パワポケでエロパロ11

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952名無しさん@ピンキー:2009/09/26(土) 22:41:50 ID:b33tONUm
コテハンなら酉もつけた方がいいな
953名無しさん@ピンキー:2009/09/26(土) 22:47:35 ID:FsPSkAKO
◆EqHQZWqzBの盗作について一言
954名無しさん@ピンキー:2009/09/26(土) 23:18:58 ID:IcX/e5jA

955名無しさん@ピンキー:2009/09/26(土) 23:40:18 ID:cRnmNCBh
スカでごめん

9主「あの、維織さん」
維織「何?」
9主「何で俺縛られてるんですか?」
維織「罰…」
9主「罰?」
維織「レストランにいたあの子、誰?」
9主「夏菜のことか?ちょっとした縁で…」
維織「……」
9主「あの、何で注射器を取り出すんですか?」
維織「……怖いから…」
9主「え?」
維織「貴方があの子に連れて行かれてしまうから・・・」
9主「俺はどこにも行かないよ」
維織「…・・・嘘・・・」
9主「本当だって!」
維織「なら、証拠を見せて・・・」
9主「証拠?」
維織「そう、どこにも行かないっていう証拠・・・」
9主「え?ええっと・・・ううんと・・・ダメだ、何も思い浮ばない」
維織「・・・証明できないって事?」
9主「違う!維織さんが納得する方法が思い浮かばないだけだ」
維織「・・・・・・キスして・・・」
9主「キス?それならいいよ!」
維織「でも単なるキスじゃない、私のお尻の穴にキスをして」
9主「・・・・・・それ、本気で言ってるんですか?」
維織「……本気…」
9主「……そこは汚いし、それにそんなところにキスしたら…」
維織「……私は出来る」
9主「え?」
維織「私は貴方のお尻の穴にキスをすることが出来る…」
9主「……マジですか!?」
維織「証拠、見せてあげる…」
9主「うわ、何…お尻の穴に…なま温かくてぬるぬるした・・うっ!こ、これは・・・気持ち良い…」
維織「……今度は貴方の番…」
9主「……分かった…」
維織「うっ…はぁ…そこ…あっ、だめ!オナラが…出ちゃう…」
ブピィィィ…
9主「…これで良いのか?」
維織「……うん、良い…」
9主「維織さんの尾なら、結構可愛い音がしてたな」
維織「・・・あんまり言わないで…やっぱり恥ずかしいから…」
9主「うん、分かった…」
956名無しさん@ピンキー:2009/09/26(土) 23:41:15 ID:FsPSkAKO
GJ!
是非もっと続きを!!
957名無しさん@ピンキー:2009/09/26(土) 23:57:34 ID:FsPSkAKO
>>955
続き待っています、ぜひこの最悪な空気を換えてください!
958名無しさん@ピンキー:2009/09/27(日) 01:41:34 ID:7lpqBpOB
>>949
貴方が気にする事はありません。
生きる価値の無い屑が騒いでるだけです
959名無しさん@ピンキー:2009/09/27(日) 02:28:13 ID:0ORs8bkz
>>949
気にすることはねーけどまた同じことが起きるかもしれんしトリ付けた方がいいかも
960名無しさん@ピンキー:2009/09/27(日) 10:24:23 ID:zJd3/fPs
>>949
コテハンなら酉付けた方が良いと思う。
再発防止の為に。
961名無しさん@ピンキー:2009/09/27(日) 10:39:57 ID:7x/FPMcl
>>949
お前の悩みなんてどうでも良い!
俺が!俺たちが!お前の作品を全て受け止めてやる!

