Ruina 廃都の物語エロパロ 二世

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1名無しさん@ピンキー
「Ruina 廃都の物語」のエロパロスレです

前スレ
Ruina 廃都の物語エロパロ
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1240244983/
2名無しさん@ピンキー:2009/07/06(月) 20:18:13 ID:Csmw9m2g
ぬるぽの物語
3名無しさん@ピンキー:2009/07/07(火) 00:11:21 ID:Yfh6bEXK
>>1
こっちでも乙ー
4 ◆1HLVKIREhA :2009/07/07(火) 01:03:59 ID:dqGFw/TZ
>>1
おつー

新スレ一発目、早速投下します
5 ◆1HLVKIREhA :2009/07/07(火) 01:04:41 ID:dqGFw/TZ
世界が回る。
酒が入って視界が歪んでいたような気はするが、回転するのはおかしい。
状況を確認するとしよう。
キレハが俺の上に跨っている。以上。
おk、把握。
「えーっと……キレハさん?」
酔った勢い(多分)で押し倒されれば、つい敬語にもなる。
珍しいお酒が手に入った、などとあのオハラがただでくれた時点で嫌な予感はしていた。
強いはずのキレハがここまで酔うとは。
「どうかしたのかしら」
「いや、その、何をなさっているのかな、と」
「男と女がすることなんて一つしかないでしょう。
いつも私がされる方だから、たまには私からしてあげるわ」
見下すように見下ろすキレハの視線に、ぞわりと背筋が粟立つ。
恐怖、ではない。
不思議と期待してしまっている自分に自分で驚愕する。
……飲みすぎたのかも知れない。
「ほら、キスの時は目を閉じるものよ」
言われるがままに目を閉じると、何故か耳を塞がれ、重なった唇から舌が侵入してくる。
「んっ……ふ、う……」
外の音が遮断され、口内を蹂躙される音だけが頭に響く。
キレハの舌使いと相まって、かつてない興奮が駆け上がってくる。
「あら?もうこんなになって……いやらしい人」
既に主張を始めたそれに気付いたキレハが妖艶な笑みを漏らす。
しなやかな指に導かれ外気に触れた途端、さらに固く屹立する。
「手や口っていうのもありきたりよね」
そんな言葉に続いて、何とも言えない快感が送り込まれる。
……足、だ。
「く、あ……っ」
足の指が絡みつき、足の裏で擦り上げられる。
未経験の快感と精神的な屈服感に思わず声が出る。
「これでも気持ちいいだなんて」
言葉はそこで切られたが、目はその続きを雄弁に語っていた。
――変態ね。
「は、っ」
堕とされる。そう、直感的に頭をよぎった。
「だらしない顔。何しても悦びそうね」
言葉で精神を責め立てられ、器用に動く足に無理矢理性感を高められる。
長くは保ちそうにない。
「びくびくしてる。そろそろ限界かしら」
「っ、く」
爪先で軽くつつかれる。それだけの刺激にすら敏感に反応してしまう。
「ほら、イっちゃっていいわよ」
最後の一押しに、足の裏で挟んで扱かれる。
「出、ぅ……っ!」
こらえることもかなわず、無様に白濁液をまき散らし、自らの下半身とキレハの脚を汚していく。
圧倒的な解放感とともに、心のどこかで何かが疼く。
「いつもより早いんじゃない?もしかしてそういう趣味?」
いつもより早いとすれば、それは。
「キレハが、魅力的過ぎるせいだ」
ぼんやりとした感覚の中、呼気とともにそんな台詞を吐く。
普段のキレハに言えば、間違いなく赤面するだろう。
しかし。
「ふうん。やっぱり攻められる方が好きなのかしら。
まあ、そんな殊勝なことが言えた御褒美はあげないとね」
今のキレハには、火に油を注ぐだけだった。
恥ずかしげもなく、するすると下着を脱ぎ去る。
6 ◆1HLVKIREhA :2009/07/07(火) 01:05:01 ID:dqGFw/TZ
「服は脱がないほうが好きでしょ?」
何も言っていないのに、挑発的な視線を送ってくる。
その流し目に、自分の中の雄の部分が否応なしに昂る。
「こっちはもう準備万端ね。私も、あなたの可愛い姿を見てて濡れちゃった」
キレハがスカートの中に手を突っ込むと、確かにくちゅくちゅと汁音が聞こえてくる。
「んっ」
可愛らしい声とともに、キレハの頭頂部にぴんと<狼>の耳が立つ。
「この方が敏感で気持ちいいのよね」
妖しく指を蠢かせながら薄っすらと浮かべた笑みに、思わず息を呑む。
美しい。そんなありきたりな感想しか浮かばない。
「じゃあ、入れちゃうわよ」
言うが早いか肉棒が生温かく濡れた何かに包まれる。
「はふっ」
キレハが一気に腰を下ろし、下腹部が密着する。
視覚的には普段着のキレハと、スカートの中で繋がっている。
そんな倒錯的な状況が更なる興奮を呼び起こす。
「またおっきくなった……私も楽しみたいんだから、いきなり出しちゃったりしないでよ?」
「……善処する」
重ねてきた右手を、左手でしっかりと握る。
「んんっ……」
キレハが腰を振る。
主な動きは、上下ではなく前後。
膝をつき、密着したまま快楽を貪る。
「あ、はあん」
「ぐ、く……」
空いた手でシーツを掴み、歯を食い縛って円運動に耐える。
既に、次の絶頂が近い。
「ん、ちゅ」
上半身を傾けたキレハが、腰は止めずに口付けてくる。
「……愛してるわ」
「ああ、俺も、だ」
貫くような視線を真っ直ぐに見返す。
酔った勢いと言うならば、これが間違いなく本音。
身体だけでなく、心も繋がっている。そう確信できる。
「ああっ、あああっ!」
キレハの動きに合わせ、嬌声もエスカレートしていく。
キレハの体温。キレハの匂い。キレハの声。キレハの痴態。キレハの唇。
五感の全てが、キレハに犯されている気さえしてくる。
「っく、ああ」
「んっ……イキそうなのねっ、いいっ、わよっ、イっちゃいなさいっ!」
キレハの動きが捻りを加えた上下動へと変化する。
搾り取られる、と感じた瞬間にはもう遅い。
四度目の接触で、キレハの最奥へ射精する。
「が、あ……っ」
全身の神経が一点に集中するような感覚。
「あつっ、あ、イ、クうううぅぅ!!」
一拍遅れ、キレハが全身を強張らせる。
精を吐き出し終えるまで手を固く握り合い、力の抜けたキレハが倒れこんでくるのを抱き締める。
「……気持ちよかった?」
「ああ、すごく」
「うん、なら、よかった」
ふわりと微笑んだキレハが、そのまま寝入ってしまう。
「やれやれ」
キレハの身体を拭いてやりながら、酒は先に酔ったもん勝ちだ、と誰かが言っていたのを思い出す。
まあ、こんなキレハも悪くない。
7 ◆1HLVKIREhA :2009/07/07(火) 01:05:22 ID:dqGFw/TZ
翌朝。
「うー……頭いた……」
「飲みすぎだな」
「どうにも途中で記憶が飛んでるんだけど、私、何か変なことしなかった?」
「大丈夫。潰れて寝ただけだ」
「それならいいけど……」
本人の名誉のためにも、昨夜のことは伏せておく。
ベッドの上でいぢめられた仕返しは、ベッドの上でするべきだ。
「何をニヤニヤしてるのよ。本当に何もしてない?」
「してないよ」
とりあえず、あの酒は大事にしまっておこう。



ドSになるキレハさん編
受けじゃないキレハが珍しいとか言われたので攻めに回ってみました
相手が若干Mっぽくてどの主人公なのかイマイチ不明っつーか俺が感情移入しすぎました
いや、俺はMじゃないよ。ないからな。ないと思うぞ。多分。
最後にちょっと日和ってしまったのは間違いなく俺のへタレゆえだけどね
キレハさんはSだよ派にもキレハはヘタレツンデレ派にも謝っておきます
……あれ、誰得?
8名無しさん@ピンキー:2009/07/07(火) 10:59:05 ID:gmK8ys5K
さっそく乙そしてGJ
ツンキレハに踏まれたいという欲望が今ようやくかなった…!
キレハってマジで嫁として万能すぎじゃね?
9名無しさん@ピンキー:2009/07/08(水) 00:05:08 ID:Z5fjw707
こっちにもGJを!
そして>>1
10名無しさん@ピンキー:2009/07/08(水) 11:40:17 ID:Z6oq2GyP
おつおつ、って仕事速いな!
そういえばeraRuinaってどこ行ったんだろう
11名無しさん@ピンキー:2009/07/08(水) 18:31:51 ID:5ezWtuup
eraruinaに大河のリセさんやオウミさんの追加マダー?
12名無しさん@ピンキー:2009/07/08(水) 20:05:16 ID:WrMTjo94
>7
一発目乙だッ

>11
PCはヤメトケw
13名無しさん@ピンキー:2009/07/09(木) 01:10:08 ID:hMrzZl0Q
>>10
まあ誰かが改造したり口上書いたりしない限りは、話題にならないだろうなあ
eratohoA最新バージョンの機能を付け加えたりネルお姉さんの口上を書いたりしようと思ってるけど、l
上手くいかなくて中断してる。
ネル、テレージャ、チュナあたりの口上があれば、遊ぶ人も増えるんじゃないかな−
14名無しさん@ピンキー:2009/07/09(木) 01:45:16 ID:XK4JUhmN
era板新しく出来たみたいだし、そっちにスレ作っとくのもありかもね
15極悪フィー×キレハ 0:2009/07/10(金) 11:25:26 ID:zXav5WLk
梅代わりに…と思ったのですが、容量オーバーとなってしまったため申し訳ないのですが前スレ932のネタで自分のケツは自分で拭くよ!なバッドエンドまっしぐら極悪賢者フィー×キレハSS、をこちらに投下

全体的に鬱。愛情とかLOVEとか甘さとか全くない、罵詈雑言ばっかの、どちらかといえば鬼畜な部類に入ると思うんで地雷な人はスルーしてください
賢者固有&キレハイベント終了後、墓所タイタス一世戦前くらい
16極悪フィー×キレハ 1:2009/07/10(金) 11:31:11 ID:zXav5WLk

 漆黒の靄が体を、そして意識を覆う中、その小さな手は柔らかく温かい光を放ちながらこちらへ伸びてきたのをよく覚えている。
『キレハ、キレハ……!』
 荒れ狂う闇を恐れずに伸びる手の向こうから自分を呼んだ声は今でも鮮明に覚えている。
 絶望と諦めのなかをたゆたっていた中に現れた標に縋るように、闇が纏わりつくのも構わず私も手を伸ばして――
「なに触ろうとしてるのよ、汚い」
 記憶と同じ声で冷たくあしらわれ、今ここがどこなのか、そして自分が記憶の中に逃げていたのを思い出した。

 探索を終えた後、聞きたいことがあるから部屋へ行きたいと言い出したのはフィーだった。
 しばらく冒険に付き合ううち、そして助けられてから友情や恩義以上の感情を彼女に抱くようになったキレハは快諾し、疲れも取らないまま荷物の少ない宿の部屋に通した。
『あの姿って、自由になれるものなの?』
 探索途中で作って余っていたフルーツパイを渡し、自分は水差しの水で喉を癒す。
 甘いパイを口いっぱい頬張る姿に微笑ましさを覚え口元が緩んでいたが、パイ生地がそこかしこに着く口から出た質問に、思わず動きが止まった。
『え……?』
『ねぇ、どうなの?』
 大きな目で覗き込まれると戸惑っている自分の方が間違っている感覚に見舞われる。まっすぐな視線に呑まれ、あーだのうーだの漏らしながらキレハは途切れ途切れに答えた。
『う、うーん……あれは暴走っていうか……、自分でも止められないもので……。あ、でも心配しないで! きっともうあの姿になる事はないと思うの』
――あの時フィーが止めて、そして受け入れてくれたから。
 照れを押し堪えてそう言おうとしたのだが、目の前の小柄な魔術師の変化に言葉が詰まる。
『……ふーん』
 パイを乗っていた皿をベッドサイドに置きながら一つそう呟いて、それからは小さくブツブツと聞き取れない言葉を吐き続ける。
 吟遊詩人として修行したこともあるキレハだが、決して本職ではない。
 いくら長く近くで共に戦ってきたからといっても偉大なる老魔術師の愛弟子であり、古代の偉大なる秘儀をも修めた彼女が操る魔法をすべて理解できるわけではない。
 だからその呪文が何なのか、どんな効果を持っているのかはわからず。わかったのは終わりに呟かれたたった一言だった。
『――役立たず』

 効果は自分の体で感じ取った。
「っく……う?」
 まるで自分の周りだけ重力が増したかのように体が重く、四肢がだらりと力を失って床に倒れこんだ。
 辛うじて持ち上げられた腕もすげなくフィーの杖に弾かれ、キレハは混乱の渦に突き落とされる。
「よく効いてる」
 にやりと哂いながらさらに力ある言葉を吐いているようで、調子を持った言葉を聴いているとどんどん冷静さが失われていく。訳がわからない、と喚き散らしたいのに力を失った体は言葉を吐くことすらままならない。
 呻きをあげる彼女をよそに、詠唱を終えたフィーは部屋の片隅に置いた荷物入れへと足を向けた。
「あ、これでいいわ」
 取り出したのは探索の最中で拾った真新しい錫杖。銀色が茜色の夕日に照らし出される光景に、キレハはなぜか冷たい悪夢の予感を覚える。
 つかつかと再び倒れた彼女に歩み寄り、服の隙間に杖を押し込む。冷たい金属の感触に眉根を潜めるが一向に気にする様子も無く、押し込み終えるが早いか、一気に錫杖の柄を持ち上げた。
「な……あ、!?」
 ビリビリ、ブチブチと布が破れる音とボタンがはじけ飛ぶ音が響き渡って晒された肌を冷たい冬の空気がなぞる。
 あられもない姿をすぐにでも両手で覆い隠したいのに呪文の効果はまだまだ切れそうにも無く、顔を真っ赤にして目を瞑るしかできない。
「なに一丁前に恥ずかしがってんの?」
「うっ」
 杖を巧みに操って中途半端に千切れた服を掻い潜り、現れた乳首を底部でごりごりと押し潰す。
 尖ってはいないが棒状の金属で胸を突かれるのは恐怖でしかない、はずだったが身体は勝手に空気と金属の冷たさに反応して、微かに硬くなり始めていた。
 こねくり回すような動きに声を上げるキレハを、フィーは冷たい眼差しで見ている。
「こんなんで感じるなんて……所詮は獣ね」
(……え?)
 信じられない言葉を投げつけられ、思わず視線を上げる。
 そこで見えたのは今まで見たこともないくらい冷たい表情をしたフィーと、彼女の細く白い首元で青く妖しく輝くフィーアだった。
 彼女は整った眉を吊り上げると、握った錫杖を高々と掲げた。
17極悪フィー×キレハ 2:2009/07/10(金) 11:36:06 ID:zXav5WLk

「うまくやればあの僧兵どもも皆殺しに……先生の仇が討てると思ったのに……」
 いくつもの輪が重なった部分がシャランと澄んだ音を奏でて震える。場違いな済んだ音を聞いている――単にフィーの独り言を聞きたくなかっただけかもしれない――と、それがひゅっと振り下ろされた。
「役立たず!」
「う……っ」
 激情がたっぷりと込められた一撃が頬を襲う。不意を突かれ切れてしまったのか、口内に鉄の味と匂いが充満する。
 非力な賢者の娘の攻撃がキレハに致命傷を与えるほどの力を持つはずもないが、身体の傷以上に精神を傷つけた。
(役立たず……え?)
「じゃなきゃ誰が、誰があんたみたいな化け物なんて!」
(化、けも……)
「ラバン爺やメロダークさんの言うとおり、殺しとけばよかった……!」
 頬をぶたれ続けているのも忘れ、その言葉の無慈悲さにキレハはただ涙を流す。頬を伝うそれに錫杖が滑り、ようやく執拗な甚振りの手が止まる。
 が、それは涙に良心が咎めたからではなく、さらに冷たい笑みが浮かんだから。
「あ、ああ、」
 杖の先が再び乳首をこねくり回す。先端で乳輪の縁を何度もなぞり、ぷっくりと立ち上がる瞬間を見計らったかのように今度は乳首の先端を撫で回す。
 指先で施していると錯覚してしまいそうな巧みな杖捌きに、悲しみと痛みでいっぱいなはずの頭に桃色の靄が掛かり始めた。
「こんなに盛って……」
 それを丹念に両乳首に繰り返されるとキレハの頬にぶたれた鬱血とは違う赤みが差し、吐息に艶かしさが混じりだす。
 自由に動かぬ足をそれでももじもじさせる姿にフィーは鼻を鳴らして嘲笑った。
「頭おかしいんじゃない? それとも化け物だから仕方ないの?」
(おかしい……私、本当におかしい……!?)
 頬の痛みはまだ引かずそれ以上に数々の暴言や暴行を、しかも信頼、いやそれ以上の感情を抱いているフィーから受けているというのに。
 まるで苦痛がどこかで誤変換されているかのようにキレハの体は淫らな熱に支配されていた。
 切っ先が離れていくだけで、溜まらない寂しさに襲われる。
「ふぅん……っ」
 代わりとばかりに冷たくぬるついた液体をぶちまけられる。霞む目を凝らして見ると、彼女の手には小瓶。それには彼女の丁寧な字で「べとべと」とラベリングされていた。
「四つん這いになりなさいよ。獣らしく、ね」
 わき腹を蹴り上げられて仰向けからうつ伏せへと体勢が変わる。絨毯もなにもない木の床に胸が押し付けられた瞬間、ビリビリとした快楽が胸元から下半身へと雷のように伝い落ちた。
 頭が真っ白になるかという激しい快感に、現状から逃れたいとばかりにキレハは満足に動かない体を必死に動かして何度も何度も胸を床にこすりつける。
 床と胸に挟まれた乳首がこすれる度にあられもない声をあげ、腰を揺らしながら彼女はその行為に没頭する。
「最低……。よくそんなんで今まで人間ヅラできたわね。見上げた根性だわ」
 突き上げられた腰に杖をかけ、無理やり下着の隙間にねじ込んで今度は下半身も露にする。
 赤く色づいて濡れる秘所をさらけ出しても気づかず乳首で自分を慰めるのを止めないキレハに口角を持ち上げ、再び掲げた錫杖で今度は尻を強かに打ちつける。
「あぅ!」
 真っ白だった双丘が真っ赤に腫れあがる。それすら気持ちいいと焦点を見失った濁った目をして、キレハは小さく声をあげる。
「……」
 つかつかと彼女の頭の方へ歩み、だらしなく開いて熱い吐息を漏らす口に杖の切っ先を無慈悲に突き刺す。
「ふ、ぐぅ……ぇうっ」
「ちゃんと濡らしなさいよ。あんたのためよ?」
 好き勝手に口内を荒らし犯す。ぐちょぐちょと音をあげて濡れてくるとすばやくそれを抜き去り、再びゆらゆらと揺れながら高く上がった下半身へと戻った。
 そしてこれまでの刺激で口を開いた性器に目を向ける。
「生臭い口に獣臭い性器。汚いあんたなんてこれで十分」
 そう、一際冷たく嘲笑って言い放ってから、充血したクリトリスめがけて切っ先を突きつけた。
18極悪フィー×キレハ 3(完):2009/07/10(金) 11:38:18 ID:zXav5WLk

(あ、あ、うああーーっ!!)
 こそぎとってしまわんというばかりの勢いで何度も擦られる刺激にキレハは目を見開いて絶叫をあげた。
 つもりだったが最早声を出すこともままならず、頭を床にこすり付けることで逃げ場の無い快感をやり過ごす。
 あふれ出す愛液で下半身は濡れ、卑猥な音はますます大きくなるばかり。髪を振り乱し腰を揺らす姿にフィーは眉をしかめ、しかし口元だけは冷たい薄ら笑いを浮かべてキレハに問いかけた。
「ねえ、このまま錫杖突っ込んだら子宮壊れちゃうかな?」
 さんざんクリトリスを苛めてから、刺激に口を開け閉めしている秘所に切っ先を当て、この先の行為を暗示するかのように何度も口をなぞりながら往復する。
 悪寒とじれったさに挟まれて困惑する頭を持ち上げ、フィーを見上げる。キレハの泣きはらした目とぶつかると、彼女は残酷に微笑んで語りかけた。
「もう殺してほしい? それとも荒くれ者たちの玩具になりたい? ねえ、どっちがいいの? ねえ……」
――キレハ――
 名前を呼ばれた瞬間、闇の中から救い出してくれた手の暖かさを思い出して体が震えた。
(ああ……フィー、フィー……!)
 例え向けられる目が冷たくとも、汚いと言って直接触ってもらえなくとも、そして悪意の限りを込めた振る舞いをされようとも。
 キレハの中で答えなど問われる前から決まっていたのかもしれない。
「あ……あ……」
(私、は)

 そしてキレハは最悪な、しかし一つしかない答えを口にする。

----------
フィーが使った魔法:くくりの呪文&混乱の歌
もし次の機会があるならラブコメが書きたいです、先生…
前スレでバカなミスもやらかした事だし、死獄されてくる
19名無しさん@ピンキー:2009/07/10(金) 13:21:09 ID:R1iJQTVD
>>16
GJGJGJ!
前スレで鬼畜リクした者だがこういうの待ってた
少し切ない悪主人公も素敵だ
20名無しさん@ピンキー:2009/07/11(土) 05:04:31 ID:piJfzueM
鬱い。だが悪くない。

イーテリオ入手後に正気に返って、自分のやったことにおののくフィーと、
ボロボロの泣き笑いでそれを抱き締めるキレハを妄想した。
21名無しさん@ピンキー:2009/07/11(土) 16:49:50 ID:eDpfI7Hp
なんというタイタス十七世・・・
しかしRuinaのふいんき(←なぜか変換できない)としてはこっちの方が合ってるんだよなあ
22名無しさん@ピンキー:2009/07/11(土) 17:48:14 ID:aLMN50IU
17世ルートに入ったフィー見て思い出した。

前スレで、魔術師編の境遇がハードって話が出てたけど
考えてみると信じるもの、頼れるもの、心の拠り所をどんどん失うシナリオなんだな。

親を失い、家を失い、神殿軍の暴挙で神様も信じられなくなり、人間の悪意を目の当たりにさせられ
仲間たちとの絆を拠り所にして立ち直った矢先の裏切りイベント
それを乗り越えたら出生の謎で「自分自身」すら否定される。

よく壊れなかったもんだとつくづく思う。
23名無しさん@ピンキー:2009/07/11(土) 19:24:40 ID:nX6Xf9bO
ぼけーっとしながらクリアしてたが考えてみると確かに悲惨な状況だよなー
24名無しさん@ピンキー:2009/07/11(土) 20:58:30 ID:eDpfI7Hp
逆に十七世ルートまっしぐらだけど愛の力でぐちょぐちょのぬとぬとにされて引き戻されるフィーとか・・・
しーぽんぶっ飛ばしちゃうと相手がいないか
25名無しさん@ピンキー:2009/07/11(土) 21:29:10 ID:Dy9ocLGu
幼なじみのお姉さんがいるだろ
26名無しさん@ピンキー:2009/07/12(日) 00:18:01 ID:xtE/KCJ5
物知りで包容力のあるお姉さんもいるぞ
27名無しさん@ピンキー:2009/07/12(日) 06:30:30 ID:GTQlNNQa
相手が誰になるにしろ、十七世ルート入るくらい拠り所を失って心が切り刻まれていたら
まず引き戻す前段階として裏切った張本人との和解は必要かもな。

でないと「口だけなら何とでも言える。心配するふりなんてできる」
「愛や友情なんてうそだらけ。信用できない」
「本当に苦しいときには何もしてくれなかったくせに」みたいなことになりかねない。
28名無しさん@ピンキー:2009/07/12(日) 08:26:41 ID:ip035fqO
大人しく17世になるがいいさ
29名無しさん@ピンキー:2009/07/12(日) 18:35:42 ID:mcrazRSL
夜種王と夜種プリンセスのエロください
またはゼスと夜種マーメイドでもいいです

って書こうとした所で皇帝にとり憑かれてることに気付いた
30名無しさん@ピンキー:2009/07/12(日) 20:33:21 ID:ip035fqO
>>29
疲れて頭がおかしくなっているんだ
一度休め
31名無しさん@ピンキー:2009/07/12(日) 21:09:30 ID:9YTua/Gz
>>29
※全員が危機感を覚えた※
「やべっ」
「ちょっと待ちたまえ」
「嫌な予感がしやがる」
「嫌な匂いがする……」
「むー。エンダこの先行きたくない」
「許しがたい者がいるようだな……」
「なーんか、嫌な予感がするんだよねぇ」
「っけ、嫌な気配がぷんぷんしやがるぜ」
「お食事前の方は気をつけた方がいいかもしれないですねー」




 逞しい腕を鷲づかみ近づいてきた顔にためらい無く自分の顔を、そして唇を近づける。
 限りなく近いのに異なる体温とざらついた感触を楽しみながらプリンセスは舌を伸ばした。
「っふ、うむぅ……!」
 ぬちょぬちょと蠢く舌と舌が濡れた音を立てて絡み合う。
 不意を突いた侵入者に臆することなく、むしろ好戦的に絡みつくそれに二千年ぶりの興奮が湧き上がり、プリンセスは腕を掴んでいた手を解いて相手、チャンピオンの滑らかな後頭部に伸ばし更に密着して口を吸う。
(こやつ……やりおるわ!)
 自分を真っ向から見据えながら激しい舌技の応酬を繰り広げる相手にチャンピオンは畏れとも取れる敬意を抱く。
 猛者を求めて迷宮をさ迷い歩き、ついに好敵手を見つけた高揚感を隠すことなく、舌の動きを緩めることなく抱き寄せた手を伸ばし、逞しく引き締まったプリンセスのヒップを鷲づかんで揉みしだく。
(なんと! なんというテクニック!)
 キスだけでなく全身全霊を込めて自分に向き合うチャンピオンの熱い心を思っただけで、揉まれている尻から全身にビリビリとした快感が電流のように伝わる。
 これだけで腰が砕けてしまいそうだ。しかしそれは、プリンセスの誇りが許さなかった。
(この熱き交じり合い……そうやすやすと終わらせはせん。
 二千年の欲求、受けてみるがいいわ!)
 欲望と戦意溢れるギラギラした視線を送りながら、プリンセスは熱を持ち始めたチャンピオンの猛る肉棒に手を――

【次回予告】
 ゼスこそこの世界を作った創造主そのものだった!
 やつを倒すため、夜種四天王が襲い来る!
 面妖魔神・狂乱博士・覇者男爵・
 そして最強の敵・魔天人魚姫とのぬとぬとで淫靡な決戦が、いま始まる!
 ついでに実は、美形魔将プリンセスは女でした!

