>>951 こいのぼりの「なでなでしてくれますか」にエロスがないと申したか。
>>940 興味を持って過去ログをあさってみましたが、1巻のころはほっとんどSS化などはされていないですね
2巻あたりから人気がでたようです。
スレ9だけ異常に盛り上がってました(書き手二人が大量投稿。すばらしい)
気になったレスを抜粋
・芽衣と椿のレズSSがあった
・ボタン×椿?>獣姦
・ジャーム化しそうな隼人に椿が襲われる
・糸で隼人きゅんのティクビとティンティンを縛り上げて、十徳指で撫で回す椿たんを想像した自分はダメですか?ダメですね。
・十徳指で独り寂しさを慰める椿たんじゃダメか
・椿が隼人のエロ本を見つけて没収するも、それで…
いつの時代も思うことは変わらない。ということですね
954 :
940:2009/09/27(日) 20:28:08 ID:o1gAX9Vi
>953
うお、わざわざなにげなつぶやきに答えてくれたんだな。サンクス。
保管庫に収録されるSSはともかくネタレスはリアル遭遇しないとだからなあ。
それにしてもスレ9か……歴史を感じるぜ。
>>913 きくたけがGMする時にだけは登場させちゃなるめぇ。
さもなければ、反逆星人なる二つ名を授けられた上、
イメージボイスはメフィラス星人に。
・・・何か電波がおかしな事になってるな。
アンテナ直してくる。
「そぉよぉぉぉぉっ! あ・た・し・が・アルフレッド・ダンディよぉぉぉっ!」
「アァァァァルフレェェェッド、コォォォォドウェェェル(鼻から抜ける声で)」
…天にしてもきくたけにしても台無し感は漂うなあ。
「ぼ、ぼ、ぼくは、ふぁ、ファルス、ハーツに、なったん、だな」
・・・あれ? 加山雄三にしようと思ったら何故か裸の聖人に?
その点誰がGMでもイメージ変わらない春日恭二は偉大だな!
俺も今日ジパング読み終えた。
才蔵のおっぱいを、気付かれずにずっと背後にくっついていた小太郎が、思うさま嬲り13歳に命の汁を注ぎ込むSSを誰か書いてくれんもんか。
>>943 無印:一番最初に出ただけあって無難なつくり。それでもGMきくちたけしの
豪腕と、田中天の無茶プレイ、かわたな・矢野王子の素敵PLが光る。
個人的には入門用としてオススメ。
オリジン:ダブクロのデザイナー矢野王子がGMを勤めるシリーズ。
シナリオごとのギミックが秀逸。主人公二人・隼人と椿が固定で、
残り二人が巻によって交代するのも特徴。
アライブ:おなじく、矢野王子GMのシリーズ。シナリオギミックはやはり光る。
前シリーズでは優等生的印象だったしのとうこが、今シリーズでは
わりと素晴らしいはっちゃけ(天然?)ぷりを晒してるのもべネ。
トワイライト:第二次世界大戦直前を舞台にした、田中天がGMを勤めるシリーズ。
主人公の快男児っぷりと予想もつかない展開で文句なしに面白いが、
色々な意味でカッ飛んでいるので、ここから入るのは危険かもw
エクソダス:実験体として開発された主人公たちがソコから脱出を図る、009オマージュ。
超展開が続くのでソコは注意。それさえクリアできれば、あとは心置きなく
藤澤さなえのヒロイン力に度肝を抜かれるべし。
ストライク&ジパング:どっちも異色、面白いさは保障するが、これをダブルクロスと
思われても困るw まぁ基本を押さえた後で、かな。
ゆにばーさる&ヴァリアント:どちらも短編集、色々楽しめるが、反面一点集中には欠けてしまうかも。
あと、ゆにばーさるは過去リプレイからの再出演が多いのも注意
レス返しと続きの投下に参りました。二十三時頃から始めたいと思います。が。
諸事多忙でなかなか書き進められないので、どうせなら無印三巻で生えてくるだろう後付け設定も拾おうと待っておれば……どうしよう、これ……
一応直したつもりですが、まだ私が気付かなかった矛盾点等あるかと思います。ご寛恕頂ければ幸いです。
>>961 なぜだか小太郎の姿が天膳さまに変換された
>>前スレ802
これは失礼しました。焦らすつもりはなかったのですが。
