【トリスタ】マイナーネトゲのエロパロ総合5【ECO】

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1名無しさん@ピンキー
エロ妄想をかきたてられるネトゲはFF・RO・リネだけじゃない!
でも単発スレを立てるほどの勢いは……。
そんなネトゲ群についてエロ妄想したり投下したりするスレです。

過去スレ
【トリスタ】マイナーネトゲのエロパロ総合4【銀雨】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1198945973/
【ECO】マイナーネトゲのエロパロ総合3【トリスタ】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1172233840/
【トリスタ】マイナーネトゲのエロパロ総合2【ECO】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1147270823/
【ECO】マイナーネトゲのエロパロ総合【MoE】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1126521663/
2名無しさん@ピンキー:2009/08/07(金) 00:03:51 ID:JWU/2Sle
銀雨は独立したみたいなのでタイトルから除外して、落ちてたので立てました
3名無しさん@ピンキー:2009/08/07(金) 20:41:04 ID:JWU/2Sle
張り忘れた

管理人がIDとパスわすれた旧保管庫
http://poke-dict.hp.infoseek.co.jp/
4名無しさん@ピンキー:2009/08/08(土) 01:35:37 ID:aO19cZzK
いつの間にか新スレたってたのかって言っても1ヶ月ぶりぐらいだっけ?w
とりあえず1乙


とりあえず、強制パスワード変更でTSおわた
5名無しさん@ピンキー:2009/08/08(土) 01:46:09 ID:aO19cZzK
俺のTSおわった記念&新スレ記念でついでに上げ
6名無しさん@ピンキー:2009/08/09(日) 15:54:01 ID:0Ex5vy79
新スレ過疎ってるなおいw
7名無しさん@ピンキー:2009/08/10(月) 02:24:19 ID:FV/MOAXp
>>1乙!
というわけで、過去スレまとめてどうぞ。パスは目欄。
ttp://kissho.xii.jp/1/src/1jyou87283.zip.html
8名無しさん@ピンキー:2009/08/10(月) 04:26:59 ID:yELUzUXJ
一乙

カランとスカルが両方イケメンだったわけだが
これはラビダ・カラン・スカルの3Pフラグか?
9名無しさん@ピンキー:2009/08/13(木) 03:08:30 ID:OlHOTknV
キャラペットのクエストで
ロズマリにいじめられるタヌヌが見えた
10名無しさん@ピンキー:2009/08/13(木) 03:17:22 ID:5hWDjKUh
ぬめスレからきますた
11名無しさん@ピンキー:2009/08/14(金) 18:25:48 ID:D70IuKVq
ECO本スレからきますた
12 ◆/VkDraKo.s :2009/08/16(日) 05:21:30 ID:C+R0vFpM
>>1乙&復活おめ。そしてトリスタもの投下。今回投下分ではエロなし。
というか、あと二回投下できる程度まで書いてあるけど、そこまででもエロなし。
むしろ今回分だけだと、トリスタ要素すら皆無かもしれない。
13悶絶!ソフトクリームの淫獄! ◆/VkDraKo.s :2009/08/16(日) 05:23:49 ID:C+R0vFpM
ご主人さまが服を脱ぐ時、居合わせる私はいつも、少しだけまごついてしまう。

理由の三分の一くらいはご主人さまにあって、その下着姿は、同性の私にも少しだけ、刺激が強い。
背が高く、すらりと伸びた手足。胸の小さいことを気にしているけれど、それは私だって同じこと。
ひょっとすると、ご主人さまがいまだに私を主力のペットに選んでいるのは、そのことと無関係じゃないのかもしれない。

それはさておき。私をまごつかせる本当の理由は、ご主人さまの着ている、魔道士の衣装にある。
ハルコン効果を応用した、幻惑の衣装。
他者の認知に干渉して、どう見ても女性であるご主人さまを、男性として錯覚させる。

細い指、細い首、細い腰、そして少しだけ膨らんだ胸、
そういったことが見えなくなるわけじゃないけれど、
なぜだか不思議と、女の子らしさとしては認識されなくなってしまう。
そして、言葉遣いだとか身長だとか、どうでもいいはずのささやかな男っぽさが、
疑いようもない男らしさとして強調されるのだ。

だからご主人さまが、マイキャンプでその服を脱ぎ捨てると、
それこそベールがはがれたように、秘密にされていた女性としての魅力が顕わになる。
毎日のように見ていることだけれど、やっぱり、不思議な感覚だった。
まるで魔法のようだし、実際に魔法なのだから。

部屋着に替えたご主人さまは、仕上げに、束ねた髪をほどいて、一息ついた。

「今日も熊牧場は大繁盛、だったな」

そう言いながら、椅子を引いて腰掛ける。テーブルの上で湯気を立てるカップをつまんで、ゆっくりと一口、すする。

「うん、美味しい。いつもながら、プチメイドの紅茶は最高だよ」

笑顔でそう言ってくれるご主人さまに、私も笑顔を返す。
まごついていたって、ご主人さまの好みに合わせたティーを用意することは、十分に出来る。
それが私の日課なのだから。

「ところでご主人さま、なんだかお手紙がたくさん届いてますけど」

私はそう言って、テーブルの上に紙束を乗せる。
ご主人さまは、わざとらしい渋面を作って、紅茶をもう一口、すすった。

「やれやれ。季節の変わり目だからな、どうせ全部、下らないダイレクトメールだろう」

そう言いながらも、手紙の山に手を伸ばす。
私の手渡したペーパーナイフを使って、封筒を一つずつ、律儀にきれいに開いていく。

「これはギルドの勧誘。こっちはオークションのお知らせ。
 お買い得価格の神合成装備はいかがでしょう――どこから1Gも出せって言うんだ?
 これは……寄付金のお願い? 『テレビ局開設に向けてご協力を賜りたく存じます。ウォティ姉妹』だと。
 お世話になっちゃいるが、さすがにアテのない計画には投資できないな。
 お、珍しい。ビーンからの手紙か――水泳大会開催のお知らせ?
 馬鹿馬鹿しい。何が悲しくて陸棲動物が泳ぎの速さを競わなけりゃならんのだ」

下らないとか、馬鹿馬鹿しいとか言いながらも、全部のお手紙を丁寧に読んでいく。
いかにもご主人さまらしいことだけれど、私は、せっかくの紅茶が冷めてしまわないかとやきもきしていた。

ともあれ、積もっていた手紙も、やがて最後の一通になった。
ひときわ豪華な封筒の差出人を見て、ご主人さまは、流れるように動かしていた手を止めた。
演技っぽいしかめっ面が、本気のしかめっ面に変わる。
14悶絶!ソフトクリームの淫獄! ◆/VkDraKo.s :2009/08/16(日) 05:24:40 ID:C+R0vFpM
「……またか」

「なんです、それ?」

思わず問いかけた私に、ご主人さまは何とも言えない顔を向けた。

「魔道士学派からだよ。いちおう、オレも学派員だからな」

「じゃあ、大事なお便りなんじゃないですか?」

「馬鹿を言うな。あのルイを師範として送り出してくるような団体だぞ?
 まともな集まりじゃないのは分かりきっているだろう。
 まったく、何の因果で、オレまでその変態集団の仲間入りを果たしてしまったんだろうな……

 というか、昔は魔女っ娘とかにも憧れてはいたんだが。
 魔法のステッキで変身したり、高速でウィンクしたり、
 黒猫と会話したり、バットで愛を示したり肉体言語で語ったり。

 それが現実はどうだ、晴れて魔道士の称号を手にしたというのに、変わったことといえば、
 こうして事あるごとに送られてくる寄付金せびりの手紙に悩まされるだけなんだ。
 しかも、それに順応しつつある自分がここに居る。嫌だな、大人になるって怖いな」

よく分からないことを呟きながら、心の底から嫌そうに、封を切る。
ペーパーナイフはテーブルに置いたまま、ぞんざいに手でちぎって開けてしまった。

便箋を片手の指で摘み上げる仕草は、まるで、毒を染み込ませてあるかのよう。
本当にそんな警戒が必要なのかもしれない。何といっても、魔法使いの人達から送られてきたのだから。

文面を一瞥したご主人さまは、反対側の手で頭を抱えた。

「……しかも、これは極め付きだ」

「なんです、それ?」

思わず、さっきと同じ言葉を口にしてしまう。
ご主人さまは、不機嫌そうな視線といっしょに、便箋をこちらへ向けた。

「『寄付金のお願い――人類史上最高にエキサイティングなスポーツ、カーリングを全世界に広めよう!』
 …………?」

頭の中いっぱいの「?」を顔に浮かべる。そんな私の見ている前で、
ご主人さまは深いため息を一つついて、便箋をくしゃくしゃに丸めてしまった。
15悶絶!ソフトクリームの淫獄! ◆/VkDraKo.s :2009/08/16(日) 05:26:50 ID:C+R0vFpM
「説明するのも馬鹿らしいことなんだが……

 魔道士学派に限らず、魔法使いたちの派閥というものは、色々な方面へ影響力を持っている。
 その半面、スポンサーたちの意向を反映せざるをえないところもある。
 ま、ハッキリと言ってしまえば、一種の癒着だな。

 そして、全ての魔法使いたちの派閥に絶大な影響力を持つ業界が一つある。ホウキ製造業だ」

私は、はあ、と言った。考えの及ぶ限り、それが一番、適切な相槌だったのだ。

「他にも蹄鉄製造業だとか鍋製造業だとか、主要なスポンサーは幾つかある。
 だが、ホウキ製造業から受ける財政的な援助は図抜けて大きい。
 ホウキ業界の方でも、魔法使いたちからの需要をアテにしているからだ。
 蹄鉄や鍋が他のテクノロジーに取って代わられることは無いが、
 ホウキには掃除機という巨大なライバルがいるからな。

 魔法とホウキは切っても切れない関係にある。いや、そうとも言ってられないのが現状でもある。
 大先輩の魔法使いの中には、ホウキから掃除機に鞍替えして――
 いや、鞍は付けてないと思うが――ノッテケノッテケとか歌ってた御方もいるそうだ。

 そんな流れが主流とならないよう、多額の助成金を支払ってでも
 魔法使いたちをつなぎとめておきたいというわけだな。

 そして、ホウキ業界がもっとも関心を持つスポーツというのが、
 普通の人間向けのスポーツの中で唯一、ホウキを使うスポーツ、カーリングなんだ」

ご主人さまはまた、ため息をついた。
その息で、ずいぶんと薄くなってしまった紅茶の湯気が、少し、ゆらいだ。

「しかもこの癒着は、歴史的にも伝統がある。伝統があれば、そこに思想が形成される。
 単に財政援助を受けているからという理由だけではなく、
 各派閥の長老クラスともなれば、ホウキ業界に、ひいてはカーリングというスポーツに、
 個人的な信条として本気で肩入れしている者も少なくない。

 中でも最大派閥の我らが魔道士学派は、歴史が長い分、ホウキ製造業との関係も深い……
 自分で言ってて情けなくなってきた。ともかく、うちの学派員の中には、
 カーリングがマイナーなのは世界的な陰謀のせいだと本気で吹聴する者もあるくらいなんだ。
 その熱の入れようといったらない。当のホウキ業界やカーリング連盟からも煙たがられてるくらいだ。
 そもそも、最近のカーリングはホウキからブラシへ移行してるが、
 狂信的なカーリングマニアの魔法使いにとっては、それすら忌むべき退廃、悪しき思惑によるものなんだとさ。

 オレの師匠がそういう考えと程遠いことは唯一の救いだが、そのルイにしても、
 上位学派員の隠された義務として、カーリング隠匿陰謀論の本を売りつけるノルマを課せられてるそうだ。
 義理で何冊か買ってやったが、すごいぞ。実はヒトラーが生きていて、地下組織としてSSを再結成し、
 カーリング愛好家へ圧力をかけている、なんて内容の本もあった。
 独ソ戦の敗北から来る氷上競技への憎しみだとさ。
 なんだ、随分ぬるい紅茶だな。淹れなおしてくれ、プチメイド」
16悶絶!ソフトクリームの淫獄! ◆/VkDraKo.s :2009/08/16(日) 05:27:52 ID:C+R0vFpM
ここは文句の一つも言うべきかと悩んでいると、マイキャンプの扉がノックされた。

「あ、お客さまですよ、ご主人さま」

「うん、そうらしい。着替えてくる。適当に相手をしていてくれ」

えもん掛けから魔道士の衣装をつかみ、バスルームへ向かうご主人さま。
最近はこちらの方がお気に入りのようだけれど、呪術士の服と違って、部屋の中で寛ぐには向いていない。
だから、部屋着を別に用意して、お客さまのたびに、また正装へと着替えなおさないといけない。
(理由は未だに定かでないのだけれど、ご主人さまは、この島で、
 あくまでも男性として振舞わなければならないことになっている。
 どう見ても女性であるご主人さまが、この難題を押し通すには、
 ハルコン効果を応用した幻惑の衣装を着ることが不可欠なのだ)
そんな面倒な手間も含めて、ご主人さまは、今の服を気に入っているようだ。

バスルームの扉が閉まると同時に、もう一度、玄関がノックされる。
私は、脚の高い椅子から飛び降りて、
人間用としてはずいぶんと低い位置にあるドアノブを、背伸びしてつかみ、回した。

お客さまの姿を見た時、私は思わず、身震いをした。
その原因の一割ほどは、お客さまの容姿にあった。
透き通るような、そんな言葉のよく似合う、とてもきれいな女性だった。
ドレスみたいな厚着の召し物を別にしても、凛とした眼差し一つで、高貴な方だとうかがいしれる。

けれど、その眼差しにまっすぐ見つめられたことも、身震いの原因のまた別の一割でしかなかった。
私が震えた原因の八割方は、扉を開けると同時に吹きこんできた、冷たい空気の流れだった。

「こんにちは、お嬢さん」

歓待の言葉を口に出来ないでいる私に向かって、その女性は、穏やかな笑顔といっしょに、そう言った。

「こちら、魔道士のリュウさんのお宅とお見受けしましたけれど、お間違いは御座いませんこと?」

「え? あ、はい。お間違いはございませんことです。ええと……」

「あら。わたくしとしたことが、申し遅れました。わたくしは氷の国の王女、セフィリアと申します。
 突然にお訪ねしましたこと、お許し下さいましね。なにぶんにも火急の事態ですので」

私はまた身震いした。このセフィリアという姫さまの口調が、
どことなく、身近な末恐ろしい人を思い起こさせたからだった。

セフィリアさんの背後からは、相も変わらず、冷たい風が吹きこんでくる――
そう思ったのは間違いで、冷たい風は、実は、セフィリアさん自身から流れ出ているものだった。

私は小さなくしゃみをした。すると、私の後ろで、大きなくしゃみの音が聞こえた。

振りかえると、着替えを終えたご主人さまが、冷めきった紅茶のカップを持って震えていた。

「あのな、プチメイド。アイスティーを作るのに部屋ごと冷やす必要はないだろう」

(続)
17名無しさん@ピンキー:2009/08/16(日) 07:01:56 ID:pZ0PonYo
わっふるわっふる!
18名無しさん@ピンキー:2009/08/16(日) 12:36:14 ID:d+xpZdOZ
SS一番乗りGJ!
19名無しさん@ピンキー:2009/08/16(日) 22:12:58 ID:wNfiKHep
帰ってきた!帰ってきたぞ!
20名無しさん@ピンキー:2009/08/16(日) 22:54:55 ID:alh3KAvb
我々のドラ子さん
いやらしい…
21名無しさん@ピンキー:2009/08/21(金) 21:40:35 ID:Oj57wwpB
素晴らしい…
22 ◆/VkDraKo.s :2009/08/24(月) 21:56:33 ID:Wx5maAKo
ニコ動で見直したんだけど、魔女リカは「トンデケトンデケ」って歌ってた。
「ノッテケノッテケ」は元の歌の方だったね。

