突然剣道場に乱入し、喧々と騒ぎ立てるこの女の名前はバレーボール部部長、御堂佳織。
剣道部と並び、県屈指の強豪として期待されているバレー部は、この数年成績を落としていた。
なんとかしようともがいたものの成績は振るわず、新人大会では予選ベスト16にも入れないという有様だった。
そこでこの藤堂の精液の出番と言うわけだ。
一体何処で噂を聞きつけたのか知らないが、毎日のように押しかけ練習時間を減らされるのにはうんざりする。
「帰れ」
「な!?」
「貴様には付き合ってられん、とっとと帰れ。そもそもこの藤堂は我が剣道部の顧問であり備品だ。
それをバレーボール部に貸す義務など無いだろう?」
「少しアナルセックスしてもらうだけですわ!
あの早漏具合ならほんの数十分で済みますでしょう!?」
「駄目だ」
何度言っても平行線だ。
このままでは貴重な練習時間が減るばかり。
一体どうすれば引き下がってもらえるのか。
はぁ、と思わずため息が出てしまう。
「これだけ頼んでも駄目ですのね……」
御堂は悔しそうに言うと、そのまま服を脱ぎ始めた。
いきなり何をしでかすのかと思ったが、すぐにその理由がわかる。
先程まで至福の表情をして寝転がっていた藤堂が、
ふらふらと吸い寄せられるように御堂の方に歩み寄っていくでは無いか。
「止まれ!藤堂!」
御堂佳織は美人である。
スタイルも抜群によい。
一度バレーをしている所を見たことがあるが、アタックを打つたびに大きな胸がぶるぶると揺れていた。
噂では98センチのHカップだと聞いている。
藤堂は無類の巨乳好きだ。
件の創立レイプ記念日となった日も、胸が大きい順に犯して行ったという。
そして驚く事に、御堂佳織はレイプどころかアナルセックスですら許していない。
藤堂が指一本触れた事の無い、正真正銘の新品なのだ。
そんな女が集中力を上げる為とはいえ、目の前で服を脱ぎ裸になろうとしているのだ。
これでこのスケベ男が惹かれない訳が無い。
「藤堂!それ以上向こうに行こうものなら、私は即刻適当な男で処女を捨てるぞ!」
正直に言うとそんなつもりはさらさら無い。
ただのはったり。
苦し紛れの言葉なのだ。
しかしそれは有効だったらしい。
脂肪がついたその醜い足をピタリと止め、どうしたらいいのか分からず私と御堂をおろおろと見つめるばかりである。
しかし、とりあえずの足止めには成功したもののここから先の打開策が無い。
一体どうすれば……。
「七海さん、貴方何時もそうやって彼を押さえつけているっしゃるの?」
「何?」
「彼は1人の人間です。顧問だか備品だか知りませんが、やりたいレイプも自由に出来ない。
ただただ貴方の考えを押し付け、彼を独り占めしているだけでしょう?
そんな非人道的な行為は間違っているのではなくて?」
これもはったりだ。
分かっている。
そう言う御堂本人も、レイプされないよう動いているではないか。
「卑怯者」
しかしこの一言は駄目だ。
私は卑怯は嫌いだ。
清廉潔白を信条とし、何時いかなる時、誰に対しても胸をはれる人間であろうと努力してきた。
安い挑発だという事は分かっている。
分かっているがこんなくだらない事で侮辱されては黙っていられない。
挑発に乗ってやろうではないか。
「ではどうしろと?」
「簡単ですわ。幸いにも貴方はまだ精液を注いでいらっしゃらないようですし、彼に決めてもらいましょう」
なるほど、そういう事か。
事態を飲み込めていない藤堂は、愛想笑いともつかないようなにやにやした顔を向けほうけている。
この間抜けな男に直接使ってもらうアナルを決めてもらうわけだ。
早速私も御堂に従い服を脱ぐ。
袴は既に脱いでいたので剣道着のみだ。
御堂ほどではないが私も自分の身体には自信がある。
95センチのGカップもあれば誘惑するのに充分だろう。
やや筋肉質ではあるものの、剣道のおかげで引き締まったウェストとヒップも悪くないと思う。
肝心のアナルも藤堂のイチモツでほぐされ、ぴったりと吸い付くように開発されている。
その証拠に、他の部員が射精まで1分かかるのに対し、私と行為に及ぶ場合30秒しかかからない。
たった一つの心配事と言えば、御堂が全く藤堂に手をつけられていない事だが……。
ぱさりと剣道着を落とし、何も身につけない生まれたままの状態で藤堂を見据える。
奴の私を見る目が何時もと違う。
目は血走り、今にも私を犯そうとイチモツは今までに無い角度を保っていた。
よく考えると今までは袴だけを脱いでアナルセックスをしていた為、あの男の前に裸を晒すのは初めてだった事に気づく。
私は自分の勝利を確信した。
既に裸の御堂は仰向けになり、大股開きで手招きしている。
私はその上に重なるようにうつ伏せで密着する。
お互いの胸が押しつぶされ、むにゅうと身体からはみ出る。
お尻は同じ方向を向き、藤堂のイチモツを待ちわびる形だ。
これで条件は五分と五分。
どちらを使うかは藤堂次第だ。
「さ、こちらにいらして」
「何を呆けている、早く決めろ」
その言葉を合図に藤堂が飛び掛ってくると私のお尻を鷲掴み、一気に最奥まで挿入してきた。
女の身体など一切考慮せず、ガンガンと腰を振る動きはいつも以上に激しい。
しかし私もそう毎日アナルセックスをしていない、すぐに肛門はほぐれ、藤堂の攻めに最適のものに変わる。
「ほっ、おほっ、おっ、おぅっ、おっ!や、やっぱりこのケツ穴は最高だ!」
「あっあっあっ、あ、当たり、前、だっ!一体何回……んんっ、私とぉ、んぁっ……
アナルセックスを……ひぁあんっ!?……したと思って、いるのだ。
今回で……っふぅン、ぁ、っくふゥン!?……98回目、だぞ?
ふふ……、っぁ、赴任して、……まだ、はぁ、っンぁ!……1ヶ月経って、いないというのにな?」
私が快楽と優越感でぐちゃぐちゃになる一方、御堂の顔は屈辱に歪んでいた。
これが事実だ、受け入れろ。
貴様ではなく私が藤堂に選ばれたのだ、備品は誰にも渡さない。
後はこのまま腸内に射精してもらうだけ。
そう思っていたのにイチモツが突然引き抜かれた。
何故?と思い後ろを向いた瞬間、私とは違う別の肛門に先端が押し当てられるのが目に入った。
待て、そこは。
「っはぁっ!?……っぁ、痛っ、くぅ、んっ、んんんんんんんんっ!!!!」
「おほぉ……ちょっときつかったけど全部入ったよぉ……。
いきなり僕のじゃきついからね、楓ちゃんの腸液でほぐせば安心でしょ?ぐふ!」
つまりはそういう事だった。
いくら新品アナルを試したくても何の準備も無く挿入など出来るわけが無い。
私が初めての時あらかじめ準備していたローションも無い。
では代わりをどうする?
簡単だ、潤滑液ならここにある。
この一ヶ月アナルセックス漬けで、一度挿入されれば腸液が染み出る体質になった私がある。
「それにしても佳織ちゃんはガードが固かったから大変だったよ。
まぁ従順にして犯っちゃっても良かったんだけど、それだとお嬢様を食べる意味が無いからさ、ふひぃ!
でもその1ヶ月の間は楓ちゃんで楽しませてもらってたんだけどね」
「はぁっ!?……ま、まぁ、……そのよう、に、……っ、ぁっ、……く、我慢、させていたとは、ぁっ……!?
……ぁ、くっ……、申し訳、ございませ、ん、んんンんっ!!……で……、したっ……。
で、ですが、今後……あっ、そのようなぁっ、あっ、あっ、心配……はっ、要り、ませんわ。
毎日、……存分に私をっ、ふっ、んっ、私達バレーボール部員、
ぜっ、全員っ、の、アナル、……いえ、ケツ穴を、お使いになってぇっ!!!」
「うんうんっ、思い切り使ってあげるよぉっ!」
私をそっちのけにして二人の世界に没頭している。
クズ呼ばわりし、備品とまで言っていた男にこのような扱いを受け、惨めな事この上ない。
「むほっ、ほぅっ、おっおっおっおっおうっ!」
「藤堂さんのオチンポ、ふぁァン!……す、素敵ですわっ!