悪ノリでやった。今は反省している
32名無しさん@ピンキー:2009/07/12(日) 21:18:39 ID:mcrazRSL
>>31
脳内でBGMが流れて腹筋が飛んだ
33名無しさん@ピンキー:2009/07/12(日) 21:21:34 ID:mHm4LweD
こんなに警告されたのに…くやしいっ!(びくんびくん)
34名無しさん@ピンキー:2009/07/12(日) 21:25:13 ID:GTQlNNQa
>>31
これはいい馬鹿野郎ww
本当にコーヒー吹き出したじゃねえかw
35名無しさん@ピンキー:2009/07/12(日) 21:37:00 ID:2hnJSp6s
>>31
プリンセスのおかげでしゃっくりが止まりました!
って馬鹿www
3631:2009/07/12(日) 21:44:13 ID:9YTua/Gz
警告にフランの「変態です! 変態がいます!」を書き忘れました。申し訳ないです
怒られてなくて何よりもほっとしてます
37名無しさん@ピンキー:2009/07/12(日) 21:45:31 ID:mcrazRSL
変態だ。をつけないとな
38名無しさん@ピンキー:2009/07/12(日) 22:06:35 ID:ip035fqO
>>31
なんという危険な香り
39名無しさん@ピンキー:2009/07/13(月) 12:27:27 ID:5nAVy21h
チャンピオンよりもシーフォンが蹂躙されるほうがビジュアル的に良さそうだ
40名無しさん@ピンキー:2009/07/13(月) 23:40:32 ID:AOhC4/6q
>>27
いっそその状態で、憎しみだけで心を繋ぎ止めてるってのもアリかもしれん
あまりにも強い憎しみで始祖を跳ね退けてる状態で
41 ◆1HLVKIREhA :2009/07/13(月) 23:53:41 ID:Ji4JJ968
「イヤな匂いがする……」
地下遺跡の一角、特筆すべき点もないような小部屋に踏み込んだ瞬間、キレハの超常的な嗅覚が何かを捉える。
「ふん、また罠かな。マナ君は鈍くさいんだから気を付けておきたまえ」
「わ、私そんなに鈍くさくないですっ」
テレージャとマナ、緊張感のない巫女達の掛け合いに頭を抱えたくなるのを堪え、キレハが部屋の中を見回す。
調度は存在せず、目に入るのは壁、床、天井、そして入ってきた扉だけ。
罠を仕掛ける余地も見当たらない。
「匂いの元はどの辺りなんだい?」
「うーん……どこから、と言うんじゃなくて部屋全体に薄く拡がってる感じかしら」
「あまり長居しない方がよさそうだ、ということかね。しかし、こういう一見何もない部屋こそ何か隠されていることも」
テレージャがキレハと言葉を交わしながら、隠し通路でもないかと壁に触れる。
――ガコッ
「がこ?」
触れた部分がへこみ、思わず耳から入ってきた音が口から漏れる。
――バタンッ!
「あ!……開きません!」
勢いよく閉まった扉に反射的にマナが飛びつくものの、時既に遅し。
「やはりこういった扉を開ける技能は探索において必須とも言えるね」
「……テレージャ?」
「……テレージャさん?」
「ああ、いや、私の溢れる探究心がこのような自体を引き起こした件に関しては深く謝罪しよう。すまない」
素知らぬ顔をして話を流そうとしたが、二人の冷たい視線に晒され、素直に頭を下げる。
特にマナは先程鈍くさいと言われた分も重なって、視線の温度が低い。
「まあ、テレージャを責めても埒が明かないわ。脱出する方法を……ん?」
扉を調べようとしたキレハの鼻がひくひくと動く。
「何か見つかったかい?」
「いえ、そうじゃなくて。匂いが強くなってる」
「確かに、何だか甘い匂いがします」
初めにキレハが気付いた匂いが、今では他の二人にもわかるほど濃くなってきていた。
「なるほど。毒、或いはそれに類するものを空気に混ぜているといったところか。
呼吸をしないという行動が不可能である以上、非常に効果的だと言わざるを得ないね」
「感心してる場合じゃないでしょ!」
「どどどどーしましょう!?」
冷静に分析しているテレージャに、キレハが突っ込む。マナは毒と聞いただけで慌てすぎである。
「落ち着きたまえ。既に結構な量を吸っているはずなのに大きな変化が見られないということは、即死するような性質のものではないのだろう。
徐々に蝕まれる程度ならば私とマナ君でも解毒できるはずさ」
「……一理あるわね。自覚できる症状がない内は扉を開けることに集中すべきかも知れないわ」
キレハはテレージャの理屈に納得し、改めて扉を調べる。
マナは落ち着くために深呼吸しようと大きく息を吸ったところで自らの置かれた状況を思い出し、一人であわあわとうろたえている。
「それで、開きそうかな」
「難しいわね。蹴破るにしても私たちじゃあ力不足は否めないし。
やっぱり鍵のストックが切れた時点で帰るべきだったと思うわ」
「それはやはり最後にこの部屋だけでもと主張した私を責めているんだろうね」
「蝶番は外についてるし、破る方法として思いつくのは魔法で吹き飛ばすくらいかしら」
さらりと毒を吐きつつ、テレージャの突っ込みはスルーする。
何だかんだでこの二人、町の外から来た者同士で仲が良い。
「風や光では物理的な圧力に欠けるね。マナ君、こっちへ来て竜脈の解放でも」
42 ◆1HLVKIREhA :2009/07/13(月) 23:54:02 ID:Ji4JJ968
「はひ?」
テレージャの呼びかけに、気の抜けたような声が返ってくる。
二人が振り返ると、ぺたんと座り込んだマナが焦点の定まらない目で遠くを見ている。
「マナ!?」
「これは、まずいね。吸い込みすぎたんだろう。マナ君、私の言うことが分かるかい?」
「わっかりましゅよー」
駆け寄り、心配そうに顔を覗き込む二人とは対照的に、呂律の回らぬマナに緊張感はない。
「体調に変化があれば、なるべく詳しく申告したまえ」
「むー……なんらかかららがあちゅくてぇ、このへんがむじゅむじゅしましゅ」
そう言って、股間に手をやる。
「ってことは、もしかして」
「催淫効果か。いい趣味をしている」
その様子から罠の内容を悟り、そして自覚してしまえば自らもその気になってしまうのが人のサガである。
「言われてみれば、私も何だか……」
「ふむ。確かにキレハ君も顔が赤いね。まあ、私も人のことは言えないかも知れない」
「にゃ、な、なんとかしてくりゃさいー」
内から湧きあがる未知の感覚に我慢できなくなったマナが、テレージャの腕を取って懇願する。
「さすがにこれは、解毒でどうにかできるとも思えないね。ここはもう、状況に流されてしまってもいいのではないかな」
「罠を仕掛けた側の思う壺じゃないかしら、それ」
「では、耐え切れるのかい?それに、他に方法が?」
「……うー、わ、わかったわよ。落ち着いたらすぐに出るからね」
冷静に言葉を交わしているようで、既に理性の歯止めはどこかへ飛んでいる。
「よし、マナ君。来たまえ」
「んぃ」
テレージャがマナを抱き寄せ、唇を重ねる。
半開きになったマナの口から舌が滑り込み、ねっとりとした動きで口内を蹂躙する。
その間にも、右手は小ぶりながら形の整った乳房へ。左手はきゅっと引き締まった尻へ。二点をバラバラな動きで愛撫する。
同性であることを感じさせぬ、或いは同性であるからこそ手慣れた攻めに、疼いていたマナの身体が明確な熱を帯びる。
力のない瞳はさらに虚ろになっていき、息継ぎの度に呼吸は荒くなっていく。
「は、あ……すご」
キレハも思わず見入ってしまうほどに妖艶で、情熱的なキス。
尼僧院でキス魔と呼ばれた本領を存分に発揮している。
「ふふふ。マナ君は可愛いな。乗ってきてしまったよ」
テレージャが妖しく微笑んだ次の瞬間、マナの衣服が剥ぎ取られる。鮮やかな早業である。
上気した裸身を横たえ、舌なめずりをしながら指をわきわきと蠢かせる。
「こんな、ところで、裸に、なんて」
更なる興奮に駆られたキレハが何かを抑えるように自らの胸を鷲掴みにし、股間を指で弄る。
粘り気のある水音に羞恥心が煽られ、それがそのまま性感を高める。
「ちゅ……む……はっ……れる」
唇から首筋、鎖骨とキスを落としていき、乳首を一舐めすると、マナの身体が小さく跳ねる。
さらに舌を下ろし、脇腹を経由してへその周りを一回転。そのまま下腹部へと唾液の跡を付けていく。
43 ◆1HLVKIREhA :2009/07/13(月) 23:54:22 ID:Ji4JJ968
「ちょっと脚を借りるよ」
マナのそこへ口付ける前に、一言かけてテレージャがマナの脚に跨り、秘所を法衣の上から擦り付ける。
全く触れていないはずのそこから、押し付けただけで法衣をびしょびしょにするほどの粘液が溢れてくる。
「マナ君のここは綺麗だね」
太股を撫でつつ、ぴっちりと閉じた秘裂に舌を這わせる。
「ぁひんっ」
まだ誰も受け入れたことのないそこはじっとりと湿り、雌の匂いを漂わせている。
ただでさえ媚薬を嗅がされて敏感になっているところへマナの喘ぎ声と匂いに刺激され、キレハの自慰行為もさらにエスカレートしていく。
着衣の上から乳首を、下着の中に手を差し入れて陰核を摘む。
「は、んっ、気持ちいいかい?」
テレージャが器用に腰を振りながら、的確にマナを攻め続ける。
「なん、か、あぁっ、きちゃ、うっ」
「そうだ、イって、いいよっ」
「は、あ、ら、らめええぇぇっ!!」
喘ぎ声が絶叫に変わった瞬間、マナが全身を強張らせ、下に敷いた自分の服を強く握り締める。
「ここまで感じてくれるとは光栄だね。次は私も一緒に……っと、キレハ君?」
体勢を入れ替えようとしたテレージャが声をかけるも、
「ああっ、いいっ、ひゃうんっ」
キレハは完全に自分の世界に浸っており、聞こえていない。
「仕方ない。私達だけで楽しむとしよう」
艶っぽく苦笑したテレージャが下着を抜き取り、法衣をたくし上げる。
自らの愛液に濡れて淫靡に光る秘唇を、絶頂を迎えたばかりで小刻みに震えるマナの秘唇に押し当てる。
「んっ」
くちゅり、と互いの性器が触れ合う。同性同士の擬似的な性交。
テレージャが腰を振ると、快楽に翻弄され続けたマナの口からは意味をなさない音だけが漏れる。
「ふあっ、んっ、やっ、あんっ」
三人分の声と水音が狭い室内に反響し、微かに残っていたテレージャの理性を削ぎ落とす。
「ああぁっ、はっ、んんっ」
次々と絶頂へ達し、しかし更なる高みへ向かう欲望に突き動かされ、三人の動きは止まらない。
「あ、あ、あああぁぁぁっ!!」
「イ、クうううぅぅっ!!」
「や、ん――――っ!!」
まず、最も耐性のないマナが気を失い、体力の限界を迎えたキレハも倒れこむ。
数回の絶頂で朦朧としたテレージャの脳内ではどこかで回路が繋がり、閃く。圧倒的閃き。
重い身体を持ち上げ、よろよろと初めに罠を作動させた壁へと近付く。
へこんだ部分を軽く押すと、
――ガコン
壁が元に戻り、扉が勝手に開く。
「……テレージャ?」
辛うじて意識のあったキレハがジトっとした目になる。
「……扉が閉じれば、当然そちらを開けることに集中し、きっかけとなった部分にはさほど注意を払わない。盲点だね」
「……テ・レ・ー・ジャ?」
「ああ、いや、今思いついたんだ。非難されても困る。とにかく外へ出ることにしよう」
「ったく、しょうがないわね」

その日。
ドロドロに汚れて帰ってきた三人を迎えた仲間たちは揃ってこう思ったと言う。
――テレージャだけ何だかツヤツヤしてないか、と――
44 ◆1HLVKIREhA :2009/07/13(月) 23:54:43 ID:Ji4JJ968
前スレで出番のなかった巫女二人+α(αは俺の嫁)編
キレハを選んだのは扉を開ける技能を持っていないという理由であって俺の独断と偏見でないことを付記しておく
俺の中でマナはぼけぼけぼけっとしてるイメージ、あと敬語
テレ子の口調に違和感があってもまあ笑って許せ

鬼畜十七世の流れに乗ろうかと思ったけど結局ぬるいらぶいちゃに落ち着いたのでボツ
餅は餅屋、鬼畜は鬼畜屋に任せるのが一番屋だね
45名無しさん@ピンキー:2009/07/14(火) 10:46:35 ID:g4Rel0KC
◆1HLVKIREhA
gj
テレージャはしかし触手と女以外と絡んでないなw
46名無しさん@ピンキー:2009/07/14(火) 13:33:37 ID:T5s5PjTs
>>44
またしてもGJ!テレ子はどんな時も余裕がある感じだね
キレハとは真逆だけど意外と良いコンビ(ボケと突っ込み的)な気もする

>>45
テレージャは
見て○○よ男同士が絡みついている場面を見○いるよ
47名無しさん@ピンキー:2009/07/14(火) 19:56:08 ID:l+asd3Im
スレも2スレ目になったしこのまま保管庫が立たないようなら
2chエロパロ板SS保管庫に保管お願いするって手もあるけど
http://sslibrary.gozaru.jp/

職人の皆さんのご意見をお伺いしたく
48 ◆1HLVKIREhA :2009/07/14(火) 23:36:24 ID:eyLLAqQM
誰も保管庫作る気ないならいいんじゃないでしょうか
49名無しさん@ピンキー:2009/07/14(火) 23:48:56 ID:fCHUK7Tm
>>44
GJ!テレージャさんかっこよすぎる

>>45
俺のイメージだと男にはいい相手がいないんだよな。
エメクでもコンビとしてはいいが今一つしっくり来ないし、
他の男主人公ならなおさら接点がない
っていうか主人公なら女の方がしっくり来る。
かと言って他の男キャラにだれかいるかと言うと微妙だしなあ…
50名無しさん@ピンキー:2009/07/15(水) 00:43:07 ID:vq3q/mo7
テレさんは色々と男前だからなぁ
51名無しさん@ピンキー:2009/07/15(水) 00:48:10 ID:fpWTvAZF
テレ子さんは普段飄々としてるくせに、神官の墓地イベントに連れていったときの男前度がヤバすぎる。
52名無しさん@ピンキー:2009/07/15(水) 03:14:51 ID:V1NL60jk
>>47
・スレ住人に保管庫を作れる人がいないからって安易に外部に頼るのはどうか
・原作が個人制作なので問題が生じた時に原作者や総合管理人氏に迷惑がかかるおそれ
心配し過ぎ?
53名無しさん@ピンキー:2009/07/15(水) 04:01:12 ID:2wu7rnnf
「あたし、おかしいでしょうか」
 フランがぽつりと囁いた。
 しなやかな肢体は行為の余熱で火照り、キャシアスの腕に気怠げな態で身を任せている。
 灯りのない宵闇にあって、寝台の中で触れ合う互いの肌と息遣いだけが確かだった。
 夢か現かも分からなくなるような、満ち足りた微睡み。
 まぐわいの後に交わす睦言はこそばゆかったが、お互いの顔が見えないことも手伝って、
普段は口に出せないようなこともすんなりと語れたりするから、キャシアスはこの時間が
嫌いではない。フランにしろキャシアスにしろ、結ばれるまでの付き合いが長すぎて遠慮
がちなところがあり、素面ではなかなか素直に話せないのだ。
 今夜この時、唐突にフランが切り出したのも、普段なら話しづらいことなのだろう。
 戯れにフランの髪を撫でながら、キャシアスは内心で首を傾げる。
 ――おかしい?
「だから、その……キャシアスさまから見て、おかしくはないでしょうか」
 重ねて問われるも心当たりが浮かばず、キャシアスは答えに窮した。
 フランが大分逡巡してから、改めて口を開く。
「だから、あの……っ
 そもそも見えない顔を隠すように、毛布へ首を縮こめて、
「あたし、好きモノなのかな、って……」
 ――……
 キャシアスは意味を飲み込みかねて、はて、と呆ける。
 いい加減焦れたのか、フランは大きく一つ深呼吸をして、
「だからっ、あたし、淫乱なんじゃないかっ、って! ……思い…………ます?」
 声こそ抑えていたが、耳朶へ叩き付けるようにはっきりと発し、急速に減衰していった
あからさまな言葉でようやく理解するを得る。
 一拍おいて、「えっ」と狼狽した。
 どうしてまた、そんなことを言うのだろう。
「だ、だって、あたし、考えてみたら……暇さえあれば殆ど毎晩、こうやってキャシアス
さまのところに、その……まるで夜這いみたいなことして……」
 それは、仕方ないところもある。ホルムが復興途上にある中、当の領主があまり堂々と
色事に耽るわけにもいかないので、二人の時間を作れるのは自然と夜、私的な場所に限ら
れる。キャシアスが女中部屋に忍んで行くわけにもいくまいから、フランの方から来て貰
うしかないわけだ。別段、気にすることはないはずである。
「でも……あたし、キャシアスさまに呆れられてないかな、って……」
 フランの手が、キャシアスの背中をくすぐるように指を這わせている。じゃれついてい
るというより、落ち着かなげな所作だった。
「いつも、あたしの方から求めて……」
 ――そんなことは、ないと思う。
 キャシアスとて健康な若い男なのだし、愛しい相手を求める欲望は人並みにある。
 言われてみればフランから求められたことの方が多いような気はするが、彼女が切り出
さなければキャシアスの方から迫っていただろうし、どっちから先に求めたかなんて、別
にどうということでもない。
54名無しさん@ピンキー:2009/07/15(水) 04:02:04 ID:2wu7rnnf
 仰向けに倒れてしまったきり、呆然と空を見上げたまま動かなくなったフランを見て、
キャシアスは非常に慌てた。急ぎ怪我の具合を確認し、大声で人を呼ばわった。
 駆け付けた使用人に医師を呼ぶよう言いつけたところでフランがふらふらと起き上がり、
「大事ありませんから」と医者にかかるのを固辞したもので、その場は様子見ということ
になり、その後も差し障りはなかった。
 しかしよく思い出してみると、あの時、倒れたフランの顔はおかしくなかったろうか。
紅潮して汗ばんでいたのは運動のためだと思っていたが、その割には妙に艶っぽかったよ
うな。目が潤んでいたのは、打突を受けた痛みのためではなく、別の理由だったのでは。
「……はぃ……その、あの時も……キャシアスさまに打たれて……
 なんと言いますか、その……果てちゃって、ました……」
 ――随分焦った様子で医者を呼ぶのを引き留めていたのは、そのせいか。
「下着……凄いことに、なって……ましたから……
 だから、ひょっとして……あたし、淫乱で……しかも、被虐趣味……あるのかも……
 ……お口で……ご奉仕するとき、も……喉の奥まで……えずくくらいに、入れて頂くの
……凄い好きで……」
 どんどん赤裸々になる告白に合わせて、フランの肌から伝わる温もりも、かぁっと火照
ってきているように思われた。さっきからしきりに両脚を擦り合わせてもいる。
 言葉の切れ間に小鼻から抜ける息が扇情的で、キャシアスはごくりと唾を呑んだ。
 と、不意にフランの手が蛇のように絡み付き、キャシアスの両手を握って、彼女自身の
喉にあてがう。
「キャシアスさまの……たくましい、お手……あたしなんか簡単に、捻り潰せる……
 心も命も、あなたに支配されてるって……思うと……あたし、凄く……」
 キャシアスは反射的に力を込め、華奢な首に指を食い込ませた。 
 ほんの一瞬、ごくごく軽く。柔肌が僅かにたわむ程度に。
 劇的だった。
 びくん、としなやかな背筋を反らせ、キャシアスの手首に跡が残るほど両手を握り締め、
腿から爪先までをピンと伸ばして、フランは絶息した。
 速く浅い呼吸を繰り返し、唖然として見守るキャシアスの腕の中、フランがゆっくりと
法悦から戻ってくる。
「ぁ……ひ…………キャシアス、さま……」
 呼び掛けに応じて、口づける。ごく軽く、確かめるように。
 ――フラン……
「……逝っちゃい……ましたぁ……」
 フランは子猫のように甘えた声音で、キャシアスの首にしがみついた。
 頬を合わせると、彼女の瞳からぽろぽろと熱い感涙が感じられる。
 フランの細腰がキャシアスの昂ぶった男根をこねくると、もう我慢もできなかった。仰
向けに組み敷いて、乱暴に脚を開く。手探りで探し当てたフランの女性自身は熱い泥濘に
なっていて、腰を乱暴に進めるだけでぬるりとキャシアスを飲み込んだ。
 腰を振りながら、フランの華奢な肩を掴む。大きく口を開き、さっき彼女が望んだ通り
に、喉笛を甘噛みして、舐め回してやる。
「ひっ……ひぃっ、ひーっ……ひ、ぁあ……ひぁぁぁ〜〜〜……ッ」
55名無しさん@ピンキー:2009/07/15(水) 04:03:19 ID:2wu7rnnf
……投稿順ミスった。54は無視してクレ。
56名無しさん@ピンキー:2009/07/15(水) 04:04:20 ID:2wu7rnnf
 だいいち二人は結婚前の身であるからして、当然、自重は心がけている。いつもいつも
そういうことばかりしているわけではない。軽く酒肴を交えて語らったり、何もせずに寄
り添って眠ったり、大人しい逢瀬の方が多いくらいだ。最後まで至るようになったのは、
婚礼の月が近くなったここ最近のことであるし、フランの体調に注意をして、事前に避妊
も含むようにしている。
 なるべく人から後ろ指を指されずにフランと結ばれたいから、式の時にフランのお腹が
目立っているとか、そういう事は避けたいのである。
 ホルムは辺境の上、いくさの後とあって、男女関係はかなり開放的な地域柄なのだが、
そんな土地の若い男女としては、むしろ珍しいくらい潔癖な方だと思う。
 元の育ちがよく、気性も慎ましいからだろうけれど、フランは気にしすぎなのだ。
 ……と、そう言って聞かせても、フランは納得をしかねる様子だった。
 何か気に病むことでもあるのか、と尋ねてみる。
「あたし、最近、変なんです。キャシアスさまに抱かれるようになってから、体、ずっと
熱くて……勤めの間も、抱かれてる時のことばかり思い出して……
 それに、それに、抱かれてる時も、おかしいんです。強く抑えつけられたり、肩を掴ま
れたりすると、ふわってして、お、おかしなこと、考えちゃう……」
 ――おかしなこと?
「今、キャシアスさまに何をされても、あたし、抵抗できないなって思うと……
 鎖骨をへし折られたり、首を噛み破られたり、舌を噛み切られたり、簡単にできるなぁ
って想像すると……あたし、わけがわからなく……っ」
 ……
「……お、ぉ、おかしいですよね、引きますよね……!?」
 なんと答えたものか思いつかず、取り合えず曖昧に「ぃゃ」と返して、フランの頭を撫
でてやる。背中に回った腕は、痛いくらいにぎゅっとしがみついて、彼女の緊張のほどを
伺わせた。
 思い返すに、そのような節はあったかなあ、という気がする。
 多少強引にしたり、自由を奪うような形で愛した方が、フランは悦ぶ。
 例えば今夜、愛撫の途中に俯せにしてうなじを舐めてみたら反応が良く、面白いくらい
色っぽく悶えたもので、ついつい調子に乗ってしまったりしたけれども。
 後は両肩を掴んで、ベッドに押しつけながら少し強引に口付けると、フランはみるみる
うちに瞳を蕩かし、甘く吐息を乱すから、これもよくやっていた。
 弱い場所は、手首の内側や、乳房の心臓の辺り、または首筋――肋や背中から胸の辺り
に触れるのもよく効く。最初は拒絶するように暴れるのだけれど、次第に全身を真っ赤に
していき、最後はぐったりとなる。熱に震えるような弱く切れ切れの息になり、声もろく
に出せなくなり、恍惚の態で弛緩してしまう。考えてみれば、どこも刃物でよく狙う急所
である。
 鍛錬や実戦でついた傷跡を舌でなぞってやるのもよく効く。
 ――そう言えば。
 ついこの間、執務明けでなまった体を解そうと、フランに剣の練習相手を頼んだのだが。
 フランの素早い動きについ焦り、袈裟掛けに繰り出した木剣を止め損ねて、けっこう強
く当ててしまったのだ。
57名無しさん@ピンキー:2009/07/15(水) 04:05:34 ID:2wu7rnnf
 仰向けに倒れてしまったきり、呆然と空を見上げたまま動かなくなったフランを見て、
キャシアスは非常に慌てた。急ぎ怪我の具合を確認し、大声で人を呼ばわった。
 駆け付けた使用人に医師を呼ぶよう言いつけたところでフランがふらふらと起き上がり、
「大事ありませんから」と医者にかかるのを固辞したもので、その場は様子見ということ
になり、その後も差し障りはなかった。
 しかしよく思い出してみると、あの時、倒れたフランの顔はおかしくなかったろうか。
紅潮して汗ばんでいたのは運動のためだと思っていたが、その割には妙に艶っぽかったよ
うな。目が潤んでいたのは、打突を受けた痛みのためではなく、別の理由だったのでは。
「……はぃ……その、あの時も……キャシアスさまに打たれて……
 なんと言いますか、その……果てちゃって、ました……」
 ――随分焦った様子で医者を呼ぶのを引き留めていたのは、そのせいか。
「下着……凄いことに、なって……ましたから……
 だから、ひょっとして……あたし、淫乱で……しかも、被虐趣味……あるのかも……
 ……お口で……ご奉仕するとき、も……喉の奥まで……えずくくらいに、入れて頂くの
……凄い好きで……」
 どんどん赤裸々になる告白に合わせて、フランの肌から伝わる温もりも、かぁっと火照
ってきているように思われた。さっきからしきりに両脚を擦り合わせてもいる。
 言葉の切れ間に小鼻から抜ける息が扇情的で、キャシアスはごくりと唾を呑んだ。
 と、不意にフランの手が蛇のように絡み付き、キャシアスの両手を握って、彼女自身の
喉にあてがう。
「キャシアスさまの……たくましい、お手……あたしなんか簡単に、捻り潰せる……
 心も命も、あなたに支配されてるって……思うと……あたし、凄く……」
 キャシアスは反射的に力を込め、華奢な首に指を食い込ませた。 
 ほんの一瞬、ごくごく軽く。柔肌が僅かにたわむ程度に。
 劇的だった。
 びくん、としなやかな背筋を反らせ、キャシアスの手首に跡が残るほど両手を握り締め、
腿から爪先までをピンと伸ばして、フランは絶息した。
 速く浅い呼吸を繰り返し、唖然として見守るキャシアスの腕の中、フランがゆっくりと
法悦から戻ってくる。
「ぁ……ひ…………キャシアス、さま……」
 呼び掛けに応じて、口づける。ごく軽く、確かめるように。
 ――フラン……
「……逝っちゃい……ましたぁ……」
 フランは子猫のように甘えた声音で、キャシアスの首にしがみついた。
 頬を合わせると、彼女の瞳からぽろぽろと熱い感涙が感じられる。
 フランの細腰がキャシアスの昂ぶった男根をこねくると、もう我慢もできなかった。仰
向けに組み敷いて、乱暴に脚を開く。手探りで探し当てたフランの女性自身は熱い泥濘に
なっていて、腰を乱暴に進めるだけでぬるりとキャシアスを飲み込んだ。
 腰を振りながら、フランの華奢な肩を掴む。大きく口を開き、さっき彼女が望んだ通り
に、喉笛を甘噛みして、舐め回してやる。
「ひっ……ひぃっ、ひーっ……ひ、ぁあ……ひぁぁぁ〜〜〜……ッ」
 闇の中に、フランの喘鳴が響く。歯に捉えた薄い皮膚をこねくるたび、フランのそこが
複雑にうねり、しがみついてくる。収縮する熱い粘膜を掻き分けて、肉の先端で奥をつく
たび、こぷ、と熱い潤いが溢れるのが分かる。
58名無しさん@ピンキー:2009/07/15(水) 04:06:35 ID:2wu7rnnf
 今夜はもう既に、何度もフランに欲望を吐き出したのに。
 底が見えない欲望の沼に溺れて喘ぎ、キャシアスは腰奥を突っ張った。熱い快感が通り
抜けて吹き出ていく。濃く、激しく。何度も何度も。
 フランの嬌声はもう声にすらならず、ひっ、ひっ、と喉を絞って引きつった息を漏らし
ている。雌の奥がしきりに蠢いて、吐き出されたものを貪る。
「また……逝っちゃいました……ふわぁって……死んじゃいました……」
 顔を近づけ、舌先を舐め合う。
 狂熱が滑らかな丘に落着していく。
 けれども二人は更に絡み合い、肌を擦り合わせて、互いに愛欲の燻りを煽る。
「キャシアスさまぁ……もっと、逝かせて……死んじゃうくらい……あたし、死んでも、
いいからぁ……心も体も命も、みんな、みんな、お捧げしたいんです……!
 あたしの……ご主人さまぁ……ッ!」
 体液に濡れた肌で揉みくちゃにされる肉の根は萎える暇を与えられず、新たに刺激を求
めて疼き出す。キャシアスはフランに招き入れられるまま突き入れ、彼女が望むままに、
法悦を与え続けた。


 翌朝起きた時にはフランはおらず、いつもの女中姿で仕事に戻っていたが、キャシアス
とは絶対に目を合わせようとしなかった。
 それから翌日までの丸二日間を避けられて過ごし、その次の日に時間を作って、強引に
野行きに連れ出し、話をした。
「……あたし、いくら何でもあんな……あんなはしたなくて、やらしいこと……」
 キャシアスは丘に陣取り、昼下がりの牧羊地を見つめた。
 草の上に座って、顔を上げないフランを抱きかかえている。
 ――けれども、本心?
 と、キャシアスは尋ねた。
「……はい。全部……」
 落ち着いてみると、別段、驚くには当たらない気がした。
 フランの忠誠が命を投げ出すのも厭わないものであることは、前々から分かっていたし、
幼い頃から密偵の訓練を受けていた彼女は、自他の生命に対する感覚が、普通とは多少、
ずれている。そうした彼女も含めて好いたのだ。今更、戸惑う理由はない。
 被虐趣味も、納得のできないことではない。一撃必殺を期す東夷の武術を学んだフラン
にとって、力の勝る相手に身動きを封じられる、急所を押さえられる恐ろしさは身に染み
ついているのだろう。当然、そういう状況に置かれれば緊張する。が、危地の緊張と恋慕
の昂ぶりは、気分の高揚という意味では共通しているという。危難のときに恋が育まれ易
いのはそれが理由なのだとか。
 となると、行為の最中に覚えた危機感が興奮にすり替わっても、そう不思議なことでは
ないような気がした。ましてや、キャシアスのためなら命を捨てて構わないと躊躇いなく
言い切るフランなら。
 勿論、本当にフランが命を捨てるようなことは絶対に御免だが、その狂気に通じるほど
の献身は、嬉しくもあり、照れ臭くもある。
「いいえ。あなたは、あたしにとってそれだけの人なんです。
 あたしの主、愛しい人……」
 フランの腕を押さえつけるように抱き竦め、薄桃色に染まったうなじを吸う。
 たったそれだけでフランは息を乱し、ぐんにゃりと体を預けてきた。
「あたしの、ご主人様……旦那様……大好きな……」
 譫言のように繰り返すフランを尚も強く、呼吸を阻害するほど強く抱き締めていく。
「あたしのキャシアスさま……」
 極まった法悦は、死に通じるとも言う。フランは刹那の死で命を捧げ続けているのか、
淫楽故に死を望むのか。どっちでもいいか、とキャシアスは割り切り、フランを草の上に
横たえて覆い被さった。
 伴侶が、自分に対してのみ淫らであるのは、多分、歓迎すべきことだと思う。
59名無しさん@ピンキー:2009/07/15(水) 04:07:32 ID:2wu7rnnf
……おしまい。
途中の投稿ミス失礼。
思いつき突貫書きだが、エロいフランを書いてみたかった。
60名無しさん@ピンキー:2009/07/15(水) 04:30:28 ID:hsC+Wm8J
フランの打たれ弱さにエロスを感じるわけですね

