広報保守
需要ありそうなんだがなぁ。
33 :
名無しさん@ピンキー:2009/11/22(日) 02:40:57 ID:K0SA354A
お天気お姉さんの池波夏美ってエロかったな。
相手が持ってた手錠で逆に拘束してやりたい
そういうのいいよね
35 :
名無しさん@ピンキー:2009/11/22(日) 04:44:12 ID:lWcnJfwb
釈明の村上正副署長と「婦人警官」の仲
10月31日に護送車の窓から容疑者が手錠と腰縄を外して逃走という大失態を犯した、愛媛県警今治署。
手錠と腰縄が不十分で、容疑者が逃走したときには、追突事故まで起こしていたというから「とほほ」などという言葉では表現できない情けなさ。
11月13日に京都市内で発見され、逮捕された逃亡犯の安倍健史容疑者。
付近で、安倍容疑者の仕業と見られる、自転車や現金の窃盗事件が頻発。
近隣住民たちは不安のどん底に突き落とされた。
当初、今治署では「手錠がゆるかった」などと発表していた。
だが、実際には手錠はしておらず、本来は安倍容疑者を二人で挟む形で乗車しなければならないのに、一人が横に座るというマニュアル無視の格好で護送していたこともわかった。
そのたびに釈明をしていたのが、今治署の村上正副署長。
出所:デジタル紙の爆弾については、
http://society6.2ch.net/test/read.cgi/police/1169200579/414
えー
『逮捕しちゃうぞ』の美幸がやーさん連中に輪姦されるのとか読んでみたい。
「ボーナス全部カットだなんて、あんまりですよ〜!! 密輸団を全員捕まえて、残った下っ端連中も
解散させたのに〜! あんな目に合わされて、やられ損じゃないですか〜!!」
「手柄は立てても、街を壊してどうするんだ! 抗議は殺到するし、マスコミには叩かれるし!
ボーナスカットだけで済んだだけでもありがたいと思え! 全員逮捕、解散にできなかったら
確実にクビだったぞ!」
逮捕しちゃうぞの美幸と中嶋とかベタなのが読みたいが
それなら昔書いた奴を貼るとするか。結果的に刑事モノになった奴。投下開始
ACT1
廃工場の敷地の門前で、市立中学指定の学生服を身に纏った少年がたった一人で立っていた。
「いいかい、君は間違ってる。こんな事で自分の進路を閉ざしてどうするんだい? …帰るんだ」
「うっせえ! お坊ちゃんは黙って学校で勉強してりゃあいいんだよッ! オレに関わるな! 」
「そうやってバイクのアクセルを開いて空吹かしか。そんな事で僕が怖がると思うのかい、松倉さん」
「…退(ど)け。…本当に轢くぞ」
15歳にしては発育の良すぎる、出るトコは出て引っ込むトコロは引っ込んだメリハリの効いた身体を
黒革のライダースーツに無理矢理押し込んだ少女が、黒の詰襟の学生服を着た少年を睨みつけている。
少女のヘルメットを掴んだ左手が怒りでブルブルと震えていた。少年は冷徹な視線を少女から外さない。
「それを僕に投げつけても、僕は退かない。意味の無い喧嘩なんて僕が絶対にさせない」
「オレが行かなきゃ、アイツらは学校に乗り込んで来るんだよ! そうなったら…!」
「…そんな事だろうと思ったよ。君は自分のためには暴れないと僕と約束したからね」
少年が布切れを少女のバイクの風防に放った。少女の目が見開かれた。この市の一帯を取り仕切っていた
暴走族の「配流緋虎亜」の特攻旗の一部だった。少年はその隙に少女のバイクに近寄り、エンジンを止める。
そして少女の左腕を強く掴んだ。ヘルメットを持つ手の力が抜け、少年の手にすんなりとヘルメットが渡る。
そっとヘルメットを片手で置き、少女と視線を真っ直ぐに合わせた。アーモンド形の大きな吊り気味の目が、
少女のどこか気の強い、猫を思わせる眼を映していた。
「僕と君とは親友だ。君一人を辛い目に遭わせるものか」
「キョウ…? どうして…これが…?」
「昨日の深夜から今日の早朝にかけて手に入れたよ。…奴等が君を輪姦すると息巻いていたのを聞いたから」
少女はバイクから飛ぶようにして降り、少年の学生服の胸元をボタンを引き千切らんばかりに開く。学校指定の
白いカッターシャツに、所々血が滲んでいた。カッターシャツも脱がせると、U首のアンダーシャツの下に青痣、
切り傷、擦り傷の応急手当てをした跡が所狭しと並んでいた。少女はそのままズルズルとしゃがみ込み、ペタンと
女性の骨盤にしか出来ない座り方で座り込む。自分の視界に涙が滲むのを拭こうとして、少年の衣服を掴んだ
ままだったことに気付く。見上げると少年も一緒にしゃがみ込んでいた。少年がニッコリと微笑んだ。
「さあ、学校へ行こう。着替えても4時限目には、まだ間に合うだろう? 今日の給食はカレーだ」
「キョウ…キョウッ…黙ってて…ごめん…ごめんよぉ…」
「僕は郷(ゴウ)だよ、松倉さん? いつも言ってるじゃないか」
少女が少年の胸に顔を産め、泣きながら頬擦りするたびに眉根を寄せる。打身が痛み、擦り傷が沁みるのだ。
しかし少年は口には出さず、少女の為すがままに任せていた。折角ここまで骨を折ったのだ。ささやかな報酬だ。
少女の艶やかな黒髪を撫で、ポニーテールを纏めた蒼色のリボンに手をやる。その校則に違反しない色を
したリボンは、少年が『一年前の少女の誕生日』に、一緒に勉強した期末テストで上位に入ったのを記念して
贈ったものだった。これを贈った時、少年はある『誓いの儀式』をした後、照れる少女に言い切ったのだ。
『誰が何と言おうと僕だけは、君を見捨てない。僕が君を守る』
互いの左手の小指を傷付けて素焼きの小さな杯の水に血を一滴垂らし、互いに半分ずつ呑んだ、血の誓い。
少年の育った環境は少女の想像にも及ばない、厳格な旧家のしきたりに染まったものだった。その誓いは己の
全てを賭けて守らねばならない。親友のためにこの身はあるのだ。…純粋な少年の心は今も、満ち足りていた。
「いい加減…オレの事さぁ…イズミって・・・名前で呼んでくれよぉ…キョォ…」
「…嫌だ。僕達は親友だろう? 君こそ僕をゴウと呼ぶべきだ」
「じゃあ、義弘…は…やっぱやだ…オレの…キョウだもんっ…」
少女が少年をどうして正確な姓や名前で呼ばないか、実は少年は聞き知っている。独占欲から来ているのだ。
委員会で一緒になった女子生徒や、少年を慕っている女子生徒を脅して『オレのキョウに近づくな』と言ったと
聞いた。それを指摘されれば『テメエらと同じ呼び方はしたかネェんだよ!』と目を剥いて怒ったと言う。困った
ものだと少年は思う。手を出さないようになっただけでも進歩したものだとは思うが、少年は聞いてない振りを
続けていた。…どちらかが我慢し切れなくなったら、この『素晴しい友情』は、終わってしまうのだから。
「さあ、帰ろう。バイクには乗っちゃいけない。法律違反で君の進学の内申書に響くのは痛い」
「やだ。もう少し……このままでいたいよぉ……」
「あと10分だけだよ。履修単位が足りなくなるから、次の授業は欠席させられないんだ」
少年の口利きさえあれば、ほとんどの教師は文句も言わずにすんなりと少女を授業に参加させてくれるだろう。
さあ、君の輝かしい未来を見せてくれ。少年は少女の未来に思いを馳せながら、ただ少女の髪を撫で続けていた。
ACT2
「郷、義弘君。郷クン? …また欠席かしら?」