それはそうと。
ひょうたん島がカバリア島に衝突する話とか、書いてみたいなと思う。
意気揚々とみみとしっぽを付ける子どもたち。
ドン・ガバチョの弁舌に頭痛で頭が痛いジュさま。
ダンディさんとラヴハンターの間で揺れるサンデー先生。
いつの間にかカラン&スカルの配下に収まってるガラクータ一派。
海賊連合軍と両島民たちの激しいバトル!
死者の町・ウブス港とひょうたん島をつなぐものとは!?
ドラ子と、ふくろうに変えられたハカセのコンビは、真実に近づけるのか!!
……ダメだ。エロの入る余地がねえ。

という訳で第二節うp。
23悶絶!ソフトクリームの淫獄! ◆/VkDraKo.s :2009/08/24(月) 21:57:52 ID:Wx5maAKo
「こんなものは、いっそ無いほうが、快く話を聞けるんだがな」

私はそう言いながら、手渡された紹介状をテーブルの脇へ除けた。
もちろん、文面を内側にして折り畳んだ上でのことである。
ドン・ジュバンニと魔道士ルイ。この連名による署名は、目に入るだけで頭痛を催すに足る。

「そうなのですか? お二方とも、リュウさんのことを随分と良く仰っておられましたけれど」

「色々と複雑な事情があるんだ。そこに書いてあることは別にしても、な」

私の指差す紹介状を見てから、セフィリアは小首をかしげた。
むべなるかな。如何に世のことわりが複雑怪奇であるとは言え、
そこに書いてあること以上の複雑など、思い浮かべることも難しいだろう。

紹介状には、私へ宛てて、私の置かれている複雑な境遇をセフィリアにも説明してあることが記されていた。
つまり、どう見ても女性であり、現実に女性である私が、カバリア島では男性として生活しているという事情のことである。

会長職を空席のままとするメガロカンパニーが、
どういう意思決定過程を経て私の境遇に結論を下したのかは、全くもって分からない。
むしろ、分かりたくもないというのが実情だ。
突き詰めれば、これは機械としての政治が持つ複雑性の問題なのだろう。
そういうものには、この私自身が当事者どころか被害者であることを加味しても、あまり興味が持てない。

その一方で、本当に分かることのできない複雑さは、
メガロカンパニーの最高責任者であるドン・ジュバンニや、
直接の師匠であるルイに対して、私が抱いている感情の方にあるのであり、
そして、それとはちょうど逆向きの感情と、さらにその感情に対する私の感情の問題にあるのだ。

ある哲人は人間を、関係それ自身に関係する関係、として定式化したそうだ。
そういうものをこそ、私は分かりたいと思うのだが、それはつまり分かろうとする対象が、
分かろうとする主体である私自身であるとともに私自身を超えているということであって、
それを分かろうとする努力は自己参照および超越性という二重の壁に阻まれていることになる。

このような大問題を、いわんや、氷点下近くまで冷え込んだマイキャンプの中で
客人に説明するなど、それこそ無理難題と言うものだ。
白いため息を一つついて、無骨なサーモマグから紅茶をすする。
信条として断然、こんなものを食器として認めたくはないが、
セフィリアの発する冷気に満たされた部屋の中では、他に致し方もない。

とりあえず、この姫様の前で、男性として振舞いつづける必要のないことは、実際としてありがたかった。
性差認識撹乱作用を持つ私の衣装は、防寒具としてはあまり役立たない。
正装に着替えて客人を迎えたものの、寒さに耐えかねた私は、結局、許しを得て分厚いトレーナーに召し替えたのだった。

ドリル君の顔がでかでかとプリントされたトレーナーに、サーモマグ。
ついでに言うと、冗談みたいなみみとしっぽだ――もっとも、こちらは普段どおりの私の一部だが。

何とも緊張感にかける格好の私へ、実に対照的な眼差しを、セフィリアは向けてきた。

「どういったご事情があるかは知れませんが……そのお二方が直接のご協力を拒まれた以上、
 わたくしはリュウさんにご助力を頂く他はないのです」
24悶絶!ソフトクリームの淫獄! ◆/VkDraKo.s :2009/08/24(月) 21:58:49 ID:Wx5maAKo
「分かってる。複雑な事情とは言っても、行きつく先は決まってるんだ。
 つまり、あらゆる厄介事はオレが引き受けることになる。
 そういう星の巡りの下にオレはあるんだ。面倒な前置きは無用だ、さっさと話してくれ」

「要するに、大船に乗ったつもりで何でも任せてくれってことです。そうですよね、ご主人さま?」

プチメイドが口を挟む。
渋い顔を向けつつも、大筋で的を外してはいない発言に、私は頷いて見せた。
そんな私たちを二、三度見比べたセフィリアの顔からは、わずかながらも緊張の色が薄れたようであった。

「分かりました、ありがとうございます。では、手短にお話させていただきます。
わたくしどもの王宮から奪われた王家伝来の宝珠を、取り戻していただきたいのです」

思いもよらぬ言葉に、マグを運ぶ手が中空で止まる。

「氷の国の宝珠が盗まれた、だと?」

「はい。そのご様子ですと、どういったものであるか、ご存知なのですね?」

「ご存知も何も。氷の国の宝珠といえば、凶悪な力を持った神器の一つだろう。
 豊潤な大地に冬の支配を現出させて、マナ基盤を封殺する。
 古の時代には、同じく強力な神器である干渉機とともに用いられ、
 多くの魔法使いたちに絶対的な勝利と友情の終りをもたらしたとか、もたらさなかったとか」

「? なんだか、他の次元での評判が混ざっているようですけれど……
 強大な力を秘めた宝物であることに間違いはありません。
 そして何よりも、我が王家に伝わる由緒正しい品。
 長らく使われることもなかったとはいえ、みすみす盗人の手に渡らせてしまうなど、
 こうして口にするだけでも屈辱に耐えがたいことです」

私は軽い身震いに襲われて、暖かい紅茶を喉に落とした。
そう言ったセフィリアの眼光の鋭さのためでもあったが、
それとともに実際、部屋の温度がまた数度、下がったためでもあった。

「なるほど。そちらのお家事情は知らないが、人様の大事な宝物を盗むような輩が、
 危なっかしい代物を手にしているというのは一大事だ。犯人の目星はついているのか?」

「はい。目星も何も、署名入りの声明文が置れていましたので――どうされました?」

本格的な頭痛を感じて、私は頭を抱えたのだった。
その手のバカには心当たりがありすぎる。
何でもない、と手振りで示しながら、どこのバカだと訊く。

「ラベファナという名の魔女です――あの、本当に大丈夫ですか?」

天を仰ぎ、けっして聴こえよくない唸り声を、私は上げたのだった。
どんな名前が飛び出してこようと反応は似たようなものであっただろうが、
それは単純に、私の取れるリアクションにも身体的な限界があるというだけのことだ。

魔女ラベファナ。
サンタクロースになり損ね、自らをして世に迷惑を振りまく存在とした悪しき魔女。
評して呼ぶならば、バカの筆頭。
25悶絶!ソフトクリームの淫獄! ◆/VkDraKo.s :2009/08/24(月) 21:59:57 ID:Wx5maAKo
「……今度は何を企んでいるんだ、あのバカは」

「分かりません。『御宝確かに頂戴仕候』としか書いてありませんでしたので」

天井から視線を落とし、床に向かって全霊の嘆息をする。
その文言だけからでも、確かに分かることがある。
何を企んでいるにせよ、ラベファナは間違いなく、自分の企みにノリノリだ。

「何を企んでいるのか。考えてもみれば、そんなことは大した問題ではないな。
 あいつの企みは、決まって当人の思惑を飛び出して、どこか遠い場所で破裂するんだ」

ラベファナのささやかなイタズラとやらが、
結果として大規模なイベントにまで発展したことは、これまでに幾度もあった。
その度に冒険者たちはドリルを抱えてカバリア全島を走り回ることになったのであり、
今回はそれだけの厄介を私一人が背負う羽目になるわけだ。

身に余る、あまりにもあんまりな光栄に耐えかねて、私は頭を振りながら呻き声を発した。
知るかぎりの母音を全て発声したところで、ようやく、客人の前だということを思い出した。

「ん、いや、すまない。何にせよ、放っておくわけにはいかないことだ」

「はい。由々しき事態なのです」

「由々しき、ね。 おそらく、オレとあんたとでは、
 持ってる危機感の質が相当に違うんじゃないかと思うが……いや、何でもない。
 そう変な顔をしないでくれ。兎にも角にも、由々しき事態ではある。それは間違いない。
 誰かがどうにかしなければいけないことだ。気乗りは全くしないが、早速、出発しよう」

今一度ため息をついて立ち上がった私を、お待ち下さい、とセフィリアが引き留める。

「なんだ? 早速とは言ったが、流石にこの格好で行くわけじゃないぞ」

「それはもちろん分かりますが、いえ、それにも関わることなのですが、
 ルイ様から一つ、頼まれていることがあるのです」

露骨に嫌な顔をしてみせたが、いちいち反応していては話が進まないと学習したのだろう、
全く意に介さぬ様子で姫様は言葉を続けた。

「お話しましたとおり、王家伝来の宝珠は強大な魔力を持った宝物です。
 それを、仮にも魔女を名乗るものが手にしていることは、あまりにも危険です」

ふん、と相槌を打って、浮かせた腰を椅子へ戻す。確かにそのとおりだ、
刃物を持ったバカを相手取るのは、実際問題として相当に危険なことだ。
たちの悪いことに、あのバカは刃物の間違った使い方について天賦の才覚を有している。

私の相槌に重々しく頷き返して、セフィリアは、手持ちの鞄を開きながら言葉を続けた。

「ですから、宝珠に対抗しうる魔法仕掛けを、
 是非にもリュウさんへ貸し出すよう、ルイ様から頼まれたのです。
 流石は魔道士学派の上位学派員ですわね、
 氷の王宮に仕える魔法使いたちがようやく完成させたばかりのこの衣装の存在を、
 既にご存知だったのですから――あ、あの、大丈夫ですか?
 本当にどこか、お加減でも悪いのでは……?」

セフィリアがそれを広げて見せたとき、
人間の出してはいけないような音が自分の喉から響くのを、確かに私も聞いていた。
だが、それはこの状況において全く正常な反応なのであって、
どこかお加減悪いのは他でもない私の師匠の頭の中身であると、声を大にして言いたかった。

(続)
26名無しさん@ピンキー:2009/08/25(火) 01:17:32 ID:6bzVdP0U
27名無しさん@ピンキー:2009/08/25(火) 02:05:10 ID:dZhsGboZ
どらこさん来たこれで勝つる!
ニヤニヤ
28名無しさん@ピンキー:2009/08/29(土) 21:44:29 ID:QNphjo7i
保守
29名無しさん@ピンキー:2009/09/02(水) 11:48:56 ID:fvR9rYaL
保守
30悶絶!ソフトクリームの淫獄! ◆/VkDraKo.s :2009/09/04(金) 00:45:05 ID:Gu3KipY3
そりゃまあ確かに私は魔女だ。人から嫌われるのが生業だ。
私の住まいはクリスマスフィールドの秘密の場所に建っているが、
ここを訪ねる者はおよそ全てが敵愾心を胸のうちに燃やしている。

そういう訳で、扉に据え付けてあるノッカーがいささか存在意義を欠いているという事実は認めてもよい。
しかし、だからといってそれを木っ端微塵に吹き飛ばしてよいという道理はないと思うし、
あまつさえそれが扉ごと木っ端微塵に吹き飛ばされたとなれば、これはもう余程の非道であると思う。

扉であったはずの粉塵は恐ろしいまでの魔力に満ちた光の洪水にきらめいて、
いかにも情緒に欠けるダイヤモンドダストといった様相を呈していた。
そして目も眩むほど暴力的な輝きの奥から聞き慣れた声が聞こえてきた。

「ラベファナあぁッ! 言いたい事が山ほどある、逃げも隠れもするな!」

怒気に満ち満ちているにもかかわらず、その声は冷厳と悟性の筋が通り不思議と耳障りなものではない。
聞き間違えようもなく、数多の冒険者の一人にして比類なき男装の魔道士、リュウの声だ。

もちろん私には逃げも隠れもするつもりはない。
モンスターギルドの面々やスキルマスターたちが押し寄せてきたとなれば逃げの一手に出ただろう
――崇高な目的のためとはいえ氷の国の宝珠を盗むなどという大それたことをやった以上、
そのくらいの覚悟はしていた。けれども、優秀とはいえ一介の冒険者が、それも単身で、
恐るべき魔女であるこの私の居所に出入りを仕掛けてきて、大事を控えた一時の安らぎをブち壊し、
ついでに玄関を大破爆散させたとなれば、こちらにだって面と向かって言うべきことは五万とある。

そう、言うべきことはいくらでもあった。住まいの毀損に対する非難だけでなく、
我ながらにも大それた悪事の裏にある真っ当な目的を説いて聞かせるとか。
けれども、視界が徐々に回復してリュウの姿がハッキリと目に映るようになったとき、
私には言うべき言葉がたった一つしか許されてはいなかった。

「何なの、その格好は?」

言うべきたった一つの言葉をこそ私は口にしたに違いなかった。
だがそれはほとんど文字通りにリュウの逆鱗に触れる言葉であったらしい。
鋭い目にいつもは憂いの陰を忍ばせるリュウであったが、
この時ばかりは切り裂くような眼光をひたすらに爛々とさせ、
制御しきれない魔力の迸りが火花となり、
空気の電離する細かな破裂音とともに長い髪の毛を中空で踊り跳ねさせていた。

しかし――まあ、口に出せば怒りの炎に油をぶちまけることになるのだろうけれど、
そうした憤怒の形相が全く以ってこれっぽっちも似合わないような格好で、リュウは私の家の敷居をまたいできたのだった。

「『何なの、その格好は?』? 何なのその格好は、だと!」

何かよく分からないがともかくよほど腹に据えかねているらしく、
私の言葉を何度も繰り返しながら一歩、一歩と歩み寄ってくる。
その一足、一足によって住み慣れた我が家の床板が上げる軋みの音色すらもが、
純然とした怒りのためにあつらえた効果音のように響いている。
本来ならば、泣く子も黙るどころの話ではない、
大晦日の夜に恐怖新聞を開いて抱腹絶倒している地獄の鬼ですら泣き出しそうな光景だったのだが……

それまではどうにか堪えていたのだけれど、数歩の距離をおいてリュウが立ち止まり、
その格好のままで仁王立ちになったところでたまらずに吹き出してしまった。

「何がおかしいッ!」

「何がって、決まってるでしょう、その格好よ」
31悶絶!ソフトクリームの淫獄! ◆/VkDraKo.s :2009/09/04(金) 00:46:32 ID:Gu3KipY3
ドラゴンの翼と尾を模した、みみとしっぽ。それはいつも通りだから良しとして、
服の方はお人形さんにでも着せるのが本来であって万物の霊長が着て歩いて良いはずのない代物だった。
艶のある黒を基調として、白い大きなフリルをあしらった襟だとか、肩のゆったりした膨らみだとか、
二の腕の半分方を曝して肘から手首までを覆う分離袖だとか、
短いわりに大きく横へ波打ちながら広がるペチコート付のスカートだとか、
膝下から先を覆う真っ白な靴下だとか、それらには逐一「かわいらしい」という形容詞が付いて回る。
おまけに長い黒のリボンが首に、肩口に、靴下止めの代わりに巻き付き結ばれており、とどめには――
ここまでくればもう驚くこともないような気さえするが――背中の大きなリボンだ。

つぶさに観察をしてしまったおかげで馬鹿馬鹿しさが抑えようもなくなり腹を抱えながら大声で笑ってしまった。

「笑うな!」

「あはは、ははは、む、無茶言わないで、笑わずにはいられないわよ。
 本当に、あはは、な、なんて格好してるのよ、あはははは」

「黙れ、それもこれも全部お前のせいだ!
 お前が氷の国の宝珠を盗んだりするものだから、それに対抗するために、
 わたしは着たくもないこんな服を着せられて、ここへ来る羽目になったんだ!」

