オリジナル魔法少女陵辱スレ8【和姦も】

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1名無しさん@ピンキー
オリジナルの魔法少女のエロを扱うスレです。
陵辱に限らず和姦でもOK
魔法少女が陵辱しても全然OKよ

【前スレ】
オリジナル魔法少女陵辱スレ7【和姦も】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1235747369/


【注意事項】
○sage進行でお願いします。
○職人さんは特殊嗜好の作品の場合は投下前に注意書きをお願いします。
○職人さんが投下しづらい雰囲気はやめましょう。供給があってこそのエロパロ板です。
○好みに合わない作品や意見はスルー(読み飛ばし)を推奨します。
○荒らし、煽り、広告はスルーしましょう。
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【過去スレ】
オリジナル魔法少女陵辱スレ6【和姦も】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1225259428/
オリジナル魔法少女陵辱スレ5【和姦も】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1213170878/
オリジナル魔法少女陵辱スレ4【和姦も】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1208254990/
オリジナル魔法少女陵辱スレ3【和姦も】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1204801095/
オリジナル魔法少女陵辱スレ2
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1187699066/
オリジナル魔法少女陵辱スレ
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1156666135/

【保管庫】
http://kuma.usamimi.info/magi/
2名無しさん@ピンキー:2009/10/08(木) 08:52:39 ID:VZxFNTqv
>>1
乙彼
3名無しさん@ピンキー:2009/10/08(木) 09:05:51 ID:5H9cLwvM
>>1
乙です
4名無しさん@ピンキー:2009/10/08(木) 11:33:45 ID:tXzxmPO4
>>1乙!
5名無しさん@ピンキー:2009/10/08(木) 12:03:19 ID:otBI9ory
どうした>>1よ?早く変身をせぬと乙ってしまうぞ?
それは貴様としても望むところではあるまい?
6杏の人:2009/10/09(金) 00:22:08 ID:/6489i6+
>>1
スレ立て乙です。

さて、前スレだと容量をぶち抜いてしまうので、即死回避も兼ねて、こちらで投下させていただきます。
今回は「魔法少女の涙」第3話共通11レスと、第3話通常END2レスです。
陵辱シーンは共通の5レス目〜8レス目の予定です。
今回は注意点として、
・全体的に快楽系、一部苦痛系
・リムのみ
といったものがあります。ご注意ください。
7魔法少女の涙 第3話 登場人物紹介:2009/10/09(金) 00:23:56 ID:/6489i6+
・リム(鈴木リム)
12歳 金髪のロングヘアー 身長145cm
称号:涙
コスチューム:ブルーを基調にしたスカートとジャケットにブーツ、グローブ 全体的にフリフリがついていて、子供っぽい
武器:エレメント(さまざまな形に変形可能な攻撃媒体)
魔物を倒すために日本に派遣されてきた魔法少女。
小さいころに両親を亡くして、孤児院育ち。
シーナと共に中学校に通い、美術部に所属。
先日、魔物に2度目の陵辱を受けて処女喪失。
異性への恐怖に苛まれるも、セリナの協力によって乗り越える。

・シーナ(鈴木シーナ)
13歳 青髪で肩までのセミロングヘアー 慎重143cm
称号:烈火
コスチューム:地味なグレーのワンピース型ローブ
武器:背丈ほどの長さの杖
リムと共に日本に派遣されてきた魔法少女
リム同様、魔物によって処女喪失。

・高崎命
12歳 黒髪のショートヘアー 身長150cm
リムとシーナの同級生で友達。

・セリナ
17歳 緑髪でウェーブのかかったセミロングヘアー 身長157cm
リムとシーナの上司であり、サポート役。

・杉浦隆志(すぎうら たかし)
12歳 黒髪で短髪 身長173cm
リム達と同じ班の男子で、剣道部所属。
少し内気だが、優しい少年。

・瀬尾和博(せお かずひろ)
12歳 少し茶髪の長髪 身長160cm
リム達と同じ班の男子で、サッカー部所属。
下ネタを好む、少しチャラチャラした少年。

・高砂仁(たかさご じん)
12歳 黒髪のスポーツ刈り 身長163cm
リム達と同じ班の男子で、野球部所属。
古臭い、硬派なスポーツ少年。
8魔法少女の涙 第3話共通 1/11:2009/10/09(金) 00:24:54 ID:/6489i6+
魔法少女。
魔物が突如出現するようになり、誰もが不安を抱えていた日本に颯爽と現れた二人の美少女だ。
そんな彼女らの存在に、いまや日本中が注目している。
一体何者なのかと、マスコミは必死で憶測を書き立てるが、どれも的外れなものばかりだった。
偶然にも魔法少女と(同時に魔物とも)遭遇できた者は、誰もがその姿をカメラや携帯電話に収めた。
それは新聞やワイドショーを飾り、インターネットで爆発的に拡散していった。
魔法少女に対しては様々な目が向けられている。好意、感謝、奇異、疑惑、そして……。
一部の人間は、彼女らをまるでアイドルのように慕った。
彼らは魔法少女の映った画像を片端から集め、その姿を愛でる。
いつか、どこかで彼女らと出会いたい。そのためなら、魔物に襲われることも厭わない。
そんな熱狂的なファンが、2人には出来ていた。

ところで、ネットでまことしやかに囁かれる、ある噂があった。
魔物に襲われた女性がどのような目に遭ったか、というものである。
曰く、女性は魔物に犯され、見るも無残な状態で死んでいるのが発見されたという。
精液らしき液体が身体の中にも外にも溢れていて、内臓も、体中の骨もズタズタになっていたそうだ。
魔物は女性を襲う。それが一部での定説になりつつあった。
ということは、である。魔物は魔法少女も襲うのではないか。
その事実に気がついた者の中に、激しい性的興奮を感じた者がいた。
魔法少女が敗北したなら、魔物に犯される。彼らはその姿を想像し、実際に目にすることすら望んだ。

ここにも1人、そんな若者がいる。彼は、ビデオカメラを片手に、昼間から街を歩き回っていた。
いつか魔法少女と巡り合って、その姿を撮りたい。できることなら、陵辱される姿を。
そんな抑えようのない性的衝動に突き動かされる彼の想いが通じたのだろうか。彼は遂に遭遇を果たす。
「…………」
路地裏で何やら話し声のようなものが聞こえた。彼は何となく気になって、そこを覗き込む。
そこで、彼の生涯は終了した。
突如飛び出してきた粘液のようなものが彼の全身を包み、取り込んでしまったのだ。
それは、リム達を犯したスライム型の魔物だった。
2人の魔力を吸い取り、生き残った魔物の一部は、潜伏しながらもその体を少しずつ増やしていた。
獲物を取り込んだ魔物は、獲物の知識を自分のものとすることができる。
路地裏に引きずり込まれた若者は変わらない外見で再び現れたが、その中身はすでに人間ではなかった。
「ふふ……。魔法少女、か」
小さく呟くと、舌舐めずりをする。今ならば、あの忌々しいガキを好きなようにできると。
そして、人の知識と姿を得た魔物は姿を消した。
9魔法少女の涙 第3話共通 2/11:2009/10/09(金) 00:25:20 ID:/6489i6+
「つっ!?」
一瞬感じた胸の痛みに、リムは少しバランスを崩す。
魔物の反応があったように思えたが、すぐにそれも消えてしまった。
気を取り直して体勢を整えると、リムはグラウンドを蹴る足に一層力を込める。
五月中旬。少しずつ強くなり始めた日差しの中、リム達は体育の授業で100m走をしていた。
五人の走者のうちで圧倒的なトップに立っていたリムは、一瞬の気持ちの乱れ程度ではビクともしない。
気持ちのいい汗が額から流れ落ちるのを感じながら、リムは1番にゴールした。
「おー、流石だねぇ」
高田夕実(たかだ ゆみ)が手を叩きながらリムに近づいてくる。
「おつかれさま」
千葉良子(ちば りょうこ)も後ろからついてきた。この2人は命と同じ班の女子だ。
リム達は命といつも一緒にいるため、この2人とも仲良くなった。
「すごいよ、リムちゃん。私なんかビリだったのに」
命の言葉にお世辞の色はなく、羨望の眼差しでリムを見つめている。
「いっつも落ち着きない子だからね、体育ぐらい得意じゃないと」
そう言うシーナは少し悔しそうだった。実は、シーナは2位だったのだ。
リム達の身体能力は、魔力を一切使用しなければ普通の少女とあまり変わりない。
だから、戦闘でいつも走り回るタイプのリムは足が速いし、あまり動かないシーナはそれほど速いわけではない。
「でも、あれだね。リムの走りに男子達も虜になってるね」
夕実がニヤニヤした表情で言う。確かに、隆志達を始めとして数人の男子がこちらを見ていた。
「あー、特にリムちゃんノーブラだから、汗かくとねぇ〜」
「うぇっ!?」
良子はのんびりと間延びした声で指摘する。リムは焦って胸を隠すように身体を抱えた。
確かに、汗をかいた身体に体操服が張り付いている。
「体育着は結構厚さあるから見えちゃうことはあんまないけど、そろそろブラはつけた方がいいと思うよ?」
命が控えめに進言した。
リムの胸はわずかな成長傾向にあった。まだシーナにも届かないが、確実に以前よりは膨らんでいる。
「う〜……そうだよね……」
リムは、何度か行われたセリナによる性教育以来、羞恥心を抱くようになっていた。
ブラジャーを付けていないことも少しは気にしていたが、実際につけるのはなんとなく躊躇いがある。
「よし。今度のお休み、一緒にブラ買いに行こう。リムちゃん!」
命が決心したように宣言した。
家には沢山服が用意されているので、おそらくリムにぴったりの下着もあるはずだ。
しかし、リムは自分の下着を自分で選びに行くことをとても魅力的に感じた。
「うん、行こうか。リム1人じゃきっと選ぶの無理だから、一緒に選んでね」
どうせお金はいくらでもあるのだから、迷う必要はない。リムはすぐに承諾した。

一方、男子である。
「やっぱり、俺は断然高崎だな〜」
和博がだらしない笑みを浮かべていた。
「ったく。お前はまたそんな下品な目で女子を見て」
仁は口では和博を諌めるようなことを言っているが、目は女子の方を向いている。視線の先はシーナだ。
「まぁ、僕たちみんな好きな子が被らなくてよかったね」
そんな仁のことを分かっていて、隆志は口にする。つまり、隆志はリムが好きなのだった。
同じ班になっただけでリム達を好きになってしまうのは、彼らが単純なせいではない。
リムもシーナもこの世界では常人離れした美少女なので、心を奪われてしまうのは無理もないのだ。
命も、飛びぬけて可愛い方だった。リム達と釣り合うのは学校中でも命ぐらいだろう。
3人ともクラスの中でも小柄で未発達な方だが、中学生にして豊満な身体を持つような生徒にも見劣りはしない。
そんな、誰をも惹き付けてしまうだけの魅力があるのだ。
体操服姿の彼女らは、普段よりもさらに魅力的だった。
汗のせいでくっきりと見える身体のラインも、凹凸は少ないが美しい。
リムはブラジャーをしていないのが一目で分かり、多くの男子を興奮させた
来週の体育からは、この興奮も味わえないことを知れば、肩を落とす男子は多いだろう。

そんな風に、リム達は少しずつ異性との関係というものを築き始めていた。
それは、ごく普通の少女と変わらない。
魔物による陵辱という苦難を乗り越え、リムとシーナは青春を失わずにいたのだ。
リムはなんとしても魔物からこの幸せを守ろうと胸に誓っていた。
10魔法少女の涙 第3話共通 3/11:2009/10/09(金) 00:25:53 ID:/6489i6+
翌日、金曜日。
この日、全校を挙げたイベントが開催されていた。陸上競技大会である。
名前ほど堅苦しいものではなく、体育祭というほど盛り上がるものでもない。
児童・生徒の体力低下が叫ばれる昨今、新入生にまず体を動かすことを覚えさせるのが目的だ。
ちなみに、体育祭はまた秋口に別途開催される。
1年生は入学して1か月という時期に開催されるため、あらかじめ練習の必要な種目は用意されていない。
100m走やリレーなどの種目を、違う走者で繰り返し行うといった単純なものだ。
それでも、クラス対抗で成績を競い合うということで、生徒達は意外にも白熱していた。
「よーし、絶対勝つぞ〜!」
リムは気合を入れる。リムの役目は大会の最終種目。男女混合リレーのアンカーだ。
この種目は非常に重要な意味を持っている。
最終種目ということでポイントが大きく、実際のところ、この1種目に勝つかどうかでほとんど勝敗が決まるのだ。
リムにバトンを繋ぐのは隆志の役目だった。
「隆志くん、バトンよろしくね!」
リムは無邪気に隆志の手を握る。
「う、うん……」
ブンブンと振り回されながらも伝わってくる柔らかさと体温に、隆志は胸を弾ませた。
「あ〜あ、男心を知らないってのは罪なことだねぇ」
夕実は呆れた様子で言う。
「ああやって、その気無しに男の子の心を奪っちゃうんだね」
良子がのんびりと続いた。
「え?どういうこと?」
意外と鈍感なシーナにはよく分からない。
「しぃちゃんも同類かな……」
命は苦笑するしかなかった。

そして迎えた最終種目。
リム達のチームは総合得点で3位だが、結局、最終種目の結果で順位が決まるというお約束は変わらなかった。
自分達が勝てば、チームの優勝。どのチームの走者も、等しくプレッシャーを感じていた。
5つのチーム、6人ずつの走者がそれぞれ所定の位置に着く。
スタートのホイッスルが響き、走者が一斉に走り出した。校庭が応援の嵐に包まれる。
行け!負けるな!絶対勝て!負けたら昼飯抜き!と、時に脅迫めいた言葉も混じっていた。
隆志にまでバトンが回ってきた時点で、リム達のチームは2位につけていた。
隆志は力を振り絞って走る。少し走ったところで、3位のチームも5人目にバトンが引き継がれた。
その走者はぐんぐんと隆志との差を詰めてくる。後ろからくるプレッシャーを隆志は強く感じていた。
負けられない。隆志は歯を食いしばり、リムの手の感触をまだ忘れていない右手でしっかりとバトンを握りしめる。
追い上げられながらも決して抜かされることなく、ほぼ同時のタイミングでリムにバトンを繋いだ。
リムはバトンを受け取ると、ひたすらに前だけを見て走る。1位との差は20mほど。
追ってくる走者など関係ない。ただ、自分の前にいる走者を追い抜くこと以外は考えなかった。
アンカーはトラック1周、約200mを走る。
自然と落ちてしまいそうなスピードを、むしろ次第に上げるうようにしてリムは走った。
少しずつ1位との差を縮めていく。
「頑張れ〜」
「頑張って、リムちゃん!」
「行け、リム!追い抜け〜!」
友人たちの声がリムの背中を押す。リムはゴール直前で目の前の走者を抜き去り、小さな胸でゴールテープを切った。
歓声と落胆の声が響く中、リムはゴールの勢いそのままに、トラック脇で息を整えていた隆志に抱きついた。
「やったぁっ!!1位だよ!1位!」
手どころか全身でリムの身体を感じてしまった隆志は、ドギマギして何も言い返せない。
シーナ達も駆け寄ってきては、リムと隆志に抱きついた。
みんなでチームの勝利を喜びながら、ふとリムは頬を伝うものに気がつく。
それは、勝者のみが味わえる涙だった。
11魔法少女の涙 第3話共通 4/11:2009/10/09(金) 00:26:23 ID:/6489i6+
月曜日。部活中にリムはまた魔物の出現を感知した。すぐに帰宅を装って、トイレに身を隠す。
「シーちゃん。また2匹だ」
リムは困ったように眉を寄せる。最近、魔物が複数、別の場所に現れることが増えていた。
「仕方ないわね。いつもの通りにしましょ」
対応が遅れれば、それだけ一般の市民が犠牲に遭う確率が上がる。
それを避けるためには、どうしても1人ずつで現場に向かう必要があった。それはつまり、リムとシーナの敗北の確立が上がるということでもある。
ただし、戦力を分散しているため、もし捕まってももう1人が助けに来られるというのが救いか。
「うん。シーちゃん、気をつけてね」
「リムもね」
2人は互いを気遣う。不安を振り切るように変身して、現場へとワープした。

リムが姿を現したのは雑居ビルの空き部屋の中。ガランとした寂しげな風景の中に、魔物の姿は見当たらない。
「どこ?」
リムは辺りを見回すが、やはりそれらしき姿はない。
「うわあああああっ!!」
突然扉が開き、若い男性が後ろ向きに倒れてきた。
「ば、化け物……来るな、来るなぁっ!」
尻餅をついた男性は、後ずさりながら叫ぶ。
「下がってっ!」
リムは男性を庇うようにその前に立ち、魔物がいるであろう場所を睨みつけた。
「え?」
しかし、そこには何もなかった。一本道の廊下。どこにも隠れる場所などないはずなのに。
「馬鹿め!」
低く、地響きのような声がリムの身体を震わせた。次の瞬間、四方から伸びてきた粘液がリムの身体に巻き付く。
「くっ!!」
両手、両足をピンと伸ばした状態で空中に固定されてしまう。その姿は、まるでクモの巣にかかった蝶のようでもあった。
「馬鹿な魔法少女にはお似合いの間抜けなポーズだな」
男性は笑いながらリムに告げる。
「あなた……魔物なの?人間の姿をして、言葉を喋るなんて……まさか!?」
「そう。食ってやったのさ。この男を。身体ごと、知識までな。そのおかげで、こんなちょっとした悪知恵なんかも働くってわけだ」
魔物は指先でリムの頬を撫でた。リムは不快感に顔を歪ませる。
「お前、俺のこと覚えてるか?」
突然浴びせられた問いに、リムはきょとんとしてしまった。
「え?魔物に知り合いなんていないよ」
「はっ!せっかく乳とクリだけで快楽の虜にしてやったってのに、覚えてないってのか?」
その言葉に、リムの身体は強張る。うまく言葉を紡げず、自分を縛る物体に目をやった。
「そう、あの時のスライムだよ。思い出したか?死んだと思ってたんだろ」
緑色の粘液を目にして、おぞましい記憶が蘇ってくる。
「あ……ぁ……」
乗り越えたと思っていた恐怖が再びリムの心を鷲掴みにした。
まるで爪が食い込むようにリムの心に穴を開けて、そこから弱さが滲み出てくる。
「いや……いやぁぁ……あんなの、もう……」
弱気な言葉を口にしながら、両手の戒めを解こうと力を込めた。
だが力を入れようとしても、入らない。拳を握ることすらもできなかった。
「へへ……、その粘液はお前の筋力を麻痺させるように出来てるのさ」
魔物が見透かしたように言う。
「まぁ、そんなに嫌がらなくてもこないだみたいなことはしないさ」
「え……?」
リムは信じられないものを見るような目で魔物を見た。
「せっかく知識を手に入れたんだ。あんな単純な責めじゃつまらないだろ?頭を使って、じっくりとお前を苦しめながら魔力を奪ってやるよ」
リムは俯く。魔物は自分を傷つけることしか考えていないのだということを思い出した。
「さて、それじゃあ始めさせてもらおうか」
12魔法少女の涙 第3話共通 5/11:2009/10/09(金) 00:26:50 ID:/6489i6+
魔物はリムの胸に手を伸ばした。
「ん……」
「へぇ?少し膨らんでるじゃないか。1か月前はまっ平らだったのになぁ」
ケラケラと笑う魔物の言葉に、リムは赤らめた顔を背ける。
コスチュームの上から魔物の手が無造作に触れてきて、育ち始めの胸が少し痛んだ。
「やだ……やだっ……」
リムは、以前までの陵辱とは違った嫌悪感を抱いていた。
2度の陵辱はスライムや触手といった明らかに異形の者によるものだ。
しかし、今のリムの身体に触れている魔物は人の形をしている。まるで人間同士のセックスのようではないか。
「んむっ!?」
魔物がリムの唇に吸いつくように覆い被さってきた。
「むぅぅぅぅ!!!」
首を振って逃れようとするが、魔物の唇はしつこく食らいついて離れない。
(嫌だっ!キスなんて、まるで……)
まるで恋人同士のようだ、とリムは思った。
キスをし、身体に触れる。強引なやり方ではあるものの、恋人同士のそれと大きくは違わない。
魔物が自分の恋愛に土足で上がりこみ、踏みにじっている。いつか愛する人とするべき行為を奪われている。
なまじ魔物が人間の姿をしているだけに、リムは強くそれを感じた。
「ふむぅっ!!!むぃぃっ!!」
魔物の舌がリムの口内への侵入を試みる。リムはそれを防ぐように歯を食いしばった。
「ぃいっ!?んんんぅぅ……」
魔物は動じず、門扉のように閉ざされたリムの歯と歯茎を舌で舐め回す。リムの頬を内側から押し膨らませながら、奥歯まで丹念に。
「んんんん!?」
次いで、リムの口に魔物の唾液が流し込まれた。粘ついたそれは、食いしばる歯の隙間を縫うようにして通り抜けてくる。
溢れるように湧いてくる唾液はリムの舌を浸し、口内に池のように満ちた。
「んえぇっ……んぐぅぅ……」
唾液を呑み込んでしまいそうになり、リムは気持ちの悪さに嘔気を催した。
噛みしめる顎の力が緩んだ隙に、舌がリムの歯の間に入り込む。
「んぐぐぐ……」
凄い力で下顎を押す舌をこれ以上侵入させまいと、リムは必死で抵抗する。
「んぁっ、むぐぅぅうっ!!!!」
放置されていた胸の先を不意に摘み上げられて、リムは甘い声を出してしまった。
一瞬開かれたリムの口に、魔物の舌が入り込む。
「うぇぇぇ……んちゅっ……」
魔物の舌はリムの舌に絡みついてきた。初めて味わう異性の舌の感触にリムは戸惑う。
すぐに嫌悪感が込み上げてきた。相手は、こんな行為をするべき恋人ではないのだ。
必死で逃れるように舌を引っ込めるも、魔物の舌はしつこく追いかけてくる。
魔物の舌は、人間の舌にしては長かった。取り込んだ後に多少の変化を加えたのだろう。
長い舌はリムの上顎を擦りながら口の奥へと進み、舌を付け根の方まで舐め回す。
「んぇええええっ!?」
喉の異物感に、リムは胃にわずかに残る給食の残骸を吐き出してしまいそうになった。
キスは、本来こんなに侵略的なものであるはずがない。
それなのに、どこかにわずかな快感を覚えてしまいそうな自分をリムは恥じた。
もう魔物に染められてしまっているのかもしれないと思い、絶望に胸が沈む。
13魔法少女の涙 第3話共通 6/11:2009/10/09(金) 00:27:12 ID:/6489i6+
「ひぁっ……むちゅ……れろ……」
再び魔物の手が胸を弄り始めた。膨らみかけの胸にそぐわない感度で、リムは反応を示す。
もう片方の手がリムの背中を撫でるように下り、柔らかな尻を掴んだ。
「ひっ!?」
リムは突然、電気が走ったように跳ねる。
魔物が身体を密着させてくると、スカートの上からリムの股間に何かが触れたのを感じたのだ。
(これ……まさか……)
男性のその位置にあるものがなんであるか、リムにもすぐに分かった。
身につけたジーンズを突き破りそうなほどに堅く勃起したペニスがリムに触れている。
「や……ふむぅっ……やだあああっ!!!」
自分の膣を貫き、快感を味わわせては子宮に精を放つ。そして自分を孕ませる男性器。
セックスの知識を身につけたリムにとって、それはスライムや触手よりも明確な恐怖の対象だった。
「ん……ふぁ……ひうぅぅっ!!!」
魔物は指をスカートの中へと滑らせ、リムの秘裂をすっとなぞる。
「んんっ……、ふぁ……やめてぇ……」
股間を弄る指の動きに、リムは敏感に反応した。口内を侵略する魔物の舌に抵抗する余裕もない。
ただただ、成されるがままに全身を愛撫されながら、身体の内側から溢れる衝動に耐えていた。
だから、自分達の周辺をゆっくりと旋回するような動きをする物体にも気づかない。
「ひぅ……あっ!?いやっ!!」
魔物はリムの下着を無理やり引き千切った。左側が破れ、右足の膝上までずり落ちる。
守るものを失くしたリムの性器に、魔物の指が直接触れた。
「ひゃぁうっ!!」
いつの間にか勃起していたクリトリスに触れられ、リムは甘い声を出す。
「はむ…。んうぅ……、ふああっ!!」
リムの性感はどんどん高まって、声を抑えることができなくなってきた。
指が下へと移動し、膣口の入り口付近を撫で回す。
「もう、どっかのやつにヤられちまってるんだろ?つまんねぇな」
悔しそうに魔物は言うと、指を膣の中に押し込んだ。
「ひぁあああっ!!!」
狭い膣に侵入されて、リムは不覚にも強く感じてしまう。小さなリムの膣には指一本でも大きな負担だった。
「ひぐっ!!いっ!うああっ!!!」
指が素早く抜き差しされる。膣壁を撫でる指は何度も向きを変えた。
「ん……いっ!!ひぃんっ」
リムの膣壁を余すことなく責め、その反応でどこが最も感じるのかを探っている。
「ひううううううぅっ!!!!」
ここか、と狙いを定めると、魔物はそこだけを重点的に、さらにスピードを上げて責めた。
「あうぅぅっ!!!いぅっ!!!やああぁぁあっ!!!!!」
指が深く入るたびに愛液が飛び散る。すでにリムの膣からは相当な量の愛液が分泌されていた。
「はぅっ、はっ!あっ、んっ、ふぅっ……あっ、あっ、あっ、あっ!!!
リムの声のボリュームが上がってくる。
そろそろだと感じた魔物は、親指をリムのクリトリスに当て、膣内の人差し指とでリムの性器をつまみ上げた。
「いっ……、ふぁ……ひああああああああああああああああああんっ!!!!」
リムは身体を震わせて叫ぶ。同時に、膣から液体が吹き出した。
「あぅ……あ……は……っ」
絶頂の波に襲われたリムは、脱力して荒く息をついている。
「潮吹いたか。ガキのくせに、淫乱か?おまえは」
吐き捨てられた魔物の言葉は、リムの心を鋭く抉った。
14魔法少女の涙 第3話共通 7/11:2009/10/09(金) 00:27:43 ID:/6489i6+
「さて、本番だな」
そういうと、魔物はズボンのチャックを下ろし、いきり立ったペニスを解放した。
絶頂の余韻の中で、リムはそれをぼんやりと見つめる。
(あれが……。おちんちん……?)
昔見た父親のものや、施設の男の子たちのは、あんなではなかった。あんなに凶暴そうで、暴力的な印象は受けなかった。
(あれが、リムの中に……?)
セリナにはそう教わったが、あの大きなペニスが自分の小さな膣に入るとは思えない。
まだどこか非現実的なことのように思えていた。
「……ひっ!?」
だが、ペニスがリムの割れ目にあてがわれると、急にそれは現実味を増してくる。
「うぁっ!!は……あうっ!!」
指で性器を左右に広げられ、露わになった無防備なクリトリスを、魔物のペニスが弾いた。
「んっ!あっ……あぅぅ……」
何度も弾かれる度に、リムの身体は正直に反応する。
魔物はペニスを様々な向きに変え、クリトリスを中心に、挿入はしないままリムの秘裂全体を弄んだ。
スカートの中でよく見えないペニスの形を、リムはクリトリスで覚えてしまいそうになる。
カリの裏筋の部分でクリトリスを引っ掻くように擦られる時、リムは特に強い快感を覚えたし、魔物も興奮している様子が伺えた。
「もういいだろう。いくぞ」
「んぁっ、や……やめ……」
リムの膣から流れ出す愛液の量に満足したのか、魔物は宣言するとリムの拒絶の言葉も終わらぬうちに挿入した。
「ん……ぎ……うぁ、ぁああああっ!!!」
ゆっくりと、リムの狭い膣をかき分けて入ってくるペニスに、リムは鈍い痛みを感じる。
おそらく、魔物のペニスは元になった人間のものよりも一回り大きくなっているのだろう。
標準よりも大きなペニスを受け入れるには、リムの膣は小さすぎた。
「ぁあああうっ!!!いぐっ、や……ああああっ!!」
愛液も潤滑油として大して作用せず、快感をかき消すようにして痛みが押し寄せてくる。
そんなリムの反応に満足するように、魔物は速度を変えず、ゆっくりとリムの奥へ奥へと入り込んだ。
「ひぎ……あっ……ひああぁっ!!!」
苦痛の色ばかりだったリムの呻き声に、突然甘い色が混じった。
「ああぁ……お、くに……奥に、あたって……っ……」
リムの小さな体では、ペニスを全て埋めなくても子宮口に届いてしまう。
魔物はまだ残る竿の部分まで全て挿入し切ろうと、少し勢いをつけて腰を打ち付けた。
「ひううううううぅぅぅっ!!!!!」
子宮口を押される感覚に、リムは甲高い声を上げる。
「ぁ……うぁ……く、あぁ……」
子宮を潰しそうなほどに押し入ってくるペニスの衝撃に、リムは言葉にならない呻きを漏らす。
「さすがにきついな。いい具合だ。これで初物なら文句ないんだがな」
魔物は上機嫌な様子で言い放った。そして根元まで埋まったペニスを一気に引き抜く。
「いぎいいいいぃぃっ!!!」
挿入の時のジワジワとした鈍い痛みと違い、勢いよく膣壁を削り落されるような鋭い痛みがリムを襲った。
「これぐらいで痛がってたら、この先持たないぞ。おらっ!」
「うああああああああああぁぁっ!!!」
魔物が腰を打ちつけるように、またペニスを突き刺した。
「いぐっ!が……あぎぃっ、うぐ……ぃいいいいいっ!!!」
魔物のピストンによって身体を小刻みに揺らされながら、リムは叫び続ける。
「なぁ、魔物の精液じゃお前たちは妊娠しないんだろう?」
「はぐ……っ……な、なんの……、はなし……っ……?ぅああっ!!!」
ピストンする腰の動きはそのままに、唐突に魔物は話し出した。意図が汲み取れないリムに魔物は続ける。
「じゃあ、人間の身体を乗っ取った魔物の精液はどうなんだろうな?」
一瞬の間の後、凍り付いたリムの顔を見て、魔物はあまりに醜悪な笑みを浮かべた。
「いぎっ……や、だ……やめっ!!やめてええええああああああっ!!!!!」
すでに魔物は準備ができていた。リムの拒絶の絶叫が響くのと同時に、リムの中に精子を放つ。
「うぁっ!!!あぁ……し、きゅぅ……に……あふれて……」
子宮口に押し当てられたペニスから放たれた精子は、リムの子宮の最奥を叩き、溢れんばかりに満ちた。
身体の中に巨大なしこりがあるかのように、リムは自分の心を蝕む精液の重さを感じた。
「ぅぐ……」
魔物がペニスを引き抜く。
途方もない脱力感の中で、リムは魔物の子を孕まされる恐怖に身体が震えた。
15魔法少女の涙 第3話共通 8/11:2009/10/09(金) 00:28:13 ID:/6489i6+
絶望的な気持ちの中でリムがのろのろと顔を上げると、目に入った魔物のペニスは未だ萎えていなかった。
射精を終えた後なのにも関わらず、むしろその猛りを増したかのように天を仰いでいる。
「ぃ……や……」
引き攣るリムの顔を見て、再び魔物はリムの股間にペニスを当てがった。
「そんなこと言いながら、分かってるだろう?体は俺のものを欲しがってるってことが」
リムは魔物の言葉に言い返せない。魔物の言うとおり、身体の奥から突き上げる衝動に気付いていた。
魔物の精液に媚薬効果があるのは知っていたが、それでも自分がはしたなく思えて仕方がない。リムは顔を背けて赤面した。
「気持ちよくさせてやるよ。淫乱なガキらしくよがり狂え」
「う……はああああああああっ!!!!」
今度の挿入がもたらしたのは苦痛だけではなかった。魔物の宣言通り、リムは快感の波に飲まれている。
「ぁん、んんっ!!く……やだっ……あはあぁっ!!」
苦痛は変わらないが、それを上回るほどの快感が押し寄せてきた。
「おらおら、もっと喘げ!!!」
「くはっ!!!ひぁんっ、ひゃああああっ!!!!」
大量に溢れた精液と愛液の混じり合ったものが、リムと魔物の結合点から飛び散る。
突然、リムを拘束していた粘液が消失した。支えを失ったリムは前のめりに倒れこむようにして魔物に抱きとめられる。
「ぅあああああんっ!!!!!」
リムは自分の体重で魔物のペニスを奥深くに銜え込んでしまった。子宮口を突かれて甘い声が出る。
拘束は解かれても体に力が入らず、リムは魔物に抱きついた恰好のまま動けない。
リムは魔物に太腿の部分を抱えられたまま挿入されている。そのままリムの身体を上下に揺する形で、ピストンが再開された。
「ひあっ!!やっ!!!だ、だめええぇっ!!!」
身体の小さなリムは、魔物の大きな体の胸に顔と手を委ねる格好で犯されている。
羞恥を感じながらも、快感に抗い切れずに悶えるリムは、傍から見れば魔物に犯されて悦んでいるようにも見えた。
「ひぐっ!!!いっ!!!ひゃぅっ!!!ふぁああっ!!!」
魔物は少し後ろに反るような体勢でペニスを真上に突き出して、リムの身体を軽く放り上げる。
ペニスが抜けない程度に浮かび上がったリムの身体は、すぐに重力に引かれてペニスを飲み込んだ。
「よし、いくぞ。お前も一緒にイきやがれっ!!!」
魔物はさらに腰を打ちつける動作を加えて、リムの中を激しく犯す。
「やっ、あっ、くっ、ふっ、んぁっ、ひあああああああああああああああああああんんっ!!!!」
魔物が二度目の射精をするのと同時に、リムは絶頂を迎えた。
乳首やクリトリスを弄られての絶頂ではなく、挿入による絶頂は初めてだ。
身体の中心から吹き出るように全身を駆け巡る快感に、リムは魔物相手ということも忘れて打ち震えた。
まるで恋人にするように、魔物の身体にすがり付いて叫ぶ。
「ふぁ……あ……は……うぐっ!」
突然、魔物はリムの身体を放し、投げ捨てた。
「あう……あぁ……」
地面を這いつくばるリムは、起き上ることもできずに悶えている。
絶頂の余韻にぼやける視界の端に、リムは何かが浮かんでいるのを捕らえた。
(なに……あれ……?)
「ああ、あれか」
リムの心を読んだように、満足げな魔物はその物体を見て言う。
「知らないか?ハンディカムってやつだよ。最初っからずっと飛んでたんだけどな、気持ち良すぎて気付かなかったか?」
「ぇ……はんでぃ……かむ、って……まさか……!!!」
それが示す事実に気がついて、リムは蒼白になる。
「ああ、ばっちり撮れてるぞ。お前が間抜けな顔して乱れてるところがな」
「いやあああああああああっ!!」
リムはこの世の終わりのような顔をして泣き叫んだ。
「消してっ!!消してええっ!!!」
這いずりながら魔物の足にすがって懇願する。
魔物に犯されて喘いでいる自分の姿を録画されているなんて、考えただけで目の前が真っ暗になった。
「嫌だね。これは、ネットで流してやる予定だからな。よかったな。明日からお前のファンが増えるぞ」
リムはもう声も出なかった。あの姿が見られてしまう。全世界の人間に。
「嫌か?」
魔物は呆然とするリムに問いかける。
その笑顔は、不幸な人間を美しい言葉と笑顔で騙す詐欺師のそれに似ていた。
「それなら、一つ条件を出そう」
16魔法少女の涙 第3話共通 9/11:2009/10/09(金) 00:28:38 ID:/6489i6+
「リム、もう帰ってたんだ」
シーナが家に帰り付いたとき、すでにリビングにはリムの姿があった。
「あ……うん。シーちゃんは大丈夫だった?」
「それが聞いてよ、ほんと面倒なやつだったんだから」
シーナが戦った魔物は小さな体で動きは素早く、そのうえ体を保護色に変えて周囲の建物や植物と同化までした。
そのため、倒すのにかなり時間がかかってしまった。かれこれ1時間も追いかけっこをしていただろう。
「もう汗でベタベタよ。リム、一緒にお風呂入ろう」
シーナはいつも通りにリムを誘うが、リムは首を横に振った。
「ごめん、今日はもう先に入っちゃった。リムも、汗びっしょりで」
「そうなんだ……」
シーナは少し不思議に思った。いつもなら待っていてでも絶対一緒に入りたがるのに。
(今更ながら、恥ずかしくなる年頃になったのかしらね)
1人で風呂に入り、シャワーを浴びながら、そう結論付ける。
シーナは少し寂しさを感じた。ほとんど親の心境である。

シーナが風呂からあがると、リムはもうパジャマ姿でいた。
「リム、どうかした?」
リムの顔が少し赤い気がした。シーナが尋ねると、リムは噛み合わない返事をする。
「あのね、シーちゃん。今日はリム、別のお布団で寝ようと思って」
「え?どうして?」
シーナは今度こそ本当に寂しかった。ずっと自分にベッタリだったリムが、自分と距離をとっている。
「どうしても。ごめんねっ」
リムは恥ずかしげに目を逸らして、いつもとは反対側のベッドルームへと走って行ってしまった。
(もしかして……生理でも来たのかしら?)
自分もまだなのに、とシーナは思う。先日の命と同じ勘違いをしていた。
二人とも、まだ生理が来ていない。どちらも遅い方のようだ。
リムはそのままリビングには戻ってこなかったため、シーナは寂しい夜を過ごして、ベッドに入った。
その頃、リムがどういう思いでいたかも知らずに。
17魔法少女の涙 第3話共通 10/11:2009/10/09(金) 00:29:02 ID:/6489i6+
翌日、リムは早起きだった。シーナが起きた時にはもう制服姿に着替えていた。
「おはよっ、シーちゃん」
元気に朝の挨拶をするが、それを受けたシーナは眉を寄せる。
「リム、どうしたの?体調悪い?」
「え?なんで?」
リム自身は気づいていないようだが、目がひどく充血していた。寝不足だった様子が見て取れる。
「ねぇ、リム。何かあるなら、ちゃんとあたしに言いなさいよ。秘密なんて無しだからね」
「な、なに言ってるの?シーちゃん。リム、全然元気だよ。ほら、ごはん食べよ」
シーナとの会話を打ち切るように、リムは朝食の用意をする。
デリケートな問題かもしれない。そう思って、シーナは無理に追求しなかった。

通学中も、学校でも、リムの様子はおかしかった。
やはり寝不足だったようで、何度もあくびをかみ殺していた。そして時折、何かを堪えるように、身を固くして目を閉じる。
シーナは生理について詳しくなかったが、リムの様子は生理ではないだろうと気がついた。
その原因が判明するのは昼休みになったときのことである。

リムは給食の配膳を受け、どこか危なげにお盆を運んでいた。
「うぅっ……」
席に戻る途中で、リムは急に立ち止まる。少し内股になった足が小刻みに震えだした。
「うぁ……、や……いやぁあああああっ!!」
リムは苦しげに叫び、そのまま崩れ落ちる。
給食のお盆が落ちて大きな音を立て、シチューやパンが床に散らばった。
リムはうつ伏せにうずくまる形で震えている。
「どうしたの!?」
近くにいた隆志が声をかけた。
「来ないでっ!」
悲痛な叫びが近寄ろうとした隆志の足を止める。
以前リムが苦しみ出した時のことを思い出して、隆志は戸惑った。
「お願い……。来ないで」
リムは震える声で懇願する。
「あうぅぅっ!!ふああああぁっ!!」
叫び声と共にリムの身体が激しく揺れた。周囲の生徒達は様子がおかしいと顔を見合わせ始める。
「ちょっと、どいてっ!!!」
リムを囲む同級生の輪を裂いて、シーナがリムに駆け寄った。
「どうしたの?リム!?」
魔物の反応とは違う異常な様子を見てシーナは訊ねるが、リムは首を横に振って答えようとしない。
よく見ると、床に濡れたような跡があるのに気づいた。それは粘り気を帯びているようだった。尿ではない。
感づいたシーナは、他の生徒に見つからないように魔法でその液体を蒸発させた。少し残った粉を足で払う。
「帰ろう、リム!」
シーナは立とうとしないリムを無理やり引きずった。
玄関口に着いたところで、やっと人目が無くなったので、素早くワープする。
「ちょっと、リム!あんた、魔物に何かされてるの!?」
リビングに帰り着いた途端、シーナはリムを怒鳴り付けた。
「うぅ……」
リムはソファに倒れこんで、苦しげに呻いている。
シーナは腹を決めて、リムの服を捲りあげた。
この間買ったばかりのスポーツブラを上にずらすと、膨らみ始めた二つの胸の先端に異物が付いている。
緑色の硬質なリングのようなものが、しっかりと乳首の周囲に張り付いていた。
「何……、これ?」
シーナは呟きを漏らした。声が震えている。
「やめて……見ないで、シーちゃん……」
涙声で股間を抑えるリムの仕草から、股間にも同様のものが付いていることが分かった。
「リム」
シーナの声は静かなものだった。
しかしそれは普段の優しい声とはかけ離れて、異常なほどに温度を感じさせない。
「話して、全部」
18魔法少女の涙 第3話共通 11/11:2009/10/09(金) 00:29:25 ID:/6489i6+
シーナの静かな威圧に負けて、リムは全てを包み隠さずに話した。
魔物はリムを撮影した動画をアップロードしない代わりの条件として、リムにバイブのような機能を持つ3つのリングをつけたのだ。
もしリングを外したら、その時点で動画は全世界に公開される。魔物はリングの状態を感知できるらしい。
昨日、風呂に入らなかったのはシーナにバレるのが嫌だったからだ。
リムは昨夜、突然振動し始めるリングの責めを必死で耐えた。決して自慰はしないと心に決めていた。
震動は弱いものの、徐々に媚薬を塗りこまれたため、給食の時間になって、ついに耐えきれなくなったのだ。
「セリナさん!」
シーナは低い声でリビングのテレビに向かって叫ぶ。すると、画面にセリナの顔が映し出された。
「すみませんけど、リムのことお願いします」
「シー、ちゃん……?」
リムの弱々しい呼びかけには答えず、シーナはワープで姿を消した。

シーナは、学校の近くに建つ10階建てほどのビルの上で風に吹かれていた。
すでに変身を済ませており、ワンピースが風にたなびいている。目を閉じて神経を集中させた。
リムを襲った魔物は、人間を取り込んでいた。人間を取り込んだ魔物は、気配を察知するのが難しい。
昨日リムが察知できたのは、魔物があえて察知させたのだ。他の魔物が出現したタイミングを見計らって。
シーナは周辺の魔力を丹念に探索した。魔物はきっとこの近くにいる。リムが悶える姿を、魔物は近くで見ようとしたに違いない。
「見つけた!」
特異な魔力の波動を察知し、シーナは直線距離で飛んで行った。ワープするような距離でもない。
都市の中にある森林公園の中に魔物は潜んでいた。
高速で飛んできたシーナは、勢いそのままに、魔物に向かって突進した。
「やあああああああああああああああっ!!!」
シーナの熱い拳を、魔物は片手で余裕を持って受け止める。
シーナの身体から放出された炎が、森の一部を消し飛ばした。延焼する暇もなく、緑が燃え尽きる。
「どうした?その程度か?」
「お前だけは許さない!リムを何度もあんな目にあわせて!!」
挑発する魔物の言葉に、シーナは怒りを露わにする。「烈火」の称号に相応しい怒り様だった。
弾けるような音がして、シーナと魔物は同時に飛び退く。距離をとった二者は、隙を窺うようにお互いを睨みつけている。
そして、同時に地を蹴った。

部屋に残されたリムは、セリナに改めて報告をしていた。さっきからリングの震動は治まっている。
「リムちゃん、この間教えたでしょう?生理が来てないあなたは妊娠することはないから、それは安心していいわよ」
その言葉にリムは胸を撫で下ろす。今まで余裕がなくて、指摘されるまでそれに気付かなかった。
「どうする?リムちゃん」
セリナは声を固くして話しかけた。
「いま、シーナちゃんが魔物と戦っている。魔物はあなた達の魔力を吸収しているから、一人では苦戦するかもしれない。
 あなたが加勢しないと、もしかしたら負けてしまうかも……」
「でも……」
もちろんリムにもそれは分かっていた。しかし、そのためには一つ問題があるのだ。
それはリングだった。戦闘中に動き出せば隙が生まれて、そのせいで負けるかもしれない。
かといって外せば、動画が公開されてしまう。リムは選択を迫られていた。
「もしかしたら、戦闘中の魔物は動画を公開できないかもしれない。魔物を倒せば止められるかも」
リムは呟いた。
「でも魔物は遠隔操作で、もしくはリングが外されるのと同期して公開できるようにしてあるかもしれない」
セリナは冷静に可能性を指摘する。
「選ぶのはリムちゃんよ。心に負う傷を考えれば、どちらを選んでもあなたを責める人なんていないわ」
リムは悩んだ。今すぐにでも駆けつけないと、シーナが負けてしまうかもしれない。
自分の身を案じるあまり、シーナを見捨てることだけは避けなければならなかった。
そして、リムは選択する。
19魔法少女の涙 第3話通常END 1/2:2009/10/09(金) 00:30:03 ID:/6489i6+
「リングを外して」
リムはセリナに告げた。
何より大事なのはシーナが自分のような目に遭わないことだ。それならば、迷うことはない。
まっすぐに見つめてくるリムの瞳をセリナが確認した直後、リングに亀裂が走った。
真っ二つに割れたリングは、カラカラと音を立ててフローリングに転がる。
「リムちゃん、急いで。今は、魔物を倒せば動画の流出を止められる可能性にかけましょう」
「うん!」
リムは大きく頷き、素早く変身してからワープした。シーナと魔物の位置はすでに把握している。

「はっ……はぁっ……」
シーナは肩を大きく上下させながら呼吸をしていた。
遠距離支援型のシーナは、魔物と1対1で格闘することは不得手なのだ。
「休んでる暇があるのか?」
後方で魔物の声がする。シーナが振り返るのと同時に、魔物の拳がシーナの腹にめり込んだ。
「が……かはっ!!」
やや下方から押し上げられるような打撃で、シーナの身体はくの字に折れ、軽く宙に浮きあがった。
柔らかな腹にめり込んだ拳の衝撃で、シーナの意識が一瞬ショートする。内臓がいくつか破裂したかもしれない。
無防備になったシーナの身体に、魔物はすかさず次の攻撃を加えた。
地面が割れて熱湯が間欠泉のように噴き出し、シーナの身体を激しく叩きつけながら打ち上げた。
「あがあああああああああああっ!!!!!」
肌を焼かんばかりの熱と、全身がバラバラに壊れてしまいそうな衝撃で、シーナは絶叫する。
上空10mに届こうとする辺りまで飛ばされ、そのまま垂直に落下した。
「シーちゃああああああんっ!!!」
地面に衝突する直前、滑り込むように姿を現したリムがシーナの身体を抱きかかえる。
「お前……!!」
魔物は驚いた様子でリムを睨みつけた。
「そうか、気付かなかったぜ。リングを外してやがったのか」
傷ついたシーナの身体を労わるように柔らかく抱きしめて、リムは魔物を睨み返す。
「シーちゃんを傷つけることだけは許さないよ!」
先ほどのシーナと似たような台詞を吐くリムに、魔物は不快そうに舌打ちをした。
「うぜぇな、お前らのその態度。そう言うなら、俺を倒してみろってんだ!」
魔物の手から、炎の球が吐き出された。高速で、リムとシーナへと飛来する。
しかし、シーナを庇うように突き出されたリムの掌で、炎は跡形もなく消失した。
「それぐらいじゃ、リムはやられたりしないよ」
リムは余裕の表情で告げる。そして、気を失っているシーナを家までワープさせた。
すっくと立ち上がり、掲げた手にエレメントを出現させる。今回は、槍の形をしていた。
両手で槍のエレメントを掴み、重心を低く構える。
「今のリムは本気で怒ってるよ。全力で倒してやる!!」
魔物は小さな少女の気迫に、身が震えるのを感じた。心の底から恐怖している。
一方のリムは、怒りと共に、自信に満ち溢れていた。
普段なら制御しきれない自分の魔力も、今なら完全に使いこなせるという確信がある。
「たっ!」
小さな気合いと共に、リムの身体が動いた。
「何っ!?」
次の瞬間には、魔物の目の前に現れたリムが槍を振りかぶっている。そのまま、魔物の左腕を切り落とした。
「グガアアアアアアアアアアアッ!!!」
醜い叫び声と鮮血が吹き出す。
間を置かず、リムの周囲に発生した無数の小さな水球が魔物の身体に浴びせられた。
「イ……ギ!!ゲアアアアアッ!!!」
咄嗟に炎のバリアを張ったものの、魔物は大きく吹き飛ばされる。
地べたで激しい苦痛に悶える魔物の傍らに、いつの間にかリムが立っていた。
「ヒッ……」
隙のないリムの構えを目にして、魔物は勝機がないことを知る。
心に怒りの炎を燃やし、尚且つそれに飲まれていないリムは、あまりにも強かった。
20魔法少女の涙 第3話通常END 2/2:2009/10/09(金) 00:30:33 ID:/6489i6+
リムは勝利を確信していた。だからこそ、詰めの甘さが生まれてしまう。
可能な限り素早く、魔物を殺してしまう必要があったのだ。
リムがエレメントを大きく振りかぶり、最後の一撃を放つ直前、魔物は活路を見出した。
人気の少ない森林公園とはいえ、街中で繰り広げられた激しい戦闘が野次馬を呼び寄せるのは当然だ。
「があああああああ!!!!」
大地を揺るがす咆哮と共に、魔物は左腕から吹き出る血を操って、野次馬に向かって襲いかからせた。
「あっ……?だ、だめっ!!」
完全に不意を突かれて、リムは反射的に駆け出していた。
魔物の血は蛇のように波打ちながら、1人の少女を標的に選び、その胸を一突きにしようとする。
少女は突然降りかかった危機を認識できずに、茫然とそれを見ているだけだった。
「てやあああっ!!」
少女の身体が貫かれる直前、リムは血の蛇の先端を切り落とす。切られた頭の部分は軌道をそらされ、少女の顔を横切って行った。
「くそぉっ!!」
リムが悔しげに振り返ったとき、魔物の姿はもうそこになかった。
魔物は今のリムに勝てないことが分かっていた。ただ、逃げるために時間を稼げればよかったのだ。
おそらく、すでに遠く離れたところにいるのだろう。追うことはできない。
リムは失意と共に帰路についた。

「馬鹿っ!!!」
帰るなり、シーナの怒声が飛んだ。
リムは肩を竦めて怯えたように縮こまる。一方、心の片隅では、もう怒鳴れるほどシーナが回復していることを喜んでいた。
つかつかと歩み寄ってきたシーナは、リムの身体を抱きしめる。
「なんで、あたしに相談しなかったの。あんなこと、一人で抱え込むなんて!」
シーナは涙を流していた。悔しかったのだ。苦しんでいるリムのことなど全く知らなかった自分が。
「ごめん、ごめんね、シーちゃん」
「謝らなくていいのよ。1番辛いのはあんたなんだから」
おそらく、リムの陵辱を収めた動画はすぐにでも流出することになるだろう。
「私も、出来る限りのことはしてみます」
テレビ画面を通して、セリナの声がした。
「ネットワークを介して流されるデータを全て消去することは無理だけど、出来ることはあるわ」
それだけ言うと、テレビの電源が落ちてセリナの姿は見えなくなる。
静かな部屋で2人は抱き合っていたが、落ち着いてくると気恥ずかしくなって体を離した。
「ほんとに、ごめんね」
リムが申し訳なさそうに言う。
「だから、謝らなくていいって言ってるでしょ。だけどもし、申し訳ないと思ってるなら、1つお願いを聞いてくれる?」
「お願い?」
リムは首をかしげた。
「一緒にお風呂に入って、一緒の布団で寝ましょ。1人じゃ、ちょっと寂しいのよ」
恥ずかしさを堪えて言うシーナの顔を見て、落ち込んでいたリムの顔に、少し笑みが浮かんだ。

/ 第3話 END
21杏の人:2009/10/09(金) 00:36:22 ID:/6489i6+
以上です。
次回の投下は、第3話 BADENDになります。

少し久し振りのBADENDということで気合が入ったのか、
陵辱シーンのみで今回投下分と同じぐらいの容量となっております。
現在、1回投下分のストックを書き終えた時点で投下する形をとっていますが、
次を投下したくて気がはやっておりますので、意外とすぐ投下するかもしれません。

それでは、今回も読んで頂けていれば幸いです。
少しでも気に入って頂けたならば、それが最上の喜びと思っております。
では、また次回。
22名無しさん@ピンキー:2009/10/09(金) 01:02:46 ID:kcPMyfhP
おいおい…こんだけ根っこのある話を書く人が、投下するのに気が逸るとかどんだけ頼もしいんだよ…

しかし生理もまだなオニャノコの慰め合いながら淫靡な敵と戦うっていうのは良いな
23名無しさん@ピンキー:2009/10/09(金) 01:03:03 ID:8q3y7WnL
>>21
GJ! BADENDも楽しみにしてます!
24名無しさん@ピンキー:2009/10/09(金) 11:49:17 ID:oBD/ULpT
思った以上の緊迫感があるぞ。あとやっぱりエロ描写が好きですよ。楽しみでしょうがない
25名無しさん@ピンキー:2009/10/09(金) 13:18:22 ID:ZCNBmAvP
GJ!
学校での描写が今後の展開を期待させるね
やっぱ男子から襲われるとか女子もみんな魔物に犯されるとか期待大
26杏の人:2009/10/09(金) 22:13:32 ID:/6489i6+
どうも、杏の人です。感想等ありがとうございます。

今回は、魔法少女の涙 第3話BADEND 13レスを投下させていただきます。
同日の連投となりますが、書き終えたときの衝動を抑えきれませんでした。
ストーリー的にも続きですので、今後も、BADENDは短い間隔で投下させて頂くかもしれません。
(一度に全部投下するには、少々長すぎるので。短い場合は一気に投下させて頂くかも)

陵辱シーンは2レス目〜12レス目です。
注意点として、
・快楽系とハードな苦痛系
・レズ的プレイ
・モブキャラ死屍累々
・出産
・一部、軽くグロっぽい描写あり
といったものがあります。ご注意ください。
また、BADEND投下の際には、登場人物紹介は割愛させて頂きます。

それでは、次レスから投下開始です。
27魔法少女の涙 第3話BADEND 1/13:2009/10/09(金) 22:14:39 ID:/6489i6+
リムは、自分の淫らな姿を世間の目に晒されることが恐ろしくて堪らなかった。
「このまま、行ってくる」
愚かな決断だと分かっていながらも、恐怖に取りつかれたリムはそれを選択した。
「わかったわ。それなら、魔物に気付かれないように、不意打ちで倒しましょう」
「え?」
リムはセリナの言葉の意味が分らなかった。
「あなたが来たことがばれたら、魔物はすぐにそのリングを作動させるでしょう。なら、ばれる前に勝負を決めるしかないの」
「……うん」
リムは緊張した面持ちで頷いた。強く脈打つ胸を押さえて、戦場へと向かう。

リムは少し離れた場所から2人の様子を窺う。
シーナは地面に倒れ伏していた。破れたワンピースから覗く素肌は、赤く焼けただれたようになっている。
「げほっ、ごほっ!!」
苦しげに腹を抑えて咳込むと、血の混じった唾液が地面に落ちた。
リムは体が震える。今すぐシーナを助けに行きたい。だが、正面からぶつかっても勝ち目はない。
かといって、もたもたしているとシーナがさらに傷つけられてしまう。
ジレンマの中でリムは意を決した。エレメントを槍型に変形させて、魔物の死角で構えを取る。
一直線に駆け抜けて、魔物を貫く。一撃で終わらせなければ負けだ。
魔物の動きを慎重に感じ取り、狙いを定めてリムは飛び出した。
無言で駆け抜けるリムが魔物に届くまで、ほんの2、3秒だ。気付いたところで、防御するだけの余裕はないだろう。
案の定、魔物はリムが接近するまで気付いていなかった。リムの姿があと5mというところでリムの方を振り向いた。
だが、その表情は焦りも驚きも示していなかった。むしろ、不敵に微笑んでいる。
ガクッと、身体が急に重くなる。急速にリムの速度が落ちて、力が抜けて行った。そして、エレメントも消失する。
魔物は保険を掛けていたのだ。リムにつけられたリングの機能は、淫具としてのものだけではなかった。
魔物の意思に反して近づいた場合、リムの魔力を封じる動作をするように設定されていた。
突然魔力が消え去ったリムは、もはや魔物相手に素手で殴りかかる非力な少女だ。
魔物が軽く腕を払うだけで、簡単に弾き飛ばされてしまう。
「あうううっ!!!」
「おまえは本当に馬鹿だな」
嬉しそうに笑う魔物の声がリムは悔しかった。
戦闘能力を失ったリムから目をそらして、魔物はシーナに近づき、腹を蹴り飛ばした。
「うぐっ!!!」
シーナの身体がゴロゴロと転がっていく。やっと起き上がろうとしていたシーナは、また地面でのたうちまわった。
完全な敗北だ。ふたリは、姿は違うとはいえ同じ魔物に二度目の敗北を許してしまった。
今度は前回のような逆転劇などありはしない。
28魔法少女の涙 第3話BADEND 2/13:2009/10/09(金) 22:15:10 ID:/6489i6+
昼の学校。給食を前にして空腹を堪える生徒たちの耳に突然、轟音が響いた。
ざわつく生徒たちを教師は抑えることができず、数名が廊下に出て、何が起きたのかを確認しようとする。
崩れた壁の傍らに人影があった。それは殆ど人間と同じ姿をしていたが、右手だけがボコボコと醜く膨れ上がっている。
魔物だ、と生徒たちはすぐに気付いた。パニックになって逃げ出す生徒たちがいる中、その瞳を釘づけにされた者も少なくない。
その目線の先にあったのは、彼らと同じ学校の制服を着た少女だった。それも、学校中の注目の的である生徒の一人。
リムは制服姿に黒い首輪をかけられ、首輪から伸びる鎖を魔物に握られていた。
うずくまるような姿勢で、服の下で激しく振動する3つのリングに悶えている。
「あああうっ!ひぅっ、や……あひぃっ!!」
敗北の後の3時間弱、リムはずっと敏感な性感帯を責め続けられていた。
媚薬によってリムの性感は高められ、その一方で決して絶頂には達しないような調整を繰り返されながら、リムは悶え続けている。
「おい、こっちに来いよ、雌犬!!」
「うぐっ!!」
魔物が鎖を引っ張ると、リムの喉が締め付けられて、苦しげな声が漏れた。
「あ……、が……ぐぅぅ……」
魔物は鎖を上に持ち上げてリムの身体を宙吊りにする。
リムは首が締らないように両手で首輪を掴み、必死で呼吸した。
「おらっ!!」
「あぐっ!!!」
投げ捨てられて、リムは廊下に転がった。生徒たちがすぐそばにたくさん集まっている。
「やだ……っ、みんな、みないで……ひあああああああっ!!!!」
見知った顔が、何人もリムを見ていた。
魔物に家畜のような扱いを受けて悶えている自分を見られている。リムは死にたいほどの羞恥心に襲われた。
「あああああああああっ!!!!」
四つん這いになっていたリムの股間を、魔物が後ろから蹴り上げる。
スニーカーがリムのクリトリスを正確に叩き、リムは身を縮こめて悲鳴を上げた。
目の前で繰り広げられる光景に、生徒も教師も皆、呆気にとられていた。
止めることも、逃げることもできず、ただ立ち尽くしている。
そんな中で、1人の少女が動いた。
「や……やめて!!」
命だった。リムの姿を見て、いてもたってもいられずに叫んでいたのだ。
魔物は命を見て、面白いものを見つけたような笑みを浮かべる。
魔物が右手を軽く一薙ぎすると、巻き起った風が命の体を吹き飛ばし、廊下の壁に叩きつけた。
「あぅ……」
命はぐったりとうなだれる。気を失ったわけではないが、突然の衝撃に意識が朦朧としていた。
「やめて……お願い、ミコちゃんだけは……」
リムはまだ床でうずくまりながら、魔物に哀願する。
魔物は下卑た笑いでそれに応えた。
「馬鹿だな。お前がして欲しくないことってのはな、俺がしたいことなんだよ」
魔物はそう言って命の頭を鷲掴みにして高く持ち上げる。リムの鎖を投げ出し、もう一方の手で命の制服を引き裂いた。
艶やかな白い肌が曝け出される。リムやシーナより少し大きい胸は、子供っぽいブラジャーに覆われていた。
周囲がざわめく。どこか非現実的な光景を見ているようで、恐怖が麻痺していた。
男たちは、突然目の前に現れた少女の半裸体に目を奪われている。
ブラジャーの中心部分を魔物の爪が引き裂き、胸が全て露わになると、どこからか歓声すら沸いた。
「いや……、ひっく……おね、あああぁんっ!!が……い……」
リムは涙で顔をグシャグシャにしている。時折快感に身体が跳ねた。
魔物が命のショーツを?ぎとった時も、歓声が上がった。今度はさっきよりも大きい。
まるで芝居のような非現実的なものへの好奇心に縛られ、逃げることもしない愚かな人間たちに魔物は苦笑する。
魔物は次の行動で彼らを恐怖の淵に追いやった。見ていた者たちは、魔物が命をレイプするのだと思っていたのだろう。
しかし、これから行われるのはそんなに生易しいものではない。残虐な殺戮だ。
29魔法少女の涙 第3話BADEND 3/13:2009/10/09(金) 22:15:57 ID:/6489i6+
魔物は命の股間に右手を当てる。そのまま、ゴツゴツと隆起した腕を命の中に突き刺した。
「あぎゃあああああああああああああああああああああっ!!!!!」
命は絶叫する。半覚醒だった意識が突然、地獄のような現実に引き戻された。
「あがっ、ぎ、ぐえええええええっ!!!!!!」
どう考えても、命の膣は魔物の太い腕を呑み込めるようなサイズではなかった。
魔物は命の膣に挿入したのではなく、命の股間に腕を刺したのだ。
ボタボタと血が流れる。処女であるかどうかなど大した問題ではない。膣口は無残に引き裂かれ、膣壁が削り取られていた。
「あ…………が……」
そして、命の瞳は光を失った。身体だけがビクビクと痙攣している。
魔物は命を貫いたままの右腕を振り下ろし、命の身体を床に叩きつけた。
観客は皆固まっていた。歓声は止んでいる。
「普通の女は軽く魔力吸い取ってもすぐに死ぬからな。どうせ大した魔力もないし、たまにはこんなのもいい」
嬉々とした表情で腕を染める鮮血を舐める姿を見て、観客たちは我に返った。
悲鳴と共に彼らは一斉に逃げだす。しかし、階段へ向かおうというところで透明な壁に遮られた。
すでに彼らは捕まっていたのだ。ここから逃げ出すなど、すでに手遅れだった。
「男はいらないな」
魔物は逃げ惑う者の中から男だけを摘みあげて、一人一人殺していった。
心臓を貫き、頭を潰す。死体が一つ増える度、逆に女たちの悲鳴は減っていった。
叫んだところで、どうにもならないことが分かってきたのだ。
「あ……ミ、コ……ちゃん」
リムはジャラジャラと鎖を鳴らしながら這いずり、命の身体に寄り添った。
その身体に命はもう宿っていない。苦悶の表情のまま絶命していた。
「うあ……うああああああああ!!!」
リムの悲痛な鳴き声が響く。それをBGMに、魔物は男を全滅させた。
「ひぐっ!!ぅえ……うああぁぁ」
魔物はむせび泣くリムの背後から近寄り、ズボンのチャックを下ろした。
スカートをめくり上げ、ショーツを強引に引っ張る。リムの下半身が持ち上げられ、ショーツが破れたところで一気に床に落ちた。
曝け出されたリムの秘所は、長時間に渡って与えられ続けた快感で濡れそぼっていた。
魔物は硬く勃起したペニスを勢いをつけて挿入する。
「ふわああああああああああんんっ!!!!」
痛みと快感がリムを襲った。昨日よりも快感の割合が増している。
「ひぅっ、あっ、うんっ!!やっ、やああああっ!!!」
命のまだ温かい胸に顔を埋めながら、リムは魔物に犯されて喘いでいた。
友の死を冒涜するような行為に、リムの心は悲しみで埋め尽くされる。
「ひあああっ!!!おっ、ぱい……っ!!!いじらないでえええっ!!!」
魔物はリムの胸を乱暴に揉みしだいていた。振動するリングがリムの胸に深く沈められて、快感は増幅される。
「ひゃうっ!!うあああんっ!!!んああああああああああっ!!!」
上半身を低くした後背位の体勢で犯されるリムは、ついに絶頂を迎えた。
「あうううううううっ!!!やああああああああああああああ!!!」
全身を支配する快楽の波に、リムは命の胸に顔を擦り付けながら身体を震わせた。命の乳首がリムの顔をなぞる。
「うぐうううぅぅ……ごめん……、ごめんね、ミコ……ちゃん……」
リムは泣き崩れた。
「ひああああっ!!!うあっ!!!なんで……っ、まだ……っ!?」
しかし魔物は再び動き出す。
「なんでって、まだ俺が出してないだろうが」
当然のように魔物は言う。敏感になったリムの膣を容赦なく犯した。
「はやあああああっ!!!らええっ!!!へんに……へんいなっひゃ……、ああああっ!!!!」
一段と高いトーンでリムは嬌声を上げる。ピストンの度にイってしまいそうなほどの苦しい快感に悶えた。
「よし、出すぞっ!!」
「やらっ!!!やらあああっ!!!ださないえっ……おなかにっ、らさないええええっ!!!!」
リムの叫びを聞きながら、魔物は射精する。濃厚な精液がリムの子宮内に注がれた。
「で……でて……でてるぅぅっ!!!んあっ、ひああああああああああああああああああっ!!!!!」
再び大きく身体を震わせて、リムは二度目の絶頂を迎えた。
「ひぅ、うあ……せーえき……りむの、なかに……」
命の腹の上に載せられたリムの顔は、快感と悲しみに歪んでいた。
30魔法少女の涙 第3話BADEND 4/13:2009/10/09(金) 22:16:20 ID:/6489i6+
女子生徒達は怯えきっていた。少しでも魔物から離れようと、見えない壁に群がっている。
恐怖で尿を漏らしている物もいて、殺された男たちの血の匂いと混ざって異臭を放っていた。
「さて」
魔物が振り向くと、彼女らは一斉にビクッと身体を強張らせた。
「チャンスをやろう。あそこの雌犬をイかせてやれ。3回イかせたら逃がしてやる」
魔物の言葉に、ある者は羞恥と迷いで俯き、ある者は意味を理解できずにいる。
「なんだ?お前ら、あそこのガキみたいになりたいのか?俺はそれでも構わないがな」
チラ、と命を見て魔物が言うと、迷いを振り切るように2人がリムの元へと歩いていった。
「ごめんね、リムさん」
少女は震える手で、まだ命にすがりついてるリムの胸に触れた。
「ひぅっ!!」
魔物のような乱暴な手つきではなく、優しく触れる指で、リムは感じてしまう。
服の上からリムの右胸をこねるような手つきをする少女に続いて、リムの股間にもう1人の少女が手を伸ばした。
「あっ、ふぅぅっ!!や……、さわらないで……っ」
愛液と精液に濡れた割れ目を、細い指が撫でる。そしてクリトリスを柔らかくつまんだ。
「ひゃんっ!!」
リムは恥ずかしさで死にたいほどだったが、それでも快感に流されてしまう。
「助かりたいなら早めに参加した方がいいぞ。そのうち、感度が鈍ってくるかもしれないからな」
その言葉を受けて、焦ったように3人の少女がさらにリムへと寄ってくる。
「やぁっ!!んうぅ、あふっ、ひ、ひやああああああああああんっ!!!」
5人の10本の腕、50本の指に愛撫されて、リムは最初の絶頂を迎えた。
これで1回イかせたという達成感と共に、罪悪感に襲われて少女たちは手を止める。
「おい、早くしろよ!のんびりしてるようなら、制限時間をつけてもいいんだぞ?」
少女たちは魔物の言葉に背を押されるように、リムへの愛撫を再開させた。
魔物の気が変わらないうちに、早くリムをイかせないと自分の身が危ない。
羞恥心をかなぐり捨てて、リムの身体に唇をつけた。
「んんんんんっ!!!や……っ、おっぱい、すっちゃぁっ!!!」
リムの制服とブラをまくりあげて、リングのついた胸にしゃぶり付く。
続くようにして、他の少女がリムの耳や首、腋をかぶり付くようにして舐めた。
「いやああっ!!やめへっ、やめへええっ!!!」
全身を絶えず愛撫されて、リムを襲う感覚は再び高まってゆく。
「らめっ、んああっ、ああああっ!!!」
リムの股間を責めていた少女は、指を膣の中に滑り込ませた。
「やめて、おねがいっ、そんなとこっ!!!」
それがリムにかなりの快感を与えていることを知って、少女は動きを激しくした。
「あひっ、やっ、だめらよぉっ!!かき……まわさらいでえええっ!!!!」
膣内を動きまわる少女の指で、リムはまた激しく痙攣する。リムの膣から飛び出した液体が、少女の手を濡らした。
リムはぐったりとしているが、今度は少女達の動きは止まらなかった。
「ひああああああっ!!!」
あと1回。それで助かる。
目前に迫ったゴールに向けて、少女達は急いで駆け抜けようとしていた。
「あうっ!!ひぃっ!!やああうっ!!!はげ、はげしっ!!!」
焦った少女達は、最初のような優しい手つきではなく、激しくリムを責め立てた。
乳首を千切れんばかりに引っ張り、噛む。唇にしゃぶり付いて、舌を入れる。
「んむうぅぅっ!!!!ああえええっ!!!あえええええっ!!!!」
くぐもった声で叫ぶが、リムはなかなか達する気配を見せない。
「んむっ!!もご、むぐぅ……むごおおおおおおおおっ!!!!」
業を煮やした少女は、気持ち悪さを抑えて、精液と愛液に濡れたクリトリスに噛みついた。
「いぐっ!!!んぐぐううっ!!!!!!んはっ……、ああああああああああっ!!!!!!」
クリトリスを噛み切られそうなほど刺激され、リムは遂に3度目の絶頂を迎えた。
「ひぅ……あうぁぁぁ……」
少女達が手を止めても、しばらくの間、リムは余韻に震え続けていた。
31魔法少女の涙 第3話BADEND 5/13:2009/10/09(金) 22:16:44 ID:/6489i6+
「あぅ……うああっ、うあああああああっ!」
恥ずかしさと悲しみで泣き出すリムを、少女達は複雑な思いで眺めていた。
「ごめんね……ごめんなさい」
一人の少女は泣きながらリムに謝る。今更ながらに、なんてことをしてしまったのかと思った。
「よくやったな、お前たち」
魔物の声に、少女達が振り向く。魔物は崩れた壁のそばに立っていた。
つかつかと少女達に歩み寄ると、泣いている少女の服を掴んで持ち上げる。
「それじゃ、ここから逃がしてやるよ」
そう言って、少女を壁の穴に向かって放り投げた。
「いやあああああああああああっ!!!!」
ここは3階だ。すぐに少女が地面に落下する鈍い音が響くと誰もが思った。
しかし、それはなかなか聞こえてこない。不思議に思う少女達を、魔物は次々に放り投げた。
「何……、これ……?」
少女達が落下したところにはクッションがあった。ベトベト絡みついてくるこれが何なのか、少女達には分からない。
それはスライムだった。魔物のかつての姿と全く同じものだ。5人の獲物を得たスライムは、捕食を開始した。
「いやぁっ!!何、これっ!服の中に、入ってくるっ!!?」
「やめてっ、やめっもごぉぉぉっ!!!」
スライムは獲物達をじっくりと平らげる。全身を隈なく味わう。口の中も、膣の中も。
「言ってなかったが、誰かを犠牲にして自分だけ助かろうって奴が嫌いなんだよなぁ、俺は」
上から魔物の声が降ってきた。
「だから、そんな奴はそいつらの餌にでもなっててくれよ」
「あああああああああああああああっっ!!!!」
「やだああああああああああっ!!!」
「た、たすけっ!!いぎいいいっ!!!」
「もがっ!!んぐうううう!!!!」
「んごおおおっっ!!!!おがああああああっっ!!!!!!」
少女達は嘆き、もがき苦しむ。
非力な彼女らに対抗する術はなく、僅かな魔力を吸い取られた後、スライムに消化される運命にあった。

