなでながら、またキスをする。
最初は軽く。そしてお互い、紅潮した顔のままで数秒間、目を据えて見つめ合う。
そして再度、風早は爽子の唇を軽く食べるようなキスをする。
「あッこれ…、だめだよ…」
爽子はこれをされると、体が脱力する感覚が全身を襲い、口がトローンと緩んでしまい
あとは風早のされるがままになってしまうのをわかっていた。
「黒沼、とってもいい表情だね。本当にかわいいよ…」
「そ、そんな…」
風早は軽くひらいた爽子の口の上唇をなぞる様に舌で舐める。
「こんなキスはいや?」
「ううん。こ、こんなこと言うと風早くんはわたしのこと嫌うかもしれないけど…」
「うん?嫌わないよ?言ってみて?」
「風早くんのキスが好き…」
もはや爽子の口は風早の舌を受け入れるのを待っているかのように
風早の唾液で唇を光らせ、体全体は高揚感に包まれてる。
「うん、わかった」
風早はニヤリと軽く微笑むとわざと軽いキスをしては、爽子の口が欲しているであろう激しいキスを焦(じ)らす。
「あ、あの。風早くん」
「ん…?」
「わ、わたしからしていい?」
「え?」
「…わたしからキスしていい?」
風早がキョトンとしてると、爽子は風早の頬に手を当てて、唇を奪う。
「んぐ…!」
風早の口に軽く爽子の舌が入ってくる。風早は自身の舌でそれに軽く反応してあげると
一気に爽子の舌が入ってくる。首も爽子の腕に包まれてガッチリホールドされた。
「…んんっ!」
爽子の体重が風早にどんどんかかってきて、風早は後ろに倒れそうになる。
「んぐ…っ、ちょ、黒沼、ちょっと待って!」
風早がそう言い、爽子を静止するとお互いの離れた口元から唾液がスーッと糸を引いていった。
「あ…、ご、ごめんなさい、わたし、思わず…」
「び、びっくりした…。黒沼がこんなキスを自分からしてくるなんて…!」
「だ、だって…。風早くん、焦(じ)らすから…!」
爽子は涙目になり、真っ赤になった顔を手で覆って下を向いてしまう。
「黒沼!」
風早は両手で顔を覆ってる爽子の腕を掴んで、顔を見つめる。
「おれ、すっげぇうれしい!黒沼が欲持っておれにぶつけてくれたことが。これも“彼氏の特権”でしょ?」
風早は自分で言ってて恥ずかしくなってきたが、赤面して恥じている爽子のためにも言わざる得なかった。
そして風早は爽子の下半身に手を伸ばし、爽子の敏感な部分に触れる。
「黒沼、すごい濡れてる」
爽子はその現実を知らせる言葉に返事することもできず、
ただ赤面した顔を風早からそらすことしかできなかった。
風早は爽子の下半身のほうに体を移動させると
爽子が閉じている足に手をかけ、ゆっくりと開げて顔を近づける
「え…なにをするの?」
風早は爽子のすでに濡れてるそこに、ゆっくりと舌を這わせる。
「やッ…!だ、だめ!」
「だ、ダメだよ…。そ、そんなことしないで…風早く…ん」
「黒沼…、気持ちよくなかった?」
「そ、そうじゃないの…。恥ずかしいの…、それに風早くんにこんなことさせられないよ…。だってそこ…汚いよ」
「黒沼のだもん、汚くなんかないよ」
そして再び、舌全体で爽子のそこを舐め、指で広げて中に舌を這わせる。
「や…、あぅ…」
爽子は無意識に下半身に顔を埋めている風早の頭を両手で抱えていた。
「黒沼…、もう入れていい?」
「…うん」
その返事を聞いて風早がゴムの入ってる箱に手を伸ばす。
「…あ!」
風早は仰向けになっている爽子と重なってた体を起こす。
「え、ど、どうしたの?風早くん」
「もう、ないんだった…!」
「え?な、なにがないの?」
「その、ゴムが…」
風早はガクッとうなだれた。
「ごめん…。黒沼。ここまでしておいて…」
風早は爽子もガッカリしてるであろうと思い、表情を見ると、なにやら言いたげにモジモジしていた。
「あ、あの…」
「ど、どうしたの?黒沼」
「えと、風早くんのソレ、そんなになってるのに、大丈夫なのかなって…」
爽子はいまだ元気な状態になってる風早の下半身を見て、顔を真っ赤にして言った。
「あ!こ、これは、しょ、しょうがないんだ!しばらくしたら収まるから…!大丈夫だから!」
「そ、そうなんだ…」
爽子は風早のその返事にちょっとガッカリしたような表情を一瞬見せたが
再び風早に話しかける。
「あ、あの…!風早くん。」
「な、なに?黒沼」
「わたし、大丈夫だよ!」
「え?なにが?」
状況がよく飲み込めない風早は爽子に問いかける
「今日、大丈夫な日なんだよ…!」
「…え!?」
爽子の思わぬ呼び水となる提案に風早はビックリした。
「だ、だから…。つけなくても大丈夫だよ…」
風早の脳裏には爽子の父親の影がよぎった。
「で、でも。おれ、黒沼のお父さんに『大事にしますから』って約束して付き合ってるのに…」
「あ、あのね…!もうひとつ、あるの」
爽子はいつまにか正座になって膝の上で軽くコブシを握りながら、か細い声を精一杯だしていった。
「え?もうひとつ?」
「あやねちゃんから、ア、アフターピルもらってるの」
「あやね? …矢野?」
爽子はコクっと頷く。
「卒業式の前にあやねちゃんがね…」
――――――――――――――――
「爽子。これもっておきなよ」
「え?これって」
「アフターピル」
「アフターピル?」
「避妊薬よ」
「ええー!ひ・に・んやく!」
「シッ!声大きい!」
「あ、ゴメンナサイ…」
「あんた、これからは自称『ふつうのスケベ』のヘタレ王子に会う度に求められることになるんだから
いざってときのために持っておいて方がいいよ」
「うん…」
「ま、アイツのことだから無理やりってことはないだろうけど、爽子、アンタから
風早と突然したくなる時もあるだろうからね」
「そ、そういう気持ちがわたしにもいつか来るのかな…?」
「うん。来るよ。アンタが風早を本当にいとおしいと思うならね」
――――――――――――――――
「そ、そんなことがあったの…?」
風早は矢野の心遣いに感謝しながらも、自分たちの関係がどこまでも見透かしてるかのような
矢野の観察眼と達観した恋愛眼に恐怖した。
「うん…。あやねちゃんがいってた『したくなる』の気持ちがわたしにも今日来たみたいで…」
風早は爽子の顔を伺うと爽子は視線を下に向け、唇を軽くかみ、いまにも火が出るんじゃないかという表情をしていた。
「く、黒沼…」
「それにいつも風早くんに避妊のことはまかせてばかりで…。
わたし受身でいてばかりだよね…、だから、今日はわたしのほうがちゃんとやるから…!」
爽子の口から出たこの言葉を聞いた瞬間、風早は呼吸をすることを忘れていた。
「あ、ありがとう。うれしいよ」
風早は髪の横からちょこんと出てる耳まで真っ赤にしてる爽子を抱きよせ、耳元でソッと呟く。
「ごめんね。くろぬ…。さ、爽子だけにがんばらせて」
初めて名前で呼ばれた爽子の体がピクッと反応する。
「な、名前…!名前で呼んでくれてうれしい…」
すでに夜の6時をまわり辺りは暗くなり、ベットの横のスタンドの照明だけが頼りになっていた。
風早は爽子にキスをすると、爽子の濡れた瞳はゆらゆらと風早の顔を映し出す。
「い、いれるよ…?爽子」
爽子は首をコクンと振る。
風早は無言で爽子のそこに生身の自分を軽く当てがうと、抵抗なくスルリと受け入れられた。
「うん…、あ…」
爽子の体内になにもまとわず初めて生身で入る感触に風早は胸がいっぱいになる。
風早は一瞬“夢みたいだ…”と口に出しそうになったが胸に留めた。
「爽子…、大丈夫?」
「うん…ん…」
爽子もゴムをつけてるときのはまるで違う反応を見せる。
「あ、だめ。そんなところ…」
風早は腰を動かしながら、爽子の首や脇にキスをする。
「黒沼…。すごい中、熱いけど大丈夫?」
風早はすでに1回目で一度欲望を発散していたせいもあったが、なにより爽子の中で生身の自身を
より長く体感していたいという気持ちが芽生え、ゆっくりと動かす。
「あ、風早く…ん、なんかさっきとちが…」
風早も単に2回目だから爽子の反応がよくなってるとは思ってなかった。
むしろ普段ゴムで隔たりがあるものがなくなったことによって、背徳感が多少なりとも生まれたからこそ
いつもより爽子の体が上気して、感度が高まっているということも風早なりに理解していた。
「爽子…」
風早は挿れたまま、爽子の脇の下に手を回し、そのまま対面座位の体勢にして抱え上げる。
「あ、こ、これは、は恥ずかしいよ…」
爽子は風早と体がピッタリ密着させられ、風早の顔が目の前にある状況でも目も合わせられない。
「爽子をずっと見ていたいんだけど、ダメ?」
爽子は黙って風早の首に自分の腕をまわして、風早のその要求を受け入れた。
「爽子。ほんとにカワイイ。カワイすぎで、おれ、オカシクなっちゃうよ」
「あ…、やんっ。そ、そんなこと言わないでください…」
風早が腰を動かすと爽子の体も軽く上下する。そのたびに爽子の長い黒髪がフワフワと浮き上がり
あたりに爽子の髪の匂いと体から出た熱気の帯びた蒸気が立ち上る。
「あ、だめだよ…、ち、力がはい…んないよ…」
風早が動く度に爽子の体も力が抜けていき、風早の肩にまわした手もほどける。
「ごめんね。爽子が可愛過ぎて、おれ止まんないよ」
風早は爽子を再びベットを仰向けに寝かせて、乳房に触れながら、爽子の口を自身の口でふさぐ。
「んんー。あっ…」
「爽子、もう…いきそう」
爽子は風早のその言葉を聞くとコクリと頷き、風早の首に腕を回す。
「…っ」
風早の声にもならない絶頂感が爽子の体内で放出される。
「あ…、んっ」
爽子はまるで体が痙攣したかのように自身の中でドクドクと波打ってる風早の感覚が伝わる。
風早の額から汗が爽子の口元に落ちる。爽子は風早の額に手をあてて汗を拭ってあげた。
風早も全身を脱力感で覆われたが風早の下にいる爽子に倒れこむわけにいかず、懸命に腕立ての体勢で体を支えていた。
「風早くん…。我慢しないで。わたしの上に乗っても大丈夫だよ」
「でも…」
「気にしなくていいの…、風早くんを少しでも楽にしてあげたい」
「おれ、重いよ?」
爽子は頬を赤らめながらも“大丈夫”という顔で迎える
風早はゆっくりと体を爽子の体に重ねて倒れ込んだ。
「ごめん…。やっぱ重いでしょ?」
爽子は風早の背中に手をまわす。
「ううん。風早くんがわたしに体を預けてくれていてうれしい」
風早はそんなことをフワリと笑顔でいう爽子に軽くキスをする。
「と、ところで、風早くん…!」
ちょっと恥ずかし、困った顔で爽子が口を開く。
「ま、まだわたしの中で風早くんのは固いままのようですけど…」
「わわ…!もう抜くから…」
風早はベットの横のティッシュの箱から数枚のティッシュペーパーを取りだす。
そして爽子の体内から抜くと、大量の精液が堰をきったようにあふれ出てくる。
風早はそれをやさしくテッシュで吹き始める。
「あ、風早くん。わたしがやるよ」
「いや、おれにやらせてよ。…あれ?なんか黒沼のヒクヒクしてるね」
その発言に爽子は体全体をビクっと反応させる。
「あ、あの。じ、自分でやりますので…!」
爽子は今日一番の紅潮した顔を見せた後、クルリと風早に背を向ける。
風早はその爽子の背中を後ろから抱きしめる。
「爽子…。今日はありがとう。おれ、こんなに人を愛おしく思ったの生まれて初めて」
「…え、か、風早くん」
「もうおれ、爽子じゃないとこの先、一生絶対ダメ」
「わ、わたしも風早くんじゃないとダメなので…」
爽子は恥ずかしそうに言った後、振り返って風早の手を握ると風早をドキッとさせる笑顔を見せる。
「さ、爽子…!俺以外にそんな顔見せちゃダメだからね?」
「ええ!わ、わたし、そ、そんなひどい顔を風早くんにお見せしてましたか?」
爽子は首を子犬のようにかしげて、風早の言ってる意味を把握しきれてないようだった。
「ううん、そうじゃなくて。俺以外にそんなカワイイ顔見せちゃダメ…!」
おはり
==============================
うー…、すいません。流れ無視になってまた風×爽です。
二人に『生』でさせるために無理やりのあやねの使い方も反省してます。
あやねファンには申し訳ないです。
GJ
>>362 匂いネタ、爽子だったらホントにありそうだと思った
匂いで妄想して一人でときめいてそうww
>>375 本番きたーーーーーーーー!
待ってました!!GJ!!!
GJGJ!!
今月の別マの展開をみてるとこのスレ思い出すからニヤニヤが止まらん
乙です。毎回風早が爽子を脱がしてるのが最高すぎる。
過去に描いたのでもいいのでどんどん投下してほしいです^^
ちょういいです!
もっと見たいです///
自分はペン入れしなくとも
ささっとテキトーに描いた絵でもいいから
どんどん見たいっす!
ハァハァ、もっとくれw
龍ちづ。
えち済。龍視点。
次レスからですー
393 :
朝の甘い罠:2010/01/22(金) 13:35:21 ID:i3oJWYNN
俺はぽかりと目を開けた。
見慣れた天井、覚えのある布団の感触。すぐに自分の部屋だと気付く。
このまま起きようか、それとももう一度寝てしまおうか、少し悩みながら、俺は布団をぐいと引き上げた。
「ん……」
ふと、隣からの声に気付いて目を向ける。
そこには千鶴がすかーと眠っている。
あー、そっか。昨日……
「ん、さむ……」
千鶴の体がぶるっと震える。
俺も千鶴も当然の事ながら裸で、狭いベッドで身を寄せ合って眠っていたようだった。
俺は千鶴に毛布と布団を着せ直しながら、そのおでこに口づけた。
愛しいな、と思う。
いつか手に入れる、と夢見てきたことだったけど、実際手に入れてみると、想像してたよりずっと幸せだ。
まだまだ、まだまだ全然俺の方がすきなんだろうけど。
千鶴の気持ちが着々と俺に向かって伸びてくる。
それを肌で感じられるから、たまらなく、幸せなんだ。
たまらなく、嬉しいんだ。
ふ、と、悪戯心が芽生えてくる。
どうせもう目が覚めてしまったし、一緒に寝ていて先に起きた方が悪戯をする権利はあると思うし。
俺は千鶴の唇に口を寄せた。すぐに起きてしまわないように、触れるだけのキスをする。
こういうことが、許されているのだ。少し前までは、特別な意味で触れることさえ出来なかったのに。
胸の奥で感動のような音が鳴った。
そのまま耳たぶを軽く食むと、千鶴から喘ぎにも似た呻きが漏れる。
背筋を何かがぞくりと駆け抜け、どこまでなら起きないのか試すことに決めた。
首筋を舌でなぞり、二つ実った果実までの道筋を辿る。
片手でふわりとその一方を包むと、俺の手の中にちょうどよく収まった。
「ん……っ」
よく熟れた先端に舌を這わせると、また俺を高鳴らせる声が千鶴から漏れる。
今起きないと知らねぇぞ、と心で呼び掛けると、千鶴の全身へ愛撫を開始した。
394 :
朝の甘い罠:2010/01/22(金) 13:36:17 ID:i3oJWYNN
いつも触れたくてたまらないのに、まさぐっていると必ず「しつこい」と言われてしまう。
それは千鶴の準備が調った合図でもあり、挿れたくないわけがあるはずもないので、いつも『ただ千鶴を触る』行為は途中で中断してしまう。
ここぞとばかりにいろんな所を触りまくる。
こんなに触られて、しかも感じている声を出しておいて、人っていうのは起きないものなのか。
……まぁ、千鶴だしな。
はちきれんばかりにそそり立つそれを満足させるため、薄いゴムの袋を開ける。
寝ている千鶴に押し入るのに罪悪感を感じないではないが、もうそろそろこっちが限界だ。
両足を持ち上げて、濡れそぼった千鶴のそこへ、俺はゆっくり腰を進める。
表情を窺うと、千鶴は少し苦しそうにしていて、イク時の顔に似ている気がして俺はさらに欲望を大きくしてしまう。
ゆっくりゆっくり進めた腰も、ついには一番奥に到達する。
「…………っ」
やばい、気持ちがいい。
ちゃんと濡れてはいるけど、普通に動くと痛かったりするのかな。
一応ゆっくりと腰を引いて、またゆっくりと腰を沈める。
それを何度か繰り返していると、千鶴から漏れる声に戸惑いが生まれはじめた。
あ、もう起きるかな。
そう思ったら、千鶴のまぶたがゆっくりと開いた。
「千鶴」
「んっ、え、ちょっ何!?」
何って、セックスだけど、とか言ったら殴られそうだ。
千鶴が起きたのをいいことに、俺は動くスピードを速める。
「んあっ、ちょっ……いき、なり、激し……っ」
だって俺はいきなりじゃねーもん。
「りゅっ、龍!待って、待っ、やっ」
「悪い、待てない」
その後は、千鶴からは意味のある言葉が出なくなって、千鶴の喘ぎと二人の荒い呼吸が乱れるだけだった。
「…………はー……っ」
無事放出を終えた俺は、千鶴にのしかかって深い息を吐き出す。
やっちゃった。千鶴、寝てたのに。
395 :
朝の甘い罠:2010/01/22(金) 13:37:12 ID:i3oJWYNN
「…………っ!この……!猿!!」
「……イッたくせに」
あ。間違えた。
謝ろうと思ったのに。
「だいたい……っ、きのーの夜もしただろ!?」
「だって千鶴起きねんだもん」
俺別に、最後までする気じゃなかったのに。
俺は軽く頭を掻いて、ずるりとそこから引き抜いた。
「今日はこれから爽子たちと待ち合わせなのにっ」
今日?これから?
そんな予定あったっけ。
「……移動遊園地!」
考え込む俺に、千鶴は苛立たしげに怒鳴る。
あー、そういえば、そんな話をしてたかも。
そうだ、それで昨日から千鶴が泊まりに来たんだ。どうせ一緒に行くんだしって。
「…………なんかおごるから」
「ラーメン!!」
いや、遊園地での話だったんだけど。
ま、いいか。
二人で親父のラーメン食って、それから待ち合わせ場所に行けばいい。
遊園地では何がしたい、とはしゃぐ千鶴に、俺はうんうん、と頷いた。
おわり
おわりですー
寝込み……襲っちゃった(はぁと)
最近龍ちづ書こうとすると、やたらに龍ががっつくww
うんうん。嬉しいもんね、仕方ないよね、夢みた……違った、これは別の人だwww
いいよいいよー!
風早に触発されてか、なにげな告白した龍なら、これやる、絶対やるw
がっついた龍も萌えだー!
おおお〜っ!!!グッジョブです!!!
龍いいよ、どんどん襲っちゃえYO
龍かっこよす
今月号の龍はさらにイケメソwww
400 :
さく:2010/01/23(土) 00:47:24 ID:6/eA91AU
402 :
さく:2010/01/23(土) 01:11:38 ID:6/eA91AU
>>401 ありがとうございます!!こんな絵なんかに恐縮です汗
携帯では見れるのにパソコンでは画像表示できない??
404 :
ジジ:2010/01/23(土) 08:44:04 ID:G3CXLrWr
スカートの丈の余り具合が爽子そのものですね
GJです
>>400 うおーうますぎです!風早のいっぱいいっぱいの表情も良すぎ!
>>404 セクシーすぎです!スカート丈のあまりがなんともいえない!細かい!
絵を上げてくれた方々乙です!
GJGJGJ!!!!
409 :
さく:2010/01/23(土) 18:34:14 ID:6/eA91AU
ジジさん、皆さんありがとうございます涙
後ジジさんの絵が見られないのですがどうしたら見れますか??涙
携帯でもサイズオーバーで見れなくて…
>>409 直ではなく打ち込みならいけるのでは?
どなたか絵師さん、照れ風を書いてください・・・・
411 :
ジジ:2010/01/23(土) 20:39:15 ID:G3CXLrWr
うわー乙です!
一枚絵は、「これは風早と爽子は一体どういう状況になってるのかなあ」と想像できるのがいいですね^^
文章とはまた違う楽しみ方ができます。
しかしこの風早はなんとなく爽子の行動に困ってるような^^;
>>411 thanks!
いやぁぁかわいい!!髪くしゃくしゃってしたいww
絵のタッチが大好きです
414 :
ジジ:2010/01/24(日) 15:22:43 ID:JkVCDf2i
GJとか、ほめていただいた方とか、嬉しいです^^ありがとうございます!
今更ですが、書き忘れてしまって…。
>>404は爽子おっぱい出てます。NGの方は気をつけて下さい。。
>>412 ほんと困ってるみたいですよね。照れ困りです・・きっとw
>>413 いいです!どうぞくしゃくしゃしてくださいww
風早×くるみ
風早たちが大学2年くらいの時期
くるみとあやねは大学進学後、とても親しくなり、風早の家に突如泊まりに来る。
すでに爽子と付き合ってる風早にくるみがもう一回接近しようという話です。
NGは「くるみのいまだ続く片思い」でお願いします。
=================================================
深夜を過ぎた頃、風早がドアを開けるとそこにはあやねとくるみがいた。
「風早〜。終電なくなっちゃった。一晩泊めて!」
「風早ぁ。久しぶり〜。そういうことだからお願い☆」
***
玄関先で騒ぎ始める酔った状態のあやねたちに根負けして、二人を中に招き入れる。
「いま、布団引くから。二人とも、そこ座ってろよ」
「王子!なんか着るもん貸して!こんなカッコじゃわたしたち寝れない」
「風早ァ。わたしたち、お風呂借りるよ?」
「くるみ!ちょうど沸いてる!ラッキーぃねえ」
「それはこれからオレが入るんで沸かしたんだ」と言う前に二人は風呂場に向かっていった。
客用の布団を引き終わると、風呂場の方からくるみの呼ぶ声が聞こえる。
「風早ぁー。風早ぁってば」
「どうしたんだよ」
風早が風呂場の前に行くと、ドアから頭と上半身を出し腕で胸を隠したくるみがいた。
「わっ!やばいだろ!なんでそんなカッコのままで呼ぶんだよ」
すると湯船の方からあやねの声が聞こえる。
「アハハ!やっぱ王子はくるみのセミヌードにド肝抜かれたか。けっこうけっこう、若いねぇ」
「風早ぁ。わたしたちのふたり分の部屋着でいいから貸してね?でないと
私たち、裸でそっちまで行かないといけないから☆」
風早は声のする方向に背を向けたまま「わ、わかったよ…!風呂の前に置いておくから」とだけ言って立ち去る。
***
「ねえ、王子どうよ?知ってる女が自分の服着てるこの姿?感動してんじゃないのぉ?」
風呂から上がった二人は風早の服を着て見せて、風早の反応を伺う。
「あたし、風早の服なんて着るの初めて」
くるみは目をキラキラさせながら自分の姿を見て喜んでいた。
「もう布団引いてあるからさっさと寝ていいから。悪いけど客用のひとつしかないから二人で一緒に寝てくれよな」
風早は赤くなった顔を悟られないように資格試験の問題集を見ながらぶっきらぼうに言い放つ。
「いや〜、わたしさあ、人の匂いのしない布団で寝たくないから。だから癪だけど王子のベットで寝かせてもらうわ」
「あやね、アタシが風早の使うから」
「ごめん、くるみ。早い者勝ちだから」
風早があやねの行動を制止する前に、あやねはくるみを置いてさっさと寝室に行って風早のベットに潜り込む。
くるみもそれを追って寝室に入っていったが30分ほどするとリビングのこたつで勉強してる風早のところに戻ってきた。
「あーもう、あやねったら爆睡してるからどかせなかった」
風早は黙ったまま問題集のページをめくる。
「ねえ、風早。爽子ちゃんのこと付き合ってるいまでも変わらず好きなの?」
「…、な、なんだよ。胡桃沢、いきなり」
「爽子ちゃんのこと、愛してるの?」
「そんなこと胡桃沢の前では言えねーし、言わねーよ…」
くるみはちょっと悲しそうな顔をするがすぐに真剣な表情で風早を見る。
「風早。アタシがまだ風早のこと、あの時と変わらず、ううん、あの時以上に好きになってるって言ったらどうする?」
このときばかりは風早の視線がくるみに向く。
「え?」
「アタシ、いまでも、風早を好き…!」
くるみの目を見ていた風早もこの言葉に一瞬ドキッとして視線をそらしてしまう。
すると、くるみは風早を押し倒す勢いで抱きつくキスをする。風早は倒れないように後ろに手をまわして、体を支えてるために
くるみに数秒間されるがままだった。
「風早…!」
悲鳴にも似たような声でくるみは風早の名前を呼ぶ。
風早はようやく体勢を立て直して、くるみを引き離す。
「く、くるみざわ!な、なにを…」
「いいじゃない。これくらい」
「よ、よくないだろ…」
風早は唇を服の裾でぬぐうと顔を真赤にして言った。
「風早、私にもそういう照れた顔してくれるんだね」
「と、突然、こんなことされたら、あ、あたりまえだろ…!」
「…あ〜あ、絶対キスさえしちゃえば、かぜはや、わたしに迫ってくると思ったのになあ」
くるみはチラリと台所にある爽子が置いていったと思われるエプロンを見ながら言った。
「……」
「まさかここにいない爽子ちゃんにさえ負けると思ってなかった」
「ねえ、風早。久しぶりに会ったわたし、きれいになったと思った?」
風早は少し間を置いてから答える。
「うん。思ったよ」
「ほんとに?わたしに好かれてうれしい?」
「うれしいけど、こういうのは勘弁してほしいよ…!」
くるみは風早のこの言葉に一瞬ムッとした表情を見せたがすぐに穏やかな表情に戻った。
「うん!そうね。よかった…!風早がそう言ってくれて。じゃないとわたしが好きだった風早じゃなくなっちゃうもんね」
風早はくるみの目頭に涙が浮かんでるのを目撃したがソレ以上なにも言うことができなかった。
「あ〜もう寝る!ふて寝する!」
「胡桃沢。布団引いてあるからソレ使ってよ」
「いや!わたしも風早の男臭いベットで寝るから!今日で最後なんだからいいでしょ」
くるみは寝室の障子を開けて、すでにベットに潜り込んでるあやねの体を奥に押す」
「あやね!もっとそっちいってよ。アタシが入れないでしょ」
「んん…。ここはいっぱいよ…」
寝惚け声であやねが反応する
「おやすみ。風早」
風早は結局女二人が占領してる寝室で寝ることをやめ、居間のコタツで寝た。
***
朝、台所のほうから楽しげに話す声の音で風早は目を覚ます。
目をこすりながら、声のする方向を見ると、くるみとあやねが台所でなにやら料理を作ってるようだった。
「あ、見て。くるみ。王子が起きたよ?見てあの顔。アハハ」
「風早ぁ〜。おはよう〜。寝起きに美女二人が自分の部屋の台所に立ってるなんて初めてっしょ?」
「ほら。バカ王子!さっさと着替えて顔洗ってきなさいよ。いつまでそんな顔をアタシたちに見せてるのよ」
風早が顔洗って着替えて戻ってくるとテーブルには玉子焼きやキャベツの御浸し、キャベツの味噌汁
冷凍してあった鮭の切り身が焼かれて置かれてあった。
「あ、勝手に冷蔵庫の中のもの使ったから。いいでしょ?鮭なんて冷凍焼け起こし始めてたからね」
あやねの顔は勝手に使って申し訳ないというより、使いきってやったのよという顔で風早を見る。
「どう?風早?私たち、思った以上に女の子でしょ?」
くるみはちょっとクネクネポーズをとりながら風早の反応を伺う。
「うん。ビックリした…」
「なに、その気のない返事…。はー、王子は爽子の作ったものじゃないとヤダそうですよ」
「そ、そんなこと言ってないだろ。ほんとにビックリしただけだよ!」
「風早。たまには爽子ちゃん以外の女の子の作ったもの食べても罰当らないと思うよ」
「いや、食べないとか言ってないから食べるから…!」
ドスッと席に座るとあやねが風早の全身を眺めながら言う。
「いやー、それにしても顔洗って着替えてきただけで爽やか王子は変わるね。モテるのもわかるわ」
「ねぇ…。ほんと…」
そう答えるくるみはなんともいえない哀愁に満ちた表情をしていた。
「あ、そうだ。風早。ちょっと食事の前に聞いて欲しんだけど」
あやねが先程とは打って変わった真面目な表情で風早に話しかける。
「あのさ、わたしたちが来たこと、爽子には内緒にしといてよ。さっきくるみとも話したんだけど」
「そう。いくら友達とはいっても、女二人が来て、何もなかったと言っても、やっぱ爽子ちゃん心配するでしょ?」
「だから昨日のことはわたしたち3人の秘密にしといてよ。わたしも酔ってたとはいえ、風早の家に来たのは反省してるし…」
「あ、ああ…」
あやねが風早の態度に微妙な違和感に覚えると同時に、あやねの勘に気づいたくるみがすかさず別の話題を飛ばす。
「ねえ。あやね!そういえば冷蔵庫、面白かったね?」
「え?あ…!そうそう!笑った!」
「な、なんだよ!」
「冷蔵庫にさぁー、小分けタッパーがたくさんあって、それぞれ『何曜日までに食べて』とポスト・イットで貼って書いてあるんだよねー?」
「王子!白状しなよ。あれ、爽子が来て、おかず作っていったんでしょ?」
「風早ー。いつ爽子ちゃん、来たのよ?」
「お、一昨日…」
「「アハハハ!」」
「おまえらほんとやだ」
***
「じゃ、風早。昨日はありがとね。」
「あ、王子。布団干しときなよー?わたしたち美女二人が使ったからフェロモン満々になってるから、今日使って発情すんなよー?」
「するかよ!…じゃあな!」
「じゃあねえ。王子さま」
「さよなら…。風早…!」
くるみは軽くウインクするとクルリと振り返って寂しそうな背中を向けてあやねと歩き始めた。
おはり
「くるみのいまだ続く片思い2」
>くるみもそれを追って寝室に入っていったが30分ほどするとリビングのこたつ
間違い
→くるみもそれを追って寝室に入っていったが30分ほどすると居間のこたつ
正しい
でした。。
GJでした。
イラストもすごいよかった〜
次レスから
風×爽キス済 えちはなしです
422 :
衝動:2010/01/25(月) 16:56:13 ID:XL/KyUZS
放課後、2年D組の教室には、二つの影が伸びていた。
「黒沼……」
「か、風早く……ま、待って、ここ」
「待てない」
そんな声がすると、長い方の影が短い方のそれに近付き、影はやがてひとつになった。
「…………っ」
短い方の影の持ち主、爽子は重ねられた唇に驚き、声なき声をあげる。
両肩に置かれた爽子の、弱々しい抵抗を感じながら、長い影の持ち主、翔太は執拗に唇を重ねつづける。
「んっ……」
爽子の呼吸が苦しくないように、時折翔太は唇を離す。しかしすぐに塞がれてしまい、爽子は意味を成さない声を途切れ途切れに上げるのだった。
不意に、翔太の指が爽子の耳に触れる。
すすす、と触れるか触れないかという位置で、翔太の指が爽子の耳をなぞる。
キスで口を塞がれながらも、爽子は体をびくびくと震えさせ、そんな爽子に翔太はにんまりと笑った。
「……か、かぜはやくん、ここは学校なので……!」
「うん?」
「は……恥ずかしい…………」
爽子は顔を赤くして、じっと翔太を見上げた。
翔太の、残された理性をガラガラと崩壊させるのに十分な破壊力に、今度は了解もとらずに口づける。
「んむっん、かぜ」
「翔太」
一瞬口を離すと、翔太は一言紡ぎ、またちゅ、ちゅ、とキスを繰り返した。
「え、んっ、かっ……んむ、かぜはや、く、んっ」
「……『翔太』って言ってくれたら、やめてあげる」
423 :
衝動:2010/01/25(月) 16:57:31 ID:XL/KyUZS
翔太の指が、爽子の首筋に沿って動き、やがて固いブラウスの襟に到達する。
キスの合間に、翔太はにやりと笑うと、そこに着いたリボンをするりと取り去った。
「風早く……っ」
「翔太、だってば」
自分のセリフに、爽子の息遣いに、翔太は興奮する。
一方で爽子は、何をどうしていいかわからないながらも、必死で翔太を押し返しながら、そのキスを甘んじて受け入れていた。
「く・ろ・ぬ・ま」
いいの?このまま続けちゃうよ?と翔太は言うと、爽子のブラウスのボタンを上からひとつずつ外しはじめる。
「……!か、かぜ、んんっ!」
「『しょ・う・た』」
戸惑う爽子だったが、名前で呼ぶのは躊躇ってしまう。何せ、恥ずかしくて仕方ないのだ。
その時、爽子の唇の間から、ぬるりと何かが差し込まれた。
何か、と言えば翔太の舌でしかないのだが、初めてのことに、爽子は大きく肩を揺らした。
「んあっかぜ、んむっ、ふ、あっ、あむっ」
固く閉じていた爽子の唇が、深いキスによってこじ開けられ、隙間が生まれたそこから、爽子の声が次々に漏れる。
その間にも、翔太の手は進み、白くて薄い爽子のキャミソールが丸見えになっていた。
口の中で乱暴に暴れ回る舌と違い、翔太の指は優しく爽子の鎖骨を撫でる。
424 :
衝動:2010/01/25(月) 16:59:38 ID:XL/KyUZS
そんなギャップにもぞくぞくし、爽子はその場に崩れ落ちそうになってしまう。
もう、何に堪えていいのかわからないまま、ただ翔太の愛撫を受けていると、爽子の小さな胸が翔太の手にふわりと包まれた。
「……!?ふぁっん、んっ、かぜはっ、かぜ、はや、くんっ」
そこは、まだ誰にも許していない場所。
爽子が微かに抵抗を強めると、翔太は爽子の口から舌を抜き、手の方の動きも止めた。
それにほっとした表情を見せる爽子だったが、耳元で囁かれた翔太の言葉に、愕然とする。
「……『翔太』って言わなきゃ、やめない、よ?」
そんなセリフを合図にしたのか、翔太はやわやわと爽子の胸を揉みはじめる。
硬く尖ってきた胸の先端を、翔太が下着越しに弾きかけたとき、爽子から搾り出すような声が上がった。
「……っ、翔太くんっ…………!」
その一言で、翔太はぴたりと動きを止める。
お手上げ、のポーズをとって翔太は2・3歩あとずさり、言った。
「……残念!」
「……っ!」
まて、を指示された犬のような翔太に、今自分がされていたことを思い出して、爽子はかああ、とさらに顔を赤くした。
「続きは……今度、ね?」
翔太はそう言うと、爽子にくるりと背を向けた。
「……えっ、え?」
「かえろ!俺、出たとこで待ってるから、服直して出ておいでよ!ね?」
「あ、はっ、ははははい……」
見ると、翔太も耳まで赤くしていた。
爽子は慌ててブラウスのボタンを留め、鞄を掴むと、翔太の待つ廊下に顔を出す。
「かえろっか!」
そう言った翔太はいつもの爽やか笑顔を纏っていて、爽子は安心したような、少し物足りないような、不思議な気持ちで頷いた。
『今度』もそう遠い日ではないのかもしれない――……
おわり
イラスト職人さんも小説職人さんもGJ!