わらくひ、殿方とこのような事ぉんんんっ!……する、のはぁっ、ぁ、初めてですのにぃ!!」
「おうっおうっ、そろそろ射精するぞぉっ、おっおっおほぉおう、おうっ!!!!」
「は、はひぃいいいっ!くださいまし!私のケツ穴に、たっぷりとお精子くださいましぃいいっ!!!」
どぴゅどぴゅと耳慣れた射精音と、トドの様な喘ぎ声に初めて聞く御堂の艶声が交じり合う。
望みを捨てきれず、最後までこんなはしたない格好を崩す事が出来なかった私には絶望しか残らなかった。
そろそろ片づけを始めないと、授業に間に合わないな。
とどこか別の事を考え、この場から逃げようとした時にお尻をがっちりと掴まれた。
「ふひぃー、何処行くの?今度は楓ちゃんの番だよぉ」
御堂のアナルからイチモツを引き抜いたと思ったら、間髪いれず私に再度挿入する。
油断していた所に頭のてっぺんまで快楽が突き抜ける。
驚いて声も出す事がかなわない自分を、慣れ親しんだイチモツが弄び始める。
「ほっ、ほふっ、し、心配しなくてもぉほぅ!すぐに射精してあげるからねぇ、ぐひひっ!!」
「っぁ、くっ……な、何故……!」
「だって、おふっ、勿体無いじゃない。」
「も、勿体無い?」
「そうそう、折角いい牝、じゃなくて人材が揃ってるんだからさ、おほっ、っむぉっ!
皆頑張って僕のケツ穴奴隷、じゃない、優勝目指せばいいじゃない」
「っはぁっ、し、しかし……それではぁ……ぁっ、ふぁっ!」
「大丈夫大丈夫、ちょっと大変だけど、バレーボール部の娘も剣道部の娘も、皆みぃ〜んな、
毎朝ちゃぁんとケツ穴を僕の自慢のモノで掘って、射精してあげますよ」
今更ながら備品扱いしていた男の器の大きさを知らされる。
それなのに私ときたら、自分達のアナルセックスの時間が無くなるのではないかと心配で、他の部にレンタルする事など許せなかった。
「むぉほっ、ほぅっ、ぉほっ、おぅっおうっおっおっ!で、射精るっ、射精る射精る射精るぅううぅうっ!!!!」
「んぁっ、あぅっ、ぁっあっあっあぁハァああアンんんんんっ!!!!」
私の中で一瞬大きくなった後、爆発するかのような射精が始まる。
2度3度と押し寄せるかつてない快楽の波に溺れ、私の身体は精液で征服された。
「ぉほぅ……それじゃあ朝練があるから……ぅっ、最初に剣道部……、その後バレー部って順番で良いね?」
「あぁ……、ふぅっ、んちゅ、ちゅぽぉっ……、かひゃじけない」
「えぇ、それれ……じゅ、ひょふってよ、れろぉおぉっ……、感謝、いたひますわ」
私達は感謝の印にダブルパイズリフェラで汚れを舐め取った後に、
アナルをもう一度大きく広げ、藤堂先生のオチンポを迎え入れた。
「そうそう、皆仲良く、ねぇ?ぐひぃっ!」
終わりです。
今回もエロかったです!
GJ!
ふむ。GJ。
しかし最近凄いな
MCとしもハーレムものとして見ても多人数の女相手に徹頭徹尾アナルオンリーとは激レア!!
処女のままアナルセクロスカテゴリでも部長以下剣道部員21人全員処女というのは新記録(俺調べ)
アナルどうもごちそうさまでした'`ァ'`ァ(*´Д`)=3 '`ァ'`ァ
gj!
知ってるか?
SMクラブで1番変態的なのは医者と坊主で、ノーパンしゃぶしゃぶの上客は医者と教師なんだとw
昨日引っ掛けたネエちゃんが教えてくれた
どれだけ気を付けても、ノーパンノーブラで出掛けてしまう催眠。
>>603 そういうの最高だね
あと男子が大勢いる前で大開脚で転んでしまう催眠
開脚前転以外思い浮かばない…
>>602 まとめると変態の上客は医者だということだな_〆(。。)
そういえばサンジミチさんの24hリクの作品はまだきてないよな?
今年中には読めるだろうか
test
※性的な意味での主役は片山ですが視点は別です。つまりNTR
制服じゃなくて体操着で登校する。
ただそれだけの事なのに、どうしてこんなにも世界が変わって見えるんだろう。
俺は逸る気持ちを抑えきれずに、いつもより大きな歩幅でアスファルトを踏んでいた。
「あ! リーーーーン!」
幼馴染みの後ろ姿を見つけて、俺は思わず駆け寄った。
「タカちゃん? おはよう」
「……お、おう、おはよ、凜」
さいきん凜は髪を伸ばし始めた。
仕草や体付きもなんだか女っぽくなって、密かにクラスの男たちの中で人気が出てきている。
けど、俺はそんな奴らなんかよりずっと前から凜の事……
「この辺りでタカちゃんに追いつかれるって、不味いかも……」
「バーロ、俺は今日は珍しく早起きだったんだぞ! だいたい、凜はいっつも歩くの遅いんだ」
幼馴染みだけあって家はお互い近いのだが、俺はギリギリまで寝ている。
だから途中で先に歩いている凜に追いついて、一緒に登校するのが常だった。
「ぬおおおおーーーーーーーーーーー」
訂正、俺がギリギリならコイツの立場が無い。
「おはよう、慎ちゃん」
「慎矢ァ、運動会の今日ぐらい早起きしよーぜ」
「チッチッチッ……崇哉君、わかってないなぁ。運動会だからこそ体力回復させとかなきゃいけないのだよ!」
それで遅刻しそうになって走ってたら世話無いぜ。
呆れる俺の肩を慎矢は無理矢理掴んで凜に聞こえないように耳打ちしてきた。
「わかってるな、約束。恨みっこ無しだぞ」
「当たり前だ!」
俺と慎矢はお互いの拳を合わせた。
「何の話?」
「ダメダメ、凜には教えられない!」
「いくら俺達三人が幼馴染みでも、これは男と男の約束だからな!」
ずっとこのままの三人で居られたら……それは幸せなんだろうか。
それでも……俺は凜が好きで慎矢も凜が好きなんだ。
この気持ちを抑え続けることは出来ない。
でも言ってしまったら今の関係が壊れるような気がして……
お互い、凜の事が好きだって知った俺達は勇気を出して一歩踏みだそうとした。
でも、どっちが先に告白する?
その権利をかけて俺達は約束をしたんだ。
運動会で勝った方が先に告白する。
そしてどっちが勝っても、凜がどっちを好きでも、俺達の関係は変わらない。今まで通り、一番の友達だ。
それが約束。
相葉崇哉(アイバ タカヤ)と亘理慎矢(ワタリ シンヤ)の男の約束だ。
「そういや、やっぱお袋さん来られないのか?」
教室で荷物を降ろして、鉢巻を締め直しながら俺は凜に尋ねた。
「うん、仕事があるから……」
「じゃあお昼は俺ン家族と一緒に食べようぜ」
凜の家は母子家庭だから、俺の母さんがよく面倒を見ていた。
運動会とかの時に俺の家族の中に凜がいるのは自然な光景だった。
「ううん、お兄ちゃんが来てくれるんだ」
「お兄ちゃん!?」
向日葵のような笑顔で答えた凜だが、俺は鳩が豆鉄砲くらった気分。
「だ、誰だよ、お兄ちゃんって」
「お兄ちゃんはお兄ちゃんだよ?」
キョトンとした顔で首を傾げる凜。
くぅ……可愛いなぁ!守ってあげたいなぁ!!
って、そうじゃない!!