英語教師の出欠の誰何(すいか)に応える者は居なかった。教師が目で辺りの生徒に消息を聞くが、目の合った
生徒は沈黙を保っている。5分後、一人の女子生徒が意を決したように立ち上がるのを見た25歳ぐらいの女教師は
深い溜息を吐く。 今年に入ってこんな事が毎日、繰り返されていた。この英語読解のクラスは三段階中の最上位クラスだ。
「郷クンはいつものところね……。違う? 松倉さん? 」
「……私が連れ戻して来ます!」
「やめて頂戴。あのコを無理に連れ戻すと『また』授業が進まなくなるわ」
最初は無理に連れ戻した事もあった。だがそうすると郷と言う生徒は悪意を持って授業を潰しに来る。テキストの
和訳文の教師の模範回答を「意訳だろう」と鼻で哂い、接続詞の解釈で論陣を張り、周りの生徒そっちのけで授業の
残りの時間をただ議論のみに費やした。大勢に理解させねばならぬ教師と言う立場としては『最悪の生徒』だった。
優秀過ぎて困るのだ。せめてもの慰めは、 そうした行動に出るのが自分の授業だけでは無い、と言う事だけだった。
女教師の発言に、ただ一人を除いた生徒全員から 笑いが生まれる。少女の秀麗な顔が一瞬だけ軽蔑に歪む。
「私っ……行きますからっ! 」
眦を決した女子生徒が、蒼いリボンとポニーテールを靡かせて笑いでざわめく教室を後にした。誰も居ない廊下を
疾風の如く走り、階段に向かう。そして階段を駆け上がり、4階を越え、屋上へとつながるドアへ到達する。そのドアは
通常施錠されているはずだが、ドアノブが簡単に回る。彼はシリンダー錠を開錠出来るテクニックも身に付けている。
ドアを開け屋上に躍り出た女子生徒は、夏の陽射しの強烈さに目を細めた。突風がスカートを捲り上げそうになる。
「……君か……。『また頼まれて』来たのかい? 」
ティアドロップ型のサングラスを掛けた『青少年』が微笑んでいた。あの時、少女を『親友』と呼んだ面影を残したまま
たくましく成長した姿がそこに在った。……優等生の成れの果てだ。少女とべったり付き添い勉強させ、県下随一を誇る
公立名門進学校を受験、そして合格。だが、その後がいけなかった。授業内容、指導方針、生徒の質の全てが彼を
「こんなものか」と落胆させ、他人と協調する意欲を失わせたのだ。彼は全国模試や校内試験だけには顔を出した。
そして群を抜く成績でトップをもぎ取って行くのだが、学校は絶対に彼の名を上位者名簿の羅列の筆頭に張り出す事は無い。
「んなわきゃネェだろうがっ! キョウなぁ……いい加減にしろっつぅの! オマエが出席しねぇと進級させねぇって…」
今の台詞を校内で今の少女を知る者が聞いたら、言葉遣いの乱暴さに目を白黒させるだろう。少女はかつての少年の
ように今や完璧な『優等生』を演じていた。元々頭の中身は悪くなかったのもあるが、中学時代の荒れ様は大人に対する
正直な反発だった。少年の無私の献身がその激しい反発を宥(なだ)め、静かな軽蔑へと緩やかに導いたに過ぎない。
「全く心配無いね。話の決着が着いてないのはあの英語読解の教師だけだ。あとは皆、話せる人達だったよ」
「何……したんだよ……。オレに黙ってっ……」
「授業を荒らされたく無かったら単位を認めろ。あと体育教官には少し汚い手を使ったがね? 聞きたいかい? 」
「……部活の助っ人だな! 剣道部の! あれ止めろよっ! また不特定多数の腐れ雌豚どもをサカらせるのか? 」
「中身の無い人形に興味を抱く僕だと思うのかい? 松倉さん? 」
少女は頬を緩ませそうに為るのを必死に堪えた。そうだ、キョウはここにずっと居ればいい。自分だけが、こうして彼の
内面に触れる事が出来ればそれでいいのだ。この青年を無理に周囲に引きずり出したならば、自分の最高の宝物が台無しに
されてしまう。この煌きを……奪われてたまるもの、か……? 少女は思考を展開するうちにふと、違和感に気付く。自分でも
触れたくは無かった、黒く汚く醜い部分を、わざと解析していく。少女はそして、その明確な答えをついに……得てしまった。
もう、我慢が出来なかった。目の前の青年に縋(すが)り付いてしまう。
「キョウ…オマエ…馬鹿だ…。オレよりずっと…一直線な馬鹿だよぉっ…」
「僕のこの行動の理由の理解が、出来たんだね。僕にとって一番大切なのは、君の未来だけだ。残る不確定要素は
『親友』である僕だけなんだ。あとは僕さえ居なければ…君は一人でだって歩いていけるんだ。だが僕は見たかっ…」
「もういい、もういいからっ……! キョウ…オレを…オレを…ここで…抱いてよぉ…もう…『親友』なんかじゃ…! 」
青年が少女を押しのけ、首を左右に振る。その顔は酷く優しい微笑みを浮かべていた。だが、今の少女には青年が全身で
啼いているのが解かる。少女は両腕で己自身を抱き締め、ただ、静かに泣いていた。憎むべきは目の前の少年では無い。
まだ愚かだった、あの日に少年『誓い』に応じてしまった昔の自分だった。
ACT3
「連続狙撃犯め、そこを動く……!? どうしてここに…」
あの夏の日から7年が過ぎた。彼、郷義弘は高校卒業後、行方不明になった。松倉泉は問題無く大学進学、
そして警視庁キャリアの道を順調に進んでいた。必ず泉の誕生日に贈られてくるメッセージカードとリボンが
郷の健在を示す定期便だった。泉が悲嘆の涙に暮れる時、必ず郷から電話があった。タイミングを計ったが
如くアドバイスは的を射たものであり、泉の周囲の環境を知らなければ出来ないものだった。
「嘘……だよな? そのライフル……G3・SG-1は……拾ったんだろ? な? 」
「君の嗅覚はどうなっている? 僕の体から強い硝煙の匂いがしないのかい? そうさ……僕がやったのさ」
泉はこれまでに郷の痕跡を見つけられずにいた。探偵を雇って調べさせた事もある。だが三日後には公園の
ゴミ箱にバラバラに為って死体で発見された。郷が何をして生活の糧を得ているのか今まで解らなかったが
これでハッキリした。狙撃技術は一朝一夕で身に付く程、甘いものでは無い。この郷の身に纏う独特な緊張感……!
間違いは無い。郷義弘は、どこかの組織にスカウトされて戦闘訓練を受けたのだろう。あの遠い夏の日に見た、
青年の爽やかな微笑みが泉を迎える。ライフルの銃口は向けられていない。泉は構えた拳銃、SIG239を下ろす。
「どうして? どうして黙ってオレの前から消えた! ……どうしてっ!」
「僕の自制心が利かない段階まで来ていた。僕は最後まで君の……『親友』で在りたかった」
「今回の狙撃だけは納得行かない! 前まで殺られた連中は、殺られても可笑しくない糞野郎ばかりだったのに! 」
「……今回の公安の関係者は、君を高級売春コネクションの内偵に回そうとしていた。……理由はそれだけだよ」
泉の頬が真っ赤になる。まだ彼女は『娘』のままだった。内偵と言う事は、即ち…! 郷がティアドロップ型の
サングラスを外す。遠いあの日、少女の頃の無謀な泉を停めた、少年のままの輝きを保つ瞳が現在の泉を映していた。
労わりに満ちた優しい視線が、まともにそれを見てしまった泉の胸の奥と胎を熱くさせる。郷の黒いロングコートが
強風にはためく。狙撃された人間達のリストを思い出す。若い女も少年も少女も居た。だが、皆が皆、裏の顔を持ち、
法では裁けぬ悪行を為していた。それほどまでに仕事を選んでいた郷が、この自分のためだけに原則を曲げ……!