426 :
さく:2010/01/26(火) 00:44:15 ID:1ib0lw6B
ジジさんの照れ風早がかわいすぎます!!!というか上手すぎです
風×くるみ、切ない涙 くるみとあやねが仲良しさんでニヤニヤしてました
風×爽… 翔太って呼ばないとやめないってニヤニヤ 爽子ちゃんをいじめる
翔太に胸キュンです
皆さんグっジョブ!!!!
>>227さんの爽子の手を下半身に持ってくる…というのに大変悶えまして
描いてしまいました すみません汗 そしてギャグっぽくてすみません
自分ギャグエロが大好きなもので…(どうでもいい
http//imepita.jp/20100126/016710
427 :
さく:2010/01/26(火) 00:48:26 ID:1ib0lw6B
白くなる爽かわいー
アドレス違って焦りましたw
さくさんは同人さんなのかな?
次も楽しみです〜
挿絵まで入りだしたよ!
ありがたやありがたや
>>427 うおお……!う、嬉しい!
自サイトに持って帰りてぇ……!
そして
>>400の水玉ブラ絵も自分のためでないかと自惚れてしまう……!
うあぁ、サイトの文中に貼りてえぇぇ(泣)
おっと、こんな自分話の場じゃなかったw
これを励みに風爽エロをがんばって妄想します!
>>427 レベルたけーー
もっと大きいサイズにできませんかねー
ホシュ
ほしゅー
ほしゅ
ようやく規制解除!まとめ管理人ですがみなさんに質問と提案です
イラストの扱いについてです。(現在は個人的にコンタクトの取れた方で同意を得られたイラストのみまとめに
載せてあります。)
イラストは保存してほしくない方もあると思うので(期間限定のイメピタに
載せてある事からも)イラストに関しては投稿者の意思に任せたいと思います。
のでイラストをまとめに載せたくないかたはその旨だけ投稿時に明記してもらえないでしょうか
もし明記がなければ小説と同様にまとめに載せたいと思います
あと過去のイラストに関してですが 保存し損ねたものもあり
完全に網羅はできていません。
それでも多くは保存してありますので作者さんたちさえよければ
まとめに載せたいと思います。
作者さんで、これはダメという方は、お手数ですがどのイラストか明記して
(このスレッド以内ならレス番号で)スレか管理人までメールか(まとめスレ
にメルフォあります)でお知らせください
連絡終わり。私情タイム
誰かくるみ×爽子書いてください 個人的にいま一番萌えてます
同じく、くる爽萌えです
風早→爽子←くるみな図は萌える
「風早より私の方が爽子ちゃんのこと好きだもん!」みたいなw
437 :
さく:2010/01/28(木) 18:24:04 ID:zhK2yAUK
わぁぁっ涙
あんな絵に嬉しい反応を頂きありがとうございます
勝手に描かせて頂いたにもかかわらず嬉しいお言葉を頂き感激です
くるみ×爽子っっ!!!!!いいですね!!!!!可愛い…っ
438 :
*86*:2010/01/28(木) 20:14:09 ID:6FV3UmFC
≫435さん
イラストの件了解です!
そしてくる爽じゃなくってすみません!
以前こちらのサイトの存在を知りまして。
初投下です!駄文ですがお願いします(><
設定:風早X爽子
エロ有 道具有 青姦
::::::::::::::::::::::::::
439 :
*86*:2010/01/28(木) 20:15:01 ID:6FV3UmFC
「俺としては風早と貞子ちゃんの恋を応援したいわけっ」
いきなり人の机の前に来たと思えば、そんな事を述べてきた三浦に、俺の頭は一瞬フリーズしてしまった。
やっと言葉が出たと思えば…
「は?何だよいきなり」
そんな事しか言えず、主語はなく話す三浦の言葉の意味を伺おうと身を乗り出した。
「いや、だからねーそんな2人に今日はプレゼントを持ってきたわけっ」
そう言って三浦が取り出したのは小さな手提げ袋。
俺はここに何か言葉の意味があるのかと思い、中を見ようとすると
「待った待った!中は帰るまであけちゃ駄目だからっ」
そんな気になる言葉を残したものだから、益々ワケがわからなくて。
そのまま小包は鞄の中に戻し、帰宅してから開けてみることにした。
【】
“プルルル――”
『あ、風は』
「三浦っ…!!!何だよアレーっ!!!!」
携帯電話に向かって思い切り叫ぶ。向こうから『うわっ』なんて驚く声がしたけど関係ない。
驚かされたのは俺のほうだっ!!!
『はははっ。その様子だと中見ちゃったー?』
「見ちゃったって、お前が帰ってからって言ったんだろ!!」
そう。
今俺の目の前には三浦から学校でもらった手提げ袋の… 中身がある。
わざわざ抗議を申し立てる理由はそこにあった。
『なかなかなモンだろー?俺そういうのいくつか集めてたんだけど最近は使う必要もないから風早にどうかなって思ってさー』
「どうかなってお前…」
恥ずかしくて、何だか呆れ感もあって、溜め息もでない。
三浦は相変わらず呑気で、俺だけ慌てて馬鹿みたいに思えるじゃんか…。
『因みに未使用だからっ☆』
「何だよそれっ」
“ブツッ”
そして勢いよく電話を切った。
気付いたら手には汗が滲んでいて、
気付いたら心臓の鼓動は馬鹿みたいに速い。
「未使用って…どうしたらいいんだよっ」
440 :
*86*:2010/01/28(木) 20:16:09 ID:6FV3UmFC
流石に俺だって、コレは初めて目にするけど使い方位は知っているつもりだ。
袋から無造作に出されたから、散乱されたそれらを呆然と見つめる。
半透明のピンク色した、一見大きめのリップスティックみたいなモノ。
小さな卵みたいな可愛らしいまん丸としたモノには、細い糸みたいなコードがあり、繋がれた先には手のひらに収まるリモコンがある。
そう―――――
三浦が寄越したのは所謂“大人の玩具”という、人の快楽を極める為だけに存在する代物だった。
しかもそれだけじゃない。
避妊具、“ゴム”まで数個入ってはいるがいつもつかう通常のではなく、装着するとモコモコした凹凸ができたり、匂いが苺の香りだったり、
もう俺からすれば未知の世界だ。
「どうしろって言うんだよ…」
使い方は…多分分かる。
でも彼女の体を機械で満たすなんて、って考えと、
それでも機械で可愛くなる彼女が見たい、と。
2つの考えが頭の中で交錯していた。
441 :
*86*:2010/01/28(木) 20:16:45 ID:6FV3UmFC
*
あれから、やっぱり三浦に返そうと俺の鞄の中には例のブツが入った袋が入れられているわけで。
こんなもの落としたら洒落になんないと三浦に接触するタイミングを狙ってたのに…
三浦は色んな女子を周りに着けてるから、話すタイミングがなかなか掴めずにいた。
早く早くと焦る余り、それは顔にも出ていたみたいで
「風早くん、具合悪いの?」
「え!?あ、いや何も無いよ?」
黒沼からそう心配される始末。
本当にちっちゃいな〜俺って。
それでも最終的には、男子トイレという格好の場所で三浦に渡す事ができた。
「―――――三浦っ!」
用を足し終え、手を洗う三浦に袋を突きつける。
「コレっ。俺受け取れないっ」
「え〜何だよ風早ー。お前何処まで爽やか君なわけ?」
「別に爽やかってわけじゃないし。俺」
「でもまさか未使用のを未使用で返されるとは思わなかったよ〜。何?もしかしてもう自分で買ってたとか?」
「〜〜っなわけねーだろっ。とにかく!もう返したからなっ」
投げ台詞の様に吐き出すと、俺はトイレから逃げ出した。
何だか爆弾を抱えていたみたいでずっと冷や冷やしていたから、やっと落ち着けた俺は溜め息を吐いていた。
442 :
*86*:2010/01/28(木) 20:17:10 ID:6FV3UmFC
*
「黒沼ーっ、帰ろ?」
放課後、矢野や吉田と話していた彼女に呼びかけると振り向きながら笑顔で頷く黒沼の姿があった。
「風早と付き合いだしてからうちらの爽子と帰れなくなったじゃんかー」
「ほんとよねぇ」
吉田も矢野も、何だかつまらないと言った感じで俺を見る。
「あ、あやねちゃんちづちゃんっ、またみんなでラーメン食べに行こうねっ」
黒沼がそう慌てながら言うと、正に鶴の声の如く2人は黒沼にひっついた。
「うわーんっ、爽絶対だかんなー」
「今度はラーメンだけじゃなくて餃子も食べるわよっ」
こういう時、女子同士で羨ましいなって思うんだよなー。
かと言って女になりたい分けじゃないんだけど。
暫くすると「お待たせしました」って黒沼がきてくれて、じゃぁ行こうかって促すと後ろからはもうお決まりとなった言葉が聞こえた。
「風早ー送り狼になんなよーっ」
「ちゃんと送ってよねジェントルメンっ」
「…分かってるよっ」
俺が返す言葉も、相変わらずだ。
教室を出るときに彼女は俺に頼みごとをした。
「あの、寄りたい場所があるのですが」
「え?そうなの?じゃぁ黒沼の寄りたい場所に行こっか」
てっきり寄りたい場所ってのはお店とかだと思っていた。
でも彼女が向かったのは靴箱に続く階段ではなく何故か上へと続く道。
最初は図書室に寄るのかなって思ったけど、図書室の階も通り過ぎるから首を傾げた。
でもやがて、彼女の目指す場所が分かって…
その時にはちょっとビックリした。
「えっ?黒沼…?」
「…しー。」
伺うと、目線を上にした黒沼は人差し指を口元に持ってくもんだから、逸れが可愛くて口を噤んでしまった。
黒沼はその間にポケットから鍵を取り出し、屋上へと繋がる扉の鍵穴へ差し込み、そのドアを開けた。
「黒沼…何でっ」
ドアが開くと、そこは夕方の空が広がる空間だった。
俺は黒沼がドアを閉めたのを見計らって賺さず伺った。
鍵が閉まってるのを確認してから、黒沼は教えてくれた。
「えっと…師匠がね、この鍵貸してくれたの。
どうやら師匠で1つ作ったみたいで…」
普段屋上と言うのは出入り禁止の区域で、生徒は立ち入ることが許されず鍵で施錠する事によって閉鎖された場所だった。
その鍵を彼女が持ってる理由は分かったけれど…
「な、何でっ」
その行動の意味が俺には引っかかっていて。
問いただすと鞄からあるものを取り出したのだ。
「師匠がね、コレを風早くんと屋上で見てって言ったの。だから屋上に寄ったのだけれど…」
「黒沼、そ、それっ…」
彼女の手にあるのは、昨日から俺を虐めるように存在していた三浦からわたされた袋だった。
三浦の奴…
黒沼に渡すなんてっ。
443 :
*86*:2010/01/28(木) 20:17:39 ID:6FV3UmFC
「え?風早くん中が何か分かるの?私さっきから何が入ってるのかなって気になってたの」
「うわーっ!待って待って黒沼!ストップーっ」
「あっ…」
袋を開こうとするその手から、強引に奪い取ると黒沼の両手が只意味もなく宙に浮いていた。
「はーっ」
セーフ、と思って溜め息を吐くと、黒沼は何だか悔しそうに、けれど困った様に俺を見た。
「ず、狡いよ風早くん」
そんな顔が可愛くて見入ってしまい、応えるのに時間がかかった。
「…え?」
「だ、だって私もその袋の中身、気になるなぁ…」
「気になるって…」
確かに三浦に渡されたままその中身が見れないってなると、俺だって気になってしまう。
そしてその時にやっと三浦の作戦が分かった。
黒沼に渡せばこの袋の中身から俺が回避できないと考えたのだろう。
でも…
確かにそうだけども。
それが罠と分かっているのに嵌るのも馬鹿らしいじゃんか…。
「と、とにかく駄目っ。この中身は見せらんないっ」
「ど、どうしても駄目なの?」
―――――う゛っ…
覗き込みながら俺に聞いてくるその仕草。
狡い…
狡いのは黒沼の方じゃんかぁ。
「…黒沼は、気になる?袋の中身」
「う、うんっ」
見せてもらえると思っているのか彼女は目をキラキラとさせていた。
黒沼が騙され易いのは良く分かっている。
それに漬け込むのは良くないってのも分かっている。
でも…
「じゃぁ見せるけど…見せたら、使ってね」
「つ、使う?」
黒沼が見たいって言うから、だなんて擦り付けながら、屋上の床に座って袋の中身を出した。
まさかこの中身をもう一度見る羽目になるなんて。
「…?」
当然ながら予想にはしていたけど、袋から取り出された“玩具”を見て黒沼は首を傾げた。
「コレって何?どんなモノなのかな…」
「使い方、分からない?」
「うん。風早くんは知ってるの?」
「…うん。教えようか」
「おっ、お願いします」
俺にそう頼む黒沼はいきなり正座になったから。
何だか変な想像をしてしまった。
444 :
*86*:2010/01/28(木) 20:18:02 ID:6FV3UmFC
黒沼が教えてって言うから…
良いよな。
これは三浦に言われたからとかじゃないんだっ。
目の前の玩具のパッケージを使いやすい様に空け、スイッチを入れる。
それは小さな卵みたいな奴で、スイッチを入れたら振動するのだけれど、五段階に震えの強さを変えられるみたいだった。
「黒沼」
「ハイ?」
呼んだ瞬間、引き寄せてキスをする。
「んっ…」
その間にシャツのボタンを三つ位素早く開け、唇を離した瞬間ブラジャーの中にソレを入れた。
「ひゃぁあっ!!!」
下着の中で激しく動くソレに、黒沼は反応する。
「か…風、早っ…くんっ、コレっ…」
「黒沼…まだ強さは真ん中位だよ」
「つ、強さっ…?」
「黒沼が使い方知りたいって言ったんだよ?これがその使い方」
「コレっ…なんかっ、ヤだっ」
445 :
*86*:2010/01/28(木) 20:21:02 ID:6FV3UmFC
シャツに手を入れて取ろうとした瞬間、その手首を掴んで制した。
「取ったらだーめっ。黒沼…気持ちいいんでしょ」
「なっ…!そ、そんな事っ」
「ふーん…」
黒沼の後ろに回り込む。
そしてバイブレーダーが入っていない方の胸に、シャツの下から潜り込んで直に触れた。
「ひゃぁっ!」
柔らかな胸が俺の手に包まれる事で、自由自在に形を変える。 「ソレにしては…堅いね」
「…やあぁっ」
触れる乳房は堅くて、彼女が感じている証拠だった。
片胸に入ってたバイブレーダーを、反対の胸に入れた。
「はぁっ…もう…止め、てぇっ」
彼女の胸の中で震えるバイブレーダーは、ブブブッと激しく動く。
もう片胸を再び弄くりながら、乳首を指の腹でコロコロと挟んだ。
「ふっ…んぅっ」
学校だからか、声を抑えようと必死な姿が逆にそそるだなんて…
黒沼は知らないんだろうな。
でもその清らかな声が乱れていく様を見たいものだから、彼女の髪を分けて首筋に噛みついた。
「ひゃぁっ!!」
あと…
「んぁあっ!!」
黒沼は、耳が弱い。
首に噛みついた後耳をペロリと舐めとってみた。
「風早くん、の…意地悪…」
―――――う、わっ…
何それ。
何その顔。
堪らなく可愛いんですけどっ!!
あーもう…ヤバいなぁ
下半身で疼く自身に、見て見ぬ振りはもう聞かなそうだった。
だって黒沼にキスした時点でもうソコはおっきくなってしまってる。
まだだ、我慢しろって規制するけれども…
黒沼がこんな可愛すぎたら、何時まで保つか分かったもんじゃない…。
「黒沼…気持ち良いってどうして素直に言わないかなぁ」
「気持ち、良い…だなんてっ…」
なかなか白状しない、変なときだけ強情な黒沼。
逸れが少し悔しくて、黒沼をもっと“素直”にさせたくて。
スカートの下に手を忍ばせた。
「やっ…だ、め…!此処、学校…」
「もう遅いよ…」
手は、下着に触れる。
「あぁっ!!」
「黒沼…こんな塗れてんのに、今更止められるの?」
聞くと、涙目で申し訳なさそうに黒沼は困った顔をした。
そんな表情が堪らなく駆り立たせるんだ。
湿った下着から、膨らみを帯びた豆に触れる。
「ふぁっ…んっ」
彼女が何処が気持ち良いかだなんて、もう分かってる。
回数すらまだ数える程だけれど
446 :
*86*:2010/01/28(木) 20:22:32 ID:6FV3UmFC
体が、指が、
黒沼を覚えてるんだ。
豆から下へ、指を上下に動かしさすってみた。
「はっ…あっ…やぁあんっ」
いちいち反応が可愛い。
しかも後ろにいる俺のシャツを必死に掴んでいて、その仕草に堪らなくツボってしまう…
「気持ち良いんでしょ?」
「…〜〜〜っ」
「まだ、白状しないんだ。じゃぁお仕置きだね」
取り出したもう一つの玩具を取り出す。
それは半透明のピンク色した、男性の突起物と同じ形をしたものだった。
そっちのスイッチも入れ、再びスカートの中に手を入れてパンツをずらし、沢山の湧き水が出る入り口にあてがう。
「やぁあああっ!!それっ…だ、めぇっ!!」
下着に挟んでた小型バイブレーダーも取って、下着に入れて豆にあてた。
「かっ…ぜ、早っ…くっ…」
必死に声を抑える姿にそそられる…。
俺は黒沼の前に回った。
長いバイブレーダーも、あてがいながら中にドンドン侵入させてく。
「やぁっ!!…あぁっ!!…ひゃぁああっ…だっ、やめ、てぇえっ…!!!」
447 :
*86*:2010/01/28(木) 20:22:54 ID:6FV3UmFC
歯を食いしばって、二つの振動に耐えようとする黒沼を、正面から見る。
顔を隠そうとしてもその手は例の如く抑えた。
黒い髪が乱れて、なんか…ヤらしい。
スカートを捲って其処を見れば下着の中で激しく蠢く物体と、飛び散る液体のビチャビチャした音が耳に届く。
普段真面目な彼女が…
こんなにもヤらしく変動するなんて。
益々そそられた。
「黒沼…エロい」
「…もっ、やっぁ…」
クタクタしながらもまだ彼女は感じているみたいで、泣きそうな目で荒い息を吐いていた。
でもその様は明らかに…
「黒沼、もしかしてイった?」
「っ…」
恥ずかしげな姿を見るとどうやら当たりらしい。
そう確認した瞬間ちょっとした支配感に駆られる。
黒沼の乱れた姿、もっと見てみたくてバイブレーダーの強さを最大にした。
「ひゃっ!あぁあああああっ!!!やめてっ…やめっ、やめてぇえっ!!!」
どんどんバイブレーダーの横から愛液が溢れ出る。
床は凄い水浸しだった。
「そんなに感じて…エロい…超、エロい…」
唇にキスをして、胸をしゃぶる。 乳首が堅くて、胸は比例する様に柔らかくて。
黒沼は…堪らなく可愛くて。
「もっ…だ、めっ!!またおかしく、なっちゃ、うぅっ!!!」
「うん…なっていいよ…黒沼がおかしくなる姿、もっともっと見たい」
「やだ…やだっ…いやっ…やぁっ…あ、あぁあああああっっ!!!」
激しく甲高い声を上げたと思ったら、黒沼は再びくてん、と力なく俺にもたれ掛かる。
そろそろかな、と2つのバイブレーダーを抜いてみると、そこは微動に痙攣をしていた。
448 :
*86*:2010/01/28(木) 20:24:09 ID:6FV3UmFC
「はっ…ぁっ…」
「黒沼…淹れて、いい?」
「私…風早くんが…欲しいっ…」
聞いてみると、そんな可愛い反応が返ってきた。
こんな大胆な事を言うなんてって驚いたけど、堪らなく嬉しくてそっちのが大きかった。
「うん…仰せのままに。」
俺ももう我慢出来ないし、とズボンを下げた。
下着も下げ、避妊具として選んだのはやっぱり三浦からのモノ。
自分のモノを使ってもいいけど、そんな余裕も無かった。
素早く装置すると、確かにゴムに小さな丸い凹凸がいくつもできたものが目を引いた。
「黒沼…俺が欲しいんだよね」
「うん…」
「じゃぁさ、こっち、来てよ」
片手で体を支えたまま俺は座り、前にいる黒沼にもう一方の片手を伸ばす。
「…え?」
彼女がいつにも増して大胆だから、それに漬け込んだ。
「黒沼…自分から、淹れてよ」
「へっ!?わ、私からっ!?」「うん。上に乗っかってよ」
「む、無理ぃっ…」
「じゃぁ淹れてあげない」
「ふっ…〜〜〜」
俯いて、息を吐き出しながら恥ずかしそうにする姿。
あぁ…
本当は早く君を感じたいのだけれど。
疼くのを感じながら兎に角ひたすら我慢した。
「えっと…」
やがてのろのろと遅い動きながらも黒沼は近寄って来てくれた。
「ど、どうすれば…」
ID:6FV3UmFCさんの作品、まだ続きありますよね?
連投規制になって、投稿できないのかな?
はやく続き読みたいです。
がんばれしえん
おおお続き書いてくれ
支援。続き正座して待ってます
支援保守。続き待ってます
支援がてらイラスト描きさんに質問です。
スレ違いだったら、すみません、無視してください。
自分もつたないながらイラストとか描くのですが、
例えば原作に絵が近いとかで著作権にひっかかかって
もめるとかそういうのってあるのでしょうか?
あと、大きさとか何のソフトで描いてるかとか大きさとか
教えてもらえたら嬉しいです。
もしいろいろ問題がクリアできるなら、自分も練習がてら描きたいなあと思って。
455 :
86:2010/01/29(金) 01:18:09 ID:BHWxnZjY
すみません!
投稿制限かかりました。
携帯電話より続きかきます。
――――――――――――
「うん、俺の上に、乗っかって」
―――――あぁ、なんか…
俺の上にまたがる黒沼の姿が凄く厭らしい
黒沼は膝立ちで上にくると、バランスを崩した黒沼が床に手を突く。
またその四つん這いの姿が…
胸の衝動を掻き立てた。
形のいい胸が下に向いていてその違った光景に目が行ってしまう。
「こ、こうかな…」
「うん。スカート、捲って」
要望に従いながらもやっぱり恥ずかしそうに目を瞑る。
スカートの奥には沢山の液体で色を変えた下着が見えた。
「はぁ…黒沼、超エロい」
456 :
86:2010/01/29(金) 01:19:13 ID:BHWxnZjY
すみません!
投稿制限かかりました。
携帯電話より続きかきます。
――――――――――――
457 :
86:2010/01/29(金) 01:24:01 ID:BHWxnZjY
すみません!
投稿制限かかりました
続きは携帯電話よりかきます
458 :
86:2010/01/29(金) 01:24:57 ID:BHWxnZjY
「うん、俺の上に、乗っかって」
―――――あぁ、なんか…
俺の上にまたがる黒沼の姿が凄く厭らしい
黒沼は膝立ちで上にくると、バランスを崩した黒沼が床に手を突く。
またその四つん這いの姿が…
胸の衝動を掻き立てた。
形のいい胸が下に向いていてその違った光景に目が行ってしまう。
「こ、こうかな…」
「うん。スカート、捲って」
要望に従いながらもやっぱり恥ずかしそうに目を瞑る。
スカートの奥には沢山の液体で色を変えた下着が見えた。
「はぁ…黒沼、超エロい」
459 :
86:2010/01/29(金) 01:25:55 ID:BHWxnZjY
太ももに垂れる液体がどれだけ感度が良いのかを教えてくれる。
下着を片足だけ脱がす。
堪らなく恥ずかしげに黒沼は俺の肩に掴んだ。
俺は先走った液が溢れる自身を、手で支える。
「そのまま…腰、下ろして」
「う、うん…」
黒沼が降下し、その時に秘部にある入り口に入るように調整した。
そして肉棒の先端が、その柔らかな入り口に埋まった。
「はっ…ぁっ」
「黒沼…すっごい、濡れてる」
全てを飲み込んでくれそうな柔らかさに、腰を突き上げたい衝動に駆られる。
でもここは我慢だと押しとどまり、俺の体の一部が入ることで
460 :
86:2010/01/29(金) 01:28:33 ID:BHWxnZjY
快楽を味わう表情を見
続けた。
「ねえ…もっと腰下ろして」
「あっ…風早、くっ、ん…キツ、いぃっ」
自分で動かすことになれていない初々しさに、益々惹かれる…。
その間にも徐々にだが黒沼は腰を沈めてくれた。
「ふっ…んっ」
しかめる顔がまたそそる…。
「っ…はぁっ」
やがて、彼女が大きく息を吐くと全てが飲み込まれたのを感じる。
「ねぇ…動いて」
促すと、いやいやと首を振る黒沼。
「動かなきゃ気持ちよく無いでしょ」
誘うと意を決したように黒沼は唇をギュッと閉めた。
やがて、下半身に猛烈な快感が迫り来る。
461 :
86:2010/01/29(金) 01:29:19 ID:BHWxnZjY
「くっ…んっ」
熱い胎内にのめり込まれた肉棒は、気持ちいいと脈打つ。
黒沼と言えば不慣れな動きをしながら、それでも快感を味わおうとゆっくりじっくり
動いてくれた。
「かっ…ぜ、早…くっん」
「駄目…」
「え?」
「翔太って呼ばなきゃ、駄目」
「そんっな…恥ずか、しいっ…」
「よんで?黒沼」
その恥ずかしがる姿がみたいって言ったらどんな反応するかな。
ちょっと気になるけど聞いたら言ってくれなさそうだから止めることにする。
でも…
「ふぁっ…し、翔太…くんっ」
462 :
86:2010/01/29(金) 01:30:11 ID:BHWxnZjY
腰を動かしながら言ってくれた名前と表情の効果は絶大だった。
「やっ…あ!中で…おっきく…」
俺に凭れながら黒沼は増大したその存在を感じていた。
黒沼が可愛すぎるから…仕方ないじゃんか、って思い
もう動けそうにない彼女を見て一言告げた。
「ごめん、黒沼…」
もう、我慢できそうにない…
自身の欲求を満たすために、腰を上げ黒沼の子宮内部を突く。
「ひゃぁあっ!!」
“ジュプッ!ズププッ!”
混ざり合った液体と、膣壁が擦れた厭らしい音が耳に届く。
次いで黒沼の指が肩に強く掴まれた。
「っ…ぅ」
463 :
86:2010/01/29(金) 01:31:25 ID:BHWxnZjY
下半身で感じる快感と、肩にくる痛みを両方味わう。
それでも止められない律動を、本能のままに行う。
「爽…子っ」
達してしまいそうな意識の中、彼女の名前はなんなく口から漏れる。
「爽子…爽子っ」
普段恥ずかしくて言えないくせにこう言うときには出てしまうから不思議だと思う。
でも…
「しょ…翔太、くんっ」
相手が求めてくれるのが嬉しくて、自分もそうなんだと実感した。
「はっ…駄目、もうイきそうっ」
「あっ!はっ、翔太、くんっ…わ、私もっ!おかしく…なりそうなのっ!」
「うん…いいよ、もっと…なってよっ」
464 :
86:2010/01/29(金) 01:32:23 ID:BHWxnZjY
黒沼が俺を求めてくれて、
俺も黒沼を欲してて。
凄く凄く幸せだって感じて…
「っ…くっ」
「あっ!ああああぁんっ!!!」
黒沼の叫びを聞いたら離さないと言わんばかりに締め付けられた肉棒からは達したと
いう証しが、薄いゴムいっぱいにひろがった。
「はぁっ…はっ…」
黒沼から自身を引き抜き、外をみて時計をみた。
いい時間であることを確認する。
「…どう、すっかなぁ…」
次に黒沼をみた。
幾度も上りつめた為かその体はグッタリとし、漆黒の瞳は伏せられた…
横たわった彼女がいた。
俺は困った様に頭を掻いた。
465 :
86:2010/01/29(金) 01:34:12 ID:BHWxnZjY
*
「〜〜三浦っ!!!」
「あっれ〜?モーニンっ、風早!」
爽やかに挨拶するそいつの胸倉を掴み、ずずいっと顔を近づけた。
「うわっ!風早…俺男は興味ないんだけど」
「ばっ!だ、誰がキスなんてするかっ!お前昨日黒沼に余計なことしただ
ろーっ!!」
教室前の廊下で三浦につっかかる。
三浦は相変わらずヘラヘラと笑っているだけで。
その態度に腹の虫が収まるわけがない。
「アハハ。その調子だと貞子ちゃんから貰ったんだ」
「貰ったって…マジ止めろよな、あーいうのっ」
「でも…使ったんでしょ?」
466 :
86:2010/01/29(金) 01:35:03 ID:BHWxnZjY
「なっ…ばっ!!!」
ビンゴ、なんて言いながら三浦は笑う。
まさに園とその通りな訳で。俺は言葉が出せずにいた。
「風早くん…師匠、おはよう」
その時、後ろから黒沼の声がして今話した内容もあってか異常に驚いてしまった。
「くっ、黒沼!!」
「おっはよ〜貞子ちゃん」
「あれ?風早くん…顔赤い?」
のぞき込んできた事で一層顔が赤くなったのを感じた。
「見んなよなぁ…」
もう俯くしかなくて。
「朝から仲いいね〜。じゃ、俺教室行くから」
言いながら去る三浦を確認し、黒沼をバッとみた。
467 :
86:2010/01/29(金) 01:38:32 ID:BHWxnZjY
瞬間、驚いてはいたが構わず続けた。
「黒沼…昨日大丈夫だった?」
主語だけでは分からなかったみたいだけど昨日、という単語で黒沼は意味が分かった
らしい。
「あ!う、うんっ…家まで送って頂いたみたいで…ごめんね,重かったでしょう?」
「いや!そんな事ないし!むしろ・・・」
そう、昨日は果て過ぎた黒沼を家までおぶっていったのだ。
黒沼の親には「具合が悪いみたいで」と言い訳もしておいた。
でも、そんな姿が・・・
「すっごい可愛かった。また見せてね?あんな黒沼」
「え・・・えぇえ!!?」
堪らなく可愛くって。
真っ赤になる黒沼に耳打ちしながらハハハッと笑った。
終わり。
以上となります。長文失礼いたしました。
此処まで読んでいただきありがとうございます。
よかったです。
まさか後半ここまでエッチくなるなんて嬉しい予想外でした。
えろぉおおおおおおおいいいいいいい!!!!
