不気味なモノに寄生されて虜になる娘!!Part12

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580名無しさん@ピンキー:2010/01/28(木) 00:38:05 ID:RgJDlUlq
このネタは一応TSの部類にも含まれるのか?
581名無しさん@ピンキー:2010/01/28(木) 01:00:28 ID:fAsvhyKG
性別が変わっていくときに快感を覚えてしまうのだろうか
582名無しさん@ピンキー:2010/01/28(木) 09:06:50 ID:NB+sClaP
>>580
寄生スキーに改造スキー、TSからMCまで、ディープでコアなジャンルの
大きなお友達を片っ端か虜にしやがった…

なんて破壊力だw
583名無しさん@ピンキー:2010/01/28(木) 10:49:05 ID:eDLivJB3
アリをゾンビ化して操るタイコバエ
http://tsushima.2ch.net/test/read.cgi/news/1264600322/
584名無しさん@ピンキー:2010/01/28(木) 16:03:26 ID:ukWvzolG
非現実的なニュースに衝撃を受けて虜になる大きなお友達!!
585名無しさん@ピンキー:2010/01/28(木) 20:27:30 ID:7LWGowBG
正に「我々の業界ではご褒美です」
586名無しさん@ピンキー:2010/01/29(金) 00:02:23 ID:ukWvzolG
>>582
怪物扱いされたふたなり派が怒っているようですがw
587名無しさん@ピンキー:2010/01/29(金) 23:42:22 ID:+vgemyht
周囲にオスしかいないとメス化する魚だっているし、神経系を支配して宿主を操作する寄生虫だっている
カタツムリなんかさいしょからふたなりだぜ?
半分雄で半分雌の昆虫も少し前話題になったしな
本当生き物は凄いぜ


だから人間に寄生して何かやらかす虫がいてもいいと思うんだ
588名無しさん@ピンキー:2010/01/30(土) 05:59:20 ID:4lhyZ+3I
最近寄生ネタ使われないな
規制されたの?
589名無しさん@ピンキー:2010/01/30(土) 11:45:45 ID:GbEVeQ4f
担当者が帰省したまま戻ってこない
590名無しさん@ピンキー:2010/01/30(土) 11:57:20 ID:MhyNpCk5
そういやつい最近も大規模寄生があったもんな
591名無しさん@ピンキー:2010/01/30(土) 18:55:02 ID:bEgoehNz
携帯から不意をついて寄生された人が大勢…
592名無しさん@ピンキー:2010/01/30(土) 20:07:37 ID:GbEVeQ4f
携帯から寄生…こんな感じか
「あー、彼氏からメールだw」
「えー、見せて見せて〜ww」
「ふふふ…良いよ……」
593名無しさん@ピンキー:2010/02/01(月) 01:47:03 ID:OYdNexhs
着信アリの寄生verみたいな流れで
どんどん感染者が増えていく妄想まではしたが文才はない。
594名無しさん@ピンキー:2010/02/01(月) 23:55:36 ID:pI8b/yNC
なくてもイインダヨ!
595名無しさん@ピンキー:2010/02/02(火) 03:46:41 ID:EEwg/sSm
グリーンダヨ!
596名無しさん@ピンキー:2010/02/02(火) 05:20:50 ID:u3bOP9fA
ワールドエンブリオってケータイ感染だけどどうなんだろうね
597名無しさん@ピンキー:2010/02/05(金) 23:12:11 ID:YLSwF8nG
今日女の子がビオランテの種みたいなのに寄生される夢を見た
惜しいことに寄生されたところで目が覚めたが

もう一度寝たら続きが見られるかな
598名無しさん@ピンキー:2010/02/06(土) 08:58:09 ID:g3PUrV1p
>>597
このときは、誰も正夢になるとは思いもしなかった・・・
599乙×風:2010/02/08(月) 19:06:15 ID:hl4slLyJ
 お久しぶりです。
 本当にお久しぶりです。不肖この乙×風、帰ってまいりました。
 前作の天文部を書き終えた後、思う所があって別の投下場所で連作をやっていたのです。
 ちなみにその作品もまだ途中です。続きを書くつもりはありますが暫くお休みです。
 というわけで、暫くこちらでお世話になります。
 勝手な事だとは思いますがまたよろしくお願いします。

 え? 新作? うふふ。勿論持ってきましたとも。手ぶらで帰れませんしね。
 件の投下場所がこれまた大変レベルが高く。揉みに揉まれてきました。
 おかげで文章の質も少しは。本当に少しは、上がっていればいいね!
 っというか単に冗長になっている可能性もあります。
 台詞に対する情景描写、心理描写の量が多くなっているかも知れません。
 もし読みにくければお気軽に報告を。出来る範囲で調整します。

 以下本作品の注意タグです。
(陰鬱、ギャグ微量、エロ少なめ、寄生無し、アグ○スポイント急上昇、近親相姦)