「風邪でも引いているのかい、松倉さん……? 済まなかった。日本に来るにはオファーを受けるしか無かったんだ」
泉の胸の奥が切なく痛み、股の間から熱い粘液が漏れ出して来ていた。幸い郷には下半身の醜態を気付かれて
いないようだった。用意周到に行動し、狙撃のポイントや痕跡を撹乱し続けていた冷静な郷が、自分の、松倉泉の
貞操の危機を知るやこんな稚拙な真似をして、危機を自ら呼び込んでしまう。もう、たまらなかった。たまらなく…
郷がいとおしかった。もう、撃たれてもいい。殺されてもいい。郷の存在を実感したかった泉は、郷に飛び掛かった。
「…松倉さん? 」
「イズミって…呼んで」
撃たれなかった。それどころか狙撃手の命とも言えるライフルすら捨てて、抱き留めてくれた。片手に持ったままの
SIGを迷わず捨てて郷の胸に縋りつき、逞しい背中をさする。7年間、ただひたすら夢に見た男の存在がここにある。
互いの立場など知った事では無い。今、この瞬間、郷義弘は松倉泉だけのものになったのだ。もう、誰にも渡さない。
胸板に頬擦りし、郷の体臭を胸いっぱいに吸い込む。自分の『女』から恥蜜がまた溢れて来るのが誇らしく思える。
郷が泉の背中に手を回し、髪に顔を埋める。警察学校で「切れ」の連呼を敢えて無視し、たった一人のために
伸ばした自慢の黒髪だ。今のリボンは紺色だが、これも郷が贈ったものの一つだ。芳しい匂い、若い女性特有の
フェロモン臭が郷の官能を絶え間無く刺激する。郷は女性を識(し)らない。それがこれまで郷を戦場で生き延び
させてきた。女を識らなければ、躊躇する事なく撃ち殺せる。余計な事を考えずに、任務を遂行出来る。性欲が
無いとは絶対に言わないが、あの輝く夏の日の思い出の女(ひと)、この腕の中にいる泉に比べれば、どんな女も
色褪せて見えたのだ。
「いいよ…キョウ…ここで…」
嬉し涙に濡れた泉の顔が、困惑する郷を許していた。郷の屹立した男性自身が、黒のバトルファティーグ(戦闘服)
のトラウザース(ズボン)の下から泉の身体を押し退けていたのだ。慌てて離れようとする郷を泉は強く抱き寄せて、
とまどう郷の右腕を、おずおずと自らのスカートの中に導く。指が熱く粘つく液体の存在を感知する。ふと郷は理性を
取り戻し、泉のスカートから慌てて右手を抜く。泉は口を尖らせて咎めるように何事かを呟き、胸にまた顔を埋める。
「オレの事で我を忘れて熱くなってるキョウを想像したら…こんなになったんだからな……?」
「これ、は……?」
「ストップ! バカ、恥ずかしいマネするなっ」
郷が人差し指、中指、親指を擦り合わせて液体の粘度を確認し、泉の出したのそれが糸を引くのを確認するのは
まだ我慢が出来た。だが、匂いを確認しようとする所で泉は強く制止した。絶対わざとだ。昔からキョウは意地悪な
所があったから。…泉はそう信じた。だが郷にとっては知識はあるが実体験は無い。全くの好奇心からの行動だった。
匂いを嗅ぐ。後頭部の辺りが痺れてくる生々しい薫りだった。心臓の鼓動が早くなる。屹立の根元が血液の凝集で
痛くなって来る。…心音が『誓い』を守らねばならない自分の決意が音を立てて崩れて行く破滅の音に聞こえて来る。
「僕はいまでも…君の『親友』かい? 松倉さん…? 」
「悪いけどオレの方は違うんだ……。キョウはたった一人の大事な男で…オレのモノだよぉ…」
「…もう、逃げられない、か…『イズミ』、こんな所で、済まないっ!」
「あ…ふぅ、はぁぐっ、ふぐっ…ん、あぐ、んぐぅ…」
どんよりと曇った冬の日のビルの屋上で、二人は初めての接吻を交わす。これまでの二人の期間を埋めるが如く、
二人の過ごしてきた『親友』と言う壁を行為で押し流そうとするかのように、長く、激しい行為だった。歯がカチカチと
なり、接吻と呼ぶには下品過ぎる程に互いに噛み付くようにして唾液を交換し、飲み下す。はふはふぅと息継ぎする刻も
惜しいとばかりに延々と行為を繰り返す。長い長い接吻が終わりを告げた時…泉は上着を脱ぎ捨て、ホルスターを
取り、ブラウスを引き裂くようにして取り去った。豊かに実った双乳が、郷の目を鮮烈に焼いた。…まだ、間に合う。
郷は黒のロングコートを脱ぎ、泉の肩に掛けようとする。…そんな郷に泉が突進し、体当たりで押し倒す。
「いい加減っ、観念して、正直に、為りやがれっ、このっ、バカぁっ……」
郷の視界に星が飛ぶ。マウントを取られて頬を拳で殴られていた。抵抗しようと思えば出来たが、そうすれば郷の体は
勝手に泉を無能力化させるために『殺してしまう』。敢えて抵抗しなかった郷は、自分のベルトのプラスチックバックルを
外され、トラウザースを引き下ろされたの感じる。目を開けると、下着からまろび出た自分の屹立に泉が目を丸くしている
所だった。思わず、笑みがこぼれてしまう。…・・・君が冗談半分で下ろして観察していた十年前のあの日の僕と、違うだろう?