お兄ちゃん……半分だけ血の繋がったお姉さんがいるのは聞いていたけど……
「おい、崇! 部活対抗リレーの説明あるから集まれって言われてたろーが!!」
「あ!」
慎矢に言われて、俺はその場を後にした。
謎のお兄ちゃんの存在に心掻き乱されつつ……
かくて、その『お兄ちゃん』と楽しそうに話す凜を障害物競走の待機中に拝見することになるのだが……
「似てない」
男女の違いがあること前提にしても、お世辞にも似ているとは言い難い。
凜のお姉さんである叶鳴さんは、目元が少し似ていたんだけど。
「おい、誰だよ、凜と一緒にいる男は?」
並んでいる慎矢が俺に尋ねる。
それは俺が聞きたい。
「俺の次ぐらいにカッコいいぞアイツ」
お前のその自信が羨ましいよ……
もう既にクラスの女子なんかは騒いでいる……というか凜をダシに『お兄ちゃん』と会話しているのもいる。
「つか、あのジャージって舞戸学園のだろ」
父兄参加の競技があるので、ジャージを着て応援している保護者は多い。
件の『お兄ちゃん』もその中の一人のようだ。
「舞戸学園ってお前の姉ちゃんと一緒だろ? 知らないのかよ」
「無茶言うなよ」
慎矢の姉ちゃんが通う学校はかなーり頭のいい私立の学校だ。
「くそ! カッコイイ上に頭もいいのかよ」
「まてまて、あそこは金持ちのボンボンも多いんだぜ。あと推薦」
「それもそうか。お前でも入れるんだもな」
「そりゃどういう意味だ」
慎矢はサッカーで舞戸学園の推薦を勝ち取っている。
(凜はどこの高校受けるんだろ……)
凜の性格を考えるとお姉ちゃんのいる舞戸学園って言い出しそうではある。
学力を考えると、ちょっと頑張る必要があるが、無謀じゃあない。
俺は……普通にやったら絶望的だ。
(俺も舞戸学園の推薦欲しかったな……)
他の学校の推薦の話もあるが、俺は決めかねていた。
「崇……」
「なんだよ」
「俺はお前なら兎も角、あんなのに凜を獲られるのは嫌だからな」
「馬鹿言えよ、あれはお兄ちゃんだって言ってたぞ」
「あれがお兄ちゃんを見る目かよ……」
確かに。
凜が『お兄ちゃん』と話す顔は、ほんのり上気していて、その手はずっと彼の手を握っていた。
「転んだところ、血が出たり、痣になったりしてないかい?」
「うん、大丈夫。お兄ちゃんは?」
「こんなのは擦り傷だよ。でも、凜には擦り傷の一つも付けて欲しくないからね」
「お兄ちゃん……」
「転んだのは俺のせいだからなぁ……悪かったな、一番になれなくて」
ポンっと『お兄ちゃん』は凜の頭を撫でると、昼食へと凜を促した。
午前の保護者生徒の二人三脚で『お兄ちゃん』は盛大にコケたのだった。
ザマァwなんて男子連中は喝采したのであるが、女子に起こったのは失笑ではなく黄色い声だった。
つまり「お兄様が怪我したらどうしよう!?」「お兄様の顔がぁぁぁ」ってことだ。ケッ……
「お弁当、誰が作ったと思う?」
「お兄ちゃん?」
「ブー。正解は叶鳴でした」
「お姉ちゃんが!」
「家の都合でどうしても行けなくなって、残念がってたよ。せめてこれぐらいは……ってさ」
凜の柔らかい(幼馴染みの俺が保証する)ほっぺを『お兄ちゃん』は突っつくと、少し口を尖らせた。
「なんだ、俺より叶鳴の弁当の方が嬉しいみたいだな」
「ち、違うよぉ」
「へぇ……じゃあ叶鳴にそう言っておくかな」
「えっ…えっ……!?」
「冗談だ。それに凜の一番の好物は俺の――だろ?」
からかう『お兄ちゃん』は凜の柳のような腰を抱き寄せて、耳元で何事か囁いた。
すると凜は耳まで真っ赤になって俯いた。
「何なんだよ……アイツ……」
まるで恋人同士みたいなじゃれ合いに、俺は一人地団駄を踏んだ。
「おい、崇」
「慎矢……」
「女子からアイツの名前、聞き出した。片山彩だってさ」
片山? 岡崎でもなければ結城でもない。
「それで思い出したんだけどさ、確か姉貴が前に話してた気がする」
「マジでか。どんな奴だよ」
「どんなって……どもりで滅多に喋らないってよ」
「普通に喋ってるぞ。別人じゃねーのか?」
「でもそれ以外の特徴は似てんだよな」
体力はあるが極度の運動オンチ、親は株のトレーダーで、言うまでも無いがイケメン。
無口だがさりげなく優しいので、実は好きという女生徒は意外と多いらしい。
「でも彼女がいるらしいぜ。それも超美人の」
「って事はやっぱり凜にはあくまでお兄ちゃんってことか?」
「そりゃそうだろ。そんな高校生が中学生相手にしないって」
言い出したのお前だろ……
「あ、もしかして姉ちゃんの彼氏だからお兄ちゃんなのか?」
「や、その彼女もあの男も姉貴と同級生だから違うと思う。凜のお姉さんって姉貴の一コ上だったろ」
ん? でもさっき、凜の姉ちゃんのこと呼び捨てにしていたよーな……
「それはそうと、お前さ、午後の障害物競走の準備の仕事あったろ?」
「あ」
「凜ばっか見てないで、ちゃんとやれよ」
「わかってるよ。でもしょうがないだろ」
「ま、約束だからな。今のところ、俺の方が勝ってるぜ」
自信満々の慎矢に俺は口を結んだ。同じクラスだけど、今日の運動会では最大のライバルだ。
「午後で取り返す!」
「ふ……でも部活対抗借り物リレーだけは完全に味方だな」
そりゃそうだ。まさか区間タイム測る訳にもいなない。
「ん……でも確か各部の他に保護者枠あったよな?」
「ふ! 考えてること分かったぜ」
できればあの『お兄ちゃん』と勝負して完膚無きまでに叩きのめしたい。俺達は笑いあった。
「って、仕事に遅れたら怒られるな」
「芽渡さんと一緒だなんて他の野郎が羨ましがるぜ」
準備は男女で割り当てられている。俺と一緒に準備をするのは学年一の美少女と評判高い芽渡澪(メト レイ)さんだ。
「下心なんてこれっぽっちもないのに」
首を竦めて戯けてみた。だいたい、運営の雑用はクジ引きだったのだから。
「崇、そのミサンガ預かっておこうか」
「なんでさ」
「土塗れだろ。飴探しの小麦粉が土混じりなんて嫌だぜ、俺は」
ま、確かに。それにネットとかに引っ掛かってブチっていく可能性もあるしな。
前のミサンガそれで切れたし……いくら切れると願いが叶うっていっても、その切れ方はなぁ……
「無くすなよ」
「分かってるよ、凜が買ってくれたもんだしな」
色違いの自分のミサンガを俺に見せる慎矢。
(負けないからな、慎矢……)
ネットをグラウンドに広げながら、芽渡さんに愚痴る。
「しかし、凜のお兄ちゃんにすっかり話題持ってかれちゃってるよな、ウチのクラス」
芽渡さんは困ったような顔をして笑い返した。
元々大人しい人だし、こんなものか。悪口を言うタイプでもなければ、お兄ちゃんに対してキャーキャー言うタイプでもない。
「一応、学年でウチのクラス二位なんだけどさー」
「頑張ってるもんね、相葉くん」
「慎矢の奴もな」
「そう…だね……」
俺達二人はかなり貢献していると言えるだろう。クラスの為では一切ないけどさ。
「あれ? 芽渡さん、いつものネックレスは? お祖母ちゃんから貰ったっていう」
芽渡さんのお祖母ちゃんはこの前亡くなったばかりで、そのネックレスを芽渡さんはいつも付けて大事にしていた筈だ。
「あ…その……」
「ああ、そうだよな。大事なもん運動会で無くしたら不味いもんな」
「う、うん……」
部活対抗借り物リレー。
六人でグラウンド三周。バトンの代わりに借り物を受け取り、コース半ばのクジで借り物を交代する。
そして……
「凜の幼馴染みだって? お手柔らかに頼むよ」
俺は運良くこの男と同じ順番になった。
ま、リレーだからスタートは一緒になるか分からないけどな。
「ホントは亘理さんの弟君と並びたかったんだけど、手違いがあってさ。タカヤとシンヤって似てるだろ?」
……なんだ、いきなり?