 ちなみにとある過去作品の続編となります。
 ではどうぞ。

600永久の果肉1:2010/02/08(月) 19:10:56 ID:hl4slLyJ
 第一話  醜いアヒルの子


「…いっ! はっ! んんっ!」
 仄暗い寝室に少女の喘ぎが響く。
 月明かりに照らされているのは一人の少女だ。
 髪は、耳元を覆うほどで切り揃えられているが、その色が特徴的だ。
 熟れた桃のような鮮やかな色をしているのだ。
 更に、その瞳も普通の人間とは違っている。
 どちらの瞳もくりっとしていて、幼い顔立ちと合わせて小動物的な可愛さがあるが。
 しかしその右目は蒼穹のような色。そして左目は血のように真っ赤なのだ。
 彼女はオッドアイだった。
 左右異色の瞳は幼い少女に神秘的な、或いは見る者を惹き付ける魔性を持っていた。
 その瞳に魅せられたか。或いは元々『そのような趣味だったか』。
 今少女の女性器には、彼女には不釣り合いなほど巨大な男根が突き込まれていた。
 見た目、十二、三程の少女に醜い肉棒が打ち込まれる度に、愛らしい顔が痛みに歪む。
「ち…っ」
 少女を犯していた中年の男が苛立たしげに舌打ちする。
 少女と同じ翡翠の眼に、鮮やかなブロンドを持った彼は、高貴な家柄を持つ貴族だ。
 同時に幾つもの傷跡の残る逞しい肉体は彼が戦士である事を証明している。
「いつも言っているだろう! もっとはしたない声を出せ! もっと浅ましく腰を振れ!」
 だが金髪の男が少女に浴びせたのは、卑猥で余りにも屈辱的な言葉。
 ましてや十を過ぎたかそこらの幼子に注文する事ではない。
 だが、少女は息を整えた後に、
「――はあっ…あ、あん!」
 急に甘い声を出し始めた。
 また、巨大な肉棒に合わせるように腰を使い、男を悦ばせる。
「ふんっ…やれば出来るではないか…! この雌犬め…!」
 ずん、と容赦なく子宮口を抉る。
 女を感じさせるどころかただ痛いだけの突き込みだ。
 痛みに少女は目を見開き、ヒュー、と息を漏らすが、
「――ぁあんっ」
 それでも懸命に喘いだ。
「ふん。親が親なら子も――と言ったところか。はしたなく喘ぎおって!」
 ずんっ、ずんっ、ずんっ――
「あっ! はっ! いやあ!」
 少女の反応に気をよくした男はピストンのペースを上げる。
 壊れてしまうかと思うほどの激しい交わりに少女の桃色の髪が踊った。
「はあっ! はあっ! 出すぞ! 嬉しいだろう!?」
 一瞬、少女の顔から血の気が引いた。
 中出しの恐怖に女の本能が、警鐘を鳴らす――が少女は知っている。
 逆らえばもっと恐ろしい事をされると。それをこの二ヶ月の間で無理矢理教え込まれた。
 そう。こんな時はおねだりをするのだ。とびきりいやらしく、猫なで声で。
「はいっ。リオ、嬉しいです!
 私のイヤらしいおマンコでよければ、一杯ザーメン注いで下さい!」
「はっ! この淫売め!
 貴様の望み通り、ワシの精を孕むまで注いでくれるわっ! うぉぉおおっ!」
 どぷっ、どくどくどくどく。
「きゃあんっ! リオ、イっちゃうっ! 中出しされてイっちゃうっ!」
 胎内に不浄な粘液が注がれる。
 言葉とは裏腹に生理的嫌悪感が全身を駆け巡り、鳥肌が立つ。
 先ほど食べた夕食を全て戻しそうになる。
 男が射精の余韻に浸っているこの時間、少女にとっては地獄だった。
「――舐めろ」
 無限にも感じた数十秒後。男は小さなヴァギナからペニスを抜き取ると、少女に命令する。
601永久の果肉1:2010/02/08(月) 19:13:16 ID:hl4slLyJ
「…はい…」
 少女は体を前後反転させて、さっきまで自分の体を貫いていた肉棹と向かい合う。
 その際ひきつるような痛みが少女を襲った。
 びゅる――小さな肉壺に入り切らなかった白濁液が逆流し、射精するように吹き出す。
 無理矢理の挿入から行為をしたせいか、吐き出された精液には赤色が混じっていた。
「――すごい臭い…綺麗にしますね…」
 少し萎れたペニスには血と精液、そして僅かに混じった少女の愛液でベトベトに汚れている。
 むせ返りそうな性臭に吐き気が再びこみ上げるが、少女は巨根にむしゃぶりついた。
 苦しょっぱい男汁を舐めとり、イヤらしい音を 立てながら啜る。
 フェラをしているわけではない。
 あくまでこれは事後処理、だが躾された体は男の快楽を引き出すように勝手に動く。
 玉を揉み、亀頭を舌先でほじくり、小さな口で、サイズ違いの肉棒を頬張る。
「誰がそんな事をしろと言った。
 ワシはただ綺麗にしろと――いや、一回では満足出来ない淫らな体になったという事か」
 再び劣情に火がついたのか、男は少女を押し倒す。
「剣も魔術も使えない愚鈍な娘が、床上手になりおって。やはり貴様はあの売女の娘よ」
「――」
 少女は否定も肯定もしなかった。
「姉のマリオンは立派な魔術師になったというのに、全く――お前は本当にワシの子か?」
「だって、姉様と私のお母様は違、」
「口答えをするな。ワシに意見するほど偉いのか貴様は?」
「…申し訳ありません…」
「リオよ…ゆめゆめ忘れるなよ。
 貴様のような無能者が何故、我が誇り高きリビディスタの屋敷に名を置く事が出来るのか。
 誰のお陰で、寝食を得る事が出来るのか」
「――分かって、います…」
「そうか。では貴様はワシの何だ? 言ってみろ」

