182 :
名無しさん@ピンキー:
ここはイスカリオ。ノルガルドとの戦線になっている、とある城内。
「いよおノルガルドの姫さま。 テメェなんでここに呼ばれたかわかってんだろォなァ?」
男はイスカリオの狂王、ドリストである。 配下の騎士を脇に連れ、いつもと変わらぬ調子で凄みを効かせている。
彼が眼下に見据えるのは、鎖で縛られ、武装も解除させられた、白夜の女神、ブランガーネだった。
これから自分が受けるであろう暴虐を思って、唇は恐怖に蒼くなってはいたが、それでも狂王を気丈に睨み返す。
「・・・・・・狂王も地に堕ちたか。 よもや敗北した騎士を辱める趣味があろうとは。
下郎め」
吐き捨てるような語気で言い放つ。 しかし罵られた当の本人は一向に気にしない様子で自分の用件を切り出した。
「テメェになんぞ興味は無ェンだよ。
お前、うちの騎士から、大事なものをブンどっただろう。
返してもらわなきゃ困るンだが、テメェの持ち物の中にはねェし、ユーラにひん剥かせてみたが無かった。
ホラ、言いな、どこに隠した?」
・・・・・・確かに彼女はそれを知っている。 戦争の結果こそは敗北に終わったが、乱戦の中、彼女の弓は狂王の騎士、イリアに深手を負わせたのだ。
そのとき彼女が落としたものを、身につけていたアイテムかと思い拾ったのだがその時はどうということもないものにしか見えなかった。
敗戦の最中、逃げる途中でわざわざ持ち歩くことも無いと思い捨てたのだが、まさか、イスカリオ王自らが尋問するほど重要なものであったのか。
「・・・・・・知らぬ」
作戦機密文書? あるいは国家の隠し財産だろうか。 いずれにせよ素直に渡す手は無い。
彼女は顔を背けてしらばっくれた。
それを見てドリストは如何にも嬉しそうに笑う。
「そぉーか。 それじゃあしゃあねェ。
いっちょ楽しい時間の始まりと行くか」
ゴキゴキ手を鳴らして、本当に嬉しそうに、ドリストがブランガーネに近寄る。
彼女はそんな彼を蒼白になって見つめていた・・・・・・。
※※※ドリスト様のブランガーネ☆くすぐり☆小説、こんな感じで書こうと思うんだが予定は未定。※※※