目線を外しながらどうにかこうにか笑いの発作を治めてリュウの言葉を反芻し、
それからあらためて視線を戻した。そこにある光景に大きな変化は無かったが、
先ほどよりは笑えない絵として私の目には映った。

「対抗? その服が、氷の宝珠に?」

そうとも、と応えるリュウの顔に笑みが浮かんだ。
怒りが退いたわけではないことは一目瞭然だった。

「そうともさ、いかにもそうだとも。そうでもなければこんな格好をわざわざお前に披露したりするものか!」

なかば叫ぶように言い放って右腕を大きく横へ振るう。
予兆といえばそのくらいのもので、防御の心積もりだけでも用意できた自分の反応が信じられないくらいだった。
顔をかばう両腕の隙間から強烈な光が目を射抜くと同時に、
ほとんど物性的な硬さを持った衝撃が襲い来たり、私は部屋の奥の壁まで吹き飛ばされた。

痛む目を幾度か瞬かせて頭を何度か振り、それからようやく部屋を見渡す余裕が出来た。
しかし肝心の部屋は存在していなかった。
壁に囲われたガラクタの溜まり場を部屋と呼ぶならば話は別だけれど。
ともかくもその空間の真ん中で、リュウは相変わらず恐ろしげな笑みを浮かべたまま
周囲の空気をイオン化させて直立していた。
可愛らしいゴスロリドレスに身を包んで。

数秒は呆気にとられ、続いてようやく恐怖の念が沸き起こった。
少しくみすぼらしいものの、ここは私の住まいであり魔女の館だ。
当然ながら結界も張りめぐらせてある。
リュウの放ったシャイニングバーストの一撃はそんなものをものともしなかった。
私の丹精込めて築いた結界を。

「ふふ、くふっ」

へたり込んだまま呆然と見つめる私の前でリュウの肩が痙攣を始めた。

「ふふふ、うふふふふっ、あははははは」

程なくして馬鹿みたいな高笑いが部屋だった場所に響きはじめた。
目の前に当人がいるにもかかわらず、それがリュウの声であるということを少しのあいだ理解できないでいた。
彼女に特徴的な冷徹な理知の響きは欠けらも聞き取れず、むしろ狂気と呼ぶべき色に染まっていた。
32悶絶!ソフトクリームの淫獄! ◆/VkDraKo.s :2009/09/04(金) 00:48:18 ID:Gu3KipY3
今度の私の反応は後で思い返しても背筋が凍えるほど遅まきに徹していた。
リュウが高笑いを続けて息を切らし息継ぎをして再び笑い出した頃になって、
ようやく私は床を這いずって地下室へ続く扉を開きその中へ文字通りに転げ込んだ。
安堵の息を吐いてから鍵を掛けていないことに思い至って、
二、三度つまづきながら短い階段を上り扉の封印を起動した。
その間もリュウの笑い声はずっと響き続けていた。

「あははははっ、あははははは! お似合いだな、ラベファナ!
 わたしの格好がどうかは知らないが、お前にはその場所が実にお似合いだぞ、あはははは。
 汚らしいドブネズミめ、まさに袋のネズミじゃないか、あははははは!」

それから猛攻撃が始まった。
シェルターも兼ねる私の地下室の扉が凄まじい魔力に軋みを上げ、
それだけでは足らず地下室全体も小刻みな振動に見舞われだした。

どうにかしてでも脇をすり抜けて広いところへ逃げるべきだったかと後悔の念に駆られたが、
今の彼女ならばどれだけ遠くからでも私を狙撃できただろうと思い直す――
ここへ逃げ込んだおかげで少なくとも思い直すだけの時間は稼げたわけだ。
打開策を見出す時間もそのための道具もこの実験室にはある、はず。

ともかく氷の宝珠を易々と奪われるわけにはいかない。
壁際のスチールラックに歩み寄り宝珠へ手を伸ばしたとき一際大きな振動が起こった。
床へ倒れた私の上に棚へ乗せていたものが雪崩れ落ちてきた。
頭を振りつつ悪態を吐きながら、手探りで宝珠を見つけ、懐へ仕舞う。

視界はまだ少しチカチカとしていたが、振り返ると扉がまだ十分に持ちこたえていることは確認できた。
いよいよ狂気じみてきた笑い声は依然として続いている――ふと思い至る、
外の声がシェルターの中にまで聞こえることなどありえないではないか。
攻勢に用いるべき魔力から幾ばくかを割いて自分の声を魔術的に発信することへ回しているのだろう。
そういったケレンは私の知る限り彼女らしからぬものだ。思えばそう、人をドブネズミ呼ばわりするようなことも。

あのゴスロリ風ドレスが宝珠へ対抗しうるものであることは間違いないだろう。
だが、もともとリュウは私と違い、そうした魔法仕掛けの道具の扱いに長けているわけではない。
強烈すぎる衣装を着せられて精神の平衡を失いかけていると考えるのが妥当だった。
強大な魔力を手にしながらそれを使いこなせていないのだ。

とすれば、宝珠がこちらの手の内にある以上、勝ち目は十分にある――
軽く舌打ちをしてその考えを捨てる。氷の宝珠もまた強烈な魔力を秘めた道具だ。
私にはその力を十二分に引き出すだけの技術がある。
しかし手加減を加えて出力を制御するだけの力量があるかと言えば、それはまた別の問題だ。
最終的に立っていられるのはどちらか一方だけなどという戦いは望むところではない。

そもそも私は、折さえ合えばリュウにも私の野望達成のために協力をしてもらおうと思っていたくらいだ。
彼女も魔法使いである以上、私の話を聞き入れてくれるはずだった。
まともな精神状態に無い今となっては、どれだけ説得しても無駄だろうが……
それでも本来の味方を徒《いたずら》に傷つけるような真似はしたくない。

何とかして、言葉による説得以外の方法で懐柔できればよいのだが――
そこまで考えて、私は思わず口元を歪めた。
何を悩んでいるのかしら、魔女ラベファナ、それはお前の専売特許みたいなものじゃないの。

薄暗い地下室の中、雑多な物どもが散らばる床を見渡して
白く輝く球体とハート型の薬ビンを手に取り奥にある冷凍庫へと向かう。
そして黒いドレスに身を包んだリュウの姿を脳裏に浮かべながら作業に取り掛かる。
そうしながらも私はニヤニヤとした笑いを抑えられなかったが、
その表情を誰かが見れば間違いなく胸のうちにある敵愾心をいや増していたことだろう。

(続)
33名無しさん@ピンキー:2009/09/04(金) 00:57:21 ID:2vsSZ2k8
34名無しさん@ピンキー:2009/09/04(金) 02:11:50 ID:TWeGp9ba
どらこさん来たこれでニヤニヤ
35名無しさん@ピンキー:2009/09/09(水) 21:11:34 ID:B9IHxMs0
ほっしゅ
36名無しさん@ピンキー:2009/09/09(水) 21:22:22 ID:paf0obRe
ここも一人の職人と信者たちによって占拠されてしまったか
トリスタスレ立てるべきかな
37名無しさん@ピンキー:2009/09/09(水) 22:39:59 ID:LcjZ+qZ/
占拠されたんじゃなくて他の職人がいないんだよ
トリスタで単独スレ立てたらこっちが落ちるだけだと思う
38名無しさん@ピンキー:2009/09/09(水) 23:52:28 ID:0WGIbbVs
パロ元のゲームプレイヤーもいないしな
雑談すらできない過疎っぷり
39名無しさん@ピンキー:2009/09/10(木) 07:25:55 ID:niKN6DQv
今そんなにヤバイのか
スレタイの両方やってただけに悲しい
40名無しさん@ピンキー:2009/09/10(木) 22:30:15 ID:eK1ZALwA
ドラ子さんの独特な文章も好きし、もちろん他の職人さんの降臨も心から待ち望んでるんだぜ!
個人的に以前投下されてた狸羊+狐の続きをずっと待ち望んでます
41名無しさん@ピンキー:2009/09/14(月) 16:21:08 ID:qoSXgO4R
保守
42名無しさん@ピンキー:2009/09/16(水) 03:21:01 ID:jDszsp/A
エロパロの方にTS職人がいないのは、前スレで龍の話を書く人を叩きまくってた一部がいたからだろ
ゲームの方は察しろ
43名無しさん@ピンキー:2009/09/18(金) 01:57:40 ID:nxkj1S81
あれだけ叩かるのも不思議だ
最初から読んでたが話もしっかりしててよかったのに
44名無しさん@ピンキー:2009/09/20(日) 02:31:45 ID:g/j2L6EC
>>43
世の中には空間中の素粒子一つ一つにイチャモンを付けるような毎日が
生涯と化した輩も割と沢山居てね。そういうものさ。
45名無しさん@ピンキー:2009/09/22(火) 20:22:39 ID:g6T3muJP
ほしゅ
46名無しさん@ピンキー:2009/09/24(木) 11:00:14 ID:eyMTo7XU
スレタイにECOってついてるけどエミルクロニクルの事でいいんだよね?
47名無しさん@ピンキー:2009/09/24(木) 11:48:49 ID:eVvoxdZ6
最近デカロンにはまりまくってるんだけど、過去にデカロンのssが書かれたことはあるの?
48名無しさん@ピンキー:2009/09/27(日) 02:13:53 ID:aVqx2efg
>>46
そうだよ
49名無しさん@ピンキー:2009/09/27(日) 12:05:36 ID:B1DjF/nM
>>47
気にせずに投下しちゃいなYO
50名無しさん@ピンキー:2009/10/04(日) 16:22:04 ID:cY15Ski2
51名無しさん@ピンキー:2009/10/08(木) 22:09:31 ID:pR8Bj4cg
しゅ
52名無しさん@ピンキー:2009/10/12(月) 03:28:24 ID:G7S7Mhkt
53名無しさん@ピンキー:2009/10/16(金) 00:27:18 ID:xciJ/Gyt
54名無しさん@ピンキー:2009/10/16(金) 01:59:41 ID:RTgL4tq+
55名無しさん@ピンキー:2009/10/16(金) 18:18:25 ID:02C2ISaK
56名無しさん@ピンキー:2009/10/18(日) 08:00:14 ID:9vq9NaAP
57名無しさん@ピンキー:2009/10/25(日) 03:47:45 ID:VRNtmNBW
58名無しさん@ピンキー:2009/10/29(木) 17:24:18 ID:CB5bg4oU
全鯖大規模規制わろた
保守
59名無しさん@ピンキー:2009/11/05(木) 00:19:43 ID:iKwIR8xO
60名無しさん@ピンキー:2009/11/05(木) 00:28:26 ID:kMZYAJSk
しゅ
61名無しさん@ピンキー:2009/11/13(金) 00:53:01 ID:qwLxwlKp
62名無しさん@ピンキー:2009/11/15(日) 12:06:00 ID:JQ19zKZ+
ここって保管庫はどうなってるの?
63名無しさん@ピンキー:2009/11/15(日) 15:15:42 ID:1Fs6eQxD
            _     _
       , -─ゝ `ヽr'´    `>
     ∠   -─- ミ   二 ´ ̄ >    どうなさいました………?
    , '   ニ-‐ r─ ミ  -‐    、\    ◆/VkDraKo.s様……
   / /    | r;ニV三、 ヽ ヽ.  l  \  さあ さあ お気を確かに……!
.   l /       :|     |    l  | ヾ`
  │    /    l |     :|. トi     |  姿を消すには及ばない……!
  │   / / ,1 L_    :!│l ト、ヾ |   住民の希望の半分は
.   ! !   / / レ'  `ヽ   ゝ!´ヽ! \ 、|    まだあなたにある……!
.   | |   ノヾ、二raニ   ('ra二フ"レ′
    |  _,、イ|            `ー-;  :|    まだまだ……
   |  ヾニ|:|           - /   |  投下の可能性は残されている…!
   | | |  |  ヽー----------‐ァ :|
    | |  |  |   ` ー-------‐´  ト    どうぞ……
.   | l/ヽ. ヽ     ー一    / |  姿を現してください……!
  _レ':::;;;;;;;;ト、 l.\           ,.イ , l     我々は……
 ̄:::::::::::;;;;;;;;;;| ヽ. l l ヽ、..__.// |ル^::ー-    その姿を心から
:::::::::::;;;;;;;;;;;;;;;;|.  \!         , ' :|;;;;;::::::::::     待ち望んでいるものです……!
::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|    \   /  :|;;;;;;;;;:::::::
64名無しさん@ピンキー:2009/11/15(日) 22:53:43 ID:zxRU4cpZ
新しくECO掲示板を作成しました。
ECOの話題や攻略など…。書き込んでね><
http://gamepaslog.com/wiki/FrontPage/
65名無しさん@ピンキー:2009/11/16(月) 00:30:13 ID:cxDGYiz+
3 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/08/07(金) 20:41:04 ID:JWU/2Sle
張り忘れた

管理人がIDとパスわすれた旧保管庫
http://poke-dict.hp.infoseek.co.jp/


管理人がIDとパス忘れてるから現時点で保管庫は放置されてる
66名無しさん@ピンキー:2009/11/17(火) 12:59:44 ID:ftAIiITO
アトランティカってここでやってもいい?
67名無しさん@ピンキー:2009/11/17(火) 15:44:46 ID:bTSwUOku
個別スレが立ってないネトゲ総合だから気にせずどんどん
68名無しさん@ピンキー:2009/11/18(水) 00:17:38 ID:wDvawPId
ウォーロック系職業の心得 14
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/game/23423/1229696782/662

662 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2009/11/18(水) 00:12:39 ID:TQGGtO6g
魔法型って持久力なさすぎて俺には無理だった
完全ソロじゃなくて憑依装備はアリ




あーこれに「お前が下手なだけだろwwwww」とか書き込みてえw
6969:2009/11/21(土) 10:34:33 ID:eJklCZZT
期待age
70名無しさん@ピンキー:2009/11/21(土) 12:39:34 ID:VO2vL7Z7
俺も期待
71名無しさん@ピンキー:2009/11/23(月) 00:33:11 ID:hNXSMw3q
投下します。

※注意※
・ゲーム「アトランティカ」のエロパロSSです。
・男主人公が弓士(♀)とセクロスする話です。
・エロ突入まで2レスと少々長くなっております。
・ラブラブセクロスが苦手な方はご注意下さい。
・ネタバレを含みます。ゲーム未プレイの方はご注意下さい。
・野外プレイ(青姦)に抵抗をお持ちの方は閲覧をお控え下さいますよう、お願いします。