「私は――お父様の性奴隷です」

 そう告白した少女の瞳はガラス玉のように虚ろだった。

 ***

 どんな辛い事があっても、夜は明ける。
 少女が実の親に犯されようが、戦争で人が何人も死のうが、疫病で国が滅びようが。
 太陽は昇る。一つの不幸ではきっと何も変わらない。
(私が死んでも、何も変わらないのかな)
 窓越しから降り注ぐ陽光で左手を透かした。汚れた手、父親の体液で汚れた手。
 戦士になれば、きっとこの手は血で汚れていた。魔術師になったら、綺麗なままだった。
(でも私には、そのどちらにもなれない)
 虚弱体質な自分は戦士にはなれない。才能のない自分は魔術師にはなれない。
(姉様、元気にしてるかな)
 腹違いの姉、マリオンの事を思い出す。
 あの父と同じブロンドの髪は流水のように滑らかで綺麗だった。
 ほっそりとした体は巧みな芸術家が造形したように美しく女神のようだった。
 染み一つ無い顔は凛々しく精悍だった。
 口数が極端に少なく、自分の感情を表に出さない人なので無愛想な顔ばかりが頭に浮かぶ。
 けれどその強さは本物だった。マリオンは魔術も剣も類い希な才能に恵まれていた。
 神から二物を授かった彼女は最年少でリビディスタ家を出た。
 今は王都でヘスペリスと呼ばれる女性だけの部隊に籍を置いている。
 マリオンはリオにとって、自慢の姉であり、憧れであり、大好きな家族だった。
(でも姉様自身は、私の事なんとも思ってないだろうな)
 唯一の姉妹であるリオにさえ、マリオンは感情を出さなかった。
 もともと合う機会が少なかったのも原因だろうが、会話をした回数は数える程度しかない。
602永久の果肉1:2010/02/08(月) 19:15:56 ID:hl4slLyJ
 今思えば、やはり自分は姉にとっても鬱陶しいだけの存在だったのかもしれない。
「…私が死んだら、姉様は悲しんでくれるかな」
 ふと、そんな事を思い、すぐに考えを改めた。
(そんな事ないよね? もしそうなら、今のお父様の事切っちゃうかもしれないし)
 まともな感性を持っている人間ならば、リオの父親が実の娘にした事を許さないだろう。
 だがあの鉄面皮が怒りの形相に変わり、実の父親に手を掛ける姿は想像できなかった。
「姉様、今頃どこで何をしているんだろう?」
 リオは姉の姿を探すように窓の外を眺めた。

 降り注ぐ日の光が、リオには少し眩しかった。

 ***

 暖かな木漏れ日が巨大な体に降り注ぐ。
「ん――いい天気。こんな日はゆっくり光合成でもしながら昼寝でもしたい気分だわ」
 その巨体からうら若い女の声が発せられた。
 それは、一言で形容するなら巨大な花だ。
 根の代わりに何十本もの触手を蠢かせ、地上を闊歩する花。
 花冠の中央――雌しべに当たる部分に人間の女性が下半身を埋没させている。 
 それも生まれたままの姿で。
 張りのある乳房。ひきしまったウェスト。
 二十歳過ぎに見える女の裸体は淫靡でエロティックだった。
「ふあ――」
 アネモネ――と冠されたその女性型モンスターは人間クサい動作で欠伸を噛み殺す。
 そして惜しげ無く裸身を晒しながら延びをした。
 重力に逆らうように、たわわに実った乳房が揺れる。
「……あーあ、昼寝くらいさせてくれないかしら?」
 アネモネがぼやいた時だった。

 紫電が光条となり飛来する。

 だが。高速で我が身を穿とうとする魔術を、アネモネは裸身を少し捻る事で楽に避けた。
「はい外れー。その程度の攻撃であたしをどうにか出来ると思っているのかしら?
 顔を洗って出直してきなさい」
 広く大きい花弁の上にうつ伏せになりながら、木々の向こうに挑発的な視線を送る。
 途端に木々の向こう側から紫色の光が溢れた。
「…あら? 怒っちゃった?」
 モンスターの言葉を肯定するように先程の雷撃魔術がダース単位で飛んでくる。
「もう! 森がむちゃくちゃになっちゃうじゃない!
 人間はもっと自然を大切になさい!」
 悪態をつきながら正面に魔術障壁を展開。降りかかる火の粉から巨大を守る。
 同時に左右から殺気を感じた。足止めしている間に包囲する気だろう。
「もうっ、しょうがないわねえ…っ」
 四枚ある花弁。その内側から雄しべのような触手をいくつも生やす。
 と、その膨らんだ先端が弾け、辺りに桃色の霞をバラいた。
「催淫ガスだ!」
「マズい! マリオン殿! 防御魔術を!」
 周囲から男達の声がすると同時に、雷撃の嵐がぴたりと止む。
「そうそう、あたしが逃げるまでこっち来ないでね?」
 言うや否や触手を蠢かせ、巨大な花は森の奥へと消えていった。
603永久の果肉1:2010/02/08(月) 19:17:57 ID:hl4slLyJ
 ***