GJでした!!!!
エロいっ!!!GJ!!!
携帯からとか、お疲れでしたw ありがたいっす。
>>454 サイズやソフトの参考になりそうなのでpixivを覗いてみてはいかがですか?
あ、そいうこと気にせずに描ける手ブロという場所もありますね。
絵が似てるほど著作権に引っかかるかどうかは・・・すみません、どうなんでしょうか。
わからないです。
著作権とか気にしたらパロ自体終わりだと思うんだ
だから454はどんどんエロいの書いちゃえばいいと思うんだ
面白かったー!おつ!
やっぱ風爽はイイね〜
来月号はようやくカレカノ若葉マークな二人のウブコントが見れるかなー。
楽しみwktk
474 :
さく:2010/01/29(金) 18:25:57 ID:AsYePGwV
風×爽さいっっっっこうでした!!!!!何かもう…師匠に感謝したいです。教えてって言われたから使うって…ドスケベな風早君やばすぎです 挿絵描きたい衝動にかられましたが自重しますorz
ありがとうございました涙
>>474 さくさんファンとしては是非挿し絵を見たいです…!
>>470 471
遅くなりました。ありがとうございます。
早速研究してみます!
そ、そして、ここのお話みんなすごすぎる!
また新作読みたいです〜
高校生風爽の小話。エロ無しですサーセン
* * *
ある日の北幌高校2年D組の昼休み。
もうすっかりクラスの名物になったウブコントカップルは、彼女手作りのお弁当でラブラブ中。
「あ、そういえばさ。進路希望の紙、黒沼なんて書いた?」
「あ、ええと…第一志望は札幌の教育大学にしたよ。風早くんは?」
「俺?一応、旭川の教育大学にしたけど…まだわかんないよ。教師になるのもまだ本決まりじゃないし…」
「で、でも!私、風早くんは学校の先生がすごく似合うとおもう!」
「そう?それを言うなら黒沼じゃん。勉強とか、人に教えるの上手いもんな。黒沼は」
「いやいや!滅相もない…!そ、それに…私、教師の他にもうひとつ夢があるの…」
「えっ、それは初耳!どんな夢?」
「…わ、笑わない?」
「笑わないよ!教えて?」
「………お、お嫁さん…」
「…え?」
「…か、風早くんの…お嫁さん…に、なれたらいいなって…」
「…なれるよ」
「…え?」
「…その夢、俺が叶えてあげるから…」
「…!…か、風早くん…!」(ぶわっ)
(※このあたりで矢野と吉田の「あーまた始まったよ恒例のウブコントが」という野次が飛ぶ。)
「じゃあさ、子供は何人欲しい?」
「えええ!?こここ子供…!?」
「うん。俺と黒沼の子供。もちろん…産んでくれるよね?」
「あ、え、う、うん…」(かあああ)
「俺は、男の子と女の子ひとりずつ欲しいな」
「い、いいね…!すごく、いいね…!」
「名前はどんなのにする?」
「わああ…!どうしよう!なんだか、こういうのすごく楽しいね!」
「あのさ、俺じつはずっと前から考えてるのあるんだよね」
「えっ?どんな名前?」
「男の子はさ…黒沼の名前と並んだら「爽快」ってなるように、「カイト」。快い人って書いて、「カイト。」
「わあああ…!快人くん!素敵な名前だね!」
「ね?なかなかいいでしょ」
「じゃあ、女の子は風早くんの名前と関連させなきゃね!ううーんと…」
「俺の名前は「翔太」だから…「翔」って字使った熟語ってなかなか無いなー」
「……あ、そうだ!あのね、「ミウ」ちゃんでどうかなあ?」
「ミウ?どんな字書くの?」
「風早くんの名前…翔の字を崩したら、美しいっていう字と羽っていう字になるでしょう?だから、二文字を合わせて「美羽」ちゃん」
「へえ…!いいね、可愛いじゃん」
「えへへ…!なんだか照れるね…!」
「楽しみだなー…黒沼とつくる家族。きっと毎日楽しいよ」
「うん…!うん…!」
「…とりあえず、一人前の大人になったら、きちんとプロポーズするから…」
「……うん?」
「…それまで、もう少し待っててね?爽子っ」
ちゅっ
(でましたー必殺でこちゅー攻撃っ)
(ぼぼっ)「…は、ハイ……!」
その頃、ウブコントカップルから少し離れた一角。
「平和な会話よねー…風早、あれすでにプロポーズしてるって気づいてないわね」
「まーいんじゃね?あたしは爽が幸せなら満足っ」
「風早も貞子ちゃんもイイ家庭築きそうだよなー…結婚式、俺も呼んでくれるかなー」
「……ねむい……」
おわり
* * *
お粗末さまでした〜。
やっぱ風爽はウブコントが一番ですな。
しまった…!
タイトルの未来予想図2を「U」にするべきだった!
なんたる凡ミス!…まあいいか。
乙です!
自分もID:ankIb5R5さんの作品にあるような
将来の二人、できれば結婚を匂わす話は
ぜひ原作でも高校生のときにやってほしい!
というか、もうプロポーズして安心させてくれ!
自分もちょっと投下します
風×爽
付き合って数カ月。キスは何度もしてるが
その先は風早側の事情により最後まで至らず。
いままで何度か未遂で終わっており、ようやく初体験になる話。
学校帰りの二人。場所は風早の家の部屋。
爽子視点です。
エロあり キャラ崩壊 9レスあります
NGは「制服のリボン」
482 :
さく:2010/01/30(土) 00:18:04 ID:fQ5zd2xm
>>475さん
!??うわぁぁぁあっ!!!!!ファンだなんて恐れ多いですっっ汗 駄絵しか描けない奴ですがそう言って頂けて嬉しいです… ありがとうございます!次はエロ絵描けるよう頑張ります
風×爽、ありがとうございます!!!!!未来の事を考える二人が可愛くて癒されました。子供と幸せに暮らしている爽子達が想像できます 人前を気にせずこんな話ができる二人にニヤニヤです
添付はエロ関係ないです…すみません
http://imepita.jp/20100130/005520
1
「黒沼、いいの?」
「…うん」
わたしは風早くんの言葉の意味を自分なりに理解して頷いた。
「黒沼…」
わわっ風早くん、わたしの頭にそんなに頬を押し付けられると…。
今日暑かったし、体育あったから、わたし汗臭くないかな…?
「んっ…」
わたしの身長に合わせて風早くんは腰を落とし、わたしの首筋を軽く唇で噛む。
「はぁ…ん」
「黒沼の腰、折れちゃいそうなくらい細いね」
わたしの背中に風早くんの腕が回され、彼の腰までピッタリと引き寄せられる。
こんなに密着したのはいままでで初めてかも…。
「黒沼…」
あっ…!風早くんがこういう表情でわたしを見つめるときって、キスだよね…?
「ん…んん!」
ほら、やっぱり…!でも今日はいつもより長くて、激しいかも…。
「んんー…!んあっ」
ああ、風早くんの舌が入ってきて思わず変な声出しちゃった…!
「ごめん、黒沼。ビックリした?」
そう!ビックリしたけど、嫌じゃないよ…!でもビックリしたことは伝えた方がいいよね…?
「う、うん…」
あれ、風早くん、ちょっと不安そうな顔してる…。わたしの今の返事で引かせちゃったのかな?
「あ、あの。風早くん、だ、大丈夫だから…!」
今度は心配そうな顔してる。
2
わたし、全然無理してないのに…。むしろもっと、して欲しかったり…。
でも、いままでも何度かこういう展開になって、風早くんから
ごめん。黒沼、やっぱり今日はやめよう
って言われたことがあった。
もしかしたらわたしがずっと受身でいるわたしに風早くんは嫌になったのかも。
そうだよね。わたしが待ってるだけじゃ風早くんも不安だよね…。
言わないと…!
「ホントに大丈夫だから…!つ、続き、していいよ」
「く、黒沼…」
「あ…。んぐ…」
わっ…!、風早くん、激しい…!激しすぎるよ!
あれ、もうキスは終わり…?
わっ!違った!今度は耳にキスしてくれる…!
「黒沼、耳の中まで熱いよ」
「あん!やぁん…っ」
え!?今の声、わたしが出した声だよね?
「あ、はぁ…!んん〜」
わー!なんて声を出してるんだろう!でも首筋に風早くんの暖かい息がかかってくるので…。
それに、わたしってば、いつの間にか風早くんの首に腕を回してた!
って…!あれ?風早くん、やめちゃうの?
「黒沼、座って…?」
「え、…うん」
とりあえず絨毯にそのまま座ってみたけど
もしかして風早くん、わたしが抱きついたこと、嫌だったのかな?
「ブラウスのボタン、外していい?」
あ、違った。風早くん、次のステップを考えてくれてるから座らせてくれたんだ。
や、やっぱり…。今日こそ最後までいくのかな?期待していいんだよね…?
「うん…いいよ」
3
なんか風早くん、正面からだとボタン外しにくそう。
わたしが自分で外した方がいいのかな…?
あ…!そんなことより、今日の下着、大丈夫だったかな?
(…ゴクリ)
今の風早くんの喉が鳴る音だよね?わー、わたしもドキドキ緊張してきたよ…。
風早くんがわたしのボタンを外す度にわたしの地肌に彼の指が触れる。
わたしの心臓のドキドキも彼の手の甲を通して伝わっちゃってるのかな…。
あ、そうこう考えてるうちに全部ボタン外し終わってた…!
「黒沼、ブラウスとっていい?」
「うん…」
こういうとき、手で胸を隠した方がいいのかな?
あれ、ブラウス脱いだのに、制服のリボン、首につけたままだけどいいのかな?とったほうがいいよね。
「あ、黒沼!リボンは取らないでいいから…!そのまま…」
「え、は、はい」
よくわからないけど、風早くんに言うとおりに…。
でも下着姿にリボンってなんか余計に恥ずかしいな…。
「黒沼、かわいい下着つけてるんだね」
やーん。そんなこと言わないでください…!
水色の無地じゃなくてもっとかわいい柄のつけてくればよかった…。
「黒沼…」
「あ…っ」
彼の手が下着の上から触ってくる。
ガッカリしてないかな…。わたし、小さいし…。あ、わたしがガッカリしてる…。
「そんな顔しないで、黒沼。かわいいよ」
ええー、なんでわたしの考えてることわかったの!?エスパー?
「んんー」
わぁん!胸を触られながら、首にキスされて、なんか体がよくわからなくなってきた…。
4
「あ、あれ、外れないな…」
あ、風早くん、ブラの外し方で戸惑ってる。やっぱり同じように緊張してるんだ。
ってわたし自ら、外した方がいいのでは?
「か、風早くん。わたし、自分でとるよ…」
「う、うん」
で、でも、これ外したら、見られちゃうんだよね?わたしの胸、直で見てガッカリしないかな…。
わー風早くんの視線を感じる…。わたし、顔も火照ってるし、汗も出てきた…。
「黒沼、綺麗だし、かわいいよ」
そ、そんなに胸ばかり見ないで…!なんて、風早くんの目を見てたらとても言えないよ…。
風早くんの手がわたしの胸に直に触れてる。ちょっと指先がヒンヤリしてて、汗で湿ってる。
わたしもイッパイイッパイだけど風早くんも同じなんだ…。
「んん…」
風早くんにキスされてるのに、胸の方にも意識がいってしまう。やーん、指で乳首を挟まないで…。
「んん…はぁん…!」
いつのまにか、わたしから風早くんの口に舌を入れてしまってた…。しかもわたしヨダレ垂らしてる…!
リボンに唾液ついちゃうからもう外していいよね…?
「あ、待って!黒沼!そのまま!そのままにしておいて」
え、…はい。風早くんが望むなら…。よくわからないけど…。
そうこうしてるうちに風早くんのキスは唇から首へとどんどん下に降りていく。
え?まさか、胸にまでいくのかな?…やっぱりきた!
わたしの小さな胸に彼が顔をうずめ、胸の先端を口に含む。
「あっっ…やぁんんっ」
わぁん、なんかどういう顔したらいいかわかんないよー…!
「黒沼、カワイイ。全部口に含んじゃっていい?」
ああっ、小さくてゴメンなさい…。
でもなんか風早くん、赤ちゃんみたいだよ…。
「ちょっと、黒沼。なにその顔…!反則すぎ…!かわいすぎて…。おれ、またイキそう」
「え?」
最後の方はよく聞き取れなかったけど反則って言ったよね…。
5
「そんな顔されちゃうと、またおれ、最後までもたないよ」
ちょっと困り顔をしてる風早くんの顔。
やっぱり、いままでダメになったのはわたしのほうに問題あったのかな…?
風早くんが引くような、そんな険しい顔や態度を取ってたりしてたのかな…?
「黒沼、ベットに、いい?」
「うん…」
頷いてみたけど、もしかしたら思いっきり首を縦に振ってしまったかも…。
なんか、ものすごい前からこの時を待ってたみたいに思われてないかな…?
それにしても、わたし、上半身は裸で首にリボンつけて、下はスカートと靴下って変だよね?
こんなヘンテコリンなカッコなのに風早くん、わたしのこと嫌じゃないのかなぁ?
「黒沼」
「ん…ふぅ」
風早くんのキス。やさしくて好き…。
あ、スカートの中に風早くんの手がっ!どんどん手が上に上がってくる…!
「黒沼の足、綺麗だね」
「やだ…、そんなこと言わないで…」
「でも、おれ以外見せちゃダメだから。こんな綺麗な足してるの他の奴に見せちゃダメ」
わー、風早くんのこの赤らめたときの笑顔…!まっすぐ見れないよー。
わたしのほうこそ、わたし以外にその笑顔を見せないでくださいーと言いたいくらいなのだけど…。
もう30分以上キスしてるよね…。体の中心がすごい熱くなってるのがわかる…。
こんな状態で下着脱がされたら…。
「あっ!やぁ…」
ああ、恐れてたことが現実に!風早くんの手がわたしの下着の中に…!
「黒沼?これ、濡れてるの?」
そ、そんなこと…、“はい!そうです。さっきから濡れてます”なんて言えませーん…!恥ずかしいよ…。
「黒沼、感じてたんだ…。ひょっとして嫌々だったんじゃないかと思ってたから」
「そ、そんなことないよ…!嫌だったら、してないよ…!」
「黒沼…。よかった!」
「わっ!」
こんなに強く抱きしめられたの初めて!でもなんか守られてる感じがして嫌じゃない…。
6
スカートのファスナーが下ろされる。
わたしもいつのまにかベットに仰向けになってるけど、ぜんぜん落ち着かないよー…。
彼の手が下着に入ってきて、何度もわたしの敏感な場所に指を這わせる。
「あ、やぁぁんん、ま、待って。風早くん!このままじゃ下着汚れちゃうから」
「ご、ごめん」
「ううん、ちょっと待ってね…」
わたしが下着を脱いでるときに、風早くんを見ると、なんかちょっとシュンとしてる。
どうしよう…。また風早くん、悪くないのに謝らせてしまって…。
ううん、わかってる。誤解を解くには…。
「風早くん…。もう大丈夫だよ。お願いします…!」
「黒沼…」
よかった。彼の体から強ばっていた緊張の糸が解けていく。
わたしの目の前で風早くんがワイシャツを脱ぎ始める。
細いのに思ってたよりずっと大きい体。わたしなんかより全然肩幅も広くて…。
鎖骨にもあんなクッキリ影が出るんだ。やっぱり男の子…。
「黒沼…」
わたしの頬を大きな手で包んでやさしくキスしてくれる。
わたしも風早くんの体に触れたくて思いっきり抱きついてしまう。
いよいよ…なんだよね?
ついに風早くんが自分のズボンのベルトに手をかけはじめる。
えーと…、こういうとき、脱いでるとこ見ちゃダメだよね。
でも盗み見くらいなら…。わー!あんな風になるの!ゴムってあんな風につけるんだ。
どうしよう…、わたし、大丈夫なのかな。
「黒沼、ほんとにいいの?」
「……う…ん」
「おれ、自分が誤解したまま、進みたくないから、別に無理しないでいいよ?」
無理なんかしてないよ。たぶん風早くんはわたしのことを誤解してる。
わたしも風早くんと付き合うって意識したときから
風早くんが男でわたしが女だということを意識してきてるよ。
7
こういうことが来る日もずっと意識してきたよ…。
だから言わないと…。痛いくらいに心臓がドキドキする…。けど、わたしの気持ちを伝えないと。
「だ、大丈夫だよ…。わたしも風早くんと“おなじ”気持ちだよ、だから今日して欲しい…」
「うん…、わかった!ありがとう。黒沼」
「んんッッ!あっ…」
風早くんのがわたしのに触れるだけで、体が反応してしまう。
「あ…、っっっつ!」
思った以上にずっと硬くて刺される感じがする。
「黒沼、大丈夫?」
「うう…!んん、だ、大丈夫だから」
とは言ったものの、すごい異物感がする…。こんなの馴れるのかな…。
「あ、んん…」
わっ!風早くん、またキスしてくれてる。わたしの胸もやさしく触ってくれてる。
わたしのこと気遣ってくれて…。
「黒沼…!今すごく、カワイイ顔してるよ」
やん、風早くん…!そんな目でそんなこと言わないでー…。恥ずかしいよ。
彼に前髪とおでこを撫でるように触られるだけでなんかフワフワした感覚で胸がいっぱいになる。
「黒沼…、痛いの?」
「え?」
「だって、泣いてるから」
「あ、んん…ち、違うの…、痛くて泣い…てるんじゃないの」
そう…、もう痛くないよ。違和感はあるけど、痛いとかじゃない。なんか嬉しい。
これも、言った方がいいのかな…?伝えるべきだよね?
「あ、あのぅ…。う、うれしくて!」
「うん、おれも!」
あ、よかった…。風早くんも同じなんだ!
「黒沼…!」
「…風早くん」
8
な、なんか風早くんが動く度にわたしの下半身の力が脱けていく…。
「大丈夫?黒沼。苦しいなら言って?」
「んんっ!そ、そんなことないよ…!あっっ」
「もしかして、気持ちよくなってる?」
ど、どうなんだろう?今、気持ちイイのかな?でもお腹の下がジンジンして熱いし
風早くんが動く度に、なんか体が…!
「あぁんっ!だ、ダメ…やぁん…!」
わっ!意識し始めたら、また思わず声が…!これ、やっぱり気持ちよくなってるんだよね?
「おれ、黒沼も気持ちよくなってると思っていいんだよね?」
そう…。気持ちイイ…!風早くんとだから気持ちイイ。これも伝えないと…。
「か、風早くぅん…!わ、わたしも…」
「黒沼…!」
「あん…!んっ…」
風早くんがキスしてくるのがあらかじめわかってたみたいに受け入れてしまってる。
わたし、無意識に体が動いてる…。本能で動いてるみたい…。
な、なんか体がこのまま飛んでいきそう…。
「黒沼…」
あ、風早くん、なんかツラそう?なんか我慢してるのかな?
「んっ!か、風早くん…!あっんん〜、あ、が、ガマンし、ないで…いいから」
「く、黒沼っ…!ご、ごめん、いく…」
な、なんか…、わたしの中で熱い感覚が脈打つのが伝わる!なんか動いてる…?
風早くんの体もなんかピンと張った感じがする…、これって風早くんがイッたのかな…?
とわたしが驚いてると同時に風早くんが力なくドサっとわたしの体に倒れ込んできた。
「ご、ごめん…黒沼。重かったよね」
「だ、大丈夫だよ…!」
わたしはその言葉と同時に風早くんの首と肩に腕をまわして抱擁し、軽いキスをしてしまう。
わー、なんで無意識にこんな大胆なことをしてるんだろう…?
「あ、あの。か、風早くん…。イッたの?」
「え、う、うん。ごめん。先にイってしまって…」
風早くんが後ろに体を引くと、わたしの中にあった異物感が一瞬なくなったが
痛みとは違うなにかが、まだジンジンとした熱い感覚は残っている。
風早くん、わたしでイってくれたんだよね?よかった…。
9
「黒沼…!ど、どうしたの?涙…?なんか痛かったの?」
「え?あれ?ち、ちがうの…あれ?えっぐ…」
わー、わたし、なんで泣いてるんだろう。
あ、そっか…。
「わ、わたし、ひょっとして、か、風早くんはわたしとしたくないって…。魅力ないから…」
「おれは黒沼のこと好きだし、そんなこと思うワケない」
風早くんは自分のワイシャツをわたしの肩にかけて、背中をさすってくれてる。
…なのに涙が止まらない。
「でも…、何度か、風早くん、わたしの体を触ってから途中でやめて…、
そのままのときがあったから…、ひょっとしてわたしの体にガッカリして…」
あー、わたし、こんなときにヒドイ顔して泣いてる…。
「あ、あのさ。そ、そのことなんだけど…」
あ、風早くんがなにか言おうとしてる。集中して聞かないと…!
「あ、あのさ…。今まで、黒沼にキスしたり、体を触ったり、黒沼の匂いだけで、イッちゃったんだ…。」
「え?それは…?」
「だ、だから…!黒沼の初めての表情見たり、声聞いたりするだけで、興奮してきちゃって…。
先にイってた…、ズボン脱ぐ前に…。わー!これ絶対!矢野とかに内緒な!」
わたしがもう一度風早くんの赤くなった顔を覗き込もうすると、すぐさま抱きしめられてしまう。
ああ…、残念。もっと、真正面から風早くんの顔を見たかったのに…。
「ごめん!黒沼。あと、そんな顔で見ないで…!おれ、ほんとに情けなくて…」
と、とにかく…、風早くんはわたしを避けてたんだじゃなかったんだよね。
「あ、あのさ。思ってる以上に黒沼はかわいくて、魅力的で、気持ちよくて、
黒沼の破壊力に耐えられなかった。今日もホントやばかったもん」
わたしの肩に手をかけて、今度は真っ直ぐな目で見つめて言ってくれる。
か、風早くん、そんな目で見つめられたら、わたし、恥ずかしくてなにも言えないよ…。
「それに今の姿もね…!」
「あ!やん…!」
風早くんが突然わたしの肩にかかってた彼のワイシャツをバッと下ろすから、思わず声を出しちゃった。
「黒沼、ズルイくらいカワイイ!」
わたしが両腕で胸を隠す姿を風早くんはイタズラっぽく、そう言ってくれるけど、わたしはただ恥ずかしいです…。
それになぜか首につけたリボンはそのまま…。
わたし、いまだに全裸にリボンと靴下穿いたままなんだけどこれはいいのかな?
おはり
さくさん、割り込んでスイマセン!
風早とマルちゃん、最高です。
相手が爽子じゃなくても風早がこんな表情するなんて・
やっぱりマルちゃんは爽子と風早の愛のキューピットなんでしょうか
GJ!
風早がマニアック嗜好すぎてワロタw
上半紙裸にリボンwwマニアックすぎるだろww
494 :
さく:2010/01/30(土) 01:06:31 ID:fQ5zd2xm
>>492さん
いやいやいや!!!!!私のレスなんか気にしないで下さい汗 私こそすみませんっっ!
風×爽の小説読ませて頂きました…。何と言うか…二人とも初々しくて可愛すぎでした。爽子の表情などでイく風早君に興奮しました 爽子のリボンとスカート、靴下な姿に妄想が…。風早っっ!!!!!
素敵な小説ありがとうございました!!!!!文才ある方々羨ましいです
そして私なんかの駄絵にコメント頂きありがとうございます 爽子にもマルちゃんにもデレデレな風早君が好きな物で汗
長々すみません
風早とマルちゃんかわいい!
あと爽子視点なんだか新鮮でした!GJです。
しかし脱ぐ前にいっちゃった風早くん、どうやって着替えたんだろうw
想像すると楽しいですね!きっと相当あわてたんだろうなあ。
それにしても、龍はペドロと呼ぶのに
頑なまでもマルと呼ぶ風早なんかかわいすぎる。
裸にリボンつけたままとかw風早AV見すぎだろw
声だして笑ってしまったw
爽子視点のエロ新鮮だなぁ〜すごく良かったです
ありがとうございました!
あとさくさん!あなたの絵が好きすぎます…
また近いうちに絶対うpしてちょ!
いやしてください本当お願いしますマジで…
最近投下多くて、スレ見るのが楽しみすぐる!
職人さんGJです
私も何回も爽子がリボン取ろうとしてるのに、
毎回必死に「とらなくていいから!」って言ってる風早に笑ってしまったw
女子高生マニアのおっさんか!www
とにかく面白かった!GJでした。
あと、さくさん
>>474みたいなこと言わないで自重せんでください!
むしろもう「自重するな、どんどん描け!これは命令だ!」と言いたいw
私もさくさんの絵すきっす。
イラストもどんどん投下してほしい
絵師さん待ち
最近はほんと神絵師さんが降臨してくれてて
スレが盛り上がっててイイねイイね!
せっかくだからもっとエロイ絵も見たいです
絵師さん方よろしくお願いします…!
自分もネタが降ってきたら話を投下しに来ます!
502 :
86:2010/01/31(日) 17:49:46 ID:CIL8b4IV
>>474 是非ともかいていただきたいですー!!!
流れぶった切って投下します。
くる爽、百合です。嫌な人は見ないでください!
そして長いです。10レス借りますー
504 :
くる爽:2010/01/31(日) 23:44:11 ID:fT2YLgMp
くるみ視点です。
あーあ。
でれでれしちゃって。
同じ学校だし、やっぱり風早は目立つし、恋心が落ち着いたとは言え、嫌いになったわけじゃないし、いつの間にか、目で風早を追うわたしがいた。
最近の風早は、本当に嬉しそうにしている。
特に、爽子ちゃんといる時とか。
爽子ちゃんも幸せそうにしてる。ぎこちない笑顔も、減ってる気がする。
あれも、風早のおかげなのかな。
「いいなぁ……」
あ、やだ。声に出ちゃった。
廊下の窓から花壇を見下ろしてたわたしは、誰にも聞かれなかったかと、ついキョロキョロする。
よかった、誰も居なかったみたい。
ってゆーか『いいな』って何よ!
羨ましくないもん、別に!
……そう、別に、爽子ちゃんが羨ましいんじゃない。
あんな風に、幸せに笑い合えるのが『いいな』なんだ。
そこに立ちたかった、とかじゃなくて。
ふ、と思ってしまった。
思ってしまったら、考えることをやめられなくなった。
『風早は、爽子ちゃんを失ったらどんな顔をするんだろう』
もしも誰かに奪われたら、風早は、怒る?それとも、悲しむ?
爽子ちゃんも傷付く相手なら、きっと前者。
でももし、それが私だったら――?
考え始めたら、もうやめられなくなってた。
505 :
くる爽:2010/01/31(日) 23:45:12 ID:fT2YLgMp
別に、風早に恨みがあるんじゃないの。
爽子ちゃんに恨みがあるんじゃないの。
ただの、好奇心。
心のどこかでダメだと思いつつも、どうしたらいいか、と考えている。
タイミングは?順序は?
それに、どこまで――?
「――爽子ちゃん」
トイレから出て来た彼女に声をかけた。
本当は、トイレに入った時から待ち伏せしてた。
「くるみちゃん……!」
爽子ちゃんは、嬉しそうに小走りで私に駆け寄ってくる。
そうだよね。わたしがどんなに素っ気なくしても、めげずにいつも話し掛けて来たもんね。
そんなわたしから声がかかったんだもんね、嬉しいよね。
「あのね、大事な話があるの」
音が鳴りそうなほどにこっと笑った。
「え、私に?」
「そう。爽子ちゃんだけに、話したいの。……時間、作れないかなぁ?」
こんなに愛想よくするの、久しぶり。
何だかんだ言って、楽しいのよね。違う自分を演じてるみたいで。
「う、うん……!もちろん!」
嬉しそうにしちゃって。
どんな目に合うかもわかってないくせに。
わたしは爽子ちゃんの予定を聞いて、ちょうどいい日の放課後に、体育用具室に呼び出した。
あそこなら、鍵がかかるし誰も来ないもの。
それに、荒井ピン以外の体育教師なら、鍵くらい絶対ちょろまかせる自信ある。
そうして約束を取り付けたわたしたちは、笑顔で別れの挨拶をした。
506 :
くる爽:2010/01/31(日) 23:45:54 ID:fT2YLgMp
***
『誰にも内緒』と言ったから、今日、爽子ちゃんとわたしが放課後に二人で会うことは誰も知らない。
予定通り、体育用具室の鍵を手に入れたわたしは、一足先にそこで待っていた。
少し埃っぽいけれど、うん、大丈夫よね。
わたしは後で使う予定のあるものを、スカートのポケットの中でもてあそんだ。
爽子ちゃん、どんな顔するんだろう。
どんな声で『喘ぐ』んだろう。
……やだ、わたし、ぞくぞくしてる。
「……くっ、くるみちゃん、ごめんなさい、遅くなっちゃった……!」
ガラガラッと引き戸を開く音が鳴って、爽子ちゃんが息を切らせて飛び込んできた。
「ううん。時間ピッタリ。……それより、ドア、閉めて?鍵もね?誰にも知られたくないの」
わたしもだけど、爽子ちゃんの方がね。
わたしに言われた通り、爽子ちゃんが体育用具室を密室にする。
外はまだ明るい時間だと言うのに、ここは小さな小窓しかないから薄暗い。
コンクリートだし音も漏れにくい。
つくづく都合の良い場所だわ、と思うと笑いが込み上げて来る。
「……くるみちゃん?」
「ああ、爽子ちゃん、ちょっとこっちに来てくれる?」
わたしは爽子ちゃんを手招きした。
爽子ちゃんが手の届く位置まで来ると、ぐいっと手首を引っ張った。
「わっ……!?」
いきなりのことでバランスを崩し、わたしの計算通りに、爽子ちゃんはマットの上に転がった。
わたしはすかさずポケットからおもちゃの手錠を取り出して、バレーボールのたくさん入ったかごと爽子ちゃんの手を繋ぐ。
507 :
くる爽:2010/01/31(日) 23:46:40 ID:fT2YLgMp
「く、くるみちゃ……!?」
「ねぇ」
混乱している爽子ちゃんに、低いトーンで話し掛ける。
「風早と、もうシた?」
片手が自由にならない爽子ちゃんを跨ぐようにして、わたしは爽子ちゃんに顔を近づけた。
「え……したって、何を……?」
薄暗い中でも、爽子ちゃんの困惑した目はよく見える。
質問には答えずに、わたしは爽子ちゃんの首からリボンをするりと外した。
ぷちぷちとボタンを外す間も、爽子ちゃんはわたしの真意がわからずに、ただキョトンとしている。
片手は手錠で繋がって、もう片方の肘で上半身を起こす爽子ちゃんは、わたしにのしかかられていて、実質身動きが取れない状態だ。
全てのボタンを外し終えると、キャミソールの中に下から手を差し込んだ。
「くるみちゃん!?何して……!」
「風早と、もうこういうこと、したの?」
そう言いながら、わたしは、決して大きくはない爽子ちゃんの胸に触れた。
「!?してない……っ、し、しないよ、風早くんは、そんなこと……!」
頭の中で、わたしを風早に置き換えでもしたのだろうか、爽子ちゃんは一気に顔を赤く染めた。
「へぇ、そうなんだ」
わたしは爽子ちゃんのブラジャーのホックを外して、キャミソールと一緒にたくし上げる。
「くるみちゃっ、恥ずかしい……!」
胸は大きくないけれど、ウエストはしっかりくびれているし、それに、問題なのは感度の方だもんね。
爽子ちゃんの抵抗を無視して、わたしはそこに直接触れた。
508 :
くる爽:2010/01/31(日) 23:47:38 ID:fT2YLgMp
やわらかくて、あたたかい。
自分にもあるものだけど、やっぱり人のを触るのって変な感じ。
「くるみちゃんっやだっ、やめて……!」
やわやわとそれを揉んでいると、爽子ちゃんから切なそうな声があがる。
気付いてたよ。乳首、固くなって来てるもんね……?