では、参ります。
72名無しさん@ピンキー:2009/11/23(月) 00:34:07 ID:hNXSMw3q
 アトランティスの謎を追い始めてから、随分と経った。
 俺は八人の仲間を率いるリーダーとして、杖を背中に世界を歩き回っている。
 今日はブカレストからアテネへ向かう道のりで、野宿をすることにした。
 八人の仲間の中には、女性もいる。
 だから俺は、あまり彼女らに野宿をさせないよう時間を考えて、早めに行動していたのだが――。
「疲れたー」
 あろうことか、その早め行動の理由である女性の一人、魔女が真っ先に弱音を吐いた。
 もっとも、彼女が疲れたのもまた、その早め行動が原因だ。
 今日野宿しているのは、そういうわけなのである。
 近くに水辺がある場所を選んで、テントを張って、その中に布団を敷いて。
 俺や槍士、剣士が用意したものを、魔女は
「すごい! 素敵! ありがとう! お休み!」
 と、褒め殺してあっという間に寝ていってしまった。
 わがままなのに、男を立てるのはやたらめったら上手くて、そこが憎めない。
 俺達九人が仲良くやれているのは、こうした些細な気遣いが皆にあるからだな、と俺は思っていた。
 巫女と銃士も仲良く二人で水を浴びてから、
「お休みなさい」
 と、頭を下げてテントに入ってゆく。
 猛獣使いはテントに入らず、相棒の虎と共に寝るのだと言って、森の中へ入っていった。
 彼女は相棒を思って、ゆえに森の中へ入ってゆく。俺達はそれをきちんと理解していた。
 残るは俺と槍士、剣士、僧侶の爺ちゃん、そして弓士の五人だった。
 テントから離れたところで火を囲んで、それぞれ温かい飲み物を手にしている。
 ヨーロッパの風は、とても冷たかった。あのざらざらとしたアジアの生温い風が懐かしい。
「みんな、気候の違いは慣れたか?」
 俺が聞くと、槍士がああ、と低く答えた。
「だいぶな…」
「この間までアジアにいたのに、本当にあっという間ね」
 体育座りで綺麗な足を抱くようにしながら、弓士が艶っぽい声で言った。
「長き道のりでござったな」
「そうだなあ、始まりは日本だもんなあ」
 俺が相槌を打つと、剣士はしみじみと深く頷いた。
 パチパチ、と火の粉が弾ける音が聞こえてきている。
 俺は一気に、持っていたカップの中身を飲み干した。夜遅くに飲むポタージュは本当に美味い。
「ところで、ここからアテネまでの距離はいかほどでござろうか?」
「そう遠くない、明日には着くさ。朝早く起きれば昼には、そうじゃなければ遅くても夕方には」
73名無しさん@ピンキー:2009/11/23(月) 00:35:05 ID:hNXSMw3q
 みんなが起きる時間帯次第だな。
 こう付け加えたその時、槍士が「あ」と間抜けな声を出した。
「どうした?」
「爺さん、寝てるぞ」
「あら、本当?」
 僧侶を見ると、確かに槍士が言うように寝ている。さっきから会話に入ってこないと思った。
「魔女ちゃんも疲れてたんでしょうけど、お爺ちゃんも同じくらい疲れてたのね」
「そうだな。…ヒイロ、俺は爺さんを連れて、先に寝る。また明日な」
 槍士はそう言って、グイッとカップのココアを飲んだ。
 それから俺に「じゃあ」とばかりに手を挙げて、爺ちゃんを背中にしょって、行ってしまった。
「では拙者もお先に失礼いたそう。ヒイロ殿、弓士殿、貴殿らも早く休まれよ」
「そうね、そうするわ」
「あまり遅くまで情を交わすことのなきようにな」
「え、えっ!」
「あら…」
「では!」
 剣士はフッと唇を吊り上げ、背中を向けてテントへ向かいながらひらひらと手を振る。
 その背中を見送りながら、弓士は楽しそうにうふふっと笑った。
「あのお侍さん、私達のこと気付いてたのね。鈍感そうなのに、やるじゃない…」
 弓士は何やら嬉しそうだったが、俺は結構気まずかった。
 彼女と関係を持ち始めたのは、ほんの数カ月前だ。
 前々から弓士に好意を寄せていた俺が、こんな風にみんなが寝静まった夜の日に思いを告げたのである。
 弓士は喜んで、俺の思いを受け取ってくれた。
 それ以来、俺達は思いだけでなく、体を重ね合って愛を確かめ合うこともした。
 剣士は、それを知っている。
 剣士が知っているとなれば、他の奴らが知っている可能性もないわけではない。
 弓士との関係がバレることは嫌ではないが、当然のように恥ずかしかった。
「ねえ、ヒイロ…」
 カップを地面に置いて、俺の方へ体を寄せてくる。弓士の赤い唇が、俺を誘惑した。
「久々に、して?」
「い、今? ここで?」
「そう…今、ここでよ」
「でも剣士が、早く寝ろって…」
「んもう、彼は気を利かせて、ああいう風に言ってくれたんじゃない」
 わかってないんだから、と付け足して、弓士は俺にキスをした。
 果物を口に含むように、彼女はいとも簡単に俺にキスをする。
 逆に、俺が弓士にキスをする時はがたがたのぶるぶるなのに。何とも情けない話だ。
 俺は弓士の細い体を抱き寄せて、唇に応えようとゆっくり舌を割り入れた。
 「んふ…」
 弓士から甘ったるい声が漏れる。
74名無しさん@ピンキー:2009/11/23(月) 00:36:07 ID:hNXSMw3q
 互いの舌を深く絡ませ合って、俺は彼女の衣服を一枚一枚剥ぎ取った。
 「あなたも脱いで…?」
 唇を離した瞬間、裸体の弓士はそう言って、俺の服を脱がしにかかった。
 露わになった俺の胸板を、綺麗な手が幾度も幾度も撫でてくれる。
「可愛いわよ、ヒイロ」
 興奮してすっかり勃起していた俺の乳首をぴんっと指で弾いて、弓士は妖艶な笑みを浮かべた。
 それから彼女は、何にも包まれていない、豊かで白い乳房を俺に突き出してくる。
 俺はそっと優しく胸を掴んで、ゆっくりとゆっくりと回した。
「あ、ん……ヒイロ、あなたいつも優しいのね…好きよ…」
「あ、ありがと、弓士…俺も好きだよ、愛してる」
 乳房を回していた手の指を乳輪に這わせて、指の腹で乳首を囲むようになぞる。
 弓士は嬉しそうに「んあっ」と声をあげて、体を震わせた。
 一方の乳首を指で弄り、もう一方は口に含んで舌で嬲る。
 空いたもう一つの手で下半身の茂みを摩れば、弓士は切なげな声を漏らすのだった。
「あ、はぁっ……ヒイロぉっ……」
 その声だけで、俺のモノはもう半分ほど勃起していた。
 今すぐ射精したい気持ちを我慢して、弓士の陰核を包む皮をめくる。
 ピンク色のクリトリスが剥き出しになって、触って欲しいとばかりに震えていた。
 ちゅっ、と音を立てて、乳首から唇を離す。
 そうしてから俺は、自らの竿の先端を、ぐにゅぐにゅと弓士のクリトリスに押し付けた。
「う、あ! はぁ、はぁ、はぁ……」
「あぅん! あ、あんっ、気持ち良い…!」
 互いの最も感じるところを擦れ合わせるだけで、俺は達してしまいそうな程だ。
 ただ、その間も胸を鷲掴みにして、こねくり回すことを忘れなかった。
 それが弓士の絶頂を早めたようだ。
「あ、イくっ…あ、ふああっ!」
 ぶるんっ、と大きな乳房を揺らして、弓士は体をのけ反らせる。
 どうやらクリトリスで達したようだった。顔が上気していて、息も荒い。
 絶頂の余韻に震える弓士を強く抱きしめてから、俺は再び豊満な乳房にしゃぶりついた。
 乳輪も乳首も、乳房全体を余すことなく唾液でびちゃびちゃに汚して、濡らす。
「ん、うふふっ…次は、私がイかせてあげる…」
 そう言うと弓士は、唾液まみれになった乳房で、俺の一物を挟み込んだ。
「う、くぅ…!」
 挟んでから亀頭にツッと唾液を垂らして、乳房を自らの手で側面から激しく動かす。
75名無しさん@ピンキー:2009/11/23(月) 00:36:55 ID:hNXSMw3q
 男は絶対に手にすることの出来ないその柔らかな肉が、俺自身をすっぽり包んで刺激する。
「ん、はあ…!」
 弓士はその肉を上下に揺らして、弾力の強い膣代わりにした。
 揺らすことでどうしても乳房からはみ出る亀頭は、彼女の舌がれろれろと慰めてくれる。
 弓士の巨乳に圧迫されるだけで、俺のモノは赤黒く、完全に勃起してしまっていた。
 大きく勃ち上がって、ぴくぴくと脈打つ。
 先走りの透明な液体が、弓士の胸をさらに蕩けさせた。
「弓士ッ、あ、ううっ……出るッ…!」
「出して…いっぱい! 受け止めてあげる!」
「あ、はぁ、はぁ、あっ!」
「あんっ!」
 俺の竿から、大量の精液が飛び出る。
 それは弓士の顔を汚し、胸をも汚した。
「ヒイロ、素敵…」
 顔や胸に広がった白濁色を、彼女は腹やへそ、太腿に塗りたくって肌に馴染ませる。
 月の光に照らされて、全身がぬらぬらと輝いていた。
 紅潮した肌、勃起した乳首、快楽で溢れた涙に濡れた瞳――どこを見ても、弓士は綺麗だ。
 精液塗れになった乳房を自分で揉み回しながら、弓士はハァハァと喘ぐ。
「ねえ…もうここ、我慢出来ないわ…。お願い…」
 喘ぎながら足をM字に開けて、指で秘部をぱっくりと広げた。
 再び大きくなっていたクリトリスと、愛液で光る膣口が見える。
 弓士は自分の指で膣を掻き回し、その様を挑発的に俺に見せつけた。
 我慢出来ないのは、俺も同じだ。
 だがそれを堪えて、少し弓士をからかってみることにした。
「そのまま一人で弄って、イッてみせてくれよ」
「えっ…そ、そんな…ここまで来て…」
「たまには良いだろ? 弓士がいつもどうやってイくのか、じっくり見てたいんだ」
「ん、もう……私をイかせる時の参考として見てくれなきゃ、嫌よ?」
「わかってるよ」
 俺が言うや否や、弓士は両手を自分の性器に添えて自慰を始めた。
 左手の指の腹でクリトリスを撫で回し、右手の指を二本、膣に突っ込んで出し入れを繰り返す。
 くぷっくぷっ、という水音が、やけに耳で響いた。
「んっ、あ、あ…」
 自分のやり方は自分が一番心得ているというのは、俺も弓士も同じだ。恐らく万人共通だろう。
 気持ち良くて仕方ないらしく、腰をぐねぐねと動かして、自慰に耽っている。
 ん、ん、と声を漏らして、弓士は濡れた瞳で俺を見た。
 ――からかわれているのは、もしかすると俺なのか。
76名無しさん@ピンキー:2009/11/23(月) 00:37:49 ID:hNXSMw3q
 そう考えてしまうだけで、たちまち体中が熱を帯びて熱くなるのがわかる。
「ご、ごめん弓士…俺の方が先におかしくなりそう」
「ん、ふふっ! ヒイロったら…しょうがない子ね」
 弓士は自らを慰めるのを止めにして、俺の体を地面に押し倒した。
 唇や瞼や額にキスを落としながら、再度大きくなり始めた俺の竿に触れる。
「う、くあっ!」
 シュシュッと手でそれを擦りながら、俺の体に跨がって、弓士は自分から膣の中に俺を収めた。
「あ、あっ、うぁ…!」
 熱くて、柔らかい弓士の肉の感覚だ。
「ヒ、イロ、あんっ、あんっ、素敵っ、もっと、もっと喘いでみせて!」
 弓士は俺を膣に入れたまま、腰を前後に揺らす。
 肉壁に揺り動かされ、たっぷりの愛液に包まれる。
 膣の中でまた大きく固くなった俺は、女の甘い空間を余さず蹂躙しようと、下から突き上げた。
「ん、ん、んぅっ! あ、あぁんっ!」
 結合部から、じゅぼじゅぼと卑猥な音が聞こえてくる。
 弓士は乳房をぶるんぶるん揺らしながら、俺の突き上げに合わせて、腰を浮かせていた。
 カリを膣口に引っ掛けたり、一気に引き抜いて、また奥まで入れたりする。
 引き抜いてまた入れる際に、軽くクリトリスに亀頭を滑らせると、弓士は声を震わせて悶えた。
「ああっ! ん、あぅっ!」
 最初とは違う力任せなやり方で胸をがっしり掴む。
 それだけで弓士はだらしなく唾液を垂らし、自分でクリトリスを弄りながら
「イくッ! イっちゃうイっちゃうッ…イっちゃうッ!」
 と、呼吸を荒くした。
「イって良いよ……一緒に、イこう……」
「あふっ、ヒイロ、あ、あ、やぁぁぁぁぁっ!」
 弓士が膣を収縮させたのと、俺が精を吐いたのとは、ほとんど同じタイミングだった。
 ドピュリ、ブジュッ、と音を立てて、弓士の子宮口近くに熱い白濁色を注ぐ。
 収まらなかった精液が、弓士と俺の結合部からトロリと垂れてきた。
「ハァ……ハァ……ヒイロありがとう、今日も素敵な夜だったわ……うふふ、あんっ」
 満足そうに微笑む弓士の巨乳を掴んで回しながら、俺はゆっくり腰を動かし続ける。
「なあ…明日の夜には、アテネで宿を取って休めるよ」
「んっ、ふふふ…何が言いたいのかしら?」
 弓士も負けじと、腰を揺らしながら答えた。
77名無しさん@ピンキー:2009/11/23(月) 00:38:52 ID:hNXSMw3q
「だ、だから、その……明日は、宿でゆっくり、しよう?」
「もちろん良いわよ、可愛い甘えんぼさん…キスして?」
「ん、んー…」
 弓士は繋がったまま上半身をぺたんと寝かせて、俺の唇に自分の唇を重ねた。
 俺の胸板に彼女の乳房が当たる。コリコリとした乳首も、だ。
 唇を離してから、弓士は俺の陰茎を抜き取る。
 それから、愛液と精液に塗れた萎えたそれを優しく舐め取ってくれた。
「ねえヒイロ、ぎゅうってして?」
「もちろん…おいで」
 起き上がって、俺は両手を広げる。
 弓士は迷わずそこへ飛び込んできて、俺の背中に腕を回した。
「冒険が終わるまで、ずっと一緒よね…」
「馬鹿言うなよ、冒険が終わったってずっと一緒さ。俺の赤ちゃん産んでくれよな」
「まあ! …うふふ、ねえ、私京都で暮らしたいわ」
「ああ、良いね、京都…」
 その辺りに放っておいた俺の上着を弓士にかけてやって、俺は彼女を強く抱いた。
 強く抱いた分、強く返してくれる。
 この温もりだけで、俺はまだ倒れるわけにはいかないと心底思うのだった。



 その後二人で水を浴びて、着替えて、そうこうする内に結局俺達が寝たのは夜中の三時過ぎだった。
 みんなが起きる時間次第、と言っておきながら、俺が大寝坊してしまったわけである。
 同じテントで寝ていたはずの槍士は、俺が目覚めた時、もう既にいなかった。
 それどころか、布団まで片付けてしまってある。気付けなかった程、爆睡していたらしい。
「ようヒイロ、起きたか」
 まだ寝ている頭であれこれ考えていると、頭上から声が降ってきた。
 テントの出入口を大きく開けて、槍士が俺を見ていたのである。
「飯、出来てるぞ。ちなみに昼飯な」
「ひ、昼飯ぃ!?」
 驚いて跳び起きると、ズキンと体のどこかが痛んで俺は「痛っ」と情けない声を出してしまった。
「腰か」
「そう、腰……なんでわかった!?」
「ん…いや…」
 槍士は声を潜めて、こう言った。
「昨日の晩は、ずいぶん楽しかったようだからな」
 あぁ、バレてる。
 みんな知ってる、みんな気付いてる!
 昨夜剣士に覚えた不安をすっかり忘れて、弓士とラブラブした俺の馬鹿馬鹿!
 と、自分を責めて、罵ったところで仕方がない。
 テントの外から
「槍士さん、ヒイロさん起きましたかー?」
 と、巫女の可愛い声が聞こえてくる。
「お昼ご飯、出来たわよー」
 この少しハスキーな声は、銃士だ。
78名無しさん@ピンキー:2009/11/23(月) 00:40:41 ID:hNXSMw3q
 ああ、みんな知ってるのだ、気付いているのだ!
 嫌ではないけど、やっぱり恥ずかしい!
 ついでに、アテネに着くのは今日の夕方だ、間違いない。
 早く着替えて来いよ、と槍士がテントの出入口をサッと閉めた。
 弓士は今、どんな顔をしているのだろうか。
 ――いや、大して気にしてないか。
 俺は弓士の、あの嬉しそうに笑っていた顔を思い出して、少し微笑んだ。