「ちっ、またこのガスか!」
「死にゃしないだろ! 俺は突っ込むぞ!」
「馬鹿止めとけ! ガスを吸い込んだらどうなるか知ってるだろう!
 発情した猿みたいに死ぬまでマス掻くことになるぞ!?」
 深いの森の中、武装した男達が叫んでいる。
 彼らの目の前の空間は濃度の高い催淫性のガスによって大気がピンク色に染まっていた。
 ガスは驚くべき勢いで拡散し男達を飲み込もうとする。
 だが彼らを包み込むように展開した結界に遮られていた。
 その結界の中央に、美しい女が居る。
 白銀の軽装鎧に身を包んだ金髪の少女だ。
 細い腕には魔力を放射し発光するロッド、腰には細身の剣。
 魔力放射の余波で茜色のマントがはためく。
 それには黄金色の林檎を抱く女――ヘスペリスのエンブレムが施されていた。
「しかし、マリオン殿がいるお陰で助かる」
「若干十八で剣も魔術も扱えるとは、流石はヘスペリスの称号を持つだけの事はある」
「ああ、かの名門リビディスタの名に恥じぬ、魔術騎士だ」
「いやしかしだな。俺はガスを吸い込んだマリオン殿が乱れる姿も見てみたかったのだが」
 卑下た笑みを浮かべる男の騎士。
 その時、今まで一言も喋らなかったマリオンが初めて口を開いた。
「――あ」
「マリオン殿? どうなされた?」
「…魔力がなくなりそう」
 ぎょっとした表情で男達がマリオンを見つめる。ガスは未だに消えていない。
 もしこの結界がなくなれば、足腰が立たなくなるまで乱交パーティをする羽目になる。
 それどころか獲物であるはずのアネモネに美味しくいただかれてしまうだろう。
 めでたく全滅である。
「冗談だけど」
 例によって表情一つ変えずに言ったマリオンの言葉にがくり、と脱力する男達。
「マリオン殿、そういう冗談は――」
「私も、下品な冗談はきらい」
 片目を開き、乱れたマリオンがどうこう、と先程言っていた男を見る。
「ああ……はははっ、いやスマンスマン。
 だがなにしろこっちは健全な男衆だ。
 綺麗な嬢ちゃんに、色っぽいネーチャンなんかを見てるとよ?
 こう――な? 分かるだろ?」
「色っぽいネーチャン、って、あのアネモネか?」
「確かにスタイルは良かったな」
「ボンッキュッボンッ! だな!」
「あれはモンスター」
 ぼそり、とマリオンが呟いた。
「そうだがな。いやー正直退治するのは勿体ないというか」
「そもそもモンスターであるのが勿体無い!」
『ガハハハハっ!』
 一応戦闘中の筈だが下ネタトークでテンションが上がった中年騎士達は馬鹿笑いを上げた。
 マリオンはそんな男達を尻目に、軽装鎧越しに自分の胸に空いていた手を添える。
 鎧の内側には謙虚な大きさの丘陵が育っていた。
 同世代のそれと比べて遥かに小さいそれ。
 父と母からは戦士と魔術師、両方の優秀な血を受け継いだが体型に関してはそうでない。
 なんだかムカついてきた。
 馬鹿笑いを上げる男達が、自分とあの魔物の体を見比べ、蔑んでいる気がする。
『まあなんだ? 小さくても気にするな?』ってな具合に。
「余計なお世話」
604永久の果肉1:2010/02/08(月) 19:19:36 ID:hl4slLyJ
「ん? どうしたマリオン殿? 胸が辛いのか? 鎧が小さいのじゃないか?
 いやいやそんな筈はないか、がはははははっ!!」
 
 トサカに来た。

 所見の人間なら、マリオンは口数の少ないクールな人物に見えるだろう。
 ところが真実はその真逆である。
 彼女は激情家だ。切れやすいとも言う。それを顔に出すのがとてつもなく下手なだけで。
 マリオン=リビディスタは、不器用な人間なのだ。
「――あ、やっぱり持たなかった」
 結界が消え去る。男達が口を開いたまま硬直した。
 勿論わざとだ。この後男達がどうなるか想像に容易いが、知った事ではない。
「撤退。後でアレエスの街で合流する事。それじゃ」
 転移魔術陣が展開されると、騎士達が何か言う前にマリオンの姿が光になって消えた。
 男達の表情が絶望に歪む。
『嘘だああああ!?』
 催淫ガスが絶叫する男達を飲み込んだ。

 ***

 仲間の絶叫を聞き流しながら、マリオンは麓に見える街を見渡した。
 豊かな森に囲まれたその街は、彼女の故郷アレエスだ。
 その北側にリビディスタの屋敷が見える。故郷の地に足を踏み入れるのは実に二年振り。
「――リオ。ただいま」
 小さな言葉は風に吹かれて消えたが、マリオンの優しい微笑みはいつまでも消えなかった。

 ちなみに例の騎士達だが。
 哀れ、催淫ガスに理性を奪われ、明け方まで『男だけの』乱交パーティをする事になる。
 だがそれはまた別の話。

 合掌。

 ***

 マリオン=リビディスタが偶然にも帰郷を果たす前日の話である。
「おはようございますリオ様。さて。今日の体調は――どうなのさ!」
「どうして最初だけ丁寧語なの?」
「メイドだから!」
「後の方は普通だったのに…?」
「なんかめんどくさくなった!」
「最初から普通にお話すればいいのに…」
「普通はつまらん! パセットは波乱万丈な人生を送るのだ!」
 大げさな身振り手振りを交えながら(≧∀≦)な顔している彼女は、リオ専属の世話係だ。
 名をパセットと言う。
 優しいブラウン色の髪を肩まで伸ばし、犬耳のような癖っ毛が跳ねている。
 それが人見知りをしない人懐っこい性格を象徴としているようで非常に似合っていた。
 年はリオよりも二つ上だが、言動や行動が『これ』なので友達という方がしっくりする。
 そう。パセットはリオにとって唯一心を許せる存在だった。
(パセットちゃん、今日も可愛いな)
 自分の体にコンプレックスを持っているリオには、パセットが魅力的に見えた。
605永久の果肉1:2010/02/08(月) 19:21:24 ID:hl4slLyJ
「服を脱げ――っ!!」

「え、ええ!? パセットちゃん!?」
「このパセットが、リオの体を隅々まで綺麗にして、ア☆ゲ☆ル」
 世話係らしく、汗を拭くのと着替えを手伝う事を言っている。言っているのだが。
 パセットはわざといかがわしい言葉に変換していた。
「いいよ、一人でするから。パセットちゃん、他の仕事してきていいよ?」
「そんなのつまらん。パセットは、リオっちとイチャイチャしたいのだ!
 と言うわけで観念しろー!」
 布団を引っ剥がされ、腕を掴まれる。