悲痛な叫び声をバックに、残された女生徒達が魔物の次の標的となった。
「ぎゃああああああああああああああああっ!!!」
「うごおおおおおおおおおおおおっ!!!!」
「はぎっ!!うがっ!!んげええええええっ!!!」
魔物は手当たり次第に少女を捕まえては蹂躙した。
命にしたように腕を突っ込み、あるいは、さっきよりも肥大化しているペニスを無理に押し込む。
少女らは激痛のショックで死亡するか、魔力を吸い取られてやはり死亡した。
「やめて……、もう、もうやめてえええええええっ!!!!」
リムがどれだけ泣き叫んでも魔物は止まらない。
「あが、ぐげっ……」
10分も経たないうちに、最後の一人の命が潰えた。子宮いっぱいに魔物の精液を注がれ、魔力を全て吸収される。
山のような少女達の亡骸の上に、最後の一体が積まれた。
「ううぅ……」
リムの呻きが聞こえる。外でスライムに犯されていた少女達の声も止んでいた。
「悲しいか?」
魔物がリムを見下ろして問いかける。
「……」
リムは何も答えられない。それだけで魔物は満足だった。
悲しみと無力感に打ちひしがれるリムの姿は、魔物にとって最高の御馳走だ。
「さて、それじゃあ、続きは向こうでやるか」
「あぐっ!!」
魔物はリムの鎖を引っ張って、そのまま姿を消す。
後に残されたのは大量の死骸だけだった。
32魔法少女の涙 第3話BADEND 6/13:2009/10/09(金) 22:17:06 ID:/6489i6+
ジャラジャラと鎖の音がする。
豪華な装飾に彩られた部屋の中、そこに似つかわしくない裸の少女が両腕に枷を嵌められ、鎖で壁に繋がれていた。
ここは別荘地に建つ豪邸の一室だった。魔物はそこに住む住人を殺して、ここを寝床にしている。
「くそぉっ!!!」
何とかして枷を外せないものかと、シーナは座り込んだ状態で必死に暴れていた。
枷には魔力を封じる魔方陣が刻印されている。
シーナは解呪の印を刻んでみたが、通じなかった。物に直接刻まれた魔方陣には通用しないようだ。
枷と格闘するシーナの前に、魔物が姿を現した。その足元には制服がはだけ、汗まみれになったリムの姿もある。
「よぉ、おとなしく……してたわけじゃなさそうだな」
「あんた……、リムに何したのよ!?」
リムは顔を上げようとしない。その様子から、相当ひどい目に遭ったことがシーナにも分かった。
「ちょっとお友達と一緒に遊んでやっただけだ。嫉妬しなくても、ちゃんとお前とも遊んでやるさ」
嘲笑うような魔物の言葉に、リムは涙をこぼした。赤い絨毯にポタポタと跡が付く。
「さて、どうしてやろうか」
「触らないでっ!!」
シーナは近づいてくる魔物を威嚇するように吠えるが、魔物はうろたえる気配もない。
魔物はシーナの足を押さえつけて動きを封じ、剥きだしの胸にかぶり付く。
「ひっ!!いやっ、やめなさいよっ!!!」
シーナは身をよじって抵抗するものの、身動きが取れず、魔物の口から逃れられない。
「ん……、あっ、いつっ!!」
まだ乳首の勃起していない乳頭を噛む。血が出ない程度に咀嚼しながら、舌で先端を舐めた。
媚薬を使われていないため、くすぐったいような感覚はあれど、快感を得るまでには至らない。
「なんだ、せっかく愛撫してやってるのに感じないのか?」
「いっ!!ひああああああああっ!!!!」
なかなか勃起しない乳首に苛立つように、魔物はシーナの胸を噛みしめた。
痛みに全身が強張る。押さえられた足をジタバタと動かして痛みを堪えた。
「お、勃起してきたな。痛い方がいいのか?この変態め」
「んぐ……、ち、ちが……っ、んぎいいいいいっ!!!!」
勃起した右の乳首に噛みつかれ、左の乳首には右手の爪が食い込む。
「痛いっ、痛いっ!!!いたいいいいいいっ!!!!」
シーナは首を振って必死で泣き叫ぶ。叫べば叫ぶほど、魔物の力は強くなった。
「あぎいいいっ!!!やああっ、あああああああああっ!!!!」
両方の乳首から血がにじむ。魔物は右の乳首の血を、母乳のように吸った。
「やめっ!!やめてっ、すわないでえええっ!!!!」
痛みに苦しむシーナの反応を楽しむように、魔物は乳首を責め続ける。
その背後で、リムが静かに起き上がった。音を立てないよう、そっと鎖を手に握る。
そばの机の上にあったガラスの灰皿を掴み、魔物の背後に忍び寄った。
そして、全力で振り下ろした。ゴッ、と鈍い音を立てて、魔物の後頭部を殴打する。
「おいおい、なんのつもりだ?」
だが、灰皿が割れただけだった。魔物は人の姿をしているが、その体の強度は人とは比較にならない。
苦しむシーナを助けたい一心で起こした行動は、魔物の行為に火を注ぐだけだった。
「ああああああああああっ!!!!」
魔物の太い右腕がリムの身体を打ちのめした。リムの細い体は部屋の隅まで吹き飛ばされる。
「リムっ!!!」
「そんなに構ってほしいなら、まずお前から食ってやるよ。後で嘆いても遅いからな」
魔物の表情は、これまでに無いほどの残虐性を覗かせていた。
33魔法少女の涙 第3話BADEND 7/13:2009/10/09(金) 22:17:29 ID:/6489i6+
リムは目を疑った。魔物の体が膨張していく。
3mを超える高い天井にぶつかりそうなほどに、魔物の体は巨大化していた。
「あ……、あう……あああぁ」
リムは怯えて後ずさる。
魔物の体は人間の肉体の肌色と赤、スライムの緑がまだらに混ざり合っている。
ボコボコと隆起した肉体に、身につけていた服ははち切れていた。
「やめて……、やめてよ……」
裸になって晒された魔物のペニスは、腕のような太さになっている。
床を軋ませながら一歩一歩近づいてくる魔物が何をしようとしているのか、それを考えてリムは恐怖した。
「無理だよ、死んじゃう。死んじゃうよ……あっ!!」
魔物がリムの身体を掴んだ。リムのか細い身体など、右手一本で事足りる。
「大丈夫だ、お前は魔法少女だろう?そう簡単に死にはしない」
低い声を響かせ、魔物は親指でリムの胸に触れた。
「あぅっ!!い、痛いっ!!!」
「おっと、悪いな。加減が難しいんだ」
胸どころか、肋骨を折られそうな痛みでリムは叫ぶが、魔物は悪びれるような様子を見せない。
「うぐううっ!!!ああああああっ!!!」
グリグリと、親指を胸に押しつける。リムは肋骨が軋む音が聞こえたような気がした。
「まぁいい。さっさと目的を果たすか」
そう言うと、魔物はリムの両足を掴んで逆さ吊りにする。
そして、巨大なペニスをリムの股間に当てた。
「嘘、でしょ……?お願い、やめっ…………!!!!!」
リムは一瞬、呼吸が出来なくなった。下腹部の強烈な圧迫感の後、一拍遅れて激痛が襲ってくる。
「あがああああああああああっ!!!ぐう!!!ぎいいいいいっ!!!!!!!」
「やめてええええええええええっっ!!!!」
リムの絶叫が鼓膜を破らんばかりに響き渡り、シーナは泣き叫ぶ。
嘘のような光景が広がっていた。
魔物のペニスがリムの膣を貫き、子宮を押し広げて、腹を大きく膨らませていた。
「うごおおおっ!!がはっ、いぎゃあああああああああっ!!!!」
普通の人間なら死んでいるに違いない行為を受けて、リムは拷問のような苦痛を味わう。
「じぬうっ!!!!じぬううううううううっ!!!!」
リムの叫び声はとても少女のものとは思えない。
「これぐらいじゃ死なねえよ。この後のために、子宮を広げておいてやらないとなぁ」
「ぐげええええええっ!!!がぎっ!!!い゛やああああああああああっっ!!!!!」
魔物はピストンを開始した。リムの腹が一瞬凹み、再び違った形に膨れ上がる。
「ぐぎがああああっ!!!!ひぎいいいいいいっ!!!!!」
反り返った魔物のペニスは、リムの腹を外側へと引き延ばした。
魔物はリムの身体を両手で包むように持ちかえ、一層激しく上下させる。
「ぐぎゃっ!!ごげっ、ひぐっ、あぎいいいいいっ!!!!!!」
ペニスが出入りするたびに血飛沫が舞う。
魔物はもうリムを物としてしか扱っていなかった。まるで巨大なペニスを扱くための円筒のようなものだ。
「おら、いくぞっ!!しっかり受取りやがれっ!!!」
「あぎゃあああああああああああああああああああああっ!!!!!!!」
ペニスから膨大な量の精液が流れ込む。
「おごおおおおおお!!!!おおおおおおおおおおっ!!!!!」
吠えるようなリムの声と共に、リムの腹は風船のように膨らんでいった。
「ご……、おご……げ……、かふっ」
膨らむ子宮に肺を圧迫されたのか、息が押し出される。
いっそ、内臓が破裂して死んだ方がマシかもしれない。それすら、リムの身体は許さなかった。
「げはっ!!!いがああああああああああああっ!!!!!」
ペニスが抜かれると、リムの体内から精液が溢れ出す。勢いよく流れだす精液に、リムの身体はガクガクと揺れた。
「か……かはっ、は……ぁっ……あぅ」
リムは虫の息で床をのたうち回る。自分の中から出た精液で下半身がひどく濡れた。
34魔法少女の涙 第3話BADEND 8/13:2009/10/09(金) 22:17:49 ID:/6489i6+
「リムっ、リムうううっ!!!!」
無残に犯されたリムに、シーナは泣きながら呼びかける。反応はない。
「ふぅ、なかなか良かったぜ、こいつ」
魔物はいつの間にか元のサイズに戻っていた。満足そうな笑顔を浮かべている。
シーナは魔物をキッと睨んだ。だが、それしかできない。
「あぐ……ぅあ」
魔物はリムの髪を無造作につかんで、その体を引きずった。そのままシーナの目の前まで連れてくる。
突然、床からスライムが湧いてきて、リムの身体に群がった。シーナに向けて股を開く格好でリムの身体を拘束する。
「な、何の真似!?リムを放しなさいよっ!!!」
「強気なのも悪くないな。その分、後が楽しみだ」
シーナのどなり声など意にも介さず、魔物は手を伸ばした。
「つっ!!触らないでよっ!!!」
血が滲むシーナの乳首に魔物の手が触れる。シーナは痛みに少し顔を歪ませた。
「痛いのは嫌か?」
「当たり前でしょっ、馬鹿じゃないの!!?」
シーナは少し過剰に興奮して怒った。その裏には、自分は苦痛に快感を覚えているのではないかという疑いがある。
自分に言い聞かせるように、自分はそんな変態ではないと否定したかったのだ。
「じゃあ、今度は快楽に溺れさせてやろう」
「え?……いやぁっ!!!」
リムを拘束しているのと同じスライムが、シーナの身体にもまとわりついてきた。
「あ、やめっ、んむうううっ!!!うえええっ!!!」
スライムが口に入ってくる。シーナは異臭に吐き気を催した。
スライムはシーナの身体をまるで服のように包んでいた。そして、全身から媚薬を刷り込む。
「んんんんっ!!!ひゃめっ!!んううううううっ!!!!」
媚薬は膨大な量になり、シーナはすぐさま嬌声を上げ始めた。
「むううううううっ!!!んぶうううううっ!!!!」
乳首を締めあげられるときに、特に激しく悶えた。
床に倒れてしまいそうになるが、鎖に手を引っ張られ、それもできない。
不自由な体勢のまま、身体を震わせ、もじもじと股間をすり合わせた。
「んんんんんんんっ!!!!はむううううっ!!!!!」
それを見咎めたようにスライムは下からシーナの体内への侵攻を始める。
「んむっ!!やべへっ!!!!やあああああっ!!!!!」
スライムは球状になってシーナの膣内に入り込んだ。
「んんっ!!!!あんんんっ!!!!!むぐうううううううううっ!!!!」
ゴロゴロ転がるように、シーナの膣内を犯す。時折、子宮内にまで入り込んで暴れ回っては、膣内に戻ってきた。
自分の性器の中を自在に暴れ回るスライムに、シーナは不覚にも快感を覚えてしまう。
スライムはここでも媚薬を大量に塗りこんでいた。特に激しく感じるGスポットには入念に。
「んんんんんんんんんんんんんんんんんんっ!!!!!」
シーナは激しく快感に悶えた。スライム相手にイってしまったことを恥じる。
魔物はそんなシーナをニヤニヤと見つめていた。
35魔法少女の涙 第3話BADEND 9/13:2009/10/09(金) 22:18:12 ID:/6489i6+
「んむむうう、ぶはっ!!!はあっ、はあっ!!!」
口からスライムが出て行き、ようやく呼吸が自由になる。
「よう、どうだ?気持ちいいか?」
「はぅっ!!ん……、き、きもちいいいわけっ!!!ない……、でしょうが」
反論しようとするシーナだが、明らかにスライムの責めで感じていた。
「そうか。じゃあ、こんなことはやめてほしいわけだな」
「あたりま、ひくうううううんっ!!!!!んぁ……、あたり、まえ……でしょっ!」
スライムにクリトリスを刺激されて、シーナは激しく痙攣する。
それでも、やめてほしいというのは本心だった。快楽に身を委ねてしまうほど、心は堕ちていない。
「俺の言うことを聞いたら、止めてやるよ。っていうのは、これだ」
「な、なに……、それ……?んくっ!!!」
魔物の掌の上に、丸い物体があった。ハンドボール大程度の、スライム質の物体だ。
「これはな、卵だ」
「た、まごっ!?」
「そうだ。こいつを、このガキの子宮に植え付けてやれ。さっき俺が広げておいてやったから、たぶん入るだろう」
「ば……っ、馬鹿言わないでよっ!!!そんなこと、んぐううううっ!!!!!……はぁっ、できるわけ……ないでしょっ!!!」
シーナは悶えながら怒鳴り散らす。そうだ。できるはずがない。自分がリムにそんなことを。
「まぁ、今すぐにとは言わない。その気になったらやってくれ。時間はたっぷりあるんだ」
そう言って魔物は卵をリムの傍に置くと、自分は少し離れたソファーに深く腰をかけた。
「ひああああっ!!!!」
そして、それが合図のようにスライムの動きが激しくなる。
シーナの膣内に、新たにもう一塊、球状のスライムが侵入してきた。
「や……っ、あああっ!!!はね……まわらない、でっ!!」
膣内は窮屈で柔らかいため、その動きは鈍いながらも、スライムは膣壁の間で激しく跳ねた。
その度、シーナの狭い膣は無理やり引っ張られ、痛みと共に凄まじい快感を生み出す。
「あううああああああ!!!だめっ、きちゃっ!!きちゃうううううううっ!!!!」
シーナが絶頂を迎えるまで、3分とかからなかった。
「ひぃうっ!!!!やめてっ、もうイったからっ!!!おねがい、やすませ……あぐぅっ!!!!」
絶頂など気にも留めず、スライムは同じテンポでシーナを犯し続けている。
「あっ、やっ、あひぃっ!!!だめぇ、はげしすぎっ!!!るうううっ!!!!!」
シーナは目一杯身体を倒して、快感に咽び泣いた。鎖に引っ張られ、肩が外れそうになる。
スライムはシーナの絶頂ごと、少しずつ削るように吸い取る魔力を、そのまま全て媚薬の生成に注ぎ込んでいた。
そのためシーナを襲う疼きは、雪上で雪玉を転がすように高まっていく。
「ひゃううっ!!!あはああんっ!!!!あっ、あっ、あっ、あああああああああああああああああっ!!!!」
「たっ、たすけ……、あへっ!?ひくううううううううんんっ!!!!」
「もうむり……っ!!!やめてえええええええええええええっっっ!!!!」
シーナはイくたびに様々な形で陵辱の終わりを願った。
もう限界だ。これ以上は死んでしまう。
そう叫びながらも、シーナの身体は限界を迎えることはなく、死ぬこともなく、休みなく犯され続けた。
この陵辱が終わりを告げるのは、シーナがリムに卵を植え付けることを承諾した時のほかにありえない。
気がおかしくなりそうなほどの快楽を絶えず与え続けられながら、シーナは驚異的な精神力で、それだけは拒否し続けた。
だから、陵辱は終わらない。
陵辱の開始は太陽が頂点にある時だったが、いつのまにやら日は沈み、その位置には月が輝いていた。
「あひっ!!ひゃん、やぅっ、んんんあああああああああああああああっっ!!!!」
そして、もう何度目かも分からない絶頂と同時に、窓辺から陽の光が射した。
36魔法少女の涙 第3話BADEND 10/13:2009/10/09(金) 22:18:34 ID:/6489i6+
シーナはよく耐えた。
あれから、3日が経とうとしている。シーナは一睡も許されることなく犯されていた。
栄養分はスライムから強制的に供給され、排泄物もスライムによって分解・吸収される。
生きることが可能なギリギリの水準で犯され続け、シーナの瞳は充血しきっていた。
「あぎっ、ごげええええええええええええええええええっっっ!!!!」
その間、リムは何度か正気を取り戻したが、その度に巨大化した魔物によって地獄を味わわされ、再び半死半生の状態でスライムに拘束された。
この部屋には、弱いながらも、リム達の家と同じく、魔力と体力を回復させる魔法がかけられていた。
だからこそ、二人は死の淵をさまよいながらも、いまだに生きていたのだ。
「がふっ、た……たしゅけへ、たしゅけへええっ!」
シーナが弱々しく叫ぶ。もう舌も上手く回っていない。
シーナの腹は妊婦のように膨れ上がっていた。その中にあるのは、すべてスライムだ。
「やぅ、うごいひゃ、らめ……、おにゃか、こわえやうからっ!!」
子宮内のスライムが暴れる度、シーナの腹が外目でもはっきり分かるほどに波打った。
まるで、幼い臨月の妊婦が、持て余した胎児に犯されているようだ。
「んうっ!!らえっ!!!でへきひゃだええええええっ!!!!」
体内の激しい動きを堪えるように力んだシーナの股間から、スライムの球がひねり出された。
産卵のように、次々に排出されるスライムは、山のように重なり、融合して一つの塊になると、再びシーナの膣内へと入り込む。
「あひゃあああああああああああっっ!!!!!まひゃ、まひゃいっひゃうううううううううっ!!!!!!」
すでにガバガバに広げられてしまっているシーナの膣に、スライムは容易に侵入し、膣壁を全て覆いつくした。
そして容赦なく、かなりの高純度に達した媚薬を塗布する。すると、シーナはまたすぐに達した。
「いっひゃっら、あたひ……もう、なんかい……?」
誰も、シーナの絶頂回数を数えている者などいない。そんなもの、どうでも良くなるほど犯されたのは事実だ。
「あ……、あぅっ!!!」
急に、シーナは浮遊感に襲われた。と思ったら、床に倒れ伏していた。
鎖が切れたのだ。3日に渡る激しい陵辱で悶え続けたシーナは、それほどに鎖を歪ませていた。
よく見れば、枷をはめられたシーナの手首は青い色に腫れあがっている。
ようやく鎖の呪縛から解き放たれたシーナには、すでに逃げようと考える力すら残っていなかった。
「ひゃううううぅ!!!!いひいいいいいいいいいっっ!!!!」
膨らんだ腹が床で押しつぶされ、スライムが一気に吐き出される。
「あひっ!!!はうっ、はっ、はっ、はっ!!!!!!」
出産を経験してしまったような恐ろしいほどの苦痛と、激しい快感に、シーナは息を切らして喘ぐ。
「まさかこんなに頑張るとはな。予想外だったよ」
魔物がシーナの傍に立ち、見下ろしながら声をかけた。
「もういいじゃないか。諦めろよ。苦しいんだろ?」
「くる……ひい。くうひいおぉっ!!!」
シーナはグスグスと泣き出す。当初の強気な態度など、欠片も残っていなかった。
「ほら、こいつを使え」
魔物は、卵をシーナの手に握らせる。
「これを、そこのガキの中に入れてやればいいんだ。それで、このスライムからは自由になれる。
 どうせ、こいつも死にかけだ。お前がやったことなんて気付きやしない」
「あ……、こえを……りむに?」
シーナは卵をに握りしめ、肘で身体を支えて這いずる。
「こえ、りうにあげたら、あたひ、らくになえるの?」
思考能力が麻痺してきたシーナは、楽になりたい一心で、リムに近づいて行った。
「そうだ。入れてやれ。思いきり押し込め。それで終わりだ」
「いれう……おもっきい、いえう……」
ブツブツと呟くように繰り返し、卵をリムの性器に押し付けた。
「いれうっ!!!!」
叫んで、卵を押し込む。柔らかいながらも、密度の高い卵は、なかなかリムの狭い膣に入らない。
「押し込め!もっと強く!!」
「つおく、つおくっっ!!!」
「うぎゃああああああああああああああああああああっっ!!!!」
両手で必死に卵を押し込む。リムの膣口が裂け、卵が入ると、勢いでシーナの両手まで挿入されてしまった。リムの股間に枷が引っ掛かる。
リムの叫び声が部屋に満ちた。リムの腹は小さくぽっこりと膨らんでいる。悪夢は終局を迎えていた。
37魔法少女の涙 第3話BADEND 11/13:2009/10/09(金) 22:19:10 ID:/6489i6+
「あがっ!!!は……ぎぃっ!!!」
消え入りそうな意識の中、構えもない状態で突然襲った苦痛に、リムは苦しげに呻いていた。
「さて、一緒に見物するか。お前が何をしたのか、しっかり見届けろよ」
「ひぅっっ!!!!み……とどけ……?」
魔物は、一斉にスライムが引き上げたシーナの身体を抱きかかえ、ついでに軽く胸を揉んだ。
シーナは何を言っているのか理解できない。自分は何をしたんだっけ?それすらもあいまいだった。
「ぎひっ!!!はぐううぅっ!!!!おながっ!!!おながががあああああっ!!!!!」
急激な苦痛に、リムは意識を強引に覚醒させられる。
卵はリムの子宮の中で膨らんだ。中心に胚を残した以外は、中を空洞にして、子宮の壁に張り付くようにして膨張する。
「やぶけるっ!!!!!はれつしちゃううううううううっっ!!!!!!」
リムがそう思うのも無理はない。常人ならば、その通りになっている。
卵が準備を完了したのが分かると、シーナから引き上げて行ったスライムが、リムの股間に張り付いた。
「いだいいいいいっっっ!!!しんじゃうううううううううっ!!!!!」
リムは腹部の尋常でない苦痛で、スライムには気付かなかった。
リムの気付かないうちに、スライムは着々と行動を進める。膣内に満ち、クリトリスに張り付いた。
「いぎいいいいいい!!!あぐ!!?あひゃあああああああああああああああっっっっっ!!!!!!」
ふいに、リムの身体が大きくのけぞって痙攣を起こした。
スライムが、シーナを犯す中で高度に洗練させた媚薬を、大量にリムの局部に塗りこんだのだ。
それは一瞬でリムを絶頂に導いた。同時に、子宮の卵はリムの魔力を取り込む。
「はぎっ!!!!やぅうううっ!!!だめっ、とめてっ、イきたくないいいっ!!!!!!」
苦痛と快感と脱力感。同時に複数の感覚に襲われるリムは、手足をジタバタさせて悶える。
「あひっ、ひぐっ!!んあっ、ああっ、ああああああああっ!!!!!」
スライムが、極太のペニスのような形になって、リムの膣内でピストン運動を開始した。
密度濃く集約されたスライムは、高い硬度を保ちながら激しく流動して、まるでバイブレータのようにリムを刺激する。
「ひゃうううううううううううううっ!!!!!!おごおおおおおおおおおおおおおっ!!!!!!」
リムは短いスパンで何度も昇天した。その度に卵は魔力をごっそりと奪い取り、さらに肥大化した。
もう、臨月の妊婦よりも大きく腹が膨らんでいた。普通の人間であれば、こんな巨大な胎児を身籠れるはずがない。
驚いたことに、乳房すら、まるで母親のように膨らんでいた。
「おごえっ!!!!もう……、だめ……」
リムの息が弱々しくなっていくのを感じて、スライムは最後の一突きで、リムへの快楽責めを終わりにした。
「ひいやあああああああああああああああああああああっっ!!!!!!」
最後の一突きの際、スライムは巨大化した魔物のペニス程のサイズに膨らんだ。
今のリムは、それすらも受け入れて、快楽とする身体になってしまっていた。
「おげ……、がはっ!!!」
身体中の魔力を全て搾り取られるような感覚がリムを襲う。
もう一回り、リムの腹が膨らんだ。もう、いつ張り裂けてもおかしくないように見える。
「あ……、あ……」
一連の様子を見ていて、シーナがガタガタ震えていた。
「おら、目をそらすな。これからがいいところだ」
魔物は反射的に顔を背けていたシーナの頭を掴んで、リムの方を向かせる。
「あががががっ!!!!ぎげえええええっっ!!!!!」
リムの腹が醜く変形していた。まるで、中から棒か何かで叩きつけるように、鋭角に膨らんだりしている。
シーナは、リムの中で新しい生命が、魔物が誕生してることを、否が応にも感じさせられた。
38魔法少女の涙 第3話BADEND 12/13:2009/10/09(金) 22:20:06 ID:/6489i6+
卵は魔物の能力を受け継いではいるが、魔物と同じものが生まれ来るわけではない。
魔物はリムとシーナの魔力を豊富に吸収していたし、シーナの魔力を帯びた媚薬で絶頂したリムの魔力を吸っている。
魔物を構成するために重要なのは何よりも魔力だ。それを潤沢に備える卵から産まれ来る魔物の姿は、どのような形でもあり得た。
「いやあああああああああああああああああっ!!!!!!!」
リムの膣から、胎児の手が生えていた。シーナはその恐ろしい光景に息を飲む。
「がひっ!!!たず、げ、でっ!!!!!シーちゃんっ!!!だずげでえええええええええっ!!!!!」
自分の名を呼ぶリムの叫びに、シーナは身体を射すくめられた。
リムは、そこにシーナがいることを理解していたわけではない。瞳はほとんど白目を向いて、明後日の方向を見ている。
「り……」
正気を取り戻し始めたシーナがリムに声をかけようとしたとき、リムの股間からもう一本、胎児の手が生えた。
「ぎゃひいいいいいいいいいいいいいいっ!!!!!ざ、げ、るうううっ!!!!!!」
すでに、膣口は裂けていた。両手を先に外界へと脱出させた胎児は、リムの膣をかき分けるようにして産まれ落ちようとする。
「やめでえええええっっ!!!!うみだぐないっ!!!!!うみだぐないおおおおおおおっ!!!!!!」
胎児の頭が見えた。シーナは言葉を失う。その姿の、なんと醜いことか。
「ぎぐがああああああああああああ!!!!!!!がひっ、あ……げへっ……」
液体に濡れる両手をリムの足の付け根にあて、胎児は勢いをつけてリムの膣から抜け出した。顔面からボトリと落ちる。
「……………ひゅぅっ…………ひゅぅっ…………」
目も当てられないほどにおぞましい出産を終え、リムは絶え絶えに息をつく。
やっと、おわった。
シーナは心でそう思う。だが、まだ終わりではなかった。
スライムによる支えを失って床に仰向けに倒れているリムの上に、産まれたての胎児がまたがった。
その全身像が明らかになる。人のような容姿。しかし、各部位の造形は爬虫類のようだった。
そして、何よりも目を引くのが、その身体に見合わず巨大なペニスだ。成人男性のそれよりも太く、長い。
「あう……」
ようやくへこんだリムの腹に胎児は腰を下ろし、硬く勃起したペニスを、リムの両胸の間に横たえる。
「ひぅぅうっ!!!!ひゃめっ!!ひゃめへぇっ!!!!」
リムの乳首を両手で掴み、膨らんだ二つの胸でペニスを挟んだ。
「ひゃああああっ!!!!!やらあああっ!!!!!もうころひてっ!!!!ころひてっ!!!!!!」
自分が産んだ魔物に、犯されている。
胎児はリムの胸でペニスを扱いていた。産まれたばかりで感覚が鋭敏なのか、すぐに射精する。白濁液がリムの顔にかかった。
「あ…………ああああああああああああああああああっ!!!!!!」
黒い絶望がリムの心を塗り潰す。
追い打ちをかけるように、胎児はリムの右の乳首に食いつき、吸い上げた。
「らめっ!!!でないよっ!!!おっぱいなんへ、でるわけっ!!!!」
リムの思いとは裏腹に、リムは胸の奥から込み上げてくるものを感じていた。
「なんれ!?なんれえええええっ!!!!!???」
リムの乳首の先端から液体が迸る。吸われている右の乳首だけでなく、左の乳首からも噴出した。
リムの身体はスライムに犯されつくしていた。スライムはリムの消化器官にまで侵入し、魔物を育てるための母乳まで生成していたのだ。
乳房が膨らんでいたのはこのためだ。通常の母乳よりも浅黒い、魔物の母体としての母乳が、リムの両胸には詰まっている。
「いやああああああああああああああああああああああああああああっっっ!!!!!!!!!」
リムの精神は、そこで壊れた。いままで壊れなかったのが不思議なぐらいだ。
魔物の仔を産み育てることなど、通常の精神では到底こらえられるものではないのだから。
「あ……わたひ……わたひ……」
シーナは魔物の腕を振り払い、リムに駆け寄ろうとする。足に力が入らずに倒れこんだ。
「りむ……ごめんなはいっ!!!ごめんあはいっ!!!」
舌の回らない言葉で、必死にリムに詫びる。取り返しのつかないことをしてしまったのだと、今頃になって気づく。
「なんだ、罪の意識でも感じてるのか?」
魔物の言葉は、容赦なくシーナの心を打ちのめした。
「そいつにゃあ、何言ってももう聞こえねえよ。詫びたいなら、自分に何ができるか、わかるだろ?」
シーナはしばらくの間、リムに寄り添っていた。
リムは胎児に犯されながら、嬌声を上げ、あまつさえ笑顔すら浮かべている。完全に壊れていた。
そしてシーナは決意したように、魔物に向きなおった。
39魔法少女の涙 第3話BADEND 13/13:2009/10/09(金) 22:20:38 ID:/6489i6+
そして、数か月の時が過ぎた。
「あはああああんっ!!!だめ、だめだってば!!!!」
リムは、乳房にしがみ付いた醜い胎児の頭を押さえて叱る。
「あふっ!!もう……、ちゃんと、順番を守らないと駄目でしょ?」
悪いことをする子供をしょうがない子だと思いながらも、大切で仕方がない。そんな顔をしている。
「こらっ、あ、んんっ!!!……あんたは、お兄ちゃんでしょっ!弟にちゃんと譲りなさ……ひぅんっ!!!」
シーナは、自分よりも身体の小さな魔物に挿入されていた。リムと同じく、子をあやす母親のようだ。

シーナはあの後、壊れてしまったリムへの償いとして、自ら魔物の卵を孕んだ。
2度、仔を成したところで、シーナも耐えきれずに壊れてしまった。
まるで微笑ましい親子のようだが、魔物を我が子のようにあやす2人の少女の姿は、狂気に包まれている。
「なんだ、まだやってるのか」
魔物がどこかから帰ってきた。
「あ、お帰りなさ〜い」
「お帰り」
二人は、夫を迎える妻のように、魔物に話しかける。狂っていた。

すでに2人は30を超える魔物を出産していた。そのうち何体かは、すでに実戦に出ている。
リムとシーナの失踪によって、新たな魔法使いが何組かリゾルートから派遣された。
戦った魔物たちは、全て彼らによって滅ぼされていた。
「子供たちの仇は取ってきたやったぞ」
魔物はそう言って、右手に引きずっていたものを持ち上げた。
それは少女だった。魔法少女だ。半裸で、白濁液にまみれている。すでに息絶えていた。
「よかった。これであの子も浮かばれるね」
「でも、あなたに犯されて死ねるなんて、罰にならないんじゃないの?」
2人は、凄惨に犯され抜いて死んだ少女に、憐みの目を向けるどころか、敵対心を剥き出しにする。
「はは、大丈夫だ。さんざん苦しませて殺したからな。気持ちよさなんて感じる余裕はなかっただろ」
よく見れば、少女は身体のあちこちが変な方向に折れ曲がっていた。
「お前たち、もっとたくさん俺の子を産めよ。そうすれば、これから来る魔法使いたちも皆殺しにできる」
「うんっ!!」
「もちろんよ」
頬を赤らめ、笑顔で2人は答えた。
そして、床を埋め尽くす子供たちと再びまぐわい始める。
壊れてしまった頭で、魔物と家族を築く。それも一つの幸せだったのかもしれない。

/ 第3話 BAD END 
40杏の人:2009/10/09(金) 22:21:41 ID:/6489i6+
以上です。
次回の投下は第4話の予定です。
今度は、投下まで少し間が開くと思います。

それでは、今回も読んで頂けていれば幸いです。
また次回、お会いしましょう。
41名無しさん@ピンキー:2009/10/10(土) 00:16:35 ID:34BPaS8t
>>40
最高!
42名無しさん@ピンキー:2009/10/10(土) 08:52:47 ID:v2f9CQwi
いえーい、学校での皆殺しきた!GJ!
最後の新しい魔法少女が犯し殺されるとこも最高
43名無しさん@ピンキー:2009/10/10(土) 09:58:25 ID:yIxnaOIA
皆殺しー皆殺しー、1人も残さねー♪(某人型台風の人みたいに)
GJです!学校のシーンがもろツボにはまりました!
44名無しさん@ピンキー:2009/10/10(土) 12:04:45 ID:lbELBOKG
GJ
自分の子どもに犯されるとか堪んない。
45マユ作者:2009/10/11(日) 16:05:12 ID:GW2lnKOA
杏の人、投下お疲れ様です。
魔法少女マユ第3話を投下します。
今回は前半に挿入シーンがあります。

登場人物設定
秋月真由(マユ)
14歳。両親と3人で、平穏な生活を送っていたが。ユーリィと出会った事で、戦いに身を投じる事になる。
背は小柄で、背中の半ばほどまで届く栗色の髪を後ろで纏めている。
変身時のコスチュームは桜色のミニスカートに赤を基調としたジャケットを纏っている。

ユーリィ
異世界エルメリアの住人である妖精、マユのパートナーとして彼女の戦いをサポートする。
長いストレートの青髪にフリフリのついた白やピンクのドレスを着ている。

セディア
魔族の幹部。序列は低く攻略軍に参加できず、地上での人間狩りをする担当に回されている。
度重なる失敗により、失脚。
黒髪のセミロング、着ている服は黒尽くめで、露出の高い物。

ラディウス
セディアの弟。魔族の造魔開発においての、中核メンバーであり姉より地位が高い。
長い黒髪を三つ編みのお下げにしている。常に白衣に身を包む。

ヴァルアス
魔族の王。100年前の戦いで敗れた先代の跡を継ぎ魔族を統率する。表の顔は大企業の社長。
銀髪の髪をオールバックにしている。黒のスーツを好んで着る。
その真の姿は、黒い装甲を身に包む巨大な竜。
46魔法少女マユ 第3話 1/12:2009/10/11(日) 16:06:27 ID:GW2lnKOA
地球とは違う次元に存在する異世界エルメリア…そこに存在する一つの都市。
対魔族戦線の重要拠点であるその都市は。都市を包囲していた魔族の軍勢に対し、頑強に抵抗していたが。
数日前、敵の増援の到着ともに開始された大攻勢に、ついに防衛線を突破され。都市内部への敵の侵入を許してしまった。
エルメリア側に最早抵抗できる戦力は、殆ど残されておらず。都市は殺戮と陵辱が嵐が支配していた。
力尽きた魔法使い、そして逃げ遅れた、力持たぬ女達が、街中で魔族達に襲われている。
『いいか!男共は残らず殺せ。ノルマを早く済ませた奴は、女をくれてやる!』
隊長格と思われる熊型の魔族の言葉に、集っていた下魔達が散開する。
グズグズしていたら、上位の魔族や造魔達が、全ての女を犯し殺してしまう。下魔達は我先にと駆けていく。
『さて、俺も楽しむとするか』
下魔達に指示を放った魔族も、獲物を探すべく歩き出す。
路地の奥に人の気配を感じ、魔族は奥へと入っていく。
「あ、ああ…い、嫌…」
『ふーむ、獲物が見つかったと思ったら、ガキじゃねぇかよ。しかも魔力もあんまり無ぇときたか』
物陰に隠れて震えていた、10歳くらいの少女を見て、魔族は溜息をつく。
『ハズレを引いちまったな…まぁいいか、コイツ犯した後で、また探せばいい』
「いや…だ、誰か…誰か助けて!あああぁっ!」
泣き叫ぶ少女の頭を鷲掴みにして目の前まで近づける。
『無駄無駄、泣き叫んだって、誰も助けになん……あ?な、なんだぁ?』
少女の顔を舌で舐め、笑った魔族の腹に突如、鋭い痛みが生じた。
何事かと見下ろすと、細い剣の切先が自分の腹から出ていた。
『あぎゃっ!?ぎ、ぎゃあああああああっ!!!』
背後から剣で貫かれた、魔族がそれを理解した時、剣から魔力が叩き込まれる。
断末魔の叫びを上げ、魔族は跡形も無く消滅した。
宙吊りにされていた少女は、魔族が消えた事で、重力に引かれ落下する。
地面にぶつかる前に、伸ばされた手が受け止める。
「大丈夫か?」
少女を抱きとめたのは、亜麻色の長い髪をポニーテールにした20歳くらいの女性だった。
純白のローブの上に、白銀の胸当て、篭手と足具を装着している。腰には細身の剣を下げていた。
彼女の後ろにはもう一人、同じ亜麻色の髪をセミロングにし、灰色のローブを纏った13歳くらいの少女が立っている。
「は、はい…ありがとう」
「ここは危険だ…私達と一緒に東側から脱出しよう」
助けた少女を降ろそうとした時、女性は痛みに顔をしかめる。
「だ、大丈夫ですか?」
「あ、ああ…大丈夫だ、この程度」
女性の背中には爪で深く傷つけられていた。
「ごめんなさい、クレアお姉ちゃん…私が回復魔法使えてたら…」
「気にするな、フェティス。この程度の傷、大した事は無い」
「でも…私のせいで、お姉ちゃんが」
ローブ姿の少女、フェティスは目に涙を浮かべながら言った。
クレアと呼ばれた女性の傷は、魔物に襲われた妹を庇い、受けた物だ。
「こんな所で泣いている暇は無いぞ。すぐに脱出する、急がないと手遅れになってしまう」
「う、うん…分かった。お姉ちゃん」
「いい子だ。その子をしっかり守るんだぞ」
頷く妹の頭を撫でると、彼女は歩き出す。
路地から出ようとしたその時、先頭のクレアの足が止まる。
「…?お姉ちゃん?」
「あれだけ魔力を使えば、当然気づかれるか…奴もでかい声を上げたしな」
路地を出た先には無数の魔族達が集まっていた。
47魔法少女マユ 第3話 2/12:2009/10/11(日) 16:07:52 ID:GW2lnKOA
「…大盤振る舞いな事だ。こんなに集まってくるとはな」
周囲を見回し、クレアは苦虫を噛み潰したような表情を浮かべる。
無数の下魔達に、造魔、上位魔族が合わせて10体は居た。
(背後に逃げ道は無い…どうする、この数を突破できるか?)
自分一人なら出来るかもしれない…だが妹と少女を連れた状態では、不可能に等しい。
魔族達が一斉に動こうと身構える。妹と少女は恐怖に竦みあがり、震えている。
(この二人には、指一本触れさせるものか!守ってみせる!)
決意を胸に、クレアは剣を抜き放つ。
だが、魔族達は動き出さない。彼女が疑問を覚えた時、魔族達が横に動き道を開ける。
「おやおや…何の騒ぎかと思えば。まだこの地区に、生き残りが居たんだね」
開かれた道の奥には一人の青年が立っていた。
青年は漆黒の軍服のような服を纏う、線の細い容姿だった。
癖のない栗色の艶髪、と紫の瞳を持つ涼しげな顔立ちは、人間で言えば間違いなく美形の部類に入る。
(魔人族か…厄介だな)
青年を見据えながら、クレアは心中で毒づく。
上位の魔族は大まかに分けて、2種類に分類される。
獣の姿をした魔獣族、人間に近い姿の魔人族の二つに。
魔人族は総じて力が強く、指揮官などについている場合が多い。
青年から放たれる魔力は、圧倒的なものだった。
(恐らくコイツは最高位魔族…ならば)
「…お前が、この軍の指揮官なのか?」
「ご名答、僕の名はレドリック。ここの軍を、陛下より預かっている者さ」
クレアの問いに、笑顔を浮かべながら青年は答えた。
「…ふーむ、そうだ!君、僕の遊び相手になってよ。僕退屈してたんだ。
 前任者がさんざん梃子摺ってたって話で、ワクワクしながらこちらに来たんだけど…
 あっさりと陥落して、拍子抜けしてるんだ」
青年は溜息を漏らし、首を振る。
「君がもし、僕を楽しませるほど善戦したら…特別に逃がしてあげよう。
 どうだい?悪くない条件だと思うけど」
「戦っている間に、妹達に手を出させたりしないだろうな?」
「勿論、僕の楽しみを邪魔するような奴は、八つ裂きにするよ」
青年の言葉に、周囲の魔族達がびくりと震える。
大方、彼女が戦っている間に、二人を襲おうと考えていたのだろう。
「よし、これで心置きなく戦えるね。じゃあ始めよう」
青年が片手を上げると、魔族達は下がって行く。
青年達が戦いやすいよう、十分な広さを空ける。
巻き込まれては敵わない、とばかり魔術を使える魔族が結界を張り巡らす。
「ご苦労、周囲も気にしなくて済むね」
結界を見回し、青年は満足そうに頷く。
「お、お姉ちゃん…」
「下がっていろ、フェティス…大丈夫、負けるつもりは無い」
怯える少女達を、落ち着かせるように笑うと。彼女は前に進み、青年と対峙する。
「先攻の権利はそちらに上げよう、来たまえ」
いつでもいいよ、と青年は笑みを浮かべたまま、両手を広げた。
48魔法少女マユ 第3話 3/12:2009/10/11(日) 16:09:10 ID:GW2lnKOA
(出し惜しみなどしてられない…最初から全力で行く!)
クリスは周囲に無数の光球を生み出し、一斉に発射する。
片手を突き出し、青年は結界を展開してそれを防ぐ。
「でやあぁぁぁっ!!」
守りを固めている間に、彼女は一気に間合いを詰め、魔力を帯びた剣を振り下ろす。
剣は結界を打ち破るも、青年は飛び退いてかわす。
「おっと…当たると痛そうだね」
次々と繰り出される斬撃を回避しつつ、青年は笑う。
「くっ…ちょこまと素早い奴だな!」
彼女の一撃が青年の左の頬をかすめた。
「…お見事、顔に傷を付けられるのは、久しぶりだよ」
頬から流れ出る血を指で確認すると、レドリックはにっこりと微笑む。
「さて…かわし続けるのも飽きたし、こちらも反撃開始だ」
青年の片手に魔力が集まり、振るわれると、凄まじい衝撃波が放たれる。
「うあああぁっ!!」
衝撃波に吹き飛ばされ、クレアは地面に転がる。
「ドンドン行くよ、頑張って回避したまえ」
「なっ…」
立ち上がった彼女は、青年の周囲に展開する光球の数に絶句する。
青年が指を鳴らすと、次々と光球が彼女めがけて飛んでくる。
次々と飛んで来る光球を、必死にかわし続けるが。至近距離に一発着弾し、爆風で彼女は吹き飛ばされる。
「ぐあああああああっ!!」
倒れたクレアの周囲に、残る光球が全て着弾する。
「クレアお姉ちゃん!!」
フェティスが爆風に包まれた姉の名を叫ぶ。
「…この程度じゃ倒れないか。まだ楽しめそうで安心したよ」
爆風が収まり、フラフラと立ち上がるクレアの姿を見て、青年は笑顔を浮かべる。
(何て強さだ…さすがは一軍を束ねる将だ)
青年の力は、クレアがこれまで相対してきた魔族の中でも、群を抜いたものだった。
(だが、負ける訳にはいかない!)
彼女は剣を構え駆け出す。目前で飛び上がり、ありったけの魔力を込めた剣を振り下ろす。
青年の右腕が切断される。予想外の威力に、青年の目が大きく見開かれる。
だが、笑みを浮かべると。青年は切り飛ばされた方の腕を、彼女に向ける。
次の瞬間、クレアを無数の触手が襲う。
「なっ!?ぐ…くああぁっ!」
全身を縛り上げられ、彼女は苦悶の声を漏らす。
触手は青年の右腕から現れていた。
否、青年の腕が無数の触手に変化していたのだ。
「そういや言い忘れてた。僕はこんな風に、体の一部を獣魔族達のように変化できるんだよ」
彼女を締め上げる力を強めながら、レドリックは笑顔で語る。
「あ、ああぁ…うぁぁ…」
「お姉ちゃん!」
「く、来るなぁ…あぐっ!」
駆け寄ってくるフェティスに向けて、青年は左手を構える。
「きゃあぁ!」
左手が一本の太い触手に変化し、少女の首に巻き付く。
「さて…この状況下では、君にもう抵抗できる力は無いね?そこそこ楽しめたけど、まだ足りないな…
 それじゃ、今度はこっちの方を楽しませてもらおうか」
苦しそうにもがいていたクレアを、地面に下ろし。触手に変化していた右手を振るう。
斬り飛ばされた右手が再構築される。それを終えると、青年はクレアの元に近づいていく。
49魔法少女マユ 第3話 4/12:2009/10/11(日) 16:10:32 ID:GW2lnKOA
「魔族と戦って敗れたんだ。覚悟は出来てるだろうね?」
地面に手をつき咳き込んでいるクレアの前に立つと、青年は語りかける。
「君が大人しく、僕に犯されるんだったら…この子と、もう一人の子は犯さないよ」
「…!た、頼む!私はどうなってもいい…だが、妹達は助けてやってくれ!」
「宜しい、物分りのいい子は好きだよ」
彼女の言葉に青年は頷くと、締め上げていた少女の拘束を解く。
拘束を解かれたフェティスは、地面に倒れこむ。
妹の元に駆け寄りたかったが。それが出来ない事に、クレアは歯噛みする。
「それじゃあ始めようか」
青年は、再び右手を触手に変化させた。
触手は先端の口から彼女に液体を浴びせる。
「くっ…!」
液体を全身に浴びせられ、彼女は震える。
「んん!ふ、服が…」
クレアの纏っていた服や鎧が、徐々に溶け始める。あの液体のせいだろう。
胸が露になり、僅かに残った部分も触手に破り捨てられる。彼女は下着一枚の姿になってしまう。
クレアの豊かな体に、周囲に居た魔族達の視線が注がれる。
「くぅ…くそぅ…」
周囲から注がれる視線に、彼女は激しい羞恥心に襲われる。
「きゃっ!」
「魔族の中には順序を省略する奴が多いけど、僕はゆっくり楽しませてもらうよ」
クレアを押し倒し、馬乗りになりながら青年は笑いかける。
右手は無数の細い触手に変化し、彼女の豊かな胸に巻き付く。
「ひぅ!はぁん…ひぁ…」
「いい感触だ。やはり胸は大きい方が弄りがいがあるね」
彼女は胸に起こる快感に、甘い吐息を漏らす。
「ふぁ…ぁあん…ひぅん…あぅ…」
触手はクレアの体中に巻き付き、全身にぬめぬめとした液体を、丹念に塗りつけていく。
「ふぁぁ…ひぅ…はぁぅぅ…」
徐々に、駆け巡る快感が増していく。
「今塗りつけてるのは媚薬さ、気持ちいいでしょ?」
「ひぁ!そ、そんな事…ふぁ!」
青年の言葉を否定しようとするが、胸に生じた新たな快感に言葉を遮られる。
勃起した胸の先端を、青年が甘噛みしたのだ。
もう片方の胸は触手が口を開き、まるで赤子の様に吸い付く。
「ひあああぁぁぁっ!」
両胸に湧き上がる激しい快感に、彼女は嬌声を上げる。
股間に到達した触手が、下着を引きちぎった後、形を変化させる。
口を開き、長い舌を伸ばして、媚薬を秘所に塗りつけ始めた。
「あああぁあっ!や、やめ…はあああぁぁん」
時折、秘裂へとグリグリと舌を押し付ける。
「ふあああぁぁ…はうぅぅん…」
十分に媚薬を塗りつけると、触手は引っ込み、今度は青年の左手が伸ばされる。
「ひやあああぁぁっ!」
クリトリスを摘まれ、彼女は声を上げ悶えた。
50魔法少女マユ 第3話 5/12:2009/10/11(日) 16:13:04 ID:GW2lnKOA
「こういう時、この体は便利なんだよね。触手であちこち責めつつ、自分の手で感触を楽しむ事も出来るから」
青年は笑いながら言うと、クリトリスを圧迫する。
「んうぅ…ふああっ…あぁぁん」
両胸の先端には、触手が吸い付き。青年の左手はクリトリスを、絶え間なく責め続ける。
「おっと忘れてた…口がお留守だったね」
「むぐぅっ!?」
だらしなく開いていたクレアの口を青年の唇が塞ぐ。
口内に侵入してきた舌は蛇の様に、細く長い物だった。恐らく変化させているのだろう。
彼女の舌に絡みつき自分の口に引きずり込む。
「ふぁぁ…はむ…んちゅ…はぁん…」
青年の長い舌に弄ばれ、彼女は甘い声を漏らす。
絡みついたまま、青年の舌が動かなくなる。
「うぇ…?」
クレアは唐突にとまった責めに疑問を覚える。その答えはすぐに出た。
青年の舌が2本に増えている。もう一本の舌が彼女の口内に侵入する。
「むぐぉっ?むぐぅ!」
口内に侵入した舌は、中を蹂躙するかのように舐め回す。
あまりの気持ちの悪さに、クレアは嘔吐しそうになる。
同時に、彼女の舌への責めも再開された。
「んむむうぅぅっ!もごぅぅ!」
しばらく責め続けた後、青年は彼女の舌を解放し、口を放す。
「ご馳走様、美味しかったよ」
にっこりと満足げに微笑む青年。
ぐったりとした様子のクレアの足を動かし、股を開かせる。
「さて…メインディッシュと行こうか」
青年はズボンのチャックを下ろす。
朦朧とした意識の彼女は、青年の股間へと目をやる。
そこには極太のペニスが存在した。
「ひぁっ!?そ、そんなの…は、入るわけが無い!」
驚きで意識を引き戻されたクレアは、必死に足を閉じようとする。
「いやいや、皆そう言うんだけどね。実際やってみると入るんだよ」
怯えている彼女をあやす様に、青年は優しく語りかける。
「あ、あぁぁぁ…」
クレアを助けを求める様に周囲を見回す、そして見てしまった。
「もごおおぉぉっ!うげええぇぇぇ!!」
「うがあああああぁぁっ!!た、たずけで!おねえぢゃ…」
少女達が無数の魔族に取り囲まれて、肉棒を突っ込まれていた。
「や、約束が…違うぞ!い、妹達には手を」
「ああ、僕は約束どおり手を出してないよ。彼らにやれと言う気も無かったんだけどね。
 君があんまりにも淫らに悶えるものだから、我慢できなくなって勝手に始めちゃったんだ」
目の前で繰り広げられる、陵辱の光景に、青年は困ったように笑う。
周囲から騒ぎを聞きつけてきたのだろう。
少女達を取り囲む魔族達は、一人につき10体を超えていた。
『おい、早く出せよ!さっさと代われ!』
『そう焦るな、あんまり急ぐと、死んじまうぞ?』
『し、死んでても構わない…おで…突っ込む』
『向こうの奴は、1回か2回でダメくさいぞ、魔力もあんまり無いただのガキだ』
『マジかよ?それじゃこっちに、あぶれた連中が来ちまうな』
我先にと奪い合うように、少女の口と2つの穴に、肉棒を突っ込んでいる。
参加できない下魔達は、羨ましそうにその光景を見ていた。
51魔法少女マユ 第3話 6/12:2009/10/11(日) 16:17:13 ID:GW2lnKOA
目の前に広がる絶望的な光景に、クレアは呆然とした様子だった。
「こらこら、こっちも本番を始めるんだから。いつまでも惚けてちゃダメだよ」
少し怒ったように言うと、青年は彼女のクリトリスを抓る。
「ひやぁぁっ!?」
突然の行動に、彼女はビクン、と大きく震える。
「それじゃあ…いくよ」
ペニスを割れ目に当て、青年は確認するように言う。
「ひ…い、いやっ!ダメっ!や…やめて!!」
「だーめ、止めないよ」
怯えるクレアに微笑むと、青年はペニスを挿入し始める。
「あぐううううぅぅ!!」
極太のペニスを挿入され、彼女は絶叫した。
ペニスはどんどん奥へ進み、処女膜を突き破る。
「はぎっ!?があああああぁあっ!!」
処女膜が破られ、強烈な破瓜の痛みに彼女は絶叫する。
少し間を置いて、結合部から血が流れ出てきた。
「おやぁ?君、処女だったんだ。これはラッキーだね」
彼女の反応に、青年は嬉しそうに笑う。
愛液で濡れているとはいえ、青年のペニスは彼女には大きすぎた。
膣壁を削られるような、激しい痛みを伴いつつ、青年のペニスは子宮に到達する。
そして、今度はゆっくりと引き抜こうとし始めた。
「ああああああっ!うあああああああぁ!!」
クレアの叫びが周囲に響く。
ピストン運動は、しばしの間繰り返される。
繰り返される間、彼女の意識は何度も途切れそうになり、その度に新たな痛みで引き戻された。
何分それが続いただろうか。青年が一言発する。
「出すよ」
その一言と同時に、一際奥へとペニスが突っ込まれ、射精が始まる。
「があああああああああああああぁっ!!!」
クレアの絶叫と共に、彼女の腹がぼこん、と膨れ上がる。
想像を絶する量の精液が青年のペニスから放たれる。
同時に、青年は彼女の魔力を吸っていく。
「ふぅ……気持ち良かったよ。君の締め付け…魔力も極上の物だ。
 君は、さぞ名のある魔法使いだったんだろうね」
ペニスを引き抜き、満足そうに一息つくと。ビクビクと痙攣しているクレアに向けて、にっこりと微笑む。
「さて…残りは君らの好きにしたまえ。皆で仲良く楽しむんだよ?」
周囲に集まった魔族達を見渡し、青年は笑顔で語る。
その言葉に魔族達は歓声をあげ、我先にと駆け出しクレアに群がる。
「むごっ!?ふげえぇぇぇっ!」
妹達と同じように、クレアも3つの穴に、魔族達の肉棒を突っ込まれた。
『ギヒャヒャヒャ!さっきのガキじゃ物足りなかったからな!楽しませてもらうぜぇ!』
『おい、お前さっき、ガキに突っ込んでただろ?後回しだ!』
『早くしろ、他の奴が集まってくるかもしれない』
「ぐぼおおおぉぉっ!!があああああああぁっ!!」
再び聞こえる彼女の叫びを背に、青年は陣地へ戻ろうと歩き出す。
52魔法少女マユ 第3話 7/12:2009/10/11(日) 16:18:21 ID:GW2lnKOA
「よぅ、待ってたぜ」
青年が陣地に戻ると、中に居た白衣の少年が振り向き、声をかけてくる。
「ラディウス。珍しいね、君がこっちに来るなんて」
「おう、ちと用事があってな。お前のとこの戦利品、分けて貰おうと思ってね」
青年の問いに答えると、少年は外の光景に目をやる。
「前任者がさんざん梃子摺ってた。この都市を、いともあっさり陥落させるとは…
 さすがは陛下の信任厚い、レドリック卿ってところか」
「褒めても何も出ないよ。それに、戦利品は皆の物であってね。そう簡単に上げる訳には…」
「陛下にもご許可を頂いてる。いずれ正式な命令として、全軍に発令されるさ」
「なるほどね…でも、この都市でのめぼしい戦利品は、殆ど無いと思うけど」
青年の言葉に、心配ご無用、とばかりに指を突き出す。
「お前がここに戻ってくるまでの間に、適当に集めさせて貰ったよ。
 ここの連中は殆ど俺の作品達だからな、快く提供してくれたよ。
 上位の連中にも、さっきの話をしてやりゃ、すぐに渡してくれるしな」
「なるほど…抜け目無いね」
「おっと、お前さんに渡す物があった」
少年は思い出したようにポケットを漁ると、黒い封筒を取り出す。
「陛下からの勅命か。今度は何なのやら…」
青年は封筒を開き、中の書面に目を通す。
「なんて書いてあるんだ?」
青年の眉が顰められた時に、少年は尋ねてみる。
「この都市の攻略と事後処理。後任への引継ぎが終り次第、地球に戻って来いってさ。
 相変わらず人使いの荒い御方だ…ここにだって5日前に、赴任したばかりなのに」
少年の問いに、青年は溜息混じりに答える。
「ふーん、地球って事は…人間狩りの統括を、お前にさせるお考えかもな。
 エルメリア側の妨害が、最近激しくなってるんでね。姉貴も失敗続きでお仕置き喰らったよ」
「なるほど…それなら退屈はしないで済みそうだね」
「そういう事、ところでお前…都市が陥落したのに、楽しまなくていいのか?
 戦利品奪って行く、俺が言うのも何だが…」
「問題無いよ。既に楽しんできたからね。とても強い魔法使いのお嬢さんを、犯す事が出来て満足だよ」
笑いながら青年は右腕を見せる。
青年の右腕は切り裂かれた後があり、肘から服が無かった。
「凄いんだよ、その子。僕の右腕を切り飛ばしたんだから」
「……ちょっと待ってくれ。良ければその女の特徴、教えて貰えるかな?」
にこやかに笑う青年に、少年は汗を一筋流しながら尋ねる。
「んー…亜麻色の長いポニーテールの綺麗なお嬢さんだったよ。
 白いローブの上に甲冑を纏っていたね。確か、クレアとか呼ばれてたかな」
「あちゃー…前任者の情報に合った、戦乙女クレアだ…もっと早く来れば良かった」
青年の言葉に、メモ帳を広げていた少年は、がっくりと肩を落す。
「折角、この都市でも有数の使い手が、手に入るところだったのに…」
「そう気を落さないで。長い人生、色々あるよ」
「…その原因を作った奴に、言われたくは無いぞ」
ぽんぽんと肩を叩く青年を、ジト目で睨みつける。
「……あー、この都市の後始末とかしばらくかかるから陛下には少し遅れるって伝えておいて貰えるかな?」
「おう、後任もこれから派遣されるんだし、引継ぎにも時間もかかるだろ」
「そうだねぇ…2週間はかかるかな」
「了解だ。それだけ時間が空くなら、俺も陛下に許可貰って魔法少女を狩ってみるかね」
少年の言葉に、レドリックは興味を引かれる。
「…君がそんな事を言うなんて…面白そうな子が居るみたいだね」
「ああ、姉貴もそいつに負けちまったよ。何とかしてアイツ手に入れたいなぁ…
 さてと…戦利品も貰ったし、お前への届け物も終った。俺帰るわ。」
「忙しいね、君も…じゃあまた」
「おう、またな」
青年の言葉に頷くと、ラディウスは歩いて陣地を出て行った。
53魔法少女マユ 第3話 8/12:2009/10/11(日) 16:20:00 ID:GW2lnKOA
――エルメリアでの出来事から2日後――

「へぇー…こんなに大きな魔力刃、いつの間に作れるようになったの?」
「この間の戦いの時に、出来る様になったの。この剣が私の魔力増幅してくれてるみたい」
人気の無い深夜の公園。ユーリィは興味深そうにマユが手にする光の大剣を見つめる。
夜の見回りを終えた時に、マユがこの力の事を、ユーリィに教えていないのを思い出し。使って見せたのだ。
「ふーん…剣がマユちゃんの、強くなりたいって思いに応えてくれたのかもね」
「そうだと…いいな」
ユーリィの言葉に、マユは嬉しそうに笑う。
「さって、そろそろ帰ろっか」
「そうだね。早く寝ないと、またお母さんに、早く起きなさいって怒られちゃうからね」
「うぅ…見回りは嫌じゃないけど、寝不足になるのがなぁ…学校遅刻しそうになるし」
他愛も無い話をしながら、家に戻ろうとしたその時…
「っ!…ユーリィ」
「うん、現れたね」
魔族の気配、一つは造魔のものだろう…もう一つは感知した事の無いものだった。
二人は互いに頷くと、ユーリィが反応の近くへと転移魔法を展開する。
少女達は光に包まれ、公園から消えた。



「さーて、早く来ないかねぇ」
何年も前から使われなくなった廃工場、そこに佇んでいた少年は、退屈そうに呟いた。
『ドクター、その魔法少女…犯していいですか?』
少年の傍らに立つ、牛ほどの大きさのナメクジ型造魔は、主に尋ねる。
「んー、好きにしろ。ただし、やり過ぎるなよ」
『了解しました』
顎に手をあて、思案するような仕草をした後、ラディウスは造魔に頷く。
「ん…来たか」
人の気配を感じ、少年は前を向く。
工場正面の入り口に、少女が立っていた。
桜色のミニスカートに、上着には赤を基調としたジャケットを纏う、栗色の髪の少女。
傍らには、青髪の妖精が飛んでいる。
「お、来た来た。待ちわびたぜ」
目当ての少女達、マユとユーリィが来た事に、少年は嬉しそうに笑みを浮かべた。
「ようこそ、魔法少女のお嬢ちゃん。君を待ってたよ」
両手を広げ、歓迎するような仕草を見せて、少年は笑う。
「待ってた?…初めから私達が狙いだったの?」
「おう、人間狩りは俺の仕事じゃない。俺の目当てはただ一人…君だ」
少女の問いに頷く少年。彼はマユの目をじっと見つめ、一言発する。
「…君が欲しい」
「…へ?え、ええええぇぇっ!?」
唐突な少年の言葉に、マユは赤面して狼狽する。
54魔法少女マユ 第3話 9/12:2009/10/11(日) 16:20:44 ID:GW2lnKOA
(何!?いきなり君が欲しいって…そ、それって…)
「お、落ち着いて!マユちゃん、これはマユちゃんを混乱させようとする、敵の作戦だよ!」
マユの頭の中を、色々な妄想がグルグルと巡る。ユーリィは混乱する少女を落ち着かせようと、必死に呼びかけた。
「んー?どうしたんだあの子?」
『ドクター。先程の発言は、ドクターの目的からすれば不適切かと』
首を傾げる少年に、隣の造魔が淡々とツッコミを入れる。
「ふーむ…おぉ!そういう事か!」
造魔の言葉に、しばし考え込んだ後、ポン、と手を打つ。
「あー、ごほんごほん…先程の発言は訂正しよう…君の体が欲しい」
「ほ、ほら…アイツも間違いだって言って……えええええぇぇぇ!?」
咳払いをして少年は、発言を訂正するが。その内容に、今度はユーリィが声を上げる。
(か、体…!?私の体が目的…嫌らしい事されちゃうの?私…)
(マ、マユちゃんの体が目的…何を企んでるの!?)
ユーリィまで混乱し始め、事態は収拾が付くどころか、悪化していた。
「おやー?俺、また何か間違えた?」
『今度は説明不足ですな』
少女達の様子を見て、自分の方を振り向く創造主に、造魔はまた淡々と語る。
「……あー、そういう事か。再度訂正する…造魔の母体として、君の体が欲しい」
少年は少女達を、落ち着かせるように語るが、少女達は。
「…ユーリィ。私、初めて戦いたくないって思った」
「私も、アイツ変態さんだよ。関わりたくないなぁ…」
少年の方を、チラチラと横目で伺いながら、声を潜めて話す少女と妖精。
「何をー、俺は変態ではない!」
『ドクター、先程までの発言は、誤解されても文句が言えない内容ばかりです』
怒ったように地団太を踏む少年に、造魔がまたツッコミを入れる。
「……ご、ごほん!…気を取り直して自己紹介をしよう」
ラディウスは一つ咳払いをすると、少女達の方を向く。
「俺の名はラディウス。造魔の研究や製造をやってる者だ。姉貴が随分世話になったらしいな」
「姉貴?まさか…」
「そう、セディアは俺の姉だ。姉貴は失敗し重ね過ぎて、お役目を解かれたよ」
マユの言葉に少年は答え、肩を竦めて見せる。
「…マユちゃんに負けて失脚した、姉の仕返しに来たの?」
「いーや、別に恨みなんか無いさ。むしろ感謝してるくらいだ。これで姉貴の我侭から開放されるってね」
「…どういう事?」
「姉貴はね、昔から何かあると、すぐ俺を頼ってくるのさ。俺の方が地位が高いから…色々とね。
 この間、姉貴が連れてきてた造魔も、俺が用意してやった奴だ」
何か思い返していたらしい、少年は大きく溜息をつく。
「ま、左遷されたからな。当分は大人しくしてる事になるだろうからね。しばらくは、俺に面倒事は来ない」
「じゃ、じゃあ何でマユちゃんを狙うの!?」
「んー、それはね。そのお嬢ちゃんの力に興味があるからさ…ある程度消耗していたとはいえ。
 俺の作品を一撃で倒した、その力が欲しい。君を母体にすれば、今以上に強力な造魔を造り上げる事が出来る」
ラディウスはそこで言葉を切ると、指を鳴らす。
55魔法少女マユ 第3話 10/12:2009/10/11(日) 16:21:24 ID:GW2lnKOA
「さて、お喋りはここまでだ…覚悟して貰うよ」
少年の隣に待機していた造魔が、ゆっくりと動き出す。
「…気をつけてね、マユちゃん」
「うん、分かった」
少女も剣を構え、少しづつ間合いを詰めていく。
(…ふむ、あの大剣はすぐには出さないか。とっておきってやつかね)
対峙する両者から距離を取り、ラディウスは、少女の手にする剣を見ながら分析を行う。
既に周囲には、彼が放った小型の端末が展開されている。
(捕らえれれば御の字だが…何分、不確定要素が多い。今回はデータ取りに専念するとしよう)
先に動いたのは造魔の方だった。
腕代わりの二本の触手を伸ばし、ムチの様に振るう。
少女はその攻撃を掻い潜り、造魔の懐に飛び込む。
「はあぁぁっ!」
気合と共に一閃、造魔の触手を切り裂く。
そして更に剣を構えなおし、造魔の胴に突き刺した。
だが、造魔は身動き一つしない。しばし間を置いてから、首を下げ少女の方を見下ろす。
『悪くは無いが…その程度では効かない』
「えっ!?」
造魔の言葉に、少女は慌てて剣を抜いて飛び退く。
それとほぼ同時に、造魔の触手がまた生えて振るわれる。
「っ!しまった!」
少女の右腕が触手に絡め取られた。
「くっ…うぁ…」
腕をきつく締め上げられ、少女は苦悶の表情を浮かべる。
絡みつく触手を切り裂かんと、少女は左手に魔力を集め、刃を作った。
びしゃっ
「きゃあっ!」
触手を切り裂かんとしたその時、造魔が口から何かを発射し、少女の左手と足に命中する。
「マユちゃん!」
「うぅ…何これ…ネバネバして離れない…」
吐き出されたのは、強力な粘着性を持つ粘液だった。
「おし、動きを封じたか。やっちまえ」
少年の言葉と共に、粘液が次々と発射される。
「こ、このぉ…ひゃあっ!」
「ユーリィ!」
魔法を放とうとしたユーリィが粘液の直撃を受けて地面に落ちる。
「きゃああああぁぁ!!」
少女の体にも次々と粘液が命中する。
体中に粘液を浴びた少女は、身動き一つ取れない状態に陥った。
マユが動けない事を確認すると、造魔は腕の拘束を解いた。
「う、うぅ…」
「あぅぅ…動けないよぅ…」
異臭を放ち、体の自由を奪う粘液に、少女達は呻く。
56魔法少女マユ 第3話 11/12:2009/10/11(日) 16:22:44 ID:GW2lnKOA
身動きできない少女に向けて、ゆっくりと造魔は動き出す。
「くっ…このぉ!」
体中に付いた粘液を吹き飛ばそうと、少女は魔力を高め始める。
それを妨害せんと、触手が少女の右肩を打ち据える。
「うぁっ!」
苦痛に顔を歪める少女、更に触手が振るわれる。
「ぐっ!…かはっ…」
腹部に強烈な一撃を受け、少女は息を詰まらせた。
目の前にまで近づいた造魔は、少女を押し倒し、圧し掛かる。
「うぅ…くぁ…あぁぁ…」
圧し掛かってくる造魔の重さと、そのヌメヌメとした体が触れる不快感に、少女は身をよじった。
「マユちゃん!こ、このぉ…」
ユーリィは少女の名を叫び、体を動かそうとするが。
その体は、粘液によって地面に磔にされたような状態で、まったく動けなかった。
造魔は体の一部を動かし、少女の胸を掴み弄る。
「ひぁ!やぁん…ひぅ!」
湧き上がる快感に、少女は声を漏らす。
前回の蛙型造魔に責められたせいだろうか…少女の胸は敏感になっていた。
「くぁ…ひゃう!…うぅ…」
スカートの中にも造魔の体が入り込み、下着の上からグリグリと押し付けられる。
「ああっ!い、いやぁ…ふあぁぁっ!!」
快楽に震えながらも、少女は拘束から逃れようと必死にもがく。
『まったく…ジタバタしないでくれ。もう少し苦しめて、力を奪ってからにするか』
抵抗を続ける少女に、無駄な足掻きをするものだと、造魔は溜息をつく
造魔は触手を伸ばし、少女の細い首に巻き付ける。
「あぐっ…うぅぅ…あぁぁ…」
ゆっくりと、だが凄まじい力で、少女の首が締め上げられていく。
「手早く済ませよー。あんま悠長に構えてると、痛い目見るぞ?」
『問題ありません、この状態で何が出来ましょうか』
主の言葉に、造魔は笑う。
圧し掛かっているこの状況で、非力な少女に逃れる術など無い。造魔は自分の勝利を確信していた。
「あぁぁ…くぁ…うぁぁ…」
(ダ、ダメ…このままじゃ…やられ…ちゃう…)
徐々に遠のいていく意識、このままでは自分は魔族にこの間の様に…いや、それ以上の事をされるかもしれない。
(嫌だ!負けたく…ない!)
「くっ…だああああぁぁぁぁっ!!」
ナメクジの体に覆われておらず、自由の効いた右腕に魔力を集中させる。
炎の魔法を発動させ、目の前まで近づいていた、造魔の顔に放つ。
『ごがっ!?ぎ、ぎゃあああああああぁぁぁっ!!』
顔を炎に包まれ、造魔は横に倒れて、ゴロゴロと地面をのた打ち回る。
「くそっ!言わんこっちゃねぇ!」
ラディウスが造魔の元に駆け寄り、魔術を構築し始めた。
「はっ…はぁ…はぁ…げほっ」
粘液を振り払いつつ、少女は立ち上がり咳き込む。
57魔法少女マユ 第3話 12/12:2009/10/11(日) 16:24:37 ID:GW2lnKOA
呼吸を整えると、少女は剣を構える。
魔力を剣に纏わせ、自分の身長ほどもある光の大剣を構成した。
「あ…やべっ!」
造魔の炎を消していた少年は、少女の動きを見て声を上げる。
少女は一気に、彼らとの間合いを詰めた。
「でやぁぁぁっ!!」
気合の声と共に剣を振り下ろし、造魔の体を一刀両断する。
声を上げる暇すらなく、真っ二つにされた造魔は崩れるように倒れるた
「ちぃぃっ!」
ラディウスが魔法を放とうと動くが、少女の動きは更に早かった。
瞬時に動員できる魔力を全て集めて、少年に向かって放つ。
「ぶげらっぱぁ!?」
凄まじい声を上げて、少年は爆発にのまれる。
間合いを取り、少女は再び剣を構えて、爆風が収まるのを待つ。
「げほっ、げほっ…あー、まいったよ。降参だ…」
「ウソ…至近距離で撃ったのに…」
至近距離からの爆発を喰らったはずなのに。少年は全身が真っ黒になった程度の被害で立っていた。
再び動こうとする少女を、手で出して制する。
「待った、これ以上やりあう気は無いよ。手駒も無いしね…肉体労働は俺の主義じゃない」
「そう言われて、逃がすと思ってるの?」
「あー、やっぱそう言うか。そこを頼むよ…そろそろ見たいアニメの時間なんだ」
少女の言葉に、困ったように頭を掻くと、ゴソゴソと白衣のポケットを漁る。
「とうっ!!」
黒い球体を取り出すと、地面に投げつけた。
球体が炸裂し、周囲を様々な色の煙が包む。
「くっ!?…ま、待ちなさい!」
「はっはっはっ、今日はここらで失礼するよ。次こそは君を俺の物にして見せる。じゃあな!」
煙に包まれ戸惑う少女に捨て台詞を放つと、少年は消えていった。


「…逃げちゃったか、また来るのかな…やだなぁ」
煙が収まった後、少年が居ないのを確認すると、マユは溜息をつく。
「ユーリィ、大丈夫?」
マユはユーリィの方に駆け寄り、拘束を解いてあげる。
「うん、なんとかー…でも服がベトベトになっちゃった…」
「私も、髪とかベトベトだよ」
「早く帰ろうよマユちゃん、気持ち悪いよぅ」
「そうだね、私もシャワー浴びたいよ」
少女達は廃工場を出ようと歩き出す。
「アイツの口振りからして、また来そうだね」
「うん…嫌だなぁ…なんか調子狂うの、アイツ」
「セディアよりタチ悪いよね。連れてくる魔物も手ごわそうだし、気をつけないとね」
二人はあの奇妙な魔族の少年の事を思い出し、大きく溜息をついた。
58名無しさん@ピンキー:2009/10/11(日) 16:27:50 ID:JAVkIWA+
リアルタイムGJ
てか、シェゾ・ウィグィィ・・・

フェティスのシーンが省略されちゃったのが残念だね
59名無しさん@ピンキー:2009/10/11(日) 16:30:09 ID:/P71h4hU
リアルタイムで遭遇できた。超乙!
60魔法少女マユ 第3話 :2009/10/11(日) 16:30:33 ID:GW2lnKOA
はい、今回はセディアに代わる新幹部登場です。
悪女系、科学者と来ましたので、次は外道な美青年になりました。
後半はちょっとギャグに走り過ぎたかも…ラディは気を抜くと変な方向に走っちゃう…
レドリックの本格的参戦は次回になります。
それではまた次回に
61名無しさん@ピンキー:2009/10/11(日) 16:32:46 ID:XhQP+8EB
乙っした
ラディウスってなぜだかローゼンのジュンで再生される
62名無しさん@ピンキー:2009/10/11(日) 16:38:18 ID:AVJclkew
GJ!新幹部に期待してるぜ!
ラディウスはアニメ好きなのか
63名無しさん@ピンキー:2009/10/11(日) 16:45:26 ID:WyjBKdVE
>>56
GJ
64名無しさん@ピンキー:2009/10/11(日) 18:02:09 ID:GWwa9FUL
GJ!
都市陥落で皆殺し陵辱さいこー
男は殺して女は犯すに限る
最近の皆殺し傾向はいいねー
65 ◆vjCMMxTOIw :2009/10/12(月) 00:56:41 ID:gjX9oE4d
|/|-|ヽ
| 0M0) ……ネネさんとのデートにうつつを抜かしていたら、近年稀に見る投下ラッシュ……。
|⊂ /   ……どうしよう、どの話も凄すぎて表に出られない……。
| /


書いたはいいものの出るに出られずマゴマゴしてましたが、こっそりと第5話を投下いたします。




灰の魔女によって仕組まれた6人の魔法少女バトル。
勝ち残れば最強の魔力を手にすると言われているが、実はより強靭な魔力を集めるための魔女の姦計だった。
知った上で戦いに身を投じる魔法少女、戦いを止めたい魔法少女。
それらを踏みにじろうとする魔法少女。
残る魔法少女は、3人。



【主な登場人物】
タツヒト:魔物達の王。人間の血が半分混ざってるくせに存外容赦ない竜王様。
ヴァルキナス:先代からの重臣。王の代理人。一応、席順はナンバー2。未だ出番なし。
プロフェッサー:兵器開発・人造魔物開発・ドーピング等、お約束のマッド研究者。王の側近として雑務もこなす。なにげに激務。

ティート:魔人の姫君と呼称される魔物。執拗に竜王を付け狙うも、及ばない。契約器は生前最も信頼する人間だった『破焔』


高瀬悠里:17歳。主要武器は剣。元々魔法を使えたこともあって、素質は充分。胸はあまりない。封印魔物はザバット。シンボルカラーは黒。

水瀬泉:15歳。悠里の一学年下。第4話の時点では最弱の魔法少女。恐らくはロリ体型。封印魔物はなし。シンボルカラーは純白。

桜田美野里:18歳。泉の二つ学年上。主要武器は二丁拳銃。長期入院している妹共々、神村綾音の魔物により陵殺される。

神村綾音:12歳。ロリ外道。本人曰く、とても強いらしい。間違いなくロリ体型。封印魔物はブルムベア。

灰の魔女:年齢不詳、外見は超絶ロリ体型。悪の根源。



※注意事項:相変わらず陵殺バンザイで後味悪いので苦手な方はご注意。
66ある魔女がもたらした災難5−1:2009/10/12(月) 00:58:18 ID:gjX9oE4d
 戦いを止めたいと思った。
 戦うことは、いけないことだから。
 戦いを止めたいと思った。
 人を傷つけるのは、いけないことだから。
 戦いを止めたいと思った。
 人を殺すのは、いけないことだから。

 彼女の中に、生まれてはじめての殺意が芽生えた。



【ある魔女がもたらした災難 第5話:白魔】



 桜田美野里を殺した神村綾音の耳に、第三者の声が届いた。
「さくらだ、せん、ぱ、い」
 かすれたような声だった。
 木立の向こう側、走ってきたのか微かに肩が上下している。
 小柄で華奢な身体つき、サイドポニーの少女が、感情のない人形のような表情をこちらに向けている。
 腕には、見慣れたブレスレット。
 綾音は耳障りな笑い声をあげた。
「キャハハハ!あーん、ほんっとツイてるー!ピンチの後にはチャンスあり、最後の魔法少女が向こうから来てくれるなんてねー!」
「さいごの……まほう、しょうじょ?」
 壊れたラジオのような声。
「そーそー。んっと、蟹のおねえちゃんはあなたたちが倒したでしょ、蛇の雑魚はそこに転がってる銃使いのおねえちゃんが倒した、で、その銃使いのおねえちゃんもさっき