だから気にしないでください
でもトリップは付けた方が良いですね
良くも悪くも貴方はこのスレでは有名ですから
偽物が出てこられてはこちらもたまりませんので…
962906:2009/09/27(日) 14:26:35 ID:HElS7kq2
続きを投下します。が、その前にお詫びとお願いが。あれから後半が完成しましたが当初予想していたものより、長くなってしまい
最終的に全編で32000字、100KB近くになってしまいました・・・そこで申しにくいのですが、続きを中編、後編に分け、
中編をここに投下、後編は既にできている新スレへ投下しようと思います。しかしあまり連続投下規制のことを把握していませんので、
ひょっとしたら後編途中で規制がかかり中途半端な形になりご迷惑をおかけすると思います。どうかそのことをご了承ください。
ちなみに中編はまだ非エロで後編がほぼエロ部分になるかと それではどうぞ


彼から誘われた初めてのデートからだいぶ月日が流れていた。はじめは緊張でがちがちに固まっていた
彼だったけど、今では週に一回は一緒にどこかに出かけている。この前も一緒に港へ釣りに行って来た。
普段は山田君に振り回されたり、ブキミ君に意味もなく呪われたり、黒野君に意味もなく殴られたりと
良いところがない彼だがあの部室の時の・・・椅子の上から踏み外した私を抱きとめてくれた時に間近でみた顔は
童顔のかわいらしさとともに、たしかにどこか男らしくもあった。
あの後すぐ彼は慌てて部室を出て行ったけど、私は抱きしめてくれた彼の感触をまだ感じていた・・・
・・・そういえば事故とはいえ男の人に抱きしめられるなんて、
小さい頃にお父さんに抱っこをねだった以来かな?
彼の身体あんなに大きかったっけ・・・この前まで私と同じくらいの身長だったのに・・・


あの日から小浪くんのことが気になっていたのは確かかもしれない・・・
授業中、休み時間、練習の合間にも彼の姿を見たり気がつけば彼のことばかり考えたりしていた・・・

明日のお昼のお弁当どうしようかなあ・・・タコさんウィンナーとか小浪くん喜んで食べてくれるかな・・・
そういえば週末のデート、どの水着でいこうかなあ?このフリルのビキニ、小浪くん気に入ってくれるかしら?
中間試験も近いし、今度家にまで呼んで勉強しようかしら?ふたりっきりで・・・


「ねえユイは小浪君とエッチしたことあるの?」

昼休み、友達からとんでもない内容をさらっと言われ、思わず飲んでいたお茶を吹き出しそうになった。

「げ、げほ、げほ・・・な、な、なんて、一体なにを言ってるの!?」
「え?聞こえなかった?だからね、彼氏とセック」
「そ、そこまでよ!」

思わず、大声を出してしまった。教室中の視線が私たち3人の机に注がれている。
その中に彼の視線は・・・なかった。廊下側のほうで堤君と一緒にボールを片手になにか熱心に議論している。
不幸中の幸いか・・・未だにバクバクしている心臓の調子を整えて、周囲が静まるのを確認して会話を再開する。

「し、してないわよ!そんな、セ・・・エッチなことなんてまだキスもしてないのに・・・ってそもそも彼氏ってなによ?」
「え?ユイ、まだ彼と付き合ってないの?もうとっくにできてると思っちゃった」
「あー私も・・・てかほんとに付き合ってないのー?」

みんな、弟と同じことを聞いてくる・・・この前も彼から電話がかかってきたとき弟が出て、
彼氏から電話が来たぞとほざいてきたので、シャイニングウィザードで葬り去ったところだ。
さすがに友人に技をかけるのは気が引けるからしないけど、これは一体・・・?

「こ、小浪くんはいい友達だとは思っているわよ?そりゃあ少しは一緒にいる時間もあるし、
いろいろ彼にしてあげてるけど・・・でもそんな恋人のような仲でもないよ・・・」
「・・・ふーん、ところでその少しの一緒にいる時間って具体的にどれぐらいなの?」
「えーと時間的には週末に一回は一緒にショッピングとか部室の資材集めしたり、たまに野球観戦したり、
部活の帰りは途中まで一緒に帰って、
いつも寝る前とかには電話でおしゃべりしてるぐらいかな?いつもお母さんに怒られてから切るんだけど・・・
そういえばこないだデートできないときは店番を手伝ってくれたわ。」

他にも思い出せばきりがないが、私の一通りの説明が終わった後、女友達の一人がはあ、と大きなため息をついた。
ふと私の肩をぽんと叩いて記憶のない新世界の神のごとくこちらを見つめてきた。あれ?私何か悪いこと言った?
963906:2009/09/27(日) 14:30:53 ID:HElS7kq2