 唐突に。昨晩父親に汚されたことを思い出した。

「いやあっ!!」
 ぱしん、とパセットの手を払いのける。
「――え?」
 パセットが理解出来ない、といった顔をした。
「――あっ…!? ごめんなさいパセットちゃん!
 その、今日は気分が悪いから、もう寝たいの」
「…でも、もうお昼だよ?」
「ごめん今日は、いらない」
「でも、ちゃんと食べないと、体力付かないよ?」
 きっとパセットは気を使ってくれているのだ、リオが体が弱い事を知っているから。
 それは純粋な優しさだ。だからこそリオにとっては、眩しく、時に嫉ましく見えてしまう。
 可愛いパセットちゃん。優しいパセットちゃん。それに比べて私はどうだ?
 この体はもう汚れている。その心も度重なる調教で卑屈に、淫らにねじ曲げられている。
(だから見ないで、こんな、こんな汚い体を――私を見ないで!)
「ごめん、パセットちゃんっ、お願いだからっ、今日、だけはっ…!」
 気がつけばリオは嗚咽を漏らし、涙を流していた。
 両手で顔を覆い、早く出て行って、と言外に叫んだ。
「あ――うにゃ。いけないいけない。やっぱり無理矢理はいけないね?
 スマートじゃないもんね。それじゃパセットは出て行きます」
 パタパタとワザと元気に部屋を横切りドアを開ける。
「何か困った事があったらすぐに呼んでね? 
 パセットは地獄の底からでも飛んで来るから! じゃね!」
 バタン。扉が閉められ、リオは一人になった。
 さっきまでの空気が嘘だと思うほど、部屋の中が静まり返る。
 パセットの存在は良い意味でも悪い意味でも、大きかった。
「――パセットちゃん?」
 不意に空虚感が溢れ出し、人懐っこい笑顔を求めて視線を彷徨わせる。
 だが部屋の中に求める人は居ない。追い払ったのは自分だ。
「――怒ったよね?」
 当然だ人の善意を、払いのけたのだから。
 少なくともリオが同じ立場だったらパセットのように最後まで笑っていられる自信はない。
「私の事、嫌いになったよね?」
 呟く言葉は宙に溶ける。
 リオはウザい。リオは汚い。リオは臭い。リオは淫乱。リオはブス。リオはイヤな奴。
 そんな人間に、友達が出来るわけがない。

 この瞬間。リオの中から唯一の友達すらも居なくなった。

「もうどうでもいいや」
 そして度重なる陵辱にすり切れた心は、悲しみ咽ぶことよりも、現実からの逃避を選ぶ。
 リオは布団を被り直し、瞳を閉じた。
 カーテンの向こうから漏れる陽光が、疎ましくて、すぐには眠れなかった。
606乙×風:2010/02/08(月) 19:23:17 ID:hl4slLyJ
 以上になります。誤字脱字等、指摘があれば宜しくお願いしますぅ。
 そしてエロ少なくてごめんなさい。
 天文部は完全に実用性重視だったから今度は別の方向性で行こうと思ったのですよ。
 なのでエロとキャラ立ちとシナリオをバランス良くやっていくつもりです。
 寄生要素は四話くらいからですかねぇ。
 エロが無い話もあるので気に入らない方はスルーしてくださいね。

 それでは今回はここで失礼します。幼女万歳。
607名無しさん@ピンキー:2010/02/08(月) 19:56:12 ID:i7rGyvlX
おおこれは楽しみだ
608名無しさん@ピンキー:2010/02/08(月) 22:48:33 ID:XxqzEGdn
>>606
GJ!そして幼女万歳に禿同

ついでに「クールに見える激情家」かつきっちり考えてサラリと無茶をやってのけるマリオン様にもシビレルアコガレルぅ
アネモネ、騎士団の男衆、パセット…脇を固めるキャラクター達も生き生きとしてて、これからとても楽しみです
609名無しさん@ピンキー:2010/02/09(火) 14:03:27 ID:q5SDmAn1
乙×風氏お疲れ様です
ストーリ展開の速さと読みさすに脱帽です
4話といってましたがもうすぐにでも寄生が起きそうなフラグばかりですね
610名無しさん@ピンキー:2010/02/09(火) 21:20:35 ID:VqPmUIc6
乙×風氏が言ってた別の投下場所での連作ってどこにあるか解る人いる?
みつからねぇ
611名無しさん@ピンキー:2010/02/09(火) 23:46:25 ID:hW5emnbu
612名無しさん@ピンキー:2010/02/10(水) 02:03:22 ID:EjL0zt9F
同一人物だったのか・・・
613名無しさん@ピンキー:2010/02/10(水) 12:19:36 ID:HIle3jJj
>>606
久しぶりに見たら乙×風氏の作品が来てた!
これからの展開に期待してます
614名無しさん@ピンキー:2010/02/10(水) 15:06:22 ID:AIE0cgUf
>>606
お疲れ様です
なんとも危ない方向に進んでいきそうな感じを匂わせるのにそわそわしますw

それにしても、続編ということは前作の方は打ち止めなんでしょうか(´・ω・)
615乙×風 ◆VBguGDzqNI :2010/02/10(水) 18:13:12 ID:jWO+6BHz
 住人の方々、感想ありがとうございます。
『あちら』にいた時間が少し長かったせいで文体が少し変わってしまいましたが。
 今のところ特に読み辛い、という意見は無さそうですね。少し安心しました。
 尚、知っている方も居るとは思いますが『あちら』に投下した連作は寄生要素がとても少ないです。
 その上超鬼畜なお話なのでこのスレ的にはお勧めできません。
 題材も東方と呼ばれる同人ゲームの二次的創作物なので元の設定をある程度知らないといけませんし。
 だからよっぽど興味があるか、もしくは暇な方以外は読まない方がいいと思います。
 ちなみ例の作品ですが異様に長いです。平均60KB程の作品を10本。
 しかもまだ途中。先はまだまだ見えません。
 