死んじゃった。剣使いのおねえちゃんも戦闘不能だし、後はあなたさえ殺せば私の勝ちじゃん!」
 無邪気に指折りながら数える神村綾音。
 最年少の魔法少女は、平たい胸を張る。
「銃使いのおねえちゃんは強かったけど、その魔力は私が貰っちゃったんだ。だーかーらー……」
 ステッキを振る。
「私が最強ってことだよねーッ!!!」
 魔力の暴風が、最後の魔法少女に殺到。
「変身」
 泉はその暴風が全身を覆う寸前にダイヤルを回す。
 しかし。
「無駄よ無駄無駄ァ!」
 魔力の渦は、色の無いコスチュームに身を包んだ魔法少女を吹き飛ばした。暴風に舞う木の葉のように吹き飛ばされ、地に転がる。
「……」
 それでも、彼女は立ち上がった。
 覚束ない足取りで再度歩き始める。綾音に向かって。
「へぇ……思ったよりタフなんだ……でもッ!」
 もう一度ステッキを振る。
 再び暴風。
 また、吹き飛ばされる。
「……」
 そして、同じように立ち上がる。
 そこで綾音ははじめて気が付いた。
 自分に向かってくる魔法少女に、傷ひとつ無いことに。
 魔法衣にも、汚れひとつ付いていないことに。
67ある魔女がもたらした災難5−2:2009/10/12(月) 00:58:54 ID:gjX9oE4d
「や、やるじゃない……」
 一歩相手が近づく度、背筋を冷たいものが撫でる。
 魔力は自分が勝っているはず。
 であるにも関わらず、目の前にいる魔法少女からは。
「許さない」
 戦慄が、恐怖へと爆発的に変化する寸前の感覚。
「絶対に許さない」
 表情が見えた。
 とめどなく頬を濡らす涙と。
「絶対に、です」
 魔力が爆発的に膨れ上がっていく。
 神村綾音すら上回るほどに。
「クソッ、ブルムベア!」
 綾音がシモベを喚ぶ。
 見上げるような体格の、熊の魔物が雄叫びをあげて主の救援に入る。
<グマアアアアアァァァァ!!!!>
 小柄な泉に覆い被さる熊魔物。
「……ッ!」
 殺到した勢いそのままに、敵の魔法少女を押し倒す。
「きゃはははは!そのまま犯っちゃえ!!」
 勝った、そう綾音は思った。
 多少魔力は強くとも、ブルムベアの腕力は並外れている。完全に押さえ込んだと思ったのだ。
<グ、グママ……>
 そのシモベが戸惑ったように唸る。
「へ?」
 勝利者であるはずの魔法少女は、信じられないものを見た。
 押さえ込んだはずの少女が。
<グギャアアアアアアアア!!!!!!>
 ブルムベアの腕を、
「嘘」
 引きちぎったのを。
 返り血を浴び、半身を深紅に染めて立ち上がる、泉。
 右手に掴んだブルムベアの腕を投げ捨てる。
<グマ、グママ……>
 恐怖に怯えて後ずさる熊魔物。
 その魔物を、泉は。
「……」
 心臓を、右腕でブチ抜いた。
 再び大量の返り血を浴びる。
 色が無かった魔法衣が、赤く染まっていく。
 崩れ落ちた魔物を踏み越えて、綾音に迫る泉。
「あなただけは、許さない」
 駆ける。
(こ、こいつを近づけちゃいけない!)
 ステッキを横に構える。
「ああああああああああああ!!!!!」
 絶叫と共に、生涯はじめての憎悪を叩きつける泉。
 その拳が見えない壁に遮られた。
68ある魔女がもたらした災難5−3:2009/10/12(月) 00:59:22 ID:gjX9oE4d
「甘いのよッ!!!」
 壁が弾け、泉を吹き飛ばす。
「素手で殴るだけ、そんなんで勝てるわけないんだから!」
 泉は起き上がり、「眼」を凝らす。
 今まで見えなかったものが見える。
 「敵」の周囲を、強固な魔力の壁が覆っているのを。
(素手じゃダメ……あれを突き破る、力を……)
 泉の右手で魔力が渦巻きはじめる。
(あの壁を突き破る、力を……)
 それがカタチを成しはじめ、
「貫く、力を!」
「……ランス!?魔力の実体化!?」
 白銀の騎兵槍を手にした魔法少女。
「うあああああああああッッ!!」
 水平に構えて突撃する。
「槍ひとつ出したくらいでいい気になるな!」
 全力で防御態勢をとる綾音。
 激突。
 穂先は、防御壁の外で止められている。
「うあああッ!!!あああああッッ!!!」
 やっためったらに見えない壁をランスで殴りつける泉。
「こいつ……戦い方が滅茶苦茶だ……!?クッ!!」
 ステッキ越しに魔力の波動が僅かながらも綾音に届きはじめた。
「物理ダメージは完全にカットできても、魔力ダメージが……でも、魔法が使えないんなら私には勝てない!」
 神村綾音の状況判断はこうである。
 水瀬泉(名前は知らないが)は半ば暴走状態にあり、バカ魔力にものを言わせた力押しの攻撃は長続きしない。
 その戦い方は単純稚拙であり、恐らくはまともに魔法を使えない。
 魔法を使った効果的な戦術が取れない以上、遠からずガス欠状態に陥る。
 その判断は概ね正しい。この瞬間までは。
「泉!」
 誰も予期していない声が響いた。
 この場に生きている、三人目の魔法少女。
「……悠里、さん?」
「ち、死に損ないが今更何を」
 今の悠里には戦う力がない。
 彼女がやろうとしたことはもっと別のことだった。
「イメージしろ、どう戦えばいいのか!あんたは目覚めた、あんたのイメージそのままの魔法が発動する!」
「魔法……」
 悠里の言葉で泉は我に返る。
 そう、魔法だ。
 この防壁を破るには、ランスだけではまだ足りない。
 武器全体に、魔力が滞留しはじめ。
「させるかぁっ!!」
 だが綾音は素早くステッキを泉に向ける。
「ハイストリィィムブラスタァァ!!!!」
 一点に集中させた魔力を解放。
 飲み込まれた泉は。
「……なん……だと……?」
 無傷だった。
 魔法衣が紫色に変化している。
69ある魔女がもたらした災難5−4:2009/10/12(月) 01:00:24 ID:gjX9oE4d
「じょ、冗談じゃないッ!」
 勝者になるはずだった魔法少女は背を向け、逃走体勢に。
 飛ぶ。
「逃さない」
 泉の魔法衣が再び色を変えていく。
 悠里はその様を見て、驚愕の表情を隠せなかった。
「……泉、青く、なった」
 逃走する綾音はまだ変化に気付かない。
「くそっ、今はあいつの方が強い!でも、一度退いて──」
 言葉が途切れた。
 目の前に、青の泉が立ち塞がっているのだ。
「な、何なのよぉっ!逃げ切ってやるんだから!!」
 ステッキを振り、無数の魔力弾を生成。
 それらを断続的に弾けさせる。
 立て続けの爆音と閃光。それに紛れて逃げようとする。
 再び、泉の魔法衣が変化する。
 緑。
「間違いない、泉、あんたは……」
 水瀬泉は目を閉じた。
 鼓膜を叩く爆音の向こうの、綾音の音を拾う。
「そこですか」
 魔力弾を放つ。
 綾音の背中に直撃した。
「ガァッ!!」
 ごろごろと転がっていく神村綾音。
 その敵に、一歩ずつ近づいていく水瀬泉。
 もう一度、魔法衣が変貌する。
 漆黒へと浸食されていく。
「究極の闇……凄まじき、魔法少女……」
 高瀬悠里の言葉を余所に、地に這いつくばる綾音の前に立つ漆黒の魔法少女。
 槍を構え、
「……」
 穂先に魔力を集中させる。
 12歳の魔法少女は逃げることもできず、歯をかちかちと鳴らし始めていた。
「お、お願い、助けて……」
「美土里さんは、助けてと言ってなかったですか」
 一歩前に出る。敗北寸前の魔法少女は同じ距離を下がる。
「やだ、死にたくない……」
「罪は、赦されません」
 穂先に凝縮させた魔力を解放しようとした瞬間。
「助けて、パパ、ママ……」
 轟音。
 螺旋に轟く魔力の暴風は、綾音の真横に大穴を開けていた。
「……え」
「消えなさい」
 間違いなく殺されると思っていた綾音は信じられないような表情を向けている。
「早く行って!私の気が変わらない内に!」
 半分泣いているその声で、弾かれたように逃げ出す敗北の魔法少女。
 水瀬泉の纏う魔法衣から、色が抜けていく。
 彼女は頬を濡らしたまま、立ち尽くしていた。

70ある魔女がもたらした災難5−5:2009/10/12(月) 01:00:55 ID:gjX9oE4d


「驚いたな」
「形態変化ですな」
「正規の契約器によらず、しかもあの経験の少なさで早くも覚醒するとは、末恐ろしい」
「ここで潰しますか、我等が王」
「いや、魔女との戦いで使い道がありそうだ。……少し探りを入れてみるよ」
「御意。……して、敗北した方の魔法少女はいかがいたしましょう」
「ああ、あれは君の好きにして構わないよ」


「なんなのよ、あれは一体なんなのよ!」
 一方その頃。
 竜王と戦い敗走した魔人の姫君は大いに不機嫌だった。
 魔力は確かに互角以上のはずだったのだ。
 それなのに、一方的にあしらわれ、何一つ有効打を与えることさえできないまま、逃走せざるを得なくなった。
 繰り出す攻撃すべてがゲル状のプロフェッサーに阻まれたのだ。
「破焔、何で私の攻撃は通じなかったの!?」
(そりゃあ直接攻撃一辺倒だからだろうよ)
 性格の問題もあるが、ティートは直接攻撃系の魔法ばかりを使う傾向がある。破焔ならば、たとえば氷結系の魔法でプロフェッサーシールドを凍らせる、或いは遠隔魔法を

駆使してプロフェッサーシールドを無効化させる等の対策を即座に選択できた。
 竜王を倒すことだけに傾倒するティートにはその余裕がない。
『なあ、ティート、俺は思うんだが』
「何、破焔」
『竜王と戦うなとは言わないが、他の生き方だって……』
 最後まで言い切ることができなかった。
「バッカじゃないの何言ってんの!?あいつは貴方やみんなを殺したのよ!そう、破焔自身の仇でもあるんじゃない!他の生き方って何よ!そんなのあるわけないでしょ!」
『いや、俺が言いたいのは』
「今の私から竜王を倒すことを取ったら、何が残るの!?」
『それが問題だって言ってるんだ』
「……何よ、何でそんな説教するの?貴方だけは私のことをわかってくれてると思ったのに!」
『……』
 それきり二人共言葉を発することはなかった。


 戦いが終わって。
 水瀬泉は高瀬悠里に歩み寄る。魔法衣は元の色の無いものに戻っていた。
「立てますか、悠里さん」
 まだ起き上がれない悠里に手をさしのべる。
「泉、あんたなんでアイツを見逃したのよ」
 助けは要らないとばかりに、自力で起き上がろうとしながら返す。片膝ついた体勢になった。
「何故って……」
「情けは仇になるわよ。そんなんじゃ、いずれこの戦いに……」
 ふと気づく。
 残った魔法少女は誰なのか。
 自分と、泉と、先程逃げた神村綾音。
 つまり、次に戦う相手は、恐らく水瀬泉になるのではないか。
「悠里さん」
 はっと視線を戻す。
 力のある瞳をした泉が、彼女を真っ直ぐに見つめている。
71ある魔女がもたらした災難5−6:2009/10/12(月) 01:02:23 ID:gjX9oE4d
「私、戦うことに決めました」
「敵を逃がしておいて、何言ってるの」
「こんなひどい戦いをやめさせる為に、私が戦って、勝ちます」
 迷いのない眼の光。
「……戦いを止めるために戦う、その矛盾は承知の上?」
「はい、私には、これしか思いつきませんでした」
「要するに」
 泉を睨みつける。
「私と戦って勝つ、そう言いたいワケ」
 視線が交錯する。
 数秒の後、泉ははっきりと答えた。
「はい」
「私は、あんたを殺すわよ……!」
 苛立ちを隠せなくなってきている悠里。
「いいえ、できません」
「何故ッ……」
「だって悠里さん」
 泉の言葉が、もう一人の魔法少女を激昂させた。
「まだ一人も殺してないじゃないですか」
 一瞬の沈黙。
 乾いた音が、それを破った。
「……」
 叩かれた泉の左頬が赤くなっている。
「馬鹿にするんじゃないッ!ちょっと強くなったからって、その程度で……!」
「いえ、多分、今は私の方が強いと思います」
「ッ!!」
 もう一度平手を振り下ろす。
 今度は泉も止めた。
「この……」
 はたと睨みつける先輩魔法少女。ややあって、手を振り払う。
「私は、あんたを殺すわ」
「止めてみせます。誰も、殺させません」
 踵を返す悠里。おぼつかない足取りで立ち去ろうとする。
「だ、大丈夫ですか?」
「放っといて。私とあんたは敵なのよ」
 それきり、言葉は途切れる。
 二人は、別れた。

72ある魔女がもたらした災難5−7:2009/10/12(月) 01:03:00 ID:gjX9oE4d


 神村綾音は逃げるように駆け続ける。
 何から逃げているのか、自分にもわかっていない。
 さっきのカラフルな魔法少女は追いかけてきていない。
 ここは一度退いて雪辱を期す、そう考えるべき所なのに、はじめて覚えた恐怖が貼り付いて離れないのだ。
「あっ……!」
 足がもつれて転んだ。
 焦って立ち上がれず、もがくような形になる。
「どこへ行こうというのですか、お嬢さん」
 背後から男の声。
 見ると、黒のロングコートに身を包み、痩身で顔色の悪いメガネ男が薄い笑いを浮かべながら綾音を見下ろしている。
「だ、誰……」
「闇を統べる竜王が臣下、人呼んでプロフェッサー」
 びくり、と少女が震える。
「ま、魔物……?」
「その通りでございます」
 パチンと指を鳴らす。
 プロフェッサーと名乗った男の足下の影から触手が何本も伸びてくる。
「ひっ……」
「魔法少女を嬲るのは久しぶりですからねぇ……」
 震える右手を敵に向ける綾音。魔力を集中させる。
「こ、このぉッ!」
 魔力弾を放つ。触手の一部に傷をつけたが、すぐ再生される。
 そして、獲物へとゆっくりと近づいていく。
「この、やだ、やだやだ近寄るなぁっ!!」
 やたらめったら乱射。
 だが、極端に集中力を欠いた今、魔力の集中が効果的になされていない。
 もっとも、相手がプロフェッサーなのでベストコンディションだったとしても彼女の運命に違いはなかったろうが。
 右足首に触手が絡みついた。
「やだ、放してよぉっ!」
 左足首。
「放して!やだやだやだぁ!!!」
「うるさい小娘ですね。魔力は多少強いようですが、まるで戦う者としての心構えも何もない。王が興味を示さなかったのも頷けます」
 更に触手が伸び、両手を拘束する。
「やだっ、お願い、許し……ふぐぅ!?」
 口の中にも突っ込まれ、喋れなくされた。
 そして全身を触手に覆われた12歳の魔法少女は、プロフェッサーと共に闇の中へ消えていった。


 啖呵を切って分かれたものの、悠里は満足に歩くこともできない程に消耗している。
 足を引きずりながら、それでも戦意だけは瞳から消えることはない。
「泉……私は、あんたにだって勝ってみせる……私は、勝ち残らなきゃならないんだから……!」
 がくんと膝が崩れた。
 倒れる。
「く……そ……力も……魔力も……」
 まずい。
 体が動かない。
 ここで倒れるわけにはいかないのに。
「ザバット……出ろ!」
 シモベに命じる。
 しかし、反応がない。
「魔力が……ちくしょう……」
 薄れゆく意識の中で、高瀬悠里は近づいてくる一人の青年の姿を見ていた。

「ふむ、気絶したか。というか、随分衰弱しているな」
 彼は少女を抱き上げる。
「まだ死なせたくはないものだ。今回だけ、酔狂に走るとしよう」
 そして、いずこかへと連れていった。
73ある魔女がもたらした災難5−8:2009/10/12(月) 01:04:00 ID:gjX9oE4d

「あなた、魔法少女だよね?」
 思わぬ質問に泉は身構える。
 木立から現れたのは、20代半ばと思われる女性。
 状況的に考えて、充分怪しい。
「あの、どなたですか?」
 それでも言葉遣いは丁寧な泉である。
「私は……」
 一瞬ためらった後、答える。
「あなた達のバトルマギアを作った者、よ」
 泉の顔色が変わる。
 つかつかと滝川裕子に詰め寄る。
「なんで……なんでこんなひどいことを始めたんですかッ!!」
「……」
「このせいで何人も人が死んで……何人も不幸になってるんですよ!なんで……!」
 目を逸らす。泉の視線が耐え難い。
「確かに、私に責任の一端はあるわ。でも私は謝らない。……謝って済むことじゃないのはわかってる……しかし、私もこの戦いを、そしてセレーネ、いえ、灰の魔女を止め

たいの」
「あなたは……一体……」
 予想もしない言葉に泉の頭が混乱する。
「さっきの戦いを途中から見てたけど、あなたになら、全てを話せる。だから聞いて」
 やがて裕子から語られる事実に、水瀬泉は驚愕の色を露わにしていくのであった。


「……ふぐっ!」
 綾音は冷たいコンクリートの床に放り投げられた。
 全身を触手に絡めとられたままで、身をよじらせることしかできない。
 四方は壁に囲まれている。出入り口は一つ。
 そこには、先刻プロフェッサーと名乗った痩身の男が立ちはだかっていた。
「それでは頂きますよ、貴女の魔力。新しい魔法生物の実験も兼ねてね、ククク……」
「ぐ……」
 指をパチンと鳴らす。
 綾音を縛る触手は、大きな塊から延びている。その塊の全身は、プロフェッサーの体躯よりずっと大きい。
 うぞうぞと蠢く触手の集合体。うずくまっているようにも見える躯の背中に、レバーのような棒が二本突き出ている。
「そうだ、両腕と口は自由にして差し上げましょう。抵抗してもかまいませんよ、お嬢さん」
 更に数本の触手がゆっくりと伸びていく。
 同時に、綾音の腕と口の戒めが解かれた。
「な、舐めるなぁぁッ!!」
(時間が経って魔力は回復した!全力で一撃を放てば、コイツを砕くくらいならできるはず!)
 ありったけの魔力を右腕に。
「この魔法生物と戦って生きていられたら、逃がしてあげましょう」
「私は……魔法少女なんだ!こんな化け物にやられてたまるか!」
 極限まで魔力を溜めた右手を、触手の塊に向ける。
「ハイストリーム……ブラスタァァアア!!!」
 渾身の砲撃。確かに強力な一撃が拷問部屋を揺らす。
 だが、綾音は次の瞬間凍り付いた。
 カタマリの中心部がばっくり開き、暗い空間の中へ魔力の一撃が吸い込まれていったのだ。
「う、嘘……」
 一瞬呆然としたが、すぐに我を取り戻す。
「ま、まだだ!まだやれる!」
 左腕をかざす。
 先程には及ばないが、もう一度全力で撃つ。
 ブンと鈍い音がした。
 綾音の第二撃は、あっさり弾き飛ばされた。
74ある魔女がもたらした災難5−9:2009/10/12(月) 01:06:02 ID:gjX9oE4d
「あ……あ……」
 反撃を二回とも封じられ、今度こそ我を失う綾音。
 ずるり、と触手が細腕を頭上で拘束する。
「いや、離して……」
 表面に凹凸のある触手が、服の下へ潜り込む。
「胸はあまりないですねえ。まだ小学生とか?お年はいくつですか?」
 少女は嫌悪感に顔をそむける。
「お年はおいくつなんですか?」
 ぐに、と無造作に少女の胸を揉むように押しつぶした。
「痛っ……!じゅ、十二歳よ!い、いひぃ!」
 ぐにぐにと少女の胸をオモチャのように弄ぶ。
「するとまだ小学生ですか?」
 うぞうぞと魔法衣の下で這い回る触手。
「しょ、小学6年生!これでいいでしょ!?」
 満足そうに頷くプロフェッサー。
「おやおや、するとコレは少し厳しいかもしれませんねえ」
 ぞぞぞ、と触手の群れから伸びてきたのは、到底小学校高学年の女の子の身体には入りそうもない、ゴツゴツした一本の触手。
 それが、股間にピタリと狙いを定める。
「ヒッ……!ちょ、ちょっと、何するの……!」
「何って……魔物が魔法少女を捕らえてやることなんてひとつしかないじゃないですか」
 ぐぐ、と先端でその場所を押す。
「やだ、やだやだやめてよ、この人でなし!」
「人じゃないですよ」
 あっさりと答えつつ、ずず、下着の上から侵入を試みる。
 生地が伸びて、少しずつ秘口を押し広げながら少女の身体は侵食されていく。
「ぎッ……!やめ、やめやめやめでえええ!!!」
「うるさいですね」
 ゴブっと口に一本の触手を突っ込んだ。
「がぶ!?」
 そのまま未通の秘所も。
 千切れる音と共に。
「おごおおおおおオオオオ!!??」
 どずんと、一気に侵略される。
 円筒状に膨らんだ少女の下腹部。
 綾音は背筋を仰け反らせ、目を見開いて痙攣している。
「…………!!!!」
 ずるり、とデコボコした触手を引き抜き、
「お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!!!!!」
 また思いっきり突き込む。
「ぼごぉ!!!!!」
 それをまた繰り返し、
「ぶぐぅ、おぼごごごご!!!」
 責め苛む。
「ごぼッッッッ!!!」
 仮借ない陵辱に、無様な叫び声をあげる他に成すすべが無い魔法少女。
「おっと、アレを飲ませておかなくては」
 口腔内を埋め尽くす触手が蠕動をはじめた。
「おぼ、ごぶ、ぶ」
 ビクンと脈打ち、何かの液体を吐き出す。
「ごぼ、おぐ!ング、むぐ、んん……!!!」
 吐き出すこともできず、無理矢理飲み下される。
 嚥下しきれなかった分が、唇の端から零れ落ちる。
「やれやれ、行儀の悪い子ですねえ」
 ずるりと喉奥まで突っ込まれていた触手が引き抜かれた。
「おご……げほっ、ゲホッ!おぅぇ、うぇえ……!!」
 気持ち悪さに嗚咽を漏らす。口の中に残った残液を吐き出した。
75ある魔女がもたらした災難5−10:2009/10/12(月) 01:06:47 ID:gjX9oE4d
「さて、お嬢さん」
 プロフェッサーが触手塊から突き出たレバーに手を伸ばす。
「痛いですか?」
 嘲笑うかのような質問。
 綾音はその意図がわからず、反感と困惑と哀願が混合された表情を向けている。想像もしていなかった陵辱に思考が追いついていない。
「痛いでしょうね。ところで、これは……」
 少しずつレバーを倒しはじめる。
「私の試作した新しい機能でしてね、共振液を飲ませた相手の感覚をコントロールできるんです。片方は快感を、この場合、痛覚を」
「へっ?」
 何を言っているのか、考えようとしたその時。
「あ、あああ、あぎ?い、いだ、いだだだそれやめでえええ!!!!!」
 急に顔色を変えて暴れだした綾音。額に脂汗が浮き始める。
「その様子だとちゃんと作用してるようですね。ええと、最大にしたらどうなりますかなぁ」
「やめ、それだげは、じぬ」
 ガコン。
 レバーを一気に倒す。
「ぎゃああ゛あアアア゛ああ゛ああアア゛おお゛オ゛オああ゛あ゛あ゛あ!!!!!!!」
 悲痛な絶叫が響き渡る。思わず耳を塞ぐプロフェッサー。
 魔法少女でなければ、この時点で死んでいただろう。
「いやー、そこまで喜んで頂けるとは……流石は魔法少女。存分に楽しんで下さい」
 小学6年生の胎内をボッコリと埋め尽くしている凶器が律動を再開する。
 僅かでも動く度、少女の全身を死ぬほどの激痛が螺旋状に暴れまわる。
 気絶すら許さぬ程に。
「あギッ!!ぎゃッ!!ぎゃひィ、イ、ぎぃぃ!!や゛め゛、ぼうゆ゛るじでええ゛え゛!!!!」
「はいよっと」
 ガコン、とレバーを元に戻す。
「……はひっ、ひーっ、ひー…………」
 暴風のようだった激痛が薄まる。
 以前として極太のモノが少女を貫いている状況に変わりはなく、苦痛はあるはずだが先程よりは楽になった。
 それだけでも彼女には、救われた気分になった。
 一瞬だけだが。
 ガコン。
「……へっ…あぎぃやああ゛ああ゛あ!!!???な゛んで、なん゛でええ゛え゛え゛!!!」
「いや、面白いから」
 くつくつくつと笑うプロフェッサー。
「さて、死んでしまう前に頂きますか、貴女の力を」
 殺人的なストロークが早くなる。
「いや、いや゛あがああ!!だずげで、だずげでパパ、マ゛マぁあ゛あ゛アアあ!!!」
 一度大きく引いた触手が、少女のカラダを砕くような勢いで叩き付けられ。
「ひギッ……!!!!!!」
 ビクビクンと病的な痙攣の起こす12歳の体躯に、夥しい量の濁った液がブチまけられる。
「…………あああ゛あ゛あ゛アア゛ア゛アお゛おあ゛あ゛ああ!!!!!!」
 まともに言葉を発することもできず、意味の無い音声のみが肺腑から押し出される。
 同時に、鈍い光が子宮から触手へ流れはじめた。
「フム……素晴らしいですねえ、Aランク魔力ではないですか。これだけ痛めつけても生きているだけのことはあります」
 もっとも、その言葉を綾音は理解していない。意識が焼き切れかかっているのだ。
「約束です、生きていられたわけですし、助けて差し上げましょう」
「……へ?」
76ある魔女がもたらした災難5−11:2009/10/12(月) 01:09:40 ID:gjX9oE4d
 虚ろだった瞳に光が戻る。
 プロフェッサーはレバーを元に戻すと、パチンと指を鳴らした。
 すると、少女を犯していた触手達が一斉に引いていく。
「あぅっ……」
 支えを失い、床に倒れる綾音。疑念の視線でプロフェッサーを見上げる。
「動けませんか。貴女の魔力資質であれば、すぐに動けるようになりますよ」
「どういう、つもり……」
「いえ、ただ、少し気の毒になりましてね。灰の魔女に騙されたまま死ぬというのも」
「騙さ……れ……?」
 プロフェッサーがニヤリと笑う。
「ああ、知らなかったんですか?魔法少女同士を戦わせ、最後に残った最強の魔法少女の強大な魔力を奪う、それが魔女の計画ですよ?」
「え……何、言ってるの」
「もしかして、勝ち残れば願いが叶うとでも吹き込まれたんですか?アレがそんな善人に見えますかネェ」
「……それじゃあ、パパとママは……」
「何を言われたかは知りませんが、貴女の願いは叶いませんよ?」
 眼鏡がキラリと光る。
「いや……灰の魔女の魔力を奪うことができれば、奇跡のような魔法を使うことがきるかも……しれまえんねえ、ククク」
 その言葉を残し、プロフェッサーは背を向けて去っていく。
 後には、失望と困惑と打算とで混乱している魔法少女が残された。




 残る魔法少女は、依然として3人。


  ━To Be Continued━


──次回予告!!──
「あの、助けてくれてありがとうございます。……えっと」
「私は、六条竜仁」

「パパとママを……返せぇっ!」
「馬鹿な子……わざわざ犯し殺されに来るなんて」

「この力があれば、貴女のバトルマギアの力は倍加するわ」
「……生き残る、力……」
「そう、死んではダメ。もう、誰も……」

「フフフ、裕子、バトルマギアは残り2つだけじゃないのよ。貴女の研究データは本当に役に立つわ……」

「私は絶対に死にません。悠里さんはもう、戻れなくなってしまう!」
「私はそれを望んでいるのよ」



はい、お目汚しでございました。
……あれ?生きてる?おかしい、ここで殺すはずだったのに……。
延びた寿命はほんの少しだというのは誰の目にも明らかだとは思いますが。

それにしても、なんかもうスレがフルコース状態でなんという祭か!
せめて私は食後のデザート、或いは軽くつまみ食いできるスナック菓子のような存在でありたい……。

ところでラディウスさんとプロフェッサーは意気投合しそうですよね。
コラボは結構面白いかもなあ。
77災難の人:2009/10/12(月) 01:22:57 ID:gjX9oE4d
読み返したら一部改行が変だ……。
気にしないで頂けるとありがたいです。

続きは年内に投下できるといいなあ……。
時間はかかっても必ず完結させます。
78名無しさん@ピンキー:2009/10/12(月) 01:52:18 ID:QrwGWWQF
>>76
災難の人キター!何なんだこの投下ラッシュは!
GJ!相変わらず、えげつないなプロフェッサー。
ラディウスとはホント気が合いそうだね。合同の作品とか作りそうだ。
79名無しさん@ピンキー:2009/10/12(月) 05:45:20 ID:uFGzCTpk
魔法少女陣営が確実に破滅の道へと懸命に爆走してるって感じw

対魔物戦用に開発された筈のマギアで互いに殺し合って、肝心の魔物には手も足も出ないとかやっぱトップ連中は強すぎるな

ここら辺りには青とか赤とか灰色の正規の色持ち魔法少女連中が束にならないと駄目っぽいな
正規な魔法少女として覚醒したっぽいが泉一人じゃ荷が重いだろう
戦いを止めたい泉が契約をするべき魔物はかつては穏健派の竜王だろうに
竜王と接近したのは皮肉にも悠理っぽいな
竜王に近づいた悠理が嫉妬してティートに襲われて強姦レズされるとか良いかもしれない
80名無しさん@ピンキー:2009/10/12(月) 15:58:09 ID:bcFz9Qb+
>>74
最悪の正義GJ
次回はサバイブとコオロギかな?
泉にはせっかくだから、クワガタと契約して欲しい。
81名無しさん@ピンキー:2009/10/12(月) 22:52:43 ID:JpaU/BAs
忘却の旋律みたいに、人類は完全に化け物に隷従していて、運の無い女の子が触手責めされたり孕まされたりしても見て見ぬ振り。
そんな世界の反逆者が魔法少女達で・・・みたいな構想、結局練ってるだけで連休が糸冬了orz
82名無しさん@ピンキー:2009/10/12(月) 23:52:10 ID:uFGzCTpk
でもそういうの大事だよね
83名無しさん@ピンキー:2009/10/13(火) 00:02:48 ID:BBY66ZOa
そういう妄想の時間が、作品の背景を固めていくんですね。
いきなり勢いで書くと後で収拾がつかなくなりますw
84名無しさん@ピンキー:2009/10/13(火) 00:16:39 ID:rVjn8jNv
そうやって妄想広げてるだけでも楽しいよね。
でも一本書き上げるともっと楽くなれるよ。
85マユ作者:2009/10/13(火) 01:49:01 ID:TLE2Dj+b
災難の人、新作乙です!
杏の人や貴方の作品読んで、自分も書いてみたいと始めたので、新作が見れて嬉しいです!
この先も楽しみに待ってます!
プロフェッサーは相変わらず凄い物作るなぁ…w
86杏の人:2009/10/13(火) 19:23:08 ID:vwmk6hMp
どうも、杏の人です。
今回は魔法少女の涙 第4話18レス+人物紹介を投下させて頂きます。
陵辱シーンは8〜15レスです。
今回は注意点として、
・主に苦痛系
・通常シーンが少し長め
といったものがあります。
それでは、次レスから投下です。
87魔法少女の涙 第4話 登場人物紹介:2009/10/13(火) 19:24:15 ID:vwmk6hMp
・リム(鈴木リム)
12歳 金髪のロングヘアー 身長145cm
称号:涙
コスチューム:ブルーを基調にしたスカートとジャケットにブーツ、グローブ 全体的にフリフリがついていて、子供っぽい
武器:エレメント(さまざまな形に変形可能な攻撃媒体)
魔物を倒すために日本に派遣されてきた魔法少女。
小さいころに両親を亡くして、孤児院育ち。
シーナと共に中学校に通い、美術部に所属。
先日、魔物に犯されているところを動画に撮られ、ネットに撒かれてしまう。

・シーナ(鈴木シーナ)
13歳 青髪で肩までのセミロングヘアー 慎重143cm
称号:烈火
コスチューム:地味なグレーのワンピース型ローブ
武器:背丈ほどの長さの杖
リムと共に日本に派遣されてきた魔法少女

・高崎命
12歳 黒髪のショートヘアー 身長150cm
リムとシーナの同級生で友達。
大人しく、自己主張が弱い性格。

・セリナ
17歳 緑髪でウェーブのかかったセミロングヘアー 身長157cm
リムとシーナの上司であり、サポート役。

・杉浦隆志(すぎうら たかし)
12歳 黒髪で短髪 身長173cm
リム達と同じ班の男子で、剣道部所属。
少し内気だが、優しい少年。リムのことが好き。

・瀬尾和博(せお かずひろ)
12歳 少し茶髪の長髪 身長160cm
リム達と同じ班の男子で、サッカー部所属。
下ネタを好む、少しチャラチャラした少年。命のことが好き。

・高砂仁(たかさご じん)
12歳 黒髪のスポーツ刈り 身長163cm
リム達と同じ班の男子で、野球部所属。
古臭い、硬派なスポーツ少年。シーナのことが好き。

・高田夕実(たかだ ゆみ)
12歳 茶色がかった黒髪のサイドテール 身長158cm
命と同じ班の女子で、リム達とも仲がいい。美術部幽霊部員。
ノリのいい性格で、恋愛ごとなどに興味津々。情報通。

・千葉良子(ちば りょうこ)
12歳 黒髪セミロング 身長165cm
命と同じ班の女子で、リム達の友人。美術部幽霊部員。
のんびりして穏やかな割に、言葉に刺がある。夕実とは幼馴染。
88魔法少女の涙 第4話 1/18:2009/10/13(火) 19:24:59 ID:vwmk6hMp
「おーっ!キレーだよ、みんな〜」
視界に広がった光景に、リムは感嘆の声を上げた。
「あはは、元気だね」
隆志が後ろから顔を出した。続いて、男女が混じり混じりに姿を現す。
「も〜、リムちゃん歩くの早すぎだよぉ」
「鷹崎は遅すぎだと思うぞ」
最後尾で息を切らす命を見て、和博が言う。命はあまり体力がない。
「リム、あんまりはしゃぐと、後で疲れちゃうよ?」
夕実の忠告も聞かず、リムは緑の溢れる広場を走り回っている。
「まったく、あの子は子供なんだから」
シーナは腰に手を当て、呆れたように呟いた。

リム達は2泊3日の野外活動に来ていた。
6月中旬。場所は隣県の野外活動センターだ。
昼間の行動メンバーは、リム達の班の5人と命、夕実、良子の計8人である。
夜には、女子5人が同室で眠ることになっている。
バスでの数時間の移動を経て、普段の生活圏とは全く違う景色にたどり着いた。
現在は、初日のイベントとしてオリエンテーションを行っている最中である。
ハイキングのようなもので、グループごとに地図を持って、各ポイントにある判子を全てシートに押してくるというものだ。
「リムちゃ〜ん。命ちゃんが大変そうだから、ゆっくりいこ?」
「あ、うん。そうだね」
良子に命を引き合いに出され、さすがにリムも少し反省した。
典型的な現代っ子の命と、魔法少女として訓練を積んできて、普段から落ち着きのないリムとでは体力が違いすぎる。
「どうせ時間はあるからな、落ち着いて行こうぜ」
和博がへばっている命に声をかける。
「う、うん……。ごめんね、みんな」
「気にしなくていいわよ。リムの馬鹿がはしゃいでるのが悪いんだから」
「シーちゃん、それはちょっと酷い……」
そんなやり取りを交わしながら、8人は和気あいあいとオリエンテーションをこなしていった。

リムは元気だった。
魔物による陵辱動画の拡散がセリナによって最小限に抑えられたのも、その要因の一つだ。
セリナはメディアへ圧力掛けることで、動画の存在を世間から隠した。
また動画ファイル自体は、投稿された動画サイトなどにかなり強引な手段で干渉して、アップロードされる度にすぐさま削除を繰り返した。
とはいえ、動画の存在は噂として一部で広まり、運よく動画を手にしたもの達がピアトゥーピアーでやり取りすることまでは制限できなかった。
だが、その動画の信憑性を疑う者も少なくなく、多くの者はただの噂として一笑に付した。
結果的に、魔物(リムがライムと命名した)の思惑ほど、リムの心を傷つけるものとはならなかった。
89魔法少女の涙 第4話 2/18:2009/10/13(火) 19:25:28 ID:vwmk6hMp
「ふんふんふ〜ん」
リムは手際よく、じゃがいもの皮を剥いていく。
その隣では、命と隆志が人参の皮剥きに四苦八苦していた。
「リムちゃん、料理上手なんだね」
命が意外そうに言う。
「へへ〜っ」
リムは得意げに頬を緩ませた。
実際、リムは料理が得意だった。家での料理担当もリムだ。
野外活動の定番、カレーを作る作業も、リムが率先して取り組んでいた。
「この子はでたらめなのよ」
シーナは不機嫌そうな顔つきで、鍋を洗っている。
「調味料とか、全部目分量で入れるくせに、なんでか美味しいのよね」
「やっぱり、才能かな」
リムは、にやける顔を隠すことができない。
「ほんとにそうかもね。普通、そんなに上手くいかないよ」
「はえっ!?……あの、えっと、その……あ、ありがとう……」
隆志に普通に褒められてしまって、リムは頬を染めて取り乱す。
いつも、ああいうことを言った後はシーナに茶化されていた。
今回もそうなると思っていたから、隆志の不意打ちのような言葉に慌てふためいてしまった。
「ふ〜〜ん」
夕実がニヤニヤとリムの方を見ている。
「な、なに……?」
「ううん、なんでもないよっ」
居心地が悪くなってリムが訊ねると、夕実ははぐらかすように顔をそらした。
なんだか少し高揚してモヤモヤした気持ちを抱えながら、リムは素材を用意していく。

「ありゃー、これは」
良子がため息を漏らす。
「ちょっと……なぁ」
仁は必死でフォローの言葉を探すが、見つからない。
完成した食事を目の前にして、リム達はいたたまれない気持ちに包まれていた。
「焦げ焦げだね……」
リムが目の前の惨状を言葉にする。
カレー自体はリムの指揮の下、完璧に仕上がっていたのだが、飯盒で炊かれた米は無残にも焦げていた。
なんとか焦げていない部分をかき集めてみたものの、どう見ても8人分の分量ではない。おまけにかなり焦げくさい。
「どうしようかな、これ」
隆志も途方に暮れていた。
カレーはたっぷり8人分ある。それも、多数決で決まった辛口だ。
「食べるしか、ないんじゃない?」
シーナは苦々しく口を開く。ちなみに、甘口に投票した少数派の一人だ。
結局、リム達はそれを平らげた。カレー自体の味は悪くないので、リムは意外と美味しく完食する。
一方、シーナ・命・仁の甘口派3人は大量の水を頼りに、ヒィヒィ言いながら食べることになった。
そんな食事も、なんだかいつもより楽しいとリムは感じていた。
90魔法少女の涙 第4話 4/18:2009/10/13(火) 19:25:57 ID:vwmk6hMp
夜の簡単な行事を終え、リム達は風呂に入った。大きな浴場は、露天風呂まで完備している。
「うわ〜、シーちゃんっ!!うちのお風呂よりも広いよ!!」
「当たり前でしょ、バカ」
当然のようにはしゃぐリムに、シーナが突っ込みを入れる。
リムはまだ、いまいち羞恥心が芽生えきっていないのか、タオルで身体を隠すことも忘れて、トコトコ歩き回った。
シーナはその後ろから、タオルで胸から股間までを隠してついていく。
「リムちゃん達のお家、高級マンションだもんね。お風呂も、ここほどじゃなくても広いんだろうなぁ」
命はバスタオルを身体に巻いていた。それだけでは心許ないのか、腕で身体を抱きしめるようにしている。
その横に並ぶ夕実は股間だけを隠し、良子は一切隠していない。2人とも、中学生にしてはたわわに実った胸を揺らしている。
「リムちゃん、お湯につかる前に、ちゃんと体流さないとだめだよ」
風呂を一周して戻ってきたリムを、良子が抱きとめる。
リムに比べると背の高い良子に抱かれると、リムの頭に胸が押し付けられた。後頭部が柔らかく胸に沈む。
「うわぁ。良ちゃん、おっぱい大きい……」
リムは思わず、感嘆のため息を漏らす。良子のバストサイズは、5人の中でも一番だ。中学生とは思えない。
リムやシーナに比べると体は大きいが、決して太っているわけではなく、豊満な体付きといったところだ。
「リム、そいつはおかしいから。人間じゃないから。きっと、ホルスタインの血筋だね」
夕実は顔をしかめて言う。
そういう夕実も、人並み以上のプロポーションを備えていた。左の二の腕を掴む右腕の上で、寄せられた胸が窮屈そうにしている。
「酷いこと言うなぁ。傷ついちゃうよ?」
良子の表情は、全く傷ついているようには見えない。それどころか、誇らしげにさえ見えた。
「いいな〜、リム達もそれぐらいあればなぁ」
「『達』、ね……」
誰にも聞こえないような低い声で、シーナは呟いた。
『胸がない側』にナチュラルに混ぜられたことが気に食わない。
最近グングンとリムに追い上げられているのを、毎朝晩の風呂で実感させられているので、よけいに苛立った。
しかしリムが気付いた様子はない。
「せめて、リムもミコちゃんぐらいになりたいな」
「せめてって……。リムちゃん、それも結構ひどいよ……?」
リムに胸を見つめられて、命はいっそう強く体を抱きしめた。
そんなやり取りをしながら、5人はシャワーで体を流し、湯船に向かう。せっかくなので外の露天に出た。
「さむ〜いっ!!!……でも、あったか〜い」
今日は風が強く、6月といえど、裸体ではかなり冷えた。その分、湯に浸かると極楽の気分だ。
「はわ〜、いいなぁ。シーちゃん。うちもこんなのほしいね」
「せいぜい、夏場のバルコニーでビニールプールがいいとこでしょ。リムには似合うと思うわよ」
「ぶーっ、また馬鹿にしてる。リム、そんな子供じゃないもん」
でも、それもいいかも。リムは少なからず魅力を感じていた。
それを境に、みんな黙りこんで風呂をゆっくりと堪能した。
リムに限らず、今日はずいぶん体を動かしたので、その疲れを十分に取らなければいけない。
なぜならば、夜はこれからが本番だからだ。
91魔法少女の涙 第4話 4/18:2009/10/13(火) 19:26:53 ID:vwmk6hMp
「さて、お泊りでの定番。恋バナの時間ですよ、みなさん」
夕実が意気揚揚と話し出したのは、夜9時ごろだった。
和室の畳の上に布団を敷きつめ、5人は顔を寄せ合うように横になっている。
消灯の時間には少しばかり早いにも関わらず、電気を消してこんな話を始めたのは、リム辺りが夜遅くまではついてこれないと踏んだからだ。
そのため、静まりかえった深夜の空気ではなく、部屋の外がガヤガヤ騒がしい。
「コイバナ?」
リムは肘をついた手に乗せた顔を傾ける。
「恋話イコール恋の話。年ごろのオトメとしては、これをしないわけにはいかないでしょ!」
夕実は熱弁した。拳を強く握り締めている。
「ごめんね。この子、意外と乙女チックなんだ。ちょっとウザいかもしれないけど、付き合ってあげて〜」
「ウザいとか言うなっ!」
のんびりした口調に毒を混ぜる良子の頭を、夕実はペシッと叩く。
「でも、リム話せることがないよ?」
「あたしもね」
「あの……私も、そういうのはちょっと……」
リム、シーナ、命と、消極的な意見が続く。
「ダメダメっ!!そんなんじゃ。特に、あんたら3人はうちのクラスでもトップクラスの美少女なんだからねっ」
夕実はビシッ!と指を差した。。
「そうなの?」
「さあ?」
「わっ、私はそんなんじゃ……。リムちゃんとしぃちゃんはともかく……」
「甘いっ!命、甘いわよ。あんたの人気は、リムとシーナにも負けてない。わたしは知ってるのよ」
「まぁこの子、変に情報網が凄くてね。嘘じゃないと思うよ」
妙なテンションの夕実を、良子がフォローした。
「とりあえずね、あんた達を好きな人は少なからずいるのよ。絶対」
「好き……。それってどんな感じなのかなぁ」
リムは、まだその段階にいた。
「好き」というのが、シーナや命に対する「好き」とは違うというのは知っている。
セリナの性教育でも、「恋愛」というものに関して講義を受けた。
でも、それがどういうのものなのか実感できない。だから、いまいち興味が持てないでいた。
「リム、あんたも甘いわよ」
夕実は不敵に微笑んだ。
「あんた今日、隆志くんに褒められて、照れてたでしょ。あれは、きっと恋の始まりね!」
「ええっ!?」
あれが恋?
確かに妙に心臓が騒がしくて、落ち着かない気持ちでいたけれども、リムはそれが恋だなどと思いもしなかった。
「はい、ストップ!ちょっと暴走しすぎかな」
良子が夕実の口を塞ぐ。
「リムちゃん。恋なんてのは自分で気づくものだから、この子の言うことはあんまり気にしないで」
「ぷはっ!!ちょっと、邪魔しないでよ良子!リム達は、わたしらが手助けしてやらないと、絶対に気付かないんだから」
口を塞ぐ良子の手をなんとか引き剥がして、夕実が再び喋り始めた。
「まぁ、それは……そうかも?」
良子は否定しきれない。
「うちのグループの男子3人。きっと、あんたらに恋してるわよ。隆志はリム、仁はシーナ、和博は命ね」
大正解だった。完全に勘なのだが、夕実の情報力と観察力は馬鹿に出来ない。
「隆志くんが、リムに……?」
リムはその言葉に衝撃を受けた。よく分らない恋という気持ち。それを彼が自分に向けている?そして、自分も?
その後もしばらく夕実は長々と話していたが、考え込んでしまったリムの耳には入らず、そのまま、いつしか眠りに落ちていた。
92魔法少女の涙 第4話 5/18:2009/10/13(火) 19:27:26 ID:vwmk6hMp
2日目昼の行事を、リムは心ここにあらずといった様子でこなした。あまり記憶に残っていない。
気がついたらすでに夕食も済ませて、2日目最後の行事を迎えていた。
「肝試し?」
前もって配布されていた野外活動のしおりには記載されていない。
引率の教師達によるサプライズイベントとして、突然聞かされたのだった。
地図が前方から回ってくる。森の中の整備された道を一周してこい、というものらしい。
リムもシーナも幽霊の類を信じてはいないし、もっと恐ろしいものと戦っているのだから、肝試しなど容易いものだ。
しかし……。
「たっ、隆志君と!?」
「なんで勝手に決めるのよ!」
「わ、わた、私、男の人と、二人っきりっていうのは……」
夕実の決定に、三者三様の動揺を見せた。
リムと隆志、シーナと仁、命と和博をペアで回らせようというのだ。
「だって、肝試しでしょ?男同士、女同士でやったって、つまらないでしょうが」
「で、でも、夕実ちゃん達は女の子同士だよ!?」
手を挙げて、リムが抗議する。
「わたし達はいいの。どうせ余るんだし。それに、ラブラブだから」
夕実は良子の腕に抱きつき、体をぴったりとくっつける。
「まぁね」
良子は動じず、夕実の肩に手を回す。こういう冗談も慣れっこだ。
男子の方から異論は出なかった。「あっちがいいなら」と口をそろえるが、実際は好きな相手と組まされて喜んでいるだろう。
93魔法少女の涙 第4話 6/18:2009/10/13(火) 19:27:46 ID:vwmk6hMp
最初のペアは、命と和博だった。
「よし。じゃ、じゃあ、行こうか」
「は、はいっ!」
2人とも会話がぎこちない。
命は男子と会話すること自体が苦手だったし、和博の方は、いざ命と2人きりになると、いつものように軽口を叩けずにいる。
肝試しとは言うものの、とくに仕込みがあるわけではない。ただ、暗い森の中というのは妙な不気味さを備えていた。
「た、鷹崎は幽霊とか怖いのか?」
数分続いた沈黙に耐えきれず、和博は言葉を選ぶように喋り出した。
突然の声に、命は飛び上りそうなほど驚く。
「あ、あの……そうですね、すっごく、怖いです」
「あー、だろうな」
その話し方で容易に納得できた。森の闇に怯えきっている。
和博はチャンスだと思っていた。怯える彼女の手を握る。これは肝試しやお化け屋敷の定番ではないか。
そろそろと左手を命の小さな右手に伸ばす。そして触れる直前で引っ込める。これを何度も繰り返した。
傍から見ると相当に間抜けな動きをしているが、縮こまって目の前の暗闇を凝視している命は全く気付かない。
何で実際に行動を起こすとなるとこうも不器用なのか。和博は自分を不甲斐無く思う。口ではなんとでも言えたのに。
(えええいっ!!!)
心の中で叫び声を上げ、和博は思い切って命の手に触れた。そしてその瞬間。
「いやああああああああああああああああっっっ!!!!」
闇を裂く甲高い絶叫と共に、命は走り去ってしまった。
幽霊か何かに触れられたと思ったのか、何かに追われるように、脇目も振らず走っていく。
残された和博は、自分が嫌われてしまったのかと勘違いをしていた。無理もない。
茫然と肩を落として夜の道を1人、歩いた。

命達から数分遅れて、シーナと仁のペアが出発した。
ちょうどそのころ、遠くで命のものらしき悲鳴が上がったのが聞こえる。
「な、なにか仕掛けでもあるのかしらね」
「そうかもしれないな。用心していくか」
2人はいらぬ警戒心を抱えながら歩く羽目になってしまった。
「…………」
「…………」
会話がない。
元来、2人ともあまり多弁な方ではなかった。それに緊張が加われば、無言になってしまうのは当然の流れだ。
黙々と、会話なく歩く。それも不思議と悪い気分ではなかった。
(どうしてだろう……)
シーナは、自分よりずっと背の高い仁が傍にいることで、何故か安心感を抱いていた。
(あたしの方がずっと強いのに)
体格のいい男の身体がそうさせるのだろうか。そんなことを考えながら歩いていると、自然と仁の方へと足が吸い寄せられていた。
仁は距離を詰めてきたシーナに戸惑う。どぎまぎする心臓を必死で堪えながら、何事もないかのように装った。
仁も特に怖がりではないので、森の暗さと静けさは恐怖よりもむしろ、いい雰囲気を作り出すだけのものと化していた。
言葉はないが、心の距離が近づいたような、そんな印象すら残し、2人は何事もなくゴールした。
94魔法少女の涙 第4話 7/18:2009/10/13(火) 19:28:07 ID:vwmk6hMp
そして、リムと隆志である。
(どうしよう、どうしよう……)
リムは激しく隆志を意識してしまっていた。
(恋?好き?隆志くんがリムを?リムが隆志くんを?)
「リムさん?」
「は、はいいっ!!!?」
リムは心臓が飛び出しそうになる。
「だ、大丈夫?怖いの?」
隆志は心配そうに訊ねた。
「ううんっ、大丈夫!ちょっと、驚いただけだから」
暗闇も幽霊も怖くない。それより恐ろしいのは、恋だの好きだのといった未知の感情の方だった。
「そっか。じゃ、行こう?」
「う、うん」
リムは緊張して一歩を踏み出した。力が入りすぎて、うまく膝が曲がっていない。
「リムさんと、こうやってまともに話すのって初めてかもね」
短い沈黙を破ったのは隆志の方だった。
「そうかな?そうかも」
ちょっとした会話はよくするが、2人きりで1対1の会話となると初めてに違いない。
「リムさん、いつもシーナさんと一緒にいるから。ほんと、仲いいよね」
なるほど、とリムは思う。
隆志の言うとおり、いつもシーナと一緒にいるのだから、2人きりになる機会などあるわけがない。
「そうだよ、シーちゃんとはずっと一緒にいるんだから」
何故かリムは胸を張ってしまう。シーナといつも一緒にいる。それがとても誇らしいことのように思えた。
「双子の姉妹だもんね。あんまり似てないけど、二卵性なら当然、かな?」
「あー……うん、まあね」
リムは投げやりに答える。姉妹というところからして嘘なのだから当然なのだが、正直に言うわけにもいかない。
「あ、あのねっ!!」
リムは妙に力んで訊ねた。
「どうしたの?」
隆志は目を丸くしている。
「あ、あの……好きとか恋って、どういうことなのかな?」
「え……?」
リムは頭の中を埋め尽くす疑問を抑えきれなかった。それを聞いて、隆志の目は丸から点になる。
「えっとね、リム、よく分からなくて。それって、どういう気持ちなのかな?」
自分が恋をしている相手に聞かれて、隆志はどう思っただろう。
隆志は数秒、深く考え込むように目を閉じる。
「そうだね、言葉ではなかなか上手に言い表せないけど」
「けど?」
「相手のことを想って、相手のことを想っている自分を想って、頭の中が一杯になっちゃうことかな」
「あ……」
照れるように言う隆志の言葉に、リムはハッとする。
相手のことを想って、頭が一杯になる。まるで今日の自分のようではないか。
(ううん!でも、それは夕実ちゃんが、リムが隆志くんのこと好きだって言ったからだし……)
リムは余計に混乱してしまった。その中で、一つの疑問が鮮明に浮き出てくる。
リムの質問に答えられたということは、隆志は……。
「隆志くんは……」
恋をしているの?と訊こうとして、やめた。それは、いま訊いてはいけないのように思えたのだ。
「ごめん、何でもない」
「……そう」
隆志には、リムが何を訊こうとしたか分かっていた。
正直、訊かれなくてホッとしている。訊かれたら、衝動的に告白していたかもしれない。
そのまま微妙な空気を保ちつつ、2人はゴールした。肝試しというよりも、夜道の散歩だったようにも思える。
風呂に入ろうと隆志と別れた時、リムの胸を痛みが襲った。魔物だ。しかも、すぐ近くにいる。
95魔法少女の涙 第4話 8/18:2009/10/13(火) 19:28:42 ID:vwmk6hMp
怯えて一心不乱に走り出した命は、肝試しのコースを大きく外れてしまっていた。
(ここ、どこだろう?)
命の心は恐怖一色に塗りつぶされている。風に揺れる木の葉の音すら、命の心拍数を上昇させた。
「ちょうどいい獲物がいるじゃないか」
聞こえた声に悲鳴を上げようとするが、それよりも早く、口を大きな手で塞がれてしまった。
「もがっ!!!むぐぅっ!!!」
暴漢だ。そう思った命は必死で逃げようとする。レイプされてしまうという、幽霊よりも現実的な恐怖が命に襲いかかってきた。
レイプされてしまうというのは正解だが、相手は暴漢ではない。リムにライムと命名された魔物だった。
リム達の様子を影でうかがっていて、偶然1人になった命に目をつけて追ってきたのだ。
「役に立ってもらう前に、軽く食っとくか」
「むぅっ!!!!んんんんんんんんっ!!!!」
『食う』という言葉がレイプを意味するのだと気づき、命は必死で叫ぼうとする。だが、言葉を成さない呻きが漏れるだけだった。
「ああ、でもここだと鳴き声が聞こえて人が来るかもしれないな。仕方ねえ」
命は奇妙な浮遊感を覚える。ライムが命を抱えたままワープしたのだ。その場所は、相変わらず森の中だった。
「あんまり離れるわけにもいかねえからな。よし、それじゃあ、頂きます、と」
「いやあああああああああっ!!!!!」
ライムの右手が命の口から離れ、制服を下着ごと引き千切る。迫る陵辱の恐怖に、命は必死に叫んだ。
「助けてっ!!!!だれかっ!!!たすけてえええっ!!!!」
反響する命の声は誰にも届かない。鬱蒼とした森に、命とライム以外の人影は見当たらなかった。
ジタバタと体を揺すって叫ぶ度、小ぶりだが確かにある胸がぷるんと揺れた。それを見てライムは舌舐めずりする。
「おお、ガキの割にちゃんとあるじゃねえか。あいつらとは違うな」
あいつら、というのが誰なのかなど、命にはどうでもよかった。男に胸を見られている。それだけで目の前が真っ暗になった。
「ひぁっ!!やめて、おねがいします!!おねがいします!!」
これほど大きな声を出したことなどない。力の限りの声で許しを求めた。
「嫌だね」
ライムは頬を歪めながら命の胸を揉みしだく。柔らかく質量のある乳房に満足した様子だ。
「いたい……っ、いたいです!」
「そうか、そりゃよかった」
別に命に感じてほしいなどとは思っていない。未だしこりの残る未成熟な胸を弄りたかっただけだ。
「やっ!い、たいっ!!!や、め……!!!」
少々小ぶりでも、リムやシーナのものに比べれば随分と弄りがいがあった。
ライムの指が胸に沈む。大きな手で胸全体を摘むように揉み上げた。
「ぁいっ!!!いいいいいいっ!!!!!」
命は急に鋭い痛みを感じた。見ると、乳房に赤い筋が入っている。そこから血が滲み始めた。
「やうううっ!!!!いっ!!!いたいよおおっ!!!!」
ライムは爪を伸ばして命の乳房を切りつけていた。
2つの乳首のみが鮮やかだった白い肌を、赤い血の筋が彩る。
「んいっ!?あああああああああああああああああっっ!!!!!!!!」
甲高い声が上がる。爪が刻んだ線が、右の乳首を横切っていた。
「ああああああああああっ!!!むねがっ!!!むねがっ!!!!!」
大切な乳首を傷つけられ、痛み以上にショックが命を襲った。
いつか、愛する男性に捧げるはずだった胸を刻まれ、乳首を切られてしまった。傷跡がいつまでも残るかもしれない。
(……もう、お嫁にいけないのかな?)
未来の幸せを奪われた感覚に、命の心はズシンと沈む。
「いああああああああああっ!!!!!ああああああああっっっ!!!!!!」
追い討ちをかけるように左の乳首まで切り刻まれ、再び命は悲鳴を上げる。もはや命の胸は真っ赤だった。
「よし、次だな」
そういうと、ライムは命を地面に落とした。
「ひぅっ!!!」
命は背中をしたたかに打ち付け、息が詰まる。
命の細い身体をまたぐように立つライムの姿が、月明かりを遮っていた。
96魔法少女の涙 第4話 9/18:2009/10/13(火) 19:29:07 ID:vwmk6hMp
「ぐえっ!!!!!」
命がまるでカエルか何かのような声を出す。
ライムが命の腹に腰を下ろしたのだ。内臓が潰されてしまうのではと思うほどの痛みがこみ上げる。
「ひっ!!」
目に映ったものを認識して、命は息を飲む。ライムの勃起したペニスが胸の辺りに鎮座していた。
「やっ!!!!やだっ!!!!やだあああっ!!!!!」
命は生理的嫌悪を催して、イヤイヤと首を振る。腕も動かそうと思ったが、ライムの足に押さえられていた。
ライムは命の両腋に手をやり、盛り上げるように命の胸を寄せた。そして、自分のペニスを挟もうとする。
「えっ!?な、なに!?なんで、そんなことっ!?」
胸でペニスを扱くという行為を、命は知らなかった。ライムは、リムやシーナでは出来そうになかったことを命でやってみようとしたのだ。
しかし、命のサイズでもうつ伏せの状態の胸でペニスを挟むのは無理だった。せいぜい竿の下の方に触れるのが限界だ。
「ちっ」
舌打ちをして腰を浮かすと、ペニスを命の胸に擦り付けた。
「ひぎっ!!!!あうっ!!!!いたいっ!!!いたいいいいいっ!!!!!!」
傷だらけの胸をペニスに擦られて、命は苦痛に顔を歪ませる。
ペニスが押し付けられる度、命の形のいい胸は歪み、傷口から滲む血が広がった。
「いいいいいいいいぃっ!!!!!やめてえええっ!!!いだいいっ!!!!!」
乳首を押されると、激しい痛みに命の身体がガクガクと震える。
「いぐっ、あぅ……、むぶうっ!!!!おごおおっ!!!!」
胸での刺激に飽きたのか、ライムは命の顔面に覆いかぶさるような体勢で、命の口内にペニスを押し込んだ。
「もがっ!!じゅぶっ、むぁ……んえええっ!!!」
ペニスの匂いに、命は吐きそうになる。それ以上に、ペニスを銜えさせられたショックで世界が回っているように思えた。
「おえっ、むちゅっ……ぷあっ、おむううっ!!!」
喉の奥まで侵入しそうなペニスの挿入に、命は何度も小さな嗚咽を漏らす。
「えうっ!!んぐっ!!!ぶあっ、へむっ!!!ぷはあああっ!!!!」
急にライムはペニスを命の口から抜いた。
命はやっと自由になった口で大きく呼吸する。しかし次の瞬間、その息が止まった。
「……っ!!いやああああああああっ!!!!いだいいいっ!!!!!!!」
ライムのペニスから精液が噴出されたのだ。命の傷だらけの胸に、大量に。
両方の乳首を覆うほど広範囲に放たれた精液が傷口に沁み入り、凄まじい苦痛をもたらした。
「ひいっ!!!ひいぃっ!!!たすっ、け……てっ!!!し、しみっ、しみてっ!!!!」
刺すような胸の痛みに喘ぐ命が助けを求めるのを聞いて、ライムはその手を命の胸にやる。
「いぎっ!?あひいいいいいっ!!!!や゛っ!!!!いぎいいいいいいいいいいっっ!!!!」
両手で命の胸に精液を塗り拡げる。同時に胸を揉み上げられ、命は胸を潰されるような鈍痛と、切り傷に塩を塗るような鋭い痛みに悶えた。
「ぎゃああああああああっ!!!おねがいっ、もう……やめ……でえええっ!!!!!」
命が苦しみ嘆くほど、ライムの手つきは荒っぽくなる。こねるように親指に力を込めた。
そして切れた乳首に狙いを定めて捻りあげる。
「ひぎゃああああああっ!!!!!だめえっ!!!とれちゃ……とれちゃううううぅっっ!!!!」
身体が浮き上がるほど思い切り乳首を引っ張られて、命の乳房は鋭角に変形した。
「あ、が……ひぅ…………」
突如、命の悲鳴がやんだ。あまりの痛みに気を失ったようだ。
「おいおい、この程度で気絶かよ。弱っちいなぁ」
ライムが乳首から手を放すと、命の身体は地面に沈む。
胸が衝撃でぷるぷると揺れ、少しばかり血が飛び散った。
97魔法少女の涙 第4話 10/18:2009/10/13(火) 19:29:39 ID:vwmk6hMp
ライムは命のショーツを引き裂くと、太ももを両手で抱えるようにして持ち上げる。
「これで目も覚めるだろ」
誰にともなく呟き、ペニスを命の膣に挿入した。
「……!?あぎゃあああああああああああああああああああああっっっ!!!!!!」
夜の静寂を引き裂くような絶叫が響いた。
ペニスは一気に根元まで挿入されている。短い命の膣を通り抜け、子宮口を押しつぶすようにペニスは押し入った。
「ひぎいいいいいいっ!!!あ゛……わたしの、しょ……じょ……、うばわれ……」
今まで流れていなかった涙が、命の頬を流れた。もう引き返せない。元には戻れないポイントを越えてしまった。
「あぎっ!!!がっ、げっ、ごっ、ああああああああっ!!!!」
ライムが腰を打ち付ける度、腰を引く度、命は激痛に襲われた。
常人のものを一回り上回るサイズのペニスが、通常よりも狭い命の膣に挿入されているのだから当然だ。
しかも命は魔法少女ではない。ただの非力な少女にすぎないのだ。
前戯らしきものは、ただ命に苦痛を与えただけで、膣内は全く濡れていなかった。
乾いた膣をライムのペニスは無情にも蹂躙する。
「そろそろだな」
ライムの呟きの意味も分からず、命はぼんやりと和博のことを思い出していた。
(和博くん、きっと手を握ろうとしてくれたんだな。悪いことしちゃった。助けようとしてくれてたのに。
 勘違いして逃げちゃったりしたから、罰としてこんな目に遭ってるのかな?和博くん、助けにきてくれないかな……)
「がはっ!!!いぐ、ぐひっ!!!んがああああああっっっ!!!!」
悲痛な叫び声とは対照的に、頭の中は驚くほど冷静だった。
和博はスポーツマンだし、暴漢相手でも自分を守ってくれるのではないかと思った。
もし夕実の言う通りならば、きっと守ってくれる、と。
(和博くん……、おねがい。助けて。助けて!!)
「ぐうううううぅっっ!!!ひっく、うぅっ!!!たす、けてぇ……」
しゃくり上げる命の思いは届かない。和博は命が道に迷っていたことすら知らなかった。
「おらっ!!!!」
「い゛があああああああああああああああああああっ!!!!!」
ライムは腰を突き上げ、反対に命の腰を下に落とした。
あまりの衝撃に、命にはペニスが膣壁に刺さったようすらに思えた。
命の身体が激しく痙攣する。絶頂のせいではない。身体が限界を迎えつつあったのだ。
「やめろおおおおおおおおっ!!!!!」
声が、聞こえた。
(和博くん……?)
一瞬、命はそう思った。しかし、よく考えてみればこの叫び声は男の子のものではない。
少女の声だ。怒りに燃えた叫び声。霞む視界に現れた2つの影は、ニュースで見る魔法少女に違いなかった。
(ま、ほう、しょうじょ……?)
実在したのか、と命は思っていた。特に存在を疑っていたわけではない。魔物と同様、非現実的なものだと感じていたのだ。
(じゃあ、私を犯しているのは……魔物?)
ようやく、自分が暴漢にレイプされているのではないことに思い至った。
「ミコちゃんっ!!!!」
魔法少女の一方。少し背の高い方の子が自分の名を叫ぶ。
(あれ?なんで、わたしのなまえ……?それに、みこ……って、よぶ、のは……)
小さな疑問を抱きながら、命の意識は闇に沈んでいった。
98魔法少女の涙 第4話 11/18:2009/10/13(火) 19:30:16 ID:vwmk6hMp
「ライムっ!!!!ミコちゃんを放せっ!!!」
リムはサーベルの形をしたエレメントをライムに突きつけた。
「ライム?俺のことか?いい加減な名前つけやがって」
ライムは命に挿入したまま、リム達の方へ向き直る。
「ていうかよ、状況を理解してないのか、お前ら?」
命の膣からペニスを引き抜く。気を失っているリムが僅かに呻いた。
地面からスライムが生えてきて、命の首筋にこびり付く。
「何する気!?」
「お前たちを脅してるんだよ。もしお前らが変な行動起こしたり、俺に衝撃を与えたら、自動的にこいつが死にますよってな」
「……ひゅぅっ……」
ほんの少し命の首が締まり、喉から掠れた空気の音が聞こえた。
「卑怯者……っ!」
シーナが悔しそうに歯を食いしばって言う。
「そりゃ、俺たちの言葉で優秀って意味だ」
光栄だと言うように、ライムは胸を張った。
「ほら、どうするんだ?こいつを見捨てて俺と戦うか?それとも、俺の指示に従うか?」
「シーちゃん……」
「わかってる」
シーナはリムに頷く。命を死なせるわけにはいかない。今はライムに従ってチャンスを待つのだ。
2人は武器を投げ捨てた。無防備な状態で棒立ちになる。
「よし、まずは服を脱げ」
「えっ!?」
「く……」
2人とも悔しげに唇を噛むが、抵抗はできない。
「早くしろ!」
また少し命の首が締まるのが分かって、意を決した。
リムはジャケットのボタンに手をかける。大きくきらびやかな、アクセサリーのようにも見えるものだ。
それを外すとジャケットの前が開き、まだ着なれていないブラジャーの白が見えた。
衣擦れの音を立てて、右腕からジャケットを脱ぐ。心細そうに、脱いだジャケットを一度抱きしめてから、一拍置いて横に放る。
服の上からでもリムは細く見えるが、スカートにブラジャーという格好になったリムの身体は一段と細く、か弱く見えた。
シーナの方はワンピースなので、躊躇いがちにローブを脱ぐと、ブルーの下着しか残されていなかった。夜の空気は肌寒く、鳥肌が立った。
リムはスカートを下ろした。ブラジャーと同じ、白のショーツがリムの股間をライムの視線から守っている。
「手足のも、ちゃんと脱げよ」
念を押すようなライムの言葉に押され、リムはグローブを外し、ブーツを脱ぐ。シーナも靴を脱いだ。
2人一緒に靴下を脱ぐと、裸足で踏みしめる土の冷たさと柔らかさに、気色の悪さを感じる。
これで正真正銘、残すは下着のみだ。
「そうだな、次は下から脱いでもらおうか」
「うぅ……」
「……っ」
観念したように、そろそろとショーツを下ろす。足を交互に上げて脱ぎ、少し丸まったショーツを服の上に置いた。
「じゃあ上だな」
言われるまでもなく、2人は無言でブラジャーに手を伸ばした。シーナはフロントホックのものを使っている。
スムーズにホックをはずしたシーナと反対に、リムは両手を後ろにまわして、慣れない手つきでホックと格闘する。
やっと外れた、という小さな達成感の後、ライムに胸を晒すという目的を思い出して赤面した。
リムがゆっくりとブラジャーを下ろすと、2人は完全に裸の状態になった。両手でどうにか胸と股間を隠す。
「隠してんじゃねえよ、ガキ!」
ライムの恫喝に肩を竦ませて、腕を両脇に垂らした格好にする。
二人の裸体は月明かりを浴びて美しかった。シミ1つない、透き通るように白い柔肌が眩しい。
その慎ましやかな胸の膨らみは、無でも有でもない絶妙な曲線を描いている。
先端の乳首は、寒さで鳥肌が立つように、僅かに勃起しているのが分かった。
すでに魔物に激しく犯されているにもかかわらず、股間の割れ目はどちらも固く閉ざされている。
包皮に覆われたクリトリスだけが、僅かに顔を覗かせていた。
ライムは舌舐めずりをする。今からこの2人を思いのままに陵辱できるのだ。
99魔法少女の涙 第4話 12/18:2009/10/13(火) 19:30:45 ID:vwmk6hMp
「それじゃあ、こっちに来い」
2人は言われるがままにライムの目の前まで歩み寄る。
リムは大きく勃起したペニスから目をそらした。
「最初は、胸と口で満足させてもらおうか」
「胸と、口……?」
「お前らの小さな胸じゃ俺のは挟めないからな、2人なら両側から胸で挟めるだろ」
リム達のよく理解できない様子に苛立って、ライムは両手で2人の身体を抱き寄せる。
「ひぅっ!?」
「ぃ……やぁっ!!」
2人はライムのペニスを挟んで、向かい合わせで胸を合わせるような格好にされた。
2人とも、硬く脈打つペニスの感触に小さな悲鳴を上げる。
「もっとしっかり挟め!手は使うなよ、胸と口だけだ」
「やっ、やだよ。こんなの……」
触るのも嫌なのに、これに口をつけるなんて、リムは考えただけでも身の毛がよだつ気分だった。
「へぇ、それなら時間制限を付けるか。5分以内に俺に射精させられなかったら、あいつを殺す。ほい、スタートだ」
「なっ……」
シーナは慌てて胸を押しつける。男性はペニスを刺激すれば射精することは知っているが、そのためのノウハウはあまり知らない。
不快感を我慢して必死に行動しなければ、すぐに5分など過ぎてしまうに違いなかった。
「う……」
リムも同様に胸をペニスに当てて刺激するが、勃起した乳首が当たって微妙な快感を覚えてしまうのが情けなかった。
「ん……、ぁ……」
それはシーナも同じだったようだ。堪えるように息を吐いている。
2人はライムのペニスを、左右から乳頭を押しつけるようにして扱いた。
慣れない行為で、ペニスの位置を安定させるのが難しい。
「おいおい、そんな調子じゃ、あいつ死んじまうぞ?」
「……くそっ!!」
焦ったシーナは思い切って口を大きく広げ、ペニスに口をつけた。
「あ、あむ……、も、んんっ、っぱ!はむっ!!」
思ったよりも大きい。シーナの口では、大きく広げても亀頭を頬張るので精一杯だ。
「んちゅっ、はも、お、おおひぃ……。れろっ、ん……んぇ……」
少しでも刺激を与えようと、舌を伸ばす。裏筋に触れた舌で先の射精の残りを舐めてしまい、苦味に眉をひそめた。
リムはシーナがペニスを銜え始めてからも胸の先端でペニスに触れていたが、一人では上手くいかない。
仕方なしにリムも口を開いて、ペニスの竿の部分を口に含んだ。
「ちゅ、ん……うぇぇ、んんっ、んは……」
根元から亀頭の辺りまで、舌を伸ばして何度も往復する。心なしか、ペニスがより肥大化しているように思えた。
しかし、やはり亀頭を刺激した方が反応がよさそうだ。リムはシーナと2人がかりで亀頭に舌を這わすことにした。
「んっ、は……むぅ、ちゅっ」
「ぺろっ、ふむっ……あふ、えぅっ」
ときどき吐き気を催しながらも、次第に鋭角に上を向いていくペニスの亀頭を舐める。2人で舐めるのにも充分な大きさがあった。
「ひっ!!?」
「やぁっっっ!!!」
ペニスが小刻みに震えたかと思うと、亀頭の先端から精液が迸った。
上向きに発射された大量の精液は、リムとシーナの顔に降り注ぐ。
「やだ……べとべと、ドロドロ……」
「く、くさい……こんなの、顔にかけられるなんて……」
2人とも、顔から精液を滴らせて顔をしかめた。
「良かったな。ギリギリセーフだ」
ライムの言葉にリムは胸を撫で下ろす。当面の危機は回避された。だがまだ何も解決してはいない。
100魔法少女の涙 第4話 13/18:2009/10/13(火) 19:31:12 ID:vwmk6hMp
「うぶっっ!!?」
一息ついていたリムは突然、激しい息苦しさに襲われる。
2人の奉仕に味をしめたライムが、リムの頭を掴んで口内にペニスを挿入したのだ。
「ぐっ!むぶぅっ!!がっ、ぶはっっ!!ぐむ、んむううぅっっ!!!」
激しくピストンするペニスはリムの喉を容赦なく犯す。
喉の奥を突かれ、リムは激しい吐き気と息苦しさに襲われる。
「おぶぁっっ!!んぐ、ふむっ、んん!!んんんんんんっ!!!!!」
「リ、リム……」
リムの顔が揺れる度、こびり付いた精液は流れ落ち、口に溢れた唾液と共に飛び散った。
シーナは見ているだけしかできない。下手に手を出せば、命が殺されてしまう。
「おいっ!出すぞ、全部飲めよっ!!!」
3分も続けた頃、ライムは宣言した。
「ん゛んっ!!!ごべへっ!!!がぼ、げほっ、むううううううううううっっ!!!!!」
ライムの大きな亀頭が完全に喉を塞ぎ、リムの喉に直接精液が流し込まれる。
「ん゛んんんんんっっ!!!!!」
食道の中を暴れ狂うように流れていく精液が、リムの胃を満たしていく。
「ぐ、うぅ……うぇ……」
長い。ライムの射精は30秒を経過しても未だ続いていた。通常の人間ではありえない量だ。
ずっと呼吸を遮られているリムは、呻き声も弱くなり、苦しそうにジタバタと手足を動かしている。
「む゛……ぐ、が、っげはああああああああああああっっっっ!!!!!!」
ライムがペニスを引き抜いた。射精がまだ終わっておらず、先端からまき散らされた精液がリムの髪に飛散する。
同時にリムは胃に充ちた精液を盛大に嘔吐した。うずくまり、腹を抑えながら吐き続ける。
やっとペニスが抜かれたのに、嘔吐のせいで息を吸うことができない。
「ひゅううううっ!!!はっ、はっ、はっ!!!はああああっ!!!!」
ようやく精液を吐き終えるとリムは地面に身体を投げ出して、小刻みに、時に大きく息をする。酸欠で視界が真っ暗だった。
「何吐いてんだよ、このクソガキがっ!!!」
「げはああああああああっ!!!!」
腹を思い切り蹴とばされて、リムはまだ残っていた精液をさらに吐き出した。
「次はお前だ」
「ひ……ひぃっ!!」
ライムの視線を受け、シーナは震えあがる。抵抗する間もないうちに、シーナはペニスを銜えさせられていた。
「はぶっ!!!や、やべてっ!!んえっ!!!うええええええっ!!!!!」
尿道に残っていた精液がシーナの口に漏れ出て異臭を放つ。
あれだけ大量の射精をしていて、何故未だに萎えることがないのか。
そんな疑問を抱えながら、シーナはひたすらに口内を犯された。
「もが、へぶっ!!がはっ!!!ぶえええええええええええええええっっ!!!!!」
今度は喉の奥ではなく、浅いところで上向きに精液を放った。上顎を叩きつけるように放出される。
「んべっ!!あぶああっっ!!!んげっ、げふううっ!!!」
精液は口から溢れ、鼻腔に侵入して鼻から間抜けに流れ出す。
ドロドロと濃度の高い精液は、まるで小便のような勢いで飛びだしている。
どう考えても人間サイズの睾丸で精製できる量ではない。これは魔力で精製したものを性器から放出しているに過ぎないのだ。
「ごぼっ!!!がぼ、んごおおおぉっ!!!」
シーナは口内に飲み込めないほど溜まった精液で溺れそうになっていた。
苦しげに吐かれた息が精液を泡立てて余計に苦しくなる。
「が……」
限界を迎えて、シーナが倒れる。
するとすぐに、ライムはようやく回復してきたリムを掴んで、また口の中にペニスを突っ込んだ。
「ぐええええええええええええっ!!!!!」
「んげええああああああっっ!!!」
何度も窒息寸前まで追い込んでは、倒れ伏している間にもう一人を犯す。
大量の精液が2人の全身を濡らして、据えた匂いが辺りに充満していた。
リムの自慢の髪も、白濁液に穢されて見る影もない。
「がはっ!!!」
1人5回ずつ。計10回犯したところで、ようやくライムは一息ついた。
リムもシーナも、精液でべた付いた胸を苦しげに上下させている。
ようやくライムが離れていったかと思うと、2人の背後から新たな影が忍び寄っていた。
101魔法少女の涙 第4話 14/18:2009/10/13(火) 19:31:34 ID:vwmk6hMp
「え……!?あぅっ!!!」
「ぐうぅ……っ……」
リムは仰向けに、シーナはうつ伏せに倒れ伏しているところに、犬のようなものが襲い掛かった。前足で肩を抑えつけられる。
「ひ……い、いや……っ!!」
狂犬のように歯茎を剥き出しにした大きな口から、粘り気のある唾液がボタボタと滴ってリムの胸に落ちた。
「そいつらは、その辺の野良犬だったんだけどな。俺の飼い犬にしてやったよ」
それらは明らかに、ただの犬ではなかった。確かに魔力を感じる。魔物がスライムを寄生させて操っているのだ。
「くそっ!!!こんなやつらに……」
シーナは顔を地べたに抑えつけられながら、悔しげに呟く。
2人とも、相当な量の精液を飲まされた。その大部分を吐き出したとはいえ、媚薬の効果は充分に表れている。
今この犬に犯されてしまえば、快感によがり狂ってしまうに違いなかった。犬畜生に犯されて喘ぐなんて、想像しただけで目が眩む。
リムも同様の想像をし、この身に降りかかるであろう悲劇に心を構えていた。
「ぅ……くぅ……。……え!?」
「な、なんで、ち、ちがっ!!そこはっ!!!」
2人は当惑した声を出す。
犬がライムのものに勝るとも劣らないサイズの性器をあてがったのは、リム達の膣ではなくもっと後ろ、肛門だった。
股間の割れ目よりも狭く閉ざされた菊門に、2匹の犬はズブズブと性器を突き立てていく。
「やぐっ!!!いぎ、あがっ!!!いたいっ、なんでっ!!!?なんで、そんなことっ!!!!」
「だめええっ!!!さける、さけるうっ!!!!」
予想外の行動に、心の準備も出来なかった2人は涙をまき散らして泣き叫んだ。肛門が広げられる苦痛に身をよじる。
「そう簡単にゃ裂けないっての。お前らだってそこから、でかいの捻り出してんだろうが」
汚い笑顔を浮かべるライムの言葉は、安心などもたらす筈もない。羞恥で、火照った顔がさらに紅く染まる。
「あうっ、はっ、ぐっ、うああっ!!!やめっ、やめてよぉぉっ!!!!」
犬にアナルへ挿入されてガクガクと身体を揺すられるリムは、わずかながら小さな胸を揺らして悶える。
「はぎ、がふっ!!!!うぅ……え!?うそっ!!!でて、る……でてるぅっ!!!!!!」
先に射精したのはシーナを犯している方の犬だった。直腸から、シーナの腹の中へと押し寄せる。
「やだっ!!!リムも、だされてるっ!?わんちゃんに、中にだされてるっ!!!!!」
この犬達は射精までの時間が非常に短かった。それでいてライム同様、性器は萎えることを知らず、精液は尽きることがない。
「げふっ!!!まだ……でるのっ……!?もう、おなか……いっぱ、い……」
5分もしないうちに犬は4回も射精して、胃腸に溜まった精液で2人の腹は膨らんでいた。
「よし、もういいぞ」
パン、とライムが手を叩くと、犬は一斉に挿入していた性器を引き抜いた。
「ひああああああああああああああああああっ!!!!!」
「くうううううううううううううっ!!!!」
栓を外された2人の肛門から、精液が噴出する。その勢いで、2人は不覚にも激しく感じてしまう。
「だめ……とまって……っ!!!」
「で、ないでっ!!!これ、いじょうっっ!!!」
長々と精液を垂れ流して、2人は身体を震わせる。精液の流れが止まったのに少し遅れて、身体の震えを止めてぐったりとうな垂れた。
102魔法少女の涙 第4話 15/18:2009/10/13(火) 19:32:01 ID:vwmk6hMp
「今度は3人一緒に犯してやるよ」
絶望的なセリフが耳を突く。犬が再び寄ってきて、今度こそ2人の膣内に挿入した。
「ふああああああああああああああっっ!!!!」
「ひくううううううううううううんんっ!!!」
それだけで、2人は絶頂に達してしまった。
「あがあああああああああああっっ!!!!」
少し離れたところで、命の悲鳴も聞こえる。ライムの強引な挿入で、命の意識は現実に引き戻された。
「ひくっ、やぅんっ!!はぅ、あはああああっ!!!!」
「くぅ、いくっ!!!こ、こんな、ことで……っ!!!」
「あがああっ!!いぎ、ごわれるぅぅっっ!!!!」
深い森の中、3人の少女が魔物に犯されていた。
その誰もが、性行為を行うには幼すぎる肢体を揺らしている。2人は快感に咽び、1人は苦痛に苛まれる。
不思議だった。たった30分も前には、初めての愛や恋といった想いと直面して、初々しく悩んでいたはずなのに。
そんな思春期の甘い感情などとは程遠い、どす黒く濁った性欲の奔流の中に、3人は巻き込まれ、溺れていた。
今この瞬間にも、少し離れた場所で、同級生たちが青春の思い出を作っている。友と語り合い、あるいは愛する人を想っている。
それなのに、なぜ自分達はこんなところで、魔物に犯されなければならないのだろう。
リムはこれまでにない悲しみに包まれていた。理不尽だ、と思った。だが、それが自分の選んだ道なのだと気づく。
魔物を退治する。そのことで、魔物に脅かされる人々を助けたい。
その想いを叶えるためには、自らが犠牲になることは避けられないのだ。
いまさらになって、リムは自分の抱えている使命の重さと理不尽さを理解した。
自分がどれほど辛い目に逢っているか、守られている者は知らない。知っていても、むしろそれに目を輝かせる者までいる。
「ああああああああああああああああああああああっっ!!!!」
リムは吠えた。苦しみも、悲しみも、快感も、迷いも、全てを包むようにして。
駄目だ。このまま考えていてはいけない。考えたら、もう戦えなくなってしまう。
「ううううううううっ!!!!あああああああっ!!!!」
あらゆる感情を吹き飛ばすように、ひたすらに咆哮を上げる。
「ひゃうううんっ!!!!あひっ、やあああっ!!!」
それもまた駄目だった。心を強く持たなければ、身体を駆け巡る快楽に流されてしまう。
いや、いっそのこと流されてしまった方が楽なのか。何も考えず、ただ、ひたすらに……。
「ひぎいいいいっ!!!!あっ、ぎゃっ、あああああああっ!!!!」
そんな、弱さに流されそうになったリムの耳に、命の叫び声が届いた。リムは気を取り戻す。
流されてはいけない。正面からこの苦痛を受け止め、弾き飛ばさなければ。でないと、誰が命を守るのだ。
「あはぁっ!!!や、あああっ!!!」
シーナも押し寄せる快楽の波と闘っている。堪え切れない嬌声を漏らしてはいるが、瞳は力強さを保ち、まだ諦めていない。
(リ、リム……っ!!!)
リムの脳裏に、シーナの声が響いた。テレパシーだ。
声を使わずに相手と会話する魔法。最近になって2人にも扱えるようになっていた。
(いい?よ、よく聴いて。このままじゃ、結局3人とも犯され抜いて死んでしまう)
(で、でも、命ちゃんを盾にされてちゃ……)
(そう、命が人質に取られているから駄目なのよ。じゃあ、その人質がいなくなれば……)
リムはシーナの言外に秘められた意味に気がついて動揺する。
(そんなっ!でも、命ちゃんは……)
(もしもの時の後処理やバックアップはセリナさんがやってくれる。これしかないの、リム!)
「ぃぐっ!?がああああああああああああああっ!!!!!!」
「んんんんんんんんっっ!!!!」
「うああああああああっ!!!」
3人同時に魔物の射精を受けて、高らかに叫ぶ。
リムは焦った。魔物の射精を膣内で受ければ魔力が吸い取られる。
一般人である命が魔力を吸い取られたら、死んでしまうかもしれない。
逆さまに映る視界の中で、命の姿をとらえる。命の胸から腹にかけて、白濁液がぶちまけられていた。
ライムは命を殺さないよう、射精の寸前でペニスを引き抜いたのだ。あの悲鳴は急激に引き抜かれた痛みのせいだ。
リムは拳を固めた。このままでは全滅は必至だ。それならば、やるしかない。
103魔法少女の涙 第4話 16/18:2009/10/13(火) 19:32:22 ID:vwmk6hMp
「でやああああああああああああああああっ!!!!!」
射精後で犬の拘束が弱まった隙を突いて、リムは体を起こし、右手に込めた魔力の塊を投げつける。
「なにっ!?」
ライムは困惑する。命の安全を考えれば、攻撃など出来るはずがないと思っていた。反射的に、命の首を絞め上げようとする。
だがそれよりも早く、リムが投げた光弾は駆け抜けて命中した。命の胸へと。
「ああああああああああああああああっ!!!!!!」
「な、なんのつもりだ!?」
ライムはリムが錯乱したのかと思った。守るべき相手すらも理解できなくなったのかと。
正気を失った相手に人質は通用しない。次に来るかもしれない攻撃に備えて構えを取る。
しかし、攻撃は思わぬところから繰り出された。
「たああああああああっ!!!!!」
「グオオオオオッ!!!」
ライムは腹に衝撃を受けて吹き飛ばされる。
「な、なぜだっ!!!!」
リムが魔法を打ったにしても、ライムの前には命がいたのだ。当たるはずがない。
そう、リムは魔法を打っていない。いまライムを吹き飛ばしたのは他でもない、命の拳だった。
「てやあああっ!!」
「くらえええっ!!!」
同時にリムとシーナは犬に向かって魔法を放ち、一撃で屠った。よろよろと立ちあがる。
全裸のリムとシーナとは違い、命はコスチュームに身を包んでいた。
リムが放ったのは攻撃ではなかった。純粋な魔力の結晶だ。
魔法を扱えない一般人がそれを取り込んだ場合、その持ち主と同様に魔法使いとなることができる。
緊急回避方法の一つだった。これをしてしまえば、命にリムとシーナのことがばれてしまう。
記憶を消すことは出来るが、友人に対してそんなことはしたくなかった。だから躊躇っていたのだ。
それでも、全滅してしまうよりはいい。
「リ、リムちゃんと、しぃ……ちゃん……?」
命は戸惑っていた。反射的にライムを殴り飛ばしてしまったものの、自分に何が起きているのかを理解できない。
いつのまにか変わっている自分の服装を見やった。
鳩尾の上までしかないピッチリと体に張り付いた黒の上着と、ミニのスカート。
スカートの下にはこれもまた黒のスパッツを履いていた。指先までを包むグローブとスニーカーのような靴も、見慣れないものだ。
腹の部分をみると、素肌がそのまま見えていて、恥ずかしくなる。
「こ、これ……」
よく考えると、昔見ていたテレビアニメの変身ヒロインの衣装と酷似している。
「ごめんね、ミコちゃん。後でゆっくりと説明はするから……」
リムは悲しげに告げた。今は先に気にかけるべきことがある。
リムが魔物の方に目をやると、既にそこに魔物の影はなかった。
「また、逃げられたわね」
シーナは苦々しく呟いた。
104魔法少女の涙 第4話 17/18:2009/10/13(火) 19:32:45 ID:vwmk6hMp
「3人とも!どこに行ってたの!?」
宿泊施設に帰ると、夕実が心配して駆け寄ってきた。
「よかった……、無事なんだね」
良子は目の端に涙を溜めていた。
『無事』という言葉が意図せず3人の心を抉る。生きているだけ、無事といえるだろうか。