どちらかというと、反応を窺って作品の方向性を調整するため、そして何より自分を追い込む意図でした。「ここまでやっておいて、『書けませんでした』とは言えんぞ」と。
もっとも、拙文が壁のものさんの呼び水になるならば、望外の喜びです。
>>前スレ807
ナーシアルート(ピアニィ黒化ルート)も書くつもりです。どなたかに「いつになるか分からないものを待っていられるか! 引っこんでろ、俺が書く!」と仰って頂けるならありがたいのですがw
「ノベルの一巻で『私ひとりを戦場に向かわせるアルじゃないこと、知ってるもん♪』と言われて否定してないわけで。嫌いなら放っとくよね、普通」と開き直ることにしました。
私が考えていた「ナーシアが師匠のところからゴーダ伯の元に戻る前夜、『人口呼吸はキスに含まれない』的な最初で最後の(ピー)」 な展開で、本編とさほど大きな矛盾はない……筈です。
なお、ナーシアが処女か、ゴーダ伯によって色々と開発済みかは未定。リクエストに応じます。
>>前スレ812
黒化純愛ピアニィ……それは素の状態ではないでしょうかw
……冗談はともかく。そういうのには疎いのですが、雛見沢村の鉈女とかのイメージでしょうか。検討してみます。
どなたか以下略。
では、本編に参ります。前回投下分は、前スレ
>>765-770をご覧下さい。
今回もエロなしです。前説が長くて申し訳ありません。王子と大竹さんがちょっとやそっとの刺激ではヤってくれないキャラ立てにしたのが悪いんですw
これでも、地の文(ヤンヤンが何故いないとか、二人の服装とか)を削って話を進めるという暴挙を行っているのですが。
「最初から……か。じゃあ、あいつの生い立ちからだな。
だが、実は、俺も詳しく知らないんだ。あいつは自分のことを話したがらなかったし、そもそもあいつ自身が興味もないようだった。『知っても意味がない。知ったところで、何も変わらない』とさ。家名すら、あいつの口からは聞いてない。
だから、これから話すことは、あいつを抱えてたオスウィン・ゴーダから師匠が聞いたことの、又聞きになる」
「……変わった兄妹弟子ですね」
ピアニィの疑問は当然である。
兄妹弟子ともなれば、必然的に寝食を共にすることになる。だから、普通なら、その気がなくてもある程度のことは伝わってくるものである。よほど仲が悪ければ別だが、それなら後々、依頼し、される関係になり得るわけもない。
「だから言ってるだろ。説明するのが難しい、って」
ため息をついて肩をすくめる。
「とにかく。フルネームはナーシア・アガルタ。父はグラスウェルズの高名な騎士、母はメルトランド王族だ。家としては、あいつが子供の頃に滅亡したらしい」
「何があったんですか?」
「それは聞いてない。何にせよ、路頭に迷ったあいつに手を伸ばしたのが、グラスウェルズの重鎮、オスウィン・ゴーダだった。
……不幸中の幸い、と言っていいんだろうな。ゴーダの目当ては剣の天稟だけだったが、そこらの小悪党に引き取られていたら、無事じゃ済まない。貴族が、寄る辺のない……抵抗できない立場の美少女を引き取る理由は、決まってる。山ほどある話だ」
吐き捨てた口調には、抑えて抑えきれない嫌悪と怒りがあった。確かに、憤るに値する話である。
が、この場合に限り、ピアニィがツッコむのは倫理的な問題ではない。
「美少女なんですか?」
むっつりと口を尖らせる。
情人ならアルは、他意なく即答してのけた。
「そう聞かれたら、百人が百人とも肯定するだろうな。姫さんと一緒だよ」
こう言われてしまっては、ピアニィとしては怒るも喜ぶもならず、曖昧なリアクションをするしかない。
「……えーと。褒められているんでしょうか?」
「いや、単なる事実だ。つーか、容姿を褒めたり貶したりする意味が俺には分からんね。そんなところにはないだろ、人間の価値ってのは。
例えばベネットだって、外見だけが評価対象なら、それなりの人数から支持されるさ。口を開いた瞬間に台無しだがな」
ガタンッ!