 終
79名無しさん@ピンキー:2009/11/23(月) 00:44:14 ID:hNXSMw3q
…注意書き一つ忘れてた。

・主人公は本来名前のない存在です。
 ですが名前がないと不便だったので、ヒーローという通称から、ヒイロという名をあてました。
 ご了承下さい。

一番大切な注意書きを忘れてしまい、申し訳ございませんでした。
80名無しさん@ピンキー:2009/11/23(月) 01:11:07 ID:PBPJpny0
イヤッフウウウウゥ乙でした
81名無しさん@ピンキー:2009/11/23(月) 03:06:47 ID:WiVPgIcA
あまりのエロさに思わずぐぐって元ゲー見てきちゃったぜ
82名無しさん@ピンキー:2009/12/01(火) 01:09:02 ID:sy8sCTsS
83名無しさん@ピンキー:2009/12/10(木) 09:50:41 ID:eBS8dkgb
shu
8469:2009/12/12(土) 05:09:39 ID:HeZ0B9oD
期待age
85名無しさん@ピンキー:2009/12/22(火) 20:11:32 ID:G2xtuWjE
サンタエイルktkr
86名無しさん@ピンキー:2009/12/30(水) 00:16:43 ID:purL9PvV
hoshusage
87名無しさん@ピンキー:2010/01/01(金) 08:40:24 ID:DPy5nUgl
あけおめですの
88名無しさん@ピンキー:2010/01/13(水) 00:05:33 ID:cbkSbd0N
hoshusage
89名無しさん@ピンキー:2010/01/23(土) 15:51:02 ID:D4+RdGNW
90名無しさん@ピンキー:2010/01/29(金) 22:01:59 ID:aXFUaMAe
更新されてない保管庫に保管されてる過去作品を見たくてたまらない
91名無しさん@ピンキー:2010/01/30(土) 12:13:44 ID:igwowRij
昨日のフリ動画(MAP:あっぷたうん)
http://aimeblog.com/play/mober_v0.5fis.pif  がんなー
92名無しさん@ピンキー:2010/02/01(月) 02:03:56 ID:5vIagg+f
全部保存してる人いないのかな
93名無しさん@ピンキー:2010/02/03(水) 04:37:25 ID:gvgpsRhb
規制ゆえ携帯で。吉祥1M、103689に過去スレ上げた。読みにくいのは勘弁して。パスは90のID。
94名無しさん@ピンキー:2010/02/03(水) 06:51:16 ID:Q5ketlnS
95名無しさん@ピンキー:2010/02/03(水) 18:14:59 ID:XMlKiop6
ECOの動画や加工画像を載せたり、時たま最新情報や攻略も♪
常時、相互リンク募集中です!!
http://blog20fc2.com/marks_eco/
96名無しさん@ピンキー:2010/02/19(金) 23:41:37 ID:KrvCQjYE
97名無しさん@ピンキー:2010/02/23(火) 20:18:23 ID:nKjCuWpZ
98名無しさん@ピンキー:2010/03/01(月) 16:10:58 ID:PC30MYRl
99名無しさん@ピンキー:2010/03/02(火) 23:37:27 ID:NakgNpWF
100名無しさん@ピンキー:2010/03/04(木) 01:20:32 ID:gdFFFhVs
101名無しさん@ピンキー:2010/03/04(木) 04:44:53 ID:WTsKKx3q
102名無しさん@ピンキー:2010/03/04(木) 14:26:09 ID:sSwEzWtU
ひだまり(´・ω・`)
103名無しさん@ピンキー:2010/03/05(金) 02:23:19 ID:8p7b/zDc
星見ではないのか・・・w
104名無しさん@ピンキー:2010/03/05(金) 20:49:16 ID:EVQy74yK
380 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2010/03/02(火) 13:04:03 ID:qrxI3E1E
いや、四葉は昔からネタ師で持ってただけだよ
105名無しさん@ピンキー:2010/03/08(月) 15:08:21 ID:F70ocveh
106名無しさん@ピンキー:2010/03/10(水) 03:19:43 ID:uwLPN3gv
グラナドエスパダってここでやってもいい?
107名無しさん@ピンキー:2010/03/10(水) 15:56:13 ID:QiBwKr+Y
個別スレの無いMMOならなんでもいいよ
108名無しさん@ピンキー:2010/03/11(木) 03:43:33 ID:f3Fb/QGq
自動の攻撃回復HP.PKスピードを加速する
http://www.4gameranking.com/flash/0020856.zip
109名無しさん@ピンキー:2010/03/11(木) 14:01:47 ID:gTjAJUTv
今更すぎてクリックする人もいないだろうけど上のURLはウィルスね
110名無しさん@ピンキー:2010/03/12(金) 01:15:16 ID:CFGDFEgA
>>109
あやうく押すところだった
ありがとう
111名無しさん@ピンキー:2010/03/18(木) 17:28:39 ID:xhs5E4yn
保守
112名無しさん@ピンキー:2010/03/22(月) 11:09:05 ID:GlFMRZ36
113名無しさん@ピンキー:2010/04/05(月) 23:48:49 ID:569JowQI
保守
114名無しさん@ピンキー:2010/04/11(日) 02:21:06 ID:Sz+0BqbO
保守age
グラナドエスパダで書きたいけどなかなかネタが…
115名無しさん@ピンキー:2010/04/11(日) 04:29:02 ID:q7dmD3Qf
ほー
へー
あっそーう
ふーん
116名無しさん@ピンキー:2010/05/03(月) 14:40:40 ID:GTeGJgFf
age保守
117名無しさん@ピンキー:2010/05/26(水) 21:12:55 ID:7h6qTW9N
どらこ分が足りない
118名無しさん@ピンキー:2010/06/02(水) 12:54:51 ID:v5vYct70
FEZはこのスレの管轄?
119名無しさん@ピンキー:2010/06/02(水) 17:38:06 ID:8hNpoNO6
>>118
専用スレがなければ全部ここ
若干わかりにくいし>>1に書いてあるとよかったな
120名無しさん@ピンキー:2010/06/08(火) 20:20:48 ID:6Yw2fLca
こっこけっけで誰かたのむ
121名無しさん@ピンキー:2010/06/16(水) 17:50:50 ID:/S9ZNDhU
保守
122名無しさん@ピンキー:2010/07/04(日) 17:28:08 ID:CS8Dk3aP
ECO本スレから誘導されたITNdfG/Rです
エロSSが初書き&百合なのでご注意ください
あと本スレで登場するさらたんが中心なので
そのイメージを崩してしまう可能性もあります
そうなってしまったら本当に申し訳ありません

それでは投下させていただきます
1233分さらたんLv1:2010/07/04(日) 17:29:04 ID:CS8Dk3aP
彼女の名はさらたん、職はまだない。
一般的にさらたんはソーサラーのイメージが強いが、
この世界に舞い降りたばかりのさらたんのレベルは極めて低い。
ついさっきDEMと無理やり戦わされてレベルが2になったが、
それでもソーサラーには程遠いだろう。
「ごめんなさいね」
DEMと戦う原因を作った張本人のティタが彼女に話しかける。
「ごめんじゃ済まないわよ、もぅ〜〜」
できる限りの力を込めて彼女はティタに言い放った。
「ならば、せめて私にできることを」
そう言うとティタはさらたんの口を奪った。
「!?」
さらたんは突然の出来事に困惑する。
ティタが唇を離すと銀色の橋ができ、崩れる。
「ああっ」
さらたんはいつの間にか右胸と秘所を愛撫されていた。
「さらたんさんの胸暖かい……」
ティタはさらたんの服の中に左手を滑り込ませる。
そしてすっかり敏感になっていた胸の突起物を指で転がしたり弾いたりする。
「や、やめて……」
さらたんは涙目になりながら言う。
しかしティタによる愛撫はエスカレートしていった。
「ほら、もう濡れてるじゃない」
ティタは右手の中指をさらたんの秘所へと進入させた。
「ひゃっ!」
さらたんは悲鳴を上げる。
それでもティタは責めをやめない。
秘所に入れた指を出しては入れ、所謂ピストン運動を行う。
「お願いやめて、漏れちゃう!」
さらたんは泣きながら悲願する。
しかしティタは何も言わず膣の奥に指を入れ、こぶのようになっている部分を刺激した。
「嫌、嫌ぁぁぁぁっ!」
さらたんはティタの責めに耐え切れず失禁してしまった。
そのまま地面に倒れこむさらたん。
「さぁ、目覚めなさい……」
そんな彼女にティタは意味深な言葉を投げかけた。
次第にさらたんの意識が薄れていく。

……

今までのは夢だったのだろうか、
ダウンタウンの酒場前の椅子に座りながらさらたんは思いにふけっていた。
しかし彼女は知らない、これから様々な目に遭うということを。
124名無しさん@ピンキー:2010/07/04(日) 17:34:07 ID:aq2mDPY0
さらたんのおしょんしょんゴクゴク
125名無しさん@ピンキー:2010/07/04(日) 17:44:48 ID:cRTmNJA3
  _  ∩
( ゚∀゚)彡 さらたん!さらたん!
 ⊂彡
126名無しさん@ピンキー:2010/07/04(日) 17:49:52 ID:9NlWnHZ2
てぃたちゃんとさらたんのみっくちゅおしょんしょん飲みたい
127名無しさん@ピンキー:2010/07/04(日) 18:41:42 ID:FVWUrnsA
ティタ×さらたん! そういうのもあるのか。
128名無しさん@ピンキー:2010/07/04(日) 19:02:59 ID:CS8Dk3aP
感想ありがとうございます!
続編ができたら本スレに連絡の書き込みしたほうがよろしいのでしょうか?
129名無しさん@ピンキー:2010/07/04(日) 19:37:11 ID:FAVQO94Q
しないでも皆チェキしてるから大丈夫b
130名無しさん@ピンキー:2010/07/04(日) 21:01:47 ID:h3iC/mqx
そのうちブログでやれとかで荒れだす気がするからむしろ告知しない方がいいと思う
131名無しさん@ピンキー:2010/07/04(日) 21:20:22 ID:FAVQO94Q
ぶっちゃけそれが当然w
132名無しさん@ピンキー:2010/07/05(月) 18:26:24 ID:GEUk7Xb7
見る人は見てるしな。
過剰宣伝は叩きの元だからやめたほうが吉。
133名無しさん@そうだ選挙に行こう:2010/07/11(日) 02:38:37 ID:FONxdCFj
ラテールの紳士スレから誘導されました。
本来絵で描くべき任務の奴をSSで書いたのでこちらに投稿します。
・うちの子(オリジ)受け。
・グレル(クラゲ型モンスター)。触手注意。
無理やりヤラレちゃってあんあんしてるような内容なので、受け付けない
方は絶賛スルーでお願いします。
あと、若干NPC名やゲーム内のスラングも混じっております。
134133:2010/07/11(日) 02:48:49 ID:FONxdCFj
一応、初見の人にも説明を入れておくとヤラレる娘はギター使いのアーティスト(ヒーラー)
2次職になって間もない、回復役として頭に乗っているような地雷系です。

「あーもー、最近の野良って地雷多すぎだよ。これならソロでやってたほうが気楽だわ……」
 私はガマガエル洞窟から一人イリスで抜け出し、アトランティスの碑石前でチェリー大瓶の蓋を投げ捨てて中身を一気に飲み干した。
 少し甘酸っぱく冷たい清涼感が心地いい。
 先程野良募集があったので行ってみれば、ヒールの回復範囲に入らない奴がいるわバフもろくに受けずに突っ走る奴がいるわ。
 ろくな連中がいなかったからPT切って抜けだしてやった。
 あんな地雷PTにいたらろくに経験値も稼げない。
 とは言っても、抜けたのはいいがやることがない。茶室を見ても私のご希望に添えるような美味しい部屋はないし……
 仕方なくクエストを見てみる。楽に稼げるような物があれば受けるのだが……と思ったとき、ふとあるクエストに目が止まった。
「グレル60体、報酬……チョコシュークリーム15個!」
 戦闘用品店のイケメン、マッコイからの依頼で深淵の遺跡にいるグレルを倒してくるというものだった。
 ランク2の脆い雑魚だったと記憶していたし、なにより高額なチョコシュークリーム15個とは非常に美味しい。
 私自身は使わないがオークションで捌けば儲け物だろう。
「なにより、マッコイさんみたいなイケメンの依頼なら喜んで受けるってものだよねー……」
 思わず顔が綻ぶ。マッコイさんと手をつないでアトランティスデート……はっ、いけないいけない。つい妄想が。
 これは早く達成しないと。私は相棒のコラーラギターを担ぎ、深淵の遺跡へと駆け出したのだった。


「私の歌を、聞けー! ……なんちゃって。予想通りの柔らかさだわ」
 深淵の遺跡。古代の遺伝子技術で生み出された奇怪なモンスターが野放しになっている危険地帯。
 その1種であるクラゲ型モンスター、グレルは私の演奏でことごとく潰れ、そのまま地面に吸収されるように消滅していく。
 さすが私、悪魔の演奏があればこんな雑魚程度寄せ付けることもなく倒すことが出来る。
 10体少々倒したところで、私は一度演奏中止してドロップ品の回収に回った。こういう地味な作業も忘れてはいけない。
 と、一通りアイテムを拾い終えようとしたとき、突然背後に一匹のグレルが現れた。
「ん、また私の演奏でやられたい可哀想なクラゲ? しょうがないなぁ……」
 そういってギターの弦にピックを添える。しかしそのグレルを倒した辺りで異変に気がついた。
 グレルの数が、先程に比べて多い。
 最初は3〜4体程度を難なく倒していた程度だったのだが、今周囲を見渡すと5、6体。演奏にも怯まずに私への距離を詰めてきている個体が現れてきた。
「え、何。1体だと敵わないからって集団イジメ? 魔物のくせに!」
 演奏でKBしなかった1体がおもむろに私に体当してきた。見た目通りの柔らかな外見と裏腹に、ズン、と重い質量が私へと襲いかかる。
「ちっ……痛いじゃないの」
 演奏は止めれない、ここで止めたら他のグレルも攻撃を開始してきてしまう。
 ポケットからチェリーとラベンダーの大瓶を取り出した。
 これでしばらく持ち堪えられるだろう。と思ったところにグレルの2撃、3撃目の体当たりが私へと襲いかかる。
 気づけば、10体弱のグレルが私を取り囲んでいた。
「え……うそ、そんなアティに10体とか有り得ないじゃない。天とかの仕事でしょこんな抱え込み!?」
 私は叫ぶが、当然ながらグレルがそれで引き下がるわけもないし周りに助けを呼べる人間がいるわけでもない。
 POTの回復時間が切れた、急速に私の生命力が削られていく。
「ひ、ヒールしないと……」
 危機感から慌てて演奏を中止してギタープレイヒールに切り替えようとした、その時。
 ドンッ。グレルの一匹が私の右手にぶつかり、ピックを思わず取り落としてしまう。
「あっ! が、ふ……っ」
 それが命取りだった。
 気を取られたところに残りのグレルが容赦なく飛び込んでくる。堪らずよろめき、その場に倒れ伏せる私。
 思った以上に硬い地面に頭を打ち付け、そこで私の意識は黒く遠く、消え失せてしまった。
135133:2010/07/11(日) 02:50:20 ID:FONxdCFj
 目が覚める。混濁した意識で、身体にうまく動けと信号が送れない。
「あ…、う…んー……」
 瞼越しに光が眩しい。ゆっくりと目を開けると目の前には、
「ようやく起きたの? 愚かな冒険者」
「な……っ?」
 知らない女が、微笑を浮かべて私を見下ろしていた。いや、知らないわけではない。
「ジョアン・ファーム……!?」
「あら、私のことを知ってるんだね」
 ショートカットの白髪に、錨を模した独特の石弓。そして何より……殺気が常人の比じゃない。近くにいるだけで身