迷ってしまったらしい命を、リムとシーナが探しに行って遅くなった。教師にはそう説明した。
報告もせず勝手な行動を取ったことを咎められ、同時に『無事』を心から歓迎された。
本来はもう時間外なはずの風呂を許可され、無言の3人は脱衣所で制服を脱ぐ。
命の制服は破られてしまったため、一度家にワープしてシーナの予備を渡した。
シャワーで身体を流しながら、命が恐る恐る口を開く。
「お、お願い。詳しく、話して?2人のこと……」
命が躊躇っているのは、事実を知るのが怖かったからだ。
聞いてしまえば、夢であったと思いたい魔物による処女喪失さえも認めざるを得なくなってしまうのが分かっていた。
「魔法少女、なんだね。2人とも。それに、今は私も……」
「うん。他の世界から来たの。魔物を退治するために」
リムが話し出した。命を魔法少女にしてしまったのは自分だ。自分が説明しなければならない。

全てを話した。魔物に敗北すれば陵辱される危険のことも、全てだ。
「ミコちゃん。今なら、全部夢に出来るよ。魔力は打ち消して、記憶も消去できる」
そうするのが当然だと、2人とも思っていた。
命は一般人だ。彼女を戦いに巻き込むわけにはいかない。
「ごめんなさい」
命は2人に向かって深く頭を下げた。
「私、全然知らなかった。2人が苦しんでること。そのおかげで私達が助けられてるんだってことも」
予想外の命の話の方向に、2人とも、どう返していいのか分らない。
「だからね。またそれを忘れるなんて、出来ないよ」
「ええっ!!?」
「ちょっと命、それがどういう意味か分かってるの!?」
驚きを隠せずにシーナは問い質す。
「うん。私も一緒に戦いたい。私、普段は運動音痴だけど、さっきは凄く力が湧いてきたの。
 もしあれが2人の助けになるなら、私頑張るよ。足手まといにならないように、特訓もする!」
2人は迷ってしまった。正直、戦力が増えるのは嬉しいことだった。
ライムのことだけでなく、魔物の数は増えつつある。現在は2体同時の出現が最大だが、これがいつ3体になるかもわからない。
命は即戦力として充分に通用するだけの力がある。あの一瞬でも、それが分かった。
「お願いっ!!」
命は裸のまま風呂場の床に膝をつき、土下座をするように頭を下げた。
2人は顔を見合わせた。命がそれを望んでいる以上、拒むことはできない。それを受け入れるのも2人の責任だった。
「顔上げて、命」
「うん。そうだよ、ミコちゃん」
顔を上げた命を、2人は笑顔で迎える。
「これからもよろしくね、ミコちゃん」
「無理はしないでよね。そんなことしたら、すぐに記憶消してもらうから」
そう言って手を差し出す。命は満面の笑みでその手を取った。

その後、風呂に浸かっている間、命は2人に身体を寄せてしばらく泣いた。
命は記憶を消さない代わりに、陵辱の悲しみを乗り越える必要があった。
リムは命の手を握って同じように涙を流す。申し訳ない気持ちで涙が止まらなかった。
でも、その気持ちも命の悲しみと共にここに置いていかなければならない。
これから共に戦う仲間ができたことを祝福すべきなのだから。
105魔法少女の涙 第4話 18/18:2009/10/13(火) 19:33:10 ID:vwmk6hMp
「なあ、鷹崎……」
翌日、帰りのバスの中で和博が控えめに話しかけてきた。
「あのさ……」
「ごめんなさい、和博くん!」
急に謝られて、和博は呆気にとられる。
「昨日、怖がってる私と手を繋いでくれようとしたんだよね?それなのに、驚いて逃げちゃって……」
「あ、いや、いいんだよ。俺の方こそ、変なことして悪かった。そりゃ驚くよな」
お互い恥ずかしそうに話している姿を見て、夕実が囁く。
「なになに?いい感じじゃないの。リムとシーナはどうなったわけ?」
「どうって……」
リムは、またあの悩みを思い出してしまった。何も解決していない。
魔物との戦いに奮闘している方が、まだマシな気さえしてくる。
「…………」
シーナの方は無言で平静を装っているが、内心は穏やかでない。
仁といたときの安心感をどう捉えるべきか、分りかねていた。
2人とも、まだまだ幼い。
新しく仲間に加わった3人目の魔法少女。命に、恋愛では一歩リードされてしまったようだ。

/ 第4話 END
106杏の人:2009/10/13(火) 19:35:01 ID:vwmk6hMp
以上です。
※3/18がミスで4/18になってしまいました。申し訳ありません。
次回の投下は第5話 共通 通常END BADENDを予定しています。

今回は通常シーンが長く、なんだか純愛SSの様相も呈していますが、純愛になるはずもなく。
長い目で見て、読んでいただけると幸いです。
それでは、また次回。
107名無しさん@ピンキー:2009/10/13(火) 20:22:49 ID:NPrfUOEj
なんという投下速度!早すぎる!

恥ずかしながらイラマチオとアナルが好きでしてね……
使えちゃったよ!GJ
108名無しさん@ピンキー:2009/10/13(火) 20:46:34 ID:L2iM00Z4
>>99
GJ
恋愛を意識すると、凌辱の酷さが際立っていい。
109名無しさん@ピンキー:2009/10/14(水) 00:51:03 ID:CZZ1pKK6
GJです!
ライムひでーな(褒め言葉)
続きも期待しています!
110名無しさん@ピンキー:2009/10/14(水) 23:20:27 ID:Sko/ZbFC
酷い目に遭ってばかりの魔法少女達に愛の手を!
111マユ作者:2009/10/15(木) 00:41:47 ID:VGTXL+o4
こんばんわ、魔法少女マユ第4話が書き上がったので投下します。
今回の陵辱シーンは序盤は快楽系で、後半苦痛系です。
112名無しさん@ピンキー:2009/10/15(木) 00:43:05 ID:HCdfgf3v
キター
113魔法少女マユ 第4話 1/14:2009/10/15(木) 00:44:39 ID:VGTXL+o4
「はぁ…はぁ…」
人気の無い夜の公園…マユは地面に膝をつき、肩で息をしていた。
「マユちゃん、大丈夫?」
「う、うん…大丈夫…これくらい」
傍らに寄り添う、ユーリィを安心させるように、マユは笑顔を作る。
つい先程まで、彼女達は魔族とこの場所で戦っていたのだ。
魔族の少年、ラディウスの引き連れてきた造魔相手に、苦戦を強いられるも、なんとか勝利したところだった。
「くっ……あぅっ!」
剣を支えに、立ち上がろうとしたマユは、バランスを崩し倒れこむ。
「マユちゃん!しっかりして!」
ユーリィは必死に呼びかけるも、少女は答えない。
少女の顔は真っ青で、苦しそうに息をしている。
相次ぐ魔族との激しい戦いに、少女の疲労はピークに達していたのだ。
「あ、あうぅぅ…ど、どうしよう…とりあえず家に戻らないと!」
おろおろと、少女の周りを飛んでいたユーリィは、転移魔法を発動させる。
マユ達の体が光に包まれ、消えていった。


部屋に戻ったユーリィは、マユの傷の手当を行い。魔法を使ってなんとかベッドに寝かせる。
既に少女の変身は解け、元着ていたパジャマ姿になっている。
「どうしよう…このままじゃ、マユちゃんの体がもたないよ…」
落ち着いたらしく、寝息を立てはじめたマユの隣で、ユーリィは深刻そうに呟く。
魔族達との戦いは激しくなる一方だ。
自分の力だけではマユをサポートしきれない。
このままでは、いずれ彼女は力尽き、魔族達に捕らえられてしまう。
「エルメリアに応援を頼もう…私達だけじゃ、もう無理だよ…」
エルメリア側への応援要請…それは出来れば使いたくない手段だった。
向こうは魔族達の攻撃の前に、防戦で手一杯のはずだ。
こちらに応援を回す余裕があるとは、とても思えない。
かつてのパートナーが敗北した時も、ユーリィは応援要請をせずに。
現地の魔力の資質の高い人間である、マユに協力を頼んだのだ。
だが、このままではジリ貧だ。
意を決したユーリィは、エルメリアへの通信を行うべく、魔法を使う。
114魔法少女マユ 第4話 2/14:2009/10/15(木) 00:45:51 ID:VGTXL+o4
魔族の本拠地たるビルの最上階にある一室。
執務を続けていた男に秘書が告げる。
「陛下、レドリック卿が参られました」
「…通せ」
秘書の言葉に、男は頷く。
少し間を置いて、黒衣に身を包む青年が部屋に入ってくる。
「ただいま戻りました。陛下」
「ご苦労、レドリック。下での戦果は聞いている。お前のお陰で重要拠点を一つ潰せれた」
恭しく一礼する青年に男は賛辞を送る。
「ありがとうございます…しかし、宜しいのですか?下も戦線が停滞しつつある、この状況で…」
「問題ない、他の三将が上手くやる…むしろ、問題なのはこちらの方だ。
 エルメリア側の妨害により、人間狩りが遅々として進まん。向こうで調達するのにも限界がある」
「確かに、残せと言っても。中々言う事を聞きませんからね…士気にも関わりますし」
男の言葉に青年は苦笑する。
「お前が総指揮を取り、妨害する魔法少女達を狩れ。ラディウス博士の戦力を使っていい」
「了解しました。必ずや、ご期待にお答えします」
「徹底的に叩け、連中はここの場所も探っている…見つけられると面倒だ」
秘書が青年にファイルを手渡す。
「そこに写っている者達が要注意の存在だ。特に一枚目の少女は、必ず生け捕りにしろ。
 ラディウス博士が欲しがっている。詳細は彼に聞くといい」
「彼がですか…分かりました。早速、彼の元に行って来ます」
ファイルに目を通すと、青年は一礼し、部屋を出て行く。
 


「やぁ、2週間ぶりだね。ラディウス」
「何だレドリックか…陛下のとこには行ったのかよ」
研究室に入った青年の声に、机に突っ伏していた少年は顔を上げる。
「先程ご挨拶してきたよ。どうしたんだい?随分テンション低いけど」
「聞くも涙、語るも涙の話…聞いてくれる?」
青年の問いに、ラディウスはハンカチを取り出し、泣くような素振りを見せながら言う。
「んー…やっぱ止めとく。挨拶回りがあるからね…」
「まてーーー!聞いてよ、俺の話!」
じゃ、と片手をあげて歩いて行こうとする、青年の足にラディウスがしがみ付く。
「分かった!分かったから!話聞くから離してよ!」
「おお、聞いてくれるか。マイフレンド」
「まったく…」
立ち上がって自分の手を掴み、ブンブンと振る少年にレドリックは嘆息する。
彼、ラディウスとは子供の頃からの付き合いだが。時折こうやっておかしなテンションの時がある。
特に実験に熱が入っている時に、こうなる事が多い。
あまりの違いに、コイツは二重人格なんだろうかと、疑った事もあった。
造魔研究の第一人者として、自分と同様、主君である魔王ヴァルアスの腹心であるこの少年。
彼の作る造魔は強力で、各方面軍から挙って派遣要請が届くものなのだが…
「お前が着任するまでの間は、好きにしていいって、陛下が言ってくれたからさ。
 俺、目当ての魔法使いのお譲ちゃんに、6匹ぶつけてみたんだけどさ…全部倒されちゃった。グスン」
「そりゃ、災難だったね…そこの遺影がそうかい?」
青年の視線の先には、額に入れられ、壁にかけられた6枚の写真が飾られていた。
「…一つ質問いいかい?右端の一体以外、どれもこれも変な姿してるけど…ベースに何使った?」
「ん?よくぞ聞いてくれた!右から順番に、ナメクジ、ペンギン、コアラ、ラッコ、鶏、カンガルーだ!」
「………」
自慢げに語る少年の胸倉を、青年は無言で掴む。
「何でそんな変な素材ばかり使うんだい。もっとマシなの使えよ」
「つ、強いと思ったんだ!たまには別の種類、俺だって作りたい!
 それにアレだ!奇抜な組み合わせを試していれば、事故で凄いのが出来るかもしれない!
 んで、『私ハ造魔〜〜今後トモ宜シク』とか言ってくれる筈だ!」
「君、ゲームのやり過ぎ」
わめく少年に、冷淡に言い放つ。
115魔法少女マユ 第4話 3/14:2009/10/15(木) 00:46:38 ID:VGTXL+o4
造魔は基本、地球の生物もしくは魔物の情報を元に、製造する。
前線で喜ばれるのは、大型の爬虫類系、熊や獅子といった動物系や、スライムやローパー等の魔物だ。
(…こいつ、この間、僕の軍の戦利品を持って行ったから。母体の数に余裕が出来てたんだな)
普段は母体の数の関係で、作りたくても作れなかった造魔を作って、その魔法少女を捕らえようとしたのだろう。
この世界の言葉に、少年を表現するいい言葉があったか…馬鹿と天才は紙一重。
誰かが制御しないと、この少年はこうやって暴走する事がある。それは大抵、青年の役目だ。
「…スイッチ切り替え」
その一言と共に、少年の脳天におもいっきり手刀を叩き込む。
「ごがっ!?…お、思い出が領空侵犯してきやがる…あれぇ?姉貴が川の向こうで手招きしてるー…」
「こらこら、勝手に殺しちゃダメだろ。君の姉さんまだ生きてる」
「……はっ!?お、俺は一体…」
「正気に戻ったようだね」
キョロキョロと周囲を見回す少年に、レドリックは溜息をつく。
「それにしても…いくらなんでも、このラインナップは酷過ぎるよ。
 母体として魔力や命を削られた魔法少女は、死んでも死にきれないだろうね」
「むぅ…そう言われると確かに…以後自重する」
レドリックの言葉に、少年は頭を掻きながら頷く。
「しかし、ふざけた物をベースに使ってるとはいえ、君の作品を6体も倒すとはね…」
「ああ、かなりの実力の持ち主だ。俺の作品達もいい線まで行くんだが、いつもやられちまう」
顎に手を当て、青年はしばしの間、思案するような素振りを見せた後、笑みを浮かべる。
「なるほどねぇ…じゃあ、こっちでの初仕事は、その子にするかな…
 ラディウス、手駒を一体用意して欲しいんだけど」
「了解っと。ついでだ、戦闘の映像やデータも、集めてるから見てくか?」
「そうだね、情報収集しておこうか」
少年が近くのモニターを操作し、映像を映し出させる。

「……あんな大振りな獲物を振り回すなんて、はしたない子だなぁ…魔法少女の武器ってのは、もうちょっとこう…ねぇ?」
「お前は魔法少女に幻想を抱いているな…近年は魔法のステッキとか使う子はレアだぜ。最近の子は凄いぞー。
 超長距離砲撃とかぶちかましたり、ガチで格闘戦する子も居るぞ」
「ステッキまでは言わないけどさ。エルメリアの子は普通にロッド…持ってても細身の剣だよ」
モニターに映った、光の大剣を振るう少女に。レドリックは溜息をつきながら頭を振る。
「ま、大体わかったよ。ありがとう、参考になった」
「おう、捕まえたら俺の所に連れてきてくれ…無論、生きた状態でな。
 犯すなとは言わないが…間違っても犯し殺すなよ?」
「うん、そこは気をつけるよ…陛下からも、生かして捕える様に厳命されてるからね」
レドリックはにっこりと笑うと、研究室を出て行く。
116魔法少女マユ 第4話 4/14:2009/10/15(木) 00:47:12 ID:VGTXL+o4
「エルメリアからの応援?」
「うん、元々予定があったらしいの。マユちゃんの話をしたら、予定を繰り上げてすぐに着てくれるって!」
ベッドに寝転んでいたマユの問いに、ユーリィは嬉しそうに答える。
意を決して、応援要請を行ったユーリィに帰ってきたのは、予想外の答えだった。
「人間狩りの妨害がある程度効果が出てるみたいなの、兵力の拡充が追いつかなくて。
 魔族達の侵攻が鈍りつつみたい。だから、マユちゃんみたいにこっちで協力してくれてる人や。
 エルメリアから派遣されてる魔法使いの人を、サポートする人を派遣しようって事になったんだよ!」
「そうなんだ…良かったぁ…私達の戦い、ちゃんと皆の助けになってたんだね」
「そうだよ!その中でも、マユちゃんの戦い振りは凄いって話なんだよ!
 あのラディウスって男、魔族内でも物凄く地位の高い奴らしいの」
「ア、アイツが…?変な奴にしか見えないんだけど…」
ユーリィの言葉にマユは首を傾げる。
ここの所、自分を狙ってくる魔族の少年ラディウス。
いつも奇妙な言動でこちらのペースを乱してくるあの変な少年が高位の存在とはにわかに信じがたい。
「向こうの人の話だと…アイツは造魔研究の中枢を担う幹部なんだって。
 もし、アイツを倒せれば、魔族の造魔研究や製造に打撃を与えられるって話なの」
ユーリィは興奮した様子で語る。
「だから、ここのサポートに二人の人が来てくれるんだって。
 一緒に戦ってくれる魔法使いの女の子と、治癒術とかに長けた人が来てくれるの!」
「そっか…それは頼もしいね」
ユーリィの言葉に、マユは嬉しそうに笑う。
共に戦ってくれる仲間が出来る事は嬉しい。
「うん、早く来てくれないかなー」
ユーリィも嬉しそうに、少女の周りを飛び回る。
「ユーリィ、はしゃぎ過ぎだよ」
「だってー、嬉しいんだもん!」
最近笑顔の少なかった、ユーリィの嬉しそうな顔に、マユも笑顔を浮かべる。
だが、次の瞬間、二人の表情に緊張が走った。
「ユーリィ…」
「うん、魔族だ…それも、感じた事の無い気配の奴だよ」
マユはベッドから立ち上がると、胸のペンダントを握り締めた。
「変身っ!」
力強い声と共に、少女の体は光に包まれる。
光が収まると、マユはコスチュームに身を包んでいた。
「マユちゃん、体の方は大丈夫?」
「平気だよ。土曜日で学校が休みだったから、ゆっくり休めれたしね」
心配そうに尋ねてくるユーリィに笑顔で少女は答える。
「分かった…じゃあ、行くね」
「うん、お願い」
ユーリィが片手を上にかざし、転移魔法を発動させた。
117魔法少女マユ 第4話 5/14:2009/10/15(木) 00:48:07 ID:VGTXL+o4
「うぅっ……何この魔力…」
魔族の出現した場所、町外れの倉庫街に転移した二人。
ユーリィが、辺りに充満する魔力に顔を歪ませる。
「ラディウスじゃないね…この気配」
「うん、もう一体居るけど…こっちは造魔だと思う」
二人の表情は緊張に満ちていた。
今まで遭遇した事の無い、未知の敵…それも感じた事の無いくらいの魔力。
いや、ユーリィは一度、同クラスの魔力を感じた事があった。
そう、かつてこの町で、パートナーを失うことになった戦いの際に。
「アイツと同じくらい…うぅん、むしろこっちの方が強いかも…」
「ユーリィ、大丈夫?顔真っ青だよ」
震えているユーリィに、少女は声をかける。
「マユちゃん…ここに居るのは…」
そこでユーリィの言葉は途切れた。
二人の前に、気配の主が現れたのだ。
「お早いご到着だね、隠さずに魔力を出していたかいが有ったよ」
緊張した面持ちで少女達は、声が聞こえてきた方を見据える。
「こんばんわ、魔法少女のお嬢さん達…良い夜だね」
月夜を背に立つ、黒衣を纏った青年は、少女達に笑いかける。
「マユちゃん、気をつけて…コイツ」
「うん…今まで戦った、どの魔族よりも強い。セディアよりもずっと…」
青年から放たれる魔力は、かつて相対したどの敵よりも遥かに上だった。
「セディア…ああ、彼女は僕らの中でも序列の低い存在だ…僕はあんな雑魚とは違う」
片手を前に出し、青年は優雅に一礼する。
「初めまして、魔法使いのお嬢さん。僕の名はレドリック。 
 この世界で行われる、人間狩り…いや、魔法少女狩りかな。それの統括を任された者さ」
「魔法少女狩り…」
「そう、君達がいつも邪魔するから…エルメリアへの増派が遅れつつあるんだ。それで、僕に対処しろって命令が降りたんだよ。
 僕としては、下で戦争を楽しみたかったんだけどね…まったく、担当者達の不甲斐なさに、呆れちゃうよ」
青年はやれやれ、とばかりに嘆息する。
「まぁ、これも陛下からの勅命だ。仕方が無い…僕は君らを全て狩り、皆造魔の母体にしてしまうとしよう。
 多くの造魔を倒した、君達地球に居る魔法少女たちは。さぞ良い母体になるだろうね」
微笑を浮かべながら、青年は指を鳴らす。
「さて、始めようか。君の相手はコイツだ」
彼の言葉と共に、大型のスライムが姿を見せる。
「来るよ、ユーリィ!」
「うん!」
突進してきたスライムを、二人は散開して回避する。
「くっ!」
スライムが次々と体の一部を発射してきた。
少女はそれをかわしつつ、光の矢を作り出して発射する。
『ぶげぇっ!?』
光の矢で貫かれ、醜い叫び声を上げながら、体の一部を飛散させる造魔。
だが、地面に落下した破片はすぐに本体の元に戻り結合する。
「うそっ!?」
『ゲヒャヒャヒャ…生半可な攻撃は俺には通用しないぜ』
発射された体の一部も、次々と本体に結合していく。
「ユーリィ、コイツ…」
「うん、このスライムタイプは核を撃破しないと、いくらでも分裂、再生しちゃうんだ…
 でも、その核が見当たらないの!」
「ええっ!?そ、それじゃ…」
ユーリィの言葉に、少女は驚きの声を上げる。
「核が隠蔽されてるのかもしれない…そうなると、それを見つけ出すか、全部消滅させないとダメ」
「そ、そんな強力な魔法…私使えないよ」
マユは広域に作用する魔法が苦手なのだ。
「相性最悪な敵だな…なんとか核を探さないと」
不利な状況に顔を顰めながらも、少女は剣を構えなおす。
118魔法少女マユ 第4話 6/14:2009/10/15(木) 00:48:42 ID:VGTXL+o4
「さて…ちょっと邪魔してみようかな」
少女と造魔の戦いを観戦していた青年は、呟くように言うと、片手を突き出す。
「うぁっ!!」
ユーリィが、突然頭を抱えて苦しみだす。
「ユーリィ!どうしたの!?」
「あうぅぅ…あ、頭が痛いの…くうぅぅっ!」
一体何が…そう考え、少女は周囲を見回す。
そして、片手を突き出し、何か魔術を行使している青年に気づく。
「貴方!ユーリィに何をしたの!?」
「さて…何だろうね?ホラ、僕に構ってる暇は無いよ」
青年の言葉に造魔の方を振り向く。
『よそ見してんじゃねぇよ!!』
造魔が彼女を飲み込もうと襲い掛かる。
「くぅっ!」
苦しみ続けている妖精を抱えて、少女は横に跳ぶ。
「ユーリィ、ここに居て」
少し離れた地面に彼女を降ろし、少女は造魔の方に駆けて行く。
(どうしよう…私の魔法じゃコイツ全てを吹き飛ばす事は出来ない…核も何処にあるか分かんないし)
造魔の攻撃を掻い潜りながら、少女は必死に策を見出そうとする。
いつまでも回避し続けれる訳が無い。なんとか核を見つけ出さなければ…
そう考えた時、突如現れた光の鎖が、彼女の体に巻きつき拘束する。
「なっ!?…くぁ…こ、この魔法って…」
彼女はよくその魔法を見た事がある。それは…
「ユーリィ!何するの!?」
「ダメだよ、マユちゃん…じっとしてなきゃ…」
いつの間にか近くに来ていたユーリィが、少女を拘束する魔法を発動させていた。
その瞳は虚ろで、口もだらしなく開かれていた…そう、まるで何かに操られているように。
「ご苦労様、これでもう動けないね」
パンパンと手を叩いて、青年が笑顔で言った。。
「っ!まさか…」
「そう、この子にちょっと精神支配をかけてみたのさ。君クラスの使い手には、中々効かないけど。
 この子くらいの妖精の精神を支配するなど、造作も無いことさ」
自分を睨みつけてくる少女に対し、青年は相変わらず笑みを浮かべていた。
『ゲヒャ、運が無かったなぁ…お嬢ちゃん』
鎖に拘束され、体の自由を奪われた少女に、スライムが巻き付いていく。
「くっ!あぁぁ…」
体をきつく締め上げられ、少女は苦悶に呻く。
スライムが少女を完全に拘束すると、光の鎖は消滅する。
「じゃあ、お楽しみといこうか。っとその前に…服が邪魔だね」
『はいよ、分かりましたっと』
119魔法少女マユ 第4話 7/14:2009/10/15(木) 00:49:23 ID:VGTXL+o4
青年の言葉にスライムが動き出す。
「あぅ…い、いやぁ…動かないで、気持ち悪い…」
巻き付いたスライムが蠢き、少女の体に粘液を塗りつけてくる。
「ひぁっ!や、やめてっ!!」
胸の部分を圧迫され、少女は声を上げた。
それを無視するように、スライムはひたすら粘液を塗りつける。
やがて、少女の服に、異変が生じ始めた。
「ひぇ…な、なにこれ…ふ、服が…」
少女のジャケットが溶けていく、最初は小さな穴だったが、やがてそれはどんどん広がっていく。
『俺の粘液で溶かしてやってるのさ。邪魔だ、こんな物』
「ひっ!…い、いやぁ!!やめて!恥ずかしいよぉ…」
造魔の言葉に、少女は声を上げて、イヤイヤと首を振る。
その間にも、マユの服はゆっくりと、溶けていく。
胸が露になり、少女は上半身を裸にされてしまった。
「んー、ちょっと控え目なサイズだね…まぁ、まな板よりはマシか」
「う、うぅ…!みないでぇ…」
『何、胸見られたくらいで騒いでんだ。これからレドリック様にたっぷり触って貰えるのによ』
「んー、君も参加していいよ。皆で仲良く楽しもうよ」
『お!いいんですか!?』
青年の言葉に、造魔は喜びの声を上げる。
「うん、いいよ。ただし、やり過ぎないようにね」
『それは勿論、殺しちゃダメな奴でしたね。コイツ』
「そういう事…じゃあ始めようか」
満面に笑みを浮かべて頷くと、青年は少女の胸に手を伸ばす。
「ひぁっ!さ、触らないで!…うぁっ」
「敏感な子だね…何度か胸を責められた事が有るのかな?」
少女の左の胸を掴み、捏ね繰り回しながら、青年は少女の耳元でささやく。
『でしょうね…もっと感度を良くしてやりますか?』
右胸に体の一部を巻き付かせていた造魔が問いかける。
「うん、そうだね…僕がやるよ」
青年は少女の顎に手を当て、自分の方を向かせる。
「むぐうううっ!!?」
少女の唇が塞がれ、口内に何かが入ってくる。
入り込んできた物に戸惑い、少女は目を白黒させる。
舌にしては形が変で、とても長かったのだ。
少女は知る筈も無い、青年が自らの舌を触手に変化させている事を。
口内を舐め回す様に触手は蠢く。
「もがああぁぁっ!もぐぅぅ!!」
触手が蠢く度に、少女は不快感に襲われ、吐き気を催しそうになる。
喉の奥へと触手が動き出す。
「んぐううううぅぅっ!!」
突如、触手が膨れ上がり、少女の喉の奥に液体を撒き散らす。
「んんん!!んぼおおおぉぉっ!!」
少女の食道に大量の液体が入り込む。
液体を撒き散らし終えると、触手は元の舌の形に戻り、少女の口内から出て行く。
「げほっ!がほっ!!ごほっ…」
口を開放されたマユは、激しく咳き込む。
「…うぇぇ…な、何を…」
「さて、何なんだろうね?あの液体は」
震えている少女の問いに、青年は笑顔のまま首を傾げる。
120魔法少女マユ 第4話 8/14:2009/10/15(木) 00:50:05 ID:VGTXL+o4
(あれ…体がなんか変だ…熱い…これ、前にも…)
マユは以前にも似たような感覚を味わった事があった。
(あの蛙は媚薬とか言ってた…まさか、さっき飲まされたのが…)
少女の予想を肯定するように、体が熱を帯びてくる…以前とは比べ物にならないほどに。
「はあぅ…ふぁぁ…はぁん…」
甘い吐息を漏らしながら、少女は体を揺らす。
「ふふふ…効いてきたようだね、もっと気持ちよくしてあげるよ」
レドリックは少女の首筋に顔を近づけ、舌で首筋をなぞる。
「ひぁっ!はぅん…ふあぁぁっ!!」
青年の舌は蛇の様に長く伸び、少女の首筋やうなじを舐め回す。
『俺らもそうですが、器用なもんですねぇ…色々形変えれて』
「ふふふ…やっぱりこの体は便利だよ。体をある程度好きな様に、変化させれるんだからね」
造魔の言葉に、青年は笑う。
『それじゃ…俺も始めるとしますか』
スライムの巻き付いていた右胸が、激しく揉まれ始める。
「はぁぁん!い、ひやぁん…だ、だめぇ…ふぁっ!」
「ふふふ、君は可愛い声で鳴くねぇ…」
悶える少女の声に、うっとりとした表情を浮かべると、青年は少女の左の耳を甘噛みする。
「ひぁん…ひにゃぁ…はぅ…」
耳に生じる快感に、少女は声を漏らす。
「…そうだ、君も参加しなよ」
青年は少女の耳から口を離すと、側を飛んでいたユーリィに声をかける。
「いいんですかぁ…?」
「うん、マユちゃんを皆で気持ち良くして上げようよ」
「はぁい…わかりましたぁ…」
虚ろな目の妖精に、青年は頷く。
「ふぇ…?ユ、ユーリィ…ひぁっ!」
「私ぃ…マユちゃんのミルクが飲みたいよぉ…」
戸惑いの表情を浮かべる少女の、左胸の先端にユーリィが吸い付く。
ちゅうちゅうと、まるで赤子の様に、妖精は少女の乳首を吸う。
「ふああぁぁぁっ!!ら、らめぇぇ!ユーリ…はぁぁぁん!」
少女は必死に叫ぶが、ユーリィは赤子の様に、ひたすら乳首にむしゃぶりつく。
『お?出るのなら俺も飲みたいぜ』
造魔も器官のような物を体から伸ばし、左胸の先端に吸い付く。
「ああああああああ!!!でない!でないよぉ…らめてぇぇ…」
競い合うように、造魔とユーリィはマユの胸を吸う。
激しい快感に、口からだらしなく涎を零しながら、少女は首を振り、悶える。
「あははは…どうだい?大事な友達におっぱいを吸われる気分は?」
快感に震える少女を見て、青年は楽しそうに笑う。
「ひやぁぁぁぁぁっ!!くあああああああっ!!はああああああああんっ!!」
延々と続けられる、2人と1体による責めに、少女は幾度と無く絶頂を迎えた。
121魔法少女マユ 第4話 9/14:2009/10/15(木) 00:50:42 ID:VGTXL+o4
「ひぁっ…らめてぇ…ゆぅりぃ…ふぁん…」
妖精は飽きもせず、少女の乳首を吸い続けていた。
青年はそれを黙って眺めていたが、やがて口を開く。
「そろそろ下も始めようかな、お楽しみも待ってる事だし」
『そうですねぇ…分かりました』
青年の言葉に、スライムが再び蠢きだす。
「ひ、ひやぁん!!」
尻や太ももを撫で回されて、少女は体を震わせる。
造魔はスカートに、上着と同じように液体を塗りつけていく。
「はあぁぁぁん!ひうううぅぅっ!!」
媚薬と度重なる絶頂で、少女の体は敏感になっており、尻や太ももに触れられるだけで嬌声を上げていた。
スカートが溶け、造魔はそのまま、スカートに隠れていた純白の下着にも液体を塗りつけようと動く。
「ひああああぁぁぁっ!!!」
スライムに触れられて、少女はまた絶頂を迎える。
「凄く敏感になってるねぇ…この子」
『レドリック様の媚薬が、強力過ぎたんでしょ』
「そんな強力なやつを、飲ませたつもりはないんだけどねぇ…」
造魔の言葉に、青年は首を傾げた。
「はうううううぅっ!!ふああぁぁぁっ!!」
スライムに触れられる度に、少女は声を上げる。
やがて、少女の秘所を守っていた下着も溶けてなくなる。
「ここ2週間で、2回も強力な魔法使いの処女を奪えるなんて、僕はついてるなぁ」
『おや、コイツ処女なんですか』
「そうだよ。悪いけど、僕が貰うからね」
『ゲヒャヒャヒャ、分かってますよ。その後は俺にも楽しませてくださいね』
青年の言葉にいやらしい笑い声を上げる造魔。
スライムは体を動かし、少女を宙に持ち上げ、青年の前に秘所を突き出すように向ける。
「いやぁ…すっかりビショビショだね」
『そりゃ、あんだけ絶頂してりゃね。いやらしいガキだ」
「ひ…い、ひやぁ…み、みらいでぇぇ」
青年の目の前に秘所が突き出されている事に気づき、少女は必死に首を振る。
「ひぅっ!!ひあぁぁあっ!!」
突然、少女が声を上げる、青年や造魔は何もしていない。
吸えども吸えども、乳が出て来ない事に、苛立ったのだろう。
ユーリィが少女の乳首に噛み付いたのだ。
「はぁん!やあぅ!」
ビクビクと少女が体を揺らす。
「んー、これはもういいか」
青年は、少女の乳首に噛み付いていた、ユーリィに手を当てると何かを呟く。
その直後、ユーリィは糸が切れたように力を失い、地面に落ちていく。
「ふぁ…ユ、ユーリィ…」
呆然とした様子でそれを見る少女。
「心配しなくても大丈夫、術を解いただけさ…それより、自分の心配をした方がいいよ」
122魔法少女マユ 第4話 10/14:2009/10/15(木) 00:51:17 ID:VGTXL+o4
青年は、少女の股の間に顔を近づける。
「ひっ…い、いやぁぁっ!」
『ジタバタすんなよ。大人しくレドリック様に可愛がって貰いな』
少女は必死に股を閉じようとするが、スライムに拘束され動けない。
「君にも見せてあげたいなぁ…君のアソコ、愛液でビショビショだよ」
青年は笑いながら膣口の周りを指でなぞる。
「ひあぁあぁぁぁっ!!」
「…ほら、ちょっとなぞっただけで、こんなに付いちゃったよ」
愛液で濡れた指を見せ、少女の頬に塗りつけてやる。
「う、うぅ…もう、やめて…おねがいぃ…」
「それは無理な相談だ、これからが楽しいんだから」
哀願する少女に、満面に笑みを浮かべながら青年は言い放つ。
そして、勃起していたクリトリスを指で押さえた。
「あああああああああっ!!!」
クリトリスに触れられ、少女はビクビクと体を震わせる。
「いい声だ…もっと君の悲鳴や悶える声が聞きたいよ」
青年の指がクリトリスを摘み、強く引っ張る。
「ひぎゃああああああぁっ!!」
引き千切れんかと思うほどの激しい痛みに、少女の意識は途切れそうになる。
「気を失っちゃダメだよ。それじゃ面白くない」
青年は顔を秘所の目の前まで下げると、舌の形を変化させた。
蛙のような長い舌を伸ばし、少女の秘裂やクリトリスを舐め回す。
「はああああぅっ!!やあああああああ!!」
その行為で、また少女は絶頂に達してしまう。
「はああああああぁん!!ひぅんん!!ふぁああああああああん!!」
しばらく続いた青年の責めは、唐突に中断される。
責めが止められた事に、少女は不安を覚え、顔を上げようとする。
次は何をされるんだろう…少女の頭の中は、その恐怖で支配されていた。
「もっともっと、君のいやらしい場所を弄ってあげたいけど…後がつかえてるからね。本番といこうか」
青年はズボンのチャックを下ろす。
「あぇ…?な、なに…?」
「何って…決まってるだろ。君を犯すんだ。これでね」
状況を理解していない少女に、レドリックは自分のペニスを見せる。
「ひぁっ!?そ、そんなの…入らない、入らないよ!!」
「大丈夫、君の体は魔力で強化されるんだ。ちゃぁんと受け入れらるよ…こんな事、つい2週間前にも言ったなぁ」
怯える少女に語り、青年は苦笑する。
「ひ…い、いやぁ…やめて…お願い…やめてぇ!!」
自分の膣口を狙う、青年のペニスは少女にとって凶器としか思えないような物だった。
少女は髪を振り乱して、泣き叫ぶ。
「ああ、たまらないね…その表情、その恐怖。心地いいよ」
もっと少女を弄びたい。そう青年は思ったが、それを振り払う。
それは後でも出来る。今は目の前にある御馳走を頂くとしよう。
「じゃあ、始めよう」
123魔法少女マユ 第4話 11/14:2009/10/15(木) 00:52:44 ID:VGTXL+o4
青年の宣言と共に、挿入が開始される。
「あぐっ…ぐ…あああああっ!!!」
ゆっくりと、膣内に入り込んでくるペニス、激しい痛みに、少女は叫ぶ。
14歳のマユの体には、青年のペニスは到底受け入れれるようなサイズではない。
それを強引に青年は押し込んでいく。
ペニスが処女膜を突き破る。
「はぎゃっ!?あがああああああああっ!!!」
破瓜の激しい痛みが少女を襲う。
「ふふふ…あはははは!やっぱり何度やってもたまらないね!
 魔法使いの処女を奪うってのは…はははははははっ!!」
苦痛に泣き叫ぶ少女を見て、青年は狂ったように笑い声を上げる。
膣内は愛液で濡れていたが、入り込んできた物があまりにも大きい為、何の役にも立たない。
「あぎいいぃぃっ!!ひぐぅっ!!!がああああああっ!!」
ペニスが子宮口まで到達し、更に強引に押し込まれた。
「ひぐうううぅぅぅっ!!!」
押しつぶされそうな衝撃に、少女は声を上げる。
根元付近まで、入っていたペニスが引き抜かれ始めた。
「が、がぎゃあああああああああっ!!!」
膣壁を削りながら後退していくペニス。
結合部からは、血が流れ出る。
「いい締め付けだ、とても気持ちいいよ。君は痛いだろうけど…
 ごめんね。僕の物が大きすぎて。でも大丈夫、死にはしないよ」
引き抜かれたペニスがまた挿入される。
「ひぎっ!がぅっ!…ああああああっ!!」
ゆっくりとだが、凄まじい力で強引に、ピストン運動を繰り返す青年。
膣壁を傷つけながら、延々と前後運動が繰り返される。
「あぎいいいいいっ!!ひがああああぁぁっ!!」
絶え間なく襲う激しい痛みに、少女は咆哮の様な叫び声を上げ続ける。
どれだけその行為が続いただろうか。
ペニスが一際勢いよく挿入される。
「ひぎゃっ!?」
青年のペニスから大量の精液が放たれた。
「うあぁぁぁぁ!!あああああぁぁあぁっ!!」
少女の子宮はすぐに精液で満たされてしまう。
だがそれでも、青年のペニスの射精は止まらない。
「や、やめ…も、もう…はい…らな…」
「心配しなくても、破裂したりなんかしないさ。それにまだまだ出すよ?」
「はぎっ…ら、らめ…あがががががっ!!」
少女のお腹が妊婦の様に膨れ上がる。
「んー、さすがにこの辺で止めとくか」
入りきらない精液が結合部から漏れてきているのを見て、青年は呟くように言う。
「あ…あぎぃ…」
長い間続いた射精が、ようやく止まる。
少女は激しい痛みで気を失っていた。
青年はゆっくりとペニスを引き抜く。
ペニスが栓になっていたのだろう。
赤と白の交じり合った、大量の液体が膣口から溢れ出る。
124魔法少女マユ 第4話 12/14:2009/10/15(木) 00:53:23 ID:VGTXL+o4
『どうでした?お味の方は』
「最高だよ…この子の魔力は極上の味だ。2週間前に犯した子も悪くなかったけど、この子には敵わないな」
造魔の問いに、青年は満足げな笑みを浮かべて答える。
少女はスライムに拘束されたまま、だらしなく口を開けて気を失っている。
「さて、今度は君が楽しみたまえ」
『ありがとうございます…じゃあ早速』
スライムが蠢き、少女の膣口へ触手を伸ばす。
『おい!起きろ!』
膨れ上がった少女の腹を別の触手で打ち据える。
「あぎゃっ!?」
少女が叫び声を上げ、意識を取り戻す。
打ち据えられた衝撃で、また膣口から精液と血が流れ出る。
『まだ終った訳じゃないぞ、今度は俺の番だ』
そう言うと、造魔は触手を少女の膣へと一気に突っ込む。
「あがああああああっ!!」
先端をドリルの様に回転させながら、造魔の触手は膣内を突き進む。
『ゲヒャヒャヒャ!お前の魔力はどんな味かな?楽しみだぜ!』
「むごおおっ!?」
少女の口内にも造魔の体が突っ込まれる。
『オラオラァ!』
口内の触手も、膣内のそれと動きを合わせて、少女の口を犯す。
「ぐぼおおぉぉぉっ!!がふうううううっ!!」
膣と口を同時に犯され、少女は体を反らして痙攣している。
何度も何度も突き動かされる触手、造魔の射精が近くなってきた時。
それまで黙って見物していた青年が、口を開く。
「あんまり出し過ぎちゃダメだよー。その子、殺しちゃダメだから」
『あ、ひでぇレドリック様。自分だけ散々出しといて、そういう事言いますか』
「いやいや、僕も加減して、途中で止めたよ」
造魔の抗議の声に、青年は苦笑しながら答える。
『そう言われたら仕方無いっすね…おらぁ、出すぞ!』
「ごばっ!?」
両方の触手を力任せに押し込み、射精を開始する。
「ぶごおおおおっ!!がふうううぅぅ!!」
口内に、子宮内に、再び大量の精液が放たれる。
どちらにも青年が放った媚薬と、精液という先客が居る。
「がぼおおお!!げふううっ!!」
口から触手と大量の精液を吐き出す少女。
膣口からも滝の様に精液が溢れ出る。
『ギヒャ!レドリック様の言うとおりだぜ。なんて美味い魔力なんだ!』
突き刺さっている触手から少女の魔力が吸い出されていく。
それを吸収する為に、造魔は隠蔽していた核の姿を見せる。
『あげがぎゃっ!?』
突然、造魔が醜い叫びを上げる。
姿を見せた核を、光の矢が貫いていた。
『が…ゴガアアアアアアァァァッ!!!』
断末魔の叫び声を上げ、造魔は崩壊していった。
拘束していた存在が消滅した事で、マユは地面に落ちる。
125魔法少女マユ 第4話 13/14:2009/10/15(木) 00:54:31 ID:VGTXL+o4
「っ!?誰だっ!」
突然の出来事に青年は驚き、矢が飛んできた方向を向く。
そこには二人の女が立っていた。
一人はマユと同じくらいの少女で、薄いブロンドの長い髪をツインテールにしている。
青を基調としたワンピースに、短めの白いマントを羽織っていた。
片手には魔法を発動させたと思われる、先端に青いクリスタルの付いたロッドを携えていた。
もう一人は、20代前半だろうか。
緩くウェーブがかかった薄いブロンドの長い髪を腰に届くほどまで伸ばしている。
こちらは純白のローブを纏っている。
「…エルメリアの魔法使いか」
姉妹と思われるその二人を青年は鬱陶しそうに視線を投げかける。
「…やっと見つけた…レドリック!」
「ん、君は…」
ロッドを構えた少女の言葉に、青年は少女の顔をじっくりと見つめる。
「ああ、君か。思い出したよ。ここまで追って来るとはね」
しばし、黙考した後、青年は少女の事を思い出したらしく笑いかけた。
「アイツは…何処に居るんですか!?」
「んん?…それは教えれないね。教えちゃ面白くない」
敵意を剥き出しにする少女に、おどけた様子で答える。
「っ!」
青年の言葉に少女は駆け出そうとする。
だが、隣の女性が肩に手を置いて、それを制する。
「ダメよ、リィン。今はあの子達を助けるのが先よ」
「でもっ…お姉ちゃん!」
少女の抗議に、女性は首を横に振る。
「僕もここでやりあう気は無いよ。興がそれた…今宵は帰るとしよう」
そのやり取りを見ていた青年は溜息を一つつくと、踵を返す。
「マユちゃん…だったかな、また会おうね。次はもっと楽しい事をしよう」
足元に倒れている少女に、レドリックは笑いかける。
転移魔法を展開し、青年の姿を光と共に消えた。



「可哀想に…酷い目にあったのね」
ぐったりとしているマユを抱きかかえ、女性は悲しげに目を細める。
「リィン、そっちの子はどう?」
「大丈夫、一時的に精神を支配されてただみたい」
リィンと呼ばれた少女の手の平にはユーリィが横たわっていた。
「う、うぅん…」
ユーリィが少し体を震わせる。
「気が付いた?」
「ぅ…こ、ここは…?」
リィンの言葉に、ユーリィは頭を振りながら起き上がる。
「っ!…そうだ!マユちゃんは?」
「………」
妖精の問いに、少女は無言で姉の方を見る。
ユーリィは少女の視線を追い、そして…
「あ…マ、マユ…ちゃん…」
魔族達に弄ばれ、白濁に染められた全裸のマユが、女性に抱きかかえられている。
「あ、あああああああああ!!」
頭を抱えてユーリィは叫ぶ。
ユーリィは微かにだが、操られていた時の事も覚えていた。
「私の…私のせいで…マユちゃんが…」
「落ち着いて、貴方のせいじゃないわ、悪いのはあの魔族よ」
「でも…でも…」
「しっかりして!とりあえず、この子の手当てをしなきゃ」
女性の言葉にユーリィは顔を上げる。
「私はシャーナ、その子は妹のリィン…エルメリアから派遣されてきた応援要員よ。
 とりあえず、私達の家に行きましょ。この子をこのままにはしておけないわ」
シャーナと名乗った女性の言葉に、ユーリィは頷く。
126魔法少女マユ 第4話 14/14:2009/10/15(木) 00:55:15 ID:VGTXL+o4
「え…ここって…」
シャーナが使った転移魔法の転移先、それはマユ達の家の隣だった。
「ええ、私達はここに、引っ越してくる予定になってたのよ。」
「マユちゃんのお母さんが言ってた、引っ越してくる人って…シャーナさん達だったんだ」
ユーリィの言葉に頷くと、シャーナはマユを抱えて家に入っていく。



「…今、お姉ちゃんが処置をしてくれてるよ」
リィンの言葉に、ユーリィは俯いたままだった。
「気を落さないで、っていうのは無理かもしれないけど…あの状況じゃ仕方ないよ」
相手は最高位魔族だしね、と少女は付け加える。
「でも…私、マユちゃんに、合わせる顔が無いよ…私のせいでマユちゃん、あんな酷い目にあったのに…」
そこまで言って、ユーリィは瞳から涙を零し始める。
「………」
少女は無言でユーリィを胸に抱き寄せる。
「う…うぅ…うわあああぁぁっ!」
ユーリィは少女の胸で大声で泣き叫んだ。
(この子も…そしてあの女の子も、あの魔族に弄ばれたんだ…)
レドリック…あの青年の姿がリィンの脳裏に浮かび上がる。
そして、かつて見た、絶望的な光景も…
仲間達が次々と屠られ、犯されていく。あの悪夢の様な光景が。
その中心に立つ、黒竜とあの青年。
(アイツらは…絶対に許さない…絶対に!)
咽び泣く妖精を抱きしめながら、少女は心中で叫ぶ。
(皆の…アゼルの仇を討つ。その為に…私はここに来たんだ!)
127マユ作者:2009/10/15(木) 00:59:59 ID:VGTXL+o4
はい、という訳でついに処女を奪われちゃいましたマユちゃん。

ラディがまた暴走してしまった…ギャグ要員として割り切るか…
ラディとレドリックは書いてて楽しいです、はい。
今回登場の新キャラはずいぶん迷いました。
お姉ちゃんの方は確定してたのですが、もう一人男出そうか女の子出そうかで迷った挙句。
リィンちゃんを出す事にしました。
次回も早めに投下できたらいいなぁ…でわまた次回に。
128名無しさん@ピンキー:2009/10/15(木) 07:56:01 ID:lRwLGnEQ
>>120
GJ
憎い仇に犯されるの期待
129名無しさん@ピンキー:2009/10/15(木) 09:09:59 ID:IjOliJtO
乙です!
ラディウスの投入した戦力、変な奴使いすぎwww
このラインナップにマユちゃんはどんな目に遭わされたんだw
130名無しさん@ピンキー:2009/10/16(金) 00:22:32 ID:oVgt31/z
なんかもー投下が多くて涸れそうなんだぜ
とゆーわけで、災難の人、杏の人、マユの人、まるごめGJを送るぜっ!
131名無しさん@ピンキー:2009/10/16(金) 16:22:49 ID:opdrn14j
すげー投下ラッシュだな。もう容量の半分くらい使ってるじゃないかwww
132名無しさん@ピンキー:2009/10/16(金) 17:08:29 ID:lhcVFDqm
かつてこれほどまでにスレが活性化したことがあっただろうか。
やはり投下があると楽しいな!
133名無しさん@ピンキー:2009/10/17(土) 12:30:42 ID:hwI3huTN
>>131
ホントだwww
まだレスが200行ってねぇのにすげーw
134マユ作者:2009/10/17(土) 17:38:11 ID:wlDer162
こんばんわ、連投になりますが魔法少女マユ第5話を投下します。

今回は陵辱シーンは少ないですが、陵殺、虐殺シーンがありあすのでご注意ください。
135魔法少女マユ 第5話 1/12:2009/10/17(土) 17:39:38 ID:wlDer162
(…私はあの日の事を忘れない…忘れたりするものか!)
泣き続ける妖精を胸に抱きつつ、少女は心中で叫ぶ。
多くの仲間達を失った、あの恐怖と絶望に彩られた記憶。
あの光景を、リィンは思い返す。



――魔族の侵攻が開始されて1ヶ月たった、ある日――
「今回が諸君らの初の任務となる。目的は敵に制圧された補給拠点の奪還だ。
 敵の兵力は僅かな数しか居ない。敵部隊を奇襲し、一気に奪還する!」
指揮官である壮年の男の言葉に、整列する少年少女達は、緊張した面持ちで耳を傾ける。
「我が小隊は、主力である第118中隊の指揮下に入り、作戦任務にあたる…以上!」


「実戦かぁ…まさか、俺らまで駆り出されるなんてな」
「それだけ人手が足りてないみたいよ。魔族の兵力、物凄い数らしいの」
「ああ、各方面軍が苦戦してるらしいな」
隊列を組み行軍する、新兵達。その面々は、若いというより幼い年齢の者達も居た。
急激に拡大される戦線に対応する為に、教練コースを出たばかりの者達を召集したのだ。
「………」
その中の一人、リィンは緊張した面持ちで歩いている。
「大丈夫だよ、リィン」
隣を歩く少年が、彼女を落ち着かせるように言う。
その少年は、リィンより頭一つくらい背が高く。
肩の辺りまで伸びている赤い髪を、一まとめに結んでいる。
「そんなに敵の数は多くないって話だし、大人の人達も沢山参加するんだ。大丈夫だよ」
「アゼル…」
リィンが少年の顔を見上げると、少年はにっこりと微笑む。
「何かあったら、リィンは僕が守るよ」
優しく微笑みながら、少年はリィンの頭を撫でる。
「うん…ありがとう、アゼル」
少年の言葉に、少女も微笑む。
アゼルとは、幼い頃からいつも一緒だった。
一つ年上の彼は、リィンの事をいつも守ってくれた。
僕が守る、その言葉がリィンの心を落ち着かせてくれる。
大丈夫、簡単な任務だ。大人達も一緒だ…
共に行軍する少年少女達も同じように考えていた。
136魔法少女マユ 第5話 2/12:2009/10/17(土) 17:40:31 ID:wlDer162
「始まった…!」
遠くから聞こえてくる轟音に、アゼルが呟く。
リィン達の所属する部隊は、戦線から少し離れた場所で待機していた。
「よし、我々も進軍する、続け」
部隊長の言葉に皆頷き、走り出す。
「行くよ、リィン。僕から離れないでね」
「うん…分かった」
少年の言葉に頷き、リィンも駆け出す。
奇襲は成功し、魔族の軍は混乱している。
逃げ惑う下魔達を、兵士達が次々と倒していく。
敵の数は少なく、程なく制圧されるはずだった。
だが、魔族の戦力に事前の偵察で確認されていない部隊が居た。