「……? 今、外で変な音がしなかったか?」
「まさか。ここ、三階ですよ? 侵入者に備えて各種のトラップとかもありますから、内部の人間、それもベネットちゃんクラスでないとここまでは……」
「……ほう、ベネット……」
「ええ……」
そこで立ち上がった二人は、つかつかと窓辺に歩み寄り、一気に開け放つ。すると。
窓の直下の壁に、執事服の男が『立って』いた。
「コ、コ、コ、コネリー!?」
「じじいっ!」
「はっはっは、お久しぶりでございます。話は聞かせて頂きましたぞ」
絶叫した二人に、コネリーはにこやかに応じる。
「あんたそれでも人間か! 何で壁に垂直に立てるんだよ!」
「靴に仕掛けがございましてな。そんなことより、姫様、ちとお耳を拝借してよろしゅうございますか?」
「は、はい?」
アルのツッコミを軽く受け流したコネリーは、腹筋を利かせてピアニィの耳元へ顔を寄せると、何事か囁く。
ピアニィの頬が、紅く染まった。
「……ほ、本当にそうしないと駄目なのですか?」
「コネリーめを信じて下さりませ。一度たりとて姫様のおためにならぬことを申し上げた覚えはございませんぞ。では、私めはこれにて失礼いたします」
それだけ言い置くと、コネリーは身を翻し、夜の闇へと消えた。外壁をすたすたと直立二足歩行で下りて。
それをしばし呆然と見送る、残された二人。
ややあって、アルは、あまり深く考えない方が良いという結論に行き着いた。
「……話、続けようか」
「あ、はい、そうしましょう」
そして、二人はテーブルに戻った。上方を確認しなかったことを気付かないままに。
「どこまで話したっけか……そうそう、ゴーダに引き取られる所までだったな。
その時にあいつは、『戦乱で行方不明』ということになった。
駒に身分など必要ない。むしろ、公式には存在しない者の方が使いやすい。完全に死んだことにされなかったのは、いずれメルトランド王族としての立場を利用する道にも含みを持たせておきたかったからだろう……と、これは師匠の観測だが、そんなに外れちゃいまいな。
いずれにせよ、その後ゴーダは、知り合いだった師匠にあいつを託した。剣の腕を磨かせるために。
……そうして、俺達は出会った。大体十年くらい前のことだ」
そこまで言うと、アルは茶を啜って一息入れた。
「……最初は、気に食わなかったよ。
そういう事情だとは、その頃は夢にも思わなかったからな。俺は弟子入りを認めさせるために山越えで追いかけたりしたのに、何で……ってな。
他にも色々と、好きになれないところだらけだった。雑用の手間が増えたくらいは別にいいとしても、他人の迷惑を顧みないところとか。そのくせどこかで自分自身の人生も投げてるようなところとかな」
「今はどうなんですか?」
「嫌いだね。言った通り、ナーシアという女は、外道だ。自分のやるべきこと、やりたいことしか見えない。他人のことは考慮しない。
あいつは、俺に厄介事しか持ち込まない。しかも、俺をからかうことが唯一の娯楽みたいな女だ。存在自体が迷惑だと言ってもいい」
冷たく吐き捨てる。しかし、その声音には、その迷惑な外道への同情もまた込められていた。
「別に、わがままだとか言うんじゃない。そういう生き方しか知らないんだ。他人の迷惑に構ってたら生き延びられなかったんだよ。
……だが、だからと言って、誰がそれを受け入れてくれる? 根本的に、誰にも好かれない人間なんだ。
だから俺だけは、少しくらい酷い目に遭わされても、あいつの味方でいてやらんとな。ろくでもない相手だと織り込んだ上で付き合っていくさ」
「そ、そうなんだ……」
ピアニィの柳眉が、不快感によってひくりと動いた。
だが、とりあえずそれは呑み下して、疑問を先に追究する。
「……ここまでは、そんなに説明の難しい話じゃないですよね?」
「ああ。ここからだ。
あいつは、限られた時間で強くならなければいけない立場だった。ゴーダにしてみれば、いつまでも修業させてやる義理はないからな。所詮は数多ある駒の一つだ、修行未熟で野垂れ死んだところで何も困らん。
いくら天賦の才があっても、訓練に使える時間が有限だという事実は変えられない。
だから師匠は、あいつを手っ取り早く“強く”するために、俺が憧れたのとは別のものを教えざるを得なかった。ゴーダの要望も『そっち』だったらしいしな」
「別のもの? そっち?」
「俺のが表だとすると、あいつは裏。相手の防御を打ち砕くんじゃなく、無視する……早い話が、暗殺術だ」
何か苦いものを飲み下したように、アルが顔をしかめた。尊敬する師や仲間の、自分とは相容れない面である。語るに気が進まないのは当たり前だった。
「俺が鎧ごと敵を叩き斬るとしたら、あいつは鎧の隙間を刺す。場合によっては、鎧を外して寛いでいるところを背中から刺す。必要とあれば平気でそれができるんだ。技量は元より、精神的な面においてもな。