「幼馴染みだって? 凜は良い子だ。君もそう思うだろ?」
「ああ。少し臆病な所があるけど、素直で、純粋で、一生懸命なんだ」
な、何で俺こんなにベラベラって……
「髪、伸ばしたろ? 似合ってるよな」
「……凄く、女っぽくなった」
サッカー部の後輩(第二走者)がカレーを持って走っている。
「俺の好みに合わせた髪型だ」
ソレを追いかけるのはピンクのカーディガンを持ったバレー部だ。
「凜の好きな色を知っているか?」
「黄色だよ。ずっとアイツは黄色が好きなんだ」
「今は赤だ」
三脚を持った保護者グループ、メガネを持った(っていうか最初からかけてた)将棋部が続く。
「赤いチェックのプリーツスカートと、Yシャツとネクタイ」
「アイツはそんな格好はしない。フワフワした女の子っぽい格好が好きなんだ」
「沙織が凜の事オモチャにして困る。ま、妹みたいに思ってることはいいことだが」
傘をもった部の仲間が俺の背後に迫っている。
「これは知ってるか、幼馴染み君。凜は、耳の裏を撫でられると甘い声でよく啼く。
息を吹きかけて舐めてやると、もはや腰が砕けて立っていられなくなる」
「なっ…」
「バトン、受け取らないのか?」
「フカシかよ、それ……ッ!」
バトンである傘を受け取らずにいる俺に怒るチームメイトを無視し、この片山という男に詰め寄る。
「敢えて言うならご褒美の話だ」
三つ編みの少女を連れた柔道部が走っていった。
「凜にね、今日一日、どれかで三位以上になったらご褒美をあげる約束なんだ。
確かに、凜は君の言う通り少し臆病で勝ち気が足りない部分があると思ったからな」
片山は傘を俺の右手に無理矢理握らせた。
「純粋だから俺の言うことを疑わないし、一生懸命になって俺好みになろうとしてくれるよ」
保護者組がようやくやってくる。
「それにあの子は快楽には素直だ」
思わず殴りかかった左手を片山に受け止められる。
「イジメ過ぎたな。謝る。暇つぶしにはなった。反応が予想通りで意外性は無かったが」
コイツ……俺に傘を持たせたのはキレた時に殴りかかってくる手を限定させるためか。
「くそっ!」
遊ばれた事に舌打ちし、俺はかけ出した。
せめてリレーに勝って鼻を明かしてやる。
「痛っ」
プッ……コケてやんの。
よし!クジ引き!!
ういろう
ういろう!? 何故ういろう!?
か、考えても仕方ない! 父兄の中に名古屋とか小田原の人がいるかも知れないし!!
「すいませーん、誰かういろう持ってる人居ませんかーー」
くそっ! これじゃあアイツに先を越されてちまう!
「どれどれ……百葉箱?」
アイツの借り物はヒャクヨウバコか。
……ヒャクヨウバコって何だ?
「ういろうお持ちの方ーー」
アイツはコースから消える。
ふ…アイツもヒャクヨウバコが分からなくて手間取っているに違いない!
「ってオイ!!」
アレは校舎裏にひっそり置かれている謎の白い木の箱!?
(あ、あれがヒャクヨウバコなのか!)
いや、だがあの大きさのモノを抱えて走るのは大変だ。
速やかに俺がういろうを見つければ逆転できる!
「いやー、こういうの俺向きの借り物で助かった」
なんで片手で持ち上げているんだよ! 軽快に走ってるんだよ!!
「お兄ちゃん頑張れー!!」
ういろうーーーーーーーーーーー(涙
しかしアイツは兎も角、次のランナーが百葉箱なんて持って走れる訳もなく
リレー勝負は一位野球部、二位吹奏楽部、三位サッカー部に終わった。
「っていうかコケるなよ、アンカー」
敗因を作った親友を咎める。
「後方にも筆があったりってやつだ」
「弘法にも筆の誤り……だよ?」
慎矢の間違いを訂正する凜。
プ……難しい言葉使うからだ! どんな意味かは知らないが!!
「崇、次の50メートル走でラストだ」
「勝った方が……だな」
「なんのこと?」
凜には答えず、俺達は待機場所に向かって走る。
昔……
三人でかくれんぼをしていて、凜が見つからなくて、
凜を捜していたら、凜は古い井戸の中から出られなくなっていて
俺は飛び込んで、でも凜を抱えて井戸から抜け出せなくて
でも凜が不安になるといけないから、ずっと喋り続けていた。
きっと慎矢が助けに来てくれると俺は信じていたから。
慎矢はどこかからホースを持ってくると、それで井戸を水で一杯にした。
凜は泳げなかったけど、俺を信じてくれて暴れず、ずっと俺に掴まっていた。
水のお陰で浮かんだ俺達は無事、井戸の外に出ることができた。
ズブ濡れになって母さんに怒られたし、その後風邪ひいちゃったけど。
50メートル走で慎矢に勝った俺は、凜を屋上に呼び出していた。
夕日が差す階段を駆ける。
片付けの仕事があって、少し遅くなった。
もうアイツは待っているだろうか?
凜、俺はお前の事が好きだ。
俺一人じゃ、少し頼りないかも知れないけど
でも、お前を怖がらせるものから全部守ってみせる。
お前がずっと笑顔でいられるようにしてやる。
今までも、これからも……
屋上の扉が開いている。
入ってくる風が少し冷たかった。
「凜、あのさ……ッ!」
「ん…ちゅ…ちゅっ…はぁあ……ふぅ……」
……え?
「凜はキスが上手になったね」
「ふぁぁ……」
凜は『お兄ちゃん』に頭を撫でられると子猫のように首を竦めて男の胸の中に収まった。
自分の匂いを付けるかのように、男にスリスリと身体を密着させる。
「いいのかい、俺がここにいて? 幼馴染み君とここで逢う約束なんだろ?」
「ふぇ? タカちゃんは別に私一人で待っててって言ってないよ?」
「ははは……凜はまだ子供だなぁ」
あの男は体操着を捲り、凜の折れそうな腰を風に晒すとゆっくりと撫でた。
「別に、一人でも大丈夫だよぉ。寂しくなんかないもん」
「そういう事じゃないさ。けど、ならどうして俺と一緒に居たがったんだい?」
「だって……ご褒美が早く欲しいから……」
凜は自分からあの男の首に手を回すと、整った唇に吸い付いた。
「んちゅ…ちゅっ…む……じゅる……ちゅっ…はむっ…じゅるる……」
それは触れるだけの優しいキスではなく、貪るように相手の唾液を吸う大人のキス。
「ふぁっ……」
凜が唇を離すと、二人の間には夕陽に燦めく水の橋が出来ていた。
凜は確かにあの男を求めていた。
「我慢できないよ、お兄ちゃん……」
男の足に太股を絡ませると、誘うように腰を擦りつけた。
「ね、お兄ちゃん……」
子供っぽいいつもの凜はそこには居なかった。
まるで情婦のように男を誘う女がそこに居た。
「そうは言ったって、人に見られたらマズいだろ?」
あの男が入口を向いたので、俺は咄嗟に壁に隠れた。
「………」
バレただろうか。あの男の鋭い視線を感じる。
「お兄ちゃぁ…ん……」
甘ったるい凜の声が風に乗って聞こえてくる。
あれは誰だ?
本当に俺の知っている凜なのか?