しかし文も発想も上手いなー
61名無しさん@ピンキー:2009/07/15(水) 06:16:55 ID:Ol1cXqHT
>伴侶が、自分に対してのみ淫らであるのは、多分、歓迎すべきことだと思う。
うむ、うむ
良作をありがとー
62名無しさん@ピンキー:2009/07/15(水) 10:11:52 ID:L/VcHzWB
これはいいドMフラン
大変エロくてよろしゅうございました
63名無しさん@ピンキー:2009/07/15(水) 22:55:16 ID:+ODJwodl
なんというエロス……!乙&ありがとうでした
64名無しさん@ピンキー:2009/07/16(木) 22:21:36 ID:n6AhYkMA
>>59
これはいいM
フランはもだえ苦しむのがよく似合う
65名無しさん@ピンキー:2009/07/17(金) 13:47:18 ID:uHr5adUA
GJ!
なのだがまだ騎士主人公プレイしていないのと何故かキレハエンド以外に行けないのでよくわかんない
66名無しさん@ピンキー:2009/07/17(金) 22:03:13 ID:bs6OK6kx
最近やってるプリンセスラバーのメイドが性格的にもビジュアル的にもフランを連想させる
おっぱいのサイズ以外
67 ◆1HLVKIREhA :2009/07/18(土) 00:24:17 ID:5Ap36103
ホルムの町、ひばり亭。
神殿軍の襲撃により住居を失った少女が借り受けている一室。
寝台の上に、存在感も生気も希薄な人影がうずくまっている。
この部屋の仮の主である、フィー。
一連の異変の元凶とも言える遺跡の第一発見者にしてアルケア皇帝の血統という数奇な運命の持ち主である。
元より色素の薄いその異貌はやつれ、瞳からは意志の光が失われてしまっている。
神殿軍の異端狩りによって師を失い、師の残した魔道書を巡って仲間に裏切られ、遺跡の深部で己の呪われた出生を知った。
ただでさえ異変の原因を生んだことを悔いていた少女の心は乱れ、傷つき、自分の力を他人のために使いたいと望んだ少女が他人を拒絶するまでになってしまった。
幸か不幸か、彼女の良心は始祖帝の魂を受け入れタイタス十七世として君臨する選択も許さず、絶望という殻に篭り続けている。
コンコン。
「フィー?入ってもいいかな?」
元気のいいノックと、少女の声。
しかし、フィーは一切反応を示さない。
鍵のかかったドアノブを回す音が空しく響き、
「仕方ないなあ……せーの!」
という声に続いて、ドワオ!とドアが蹴破られる。
「ちわー、出前に来ましたー。本日はキレハさん特製ピリ辛肉団子シチューだよ」
無理矢理押し入ってきた少女――ネルが明るい声を出しながら、持っていたトレイをテーブルの上に置く。
それでも、フィーは一切反応を示さない。
「……フィー。少しは食べないと身体に悪いよ」
声のトーンを落としながら、膝を抱えてうつむくフィーの隣に座る。
「わたしやキレハさんはもちろん、パリスもラバン爺もフランちゃんもテレージャさんも心配してるし、
アルソンはもう心配しすぎてちょっとうざいし、エンダは心配って言うかヒマそうだし、顔には出さないけどメロさんだって」
「ほっとけばいいのに」
ぽつり、と。ネルへの返答と言うよりは独り言のように。
「私に関われば、不幸になるだけ。一歩間違えば始祖帝に乗っ取られる。
そもそも、私自身が争いの種」
無感情な、平板な口調。
「そんなこと関係ないよ。フィーが仲間だからみんな心配してるの。
そりゃあ、フィーの気持ちがわかるなんて軽々しく言えない。わたしたちが勝手なこと言ってるのもわかってる。
それでも、フィーには元気になってほしいんだよ。フィーにはいっぱい助けてもらったから、だから、今はフィーの力になってあげたい」
ネルの言葉が、熱を帯びる。
お調子者のムードメーカーとしてではない。
お姉さんぶった面倒見のよい幼馴染としてでもない。
真剣にフィーのことを想う一人の人間として。
だが、そんな魂の言葉すらもフィーの心には届かない。
「口先だけなら、何とでも言える。私はもう誰も信じない。何もしたくない。このまま朽ち果てていけばいい」
生来の強固な精神力が、全てを拒絶する。
なんたるえーてぃーフィーるど、というネルの呟きが届いたかどうかは定かではない。
「そこまで言われちゃあ仕方ない。わたしもあんまり舌が回る方じゃないからね。本気でやっちゃうよ」
そんな宣言とともに顔を両手で掴んで自分の方を向かせ、唇を奪う。
「んっ、む、むむー」
拙い舌の動きで、力のない唇を開かせる。
「ぷあっ!……ど、どーよ」
つ、と離れた互いの唇が糸を引く。
フィーの瞳が、揺れる。
「なん……え?」
驚愕。動揺。戸惑い。疑問。
絶望と拒絶に満たされた心が、揺れる。
「好き。フィーのことが大好き。きっかけは魔法が得意だってことだったかも知れないけど、ずっと憧れてた。
フィーが男の子だったら間違いなく押し倒してた」
言いながら、フィーを押し倒す。
『鍵の書』の真理の一端に触れたフィーならば、ネルの腕力であっても軽々と振りほどけるだろう。
しかし。
68 ◆1HLVKIREhA :2009/07/18(土) 00:24:38 ID:5Ap36103
「……」
あぅあぅと、声にならない声を発するのみ。
「こんなとこで朽ち果てるぐらいなら、わたしが美味しくいただいちゃうよ?」
無抵抗なのをいいことに、一枚一枚丁寧に着衣を脱がせていく。
下着姿に剥かれた段になってようやくフィーが反応を示す。
「……やぁっ」
抵抗と言うにはあまりにも弱々しい、しかし確かな感情の表れ。
「はいおっけー。いや、拒絶されるのはわたし的にはあんまりおっけーじゃないけどね。
嫌だって思ったでしょ?そう思えるなら、フィーはまだ大丈夫だよ」
ネルの妖しい笑みが、柔らかなものへと変わっていく。
「他人のための愛だけじゃなくってさ、たまには自分のことも愛してあげなよ。
フィーは、フィーが思ってる以上にみんなから大切に想われてるんだって。
自分の殻に閉じこもる前に、もうちょっと周りに頼ってみよう?」
「……でも」
「でもは無し。ネガティブなこと言おうとしたらまた唇塞いでやるかんね。
遺跡を見つけたからってテレージャさんがフィーを責めた?アルケア皇帝の血筋だからってパリスが何か言った?
そんなことないでしょ。みんな、フィーをフィーとして好きだから一緒にいるんだよ」
舌が回る方じゃないと言いながらも、フィーの言葉を遮ってまで畳み掛ける。
「ネル……その……」
「なあに?お礼なら結構だよ」
「……そろそろどいて?」
どれだけいいことを言っても、押し倒した体勢のまま、フィーが下着のままでは台無しである。
「気にしない気にしない、せっかくだから今日はこのまま寝ちゃおう」
「え、ちょ、やぁん」
フィーを抱き締めたネルが布団に潜りこんでしまう。
唇を奪われた混乱の余韻と下着姿であるという羞恥とその他雑多な感情が混じり合い、ネルのなすがまま。
それでも、久しぶりに誰かと触れ合う温もりは、フィーの心をほぐしていく。
「おやすみ、フィー」
「……おやすみ、ネル」
懐かしさを抱きつつ、久方ぶりの安眠へと滑り落ちていく。

――翌日、笑顔を取り戻したフィーに容赦なく扉代を弁償させた女主人がそこにいたことは言うまでもない。


ネル×十七世になり損ねたフィー編
ネルは非エロの方が似合う気がするが、ちょっとシリアスになりすぎた。百合はジャスティス
>>22-27辺りの流れを軽く参考にしたが、何かもうご覧の有様だよとしか言いようがない
俺に鬼畜を求める人もいないだろうからいいよね
69名無しさん@ピンキー:2009/07/18(土) 02:01:31 ID:OEnpTrfP
乙&GJ
百合おいしいよ百合
70名無しさん@ピンキー:2009/07/18(土) 02:29:50 ID:SOM7uhpZ
近頃ネルフィーもいいかなと思うようになってきた

ネルは普段あっけらかんとしてる分、変貌すると色っぽいな
71名無しさん@ピンキー:2009/07/18(土) 13:46:47 ID:gsgJYnvf
GJ!賢者編はやっぱりネルだよね
ちーぽんはスキル的に主人公と被るので連れ歩く人いるの?
72名無しさん@ピンキー:2009/07/18(土) 14:36:39 ID:gzlvmwqq
>>67
GJ!感動して泣いた。
フィーのかわいさはジャスティス。
ネル×フィーも素晴らしい。
面倒見のいいお姉さんな活発娘と、心優しい女の子とか最強。
子供の頃はネルの後ろからフィーがちょっと顔を出しておどおどしてたと妄想している。

前半のボロボロ描写もS的に大満足。

>>71
その三人旅でやることが多い。
もっとも、夜剣持たせて脳筋化させてはいるが。
フィー萌え+Sとしてなんか奴は他人とは思えんw
73名無しさん@ピンキー:2009/07/18(土) 16:14:01 ID:eUGSL8kN
主人公(秘石装備)・しーぽん・ネルの3人だと
無限SPコンボが廻せるぜ。
ダウジングで掘り放題だし、面倒だけどある意味強い。
74名無しさん@ピンキー:2009/07/18(土) 16:16:34 ID:eUGSL8kN
ああ最近やってる別のゲームとごっちゃになった。
SPじゃなくてMPね。
75名無しさん@ピンキー:2009/07/18(土) 19:21:29 ID:K8CSjhvy
本スレの流れで、各キャラに奴隷の首輪を付けさせてみる

フラン
「ああ……これであたしは貴方様の、奴隷……!
 嬉しいです。光栄です。あたし何でもします! 何でも命じてくださいね、あたしのご主人様……!」
エンダ
「(ガジガジ)塩味が足りない」
ネル
「おーふぅ、お姉さんがちょっと目を離した隙に随分と際どい遊びを覚えちゃったわねー……。
 ま、昔から色んなごっこ遊びしてきたし付き合うよ。その代わり……、きちんと楽しませてよね?」
テレージャ
「ふふん。仮にも聖職者である私に斯様な真似をするとは、かなりレベルが高いね。見直したよ。
 さてさて、私はどうすればいいのかな? ん? その高貴なるお口でおっしゃって下さらないと、愚かな奴隷はわかりませんよご主人様?」

裸犬
「ふむ、それが私に課せられた使命ならば仕方ない。受け入れよう。
 ……つけづらいな。仕方ない、鎧と服を全部脱ぐので待っていろ。つけられないのだから仕方がないな……」
お母さん
「騎士はいわば市民の命と笑顔と明日を守るため、正義のため己の全てを捧げる奴隷!
 その覚悟を忘れないようにとつけてくださるのですね! ありがとうございます!!」
兄貴
「よーし、お兄ちゃん張り切ってお前にご奉仕しちゃうぞ☆
 ……ってなんでだよ、馬鹿」
チンピラ魔術師
「死ね。逆に僕に付けられた上、あえてツッコミ無しの放置プレイし殺されて死ね」
ナイスガイ
「男の奴隷は美しい未亡人に仕えるってのがセオリーだ。ちょっぴりエッチならなおいい。
 つまりはそういうご主人様を探してこい、話はそれからだって事だ」
76地上の550:2009/07/18(土) 19:25:42 ID:SOM7uhpZ
先を越された、だと……!?
77名無しさん@ピンキー:2009/07/18(土) 19:34:18 ID:SOM7uhpZ
……うっかり感想書き忘れた。

何はさておきGJ。
フランは予想通りとしてテレさん強者過ぎるだろう。あとネルのごっこ遊びってどんなか詳しく。
キレハがいないのはなんでだッ。

男衆はノリが良すぎて吹いた。
78名無しさん@ピンキー:2009/07/18(土) 20:39:54 ID:0v+dpgMz
最近本スレ行ってないんだが、どういう流れで奴隷の首輪なんてネタが出てくるんだ・・・
79 ◆1HLVKIREhA :2009/07/18(土) 20:56:36 ID:5Ap36103
ナイス奴隷の首輪、ここは俺がキレハを

ノーマル「……待って。今どういう反応をすればいいか考えるから」
ツンデレ「わん。……い、言ってみただけよ」
若干S「この私を犬扱い?ご立派な人間様ですこと」
若干M「あんまり嫌じゃない自分が嫌ね。責任持って飼うのよ?」
わんこ「わふわふ(ぺろぺろ)」

……Mって難しいな
80名無しさん@ピンキー:2009/07/18(土) 21:09:54 ID:N43H44Et
>>75名前すら出してもらえない男衆www

なんか開眼した忠犬が下剋上してマナに首輪をつける話なら今書いているよ
81名無しさん@ピンキー:2009/07/18(土) 22:47:13 ID:gzlvmwqq
奴隷の首輪GJ
こうなったら女主人公たちも見てみたい。

しかしなんで混乱を防ぐアイテムが「奴隷の首輪」なんだろうな。
8275:2009/07/18(土) 23:46:55 ID:K8CSjhvy
主人公×剛の者テレージャさん


 ギシギシと古い木造の椅子が軋む音に合わせて華奢な身体が上下に激しく揺れる。
 薄闇に色白の肌がぼんやりと浮かび上がり、それに硬く立ち上がった赤い両の乳首と硬質な首輪のコントラストが相まって、真夜中の神殿に淫靡な空気が漂っていた。
「ふ、ふ、どう……かな? ご主人様」
 荒い息を漏らしながらテレージャは妖しい光を宿した視線を送る。
 普段纏っている薄布はとうに床に落ち、嵌められた奴隷の首輪だけを身に着け脚を開いてあなたに跨り、赴くままに腰を振り続けている。
「ん、あ……!」
 ぐちゅぐちゅと派手に濡れた音をわざと立てて自分を煽る。
 机に後ろ手を着いてのけぞると豊かな乳房がぶるんと揺れる。それに釣られて両手を伸ばして凝り固まる乳首に同時に指を掛け、こりこりと引っ掻くと彼女は細い喉を晒して嬌声をあげた。
 あなたはその反応に気を良くして先端を摘み上げ激しく捏ね繰り回すと、同時に性器の締め付けがいっそうきつくなる。
「んっ」
 上から濡れた音が聞こえてきて顔を上げると、彼女は自分の指を口に含みたっぷりと唾液を絡めていた。
 銀糸を引いて抜き、見せ付けるように首筋を辿りながら下がる手にあなたは意図を悟り、名残惜しく思いながら胸から手を離す。
 背を反らして突きつける胸に濡れた指を掛け、見せ付けるように自分で胸を弄りだす。赤い乳首が濡れ、より淫らに浮かび上がった。
 腰を動かしながらの芸当に感心していると、彼女は挑発的な視線をこちらへよこした。
「ご主人様を楽しませるのが……奴隷の仕事、だからね」
 白い指で挟むと赤く充血した様がさらに映える。形が変わるほど掴んで寄せあげて、赤い舌でチロチロと舐める真似をする。
「お望みは何、かな? ご命令とあらば……」
 色欲に塗れた淫蕩な目をしながらも減らず口を叩けるテレージャの視線に笑って応え、首輪についた鎖に手を伸ばす。
 そのまま勢い良く引いて彼女の上半身を引き寄せ、耳元に口を寄せる。
――別にここで終わっても何ら構わないが?
 そう言って耳たぶに舌を這わせる。珍しく言葉を噛み砕くのに時間が掛かったのか、腰を振る音も止みしばらく無言が続く。
「……ふふん」
 理解した瞬間、にやりと目を細めて腕を回してくる。耳元で熱い吐息が弾んだ。
「君は本当に、レベルが高い」
 言いながら首筋をゆっくりと嘗め回し始める。そんな彼女の身体を抱きしめ、向こうの机に組み敷いた。
「もっと激しく、弄って、突いて……」 
 あなたにさわさわと内股を撫で回されながら、吐息混じりに言葉を紡ぐ。とろんとぼやけた目を見ながら片足を肩に掛け、腰に手をかけた。
 熱い切っ先が濡れた入り口を再びこじ開けようとする快感に酔いながら、救いを求めるように手を伸ばす。
 その手があなたの頬を撫でると、テレージャはうっとりとした表情でこうあなたに囁いた。
「神の前で、逝かせてくれないか?」

>>76
先走ってしまい申し訳ない。あと素晴らしいネタGJ。ありがとう
>>80
姿勢を正して待ってる
83名無しさん@ピンキー:2009/07/19(日) 00:01:52 ID:UroKNe+4
>>81
ウェンドリン
「その首輪、とってもよくお似合いですよ……あたしの、あたしだけのご主人様……!」

フィー
「よーしネルお姉さんがいいものつけてあげよう。外したりしないよね?
わたしの心とか気持ちとかつまってるんだから」

アイリ
「だから言ったろ? 危ない仕事に首を突っ込むから、こんな目にあうんだよ、ねえ?」

マナ
「渡したときは血相を変えて嫌がっていたのに、自分からつけてくるなんて、ね。
興味深いよ。君は実に興味深い……ふふ」
84名無しさん@ピンキー:2009/07/19(日) 00:57:07 ID:0LwLY874
>>82
仕事はやっw
GJ!
もしやテレージャ初挿入?

>>83
アイリの相手誰だ?
85名無しさん@ピンキー:2009/07/19(日) 01:02:29 ID:UroKNe+4
オハラさんだよ! わかりづらくてごめんね! ……ほんとごめん
86名無しさん@ピンキー:2009/07/19(日) 01:08:40 ID:0LwLY874
ぬあすまん、>>75と完全対応かと思って
まさかのエンダ記憶全蘇りバージョンを想像した
87名無しさん@ピンキー:2009/07/19(日) 20:43:30 ID:QuUTd0Dh
>>83
GJ!

ウェンドリンは「しょうがないわね」から次第にねとねと、
フィーは序盤なら天然で、中盤以降は意味が分かってて喜んで受けとりそう。

アイリは事態への適応早そう、マナはどんどん深みにはまりそうだ。
88名無しさん@ピンキー:2009/07/20(月) 02:31:08 ID:PGBrj+Fx
>>82 GJ!!!ぜひキレハも頼む…!!
89名無しさん@ピンキー:2009/07/20(月) 07:53:11 ID:tqmJZC3z
朝から解除記念で対象健全☆全年齢
(かんじがよめないときは ほごしゃのひとと いっしょにレベル)
4600文字程度。嫌な人はIDあぼんしてください

※流れは全然読んでいません
90名無しさん@ピンキー:2009/07/20(月) 07:56:46 ID:tqmJZC3z
「やべっ」         「ひゃべっ」        「ぅおぁべっ」
全身の毛が逆立つ。フィーに絶対にそばをを離れないように言って注意深く歩みを進めるが二人では
流石に厳しい。入り口までそう遠くはないが、こういう場所はとにかく苦手だ。

何故こんなことになったのか、元はといえばラバンが動く死体はばらばらにして、死霊ならば魔法が
使えるやつを連れて行くといいと言ったのが始まりだった。キンキン声のクソがきはいけ好かないが、
フィーによれば有能だということで、3人でチュナの治療費を稼ぐことになった。
今思えば私は神だのほうに頼むべきだったかもしれない。ごっそり果物とパンを買い込んで、なけなし
の金で買い揃えた聖槌を持たせて潜ったはいいが、しょっぱなの動く死体の腐汁を前衛で頭から被った
時、この探検が碌な結果にならないのは分っていた。

臭いのとろいの散々馬鹿にされながら内陣を半周もした頃、苦労してこじ開けた隠し部屋に真っ先に踏
み込んだ挙句、なんちゃらの書がどうしたとかきゃんきゃん言い出したとき反射的にシーフォンをぶん
殴ったのは軽率だったが、派手に吹っ飛ぶのを見て、しまったと思った反面すかっとした。
「処刑機械だ!」
鞭でしばいて投げ飛ばすと動かなくなった。気づいたらシーフォンがいないがもう知らん。
「な?やっぱ泉じゃなかったろ」
先端恐怖症が異世界に放り込めばいいとはいっていたが、泉は幻影が見えるだけで異世界ではなかった
らしい。そらそうだ。だいたい城の中で異世界の魚釣ってたまるか。俺は帰るぞ。
91名無しさん@ピンキー:2009/07/20(月) 07:57:27 ID:tqmJZC3z
「悲鳴?誰かの声が聞こえたのか・・・女のひとだって?」
何でフィーはけろっとしてるんだろう。促されるまでもなくキレハのことは思い浮かんだが、勘が違う
と言っているのに聞いていない。分ったから離れるなという間もなく鬼火に囲まれたが、フィーの聖槌
をひったくってかき消した。確かに、どこからか声が聞こえるようだ。警戒しつつ廊下に踏み込む。
「私もまた、狂っているのです・・・」死せる皇女の生気のない表情がよみがえる。この宮殿は気味が悪い。
媚びた女の声がきれぎれに聞こえる廊下を件の機械を張り倒しつつ慎重に進み、とうとう最奥の部屋に
たどり着いた。目を見交わしてから女の声に怒鳴り返すと一瞬の間をおいて返事が聞こえた。
「お願い・・・・・ここから出して」
絶対やばい、間違いない。帰りたい。ドアノブに手をかけながらフィーに視線を送り、後ろ手にそっと
油瓶を取り出した。左手でゆっくり回し、静かに扉を押し開ける・・・が、からっぽ?

「後ろです」

瓶を床に叩きつけると化け物はつんのめってバランスを崩し、フィーの投げた爆炎フラスコと舶来モー
ニングスターを一撃決めると腸(わた)が砕けて笑顔を残して消えた。とにかく気持ち悪い。
「大丈夫か」
俺のほうが死にそうな顔らしい。部屋を物色して売れそうな物を袋に詰め込んだ。早く帰ろう。


警戒しすぎてよれよれで侵入口まで戻ったが、フィーは今度はなにかいい匂いがするとか言い出した。
勘弁して欲しい。先立って入れば、朝は気づかなかったが厨房のようだ。ことこと湯気を上げる鍋から
いかにも旨そうな香りが漂っている。何故かフランの顔がよぎったのでフィーの手を止めると、彼女は
不満げな顔をしたが不意の気配で身を伏せた。何か床に装備あるけど、中身どこ行っちゃったんすかね。
「ここかなあ どこかなあ」
しりません、はやくしね。チュナちゃん、お兄ちゃんは死にそうです。フィーの腕を掴んで駆け出した。
「PGYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYY」
出刃包丁ってサイズじゃねえ!走って向かいの部屋に飛び込み息を殺した。てかなんだありゃ?豚か?
廊下の外から気配がなくなった頃、腕をすり抜けたフィーが揃って座った骸骨に近づくのに気がついた。
「ちょ、待て!」
からからと乾いた音を立てて死霊戦士が立ち上がる。何でこうなるのよおおお!慌てて一回転したが魔
法のほうが効果的らしい。乾燥してたせいだ。きっとそうだ。部屋には鏡の盾が残っていたので、フィ
ーに持たせてやる。高そうだし、これですこしは安全だろう。早く帰りたい。
92名無しさん@ピンキー:2009/07/20(月) 07:58:27 ID:tqmJZC3z
そっと顔を出してどうやら豚おやじが諦めたのを確認して外に出た。宮殿を突っ切ったのでこちら側は
初めてだ。広い廊下を壁沿いに進むと不思議なことにだんだん明るくなり、賑やかな話し声や陽気な音
楽が聞こえる。どうして体が勝手に動くんだ?踊り子たちに手に手を取られて振りほどけない!
「おいフィーやばいぞ!なんとかしねえと!」
これに対抗するには何かの歌がとか言っている。大丈夫かこの人。幼馴染ながら行く末が気がかりだ。
あんぐり口を開けていると、フィーは舞踏曲とまるで違うリズムの低い声で歌いだす。

 ぐーちょきぱーで ぐーちょきぱーで なにつくろー なにつくろー
 みぎてが ぱーで ひだりも ぱーで おいのりだー おいのりだー

この子大丈夫なの。気が遠くなったが亡霊たちの足が止まったことに気がついた。笑顔が消えている。

 ぐーちょきぱーで ぐーちょきぱーで なにつくろー なにつくろー
 みぎてが ぱーで ひだりもぱーで おわかれだー おわかれだー
 ぐーちょきぱーで ぐーちょきぱーで なにつくろー なにつくろー
 みぎてが ぱーで ひだりもぱーで さよならだー さよならだー

静かに繰り返していくうち、音楽も消えて一人、また一人と亡霊は姿を消していった。なんか死にたい。
ふと気がつくとフィーは祈りを捧げていた。オバケ居なくなったんだし、まあ良いか。


灯りを点けなおすと、扉に気がついた。鍵となると生来の性分でどうしても開けてみたくなるものだ。
「そこで照らしてな。俺にまかせろ、・・・まあこんなもんよ」
ノブを押すともうもうとした湯気とよい香草の香りがあふれ出す。古代の風呂場だ。広い。
「はあー?洗濯すんのか、ここで?」
確かに、踊るデブだかボブの死体から剥ぎ取った戦装束はなんか妙な臭いがするし、染みが汚いので
賛成すると、フィーに脱がされて二人で装備を洗い始める。ビキニパンツはいてて良かった。
「さっすが金持ちが使う石鹸は泡立ちが違うな!見ろよ、殺人兎の染みも落ちたぞ!」
靴下も真っ白だ。なによりただなのがたまらない。
「俺が金持ちになったらよ、こんな風呂のある家に住みてえな。一番風呂はチュナを入れてやるんだよ」
フィーもうんうんと頷いている。後ろ手にいきおいよく湯を汲みながら想像をめぐらした。
「金持ちになってもお前はダチだからな?そしたら ●ているよ たいな。みんなで大騒ぎしたりしてよ
天気がいい日には ●ているよ んじゃねえか?暑くなったらプールにしようぜ、スイカ冷やしたりさあ」
力いっぱい放り込んだ桶がポコーンといい音を立てる。昔の風呂ってのは音響も良いんだな。
「洗濯だってよ、専属の洗濯女を雇うんだぜ。ぴしっと ●てくれよ もらってさ、チュナにも可愛い服
着せたいよ。いつも繕って古くなっても着てるもんな。手先が器用なのは良いけど、いいものを着せて
やりたいじゃんよ。 ●てくれってば さ、乾かすのってどうするん・・・だ?」
魔術師の杖でなにをする気だ。呪文唱えるな。密室で風呼びの歌をうーたーうーなあああああああああ
93名無しさん@ピンキー:2009/07/20(月) 07:59:16 ID:tqmJZC3z
かわいたよ☆だそうだ。死ななくて良かった、オバケよりお前のほうが怖い。風呂中に散らばった装備
を拾い集めていると・・・どこからか、か細い声・・・?振り返るとふやけたクラゲが排水溝に掛かっている。
でこにでかいこぶのあるできそこないだった。

●てくれよ・・・

かわいそうに、湯あたりしたのだろう。フィーが神妙な顔で覗き込んでいる。
「名づけの術って、エンダの卵に使ったやつか?それが何のかかわ」
ばかちょびれのすけ!と叫んだ瞬間、何故か哀れなできそこないは光に包まれて、天に上っていった。
名前を与えられる前に世を去った子供は、天国の帳簿に載らないせいで、死ぬことも出来ずにさまよう
そんな話を酒場でラバンがしてくれた。つまり、死神の名簿に載ったか?ばかちょびれのすけって。



ことの善し悪しはともかく、灯りを消して扉を開けてみる。誰も居ないようだ、隣の扉を開錠すると、
広間に面したドアと部屋が幾つかあるようだ。何の気なく手前の扉を開けた瞬間肩に肉厚の手が置かれ
「厨房を荒らしたのは・・・君たちだね?」
「誰だっけおまえうああああああああ」
地獄の料理人ケイシーライバック!!俺は生きて帰るぞチュナ!!!フェイントで武器落としかけたら
出刃包丁で大理石のパネルがぱっかり、まじしゃれにならん。無理だよ無理無理、と見せかけ足払い!!
外れた。フィーはこの狭いのに爆炎フラスコを投げつけている。帰りたい。黒煙がもうもう立ち上るなか
なんとか止めを刺したが、傷薬も食い物も殆ど切らしたことに気がついた。これでは下手に動けない。
ネルが巴投げの練習でもしていたかというほど荒れた部屋の中でうさんくさい古代語の手記も見つけた
が、流石に疲れたのかフィーの顔色も悪い。奥の鍵は後回しにしよう。寝台のある部屋に行き当たる。
「・・・ここだったら立て篭もられるかな。俺が見張っててやるから一休みしてろよ」
閂をさせば結構何とかなりそうだ。火傷を消毒したり戦利品を数えているうちにフィーは眠ったらしい。
日が昇る頃には魔物も少なくなる。あとは真っ直ぐ家に帰ればいい。チュナが待ってる。


「お兄ちゃん☆」チュナなの?!幼馴染ってじゃあネル!?学級委員長って何!?「刺激」誰!!?

