DRAG ON DRAGOON エロパロスレ2章目

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1竜啼 ◆Ub.tayqwkM
DRAG ON DRAGOONシリーズのエロパロスレです

公式・設定ホモ(レオナール、ヤハ、ドラゴン単一性等)は投下可
不安ならうpろだ使用

その他801はビデオ棚へ
ローカルルールを読んで利用しましょう
ttp://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/801/1250428669/

前スレ
DRAG ON DRAGOON エロパロスレ
ttp://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1196312930/

旧作品保管庫
ttp://www.geocities.jp/hokandod/

新作品保管庫
ttp://wiki.livedoor.jp/dragons_roar_for_me/

うpロダ
ttp://ux.getuploader.com/dragons_roar_for_me/
2名無しさん@ピンキー:2009/09/13(日) 00:34:28 ID:DNdE4wTm
>>1
乙!
3 ◆Ub.tayqwkM :2009/09/13(日) 01:14:07 ID:ixKDox7F
また、>>1乙してくれぬか?
4名無しさん@ピンキー:2009/09/13(日) 01:57:57 ID:7d5BOrFz
兵士「何度見ても薄気味悪いな…このスレ立ては」
>>2-1000「そうか?見ようによっちゃ、乙するぜ」
兵士「はっ!お前らは>>1ならなんでもいいのか?こんなスレでも勃つのか?病気だな」
5名無しさん@ピンキー:2009/09/13(日) 02:19:07 ID:ztg9pHga
ヴェルドレ「助けて!神よ!!助けたまえ!」
ヴェルドレ「落ち!落ちる!即死は嫌だ!!イヤだっっっっ!」
ヴェルドレ「無駄だ!無駄だ!!住人の>>1乙ひとつで何が変わろう!?」
6名無しさん@ピンキー:2009/09/13(日) 12:00:13 ID:JylHtUph
>>1
スレ建て乙

さて…裸正座で待機する
7名無しさん@ピンキー:2009/09/13(日) 15:44:32 ID:7d5BOrFz
うpろだにキリ番さんへのプレゼントってのがあるよ
踏めた人は行ってみたら?
8[歪な二人]:2009/09/13(日) 19:08:02 ID:J5itobp0
さぁ……景気付けに一気にいきます
アリ姐を超える長さになっております

落ちのベタベタっぷりは仕様ですので……

では……参ります
9[歪な二人]:2009/09/13(日) 19:08:21 ID:J5itobp0
もう太陽は完全にその顔を地平線に隠し、代わりに輝きを増した月が夜の空を飾り、愛を紡ぐ二人を照らしている
二つの手は繋がれ、十ある指は絡み合ったまま
何を話す訳でもなく、二人は文字通り繋がった悦びを味わっている

「………セエレ?」

「なに?ハンチ……」
互いの名前を呼び合う二人
ハンチは未だ恥ずかしそうに時折身を捩じらせ、セエレはそんなハンチを笑みを浮かべ見つめる

「もう……大丈夫、ですから……」
ハンチの言葉に、セエレは最初にあった身体の強張りが弱まっている事に気付いた
接合部からの出血も、もう治まった様であった
それが契約者だからこそである事を、二人が知る術は無い

「動いて……?……私で気持ち良くなって下さい……」

「………大丈夫なんですか?」
確かに痛がる様子は無いが、だからと言って直ぐに自身の欲望を焚き付ける事など、セエレが出来ない
促すハンチに只戸惑うだけだったが、僅かに重心がハンチに偏った瞬間、戸惑いは何処かへ消え去ってしまった

「ッんぁ……!」
小さな小さなその声には、今までの変わらず恥かしさと破瓜の痛みが込められていたが、それとはまた別の感情が組み入られていた
頬を一層赤らめ、抑えながらもこぼれた声には、明らかに快感を伝えようとする独特の雰囲気を纏っている
どうやらハンチは未だ自身の変化には気付いていない様だが、間近でその身体を見つめ、繋がり合うセエレには一目瞭然だ

「………?」
セエレを見上げるハンチの唇からは、ハンチのものか先程の行為によるセエレのものか定かではないが、うっすらと唾液が頬に向かい伸びている
それがセエレを欲望を焚き付ける種火となり、結果としてゆっくりとだがセエレが腰を前後させるに至った

「ふ……ぁッ!!」
一層艶めきだすハンチの嬌声に、セエレは自身を形作っていた理性に抑えつけられた人格の内から溢れ出す、どす黒い欲求を感じた

「…………セエレ?」
一旦動きを止めたセエレから、只ならぬ気配を感じ取ったハンチが声を掛けた瞬間、セエレはその欲求に従い全身に力を込めた
その欲求は、ある種支配欲であり、ある種所有欲でもある
只一つ言える事は、その欲求が世間一般では “愛” と呼ばれるものだと言う事だ
10[歪な二人]:2009/09/13(日) 19:09:17 ID:J5itobp0
「ひぅ……ッ!?ぁあ!!」
突如身体に走った衝撃に、覚悟をしていたもののハンチは驚き、大声を上げてしまった
抜け落ちる寸前まで引かれたセエレの腰に従い、ハンチを内から圧迫していた物も引き抜かれていく
込めていた力は不要になり、当然下腹部から力は抜ける
しかしそのタイミングを狙い打つ様に、抜け落ちる寸前だったセエレのものは、腰の前進に従い再び子宮へ届かんばかりにハンチを打つから圧迫する

「あぁ!!……あぁ!!……ハンチィ……!!」
盛りのついた犬猫の様に声を上げながら、セエレは一心不乱に腰を振り、自身のものをハンチの内部に擦り付けて始めた
先程までのハンチを気遣う様子は無く、己の心中に秘められていた滾る欲望に忠実に従う一匹の雄と変貌していた

「セ……ッ!?……エレェ……!!」
突如爆発したセエレの欲望を、ハンチはその線の細い身体で受け止めた
突然の事に気は動転し、与えられる快楽に身体は言う事を利かなくなっていた
予想していた痛みは消え、代わりに何倍もの快楽が生み出され、ハンチの思考を薄く曖昧にしていく

「気持ち良いよぉ……!!ぁあ!!」
更に声を高くするセエレは、開かれていたハンチの太ももに腕を掛け、ハンチの腰持ち上げるようにした
必然的にハンチに接合部を見せ付ける体勢になるが、セエレはそんな事を一向に気にする様子は無い
腰の動きは早くなり、それに伴いハンチの愛液とセエレの先走り液が交じり合ったものが泡立ち、ハンチの顔へ飛び跳ねる

「こん…な……!?恥ず、かし………!!」
一瞬視線を接合部に向けたが、直ぐに逸らし瞼を閉じた
独特の匂いを放つ泡が顔に掛かっても、ハンチの腕にはそれを拭うだけの余力は残されていない
濡れたシーツを握るだけで精一杯のハンチの手は、更に力を込められていった
11[歪な二人]:2009/09/13(日) 19:10:14 ID:J5itobp0

「ふぁぁ……」
体勢を変えてから数分で、セエレは込み上げる快感の波の存在を感じていた
膨大に膨れ上がった自身のものを感じながら、セエレはほんの僅かだが理性を取り戻した

───果たしてこのままハンチの膣内へ射精してしまって良いのだろうか
未だ精通の無いセエレだったが、今、この瞬間に何かが迫っている事を肌で感じている

───妊娠……してしまったら……
確率は低いだろうが、だからと言ってそのまま……と言う訳にはならない
息をするだけだった口に力を込め、一度溜まった唾液を呑み込み、やっと言葉を紡いだ

「ハン……チ……?も……出そ……う……」
やっと搾り出したその言葉に、ハンチの返答は無い
疑問に思うセエレが耳を澄まし、ハンチの様子を垣間見ると、僅かながらハンチの唇が動いている
時折小さく聞こえる単語と、その唇の動きから自ずと答えが見えてきた

「大……丈夫ッ!!……です……今日は……あぁッ!?」
その言葉に、セエレの理性はあっさりと欲望に埋もれた
再びハンチの太ももに手を這わせ、バランスを取り直そうとした時、力の抜けていたハンチ足が動いた
セエレの腰の裏に、絡めるように動かされた足は、やはりがっちりとセエレの腰を絡め取る

「もし……んッ!?ぁ……かちゃんが……出来ても……大丈……夫ですからぁぁ!!」
強請りにも似た言葉に、腰の稼動域が狭められた結果小刻みにしか動かない状況でさえ、一段と快楽の波は迫る

「だから……だからぁ!!」
シーツを握っていたハンチの手は、いつの間にかセエレの頬へ這わされていた
二三度頬を撫でられた後、セエレはその手に自身の手を重ね、強く握り締める
閉じられた瞼も開き、セエレの視線とハンチの視線が交わった

「私のぉ………私の子宮にぃ……セエレの精液注いでくださいぃぃ!!!」
セエレと変わらぬ程大声を上げ、ハンチは思いの丈を吐き出した
その強請りに後押しされ、セエレは迫り来る快感の波に身を任せた

「ハンチ……ハンチィィ!!」

「セエ……レェ……!!」
間も無くセエレは限界に達し、人生初の射精を、愛する女性の膣内奥深くへと解き放った
熱い感覚がハンチの下腹部の奥、子宮を満たし、愛される満足感と愛する男性に与えられた快感により、追い掛ける様に絶頂へと至った

「ハンチ……?」

「セエレェ……」
繋がり、互いの熱を感じる中、二人はどちらかと無く唇を寄せ、重ねた
唇が名残惜しそうにも離れたとき、二人は笑みを浮べ、共に暖かい微睡み誘われている事を感じ取った

「ハンチ……愛してるよ……」

「セエレ……愛していますよ……」
重なった言葉に、二人は一緒に微睡みに落ちていった
指が絡まり繋がれた手は、互いを強く握り締め、簡単には離れそうに無かった
12[歪な二人]:2009/09/13(日) 19:13:54 ID:J5itobp0

「う……ん?」
聞き慣れない音が耳に入り、セエレは暖かな日差しの中で目を覚ました
シーツの濡れた箇所を避ける様に寝ていたようで、幾分身体に違和感がある
しかしそれよりも、手や、身体に残る前夜の感覚が何とも心地良い気だるさを生み出していた

「朝の日差しがぁ〜窓を揺らしてぇ〜」
動かされた視界に入ったのは、高く芯の通った声で唄を歌うハンチの背中だった
慣れた手付きで包丁を使い、時折火に掛けられた鍋の様子を伺っている
毎日やっている事なのか、複数の料理を同時進行で作っているようだ

「……料理、得意なんですか?」
ベッドの脇に畳まれていた、昨日脱捨てた自分の衣服を引っ張りながら、セエレはハンチの背中に声を掛けた

「あぁあぁ……起こしちゃいましたかぁ?」
首だけを振り向かせながらそう呟くハンチは、今までで一番自然な、幸せそうな笑みを浮かべていた
包丁を置き、セエレへ向き直ろうとした時に鍋が吹き零れそうになり、ハンチは慌てて鍋へ顔を近づけ息を吹きかけた
鍋の縁からこぼれそうになった泡は、ハンチの息に押し負け鍋の中に戻っていった

「ちょっと……火が強かったみたいです」
小さく呟き、次いで指先に生まれた水玉を火に向け飛ばし、一瞬後には火の勢いは幾分弱まった

「私の故郷の、簡単な郷土料理です……お口に合うといいんですけどぉ……」
自信無さ気に向き直るハンチに、セエレはやはり満面の笑みを浮かべ、そっと答える

「美味しそうな香りです……大盛りで頂けますか?」

「……はい」
思わずハンチも微笑み返し、真っ白な皿に出来たばかりの料理を装う
最初に運ばれた、湯気を上げるスープを見つめ、セエレは小さく呟いた

「久しぶりに、手料理を振舞ってもらった気がします」

「私なんかで良かったら、毎日作って差し上げますよぉ?」
野菜と鶏肉の炒め物を装った皿を差し出しながら、ハンチは嬉しそうに提案した

「ホントですか!?」

「ホントですよぉ」
少年と女が───いや、一組の男女が互いの愛を確かめ合えた事を祝福するかの如く、窓際に止まった三羽の小鳥がさえずり始めた
空には雲一つ無く、淡い青色が広がる
草原には風が流れ、草木に降り注ぐ陽の光は優しさすら感じられた

「うわぁ……美味しいです!これ!」

「あ……ありがとうございますぅ……気に入って頂いて良かったぁ……」






一年後、神官長セエレが部下を引き連れ、団長ジスモア率いる封印騎士団の圧政に立ち向かい、決起した
“封印”に苦しむ“全て”の者達を救う、後に救世戦争と呼ばれるその争いの最中、神官長は同じく謀反を起こした連隊長に守られ、陣頭指揮を執ったという
封印戦争の終局には、赤き竜と隻眼の男も共に居たと言うが、それはまた別のお話───
13[歪な二人]:2009/09/13(日) 19:16:57 ID:J5itobp0
終了……と

オチの弱さはご愛嬌と言う事で(苦笑



捕捉情報
ハンチが歌っていた唄、最初のものは某一本毛お化け作品のOPより
最後の唄は、某“竹刀”作品の挿入歌?です
前者は歌詞を変えてありますが、後者はそのままです
選曲理由……前者は勢い、後者は中の人繋がりです
14[歪な二人]:2009/09/13(日) 21:14:35 ID:J5itobp0
前に言った挿絵をうpしておきました
未完成ですが、諸事情からうpしました
作者様曰く、未完成で「私なんかが申し訳ない」とまるでハンチさんのようです……

絵心のまるで無い私には、感謝感激と一言です

↑と併せて感想宜しくお願いしますね
15[歪な二人]:2009/09/13(日) 21:15:01 ID:J5itobp0
パスは DOD です
失礼しました……
16名無しさん@ピンキー:2009/09/13(日) 23:41:28 ID:7d5BOrFz
ID:J5itobp0氏
長編終了超乙!感想ですら日本語作成は苦手なので、お礼としてやっつけハンチさん描いたよ
ちょっとでも喜んでくれたら嬉しいんだけど。いつものうpロダにパスはない

ハンチさんで幸せな朝チュンエンドなんて開始当初は予期してなかったよ・・・!
封印に苦しむ全ての人たち〜だからアンヘルタンも開放されて最高だな!それに比べて野上は(ry

挿絵も可愛いなぁ可愛すぎる作者様も可愛すぎる
あの穏やかな顔はラストの復讐を終えて小国を築いた頃の挿絵かな?

今日だけでwikiのカウンタ100越えワロタww皆キリ番狙いすぎw
17名無しさん@ピンキー:2009/09/14(月) 00:43:50 ID:eT+Sk5No
職人も絵師もGJ
18名無しさん@ピンキー:2009/09/15(火) 00:26:47 ID:STduBCRq
ハンチさん・・・なんか嬉しいや
最後のベタなオチも、原作ではあれなので俺は好き

次回作に期待して裸正座で待機してます


絵師様へ
これで未完成・・・?
しかもハンチさんみたい…だと・・・?!
素晴らしいお人だ
完成品を心待ちにしております
19名無しさん@ピンキー:2009/09/15(火) 22:45:40 ID:B0JV3tmA
わぁいわぁい!
盛り上がってきたね
20名無しさん@ピンキー:2009/09/15(火) 23:22:09 ID:Ht+oXBpF
個人的に某3Dドットが超熱い件

ttp://kyucon.com/qblock/#/5014
21名無しさん@ピンキー:2009/09/16(水) 20:42:39 ID:yyell2jg
>>20
萌えた
アンヘルたんかわいいよアンヘルたん
22名無しさん@ピンキー:2009/09/17(木) 00:25:10 ID:mNTI3Py3
前スレで背景どうしよう?と意見を頂戴しておきながら結局背景手抜き\(^o^)/
人によってはグロになるのでパスも難しめ

天使を語ってはならない
天使を○いてはならない
天使を書いてはならない
天使を彫ってはならない
天使を歌ってはならない
天使の名を呼んではならない

↑の○に入る漢字一文字
23 ◆Ub.tayqwkM :2009/09/17(木) 16:17:15 ID:oRjFJCHy
いやいや皆さんGJ
忙しさに負ける俺は涙目orz
24名無しさん@ピンキー:2009/09/18(金) 03:45:58 ID:3aiqtqO9
>>14
好きなSSに挿絵が!?

絵師さんに感謝
そして惜しみ無い拍手を・・・
25名無しさん@ピンキー:2009/09/18(金) 19:48:53 ID:HsgOG0UC
いいねいいねー盛り上がってきたねー
26[歪な二人]改め[]:2009/09/20(日) 00:00:15 ID:I4U19j9F
さて……お次は何が宜しいでしょうか?
27名無しさん@ピンキー:2009/09/20(日) 01:24:07 ID:Lf0+UlF9
このスレは人がいるのかいないのか全く分からないな
wikiのカウンタとかロダのDL数見たらそれなりにいるんだろうけど

>>26
本スレでちょっとオナ兄さんは攻めなのか守りなのか072オンリーなのかって話がでてたので
オナ兄さんメインの話はどうでしょ?ガチでも072でも懺悔でもいいので。
勿論フォモはちょっと、なら忘れてもらっても構いません
28名無しさん@ピンキー:2009/09/20(日) 01:59:07 ID:Lf0+UlF9
前スレで感想欲しいって書き込んでたんで、亀レス承知で思いの丈を綴ってみた
日本語不自由で語彙も貧弱なのは生暖かい目で見てやってください


氏のSSの中で[神の国]が一番好き
本編で、恋愛や愛情表現が不得意なカイムや愛をはっきり口にするアンヘルが
忠実に再現されてて、更にそれが救いのない新宿で相手への愛情で生き残れるってのがいい

エロもフェラ→射精→挿入と王道なんだけどアンヘルが人間化したからこそできる流れで
感情や感動や官能もひとしおで、今読んでも色んな所がキューンとするわ

しかし氏の初投下の[神の国]から一年もこのスレで書き続けてくれてるなんて感謝とか感激とか雨霰ですよ
これからも氏が苦痛にならない程度に書き続けてください
29[歪な二人]改め[陰徳の男]:2009/09/20(日) 12:54:52 ID:JCciDFCq
>>27
072オンリー……になるかはまだ分かりませんが、やってみます

そして感想どもです
いやぁ……そんなに言われるとなんか書いてて良かったって思えます
そういえばもう一年になるんですか……実感がありませんねぇ(苦笑

では、参ります
レオナール×セエレ?の072物です
苦手な方はNGを忘れずに……
30[陰徳の男]:2009/09/20(日) 12:55:48 ID:JCciDFCq
「あぁ……私はなんと罪深い人間なのでしょうか………」
月明かりだけが差し込むテント内で、陰徳の隠者、レオナールは罪を犯していた
一度、自らの“愚行”により愛する(家族としてなのか性の対象としてなのかは本人すら曖昧であり、それ故に悩み苦しんでいる)者達を失ってから、彼は一度たりともその“愚行”に手を染めた事は無かった
時折津波の様に押し寄せる欲求にも幾度と無く堪え、最近は帝国軍の戦いが激化し生きるか死ぬかの状況であったために“愚行”を犯す時間すらなかった

「今更何言ってんだよ!もう一回やっちまってんだぜ?」
肩に小鳥の様に腰掛けているフェアリーは、テントの中の惨状を見つつ呆れながらにそう声を上げた
状況だけ見るならば、少年は眠りにつき、男がその様子を見守りながら淡い光を放つフェアリーと会話をしているだけ
状況だけ見れば、の話だが

「気にせずもう一回ぶっかけち……んぐぅ……」
その声は普段よりも僅かに大きく、レオナールは慌ててフェアリーの小さな口を指で抑えた
フェアリーはその小さな身を捩じらせ対抗し、数秒後には指を振り解き自由の身となった

「……ったく、善い人ぶるのは勝手だけどよ、毎晩毎晩悶々されてると俺も迷惑なんだよ!」

「しかし……やはりこんな……」
レオナールの手が届かない高さにまで飛び、小さな羽音と共にフェアリーは自身の不満(苦痛)を、再度噴出させた

「毎晩毎晩毎晩毎晩……気持ち悪ぃ夢を俺にまで飛ばすのは止めろっての!!」

「…………」

「何も言えねぇんだろ!?だったら気にせず続けろっての!愛しのセエレちゃんでよ!」
フェアリーの言葉は全てが真実で、レオナールは己の“愚行”を犯すほか無かった

「はぁ……私は……」
自身の“愚行”を悔みながらも、レオナールはその“愚行”を止める事は出来なかった
レオナールがどんなに思い悩んでいるかも知らずに、美しいと言ってもなんら問題の無い少年は安らかな寝息を立ている
その寝息に紛れる様に、何か物を擦るような音と、レオナールの僅かに乱れた息遣いがテント内に染み渡った

「まったくよ……分かっちゃいたがこんなにも変態だとはなぁ……」
“愚行”を犯すレオナールを見下ろし、フェアリーは吐き捨てるように呟いた
31名無しさん@ピンキー:2009/09/21(月) 02:22:05 ID:pTCCZSPw
レオナール「フェアリー手伝ってくだs」

そういえばオナ兄さんはフェアリーのことをどう思ってるんだろうな?
見た目的には少年だし、服から脇乳がちらちらするたびにハァハァしてそうだが

そういえばこの間のドット絵ハンチさんは、ギルティギアのアバを改変しただけだったりするんだが
調子に乗って第2弾描いてみた
のうえ「需要なんて関係ない。ぽちぽち打って上げるだけさ。」
32[陰徳の男]:2009/09/22(火) 13:19:19 ID:VCRTA7Ze
>>31
ネタ、頂きました
ぶつ切りですが投下
33[陰徳の男]:2009/09/22(火) 13:19:45 ID:VCRTA7Ze
遡る事四時間……帝国軍の第一陣を退けた時の事だ
文字通り湧き出る帝国兵に、広域拡散攻撃可能な魔法“妖精の羽”を幾度となく放つ
遥か前方には全身を血で装飾する青年と女、そして上空には赤き竜の姿が“観える”
地を走る青年と女、カイムとアリオーシュはまだ息のある帝国兵に止めを刺し、上空からは消炭になった何かの死体が時折落下してくる

「北西に小隊がまだ残っておるな。カイム、アリオーシュ、気散らすぞ」
高く旋回し、周囲の状況を把握している赤き竜の“声”に、青年は短く、女に至っては金切り声の笑いで応え、その方向へと駆けていった
二人の走る跡には少量の血が垂れ落ちているが、その全ては帝国兵達の物である事は明白だった

「レオナール……お主はセエレと共に野営地に戻るがよいぞ」

「そちらは……お任せしても宜しいでしょうか?」
上空からの“声”は帰還を示唆し、続く声には溜息が混じっていた

「と言うよりも、お主にしか野営地の“護衛”は任せられんのだ。今のあ奴等は気が立っておるからな……」
気が触れる……と言った方が正しいかもしれないが、あえてそう言う必要は無く、互いにそれは良く理解していた

「分かりました。野営地は私が守りましょう」

「頼むぞ……我も暫く“遊んぶ”ことになるのでな」
赤き竜はそう言い終らぬうちに、やはり北西の上空に向けその翼を羽ばたかせた

その姿を“観”送りながら、男は僅かに動揺していた
───セエレと二人きり……?
男は一瞬滲み出た欲求を振り払う様に頭を振り、やがて戦場を後にした
セエレと呼ばれた少年の待つ、連合軍野営地にむけ歩みを進める中、頭上をクルクル飛ぶフェアリーの台詞が、不安感を煽り続けた

「セエレちゃんと二人きり!?これはチャ〜ンス!久々のお楽しみタイムってか?」
辺りは直ぐに薄暗くなり、野営地には火を灯されてた
まさかああなるだろうとは、男には予想も、と言うより考えたくも無かった
34名無しさん@ピンキー:2009/09/22(火) 13:21:22 ID:yCzAHCxe
ちょっと期待
35名無しさん@ピンキー:2009/09/22(火) 22:51:34 ID:yjvd5R/y
ところで「キリ番様へのプレゼント」ファイルのDLが未だ0だねぇ・・・
これは次回に持ち越しか
次のキリ番は何番かな
36名無しさん@ピンキー:2009/09/23(水) 22:55:51 ID:zXdIE5+o
>>33
貴方は本当に多才だな
続きに期待
37名無しさん@ピンキー:2009/09/24(木) 16:21:59 ID:tIk+xvEK
くっそ…オナ兄のエロ話しなんぞでこんなに先が気になるなんてっ…!
38[陰徳の男]:2009/09/25(金) 21:52:00 ID:cItecHNG
※注意※
苦手な方は本当に見ないでください
描いてる段階で今までに無い違和感に襲われています(苦笑
39[陰徳の男]:2009/09/25(金) 21:52:29 ID:cItecHNG
「くぅ……あっ……は……」

「おぉおぉ……また情けない声出してることまぁ……」
男は一心不乱に、戒めた筈の“愚行”を犯していた
眼下に“観える”少年を想い、只管自身の物を握り手を動かし続ける

「くぉぁ……ぐぅ……」
俗に言う溜まった状態にあった男は、一度始めた“愚行”に既に没頭していた
後ろ指を差される自身の性癖に常に思い悩んでいる男であったが、今この瞬間はそんな悩みは彼方へと消え去り、欲望の赴く儘に右手を動かし続ける

「そ〜ろそ〜ろかぁ?」
愉快痛快の言わんばかりのフェアリーは、ふわふわと男の前を漂い、いつもと変わらず悪態を吐く
そんなフェアリーの言葉の一つ一つにすら快感を得る男は、限りの無い幸福感に包まれ、吐く息も乱れる

「なぁにも知らない可愛そうなセエレちゃん!!まさかお前が、自分をオカズにしてるなんて夢にも思ってないだろうなぁ!?」

「そもそも『何してるの?』感じだろうよ!頼んだら手伝ってくれんじゃねぇのか?」

「愛しのセエレちゃん……その真っ白い小さな手が……私の……ってかぁ?!」
フェアリーの弾幕の如き罵倒(男には讃美歌の様に聞こえているが)は留まる事を知らず、その一言一言に男は吐息を漏らす

「ほぉらほら!セエレちゃんの顔が目の前にあるんだぞ〜?どぉしちゃうのかなぁ〜?」
天使の如き微笑と、悪魔にも等しい誘導
その二つを併せ持つフェアリーを前に、唯一残っていた理性すらも何処かへ消え去った
『眠るセエレを決して起こすような事はしない。ましてや触れるなど直接的な行動はしない』
別の解釈を得てしまったそれは
『触れず起さずならば何をしても良い』
となり、更なる“愚行”へと男を走らせた
40名無しさん@ピンキー:2009/09/25(金) 22:44:23 ID:kYWlVRUz
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    ノヌ     レ  /:l l:::::lヽ|l l:l し      !/  ';:l,、-‐、::::l ';::::l:::::l:::::::::l:::
    / ヽ、_      /::l l:::::l  l\l      ヽ-'  / ';!-ー 、';::ト、';::::l:::::l:::::::::l::
   ム ヒ       /::::l/l::::lニ‐-、``        / /;;;;;;;;;;;;;ヽ!   i::::l::::l:::::::::::l:
   月 ヒ      /i::/  l::l;;;;;ヽ \             i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l   l::l::::l:::::::::::::
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   __|_ ヽヽ   /イ//l::l ヽ、;;;;;;;ノ....      し   :::::::::::::::::::::ヽ /!リ l::::::::::::::
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     |      ``‐-、._::::::::::` ‐ 、     ',/       , -'´`'´ ,-'´
     |      _,、-‐'"´';:::::::::イ:l';:::` ‐ 、._____,、-‐'"´  u /     し
   | | | |    \ l::/ l::::::/リ ';:::::lリ:::::l';:::l l:l:::::l\  u /
   | | | |      \/  l:::/ ノ  ';::/ ';::::l l::l リ l::l l::/ヽ /   し
   .・. ・ ・. ・     ヽ \ リ    レ  ヽ! り  レノ  `y

いいぞもっとやれ
41 ◆Ub.tayqwkM :2009/09/26(土) 15:15:56 ID:X+sG5vYv
やっと復活できそうなんですのorz
DSで2、3分で書いた、が・・・
白黒じゃ無茶だと感じますたアンヘル
pass=DS
さて待たせてごめんよっと
42 ◆Ub.tayqwkM :2009/09/26(土) 15:16:26 ID:X+sG5vYv
「・・・ふっ、レッドドラゴンも形無しですな」

全身を体液でドロドロにしながらアンヘルへと語りかけ
そのアンヘルは恥しさからか、屈辱からか押し黙り
必死に、信じる事のできない快楽を堪えている。

「この私、ドラゴンとの交わりは久々ですからな」

「久々・・・だと!?貴様エンシェントドラg・・ぐぅ」

そう言い抵抗できず片足を上げているアンヘルを
そのまま仰向けに押すと、大した抵抗もなく痴態を晒し
軽くくぐもった声をあげて硬く眼を瞑る・・・。

「どうしました?ドラゴン殿?
 人間如きに攻められて感じていらっしゃるのですか?」

「な!?そんな訳が無いであろう!
 油断していなければ貴様如き・・・ひゃっ・・・」

反論するアンヘルを尻目に苦笑しながら
両腕を深々と煮え滾る火所へと差し込み
滴る粘性の液体を舐めつつ先端の突起を弄くる

「ふぁ・・こ・・のぉ・・・ひぃ・・・」

「嫌がってるにしては随分と良い声で鳴いてくれますね
 ドラゴン殿、私を欲しがりなさい・・・、期待には添えますよ」

悪どい笑みを浮べたヴェルドレは、突起を咥え吸い付き
その柔らかい腹を全身で愛撫し、両腕は肉壁を掻き分けて
熱く煮え滾る愛液を感じつつ、収縮を押し広げてならす。
43 ◆Ub.tayqwkM :2009/09/26(土) 15:17:17 ID:X+sG5vYv
続きは一旦wiki整理してから書きますorz
44名無しさん@ピンキー:2009/09/26(土) 20:44:42 ID:gN/SSASt
変t(AA略
いいぞもっとやれ

wikiに追加してくれた人ありがとう。必要とされてるのかなーってやる気出るよ
次はどの契約者を描こうかな
45[陰徳の男]:2009/09/26(土) 21:38:50 ID:kU5TIX7w
終わりが見えましたが如何せん短か過ぎます(え
46[陰徳の男]:2009/09/26(土) 21:39:16 ID:kU5TIX7w
「………ぅん……」
いつもと変わらず横を向き寝息を立てていた少年は、不意に寝返りをうった
仰向けになり、何かを食べる夢でも見ているのか、見せ付けるように唇を動かしている
なんらおかしい事では日常的なその仕草にすら、男は一喜一憂する

「セエ……レ……」
溜まりに溜まった欲求は、そんな少年の穢れの無い顔に向け解き放たれてしまった
充血し、膨大に膨れ上がった男のものは、細かく震える様に脈動した後、白い粘着性の液体を吐き出した
放物線を描く前に、それは独特の音と共に少年の顔に付着した

「うわぁっ……ホントにやりやがったよこのオッサンは……」
フェアリーの呟きは甚だ尤も
傍目には、ある意味一番性質の悪い犯罪者にしか見えないだろう
肩で息をし膝立ち、右手は震えるものを掴んでいる
そして眼前には、穏やかな表情のまま穢されてしまっている少年

「セエレちゃんが起きなくて良かったなぁ!?」
目覚めた理性を揺さぶる言葉が、恍惚の表情を浮かべる男の脳髄に突き刺さった
浅い眠りであったらのならば、少年は確実に目覚めていた事だろう
それに今この瞬間、鼻や口に入り、それが元で目覚めるかもしれない
目覚めたら当然問われるだろう、これはなんなのかと
そこで誤魔化しきったとしても、好奇心旺盛な少年の事だ、色んな人間に聞いて回るはずだ
余韻に浸っている暇は無かった

「…………拭き落とさねば」
震える声で小さく呟き、男は手近にあった布切れを掴んだ
自身のものの先端からいまだ滲み出る白濁液を拭い、素早くズボンをあげる

「はっやくしないとおっきちゃうかもねぇ〜♪」
神経を逆撫で声を気にかける余裕も無く、続いて少年の顔に布切れを這わせる
これでもかと自己主張するかのように高粘着のそれは、一拭きで取れる様なものではなかった
あくまで少年を起さぬよう弱く、だが力を込めねば落ちない白濁液に悪戦苦闘した男は、四枚目の布切れで漸く少年をきれいにする事が出来た

「なんだよ……結局起きなかったじゃねぇか」
さぞつまらないと言いたげに、手の平を上に向け肩と共に上げるフェアリーの呟きに、男は漸く長い溜息を吐き、強張った身体から力を抜いた
自分の“愚行”を再び戒め、僅かにテントの通気を良くした後、大きい溜息と共に横たわった

「うっはぁ〜……イカ臭ぇなおい!」
フェアリーの言葉が耳に入るが、男は吸い込まれるように眠りに落ちていった
47名無しさん@ピンキー:2009/09/27(日) 20:57:11 ID:4dBOdrPn
>「うわぁっ……ホントにやりやがったよこのオッサンは……」
今回ばかりはフェアリーに同意



いいぞもっとやれ
48名無しさん@ピンキー:2009/09/27(日) 22:32:02 ID:PKMpTkgI
wikiの報告一覧に更新報告がなされてなかったので、本スレURL共に更新。
26日の更新内容、あれでいいよね?

進行中のSS両方変態気味で更新がやばいくらい楽しみw
49名無しさん@ピンキー:2009/09/29(火) 19:25:22 ID:V0vpAkyw
いいぞもっとやれ
50[陰徳の男]:2009/09/29(火) 21:03:15 ID:4CMwqBG/
ここまで書きにくいとは思いませんでした
引っ張る物でもないので、今回はあっさり終わらせますので……
あと少しで終わります
51[陰徳の男]:2009/09/29(火) 21:07:44 ID:4CMwqBG/
帝国軍の侵攻は無く、次回の移動へ向け今回が最後の休息となった
辺りの火が焚き始められ、簡易ながらも料理が作られている

「はぁ……私はなんということを……」

「なにってそりゃ……顔しガッ!?」
男の罪悪感に塗れた呟きに、単純明快に答えようとしたフェアリーは、言葉を半ばに男の手に握り締められた
一昼夜通して武器を振るっても力の弱らぬ程強い握力に、フェアリーは押し潰されるまでではないが、言葉を紡げない程度の力は篭っていた

「……何をしておるのだお主らは」
野営地周辺の、偵察兼残党狩りから帰って来たばかりの赤き竜とその背に跨る青年は、共に男の突拍子の無い行動に疑惑の念を抱いていた
自身の半身である契約相手を握り締めるなど、余程の事が無い限り行わない筈

「………何でもありません」

「んーッ!!んーッ!?」
それでも尚何かを伝えようと、全身に力を込めもがくフェアリーだが、それに呼応し、男の手には力が込められる
訝しげに視線を合わせる青年と赤き竜だったが、直ぐにいつもの悪態の所為だろうと合点し、自らのテントへと向かっていった

「ふぅ……油断も隙もありませんね」

「………………(そりゃお前の事だろうがッ!?)」
男を睨み付けるフェアリーは、心の中でそう悪態(正論)を吐いた

そうこうする内に、野営地には再び闇夜の帳が降りていく
奇しくも“味”を占めていた男は、“愚行”に及んだ己を怨みながらも、既に歓喜極まっている自身のものを圧迫する衣服越しに見つめた

「………………(まさか今夜もやるつもりじゃないだろうな……?)」
邪な気配を感じ、再び昨夜の惨劇が繰り広げられるのかと、身を震わせるフェアリーだったが、よもや自身が巻き込まれるとは予想だにしなかった
52名無しさん@ピンキー:2009/09/30(水) 01:21:57 ID:z8sKvOkQ
>>31-32
>よもや自身が巻き込まれるとは予想だにしなかった
「うわぁっ……ホントにやる気だよこの断末魔氏は……」

いいぞもtt(ry
フェアリーなら異物挿入とかしてくれるはずだ
53名無しさん@ピンキー:2009/09/30(水) 11:25:46 ID:PN5NymSO
まさかのフェアリー参戦ktkr
今からどんな惨劇が起こるのかと思うと夜もグッスリ眠れる
54[陰徳の男]:2009/10/03(土) 13:49:21 ID:DO/2peLu
>フェアリーなら異物挿入とかしてくれるはずだ
そこまで冒険は(苦笑

手短にまとめました
これ以上書くとは限界を迎えそうなんで……
55[陰徳の男]:2009/10/03(土) 13:50:21 ID:DO/2peLu
そして夜は深けた
虫達の泣き声が、深々と夜の森へと染み込んでいく

「…………………」

「さぁさぁ夜も深けて参りましたがこのオッサンは盛ってますがいったいどうするつもりなんでしょうかッ!
眠りに就く少年の枕元に立ち、その顔を見下ろす男に、フェアリーは過激な語べの様に言葉を投げ掛ける
前夜は結果として少年に“愚行”が気付かれる事は無く、翌朝は普通と変わらず挨拶をしてくれた

「既に昂ぶっている自身のものと少年を顔を交互に見つめ、再び溜息………ってかぁ?」
光を放ち、男の周りをフワフワと飛ぶフェアリーはそう言いつつ、男の様子を見て取った
言った様に既に男のものは硬く膨張している

「さぁどうしますぅ?(また今日もかよ……始まったらどっか行こ)」
煽るだけ煽ったら、フェアリーはどこかで時間を潰す気であった
口の悪さには(自他共に認める程)定評のあるフェアリーだが、無い知らぬ少年が眠っている最中に穢される様が心地良く見えるまで外道ではない
だがもし、少年が眼を覚ましていれば話は別である
フェアリーの拘りである“悪態は本人に、陰口は糞食らえ”という考えに反するから、であろうか

「ま、今日もセエレちゃんが起きないようにゆっくりやる……ッ!?」
男から膨れ上がる気配を感じ取りやれやれと肩と手を上げたフェアリーは、テントから出ようとした
その瞬間視界が何かに奪われ、羽も押さえ込まれた様で抗う事も出来ない

「んんーッ!?(まさかあの野郎……)」
安易に予想出来た状況に、フェアリーは軽い恐怖を憶えた
56[陰徳の男]:2009/10/03(土) 13:51:14 ID:DO/2peLu
何とか顔を押さえつける何か(フェアリーの予想では男の指)に隙間を作り、周囲の状況を観察する
場所は既にテント内ではなく、淡い月の光ですら差し込めぬ暗闇の森の中だった
時折聞こえる鳥の虫の鳴き声に、草木を掻き分け走る音が紛れる様に聞こえる

「んん!!プハッ……ハァ……ハァ……なにしやがんだよ!?」
漸く押さえ込まれた状態から開放されたフェアリーは開口一番そう叫んだ
しかし男はそんな事は一向に介さず、左手一つで器用にフェアリーの身体を押えている
そして何時の間にやら取り出された男のものは、右手によって激しく激昂させられていた

「お……おい……冗談だろ……?」
フェアリーが、これほどにまで自分の考えが浅はかであった事を怨むことは今後無いかもしれない
男がフェアリーと契約した理由は、男の性癖とフェアリーの容姿が合致した事が大きい
そして男は昨夜の“愚行”に味を占めたものの、当の少年に気付かれまいと必死に考えを走らせた事だろう
では男の欲求の矛先は………

「う………はぁ………」
当然、フェアリーへと向けられた

「なぁ……俺が言い過ぎだったから……な?謝るからよぉ……」
今までの悪態振りが嘘の様に、フェアリーは眼前の男に詫びの言葉を口にした
いつもの人を小馬鹿にした含みは無く、その表情も只管に恐怖に染まっている

「………んはぁ……くぁ……!」
しかし男はそんなフェアリーの事など気にする様子は無く、“愚行”を犯し続ける
フェアリーを押え付けた左手をゆっくりと腰の前へと持って行く

「……びびってんだろ?どうせ出来やしないんだろ!?」
最期を感じ取ったフェアリーは自身の尊厳を守る為にか、せめて一矢報いる為か、あらん限りの声で喚き散らした
しかしやはりと言うべきか、男はまったく動じずに自身のものをフェアリーの顔に押し付ける

「止めろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!」
恐らく野営地にまで響き渡る絶叫の後、一つの命が、この世の恐ろしさを身を持って知る事となった

「………はぁ……はぁ」
───裏の森の夜はまだ始まったばかり───まだ、夜は長い───


57[陰徳の男]:2009/10/03(土) 13:51:39 ID:DO/2peLu
「………フェアリー、か?」
野営地で火の番をしていた赤き竜と青年は、今までに無い絶叫に身を強張らせた

ーーーとなるとレオナールもか……?

「夜襲されたとしても、あ奴等がやられる事等無いと思うが……」
赤き竜の思案は尤も
フェアリーとの契約によって膨大な魔力を手に入れた男には、傍らで長剣の柄を握り込む青年とはまた別に、帝国兵を紙切れの如くあしらえる事が出来る
となると余程の兵力か火力か───、どちらにしても油断は出来ないと合点した赤き竜と青年は、絶叫が聞こえた裏の森へと向き直る
青年が走り出そうとした時、暗い森の中からフェアリーの放つ淡い光が漂って来た

「どうした!?何があった!?」
赤き竜はフェアリーの只ならぬ様子を感じ取り、口早に問い詰めた
青年も同じくフェアリーの異常を察し、長剣を片手に詰め寄った

「ふぇ…………」
小さ過ぎる呟きと共にフェアリーの放つ光は更に弱まり、青年の手前で力無く失墜した
青年が反射的に空いた手で受け止めると、濡れた布切れを握ったような音と、独特に匂いが二人に届いた

「この……匂いは……」

ーーー…………………
何も言えない青年に向かい、フェアリーは鼻声で叫んだ

「ふぇぇぇ!穢されたぁぁぁぁ……」
唖然とする二人を前に、フェアリーは意識を失い痙攣し始めた

「………ヴェルドレに診せた方が良いかも知れんな」

ーーー………まずは医者じゃないか?