「タカちゃんだったらバレたっていいよ」
「信頼しているんだな」
「うん、お姉ちゃんの事もタカちゃんとシンちゃんにだけは教えているの」
「好きなのかい?」
「うん、二人とも大好き」
「そうじゃなくて、男として、さ」
あの男は凜のハーフパンツの中に手を滑り込ませた。
「ここに、彼らの精液を欲しいかって聞いてるんだよ」
「ふぇ? そんなの…ふぁっ…ヤダよぉ……んんっ…」
「じゃあ、この可愛い唇にキスをされたいとかは?」
「あっ…はぁん…どうして? 友達と…ふぅ……キスするのは…んぁ…変……はぁ…だよ?」
「ふふ……そうだね、凜。お兄ちゃん、少し変なことを訊いたな」
あの男は凜から手を引き抜くと、濡れたその指を凜の前に突き出した。
「ん……ふ……ちゅる…ちゅ……っん…ぁ…ぷ……」
凜は躊躇わずにそれを咥えると、自分が発した液体を丹念に舐めとっていった。
「はぁぁ……お兄ちゃん、もうボク我慢できない……」
冷たいアスファルトの床に膝を付くと、凜は男の腰にしがみついた。
「お兄ちゃん、赤ちゃんの素をボクに頂戴。ご褒美、頂戴」
頭を動かし、口だけで器用に男のモノを外気に解放させる凜。
「お兄ちゃんのおちんちん……」
男のモノに顔を擦りつけると、まるで犬の様に鼻をひくつかせ、凜はその匂いに酔った。
「凜はお兄ちゃんのザーメンが大好物だもんな」
「うん好き……大好き……」
愛おしそうに男のモノに凜は頬を擦りつける。
「ふぅん……でも、お口じゃ赤ちゃんできないぞ? 凜は俺の妹妊婦になるんだろ?」
「うん、なるのぉ……ボク妊娠するのぉ……お兄ちゃんの子供ぉ……子宮にいっぱい赤ちゃんの素注がれてお腹おっきくなるのぉ」
「じゃあ、下の口に入れるか?」
「ヤダぁ、ボクおちんちん食べたいよぉ……」
「困ったなぁ……」
「両方、両方して? 凜の上と下のお口にお兄ちゃんのおちんちん沢山じゅぽじゅぽしてぇ……」
「でも凜は一回しか入賞できなかったからね。ご褒美にしてはあげすぎじゃないかな?」
「お兄ちゃんの意地悪……」
その醜悪な会話の内容と姿でなければ、それは本当にお兄ちゃんに甘える妹のようだ。
いや、そんなことがあるものか。
もし凜に家族が居るとしたら、甘えさせてやれるとしたら、俺以外に存在するはずがない。
「少し浅ましいぞ、凜」
「ふぇ……お兄ちゃん、ボクの事嫌いになった?」
「まさか。でも、他の人が見たらどうかな? 凜は見られても構わないと言ったけど、
崇哉くんや慎矢くんが見たらガッカリするんじゃないかなぁ……?」
――ッ
急に名前を出されて、思わず身体が強ばった。
為か、俺は思わず掃除用具入れを叩いてしまった。
「!」
明らかに気付かれた気配がする。
「誰か……いるの? タカちゃん?」
怯えたようにが声を上げる。
「風じゃないか?」
「でも……」
「気にするな。しゃぶれ。上手にフェラできたらオマンコもしてやる」
あの男に頭を押さえて無理矢理モノを咥えさせられると、凜は素直に従った。
「じゅぷ…じゅっ……ちゅ…んほ……じゃるるぅ……んっ…ん……」
「彼は俺の姿は見えない、でも凜の事は見逃さないよ。そんな彼が居たらちゃんと出てくるさ」
足が震えながら動く。
まるで自分の意志じゃないかのように、足が動き出す。
「でも、凜のこんな姿を見たら振り返らずに走り去ってしまうかもね。はははは……」
その通りだ。
あの男の言うとおり、俺はその場を逃げ出してしまった。
二人に気付かれたかも知れないが、もうどうでもいい。
だって、どんな顔して二人を見ればいいのか、俺には分からないんだから。
もし……もし、凜と両思いだったら……
俺はいつもより早く起きて、凜と一緒に学校に行こうと思っていた。
今はもう恥ずかしくてできなくなったけど、昔みたいに手を繋いで……
日曜日は二人で遊園地にいこう。
いつもより着飾った凜の姿が俺はちょっと嬉しくて、でも素直に綺麗だねって言えない俺がいて。
後ろに凜を乗せて俺は自転車のペダルを踏んで、俺を掴む凜の腕が風を切る力になる。
そして観覧車の上からこの町を眺めて、そこからみえる場所一つ一つに思い出があるねって笑うんだ。
(そんな……夢をみていた……)
寄りかかった窓は冷たい。
見下ろした校庭はもう運動会の跡はなく、祭りの後の静けさだけが残っていた。
「相葉」
「先生?」
「捜したぞ。お前、ホームルームに出なかったからな」
先生は俺のミサンガを突き出した。
「あ、俺の……」
慎矢に預けっぱなしだったのが、何で?
「芽渡のネックレスの事は知っているな?」
「は、はい」
「盗まれたんだ」
え……?
「それで芽渡のカバンからコレが出てきた」
「ちょっと……待ってください。それじゃ俺が犯人みたいじゃないですか」
「これはいつもお前がつけているものだってみんな言ってたぞ。今朝もつけていたって証言もある。それが今のお前にはない」
「預けてたんです。それは慎矢が証明してくれたでしょ?」
正直、勘弁して欲しい。
絶対に言うわけないけど、こっちは失恋したばかりなんだ。
「亘理はそんなことは一言も言ってない」
「そんな馬鹿な……」
俺は首を振る。ありえない、慎矢に限って……
「だが亘理はお前がそんなことをするはずがないってみんなに言ってたぞ」
「当たり前だ。やってないんだ!」
「ならどうして亘理に預けたなんて嘘を吐いたんだ?」
嘘なんかついていない!
俺は先生と押し問答をしたあげく、先生を振り切きって慎矢を捜し始めた。
「なんで電話に出ないんだ!」
何度もかけ直した携帯を苛立たしげに閉じると、慎矢の家を直接訪ねたが、まだ帰ってきてない。
(あの場所か?)
あの場所とは、言ってしまえば俺達三人の秘密基地みたいなものだ。
工事中のまま放置された空き地にあるプレハブ小屋。
路地裏の塀の割れた部分から空き地に侵入できる。
明かりが点いていた。
「慎矢!」
「よ、崇」
秘密基地の中には持ち込んだ布団やテレビや棚やカーテンがある。
慎矢はポテチを食いながら、胡座をかいてマンガを読んでいた。
「慎矢、俺、お前にミサンガ預けたよな!」
「何のことだ?」
「何のことって……ッ」
もしかして忘れているのか?
「それより、告白はどうだった?」
笑顔の慎矢に俺は言葉を詰まらせた。
「あー…良い結果だったら、一人でここには来ないか」
「あ、ああ……」
「ま、気にすんなよ」
「悪いけど、お前だってフラれたんだぜ」
次は自分の番と思っているだろう慎矢に、現実を突きつける。
「あのお兄ちゃんさ……お前の言うとおりだよ、凜と付き合ってたんだよ」
「冗談いうなよ、あの野郎は別に彼女がいるんだぜ?」
「じゃあ凜は恋人でもない男とキスやそれ以上をしてたってのかよ!!」
行き場のない喪失感を怒りに変えて吐き捨てる。
「……そういうことかよ」
「そうだよ!」
「でも、俺はちゃんと本人に確認したぜ? あの野郎、ハッキリ言ってたよ、凜と恋人なんかじゃないって。
むしろ大笑いしていたんだぜ。自分と凜が?ってさ。いや、お前の言うこと信じない訳じゃないけどさ」
慎矢はフッと溜息を吐いた。
「ま、つまりそういうことなんだろうな」
「何がだよ……」
「恋人じゃないけど、そういうことする関係。だってさ、凜のお袋さんだって愛人じゃん? やっぱ凜にもそういう血が流れてんじゃねーの」
首を竦めて笑う慎矢を俺はいつの間にか殴り飛ばしていた。
いや、手は痛くない。頭が痛い。
「……いきなり頭突きかよ」
額を抑える慎矢が起きあがる。
「悪い、パンチは止められる気がした」
「俺はお前のダメージ減らそうと言ったんだぜ?」
「俺達が好きになった人を悪く言うな。俺達の大事な幼馴染みを悪く言うな!」
「お前……ホントにいい奴だなぁ」
慎矢は髪を掻き上げると、長息した。
「そっか。凜は俺のコト好きじゃないのか」
「ああ」
「その場合はさ、俺は凜をお前と共有してもいいって思ってるんだぜ?」
「は?」
慎矢は唇の端を曲げると俺の顔を覗き込んできた。
「そんなに入れ込むなよ。世の中に女は一人って訳じゃないんだからさ」
「女は沢山いるかも知れないけど、本当に好きになる人は多くないだろ」
「かもな。でも、操を立てる必要なんてないだろ」
「ハァ?」
「だからさ、失恋したお前に童貞すてさせて慰めてやろうってんだよ」
慎矢は立ちあがると、カーテンを掴んだ。
あのカーテンは凜が付けさせたものだ。着替える時とかの為に。
「じゃーん!」
慎矢が効果音付きでカーテンを引っ張る。
「なっ……」
そこには全裸の芽渡さんが立っていた。
「………」
「おい、何隠してんだよ?」
俯き震えている芽渡さんは、両手で胸とアソコを隠しているが、それを咎められると怖ず怖ずと直立の姿勢を取った。
「な、な……」
俺は慌てて手で目を隠すが、ちょっと隙間から見てたり……
「おいおい、崇、見て減るもんじゃねーぞ」
強引に俺の手を顔から離させると、慎矢は芽渡さんを俺の前に突き出した。
「ほら、崇の相手すんだよ! お前が魅力ねーから半勃ちじゃねーか。もっと頑張れよ」
「は、はい……」
慎矢に促されて芽渡さんは俺のズボンを降ろしにかかる。
「わ、わっ…」
慌ててズボンを押さえて後ろに転ぶ俺。
「あっはっは! 何やってんだよ崇! だせえ!」
「それは俺の台詞だ! お前何やってるんだ!」
「何って、この女でお前を慰めてやろうってんだよ」
芽渡さんを蹴っ飛ばし、俺の身体に重ねる慎矢。
思わず目が合うと、芽渡さんは哀しげに顔を逸らした。
「ど、どういうことだよ。お、お前は芽渡さんと付き合ってたのか!?」
「ハァ? なんでそうなるんだよ」
芽渡さんを俺に押しつけるように彼女の背中を踏む慎矢。
「なんで俺がこの女と付き合うんだよ。こいつは奴隷、俺の性欲処理の道具」
「ど…」
「何の為にお前と勝負したと思ってんだよ。俺が好きなのは凜だったっての」
やれやれと首を竦めて笑う慎矢。
「ま、凜があの片山って野郎の女ってんならもう興味は失せたぜ。そんなの彼女にしても面白くねぇ。
コイツと同じ様に散々に犯して俺に服従させてやる。あの野郎に実況電話してもいいな。面白そうだ」
「慎矢……お前……」
「一緒にやらないか、崇? 別に難しいことじゃねーよ、呼び出して、叫べなくして、犯すだけだ。
あとは写真でもビデオでも撮ってさ、また呼び出して犯す。これの繰り返し。猿でもできる。
抵抗したらブン殴るだけ。ま、相手によりけりだけど、凜も大丈夫だろ。反抗したり誰かに言うタイプじゃない」
「やめてくれよ慎矢……嘘だろ……お前はそんなことする奴じゃない……」
お前は俺の一番の親友だ。
自信家で、ちょっと乱暴な所もあるけど、誰よりも信頼できる親友だ。
「あーあ、お前ってホントにいい奴だよなぁ」
慎矢はポケットから何か輝く物を取り出した。
慎矢が握る鎖からゆらゆら揺れてぶら下がっているそれは、芽渡さんの大事にしていたネックレスだった。
だが、それは歪み潰れている。
「それ…どうして……」
芽渡さんが啜り泣く声が聞こえた。
「明日学校で見つかるんだよ、コレ」
は?