「……気持ちいい?」
そう言うと、わたしは爽子ちゃんの乳首をきゅっと摘んだ。
「ふあっ」
あ、気持ちいいんだ。
何だか楽しくなってきて、しばらく夢中でそこを弄る。
爽子ちゃんからは、どんどん甘い声が漏れてくる。
なんか、なんか。
わたしまで変な気分になってくる。
ちらりと爽子ちゃんの顔を見ると、耳まで赤く染めていて、とろんとした目をしていた。
何だかたまらなくなって、胸を触りながら、爽子ちゃんにキスをする。
――甘い。
甘いよ、爽子ちゃん。
「ん、んむっ、ふっ、あっあぅっ」
舌を絡ませると、隙間から爽子ちゃんの声が漏れてくる。
やらしいんだ、爽子ちゃん。
でも、わたしもか。
たぶん今、濡れてるもん。
爽子ちゃんも濡れてるのかな。
気になって、スカートの中に手を忍ばせる。
小さな下着に触れる頃、爽子ちゃんから制止の声が高く上がった。
「だめっ!くるみちゃん!そこはだめぇっ!」
聞かない。そんなの。
下着の中に手を差し込むと、ぬるりとした感触がある。
にんまり、と笑っている自分に気付く。
509 :
くる爽:2010/01/31(日) 23:48:37 ID:fT2YLgMp
ひっく、と頭上から嗚咽が聞こえる。
あー、泣かせちゃった。
でもまあ、たぶん、恥ずかしくて泣いてるんだよね、この子。
「爽子ちゃん」
「うっく、く、くるみちゃ……ごめ、わた、私、はしたなくて……」
やっぱり。
「爽子ちゃん、いいの」
はしたないことを、しているんだから。
「だ、だって私、こんな、こんな……!」
「爽子ちゃん、わたしも、なの」
わたしはそう言うと、爽子ちゃんの上半身を優しくマットの上に横たえた。自分の下着をずるりと下げて、爽子ちゃんの空いた片手をわたしのそこに導く。
「ほら、ね?」
ひんやりと冷たい手に、びりびりと電気のようなものが背筋を駆ける。
爽子ちゃんは、びっくりしたような目をした。
わたしは続きをするために爽子ちゃんの下着を取り払う。
「く、くるみちゃん」
「なに?」
「これは……自然なこと、なの?変じゃなっ、あっ、あああっ!」
爽子ちゃんの声と体が急に跳ね上がる。
わたしが泉を指で撫で上げたから。
くちゃくちゃといやらしい音がなる。
「気持ちいい、でしょ?気持ちいいから、こうなるの」
「ふっあっ、あはっやっくるみちゃっん、んんっ」
淫猥な音に、声、それの発生源が爽子ちゃんだということ、それがひどくわたしを興奮させる。
もっと、もっと――……
鳴かせてみたい。
510 :
くる爽:2010/01/31(日) 23:49:20 ID:fT2YLgMp
わたしは爽子ちゃんのスカートも脱がせてしまって、足の間に頭を埋めた。
爽子ちゃんがなおも止めようとするけど、だから、やめないったら。
どこまてしてやろうか、と想像していた時は、嫌だって思ってた。
他人のを舐めるなんて、例え風早のでも嫌かも、とか思ってた。
の、に。
何の抵抗もなく、わたしは爽子ちゃんを舐めていた。
甘い、甘い。
後から後から溢れてくるそれは、甘くて甘くてわたしの思考を鈍らせる。
何でこんなことをしているのか、とか、どうでも良くなってくる。
だって爽子ちゃんが可愛いから。
わたしで感じる爽子ちゃんが可愛すぎるから。
「や、あっ!くるみちゃっ、まっまって、お願っ、待って!」
爽子ちゃんが、あんまり必死な声を出すから、少しだけ中断してあげることにした。
「なに?」
「ふ、普通なんだよね?すごく気持ちいいの、おかしくなっちゃいそうなの、普通なんだよね?」
わたしが顔を上げると、すごく必死に訴えてくるから、つい吹き出してしまった。
「普通よ。だから、続き、して欲しいでしょ?」
そうして愛撫を再開しようとすると、爽子ちゃんは信じられないことを言った。
「すごく、すごく気持ちいいから、だから、くるみちゃんにも気持ち良くなってもらいたいの………!」
「え……?」
「や、やり方はわからないけれど!」
頑張るから、と続ける爽子ちゃんの顔を、ぽかんと見つめた。
「嫌、なんじゃないの?」
ついぽろっと本音が漏れる。
511 :
くる爽:2010/01/31(日) 23:50:05 ID:fT2YLgMp
「嫌だなんてそんな……!恥ずかしいけど…………いやなんかじゃ、ないよ」
だから私も、と爽子ちゃんは言う。
そしてしばらく、私が、いやわたしが、という押し問答がなぜか続いて、気付くとお互いのそこを舐め合えるような69のような形になっていた。
手錠も外してほしい、と言われて、逃げないという言葉を信じて、もう外してしまった。
聞こえるのは、ぴちゃくちゃという水音と、それを掻き消すような二人の喘ぎ声。
今やお互いの蜜壺には数本の指が埋め込まれ、両手と舌を駆使して高め合っている。
わけのわからなくなっているわたしに残っているのは『先にイカせてやる』っていう意地だけ。
「ん、あっ……気持ちい、よぉっ、くるみちゃあんっ」
「あっ、たしも……!わたしもっ、いいっ、いい!」
その時、かり、とさわこちゃんの指がわたしの内部のどこかに触れた。
びくん、とわたしの体が跳ねる。
「あっああああっ!?やあああっうあっ、ああアぁー!!」
はしたない大声を上げて、わたしは達してしまった。
イ、イッちゃった……
「……くるみちゃん、かわいい…………」
爽子ちゃんのセリフに、いらっとする。
爽子ちゃんだって、ううん、もしかしたら、爽子ちゃんの方が、可愛いじゃない。
「ばかじゃないの……」
512 :
くる爽:2010/01/31(日) 23:51:19 ID:fT2YLgMp
わたしはそう言うと、けだるい体をおして爽子ちゃんへのラストスパートをかける。
爽子ちゃんの嬌声があがって、それからあっけなく爽子ちゃんもイッた。
はーはー、と、お互いの荒い呼吸が聞こえる。
頭の位置を揃えて隣に寝転がると、どちかららともなく笑った。
そして、ちゅう、と啄むようなキスをした。
わたし、何だかとっても満たされてる。
……爽子ちゃんも、そうなのかな?
そうか、わたし、わたし――
「爽子ちゃんがすき……」
ぽろっと一筋の涙がこぼれた。
泣きたいわけじゃないのに、止まらない。止まらない……
爽子ちゃんは、わたしの涙を優しく拭って、うれしい、とうわごとのように呟いた。
「……私も、くるみちゃんのこと、すき……」
……満た、される。
ごそっとわたしの中身が全て入れ替わるみたいに。
渇いた砂地が潤うみたいに。
空っぽの水瓶に水が溢れるみたいに。
欲しかったのは、これだったの。
わたしに足りないのは、爽子ちゃんだったの。
「爽子ちゃん、爽子ちゃん……」
わたしは爽子ちゃんの胸で、ぐすぐすと嗚咽を上げた。
爽子ちゃんが、わたしの髪をやわらかい手で撫でてくれるから、一層泣けてきた。
ひとしきり泣いて、わたしたちは決めた。
『風早には内緒にしよう』――と。
513 :
くる爽:2010/01/31(日) 23:52:30 ID:fT2YLgMp
それから、二人をまじまじと観察する毎日。
風早は、相変わらずでれでれしていて、爽子ちゃんは、時々熱にうかされたような表情を浮かべる。
わたしはそれを見ると、そろそろかな、と爽子ちゃんを誘う。
誰にも秘密の情事は、何度となく繰り返された。
爽子ちゃんは、どんどん可愛くなる。どんどん、色っぽくなる。
こんな爽子ちゃんを見てたら、風早はくらくらしちゃってるんだろうな。
でもあげない。
まだあげない。
爽子ちゃんは……『女』になる爽子ちゃんは、もうしばらくわたしだけのもの。
いつか、風早とそんな関係になったって、爽子ちゃんがわたしを拒否しない限り、わたしたちの関係は続いていく。
愛してあげる。たくさんたくさん愛してあげる。
爽子ちゃんがくれるのと同じだけ。
内緒だけど。
誰にも言わないけど。
校舎ですれ違うときに、微笑みを交わす。
すっと小指を絡ませて、誰にも気付かれないようにそれを解く。
手に、入れた。
わたしだけの綺麗なもの。
わたしを満たすことのできるもの。
すきだよ、爽子ちゃん――
おわり
長文すみませんでしたー。
そしてお目汚しすみません。
くる爽萌え月間!
ちょうど投下のときに来たみたい!
くる×爽、思った以上に萌える!GJです。
くるみが爽子をとらないよう、とられないよう風早を策略するのって
楽しいかもとか思ってしまいました。
うっひょおおおおおお!!!
百合とか苦手だったのに・・・女なのに・・・萌えてしまった!
くる爽いいですね。くるみいい!爽子可愛い!
私もくるみと一緒にちょっとゾクゾクしてシマタ・・・
知らないで幸せそうにしている風早プギャーw
風早大好きなのにw普段は風爽萌えです。
新しい萌えを発見させてもらいました。ありがとうGJでした!
>>515 >くるみが爽子をとらないよう、とられないよう風早を策略するのって
楽しいかもとか思ってしまいました。
確かに・・・くるみの策略に風早まんまと騙されそうw
「今日爽子ちゃん借りていい?女の子同士の話があるの」
「そっか〜(胡桃沢なら女の子だし安心だ)いいよ!」ニコニコ
とかなりそうだ
レポート中なのに、妄想が止まらなくなってしまったw
その後爽子と風早もそういう関係になり、くるみは容姿と計算高さを使ってセフレをつくり
精進し、そのくるみが爽子をもっと教育して、爽子と風早の現場を盗み見るとかいいなあ。
「私の大好きな爽子ちゃんを触るのを大好きだった風早だから許してあげる」みたいな・・・
2人を手のひらで転がす、くるみへの妄想が止まりません。
職人さん、ありがとう!いい加減レポートします。
519 :
さく:2010/02/01(月) 14:08:40 ID:w/1F237G
くる爽ご馳走様です!!!!!くるみと爽子の百合…めっちゃくちゃ可愛かったです!!!!!くるみが爽子ちゃん言う度興奮が止まりませんでした。秘密の関係いいですね
ありがとうございました
エロ絵…描いてみました…が
初めてエロ描くので何が何だか分からなかったです…
下品なので気をつけて下さい
http://p.pic.to/1253gv
やほーい!さくさんキターGJです!
な…なんというファインプレー
エロすぎてなんかワロタww
そして爽子の清らかエロスっ娘ぶりはハンパないなマジでww
星
522 :
さく:2010/02/01(月) 18:10:38 ID:w/1F237G
>>520さん
ありがとうございます!!!!!こんな下品な絵にも反応頂けて嬉しいです。
自分でも下品すぎたと後悔してます… 不快にさせてしまった方すみません
嫉妬する風早の話が見たいです。風×爽←ケント すっっごい見たいです←
さくさんのリクを勝手に受けて、書いてみました。
風爽←ケントで焦れ太暴走話です。
エロ無しですが、お気に召していただければ幸いです…!
* * *
「お〜すごいねぇ貞子ちゃん、本物の金閣寺だよー」
「うん…!うん…!すごいね、綺麗だね、師匠!」
少し離れたところから聞こえてくる、愛しの恋人と憎たらしいタレ目野郎の会話を聞きながら、風早はギリギリと歯を食い縛って悔しさに拳を震わせていた。
「…ちくしょう…あのクソタレ目…黒沼の肩とか俺も組んだことねーのに…」
「…しょーた…漏れてる漏れてる」
北幌高校の二年生の面々は、一週間の修学旅行を堪能していた。
三日目の今日は、京都の金閣寺などの名所をまわる日程である。
「あーくそ…とことんクジ運悪いよな俺…」
大きなため息を吐いて、風早がぐしゃぐしゃと頭をかいた。
「まあ…しょうがないよな」
爽子や健人と一緒にはしゃぐ千鶴の方を見やり、龍も同じく無念そうにため息をついた。
二週間前の修学旅行の斑決めのクジで、風早と龍は惜しくも爽子と千鶴たちのグループとは組めず、代わりに健人らの男子グループに譲ることになってしまったのだった。
「でもいいんだ…明日は自由行動だし、黒沼と二人っきりで思う存分京都観光デートしてやるもんね!」
ざまー見やがれ三浦のばかやろぉー!と異様に目をギラつかせた風早が、握った拳を振り上げてメラメラと闘志を燃やしていた。
その日の夜、京都の旅館に戻った風早の携帯が、メールの着信を知らせた。
「…あっ黒沼からだ!」
目に見えてウキウキと元気を取り戻した親友の姿を、微笑ましく見守る龍の生暖かい目線に、風早はまったく気づいていない。
『風早くんへ。明日の自由行動なんだけど、三浦くんはお抹茶と和菓子が頂けるお店に行きたいそうです。風早くんはどこか行きたい所はありますか?』
………なんですと?
絵に描いたように目が天になった風早である。
…待て待て待て。えっと、なんで三浦?なんで当然のように一緒に行動することになってんの?
ぷすぷすとヒートする思考回路をそのままに、ついに堪忍袋の尾が切れた風早は、がばっと勢いよく立ち上がった。
「もー我慢できない!ちょっといってくる!」
「……いってらっしゃい」
龍の見送りを背中に受けて、風早は荒々しい足取りで部屋を出て行った。
「はーい、爽子ちゃんまたババ引いた〜」
「あああっ、ほんとだあ…みんな強いなあ…!」
風早が下の階の女子の部屋に着いたとき、ちょうど爽子を含む女子三人組と健人がトランプで盛り上がっていたところだった。
その光景を見るや、青い顔で絶句した風早をチラリと発見したあやねが、悪知恵を働かせる。
「じゃー爽子バツゲームね。はい健人、ほっぺにちゅーしちゃってぇ〜」
「え、まじでいーの?ラッキー!」
「っざけんなあああああああ!!!」
「ひゃああああ!?か、かかか風早くん!?いつのまにー!?」
あっという間に部屋に転がり込んだ風早は、後ろから爽子の首に腕をまわして抱きしめた。
「なにしてんだよ三浦!気安く黒沼にさわんな!」
「あーあ惜しいなー。風早もうちょっと後から来いよー」
「うっせー!ていうかお前な、人が黙ってみてれば一日中俺の黒沼にベタベタベタベタ触りやがって…黒沼に触っていいのは俺だけなの!!」
ぎゅうう、と抱きしめる腕の力を強めると、赤くなって縮こまる爽子がボソボソと
「か…風早くん…苦しいです…」とかなんとか呟いたが、そんなことには気づいていない風早は、相変わらず健人とのやり取りに火花を散らしている。
「いーじゃん、ほっぺにちゅーくらい。言うことがいちいち細かいんだよ風早はさー…しつこい男は嫌われるよ?」
「るせーよ!…この際だから言っとくけど、黒沼!あんまり無防備に三浦に触らせないで…って、黒沼!?」
気づいたときには、風早の腕の中の爽子はきゅううと赤い顔でクラクラと意識を手放す寸前になっていた。
「わあー!黒沼、しっかり!」
「ふぁ…あ、あの…息が…くるし、くて…」
「ごめん、ごめん黒沼…俺、調子に乗りすぎた…」
ひたすら平謝りする風早に、爽子は赤らめた顔のままふるふると顔を振り、風早くんのせいじゃないから…とやんわり微笑んだ。
うっすらと涙目になりながら上目遣いで見上げられ、ばっちりツボを突かれた風早は、
ふわふわと浮かれた頭で爽子の唇に意識が向いていく。
「…え、えと…風早くん…?」
爽子のドキマギとした問いかけもスルーして、ついに風早の唇が爽子のそれに触れた。
千鶴やあやねらが見守るなかで、しばらく口付けを交わしていた二人は、
いよいよ爽子の意識が飛んでいきそうなところで、ようやく風早が名残惜しそうに唇を離した。
「……人工呼吸……」
あやねらの物言いたげな痛々しい視線を受けて、風早が弁解するように呟いたころには、
爽子の身体はフラリと床に倒れてしまっていた。
おわり
527 :
さく:2010/02/01(月) 21:10:16 ID:w/1F237G
わぁぁぁぁあ><リクエスト聞いて頂きありがとうございましたっっ!!!!!風早の嫉妬具合にニヤニヤニヤニヤ止まりませんでしたっっ!!!!!チューしようとするケントにざけんなぁぁぁぁ!!!!!で部屋に入ってくる風早にニヤニヤニヤニヤ…
ありがとうございました涙
528 :
*86*:2010/02/02(火) 00:13:01 ID:988UDaix
裏少なめ。
自サイトに乗せてるのですがこちらにも投下したいと思います。
一度見た方はすみません。
縁と月日*日曜日
思いが通じ合ってからもう半年の月日が経過していて。
週末には吉田や矢野、龍に黒沼や俺と集まるけれども、
土日のどちらかがそうなっても片方は2人だけの時間を過ごしていて、
最初はデートなんて外出をしていたりもしたけれど
最近はお互い学生だしお金を使うからとオレの家で時間を過ごすのが大半。
その都度勉強したり、オススメのDVDを見たりするのだけれども…
2人の時間を重ねる度に、徐々にだが距離も縮まってきていた。
【縁と月日−日曜日】
「黒沼、ここ分かんないんだけど」
部屋に置かれたテーブルに俺と黒沼は座ってノートを広げる。
位置は向かい合う様にではなく黒沼の右隣にオレが居る感じ。
初めは対面する感じだったのだけれども、
勉強を教えてもらう際隣にきたほうがやりやすいとなり、それからは自然とお互い隣同士だった。
「え?何処かな」
そう言いながら近づいてくる黒沼の、鼻を擽る香りも数え切れない位に味わっているのに未だに慣れず顔が赤くなる。
「こ、ここっ」
なんか声も落ち着きなく焦ってるし…。
「えーっと、これはこの公式を使って…」なんて、テキパキと教えてくれているのにオレの視線は
「黒沼の手、白くて綺麗だな」
「髪の毛もサラサラだし…」
「やっぱりシャンプーの香りだよな」
なんて、そんな疚しい考えでいっぱいで。
黒沼の講師が終わり、「わ、分かったかな…」なんて上目遣いで見られたら
その瞳に吸い込まれそうになってこの体の動機は一層激しくなる。
「わ、わかった!ありがとー」
529 :
*86* 縁と月日*日曜日2:2010/02/02(火) 00:14:15 ID:988UDaix
答えると相手は「良かった」なんて微笑むもんだからホント、どうしてくれようかと思う。
俺ばっかりドキドキして…何か悔しいじゃんか。
だからこそ、こんな悪戯心が働いてしまうんだけれども。
「…黒沼」
「はい」
呼ぶと同時に答えながらこちらに振り向いてくれた。
「あの…さ。…傍、行ってい?」
「!!…う、うんっ」
本当は「抱きしめていい?」なんて聴きたかったのに一歩引いてしまった。
それでも黒沼は驚いた様子で、頷く様もなんだか一所懸命でかわいくて。
俺は許しが出たのを確認してから黒沼の方へと距離を縮め、思っていたことを実行すべく…
「きゃっ」
黒沼の後ろから抱きしめた。
「…」
俺の足と足の間に黒沼の華奢な身体がはいって、この身体に寄りかかる体制となる。
「あ、えと…風早、くんっ」
「…少しだけ、このままで」
「うん…」
黒沼は俺のされるがまま。
目の前にある旋毛に鼻先を押し付ける様に頭を埋めて、そこから香る先程も感じた味を肺一杯に体感する。
530 :
*86* 縁と月日*日曜日3:2010/02/02(火) 00:14:52 ID:988UDaix
―――――あぁ、落ち着く。
「黒沼に触れてると…何か落ち着く」
「えっ!い、嫌とかは…ない?」
「嫌なわけないじゃんっ。いつも触れたいって思ってるし」
「そ、そうなの?」
「うん。そーなのっ」
ちょっと子どもみたいに自棄になりながら本音を吐いてみると、「嬉しいな…」なんて俺を喜ばせる様な言葉が帰ってきた。
「え?」
―――――嬉しいって…もしかして
小さな期待を胸に、その真意を知るべく聞き返した。
「私も風早くんに触れたいなぁって思うから」
「黒沼も…?」
「…うん。私たち一緒だね」
「うーん。そうだけど…。でもちょっと違うかな」
相手が目の前にいるけれども背を向けている。
それを良いことに俺は少し積極的に言葉を進めてみた。
「確かに触れたいんだけれど、俺…これだけじゃ足りないよ」
「え?これだけ、って…?」
「分かんないの?」
自分で言うのが恥ずかしくて、黒沼に答えを求めてみようと聴いてみたけれど頭を悩ませていたから。
次に出す言葉は流石に背を向けられても恥ずかしいからと黒沼の項らへんに移動して顔を埋めた。
「黒沼の全てを知りたい。全部…見たいんだ。全部に触れたい」
「…え?全部…ぜ、全…あ、あぁっ!!!」
其処まで言うと分かったみたいで、彼女の体温が上がったのか項から温かみが感じられる。
「…わかった?」
531 :
*86* 縁と月日*日曜日4:2010/02/02(火) 00:15:13 ID:988UDaix
「…わかった?」
「う、うん…」
確認すると頷くもののどうしたら良いか分からなくて、
一寸の沈黙の後、黒沼が口を割った。
「あ、あのね…いい…よ」
「…えっ!?」
消え入りそうな声に驚いた。
だって聞き間違いって程の言葉だったから。
いい、って…
いいって…
黒沼、何言ってんだっ
「その…触って、いいよ」
「えっ!?く、黒沼っ!?」
俺一人あたふたしていると、くるりと俺に向き直った黒沼は案の定真っ赤っかだった。
「か、風早くんの…す、す、す、好きにして良いよっ!!!」
「す、好きに…!!?」
その単語だけであらぬ想像が脳内を巡り、俺も黒沼に負けず劣らず真っ赤になる。
「黒沼…意味分かってる?」
何度目かの問いにコクコクと頷いて、やっぱり顔が赤いのを見たら本当に可愛い。
それなのに今目の前にいる彼女は大胆な発言をして。
自分の都合の良いことばかりで、夢でも見ているんじゃないかと頬をつねってみようとしたら…
「え」
その手は黒沼の両手に掴まれて、何処へやられるかと思ったら…
532 :
*86* 縁と月日*日曜日5:2010/02/02(火) 00:15:34 ID:988UDaix
「えいっ!!」
「〜〜〜〜〜!!?」
お、お、おっ!!
俺の右手が黒沼のむむむ、胸にっっ!!!
片手で収まるけれども、確かな柔らかさが手に伝わる…
未だに嘗て触れたことがないそこは本当に柔らかくて、温かみがあって…
「風早くんになら…なにされても良いよっ」
な、何されてもって…っ
「黒沼…本当にわかってるのっ!?」
「うん…えっと…雄蘂と雌蘂が云々…でしょ?」
「ま、間違いではないけど…」
黒沼らしい答えに一応分かってるんだ、と思いつつ片手から伝わる
黒沼の鼓動が激しくドクドク波打ってるのがわかった。
黒沼も緊張してる。
いや、怖いかもしれない。
それでも…
「俺、止まんないよ?」
「う、うん…」
「止めてって言われても規制できる自信ないよ」
「うん…」
「…いいの?」
533 :
*86* 縁と月日*日曜日6:2010/02/02(火) 00:15:54 ID:988UDaix
念を押したように聴いてみると、黒曜石のような瞳とぶつかって。
濡れる瞳は俺を見ると
「はい…」
なんて頷くから、掴まれた右手を離して黒沼の腕を引き、
こちらへ誘うと大好きな唇へと同じモノを重ねた。
「んっ…」
何度も何度も触れるだけのキスを繰り返すと、黒沼を抱えて俗に言うお姫様抱っこをし、
ベッドに寝かせるとその上に跨るように四つん這いになりながらキスの続きをした。
「っ…ん、…」
軽い声しか漏れなくて、もっともっと聴いてみたくて、
黒沼の唇の扉に隙間が出来た瞬間舌をわって入れた。
「っ!!」
相手の舌を求めると、直ぐに引っ込んでしまったが、それを許さないともっと奥まで侵入した。
その際歯列をなぞったりして黒沼の味を堪能していく。
漸く引っ込んでいた舌をちょっと出してくれて、ちろちろと同じ事をしてくれた。
2人の舌と舌、
液体と液体が混ざり合って執拗な粘着質のある音がきこえる。
「んっ…はっ、あっ」
こんな濃厚なキス初めてで、その感覚が余りにも甘美すぎて酔いしれる。
黒沼も同じなのか、次第にその速度が遅くなっていくのを知ると唇を離して
今度は瞼、鼻先、頬やおでこに口付けた。
目をあけて相手を見ると、瞳は軽く伏せられて先程よりも艶めいた表情ができあがっていて
534 :
*86* 縁と月日*日曜日7:2010/02/02(火) 00:17:43 ID:988UDaix
―――――うわっ…エロいっ
ずっと見ていたいほどに、黒沼は綺麗だった。
綺麗で綺麗で・・・
そんな存在を、俺は壊そうとしているんだ。
身体にぞくぞくと味わってくるのは、征服感といまだかつて踏み入れたことにない
場所に足を踏み入れるという一種の恐怖心。
しかしそれも、「探究心」には劣らず、そんな心だけで言いくるめたくなくって。
全てが黒沼に対する愛情なのだと感じながら、触れていく。
再び先程触れた胸元へと手を忍ばせてみた。
「っ!」
服越しなのに、なんて敏感に反応するんだろう・・・。
全てが全て、本などで得た知識でしかないけれども。
どうしたら黒沼は反応するのかな、
こうしたらいいのかな、
なんて思い長柄首筋や鎖骨に舌を這わせる。
「んっ・・・!」
口を押さえている様で、塞がったような声が漏れる。
それでも一番敏感に蠢く部分があって、その発見に喜びながらも執拗に攻めていった。
「っ・・・・ぁ・・・・かぜはや、くんっ」
「黒沼・・・」
俺を求めるその声に顔をあげてみれば、潤んだ瞳に、睫毛を伏せて黒沼は俺を見つめる。
―――――あぁ・・・なんて。
535 :
*86* 縁と月日*日曜日8:2010/02/02(火) 00:18:21 ID:988UDaix
なんて・・・綺麗なんだろう。
瞳に近づいていき、そのまま唇に貪る。
舌を絡めることに慣れてくれたのか、自分から口を開いてくれた事がうれしくて益々拍車がかかった。
「はっ・・・んっ」
漏れる声さえも可愛くて、もっともっと俺を求めてほしくて。
いつからか疼き始めた下半身の一部分の存在に気付きながら、そいつに自制心をかける。
色々な衝動に駆られつつも、黒沼にはゆっくりと手を進めなければ、焦ってはいけないと暗示にも似た様なものをかけ、
ワンピースの裾から手を潜り込ませた。
「やっ・・・!」
「・・・いや?」
「・・・っ。風早くんの・・意地悪」
真っ赤な顔でそれは・・・反則だよ・・・。
誘ってる様にしか見えない。
「黒沼・・・誰のせいで俺がこんな風になってると思ってるの」
「え?」
自覚、ないみたいだね。
黒沼が首をかしげた瞬間、一気にワンピースを託しあげた。
すると・・・
―――――う、ゎ・・・!
そうすることで見えてしまった、胸元だけではなく胸元から下の、臍やウエスト、パンツとか・・・太もも。
普段から黒沼が隠している部分が露わになった。
上下セットの、白を主張とした下着に、ピンクのフリルがあしらわれている。
ウエストには無駄な贅肉がなくほっそりしていて、中心部を表すお臍がちょこんとあって可愛らしい。
太ももだって・・・綺麗な曲線美で思わずゴクリと生唾をのんだ。
「やっ・・・見ないで」
536 :
*86* 縁と月日*日曜日9:2010/02/02(火) 00:19:42 ID:988UDaix
「だーめ。黒沼は俺のなんだから。隅々迄見せて・・・」
眩しい程の白。
普段日焼けなんてお構いなしに太陽に当てられたこの肌とは大違いで、日焼けの境目なんてのもなくって
全てが「白」を主張しているから・・・
吸い寄せられる様に胸元に口づけた。
「やっ!あぁっ!・・・!!!」
まるで自分の口から出た甘美の声が信じられない、という様に黒沼は口元を押さえた。
それ、俺が許すと思ってんの?
「黒沼・・・塞いじゃ駄目」
「やっ・・・なんか・・・私、変っ」
「うん・・・大丈夫だから。ありのままの黒沼を見せてよ」
「〜〜〜〜っ」
真っ赤になった君が本当に愛おしくって、もっともっと愛したいって思うからこそ、
その胸の膨らみの内側に強く強く口づけて、吸い上げた。
「っん、・・・」
「・・・・はぁ」
唇を離すと、そこに赤く刻まれた牡丹の花。
白と赤のコントラストがはっきりしすぎて、暫し見とれたしまったその時・・・
「あーーーー!!!!!」
あることに気付いた。
「え?・・え??」
俺が我に戻ったように叫び声を上げると、黒沼はどうしたのかとこちらを見てきた。
有り得ない・・・
有り得ない有り得ない有り得ない!!
俺ってサイテーっ!!
「黒沼・・・ゴメン!!」
「ど、どうしたの・・・?」
胸元を隠しながら黒沼は上半身だけ起こして俺を見てきた。
罪悪感で一杯になりながら、黒沼を見る。
「俺、さ・・・ゴム用意してなかった」
537 :
*86* 縁と月日*日曜日10:2010/02/02(火) 00:20:11 ID:988UDaix
「ご、む・・・ごむ・・・あ!あー!そ、そっかぁ・・・必要だよね・・・やっぱり」
良かった。「ゴム」って単語だけで通じたみたいで、
ついでにこの状況も伝わったみたいだ。
有り得ない。
俺自身はもう準備万端で、黒沼のいろんな部分も見たっていうのに・・・
まさかここでお預けだなんて!!!
「えっと・・・風早くん?」
「え?」
「風早くんがよかったら何だけど・・・私は、無くても別に・・・いい、よ」
「く、黒沼!?」
今の欲望を抑えるための悪魔のささやきにも似たその誘いに、一瞬喜んだけれども・・・
「いいや!駄目だっ」
―――――そんなの違う!
「そんな形で、済ませたくないっ」
欲求を満たすために抱くんじゃなくって、
本当に大事で、大好きだから一緒になりたいって思うんだ。
そんな・・・避妊しないだなんて、サイテーだろオレ。
「ごめん黒沼・・・。続きはまた今度じゃ、駄目かな。俺ちゃんと用意しておくから」
本当に申し訳なくって項垂れていると、黒沼は俺の髪の毛に触れてくしゃりとなでた。
「風早くん・・・顔上げて。そんな気にしなくっていいから・・・」
「黒沼・・・」
「し、しなくて良かったとか思ってないんだけれども。でも次の時まで期間迄時間をもらえるなら、私心の準備とかしたいので」
538 :
*86* 縁と月日*日曜日11:2010/02/02(火) 00:20:49 ID:988UDaix
「うん・・・本当に、ごめん」
「うん。大丈夫だから」
男としてやらなければいけない事なのに。
でも後悔しても遅くて。
それでも黒沼の寛大な心に救われた。
良かった、と少し安堵しつつ、やっぱり黒沼無理してたのかな、なんて不安もよぎる。
でも次は・・・
次こそは、こんな失敗しちゃいけない!
「次はちゃんんと用意しとくからっ」
「う、うんっ」
その日は2人して顔を真っ赤にし、黒沼を家まで送ってさよならをした。
夜になっても次の日になっても頭から離れないのは黒沼の下着姿で、暫く日々過ごすのが大変だったのは当然のことだと思う。
縁と月日*月曜日に続きます
539 :
*86* 縁と月日*月曜日1:2010/02/02(火) 00:21:33 ID:988UDaix
「あっははははは!そ、それで!?」
ひーひーとちづちゃんが笑う横で、「その先を話して」と促す様にあやねちゃんが訪ねてくる。
朝から私と風早くんのやりとりや漂う空気が違うってことは直ぐに二人にバレてしまって。
別に隠すつもりも無いのと、今後の事についての相談もあったので
昼食は人気のない屋上で済ませながら私が話す「昨日の事」を二人は聞きながら、笑っていた。
【縁と月日−月曜日】
風早くんと私の思いは一緒で、
お互いがお互いを求めていたこと。
そのあと情事に移そうとしたのに・・・
風早くんがとてもとても大事なものを用意していなくて、そのまま帰ってしまったこと。
考えながら話すととんでもなく恥ずかしい事をしてたんだと改めて自覚して、
途中聞いているのは二人しかいないのにそれでも恥ずかしくって
話しながら部分部分で声が小さかったりもした。
話し終わる頃には「風早おあずけかよー」「へ、ヘタレ・・・!ヘタレすぎるっ!!!」
なんて二人はお腹を押さえながら笑っていて。
どうやら「アレ」を用意していないということは男性としてあり得ないことらしく、
私はそんな所も勉強になるなぁと思いながら一人頷いていた。
「・・・で」
「え?」
ある程度笑ったあやねちゃんが訪ねてきて、私は首をかしげた。
「風早の言う“次”っていうのが今週末なんだ?」
「た、多分・・・」
「爽子、チャンスじゃ〜ん」
540 :
*86* 縁と月日*月曜日2:2010/02/02(火) 00:21:58 ID:988UDaix
「え?ちゃ、チャンス??」
「そうよ。だってまだまだ時間はあるんだし、その時の為に下着とか用意しなきゃねっ」
「し、し、し、下着―――!?」
その単語にまた顔が熱くなっていく。
そういえば風早くんに見られたんだった・・・
私の下着姿!