 スレ違いなのでこの辺にしておきましょうか。
 今回の『永久の果肉』シリーズですが、タイトル通り、無限の果肉の続編となります。
 しかも前作と完全に話が繋がっており、あれから約二百年後の世界となります。
 旧キャラは殆ど出てきません。一人を除いて。
 次回投下分はその旧キャラとヒロインのリオが接触するお話。
 物語は進展しますが、エロも寄生もないので抜き目的の方はスルーしてくださいね。

 尚、前作『無限の果肉』シリーズですが。
 キャラが多すぎて収集が付きません(´・ω・`) 自業自得ですけど。
 まあ、大筋は大体決めています。エンディングも考えてます。
 だがそこまでの経過を書くのが辛い。ひたすらエロシーンですから筆が進まんのです。
 ですから『永久の果肉』に続投の旧キャラに、過去話という形で『無限の果肉』の顛末を語らせるつもりです。
 ファンの方々、今まで期待させておいて大変申し訳ないのですがそういう事でどうかお願いします。
 その分今回のお話はきちんと完結させるつもりです。キャラも絞りましたしね。 

 長々と失礼しました。
 今は筆が乗っているので多分、次週くらいには投下出来ると思います。
 それではこれで。
616名無しさん@ピンキー:2010/02/10(水) 20:48:15 ID:0YQBgIaN
次の投下までに次スレに移行しているだろうか
617名無しさん@ピンキー:2010/02/11(木) 20:40:38 ID:8EBQ1fCH
乙風さんお帰り!


ひそかに東の方のスレでも寄生やら悪堕ちやら洗脳を期待してまし……ゲフンゲフン
618名無しさん@ピンキー:2010/02/11(木) 21:45:46 ID:6s2VdEIA
まだ25kBあるから1話ぐらいの分量なら大丈夫なんじゃないかな
最近作品少ないから久しぶりの大作に期待です
619名無しさん@ピンキー:2010/02/11(木) 22:15:08 ID:38eKU60w
残り22じゃない?
620名無しさん@ピンキー:2010/02/11(木) 22:15:28 ID:38eKU60w
間違い12
621名無しさん@ピンキー:2010/02/14(日) 01:38:44 ID:qCcambsZ
あはっ…はぁい…次スレ…立ててきましたぁ…
だからもっとぉ…もっと…くださぁぃ…

ttp://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1266079003/
622名無しさん@ピンキー:2010/02/14(日) 18:02:15 ID:VjkYEO7V
快楽によがる>>621の目の前には、今己の身体の支配を奪い取らんと蠢く無数の虫達が何処より潜り込まんとするか品定めをしていた。
鎌首をもたげ、乙の字を描く虫達。それらはまるで新たなる苗床としての>>621を賞賛しているかのようでもあった。
――或いは、これからの幸せを祝福しているのかもしれない。どのようなメッセージが籠もっているのか、しかし>>621は知ることはない。
ただ、己が待望の瞬間を待ち続けるだけだ。

――耳穴から飛び出た、蚯蚓のような虫の合図を号令に、虫達は>>621の全身に絡み付き、思い思いの場所に身を潜らせていった……。
623名無しさん@ピンキー:2010/02/14(日) 18:43:40 ID:7GAHZtOT
>>622
これは次スレも期待せざるを得ない。
624名無しさん@ピンキー:2010/02/15(月) 14:30:12 ID:kHL/gF4W
>>621-622
バレンタインに甘いチョコならぬ甘い快楽…だと…
625名無しさん@ピンキー:2010/02/15(月) 18:29:26 ID:yqmJVbJP
もらったチョコからニョロニョロがぁ!!!!
626『INADVERTENCE』 ◆h4.Hpofy9o :2010/02/16(火) 18:27:33 ID:jBarBhNN
穴埋めいたす。ちょびっと食人等グロ表現あり。トリにて回避よろしく。容量関係で最後まで入らなかったらゴメン。


 思えばその日は、おかしな事が色々とあったのに迂闊にも私はその一つ一つの点を
結び付けて考えることができなかった。

 3月14日の早朝、私は仕事に向かうためにアパートの部屋を出た。いつものように
階段を通り、集合郵便受けで自分の部屋番のボックスから新聞を引き抜くと、一緒に
何かが引き出されたらしくパサリと物が落ちる音がした。
 私は何だろうとコンクリートの床を見た。その音の主はどうやら白い物体を入れた
袋状の透明なビニールを可愛らしいリボンでラッピングした物だった。

『川上美鈴さん Happy White-day バレンタインのチョコをありがとう』
「は?」

 袋の表面に張られたシールの文字を読んだ私のこの間抜けな反応には訳がある。
私はバレンタインデーには誰にもチョコを渡していないのだ。心ときめく男性と言う
ものもいないし、職場は殺伐としている所で新米の私がチョコなど出そうものなら
「そんな事で浮かれてる暇があるなら仕事を覚えろ!!」などと罵声が飛んできそうな
雰囲気の所なのだ。
 まぁ、それでもひょっとして職場の誰かが「チョコは?」などと言った時のためにと
いかにも義理だと分かるように、苺とチョコが二段になった三角のポポロチョコを一箱
買って携行した一日であったが、結局そのような事もなく、帰り道、公園のベンチに座り
独りで食することになった。
 と、ここで私は、大事なことを思い出し迂闊にもその意味不明の袋を鞄にしまって
出勤の途についた。