「んでさ、お前のスパイクの形と凹んだ部分がピッタシ合うんだ」
は……?
「みんなのアイドルの芽渡さんは一気に悲劇のヒロイン、そして俺はお前にこう言う
やっぱりお前が犯人だったのか!信じていたのに!……ってな」
「なんでだよ、慎矢……なんでだよ……」
「追いつめられたお前は、芽渡を犯す。その証拠写真を今から撮るのさ」
デジカメを構えて慎矢は芽渡さんを促す。
「ほら、早くしろよ」
「でも……」
躊躇う芽渡さんはあらぬ方向を見ている。
「ちっ…」
が、慎矢の舌打ちに怯えて俺を見つめた。
「……ゴメン……なさい……」
「わからねぇ……全然、わからねぇよ……」
これは夢だ。
きっと悪い夢なんだ。
俺はそう思おうと目を塞いだ。
「テレビのさぁ、生放送のCMあけとかで出演者が笑ってて、なーんか置いてきぼりにされた気分ってあるよな。
今、丁度そんな感じなんだ。きちっとネタ晴らししてほしいなぁ」
その男の声は俺や慎矢のものではない。まして芽渡さんのものでもない。
「だ、誰だ!?」
慌てて周囲を見渡す慎矢に俺も倣うが、この部屋には三人しか居ない。
「………」
しかし芽渡さんはずっとさっきから一点を見ていた。
俺と慎矢はそれに気づき、その方向を見るが誰もいやしない。
「あー、その子には命令してなかったもんなぁ」
この声……どっかで聞き覚えが……
「ま、透明人間の気分は味わえたから良しとしようか。命令解除だ。お前達はちゃんと俺の姿が見える」
なっ……
嘘だ! さっきまでそこに居なかった筈のあの男――片山彩が、堂々とそこに座っていた。
「俺の姿は見えないっていう命令だったからな。お前達にした命令は。
実際に眼球に映ってないのか、脳が見ていることを認識しないのか興味はあるがな」
片山はビールの缶を慎矢の頭に乗っける、というより押しつけた。
「ダメだろ、未成年がお酒飲んじゃ。俺は酒も煙草も吸わないぜ」
同時にネックレスを奪うと、芽渡さんに自分の着ていたコートを被せ、それを返した。
「一番気にくわないのが、ゲスのようなやり方で女の子を調教している事だ」
「るせぇよ! テメェも似たようなもんだろ!」
不意打ちに近い形でハイキックを片山に仕掛ける慎矢。
「当てれない!」
短く叫んだだけで、片山はその蹴りを避けた。
いや、慎矢が外したように見えた。
「暴力はよそうぜ。男にも女にもな」
蹴られた芽渡さんの背中を撫でる片山は続けた。
「特に女の子が怪我をしている姿は、俺は大嫌いなんだよ。女の子は喘がせてナンボだろ?」
睨み続ける慎矢の視線を意に返さず、片山は置いてあったパイプ椅子に座ると、芽渡さんを自分の膝の上に促した。
「なんでも、人間最初から悪い奴はいないらしいよ。昔の偉い先生曰く。
だから聞かせてもらおう。亘理さんの弟である君が、こんな事をした理由をさ」
「アンタの通っている学校の推薦をとる為だ」
慎矢が忌々しそうに語り出した。
「推薦? だってお前、もう決まってるだろ?」
「サッカーでな。だからサッカーが出来なくなったら取り消される」
「え?」
「病気なんだよ。足の筋肉が衰える。今はまだ大丈夫だけど……いや、そうでもないか。リレーの時にコケたもんな。
もしバレたら推薦は取り消される。そして崇、お前が俺の代わりに選ばれる……」
ガン!と慎矢は壁を殴った。
粗末な作りのプレハブ小屋はそれだけで地震がきたように揺れる。
「許せるわけねぇだろ……俺の代わりにお前が? 俺はもうサッカーできなくなるのに?
お前は凜と同じ高校で、俺が居るはずだった場所で、笑っているのかよっ!!」
慎矢は渇いた笑いを響かせる。
「認められるかよ、そんな光景。ぶち壊すだろ、普通よぉ……」
慎矢……
「壊さないさ、普通は」
片山?