が竦みそうだった。
 と、そこで気づく。私の両手両足が、なにやら枷で固定されていた。四肢を動かそうと試みるが、ガチャガチャと金

属音が鳴るだけである。
「深淵の遺跡で好き勝手にモンスターを倒していたらしいじゃない。無様にも一人で挑んで負けたみたいだけど」
「冒険者なんだから、モンスターを倒して何が問題なのよ!」
「それを当然だと思って殺すお前たち冒険者がエゴだっていうことだ!」
 ジョアンは私の目前に石弓を突きつけた、指はトリガーに添えてある。思わず私は短く悲鳴をあげる。
「や、やめて……殺さないでください……っ」
「自分が敵わないとわかると手のひらを返したように命乞いか……無様だね」
 気がつけば私は涙を流していた。怖い、死にたくない。早くエリアスに帰りたい。
 ジョアンはしばらく私に石弓を向けたままだったが、やがて私にも分かる程明らかな侮蔑の視線を向けると石弓をお

ろした。そして背を向けてそのまま離れていく。
 助かった。内心安堵していた私に、ジョアンが背中越しに話しかけてくる。
「元々殺すつもりじゃなかったよ……アナタの身勝手な殺しに対する償いをしてもらうだけ」
「え……?」
 ジョアンの言葉はそこまで。彼女は私の視界から姿を消した。
 私は言葉の意味がわからなかったが、とりあえず
「に、逃げなきゃ……!」
 今手足が拘束されているということしか分からない。ただここから逃げないと危険だと私の勘が警鐘を鳴らしていた


 現状を確かめてみる。周りを見渡すと、そこは真っ白な石造りの密室で、証明もないのに部屋は十分な明るさを保っ

ていた。
 調度品や窓もない。私も床に無造作に張り付けられているだけで、私以外には本当に何も存在しない空間。
 幸い衣服などに乱れは無かったが、アイテムや武器防具などは一式奪われてどこかに持って行かれているようだ。
 とにかく、この枷を外して部屋から抜け出さないと……そう思っていたところで、何やら異質な音が私の耳に入った


 粘着質というか、水っぽいものを引きずっているというか。私がその音の方向へと顔を向けると、そいつはいた。
「グ、グレル……っ」
 先程大量のグレルに押しつぶされた記憶がフラッシュバックし、再び私の瞳に涙が浮かぶ。奥歯が噛み合わさらない


 グレルは敢えて恐怖心を煽るかのようにゆっくり、ゆっくりと私へと近づいてくる。モンスターに知恵があるとは思

えないが、報復に来たのだろうか。

 だが、私の憶測は見事に裏切られた。もっと酷い形で。
136133:2010/07/11(日) 02:55:28 ID:FONxdCFj
 グレルが地面に固定されている私の目の前まで来ると、幾本もの触手を私へと伸ばしてきた。露出している腕や足を軟体のロープが絡めとっていく。
「や、ちょっとやめて……」
 拘束されて動けないのは変わらないが、軟体動物に絡みつかれているということが生理的な嫌悪感を引き起こしてきた。
 背筋に嫌なものが走り、一層もがき身体を解放させようとするがそれが叶うことはない。
 グレルは私の抵抗にもお構いなしに、さらに数本の触手を伸ばすと無造作に私の身体の上をまさぐり始めた。
 それは私の胸、首、頬、大腿とゆっくりとなぞっていただけだったが、やがて私の口に触れた触手がビクリと痙攣すると、勢い良く私の口の中へと触手を突っ込んできた。
「が……んぅ!?」
 海水にも似た塩辛い味。グレルの触手が私の口腔を深く犯すとそのまま無遠慮に前後に動き始めた。
 喉の奥を無理やり押されるたびに嘔吐感がこみ上げ、呼吸もままならないままにえづいてしまう。
 目尻から涙が止まらない。何がしたいんだろうこの魔物。
 すると数回往復した辺りで、グレルの触手が再び跳ねる。と同時に触手の先端から生ぬるい液体が噴き出された。
 奥まで押し込まれて液体が出てきたので、何だかも分からずそのまま食道へと流し込まれる。気管にも入ったのか、私は激しくむせ返ってしまった。
「げほ……っ! うっ、げぅ……」
 触手が引きぬかれたので、迷わず口の中の液体を吐き出した。しょっぱいそれはドロっとした半透明の液体で、仰向けになっている私の口元や顔にも遠慮無く降りかかる。
 グレルの触手の動きは相変わらず、襟などから服の中へと潜り込んでくる物も現れ始めた。
 と、そこに異変が起きる。
 私の身体がビクンと跳ねた。勿論動きがとれないので僅かなものだが。
「何、カラダ熱……んっ!」
 胃と、喉を中心に形容しがたい火照りが生まれてきた。同時にピリピリとする痺れに近い感覚と、何と言うか……カラダの奥から疼く物が私に襲いかかってくる。
 さっきの液体のせいなのは間違いないが、具体的に何かが分からない。
 恐らく、毒の類。そこまで思ったところで、グレルの触手が私の下着……ローライズ越しに私の秘部をまさぐっていることに気がついた。
 さすがに私でもこれの意味することはすぐに理解できる。いや、もしかしたら分かっていても無意識に逃避していたのかもしれない。
「や、やめて……そこはダメ……!」
 軟体動物に泣きながら懇願する私。端から見れば滑稽だったろうが私は必死だ。そして当然のごとくグレルにそんな言葉が通用するはずもない。
 触手は何回かゆっくり私のソコを往復したあと、下着をずらすように滑り込ませてそのまま勢い良く秘裂へと突き刺さった。
「ああ……っ! が…かは…っ」
 カラダを槍で突き刺さるような貫かれるような痛み。破瓜の血が流れ私の絶叫とともに流れ……るかと思った。
 だが、実際は
「ひゃ、あぁ…ん…っ!」
 自分でも想像つかないような、甘ったるい喘ぎ声が私の喉から奏でられた。
 痛みが全く無い。背筋を駆け上がるくすぐったい感覚と、頭を蕩かせる痺れ。それが触手の上下するたびにカラダを揺り動かしてくる。
 私からは見えなかったが、粘ついた音と共に、私の奥からもねっとりとした蜜が触手の動きに合わせて掻きだされ、下着を濡らし太ももを伝っている。
 それが快楽だと分かるのにさほど時間はかからなかった。
「な、なんで……ん、あ…はぁ……ぅ…!」
 中に挿れられた触手が軽く痙攣する、そして口の中に出されたものと恐らく同じであろう液体を私の中へと注ぎ込んだ。
 大分量が多かったのだろうか、流し込まれ切らなかった分が私のソコから溢れ出、床を汚した。
 すると、
「……あぁぁっ! ダメ、ダメ熱い……っ!?」
 秘処を中心に痺れと熱さがカラダを支配した。全身が壊れたようにビクビクと跳ね、だらしなく開かれた口元からは 舌が突き出される。
 気持ちイイ。でも、こんなモンスターにカラダを弄ばれて感じるなんて狂ってる。恐ろしい。
 相反する感情に頭を支配されている中。ふとジョアンの言葉を思い出した。
137133:2010/07/11(日) 02:56:34 ID:FONxdCFj
『アナタの身勝手な殺しに対する償いをしてもらうだけ』

 明らかに生殖的なこの行為と、ジョアンの言葉の意味する物がようやく合致した。

 ――グレルの仔を産み付けられてる――

「い、いやあぁぁぁぁ!?」
 半狂乱になった私は必死に手足を動かすが、触手と枷が嘲笑うかのようにそれを許しはしない。
 そして、ズブリと引きぬかれた触手と入れ替わるように、新たな触手が私のソコを狙い定めて沈み込んでいく。
「あっ、はぁぁ……! ダメダメ入らないで! 入ったらまた変にな……あっ、あ…っ!」
 グレルの触手が奥を一突きするたびに、甘い嬌声が口から漏れる。こんなことで喜びたくない。でも狂うほど気持ちイイ。
 そして、また時間もかからず触手の先端からの吐精。徐々に私の下腹部に重い充足感が生まれてくる。
「やめて、これ以上されたら変に、変になるから……んぅ……!」
 私の哀願を触手の一本が塞ぎこむ。くぐもった喘ぎ声はもはや私自身にも何と言っているか分からない。
 そして、3本目の触手が再び私の膣内に――



 夜も更け、人通りもないエリアス。
 イリスの碑石前に、グチャリ、と嫌な音を立てて一人の冒険者が転送されてきた。
 生臭いような匂いの液体にまみれ、衣服もところどころ乱暴に引き伸ばされている。
 そして少女の瞳に既に生気は無く、虚ろに宙を仰ぐのみだった。
 ふと、そこに3人組の男たちが通りかかる。彼らは少女に気がつくと、物珍しそうに彼女を取り囲んだ。
「おい、こいつこないだの……」
「あー、ガマ洞での地雷アティじゃねえか! さんざん我侭言った挙句PT切ってどっか行った奴」
「大方一人でマントラップかグレルあたりに挑んでヤラれたんだろ。地雷にはお似合いの末路だな」
「あ……ぅ……」
 男は好き勝手に少女を罵るが、彼女の耳には既に人の言葉として認識されているかどうかも分からない。
 と、男のひとりが思い出したかのようにこんなことを言った。
「おい、聞いたことあるか。魔物に犯された女ってどんなことされても感じるらしいぜ?」
「まじかよ? ってことは……」
「こんな使用済みのマグロみたいの抱くのか? 俺は嫌だぞ……」
「まあ、顔は上玉だし洗えば少しは使えるだろ。おい、お前右肩担げ」
「うぇ、こいつドロドロで気持ち悪ぃ……」
「……あっ、ぅぁ……!」
 男ふたりに触れられただけで、彼女の全身が微かに痙攣する。
 そして、彼らに引きずられ少女は街の闇へと連れられていったのであった。


 終

お目汚し失礼しました。
138名無しさん@ピンキー:2010/07/12(月) 00:27:34 ID:keyMiOvd
固有名詞の略語等が多すぎてわかりづらい
ゲームやってない人間にもわかる配慮っぽいのを最初でやってるのに、途中の固有名詞やらが解説されてないせいでプレイヤー以外楽しめないモノになってる
139名無しさん@ピンキー:2010/07/12(月) 00:37:17 ID:QVJYt8fW
ラテプレイヤーだけどGJ
固有名詞の説明は結構難しいかもね…
ジョアンとかは結構レベル高くないと分からないしね
140名無しさん@ピンキー:2010/07/12(月) 00:44:22 ID:i1V4EFEy
説明しすぎると萎えるし難しいところである
シチュはすごく好きだよGJ!
141名無しさん@ピンキー:2010/07/12(月) 01:03:30 ID:NWq4tXz1
大人しく紳士スレで投下してればよかったんや!
142名無しさん@ピンキー:2010/07/12(月) 01:04:10 ID:QVJYt8fW
紳士スレは行数制限がきっつい
143名無しさん@ピンキー:2010/07/12(月) 14:13:21 ID:Tu19ZtZp
感想感謝です。
初見でも分かるようにと思うところと、変に用語を解説しすぎると読む気が
削がれてしまうんじゃないかと思うところの塩梅が難しいです。
あと、紳士スレは絵投下場所だと思ったからあっちだとスレチかな、と。

今後書く時はそれも考えながら作れるようになりたいところ。
144名無しさん@ピンキー:2010/07/13(火) 01:03:34 ID:G34Y4Vx7
>>143
元ネタわからないけど楽しませてもらったよー
単語がわからないのはまあ仕方ないし気に留めておく、くらいでいいと思う
無駄に長くなりがちな説明台詞は削りたくなるものだろうし
145名無しさん@ピンキー:2010/07/15(木) 18:24:30 ID:k7URHEL3
>>134
・ガマガエル洞窟=ガマ洞・・・PTを組まないと入れないが、経験値がおいしい狩り場
・イリスの碑石・・・「イリス石塔の欠片」を使う事で転送される、または死ぬと転送される
・「イリスで抜け出し」・・・上記「イリス石塔の欠片」を使うこと
・アトランティスの碑石・・・上記イリスの石塔と似た類のもの。アトランティス(地名)にある
・チェリー大瓶・・・HP回復薬
・茶室・・・チャットルーム このゲームではPT募集に利用される
・コラーラギター・・・武器。
・悪魔の演奏・・・攻撃スキル。同時ターゲット数は6体までなので、それ以上の敵がいると攻撃できない。
           また、4体以上居ると攻撃が分散(ダメージが下がる)してしまい、殲滅力が落ちる。
・ラベンダーの大瓶・・・HP回復薬、チェリー大瓶とクールタイムが別なので同時に使える
・天・・・別の職業である「テンプルナイト」のこと。盾を装備できるので防御力が高く、PT時に盾としての役目がある
・ギタープレイヒール・・・自己ヒール。ちなみに、このSSの状況でヒールを使っても手遅れ。

>>135
・エリアス・・・地名。最も大きい街で、オークションなどがあり冒険の基点となる

後はネトゲ用語だからいいかな バフとか地雷とか
146名無しさん@ピンキー:2010/07/15(木) 20:13:20 ID:yE/SHF6N
マイナーネトゲなんだから適度に分かりゃいいんだがね
いちいち解説されても逆にウザいわ
147名無しさん@ピンキー:2010/07/15(木) 23:24:04 ID:wl18Mc4p
興味ないネトゲのこととか元から読まないし調べないと思うよ
148名無しさん@ピンキー:2010/07/27(火) 09:20:08 ID:S6tilNMC
コズミックブレイクやC21がないだと・・・
149名無しさん@ピンキー:2010/09/09(木) 21:16:03 ID:rbjuJd4G
ほっしゅ
150名無しさん@ピンキー:2010/09/20(月) 00:54:13 ID:7GekDIeL
ほしゅ
151名無しさん@ピンキー:2010/09/22(水) 15:40:58 ID:A6eC9tKS
現在トリスタの狸×猫を書いてる。
書いたら投下する予定だけど、
・・・・需要あるかな?
152名無しさん@ピンキー:2010/09/22(水) 16:34:37 ID:rjLMWxrA
お待ちしております
153その1:2010/09/23(木) 10:40:49 ID:iM5vzJ6s
151です、中間あたりまでできたので支援投下。
逆レイプ注意。