泉とふと目が合い、泉が頬を赤らめて目を逸らす。こんなもの、何でもないんだと言わんばかりに、黒の豪奢なレースの
ブラジャーを外した。みっしり中身の詰まった丸い二つの白い果実が垂れずに半椀型の威容を顕わす。
「まだまだ、こんなモンじゃないぜ? 驚くなよ……」
泉は立ち上がり、郷の腹を右足で踏み付けながらホックを外し、スカートを下ろした。……寒くは無いのだろうかと
郷はふと、思った。泉がそれに気付き、郷を踏む足に力を入れる。しかし訓練と実戦で鍛え上げられた郷の腹筋は
びくともしない。忌々しげに蹴る真似をしてから、片足ずつパンプスも脱いでしまう。なかなかシュールな光景だった。
女に踏みつけられながらストリップを生で観賞すると言う現実離れした経験など郷には当然、無い。
「ああ寒いよ。だけど…どうかな? オレ…イロっぽく…無いかな? 」
胸乳の下で腕組みをした含羞の装いで聞いて来た泉に、郷は自分の肉柱に視線を移す。天に向かって鎌首を
もたげるイキモノは全く外気による衰えを知らなかった。先走りで湯気さえ立てている。耐え切れずに郷は視線を
天に移した…もうじき雪が降るだろう。黒く重そうな雲が空全体を覆っていた。…空が近い。この手を伸ばせば、
届きそうなくらいに。…あの夏の日は空が遠かった。どんなに手を伸ばして願っても、届きそうもないくらい遠く…
「なぁに他の事考えてんだ、よっ! 」
気付くと郷の腹の上に泉が座っていた。両手で郷の顎を掴んで無理矢理己の方に向かせていた。視線が合うと
また、照れて顔を背ける。こう言う所は全く変わって居なかった。甘えたいくせに、素直に甘えないのだ。強いふりを
して、実は脆い。少年の日の郷が支えなければ、松倉さん、いや、イズミは傷付いてボロボロになっていただろう。
『親友』に為って日も浅い頃、廃工場にイズミが呼び出される前日に、自分が愚かな連中を『処理』しなければ…
「もう…。キョウったらぁん……。今はオレだけ見てればいいんだからぁ…。んっ…こぉらぁ…ダメぇ…んぅ…」
この寒さで尖っている朱鷺色の乳首も、現在の郷の指で弄ばれる事も無く、他の誰かの汚い舌で思うがままに
舐(ねぶ)られていたに違いない。もう僕のものだ。誰にも渡すものか。スナイパーシステム、G3SG-1のトリガーを
非情に絞る繊細な郷の指が、イズミの悦楽へと導く突起を官能へと導く。異性の同業者から羨望の目を向けられる
奇麗な手が、イズミの双乳をこね、乳首をはじき、抓(つま)み、捻る。イズミが喉の奥で呻きを噛み殺すのが解る。
郷の黒いアサルトベストが、イズミの芳香を放つ恥蜜で濡れて行く。眉根を寄せ快楽に耐えるイズミの顔を見る。
「イズミの、こんな姿……生きて見られるとは思わなかったよ」
「いじわるだ…キョウはやっぱり…いじわる…ぅん! 」
唇を開いた好機に郷は迷わずイズミを攻める。何せ使うアテが無いと諦めていたが、知識だけは大量に仕入れて
あるのだ。…この一時の逢瀬に、己の知る全てを以ってイズミを快楽に導かなければならない。郷が仕入れた知識
の中には残酷なデータがあった。『性交により女性が快楽を自覚するのは最初の男との事より次の男との事である』
ご丁寧にアンケート調査によるパーセンテージの円グラフまで設えてあったその内容に絶望したのを思い出す。
「僕のイズミだ! 僕のものなんだっ! 誰にも渡すかよっ!」
郷は腹筋を使って上体を起こし、イズミを力の限りに抱き締め、郷の愛撫で小さな嬌声を上げ始めていたイズミの
唇を己の唇を以って塞ぐ。互いの鼻息が鞴(ふいご)から押し出される空気の如く荒く、そして熱い。唇を離すと、二人の
唾液が混ざり合って透明な糸を引き、垂れる。郷の親指がイズミの下唇から垂れる唾液をそっと拭く。イズミがもぞもぞと
胴を震わせた。郷は『寒いのかい』との思いを込めて見つめる。イズミは目元を染め、ゆっくりと左右に首を振った。
「郷のがお尻に当たってて…切ないんだ…。だけど…どうしていいか…わからないんだ…ねぇ郷ぉ…教えてよぉ…
オレ……どうしたらいい? この後のこと……オレ……」
「……僕にまかせて。……腰を……浮かせるんだ、イズミ。そして…そう…自分で……ここも奇麗だね…イズミ……」
「あんまり見るな…やだぁ……また…・・・濡れちゃうぅ…でちゃうぅっ…」
騎乗位で破瓜とは残酷過ぎる。だが、正常位ではロングコートを敷いたとしてもコンクリートでイズミの美しい背を
傷つけてしまうだろう。後背位にしても肘と膝、場合によっては顔や頬を擦り剥いてしまうだろう。郷はその背徳に
自らの男根が硬度を増して行くのが呪わしかった。処女が自ら恥蜜に濡れる陰裂を開き、さらに潮まで飛ばしている。
そして今、人生で最初で最後の、守り通してきたものを想い人に捧げようと腰を浮かしているのだ。郷は屹立を握る。
「んっ…く…」
郷の屹立の亀頭が、ついにイズミの未発達な陰裂に触れた。鮮紅色の郷の亀頭が、破瓜の期待に慄いている。
イズミの自分の心に正直に過ぎる淫口が、涎を垂らして男を頬張らんと蠢動している。ついに郷の剛直の鈴口から
滴る先走りと、イズミが陰唇から漏れす恥蜜が混ざり合う。郷は口唇を噛み締め、必死に射精衝動を堪(こら)えた。
まだだ、まだ「触れただけ」だ。イズミは別の意味で堪(こら)えていた。痛いのだ。指一本もきつい陰口に、この郷の
モノは太すぎた。郷の亀頭を収めたのはいいが、そこから先へ進めない。心では郷が欲しい。しかし身体は明確に
拒否している。この二律背反のもどかしさがイズミを責め、イズミの心が手に取るように解ってしまう共感能力に
長けた郷をさらに昂ぶらせる。
「…キョウ…もう…はいらないよぉ…? キョウがこんなにほしいのにぃ…キョウにはいってほし、ぃ…!」
郷の亀頭を飲み込む事によって押し出されたイズミの真珠型の陰核に、郷はそっと指をかざした。
その空気の流れだけの刺激で、電流にも似た快美感がイズミの全身を貫く。その拍子に脚から力が抜け、
また郷の剛直の侵入を僅かに許してしまう。痛みが倍増する。イズミは「破瓜」の文字通りに現在、自分以外の
異物により身体を「裂かれて」いるのだ。だが裂いている郷の方も歯を食い縛り、我慢を強いられていた。
「イズ……みっ……!」
感受性の強い郷は、イズミの心理状態を想像し、さらにイズミの中に完全に包まれている亀頭から伝わる
快感の相乗効果で射精衝動がもうどうにも止まらないのだ。しかし郷は己の自尊心とイズミの苦痛を思い
忍耐の限界に挑んでいた。だが、もう、暴発が、近い。陰茎を握っている手が脈動を残酷に伝えている。
もう、駄目だ。郷は決意した。陰茎から潔く手を離し、イズミのくびれた腰を両手で力強く、がっしりと支えた。
「……イズっ、ミっ……」
「なに? キョお……」
「…もう…やめよう……。もう……僕は……イズミが辛、いのは…見ていられ、ない……んだ」
「そんなの……! そんなの嫌(や)ぁらぁぁっ! 」
郷のここに来ての中止宣言は、瞬間的にイズミの心を沸騰させた。生来の跳ね返りで反撥心に溢れた
イズミは、郷を逃がすまいと脚の力を抜き、そして重力に逆らう事を止めた。体内から何か生々しい
異音が聞こえたと同時に、想像を絶する苦痛がイズミの大脳を焼く。痛い。痛い。痛い。痛い。痛い。
叫びたい。叫びたい。叫びたい。叫びたい。しかしイズミの心がそれを必死に押し殺す。この痛みこそ
待ち望んでいた痛みなのだ。これをくれた者は自分を唯一、求めてくれた誰よりも優しい郷なのだ。
郷はこんなになってる自分を見てられなくて、止めようと言った。もし、叫んだりなんかしたら・・・!