がばっと身を起こすとランプの燃えさしが消えかかっているところだった。夢だった・・・?夢で良かった
本当に良かった。肩で息をしている。フィーも酷くうなされている。起してやると顔を裏返して鼻を耳
にバイパスされる夢を見たそうだ。さっぱり分らないが、どうでもいい。早く帰ろう。飯の時間だ。
94名無しさん@ピンキー:2009/07/20(月) 07:59:58 ID:tqmJZC3z
酒場に戻るといきなりネルとラバンが噴出した。僕の顔が可笑しいってか?フランの肩が小刻みに震え
ている。馬鹿にしやがって、くそが。アルソンが氷嚢を持ってきて大丈夫ですかーとか言ってやがる。
大丈夫な訳がない。死者の書は手に入れ損ねるし、顔は腫れ上がるし、火花が散るほど殴られたのは初
めてだ。これだから嫌なんだ。クーポン券がなんだってんだ。忍者は泣き出すし、眼鏡がなにか言って
きたが頭にきたので宿に引き上げた。噛むと頬に響くので何も食べられない。くそが。いつかぶったお
してやる、くそパリスが。なんとかまどろんだ頃叩き起されて寝ぼけ眼で応対に出ると、メロダークが
無言で異臭を放つ「おかゆ」を持って立っている。ぶちころすぞくそおやじが。部屋が臭うので窓から捨
てた。一睡も出来ずに朝を迎えたが、酒場に行くとキレハがスープを作ってくれた。こういうのが食い
たいんだよ僕は。こういう、人間様の食い物が。パリスが宿屋の側で犬が死んでるとか騒いでる。僕の
知った事じゃない。フィーがテーブルの前にやってきた。朝から防刃チョッキご着用ですか。
「なんだよ。やるのか?」
「ぼにゅーぼにゅー」
「あのね、昨日ね、シー君とね、けんかしちゃったからね、あのね、これ」
しー君て呼ぶな。貴婦人風の服の胸元に手を突っ込んでいる。なにをする気だ。そこ、キーンやめろ。
「っ!!!死者の書だ!!!ひいやったー!!僕のものだあああってまた油断させて殴る気かお前らっ」
「あのね、焦げた石ぶつけてごめんね。燃やしてごめんね。あのね・・・また仲よくしてもらえる?」
よろこんでよろこんでよろこんでー!!!でも読んでからな!読むぞ!読むからな!僕は最強だ!!!

またネルが噴出した。くそが。
95名無しさん@ピンキー:2009/07/20(月) 08:01:31 ID:tqmJZC3z
以上です。お粗末でした
あっという間に再規制されたりしてNE!・・・
96名無しさん@ピンキー:2009/07/20(月) 08:43:59 ID:BubSouzy
何だこれ
・・・何だ、これ

とりあえず朝っぱらから噴いた
97名無しさん@ピンキー:2009/07/20(月) 09:56:11 ID:tqmJZC3z
悪乗りしてごめんね。負けたシーフォンはそのあとどうしてるのかが出発点
宮殿で戦うとすごく停止しやすいから、パリスは本当に怖がりなんだろうね


ばかちょび(ryの下りは、洗礼前に死んだ子供の民話(底本はロシア
歌の下りはマーラー交響曲第1番「巨人」第3楽章。聞くと分るはず
98名無しさん@ピンキー:2009/07/20(月) 12:46:52 ID:GuxhxImZ
>95
お前は頭がおかしい(褒め言葉

なんだこの天然ボケフィー。あとシーフォン、こんなときでもツンデレ。
99名無しさん@ピンキー:2009/07/20(月) 23:03:58 ID:hbj2rcWe
マッドシチュー吹いたじゃねえか馬鹿野郎ww
できそこないさんで腹筋崩壊した

フィーかわいいよフィー
100名無しさん@ピンキー:2009/07/21(火) 00:09:24 ID:Q6vpE09p
はげわろす
101名無しさん@ピンキー:2009/07/21(火) 00:25:49 ID:EkiF+QGU
>>95よ、私はお前を愛していた
102堕天 0/5:2009/07/21(火) 05:31:36 ID:/ZlReRSz
もはや奴隷の首輪ではないメロダーク×マナ調教編、陰気な長話でまことに申し訳ない
個別ED後、前スレ752の続きという可能性もありますが独立してご覧頂けるかと

・首輪どころかソフトSM、ご注意下さい
・暗黒料理人はMかつドSだったんだよ!
・BPプレイが入らなかったのが心残り
103堕天 1/5:2009/07/21(火) 05:31:58 ID:/ZlReRSz
大河女神の神殿で、一人の巫女が祈っている。
祭壇の前にひざまずき、斜陽を受けながら無心に祈りを捧げるその居住まいは一服の絵のように、神聖な場に似つかわしいものだった。
しかし、純白の装束に女神の聖印を提げる年若い巫女はこの地の者ではなかった。
当地の神官は見慣れぬ巫女に声をかけたものか躊躇していたが、やがて少女の方が祈りを終えてゆっくりと立ち上がろうとした。
その瞬間、小柄な身体がふらりとかしぐ。
慌てて神官が駆け寄るが、巫女は携えた杖で自らを支え、笑顔で謝意を示しつつも助力の申し出を辞した。
「わたしの……連れが、来てくれていますから」
そう言って足を向ける聖所の入り口に、いつの間にか漆黒の外套を纏う長身の男が立っていた。
「メロダークさん」
名を呼んだところを見ると、確かに迎えには違いないようだが、神官は二人の様子にどこか奇妙なものを感じた。
だが何事かを尋ねる暇もなく、男は巫女を連れて早々に立ち去ってしまったのだった。


足元のおぼつかぬ巫女を支え、傭兵は足早に街の喧騒を横切る。
傍目には仲睦まじい恋人のように見えるが、その実彼の手はマナの小さな肩をとらえ、ほとんど連行するが如く歩みを促していた。
宿が近づくにつれ少女の足取りはいっそう重くなったが、外套の下から回された腕は既にその腰をしっかりと抱いて離さない。
かくして導かれたのは、歓楽街からやや外れた住宅地の一家屋だった。
表向きは一般的な下宿屋であるが、ここには家主などいない。
一夜の宿としては相当に割高な金と引き換えに、小奇麗かつ壁の厚い部屋の鍵を渡して寄越す、俗に密会宿と呼ばれるものだ。
「あの、メロダークさん……やっぱり、わたし──やっ、ちょっと!?」
なおもためらうマナを、メロダークはとうとう地面からさらうように抱き上げて薄暗い建物の中に入った。
急な階段を上りきり、細長い通路を抜けて指定の部屋を見つけると、背の低い扉をくぐるために一度マナを床に下ろす。
そのまま室内に引き入れて扉の錠をおろすが早いか、手首を掴んで半ば引きずるように部屋の奥へ向かい、寝台へと突き飛ばした。
「きゃっ──ぁぅっ!!」
マナはたたらを踏みつつも結局は平衡を保ち切れず、整えられたシーツの上へ倒れ込んだ。
男はうつ伏せにしたその肩を押さえつけ、引きむしるように巫女の装束を奪い去る。
急激に無理な力を加えられた布地は大きな音を立てて裂け、少女の怯えた悲鳴をかき消した。
彼はさらにもがくマナの両腕を容易く背中で交差させ、持ち込んだ頑丈な縄をその手首と上腕に回し、高い位置で締め上げた。
「あ──いやぁっ……い、いたいっ」
白い柔肌に荒縄が食い込み、幼さの残る肢体を過酷にいましめる姿は痛々しかったが、男は追及の手を一切緩めることはなかった。
彼が鎧と服とを乱雑に脱ぎ捨てる間に、なおも這って逃げようとした娘の片足首を捕まえて乱暴に引き寄せる。
「ああっ、きゃあああっ!」
縄をうたれた上体は空しく寝具に倒れ伏し、残酷な捕食者の手の内へと落ちていった。
104堕天 2/5:2009/07/21(火) 05:32:19 ID:/ZlReRSz
下衣までも取り上げられ、片脚を高々と持ち上げられると、少女の恥部は呆気なく男の目の前に晒されてしまう。
「うっ、うぅっ……」
あまりに性急で乱暴な扱いに混乱し、少女は早くも嗚咽を始めている。
あろうことかその秘裂には、上半身と同様の縄が深く食い込み、ぎっちりと腰を締めつけるように結わえられていた。
しかも露わになった恥丘からは、かつてささやかながらも存在したはずの茂みがすっかり剃り上げられている。
必死に泣き叫んで抵抗する彼女を寝台に縛り付け、凌辱の果てに熱した針でもって丹念に毛根までも焼き切ったのはつい先日のこと。
股に埋め込まれるように通された縄はくちくちと微かな水音を奏でつつ、さらにその奥深くへ入り込んだ無機物の存在を覗かせていた。
いとけない秘裂は、既に大きな異物を咥えこまされていたのだ。
「あっ……やぁ……あぁっ……んッ!」
それは今朝に無理やり挿入されてから一日中、さらに先ほどの懸命な抵抗の合間にも常に少女の最奥を苛み続けていた。
今また手ひどく暴かれた秘唇はひくひくと苦しげに震えて、男根を模したいやらしい道具を包んでいる。
男はその様子を確認すると、掴みあげた片足の膝裏ごと少女の体に覆いかぶさり、顎をとらえて濃厚な口付けを落とした。
「んく、んんんっ……!」
腕の動きを完全に封じられた娘は為すすべもなく侵入してきた舌を受け入れ、不自然な体勢ゆえに喉の奥から苦しげな呻きを漏らす。
押し入ってきたものはすぐさま狭い口腔を蹂躙し、逃げまどう少女の舌を絡め取っては、どこか甘やかなその唾液を啜りたてた。
息継ぎの方法もろくに知らぬ少女は、そのまま秘部の異物に男の手がかかったことを悟ると、潤んだ双眸をいっそう見開いて身をよじった。
「んっ、んんっ──!!」
だが、やはり抗いは空しく。
「んんぁ、ぷはっあっああぁーっ!!!」
若木のようにしなやかな肢体が大きくのけぞり、強引な接吻から解放された刹那に朱唇から悲鳴がほとばしった。
目尻にたまった涙がついに決壊し、激しく首を振る毎に儚く散る。
横向きに寝台へ押し倒され、片足を折り曲げる形で限界まで開かされた一方、他方の脚には彼自身が乗りかかって押さえつけている。
下半身の自由さえ完全に奪われ、股間の筋肉を一杯に緊張させられたその状態で、グロテスクな紛いの男根をねじ込むように圧迫される。
さらに陰部に突き刺さるそれを、次いで捻りながら乱暴に引き抜かれては、未だ男を知って間もない未熟な秘花にとっては拷問でしかない。
体の芯を情け容赦もなくこじ開けられる痛みに、少女は耐えきれず絶叫した。
「あぅっ、あ、ひっ!…いぅんっ」
男はそんな少女に休む暇を与えず、握った器具を執拗に前後させる。
きしきしと裸体に巻きつく縄が軋み、きめ細やかな肌が擦れて紅色の痣を覗かせるようになっても──
のけ反る白い喉にゆるく歯を立て、鎖骨に舌を這わせるうち、刺激に馴らされてしまった乙女の涙がいつしか艶を帯び始めても。
「ああっ、あうんっ──こんな、こんなの、いやあぁっ……」
ぐりぐりと疑似男根をねじ込まれるかたわら、鮮やかに色づいた女芯を指先で嬲られて、少女はひくりと腹を波打たせる。
指先とつま先の他にはどこにも自由を許されず、叩き込まれる感覚の渦をどこへも逃がすことができぬまま。
「マナ………逝け」
耳たぶを強めに食まれながら、低い声音で命令されて。
「あっ、んんっあ、やあぁっ、いやなの、だめぇ──あ、うあッああああ……!!」
残酷な道具を最奥まで突きたてられ、くじり出された蕾を無骨な指で擦りあげられて。
拘束された少女は、強制的に第一の絶頂へと突きあげられた。
105堕天 3/5:2009/07/21(火) 05:33:08 ID:/ZlReRSz
浅い吐息の下でほとんど声もなく嗚咽する少女の体は、ただ一月も経たぬ間に随分と細くなった。
もともと小柄ではあったが、その裸身からはもはや健康的な肉づきは失われてしまっている。
代わって、折れてしまいそうに儚げな、しかし他方で一種病的なまでの艶めかしさを備えるようになっていた。
その年齢と体格には不相応なまでに繰り返し性交の味を教え込まされた、未成熟な果実の危うい色香を。
強引な愛撫であってさえ、抱きすくめて肌を密着させた状態で施せば、小さな身体は幾度でも頂点を極める。
……とはいえ、良くも悪くも快楽に耐性の無いその肉体は未だ、膣内で達することは知らない。
というよりも、その少女の器は、刻みつけられた破瓜の瑕を癒すにすら至っていないのである。
誇張ではなく連日その身を弄ばれ、夜ごと日ごとに規格外の男のものを受け入れさせられているのだから、当然のことではあった。
蜜液ばかりは潤沢に分泌されるようになったが、それは頻繁かつ乱暴に繰り返される摩擦から性器を守るための生理的な反応にすぎない。
「もう、やめて……」背後から回される腕を逃れるように精一杯に身を丸め、顔を背けてか細く訴える。
貪欲な男に幾夜もその身を蹂躙されてなお、清らかな風情を失わぬ娘。
手折られた哀れな姿も、弱々しい拒絶の言葉も、いっそうの劣情をかきたてるばかりだというのに。
──まだ分からないのか、もう俺からは逃げられぬのだということを。
これまでならば、拒絶の言葉をかき消すように、無理やり抱いてその意識がなくなるまで犯してやるところだが、──だが、まだだ。
抱きつぶす程度では足りない。
身体だけでは足りない。
意に染まぬ快楽の淵へと押し上げられ、茫洋と空を見つめるその目の前に一本の革紐をぶら下げる。
少女はぼんやりと眼前に揺れるものを眺めやったが、その正体を悟るにつれ、見る間に表情が強ばっていく。
──ああ、その顔。
「嫌か」と問えば、
「あ、あたりまえですっ」反射的に小さな叫びを上げ、娘はなけなしの気丈さを込めた瞳で男を睨んだ。
そのひたむきな意志をひしぐ時、あどけない顔は涙で彩られ、耳に快い声は悲痛の色を帯びる。
──その様がどれだけ俺を煽り満たすか、お前はまだ分からないのか。
「……そうか」
さらりとした柔らかな髪に指を絡める。
「まだ俺に逆らうのか」
必死に男を見返すかんばせに、さっと怯えがはしった。
──日増しにエスカレートする男の要求に対して彼女が拒絶を示すたび、ささやかな抵抗はいっそう無残な凌辱をもって応じられた。
相手が泣いて赦しを請うまで、意識を失うことすら許さず何刻でも責め続ける。
やがてかすれた嗚咽の中で娘がついに服従を受け入れた後もなお、罰と称して拷問じみた交わりを強要した。
そして、娘が羞恥にふるえながらも彼の前に自ら体を開き、その意に従うようになるまで幾度も幾度も同じことを繰り返し強いるのだ。
「うくっ……ひぅっ」
加虐の予感におののく身体をうつ伏せにし、その細い腰だけを軽く立てた膝の上へと引き上げる。
すると上体をきつく縛られた彼女は、臀部だけを浮かせて男の目の前に晒す姿勢をとらされることになった。
もちろん、その双丘には張り型を固定する縄が打たれたままである。
「うぁッ!」
腰の後ろに作られた結び目をとらえ、強引に吊り上げると、局部に食い込んだ荒縄がきりきりと絞られ、少女に高い悲鳴を上げさせる。
だがすぐに短剣がその縛めを断ち切り、浮き上がった腰は男の膝の上で抱え込まれるように固定された。
そして白桃のように瑞々しく傷一つない、小振りでありながら柔らかな丸みを帯びる娘の尻に、
鍛え上げられた剛腕が、勢いよく振りおろされた。
──ばしん、と、容赦のない打擲音が部屋中の空気を震わせるほどに響きわたった。
「きゃぁうッ!!」
あまりに唐突に、かつ苛烈な苦痛を叩き込まれ、哀れな娘は衝撃のあまり全身を痙攣させながら絶叫した。
だが彼女が状況を把握するより先に、さらなる無慈悲な暴虐が加えられる。
ばしん。
「あぁっ!!」
もう一度。
ばしん。
「いやぁっ」
もう一度。
「うああーっ」
もう一度──
106堕天 4/5:2009/07/21(火) 05:33:34 ID:/ZlReRSz
「う…んぅ、っ……あくっ…………」
指先を少し触れるだけで容易く形を変える色白の柔尻が、すっかり痛々しい薄紅色に染め上げられた頃。
マナはもはや抵抗する力も、うつろな瞳からこぼれる涙を拭うすべもなく、乱暴に手折られた後のようにぐったりと寝具へ頬を預けていた。
しかしその腰は相変わらず男の膝上に引き取られたまま、さんざんに打ちすえられた双丘を無防備に晒し続けている。
そして、赤々と腫れあがった部分へ戯れに男の掌や舌が這わされるたび、再度の打擲に怯えて全身を震わせ、強張らせるしかない。
──これまで、直接的な暴力が彼女に振るわれたことはなかった。
無垢な少女を言いなりにさせるためには、寝台の上で腕力と体力差に訴えるだけで事足りたのだから。
……だが、今日は違った。
「マナ」
改めて、耳元で命じる声に。
最も信頼し慕っていた男に加えられる暴力によって、極度の混乱と恐怖に陥らされた少女は。
「わ、かり……ましたぁ」
鼻にかかった涙声をふるわせながら、今日もまたとうとう男の支配を受け入れた。
「………」
屈服の言葉に、男はその薄い唇の端をほんの僅かに歪めたか否か。
ゆっくりと少女の細首に手を伸ばし、先ほどの黒い革紐を巻きつける。
かちん、と小さな金属質の音をたてて首輪の留め金が閉ざされた。
「………ぁ……」
少女にとって、それは絶望の音だった。
光を失って閉じてゆく瞳から、また涙が滴り落ちた。

月光さえ遮られた狭い密室。
寝台の縁、ランタンの暗い光に照らされて男がひとり坐している。
──そしてやや開かれたその膝の間、彼の足元には、未だいとけないとさえいえる少女がひざまずいている。
全裸に縄と首輪とを纏わされた彼女は、男の股の間にそそり立つ肉棒を懸命に口淫していた。
「ん──んくっ、はぁふ、んむ……っ」
小作りな細い顎では男の怒張を収めきることなど到底できず、狭い口腔に亀頭の先端を迎える程度が精一杯の態である。
桜色の唇はせめて横合いから剛直を咥えようとし、その奥から小さな舌を肉茎にすべらせる。
その間、男は一方の手を自らの股間にうずくまる頭の上に置き、従順に奉仕する娘の髪を時おり撫でてやっていた。
だがもう一方の手には、その喉元に嵌められた首輪から伸びる長い手綱の先をしっかりと握っている。
それは肌もあらわな肢体の前面から、縄の代わりとばかりに局部をくぐらされ、背中を上ってその先端を男の手に収められているのである。
そして娘が息継ぎに口を離そうとしたり、誤って歯をあてたりすると、無言のままにその頑丈な革紐をぐいと引いて叱るのだった。
「っん、ぁはぅ、んあっ、くふぅっ……んちゅ、んんっ──ん!」
両腕を縛られた不自由な体勢のまま男の腿に身を預け、濃い体臭を発する剛毛に頬を擦られながらの慣れぬ愛撫は拙い。
だがその頭を押さえ、相手の呼吸すら意のままにする圧倒的な征服感は、寡黙な男の支配欲を確かに満たしていった。
……やがて、はち切れんばかりに陰茎の中に溜めこまれた欲望の塊が一気に爆発する。
「んっ、んぐ、んんん……!!」
「──飲むんだ」
息苦しさに涙を浮かべる少女の口を最大限にこじ開けて劣情の塊を奥へとねじ込み、断然と命ずる。
「んくっ──けふっ、んぐぅ……っ」
ねばつく白濁を咽喉に直接放たれて、髪を掴まれた少女は逃れられず、苦しげに呻きながらもようやっと首輪を揺らし、情欲を呑み下した。
もっとも、ぶちまけられたものは少なからずその唇からこぼれ落ち、へその辺りにまで垂れて拘束された上体を淫らに濡らしているのだが。
「……これで、いいんですか」
冷たい床に座り込み、諦念の陰りを宿す目を伏せて、か細く呟くように訊ねる娘。
男は腕一本で軽々とその身体を寝台の上に引き上げ、自らの吐精で汚したばかりの唇を吸う。
そのまま首輪の手綱を取り外すなり、荒々しい手つきで両足首を掴みあげて大きく開脚させ、寝具に転がした細い体へと圧し掛かった。
──ふたたび、悲鳴。
107堕天 5/5:2009/07/21(火) 05:34:16 ID:/ZlReRSz
夜はようやっと、その深みに到達しようとしているに過ぎない。
「ぁ……んぁ、っぅ、ぁ、んっ……はぁ」
だが閉ざされた室内に空しく響く少女の声は、既に含む涙さえも枯れかけて弱々しくかすれていた。
今宵だけでも片手の数では足りぬほど手酷く踏みにじられた秘花は、すっかり真紅に色づきながらもなお過酷な搾取を受けている。
つい数週前まで男を知りさえしなかった場所を激しく突かれ、抉られて、奥の奥まで熱いたぎりを注がれて。
ほとんど感覚を失ってしまっているのに、花芽を弄られ、奥深くまでをかき回されるたび、腰は反射的に跳ね、未知の痺れを呼び覚ます。
さらに後孔には、昼間ずっと秘部を苛み続けていた、決して小型とはいえない凌辱玩具。
生娘の時分ならば膣にさえ迎え難いものであっただろうに、打たれた尻肉はひくひくと蠢きながらも張り型をすべて収めてしまっている。
本来は排泄のための秘めやかなその部分さえ、既に何度も荒らされ、穿たれ、征服されていたのだ。
絶え間なく引き裂かれる秘肉の炎症が激しい時などは、もっぱら菊座でもって相手をさせられたものだ。
……今や前後を同時に塞がれて、体の内部を鋭く突き上げられ、内壁を破らんばかりに擦られて。
「ぃっ──!!」
奥まったある一点を叩かれた瞬間、電撃が走ったように少女は目を見開いて大きく身を震わせ、強張らせた。
黙々と抽送を繰り返していた男はその反応を見逃さなかった。
「……ここか」
「あっ、やあぁっ!!」
一度は枯れかけた声がふたたび切羽つまった張りを帯び、少女は髪を振り乱して必死にかぶりを振る。
しかし細腰は丸めた毛布の上に乗せられて男に突き出すような形で掴まれたまま、ますます強く執拗になっていく責めから逃れられない。
未だ上体はきつく縛められ、下半身にはもはや力が一切残っておらず、しなやかな肉体は揺すぶられるままに翻弄される。
「うあぁぅっ、やぁ、だめ、だめなのぉっ、そこだめ、だめだからぁっ」
ろくに舌さえ回らぬ声で泣き叫び、首輪付きの頭をうち振りながら懇願したとて、無情な男を悦ばせるだけだというのに。
「いやいやいやぁっ、ゆるしてぇ、いやあっ、あぅあ──はっ、あああああーっ」
強姦じみた愛撫の果てに、内性器で迎えさせられた初めての絶頂は、暴力的なまでの快楽でもって、少女の意識を彼方へと押し流した──


一方的な情交は、娘の意思など関係なく、男が満ち足りるまでその身を貪り尽くすことによってようやく終わりを迎える。
完全に脱力した身体を抱きしめながら息を鎮めた後、彼はいつも一人起き上がって事後処理を始める。
まずは柔肌に食い込む縄を解き、血流が滞ったままにならぬようその身体を丹念に揉みほぐす。
これまで散々に弄んだ全身を、今度はうって変わった丁重さで清めてやり、改めて寝具に横たえた。
抜け出せないようにしっかりと抱え込んで就寝するのが常であるが、これまで彼女が先に目を覚ましたことはなかった。
漆黒の首輪のみを身につけ、糸の切れた人形のように四肢を投げ出す娘は、それこそ死んだように深い眠りの中にいる。
無毛にされた恥丘からへその下にかけての白い下腹を、男はゆっくりと撫でまわした。
……ようやく手に入れたのだ。
お前は俺のものだ。俺だけのものだ。神にとて、渡してなるものか。
かつて健気な思慕を向けてきた優しげな瞳は、いまや悲しげに背けられ、あるいはかたく閉ざされて苦痛をやり過ごそうとするばかり。
身体を支配しようとすればするほど、その心は逆に遠ざかってしまうようだった。
──だが、離れることは許さない。どんな手を使ってでも、俺はお前を逃がしはしない。
たとえ壊してでも、幾度でもその身に刻みつけ、教えてやろう──お前が誰のものであるのかを。


それから後も、二人の旅は続いた。
ホルムを災厄から救い、やがて各地を巡り救済に努めた聖女の逸話は、いつしか妖精郷伝説の一つに数えられることになる。
彼女は足が不自由であったが、その傍らには無口な剣士が影のように寄り添い、女神そのもののように乙女に仕え、これを助けたという。
──確かに、その腕に恭しく抱かれた大河の巫女は、無愛想な従者とは対照的に絶えず穏やかな微笑をたたえていた。
だが、<足萎えの聖女>を直接目にした人々さえ、誰も知る者はなかった。
慎ましやかに隠された首筋に、無数の痣が散っていることも。
長い袖に覆われた手首に、鮮やかな縄痕が這っていることも。

 【堕天】了
108名無しさん@ピンキー:2009/07/21(火) 20:36:46 ID:siVe4Z94
GJ!
とりあえずうちのマナはエロダークには渡せないと思ったw
109名無しさん@ピンキー:2009/07/21(火) 20:46:40 ID:LUX8nFV0
待ってたよー!GJ!!
ダークに相応しい活躍っぷりだ
110名無しさん@ピンキー:2009/07/21(火) 22:29:47 ID:2GKe2Nly
GJ!メロさんkoeee!!
まさに怖イイ作品、大変ご馳走様でした。
111名無しさん@ピンキー:2009/07/21(火) 22:32:21 ID:eckFaj9r
これからはメロさんにとどめを刺してあげることにしよう
112名無しさん@ピンキー:2009/07/22(水) 01:10:00 ID:OTqgzf8M
>>103
重苦しさと淫靡さに興奮せざるを得ない、メロdarkGJ!