「あのねえ・・・ユイ、それを世間一般では恋人関係というのよ?お弁当もいつも作ってくるし・・・
下手したらあなたたちの場合、バカップルの領域に片足突っ込んでるかも・・・
それだけ一緒にいるのに、何故付き合っていないと断言する?まだあいつから告白がないから?
もしそうならyui、自分から告白しちゃいなyo!」
「こ、告白なんて・・・別にそんなことしようと思わないし、あ、あくまで私たちは日の出高校野球部の
キャプテンとマネージャーであって、だいたい小浪くんが私のことなんか・・・」
「ええいじれったい、往生際が悪いぞ!神木唯!!この口か?素直にならないのはこの口か〜!?」
「ち、ちょっと、いた、いひゃいって!ひっぱるのやめへよ〜!?」

「・・・ふ〜ん、そう告白はまだなのね。でも付き合いたいんなら早めに仕掛けた方がいいと思うよ〜、ユイ」

それまで静かに聞いていたもう一人の友達が暢気そうに口を開いた。攻防戦を繰り広げていた私ともう一人は彼女の方を見る。

「・・・早めに、って・・・どういうことなの?」

無意識のうちに私は彼女のその言葉に食いついていた。この時は自分でもどうしてなのかよくわかっていなかったけど・・・

「わわ、ユイ近いよー・・・えーとね、つまりユイ以外にも小浪君と仲のいい子がいるからもたもたしてたら盗られちゃうと思うよー。」
「へえ?あのイケメンでもないただの男を好きな奴がユイの他にもいるって?」
「うん、まあその子は実は天本さんなんだけどねー」
「ええ!?天本さんて・・・あの天本さん?あいつと全然接点が見えないんだけど・・・」
「んーでも結構二人っきりで相談みたいなことしてるの見掛けるのよねー。しかもだいぶ前からかなー?」
「ねえ・・・そのだいぶ前からっていつ辺りなの?」
「ああ、ユイなら覚えているかもしれないけれど、最初に見たのはあの野球部の部室が火事になった日の放課後かな?
帰りがけに見掛けたんだけど、浜辺で落ち込んでいる小浪君を天本さんが励ましていたのよ。
遠巻きで見ていたから話している内容はよくわからなかったけど・・・」
「おのれぇ・・・小浪竜一!ユイだけでなく天本さんという、うちの学年のツートップを弄びおって・・・
これは一度痛い目に遭った方がいいわね、お仕置きと再教育が必要よ、ユイ!・・・て、おーいユイさーん?」


小浪くんと天本さんが・・・ふたりっきりで・・・
いつも彼のことをみていたり、遊びに行ったりするのは面白いし楽しいからというのもあるけれど、
その中で一番嬉しいのは彼が野球部のことにしろ、学校生活にしろ悩みを私に打ち明けてくれることだ。
みんなは知らない彼の一面や彼からの信頼を私だけが独り占めしているという優越感に浸れるから・・・
だけど・・・私以外にも悩みごとを相談する人がいるなんて・・・
あの部室が燃えた翌日、昨日と打って変って彼が立ち直ったのは天本さんのおかげだったんだ・・・
・・・まあ、でも当たり前か。彼には家族もいるし男友達もいる、本土にいた頃の友達もいるだろう。
悩みごとを相談する人はいくらでもいる。それがたまたま天本さんだっただけということなのよね、別にどこもおかしくないはず。
でも・・・何だろうこのお腹の底から湧いてくる、ちくちくする痛みは・・・
なんだか彼に相談される天本さんが羨ましいというか、悔しいというか・・・なんで私じゃないのかな・・・
私に相談できなくて天本さんには打ち明けられる彼の悩み事って一体なんだろう―――


「いらっしゃいませー・・・あ・・・」
「あら?今日は店番ですか、神木さん」

あれから数日後の週末の朝。今日は店番の日だったのでレジで待機していたら、天本さんが入ってきた。
いつもみんなに分け隔てなく向ける、物静かな笑顔を私にも向けて・・・私もちゃんと笑顔になっているのだろうか・・・
あの話を聞いていたらどうしても彼女を意識してしまう・・・