本当に恥ずかしくて恥ずかしくて、穴があったら入りたくて・・・
でも不思議と後悔していないのは、きっと相手が風早くんだったからで・・・。
「や、やっぱり前回と同じ下着じゃまずいよね」
「んー。て言うか、脱がせる楽しみがないわよね」
「た、楽しみ!?」
そっか・・・
ぬ、脱がせられちゃうんだ・・・。
更なる恥ずかしさに襲われながらもその言葉に納得していると、
今まで聞いていたちづちゃんも話に入ってきてくれた。
「矢野ちん、なんかやらしいなー。」
「ちづもそのうち上る階段なのよ。フフッ」
「・・・卑猥だ。あ、じゃぁさ、爽!今日早速下着を買いに行こう!」
「え!?し、下着を!?」
「ありゃ。もしかして手持ち無い?」
「そ、そんなことはないのだけれども・・・な、なんか意識すると恥ずかしくって」
「はははっ!そっか、恥ずかしいのかー。可愛いなー爽子はっ」
そう言って寄ってくるちづちゃんに私も寄りかかる。
可愛い、だなんて・・・。いつしか風早くんからも言われたその言葉に嬉しくなってくる。
そしてそんな温もりを味わって、私は意を決した。
「お、お二人が時間あれば・・・今日、付き合って戴いてもよろしいでしょうかっ」
言った後に顔がかーっと熱くなる。
「勿論っ。可愛い勝負下着、買わなきゃねっ」
541 :
*86* 縁と月日*月曜日3:2010/02/02(火) 00:22:18 ID:988UDaix
「勝負・・下着?」
その意味がわからなくて「戦?」なんて思っていると、
「勝負って相手に見せるために用意することの意味だよー」
ちづちゃんが教えてくれて。
そ、っか・・・・勝負。
勝負、かぁ・・・
その言葉の意味を噛みしめる。
確かに私にとっては勝負みたいなものなのかもしれない。
だってそれくらいの試みがなきゃ・・・挑めないもの。
勝負・・・。
その勝負がくるまで、あと少し。
*
朝、挨拶を交わすと同時に顔が見れなくて焦った。
どうやら黒沼もそうみたいで、お互いに「おはよう」と言い合って席について。
顔は耳まで赤い・・・と思う。
そう感じるくらいに、熱い。
黒沼の席のほうでは矢野と吉田が早速その異変に気づいたらしく、焦ったような黒沼の声が聞こえた。
きっとこの後質問攻めにあうんだろうな、と予想をして、
「ごめん黒沼」と心の中で謝る。
謝罪感いっぱいな俺と矢野や吉田に囲まれる黒沼の様子に気づいて、
「何アレ。何かあったのか・・・しょーた」と龍が聞いてきたのだけれども・・・
「なぁ龍。準備って、大事だよな」
「・・・?・・・するにこしたことはないかと」
きっと内容を知らない龍にとっては意味がわからない質問なのに答えてくれて。
あぁ、龍ってそういう奴だ、と思いながら「だよな〜」と口にした。
そのまま机に突っ伏すと、何も聞かないほうが千作と捉えてくれたのか、「まぁ、頑張れ」
なんて返しがきた。
542 :
*86* 縁と月日*月曜日4:2010/02/02(火) 00:23:25 ID:988UDaix
頑張れ、って・・・
確かに。だよなぁ。
次頑張んないでいつ頑張るんだ俺。
頭に巡り巡るのは昨日の、俺の部屋で淫らなカッコで、淫らな顔をして・・・
濡れた瞳で見つめてきた黒沼の姿。
女性の体って、いいや。黒沼の体ってあんなにも綺麗なんだと知った。
同時に、大事にしたいって思いも強まって。
だからこそ避妊をしなきゃと思ったのに・・・・
「あぁぁぁぁ〜〜〜」
俺は再び、これ以上とないほどに頭を抱えて埋めた。
外野が「どうした風早―」なんて言ってるけどそんな言葉も耳に届かないほどに。
其れほどまでに後悔していたんだ。
*
昼休みが終了する少し前。
どこかに行ってたのか教室へと入ってきた黒沼と、・・・吉田に矢野。
俺と顔を合わせるや否や、すっごく“いい顔”をしていて。
にんまりと俺を見た。
「焦り早 未遂太くん〜」
「精々、挿入早 早漏太くんにはならないよう気をつけなさいよね〜」
「なっ・・・!!」
543 :
*86* 縁と月日*月曜日5:2010/02/02(火) 00:24:03 ID:988UDaix
―――――なんつー恥ずかしい事を言ってるんだ・・・!!!
反論することもできず、その間に早々とあいつらは言ってしまって。
言われた言葉に疑問をもつ。
早漏・・・早漏・・・
お、俺、違うよな!早漏じゃないよな!!
黒沼は俺が何を言われたとかのやり取りを知らなくて首を傾げる余所で、
再び頭を抱えながら一人悶々としていた。
縁と月日*火曜日へ続きます。
544 :
*86* 縁と月日*火曜日1:2010/02/02(火) 00:25:10 ID:988UDaix
服を脱いで、鏡の前に立つ。
片胸に栄える真っ赤な花弁みたいな存在を見てしまって、
私も負けないくらいに赤くなった。
お風呂のお湯に浸かりながら呆然と考えてしまうのは、昨日の放課後の事。
【縁と月日―火曜日】
ちづちゃんの助言の様な誘いに、放課後は下着屋さんに直行した。
あやねちゃんのオススメでデパートの中にある所で、
上下セットでリーズナブルだからオススメと誘われたそこは、
フリルやレースが沢山あしらわれた可愛い下着ばかりでとてもとてもまぶしかった。
「こ、こんな所…来たことがないよっ!」
何だか凄い女の子っ!!
感動しているとあやねちゃんが店の廊下側に展示されてある下着を手にとって、進めてくれる。
「爽子は色白だから清純な白で責めるよりも薄いピンクとか水色のが映えていいかもね」
その言葉通りの下着を手にしてはいるのだけれども…
それらは全て私の家の箪笥にはないものばかりで、
とてもとても、眩しい。
「さーわっ!こんなのは?」
店内にいたちづちゃんも何か見つけたみたいで、こっちに来てと私はとうとう店内に足を踏み入れた。
「じゃーんっ」
「え!?そ、それ…下着の役目果たしてないよっ」
ちづちゃんの持つソレは、所謂ベビードールと言うもので、
キャミソールとして使えそうなモノなのに…
レースが沢山あしらわれたそれは、バストのアンダーから下がぱっくり真ん中で割れていてお臍らへんが丸出し。
それだけじゃなくて、布自体が透けてるから…
着用したら色んな部分が丸見え同然になってしまって…
あわわと焦っていると、「コレは隠す為じゃなくて悩殺する為に決まってんじゃーん」
とちづちゃんは何故か嬉しそう‥。
私は言葉がでなくて見ているだけでいると、あやねちゃんが横から
「ちづー、それはまだ早いわよ」
なんて。やっぱり楽しそう‥
545 :
*86* 縁と月日*火曜日2:2010/02/02(火) 00:26:15 ID:988UDaix
「ま、まだ、って…」
あやねちゃんの言葉に驚いていると、ちづちゃんは何を納得したのか「そっかー」なんて良いながら元にあった場所に戻す。
その間もあやねちゃんは私に似合う下着を探してくれて。
やがて…
「うんっ。コレ!!」
手に取った一着を私に差し出した。
「爽子、絶対似合うから着てみてよ!」
「え…こ、こんなの、私に似合うかな」
「似合うってー!あ、でもサイズ合わせなきゃ。爽子サイズは?」
「えっと…Cの、60です」
「ろ、60!?あんたやっぱり細いわねーっ」
「そ、そうなのかなあ…」
アンダーが60というサイズはなかなか無いみたいで、あやねちゃんが驚いていた。
以前お母さんと買いに来たときも、アンダー60ってサイズはなかなか無いみたいで苦戦したのを思い出した。
「私爽子はBカップ位って踏んでたんだけどアンダー60だったらBカップに見えても仕方ないのかもねー。羨ましいわー」
「羨ましいって。矢野ちん乳あるじゃん」
「まぁそこは否定しないけど…。まっも爽子も分かんないわよー。これから風早に沢山揉まれるんだしっ」
「も!揉まっ!!?」
余りにも頭になかったその言葉に、また反応してしまった。
も、も、も…揉ま…
そっか…
この間は途中で終わっちゃったけど、あのまま行ってたら風早くんに私の胸、触られてたのかもしれないんだ。
急に湧き出した現実感に胸がドキドキと早鐘を打つ。
「なーに今更な事に反応してんだよっ」
ちづちゃんがバシバシと私の背中を叩く横で、「あ、あった」とあやねちゃんが声を上げた。
どうやら先程みせてくれたデザインの、指定のサイズがあったらしく
「着てみなよ」
再度の誘いに私はしどろもどろしながらも更衣室に入っていった。
制服を上だけ脱いで、下着を手に取る。
今つけている下着とは違って・・・
すごく、可愛い。
フリルとかレースが本当に可愛くって、私が着てもいいのかなって申し訳ない気分になる。
それでも上半身裸になった今、また同じ服を着ておやねちゃんの前に出るのは申し訳ないのできて見るけれど・・・
や、やっぱり似合わないよ〜〜〜〜
546 :
*86* 縁と月日*火曜日3:2010/02/02(火) 00:27:08 ID:988UDaix
鏡の前であたふたしていると、試着室の仕切りのカーテンの向こうから「爽子ー」「どーう?」
2人の声が聞こえた。
「う、うん。きて見たよ」
「どれどれ〜」
私がカーテンを開ける間もなく2人は中にはいってきて、私は益々驚く。
「あわわわわ!あ、あやねちゃんちづちゃんっ」
「爽子に出てもらうわけにはいかないからね」
「それに同じもん付いてんじゃんっ。おっ!似合ってんじゃん爽子〜」
試着室はすごく広くて、3人で入っても大丈夫なスペース。
2人に見てもらうのはすごくはずかしいのに・・・
「あ!爽子、それ・・・」
「え?・・・あ!!!」
ちづちゃんから指さされた目下のモノに、私はもっともっと恥ずかしくなった。
あやねちゃんもつられて見たのは、胸元にあるキスマークで。
「あらあらあら〜」
「あっ、えっと・・・」
あやねちゃんがニヤニヤしてる・・・
み、見られちゃった〜〜
「て事は風早、そこまで見てるのかー」
「それでお預けって。事項自得だけれども風早に同情するわ・・・」
「え、えっとー・・・」
今更胸元を隠すこともできなくて、
隠したら試着した意味がなくって・・・。
どうしたらいいのか悩んでいるうちにあやねちゃんは見定めしてくれたみたいで
「うん、それいいんじゃない。それにしなよ」
「あ、・・・う、うんっ」
その言葉にほっとした。
商品が決まったからの安心じゃなくて、やっと着替えることができるという意味でのため息。
2人に背を向けながら着替えていると、後ろからあやねちゃんが言う。
「それにしても爽子、あんたホント色白よねー」
「えっ。そ、そう、かなぁ・・・」
「ホントホント。それに比べてちづ、あんた日焼け止めとか塗ってないでしょ」
「えー。面倒じゃんいちいち塗るの」
547 :
*86* 縁と月日*火曜日4:2010/02/02(火) 00:27:55 ID:988UDaix
「だからあんたはいつも夏になると腕が痛いだの喚くのよ」
「ちづちゃんは外で遊ぶのスキだからね」
「太陽の光浴びてるときもちーじゃんっ」
そう言ってちづちゃんは笑って、あやねちゃんは呆れてるみたいだったけど。
そんなあやねちゃんに言われた「色白」って言葉がなんだか嬉しくて、同時に恥ずかしく思いながら
制服を着た。
それからレジに持っていったのだけれども・・・
私は「あやねちゃんが決めてくれたもの」という点で安心いきっていて、
その商品を良く見てなくて。
試着も上しかできないのもあったからか・・・
ある「事」に、帰ってから気づいた。
*
お風呂からあがって、箪笥に大事にしまっている買ったばかりの下着を手に取る。
新品の匂いがいやっていうわけではないけれども、
何だか用意していたって思われそうだったので直ぐに洗ってポプリなどをいれている箪笥の中に
直したのだけれども。
洗っているときに気づいてしまった。
その下着のパンツのサイドにある、リボンの存在に。
最初は「可愛いな〜、リボンがある」
なんて思ってたんだけど後からあやねちゃんから「それ引っ張ったらはずせるのよ」
ってメールで教えてもらって。
そ、そんなにもろい下着だったの!?
と驚いていると、どうやら彼氏に脱がせてもらうときに「やりやすい」というメリットがあるみたいで。
「ぬ、ぬ、脱がせて・・・もらう、のかぁ・・・」
私はパンツを両手で持ちながら、妄想してしまった。
またあのような出来事が待ち受けている。
しかも今度は途中で終わらないんだ。
相手が風早くんだからか怖さなんてないのだけど・・・
やっぱり、やっぱり・・・
恥ずかしいよ・・・。
*木曜日に続きます*
548 :
*86* 縁と月日*木曜日1:2010/02/02(火) 00:28:17 ID:988UDaix
マルの散歩をしている途中、ふとお腹が空いてしまって。
こんなことはよくある事だった。
僅かな空腹を感じながらマルと一緒に家に帰って、親に「龍ん家言ってくる」とだけ告げ、家を出る際
有ることを告げられた。
【縁と月日―木曜日】
龍ん家に行くというのは=夕飯はいらないという事。
今日は何ラーメンにしようかと思いながら、携帯を取り出していた。
「…」
いつもの癖が出た、と思い開かれたままの携帯を見つめる。
ラーメンを食べに徹龍軒に行く際、いつも黒沼に電話をしてしまう。
龍ん家のラーメンはウマい。
でも黒沼がいたらもっとウマい。
だから呼んでしまうのが癖になっていた。
でも…
でも、今の状況で呼ぶのは
何か…何だか、照れる。
電話だから相手の姿が見えないとは言え、その分黒沼の色んな姿を想像してしまう。
だから…電話なんて恥ずかしすぎるっ。
結局呼ぶか呼ばないか悩んで居る内に目的地にはついてしまって、黒沼呼べなかったなって思いながら出入り口を開けた。
「あれ?風早じゃーんっ」
「え?」
聞き覚えが有りすぎるその声に反応して、声のする方へ顔を向けるとカウンター席には矢野がいて。
いや、矢野だげじゃない。
平日だからかお店が暇なのを良いことに龍も座ってるし、吉田や…
そして今し方この頭を埋め尽くしていた存在、黒沼もそこにいた。
「く、黒沼も…っ!な、何でっ」
「はははっ。風早顔赤っ」
「だーいすきな爽子が居るからでしょ」
549 :
*86* 縁と月日*木曜日2:2010/02/02(火) 00:29:12 ID:988UDaix
「…お前ら、うっさい」
事実なだけに大した反論ができず、結局その大好きである黒沼の隣に腰を下ろした。
「げ、元気?」
「う、うんっ」
別に意図なんてなくて、他に言葉が見つからずそんな台詞を吐いていた。
「今日も学校で会ったじゃーん」
…いや、そうなんだけど。
制服じゃなくて私服だと余計日曜日の事を思い出して…
あーっ!何話して良いか分かんねー!
「よ、吉田うっさい!」
相手に当たることしかできてないなんて…
俺、本当情けねー。
隣の黒沼はと言うと、運ばれてきたラーメンをたべてて、俺も思い出したように味噌に決めて、味噌ラーメンを頼んだ。
「く、黒沼は味噌ラーメンなんだっ」
「うん…初めてきた時にちづちゃんがオススメだって言ってくれて、それから味噌ばかりなの」
「そう言えば爽子は味噌ばっかだよなー」
「うん」
吉田に言われて黒沼は笑う。
なんだかこんなやりとりが凄い久しぶりに思える…
「俺も味噌が好きっ」
意識しない様にと笑いかけると、黒沼はパッとこっちに向き直って同じ様に笑う。
「うんっ」
「!!」
550 :
*86* 縁と月日*木曜日3:2010/02/02(火) 00:29:38 ID:988UDaix
〜〜〜〜っ
やべー
やっぱ無理だっ!!!
結局はまたそっぽ向いてしまって、龍の父ちゃんから渡されたラーメンを受け取って食べることに集中した。
集中、したのに…どこかでやっぱり意識してしまって、ラーメンの味なんて殆ど覚えていない。
*
「はーっ。お腹いっぱい!」
「ちづ…替え玉もしてたもんね」
「だって美味しいんだもんっ」
みんなで外に出て、それぞれの帰る方向に向かう。
「じゃ、また明日ねー」
「うん矢野ちんまた明日ーっ。私はもうちょっと龍ん家いようかなー」
「…またゲームか」
「いやぁーレベルがなかなか」
吉田と龍が他愛ない話しをしていると、黒沼も「じゃぁ私も…」と、サヨナラを言おうとする。
「あ!送るっ」
率先して俺が前に出ると、そんな時でも吉田は茶化しを忘れないんだ。
「任せた風早!路地裏に誘い込んで爽子襲うなよー」
「ばっ!なっ!」
“襲うかっ!”て否定したいのに…
今の俺、否定できる自信ねーっ。
「…しょーた、頑張れ」
551 :
*86* 縁と月日*木曜日4:2010/02/02(火) 00:30:30 ID:988UDaix
「何をだよっ」
りゅ、龍まで・・・。
何だか相手するだけで凄くぐったりしてしまった。
みんなしてなんなんだもうっ
「黒沼、行こう」と促して俺は片手で起用に自転車を支え、もう片方の手で黒沼の手をとった。
「う、うんっ」
瞬間、黒沼の顔が赤くなった様な気がするのは…気のせいだろうか。
「ちづちゃん、真田くん、また明日」
「まったなー」
「うん」
ただラーメンを食べにラーメン屋に来ただけなのに、何なんだこの疲れは…。
疲労困憊、だけじゃない。
黒沼という存在に意識しすぎて変に疲れてしまった。
こんなに神経をつかうってなかなかないのかも…。
「く、黒沼」
「は、はい」
帰り道。
呼ぶと反応は帰ってくるものの、なんだかぎこちない。
それはお互い、意識してるからなんだろうな…
黒沼も意識してくれてると自惚れていいんだよな
「今度の日曜日…空いてる?」
「日曜日…うん、大丈夫だよ」
「そっか!じゃぁ俺の家で‥遊ばない?」
552 :
*86* 縁と月日*木曜日5:2010/02/02(火) 00:31:06 ID:988UDaix
「か、風早くんのお家?良いのかなぁ…なんだか私、最近お邪魔になりっぱなしで」
「日曜日ね、弟は野球の合宿で夜まで帰ってこないし、両親も久々に夫婦水入らずで出かけるからって夜まで居ないんだ…
だから」
さっき家を出るときに母親に言われた事を思い出す。
みたい映画があって、お父さんがちょうど休みだから美味しいものでも食べて出かけたいと俺に告げた。
『日曜日、夜までいないから適当に何か食べててねっ』
そう言う姿は本当に楽しみみたいで嬉しそうで、両親が居ないこと、また弟という邪魔者がいないことを知り、
俺は別のことに意識を向けていた。
そして“家に誰もいない”と言うことは、どういう意味を指すのか黒沼にも伝わったらしい。
「…あ」
歩みを止めて、黒沼のほうをみた。
凄い真っ赤で、今度は見間違いじゃない。
きっと俺も、黒沼に負けないくらいに、赤い。
「…黒沼が、嫌じゃなかったら。来ない?」
「うん…行く」
何処か遠慮がちな返事が返ってきて、「わ、分かった」っ答えるだけでいっぱいいっぱいで。
ソレ以上の会話が続かず再び歩き出す。
「…」
「…」
何も話さないけれど、つながれど手からは確かな熱さ。
日曜日まで…もうすぐ。
*金曜日に続きます*
553 :
*86* 縁と月日*金曜日1:2010/02/02(火) 00:32:10 ID:988UDaix
「あ、あのねっ」
今から言う事、その内容がどんな意味を込めているのからか、
とてもとても恥ずかしいのに・・・
私の言葉に振り向いて聞いてくれる2人の態度に、もっともっと恥ずかしくなってしまった。
【縁と月日―金曜日】
「に、日曜日、風早くんの家に行くことになったの」
は、恥ずかしい・・・っ!
言葉にするとこんなにも恥ずかしいんだ・・・。
「へーそっかー」
「じゃぁ早速あの下着使えるんだな」
「う・・・うんっ」
教室で話しているけど、その内容には触れないように話しているから周りには悟られてない・・・と思う。
風早くんや真田くんは男子と遠くで楽しくおしゃべりしてるから聞こえないと思うし・・・。
話している姿も爽やかで。
あぁ・・・本当に私の彼氏、なんだなぁって思うと・・・
「うわっ爽子っ!またその顔かっ」
「え・・・あっ」
ちづちゃんから言われて、頬の筋肉をピシッと正す。
私…幸せ噛みしめすぎてニヤニヤしちゃってたみたい。
でも、でもでもっ
その彼氏とする事は…
すぐ、そこで…
「うわっ!今度は顔赤いよ爽子っ」
「え…何か熱い…かも」
554 :
*86* 縁と月日*金曜日2:2010/02/02(火) 00:32:44 ID:988UDaix
今度はあやねちゃんに言われて。
頬を触ったら熱くて熱くて。
「爽子、百面相だな」
「まぁ見てて飽きないけどね」
2人がそんな風に笑いながら、私を見ていた。
*
放課後。
いつものように花壇で水やりをする。
季節毎に変わる花々を見て、自然と和らぐ。
落ち着いた気分で整えながら、水やりを終えて花壇に背を向けると
「…あ」
「お疲れ様」
そこには自転車と、風早くんがいて。
「黒沼と帰りたくて待ってたんだ」
無邪気にそう笑うから、さっき落ち着かせたばかりの自分の心臓がバクバクとまた五月蝿くなった。
「あ、ありがとうっ。じゃぁ直ぐに如雨露直すね」
私が走って用具倉庫にいくと「そんなに忙なくていいよ」と後ろから聞こえた。
どうして…風早くんはいつも私の欲しい言葉ばかりしてくれるんだろう。
嬉しくて嬉しくて、自然とにやける顔を抑えながら如雨露を片して風早くんのもとに寄った。
「ん。」
それだけ言って、差し出された手。
はっと気づいてその手に自分のを重ねた。
未だにこうして手を繋ぐことに慣れないのに…
明日どうなるんだろう。
明日なんて手だけじゃなくて…
「く、黒沼っ!?なんか顔赤いけど大丈夫?!」
555 :
*86* 縁と月日*金曜日3:2010/02/02(火) 00:33:05 ID:988UDaix
「えっ、あ…うん。何だか妄想しちゃって」
「え!?また妄想?…なに妄想したの?」
風早くんから言われて、そんな分かるほどに赤かったんだなって手の甲で頬を抑えながら話した。
「えっと…私風早くんの手、好きだなぁって」
「手…手!?」
「う、うんっ。おっきくて、安心感があるのっ」
「…なんか照れるね」
「え?」
風早くんも、手の甲で口元を抑えてて、チラリと見てたらどうやら盗み見してたのがバレてしまってた。
「今ちょっとこっち見ないどいてっ。俺絶対顔赤いからっ」
「え…」
きっと前までの私だったら此処で従ってるんだろうけど
「か、風早くんが照れた顔、みたいなー」
ちょっと大胆な発言をしてみた。 すると繋がれた空いての手に力が籠もるのが伝わる。
「えーっ!もーっ。黒沼は意地悪だなーっ」
顔が赤いながらもこっちに向きながら風早くんは昼間見たように爽やかに笑ってくれた。
思わず見とれてしまう。
「!…黒、沼…?」
ずっと見つめる私に、相手が驚くのも気付かないで私はただ目を向ける。
あぁ、もうどうしよう…
「…」
きっと今の私は彼の一挙一動にドキドキしながら顔が赤くて。
でも、風早くんも赤い顔で逸らさず私を見てくれる。
556 :
*86* 縁と月日*金曜日4:2010/02/02(火) 00:33:50 ID:988UDaix
本当に、どうしよう。
風早くんにドキドキしっぱなしで、私はいつまで絶っても付き合い初めのときのような気分なのに。
何時までたっても風早くんに慣れないでいるんだ…
「黒沼」
「えっ」
呆然としていた意識が、名前を呼ばれて現実に引き戻された。
ちゃんとした意識の中で風早くんを見ると、目を合わせる間もないままその距離がどんどんちかくなって…
唇と唇が、重なる。
直ぐに離れたけれども、再び相手の顔は先程よりも真っ赤になっていて
「はははっ。黒沼、ちょー真っ赤!!!」
そうやって幼く笑うから、きっといつか破裂するんじゃないかって位に心臓が保たない…
こんな状態で、明日大丈夫なのかな
*日曜日へ続きます*
557 :
*86* 縁と月日*日曜日1:2010/02/02(火) 00:34:27 ID:988UDaix
「いよいよ…使うときがきたんだ」
日曜日の朝。
何時もは朝にお風呂q
になんて入らないのに、色々意識してしまって浴室
に向かう。
着替えを探すため箪笥を漁って今日の服と下着を見
つめる。
ワンピースも私のお気に入りのクリーム色で裾に茶
色いレースがあしらわれたモノ。
それらを見て…
意を決した。
携帯電話の着信音が鳴り出したのはそれから後の
事。
【縁と月日?日曜日】
朝、黒沼にメールをして約束通りに待ち合わせ場所
で待つ。
家で黒沼が来るのをひたすら待つよりは、
こうして途中迄出向くのが一番気が紛れると思った
からだ。
ただただ空を見上げる。
雲の形を何も考えず頭を真っ白にしながら見ている
と、少し離れた場所から声がした。
「ま、待たせてごめんなさいっ」
558 :
*86* 縁と月日*日曜日2:2010/02/02(火) 00:34:50 ID:988UDaix
「あ、ううん。俺が早く来すぎたから」クリーム色
の総レースな長袖ワンピースに、茶色いブーツで黒
沼は小走りにやってきた。
黒沼のファッションセンスは本当にかわいくて、実
は俺好み。
しかし「可愛いね」なんて気の効いた台詞すら言え
ないまま、またいつものように手を差し出すと黒沼
も応えるように繋いでくれた。
「行こっか」
「う、うんっ」
2人で俺の家まで歩いていくと、途中何かを思い出
したように黒沼が切り出してきた。
「か、風早くん!お腹空いてない?」
「あ…」
黒沼から言われて思い出したように空腹感に気づ
く。
「そういえば、少し。」
「良かったらなんだけど…私に作らせてくれないかな」
「え!?いいの?」
「うん…風早くんの家、ご両親出かけてるって聞い
たからもし食べてなかったり用意されてなければ
なぁって」
「凄い嬉しい!!作って欲しいな」
「じゃ、じゃぁスーパーに寄っていいかな」
「そうだねっ」
自宅までの途中に丁度スーパーがあるので、2人し
て其処に向かう。
何が食べたいか聞かれても黒沼のつくるものは何で
も美味しいからと、お任せで頼んだ。
以前に黒沼の作ってくれた弁当を食べたことがある
んだけど本当に美味しかったから。
559 :
*86* 縁と月日*日曜日3:2010/02/02(火) 00:35:11 ID:988UDaix
俺がお任せで頼むと黒沼は少し悩んで、買い物籠に
食材を入れていく。
何を作ってくれるのか楽しみで、俺はそのメニュー
を聞かずに食材たちはレジに持ってく。
精算の際に俺もお金をだした。
「え!?風早くんはいいよっ」
「いーのっ。親から昼飯のためにお金渡されてたか
ら。これ位させてよ」
「あ、ありがとう…」
レジを通した商品をショッピングバックに入れる様
も手際よくて、
本当に黒沼は家庭的だなって思いながら少しは男を
見せようと率先してそのバックは俺が持つ。
片手には黒沼がいて
もう片方には此からの楽しみ。
何だか…俺って幸せ者?
*
「ちょ、ちょっと待っててね」
「うん」
台所でいそいそと買ったばかりの食材を並べて昼食
作りにとりかかる黒沼に、
俺はそのリビングのソファに腰掛けながら頷いた。
ある程度の食器や調理器具の位置を伝えるとそれか
らは手際よく調理に入った。
そんな黒沼を見ながら、あらぬ妄想が頭を過ぎる。
何だかこうしてると…新婚さんみたいで。
変にドキドキしてしまう。
調理のし易い様に髪の毛も1つに括って…
どれ位見惚れて居たんだろう。
時間の経過なんて分からないままで、鼻をくすぐる
美味しそうな匂いに気づかされた。
瞬間、目を向けたらテーブルに料理を並べる黒沼
の…
項が、俺の視界に飛び込んできて驚く。
560 :
*86* 縁と月日*日曜日4:2010/02/02(火) 00:36:23 ID:988UDaix
――――う、わ…!!!
透き通る陶器の様な白さ。
本当に…綺麗だ。
そう感じた時には様々な欲求も重なって、黒沼の首
筋に手を伸ばしていた。
「きゃっ!!!」
また反応がいちいち可愛すぎる
何、その“女の子”って感じの反応。
オレ本当に我慢できなくなるよ。
首筋から鎖骨にむかって触れていくとすべすべな感
触に癖になりそうだ。
指に触れる質感が気持ちいい。
「か、ぜはや…くん」
黒沼、困ってる。
おっきな目が不安げで…
「なんか、そそる」
あぁ、彼女に触れたい。
そんな気持ちでいっぱいなのに
「だ、駄目…ご飯冷めちゃう」
「…あ」
据え膳食わぬはなんとやらと言うけれど、告げられ
た言葉を確認する様にテーブルをみると、 そこには
おいしそうなオムライスがあった。
しかもケチャップではなくデミグラスソースが掛
かっているふわふわな卵のやつで、普通に店で売っ
ててもおかしくない位だった。
ごめん、とだけ誤った後「黒沼…凄い。こんなの作
れるんだ」
と、感動してしまった。
561 :
*86* 縁と月日*日曜日5:2010/02/02(火) 00:36:49 ID:988UDaix
「そんな事ないよ…普通、だよ?」
そう言いながら恐縮する姿が可愛くて思わず口元が綻ぶ。
「普通だなんて。超うまそう!早速食べていい?」
「う、うんっ」
「いただきます」
両の掌を合わせてスプーンを取り、口に運ぶ。
その味は見た目から得られた情報の想像以上で、
一種の感動にも似たものを感じた。
「うまい…オレこんなウマいオムライス初めてたべ
た!!」
「ほ、ホント!?」
「うん。黒沼料理うますぎだよー!!」
「そんな事は…あ、でも」
「え?」
「風早くんの事を思いながら作ったからかなあ。好
きな人のこと考えて作ると美味しくなるって聞いたことがあるから。」
「く、黒沼…それって」
彼女の言葉に異常に反応してしまい、スプーンを持
つ手が思わず止まった。
「え?…あ、あぁ!!!」
気付かせるような投げかけをすると、黒沼は声をあ
げて耳まで赤くなった。
彼女が無意識でも自分を好きでいてくれる事実に本当に嬉しくなる。
「あ〜もう!俺、規制きかなくなっちゃうよ?」
「え?」
今の俺は君に触れたくて触れたくて仕方ないのに、
けれど今触れてしまったら歯止めが効かなくなりそ
うで折角の料理に申し訳ないから…
きっとこんな心の葛藤を知らない黒沼に、今は笑っ
ておく。
「なんでもない。でも…あとで覚悟しててね」
562 :
*86* 縁と月日*日曜日6:2010/02/02(火) 00:37:17 ID:988UDaix
「か、覚悟!?」
「はははっ。いーから今は食べよ?」
今は、ね。
俺はそうやって我慢しながら、彼女の手料理を口に
運んだ。
ウマすぎてウマすぎて…きっと黒沼はこれ以上に格
別なんだろうな、と妄想をしたりしながら。
食べ終わって、食欲が満たされたという幸福感で
いっぱいで。
お粗末様でした、なんて言いながら笑う姿がまた可
愛くて。
片付けまでしてくれた黒沼を手招きして呼び寄せた。
「黒沼」
「え?」
「こっち。来て?」
すんなりとこちらに歩み寄る姿が本当にいとおしい。
もう我慢なんてする必要はないのだと、俺は躊躇わず抱きしめた。
「きゃっ」
そうやって仔猫の様に身動ぎするのも可愛くて仕方ない。
俺だけ。
俺だけの黒沼なんだ
「ねぇ、もう片付け終わったんでしょ」
「う、うん...」
「じゃぁさ、俺の部屋に行こうよ」
「えっ!?か、風早くんの部屋に?」
腕の中でしどろもどろする姿におかしくなってしまった。
別に変って意味じゃなくて...
「黒沼意識しすぎ」
俺に関係する事でそんな可愛い対応をする事が、可笑しくて。
「い!意識...してしまうよ。だって風早くんだもん」
う、わっ...!!!