 家の近くの公園、そうここでする事が“大事なこと”私は目的の対象を探す。
だが、茂みやベンチの下やごみ箱あたりを探してもふわっふわの白い仔猫は見当たらなかった。
 実は、バレンタインのあの夜、私はここでチョコを食す折、迂闊にもひとつ取り落として
しまった。かなり探したのだが暗さもあり結局見つからず、仕方なく翌朝も探しに行って
その仔を見つけた。それ以来、失くしたチョコを探しつつその仔猫に餌をやっていたのだが……
見当たらない。

「良い飼い主に拾われたのなら良いが」

 私は独りつぶやいた。するとどこかであの仔猫の甘えた鳴き声がしたような気がした。
まぁ、気のせいだろうと思った。だって自分の鞄の中から聞こえた気がしたなんて……。

 少しさびしい様ななんとも言えない気持ちを抱えて出勤したが、勤め先でそんな事を
考えていたら一発でどやされてしまう。私は職場の玄関で気持ちを切り替え、自分の課に
入る時いつものように敬礼し声を張り上げて言った。

「おはようございますっ! 川上検査官、只今出勤いたしましたっ!」

 あちらこちらから「おう、おはよう」と声がかかった。
 ここは『触手管理局人的被害対策第2課』である。西暦2010年の獅子座流星群のあの夜、
流星にまぎれて地球に降り注いだ触手との攻防は未だに続いている。
 街にゴミが無いのも――ゴミを落としてはいけないのもそのせいだ。触手の中には
無機物になら擬態できる物がいる。触手の質量から言って靴より小さな物が危険とされている。
私がポポロチョコひとつに必死になっているのもそのせいだ。
 ……つまり、ポポロチョコ紛失は物凄い失態である。バレれば始末書がきっと束で襲ってくる
だろう。私はポポロチョコはあの仔猫が食べたのであれば良いと願わずにはいられなかった。

 と、まぁ、そんなこんなで一日の仕事を終え、家路につく。帰りにも公園に寄ったが
やはりあの仔猫はいなかった。
 私はアパートに帰り着き、シャワーを浴びるとバスローブのまま缶ビールを呷った。
「アパートじゃなきゃ飼えたんだけどな……」そんな、今更どうにもならないことを呟きながら、
酔いが回った私はそのままベッドに倒れ込んで寝てしまった。
627『INADVERTENCE』 ◆h4.Hpofy9o :2010/02/16(火) 18:28:30 ID:jBarBhNN
 どれくらい眠ったろうか、私は違和感で目を覚ました。
――手が自由にならない?
 まるで後ろ手に縛られているように動かない。なぜ? 誰が?

「誰っ!?」

 返事はなかった。だが、ベッドサイドで何かがカサカサと音を立てた。こんな音がするものと
言えば、黒くて艶々してる6本足のアレか――じゃなくて、その音のする方を見ると今朝の
ホワイトデーの包みが落ちていて、私は鞄から出したっけ? などと思いつつも、その形状の
変化に気が付いた。その包みから白い紐状の何かが私の方に伸びていた。恐らくはその端が
私を拘束しているのだろう。
 瞬間、酔いも醒めゾワッと毛が逆立つ、アレは触手! ならば猶予はない。私は身を捩って
拘束から逃れようとした。するとその抵抗に引きずられ、紐状の物に繋がった包みが宙に舞った。
 そこで、可愛らしい包みは形状をゆがませ完璧な触手の一科の形状をなした。

――触手目流動体スライム属フィラム科
 完璧な擬態をし、その能力からもかなりの知性が窺える。雌雄異体。それから、それから……
記憶の中からソレの弱点を探すが、焦り過ぎて何も浮かばない。
 そうする間にも、ソレは幾本もの冷たい紐になって私の脚を這い上り、バスローブの中へ
潜り込んで来た。

「嫌ぁぁ!! やめて!! 怖い!!」

 叫んだところで、どうにもならないと分かっているのに叫ばずにはいられなかった。
職業がら触手に寄生された者の末路をいくつか知っている。触手局に入局するとすぐに
見せられるビデオにあるのだ。
 それは、歪んだ自分の趣味のため幾人もの患者を殺してきた死刑囚の元女医が、減刑を
条件に触手寄生の実験に臨んだ時の物だ。
 触手が寄生すると女医は、カメラの前だというのに淫らな声で喘いだかと思うと、涎を流して、
髪を振り乱すなど、知的な女医の面影はどこにもなかった。そうするうちに過ぎる快楽から
触手を引きはがそうと手を伸ばした。悲劇はそこで起こった。伸ばした彼女の手は触手に
呑み込まれ、出てきた時は骨の一部しか残っていなかった。そのまま彼女は、絶叫とともに
肥大化する触手に呑まれて消えた。
 他にも、触手の卵を産みつけられた人の腹を破って触手の仔がわらわらと出てくる映像や、
触手が肛門から入って数分後に腹がペコリとへこみ、内臓を食われ死んだ人の映像も視た。
 その現実が、今ここにある危機。

「い、嫌っ! 嫌だぁっ!! やめっ! はぁん」

 はぁん ……だと? 私は自分の口から出た声が信じられなかった。あんな不気味な触手に
躰を這いずり回られて、自分でも初めて聞く変な声を出すなどと……。

「やぁ、もう、だめぇ……そんなとこサワサワしないでぇ」

 私はバカバカしいことに膣と肛門の間をくすぐるように動く触手にお願いをしていた。
何を言っているのだと頭の片隅では思うのに、その少ない理性の部分すらどんどん痺れたように
なって行く。これではあの女医のようではないか。そう思うと情けないことだが恐怖で躰が
震えてしまう。