「あ、うん。珍しいね、天本さんがお店に来るなんて・・・」
「ふふ、そうですね。神木さんは知らないかもしれませんけど、ちょくちょく神木さんの店にはお世話になっているのですよ?」
「そ、そうなの?あ、いつもありがとうございます!・・・えーと今日は何の御用件で?」
「ええ、実は神社の母屋の電球が切れてしまいまして・・・品番が・・・」


「毎度ありがとうございました!」
「いえいえこちらこそ・・・それではまた学校でも・・・」
964「embrace」:2009/09/27(日) 14:37:07 ID:HElS7kq2
用事を済まして、彼女が出口へと向かうため身体を翻す。ふと店の壁に掛けられている時計に目をやる。
ちょうどもう少しでお昼時、店番の休憩時間に入ろうとしていた・・・

「あ、待って天本さん!?」
「?あ、すいません、お金足りてませんでしたか?」
「あ、そうじゃないんだけど・・・あの・・・よかったらこのあとお茶でもしない?」

とっさに考えたことを思い切って言ってしまったが、彼女は嫌な顔一つもせず、いつもの笑顔でこたえてくれた。


「・・・・・・」
「・・・・・・」

休日でいつもより賑わっている商店街のなかにある静閑とした喫茶店、店のBGMを背景に沈黙が店内を支配していた。
まずい・・・自分から誘っておきながら、なんなのこの気まずい雰囲気・・・これじゃ聞きたいことを
聞けないどころか天本さんにも悪いことをしてしまう・・・何か話題を振らなくちゃ・・・

「野球部の調子はどうですか?次の試合は勝てそうですか?」
「ふぇ?あ、ああそれはもちろん!みんな張り切っているしね、大丈夫でしょう!」
どこか重苦しい静寂を破ったのは天本さんからだった。ほんとにごめんね・・・そういえば
こうやって二人で彼女と話すのは久しぶりかしら・・・たしか小学生のとき彼女のお母さんが・・・自ら命を絶ってから
すぐの頃に、大丈夫?と声をかけた以来かしら・・・あの時ショックで悲しいはずなのに、彼女は大丈夫です、と
毅然にあの笑顔を見せてくれたっけ・・・天本さんは本当に強い子だと、頭が下がる。それに・・・すごく美人だなあ。

高貴さを持つ艶のある銀髪は清楚に肩のあたりで切り揃えられており、そばを通れば椿油のほのかな香りが漂う。
全体的に端正な小顔の肌は化粧もしていないのにニキビ一つもなく色白で、
睫毛は私より長くて綺麗な曲がり方をしていて、普段笑顔でよくわからないが
切れ長で、すべてを見通しているかのような落ち着いた眼と瞳には同性である私でさえも魅了されてしまう・・・

・・・いけない、ぼーとしてたら会話が途切れちゃう。本題に入らなきゃ・・・

「あ、あの、ところでね!天本さんは彼に、小浪君にいろいろ相談されていたりするの?」
「ええ。と言ってもたまにですがね。小浪さんに何度か相談を受けたことはありますね。」
「そうなんだ・・・あ、あのもし良かったらね、できたら教えてくれないかしら?」
「小浪さんから受けた相談の内容ですか?」
「うん・・・そうなんだけど」
「ふふ、そうですか・・・」

―――良かった、どうやら聞けそうね。天本さんはいつもの微笑みを続けながらまだ半分も残っているコーヒーを一口飲んでから―――


「嫌ですわ」

一瞬何を言われたのか理解できなかった。さっきまで微笑みを絶やさなかった天本さんの表情は変わっていない。
いや、たしかに口元は上にあがっているが、片目の瞳はわずかに見開き・・・笑っていなかった。
まるでその答えをきく覚悟があるのか私に問い詰めているかのように、私を捉え、吸い込まれそうな錯覚に陥る・・・

「・・・というのは冗談です。気分を悪くなさらないでください」

ほんの一瞬の出来事だったろうが私には長いこと彼女の瞳に囚われたかと思った。彼女の言葉が耳に入って、
気がつくと天本さんはいつも通りの嫌みのない笑顔に戻っていた。今のは・・・気のせいかしら?