「壊したって足が治る訳じゃないんだからな。確かに神様ってのは不公平さ。
不幸と幸福の天秤が釣り合うことなんて滅多にありゃしない。けど、他人を不幸にしても自分の天秤は動きやしない」
こいつ……
「俺はな、他人を不幸にすることで自分の幸福の天秤が釣り上がるなら別に躊躇しないが、
自分の幸福の天秤が上がるわけでもないのに、せっせと他人の不幸の天秤を重くするなんて労力の無駄はしないぜ」
……最低だ
「ま、一番いいのはみんなして幸せになることだけどな!」
ひどく気軽に言うと、片山は芽渡さんの身体に手を伸ばした。
「あ……」
「そう固くなるな」
芽渡さんはそう耳元で囁かれると抵抗することなく、片山の手を受けいれた。
「セックスはちゃんと気持ちがいいもんだって、教えてやるよ。ガキ二人は黙って見てな」
俺達は金縛りにあったようにその場から動けなかった。
あまりに予想外の事態だったからだろうか。
「んぁ…はっ……ん…ひゃぅうっ!」
クチャクチャと水音を響かせる片山は、芽渡さんが震えたのを見、再び囁いた。
「ん? ここがいいのか? 答えてごらん」
「……はい……はぁっん!…あっ…ぁっ…ひゃふっ…んっ…んっ……」
言質を取ると、一層強く片山は芽渡さんの秘所を掻き回した。
「やぁっ…はあぁ……やっ…ふぁあっ……ひっんっ…ふっ…あぁっ……」
長い髪を振り乱して悶える芽渡さんの耳を、片山は甘噛みする。
「んぁっ…んふぅ……ぁっ…あっ…ぁ…ひゃ…んぅ……」
さらに空いている手を彼女の腰に回し、自分の身体に密着させて動けなくした。
「どうして逃げる?」
「はぁ…んっ……怖い……んくっ…ぁぁ……」
「怖い? 気持ちよくないのか?」
「気持ち…はぁっ…いい…ぅんぁ……から……怖い……ぁっ…ん…」
「ほぉう…」
面白そうに頷くと、片山はしどしどに濡れぼそった芽渡さんの秘所から手を抜いた。
「ぁ……」
芽渡さんは解放された安堵よりも、愛撫に対する未練のほうが多いようだった。
「俺が怖いのか?」
芽渡さんはふるふると顔を振ると、か細い声で喘ぎながら答えた。
「エッチで気持ちよくなることが怖い……」
「どうして?」
「……亘理くんにされたときは痛いだけで、苦しいだけで、そういうものが気持ちいいなんて怖い」
慎矢にされたことを思い出したか、芽渡さんは顔を青ざめさせた。
「安心していい。気持ちいいのが普通だ。俺は君を傷つけたりはしない」
片山はポケットから何かを取り出すと、口に噛み飲んだ。
「いいかい、芽渡澪。君はもうセックスの時に彼の事を思い出さない。思い出すことはないんだ」
言い聞かすように芽渡さんに繰り返し言うと、片山は彼女の唇を奪った。
そして勃起したモノを取り出すと、彼女の秘所に狙いを定めた。
「澪、男性器は怖くなんかない。むしろコレを入れられると君は幸福を感じるんだ。わかったかい?」
「思い…出さない……おちんちんは……幸福……」
うなされるように芽渡さんは片山の言葉を繰り返す。
「さあ、幸せにしてあげるよ」
「はぁんっ!」
芽渡さんの身体が大きく上下し、黄色い嬌声が天井を付く。
「あっ…あっ…あっ…はぁぁぁ……ああぁぁぁ……」
断続的に声を上げる芽渡さんの頬を涙が伝う。
しかしそれは歓喜の涙だと、彼女の悦予を抱いた顔が教えていた。
「気持ちいいっ…はぁっ…あっ…気持ち……ああぁ…いい……私ぃ…んぁあ……幸せぇぇ!!」
片山の突き上げのみならず自らも腰を振る芽渡さんは、普段の淑やかさなどどこかに置き捨てたように、男を貪っている。
「すごいぃ……うううっ…はぁ……素敵ぃ…あっ…あぁんっ……あひぃっ…」
反面、男はとても冷静だ。
「はぁあっ…いいっ……男の人のぉ……ひっぅ…おちんちん!……あぁ……大好きぃ……」
優しい笑みと、甘い言葉を時々彼女に向けるが、その目は彼女を見ていなかった。
「…っ……ふっ……あ、あ…ぁん…はっ…はぁっ……ん…ひぅ……」
女の匂いを撒き散らしながら、往復運動をする芽渡さんにはもう俺達は映ってないのだろう。
「はぁあっ…ふぁ……なっ……ふぅ…ぁんっ…ぁ、っ、ぁ…ひぁあ……」
いや、あの男の姿さえ眼中にないのではないか。
「う…ん……ぁあっ…はぁ……ぁあぁ……んくっぅ…はあ、はぁ……」
しかし行為に没頭し、淫らに舞い続ける彼女を生み出したのは間違いなく、俺達を冷たく見下ろすこの男だ。
「ふ…」
「ああぁんっ!」
片手で無造作に芽渡さんの乳房を揉み砕きながら、男は鼻で笑った。
ギリ…と慎矢が歯を擦る。
自分と同類と言った慎矢に対し「お前なんかとは格が違うのだ」と様々見せつけているのだ。
「そらっ! お前の一番奥に俺の子種を植え付けてやる!」
一際大きな肉のぶつかり合う音が空間を支配する。
「はぁあぁぁっ!…ふあぁっ!…ひっ……ぁぁあんぁぁっ!!」
「受け入れろ、噛みしめろ、虜になれ、快楽の!」
それまでの優しげな口調から一点して、男は彼女の支配者として命じた。
「ぁあぁぁ゛おぉあ゛あぁぁぁぁ゛ぁぁっっーー!!」
獣のような絶頂の悲鳴を上げた芽渡さんは、身体を弓なりにして虚脱した。
「…ぁ゛……ぁぁ……ぁ゛ぁ………」
ビクビクと震える四肢と、虚ろな瞳はここではないどこかへ彼女の精神を誘ったようだった。
彼女が余韻に浸っている間も、結合部からは白濁が間断なく流れ落ちていた。
「さて…と……」
一旦射精後の気怠さに身を任せていた片山だが、熱に浮かされ続ける芽渡とは異なり、性交など日常であるかのように平然と振る舞う。
「亘理さんの弟だから仲良くしたかったのに、残念だよ……って、下半身丸出しでカッコつけても締まらないな」
ポリポリ頭を掻くと、ティッシュを見つけて後始末をし始めた。
「凜か沙織も呼んでおけばよかった。いつも舐めさせて綺麗にしているからなぁ……」
愚痴を溢しながら、まだ微睡む芽渡さんに付着した精液も拭ってやる片山。
……さっきの魔王みたいな威圧感はドコへ?
「あ、そうそう。君たちね、ここで見たこと聞いたことは他言無用。書くのも禁止」
片山は俺達に命令すると携帯を取り出した。
「おう、俺だ。……いや詐欺じゃないって。ってか名前でるだろーが。……そうだ。俺ん家の鍵渡してたろ?
……いや、他の奴には渡してないけど? ……おい、聞いているか? 兎に角、俺の家にいって飯作ってろ。俺とお前ともう一人
……誰が増えようとお前の知ったことじゃないだろうが! 俺はお前の何だと思ってるんだ!?
……分かればいい。……は? お前料理できないの? そんなんじゃ嫁の貰い手が無いぞ
ま、どうせお前は俺のモノだから関係ないけどな。んじゃお前はいいや。……は? いや何しに来るんだよ?」
暫く、会話をすると、ドッと疲れたように片山は電話を切った。
「あーそうそう、もう一つな。亘理慎矢よ、お前には罰を与えておく」
「んだと?」
「お前は女の裸を見ると呼吸が出来なくなる」
「はっ! 何トチ狂った事言っ……」
片山は人形のように気の抜けた芽渡さんを抱えて慎矢の前に置く。
「……カッ……ハッ……」
途端、慎矢は喉元を押さえ、額に脂汗を浮かべた。
プレハブが揺れるような大きな音と建てて、床を転げ回り、芽渡さんから離れて床に蹲った慎矢はゼーゼーと荒く酸素を取り込んだ。
「後で力を借りるかもしれないからよろしくな、慎矢君。お姉さんに俺の悪口言うなよ?」
芽渡さんの羽織るコートのボタンを留めて彼女の素肌を隠すと、そのままお姫様のように彼女を抱えた。
「待てよ!」
「あ?」
「凜は……お前の事好きなんだな?」
「見て分からなかったのか?」
……やっぱり気付いていたのか。
「じゃあ、アンタはどうなんだ」
芽渡さんとは違って、凜を見るコイツにはちゃんと愛情があったように思う。……思いたい。
「凜は幸せになれるのか?」
「幸せに絶対の保証なんてないさ……んっ!?」
片山は何かの衝動を受けて肩を振るわせた。
「アンタ……」
口元から血が流れていた。
「昨日、一匹だけ生き残っていたモルモットも倒れたからな……ふん、運命の女神だって俺は組み伏せてみせるさ。
重ねて命令しておくが、今日のことは他言無用だ。わかったな、相葉崇哉くん?」
片山は血を拭うと赤く濡れた歯を見せて笑った。
「俺はずっと凜のことを守ってやりたかった……」
「それは俺が請け負ってやってもいい」
「本当だな」
「約束しよう」
約束……か……
「なんなら、君の初恋という感情を消してやってもいいぞ?」
「冗談じゃない」
――数ヶ月後
凜は舞戸学園に入学した。
俺は推薦の話を蹴って、別の今都巻学院に進んだ。
サッカーは続けている。次の試合では背番号を貰えそうだ。
……補欠だけど。
「タカくーん」
俺を呼ぶ声に振り向く。
「先輩、タカくんは止めて欲しいです」
「じゃあタカちゃん?」
「……ランクダウンしてないですか、それ」
っていうかタカちゃんは個人的にダメージ大きいからホントにやめて欲しい。
「俺ら、恋人同士じゃないですか」
「先輩って呼ばなくなったら考えてあげる」
「……努力します」
先輩と並んで歩く。
最近は凜や慎矢に会うことが少なくなった。それはちょっとだけ寂しい。
芽渡の噂をこの前聞いた。凜と同じ舞戸学園で、男漁りが非道い女って話だ。
「………」
凜にはそういう噂はない。
なら、俺はそれでいい。
何かを諦めて、何かを失っていくのも大人になるって事なんだろうか。
「何考えてるの?」
「え? いや……次の試合に出れたら先輩からご褒美が欲しいなーなんて」
「シュート決めたら、ね」
「ハードル高いなぁ……」
それでも得るものだってあって、そうやって人間ってやつはバランスを取っていくんだろう。
まだ丈の合わない制服を捲って、俺達は校門へ歩き出した。
<幕>
名前で某テ〇カマンブレ〇ドを思い出したw
電話越しの沙織の反応を想像してにやにやするのが一番楽しかったのはたぶん俺だけ
じゃあ片山の声は若本かwラスボス的な意味で
GJ
GJ
ストーリー性のあるエロっていいよな
次回も楽しみにしてる
GJ
オモシロエロイハナシダナー
もうすぐクリスマスだー
どんどん操っちゃうぞーぐへへ
クリスマスプレゼントは自分の身体、って催眠をかけるんですね。
朝よく単語帳やプリント持った女の子達と遭遇するんだが、学生諸君は期末テストか…
あれ、こっそり入れ替えてみたいよな。
単語帳→卑猥単語帳に…
本人は試験範囲声に出して覚えているつもりだが、俺の耳には小さな声で
「エレクト、勃起する。セックス、性交する。」と聞こえてくる。
他の奴には聞かせたくないので聞こえない様にする。
終わった後にはかわいそうなので頭に英単語+卑猥単語を刷り込んであげる。
これで彼女も変態優等生。
素晴らしい、感動した
もうすぐクリスマスか。
「家が神社なクラスメイトの撫子に催眠をかけて無理矢理クリスマスを味合わせてやる……フフフ……」
我ながらなんと恐ろしい発想!