イズミは苦痛を堪(こら)え、涙を拭く。そして、郷にそっと微笑んで見せた。
「はいっらよ…キョウ…。ちゃんろ…れきたよ…わらし…」
「イズミ…イズミっ…っ!!」
「あ…あつぃよぉ…キョウら…なかれぇ…ひくひく…してぅぅ…」
郷はイズミの中を貫通して直ぐに強烈で反射的な締め付けに逢い、耐えたが次に来た膣内の蠢動で
たまらずイズミの最奥で濃厚な精液をぶちまけていた。茎肌を締め付けられ、カリを締められ、裏筋を
何かコリコリと刺激され、さらには亀頭全体を奥へ奥へと誘う、男性にとっては凶悪極まりない刺激が
今も郷を苛(さいな)んでいた。童貞を守り通していた郷に、これ以上耐えろと言う方が無理な注文だ。
放出した屹立が、萎えぬままにまたイズミの膣内で刺激を与え続けられる。郷が動かなくても、勝手に
イズミの膣内が蠢き、郷の精を搾り取ろうとする。郷は自分の腹に置かれていたイズミの両手を取り、
手を繋ぐ。痛みで体にもう力が入らないのか、イズミはそのままポスンと郷に凭(もた)れかかる。
「頑張ったね、イズミ…。 落ち着いたかい? 」
「まだ…痺れてる。キョウの意地悪ぅ…。普通、あんな時に止めようなんて言わないよぉん……」
「タ行がちゃんと発音出来る程には、落ち着いたようだね」
「もうっ……バカぁ……」
互いに身体を摺り寄せながら、郷やイズミの事をよく知る関係者が聞いたらきっと捏造して作ったに
違いないと口を揃えて証言するだろう程の、甘い雰囲気の会話が繰り広げられる。会話の間に頬擦りや
舐めたり吸ったり唾液を交換し合ったりとまた忙しい。何時の間にか黒雲の色が薄れ風が止んでいた。
急にイズミが身をよじらせ、郷の分身をきゅん、と締め付ける。
「ひゃうん! 」
「降って来たか……。降りて、イズミ」
ついに雪が降って来たのだ。二人が過ごした故郷の市の雪よりも軽く、ふわっとしたものだ。だが、こんな
可愛らしい雪でも、少し積もれば首都圏の交通機関は麻痺してしまう。郷の冷静かつ冷徹な、狙撃手かつ
兵士として鍛えられた部分が、頭をもたげつつあった。イズミはしぶしぶ郷の言う事を聞いて、上体を
起こしたかに見えた。だが、立ち上がろうとしない。郷の屹立を己の中に迎え入れたまま、それ以上動こうとしない。
「イズ…ミ…?」
「やだ……もう……やだよぉっ……キョウがいなくなるなんて……もうやぁらぁ! 」
「ちょっ、イズミ…くぁっ! こら、やめ……おぅッ! 」
イズミが腰を押し付け始める。郷は耐え切れず腰を引っ込め抜こうとし、イズミは離れていく郷を追う。
その繰り返しでイズミの流した鮮血と郷の精液が入り混じったものが二人の合間から次第に溢れ出て来る。
傍目から見れば、まるでイズミが暴れ馬を押さえつけ乗りこなすロデオを演じているように見えてしまう。
違うのは、イズミがしっかりと握り締めているのは手綱と鞍では無く、逃げようとしている郷の両手だった。
しばらくして郷は諦めて腰の動きを止めたが、イズミの淫らなロデオは止まらない。逆に激しくなる一方だ。
「やらぁ…キョウ、うおあぁないれぇ…にぇなぃえぇ…! 」
「ぼ、くは、動、いても、ないし、逃げ、ても、ないよ、イズ、ミっ…! 」
「え…? わらしぃ…? …うそ…うそぉ…! こんなの、こんなの…ちぁうのぉぉぉ…! 」
快感に耐える苦しい息の中、郷はイズミに指摘する。イズミは結合部を見て、そして自分が淫らに腰を
振り続け、郷の剛直を恥じらいも無く貪欲に貪っている様を自覚する。だが、止められない。郷の胴を
跨(また)いだままの両脚の太腿をきゅっと締め、その微妙な動きでまた膣内に新たな動きが生まれ、
郷は声に為らない呻きを上げる。芯の残る半椀型の胸が軽く揺れを見せ続ける。
「とまらない…? とまらないよぉっ…ろぉしてなのぉぉぉぉっ…?!」
郷の左手がぎゅうっと握られる。イズミの足首がピク、ピクッと動く。郷の脳裏に去来した姿があった。
…ギアダウン。アクセル絞り、タンクの締め。またギアダウンの動き。…もしかして? 郷は快感に耐え、
腰を突き入れる。イズミの手足の反応が郷の予想した通りに返って来た。性科学者達の…嘘吐きめっ…!
郷は唇の端を歪めて哂う。イズミの状態はもう、下世話に言えば「イキそう」なのだ。身体が覚えている
似たような反応でそれを押さえようとしているのだ。…イズミの身体がまだ出来て居ない15歳の頃に
乗っていたバイクは、少女の身体で押さえつけるには排気量の大きいタイプだった事を郷は思い出す。
ジュプ、ジュポ、ニチャ、クチュと止まない激しいスラスト音がエンジン音に聞こえるのだろう。
「こわいっ……こわいよキョお! これ……これとまらないよぉ…! キョウ、ろこぉ……? 」
「僕はここにいるよ、イズミ…。二人で、一緒に、行こう」
「ひとり……ひとりはいやぁ……いやらよぉ……! こわいよおっ…・・・」
「僕はここにいる……! ここにい…・・・るからぁ! 」
「ぁんっ! 」
郷は自分の上体を起こし、騎乗位から対面座位に移行する。腰がグギ、と嫌な音を立てたが、痛みは
幸いにして、無い。郷はしっかり握っているイズミの手を振り解き、郷自身の首を抱かせた。イズミの
目の焦点は全く合っていない。芽生え始めた快楽に溺れ切っているのだろう。郷はいる筈の無い存在の
『イズミの2番目の男』に向かい高らかに勝利の雄叫びを上げたい心境に駆られた。イズミはもう完全に
僕のモノだ! 激しく下から腰を打ち付ける。イズミを強く抱きしめ、双乳がもたらす弾力に酔い痴れる。
「イズミ、イズミぃっ! 」
「きょぉ、きょぉぉぉぉぉぉっ! 」
郷の剛直が2度目の爆発をイズミの奥で遂げた時、郷は鞭打ち症に危うく為り掛ける程に強くイズミの
両腕に抱かれていた。勿論、郷の分身はその痛み以上に強い快楽をイズミの膣内よりもたらされていた。
荒い息を吐く二人の痴態を覆い隠すように、雪は絶え間無く降り続いている。しばらくしてまた、どちらが
始めたとも解らない、腰の蠢動が始まった。互いを求め合い貪り合う二人に、もう言葉は要らなかった……。
ACT4
大日本化製商事・本社ビルの受付嬢が、突然突きつけられた写真に目を白黒させる。……ティアドロップ型の
サングラスを掛けた、黒い戦闘服姿の青年を望遠レンズで撮って拡大したものだ。細面でアングルによっては
少女のようにも見えるその青年は、受付嬢が数時間前に見かけた『物腰が非常に丁寧な人』とよく似ていた。
違うのは、写真の青年からは冴え冴えとした、誰も寄せ付けない印象を受けるのに対し、その『丁寧な人』は
微笑みだけで受付嬢に『今晩の予定はありますか?』と業務を忘れて質問させた程に親しみ易い雰囲気だった。
『こんにちわ、ここに写真の彼は来ていて? 』
写真が引っ込められそうになり、受付嬢は慌ててそれを引っ手繰ろうとする。数秒の差で写真は彼女の手に
渡らなかった。写真を突き付けた声の主は大袈裟なジェスチャーで優雅に肩を竦めて見せた。女優のように
動作が芝居がかって、キマっている。頬骨があまり出て居ない、日本人好きのする顔をした、明るい金髪で
碧眼の 『いいオンナ』が紺のスーツを身に纏い、ビシッと立っていた。ニンマリと底意地の悪い笑顔を見せても、
どこか隠せない愛嬌がある。
『アナタの反応を見れば、一目瞭然ね? …ここで待たせて貰うから』
『何者ですか? 』
『アタシ? それとも彼? アタシはこんな関係の人。ロー・エンフォースメント。所属はDIA。彼は……
そうね、アナタはどう思うかしら? ……まぁ知らないほうがいいわ、絶対に。恋敵は増やさない主義なの』
女性はスーツの襟を寛(くつろ)げ、ホルスターに納まった自動拳銃を見せる。受付嬢はそれきり沈黙を守った。
自分が映画か何かフィクション染みた世界に不幸にして巻き込まれてしまった事を漸く自覚したのだ。屋上階に
あったエレベーターの階数表示が1階ずつ下がって行くのを横目で確認する。……5階、4階、3階……。1階まで
あと僅かだ。忌々しい舶来モノの女も、受付嬢に釣られてエレベーターを注視し始める。そして軽い到着音と共に、
エレベーターの扉が開いた時……!