「フェアリーの医者などは居はせぬだろう……?」
迅速な手当てが必要だと判断した二人の前に、晴れやかな顔をした男が歩み寄ってきたが、二人とも視線を合わせるどころか男を直視することすら出来なかった
58[陰徳の男]:2009/10/03(土) 13:52:56 ID:DO/2peLu
終了……と
いやはやなんとも……

一応感想頼みます……
59名無しさん@ピンキー:2009/10/03(土) 19:21:24 ID:SWqv2DGE
いや面白かったです
こんなに更新が楽しみだったSSは初めてだったかもw
職人様のフェアリー苛可愛い。本編より棘がなくてセリフが面白い
更に最後にはやられてしまうという子悪党っぷり。Sキャラがしっぺ返し食らうシチュは大好物です
リクさせて戴いたんですが、職人様にはちょっと苦痛だったようで反省・・・

しかしアンヘルが人間の栗の花の匂いに瞬時に気付けるようになった経緯ついてkwsk
60名無しさん@ピンキー:2009/10/04(日) 02:05:51 ID:GB7jK8SS
乙!
何というか新鮮だったなwww
面白かった

ところでこのスレはカイムとアンヘル好きさんが多いみたいだが
カイムとフリアエときどきイウヴァルトの需要はありませんか。
61名無しさん@ピンキー:2009/10/04(日) 02:34:18 ID:VPtDvKuy
カイアンも好きだがカイフリもイウフリも好きだ
62名無しさん@ピンキー:2009/10/04(日) 02:40:40 ID:596mUhgE
>>60
ありまくります
ていうかイウヴァルトとかこのスレでは初めてじゃないか?また夜しか眠れない日が続きそうだ・・・
63名無しさん@ピンキー:2009/10/05(月) 02:01:20 ID:1CERL7iK
ここは絵もOKなのかー
64名無しさん@ピンキー:2009/10/05(月) 03:09:39 ID:ZcYKlX8u
そのケはないがレオナールさん流石です
65名無しさん@ピンキー:2009/10/05(月) 04:20:30 ID:vcrFiR3h
>>63
絵師さんが絵を投下してくれるなら期待してるよ
66名無しさん@ピンキー:2009/10/05(月) 11:24:49 ID:PovM2BPi
>>60
大 好 物 で す
是非是非!!
67名無しさん@ピンキー:2009/10/05(月) 22:53:27 ID:agocBE5X
wikiのキリ番プレゼント中止はDL数未だ0だからか
自分常に狙ってて楽しみだったのにな

ところで「絵師より頂き物」のところで一部無許可ってなってるんだけど、どれのこと?
68 ◆Ub.tayqwkM :2009/10/06(火) 16:24:28 ID:0pz7/maD
>>67
許可を取ってる物の方が少ないorz



あと、どうしてもケチャップになるんだ
考えがまとまるまでもう少し待っておくれorz
さて、仕事仕事…(´・ω・)
69[陰徳の男]:2009/10/06(火) 20:40:10 ID:tzGggnCY
慣れない事はしないほうが良いですね(苦笑

>>しかしアンヘルが人間の栗の花の匂いに瞬時に気付けるようになった経緯ついてkwsk

成る程……了解したよ
70名無しさん@ピンキー:2009/10/06(火) 21:46:18 ID:gvJ7woJB
>>68
急かすわけじゃないけど、続き待ってるよー
ああ・・・つぎはヴェルドレの血祭りだ・・・

>>69
氏のカイアンなんて久しぶりじゃないか・・・!wikiで復讐じゃなくて復習して昂ぶってきた
71 ◆Ub.tayqwkM :2009/10/06(火) 23:29:10 ID:rhPYFnci
そうか・・・待ってるのか
じゃあ、先に・・・
72 ◆Ub.tayqwkM :2009/10/06(火) 23:30:31 ID:rhPYFnci
「我が・・・こんな醜態を・・・」

屈辱に顔を歪ませながら、
しかし、身体は正直に快楽を喜ぶ。
その悦楽に溺れ屈してしまいそうになる。
だがアンヘルは僅かなプライドを以って耐え、
その今にも切れそうな理性の糸は正しく蜘蛛の糸であった。

「艶やかですよ、ドラゴン殿・・・。
 それでは本番と行きましょうか?エスコートしますよ」

「本・・・ば・・ん?・・・何を・・言って・・・」

途切れそうになる意識を総動員し、
相手が何をしようとしているのかを
見極めようとするが脱力した肢体では叶わない。
僅かに身体を震わせるだけであったが、
それは不幸中の幸いと言うものであろう。
・・・それを見てしまっていたら、
理性は確実に千切れ飛んでいたであろうから。

「行きます・・・よっ!」

「グォ・・ァァァ・・・ゥ・・ゥゥ」

ヴェルドレは口に長い管を咥え
十分に解れたその秘裂へと侵入する。
アンヘルはそれに嬌声を上げながらもがき
それが結果として侵入を早める事になる。
熱く滾るそこは収縮しうねりながら
人一人を易々と飲み込むと僅かに飛沫を上げ
ヴェルドレを快楽を一番感じる所まで誘って行った。

『貴方の胎内は心地良いですよ』

「わ・・ざわざ・・・声を飛ばすな・・・下郎・・・」

何故・・・我は抗っているのだ?
苦しい事は無いはずなのだが・・・?
73 ◆Ub.tayqwkM :2009/10/06(火) 23:31:43 ID:rhPYFnci
もうちょい考えてから後ほど
74名無しさん@ピンキー:2009/10/06(火) 23:54:43 ID:gvJ7woJB
    _  ∩
  ( ゚∀゚)彡 NTR!NTR!
  (  ⊂彡
   |   | 
   し ⌒J

しかも快楽が勝っちゃうフラグとかNTRのツボ押え過ぎwまさか職人・・・真せi
カイアンでほのぼのの予定
一丁前に筆が進まないんで、ちょい更新は遅れるかと……
その竜は気高く、人間を遥かに凌駕する叡智をも持っていた
だからだろうか、俗世的な事に関する知識には疎い、と言って良い程度の知識しかない
無論竜である当然と言えば当然であるが、その竜はあらゆる知識に対しても貪欲に知ろうとする
当然、“俗世的な事に関しては種族として優れている”と自身で揶揄した人間に聞く事が妥当かつ的確ではあると、竜が一番分かっている
しかし竜としてのプライドがそれを許さない様で、精々人間の傍で聞き耳を立てる事が精一杯
詰まる所情報量は極端に少なく、竜の知識欲が満たされる筈が無かった
だがある日、奇しくも人間に接近する事になった
半身と言っても過言では無い関係だが、それでも竜としてのプライドが邪魔をし、知識を得る事が出来ないでいたが、そのプライドが知識欲に負けるまでにはそう時間は掛からなかった
「高貴なる竜である我が、人間に教えを請う等羞恥の極りである」

ーーー突然何か言い出したかと思えば……いったいなんだ
戦場にて“一仕事”終えた青年が、いつも通り手近な河原にて返り血を落としていると、背後に陣取った赤き竜は唐突に呟いた
青年は珍しく驚いた表情を浮べ、顔から垂れ落ちる水を拭いながら竜へと振り向いた

「しかし契約関係にあるお主にならば、なんら問題は無い」

ーーーだから何が言いたい
河原に佇む竜へと歩み寄り手近な岩へと座り込んだ青年は、何気なく竜の瞳を見た
普段の射抜くように鋭い眼光は無く、例えるならば迷子になった幼子の様な瞳だ

「つまり……………だな」
所在無さ気に周囲を見回し、漸く青年へと向けられた瞳はまだ迷っているようだ
なんとも珍しい状況だったが、あまりにも不安そうな表情に青年は迷わず竜の鼻先に手を乗せた

ーーーどうした?
泣いている子供を宥める様に、落ち着かせるように撫で、声を掛ける
一瞬その巨躯を震わせたが、やがて竜は意を決したように語り始めた

「教えて欲しい……事がある」
78名無しさん@ピンキー:2009/10/09(金) 23:18:25 ID:g+j7mwjg
アンヘルが可愛すぎて生きていくのがつらい
79名無しさん@ピンキー:2009/10/10(土) 21:08:23 ID:oXB5/D2k
アンヘル可愛いよアンヘル
職人GJ&続き楽しみにまってるよ
80名無しさん@ピンキー:2009/10/11(日) 01:49:46 ID:EGwaOfvo
これからの展開を想像するだけで悶え死にそうだ
81名無しさん@ピンキー:2009/10/11(日) 20:56:29 ID:A+EQZdYh
ぐあああああああああ
しおらしいアンヘル萌え!!!!!
続きを待ちます

重い口を開け、問われる様々な事柄に、青年は驚きを通り越し、もはや拍子抜けしていた
何を勿体ぶって問われるかと思えば、開口一番“四十八手”とは何か問われた事が主な原因だとは言うまでも無い

ーーー………分からん事は無いが、知ってどうするつもりだ?

「後に活かす、ただ………それだけだが?」
青年の表情が余程意外だったのか、竜は最初の弱々しさから
竜のいまいち要領を得ない返答に、青年は軽い目眩をおぼえた
顔を覆うように右手を沿え、軽くこめかみを押す
竜は怪訝そうに首を傾げており、円らな瞳と相まってなんとも可愛らしい
素直にそう思った青年だが、炎を吹き掛けられては堪らないと、喉まで出掛かった言葉を飲み下した

ーーー教えてやらんことも無いが、その前に二三質問がある

「質問とな……?なんだ?」
大好物の餌を前に、待ての命令を忠実に守りながらも涎を溢れさせ、あまつさえ尻尾を大きく振る子犬の様だとも思いつつ、青年は畳み掛けるように質問を投げ掛けた

ーーーその言葉は誰から聞いた?

「兵長が新参の兵に耳打ちしているのが聞こえてな」

ーーーこの質問を他の者にはしたか?

「お主に聞くのが初めてだ」

ーーーそうか……では最後の質問……と言うより、約束事だな

「ふむ……?」
連合軍の主戦力である竜が四十八手とは何かなどと聞いて回れば、遠回りにだが士気の低下に繋がる
そして何より奇異の目で見られる事は避けられたようで、それに関して青年は安心する事が出来た

ーーー言いたい事があっても、俺が言い終わるまでは黙って聞いてくれ

「………分かった」
青年の言葉を変に受け取ったようで、竜は翼を大きく広げ体勢を整えた

───……どうなっても知らんぞ……俺は
心の中でそう呟き、青年は王家の者として叩き込まれた“夜伽”に関わる知識の一片を、竜へと示す事になった
“うしろやぐら”に始まり“鶯の谷渡り”に至るまで、青年は河原の石を退け地面を即席の備忘録とし、その砂に分かり易く図解付きで描き連ねた
時折説明に困る時があるが、そのときは頭の中のイメージをそのまま竜に飛ばすという荒技で解決した

ーーー………以上で一応は終わりだ。まぁ実際は“裏”があるから合わせて九十六手あるんだが、言い出したらきりが無いから省く……?
そこまで呟き、やっと一段落だと安心していた青年だったが、眼前の竜から今までに無い気配が放たれている事に気がついた
重苦しい空気が辺りに漂い、竜の瞳は未だ弱々しいものの多少の鋭さを取り戻していた

「我はこの様な事を……知り欲していたのか……」
竜の呟きに、青年は首を立てに振った
人間ならいざ知らず、竜にとっては使い道も無ければ応用も出来ない事は明白

ーーー好奇心は猫をも殺すと言うが……な
青年の言葉は皮肉か慰めか、竜には定かではない
もしかしたら特に何も感じていないのではないか
ふとそんな事が脳裏を掠めた瞬間、竜は青年に対し唐突に質問を投げ掛けた

「にしても……何故お主はそんな事を知っておるのだ?」
青年の反応を見るための揺さぶりだったが、青年は何気も無く応える

ーーー王族たる者、一分の隙も見せてはならない……親父にそう言われて叩き込まれたんだが、正直役に立った試しは無い
事も無げに言い放ち、竜を見つめ返した
対し竜は言葉を失い、自身を見つめる青年と視線を合わせられない

───なにやら自ら墓穴を掘っている気がするが……
契約関係にあるとはいえ、あまり弱みを見せぬ方が良いと判断した竜は、言葉を切った
筈だったが、思考の懸命な判断を無視し、喉は言葉を発し続ける

「それはなんとも愚かな事だな……浅はかだ」

ーーー俺もそう思う
竜の精一杯の皮肉は青年には届かず、困り果てる竜を尻目に平然としている
実のところ、赤き竜は上位竜族としてはかなり若い部類に入る
単純換算すると、人間での15歳、うら若き乙女である
といってもその事を知るのは竜自身だけで、生涯掛けて秘匿する事だろう

「……………」

ーーー………
竜は思考が袋小路に嵌り込んでいた
実際に青年に聞きたかったことはまだあるのだが、言葉にする事は躊躇われる
竜の葛藤などは露知らず、青年は空を見上げ、上空を旋回する鳶を目で追っている

「…………………………実はまだ……」

ーーーなんだ?
竜のその巨躯の釣り合わぬ蚊の鳴く様な声にも、青年は返事を返す
知識欲を満たすに止まらない感情に背中を押され、竜は兵長と新米兵の会話から抽出した単語の意味を、再度青年に問い掛けた
84名無しさん@ピンキー:2009/10/13(火) 19:14:22 ID:q3B9/uw5
あれ、なんか動悸息切れするんだけど病気かな・・・
85名無しさん@ピンキー:2009/10/14(水) 00:01:59 ID:ffshbr0s
アンヘル好き好き病です
86名無しさん@ピンキー:2009/10/14(水) 19:35:51 ID:6+GWD18i
>>85
先生、ここにも患者が
アンヘルに萌えすぎて死にそうです

ところで職人へ前から言おうと思っていたんだけど、
>頭の中のイメージをそのまま竜に飛ばす
これ便利でいいね。
カイマナの話でもカイムが使ってたよね?
会話できないって設定を上手いことクリアしてるな、と感嘆したものです。
87名無しさん@ピンキー:2009/10/14(水) 19:59:18 ID:OEBt5Jlf
>>85
カイムがアンヘルとイチャイチャしてくれれば治る気がする
88名無しさん@ピンキー:2009/10/15(木) 00:20:00 ID:7YEvp+wq
アンヘルも可愛いが王子の性教育もなかなか
89竜啼 ◆Ub.tayqwkM :2009/10/16(金) 04:31:22 ID:qkVkQAi1
俺、2での件の所為でヴェルドレ嫌いなのに
何でこんなだらだらとorz
急ぎ足ですが、終わらせる・・・、
ヴェルドレ・・・しねw
90ReBirth ◆Ub.tayqwkM :2009/10/16(金) 04:32:23 ID:qkVkQAi1
『おや?これは何ですかな?
 聡明なドラゴン殿に是非伺いしたい』

苦笑する声と嫌な予感のする声に
アンヘルは身を捩じらせて暴れる

「き、貴様出てくるのだ!
 今なら許してやらんでもない!」

『可愛い反応感謝しますよ・・・チュ』

そう言って本来ならば人間が触れるはずの無い
その最奥にある突起を愛撫し、咥え、蹂躙する

「ガァ・・ハァッ!・・・ぐぅ・・・」

アンヘルはその走った電撃にもにた刺激に
天を仰ぎ一度痙攣したかと思うと"ズズンッ"と倒れこむ
時折ビクビクと刺激に痙攣を続けながらも恍惚そうな顔を浮かべる

『あぁ、そんなに締め付けては
 私はドラゴンではないですよ?』

収縮を心地よく感じつつ、ヴェルドレはその肉襞に
己の欲望を幾度と無くこすり付ける・・・。
最早、アンヘルの抵抗も無く
そこには快楽に溺れる一頭の淫竜がいるだけだった。

『・・・!!!』
「おや・・・やってしまいましたね」

そう言って愛液にドロドロの身体を見つめて苦笑する
その激しい刺激にアンヘルは達してしまったのだ・・・。
そしてその奔流とともに排出されたヴェルドレは
レッドドラゴンの近くへと歩み寄ると顔を近づける。

91ReBirth ◆Ub.tayqwkM :2009/10/16(金) 04:33:32 ID:qkVkQAi1
「貴様・・・殺してやる・・・
 ・・・ヴェルドレ・・・オノレ・・・」

「落ち着きなさいドラゴン殿・・・全くハシタナイ」

未だ快楽の余韻で動けないアンヘルを尻目に笑いながら
軽く悟ったような表情を浮かべて耳元へと囁く・・・

「プライドの高いドラゴン殿がこの様な恥辱を知られたくは無いでしょう?」

言ってる意味がはじめは理解できないアンヘルだが
覚醒していく頭で、理解してしまうと嗚咽を漏らしてしまう

「そう、大人しくしていなさい・・・、
 契約者に知られたくは無いでしょう?私と貴方だけの秘密ですよ?」

そこまで言うと身支度を整えてヴェルドレはそこから去っていってしまい
残されたアンヘルは、胸が締め付けられる思いで、静かに啼き・・・
放心状態のまま、帰るべくして飛び立って行った・・・。
92竜啼 ◆Ub.tayqwkM :2009/10/16(金) 04:35:14 ID:qkVkQAi1
嫌いな事は書くべきではないと知りましたw

皆無編
・蟻姉さん
・大穴

どっちから行くかな・・・
では、また次の機会にでも
93名無しさん@ピンキー:2009/10/16(金) 10:35:22 ID:d8jnDVrv
GJ
嫌いと言いつつ、最後まで書き通した根性に敬服w

個人的にはカイアリ好きなんでそっちお願いしたいが…
ってか大穴って誰だっけか?
94名無しさん@ピンキー:2009/10/16(金) 21:26:50 ID:X00GhJbq
GJ
こうしてアンヘルたんは弱みを握られしまったんだな

怖いもの見たさで大穴に一票
95竜啼 ◆Ub.tayqwkM :2009/10/17(土) 15:58:04 ID:gMSsJYW+
途中まで投下
まだ、どっち書くか決まってないorz
96カイム共通 ◆Ub.tayqwkM :2009/10/17(土) 15:59:14 ID:gMSsJYW+
---・・・ッ!!!

何だ?さっきから身体が火照るように熱い
すごく切ない気分だ・・・やばい、犯りたい

カイムは普段、常から着けている鎧を外し
ズボンに肌着というすごくラフな格好で悶えている。
先ほど目が覚め、再び寝ようとしてからずっとこうだ。

---眠れない・・・

おかしくなった身体を怪訝に思いながらも
火照る身体を冷やす為に近くの川へとテントを抜け出した・・・。

川に着くなり一糸纏わぬ姿となって川へ飛び込む
火照りは水の冷たさに流されていき心地良い
そして、その冷たさは思考を消沈させ・・・・・・ない、

---何故だ?

おかしい・・・これはおかしい
自らの意思に抗うように自分の一物は
脈打って反り返っており高々と天を突いているのである

---先ほどから、思考もおかしい・・・盛られたか?

戦場では毒を盛られることも少なくは無い
その為、自然と考えがそこへ行き着く・・・、
しかしながら、自身を治める事すら久々で

---面倒だな・・・

そのうち収まるだろうと考え
そのまま放置することにした。
それが、周りにどんな影響を与えるか知らずに
97竜啼 ◆Ub.tayqwkM :2009/10/17(土) 16:01:18 ID:gMSsJYW+
おし、仕事行ってくるb
どっちがいいかはスレ見てからw
98名無しさん@ピンキー:2009/10/17(土) 16:42:37 ID:/gi1Dg/V
GJ
ヤバいカイムが可愛く見える件
カイアリに一票
99名無しさん@ピンキー:2009/10/17(土) 21:15:57 ID:Dl+Mt2Ys
GJ
お仕事行ってらー
どっちもいいな、選べない!両方に一票
100名無しさん@ピンキー:2009/10/17(土) 23:07:05 ID:zKnLur4p
キケンなかほりのする大穴に一票
101 ◆Ub.tayqwkM :2009/10/18(日) 12:01:31 ID:b7q38VLs
ただいま…ちょっくら寝てくるぜ
仕事中にカイアリを妄想…もとい創造して起っきした件は秘密だ
102竜啼 ◆Ub.tayqwkM :2009/10/18(日) 18:07:33 ID:CV2tslw8
おはよう(´・ω・)
俺、夢でアリオーシュに襲われたorz
だめだ、こいつ早く何とかしないと
103カイムの受難 ◆Ub.tayqwkM :2009/10/18(日) 18:08:39 ID:CV2tslw8
身も心も冷えた所で落ち着きを取り戻し
物憂げに身体を起こすと・・・

−−−催淫剤なんて物を入れたのはどこの馬鹿だ?

思念で愚痴をこぼしながら水滴を滴らせ川から上がる
そして髪を掻き揚げながら、ふと顔を上げると
そこにはタオルを持った妖艶なエルフの姿があった。

−−−ア、アリオーシュ?

「ふふふ、いらっしゃい坊や風邪を引くわよ?」

−−−ちょっ、待て・・・うわっ!

視界を大きなタオルに遮られ慌てるカイムだが
一方アリオーシュはそんな事はお構いなしに
わしわしとタオルを両手で扱き優しく髪から水滴を取っていく

−−−・・・・・・ッ

「大人しくなさい?今綺麗にしますからね・・・」

一体これは何の冗談だ?
怖いぐらいに優しいアリオーシュ・・・
誰かが盛った催淫剤、まったく、悪意しか感じられん
それよりも、気のせいかアリオーシュ・・・
普段よりも凄く良い匂いがする・・・誰かを思い出すのは気のせいか
きっとバスタオルのソフ○ンの匂いだ、そうに違いない・・・。

−−−受け入れつつある自分が怖いな

「どうしたの?少し強かったかしら?」

−−−いや、どうもしない・・・

そう、どうもしない、少し心が落ち着く
もうしばらくは、このまま抱かれていても良いだろうか?
104カイムの受難 ◆Ub.tayqwkM :2009/10/18(日) 18:09:16 ID:CV2tslw8
「さぁ、身体も拭きましょうね」

−−−や、やめ・・・折角・・お、収まったんだ・・・

柔らかいタオルの感触が肌を伝い下へと降りてくる。
自分以外の他者に触れられているという、
その事実だけで再び己の愚息は反り返り雄々しく立ち昇る。

「あら?これは何かしら?」

−−−ガッ!・・・触れ・・るな・・・

タオルは行き着くところへと行き着き、
滴る液体を拭き取ろうと何度も摩り上げる。
その上、悲しいかな目の前のエルフは豊満な胸の谷間を
絶妙な身体の位置で見せてくるのだ・・・。
これにはカイムの理性が吹き飛んでしまい、目の前の女を押し倒す。

「きゃっ・・・もう仕方の無い子・・・
 いいわ、お母さんが教えてあげますからね」

そう言うとカイムの手を取り舐ると
その手を自らの秘所へと誘いカイムへと視線を送った。
105 ◆Ub.tayqwkM :2009/10/18(日) 18:10:12 ID:CV2tslw8
サクサク筆が進むw
やっぱり禿げ、しね
106名無しさん@ピンキー:2009/10/19(月) 01:26:11 ID:sHnyRPqA
はげしーね


なんつて
107名無しさん@ピンキー:2009/10/19(月) 10:10:55 ID:BFr+Fpyd
[審議中]
>>106
吹き出たコーヒーを返してください(笑

てな訳で投下します
恐ろしく読みにくくなりましたが……

では、行きます
「………Gスp」

ーーー皆まで言うな、教えてやるから
嫌な予感を肌で感じていた青年は、竜が言い終わる前にその言葉を遮った
竜へ掌を向け指し伸ばされ腕には、有無を言わさぬ力強さがあり、実際に竜は文句の一つすら言わずに黙り込んでいた

ーーー兵長は新米に何を教えているんだか……
いずれ何かしら言ってやらねばと心に決め、青年は竜への返答を考えた
青年は俗称から発見者に至るまでを知ってはいるが、先の四十八手よりもより具体的な内容に少々言い淀んだ
軽くあしらおう等とも考えたが、眼前で返答を心待ちにしている竜の様子を見るとそうも言えなくなる

ーーーまずはそう……だな、前戯から教えなければならないな

「おぉ……それは次に聞こうとしていたことでなはいか」
ある程度それを予測していた青年は、何も言わず言葉を続けた

ーーー性交前、端的に言えば準備運動のようなものだな。相互に性器を主に身体に愛撫を……と、これには手や足で行うものと口や舌で行う物があるな。男が女に対して口や舌を使う場合は“クンニリングス”“クンニ”等と呼ばれる

「ふむふむ……」
若干の恥かしさに堪えながらも相槌を打つ竜は、不意に青年の言葉をそのまま思考の中で再現した
『青年に手により全身を撫でられた後、未だ何者の進入も許したことの無い純白の腹の下へと───』

ーーーまぁ人によっては触らずに自慰を相互鑑賞する方が良いという人間もいるが、そこはそれ、互いの意見の尊重が大事だ
悶々と思考を巡らせる竜には気付かず、青年は時折持論を交えつつ説明を続ける
ーーーお前が聞いたGスポットと言うのは、女性器を手で愛撫する時に刺激すると良いと言われる……性的に感じるツボだと思ってくれ。存在する位置は膣壁前方上部、恥骨の直下だと言われているが、当然個人差はあるし必ずしも存在するとは限らんと言われている

『指先は撫でるように曲線を描き、ゆっくり湿り気を帯びた───』

ーーーで、行う理由だが、主に性交を円滑にするためだと言われてるな。当然互いの性器から潤滑を目的にした液体が……これは男はカウパー、女は愛液等と呼ばれている……が出るものの、それでは不十分間が否めない

『初々しくも未だ薄い膜に護られたに僅かに驚きを見せた青年だったが、直ぐに微笑を浮べ一層赤くなった竜の頭を撫で───』

ーーーそこで互いに唾液を代用したり、刺激によって潤滑液お分泌を促したりする訳だ

『僅かに液体を生み出し始めた竜は、普段からは想像出来ない様な嬌声を僅かに上げた』

ーーー十分な前戯を行わない状態での性交は、女にとってはかなりの苦痛で、場合によっては性器が損傷してしまう場合がある。男はまだ良いとして、子を生せる女にとっては重要な事だ

『青年の竜を気遣っての念入りな愛撫は、青年への感情と相成り竜を一瞬にして快楽の高みへと誘い───』

ーーーと言っても、あまりやり過ぎると女が満足してしまう事があるから要注意だ

『 [もう………いいな?] と小さく呟き、青年はズボン越しにも既に大きく膨張している事が見て取れる赤黒い肉の棒を取り出すと───』

ーーーただ一言言わせてもらえれば、“考えるな、感じろ”………こんなところか

『これからの事を僅かに思い、己を貫くであろうその肉の棒を見た竜は、前戯のみであると言うのに情けなくもあっさりと限界を迎え───』

ーーー……おい?聞いてるのか?

『引き抜かれる青年の指を逃がすまいと懸命に締め付けつつ────』

「グ………ヌゥゥゥ……!!」

ーーーおい!?どうした?
想像の中で悶える自身の姿に耐え切れず、竜は唸り声を上げていた
完璧なまでの自身の想像力が、生涯初めて竜の意志の限界を越えた瞬間だった
こうにも凄まじい事になるとは予想すら出来ず、竜は自分自身を怨んだ
朦朧とする意識の中、得た知識によって生まれた初めての感情を受け止めてくれるのではと、眼前に迫る青年の顔を見つめながら思った
そして朦朧とした意識は理性による躊躇や迷いは無く、率直に言葉を生み出した
111名無しさん@ピンキー:2009/10/19(月) 21:01:17 ID:4tOI5CZr
盛り上がってまいりました
処女は妄想がすごいらしいね
112名無しさん@ピンキー:2009/10/19(月) 21:11:26 ID:Zlaf3qki
実践編クル━━━━(゚∀゚)━━━━ !?
妄想だけでイッちゃうなんてこのエロドラゴンめ!カイムの説明を聞いていたのか!?

それにしても”声”での性教育ってハゲにも筒抜けなんじゃないかと心配になってくる
113名無しさん@ピンキー:2009/10/20(火) 10:30:10 ID:jXjVzUsm
やっべ、ニヤニヤ止まんね
なんか知らんが止まんね
114名無しさん@ピンキー:2009/10/20(火) 21:11:54 ID:WmSA4uI9
>>112
ハゲ以外にも筒抜けなんじゃないかと心配になってくる
セエレとか
115名無しさん@ピンキー:2009/10/21(水) 10:17:04 ID:y+YSVcmZ
ショタに置き換えてこっそり裏の林でハァハァしているオナ兄さん
116名無しさん@ピンキー:2009/10/21(水) 20:30:07 ID:vnSV6Yji
ハゲ「きのうは おたのしみでしたね」
117名無しさん@ピンキー:2009/10/22(木) 19:29:44 ID:of/617pk
>持論
が「自慰を相互鑑賞」のことなのか「意見の尊重が大事」のとこなのか
前者だったらこれからアヒヘヒフヒヘヘヘ…
118名無しさん@ピンキー:2009/10/23(金) 22:33:58 ID:APo/nbHg
>>117
まぁ文脈からは前者だとは思うけど

後者に持って行けたらそりゃアヒフヘヘだな
再びの単発です
申し訳ありません

「……カイ……ムゥ……」
青年がこの瞬間い学んだ事は五つある
一つ、竜と言う生物は単一性であり基本的に性器は無いが、必要になれば作り出せると言う事
一つ、そしてそれが人間の女性器となんら変わらないものだと言う事
一つ、自分が種族の壁を越える事になんら躊躇しなかった事
一つ、巨体に似合わず、竜は敏感である事
一つ、父の教えは決して無駄ではなかった事

ーーー………言い訳などはしない
自分自身に言い聞かせる青年は、彼我の対格差を物ともせず竜の下腹部、やがて尻尾へと至る場所に手を這わせていた
指から伝わる感触で、竜が経験していない、人間で言う処女である事は感じ取れた
ならばこそと、一本のスジに近い竜の秘所を丹念に愛撫し、舌をも這わせる
青年の動き一つ一つに敏感に声を上げ反応し、自らの思いを伝える

「これ……が、先程の……クンニ……と言ったものか……?」
寝転がった体勢のまま全身を振るわせながらも、竜は得たばかりの知識の確認を青年にした

ーーーあぁ、そうだ
青年は舌を膣口に差し入れ、左右上下に舐め回しながらも返事を返していた
“声”と言うものは便利なものだと、今更ではあったが青年は思った
言葉にする必要が無い為に、この手の状況では非常に有効であった
そしてこの瞬間、青年の本性というべき表情が顔を覗かせ始めた

ーーー………お前にこんな一面があるとは意外だったな、まさかここまでよがるとはな
一旦舌による責めを中断した青年は、滲め出た竜の愛液を指に絡め、これ見よがしに中指の腹で軽く叩き水音を立ててみせる
その存在を強調するように、一本の光になった愛液を竜は恥ずかしがりながらも横目にて見ていた

「仕方……なかろう………」
短く言葉を発したきり、竜は再び嬌声を上げるだけになってしまった
しかし根底で感覚を共有する二人には曖昧な言葉は必要なく、青年は只笑みを浮かべ行為を続けた

ーーーそろそろ……か?
竜を狂わせる行為を一旦止めた青年は、竜の愛液に濡れた自身の指を眺めていた
竜は首を動かし、疑問符を浮かべながら青年を見た
その瞬間、青年はタイミングを計ったように指を咥え、二三度唇を往復させ拭うように竜の愛液を文字通り味わった
口の中で転がすように唾液を混ぜ合わせ、芳醇な葡萄酒の如く舌全体でそお味を含む感覚を味わう
時間にして数秒、青年は目を閉じたまま
やがて目をゆっくりと開け、満足そうな溜息を一つ

ーーー………これがお前の味か
口元を大きく歪め心底嬉しそうに竜に語りかける青年は、竜の返事を待たずに言葉を続ける

ーーー僅かに甘い……癖になりそうだ
冗談なのか本気なのか、思考の混乱する竜には判断は出来ない
それを承知の上の青年は、初めての経験に狼狽えるだけの竜の頭に手を伸ばし、鼻先に手を乗せた
反射的に猫の様にすがり付く竜に再び笑みを浮べ、呟くように“声”を飛ばした

ーーーもう……前戯は十分だ
青年の言葉が何を意味するか、初心であるとはいえ竜にでも直ぐに分かった

「カイ……ム……」
青年の名を呼ぶ事を以って返事とした竜に、青年も行動を以って返答とした
121名無しさん@ピンキー:2009/10/25(日) 17:57:17 ID:BbmhDOER
当初カイアンほのぼのって言われてたんで実践ないかと思ってたけどあって良かった
二度目の投下で滾りすぎてヘタクソなのに絵を描いてしまった
パスは北米版アンヘルタンの名前カタカナ六文字

・二度目の投下後に描いたので後の展開とは異なる
・15禁くらい
・竜の翼の挿絵とは異なり、職人の了承なしに描いた
・ヘタクソ
以上の点で良ければ見てやっておくれ
122 ◆Ub.tayqwkM :2009/10/25(日) 17:57:50 ID:bNQkO7J8
勝手ながら二行目"い"→"に"置き換えしました。
123 ◆Ub.tayqwkM :2009/10/25(日) 18:06:17 ID:bNQkO7J8
保管時の話ですorz
言葉足らずで申し訳ない
ちょっと書きながらで申し訳ないが投下
124 ◆Ub.tayqwkM :2009/10/25(日) 18:07:06 ID:bNQkO7J8
−−−アリオーシュ・・・や、め・・・

「なぁに?避妊の心配要らないわ、大丈夫よ」

言いたい事は違うのだが、溢れる欲望に堪え切れず言葉を飲み込んでしまう
アリオーシュの誘惑するかの如き、視線や仕草はカイムの理性を物凄い勢いで削る
未だ狭間で彷徨いながら動けなくなっているカイムは頬にアリオーシュの腕が触れることにより

理 性 を 失 い 獣 と 化 し た
125 ◆Ub.tayqwkM :2009/10/25(日) 18:26:15 ID:bNQkO7J8
−−−ゥゥ・・・ガァ・・・

「ひゃんっ!もう、しょうがない子ね」

荒く息を漏らしながら呻きを漏らすカイムは
アリオーシュのその柔らかそうな双球に貪り付く
当然、乳等出る筈も無いが、
それが当然のように舌先で先端を転がしながら吸引する。

−−−ヤr・・・・アリ・・オシュ・・・

もはや念も意味を成さぬ言葉となり、
威きり立った分身は受け入れんとする花弁に宛がわれ
勢いよく腰を送り出すと同時にそのまま進入を開始した。

「坊やのは大きいのね・・・」

そのカイムの物は赤黒く脈打つ巨大な大砲である。
並みの女性では受け入れきることの無いそれが
大きく道を掻き分けられながら突き進んで行く。
126 ◆Ub.tayqwkM :2009/10/25(日) 18:27:02 ID:bNQkO7J8
用事が入ってしまったorz
127名無しさん@ピンキー:2009/10/25(日) 20:41:58 ID:h5ZvHvU4
>>121
即行で保存させていただいた
つっこむ王子が最高に可愛い
128名無しさん@ピンキー:2009/10/26(月) 00:17:01 ID:LbhiwnSo
うぉぉぉぉ
エロ(ryパロスレ4章掘り出してきてくれた方ありがとぉぉぉ
住人の妄想とか百合とか面白かった・・・!
129名無しさん@ピンキー:2009/10/27(火) 09:52:51 ID:zXJ+THA9
>>121
んなこと真顔で妄想しているアンヘルタンの横顔にワロタw
130名無しさん@ピンキー:2009/10/27(火) 23:30:14 ID:kc+/Nw0j
>>120
カイム様!エロ過ぎます!自ちょ・・・いえ、暴走してください!

wikiのタグ整理してみたけど・・・タグ内容あれでいいよね・・・?
131名無しさん@ピンキー:2009/10/28(水) 23:40:09 ID:iXedbusK
四十八手調べてて(;゚д゚)!?と思ったんでペインター練習も兼ねて四十八手うp
利き手でない方で文字を書くのはさすがにつらい
132名無しさん@ピンキー:2009/10/29(木) 21:51:17 ID:vpeBmUYP
規制(´・ω・`)
133名無しさん@ピンキー:2009/11/02(月) 10:04:16 ID:ObYSCFSR
ぬおぉ…これは痛い…
134名無しさん@ピンキー:2009/11/03(火) 22:29:13 ID:TW9T088t
書き込みがないのは規制だからと信じたい・・・
135名無しさん@ピンキー:2009/11/04(水) 19:38:38 ID:V0VocXro
うpろだのDL数じわじわ増えてるね
ハンチさんがいつの間にか30にきてるよ

ぜ、前回の投下から1週間以上経ってるが規制のせいだよな、ウン
まだ慌てるような時間じゃない
136名無しさん@ピンキー:2009/11/05(木) 06:30:49 ID:M+CkkJyV
ハンチさんこそ至高の美女
137名無しさん@ピンキー:2009/11/06(金) 20:34:21 ID:SUmxDrk5
つ、続きが楽しみで仕方がないのになんだこの静けさは・・・
138名無しさん@ピンキー:2009/11/07(土) 12:45:57 ID:e1deyuae
フフフッ、そんなに焦っちゃって、かわいい坊やね…。
嵐の前の静けさって言うでしょう…?
139名無しさん@ピンキー:2009/11/07(土) 13:01:24 ID:uLQrgLbE
規制解除まだ〜?
140名無しさん@ピンキー:2009/11/09(月) 00:29:00 ID:1viseOof
wikiのカウンタの伸びすごいな
ここが閑散としてるのが嘘のようだ
141竜啼 ◆Ub.tayqwkM :2009/11/09(月) 13:12:23 ID:U9XqGpt1
http://wiki.livedoor.jp/dragons_roar_for_me/bbs/738/

携帯から失礼
避難所作ってみました
使用される方はどうぞ
142名無しさん@ピンキー:2009/11/09(月) 23:18:05 ID:1viseOof
>>141
乙!しかし規制長いなー
143名無しさん@ピンキー:2009/11/12(木) 19:34:57 ID:NRClqCiv
規制解除マダカナー?
144名無しさん@ピンキー:2009/11/13(金) 21:29:19 ID:9gOqri6e
職人さん二人とも規制に巻き込まれてただけだったんだな
なんかちょっと安心した
145名無しさん@ピンキー:2009/11/13(金) 22:46:23 ID:6qAwWZgq
スレチだが
装甲悪鬼村正
良い鬱で異種恋愛だ←
146名無しさん@ピンキー:2009/11/14(土) 13:43:52 ID:B0GAgkyv
ドット絵GJ
次はアンヘルたんきぼんぬ
147名無しさん@ピンキー:2009/11/17(火) 00:15:24 ID:aXZVDzW0
アンヘルタンは第一形態も第二形態も第三形態もカオス形態もアンメモもエンジェレも可愛いから困る
規制解除の噂を聞いて
「……カ………イム……」
全身に力が入らず、うな垂れて青年の名を呼ぶだけで精一杯の竜の下腹部に、青年は居た
高揚し、赤みを浮かべた頬と穏やかな笑みの所為なのか、普段からは創造できないほど穏やかで、幸せに満ち溢れた表情であることが印象的だ

ーーー多少は痛みがあるかも知れんが……覚悟はしていろ
竜を気遣う気持ちはあるものの、青年は薄っぺらな嘘を吐く事は無かった
ズボンを掻き分け、その存在感を誇示する青年のものは限りなく増長し、時折ビクビクと顫動している
横目にそれを見る竜は一層混乱し、唯一残る理性は自分の未熟さを反省している
竜の膣に、青年の指は第二関節までは埋没したものの、それ以上押し進める事が躊躇われるほどきつく締まっている
竜から伝わる痛みから、青年はこれ以上は日を改めてとも考えていたが、それでは自分が収まらない事にも気付いていた
それに加え、竜はここで引く事などを許す事はないだろう

ーーー……一息で奥まで挿れる……
せめて一瞬で破瓜の痛みを終わらせようとする青年は、返答の無い竜を一度見たあと、溢れた竜の愛液を自身のものへと塗り付けた
そして根元を押さえ、横たわる竜の膣口へと押し当てる
押し当てた先端から伝わる竜の身体の暖かさに感じた後、青年は再度“声”を掛けた

ーーー……いくぞ
呟きと共に、青年は割り挿れるように腰を突き出した
肉の襞は青年のものを吸い込んだ
待ち侘びた好物を口に求めるような、空気を吸い込むような音がした───気がした
それはもしかしたら気のせいかもしれないが、今の青年にはそんな事を考える余裕は無い
そしてそんな些細な事を気にするつもりなど毛頭無い
青年は今までにそれなりの人数の女を抱いている
当然性交の快楽については知っている
だがしかし、青年は殺人狂であって殺戮者、言葉が違えばシリアルキラーとも呼ばれる事だろう
そんな青年は成功の快楽よりも、人を斬り捨て、人生を終わらせ、存在を全否定する事に快楽を見出している

「ぐぅぁ………カイ……ムゥ……」
故に、娼婦を買うくらいなら路地裏でゴロツキと“遊ぶ”事を選ぶであろうし、現に二回、そうした事もある
といっても青年の自制心は堅牢なものであり、“正当防衛”以外の理由で人間を殺す事は戦場以外ではありえない
詰まる所、青年にとって性行為による快感は微々たる物であり、そんなものに我を見失う事は無い───筈だったのだが

ーーー………くっ……!?
竜の初物である花弁を犯す今、青年の思考はただその行為にのみ集中していた
それのほどにまで快感は強大で、抗えないものだった
契約関係にあるからなのか、単に竜のそれが“名器”と称されるようなものだからなのかは定かではない
奥底に眠っていたであろう動物としての本能が現れたのかもしれない
“優良なる子孫を残せ”と
「ガ……ァ……ァァ……」

ーーー………痛みはもう無いだろう?
竜に返事をする余裕が無い事は百も承知している青年だが、それでも敢えて問いただす
答えを一切求めることなく、ただ現状を報告するように淡々と呟き続ける

ーーー薄れる痛みに成り代わるのは……?
左右上下に振り回される竜の尾を片手で御しつつ、速度に緩急を付け、青年は竜の花弁を犯し続ける
“窓の月”
体格差を鑑みれば、そう呼ばれる体勢に近い事に不意に気付いた青年だったが、それを“言葉”飲み下した
と言うよりも飲み下す他選択肢は無い
眼前で悶える竜に今そんな事を言ったら、それこそ絶頂し、果てかねない
自らが言ったとおり満足されては青年は堪ったものではない
女が満足して行為が終わり、男が自らで慰めるなど関係の冷え切った夫婦でもあるまいにと、青年は思わず失笑してしまった
普段ならばそれを見逃さず問いを発するであろう竜の声は今はなく、ただ切なげな吐息が聞こえるのみ

「ひぃあ……!!………くぁ……!!」
青年は竜の吐息に僅かな変化が生まれ始めて事を見逃さなかった
緩急の急───絡みつく肉の襞の収縮と、竜の吐息の変化は劇的な変化をした
そしてそれと同時に、青年は自身の限界を感じた
感覚の共有が成せる業なのかどうかは分からないにしろ、青年は好都合だと笑みを浮かべた
一般に理想とされる性行為の終局とは、男女が同時に果てる事
しかし実際にはそれはそう易々と至れる訳ではない
故に性技を使い、状況を把握し、行為に緩急を付けタイミングを合わせようと努力する
諜報に携わる“女”は男を篭絡させるためにその技術を磨き、時には果てた“ふり”をするが、男でそれは難しい
究極的に自らの身体を把握・操作できると言う、東方の僧侶などは可能だと聞いているが、当然青年には無理である
故に青年もタイミングを計ろうとしていたが、この様子ならそれは不要
互いの感覚が同一ならば、なんの気兼ねもなく快感を味わうだけで事足りる
青年の限界は竜の絶頂であり、竜の絶頂は青年の限界なのだから

ーーー………膣内に出すぞ
青年は短くそう呟き、竜を押える手に力を込めた
腰を前後させる力は当然強大になり、結果それによる快感は膨れ上がる
限界近くで踏み止まっていた青年と、限りの無い空を飛び続ける竜
絶頂に“堕ちる”までに、一分と時間は掛からなかった
「ふぁッ……!!カ……イム……!!」
もはや互いに掛ける言葉など無い
言葉にせずとも意思は伝わる
それでも竜は必死に、何かを青年に伝えようと努力していた
“声”を使えば良いのではと疑問符の浮ぶ青年であったが、直ぐに“言葉”である必要性に気付く
互いの意思を100%伝える事が“出来てしまう声”では、逆に余計な感情まで伝えてしまう事もある
一言だけで察してもらいたい、そんな時には“声”は不都合なものでしかない

ーーー………どうした?
余裕の無い状況であえて“声”を飛ばす事は困難だが、だからと言って竜を無視する訳にはいかない
腰の動きを僅かに緩慢にし、ある程度余裕を作ってからの問い掛けに、竜は息を押え付けながら、途切れ途切れにだが、そっと答えた

「狂い……そう……だ、……頼む……も……もう……」
言葉にせずともその意図は伝わっている
青年は同意の意を竜に伝え、腰の動きを限界の境界線にまで高める
僅か数秒で竜と青年は絶頂を迎えた

ーーーくっ……逝くぞ!!
青年は弓の如く身を反らせた後、竜の奥深くへ自身のものを押し込め、膨れ上がっていた精を解き放った

「ガ………ハ………カイム……!?………カイ……ムゥゥゥゥゥ!!!」
留めなく溢れ出る青年の精液は、竜に今日幾度目かの初めての感覚を与え、意識を失いかねない程の快感の津波を引き起こした
青年は竜に全体重を掛けた体勢を維持し、脈打つものが吐き出す精液を余す事無く竜へと注ぐ
青年の脈打つものと同じリズムで軽い絶頂を迎えている竜は、横たわったままその巨体を痙攣させ、強烈な余韻を感じていた

「これが………満足すると言う事か……?」

ーーーあぁ……イク、とも言うな……

「そう……か、我は……我は……イッた、のか……?」

ーーーそうだな……疲れたようなら少し眠ると良い……本来は後戯と行きたいところだが……

「………?」

ーーー……気にするな、それは“またの機会”にだ

「そう……か?……では、眠らせて……もらうぞ……」

ーーー後始末は俺がしておく……しっかり休め
青年の言葉を聞き終らぬうちに、竜はまどろみの中に沈んでいった
やがて落ち着きを見せる寝息と、穏やかな寝顔を、青年は暫く見つめていた
152名無しさん@ピンキー:2009/11/17(火) 20:36:08 ID:aXZVDzW0
>>148
( ゚д゚)

(つд⊂)ゴシゴシ

(;゚д゚)

(つд⊂)ゴシゴシ

キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!



〜数週間後〜




「………カイム」

ーーーなんだ?いくらなんでも今晩も、とかは無理だからな。身体が持たん
愛用の長剣の手入れを行っていた青年は、背後から掛けられた声にぶっきら棒に答えた
普段から愛想が良いとは言えない青年だが、今は単純に呆れているが故に単調な口調になっている

「………それは残念……ではなくてだな……!?」
竜は一瞬視線を地に落としたが、話の本筋がずれている事に直ぐに気付き、慌て軌道修正に掛かった

ーーー……なんだ?
仕方が無い───と言いたげな青年は、長剣を鞘に収めながら竜へと向き直った

「どうも昨日から吐き気がしてだな……」

ーーー……………どこぞで腐った物でも食ったか?