しんしんと雨が降っている。
その場には、雨粒の音しかしない。
いつもはたくさんの露店で活気づいている、スワンプ1番の町――カルバイガルも、
その日は静かだった。
アーチ橋には、3人の男が、それぞれ違った動物の耳としっぽを付けている。
「…遅いですね…。」
男のうちの一人、茶色の髪をした男がつぶやいた。
彼の名はラクーン。大きなしっぽと、少し先のまるい耳が特徴の、マジシャンだ。
「はは、みんなの事だし、どこかで寄り道でもしてるんじゃないの?」
やわらかい笑顔で答えた金髪の髪の少年は、ライオン。
その名の通り、獅子の耳としっぽを付けているクリエイターだ。
「…確かにあいつらなら、それもありそうだな。」
不機嫌そうに答えた青色の髪の少年は、ドラゴン。
ドラゴンの耳としっぽを付けた、闇魔術師―ダークロード。
ドラゴンがムスッとした表情で、霧で少し見えにくいワープポータルを見ていると、
パシュッと音がし、そこから2人の女性が現れた。
「…バニーとシープがきた。」
ボソッと独り言のようにドラゴンが言うと、パタパタと軽快な音をたてながら、
2人の女性は近づいてくる。
「ごめんね!シープちゃんがどうしてもガルベスタの実験したいっていうから・・・。」
「遅れてすみませんですの。少し検証をしていましたの。でもそのことに関して反省も後悔もしておりませんの。」
申し訳なさそうに謝るバニーと、涼しい顔でいうシープ。
だれから見ても、バニーとシープの言うべきことは逆であろう。
154その2:2010/09/23(木) 10:41:25 ID:iM5vzJ6s
ふと、気付いたようにライオンが言った。
「あれ、キャットは?」
「あ、それが検証の途中にみんなを驚かせるとかいって・・・」
シープがそこまで言ったとき、男性陣は背後に違和感を感じた。
ぬるぬるして、細くて、動いている―――それも、大量の数。
まさかと思ってラクーンが振り返ると―
「うわああああああ!ミミズだあああ!!??」
「え〜?ラクーン、なにミミズなんかでビビってるの〜?」
「は、は、早く取ってくれ・・・!」
絶叫して驚くラクーンと、のんきな顔をしているライオンに、冷静を保ちつつも鬼のような形相で女子にミミズをとるように
言うドラゴン。
そしてそれを投げつけたのはもちろん、
「あははは!なにその顔〜!」
ケラケラと笑いながら、後ろから満足そうな笑み――悪く言えばドヤ顔で、キャットは歩いてくる。
「キャ、キャット!と、とっととこれをとって・・・!」
アイスダンジョンのクーレム並みに顔を真っ青にしたドラゴンが、キャットをにらむ。
が、キャットはさして気にしていないようで、ニコニコ顔で全員の沼ミミズを回収している。
「あ、キャット。僕にくっついた分、ちょうだい?」
「いいわよ。草集めの最中に余っちゃったの。」
わぁ〜い、と喜びながらカバンにミミズを詰めるライオン。
脱力して、はあ・・・とため息をつくドラゴン。
キャットに説教を始めるラクーン。
説教そっちのけで、バニーと会話を始めるキャット。
天然なのかワザトなのか、ラクーンがさもいないかのようにキャットと会話するバニー。
くすくすとその様子を見て笑いながら、シープは携帯電話でその様子をムービー撮影していた。
「(それにしても、よくライオンはカバンにそのまんまミミズ入れるなあ・・・)」
ふとそんなことを考えながら、ドラゴンは空を見上げた。
「(今日は・・・曇っているな・・・)」
「今日は晴れ、ですの。」
天気を気にするドラゴンの心を見透かした様にシープは言った。
「は・・・?なんで分かっ・・・」
「風水特化なめんなですの。天気くらいあてられますの。」
「いや、それは・・・う、寒っ・・・。」
ブルッと寒気を感じたドラゴンは、それ以上考えないことにした。
ただドラゴンは、女って怖いなあ、と思いつつまた空を見上げている。
「くすっ・・・」
「なんだ、シープ。なに笑ってるんだ?」
「くすくす、なんでもありませんの。」
頭に「?」を浮かべたドラゴンは、シープがほんの一瞬、ニヤリと
したのには気付かなかった
155その2:2010/09/23(木) 10:42:07 ID:iM5vzJ6s
「あっつ〜!!今日も良く狩ったな〜!」
そう言いながらラクーンは、カメレオン蛙から奪い取った蓮の葉をうちわにしている。
「先生のハイプレとかよかったよ!・・・魔法痛かったけど。」
ボソッとキャットが言う。君はミラーあるじゃないか!とラクーンが笑顔で反論する。
その時、「あ。」と思い出したかのようにシープがつぶやいた。
「そういえば私、ハロをちょうど6つ持ってますの。せっかくですから、喫茶店で
お茶でもしていきませんの?」
「そりゃいい!僕らの分も出してくれるの?」
目を輝かせながら、ライオンが言う。
シープは「う・・・この目には勝てませんの・・・」とか言いながら、承諾した。
恐らく金を取るつもりだったのだろう、ドラゴンは侮れない女、とブツブツ言っている。
「じゃあシープが出してくれるんだし、喫茶店いこっか!」
キャットがそういうと、全員は軽快な足取りで喫茶店に向かって行った。


「ふわ〜おいしい!」
喫茶店で、ハロ茶を飲みながらバニーが言う。
「うん、おいしい。さすがサラさん!・・と、ハロ取ってくれたシープ!」
「なんなんですの、その『ついで』みたいな物言いは。金とられたいんですの?」
シープがドスを利かせた声で言うと、他の者もブッと吹き出した。
まったりとした時間が流れていた。が。
「おい・・・!?雨、降ってないか?」
突然ドラゴンが外を指さして、言った。
「うわっ、どしゃぶりだねえ・・・。」
次にやはりのんきな声でライオンが言う。
「おいこらシープ、お前今日晴れとか言ってなかったか?」
ドラゴンが怒っていますといわんばかりの顔でシープに問い詰める。
しかしシープは「さあ、私3時間以上前のことは覚えていませんの〜」と涼しい顔。
どこの映画のヒロインだ、などとつぶやきながらドラゴンは外に目を移す。
「でも、どうするんだい?ライオンやキャット達はともかく、僕とドラゴンはキャンプが
メガロポリスにあるじゃないか。」
「しょうがないよ、やむまで待つしかないんじゃない?」
バニーがさも嬉しそうにニヤニヤしながらラクーンに答えた。
「(こっ、こいつ人の不幸を笑ってやがる・・・・)」
ドラゴンは顔をひきつらせながらまた外を見る。
「まーしょうがないんじゃない?とりあえず先生とドラゴンは私たちのキャンプにいるしかないでしょ。」
「まあ、そうなりますの。でも広いキャンプは私とキャットさんしかもってませんの。」
しょうがないなあ、と苦笑いしつつ、ドラゴン達は承諾した。
156その4 さっきの名前はミスです:2010/09/23(木) 10:42:54 ID:iM5vzJ6s
「どう?広いでしょ?。」
「なあ、なんで一緒じゃないんだい?」
キャットの広い部屋に連れてこられたラクーンは紅茶を飲みながらそう言った。
キャットはチッチッチと指を振りつつ答える。
「先生、思春期の女の子1人と、男2人が一緒の部屋にいるなんて、アブないでしょ?」
「いや、僕は別にそんな下心は・・・」
すこし赤面しながらラクーンは答える。
その様子を見たキャットは、ヤダ、先生エッチ〜!と言いながら、部屋を片付ける。
「あった。」
ボソッと消え入りそうな声でキャットがつぶやき、ラクーンが
「なんだい?」
と聞いた。
「ううん、なんでもない!あ、そうだ私鍵閉め忘れてる!」
キャットが不意に立ち上がり、玄関のほうに歩きだす。
「(まあ下心がなくなる・・・ってわけじゃあないか。今だって二人きりなわけだし・・・
って、僕はそういうつもじゃないって!!)」
ラクーンが大慌てしながら自問自答をしていると、
「――わっ!?」
瞬間、電気が消えた。
夕方とはいえ、スワンプは薄暗い沼に位置するため、なにも見えない。
「キャット、大丈夫・・・むわっ!」
何か光るものはないかと立ち上がった瞬間、ラクーンは何者かに体当たりされ、後ろに転倒してしまう。
そして、転倒すると同時に、カチャリと金属音がして、両手の自由を奪われてしまう。
「(なっ、手錠!?こんなこと誰が――)」
「捕まえた。」
え、とラクーンの口から声が漏れる。
そろそろ目が見え始めてきて、ほんのわずかな光で見えた、自分を突き飛ばした人間。
それはキャットだった。
「キャッ・・・ト?君、なにを・・・?」
「先生、往生際が悪い。私がこれからなにするかわかってるんじゃないの?」
「わかっ・・・んんっ・・・。」
いきなり唇を奪われる。
突然のことにわけがわからず、息ができないこともあってラクーンはパニックに陥る。
「んん・・ん・・・。」
キャットの舌がラクーンの口を強引に割って入る。
そしてその容姿や若さからは思いもよらないほどうまく舌を絡める。
「はっ、んっ・・・んんっ・・・。」
キャットはラクーンが苦しむ様子を一通り見てから、唇を離した。
お互いの唇から、どちらのものかもわからない銀の糸が伸びる。
げほ、とむせながらラクーンが肩を上下させて息をする。
ニヤニヤと笑いながら、キャットは全く躊躇せずに自分の服を脱ぎ始める。
「キャット、こんなことはやめ・・・」
「何言ってるの?先生だって感じてるんでしょ?」
ラクーンの言葉を遮るように、キャットは言った。
図星だった。
ラクーンのモノはすでに固くなり始め、ズボンの上からでもそれはみてとれた。
恥ずかしさからかラクーンはさっと顔を背ける。
そんなラクーンの心情を知ってか知らずか、キャットはラクーンのズボンに手をかけた。
157151:2010/09/23(木) 10:44:47 ID:iM5vzJ6s
とりあえずここまで。
続きは・・・スローペースなので遅くなりそうです。
158名無しさん@ピンキー:2010/09/23(木) 12:40:22 ID:+BG32JL5
いいところで!!1
159名無しさん@ピンキー:2010/09/27(月) 22:38:43 ID:/Gd18e7L
前スレ>>835の続き
160名無しさん@ピンキー:2010/09/27(月) 22:40:04 ID:/Gd18e7L


「ちょっと、ちゃんと話聞いてたの?」

 テーブル越しに、台所で包丁を握っている龍に確認する。

「聞いてたから」

 返事をしながらも、夕食の用意するその手を休めていない。
 いくら好きと言っても、彼はそれに応えてくれても、普段通り変わらない。
 朝起きたら朝食の用意をして、仕事のない日は家を綺麗にして、夕方にはいまみたいに台所に立っている。
 それが若い専業主婦なら、映える光景なのだろう。だが龍の場合は無言で。少し睨んでいるように見える表情で包丁を持たれると、映えるどころか寒気がしてくる。

「ねえ、たまには外で何か食べてもいいじゃない。羊だってまだ帰ってきてないんだし」

 羊は気を利かせてくれているのか、最近は少しだけ遅くに帰ってきてくれる。
 まだベッドの上で愛し合ってこそいないが、二人の関係が変わって、それが上手くいったと思えるのは事実だ。
 だが、龍が自分から迫ってきてくれるわけもなく、チャンスのあるときに限って一歩踏み出せない自分がもどかしい。
 現に龍は、テーブル越しから睨みを聞かせている可愛い彼女よりも、鍋の中で匂いを漂わせているスープの味を見るのに夢中になっている。

「もったいない。自分で作れるんだから、行かなくてもいいだろ」

 何か声をかけても、一言二言で済まされる。
 小さい頃から変わっていないやり取りである。これがお互いベッドの中でくっ付いた状態で話し合うなら、それはそれで悪くないと思うのだが。残念なことに、外はまだ夕闇すら迫っていない。

「それに、羊が帰ってくるまで待っていないと、あの子が困る」

 せっかく話が延びてると思ったら、今度は羊だ。
 もう何かあるごとに、龍の口からは羊のことが出る。それも仕方ないとは思うのだが。
 ここ最近、羊の話をするときの龍の表情は、いつもどこか穏やかで優しい。
 せめてその表情を、もう少しこっちにも向けてくれていいんじゃないか、と言いたくなる。

「むー……ケチ」

 特に龍の作る料理に飽きたとか、我がままを言いたいとか、そういうことじゃない。
 ただほんの少しは、普段と違うことがあってもいいんじゃないかと思う。
 思っていても、口に出るのは龍に対しての文句や愚痴。しかも本人に直接言ってばかりだ。

「猫は、俺が作る飯は好きじゃないのか?」
「好き」

 そう言われれば、ズルイと思っていても頷くしかない。
 ぎこちなく笑ってる龍を見ていると、それも許せる。
 龍はそれだけ言うと満足したのか、手に持ったお玉から掬い上げたスープにもう一度口をつけてから、鍋の火を止めた。
 着けていたエプロンを椅子に掛けて、隣に座る。

「そうか……」

 改まって聞く彼の横顔は、満足しているようにも見えるが、どこか暗い様子を見せている。そして、普段の彼よりも小さく見える。
 ――それが、本当の龍。誰にも、羊にも見せない、私だけが見ることのできる姿。
161名無しさん@ピンキー:2010/09/27(月) 22:40:48 ID:/Gd18e7L
「龍は、ちゃんと羊のお母さんになれているから、ね」

 お母さん。男の子の龍が、お母さんなのは変。
 龍本人も、変なことだって自分で言うときもある。
 けれども、それが龍の求めているもの。朝に羊が起きたとき、朝ご飯をすぐ食べさせてあげて、羊が帰ってくるまでに、掃除を済ませて綺麗になった家で妹を待つ。羊が美味しいと思ってくれるご飯を毎日作って彼女を待つ。
 おはようからおやすみまで、羊が笑って暮らせるように。
 私がどんなに龍を求めていても、龍が一番求めているのは、自分を愛する誰かの存在じゃなくて、自分が家族として愛したいと思っている羊。
 他人が入り込めることができなくて、それでも私は触れることができて、彼の心に気付いた。

「けど、どうしてお母さんなの?」

 "お母さん”は男の子ではなることができない。
 龍の顔立ちは確かに整っていて、見ようによっては女性のような美しさも垣間見えるが、それでも常日頃から険しい表情を見せている彼には、女性らしさは感じられない。
 ただ、羊のために"お母さん”になりたいという気持ちは、嫌というほど伝わってくる。
 美味しいご飯を作れるようになって、歳の離れた女の子の羊が楽しく話せるように、女の子が好みそうな雑誌の記事にも目を通したり、頑張っている。
 仕事で険しくなった表情を少しでも和らげようと、笑顔を見せるようになった。

「俺は……いや――」

 龍の表情に影が差した気がしたが、それでも、目の前にいる彼は普段と何も変わらずに、

「なんでもない。ただ、羊の母親でいたいだけなんだ」

 言いかけた言葉を飲み込んで、龍はハッキリとそう答えた。





 病院を後にして、メガロポリスの広場に向かう。
 以前の龍は、冷たくて、表情もない無機質な存在で、本当は誰よりも温かい心を持っていた。
 どうして龍が、小さい頃私たちに対して冷たかったのかは分からない。

「龍、おかえり」

 私をはじめて受け入れてくれたとき、初めて龍が本当に欲しがっていたものが分かった。
 ――小さい頃に、彼の両親が死んだとき。羊が両親の変わりに家に来る少し前、初めて私に曝け出してくれた龍の心。

「私、焦ってたのよね、やっぱり」

 龍は帰ってきた。あれだけ龍を苦しめた私のために、約束を守ってくれて。
 いまでもエステルのことを考えると彼女のことが憎くて仕方がない。彼女のせいで、龍が変わったのだから。
 だけど、変わった龍は、龍が欲しがっていたもの――母親のような自分に、なっていた。
 怪我をする前に私と一緒にいたときよりも、いまの龍は幸せなのだろう。いまの龍を見ていると、何度もそう思う。エステルにも、もしかしたら感謝しないといけないのかもしれない。

(もう、焦らない。龍は私の気持ちに応えてくれる。きっと、どんな形でも……)

 龍が戦いに向かう前に口付けをしてくれたとき、どれだけ身体を重ねても満たされなかった何かが、スッと心を埋めていった。
 ――だから、もう大丈夫。私は、私でいられる。
 メガロポリスの広場を抜けて、各所に枝分かれしている階段の一つを上った先に、ギルドオフィスの看板が見えた。


162名無しさん@ピンキー:2010/09/27(月) 22:42:32 ID:/Gd18e7L
 以前よりもさらに閑散としたギルドオフィスだが、無理も無いだろう。モンスターの襲撃を受けてから四日しか過ぎていない。
 オフィスそのものに被害は無かったが、所員は被害があったメガロポリス各所に総出で出払っている。
 いまは被害の報告を受け付ける窓口と、緊急の客が来た場合に対応するための事務員が数人いるだけだった。
 エステルは普段どおり受付の椅子に座り、いつでも各所の新しい被害情報や、緊急の対応がくるのを待っていた。

「え……」

 だが、そこでオフィスに足を踏み入れた人物は、まったくと言っていいほど予想していなかった人物だった。

「……いま、ちょっと大丈夫?」

 ――猫が、あれほど自分を憎んでいるはずの猫が、目の前にいる。
 エステルにとっては信じられないことだった。
 彼女から龍を奪い、龍を壊したのは、形はどうあれ自分なのだ。あのとき、自分がいなかったら龍は怪我を負うこともなく、昔の姿のままでいたはずなのだから。
 しかし、猫からは憎悪も殺気も、なにも感じない。
 以前遇ったときとはまるで違う、別人のようだった。