まるで"意地悪"とでもいいそうな上目遣い。
なんで俺の彼女ってこんなに可愛いんだろうっ
563 :
*86* 縁と月日*日曜日7:2010/02/02(火) 00:38:03 ID:988UDaix
「あ〜もうっ!黒沼可愛すぎっ」
溢れそうな気持ちは沢山、止めどなく膨らんで自分でもどうしたらいいかわからない程。
黒沼を抱きしめる腕に力を込めて、鼻いっぱいに彼女の匂いを吸い込む。
香水とかではないシャンプー等の香り。
俺を癒すその匂いにうっとりし、そのまま彼女を抱き上げた。
「きゃっ!か、風早くんっ?」
漫画とかでみるお姫さま抱っこ。
まさか自分がそれをする時がきたなんてと考えると同時にその相手が黒沼で良かったなんて思えてくる。
「黒沼って超かりー」
「そ、そんな事ないよ...下ろして〜っ」
まるで泣く様に懇願する彼女の頼みを聞いてやるつもりもなく、口角を上げてニッと笑った。
「やだ」
ルンルン気分の俺を見て何も言えなくなったのか黒沼は観念した様に俺のシャツに掴む。
一つ一つの仕草がいちいち可愛い。
部屋に着いて、一週間前と同じように2人でベッドにのっかる。
横抱きのまま黒沼を寝かせると、黒い髪が白いシーツに広がった。
白と黒のコントラストがヤケにはっきりし過ぎて、とても鮮明に映る
「ねえ、黒沼…」
バクバクと心臓が邪魔な程に五月蝿い。
「いい…?」
伝えたとたんピクンと彼女は反応した。
きっと主語を言わなくても伝わったのだろう。
俺だって目の前にいる彼女みたく真っ赤っかだ。
でも…逃げるの?黒沼
そう訴えるように見つめてみた。
ズルいってのは分かってるけれど、黒沼には全てを伝えたいんだ。
「い、いいよ…」
やがて聞こえた声に何だか嬉しくなって、黒沼を抱きしめたあと軽い口づけをする。
始まりの合図の様に。
564 :
*86* 縁と月日*日曜日8:2010/02/02(火) 00:38:27 ID:988UDaix
「俺、止まんないから」
「…うん」
「でも目一杯、するから」
「う、うん…」
「…大好きだよ」
「うん。大好き…」
お互いの気持ちを伝えあって、嬉しい筈なのに体が疼くのは黒沼にもっともっと触れたいって思うから。
再び唇を寄せ合って、それだけでは厭きたらず角度を変えて何度も何度も重ね合う。
ちゅっ、と軽い音が聞こえて唇から相手の体温が伝わる。
「っ、はっ…」
黒沼は長いキスが苦手なのを良いことにやり続けていたら、微かな息を漏らしたのでその隙に舌を入れ込む
「ふ、ぁっ」
舌を伸ばすと黒沼の同じものを発見できた。
舌と舌を絡ませ、上下に動かしたり絡めたりして堪能する。
本当はもっとくっつけていたい衝動を抑えて唇を離すと、
黒沼は肩で息をしてその瞳はもう濡れてきている。
「脱がせて、いい?」
「う、うん。あ!カーテン、閉めて…?」
頼むように言われたら敢えてしたくなくて。でも初めてだもんな、と思いカーテンを閉めてに向かった。
空はまだ明るい。
でもカーテンでその明るさを隠せば忽ち部屋は暗くなる。
それでも良く見えるのだけれど。
改めて相手の方へいき、横になる体を纏う衣類に手をかけた。
クリーム色の可愛いワンピース。
体の中心にそって首もとから臍まで小さなボタンが連なる。
上から手をかけて、丁寧にボタンを外していった。
鎖骨が露わになった。
胸元からはブラジャーのレースが見え隠れする。
白い肌の先には小さなお臍があって、なんとも可愛らしい。
今、黒沼は何を考えてるんだろう。
後悔などしてはいないだろうか。
そんな事を考えてながら服を脱がすと、まず目に飛び込んできたのはつい一週間前につけた
キスマークが薄くだけど残っている事。
565 :
*86* 縁と月日*日曜日9:2010/02/02(火) 00:38:49 ID:988UDaix
「黒沼ってピンクが好きなの?」
そして、淡いピンクのブラジャー。
「す、好きっていうか…誰にも見られないものだったら可愛いものを着けても大丈夫かなって思って。
でも風早くんに見られちゃった」
「うん…そうだね」
ヤバい。凄い嬉しい。
そっか。
黒沼の下着姿、一番初めに見た男って俺だけなんだよな。
「キスマークも薄いから付け直すね」
再び、同じ様に胸元に口づけた。
ちぅ、と吸い上げて離すと直ぐに赤い印がついた。
病みつきになりそうな行為にもっと付けたくなる。
でもそれ以上に、早く“この前”よりも前に進みたくて黒沼の腰を持ち上げてワンピースを脱がせた。
やっぱりその体はまっさらで綺麗で。
恥ずかしいからか黒沼は近くにあった枕に顔を寄せていた。
「何か…怖いな」
「え?」
「こんな綺麗な体、俺が触っていいのかな」
黒沼の初めてが俺になる。
この体に手をかける存在となる。
俺には…なんか勿体ない気もしてきた。
「か、風早くんじゃなきゃ…嫌だよ?」
枕に体温を預ける様にしていた顔が、恥ずかしいからか顔全部を隠してしまった。
俺じゃなきゃ嫌だって…
黒沼が言ったばかりの言葉を頭の中でリピートする。
嬉しすぎてこの気持ちをどう処理していいかわからない。
嫌だ…
そっか。
俺以外は嫌なんだ。
口を手で覆って、感動やらを噛み締めてから黒沼の耳元に顔を寄せた。
566 :
*86* 縁と月日*日曜日10:2010/02/02(火) 00:39:36 ID:988UDaix
「こっち、見て」
枕からチラ、と目だけだして黒沼は俺を捉える。
「すっげー嬉しい。もう誰にもやんない。俺だけの黒沼だもん」
子どもみたいな独占欲だけれど、黒沼は馬鹿にせず幸せそうに笑ってくれた。
「下着、上下お揃いで凄く可愛い」
「こ、これは買ったばかりだから」
「え?買ったばかりなの!?もしかして…用意したとか」
「〜〜〜っ。お恥ずかしながら…」
次々にくる幸せに体が持たないんじゃないかって思う。
黒沼がしてくれる様々な行動に一喜一憂せずにはいられない。
嬉しい…
黒沼だから嬉しいんだ。
「勿体ないけど…脱がしていいかな」
「ど、どうぞ!」
きゅっと目を瞑った姿を見て、俺もドキドキしながらブラジャーの後ろに手をかけた。
ブラジャーなんて触った事がないからフックで繋がってるのを初めて知って、
外すのに苦戦していると何かの弾みで外れて、力を無くした様にそれは黒沼から離れた。
支える力を失った下着は簡単に脱げて肩紐を下げると、形の綺麗な2つの膨らみが現れた。
567 :
*86* 縁と月日*日曜日11:2010/02/02(火) 00:39:58 ID:988UDaix
「うわ…」
その姿形に感動にも似たものを抱いていると、隠すように両腕を前へもってくからその手をとめた。
「だーめ」
「そ、そんなに見ないで…」
「なんで?こんなに綺麗なのに」
ツンと上向きな乳房はピンク色で食べてしまいたい位だ。
本当に綺麗な、“黒沼爽子”そのままなんだなって実感する。
「綺麗だなんて…。ち、ちっちゃいし」
「え?大きさ?そんな事気にしてんの?」
「でも…男の子はおっきいのが好きなんだよね」
「周りは分からないけど…俺、黒沼のじゃなきゃ好きじゃないし触りたいって思わないよ」
言った後に気づく。
多分…きっと、俺凄い事言った!!
黒沼じゃなきゃ触らないだなんて。
いや間違いなんてないし嘘だってついてない!
だけどだけど…
言った後に恥ずかしくなるなんて。
本当、情けね〜。
「な、なんかごめんっ!俺独占欲強すぎたっ」
今更になって誤ってみると、黒沼は首を振って、
「ううん!いいの…風早くんになら、風早くんだから、いいの…」
なんて嬉しい言葉をくれる。
俺、黒沼の前では自分をさらけ出しすぎてて、
その事に今になって気付いていると上半身を起こした彼女が上目遣いで俺を見てきた。
「そ、それにね、私も同じで…風早くんじゃなきゃ触りたいって思えないの。だから…風早くんも、脱いで?」
う゛―――――!!!
黒沼…
その潤んだ瞳で、上半身裸で、そのお願いは…
なんか俺、歯止め緩くなるよ…。
黒沼から受ける色々な攻撃に鼓動が速くなって、隠すように俺は万歳して上着を脱いだ。
上半身が外気に触れてなんかスースーする。
「…」
「く、黒沼?」
568 :
*86* 縁と月日*日曜日12:2010/02/02(火) 00:40:20 ID:988UDaix
ふと。
視線が気になってその元である黒沼に声をかけた。
「はっ!!み、見とれてしまいましたっ。ごめんなさいーっ」
「み、見とれてたって…」
なんか、恥ずかしいな…
「黒沼なら、見ていいよ」
「えっ」
「でも…俺も見るから」
「あっ!な…か、風早くん…」
改めて裸の自分に気付いて恥ずかしそうに黒沼は真っ赤っかだった。
赤い彼女を再びシーツの海に寝かせる。
反動で揺れる胸を見て、何だか凄く興奮した。
「色んな黒沼を、見せてよ」
もう我慢できなくて、両手で掬うように両胸を揉み上げる。
「ふっ、あ…」
初めてきく黒沼の甘美な声。
自分の口から熱い息が漏れる。
やわやわと揉みしだくと、初めての感覚だからかぎゅっと眼を瞑る彼女が自棄に可愛かった。
俺も初めて触れる女性の胸の柔らかさを堪能する。
指に力を込めたら逆らうことなく形を変えるその姿に、癖になりそうだった。
胸ばかり両手で触っていると小さな果実も食べて欲しいと言わんばかりに熟してきた。
汚れをしらないピンク色が、凄く嬉しい。
俺は初めてばかりの領域に、一番胸の高鳴りを感じながら唇で乳房に触れてみた。
「ひゃぁっ」
ピクン、と揺れる白い体。
普段大きな声を出さない黒沼が、こんなにも甲高く綺麗なソプラノを出すなんて
驚いたのは俺だけじゃなくて黒沼自身もらしく目を見開いて細く長い指で口を塞いでいた。
「黒沼…?」
569 :
*86* 縁と月日*日曜日13:2010/02/02(火) 00:40:51 ID:988UDaix
まるで“信じられない”という表情の彼女に、俺は一言訪ねてからニッと口角を上げた。
「口、抑えないでよ」
「…や」
「何で?」
「私じゃ…ないみたいで」
ツンと尖った実にしゃぶりつきたい衝動を抑えながら、俺は黒沼に向かって腕を伸ばす。
「だーめ。もっと声聞かせてよ」
そして彼女の手首を掴んで、唇から離させる。
「…駄目?」
…うわ。
その目、反則だ。
「だ、駄目っ!」
再び黒沼の胸元を見る。「だ、駄目だかんね」と念押しして、俺は再確認するように乳首にキスをする。
「ひゃっ」
それから、口の中に含むとどんどんそれは硬さを増してその存在を強調させてく。
「あっ…あぁっ!」
口内で舌で舐めたりするだけでこの反応。
じゃぁ試しに歯で甘噛したらどうなるのかなって好奇心が働いて、やってみた。
「ひゃぁんっ!」
やっべ。
すっげー可愛い。
「黒沼…こうされたら気持ちいいんだ」
「やっ!そんな事…無いっ」
「ふーん」
否定する様に言う姿が何だか面白くて、もっと濡れた舌で弄って歯を立てた。
570 :
*86* 縁と月日*日曜日14:2010/02/02(火) 00:41:16 ID:988UDaix
「やぁああっ」
「ほらやっぱり」
「か、からかわないで…」
「だって黒沼が可愛すぎるんだもん」
言い訳としては充分。
うん、黒沼が可愛すぎるんだから仕方ない。
だって事実だから。
そんな可愛い姿をもっと見たくて、吸いついたりしてみる。
「やぁっ!」
黒沼の綺麗な脚がシーツの上で小さな抵抗の様に暴れる。
この行動も良かったらしい。
彼女の反応を見ながら、耳で聞きながら色々と試してみるとどんな事をしたらどう反応してくれるのか、
どんどんと新しい知識を得るように知ってく。
手を伸ばせば滑るように触れるヘコんだお腹も、そのスベスベした手触りに癖になって沢山触れてみる。
「く、くすぐったい〜っ」
いちいち反応が可愛いなぁ。
その隙に胸の下に、強く強く口付けると真っ赤な印ができる。
微かな優越感に浸りながら、お腹にもしてみた。
「んっ…」
くすぐったいからか彼女は賺さず反応を見せる。
お腹の、くびれらへんにも出来たお花。
綺麗、だな…
自分が刻む様々な跡。
黒沼の雪のように純白な体だから綺麗なんだ。
その上俺ときたら、邪な考えばかりで黒沼の体、四肢、パーツの全てに触りたいなんて考えてる。
もっと気になってるのは…
「ひゃんっ!!!」
今唯一黒沼を隠している下半身の下着に手を伸ばした。
パンツの布越しに触れただけなのに。
「黒沼…反応しすぎ」
「やぁ…風早くんの意地悪っ」
なんか…いいかも。
黒沼に言葉を投げかける事で、それが彼女にとって恥ずかしければ恥ずかしい程
困ったような対応が半端なく堪らない。
可愛い。可愛すぎるんだ彼女が。
「じゃぁもっと意地悪しちゃおっかなー」
571 :
*86* 縁と月日*日曜日15:2010/02/02(火) 00:41:41 ID:988UDaix
細い太ももは俺の手の指を延ばしたら半分は包めてしまう。
何処までも滑らかな陶器にも劣らない肌にもうっとりする。
それでも秘部に近い部分は湿ってるもんだから、黒沼が感じてくれているんだっていう事に実感が湧いた。
だから、布の上から大唇に触れて指で撫でた。
「はっ…あぁんっ」
微かな接触にさえ、声を上げたいのに耐えてる様に口をあける黒沼が妙に艶めいている。
手で弄りながらお腹や胸らへんを舌で遊び、どんどんと彼女を追い詰めていくと下着からは益々の反応が帰ってくる。
「黒沼…可愛い」
「やっ…そこ…あつ、いっ」
「ふーん」
黒沼が訴える“そこ”が何処か知っているからこそ、焦らす様に大唇の間をスッと指の腹で撫でた。
「ひゃんっ」
「ここ、なんだ」
ワザとらしく聞いてみると黒沼は分からないといったような顔だ。
「風早くん…何で分かるの?」
「黒沼分かんないの?」
俺だって本とかで得た知識だから。
自信もっては言えないけど…彼女の大事な部分位分かってるつもりだ。
「黒沼が分かんないなら…分からせてあげるよ」
とうとう最後の領域に踏み入れる。その時に気になった、左右につけられた可愛らしいリボン。
思わず好奇心でそれに手をかけてみた。
シュルッ
−――――!?
572 :
*86* 縁と月日*日曜日16:2010/02/02(火) 00:42:04 ID:988UDaix
途端、下着の端が外れてしまいはだけた。
「黒沼・・・大胆」
そういうと、言葉の理由が分からないみたいで、俺はそのリボンになっていたヒモを引っ張った。
「ヒモパン・・・・っていうんだっけ?」
初めて見た・・・コレ。
「きゃぁ!こ、これは・・・あやねちゃんがっ」
「え?矢野が?」
確かにこんな大胆な下着、彼女自身が進んで買うとは考えられないかも。
だからこそ矢野に変な感謝しながら、俺はも片方をほどいた。
「これ、楽でいいね」
「〜〜〜〜///やぁ!は、はずかしいよ・・・」
「なんで?なんか・・・そそる」
露わになった下半身。
黒沼はこれ以上となく顔を真っ赤にさせる。
もtっと恥ずかしがってほしくて、拍車をかけるようにその下半身に触れた。
「きゃっ!!な…なに、するの?」
「…さぁ、なんだろね」
黒沼を騙す様に笑って、同時に触れてみたい好奇心にも煽られて茂みを掻き分ける。
まず初めに到達した突起物は湯だった豆みたく熱をもってて固く固くなっていた。
「あぁっ!!」
さっきよりも、高い声。
そんなにもいいんだ、って再び学びながらその豆を指で弄くる。
「やぁ!!やっ…あぁっ!!」
人差し指と親指で挟んで、クリクリと弄ってみる。
「だめっ…そ、こっ!!だめぇっ」
色んな感覚に耐える様に腰を揺らして脚に力を込める姿に益々熱い息が漏れた。
黒沼の色んな顔を見たくて、もっと甘い声がききたくて、突起物を強く押したり指で弾いたり、
軽く撫でたり時にはこねたりを幾度も繰り返した。
「やっ!あぁっ…はぁっ、だ、だめえぇえっ!!!」
目の前の体が一段階激しく身震いしたと思うと、今まで弄くってた豆の下から勢い良く液体が飛び散って驚いた。
「うわっ!」
573 :
*86* 縁と月日*日曜日17:2010/02/02(火) 00:42:37 ID:988UDaix
もしかしてこれが噂にきく潮吹きなのかと思い黒沼を見ると、
ぐったりとした下着を脱ぎかけのなんとも淫らな体が視界いっぱいに映った。
ベッドであちらこちらと行く先を無くした黒髪も黒沼の顔に張り付いて、俺の攻撃に耐えた攻防がうかがえた。
「黒…沼?」
肩で息をする彼女に訪ねるように名前を呼ぶが、その瞳は焦点を定めていないように虚ろだ。
「大丈夫…?」
「はぁ…はぁ…っ、風早、くん?」
うわー。
なにその色っぽい声っ
「うん…なに?」
「何だか…力が抜けたと言いますか…力が入らないと言いますか…
変なの…。でも、でもね、何か、物足りなさを感じちゃって…お臍の奥が熱くて…
初めてなの。こんな…事」
「黒沼…それって…」
もう限界だと言わんばかりに、ジーンズの中で蠢く存在を感じる。
頭では言うこと聞いてくれない正直すぎるその存在に、
我慢しろ我慢しろと呪文みたく言い聞かせても…きっともう効かない。
本当はもっともっと黒沼の前戲に勤しみたい。
もっともっと黒沼の反応を楽しみたいけど…
「ねえ、黒沼…最後ってなにするか、分かってる?」
純粋すぎる彼女に訪ねた。
求めているのは、もっと上り詰めた先にある喘ぎ声。
黒沼のそんな姿に…興味がある。
見てみたいんだ。
「…うん。知ってるよ」
半分目を伏せながら、彼女は口にした。
「そっ…か。」
確認をしたはいいが、なんだかその領域に踏み入れずにいる自分がいた。
言葉を探すようになにを言おうか迷っていると、
「私…風早くんの全部が、欲しい」
呟く様に彼女は口にした。
「黒沼…」
「風早くんの全部に触れたくて、この体で感じたいの」
574 :
*86* 縁と月日*日曜日18:2010/02/02(火) 00:43:01 ID:988UDaix
一層高い、胸の高鳴りを感じた。
俺の全部…
あげたい。
俺だってあげたいんだよ。
でも
「ありがとう…でも、黒沼にとって凄い辛いと思う。ここで辞めても良いんだよ?」
嘘だ。
本当は今やめられたら無理な状態で。
でも彼女が辛い事に耐える位なら、自分が我慢しても構わないって思うから。
だから彼女に質問してみた。
本能のままに行動するなら、こんな投げかけなんてしないで彼女の中に自身を埋めてる。
それは容易く簡単な事で
でも彼女を大事にしたいから…
こんな風に思うのもこんな行為を行うのも、
彼女だけがいいから。
だけど…
俺に返ってきたのは真っ直ぐな瞳で。
「ここで終わっちゃうなんて…嫌だ。嫌なの。」
ひんやりとした細い指が、俺の腕を掴んだ。
まるで離れていってほしくないと懇願する様にも見える。
「風早くんが良くて…風早くんがくれる痛みなら、全部受け止めたいの」
おっきな黒真珠が、俺だけを捉える。
「風早くんと、一つになりたいの」
囁く様な、小さな声。
彼女の声を聞き漏らすまいと至近距離にいたからその音は確実に俺に届いた。
「…いいの?」
首を縦に振る黒沼を見て、俺は密かに用意していた避妊具を取り出す。
以前みたいな過ちは繰り返さぬ為、枕の下に忍ばせていた恋人な関係だからこそ必要なソレ。
ジーンズを脱いで、ボクサーパンツを下げ、手にとってそれをピリッと開けると
中からは液体にまみれた輪っかが出てくる。
付け方は知ってる。
上をむきっぱなしの頭から被せる様に付けると、周りについた液体も手伝ってかスルスルと根本まで下ってく。
薄いゴムの枠に覆われた姿をみて、黒沼の脚を掴んだ。
「ねえ…俺、多分淹れたら止まらないかもしれない。」
それは未知なる領域だからこその一種の怖さだった。
「でも…黒沼に辛い思いさせない様に、頑張るから」
575 :
*86* 縁と月日*日曜日19:2010/02/02(火) 00:43:33 ID:988UDaix
「…うん」
照れたように笑う姿を見て、なんだか今まで意識してなかった緊張感がほぐれた気がした。
掴んでいた両足を左右に開く。
「きゃっ!!!は…恥ずかしいっ」
「見てるの、俺だけだから」
見晴らしのいい黒沼の膣は、沢山の液体でとても気持ちよさそうだった。
俺を受け止める準備をしている様で、誘われている感覚さえしてしまう。
「そんな…見ないで」
気付けば注意を受けてしまう程見入ってしまったらしい。
「ゴメン」なんて口先にまかせて言っちゃた言葉は、
謝罪の気持ちなんて忘れてしまいそうな程に見とれてしまっていた。
「いれ、るよ」
「うん」
黒沼の手を見た。スーツを掴む手に、力がこもっていた。
近付いて、穴に肉棒の先っちょをあてがう。
「ひゃっ!」
「大丈夫…?」
「…う、うん」
あてがった先端から、黒沼の中へと侵入した。
「う…あぁっ」
まだ亀頭部分しか入ってないのに、黒沼は顔をしかめる。
でも裏腹に、身に迫る感覚は計り知れない程に…
気持ちいい。
なんだこれ。
なんだこの感覚。
早く全てを埋めたいのに、対照的な彼女を見てしまうと慎重にことを運ばなければと改めて意識する。
「あっ…あうっ!!」
「黒沼、力…力抜いて」
576 :
*86* 縁と月日*日曜日20:2010/02/02(火) 00:44:07 ID:988UDaix
キツすぎる内壁の圧力を感じ、奥に行けないつっかえみたいなモノを感じて黒沼に頼むけどどうやらソレ所ではない様で荒れ狂う波を耐えている様子を上から見る。
どうしても力を脱いて欲しくて、彼女の気を紛らわせる為に乳房に吸い付いた。
「ひゃぁっ!!」
その隙に優しく、かつ素早く突っ込む。
「やぁああああっ!!」
新鮮な魚みたく、腰を浮かせて跳ねる彼女。
ゆっくり進みたかったけど、この圧力を無くすために一気に突っ込んでしまった。
それでも三分のニまで入って、甲高く鳴いた彼女の顔に近づいた。
「最後まで…淹れちゃうよ」
「はや…く」
必死な表情さえも申し訳ないけど可愛い。
自分に都合のいい頼みを飲み込み、俺は残りをゆっくりと埋めた。
「あっ!!!ふっ、んぅっ」
全てが全て、熱を感じている。
熱くて、でも滑らかに濡れていて、俺を締め付けるその世界は正に快感という二文字がよく合うほど。
もっていかれそうで集中していなければどうにかなりそうだ。
どうしよう…本当に、ヤバい。
早くもっと激しい運動をと、うずうずする…
「ご、めん…黒沼…動かして、い?」
小さく頷くのを見て、彼女に自分に捕まる様促した。
「腕、まわしてよ…つらかったら掴んでていいから」
「うん…」
577 :
*86* 縁と月日*日曜日21:2010/02/02(火) 00:44:28 ID:988UDaix
直ぐに距離を縮めた大胆な彼女に、全身が震える様な興奮が迫る。
黒沼の吐息を耳元で直に感じて身震いがした。
一呼吸置いて、ベッドに手を着いて、俺は奥に埋めていたモノを後ろに引いた。
「あっ!!!う…」
黒沼が鈍い声を出す。
「大丈夫っ!?」
「いい、から…動かして…」
懇願する様な瞳に一瞬たじろいで、そのまま律動を始めた。
「あっ…うぁっ!!んぁあっ」
本で見たことがあった。
女性の“初めて”は痛いんだって。
だからその痛さを拭う為には、回数を重ねて慣れなきゃいけないんだと。
黒沼が耐えてる分、結合している隙間から赤い液体が見える。
「っ…はっ」
ふと、背中に鈍い痛みが走った。
「あぁっ…はぁんっ!!」
きっと彼女が耐えている分、俺にのしかかってきているんだ。
それでも気持ちよすぎて意識が飛びそうな中、黒沼への謝罪の気持ちもあって…
「爽子…好き、だよ…っ」
彼女には滅多に呼ばない名前を、特別な意味を込めて口にし、愛情も込めた。
「風早、くんっ…」
「駄目…爽子、も…名前…呼ん、で」
「しょ、しょうた…翔太、くんっ…大好、きぃっ」
これも普段なら聞けることは早々ない、黒沼の告白。
ヤバい。言葉って偉大だ。
それが彼女の口からならなおのこと。
「爽子…爽子っ」
578 :
*86* 縁と月日*日曜日22:2010/02/02(火) 00:44:55 ID:988UDaix
たまらず名前を呼び続け、黒髪をくしゃりと手で握った。
そして再び告げる。
「爽子…愛してる」
目一杯の気持ちを込めて。
「ふっ、ぅ…」
その瞬間、身体全身を奮い立たせる脈動感を感じ、俺は薄い膜の中に欲求の塊を吐き出した。
「うあっ・・・あっ!」
「きゃぁああっ!!!」
その際、先っぽを奥まで突き付けてしまったから、黒沼は甲高く叫んで…
ぐったりとする身体を、彼女の上から重ねるようにして倒れこんだ。
*
「はぁっ、はあっ…」
肩で息をして、彼女を横目で見たら、目尻から流れる一筋の涙を見て唇を寄せ拭った。
「黒沼…ごめんな」
痛かっただろ。
俺はゆっくりと、まだ挿入されていた自身を引き抜いた。
「んっ…ぁっ」
彼女は鈍い声を吐き出し、引き抜く時に赤い液体を見てもっと罪悪感を感じた。
「風早くん…謝らないで。私…風早くんと一緒になれて、嬉しいの」
「でも…」
「風早くんと繋がれて、凄く凄く幸せで…だから泣いちゃったの。」
「黒沼…」
579 :
*86* 縁と月日*日曜日23:2010/02/02(火) 00:45:45 ID:988UDaix
俺だって、凄く凄く幸せだ。
「ありがとう…大好きだよ」
「…うん」
恥ずかしながらも、俺の目を見て幸せそうな笑顔を向けてくれた彼女が愛しくて愛しくて、
ぎゅっとぎゅっと抱きしめた。
終わり。
一応以上となります!
ただ・・・続編みたいなのもありますので続きで投下致します。
580 :
*86* 縁と月日*昼1:2010/02/02(火) 00:46:17 ID:988UDaix
朝、自然と目が覚めた。
いつもは煩い程の目ざましや母親の声で厭々起きているというのに。
むっくりと上半身を起こして、そう言えば寝る前はなかなか寝付けなかったことを思いだす。
それなのに早起きできたっていう事には・・・
少なからず、昨日の事が関係しているわけで。
「・・・・・!!」
いきなり熱くなる顔に、どうしたらいいかわからず体は正直だと思いながら下半身
で増幅している自身の存在になんだか凄く恥ずかしくなった。
【縁と月日―月曜日 朝】
洗面台で顔を洗って、朝食をたべて自転車で向かうのは彼女の家。
なんだか無性に彼女に会いたくなって無意識にかペダルを踏む速度も速くなる。
メールで迎えに行くっていう連絡もしていないのに本当無鉄砲で自分勝手だとわかってはいても
それでも体は先に動いてしまった。
するとその時、家の玄関から丁度出ているところの黒沼の姿を発見する。
大声出して呼ぼうとしたけれど、俺は彼女の少し違う様子に顔をしかめた。
・・・あれ?
その不信感を確信にするために、彼女の傍まで行って自転車を止めた。
「黒沼おはよ!何かあった?」
「うわぁ!か、風早くん!!お、おはようっ」
そりゃ俺が突然現れたらびっくりするよな。
俺は御免と謝りながら、玄関を出るときから何故お腹を丸めて歩いているのか、問いかけてみた。
「大丈夫!?どっか悪い?」
黒沼の事だ。
毎日学校に行っているから、具合が悪くても行くつもりかもしんない。
もしそうだったら断固として行かせないよう、彼女の体を優先して阻止するつもりだったのに・・
「・・・え!?あ・・・えっと、その・・・」
彼女から帰ってきた反応は予想にもしていなかった事で、
途端顔を真っ赤に染め上げるものだから俺は小首を傾げた。
「く、黒沼?」
もしかして本当に具合悪い!?風邪かも!
俺がそう問いかける前に彼女は少しつらそうに喋り出した。
「えっと・・・ね、お腹が痛くって」
「お腹!?食あたり?大丈夫なの!?」
581 :
*86* 縁と月日*昼1:2010/02/02(火) 00:47:10 ID:988UDaix
「う、うん。なんだかツキツキするだけだから大丈夫なのだけれど・・・」
「今日学校休んだほうがいいんじゃない?」
「いや!学校はいきます!」
・・・やっぱり。
断固として行くほうを選ぶんだ。
「でも、やっぱり体調を優先させてよ?」
「んー。どうしても痛くなったら痛み止めをのむので。それでも・・・駄目かな?」
駄目かな?なんて・・・首をかしげて!
そんな子猫のような瞳で俺をみないでよっ
朝から本当、熱くって心臓もバクバクと煩い俺に黒沼はこんな可愛い攻撃を仕掛けてくるもんだから
本当頭が上がらない。
でも彼女が引かないから、それじゃぁと俺も一歩上を行こうとするわけで。
「じゃぁ、歩くのキツいかもだから俺の後ろのってよ」
俺は自転車の後ろの席を親指で指して黒沼にそう促した。
「え!えぇ!?でもでも私重いので・・・」
「黒沼軽いし。それはもう昨日試したし」
「え!?あ・・・昨日・・・」
昨日≠チてワードだけで黒沼はみるみる真っ赤かに染まっていく。
その理由が直ぐに分かって、俺もヤバイと思いながら自分で墓穴を掘ってしまった事に気づき、黒沼に負けないくらいに赤くなってしまうのだけれど
それでもその感情を隠すように「いいから乗って?」と促すと、黒沼はお姫様座りみたいにちょこんと乗ってくれた。
その時に可愛らしく俺の上着をクシャリとつかむのだけれど・・・
「それじゃぁ落ちちゃうから、俺に捕まってて!」
「あ!は、はいっ」
----------うわっ
582 :
*86* 縁と月日*昼2:2010/02/02(火) 00:47:52 ID:988UDaix
落ちちゃうというワードに驚いたのか直ぐに黒沼の細い腕が俺の腰に回される。
これって役得?だなんて嬉しいながらも、自分から切り出してやっぱり心臓は収まってくれるわけはなく
筵拍車がかかったように煩い。
あーもう
黙れ心臓。
そう思いながら再び自転車のペダルを漕いだ。
やっぱり黒沼は軽いなって思いながら、先程思い出した昨日の出来事で再び頭は埋め尽くされてしまう。
昨日迫りくる痛みに耐える為にシーツを一生懸命つかんでいた手が、今ここにあるんだ。
昨日の事って・・・夢じゃ、ないよな。
そんな思い事ばかりしていたからか、
「昨日の事って・・・夢、じゃないよね」
「え!?わっ!わわゎっ!!」
「ひょーっ!」
突如後ろからしたそんな声に、ブレーキを思い切り握りそうになってしまい、その反動でガクンと自転車が揺れた。
黒沼も俺も大声を出してしまい、いい近所迷惑だ。
「ご、ごめん」
「わ・・私もいきなり話しかけたので」
気を取り直して、もう一度自転車を漕ぎだす。
「昨日の事は・・・夢じゃない」
俺は先程された質問に対して答えた。
夢・・・
もし夢だったらとも考える。
それだったら凄く嫌だ。
黒沼とやっと・・・やっと、一つになれたっていうのに。
つながれたっていうのに・・・それすらも全て夢幻だったとしたら。
自分はどれだけ妄想力が激しいのかと思う反面、嫌で嫌で仕方ない・・・。
「黒沼は・・・昨日の事覚えてない?」
もしかして彼女のなかでは夢幻の、白昼夢の出来事だったのだろうか。
恐る恐る聞いてみた。
「そ!そんな!忘れることなんて・・・忘れる事なんて、できないよ・・・」
腰にまわされた腕が、少し力んでいるのがわかった。
「・・・うん。夢、じゃないんだよな」
583 :
*86* 縁と月日*昼3:2010/02/02(火) 00:49:00 ID:988UDaix
俺も自転車の運転を片手にして、もう片方の手で腹の上で重ねられている黒沼の手の上に乗せた。
実は今日の夜は、昨日の情事の事ばかりが頭に合って、正直眠りにつくのにすっごく時間がかかった。
そんなの、内緒だけど。
でも・・・
黒沼の事を思うと、それは初恋に目覚めたときからだけど、俺の気持ちは一喜一憂されっぱなしで・・・
なんだか本当に好きなんだなって実感がわいてしまう。
それって堪らなく幸せなことだって思いながら、小さくはにかんで笑ってみたら、
「風早くん?」
なんて可愛らしい声がしたから、俺は慌てて何にもないよと言って、自転車の運転に集中した。
*
自転車を使えば徒歩30分の距離もあっという間で、直ぐに学校についた。
校門からは自転車に乗ることはできないから俺たちは自転車から降りる。
あぁ、もう着いちゃった、
なんて思い黒沼の腕が解かれるのを意識しながら名残惜しく思っていると、
歩きだした彼女が「いたた・・・」と顔を顰めながら歩くものだから、
思わず俺は彼女の腰に手をまわしてその体を支えた。
「黒沼!大丈夫!?」
俺の片手では余裕で支えられるその重さに、なんだか愛おしさがこみ上げてくる。
「大丈夫・・・大丈夫、だよ」
そうはいっても彼女の顔は正反対で、全然大丈夫そうじゃない。
「彼氏の俺には・・・甘えてよ」
「か、かかかか彼氏!!」
湯気が出そうなほど真っ赤になるその姿。
俺だって・・・照れる。
でもそれを隠すように喋り続けた。
「なーに?俺は黒沼の彼氏じゃないの?それとも不服ー?」
ちょっといじける様に。
するとあたふたと慌てて、その百面相が可愛い。
「ち!違うよ!不服だなんてそんなそんな!」
その瞬間、今迄痛さで俯いていた黒沼が俺のほうに顔をむいてくれて・・・
「うわっ!」
「わわっ!」
584 :
*86* 縁と月日*昼4:2010/02/02(火) 00:49:58 ID:988UDaix
――――近いっ!!