>>111
神官ルート以外は死後が悲惨だ(主人公の救済技がない)から許してあげてw
113名無しさん@ピンキー:2009/07/22(水) 02:15:17 ID:sNn3ZQwN
>>107素晴らしい…乙です…
こういうダークなのもたまらんwww
114名無しさん@ピンキー:2009/07/22(水) 02:52:26 ID:wzFy5AEq
ヤンデレメロさんこえぇーッ……
足が不自由って、何をやったんだ、オイ。
だがエロい。GJ。
115名無しさん@ピンキー:2009/07/22(水) 10:28:44 ID:TmUbCGCn
>>111
俺なんか墓場で話し掛けないかんね
116名無しさん@ピンキー:2009/07/22(水) 21:46:43 ID:sNn3ZQwN
誰か奴隷キレハをぉぉぉ…
117名無しさん@ピンキー:2009/07/22(水) 22:01:40 ID:Ya7c7mBt
>>103
怖いがGJ!
ここでバイブ入れっぱなしが見られるとは…

>>115
まあゲーム的に見ると神官編では専用イベントの旨味はちょっと薄いしな
時渡り、エウルス、秘技に比べると微妙
経験値はメリットだけどランダム潜れるようになるとそっちで良くなる
専用イベントの中では比較的簡単だけど
118名無しさん@ピンキー:2009/07/22(水) 23:32:59 ID:Wq/shVm9
その分盛り上がるからいいのよ!
盗賊と来たら
119名無しさん@ピンキー:2009/07/23(木) 11:54:20 ID:1ZpTdkOL
>>89-94の作者です。全年齢対象3000文字ほど
お気に召さない方はIDあぼんでお願いします。

※今回は女性キャラがひたすらきゃっきゃうふふしているだけです
120名無しさん@ピンキー:2009/07/23(木) 11:55:03 ID:1ZpTdkOL

「「「デテコイゼース!!!」」」

目が点になる。へんな閃光とともにビキニパンツが飛び出してきた。不審者だ。思わず助けに入りそう
になるが楽しげな声が響いて思いとどまる。あいつらなにしてんだ。

「幸せって何だろう?」

僕が知るか。窓枠からずり落ちそうになりながら中を覗き込む。キレハと怪力だ、ということはさすが
僕。これで書庫は自動ドアだね。気づかれないように様子を伺うと、フィーが何か言い出してきゃっき
ゃとはしゃぎだす。いちゃいちゃすんな!ばか。大体そんな可愛げなこと似合う腕力か。いつだったか
ネルと連れ立って出かけたときだ、穴倉で見つけた宝箱を渡したんだよ。そしたらまーかせて!とか言
うから、パリスが器用に開錠したり分解したりするのを思い浮かべてたわけだ、僕は。
「わあい」
引きちぎられた部品。どんな馬鹿力だ。それは破壊っていうんだよ。僕が鍵破りを覚えようと思ったの
はそれからだね。まあそんなことはどうでもいいよ。問題は石造りの扉のほうだ。

最近になって見つけた古い寺院では、おかしな坊主が空中浮遊してくるので案外しゃれにならない。揃
いも揃っていかれた年寄りばかりに絡まれていちいち癇に障るが、仕方ないから外壁をよじ登って通路
から侵入する羽目になったんだ。だいたい、半年近く姿をくらまして、お前はなんなんだ。元からネジ
が緩んでるとは思っていたが、戻った頃には古代都市へ行ってきたとかいう壮絶な外れ方をしていた。
さすがに賢者のじいさんも気の毒になる。いつまでも元気なわけじゃないんだし、聞きだせるときに聞
かないとぽっくり逝きかねないじゃないか。それなのに何処をふらついていたかと思うと腹が立つ。そ
もそもなんでアルソンとパリスを連れてったんだ、僕じゃなく。
121名無しさん@ピンキー:2009/07/23(木) 11:55:46 ID:1ZpTdkOL
願い事とかどうでもいいから早く扉を開けてくれよ・・・。冷えて指の感覚がなくなってきた。
「ねえねえ、それよりおなかすいたよー」
「そうね、あなたは?・・・うん、それじゃあラーメンでもつくりましょっか」
「やったー!キレハだーすき!」
「あの、願い事は・・・」
「キレハお嫁さんにきてー」
「んもー聞いてるんですか」
フィーの声が聞こえたので、窓から身を乗り出して覗き込むと何かを差し出している。
「・・・のね、今日ね、アルソン君が作ってくれたの。みんなでたべてって」
「やたー!!!プリンプリン!!さっすがお母さん、気が利くぅ」
「ランプの魔神さんもいっしょにたべよ」
「ええ?それよりは願い事をかなえたいんですけど」
「いいじゃんいいじゃん、あたしも何か作るねー。なにがいい?」
「それじゃ私あんかけ食べたいなー」
いやあんた魔神だろ。
「ちょっとこれ持ってて」
はいとか言ってふたを持たされている。お前らピクニックしてんのか。先回りして奥の部屋を見に行く
と、妙な老いぼれが、ごろ寝しながらしりを掻いているのが見えたので引き返してきた。どこもかしこ
もよぼよぼか!くそが。再び歓声が響いた。飯が出来たらしい。
「涙目なんだもーん、悪いけどふきだしちゃったわよお。こーんな張れてるんだよ?」
そんな昔のことを。笑いすぎだこのくそマッチョ。
「あれってパリスにやられたらしいけど、本当?」
お前は放浪でもしてろ。フィーはうーんと考え込んで答えた。外はふぶいている。

「あのね、確か、宮殿で肝試しした日だよねえ」
おい、そんな話だったか?くそパリスの妹助けるんじゃなかったっけ。
「えー、パリスあんな怖がりなのにつれてったのー?かーわいそー」
「心霊スポットがあるんですかー、私もいこうかな」
「そういえば、あのあとしばらく元気なかったけど、もしかしてそのせい?」
「うん。怖い夢見たって言ってた」
ぎゃははははは僕を殴ったりするからだ、パリスざまああ!馬鹿にされてろ!
「でもああいうの苦手なのに守ってくれたなんてすごいじゃん、パリスー」
「へー、頼りになるんですねー」
ちょっとまてマッチョ。
「パリスほんとはつよいんだよー。それにねえ、隠し部屋みつけたんだよー」
「へえー、心霊スポットで隠し部屋なんてあるんですかー、いいなー、冒険だー」
「あのね、シー君もずっとパリスのこと怖がりだねーってからかってたんだよ。だけどね、途中でね、
パリスが奥行きがちがうぞーって言って、壁をこわしたの。そしたら中から隠し部屋だーって言って」
「ああ見えてやるわね、ちょっと見直したわ」
キレハまで・・・くそ、こんなのおかしい。僕にもラーメン食わせろ。

「それで僕がいちばーんていってシー君が最初に入ってって、中で魔道書を見つけたの」
「死者の書だっけ?あれ目次しかないとかいってたよー。続き探してるみたい」
「ぶっちゃけ大した魔法じゃないんですけどねー」
足を踏み外しかける。何だとこら。一瞬マッチョと目が合った。
「それでね、パリスがあぶないよーって言ったら、うるさいばーかって言ってー・・・」
「殴られたんだ、しーぽん」
勝手に笑ってろ。僕はそんな話忘れたね。
「もうこねーよーって言って、いなくなっちゃったの」
「あちゃー」
魔神がこっちをちら見してにやにやしてくる。くそが。
「フランなんか笑うのこらえられなくなって泣き出しちゃったんだよー、大変だったんだから」
ばーかばーか、ちくしょー、もう帰る!
「でもねえ、シー君みたいに魔法使いで年が近い子いなかったから、友達になれて嬉しかったんだよー」
え、ほんと?魔神と目が合う。にやにやすんなくそが。
122名無しさん@ピンキー:2009/07/23(木) 11:56:34 ID:1ZpTdkOL
「おやおや、君たちか!奇遇だね」
うるさいのが増えた。出るに出れなくなってきたぞ・・・。
「お前ら昼飯か?」
「うん。ラーメン食べたんだよお、パリスとテレージャさんたちも探検してるの?」
テレージャが得意げに答える。なんかむかつくんじゃこら。陰気なおっさんもいるらしい。
「古い寺院があると聞いてね、さっそく彼らと来てみたんだよ。何か発見はあったかい」
「それよりあんた誰だよ」
「妖精です」
うそこけ。傭兵が噴出している。ぶぉっふぉじゃない。どんな笑壷だ?マッチョは横目で見つつ言った。
「そろそろ願い事を決めてもらいたいなーなんて、駄目ですかね」
「どういうことだ?」
「幸せってなんだっけーって言ってねぇ、それでいっしょにご飯食べたの」
どんな説明だ。わかるわけないだろ。
「へえ、じゃあ魔法のランプだったのか。すげーじゃん、呪文分ったのかお前。さすがだな」
この僕が負けるなんて・・・ショックだ・・・。ギャーギャー騒いでるのがかろうじて聞こえたが立ち直れな
い。黄昏ている内に眼鏡たちはいなくなった。パズルがどうとかで盛り上がっている。しばらく右往左
往していたが、やがてみょうちきりんな杖を持って出てきた。
「おもーい!ネルー開けてー」
やっと開けてくれるのか・・・。鼻水出てきたところだよ。
「わたしがやってみるね」
どすこーい!!!そう聞こえた。唖然として眺めていると睨んだとおり書庫だったようだ。
「ネルー、ほらー、キレハもみてみてー」
「お!死者の書じゃーん」
なんだってええええ!???思わず手すりを飛び越えて戸口に駆け寄った。にっこにこしたフィーが、
大切そうに本を抱き抱えている。
「これシー君にあげるんだ☆えへへ」
「いいじゃない、はいってきたら」
へ?
「いるのはわかってるのよ、シーフォン」
地獄耳だな、おい。
「匂いでわかるのよ」
そっちか。
「な、なにやってんだ、おまえら」
「みてみてー!ほらー!」
「ほ、ほ、ほ」
「ほ?」
「本物だああ!くれ!いますぐ僕にくれ!!かわりにオグカムイズナやってもいい」
おがくずかむなってなんだ、おい。ひったくる様に交換して部屋を飛び出した。僕は何やってんだ。

「行っちゃったねー、シー君」
「まあいいじゃない、いこ」
「うん!」

このあととある坊さんは、キレハにセクハラを働いたとしてメロダーク謹製バイオケーキを食わされたという。
123名無しさん@ピンキー:2009/07/23(木) 11:58:17 ID:1ZpTdkOL
以上です。お粗末でした
時々出くわすシーフォンて・・・というのが出発点ですが
大した意味はありません
124名無しさん@ピンキー:2009/07/23(木) 17:00:20 ID:jlyDwQYd
>>123
可愛いなさすがフィーかわいい
やっぱりフィーは俺の嫁だなこのSSでそれがわかった
感謝>>123
125名無しさん@ピンキー:2009/07/23(木) 23:00:20 ID:WR6oUZFP
死ぬほど笑ったGJ!かわいいな。

>>124
妖術師乙ちょっと俺と代われ。
126名無しさん@ピンキー:2009/07/23(木) 23:05:51 ID:FcUxTXBw
>「わあい」
>引きちぎられた部品。
ネルひどすぎるwww
シーフォンかわゆすのう
12715 ◆E9zKH0kZMc :2009/07/24(金) 10:32:28 ID:aADdfBa4
全年齢対象。今回で完全にネタを使い切りましたので、これでおしまいです


※極度のネタバレを含みますのでご注意ください キレハ関係です
12815 ◆E9zKH0kZMc :2009/07/24(金) 10:33:11 ID:aADdfBa4
大きな体だが、肉球は案外柔らかで、時を忘れてさわってしまう。ぷにぷに・・・黒い獣も、まんざらで
もないのか、おとなしく寝転んで、フィーの好きなようにさせていた。ぷにぷに。ぷにぷに。

数日前街に戻ってみたが、キレハが戦闘に巻き込まれているのを助けた時、なにを間違えたのか彼女は
大きな黒い獣になっていた。よく懐いていることもあって怖いということはないのだが、一体どうすれ
ばいいのだろう。海岸にある洞窟にかくまってはみたが、これでなにが変わるというものでもない。ぼ
ろきれや板切れを集めてきて寝床を作ってやる。黒犬は作業の様子をおとなしく見つめながら尻尾をふ
っていた。今はハッハッ、ご機嫌でブラシを掛けられている。大あくびをして膝に顎を乗せた。ふさふ
さの毛並みをなでているうち眠気が襲ってくる。


「いっけない。もう夕方だよー」
はやくお師匠様の夕食作らなきゃ!勢いよく立ち上がったところで、もうその必要がないことを思い出
した。帰る家も、お帰りを言ってくれる人も、もう残っていないのだ。名前を呼ぶ声、大きな優しい掌、
薬草の甘い香りがしみこんだ衣、こじんまりとした家も子供の頃はあんなに大きく見えたものに。決し
てなくなることはないと思っていたのに。いつでも帰りを待ってくれていると思っていたのに。どうし
て側を離れたのだろう?ずっと一緒にいなかったのだろう?寂しさと悲しさで涙が溢れてきた。

大きな獣は存外の事態で困惑していた。酷く疲れた顔をして、それでも毎日食べ物を届けにきてくれる
少女が、先ほどまで上機嫌だったのにしくしく泣いている。どうしていいのかわからず鼻をピーピーな
らして擦り付けると、少女はふところにしがみついて泣き出した。キレハは慰めの言葉をかける唇も、
髪をなでる掌も失っていた。心に起こる感情に名を与える事も出来ない。もどかしい気持ちを抱えたま
ま、毛繕いしてやり、じっと様子を伺っていた。琴線に響く何かの言葉が少女の口から零れ落ちてくる。
守ってあげたい、どうか側にいてあげたい、胸が締め付けられるような気持ちで見守っていると、やが
て泣き疲れて、もこもことした毛並みに顔をうずめて眠ってしまった。尻尾をかぶせて暖めてやる。

日暮れからだいぶ経ったころ、明かりも何もない洞窟はもう真っ暗だ。キレハの大きな瞳だけがぴかぴ
かと反射している。少女は自分を枕にしたことを謝って、お休みの挨拶とまた明日の約束をして出て行
った。残されてこんなに寂しい気持ちになるのは初めてだ。どうして側にいてやれないのだろう。穴倉
の中で何度もぐるぐると輪を描いて座りなおした。

海岸から街路に上がると、向こうからパリスがかけてきた。夜になっても姿を見せないので、探しに来
たらしい。街灯の陰になっているフィーの顔を覗き込む。
「どうしたんだよ、そんな顔して。オハラさんが心配してるぞ」
やさしく頭をなでるとわっと泣き出した。どうしたらいいのかわからない、そういってパリスの外套を
掴んで泣いている。チュナといいフィーといい、昂ぶるとすぐ泣き出す子供との付き合いは長い。そっ
と抱き寄せて自然に泣き止むのを待ちながらパリスは話を聞きだした。普段以上にわかりにくいが、こ
こしばらく姿を消しているキレハに関わりがあることは理解できた。周辺の親しい人間が姿を消えたこ
とが、どれだけの打撃を与えているのだろう。フィーがおいおい泣いているのを見ながら、昔も似たよ
うなことがあったのを思い出していた。
12915 ◆E9zKH0kZMc :2009/07/24(金) 10:34:01 ID:aADdfBa4
勉強をかねて薬草採りを命じられたのに、サワガニ獲りに夢中になって忘れてしまい、夕方になってし
こたま叱られた日だ。わんわん泣きながら歩いているところに行き合わせて、一緒にデネロスに謝りに
行ったのだった。いつだか、チュナに甘い物をくわせてやりたくて、蜂の巣にちょっかい出した時、堅
物のお師匠さんの魔法の腕を始めて目の当たりにしたんだったっけ。どれだけ怒られるかと思ったが、
蜂蜜の瓶詰めをくれただけで、またフィーと遊んでくれるように言われたものだった。フィーはくすん
くすんと鼻を鳴らしている。もうそろそろ大丈夫だろう。ベンチから立ち上がるよう促してみる。
「戻ろうぜ。みんな心配してるぞ」
頷く。酒場に入ると、オハラさんが出迎えてくれて、ラバンは若い娘を泣かしよってとか言ってきた。
「なあ、ラバン。フィーの話を聞いてくれよ」
つらつらと説明している内、またフィーがしょぼしょぼし始めてひやりとしたが、何とか最後まで話を
続けられた。ふーむと唸ってラバンは腕組みをする。狼の血筋というものがあるらしい。日が昇ったら
皆で様子を見に行くことになった。ラバンなら、何とかすることもできるだろう。さし当たっての問題
は、フィーの目が腫れて明日はそれ所じゃなくなる心配だが、あとをオハラさんに任せて引き上げる。


翌朝、日の出にあわせて海辺に向かう。今朝のフィーは元気そうだ。ラバンに思い出の品を手渡される。
犬がどうとか、キレハがどうとか、いまいち納得できないまま海岸を降りていくと、洞窟が現れた。
「そういやこんな場所があったっけ。ネルとお前で探検したよなー、懐かしい」
「随分奥まで入り込んじまって、見つけ出すのが大変だったわい」
「キレハー、おはよー」
暗闇の中で黒い何かが機嫌よく吠えた。なんじゃこりゃ。へっぴり腰になるとラバンが声をかける。
「・・・お前、キレハだな。・・・お前の祖先との約束だ。俺がケリをつけてやろう」
「やだー!!!そんなのやだやだ!!!やーだー!!!」
俺とわんこが吃驚する。音が洞窟で反響してくらくらしてきた。
「助けたいのか?・・・分った。それならお前の好きなようにやってみろ」
しくしく泣きながら巨大な獣に向かって名を呼びかけている。


・・・レハ・・・キレ・・・ハ・・・・・・・キレハ・・・?

繰り返し琴線に響くその音が、ついに自らの名前であることに気がついた。私はキレハ、呪われた者・・・!
来ちゃ駄目!来ないで!!もどかしくも言葉を伝えることができずに焦りだけが募り、とうとう威嚇を超
えて手を出してしまった。一度恐怖に心が曇ると暴走を止めることができないのだ。神様、どうか私を殺
してください、いとしい人を傷つけてしまうそのまえ前に!!かばいに入ったラバンの一撃が急所に入る。

「キレハー!」

もやもやと混沌の輪郭が異様な輪廻を繰り返す中、一瞬のぞいた彼女の腕を掴まえたが、逆に引きずり込ま
れてしまう。肝をつぶしたパリスがとっさにフィーの足を掴んで混沌との引っ張り合いになり、次の瞬間裸
のキレハと傷だらけのフィーが飛び出してきて、あっという間に下敷きにされた。
「ちぇー、うーらやましー」
エロじじい。鳩尾に踵が入って息もできない。ようやく体を起すと、ラバンのコートを着せられたキレハは
フィーにしんなり寄りかかって睦言をつぶやいていた。俺は無視ですか、そうですか。もういいよ。

朝方の気持ちいい潮風に吹かれながら、キレハはぽつりぽつりと昔語りをしていた。影を探してるってのは
そういうわけだったのか。古い血筋をもつ奴ってのは、なにがしか苦労があるのもなんだな。神妙な気持ち
になって歩いていると、不意をつかれてかしこまったフィーにお礼を言われた。
「へへっ。まあ、何とかなって良かったじゃん。な、フィー」
きゃっきゃと歓声を上げてキレハの後を追いかけていった。なんてお菓子あげたくなる子なんだ。
「いいねー、若いもんは」
ラバンはにやにやしているが、急に真顔になって続けた。
「昔な、ヤツの一族の人間に頼まれたんだ。もし混沌の力が暴走してしまったら―・・・倒してくれってな」
やべっ。
13015 ◆E9zKH0kZMc :2009/07/24(金) 10:36:38 ID:aADdfBa4
以上です。書き忘れてましたが、あぼんしやすいようにトリつけました

あと、夜中に思いついた小ネタ、R−60年代 ttp://www.youtube.com/watch?v=LVQ0MXp-8ds
踊り歌ってどんな歌だろうなというお話です。お騒がせしました。読んでくれて有難う





小さな部屋の中をランプを照らしながら調べると、壁に亀裂があるようだ。ネルと二人でつるはしを持ち出し
て、(おもにネルが)軽く小突くと向こうに広い空間が見つかった。先に乗り越えて、皆が出るのを手伝ってや
り、改めて様子を伺う。人造の空間というよりは、獣か何かが掘りぬいて作った巣穴のようだ。嫌な予感がし
てランプを吹き消し、耳を澄ますと、豚や山犬が騒いでいるような、妙な歓声と、焚き火か何かの灯りが揺ら
めいている。慎重に近づくと、夜種の酒盛りに出くわした。相当な頭数だ。
「パリスー、どうするー?いっぱいいるよー?」
「くそー、この数じゃまともにやってもやられちまうぞ。何か良い方法がないか・・・」
「忍び足でも使えると良いんだけどね、私はできないわよ」
「じゃあ私がやってみるー」
なにー?!!とめろ止めろ!死ぬほど吃驚して服の裾を掴もうとしたがすり抜けて行ってしまう。焚き火にフ
ィーのシルエットが浮かんで壁面に大きな影がひょろりと伸び上がり、夜種の頭上に?マークが立ち並んだ。

「さあみんな!手をうって!まあすてき!いっしょにみんなでおどりましょ!はい、つぃすとあげん!」

虚をつかれて目をまん丸にしていた夜種がいっせいに踊り始めた。きゃっきゃと飛び跳ねて、一心に尻を振っ
てフィーを先頭に焚き火の周りに輪を作る。なんでお前まで踊ってるんだネル。ちきしょう、どうにかしなき
ゃ、だけど、だけど・・・襲えない。こんなに幸せそうにしてる連中をぶち壊しにしてまで倒せないよ・・・。俺は
一体どうすりゃいいの、教えてよ神様。
「良いじゃない、素直になれば」
弓撃ちの華奢な手に引かれて灯りの中に歩みだす。つぃすたげん!!
131名無しさん@ピンキー:2009/07/24(金) 16:46:15 ID:7q0FRa+N
ド天然フィーwwww
なんだこれwwwww
こんちくしょうGJ!!

もう踊り歌使えねえよ便利なのにwww
パリス兄さんがいい兄貴過ぎてもう萌えてしまいそうだw
132名無しさん@ピンキー:2009/07/24(金) 20:36:48 ID:aADdfBa4
入ったキタ━(゚∀゚)━(∀゚ )━(゚  )━(  )━(  )━(  ゚)━( ゚∀)━(゚∀゚)━ !!
133名無しさん@ピンキー:2009/07/24(金) 20:37:20 ID:aADdfBa4
すいません、誤爆しますたorzそれじゃさっきの何処に投稿したんだろ
134名無しさん@ピンキー:2009/07/24(金) 20:50:48 ID:OYuJ6bB8
専ブラ便利だぞ
135名無しさん@ピンキー:2009/07/24(金) 21:13:04 ID:aADdfBa4
申し訳ない。投稿窓入れ替わって誤爆してた
136名無しさん@ピンキー:2009/07/24(金) 22:55:04 ID:jscTm9gK
怒濤のフィー祭り乙GJ。どうもご馳走さまでした。

>>131
俺は闘技場で踊り歌使うたびに「アイドルのコンサートだったのか!」を思い出して仕方なかった。
137 ◆1HLVKIREhA :2009/07/25(土) 00:18:23 ID:gt05lchY
ホルムの町の地下遺跡南東、通称小人の塔。
下層では規則正しく切削された石材による建造物の下を炎の川が流れている。
その影響か、広間の中央の大穴にお湯が湧き出ており、浴場として利用できるようになっている。
「……」
ダンジョン内だというのに服を脱いだ無防備な状態で身体を休めるアイリと愉快な仲間たち。
リーダーのアイリは平素の感情の読みにくい表情を少しだけ緩めてゆったりと手足を伸ばしている。
彼女の住環境は決して良好とは言えず、こうも広い風呂に入ることは非常に贅沢なことに感じられるのである。
その胸中には、妹のチュナもいつか連れてきて一緒に入れてあげたいという想いが渦巻いている。
意外とシスコンである。
「いい気分だね。これぞ古代遺跡の賜物だ……む、眼鏡が曇った」
テレージャはこんな時まで無駄に遺跡フェチっぷりを遺憾なく発揮している。
古代遺跡関係ないだろ、とツッコミを入れる常識人はここにはいないのであった。
「うう、ちょっと恥ずかしいです」
恥ずかしげに両腕で身体を隠すフランと、
「女同士なんだからそんなに気にすることないって」
対照的に開けっ広げなネル。
遺跡探索に来ているとは思えない和やかな雰囲気である。
余談ではあるが、現在地上では幻の都市が上空に出現して大騒ぎになっている。
そんな温泉旅行のようなノリで出てくる話題と言えば当然身体の一部のサイズなわけで。
「やっぱりテレージャさんはおっきいよねえ」
「そうだね。平均よりは大きいだろう」
特に自慢するような口調でもなく、平然と認める。
割とそういうネタにはノリノリなテレージャであるが、あまり自分のことには頓着しない。
「……」
軽くテレージャと自分の身体を見比べたアイリが、大きさよりもラインだ、と心の中で言い訳をする。
踊り子という人に見せる仕事をしているからか、多少のプライドはあるらしい。
ついでにチュナもあと十年したらアレくらいになるかな、などと考えている。
重度のシスコンである。
「どうしたらそんな大きくなるんだろ」
「ふむ。実体験で言わせてもらえば、揉まれると大きくなるというのはある程度真実らしいね」
「まじで!?」
どんな実体験だよ、とツッコミを入れる常識人はやはりいないのであった。
「だってさー、フランちゃーん」
「きゃっ、ネルさ、ぁあっ」
フランのお株を奪うように背後を取り、ふにふにとそのなだらかなふくらみを撫で回す。
羞恥のせいで弱々しい抵抗では、ネルの腕力を振りほどけるわけもない。
「ほほう、これはなかなか育て甲斐のある逸品」
「や、やめっ、あっ、はぅん」
ただのじゃれ合いのはずだが、フランの声音に段々と甘いものが混ざってくる。
「……気持ちよくなってきちゃった?」
「ちっ、違いますっ!」
「私のとった統計によると、小さいほど感度がいいという傾向は確かに見られるね。
逆はあまり成り立たないけれど」
何の統計をとってるんだ、とツッコミを入れる常識人は以下略。
アイリは例によって例の如く、チュナも感度がいいのかな、と一人でトリップしている。
極度のシスコンである。
「ほらほら、ここか?ここがええのんかー」
フランの反応が楽しくなってきてしまい悪乗りするネルと、
「先っぽばかりでなく全体を刺激する方が効果があるよ」
我関せずといった顔で謎の指導を続けるテレージャと、
「ぁ、あ、ああっ、あああああああ!!」
未知の快楽に翻弄されるフラン。
アイリの仲間たちは今日も愉快である。


ドキッ、女だらけの温泉旅行(全裸だからポロリはないよ)編
あえて騎士主人公と絡ませないフランを考えたらこうなった
ヤンデレとかドMとかじゃなくマスコット的な弄られキャラも可愛いよね!
つーか攻めに回るネルテレコンビが最強だと思います、はい
これで前スレとあわせれば仲間になる女性キャラ(ゲスト除く)は全員メインで書いたかな
138名無しさん@ピンキー:2009/07/25(土) 10:56:31 ID:rH9835Wk
>>89-94
>>120-122
>>128-130
超GJ!このシリーズ大好きだ!

>キンキン声のクソがき
ってことはこのシーフォン声変わり前なのな。
11〜13歳くらいか?天然フィーと組み合わせると子供同士っぽくてかわいいな。

自分もこの二人にはお菓子をあげまくっているよ!MPの関係で。
13915 ◆E9zKH0kZMc :2009/07/25(土) 13:02:28 ID:h/EJSteY
>>138
今回の流れでは、精神年齢的なものとして

幼児   ●ているよ
小学生 チュナ・エンダ 
中学生 フィー・シーフォン(新入生程度
高校生 ネル・パリス
大学生 キレハ・テレージャ
非常勤 ラバン先生

「」がない暗黒料理人達とプリンは未想定

という感じで進めました。有難うございます
でもあとからあとから考証ミス一杯見つけて涙目・・・
140名無しさん@ピンキー:2009/07/25(土) 15:19:02 ID:GvgHK6d8
>137
つ、続きを……温泉で大変なことになるフランとネルとテレージャを!
141名無しさん@ピンキー:2009/07/25(土) 20:23:36 ID:b2na+KxA
>>137
いつもGJ!
キレハが居ないのは危機を察して逃げたに違いない(笑)
俺はアイリだと技能が被るからフラン使うことなかったな〜
142名無しさん@ピンキー:2009/07/25(土) 20:36:22 ID:dm1MuY+V
>>137
GJ!
このゲームエロい感じのイベント多いよね
143名無しさん@ピンキー:2009/07/25(土) 21:00:38 ID:cy5PyoGx
>>137
GJ!
シスコン度のエスカレートしていくアイリ姉に笑萌えた。

>>142
元ネタ自体は健全なのにエロい方向へ持って行けるよな。
古代都市の浴場でも、女湯を覗くことに血道を上げるとかできそうだ。
144名無しさん@ピンキー:2009/07/26(日) 01:18:55 ID:dceNuE7I
スレ見てわいてきた妄想
1、タイタスの謎の力によっておち●ちんが生えてしまったヴェンドリン。
フランやアダに恥を忍んで相談するもわかるはずもなくなし崩しにフランの
手と口で慰められてしまう。すっかり発情した二人はそのまま朝が来るまで愛し合うのでした。

2、タイタスの謎の力によっておち●ちんが生えてしまったマナ。
テレージャやアダに相談するもよくわからず。テレージャに実験も兼ねて
ぬとぬとにされてしまうマナ。最後は羞恥と快楽に泣きもだえながら上になったテレージャに搾り取られて…

3、タイタスの謎の力によっておち●ちんが生えてしまったフィー。
廃墟の書物をあさりまわりなんとか子を確実になす呪いと発覚するもタイタスの呪いは神殿には解呪できない
唯一の解決方法は第三者の女性によって放出しなければならないという。
心配だからと護衛についてきたネルとキレハによって三人顔を真っ赤にしながらフィー総受け展開。

4、タイタスの謎の力によっておち●ちんが生えてしまったチュナ。
不安と羞恥で頬を染めながらも大好きなアイリの前でワンピースをたくしあげる。
しかし、すでにアイリにも呪いは発動しており呪いの相乗効果によって二人はいっそうひどい発情状態に。
パリスがいない日を狙って相談したため二人を止められる人間は全くおらず、そのままお互いの指で口でと
絶頂を極める二人。全く収まるようすを見せない呪いに対しアイリはとうとうチュナを押し倒しチュナも「来て…」と口走るのだった…

ふう。
以上eraやってたら急に降りてきた妄想でした。
きっと発信者はタイタス。
フラン口上のエロさは異常。
145名無しさん@ピンキー:2009/07/26(日) 01:21:19 ID:dceNuE7I
すまん。正確には「スレ見ながらeraやってたら降りてきた妄想」だった。
エンダは…想像がつかないんだ。すまない。
じゃあまたROMにもどるよ!
146名無しさん@ピンキー:2009/07/26(日) 23:28:49 ID:3hm+ZzjV
>>144
本スレで、もし女主人公だったなら同じ顔をしているタイタス一世も女だったはず
とかいった議論があったが、謎の力でおち●ちん生やしていたとは!w
似た者は等しい者であるということで、十七世になるフラグが立ったのと同時に別のものも立ったのですね、わかりますw
147名無しさん@ピンキー:2009/07/27(月) 14:41:19 ID:MfFQG4J4
キレハにも生やして上げてください
148名無しさん@ピンキー:2009/07/27(月) 23:12:50 ID:rokGhINg
>>146
>タイタス一世も女
そうか、そうなるな…

美しい女帝か
統一を成し遂げた偉大なる美人の女王様か

美人女王様でテンションをあげまくった男性陣が墓所に突撃しそうだ
149名無しさん@ピンキー:2009/07/28(火) 00:04:12 ID:MYSTZazH
大河の女神やヴァラメアの魔女をぬとぬとにしていた女帝陛下を幻視した
誰か書いてくれないだろうか
150名無しさん@ピンキー:2009/07/28(火) 00:08:59 ID:nzqjS6iQ
ttp://loda.jp/youseisan/?id=1795

一応こっちでも。eraRuinaを本家の最新バージョンに版上げしました。
151名無しさん@ピンキー:2009/07/28(火) 01:00:17 ID:OijVcrlh
うーん、何か結構な頻度でバグ落ちしちゃうな
152名無しさん@ピンキー:2009/07/28(火) 01:05:31 ID:nzqjS6iQ
マジデ。一応自分でも一通り試してはみたんだが。
どういうバグか教えて貰えるか。
153名無しさん@ピンキー:2009/07/28(火) 21:37:29 ID:kCKloyQM
暇潰しに考えたRuinaで学園モノ
ネル:幼馴染
チュナ:幼馴染の妹
キレハ:ツンデレ学級委員
テレージャ:化学部の怪しい先輩
フラン:メイド部の後輩
エンダ:近所の子供
パリス:頭が悪い系の友人
しーぽん:ちんぴら
アルソン:生徒会長
ラバン:セクハラ教師(歴史)
メロダーク:用務員のおっさん