「我が拾い食いなどするか!!……そして妙に身体が重い。具体的に言うと腹部の辺りがな」
声を荒げ否定する竜にいつも以上に愛情が沸く青年………だったのだが
竜の言葉が言う症状を引き起こす原因には、心当たりがある

ーーー……………………

「そして何故か酸っぱい……檸檬とか言う果物が妙に食べたくなって………」
それは当然の様にも思えることだが、まさか、と言う言葉が当て嵌まる事でもある

ーーー……………………………………………………………………………………………………………………ぁ…………ぁ
青年の沈黙は重く長い

「しかし身体の不調を差し置いてなぜかこう………心の臓が暖かく……」

ーーー………………………………………………………………………………………………………………………………………認知はする
長い沈黙の後、青年は搾り出すように言葉を発した
竜がその意味を問い詰めるのは当然の事で、青年がそれを隠し通す事も惚ける事も出来ない事は明白である



数分後、周囲の山々から鳥達が一斉に飛び立ち、獣達が巣穴から飛び出し空を見上げる程の咆哮が轟く事になった
青年はそのあまりの轟音に意識の揺らぎを感じたが、その中でもどちらに似るのだろうかと言う能天気な事を考えていた
終了と……
溜まり分を全放出いたしました

>>145
規制中プレイしてました
久しぶりの重い作品でしたね
155名無しさん@ピンキー:2009/11/17(火) 21:18:26 ID:CA6Ykrfg
解除?テストカキコ・・・
156 ◆Ub.tayqwkM :2009/11/17(火) 21:20:00 ID:CA6Ykrfg
解除しとった・・・
が、今から仕事いってk・・・orz
157名無しさん@ピンキー:2009/11/17(火) 22:22:27 ID:aXZVDzW0
>>ID:+nGBoclk
書き溜め全放出とか規制の反動もあって物凄い多幸感
読みながらニヤニヤニヤニヤしかもハァハァハァハァ。私は・・・キモイ人間なのです
サイズそのままで致すって目から鱗。新しい道が開けそうだ
この感謝と興奮を余すことなく伝えられて、且つ職人さんが喜んでくれる感想を書きたいのだが
日本語不自由な人間には難しくて歯がゆい
そうだ、契約者になr(ry

>>156
仕事速すぎます!>wiki
職人さんたちの規制解除でやっとこのスレの通夜が終わるんだ・・・!
158名無しさん@ピンキー:2009/11/18(水) 23:43:56 ID:+o4H6j7F
>>断末魔氏
仕事中思い出し勃ちがひどかったです
後戯って掃除フェラのことだと思って「初めてで掃除フェラなんてカイムさん鬼畜だなー」と
ググったらキスや抱擁のことだった
自分の頭のほうが腐ってた

>>146
できましたあげました
四日か・・・やっぱ鎧ないと速いわ
159名無しさん@ピンキー:2009/11/19(木) 17:57:24 ID:/x93cQ2r
>>SS書きの断末魔氏

次はどんなものを…?
160名無しさん@ピンキー:2009/11/19(木) 20:47:42 ID:AnSoPL/A
今思い出したが
>単純換算すると、人間での15歳、うら若き乙女である
>「どうも昨日から吐き気がしてだな……」
お、王子・・・
161名無しさん@ピンキー:2009/11/20(金) 01:23:12 ID:r32XyEB4
>>158
あげた後でよく考えたら違うような気がしてきたので削除
162 ◆Ub.tayqwkM :2009/11/20(金) 02:12:04 ID:3Vq1H3gr
昨日PC逝ったお(;゚Д゚)
修理から戻ってくるまで・・・orz
折角規制解除されたのに一週間ぐらい戻ってこないらしい

外部記憶装置、買うべきかしら?
仕事用PCで絵でも描きマツ以下カウンタ絵のメンバー募集
避難所で・・・
>>159
では何かネタをk(ry
164名無しさん@ピンキー:2009/11/20(金) 21:07:40 ID:0AXJnPt+
デボルポポル&吟遊詩人の3Pとか……
「赤、赤、アガー!」と叫びながら破瓜の血を求める画家とか……
165名無しさん@ピンキー:2009/11/21(土) 00:01:36 ID:J/i3vDJv
ノウェを思うあまり悶々するエリスと、そんなエリスにちょっとちょっかいだすつもりがうっかり大人のエロスを発揮してしまうユーリック兄さんかジスモア閣下が見てみたいかもしれない。
相手がユーリックなら何故かヤハからの風当たりが強くて怯えるエリスの後日談みたいなのがあっても面白いかも。

……自分で書けって感じっすか。
166名無しさん@ピンキー:2009/11/21(土) 01:02:52 ID:x3I8iE2p
>>162
カウンタ絵ってwikiのアクセス数のあれかい?
一新するのは嬉しいんだけど今のも十分気に入ってるから残念でもある
167 ◆Ub.tayqwkM :2009/11/21(土) 18:01:39 ID://ExrH5Z
そうなのか・・・
個人的に2のキャラも描きたくなっただけだし
変えてほしくないならそのままで良いかな?
168名無しさん@ピンキー:2009/11/23(月) 21:43:28 ID:37dvAB24
し・・・職人様また規制だと・・・?
はやく規制解除されますよーに
169名無しさん@ピンキー:2009/11/24(火) 08:48:16 ID:7dHQh4ph
またマトメテ投下を楽しみにw
170名無しさん@ピンキー:2009/11/24(火) 13:54:01 ID:hv9MElBw
カイフリええわー
171名無しさん@ピンキー:2009/11/27(金) 01:07:28 ID:IWOnOXBo
ほんまにええわー
172竜啼 ◆Ub.tayqwkM :2009/11/28(土) 01:12:49 ID:7dOMk4/a
そろそろ自分の酉本気で変えようかな?
パソコン戻ってきた、修理費1万近くってどういうことだー
HDDクラッシュしてたらしいしな
結局、書き直し、今から書いてこようo...rz
絵茶・・・いるかどうか解らんが個人的に欲しいかと
ttp://www.takamin.com/oekakichat/user/oekakichat3.php?userid=456705
173 ◆Ub.tayqwkM :2009/11/28(土) 01:49:02 ID:7dOMk4/a
一気にいくお
多少、急ぎ足気味
174カイムの受難 ◆Ub.tayqwkM :2009/11/28(土) 01:50:37 ID:7dOMk4/a
快楽へと溺れたカイムを見つめるアリオーシュ
只管に腰を振るカイムに艶やかな笑みを送ると

「もう、そんな乱暴して・・・いけない子」

まるで子供を嗜める様にそう言った。
微笑で引きつった口から放った言葉は相手の動きを止め
それを尻目にアリオーシュは相手の肩口に手をかけると物凄い力で横に薙ぎ払う

−−−ぐ・・な、何を・・・

地面に叩きつけられてくぐもった声を上げる。
気がつけば仰向けになったカイムの上にアリオーシュがまたがり
薄ら笑いを浮かべたアリオーシュは
カイムの胸元から顎元へとそっと撫で上げて顔を近づける。

「女性はもっと優しく扱うものよ」

−−−こ、怖いぞ?アリオーシュ・・・

普段と違った意味での狂気を放っていたカイムだが
まるで冷水をかけられたかのように一瞬にして平常へと引き戻される

アリオーシュの迫る唇に顔を背けるカイム
そしてそれを面白そうに眺めるアリオーシュ

再び二人が行為へと戻るまでに余り時を消費しなかった。
どちらとも無しに腰を動かし、それを起点に行為が激しい物へと変わっていく

「ぁあ!いいわぁ!・・・はぁん!」

−−−ぉあぁ・・アリオーシュ・・・そんなに・・・
−−−すると、く・・ぅぅ・・・出る・・がはぁぁぁ・・・

アリオーシュはその短髪を振り乱しつつ激しい行為へと及ぶ
そのうちにそれに耐え切れなくなったカイムが妖艶なエルフへと熱い精を叩き込む
声無き咆哮と共にビクンビクンと吐精への痙攣に身を任せ腰を相手へと押し付ける

「ぃぃ!・・熱いわぁ・・・くふぅ・・・」

アリオーシュは流れ込んでくるその熱に浮される様に身悶え
己自身も達し二人の物が交じり合った液体が結合部から漏れる。
そして二人抱き合ったままぐったりとし、お互いに意識を手放した。
175 ◆Ub.tayqwkM :2009/11/28(土) 01:51:43 ID:7dOMk4/a
そして大穴か・・・
801でも良いのか?
流石に不味いかも知れんが、後戻りは出来んのだw
176名無しさん@ピンキー:2009/11/29(日) 00:16:29 ID:MYjLoC1x
やっぱりアリ姐さんはエロいな!
この魅力は狂気のせいなのか未亡人だからなのか赤ちゃん大好きだからなのか

八百一・・・・・・!?
だめだ相手が全く思いつかない
そういえば腐られた方のサイトでイウカイとかいう謎単語を見た気がするが・・・ゴクリ
177名無しさん@ピンキー:2009/11/30(月) 19:18:49 ID:yhXoYsPN
ショタ時代のユーリック×ヤハとか、ジスモア×ヤハとか、禿げ×ヤハとか……
公式ホモなら良いんじゃね?
178名無しさん@ピンキー:2009/12/03(木) 15:52:35 ID:JRDihQS0
規制解除マダー?
179名無しさん@ピンキー:2009/12/04(金) 01:32:38 ID:jUGpu2xR
職人様規制・・・だと・・・?
岡田規制は終了したんじゃなかったのかorz

ドットうp
カイムさんから1ヶ月経つところだった
180名無しさん@ピンキー:2009/12/07(月) 15:03:37 ID:Jk9cKj+l
>>170
GJ!
こうなるとDODの2D格闘ゲームがやりたくなるな…
181 ◆Ub.tayqwkM :2009/12/10(木) 09:05:54 ID:LQqd3Rrz
解除報告を聞いて・・・
帰ってくるまで規制にならなければ良いが・・・
182名無しさん@ピンキー:2009/12/12(土) 01:46:22 ID:GRbwU5CB
保管庫で7777を踏んだぞ!よし、林の裏へ行こう

>>181
あ、あれ?氏の書き込みは木曜日・・・既に丸一日以上経ってるのに書き込みがない・・・
ということはもしや・・・ガクガクブルブル
183 ◆Ub.tayqwkM :2009/12/12(土) 03:03:30 ID:rnVj2E81
すまんな
ただ単に用事が被っただけなんだ。
後は801ネタ嫌いな人もいるから内容思案中
184名無しさん@ピンキー:2009/12/15(火) 01:12:23 ID:CZWk85Oh
もうちょっとでwikiのカウンタ8000hitだな
毎日50以上ってすげぇ
185 ◆Ub.tayqwkM :2009/12/16(水) 13:06:27 ID:ClIEyk59
ネタ思いついたんだが最初の801宣言取り消し
やっぱり万人に受け入れられるようなネタはないな

とりあえず別のネタ浮かんだからそっち方面で書いてくる
長々と待たせた挙句がこれでゴメンよorz
規制解除の噂を聞いてやってまいりました
時間があったにも関わらず、他のSS作成やらゴタゴタが重なり導入部のみ……当然エロはまだありません

得意のご都合主義に則り、ユーリックは連隊長の立場を隠しノウェとエリスの保護者の立場にいます
その他突っ込みどころは多くあるかと思いますが、そこは肝要の心でスルーしてください(笑
187[準級騎士の初恋は]:2009/12/16(水) 18:26:47 ID:MDGBzQlp
「ノウェ!?勝手な行動は許しませんよッ!?」
草原を行軍中、準級騎士エリスの叫びに近い呼び掛けは、巨大な翼が生み出す音によってかき消された
魔物が大量発生したとの情報を入手した封印騎士団は、一個中隊と一人の青年、そしてその青年の為にのみ強大な力を行使する蒼き竜を派遣した
蒼き竜は最初こそ嫌味を言っていたものの、小規模ながら地形に恵まれた魔物の群れを目の当たりにすると黙り込んだ
好都合だとエリスが安心していると

「露払いは任せろ……往くぞ小僧ッ!!」
そう言ったかと思うと、驚異的な跳躍力を発揮した青年を背に乗せ、魔物の只中へと飛び去った
僅かに曇り始めた空に竜の蒼は浮きだって見えた

「ハハハ!流石にエリスも竜に指図出来はしないみたいだな」
エリスが馬上にて空を見上げていると、背後からそう声を掛けられた
振り返ると、そこに居たのは良く知った顔だった
幼い頃、剣術の基礎や簡単な知識を教えてもらい、先程独断先行してしまった青年と共に遊んでもらった事もある
独特の癖のある、無造作に伸ばされた僅かに青み掛かった髪
対魔物戦闘のスペシャリストと名高い上級騎士ユーリック
改造(本人は改修だと言い張っている)された制服に封印騎士団の面影は無く、背に担いだ大振りの鎌が無ければ場違いにも程がある

「………貴方は今回の戦闘に編成されていませんが?」
気兼ねなく言葉を交わせる数少ない人物だが、今は魔物掃討の任務中
隊の長を任された以上、他の部下への体裁もあり、言葉は自然と厳しくなる
しかしユーリックはそんなエリスの考えを意にも介さず、飄々とした態度を改める事無く言葉を返す

「お前達が心配でな」
急に真剣な眼差しでそう答えるユーリックに、エリスの鼓動が一瞬高鳴った
しかし直ぐに心中で自らを一喝し、冷静を装う努力をする
188[準級騎士の初恋は]:2009/12/16(水) 18:27:09 ID:MDGBzQlp
「それより、前の奴等はノウェ達に任せた方が良いぞ」
しかしエリスのそんな努力は違う方向に無駄になった
屈伸運動を始めたユーリックに、エリスの装われた冷静は脆く砕けた

「何を馬鹿な事を……!?ノウェ一人に任せられるわけが」

「……ほら、お客さんだぜ?エリス」
エリスの言葉にユーリックの言葉が重なり、それと同時に小隊の進行方向左手より魔物特有の奇怪な雄叫びが上がる
小隊員全ての人間が、その咆哮に視線を向けざるを得なかった
辺りに響いた奇怪な咆哮の中に、誰もが聞きたくもない魔物の雄叫びが聞こえてはそれも当然
牛頭の巨体を有する魔物、ミノタウロス
単体でも小隊を壊滅させられる可能性があるにも関わらず、それが二匹も居る
手に持った人間大の丸太を振り回し、怒号を上げていた

「背後の骸骨達のも気を付けろよ?」
背中に有った筈の大鎌は、その禍々しい造形を誇るように存在していた
ユーリックは魔物に負けぬ雄叫びを上げ、大鎌を担ぎ上げ走り出した

「………全軍左側面の魔物に備えよッ!!」
エリスが指示するより早く、全ての兵はユーリックに倣い、各々の武器を構え走り出した
ゴブリンの群れを吹き飛ばしながら突進してくるミノタウロスは強烈の一言
簡単な任務だと高をくくり、覚悟の足りなかった兵達には強大過ぎる魔物だ
あのまま突進されるだけで、隊の半数が致命的な傷を負う可能性も大いにある
撤退───その二文字が頭に浮んだエリスを他所に、兵達から歓声が上がる

「流石ユーリック殿だ…!!」

「なんであの大鎌をあんなにも軽々振れるんだ!?……契約者でもあるまいに……!!」

「今はそんな事を言ってる場合か!?ユーリック殿を援護するぞ!!」
兵達の呟きは率直な感想であった
時には片手一本ででも振り回される大鎌は竜巻に等しく、愚かにも背後から近付いたゴブリンは一刀で両断される
何匹ゴブリンを引き裂こうが、その切れ味と速度は一向に衰えず、血の雨を降らせるのみ
大鎌を振るわれる度にミノタウロスは低い唸り声を上げ、ものの十数秒で地に伏す事となった

「……ッシャァ!!」
短く息を吐き、同じく突進を繰り出す二匹目のミノタウルスを向かい打つ形で大鎌を振り上げた
その頼もしい後姿に、エリスは幼き日の自らの想いを思い出した
189[準級騎士の初恋は]:2009/12/16(水) 18:27:32 ID:MDGBzQlp
エリスはユーリックと初めて会ったときの記憶は無い
思い起こせる限りの一番古い記憶の中では、既に互いに見知った中だった
まだ年端が片手で数えられる頃、エリスは多数の兵達が一同に会する式典で、保護者代わりであるオローと逸れてしまった
普段ならば多少慌てるものの、落ち着いてオローを探すだけの余裕を既に持っていたエリスだったが、全身に鎧を纏った大勢の兵達に取り囲まれていてはそうもいかない
動く度に鳴る無機質な金属音は、心細い幼子へ恐怖を容赦なく与える
そして何より、ほぼ全ての兵達はエリスの存在に気付いていない事がその恐怖を一層高める
軽装とは言え甲冑を纏っていては、当然足元への注意は散漫になる
そもそも子供が来るような場所でないと言う前提が思考にあるため、態々視界を下げる様なことは無い
それに合わせ式典は武術披露に移り、歓声が響く様になっては誰もエリスの存在に気付かない
もしここで、エリスが耐え切れず泣いてしまえるのならば、少なくとも一人ぐらいはエリスの存在に気付くはずだが、持ち合わせたプライドがそれを許さず、涙はこぼれて

も声は出ない
ふらふらと歩きながら、周囲に知った顔が居ないか探す

「ふぇ……ぅ…………あっ?」
石畳の僅かな溝に足を取られ、エリスはバランスを崩し膝を強かに打ち付けた
ただ転んだだけではあるが、鋼鉄の脛当てが闊歩している中での停止は危険極まり無い

「…………ッ!!」
エリスの視線の先
装飾か攻撃用なのかは定かではない鋭く整えられた突起が眼前へと近付く
もし顔に当たれば無事では済まない
幼いなりにもそれだけは理解でき、思わず瞼を閉じてしまう
190[準級騎士の初恋は]:2009/12/16(水) 18:27:54 ID:MDGBzQlp
…………?」
しかし覚悟した衝撃は一向に来ず、代わりに男の間の抜けた声と盛大に転んだ重々しい音が聞こえた
恐る恐る瞼を閉じると、眼前には黒い壁
それが壁ではなく人の背中である事を理解したのは、その背中の主に声を掛けられてからだった

「大丈夫か?エリス」
エリスはその人物を良く知っている
普段エリスが兄と慕っているその青年は、若くして騎士団長直属の準級騎士の地位に居る
上級騎士にすら匹敵する能力の持ち主だとも、周囲の人間に囁かれている
名を、ユーリックという

「お兄……ちゃん?」
予想だにしていなかった人物の登場に、溢れ始めていた筈の涙は何処かへと消え去っていた

「………ったく、団長から離れるなっての」
エリスの呟きに答えるユーリックは、向き直ると共にエリスの赤茶色の髪をやさしく撫でた
オローに才を見出され、幼い頃から対大型魔物用の闘術を仕込まれた手は節々の間接は太くなり皮膚も硬くなっているが、今のエリスには最良の安定剤となった
大剣や大斧、大鎌はあくまで補助であり、極めれば素手でも対等に渡り合えるとの事で、それを聞いた時は暫くの間恐くてユーリックに近づけなくなった事を良く憶えてい



「だって………ごめんなさい」
普段の調子を取り戻したエリスだったが、ユーリックが珍しく息を荒げ額に薄っすらと汗を浮ばせている事から状況を察し、萎縮してしまった
それに気付いたユーリックは額の汗を拭い、荒れた息を強引に押さえ込み、平静を演じる

「いつもの調子はどうした?………、さっ、団長んとこに戻るぞ」
撫でられてた頭から手の感触が無くなり、入れ替わりでその手が眼前に指し出された

「……うんッ!」
エリスは瞬間迷ったが、その手を掴もうと自らの小さな手を差し出した
不安から一転し安心したエリスは、先程の涙とは違う感情から再び涙が溢れてくる事を感じた
しかしその時、ユーリックに吹き飛ばされたどこかの中級騎士が怒号を上げた

「小僧……ッ!!」

「おぉ、怪我は無かったかい?おっさん」
ユーリックが状況を説明する間も無く、その中級騎士の拳は振るわれた

「せっかちだねぇ」
拳が顔面を捉える寸前で避け、その勢いを利用して中級騎士を投げ飛ばす
周囲からの歓声に笑みを浮かべるユーリックに、投げ飛ばされた中級騎士は何事か悪態を吐き、ふら付きながらも立ち上がる
騒ぎが鎮まるまで、中級騎士は十数回投げ飛ばされる事になった
オローが現われるまでの数分間、エリスはユーリックの横顔をずっと見つめていた
その時の胸の高まりがなんなのか、幼いエリスには分からなかった

余談だが、騒ぎの後ユーリックの減給がオローより通達された
191[準級騎士の初恋は]:2009/12/16(水) 18:29:04 ID:MDGBzQlp
取り合えず以上です
ユーリックが強すぎるのも仕様ですのでお察しください
192名無しさん@ピンキー:2009/12/16(水) 23:41:40 ID:FCyIHGIu
>>断末魔氏
他のSSとは某人気投票応援SSだと予想
前回の規制解けてからの投下で、書き溜めたものをちょびっとずつ投下して
ゆっくり休むという選択肢もあったのに全放出してくれた職人様の優しさにむせび泣いた。下半身が

よく見たら氏のユーリックとか初なんだな
優しくて頼れる兄貴っぽいし期待せざるを得ない
中級騎士の拳を避けるユーリックにはらはらした。きっと当たったらHPごっそり減るよ!と思いつつ
193[準級騎士の初恋は]:2009/12/20(日) 16:26:18 ID:yw1hRBS9
>>192
半分正解ですね……

下半身がですかw
今回はすこし遅れ気味になりそうです

ユーリックは都合上最強の騎士になってしまってます
194名無しさん@ピンキー:2009/12/27(日) 03:30:21 ID:+sIheCBL
>>185
クリスマスネタ・・・だと・・・?しかも過ぎてるorz
規制とか本当にもうやめてくれよ・・・送信押して規制宣告されたときの絶望感は異常
195 ◆Ub.tayqwkM :2009/12/27(日) 09:32:47 ID:0c211CNk
今出張先何だがパソコン使えねぇw
沖縄来ててネカフェ無いとかorz
何とか早めに投下したい、携帯から失礼
196名無しさん@ピンキー:2010/01/01(金) 21:23:46 ID:HPn7nJFc
そういえば明けましておめでとう
もう少しで完成だからって会社に持っていったドット絵、正月休み前に持って帰るの忘れてた
まぁいいか・・・誰得なキャラだし
197名無しさん@ピンキー:2010/01/01(金) 21:37:27 ID:9oT+NfaS
あけおめヽ(´ー`)ノ
198名無しさん@ピンキー:2010/01/04(月) 04:36:49 ID:ICJd33rL
ふと思い浮かんだネタをうp
結構アレなんでカイムさん好きな人は見ないほうがいいかも

しかしいつの間にかアリ姐さんとカイムさんのドットのDL数も増えてるねぇ
ありがたいことだ
199[準級騎士の初恋は]:2010/01/07(木) 00:59:17 ID:S7xuK9ru
一丁前にもスランプに陥ったようです……
完結はさせますが暫く時間が掛かりそうです……

今回もぶつ切りエロ無し
申し訳ないです……
200[準級騎士の初恋は]:2010/01/07(木) 00:59:41 ID:S7xuK9ru
「どっせぇぇいッ!!」
ユーリックの進撃は止まる事を知らず、血と肉片を雨の様に降らせる
主戦力を失った魔物の集団は、蜘蛛の子を散らす勢いで拡散して行った
先陣を切っていたはずのユーリックの周囲には魔物の姿は既に無く、物言わぬ躯が累々と積み重なる

「いやぁ、ユーリック殿のおかげで助かったな」

「本当にな……」
大鎌を片手に、油断無く周囲を見回すユーリックを遠めに見つめる兵達からは、口々に賞賛の言葉が聞こえる
全滅の憂き目を、たった一人で打ち消したのだから当然だろう
返り血を拭いながら歩く様を、エリスはただ呆然と眺めていた
その時抱いた感情は、昔から抱いた感情とは似て非なるものだと気付くまでには、まだ大分時間を要した
201[準級騎士の初恋は]:2010/01/07(木) 01:00:12 ID:S7xuK9ru
「ご苦労だった、エリス」

「ご苦労でした、エリス」
封印騎士団の総本山である大神殿の大広間にてエリスは石造りの床に片膝を突き、騎士団長オローと神官長セエレから賞賛の言葉を受けた
左に視線を向けると、今回の戦果の立役者であるユーリックが退屈そうにしている
そして右にはもう一人の立役者である竜の子、ノウェが………いるはずだったのだが、その姿は何処にも見えない
神殿警護の任に就いている兵から、先程蒼き竜が飛び立ったと言う報告があった
毎度お馴染みのサボりだ

「私には身に余るお言葉ですが……光栄です」
エリスは大仰な言葉を並べ、型式どおりに事を運ぶ
実際のところ今回の戦果にエリス自身は関与しておらず、辞退を進言したが指揮を執ったという建前がある以上仕方ないと説き伏せられて今に至る
賞賛を受けるべきはユーリックとノウェであって自分ではないと、エリスは心底思っていたが、そんなことは表情に出さない

「ユーリック、お前もご苦労だった……が、今後は無茶をしないようにな」

「申し訳ありません。生来猪突猛進なもので……きっと前世は猪か何かだった所為でしょうが」
口調はエリス同様大仰なものだが、返す言葉はいつもと同じくおどけたものだった
オローは溜息を、セエレは無邪気な笑みを浮かべた
背後にいる兵達は、笑いを堪えているのか漏れ出る息が数個聞こえる

「ならば仕方がないですね………ではオロー」

「………うむ。各々、今回の成果に過剰に満足せず、自己鍛錬を怠らないように。………では、これを以って閉幕とする」
程無くして戦果賞賛の儀は終了した
202名無しさん@ピンキー:2010/01/09(土) 01:11:01 ID:MnDLyfnB
>>断末魔氏
キッチリとしたエリスらしい心理描写で、相武沙紀の声で脳内再生された
「高嶺の花」とはまた違った恋愛に不器用なエリスで期待

竜啼氏が規制のためwiki更新。報告一覧のログ移動がよく判らなかったので放置
絵は保管しません。あのスペースに並んでたら恥ずかしさで氏にたくなる
それにしても山純はどのくらい認知度があるんだろうか、投下した後で気付いたが
203名無しさん@ピンキー:2010/01/10(日) 22:10:33 ID:wCi8aTqj
ドットうp
誰得感が凄かったのでちょっと手抜き
204名無しさん@ピンキー:2010/01/14(木) 00:43:51 ID:rwNUY2VP
竜啼氏規制とか
執筆中のアンヘル、カイムの分岐終えた後の最後の共通カイアン楽しみにしてるんだが
205名無しさん@ピンキー:2010/01/21(木) 00:53:55 ID:Kr8dFKV3
wiki1000hitオメ
206名無しさん@ピンキー:2010/01/21(木) 00:54:49 ID:Kr8dFKV3
桁一つ少なかったw
207[準級騎士の初恋は]:2010/01/21(木) 19:18:04 ID:TLN0zyNI
二週間放置……申し訳ありません
恐らく次回からエロに突入する予定です

それはそうと10000HITおめでとうございます
208[準級騎士の初恋は]:2010/01/21(木) 19:18:25 ID:TLN0zyNI
「ふぅ……俺もノウェと一緒にサボれば良かったな」

「……………はぁ」
騎士団長、神官長と退室し、大広間の緊張は一気に解けた
後列の兵から順に追って退室する様を眺めながら、ユーリックは気だるそうに呟いた
対しエリスは思わず溜息を漏らしてしまい、咳払いで誤魔化そうにも叶わなかった

「どうした? 今回の成果で上級昇格に一歩近付いたんだ、喜ぶべきだと思うが……?」

「………確かのそうですが、今回は私は何もしていませんわ」

「陣頭指揮を執ってりゃな、部下の功績はお前の功績になるのさ
 俺やノウェは半分命令違反してるわけだから、相殺どころか下手したら評価は下がってるんだぞ?」

「私ばかり……」
行き過ぎた謙遜を発揮するエリスの言葉を遮り、ユーリックは直ぐに言葉を続けた。

「良いじゃないか、俺もノウェも地位だの権力だのにはさして興味は無いんだ
 エリスの夢の実現の役に立てりゃ十分なのさ」
ユーリックの言う夢の実現───父代わりに育ててくれたオローへの恩返しである上位騎士の位の獲得
あと一歩で手が届くその夢だが、その一歩は果てしなく遠い
何故なら騎士の称号は一定数で限りがあり、今現在欠員はいない
上級騎士のほぼ全員が契約者という事実は、エリスにとって大きな壁

「それに、最初こそ反応が遅れたがその後の指揮に間違いは無かったぞ?
 女だからとか偏見言ってる能無し共も、今回は静かだったしな
 エリスなら、団長の後釜だって十分狙えるさ」
先程の砕けた様子は無く、ユーリックは真っ直ぐにエリスを見つめる
一頻り言い切った後、ユーリックは満面の笑みを浮かべた

「何かあったら言ってくれ
 薄給なんで、金の相談以外なら何でも相談にのってやれるから
 さて……嫌な予感もすることだし、団長から小言言われる前に撤収するかね」

エリスの視界には、兵を掻き分け歩み寄るオローの姿が見えたが、ユーリックはオローの手が肩に乗る前にそそくさと大広間から出て行ってしまった
209[準級騎士の初恋は]:2010/01/21(木) 19:24:08 ID:TLN0zyNI
「……そればかりは保障は出来んぞ?」

「機を見計らって頂ければ、俺はそれに合わせます」

「そうなるとお前が……」

「元々二重階級なんですよ? 俺なら降格させられて、入れ違いに昇格したあいつの部下になったとしても、それをとやかく言う奴等はいないでしょう?」

「………そうかもしれないが」

「そうでもしないと、落ち着きやしませんよ?エリスは」

「………善処しよう」

「宜しくお願いします、団長」
210[準級騎士の初恋は]:2010/01/21(木) 19:24:37 ID:TLN0zyNI
「あれは……?」
報告書を片手に、エリスは封印騎士団団長、オローの執務室へと急いでいた
功績を取り消して欲しいと嘆願する為に
執務室へと近付くにつれ、聞き慣れた声が僅かに聞こえた
何を話しているかまでは聞き取れないが、その声が誰であるかは直ぐ分かる

「団長とお兄ッ………!? ………ユーリック?」
考え事をしていた為か、エリスの口から不意に出た言葉は、本人が言わぬと誓った言葉だった
慌てて口を片手で覆い、周囲を見回しながら訂正する
人の気配はまるで無く、エリスはほっと胸を撫で下ろした。
古くから封印騎士団に籍を置く者たちにしてみれば、エリスとユーリックが兄妹のような関係であることは当然の様に周知の事実だ
非公式の場でないのならば、仮に兄と呼んでも意外に思う人間はそう居ないだろう
だが規律を重んじるエリスはそれを嫌い、正式な騎士団員となってからユーリックを“兄”と呼ぶ事は無かった

「…………ふぅ」
暫くの間、立ち止まったままで周囲に人の気配が無い事を再確認したエリスは、溜息を一つ吐き出すと歩き始めた
───最近の私は変だ。
先程の失態を繰り返し無くないエリスであったが、思考は外側よりも内側へ向けられ、再び答えを探そうと言葉を反復した
───兄と言ってもあくまで形式上は、だ
幾度か入り込んでいた思考の迷宮に、エリスは出口が無いのではと思っていた。
───血の繋がりは無いんだから
だが今、全く別の出口を見つけた
見つけてしまった
───血の繋がりは、無い。他人なんだ
知らぬ間に出来上がっていた、心の中の高い壁は意外にもあっさりと
───他………人?
崩れた
崩れてしまった
211[準級騎士の初恋は]:2010/01/21(木) 19:25:44 ID:TLN0zyNI
─────────────────────────────────────────────────────────────────────

「さて……さっさと部屋に戻って……ん? エリスか」
団長の部屋を出た俺は、軽く背伸びをするように肩を動かした
そして自分の部屋に戻ろうと歩き始めると、直ぐに視界に見知った顔が入った
先程まで団長と話していた事が再び頭の中を過ぎったが、悟られぬよう表情は一切変えない
そしていつもの調子で声を掛けたのだが、どうも様子がおかしい

「おい………?」
廊下に立ち尽くしたエリスは、視線を床に向けていた。
心なしか、いつもの気丈さが感じられない
周囲が薄暗い所為かとも思ったが、近付いていくうちにそれは違う事が良く分かった

「………お〜い?」
既に互いの距離は三歩程度にまで近付いている
しかしエリスは一向に俺に気付いていない
眼前で手を振ってもその状態は変わらず、その状態になって初めてエリスが何かを呟いている事に気付いた
212[準級騎士の初恋は]:2010/01/21(木) 19:26:15 ID:TLN0zyNI
「他人……なら……契り……結んで……」
どこか遠くから響いてきたドアの閉まる音で聞き取れなかったが、何かを繰り返し呟いている
表情も暗く、俺は思わずエリスの肩に手を置き、その身体を揺さぶった

「おい、エリス! 大丈夫か?」

「………えっ!? あっ………」
二三度揺さぶられ、漸く視線を俺に向けたエリスの頬は赤く染まっていた
そして呼吸も僅かに乱れていた

「調子が悪いようなら医者に行くぞ。言っとくが、変に誤魔化してたりしたら承知しないぞ」
そんなエリスの姿に不安感を抱いたせいか、俺は珍しく感情的に声を荒げていた
団長が廊下を覗く姿が用意に想像出来たが、今はそんな事はどうでも良かった

「あ………その………」
エリスも余程驚いたようで、言葉を詰まらせていた

「調子は悪いのか?」
鋭さが幾分薄れたエリスの眼差しに懐かしさを感じつつも、勢いのままに問いただす

「体調、は、悪くないけど………」

「………熱は無いな」
ゆっくりとした口調で答えるエリスに煩わしさを感じた俺は、無意識のうちにエリスに額に手を伸ばして体温の具合を確かめた

「あっ………」
何か言いたげなエリスだったが、幸いにも嫌がる素振り無かった

「………何か悩みがあるなら、相談ぐらいには乗れるからな?」
この場で問い質したい衝動を抑えた俺は、ようやくいつもの調子を取り戻しエリスに触れていた手を離した

「………………」
エリスはやはり何か言いたげにしていたが、うまく言葉に出来ないのか唇を僅かに動かしている

「………別に俺じゃなくても良い、団長だって喜んで相談に乗ってくれるはずだ」
もう年齢的にも精神的にも独立した大人であるエリスに、あまり過保護になるまいと決めていた俺は、そのまま脇をすり抜けて自室へと戻ろうとした
しかしそんな俺の背中に、小さな声でエリスが呟いた

「後で………お部屋に行っても良い………?」

「………あぁ、待ってる」
消え去りそうなその声に、振り返りたい衝動に駆られたがそれをぐっとこらえ、後ろ手に二三度手を振りながら、俺は自室へと向かい歩き始めた


─────────────────────────────────────────────────────────────────────
213名無しさん@ピンキー:2010/01/23(土) 23:57:08 ID:mrrI0EIX
>>断末魔氏
更新してくれるだけでも嬉しいよー
ユーリック男前過ぎる。エリス(とヤハ)が惚れるのもうなずける

ゲーム雑誌に、別視点から見た草原の竜騎槍のウエポンストーリーが載ってるらしいね
雑誌のほうはまだ見てないが、氏の草原の竜騎士はやっぱりいいな!
214名無しさん@ピンキー:2010/01/24(日) 00:10:14 ID:pJ2OBTFj
はじめましてなんだが投稿してもいいかい?

カイアンでエロパロ書いてみたが投下するところがなくて
ダメ元で探してみたらDOD単独スレがあったことに感動したんだ
215名無しさん@ピンキー:2010/01/24(日) 01:06:17 ID:jy3jW0B6
>>214
ぜひ頼むよ
カイアンは幾らあっても足らない
216名無しさん@ピンキー:2010/01/24(日) 07:29:57 ID:20CdMg64
>>214
そうなのか。ありがとう
仕事から帰って来たらうpするわ
217214:2010/01/24(日) 21:45:06 ID:pJ2OBTFj
投下します。カイアンで2の死んだ後の話
あんまエロくなかったらすまん。
あとレスアンカーとかいろいろ変ですまんかった。携帯はダメだorz
218「EDEN」:2010/01/24(日) 21:47:04 ID:pJ2OBTFj
日の落ちた世界は、漆黒の闇に包まれていた。
しかしそこには、血の臭いが漂う腐った瘴気は無い。
慣れない体には突き刺さる程に、澄み渡った空気があった。

夜が支配する空には、どこまでも黒い色が広がっていた。
しかしそこには、どす黒く汚れた雲や不気味な咆哮を上げる黒い影はない。
小さな星の明かりが、漆黒の世界を照らして一面に散らばっている。

立ちすくんでいたのは、岩山のような場所だった。
よくは見えないが、足元と背後に広がるのは固く冷たい岩だと分かる。
夜空の下には、あるはずの地表が見えない。
代わりに灰色の霧が、一面を覆いつくしていた。

そこは、とりわけ美しいわけでも、おぞましいわけでもない
ただ、どこまでも透明で、穢れの無い世界だった。
そこは、生きている頃に散々聞かされてきた死後の世界の
どちらにも属さない世界だった。


「何を呆けているのだ、カイムよ」
背後から、爪が岩を削る音と共に低い声が聞こえる。
振り返り様、暗闇の中ではっきりと見えたのは視界の全てを染める、赤。

「考えていた。……此処は天国か、地獄か」
問いかけに答え、カイムは声のする方へ歩み寄る。
近くなった赤は、見慣れた顔に形を変えた。

視界を埋める程に巨大な赤き竜は、笑い声を漏らす。

「死を迎えて詩人の心でも悟ったか」
「死を迎えたのはお互い様だ」
つられるようにカイムは笑みを浮かべ、赤き竜の顔へ手を伸ばした。

「それでおぬしは、此処をどちらだと考えた」
「たった今、結論が出た。――何処でもいい、と」
長い顔を小さな手に寄せ問いかける赤き竜に、カイムは一言答える。
「滑稽な話だ。どちらなのかと考えておきながら、何処でもいいとは」
怪訝そうな声に、カイムは黙って赤き竜の頬を撫でる。

「此処には、何も無い。絵にも描けぬ花園も、魂を焼き尽くす苦しみの業火も。
 ……おそらく、どちらにも行けなかったんだ、俺達は」
とつとつと紡がれる言葉を辿り、赤き竜は双眸を向ける。
視線の先には、何処か楽しそうに笑うカイムがあった。
「どちらにも行けなかったが、何もない世界だが、――此処には、お前が在る。
 お前がこうして、俺の目の前に在る。それなら、此処が何処であろうと
 どうでもいい。――そう考えた」
「……何を悟ったか知らぬが、饒舌になったものだな、カイムよ」
唸り声を響かせ、手から顔を離し、赤き竜は不機嫌そうに双眸を歪めた。
「お互いが死んだ今、契約はもはや意味を為さないようだからな」
そうカイムは、自らの声を以って言葉を伝える。

赤き竜は面白くなさそうに顔をもたげ、一度両翼を羽ばたかせ岩場へ座り込んだ。
吐き出された長い息は、轟きとなって岩山を滑り落ちていく。

「此処は岩ばかりだな。身体が冷えて仕方がない」

そんな呟きと視線を向けられ、カイムはもう一度笑みを浮かべると
身を丸める赤き竜の傍へ腰を下ろした。
219「EDEN」:2010/01/24(日) 21:48:45 ID:pJ2OBTFj
いつの間にか、赤と黒しか見えなかった世界は
知らぬ間に現れた小さな月によって
霧に包まれた地表と、岩場に明かりをもたらしていた。

「封印の痕は、残ってしまったな」
赤い肌に月明かりで浮かんだ黒い呪詛に触れ、カイムが呟く。
あの封印がもたらした苦痛に満ちた呻き声と、自我を無くし暴走する姿を
思い出すと、心臓が押し潰されるような痛みを覚えた。
 
指が痕をなぞると、赤き竜の喉から小さく音が漏れた。
「まだ痛むのか」
「……いや、痛みはもうない」
咄嗟に手を離したカイムに、赤き竜は首を振る。
否定はされたが、あの時の咆哮が脳裏に蘇って、それ以上動けなくなった。

「何を恐れている馬鹿者。痛みは無いと言っているだろう。
 ――それに、我はまだ温まらぬぞ」
再び不機嫌そうに歪む双眸を向けられ、カイムは軽く溜息をつき手を伸ばす。
痕を避けて撫でられる感触に、赤き竜は心地良さそうに目を閉じた。

「おぬしの手は、不思議なものだな。我の爪先にも及ばぬ程小さいのに
冷えきった我の身体を十分に温めてくれる」
うわ言のような呟きは、肌を撫でる手の動きを止めた。
生きていた頃には決して聞けなかったであろう言葉と、
自らよりも遥かに小さいこの体へ身を寄せる様子に、感情が溢れ出す。

「アンヘル」
「何だ、カイムよ」
「契約は意味を成さなくなったが――これからも、俺と共にいてくれるか」
「――。何を言い出すかと思えば」
一度だけ鼻で笑い、赤き竜アンヘルは首を起こした。
持ち上げられた頭はカイムの目の前で止まり、僅かだが目が細められる。

「おぬしが燃え尽きる前、我に何と答えたか……忘れたとは言わせぬぞ」
脅かすように唸ってみせるアンヘルに、カイムは可笑しくなって小さく笑った。
「忘れる理由がない。――だから俺には、此処が何処であろうと関係ない」 
「ならば、我がおぬしの問いかけにどう答えるか、分かるな」
「それは、俺の思うように捉えていいということか?」
「減らず口を叩くな。その舌、噛み切ってくれようか」
そう低い声がしたかと思うと、突然アンヘルの顔が迫ってきて
口を塞がれる感覚に襲われた。
驚く間も無く、舌上を何かが這う感触を覚え、アンヘルの顔は離れていく。

「――おぬしにも、痕は残ったようだな」
そう呟いたアンヘルが顔を逸らして、ようやくカイムは
何をされたのか理解して、這われた箇所に残る自分の痕を知った。

「……お前、何を」
「……我が、“人間のやり方”で知っているのは、これだけだ」
それだけ言って、アンヘルは岩の隙間に顔を埋めて動かなくなる。

初めて求められた先の箇所へ触れ、これが夢幻でない事を確認し
カイムは岩陰へ隠れたアンヘルへ、先程よりも深く身を寄せた。

「アンヘル。これからは永久に、俺達は共に在ろう」
「……それ以上口を開くなら本当に噛み千切ってやるぞ、馬鹿者が」
しつこく続くそれは、本来ならば忌々しささえ覚える軽口だったが
再び生まれた、肌を撫でる温もりと、聞き心地の良い声と共に受け入れると
何故か心地が良かった。
220「EDEN」:2010/01/24(日) 21:50:35 ID:pJ2OBTFj
肌を撫でる手は、再び封印の痕に触れた。
今度は意図的になぞられ、喉から再び音が漏れる。
その反応が何を意味するのか理解したカイムは、何処か楽しそうに
痕を辿って首筋へと指を進める。

「……もう良い。十分に温まった。もう痕に触れるな」
「何故だ。痛みは無いんだろう」
「痛みは無いが、疼くのだ。――おぬしが触れると」
そう答えて細く息を吐き出したアンヘルは、ようやくカイムへ顔を向ける。
愛しいそれに手を伸ばし、カイムは己を求めてきた口元へ唇を寄せた。

「それは、不快なものか」
「……不快、ではないが、心が騒ぐ。身体が、温まるどころか熱くなる。
……こんな感覚は、初めてだ」
口調に何ら変わりは無かったが、声には明らかに戸惑いが見えた。
満足そうに笑い、カイムは首筋の痕を軽く撫でる。

「不快ではないなら、続けるぞ」
「……何故続けたがるのだ。もう良いと言っておるだろう」
「これが“人間のやり方”というやつだ」
そう言ってカイムは、もう一度アンヘルへ口付ける。
唇はそのまま首筋へ移り、柔々と痕とその周りを食んでいく。

喉から漏れる小さな音は、次第に声へと形成されていく。
端から聞けば猛獣の唸り声に聞こえるそれは、カイムの耳には
愛しい相手が、初めて味わう快楽に侵される声として届く。

どんな刀剣でも傷一つ付けられない強靭な肌が、この唇の感触を受け入れて
巨体を悶えさせている事実は、ひたすら情欲を煽った。

「カイム、――カイム」
低い声が、欲するように名を呼ぶ。吐き出される息は、僅かに震える。
それが、たまらなく愛しい。

「……ドラゴンは首が弱点だという話があるが、どうやら本当らしい」
「また減らず口を……おぬし、今度こそ二度と口を聞けぬようにされたいか」
「契約が無くなって、ようやくお前の名をこの口で呼べるようになったんだ。
 出来れば、それだけは遠慮願いたい」
そんな言い方をされ、アンヘルはグウ、と小さく唸り声を上げる。
生きていた頃――血と本能に従順だった頃とは、まるで程遠いその様子が
嬉しくて仕方が無かった。