「いやぁっ!! そんなとこ入ってこないでぇ!! 嫌、嫌、だめぇん……あぁん」

 膣と肛門からの侵入を感じ、私は恐怖のあまり失神した。


 私が意識を取り戻すと、手の自由が戻っていた。死んでもいない。あれは酒が見せた悪い夢
なのかと、変な夢を見た自分のアホさ加減にがっかりしながら起き上ろうとして再び違和感。
 今回はダイレクトにとっても大事な部分に感じた。私は恐る恐る鏡を取って自分の大事な
部分を見てみた。

「嫌ぁぁぁぁぁぁっ!!」
628『INADVERTENCE』 ◆h4.Hpofy9o :2010/02/16(火) 18:29:42 ID:jBarBhNN
 エロイ事になった、じゃなくてえらい事になっていた。薄水色で透明で薄い板コンニャク
みたいなのが貼り付いていた。言わずと知れた触手である。夢だけと夢じゃなかった――。
 それが、表面に貼り付いているだけならまだ救いもあるというものだが、どう見ても私の
体内に入り込んでいるとしか思えなかった。透明ゆえに見えてしまう。ぽっかりと口を開けた
膣と肛門。そう分かってる。感触がする、前と後ろに太い何かが入ってる感触が――。
 ここで私はまた気を失いそうになったが、それは許されなかった。

「嫌? あ? 何? うご、動かないでぇ!! あぁん」

 前と後ろと両方の穴で抽挿が始まり、私は身悶えた。すると信じられないことに声がした。
≪美鈴、痛くない? 大丈夫?≫
 私の股間から……。クリトリスを震わせて。触手がしゃべってますよ?

「ひゃん、だめぇ……そんなとこブルブルさせないでぇ、あぁん」
≪え? あっ……じゃあ≫

 それはまるで水が流れるように私の乳首に延びて、今度はそこが震えて声を出した。

≪ここならいい?≫
「嫌ぁっ!! どうしてそんなとこばっかりぃっ!!」
≪アレ? おかしいな? 今、美鈴が寝ている間に確認した、心地よく感じていると
 反応があったとこなのに≫

 触手は人間の感情などを汗の成分や心拍数から感知することができると習ったが研究は
間違いないようだ。

≪それじゃ、ここならいい?≫

 胸を経由して延びた触手が私の唇の上で震えて口内に入り込んだ。そしてそのまま私の
口の中を隅々までつつきまわり、最後に舌を擦ってから吸い上げて出て行った。

「ふぁっ、あぁん」

 口から出た触手は細く二つに分かれて私の頬を撫でるように這い上って耳に入り込んだ。
ぞくぞくする。触手はそこで優しい音を出した。

≪バレンタインのチョコありがとう≫
「何の事よっ!? ひゃん」
≪2月14日に夜の公園でボクにくれたでしょ?≫

 私はあの無くしたポポロチョコの事かと瞬時に悟った。

「別に、アンタにやったわけじゃっ!! ふぁっ」
≪あ、それ知ってる。ツンデレって言うんだよね?≫
「違うからっ!!」
≪ボクはOKだよ≫
「な、何が? ひゃぁぁん」

 時々変な声が出るのは、触手が私の膣と肛門を出たり入ったりしているせいだ。

≪つがいになること≫
「つ、つがい?」

 ってあれか小鳥とか雌雄を一緒に飼うことだよね? え? え? え? それって??

「いや、いや、いや、そんなの望んでないしぃ……あはぁん」
≪ニンゲンって何かと嘘つきだよね。繁殖孔が水分を出すのって最高に気持ち良くって、
 子孫を残したくなった時だって知ってるよ。こんなにびしょびしょにしておいて……
 それにさっきから雄を誘う鳴き声を出してるでしょ?≫
「これは……あん、あ、ああぁん……違うの……」
629『INADVERTENCE』 ◆h4.Hpofy9o
≪ほら、また嘘言う。しょうがない。正直になるまでお仕置きだ≫

 それから触手は激しい抽挿をしたかと思うと、ぴたりと動きを止めることを何度も繰り返した。
私はその焦らすような動きにもう訳が分からなくなって、尻を振りながら触手に向かって懇願していた。

「あぁん、あ、あぁん、もうどうにかしてぇ、もう、正直になりますからぁぁん」
≪わかった。じゃあボクとつがいになるね?≫
「あぁん、いい……いいの」
≪ボクと一緒に触手の森に来るね?≫
「あぁん、もう……イクイクイクゥゥゥゥッ!!」

 私は膣内に注がれる熱い物を感じながら、あまりの快感にそのまま気を失い、気付くと見知らぬ森の
草の上に寝ていた。

「ここ……?」
≪触手の森だよ≫
「ど、ど、ど、ど、どうやって?」
≪みんなで力を合わせて自動車になって運んで来たんだ。マイハニー≫
「その、微妙にズレた人間情報はいったいどこから来るわけ?」
≪美鈴は知ってるでしょ? ボクらが風に乗せてメモリーを伝達できるって≫

――触手目流動体スライム属フィラム科――別名、詠う妖精

≪美鈴にチョコを貰った時、美鈴のホントの気持ちが分からなくて、暫く仔猫に擬態して
 様子を見てたんだ。そしたら美鈴はとても優しくてボクは直ぐに気に入ったよ。
 あぁ、でも、この星にこんな素敵なイベントがあってよかった。 さぁボク達の子どもを
 作ろうね。きっと美鈴に似て可愛いよハニー≫

 触手は無機物にしか擬態できなかったんじゃなかったのか? っと思ったが、その後は
もう何も考えられなかった。

「やぁぁん、そこはだめぇ……あぁん、気持ち良過ぎるのぉ、あん、あぁん」
≪美鈴ったら、ボクの受精管をそんなに締め付けて絞りだそうとするなんて、そんなに
 欲しいならいっぱい注いであげるからね≫
「ひゃん、すごぉい」

 こうして私は迂闊にも触手の妻になりました。

                  ≪終≫