「・・・これからお話しすることはおそらく、いえ、確実に神木さんには信じていただけない内容ですので・・・
それと・・・この話を聞けば、彼、小浪さんに対する見方が一変するかと思います。それも決して良くない方向に・・・
彼が何故わざわざ解散寸前の野球部を再建してまで甲子園を目指すのか?何故私に相談することがあるのか・・・
それでも・・・本当のこと、お知りになりたい?」
965「embrace」:2009/09/27(日) 14:41:19 ID:HElS7kq2

天本さんはゆっくりと静かに・・・けれどその一句一句が重さを持つのがわかり、私に答えを聞く覚悟を迫った。
私が知らなくて、天本さんが知っている彼の一面、本音、真実・・・
正直ここにきて急な展開で戸惑ってしまう。でも、聞きたい。もう後戻りはできない・・・

「・・・構わないわ、お願い」
「そうですか・・・わかりました、お話しましょう。
その前に・・・神木さんにお聞きしたいことがあります。」
「ありがとう、それでなに?」
「あなたは小浪さんのことが好きですか?」
「え、ちょっ!?な、なんで天本さんまで・・・えーと、うん。す、好きかも・・・あ、あくまで友達としてだけど・・・」
「・・・そうですか。では何故彼は甲子園を目指すのだと思います?一度は空中分解しそうになったメンバーを呼び戻してまで・・・」
「それはやっぱり野球が好きだから、男の子なら誰でも憧れる甲子園を目指すのは当然じゃないかしら?
ひょっとしたらプロ野球選手になりたいのかも?夜遅くまで一人でも練習していることもあるし・・・
「つまり、あなたは彼が他の一般的な人間のように野球が好きだから、プロに行きたいからという理由で
甲子園を目指して必死に死に物狂いで練習をしている、と思っているのですね?」
「そうじゃないかし・・・あ、でも待って・・・ううん、やっぱりそうでしょう?」

ふと野球部一時解散の日に感じた彼のなにかに追われるような眼を思い出した。まさかそれも関係していることなの?
天本さんはもう一度コーヒーに口をつけて気色の良い唇を潤した。

「純粋に野球が好きだから・・・実に実直で、健全で、前向きな理由ですね・・・
でもね、神木さん。あなたが思っているほど、彼はそんな単純にはいかないのですよ。
なにせ甲子園まで行くかの是非によって、彼の存在、言いかえれば彼の命がどうなるかが懸かっていますからね・・・」
「命が懸かっているって・・・どういうことなの?」
「教えてあげますよ。彼が野球を再建した、甲子園を目指す本当の目的を―――」


そして私は彼女からすべてのことを聞いた。
あけぼの丸の呪いが彼に降りかかり、神隠しが起こっていること。すでに野球部員2人が神隠しの犠牲になっていること。
呪いを解くには甲子園出場しなければいけないこと。できなければ彼が神隠しに遭い、存在ごと消されてしまうこと。
そうならないために野球部を再建したことを・・・・・・



「呪いなんてそんな・・・冗談よね?」
「信じられないでしょうけど、どうやら本当みたいですよ?最初の神隠しに遭った前キャプテン、
あなたの幼馴染だったらしいですが、住民名簿などを調べれば名前が確認できますし、それから
夏に神隠しに遭った・・・たしか山本という名前だったと思います、部費帳簿を見て計算の合わないところがありませんか?
部員一人分余計に貰っているという月があるのでは?・・・」
「でも、そんな人たち記憶にないんだもん・・・たしかに彼に何度か山本っていう人のこと聞かれたことあるけど・・・」
「まあ、仕方ないですよ、神隠しにあった人物についての記憶は全部なかったことにされているのですから・・・
現に私もその二人のことは存じておりませんでしたし」
「・・・ねえ天本さん、もしこのまま試合に負け続けたら最終的には彼が神隠しに遭ってしまうのよね?」
「そうですね・・・呪いは日に日に強くなっているみたいですから・・・このままずるずる負け続けるか、
部員が8人以下になるようならば、一気に消されてしまうでしょうね。あ、神木さんは大丈夫だと思いますよ?
マネージャーですから記憶がなくなればそれで済むと思いますから。」
「いや私のことはどうでもいいの。その場合・・・私も小浪くんのこと忘れてしまうの?」「そうですね、今のところ神隠しに遭った人物を覚えているのは彼だけですから」
「そんな・・・小浪くん責任感強いから、きっと試合ではすごいプレッシャーなんだろうな・・・負けてしまったら、
一人ずつ消えていくんだから・・・それを知っているのは小浪くん一人だけで・・・まさかそんな事情があったなんて」