「…何事だ?」
陣地の外から聞こえてくる音に、椅子に座っていた銀髪の男は目を開き。
隣に控えていた青年にに尋ねる。
黒い軍服に身を包んだ青年は、部下からの報告を聞き終え、男の方を向く。
「エルメリア側の奇襲です。陛下…現在、駐留部隊が応戦しています。
 親衛隊の準備が整い次第、反撃に移ります」
「…ゲリオスの元に向かう道中で、とんだ目に遭ったってしまったな…」
言葉とは裏腹に楽しそうに笑っている男に、青年は苦言を申す。
「だから、あれほど申し上げたのです。このルート付近はエルメリア側が押し返していて危険だと」
「ああ、お前の言うとおりにすれば良かったな」
彼らはエルメリア攻略軍を統べる3将の一人の元に向かう道中で。
たまたま立ち寄った拠点で襲撃を受けたのだ。
「そも、何故急に前線の視察も兼ねて、行軍をなさるなどと…」
「何、現場というものが見たかったんだよ」
「本当にそれだけですか?もしかしてこんな状況を期待して、わざと転移を使わずに…」
「視察だ、それ以外に意図は無いよ」
青年の言葉に男は苦笑すると、椅子から立ち上がる。
「陛下…?」
「駐留部隊も親衛隊も後退させろ…私が出る」
「お待ちください!陛下の御手を煩わせずとも、自分が」
主君、ヴァルアスの言葉に、青年を驚き声を上げる。
「いや…たまには私も戦場に立ちたいさ…供はお前だけで十分だ」
後方で踏ん反り返っているのは性に合わない。
目の前で繰り広げられる戦を前に、じっとなどしていられるか。
男の表情からはそんな感情が伺えた。
「…御意。全部隊に後退命令を出します」
観念したように、青年は頭を垂れる。
青年の言葉に満足したように頷くと、男は陣地を出て行こうとする。
「やはり、こういう事を期待しておられたのですね?」
「ふふふ…私もデスクワークばかりでは退屈でな」
「まったく…お供する身にもなってくださいよ」
男の言葉に、青年は大きく溜息を付く。
137魔法少女マユ 第5話 3/12:2009/10/17(土) 17:41:38 ID:wlDer162
「何?空が…赤い」
リィンは空の異変に気づき、見上げる。
上空に赤い光が広がっていきつつある。
「何なんだろう…あれ」
アゼルも空も見上げて怪訝そうに呟く。
「な、なんだアイツは!?」
兵士の声に、二人は声のした方を向く。
魔族達の陣地から、大型の黒竜が一体、ゆっくりと歩いてくる。
全身を黒い装甲に包み、頭部だけは銀色の装甲になっており。まるで竜が鎧を着ているような姿だった。
頭部には、血の様に赤い目が3つ存在し、肩や腕の部分の装甲からは無数の触手が生えている。
兵士達は皆、その異様な姿の黒竜に言葉を失っていた。
黒竜の隣には黒衣を纏った青年が立っている。
『レドリック、結界の維持は任せた』
「承知しました…では、存分にお楽しみください。我らが偉大なる王、ヴァルアス陛下!」
黒竜の言葉に、青年は優雅に一礼し、兵士達にも聞こえる声で竜の名を呼ぶ。
「まさか…あ、あれが、魔族の王…魔装竜と呼ばれし最強の魔族」
「だ、だけど!魔装竜は100年前の戦いで倒されたはずだろ!?」
「いや…確か、息子が居たはずだ…幾度か戦場でも、確認されていたって記録を見た事がある」
口々に言葉を交わす兵士達。彼らを徐々に支配していく、恐怖の感情。
「ひ、ひるむな!!相手は一体だ!火力を集中させろ!」
指揮官の言葉に、兵士達は我に返り、次々と魔法を放っていく。
無数の炎や光が、黒竜へと着弾していく。
だが、黒竜は怯むどころか、立ち止まりもせずに、ゆっくりと歩き続ける。
「う、嘘だろ…あれだけの魔法喰らって止まりもしないのかよ…」
「…か、勝てるはずがねぇ!!あんな化け物!!」
兵士の一人が武器を投げ捨て、竜から逃れようと走り出す。
一人が逃げ出すと、最早止まらない。
次々に兵士達が逃げ出し始める。
『もう逃げ出すのか…つまらんな』
黒竜はがっかりした様に言の葉を漏らすと、またゆっくりと歩き始める。
黒竜の体から生える触手、は様々なものが存在した。
先端が剣の様になったもの、蛇のような口の付いたもの、大きな一つ目が付いたもの。
それらが一斉に動く。
「ぐああっ!?」
「うあああああっ!!」
「がはっ!!」
「がっ!…ごが…がふっ!!」
大きな単眼から閃光が放たれ、男の足を撃ち抜く。
少女の脇腹に触手が噛み付いた。
逃げていた男の背中に次々と触手の先端の刃が突き刺さる。
男の首に巻きつき、一気に首の骨を圧し折る。
100本にも達しようとする量の触手が暴風の様に荒れ狂う。
触手の餌食となった者達が、触手に放り捨てられ、次々と宙を舞う。
黒竜はゆっくりと歩きながら、重点的に男から始末していく。
「あ、あああああ…」
最初に足を撃ち抜かれ、動けなくなった男の頭上を黒竜の巨大な足が覆う。
「うあああああああああああ!!!」
男の絶叫を掻き消す様に、黒竜の足が男を踏み潰す。
『グオオオオオオオオオオオオオオッ!!!』
凄まじい咆哮を上げた、黒竜は口を大きく開く。
開かれた口より、閃光が放たれる。
閃光の奔流が、逃げ惑う兵士達を薙ぎ払っていく。
138魔法少女マユ 第5話 4/12:2009/10/17(土) 17:42:54 ID:wlDer162
状況は絶望的なものだった。
黒竜の装甲はあらゆる攻撃を防ぎ、兵士達は次々と倒れていく。
程なくして男達は大半が殺されてしまった。
残るのは女や、僅かな少年少女達だった。
大方片付いた事を確認すると、黒竜の触手が再び蠢きだす。
恐怖で動けなくなった少女、足を撃ちぬかれた女が。
逃げ遅れたものから順に、触手捕らえられていく。
「きゃ、きゃああああああっ!!」
「いやぁ!やめて!降ろして!!」
「助けて!お母さん!!」
捕らえられた女性達は必死に叫びもがく。
『小粒は触手で十分だな…いちいちやっていては、日が暮れてしまう』
黒竜は捕らえた女達を、値踏みするように見回して言い放つ。
そして触手たちは次々と、女達の服を引き裂いた。
逃れようと必死にもがく女達、その口や秘所に触手が突き立てられる。
「もがあああぁっ!?ぐぼおおおおっ!!」
「あがああああああ!!い、いだいいいいいいいいい!!」
「い、いや…やめて…があああああああああっ!!」
次々に女達の絶叫が聞こえる。
黒竜は更に女達を捕らえ、その秘所に極太の触手を突き立てていく。
強引なピストン運動を繰り返す触手は、すぐに射精を開始する。
「ひぎゃあああああああっ!!」
「あがあああああっ!!」
「むごおおおおおお!!!」
ボコボコと腹を膨らませ、白目を向く女達。
射精し終えた触手は、それまで突き立てていた女を放り捨て、次の獲物を探し出す。
投げ捨てられた女達は、口や秘所から白濁を漏らし、ピクリとも動かない。
『殆どが、死んでいるかもしれんが…生きている奴は下魔達に与えてやれ』
「分かりました、兵達も喜ぶでしょう」
黒竜の言葉に青年が笑顔で答える。
「このぉ…化け物め!!」
女兵士の一人が黒竜の前に立ちふさがり、魔力刃を構えて突進する。
「でやああああぁっ!!」
気合の声と共に突き出される刃。
だが、その刃は黒竜の装甲の前に砕け散る。
「な…そ、そんな…」
『よい気迫だ、そこらに転がっている男より、よっぽど肝が据わってる…魔力も高そうだな。まずはお前にするか』
黒竜は嬉しそうに言うと、女の四肢を絡める。
「なっ…くっ!は、放せっ!!」
触手が彼女のを服を破り裂く。
「ひっ…な…や、やめろっ!!」
仲間達と同じようにあの触手を突き立てられる。
そう考えた女は、逃れようと必死に体を動かす。
だが、彼女の運命はもっと過酷なものだった。
『ああ、この大きさでは、さすがに入れる事すら不可能か…』
自分と女を見比べて呟くと、黒竜は体のサイズを変化させ、幾分小さくなる。
それでも、大型の魔族よりも更に大きいが。
『光栄に思うが良い、我が一物を受け入れられる事を』
触手を動かし、彼女を自分の股間に近づけて、黒竜は言い放つ。
「ま、まさか…ひ、ひいいぃぃっ!!やめろ!やめてくれっ!!」
黒竜の意図を理解し、女は必死にもがく。
それを無視して黒竜は、暴れる女性を一気に、己のペニスへと突き刺す。
「がああああああああああああああっ!!」
力任せに突き立てられ、女は凄まじい絶叫を上げる。
それでもペニスは半ばほどまでしか入っていない。
黒竜は右手で女の胴を掴み、更に押し込む。
「あぎいいいいいいいいいいいいぃぃっ!!ごがああああああああああああ!!」
ペニスが子宮壁を突き上げ、女の腹がボコリと膨れ上がる。
139魔法少女マユ 第5話 5/12:2009/10/17(土) 17:43:51 ID:wlDer162
『何を騒いでいる…まだ突き立てただけだぞ?』
黒竜は言い放つと、ゆっくりと女性をペニスから引き抜く。
「ごああああああああああっ!!いぎいいいいいぃぃぃ!!」
膣壁をズタズタにしながら、ペニスが引き抜かれる。
膣口から血液が溢れ出てくる。
「はぎっ…はひ…はぁ…はぁ…」
たった一回の抜き差しで女は息も絶え絶えな様子だった。
『さて、続けるぞ』
「ひぎっ!?うがあああああああああああ!!!」
またペニスに突き立てられる。
無理やり押し込まれ、そしてまた引き抜く。
「がぎいいいぃぃぃっ!あああああああああっ!!」
咆哮の様にさえ聞こえる、女の叫び声が辺りに響き渡る。
その悪夢の様な光景に、皆動くことすら出来ず、呆然とその場に居た。
幾度ピストンが繰り返されただろうか。
「がぎぇっ!?ぎゃああああああああああああああ!!!」
女が天を仰ぎ、ビクビクと体を痙攣させる。黒竜が射精を開始したのだ。
たちまち、女の子宮は精液で満たされる。
だが、射精は止まらない。
「うがあああああああ!おああああああああああっ!!!」
叫ぶ女の腹が、妊婦でも有り得ない程に膨れ上がった。
破裂寸前、そう見えるレベルまで膨れ上がった所で、射精が止まる。
『死んだか…まぁ、人間ではこの程度も耐えられぬか』
黒竜はつまらなそうに呟くと。白目を剥き、動かなくなった女の体を引き抜き、無造作に放り捨てる。
膣口から洪水の様に精液を撒き散らして、女の体が地面に転がった。
呆然と見ていた少女の一人が、目の前に転がってきた女を見て、我に返る。
「き、きゃああああああああああああっ!!!」
少女の絶叫に、皆正気に戻り、そして我先にと逃げ出す。
「ま、まって…置いてかないで!!」
叫び声を上げた少女は、恐怖で腰が抜けていて動けない。
自分を置いて逃げていく仲間達に、必死に叫ぶも、誰一人として彼女を助けには戻らない。
『次はお前にするか…だが、この程度の魔力ではな』
背後から聞こえる声、少女は四肢を触手に絡め取られる。
「い、いやぁぁっ!!助けて、ママ!!」
泣き叫ぶ少女の下着を引き裂いた後、口と秘所に触手が突き刺さる。
「おぼおおおおっ!!むごうううううぅぅ!!!」
上下から激しいピストン運動を行われ、少女の体がガクガクと揺れている。
少女を犯しながら、黒竜は再び歩き出し、逃げ惑う女達をゆっくりと追う。
一人、また一人と捕らえられ、触手を突き立てられていった。
黒竜の歩いていった後には、射精を終え、放り捨てられた女達が道の様に続いていた。
140魔法少女マユ 第5話 6/12:2009/10/17(土) 17:44:55 ID:wlDer162
そんな恐慌状態の中でも、何人かは抵抗しようとした者も居た。
僅かに生き残っていた男達が、皆を守ろうと一斉に攻撃も加える。
だが、黒竜の装甲は傷一つすら付かなかった。
そして、立ち向かった男達は、次々と殺されていく。
「ぐああああああっ!」
大木の様な太さの、黒竜の尻尾に男が吹き飛ばされる。
「がはっ!?」
剣を弾かれた男の体に、無数の触手が突き刺さった。
「あ…ぐぁ…うぁぁ……」
少女を守ろうとした少年が、首を締め上げられる。
そして、男達と共に立ち向かった女性は…
「あがあああぁあっ!!」
黒竜に捕らえられ、その一物を突き立てられていた。
片手で女の胴を掴み、抜き差しを繰り返す。
自らに立ち向かってきた女や、魔力の高い女を選んで、黒竜は自らの一物に突き立てているのだ。
『そう騒ぐな、我に立ち向かってきた時の勢いはどうした?』
「ぐぎいいぃぃっ!!ぎああああああああああ!!!」
言葉と共に、一際奥へと突き出され、女は体を大きく震わせた後、動かなくなる。
『死んだか…』
動かなくなった女を放り捨てると、近くに座り込んでいたリィンの方を向く。
「あ、ああぁ…」
リィンは恐怖で動けなかった。
黒竜がゆっくりと近づいてくる。
少女を捕らえようとした黒竜の前に、男が立ちはだかる。
リィン達の所属する部隊の部隊長だ。
「アゼル!リィンを連れて逃げろ!!」
少女に迫っていた触手を切り裂いて、男は叫ぶ。
「は、はい!」
アゼルは少女に駆け寄り、震えている少女を抱きかかえて走り出す。
『…ほう、部下の逃がす為に捨石になるか…力も他の連中よりは有りそうだな』
少しは楽しめそうだ、と黒竜は笑う。
「部下達の仇、討たせてもらう!」
眩い光を放つ、魔力を纏わせた剣を手に、男は吼える。
『よかろう…かかってこい』
「うおおおおおおっ!!」
男は黒竜に向かって駆けた。
141魔法少女マユ 第5話 7/12:2009/10/17(土) 17:45:40 ID:wlDer162
「はぁ、はぁ…」
どれぐらいの距離を走っただろうか…少女を抱きかかえた少年は、息を切らせながらも、森の中を走り続ける。
黒竜は追って来ない…隊長は大丈夫だろうか。
自分達を逃がしてくれた、男の事を考えながらも少年は走った。
走り続けた少年は、やがて森を抜ける。
だが、そこにも絶望的な光景が広がっていた。
森の向こうには赤い光の結界が張られていて、そこから先に進めないようになっていた。
「まさか…あの光が…」
呆然とした様子で少年は呟く。
「あぁぁぁぁっ!!」
「っ!?」
突然聞こえてきた悲鳴に、少年は声のした方を向く。
そこには自分同様、ここまで逃げてきたと思われる、同じ隊の少女が居た。
少女は四つん這いの態勢で青年に頭を掴まれている。
青年は、黒竜と共に居た、黒衣を纏った魔族だった。
捕らえた少女の秘所を、己の肉棒で突き刺している。
「うあぁぁぁぁっ!!だ、だずげ…ひがあああああああぁ!!」
「そんな事言わないでよ、陛下の触手やアレで突かれたら、もっと痛いんだからさ。
 僕に捕まったのを、ラッキーだと思いたまえ」
泣き叫ぶ少女を、青年は笑いながら突き続ける。
「ほら、出すよ」
「い、いやっ!あああああああああああああああああ!!!」
青年が射精を始め、少女は一際大きく叫ぶ。
小さな少女の体に、青年は容赦なく精液を注ぎ込む。
やがて、少女は腹が大きく膨らんだ姿で、気を失う。
「ああ、気絶しちゃったか」
少女からペニスを引き抜き。魔術を行使し、服の汚れを消して、服装を整えると、青年は笑う。
そして、呆然としていた少年の方を振り向く。
「やぁ、いらっしゃい。ここに辿り着けたのは、君達で確か15人目だよ」
青年の言葉に、アゼルは我に返り、周囲を見回す。
そこには彼の言葉通り、仲間達が倒れていた。
女達は皆犯され、男はズタズダに引き裂かれている。
青年は先回りをして、結界まで到達した者達を、狩っていたのだった。
「さて…君には死んで貰い、その子には楽しませてもらうとしよう。
 逃げれないように結界を張ってるんだ。これぐらいのつまみ食いする権利は、僕にも無いとね」
(そうか…コイツが結界の張った主…なら、コイツを倒せば)
青年の言葉に、アゼルは心中で呟く。
「リィン、ここに居て」
「…ア、アゼル…」
恐怖で未だに震えている少女を、離れた場所に下ろす。
「大丈夫、君は僕が守るよ」
安心させるように、頭に手を置いて、少年は微笑む。
青年は、黙ってそのやり取りを見ていた。
アゼルはリィンの元から離れ、剣を抜き放つ。
「お前を倒して、この結界を抜ける…皆を助ける為に!」
「僕を倒す、ね…ふざけるなよ。ガキが」
それまで笑みを浮かべていた青年の表情が一変する。
「僕はね…お前みたいな青臭いガキが大嫌いなんだ。何が『君は僕が守るよ』だ。
 お前を散々いたぶった後、お前の目の前で、そいつを徹底的に犯し殺してやるよ」
青年から放たれる、ドス黒い殺意に気圧されるも、少年は踏みとどまる。
「リィンは…僕が守る!!」
「黙ってろ!ガキが!!」
アゼルの言葉に、青年が声を上げる。
142魔法少女マユ 第5話 8/12:2009/10/17(土) 17:46:47 ID:wlDer162
少年は魔族に挑むも、その力の差は歴然たるものだった。
かたや教練コースを出たばかりの新兵、それに対して青年は、魔族でも指折りの実力者の一人だ。
始める前から勝負は見えていた。
「がはっ!!」
何度目だろうか、少年が衝撃波で吹き飛ばされ、木に叩き付けられる。
倒れこんだ少年の腹を、レドリックが踏みつける。
「ぐあぁっ!!」
「しぶとい奴だね…何度も何度も立ち上がってくる。だが、そろそろ終わりにしよう」
苦しげにもがく少年を見下し、レドリックは吐き捨てる。
「や、やめてぇぇっ!」
我に返った少女が、青年にしがみつく。
「…邪魔しないでくれ」
青年は、少女を鬱陶しそうに見下ろしていたが、一言呟くと。
少女の頭を掴み、木に向けて投げつける。
「うあっ!」
木で背中を強く打ち、リィンは地面に倒れこむ。
「くっ…うぅ…」
青年はアゼルの元から離れて、倒れている彼女の方に歩いていく。
「別に犯すのに支障は無いし、足でも潰しておくかな」
サディスティックな笑みを浮かべる青年。
「リィンに…手を出すなぁっ!!」
起き上がった少年が、剣を構えて叫ぶ。
「…黙ってろ!いい加減死になよ、クソガキが!!」
何度も立ち上がってくる少年に、苛立った青年は腕を無数の触手に変化させる。
触手の先端には刃になっていた。それを一斉に振るう。
「がぁっ!!あ、ああぁ……」
少年は全身を触手に貫かれる。
それだけで飽き足らず、青年は少年を突き刺したまま触手を振るい、少年の体を叩きつけた。
20回以上叩きつけ、ようやく気が治まったのか、動かなくなった少年をリィンの近くに放り捨てる。
「ア、アゼル…」
少女は、ぐったりとしている少年の名を、震えながら口にする。
「ふぅ……ちょっと熱くなり過ぎたか…予定じゃコイツが生きてる間に。
 目の前で君を犯すつもりだったんだけどね…まぁ、いっか。コイツ鬱陶しかったし」
青年は溜息を一つつくと、少女の方に近づいていく。
「リ…リィン…に、にげ…て…」
「ん?まだ息してるのか。ホントしぶといガキだね…ゴキブリみたいだ」
少年がまだ生きている事に、青年は呆れた様な表情を浮かべる。
「まぁ、いいや…当初の予定通り、君の目の前でこの子を犯すとしよう」
気を取り直したように言うと、青年を跨いで歩いていこうとする。
「…リ、リィンに…手を、だす…な…」
通り過ぎようとした青年の足を、少年の手が掴む。
「……ああ、ホントにお前って奴は…」
レドリックが殺意に満ちた視線を少年に向ける。
無言で両腕を、長い爪の有る魔物の腕に変化させて、少年の背中に振るう。
「ぐああああっ!」
両手に生えた、長く鋭い爪が少年の背中を切り裂く。
「があっ!!」
何度も何度も青年は腕を振るい続ける。周囲は少年の血で赤く染まる。
「いやぁぁっ!!アゼル!!止めて!もう止めてぇぇぇっ!!」
目の前で繰り広げられる光景に、少女は絶叫する。
少年が完全に動かなくなるまで、青年は手を止めなかった。
143魔法少女マユ 第5話 8/12:2009/10/17(土) 17:49:03 ID:wlDer162
「…今度こそ、死んだか。まったく…しつこい奴だったね」
少年の頭を踏みつけて、青年は溜息をついた。
「あ、あぁ…」
リィンは呆然とした様子で、フラフラと少年に歩み寄り、その体に縋り付く。
その体は徐々に暖かさを失いつつあった。
「アゼル…アゼルぅ…う、うぅ…」
「さて…一人じゃ寂しいだろうし、君も追いかけなよ」
少年の亡骸に縋り付いて、涙を流す少女を見下ろし、青年はにっこりと微笑む。
「あぅっ…い、いやぁ!!」
『待て、レドリック』
少女の首を掴み、無理やり立たせた時、声が聞こえた。
声の主は上空からゆっくりと青年達の目の前に降下してくる。
「陛下…何でしょうか?」
『その娘は残しておけ、一人くらい、目撃者が欲しい』
「生き残りなら、陛下の犯した女の中にも居るんじゃ…」
『いや…その娘で良い。そこの少年が命を賭して守ろうとしたのだろう?』
その言葉に、青年は顔を顰める。
「見ておられたのですか、陛下」
『ああ、遠見の魔術でな…まったく、惜しい奴を殺しおって。
 あの勇気、そして意思の強さ…賞賛に値する。生きておればいずれ、戦いがいのある男になっただろうに』
「またその様な事を仰られる…まぁ、ご命令とあれば仕方ありません」
青年は溜息をつくと、少女を放す。
「うっ!…げほっ、ごほっ……」
少女は地面に倒れこむ。黒竜がゆっくりと動き、咳き込んでいる少女の前に立つ。
『娘よ…貴様だけは生かしておく、この事態の目撃者としてな…』
呆然とした様子の少女に向かって言葉を続ける。
『仲間達の仇、討ちたければ、私に挑んでくるがいい…憎しみを糧に、力を付けろ。』
「……また陛下の悪い癖が始まった」
黒竜の言葉に、青年はやれやれ、といった様子で呟く。
「…陛下の温情と、君の為に戦ったこの少年に感謝したまえ」
少女の耳元で囁くと、魔術を行使し、少女と少年の亡骸を光に包む。
「ここに置いてちゃ、下魔達が犯しちゃいそうですから、離れた場所に飛ばしますね」
『ああ、それでいい』
主の同意を得た青年は、少女の方を向く。
「じゃあね、お嬢さん。拾った命、大事にするといいよ」
その直後、リィンは光に包まれる。次に目を開けた時には、黒竜と青年の姿は無く、景色も一変していた。
周囲を見回し、そこが作戦の前に駐留していた、基地の近くだという事を認識する。
「アゼル…」
少女は震えながら、腕の中に居る少年を見下ろす。アゼルの体は既に冷たくなっていた。
「あ、あぁ…」
黒竜の恐怖から開放された心を、悲しみが覆っていく。
教練を共にした隊の仲間達、その中には小さい頃からの友人が何人も居た。
自分達を逃がそうと、黒竜に立ち向かった部隊長。
そして、アゼル…自分を守ろうと、戦ってくれた少年。
アゼル、大好きだった兄の様な存在。いつも自分を守ってくれた優しい少年。
彼が死んでしまった。自分なんかを助ける為に…
「う…うあああああああああぁぁぁぁっ!!!!」
少女は天を仰ぎ、泣き叫んだ。涙が枯れ果てるかと、思われる程に、泣き続けた。

(あの後…私は基地の仲間に保護された。あの一件での生存者は、奴らの言葉通り、私一人だけだったらしい…)
泣きつかれて眠ってしまったユーリィをベッドに寝かせ、リィンは立ち上がる。
(私だけがわざと生かされた…事件の目撃者として)
ただ一人残された少女は、復讐を決意する。
(皆の敵を討つ、その為に私は己の力を磨き続け、チャンスが来るのを待った)
そして、訪れたチャンス。地上への応援要員に彼女は志願した。
自分の事を心配する姉まで、志願したのは誤算だったが。
そして、危機に陥っていた少女の救援に向かった先で、あの青年と再会した。
(ここへの応援要員に志願して正解だった。あの男は、黒竜への道標だ…見つけ出す、必ず)
青年も、あの黒竜も必ず倒す。彼女は心中に復讐の炎を燃え上がらせていた。
144魔法少女マユ 第5話 10/12:2009/10/17(土) 17:51:59 ID:wlDer162

「ぅ…うぅん…」
全身に気だるさを感じながら、マユはゆっくりと目を開ける。
「ここは…」
(私の…部屋じゃない…)
辺りを見回していた少女は隣に座っていた女性に気づく。
「…あ、気がついた?」
少女の視線に気づき、女性は声をかける。
「は、はい…あの、貴方は…」
「私は、シャーナって言うの。エルメリアから貴方のサポートをする為に派遣されてきた者よ」
「そうなんですか…あ、私は秋月真由って言います」
「ユーリィから聞いているわ。マユちゃん、よろしくね」
「はい、こちらこそ」
女性の言葉に、少女はユーリィの事を思い出す。
「そうだ!ユーリィは……あ…」
そして、自分が何をされたかも思い出した。
ユーリィを操り、自分を捕らえた魔族の青年による陵辱。
「ぁ…ああ…」
その恐怖が体を震わせる。
「ごめんなさい…私達がもっと早く着いていれば…」
シャーナは申し訳なさそうに俯く。
「戦うって決めた時に…覚悟は…してたんですけど…やっぱり…」
震えながら、布団の端を握り締める少女。
「それは当たり前の事よ…誰だって、あんな目に遭えば…」
少女の背中に手を回して、シャーナは少女を胸に抱き寄せる。
「う、うぅ…」
シャーナの胸で少女は嗚咽を洩らし始めた。
泣き出した少女の頭を撫ぜながら、シャーナは少女が泣き止むまで、ずっと抱きしめていた。
145魔法少女マユ 第5話 11/12:2009/10/17(土) 17:52:51 ID:wlDer162
「落ち着いた?」
「はい…ありがとうございます」
「そう、良かったわ」
泣き止んだ少女にシャーナは微笑む。
「あ、気がついたんだ」
ドアが開き、入ってきた少女はマユの方を見て言った。
「あ、リィン」
シャーナは少女の方を振り向く。
「マユちゃん、紹介するわ。私の妹のリィンよ」
「リィンです。よろしくね」
シャーナに紹介され、少女はお辞儀をする。
「こちらこそ、よろしく」
マユもお辞儀を返す。
「…ホラ、出ておいで」
リィンが後ろの方を向いて誰かに話しかける。
「…?」
マユが首を傾げていると、リィンの後ろから恐る恐るユーリィが顔を出す。
「マ、マユちゃん…あの…私」
「ユーリィ…」
消え入りそうな声で喋る妖精に、マユは安心させるように微笑む。
「ユーリィは悪くないよ。悪いのはアイツだよ」
「でも…でも…」
俯いているユーリィをマユは抱き寄せる。
「あ…」
「私はもう大丈夫だよ。だから安心して」
優しく抱きしめながら、マユは言葉を続ける。
「元気を出して、ユーリィ。私はユーリィのそんな悲しそうな顔を見たくないよ」
「マユちゃん…ゴメンね…ゴメンね」
「違うよ、ユーリィ。こういう時は、ありがとうって言うんだよ」
少女の言葉に、ようやくユーリィも笑顔を見せる。
「うん…ありがとう、マユちゃん」
ユーリィの言葉にマユは笑顔で応えた。
146魔法少女マユ 第5話 12/12:2009/10/17(土) 17:53:42 ID:wlDer162
その後、マユとユーリィは一度隣の自分達の家に戻る。
朝になって、マユが居ない事に気づいたら面倒な事になるからだ。
「後でお家にご挨拶に行くわね」
シャーナはそう言って、二人を送り出した。
朝になって、シャーナはリィンと共にマユの家に挨拶に来た。
談笑している間に、マユの母親とシャーナは意気投合したらしい。
二人で話に花を咲かせている。
退屈になったマユは、リィンを自分の部屋に案内する。
「…マユちゃん、あの男とは何度か遭遇した事はあるの?」
「え、あの魔族の事?」
部屋に入ったリィンから尋ねられた質問に、マユは怪訝そうな顔をする。
「アイツとは、初対面だよ。これまではラディウスって男の子が造魔を連れてきてたの」
「ドクター・ラディウス…魔王ヴァルアスの腹心の一人と言われる、魔族の技術者ね」
「ああ、やっぱアイツ偉い奴なんだ…とてもそうには見えないけど」
少年の事を思い出して、少女は溜息をつく。
「あのレドリックって魔族はエルメリアから呼び戻されたって言ってた…魔法少女狩りの為にって」
「魔法少女…狩り」
「うん…私も、二人が助けてくれなかったら危なかったよ。ありがとね」
にっこりと笑うマユに、リィンは気恥ずかしそうに顔を少し赤らめる。
「面と向かってそう言われると、ちょっと恥ずかしいね…」
「ところで…リィンはアイツの事知ってるの?」
「ん…それは…」
マユの問いに、少女は言葉を詰まらせる。
「アイツは、ラディウス同様、王の腹心の一人。これまでも、あちこちの戦線に介入したり
 こっちで何人も、魔法少女を捕らえている男なの」
「そんな大物なんだ…アイツ」
ユーリィが驚いた様子だった。
「そうなんだ…要注意だね」
リィンの言葉に、マユは表情を厳しくする。
「あ…今晩からしばらくは私とお姉ちゃんで、見回りをするから」
「え…何で?」
「マユちゃんはしばらく休んでて良いよ。ここの所連戦だったでしょ?」
「んー…それはそうなんだけど…」
釈然としないような顔をしながらも、少女は頷く。
「それじゃあ…お言葉に甘えてしばらく休ませて貰おっか、ユーリィ」
「そうだね、マユちゃん寝不足だしね」
「あぅ…おまけにテストも近いんだった…」
マユ達のやり取りを眺めながらリィンは、これでいい、と心中で呟く。
(あの魔族を誘い出して、倒す。そして…奴の居場所を吐かせるんだ)
自分の復讐に、この子達を巻き込む気は無い。
「…?」
思いつめた様な表情のリィンにマユは首を傾げる。
147魔法少女マユ 第5話 13/13:2009/10/17(土) 17:55:03 ID:wlDer162
「このお馬鹿ーーーーーー!!」
研究室に入ってきた青年の頭に、ハリセンが振り下ろされる。
「なっ、何するんだい。ラディウス!?」
少年は頭を押さえて、叩いてきた主の方を見る。
「何が、『何するんだい』だ!お前、あの子はどうした!?」
「ああ、邪魔が入って、興がそれちゃったから、途中で帰ってきちゃった」
「ふざけんなーーーー!!」
笑顔で答える青年の頭をまたハリセンで叩く。
「俺はあのお嬢ちゃん使って、どんな造魔作ろうかとワクワクしてたのに…」
「…悪かったよ、次はその邪魔してきた二人の魔法使いも、捕まえてくるからさ…造魔用意してよ」
わなわなと体を震わせる少年に、にっこりと微笑む青年。
「ああ、助手達に指示してある。好きな種類作って貰えよ…俺は忙しいんだ」
一つ溜息をつくと、少年はデスクに座り、資料を広げながら青年に言った。
「また何か研究かい?」
少年が広げている資料に目をやり…さっぱり分からなかったので、見るのを止める青年。
「ああ、まだ基礎実験の段階だがな…上手くいけば。
 こっちでエルメリアの妨害を受ける事が無くなり、やりたい放題になる」
「ほほぅ、それは興味深いね…どんなものなんだい?」
「基礎実験を成功させて、次の段階に移行できるまでは内緒だ」
「そりゃ、残念」
少年の言葉に、青年は手を広げて、おどけて見せる。
「ま、その他にも陛下の指示で、造魔製造システムの見直しもやってて、忙しいんだよ。
 現状のままじゃ、普通の人間はおろか、魔法少女でも数回で使い潰す状態だからな…
 なんとか効率を良くして、もっと長持ちさせつつ、強力な造魔を作るシステムを構築しなきゃダメだ」
「確かに…無駄は多いって話だったね…」
「システムの見直しも大事な事だとは思うんだがなぁ…俺としてはさっき言った実験の方がやりたい。
 ま、初期段階を成功させて、詳細なデータとプランを提出して、陛下に優先許可を頂くしかないな」
目が回りそうだぜ、と少年は溜息をつく。
「ま、頑張りたまえ。僕はその間に魔法少女を狩るとするよ」
「おう、とっとと狩りまくれ。あのマユって子捕まえてきたら、新しい研究の事も教えてやるよ」
「はいはい、ご期待に沿えるようにするよ」
青年は立ち上がり、研究室を出て行った。
(あの少女がこの世界に来たか…陛下が聞いたらお喜びになるだろうけど)
廊下を歩きながら、青年は妨害をしてきた少女の事を思い出す。
王の戯れにより、あの時の惨劇からただ一人生き延びた少女、ここに来たという事は恐らく仇を討ちに来たのだろう。
(まずは…僕が実力を測らせてもらおうか)
青年は楽しそうに笑みを浮かべた。
148マユ作者:2009/10/17(土) 17:57:54 ID:wlDer162
陛下の辞書に愛撫という文字は無い(マテ)
と、言うわけで今回は陛下無双の虐殺回になりました…
レドリックに殺されたアゼル君はリィンとどっちを出そうか迷ってたキャラです。
ストーリーの展開も2パターン考えていたので、随分迷いました…
そして、色々ミスってしまった8/12が二つあったり。
入りきらなくて分割したから数が増えたり…orz
ちゃんと配分考えないとな…それでわまた次回に。
149名無しさん@ピンキー:2009/10/17(土) 18:04:33 ID:mtuiSXir
>>141
GJ
やっぱり触手は最強だなw
次回は姉妹丼かな、期待。
150名無しさん@ピンキー:2009/10/17(土) 22:37:35 ID:aPL4OkTC
陛下…男前すぐるwww
151名無しさん@ピンキー:2009/10/17(土) 22:43:22 ID:uBEyeSvD
乙です!
陛下はあれか、意志とか力の強い奴が大好きな方なのかな?
152名無しさん@ピンキー:2009/10/18(日) 10:52:51 ID:WPQkMmKg
大好きといっても、あくまで強くなってもう一度戦う(殺す)ために見逃してるみたいだから
サイヤ人みたいなもんかも知れん
153名無しさん@ピンキー:2009/10/18(日) 11:42:40 ID:W5Os/3RW
キャッチ&リリースですね。
154名無しさん@ピンキー:2009/10/18(日) 21:07:36 ID:ovLfZtxP
鉄壁の装甲に無数の砲台(触手)とかまるで歩く要塞だな陛下w
果たして魔法少女達は勝てるのか…
155名無しさん@ピンキー:2009/10/18(日) 22:10:21 ID:xgPnmEgq
竜王とどっちが強んだろうかw
156名無しさん@ピンキー:2009/10/18(日) 22:41:55 ID:phb+2V3P
>>155
二大怪獣対決かwww
辺り一面瓦礫の山になりそうだw
157名無しさん@ピンキー:2009/10/18(日) 23:59:51 ID:lFAU9TCX
俺もいつか投下したいお
鬼畜プレイ大丈夫?
158名無しさん@ピンキー:2009/10/19(月) 00:03:15 ID:WPQkMmKg
>鬼畜プレイ大丈夫?
君はこのスレで、何を見てきたw
159名無しさん@ピンキー:2009/10/19(月) 00:16:00 ID:RTl9mAsT
鬼畜だらけだぜwww
160名無しさん@ピンキー:2009/10/19(月) 00:24:39 ID:b6qk5bA3
そっかー、もうみんな愛たっぷりのワカンを求めてるかと心配になったお

ちょっとがんばってみるお
161名無しさん@ピンキー:2009/10/19(月) 08:42:35 ID:wMqGgUsZ
こいつどっかと勘違いしてんじゃね?
162名無しさん@ピンキー:2009/10/19(月) 09:47:24 ID:b6qk5bA3
だ、だって、スレタイに和姦も、って書いてあるから
ひどいお・・・
163名無しさん@ピンキー:2009/10/19(月) 09:51:47 ID:geRsbNPb
わかんねえかなぁ
164名無しさん@ピンキー:2009/10/19(月) 16:25:31 ID:OjXDrqLe
ニャル様、竜王、閣下が戦うともう何も残らない気がする
165名無しさん@ピンキー:2009/10/19(月) 18:42:27 ID:WDO/lM5C
代償をはらって強大な力を得る系の妄想してたら、魔力=生命力な設定で、
最強技をぶっ放すと生命維持に必須な一部を除いたほとんどの身体機能が一時的に止まってしまい、
失神した上に全身の筋肉が麻痺して大小垂れ流しになる魔法少女なる実に嫌なものを思いついてしまった。
166名無しさん@ピンキー:2009/10/19(月) 19:13:29 ID:5m/wJkQb
>>164
周囲への被害が、凄まじい事になりそうなので
ここは平和的(?)に、制限時間内にどれだけ魔法少女を犯せれるかで
競うのはどうだろうか
167名無しさん@ピンキー:2009/10/19(月) 19:52:13 ID:ut5YgHzo
竜王「よかろう、私の負けだ」
168名無しさん@ピンキー:2009/10/19(月) 20:13:21 ID:e92GDofi
「じゃあ制限時間は一年で魔法少女を一番多く犯した者が次期魔王な」
169名無しさん@ピンキー:2009/10/19(月) 21:45:31 ID:2J/ly8tr
>>166
>>168
魔法少女が勝つという選択肢は無いのか!


無いなw
170名無しさん@ピンキー:2009/10/20(火) 13:33:33 ID:sowwLuLs
>>169
どいつもこいつも魔法少女が束になっても勝てそうに無いなw
171杏の人:2009/10/20(火) 18:11:14 ID:yEInNV4x
どうも、杏の人です。
今回は魔法少女涙 第5話 共通4レス 通常END3レス BADEND5レスを投下させて頂きます。
陵辱シーンはBADEND1レス〜5レスです。
今回は注意点として、
・前半に少し快楽系、後はほとんど苦痛系
・輪姦
・最後、残酷な描写あり
・DEAD END
といったものがあります。ご注意ください。
172魔法少女の涙 第5話 登場人物紹介:2009/10/20(火) 18:11:58 ID:yEInNV4x
・リム(鈴木リム)
12歳 金髪のロングヘアー 身長145cm
称号:涙
コスチューム:ブルーを基調にしたスカートとジャケットにブーツ、グローブ 全体的にフリフリがついていて、子供っぽい
武器:エレメント(さまざまな形に変形可能な攻撃媒体)
魔物を倒すために日本に派遣されてきた魔法少女。
小さいころに両親を亡くして、孤児院育ち。
シーナと共に中学校に通い、美術部に所属。
先日、魔物に犯されているところを動画に撮られ、ネットに撒かれてしまう。
隆志のことが気になっている。

・シーナ(鈴木シーナ)
13歳 青髪で肩までのセミロングヘアー 慎重143cm
称号:烈火
コスチューム:地味なグレーのワンピース型ローブ
武器:背丈ほどの長さの杖
リムと共に日本に派遣されてきた魔法少女
仁のことが気になっている。

・高崎命
12歳 黒髪のショートヘアー 身長150cm
コスチューム:全身黒の、へそが出ているピッチリとした上着にスカート、スパッツ
リムとシーナの同級生で友達。大人しく、自己主張が弱い性格。
魔物に襲われた際、リムの魔力を受け取って魔法少女になる。
和博と少しいい感じ?

・セリナ
17歳 緑髪でウェーブのかかったセミロングヘアー 身長157cm
リムとシーナの上司であり、サポート役。

・杉浦隆志(すぎうら たかし)
12歳 黒髪で短髪 身長173cm
リム達と同じ班の男子で、剣道部所属。
少し内気だが、優しい少年。リムのことが好き。

・瀬尾和博(せお かずひろ)
12歳 少し茶髪の長髪 身長160cm
リム達と同じ班の男子で、サッカー部所属。
下ネタを好む、少しチャラチャラした少年。命のことが好き。

・高砂仁(たかさご じん)
12歳 黒髪のスポーツ刈り 身長163cm
リム達と同じ班の男子で、野球部所属。
古臭い、硬派なスポーツ少年。シーナのことが好き。

・高田夕実(たかだ ゆみ)
12歳 茶色がかった黒髪のサイドテール 身長158cm
命と同じ班の女子で、リム達とも仲がいい。美術部幽霊部員。
ノリのいい性格で、恋愛ごとなどに興味津々。情報通。

・千葉良子(ちば りょうこ)
12歳 黒髪セミロング 身長165cm
命と同じ班の女子で、リム達の友人。美術部幽霊部員。
のんびりして穏やかな割に、言葉に刺がある。夕実とは幼馴染。
173魔法少女の涙 第5話共通 1/4:2009/10/20(火) 18:12:28 ID:yEInNV4x
夜も更けた頃、リムはシーナを起こさないよう、そっとベッドを抜け出した。
静かにドアを開けて廊下に出ると、見慣れない暗闇が広がる。こんな時間に電気もつけないで歩いたことなどなかった。
物にぶつかったりしないように、そろそろとリビングまで歩いていく。
「セリナさん……」
小さく呟くと、すぐさまテレビにセリナの顔が映し出された。
「どうしたの、リムちゃん?」
いつもと変わらず優しい顔で微笑んでくれるセリナを見て、リムの心は穏やかになっていく。
(でも……)
セリナはいつ呼んでもすぐに答えてくれる。一体いつ眠っているのか、少し心配にもなった。
だが、今はそれよりもやるべきことがある。
「眠れない?」
「……うん」
先にセリナに切り出されてしまった。
「リム、恋ってよく分からなくて……。ずっと悩んでるの。多分、シーちゃんもそう。夜は眠れるみたいだけど」
「そう……。眠れないほど悩んでるってことは、決まった相手がいるのね?」
「うん」
隆志だ。夕実に指摘されてから、彼の顔ばかりが頭に浮かぶ。
最初は、意外と彼の顔を上手く思い浮かべられないことに気がついた。正面からよく顔を眺めることなんてなかった。
その次に、暇があれば隆志を見つめている自分に気がついた。今なら、はっきりと顔を思い浮かべることができる。
リムは自分でも気がついていた。これが恋と呼んでもいい感情なのだということに。
しかし、それをうまく受け入れることが出来ない。それには理由があった。
「リム、魔物のせいで恋をするのが怖いのかもしれない」
恋も知らないままに魔物に犯され、そこで初めてセックスというものを知った。
そしてその後で、それが恋愛の先にあるものなのだと教わった。
順序が違うのだ。恋が行き着く先のセックスではなく、セックスを前提とした恋を学習してしまった。
「これが恋なの?でもリムは、隆志くんとあんなことがしたいんじゃないの!魔物にされてるようなことをされたいんじゃないの!!」
「それでいいのよ」
抑えきれず大声になってしまったリムに、セリナは静かに語りかける。
「みんな、初めからセックスをしたいと思って相手を好きになるわけじゃないわ。そういう人もいるけれどね」
「……そうなの?」
「そう。きっと初めにあるのは、その人と一緒にいたいっていう気持ち」
リムは胸に手を当てる。
「一緒にいたい……」
この感情はそこから来ているんだろうか。一緒にいたい。隆志と、一緒にいたい。
「リムちゃん。悩むのは悪いことじゃないわ。今はどんどん悩みなさい。もし辛くなったら、いつでも話し相手にはなるから」
「……うん。ありがとう、セリナさん」
リムにもう一度微笑んで、セリナは姿を消した。テレビの明かりが消えて、リビングは再び闇に包まれる。
「悩みなさい、かぁ……」
この途方もない悩みから得るものがあるのだろうか。何かを掴めるのだろうか。
もやもやとした感情を抱えたまま、リムは静かにベッドに戻る。今夜もあまり眠れそうになかった。
174魔法少女の涙 第5話共通 2/4:2009/10/20(火) 18:12:50 ID:yEInNV4x
「グゲエエエエエエエエエッ!!!」
断末魔の絶叫を上げて、魔物の姿が霞んでゆく。命の拳によって吹き飛ばされたのだ。
「すごいね、ミコちゃん。急成長!」
「確かにね……」
2人に褒められ、えへへ、と命は照れた笑みをこぼす。
7月に入ろうという頃だ。命は魔物との戦闘にも慣れてきていた。足手まといになることもなく、むしろ充分な戦力として活躍している。
「きっと、リムちゃんの魔力が凄かったんだよ」
命の言葉はの謙遜でも、お世辞でもない。確かにその可能性が高いとシーナも思っていた。
命の能力の高さは、元一般人の魔法使いとしては飛びぬけている。その要因は、魔力の供給源であるリムにあるのだろう。
「でも、意外だね。ミコちゃんが接近戦タイプだなんて」
「しかも素手で殴り合うタイプとはね……」
「うぅ……自分でも意外だったよぉ」
そう。命の戦闘スタイルは近接戦闘。しかもリムやシーナのように武器を持たず、その身体を武器とする武闘派だ。
属性は風で、称号はつむじ風。先日、一時的にリゾルートを訪問して洗礼を受けてきた。
「普段は大人しいからね。抑圧された活発さが戦闘スタイルに出たんじゃない?」
「そうなのかな……?」
命は首をかしげる。
なんにしても、2人にとって命が力強い味方となったのに変わりはない。

「ふ〜、おつかれさま」
3人はリム達の家に一旦帰って変身を解く。最近は命も家にきて一緒に過ごすことが増えていた。
「あ〜……」
リムがリビングの床に置かれたままの鞄を見てため息を吐く。
「リムちゃん、試験勉強は……」
「いわないでっ!」
命の言葉を遮って、リムはソファーの上で頭を抱えてうずくまった。
「目をそらしても、結果は変わらないわよ」
シーナは意地悪に顔をニヤつかせている。
「うぅ……」
明後日から、リム達にとっては初めての期末テストが始まるのだ。
「なんでリムちゃん、計算とかだけ苦手なんだろうね?」
「違うわよ、命。リムは暗記だけが得意なの。ね〜?」
「くそぅ……」
シーナの嫌みな笑いが妙に鼻につく。
リムとシーナには魔法で中学程度の知識程度は刷り込まれている。だから暗記問題に関しては完璧なのだ。
しかし、計算や読解といった問題に関しては実力が現れる。知識はあっても、それを活用できなければ意味がない。
「普段から真面目に勉強してないのが悪いのよ」
「してるもん!分かんないだけだもん!」
「リムちゃん、それ大声で言っちゃダメだよ……」
命も呆れた様子を見せている。
リムにとって、思いがけない壁としてテストが立ちはだかっていた。
175魔法少女の涙 第5話共通 3/4:2009/10/20(火) 18:13:15 ID:yEInNV4x
(なんでこうなるんだろう……)
リムは心の中でひとりごちた。
机を2つくっ付けて隣に座る隆志の存在を意識するだけで、顔が赤くなるのを感じる。
「それでここが……。リムさん、聞いてる?」
「う、うんっ!聞いてるよ!?」
リムは飛び上るようにして答えた。ぼんやりとしていたのがバレバレだ。
(うぅ〜、こんなんじゃ集中できないよ〜)
試験を翌日に控えた放課後、リムは隆志に勉強を教えてもらっていた。
当然の如く、これは夕実の発案である。リムと隆志だけでなく、他の面子も同じ教室内にいる。
命は和博に勉強を教え、シーナは仁と確認のための問題を出し合っている。
発案者の夕実はと言えば、かなりスパルタ気味に良子から教えられていた。
日も長くなってきて、放課後とはいえかなり明るい。西日が差しこむ教室は、暑さも相当に増してきている。
そんな中、薄い夏服の中を流れる汗すら全て知覚できそうなほど、リムは緊張で神経が尖っていた。
(隆志くんがこんなに近くに……)
リムは野外活動以来、隆志のことはいつも見ていながらも、距離は保つようにしてきた。
そうしないと、今のように緊張で頭が混乱してしまうのが分かっていたのだ。
(でも、すごいかも……)
集中できなくても、隆志の教え方が上手いのは伝わってくる。
ちょっとした質問だけで、リムが何を理解していて理解していないかを的確に掴む。
丁寧な教え方はリムのペースに合わせてくれていて、とてもわかりやすい。
(うー、だめだめっ!もっと集中しないと!)
せっかく隆志が自分のために教えてくれているのに。リムはポカポカと自分の頭を叩いた。
少しハッキリした頭で隆志の握るシャープペンの動きを追う。
スラスラと数式を書くその切っ先は滑らかで、まるでスケートリンクを滑っているようだ。
リムには隆志の一挙手一投足、それどころか触れるもの全て美しいものだらけに見えていた。
隆志は完璧だ。リムの目にはそう映っている。一方で、本当にそうなんだろうかと思う冷静な自分もいた。
隆志にも欠点はきっとある。ただ、今の自分にはそれすらも全て美しく捉えられているのだ。
恋は盲目という言葉が、魔法で植えつけられた知識の中から浮かんでくる。
恋とは目を曇らせ、世界の有り様すらも変えてしまう病なのかもしれないと、リムは思う。
でもそれだとしたら、なんて素敵な病なんだろう。同時にそう思った。
本来なら美しくないものすら美しく見せてしまう。自分が使う魔法よりも、もっと素晴らしい魔法に思えた。
リムはまた逸れてしまっていた思考を勉強に切り替え、しばらくの間、隆志の発する美しい声に耳を傾けた。
176魔法少女の涙 第5話共通 4/4:2009/10/20(火) 18:13:39 ID:yEInNV4x
「もうっ、なんでこんな日にまでっ!!」
帰宅した直後、リムはボヤキながら変身する。
シーナと、一緒に家で勉強するつもりだった命もコスチュームを身に纏った。
初めての試験の前日にまで現れる魔物に、リムは苛立ちを隠せないでいる。
「落ち着きなさい、リム。ちゃんと集中しないと、魔物に足元を掬われるわよ」
「そうだよ、リムちゃん」
2人になだめられて、リムの気持ちは逆撫でされる。
「も〜、勉強で集中力なんて使いきっちゃったよ!!」
そう言ってリムはワープした。2人も急いで後を追う。

「な、なにこれ……」
「ひどい……」
3人は言葉を失ってしまう。
これまで、魔物の襲撃は大きな被害を出していなかった。
魔物の目的は人を襲うことであって、人を殺すことではない。だから、極端な破壊は必要ではないのだ。
それなのに、リム達の目の前に広がっていたのは、ついさっきまで街であったはずの廃墟だった。
ビルは崩れ、地面はひび割れて隆起し、沢山の人が死体となって周囲に転がっている。
流れ出た血液や臓腑が夕日に照らされて禍々しい色を放ち、異臭が立ち込めた。
その中において、ある一帯だけ、台風の目のように被害を免れている場所があった。
そこには男が10数名倒れていて、その中心にライムの姿がある。1人の男の首を掴んで持ち上げていた。
「ライムっ!!!」
リムはその場に駆けつけ、ライムに向かって叫んだ。
「おお、やっと来たか。遅いから、こいつから殺してやろうと思ってたところだ」
ライムは余裕の表情でリムの眼差しを受け、掴んでいた男を投げ捨てた。
「うぅっ……」
リムは足元で呻く男にちらりと目を遣り、考える。
この男達をこの場から逃がすべきか、それとも、ライムに突撃して戦いの場を移すべきか。
もう街は見る影もないほどに破壊されている。
ここで戦っても被害の拡大はないし、男達をこの血と死臭に塗れた地に残していくのも気が引けた。
しかし数が多い。全員を安全な場所に移すのには少し手間がかかるし、その間にライムが彼らに手をかけるかもしれない。
同時に、リムは違和感を覚えていた。何かがおかしい。ここで誤った選択をすれば、負けてしまうかもしれないという予感があった
気がつけば、シーナと命がリムのすぐそばに来ている。2人とも、リムの決断を待っているのだろう。
少し悩んだ末、リムは行動した。
177魔法少女の涙 第5話通常END 1/3:2009/10/20(火) 18:14:09 ID:yEInNV4x
「たっ!!」
リムは前傾姿勢でライムに突進した。球形のままのエレメントを手に、その右手を振りかぶる。
振り下ろされた右手を、ライムは左腕で受ける。エレメントが水滴のように弾け、細かい粒子になって2人を包んだ。
それは急速に収束して、2人を包んだまま小さな点になり、そして消えた。
リムは戦いの場を移すことを選んだ。何よりも、男達の存在に違和感を覚えたからだ。
不確定な要素に手を出すべきではない。そう考えた結果、彼らには酷かもしれないが、あの場に残していくことにした。
2人は海岸に姿を現す。近隣に家屋もない、寂れた海辺だ。切り立った崖に、穏やかな波が打ちつけている。
「なんだ、一般市民を置き去りにするなんて薄情なやつだな」
ライムの薄笑いに、リムはあれは罠だったのだと確信する。あの選択は間違っていなかった。
すぐにシーナと命もワープで追ってきた。3人並んでライムと対峙する。
3対1。圧倒的に不利な状況でも、ライムの不敵な笑みは崩れなかった。
すでにライムは何度もリムやシーナの魔力を吸収している。その力は間違いなく強大なものになっているはずだ。
「ここで決着をつけよう」
リムはまっすぐにライムを見つめて言う。
「いいだろう。もう逃げも隠れもしねぇよ。ここで、お前ら全員倒して喰い尽してやるさ」
ライムは空に浮かび、両手を天にかざす。すると上空に幾つもの火の球と水の球が姿を現した。
「行け」
両手を振り下ろすと、それらはリム達に向けて一斉に突進してきた。
「くっ!!」
速い。弾丸のような速度で駆け抜ける無数の球を、3人はすんでのところで避ける。コスチュームがところどころ焼け焦げ、千切れていた。
「リム、命、避けてたらキリがない!とにかくあいつを倒して!!!」
シーナが叫ぶ。魔力の塊はリム達の背後でUターンして、また迫ってきていた。
避けていても体力を消耗するだけだ。リムと命に強力な魔力のバリアを張る。
水のバリアだけでも、炎のバリアだけでも防ぎきれない。その両方を兼ね備えたバリアを作り上げなくては。
水の魔法はシーナの苦手な分野だ。神経を極限まで研ぎ澄ます。バリアのみに意識を集中しなければならない。
「たあああっ!!!」
飛び交う火と水の球の中を、命は一直線に突っ切り、ライムにその拳を叩きつけた。
風が巻き起こる。2人を中心に竜巻のように風が舞い、かまいたちがライムの身体を切り刻む。
「グ……」
命を生まれたての魔法少女と侮っていたライムは、予想外の強力さに顔をしかめた。
ライムの余裕が消える。本気で戦わなければ、彼女らには勝てない。命の腹部めがけて膝を叩きこんだ。
「がふっ!!」
命の身体が折れ、苦悶に表情が歪んだ。
すかさずライムは次の一撃を繰り出す。大きな拳が命の顔面に迫る。
だが、命は両手をライムの腕に当ててかわし、腕を支柱にしてグルリと体を横に回転させて蹴りを放った。
「ガッ……!」
首元にめり込んだ足がライムの体勢を崩す。追撃をかけるように、命の両足がライムの顔面を踏みつけた。
ライムの顔を踏み台にして横に飛んだ命は、距離をとった状態から空を蹴り、また一気に距離を詰める。
「でやあああああああっ!!!」
追い風を味方につけて急スピードでライムに迫った。命の拳とライムの拳がぶつかり、衝撃波が周囲を伝う。
「とりゃあっ!!!」
そこに、上空からリムが蹴りを放った。ライムはそれを片腕で受け、リムの身体を弾き飛ばす。
命がリムの傍に駆け寄り、2人同時にライムへと肉弾戦を挑む。
3人の身体がぶつかりあい、鈍い音をたてた。水と風と火と、3つの属性の魔力が3人の周囲を取り囲んでいる。
(リム、命……早くっ……!)
ライムは2人を相手にしながらも、魔力の球を絶えず生成し、飛び回らせていた。
それを防ぐためのバリアを張り続けるシーナは激しく疲弊している。長くは持たない。
178魔法少女の涙 第5話通常END 2/3:2009/10/20(火) 18:14:33 ID:yEInNV4x
「あうっ!!!」
リムがライムの拳を受け、吹き飛ばされる。2対1でも、リム達はライムに押し負けていた。
リムは距離を取って魔法で命の援護に回るが、繰り出す水の魔法もライムは何事もないように避け続ける。
海が荒れている。空は晴れているのに、まるで嵐のときのように猛り、荒ぶっていた。
「あっ……あぐぅっ!!!」
命は背後から衝撃を受けた。火の玉だ。シーナの水のバリアが強度を失い、防ぎきれなくなってきている。
一瞬生まれた隙を逃さず、ライムは命の後頭部に組み合わせた両手を振り下ろした。
「げほっっ!!あ……がっ!」
切り立った岩肌に叩きつけられて、命は苦しげに呻く。
「ミコちゃんっ!!!」
リムは命に駆け寄って、その体を支えた。
「くそっ!!」
バリアで抑えきれなくなった攻撃を、1つ1つ叩き落とす。
だが、それも次第に追いつかなくなっていく。
「がっ!!あぅ、ぐっ、うあああっ!!!!」
四方八方から攻撃を受け、リムの体はまるでダンスを踊るように舞った。その度に血が飛び散る。
「やああっ!!!がはっ!!!」
「げふっ!!!うぐっ、ぎっ、があああああっ!!!!」
シーナと命も全身を叩きつけられる。嵐のように吹き荒れる火と水の球が止んだ頃には、3人とも地面に倒れ、ぴくりとも動かない。
「へ、結局この程度だったか」
ライムは地に降り立つ。
リム達を見る目は食卓に並ぶ御馳走を見るようだ。大きく舌舐めずりする。
リムはうつ伏せになっていた体を転がし、空を仰ぐ。それだけで全身が軋むのが分かった。
「らい、む……」
「なんだ?負け惜しみでも言うつもりか?」
リムの消え入りそうな声を、ライムは一笑に付す。
だが、リムの顔には笑みが浮かんでいた。それは諦めた人間の自棄になった笑顔ではない。
「リムたちの、かちだよ……」
そう呟いた瞬間、荒れ狂った波が意志をもったように押し寄せた。
「な……」
ライムは避けられない。広範囲にわたる波を避けられる場所などないし、ワープする暇もない。
「タイダルウェーブ!!!!!」
ライムを押し流した津波は、ライムを中心にしてどんどん水圧を上げていく。
莫大な質量に耐えきれず、ライムの身体は押しつぶされ、そのまま塵と消えた。
打ち寄せた波が引くと、水のバリアに包まれた3人の姿だけが残っている。
リムは命に加勢するまでの間に、海水を操っていたのだ。
ただ、魔法として完成させるためには時間がかかる。そのための時間稼ぎができればよかった。
「かっ……た……」
脱力して変身が解けたリムは、四肢を投げ出して呟く。達成感がリムの胸の奥から津波のように押し寄せた。
今まで何度もリム達を苦しめた相手を、ついに倒したのだ。
これまでで最も大きな壁を乗り越え、リムは確かな成長を実感していた。
179魔法少女の涙 第5話通常END 3/3:2009/10/20(火) 18:14:58 ID:yEInNV4x
「やった〜〜〜!!!!」
リムは歓喜の声を上げて隆志に抱きついた。
隆志が固まっているのを感じて、我に返ったリムはサッと飛び退く。顔が燃え上がるように熱い。
ライムを倒して憂いが1つ減ったリムは、晴れやかな気分で試験に臨んだ。
その結果、全教科平均点以上という目標を達成することができたのだ。
「大袈裟ね……」
シーナは苦笑しているが、頬の緩みを隠せない。
「まぁ、しぃちゃんは凄いもんね、学年1位なんて」
命がため息を吐く。そういう命も学年5位にまで食い込んでいた。
「あたしはズルしたようなもんだからね」
魔法で知識を植え付けられているという引け目もあり、わざと成績を落とそうともしたのだが、命に激しく反対されていた。
「カンニングとかじゃないんだから、いいと思うよ」
シーナが思うに、命はシーナと正々堂々と勝負がしたかったのだ。手を抜いたシーナに勝つのがどうしても許せなかったに違いない。
和博は頭を抱えている。命に教えてもらったものの、リム同様に集中できなくて点が伸びなかったのだろう。
隆志は10位以内につけていて、リムがその成績表を食い入るように見つめている。
仁はその少し下の辺りで、本人は可も不可もなくといった感じで微妙な顔をしている。
夕実は落ち込んだ様子で、良子がいつもと変わらない調子で吐く毒に追撃を受けていた。
リム達は束の間の幸せを噛みしめる。大きな壁を見事打ち破り、この先にそびえる次なる困難も乗り越えられると信じて疑わない。
夏の暑さのせいか、熱に浮かされたような心地でそれからの日々を過ごした。
この幸せな毎日はいつまでも終わりが来ないのだとすら思える。
やがて、リム達の初めての1学期が終わりを迎えた。

/ 第5話 END
180魔法少女の涙 第5話BADEND 1/5:2009/10/20(火) 18:15:31 ID:yEInNV4x
リムは縋るような男を放っておけなかった。
伸ばされた手を掴み、すぐに安全な場所へワープさせようとする。
同時に、倒れていた他の男がシーナと命に手を伸ばした。
「えっ……?」
突然、3人とも変身が解けてしまう。急な脱力に膝が折れ、座り込んでしまった。
ライムも、周囲の男達も、ニヤニヤとリム達を眺めている。
罠だ。そう気付いたときにはもう手遅れだった。
これだけ激しく周囲が破壊された中で、男達だけが無事でいることがおかしかったのだ。
男達はライムの手のものだったのだと今さら思い至る。
男達の身体に、魔封じの方陣が描かれているに違いなかった。だから、触れられただけで変身が解けてしまったのだ。
「本当に馬鹿だな、お前らは。こいつらは、お前らを犯したいんだってよ。そのために集まってきたんだ」
しばらく、その意味が掴めなかった。ライムに操られているわけではない?
自らの意思でリム達を罠にはめたのだということを理解したくなかった。
「お前が俺に犯されてよがってる動画だ。あれには連絡先がつけてあってな。
実際にメールを送ってくる馬鹿が何人いるかと思ったが、意外に多かったよ」
リムは男達を見回す。その誰もが自分の犯される姿を見て集まった人間なのだ。そして、自分を犯そうとしている。
「や……だ、やだあああああっ!!!!」
守るべき者と思っていた相手に犯されなければならない。そう考えた途端、絶望が込み上げてきて、リムは泣き叫んでいた。
「なんでっ!?どうして……!?」
今度は逆にリムが縋るような目をして、体を掴む男を見る。
悲しみで溢れる涙を湛えた瞳と、くしゃくしゃに歪んだ顔は、余計に男達を興奮させるにすぎなかった。
「待たせるのも酷だな。おい、お前ら!もう食っちまっていいぞ」
その声に押されて、男達は首輪をはずされた猛犬のようにリム達に群がった。
「いやっ!!!触らないでっ!!」
「やめなさいよっ!!このっ、このぉっ!!!」
「お願い、考え直して、みなさんっ!!!」
3人はそれぞれの言葉で拒絶するが、群がる手は容赦なく幼い肢体を蹂躙した。
制服の上から命の胸を鷲掴みにする。裾から手を入れてリムの乳首を指で摘む。下着ごと捲りあげてシーナの胸にしゃぶり付く。
唇を夢中で吸い上げる。スカートを下ろし、あるいは下ろさないまま、下着を脱がせて桃色の秘部に指を滑らせる。
尻を掴む。靴を脱がし足の指を舐める。手の指も舐める。股間に顔を埋めて、舌で割れ目をなぞるように舐める。
「ひゃむぅっ!?やめへっ!!んむむぅっっ!!」
「ひぅっ!!くそっ!!離しなさい、よ……っ!!」
「や……やだ……っ!!許してっ、やめてええっ!!!」
ただの少女に戻ってしまったリム達は、抗う術など持ってはいない。
制服は半端に脱がされ、あるいは破られて、身体のあちこちに引っ掛かっている。
若者から壮年の者まで、幅広い年齢の男達の唾液によって、身体も服もベトベトと濡れていた。
1人につき5人は下らない男が張り付き、最低10本の腕と5つの舌が全身を責め上げてくる。
リムは凄まじい嫌悪を抱きながらも快感を覚えてしまう自分に嫌気がさした。
シーナは必死で手足を動かすが、大人の男の力には敵わない。その上、クリトリスを舐められる度に身体が疼いて力が抜けていく。
命は悲しくなって泣き出してしまう。抵抗する気力もなく、胸を思うがままに揉まれ、手足を舐められて気持ち悪さで全身に鳥肌が立った。
181魔法少女の涙 第5話BADEND 2/5:2009/10/20(火) 18:15:51 ID:yEInNV4x
「お前ら、言ったこと忘れたのか?あれ飲ませとけよ」
ライムが声をかけると、思い出したように男達は小瓶を取り出した。リム達の口をこじ開けて、それを無理矢理流し込む。
「んむううぅ!!!」
「んげほっ!!えほっ、けほっ!!」
「んぇ……」
むせたり、苦味に吐き気を催したりしながら、3人ともそれを飲み干してしまう。
「それはお馴染の媚薬だ。ただし、じっくりと時間をかけて精製したものだからな。効果は抜群だぞ」
その言葉がスイッチになったように、リム達は胃の辺りから凄まじい熱が広がっていくのを感じた。
「んひああああああああああっ!!!!あああっ、ああああああっっ!!!!!」
「ひくぅっ!!!!なっ……こんなっ!!!!!」
「あひいいいいっっ!!!なに……、これぇっっ!!!?」
全身が性器になってしまったのかと思うほど、リム達の身体は快感に敏感になってしまっていた。
指が腕に触れるだけで、全身に快感が広がる。50本以上の指の律動が全てそれだけの快感を生み出していた。
乳首やクリトリスといった性感帯に触れられてしまえば、更なる快感が身体を突き抜けた。
「あひいいいやああああっっ!!!んあああっ!!!!!」
「や……やめっ!!!はひゃああああんっ!!!!」
「こわいっ!!!あひっ……、こわいよおおっ!!!!」!
まるで快楽の拷問だ。
1つ1つの刺激が全て絶頂を誘うほどの快楽を伴う。3人とも、1分も経たないうちに3回以上達していた。
リムもシーナも、今までの陵辱の中でこれほどの快楽を味わったことはなかった。
ましてや命に至っては、人生で初めての絶頂をこのような形で味わってしまった。
心があまりの衝撃に耐えきれず、恐怖に苛まれてしまう。自分の身体が理解できない。
「あひいいいいっ!!!んぁっ、ああんっ、ひううううっっ!!!」
「んくううううっ!!!!は、はぁっ、あくっ!!!あああああっっ!!!」
「んきゅううううっ!!!!!たすけてええっ!!!!!」
苦しいほどの快楽に悶えるリム達を、男達は容赦なく責めた。
胸を揉む手は激しくなり、乳首を摘む指はきつく捻られ、胸を頬張る口は乳首を吸い上げ、噛み付く。
股間を這う指はクリトリスを捻りあげ、膣内に侵入して膣壁を指の腹で引っ掻く。
全身を犯す指は少しでも感度のいい場所を探すように動き回った。
それらの動き1つ1つで、3人の身体は激しく震え、跳ね上がる。股間から何度も潮を吹いた。
「あんんんっ!!!!!はやぁああっ!!!らえええええっ!!!!」
「も、むり……っ!!からだ、こわれ……ひゃあああああっ!!!!!!」
「あひぃいいんっ!!!!ひゃふっ、んはっ、はううううううっ!!!!!」
突っ張るように伸ばされた足の指は、限界まで広げられて小刻みに震えている。
手の指は所在なく空を掴もうと、もがいている。
リム達はもはや、常に絶頂状態を維持していた。空を漂うような浮遊感がいつまでも止まない。
「あひゃああああっ!!!ひぁっ、あうあうああああああっっ!!!!」
「んひいいいいいいいいっ!!!!こわえひゃうっ、こわえひゃうおおおおっっ!!!!」
「んはあああああっ!!!!!ひうううううううっっっ!!!!」
際立って甲高い叫び声を上げて、3人は壮絶な絶頂を迎えた。
すると、途端に感度が悪くなった。どれだけ触れても、舐めても、摘んでも、反応がない。
「ん?なんだ。効果が上がった分、効果時間が短かったか」
唐突に効果が切れたリム達の身体は、頭が壊れてしまいそうなほどの快楽の余韻にブルブルと痙攣している。
虚ろな瞳で虚空を眺め、薄らと気の抜けたような笑みを浮かべる。意識が朦朧としてしまっていた。
182魔法少女の涙 第5話BADEND 3/5:2009/10/20(火) 18:16:13 ID:yEInNV4x
「しかたねぇな。そいつらの口に突っ込んでやれ。そうすりゃ、少しは目も覚めるだろ」
男達は醜く争いながら、硬く勃起したペニスを我先に少女の口に含ませようとする。
「あむっ!!!んむううぅ!!!ふむっ、んっ、んっ、んっ!」
「へぶぅっ!!!むあっ、あむ、むうぅっっ!!!」
「んんんっ!!!やめ……はむ、むううっ!!!」
膝立ちになってリムの髪を掴み、ペニスを口にねじ込む。
仰向けに寝転び、別の男にペニスを咥えたシーナの顔を上下させる。
苦しげに横になる命の口に、上からペニスを刺すように侵入させる。
男達はそれぞれのやり方でそれぞれの少女の口を犯した。
あるものは舌にペニスを擦り付けるように動かす。
「ん、じゅぶっ、は、うむうぅ……」
あるものは頬を膨らますようにペニスを押し付ける。
「おごっ、うぶうぅ、ぷへっ、ふぁ、んもおおおおっ!!」
あるものは喉の奥まで犯そうと、可能な限り根元まで咥え込ませる。
「げぇえぇっ!おが……が、うぇっ、ええぇぇっ!!!」
周りの男達は、リム達の顔を上下・前後させて、口でペニスを扱かせる。同時に胸や股間を弄くり回した。
「はむぅんっ!んはっ、はぁ……んちゅ、ぁんっ!!」
リムは激しい快感の後の一時的な不感状態が解けてきたのか、甘い声を出し始める。
「ぶぇっ、えぐっ、ふむあああっ!!!」
その反応に味を占めた他の男達は、シーナや命の身体を激しく弄り始めた。
「うぇ……はぁんっ!!……んむ゛!?うぶええええええええええええええっ!!!!!!」
命が快感に震えた拍子に閉じた口の刺激で、男は射精を迎える。
ペニスから命の口内に放たれた精子の量は通常男性のものよりも遙かに大量だった。
男達はライムの魔力によって射精量が増大しており、数度の射精程度では萎えないペニスを得ていたのだ。
「ぇむ゛っ!!むうううぅっ!!!んんんんんんんんっ!!!!」
命は精液を吐き出しそうになるが、男は飲み干せと言うように命の口を手で塞ぐ。
なかなか飲み込めず、舌の周りに溜まった精液の据えた臭いや苦みに吐き気を催す。
命は涙目になりながら、少しずつ精液を飲み込んだ。コク、コク、と喉が脈打つ度、精液が絡みついてくるのを感じる。
「ふむううっ!!!!!んえええええっっ!!」
「おぶ!?んぶぁ、げふっ、んんんっ!!!!」
リムとシーナにも精液が吐き出された。無理矢理飲まされた精液の不快さに顔が強張る。
男達がリム達の口からペニスを抜く。すると、待ちきれない様子だった男達がすぐにその穴を埋めてしまった。
「んがっ!!!?ぅええええええっ!!!!ええええええっ!!!!!」
リムの口に、2本のペニスが同時に挿入された。口が横長に広げられて、裂けてしまいそうになる。
その姿を見て、名案だと言わんばかりに、他の男達もシーナと命の口に2本のペニスを突き入れた。
「えぶうううううっっ!!!!」
「ふげっ!?ぐむううっ!!!んむううううっっ!!!」
3人とも間抜けな呻き声を上げながら、2本のペニスを咥えて頭を前後させられている。
口内が窮屈になったせいか、男達はすぐに射精した。2本分の射精は到底、口内では抑えきれずに、漏れ出て口元や身体を汚した。
すかさず次の2本が挿入され、時間をかけずにまた射精する。男達は射精の直前にペニスを引き抜いて、リム達の画面に精を放った。
顔や髪が白濁液に穢される。肌色にかかる斑らな白は何とも背徳的な魅力を放っていて、2週目に突入した男達はこぞって顔を穢した。
顔が精液で一杯になると、今度は手に、胸に、腹に、背中に射精する。
血臭や死臭の漂う中、白濁液に塗れた3人の少女から立ち上る蛋白質の臭いが混ざり合い、なんともいえない異臭を放っていた。
183魔法少女の涙 第5話BADEND 4/5:2009/10/20(火) 18:16:40 ID:yEInNV4x
もはや3人とも、陵辱に抵抗する気力など持ち合わせていなかった。
倒れそうになっていた身体を背後から抱えあげられた時も大きな抵抗は見せず、むしろ自分を持ち上げやすいよう、無意識に足に力を込めた。
腋の辺りを前から手を入れて掴まれる。反り気味になった男の腹に背中を預ける形で持ち上げられていた。
「いっ!?ぎあああああああああああああっ!!!!!」
「あぐっ!!!!いづっ、や、やめてえええええっっ!!!!」
「ぐぎぃいいいっ!!!!うぞっ!!!?なんで……おしりなん、か……っ!!!!
リム達は皆同様に、背後からアナルを犯されていた。
男のいきり立ったペニスを迎え入れるには、その閉ざされた菊門はあまりに狭い。
苦悶の叫びを響かせ、痛みに身を捩り、何かに助けを求めるように両手で空を掻く。ジタバタともがく震動が、余計に苦痛を増幅させた。
「っぎゃあああっ!!!ぐげっ、がっ、がっ、ぎいいいいいいいいいっっ!!!!」
「さけるっ!!!!しんじゃうっっ!!!!だずげでえええええええええ!!!!!!」
「ひぎいいいいいいっ!!!!がふっ、ぎゃひいいっ!!!」
男達は勢いをつけて、アナルに突き刺したペニスを出し入れする。
上下に揺すられたリム達の身体は細かく震え、露出した胸は、どれも小さいながらに、サイズに比例して各々柔らかに波打った。
「ひゃぎっ!!?かはっ、ぎ、げっ!!!い゛……うぐううううう!!!!!!」
「ぁ……でて……がぎぃっっ!!!!で、てるぅ……っ……ああああっ!!!!」
「やだああああっ!!!!!やめでっ!!!おしりにださないでえええっ!!!!!」
直腸から放たれ、奥深くへと侵入していく精液の感覚が3人を襲う。
射精の最中もピストンは止められず、まるで注射器のように、ペニスが奥深くに沈むたび、先端から精液が飛び出した。
結合部から漏れ出た精液をビチャビチャと跳ねさせて、男達は尚も少女を苦しめる。
それどころか更なる苦痛を与えようと、傍観していた男が前から近寄って来た。
ほんの一瞬ピストンが止んだ隙に、ペニスをリム達の割れ目に当て、一気に奥まで挿入する。
「あああああああああああああああっ!!!!!!!」
「ひぎいいいいいいいいいいいいっっっ!!!!!」
「いだいいいいいいいいいっ!!!!!」
先ほどの気の遠くなるような絶頂地獄で濡れているとはいえ、少女の膣は未だ挿入時に苦痛を伴った。こんなに乱暴な挿入ならば尚更だ。
「ひぐっ、げふっ、は、は、はっ、ああああああ!!!!」
「がっ、ご、げえっ!!うぐ……がはっ!!」
「ひっ……くぅっ!!!うぇ……うっく……いぎいいっ!!!」
膣と肛門の両方を、前後から男に挟まれて犯されている。身体が潰されそうなほど圧迫され、胸が男の腹のあたりに押し付けられた。
リム達は両腕を男の身体に抱きつくように回し、苦痛に耐えるように、男の服を引き千切らんばかりに噛みしめる。
しかし、あまりの苦痛にガチガチと歯は震え、噛みしめ続けられない。結局、大きく口を開いて悲痛な雄たけびを上げた。
「やっ!!やだっ!!!なかはやだあああああああああああああああっ!!!!!!!」
「んがあああああああああああっ!!!!!!!あづいいいいいっっ!!!」
「あかちゃ、あかちゃんできちゃううううっっ!!!!!!」
男達は子宮内に大量の精を放つ。リムとシーナは生理的嫌悪感で苦しみ悶えたが、命だけは違う。
命は生理を迎えている。人間の精子を受けてしまえば子を孕んでしまうかもしれない。犯されて妊娠する。そんな恐怖に怯えていた。
命は現実をまだ理解できていなかった。仮に受精し、着床したとしても、その卵子を育て、産み落とすまで生きていられるわけがないのだ。
射精が止まると一度、両方の穴からペニスが抜き取られた。同時に精液が流れ落ちる。
そして、それから様々な体位で犯され続けた。
両足を持ち上げて逆さ吊りの形でアナルを犯される。正常位で、押しつぶされそうな勢いで膣を犯される。
仰向けの状態から下半身だけを持ち上げられ、顔の目前に膣が来る状態で挿入されて、溢れた精液が顔に滴る。
後背位で犬のようにアナルに挿入される。片足だけを持ち上げられ、もう片方の足に跨る形で膣に挿入される。
騎乗位で激しく下から突かれ、胸を揺らして喘がされる。
数え切れないほどの射精を受け、前後の穴からは絶えず精液が漏れ出していた。
184魔法少女の涙 第5話BADEND 5/5:2009/10/20(火) 18:17:15 ID:yEInNV4x
「えぶうううっっ!!!んむっ、へぶっ!!!」
「あがっ、ご、げぇええええっ!!!!!」
「んんんんんんんんんんっ!!!!!」
いつしかリム達は、膣とアナルと口の3つの穴を同時にペニスで塞がれていた。
腕は力なくぶら下がり、足をバタつかせる余裕すらも無くなった3人の9つの穴を全て埋め尽くす。
そして、容赦ないピストンを絶え間なく続けた。
「ぐぎいいいいっ!!!!んむうううううううううっっ!!!!!」
リムがくぐもった声で絶叫する。強引に足を開いたせいで股関節が外れ、凄まじい痛みがリムを襲っていた。
「はがっ、がああああああああああああああっ!!!!!!」
シーナの口に挿入された2本剛直が、顎関節を外す。
「ぎやああああああああああああああああああああああああっ!!!!!!!!!」
背中を反らせる態勢で犯されていた命は、腕を後ろに引っ張られすぎて肩の関節が外れていた。
「うぼえええええええええええええっっっ!!!!!」
「げぼおおっ!!!ぐええええええええええっ!!!!」
「あぎゃっ!!ぎゃひいいっ!!!!!!」
関節をすり潰される苦痛と、身体を裂かれそうな苦痛。
ペニスが犯す膣や直腸、伸びてきた無数の手が愛撫する身体中の性感帯から送り込まれる快感。
もうじき自分の命が尽きてしまうのだという恐怖。ようやく死ぬことができるのだという安堵。
精液の臭い、味。悔しさ、悲しみ、怒り、絶望、寂しさ、無念さ。
無数の感覚がリム達の胸を駆け巡り、ごちゃごちゃに混ざりあって、もはや何も分からない。
「「「あああああああああああああああああああああああああああああああああっっっ!!!!!!」」」
示し合せたように男達が一斉に射精する。それに連動するように3人は高らかに泣き叫んだ。
男達がリム達の身体を地面に落として遠ざかる。
口から、鼻から、膣から、アナルから、精液が溢れ出した。
池のように広がる精液の中に、どこからか流れ出した血の赤がグラデーションを描く。
リム達の身体は小刻みに痙攣している。かすかな呼吸が、顔の傍に広がる精液の池に僅かな波を立てた。
「ごくろうだったな」
ライムはそう言うと、用済みとばかりに男達の首を切り飛ばした。
自らの死も認識できないままに倒れた男達の身体から噴き出した血が、白に塗れたリム達の身体に赤を彩る。
「最後は俺が食ってやるよ」
ライムはまず命の身体を持ち上げた。
巨大なペニスはまるでバットのような長さと太さで、到底、命の中に入るとは思えない。
「あぎゃああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!!!!!」
ライムは命のアナルを引き裂いて強引に突き刺した。それだけで、瀕死だった命は息絶える。
「なんだ、もう終わりか」
白目を剥いて光を失ったその瞳を覗き込んで、ペニスを引き抜いてから命の身体を投げ捨てた。
次に、シーナの頭を掴む。そしてペニスを口の中に突っ込んだ。
「ごげえええええええええええええええええええええええええっ!!!!!!!」
シーナの喉が異様に膨らむ。食道も気管もグズグズに引き裂かれているのが一目瞭然だった。
シーナは大きく目を見開いて、苦しげに喉を引っ掻き、すぐに力尽きた。
「こいつも脆いな。お前はもう少し耐えてくれよ?」
そう言ってリムの身体を後ろから掴み、ペニスを膣に挿入した。
「おぐえええええええええええええええええええええええええええええっ!!!!!!!」
リムの腹が棒で突いたように内側から押し出される。空気を入れすぎた風船のように、今にもはち切れそうだ。
「いぎゃああああああああっ!!!はぐっ!!!ぎえええええええええええええええええええっ!!!!!!!」
リムは持てる力を尽くして咆哮する。大地を揺るがして、消える直前の灯火のように燃え上がる。
「ひぐえっ!!!げひっ、ぎゃはっ、ごべええええっ、ぐごおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!!!!」
ライムのピストンは確実にリムの命を削り取った。そして、30回目のピストンを終えたとき、射精を迎えた。
「ひゃぎあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっっっっ!!!!!」
リムの体内で爆発が起こったかのように、リムの身体が膨らむ。腹と言わず、胸までが膨れ上がった。
リムは断末魔の叫びを身体全体で捻りだし、最後の時を飾った。
ペニスが抜かれると、リムの体内全てを破壊した精液が滝のように流れた。血と混ざり合ってピンク色をしている。
こうしてリム達は残らず死亡した。
ライムは既に次の獲物を求めて、リム達の亡骸には目もくれていなかった。

/ 第5話 BADEND
185杏の人:2009/10/20(火) 18:19:50 ID:yEInNV4x
以上です。。
次回は第6話 共通 通常END BADENDの投下を予定しています。

ぱっと読もうと思ったら今回ぐらいの文量がいいかも?
膨らむ文字数を抑えることも学ぶべきかなと思うこの頃ですが、
今回も読んでいただけていれば幸いです。
ではまた、次回お会いしましょう。
186名無しさん@ピンキー:2009/10/20(火) 19:55:41 ID:2qU25h+K
>>180
GJ
一般人に感情移入してたから、首切られたところびびったw
187名無しさん@ピンキー:2009/10/20(火) 23:26:39 ID:Wt0YIoyh
>>180
GJ

>>186
あー、こいつも喜び勇んで加わり、首飛ばされる口だなw
188名無しさん@ピンキー:2009/10/21(水) 00:03:47 ID:yOg/gV4l
がんばって作品を書き上げてくれた作者さんに対してGJの一言とか、ふざけてんの?
もっと考えて感想を書けよ
189名無しさん@ピンキー:2009/10/21(水) 00:09:30 ID:IW+gscDm
がんばって作品を書き上げてくれた作者さんに対して感想の一言もなく、スレを荒らすだけとか、ふざけてんの?
もっと考えて書き込みしろよ
190名無しさん@ピンキー:2009/10/21(水) 00:14:23 ID:l54hAOmG
>>185
乙です!
ライムついに死んじゃったか…外道っぷりが大好きでしたw
この先の展開を楽しみに待ってます!
191名無しさん@ピンキー:2009/10/21(水) 01:17:34 ID:+3zfBh4s
>>185
GJっしたぁ
通常ENDでエロが無かったのはある意味意外でした…さらばライム…
てか、死なないエロと死ぬエロの両方がやっぱり読みたいかも?

日常シーンはいよいよ夏休みですねっ♪
いろいろエロエロ期待してますw
192名無しさん@ピンキー:2009/10/21(水) 11:27:13 ID:K+E2h4fc
俺には好きなモノが幾つかある。
そのなかの一つは少女をなんの慈悲もなく輪姦することと
もう一つは呼吸困難でも気にせずイラマチオを強行することだ。

それが少女の小さい口に2本無理矢理入れるなんてのはもう堪らない。
senkaスレでも否定されがちなそれを読ませてくれたのはあらゆる小説という媒体では初めてだ。
そこが死ぬるほどいい。それをエロとして認識してるのが素晴らしい。
顎間接を外すというフレーズも心響く。賢者モードでも興奮が抑えられないよ。

特に好きな場面だけの感想で悪いけれど魂からGJ
193名無しさん@ピンキー:2009/10/21(水) 19:25:03 ID:782sheOM
タツヒトって表の顔があるって言ってたが何してるんだろう…
同じ表の顔が有る、陛下は大企業経営してるみたいだが
194名無しさん@ピンキー:2009/10/21(水) 22:49:10 ID:08UDAENN
悪の親玉と言われていますけど、会社経営とか色々大変なのです。
部下(人間)の不始末で頭下げに行ったり、競合会社に仕事取られたり、
不景気のため有価証券の暴落で損失出したり、
最近の円高で輸出が不調だったり、原油高に悩まされたり、
政府の決定に振り回されたり・・・と。

日経○聞・ビジネス雑誌読んでため息とか、一度や二度じゃないのです。
暴れたいんです。でも、それじゃあ反抗期の子供と一緒になってしまいます。

・・・ぐっと気持ちを抑える、そんな日々。

なのに、こちらの苦労なんて何も知らない、お気楽なガキが突っかかってくるのです。
しかも暴力にうったえてくるのですよ!