愛しき相手への愛撫は、情欲を煽られるごとにより深くなっていく。
岩場へ響いては消えていく咆哮は、より艶かしい喘ぎとなって耳に届く。

熱と快楽に支配された身体は、何処へ触れても良い反応を見せるようになった。
痕を食んでいた唇は、今は翼の付け根へ移り舌を這わせる。
手よりも熱いものが、とりわけ皮膚の薄い箇所を這う感触は
猛獣の唸り声の合間に、鳥の鳴くような細い声を生み出した。
それは全てカイムへ届き、身と心を昂ぶらせた。
221「EDEN」:2010/01/24(日) 21:51:55 ID:pJ2OBTFj
「カイムよ……、我への……我への“やり方”は、もう良い」

荒くなった呼吸の中で、アンヘルは突然翼を振り上げカイムを振り払った。
突然の行動に驚いて顔を上げた先にあったものは、熱を帯びまどろむ双眸で
こちらを見つめるアンヘルの表情。
妖艶とさえ思えるそれに、息を呑む。

「今度は……おぬしの番だ」
そう呟くとアンヘルは、突然カイムの腹へ顔を押し付けてきた。
驚いた矢先、硬い口先が昂ぶっていた自身に触れ、思わず身を震わせる。

「“人間のやり方”は知らぬが……おぬしも雄である事に違いは無い。
 雄とのやり方ならば、我も心得ておる」
立場を翻した事が楽しいのか、くつくつと笑い声を漏らし
アンヘルは顔を上げ、先程まで己を愛撫していた口元を舐め上げる。

「……良いのか」
「我ばかりを、あのような目に遭わせて済むと思うな」
忌々しげに呟かれた言葉だったが、艶を帯びた声は愛しい相手を欲していた。
そんな感情を隠そうともせずに伝えてくるアンヘルに
カイムは頬を一度撫でて喜びを示した。


相手を欲する半身は、同じく相手を欲する箇所へ、いとも容易く飲み込まれた。
二つの身体が繋がり、二つの声が混ざり合って、岩場へ響く。

「アンヘル、――アンヘル」
心地良い声が、何度も名を呼ぶ。
体の中で蠢くカイムの半身は、この身を焦がすのではないかと思う程に
この身を溶かしてしまうのではないかと思う程に、熱い。

「カイム……其処に……触れるな……」
「……何故嫌がる。こんなにも悦んでいるというのに」
腹部に浮かんだ封印の痕へ這わせた手と、アンヘルの顔を見比べ、
カイムは荒い呼吸の中で笑った。
「これの何処がよろこびだ……おぬしが触れると、身体が熱くて、熱くて
 心が騒いで五月蝿い……それでも我の身体は、心は、おぬしを求めて止まない
 ……何なのだ、これは」
「それを人間は“悦ぶ”と言う。……そして、俺もお前と同じだ」
細い声と低い声を混ぜて喘ぐ中、途切れ途切れに不安を紡ぐアンヘルに
カイムはそう答えて愛撫を続ける。
出てくるものはもはや、子竜の鳴き声のようにか細い声だけだった。

不安に満ちた赤き竜の思考は、与えられる熱と快楽に飲み込まれて
ひたすら愛しい人間を欲するだけとなった。
心の片隅で望んでいた姿に、声に、枷の外れた情欲を駆られ
人間はより深く、愛しい赤き竜を愛す。


死に際に交わした言葉の通り、共に果てたのは
月が天頂高く上る頃だった。
222「EDEN」:2010/01/24(日) 21:53:01 ID:pJ2OBTFj
微かな風が身体を冷やす夜空の下、アンヘルは首を持ち上げる。

澄んだ空気を吸い込み、白い霧と星空を眺め、身体に残る熱を確認すると
自嘲混じりの笑い声を漏らした。

「――我も、堕ちたものだな」
人間の手で、人間を相手に、人間のように、あのような戯れを。
生きている頃ならば、血と本能が絶対に許さなかったであろう。
それこそ生きる事さえ耐え難い、屈辱であっただろう。

だからこそ、自嘲した。
それを受け入れるどころか、自ら欲した己の心に。
人間を求めた、ドラゴンである己に。

「それもこれも全て、おぬしの所為だ。――カイムよ」
忌々しげな言葉と共に向けられた視線の先には、片翼の下で身を寄せ
眠りこけている人間が一人。
眠っていても尚離さない手は、まだ封印の痕の上にある。

そして、思った。
あれ程に己を狂わせ、苦痛と憎悪を与えたこの痕が身体に残っていても
不思議とあの時の絶望を思い出さず、不快な思いにならないのは
死に際まで求め続けた、優しく暖かい手が、触れてくれたからだと。
それ程までに己は、カイムを深く求めていたのだと。


「我から全てを奪った代償だ。――これからも、我と共に在れ」
「――ああ、永久に在ろう。共に」

枕元で語りかける独り言を、愛しい声が受け止める。


これが『幸せ』というものなのかと、二つの心が知って
この『幸せ』というものが永久に続く事を、二つの心が願った。
223214:2010/01/24(日) 21:55:09 ID:pJ2OBTFj
以上、長文スマン
もうカイムとアンヘルはあの世で思う存分イチャついてればいいと思うんだ
投下できて良かったよ
224名無しさん@ピンキー:2010/01/24(日) 23:59:22 ID:jy3jW0B6
>>ID:pJ2OBTFj氏
こちらこそ投下してくれてありがとう

>どんな刀剣でも傷一つ付けられない強靭な肌が、この唇の感触を受け入れて
>巨体を悶えさせている事実は、ひたすら情欲を煽った。
こういう文章に弱いのできゅーんとした。色んな所が。
直接的な描写はなくてもそれに代わる言葉で想像させてエロかった
225名無しさん@ピンキー:2010/01/27(水) 18:59:25 ID:7APSRwFc
なんかあれだな
wikiの閲覧数に対しての感想が少ないね
226 ◆Ub.tayqwkM :2010/01/28(木) 12:47:56 ID:wrxhV04O
規制解除の噂を聞いて
携帯だけかも知らんがテストカキコ

アクセス数と感想がわりあってないのは
多分本スレの人達や直リンの人達かと
227名無しさん@ピンキー:2010/01/28(木) 22:16:15 ID:ciqdbink
>>竜啼氏
解除オメー待ってたよ

>>225
一定時間おきにF5押してる俺みたいな奴もいるかもしれないし
228 ◆Ub.tayqwkM :2010/01/28(木) 22:34:47 ID:wrxhV04O
水差すようで悪いんだが
二重アクセスは防止してますぜ兄さん

とりあえずちらりと落としてみます
229 ◆Ub.tayqwkM :2010/01/28(木) 22:38:02 ID:wrxhV04O
−−−・・・一体どうすればいいんだ

冷水で身体を冷したものの現状は全く変わっておらず、
ガシガシとタオルで水気を拭き取りながら自分のテントへと戻る。
そして、そのままタオルを投げ捨てると襲ってきた倦怠感と共に寝床へと倒れこんだ。

−−−こんな事を・・するのは・・・どうせ・・禿・・・血祭・・・

横になったカイムは物騒な事を呟きつつ息を吐き出し、
その眼は段々と虚ろになっていく、そのうちに重くなった瞼をゆっくりと閉じた・・・。





−−−・・・?

なにやらゴソゴソとテントの入り口から聞こえ、物音で目を覚ます
手元にある剣へ手をかけると、入り口の戸をさっと引き開けた。
230竜啼 ◆Ub.tayqwkM :2010/01/28(木) 22:39:52 ID:wrxhV04O
携帯でもパソコンからメールですれば問題ないな
とりあえず、仕事の合間にやってるもんで
もう少し待ってくださいなー
ちなみにパソコンは未だ規制中です
231名無しさん@ピンキー:2010/01/30(土) 01:47:22 ID:QzsQq6xl
>>竜啼氏
久々の投下嬉しいな
>禿・・・血祭・・・
即効特定処置即決フイタ
次は誰が来たんだろうな、今からwktk
232名無しさん@ピンキー:2010/02/01(月) 19:53:15 ID:EG82Ppzu
なあ、雪降ってるぜ?、
まさか、新宿にドラゴンがやってくるんじゃないか?
早く東京タワー解体しないとヤバいよ。

ヤンデレアンヘルってよくね?
233名無しさん@ピンキー:2010/02/01(月) 20:26:47 ID:GaMQjfwv
Cエンドのアンヘルはカイムラブなのと本能の葛藤でヤンデレってるに違いない
以前投下されたSS「赤竜の宝杖」みたいに死体を食べるだろうし

ってことでCエンドのカイムもアンヘルの角とか心臓とか目玉とか食べるなり持ち歩くなりすればいいと思うんだ
234名無しさん@ピンキー:2010/02/02(火) 00:19:09 ID:/+Pzprj4
アリオーシュ「………………………………………」
235名無しさん@ピンキー:2010/02/02(火) 00:53:26 ID:4m2BngvJ
>>232
雪で凍えるアンヘルタンを暖めてあげたい

ドットうp
途中でアドバイスしてくれたドラスレ住人ありがとう
236名無しさん@ピンキー:2010/02/07(日) 16:01:35 ID:fIb6ZV+9
もうすぐできるであろう新東京タワーは赤くなくて良いな。
多分カイムも新宿ED繰り返しただろうし、もう刺さるようなことはないだろ。
ヤンデレカイアン!カイムもアンヘルも病めば良いよハアハア( ゚谷゚)

ところで、エンジェレグナの「以前婚約していた」って「今は結婚してる」ってことだろ?
うひょーん
237名無しさん@ピンキー:2010/02/08(月) 23:48:14 ID:ldiNEcef
>>236
キャビアの新作ニーアにはTokyoってBGMがあり、
赤い塔のてっぺんに謎の巨大生物が刺さってて大剣が落ちてるんじゃないかってもっぱらの噂だよ・・・

>ところで、エンジェレグナの「以前婚約していた」って「今は結婚してる」ってことだろ?
その発想はなかった
238名無しさん@ピンキー:2010/02/10(水) 03:14:09 ID:1YGuxwKJ
また規制か、大規模規制は終わったはずでは!?
239名無しさん@ピンキー:2010/02/11(木) 02:26:24 ID:Bwty2glY
竜啼氏の次回投下が予告されてただけに規制は残念

・・・ところでうpロダのキリ番プレゼントってDLされてないよね?
カウンタ12222(カイム+フリアエ沢山=Bエンド)をキリ番ってことで、踏んだ人に配布してくれないかな
240名無しさん@ピンキー:2010/02/12(金) 22:28:48 ID:ULs0zifm
キリ番設定ありがとう!
ところでキリ番踏んだときにDLキーってどこに出るの?
241名無しさん@ピンキー:2010/02/13(土) 10:47:38 ID:1heYvbo3
>>237
ギャアアアア!マジ...?アンヘルの代わり身の術だと祈ってる

誰か熟年夫婦エンジェレ書く職人おらんかの
242 ◆Ub.tayqwkM :2010/02/16(火) 16:37:19 ID:SnfRlvyo
解除っぽい?とりあえずキリ番踏まれたけど
部外者(広告宣伝サイト関係者等)が踏んだ場合
DLされないのもったいないから
踏まれてから3日間DL無かったら普通に配布する

明け方になるが明朝今のままならまた来る
243名無しさん@ピンキー:2010/02/17(水) 00:08:49 ID:UyNoGF1S
踏めなかったなぁ、折角のBエンドキリ番だったのに
しかし5桁だと色々妄想できそうだな。19540(カイム+アンヘル+ハゲ+マナ+紋章)でAエンドとか。

>>242
またDLなしか・・・と思ってたので嬉しいな
244 ◆Ub.tayqwkM :2010/02/21(日) 06:41:50 ID:1aOh2qTA
ふぅ、ようやく忙しさも落ち着いた
PCから出来れば早いんだが携帯から何で手間がかかってしまってorz

とりあえず、投下します
時系列と設定等おかしいのは妄想補完でお願いします
245 ◆Ub.tayqwkM :2010/02/21(日) 06:45:28 ID:1aOh2qTA
「きゃっ・・・」

行き成り開くとは思わなかったのか甲高い女性の声とともに何かが転がってくる。
その白い塊が天幕へと転がってくると、それはうめき声を上げながら腰を擦っていた。
しかし、行き成り開けられて一番驚いたのは、その女性でもなんでもなく他ならぬカイムであった。

−−−お、まえは・・・何故こんなところに?・・・

「あいたたた・・・兄さん・・・会いたかった」

未だに驚きを隠せないカイムだが、当の本人であるフリアエはお構い無しにカイムへと笑いかける。
それはフリアエだった。
246 ◆Ub.tayqwkM :2010/02/21(日) 06:48:18 ID:1aOh2qTA
しかし、この僻地の、それも戦場に一番近いこの場所に・・・。

−−−天使の教会に攫われた筈だ。何故、ここに居る?

「兄さんの為に抜け出してきたの・・・」

確かに、人の道を外れたカイムであっても兄妹であるフリアエに会いたくなかった訳ではない。
それでも染み付いた警戒心は抜けず、剣を納めた今でもフリアエを見る眼は疑心暗鬼である。
ふと、その瞬間、フリアエの影が揺らぐ、次に見た時は異常は無かった。
が、しかし、一瞬見た物を"見間違い"で済ませられるほどカイムは抜けてはいない。
一度視線を逸らすと、再びフリアエへ鞘をつけたままの剣を向けると言った。

−−−お前はフリアエではない。

「いいえ、フリアエよ。服も、声も、身体も、頭髪の一つ一つに至るまで、
 フリアエのそれとは、全く変わらないわ・・・。」

開き直るように言い切るフリアエに戸惑うカイムだが、素振りに表すことも無く
自分に言い聞かせるように、それを行動に移そうと言い放つ・・・。

−−−だが、お前は違う、お前は幻術のまぼr・・

「それ以上言っては駄目、兄さんに会いたかった。
 この気持ちは嘘じゃない、それを言ってしまうと夢から醒めてしまう」

そう言ってフリアエは剣の切っ先をそっと押し下げ、カイムの唇へと指を当てた。
迫ってくる兄妹の容姿を問答無用で叩き切れれば、それで済んだのだろう。
しかし、容姿、声、全てが兄妹と同一な存在を切る事が出来るほど、冷たくは無かった。
247 ◆Ub.tayqwkM :2010/02/21(日) 06:49:17 ID:1aOh2qTA
とりあえず、ここまで
コピペするだけでも携帯は一苦労です
(´・ω・`)
248名無しさん@ピンキー:2010/02/22(月) 01:42:13 ID:lag6p+3W
>>竜啼氏
キリ番のtxtいただきました。
しかしこの内容だと、ますますキリ番踏みたかったなー

まさかのフリアエ・・・だと?
カイフリなんて久しぶりじゃないか
249名無しさん@ピンキー:2010/02/23(火) 22:34:07 ID:Ct07SSww
断末魔氏…暫く投下無いけど大丈夫なのだろうか…。
250名無しさん@ピンキー:2010/02/28(日) 00:27:09 ID:Ys+2eFaW
書き込みやら感想やら頻繁にしてスレを盛り上げるのが一番なんだよね
落書きでもいいから絵とか妄想とか書いてくれよ!
251名無しさん@ピンキー:2010/03/01(月) 05:54:37 ID:NGgTJ20g
>>249
座して待つ。
それしかない。
252名無しさん@ピンキー:2010/03/02(火) 23:38:13 ID:SQm7FEE9
uooo
竜啼氏、エンジェレ絵ありがとおお
253 ◆Ub.tayqwkM :2010/03/03(水) 00:19:35 ID:Vz3hD5fl
おっ、復活してる
シャーペンと4色ボールペンしかなかった
ってか顔書き忘れてたorz
254名無しさん@ピンキー:2010/03/05(金) 20:00:22 ID:f4HOL9WC
断末魔氏の復活を希望

絵をDLしたけど>>236-237>>250の書き込みを見てのエンジェレかな?
だとしたら竜啼氏才能マルチすぎる

1367
255 ◆Ub.tayqwkM :2010/03/06(土) 23:31:44 ID:Szd34CnP
PC規制解除したっぽい
これで完全に復活ってところだけど、
年度末で少し忙しかったり・・・orz
256名無しさん@ピンキー:2010/03/08(月) 00:04:55 ID:0N/EYaWO
規制解除オメ
続きはゆっくりでいいさー
257[準級騎士の初恋は]:2010/03/12(金) 21:47:31 ID:L7rZhbX6
ようやく復活出来たかもしれません
時間を置き過ぎてグダグダになってしまったので、シーン無しのぶつ切りで終演といたします
勝手を言って申し訳ない……
258[準級騎士の初恋は]:2010/03/12(金) 21:48:09 ID:L7rZhbX6
─────────────────────────────────────────────────────────────────────


エリスは自分の思考が何故困惑していたのか、一応の区切りを見つけた
それを認めて初めて、素直になれると思った

「エリス………です………」

「開いてるぜ」
力無く打たれたノックに、室内から待ち構えていたのか、直ぐに返事が聞こえる
恐る恐る開けれた扉から現れたエリスに、ユーリックは一瞬戸惑った
いつもの凛とした雰囲気が全く感じられない
それどころか、歩き方一つ見ても自分に自信の無い少女の様

「………どうした?」
その驚きを取り合えず己の中で噛み潰せたユーリックは、質素なテーブルを挟み、向かい合う椅子に座るよう手で促がした
ユーリックとその手、そして示された椅子とを見比べ、漸く腰を下ろした

「い、いえ……」

───様子がどうにもおかしい
そう心の中で呟いたユーリックは、視線をエリスへと向けた
いつもならがっちりと合うはずの視線が無い
テーブル、自分の手、床と、忙しなく動くエリスの視線だが、一度もユーリックの顔を見ようとはしない

───こんなことは今まで一度も……
少なくとも、長槍を手に鎧を纏うようになってからは一度も無いはずだ

「………………」
考えを巡らせるが、そんなエリスに掛ける言葉が見つからず、ユーリックは沈黙してしまった
しかしユーリックの様子に気付けるほどの余裕の無いエリスは、俯いたまま
暫くそのまま時間が過ぎていったが、その沈黙を破ったのは俯いたままのエリスだった


─────────────────────────────────────────────────────────────────────
259[準級騎士の初恋は]:2010/03/12(金) 21:48:30 ID:L7rZhbX6
「私は……分からなくなってきたんです」
意を決したのか、エリスは普段の凛とした雰囲気を多少を取り戻した

「自分が何者であるのか……」

「………豪く哲学的だな」
エリスの言葉に若干の違和感を感じながらも、ユーリックは言葉を返した

「エリスはエリスさ」

「そうではなくて……その……」

「………?」
言葉を捜すエリスは再び視線をユーリックから外したが、直ぐに戻した

「……私は……何をする為に今、こうしているのでしょうか……?」

「………………目的、か? 俺なんかは惰性で生きてるからな……」
その問いに、ユーリックは腕を組み思考を巡らせた
エリスがこうして、封印騎士団の一員として生きる理由
最初は単純明快に“選択の余地が無かった”だけだった
“貴族の気まぐれ”などと揶揄する者もいるが、オローにその身を預かられた理由を、エリスは語ろうとしない
もしその理由を聞いた者がいたとしたならば、百人が百人“貴族の気まぐれ”などの戯言を言う事は無くなるだろう
そしていまや準級騎士の筆頭にいる
羨望の眼差しを受け、蔑むような者はもういない

次に見つけた理由は、不器用ながらも“父”として愛情を注いでくれたオロー団長への恩返し
準級騎士まで上り詰めれば十二分だろう
各地に配置される騎士の位が理想であっても、補佐に回れる事を考えれば準級騎士が一番妥当かもしれない
すなわち、この理由もほぼ達成している

「………………エリス、ちょっと目を閉じてみてくれ」
思い付く限りの理由はどれも納得できる代物ではなく、ユーリックはそれをエリスから引き出すことにした

「………………?」

「特に何か考える必要は無い。そのまま何も考えずにいてくれ」

「………………」
ユーリックの言葉に疑問符を浮かべながらも、エリスは瞳を閉じた
何も考えるなと言われて、全くの無を考えられる人間はそう居ない
現にエリスも、目蓋の裏にとある人物が浮んで見える
それはもう当然であり、必然であった

「もう良いだろう。目、開けてくれ」

「いったいこれは………」
目蓋の裏に居座る本人を前にやや恐縮しながら、エリスは意味を求めて言葉を返した
そしてその答えに、自らの本心を再確認した

「いま思い浮かんだ物だったり人だったり……まぁそれがエリスが、一番大事だと思うものだ」
ユーリックのその言葉に、エリスは自分の感情を再確認した
そしてそれを行動に移そうと、心に決めた

「“それ”の為に生きれば良いんじゃないか?」
ユーリックはいつもと変わらぬ笑みを浮かべ、そうエリスに伝えた
260[準級騎士の初恋は]:2010/03/12(金) 21:49:09 ID:L7rZhbX6
─────────────────────────────────────────────────────────────────────

思えば何度もこの笑みに助けられた
幼き日、孤児紛いと揶揄された時は、妹だと言ってくれた
年下のノウェに初めて剣術で負かされた時は、非力なエリスには槍術の方が良いと言ってくれた
初めて血を流し女になった時は、子を生せる素晴らしさを優しく説いてくれた

「ありがとう……ございます」
あぁ……そうだ、この人が居たからだ
今まで生きてこれたのも
女の身で、準級騎士にまで上り詰めたのもこの人がそこに居たから

「………一つお願いがあります」
深々と頭を下げ、先ずは礼の言葉を口にする
見出した路を照らしてくれたその言葉に感謝し、歯止めの利かない衝動を満たそうと行動を開始する
私のささやかな願いを断られる筈が無い
分かっていて敢えて“お願い”するのは幾分意地の悪い気がするが、一回ぐらい許してくれる筈だ
何故ならこの人は、私のお兄ちゃんなのだから

─────────────────────────────────────────────────────────────────────
261[準級騎士の初恋は]:2010/03/12(金) 21:49:30 ID:L7rZhbX6
「目を閉じてもらえませんか?」
その言葉は唐突だった

「あぁ……構わないが……」
ユーリックは自らが言った言葉が、そのまま返された事に驚きつつも従った
閉じた目蓋の裏には、少女の幼き頃の笑顔が見えた
無邪気に笑い、兄と慕ってくれたその少女は、自己確立を出来ないと相談にやってきた
昔に見たどこか自信無さげの様相を懐かしくも思ったが、やはりあの笑顔が一番少女らしい
そんな事を考えていると、不意に頭が揺れた
揺れたというより押されたと言った方が正しい
何なんだと目蓋を開けると、そこには栗色の髪と白い肌が見えた
それが、目蓋の裏に見た少女である事に気付くまでには、幾分時間が掛かった
幼き日と同じ笑みを浮かべ、はにかみながら離れる少女、エリスの顔を見るまで呆けてしまっていた
唇には僅かに暖かさが残り、柔らかな感触が遅れてやってきた

「………んな」

「……では、私はこれで失礼しますね?」
呆然とする他無いユーリックを差し置いて、エリスは微笑を浮かべながら背筋を伸ばした
スラリとした立ち姿は気丈さを取り戻した事を物語り、真っ直ぐな瞳からは迷いの影が消えていた

「おやすみなさい、お兄ちゃん」
しかし全てが変わったわけではない
以前の様に、見据える相手を射抜くような眼光は無く、表情もどこか柔らかい

「お……おいエリス?」
数秒後に漸く我に返ったユーリックは、ドアに向かったエリスの背中に慌てて声を掛けた
何を問うかなど考えてはいないが、このまま帰られると眠れぬ夜を迎える事になってしまう

「なんですか?」
振り返ったエリスの煌びやかまでの笑顔に、ユーリックは言葉を失った

「い、いや……また明日、な……」

「はい。また明日……」
そしてドアはあっさりと閉じた
鼻歌交じりに遠ざかる足音を聞きながら、ユーリックは自分の頬を抓ってみた

「……普通に痛いな」
262[準級騎士の初恋は]:2010/03/12(金) 21:50:11 ID:L7rZhbX6
数週間後、強面で知られる騎士団長オローが、唐突に何かを思い出したような笑みを浮かべていた姿が、多くの兵に目撃された
その理由が明らかになった日、大神殿を使っての“式典”が、オローの独断にて開催された
封印騎士団に属する者全てに強制参加の旨が通知され、それは盛大なものとなった

拍手喝采に包み込まれ、多くの人間に囲まれ幸せそうに微笑む少女に対し、横に立ち尽くす青年は未だに要領を得ていない顔をしていた

『汝は、この男を夫とし、良き時も悪き時も、富める時も貧しき時も、病める時も健やかなる時も、共に歩み、他の者に依らず、死が二人を分かつまで、愛を誓い、夫を想い、夫のみに添うことを、神聖なる婚姻の“契約”のもとに、誓いますか?』

「……誓います」

『汝は、この女を妻とし、良き時も悪き時も、富める時も貧しき時も、病める時も健やかなる時も、共に歩み、他の者に依らず、死が二人を分かつまで、愛を誓い、妻を想い、妻のみに添うことを、神聖なる婚姻の“契約”のもとに、誓いますか?』

「……誓います」

婚姻と併せ、“明命”の騎士の称号を得た鬼娘は、幾分丸くなったとの事だが、真実はたった一人の男しか知りえない
263[準級騎士の初恋は]:2010/03/12(金) 21:52:26 ID:L7rZhbX6
以上です
にしてもこれはヒドイ……
因みに 準級騎士<上級騎士<各直轄区の名称を冠する騎士
となっているはずです……
264名無しさん@ピンキー:2010/03/13(土) 02:42:11 ID:MM4GuQp7
結婚まで純潔を保つとはなんともエリスらしい
>「いま思い浮かんだ物だったり人だったり……まぁそれがエリスが、一番大事だと思うものだ」
格好良いなアニキ!年上の男の余裕とかエリスの悩みを聞きだそうとはせずに
目をつむらせる事で「答えは自分で出させる」っていう的確な方法だと思った
265名無しさん@ピンキー:2010/03/13(土) 12:50:17 ID:lwExVdVX
>>263
お帰りー待ってたよー

急かすつもりは無いから、苦にならないレベルで次作も宜しくねー
266名無しさん@ピンキー:2010/03/15(月) 00:16:34 ID:/TWKtVGd
高貴なる竜〜がやっぱり好き
初めてでどうすれば良いかわからず受身しか取れなかったアンヘルが
回数を重ねていくうちに得た知識の実行とか徐々にカイムへの攻めが上手くなったり

そんなことがあったであろう〜数週間後〜のことを想像するとエロイ'`ァ'`ァ'`ァ(;´Д`)'`ァ'`ァ'`ァ
267名無しさん@ピンキー:2010/03/15(月) 22:39:43 ID:nMLALQy2
>>263
復活ktkr!
268名無しさん@ピンキー:2010/03/17(水) 00:06:59 ID:hdoPs5wz
竜啼氏規制とか
ドットサボりまくってるので48手うp
保体の教科書に載ってそうなエロ絵に触発されて描いてみたが逆に恥ずかしかった
またカイアンかよ!ってことでパス「カイアン」
269名無しさん@ピンキー:2010/03/17(水) 22:31:59 ID:TqL15iJF
>>268
エロくないようにデフォルトしたせいで逆にエロい絵ですね、分かります。

早速頂きました。
270名無しさん@ピンキー:2010/03/19(金) 19:03:01 ID:BokoKEGh
>>268
dクス
271名無しさん@ピンキー:2010/03/21(日) 10:35:23 ID:wdIyyFMI
>>263
遅れたがGJ!
エリス可愛いよエリス

272SS書きの断末魔[エンジャレグナな日常]:2010/03/24(水) 01:48:13 ID:CFmRN9Z+
復活……とまではいきませんが、リハビリがてら単発を……。
タイトル通りエンジェレグナの世界観でのほのぼの日常ものです。

数学教師の炊事洗濯の万能具合は仕様です。
後特に続きませんのであしからず……。

では、参ります。
273[エンジャレグナな日常]:2010/03/24(水) 01:48:37 ID:CFmRN9Z+
朝、小鳥の囀りが聞こえると、地平を照らす太陽の光を目蓋越しに感じた。
最近では珍しい平和な朝だった。
身体に倦怠感は無く、意識も波が引くように明確なものに変わってゆく。

『……休日の始まりとしては満点だな』
心の中で呟き、俺はベッドから降りようと体を起こした。……否、起こそうとした。

『なん……………だ?』
左腕には重みがあった。
向けた視線に入ったのは、カーテンの隙間から差し込む日光でその色合いを鮮やかな金色の髪。
こちらを向き穏やかな寝息を上げている筈の表情は、仮面に阻まれ見えることは無い。
薄いシーツから見て取れる身体の線は美麗そのもので、それだけで並の男ならば欲情を駆り立てられる事だろう。
毎度の事だが、今回の様に人様の腕を勝手に枕代わりに使うとはいただけない。

『この女は寝巻きすら……って俺の部屋にあるわけが無いか』
自分の考えに突っ込みを入れつつ、俺はどうしたものかと思案する。

・紳士的に声を掛け、起こす
・枕代わりに使用されている腕をそっと引き抜く
・体勢を有効活用し、腕を引き寄せ頭蓋を捕縛する

『選択の余地無し……少々手荒だが止むを得まい』
左手を上げ、右半身を浮き上がらせる。
そして左肘で体勢を確保し、右手で左手首を掴み、息を吐きながら引く。
今、出せる限りの全力で。

「……うがぁッ! ガガ……ガァ!」
穏やかな寝息は、当然痛みからの呻きに変わった。
そして本能的にこの状況から脱しようと全身が弾むが、俺は右半身と右足女の身体にを多い被せ、その稼動範囲を抑制する。
その効果は顕著に現れ、数秒間の捕縛を可能にした。

「ガガ……や、めぇ……」
捕縛の完了からスリーカウントを心で数え、その後腕に込めた力を抜いた。
暴れ続けていた女は俺の捕縛から逃れると、勢い余って壁とベッドの隙間に転落した。

『……良く眠れたか?』
ドスンという音の後、のっそりと立ち上がった女に俺は精一杯爽やかな口調で声を掛けた。
無論嫌味だ。

「……お主の目覚まし時計は、いつから軍隊仕様に変わったのだ?」

『ほんの数分前にだ』
嫌味を意に介さない女は、さらりとそう言って返すと垂れた前髪を右手で持ち上げ、乱れた髪型を整えた。
思わず見惚れてしまうような所作だが、俺は取り合えずベッドから立ち上がり、椅子の背に掛けられたYシャツを掴んで投げ渡した。
274[エンジャレグナな日常]:2010/03/24(水) 01:49:07 ID:CFmRN9Z+
「なんだ? これは……」

『取り合えず服ぐらい着ておけ』
受け取ったYシャツと俺の顔を交互に見て、女は俺に問い掛ける。
そのぐらい察せそうなものだが、羞恥心が無い(あくまで俺に対してのみだが)女は、そう言わなければ迷わず洗濯機に入れてしまうことだろう。

「ふむ……お主の匂いが染み付いていて、中々良い着心地だ」
さっとYシャツに腕を通しながら呟く女を尻目に、俺はやはり椅子に掛かっていたジーンズを履き、ダイニングキッチンへと向かった。

『……喰うんだろ? 朝飯』

「無論だ、卵焼きは甘めにな」

『分かってる』
金色に輝く包丁を片手に、俺は厳選した食材達を余す事無く使用して、簡単な朝食作りに没頭する。
鯖の味噌煮にラップを掛け、電子レンジへ。
予約しておいた炊飯器からは蒸気が立ち上がり、予め造り置きしてあるだし汁を使い味噌を作る。
甘目にとリクエストされた卵焼きは、大き目の四角いフライパンで二人分をまとめて作る。
下側だけが固まる段階で箸を使い、形を整えては裏返すを繰り返し、。半分残しておいた溶いた卵を再び投入。
そして計算どおりの大きさで出来上がった卵焼きを皿へと盛り付ける。
我ながら会心の出来だ。

「おぉ……相変わらず見事な腕前だな」
炊けた白米を椀に盛り、朝食の準備が完了した時、正面からこちらを見つめる女は感心したように声を漏らした。
軽い前屈状態になった女は、第二ボタンまで開けたYシャツのから見える胸の谷間を惜しげもなく俺に見せ付ける。
更に上半身をこちらに突き出すと、当然薄桃色の女の胸の先端が見える。
だが今は、出来上がった料理を運ぶ事が最優先だ。
特に気にもしない俺に、女も特に何かを言うわけでもなくテーブルへと戻り、椅子に腰を降ろした。
味噌汁、卵焼き、味噌煮と運び、最後に白米を持ってゆくと、女は待ちきれないと言わんばかりに手を差し出して俺の手から白米の盛った椀を奪い取った。
俺が椅子に座り、手を合わせる頃には女はもう白米をかき込んでいた。
仮面の口の部分が僅かに開閉しており、一体どんな構造なのかと興味は尽きない。

「はぐ……む、美味だ」

『……そりゃ良かったな』
美味いと言われることは当然嫌ではなく、俺は照れ隠しに白米をかき込んだ。

「うむうむ……この味噌煮も良い味付け具合だな」

『みりんの量を少々変えてみたんだ、成功のようだな』
会話は弾み、箸は進む。
気が付けば皿に盛られた卵焼きと鯖の味噌煮は無くなり、味噌汁をよそった椀の底も見える。
白米が盛られていた椀には箸が置かれ、朝食は終了した。
275[エンジャレグナな日常]:2010/03/24(水) 01:49:48 ID:CFmRN9Z+
「……少々足りんな」

『朝食は消化のし易さが重要だ』
背凭れに寄り掛かる女の言葉に答えつつ、俺は皿を一まとめに持ち、流し台へと運んだ。
二人分の食器の洗浄には数分と掛からずに終わった。
濡れた食器を軽く水切りし、食器立てに立てかける。
本来ならば乾いた布で拭き取るべきだが、今日はよしとする。

「おぉ……早いな」

『二人分ならこんなもんだ』
場所を移し、陽の差し込むソファーに座る女は、俺を見るや否や腰を上げて半身分片側に寄った。
そして丁度一人が座れるスペースを作り、そこを手で軽く叩いた。
無言で、というよりもう無意識での動作なのだろう、俺は特に考える事無くそこに腰を降ろした。

「温かいのう……」

『適度な風もあるしな』
お互いに何かするわけでもなく、ただソファーに座る。
やがて女の頭が俺の肩に凭れて来た。
それに対し俺もやや顔を女の頭よりに傾けた。

「………………」

『………………』
互いに身を寄せ、ゆっくりと眠りに落ちる最中、俺は“こういう休日も悪くないな”と思った。
鼻腔をくすぐる女の髪の香りは、かすかに甘いものだった。
276[エンジャレグナな日常]:2010/03/24(水) 01:50:54 ID:CFmRN9Z+
タイトル違うがな……orz
正しくは エンジェレグナな日常 ですので……
277名無しさん@ピンキー:2010/03/25(木) 00:50:09 ID:nV6VsWAh
なんだこのバカップル・・・!
あと腹が減りました
278名無しさん@ピンキー:2010/03/25(木) 00:54:40 ID:aptuQjp0
王子…なんてもので料理作ってるんですか…

卵焼き食べたいです
279名無しさん@ピンキー:2010/03/25(木) 16:11:57 ID:CSYp6hlG
バカップルがうらやましくなる日が来るなんて断末魔氏GJ
相変わらず竜啼氏は仕事が速い
保管お疲れ様です
280名無しさん@ピンキー:2010/03/26(金) 01:04:51 ID:s8q0z4Jk
>俺は右半身と右足女の身体にを多い被せ、その稼動範囲を抑制する。
あれ?エロイのにエロくない。不思議!
281名無しさん@ピンキー:2010/03/27(土) 02:01:42 ID:zO86ZK53
金色・・・だと・・・?
使い込みは完璧ですね
282[エンジェレグナな日常]:2010/03/29(月) 22:04:02 ID:Cuw4xIzt
適当に続けます
不意に出てきたモブキャラは決して〇いおんの影響では無いと言うか有ると言うか……
283[エンジェレグナな日常]:2010/03/29(月) 22:04:23 ID:Cuw4xIzt

『………………』
俺はいつもの様に腕を組んで窓に寄り掛かり、教室全体を見渡していた。
黒板には理路整然に数式が並び、それの応用法やらなにやらも書いてある。
暫くの間、教室に静かに響き渡る黒鉛が繊維に絡み付く音を聞いていると、チャイムが鳴った。
教科書に書かれた問題に励むんでいた生徒達は、その音により大多数が顔を上げた。
顔を上げない生徒は決して居眠りをしている訳ではなく、解いている問題の佳境に差し掛かっているからだろう。
黒板に向かう俺は、その途中で数人の生徒の進捗状況を確認する。
そして平均だと思われる問題を把握し、自前のチョークを握った。

[Text 78p 問2まで]

そう書き込むと、大多数の生徒が安堵の溜息を漏らす。
課題や居残りは学生の本分ではないと考えている俺は、毎回こうやって形だけの“宿題”をだす。
単純にサボる人間を減らす為なのだが、その所為なのかは知らないが俺が受け持つクラスの数学の成績は、全国的に見ても良いらしい。

「規律……礼」
授業の締め括りの言葉を機に、先程までの静寂が嘘の様に教室の空気が一変した。
それは当然と言えば当然だ、なにせ金曜の最終授業が終わったのだから。
教科書を小脇に抱え、俺は早々に教室を後にする。
廊下を歩いて直ぐ、右手の壁に腕を組んで寄り掛かった仮面の女の姿が目に入った。

「今日の職分は終わりか?」
女は俺の姿を見るや否や、床を見つめていた無機質な視線とは打って変った柔らかい視線を俺に向け、そう声を掛けてきた。
先程の仮面で目元が辛うじて見えるか見えないか程度なのだが、笑みを浮かべていることは明白だ。

『軽音楽部に……第二音楽室に顔を出さねばならん』
丁度女の前を通り過ぎる時に返事をすると、女は俺の隣に並ぶように歩き出した。
俺はいつもの様に、歩く速度を遅くした。

「またか……しかしお主がそこまで入れ込むとは、あ奴らも中々やりおるのか?」
こちらに顔を向け、女は首を傾げそう質問してきた。
的を射た質問に、俺は無言で頷き、肯定した。

「……よもやとは思うが、あの小娘達に色目でも使っておるのでは……痛ッ!?」
血迷い事を口走った女に、俺は取り合えず鍛え向いた拳を振るった。
俺といくらも変わらない女の頭に拳を振るうのは幾分難儀だった。

「痛たた……何も殴る事は無かろうに……」

『…………………』
悪びれる様子も無い女に睨みを効かせ、この話題は終了とした。
284[エンジェレグナな日常]:2010/03/29(月) 22:04:51 ID:Cuw4xIzt
「もう始まっているようだな」

『……のようだな』
廊下を歩き、角を曲がり、階段を上がると廊下の突き当たりに防音処理の成された両開きの扉が見えた。
そして漏れ出るように微かではあるが、低く歪んだ低音が聞こえる。
近付いてゆくとその音は増していき、ドアノブを掴むと音が振動となって手に伝わった。

「日増しにお主色に染まっておるのう」
女は扉の直ぐ傍の壁に掛けられたホワイトボードを眺めながら、呆れたように呟いた。
見れば“第二音楽室使用予定”の一覧の、放課後の全てに跨るように無駄に達筆な文字でこう書かれていた。
“重音部”

『一昨日迄は軽音部と書かれていた筈なんだが……』
俺の記憶の中では、確かに一昨日見た時は“軽音部”と、丸い尤もらしい文字が並んでいた。
しかし今ではそんな字体の残骸すらなく、完璧に極まっていた。
俺の望んだ方向に。

「悪いとは言わんがな、年頃の小娘にはそぐわぬと思うぞ?」

『人気取りにしか興味が無い大衆音楽よりは、何十倍も有意義だ』
扉を開け、音楽室に入ると地鳴りのような低音はピタリと止み、次いで高い女子生徒の声が聞こえた。

「カイム先生!」
各々の楽器を携えた女子生徒が集まり、僅かに遅れた女子生徒は古びたスコアらしき物を持ってきた。

“Megadeth”

そう書かれた表紙が見えただけで十分だった。
差し出されたギターを受け取り、チューニングの状態をチェックする。
女子生徒達は無言の内に後ろに下がり、女はブーツを脱がずに奥に鎮座するドラムセットへと近付いた。
毎度の事だが、あれで良くツー・バスを刻み続けられるものだと感心する。
因みに出入り口には“土足厳禁”と言う注意書きがあった。
俺の準備が整う頃には、女も椅子の調整を終えていた。
一瞬だけ視線を合わせれば十分だった。
俺がソロで入り、女は直ぐにそれに合わせドラムを叩き出す。

“Holy wars”

「はぁー……」
女子生徒の溜息と共に、心地良い時間は終わった。
時間にして六分半の演奏の時は一瞬のうちに過ぎ去り、残響は女子生徒の拍手にて消えた。
群がる女子生徒に囲まれながらも、俺は女の方へ視線を向けた。
女はやはり近付いてきた女子生徒にスティックを渡しつつ、何事か言葉を発していた。
285[エンジェレグナな日常]:2010/03/29(月) 22:05:45 ID:Cuw4xIzt
演奏、指導、演奏と繰り返す内に日は暮れ、下校を促す校内放送が流れる頃には、もう太陽は完全に西の地平に埋まっていた。

「じゃあ、私達はこれで失礼します!」

「暴漢の類いには気をつけて帰るのだぞ?」
慌しく荷物をまとめる女子生徒達を早く帰れで顎で促しつつ、俺は戸締りを確認する。
年長者らしいお決まりの台詞を言いながら軽く手を振る女は、廊下を歩く女子生徒達の背中が見えなくなるまで扉を開けて見送っていた。

『随分遅くなったな。夕飯はどうしたものか………ん?』
冷蔵庫の中身を思い浮かべながら唯一施錠していない扉へと向かうと、その手前に立っていた女が左の袖を掴んできた。
珍しい事もあるものだと女を見ると、僅かに視線を下げていた。

「先程は……その……すまぬ。斯様な小娘に嫉妬などなんとも……」

『…………………』
何の音も聞こえない放課後の学校に染みる女の言葉は、俺を僅かに不快にさせた。
誤る事でもないだろうにと言おうかとも思ったが、今の状態の女には何を言っても然したる効果は得られそうに無い。
ならば行動を以って、言葉を押し止める事とする。

「お主に疑心を抱くなど、情けないを通り越して申し訳……ッ!?」
上げた右手を女の後頭部へ。
右足を女の足元へ滑らせる。
後は簡単な事だ。
引き寄せた俯き加減の女の顔に、下から顔を寄せて唇を重ねる。
女の何か言いたげな息遣いが治まるまでの十数秒間、そのままの体勢を維持する。

「………………ッは……」
暫くの静寂の後、女は抑えた息を一気に吐き出し、俺は其れを一瞥して歩き出した。
慌て追い掛ける女の足音が聞こえると同時に、左腕に力が加わった。
視線を向けると、女は俺の左腕に絡み付くようにしがみ付き、体重をやや掛けてきていた。
その重さを感じつつ、俺は夕食のメインはは女の好物のしようと思い付いた。
学園から自宅までの普段ならば二十分掛からない道程は、今日に限っては三十分以上掛かってしまった。

286[エンジェレグナな日常]:2010/03/29(月) 22:06:34 ID:Cuw4xIzt
以上です……
そろそろ本格的に書けそうな気がします……
287名無しさん@ピンキー:2010/03/30(火) 01:06:29 ID:eo8A+/2V
け い ○ ん w
いいぞ、もっとやれ
288[エンジェレグナな日常]:2010/03/30(火) 09:20:33 ID:8SWQJXsm
今度は誤字がorz 修正しときました

推敲せずにあげるのはやはり問題ですね……
289名無しさん@ピンキー:2010/03/31(水) 12:21:16 ID:GJd51LE9
>>286
本格的にと言うことは…!
290名無しさん@ピンキー:2010/04/03(土) 22:07:58 ID:53E3WH7x
過疎るなぁ…
291 ◆Ub.tayqwkM :2010/04/08(木) 21:43:21 ID:kHAYKrO8
テスd
規制がいやになって新しい携帯買った
カッとなってやった後悔はしているが(ry
292名無しさん@ピンキー:2010/04/08(木) 23:32:11 ID:8aniGkRo
解除の噂を聞いて
15000hitのお祝いって踏んだ人にしか配布されないと思って残念がってたら
普通に配布されてて良い意味で予想を裏切られた
最後の最後でハゲもあんな風に自身の過ちを知ってくれたらよかったのにな
293竜啼 ◆Ub.tayqwkM :2010/04/09(金) 00:44:00 ID:5NHvFnhn
区切りが分からん
小出しでスマンがとりあえず途中まで落としてから次を書く
禿げを良い人に仕立て上げようと思ったが、やっぱり嫌な奴だった
294まどろみの中で ◆Ub.tayqwkM :2010/04/09(金) 00:45:23 ID:5NHvFnhn
−−−フ、リアエ・・・

そろそろと後退りすると、その内に何かに躓きトサッと寝床へとしりもちをつくカイム
フリアエはそんなカイムへと近づいていき、"ハラリ"と薄着を肌蹴させ脱ぐ・・・。
床へパサリと音を立てて落ちる服に目を取られ目の前が翳った瞬間フリアエに押し倒された。