そのことを打ち明けられて相談に乗っている天本さんは、すごく偉くて、優しくて・・・それにすごく羨ましかった。
私がもし同じことを相談されたとしても、真剣に聞くどころか聞く耳も持たなかっただろう・・・
天本さんは終始笑顔で話していた。しかしふざけているのではなく、真面目であることはその声色からわかる。

やっぱり彼は私より天本さんを頼りにしているのかな・・・彼女のほうが彼と一緒にいるのが似合っているのかな・・・
966「embrace」:2009/09/27(日) 14:45:10 ID:HElS7kq2
それならば私は今まで彼に何をしてきたのかしら?
相談に乗ってあげていると調子に乗っておきながら、実際には彼が背負っている大きな宿命にも気付かず、
彼の助けになっていないじゃないか、むしろ週末にデートなんかで彼の邪魔ばっかりしてきたのではないの?
彼のことが本当に思うのなら、身を引くべきではないの?・・・彼を本当に支えられるのは天本さん以外に―――


「でもこれでわかったでしょう?彼が、小浪竜一がどれだけ自分勝手な人間かということが」
「・・・なんですって?」

きっと今私の顔はすごいことになっているのだろう。感情むき出しの表情を受け彼女は眉毛を上げて驚きの表情を見せた。
が、すぐになんでもない涼しいそうな顔に戻り私の眼と彼女の瞳が対峙しあう。今度は間違いなく彼女の眼は笑っていなかった。

「だってそうじゃないですか?山田さん達チームメイトやマネージャーのあなたには暢気に甲子園へ行こうと
呼び掛けているくせに、その目的は呪い解除という個人的で不純な理由のため・・・表はきれいごとを装って、
その実は私情まみれで、野球部が強くならない現状に苛立ちを募らせている・・・
また部員を増やすことによって、自分が神隠しから少しでも逃れようとし、他人を巻き込んでいる・・・
あなたが好意を抱いている小浪という男は、あなたが思っているほど単純で純粋じゃなく、
その逆計算高くてずる賢くて、腹に一物抱えた小心者なんですよ―――」

「小浪くんはそんな人じゃない!」

自分の怒鳴り声で他のお客はこっちを見ているだろう。でも構うもんか、私は視線をそらさずまっすぐに彼女を睨みつける。

「彼を馬鹿にしないで!あなたは知らないだろうけど、いつも練習している彼の姿を見ていたら、彼がどんなにボロボロになっても、
どんなに心に傷を負っても負けない、挫けない男の子だってことぐらいわかるんだから!
それに自分だけじゃなく仲間のことにも気を遣っていて、マネージャーの私でさえもほかの部員と平等に見てくれて・・・
この前も血を見て暴走した小山君を身をていして止めていた!器の小さい人間がそんなことできるはずないわ!」
「あはは、呪いのことも打ち明けてもらえないあなたごときが、彼のすべてを知っているかのような口振りですね?
さも私が彼の恋人ですといった感じですか?ろくに想いを伝えられない、いえ想いに気づこうとしない意気地なしのくせに」
「―――くっ!?」

彼女の冷静で的確な指摘を受けて返す言葉がない。彼女は千里眼を持っているかのように
私を見透かしている。私が彼に拒否されるのが怖くて彼への想いを素直に認められない臆病者であるということを・・・
でも、それでも―――


「・・・・・・そうよ、どうせ私は彼に話してもらったり、一緒にいてもらったりするだけで舞い上がっちゃって、
実際は全然彼の役にも立ってない、彼に本当の悩みも相談してもらえない、彼の足を引っ張る馬鹿な女よ・・・
でもこれだけは自信を持って言えるわ。私は小浪くんのことを誰よりも信頼していて、尊敬していて、
力になりたいって想っているということを。あなたみたいに彼を見下してなんかいないわ・・・私はそれを許さない。」