「ストレス解消に付き合う」って、あちらが言うのですから、別にいいじゃないですか!
こちらが先に手を出したのじゃないんですよ!?正当防衛です。
顧問弁護士に聞いてみましょうか?こちらに分がありますよ。
昔から言うでしょ?「親の顔が見たい」って、本当、そう思いますねぇ。

・・・やだなぁ、こんなのだったらw
195名無しさん@ピンキー:2009/10/21(水) 22:51:41 ID:oIEFcBpp
いやぁ、AZITOとかやってると、マジでそう思うよ?w

こっちが必死こいてデパート経営して資金難にあえぎながら、
怪人やらロボットやら作ってるってのに、あいつらと来たら……!

悠々とやってきて大枚はたいて開発した秘密兵器ぶっ壊しやがんの!
死ね、ヒーロー死ね!

あ、死神博士、今日も病院経営お疲れ様でーす
196名無しさん@ピンキー:2009/10/21(水) 23:17:12 ID:l54hAOmG
魔法少女達に地下のアジトを発見されて、攻め込まれ、
上の本社屋ともども滅茶苦茶にされて陛下涙目って事にならないだろうな…w
197名無しさん@ピンキー:2009/10/21(水) 23:43:41 ID:IqsUCGx5
無理してデパートなんかやるからだよ。地域密着型の自営業なら大丈夫
まさか悪の親玉が近所で魚売ってるとは思うまい
198名無しさん@ピンキー:2009/10/21(水) 23:50:45 ID:CO2yBkOh
そして大手モールが進出してきて追いやられゆく悪の組織
そしてそこの食品街のクレープの常連な魔法少女達
少女達の口コミにより、ますます客足が減る商店街…
そう、彼女たちの脅威はこんなところにまで及んでいるのです!
199名無しさん@ピンキー:2009/10/21(水) 23:51:50 ID:IW+gscDm
九州は大分県で暗躍する、電柱組みたいなもんか
200名無しさん@ピンキー:2009/10/21(水) 23:52:53 ID:aAvxoIce
シャッター商店街をなんとか活性化させようと奮闘する親玉。
組合長とかやってて地域の人望も篤い。


……悪の組織廃業しろよw
201名無しさん@ピンキー:2009/10/21(水) 23:54:54 ID:oIEFcBpp
地域密着が世界征服への第一歩ですよ
202名無しさん@ピンキー:2009/10/22(木) 02:55:35 ID:c/QYIOYo
>>198
ダーククロスのアークエル課長に頼むしかないな

悪堕ち的な意味で
203名無しさん@ピンキー:2009/10/22(木) 05:19:21 ID:3CJVj7RR
一週間くらい来てなかっただけで
俺の体が追いつけません!
204名無しさん@ピンキー:2009/10/22(木) 09:13:47 ID:Fc6W5g2e
デパートの屋上で魔法少女の戦い見せればいいじゃない
205名無しさん@ピンキー:2009/10/22(木) 09:28:49 ID:eeBUtH9U
公開陵辱を企画するも…
戦闘員「自分、大人になって思ったんスけど、子供の夢はやっぱ壊せないっしょ」
怪人「あまり良い冗談とも思えませんね。この町の子は我が子も同然です」
206名無しさん@ピンキー:2009/10/22(木) 10:01:20 ID:i5ZA088J
最近の投下ラッシュは凄いな。感想書いて応援しようぜ。
207名無しさん@ピンキー:2009/10/22(木) 10:24:50 ID:2KfTIYLR
新人だけど、たぶん明日の朝あたり投下できそうだお
なんだけど、エロに至までの過程がちょっと長くなりそう
わるいけど一話くらいエロなしでも勘弁してくれる?
('・ω・`)
208マユ作者:2009/10/22(木) 10:40:19 ID:P4D97U8y
おはようございます。魔法少女マユ第6話を投下します。
今回は多少レズ気味なシーンがありますので、苦手な方はご注意を

登場人物
秋月真由(マユ)
14歳 両親と3人で、平穏な生活を送っていたが。ユーリィと出会った事で、戦いに身を投じる事になる。
背は小柄で、背中の半ばほどまで届く栗色の髪を後ろで纏めている。
変身時のコスチュームは桜色のミニスカートに赤を基調としたジャケットを纏っている。

ユーリィ
異世界エルメリアの住人である妖精、マユのパートナーとして彼女の戦いをサポートする。
長いストレートの青髪にフリフリのついた白やピンクのドレスを着ている。

リィン
14歳 エルメリアから増員として派遣されてきた魔法使いの少女。
髪型は薄いブロンドの長い髪をツインテール
青を基調としたワンピースの上に、短い白のマントを羽織っている。

シャーナ
23歳 リィンの姉。リィンと共にエルメリアからの応援として地球に来た。
緩くウェーブがかった薄いブロンドの髪を、腰に届くほどまで伸ばしている。
純白のローブを纏う。


ヴァルアス
魔族の王。100年前の戦いで敗れた先代の跡を継ぎ魔族を統率する。表の顔は大企業の社長。
銀髪の髪をオールバックにしている。黒のスーツを好んで着る。
その真の姿は、黒い装甲を身に包む巨大な竜。魔装竜の名を冠する最強の魔族。

レドリック
魔王ヴァルアス腹心の一人、魔法少女を狩る為に地球に招集される。
焦茶の髪を肩に触れるくらいに伸ばしている。黒の軍服を纏う。
ラディウスとは子供の頃からの付き合いで悪友関係。

セディア
魔族の幹部。序列は低く攻略軍に参加できず、地上での人間狩りをする担当に回されている。
度重なる失敗により失脚。陛下の制裁を受けた後、資料室送りに…
黒髪のセミロング、着ている服は黒尽くめで、露出の高い物。

ラディウス
セディアの弟 魔族の造魔開発においての、中核メンバーで、王の腹心の一人。
長い黒髪を三つ編みのお下げにしている。常に白衣に身を包む。15歳くらいの背格好
209魔法少女マユ 第6話 1/17:2009/10/22(木) 10:42:47 ID:P4D97U8y
『ゴギャッ!?』
蛙型の造魔の体に、リィンの放った氷の矢が次々と突き刺さった。
『ガ…こ、このぉ…!!』
造魔は舌を伸ばし、少女を捕らえようとする。
それを身を低くして回避し、少女は雷の魔法を放つ。
『ギャアアアアアアアアッ!!』
迸る雷光に、造魔は絶叫を上げた。
「これで終わりよ」
造魔が倒れている隙に、少女はロッドの先端に収束させていた魔力を放った。
『ば、馬鹿な…この俺がああああああああっ!!』
放たれた光の奔流に呑み込まれ、造魔は上半身が消し飛んだ。
やがて、間を置いて残った部分も消滅する。
「…これで、3体目」
僅かに残った残骸を見下ろして、少女は呟く。
リィンが見回りを始めてから、今日までで3体の造魔を倒した。
だが、いずれも能力の低い者ばかりで、捜し求めているレドリックの姿も確認されない。
(まるでこちらの出方を見る様にわざと、弱い奴をぶつけてきているような…)
未だ、あの青年を見つけられない事に、少女は苛立つ。



「ふむ…まぁ、あれくらいの雑魚はあっさり倒しちゃうか」
少し離れたビルの屋上から、少女を見下ろして青年は呟く。
「…とはいえ、大した事はなさそうだね。陛下に挑む価値すらない」
歩いていく少女を目で追いながら、青年は笑みを浮かべる。
「報告するまでも無い、僕が始末するか」
青年は踵を返し、いずこへか消えていった。
210魔法少女マユ 第6話 1/17:2009/10/22(木) 10:43:35 ID:P4D97U8y
「こんばんわー、シャーナさん」
「いらっしゃい、マユちゃん、ユーリィ」
玄関に立つ二人に、シャーナは微笑む。
「体の具合はどう?マユちゃん」
「お陰さまで絶好調です、ここの所ゆっくりさせて貰えましたから」
シャーナの問いに、マユはガッツポーズで応える。
「シャーナさんのお陰です。私の魔法じゃ、怪我は治せるけど。
 疲労はそうはいかないから。ホント助かってます」
ユーリィがペコリとお辞儀する。
「ふふふ、ありがとうね。これくらいしか私は取り得ないから…
 攻撃系の魔法はあんまり得意じゃないから、向こうでも医務班に所属してたの」
「それだって立派な仕事ですよ。あんな凄い魔法使える人が居たら心強いです」
「そう言って貰えると嬉しいわ」
マユの言葉にシャーナは嬉しそうに笑う。
「あれ…?リィンは?」
「あの子は見回りに行ってるわ、私も行くって言ったんだけど、一人で行くって聞かなくてね…」
心配そうに、シャーナは溜息をつく。
「とりあえず、立ち話もなんだから上がって」
「はーい」
「お邪魔しますー」
二人はお辞儀して家に上がる。
「マユちゃんのお母さん、色々親切にしてくれて助かるわ。
 新鮮な食材が売ってる所とか教えてくださったの」
「お母さんも、シャーナさんの事気に入ってるみたいですよ。
 あんまり仲良いから、お父さんがちょっと焼きもち焼いちゃってるくらい」
「あらあら…それはお父さんに悪いわね…」
困ったような表情をするシャーナにマユは笑顔で応える。
「気にしないでいいですよ。あの二人、万年新婚夫婦だから、ちょっと喧嘩しても、すぐに仲直りして。
 イチャイチャしますから…見てる方はご馳走様って感じです」
はふぅ、と溜息をつく少女。
「羨ましいなぁ…そういうの」
シャーナは微笑みながら机の近くに飾ってある写真に目をやる。
「…?この人、誰ですか?」
写真にはシャーナ、リィンともう一人、銀髪の若い男が映っていた。
「私の婚約者…フィルって言うの。今はエルメリアに居るわ」
優しげな表情の青年の顔を、シャーナは愛しそうに見つめる。
「…寂しく、無いですか?」
「ちょっとね…でも、ここへの応援要員を志願した、あの子を放っておくわけにはいかなかったの。
 フィルも分かってくれたわ…」
少女の言葉に、シャーナは少し寂しそうに表情を曇らせる。
211魔法少女マユ 第6話 1/17:2009/10/22(木) 10:44:06 ID:P4D97U8y
「妹は…仲間の仇を追って、ここに来たの。この世界は魔族の本拠地があるから」
「仲間の…仇…」
マユがその事に尋ねようとした時。
「ただいま、お姉ちゃん」
私服姿のリィンが入ってきた。
「あ、お帰り。リィン、大丈夫だった?」
「うん…今日の奴も雑魚だった」
心配そうに尋ねるシャーナに淡々とリィンは答える。
そしてリィンはバスルームへと歩いていった。
「…あの子も、詳しくは話してくれないんだけどね」
少女の姿が見えなくなってから、シャーナは口を開く。
「開戦後一ヶ月たったある日、教練コースを出たばかりのあの子も戦場に出ることになったの」
マユはそれを、黙って耳を傾けていた。
「その初陣で、何が有ったかは詳しくは私は知らないんだけど…部隊はあの子を除いて全滅したの。
 あの子だけが、無傷で保護されたの」
「じゃ、じゃあリィンが探してる仇ってのは…」
「部隊を壊滅させた相手の事ね…この間あった青年にも、誰かの居場所を聞いていたしね」
そこで言葉を切って、シャーナは少女の事を見つめる。
「マユちゃん、ここで話した事はあの子には聞かないで。あの子、この事を聞かれるのを極度に嫌うの」
「分かりました…リィンが自分から話してくれるまで待ってます」
シャーナの言葉に、少女は笑顔で頷く。
「ありがとうね、マユちゃん」
「はい…あ、私ももうちょっとしたら、見回りに参加していいですか?」
「勿論、あの子にも言っておくわ」
「お願いします。じゃあ、私達そろそろ帰ります」
少女と妖精はシャーナにお辞儀して部屋を出て行った。


「マユちゃん、何の用事だったの?」
バスルームから出てきた少女は姉に尋ねる。
「うん、マユちゃん達もそろそろ見回りに参加するって」
「そう…」
(マズイな…出来れば巻き込みたくないんだけど…)
早く、あの男を見つけないと…少女は心中で呟いた。
212魔法少女マユ 第6話 4/17:2009/10/22(木) 10:46:32 ID:P4D97U8y
「一気に2人の魔法少女を捕らえてきたか。さすがだな」
捕らえた少女達を連れて来た青年に、少年は賞賛の言葉を送る。
「各地の担当者のやり方が温過ぎたのさ。この程度は造作も無いよ」
「その勢いで、あの子も捕まえてきて欲しいんだがねぇ…」
「んー…あの子は、ちょっと時間をかけて楽しみたいなぁ」
満面に笑みを浮かべる青年に、少年は怪訝そうな顔をする。
「何お前…あの子の存在に心奪われたってやつ?」
「その表現はどうかと思うけど…それなりに気に入ったよ。弄びがいのある女の子だなって思う」
「お前にそんな風に気に入られるなんて、あの子も災難だねぇ」
少年は鞄に物を詰め込みながら、苦笑する。
「あれ?何処か出かけるのかい?」
「おう、造魔製造システムの改善プランを提出したから、久々に休暇を貰った。ちと遊びに行ってくる」
「…その造魔達も連れて?」
部屋の隅に立っている2体の造魔。
片方は一見クラゲの様に見えるが、蛸の様な吸盤のついた触手が無数に生えている。
もう一体は、双頭のトカゲの様な二足歩行の爬虫類だ。
「ま、色々実験もしたいんでね、その為の手駒だ」
「ふーん…ま、楽しんできなよ。君が休暇を取るなんて何年ぶりだろうね…明日は雨が降るかな?」
「俺だって、たまには息抜きするさ…まぁ、白状すれば実験がメインだ」
青年の言葉に、少年はまた苦笑する。
「おっと、頼まれてた造魔はもうすぐ仕上がるぜ」
ラディウスは思い出したように言うと、奥の部屋のカプセルを指差す。
「おや、そうかい。じゃあ次の出撃で使わせてもらうよ」
「そうしてくれ。それじゃ、俺は行ってくるぜ」
ラディウスが指を鳴らすと、控えていた造魔達は、大きなトランクを幾つか持ってラディウスの元に近づいてくる。
「留守中の事は助手に任せてある。作って欲しい物があれば頼め」
「了解。楽しんできたまえ」
「おう、ゆっくり羽伸ばさせて貰うさ」
少年は頷くと、造魔を伴って部屋を出て行った。
「さて…それじゃコイツを使って、エルメリアから来たあの子を捕まえようか」
カプセルの中に居る造魔を見つめて、青年は笑みを浮かべる。
213魔法少女マユ 第6話 5/17:2009/10/22(木) 10:47:08 ID:P4D97U8y
「今日も異常無し、魔族の気配は無いよ」
『こっちにも気配は無いわ。これで一週間出現無しね』
ビルの屋上に立つ少女は、別のエリアを回っている姉と、通信で言葉を交わす。
最後に倒した蛙型造魔以降、魔族の出現はぱたりと止んだ。
(何処に居るの…アイツは…)
少女は心中で呟く。
「はぁ…明日こそ見つかるといいけど」
溜息を一つつき、少女は家に戻ろうとする。
「っ!…この気配…」
魔族の気配だ…それも、あの青年の。
少女は位置を特定し、転移魔法を発動させる。
『リィン、どうかしたの?』
急に移動したからだろう、姉が通信を送ってくる。
「こっちで魔族の気配を感知したの、私が仕留める」
『え…ちょっと、待って!私もマユちゃんと連絡取ってすぐ向かうから、仕掛けるのは待ちなさい!』
「待ってられないよ!グズグズしてたら犠牲者が出ちゃうよ!」
制止しようとする姉の言葉を無視して、少女は駆け出す。
姉との通信は一時的に遮断している。
一般人が入ってこないように、付近一帯に結界を展開して、少女は気配の元に急いだ。
やがて、公園の広場に辿り着く。
「やぁ、君が来てくれたか」
少女の方を振り向いて、黒衣の青年が笑顔を向ける。
「レドリック…やっと見つけた!」
ロッドを構えて、少女は青年の名を叫ぶ。
「ふふふ、僕の事を探してたようだね。ここ数日は、他の魔法少女を狩ってたんだ。
 僕は全体の統括を任されてるからね、君らだけに関わってられないのさ」
「あんな雑魚ばかり差し向けてきて…どういうつもりなの!?」
「ああ、アイツらか。君の力を計っておこうと思ったのさ。陛下に挑む程の力があるかどうか」
激昂する少女に苦笑しながら、青年は言葉を続ける。
「ま、結果としては…挑むだけ無駄と判断させて貰ったよ」
「なっ!?…人を馬鹿にするのもいい加減にしなさい!」
「そう熱くならない。冷静な判断を失うと、足元をすくわれるよ」
そこで言葉を切り、右腕を無数の触手に変化させる。
「陛下の御手を煩わせるまでもない…君はここで僕が処理させてもらうよ」
「私は負けない!お前を倒して、あの男の居場所を吐かせる!」
「ははっ、やってみたまえ!」
レドリックはムチの様に触手を振るう。
少女は跳躍して回避し、無数の光の矢を作り出す。
「いけっ!!」
突き出されたロッドを合図に、青年めがけて矢が放たれる。
魔力を纏った触手が、それを全て迎撃していく。
214魔法少女マユ 第6話 6/17:2009/10/22(木) 10:47:56 ID:P4D97U8y
青年が左腕も触手に変化させる。
触手の先端は刃になっており、それらが少女めがけて殺到していく。
「っ!!」
横に跳び、少女はそれをかわしていく。
右腕の変化した触手も、彼女に向けて振るわれる。
少女は球状のバリアを展開して、それを防いでいく。
「ほらほら、最初の威勢の良さはどうしたんだい?」
動きを止めた少女に、次々と触手が襲いかかる。
「くぅぅっ!!」
バリアが破られそうになってきた。
触手達の攻撃に一瞬出来た隙をついて、バリアを解除して横に駆ける。
背後から迫ってきた触手の群に、走りつつ構成した魔術を放つ。
風の刃が触手を切り裂いていく。
触手の追撃を防いだ少女は、青年と距離を取る。
(つ、強い…こんなにも力の差があったなんて…)
荒くなった呼吸を整えながら、青年を見据えながら心中で呻く。
切り裂かれた触手を元の自分の腕に変化させて、青年は悠然と立っていた。
(負ける訳にはいかない…!皆の…アゼルの無念を晴らす為にも!!)
ロッドの先端に魔力を収束させる。
「くらえーーーーーーー!!」
叫びと共に光の奔流が放たれる。
「ほう…なかなか強力そうだね」
青年はにこりと微笑み、手をかざして魔力の障壁を作る。
「なっ…ウ、ウソ…」
少女の放った光が障壁に阻まれて霧散していく。
だが、完全には防ぎきれなかったようだ。途中で障壁は崩壊する。
「おや、予想より少し威力が強かったか」
横に跳躍して光をかわした青年は、少し驚いた様子だった。
呆然としてた少女の背中を突然、何かが打ち据える。
「あぐぅぅっ!!」
少女は衝撃で飛ばされ、地面に倒れこむ。
「ああ、ゴメンね。指示出すの忘れてたや」
『………』
少女の居た場所の背後の林から、無数の触手を生やしたローパーが現れる。
レドリックが隠蔽の魔術を行使して、伏せさせていたのだ。
物言わぬ造魔は無言で抗議を意思を示す。
「まぁまぁ、そう怒らず。お詫びと言っちゃ何だけど、先に楽しませてあげるよ」
怒っている様子の造魔に、レドリックは苦笑する。
「くっ…うぅ…」
少女は呻きながらも、立ち上がろうと動く。
無言の造魔が触手を振るい、少女の背中を打ち据える。
「ああっ!うああああぁ!!」
何度も触手を振るわれ、少女の纏っていた服とマントが、少しずつ破れていく。
やがて、少女の背中が露になる。少女の背中は幾重にも赤い筋が出来ている。
215魔法少女マユ 第6話 7/17:2009/10/22(木) 10:48:40 ID:P4D97U8y
動かなくなった少女を、造魔の触手が絡め取り、持ち上げる。
「だから言っただろう?今の君の力じゃ、陛下に挑む事など夢のまた夢だよ。
 こんな程度の力で挑みに行ったら、陛下もがっかりなさるだろうね」
「ぅあ…」
青年は少女に近づき。ぐったりとした様子で俯いている少女の髪を掴み、無理矢理顔を上げさせる。
「君はここでお終いだよ。たっぷり可愛がった後は、ラディウスのラボ行きだ。
 陛下に挑む程じゃないが、それなりに力はあるんだ。良い造魔が出来ると、彼も喜ぶだろうね」
造魔の触手が動き、彼女の服を引き裂いていく。
「う、ぅぅ…」
殆ど裸の状態にされて、羞恥心を覚えた少女は顔を背けようとする。
「ん!むぐっ!?」
リィンの口に、造魔の触手が突っ込まれる。
始めの一本が口をこじ開けると、もう一本侵入してきた。
二本の触手が口内を動き回る。
「んんっ!もごぅ!」
口内で暴れる触手に、少女は目を白黒させ、逃れようと必死に首を振ろうとする。
それを妨害するように、無数の触手に頭を押さえつけられた。
「んぐぅ!んーーーっ!!」
舌や上顎に触手が触れ、少女は不快感と、激しい吐き気を催した。
「んぐぁ!?」
青年が少女の胸を掴み、握り潰さんばかりに力を込める。
爪が喰い込み、血が滲み出てきた。
「むぐううぅぅっ!!!」
激しい痛みに、少女は顔を歪める。
口内を犯していた触手が、喉の奥へと突き進んだ。
そして、その更に奥へと、精液を吐き出す。
「んごおおおおぉぉっ!!」
大量の精液が、少女の胃へと送り込まれる。
吐き出し終えた触手が、少女の口内から引き抜かれた。
「がはっ!げほっ…ごほっ、ごほっ…」
口を開放された少女は、必死に飲まされた精液を吐き出そうとする。
「こいつの精液は特殊でね…面白い効果があるんだ」
「え…?」
「すぐに分かるよ」
戸惑う少女に、青年は笑顔で語る。
少女の体に異変が生じ始めた。
先程爪が喰い込むほど握られた胸が、奇妙な感覚が湧き上がってくる。
(な、何これ…痛い筈なのに…なんで気持ち良く感じちゃうの!?)
痛みと共に、少女の体を快感が襲う。
散々打ち据えられた背中からも、くすぐったい様な気持ちよさを感じる。
「効いてきた様だね、こいつの精液には媚薬の効果もあるんだけど。
 それがちょっと特殊なんだよ…受けた苦痛に、快感を感じてしまうようになるんだ。だから…」
「くぅっ!!あぁぁっ」
少女の体に巻き付いていた触手が彼女の体を締め上げた。
細い少女の体が全身を締め上げられ、悲鳴を上げる。
だが、その責めに少女の体は、激しい痛みと共に、心地よさを感じてしまう。
(…痛い筈なのに、感じちゃってる…これじゃ私…)
苦痛と快感の入り混じった感覚が少女を混乱させる。
216魔法少女マユ 第6話 8/17:2009/10/22(木) 10:49:20 ID:P4D97U8y
唐突に締め付けが緩められる。
「くっ…はぁ、はぁ…」
触手が拘束を解き、少女の体は地面に崩れ落ちた。
「な…?何を…」
何故拘束を解くんだろう…少女は疑問を覚える。
答えはすぐに出た。
四つん這いの状態の少女の背中に、造魔の触手が振るわれる。
「うぁっ!」
背中に生じる感覚に、少女は声を上げる。
「あぁぁん!ひやぁっ!ひぅん!」
次々と触手が振るわれ、その度に少女は甘い声を漏らす。
「逃げようと思えば、逃げれるのに…逃げ出さずに触手で打たれるのに快感を感じてしまう…
 立派な変態さんの出来上がりだね」
目の前で悶える少女を見下ろしながら、青年は声をかける。
「ち、ちがぅ…へんたい…なんかじゃ…な…はうぅぅっ!!」
少女の抗議の声は、背中を打ち据えられる事で遮られる。
背中以外に、尻にも触手が振るわれた。
「はうぅぅぅん!ひああぁぁっ!!」
「お尻を打たれて、こんな声を上げてる子は。変態以外の何者でも無いね」
何度も何度も尻を打たれ、ガクガクと震えている少女。
彼女の頭は激しい快感に支配され、逃げる事など微塵も考えていなかった。
「お尻をもっと打って欲しいそうだよ。リクエストに答えてあげたまえ」
青年の言葉に、造魔は触手を振るい始める。
「あんっ!ひぅっ!ふぁぁっ!!」
尻を打たれる度に、少女は悶え声を上げる。
少女の尻が真っ赤に腫れ上がるまで、その行為は続けられた。
「…はぁ…はぁ…」
尻を突き出すような無様な格好で、少女は地面に倒れこんでいる。
「こらこら、まだ終った訳じゃないよ」
青年は少女に近づき、少女の脇腹に蹴りを入れる。
「うあぁっ!」
少女の体は地面を転がり、裏返しにされた。
上を向いた少女の胸に、触手が振るわれる。
「ひやぁぁぁん!」
胸を襲う痛み、そしてそれ以上の快感に、少女はまた声を上げる。
同年代の子に比べれば大き目の少女の胸が、打ち据えられる度に揺れた。
触手を振るおうとする造魔。その体が突然、衝撃波を受けて横に吹っ飛ばされる。
「リィン!」
衝撃波を放った、ローブを纏った女性が少女の元に駆け寄る。
「お、おねえ…ちゃん…」
「バカ!なんで一人で先走るのよ!?」
呆然とした様子の少女にシャーナは叫ぶ。
217魔法少女マユ 第6話 9/17:2009/10/22(木) 10:49:59 ID:P4D97U8y
「その問いについては、僕がお答えしよう」
「っ!?」
近づいてくる青年を見て、シャーナは妹を庇うように前に立つ。
「その子はね、僕を探してたのさ。僕が彼女の友人の仇であり、あの御方への道標だから」
「な…まさか…貴方がアゼルを!?」
「ああ、確かそんな名前だったね。この子を守る為に僕に勝ち目の無い戦いを挑んできた少年の名は…」
青年の言葉に、彼女は表情を険しくする。
シャーナにとってもあの少年は弟の様な存在だった。
「その子は僕を倒して、仲間達の仇である陛下の居場所を、聞きだすつもりだったのさ」
「陛下…?それって…」
「そう…君の妹君は、恐れ多くも我らが偉大なる魔王ヴァルアス陛下に、戦いを挑もうとしているんだ」
「そ、そんな…その為に貴方、ここへの志願を…」
呆然とした様子で後ろの少女に問いかける。
少女は俯いて、何も答えない。
更に言葉をかけようとした時、シャーナの体に触手が巻きつく。
「くっ!あぁっ!!」
起き上がった造魔が触手を伸ばしている。
「注意散漫過ぎるよ。お嬢さんは実戦経験があまり無いのかな?」
青年が笑いをこらえるように、片手を口元に当てて言った。
「あ、あぁ…」
全身を締め上げられ、彼女は苦悶の声を洩らす。
触手が彼女の服に入り込もうとした時、青年が口を開く。
「こらこら、君にはその子を好きにさせて上げてるじゃないか。そのお嬢さんは、僕が楽しませてもらうよ」
青年の言葉に、造魔はシャーナの拘束を解く。
「くっ…ぅ…」
彼女は地面に座り込み、苦しそうに息をしている。
「お、おねえちゃ…ひぁっ!?」
姉の元に近づこうとした少女の体を、造魔の触手が絡め取る。
「い、いやっ…ああああぁぁっ!!」
逃れようともがく少女の体を、触手が締め上げていく。
「リィン!」
「人の心配をしてる暇があるのかな?」
「え…きゃっ!?」
青年がシャーナを押し倒し、彼女のローブを掴んで引き裂く。
「い、いやぁ…あぁん!」
「うん。やっぱり僕は、ボリューム有る方が好きだね。
 マユちゃんはとても可愛い声で鳴くけど、胸がまだ発育途中だからね…そこが惜しいんだよ」
露になったシャーナの大きな胸を、手で揉みながら青年は笑う。
「いやぁ!やめて!」
シャーナは声を上げ、必死に逃れようと抵抗する。
218魔法少女マユ 第6話 10/17:2009/10/22(木) 10:50:38 ID:P4D97U8y
青年の片手が触手に変化し、その先端から白濁の液体が吐き出される。
「あぁぁっ!!」
大量の液体がシャーナの体に浴びせられる。
「僕特製の媚薬さ。堪能してくれたまえ」
触手が無数に分裂して、浴びせられた液体を塗りつけるように、彼女の体に巻きつき蠢く。
「ふぁん…ひぅ…い、ひやぁ…た、たすけてぇ…フィル…ふぁ」
魔族に弄ばれるという恐怖から、彼女は発した名に、青年は興味を引かれる。
彼は魔術を行使し、彼女の心を少し読み取った。
「なるほど…お嬢さんには婚約者が居るんだ」
「え…?な、何を…いきなり…」
そこまで言って彼女は気づく、魔術を使って自分の心を覗かれているという事に。
「初めても、その彼氏に捧げちゃったのか。残念だなぁ」
「や…やめてぇ!覗かないで!!」
涙を流しながら叫ぶ彼女に、安心したまえ、と告げる。
「これ以上は覗く気は無いよ…さて、何をするかなぁ…ああ、あれでも使うか」
独り言を呟いていた青年は、指の一本を針の様な物に変化させる。
「ひぁっ!?」
シャーナの左胸の乳首に針が突き立てられた。
針から乳房に、何かが注入されていく。
戸惑いの表情を浮かべる彼女に、青年は語り始める。
「僕は体内で、様々な毒を調合できてね。今注入したのは神経毒の一種さ。
 この間、マユちゃんで遊んだ時に閃いてね…すぐに効果は出るよ」
彼の言葉通り、シャーナは胸に違和感を覚える。
「ひゃん!な、何を…!?」
いきなり青年が、彼女の左胸の乳首に吸い付く。
何も出ない、そう言おうとした彼女を、新たな違和感が襲う。
「はぅぅっ!」
吸われている乳首から、何かが出ているのだ。
青年が乳首から口を離す。
乳首からは液体が出ている。
「そ、そんな…私の…母乳?」
信じられないような光景に、彼女は呆然とした様子だった。
「うん、そうだよ。正確には、君の魔力を使って生成してるんだけどね。
 毒の効果もあんまり続かないから、今の内にたっぷりと吸わせて貰うね」
青年はにっこりと微笑むと、また乳首に吸い付く。
そして右腕を変化させて、口の付いた触手を右胸にも吸い付かせる。
「あ、あぁぁ!はぅっ…ひぃん…ら、らめ…らめてぇ…」
媚薬のせいだろうか…乳首を吸われる度に起きる、激しい快感にシャーナは悶える。
そして徐々に脱力感が体を支配していく。
母乳という形で青年に魔力を吸収されているのだ。
219魔法少女マユ 第6話 11/17:2009/10/22(木) 10:51:34 ID:P4D97U8y
その後、彼女は青年に母乳が出なくなるまで、10分以上に渡って乳首を吸われ続けた。
吸われ続けた彼女は何度も絶頂し、ぐったりと力なく倒れている。
乳首から口を離した青年は、満足げに笑みを浮かべていた。
「さて、君からはたっぷり頂いたからね…今度は僕が上げる番かな」
青年は残っていた部分のローブも、引き裂き始める。
最後の一枚である下着も引き裂き、彼女を丸裸にした。
そして、自分のペニスを出すと。彼女の足を開かせる。
朦朧とした意識の彼女は、何をされているのかすら理解していない。
「つまらないなぁ…ま、入れられたら流石に起きるかな?」
反応を示さない彼女を見て、溜息をついていた青年は、己のペニスを彼女の膣口に当てる。
「ひぎゃっ!?」
突然生じた痛みに、彼女の意識は引き戻された。
青年が挿入を開始したのだ。常人のそれを遥かに上回る大きさのペニスは、彼女の膣内にも大き過ぎた。
「あぐっ!あああああああっ!やめて!やめてぇぇぇっ!!」
激しい痛みが彼女を襲う。同時に、愛する男以外に犯されているという事実に、彼女は涙する。
「ははは、お嬢さんの悲鳴も素敵だね。どうだい?僕の物は、彼氏さんのより大きいかな?」
泣き叫ぶ彼女の様子を見て、青年は楽しくてたまらないといった様子だった。
「いやぁ!!いやあああぁぁっ!!!」
白濁にまみれ汚れてしまった髪を振り乱し、彼女は泣き叫ぶ。
青年は容赦なくピストン運動を繰り返す。
「あぎいいいぃぃ!ああああぁぁっ!!」
強引な挿入で彼女の膣壁は、削り取られるような勢いでペニスが擦れる。
「さて、出すよ」
一際大きく突き刺され、子宮口が圧迫される。
「ひぎぃっ!だ、だめっ!やめてえええぇぇっ!!」
彼女の叫びも空しく、射精が開始された。
「い、いやあああああああああっ!!」
子宮内に大量の精液が注がれていく。
「ぁ…あぁ…ぅぅ…」
呆然とした様子の彼女はうめき声を洩らす。
「うーん、ショックを受けているところ悪いけど…まだ、終わりじゃないよ?」
「…ぇ?…はぎっ!」
青年の言葉と共に、再びピストン運動が再開される。
あれだけの射精をして、青年のペニスはまったく萎えていなかった。
「あぐううぅぅっ!ひあああああっ!!」
突き刺し、引き抜かれる度に、結合部から白い液体を漏らしながら、彼女は犯され続ける。
220名無しさん@ピンキー:2009/10/22(木) 10:53:45 ID:i5ZA088J
しえん?
221魔法少女マユ 第6話 12/17:2009/10/22(木) 10:54:18 ID:P4D97U8y
「ぁ、ああぁ…お、お姉ちゃん…」
造魔に体を締め上げられていたリィンは、眼前で魔族に犯され、泣き叫ぶ姉の姿に震えていた。
(私のせいだ…私がお姉ちゃんの言う事を聞かずに先走ったから…)
憎しみに駆られ先走った結果が、眼前の光景だ…少女は心中で己の愚かさを罵った。
そんな彼女にも、過酷な運命が待っていた。
「ひっ!?な、何を…!」
造魔の触手が、彼女の下着を掴み引き裂く。
魔族の精液で、苦痛に快感を感じるようになっていた彼女。
これまで受けた責めにより、彼女の秘所は、流れ出た愛液でびしょ濡れだった。
「ひっ…い、いやぁ!!」
膣口に触手を向けられ、彼女は叫ぶ。
「い、いや…やめ、やめて…あぎっ!?」
震えながら哀願していた少女を、別の場所からの衝撃が襲う。
少女のアナルに、触手が突き刺さっている。
少女は気づいていなかったのだ、造魔が秘所に触手を伸ばすのと同時に、アナルにも触手を伸ばしていた事を。
「ち、ちが…そこは…ちがうよぉ…!」
予想もしていなかった方向からの挿入に、彼女は必死に叫ぶ。
そんな彼女を嘲笑うように、触手は更に奥へと進んでいく。
挿入された触手はとても太い物で、彼女に激しい苦痛をもたらす。
だがそれを掻き消すような、激しい快感が彼女を襲った。
「はぁぁぁっ!ひゃああああん!」
アナルを激しく突かれ、嬌声を漏らす少女。
「あ、あはあああああぁぁっ!!!」
造魔は更に膣口からも挿入を開始する。
触手は処女膜を突き破り、膣壁を傷つけながら前後運動を始めた。
少女の秘所から愛液と血の混じった物が流れ出てくる。
激しい快感に支配された彼女は、処女を失ったという事実すら認識できなかった。
「ひううううぅ!ふあああああぁぁっ!!」
二穴を同時に責められ、血を流しながらも、少女は快感に悶え、嬌声を上げ続ける。
「おー、君も中々やるね。面白い」
小休止をしていた青年が振り向いて、少女を犯す造魔に感心したように言う。
青年の言葉に気を良くしたのか、造魔はピストン運動のピッチを更に早める。
「あひゃっ、はうううううぅぅん!やあああああああぁぁっ!!」
それに伴い、少女も更に声を上げる。
やがて、造魔が前後同時に射精する。
「ああああああああぁぁぁぁっ!!!」
吐き出される大量の精液を注ぎ込まれ、少女の腹は大きく膨れ上がった。
たっぷり精液を吐き出し終えると、造魔は満足したように、触手を二穴から抜き放ち、彼女の拘束を解く。
前のめりに倒れたせいで腹が圧迫され。少女は二穴から、洪水の様に白濁を漏す。
「ぁ…あぅ…ひぁ…」
口からは涎を零しながら、少女はガクガクと震えていた。
222魔法少女マユ 第6話 13/17:2009/10/22(木) 10:55:02 ID:P4D97U8y
青年の手によって、姉も少女の隣に放り出される。
「う、うぅ…」
「くぁ…ぅ…」
度重なる責めに、姉妹は力なく倒れ伏していた。
「先にやらせてあげるよ」
二人を見下ろしていた青年は、造魔に向かって言う。
造魔は頷くような動きを見せると、触手を二人に向けて伸ばす。
そして、弱々しく震えている彼女達の二穴に同時に挿入を行った。
「ひぎいいいいぃぃっ!!」
「ふああああああああ!!」
姉は激しい苦痛、妹は快感に声を上げる。
青年は腕組みをしたまま、その光景を楽しそうに見つめていた。
「あがああああっ!んぎいぃぃっ!!」
「ひあああああああ!やああああああああん!!」
触手で拘束され、宙に吊り上げられた状態で、二穴を同時に犯され叫ぶ二人。
姉は膣壁を広げんがばかりに蠢かれ、激しい苦痛に叫ぶ。
妹は背中や尻を、触手で打ち据えられて嬌声を上げた。
触手達が一斉に射精を始める。
「ああああああああああっ!!!」
「ひうううううううううん!!」
入りきらない精液がそれぞれの結合部から溢れ出す。
それでもお構い無しに、触手は射精を続ける。
そして、射精を終えると、またピストン運動を再開させた。
姉妹のお腹は大量の精液によって、ありえないくらいに膨れ上がっている。
更にピストンのピッチを早めて、造魔は二人を責め立てた。
「うぐううううううっ!!いああああぁぁっ!!」
「はぁぁぁん!はくうううううううう!あああああぁぁぁん!!」
造魔はその後も射精を行い、その度に結合部から大量の精液が溢れ出て来る。
いつしか、彼女達の足元には、精液が大きな水溜りの様に溜まっていた。
5度目の射精を終えて、造魔は姉妹を解放する。
二人は精液の水溜りに倒れこみ、二穴からは大量の精液が流れ出ていた。
223魔法少女マユ 第6話 14/17:2009/10/22(木) 10:56:49 ID:P4D97U8y
しばし間をおいて、造魔が再び動き出そうとした時。光が造魔の体に降り注ぐ。
体のあちこちを貫かれて、造魔は態勢を崩す。
光が放たれた方向にはマユとユーリィが立っている。
「む…もう来ちゃったか。随分早いな」
少女の姿を見て青年は呟く。
「シャーナさん!リィン!」
二人の姿を見て、少女は声を上げる。
「このぉ…よくも二人を!!」
少女は怒りの叫びと共に、魔力で構成した大剣を構える。
そして、造魔の伸ばしてくる触手を切り払いながら、一気に間合いを詰める。
「はあぁっ!!」
横薙ぎに大剣を振るい、造魔の体を切り裂く。
上下に二分された造魔の体に、炎の魔法を放ち焼き払う。
「ユーリィ、二人をお願い!」
「う、うん!」
再び大剣を構えて、青年と対峙するマユ。
「おやおや、君の迎撃にもう一匹伏せておいたのに…役に立たなかったようだね
 やっぱり時間がかかっても、ラディウスのラボに頼むべきだったなぁ。」
予備兵力として、別の開発部門から調達した造魔は、少女の相手にならなかったようだ。
「よくも、二人を…許さないんだから!!」
少女は激しい怒りを覚えていた。
前回は自分を、そして今度は二人を弄び、犯した青年に。
「ふふふ、すぐに君も同じ目に遭わせてあげるよ」
青年の周囲に光球が次々と出現する。
指を鳴らすのを合図に、一斉に少女に向けて発射された。
次々と飛来する光球を、少女は光の矢を放って迎撃していく。
「へぇ」
青年が全て回避しきった少女に、感嘆の声を漏らす。
左腕を先端に刃のついた触手に変化させ、少女に向かって振るう。
「くっ!」
少女は、魔力刃を消した状態で剣を振るい、あるいは回避して触手を突破する。
そして、青年の懐に飛び込む直前で再び刃を構築した。
「はああぁぁっ!!」
「ちぃっ!」
青年は右腕を剣の様に変化させて、光の大剣を受け止めた。
(っ…この子、前回より魔力が上がってる…)
剣に変化した右腕に亀裂が走りつつある。少女の大剣の魔力量に押されているのだ。
「くっ…うぅ…でやあああっ!!」
気合の声と共に、少女はありったけの力を込める。
「ぐぅっ!?」
青年の右腕が切り裂かれた。
とっさに飛び退いて回避するも、肩口から胸を袈裟に浅く斬りつけられる。
224魔法少女マユ 第6話 15/17:2009/10/22(木) 10:57:34 ID:P4D97U8y
間合いを開けて、両者は再び対峙した。
「……今日はここらで退散させて貰おうかな…手駒も2つとも潰されちゃったし」
肘から先が無くなった右腕と胸の傷を見て、青年が苦笑しながら言う。
少女は黙ったまま剣を構えている。
「次はもっと強力な駒や、色々作戦を考えておくよ…じゃあね」
転移の魔法を発動させて、青年は消えていった。
「……悔しいけど、アイツにはまだ敵いそうに無いな…」
青年が消えると、マユは一息ついて構えを解く。
本当は逃がしたくなかった…だが、今の自分じゃ彼を倒せない。
さっきまでの戦いも、少女は全力で戦っていたが、青年はまだ余裕そうだった。
それに、二人の事が気になったのだ。
「ユーリィ、二人の様子は?」
「命に別状は無いよ…でも…」
姉妹の身体は酷い有様だった。
二人とも裸の状態にされ、体中は白濁で汚されている。
大半は流れ出たものの、お腹は普段より膨れた状態だ。
膣口とアナルからは白濁が漏れ出ており、時折ビクビクと体を震わせる。
「……とりあえず、シャーナさん達の家に行こう」
「うん、分かった」
ユーリィが魔法を発動し、少女達は公園から消えた。



「ん…」
「あ、気が付きました?」
家の玄関の中に転移したところで、シャーナが目を覚ます。
「…マユちゃん…貴方が助けてくれたのね…」
「ごめんなさい、連絡受けてすぐ向かったんですけど…現場に着く前にもう一匹造魔が居て…」
マユは申し訳なさそうに顔を俯く。
「それは仕方ないわ…それにこうして助けてくれたじゃない。貴方が来てくれなかったら私達は…」
更に酷い陵辱を受け、彼らに捕らえられ造魔の母体とされていただろう。
「とりあえず…この体をなんとかしないとね…」
フラフラと歩き出そうとしたシャーナを、マユが支える。
バスルームまでシャーナを連れて行った後、今度はリィンをバスルームまで背負って行く。
変身を解除したマユも寝巻きを脱ぎ、一緒にバスルームに入る。
225魔法少女マユ 第6話 16/17:2009/10/22(木) 10:58:41 ID:P4D97U8y
「シャーナさん…一つ質問いいですか?」
リィンの体の汚れを洗い落としていたマユは、シャーナに声をかける。
「何かしら?」
「えっと…その…魔族に犯されちゃうと…」
その言葉で、シャーナは少女の言いたい事が分かった。
「それは大丈夫よ…造魔は繁殖力が無いの。作られた故にね。高位の魔族も、人間が受精する確率は皆無に等しいわ。
 通常、魔族同士でないと、奴らは子供が成せないのよ」
「そう…ですか…」
シャーナの言葉に、少女は少し安心したような表情を浮かべる。
「ぅ…うぅん…」
マユに支えられていたリィンが小さく声を漏らす。
「リィン!」
「マユちゃん…お姉ちゃんも…」
ぼんやりとした様子で、少女はマユとシャーナの顔を見た。
やがて、瞳に大粒の涙を浮かべる。
「ご、ごめん…ごめんなさい…」
「………」
二人は黙って、少女の言葉を聞く。
「私の…私のせいで…お姉ちゃんまで酷い目に…」
「リィン…」
「…話してくれるわね?全部」
姉の問いに、妹はこくんと頷く。
少し間をおいて、リィンは二人に話し始める。
自分の部隊を襲った惨劇の事、それを起こしたのがあの青年と、彼の主…魔王ヴァルアスという事。
アゼルが自分を守る為にレドリックに戦いを挑み、殺された事。
そして…自分があの惨劇の目撃者を残すという王の戯れで生かされた事を…
「そう…それで皆の仇を討つ為に、エルメリアからの応援要員を志願したのね?」
「そっか…ここはアイツらの本拠地。拠点を探すのも任務の一つだもんね」
シャーナの言葉に、ユーリィが付け加える。
「うん…ここに来れば、レドリックやアイツへの手がかりが見つかると思ったの…
 そして、行ってすぐに彼とは出会った…」
「私を助けに来てくれた時だね」
マユの言葉に、リィンは頷く。
「居ても立っても居られなかった…エルメリアから来てすぐに、王への手がかりを見つけられたんだから…
 マユちゃんやお姉ちゃんを巻き込みたくなくて、最初は一人で回ってたの」
「ばか…」
俯いているリィンを姉は優しく抱きしめる。
「何でそんな事を一人で抱え込むのよ…話して欲しかったわ」
「お姉ちゃん…ごめんなさい…ごめんなさい…」
涙を零しながら、少女も姉の背中に手を回して抱き合う。
抱き合った状態で、リィンはしばし涙を流し続けた。
226魔法少女マユ 第6話 17/17:2009/10/22(木) 10:59:20 ID:P4D97U8y
体を洗い終えたマユ達はバスルームを出て、リビングに場所を移す。
「私一人の力じゃ、アイツには全然敵わない…お姉ちゃん、マユちゃん、ユーリィ…お願い!私に力を貸して!」
リィンの言葉に3人は顔を見合わせて、そして微笑む。
「当たり前よ、それが私達の役目なんだから」
シャーナが少女の肩に手を置いて微笑んだ。
「そうだよ!レドリックの奴を野放しになんか出来ないよ!」
「うん、皆で力を合わせてアイツをやっつけようよ!」
マユとユーリィも少女を元気付けるように、力強く語る。
「皆…ありがとう」
3人の言葉に、少女は嬉しそうに微笑み、頭を下げた。
その後、リィンの部屋で二人っきりになった時に、マユが口を開く。
「ねぇ、リィン…今度魔法を教えて貰えないかな?私もっと色々覚えたいんだ」
「うん、いいよマユちゃん…私も一緒に訓練をして欲しいの…今のままじゃダメだ…もっと強くならないと」
リィンの言葉に、マユも頷く。
「そうだね…もう負けたくないよ。一緒に頑張ろう、リィン」
「うん、頑張ろうね。マユちゃん」
二人は頷き、手を握り合う。
それからしばらくして、マユとユーリィは自分達の家に帰っていく。
「ねぇ、今晩は一緒に寝ましょうよ」
「え?…うん…お願い…」
姉の言葉に、しばし迷った後、リィンは頷く。
あの様な目に遭った直後だ。ちゃんと寝れるだろうかと不安だった彼女には姉の申し出はありがたかった。
二人はシャーナの方のベッドに入る。
眠ろうとしたが、やはり落ち着かなくて寝付けない。
そんな少女を姉が抱き寄せる。
「こうしてれば…少しは楽でしょ?」
「…うん」
肌に感じる姉の温もりに、リィンは安心を覚える。
一緒に寝ようと提案してくれた姉に、感謝した。
相手に言ってもらえなければ、自分からは恐らく言い出せなかっただろう。
リィンがやがて小さな寝息を立てだした時、シャーナが消え入りそうな小さな声で呟く
「…フィル…ぅ…うぅ…」
彼女の体も震えていた。そして、小さく嗚咽を漏らしている。
彼女も怖かったのだ…出来るならば、エルメリアに居る彼の元に行きたかった。
だが、それは出来ない。同じように恐ろしい目に遭った妹を放って置く事など、彼女には出来ない。
眠りに落ちるまで、彼女は小さく嗚咽を漏らし続けた。
227マユ作者:2009/10/22(木) 11:00:37 ID:P4D97U8y
またミスっちゃった…最初の3レスが全部1/17だ…orz
はい、という訳で今回は新キャラの姉妹に酷い目にあって貰いました。
これまで書いたの見返して見て、殆ど触手系なのに気づいた…
次の奴も片方触手系だし…俺ホント触手好きなんだなw
ラディの実験についてはまた次回に。それではまた次回お会いしましょう。
228名無しさん@ピンキー:2009/10/22(木) 14:18:28 ID:DgJUVvzg
GJ!
魔法少女と触手は斬っても切れない間柄
よろしいのではないでせうか?

個人的には陵辱シーンの(ミクロな)描写をして欲しいですね〜
5回も出しているのですから、5種5段階の進行が…ってゆーのは流石に無茶ですがw
現状では、戦闘シーンの描写に比重が感じられます。
229名無しさん@ピンキー:2009/10/22(木) 16:05:05 ID:i5ZA088J
>>227
乙です!
お尻打たれて悶える所が良かったです。
さりげにセディアのその後が…やはり資料室行きか。
230名無しさん@ピンキー:2009/10/22(木) 17:25:18 ID:eeBUtH9U
>>207
良いよおいでおいで

あと魔法少女マユの人乙&GJ!
この短期間の間によくもこれだけ書けるもんだな〜
231名無しさん@ピンキー:2009/10/22(木) 17:48:37 ID:rMPsS0kO
>>217
GJ
苦痛を快楽に、っていいね。
232名無しさん@ピンキー:2009/10/22(木) 20:28:37 ID:PO6JduME
魔法少女の涙とマユの人GJでした
とことん少女がいたぶられるのはいいね 心が癒される
じっくり鑑賞して愛でていたい
233名無しさん@ピンキー:2009/10/22(木) 21:13:45 ID:2KfTIYLR
>>230
ありがとん
('・ω・`)

がんばって投下してみるお
いけるっぽいならエロいとこまで投下するお
たぶん五十キロバイトくらいあるけど、まだ容量は大丈夫かな・・・
234名無しさん@ピンキー:2009/10/22(木) 22:46:20 ID:nQkZI/DP
>>233
ブラウザは何で見てるのか分からんけど、容量はスレの一番下を見てみな。
赤い文字で〜KBって数字がないかな?
その数字が現在のスレの使用している容量。
たしか502KBぐらいがスレで使用できる容量で、現在は356KB。50KBぐらいならまだ余裕だね。
でもそれほどの容量を投下するんなら専ブラじゃないと規制に引っかかるかもなんで投下の直前に支援要請も含めて
予告してくれると助かる。
235名無しさん@ピンキー:2009/10/22(木) 22:55:42 ID:2KfTIYLR
うい
教えてくれてありがとう
('・ω・`)
うまいこと投下できるといいんだけど
236('・ω・`):2009/10/23(金) 09:15:27 ID:6kxmiGOM
では投下開始してみるお

けっこう長くなる悪寒

おいらが凌辱好きなので内容もそっち系になるお
凌殺ってやつだお・・・なもんでそういうの苦手な人はスルーしてお
237名無しさん@ピンキー:2009/10/23(金) 09:19:39 ID:6kxmiGOM
 二〇一〇年、初夏。
 その日の夜、日本列島の一角、とあるごく普通の町の、ごく普通の公園において、尋常ではない事態が発生した。
 乱舞する、まばゆい光。
 銃弾のように飛び交う水や炎の塊。
 鳴り響く、轟音。
 まさにそのとき、その公園は戦場と化した。
 争うのは、三人の少女と、一匹の化け物。
 化け物はこの世のものとは思えぬ姿をしていた。近い生き物を探すとすれば、狼だろうか。
 しかし少なくとも、尻尾を含めずとも三メートルに達する全長、眉間から長く鋭い一本角を生やし、体毛は赤く、腹部は緑色の鱗に覆われていて、二本脚で直立歩行する狼など、そんなものは人類が持つ動物図鑑には載っていない。
「グルルアアアアッ」
 獰悪な咆哮を上げ、狼が跳躍した。足元の地面が爆ぜる。地球上に生息するとされるありとあらゆる生物の常識を大きく凌駕した、圧倒的な速度。砲弾と化して、敵対する少女の一人へと迫る。鋼鉄をも切り裂く爪と牙が光る。
 最新鋭の戦車をも瞬く間にしてスクラップに変えてしまう、強大な一撃。
 この化け物はただの体当たりで、人類の英知の結晶をあざ笑うことができるのだ。
 ――そして、それを迎え撃ったのは、ただの蹴りだ。
「遅いっ!」
 一喝する、少女。化け物と比べればあまりにも小柄なその体躯が宙に浮く。砲弾を迎撃する対空ミサイル。ただの飛び蹴り。巨大な肉の塊を難なく蹴り飛ばす、信じがたい脚力。
 驚愕の声を上げつつ、化け物は吹き飛び、ジャングルジムに背中から叩きつけられた。
 その少女は鮮烈な赤の衣装に身を包んでいた。黒いボディスーツの上から赤いドレスを着込んでいるような格好。スカートは短く、あらわとなっている太ももの白さが目にまぶしい。足元はロングブーツによって守られている。
 燃え盛る炎のように赤い髪を、肩にかかるほどの長さまで伸ばしている。かわいらしくありながら凛々しく、端整で、どこか神秘的な顔立ち。その瞳の色は力強く、けっして悪を許さない正義の心をみなぎらせて、おぞましい異形の化け物を睨みつけていた。
 化け物とて、やられてばかりではいない。
 双眸に憎しみをこめて少女を睨み返し、立ち上がる。
 一本角が紫色の火花を散らす。まるで帯電しているかのように。
「いけないっ! さがって、フラム!」
 フラムと呼ばれた赤い少女を庇うように、青い衣装の少女が飛び出す。
 直後、化け物の角から光と共に強烈な電撃が放たれ、少女たちへと襲い掛かった。
238名無しさん@ピンキー:2009/10/23(金) 09:21:09 ID:6kxmiGOM
 青い少女が両手を前方へと突き出し、気合の声を発する。すると、紫電から彼女たちを守るかのように、分厚く四角い水の壁が発生した。それはシェルターのように堅固な護りとなって、少女たちに毛ほどの傷すら負わせない。
「ありがとう、キャナル」
「まったくもう……気をつけなさいよね。あんたは防御魔法が使えないんだから」
 たしなめるように言った青い少女、キャナル。その髪は冴え渡るように青く、腰にまで届くほど長い。それを頭の左右でそれぞれ縛ってまとめている。いわゆるツインテールという髪型。
 キャナルが纏う衣装は、フラムのそれと酷似していた。が、色合いがちがう。フラムの赤に対して、こちらは青を基調としている。
 気の強そうな吊り目。すっきりとした鼻筋やかわいらしい唇。非常に整った容姿の美少女だ。
 そんなキャナルにしかられて、フラムは、なぜか嬉しそうだった。
「ありがとう。キャナルのおかげで安心して戦えるよ」
「な……そっ、そうよ、あんたみたいな無鉄砲バカ、あたしがついていないとなんにもできないんだから! 危なっかしくて見てられないわ! 感謝しなさいよね!」
 どこまでもまっすぐな瞳で真心からの感謝を述べるフラムと、なぜか真っ赤になってそっぽを向く、キャナル。
 そんなふたりを前にして、化け物がつぎにとった行動は、彼女たちに背を向けて全速力で駆け出すことだった。かなわないと見て、逃走に移ったのだ。
「あーん、もう、フラムちゃんもキャナルちゃんも、無駄話が多すぎっ!」
 公園に植えられている木の枝の上から、鈴を鳴らしたような声でそう言ったのは、三人目の少女。黄色い衣装に身を包んだ、栗色の髪の少女。かわいらしい美少女だ。
 その手に握るのは、華美な装飾の施された弓。和弓ではなく洋弓。アーチェリーで使われるものに似ているが、その造形、その材質、どれもが尋常ではない神秘的な光を放っている。
 少女は右手で弓を握り、左手で矢尻を握った。
「お化けさんに逃げられちゃったら――」
 弓がしなる。弦が後ろへと引かれる。
 ぎりぎりという音が鳴る。
 射手たる少女は片目を瞑っている。番えた矢の先端が、時速百五十キロメートルで駆けていく化け物の背中に、しっかりと照準を合わせている。
「どうするのっ!?」
 ぱっ、と矢から手を離す。
 放たれた矢は音よりも速く飛んだ。
 化け物は逃げていた。一目散に逃げていた。
 すでにその身は市街に立ち並ぶ高層ビルの群れにまぎれている。たくましい四肢を使ってビルの壁面に張り付き、すぐさまそこを蹴って跳び、新たなビルの壁面に張り付き、また新たな着地点を目指す。
 鏡に反射する光線のように、三人の少女たちから逃げていく。その姿を地上の人間たちが視界に捉えることはない。化け物はあまりにも素早く、その動きは常軌を逸していた。
239名無しさん@ピンキー:2009/10/23(金) 09:22:20 ID:6kxmiGOM
 化け物は、ホッとしていた。胸をなでおろして安心していた。
 敵からは遠く離れている。もはや彼女たちの脚力をもってしても追いつかれることはない。そして、たとえどれほど破壊力と射程距離の優れた武器を持っていようが、狙われる心配もない。周囲に乱立した高層ビルが逃走経路であり壁であり人質である。
 高速でランダムに動き回る化け物を狙い撃つことは至難。
 堅固なビルの壁を無数に貫通することは困難。
 そして、どれだけ出るのか分からない一般人の被害を無視することは、少女たちにはとても不可能。
 見た目に反して計算高い化け物は、にやりと邪悪に笑みを浮かべ、
「――ガッ?」
 そして、自分の左胸を貫いた矢を見下ろし、驚愕の表情を浮かべたまま、力を失って墜落した。
 地面に落ちる前に灰と化し、この世から消え去った、狼の化け物。
 彼は油断したわけではない。無力だったわけでもない。
 誰が想像できるだろう……この世のどこまでも標的を追跡して飛翔する矢の存在など。
 公園では、射手の少女が歓声を上げていた。
「きゃーっ、やったあっ!」
 枝の上で無邪気に笑い、ガッツポーズ。
 それを見上げてフラムが言う。
「トレノ。やったのか?」
「うん! もう、ばっちり命中っ! やっつけたよーっ!」
 眼下に向かって、トレノが飛ぶ。狙い定めている着地点は、フラムの腕の中。それを危なげなく見事にキャッチ、横抱きにしてみせるフラム。
「おいおい、トレノ……危ないだろう」
「フラムちゃんが受け止めてくれるから平気だもんっ♪ フラムちゃんにしてもらうお姫さまだっこ、大好き♪」
 軽やかに笑いながら言うトレノに、やれやれ仕方がないな、とフラムは苦笑した。
「……ふん。ま、魔力数値が五千そこそこの雑魚なんて、倒して威張れるようなもんでもないけどね」
 フラムとトレノからはやや離れたところにいるキャナルが、腕組みしながらそう言った。どこか不満げで、すねているような口調と態度。
 なにを思ったのか、トレノが意地の悪そうな笑みを見せた。
「あー、もしかして、キャナルちゃん……」
「な、なによ」
「フラムちゃんにお姫さまだっこしてほしいんでしょー?」
「なっ!? な、なに言ってんのよ、ばかっ! あ、あたしはべつにそんなんじゃ……」
 なぜかどもる、キャナル。
 フラムはトレノを抱きかかえたまま、ふむ、とうなずき、
「そうか。わたしはかまわないよ。キャナル、おいで」
「〜〜〜〜〜っ!? だ、だだだ、だからちがうって言ってるでしょうがあっ!」
240名無しさん@ピンキー:2009/10/23(金) 09:23:10 ID:6kxmiGOM
 顔色を、熟れたトマトのように真っ赤に染め、フラムを追い掛け回す、キャナル。わけがわからないというふうな顔で逃げ回る、フラム。その腕に抱かれて無邪気に笑っているトレノ。
 彼女たちは、もちろん、ごく普通の一般人などではありえない。
 罪なき人々を護るため、強大な悪と戦う、平和の戦士。魔法を扱う、魔法戦士。
 赤き魔法戦士、フラム。
 青き魔法戦士、キャナル。
 黄の魔法戦士、トレノ。
 全世界規模の巨大な正義の組織、イノセント・ナイツのメンバー。
 彼女たちは、市内の高校に通う、ごく普通の女子生徒。名前も、日本人らしい名前が、きちんとある。ただしそれは日常の姿でしかない。
 ひとたび化け物の出現を感知すれば、名前は洗礼を受けた聖名へと変わり、衣装は対衝撃、対魔法効果を備える特殊戦闘装束へと換装。偉大な魔力をもってして、悪との戦いへと挑むのだ。
 悪。魔法戦士イノセント・ナイツにとっての悪とは、なにも人間社会における犯罪者などに限らない。人智を超えた化け物の討伐こそ、彼女たちの使命。ちょうど、先ほど戦いを繰り広げていた相手のように。
 化け物はあの狼だけではない。フラムたちはいままでに何体もの化け物と戦ってきた。そしてこれからも数多の戦いを続けることになるだろう。
 あの化け物の正体は魔族。この世界とは異なる世界からやってきた、凶暴な悪そのものだ。
 魔族は人間の血肉を好んで食す。彼らがその生命を維持するために必要な要素、魔力が、人間の肉体には含まれているからだ。
 とくに、獲物の感情が強く爆発すればするほど魔力は多く、芳醇になる。ゆえに魔族が人間を害する場合、その手段は残虐にして非道だ。
 獲物の恐怖心を爆発させ、殺し、食べる。そうすれば多くの魔力が手に入る。それを、魔族は本能的に悟っている。だからこそ罪もない人々を犯し、嬲り、苦しめて、絶望のどん底に叩き落してから食い殺すのだ。
 そうやって殺されていく人間たちの、あまりのむごさ。フラムたちはそうした許しがたい光景を何度もその目に焼き付けてきた。
 ――たとえこの身が滅びようとも、けっしてあきらめずに戦い続ける。
 フラムたちはそう心に誓い、そして今日も戦うのだ。
241名無しさん@ピンキー:2009/10/23(金) 09:24:19 ID:6kxmiGOM
 公園にてフラムたちが激戦を繰り広げた翌朝。
 フラムは――いや、十七歳の女子高生、炎堂寺翔子は、いつもどおり、七時三十分には目が覚めた。
「ふわあ……あ……」
 大きく伸びをすると、あくびが出た。ジリジリと鳴り響く目覚まし時計を殴り飛ばすようにして停止させ、こぶしで目をゴシゴシとこする。
「ねむいなぁ」
 そうはいっても今日は平日、学校に行かないわけにはいかない。
 魅惑的すぎる布団の暖かさを振り払うようにベッドから抜け出して、ブレザーの学生服に袖を通し、歯を磨いて顔を洗ってから食卓に着いた。
 テーブルの向かい側の席には父が座っている。キッチンから歩いてきた母親が、翔子の前に水の入ったコップを置いてくれた。
 父はごく普通のサラリーマン。母もごく普通の専業主婦。
 翔子の家庭はどこまでも普通だ。
 それでも翔子は十分に満ち足りていて、幸せだ。
「おはよう、父さん、母さん」
「おう。おはよう、翔子」
「おはよう。今朝はまたずいぶんと眠そうね。大丈夫?」
 気遣わしげな視線を向けてくる母親に、大丈夫、と返してから、翔子はいつも通りのおいしい朝ごはんをたいらげた。翔子の母は調理師の免許も取得していて、その料理の腕は抜群なのだ。
「いってきます」
「がんばれよ」
「車に気をつけるのよー」
 両親に見送られての出発。
 自宅から学校までの道のりは、歩いておおよそ二十分ほど。走ればもっと短時間で行き着くことができる。今朝は寝坊したわけでもないので、翔子はゆっくりと余裕をもって歩いていた。
 その途中のことだ。
 許しがたいものを、翔子は見た。
 五人の学生。制服からして、翔子と同じ高校の生徒だろう。たしかクラスは違うが同学年だったはずだ。見たことのある顔もいる。
 それはいい。
 しかし翔子にとって許せなかったのは、四人の男子生徒たちが、自分たちの荷物のすべてをひとりの男子生徒に押し付け、げらげらと笑いながら歩いていることだ。
 左右の手にそれぞれひとつずつ、首からふたつのカバンを提げたその生徒の顔色は悪い。
 その周囲では、髪を金や茶色に染め、耳と鼻にピアスをぶら下げた、見るからに不良生徒といったいでたちの連中が、カバンを持たされた生徒の尻を蹴飛ばし、腹を殴り、指を差して嘲笑しながら、学校への道を歩いている。
 周りの人間は、関わり合いになりたくないのだろう。見て見ぬふりを決め込んでいる。
242名無しさん@ピンキー:2009/10/23(金) 09:25:17 ID:6kxmiGOM
 翔子は我慢ができなかった。
「……おいっ! おまえたちっ!」
 ずかずかと歩いていく。その瞳は義憤に燃えていた。
 不良のひとりが、面倒くさそうに翔子を見やる。
「なんだぁ?」
「なぜ自分のカバンぐらい自分で持たない? 彼は辛そうだ」
「しらねーよ。ばーか。俺たちがカバン持つの重くてめんどくせーからよー、こいつが代わりに持ってくれてるんだよ。で、そん代わり、俺たちはこいつのオトモダチでいてやるの!」
「そーそー、あと毎月のオトモダチ料金、俺たちひとりあたり三万円」
「こいつ、根暗で貧相でガリ勉のクズだからよー、俺たちがオトモダチになってやらなきゃイジメられちまうんだよ。なあ? 俺たちのおかげでイジメられてねーんだから、むしろ感謝してるんだよなあ?」
 煙草の臭いの染み付いた黄色い歯をむき出しにして笑いながら、不良は少年に尋ねた。翔子に隠れて腹を殴りながら。
 少年は曖昧に笑いながら、こくりとうなずく。
 が、しかし。
「嘘をつけッッ!」
 ビリビリと空気が震えるほどの勢いで一喝した翔子。
「カバンを持ったから友達でいてやる? 金をもらったから友達でいてやる? ……そんなものが友達などであるものか! 恥を知れ、このクズどもッッ!」
 不良たちは翔子の背後に炎を見た。めらめらと燃え盛る紅蓮の炎を。
 だが、名前も知らない人間に、しかも明らかに自分よりも弱そうな少女にここまで言われて、黙っていられるような彼らではない。
「は……はあ? つ、つーか、おまえ誰よ? うぜーんですけど」
 そう言った不良少年は、たかが少女ならちょっと突き飛ばせば泣いて逃げ出すとでも思ったのか、翔子に向かって無造作に手を伸ばした。
 そのとき、ほかのひとりが、思い出したように声を上げた。
「あ、そいつ、もしかして――」
 すでに遅い。
 翔子は自分に向かって伸びてきた腕を軽やかにかわし、軽やかな体さばきで横から掴むと、不良の足を軽く足払いして、そのまま竜巻のように回転した。
 ずどん、という音を立てて、不良は背中から地面に叩きつけられる。
 柔らかい土ではなく、硬く舗装された路面へと落ちたのだ。翔子がわざと勢いを殺していなければ背骨がへし折れていてもおかしくはない。
 それでも衝撃は大きく、不良生徒は白目をむいて気絶していた。
243名無しさん@ピンキー:2009/10/23(金) 09:25:51 ID:922s4u61
支援
244名無しさん@ピンキー:2009/10/23(金) 09:26:04 ID:6kxmiGOM
「殺人拳法の、炎堂寺翔子……!」
 恐れおののいたような声。
 翔子はため息をついて、不良の腕から手を離す。
「その異名にはいろいろと思うところがあるが、まあ、その通りだ。……つぎはおまえたちが相手か?」
「い、いや、俺たちは……」
「べつに、なあ?」
 気絶している者を除いた三人は、顔を見合わせ、青くなった顔で引きつったような笑みを見せる。
 翔子は、ふん、と鼻を鳴らした。
「仲間の仇を討とうという気概すらないのか。どこまでも見下げ果てた奴らだ。さあ、見逃してやる。こいつを連れて、さっさと行くがいい。ただし、もしもまた彼や、ほかの誰かをいじめたなら、そのときこそは許さないぞ」
 不良たちは、普段なら、安っぽい面子を傷つけられた怒りをあらわにするだろう。だが、いまは相手が悪かった。
 どれだけ侮蔑の言葉を向けられようとも、痛い目を見たくはない……そう判断した不良たちは、気絶した仲間を引きずって、ついでに自分のカバンを手にもって、すごすごと立ち去った。
「情けない奴らだ。――さて」
 翔子は、いじめられていた少年に、目を向ける。
 ずいぶんと小柄な少年だ。翔子は身長百七十センチと、女子にしては背丈のあるほうだが、それにしてもこの少年は背が低い。おそらく百五十センチほどだろう。体つきは貧相で頼りなく、筋肉がほとんど付いていない。
 ぼさぼさの黒髪には艶がない。顔立ちは女顔というわけではないし、それなりに整っているが、目がいけなかった。濁りきった、暗い色の双眸。たとえるならドブ川の底にたまった泥の色か。それは見る者を不愉快にさせる負の気配を放っている。
 青白く、不健康そうな少年が、ぼそっと言う。
「……ありがとう」
「いや、礼を言われるほどのことじゃないさ。――それよりも、さっきはずいぶんと殴られたり蹴られたりしていたようだけど……大丈夫か?」
「うん。……僕、丈夫だから」
 力のない笑みを見せる、少年。
 翔子は心配に思って、その体を手で触ったり、目で観察してみたが、たしかに、どこにも怪我や痣などはないようだ。存外に、頑丈な体をしているらしい。
「どうやら本当に大丈夫みたいだが、念のため、保健室に行って、診察してもらったほうがいいと思う」
「ん……そうかな……そうしてみようかな……」
 ぼそ、ぼそ、と。聞き取りづらい声で少年は言う。
 翔子は眉根を寄せた。
「なんだ、男らしくないな。もっとハキハキと、はっきりしゃべったらどうなんだい? そんなナヨナヨした態度だから、あいつらに酷いことをされていたんだ。いまからでも遅くない、強くなる努力をしろ」
 翔子はズバズバと、ものを言う。いまどきの若年世代にしては珍しい、竹を割ったようにすっぱりとした性格。それが彼女の長所であり、短所でもある。
245名無しさん@ピンキー:2009/10/23(金) 09:26:49 ID:6kxmiGOM
 少年は、苦笑いを浮かべた。
「努力なんて無駄だよ。……弱い奴はどうがんばったところで弱いままだし、強い奴はなにもしないでも強い。それが世の中の仕組みだ」
「馬鹿っ!」
 ごちん、という音がした。
「ぐえっ」
 少年が、潰れたカエルのような悲鳴を上げる。
 翔子が少年の脳天めがけて拳骨を落としたのだ。
 赤毛の少女の瞳は怒りに燃えていた。
「どうしてそんなことを言う? どうしてあきらめてしまっている? わたしはそんなことなど認めない! 弱いなら、強くなればいい! 努力すれば強くなれる……それもまた世の中の仕組みだ!」
 本気で、心の底からそう叫ぶ翔子を、少年はどう見たのか。
 痛みに涙を浮かべていた目が、ふっ、と細まる。
「強いね、炎堂寺さんは。……うらやましいな」
 翔子に背を向けて立ち去ろうとする、少年。
 それを翔子は呼び止めた。
「待って! ……きみの名前は?」
 少年はゆっくりと振り返った。
「古森だよ。古森秋人。……それじゃ」
 今度こそ秋人は立ち止まらなかった。学校へと続く長い坂を上っていく。とぼとぼと歩いているように見えて、なぜか速い。みるみるうちに進んでいく。
 翔子は秋人を追いかけようとして、しかし後ろから声をかけられたことにより、それを中断せざるをえなかった。
「おーい、翔子ちゃーん!」
 振り返ってみれば、翔子の立っている地点からは反対側の歩道、横断歩道の向こうで、同級生にしてクラスメイトの美夏村楓が、元気いっぱいに手を振っている。
 信号が赤から青に変わり、楓が勢いよく駆けてくる。そしてそのまま、全力疾走で翔子の胸に飛び込んできた。
「おっはよーん、翔子ちゃん♪」
「ああ、おはよう、楓。でも……そんなに走ると危ないぞ」
 楓の体を受け止めて、翔子はたしなめるように言った。
 それを聞いているのかいないのか、楓は翔子の頬へと頬ずりを繰り返す。
「翔子ちゃんが受け止めてくれるから平気だもん♪ ああん、翔子ちゃんのにおいだぁ♪」
「こらこら……ははは、朝からそんなにくっつくなよ」
 とはいっても翔子の顔に迷惑そうな色はない。むしろ嬉しげで、どこかくすぐったそうな雰囲気だ。
246名無しさん@ピンキー:2009/10/23(金) 09:27:24 ID:6kxmiGOM
「昨日はお化けさん退治があったから、あまり寝てないの。こうやって翔子ちゃんエネルギーを補給しないと、あたし、バタンキューしちゃうよぉ」
「ああ、それはたしかに……あまり寝ていないから、わたしも今朝は起きるのが大変だったよ」
「でしょでしょっ!? だからねぇ、翔子ちゃんも楓エネルギーをたっくさん補給してね。エネルギーをわけあって、今日も学校がんばらなくちゃ!」
 翔子エネルギーや楓エネルギーといった謎の成分の信憑性は疑わしいが、とにかくそれらを信じている楓にとっては、空気や水などと同じように、必要不可欠な養分であるらしい。
「なに言ってんだか……ばっかみたい」
 そう言ったのは、いつの間にかやってきていた、ツインテールの少女。小手川氷雨。
 ふたりの少女――楓と氷雨は、翔子にとっての親友であり、クラスメイトであり、そして、かけがえのない戦友でもある。そう、イノセント・キャナルとイノセント・トレノの正体だ。
 楓は、ぷぅ、と頬をふくらませる。
「むうっ、なによー。氷雨ちゃんだって本当はエネルギー補充したいくせに」
「んなわけないでしょっ! あたしはね、あんたらみたいにベタベタくっつくの、大嫌いなの! まったく暑苦しくてしょーがないわっ」
 気位の高さを見せ付けて歩き出す氷雨。しかし翔子も楓も、氷雨が人一倍の甘えん坊だというこを知っている。実際のところ、誰よりも、ひとの温もりを欲しているのだと。
 だから、翔子は氷雨に抱きついた。背後から問答無用で、がばっと。
「なっ――」
 小柄な氷雨を抱きしめると、身長の高い翔子の鼻は、ちょうど氷雨の頭に当たる。
「うん、いいにおい。氷雨からは甘くてふわふわした香りがするな」
「えっ、そうなのっ!? 楓も、楓もおっ!」
 耳まで真っ赤になって硬直する氷雨に、さらに楓までもが抱きつく。
「うーん、ほんとだぁ。ふわふわであまあまぁ」
「そうだろう? ああ、楓の気持ちも分かるな。ずっとこうしていたい気分だ」
「な、……な……」
 そうやって抱きつかれ、香りを嗅がれているうちに、氷雨の肌はどんどん赤みを増し、頭から湯気でも出しそうなほど吐息を熱くし、そしてついには爆発した。
「なにすんのよおっ、ばかああああああああっ!」
 早朝の通学路に、ツインテール少女の絶叫が木霊した――。
247名無しさん@ピンキー:2009/10/23(金) 09:28:26 ID:6kxmiGOM