「お兄ちゃん、嘘でも良い、今だけは私を好きでいて」

−−−・・・フリアエ

下着だけを纏ったフリアエに押し倒されカイムは覚悟を決めた。
一度限りの儚い夢に付き合うことを・・・。
295竜啼 ◆Ub.tayqwkM :2010/04/09(金) 00:46:48 ID:5NHvFnhn
年度開けて忙しさも落ち着くかと思いきや
逆ですたorzゴールデンウイークが待ち遠しく感じる今日この頃
規制は解除されず……?
されてました(笑

まさかネタが被る事になるとは思いませんでした……
明命の直轄区であった惨劇を短く書きましたので投下します
背景として明命の聖壇を思い浮かべてくれれば幸いです

書いてて自分が病んでいるのかと心配に成ったのはここだけの話……

では、参ります
298[斯くして、封印は完成した]:2010/04/09(金) 21:53:52 ID:oGNSD2d+
『なん……の……つもりだ……ヴェルドレェェェ………!!』

「ク・アボイール・レヴェ・ヴォーレー・セレ・ヴェーイーレー………」
奉るものが存在しない祭壇を前に、神官長が封印の呪文を読み上げていた。
周囲は薄暗いものの、岩の割れ目から差し込む太陽光により洞窟内は意外なまでに明るい。
幾重にも折り重なられた封印の装飾品は、神官長の魔力を以って宙を円周上に舞っている。
周囲には堅牢な鎧を纏った重装兵が8人、ローブを着た上位魔術師が6人、そして軽装な鎧の兵士が15人。
そして双剣を携え、威風堂々なる気配を放つ封印騎士団団長にして、“双刀の金獅子”の名を諸国にまで轟かせた壮年の男、総勢30人。
不自然なことに、隊列を組んではいるものの祭壇に立つ神官長に背を向けている。
故に、この人員が儀式を目的に集まったわけではない事は明白。
最強を誇る封印騎士団の、更に精鋭のみで構成された人員だが、全員が全員、何か言いようの無い不安感に包まれていた。
それは神官長の詠み上げる呪文の所為でもなく、周囲に響く竜の唸り声の所為でもない。
封印の祭壇を支配している、突き刺さるように鋭い殺気と、来たる襲撃者の恐ろしさの所為だ。
その殺気は時間と共に濃く鋭くなり、もはや人間のものではない。
しかし、その場にいる全員ははっきりと、その殺気の主が何者かが分かる。
加えられる衝撃に軋む格子状の扉と8個目の鉄の閂を眼前に、最前列の兵士は何度も剣を握り直している。
古今東西問わず全ての武具を使いこなす、今は潰えて久しい小国の王位継承者にして前大戦の英雄、カイム・カールレオン。
一般には世界を救った英雄ではあるが、その尋常ではない真の戦果を知る者達は、英雄を口々にこう呼ぶ。
“殺戮者” と。
必要とあらば現地で徴収された少年兵をも易々と切り捨て、僅か一時の間に帝国兵千人斬りを成し遂げ、一振りで二匹の巨人オーガを薙ぎ払い、現段階で万の桁に至る人間をその身一つで死に至らしめている。
そこに一切の誇張は無く、敢然たる叙事である。
そしてその眼光は齢を重ねて尚鋭さを失うことが無く、射抜かれる兵士は叶うのでならば逃げ出したいと切に願った。
剣を捨て、地に座り込みたい。
そんな衝動に駆られるほど、恐怖を感じていた。
やがてその“殺戮者”は、常人ならば破扉鎚を使っても抉じ開けるのに半日は掛かるだろう格子状の扉を蹴り破り、封印騎士団の精鋭の待つ最後の封印の間へと足を踏み入れた。
299[斯くして、封印は完成した]:2010/04/09(金) 21:54:17 ID:oGNSD2d+
狂瀾怒涛
弾け飛んだ閂が地に落ちるより早く、剣を握り直していた兵士が“飛んだ”。
飛ばされたと言った方が正しいのだと、周囲の兵が瞬間的に判断出来たのは、更に三人の兵士が吹き飛ばされてからだった。
断崖絶壁に叩き落され、叫び声は人体が砕ける音を境に途切れた。

紫電一閃 
時に複数の兵士を鎧毎切り裂き、振り下ろされた重装兵の大剣を難なくかわし、息を吸うかのように命を奪っていく。
一刀一殺を易々と成し遂げる“殺戮者”に、それでも果敢に挑みかかる者達は、風に舞い散る花弁の如く右に左に、上へ下へと跳ね回る。
如何に冷静沈着な者であっても、この状況は到底理解出来るものではないだろう。
御伽噺の世界から抜け出して来た、万の兵を凌ぐ英雄の如き強さの“殺戮者”。
だがやはり“殺戮者”は“殺戮者”であり、その血に塗れた姿は英雄には程遠い。

剛毅木訥
世界の平穏と言う使命感に駆られた者達にさえ、“殺戮者”はその揺ぎ無い意思を叩き付ける。
“殺戮者”の身体を貫かんと、上位魔術師の手から放たれた黄金色の閃光は、胴体を貫かれた兵士の背中を爆ぜさせるに止まった。
剣に兵士の骸を突き刺したままの体勢で、“殺戮者”は空いた左手を身体に引き寄せ、集約させた魔力を押し出すように解き放った。
一瞬の空白の後、上位魔術師に暴発に似た異常な密度の魔力の焔が襲い掛かった。
僅かに見上げる位置にまで飛び上がった焔は、放物線を描き真っ直ぐに上位魔術師に突き進む。
予め張り巡らされていた対契約者用の魔術防衛陣は、焔の動きを鈍らせるだけで精一杯。
周囲に焼け焦げたローブを撒き散らし、上位魔術師達は規則正しく全員揃って弾け飛んだ。
300[斯くして、封印は完成した]:2010/04/09(金) 21:54:41 ID:oGNSD2d+
「ク・アボイール・レヴェ・ヴォーレー・セレ・ヴェーイーレー………」

「カイ……ム……カ………イ………………ム………………」
背後で繰り広げられる惨劇を知ってか知らずか、神官長は封印の呪文を読み続ける。
人間のそれとは比べるまでも無いほどに強大な精神力を持つ竜であったが、既に肉体を封印された上に周到に張り巡らせれた呪縛結界のより、抵抗する術を失っていた。

『………………アンヘル!!』
“殺戮者”の名を、苦痛に満ちた竜の“声”が何度も呼んでいた。
竜の名を呼んでやろうと、“殺戮者”は“声”を飛ばすが、神官長の呪縛結界によって遮られるのか、一向に届きそうに無かった。

『………………』
“殺戮者”は粗方片付いた兵達を一瞥し、自身と神官長との間に立ち塞がる“双刀の金獅子”へと剣の切っ先を向けた。

「退いては……くれぬか」

『………………』
答える義理も無い質問だが、“殺戮者”はゆっくりと首を横に振った。

「そうか……残念だ」
双剣を抜き、油断無く構えるその姿に、“殺戮者”は自らに剣術の師である父親の姿を垣間見た。
それは決して、“双刀の金獅子”の面影が父親に見ているからではない。
幼い頃、まだ“殺戮者”が少年と呼ばれていた頃。
剣を手に立ち尽くす父親の姿に、“殺戮者”は圧倒的な力量差を感じた。
その時同様の独特の生温い汗が、背中を伝い落ちた。

『………………』
もしこれが戦場であるならば、“殺戮者”は迷う事無く“双刀の金獅子”と剣を交えることを避けるべく行動する事だろう。
何故なら、百回挑んで十回勝てるかどうかの相手に挑むなど愚の骨頂であると、“殺戮者”はその身で経験しているのだから。
だが、この瞬間は極めて冷静な思考で、“殺戮者”は“双刀の金獅子”に向け走った。
勝てないかもしれない、負けるかもしれない、死ぬかもしれない───だからどうした。
降って湧いた撤退を促す思考を一言で斬り捨て、“殺戮者”は剣を振るう。

………何故?
自身の死が確約されている勝負にそれでも挑む“殺戮者”は、目的を果たすに至り全てを捨てているから。
腐り切った世界などどうでもいいと、心底思っているから。
愛する者を、もう失いたくないから。
301[斯くして、封印は完成した]:2010/04/09(金) 21:55:22 ID:oGNSD2d+
剣技を極めし二人の天才の戦いは、荒々しく、激しく見え、そして計算された剣舞の様であった。
“殺戮者”の縦一文字に振り下ろされた刃が、自らの身体を切り裂く寸前に“双刀の金獅子”は構えた双剣を重ね、受け止めた。
瞬間的に“殺戮者”は剣の軌道を変え、受けに徹する双剣に剣を叩き込んだ。
しかし“双刀の金獅子”はその衝撃を受け流し、間髪入れずに“殺戮者”へと双剣を走らせた。
“殺戮者”は、“双刀の金獅子”の双剣が自らの身体に向けられる前に、一歩踏み込み“双刀の金獅子”へ肩口からぶつかった。
双剣は“殺戮者”の薄皮を切り裂くに止まり、“双刀の金獅子”はその勢いを殺さずに“殺戮者”から距離を置いた。
拮抗する力量だが、双方の剣技には圧倒的な違いがある。
“殺戮者”の剣技は、乱れた戦場で圧倒的な数を凌ぐものであり、“双刀の金獅子”の同等以上の力量の人間を、一騎打ちで屠る為に磨かれた剣技とは根本が違う。
その違いは、拮抗する力量からなる互角の二文字を、優劣の二文字に塗り替えるには十分なものであった。
一合ごとに、“殺戮者”は致命傷に成らずとも確実に皮を、時に肉を斬られ、滲む血液に衣服が赤く黒く染まっていく。
“殺戮者”は、自らの死と言う敗北に確実に近付いてゆく。
退けば“双刀の金獅子”は追ってこないと分かっていても、“殺戮者”は剣を振るい、かわされ、傷を負う。
満身創痍となって尚“殺戮者”の剣速が衰える事はなく、寧ろ一刀毎に威力が増している様にすら見える。
………否
出血死してもおかしくないほどの傷を負った“殺戮者”の剣速が早まるなどありはしないことだ。
“殺戮者”の力が増したのではなく、相対する“双刀の金獅子”の動きが翳り始めたのだ。
その原因が、封印騎士団を掌握せんがために、ある男の指示により盛られた、遅効性の強烈な毒である事を“殺戮者”が知る道理は無いが、仮に知っていたとしてもなんら関係の無い事だろう。
障害の弱体化を拒むほど、今の“殺戮者”に余裕は無い。
「………グ……ガッ………!!」
突き出された“殺戮者”の剣は、確実に“双刀の金獅子”の胸部を貫いた。
それに僅かに遅れて小さな呻き声と双剣が地に落ちる高い音が周囲に響き、まだその命を散らしていない封印騎士団員から残った覇気を絞り落とすに至った。
封印騎士団を技量と人望で束ね上げ、絶大なカリスマ性を誇る“双刀の金獅子”は、“殺戮者”の凶刃の倒れた。
“殺戮者”は喚起の声を上げる事も無く、勝利の余韻に浸ることも無く、他の兵を斬り捨てる時と同様に剣を“双刀の金獅子”の身体から引き抜き、凭れ掛かってきたまだ暖かい亡骸を突き飛ばし、夢遊病に陥ったかのような頼りない足取りで歩き出した。。
一歩踏み出す事すら出来ない封印騎士団員は、“殺戮者”の持つ剣がひび割れ、返り血の所為なのか“殺戮者”自身の血の所為なのか判断が出来ないほど赤黒く変色していることに気付いた。
横からほんの僅かに衝撃を与えるだけで、簡単に壊す事が出来ると見て分かるほどに、疲労している。
だがそんな考えは、全身を拘束する恐怖心に直ぐに塗り潰される事になった。
“双刀の金獅子”の愛弟子として、封印騎士団内でも指折りの剣士である青年が、重装兵が死して尚握り締めていた大剣を手に取り、果敢にも“殺戮者”に向け振り下ろした。
そして吹き飛ばされ、鎧の胸部には深い溝が掘られていた。
“殺戮者”が何をしたのか、もはや恐怖に犯された瞳は捉える事は出来なかった。
たった一つ分かる事は、自らの命が、もう直ぐ、尽きると言う事だけ。
302[斯くして、封印は完成した]:2010/04/09(金) 21:56:13 ID:oGNSD2d+
振り下ろされた刃は、宙に浮んだ奇妙な魔方陣によりその動きを止められ、加えられた力は霧の様に拡散してしまった。

「のぉカイムよ……これは世界を守るために必要な事なのじゃ」

『………………』
振り返らずに呟かれた言葉は、“殺戮者”に向けられた言葉。
痩せ細った身体の神官長はもう余命幾許も無い。
後継者を選定し終え、この封印の儀式を最期の役目としようとする使命感を帯びた偉人………と、人々は賞賛するだろう。

「これは世界の為の尊い犠牲なのだ」
この老いた男の本質を知る“殺戮者”は、その一言一句に反吐を催した。

───世界? 守る? 尊い犠牲?
“殺戮者”は剣を担ぐ様に構え、再び剣を神官長に振るった。
しかしそれも、先程同様に防がれた。
二度、三度と振るうが、見えぬ障壁に阻まれ神官長へは届かない。

「アンヘルの存在を封印の儀に用いる事で、フリアエの様に苦しむ娘が必要なくなるのだ……それもお主が望む事だ………」

───黙れ
幾度と無く剣を防がれるなかで、“殺戮者”は言葉にならぬ“声”を吐き出した。

「長き年月を生きる竜であるアンヘルならば未来永劫その苦しみを背負い………」

───貴様がその名を呼ぶなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!
言葉にならぬ“声”は、咆哮と化した。
空中に止まった剣は、咆哮と共に再び歪められた空間を突き進み、障壁を打ち破る。
全く予期していなかった出来事に神官長は驚愕の表情を浮かべながらも、再び何事か呟き、見えない障壁を生み出した。
“殺戮者”の剣速は著しく鈍るが、それでもその動きが止まる事は無かった。

───死ね! 死ね!! 死ねぇぇぇ!!!
“殺戮者”剣はゆっくりと、だが確実に神官長の頭部を捉え、文字通りに一刀両断して行く。
神官長による剣速の鈍化は、皮肉にも神官長の死に至る瞬間を長き物に変えた。
皮膚が裂かれ、肉が断たれ、頭蓋骨が砕かれ、そして脳が潰される感覚は、神官長が己の死を認識するには十分すぎる激痛となり、断末魔の叫びは自らの行いの許しを請うかのようなものだった。
“殺戮者”は左右二つに分かれた神官長の死体に唾を吐き捨て、二つの頭部を足で踏みつけた。

───精々地獄で苦し……!?
吐き捨てる言葉の半ばで、“殺戮者”は自らを呼ぶ“声”が聞こえない事に気が付いた。
封印は、完成してしまったのだ。

───アン………ヘル………
祭壇の中央で、差し込む光を見上げ立ち尽くす“殺戮者”は、呪った。
自らの無力を。
封印騎士団の存在を。
腐りきったこの世界を。
そして振り向き、未だに恐怖に動けずにいる封印騎士団員に、躊躇無く剣を振るった。
303[斯くして、封印は完成した]:2010/04/09(金) 21:56:35 ID:oGNSD2d+
多くの犠牲を払い完成した封印により、世界は仮初の平穏に包まれた。
時折現れる“殺戮者”によって、連隊規模で壊滅される中でも、封印騎士団は日増しに人員を増やし、その力と支配力を肥大化させていった。


その身を犠牲に封印を完成させた、神官長と“双刀の金獅子”の功績を知らぬ者はいない。
そして“殺戮者”の存在が、流言浮説の類いになってしまうのは時間の問題だった。

そんな厚顔無恥にも生き残った者達が、“殺戮者”を突き動かしていたのが純然たる愛である事を、知る筈は無かった。
304SS書きの断末魔:2010/04/09(金) 21:57:53 ID:oGNSD2d+
以上で終了です
エロパロなのにと自分でも思っていますが、次こそはエロパロに適したものを
投下できればと思います。
305名無しさん@ピンキー:2010/04/12(月) 23:38:54 ID:s6TVYpvw
エロなくても更新だけでも十分有難いよー
というか描写すごいな・・・「本格的に」って予想以上の本格的だった
オロー強いなー、剣戟だけでなく心も強いなんてくやしいっ・・・でも・・・!
306名無しさん@ピンキー:2010/04/13(火) 17:20:38 ID:EVIfQGCj
>>304
GJ!
ヴェルドレの言い訳が脳内再生されましたよ
307[Fool's garden] 1/7:2010/04/14(水) 11:06:44 ID:5nqH1x4B
|д゚) ダレモイナイ…投下スルナライマノウチ

前回投下したものの続きでカイアンです
夫婦がただイチャイチャしているだけ
今更だけど死んだ後だから契約終了ということで
カイムが普通に喋ってるけどそういうの苦手な人がいたらスマソ
308[Fool's garden] 2/7:2010/04/14(水) 11:07:36 ID:5nqH1x4B
暖かな日の光が差す、若草が広がる地の上で
アンヘルは少し離れた先の水音を聞いていた。

草の上へ腹ばいになり、穏やかな気候に眠気を誘われ、揺らぐ視線の先には
人工物なのか自然の成り行きで出来たものなのか分からない、広い水場がある。
そこに湧き出る小さな滝が流れていく音と、深さのある水の中を何かが動く音を
アンヘルは追いかけるように聞いていた。

そのまま夢へとまどろもうとしたとき、水音に混じって名を呼ばれた。
顔を上げると、虚ろな目の前に、先程まで水浴びをしていたはずのカイムがいた。
「此処はいい場所だ。水も澄んでいて気持ちが良い」
「おぬしは漬かり過ぎぞ。ふやけてしまう前に、いい加減上がって来ぬか」
鱗へ触れてきた冷たい手を尻尾で軽く振り払い、アンヘルは半身裸で
ずぶ濡れのままのカイムを渋い表情で見つめる。

「そうだな、……お前ともう一度入ったら、上がるとしよう」
「行くならおぬし一人で行くが良い。我は此処におる」
「いいから、一緒に来い」
そう言ってカイムは、自分の手を振り払った尻尾を捕まえ軽く引っ張り、
何処か楽しそうに誘う。

しばらくの間、『来い』と『行かぬ』の攻防を続けていたが
やがてアンヘルは渋々、草の上から身を起こした。


心と体を結び、永久の契りを交わした夜が明けた後。
日が昇るのと同時に翼を広げ、二人で飛んだ穢れなき楽園は
どこまでも続く白い霧の海と、その上に点々と浮かぶ大小の島や岩山で成り立つ
神秘的な世界だった。

そのうちの一つであるこの場所へ降り立ったのは、偶然に過ぎなかった。
次に飛び立つまでの、休息のつもりで降り立った。
周りを木々に囲まれ、輪になった中に水場を湛えるそこは
箱庭のように小さな場所だったが、若草の絨毯と大木の木陰が
飛び疲れたアンヘルを惹きつけた。

溢れ流れる水を口へ含み、草の上へ身を横たえて翼を休めた後。
どちらが先に言ったか『気に入った』と呟かれたのをきっかけに
そこは、行く当てのない二人の居場所となった。


静かな水場は、二人で入ると具合の良い広さだった。

「大分汚れたな。綺麗にしてやる」
「余計な世話ぞ。赤子じゃ在るまいに」
そんな言葉と小さな唸り声を無視し、カイムはアンヘルへ水を掛ける。
「俺がしてやりたいだけだ。それでも駄目か」
不機嫌そうな表情を軽く撫で、カイムが問いかけると
アンヘルは諦めたのか、溜息をひとつついて大人しくなる。
その様子を見て、カイムは何処か嬉しそうにアンヘルの体を洗い始めた。
309[Fool's garden] 3/7:2010/04/14(水) 11:08:23 ID:5nqH1x4B
清らかな水は、体中の穢れを浄化するように染み渡り
カイムの体温は、先程までの日差しへの渇望を消し去っていく。

「今思えば、生きているうちにこうしてやりたかったな」
土埃が流れ落ちていく肌に触れながら、カイムがぽつりと呟いた。

「生きていた頃ならば、叶わぬ事ぞ」
完全に身を任せきっていたアンヘルがそれを拾い、答える。
その答えに急に手を止め、怪訝な表情を浮かべるカイムへ
アンヘルは静かに顔を寄せる。

「生きていた頃ならば、我の誇りと“血の記憶”が決して許さぬ。
 全てのしがらみから解き放たれた今だからこそ、叶うのだ。
 ……おぬしが我を求めることも、我がおぬしを求めることも、全てがな」
消え入りそうな程に小さな声で囁かれた言葉を、一句残さず受け止め
カイムは嬉しそうに笑うと、離れていこうとするアンヘルを抱き寄せた。

「そんな台詞は、初めて聞くな。……お前はそんなにも俺の事を
 想ってくれているのか?」
そんな言葉と、より近くなったカイムの顔で、アンヘルの喉から戸惑いの声が漏れる。

「……我はまだ、おぬしが――人間が好き好む“愛”というものが理解出来ぬ」
かつて自分は、それを愚劣な人間のものだと嘲笑っていた。
種族の繁栄と継承を目的とする過程に勝手な意味合いや理由を付け
甘美な夢を見て酔い痴れるその行為は、今でも愚かだと思える。

「だが、……愚行かどうかを考える前に、おぬしの傍は居心地が良いのだ」
ぽつりと呟かれた声は驚く程に柔らかく、手の平にすり寄せられた赤い肌は
この上ない愛らしさを滲ませていた。
「この手に触れられると、心が安らぐ。その声で名を呼ばれると、心が震える。
 おぬしの傍は、癒しと……熱を帯びた感情を、我に与える」
とつとつと紡がれていく言葉が、その節々に艶を滲ませた気がしたのは
単なる思い込みだったのだろうか。

「おぬしが我を求めれば、我の魂もおぬしを求めようとする。
だが我は、この心地良さを、この想いを、……愚行とは思いたくない。
しかしこれが人間の云う愛なのであれば、……我は、どうすれば良いのだ」

カイムは無言のまま、戸惑いの混じる言葉を全て聞き入れた。
そして軽く息を吐き、腕を緩め、アンヘルと目を合わせる。

「なあ、アンヘル。――お前の目に、今の俺は愚かに映るか?」
唐突に問いを投げかけられ、アンヘルは一瞬表情を固まらせた。
その表情へ優しく笑い、カイムは戸惑いの表情を浮かべた顔を撫でる。
「人間ではなく、俺が――俺自身がお前を愛し求める事は……愚かな事か?」
ゆっくりと問いかけられた後、アンヘルは僅かに考え込んだが
やがて小さく首を振って否定した。その答えに対して、また笑う。

「俺も同じだ。お前の想いを愚かだとは、微塵も思わない。
 ……それなら、邪推は止めて、素直に愛し合って良いとは思わないか」
囁くように紡がれた言葉が、手の温もりと共に
死してもなお消えていなかった誇りによって、頑なになっていた頭の中へと
染み渡っていく感覚があった。

「アンヘル、愛している。――俺は、お前を愛している」

聞き溢されぬように、その耳へ焼き付くようにと発せられた言葉が、
口先へ触れてきた、柔らかく温かな感触が、
その時初めて、アンヘルに“愛”というものを理解させた。
310[Fool's garden] 4/7:2010/04/14(水) 11:09:21 ID:5nqH1x4B
「……そうか。一人遊びと云う理由でもなかったという事か」

それまでの苛立ちや戸惑いが、カイムの言葉で全て消え去った事に
アンヘルは小さく笑い声を漏らした。
そして、触れたままのカイムの口元へ、自らも口先を合わせる。
耳を通じて脳へ焼きついたカイムの言葉が、肌の触れ合う場所から
生まれる熱が、何もかもが心地良い。

かつて見下していたそれが、こんなにも極上の幸福を、あたたかさを
この身にもたらすものだと、誰が思っただろうか。

口を離したカイムは、穏やかな笑顔を見せてアンヘルを抱擁から離した。
ようやく解放されたアンヘルは、その笑顔を一度見ると
それに答えるように双眸を一瞬細める。

アンヘルは初めて、人間へ堕ちた己の魂を心から喜ばしいと思えた気がした。


気がつけば、また長いこと水に漬かっている事実を思い出し
アンヘルはカイムの胸へ額を押し付け、渋い表情を浮かべる。
「こんなにも体を冷やしおって……これで体を壊しでもすればそれこそ愚か者ぞ。
 いい加減上がらぬか」
「まだだ。まだお前を全て綺麗にしてやれてない」
きっぱりと否定して、カイムは再びアンヘルの首筋へ水を掛け始めた。
今まで以上に楽しそうな様子を見て再び溜息をつき、アンヘルは身を任せることにした。
311[Fool's garden] 5/7:2010/04/14(水) 11:10:09 ID:5nqH1x4B
土埃は、カイムの手によって次々と流れ落ち、
くすんでいた肌は、徐々に元の真紅を取り戻す。
それと同時にこの清らかな水は、もう一つの穢れを落とした。

「!――――封印の痕が」
カイムの驚く声につられてアンヘルが見たものは、己の体からまるでインクのように
流れ落ちていく、黒い呪詛だった。
己を蝕んでいたそれが水に流されていくのを見送り、アンヘルは暫しの沈黙の末
小さく鼻で笑った。
「忌々しいものが落ちて清々したわ。……礼を言うぞ、カイム」
今日初めて聞く嬉しそうな声に、カイムは少し驚いて、やがて安堵を覚えた。
体に深く焼き付いたはずの呪詛は、この清らかな水に浸った今では
軽く撫でるだけで落ちていくものとなっていた。


足元に溜まった黒い穢れが流され、水場が再び透明感を取り戻す頃
カイムの手が体から離れると同時に、アンヘルは軽く身を震わせた。
長いこと折り畳んでいた翼を広げると、濡れそぼった体から水が跳ねる。

「…………」
「……どうした。まだ何処か汚れておるか?」
視線を感じアンヘルが顔を向けると、カイムが呆けた顔で立ちすくんでいた。

呆けた顔の内側で、カイムは目を奪われていた。
清らかな青の中に佇む、水に濡れた真紅の肌に。
何よりも愛する者の、美しき姿に。

「――綺麗だ。アンヘル」
うわごとのように呟き、惹きつけられるようにその肌へ手を伸ばすと
アンヘルは驚いて目を丸くする。
「……まさか、おぬしの口からそのような言葉が出ようとはな」
「……そうだな。自分でも驚いている」
驚愕と呆れ混じりの声に苦笑を交えて答え、カイムはアンヘルの首筋を撫でる。
その手が先程と違い、癒しや安らぎではなく熱を与えようとするのを感じた。

「今まで、お前の事をそんな風に見る余裕は無かったからな」
肌をなぞる手を振り払おうとした尻尾を、静かな声が動きを鈍らせた。
再び触れてきた唇が、避けようとする意思を打ち消した。

密着させられた、カイムの身体から発する熱が、身と心をざわつかせる。

「……馬鹿者が、此処で事を為すつもりか。場所を移せ」
「どうせ熱くなるだろう。……ここなら冷やせて丁度良いぞ」
唯一出す事の出来た抵抗の言葉に、カイムは不敵に笑って答える。

そこから逃げようとした身体を、己を求めんとする欲でぎらついた双眸が
浅い水の中へと沈ませた。
312[Fool's garden] 6/7:2010/04/14(水) 11:11:08 ID:5nqH1x4B
静かな箱庭に、水を混ぜる音が木霊す。
水音に混じって、呼吸音と声が流れていく。

身体を半分も浸せぬ浅い水場の中で、アンヘルは与えられる快楽に溺れていた。
カイムの手はあの夜と同じく身体をなぞり、十分に熱を与えた後に
あの夜カイムを受け入れた箇所に、今は在った。
容易く挿れられた手は熱く柔らかい中をかき混ぜ、水を混ぜる音とは別に
粘性のある音を生む。その度にアンヘルの口からは、嬌声が漏れた。

「随分と、可愛い反応をするようになったな」
「誰の所為だと……思っておるのだ……馬鹿者……」
楽しそうな表情を恨めしそうに睨むと、一際感度の高まった中で
意地悪く手を動かされる。
更に楽しそうな表情の下で、アンヘルは声を漏らし身を悶えさせた。

「痕が流れ落ちて、あの反応が見れなくなるかと思うと惜しく思ったが……
 惜しむ必要は何もなかったようだ」
何の痕跡も無くなった首筋を伝う唇が、肌へ言葉を響かせ更に熱を与える。
心身共にしつこく情欲を煽られ、アンヘルは小さく唸り声を上げたが
それはすぐに喘ぎ声へと変わる。抵抗する術も、必要も無かった。

「……分かるか、お前の身体がどれ程悦んでいるか」
愛撫を続けていた手をようやく引き抜き、熱く溶けた箇所から
愛液が水面へ滴り落ちていく様を眺め、カイムは双眸を歪ませた。
深く欲望に満ちたその表情に、思わず悪寒が走る。
「……そもそも、今更“慣らし”など……必要ないであろう……
 何故おぬしはそうも……回りくどい事をしたがるのだ……」
「必要ない?……こんなにもそそられる、お前の可愛い反応が見られるんだ。
 必要ない理由がないだろう」
そう囁き、カイムは乾いた方の手でアンヘルの頬を撫でる。
先程までとは違い、どこまでも優しくて、安らぎを与える温かさは
散々弄ばれた身体にとって、もはや火に油としかならなかった。

「戯れ事はもう良い……早く……早く済ませよ……身体が熱くて……敵わぬ」
「…………。まさかお前の口から、そんな台詞が聞けるとはな」
首をもたげ、頬を摺り寄せてくる仕草と、快楽に絆され甘えるような呟きは
既に限界まで昂ぶらせていた、自身の情欲を暴発させるのに十分な起爆剤となった。

「次は、――きちんと俺を欲してくれよ」
ねだるように音を鳴らす喉元へ口付け、カイムは己の半身を、
待ち侘びているそこへ滑り込ませた。

「……ァ……グ…………」
ようやく与えられた感触に、アンヘルの口から声が漏れる。
「…………っ」
あの夜とは違い、十分にほぐれたそこは半身を柔々と飲み込み
想像以上の快楽をもたらす。

交わりを深くする中、互いに持て余す相手への感情は
美しさを覚えた真紅の肌へ舌を這わせて、愛しい身体へ頬を摺り寄せて
吐き出すものの、宥めるものの、収まることを知らなかった。

浅い水の中で、清らかな水は、二人の熱を冷ます事などなかった。
二人分の愛欲は中で混ざり合い、果てる最中で更なる熱を生み
長い余韻を残していった。
313[Fool's garden] 7/7:2010/04/14(水) 11:12:08 ID:5nqH1x4B
辺りは再び静けさを取り戻し、誰もいなくなった水場は
沸き続ける水を再び流し続けていた。


柔らかな草の上で、アンヘルは再び腹ばいになり日の光を浴びていた。
ずぶ濡れだった体は既に乾いたが、背中にはまだ乾かぬものを載せていた。
「……大丈夫か?」
「……何がだ」
「……さすがに、やり過ぎたと思っている」
「……今更言う事か、大馬鹿者」
背の上で仰向けに寝そべるカイムが、やや躊躇いがちに声を掛け
アンヘルが呆れ声で答える。

「あれでは、愚かに見られても仕方ないな」
「全くだ。愛など、やはり愚行よ」
そう溜息交じりに即答されて、カイムはただ苦笑するしかなかった。
しかしすぐに、頭へ触れてきた硬い感触に呼ばれて寝返りを打つ。
まだ乾ききらない髪を、アンヘルの口先が撫でていた。

「だが……今思えば、我はとうの昔に馬鹿者になっていた。おぬしと同じな。
 だから、愚行で良いのだ。……おぬしの言うとおり、邪推は必要ない。
 心地良さは変わらぬ。……我ら馬鹿者には、丁度良いであろう?」
そんな予想外の台詞を言われて、カイムはしばらく呆然としていた。
しかし、言葉を理解した後で満足そうに笑い、髪を梳く口先を撫で返す。

「……そうだな」
そう答え、カイムは再び寝返りを打ってうつ伏せになった。
日に暖められた鱗が、いつもとは逆に温もりを与えてくれる。
愛する者に最も近いそこは、何処よりも居心地が良い場所に思えた。


「――――しておるぞ、カイム」

眠気を誘われながら背を撫でる中、微かな声が耳に届いた。
上半身を起こすと、こちらを見ていたアンヘルと目が合う。

「聞き取れなかった。何て言ったんだ?」
「……何も言っておらぬわ」
カイムが聞き返すと、アンヘルは少し慌てたように顔を草の上へ戻し
何処かふてくされたように呟いた。

その態度から、アンヘルが何を言ったのかを察して
カイムは笑みを浮かべる。

「もう一度言ってくれ。今度は聞き逃さないから」
「聞かなかったおぬしが悪いのだ。二度も言わぬ」
再び背を撫でるカイムの願いに、アンヘルの不機嫌そうな声が返る。

そうして始まった『言ってくれ』と『言わぬ』の攻防が
少しの間、二人だけの世界を賑わせた。
314[Fool's garden] おわり:2010/04/14(水) 11:15:04 ID:5nqH1x4B
|д゚) 前回よりはエロくなった気がする

今更だけど前作を保管庫に入れてくれてありがとう
過去作品も読んだけどみんなレベル高すぎるんだぜ…
315名無しさん@ピンキー:2010/04/14(水) 21:08:45 ID:os47bWrF
よくやったGJ
316名無しさん@ピンキー:2010/04/14(水) 23:49:27 ID:knzL8zuj
第三の職人キタ━━━(゚∀゚)━━━!?
カイアンはやっぱり正義
お前らなんていちゃいちゃしてればいい!
317SS書きの断末魔:2010/04/19(月) 21:39:41 ID:jVm97MpX
>>304
とか言っておいてネタガガガorz
318名無しさん@ピンキー:2010/04/20(火) 11:02:35 ID:pml1FS/p
>>317
wktkしてるけどゆっくりでいいよ
319名無しさん@ピンキー:2010/04/20(火) 14:31:46 ID:tWopuJly
>>318
ネタをくれって事じゃ…?
320名無しさん@ピンキー:2010/04/21(水) 01:38:10 ID:GaQnLeq/
>断末魔氏
幼女マナが読みたいなぁ
贖罪の旅中でも司教時代でも虐待されてる時でもいいので
321名無しさん@ピンキー:2010/04/23(金) 06:47:14 ID:j1BZgGeA
人少なッ!?

そしとニーアが発売だな…
322名無しさん@ピンキー:2010/04/25(日) 02:34:51 ID:wT1dRXV/
楽しみなような怖いような。新宿の後だろ…
323名無しさん@ピンキー:2010/04/25(日) 14:35:40 ID:6ZoKe/zF
>>322
取り敢えずピーターは良い仕事してるよ

アンヘルを大分人間臭くした感じ
324名無しさん@ピンキー:2010/04/26(月) 14:33:17 ID:79WcVEjA
どうすれば本とセクロスできるか猛烈に考えながらプレイしてる
325名無しさん@ピンキー:2010/04/26(月) 15:37:48 ID:gdCd3RhO
>>324
普通に挟んで擦る か 例の夢の“文字世界”で
326名無しさん@ピンキー:2010/04/26(月) 23:33:13 ID:9DbMhy98
>>325
あれ、“文字世界”ってもしかしてここなんじゃね?と普通に考えてしまった
寝よう・・・
327名無しさん@ピンキー:2010/04/27(火) 14:07:33 ID:Ok60GvM2
Lovのアンヘルが欲しいが手に入らん
カイムといちゃいちゃしやがって…いいぞもっとやれ
328名無しさん@ピンキー:2010/04/27(火) 20:36:32 ID:vqpi+E+q
アンヘルのエロを読むとき、擬人化なら普通に脳内で女性ボイスになるが
竜のときは普通にピーターさんの声で喘がれちゃって萌えていいのか何なのか
困りつつ結局萌える。アンヘルという存在に萌えてるから仕方ない

ともかくシロはちょっとけしからん声上げすぎだと思うよ
329名無しさん@ピンキー:2010/04/27(火) 23:21:58 ID:oxd7tqz0
>>328
「人間の交尾には色々と手順が必要なのだな」とかな!
「会えぬ時間が二人を引き裂くとは何故考えぬ」とかな!
「憎悪と狂気では、心は癒すことはできぬ」とかな!
もっとアンヘルタンっぽく言ってくれ!
330名無しさん@ピンキー:2010/04/28(水) 00:25:01 ID:ZTZgot6z
擬人化とか考えたこともなかった
331名無しさん@ピンキー:2010/04/28(水) 17:15:44 ID:24vLpdq1
保管庫にいっぱいあるじゃないのさ
まとめてから投下しようかなと思っていましたが、やはり途中投下しないと
書く気力が………

てな訳で導入部のみ投下します

カイム×マナ(12歳)
後半はエロパロらしくなるかも………?
333SS書きの断末魔:2010/04/29(木) 22:09:01 ID:apkiwplr

私は自らの行いに後悔していた。
私さえいなければ、世界はこうまで荒廃しなかっただろう。
帝国なる心無き集団を操り、封印を、世界を破壊しようとした私の罪は一度や二度の死では償いようが無い。
仮に死ぬ事で、世界が赦してくれると言うのならば、私は喜んでこの身を差し出そう。
だがそれでは、世界は私は赦さない。
赦せる筈は無い。
私は多くの人々を殺し合わせ、その命を湯水の如く粗雑に扱い、一時は世界そのものを滅ぼしかねない段階にまで追い詰めた。
けど、それを止めてくれたひとがいる。
それは帝国により家族を失った男。
彼は紅き竜と契約し、その強大な力と復讐心で帝国を祓いのけ、私から“神”を取り除いてくれた。
彼は私を憎んでいる───当然だ。
私は彼から唯一生き残っていた家族の命を奪い、地獄の中で見つけた一つの絆を引き裂いた。

だから彼は、私を赦さなかった。
死ぬまで自らの罪に苛まれ、絶望の中、世界へ心底詫びてから死ねと、その眼は物語っていた。
おかしいでしょう?
そんな彼に、私は感謝している。
赦される可能性を残してくれた事を。
“死”と言う逃げ道を、塞いでくれた事を。

私は彼に連れられ、私が壊し、荒廃させた世界を見て回った。
荒野に尚しがみ付く人々は、精一杯生きようと、頑張っていた。
逃げようなどとは一切思わず、土地を拓き、村を作り、町を作っていた。

彼はそんな彼らの姿を私に見せる為に、六年の歳月を使っていた。
時折聞こえる、引き裂かれた絆の残響だけを糧に、私を食べさせ、私を諭し、私を憎みながら育ててくれた。
例え負の感情によって出来た絆であっても、私を真っ直ぐに見てくれるのは、彼だけだった。

だから彼が怖かった。
このまま、私が死ぬまで憎んで、一緒にいてくれますか?
そう問い掛けたい衝動に、何度も駆られた。
もし彼が私を赦してしまったら、この絆は失われる。
だけどわたしは、きっと赦されてしまう。
彼が離れていってしまう。

それだけは、嫌だった。

だから……私は……


334SS書きの断末魔:2010/04/29(木) 22:09:22 ID:apkiwplr


『……どうした? 調子でも悪いのか?』

「……えっ?」
何度自問したか分からない考え事に没頭していた私に、彼はそう声を掛けてくれた。
六年前と比べ、無造作に肩まで伸ばされた髪の毛は彼の印象を僅かに変えていた。
私を見下ろす眼も、六年前と比べ程にならないほど優しかった。

『足でも痛めたか? 熱は……微妙なところだな』

「……うぅん。ちょっと考え事、してただけ……」
右手を自分の額に、左手を私の額に当て、彼はそう確認した。
私はその彼の手の暖かさを感じ、思わず視線を伏せた。

『……なにかあれば言え。昔の様に、辺鄙な所で熱を出したら厄介だからな』

「分かってるよ。……ありがとう、心配してくれて……」
手を引かれ、私は彼と高山の中腹にいた。
陽はまだ高く、このまま歩けば恐らくは夕暮れまでにこの高山を越える事が出来るだろう。
私は数少ない手荷物を入れた鞄を抱えなおすと、彼と同じくらいの速さで歩き始めた。
最初は引き摺られるように歩いていたが、今は付いて行けるだけ、私の早く歩けるようになった。
背丈も、この六年で彼の肩より少し低い位まで伸びた。
髪も伸び、腰の辺りで毛先がちらついている。

『……太陽が沈む頃には麓の村に着く筈だ。……取り合えずそこまでは頑張ってくれ』

「うん。分かった……」
彼は私が嘘を吐いている事を易々と見破り、気遣うように最後に一言付け足した。
僅かに重く感じる下腹部を撫でながら、私は短く返事を返した。

335SS書きの断末魔:2010/04/29(木) 22:09:46 ID:apkiwplr


「お風呂、カイムも入ったら……カイム?」
小さいながらも身体を温めるには十分な湯船から上がり、髪を拭きながら部屋に戻ると、彼は窓辺の大き目の椅子に座ったまま、寝息を立てていた。
余程熟睡しているのか、その寝息は長く深く、上下する胸はゆっくりと動いている。

「………………」
私はそんな彼に近付き、椅子の空いた空間に腰を降ろした。
彼の肩に凭れる様に頭を傾け、私も同じように瞳を閉じた。
水滴を湛えたままの濡れた髪の毛は、彼の肩を同じように濡らした。
彼が起きるまでの僅かな間、私は増していく下腹部の痛みを感じながら、彼の寝息を聞き入った。

彼と旅を始めて六年の月日が経った頃、私は“少女”から“女”になった。

そしてその瞬間から、彼との絆に、綻びが生まれた気がした。

336SS書きの断末魔:2010/04/29(木) 22:10:13 ID:apkiwplr

朝、昨夜と比べると大分治まった下腹部の痛みを感じながら、私は目を覚ました。
彼は既に目覚めていて、窓枠に手を付き、朝日を浴びながら景色を眺めていた。

「……おはよう、カイム」
ほんの一瞬の事だが、私はその横顔に見惚れてしまった。
胸が締め付けられるように苦しくなり、鼓動が高鳴った。
生まれて初めての奇妙な感覚に戸惑いながらも、私は平静を装い、身体を起こした。
それに気付いた彼は向き直り、いつもの様に“声”で返事を……しなかった。

『………おい』

「………え? どうしたのカイ……あれ?」
ベッドから起きようと毛布に手を掛けるところで、カイムの慌てた顔の理由が分かった。
薄い紺色の毛布は丁度中心部から赤く滲んでいた。
裏返すと、毛布とベッドに敷かれたシーツ、そして丈の短い下の寝巻きが赤く染まっていた。
それが血である事に私が気付くまで数分掛かり、それが必然である事が知らない私は言いようの無い恐怖に襲われた。
貧血で気を失ったのからのか、パニックに陥ったのからなのかは定かではないが、私はそれからの事を憶えていない。
ただ憶えているのは、両手で頭を抱え込んだ私を包み込んでくれた、暖かい感触だけだった。
337SS書きの断末魔:2010/04/29(木) 22:10:38 ID:apkiwplr
どれくらい時間がたっただろうか。
私は不意に目を覚ました。
見上げた夜空には輝いている筈の満月は無く、厚い雲に覆われ、僅かな風すら無い。
世界は、まるで暗闇に沈んでしまったようだった。

『………起きたか?』
不意に“声”が聞こえた。
そうなって漸く、私は直ぐ傍に人の気配がある事に気付いた。

「カイム……」
その気配の主の名を呼んだ私の声は、私自身が驚いてしまう程に弱々しい物だった。
起き上がろうとする私を片手で制し、彼は椅子に深く座り直すとゆっくりと語り始めた。

『お前は今朝、あの瞬間から“女”になったんだ………つまり………』
彼の言葉は、優しく私を包み込む。。

『フリアエも、同じように驚いていたな………俺も、知識として知ってはいたがいざ目の当たりにしたら………』
私を見る眼からは憎しみが消え去っていた。

『一旦落ち着くまで、この宿に厄介になることにしたからな………』
優しく暖かく、初めて味わう“愛情”のぬくもりに、私は何か物悲しさを感じた。

“もう彼は、私を憎んでくれない”

338SS書きの断末魔:2010/04/29(木) 22:12:23 ID:apkiwplr
今回分はこれにて……

ところでニーアですが、所々DODファンを楽しませてくれる嗜好があって
楽しめますね、個人的にですが

微妙な欝加減がなんとも言えない味わいに……
339名無しさん@ピンキー:2010/05/01(土) 03:02:14 ID:F9RCvu/Y
幼女マナありがとおおぉぉ
2の小雪マナって物静かで知的なのはカイムの教育なのかな
誘拐まがいに手を引かれてるマナの態度も好きだが
340名無しさん@ピンキー:2010/05/04(火) 17:14:24 ID:aSGM/V/i
書き手への感謝が足りないスレだな
341名無しさん@ピンキー:2010/05/04(火) 21:58:26 ID:KnCOEe3y
見てる人が極端に少ないか保管庫常駐組が多いかのどっちかだと思うが
ROM専もいる事だろうし安っぽい駄文の礼を書き連ねるのもどうかと

とか言いつつマナたんのこれからにwktk
ニーアは新宿ED後だと聞いて買うのが怖いw
聞く所によるとアンヘルたんの武器があるそうじゃないか
342名無しさん@ピンキー:2010/05/06(木) 23:56:23 ID:alyp4wWp
他の人もレスしやすいような感想をつけるのが一番かなぁ
一行、二行の感想を数日にわたって書くとか。いやそれじゃ自演になってしまうのか・・・?
無反応だと職人さんのモチベも下がってしまうだろうし、たまにはシンプルかつ素直にお礼を述べるとか

職人様
いつもありがとう
毎日リロード押して更新をチェックしています
苦にならない程度にがんばってください
343名無しさん@ピンキー:2010/05/09(日) 01:33:47 ID:RgJhsIBk
保守がてら小ネタ投下します。カイアンです。
アンヘルが資料によって雌だったり単一性だったりするのはカイムに対して
「自分は雌だ」って認めたって解釈で構いませんねッ!