「それ、喜ぶわよ彼女……」
沙織はツッコミを入れた。心に100のダメージ。
「お前は外で鈴の音を聞く度にイク」
俺は催眠をかけて反撃した。
「ちょっと! 完全な八つ当たりじゃない!」
これからクリスマスシーズンで街には鈴の音が溢れるからなぁ、ハッハッッハ
町中にこの催眠をかけてジングルガール♪ジングルガール♪メスが啼くーなクリスマスにしてやるぜ!
「もういい。なら外に出なければいいんだもの」
む、意外な対処法。
だが折角のクリスマスを独り家で寂しく過ごさせるのは充分お仕置きだぞ! 沙織!
「この際だから大掃除でもしようかしら。彩の部屋の押し入れゴチャゴチャだったし」
お前達呼び込むのにスペースないのもアレだと思って色々押し込んだままだからな。
花の研究や薬つくる道具も置いているし。
「でも明日からにしよう。時間はあるんだし。お風呂沸かしてくるね」
「ついでに洗濯機のスイッチも押しておいてくれ」
「うん。オーブン見ててね」
オーブンの中には沙織が俺に教えてもらいながら作ったターキーがこんがり焼き色に仕上がっていた。
「って俺の家に居座る気かー!!」
チーン
あ、ターキーできた。
『あんばらんす!』(タイトルコール的な)
容量の関係上次スレを立てたほうがいいと思うの
おk ちょっくら挑戦してくる
>>634 GJ!
そしてさりげなく
>>631でアンバランスの続きが投下されてる事に感動した…沙織かわいいよ沙織
はいはい、埋め埋め。
全く、なんで埋めるからってこんなに女の子用意しなきゃならないのよ。
わかってるわよ!
女の子にチンコ入れないと埋めらんないんでしょ!
何回も言わないでよ!
わかってるからあんたなんかの為に募集かけて8人も用意したんだから!
面接もしてご希望通り美女・美少女の処女を揃えたんだからちょっとは感謝してよね、もう!
先生女医秘書モデル軍人お嬢様剣道娘清楚苛めっ娘。
ほら、これだけいれば充分でしょ。
一人足りない?
……あんたもしかして私を数に入れてないんじゃないでしょうね……!
デブでブサイクで夏場でも一週間はお風呂に入らないキモイあんたなんかの隣に住んでる
幼馴染のあたしが数に入らないわけないでしょうが!
36人に告白されてるんだから充分美少女の条件を満たしてるはずよ!
……ん、まぁわかればいいけど……。
心配しなくても面接に落ちた354人はちゃんとキープしてるわよ。
埋め終わってからチンコ突っ込んであげればいいんじゃない?
ほらもう時間も無いんだしさっさと埋める!
って、あーあー。
前戯もしないでいきなりそんな奥まで突っ込んじゃって。
いくら苛められてたっていってもそんな無茶すれば壊れちゃうよ。
どういうわけか最近毎日のようにあんたの家の前ですごい人数の女の子達が列を作って
セックス待ちです。
とか言ってたけどこのがっつき具合を見るとやっぱりあれは何かの間違いね。
こんな気持ち悪いのが童貞じゃないわけ無いもの。
ほら何してるの、中出ししたら早く次の穴に埋めなさいよ!
ぶへぶへ言いながら顔中舐めまわすのやめ!
全く、これだから童貞は駄目だわ。
残りの7人で襲いかかってあげてー。
テンポよく埋めていってねー。
全員終わったら最後に私が埋めるから。
じゃあ後はよろしく。
>>631 >ジングルガール♪ジングルガール♪メスが啼くー
天才すぎ吹いた
>>636 >セックス待ち
なんと夢のあるワード…
>>556 > 夜空に赤い星が輝いている。曇の多い空でも見えるそれはアークトゥルスだろうか。
> 星の輝きはすなわち命の輝きなのだ。星は年を取ると膨張し、その輝きを増す。
> だがそれは星の寿命が近づいている証拠だ。
> そして星は最後に瞬いて爆ぜる。
> 人は人生をよく星に例えるが、歳が長けて輝きを増す人はどれだけいるだろうか。
> その死が鮮やかに周りを照らす人がどれだけいるだろうか。
> 夜の公園で埒もない事を考え吐いた溜息は、白かった。
> 「ご主人様を待たせるなよ」
> ようやくやってきた奴隷を俺は咎めた。
> 「せめて髪ぐらい梳かす時間を頂戴よ」
> 電話で「公園に来い」という命令を俺に受けた沙織は、いや沙織の身体は忠実に俺に従うのだ。
> 「別に俺はお前がどんな格好だろうと気にしないぜ」
> 「……ワタシガキニスルノヨ……」
> 何か沙織が呟いたようだったが、俺は気にせず命令した。
> 「早速だが、脱げ。全裸だ、全裸」
> 「………」
> クリーム色のパジャマを脱ぎ始める沙織。
> 眉を顰めて拒絶した所で、俺の命令は絶対なのだ。
> 「ってブラしてないのかよ」
> 「もう寝るつもりだったんだから!」
> 薄地の生地から零れた乳房
「了解…追跡します…。無駄な…抵抗は…やめ…なさい。」
うつろな目をして女性警官が追ってくる。無線機からは声はおろか、ノイズすら聞こえない。
どうしてこうなったのか…そう、試みが失敗したのである。
不思議な骨董品屋の爺ちゃんに貰った教本通りに作曲、作詞(動作暗示)したものを、村の共同放送に混ぜて流したのである。
爺さん婆さんに好かれても気持ち悪いのでモスキート音領域に本命を混ぜておいた。
すると村民は異常を知覚できなくなった。…たとえ路上で堂々と性交していようとも。
幼なじみやお向かいのお姉さん達を初めとした女の子と屋外公開プレイを楽しんだ。
第一段の成功に調子に乗った俺はこう放送で流した。
「●●とセックスしたくなってたまらない。」
その放送を終え、村役場から帰ろうとした時、女性警官に捕まった。
彼女は抱きつくやいなや早速ズボンを脱がそうとしてくる。
騒ぎを聞きつけた他の女性も集まってきた。いくら好色といえ20人の相手は死ぬ。
しかも男性陣は無関心だ。訂正放送掛けるにもマイクまで戻らねばならないので捕まってしまう。
こうして二日間の逃避行?が始まった。全村民コントロール実験には細心の注意と覚悟が必要だ