それを悪いとは言わない。密偵たる者、むしろそうあるべきだ。だが、それは、俺みたいな『剣士』の在り方とは違う」
嘆息して、続ける。
「……おかしな話だろ? 同じ師を仰ぎながら、学んだのは全く別のものだ。基礎こそ同じだが、対極に近いくらい重なり合わない。
そして結局、その溝が埋まらないまま、あいつはゴーダの下へ戻って行った。
……これで、本当に兄妹弟子と言っていいのかな。俺には分からんね」
「なるほど。それはぎくしゃくせざるを得ませんね」
納得して頷くピアニィ。だが、アルは首を振った。
「ところが、本当の問題は、それじゃないんだ。
俺達は、表と裏の剣をそれぞれ継いだ。いや、それだけしか継げなかった。今のままじゃ、俺達は師匠の片割れでしかない。
だが、師匠との約束でね。俺は、師匠より強くならないといけないんだ。当然、あいつが体現する裏の剣も超えないといけない。
……あいつは、俺にとって、乗り越えなきゃならない壁なんだよ。いずれ殺し合わないといけないんだ」
「殺す?」
驚きを顔に塗って、ピアニィは問うた。言葉自体は日常用語だが、流石にこの展開は予想の枠外である。
「そんな、そこまでしなくても……」
「いや、やるからには、お互い本気でないと意味がない。その上で結果として双方生き残れるならそれが一番だが、まあ無理だろ。手加減して勝てる相手じゃない。殺らなきゃ殺られる」
「……ええっと。
まとめると、兄妹弟子で、でも兄妹弟子じゃなくて、味方でいるつもりだけど、殺し合う予定だと?」
「そういうことだ。頭がこんがらがってくるだろ?
……もっと長い間、師匠の下に二人でいられたなら、そんな捻じれた関係にはならなかったろうけどな。その代わり、姫さんと出会うこともなかったから、これで良かったんだが……
まあいい、話を戻そう。
あいつが師匠や俺から離れてしばらくして……俺は、師匠に斬られた。
で、目が覚めた時にはベッドに寝かされていて、あいつが手を握ってた。サイラス……と言っても姫さんは知らないか……助けてくれた神官によると、二日くらいずっとそうしてたらしい」
「へ、へえ……よっぽど、心配してくれたんですね。いい人じゃないですか」
相槌を打ちながらも、ピアニィは奥歯をキリキリと噛み締める。出会う順番が遅かったために、その場に居合わせることができなかったために、そう言われる側に立てないことが悔しくて。
ともあれ、アルの中で、ナーシアと「いい人」という言葉は繋がらない。何秒か首を傾げて考えると、
「……いや、仕事七、心配三くらいだろ。
『情報収集任務。テオが持っていた竜輝石は? テオは何故……ああした? 他にも色々。
物証のほとんどが白竜騎士団に押収されてしまったから、あなたに聞くことが山程ある。だから、死なれると困るところだった』
と言ってたからな。あ、テオってのは師匠のことだ。
……まあ、必ずしも冷血鉄面皮なだけじゃないんだが、任務が優先な奴なんだよ。師匠が本気だったら俺はベッドじゃなく墓場で眠っている筈だと自分で指摘しておいて、
『そういう風に考えられなくもない、というだけの話。町と騎士団を殲滅する必要があリ、それにあなたを巻き込まないためにああしたという裏付けが取れない以上、信じるには不足。
あなたが、私の分もテオを信じてあげて』
とあっさり言い放つくらいにはな。
ともあれ。それからしばらくして傷が治った頃、仕事を手伝って欲しいと言ってきた。
大して難しいものじゃなかったから、多分、師匠に斬られたことで俺の心身が折れてないか気にして、わざわざ言って来たんだろう。で、サイラスも面白がって付いて来て、以後よくつるむようになる。
……とまあ、そこまでは良かったんだ。そこまでだったらな。
あいつは目的のためには周囲の迷惑を顧みず、しかも、俺をからかうのが楽しくて仕方がない性質だからな。……とんでもない仕事を気軽に次々とやらせやがって……」
「そんなに酷いんですか?」
「きっぱりと酷い。盗賊退治と言って出かけてみたら砦が立ってたり。偵察に行ってみれば魔獣の巣だったり。この前なんか、警戒が厳しくて侵入が難しいからって、俺を囮にしてわざと捕まえさせやがった。しかも、探索を優先して助けに来なかったぞ」
その後も、某修道院絡みで散々笑いものにされて、それこそ死なない程度に叩っ斬りたくなりもしたが、それには触れない。眼前のピアニィからも玩具にされた件を持ち出すべきでない程度の配慮は、流石のアルにもできた。
「あいつに言わせれば、俺なら生きてると予測も信頼もしてのことらしいし、実際何とか生き延びられたから良かったようなものの……普通なら死んでるぞ」
(……え? 今、何て?)