関係ないけどRuina同人とかないのかなあ
あったら朝一で買いに行くレベルなんだけど
154名無しさん@ピンキー:2009/07/28(火) 21:39:27 ID:EUWmcIH4
>>153
フランだけ何かおかしいぞ
155名無しさん@ピンキー:2009/07/28(火) 22:32:37 ID:s4CbQdl7
しーぽん頭いいのにちんぴら扱いww
テレージャ:文芸部の怪しい先輩
しーぽん:世界征服を企む化学部員
じゃないか?
156名無しさん@ピンキー:2009/07/28(火) 22:40:40 ID:nzqjS6iQ
ttp://loda.jp/youseisan/?id=1820

eraRuinaのバグ直した
あと出産時に父親の名前が表示されるようにしてみた
157名無しさん@ピンキー:2009/07/28(火) 23:17:21 ID:ianempOM
>>155
テストの成績だけは良くて「結果出してんだから文句ねーだろ」と言う不良はヤンキーマンガのお約束
158名無しさん@ピンキー:2009/07/28(火) 23:25:09 ID:8qB4lPMz
少女漫画とか少年漫画にもよく居るな
159名無しさん@ピンキー:2009/07/29(水) 00:31:34 ID:/QFLZVpI
しーぽんはアレなものであれもっと目的意識を持っていそうだよなぁ。

しーぽん=どヤンキー。いわゆる不良の「全国制覇」を目指す系
主人公=日本の黒幕(笑)の隠し子(実子は他にはいない)
ネル=幼馴染
チュナ=主人公の養父母の娘で(血の繋がらない)妹(エンダとはよつばと!の恵那とよつば的関係)
パリス=主人公の養父母の息子で(血の繋がらない)兄。ヤンキー気味(エンダとはヤンダとよつば的関係)
ラバン=生徒たちには気の良い用務員のおっさんと思われている(実は学校の創始者とか色々な後出し設定が生える)
テレージャ=文芸部(腐女しかいない)に所属する先輩。主人公を誘い受け妄想の標的としてロックオン。
フラン=主人公に入試試験の時に助けられたのが縁で親しくなった同級生(実は主人公のボディーガード)
エンダ=隣の家のぱっと見外国人の子ども(主人公とはよつばと!のとーちゃんとよつば的な関係)
アルソン=学級委員長。料理研究会と手芸部の掛け持ち。家は道場。
テオル=理事長代理(!)で生徒会長。
メロダーク=ジーザスばりの傭兵先生(実は主人公の親と敵対する勢力に雇われている刺客)
        ただし、作品自体が日常描写が主なので出番のほとんどはションボリかつ残念。

作品開始時は主人公の背景を知っている者は居ない。
160名無しさん@ピンキー:2009/07/29(水) 00:49:24 ID:WpxPyOFQ
>>159
そこまで凝るなら「主人公」で一くくりにしないで8人分欲しくなるな。

キャシアスとウェンドリンの双子が議員の息子と娘で特別制服にリムジン通学とか。
161名無しさん@ピンキー:2009/07/29(水) 01:27:18 ID:xNt1ik75
何か珍しくレス数多いなあと思ったら投下なしで盛り上がってやがる
とりあえず制服姿のキレハを妄想するだけで俺はもう
162名無しさん@ピンキー:2009/07/29(水) 01:31:23 ID:lzv0+m23
>160
そしてメイド兼ボディガードのフランか。なんか嘆美な世界だなオイ。

フランエンドの暁には双子に可愛がられるフランというのも……
163名無しさん@ピンキー:2009/07/29(水) 03:58:56 ID:ojt0wD1i
>>153
うん、某巫女部のある学園みたいだ。
164名無しさん@ピンキー:2009/07/29(水) 14:18:29 ID:3qmKjdvi
キレハは初登校時にパンくわえながら主人公とぶつかったツンデレ転校生なのですね、わかります
165名無しさん@ピンキー:2009/07/29(水) 14:22:46 ID:jdTzvhVl
校庭にある二宮尊徳像は勿論金剛マッチョの夜種王で
夜な夜な勝手に動き出すと言われてる訳ですね
166名無しさん@ピンキー:2009/07/29(水) 21:05:35 ID:+5MJjEA5
学校のプールではカエル姫や変態が釣れる訳ですね
167名無しさん@ピンキー:2009/07/30(木) 00:26:56 ID:+dsXVAkS
『見て●るよ』
『●ているよ』
真っ赤な血文字が、薄汚れた石壁に浮かび上がる。
テオル様のお庭に集う騎士たちが、今日も天使のような無垢な笑顔で、黒い四角錐をくぐり抜けていく。
汚れを知らない両腕で掲げるのは、八葉の花弁を持つ花の紋章旗。
隊伍は乱さないように、赤い前垂れは翻さないように、ゆっくりと歩くのがここでのたしなみ。
もちろん、問答無用で襲い掛かるなどといった、はしたない冒険者など存在していようはずもない。
私立?Ruina学園。
王国暦二百九十八年創立のこの学園は、もとは始祖帝の末裔のためにつくられたという、伝統あるタイタス系皇帝学校である。
ホルム地下。アルケアの面影を未だに残している緑も多いこの遺跡で、始祖帝に見守られチャンピオンからプリンセスまでの一貫教育が受けられる夜種の園。
時代は移り変わり、ク・ルームが七回も生まれ変わった現代でさえ、数千年交わり続ければ温室育ちの純粋培養始祖帝が揺り籠ごと出荷される、という仕組みが未だ残っている貴重な学園である。


ごめん、学園モノと聞いてこんな中途半端な改変しか思いつかなかった
↓引き続き、Ruina学園制服はセーラーかブレザーかアツい議論をお楽しみください
168名無しさん@ピンキー:2009/07/30(木) 02:12:47 ID:BPcTKr9p
忍者なフランが映えるのはセーラー。異論は認める
169名無しさん@ピンキー:2009/07/30(木) 02:23:16 ID:AF9JmzMa
メロさんはどこから送られてきたスパイなんだ
170名無しさん@ピンキー:2009/07/30(木) 03:21:39 ID://8VpZvy
>>160
貰ったファンレターは星の数ダンス部のリーダーアイリとか
学園内礼拝堂のシスター委員マナとか
ちょっと体が弱い保健委員または飼育委員のフィーとかか。
171名無しさん@ピンキー:2009/07/30(木) 10:00:10 ID:ycx3R6Pl
落研でのんびり昼飯食ってるアベリオン
帰宅部で名前も挙がらない神官男
172名無しさん@ピンキー:2009/07/31(金) 13:30:48 ID:16T2WkWt
学園モノ学園モノと考えてたら、なぜか
異次元にある「アーガデウム」から支配者タイタスが5人の魔将を送り込んできたの!
魔将たちの目的はこの世界のどこかにある「イーテリオのかけら」を探し出して集めること。
大変!このままじゃ町がめちゃくちゃになっちゃう!
みんな!変身よ!
というセーラーなアレだとかプリティでキュアキュアなソレだとかの世界に行ってしまった。

でもこういう話だとネルが一番主人公向けなんだよな。
ウェンドリンがキュアアクアとかベリーのポジションで。
173名無しさん@ピンキー:2009/07/31(金) 13:42:07 ID:sxwFsjrY
>>172
そこは普通に美少女怪盗だろ
174名無しさん@ピンキー:2009/07/31(金) 19:27:09 ID:ydRnm5ax
親の因果が子に報い。
二代目美少女怪盗として活躍することになったアイリとチュナ。
助っ人役(ドライバーとか依頼の仲介とか)のパリス。
タキシード仮面役はヴァン
銭型ポジはカムール伯とキャシアス、ウェンドリン
中盤あたりでフランと忍者軍団襲来。
終盤で出生の秘密(実は亡国の継承者、あるいは大国の王女)
最終決戦は魔将を前に次々と散る仲間たちとタイタス一世inパーシャ
との戦い(チュナの背景的に)ザコ軍団は14歳と伯爵で抑え込むと面白そうだ

以上思いつくままの妄想。


175名無しさん@ピンキー:2009/07/31(金) 19:45:00 ID:sxwFsjrY
この神殿に怪盗が予告を?!という係のマナとエメク
ふしぎだねーこわいねーという係のフィー
あれれー?のアベリオン
176名無しさん@ピンキー:2009/07/31(金) 19:47:23 ID:sxwFsjrY
ブラゼルキタ━(゚∀゚)━(∀゚ )━(゚  )━(  )━(  )━(  ゚)━( ゚∀)━(゚∀゚)━ !!
177名無しさん@ピンキー:2009/07/31(金) 19:47:58 ID:sxwFsjrY
またやった・・・まじですまん今日は寝る
1781/2:2009/07/31(金) 20:42:29 ID:sxwFsjrY
誤爆のお詫びで勢いで作った>>174ただしさげはない

エメク「予告状・・・なんてことだ。でもぼくんち何かあったっけ?」
エマ 「神殿だものね。でも一体どうなるの。わたし心配・・・」

ウェン「ご安心を、わたくし達が警護しますわ」
キャシ「とりあえず正面は岩でふさいできたよ」
パリス「出られねーじゃねーか、オイ!」
ウェン「明日になればどかすわよ、あなたも警戒してちょうだい」

アダ 「こんな神殿に盗みに来るようなものがあったかねえ?」
エマ「おばあちゃん、あったわ、これよ!」
パリス「金剛魔神像かい!!!1」
アダ 「・・・・」
キャシ「気持ちよく突っ込みをれてる場合じゃないよパリス君、美少女怪盗は
     姿を見たものもいないのに人知れず美少女と呼ばれ、熱心な追っか
     けまで集まっている。この町の風紀を守るためにも必ず逮捕しなくては」
パリス「へえ・・・」(おっかけってなんだ、おっかけって)
1792/2:2009/07/31(金) 20:43:11 ID:sxwFsjrY
ウェン「ちょっと!あなたはやる気がおありになって?!!」ぱしっ
フィー「ふぇえぇ?あれえわたしのお布団がないよぉ、あべりおんん」
アベリ「姉は9時を回ったら戦力になりませんよ、ウェンドリンさん」
ウェン「全く、計算外だったわ。パリス!アナタどちらに行かれるの!」
パリス「(ギクゥ)ちょっと外の見回りに」
    (手引きったってどうしろってんだよ全く)こそこそ・・・

ちゅどーん

「「なんだ!」」
「「「爆発だ!」」」
「怪盗が現れたんだ!」
「急げ!」
「アダ様はこちらへ!」
「アベリオンー、ミルクセーキつくってえ」
「パリス!パリス無事か!」
「こっちだー!来てくれ!」
「何者かが爆炎フラスコをつかったようだ!」
「これは・・・!?」
「香水の匂い?!」
「天井だ!」

アイリ「楽してずるしていただきかしらー!美少女怪盗参上!!!」
チュナ「すみません、魔神像は私達がいただきますー!><」

「「「なにー!!!!!」」」

「逃がすかああ!!!」「させねえ!」どこーんちゅどーん
「わああぼくんち壊れてく」
「エメクよけてー」どかーんばりーん


ウェン「逃がしてしまいましたわ・・・兄上、不覚!」キリキリ
キャシ「君は俊敏が低いからね。皆怪我は無いかい」
アベリ「あーれーれー、これなにかなー」
キャシ「(ぺろ)これは、犯人が残した夜種王が脇の下で握ったお握りのご飯つぶ!」
パリス(やべッ)
180名無しさん@ピンキー:2009/07/31(金) 22:12:01 ID:sxwFsjrY
今更ゴメン、マナがエマになってる・・・誰だこれ
181 ◆1HLVKIREhA :2009/07/31(金) 22:57:09 ID:KkDnObZ1
嫌な予感がした。
思い返してみれば、予兆はあったのかも知れない。
今朝は夢見が悪く、慌てて家を出てきたのではなかったか。
鞄が、いつもより軽くはなかったか。
そんな思考が渦を巻き、事態は予想通り最悪な方向へと展開する。
弁当を、忘れた。
成長期の学生にとっては死活問題である。
学食だとか購買だとかそんな気力すらなくなり、静かに机の上に崩れ落ちる。
「ったく、何やってるのよ。少し分けてあげるから元気出しなさい」
……救いの声が聞こえた。
顔を上げると、ジトっとした目でこちらを見つめる勝気そうな少女がそこにいる。
セーラー服の中で一人だけブレザーの制服を着た、いわゆる転校生である。
あまりクラスに馴染めていないのか、人の輪に積極的には入らないが、面倒見のいい少女だ。
拝むかのような勢いで感謝し、ありがたく弁当を分けてもらう。
「仕方ないなー、わたしのも分けたげるね」
さらに横合いから、おかずの乗った弁当箱の蓋が差し出される。
その主は、隣の席の幼馴染。気心の知れた仲でもあるし、こちらもありがたく頂戴する。
持つべきものは、料理のできる友人たちである。
「僕も分けてあげますよ。いえいえ、遠慮はいりません」
「むぐむぐ、うん、うまいぞ」
「って遠慮なく食べられてるー!?」
何だか後ろの席が騒がしいものの、いつものことなので意図的に無視しておく。
片方はとても同い年には見えないが、もう片方も精神年齢が同じくらいである。
見なくても誰なのかわかる。
「あの、あたしのも食べますか……」
三つ目の声と共に控えめに差し出された“それ”は、二人から分けてもらった分で十分だから、と言って謹んで遠慮させていただく。
何だか黒くて固体と液体の中間ぐらいのぐずぐずになった“それ”は、いくら空腹でも口にしたいものではない。
そしてそれを自分で作ったものとは言え平然と食べられるのが不思議でならない。
まあとにかく。二人の少女のおかげで餓死は免れたのである
こんな些細なことが続く日々。これが、幸せというものなのだろう。

――違う!

頭の中に、低く潰れた声が響く。
――そなたの肉、そなたの魂は我の物。安寧の中に在ってよいものではない。
誰だお前は。
――これはそなたの心の弱さが生んだ一時の幻影に過ぎぬ。
何を言っている?
――さあ、我の元へ戻るがいい。
うるさい、自分はこの世界で美少女とキャッキャウフフできるハーレム学生生活を過ごすんだ!」

「……何を寝ぼけたことを抜かしてるの」
何故か椅子から立ち上がり、拳を振り上げ気味に何かを叫んだ気がする。
教壇に立つ先生の言うとおり、寝ぼけていたことは間違いない。
「そこで立ってるのと廊下で立ってるの、どっちがいい?」
どちらでもいいです。

それから数日、何故か女子生徒が目を合わせてくれなかったけれども、これも幸せなのだろう。
多分。


ということで流れに乗り遅れて学園Ruina日常編
俺のエロゲ脳ではこんなべたべたな展開しか思いつかんつーか原作との整合性とか考えちゃうから色々ぐだぐだ
一人だけ制服の違う転校生とかいいよね
きっと個別ルート入る頃には新しい制服着てて、ちょっと昔の制服着て見せてくれよとか言いながら18禁シーンに突入したりするんだよね
……そっちの方向で書いてみよう
182名無しさん@ピンキー:2009/08/01(土) 00:39:29 ID:LQlNCKAs
>>181 頼みます先生
183名無しさん@ピンキー:2009/08/01(土) 18:47:37 ID:etYiEpsy
>>172
魔将5が変なボールやカードで身の回りのものを夜種に変えて襲ってくるとか
3クール目からの新しい敵がアーガでタイタスに憑かれてる3人(普段は日常生活送ってる)とか
チュナはセラムンのちびうさみたいに魔将化してる間は大人に変身してるとか
エンダはパワーアップアイテム出すマスコットとか妄想した。

>>181
是非!
184名無しさん@ピンキー:2009/08/02(日) 16:03:59 ID:uANxZzUh
いっそ変身ヒーローな男チームとプリキュアな女チームで

>>183
チュナだけ変身中の記憶がないんですね、わかります
185 ◆1HLVKIREhA :2009/08/03(月) 00:35:24 ID:1Fs+nQY2
「どう、かしら」
軸のぶれない華麗なターンでプリーツスカートの裾が翻る。
思わず拍手したくなるほど美しい。
学園のセーラー服に慣れてしまったせいか、ブレザー姿がまた新鮮である。
「もう……誉めすぎよ。着て見せてくれなんて、こっちの方が好きなの?」
何となく思い出しただけで他意はない。
他意はないが、こちらの方が似合っているとは思う。
「そう?確かに私もこっちの方が気に入ってるけどね」
膝丈のスカートを軽く摘んで揺らしている。
……ごめん、辛抱たまりません。
「きゃあ!」
抱き締めた勢いでベッドへダイブする。
キレハの匂いがする。
「うー、結局こうなるのね」
ジトっとした目をしているものの、特に抵抗はしない。
家に誰もいないと断ってから部屋に上げているのだから、覚悟はしていたのだろう。
と思うのは勝手な男の理屈だろうか。
「す、するのはいいけど、汚さないでよ?」
善処しよう。
首筋を唇で吸いながら胸のふくらみに手を這わせると、妙な違和感を覚える。
柔らかさがダイレクトに伝わってくる。
これは、もしや。
「あなたならきっとこうするだろうと思ったから着けなかっただけよ。普段は着けてるからね?」
知っている。と言うか、その責任転嫁は如何なものか。
結果的にこういうことをしている自分に反論の余地がないことは確かだが。
「ん……ちゅ……ぷぁ」
キスをしながら、ボタンを1つずつ外していく。
着たままするには少し邪魔なのがブレザーの欠点である。
汚すなというお達しもあることだし、残念だが脱がしてしまうとしよう。
タイを緩め、ブラウスのボタンに手をかける。
「……左右逆なはずなのにスムーズよね」
こまけぇこたぁいいんだよ。
「脱がされるのって何度やっても恥ずかしいわ」
脱がすのは何度やっても楽しいわ。
「変態ね」
それはひどい。
脱がせることに興奮することも認めるが、脱がせない方が好みだと主張させていただきたい。
「……やっぱり変態ね」
否定はできない。
そうこうする内に、滑らかな双丘が目に飛び込んでくる。
運動をして鍛えているからか、相変わらず美しいラインだ。
「あ、あんまりじっと見ないでよ」
ならば触る。
「はぅん!」
付き合い始めてからわかったことだが、キレハは色々と敏感だ。
性的なことのみならず、五感全部の感度がいい。
だからたとえば、顔を抱え込むように抱き締めてやると、
「あ……(クンクン)」
こうして嗅覚だけで簡単にその気になってしまう。
「えっと、その……さっきから、これ、当たってるんだけど」
おずおずとズボンの上から勃起したそれをさすられる。
自分からは決してしたいとは言わず、こちらのせいにするあたりがまた可愛いのである。
しかし、まだ準備できていないキレハにぶち込むほど理性が飛んでいるわけでもない。
太股を撫でさすりつつゆっくりとスカートの中へ手を差し入れる。
「ふ、んっ……く、くすぐったいわよ」
指に当たるこの感触は……ヒモぱん。
迷わずほどいて一気に抜き去る。
「あ、あっ!」
慌てている隙にそこへ手をやると、すでにしっとりと湿っている。
焦らず、しっかりたっぷりねっとりと愛撫する。
186 ◆1HLVKIREhA :2009/08/03(月) 00:35:45 ID:1Fs+nQY2
焦らず、しっかりたっぷりねっとりと愛撫する。
「う、ひぅ、んあっ」
キレハの声が、耳から脳を浸食する。同時に、乱れる黒髪が目からも興奮を高める。
どこまで耐え切れるだろうか。
はっきりと響く水音が、もういいんじゃないかと囁きかけてくる。
「もう、いいわよ……?」
キレハにまで言われては仕方がない。
すでに全開状態の肉棒を濡れそぼった秘裂にあてがう。
「あ、す、スカートは脱がせて?」
ちっ。
心の中で舌打ちをし、片手でホックを外してするりと脱がせる。
「手慣れてるわよね……んっ!」
また何か言おうとしたキレハの下の口を強引に塞ぐ。
……自分で言うのもなんだが、センスが親父くさい。
「い、いきなり奥は……っ」
勢いでやってしまったせいでキレハがきつそうだが、こっちは気持ちよすぎてあまり自制できそうにない。
上の口も唇で塞ぎ、できる限りゆっくりと腰を動かす。
「ん、ふっ」
その肢体と、その表情が、ゾッとするほど艶かしい。
「あっ……もっと……もっと速くても……っ」
自分なりにキレハの身体を気遣ってはいたのだが、キレハの方から腰を振って速度を要求される。
ならば、と一段ギアを上げる。
ずちゅ、じゅぷ、と激しい水音とともに、
「あ、やっ……あんっ……!」
キレハの嬌声も一際高くなる。
一度解放されてしまった欲望は、そうそう我慢できるものではない。
キレハの声に突き動かされるように腰の動きを速め、快楽を貪る。
「ひ、ひぁ、あ、あんっ、あ、あぁっ!」
まずい、もう……っ。
「だ、出してっ、私に、かけてっ」
……反則だ。
ドクッ、ドクン、と為すすべもなくキレハの膣内に射精する。
「あ、ああああんっ!」
その射精に嬉しそうな声を上げながら、キレハも震えながらイった。
「はぁ……はあっ……」
くらりとキレハに覆いかぶさって抱き締める。
何度やっても、最高に気持ちがいい。
「ちゅ……ん」
最後にもう一度キスをすると、キレハがぎゅっと抱きついてくる。
腕を背に回され、胸は胸板に押し付けられて形を変える。
「……こんな抱き枕が欲しいな」
不許可である。このポジションを無機物に譲ってやるわけにはいかない。
「ふふ、それもそうか」
精神的に緩んでいるこの時のキレハはとても素直で、惚れ直すほどに可愛い。
髪に指を通しながら、深い意味もない睦言を交し合う。
「今度は、私が気持ちよくさせてあげるね」
そこまで気を回さなくても十分気持ちがいい。
むしろキレハが乱れているところを見る方が好きである。
「むー……じゃあ、またブレザー着てあげよっか?」
それは望むところだと言わせてもらおう。
「……ばか」


ってな感じで学園Ruinaキレハ制服編
多分エロシーン4つある内の2つ目ぐらいだと思われる
何かもう主人公一人称の普通のエロゲっぽくなってしまって誰てめえ
Ruinaでやる意味がわからなくなってきたのでそろそろ自重
187名無しさん@ピンキー:2009/08/03(月) 21:29:09 ID:dWxoYI0d
乙&GJ。つーかツンデレ転校生って王道だよなァーッ。
エロシーンが4シーンというのが微妙にリアルで泣ける。
ストーリー重視でも、8つ+隠しシーンの他ヒロインとのレズシーンくらい欲しいと思わないかッ。


ttp://loda.jp/youseisan/?id=1936

A本家がバージョンアップしたのに倣った。
あとユリアとタイタスズのデータをちょっと弄った。

タイタスズはともかくユリア口上とか誰かやってみないかしら。
アンゼロット口上をやる猛者もいるくらいだしッ……母数が違うか。
188名無しさん@ピンキー:2009/08/03(月) 21:50:47 ID:YgFqxmVD
よし、今こそ満を持して言える!

しーぽん追加まだー?
189名無しさん@ピンキー:2009/08/03(月) 22:06:35 ID:o+0ddG+f
GJ!
たぶん第一部個別ルートで4つ、その後全キャラルート開放後に第二部解禁になるんだきっと。

>>188
中盤以降のカドが取れてきた男ツンデレも面白いが、
序盤の血も涙もない極悪人時代も見てみたい。
190名無しさん@ピンキー:2009/08/03(月) 22:19:50 ID:G7q+re04
>>185
挙げきれないほどいろいろ素晴らしいがあえてここを言いたい。
ヒモパン!?ヒモパンとな!?

>>189
宮殿の休息ポイントでフィーが夢魔に取り付かれてうなされてるのを見つけるや否や
即決でさんざんいたずらした末にすべて夢魔になすり付けて何食わぬ顔、とかは考えた。
序盤の奴は実に陵辱向けだ。
191名無しさん@ピンキー:2009/08/04(火) 00:22:53 ID:oSojViZh
ストックにこんなのがありましたよ小ネタ

「これはこれは健康そうな素体だ」
「まだ若いのに哀れだねぇぇ」
既に目は覚めているのに、手足には何やら得体のしれぬ軟体生物じみたものの触手が巻きつき、身動きできない。
視界を目隠しで覆われたうえ、口にも布を咬ませられていて、状況を確認することもできなかった。
「今回はどんな調教をするかね。斬新なのがいいよねえ。性感を追求するのは飽きた」
「では、できるだけ人間離れした化け物に産卵させて、どれだけ着床できるかを見ようじゃないかぁぁ」
「それはいいねぇ。そうしようそうしよう」
「まずは胸部を開発しよう。中まで刺激が届くよう電極に繋がないとぉ」
「次は手足をノコギリで切り落として、達磨にしてしまおうか」
「歯はどうするぅ?」
「交接腕を噛まれたら厄介だからねぇ。全部抜いてしまおう」
──恐怖に駆られて暴れたが、触手はしっかりと手足に絡みつき、動くことができない。
それどころか、無防備に晒された四肢を呑み込むように、じわじわと身体の中心へと這いあがってくる。
「もう覚醒しているようだねぇ」
「本番はこれからだよ、君ぃ」
──乳首の先に冷たい針の触れる感触があり、そこから激痛が──


床にへたり込んだままの少年はフィーの長衣の裾に取りすがり、しくしくと女々しい泣き声を漏らしていた。
「もー、夢魔なんかにやられるなって言ったの、そっちじゃないのよー……」
プライドをかなぐり捨てて腰に抱きついてくるシーフォンに、魔術師の娘は呆れ交じりに肩をすくめる。
別にまんざらでもないどころか、口元に微笑がにじむのをようやっと堪えている状態だというのは秘密だ。
「ひくっ……おま、お前な、あれを見てないからそんな無神経なことが言えんだよっ……!」
少年はまだぐしぐしと涙をこすりながらしゃくりあげている。よほど夢の中で怖い目にあったらしい。
「はいはい」
むずかる頭をよしよしと撫でてやると、徐々にその体の震えは収まっていった。
「……だいたい、なんでこいつじゃなくて僕なんだよ」
「んー?」細い指が、手入れのいい加減なざんばら髪をやさしく梳く。
「なんでもないっ」
ひねくれ者の妖術師はぷいとそっぽを向きながらも、いましばらく柔らかな膝のぬくもりに浸ることにした。


正直すまんかった。だが敢えて言おうしーぽんはヘタレであると!!
192名無しさん@ピンキー:2009/08/04(火) 01:45:06 ID:E54sP9p3
>>191
GJ。
夜種マーメイドから逃げるときの幼児化したしーぽんをフィーが撫で撫でして
落ち着かせるってネタなら自分も考えたけど、こっちのがイイな。ひねくれつつ甘えてるとこがw

タイタス17世ルートのフィーと魔術の知識目当てで側に仕えるしーぽんの
お互いへの歪んだ執着とかも見てみたい気がする…。
193名無しさん@ピンキー:2009/08/04(火) 02:54:03 ID:oSojViZh
「アイリ姉さん!今日はもう来ないんじゃないかって……」
「何を言うの、チュナ。あなたは私にとって特別な人よ。私の最初の魔将なのだから」
「姉さん……」

「アイリ! それじゃタイタスの野郎と変わらねえよ。お前は──」
「うるさいわね、パリス。私はあの人を越えた。
 そう、すべての面であの人を越えるのよ。魔将も10人でも20人でも集めてやる。
 それから、全ての国々を征服する。人間も夜種も私の足下にひれ伏させるの」

「……だから言っただろう、こんな奴に期待するなと」
「メロダーク、もう貴方は用済みよ。消えてちょうだい」
「……ネス公国も終わりか……」

「あなたはどうするの、シーフォン?」
「けけっ、僕はお前についてやるよ。そいつが僕の利益にもなるからな」
「そう、ではアルソンとラバンを捕らえてきて。あの英雄気取りども、この私を倒す気でいる。
 だれが人間の王か、じっくり教えてあげなければね」
「魔将連中はどーすんだよ?」
「棺など永遠に閉じておきなさい。あの人の食いカスに興味はないわ」

「アイリ姉さん…こわい…」
「大丈夫よ、チュナ。二人で永遠の宴を楽しみましょう。私にはその力があるわ……ふふふ、あははははっ!」
──いまや若き女王のものとなったホルムの城館に、高らかな笑い声が響き渡った──


そういや女性主人公の覇王ルートはものすごくアセルス妖魔EDだなあと思ってやった。チュナの配役上フィーにならなくてすいません
194名無しさん@ピンキー:2009/08/04(火) 05:17:40 ID:MnLlzIpe
・・・アイリ×チュナ!うん至宝。

195名無しさん@ピンキー:2009/08/04(火) 09:31:31 ID:v8uAwLKT
妖魔エンドか・・・違和感ないな
196名無しさん@ピンキー:2009/08/04(火) 20:49:22 ID:LYsL7TGx
ところで前スレの作品の保管庫ってないんだろうか?
500KB超えるまで作品が投下されてたみたいだしあるなら読んでみたいんだが
197名無しさん@ピンキー:2009/08/04(火) 21:04:14 ID:/Vtiwrue
保管庫はない
>>47って提案もあったけど>>52の意見があって結局うやむやに
読むだけなら前スレアドレスをミラー変換機にでも突っ込めばいいよ
198名無しさん@ピンキー:2009/08/04(火) 21:06:34 ID:v8uAwLKT
前スレでも保管庫欲しいって言い出した奴がいたけど、自分でやれって言われてそのまま姿を消した
199名無しさん@ピンキー:2009/08/04(火) 21:13:32 ID:LYsL7TGx
保管庫は無いのか。まあ管理面倒だしな