 古森秋人は平穏を好む。
 彼は誰かに対して敵意や怨念を持つということが滅多にない。そうした感情の動きは、心という名の海原に波風を立てる……それは平穏ではなく、自身が望むものではないと知っているからだ。
 それがたとえ自分を好き勝手に殴り、蹴り、搾取し、あざ笑った連中であろうとも、秋人は敵意を抱かない。もちろん好意を抱くこともない。
 それは、心の平穏ではないからだ。
 唯一、家族のことに対しては愛情深く、真摯なのだが……裏を返せば、身内以外のこと、すなわち外界に対しての興味というものが、極端に乏しい。
 学校には毎日、きちんと通う。遅刻もない。
 だがそれだけだ。
 授業中はきちんと真面目に席に着いて、黒板に書かれた授業の内容をノートにすべて書き写し、もちろん居眠りなどしない。
 だがそれだけだ。
 成績は上位に食い込んでいる。一位ではないし二位でもない、二年生の全クラス三百人のなかで十五位あたりといったところ。目立つような順位ではない。だが安定している。
 だがそれだけだ。
 クラスメイトからなにか言葉を向けられたり、団体行動が必要になったときは、自分から積極的に動こうとはしないものの、きちんと必要最低限の会話は行い、与えられた仕事は確実にこなす。
 だがそれだけだ。
 掃除の当番は休んだことがない。便所掃除も嫌がらずに行い、ほかの連中が不真面目に談笑している横で、便器をピカピカになるまで磨き上げる。
 だがそれだけだ。
 下校時刻はちゃんと守る。よほどの理由がない限りは寄り道もせずにまっすぐ帰宅する。夜遊びなどしない。
 だが、それだけだ。
 古森秋人とはたったそれだけの存在だ。誰とも関わり合いになろうとしない、誰とも交流しようとしない。いずれは誰の記憶からも忘れ去られていなくなる。そんな存在。
 そんな存在のまま、今日も秋人は学校での一日を終えた。
 めずらしく寄り道をした。
 帰路の途中、少し道を外れて大通りに出たところにある、大きめのファミリーレストラン。なんの変哲もないファミリーレストランだ。ただし、いまは様子がおかしい。
 普段ならば家族連れの客などで賑わいを見せているはずのファミリーレストラン。
 駐車場にところ狭しと停まっているのが派手なカラーリングと違法改造の施された単車や乗用車ばかりというのは、どういうことか。すべての車には、この地域では最大級の走り屋チームのステッカーが、でかでかと貼り付けられている。
 あまりに凶暴なため、ヤクザも避けて通ると評判の、極悪な集団だ。
 いつもはここに立ち寄るはずの人々でさえ、レストランから放たれている異様な雰囲気を感じ取り、避けて通っている。
 そこに、秋人は迷いなく足を踏み入れた。
248名無しさん@ピンキー:2009/10/23(金) 09:29:18 ID:6kxmiGOM
「おう、こら」
 入り口を開けた瞬間、入ってすぐのところに立っていた若者に絡まれた。金髪と鼻ピアス、白いジャージ姿。秋人を威圧するように睨み付けている。
「おまえ、なに? あ? こら? 見てわかんね? ここ、貸し切りよ。俺らの貸し切り。あ? こら? うちらのチーム上等かコラ? あ? とりあえず財布でも置いてけや」
 理不尽な要求。
 だが、威嚇された秋人のほうは、なぜだか平然としていた。平然として、その金髪の若者を見上げている。瞳には、なんの感情の色もない。まるで路傍の石ころでも見るかのように。
 虚ろな視線で見つめられて、若者の胸中に困惑が生まれた。手を出してはいけないものに手を出してしまったかのような。彼はそれを拭い払うべく、秋人に対してさらなる恐喝を行おうとして、左手で秋人の頭髪を掴もうとした。
 しかし、その前に横手から腹を蹴られて吹っ飛んだ。
「ぐええっ! ……な、なんで、野村クン……!?」
「阿呆が……」
 野村と呼ばれたその青年の年齢は二十歳ほどだろう。黒い坊主頭と口髭。上下の衣服は黒いジャージ。身長二メートル、がっしりとした肉体の持ち主。そのいかつい形相は鬼のように恐ろしい。
 野村はそれ以上、金髪の若者に興味を抱かなかった。代わりに、周囲の若者たち十数人が、秋人につっかかっていたひとりを取り囲み、殴り、蹴り始める。
 背後で悲鳴が上がっていることなど気にもしていない様子で、野村は言った。その表情には、秋人に対する心からの誠意がある。優しげだった。
「すまん、秋人クン。あいつは新入りだから秋人クンの顔を知らないんだよ……勘弁してくれ、たのむ」
「ううん、いいよ、べつに……それよりも野村さん、兄さんはどこ?」
「ああ、霧人さんなら、奥の席だ」
 野村に案内されて歩くと、秋人の捜し求めた人物は、すぐに見つかった。
 もっとも奥の、ひときわ広い席。
 そこを王座のようにして君臨している人物こそ、秋人の実兄、古森霧人だ。
249名無しさん@ピンキー:2009/10/23(金) 09:30:09 ID:6kxmiGOM
 霧人の容姿は秋人とは完全にちがっていた。
 年齢は二十五歳ほどだろう。
 艶やかな黒髪を綺麗に後ろへと撫で付けた、オールバックの髪型。
 身長、百九十センチ。重油を塗りたくったような光沢のライダースーツを着用し、その中身の肉体はといえば、凶悪なまでに鍛え上げられていて、それでいて獣のようなしなやかさをも持っている。
 純金製のネックレスやブレスレットをじゃらじゃらと身に着けていた。
 整いすぎているほど整った、怜悧な顔立ち。
 双眸は剃刀のように切れ味の鋭い光を帯びていて、冷酷な本性が滲み出ている。その悠然とした態度、静謐な雰囲気からは、自身の実力に対する絶対的な自信が感じられた。
 年齢には不相応な、圧倒的に人間離れした君臨者のオーラ。
 貧弱で便りのない印象ばかりがある秋人とは違って、霧人は美丈夫。それも、神がかり的な。
 霧人は秋人が近づいてくる前に、それまで吸っていた煙草を口から離した。
「灰皿」
 たったそれだけ、霧人が言った。
 そして周りの部下たちが運んできた灰皿の口元に、赤く火の点いた煙草の先端を押し付ける。
「あ、あづえええええええっっ」
 先ほど秋人を恐喝していた若者だ。すでに鼻や口元から血を垂れ流してる彼は何人もの人間によって取り押さえられ、無理やり口を開かされて、その舌を灰皿の代わりにされたのだ。彼は涙と鼻水を垂らして震え上がり、ジャージの股間には汚く生暖かい染みが広がった。
 吸殻を指で弾き、若者の口内に捨てると、霧人は言った。
「前歯、全部。ガッツリいっとけ」
 命令を下された者たちが、頭を下げて、ファミリーレストランから出て行く。哀れな犠牲者を引きずって。
「霧人クン、容赦なくねー?」
 霧人の横に座っていた茶髪の女が、下品な笑い声を上げた。豊満な胸と、小麦色に焼けた肌の持ち主だ。霧人の恋人だろうか? 彼に寄り添うようにしているので、そう見える。少なくとも女本人はそのつもりのようだった、だが。
「邪魔だ」
「え……?」
「弟と話がある。消えろ、メスブタ」
 霧人はこともなげにそう言った。それだけだ。あとは無言。二度目は言わないとばかりに。
 女は青ざめた顔で、悪態すらつかずに、立ち去った。ほかの五十人以上の部下たちも……ここの店員ですらも、店内から出て行った。
 残されたのは秋人と霧人だけだ。
250名無しさん@ピンキー:2009/10/23(金) 09:30:49 ID:6kxmiGOM
 霧人の対面の席に座りながら、秋人は苦笑いを浮かべた。
「兄さん。あんまり女のひとを邪険にするのはよくないと思うよ。けっこう綺麗なひとだったのに、愛想をつかされる」
「……いつも言っているだろう、秋人。切れば切れちまうような縁なんて、しょせんはその程度のものだ。無意味なんだよ。意味があるのは血による縁のみだ」
 霧人の言葉は穏やかだ。晴れ渡った天気の日の、海のように。その低くよく通る声には、リラックスした穏やかさがある。それは、肉親を前にしたがゆえの穏やかさだ。
「愛情も友情も敬愛も憎悪も……いずれは冷める。冷めて消える。だが、血は消えない。肉体に流れる血の繋がりだけは、なにがあろうともけっして消えることがない。本当に大事なのはそれだ。永遠に残るものこそ至高なんだ。わかるだろう、秋人。俺の一番の弟よ」
「うん……わかるよ、兄さん。僕も同じ気持ちだから」
「ああ。だから俺たちは、それだけを大切にしていればいいんだ」
 秋人も、霧人も、同じだ。肉親とこうして向かい合っていると、無限の安心を得ることができる。単なる恋愛感情や友情などを超えた、ある種の万能感。
「でも、兄さん。どうしたの? いきなりこんなところに呼び出したりして」
「ああ……いや、たいしたことではないんだ。まあ、たまにはこういう場所でおまえと話すのもいいかと思ってな」
 そう言って霧人はテーブルの上に置いてあった黒い箱のようなものを指し示した。ノートパソコンのようだが、少し小さい。ポータブルDVDプレイヤーだ。
「これがどうかしたの?」
「再生してみろ」
 言われたとおりに、秋人は、ポータブルDVDプレイヤーを開き、再生ボタンを押してみる。すでにセットされていたDVDがプレイヤーの内部でカリカリと音を立てて回転し、さほどの時間をかけず、動画を再生し始めた。
「これは……」
 秋人は眉根を寄せて、難しい顔をつくる。
 画面に映っていたのは、夜の公園での風景。そこでは異形の怪物と、三人の少女が、熾烈な争いを繰り広げていた。炎や水、雷撃の乱舞する戦場。人間界の常識から外れた魔法戦闘。イノセント・フラムたちの戦いの風景だ。
「昨日……いや、時間からすると今日か。牧島が撮影した。このあと、そのネブルは倒されたそうだ」
 ネブルというのが、フラムたちが戦った狼の化け物の名前なのだろうか。だがそれを知っている霧人の正体は?
 決まっている。魔族だ。人間社会に紛れ込んだ魔族の一員だ。もちろん、秋人も。
「ネブルは下級も下級の低級種族だが、それでも魔族だ。単なる人間の魔法使いなんぞにやられるはずがない。それもこんな女子供に……」
「へえ。じゃあ、もしかしてこの子たちは?」
「ああ。あの正義の味方気取りのレジスタンス……イノセント・ナイツだろう。やれやれ、困ったものだ」
 嘆息する、霧人。
 しかし秋人には不思議だった。
 この少女たちからは、兄が困るほどの強さを感じられない。
251名無しさん@ピンキー:2009/10/23(金) 09:31:56 ID:6kxmiGOM
「どうして? この子たちの魔法力はそんなに高いの?」
「いや。赤いのが五万八千、青いのは五万五千……黄色いのは……三万ちょっとだったかな」
「それじゃあ、ぜんぜん問題にならないよ。兄さんの足元にも及ばない」
「まあな。だが……人間も意外と馬鹿にできん。俺たちよりもはるかに脆弱で短命だが、それゆえに土壇場では予想外の成長を見せるし、集団での団結力は侮りがたい。この町で平穏に暮らすためには、なるべく敵に回したくないところだ」
「あら。めずらしく弱気になってるじゃないの」
 と、最後の台詞は、秋人が言ったものでも、霧人が言ったものでもない。
 艶っぽい女の声。それは霧人の背後、壁の向こうから聞こえた。
 ひとりの女が、その壁を幽霊のように通り抜けてくる。とはいっても女の姿は透けていないし、足もきちんとある。摩訶不思議なことに、はっきりとした実体をきちんと保ったまま、その女は壁をすり抜けたのだ。
 女の年齢は霧人と同じだろう。そしてやはり霧人と同じく、おそろしく整った顔立ち。切れ長の瞳は濡れたような光を帯びていて、唇は熟れた果実のようにジューシィだ。
 その腰まで届く髪は黒く、鴉の濡れ羽色というのか、夜の闇を凝縮したような艶美な黒色。
 背丈は百八十センチ以上もの長身だ。
 大きくはだけた胸元では、透けるように白い肌と、大きな乳房の谷間が覗いている。
 魅惑的にくびれた腰。
 肉付きのいい尻は理想的なラインを描いていて、すらりと伸びた長い脚は、それだけで何者の視線をも釘付けにする。
 漆黒のライダースーツ。美貌を彩るのは、数多のシルバーのアクセサリー。
 女は美しすぎるほどに美しかった。その妖艶な美貌は男に熱情を抱かせ、女を嫉妬で狂わせる。そして最悪なことに、女はそのことを十分に自覚した上で、おのれの魅力を見せ付けている。
 女の名前は霧香。霧人の双子の妹だ。すなわち、秋人にとっては姉ということになる。
 霧香は恐れる様子もなく霧人の横に立つと、その右膝の上に腰掛けた。そして霧人の首に腕を回し、脚を組んでテーブルの上に乗せる。男の逞しい胸板に背を預ける、まるで恋人にしなだれかかるような仕草。
「相手はたかが人間でしょう? 怖がる必要なんてあるわけがないわ。サクッと殺してしまえばいいのよ」
 互いの吐息が交わるほどの至近距離。霧人の耳に囁くようにして霧香は言う。
 だが霧人は視線すら動かさず、前を向いたまま、けだるい様子で言った。
「どうかな。どうも俺は気乗りがしない」
「ふぅん? つまらないの。……秋人……あなたはどうすればいいと思う?」
 霧香は秋人をジッと見つめるようにして言った。
 それを受ければ男なら誰もが歓喜に震える、霧香の視線。しかし秋人は平然としたものだ。いつものように暗い雰囲気を漂わせている。
「僕は……べつに……。兄さんや姉さんの指示に従うだけだよ。もっとも……」
 DVDプレイヤーの停止スイッチを押してから、秋人は自嘲するように薄く笑った。
252名無しさん@ピンキー:2009/10/23(金) 09:32:42 ID:6kxmiGOM
「もしも戦ったところで、僕ではこの子たちにかなわないけどね。僕の魔法力は三千ちょっとだ。家族の中で一番低い……戦いにすらならないよ」
 秋人の言葉は事実であり、そしてそれは当然の結論だ。魔法力三千……けっして低い数値ではないものの、魔族としてはかなり貧弱といわざるを得ないし、イノセント・ナイツを相手にできるほどのものでは絶対にありえない。
 魔力とは、生命力とも呼ばれる、色のない水のようなエネルギーだ。そこに炎の属性を与えれば炎となり、水の属性を与えれば水となる。使い手しだいでどのようにでも変化させられる、万能のエネルギー。
 この地球に住む、ごく普通の人間も、じつは、魔力を持っている。ただしそれはごく微量で、ほとんどなにもできないほどのものでしかない。数値にすれば五十や百といったところか。
 だが魔族はちがう。どんなに弱い魔族でも数値にして千を越える魔力を持っている。だからこそ強い。圧倒的に強いのだ。
 魔法力の数値はそのまま戦闘能力に置き換えても問題ない。それほど固体の強さに直結するエネルギーなのだ。
 狼の化け物、ネブルの魔法力はおよそ五千ほどだった。そしてネブルは魔族のなかでもほぼ最下級の、スライムやらローパーなどと肩を並べる弱小種族でしかない。
 秋人はそんな彼らよりも魔力が低いのだ。もはや、素質がないというよりは、異常体質といってもよかった。
 秋人や霧人たちのように人間と酷似した容姿の魔族は、人間側からは魔人型と呼称され、分類されている。魔人型の特徴は、総じて知能が発達していて、残酷にして狡猾、機知に富むこと……そして、戦闘能力が高いことだ。
 魔人型でありながら弱い秋人。自信を喪失しているのも無理もない。
 だが、秋人の言葉に、霧人と霧香は同時に笑った。我慢できずに吹き出すような笑い。霧香はともかくとして霧人がこのように笑うことはめずらしい。
「なにがおかしいのさ……」
「おまえの言ったことがだよ、秋人。……あまり自分を過小評価するな。こんな小娘どもにおまえが負けるはずがないだろう?」
 霧人は慈しむような視線を秋人に向ける。それは兄というよりは父親のよう。この魔人が他人に対しては絶対に見せないタイプの感情。肉親に対してのみ向ける情愛。
「自信を持て、秋人。おまえの能力は無敵だ。その気になれば誰にも負けない」
253名無しさん@ピンキー:2009/10/23(金) 09:34:09 ID:6kxmiGOM

 夕暮れが町を赤く染めている。
「……その気になれば、か。……僕もあなたと同じだよ、兄さん……気乗りがしない……」
 ひとりごと。
 秋人は霧人たちと別れてファミリーレストランを出ると、とぼとぼと帰路を歩いた。
 イノセント・ナイツについては、今後の方針を決めるまで、しばらく保留ということになった。消極的だが、そのほうがいいと秋人は思った。
 わざわざこちらから戦いを挑む必要など、ない。
 昨夜のネブルにしても、最近になって倒されているほかの魔族にしても、秋人にとっては関係のない連中だ。仲間意識など微塵もない。勝手にこの世界へとやってきて、勝手にヘマをしでかして、勝手に倒されただけのこと。そんな奴らなど、どうでもいい。
 秋人は平穏を好む。
 イノセント・ナイツが向かってくるというのであれば、生きるために対抗するだろうが……そうでないというのであれば、放置だ。幸い、まだ秋人たちの存在については気取られていないようだ。捨て置けばいい。無理に戦うことはない。
 方針といえば、秋人の方針はそれだ。
 そのようなことを考えながら歩いていると、やがて家に着いた。
 町外れにそびえ立つ秋人の自宅、古森家は、巨大な洋館だった。秋人の身長の何倍もあるような塀、それがひたすら長く伸びていて、四角く屋敷を守っている。
 鉄製の正門にたどり着くと、ひとりのメイドが秋人を迎えた。
「お帰りなさいませ、秋人さま」
 うやうやしく一礼したのは極上の美女だ。年頃は二十代後半だろう。少し緑色のかかった黒髪を後頭部のあたりで纏めた、膝まで届くポニーテールがトレードマーク。
 身長は、女性にしてはかなり高い。それどころか日本の大多数の男を見下ろすことができるだろう。百九十センチはある。肉付きのいいグラマーな肢体。それでいて、引っ込むべきところは引っ込んでいる。
 中性的な美貌の持ち主で、人形のように整った相貌、フレームレスの眼鏡の奥から秋人を見つめるのは、冷たく硬質な光を宿した双眸。声は硬く響く。黒を基調としたメイド服が、異様なほどに似合っていた。
 秋人はちょっと驚いたように目を丸くした。
「花蓮。ずっと待っていてくれたの?」
「はい。もちろんです」
「今日は兄さんと会う約束があるからちょっと遅くなるって、電話で言っておいたでしょ?」
「はい。ですが、ほかにやることもありませんでしたし、もしも秋人さまのお帰りをお出迎えできなかったとしたら一大事ですので」
「……そっか……ごめんね、ずっと立たせちゃって」
「いえ。これが私の職務です。それに、お坊ちゃまのお帰りをお待ちするのは、私の個人的な楽しみでもあります。……ご迷惑でしたか?」
 瞳の色を曇らせる、花蓮。
 秋人は首を横に振って、否定した。柔らかく微笑む。
「いや。迷惑だなんてとんでもない。……ただいま、花蓮」
「……はい。お帰りなさいませ、秋人さま」
 根小島花蓮は、普段は絶対に変化のない鉄面皮の口元を少しだけ綻ばせて、正門を開けた。人間の腕力で動かすためには大人の男が五十人以上も集まる必要がある重合金製の門を、片手で軽々と。
 秋人が屋敷の敷地内、前庭に足を踏み入れた瞬間、遠く離れた玄関が内側から開いた。
 そこから飛び出すようにして駆けてくる、多数の人影。軽く百人以上はいるだろうか。この屋敷で働くメイド、あるいは執事たち。 彼らは玄関の前、秋人の通るべき道の左右にそれぞれずらりと並んで整列し、いっせいに深く頭を下げた。
254名無しさん@ピンキー:2009/10/23(金) 09:35:23 ID:6kxmiGOM
「秋人さま、お帰りなさいませ!」
 その声に応えながら、使用人たちの守る道を通る。
 そのときだった。
「あ、あにぎいいいっ」
 遠くのほうから、野太い声が聞こえた。
 古森家の敷地は広く、庭にはちょっとした森まである。そこから声は響き、それは現れた。
 大きい。というよりも大きすぎる。身長は四メートル以上にも達し、全身の筋肉は見るも無残なほど膨れ上がっていて爆発しそうだ。頭部にはほとんど髪が生えていない。いかついというよりも異形の顔立ち。
 分厚く硬そうな唇、ずらりと黄色い乱杭歯の並んだ口。
 異様に大きなふたつの目玉は黒目の占める割合が大きく、額には縦に亀裂が走っていて、たまに瞬きをしている。第三の目だ。
 上半身に着ているのは、ずたぼろの薄汚れた茶色い布。そして下半身には、ぼろ雑巾と間違われてもおかしくないジーンズを穿いている。足は、裸足だ。
 そんな、明らかに人間ではない、体重およそ三百キログラムもの体躯を誇る巨人が、ドスドスと地響きを立てて、秋人のほうへと迫ってくる。
 だが秋人には恐怖の感情など微塵もなかった。
 それどころか、穏やかな表情で、巨人を迎える。使用人たちが巨人と秋人の対面を邪魔しないように道を開けた。
 秋人は巨人を見上げて、にっこりと笑った。
「モーヴ。森のほうで遊んでたのかい?」
「う、う゛んッッ! うん、うん、う゛んッ!」
 モーヴと呼ばれた巨人は、涎を垂らしながら勢いよく何度も首を縦に振る。
 そして常人が見れば発狂するであろう、圧倒的な笑顔――口の端が耳まで裂ける笑顔を疲労した。これこそがこの巨人にとっての最大級の愛情表現だった。
「お、おがえりっ、おがえり兄貴ィぃぃっっ」
 外見からすると信じられないことだが、このふたりは兄弟だ。しかも、はるかに小柄でひ弱そうな秋人のほうが兄なのだ。
「ただいま。……モーヴ、その手に持っているのは?」
 モーヴは両手でなにかを包み込むようにしている。まるでなにかを大事に捕らえて放さないかのように。
 思い出したように、モーヴは声を上げた。
「あ、あ゛あ゛っ、こ、ごれ、ごれっ、あ、あにぎにあげようと思って、え、うえへへへへっ」
 笑いながら、しゃがみこみ、秋人にもちゃんと見えるように手を開く。
 モーヴが手の中に隠していたのは、虫だった。黄色い羽の蝶や、丸まっているダンゴムシ、うぞうぞと蠢いているミミズ。虫たちだった。
「ちょっ、ぢょうちょっ、だんごむし、え、えへへっ、み、みみずうぅ、お、おでが捕まえたっ、オデが捕まえたの。あにぎが喜ぶとおもっでっ」
「ありがとう、モーヴ」
 秋人は柔らかく微笑み、手を伸ばしてモーヴの頭を撫でてやった。岩よりもごつごつとした感触が手のひらに伝わる。
「ぶ、ぶへっぶぇへへへへへっ」
 モーヴは感極まったように笑みを浮かべ、嬉しさのあまりか、失禁していた。鼻が曲がるほどのアンモニア臭が周辺に漂う。だが誰一人として、眉ひとつすら動かすことはない。
255名無しさん@ピンキー:2009/10/23(金) 09:36:47 ID:6kxmiGOM
 秋人はしばらくモーヴの頭を撫でていたが、やがて、諭すように言った。
「でもね、モーヴ。気持ちだけもらっておくね。虫は自然に帰してあげないといけないよ」
「ウー。うー、わ、わがっだっ。あにぎの言うこと、おで、ぢゃんと聞くっ」
「えらいね。いい子だ」
 モーヴは虫たちをもといたところに帰すため、飛び跳ねながら駆けていった。
 ――秋人にとって、古森秋人というのは仮の名だ。人間社会で暮らすための、ただの偽名。魔族には魔名という本当の名前があり、秋人にも、そして霧人や霧香にも、それはもちろん存在する。
 ただし、モーヴにはそれがない。モーヴは人間社会に紛れ込むには適さないため、最初から魔名を名乗っている。
 秋人が花蓮を従えて屋敷内に入ると、さらにふたりの肉親が、彼を手厚く出迎えた。
「お帰りなさい、兄さん」
「お帰りなさいませ、お兄さま」
 四男のリュートと、末子にして次女のカトレシアだ。どちらも魔名。
 リュートは黒髪を肩にかかるまで伸ばした、天使のような美少年。年齢は十五歳ほどに見え、身長は秋人と同じぐらい。
 フレームレスの眼鏡をかけていて、瞳には底知れない知性の輝きを宿している。
 独特の気高いオーラを纏っていて、白いシャツと黒いズボンという簡素な服装でありながら、それが王侯貴族の正装であるかのよう。
 末の子であるカトレシアはリュートと同じぐらいの年齢に見える。
 信じがたいほど愛らしい、まさに貴族の令嬢といった風貌だ。
 豪奢な長い金髪を縦ロールに整えて、それを何本も垂らしている。神の手によるものとしか思えない美貌の少女が着ているのは、純白のドレス。ふわふわとしたフリルが随所に施された逸品。
「ただいま。なにも変わりはなかったかい?」
「うん。今日も平和なものさ。……退屈だった、ともいうけどね」
 リュートは肩をすくめ、少し不満そうに視線を落とす。
「ねえ、兄さん。学校っていったっけ? どうしてそんなところに通ったりするの? つまらない人間どものたまり場になんて行かないでよ。霧人兄さんも最近は外で遊んでばかりだし」
「そうですわ。わたくしもリュートも、お兄さまたちと離れ離れになるのは、とても心細いですのに」
 頬を膨らませ、口を尖らせるカトレシア。
 非難するようにジッと秋人を見つめるリュート。
 秋人は曖昧に笑ってごまかすしかない。
「ははは……ごめん、ごめん。でも、学校も意外といいものだよ。学校っていうのは人間社会のミニチュアみたいなものだ。人間を効率よく狩るためには、人間の社会について勉強しておくのもいいかと思ってね」
「ふうん……」
 リュートもカトレシアも、納得がいったような、いっていないような、微妙な表情を浮かべていた。
 秋人は嘘をついた。本当の理由は……学校に通い続けている本当の理由は、いま言ったようなこと以外にも、まだある。だがそれを明かすことはできないし、そのつもりもない。
 ごまかしきれないかもしれないと思った秋人だったが、運のいいことに、カトレシアが話題を変えてくれた。
「そういえば、お兄さま。モーヴお兄さまはどこに?」
「ん? モーヴならさっき会ったよ。いまは森のほうにいるはずだけど」
「あら、そうですの。今夜の食事はモーヴお兄さまが大好きな、お肉たっぷりのシチューですから、教えてさしあげようと思ったのですが」
「モーヴ兄さんなら、そのうちにおいを嗅ぎつけて帰ってくるさ。そろそろお腹もすくころだろうしね。ね、兄さん?」
「そうだね。家族の中でも鼻がよくきくから、あいつは」
「うふふふ……それもそうですわね」
 なごやかに談笑する兄妹たち。
 だが……その日、モーヴが彼の大好きなシチューを口にすることは、結局なかった。
256名無しさん@ピンキー:2009/10/23(金) 09:36:58 ID:922s4u61
再度支援
257名無しさん@ピンキー:2009/10/23(金) 09:38:37 ID:6kxmiGOM


 時刻は午前零時をいくらか過ぎている。
 夜の闇に包まれた町を、モーヴは駆けていた。巨体ゆえの自重をものともしない軽やかさで、ビルの屋上から屋上へと飛び移る。一度の跳躍で百メートルの大ジャンプ。
 モーヴの表情は、満面の笑顔だ。
 それは先ほど捕まえた夜食をその手に握っているからでもあるし、これから起こることを夢想しているからでもある。
 モーヴは家族のことが大好きだ。かわいい弟や妹たち、頼りになる兄や姉たち。彼らはいつでも慈愛に満ちた視線でモーヴのことを見てくれるし、やさしく頭を撫でて褒めてくれる。
 醜い外見……おのれの外見がとても醜く、知能が低いことを、モーヴは自覚していた。それゆえに人間たちからは侮蔑と敵意の目を向けられることばかりだった。
 同族たる魔族ですらも彼に敬意を見せることはあまりない。完璧な実力主義である魔族にとっては外見の美醜などどうでもいいことなのだが、それゆえモーヴは軽んじられた。                                      
 弱いからだ。魔族全体からしてみれば強いほうなのだが、秋人を除けば、家族の中でもっとも弱い……弟や妹にさえ劣る。故郷では兄弟と比べられて馬鹿にされることも少なくなかった。
 そんなモーヴが今日まで元気に生きてこられたのは、ひとえにあたたかい家族の存在があったからこそだ。
 なかでも大好きなのが、次兄の秋人だ。
 秋人はいつでもモーヴのことを気にかけてくれるし、絶対に馬鹿になどしない。
 おいしいものを食べさせてくれることもあるし、モーヴの好きな泥遊びやかくれんぼにだって付き合ってくれる……それに、モーヴの知らない紙飛行機の作り方だって知っている。
 足し算や掛け算だって教えてくれる。
 モーヴにとっての秋人は、みなぎるほどの尊敬の対象だ。
 そんな秋人に、日ごろからの感謝を伝えるためには、どうすればいいだろう?
 モーヴはあまりよくない知能を使って考えた。
 その結論が、秋人の喜ぶ贈り物をしよう、というものだ。
 では、どんなものを贈れば秋人に満足してもらえるのだろう? 尊敬する兄にプレゼントするのだから、へたなものは選べない。
 夕方、森で捕まえた蝶やダンゴムシを差し出したとき、秋人はけっこう喜んでくれたらしい……ならばもっと素晴らしい虫を捕まえて捧げたなら、きっと秋人はもっと喜んでくれるはず。
 褒められて頭を撫でてもらえる……そう夢想するだけで笑みがこぼれる。
「でへっ、でへっ、ぶぇへへへっ。おで、いいご。いい子ォォォォ」
 笑いながら、右手で握った夜食の頭部を食いちぎる。先ほどまで暴れながら悲鳴を上げ続けていた女性は、それきり永遠に静かになった。
258名無しさん@ピンキー:2009/10/23(金) 09:40:08 ID:6kxmiGOM


 この夜、町外れの山中に出現した魔族は、巨大な亀のような化け物だった。
 戦車のような巨体。鋼鉄よりもはるかに硬い甲羅。移動する速度こそ鈍重だが、その甲羅の上部からは無数の触手が生え出ていて、それらの動きは俊敏だ。
 水の魔法を編みながら、イノセント・キャナルが叫ぶ。
「くっ……ドン亀のくせに、手ごわいわねえっ!」
 その手から放たれたのは、一筋の水流。糸のように細く、凄まじい勢いで亀へと迫る。超高圧で圧縮噴射されたウォーターカッターは、たやすく金属を切断し、工業製品の加工にも使われるほどの切れ味を誇る。
 だが、それでさえ、亀の甲羅には毛ほどの傷すらつけられない。
 ただ硬いだけではない。甲羅には何重にもわたっての多層防御結界が展開されていて、それが魔法による攻撃でさえ防いでしまうのだ。
 あの亀の柔らかい肉体を守る甲羅を破壊するためには、離れた位置からの魔法攻撃ではなく、至近距離まで接近してから、大魔力を乗せた直接攻撃を叩き込む必要がある。
 ただし、それをさせないのが、甲羅の上部から生えた触手の群れだ。鞭のようにしなり、魔法戦士たちを的確に狙い打ち、けっしてふところに飛び込ませない。
 振るわれるたびに鳴り響く乾いた音は、触手の先端部分の速度が音速を超えている証拠。
 しかもこの触手、切っても叩き潰しても、新たにいくらでも生えてくる。
 四肢と頭部を甲羅の内部に隠してしまわれては、亀の化け物に弱点らしい弱点はなくなってしまった。
「――ジリ貧、だな」
 触手の猛攻を避け続けながら、冷静に言う、フラム。
 このままではいたずらに戦力を消耗し、こちらが不利になるだけだ……魔法戦士は分析する。
 この亀の化け物、強い。少なくとも昨夜の狼の化け物の比ではない。
 が、だからといって、焦燥はない。
 この状況を簡単に打破する名案があるわけではない。だが不利だからといってあきらめてしまったり、焦ったりしてしまえば、それこそ敵の思うつぼだ。イノセント・フラムは、それをよく知っている。
「キャナル。トレノ。勝負をしかけるぞ。一斉攻撃だ。わたしが叩く。道を開いてくれ」
「やっぱりそれしか手がないわね。……気をつけなさいよ」
「フラムちゃん……大丈夫なの……?」
 木の枝の上から矢を放っていたトレノも、気遣わしげに声をかける。
 キャナルとトレノの魔法攻撃によって触手を殲滅し、その隙にフラムが大魔力直接攻撃を仕掛ける、という作戦なのだ。たしかに現状ではもっとも効果的な攻撃だろう。
 しかし触手はすぐに再生してしまう。
 触手を破壊してから再生されてしまうまでのわずかな時間で敵を倒すことができなければ、待ち受けるのは凄惨な敗北。
 フラムは、凛々しく微笑み、信頼する戦友たちに応えた。恐怖はない。友が隣にいる限り。
「大丈夫だ。必ず勝つさ。――行くぞ! ふたりとも、頼むッ!」
 気合を高め、叫ぶ、フラム。その全身から爆発するように炎の魔力が噴き出す。魔法力五万八千を総動員する。必殺の一撃のために。
 キャナルとトレノもまた、全力を尽くした魔法をしかけるべく、呪文の詠唱を開始。
 それを邪魔するために放たれた触手。
 フラムはそれらを蹴散らして突進するべく、脚の筋肉に力をこめた――。
259名無しさん@ピンキー:2009/10/23(金) 09:41:11 ID:6kxmiGOM
 そのとき、それが降ってきた。
「ぶぇへへへへっ! ごっ、ごはんんんんっ!」
 上空から、亀の甲羅の真上へと、なにか巨大なものが、凄まじい勢いで垂直落下。
 どれほどの重さがあるのか。甲羅に着弾したとたん、響き渡ったのは、フラムたちの足元を揺るがすほどの地響き。
 その衝撃でさえ陥没しなかった甲羅の強度、やはり並大抵のものではない、が。
「ごはんごはんごはんごはんっっ」
 それは――禍々しい容貌の巨人は、頭上で両拳を組むと、足元の甲羅めがけて、ためらいもなく振り落とした。
 鮮血が飛び散る。
 亀の化け物が、絶叫を上げた。
 甲羅は一撃で粉砕されていた。イノセント・ナイツたちがどうやっても破壊できなかった鉄壁の防御を、ただの拳で、一瞬にして、巨人は破壊してしまっていた。
 三つの目玉を持ち、身長は四メートル以上、薄汚い襤褸切れを身に纏った、異形の巨人。
 巨人は……モーヴは、砕け散った甲羅の内部にあったもの……すなわち化け物の肉体を、その大きな手で掴み、ひきちぎり、たべはじめた。
「う、ヴヴうまいっ、げへへへっふぇっ、うまいうまい、ごはん、肉、にく美味いッッ」
 咀嚼している。
 断末魔の絶叫はもはや聞こえない。亀の化け物はすでに息絶えていた。
「なに……あれ……」
「食べ、てる、の……?」
「魔族が、魔族を……?」
 驚きを隠せない、イノセント・ナイツ。呆然とした表情で、せっかく高めた魔力が霧散したことすらどうでもいいといったふうで、モーヴの様子を眺めている。
 意外と人間には知られていないことだが、魔族たちのあいだに仲間意識というものはほとんどない。脆弱であるがゆえに集団の強さを高めた人間とは違い、魔族は固体として完成した強さを誇るため、群れる必要がないのだ。
 そのため、肉親ならともかく、赤の他人に対して情愛を見せることはない。
 弱肉強食のおきてが支配する魔界で育ったがゆえの、冷たい心。
 モーヴにとって、この亀の化け物は、同属ではなく、たまたま見つけたおやつにすぎなかった。
 ガツガツと意地汚く亀を食い散らかしている巨人モーヴを、フラムは、表情に緊張をみなぎらせて凝視している。その握り締めた拳が汗ばむのも無理はない。
 目の前に魔族が存在するとなればイノセント・ナイツとして戦うのみだ。
 とはいえ。
「みんな……気をつけろ。……こいつ、強い……!」
 それも、とてつもなく。
 モーヴの魔法力――およそ、二十五万と八千。
 フラムたち三人の魔法力をすべてかき集めてもかなわない、強大すぎる巨人が、そのときやっとフラムたちの存在に気づいたとでも言うかのように……彼女たちを三つ目からなる視界に入れて、それからキャナルを見つめて、にんまりと笑った。
「だんごむじぃ」
「は……?」
 意味不明のモーヴの言葉に、キャナルは首をかしげた。
 同時に、青き少女の小柄な体は吹っ飛んでいた。
260名無しさん@ピンキー:2009/10/23(金) 09:42:22 ID:6kxmiGOM
「がっ……!」
 瞬間移動じみた素早さで跳躍してきた巨人の前蹴りを腹にくらったのだと気づいたとき、キャナルはさらに横殴りの裏拳をまともに受けて、悲鳴を上げ、右半身から大木に叩きつけられていた。
 あまりの衝撃のため、力なく地に倒れる、キャナル。
「だんごむじ、だんんごむじぃぃぃっ、づづづづっづかまえだああああっ」
 嬉しさを表現しているのか、モーヴは頭の上で両手を叩きながら小躍りしている。
 あまりに突然で、一方的な、戦闘開始。
 呆然としてそれを見ているしかなかったフラムの頭が、カッと熱くなった。
「――貴様っ!」
 フラムの両手に炎が生まれる。燃え盛る魔法の炎を拳に纏い、魔法戦士フラムは巨人に向かって地を蹴った。
「わたしの友達に……手を出すなあッッ!」
 弾丸と化したフラム。
 迎え撃つのは醜悪な巨人の無邪気な笑顔。
 フラムがまず突き出したのは、右の拳。モーヴはそれを巨大な手のひらで防御。が、フラムの拳はもはやただの拳ではない……炎の魔力に満ちた聖拳だ。直撃と同時に魔力が爆発し、その衝撃によってモーヴは大きく後退する。
「お、おっ?」
 小柄なフラムの拳にこれほどまでの破壊力があるとは想像していなかったのか。ちょっと驚いたように、モーヴは声を上げた。
 ――その油断と驚愕こそが、命取り。
 左足を軸として、その場で竜巻のごとく回転する、フラム。魔炎は両手だけでなく両足にも生まれていた。圧倒的な爆発力を秘めた後ろ回し蹴りが、モーヴの脚にクリーンヒット。
 巨体が、脚を払われてバランスを崩す。
「あでぇぇぇええっ?」
 自分の身になにが起こっているのかすら理解できていないのだろう。モーヴはあまりにも鈍重だった。獲物の思わぬ反撃に、思考が追いついていないのだ。
 その隙を、フラムは見逃さない。
「とどめだ」
 巨人に体勢を整える時間など与えず、大きく前へと踏み込む。ヒュッ、という鋭い呼気。その岩のような胸板に、両拳を当てる。
「――エクスプロージョン・アタックッ!」
 フラムの心臓から両手を伝って、モーヴの胸で、膨大な魔力が炸裂した。紅蓮の炎がモーヴの巨体を包み込み、その肉のすべてを焼き尽くそうと牙を剥く。
 至近距離から大魔力を乗せた直接攻撃。魔法戦闘における、もっとも威力の高い攻撃方法。先ほどの亀の化け物にくらわせる予定であった必殺技を、フラムはモーヴに対して行った。
 この攻撃ならば、たとえどんな敵が相手だろうが、絶対に倒せる。その自信がフラムにはあった。
 フラムが魔法戦士となってからの一年間……この必殺技で倒せなかった敵はいないのだ。
 だがしかし。
「あー……びっぐりじたあ」
「えっ?」
 炎と煙に包まれながらも伸びてきた腕を、フラムはかわせなかった。それどころか間抜けな声さえ上げてしまった。
 考えてもいなかったのだ。自分の必殺技をまともに食らって、かすり傷すらつけられない敵がいるなどとは。
 慢心していたのだ。おのれが勝てない敵などいない、と。彼女自身ですら気づいていない、無意識のうちに。
 その結果が、こうして巨人に掴まれて宙に浮いているという結果を生んだ。
261名無しさん@ピンキー:2009/10/23(金) 09:44:15 ID:6kxmiGOM
 炎が消えていく。
 モーヴの口の端が、耳まで裂けた。
「げへっ。みみみ、みみずずず、みみずっ、げへっ、げっどおおおおおおっ」
「あ……や、やめろ……はなせ……はなせえっ!」
 あまりに予想外の事態であったため、フラムは声を荒げてしまっていた。
 胴体をがっしりと掴まれていて、自力では脱出できそうにない。
 自由になっているのは両腕だけ。脚は少しバタバタと動かせるが、それだけだ。
「くそっ、はなせっ、はなせ……この化け物っ!」
 両手でモーヴの拳を叩く。じたばたともがき、必死に足掻く。無駄な抵抗だった。
 そのありさまは、皮肉にも、捕らえられた虫のよう。
 モーヴは、あまり抵抗されたのでうっとうしく思ったのか、気分を害したように眉間に皺を寄せた。
「おま゛え、ヴるざい」
 無情にも、フラムを握る拳に力がこもる。
 万力のような握力に、ミシミシと軋む胴体。フラムはたまらず悲鳴を上げた。限界まで首を反らして叫ぶ。
「や、やめっ……うああああっ、やめろおおおおっ!」
 もがく。足掻き続ける。攻撃に魔力をこめる余裕すら失って、ただの普通の拳で、モーヴに抵抗し続ける。だがそんな必死な抗いも、やがて弱々しくなっていく。
「あがああああっ……や、やめ……」
 ついには最後の抵抗の力すらも失い、がっくりとうなだれるイノセント・フラム。
 ぷしゃああああ……という音が聞こえた。黄色く生暖かい液体が、フラムを掴んだモーヴの拳から垂れ落ちていく。あまりの苦しみにより失禁したのだ。周囲にアンモニアの臭いがたちこめる。
「うあ、ば、ばっぢっ」
 モーヴはフラムが股間から垂れ流したものが尿だと分かると、慌ててその手を離した。乱暴に地面へと落とされて、魔法戦士は苦悶を上げる。やっと開放されたかたちとなったか、果たしてそれは幸か不幸か。
「ば、ばっちい。おまえ、ばっぢいいなあ。えんがぢょっ、ええんがぢょおっ」
 フラムの尿で濡れた手を必死に自分のシャツやジーンズになすりつける、モーヴ。赤い少女に落とすのは、侮蔑の視線。
 倒すべき敵の目の前で惨めにも失禁姿を晒し、全身から肥溜めよりもひどい異臭を漂わせる魔族に『汚い』と罵られたフラムの胸中は、どれほど悲惨なものだろうか。魔法戦士とはいっても、その本質はただの女子高生だ。
 地面にうずくまるフラムからは押し殺すような嗚咽が聞こえていた。
「お、おまえ、弱い。おまえら、みんな、よわい」
 反撃の力も気概も失った少女の横を、モーヴはただ普通に通り過ぎた。とどめをさす必要もないと判断するほど、モーヴにとってのフラムは弱かったのだろう。
「お゛、おおきい兄貴が言っでだ。よっ、弱い奴らは、おでだちのごはんなんだっで。弱い奴は、強いやつに、じっ、じはい、支配される。それが、ウウゥうんめい、なんだっで。
 どんだげあがごうが、足掻こうがっ、ににに、人間は、おでだぢ魔族の、ごはんなんだっで、その運命は、がわ、変わらないって」
 地響きを立てて歩く。
 その行進の先にいるのは、トレノだ。弓を持ったまま、顔色を蒼白にして全身を震わせ、逃げることも戦うこともできず、あまりにも無防備。モーヴの圧倒的な強さを目撃して、トレノの戦意はすでにへし折られていた。
 棒立ちの獲物へと、モーヴはゆっくりと手を伸ばす。残忍な笑みを浮かべながら。
「おおおおおっ、おっ、おでも、おでもそう思うッ! ぶぇへへへっ!」
「いやあああああっ!」
 甲高い悲鳴を上げるトレノ。とっさに弓矢を構えようとしたものの、その行動はあまりにも遅かった。華奢な肉体が、先ほどのフラムのようにがっしりと掴まれて、中空へと持ち上がる。
262名無しさん@ピンキー:2009/10/23(金) 09:45:06 ID:6kxmiGOM
「やめてやめてっ、やめてよっ、触らないでっ! はなしてええっ!」
「うへへへっ、ぢょうぢょおおお」
 ここまでは、フラムと同じ。
 ここからは、トレノだけが味わう地獄。
「お……おまえ、めんごいなあ……おでの、このみ、ごのみぃ」
「……え……?」
「あっ、あ、あにぎにあげるまえに、おでが味見してみようがなあ」
 モーヴは軽く手のひらを開き、もう片方の手を使って、トレノの衣服をひきちぎり始めた。
「なっ、や、やめて、ぬがさないで、なんで、なんでええっ!?」
 魔法力のこもったイノセント・ナイツの戦闘装束は羽毛よりも軽く鋼鉄よりも強靭だが、それが水に濡れた紙のように破られていく光景は、まさに悪夢だ。
 意外にも器用に動く、モーヴの指先。
 トレノの白く清らかな肢体は、まだ未成熟だった。膨らみきっていない乳房、熟れていない尻。それゆえ穢れを知らぬ乙女としての魅力があった。
 下着すらも襤褸切れ同然にされ、夜の山中に全裸姿を晒したトレノは、再び硬く握りしめられた。じたばたと無駄に抵抗する姿がなんとも哀れだ。
 モーヴは満足げに微笑み、そしてなにを思ったのか、自分の穿いているジーンズをビリビリと破き始めた。
「うぇえへへへへっ、ボッ、ぼおおっきしたあああっ」
「――ッ」
 それを見たトレノの悲鳴は、あまりの恐怖のため、声にすらならなかった。
 半裸となった巨人の股間から、おぞましいまでに巨大なものがそびえ立っていたのだ。
 生殖器。……しかしモーヴのそれを生殖器と呼称することは、果たして正しいことなのだろうか。
 すでに興奮状態にあるのか、へそに当たりそうなほど猛った、どす黒い肉棒。長さ五十センチ以上、太さはトレノの腕よりもずっとある。
 全体を這う赤黒い血管がドクドクと脈打ち、異様に膨らんだ亀頭は赤子の頭ぐらいはありそうだし、根元からカリ首にかけて無数に肉のトゲが生えていた。
 凶器。モーヴのペニスは、凶器と呼んでも問題ないほど大きく、邪悪で、暴力的だ。
 トレノは愕然とした表情でその凶器を見下ろしている。目の前で屹立している物体の用途ぐらいは理解できていた。
「な、なに、それ……」
「えへっ」
「それ、まさか」
「えへへへへっ」
「いやよ、そ、そんなの、入るわけないよ……!」
「ぶぇへへへへへっ! ――むっ、むりやりにでも、いっ、いるぇるっ!」
 断固として拒否するトレノの、彼女がいままで誰にも触れることを許さなかった女の部分に、モーヴは自身の男根の先端を嬉々として押し付けた。
 モーヴはトレノの胴体を掴んだまま、彼女の秘所を先走り汁まみれの亀頭の先端へと押し付けるように、ぐいぐいと力を強めていく。一気に貫こうとするでもなく、わざわざ嬲るようにゆっくりと。
263名無しさん@ピンキー:2009/10/23(金) 09:46:00 ID:6kxmiGOM
 深夜の山中に、半狂乱になって助けを求めるトレノの悲鳴が響き渡る。
「い――いやあぁぁだああああああっ! 助けて、だれかたすけてえええっ! フラムちゃんっ、キャナルちゃんっ……ママあああああっ、パパああああぁぁぁッッ!」
 誰も助けになど来るはずがない。父親も母親もいまは彼女の自宅で眠っているし、頼りになるはずの戦友たちの現状は戦闘不能の敗北者だ。
 小さな手で必死になってモーヴの拳を叩き続け、狂ったように髪を振り乱し、涙をぼろぼろとこぼしながら泣き叫ぶ少女の顔に、悪と戦う魔法戦士としての毅然とした表情はなかった。
 ジタバタとする脚が肉棒に当たっているが、その程度の刺激は、かえってモーヴにとっては心地よいものとなってしまっているようだ。
 そして……モーヴは突然、力をこめて突き刺した。
 ひとりの少女の処女が散った。
 ブチブチィッッ、という、未開通の肉筒を無理やりぶち抜かれた感触が、トレノを襲う。
「ふんぐうっっ!?」
 身を引き裂かれるような激痛。
 トレノは歯を食いしばって耐え抜こうとして――ただの一瞬すら我慢できずに、屈服した。
「ぎ、ひぃぃぎあああああッッ!? あ、あ゛がが、ウガアアアアっっ!」
 凄まじい、獣のような雄たけび。それが普段は鈴の鳴るような声を発するトレノの喉から出てきたものだとは、きっと両親ですら信じられないだろう。トレノの表情は苦悶のあまり皺だらけになり、涙と鼻水と涎が滝のように落ちている。
 秘所から血が流れてペニスを汚したが……それが破瓜の血なのか、それとも大質量と肉トゲによって引き裂かれた膣の壁のものなのか、あるいは両方なのか、それは誰にも分からない。
 モーヴはというと、この新しい玩具をさっそく気に入ったようだった。
「んほおおおおっ。きっ、きんもぢいいいいいいっ♪♪♪」
 狭苦しい処女の膣穴は、よほど具合よく彼のペニスを締め付けるのだろう。愉悦の笑みをこぼしながら、トレノを掴む腕を上下に動かす。
 肉棒がトレノから抜けてしまう直前まで上昇させ、そのあとすぐさま限界まで落とす。ドズンッ、ドズンッ、という音が響く。子宮の入り口を破壊しかねないほどの強烈な突き上げ。
 トレノの白く滑らかなお腹が、内部からペニスで突かれるたび、ボコォンッ! と無残にも膨らんで変形する。
 えらの張ったカリ首と、硬い肉トゲが、未開拓のトレノの膣内をズタズタに蹂躙していく。
 勢いよく上げる。
「ぎいいいいいいっ」
 勢いよく落とす。
「ごああああっ!」
 ゆっくり上げてみる。
「あーっ、あーっ、あああああっ!」
 ゆっくり落とす。
「やめてええええっ! やめて、おごおおおおおっ!」
 ちょっと動かすたびに面白いほど悲鳴を上げるこの玩具に、モーヴはとても気分をよくした。
 いい気分のまま、剛毛の生えた尻をぶるぶると震わせる。
「あ、でる」
「ひ――」
 でる。出る。この状況下でのその意味がわからないほどトレノも子供ではない。
 巨人が射精しようとしている。精子を放とうとしているのだ。自分の内部に。洗うこともできない部分の奥に、汚らわしい邪悪の種を。
「やめ、でっ! やめでええっ! おねがいでずがらやめでえっ! なんでもずるっ、あだじなんでもずるがらぞれだけはやめでえっ!」
「だめだぁ、おで、出るだあ」
「やめ、やめてやめてやめてやめて、や゛めでよお゛おお゛おおっ!」
「だめ。おで、はじめでのおんな゛のおまんごになかだじずるの゛大好き。やめない。ウッ」
 ビクン、とモーヴの肉槍が脈打った。ペニスの下にぶら下がっている睾丸で製造された子種汁が、肉棒内部の管を通り、トレノの子宮の奥に突撃していく。
 モーヴの射精はあらゆる意味で人間の男のそれとは比べ物にもならなかった。
 人間の男の射精を音で例えるとするなら、ピュッ、ピュッ、といったところだ。
 しかし、モーヴの射精は、ブシュウウ――ッ、ブシュウウ――ッッ! といった勢いで、まるで間欠泉のような威力だった。そう、水鉄砲と間欠泉ほどの差が、人間とモーヴの射精にはあった。
 それをまともに、逃げ場のないようにがっちりと体を掴まれ、ペニスを限界まで押し込まれた状態で、きっちりと膣の奥底にくらったトレノは、果たしてどうなってしまうのか。
264名無しさん@ピンキー:2009/10/23(金) 09:47:08 ID:6kxmiGOM
「……ッッ! がっ、ご、おごっ、おう、おうっ……!」
 体を弓なりに反らし、見開いた目を白黒とさせながら、舌を犬のように突き出して、肉体全体でビクンビクンと痙攣を繰り返す。
 大量すぎて膣に入りきらず逆流してきた精液が、どろどろと地面に垂れ落ちた。尋常ではないほど生臭く、熱く、大量の子種汁。
「あ、あづいっ、熱い……あが……熱いよおおおっ……!」
 魔人の灼熱した白濁汁を注ぎ込まれ、トレノの表情に絶望が広がっていく。だがそこには同時に安堵の色もあった。
 射精したなら、もう終わりだ。
 射精すればもう気が済んだはずだろう……殺されるにせよ、開放されるにせよ、これでもうこの地獄は終わる。
 そのような希望と安堵が、トレノにはあった。
 浅はかというしかない。
「ふーっ、きもぢえがっだあ」
「……あ……ううう……もう、気はすんだよね……?」
「ん? まだおわっでねーぞ」
「え……」
「おで、あど百回は、おまえにザーメ゛ンぶっがげるつもりだがら」
「うそ……うそだよね……? だっ、だってもうこんなに出したんだからいいじゃない、もう満足でしょ!? いやよ、いやいやいやあっ! やだよあたし、もう入らない、魔人の精液もう入らない、注いでほしくないよおっ……!」
「やだ。おで、まだ気持ちえぐなる。――おっとそのまえ゛に、おじっご出る」
 おしっこ出る。
 あまりのことに、トレノは言葉も出なかった。最初、モーヴの言っていることの意味が分からず、首を傾げてしまったほどだ。
 その顔色が蒼白を通り越して真っ白へと変わるのに、さほど時間はかからなかった。
「い……いや……絶対にイヤ……」
「ぐへへへへ。おどうと、おでのかわいい弟、言ってだ。にんげ、人間のメ、メスは、ブタだ。べんじょっ、おでだちのためのこーじゅー、公衆、べんじょ、だって」
 にやり……と、モーヴは笑う。凶悪に。情け容赦もなく。
「おでも、そう思うッ! ぶぇああははは、ぎゃああははははッッ!」
 野太く邪悪な哄笑。
 モーヴの膀胱から、沸騰するアンモニア水がペニスの管めがけて集まっていく。
 トレノのは気が狂いそうになって叫んでいた。
「やめ、――やめ、やめてっ、おねがいだから許してっ、あたしのここはおトイレじゃないのっ、おしっこするところじゃないの! やだっ、絶対にイヤ!
 なんでもするから……なんでもするからおしっこしないでっ、やめてっ、やめ、――やめろおおおっ! やめろやめろやめろおおおおおっ!」
 悲痛な哀願も、無力な恫喝も、結局、無意味だった。
「おまえ、おでのべんじょおおっ! ひゃああっはははははははっっ!」
 ブシャアアアアアッッッ! という噴射音を轟かせて、真っ黄色の汚水がトレノの膣に注ぎ込まれた。
 当たり前の話だが、射精よりも放尿のほうが強く噴き出る。射精ですら高圧噴射のようだったモーヴの放尿の威力、人間に耐えられるものではない。
 トレノの腹部が、出産間近の妊婦のように膨れ上がった。
「ぴぎあああああああ――ッッ!?」
 悶絶。咆哮。ただただ地獄。
 トレノの膣内で、白濁とした汁と黄色い小便、そして赤い血液が混ざり合う。きっとトレノ自身の漏らした尿すら混ざっているだろう。再び上下運動を開始したモーヴのペニスが、それら三色の液体をかき混ぜてカクテルへと仕立てていった。
265名無しさん@ピンキー:2009/10/23(金) 09:51:36 ID:922s4u61
しえん
266('・ω・`):2009/10/23(金) 09:53:21 ID:6kxmiGOM
というわけで第一話を投下終了だお
結局全部投下できて安心したお・・・
がんばって書いたので楽しんでいただけたならうれしいお

おいらの筆の進みは気分しだいなので、次回の投下がいつになるのかはわからないお
もっとどぎつくリョウジョークしてみたいお

267名無しさん@ピンキー:2009/10/23(金) 10:08:04 ID:SGgyLfq0
朝からよくやったなぁまぁお前さんも大変だったろうが、俺もこれから大変だよ…



フゥ

しかしこのスレみっちりとSSが詰まって読み応え有りすぎだろwww
皆さんGJ!
268名無しさん@ピンキー:2009/10/23(金) 10:13:51 ID:922s4u61
>>266
乙っしたー!
続きも期待してます!

このスレ今月中に容量オーバーしそうな勢いだねw
269名無しさん@ピンキー:2009/10/23(金) 11:47:03 ID:1/F08tjj
>>264
GJ
膣内放尿最高。
いきなり吉良語り始まって噴いたw
270名無しさん@ピンキー:2009/10/23(金) 13:43:51 ID:0T0b0oWs
惨敗しての容赦ない陵辱は心地いい
金髪縦ロールお嬢様がめちゃくちゃに犯されますように
271名無しさん@ピンキー:2009/10/23(金) 17:17:23 ID:SGgyLfq0
頭悪げな巨漢がちっこい娘をそのパワーでいいようにするってのはかなり良いな
272名無しさん@ピンキー:2009/10/23(金) 21:24:45 ID:cgAbhuF7
>>164
亀レスだが竜王、ニャル様、陛下、ダミアン、ヴァイスと2名追加すると更にカオスな事に…
273名無しさん@ピンキー:2009/10/24(土) 15:00:13 ID:syx+cvbV
これは力作だ。魔人圧倒的じゃないか。世界設定の緻密さと凌辱の方向性は凄いよいと思います。
個人的には1行が長すぎる所はモニターの横幅全部使っても入りきれてないので
適当な所で改行してくれるとさらに見やすくなるかと。
274名無しさん@ピンキー:2009/10/24(土) 23:28:37 ID:Q/qhZlr+
さて、スレが活気付いてきたところで、そろそろブラッドサイズの続きを期待しても良い頃だろうか・・・
275マユ作者:2009/10/25(日) 01:05:39 ID:gCuYIV4c
こんばんわ、マユ作者です。
執筆が物凄い勢いで進んで、今日の日中には第7話を投下できそうです。
276名無しさん@ピンキー:2009/10/25(日) 01:45:25 ID:Ub4nTrXR
てかお前らそろそろ前スレを埋めてくれwww
277名無しさん@ピンキー:2009/10/25(日) 05:30:15 ID:GAAOABHH
ブラッドサイズの人は、「続きを書いてくれ」という声がないと
誰も期待していないと自信喪失するタイプの人らしいからな
催促にならないように、みんな、その手の書き込みを控えているだけなのに

というわけで、ブラッドサイズの続き待ってるぜ〜〜!(・∀・ )っ/凵⌒☆
(てか、スレ覗いててくれると良いな)
278名無しさん@ピンキー:2009/10/25(日) 08:11:01 ID:AJ3+E+YN
いや、そりゃ催促は「お前何様?」って感じだが
「続きキボン」の一言もなけりゃ自信喪失ってのは普通だろ
もっと応援してあげればよかったのに
279名無しさん@ピンキー:2009/10/25(日) 11:58:44 ID:kAfOGZuy
もうすぐ投下されんの?って事は…



うそ…そ、そんなの無理だよ…もうスレの中いっぱいなのに…
そ、そんなの投下されちゃったら、次、次スレになっちゃうよ…

こうなるな
楽しみ楽しみ
280名無しさん@ピンキー:2009/10/25(日) 12:07:37 ID:6QeOkq4L
>>279
書き手「さあ、あと何本入るかな」
スレ「いや……待って……前スレも埋まって無いのに、また次スレ産まれちゃうよぉ!」
こうですね。
281マユ作者:2009/10/25(日) 13:04:18 ID:gCuYIV4c
『たかが、スレがいっぱいになりそうなだけだろう。そんな声を上げるな』

こんにちわ、魔法少女マユ第7話を投下します。
昨日執筆が止まらなくなり、気がつけば一日中書いていた…何やってんだ俺…

登場人物
秋月真由(マユ)
14歳 両親と3人で、平穏な生活を送っていたが。ユーリィと出会った事で、戦いに身を投じる事になる。
背は小柄で、背中の半ばほどまで届く栗色の髪を後ろで纏めている。
変身時のコスチュームは桜色のミニスカートに赤を基調としたジャケットを纏っている。

ユーリィ
異世界エルメリアの住人である妖精、マユのパートナーとして彼女の戦いをサポートする。
長いストレートの青髪にフリフリのついた白やピンクのドレスを着ている。

リィン
14歳 エルメリアから増員として派遣されてきた魔法使いの少女。
髪型は薄いブロンドの長い髪をツインテール
青を基調としたワンピースの上に、短い白のマントを羽織っている

シャーナ
23歳 リィンの姉。リィンと共にエルメリアからの応援として地球に来た。
緩くウェーブがかった薄いブロンドの髪を、腰に届くほどまで伸ばしている。
純白のローブを纏う。 エルメリアにフィルという婚約者が居る。


ヴァルアス
魔族の王。100年前の戦いで敗れた先代の跡を継ぎ魔族を統率する。表の顔は大企業の社長。
銀髪の髪をオールバックにしている。黒のスーツを好んで着る。
その真の姿は、黒い装甲を身に包む巨大な竜。

レドリック
魔王ヴァルアス腹心の一人、魔法少女を狩る為に地球に招集される。
焦茶の髪を肩に触れるくらいに伸ばしている。黒の軍服を纏う。
ラディウスとは子供の頃からの付き合いで悪友関係。

セディア
魔族の幹部。序列は低く攻略軍に参加できず、地上での人間狩りをする担当に回されている。
度重なる失敗により失脚。陛下の制裁を受けた後、資料室送りに…
黒髪のセミロング、着ている服は黒尽くめで、露出の高い物。

ラディウス
セディアの弟 魔族の造魔開発においての、中核メンバーで、王の腹心の一人。
長い黒髪を三つ編みのお下げにしている。常に白衣に身を包む。15歳くらいの背格好
282魔法少女マユ 第7話 1/17:2009/10/25(日) 13:06:05 ID:gCuYIV4c
「くっ…」
「うぁぁ…」
人気の無い、夜の砂浜。そこに少女の苦悶の声が響く。
二人の少女が、造魔達に捕らえられてる。
「な、なんで…魔法が使えないのよ…あぅ!」
双頭のトカゲ型造魔に、両腕を掴まれ、少女は苦痛に顔を歪める。
「ひやぁっ!!や、やめてぇ…ふぁ!」
クラゲ型造魔に胸や股間を弄られ、もう一人の少女が声を上げる。
「ふむ…ここまで効果があるとはな…」
少し離れた場所に佇む少年が、手に持った端末に表示されるデータを見て呟く。
『ゲヘヘヘヘ、さすがはドクター。凄い効果ですよ』
トカゲ型の造魔が両側から舌を伸ばして、少女の頬を舐め回しながら笑う。
「んー、ちと予想と違うんだが…ま、実験続行。ちょっと出力上げてみるか。ポチッとな」
造魔の言葉を聞いた少年は、ぶつぶつと独り言の様に呟きながら端末を操作する。
「ひぇっ!?」
「ふ、服が…」
少女達が纏っていたコスチュームが光になって消えていく。
強制的に変身を解除されたのだ。
『へぇっ!こりゃおもしれぇ』
狼狽する私服姿の少女達を見て。トカゲが服を掴み、力任せに引き裂く。
「いやああぁぁっ!!」
クラゲは触手の先端から液体を放ち、その液体で少女の服を溶かす。
「やめて!やめてよ!!」
瞬く間に全裸にされた少女達は恥ずかしさに、叫び声を上げる。
「んー、この一帯には結界があるからね、誰も来ないよ。それに魔法は封じてるから、通信も出来ない…諦めな」
少年は造魔の方を振り向く。
「俺はシステムのチェックしてる。その間、その二人で楽しんどけ…あ、くれぐれも殺すなよ」
『ゲヘヘ、分かってますって。ドクターのお供して、役得だこりゃ』
嬉しそうに笑いながら、トカゲは頷く。
クラゲは無言で、少女の体を触手で弄ぶ。
「ひぁっ!や、やめ…ひゃん!」
「ふぁ…はぅぅ…い、いやぁ…らめぇ…」
触手の先端や造魔の口から、媚薬を浴びせかけられ、少女達は悶える。
無数の触手が、造魔の手が、少女達を快楽の渦へと引きずり込もうとした。
それを尻目に、少年は砂浜に隠してあった装置の元で、何か作業をしている。
「ふーむ…やはり広域化の課題は、内部の方の効果が強すぎる事か…エネルギーも馬鹿みたいに食うし。
 もう一度実験がしたい所だな…一度に二人とも捕まえたのは失敗だったなぁ」
端末を見ながら、少年はぶつぶつと呟く。
283魔法少女マユ 第7話 2/17:2009/10/25(日) 13:07:07 ID:gCuYIV4c
「お母さん!何で起こしてくれなかったの!?」
バタバタと階段を駆け下りてきたマユは、洗い物をしている女性に抗議の声を上げる。
マユと同じ栗色の髪のエプロン姿の女性は、マユの言葉に振り向く。
「ちゃんと起こしに行ったわよ〜。マユちゃん、起きたじゃない〜」
「あ、あぅ…二度寝しちゃったのか…私」
間延びした口調の母、美幸の言葉にマユは呻く。
「ゴメン、マユちゃん…私も寝てた」
マユの肩の辺りに飛んでいるユーリィが申し訳なさそうに言う。
ユーリィの姿は美幸には見えない。声も聞こえていない。
魔力の低い普通の人間には、彼女は認識できないのだ。
「マユちゃん、急がないとシャーナやリィンちゃんが待ってるわよ〜?」
「ああ!そうだった!」
マユは慌てて隣の部屋に行き、荷物の準備をする。
「おやおや…マユはまたお寝坊かい?」
黒髪短髪の眼鏡をかけたスーツ姿の男性が、食器を手に歩いてきた。
「あ、宗一郎さん」
美幸は男の方を向いて、微笑む。
彼の名は秋月宗一郎、美幸の夫であり、マユの父親である。
大手製薬会社に勤める、一家の大黒柱だ。
「お父さんおはよう!」
「おはよう、マユ」
部屋から顔を出したマユに、宗一郎は答える。
「っと、それじゃ行ってきまーす!」
「いってらっしゃ〜い」
「はい、行ってらっしゃい」
荷物の入ったバッグを持ったマユは慌しく出て行く。
「…さて、私もそろそろ出かけるよ」
「は〜い、行ってらっしゃい」
時計を見た宗一郎に、美幸は微笑む。
「今日は少し遅くなりそうだ…取引先との大事な打ち合わせが有ってね」
「分かりました〜。お仕事頑張ってくださいね、宗一郎さん」
「ああ、じゃあ行ってきます」
二人は口付けをかわし、宗一郎は玄関を出る。
284魔法少女マユ 第7話 3/17:2009/10/25(日) 13:07:49 ID:gCuYIV4c
「おはようございます、社長」
「ああ、おはよう。秋月君」
出社した宗一郎は、ロビーのエレベーター前で出会った銀髪の男性に一礼する。
秘書の女性と、スーツ姿の若い青年を従えた男は、鷹揚に答えた。
彼らと一緒に、宗一郎もエレベーターに乗る。
「例の取引だが、君に一任するよ」
「ありがとうございます。ご期待に沿えるよう、全力を尽くします」
「ああ、期待しているよ」
エレベーターが上っていく間に、男は宗一郎と言葉を交わす。
自分の目的の階についた宗一郎は、一礼してエレベーターを出る。
「…誰なんですか?あの男」
「秋月部長ですわ、こちらでの陛下のお気に入りです」
スーツ姿のレドリックの問いに、秘書の女性が答えた。
「よく働く男でね。機転が利き、何を任せてもそつなくこなす。安心して仕事を任せられる男だよ」
「珍しいですね、人間にそれほど高評価を出されるとは」
「私は、優秀な者が好きだよ。それが人間であろうとね…それに、彼は話していて面白い」
最上階についたエレベーターから3人も出て行く。


エレベーターを降りた宗一郎は、自分のオフィスへと歩いていく。
途中、大量の書類を抱え込んで歩いていた女性とすれ違う。
「おはよう」
「お、おはようございます…」
「何の書類かは知らないけど、気をつけて運ぶんだよ?」
「は、はい…ありがとうございます…」
フラフラと歩いていく黒髪の女性を見送りながら、宗一郎は苦笑する。
「大丈夫かなぁ…あの子」
女性の姿が見えなくなると、宗一郎もオフィスへと歩いていった。
「ぐ、ぐぐ…な、なんでアタシがこんな事を…」
先程の資料を抱えていた女性、セディアは悔しげに言う。
度重なる失敗により、王の怒りに触れた彼女は、王の手によって制裁を加えられた。
そして、その後はラディウスなどが所属する開発部の資料整理担当に回される。
普段は地下のラボに居る彼女だが…上の人手が足りないという事で。
上で仕事している魔族の手伝いをさせられているのだ。
この会社には魔族も混じって仕事しているが、大半は人間だ。
人間なんかに、先程の様に挨拶をしなければならないのは、上位の魔族を自負する彼女には屈辱でしかなかった。
「それも…これも…あの生意気な小娘のせいよ!見てなさい…いつか…いつかきっと!きゃああああっ!?」
書類を床に散乱させて、彼女は叫び声を上げた。
285魔法少女マユ 第7話 4/17:2009/10/25(日) 13:08:27 ID:gCuYIV4c
「うわー、綺麗ー!」
目の前に広がる海を前に、マユは声を上げる。
「マユちゃん、私達遊びに来たんじゃ無いよ…」
「あ、あはは…わ、分かってるよリィン」
少女達のやり取りを見て、シャーナはくすくすと笑う。
「まぁ、少しくらいならいいんじゃないかしら、帰る前の最後の一日は遊びに行くのも」
マユ達は、住んでいる街から少し離れた港町に来ていた。
強くなりたいという少女達の願いを聞いたシャーナが、ここで活動している魔法使いに連絡を取り。
合同で訓練合宿の様な事をしよう、と話を持ちかけたのだ。
3人は岸壁近くの道を歩いていく。
「その、一緒に訓練する人達ってどんな人なんですか?」
「ん?後方要員の子が医務班で一緒だった子なの。向こうも3人で。
 前線要員として、二人エルメリアから派遣された魔法使いの子が居るの」
マユの問いにシャーナは歩きながら答える。
「その子達の事も知ってるけど、二人とも強い子よ。いい訓練になると思うわ」
「そうですかー。頑張ろうね、リィン」
「うん、頑張ろうね」
微笑みを交わす少女達。
3人は待ち合わせの場所に向けて、道を歩いていった。