"…前から気になっていたことがあるんだが"

うるさく飛び回る有象無象の羽虫を焼き払った後、カイムが思い出したように"声"をあげた。

「なんだ」
"ドラゴンに性別はあるのか?"
「無い。おぬしら人間と一緒にするでないわ」
"…なら、どうやって増えているんだ?"

さすがに不躾な質問だと思ったのか、赤竜は羽ばたきながら首を巡らせて、背に跨ったカイムを睨みつける。
だが図太いこの男がそれで引き下がる訳もない。それどころか"どうなんだ"と急かしてくる始末である。
図々しい奴め、という思いを隠さずに赤竜は口を開く。

「…正確にいえば我らは単一性だ。
 交尾となれば力を競い合い、勝った者が雄となる。敗者は勝者を受け入れ、卵を抱くのだ」
"つまり、雄でも雌でもあるということか?"
「そういう事だ。産まれた瞬間から役割が決まっておるなど我慢できぬ。
 だが…そうさな…我に限って言えば雄と言えようか。負けるなど、ありえぬのでな」
 
ふふん、と勝ち誇る赤竜にカイムは"なるほどな"とだけ答えた。
 

それからいくらか時が過ぎて。
気だるく草地に寝そべった赤竜に、今度はセエレが問いかけていた。

「ねえ、そういえばドラゴンって雄なの?雌なの?」

唐突な質問に、赤竜は少し驚いたように首をもたげる。

「? どうかしたの?」
「い、いや…なんでもない。我は…」

言葉を濁らせながら赤竜は視線を、少し離れた場所で剣を研いでいるカイムへ向けた。
思念が通じ合っているのだから当然セエレとの会話は筒抜けだ。
…『恋愛は、惚れた方が負けである』。人間にはそんな教訓があるという。
ああ、ならばこれが敗北の味というものか、と赤竜は小さく唸ってから言葉を続けた。

「我は…雌だ」
「へー、女の子だったんだね!僕知らなかった!
 あ、レオナール聞いてよ!ドラゴンってね…」

何が嬉しいのか、セエレは大げさに声を上げながらレオナールの元へ駆けていった。
小さな背中を見送った後、赤竜はちらりとカイムの様子を伺う。

「…何をにやけておるか、おぬしは!!」

赤竜の激しい"声"にカイムはただ目を細めただけで答えなかった。
344SS書きの断末魔:2010/05/09(日) 22:19:25 ID:DnTE50q6
さて……再びぶつ切りにて

まだ板にあった内容には及びませんでしたが……
345SS書きの断末魔:2010/05/09(日) 22:20:18 ID:DnTE50q6

「おぉアンタか。報告は聞いてる、約束の報酬だ」
カウンターの奥で組んだ足を机に乗せていた店主は、血臭を纏い、腰に剣を携えた男が陽を背負って現れるとそう声を掛けた。
店主は億劫そうに足を正し、カウンターの奥にある硬貨の入った皮袋を取ると、直ぐ傍にまで来ていたその剣士に手渡した。
剣士は無言でそれを受け取り、中身を軽く確認すると懐に仕舞い込んだ。

「トロルの群れを一人で壊滅出来るとは恐れ入ったよ。……で、これは頼まれてた痛み止めだ」
薄汚れた書類を剣士に差し出し、依頼完遂のサインを剣士に促しながら、店主はやはりカウンターの奥から小奇麗な木の箱を取り出した。

「ここらで一番腕利きの漢方師の、“女の痛み”に効く痛み止めだ。特に辛い時、飲むと良い。」
店主は紙切れに書かれた注意書きの内容を確認し、剣士に手渡す。
剣士は、やはり中身を一瞥した後に懐に仕舞い込んだ。

「それとこれは、この街の特産“月光草”の花飾りだ。………あぁ、たまたま手に入ってな、俺には使い道が無いから気にしなくて良い」
店主は笑いながら、白い花をあしらった美しい髪飾りを剣士に差し出した。
受け取ることを躊躇する剣士に、ゆっくりと立ち上がって押し付ける様に髪飾りを渡した店主は、満足そうに椅子に座り込り直した。
剣士は、そんな店主と手渡された髪飾りを交互に見た後、軽く一礼した。

「ま、嬢ちゃんに宜しくな」
二人の会話を聞くこともなく、しかし早く終わらないかと視線を動かす男が、剣士の背後にいる事に気付いた店主はそう言って会話を切り上げた。
剣士も背後の男の気配を感じると、店主に軽く会釈して出口へと向き直り、歩き出す。
互いに半身分身体を捻り、剣士と背後の男は擦れ違った。
背後で交わされる店主と男の声が聞こえ、男が剣士と似た事を生業にしている人間であると剣士が知った時、既に剣士は太陽の下へ足を踏み出していた。
剣士はそのまま真っ直ぐ、先程店主が“嬢ちゃん”と言った少女の待つ宿へと帰路に着いた。
346SS書きの断末魔:2010/05/09(日) 22:20:49 ID:DnTE50q6
あ………おかえり。カイム」
私がベッドに座り、窓から街の喧騒を眺めていると、彼はいつもの様に帰って来た。
帰って来てくれた。

『調子はどうだ?』

「うん……朝よりはずっと楽になったかな」

『そうか』
彼は纏った外套を脱ぎ、三人は優に座れるであろう長椅子の背凭れに無造作に投げると、手に取った木の箱を私に軽く投げ渡してきた。
突然の事で少し取り乱したが、彼の手から放物線を描き放たれたその木の箱は、綺麗に私の膝の上に落ちてきた。
思いのほか軽い手応えに拍子抜けしていると、僅かに開いた蓋から見えた白い包み紙で、その箱の中身が薬である事が分かった。

「………薬?」

『痛みが辛い時に飲め……との事だ。それとこれは……贈り物のようなものだ』
視線を落としていた私に近付いた彼は、不意に手を私の髪の毛に伸ばした。
彼の手が髪を手櫛で耳に乗る様に整えると、一輪の花を模した髪飾りがそこに芽吹いた。
僅かに視界に入ったそれは、綺麗な白色の、見たことの無い花だった。
そっと手で触れてみると、その感触は生花の様に柔らかい。

「これは………」
指から伝わる瑞々しさは紛れも無く生きた花であり、模造品ではないようだ。
暖かい感触から、いくらかの魔力が込められている様だった。

『名産品だそうだ』
彼はそう呟き、私に背を向けてベッドに腰を降ろしていた。
使い込まれた長剣を鞘から抜き出し、油の入った小瓶と共に机に乗せると、慣れた手付きで長剣の手入れを始めた。
彼と旅を始めて一年と少し経った頃、寒空の下で長剣の手入れをしていた彼に「風邪でもひいたら大変だから」とお願いして以来、彼はこうして部屋で長剣の手入れを行ってくれるようになった。
一人でいることが堪らなく怖かった夜だからだとはその時言えなかったが、それを知ってか知らずか、それから彼はずっと長剣の手入れを私のいる部屋で行うようになった。
今では手入れに使われる油の独特の匂いが、日々の生活に欠かせない物になっていた。

「ありがとう……カイム」
鏡を見た後、私は彼にそうお礼の言葉を掛けた。

『貰い物だ。礼などいらん』
ぶっきら棒にその言葉に私は笑みを浮かべたが、直ぐに言いようの無い怖さが私に覆い被さなった。
彼はその違和感を感じ取っても、恐らく私の不調の所為だろうと思っている事だろう。
だから優しいのだと考えれば、納得できる。

彼は私を憎んでいた筈だった。
だからこそを私を罪の業から逃がすまいと、私を見て、私を掴んで、私を考えてくれた。
でも今の彼からは、そんな事を考えていないように感じられる。
彼が私に優しくしてくれる事は嬉しい。
彼が一緒に居てくれる事は嬉しい。
347SS書きの断末魔:2010/05/09(日) 22:21:15 ID:DnTE50q6
でも、その優しさは私が不調だからだろう。
初めて“女”になった時から、私は毎回調子を悪くしている。
でもそれは回を重ねる度に弱まり、今では普通に生活する分には何の支障もないまでになっている。

じゃ彼は、これからも一緒に居てくれるだろうか?
彼にはもう一つ、目的がある筈だ。
彼を愛し、彼も愛している“存在”を確かめると言う、彼が最も優先すべき事が。

そうなると、彼は私を兄のいる場所送り届けるだろう。
兄もきっと私に優しくするだろう。
私の罪から眼を逸らして。

それは駄目だ。
私は憎まれ、忌み嫌われ、苦しみに満ちた人生に浸らねばならない。
だから、私を憎んでくれる人が、私を理解してくれる人が必要。


だから………
348SS書きの断末魔:2010/05/09(日) 22:23:41 ID:DnTE50q6
以上です……

まだ時間が掛かりそうですので、次回は少し間が空くかもしれません
349名無しさん@ピンキー:2010/05/10(月) 01:02:55 ID:Og3j8wfK
>>断末魔氏
ニーアネタキタ━━━(゚∀゚)━━━!!
痛み止めの薬と聞いて崖の町の薬屋でニアミスとかクレヨン渡す展開とか考えてしまった
これからエロ展開にどう転がっていくのかwktk
カイムを襲うのか(性的な意味で)
>苦しみに満ちた〜から、もしかしてその辺のおっさんなのか
350名無しさん@ピンキー:2010/05/12(水) 21:03:25 ID:76fSJbN2
>>343
アンヘル可愛いよアンヘル、GJ
自ら女と認めるのは相当恥ずかしいだろうに…流石です王子
351名無しさん@ピンキー:2010/05/12(水) 23:46:15 ID:mNjc78qx
>>343
Cエンド分岐でそのままセクロスに突入するHエンドのDLCはまだですか
352名無しさん@ピンキー:2010/05/19(水) 22:56:42 ID:V4qn5gHg
>>349
今七割は書き終えてるみたいだね

ところで断末魔氏はニーアスレが立ったら移行とかするんかな…?
353名無しさん@ピンキー:2010/05/20(木) 01:15:54 ID:pIUYd4iQ
ニーア単独スレとなると過疎りまくるような気も。ただでさえこの有様だし
かといってDODシリーズではないしなあ。個人的にはココでいいとも思うが

>>343
♀と認める過程でナニがあったのかkwsk
354SS書きの断末魔:2010/05/23(日) 23:34:17 ID:C7zb+h8I
仕事が忙しい上に規制……

てな訳でやはりのぶつ切り
一応板の趣旨には適応できている筈……
355SS書きの断末魔:2010/05/23(日) 23:35:13 ID:C7zb+h8I
陽は西の地平線に沈み、街を行き交う人々は忙しない。
日を追う毎に寒さは増し、今夜は雪が降るのではないかと誰かが言っていた。

もう、季節は冬になっている

周期から考えれば、間違いなく今日であろうと決意していた私は、恙無く行動を起こしていた。
書物から得た知識を総動員し調合を繰り返してきた、緩やかに睡眠へ誘う薬を、隙を見て彼の食べているスープに混ぜた。
三食に分けて少しずつ彼の体内に蓄積したその薬の効果は、私自身が驚く程覿面だった。
食後、二人で小さな暖炉を椅子で囲み、取り留めの無い話をしていると、彼の目蓋は自らの重さに耐え切れなくなったかのように閉じられた。
私はそれに気付かない振りを努め、彼は何度か奮立たせる様に首を振った。
だが時間の経過と共にその動きも緩慢なものになり、やがて一つの寝息が聞こえるだけになった。

「………カイム?」
念の為彼の名前を呼んでみたが、返事は無かった。
肩に手を置き、軽く揺すってみたが何の反応も無かった。

「………うん」
それを確認した私は、一歩踏み出す為の頷きと共に、そう呟いた。
356SS書きの断末魔:2010/05/23(日) 23:36:01 ID:C7zb+h8I
椅子の背凭れに体重を預けた彼は、全身を椅子に固定する為に巻かれた縄の存在に気付ける訳が無く、未だ眠り続けている。
暖炉に焚かれた炎に照らされる彼の顔を正面に見据えると、否応にも私の鼓動は高まった。
窓は閉め切り、カーテンを引いて完全に外界と室内を遮断した。
強固な作りの部屋は防音効果に優れ、多少の音が漏れる事は無い。

「………うん」
私は再び意を決し、彼の椅子の前に膝を突いて屈み込んだ。
縄が邪魔をして手間取ったが、数分で彼の下半身は露となった。
数年前、お風呂に一緒に入っていた頃に何度か見たことはあったが、男女の性差と役割を知った今改めて見ると、気恥ずかしさと好奇心と、背徳感が込み上げてきた。
端的に見れば親子に見えるであろう───いや、実際この街では親子で通っているのだが───年齢差の所為だろうか。
が、けっして不自然と言い切れるほどおかしいものでもない。
六年前からさして歳月の経過を感じさせない彼に対し、成長の度合いから行って私はもうそろそろ成人した女性だと言っても通るかも知れない外見になってきている。
あと数年もすれば単に年齢が離れただけの───。

「………違う」
私はそこまで考えて、頭を振って自分の思考を遮った。
そんな事の為にこうしている訳ではないし、そんな事が許されるわけが無い。
私は彼に憎まれる為に、決して離れられない“絆”を作る為に、こうしているのだと。

「えっと………」
やはり書物から得た知識を総動員し、私は行うべき行動の道筋を立てた。

「先ずは………こうして………」
彼のまだ柔らかい“もの”に手を添え、痛みが無い(であろう)程度に力を加え、クニクニと、手の中で弄んでみる。
独特の匂いがしたが、不思議な事に不快感は無かった。

「こうすれば……あっ……」
時間にして十数秒と掛かる事無く、私の手の中で彼の“もの”は熱を帯び、硬くなり、鎌首を擡げ始めた。
知識はあってもその様を実際に見たことなど無い私は、驚きから思わず手を離してしまい、その“成長”はゆっくりと終わり、再び力無く萎れ始めた。

「あっ………」
反射的に手が伸び、再び手に熱が感じられた。
今度は丹念に指を這わせ、一時の衰えを感じさせないように力強く滾る彼の“もの”を軽く握り込んだ。
硬く鬩ぐそれを前にしていると、私はいつの間にか口の中に溜まっていた唾液の存在に気が付いた。
私は彼の“もの”に身を屈め、その唾液を舌で押し出す要領でタラリと垂らせた。
僅かに泡立った唾液は彼の“もの”の先端部を濡らし、ゆっくりと垂れ始めた。
その唾液が彼の“もの”を包んで結ばれた指に達した時、私はその唾液を指に巻き込みながら手を上下させ始めた。
手の動きに合わせヌチャヌチャと音が溢れ、唾液と交じり合って更に独特の匂いが私の鼻腔をくすぐった。

「カイ……ム……」
当初の目的を、私は完全に見失っていた。
思考を支配しつつあった衝動は、早くも独裁者へと成り得たようだった。
357SS書きの断末魔:2010/05/23(日) 23:36:28 ID:C7zb+h8I
───頭が重い。

俺は混濁する意識の中で、手足に力が入らぬ状況であって尚冷静を貫いていた。
我ながら呆れるほどの図太い神経だなと感心しつつ、ある限りの記憶を手繰り寄せて繋いでみる。

───こうなる要因は無し、か………
ならばどうしようもないと判断する他無かったが、どうやらこの状況から脱するのも時間の問題だったようだ。
四肢の感覚が僅かながらに戻り始めたようだ。

───なんだ? この感覚は………
久しく感じていなかった、感覚の昂ぶりに違和感を憶えていると、やがて霧の晴れた視界の中でその理由が明白なものになった。
358SS書きの断末魔:2010/05/23(日) 23:36:59 ID:C7zb+h8I
指し伸ばされた私の舌が彼の“もの”に到達する直前、彼の呻き声が聞こえた。
その体勢のまま視線だけを彼に向けると、驚きから鋭さが無くなってしまった黒い丸が見えた。
それが彼の、開かれ焦点のはっきりした目であることに気付いた瞬間に、私の舌は彼の“もの”の先端に触れた。
彼は目蓋を閉じ、私の舌が及ぼした感触に反応した。
考えてみると、彼はこの六年間確実に禁欲生活を送ってきた筈だ。
一時は人を切り殺す事に快感を感じていたようだが、今はそんな気配は一切無い。
つまり溜まり続ける一方だと言う事になる。

「ん……む………」

『なに……を……』
そのまま顔を下へと押し進めると、口の中で彼の熱さが感じられた。
それがただ嬉しくて、私は彼の“もの”を咥えたままで顔を上下させた。
彼の下の毛に顔を埋める所まで下げると、彼の“もの”の先端が私の喉の奥に届き、身体は吐き出せと反射的に反応する。

『ぁ……ッ!』
しかしその瞬間に私の耳に届いた彼の耐えるような吐息は、その反応を押さえ込むには十分な程に強く、私は顔を彼の“もの”が口から抜け落ちる寸前まで上げると再度顔を深く沈めた。
口の中から聞こえる水音と、頭上から聞こえる彼の吐息で私の思考は単純化されてしまったようだ。
ひたすら彼の“もの”を咥え込み、吸い付き、先端から溢れ出る先走り液を暫く味わった。

「ね……どう……?」
彼の漏れ出る吐息が小刻みになった時、私は彼の“もの”の根元を支えながら顔を上げて彼の表情を垣間見た。
彼の表情は悲しそうに暗かった。
それでも私は、自らの欲求に従い行動を開始する。

「気持ち……良い?」
分かりきった質問ではあるが、どうにも私は、彼自身の言葉で聞きたいようだった。
彼は吐息を押さえ込んで“声”を発した。

『……何故だ?』

「だって……こうしないと……」
そこまで言葉を返すと、彼の“もの”を支えた右手が風船が膨らむような感覚を私に伝えてきた。
それが何を意味するかを本能的に察した私は、慌てて彼の“もの”の根元に左手をも添え、溢れ出るであろう液体を口で受けようと顔を下げた。
しかし添えられた左手の力加減を誤ったのか、私の大きく開けられた唇と頬に熱い液体が飛び掛ってきた。
その熱さに驚いた私は硬直し、呆然と脈打つ彼の“もの”を見つめてしまった。
脈打ちながら彼の“もの”は熱い液体を吐き出し、その液体は私の顔に音を立てて掛かり、ドロリと滴った。
熱さの正体が、私の顔に飛び掛ったものの正体が、溢れ出る白い液体──彼の精液である事を認識するまでの数秒間、私はそのままされるがままだった。

「んッ……! 暖かい……………あっ、んッ……!」
私は彼の熱を感じながら、彼が漏らしていた吐息と同じ声を上げ始めていた。
359SS書きの断末魔:2010/05/23(日) 23:37:27 ID:C7zb+h8I
「んッ……ぁ、ん……」
いつの間にか彼の“もの”から離れていた私の右手は、ズボンと肌との隙間に滑り込んでいた。
伸びた人差し指は私の男性を知らない閉じた柔肌の筋をなぞり、全身に暖かな電気が流れた。
指を押し入れれば容易にとは言わないが筋の間に埋まって行くかも知れない。
が、そうするつもりは毛頭無い。

『………おい』
彼の“もの”を見つめながら指を動かし続けていると、どうやら私は時間の経過を感じられなくなるようだ。
我に返ったのは彼がやはり怪訝そうに眉間に皺を寄せて“声”を掛けた時だった。
彼の視線に混じる疑問の色が私の心を大きく抉るが、今はもうどうでも良い。
彼の“もの”は再びいきり立ち、私は十分だと思われる程に女の蜜を溢れさせている。
こうなればもう止まらない。
仮に彼が捕縛を逃れる事があるならば、私は迷い無く魔力を解き放つ覚悟がある。

「大丈夫だから……」
自らに言い聞かせる様に呟いた後、私はゆっくりと立ち上がった。
そしてそのまま、椅子に縛り付けられた彼の肩に手を置き、彼の上に跨った。

「私の初めて……あげるから……」
後に続く言葉は、降ろした下腹部から生まれ出た、全身を貫く痛みにかき消された。
360SS書きの断末魔:2010/05/23(日) 23:37:58 ID:C7zb+h8I
以上です
次はいつになることやら……
361名無しさん@ピンキー:2010/05/25(火) 07:14:50 ID:AlwMvypD
GJGJ
362名無しさん@ピンキー:2010/05/25(火) 20:42:13 ID:E4uOtcbE
GJ。ありがとう。

そういえば最近姪っ子の数学みてたんだが、エンジェレのカイムって解無?
「数学教師の癖に…」とか言ってたら変な目で見られた。
盆にも会うというのに…
363名無しさん@ピンキー:2010/05/29(土) 11:51:09 ID:To9rY69t
>>360
エロ可愛いという言葉が思い付いた
王子って1の後は殺戮本能収まってるのかなと気になってきたよ

急かしはしないからゆっくり書いてくださいな〜
364名無しさん@ピンキー:2010/06/05(土) 08:44:35 ID:9/k4uVZX
エンジェレグナのカイムとアンヘル、やっぱいいな。
でもハンチさんもいいな・・・。
誰かハンチさんの小説書いてー!(><;)
365名無しさん@ピンキー:2010/06/05(土) 14:38:01 ID:ERqqTplg
女は30過ぎてから
366名無しさん@ピンキー:2010/06/06(日) 02:34:41 ID:kaqrG7cz
少年は6才が旬ですね
367名無しさん@ピンキー:2010/06/06(日) 18:09:43 ID:3t4ZtBF3
>>366
オナ兄さん乙
368名無しさん@ピンキー:2010/06/08(火) 17:56:23 ID:jhfls3dG
アンヘルの淫夢を見れたはいいが、エンジェルメモリーズだったかの
よりによって幼女バージョン相手に盛ってた俺はもう駄目かもわからんね
しかもセクロスしたとかでなく覗き見ながら裏の林で…
369名無しさん@ピンキー:2010/06/08(火) 21:11:13 ID:4SJ9t6jo
>>368
ズブシャッ
370名無しさん@ピンキー:2010/06/08(火) 21:13:49 ID:0HtaAy49
王子がアップを始めあ、もう動いてたか
371名無しさん@ピンキー:2010/06/08(火) 22:05:54 ID:pQboi2tL
断末魔氏マダー?
372SS書きの断末魔:2010/06/09(水) 11:09:07 ID:A4gmSYJr
さて、盛り上がってきたところで投下します

正直急ぎ足で書き上げたので細かな矛盾などは黙認してやってください……
373SS書きの断末魔:2010/06/09(水) 11:09:27 ID:A4gmSYJr
「くぁッ、ぁ……!」
全身に鋭い痛みが走った。
熱く赤熱する焼き鏝を押し当てられた様なその痛みは、彼と私との間に結ばれた新しい絆の証し。
痛みがもたらす充実感は絶大で、思わず硬直しそうになる身体を奮い立たせてくれた。
腰から下が振るえて力が入らないが、なんとか身を起こして彼の肩を掴んでいた手から力を抜く。
手を乗せたまま身体を前に倒すと、丁度彼に抱き付く体勢になった。
互いの息が顔に吹きかかるまで近付くと、彼の表情が先程の怪訝そうなもの“だけではない”事に気が付いた。
そのもう一つの表情を伺っていると、その表情は太陽が雲に隠れるように消えてしまった。
浮んだままの私の疑問符だったが、すぐにその表情は現れた。

『………ッ!』
何気無い動きだった。
私が内腿の皮膚が擦れ無いように体制を整えた時、痛みに耐えながら身体を僅かに持ち上げた瞬間だ。
彼の怪訝な表情が一瞬にして消え、取って代わって息苦しさを押し殺したような、表情。
この状況でその表情が何を表しているか、たった一つの答えしか導けないが、私はその答えに辿り着くまで数秒の間を必要とした。

「カイ……ムゥ……」
痛みは変わらずに、ある。
しかし彼の表情は私に悦びを与え、身体を奮い立たせてくれた。
彼の手に再び手を置き、腕、腰、足に力を込める。
全身を使い、繋がった彼の“もの”を愛撫する。
私から濡れ落ちる液体が血だけではなくなる頃には、彼は吐息を隠しきれなくなっていた。

「ねぇ……? これでカイムは私を嫌ってくれるよね?
 怨んで憎んで蔑んでくれるよね?
 前みたいに無理矢理にでも世界中を連れ回してくれるよね?
 私を………………ひとりにしないよね?」
防波堤が濁流によって決壊したように、私の口から言葉が溢れ出した。
嫌われても良い。
憎まれれば良い。
一生を罪に縛り付けられてしまえば良い。
そうすれば、私はずっと彼と一緒に居られる。
ひとりで空を見上げる事も、寒さに震える事も、涙を流す事も無くなる。
彼が傍に居てくれる──────ひとりぼっちじゃ、ない。
374SS書きの断末魔:2010/06/09(水) 11:09:48 ID:A4gmSYJr
───何故だ?
彼女の真意が読み取れなかった。
六年間も一緒に居て、だ。

───何故だ?
食事に何かいつもは無い違和感を感じた。
だが、気にしなかった。
彼女が食べ慣れた料理に一工夫したのだと、勝手に合点した。
数年前ならばそんな事は無かっただろう。
気を許した結果、縛り付けられた上で彼女の“花”を散らす事になった。

───何故だ?
俺は彼女をひとりにするつもりなど無かった。
これからずっと、一緒に居るつもりだった。
そうしなければ、彼女は人々に石を投げつけられてしまうから。
“裁く者”が傍に居なければ、彼女の心の傷を知らぬ者達に疎まれてしまう。
だからずっと、傍に居る。
彼女の全てを受け入れ、世界の全てを敵に回しても彼女を“護る”と言う人間が現れるまで、俺が“護る”

───何故だ?
この程度の手枷は、腕の力だけで引き千切れる。
だがそうなる事は彼女は望んでいないのだろう。
彼女は俺に自らの“花”を散らせた。
それが一体何を“生み出す事に”なるかを分かっての事だろう。

───何故だ?

───お主とて、この娘と過ごした時を無駄だとは思わぬだろう? 否、大切なものだと、思っているのだろう?
脳裏に“声”が走った。
懐かしい、“声”だった。

───善も悪も関係無く、この娘を大切だと思っているのだろう? それはこの娘も同様………なんとも罪な男よ。もはやこの娘も、お主無しでは生きられぬぞ?

───………………
言葉を返せない。
一字一句抜ける事無く、脳髄の奥に染み渡る様だ。

───せめて、お主と我くらいはこの娘を“赦して”やろうではないか。それが“お主と我の望み”である以上、それは世界の意思であろう?

───………………………だが

───せめてその娘の願いを叶えてやれ。それは我の願いでもある。………お主の幸せに繋がるからな。お主が幸せになってくれれば我は………

───………アンヘル?
それきり、言葉は聞こえなくなった。
375SS書きの断末魔:2010/06/09(水) 11:10:10 ID:A4gmSYJr
「……うぁぴッ!?」
変な声が出た。
それはもう、甲高い変な声が。
頭のてっぺんに鈍痛が走り、彼の溜息が聞こえた。
正面に見据えた彼と私の顔の間には、手首に縛り付けられていた痕が残る腕があった。
彼の表情は、まだ私が幼い頃、彼の寝顔にいたずらをした時に叱り付けてくれた時の表情と同じものだった。
懐かしさと予想も出来なかった状況で、私は先程までの昂揚や女としての悦びの一切を忘れてしまった。

『何をどう考えたらこんな事に先走るのか……良いかマナ、前提として言っておくが俺はお前を見捨てるだの置き去りにするだのするつもりは無い。と言うかお前みたいなお

転婆娘を野放しになどしたら後味が悪過ぎる』
指し伸ばした彼の手は私の頭をそっと包み込み、互いのおでこをくっつけると彼の“声”が鮮明に聞こえた。
彼は私を叱る時、高熱に意識が揺らいでいる時、悪夢にうなされる夜、こうして“声”を聞かせてくれた。

『………俺を誘惑したいなら、もっと成熟してからにするんだな』

「………………ッッッ〜〜!!」
急に恥ずかしさが込み上げてきた。
先程まで自分がやっていた事を考えれば何のこともない一言だが、思いの外私の心には大きな衝撃を生んだ。

「な……なによそれ!? いっつも私の事いやらしい眼で見てるからてっきりロリコンなんだとばっかり………!」

『はいはいそうかそうか……』
“地”が出た私の言葉を軽く受け流すと、彼は私をひょいと持ち上げた。
ヌチャリと抜け落ちる音が部屋に響き、それも私の顔を赤く火照させる要因になった。
完全に頭は普段(よりも幼く)に切り替わり、思い出される自分の行動に赤面するばかりだった。

『あれだけの事をやってのけたんだ、体調は万全なんだろう?』
彼はテキパキと脱がされた衣服を身に纏い、勢い良く窓を開けながら呟いた。
冷たい外の空気を背に、彼はいつもの有無を言わさぬ口調と堅牢な意思を象徴する眼光を宿した瞳で真っ直ぐ私を見つめて、言葉を続けた。

『アンヘルの“声”が途切れた。何かあったのかも知れない……一緒に来てくれ』
最後の一言で。
そのたった一言で、私は私自身の生きる証を得た。
恥ずかしさなどどうでも良くなった。
一糸纏わぬ姿で彼に歩み寄り、そのまま身を預けるように凭れ掛かった。
彼は私を、しっかりと受け止めてくれた。

「……私が嫌だって言っても、腕を掴んで無理矢理引きずってでも連れてくつもりなんでしょ?」
精一杯憎まれ口を叩いきながら彼の顔を見上げるが、視界はぼやけて彼の表情が分からない。

『無論、そうするつもりさだ』
再び彼と私のおでこがくっつき、彼の“声”が私を包み込んだ。
最初の思惑通りに事は進まなかったが、私は新しい絆を手に入れた。
世界で私と彼だけの間に存在する、絆を。





『……どうでも良いが、早く服ぐらい着たらどうだ?』

「……このロリコン王子ッ!!」
376SS書きの断末魔:2010/06/09(水) 11:12:08 ID:A4gmSYJr
以上です
結局父と娘で納まりました

話は変わりますがニーアではカイムは生き残っていたのでしょうかね?



 襲撃事件 の文字に心躍りました
377名無しさん@ピンキー:2010/06/12(土) 01:04:04 ID:kQecHanx
>>376
GJGJGJ!!
寸止めならぬ寸切りは正直残念だけど、こんなのも良いかもしれないと思えた!
ニーアとの微妙なリンクを含めて良いSSでした!






ニーアの襲撃者はカイムだと思われ
378名無しさん@ピンキー:2010/06/17(木) 23:20:15 ID:CENzGDCJ
次スレからキャビア総合にしない?
379名無しさん@ピンキー:2010/06/18(金) 14:51:43 ID:1tkK00AC
過疎ってるしこのスレからキャビア総合でもいい気がするが
新規の人に分かりづらいか
380名無しさん@ピンキー:2010/06/18(金) 18:42:43 ID:dk2uVnVe
なんだかなぁ
381名無しさん@ピンキー:2010/06/18(金) 23:50:29 ID:9Jy7OcVn
>>376
カイムのこのみは あかくてぐらまー(ぜんちょう25m)なひとらしい
マナもおおきくなったら そうなるとおもう!
382名無しさん@ピンキー:2010/06/19(土) 14:39:18 ID:jOrngx7g
>>381
なんというヨナ
383名無しさん@ピンキー:2010/06/20(日) 01:28:32 ID:A62K0zyp
ヨナもそうおもう
384名無しさん@ピンキー:2010/06/20(日) 04:18:26 ID:eIZjy0FZ
統合してもいいかもね、ほぼ過疎だし
ただ次スレまで遠いな
385名無しさん@ピンキー:2010/06/20(日) 22:35:09 ID:X/1Bsn5v
ほむ
386名無しさん@ピンキー:2010/06/25(金) 00:14:19 ID:jB8HQWe1
誰もいないようなので、アンヘルは戴いていきますね
387名無しさん@ピンキー:2010/06/25(金) 00:15:27 ID:4hCLUc9I
>>386
ドブシャ
388名無しさん@ピンキー:2010/06/25(金) 00:16:47 ID:Q5oPYZvB
早いwww王子早いwww
389名無しさん@ピンキー:2010/06/25(金) 00:28:53 ID:q6cBoJN5
過疎ってるなぁ…と思えばw
職人さんまだー?
390名無しさん@ピンキー:2010/06/25(金) 00:47:51 ID:NDRevTSV
>>389
断末魔氏は忙しいみたいだしな
座して待とうか
391名無しさん@ピンキー:2010/06/29(火) 17:38:58 ID:rHHwReEL
何故だ、普段の俺なら人×竜なんてまったく受け付けないのにカイアンだと普通にイケる
392名無しさん@ピンキー:2010/06/30(水) 00:22:50 ID:S8L+LbJv
【】で作品名を入れるとか。
393名無しさん@ピンキー:2010/07/02(金) 22:33:38 ID:KxPJSd8o
>>391
なぁ、目が赤いが大丈夫か?
394名無しさん@ピンキー:2010/07/03(土) 03:12:47 ID:IfafCkgG
わかりやすい自演だなあ
395名無しさん@ピンキー:2010/07/03(土) 03:14:36 ID:KAqpPB8U
じぇんじぇんそんなことないよ
396名無しさん@ピンキー:2010/07/03(土) 11:52:46 ID:w87GNRSG
過疎ってきたなぁ…

小ネタで良いから誰が投下してくれないかな
397竜啼 ◆Ub.tayqwkM :2010/07/03(土) 21:46:36 ID:+QR4WRks
お久しぶりです
規制解除が無理そうなので携帯から行きます
準備するので少々お待ちを……
398まどろみの中で ◆Ub.tayqwkM :2010/07/03(土) 22:00:40 ID:+QR4WRks
「ずっと・・・こうしたいと思っていた」

---・・・そうか

フリアエはカイムの胸へと抱かれ何を思うのか、目をそっと閉じてそう言うが
容だけ似せられた者が妹の本心を語る事にカイムは顔を顰めた。
・・・が一言呟くのみでカイムの手は目の前の者の頭を撫でた。

---っ!・・・

突如、カイムの身体がビクリと跳ねる。
フリアエの身体が己の物に触れる事により再び欲望が露になった為だ。
フリアエも小さく声を上げ履物の下からでも分かるカイムの物の形に息を呑む

「兄さん・・・私で興奮しているの?」

---こ、これは違・・・
「兄さんっ・・・」
誰かが盛った薬の所為だ・・・そう言いたかったカイムだが
それを遮るかのように語気強く兄と呼ばれカイムは言葉を続けられなかった。
妹(フリアエ)で興奮している等、信じたくはないが否定も出来ないからだ。

「軽蔑なんかしないわ・・・寧ろ嬉しいの兄さんが想ってくれて」

---フリア・・・エ・・・

フリアエのその白い手が形に沿う様にカイムの物を一撫ですると一段と硬さを増して
キツそうだったズボンも、じんわりと濡れた下着も全て剥がされて
露になったカイムのペニスをまじまじと見つめ裏筋をゆっくりと舐め上げた。

「これが、兄さんの・・・大きい・・・」
---・・・無理はするな

「大丈夫よ・・・っん」

次の瞬間にはカイムの物がフリアエの口の中へ中程まで消えて行った。
カイムは顔を歪めて、声無き声を上げ徐々に息を荒くしていく・・・。
399まどろみの中で ◆Ub.tayqwkM :2010/07/03(土) 22:03:20 ID:+QR4WRks

「初め・・・て、だけど・・・良さそうで・・・良かった・・・」

---っが、そんな・・・顔をするな・・・

ジュプジュプと淫らに水音を響かせながら頭を上下させ、
何度もカイムの物がフリアエの咥内へと出し入れされる。
そんな中カイムの顔を見上げたフリアエの表情を見たカイムは
一言そう言って顔をそらし、呼吸を荒くしていった・・・。

「っん・・・ふ・・・っく・・・」

---っ駄目だ!、フリアエ・・・で、る・・・

「っきゃ・・・あぁ、ん・・・っ・・・」

一瞬張り詰めた肉棒が次の瞬間には弾けて
その大量の精液に受け止め切れなかったフリアエは
口から精液を垂らし、未だ射精を続ける物を押さえる。
しかし、勢いよく出るそれを押さえきれる筈もなく頭から盛大に被ってしまった。

「お兄ちゃ・・・きゃっ!」

カイムを非難するように不満気に声をあげたフリアエを
カイムは飛び起きて押し倒してしまった。
400竜啼 ◆Ub.tayqwkM :2010/07/03(土) 22:05:31 ID:+QR4WRks
コピーするだけで一苦労という……

取り合えずは合併して欲しいかな
ニーア書きたいよニーア
401名無しさん@ピンキー:2010/07/04(日) 03:26:32 ID:+6bE5SR0
よくやった
これはカイネのおいなりさんだ存分にくらえ|Д`)ノ⌒∞
402名無しさん@ピンキー:2010/07/05(月) 01:19:17 ID:6zeQiT6y
>>竜啼氏
更新ありがとー
実はもう更新してくれないんじゃないかとハラハラしてたよ・・・
フリアエッフリアエッフリアエッフリッアッエッフリッフリフリ
403名無しさん@ピンキー:2010/07/05(月) 13:06:01 ID:eot941UI
そういえばカイネって玉あるのかね
ふたなりは玉無しのイメージがあるんだが
404名無しさん@ピンキー:2010/07/05(月) 16:10:47 ID:ZCI7OAoC
俺ニーアクリアしたらアンヘルたんに魔法を使えるようにしてもらうんだ
405名無しさん@そうだ選挙に行こう:2010/07/11(日) 15:09:28 ID:v4GQpPk6
そういやキャビア潰れたらしいな
406名無しさん@ピンキー:2010/07/18(日) 23:17:57 ID:kjXbPgP8
いつ落ちるのか判らんが一週間書き込みがないと不安になる!
407名無しさん@ピンキー:2010/07/21(水) 03:42:00 ID:3x42sihs
とりあえずアンヘルたんの柔らかそうなお腹にちゅっちゅ…

おやこんな時間に誰か
408名無しさん@ピンキー:2010/07/21(水) 05:27:47 ID:MHdjSnSw
>>407
本日早朝、斬殺遺体が発見されました。
情報が入り次第お伝えします…
409名無しさん@ピンキー:2010/07/21(水) 10:16:08 ID:tUeMYo4g
王子仕事早っw
410名無しさん@ピンキー:2010/07/28(水) 21:27:58 ID:Hy3zO0FQ
保守
断末魔氏は何処へ…
411名無しさん@ピンキー:2010/08/05(木) 00:45:37 ID:dC7f9UPA
>>410
いつもは書き上げてから、次のリクエストを訊いてくれるのに今回それがないってことは・・・
412名無しさん@ピンキー:2010/08/05(木) 01:41:29 ID:tgGsOVa7
>>411
かなぁ、やっぱり
他のSSは書いてるみたいだけど・・・

つまりはアレか
我々の妄想をぶちまけろと言うわけか
413 ◆Ub.tayqwkM :2010/08/12(木) 20:04:01 ID:1eQSYQGT
またPC逝ったorz
今度はネット繋がらなくなったぜ
やっとこさニーア手に入れたから
プレイして鬱になってくるぜ
414名無しさん@ピンキー:2010/08/15(日) 05:26:59 ID:lF4t1aOk
イウバルト×フリアエの陵辱ものが見たい…
415名無しさん@ピンキー:2010/08/17(火) 00:33:23 ID:AekQtKPh
もう断末魔氏は書かないって決まった訳じゃないけどお礼をば
長い間ほんとうに、ほんとうにありがとうございました!