「は、はい」

 業務中ではあるが、そんなことはすっかりと忘れていた。
 エステルが返事をするや否や、猫はオフィスを出る。エステルも後を追う。
 先ほど猫が上ってきた広場へと続く階段をゆっくりと降りる。
 モンスターと冒険者たちが戦った跡がくっきりと残っている広場は、以前の人で賑わう空間ではなかった。
 中央の噴水はドン・カバリアの像ごと砕かれ、瓦礫として転がっており水は引かれていない。

「私ね」

 階段の半ばで、猫が歩みを止めてエステルに振り返る。
 肩をビクリと震わせ、エステルは身構えたが、その姿を見て猫は苦い表情を浮かべる。

「なにもしないわよ。――ただ、ありがとうって言いたかったから」
「え……?」

 憎まれ続けて、どうしてありがとうなのか、エステルには理解できなかったが、猫が少しずつ言葉を流していく。

「いまの龍はね、昔ずっとなりたかった姿の龍なの。私は、あなたが龍を壊したことを許せなかった。龍が傷ついて、私とのことを忘れたことと……龍が本当に欲しかったものを、私が与えてあげられなかったから」
「龍さんが、本当に欲しかったもの……」
「私はね、いまでも龍がどうしてそれを欲しがってたのかは分からない。けど、ずっとずっと頑張ってきた龍が、ようやく満足することができた。形はどうあっても、あなたのおかげ。……それが悔しいんだけどね」

 苦笑して、それでも猫はエステルを見続けて話す。
 いまでも憎んでいる相手、それでも以前よりはその気持ちは薄れている。
 つい最近までは、一緒に憎み続けるだろうと思っていた相手のはずだったのだが。

「だから、ありがとう」

 ――いまの龍が幸せでいるのは、あの悲しい出来事があったから。私から龍を奪ったことでエステルを憎んでるけれど、昔と変わらないまま時間が過ぎても、きっと龍は満たされなかった。
 嘘偽りのない気持ちを、猫はエステルに吐き出した。
 それはエステルに確かに伝わり、警戒していた彼女は、改まって猫に頭を垂れた。

「私、卑怯です。龍さんには猫さんがいるって諦めようとしてたのに、ずっと諦めることができなくて。龍さんがあのとき退院してから、全然別の人に変わってなにも覚えていなくて、……私は嬉しいって思いました」

 自分を助けたことで怪我をし、再び会った龍はまったくの別人になっていた。
 どこか近寄り難い存在だった人は、人懐っこい笑顔を見せるようになり、口調も、仕草も、なにもかもが変わリ過ぎていた。
 そして、数年の記憶を置いてきた龍を見て、エステル自身は内心安堵していた。――この人の傍にいられる、と。

「龍さんがあんなに苦しい思いをしたのに、私は全部忘れてる龍さんを見て、嬉しいって思った最低な女なんです! だから、そんなこと言われても……」
「いいのよ。だって、女は好きな男と一緒にいたいものでしょ?」

 エステルの言葉を遮る。猫にとって、確かにそのことは憎むべくことだったが、彼女を否定はしなかった。
 逆の立場だったら、自分もまったく同じことを考えていただろう。同じく龍を好きでいるからこそ、そう確信することができる。
163名無しさん@ピンキー:2010/09/27(月) 22:42:53 ID:/Gd18e7L
 むしろ、正直に言ってくれたエステルに、好感すら抱いてしまった。

「お互い様よ。そんなこと言ったら私だって、龍と無理やりセックスして体の関係まで持ってった最低な女よ」

 猫が事もなく言うと、エステルは目を剥いて赤面した。いつの間に、とも思ったが、あの二人ならいつそんな関係になっててもおかしくはない、とも思う。

「けどね、そのせいで龍のこと、傷つけちゃった。私もダメね、他人のこと言えないもの」

 そして、二人は沈黙した。
 お互いがこれまで龍にしてきたこと、思っていたことを曝け出して、初めて互いの心に触れた。
 エステルは、許してくれた猫に、胸が張り裂けそうになっていた。感謝の気持ちが溢れ過ぎて、抑えられそうにない。
 また猫も、エステルは本当に龍のことを愛している、どんなに自分が遠ざけようとも彼女は龍のことを想って止まないということに気付いた。その感情は、自分と同じものだということも。

「いまでもあなたのこと、やっぱり許せない。……だけど、あなたがいてくれてよかったって思う。だから――」

 一瞬、猫は言葉を飲み込んだ。瞼を閉じると、脳裏に浮かぶ龍の姿が徐々に薄れていき、やがていまの幸せな姿の龍へと変わっていった。

「負けないから、ね」

 その言葉で、エステルはすべてを知ることができた。
 あの猫が、自分に対して「負けない」と言った。それは龍の心が彼女から離れようとしていること、その先にいるのは自分自身だということ。
 もしかしたら、離れているわけではないのかもしれない。優しい彼のことだ、きっと猫のことは愛しているのだろうと、エステルは思っていた。

「わ、私も、負けませんから!」

 静かに言うが、自身に満ちた表情を見せる猫に対し、エステルは精一杯声を張って彼女に言う。
 気持ちでは、負けているつもりはないのだから。

「ありがと。あ、それと先制攻撃しといたから」
「へ?」

 エステルの言葉を聞いて、猫は満足そうに頷くと、突然軽い口調で話を続けた。

「ここ来る前に、病室で龍にフェラしてあげたら、すっごく気持ちよさそうな顔してくれちゃったのよね」

 思わずエステルは噴出してしまった。想像してた以上にも猫は積極的に龍にアプローチをしており、その手法があまりにも大胆なこともあるので再び赤面した。
 いまだに龍と行為に及んでいない――とはいっても、一度だけ指でさせてもらったことはあるが、それでも直接男女の営みをしたわけではない。

「わわわ……私、だって……」

 呂律が回らず、その後の言葉が続かない。
 そんなエステルの姿を猫は面白可笑しく眺めて、一頻り笑ったあとにもう一度笑顔を見せた。

「それじゃあ、もう行くわ。ごめんなさい、仕事の途中で無理やり呼んじゃって」
「い、いえ、私も嬉しかったです。猫さんが来てくれて」

 互いに、憎み憎まれる間柄だったのが、まさかこんなに砕けて話せるようになるとは思ってもいなかった。
 猫は踵を返し、広場の瓦礫を越えようとしたところで、ふと立ち止まった。

「そうそう」

 同じくオフィスへと戻ろうとしたエステルは、その声で歩みを止めた。

「私たちよりも、一番の強敵がいるから、それをどうにかしないとね」

 エステルは首を傾げて、自分と猫以外に、龍と親しい女性を思い浮かべた。
 が、特別親しいという間柄は浮かばない。ましてや、龍がそれほど気になっている人物に、自分が気付かないとは思えなかった。
 考えに更けているエステルをよそに、猫は軽快に瓦礫を越えて、広場を後にした。
164名無しさん@ピンキー:2010/09/27(月) 22:43:14 ID:/Gd18e7L
失礼しました。
165名無しさん@ピンキー:2010/09/30(木) 00:34:26 ID:Lmh7xpoE
猫かわいー
166名無しさん@ピンキー:2010/10/01(金) 23:36:40 ID:d1eJTqnV
久々にきたらトリスタ物が!
どちらもGJ
167名無しさん@ピンキー:2010/10/07(木) 23:18:16 ID:USEyYbd9
保守をやめない
168名無しさん@ピンキー:2010/10/11(月) 00:51:17 ID:GRRQ1H+i
>>163
最初の投下からもう3年か
完結目指して頑張ってくれ
169名無しさん@ピンキー:2010/10/31(日) 07:33:17 ID:Gb1nb3Hh
保守
170名無しさん@ピンキー:2010/11/13(土) 06:49:00 ID:8Tlb02Fu
ほしゅ。
171名無しさん@ピンキー:2010/11/24(水) 00:01:13 ID:0oX2Y7K/
お久しぶりです、実に4ヶ月ぶりの投稿となります。
お話は前回の続きとなっております。
今回は視姦を取り扱っていますので苦手な方はご注意ください。

それでは投下させていただきます。
1723分さらたんLv2:2010/11/24(水) 00:02:27 ID:VCxeu22G
彼女の名はさらたん。
ソーサラーを目指すべく先ずはウィザードに転職しようとギルド元宮に向かったはいいものの……
「間違っておる、マジックに聞きなおしてきなさい」
これで晴れてアップタウンとダウンタウンを10往復することになる。
「ふみゅ……」
さらたんは思わず言葉を漏らしてしまった。
記憶力の悪いさらたんには酷な試験なのだろうか。
それでもこうして試験を受けていられるうちが幸せだと彼女が知ることはなかった……

あれから何回往復したのだろうか、ようやく試験を合格したさらたん。
「では、全裸になってくだされ」
「ふみゅ!?」
突然のセクハラ発言に彼女は困惑の言葉を発してしまう。
「防御力が高いとうまく転職できんのじゃ、それともウィザードになりたくないのかね?」
「……」
彼女にとっては究極の選択なのだろうか、しかし自分の志した道の為には避けて通れない道でもあった。
「わかった〜 脱げばいいんでしょう〜」
彼女はそう言うと渋々服を脱ぎ始めた。
異様に重くかさばる装備品の数々、それらを脱ぎ捨てるとともに鈍い音が響く。
その音に反応したのか、様々な冒険者達がスペルユーザーマスターの部屋を覗いてゆく。
いつしかさらたんは多くの視線を浴びていた。
その視線による羞恥心が彼女を火照らせてゆく。
「では、ウィザードの紋章を宿そう」
スペルユーザーマスターがそう言うと何かをぶつぶつと唱え始めた。
それによるものかは分からない、だがさらたんの体がさらに熱くなっていくのを彼女は感じていた。
「ああっ、熱いのが体の中に入ってくる……」
このセリフだけを聞いたら確実に勘違いするだろう。
案の定多くの冒険者がさらたんの全裸姿を見ようと部屋の入り口に集まっていた。
「ああ、イっちゃうの、イっちゃうの!!」
視線による羞恥心が快感に変わっていくのをさらたんは感じていた。
そして紋章が体に宿った瞬間だった。
「ああああぁぁぁ!」
さらたんは絶頂、失禁とともに意識を手放した……

「ふみゅう……」
その後めでたくウィザードとなった彼女は雑巾を両手で持って床の掃除をしていた。
「まったく、この先が思いやられるのぅ」
スペルユーザーマスターは様々な意味をこめて呟く。
彼の予想通りさらたんはこれからも散々な目に遭うのだろう。
173名無しさん@ピンキー:2010/11/27(土) 00:35:52 ID:Z3/S0jfD

えろい
174名無しさん@ピンキー:2010/12/12(日) 22:35:16 ID:nyuu7r2m
175151:2011/01/12(水) 04:49:37 ID:/z9G2BbK
「君はどっちかが好きなのかい?」
羊はマルクト(?)にそういわれドキッとした
マルクトからすれば、冗談として適当に行っただけであろう。
だが、実は女の子ラブな羊に、この質問はかなり動揺を与えた。
数秒カチンと固まったあと、顔がどんどん赤くなっていき、あたふたと言い訳を羊ははじめる。
「bbbbbべつにエリスさんのことが好きとかじゃないですの!
胸でけえうらやましいとかサラサラ髪の毛ハァハァとか決して思ってませんの!」

ここまで書いて飽きた

―――ここからアンケート―――
153の小説ですが、これからというときになんというネタぎれ・・・
見てる人に続きの展開のアンケートとってみたいです

@ぬこに調教されるたぬぬ
Aたぬぬ吹っ切れてぬこと普通にヤる
B実はたぬぬドSで逆に猫を調教
C羊乱入で3P

とりあえず20日くらいにまた執筆はじめます。。
176名無しさん@ピンキー:2011/01/12(水) 14:26:18 ID:lJj4FrHM
3で

エルソードはどうだろう。アレも中々だと思うけど
177名無しさん@ピンキー:2011/01/12(水) 19:07:13 ID:BAvvd9Rp
178名無しさん@ピンキー:2011/01/18(火) 19:43:35 ID:FpyyGfyz
4ですの
179名無しさん@ピンキー:2011/01/25(火) 21:47:57 ID:zz0RD6To
>>172さんとは別の人ですが
さらたんを弄るならここがいいよ! ってフレンドに勧められて来ました。
ECOのさらたんとわてたんの話です。
さらたんの一人称視点で書いた和姦?モノです。
180名無しさん@ピンキー:2011/01/25(火) 21:48:54 ID:zz0RD6To
さらたん、今日はわてたんとブレマスさんと内藤さんでPTを組んだよ。
休憩してたら、ブレマスさんと内藤さんがズボンを脱いで
「気持ちいいことしようぜ」
って、おちんちんを出して言ってきたよ。
私が顔を赤くしてると、わてたんが酷い事をゆったの。
「さらたんはソロモードでお願いします!」
そして二人のおちんちんを握って、独り占めしちゃったの。
先っぽをペロペロ舐めてから、美味しそうにしゃぶってるの。
「いいなぁわてたん……」
お股がムズムズしてきたから、私も一人でいじったの。
ぱんつに手を入れて、お豆さんをくりくりしたら、思わず声がでちゃったの。
「あぁ……はぅ」
びちょびちょになっちゃうから、ぱんつを脱いで、そっと指を入れてみたよ。
中は湿ってて、しわしわでぼこぼこになってるところを指で撫でたら
とっても気持ち良かったの。
「さらたん、イっちゃう・・・っ」
「ああああんっ!」
ふらふらした頭で横を見たら、わてたんもイったみたい。
おまんこにブレマスさんの、おしりの穴に内藤さんのふっといおちんちんを挿れて
よだれを垂らしてよがってたの。
「い、いいです、のっ!まんこもあなるも気持ちいいですのーっ」
ブレマスさんの上で腰をふるわてたんを見てたら
さらたんまたエッチな気分になってオナニーしちゃったの。
今度は奥まで指を入れようとしたけど届かなかったから
ノーブルロッドの細い方を入れたよ。
「んっ・・・あっ・・・駄目っ・・・・・なのっ・・・」
一番奥をこりこりなぞると、下半身がきゅんってなったの。
杖がざらざらしてて、出し入れすると凄く感じるの・・・。
思わず激しく杖をゆさぶると、またイきそうになったの。
「んあああっ!やっ、またっ・・・!」
「さらたん、凄くエッチな顔してますの・・・♪」
いつの間にか、わてたんがさらたんの手を押さえてたの。
「やぁ・・・イけないよう・・・」
イく直前で杖を止められて、おまんこ全体がじんじんしてたの。
「イきたい?さらたん」
「お願いイかせてよわてたん・・・」
そしたらわてたん、私の顔に跨ってきたの。
「うぐぅっ」
「私のおまんこの中のザーメン、全部飲めたらイかせてあげますの」
わてたんのビラビラを、必死に舐めて吸ったの。
「ああ・・・いいですわ・・・
 さらたんとっても上手♪」
吸ってもすっても、中からドロっとした液体が次々に出てきたの。
それを飲んでたら、さらたんも気持ち良くなってきたの。
「らめぇ!イっちゃう!」
「んー!」
わてたんが急にイったの。
びゅっびゅっびゅ。
さらたんの顔が、わてたんの潮とエッチなよだれでドロドロになっちゃったの。
「んああ・・・わてたん、美味しいよぅ・・・」

それから、ブレマスさんと内藤さんに
朝までおちんちんを入れて貰ったの。
とっても気持ち良かったよ。
181名無しさん@ピンキー:2011/02/06(日) 01:57:47 ID:/2zluhmh
182名無しさん@ピンキー
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