忽ち至近距離となる顔と顔。
うわー。今ならキス、できたかも
なんて思いながら、変わらず腰はつかんだままで、
そんな俺たちをいつから見ていたのか後ろから声がした。
「はーっ。朝っぱらからお熱い事。」
「風早―まーた爽子になんかしてたのー?」
「矢野・・・吉田・・・」
俺は怪訝そうな顔をしながら2人を見て、そいつらの隣にいた龍が欠伸をしながらも「おはよ」と返してきたので
それにだけ「おはよー」と返した。
「ちづちゃん!あやねちゃん!」
黒沼も首だけ後ろを向いて、3人の姿を確認する。
「あれ!?爽子なんか体調わるいの!?」
俺が支えている黒沼の存在に気付いた吉田が声を上げた。
「え!爽子ちょっと大丈夫なの!?」
「うん・・・大したことは無いのだけれど、お臍のあたりがツキツキするというか・・・
ちょっと疼くというか・・・」
「えー!食あたり!?」
「・・・そんなちづるじゃあるまいし」
龍がぼそっといった声は皆聞き逃さず、その声に「何だと―龍―!」と反論する吉田をよそに、
何か確信を抱いたのか矢野が不敵な笑顔を浮かべていた。
「ふーん。爽子、それってさ・・・お臍の下、なのよね?」
「う、うん・・・」
「もしかして昨日の夜からとかじゃなーい?」
「す、すごーい!なんで分かったのあやねちゃん!」
黒沼はその言葉に感動にも似た眼差しで矢野を見ていて。
俺は矢野が抱く確信とやらを早く聞きたくてウズウズしていた。
「爽子、それね・・・」
しかしその答えは、黒沼に耳打ちをすることでほかのメンバーには聞こえず、
耳打ちをする際に矢野が耳をダンボにして聞いてたから
実質2人がきいていた事になるんだけど・・・
のけものにされたように俺と龍は矢野の言葉を聞く黒沼や吉田の様子を見ていたわけで。
「・・・・・えーーーーーーーー!!!?」
585 :
*86* 縁と月日*昼5:2010/02/02(火) 00:50:56 ID:988UDaix
瞬間、叫んだのは黒沼ではなく吉田だった。
しかもその直後
“キッ!!”
「え!?」
吉田はその細い目をさらに狂気のごとく細くさせて、俺を睨んできた。
何が何だか分からずひるみながら黒沼を見ていると、黒沼は何をきいたのか顔をリンゴみたく熟させてその熱を確かめるかのように
両掌を頬にくっつけた。
俺はなにが起こっているのかわからないのに、終いには
「風早の馬鹿―――!!!」
吉田は捨て台詞のように叫んで、大量の涙を流しながらダダダッと校内へと駆けていった。
「・・・え?なんなの一体」
答えを知るすべは黒沼と矢野しかなくって。
でも・・・
黒沼は真っ赤になってうろたえてるし、矢野は矢野で・・・
「ふふ・・・まぁちづの思いも分からなくはないわよ・・・確かに・・・憎いわよね」
と、これまた吉田とは違った感情を込めたような目で、俺を睨んできた。
-――――う“!!
俺は再び怯む。
すると矢野は黒沼の片腕をもって、
「さーて爽子、こんな野蛮人とじゃなく私たちと教室いこうねー」
なんて事を言い出して・・・
「や!野蛮人!?」
なんだよそれ!と訴えても相手はつーんとしていて聞く耳持たない。
黒沼はおろおろしながら矢野に捕まって校舎へとむかっていく。
「ご、ごめんね」と謝るその声が名残惜しくって
「あー・・・わかんねぇ」
自転車そっちのけでその場にしゃがんでしまった。
「・・・しょーた、遅刻する」
「〜〜〜っ、わかってるよっ」
あぁ・・・女子ってズリぃ。
後で黒沼に教えてもらえるかなって微かな希望を抱いて、自転車を再び押し始めた。
586 :
*86* 縁と月日*昼5:2010/02/02(火) 00:51:50 ID:988UDaix
縁と月日*夜へ続きます。
----------------------------------------
実は今日、黒沼と話す機会がほっとんど無かった。
それはというもの、まるで宝物のように吉田が黒沼をガードしており、
俺が話しかけようとすると吉田は一歩前を出て黒沼を独占してしまう。
その突破口を得ようと前へ進もうとすると、なんとも言えない矢野の睨み攻撃もあって・・・
俺は蛇に睨まれた蛙状態。
しかもそんな俺に差しのべられた救いの一手といえば、
ポンポンと肩におかれた龍の手。
「しょーた。諦めろ」
そんな事がある度に俺は何とも言えない感情に体をわなわなと震わせていた。
【縁と月日―月曜日 夜】
風呂から上がって、頭をガシガシとタオルで拭きながら携帯のディスプレイを見る。
選んだのは「黒沼 爽子」の文字。
迷わず通話ボタンを押すと直ぐになり出す呼び出し音。
でも・・・
「・・・ん?」
587 :
*86* 縁と月日*夜2:2010/02/02(火) 00:52:36 ID:988UDaix
すみません先程のは縁と月日*夜1です。
----------------------------------------
その呼び出し時間が長い事に気づくのは、四回目の「プルルルル」が終了したとき。
いつもなら直ぐに出るんだけどって訝しげに思いながらそのまま待機していると・・・
『プルルッ-――あ!は、はいっ黒沼ですっ!』
慌てたような彼女の声がして、ほっとした。
「黒沼?ゴメンこんな遅くに」
『ううん、いいのっ。私こそごめんなさい、お風呂に入っていたもので・・・』
「え!?ふ、風呂!?」
そのワードを聞いただけで体制が崩れそうになった。
俺だってさっきまで風呂に入っていたけれど、黒沼が入るのじゃわけが違う。
だって・・・彼女は女子なわけだし・・・。
そりゃ俺だって男だから、いけない想像をたくさんしてしまうわけで・・・
『そうなの。だから出るの遅くなってしまって。ごめんね?』
俺の心中なんて分からないだろう黒沼は申し訳なさそうに謝る。
俺は「いや、大丈夫だから」なんていいながら体制を整えた。
「俺こそこんな時間にごめん」
『い、いいのっ。謝らないで。それに・・・私も、お話したかったの』
「え?黒沼も?」
『うん・・・今日なかなか話せる機会、なかったから』
うわー。黒沼もそう思っててくれてたんだ。
なんかその言葉だけで幸せかも・・・。
「うん。俺も・・・そう思ってたんだ」
『風早くんもなの!?・うわぁ・・・おんなじだぁ・・・嬉しいなぁ』
588 :
*86* 縁と月日*夜3:2010/02/02(火) 00:52:56 ID:988UDaix
黒沼も同じ見たいで、俺はその事実に顔を緩ませずにはいられないんだけれど、
でも今回電話をしたのは彼女の声を聞きたいだけではなくって本題があったことをおもいだし、
忘れないうちに俺は口にした。
「ねぇ黒沼、聞きたいんだけど・・・矢野から朝、何いわれたの」
『へ!?』
黒沼は突然の声でかちょっと変わった声を出して、その声もワントーン上がっていた。
それだけで動揺しているのが手に取るように分かる。
「教えてよ・・・それとも俺には教えられないような事なの?」
『そ、そういうわけではないんだけれども・・・』
きっと俺、今黒沼を苛めてるんだろうなー。
でもそれでも、気になるものは気になるし、それが黒沼の事なら尚の事。
気になって仕方ないんだ。
「ねぇ、教えて?」
追い打ちをかけるように尋ねると、観念したのか黒沼は声だけでも分かるくらいに恥ずかしそうに話してくれた。
『あ、あのね…』
「うん」
『えっと・・・昨日のような事をするときに・・・女性のほうが初めてだと、その・・・
膜とかが破れちゃうわけで・・・』
「・・・え?」
ちょっと待って待って。
黒沼・・・何いってんの!?
切り出されたその内容はとてもとても濃厚で、現実味溢れていて。
彼女に何を言わせているんだって思ってしまった。
それでも黒沼は喋り続けてくれて・・・
『えっと、その所為で初めてしちゃった後は…やぶれちゃった事で痛くなるみたいで。
だから・・・その、私その所為で今日痛かったみたいなの』
『そうあやねちゃんが教えてくれたんだけれど・・・』という黒沼の声はこの耳に届いておらず、
俺は恥ずかしさで頭を抱えながら呟く様に受話器に話しかけた。
「黒沼・・・ごめん。ホントごめん」
『え?ええ?』
彼女にこんな恥ずかしい話をさせるなんて、って思う。
あぁ、情けね―・・・
「その。今は大丈夫なの?」
『うん。なんとか。大丈夫だよ』
「その・・・痛い思いさせて、ごめん」
なんだか俺誤ってばっかりだな・・・
589 :
*86* 縁と月日*夜4:2010/02/02(火) 00:53:25 ID:988UDaix
『そんな!謝らないで・・・だって、私言ったよ?これって風早くんがくれた痛みなんだもの・・・
だったら私嬉しいって』
この部屋で行われた情事を思い出す。
彼女は組み敷かれた俺の下で、涙を浮かべながら確かにその台詞を言ってくれたんだ。
それって堪らなく嬉しい事で、そんな彼女に言うはずの言葉は謝罪じゃない事にその時気づく。
「黒沼・・・ありがと」
『・・・そんな、感謝される事でもないのだけれど。私こそ、ありがとう』
俺のほうがすごくその対象なのに・・・
「あー。なんかすごく、今黒沼を抱きしめたい」
『え!?か、かか風早くんっ!?』
「名前」
『え?』
「名前で・・・よんでよ」
『名前・・・下の?』
「うん、そう」
『・・・翔太、くん・・・』
-――――ドクン
胸が大きく揺さぶられる。
彼女の言葉だけでこの状態だ。
昨日、あの時。
お互いを強く強く求めあうばかり無我夢中で呼び合ったその名前。
「爽子・・・」
俺もたまらず口にしてみた。
あぁ、まずいな・・・
今この場に黒沼がいてくれたらいいのに。
堪らなく・・・堪らなく、抱きしめたくって仕方ない。
590 :
*86* 縁と月日*夜last:2010/02/02(火) 00:54:32 ID:988UDaix
『っ・・・なんだか・・・なんだか、ね。私下心ばっかりなんだけど。
風早くんに触れたくて・・・仕方ないよ』
「黒沼・・・。俺も。俺も・・・同じ」
『え?同じ、なの?』
「うん。俺だって黒沼に触れたくて仕方ない。」
『うん・・・触れたい。風早くんに触れたい・・・って、なんだか凄く恥ずかしい〜〜っ』
俺を求めていてくれる。
その事実が嬉しくってたまらない。
俺・・・本当に舞い上がっちゃうよ。
「ねぇ黒沼」
『…はい』
「その痛いのね、慣れたら大丈夫みたい」
『え!?な、慣れたら!?』
「うん、だから・・・またエッチ、しようね」
受話器からは彼女がどれだけ慌てていて、どれだけ恥ずかしがっているのかが凄く伝わってきて。
俺は小さく笑ってしまった。
彼女が俺の初恋でよかっただなんて、幸せを噛みしめながらその後電話を切る。
まだまだ、俺たちは始まったばかりだけど・・・
大事にしていきたいなって、切に思った。
−―――――――――――――――――――
これでホントのホントに終わりです。
長文・乱文失礼いたしました(><
お付き合いいただきありがとうございます(ペコリ
591 :
*86* イラスト:2010/02/02(火) 01:08:12 ID:988UDaix
592 :
*86* :2010/02/02(火) 01:09:53 ID:988UDaix
何度も済みません!今上のURL入れるかとおもったら表示されなかったんです(><
なんでだろう・・・。
コピペしたらみれます。
お手数かけます!
593 :
*86* :2010/02/02(火) 01:11:45 ID:988UDaix
何度も済みません!
上のURLを今開いてみたらみれなかったんです(><
なんでだろう・・・
コピペしたらみれるみたいなので。
すみませんー(><
うわーー大作乙!
最近投下祭だねーーいいよーーGJ
大量投下GJGJ!風爽もくる爽も美味しくいただきましたw
>>592 86さんの小説、前回のやつも描写がしっかりしてて読み応えあって好き!
イラスト、普通のブラウザだと途中にエロ広告のページ挟むけどちゃんと見れてますよー
専ブラでも問題なく見れたし大丈夫かと
しかしここって2chのエロパロスレとは思えないほど身バレ気にしない人多いなw
挙げてるのは本人なのはわかってるけど
自サイトのアドレスをそのまんま貼っちゃうのは止めた方がいいかもーと
老婆心ながら思ってしまった
まぁこんなにまったりしてるスレも珍しいけどw
このスレってageを気にしない人が結構多いけど大丈夫?
まあまだまったりしてるから問題ないかもだけど
普段自分がいくとこでこんな上にあるスレも珍しいもんで
>>597 あるよ
大作GJでした!
大変な作業だった気がする……ほんとお疲れ様です!
>>598エロパロスレはここしかほぼ見てないけど、上がってると不都合なんですか?
あとサイト貼りは自分も見当たらなかったです
お疲れ様です!読み応えありました!
そして萌え御馳走様でした!
以前、ピンあやを書かれた職人さんがいらっしゃったのですが、
私はそのお話が好き過ぎて、お話の続きを書いてしまいました…。
オリジナル職人さんの許可を貰っていないのですが、
アップさせていただきたいと思います。
NGなお方はタイトル「キニナルオトコ」でお願いします。
―――なんでこんなとこにノコノコ来てんのよ、あたし。
見覚えのあるアパートの、同じように見覚えのあるドアの前で、あやねは小さく溜息を吐いた。
以前、呪われたなどと言って除霊の為に呼び出されたときの(それもただの風邪だったが)、ゴミ溜めのような部屋の前だ。
その部屋には、先日付き合っていた男からの別れの電話に、悔しさと悲しさと、その他いろいろな感情が綯い交ぜになったあやねに対して、勝手な言い分をぶつけた男が住んでいる。
ぶつけたのは言葉のみならず、今あやねが持っている紙袋に収められたタオルも一緒に。
そのタオルを返しに来たわけだが、その男とは学校で毎日顔を合わせている。別に学校で返せばいいものを、男があやねに投げつけた言葉が、それこそ呪いでも掛けられたかのように頭から離れなかった。
―――『今度俺んち来るときは、スッピンでそれ持ってこいよ』
自分の素顔が特に特徴のない顔であることは他人に言われなくても十分分かっていたし、男の言葉を借りれば、【素朴な】スッピンで外出するのはさすがに躊躇われ、
自分でもいつ以来かと思われるくらいに控え目に化粧を施した顔で、先ほどから数十分もドアの前で溜息を吐き続けている。
――あんなセリフを真に受けて、あたしは真性のバカかもしれない。
内心で自嘲する。学校内でも1、2位を争うほど教師らしからぬその男はきっと、ドアの向こうで、昼も過ぎたというのに大鼾をかいてまだ夢の中に違いない。起こすのも悪いし、と思うのは、呼び鈴をいつまでも押せない言い訳になるだろうか。
「やっぱ、やめ!」
自分を納得させるように声に出し、タオルの入った紙袋をドアノブに掛けて帰ろうとした時、――そのドアが突然開いた。
「うっっわっ!」
「きゃっ」
唐突な対面に、双方で盛大に驚く。部屋から出てきた男―――生徒からピンと呼ばれるその男は、その来訪者の顔を穴が開くほどじぃぃぃっと見つめた。
「なんだ、誰かと思えば。矢野か」
いつもの化粧をしなくても自分だと分かってくれた、という安堵感は、そんなに吟味しないと分からない顔で悪かったわね、と毒づくことで上書きする。
「これ、返しにきた」
ぶっきらぼうに紙袋を差し出し、ピンが怪訝そうな顔でそれを受け取ると同時に踵を返そうとした。が、ピンの力強い掌があやねの腕を掴んだ。
「ちょうどいいところに来たな。部屋片付けるの手伝え」
いつもながらの俺様口調に、あやねは反抗心を剥き出しにして抗議する。
「ちょっ!なんであたしが!」
「ついでだ、ついで」
なんのついでだ!と眉間に皺を寄せて声にならないまま唖然としていると、その手にゴミ袋を持たされる。
「ゴミ捨て場は下の電信柱んとこだ。早く持ってけ。まだまだあるからよ」
「だ、か、ら!なんであたしが!」
「頼んだからなー」
暢気に返事をしたかと思えば、また部屋の中に入っていくピン。怒髪、天を衝く勢いで足を鳴らしながら、あやねは大きなゴミ袋を引き摺るようにしてゴミステーションへ足を向けた。
こんな理不尽な手伝いをこなす謂れはない。そのまま帰ることも可能だ。そうは思うものの、何故かあやねはゴミ袋を所定の場所に置くと、再度ドアの前に来てしまっていた。
ピンのことだ、自分さえも埋もれてしまわんばかりに汚れた部屋を、重い腰を上げてやっと片付けようと思ったに違いない。
―――そうね。恩を売っておくのも悪くないわね。
などと考えて、今日は気の済むまで手伝ってやってやろうじゃん、とあやねは鼻で軽く笑った。
確か、訪問したのは昼過ぎだったはずだ。しかし、やっと一通り片付けた今は、もう陽がほぼ沈みかけて空を赤く染めている。
「ていうかさー、ゴミの日って今日じゃないでしょ」
「あ?いいんだよ、どうせ明後日にゃ回収されんだから」
「……あんたの職業、改めて訊いていい?」
「荒井一市先生様だっ!」
「先生様って……。あんた、道徳とかモラルとか勉強しなかったでしょ」
そんな遣り取りを何度も繰り返しながら、部屋はとりあえず片付いた。
「まったく……。どうやったらあんなに汚せるのよ」
ゴミステーションまで何度往復させられたのか、7回までは覚えていたが、それ以降は数えるのがバカらしくなって止めた。
「俺は忙しいんだよ。バカなガキどもの相手でなー!」
相変わらず俺様モードに、この男がたまに放つマトモな発言はどんな魔法が掛けられているときなんだろうと、あやねは小さく首を傾げた。
「で?今日は何の用で来たんだよ」
この期に及んでのこの発言ときた。あやねの怒りは既に呆れと化している。
「掃除手伝いに来たとでも思ってたの……。昼に!来たときに渡したでしょ、タオルよタオル!」
「あ?ああ、塗りたくった化粧拭いたタオルか」
そう言われることは分かっていたので、自分でも意固地だとは思ったが、必死でシミ一つないほど綺麗に洗った。あの時に思ったとおり、柔軟剤も惜しみなく使って。
ピンが、ああ、そうか、と今思い出したように紙袋からタオルを出す。口では何も言わないが、ピンが片眉を上げたことは分かった。あやねの深意は伝わったようだ。
「ふん。こんな意地になってよ。……もっと肩の力抜いてみろってんだ」
ピンにしてみれば、独り言のような呟きだったはずのセリフが、あやねの心を刺した。
「な、なによっ……前にも言ったけど、なんでピンにそんなこと言われなきゃなんない訳っ?」
「窮屈じゃねえか、って言っただけだ」
「うるさいわねっ!それが余計なお世話なのよっ!」
怒るのは図星を衝かれた証拠だということは、自分でも分かっている。分かってはいたが、こう言う他になかった。それだけ、ピンの言葉はあやねの本心を貫いていく。
自分が傷つかずにいるためには、強くなるしかなかった。防御を固めて、壁を少しずつ厚くして。それでもその壁を乗り越えて来てくれる奴にだけ、本当の自分を見せることができる。
千鶴と爽子は、別格だった。
千鶴自身に壁がないこと、そしてその無邪気さがあやねの本質をくすぐった。爽子に至っては、こちら側から自然に壁を薄くしていった。
そうしないと、きっと爽子は未だにあやねにさえ遠慮しながら生きていたに違いない。それくらい純真な爽子を、あやねは放っておけなかった。
男で、―――特に彼氏、と呼ばせる関係になった男で、あやねの壁を乗り越えてきた奴など居なかった。
男があやねと別れるための常套句が、『可愛げがない』か、『お前は強い』だった。思い返すと、苦笑しか出てこない。
こちらで勝手に作った壁だが、それをものともせずに壊してくれる男や、こちらから壁を薄くしたくなるような男など、皆無だった。
「……あたしは、本当に男運がないのかもね」
ピンのセリフに反射的に怒鳴るような形になったことを反省して、苦い笑いとともに自嘲気味に呟く。そうしないと、先日と同様に涙が零れてしまいそうだった。
二度もピンに泣き顔を見せてたまるか、とやっぱり素直になれない自分を心の中で罵ってもいたが。
「……だーーーーーっっ!……ったく!ガキってのはよおぉっっっ」
唐突にピンが大声を出し、驚いたあやねはびくっと身体を震わせた。
「なっ!なに、急にっ」
「……んっっっとーーーにっ、めんどくせえっ!」
その言葉の後、ピンがあやねの頭を自分の厚い胸元にすっぽりと収める。その状況をあやねが理解できたのは、数十秒経ってからだ。
抱きしめた腕は、力自慢なそれからは想像出来ないくらい柔らかくあやねを包む。
「泣きたきゃ泣け。ガキが我慢すんな。お前みてるとまだるっこしくってイライラすんだよ」
頭の上から落とされる、乱暴な優しい言葉。これ以上は涙腺が決壊する。もうやめて、と思うのに。
「肩の力抜け。お前らしくいられる、もう少し楽な生き方選べ」
―――泣くもんか。そんな誓いを一瞬で解くまじないのように、あやねの心を溶かす言葉。涙は瞼に浮かぶそばから、ピンのシャツに吸い込まれていった。
「……ピ、ピンのくせにっっ………っ…」
ピンのくせに。なんでそんな優しいこと言うのよ。いつも俺様で他人のことなんて関係ないくせに。罵りたいのに、言葉にならない。
啜り泣きが、次第に嗚咽に似た音になる。今まで我慢していた涙が、全て吐き出されていく。
「ったく。……ハナっからそうしときゃいいものを……」
頭上で溜息ながらに呟くピンの言葉に、涙ながらにあやねは反駁する。
「……できなっ…かった…もんは、……しょうが…っ…ない……でしょっ…」
「あー、もうわかったから、黙って思う存分泣いとけ」
言わなくてもそうするわよ、と思いながら、あやねはピンの胸の中で泣き続けた。
涙が止まったと同時に我に返ると、急激に羞恥が襲ってきた。
――――何をどう間違って、あたしはピンの胸で泣いてるんだ?何をどうやったらこんなシチュエーションに?
「気が済んだか」
あやねの呼吸が落ち着いたと見たのか、ピンの声があやねに届く。
この場をどう繕ったら、と焦るあやねを余所に、ピンののんびりとした声は焦りなど全くない様子だった。
「……ちったぁ素直に生きてみろ。意外と可愛いもんだぞ、お前」
可愛い、なんて、未だかつて言われたことがない。その照れがあやねの言葉を生意気口調に変えた。
「ピ、ピンに言われても嬉しくないよっ」
勢い余って顔を上げて言ってしまい、即座に後悔する。泣き腫らした目は見るも無残に違いない。
笑われる、と思って顔を背けた瞬間、ピンの手があやねの頬に伸びて顔を正面に向け戻す。
そして。
何が起こったかと、瞬時に判断しづらい出来事が―――
あやねの唇に、ピンのそれが重なる。
目を見開いたままのあやねは、驚きと衝撃と、その他もろもろの表現しづらい衝動で、動けずにいた。十秒くらいだろうか、重なっただけで離れた唇に余韻が残る。
―――イマノハイッタイ、ナニ?
疑問はそのまま声になる。
「な、何。今の」
その言葉に、照れ隠しなのか、そっぽを向いたままでピンは何も言おうとしない。何も言わないから疑問はますますあやねの声に拍車をかける。
「ねえ。ピンッ!なんなの、今のっ」
「うるせぇっ」
見ると、ピンの顔が赤く染まっている。今にも歯軋りが聞こえてきそうなほど、歯を食いしばっているのがあやねから見ても丸分かりだ。
「…くっそ、早まった」
「え?何……」
「黙ってろっ」
その命令口調に反論しかけた刹那、またも唇を奪われる。今度は、強く抱きしめられて、強く押し付けられる。反射で、目を深く閉じた。
「んっ」
呼吸が苦しく、溢れ出そうになる声。それを抑える為に溢れ出る、吐息。
そして、―――なんだろう、この感じ。今までの男に感じたことのない―――、安心感。
今までの男の、独りよがりな触れ方とは違う。きちんと、あやねのことを想ってくれていることが、髪を撫でる指先から溢れてくる。
「ちょっ……ピッ……ンっ……」
キスから解放された唇が、混乱を言葉にしようとすれば、即座にそれを塞がれる。乱暴で、でも柔らかくて温かい唇によって。
どうしてこんなことになっているんだろう。考えようとする思考は、ピンの唇の動きが止めていく。でも、決して投げ槍になっているわけではなかった。
―――ああ、そうか。あたし……、
この男の横暴さに苛立ちや呆れを感じたことは数え切れない。教師のクセに、まるで弟の相手をしているのではないかとのデジャヴを感じたことは何度もある。
でもその反面、本当にここぞと言うときに、驚くくらい的を射たセリフを吐くこともある。そんな時、こいつはやっぱりオトナなんだ、と心が動く。
―――こいつが気になってたんだ……。
そう思うと、自然と唇が応える。今まで付き合った男に教えられたようなものではなく、純粋に、この男を欲して。
このままコトに及んでもおかしくはない状況だったはずだが、途端に、ピンががばっとあやねの身体から離れた。その顔が真っ赤に染まっている。
「うっ……おまっ」
「な、何よっ」
ピンの赤面が伝染ったように、あやねも顔を赤くする。
「お前っ……っ……これ以上、……欲情させんなっ!」
「なっ!……なによっ、欲情って!」
「欲情は欲情だっ!……ったく、なんだって……」
「なに?聴こえないっ!」
「うるせぇっ!…………こ、これ以上はっ」
あやねの顔をまともに見られないのか、ピンは明後日のほうを見ながら乱暴に吐き捨てた。
「お前が卒業してからだっ!分かったか!」
「!」
ゴミをきちんと回収日の朝に出さない男の口から出たとは思えないセリフに、あやねは心の底から大笑いした。
―――やっぱりアホだ。アホ過ぎて怒れないくらいのアホだ!
自分からキスをしておいてなにが今更、とも思うが、アホなクセにその辺のモラルは守ろうとする意固地さが、またあやねの心の何かをくすぐった。
「分かった。でも、卒業するまでアンタが待てるかどうかだけどね?」
意地悪く微笑んで見せると、ピンは言葉に詰まって眉根を寄せた。
明後日から隙あらば挑発でもしてやろうかな、という悪魔の囁きを頭の片隅に、もしかして意外に可愛いくて面白い彼氏ができたのかな、と少し浮かれている自分に気がつくあやねだった―――。
了
お読みいただき有難うございました。エロシーン無くてすみませんでした。
ピンあや職人さんの世界観を壊してなければいいのですが…。
今度はエロシーン書けるように頑張ります…。
>>597,599
>>591のアドレス●●●.jpgの部分を消すとサイトに飛べちゃうでしょ
前にここで著作権がどうのとか聞く人がいるくらいだから
普段2chを見ないような一般のファンの人が多いんだろうけど
2chに個人サイトのアドレス貼る=そのサイトが荒らされる危険性もあるってこと
恨みはなくても偶然見かけたスレ経由でサイトを愉快犯的に荒らすやつだっているし
その辺の危険性をわかった上で本人がやってるならいいけど
そうじゃないなら気をつけてねって言いたかった
GJ!
ピンあやは良い
気が向いたら続きをお願いします!!
>>599 スレが上がってると人目につきやすい=荒らしや広告のターゲットになりやすいから
まったりスレを楽しみたいなら強制じゃないけどsage進行推奨
新作投下したからいろんな人に見て欲しい〜なんて場合は意図的にageてもいいと思うけど
ピンあやGJ!
最近風爽、風爽←健人、龍ちづ、くる爽、ピンあやと
いろんなカプ見れて嬉しすぎる
>>606 なるほどーイラ書きさんのことかー
小説書きさんなら、エロ以外も読んでみたい職人さんがたくさんいるので、ちょっとwktkしてしまった
>>610 まとめサイトに数件だけどサイトのリンク…なんてのがあったりするよ
個人的にはまとめサイトのリンクがもっと増えてくれたら嬉しいなあと思う
2chだから難しいかもだけど
しかし最近の投下祭りはなんだコレ幸せすぎんぞコレ
風爽初エッチ長編さんもピン矢野さんもGJ!
612 :
さく:2010/02/02(火) 12:23:02 ID:h9jqgybR
教えて頂きありがとうございます。サイトは持っていないのですが、自分も投稿を控え見る専門になります 皆さんから褒めて頂いた事が嬉しくて調子に乗ってしまいました汗 まだ見れてない小説がありますので見たら感想をしに行きます
GJGJ!!
ぴんあやいいよーアンドコラボいいよーー
2ch云々の話がでてるけど確かにageはよくないなー
荒らされたくないし
次スレにsage推奨書いたほうがいいんかな?
ぴんあやいいですねー!
GJでございます。
そして個人的にはさくさんのイラがもっと見たい……
イメピタとかでもいいので、また気が向いたら書いてください!
えっと、風爽とか龍ちづとかくる爽の人です。
投下祭に便乗して前に書いた風爽の投下忘れを落とそうと思うのですが、10レスほどかかりますが、容量はまだ大丈夫でしょうか。
と言いながら、携帯なのでスレ立てできませんが。
>>614 確か容量は500KBまでじゃなかったかな?
10レスくらいなら大丈夫では…?