彼女の指摘のおかげで逆になんだか吹っ切れてしまった。もう自分を偽らないし迷わない・・・
お互い立ちっぱなしで一歩も引かない・・・ここでほんの少しでも怯んでしまったら
彼への想いが嘘になってしまう。彼の名誉のため、
彼が背負わされた宿命の為、今まで育んできた彼への想いの為ここで退くわけにはいかない・・・


どれだけ経っただろうか。沈黙の睨みあいが続いた後、
なぜか彼女は安堵したかのようにいつもの笑顔に戻った。瞳はどこか穏やかで・・・

「・・・大丈夫そうですね、あなたなら」
「・・・え?」
「もう一度最初の質問をします。あなたは小浪さんのことが好きですか?」

「・・・好きよ。友達や仲間としてじゃなく、異性として・・・
・・・たとえ彼にこの想いが伝わらなくても、これからも彼を支え続けるわ・・・たとえそれが自分の独りよがりだとしても」
「・・・その言葉は聞きたかったのですよ。やはり彼のそばにはあなたが適任、必要みたいですね。」
967「embrace」:2009/09/27(日) 14:50:02 ID:HElS7kq2
「・・・天本さん、まさか」
「先ほどまで失礼なことを言ってしまい、申し訳ありませんでした。私も小浪さんの心の強さと大きさに感服します。
本当に彼はどんな逆境にも負けなくて、責任感が強くて、誰にでも優しくて・・・善い人です。
本当のことを話してもあなたが信じてくれるか、そして彼の支えになってくれるかどうか、
悪いですが試させてもらいました。不愉快な思いをさせてごめんなさい」

そうか・・・さっきまでのあれは演技だったんだ・・・それがわかるとなんだか拍子抜けして椅子にへたり込んでしまう。

「そうだったんだ・・・ううん、こっちこそ怒鳴ったりしてごめん・・・」
「そんな気になさらないでください。もし私が神木さんの立場だったら、私も同じことをしていたと思います・・・
それにおかげで神木さんの本気を確認できましたし。
・・・そろそろ家まで戻らないといけませんので、私はこれで・・・あ、お代は私が出しますんで・・・」
「ま、待って、天本さん!?」

レジでお金を出そうとしている彼女を慌てて呼び止める。どうしても彼女に聞きたいことがある。それを確かめたい・・・

「はい、なんですか?」
「天本さんも・・・あなたも小浪くんのことが好きなの?」

「・・・はい、彼のことを好いています。彼は私のことをどう思っているかわかりませんが・・・
ふふ、彼に夢中になる想いだけなら、あなたにも負けていないと思いますよ?
・・・もっとも彼と結ばれるのは許されたことではありませんが・・・」

その時の天本さんはいつもと同じ笑顔だったけど、どこか影が差したように悲しそうだったのを覚えている。

「・・・教えてくれてありがとう天本さん。それから・・・私も負けないから」
「ふふそうですか、その時はどうかお手柔らかに・・・それでは」

お勘定を払った彼女は微笑みを浮かべながら、喫茶店を後にした。ほのかに椿の香りを残しながら・・・

彼から告白を受けたのは、クリスマスを控えた1週間前のことだった―――



ここで中編は終わります。皆さんありがとうございました。今から後編を新スレで投下してきます
あと前編で改行についてアドバイスしてくれた方、ありがとうございます。
どうやら最大60行ではないみたいですね・・・本文の長さも影響しているのかも
968名無しさん@ピンキー:2009/09/27(日) 16:05:33 ID:rJ/Yj6B1
GJ
演技とはいえ天本さんイルの成分が入ってるな
そして儚い・・・
969名無しさん@ピンキー:2009/09/27(日) 17:16:35 ID:5amdVP6D
GJ
そろそろ>>970だしさっさと埋めてしまうか
970名無しさん@ピンキー:2009/09/28(月) 01:35:32 ID:JD6gGtvj
GJ!
天本さんが儚げでかわいいな