「死」という言葉が、ただのぼやきとして、当たり前に出てきたそのことが。積み重ねられたピアニィの苛立ちに臨界を越えさせる、最後の一押しとなった。
死の危険を平気でアルに押し付けるナーシア。何だかんだと言ってもそれを受けるアル。
アルに腹芸を利かせる小賢しさはないから、迷惑だと言うならそれは本当に迷惑がっている。
しかし、同じ理由で、本当に嫌いな相手にはそもそも関わろうともしない。心を許していなければ……
(……何ですか、それ……?)
苛立ち任せにテーブルを両掌でバンと叩き、言い放つ。
「何で、そこまでひどい扱いをされて許せるんですか? おかしいです!」
しかし、その瞬間、ピアニィは後悔した。
(もし、「いや、それでも可愛いところもあって……」とか言われたらどうしよう……)
脚が震える。どんな敵と対峙した時も、これほどの恐怖を感じたことはない。覚悟はしていたつもりでも、いざとなると怖い。聞きたくない。
怯える子供のように、顔を伏せ、目を固く瞑ってしまう。それを止めることができない。
が。アルが口にしたのは、ピアニィが考えたようなものとは全く異なる理由だった。
「許すも許さないもねーだろ。俺は依頼を受けた。それがどんな無茶苦茶なものであっても、受けた以上、それは約束だ。俺は約束を破らない」
水が低きに流れるように、当たり前に。
そのことに安堵もし、また、苛々も募る。
「受けるのがおかしいって言ってるんです!」
「確かにな。馬鹿なのは自分でも分かってる。だが、あいつは、他の誰でもなく、俺に依頼した。俺なら引き受けてくれる、俺にならできると信頼したんだ」
(……そこは、「俺『に』なら」じゃなくて、「俺『と』なら」じゃないかな? 一緒でなら何でもできるって……。なら、それはもう『信頼』なんて次元じゃない、よね)
そう直観したピアニィだが、口に出すことはしなかった。それが、(本人が伝えずにいる気持ちを、他人が勝手に教えるのは許されない)という考えからなのか、もっと利己的な理由によるものなのかは、自身にも分かりかねたが。
が、そんな彼女の……あるいは、彼女達の……想いに気付きもしない朴念仁は、当たり前のように話を続ける。
「それを、俺にまで断られたらどうなる? 自分で言うのも何だが、俺の代わりなんてそうそう見付かりっこない。俺が断ったら、あいつ一人でやることになる。
それを分かっていて、それでも放っておくような真似は、俺にはできない。もしやったら、俺はアル・イーズデイルじゃなくなる」
良くも悪くも、アルを『ただ強いだけ』の存在と異ならしめているのは、そこだった。
普通は、無茶苦茶な依頼をも完遂できるほどの一流は、無茶苦茶な依頼を引き受けるような愚かな真似はしない。そうでなければ一流になるまで生き残れはしない。
だが、アルは違う。本当に困っている人間を、見捨てることができない。さもなくば、レイウォール・グラスウェルズ両大国を敵に回してまで、フェリタニアに……否、ピアニィに……手を貸したりもしない。
(やっぱり、こういう人なんですよね。不器用に優しい。どこまでも。誰に対しても)
できれば自分だけにそれを向けて欲しいが、しかし、もしそうされたら恐らく失望するだろうとも思う。
思わず、笑いが込み上げて来る。
(可愛いなあ……)
人には『目に映る全てを守ろうなんてのは傲りだ』などと言いながら、自分は意識もせずにそれを貫き通している。子供のように純粋な、誇り高き馬鹿。
失いたくない、ずっと傍にいて欲しい……と切実に思わせるには、それで充分である。
が、アルの方でもそこまで思ってくれているかは、自信が全くない。自分が、アルが抱えている余りにも多くの『守りたいもの』の中でも極めて大きな一つであるとは確信できるが、他の全てを合わせたよりも大きいかどうかは分からない。
……そこまで考えを巡らせた時。先程コネリーが耳打ちした言葉が、脳裏でフラッシュバックした。
『恋敵がいる場合、相手より先に既成事実を作るのが唯一の道でございます。ヤることをヤってしまって、初めてだったんだから責任取ってと言えば、拒める男はまずおりません。
正妻の座さえ固めてしまえばこちらのもの。他の女など、見下した目をして愛人呼ばわりしてやれば、勝手に男をぶん殴って離れていきます』
「!」
声にならない呻きが漏れた。
(そうなのかな……でも恥ずかしい……
お母様、こういう時はどうするんでしたっけ……)
狼狽しつつ、必死に記憶をまさぐる。