オナ兄さんのオナニー書いてもらってなんていうかスミマセンw
だが反省はしていない!
416 ◆Ub.tayqwkM :2010/08/17(火) 16:53:14 ID:h++X5/th
一周目と二周目のおかげで鬱になれますた(´・ω・`)
さて残るは武器コンプか……セーブデータ削除有るらしいけど何故に?
ニーア書きたくなってきた……取り敢えず今の奴を完成させるか
417名無しさん@ピンキー:2010/08/17(火) 23:20:55 ID:8LHIwOGz
>>416
セーブ削除は個人的には納得だった

エミール可愛いよ
オナ兄さんの気持ちが少し分かった←
418名無しさん@ピンキー:2010/08/18(水) 04:55:17 ID:HEzImmZX
>>415
まだだ、まだ希望はあるッ!!
419SS書きの断末魔:2010/08/18(水) 19:21:50 ID:pxz/gwOb
あれ……死亡フラグどころか死亡確定な雰囲気に……

時間と意欲が回復してきたので短いながら書けそうです
基本陵辱は苦手ですが何故か>>414ならいけそうです
420SS書きの断末魔:2010/08/18(水) 19:23:01 ID:pxz/gwOb
イウヴァルト×フリアエ(陵辱物)

苦手な方はNGしといて下さいな

獣〜けだもの〜
421獣〜けだもの〜:2010/08/18(水) 19:23:39 ID:pxz/gwOb

「大丈夫だフリアエ……ここまでは帝国兵は来れないさ」

「分かっています……けど……」
昼に始まり、深夜になって尚衰えない帝国軍の襲撃に、女神フリアエの心は磨り減っていた。
もとより頑丈とは決して言えない、むしろ虚弱な身体のフリアエにとって、今の状況は極めて悪いと言わざるを得ない。
ほんの数週間前までは、神官達に守られ、仕える女達に身の回りの世話をして貰っていたのだ。
そんな最高の環境ならいざ知らず、所々布が解れ始めているテントで、しかも常に帝国兵の襲撃に怯える毎日は、彼女にとって苦行以外の何物でもない筈。

「怪我をしている人の治療は進んでいますか?」

「あぁ。今さっき見てきたけど、神官長は一段落したと言っていた」
自らよりも他者を気にする姿は、言葉通り女神だった。
今現在、連合軍の主戦力である三人の契約者達の活躍によって、帝国軍の進軍は収まっている。
盲目であり、フェアリーと契約関係にあるレオナールは野営地に防衛戦力として残っており、残党が来た所で然したる問題は無い筈だ。

「兄さんは……アリオーシュさんは無事だと良いのですが……」
二体の精霊、サラマンダーとウンディーネと契約しているエルフの女、アリオーシュ。
そして赤いドラゴンと契約した、彼女の兄であるカイム。
この二人は敗走する帝国軍を追撃し、今頃一方的な殺戮を繰り広げている事だろう。
だが二人の身を案じるフリアエとは対照的に、彼女の警護を任された青年、イウヴァルトは彼女の言葉に苛立ちを覚えていた。
なにも二人が憎い訳ではない。
ただフリアエの声の調子が、兄の名を呼ぶ時だけ僅かに高まる事が気に入らなかった。
ただそれだけの事が引き金になり、この後イウヴァルトを狂わせる事になることなど、フリアエはおろかイウヴァルト自身も夢にも思わなかった事だろう。



イウヴァルトの苛立ちから十数分後、帝国軍の残党が野営地を襲撃した。
数は極少数であったが、大回りで野営地の裏に回り、事もあろうに最深部に突如として出現した。
野営地の最深部、それは連合軍が最優先で守るべき、女神のいるテントがある場所だった。

422獣〜けだもの〜:2010/08/18(水) 19:25:40 ID:pxz/gwOb
『……アリオーシュ、野営地に戻るぞ』

「何故? まだあまり殺してない……」
レオナールからの“声”を聞いたカイムは、先行していたアリオーシュに要件だけを伝え右手を空に掲げた。
竜の咆哮と風を掴み翼の音が辺りに響き、五秒と掛からずアンヘルはカイムの真上へと急降下。
アリオーシュはカイムの言葉を理解できなかったのか無視したのか、はたまた殺し足りないのか、覚束ない足取りで逃げ惑う帝国兵達を追い、森の暗がりへと消えていった。

「あ奴は……置いていっても良いだろう、勝手に戻ってくるだろうて」
呆れるよなアンヘルの言葉は甚だ尤もで、カイムは迷う事無くアンヘルの背中に飛び乗った。
同時に翼が風を捉え、アンヘルはカイムを背中に乗せ一気に上昇、野営地を遠く見渡せる位置にまで飛び上がった。

「火が上がらぬ所をみると、どうやら暗殺を生業にする者達に襲撃されたか……」

『今すぐ戻るぞ』

「レオナールとイウヴァルトが居るだろうに……まぁ、お主とてそれを分かっておるだろうが」

『………………』
アンヘルの言葉にカイムは返事をせず、ただ右手の長剣を握り直した。
今から野営地に戻った所で、なんら意味の無い事は明白だった。
レオナールが居る以上、彼が襲撃者に対応出来るか出来ないかの問題であり、カイムが帰還する必要性は全く無い。
だからと言って帝国兵残党狩りを行う程、カイムは人間性を失っては居ない。

「まったく……あの者が哀れだな」
そんなカイムの心情を察したアンヘルは、カイムが気が付きすらしなかった、女神を守っている青年の事を憐れんだ。
そしてアンヘルは自らが言葉を言い終わる前に、野営地に向け翼を羽ばたかせた。
423獣〜けだもの〜:2010/08/18(水) 19:26:03 ID:pxz/gwOb
「なんだ……こいつ等は!」
フリアエのテントへ近付く黒い影に気付いたイウヴァルトは、ギリギリまで気付いていない振りに徹し、その影に刃が届く距離になった瞬間長剣を振りかぶった。
侵入者は不意を付く事を主としていた様で、自らが不意を疲れることには慣れておらず、胴体に心臓に至る切り傷を受け、血を撒き散らしながら絶命した。
黒装束で全身を覆い隠し、手には鋭利なナイフを握っていた。
息を整えながら周囲を見渡すイウヴァルトは、四散する光を遠くに見た。
何度か見たことのあるその光は、レオナールが放つ強力な魔法によるものだと直ぐに分かった。
二つ三つと重なる光に安堵に息を吐くイウヴァルトだったが、背後のテントから聞こえた物音に再び神経を張り詰めた。

「………フリアエ?」
剣でテントの入り口を開けながらそう呟いたが、返事は無かった。
一歩踏み出そうとした時、背後から差し込んだ光がテントの中を一瞬照らし、中の様子が垣間見えた。
ナイフを振り翳した黒装束の男の背中と、頭を手で抑え地に伏したフリアエの姿。
気が付いた時には、イウヴァルトの長剣が黒装束の男の首を跳ね飛ばしていた。



「無事か? フリアエ……!?」
崩れ落ちる黒装束を蹴り飛ばし、イウヴァルトは倒れているフリアエの傍に駆け寄った。
黒装束の持つナイフが血に汚れていない所とナイフを振りかぶっていた事を合わせて考えると、少なくともフリアエの命は無事であると予想できた。
事実イウヴァルトが歩み寄ると、フリアエは小さく呻いた。
うつ伏せに倒れたフリアエは、どうやら後頭部を強打されて意識を失ったようだった。
それに安堵したイウヴァルトは、しゃがみ込みそっとフリアエの身体を仰向けに直そうと手を掛けた。

「女神は、女神は無事ですか?」
まさにその瞬間、テントの外から聞こえた声はレオナールのものだった。
やや早口で、荒々しく呼吸しながらの大声での問いかけに、イウヴァルトは視線をテントの外に向け、同じく大声で返事をした。

「フリアエは無事だ! 周辺の警戒を頼む!」

「良かった、無事なんですね? 了解です、女神は頼みました。」
短い会話の後、レオナールの遠ざかる足音を聞いて、イウヴァルトは一段落したなと安心した。
後はフリアエに傷を見て適切な処置を──
そう考え仰向けになったフリアエに視線を落とすと、そこに見えたのはイウヴァルトの予想の範疇を超えたものだった。
白い服に血が滲んでいる訳ではなく、フリアエが苦しんでいる訳でもない。
なにもナイフが切り裂くのは、生きた人間の身体だけとは限らない。
相手が後ろに下がれば、当然その切っ先が何かを捉える事は無い。
が、緊迫した状況であればある程ナイフは身体に近い場所を通る事になる。
紙一重の状況であるならば、ナイフは身体を捉えずとも、ナイフと身体の間にあるものを切り裂く。

「フリ……アエ……?」
つまり、フリアエは無傷ではあったがなんの被害も受けていない訳ではない。
白い服は無残にも下着ごと引き裂かれ、白い肌が、白い小振りな乳房が、イウヴァルトの手を指し伸ばせば触れることが出来る距離に現れた。

「あ……あぁ……」
イウヴァルドは自らから漏れ出る声を抑えようと手で口を覆ったが、替わりに何かが解け落ちる音が聞こえた。
今、その瞬間の己の中に目覚めた欲望に忠実な獣は、覆い被さるように四つん這いになった。

424SS書きの断末魔:2010/08/18(水) 19:26:55 ID:pxz/gwOb
取り合えずここまで……

週一ぐらいでなら何とか成りそうです
425名無しさん@ピンキー:2010/08/18(水) 19:57:26 ID:HEzImmZX
>>419

(´ Д ) ゚ ゚

奇跡や…奇跡があった…

本当に本当にありがとう…、断末魔氏…
426名無しさん@ピンキー:2010/08/19(木) 02:28:11 ID:ZE57r4rD
自分>>414なんだがまさか書いて頂けてるとは思わなんだw

イウフリずっと見たかったからマジ嬉しいっす
書いてくれて&戻ってきてくれてありがとう、断末魔氏!

ああ、続きが楽しみすぎるぜwハアハア
427名無しさん@ピンキー:2010/08/19(木) 15:55:51 ID:EA7Jj5wU
久々に来たら更新されてて俺幸せ
なんて言うか使い古されて在り来たりな言葉だけどGJ
428 ◆Ub.tayqwkM :2010/08/22(日) 16:10:23 ID:w9F9Jkvm
おかえり&GJ
しかし、携帯では保管が出来ん……orz
誰か 保管 頼む

ニーア良かったから二周目はプレイ撮影しながらやる
429名無しさん@ピンキー:2010/08/22(日) 20:50:46 ID:iBd4emfF
>>428
これで良いのか、カイム・・・

wiki編集なんてしたことないから間違ってたり追記漏れがあったら
遠慮なく修正してくれ
430SS書きの断末魔:2010/08/25(水) 21:58:09 ID:Lk0E+2vo
さて、一週間経ちましたしぶつ切り投下
やはり行為の描写に悩みつつ、睡眠姦も中々いいなと外道へ至る道がちらほら……
431獣〜けだもの〜:2010/08/25(水) 21:58:42 ID:Lk0E+2vo
今まで、そしてこれからも誰も触ることすら無いであろうフリアエの乳房は、イウヴァルトの抑圧された欲望を曝け出すには十分過ぎるものだった。
無意識の内に右手が動き、その柔らかな二つの丘に伸びて行く。

「ぅ………ん………」
イウヴァルトの指が白い乳房に僅かに飲み込まれると、意識を失っている筈のフリアエは声を上げた。
今は骸となった襲撃者の、頭部への衝撃が幸いにも弱く、直ぐにでも意識を取り戻す事だろう。
が、今のイウヴァルトにそんな事を考える余裕は無い。
乳房を弄る手には徐々に力が入り、それ反応して形状を変化させる乳首を指で挟み込む。
フリアエの頬は僅かに赤く染まり、ゆっくりとしていた呼吸も乱れ始める。

「んッ……ふぁ……」
次にフリアエが声を上げたのは、イウヴァルトが手をどけ、フリアエの乳房を、乳首を舌で舐め始めた時だった。
用心深い犬の様にゆっくりと差し出された舌は、先端が目的地に達した瞬間に別の者にすり替わった。
渇いた野犬が、漸く水を見付け、一滴残らず飲み乾そうとしている時の様に。
躾のなっていない犬が、主人に飛び掛りその顔を嘗め尽くさんとする時の様に。
欲望に忠実に、上下前後へ忙しく動き始めた。
唾液で濡らす様にザラザラとした舌を擦り付け、時折吸い付いて赤い痕を残す。
散った花弁に似たその痕を見つめ、息を荒げながらイウヴァルトは立ち上がった。
ズボンから自らの“もの”を取り出し、僅かに被った皮を根元へ引き込もうと握る。
が、その手は引かれる事無く、イウヴァルトは歪んだ笑みを浮かべて小さく呟いた。

「細い……指だ……」
フリアエの顔の直ぐ傍へ膝を下ろし、投げ出された手をそっと取る。
そのまま自らの“もの”へ導き、覆うように握らせた。
握らせた白い指の感触は、細く弱いが、イウヴァルトはその感触に酔いしれた。

「んッ……」
フリアエは僅かに身を捩った。
意識の回復がより近付いている証拠であったが、その捩りによってカリ首を覆う皮がずれた。
多少強引であるが、“フリアエによって”皮を剥かれたという事実はイウヴァルトの増長を更に促す。
そのままフリアエの手を覆うように自らの手を握り、さも手で慰めてもらうように手を動かす。
踏まれた草の匂いと、撒かれた血の匂い。
そしてイウヴァルトの“もの”が放つ、汗と垢とが混じった独特の匂いとが交じり合い、テント内はその匂いが充満していた
432獣〜けだもの〜:2010/08/25(水) 21:59:02 ID:Lk0E+2vo
「はぁ……はぁ……」
駆け上る衝動を抑えようともしなかったイウヴァルトは、ものの数十秒で限界に達し、今まさに精を解き放たんとしていた。
屈み込み、フリアエの顔を覆うように腰を近付け、その頬に“もの”を押し付ける。
“もの”の先端から溢れ出る先走り液はフリアエの頬に塗りたくられ、テント越しに差し込む薄明かりにテラテラと反射していた。

「はぐッ………あっ………!」
フリアエの細い指に包まれ、敏感な亀頭を擦る柔らかい頬の感触に後押しされ、イウヴァルトは精を解き放った。
心臓の鼓動と寸分替わらず脈動するイウヴァルト“もの”は、終わりが無いのかと思ってしまう程の大量の精液を吐き出し、いきり立ち震える。
汚れを知らなかったであろうフリアエの綺麗な顔は、イウヴァルトの白濁した精液によって穢されてしまった。
頬を、鼻を、髪を、一直線に走った精液は、余程の濃度なのか形を保ったまま佇んでいた。

「ハァ……ハァ……ハハ……ハハハ……」
その様を見下ろすイウヴァルトは荒れた息を押し退け、静かに笑い始めた。

「守らなければならない清純を、俺が汚してやった……女神フリアエを、征服した。これでフリアエは俺のものだ、カイム!」
錯綜する意識はイウヴァルトにそう呟かせ、その言葉の最後、カイムと呼んだ声は勝ち誇ったように高らかだった。

「ん……私は……」
その言葉を意識を取り戻したフリアエは、眼前に立ち尽くす男の様と、自らの切り裂かれた衣服とを見比べ、本能的に状況を察した。
そして白濁に汚れた顔から垂れ落ちる精液を感じ取り、手で拭い、独特の匂いを嗅ぎ取り、悟った。
もう事は始まり、自分には抗う事しか出来ない事を。

「そんな……ッ!?」
叫び声は口を覆ったイウヴァルトの手によって単なる唸り声となり、脱しようと力を込めた手足は簡単に抑え込まれた。
元よりの男女の差に加え、フリアエは守られ続けてきた女神であり、イウヴァルトは戦場を駆ける傭兵の経験を持つ屈強な男。
力の差は明白で、結果は一つ。

「ハハ……ハハハ………!」

「こんな……なんで……?」
思いは唸り声に埋もれ、心の中でだけ残響を残した。
433SS書きの断末魔:2010/08/25(水) 22:00:17 ID:Lk0E+2vo
以上……
どうにも前の様には書けず……orz
434名無しさん@ピンキー:2010/08/26(木) 00:11:49 ID:lOlofc9m
>>433
いやいや十分楽しませてもらってます
フリアエ好きにはたまらんですよw
更新GJ!

そういやイウヴァルトってやっぱり童貞だったのかな
カイムは経験ありそうだけども
435名無しさん@ピンキー:2010/08/26(木) 00:33:38 ID:mlsWgRvJ
>>433
他の者とは違う、”ちょっと汚れた戦場の男”の描写が凄く新鮮でした
イウヴァルトにしか出来ない下種な・・・いや下卑た行為もいいな

睡眠姦で終わるのかと思ってたらフリアエ起きちゃったよ!
どうするんだイウヴァルト!いや、このケダモノ!
436名無しさん@ピンキー:2010/08/29(日) 03:03:20 ID:zDeQFFjw
>>433
うおおおお、書いてくれてd
やっぱり陵辱モノの男は溜まってる小汚いオッサンに限るな!
437名無しさん@ピンキー:2010/09/03(金) 09:43:54 ID:ftZNEvga
続きが気になる・・・
438SS書きの断末魔:2010/09/06(月) 15:52:59 ID:Vu4IoEcu
週一は無帽だったようです……
着実に書けなくなってるなぁと実感しつつぶつ切り投下
439獣〜けだもの〜:2010/09/06(月) 15:53:34 ID:Vu4IoEcu
鬼畜の名を冠するに十分な所業に手を染めたイウヴァルトだったが、それを恥じる事はおろか躊躇すらしない。
ただ新しい、ずっと欲しかった玩具を手に入れた子供の様に、嬉々として笑みを浮かべているだけ。
しかし眼の焦点は僅かにずれ、唇から時折こぼれる声は誰に呟かれたかが分からない。
仰向けのまま馬乗りし、右手で細い両手首をフリアエの頭上に抑え、左手は口を覆い声が漏れ出ぬようにされていた。
フリアエは最初こそ抗おうと全身に力を込めていたが、やがてそれが無駄だと察し、ゆっくりと全身から力を抜いていった。
だが抑え込む手から力は抜かれず、浮んだ薄笑いにフリアエは心底恐怖を感じた。

「ハハ……あいつが戻ってくる前に終わらせないとなぁ……?」
目尻に溜まった涙になど気を払わず、イウヴァルトは一人でそう合点するとやけにゆっくりとした動作で辺りを見回した。
そして目に付いたのは、衣服などを仕舞い込む木箱からはみ出た布切れ。
汗を拭うに丁度良い大きさのその布切れを掴む為、イウヴァルトはフリアエを見下ろし声を出すなと睨みを聞かせた。

「ッ………!」
元より抵抗する気など無いフリアエだったが、その狂鋭な視線に思わず身震いしてしまった。
漏れ出た声にイウヴァルトは伸ばした手を止めたが、直ぐに黙り込んだフリアエに満足そうに笑みを浮かべて手にした布切れを見せ付けた。
フリアエの両手を抑え込んでいた手を離し、怯えるフリアエの身体の下に手を差し込み、うつ伏せの体勢へと転がす。
従順なフリアエに更なる笑みを浮かべるイウヴァルトは、手にした布切れを捩って紐状にし、フリアエの顔の下へ通した。

「あっ……グッ……」
髪の毛を掴み首を後ろへと引き上げ、開いた口に噛ませ後頭部にて縛り上げる。
簡易な猿轡が出来上がり、これで口を抑える必要は無くなった。
片腕が自由になったイウヴァルトは、再びフリアエの身体を仰向けに直しその剥かれた裸体を見下ろした。
フリアエは僅かに首を横に揺らし、これから起こるであろう事に一応の拒否を示した。
だがそれに気付ける程イウヴァルトに気を配る余裕は無く、気付いた所で行為を止める理性など無い。
ただ本能のままに女を喰らい、犯し、孕ませようとする一匹の獣へと堕ちた男は、満面の笑みを浮かべ自らの欲求を満たそうと行動を開始した。
そんな獣に、遠くから迫り寄る兇刃の存在には気付ける訳が無かった。
440獣〜けだもの〜:2010/09/06(月) 15:54:47 ID:Vu4IoEcu
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

『状況は?』

「カ………カイム様ッ!?」
周囲を警戒していた兵士長の背後に、突如として黒髪の青年──カイムが現れ、兵士長の肩を叩いた。
肩を叩いた後に手の甲を見せる……少ないながらも、必要な情報を引き出す為に互いに取り決めた合図の一つ。
竜の背より飛び降りて現れることはもはや日常茶飯事であったが、野営地には木々が点在し、吹く風が乱気流を生み出している。
そんな野営地に、竜の背中より青年が飛び降りれるわけが無いと思っていた兵士長は、そんなカイムに驚きのあまりやや高い声でその名を呼んでしまった。
反射的に見上げた空には、小さいものの赤い竜の姿が見えた。

「カイム様……? まさかあの高さから……?」

『だから状況は?』
狼狽する兵士長に再び手の甲を見せ付けながら、カイムは両足首を気にしながら周囲に視線を巡らせた。
慌しい気配はするが血の臭いは酷くない事を感じ取り、そっと溜息を吐いた。

「あっ……ハッ! どうやら少数精鋭を送り込んできたらしく、女神様のテントにまで押し入られてしまい……グッ!」
言葉が言い終わらぬうち、カイムの手は兵士長の胸ぐらを掴み上げ、その鎧を纏った身体を持ち上げた。

「です……が、今はイウヴァルト様が傍にお付ですので危険はもう……ケハッ!」
やはり言葉が言い終わらぬうちにカイムの手からは力が抜かれ、兵士長の足は地に付いた。
普段から寡黙(と言うか喋れない)なカイムであったが、それでも末端の兵にまで気を配る度量を持っていた。
それは血筋に拠るものなのか、生来の性格なのかは判断のしようが無かったが、妹であり唯一家族のフリアエが事に関わると、他をかなぐり捨てて行動する別人の様に豹変す

る。

『フリアエ……無事か……?』
心の中で叫んだカイムは、息を整える兵士長を尻目に野営地の奥へと走り始めた。
獣が居座った、女神のテントを目指して。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
441SS書きの断末魔:2010/09/06(月) 15:55:20 ID:Vu4IoEcu
以上……
次回で終了の予定です
442名無しさん@ピンキー:2010/09/06(月) 21:54:56 ID:v4EPSfOn
>「ハハ……あいつが戻ってくる前に終わらせないとなぁ……?」

     |┃三        , ,__
     |┃        /: : : : : : `ヽ
     |┃       r: : : : : : : : : : : \
 ガラッ. |┃      /: : : : : : : : : : : : : : ヽ
     |┃      i: : : : /: : : : : : : : : : : :|
     |┃三    |: : : : |: : : |: : : : : : : : ヽ
     |┃     ノ: : 八|:\:|八: : : |: : : : \
     |┃     /i: :| :: ̄ヽ::´:::\: : : : 丈
     |┃三    イヽ   、.    \|乂
     |┃三    .ノ ハ\ ‐一  /:\
     |┃       // |::ヽ_/::::::/\_
     |┃      ノ | /::::::::::::::::::/ / / \
     |┃    ∠、 | /:::::::::::::::::ノ  /  /     ̄ヽ
     |┃    |  |\:::::::::::::::/_ノ /       |
     |┃    |  |\ ̄ ̄ _. / 了       \
     |┃三  ヽ.ノ   ̄ ̄ ̄  |  i         |
     |┃三   |        |  |         |
443名無しさん@ピンキー:2010/09/06(月) 23:05:43 ID:dLydPi+u
王子のAAがあることに驚いた
444名無しさん@ピンキー:2010/09/06(月) 23:38:50 ID:v4EPSfOn
>>443
断末魔氏のSSが楽しみすぎて作ってみた
AA作成初挑戦の拙作だから心の目で見てくれ

>>断末魔氏
死亡フラグ立てまくってるイウヴァルトの今後が楽し・・・心配でならない
カイム早く来てくれー!!
445名無しさん@ピンキー:2010/09/06(月) 23:49:55 ID:dLydPi+u
>>>444
自作かww初挑戦でこれはすげーよ

そして断末魔氏の作品読み終わった。執筆乙
フリアエ逃げてという気持ちとイウヴァルト最後までやっちまえという
気持ちで複雑だww続き楽しみにしてます
446名無しさん@ピンキー:2010/09/10(金) 22:29:34 ID:WF2Owizg
更新きてたか!
乙です

イウヴァルト死亡フラグわろたw
王子やっちゃって下さい
447名無しさん@ピンキー:2010/09/11(土) 11:48:48 ID:m91k/Zzi
断末魔氏乙です
またーりwktkでお待ちしております

>>442
話は聞かせてもらったぞ!
448名無しさん@ピンキー:2010/09/13(月) 00:17:07 ID:2uT4ECih
|д゚) ダレモイナイ…?報告スルナライマノウチ

>>217の小説投下したモンですが
自分で気に入らない部分が少しあったのでwikiの方修正しますた
なんで文章変わっててもどうぞ気になさらず(気にならないとは思いますが
載せてくれた人ほんとありがとうございます。一応報告までに…
449名無しさん@ピンキー:2010/09/13(月) 09:49:26 ID:yxgfF6S5
壁‖ω・`)
450名無しさん@ピンキー:2010/09/18(土) 01:01:24 ID:uuWLt3Ut
>>448
改めて読み返してみたけどやっぱりカイアンは萌えるな・・・!
八章みたいにデレデレなアンヘルにカイムが照れながらも応える関係も良いし
ぎこちないアンヘルを押しまくるカイムもいい
まさに一粒で二度おいしい

そして竜啼氏wiki更新お疲れ様です
いつの間にかアクセス数が凄いことになってるな・・・
451名無しさん@ピンキー:2010/09/21(火) 01:05:29 ID:tt+QyqPZ
他のエロパロスレは全く興味ないし見る気もせんのにどうしてこのスレだけはツボにはまるんだろうか
DODって設定がいいからかな…

更新待ってます!!
452名無しさん@ピンキー:2010/09/23(木) 02:25:55 ID:nWgbX8D6
久々のドットうp

                         ___          / ̄ ̄\
                       / ⌒  ⌒\      _ノ  ヽ、  \
ドットできたお!早速うpするお!!/ (⌒)  (⌒).\ .  (●)(● )   |   お前じゃねぇ
                    /   ///(__人__)/// \  (__人__)    . |       座ってろ
                     |   u.   `Y⌒y'´     |  .ヽ`⌒ ´     |
                     | \       ゙ー ′  (⌒ヽ l .{        /
                    l | /⌒ヽ   ー‐    ィヽ、.〉i.l  ヽ     /
                     i l|./.rー-、       r=ヽ.', ヽ、_/     ヽ
                    i./,ノ ヾ〉       ヾ_ノi `ヽ、_,ィ'´i     |
                    | ヽシ        |´ |      | >>451. |
453SS書きの断末魔:2010/09/24(金) 20:28:16 ID:ArG41Zg4
AAとドット絵が追加されている……だと……!

手な訳でこれにて締めます。
454獣〜けだもの:2010/09/24(金) 20:28:57 ID:ArG41Zg4
獣の思考の中には労りや慈しみは無く、ましてや愛でる心などは無い。
ただその時の欲望のままに、貪り、蹂躙せんとする色欲と執着心を満たそうとするのみ。

「んん……! んんッ……!?」
故に滾った“もの”を扱きながら、足を閉じてせめてもの抵抗に励むフリアエの膝を掴み、その足を開かせる。
獣の眼が白い質素な下着を捉えると、脱がせる事すらせず、ただ手で摘み、力の限りに引き降ろした。
薄い布が破れる高い音と共に、フリアエは少しばかり唸り声を上げ、首を嫌々と横に振った。

「ハハ……きれーだなぁ……」
次に獣の眼が捉えたのは、フリアエの何者にも犯されずに守り通され、これからも守り続けられる筈だった聖域だった。
僅かばかりの茂みに守られたその聖域に、獣は伸ばした舌の先端から涎を垂らしながら顔を近付けた。
その聖域はピタリと入り口が閉じられ、久しく“女である事”を忘れていた事が見て取れる。
だが獣がそんな事を考える事は無く、ただ貪りたい一心で顔を近付け舌を伸ばし、その入り口に自らの唾液の匂いを擦り付ける。
獣は、縄張りを主張する野良犬が尿を振りまく様に、ベタベタと唾液を擦り付けて喜んでいた。

「ホントはもっと、もっともっとなめたいけど、時間があまりないんだよぉ」
誰に言うわけでもない呟きと共に、獣は顔を上げると聖域の門に自ら腰を摺り寄せた。

「ヒヒ……ヒヒヒ……!」
“もの”の根元を掴み、先端をフリアエの閉じた秘所への入り口へとあてがうと、奇妙な笑い声を上げながら一気に腰を突き出した。

「んんーッ!? んん……ッ……!」
ギチギチと、力任せに肉を掻き分ける音がフリアエの全身に響き、耐え難い痛みが襲い掛かった。
一生来る筈の無かった破瓜の瞬間に、フリアエは痛みを上回る悲しさに涙を流した。
これがもし、フリアエ自身が望んでの事だったら。
相手が気遣いや労りの心を持っていれば。
痛みは幾分軽減され、上手くいけば痛みに匹敵する充実感や幸福感に包まれ、嬉しさからの涙すら浮べられたかもしれなかった。

「これで……これでフリアエは俺の……」
突き入れた“もの”が抜け落ちぬ程度に腰を引き、纏わり付いた血液を見下ろしながら、獣は長年の念願が叶ったかのように溜息を付いた。
そしてフリアエの身体を動かさんとする程に力強く、腰を前進させ再び“もの”をフリアエの奥深くへと突き立てる。

「ふぅ……くぁ……ッ!」
あまりの苦痛に快感など見出せないフリアエを尻目に、僅か三回の往復によって獣は限界へと至り、腰を沈めフリアエの奥深くへと精を放とうと息巻いた。

『イウヴァルトォォォォォォォォ!!』
獣が最後の一押しと唸った時、その背後に突如として血に塗れた長剣を手にした剣士、カイムが現れた。
カイムの状況把握・理解・取るべき行動の選定・実行は至る思考は脳髄を介さず、脊髄反射に勝る速度で身体を突き動かした。
455獣〜けだもの:2010/09/24(金) 20:29:53 ID:ArG41Zg4
突き抜ける憤怒はカイムの足に地を蹴らせ、長剣を握った手を振り上げさせた。
フリアエに覆い被さる獣に向け、彼我の距離を一息で詰め、命を奪えるものへと変える。
振り返った顔は幼い頃、共に剣術を学び、競い、兄弟の様に育った青年。
唯一の肉親である妹を、任せられると思っていた青年。
だが今は、その青年の顔は憎むべき敵に見え、抱く感情はドス黒い嫌悪であり憎悪だった。
迷い無く戸惑い無く躊躇無く、殺す為に打たれた長剣を叩き込む。

──それ以上の陵辱は許さない、死ね……死ね、死ね!! 死ね!!!
カイムの眼は悠然とそう語り、それを見た理性を失った獣ですら、恐怖を憶えた。

「カイムこれは……」
友“だった”者の言葉はそこで途絶えた。
カイムの長剣は後頭部より首を裂き、骨髄を砕く直前に止められた。
勢いのままに首を跳ねると言う、単純明快な行動を取ろうとしたカイムであったが、フリアエを思う一心からその剣は止められた。
飛び跳ねた勢いを殺さずに獣の脇に着地し、腰を落とし獣の身体を吹き飛ばせる位置に付く。
フリアエの身体をこれ以上汚さぬ様に、痛めぬ様に、獣の“もの”を引き抜かせる様に骨髄を長剣で捉え、獣の身体を吹き飛ばす。
幸か不幸か、カイムの行動により獣の白濁液はフリアエに聖域を穢さずに済んだようだった。
切り裂かれ、飛ばされた衝撃であらぬ方向を向いた獣の顔は、自らの“もの”から飛び散った白濁液により汚された。
その様を無言で見下ろすカイムは、荒げた息を整える暇も無く腰を降ろし、横たわるフリアエの轡を取り外した。

「兄……さん……」
妹の小さな呟きに、先程までとは打って変わって優しげな笑みを浮かべ、手近な毛布をその身体へと掛けた。
そして白濁液に塗れた頬を、髪を優しく撫で、自らの手が汚れる事を厭わずにそれらを拭い取る。
うわ言の様な呟きの中で、フリアエはずっと壊れた、封印、壊れたと繰り返していた。
456獣〜けだもの:2010/09/24(金) 20:31:48 ID:ArG41Zg4
丁度その頃、残党狩りに勤しむアリオーシュと、周囲に賊の気配が無いか気を張っていたレオナール。
咳き込みの治まった喉を労る兵士長と、周囲に配置された連合軍兵士達。
そして上空を飛ぶ赤き竜、アンヘルは、砕け落ちる空とその向こうから現れた形容しがたい異様な光景に眼を奪われていた。
ある者は笑い、ある者は驚き、ある者は怯え、ある者は悟った。

「封印が……壊れた……か」
一匹の獣の蛮行により、世界は、呆気無く壊れ始めた。
457SS書きの断末魔:2010/09/24(金) 20:34:56 ID:ArG41Zg4
終了、と。
まさか睡眠姦と首切りのシーンが一番サクサク書けると言うのも問題が……
458名無しさん@ピンキー:2010/09/25(土) 02:00:09 ID:162AQCnB
>>断末魔氏
執筆GJ&thx
王子・・・一歩遅かった・・・いやイウヴァルトが速いのか
それにしてもこのイウヴァルト、目が真っ赤である

wiki更新したが・・・絵のアップロードと関連付けはあれでいいんだよな?
459名無しさん@ピンキー:2010/09/25(土) 02:18:45 ID:zOgCpzoD
アナル!
460 ◆Ub.tayqwkM :2010/09/25(土) 20:29:48 ID:XvAPPUBb
ぁぅ・・・久しぶりに明日仕事休みktkr
更新サンクス!あれでおkです、後は補間しますので
461竜啼 ◆Ub.tayqwkM :2010/09/26(日) 05:36:35 ID:Ef0UT3k6
おはようございまふ
自分の書き方が気に食わんの……昔の俺orz
それだけ俺のレベルが上がったということか!?
戯言はさておき途中まで落としてみるぜぃ……
462 ◆Ub.tayqwkM :2010/09/26(日) 05:37:03 ID:Ef0UT3k6
押し倒され突然の事に戸惑うフリアエにカイムは軽く触れるだけのキスをする

---我慢が出来そうにもない、すまないフリアエ

「そ、んな急に・・・っひゃ・・・ぁ、痛・・・」

カイムはフリアエの返事を待たずして己の肉棒を宛がうと
メリメリと嫌な音と共に一気に刺し貫いた・・・。

---そうか、初めて・・・だったな・・・

「・・・う、ぁぁん・・・」

答える余裕のないフリアエとの結合部からは破瓜の血が滲む
その行為がどれ程までに辛い物なのかはカイムには分からない・・・。
・・・故に"すまない"と謝ることしかできなかった。
463竜啼 ◆Ub.tayqwkM :2010/09/26(日) 05:38:51 ID:Ef0UT3k6
執筆速度遅すぎるのー、これなんて牛歩戦術?
それでは、また後程失礼します
464 ◆Ub.tayqwkM :2010/09/26(日) 06:24:04 ID:Ef0UT3k6
避難所を一新しました。
こちらのほうが皆さんも使いやすいかと
ttp://jbbs.livedoor.jp/otaku/14175/

それはそうとそろそろアクセス3万いっちまう……/(^o^)\ナンテコッタイ
465名無しさん@ピンキー:2010/10/03(日) 00:06:31 ID:lCrmS7Ry
遅れちゃったけど断末魔氏更新お疲れ様です!
やっぱ王子かっこええなあ
カイフリいいね
まあそんなこといいながらも睡眠姦のとこが一番興奮したんだけどもw
また新しい作品を書いてくれるのかな?

他の書き手の方々もまだまだ更新待ってるよー
466名無しさん@ピンキー:2010/10/07(木) 22:22:21 ID:eboErcof
何か「竜啼氏=断末魔氏」に勘違いしてないか?
違ったらすまないんだがレスがそんな風に見えてしまった俺ガイル

遅くなったが乙
467名無しさん@ピンキー:2010/10/10(日) 19:53:53 ID:ZOa2dGgg
保守

職人まだかなー
468名無しさん@ピンキー:2010/10/15(金) 00:27:12 ID:586aPPeZ
誰かいないのかー
469名無しさん@ピンキー:2010/10/15(金) 19:01:03 ID:+kNndfzy
この殺伐とした通夜のような雰囲気は何なんだ!?
470名無しさん@ピンキー:2010/10/15(金) 22:10:02 ID:v7D0qtKr
そういや、ヨコオのブログの「カイムとアンヘルの関係が親密だとは〜」って、
このスレを見て言ってるんだろうか・・・
471名無しさん@ピンキー:2010/10/15(金) 23:27:29 ID:lNcpaZVd
世に出回ってる二次創作に多いからじゃないかね>カイアン夫婦
というかそんなこと言ってたんだ
472名無しさん@ピンキー:2010/10/16(土) 08:07:56 ID:sHL9nzNb
まあ製作者からするとぶっちゃけ気持ち悪くて仕方が無いだろうね
473名無しさん@ピンキー:2010/10/16(土) 08:32:29 ID:kt7iFzM8
そうかなぁ?
キャビアの作風見てると、こういうのには寛容なんじゃないかと思うけど
同じ記事の中に、作り手と受け手で出来上がっていく幸せなゲーム、みたいな記述あるし
474名無しさん@ピンキー:2010/10/16(土) 19:56:59 ID:VAz/QyCE
つーかあれって2のこと言ってんじゃないのか?
1を作っていたときはまさか2でカイムとアンヘルが
心中するほどの仲になるとは考えてなかったというふうに見えたが
475名無しさん@ピンキー:2010/10/16(土) 20:01:06 ID:lVB7DTgy
少なくとも1のストーリー中ではカイムにとってのアンヘルは戦場でのパートナー 最悪武器
たまにデレてみたくなる くらいのドライな関係だったと思った アンヘル側の片思い
1の時点のカイムはアンヘルの女神化もすんなり認めてたし
二次創作ならどうなろうと自由だと思うけど1の時点で公式夫婦扱いはどうなんだと思う
476名無しさん@ピンキー:2010/10/16(土) 20:17:05 ID:VAz/QyCE
いやいや、すんなりは認めてないだろうw
少なくともAエンド見てりゃすんなりおkとは思えん
公式夫婦扱いは二次の押し付けで好きじゃないのは分かるが
477名無しさん@ピンキー:2010/10/18(月) 00:38:06 ID:CqZ8MaDL
あれですんなり認めたとか、本当にプレイしたのか怪しくなるな
カイアンカイアン言ってるのは確かにアレだけど
478名無しさん@ピンキー:2010/10/18(月) 00:41:00 ID:xUZrkLXQ
すんなりの基準が
だめだそんなこと許さんと散々何日も何日もうんうん唸ってはいないとかそういうレベルだからな
なんのためらいもなくさっぱりとお別れしたとは思っちゃいないよ
479名無しさん@ピンキー:2010/10/18(月) 07:17:49 ID:R87SMnXV
おぅおぅ久しぶりに来てみれば、議論でも賑やかなのは嬉しいという自分勝手な俺w

要はカイムが感情を表にあまり出さないから悪いのではないかと
何か、話すことが出来なくなる前から無口だったっぽいしね
Aエンドの進めなくなった……暖めてくれぬか?の下りから
直前の世界をとったカイムの葛藤の涙を見なかったとは言わせない
480名無しさん@ピンキー:2010/10/18(月) 09:29:21 ID:juKTNCGR
膝をついてうなだれるカイムに惚れました
カイムは不幸な程萌える
481名無しさん@ピンキー:2010/10/19(火) 08:30:28 ID:RxQhfWxq
二人の互いに対する想いって
カイム・・当初は道具、最後は欠くことのできない相棒
レッドドラゴン・・当初は見下し、最後は母性愛に近いもの
ってン感じでレッドドラゴン→カイムみたいな感じだと思っていたな

公式が「最初で最後の愛」と言い切っているから夫婦象ができあがったんだろうけど
愛と言っても異性的な愛もあれば友情的な愛もあるし、いろんな捉え方できるよね
482名無しさん@ピンキー:2010/10/19(火) 19:38:52 ID:4xy2JoOU
単一性単一性と言いつつアンヘルを雌設定にしたキャビア
483名無しさん@ピンキー:2010/10/21(木) 20:05:13 ID:fhr2ujF7
両方なれるってことだろアホ
484名無しさん@ピンキー:2010/10/22(金) 16:32:49 ID:LeFkdtKb
カイムを意識して雌にした……と言いたかったんだろ
それとも♂×♂が良いのかよ……しかし、それはそれで……ゴクリ
485名無しさん@ピンキー:2010/10/22(金) 17:18:14 ID:hk9SAHg6
マナと二人旅してた時カイムはどうやって性欲処理してたんだろうか
486名無しさん@ピンキー:2010/10/22(金) 20:10:11 ID:SO90iTJy
>>485
声で会話はしてたんだからテレフォンセックスだろjk

ちょっと テレフォンセックス やり方 でググってくる!
487名無しさん@ピンキー:2010/10/25(月) 00:06:02 ID:c7M3qfdP
カイアンのテレフォンセックスとか想像つかん…
488名無しさん@ピンキー:2010/10/25(月) 20:16:18 ID:djTi9I18
カイムが持ちかけてもアンヘルは頑なに拒みそうだ
お主なにを考えておるやめろ恥を知れ馬鹿者
と罵られるのをエロいシチュに脳内変換しながらカイムハアハア
で、カイムの声が熱を帯びていくにつれアンヘルもハアハア、とか?
489名無しさん@ピンキー:2010/10/27(水) 10:04:31 ID:8iFF7yDy
カイムは淡々と処理してそうだな
んで終わってから「お前がいないと駄目だな…」なんて言ったりして
恥ずかしいやら何やらでアンヘルがのたうちまわったりして
マナ何そのナイフアッー!
490名無しさん@ピンキー:2010/10/30(土) 19:33:56 ID:fqPeCzcZ
感覚を共有していたら単一性のアンヘルも愉しめるのにな
そこんとこどうなんだろう

ブラックドラゴンの炎にやられた後一瞬カイムも倒れてるし、弓兵の攻撃で振り落とされたときに
カイムも体勢を崩してるから感覚共有してるのかな
491名無しさん@ピンキー:2010/10/31(日) 19:10:47 ID:wp1/NYrJ
ア「我の事は心配するで無い、苦痛もない……大丈夫だ」

カ「………………」

ア「"暇ではないか"と?お主と出会う前と然して変わらん
  それにお主の声が聞けるだけで我の心は和らぐ……」

カ「………………」

ア「な!?、ば、馬鹿者!お主は何を考えておる!
  戯言でも人と竜が交わる等と……馬鹿者!」

カ「………………」

ア「……やめろ!念を送りつけてくるではない!
  カ、カイム!我はこんな艶めかしい姿をした覚えは……ふぁ!?」




念話だから自分の妄想を相手に鮮明に見せる事も出来ると思うのですよw
しかし感覚は……
492名無しさん@ピンキー:2010/11/06(土) 20:46:28 ID:3ZENFgtb
つまり淫夢が互いに筒抜けということですね、わかります
493名無しさん@ピンキー:2010/11/08(月) 00:02:51 ID:HiJjuHpg
エロパロや馬鹿者どもが夢のあと

職人様〜、飢えてる住民に合いの手を…
494名無しさん@ピンキー:2010/11/12(金) 02:27:21 ID:uxyAani9
カイムとアンヘルがテレホンセックスしてたとして、
マナから見ればただの自慰なんだよな…
495名無しさん@ピンキー:2010/11/13(土) 00:56:54 ID:zTuplZEu
それで見せつけられてるマナも我慢できなくなっt(ry

あれ?ひとネタ出来そうだぞ?
496名無しさん@ピンキー:2010/11/23(火) 15:43:54 ID:OaACJ8kG
前々から思ってる事だけど、キャビアも潰れて需要が低くなってる希ガス
スクエニ鬱ゲーエロパロ総合スレ的な物にしたら人が来るように思う
俺の戯言なので異論は認める
497SS書きの断末魔:2010/11/25(木) 23:11:57 ID:/TO8FZdg
携帯より失礼…

今更何をと言われそうですが復帰しました
規制とスランプが重なってあれですが…

ニーアも此処で良いんですかね?
498名無しさん@ピンキー:2010/11/26(金) 07:57:56 ID:0ZysH+yN
わしゃあここでかまわんと思うよ
499名無しさん@ピンキー:2010/11/27(土) 03:22:06 ID:v4JbdRev
>>断末魔氏
待ってたよー!
凄い過疎だから投下してくれるだけ嬉しいよ!
500SS書きの断末魔:2010/11/29(月) 19:32:14 ID:Sb27i4EO

絶賛規制中につき、携帯より無理やり投下します

カイネ×ニーア(テュラン)で、短めに一つ
501SS書きの断末魔:2010/11/29(月) 19:57:51 ID:Sb27i4EO
……メーラーが不調だとはorz

問題が解決次第投下しますので…
502名無しさん@ピンキー:2010/12/05(日) 23:46:41 ID:xdcX07hh
規制解除キター?
503名無しさん@ピンキー:2010/12/13(月) 21:55:02 ID:UgemAadc
久しぶりに見たら断末魔氏が…楽しみにして待ってます…お疲れ様です

しかし龍啼氏はどこへ行ったのだろうか?Wikiは更新してるみたいだが…地味にカイアンを楽しみにしているのだけど…
504名無しさん@ピンキー:2011/01/03(月) 20:55:15 ID:5hKgkeQb
なぁ









DoDサントラ再販ってマジだったのか
505 ◆Ub.tayqwkM :2011/01/04(火) 17:03:13 ID:Nysok3R2
長らく来ていなくてすまない、仕事が……


後はDODサントラって無茶苦茶高騰してるから
変えない人の為にって感じでスクエニの罠が……
既に持ってはいるんだが再販したら又欲しくなりそうだ
再販って多分これ↓
http://www.square-enix.co.jp/music/fukkoku/
506名無しさん@ピンキー:2011/01/05(水) 15:23:25 ID:nXOUwqms
これe-storeでしか取り扱わないのかね?


まぁどっちにしろ買うだろうが。
507名無しさん@ピンキー:2011/01/05(水) 20:10:47 ID:5mIjyIE7
再販は依託しないで自分なんかで限定数販売すると思う
予約分+少量位だろうな、買い損ねてた人には朗報だな
508名無しさん@ピンキー:2011/01/21(金) 02:01:08 ID:La+FegC8
鬱エロ物が早く読みたい
509名無しさん@ピンキー:2011/01/31(月) 14:28:44 ID:ZJUURcZD
カイムと誰かのが読みたい
510名無しさん@ピンキー:2011/02/05(土) 01:56:33 ID:8hk5Brg9
エンジェレグナのカイアンエロきぼんと言ってみる
511名無しさん@ピンキー:2011/02/08(火) 12:57:06 ID:xWMzy7g7
エンジェレグナのカイアンとかありえない
あれは黒歴史
512名無しさん@ピンキー:2011/02/13(日) 23:25:16 ID:Zj2D9DjS
断末魔氏の「エンジェレグナな日常」は面白かったけどなあ
いまだに続きを待ってる俺ガイル
でもやっぱアンヘルたんは竜形態が一番萌える
513SS書きの断末魔:2011/02/14(月) 13:56:22 ID:alOQ813m
sate
514SS書きの断末魔:2011/02/14(月) 13:57:38 ID:alOQ813m
解w除wさwれwてwたw

さて、では以前投稿し損ねた
カイネ×ニーア(テュラン)をば……
515カイネ、夢の中で:2011/02/14(月) 13:59:03 ID:alOQ813m

『カ〜イ〜ネ〜』

「……煩い、私の睡眠を邪魔するな」
聞き慣れた声が私の名を呼んでいた。
ずっと聞き間違いだろうと無視していたが、こうもはっきり聞こえるとそうもいかない。
瞼を開け身を起こすと、見渡す限り地平の彼方まで真っ白な世界に私は居た。

「こんな回りくどい事を……大体なんの用だ? 昼間の内に言わんか、この※△×□○野郎」
状況は明らかにおかしい。
エミールと野宿していた筈なのだが。

『睡眠が如何に大事な事かは俺も良く知っている……が、今日は、いや今夜は、だな………言いたい事があってこうやって久し振りに夢に介入させてもらった』
周囲を見渡すが、声の主──私の“中”にいるマモノ、テュラン──の姿は見えない。
前に一度私に張り倒された所為かどうかは定かではないが、テュランは極端にその姿を現さなくなった。
そもそも私が復讐を果たしてからは、殺意が昂らない限り話しかける事すらない。

「なんだ、言ってみろ」
起こした上半身を倒し寝転びながら、私は何気無く返答を促す言葉を発した。
それが後の騒動のきっかけだとは、私はこの時想像も出来なかった。

『単刀直入に言う。今すぐ目覚めて、林の奥で自家発電なり放電なり、好きな方で溜まりきった性欲を発散させてきてくれ』

「………………………」
呆れるとは正にこんなことなのだろう。
言葉の意味は理解できたが、それに対する反応が即座には出来なかった。

『な? 頼むくぁwせdrftgyふじこlp』

「貴様は……ッ!」
私はあらん限りの力を込めて地面を殴りつけた。
身体は既にしゃがみ込みの体勢になっており、手には対の双剣が握られている。
どうやら殴りつけた地面がテュランの本体だったようだ。
奴の上に寝ていたかと思うと、不快感が一気に背筋を登ってきた。
516カイネ、夢の中で:2011/02/14(月) 13:59:33 ID:alOQ813m
『……いや、だからですねカイネさん……』
観念したのか奴は地面からゆっくりとその姿を現し、数秒後にはしきりに頬を撫でながら正座していた。
有無を言わさず叩き切ろうかと思ったが、こいつがこうしてゲシュタルト体を私に見せる時は普段のふざけた様子ではない場合が殆どだ。
背格好はニーアと同じくらいだが、それ以外はゲシュタルト体特有の色合いで全く分からない。

「……言葉次第で貴様の首が飛ぶことになるからな、言葉には注意しろ」

『分かった、分かったから刃物を首筋に押し当てるのは止めてくれ』

「ふん……」
首を刈り取るべく、交差させ鋏の様にしていた双剣をゆっくりとその首から離しながら、次の言葉をまった。
全く予想は出来ないが、恐らく重要な話であることは間違い無いだろう。

『マモノを斬った後のその昂りを開放させないと、力を“使われてる”俺は勿論、カイネ、お前だって疲労するんだ。好きに行動できるお前はいざ知らず、お前の行動を見ていることしか出来ない俺に、それは拷問なんだよ』
至極当然の言葉だった。
事実、私は今までずっとマモノを斬っては独りで自らを慰め、昂りを発散させてきた。
しかし最近は常にエミールと寝食を共にしていて、独りで……とはいかない。
しかもかなりの高頻度でマモノを斬っている為、昂りは募る一方なのだろう。
私はクソ本をからかったりするだけで割りと楽になるのだが。

「……分かった、隙を見てやっておく」

『なら一安心だ……大よそだが、三十八回も抜いてくれれば十分だから』

「………………………………は? 今なんと言った? 聞き間違いだと思うが三十八回と」

『あぁそう言ったが?』
真っ白い地面を水面の様に波立たせながら沈んでいくテュランは、心なしか安堵の溜息を吐いている様に見えた。

「……普通一回で済むんじゃないのか?」
その胸ぐらを咄嗟に掴み、地面から引きずり出しながら聞き間違いではなかった“事の回数”について問い質した。
三十八回など、枯れてしまいそうな回数をこなせと言うのか?