あと天本さんって「〜ですわ」って口調になることってあったっけ?
大した事じゃないけどちょっと気になった
971名無しさん@ピンキー:2009/09/28(月) 03:29:14 ID:bA/Y8BnC
確かにそれは疑問に思った
972名無しさん@ピンキー:2009/09/29(火) 00:34:07 ID:B7D68DMr
>>955の続きまだ?
973名無しさん@ピンキー:2009/09/29(火) 13:49:00 ID:B7D68DMr
他スレで通報するって言われたんだけど、どこに通報されたんでしょうか?
まさか警察、それとも裁判所とかでしょうか!?
974名無しさん@ピンキー:2009/09/29(火) 15:16:14 ID:AhpuCrIb
紫杏かわいいよ紫杏
975名無しさん@ピンキー:2009/09/29(火) 16:09:20 ID:S6wTQGnE
なんで厨房がいるのかな?かな?
976名無しさん@ピンキー:2009/09/29(火) 16:15:56 ID:m29/bAnj
埋め木寮長
977名無しさん@ピンキー:2009/09/29(火) 17:05:37 ID:iF5x6hpC
あそ〜れ
マッスルマッスル
978名無しさん@ピンキー:2009/09/29(火) 17:32:23 ID:ny7RhS4I
YOU!
何かの拍子にごっちんこしてアカネとリンの人格が入れ替わったシーンを想像しちゃいなよ!






うはwww
979名無しさん@ピンキー:2009/09/29(火) 17:33:27 ID:m29/bAnj
埋め木寮長
980名無しさん@ピンキー:2009/09/29(火) 17:54:21 ID:R9jUNDPR
>>978
やべえマジ萌えるww
981名無しさん@ピンキー:2009/09/29(火) 18:21:14 ID:ATWEO0gY
主人公と茜が入れ替わる話なら既出だけど
それは見てみたい気がする
982名無しさん@ピンキー:2009/09/29(火) 19:14:18 ID:m29/bAnj
埋め木寮長
983名無しさん@ピンキー:2009/09/29(火) 19:14:45 ID:N+8MBj00
梅田
984名無しさん@ピンキー:2009/09/29(火) 19:59:48 ID:m29/bAnj
埋め木寮長
985名無しさん@ピンキー:2009/09/29(火) 20:18:01 ID:cJ4bMdEd
ウメ
986名無しさん@ピンキー:2009/09/29(火) 21:08:02 ID:9sYfyFgb
埋め
987名無しさん@ピンキー:2009/09/29(火) 21:19:42 ID:m29/bAnj
埋め木寮長
988名無しさん@ピンキー:2009/09/29(火) 23:23:31 ID:B7D68DMr
>>955
GJ過ぎる!!
989名無しさん@ピンキー:2009/09/29(火) 23:34:29 ID:ca8S5Zvz
465 名前:名無しさん@ピンキー:2009/09/29(火) 00:57:40 ID:B7D68DMr
そんなの見つけてくるなよ。
誰もGJしてくれないから自分でしただけだ。
990名無しさん@ピンキー:2009/09/30(水) 01:42:39 ID:+vo4pCfo
埋め木寮長
991名無しさん@ピンキー:2009/09/30(水) 04:59:13 ID:PmPZ2D8+
梅りん
992名無しさん@ピンキー:2009/09/30(水) 07:34:59 ID:1Fcx05wz
梅りんのSSマダー?
993名無しさん@ピンキー:2009/09/30(水) 08:17:13 ID:PmPZ2D8+
ノーセンキュー
994名無しさん@ピンキー:2009/09/30(水) 13:39:56 ID:r2EjXhBO
梅宮アンナ
995名無しさん@ピンキー:2009/09/30(水) 14:02:35 ID:BzU1265q
サンキューカッス
996名無しさん@ピンキー:2009/09/30(水) 15:08:33 ID:szCcnu/5
梅木寮長
997名無しさん@ピンキー:2009/09/30(水) 16:38:57 ID:+vo4pCfo
埋め木寮長
998名無しさん@ピンキー:2009/09/30(水) 16:46:49 ID:+vo4pCfo
埋め木寮長
999名無しさん@ピンキー:2009/09/30(水) 16:47:31 ID:+vo4pCfo
埋め木寮長
1000名無しさん@ピンキー:2009/09/30(水) 16:48:23 ID:+vo4pCfo
埋め木寮長
10011001
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