>>197
d お陰で読めた
200 ◆1HLVKIREhA :2009/08/05(水) 00:14:36 ID:0HnaEu38
暗い広間に、鍾乳石が立ち並んでいる。
暗闇に目が慣れてきたのを確認し、立ち上がる。
嫌な予感がしたので、あえて一人で探索に来てしまったことを後悔する。
水たまりの中に人間が悠々と通れる大きさの穴があるなど、予想だにしなかった。
仲間がいれば、また違った状況だったのかも知れない。
そう後悔してみても、詮無いこと。今は上へ戻ることを考えなければ。
幸い、この広間に満ちた水からは清浄な気配を感じる。
危なくなればここで休むこともできるだろう。
落ちてきた衝撃で消えたランタンの火を灯し直し、慎重に部屋を出る。
真っ暗な廊下を、川が流れている。
渡ろうとすると、対岸から矢が飛んできた!
矢は壁に突き刺さり、震えた。
「――それ以上近づかないで。次は当てるわ」
対岸の人影から、凛とした女の声が聞こえた。
矢をつがえているようだ。

話をする
攻撃する
rァ求婚する

「キレハーッ!俺だーッ!結婚してくれーッ!」
頭の中で何かが疼き、気付けば名も知らぬ相手に求婚していた。
「んなっ……!いきなり何を言ってるのよ!?」
キレハは混乱した!
「キレハ……聞こえるか、キレハ。返事はしなくてもいい。ただ、聞いていてくれればいい。
俺は……お前が……お前が好きだっ!!お前が欲しいっ!!キレハァァァァッ!!!」
矢継ぎ早に、訳の分からない台詞が口をついて出る。
「な、なによ、なんなのよ!?」
「キレハ!好きだー!キレハ!愛しているんだ!キレハー!好きなんてもんじゃない、キレハのことはもっと知りたいんだ!
キレハのことはみんな、ぜーんぶ知っておきたい!キレハを抱き締めたいんだ!潰れちゃうくらい抱き締めたい!」
「ちょ、やめっ、やめなさいって!」
「僕はキレハを抱き締めるだけです!君の心の奥底にまでキスをします!力一杯のキスをどこにもここにもしてみせます!
キスだけじゃない!心から君に尽くします!それが僕の喜びなんだから。
喜びを分かち合えるなら、もっと深いキスを、どこまでも、どこまでもさせてもらいます!」
「わかったからやめなさーいっ!!」
いつの間にか近付いてきていた、顔を真っ赤にした少女の怒鳴り声で頭の中の何かが吹き飛ぶ。
「何なのよ一体!?何で私の名前を知ってるの!?って言うか今の何!?」
胸倉を掴まれ、がくんがくんと揺すられる。
言いたいことはよくわかるものの、その問いに答える術は持っていない。
「そんな言い訳が通用するわけないでしょ!」
頭の前後動に、揺さぶられるタイミングが一致した刹那、首が嫌な音を立てる。
そのまま、力なく首が倒れ、頭の中身が丸ごと吹き飛んでいく。
「あれ!?やだ、ちょっと、生きてる!?ねえ!!」
慌てた声と何か柔らかなものに包まれるのをを感じながら、ゆっくりと意識が薄れていく。

あなたは倒れた……。
だが、これは一夜の夢。可能性の一つに過ぎない。

再び立ち上がり、探索を続けよ。



初心に帰ってキレハと初対面編
タイタス以外の誰かに取り憑かれたせいでご覧の有様だよ
ごめん、誰に謝ってるかわからんけどごめん
最近主人公がゲシュタルト崩壊気味なんで次は真面目に書く。書きたい。書けたらいいですね。
201名無しさん@ピンキー:2009/08/05(水) 00:29:59 ID:Y4inojIw
ワロタ乙
202名無しさん@ピンキー:2009/08/05(水) 00:31:21 ID:Mn3zFWTT
アホスwww
だが気持ちはよくわかるGJ
203名無しさん@ピンキー:2009/08/05(水) 02:02:32 ID:DIulxoDz
ロボットアニメ三大恥ずかしい告白シーンとか言われてるやつの二つかッ!ww

周回プレイしてるとなんかこういう気分になるよな。
キレハさんはキレハさんで耳がひょいひょい出るし。
20415 ◆E9zKH0kZMc :2009/08/05(水) 13:31:57 ID:F4KM6qPV
>>200
しんでしまった・・・w


前後に関係ないけど、怖い本を読んで思いついた全年齢投下します
20515 ◆E9zKH0kZMc :2009/08/05(水) 13:32:39 ID:F4KM6qPV
「なに入・きゃあああああああああ!!いやああああああああ!ここから出してええええ!!!!!」
一瞬にしてパン焼き釜ののぞき窓は煤で真っ黒になってしまった。メロダークはきょとんとしている。
「くさいくさい!このにおいなんですか!真っ暗です!フィーさんフィーさん!」
がたがたと調理台にぶつかり、激しく咳き込みながらメイド忍者がお玉を振り回す。
「こっちです!みんな逃げますよ!何やってるんですか!メロダークさんも早く!」
アルソンは半狂乱のキレハを粉まみれの手で抱き上げ走り出し、勢いよく窓から飛び出した。草庵の窓
という窓、煙突は野辺送りでも見かけないような刺激臭を放つ黒煙が噴出している。かろうじて難を逃
れた仲間達も呆然と様子を眺めるばかりだ。一体何が起こったのだろう。

「あれ、テレージャさーん。こんにちはー」
ゆっさゆっさと胸を揺らして神官が歩いてくる。本人としては全速力なのだろうか。
「君達ー、大丈夫かい!買い物をしていればこの黒煙と異臭だ。君達だとぴんと来たんだよ!!」
テレージャは白目をむいたキレハに水を飲ませてやりながら、てきぱきと診察しはじめた。
「蘇生魔法をと思ったが、怪我は無いようだね。安心したよ。何があったんだい」
「あのね、さっきね、パンの焼き方教わってたらね、メロダークさんがね、すごいパン作っちゃったの」
勢いを増す噴煙を前に、大男は無言で立ち尽くしていた。やがて酒場からも仲間がやってきた。
「オイ!どうなってんだよ!襲撃か!なにが起こった!」
ばたばたと取り乱すパリスを眺めながら、周回遅れのラバンはのんびりとつぶやく。
「ただ事じゃねえぜ、こらあよお・・・」
「ぎゃははは!家燃やしてやんの。馬鹿じゃねー。ハゲジジイが見たら確実に殺されるね」
笑いこけるシーフォンを無視したアルソンは、きらきらの笑顔で救助活動している。
「お料理教室で死にかけるなんて、怖い世の中ですね!!僕も危ないところでした!」
「あんたは元気そうだね。・・・フィー?何だその顔、まっくろじゃねーか。大丈夫かお前らも」
顔を見合わせる。焼け出された一行はいぶられて煤まみれだ。目をくりくりさせながらフィーは言う。
「急にもくもく煙がでてきたんだよー。すーごかったのー!ねーフランちゃん」
「びっくりしました。あたしほんとに、ほんとに・・・もうしんじゃうかと・・・」
お玉を握ったまま震えながら涙ぐんでいる。キレハはというと、寺院の覆面巨人でも見てしまったかの
ように、真っ白に燃え尽きていた。

「おーい! みんなー! だーい じょー おわっ」
20615 ◆E9zKH0kZMc :2009/08/05(水) 13:33:29 ID:F4KM6qPV
バケツと鍛冶屋見習いが遠心力で回りながら走ってきたが、のめって力いっぱい水をぶちまけた。
「なんで僕にかけるんだッ!!!」
「ごめんごめん。町の反対側からけむりが見えてさー、ついハンマー落としたもんだから、ガリオーさん
に怒られちゃったよー。みんなだーいじょーぶ?」
「そら怒るだろ。お前こそ大丈夫かよ」
「へへへー」
「皆さん集まってきましたね。僕の勇姿を記憶に焼き付けてもらいましょう!」
胸を張るぼんぼんの後ろで、マントを絞りながら少年はぶつぶつ言っている。
「だいたい、どんな料理の仕方すれば家が爆発するって話だよ。この聡明な僕ですら想像もつかないね」
「・・・(しょんぼり)」
「へんですよねー。僕危険物は用意してないはずなんですけど。早急な原因究明が必要ですね!」
外野が死人が出ないなんてつまんないねーなどと、軽口を叩いている横で傭兵がぼやいた。
「この本を読んで試してみただけなのだが・・・」
「ん?なんの本だい、これは・・・マーニャ・ラ・パ・・・パス・・・随分傷んでいるね、表紙が取れそうだ」
脇からフランもつま先だって本を覗き込んでいる。メロダークは遠い目をして説明した。
「古の時代、鼠の糞を使って醗酵を促進させる方法があったという。そこでトカゲの糞で代用してみた」
「アレンジすんな!いや、そもそも食えるかよ!」
「さすがのわしも聞いたことがないなあ」
「ちゃんと手を洗ってから料理したんですよね?そうですよね?そうだといってください!」
「うんこ混ぜる発想がすでにありえない。僕の5m以内に近づかないでくれよ、ばっちい」
「好き好んでというわけではない!万一戦場で、食材が手に入らない場合に備えてであって・・・」
まあまあとラバンがなだめながら髭をもしゃもしゃとかき混ぜる。
「昔から発煙性と発火性を利用して煙石とか爆炎フラスコとか、手軽なアイテムに利用されてるんだわ。
ここらのトカゲは鉱物を含んだ土を食う、糞には消化できない鉱物が濃縮されて含まれてるからじゃな」
「あ、だから燃料になるんだー」
「当然僕は知ってたね」
「なあ、君。鼠の糞だがね、確かに載っているが、件の人物はそれで逮捕されてるじゃないか」

「「「な、なんだってー」」」

「見たまえ、食品衛生法の違反者に関する古文書だよ。醗酵を促進させるためと称して、古代のエールに
加えることがあったらしい。酒場の女将が逮捕されたときの陳述だね」
「すごい、あたしもやってみよう・・・」
不意に煙が一気に噴出したと思えば、扉の中からエンダが現れた。
「いえの中にこげた石ころがいっぱいあるぞ。フィーもエンダといっしょに食べるか」
「おいおい、お前さん。こんなもの齧ったら、わしじゃ歯がかけちまうわい」
エンダはごりごりとワイルドな音を立てている。黒光りする上、妙にずっしりとした重さがあるようだ。
「すごい・・・小麦粉がこんなに重くて固い物質になるなんて・・・新しいアイテムが開発されましたね!」
「う・・・うむ。そういうつもりではなかったが・・・」
207名無しさん@ピンキー:2009/08/05(水) 13:35:18 ID:F4KM6qPV
以上です。お粗末でした
ああいう攻撃になるアイテムって、普通に料理してもできるわけないよなあと思っていたら
恐ろしげな犯罪記録を見つけてしまいました。それだけなのでサゲがありません
208名無しさん@ピンキー:2009/08/05(水) 23:41:05 ID:KKiJCDCr
このノリすげー好きだw
乙&GJ!

トリップの15がなんなのか、ちょっと気になる
20915 ◆E9zKH0kZMc :2009/08/06(木) 14:01:54 ID:A+sau3SC
有難うございます。トリがやる気なさそうな番号なのに、物凄いプログラマがいたので
格好いいなあと思って数字を増やしてみたものです。いわゆるミーハーですねw
210名無しさん@ピンキー:2009/08/06(木) 20:24:59 ID:XFCRAGjf
17世化した場合、タイタスの膨大な魔術知識の中には
やはり房中術、性魔術の類も含まれるんだろうか。
211名無しさん@ピンキー:2009/08/06(木) 20:39:45 ID:wtHDX8T4
そりゃあもうイーテリオからあらゆる知識を与えられてるからな
とことん濃厚なプレイをしてくれるだろうさ
212名無しさん@ピンキー:2009/08/07(金) 02:01:17 ID:teEa+JH9
とりあえず分身を使っての複数人プレイが真っ先に浮かんだ
213名無しさん@ピンキー:2009/08/07(金) 02:07:54 ID:xzHPx1Kh
面白そう
214名無しさん@ピンキー:2009/08/07(金) 02:41:53 ID:WpnDDhM8
投下に通りますよ、と

キャシアス×フラン
エロ薄め 捏造設定多め注意
215名無しさん@ピンキー:2009/08/07(金) 02:42:27 ID:WpnDDhM8
 雨よけに張ったタープが、小気味良い音を立てている。
 木炭が弾けて火の粉を散らす。
 焚き火は寄り添った二人の周りを狭く照らすのみで、視界は夢の中にいるように曖昧だ。
 石を積んだ即席のかまどに掛けた小鍋が、甘ったるい匂いのする湯気を立てている。
 バターと小麦粉を炒り、水で溶いて、千切った香草や木の実、干し肉を加えたスープだ。
即席ではあるが、漂う暖かな香りが、今はひたすら有り難い。
 夏だというのに、降りしきる雨は異様に冷たかった。
 風も強く、キャシアスがしっかりとロープを結んで居なければ、タープは吹き飛ばされ
ていたかも知れない。
 一緒の毛布にくるまったフランが、みじろぎをして体をより密着させてくる。
 温もりを求めてのことか、それとも……ひょっとして、心細いのかも知れない。
 キャシアスは胸当てと手甲を外して楽な格好になってはいたが、野歩き用の服は分厚く、
フランの女中服も鎖を仕込んだ隠密警護の用途のものだ。お互いの体温は隔てられて曖昧
だったが、轟々と鳴る風雨の下では、傍らに人がいるのを実感できるだけでも気が休まる。
 キャシアスはフランの小さな肩を抱き、彼女の黒髪に、そっと頬を寄せた。
「んっ……」
 フランは眼を細めて、細く息を漏らす。
 幼げな黒瞳は微かに濡れ、かんばせも、炎に紛れてうっすらと色付いているようだ。
「……こんなにお天気が崩れるなんて、思いませんでしたね」
 ――本当に。
 お互いの耳朶へ口を触れるようにして、言葉を交わす。
 朝出た時は、幾らか雲は出ていたが晴れやかな空だったのに、今は夏とも思えない氷雨
と突風に見舞われている。野宿の装備を整えていたから良かったものの、そうでなければ、
雨ざらしになっていたところだろう。
 あの災厄が終焉してはや半年余り。
 キャシアスが正式にホルムの新領主となってから、三月ほどが過ぎている。
 シリンの南の小さな森で遺跡らしきもの見つかったという話が入ったのは、つい一昨日
のことである。
 調査の手を出したいのはやまやまであったが、夜種の残党が潜んでいないとも限らず、
それでなくても何かしらの罠や番人が配されている可能性はある。帝国の大遺跡発見を受
けての探索で、地下以外にも、町の周辺に小規模な神殿跡や魔獣の巣窟が見つかったこと
が何度かあり、これもその類と思われたからだ。
 なまじいの兵に任せれば犠牲を出しかねず、できれば熟練の探索者を頼みたいが、主立
った探索者は、既にあらかた町を離れていた。
 キャシアスの友人にも心当たりがないではないが、妹がやっと快復したばかりのパリス
は面倒に巻き込みたくないし、ネルは近頃、熱心に鍛冶屋の技を学びだしたらしくて忙し
そうだ。エンダもようやく人間の暮らしに馴染んで来たところで余計な刺激を与えたくは
ない。テレージャは何やら本を出版するというので〆切りに追われ、必死の形相で毎日机
に向かっているそうである。
216名無しさん@ピンキー:2009/08/07(金) 02:43:14 ID:WpnDDhM8
 こうなると他にあてもなく、新領主のキャシアス自らが、フランを連れて久しぶりの探
索に乗り出したという次第だった。
 幸い、ラバンから野外活動や探索の心得を学んでいたので、後は密偵の技を使うフラン
がいれば一応の用は足りた。
 二人きりの探索というので念入りに装備を支度し、深い遺跡だった時のために長期戦も
覚悟していったのだが――潜ってみればその遺跡は拍子抜けをするほど浅く、特に危険も
なかった。正午から夕方までで、隅々まで回れてしまうほどだ。収穫もなかったが、安全
が確認できればそれで良しとすべきだろう。
 そうして遺跡を出て、今日はオーセルで宿を取ろうかと家路についたところ、にわかに
天気が崩れだした。
 予定を変更してシリンの村跡に軒を借りようとしたが、森を抜ける前に日が落ちてきて
それもままならず、野宿をする運びとなったのだった。
「あ、いいんじゃないですか?」
 そろそろ鍋が煮立ったようだ。
 いったん毛布から出てかまどから鍋を上げ、木の根でごつごつとする足元から平らな所
を見つけて降ろす。フランは堅焼きの黒パンを取り出して、ナイフで切り分けている。
 丸い大きなパンを食べよいように分けて、三分の二ほどをキャシアスに手渡す。
 半分で良い、というキャシアスに、
「キャシアスさまの方が、体が大きいんですから」
 そう微笑んで、フランはキャシアスに毛布を掛け、再び寄り添った。
 二人だから皿に取り分けるまでもなく、一つの鍋にパンを浸して食べる。
「……ん、おいしい……です」
 一口食べるなり、フランは複雑そうに眉根を寄せた。
 口に合わなかったかと聞くと、
「いえ、そうじゃないんです。あたしはちっとも上達しませんから。……食事の支度で、
主にお手間をかけてしまうなんて」
 ――二人きりで執務からも離れているのだから、主はよして欲しいのだが。
「同じです。だ、っ!…………旦那さま……に、料理を頼り切りの女なんて、聞いたこと
もありません」
 キャシアスはどう返したものか、言葉に詰まった。
 決まったこととはいえ、真正面切って言われるとまだ照れ臭い。
 こうして二人きりでいるのも久しぶりなのだ。
 執務が忙しかったし、父の跡を継いだ手前、色事に耽るわけにもいかなかった。フラン
と恋人同士の語らいをしたことも、まだあまりない。
 キャシアスが暫く考えた末にもごもごと、
 ――味付けに難はあるけれど、切ったり捌いたりはむしろ達者なのだから、二人一緒に
やれば良いと思う。
 というようなことを答えると、フランは「むー」と一つ唸って、脇を向いてしまった。
「そのうち絶対、上手くなって見せますから」
 仮にも伯爵家の夫人になるなのだから、台所に立つ機会などなくなりそうなものだが、
そこはフランの執念だろうか。それともフランのことだから、館の財政を慮って、結婚後
も働くつもりなのかも知れない。
217名無しさん@ピンキー:2009/08/07(金) 02:44:26 ID:WpnDDhM8
 ――楽しみにしておく。
 とは本心から言ったのだが、そうは取らなかったのか、フランは不服そうに胸板へ額を
ぶつけてきた。


 食事を終えると、暖まった体を冷やさないように、よりしっかりと毛布を巻く。
 風は幾らかましになったが雨が止む気配はなく、それどころか、遠く雷まで鳴り出した
ようだ。
 多少無理をしてでも、遺跡に引き返すか、シリンまで抜けるかするべきだったかも知れ
ない。吹き付ける飛沫に辟易しつつ、キャシアスは懐にフランを押し込めた。
 そうしていると……
「そうだ……」
 ふと、フランが可笑しげに口を開いたものだ。
「昔、こんなことありましたよね」
 ――はて。
 咄嗟に思い当たらず、返事をしかねる。
「お忘れですか? ……そうですよね。確かキャシアスさまは、ええと……七つか八つか、
それくらいでしたから」
 あの頃か、と、記憶を巡らせる。館へ来たばかりのフランを、使用人というより姉弟の
ように思っていた。フランも女中の仕事は手伝い程度のものだったから、キャシアスの遊
び相手をしていたことが多かった気がする。
 いや、少し違うか。フランに引っ張り回されていたという方がいいかも知れない。
 何せ、顔は幼く見えるがフランはキャシアスより二つ年上だし、当時はキャシアスより
フランの方が体も大きかった。
「キャシアスちゃん、遊びに行こう」
 などと手を引かれ、よく野駆けへ出ては、日が暮れるまで遊び回っていた気がする。
 フランには弟がいたが、今思えば、キャシアスに彼と同じ接し方をしていたのだろうか。
 ――フランお姉ちゃん?
 ぽつりと言うと、フランはくすぐったそうに身悶えして笑った。
「そうそう、そう呼んでくれてましたよね。可愛かったなあ。小さくて、あたしの後ろを
一生懸命についてきてくれて……今はこんなに逞しくなっちゃいましたけれど」
 腕の中にすっぽり収まって見上げる顔は、微かに残る当時の印象と全く重ならない。背
が高くて元気でお転婆だった「お姉ちゃん」。そんな頃も、あった。
「それでいつだったか、あたしが森に木苺を取りに行こうって誘ったんですよ。夢中で取
って集めてたら、“踊り舞台”の辺りまで入っちゃって……帰ろうって思ったらもう夕方
で、帰る途中で真っ暗になっちゃって……こんな風に雨まで降ってきて。
 それで、木の下に雨宿りしてたら、雷まで鳴ってきたものだから、あたし、怖くなって
泣いちゃったんですよね。このまま帰れなかったらどうしよう、怖い獣に襲われたらどう
しよう、って。
 そしたらキャシアスさまが頭を撫でてくれたんです……思い出してみれば昔から、全然
動じたりしない子でしたものね。憎たらしいくらい、けろっとしてました。あたしはもう
全然で、雷が落ちるたび、必死でキャシアスさまにしがみついて、ずっと目を瞑ってまし
たけど」
218名無しさん@ピンキー:2009/08/07(金) 02:45:07 ID:WpnDDhM8
 言われてみれば、そんなこともあっただろうか。
 幼かったことに加え、パリスやネルとも一緒に同じようなことをしていたから、記憶が
混ざってしまったのかも知れない。
 ――それで、どうなったんだっけ。
「お爺様とお館様が捜しに来てくれたんですよ。勿論、物凄く怒られました。キャシアス
さまは半月外出禁止、あたしは加えて一ヶ月おやつ抜き。集めてた木苺のパイになったの
を、キャシアスさまだけ食べてたのが、それはもう、恨めしかったです」
 フランがくすくすと衒いなく笑う。昔語りをしているせいだろうか、さっきから口調も
いつになく砕けたものになっており、気安い雰囲気が漂っていた。
「どうです、思い出しましたか?」
 ――済まないけれど、全然だ。
「はぁ……まあ、仕方がないですね。数あるキャシアスさまの武勇伝に較べれば、なんて
ことのないことだったでしょうし。……それに、あれから暫くして、あたしともあんまり
遊ばなくなっちゃいましたものね」
 それは憶えていた。キャシアスが九つになったくらいから、フランと遊びに行くことが
殆どなくなってしまったのだ。彼女が女中の仕事と密偵の技を本格的に仕込まれるように
なり、キャシアスとの付き合いにも距離を求められるようになったためだった。
 最初は寂しかったが、そこは子供の薄情さで、ネルと知り合ったり、パリスに喧嘩を吹
っ掛けられたりしているうちに、『フランお姉ちゃん』のことは忘れてしまい、その二人
とばかりつるむようになった。
 フランの方もそれまでのように親しく話しかけてはこなくなり、やがて背も追い越して、
お転婆のお姉ちゃんは、小さくて物静かな女中になっていった。
「本当言えば、ネルさま達には嫉妬してました。『キャシアスちゃんを取られた』とか、
『あたしは遊びにも行けずにお勉強やお仕事してるのに、あの子達だけ』とか。
 ……あ、けれども、お館で働くのが嫌だったとか、そういうことじゃないんですよ。
 カムール様は立派な方でしたし、奥様や先輩の皆もよくしてくださいました。
 キャシアスさまのお世話ができるのだって嬉しかったです。
 小さかったあなたが、どんどん逞しくなって、立派になっていくのを、あたしはずっと
傍で見ていられましたから」
 懐かしげに語るフランを抱いていると、キャシアスはなんだか、思い出せないのが酷く
申し訳なく思われてきた。
 フランは昔から、当たり前のように近くにいる存在だったから、却って注意を向けなか
ったけれども、そういう人がいつまでもいてくれるわけではないということ、また、失う
ことがどれだけ辛いかということが、今のキャシアスには身に染みている。
 もっと大切にしていれば良かったと、なくしてから思うのだ。
 ――もっと、一緒に過ごした方が良かっただろうか。ネルやパリスばかりといないで。
「仕方のないことでしたから。……それにね、キャシアスさま。あたしがあなたをお慕い
したのは、『キャシアスちゃん』と仲が良かったからって、それだけじゃないんですよ。
 小さい頃に遊んだのも、あなたにお仕えしてきたのも、一緒にホルムを守ったことも、
全部、全部ひっくるめて、あなたのことが好きなんです」
219名無しさん@ピンキー:2009/08/07(金) 02:45:42 ID:WpnDDhM8
 ――あのおぞましい生まれも、ホルムを災禍に巻き込んだ呪わしい宿命も、だろうか。
「あなたが生まれて来たことに、出会えたことに、あたしは感謝しています。カムール様
や奥様、お友達のみんなだって、きっとそうです。
 もう一度言いますからね? 生まれから、今まで生きてきた全部が、あなたなんです。
 あたしは、その全部をお慕いしてます」
 宵闇と、影を曖昧に切り抜いたような灯り、単調な雨音……それに、人恋しさを煽る肌
寒さのためだろうか。キャシアスもフランもいつになく饒舌で、日頃は口に出せないよう
な気持ちが容易く滑り出た。
 フランの温もりを封じようと、抱き竦める腕に力が籠もる。
 ――フランだけは失いたくない。
 そう思った。
 彼女の手が、やんわりと胸板をさすっていた。
「……キャシアスさま、暖かい」
 ――フランも。
「今夜は、嬉しいです。二人きりでいられて、抱いて貰ったまま夜明かしなんて。
 ……このお天気に、ちょっと感謝です」
 フランが首を伸ばして、間近で微笑んで見せた。
 そのまま唇を重ね、ゆったりと啄み合う。
 濡れた唇を割って舌を伸ばすと、仄かにスープの残り香がした。
 互いの舌先をじゃれるように突き合い、やがて根本からねぶるように絡んでいく。
「んっ……は……んんっ……は、ぁ……」
 そうして戯れているうちに、息が乱れ、フランの胸から艶っぽい喘ぎが漏れ出した。
 首に腕が絡み付いてきて、女中服越しに胸元を擦りつけ、腿で右脚を挟み込んで来る。
 すっかり“その気”になってしまったらしい。
 キャシアスの物も下履きの中で硬く立ち上がり、フランの太腿に圧迫されて絶え間ない
疼きを帯びているけれども、冷静になってみれば、まさかこんな状況で服を脱ぐわけにも
いかない。
 盛り上がってしまったところを残念だけれども、今夜は大人しく切り上げて、交代で火
の番をしながら眠りに――
「駄目です……」
 ひんやりと心地良い感触を局部に感じて、キャシアスは呻いた。
 繊細に肉茎を擦り立てる指。いつの間にか服の中に潜り込んだフランの手が、持ち前の
器用さでキャシアスの性感に堪らない刺激を与えてくる。
「キャシアスさまはお疲れなんですから、我慢をしては駄目です。フランがお慰めして差
し上げます」
 妖艶に囁いて、フランは更に激しく指を蠢かせた。窮屈で不自由な体勢なのに、虫の足
のように巧みに動き、射精を促してくる。ただでさえ溜まっていたから幾らも持ちそうに
ない。やられっぱなしでは男の立つ瀬がないと、フランにも愛撫を施そうとするのだが、
体勢のせいでお尻を揉み回すくらいが精々だ。
 興奮したフランの艶めかしい吐息が鼻孔をくすぐる。
 苦し紛れに、髪の間からのぞく小さな耳たぶを食んだ。
220名無しさん@ピンキー:2009/08/07(金) 02:46:13 ID:WpnDDhM8
「ひゃうっ!」
 フランが高く鳴いて、手を緩める。
 唇にくわえた耳は夜気に凍えてひんやりと冷たい。その分、あちらには熱く感じられる
のだろう。存外に効いたようで、耳たぶからこりこりした軟骨にかけてを甘噛みしつつ、
舌で舐め回すと、フランはくてっと脱力してしまった。
 男根をいらう動きは止めていないが、さっきまでほどではない。
 この間にスカートをたくし上げ、両手で下着の上から引き締まったお尻を撫で、女陰を
探って指を這わせ、押し揉んでいくと、フランは安らいだように声を震わせていく。
 と、
「ぁっ、はぁっ、あ、あぁ、あ、ぁ……ふひゃあッ!?」
 突然、おかしな声を上げるからどうしたかと思うと、弾みで不浄をつついてしまったら
しい。試しに、人差し指でその辺りを探ってやると、
「ひぉっ! ひゃ、ぁんっ! や、だめ、だめぇっ! お指が、汚れっ、ひンっ!」
 などと、面白いように乱れ、鳴き、腰をつんっと突っ張らせた。
 毛布に隠れたフランの矮躯が跳ね踊る様はいやらしく、小動物に意地悪をするような、
ささやかな嗜虐をそそった。
 それでいながら、キャシアスへの奉仕の手は休めていない。
 いじらしく、淫らな娘だ。
 愛おしさに煽られて、快楽が迫り上がってくる。
 フランも、何かを堪えるように、小刻みに腰を振りたくっていた。
 その腰を捕まえて、片方の手で後ろを、もう片方の手で前をぐりぐりと抉ってやると、
フランは背中の筋肉を硬直させて、大きく仰け反ってしまった。
 結果、恍惚に蕩けた貌をキャシアスと見合わせることになってしまい、彼女の頬が興奮
だけでなしに紅潮して――
「や、見られ……っ! い、逝く顔、キャシアスさまっ、見っ、や……
 ふあああぁぁ……ああああぁ……っ!!」
 潤み切った瞳をとろんと緩め、唇をだらしなく開いて、フランは大きく震えた。腰を強
く突き出して、時折切なげに揺らしながら、ゆっくりと脱力していく。
 フランの法悦の様を見ながら、キャシアスの物も、フランの繊手に精を吐き出している。
「はぁっ……はぁっ……はぁっ……」
 切れ切れの艶めかしい息。
 ぐったり体を沈めたフランを改めて抱きかかえる。
 フランは少し、拗ねたような貌をしていた。
「いじわる……」
 キャシアスはフランへ口付けて言葉を封じ、先に休むように言う。
 フランは不服そうだったが、黙って背中を撫でさすっていると、ほどなく墜ちた。
 雨はまだ止まない。
 キャシアスは余韻の熱を逃がすまいと、しっかり毛布を掛け直した。
221名無しさん@ピンキー:2009/08/07(金) 02:46:45 ID:WpnDDhM8