彼女達は最早、生涯に渡り忘れる事はないだろう光景を、目に焼き付けていた。
その15分前。
「非常階段ももう駄目だな……。警察にもう押さえられているだろう……。時間が経ち過ぎてしまったな」
「ごめんねキョウ……。わたしのせいで……」
「イズミの責任じゃ無いさ。……わたし、だって? ふふ……可愛くなったね、イズミ」
「髪……撫でないでぇ……また……おかしくなっちゃうぅん」
対面座位で繋がったまま、まだ二人はビルの屋上にいた。郷は精を放ち続け、イズミは受け止め続けた。イズミの
なだらかな腹部が未だ萎えぬ郷のモノの形に膨らんでいる。男性の一回の精液の放出が平均10〜20mlと言われる
ならば、イズミの膣内には郷の精液が抜き差し潤滑漏出分も合わせると軽くコップ1杯は流し込まれている計算だ。
イズミに言わせると「子供なんていらないけど、キョウのだから欲しいの。だから抜かないで、お願い!」との事だ。
だからこうして繋がったまま、屋上を移動した郷は狙撃銃を回収し、ロングコートのあちこちのポケットを探っている。
手探りで目当てのものを探り当てたらしい郷は、迷わずそれを取り出した。それは黒いガムテープと弾倉2本だった。
まだイズミと繋がったまま歩く郷の体力と持続力とスタミナは相当のものだ。郷がイズミの耳に噛み付くように囁いた。
「一つだけ……。一つだけ方法があるんだよ。だけど……もうイズミはお嫁に行けなくなるかも知れない」
「どんな方法なの? わたしなら大丈夫だから……。それと! ……キョウが貰ってくれるんでしょう?! 」
ポツリ、ポツリと内容を話した郷の頬を、イズミは顔を赤面させて、郷の首に廻した腕を解いて平手にて
郷の顔を往復で張る。手加減はしない。つい先刻まで処女だった女刑事にとっては、衝撃的な内容だった。
「バカ! ド助平っ! 変態っ! ずっとわたしと居たときからそんな事ばっかり考えてたんでしょう?! 」
「それを実行しなかったのをイズミ自身がよく知ってるだろう? 何しろ僕達は『親友だった』んだからさ」
「……誰のせいなの? もうっ……」
イズミは軽く溜息を吐き、唇を尖らせ言い訳する郷を暴力抜きの実力行使で黙らせた。そうだ。他の誰よりも一番、
イズミ自身が郷の『誓い』と『友情』を実感していたのだ。――そうでなければ『あの夏の日』に『なるようになっていた』。
失われた刻を惜しいとはもう、イズミは思わない。自分が今まで郷に守られていた分、今度は自分が郷を守り通すのだ。
イズミは自分から唇を離し、郷に微笑む。そして腰を浮かし、中に容れたままで郷に背を向け、座位になり、腕を後ろに
廻す。ビビビッ、と郷がガムテープをロールから勢い良く延ばす音を耳にしたイズミの胸の奥が、甘く切なく、疼いた。
「なるべく痛くしないようにするから、我慢してね、イズミ……」
「もうすぐ1階だよ、イズミ。…覚悟はいいかい? 」
「うん…キョウ…好きだよ…? 大好きぃ…」
「…口を開けて。もう猿轡をして置かないとね…。そう、いい娘だ…」
郷はイズミの口に、イズミのブラウスの袖を切った布を咬ませて縛り、猿轡にする。準備は出来た。
後は…『誓い』を破った罰を神様か氏神さまか鬼神が下さない事を祈るのみ。エレベーターが停止する。
そして…二人の新たなる運命の扉を暗示するかのように、ゆっくりと内扉と外扉が開かれて行く。が、
郷が階数表示を確認するとまだ6階だった。エレベーターに乗ろうとしたこの会社の社員だろう若い男が、
口をポカンと間抜けに開けて、しっかりと手首に鎖を付けて持っていたブリーフケースを取り落とす。
「失敬。君、済まないが今、ここは貸切なんだ」
郷は不敵にニヤリと笑い、エレベーターの扉を閉じた。イズミの息が荒い。…思わぬ所でこの作戦の
『威力』を確認出来た。郷は閉ボタンを押し続け、エレベーターを止める人間がもう居ない事を願う。
郷の予想外の反応をイズミの『身体』が今、示してくれたので、計画を見直さなければ為らなかった。
「ここから全ては僕の体力と忍耐力にかかっている…イズミ、出来るだけ、なるべく我慢して」
イズミがコクンと軽く頷いた。その衝撃すら今の二人には快感に溺れそうになる引金となるのだ。
5…4…3…2…1! ついに一階に到着した。今度こそ、二人の運命を暗示する扉が…開いた。
そして世界は、動き出す。
二人の女性は魅入られていた。黒いコートを羽織った男性にでは無く、彼の首に腕を後ろにまわされた
ままガムテープでグルグル巻きにされ、また脚も彼の腰に後ろ向きに廻され、足首もまた同じ様にガム
テープで固定された全裸の女性の表情に。ちょうど大航海時代の帆船の船首に飾られた女神像のような
格好で、その奇麗な胸を誇らしげに突き出すような体勢になっていた。さらに目を引くのは……陰部だ。
『……ジャッジメント・アーチャー! ヨー・ゴー! アナタねぇっ! 一体ナニを考えているのっ!』
なんと青年は、その男根を彼女に『ハメた』まま平然と歩いている。もう『それってどんなプレイ?』
状態だ。これを見られた女性は恥ずかしいどころの騒ぎでは無いだろう。受付嬢と舶来女は、同時に
生唾を飲み込んだ。舶来女は装備した拳銃を抜いて、向けることすら忘れていた。ふと受付嬢は縛られて
いる女性に違和感を覚えた。眉を一応しかめては居る。が、『ぜんっぜん嫌そうな顔をしていない』のだ。
『この女性は不幸にも僕の人質になって、哀れにも純潔を失ってしまいました。そんな女性にまだ、
こんな恥をかかせるつもりですか? 貴女方、各国政府機関関係者は? クリス・パッカード? 』
『あのねヨー・ゴー? 一言言わせて貰うわ。貴方に羨ましくもしっかりハメられてるそこのビッチ、全く、
恥とか思ってない。何よその顔っ…! ワタシはヨーの女ですよー、って! 難なら賭けてもいいわ』
『…何を賭ける? 』
『逃走手段よ。いまコッチは貴方に逮捕されたら非っ常ぉ〜に、困るの。ただでさえ人権人権とね、
うッさい議会の息のかかった連中が嗅ぎまわってるのに、ここで捕まって貴方が依頼されて殺した
人間の事を喋られたら本当に困るのよねぇ〜? 身の安全はアタシと依頼した政府が保障するわ。
……勿論、そこのビッチもね』
舶来女と青年の遣り取りを、受付嬢とイズミはしっかりとヒアリングしていた。ビッチ、雌犬と言う単語が
出るたびに郷は眉を切なげにひそめる。実はイズミがきゅん、きゅんと単語が出るたびに甘く締めて来るのだ。
イズミは本能的にこの舶来女、クリス・パッカードが不倶戴天の敵である事を感じ取っているのだろう。
だからこそ、女の、恋敵の目の前で郷にこうして抱かれている事に優越感を感じ、自分を蔑む言葉に強い嫉妬が
含まれているのが何よりも嬉しいのだ。何よりも誰よりも今、郷と親しく話すこの女に勝利しているのだから。
『感謝する、クリス』
『で、何発ヤッたの? と言うより、童貞だったんでしょ貴方? ずっと誇りにして来たくせにっ……』
『……紹介するよ。彼女がイズミ・マツクラ、逃走が完了次第イズミ・マツクラ・ゴウになる予定だ』
『……ねえ、この場で誤射していい? このビッチ? もうワタシ殺る気マンマン。止めないでね。ヨー』
『彼女は警察官だ。…それに殺すと言うならこの場で僕が君の相手になるが? 』
クリスは軽く首を左右に振り、格好良く肩をを竦め、二人に向かってビルのエントランス、自動ドアの真前に停めた
黒塗りのセダンタイプの高級車を指差した。 郷は警戒しながらドアを開け、イズミを貫いたままの体勢で後部座席に
素早く潜り込んだ。直後に、イズミの高らかな善がり声が受付嬢の耳に飛び込んでいた。ドアが閉められた途端に、
黒塗りのドイツ製の高級セダンはタイヤのスキール音を響かせながら高速で発進した。
……正義の凄腕の狙撃手『ヨー・ゴー』・『松倉泉』巡査部長の両名の、以後の足取りを知る者は少ない。
投下終了。
前半がキャラの生い立ちで、後半部分がスレ命題の女刑事。
過去に投下したスレは前半の生い立ち、不良と優等生がメインだった。
でもエロ入れると決意した、後半のテイストのほうが筆が進む進む。
数年後、ふさわしいスレを見つけ保守代わりに投下を思い立ち、実行。
またどこかで。失礼しました。
56 :
名無しさん@ピンキー:2009/12/13(日) 19:24:03 ID:AVGKy4Ts
GJ!!素晴らしい。
最後のあれは…度胸あるなー
57 :
名無しさん@ピンキー:2009/12/15(火) 00:19:12 ID:aCbCB6zu
つ、ついにSSキター!