「…ドクター、あれを」
「んー?」
防波堤近くで釣りをしていたラディウスは、人間に擬態した造魔の言葉に振り向く。
少年の格好は、半袖短パンの上に、普段着ている白衣を羽織っているという奇妙な格好だった。
更に頭には麦藁帽子を被っている。
「あっれー?何であの嬢ちゃんが居るんだ?」
少し離れた道を歩いているマユ達の姿を見つけて、少年は首を傾げる。
「んー…こりゃ良い実験相手が出来たな」
「げへへへ…やりますか?ドクター」
もう片方の造魔は笑いながら尋ねる。
「勿論!実験も出来て、あの嬢ちゃん達も捕まえれる!一石二鳥じゃないか!早速今晩仕掛けるぞ」
「それじゃ、今晩も楽しめそうですな!ドクターのお供してホント良かった」
「……ドクター、引いています」
騒いでいる少年と相方に、造魔が淡々と述べる。
「何っ!?ぬおおおおおおおっ!!!」
少年は慌てて竿を掴むが凄い力で引っ張られている。
「ド、ドクター!?」
「こ、こりゃ凄い大物だ!!お前ら手伝えーーーー!!」
彼らは、3人がかりで竿と格闘を始めた。
286魔法少女マユ 第7話 5/17:2009/10/25(日) 13:09:25 ID:gCuYIV4c
「え…行方が分からない?」
電話で伝えられた内容に、シャーナは驚きの声を上げる。
待ち合わせ場所で幾ら待てども、相手が来ない事に不審を覚えたシャーナは、友人に連絡を取ったのだが。
先方の話だと、二人の魔法使いの少女が昨日から戻っていないそうなのだ。
シャーナの友人アリスは、その二人を捜索していた為、待ち合わせ場所に来なかったのだ。
「昨日の晩、二人は魔族の気配を察知して現場に急行したの。
 すぐ近くで魔族の幹部が発見されたって情報もあったから…」
「魔族の幹部?」
「ええ、相手はドクター・ラディウスよ。数日前にも他の管轄で目撃情報があったの」
先方の家に行った3人は、アリスから詳しい話を聞いていた。
「ラディウス…あいつが」
マユはその名を聞いて顔を顰める。
「彼を見つけたって連絡を最後に、あの子達から連絡が途絶したの。気配も全然感じられなくて…」
黒髪をボブカットにした、シャーナと同年代の女性は言葉を続ける。
「お願い、シャーナ。二人を探すのに手を貸して!」
「ええ、喜んで協力するわ」
手を握るアリスを安心させるように、シャーナは微笑んだ。
「ありがとう…最後に反応のあった場所で、夜にもう一度詳細な調査をしようと思うの」
「分かったわ。一度転移で戻って、必要そうな物を用意するわ」
アリスが頷くのを確認すると、シャーナはマユ達の方を向く。
「二人とユーリィはここで待機しておいて」
「え…何でですか?」
「そうだよ、私達も行ったほうがいいよ。お姉ちゃん」
「そうですよ、二人だけじゃ危ないです!」
シャーナの言葉に、マユ達は驚いて声を上げる。
「相手の手口が分からないわ…全員で動くのは危険よ。万が一の時の為に待機しておいて」
「心配しないで、後方任務の者でも、自分の身くらいは守れるわ」
二人にそう言われて、マユ達は黙って頷いた。
その後、シャーナは一度家に戻って、色々と道具を持ってきていた。
夜になると、二人は現場へと出かけていく。
「シャーナさん達…大丈夫かな」
「うん…ちょっと不安だね」
残された3人は不安そうに顔を見合わせる。
287魔法少女マユ 第7話 6/17:2009/10/25(日) 13:10:07 ID:gCuYIV4c
「…ここが、二人の気配が消えた場所ね」
ローブを纏ったシャーナ達は、少女達からの最後の通信があった砂浜に来ていた。
「……後始末をした形跡があるけど…造魔の精液が残留してるわ」
端末を見つめながら語る、アリスの声は少し震えていた。
それは少女達が、ここで陵辱を受けた事を容易に想像させる痕跡だったからだ。
「何この残留魔力…変な波長の物ね…」
見たことも無いようなデータが表示され、シャーナは首を傾げる。
「おやー?あの嬢ちゃん達じゃないのか」
不意に聞こえてくる、少年の声。
「っ!誰っ!?」
二人は身構えて、声のした方を向く。
岩の上に、白衣姿の少年が立っていた。
両脇にはトカゲ型とクラゲ型の2体の造魔を従えている。
「ドクター・ラディウス…」
アリスが小さく彼の名を呟く。
「おや、俺も有名人になったもんだな」
『そりゃそうでしょう。ドクターは造魔計画の中心なんですから』
「にゃはははー、照れるような事言うなよぉ☆」
トカゲの言葉に、少年は照れたようにくねくねと体を動かす。
「二人をどうしたの!?」
「んー?まだ生きてるよ。もっとも既にラボの方に移送したがね。
 あの子達には、造魔の母体になってもらうからな。そして…アンタ達にも」
少年が指を鳴らすと、2体の造魔がシャーナ達に近づいていく。
「くっ…まさかこんなに早く遭遇するなんて…」
「妹達に連絡しようとしたんだけど、通信が出来ないわ…ジャミングがかけられてるのかも」
一度後退しよう、シャーナはアリスに告げる。
アリスも頷き、造魔達では無く少年に向けて、火球を放つ。
主を守る為に造魔が動いた隙に逃走しようと考えたのだ。
だが、造魔達は動かない。少年も悠然と立っている。
少年にめがけて放たれた火球が、突然消滅する。
「なっ!?何が起きたの?」
突然の出来事に、アリスが驚きの声を上げた。
「んー、これでも出力低くしたのに。やっぱ内部の方が強すぎるなぁ…これがエネルギー馬鹿食いする理由か。ちと失敗したな」
『え?これで失敗なんですか?昨日の効果といい、大成功じゃ…』
「俺がやりたいのは違うんだよ。もっと弱いものを、広域かつ永続的に展開するシステムが目標なんだ」
シャーナ達を無視するかの様に、トカゲと少年は話している。
「っ…このっ!」
「落ち着いて、アリス!何かおかしいわ…一度距離を取って転移するわよ」
「…わかったわ」
彼女達は少年達から間合いを取り、シャーナが転移呪文を使おうとする。
「…手を出すなよ」
それを見つめながら、少年は一言呟く。
転移魔法が完成する直前で、集まっていた光が霧散するように消えていく。
「え…ウソ…」
信じられない、というようにシャーナは呆然と呟く。
288魔法少女マユ 第7話 7/17:2009/10/25(日) 13:11:00 ID:gCuYIV4c
「なんなの…何か仕掛けがあるはず…」
攻撃魔法が途中で掻き消され、転移魔法も発動しなかった。
何らかの力によって自分達の魔力のコントロールが妨害されているのだ。
「まさか…さっき確認した異常な波長の魔力が!」
「謎解きはやめてくれないかな?あと二人、ここに誘き寄せるつもりだからね」
先程の調査を思い出したシャーナに、少年が笑う。
「捕まえろ。変な事考える余裕が無いくらいに可愛がってやれ」
少年の言葉に、2体の造魔が動く。
「きゃああっ!!」
伸ばされた触手にアリスが絡め取られる。
「アリスっ!」
『よそ見してるんじゃねぇ!』
レナを助けようとしたシャーナにトカゲが襲い掛かる。
背後に回りこまれ、首を締め上げられた。
「ぅ…くぅ…!」
「おーし、良くやった」
少年がパンパンと手を叩く。
「んー…これはこれで使い道はあるシステムだが…いかんせん効果が長続きしないし。
 力場とかの関係で、こっちの世界でしか使えないからな…
 ま、問題点はわかった…いずれ作ってやるぜ。世界を隔絶する壁を」
周囲を見回した少年は、小さく独り言を漏らし、不敵な笑みを浮かべる。
造魔達はそれぞれ捕らえた獲物の陵辱にかかろうとしていた。
「ひっ!いやぁ!!」
アリスの体に次々と触手から液体が浴びせかけられる。
纏っていたローブがドロドロと溶け、残った部分も触手に破り捨てられ、全裸に近い姿にされる。
「くぅ!ひぁ…や、やめ…」
クラゲ型造魔の触手は蛸の様な吸盤のついた物だった。
それを彼女の尻や太腿に器用に吸い付かせる。
同時に触手から粘液の様な物を出して、それを彼女の体に塗りつけていく。
「うぅ…」
粘液と触手のもたらす不快感に、アリスは顔を歪める。
『気持ち悪いの今だけだぜ、すぐ気持ちよくしてもらえるさ。ゲヘヘヘヘっ!』
シャーナを拘束しているトカゲが、卑下た笑いを上げる。
造魔の言葉通り、アリスの体に粘液に混じった媚薬の成分が浸透してくる。
「ふぁ…あん…ひぁ…」
体中を触手に蠢かれ、彼女は悶え声を上げる。
彼女の胸に巻き付いた触手が、乳首を吸盤で吸い引っ張った。
「ふああぁぁぁ!やああああぁぁん!!」
激しい快感に、アリスは体を弓なりに反らして、ビクビクと震える。
股間にも触手が伸ばされ、少し勃起しかけていたクリトリスに吸盤が吸い付く。
「ひきゃああああああああああああ!!」
体に電流が走ったように、彼女は叫び声を上げた。
289魔法少女マユ 第7話 8/17:2009/10/25(日) 13:13:18 ID:gCuYIV4c
『さって、こっちも楽しもうぜ?お嬢ちゃん』
「いや!や、やめて!」
トカゲは片手でシャーナの服を引き裂いていく。
『おーおー、デカイ乳してるな。弄りがいがありそうだぜ』
彼女の豊満な胸を片方掴み、揉み始める。
「うぁ…ひゃん…ふぁ…」
胸から生じる感覚に、シャーナは小さく声を漏らす。
『もうちょっと大きな声で鳴けよな…もっと感じるようにしてやるか』
「くうっ!?」
首の拘束を解いた造魔の右側の頭が、シャーナの首筋に噛み付く。
「うっ…あぁ…な、何を…」
突然の行動に、シャーナは混乱する。
造魔は噛み付いた首筋から、彼女の体に何かを注入していた。
少し間を置いて、彼女の体に異変が生じ始める。
体が熱を帯び、疼くような感覚が襲う。
その疼きは少しずつ高まっていく。
それと共に、頭が靄がかかった様にぼうっとする。
「ぁ…あぁ…はぅ…ひぁ…」
堪え切れなくなった彼女は、揉まれていない側の胸に手をやり揉み始める。
『ゲヘヘへ、毒が効いてきたようだな…こっちは俺がやってやるよ』
自ら胸を揉み、甘い吐息を漏らすシャーナ。
ゲラゲラと笑った造魔は彼女の股間へと手を伸ばす。
擦り合わせていた太腿を強引に開かせ、秘所にゆっくりと指を走らせる。
「ああっ!はぁん…ふぁぁぁ」
湧き上がる快感に、シャーナは頬を紅潮させ声を上げた。
『じっくり可愛がってやるからな…いい声で鳴けよ?』
いやらしい笑みを浮かべながら胸と股間を責めていく。
同時に、首筋や顔に舌を伸ばす。
白く艶やかなシャーナの肌を、味わう様に舐め回す。
「ひぁ…ぁぁ…はぅぅ…」
本来なら激しい嫌悪感を感じる筈のその行為に、シャーナは快感を感じ、悶える。
いつしか、彼女は空いている自分の手でも、秘所を弄り始めていた。
『おーおー、俺のだけじゃ足りないってか?淫乱な嬢ちゃんだな』
快楽を求め続ける彼女に、造魔はさも楽しげに笑いかける。それが自分が注入した毒のせいだと知りながら。
「ひああああぁぁぁっ!!」
『お?あの野郎もうお楽しみに入りやがったのか…せっかちなヤツだな』
横手から聞こえてきた嬌声を耳にして、トカゲは溜息をついて、相方の方を向く。
290魔法少女マユ 第7話 9/17:2009/10/25(日) 13:14:01 ID:gCuYIV4c
「あああぁぁぁん!ひううううぅぅぅっ!」
宙に持ち上げられたアリスが、秘所に触手を突き立てられ、叫び声を上げている。
造魔の触手は細いものだが、吸盤が当たる様、膣壁に擦りつけながら前後運動を行っていた。
「ふあああああああ!ひぃん!ひやあああああああ!!」
アリスは体を弓なりに反らしながら、ビクビクと体を震わせる。
その口からは、だらしなく涎が漏れている。
造魔が浴びせかけ、塗りつけた媚薬が、彼女の体の感じる快楽を倍化させていた。
『殺すなよー?お前昨日、あのチビ半殺しにして、ドクターに怒られただろ』
相方の言葉に、一瞬動きを止めて、造魔はそちらの方を向く。
「んー、今日は変身解除のレベルまでは出力上げてないから大丈夫だ。
 そこまでのレベルまで展開しても、肉体の強化は残せるように調整するし」
造魔達の方を振り向かずに、ラディウスが語る。
創造主の言葉に喜んだのか、クラゲはもう一本、アリスの膣口に触手を向けた。
「あひゃあああああああ!」
二本目の触手が挿入される。
こちらも、吸盤を膣壁に当てるように向けて、子宮へと突き進む。
一本なら余裕だった彼女の膣内も、2本目が入るとさすがにきつくなってくる。
だが、造魔はまだ満足していなかった。
「はひっ!?ひあああああああん!!」
先の2本が膣壁を圧迫し、膣内が広げられる。
そして3本目が強引に挿入されていく。
3本の触手はドリルの様に膣内を回転しながら進み、膣壁に吸盤を満遍なく擦り付けていく。
同時に、胸にも責めが開始されている。
巻き付いた触手の吸盤が吸い付き、ぐりぐりと捏ね繰りまわす。
「ふくああああああっ!!」
激しい快楽に彼女は悶え、体を揺らす。
限界まで拡張された膣に、激しい痛みが生じているが、もたらされる快楽はそれを遥かに超えるものだった。
「はあああああああああん!!ひきゃっ!」
ピストン運動の速度が段々と早くなっていく。
「ああああああああああああああああっ!!!」
一際深く突き刺すと、造魔は3本同時に射精を開始する。
アリスの子宮はすぐに満たされ、膣口から溢れ出ていく。
「あひぃ…はうぅぅ…」
射精が終わり、彼女はぐったりとした様子だった。
放心状態の彼女に、突然、凄まじい衝撃が襲う。
「はぎぃぃぃぃっ!!があああああああああああああああ!」
未だ挿入されていた触手から、造魔が放電を開始したのだ。
「あがあああああああああああ!!んぎいいいいいいいいいい!!」
快楽から一転、全身を焼くような苦痛に、彼女は叫び、やがて意識を失う。
反応しなくなった彼女に飽きたのか、造魔は彼女を砂浜に放り捨てる。
291魔法少女マユ 第7話 10/17:2009/10/25(日) 13:14:58 ID:gCuYIV4c
「おーい、ちゃんと生かしてるだろうな?」
さすがに心配になったのか、少年が彼女の元に近づいて確認する。
「んー…命に別状はなさそうだ…ちゃんと加減したようだな。良い子だ」
女性を見ていた少年は、状態を確認すると、褒めるように造魔の頭を撫でた。
褒められた事に、クラゲは嬉しそうに体を揺らしていたが、やがて相方の方を向く。
『おい…な、なんだその物欲しそうな目は…』
クラゲから注がれる熱い視線(?)にトカゲは嫌な予感を感じた。
彼の予想は的中していた。相方は彼の腕の中に居るシャーナを狙っているのだ。
『てめぇ!これは俺んだ!この嬢ちゃんはじっくり可愛がってやるんだよ!』
トカゲが必死に抗議した為か、つまらなそうにクラゲは主の方を向く。
「さすがに相方の分まで欲しがるのは欲張りだぞ。まぁ、そうがっかりするな…ほら、次が来たぞ」
少年の言葉に、クラゲも少年の向いている方を向く。
砂浜に二人の少女が立っていた。
「シャーナさん!アリスさん!」
裸にされ、陵辱を受けている二人の姿を見て、マユが叫ぶ。
「…よくも、お姉ちゃんを!」
リィンも、ロッドを強く握り締めながら言う。
「グッドイブニーング、お嬢ちゃん達。待ってたぜ」
ようこそ、とばかりにラディウスが両手を広げる。
「…気をつけてリィン。アイツ変態だから」
「うん…わかった」
表情を険しくしながら語るマユに、リィンは頷く。
「オイ、待てコラ。もう離れてよ、そのネタ」
少女達のやりとりに少年がツッコミを入れる。
「まったく…これだから最近の若い奴は…」
ぶつぶつと独り言を漏らしている。
「まぁいい…おい、アイツらを捕まえろ。お前が二人とも楽しんでいいぞ」
気を取り直したようにクラゲの方を向くと、少年は彼に告げる。
造魔が二人に向けて触手を伸ばす。
二人は左右に跳んで回避し、同時に魔法を放つ。
光の矢と火球が同時に放たれる。
造魔は避けきれずに直撃を喰らうも、怯みもせずに再び触手を振るう。
「なんでっ!?」
「いつもより威力が…」
殆どダメージを与えられない事に、少女達は驚きの声を上げる。
「んー、さすがに嬢ちゃん達は、このレベルの出力じゃ威力が落ちる程度か…」
少年は手に持った端末を操作する。
「うっ!」
「な、なに…これ…」
二人は体に異変を感じ、動きを止める。
292魔法少女マユ 第7話 11/17:2009/10/25(日) 13:15:42 ID:gCuYIV4c
造魔はその隙を見逃さず、マユの首へと触手を巻きつける。
「くっ!?うぅっ!」
「マユちゃん!きゃあっ!」
マユを助けようとしたリィンも、両手を縛られ宙吊りの状態にされた。
造魔は更に触手を伸ばし、少女達を拘束する。
「くぁ…あぅぅ…」
「く、苦しい…」
二人は体を締め上げられ、苦悶の声を漏らす。
「うぅ…こ、このぉ!」
マユが自分を拘束する触手を切り裂こうと、自由の効く左腕に魔力刃を作ろうとする。
だが、光の刃は完成する前に、霧散するように消滅してしまう。
「えっ?な、何で…」
少女は驚きの声を漏らす。
「ふふん…捕まえた事だし、種明かしをしてやろうか…ここには今、特殊な力場が発生している。
 それはお前ら、エルメリアの魔術を使う者達の、魔力の運用を妨害するジャミング効果があるんだよ」
戸惑う二人に、少年は笑みを浮かべながら話し始める。
「もっとも、俺の実験目的としては失敗作なんだがな…無駄に内部の効果が強く。
 エネルギー消費も酷くて長続きしない…ま、課題点が見つけられたのと、お前ら捕まえれたから良しとするかな」
少年は再び端末を操作し始める。
「この際だ、出来るだけデータを取らせて貰うぜ」
「な、何、何なの!?」
「へ、変身が…」
二人の纏っているコスチュームが光となって消えていく。
少女達は、変身前の私服姿に戻ってしまう。
「身体強化はある程度残してある…多少乱暴に扱っても大丈夫だぞ」
主人の言葉に、クラゲは嬉しそうに体を揺らす。
少女達の服に触手を伸ばし、服を破り裂き始める。
「ひやぁっ!?」
「や、やめて!!」
恥ずかしさに、少女達は拘束から逃れようと体を揺らす。
必死にもがく少女達を鬱陶しく思ったのか、造魔は巻き付けている触手から放電を行う。
「うああああああああああああ!!!」
「きゃああああああああ!!」
凄まじい電流が少女達の体を駆け巡る。
「うぁ…はぁ…はぁ…」
「くぅ…うぅ…」
放電が止むと、少女たちは力なく、項垂れた。
少女達が動けなくなった事を確認すると、造魔は動き出す。
293魔法少女マユ 第7話 12/17:2009/10/25(日) 13:16:19 ID:gCuYIV4c
「あぎっ!?」
造魔はいきなり、マユの膣口に一気に3本の触手を力任せに挿入する。
「がっ!?ひぐぅ!!」
リィンの膣口には、まず一本目を挿入してから、穴を広げて更に2本入れた。
唐突な行為は、少女達に激しい苦痛をもたらす。
「ぐううううううう!」
「ああああああああああ!!」
苦痛に顔を歪める少女達を更に苦しめようと、造魔はピストン運動を開始する。
少女達の小さな膣内に、強引に入れられた3本の触手は、アリスの時の様に、
膣内を回転しながら、ピストン運動を行う。
強引な拡張、そして無数の吸盤を擦り付けられる痛みに、少女たちは苦しむ。
「あがあああああああああ!!」
「はぎいいいいいいいいいい!!!」
少女達の、悲痛な叫び声が砂浜に木霊する。
何度も繰り返される前後運動で膣壁が傷つき、結合部から血が流れ出ていく。
「うああああああああああ!!!ひぎいいいいいいいい!!」
「あぐううっ!!がああ!ひぐっ!!があああああああ!!!」
やがて造魔は、少女達の子宮に大量の精液を注ぎ込む。
同時に、繋がったままの触手から、放電を行う。
「あぎいいいいいいいいいいいいいい!!」
「あああああああああああああ!!」
少女たちは天を仰ぐように体を反らし、激しい苦痛に痙攣を起こしている。
『そいつは射精の度に、行為の最中発電してた電力を放つからな。頑張って耐えろよ』
シャーナの胸を弄んでいるトカゲが、笑いながら少女たちに言う。
射精と放電が終わり、少女達は項垂れて震えている。
「ぅ…うぅ…魔法さえ使えれば…」
「んぁ…こ、こんな奴なんかに…」
少女達は項垂れながら、悔しそうに漏らす。
造魔が再び触手を蠢かせる。
「あぐっ!うあああ!」
「んぎぃっ!!」
深く刺されていた触手が、また前後に動き始め、少女達が声を上げた。
触手がまた3本、ゆっくりと少女達の体に延ばされる。
「え…な、何を…うぁっ!」
もう入らない、そうマユは口にしようとした。
「……まさか…い、いや!や、やめて!やめてよ!」
延ばされる方向から、造魔の目的を理解したリィンは顔を真っ青にして叫ぶ。
294魔法少女マユ 第7話 13/17:2009/10/25(日) 13:17:00 ID:gCuYIV4c
少女達のアナルにも3本の触手が挿入される。
「あぎいいいいいいいいい!!」
「がああああああああ!!!」
強引な挿入で肛門が大きく広げられ、激しい苦痛が生じる。
「いがああああ!!ぬ、抜いで!ぬいでよ!」
「いだいぃぃ!やめて!ひぎいいいい!!!」
前後の触手が同時にピストンを繰り返していく。
膣内と直腸を傷つけながら、触手が突っ込まれ、引き抜かれ、そしてまた突っ込まれる。
意識が飛んでしまいそうな激痛が、少女達を絶え間なく襲う。
「はぐうううううううう!!」
「んぎ!あがあああ!!ぐげえええええ!!」
少女達は触手に蠢かれる度に、大きく体を揺らし、口から涎を飛ばしていた。
「がああああああああ!!」
「んぎいいいいいいいいいい!!!」
突き刺されていた触手が、前後同時に射精を開始する。
同時に大量の精液を吐き出され、少女達のお腹はボコボコと膨れ上がっていく。
「はぎっ…はひっ…」
「んぁ…くぅ…うぅ…」
射精が収まると、少女達は腹が破裂しそうな感覚に、苦しげに呻き声を漏らす。
そんな少女達の体を、再度放たれた電流が駆け巡る。
「ひぎゃあああああああああああ!!!」
「あぐううううううううううう!!!」
放電を受けた少女達は、項垂れて動かなくなる。
まだ終わっていない、とばかりに造魔はマユの体に触手を巻きつける。
「んげええええええええっ!?」
膨れ上がっていた腹を、まるで絞るように触手で圧迫され、マユは口や秘所から大量の精液を吐き出す。
「んぐぅ!!げぼっ!?…ぐぼおおおおおおおお!!!」
リィンは何度もお腹を触手を打ち据えられ、マユと同じ様に精液を吐き出した。
ビチャビチャと白い液体が、砂浜に撒き散らされていく。
(マユちゃん…ダメ…こんなの…耐え切れないよ…)
至近距離でなんとか使えた交信の魔術で、リィンはマユに語りかける。
(諦めないで!ユーリィが…ユーリィが今、魔法が使えない元凶を探してるから!)
弱気になりつつあるリィンを、マユは必死に励ます。
『おいおい…お前もうちょっと可愛がってやれよ。そいつら死んだらドクター怒るぞ?』
隣の相方からかけられる言葉に、造魔は触手を一本出して、大丈夫だ、とばかりに振って見せる。
295魔法少女マユ 第7話 14/17:2009/10/25(日) 13:18:00 ID:gCuYIV4c
『まったく…俺らは気持ちいい事しようぜ?嬢ちゃん』
造魔は悶えているシャーナに笑いかけると、彼女を捕まえたまま歩き。
近くの岩に腰掛け、彼女を自分の方に向かせる。
『はい、おててはこっちね』
自ら胸や秘所を弄っていた彼女の手を掴み、頭上で拘束した状態にする。
そして、二つの首から舌を伸ばし、彼女の胸に巻きつけていく。
造魔の毒と、これまでもたらされた快楽で、正常な思考が出来ない彼女は造魔の行動に無抵抗だった。
「ひぁっ…ふぁ…はぁん…」
両胸を絞られるように巻き付かれて、シャーナは喘ぐ。
「はぅん…あひぃ…ひゃん!」
舌の先端で乳首を弄んでやると、ビクビクと体を震わせて、甘い声を漏らす。
『良い子だ。こっちも気持ち良くしてやるよ』
造魔は空いている手を、彼女の秘所へと伸ばす。
「あああああっ!」
勃起していたクリトリスを指で触られて、シャーナは矯正を上げる。
そのまま5本の指でゆっくりと秘所を愛撫していく。
『やっぱ胸はこれくらいなくっちゃ、弄びがいが無いな』
笑いながら舌を動かし、乳房をきゅっと締め上げてやる。
「ひぁん!」
シャーナは短く声を上げた。
そして、膣内にも指を突っ込み、膣壁の撫でてやる。
「あひゃああああああああ!」
激しい快感に、彼女は体を反らして悶えた。
更にじっくりと指を膣壁へと走らせ続ける。
『下の方もいい感じに濡れてきたじゃないか…本番と行こうか』
愛液に濡れた自分の指先を見て、造魔は彼女に笑いかける。
シャーナを砂浜に押し倒し、開脚させた態勢にさせると、ペニスを彼女の秘所へと近づけた。
『いくぜぇ…』
狙いを定めると、ゆっくりと膣口へとペニスを挿入していく。
「ひぁ…ああああああああああん!!」
激しい快感に絶頂を迎え、叫び声を上げる。
子宮口近くまで挿入すると、それをまたゆっくりと引き抜く。
「ふあああああああああ!やあああああああああん!!」
徐々に早くなっていくピストン運動に、シャーナは悶え狂う。
『ゲヘヘヘ!出すぜ!!』
「んああああああああああああ!!」
造魔の宣言と共に、子宮内に大量の精液が注ぎ込まれる。
シャーナは体を反らしながら、叫び声をあげた。
造魔のペニスが引き抜かれ、膣口から白濁を漏らしながら、彼女は砂浜の上で震えていた。
296魔法少女マユ 第7話 15/17:2009/10/25(日) 13:18:37 ID:gCuYIV4c
相方の行為を見物していたクラゲは、少女達の方に向き直る。
少女達の腹は、造魔の締め付けにより、注ぎ込まれた精液の大半を吐き出していた。
ぐったりとしている少女達の顔を上げさせると、だらしなく開かれていた口の中に、触手を侵入させる。
「むぐうううっ!?」
「もががっ!?」
放心状態だった二人は、その行為で現実に引き戻された。
まだそれなりに元気があると判断したのか…造魔は少女達の下半身に触手を伸ばす。
「んごおおおおおおおお!!!」
「むがあああああああ!!」
少女達の膣口とアナルに、再び触手が3本ずつ挿入される。
更に無理矢理口を開かせ、口にも2本追加した。
それぞれ計9本の触手を突っ込まれ、少女達は体を痙攣させている。
『大丈夫ですか?あれ…』
「あー…まぁ、まだ大丈夫だろう…にしても早く終らせないと、稼動限界時間になっちまうぞ」
トカゲの言葉に、少々困ったように、少年は頭を掻く。
激しい陵辱が再開される。
膣内と直腸を突き進む触手。結合部からは、精液が触手が動く度に漏れ出てきた。
口内でも所狭しと暴れ回り、上顎や舌に吸盤を吸い付かせる。
「もがああっ!!んげええええええ!!」
「んぶううう!ごぼおおおおお!!んんんん!!」
顎が外れんばかりに口を開かされ、少女達は目を白黒させている。
二穴を犯す触手も、次第にその速度を速めていく。
「んごおおおおお!!」
「ぼげええええ!んぎいいいい!!」
口内を犯していた触手達が、一斉に喉の奥の食道へと突き進む。
9本が示し合わせたかの様に、同時に射精を開始する。
「がばあああああああああ!!!」
「んぼえええええええええええ!!」
射精の反動で口から触手が吐き出される、未だ射精を続けている触手は。
少女達の顔や体に白濁を浴びせかけていく。
そして、中身を出されて小さくなっていたお腹も、大量の精液で満たされていった。
追い討ちをかけるように、造魔が放電を開始する。
「あぎいいいいいいいいいいいいいいいい!!!」
「はぎゃああああああああああああああ!!!」
放電を終えると、また造魔は、ぐったりとしている少女達のお腹に、触手を巻き付けて、搾り出そうとし始める。
「あげええええええええ!!」
「ぐえええっ!!あぎいいいいい!!」
『あー…まだやる気かよ』
白濁を無理矢理、吐き出させられている少女達を見て、トカゲは呆れたように呟く。
少女達の限界は徐々に近づきつつあった。
だが、途切れそうになる意識の中でも、少女達はまだ希望を持っている。
もう一人の仲間が、魔法を封じている手段を破る手立てを探してくれているからだ。
(…ユーリィ…まだなの!?)
激しい苦痛に耐えながら、マユは心の中で叫ぶ。
297魔法少女マユ 第7話 16/17:2009/10/25(日) 13:19:36 ID:gCuYIV4c
「……あー…俺なんか忘れてる様な…」
ラディウスがふと思い出した様に呟く。
『忘れてる?何をですか?』
傍らに立つトカゲが尋ねる。
「いや…大事な事を忘れているような…なんだろう?思い出せない…」
『アニメの録画予約でも忘れたんじゃ?』
「馬鹿を言うな、俺がそんな低レベルなミスをする訳が…何だろう、物凄く大事な事なんだが…」
彼らが立っている所から少し離れた草むらの中。
「あった…これがアイツの言ってた装置だ!」
念の為にとマユに言われて、離れた場所で待機していたユーリィは、少年の語った装置を探し続けていたのだ。
眼前で犯され続ける少女達を助ける為に、ユーリィは飛び出したかった。
だが、それを必死に堪え、彼女は少年達に見つからないようにしながら、探索していたのだ。
「この装置付近は魔法が使えそうだ…よーし」
自分の魔力が上手くコントロール出来る事を確認すると、草むらに隠蔽されていた装置から更に距離を置く。
「いっけーーーー!!」
行使できる魔法の中でも最高の威力のものを、装置に向けて放つ。
「思い出した!!あの妖精のチビ何処だ!?」
ユーリィの事を思い出した少年が叫ぶと同時に、草むらから爆発が生じる。
「えっ…いやーーーーー!?俺の作品がーーーーー!!!」
慌てて走っていく少年。
『ドクター!危ないですよ!』
トカゲも彼を追いかけて走る。
中枢の装置を破壊された為、周囲にフィールドを形成した装置も停止する。
「今だよ!マユちゃん!リィン!!」
ユーリィの叫びに、二人は顔を見合わせる。
「「変身っ!!!」」
叫びと共に、二人の体が眩い光に包まれた。
少女達を拘束していた造魔は、放たれた魔力の余波で、少年達の方に吹き飛ばされる。
「へっ!?んぎゃーーーーー!!」
クラゲに激突されて、吹っ飛んだ少年とトカゲ。
『て、てめぇ!何アイツら逃がしてんだ!?早く退け!!』
クラゲに圧し掛かられたトカゲは、必死に彼を退かそうとする。
「う、うぅ…よくも…好き勝手やってくれたわね!!」
「絶対…許さないんだから…!」
再び変身した少女達は、フラフラとよろめきながらも武器を構える。
そして、互いに武器を重ねて、魔力を収束させていく。
「あ…ちょ!…ま、待って!!」
クラゲの体から這い出た少年は、少女達の方を見て声を上げる。
「「吹っ飛べーーーーーーー!!!」」
二人の怒りの叫びと共に、少女達の身長ほどもある直径の光が放たれた。
「ぎゃああああああああああああ!!?」
少年と2体の造魔は光の奔流に呑まれていく。
次の瞬間、凄まじい爆発が彼らの居た場所から起きる。
爆風で少年の体が宙高く放り出されていく。
「お前らーーーー!!!これで終ったと思うなよーーーーーー!!!!」
捨て台詞を叫びながら、少年は遠く海の方へと飛んでいった。
298名無しさん@ピンキー:2009/10/25(日) 13:19:42 ID:DvvDYXHB
しえん魔法
299魔法少女マユ 第7話 17/17:2009/10/25(日) 13:20:22 ID:gCuYIV4c
「はぁ…はぁ…もうダメかと思った…」
「私も…ありがとう、ユーリィ…助かったよ」
ありったけの魔力を使った少女達は、激しい疲労感に襲われ、地面に座り込む。
「ごめんね!もっと私が早く見つけれてれば…!」
ユーリィは申し訳なさそうに頭を下げる。
「気にしないでよ。ユーリィが見つけてくれなかったら。 
 皆アイツに捕まって、造魔の母体にされちゃう所だっんだから」
「マユちゃんの言うとおりだよ。気にしないでユーリィ」
少女達はにっこりと彼女に微笑む。
「う、うん…」
ユーリィは少し照れたように顔を赤らめる。
「あ…うぅ…」
「お姉ちゃん!大丈夫!?」
頭を押さえながら起き上がったシャーナの元に、リィンが駆け寄る。
「え、えぇ…なんとかね…」
「アリスさんの方も無事だよ。まだ目は覚ましてないけど」
「そう…それにしてもドクター・ラディウス…恐ろしい人物ね、あんな物を作り出すなんて」
安堵したような表情を浮かべた後、シャーナは深刻そうに言う。
「今回も仕留め損なっちゃったし…また来るかもね」
「そうだね、気をつけないと…」
マユの言葉に、リィンも頷く。
「とりあえず…戻りましょう。この体なんとかしないと…」
シャーナの言葉に頷くと、彼女達は戦闘の痕跡をある程度処理した後、一箇所に集まって転移した。




「ちくしょー…もう少しだったのに…アイツに遊ばせ過ぎたな…」
遠く海に投げ出された少年は、流木にしがみ付いて泳ぎながら、岸を目指していた。
「まぁ、いいさ…今回の実験で、課題点は分かった…完成させてやる。この研究を…!」
不敵な笑みを浮かべる少年。
「……ところで、岸にはいつになったら着くのだろうか…」
ぽつりと漏らす少年。
「ぬおーーーー!!誰か助けに来てーーー!!!ヘルプミー!サンダー野鳥ーー!!!」
300マユ作者:2009/10/25(日) 13:23:45 ID:gCuYIV4c
おかしい…最初の予定ではトカゲの方が酷い事するはずだったのに…
気がつけばクラゲが暴走してる…むしろトカゲわりと優しいじゃん。
と、いう訳で第7話でした…ラディは書いてて楽しいです、はい。
今回は名前すら出てこなかったマユの両親もチラッと出しました。今後はあまり出ないでしょうが…

投下支援してくださった方、ありがとうございます。
それでは、また次回でお会いしましょう。
301名無しさん@ピンキー:2009/10/25(日) 13:42:05 ID:DvvDYXHB
ふぅ アリスちゃんや他の魔法少女もとことん嬲られるのがいい
やられまくって手遅れになってから救出がナイス アナル責めもナイス
GJでした
302名無しさん@ピンキー:2009/10/25(日) 13:47:00 ID:BfKyjBrX
>>300
乙でした!
マユちゃん!君のお父さんの勤めてる会社、魔族が経営してるよ!!
ラディは姉同様うっかりさんな所があるねw
303名無しさん@ピンキー:2009/10/25(日) 17:03:55 ID:jfhGob4D
GJです。
回を重ねるごとにどんどん良くなってると思うです。

もうスレの容量をほとんど食い潰したなw
あともう一本、長さによって入るかどうかって感じか。
304名無しさん@ピンキー:2009/10/25(日) 17:13:58 ID:6QeOkq4L
>>295
GJ
無力化は良いよね。
必要以上に痛め付けなくて済むところが良い。
痛め付けるなら、プレイとしてやりたいからね。
305名無しさん@ピンキー:2009/10/25(日) 17:15:23 ID:AJ3+E+YN
俺はプレイとか無関係にボッゴボゴにするのが好き
306名無しさん@ピンキー:2009/10/25(日) 18:08:54 ID:jfhGob4D
戦闘から敗北、陵辱までの一連の流れを重視してる。
苦しんだり、悔しがったり、絶望する姿に激しく興奮する。
だから俺は、無傷のまま無力化するのも、ボコボコに痛め付けられるのも大好きだ。
307名無しさん@ピンキー:2009/10/25(日) 21:19:52 ID:GAAOABHH
ギャグシーンに無粋なツッコミだが、マユたちはラディを吹っ飛ばすのではなく
生け捕るべきだったのではなかろうか
戦況を劇的に変化させたかもしれない千載一遇のチャンスを逃したようなw
308名無しさん@ピンキー:2009/10/25(日) 22:13:18 ID:BfKyjBrX
>>307
激しい怒りにぶっ放さずには居られなかったんだろうw
つかこの作品、転移魔法が有るのに何故ラディは泳いでるんだwww
309名無しさん@ピンキー:2009/10/25(日) 23:06:50 ID:AJ3+E+YN
文句の多い奴らだな
批判するなら読むなよ
310名無しさん@ピンキー:2009/10/25(日) 23:39:27 ID:GAAOABHH
>>309
え?
311名無しさん@ピンキー:2009/10/26(月) 00:32:10 ID:Zgzv45Nc
>>309
ろ?
312名無しさん@ピンキー:2009/10/26(月) 18:47:56 ID:pxiL5T9s
>>308
彼はきっと、それを忘れてて、無我夢中で泳いでたんだよ。
そしてやっとの思いで岸について、帰ろうとした所で転移出来る事を思い出すんだ。
そして、砂浜でorzとなるんだろうさw
313名無しさん@ピンキー:2009/10/26(月) 21:08:53 ID:pxiL5T9s
前スレがやっと埋まったかw
314 [―{}@{}@{}-] 天地の人:2009/10/27(火) 11:37:30 ID:2JWgXJgy
(´・ω・`)天地の人が 仲間になりたそうに こちらを見ている
仲間にしてあげますか?
   はい
   いいえ
 ニア ころしてでも うばいとる

な、なにをする(ry

素晴らしい作品が続々投下される中、忘れられているかもしれませんが、天地魔法帖の第二話後編にて参加させていただきます。
鬼畜の度合いは(比較的)低めですので、皆さんのお眼鏡にかなうかどうか……サイズも埋めにちょうどいいというわけで。
あらすじと前編の概略で1レス、その後に本編を投下します。前編から読んでくださるという方がいらっしゃいましたら、前スレの95から貼ってあります。
315 [―{}@{}@{}-] 天地の人:2009/10/27(火) 11:40:19 ID:2JWgXJgy
天地魔法帖あらすじ(天地代理戦争概要)

「浄化」の魔法により人類の悪徳を消滅させようとする神と、それを阻もうとする悪魔たちは、それぞれ人間の代理戦士を立てて人類の命運を決することにした。
清らかな心と敬虔な信仰心を天使によって見出された十人の魔法少女。
尽きぬ欲望と快楽への執着を悪魔に見染められた十人の魔人。
彼らの戦いに定められたルールは三つ。
一つ、魔法少女と魔人はこの戦いを誰にも明かしてはいけない。
一つ、戦いは魔法少女と魔人のどちらかあるいは双方が「浄化」「堕落」の魔術に支配されたことを決着とする。
一つ、魔法少女と魔人の戦いは常に一対一の決闘とする。魔法少女に魔法少女が助勢することは許されず、魔人においても然り。また天使と悪魔は基本的な知識を与える以外は戦いの経過にも結果にも関与してはならない。
魔法少女たちが勝利すれば、人類のあらゆる悪徳は浄化され神の法の下の楽園に生きることとなる。
魔人たちが勝利すれば、現状が維持される。

前編概略
代理戦争の第二戦、アーデルハイドVSラグナイト。
ゴーレム創造という神の御業を操り、大地そのものに守護されるアーデルハイドは『聖女』の名を冠するに足る魔法少女側の突出した最大戦力。
生身でスーパーロボット並の破壊力を振るう彼女の力をもってすれば、たった一人で魔人を殲滅することも容易に可能である。
雷を操る魔人ラグナイトは果敢に勝負を挑むが、アーデルハイドを守護するゴーレム『アースガルズ』には一切の攻撃が通用せず、戦いとすら呼べないまま一撃で叩きのめされる。
『浄化』の魔術で決着をつけようとするアーデルハイドに、力尽きたラグナイトが問うた。生への過剰な執念だけで命をつなぐ病人がいる、神の愛はその者に死を与え、遺族から悲しみをも奪うのかと。
それがラグナイトの母親のことであると察したアーデルハイドは、答えを持たぬまま決着はつけられないと休戦を申し込み、ゴーレムから離れてラグナイトに微笑みかける。
勝機よりも一人の少年の哀しみに重きを置いてしまう、その優しさと慈愛が彼女の聖女たる由縁だった。なんと彼女は、ラグナイトを哀しませる結果を生むなら戦いから退くとすら言った。
「あなたみたいな優しい人に、悲しい思いなんてさせたくありませんから、ね?」
「……わかった。戦いは、やめだ」
休戦を受け入れ、彼女の手を取ったラグナイトは、彼女に自分が恋をしてしまったことを悟る。しかし、ふと彼の心に魔がさした。
(あれ、ここで攻撃したら勝てるんじゃね?)
ゴーレムの加護を受けている聖女に攻撃が届くのは、彼女が無防備にも自分に触れている今この瞬間しかなかった。
「エレクトリッガーッ!」
その瞬間、彼は全力でアーデルハイドに電撃を叩きこんでいたのだった――
316 [―{}@{}@{}-] 天地の人:2009/10/27(火) 11:41:20 ID:2JWgXJgy
闇の帳が落ちようとしている公園に、少女の華奢な体を電撃が駆け抜ける音は異様なほど大きく響いた。
「ぁう!」
そんな、何が起きたのかわからない様子の間抜けな声が、これから長く続くアーデルハイドの苦痛の夜の開幕の響きだった。
否、彼女にとってはまさしく予想外だろう。休戦に合意し微笑み合っていた相手、確かに心が通じたと確信した相手が――不意打ちで魔術を彼女に叩きこんだのだから。
むろん、相手は悪魔に見いだされた魔人である。他の魔法少女であれば無防備で触れ合ったりなどするわけがない。
だがアーデルハイドが赤子のように無防備になってしまっていたのは、人の善性を信じているからというより単に彼女がお人好しであるからだ。
「あ! あ、あ、あああっ!」
一瞬遅れて、アーデルハイドの唇から悲痛な絶叫が上がった。ラグナイトは射精のような快感を覚えて、断続的に電撃を少女に叩きこんだ。
腕から入った電撃は少女の華奢な肩から豊麗な胸元にかけて迸り、美しい顔を苦痛にゆがませ、下腹部から足に抜けて大地に逃げる。
電撃が撃ちこまれるたび、少女の肢体はまるで内側から激しく鞭で打たれたかのように飛びはね、黒い舌のような電撃が素肌から漏れた。
駆け巡る電流から溢れた余波が大気中に放電を起こしているのだ。局所的な雷のようなそのエネルギーも、彼女を責める電流のほんの一端でしかない。
唯一の救いは、電流ゆえに一撃した後は地面に逃げて行ってくれることだったが、それを不満に感じたラグナイトはアーデルハイドの腕を頭上に持ち上げた。
「あぐうううっ……」
もがき苦しむアーデルハイドの足が大地から離れていく。それは電流がどこにも逃げなくなったことを意味していた。
結果――漆黒の電撃はアーデルハイドの全身を蹂躙した後、どこにも逃げずに彼女の体を縦横無尽に駆け巡るようになる。体内を駆ける電流は電撃が撃ち込まれるごとに当然ながら増していった。
「あうああっ、やああああああああ!!!」
アーデルハイドの悲鳴が一段高くなった。小ぶりな唇を限界まで開いて叫びを発し、瞳の焦点はもうどこにも合っていない。
聖女は全くの無力になっていた。彼女の法衣には強力な魔術耐性があったが、素肌の腕から潜り込んだ雷は法衣に包まれた肢体の内側から彼女を責めるのだ。
むしろ全身からの放電に蓋をすることで、彼女への攻めをより効率的にする拘束衣の役目をも果たしている。
「いたいっ、いたいよおおおっ!」
次の電撃が撃ち込まれるまでのわずかな合間に少女は泣き叫ぶ。酸欠で真っ赤になった顔を苦痛にゆがませ、眼をギュッと閉じていやいやをする。
両手を上にまとめられてつりさげられた格好で子供のように足をばたつかせるが、それが電撃を逃がそうとしているのか抵抗しようとしているのかそれとも単なる痙攣なのか、すでに判然とはしない。
彼女の体内に満ちた雷は飽和状態に近く、皮膚表面からの放電はますます頻度と威力を増していく。
電撃を打ち込むたびに少女の全身が痙攣して皮膚から放電する様子は、まるで可憐な線香花火でもぶらさげているようだ。
まるで落雷の直撃のような電撃責めは、生身の人間なら一瞬で黒焦げだ。これに比べれば電気椅子など省エネもいいところだ。
いや、普通の魔法少女でも死んでいる。それでも聖女の恵まれた魔術耐性が、アーデルハイドに死を許さない。
「かひゅっ……ゅっ……」
長い長い悲鳴で肺の空気を吐き出しきった少女の反応が急速に弱まってきたので、ラグナイトはようやく少女を地面に下ろした。
はしたなく投げ出された四肢に満ちた電撃が名残惜しそうにゆっくりと少女の体から大地に流れ出て行き、最後に少女を酷く苦しめた。
「はうっ……あうっ、はっ、はっ……」
人形のように投げ出された手足を動かす力もなく、荒い息をつく少女の瞳からようやく涙がぽろぽろとこぼれおちた。よく見ると彼女の吐息には、焦げくさい黒い煙が交じっていた。
戦闘不能どころではない。死体の一歩手前というべき、完全に打ちのめされた姿だった。
ラグナイトはその様子を見降ろして、自分の中に生まれた黒い欲望がますます掻き立てられるのを感じた。もう理性では止められなかった。
317 [―{}@{}@{}-] 天地の人:2009/10/27(火) 11:42:44 ID:2JWgXJgy
無防備に身体を開いて泣きむせぶ少女を見ているとさすがに哀れを催して、ラグナイトはせめて苦痛を軽くしてあげようと考えた。
ふと思いついたのは、人間の体で電気が流れにくい部分は脂肪であるということだ。そして、華奢なアーデルハイドにもはっきりとわかる脂肪が二つもついていた。
ラグナイトはアーデルハイドの腹に腰をおろし(彼女は激しく咳き込んだが)、目の前で静かに存在を主張する豊かな乳房を両方とも握りしめた。
「ひっ」
びく、と少女の全身が先ほどとは別の意味で痙攣した。信じられない、とでも言いたげな目で胸に触る掌を見て、いやいやと首を振る。
「おおおお……」
ふにふに、と柔らかな感触を楽しんでいたラグナイトは、アーデルハイドのうぶな反応も含めて感嘆の吐息をもらした。
「や、やめて……やめてください……」
「すごい、やわらかい……」
彼女の哀願を無視して、ラグナイトは乳房をこねくり回すことに没頭した。すでに、電撃の威力を軽減するとかの思考は消えている。
彼女の法衣は攻撃に対しては強靭な防御力を誇るが、基本が布であるために胸を揉む分にはまるで障害とはならない。
最上級の感触を味わいながら、揉みまわして弾力を楽しんでいると、アーデルハイドは目を堅く閉じて唇を震わせた。まるきり痴漢の光景である。
「ひっ……ひん……」
男に触られたことなど一度もないに違いない。それどころか、自分の体が欲情の対象となっていることすら考えてもみなかったとでもいいたげな反応だった。
「やめて……」
「やめてくれないとしたら、どうする?」
少女にもう抵抗する力が残っていないことを悟っているラグナイトは、手を休めずに嬲るようにたずねた。
「……あなたのことを……きらいになってしまいます……」
「……は?」
一瞬、手がとまるほどに呆気にとられた。
休戦に合意するといった舌の根も乾かぬうちに裏切って不意打ちを加え、長々と電流攻めした揚句、こうして乳房を弄んでいる男に対し……『嫌いになってしまいます』?
それは、なんとずれた言葉なのだろう。つまり……彼女にとって『嫌い』というのは、そこまで特別な感情なのか。
これまで人を嫌いになったことがないのかもしれない。そんな人間がいるなんて想像もできないが……
(嫌われたい……特別になりたい)
そんな屈折した思いがわき上がった。いじめっ子が好きな女の子をいじめてしまう気持ちと根は一緒だが、手にした力は次元が違う。
ラグナイトの両手に再び雷が集まった。少女は哀願するような瞳で見上げたが、ラグナイトの叫びのほうが早かった。
「エレクトリッガーッ!」
「〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!!」
乳房に叩きこまれた電撃は再び少女の全身を撃ち抜いた。法衣を貫いて若干威力が落ちた電撃は、しかし少女の苦しみを長引かせるだけだった。
「やあっ、やめてっ、やめてえええええっ!」
首をぶんぶんと振り、ラグナイトの尻に敷かれたおなかをうねらせ、両手足でばたばたと地面を掻く様子は、まるで生きながら標本に縫いとめられた美しい蝶のようだ。
「ああっ、ひいっ、あうぅ……」
衰弱しきっていた少女はすぐに大人しくなった。全身の痙攣も次第に弱まっていき、息を吐ききった酸欠で顔が朱に染まる……それ以上に、血の気が引いて青白くなっている。
流石にかわいそうになって、ラグナイトは考え直した。心臓に近い乳房に電撃を打ち込むのは危険である。それよりは、別の脂肪の集まるところのほうがいいかと。
彼はアーデルハイドの乳房を手放し、腹から腰を上げると、ひゅうひゅうと細い呼吸を始めた身体をひっくりかえしてうつぶせにした。
そのまま、再び背中に腰をおろし(少女はまたも咳き込んだ)、少女の足に顔を向け、その付け根にある二つのふくらみ……すなわち、お尻をむんずとつかんだ。
「……あ……え……? やだ……」
困惑が多分に混ざった声が、うつぶせのアーデルハイドから漏れた。だが、今度はラグナイトが即座に電撃を叩きこんだため、その声はすぐに悲鳴へと変わる。
「嫌ぁぁぁぁァ……!」
絞り出すような悲鳴をもらし、少女はうつぶせのまま手足をばたつかせた。まるで地面でクロールでもしているかのようだ。
ラグナイトは、少女のお尻の感触に夢中になっている。あまり肉は付いていないが、思いのほか豊かな弾力で乳房と同じように楽しむことができた。
射精のような感触で電撃を送りながらお尻を撫でまわす。アーデルハイドは身をよじって逃げようとするが、その動きも次第に弱弱しくなっていった。
(可愛いなあ……)
ラグナイトはそんな感想を抱いた。恐ろしくサディスティックな行為を続けていながら、信じられないくらい呑気な感想だった。
318 [―{}@{}@{}-] 天地の人:2009/10/27(火) 11:43:38 ID:2JWgXJgy
「俺、お前ほど悪い奴見たことないよ……」
不意に、どこか距離を置くような口調で言葉が投げかけられた。ん? と顔を捻ると、彼をサポートする悪魔ギャレットがかなり遠くからこちらを見ていた。
「え……悪魔がドン引きするほどの悪人なの、俺……」
「お前、その体勢でそれを言うのか」
うつぶせにした少女に腰をおろし、お尻を愛でながら電撃責めする男の図。確かに立派な外道であるが、それ以上に立派な変態さんである。
「かわいそうにその娘、もう気絶してるじゃねえか……」
「え……? あ、本当だ」
電撃の反射で微動してはいるが、少女は瞳を見開いたまま頭を地面に落とし、完全に気を失っていた。涙とよだれを垂れ流す無様な姿だったが、不思議と見苦しくはなかった。
魔術の発動を中止すると、少女は糸の切れた人形のようにうつぶせに横たわった。特に重点的に責められていたお尻を突きあげるようにしてひくひくと微動していると思うと、法衣の股のあたりがゆっくりと濡れて行った。
(うわっ……この子、お漏らししてる……)
電撃によって失禁してしまうのは、別に不思議な現象ではない。しかしラグナイトは、純白の聖衣を濡らしていく薄い液体に神秘的な好奇心を掻き立てられずにはいられなかった。
(俺って変態だったのかも……)
今さら気付いたのか、と誰もが突っ込むだろう。
震える指を少女の股間にそろそろとやろうとすると、悪魔の少年がため息をつく大きな音が聞こえた。
「お楽しみもけっこうだがな、まずは『堕落』の術をかけろ、それでお前の勝ちだ」
「……わかったよ」
憮然と少女の背中に両手をあてて、ラグナイトは魔力を送り込んだ。
一度決まれば自力では決して解けない、最強に近い『堕落』の呪い。魔術耐性のある人間なら防御することはできるが、ここまで打ちのめされていては到底不可能だ。
「あ……」
意識のない少女の喉から声が漏れ、びくんと身体が浸透した。処女を奪われる陵辱にも勝る汚染が彼女の芯にまで沁み渡ったあかしだった。
「よし、終了だ。帰ってゲームでもやろう」
「この子は?」
背を向けて歩き出したギャレットを追って立ち上がりながら、ラグナイトはうつぶせのアーデルハイドを見下ろした。
「いや、そろそろ来るころだ。面倒に巻き込まれないうちにとっとと来い」
「え?」
「いいから」
半ば強引に少女から引き離されたラグナイトは、悪魔の言葉の意味をすぐに知ることとなる。
戦闘が終わり、結界の解かれた公園に……いつのまにか、ガラの悪い男たちがぞろぞろと集まりつつあったのだ。
男たちはまるで砂糖に群がる蟻のように、倒れ伏したアーデルハイドに向かって迷いなく進んでいく。
「奴らは?」
「悪魔でも友達になりたくはないゲス野郎どもだよ。『堕落』の呪いは瘴気を発してああいった奴らを呼び寄せるのさ」
「いや、そういったことを聞きたいんじゃないんだが」
男たちはすでに理性をなくしているようで、茫然と見つめるラグナイトとギャレットには気づきもせずに横を通っていく。
その様子は……まるでゲームに出てくるゾンビのようだった。生肉欲しさに群がってくるという意味では間違いではない。
「うまそう」
比較的理性の残っている男が、だらだら唾液を流しながらつぶやいた。男たちの中には、前傾姿勢で走りだそうとしてそのまま転ぶ奴もいる。
「あいつら、大丈夫なのか……?」
「普通、瘴気を浴びてもあそこまでにはならないんだが……堕ちた聖女ってのは負のエネルギーも半端ないらしいな」
319 [―{}@{}@{}-] 天地の人:2009/10/27(火) 11:44:55 ID:2JWgXJgy
アーデルハイドに真っ先にたどりついた幸運な男が、彼女の右足をつかんで高々と持ち上げた。
逆さに吊られたことで焦げ目の付いた法衣がめくれあがり、まっ白い太ももの付け根までがあらわになるものの、足の付け根の衣装が法衣と一体化していて下着までは見えていない。
「がるるる」
次々と群がった男たちがアーデルハイドの四肢を次々ととらえ、四方向に引っ張って彼女の体を水平に吊りあげる。ぎりぎりぎりと力任せに引っ張りながら、少女の手袋や靴を乱暴に脱がせて無防備な肌をあらわにした。
「あ……う……いたいよ…………あれ……?」
力任せの強引な磔の苦痛で、アーデルハイドは意識を取り戻す。だが、自分を取り巻く状況がまるで理解できていないようだ。
「まっくら……ど、どうして何も……? 私、どうなってしまったの……?」
苦痛に顔をしかめながら周囲を見回すその瞳は、白く濁って焦点を合わせていなかった。
「もしかしてあの子……」
「目、やられちまってるな。もちろんやったのはお前だが」
「どうにもならないのか?」
「魔術のダメージなら魔術で結構簡単に癒せるが。ところで見物にもあきた、そろそろ帰ろうぜ」
「ちょ、ちょっと待てって」
まるで気楽に背を向け歩き去ろうとするギャレットをラグナイトはあわてて引き留めた。
「なんだよ?」
「なんだよ? じゃねえよ! どうすんだよあの子!」
「どうするも何も、堕落の呪いの力で永遠に肉体と尊厳を蹂躙され続けるんだろ。俺達には関係のない話だ」
けろりとしているギャレット。それは人間の価値観とは完全に異なる悪魔の価値観。
大切なのは勝利であって、敗北して呪われた少女はすでに興味の対象から外れている。どれだけ悲惨な目に会おうが何の気にもならないのだ。
「いや、しかし」
「それとも何か? おまえはあの娘を飼いたいのか? あまり勧めはしないぞ、ダチを家に呼んでゲームもできんし、入院中の母親はいいとしてもたまに飯作ってくれるあの娘になんて説明するつもりだ」
「なんでそこは正論なんだよ。しかもあいつが作るのは料理じゃなくて殺人凶器だから」
そんなことをごちゃごちゃやっている間にも、アーデルハイドには続々と男たちがとりついている。
320 [―{}@{}@{}-] 天地の人:2009/10/27(火) 11:45:36 ID:2JWgXJgy
まず、彼女の両手両足を引っ張っている男たちが、顎が外れるほど口を開いて彼女の手足の先端を喉の奥まで突っ込んだ。食欲と性欲の区別すらつかなくなってしまっているようだ。
「ひいいっ!?」
盲目となった聖女は背筋を反って悲鳴を上げた。手足がちぎれんばかりに引っ張られていると思ったら、突然ぬめぬめとした生温かいものの中に突っ込まれたのだ。
そのまま男たちは地面に座り込み、少女の指先やつま先を胃袋にまで差し込みつつ、手首や足首を顎でくわえこみ、少女の関節部を丹念に撫でまわした。
「た、たべないで……おねがい……」
少女にも、自分の手足が何者かの口の中に挿しこまれたのがわかった様子で、恐怖に身を震わせる。自分が『食べられる』というのは、この場合それほど間違いではない。
盲目のアーデルハイドには周囲で荒い息を吐いているのが人間の男性であるなど思いもよらないだろう。息遣いといい気配といい、それは飢えた獣そのものだ。
「わたし、おいしくないよおっ……」
説得力はあまりない。食して旨いかどうかは知らぬが、欲情という観点からみれば……華奢でいて豊麗というバランスのとれた肢体は掛け値なしにおいしそうではあった。
そして、両手足をがっちり固定されて仰向けに浮かべられた少女の全身に、とりついた男たちの手が次々と伸びる。
まず最初に標的とされたのは、仰向けになるとひときわ目立つ張りのある乳房だった。男たちに渾身の力で鷲掴みにされたふくらみは、さらに別の手によって哀れにも絞りあげられる。
「ひあっ! あう! やだあっ! ………………ひゃああんっ!」
雑巾を絞るよりも乱雑に扱われて、少女が苦痛に声をもらす。そして、実に三人もの両手によって丹念に握りつぶされて絞り上げられた先端に男の手がかかった時、少女はひときわ高い声を放った。
「あ、ああっ……な、なに、今の……」
電撃より激しく全身を貫いた感覚の正体は、堕落の呪いで汚染された肉体の感じる極上の快楽である。
そしてそれは、アーデルハイドが生まれて初めて感じる性的快楽でもあった。乳首に与えられた強烈な刺激が、法衣越しにもアーデルハイドの肉体を目覚めさせたのだ。
その間にも、男たちはリズミカルに乳房を絞り上げ、そして苦痛の極まって感覚の集中した先端を人間離れした握力で握りこんだ。
「ひっ! ひん! あん! ああっ!」
一度意識してしまえば、その感覚に逆らうことはできない。アーデルハイドは顔を赤らめ、苦痛すら忘れた様子で悶絶するかのように身をよじる。乳首を刺激されて甘く悶えるしぐさは楽器のようだ。
快楽の波動は手足にも伝わり、もじもじと指先を動かすと、男たちが歓喜して激しく舌を動かし、少女の可愛い手のひらや足の裏を勢いよく舐めまわした。
「きゃああんっ!」
くすぐったさが快楽に変換され、手足をこわばらせて体をゆすり、微熱のように全身を冒し始めた快感を逃がそうと無駄な努力をする。
その隙に、さらに群がった男たちは彼女にしがみつこうと手を伸ばすが、もとより華奢な少女につかめるところはあんまりない。少女の法衣を掴んで四方八方に引っ張るものの、敗れたとはいえ魔法少女の衣類は人間の腕力では破れない。だが。
「あううううっ!!!」
不意に少女は絶叫した。たまたまある男の引っ張った衣類が彼女の秘所を守る布に通じており、強く引くことで聖なる法衣が股間に食い込んだのだ。
「やだああっ! こんなのいやああっ」
両手足をぴんとひっぱられた状態では抵抗などできはしない。敏感な部分を力任せに刺激されて、少女は泣きながらもだえ苦しんだ。
面白くないのは他の男たちである。怒りにまかせて、本能的に一人の男がナイフを取り出し、少女の衣服を斬り裂こうとする。だがそれもうまくいかなかったので、癇癪を起こして少女の下腹部にナイフの先端を突きこんだ。
「ひいっ!」
少女が恐怖の叫びをあげ、がちがちと歯を鳴らした。ナイフは法衣が喰いとめたが、鋭利な先端が腹部を鋭く圧迫し、盲目の少女に刃物の存在を知らせたのだ。
「やめてぇっ! ささないでっ!」
朱に染まっていた顔を蒼白に変え、震え始めた少女の無防備な腹に、これは楽しいと思った複数の男たちが次々とナイフを突き立てる。ぼす、ぼす、と音を立てて、少女のおなかを冷たい刃物が圧迫した。
「いやあああっ!」
今まさに処刑されようとしている死刑囚ですら、これほどの恐怖は感じないだろう。磔にされて性器を刺激され、雨のようにナイフで突かれながら、少女は身も世もなく泣き叫んだ。
321 [―{}@{}@{}-] 天地の人:2009/10/27(火) 11:46:40 ID:2JWgXJgy
「……すごいな、あの娘」
「なにがだ?」
ギャレットが不意に興味をひかれた様子で少女を見る。
「普通、堕落の魔法をかけられた魔法少女は法衣を失うんだよ。汚染された肉体と精神では聖なる力の根源に触れることはできないからな。だが、あの娘はどうやら肉体は汚染されきったようだが、精神はまだ堕落の呪いに抵抗しているようだ。流石は、聖女というところか」
「その場合、戦いの勝敗はどうなるんだ? たしか堕落の術が勝利の決め手だったはずだが」
「堕落の術がかかった以上、おまえの勝ちで変わらないさ。あれだけの数に責め立てられればあの女の精神もすぐに壊れるだろうし、壊れもせず屈服もしなかったらそっちの方が地獄だ。正気のまま永遠に蹂躙され続けなければならん」
「救う手立てはないのか?」
「さあ? 堕落の術を解く唯一の方法は真実の愛とやらだが、あるいはあっさり壊してやればあの女も楽になれるだろ。だが俺達には関係のない話だ」
「……」
ラグナイトは沈黙したまま、アーデルハイドを見つめる。
既に彼女の周りには二十人近い男が群がっており、手足を舐めしゃぶる者、乳房を握り絞る者、ナイフで法衣越しに肉体を突く者などがいる。
そこからあぶれた者たちが、残った彼女の頭に一斉に群がった。
彼女の美しくつややかな黒髪が、男たちの手にまきとられる。一斉に髪の毛を引っ張られた苦痛で、少女はのけぞって涙を流した。
「痛いよ……どうして、こんなひどいことするの……」
いやいやをする頭を他の男たちがつかみにかかり、目、鼻、口、耳など、かわいらしい配置のパーツに次々と指を這わせ、さしこめる場所に次々と指をさしこんでいく。
「むぐうっ! むぐうううっ!」
穢れなき唇を指にこじ開けられ、ついに悲鳴も発せなくなった少女は、陸に打ち上げられた魚のように身をうねらせることで苦痛と快楽の嵐をやり過ごそうとするよりほかにない。
が……その行為が、男たちをエスカレートさせてゆく。
「ん! んん! んぐうううう!」
手足を舐める者たちは、顎の力で歯を手足に食い込ませ、血の味を楽しみ始める。
乳房を弄ぶ者たちは、雑巾を絞る要領で少女の乳房を服ごと捻り、桁の違う痛みを与え始める。乳房の感覚を楽しむよりも、少女に苦痛を与える方が目的になっていた。
ナイフを突き立てる者たちは、両手でがっしり握ったナイフを法衣ごしに少女に突き立て、その上から拳や足で蹴りつけ、恐怖と痛みを倍増させる。
髪を弄ぶ者たちは引きちぎらんばかりに引っ張り、顔に手をかけた者たちは固く閉じた瞼をこじ開け、眼球に指を這わせる。少女の口から幼い舌を引きずり出し、爪を立てて痛めつけた。
「ひゅるしへぇぇ……もふ、ひゃめへぇ……」
男の手に堕ちた舌で必死に哀願の言葉を紡ぐ。そして、興奮の極みに達した男たちは、少女をバラバラにするほどの勢いで最後の仕上げにかかった。
その瞬間――
322 [―{}@{}@{}-] 天地の人:2009/10/27(火) 11:48:21 ID:2JWgXJgy
「エレクトリッガーッ!」
ラグナイトの魔術が炸裂した。その標的は男たちではなく、悶え苦しむアーデルハイド。
水平にわずかに浮いた身体に、彼女の影から漆黒の雷が突き刺さる。雷に換算すれば数十発ほどの威力がある電撃が法衣の背中を突き破って少女の肢体を存分に駆け巡った。
「ひぎゃあああああああアアアアアアア!!!!」
少女らしくない絶叫が響く。彼女の全身を黒い雷は嬲りつくし、そして肌からの放電でまとわりつく男たちを全て吹き飛ばした。
びくんびくんと全身を痙攣させた少女が電撃のためにしばらく跳ねまわっていたが、実に数分後に彼女の内部を焼き続けた雷がようやく消え去ったころには、焦げ臭いにおいを発して動かなくなっていた。
「…………」
ラグナイトが無言で彼女に歩み寄る。その背にギャレットが声をかけた。
「なぜ殺した?」
「いや、そこは嘘でも、なぜ助けた? て聞いてくれよ」
「悪魔だってそんないつも嘘ばっか言ってるわけじゃねえよ! どう見てもトドメ刺しただろ今のお前! なんでこいつを狙うんだよ!」
「だって魔術耐性のない奴らにエレクトリッガー撃ったら殺しちゃうだろ」
気絶して転がってる男たちを指さすラグナイト。電撃の余波という微小な威力でなければ、殺してしまっていたのは確かだ。
「だからって、女をダメージクッションにする奴があるか!!」
「お前って悪魔のくせに変な人情あるよな」
「お前が人間のくせにボケすぎてるんだよ!」
ギャレットの突っ込みを聞き流しつつ、ラグナイトはアーデルハイドのそばに膝をつき、顔を覗き込んだ。
雷に体内を焼かれたのか、唇から焦げ臭い煙が漏れている。だが、それは裏を返せば心臓が動いて呼吸もしているということだ。聖女の恵まれた魔術耐性をあらためて思い知った気分だった。
(不意打ち以外で倒せなかっただろうな、こいつ……)
よだれを垂れ流し、白く濁った瞳を開いたまま気絶しているこの娘が、かつては神の代理戦士の中で最強の存在であったなど、もはや誰も思わないだろう。
しかし、ラグナイトは覚えている。彼女の優しさと、彼女に自分が惚れたことを。
「この女は、俺がもらう!」
だから、ラグナイトはそう宣言した。
<三話につづく>
323 [―{}@{}@{}-] 天地の人:2009/10/27(火) 11:53:12 ID:2JWgXJgy
……いやあ、実に控え目な鬼畜度でしたね。お目汚し失礼しました。読み返してみると悲鳴のバリエーション少ないなぁ……名前欄がへんだったり行数計算できなくて中途半端になっていたりするのをお許しください。
それはともかく、魔法帖最強の魔法少女アーデルハイドはここで再起不能(リタイア)です。……他作品のボス級の方々に対抗できるかもしれない貴重な存在だったのに。
甲賀忍法帖でいえば、弦之介が七夜盲で戦闘不能というあたりでしょうか。もはやストーリーは完全に別物になってしまっていますが。
こうしてラグナイト・アーデルハイド・ギャレットという一団が生まれました。……原作ファンの方、どうか怒らないでください。

……ラグナイトたちの元ネタといえば、マユの方のラディウスが「思い出が領空侵犯〜」のセリフを言った時から、彼の大ファンになりました(もとから大好きでしたけど)
白衣に三つ編み、発明しては壊されるというので某魔術士シリーズのキャラを連想していたのですが……ご存知でしょうか?

さて、ラグナイトを軸にして物語は進んでいきますが、彼らとは無関係に天地戦争の戦いも起きているので、次回は普通に魔人VS魔法少女です。魔人の名前は「姿なき徘徊」。
おそらくこのスレでも異端というかKY同然の本作ですが、期待して待っていただければ幸いです。
324名無しさん@ピンキー:2009/10/27(火) 17:25:49 ID:qsLvQhP7
GJ!
325名無しさん@ピンキー:2009/10/27(火) 19:18:11 ID:60cJHWxX
>>320
GJ
絶対防御の布っていいね。
感触は楽しめるのに、何やっても怪我しないとか最高。
流血が苦手なSという困った嗜好の俺には、これ程素晴らしい物は無い。
正気のまま堕落した聖女が、これからどんな調教をされるのか楽しみ。
326名無しさん@ピンキー:2009/10/27(火) 22:02:28 ID:Jji9T/s3
次スレたてたほうがいいかな?
327名無しさん@ピンキー:2009/10/27(火) 22:04:09 ID:XrGh24Zt
>>323
GJ!
これから「転かせて踏む」が得意戦法な魔法少女の登場を期待しているよ
328名無しさん@ピンキー:2009/10/27(火) 22:06:03 ID:Jji9T/s3
まぁ残り9kbだし立てにいってくるか
329名無しさん@ピンキー:2009/10/27(火) 22:11:43 ID:Jji9T/s3
オリジナル魔法少女陵辱スレ9【和姦も】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1256649067/

特に何もせず過去レスと前スレを変えただけ
330名無しさん@ピンキー:2009/10/28(水) 06:34:15 ID:uVAibCGY
とてもいいものだが、もっと酷いエロと嗜虐を交えた描写と表現をなしえそうな文章に見えますな。
ラグナイトの口調が浮いてると感じるくらい描写表現が克明に描けてるよう読めます。 期待gj
331名無しさん@ピンキー:2009/10/28(水) 07:36:09 ID:nrnkaJ1S
>>329
乙彼
332名無しさん@ピンキー:2009/10/28(水) 13:09:02 ID:OUGJBs9V
>>329
乙乙
ナナちゃんは20日くらいに渡って陵辱してしまったが
ハチちゃんは早く逝きそうだなw
333名無しさん@ピンキー:2009/10/28(水) 18:39:26 ID:aKjLS4E3
化け物「だらしのない魔法少女だ…。ナナとかいう女はもう少し保ったものだがなぁ?」
ハチ「っぁがはぁぁ…っっ(無理…っ!もう本当に無理ぃ…っナナちゃん…私も…もうすぐそこにぃぃ)」
334名無しさん@ピンキー:2009/10/28(水) 19:11:20 ID:nrnkaJ1S
ハチの末路、期待
大技バンバン使って来たから、経験値あんま貯まってないだろうな。
多分すぐイく。
335名無しさん@ピンキー:2009/10/29(木) 19:24:19 ID:Gcsnhjid
レベル300台じゃ。
普通は900くらいなのに。
336ミスティエイトの末路 1/2:2009/10/31(土) 22:56:36 ID:jN6r0JID

前スレに引き続き、埋めネタを投下させて頂きます。
かなり外道な展開なのでご注意ください。




「うっ……ぐぅッ!……」
転移を終え、その姿を現したミスティエイトだがすぐに身体をよろめかせ膝をついてしまう。
その拍子に目元を隠す蝶の形のマスクがとれ、凛とした美貌が露わになる。
(魔力が、た、足りない……それに、みんなの希望の声が聞こえない!?……)

ただの少女だった「園岡 羽茅(そのおか はち)」を魔法少女「ミスティエイト」として戦う存在に変えた魔力の源は
彼女の心の中の希望。
そして自分たちを守るために戦う少女に浴びせられる人々からの励ましの心の声だった。
しかし今、信じられない連戦を重ねてきた彼女の体に残されている魔力はごく僅かなものだ。
魔力を補ってくれる希望の声援も今はまるで聞こえない。

『どうかな、ミスティエイト? 絶望の魔法『キセイフィールド』の威力は? 今の君の耳には人々のレス……ゴホンッ
応援の声などまるで聞こえまい』
「くぅっ……!」
彼女の目に映るのは自分を見下ろす数え切れないほどの魔物の姿。
皆、野卑た視線をミスティエイトに向け濁った叫びを上げている。
(わたしの今の魔力でこいつらを倒せるの?)
魔力の供給を断たれ、残り少ない魔力で戦うしかないミスティエイトの心に広がる恐怖という名の波紋。
しかし彼女は頭を振って、力を無くした脚を震えさせながら立ち上がる。

(ナナちゃんを助けられるのはわたしだけなんだ! この命を賭けてでもナナちゃんだけは助けなくちゃいけない!)
ミスティエイトは悲壮な決意を胸に触手が壁のように蠢く向こう、語りかける声がする方を睨み付ける。
「マジカルガールナナはどこ!? 教えないとこの空間ごと燃やし尽くしてあげる!」
『おやおや、知的な少女の怒り顔というのは怖いねぇ。"ナナちゃん"がいるのはここさ』
せせら笑うような声と共に触手の壁が解け、鬼のような姿の魔物、そして彼から伸びる触手に捕らわれた小柄な少女の姿が現れた。

「ナナちゃん!?」
悲痛な叫びを上げ、見開いた瞳に映る親友の姿は無惨なものだった。
ミスティエイトからは背中しか見えないが、燃える様な赤色の輝きを放っていたコスチュームはぼろきれと化して白濁液で汚されている。
そしてスカートが引き裂かれ露わになった股間には幾本もの触手がピストンを繰り返していた。
触手の動きに合わせ、壊れた玩具のような動きをするナナの身体。
その頭にも触手が向けられてナナの口を犯している様だった。

『俺達を"燃やし尽くし"てもいいんだぜ? でも焼き尽くされる前に触手が断末魔の射精をナナちゃんの身体に放つかもしれんぞ?
こんな小さい身体にバスタブ一杯の量の精液を流し込まれたらいくら魔法少女でもどうなってしまうだろうな?』
「やめてぇぇ!!ナナちゃんにもう酷いことしないでぇぇぇっっっ!!!!」
次の瞬間、ミスティエイトは叫んでいた。
勇ましい視線を魔物に向けていた瞳からは涙をボロボロ零し、哀願の声を張り上げる。

「わたしはどうなってもいいから、ナナちゃんだけは! ナナちゃんだけは助けてあげてぇぇっっ!!!」
普段の姿は沈着冷静な羽茅、つい感情に身を任せがちな七那子をたしなめる立場だった彼女が悲痛な叫びを繰り返す。
『なら、こう言ってみな。―――――――――』
「え……そ、そんな、こと……」
魔物の口から放たれた言葉、その信じられない響きにミスティエイトはそれを復唱することを一瞬たじろいでしまう。
だが、次の瞬間ナナの身体に更に十本近くの触手が近づく光景を目にし、その唇が動く。

「い、言います!言うから!…………い、淫乱なメス豚……ミスティエイトの、あ、穴という穴を……犯して……ください」
屈服の言葉を紡ぎ終えるとナナの身体に向けられていた触手が一斉にミスティエイトに向かって伸びる。
少女の悲鳴と共に、その右腕から放された魔法のステッキが床に落ちる音がやけに大きく響いた。
337ミスティエイトの末路 2/2:2009/10/31(土) 22:57:36 ID:jN6r0JID

親友を救うためにその身を差し出した魔法少女。
崇高な精神を持った彼女に下された魔物の暴虐はあまりにも苛烈だった。
触手に拘束され宙吊りになったミスティエイト。
その股間にはたかる様に蠢いた触手が何本もその身体に挿し込まれ、口からも喉奥まで触手が突き入れられている。
青色のコスチュームが破れて肌を見せている小山のような大きさの乳房も触手に締め上げられ、痛々しく赤く染まっていた。
(……な、な……ちゃん……)
半ば裏返ってしまった瞳、そのかすむ視界からミスティエイトは親友の姿を離すことは無い。

(帰ったら……なな、ちゃんの……好き……なところに……一緒に行こうね…………どこでも、付き……合ってあげる
ななちゃんの笑顔……見るだけで…………わたしは……幸せなんだから……)

苛烈な凌辱に残された魔力のほぼ全てを失ったミスティエイトの唯一の希望の源は親友の姿だった。
彼女を救うためなら彼女はどんな苦痛にも耐える決意を持っていた。
魔法少女になる以前の七那子との楽しい日々、そして未来に思いを馳せて地獄のような現実から心を守る羽茅。

『よく耐えたな、ではそろそろナナは解放してやるか』
魔物がそう言うと七那子の身体を嬲っていた触手が次々と抜かれていく。
同時にミスティエイトの口を封じていた触手も抜かれた。
「ごぼぉッッ! うあ゛ぁッ…………ぁ、な……な、ちゃん……」
親友をどうにか苦しみから救い出したことに安堵を覚え、彼女に語りかけるミスティエイト。
七那子が振り向き、弱々しくとも羽茅に言葉を返してくれることが出来たなら、魔法少女ミスティエイトの希望の魔力は再び燃え上がり
どんな魔物も倒すことが出来ただろう。

しかし現実は――


ガクンと折れるように頭を背中に向けた七那子。

「えっ!?……あ……ぁ……いやぁ……そ、そんなぁ……」

ミスティエイトの瞳と正対する、逆さまに向けられた親友の顔。
茶色の短髪はだらりと垂れ下がり、ミスティエイトに向けられた瞳はガラス玉のように光を失っている。
薄い小麦色に染まっていた健康的な肌の色は青白さを帯びており、その上にはおびただしい精液がこびり付いている。
触手が先ほど抜かれた口は悲鳴を吐くように大きく開け放たれたまま閉じることは無い。

「なな……ちゃん……?……なな、ちゃん……な、なちゃん……なな……ちゃん……」
『お前が転移してくる直前にこいつは俺に犯し殺されたんだよ。お前は亡骸のために頑張っていたわけさ』
魔物が何を口にしたかも耳に入らず、ミスティエイトはただ親友を呼び続ける。
七那子の断末魔の表情を眼にしたことで彼女の精神は砕け散ってしまったのだ。

呟き続ける羽茅に七那子から抜かれた触手が迫る。
絶望に染まった瞳がそれを目にしても彼女は何も反応を起こさなかった。

ただ耳から尿道まで、あらゆる穴に触手を突き立てられ死への階段を上る寸前に

「……なな……ちゃん…………たすけてあげられな……くて……ごめんね……」

羽茅はそう口にし、涙を一筋零した。
これが魔法少女『ミスティエイト』の末路であった。
338名無しさん@ピンキー
ナナの亡骸が頭をがくんと垂らすのが異様に興奮した
捉え方によっては猟奇的なシーンなのに、いかにも魔法少女が滅茶苦茶にされたのがよく象徴された描写だと思った
おかしいな…俺、死姦は駄目な筈なんだが…