『いんや、溜まりに溜まってるからな。一回じゃどうしようもない筈だ』

「いや、そうは言ってもそんな回数一晩でこなせる訳が……」

『……それもそうだな』
再び地面から出てきたテュランは、胡坐で腕を組んだ。
517カイネ、夢の中で:2011/02/14(月) 14:00:13 ID:alOQ813m
『そうだ、いっそ……いやでもそんなのは……』
そのまま数秒間無言が続いたが、その小さな呟きを私は聞き逃さなかった。

「言い淀むなんてらしくないじゃないか? 言ってみろ」
思い当たった何かを自己解決で無かった事にしようとしたテュランに、その思い当たった事を続けるように言葉を掛ける。
しかし普段の威勢の良さは何処へやら、視線を左右に動かして言い淀んでいる。
淀むというより迷っているような感じがする。

「はっきりしろ、でないと……」

『……分かったよ、言えばいいんだろう! ……だからその振り上げた剣を下ろしてくれ』
怯える様な眼つきで私を見るテュランは、本当に私の身体を奪おうとしているマモノなのかと疑問が浮かぶ程友好的な気配がする。
実際に争えば、テュランの方が私より強大な力を持っている筈なのだが。

『それと、いきなり殴る蹴るするのも無しな? 最後まで聞いて、俺が言いたくなかったのをカイネが無理やり聞き出したってのを忘れないでくれよ?』
念を押す様にそう呟くと、テュランは咳払いと妙な沈黙の後、私が予想もしていなかった事を提案した。

『いまここで、俺とこのまま“やっちまえば”解決できるんだよ』


────────────────────────────────────────────────────────────


『……だからってなにもいきなり斬りつける事ないだろうよ』

「喧しいッ! ふざけた事を抜かしやがって……!」
私は地面に突き刺さった剣を引き抜きながら、それを寸前で身体を捻って避けたテュランに向かってあらん限りの声で叫んでいた。
普段からいけしゃあしゃあと離しかけてくるものの、あそこまでストレートな物言いは初めてかもしれなかった。

「なにがどうなればそうなるんだッ!? あぁ!?」

『いや、こうなるだろうから言いたくなかった訳で』

「それ以上喋るなッ!? 斬り捨てるぞこの……」

『だがそうでもしないと、治まりが効かなくなって何をしでかすか分からないんだぞ? それこそ見ず知らずの奴を襲っちまうかもしれない。そんなことになってみろ、カイネの為に町の奴らを説得しようとしてるアイツだって非難されるぞ?』

「…………ッ!」
その言葉は私の動きを止めるには十分な効力を発揮した。
確かに蓄積した昂りが一気に暴発すれば、テュランの言う通り何をするか分かったものではない。
その為に、今までは独りでどうにかしていたのだが。
518カイネ、夢の中で:2011/02/14(月) 14:00:43 ID:alOQ813m
『独りでは時間的にどうしようもない、かといって先延ばしは出来ない。な? そうなると俺が言ったように今ここでするしかないんだ』

「………………」
良く知っている間柄にあって突然面を向かってこんな事を言われた私は、急に気恥ずかしさに襲われて視線を逸らしてしまい、何も言い返せなかった。
そういえば今までのテュランは、私を焚き付けることはあっても自ら行為に関わろうとした事は無かった。
それを考えると、状況は私が考えている以上に切迫しているのかもしれない。
だからと言って、はいそうですかとはとてもではないが言える訳が無い。
そもそも何が悲しくて、マモノと行為に至らなければならないのかとも思う。

「いや、だったら独りで何とか……」

「俺も、出来るだけ協力はするからさ」
聞こえた声は、テュランのものではなかった。
その聞きなれた声は、昔とは随分変わったが変わらぬ優しさを感じさせてくれる声。
落とした視線は、その異変の原因を突き止める為に引き上げられた。
堅牢さより、動き易さを優先した衣服。
真っ白な周囲に、そのまま溶け込んでしまいそうな銀髪。
私の視線よりやや高い位置にある、二つの青いの瞳。

「よろしくな、カイネ」
そこに立っているのは、復讐を終えた私に、生きる意味を教えてくれた青年だった。


────────────────────────────────────────────────────────────
519カイネ、夢の中で:2011/02/14(月) 14:01:40 ID:alOQ813m
「……どうした? カイネ」

「………………………」
目の前に立つその姿に、僅かに心が揺れた。
それが、マモノが成りすました仮初の姿だと分かって尚、鼓動が高鳴る。

「おーい?」
私の顔を覗き込み、その間で手を振る。
何気無いその仕草は、互いの息遣いを感じられる距離において絶大な効力を発揮した。

「………………ナンデソイツノカッコナンテシテルンダ」
漸く吐き出せた言葉は何故か細切れで、抑揚が一本調子だった。

「なんでって、そりゃこいつ……じゃ無くて、俺の方がカイネが喜ぶかなってさ」
寸分違わぬ容姿と声は、唇の両端を軽く持ち上げる動作の中でさらりとそう言った。
その笑顔に揺れていた心は加速度的に崩壊を始め、らしくも無く頬が赤く染まっていった。

「それは、その……」
反論の一声も出ず、一蹴する気力も無くなった。
どうしようもなく、思考は短絡化の一途を辿り始める。

「喋らなくて言い、これはあくまで俺が勝手にやってる事なんだからな。なによりここは、夢の中だしな」
そう言うとテュラン──ニーアは、軽く手を差し出し、私の頬をゆっくりと撫でた。
共に戦っているのだから、互いに身体に触る事など日常茶飯事、なんて事のない筈なのだが……。

「んッ、ん……」
たったそれだけの事で私は目蓋を閉じ、頬を一層赤らめてその感触に酔いしれていた。
全身が火照るが、それは普段マモノを殺した後の高揚感とは違い、ゆっくりと、だが確実に上っていく幸福感のようなものだった。

「……こうした方が良いかな?」
指を鳴らす音と共に、風が流れた気がした。
薄っすらと目蓋を開けると、広がる白い世界は一転していて、あまり広くない部屋に変わっていた。
一度だけ入った事あるニーアの部屋に、私とニーアは立っていた。


────────────────────────────────────────────────────────────
520カイネ、夢の中で:2011/02/14(月) 14:02:24 ID:alOQ813m
「カイネ……」
周囲の変化に戸惑う私を他所に、ニーアは両手を私の肩に置き、顔を近づけると唇を重ねた。
普段の私なら……と思うが、もうそんな事はどうでも良くなってきていた。
なぜならこれは夢なのだから。
何をしようがされようが、後腐れも無ければ当然躊躇も無いのだから。

「ちゅ……んぁッん、ぅぁ……」
最初は唇を言葉通りに重ねるだけだったが、やがて唇を覆う様になり、チロチロと舌を玩ぶキスに変わるのにそう時間は掛からなかった。
ニーアの舌は、私の唇と抉じ開けて押し入り、時に唇の裏をなぞり、奥に引っ込んでいる私の舌を誘き出そうとうねっている。
それに対し私は抗わず、思い通りにはならないと意志を固めるでなく、誘われるままに舌を差し出した。
獲物を見つけた蛇の様にニーアの舌は動き、私の舌の全てを舐め取るようにその身を擦りつけ始めた。
喋る時とものを飲み下すとき以外使いようが無いと思っていたが、舌という物にはまだ幾つかの使い方があった様だ。

「あぁッ、ん……んッ!?」
神経の殆どが、玩ばれる舌に集中していたようで、私は身体に小さな衝撃が走るまでなんの異変にも気付かなかった。
肩に置かれた両手はそれぞれ私の頭と腰に回され、膝の裏に回された足で体勢が崩され、結果としたベッドに押し倒されていた。
顔の両脇にはニーアの手が、そして全身にはニーアの身体が覆い被さり、逃げ場の無い閉塞感が私の昂りを煽り上げ、何故か両手を胸の前に組ませていた。

「もしかして、こういうのは苦手?」
わざとらしく問い質すコイツに、唇が空を切るばかりで何も言い返せない自分に腹が立つが、どうしようもないと諦めるしかない事が分かった。
抵抗しようにも全身にはいつもの怪力は無く、反論しようにもニーアの言葉は一々的を射る。

「苦手……と言うか、他人にされる事なんて無かったから……」
だからか、不意に誰にも言っていなかった事実を口走り、深みにはまり込んで行く。
………あぁ、もうどうにでもなってくれ。
「その……お前も脱いでくれないか? 一人で裸でいるのは、その……恥ずかしいから……」

「あぁ、わかったよカイネ」
私に馬乗りになったまま、ニーアは素直に服を脱ぎだした。
少し前まで私が見下ろせる位低かったとは思えない程に背は高くなり、年相応とは言いがたい程にたくましかった身体は一層たくましくなっていた。
本気で力比べをすれば、間違いなく私は負けるだろうと思う。
一糸纏わぬ姿となり、ニーアは再び私に覆い被さると全身を撫で、唇を重ねてきた。

「んっ、ふぁ……ん……ちゅ……」
私の唇に覆い被さるニーアの唇が離れると声が洩れ、再び覆われれば小さな唸り音が聞こえる。
こぼれ出る吐息は徐々に熱を帯び、互いの息が絡まり体温が上がる。

「カイネは……濡れ易いみたいだな」

「く……ふぅ……!」
ぴちゃぴちゃと濡れた指が肌を叩く音……いや、私の濡れた“唇”を上下になぞる音が聞こえ、同時にビクンと腰が震えた。
やはり自分で“する”のとは段違いに強い刺激に驚きつつも、頭の片隅に残っていた冷静な私が疑問を浮かべた。
『上にある男の“もの”を器用に避けたな』
そう思いながら視線を下げると、最初に見えたのは乳首を硬く尖らせた自分の胸。
次に見えたのは先端が赤黒くなった男の“もの”……は無く、薄く茂った自分の陰毛とニーアの手だった。
521カイネ、夢の中で:2011/02/14(月) 14:02:51 ID:alOQ813m
「……………え?」

「……? どうした、カイネ」
あるべき“もの”が無い状況に思考が停止してしまった私を尻目に、ニーアは構わず指を動かし刺激を与え続ける。
その度に腰を震わせながらも、私は状況を把握しようと努力をした。
が、分かる筈も無く、ニーアがそれを察するまで幾分時間が掛かった。

「あぁ、ここは夢の中だからな。男の部分は俺が、女の部分はカイネが。それぞれ発散した方が効率が良い。だろ?」
その言葉で、こいつがニーアではなくテュランである事を思い出した。

「おう、かも知れないが最初にそう言っ………ッんぁん!」
流されるままの状況であったが、それを機に何か言い返して主導権を奪い返してやろうとしたが、再び動いた指にそれを阻まれた。
自分でも驚くほど感じていて、動けなくなる程だとは正直驚いてる。
たがたが身体を撫でられ、唇を重ねただけだというのに……。

「もう、良いかな? カイネ……」
そうこうしている内に、私の腰を軽く持ち上げ、自分の“もの”の根元を掴んだニーアはそう優しく問い掛けてきた。
その質問の意味に気付けぬ程鈍くくは無いが、直ぐに答える事は出来なかった。
拒否する事も出来たかも知れない。
今からでも目覚めて自分で鎮める事も出来るかもしれない。
だが、私が口走った言葉はそんな考えを真っ向から否定するものだった。

「優しく……頼む。そっちは指しか入れた事が無いから……」
あっさりとそんな事を言った自分に驚いていると、腰から下腹を貫く熱い感覚に襲われた。
たったそれだけで意識が飛びそうになったが、だからと言ってどうしようもなかった。

「くぁ……ふぁ……んん!」

「………ッ、カイネ、一回イッたみたいだな」
ピタリとくっ付いた腰に意識を持っていかれぬよう気張るが、テュラン──ニーアの言葉に二度目の山場を迎えた。
自分お指を軽く噛んで耐えようとしたが、身体の奥でじわりと動かれればそれだけで視線に星が走り、下半身から力が抜ける。

「予想以上に簡単に終われそうだな……じゃぁカイネ、もっと発散しないとな?」
返事すら出来ない私に笑みを浮かべ、ニーアは腰を“もの”が抜け落ちぬギリギリまで引き、勢いをつけて“もの”を押し込んだ。
その一往復は何とか耐えられたが、意識が途切れ途切れになることには変わりなく、二三度の往復で再び絶頂を迎えた。

「やっ……! そんなの、激し過ぎ……ッ!!」
もっとゆっくり動けと言ってやりたいが、与えられる快感に抗えず、受け止めるだけで精一杯。
思えば今までの精処理は手っ取り早く済ます為、ずっと男の“もの”で済ませてきた。
必要とする時間、掛かる手間に対し、女の方は発散するとは言い難い程度しか快楽を得られないからだ。
が、今は違う。
男の“もの”での発散の最高潮、即ち射精の数倍近い快感が持続して襲ってくる。
抗う抗わないの前に、理解する事すら出来ない快感だ。
実は元々そうだったのか、夢の中だからなのか、そのどちらかだろう。
決して“ニーア”にされているから、ではない筈だ。
522カイネ、夢の中で:2011/02/14(月) 14:03:17 ID:alOQ813m
「……ッと、でもこうした方がカイネも良いんだろ? 俺の※△×□○、カイネの※△×□○がっちり咥え込んでるし」

「そ……そんな事言うなッ! この※△×□○野郎……ッ!? あふぁ……また……!」

「身体は正直ってね。……俺もそろそろだからさ」
その言葉通り、ニーアの表情には先程の余裕は無く、対し私は再び駆け上る快感に意識を手放しそうになった。
が、再び塞がれた唇と、耳元での囁きとで傍と我に返った。

「膣内に出して、俺の子供を孕んでくれるよな?」
夢の中……であってもそれは躊躇するに十分な言葉だった。
不完全な身体ではあるが、試していないのだからそうなる可能性はある。
量は微量であるが、一応月のものはあるのだから。

「いや待てそれは……っ!!」
我に返れたのも一瞬の事で、直ぐに唇を塞がれ胸を揉まれ、全身が強張る。

「だって、カイネが離してくれなくてさ」
そう言って触れられた私の両脚は、うな垂れる事無くニーアの腰に巻きついていた。
……膣内射精してくれとせがんでいる様にしか見えなかった。

「てな訳でさ、良いだろ?」

「良い訳が無いだろう、が………も、もうホントに……!!」

「俺は全然構わないどころか、嬉いんだけどなぁ……」
きっかけはその一言。

「……イっくぅ……!!!」
呟きに近いその言葉で、私は何度目か分からない絶頂を迎えた。

「カイネッ……!!」
同時にニーアも達したようで、腰を深く沈めると私を抱きしめたまま動きを止め、腰の奥深く……膣内で“もの”を脈打たせ、熱い精液を吐き出した。
私は気が付くとニーアの腰に絡ませた足に力を込め、腕を背中に回し全身をより密着させようとしていた。
染み渡る感覚は全身を駆け巡り、痺れた様に力の感覚が無い。

「くぅぁッ………あぁあぁ……」
吐き出された精液の熱さとこぼれ出しそうな量を感じながら、私は長く続く余韻に、意識を完全に落とした。

「カイネ……」
女として抱かれることが、こんなにも心地が良い事だとは思わなかった。
眠りに落ちる意識の中、私の名を呼ぶ声の主に抱きしめられ、子供を孕んで良いと言うありえない状況に言いようの無い羨望感を感じていた。
気に食わなかったが、その眠りはある意味行為以上に心地良いものだった。


────────────────────────────────────────────────────────────
523カイネ、夢の中で:2011/02/14(月) 14:03:53 ID:alOQ813m
「……って私は何をしている!!」

「……うわっ!?」

「大丈夫ですか? カイネさん……」
次に瞳を開いた時、眼前に見えたのはニーアとエミールの顔だった。
横たわる私を覗き込まれていたようで、ニーアの顔に危うく頭突きをかましてしまいそうだった。

「……調子は、良さそうだな」
曲げた腰を正し、ニーアは向き直ると両肩に乗せた長槍に手を掛け一人歩きだした。
その背中を見つめながら立ち上がり、背中に付いた砂や誇りを落としていると、不意に唇に違和感がある事に気付く。
傷があるわけも無く、ましてや痛みではない。
何かこう、暖かい感触が残っていると言うか………。

「もしやさっき……?」

「寝言でずっとニーアさんの事呼んでましたけど、どんな夢見てたんですか?」

「あぁ、ちょっと変わった夢を見てな……」
興味深げに問い掛けてくるエミールに適当な相槌を打ちながら、一つの“反撃”を思い付いた私は間髪いれずそれを実行するべく駆け出した。
ヒラヒラと跳んでいるクソ本の事を一旦忘れ、ニーアの広い背中に向けジャンプ。
そのまま全身を預けるようにその背中に抱きつく。

「うわっ!? カイネ!?」
ふら付きはしたものの、倒れ込む事なく首を捻りこちらを見るニーアに、私は力の限り抱き付いて背中に胸を押し付けた。
見る間に赤く染まる頬に唇を近付け、お返しとばかり頬に舌を這わせた。

考えてみればニーアには何の非も無いのだが、まぁこれくらいは構わんだろう。
524SS書きの断末魔:2011/02/14(月) 14:05:57 ID:alOQ813m
終了、と
二月近く寝かせたから誤字脱字は無い筈……

巻き添えを食う前に、どうにかもう二つ三つ投下したい……!
525名無しさん@ピンキー:2011/02/14(月) 19:35:55 ID:SKwx/tmU
カイネ可愛いよ
テュランいい奴だなあ
(*´д`*)
526名無しさん@ピンキー:2011/02/15(火) 00:22:17 ID:TLCUNd/5
って投下されてるー!?
あまりの過疎っぷりに職人様離れちゃったかなと思い込んでたのに・・・

断末魔氏ありがてぇありがてぇ
やっぱり伏字はニーアの醍醐味だよな!
527名無しさん@ピンキー:2011/02/15(火) 14:39:33 ID:x6i5dpW2
うわあ、正に読みたかったゾーンの話が投下されてた!
GJでした!
夢の中で体も完全なおにゃのこになるカイネ可愛いです
528名無しさん@ピンキー:2011/02/15(火) 22:38:09 ID:+VhSS2n4
>>524
カイネもテュランも可愛いよ可愛いよ可愛(ry

テュランてやっぱり、寄生し過ぎてカイネに情どころか愛情抱いてるんかな?
529 ◆Ub.tayqwkM :2011/02/26(土) 01:26:53 ID:BC5J2iOu
過疎ん中GJ

それにしても、ぉぅふ、ニーアか……今からwikiのレイアウト変えてくる
530名無しさん@ピンキー:2011/02/26(土) 11:50:39.51 ID:hqrK//oX
>>530
いつも乙です
531 ◆Ub.tayqwkM :2011/02/27(日) 07:33:14.00 ID:Z91j7adQ
カイフリラスト
長くなってgdってる希ガス
532 ◆Ub.tayqwkM :2011/02/27(日) 07:33:31.67 ID:Z91j7adQ
やがて、どちらともなしに身動ぐ
幾分か和らいできたフリアエもこれには甲高く声を洩らす

---フリアエ・・・っ!

その身体を抱きしめると軽いストロークも直ぐに激しいモノへと変わり
お互いの体液で水音を立て肉のぶつかる音が辺りに響く・・・
自分の下で喘いでいる妹を見ると昂りと共にふと脳裏を過る

"フリアエが女神にさえならなければ・・・"

束の間でも平穏に過ごす事が出来たのだろうか
何処か場違いだと、言葉に出さなかったのは最後の理性
込み上げる愛おしさ抱擁に変え己の精をありったけ注ぎ込んだ

---・・・・・・

倦怠感もあるがそれ以上にかける言葉が見つからなくての沈黙
塞いでいたそれから解放し抜いてやるとまた1つフリアエが啼いた

「兄、さん・・・っ!」

カイムは何が起こったのか把握できずにいた
目の前のフリアエに突き飛ばされ脇を鈍色の物が通って行く
それがナイフだと言う事に気付いたのはそれがフリアエの胸元に刺さってからだった

「ごめん・・・なさい、兄さん・・・」

次の瞬間にはフリアエは陽炎の様に消失し
初戟を失敗した侵入者は暗殺を遂行するべく二撃目をカイムへと叩きこもうと動く
しかし気付いてからは早かった・・・暗殺者の首は地面へと転がりカイムの剣は振り切られていた
それはまるで噴水のように部屋を赤色で染め憤怒の表情のカイムはその骸へと何度も剣を突き刺した

"ごめん・・・なさい、兄さん・・・"

何故自分は謝られたのだろうか?騙していたから?兄を愛してしまったから?
分からない・・・自分には何も・・・ただ確かにあの行為には愛はあった・・・
ふと、騒がしくなってきた外へと眼を向ける・・・
分からないなら・・・解る事をしよう、俺の生き場其処しかないのだから
衣類を羽織整えると、一瞬扉の前で振り向いて物悲しげな表情をするが
ニヤリと笑みを浮かべるとカイムは勢いよく剣を振りかざし外へと駆け出して行った
533 ◆Ub.tayqwkM :2011/02/27(日) 07:34:20.10 ID:Z91j7adQ
もうあとはカイアン書いて終わるよ
ニーアも書きたいしー、エミールかわいいよエミール
534カイアン ◆Ub.tayqwkM :2011/02/27(日) 08:03:21.01 ID:Z91j7adQ
カイム崩壊中……一応全てから違和感無いようにしますが……
535カイアン ◆Ub.tayqwkM :2011/02/27(日) 08:03:32.85 ID:Z91j7adQ
重い足取りで帰路へと着くカイムに突如影が差す
その大影の主であるレッドドラゴンへ念を投げた

---アンヘルか……直接俺の処へ来るなんて珍しいな
何時もは念で呼び出すなり何なりするのに……

「む、我から逢いに来てはいかんか?
 偶には我とて人恋しくもなる、許せ……」

そんな言葉にカイムは微笑みかけるが
その何処か疲れた様子に心配そうにカイムの顔を覗き込む

「なんだ、疲れておるのか?
 もう日も暮れようとしているのに一体何処へ行っていたのだ」

---汚れを落としに川へ……

ふと、陰った表情にまた一歩カイムへと踏み出し覗き込むと
カイムはアンヘルの鼻面を優しく一撫でしそのまま抱きしめた

「どうしたのだ?……泣いておるのか?」

---………………

カイムは何も答えずに唯肩を震わせてアンヘルにしがみ付く
少しだけその返事として腕の力が強まってアンヘルを困らせる
しかし反面普段は見せない己の契約者の一部を見て何とも言えぬ気持に駆られる
何があったか聞くのは野暮な事だが多少は気にかかる
だが今はカイムのしたい様にさせる一万も生きたのだ今更焦りはしまい……

「不器用な男だの……」

---……五月蠅い

アンヘルも人の事は言えぬかと心の中で呟いて
カイムの気が済むまで誰にも見せぬ様に翼で軽く覆ってやった……
536 ◆Ub.tayqwkM :2011/02/27(日) 08:04:23.56 ID:Z91j7adQ
出だしだけー、出せるときに出す!(キリッ
537名無しさん@ピンキー:2011/04/06(水) 12:09:31.23 ID:IoOLW/yY
皆生きてるのかな?
ただでさえ人が少ないから不安だ…
538名無しさん@ピンキー:2011/04/06(水) 14:48:31.70 ID:8s0Ns0ML
生きてるぜー
カイムネタが読みたいよう
カイムさえ出てれば満足する
539名無しさん@ピンキー:2011/04/08(金) 20:03:49.24 ID:6gMFNqpA
久しぶりにきた!
生きてるよ
540 ◆Ub.tayqwkM :2011/04/22(金) 11:31:41.71 ID:syDn98dQ
身の回りが落ち着かないのとネット環境が無くなってorz
wikiの更新も暫く出来そうにないです\(^o^)/
541名無しさん@ピンキー:2011/05/05(木) 15:45:11.70 ID:AGleI9y0
>>540
お疲れ様です。ご無事でなにより
GWついでに保守
542名無しさん@ピンキー:2011/06/02(木) 20:14:28.44 ID:RhIT++Wc
女神になったフリアエをレイプしたらどうなるのっと
543名無しさん@ピンキー:2011/06/04(土) 03:39:21.98 ID:wFew5BxR
すっごい痛いのかな?
きっと
544 ◆Ub.tayqwkM :2011/06/07(火) 18:19:52.24 ID:bxlGhjod
ネット開通工事ちょっくら行ってくる
保守とか皆さん本当に、本当にありがとうございました
545名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/12(日) 13:58:31.80 ID:H2nIMPFh
カイアン分が足りない
546名無しさん@ピンキー:2011/07/05(火) 04:41:45.23 ID:lK1oAvh2
閑古鳥が鳴いてんな…個人的にカイネとかが見たい
547名無しさん@ピンキー:2011/08/10(水) 05:52:01.56 ID:bQSOk2nk
保守
548名無しさん@ピンキー:2011/08/10(水) 06:24:30.56 ID:UPZ+WxCn
むぅ人はいるのか…久しぶりに書くかな
549名無しさん@ピンキー:2011/08/10(水) 20:32:47.97 ID:bQSOk2nk
>>548
居ますとも!
550名無しさん@ピンキー:2011/08/25(木) 23:59:41.17 ID:pl47exFx
ほっしゅ
551名無しさん@ピンキー:2011/09/04(日) 03:50:37.76 ID:W6ImSIef
ほしゅしゅ
552名無しさん@ピンキー:2011/09/07(水) 19:57:46.46 ID:alTrJtlW
アンヘルにクリトリスあったら手のひらで撫でられるくらいの大きさありそうだよね
保守
553名無しさん@ピンキー:2011/09/08(木) 18:08:31.00 ID:GtAT/unT
焦らされるのも嫌いじゃないぜw
だから、は、早く職人様ぁ
554竜啼 ◆Ub.tayqwkM :2011/09/08(木) 20:01:54.96 ID:d7/de4ft
「アンヘルは本当カイムといると嬉しそうですね」

「馬っ鹿、お前、アイツは奴に惚の字なんだよ!」

「あっ、カイムが笑った……」

「何ですと!?おぉ何たる事!」

「でも本当に尻尾まで振って嬉しそうですね」

「はっ!馬鹿じゃねぇの!……お前だってちょっとは俺様に優しくしやがれってんだ(ボソッ)」

「何か言いましたか、フェアリー?」

「な、何にも言ってねぇし!うるせぇ!ばーか!ばーか!」

「あぁフェアリー……行ってしまいました」

「レオナール?追った方が良いよ?」

「セエレに私も同感ですな」

「分かりました、悩んでいる者を救うのも私の勤めですね……失礼します」

「……二人きりだね?」

「そうですな」
555竜啼 ◆Ub.tayqwkM :2011/09/08(木) 20:04:15.24 ID:d7/de4ft
「っ!今度はカイムの頬をアンヘルが舐めたよ?」

「仲睦まじい光景は視ていて微笑ましいですな」

「あらぁ?美味しそうな匂いがするわ」

「あ、アリオーシュ!?……ごめん!ヴェルドレ、僕逃げるね」

「……ねぇ?子供……いない?」

「こ、子供なら!アッチの方に行ってしまわれました!」

「そう……残念……」

「ふぅ……どうやらバレなかった様ですな……無事にお逃げ下さいセエレ」

「ば!馬鹿者がぁぁぁぁ!!!」
ドスドスドスドスドスドスドス.....

「ん?おや、む、向かってくる?!お、お助け……っぎゃぁ!!」
プチッ.....

「むっ……何かを踏んでしまったか?」
「………………」
「っ!、こっちに来るな馬鹿者!」

「ふふふ、赤い竜、更に赤く……ららららら……
 神の愛……ららら、愛されてるの……ららららら……」
-------------------------------------------
場持たせ……誰が誰だか分かるかな?

ってか久しぶりに来た感じがする
忍法帳作ってもLv上げないと連投規制が長い……
2分待ちしなきゃ行けないとか面倒な仕様になったな
これは時間がないと長編とか投下できんわ
556名無しさん@ピンキー:2011/09/11(日) 20:43:31.23 ID:sEYW5uzE
久しぶりに来たら竜啼さん来てたああああああああ
フェアリーちゃん可愛いいいいいいい!
557 ◆C0ZNaLepHc :2011/09/12(月) 03:55:54.75 ID:qxBLlhEA
保守がてらLv上げテスト
558 忍法帖【Lv=16,xxxPT】 ◆Ub.tayqwkM :2011/09/12(月) 03:56:28.04 ID:qxBLlhEA
逆だったようだ(´・ω・`)
559名無しさん@ピンキー:2011/09/12(月) 23:35:40.50 ID:cEMDseO8
ふたなりカイネたん×父ニーアを希望してみる
560 ◆Ub.tayqwkM :2011/09/13(火) 05:11:01.90 ID:vplL6f5J
さーてオッちゃんどんな声だったかなぁ?
最初からするかぁ……えーっといつも使う名前でイイやっと
「何故かその名前は使うことが出来ません」
……そうでした/(^o^)\
これは俺への挑戦と見て相違ないな?
561名無しさん@ピンキー:2011/09/13(火) 20:16:42.80 ID:cbbMgB5v
>>560
Dエンドw
父ニーア好きなのでニーカイが投下されるの楽しみにしてます!
562 ◆Ub.tayqwkM :2011/09/13(火) 22:39:01.32 ID:vplL6f5J
ニーアDエンディング後の妄想
純粋さは、やがて狂気へ
そして、狂気はもうひとつの世界へ


以下の捏造成分が含まれます

・ヨナの黒文病、なにそれおいしいの?
・エミールと姉さんとか人間の姿でイチャついてろ
・デボルさんポポルさんが死んでるわけねぇだろJK
・テュラン……(´・ω・`)ノ゙バイバイ

用法用量を守って正しく閲覧しましょう
563追憶の底で ◆Ub.tayqwkM :2011/09/13(火) 22:40:22.24 ID:vplL6f5J
「カイネさん、見て!ヨナね、絵を描いたの」

「見せてごらん?……ほぅ随分と良く描けているじゃないか」

「えへへ、エミールさんも見てー!」

「いや、でも僕は……」

「良いじゃないかエミール、絵くらい見てやれ」

半ば押し付けられる形で手元に渡った絵をマジマジと見つめるエミール
ヨナは目を輝かせて返事を心待ちにし、カイネはそれを傍観している

「ほら、どうなんだ?ヨナに感想を聞かせろ」

「……い、良いんじゃないでしょうか?」

「本当?やったぁ嬉しい」

「煮え切らない返事だなエミール」

「いえ、その、……なんでもないんです、多分」

エミールは呟くようにそう言うと改めて絵を見つめる……
一面に描かれた月の涙の花畑に立っているのは五人
デボルさんとポポルさんが一番奥で二人仲良く立っているし
エミールは右側、カイネは左側、そしてヨナは真ん中を陣取っているのだが……
564追憶の底で ◆Ub.tayqwkM :2011/09/13(火) 22:41:13.52 ID:vplL6f5J
「なんだ?!、言いたい事があるならハッキリ言え!この☆◇×♯(ピー)!」

「カイネさん……」

久し振りにあったと言うのに相変わらずの毒舌にエミールは苦笑する


「本当に気のせいかも知れないのですが、
 この絵、ヨナさんの隣……少し空き過ぎじゃないですか?」

「……言われて見れば確かに」


言われてから改めて絵を見るとヨナの隣が人一人優に描けそうなスペースが開いている
不思議そうにエミールと二人絵を見つめているとヨナが訂正するように答える……

「あのね、その絵ね……本当は六人描こうかなぁって思ったの
 だけどね、デボルさんでしょ?ポポルさんでしょ?
 それにエミールさんとカイネさん、それとヨナを入れて五人だったの
 ちょっとだけ間違っちゃって一人多く数えちゃったみたいなのね?
 だからね、ヨナも"数え間違えるなんて不思議だなぁ"って思ってたの……」

「あっ、そうなんですね?なるほど……もしかすると未来の彼氏さんとか?」

「やめてよぉ、そんな人いないってば」

エミールとヨナが笑い合う横でカイネは絵をジッと見つめ続ける
"この絵はそんな一言で片付けてしまっていいのだろうか?"……と
カイネはふと卓上に一輪、花瓶に生けられて飾られている月の涙を見た
この絵もそうだが月の涙やヨナを見ていると何かが足りない気がする

時折、記憶を過去に辿るとおかしな点が津波のように押し寄せる
"私がエミールと初めて会った場所は何処だったか?"
エミールは自分の家だと言うが、この前、私は初めてエミールの家を知ったのだ
他にも上げれば不自然に空白が目立つ、そして時折光の中に誰がいて此方に微笑むのだ

不思議と顔も声も何も知らない人の筈なのに
その人の事を想うと胸が潰されるように苦しくなる……
口の中がカラカラと乾いてしまい喉の奥がキュッと閉まるように痛む
そして一番我が身を襲うのは何故か焦燥感……何かを忘れているそんな不安が身を襲う

「………っさん!、カイネさん!」

「え?あぁ、なんだ?」

「ちょっと僕の話聞いてました?
 そろそろ姉さんが待っているんで僕は帰りたいと思います」

「ッ!……」

一瞬、カイネの視界がボヤけて少年であるはずのエミールが骸骨と重なる
頭は丸く繰り抜いたかのような黒い目、外套を羽織って杖を構えるエミール
565追憶の底で ◆Ub.tayqwkM :2011/09/13(火) 22:41:43.53 ID:vplL6f5J
「エミール?」

"違う!"、カイネは咄嗟に目を擦り再びエミールを見ると
少年の姿のエミールが此方を心配そうに見るのが映る……

「本当に大丈夫ですか?カイネさん……」

「……大丈夫だ、お前こそ気をつけて帰れよ?」

「お疲れでしたらちゃんと休んで下さいね……それじゃ、また」

エミールは入り口でペコリと一度頭を下げると出て行ってしまった
そんなエミールの言葉を聞いてヨナもカイネを心配して見つめてくる

「カイネさん大丈夫?ヨナ、ポポルさんからお薬貰ってこようか?」

「いや、大丈夫だよ……どうやら私は疲れているみたいだ
 少し休めば直ぐ元気になるさ……ありがとう、ヨナ……」

腰掛けた椅子に一層深く座り込むとカイネはヨナに微笑んだ
ヨナも心配そうな表情は拭えなかったが元気そうなカイネを見て満足したようだ

「じゃあ!今日はヨナが晩ご飯作ってあげる!」

「ヨナに作れるのか?」

「大丈夫だもん!ヨナ、ひみつのレシピも考えてるんだから
 今日はカイネさんはゆっくり休んでていいよ!」

カイネはヨナのその言葉にヤル気を潰すような発言は大人気ないだろう
そう考え、一言"じゃあお願いするよ"とヨナに一任すると
甲斐甲斐しく世話を焼くヨナを微笑ましく見守るのだった……

566 ◆Ub.tayqwkM :2011/09/13(火) 22:42:56.44 ID:vplL6f5J
とりあえずここまで
最大文字数も何か減ってる気がするのは気のせいだろうか?(´・ω・`)
567 ◆Ub.tayqwkM :2011/09/15(木) 06:04:19.47 ID:K44cC8Nt
どうやら資料集のEエンドが今書いてる小説と矛盾しt(ry
資料集をAmazonさんに注文しますた……すまない(´・ω・`)
568追憶の底で ◆Ub.tayqwkM :2011/09/17(土) 23:29:55.24 ID:Tf4RmXf7
資料集面白かったけど……
パラレルってイイよね!orz
569追憶の底で ◆Ub.tayqwkM :2011/09/17(土) 23:30:23.50 ID:Tf4RmXf7
ただ白い空間に私は立っていた
一面を光で塗りつぶされたような白

『カイネ……ソロソロ思い出しても良いんじゃねぇか?』

「誰だ?!」

『誰だとは心外だねぇ……カカカカカッ』

見渡しても白い空間にはカイネしか居らず
人の気配どころか、何もない状態で突然響いた声の主を探す

「うるさい!姿を見せろ!この※△×○野郎!」

『おぉ、怖い怖い……でもソイツァ無理な話だ
 だって俺様にゃ身体がねぇからな、クククッ』

「人を小馬鹿にしたような態度をやめろってんだ!
 ☆○×△の※×∇◎が!★×◇ねじ切って口に突っ込んでやる!」

カイネが毒を吐くが響くのは声の主の笑い声のみ
痺れを切らしてカイネが再び怒鳴り散らそうとした時

『懐かしいねぇ、懐かしいよなぁカイネ……
 お前の身体は俺様にゃ居心地が良かったぜ』

「何を言って……っ!?」

ふと目の前が霞み手をやると初めて自分が泣いていることに気づくカイネ
570追憶の底で ◆Ub.tayqwkM :2011/09/17(土) 23:31:08.08 ID:Tf4RmXf7
途端に声の主の……この声が誰かを思い出させそうで……

昔、崖の村で私は虐められていた……何故?

日に当たる為に露出の高い服を着ていた……何故?

右半身を包帯で覆って日に当たらないようにしていた……何故だ!?

私が魔物憑きだから……侵食を遅らせるために……
そして何より私の中にいる魔物の為に……私は気を使った

『嬉しいねぇ……泣いてくれるのか』

「テュr……」

『お目覚めの時間だ……思い出せ、カイネ!』

―――――――――――――――――――――――――――――――――

「っ!……」


カイネは思わず寝床から飛び起きた……
途端に物悲しさを覚えて自分の頬へと触れる
冷たく触る涙……夢ではなかった……私の中には確かに誰かが居た

「テュラン……」

思わず溢れ出、口に出した名前、そうだ!テュラン……
テュラン、どうして私は忘れていたのか……テュラン……

「テュラン、今更出てきやがって○☆×◇野郎が……」

誰に言うでもなく呟いて隣を見る……
床から見るベッドはやや高いがヨナの寝顔は良く見える

「………………」

起こすのも忍びないので音も立てずに外へと出た
月光差す空の下、昼は暑いとは言え夜風が肌を刺す
窓越しに家の中では月の涙がその身を輝かせ主張している

心にポッカリと穴が開いたような感覚
それを説明できない自分自身に腹立たしさを覚える
私が祖母の仇を討った時、隣には誰かが居た

「………………ぃ」

私は誰かのために力を貸すと、刃になると誓った

「………………って来い」

私の中のテュランが消えた理由、魔王と戦った後に暴走が止まった理由

「とっとと帰って来やがれ!この×○☆※野郎!」

カイネの叫びは夜の帳に混ざり余韻を残して消えていった
571 ◆Ub.tayqwkM :2011/09/17(土) 23:31:32.72 ID:Tf4RmXf7
次はオッサン来るかなぁ(´・ω・`)
572名無しさん@ピンキー:2011/09/18(日) 00:05:12.24 ID:QMDA/pQV
>>571乙です。カイネたんかわいい!
資料集鬱になりそうでまだ買えてないや。
続きも期待してます。
573追憶の底で ◆Ub.tayqwkM :2011/09/19(月) 07:08:47.92 ID:gEX9JDAR
「カイネ……」

「っ!……………」

ふと太く逞しい腕が背後から回されて抱きすくめられる
背には確かな存在があり声は頭上から降ってくる……

「カイネ……」

再び背後から名前を呼ばれ思わず身を震わせるカイネ
耳元で五月蝿いほどに鳴っている鼓動は自分の物か……
それとも背後から聞こえているのか、分からないほどに高揚する

「夢では……無いよな?」

「あぁ、俺は消えたりはしない」

「……そう言って消えたじゃないか」

「それを言われると、辛いな」

カイネはそっと両腕を払うと振り向いて面と向き合った
そこには長身で……白髪で……そして優しげな瞳を持った
記憶の中の、光の中で、確かにカイネに微笑んだ人物がそこにいた

「ニーア……」

「ただいま……」

ニーアは両腕をカイネに差し出して……

それに対してカイネは表情を綻ばせて……


そして思わず駆け寄るカイネをニーアは受け止めた



カイネはニーアの懐に収まり、それをニーアは再び抱きしめようとした
574追憶の底で ◆Ub.tayqwkM :2011/09/19(月) 07:09:13.41 ID:gEX9JDAR
「グフッ!……カイ……ネ?」

綺麗に懐に収まったカイネの右腕はニーアの鳩尾に確り決まり
何事かと思ってカイネの表情を覗き込んだニーアは頬を引きつらせた

「帰ってくるのが遅いんだよ!、この○×☆※!」

思わずニーアは腹部を抱えたままその場に崩れ落ちて膝をついた
カイネはそんなニーアを見下ろしながら尚も毒を履き続ける

「私はあの時"殺せ"って言ったよな?、えぇ?!
 何をテュランもお前も勝手なことをして私を置いていく?
 "どうせ忘れられるから良いだろう"……って?巫山戯んなこの☆○※◇野郎!
 忘れた側のもどかしさを考えて物を言え!そんなケツの穴の小せぇ事ばっか考えてるから∇×○☆なんだよ!」

「ぉぉぉぉ……ぅ……っ?」

写植記号のBA-90が浮かびそうな表情をしていたニーアだったが頭上に影がさし思わず顔を上げる
それを待っていたと言わんばかりにカイネはニーアの頭に腕を回したまま軽く触れるだけのキスをした

「……カイネ?」

「帰ってきてくれて……ありがとう……
 ……皆まで言わせるな!この阿呆……」

その言葉に今度はニーアがカイネの唇を奪う……
驚いたカイネだが嫌がる素振りも見せずニーアを受け入れ
ニーアの舌がカイネの口腔内で踊るように舐めまわされ終いには舌を絡められる

「っはぁ……カイネッ!」

「ちょっと待て!、此処で?!んっ!」

押し倒され抗議の声を上げたカイネだがニーアに再び唇を奪われ言葉を失う
熱く熱を感染(うつ)されるかのように徐々に息も荒くなっていき目も潤む

「っふ、何か問題でもあるかカイネ?」

「……っあぁ、誰かに……見られる」

「こんな夜更けに起きてる者なんていないだろ
 それに……見たけりゃ見せれば良いさ……」

ニーアはカイネの服の紐を引っ張り解いていく
それは宛ら楽しげに包装を解く様に……待ち切れないとばかりに剥ぎ取っていく

「綺麗だカイネ……」

「っん……っあぁ!」

現れた見事な双球にニーアは揉みしだくと突起を指で弾いて貪りつく
見る間に固くなっていく乳房を舌で転がすとカイネはそれに合わせて謳うように嬌声を上げた
575 ◆Ub.tayqwkM
(省略されました・・・全てを読むにはここを押してください)

……なんてね、
とりあえずここまで……ふぅ