これどこかで読んだ気がする
>>58 以前、この板の別スレ(何スレか忘れた)に貼られた奴かと。
同じ人がもう一度貼ったのでは?
>>42-54をどこかで読んだ――そんな方を落胆させたようなので……!
手癖で書いた新作投下! ……導入部だけどなっ!
迂闊だった――。いくら忙しいからと言っても、駐車の手間を省くべきではなかった。
絶対、目を附けられているだろう。これで4度目。仏の顔も三度までですっ、と言って
許してくれた昨日の14:00のこの娘の渋り顔とその相棒のニヤケ顔は、まだ記憶に新しい
と言うのに、また眼前でリピート再生されている。あの時も、鈴振るような声が心地良く、
厳しく叱責されていると言うのに、つい頬が緩んでしまって慌てて引き締めていたっけ。
「愛染さんっ、な・ん・ど・いっ・た・ら・わ・かっ・て・く・れ・ま・す・か?」
「は、はぁ……済みません……小早川さん……」
今日も今日はで警邏巡回。ミニパトの機動性は狭い道路に於いては遺憾無く発揮され、
交通課や地域安全課の重要な足・軍馬・ワークホースであることを、俺は理解していた。
ここは大して狭くもないし曲がりくねっても無い通りだが、それでも裏路地に毛が映えた
程度で、立地も繁華街や住宅街に近い。婦警のツーマンセル、二人組のミニパトが回るに
うってつけのシチュエーションだ。
「昨日の今日ですよ? いくら本の箱とコーヒー豆や材料が多いからって言って……」
「ホント済みません、路側帯への駐停車の件で怒られたのも昨日の今日なのに……」
編まれた長い黒髪に、白人女よりも白く綺麗で滑らかな肌質が、娘が生粋の日本人で
あることを主張していた。……優しく微笑めば誰しも魅了されるだろう美貌と眼差しが、
やけにキツク俺を見上げている。腕組みしていると肩が楽なのだろう。胸が腕に乗って
いる。わざわざミニパトから降りて、店の中の俺を呼び出し説諭する熱心さは、買う。
しかし、右手の人指し指でオレの乳首をツンツン突っ付くのをやめてくれれば嬉しい。
「まあまあ美雪ぃ、徹(て)っちゃんもすぐ退けるって言ってるンだしさぁ……」
ショートボブのいかにも元気溌剌体力勝負上等、と言う風情の、彼女の相棒の娘は、
ミニパトの助手席からわざわざ窓を開けて頬杖を突いて、ニヤニヤとこちらの様子を
見ている。『腕相撲でアタシに負けなかったら見逃す!』と、腕相撲でオレと向こうを
張って引き分ける、本当に女なのかよテメエはと言いたくなる位の、タフネスな奴だ。
彼女の事を知っている奴はこう呼ぶ。『破壊の女神(カーリードゥルガー)・辻元夏海』と。
「夏海っ! 徹(て)っちゃん、ではなくて、トオルさん、でしょう!」
「ごめんねぇ徹っちゃん、ユーヅー利かないんだわこの娘。メカには利くんだけどさ」
駐車禁止区域に幌付き荷台の軽トラックを停めて、『店』で『作業』に没頭していた
のが迂闊だったのだ。『ヨー・ゴー』の奴が『独モノ』の大量注文を入れ、『調整』に
骨が折れたのもある。このオレ、愛染徹の腕を以ってしても、簡単には片付かない量だ。
とにかく奴ときたらコダワる性質で、特にトリガープルなどは0.01oの誤差も許さない。
狙撃は芸術なんだ、一種の劇に近い、と奴が言えば大抵の女はうっとりして聞き入る。
「……またっ! 夏海ったらもういい加減に……」
「本人も『愛染さん』よりもさ、『トオルさん』って呼びたいんだろーけどねー」
聞いた瞬間、小早川巡査が腕組みをやめて白手袋をはめた指をコネコネツンツンと
所在無げにいじくり始め、下を向いて黙ってしまう。……耳まで真っ赤だよオイ。
クリティカルでずっきゅーんな図星らしかった。喜ぶべきなのか哀しむべきなのか、
とにかく今は、違反でもいいから早くこの場から去ってくれ、と言うのがホンネだ。
「小早川さ〜ん、お願いしますよぉ〜。ほら、辻元さんからも、援護射撃、ね?」
ブツはターゲット一人ごとに使い捨てる予定だと言う太っ腹な注文で、料金全額
前払いと来ては全力で頑張らざるを得ない。US、ステイツがバックについてる
仕事とくれば尚更だ。最後の一丁などは、本人とツラを突き合わせ特に相談の上で
調整を煮詰めた逸品だった。最後の奴には連射で1マガジン分をぶち込むつもりだと
女みたいな顔してるクセに、やけに凄みのある笑顔をしてくれたほどに熱心だった。
……個人的にイロをつけた心づけもくれたから、奴のクライアントには黙ってたが。
「ん〜、どっしよっかなぁ〜? 昨日は勤務の後に、キリマン(ジャロ)5杯と
アイゼンスペシャル(夕食)で手を打ったんだけどさ〜? あの後、めっちゃ
怒られたんだよね、美雪にぃ」
このトラックの荷台の荷は、正直に言えばこの娘達に知られると、この場でオレが
『実力行使』をせざるを得ないシロモノ揃いだ。7.62oNATO弾の弾薬木箱5箱分、
調整済みの狙撃用弾薬が別に30発入りの紙箱で13箱、セレクターレバーで即座に
フルオート連射も可能な独国製G−3アサルトライフルの発展形の『狙撃システム』
G‐3・SG‐1が13丁。さらにはハンドグレネードが8個。抗弾ベストが4着、
G−3用Hk製の純正品、後付(アドオン)グレネードランチャーが同じく13丁、
などなど、露見すれば最後、現行犯で銃刀法違反でオレの即刻逮捕は確実となる。
最も『逮捕できれば』の話だが。
「あんなに沢山食べて置いて、全部タダでいいなんて、買収されたも同然でしょう!」
俯いていた小早川巡査が、やっと我に還ったのかミニパトの相棒を振り向いて怒った。
強烈な芳香を放つコーヒー粉で火薬の匂いを隠してはいるが、ミニパトにいる婦警、
辻元夏海巡査の野生の獣染みた嗅覚を今、現在も完全に誤魔化せているかどうかは
自信は無い。頼むから、頼むから気付いてくれるな……墨西署・検挙率bPのペアよ。
「……ふーん、ならさー、デザートのさー、アイゼン特製パフェ断らなかったのー、
どーしてかなー? あれ、正規分の料金じゃさー、コースに付かないんだよねー」
「あ、あれは……」
勤務が終わって制服を脱げば、ロー・エンフォースメント、法の執行者も若い娘だ。
オレの表の『店』ことアルトアイゼンは、親爺から引き継いだ『名古屋式の喫茶店』。
コーヒーの一杯にサービス満点と言う珍しい業態でもある。……『部隊』で糧食関係も