そうして脳裏から引っ張り出された母の教えは、実に明快であった。
『恋愛に重要なのは先手です。主導権を握らせては駄目。先に好きだと言ってしまって、相手が混乱した隙に押し切るの。分かった、ピアニィ?』
(……
…………
………………)
心の中で、ピアニィはぽんと手を打った。
(なるほど、そういうものなのですね。でも、やっぱり、そんなの……恥ずかしいです……)
ピアニィの性格上、流石に一息には踏み切れるわけもない。それでも、勇気を振り絞って、前に出る。
「本当に馬鹿ですね。
……でも、アルのそういう馬鹿なところが、あたしは好きです」
精一杯の告白だったが、いかんせん相手は悪過ぎる。この程度の愛情表現では、意は伝わらない。
「そりゃ光栄だな。でも、気を使ってくれなくてもいいんだぜ」
全くの本心でそう言い放つ。まさにフラグスルーの天才、その真骨頂であった。
(あ、あうぅぅ……話が通じない……)
本気で落ち込みかけたピアニィであったが、しかし、その背中を、コネリーと母という敬愛する両師の言葉が支える。
『古人曰く、“迷うな、躊躇うな、一歩も引くな”。
戦場で必要なものは、二つございます。一つは、仕掛けるタイミングを見定める判断力。そしてもう一つは、仕掛けたからには中途半端で後に引かない勇気でございます』
『リソースの小出しは、無駄じゃなくて有害なの。たたみかけると決めた時には、持てる全てを注ぎ込むようにね』
(……ここで退いたら、私の負け……)
それは、戦わずにアルを諦めること。それだけは、絶対に嫌だった。
「そんなんじゃないですよ。それに、『好き』の意味も、アルが思ってるのとは少し違います」
ここまで言われれば、群らがる女を片端からスルーしてばかりのアルにも、この場合の『好き』が一般論ではないことは分かった。
今度はアルが平常心を失う番だった。スルーし続けて来たが故に、実は直球を受け止める経験はないのである。
適当にごまかすどころか、誠実に対応するだけの冷静さすら飛んでしまう。
パニクって、とっさに視線をそらした。そのことに深い意味はない。全く無意識での行動である。
そして、ピアニィがアルの視線を追ったのも、純粋な反射行動である。人間は、目の前の相手が急によそ見をすると、そちらを確認する習性がある。
重ねて言う。二人とも意図してそれを見たのではない。が。
前述の通り、この部屋は狭く、視線を遮るほどの荷物もない。故に、最も大きな家具が目に入るのは必然。
即ち、ベッド。
ピアニィは、血管が切れないか心配なほど真紅に顔を染め、肉眼では追いきれない程の速度でうつむいた。
が、その表情は、アルを正視できないほどに恥じらってはいても、嫌がってはおらず。
さすがのアルも、この期に及んでは逃れられよう筈がない。また、逃れたいとも思わなかった。
元来、アルのピアニィに対する感情は、躊躇なく命を懸けられるほどの、絶対の信頼。愛ではないけれど、愛よりも強い想い。ならばそれは、愛と無限に近しく隣り合うものである。
……いつの間にか境界線を踏み越えてしまっても、本人すら気付かないほどに。
邪な目を向けるなど考えたこともなくても、関心の対象外という意味では決してない。大切だからこそ、『そういう対象』にすること自体を一種の裏切りとして、前意識において拒否していただけである。
考えたこともなかったから、逆に一度意識してしまうと、もう歯止めが利かない。ピアニィという少女は、それほどまでに特別で、魅力的な存在だった。
ごくりと息を呑みつつ、しかしそれでも、アルは理性を総動員して最後のブレーキを試みる。
「何かこう……順番が滅茶苦茶というか、考えてはいけない事態が起きてるような気がするんだが……」
「あ、あたしは気にしません!」
「本当に俺なんかでいいのか?」
最終確認に。
ピアニィは、小さく、しかし確かに、こくんと頷いた。
……今回投下はここまでです。
さあ、エロを書こう。ピアニィの更地、もとい、皿乳を丁寧に舐め回すエロを書こう。何故これが「平凡な日常」なのか、考えてたオチが使えなくなったので、何か適当にでっち上げよう。
それが終わったら、空砦とGFと(中略)を読むんだ……
>>966 20行目
×情人なら
○常人なら、それだけで怯えかねない。しかし
乙。
いいね、いいねぇ、ナーシアへの屈折した感情といい、それを受けたピアニィの殺意といい
さあいけ、いくんだ、ここまできたらいきつくところまで!