では投下します。
風×爽えちは何度か目。
パラレル風味。次レスから。
617 :
同調:2010/02/02(火) 13:43:32 ID:Rxfv7IIK
その日黒沼爽子は、妙な違和感に目を覚ました。
「……あ、れ…………?」
体を起こすと、やはり何かがおかしい。
肩が凝っているような感覚、そして何かをずしりと持たされているような感覚――
爽子が『何か』を確かめようと目線を下に動かすと…………
「ええええぇぇぇ!?」
***
風早翔太は清々しい気持ちで目を覚ました。
部屋のカーテンを、音を立てて開ける。
「よしっいい天気!」
思わずそんな独り言すら漏れ、その口角は上へ上がっている。
翔太の上機嫌の理由、それは今や周囲からも認知されまくっている『べたぼれの彼女』、黒沼爽子である。
良く晴れた日曜日の今日、前々から約束されていたデートが決行されるのだ。
例え雨だったとしても、その計画が変わることはないので、翔太は上機嫌だったろうが、やはり天気は良いに越したことはない。
「しょーたー!起きろー!……あれ、起きてんじゃん、遊ぼっ」
ばん、と勢いよく翔太の部屋が開かれれば、入ってきたのは弟の透太だ。
子犬のようにじゃれついてくる弟にヘッドロックを掛けながら翔太は言う。
「……だぁーめっ!今日は俺、出かけるの!」
そうやって絡み合う二人はどこからどう見ても仲の良い兄弟だ。
「やーめーろーよー!!どこ行くの?しょーた、どこ行くの!」
「っつーか、お前も野球だろ!遅刻ったら親父うるせーぞ?」
透太の首に巻き付いていた翔太の腕は、いつしか透太の脇に回され、こちょこちょとくすぐっている。
618 :
同調:2010/02/02(火) 13:44:17 ID:Rxfv7IIK
「ぎゃははっしょーた!ギブッ!」
慌てて翔太から離れる透太は、もー用意したもん、と両手を腰に当てた。
なるほど、改めて見ると、透太はリトルリーグのユニフォームに身を包んでいる。
「もう行く時間だろ?」
「おぅっ今日はホームラン打つんだ!!」
「ははっ、うん!頑張れ!」
意気揚々と部屋を出ていく透太を見送って、翔太はやっと、ベッド脇で光る携帯電話を発見した。
翔太が携帯電話を開くと、『不在着信 1件』との表示、相手は……『黒沼爽子』。
慌てて通話ボタンを押しかけ直す。
今日の話かな、なんて思いながらコール音を聞く翔太にやっと爽子の声が届いた時、さすがに狼狽を隠せなかった。
なぜなら、爽子が泣いていたのだから――……
「くっ黒沼!?なに、どうしたの?何かあった!?」
『……ひっ、く……ぐす…………か、風早、くぅん……』
甘えるような爽子の声に、翔太は体の中心が疼くのを感じる。
そういえば『アノ時』の黒沼はいつもそんな声で……って違う!翔太は首をぶんぶん振ると、気を取り直して爽子へ話し掛ける。
「黒沼、落ち着いて?何があったの?」
『んくっ、何、というか、あの、何かあったと言えばあったのだけど、なかったと言えば、その、なかったので』
間に嗚咽を交えながら、爽子はしどろもどろと言葉を紡ぐ。
「え、何?黒沼、どういうこと?」
理解が出来ずに混乱する翔太に、思いもよらない爽子のセリフが降ってくる。
619 :
同調:2010/02/02(火) 13:45:10 ID:Rxfv7IIK
『と、とにかく今日の、デデ、デート、には行けません……!』
「え!?ちょ、待って、黒沼!」
そうなると翔太は焦るしかない、理由もわからずに会えない、と言われたって、そんなのは横暴でしかない。どうして、と聞く翔太に、まだ涙が止まらない様子で爽子は言う。
『だ、だって……このままじゃ外を歩けないよ……っ!』
このまま、というのが何を指すかわからないものの、病気や怪我ではなさそうで、翔太は一息つく。
「じゃあさっうちに来なよ!親父と弟はリトルリーグだし、今日は母さんも出掛けるらしいから、それなら大丈夫?」
外でのデートが無理だとしても、爽子に会える予定の日に会えない、なんて翔太には耐えられない。なんとかならないか、と翔太は会える方法を探す。
『えっ……か、風早くんの、おうち…………』
「…………嫌?」
『うっううん!嫌なわけないよ!……だけどっ』
なおも拒否する爽子だったが、『嫌ではない』と言う言葉を受けて、翔太は押し切り、ついには爽子が風早宅を訪ねる約束を取り付けた。
620 :
同調:2010/02/02(火) 13:45:54 ID:Rxfv7IIK
――ピンポン
チャイムの音に、既に家族は皆出掛けており、そわそわしていた翔太は飛び上がるように玄関へ向かう。
「黒沼っ!いらっしゃい……どうしたの?」
翔太が玄関を開けると、爽子はそこに立っていたのだが、そのいで立ちがいつもと違う。
胸の前で両手をクロスさせて自分を抱きしめるように小さくなり、俯いたその顔は耳まで真っ赤になっている。
「く、黒沼、入って。とりあえず」
翔太の言葉にこくりと頷き、爽子は促されるまま中へ入る。
「ど、どうする?俺の部屋……か、今日はリビングだっていいけど」
気遣うような翔太に、爽子はぶんぶんと首を振る。とにかく落ち着いて話をしようと、翔太は爽子を自室へ招き入れた。
「……黒沼、体どうかしたの?」
翔太が何を言っても、爽子は首を激しく横に振るだけである。
「言ってくんなきゃ、わかんないよ、俺。……俺、何かした?」
「……ち、違うの。私、私もう、どうしたらいいのか……!」
やっと爽子が言葉を紡いだかと思うと、切羽詰まった表情で翔太を見上げる。
涙の浮かんだ瞳と上気した頬、眉毛を下げた頼りない顔――
「〜〜〜〜!」
ずくん、と翔太は血が煮えたぎるように感じる。
「く、黒沼……」
「き……嫌いにならないで、ね?…………あの、これ……」
そう言って爽子は、やっと両腕をおろし……
***
「黒沼!?何それ……!」
う、うわあぁ!やっぱり風早くん変に思ってる……!
そうだよね、私も信じられないもの!!
私の胸が大きくなったなんて――
621 :
同調:2010/02/02(火) 13:46:47 ID:Rxfv7IIK
***
「黒沼!?何それ……!」
言ってしまってから、しまった、と思う。
爽子のもともと赤かった顔が、湯気が上りそうなほど染まる。
「お、おかしいよね!変だよね!私やっぱり帰……」
「待って黒沼!」
翔太は目を疑った。目の前のものが信じられない。
放心しながらも、部屋を飛び出そうとする爽子の手首を掴む。
「……それ、本物?」
爽子はぎゅっと目をつぶり、ゆっくりと頷いた。
『それ』と翔太が表したもの、それは、爽子の――胸。
「あ、合う下着がなくて、それに、ブラウスはボタンが閉まらないし……」
翔太が視線を外せないそこは、普段の爽子では考えられないボリュームを誇っていた。
朝起きたら急にこうなっていたの、と言う爽子に、翔太の妄想は止まらない。
***
ま、まじで……でかい!
E、いや、Fカップくらいある、かも。
ってか、黒沼なら胸が小さくても大きくてもいいんだけど。
ってか何これ。夢、じゃないよな。
さ、触りたい。つーか揉みたい。
う……やばい勃ってきた。
こんなに大きかったら、は、挟んだりとか出来るんじゃないかな。
お、お願いしてみようかな。
「や、やっぱり変だよね……」
いきなり黒沼がそう言って、俺は肩をびくりと揺らす。
な……っに、考えてんだ、俺!
黒沼、こんなに不安そうにしてるのに!!
622 :
同調:2010/02/02(火) 13:47:43 ID:Rxfv7IIK
***
翔太は爽子を引き寄せて、ぎゅっと強く抱きしめた。
「風は……」
「変じゃ、ないよ。びっくりはしたけど。大丈夫、黒沼は胸の大きさなんて関係ない」
爽子を安心させるように、一言一言区切るように翔太は話した。
「ほ、ほんと?」
「もちろんだよ、俺『黒沼爽子』がすきなんだから!」
翔太の腕の中で、爽子の力がほぐれたのを感じて、翔太はそっと爽子を覗き込んだ。
「……落ち着いた?」
そんな翔太に爽子は頷くが、今落ち着いてないのは翔太の方だ。
抱きしめた時に、いつもは感じない感触があったのだから。
翔太の体に潰されるように形を変えた爽子の大きな胸。しかも爽子が言うには下着を着けていないのだ、感触はダイレクトに翔太に届いた。
「……あのさ」
「え?」
「さ、触ってみても、いい?」
「!!」
爽子とて、その意味がもうわからないわけではない。かあっと顔を赤くすると、俯いた。
「……いい?」
なおも尋ねる翔太に、爽子は小さくコクリと頷いた。そして――
「ふ、あっ」
服の上から、だけど下着を着けていない胸を触られて、その刺激は敏感な爽子を震わせる。
「おっき……」
手の中に収まり切らないその胸を、翔太は好き放題に揉みしだく。そのまま親指を乳首に触れさせると、爽子の声が一際高く上がった。
「あっ……!!」
623 :
同調:2010/02/02(火) 13:48:26 ID:Rxfv7IIK
下着ごしとも直接とも何だか違うその刺激に、爽子はびくびくと体を震わせ、やがて足ががくがくとする。
「……立ってられない、んだ?」
耳元で翔太に囁かれてはたまらない、爽子はがくっと崩れ落ち――る前に翔太にそれを支えられる。
「ベッド……行こうか?」
優しいのか何なのか、翔太のその言葉に、爽子はこくこくと何度も首を縦に振る。
そんな爽子に口の端をあげると、翔太は渇いた自分の唇を一舐めした。
「服の上から触られるのがすき……?」
ベッドになだれ込みながら、翔太の手は爽子の良い所を探る。
爽子は指と衣のダブルの刺激を受け、何だかやるせない気持ちになる。
「かっ風、早くん!もっ……もうっ」
「もう、なに?」
ニヤリと笑う翔太にすら、爽子は背筋をぞくぞくさせられる。
「んっふ、んんっ」
自分だけが乱れているという羞恥の気持ちに、背徳感からか爽子は余計に感度を増す。
翔太の方でも、はち切れそうな自身を抑えられなくなって来ていた。
翔太は爽子のトップスをたくし上げ、熟れた果実に舌を這わせる。
ぴちゃり、と音がなる前にも既にそこは固く尖っていて、翔太はちろちろと舌の先端で念入りに舐める。
爽子の喘ぎとぴちゃぴちゃといやらしい音だけが部屋に響く。
624 :
同調:2010/02/02(火) 13:49:38 ID:Rxfv7IIK
「ふあっん、風、あっ、風早くんっ、せつっせつない、よぅ……」
今にも泣き出しそうな爽子の声に、翔太はきゅうん、と心臓に衝撃を受ける。
「黒沼っ」
翔太は、既に潤っているであろう秘所に手を伸ばす。
触れるとやはりそこはとろとろにほぐれていて、なんなく中指を泉に埋める。
「あっ、うあっ……は、ふぅ、はうぅうんっ」
爽子は何かを言おうとするのだが、口から出る言葉は意味を成さない。
その間にも翔太は、指を二本に増やし、爽子を責め立てる。
器用に自分の服を取り払うと、避妊具に手を伸ばしかけたが、ふとした思いに頭を支配される。
「はっ……あ、風早くん…………?」
動きを止めた翔太を、爽子は不思議そうに見上げる。そして次に翔太から飛び出したセリフに、爽子は耳を疑った。
「胸でしていい?」
「……えっええぇ!!?」
爽子から承諾を得た翔太は、いつもより上の方の位置で爽子をまたぎ、大きな胸と胸の間に自身を差し込んだ。
「…………っ!」
爽子に胸を両側から押さえてもらえば、暖かくてふわふわに包まれる。
避妊具を着けて泉に押し入るのとはまた違う刺激に、翔太は眉根を寄せた。
「動く、ね」
言うと、翔太はゆるゆると腰を前後に動かし始めた。
爽子は始めこそ、これが気持ちいいのかぁと思いながら翔太を見上げていたのだが、ぬるぬるとした翔太のそれが胸の間を行ったり来たりを繰り返すうちに、先程よりももっと切なくなって来る。
625 :
同調:2010/02/02(火) 13:50:41 ID:Rxfv7IIK
爽子は無意識に胸を押さえた手からそのまま指を伸ばし、それを待つであろう乳首に触れた。
「…………っあ!」
自分の良いように腰を動かしていた翔太だが、爽子の自慰を目ざとく見付け、にやりと笑う。
「黒沼、気持ちいいの?」
はっとしたように、爽子は翔太を見上げた。
「続けて。ほら、摘んだり、潰したり、引っ張ったり、指の腹でコリコリ撫でてごらん?」
「んふっ、あっは、はうっか、風早くっ、きもちっ……」
一時は辞めようとした爽子だが、翔太に促され、言われるがままに乳首を弄る。
普段は診られない爽子の姿に、翔太は放出してしまいそうになる。
せっかくなら爽子の中に出したい、と、翔太は素早く避妊具を着けると、そのまま爽子の中に収まった。
「黒、沼っ、俺今日はもうっ……」
「んっいいの、いいのっ……きてっ」
もう持ちそうもない翔太がそれを告げると、爽子は喘ぎの中で翔太を求めた。
そして、そして――……
・
・
・
626 :
同調:2010/02/02(火) 13:51:43 ID:Rxfv7IIK
***
「冷た……っ!?」
翔太は自室でばちっと目を覚ました。
さっきの今だ、夢の内容も容易に思い出せる。
トランクスの中の冷たい感触……翔太は全てを悟って言葉を失う。
「〜〜〜〜っ」
そうだ、今日は黒沼とデートなのだ、と、頭を無理矢理切り替え、汚れた下着を処理すると、身支度を調え待ち合わせ場所に向かった。
***
「か、風早くんはっ、その、大きい胸がすきですかっ!?」
滞りなく進んだデートの最中に、顔を真っ赤にした爽子が言った。
「!?」
途端に今朝の夢を思い出し、翔太も顔を真っ赤にする。
夢の中で、さんざん爽子を弄んだ翔太は、申し訳なさも相まって慌てて答えた。
「くっ黒沼はそのままでいいと思う……!」
「そっ、そっか……!よ、良かったぁ…………」
あからさまにほっとする爽子を不思議に思いながらも、その後は楽しくデートを終わらせた。
そして、実はお互いに同じ夢を見ていたことなど、二人とも気づくはずもなかった――…………
おわり
おわりですー
パラレルくさいので投下ためらってて忘れてたのですが、投下祭に便乗させていただきました。
たゆんたゆん爽子、いいですw
あと、先ほどは無知な私めにご指南いただきありがとでした。
2chはあんまり詳しくないですが、このスレの発展を強く願っておりますー
巨乳な爽子って新しい視点だなw
GJでした〜〜!
GJですーー
スレも500ちょいでいっぱいになってしまうね
埋まるの早い!
630 :
*86* :2010/02/03(水) 03:54:33 ID:C4C0rzj0
最後の締め・・・ですかね?
すごいいい作品です―。
GJでっす!!
新作にwktkしてまっす!
>>598 確かにそうだなとはおもいます。
自HPでうPしてる人もいたので私もそうしてしまいました。
以後気をつけます。
>>625 >
>
>
> 爽子は無意識に胸を押さえた手からそのまま指を伸ばし、それを待つであろう乳首に触れた。
>
> 「…………っあ!」
>
> 自分の良いように腰を動かしていた翔太だが、爽子の自慰を目ざとく見付け、にやりと笑う。
>
> 「黒沼、気持ちいいの?」
>
> はっとしたように、爽子は翔太を見上げた。
>
> 「続けて。ほら、摘んだり、潰したり、引っ張ったり、指の腹でコリコリ撫でてごらん?」
> 「んふっ、あっは、はうっか、風早くっ、きもちっ……」
>
> 一時は辞めようとした爽子だが、翔太に促され、言われるがままに乳首を弄る。
> 普段は診られない爽子の姿に、翔太は放出してしまいそうになる。
>
> せっかくなら爽子の中に出したい、と、翔太は素早く避妊具を着けると、そのまま爽子の中に収まった。
>
> 「黒、沼っ、俺今日はもうっ……」
> 「んっいいの、いいのっ……きてっ」
>
> もう持ちそうもない翔太がそれを告げると、爽子は喘ぎの中で翔太を求めた。
> そして、そして――……
>
> ・
> ・
> ・
>
この板の仕組みがいまいちわかってないのですが、もしかして
新スレをたてたほうがいい状況ですか?
>>632 容量500まで、みたいなのでそろそろ必要と思います。立てられるならお願いしますー
>>631 えっと、誤字の指摘、でしょうか……?
すみません、精進します!
スレは501KBでいっぱいになっちゃうから、490くらいになったら立てたほうがいいかも。
あと立てた人はこのスレにご一報お願いします!!
乙カレー
スレ立て乙です!
乙なの…!
>>545のバストのアンダーの話を読んでみたら
>>404のジジさんの画像思い出してしまった。
絵、作品とも乙でした。
もう新スレに作品投下されてるー
てことはここは埋める?
641 :
ある昼休み:2010/02/05(金) 17:42:01 ID:qiiztyCi
(埋めついでに、小話。エロなしです。)
とある昼休み。
「師匠、普通の女子高生ってどんなかな?」
と突然爽子はケントに質問する。
風早の彼女として可愛くなりたいんだろうな、とケントは思う。
「うーーん、貞子ちゃんはどんな感じだと思う?」
「うーーん、髪の毛が可愛くて、スカートが・・・
うーーん、口で言うのってむずかしいな。」
「じゃあ、ちょっと絵で描いてみて」
「わかった、やってみるね」
ノートに描かれた爽子のシュールな絵をみてケントは思わずふきだした。
そこに描かれた女子高生は、どこからみても、可愛い女子高生というより
子供が描いた変な女の人のようだったのだ。
「ぷっ!」
「貞子ちゃんの絵ってシュールだね!」
「え、そ、そうかなあ?」
642 :
ある昼休み:2010/02/05(金) 17:43:48 ID:qiiztyCi
「じゃあさ、ちょっと話変わるけど、俺描いてみて」
シュールという言葉をほめ言葉と思った貞子ちゃんは
次に俺を描く。
「ぷっ、なんだ、これは〜〜(笑)」
ははははっ、と思わず大きな声で笑ってしまった。
「え!おかしかったかなあ・・?」
「ちがうちがう、すごくいいな、って思って。」
その騒ぎを聞きつけて、あやねとちづもやってきた。
「あー、爽子の絵だ。これってなんかもう・・・いいよね!」
と吉田も笑う。
あやねも絵を見て「ぷっ」と笑いながら、
「じゃあさ、彼氏の風早描いてみてよ、爽子!」
なんか気をよくした貞子ちゃんは
「うん」
と言って、一生懸命風早を描き出す。
できた風早は・・・
どこからどうみても、風来坊。
爽やかとかイケメンとか、そういうのから遠く離れてる。
たぶん、近くにいて、好きで、よく見てて、
観察しすぎてるのか、それが逆効果を生んでいる。
643 :
ある昼休み:2010/02/05(金) 17:45:38 ID:qiiztyCi
「これ、すげー、いいな!」
とケントも楽しくなる。
「じゃあさ、爽子!ためしにジョー描いてみて」
「うん、やってみる。」
で、できあがったジョーは、
なんとシンプルで、一番普通だった。
要するに、あんまり見てないんだろう。
でも、一番かっこよく見える。この不思議!
そんなこんなでみんなで大笑いしてるところに
昼休み外でサッカーをしてた風早が教室に戻ってきて、
この騒ぎに気がつく。
「何してんの〜?」
と爽やかに寄ってきた。
「あ、風早、これ、爽子が描いたんだよ、あんただって。」
それを見て風早も「ぷっ」と笑った。
「あ、それでね、これが爽子から見たジョーだよ」
「え!?」
どこからどうみても、絵だけ見ればジョーのがかっこいい。
内心、ちょっと風早はショックを受けた。
「黒沼から見たら、俺とジョーはこんな感じなのか・・・」
「いーじゃん、爽子はあんたの内面が好きなんだよ!」
「爽やかとかそういうので惚れたんじゃないんだよ、よかったじゃん!」
「そ、そうか、だよな・・・」
と風早は複雑な心境に陥ったようだったけど、
「うん、うん、それはよかった、嬉しいことだよな」
と独り言を言いながら席に戻っていった。
おわり
埋めのための、ちょっとつまらない小話でした〜〜
爽子の絵、大好きなんです!
シュールという言葉をほめ言葉と思った貞子ちゃんは
次に俺を描く。
→爽子は次にケントを描く、でした。
人称がごちゃごちゃになってしまった。すみません。
GGGGJ!
すごく面白かったですw
画伯の絵はいいですよね!
「私、絵には少し自信があるので!」とか言いそうな爽子が大好きですw
>>639 おっと!ありがとうございますw
爽子のおっぱいは貧乳じゃないに一票・・・
ほしゅ
埋めついでに〜
エロ無し会話のみ
ただのバカップル
『君たち絵になるのでやっていきませんか』
「えっ……な、なに?」
「黒沼!インタビューみたいなものみたい!」
『あなたから見て、相手は『何』ですか?』
「……彼女!」
「かっ…………か、かかかか彼、氏……」
『告白は、どちらから?』
「…………俺」
「えっ、私だよね?」
「俺だよ!俺じゃん!」
「わ、私だと思う……!」
『『すき』の気持ちはどちらが大きいと思いますか?』
「俺!」
「わっ私だよ!」
「俺だって!絶対!」
「ううん……!私!」
「……絶対俺だけど、同じってことにしてもいいよ?」
「お、同じだなんて、おこがましい……!で、でも嬉しいから、それでいいです……」
『恋に気づいたきっかけは?』
「んー………、秘密」
「じゃ、じゃあ私も、秘密で!」
「何?教えてよ」
「か……風早くんは?」
「…………秘密」
「それなら……私も秘密です…………」
『今ぱっと思い付く、相手の好きなところは?』
「笑顔!(混声)」
「……へへっ、一緒だ!」
「う、うん……!嬉しいなぁ!」
『初めてのキスはいつ、どこで?』
「〜〜〜!しっしてねーよ!まだ!」
「キ、キ…………キ、キス……!」
『初めてのえっ……』
「それ以上言うな!」
「えっ、『えっ』て何かな、風早くん」
「黒沼は知らなくていいから!まだ!」
「う、うん……!わかった…………!」
おわり
もいっちょ。
エロ無し会話のみ。
ピンと風。
653 :
恋愛指南:2010/02/09(火) 10:56:45 ID:hQNZEY0q
「おい、翔太!」
「げっなんだよピン!」
「お前、黒沼と付き合っているんだろう?俺様は優しいからな!恋愛について教えてやろう!」
「いっいらねーよ!もうほっといてくれ!」
「いーな?まずは初デートだ!どうせまだだろ?」
「うっ、だ、だからほっとけってば!」
「初デートでは何もするな!手をつなぐくらいにとどめておけ!お前は辛抱が足りん奴だからな〜、そこが一番心配なんだが」
「うるせーなっ!ほっとけっつってんだろ!?」
「まぁ、その後は紆余曲折を経てとうとう初体験だ!」
「お前殴るぞ!ほんとに!」
「その時はこーしてあーして……ごにょごにょごにょごにょ」
「〜〜〜〜っ!」
「ごにょごにょごにょごにょ」
「もー帰れ!帰ってくれ!!」
そしてピンの耳打ちに、眠れなくなってしまう風早なのです
埋めということで梅。
自分の思った梅の気持ちなので、ちがーう、と言う人もいっぱいいると思うので、
「梅の物思い」でスルーお願いします。
エロなし、ただの自己満になってしまったかもです。
寝る準備をしてベッドの上に転がったくるみは物思いにふける。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
今日、学校は風早と爽子ちゃんのことでもちきりだった。
心が痛くない・・・って言ったら、それは絶対嘘。
だけど、前みたいにナイフを心の奥深く刺されるような痛みはない。
それどころか、どこか安堵の気持ちがある。
なんだか不思議。
あんなに好きだった風早。今でもたぶん好きな風早。
ずっと見てきた。いつかとなりに並びたいといつも思ってきた。
だから、自分なりに考えて、計算してがんばってきた。
女子たちの心無い中傷は、容姿のせいでいっぱい受けてきたから、
そこをうまくカバーする方法も考えてきた。
風早とつきあったらこうかなー、とかキスとかこんなかなー、とか
いろいろ想像もしてたけど、
今考えると、それはマンガやドラマや小説のひと場面のカップルに
自分と風早を当てはめてるだけだった。
だって、恋してる風早って見たことなかったから。
でも、恋してる彼を今は知ってる。
その視線の先はいつも爽子ちゃんだって知ってる。
その姿を自分の想像に置き換えることなんてできない。
告白するつもりなんてなかったよ、ほんとは。
だって、女子たちもこわかったし、だから、彼が私を好きになってほしかった。
そのためにいろいろしてきたけど、結局彼の一番嫌いなことを
いつの間にかしてしまっていたな。
なんでそんなことに気がつかなかったんだろう。
でも、そんなのも言い訳だな。だって爽子ちゃんは噂のこと彼に伝えてない。
彼の中では私は悪い人間じゃない。
結局告白もして、ちゃんとふられちゃったな。
あんなひどいことさえしてなければ・・・気持ちを伝えてれば・・・
そういう言い訳、もうどれも使えない。
こういうのを完敗っていうのかな?ちょっと笑える。
でも風早と爽子ちゃんがうまくいってないときは、ぎくしゃくしてるときは、
どうしても「もしかしたら・・」とわずかな期待を持つ自分がいたんだ。
そんな期待空しいだけだってわかってたんだけど。
だからかな、2人がうまくいって、それが学校中で騒がれてて
ちょっとは悲しかったけど、意外と・・・自分でもびっくりしたけど
意外と平気だった。
祝福するとかそういう気は全くなかったけど。
学校での騒動は風早が爽子ちゃんを守るため、
自分の気持ちをはっきり回りに伝えて
変な噂を避けるためなんだろうな。
なんて、彼らしいんだろう。
失恋したからもう恋なんていいや、って思ってない自分にもびっくりする。
恋してた自分は可愛かった。苦しかったけど楽しかった。
また恋したいな。自分が今そう思えて本当によかった。
もう、自分の恋の想像相手に風早を置き換えることはないだろうな。
今はまだ知らない誰かになるだろうな。
今度誰かに恋したら、今度は絶対真正面からぶつかろう。
そうして、絶対爽子ちゃんに報告しよう。
今はまだだめだけど、いつかは爽子ちゃんとそういう話をまたしよう。
学校の人だったら、協力してもらおう。
「私でできることなら」と笑って今度は協力してくれるはず。
なんか絶対そうなはず。
もしそのとき爽子ちゃんが風早と倦怠期とかだったら
思いっきり笑ってやろう。
爽子ちゃんがおろおろしてる姿みて、
「あんた何やってんの!」って言ってやろう。
いつか絶対そんな日がくると思う。
なんだか、意味のない確信みたいのあるし。
私最強に可愛いし、計算上手だし。
あー、不思議。ちょっと前まで先のことって考えられなかったけど、
未来のことがいろいろ想像できる。ちょっと嬉しい。
だから、今日はこのまま久しぶりにぐっすり寝よう。
・・・・・・・・・・・・・・・・
「よかったね、爽子ちゃん」
思わず口から言葉が出て、くるみは自分にびっくりした。
そして、ひとりで苦笑してしまった。
おわり
くるみ……
よしよししてあげたい
埋めに使用するにはもったいない作品の数々
投下乙です!
バカップルいいなぁ…w
これで埋まるかな?
風視点、エロ無し、おばか。
途中で切れたらすんません。
俺は今、自分の部屋で正座をしていた。
俺の目の前、部屋の真ん中にはテーブルがあって、その上には手鏡がひとつ乗っている。
えっと。
えーっと。
よ、よし、行くぞ。
俺は手鏡を手に取ると、そっと口を開く。
「…………さ、さわ……こ」
だめだ。
全然ダメ。
ものの見事に俺の顔は真っ赤になっている。
こんなんじゃ、全然自然じゃない――
『爽子!あ、ごめん黒沼、つい名前で呼んじゃった!っていうか、もう名前で呼んでもいんだよね?』
という自然の流れに乗っかって、黒沼を名前で呼ぶ。それが今の俺の目的で。
し、自然ではないのかもしれないけど……!
俺が考えついた中では一番まともなんだっ!
って、誰に弁解してんだろう……
と言うか……一人でだってまともに口に出せないのに、自然になんか出来るのか、俺…………
も、もう一度……!
「さ、さ……爽、子」
うあーっ!やっぱだめだ!無理!なし!
呼びたいけど!
ものすごく呼びたいけど!
…………だめだ、ホントに。呼ぶだけで、黒沼の笑顔が浮かんだりして、っていうか、もう、黒沼の名前を思い出すだけでも心臓がばくばく言ったりして。
「あ〜〜〜〜〜っ!もう!!」
だめだ、俺。だめだめだ。
手鏡を裏返してテーブルに置くと、ぐしゃぐしゃと頭を掻いた。
あぁもう。いつかとかじゃなくて、なるべく早く、自然に黒沼の名前を呼べますように。
おわり
497KBか・・・
新スレには大作が目白おしなので、梅作品。
いけるかな?
「ここ置いとくよ!」
親に頼まれたコンビニの買い物袋をテーブルの上に置いて
急いで翔太は自分の部屋にあがった。
そして、おもむろに携帯を取り出して、爽子に電話をかけた。
「もしもし」
「風早君?夜遅くの電話なんてめずらしいね。」
そう、夜遅くは寝てるかもしれないから、いつもメールにしていた。
「うん、大丈夫だった?」
「大丈夫だよ、ちょうど寝ようかな、って思ってたところ。」
寝る・・・という姿を想像して翔太はちょっとどきどきしたけど、
あえて、学校の宿題のことや今日のこととか話して取り繕った。
話ながらパーカーのポケットをまさぐり、突然堰を切ったように
「黒沼、大好きだよ。」
と言う翔太。
「えっ!・・・わ、私も。でも、突然どうしたの?」
「うーん、なんか、すごく言いたかっただけ。」
電話を切ったあと、パーカーのポケットから
おもむろに四角い箱を出す翔太。
「うーーん、これ、使える日、来るかな・・・じゃなくって!」
「いつか絶対使えますように。」
赤面しながら、ニコニコしながら、
ひとり漫才をする翔太は人には見せられない
ただのヘタレだったかもしれない。
その夜、布団の中でもぞもぞ翔太がやっていたのを知る人は
誰もいないw
おわり
GJGJ!!
皆様新スレでもがんばってください(`・ω・´)
次スレ
>>60ですー。
梅ネタ便乗して、爽子のひとりエチ書いてみましたw
あれの一週間後くらいと思ってください。
では
このあいだ、風早くんと初めて…してから、毎晩なんだかそのことばかり思い出してしまう。
翌日は体のあちこちが痛くて、風早くんを心配させてしまったけれど、
今はあの時の疼きみたいな感覚だけが鮮明に残っていて、なんだか落ち着かない。
おふとんにもぐり込んでもなかなか眠りは訪れず、あの時の風早くんの表情とか声とか動きとか…
ひとつひとつはっきりと思い出されて、ひとりで身もだえてしまう。
あぁ、恥ずかしい…。
そっと指をくちびるに当ててみる。
最初はこうしてキスをして…ぎゅうって抱きしめてくれて…
それから顔中いっぱいキスしてくれて、首に降りて…
彼のくちびるが触れた場所を辿るように、指の背で触れていく。
くちびる
頬骨のあたり
おでこ
もう一回おでこ
まぶた
あっ違う、先にこめかみだ
それからまぶた
頬…
耳もとで風早くんの息遣いが聞こえて、熱くて…。
キュッと目を閉じて、自分の手を、彼が辿った通りに這わせてみる。
頬、首すじ、肩、胸…
心臓が壊れそうなくらい、ドキドキして…触られたところから順に火がついていくみたいだった。
恐る恐る、胸をゆっくり揉んでみる。
なんだかいけないことしてる…私。
でも、体が彼を覚えている。
先端を指先で摘んで、くるくると転がして…
それから、もう片方の手でわき腹から胸の下、ウエスト、おしりを何度もなぞって…
下着に手がかかった。
あの時みたいに、足を捩らせながら、少し腰を浮かせて抜き取る。
『黒沼…』
風早くんの声が頭に響き渡る。
じっと覗き込む顔も、いつもと違う人みたいで。
目を閉じてしまうのが惜しくて、でも恥ずかしくてまっすぐ見れなかった。
くちゅ。
指先を、彼がしたように、そこに滑らせる。
最初はゆっくり、それからここのあたりを…
「あっ…」
思わず、声が出てしまった。
でも手は止まらなくて…次第に早く、強く動かす。
「んっんっ…」
必死で声を抑えながら、あの時風早くんがしたように、手を動かし続ける。
腰を浮かせ、頭ものけぞらせ、そしてあの日のように彼の名を口にする。
「かぜはやくん…かぜはやくん…っ」
指を噛んで、キスをするように吸い付きながら、下の方から迫ってくる大きな波に飲み込まれていく。
ビクビクっと全身に痺れが走り、そしてくたりと身を投げ出す。
「私…どうしよう、こんなこと…っ」
目を閉じれば、風早くんの「男のひと」な表情が次から次へと浮かんできて、
抱きしめて欲しくて、ぎゅっと自分の腕を体に巻きつけてみたけれど、
足りなくて、もどかしくて…。
「風早くん…」
こんなことしてたって、もし知られたら、嫌われちゃうかな…。
どうしよう。恥ずかしい…。
絶対、秘密にしておこう。
こんなこと、今日だけ。今日だけだから…。
おわり