担当しておいたのが功を奏したのか、なかなか墨西署界隈では口コミで有名になって
しまって、本業である裏の『店』やオレの業務に少々支障が出ているほど繁盛している。
「オレのサービスですよ、サービス。気にしなくていいですから。ね、小早川さん」
勿論、この二人も、昨日も『徹っちゃん、来たよ〜ん?』『……勤務は勤務、今は
今ですっ』と通ってくれる常連だ。今どきの若い娘はスターバックスだのドトールだの
タリーズだのに行くと思うのだが、夏海嬢の御眼鏡に適う自然志向がウチの店のみらしい。
オレもアレルギー持ちなので、下手な素材は使いたくないし、第一お客さんに失礼だ。
各種材料は大目に仕入れるのが常だ。……兵器を擬装するにはそうせざるを得ないのだから。
「は、はい、反則キップっ。い、以後、ちゃんと気をつけて駐停車してくださいっ」
「おーおー美雪ったらほっぺ真っ赤にしちゃってー。仲嶋クンが泣くぞ仲嶋クン?」
「ああ、あのカッコイイ白バイ隊員の。お似合いだなぁ、おめでとう、こばやか―」
「愛染っ! またお前っ、こんなところに……! お、き、奇遇だなぁ小早川っ」
嘘吐けこの野郎。いつもいつもこの娘を追っかけ回してるの、職業柄知ってるんだよ。
登場タイミングを狙う姑息さを、まったく対象に気付かれてないと思い込んでやがる。
近くの墨東署にも似たような奴が一人居るのは知っているが、こちらの方はどうやら……
「愛染さん、反則金は、金融機関でちゃんと期限までに納付してくださいねっ」
「難なら墨西署に来てさ、美雪に名指しで頼んでもいいんだからねー、徹っちゃん」
「夏海! 余計なこと言わない! ……でも、いいんですよ? そうしても」
「こ、こばやかわぁ……」
話しかける仲嶋を無言で一顧だにせず、ミニパトに乗り込みスタートさせる徹底ぶり。
つまり全く脈が無ければ、取り付く島も無いってわけだ。惚れ惚れするような滑らかな
マニュアルシフトチェンジにアクセルワーク。内緒でミニパトに自分で手を加えていると、
顔をオイルで少し黒く汚しながら彼女はオレンジのツナギのままでウチの店に来たことも
ある。……若い娘なんだから休暇ぐらいは遠出したらいいのに、と言ったら、行くところ
なんてないですから、とニッコリ微笑まれてしまって他に云い様もなくなり、他に言葉も
出なかったので、思わず手持ちのグラス用の白布巾で彼女の頬のオイルをぬぐって妙な
雰囲気になったのを覚えている。そのときも、コイツは――仲嶋剣巡査は覗いていたのだ。
しかも白バイに乗ったままの警邏の、勤務中の状態で。
「愛染、貴様、小早川に」
「おおっと! 愛しの小早川さんが行っちゃうよ〜ん、剣くぅ〜ん?」
食って掛かろうとした仲嶋に、オレは両手で往なして目的を思い出させる。……全く。
日本の警察は鋭いところは鋭いが、甘いところはとことん甘い。まあ、模範的な市民で
あればまず、疑われることもないのが普通だ。最もオレの場合は、『元自』なので署の
ほうの資料に注記が入っているはずだが。しかし、その後の海外渡航経歴は無いことに
なっている。――某国の外交貨物扱いで、パスポート無しで出国しているのが理由だ。
「糞ォ! 覚えていろ愛染っ! こばやかわ〜、待っててくれー!」
慌てて白バイに跨り、ウィリー気味の加速で仲嶋剣巡査はミニパトを追っかけて行く。
こんな平和な『日常』がいつまでも続いて欲しいと、オレは今日も、天に祈りを捧げた。
だが『ヨー・ゴー』が動くとなると、何かとオレの方も用心・用意しておいたほうが無難だ。
USが始末したい人間を殺すのだから、この『スパイ天国』ニッポンの裏社会に巣食う
連中が騒ぎ出すのも時間の問題だ。この街の繁華街でも、御他聞に漏れず、近隣諸国の
黒社会系や民団系に総聯系やらの組織のパワーバランスが微妙な感覚で維持されている。
「……妙なことに巻き込まれなければ、いいがな」
ひとたび崩れれば、どう暴発するか解らない。……我が国の裏社会の組織は暴対法で
骨抜きにされてしまったので、主に管理するべきものが居ない戦国時代な状態なのだ。
『――小早川美雪、いきますっ!』
『大丈夫大丈夫っ、この辻元夏海に、まっかせなさぁい!』
目を閉じれば、清楚と溌剌の婦警二人組の顔がすぐに浮かんでくる。兵士らしからぬ
感傷を抱いている。ああ言う気持ちの良い存在が、キラリキラリと輝く存在で居続けて
くれればいいなどと、甘いことを考えている自分を恥じるべきだろう。若い女性だから
と言って『戦場』では手加減されるどころか――! 思わず妄想のなかで、小早川美雪
巡査の制服のブラウスを引き破り挑みかかる自分の姿を妄想し、オレは慌てて首を振り、
想念を散らした。――オレはいまだ清らかな童貞のくせに、何を考えているのだろうか。
「世は並(な)べてこともなし――が一番いい。払いに行って来るかね、っと!」
オレは反則キップを片手に、運転席に乗り込みエンジンを掛け、軽トラックを走らせた。
投下終了。
キャラの顔見せ終了。あとはどうするかが問題。
さて、シチュエーションスタート(状況開始)。
和姦かレイプかクスリネタかレズか輪姦か。
悩みどころだ。
68 :
名無しさん@ピンキー:2009/12/18(金) 22:53:01 ID:75A2/KKo
シティハンターっぽい展開に、にやり。。。
無理矢理、エロにいかなくとも。。。キャラが立っていて良いじゃん。
。。。はっ。ここはエロパロ板だったか。。。(><
夢オチあってもいいから全部
保守
保守
保守
76 :
名無しさん@ピンキー:2010/02/14(日) 12:43:12 ID:ChrlxMwA
ここもか
77 :
名無しさん@ピンキー:2010/02/21(日) 21:08:11 ID:ht1KI3iK
きつく尋問されたいな
78 :
名無しさん@ピンキー:2010/02/21(日) 21:14:28 ID:Y0YkLUIG
>77
私は長谷川京子にそっくりといわれた、女刑事でしたが
質問はありませんか?
B97 W62 H89
身長は172cmです。
80 :
78:2010/02/21(日) 22:41:19 ID:Y0YkLUIG
>79
御返事遅れてすみません。
81 :
78:
怒っていますか?