ここまでやっといて直前でベネットに見つかって有耶無耶なんてオチはないと思え!!
あのクラン=ベルの四英雄がそんな見つかり方をするわけがないだろう!?
見つかるとしたら全部終わってからだ! 多分
や、ベネットに見つかったら後だろうと先だろうとまず抹殺されて
目撃された事が無かった事にされるだろjk
アルとピアニィだと実に殺意の高い夫婦になるよなあ、と
サガ3巻のピアニィ側のブリーフィングを読んでて思った
イキイキし過ぎだ
977 :
|ω・`):2009/09/28(月) 00:33:59 ID:R3EQsa8Y
ただ一言だけ、この言葉を。
|ω・`)b <GJ
ラジオではみゅーたんは王子に引っ張られたと主張してたが……絶対最初からイキイキしてたよなぁw
むしろみゅーたんが王子の弟子にしか見えない件
やーめーろーよー 弟子なんて言うから、流派東方○不敗の師弟に脳内変換されちまっただろうが
モブを《トルネードブラスト》しつつ
「流派フェリタニアはッ!」「王者の風よッ!」
>>981 二人の殺意を合わせて放つ必殺技ですね
わかります
983 :
名無しさん@ピンキー:2009/09/28(月) 07:34:12 ID:cPGQAarQ
GJGJ!!。エロも待ってる!!
でも、更地じゃないとおもうけどな、今回公開された乳は。
いや、まだ更地だけど、これから育つのか、アルの手で?
>>976 ゼパ「殺意が伝染した」→GM「いや、最初からだ」だからな
あの英魔様さえ怯える殺意だぜ!
さすが、フェリタニアの殲滅カップル!!
>>979 リプスレでは、あの説教場面をもって、「王子がみゅーたんを調教した」と言われていたが・・・
このスレ的にはとても有りな表現だと思わないかね。「調教」
弟子より萌える!!
アルとナーシアは修行時代にヤッちまってるんじゃねえかなあ
「強くなりたければ喰らえ!」的な意味で
次スレ立ててくる
>>984 しかしその場合、どうみてもアルが受けにしか思えないんだが…
…いつものことか!
修行時代アルはナーシアに勝てなかったんだから答は一つだろう
>>986 スレ立て乙。
>>987>>988 まぁ幸いにもPTが一緒になったわけでもあるし、再戦することも
可能になったな(あの時の俺と同じと思うな的な意味で
>988
ナーシア「はあ……はあ……し……修行時代は……あんっ……一度も……勝てなかった……くせに……あ、あぁあん!?」
アル「あれからたっぷり修行を積んだからな……姫さんで」
ピアニィ「(超赤面)」
つまりはこういうことか。
ベネット「シーンに登場します」
むしろベネットはそこんところ空気読んで大人しくしてて、次の日
「きのうはおたのしみでやんしたねニョホホ」とか言ってしばき倒されるイメージ
>>932 “ブラストハンド”国見以蔵が必死に否定しています
アンソンが切ないことに……。
アンソンは“実は女の子”ロッシュとよろしくやればイイと思うよ
アンソンにはリシャールがいるじゃないか。
>>992 ナーシアとアルが戦っているさなか、ピアニィ女王陛下がその場に居られると言う事は!
3Pですな!
1000げと?
1001 :
1001:
このスレッドは1000を超えました。
もう書けないので、新しいスレッドを立ててくださいです。。。