 翌朝――
 まだ空は曇り、小雨が降りしきっていたが、明るくなってしまえば歩くのに支障はない。
 濡らした布で軽く体を拭い清め、朝食は後回しにして、荷物を整理して出発する。
 二人並んで、早朝の森を歩き出す。
 ――フラン。
 と、キャシアスが不意に切り出した。
「はい」
 ――二人きりの時は、もう少し親しく呼んでもいいんじゃないだろうか。
「昔みたいに?」
 ――それでもいいし、呼び捨てでもいい。
 うーん、と、フランは少し考えて、
「今のあたしには、キャシアスさまはキャシアスさまですから」
 ――そうか。
「あ、でも」
 フランが微笑む。
「折角ですから、一回だけ。昔の通りに」
 ――うん。
「では、失礼を…………キャシアス、ちゃん」
 対面して呼ばわる声はぎこちなく、違和感があった。
 昨日の夜、思い出の中に呼び掛けた時とはまるで違う。
 そのことに不思議と安堵する。
「うん、やっぱり、キャシアスさまがいいです」
 フランも嬉しそうだった。
 当分はそう呼ばれていたいと、キャシアスは思った。
「急いで帰りましょう、キャシアスさま。きっとみんなが心配してます」
 ああ、と頷いて、キャシアスはフランの少し前を歩いていった。
222名無しさん@ピンキー:2009/08/07(金) 02:47:39 ID:WpnDDhM8
おしまい
そう言えば病んでるフランが多いと思ったんで、たまに病んでないのを書こうと思ったんだ
223名無しさん@ピンキー:2009/08/07(金) 05:11:51 ID:teEa+JH9
>>222
八連乙陣
ドMなフランも良いが純愛フランも捨てがたい
つーかスイッチ入って身体を擦り付けてくるとか俺の心に会心の一撃すぎる
224名無しさん@ピンキー:2009/08/07(金) 07:53:12 ID:MncTCqxv
これで気がついた。キャシアスって愛称探すと
なんにしても呼びにくいw苗字っぽいからか?
225名無しさん@ピンキー:2009/08/07(金) 09:31:22 ID:s31wBuSi
>>224
キャシー
226名無しさん@ピンキー:2009/08/07(金) 09:34:29 ID:02hOGUlE
>>224
カス
227名無しさん@ピンキー:2009/08/07(金) 09:48:17 ID:AJlzIZBZ
>>222
ナイスフラン
これでエロ薄め・・・だと・・・?
濃いエロはどんなんなっちゃうのか気になって夜も眠れず一世さんに会えません
228名無しさん@ピンキー:2009/08/07(金) 09:53:13 ID:WpnDDhM8
ttp://mikeneko.net/naming/firstname.html#%EF%BC%A3
>Cassius (M) キャシアス →Cass

キャス、になる模様。でも日本語的響きだと女っぽいのでやめた。
実際にはシーウァ語でそんな感じの言い回しをしていると思っテ。
229名無しさん@ピンキー:2009/08/07(金) 11:06:36 ID:MncTCqxv
>>226
なんかひでえwせめてケイシーちゃんか・・
>>228
勉強になる。呼びにくいなあちくしょう
230名無しさん@ピンキー:2009/08/07(金) 11:11:00 ID:evc/JKpR
キャス男
231名無しさん@ピンキー:2009/08/07(金) 17:46:59 ID:r1/wwNFy
相変わらずナイスフラン。GJ

ところでテレ子師匠が書いてるのって遺跡報告書だよな?ぬとぬととした友情の物語じゃないよな?
232名無しさん@ピンキー:2009/08/07(金) 17:50:13 ID:lcDjag1A
ラバンが活躍した時代にもテレ子のひいひいひい婆ちゃんみたいなのがいて
そのせいでぬとぬと伝説が残っちゃったと信じてる
233名無しさん@ピンキー:2009/08/07(金) 17:51:43 ID:WDHaRYDz
『そう……そのまま飲み込んで。僕の時渡りの剣……』
「ふ、ふふふ、これだよこれ。読者が求めているのはこれだよ ! これはイける!」
「ピンガー商会です。先生、〆切は明後日ですけれど進んでいらっしゃいますか?」
「……!」
234名無しさん@ピンキー:2009/08/07(金) 19:01:39 ID:imReSD2Q
>>233
そして後の世でフランとギュスが混ざってしまうのかw
キャシアスはテレ子さんを訴えていいレベル
235名無しさん@ピンキー:2009/08/07(金) 23:04:27 ID:WDHaRYDz
>>233続き。

「進んでますよ来週までにはなんとかDOROBUNEに乗ったつもりでいてくださいははは古代
語ですよ古代語」
「なーんてテレージャさん、私です。あなたのマナちゃんが来ましたよ」
「……き、君か……開いているよ。入りたまえ」
 バスケットを提げた少女は慣れた様子で、散らかった資料の間を通り抜けていく。机の
脇の椅子から平積みの本をどけ、ちょこん、と腰掛けて膝にバスケットを乗せる。
「そろそろ詰まってると思いました。差し入れですよ」
 布を捲ると、甘い香りがふわりと広がる。糖蜜をふんだんに使った、この地方の焼き菓
子は彼女の新しいお気に入りだった。甘みは頭脳労働には不可欠。テレージャはペンを止
めて頬を緩ませる。
「アップルパイだね。ありがたい」
「フルーツサンドもありますよ」
「そちらを先に頂こうかな」
「んー」
 とりあえずこの段落だけは仕上げてしまおう、と再び机に向かうテレージャは、ふと傍
らを見やると、げんなりと眉を寄せた。
「君は何をしているのかな」
「んー?」
 不思議そうに小首を傾げるマナは、一口大のフルーツサンドの端を咥え、顔を突きだし
ていた。まるでキスでもねだるように。
「そうやって君はいちいち可愛いなもう! テレージャさんあーんしてふふふマナ君の唇
はフルーツ味だねらめぇひぎぃ朝チュンというわけだねわかります」
「んーぅ?」
「食べてから喋りたまえ」
「もぐもぐ」
 テレージャは机に向かうと、ペンを走らせる。彼女が書くのはただの夢物語などではな
い。ペンとインクが紙に生命を刻むのだ。
「もぐもぐ」
『先祖伝来の土地を奪い、民を貶める憎き領主の息子。そして、姉を奪った男でもある。
気楽そうな、それでいて鋼のような意志を隠したあの顔を思い出すと、光を喪った片目が
疼く。乾いた唇が声には出さずにその名を紡いだ。直後、彼は弾かれるように身構える。
枯れ葉を踏む音は獣の物ではない。鍛え抜かれたその耳は、たとえ夜の森でも違えること
はない。「捜したよ」「キャシ
「もぐもぐ」
「いつまで食べているのかな」
「もぐ?」
「ふむ。それはつまり差し入れは私です、と言うことかな?」
 つい、と眼鏡を押し上げ、肉食獣のような笑みを浮かべて迫る徹夜巫女に、マナは三つ
目のフルーツサンドを頬張ったまま激しく首を横に振る。
「ちょうど私もマナが足りなかったところでね」
 言うがはやいかフルーツ味の唇を貪り、資料の散乱する寝台に押さえつける。大慌てで
タップするマナの手を掴み、毟り取るように法衣を引き剥がしていく。いつもにこやかな
神殿の少女が、こんなにも美味しい肢体を隠している事を知っているのは、テレージャた
だ一人である。
「ぷぁっ、待っ……〆切……!」
「ダメだね。もう君を陵辱せざるを得ない」
 しゅるり、と法衣を落とし、涙目で見上げる少女の首筋に唇を落とす。マナは小さく震
えて白い背中に腕を回し、そっと足を絡めた……


「ピンガー商会です。先生、〆切は明後日ですけれど進んでいらっしゃいますか?」
236名無しさん@ピンキー:2009/08/08(土) 04:28:46 ID:AxLX7gN5
後半全部妄想かいw
237名無しさん@ピンキー:2009/08/08(土) 11:52:06 ID:UKiJGHWP
>235
吹いた。
繰り返しオチの切れ味がなかなか良い。

しかしマナ可愛いなあもう。
ソッチの続きを求む。
238名無しさん@ピンキー:2009/08/08(土) 23:47:17 ID:oYNZ/Hw1
>>235
GJ!
テレージャ先生、押し倒したあとの続きをもっと!
239名無しさん@ピンキー:2009/08/09(日) 00:01:50 ID:qJO46QWc
キャシアス×十四歳か、十四歳×キャシアスか、それが問題だ
240名無しさん@ピンキー:2009/08/09(日) 00:30:43 ID:vzie9zNt
>>235
GJ!
続きを読みたければワッフルワッフルと打ち込めばおk?
241名無しさん@ピンキー:2009/08/09(日) 01:26:32 ID:pBrmaKPH
>>239
なんというか、『〜光を喪った片目が疼く』あたりで14歳に負けフラグを感じたのでキャシ×14じゃね?
憎たらしいアイツにやりこめられてビクンビクンまですんなり想像できる。
242名無しさん@ピンキー:2009/08/09(日) 03:40:24 ID:gfsj6z/j
テレージャで思い出したが、プリンセスとのキス勝負で
「プリンセスを起こしたキャラ」と「勝負したキャラ」は一応間接キスに含まれるんだろうか?
243名無しさん@ピンキー:2009/08/09(日) 12:12:24 ID:kF3QWKi2
>>241
キャシアスがものすごく大勢に増える魔法か
244名無しさん@ピンキー:2009/08/09(日) 18:05:17 ID:A0JiTeG2
むしろ、口直しだと意中のキャラに絡んでだな。
フィー「ぐすぐす」
ネル「もう泣かないの。ね、よしよし。」
フィー「うう、口直しさせてくれる?」
ネル「え?もう、しょうがないなぁ。ん…ちゅ…」
一方…
プリンセス(ぬぅっ。やりおるな少年。しかしまだまだ吸い上げてゆくぞぉ…)
しーぽん(く、なんで僕様がこんなっ…負けるか、負けない!勝つんだぁぁ!)

テレージャ「こ、これはなんという桃源郷ハァハァ」

勢いのみでやった。反省はしない。
この後しーぽんを打倒したプリンセスはテレージャさんにTKOされます。
245名無しさん@ピンキー:2009/08/09(日) 20:25:14 ID:kF3QWKi2
このゲームで一撃でHP1にされる攻撃はこの姫君だけだもんな
246名無しさん@ピンキー:2009/08/09(日) 23:22:59 ID:NijxFzg6
口直し展開も王道ではあるが、直接キスなんてとても言い出せないような引っ込み思案の子が
間接キスでささやかな幸せを感じるというのも悪くない。
247名無しさん@ピンキー:2009/08/09(日) 23:25:53 ID:A0JiTeG2
…キャシアス(ORウェンドリン)がうっかり最初の一撃をもらい、フランが名乗りを上げるのですか
わかりません!
248名無しさん@ピンキー:2009/08/09(日) 23:26:56 ID:t9Ld2Wv5
間接キス狙いで勢い込んで「自分がやる!」と役目を買って出たら、
本命からああいうの(プリンセス)が好みなのかと引かれるんですね。
249名無しさん@ピンキー:2009/08/10(月) 00:50:56 ID:Kqk2UBAW
ていうか間接キスの媒体が問題だろう…
250聖女と忠犬U 0/9−t ◆SvLllFe4/w :2009/08/10(月) 04:39:47 ID:o5mcD8U9
週明け夜明けに神官編。今更ながら鳥つけました、まだ続くので危険感知した方はNG推奨
102とは別ルート。そもそも大団円を書くつもりが何故ああなったし

・本編グッドEDからけっこう後
・相変わらずメロさんがいろいろとあれ
・ぬとぬとは5〜9
251聖女と忠犬U 1/9−t ◆SvLllFe4/w :2009/08/10(月) 04:40:48 ID:o5mcD8U9
「ホルムというと……アダ様の?」
未だ青年と呼べる若さの神官は、眼鏡の下で軽く目を見張った。
「それでは、貴女があの──」
と続けて言いかけ、相手の表情に苦い笑みがよぎるのを見て、その言葉を途切れさせる。
女神の聖印を首からさげた娘は、ほんの少し顔をうつむけてかぶりを振った。
「──いまは、一巡礼の身ですから」
神官は深く立ち入ることをせず、「そうですか」と頷いた。
かつてホルムの巫女に教えを受けた彼は、妹弟子にあたる少女に自らが預かる神殿を案内しつつ、ひとしきり世間話に興じた。
そして、神殿の中庭に差し込む陽光がだいぶ傾いてきたことに気付いて尋ねる。
「こちらでの宿は、もうお決まりですか?」
各地の神殿では、巡礼者に一宿一飯を提供している。
しかしマナと名乗った娘は笑顔でそれを辞した。
「わたしの……仲間が、宿を探してくれていますから」
彼女が一瞬言い淀んだことに神官がおやと思った時、横合いから「おおい」と彼を呼ぶ声があった。
「あんたの客に客だよ、神官さま」
見れば明らかに神殿関係者ではない軽装の少女が、庭に面した柱廊から投げやりに手を振っている。
そして彼女に先導されて、同じく場違いな鎧姿の男が現れた。
黒い外套の留め具には雷神の印があしらわれているが、大剣を背負った聖職者などいるわけがない。
が、彼の姿を認めたマナが嬉しげに顔をほころばせたことから、その剣士こそ彼女のいう仲間であると知れた。
「メロダークさん!」
年相応の明るい笑顔に、今しがた見せたかげりは錯覚かと、暢気な青年は考えたのだが。
「──へぇ、あれが『英雄』ねぇ……」
旅人の出立を神官と共に見送った盗賊娘の呟きは、やや肩透かしをくらったような色を含んでいる。次いで、率直な感想を口にした。
「そのへんの町娘とそう変わんないじゃない」
ホルムの街を災厄から救った英雄は、その正体が大河女神に仕える乙女であることが知れると、聖女とも称されるようになった。
「きっと、彼女もそう考えてほしいんですよ」神官は苦笑を返す。
人は誰しも聖者になれるわけではなく、また英名は時として汚名よりも厄介なもの。
それは好むと好まざるとにかかわらず、周囲に諸々の影響と変化を及ぼしてしまうのだろう。
英雄ならぬ身の青年神官にも、その程度のことは想像できた。
そして、そんな物思いを知ってか知らずか、抜け目なく客人を観察していた赤毛の少女は呟く。
「……あの兄さんのほうは、そうとう危ないと思うけどね」
暮れかかる空の彼方、彼らが去った方角を眺めやりながら。
252聖女と忠犬U 2/9−t ◆SvLllFe4/w :2009/08/10(月) 04:41:36 ID:o5mcD8U9
……やっぱり、わたしだけ一人部屋。
階下の食堂で早めの夕食を終えると、相変わらず寡黙な護衛は就寝の挨拶を告げて別の大部屋に引き上げてしまった。
せめて自分もちゃんとした部屋に泊まればいいものを、妙なところで倹約家な彼は己のことには無頓着なのだ。
それならわたしも大部屋にしてほしいと訴えたものの、これはにべもなく却下された。
──二人部屋にしないの?
とまで訊ねる勇気は、情けないことに持ち合わせていない。
未だ宵の口であったから、さして多くもない荷物を殺風景な寝室の片隅に置き、ひとまず近くの浴場で旅の埃を落とすことにした。
持ち込んだ石鹸で肌と髪とを洗った後、ぼんやりと温かな湯に浸かっていても、頭に浮かんでくるのは彼のことばかり。
……暗い森の静寂の中、草のしとねの上で互いに肌を重ねたのはもう一月以上も前のこと。
本当のところ、あの夜のことはよく覚えていない。
──ただ、わたしを強く抱きしめてくれた大きな手と熱い痛みの感覚を、おぼろげに肌が記憶しているだけ。
確かなのは、翌日のわたしは太陽がだいぶ高くなってからようやく目を覚ましたということ。
それも体じゅうが重くて、しばらくは腕を上げるのも億劫だった。
挙句に微熱まで発したわたしを、メロダークさんは近くの宿場まで背負い、体調が戻るまでずっと側にいて面倒をみてくれた。
「……すまなかった」
毛布にくるまってまどろむわたしの髪を撫でながら、彼は言った。加減ができなかった、と。
「メロダークさん……あやまらないでください」
わたしはその手をとり、瞼を伏せつつ頬を寄せた。
喉の調子がひどく悪く、ほとんど囁くような声しか出せなかったが、こちらに注がれる気遣いの眼差しは感じられた。
彼がわたし自身を見てくれたこと、そしてこんな風に優しく労わってくれることが、わたしはとても嬉しかった。
──けれどそれっきり、彼は一切わたしに触れようとはしなかった。
わたしたちの関係は以前と変わらぬまま。
メロダークさんは相変わらずわたしを主扱いして、ともすれば一線を引かれているようにすら感じてしまう。
……やっぱり、わたしじゃだめだったのかな。
湯の下で、胸元にあたる膨らみのかけらにそっと手を添えてみる。
身体のあちこちに散っていた赤や紫の斑点もすっかり無くなった体は、我ながら平板で面白みのない体型だと思う。
彼にとっては、男女の営みについて全く経験のないわたしなんか、退屈だったのかもしれない。
それとも、わたしがなにか悪いことをしてしまったんだろうか。
──断片的な夜の記憶に思いを馳せるだけで、体の奥深くが疼くような心地がする。
こんなことを考えるのは、もう一度あの腕に包まれたいと思うのは、いけないこと?
わたしはもう、望まれていない?
──湯船の中にいるにもかかわらず、不意に寒気を感じたわたしは自分の両肩を抱きしめた。
「……メロダークさん……」
そのまましばらく瞳を伏せて、不安の発作が去るのを待った。
──こんなことじゃだめ。
なにもかも彼に頼ってはいけない……そうだ、まずは確かめなくては。
──あなたがわたしのことを、もう必要としていないのなら。
……それは、そのとき考えよう。
わたしは浴槽から出て湿った身体を拭き、宿への帰路についた。
253聖女と忠犬U 3/9−t ◆SvLllFe4/w :2009/08/10(月) 04:42:25 ID:o5mcD8U9
「わひゃっ」
「おっと……気をつけな、お嬢ちゃん」
メロダークさんにもしばしば咎められることだけれど、考えごとをしながら歩いているときのわたしは前方不注意になりがちだ。
たどり着いた宿屋兼酒場の扉をくぐろうとした途端、ちょうどそこから出てきた男の人におもいきり衝突してしまった。
「ご、ごめんなさい……」
鼻頭を押さえながら涙目で見上げるも、その人は既にこちらに背を向けた後で、気にするなという風に軽く片手を振りつつ去っていった。
露骨な子供扱いに口を尖らせつつ、今度こそ食堂に立ち入る。
と、最も奥まった席にまさしく傭兵風の戦士が座してこちらを見つめていた──というより、睨んでいた。
それも、普段あまり感情を表に出さぬ彼にしては珍しく、極めて険しい表情で。
その視線が、今しがた出ていった男の人に向けられていたことは明白だった。
メロダークさんはいれ代わりに入ってきたわたしに気づくや椅子を立ち、無人のテーブルを蹴散らさんばかりの勢いで駆け寄ってきた。
「マナ!」
「え、あ…えっ?」
自室で決心をつけてから彼の部屋を訪れるつもりが、いきなり顔を合わせてしまった。
さらにただならぬその様子に二重に戸惑ううち、わたしはあっと言う間にその広い胸に抱きすくめられていた。
屋内だというのに鎧まで着込んでいるものだから、わたしは半身をぎゅうぎゅうと硬い金属に押しつけられて満足に息もつけなかった。
客はそう多くないとはいえ、店中から好奇と揶揄の視線を向けられているのが分かる。
「め、メロダークさん……あの」
混乱しきって声をかけると彼はひとまず身を離してくれたが、わたしの肩をつかんだまま何事か難しい顔で考え込んでいる。
どうしたんですか、と訊ねようと口を開きかけたものの、彼の方が早かった。
「マナ」
「あ、は、はい」
「……後で、お前の部屋に行ってもいいか」
頭が真っ白になったわたしは、ただこくりと頷くのが精一杯だった。
254聖女と忠犬U 4/9−t ◆SvLllFe4/w :2009/08/10(月) 04:43:09 ID:o5mcD8U9
どうしよう、どうしよう、どうしよう。
一人先に自室にたどり着いたが、とても落ち着いて考え事ができる状態ではない。
だ、だって……夜に部屋に来るってことは、「そういうこと」じゃないの?
先ほど固めようとしていた決意もどこへやら、ともすれば暴走しそうな想像どころか、頬の火照りすら抑えられそうにない。
──さっきのメロダークさんは、どう見ても普通じゃなかったのに。
そう、まずはそこから考えなければ。
……食堂の戸口でぶつかった人物が、彼の動揺にかかわっていることは疑いようがない。
彼の背負う大剣に目をとめて、声をかけてくる人は少なくない。
それは魔物退治の依頼であったり、あるいはあまり信用できない怪しげな儲け話であったりする。
とはいえ、一瞬すれ違ったにすぎない先ほどの男の人がどちら側の人間であるかは、さすがに判断がつきかねた。
一体、メロダークさんはどんな話を持ちかけられたというのだろう。
彼が来たら、まずはそれを訊かなければ……
改めて確認した途端、もたれかかっていた部屋の戸が叩かれてわたしは飛び上がった。「っ!!」
「──マナ?」
戸の向こうから聞きなれた声がかけられ、わたしはあたふたと扉の鍵を開ける。
「入っていいか」
「あ、えっと、はい」
近くに立てば首を反らせて見上げねばならない長躯を招き入れると、戸が閉まると共にがちゃりと錠まで下ろされたらしい音がした。

「あ…メロダークさん、あの──ひゃっ」
部屋から持ってきたらしい、武器と鎧を含む荷物一式をぞんざいにその場へ下ろすが早いか、メロダークさんは再びわたしを抱き寄せた。
服越しにたくましい胸の温もりを感じると、一気に顔に血がのぼり、危うく大事な用件を忘れそうになってしまう。
「あっ、あの、さっきは──ゃんっ」
「マナ……」
耳元に熱い吐息を吹き込むように囁きかけられると、意志とは無関係にぞくりと背筋を痺れが駆け上がり、身体全体が震えてしまう。
「ぁ……んんっ──」
大きな手が頬を包み、おとがいを差し向けられると、すぐに深い口づけが落とされた。
ふれ合った唇を押し割って歯列の間から生温かくぬめる塊が差し入れられ、逃れる暇もなく口腔を探られながら舌を絡めとられる。
「んく──んふ、ぅん……っ」
──お酒のにおい……
わたしはきわだって酒類に弱い体質らしい。
こうして至近からその香を吸い、擦り込まれる唾液にその残滓を感じるだけで──
湯冷めしかけた体の奥に灯がともるような心地がして、頭がぼうっとしてきてしまう。
顎をとらえていた手はいつの間にか頭の後ろに回って首を固定し、他方の腕はわたしの腰を強く抱きしめ、彼の身体へ押しつけようとする。
力の抜けた両足の間に彼の腿が割り込んできて、そのまま逃れられない腰を下方へ圧迫されると、何とも落ち着かぬ気持ちになってしまう。
……舌を強く吸い上げられて嬲られるたびに、ぴちゅ、ぴちゃ、と口の中から淫らな水音が響く。
耐えず角度を変えながら唇を貪られる間、その外では相変わらずの無精髭が、わたしの頬や顎を愛撫するかのようにこすっている。
呼吸を完全に奪われたわたしは、これらの感覚に他愛もなく翻弄されて、身も心も弛緩していった。
──ひと月ぶりの、長い長い口づけがやっと終えられた後。
わたしはすっかり呼気を乱し、弱々しく彼の服にしがみついているだけだった。
飲みきれなかった唾液が糸をひいて口の端からこぼれていることに気付く余裕もない。
「ふぁ……」
そのわたしの体が、改めて伸ばされた力強い腕に易々と持ち上げられる。
メロダークさんはそのまま狭い室内を横切り、横抱きにしたわたしを寝台に下ろしてくれた。
そして恭しくわたしの両足からサンダルを脱がすと、彼自らも一つきりのベッドに乗り上げて、わたしの上に覆いかぶさってきた。
「──お前が、欲しい」
一ヶ月も待ちわびた言葉を与えられる。
紛れもない欲望の炎をたたえた漆黒の眼差しに射抜かれ、低くかすれた声で求められて、わたしは陶然と潤んだ瞳で頷いた。
255聖女と忠犬U 5/9−t ◆SvLllFe4/w :2009/08/10(月) 04:43:54 ID:o5mcD8U9
「んんっ、んあぁ……!」
わたしの体にのしかかる彼の髪が、唇が、髭が、そして衣服までが、着衣をはだけられたわたしの肌をくすぐる。
この人ときたら外ではやたらと脱ぎたがるくせに、なぜか今この時はわたしばかりが無防備な姿を晒けだしている。
「あ、っ……ひぃんっ」
もっともその肌着が無ければ、わたしは広い背中につかまるよすがもなく、無闇にその長髪を引っ張ってしまっていたかもしれないけれど。
「ぃあ──ぁあっあ、ふあぅん!」
口元を抑えようとした手首も掴まれて、その背につかまるよう無言で促されると、わたしは逆らう余裕もなく必死ですがりつくしかない。
そのかわり、絶え間なく襲いくる刺激を逸らすべく、寝具に押しつけた頭をいっそう激しくうち振った。
「ひゃんっ、ひぁうん!──もぉっ、いやぁ……っ!」
延々と続けられる、絶えがたい行為。
それは……わたしの体を、くまなく探り、撫でまわすこと。
他人に腰を触られるだけで、飛び上がるほどのくすぐったさを感じてしまうわたしにとって、これはほとんど拷問に近い。
起伏に乏しいこの体のいったいどこが面白いのというか……
彼は剥き出しにされた上半身のあらゆる部分をまさぐり、指圧し、つねり、あるいは舌を這わせ、甘噛みし、吸い立ててくる。
さらには枕がちょうど胸の下あたりに押し込まれて、ささやかな膨らみさえ散ってしまった身を突き出すような姿勢にさせられてしまう。
筋肉が緊張したその状態で、浮き上がったあばらの骨を肌の上から探られてはたまらなかった。
「いやああぁっ、やだあぁ、だめッ、だめえぇ!!」
びくびくと激しく寝具の上でのたうちながら、わたしはとうとう胸元に顔を埋める彼の髪を力任せに引っ張り、密着する体を引きはがした。
──残酷な指がようやっと離れてゆき、わたしはぎゅっとつぶった目の端から涙をこぼしながら全身で息をする。
「はあ、はあっ……っく、けほっ──はぁ、はぁ……」
あえぎ疲れて咳さえ混じる苦しい呼吸の中、おぼろげな記憶が甦ってくる──なんでこの人は、いちいちわたしをくすぐるの?
その彼はといえば、わたしが力なく睨むのをちっとも意に介さず眦に唇を寄せてきて、あふれた涙を舐めとっている。
「……躰は温まったようだな」と、腹立たしいほど冷静な言葉。
……まさかこれで湯冷めを解消させてくれたつもりなら、とんでもない。せっかくお風呂で汗を流したのが台無しじゃない!
抗議しようと身を起こしかけたが、再び彼がわたしを捕らえるほうが先だった。
うっすらと汗ばむ腰を、不意に大きく抱え上げられる。
そうかと思うと、胸の下に置かれていた枕が引き下げられ、丸めた毛布ともども今度はお尻の下に差し入れられたのだ。
体を降ろされると、自分がどんなに恥ずかしい体勢を強いられたものか、身をもって知らされた。
……かろうじて下着一枚を身につけているだけの大切な部分が、そこだけ高々と持ち上げられてしまっている。
しかもここまで腰が高くなった状態では、独力で身を起こすこともできなかった。
「やっ──やだぁーっ!!」
256聖女と忠犬U 6/9−t ◆SvLllFe4/w :2009/08/10(月) 04:44:33 ID:o5mcD8U9
「うっ……ひぅ、ひっく」
恥ずかしさのあまり両手で顔を覆い、いやいやと首を振ってすすり泣くばかりのわたしの脚から、最後の下着が抜き取られていく。
……薄い布の上から、まだぴったりと合わさっていた裂け目を節ばった指で何度もなぞられ、その上の小さな突起を執拗に擦りあげられて。
―─とうとう耐えかねたわたしが、繰り返し背筋をひきつらせながら気をやった直後のこと。
やや湿り気を帯びた下穿きが奪われると、ひやりとした外気に股間が晒されるが、そこは同時にあの沈着な双眸にも至近で観察されていた。
……その視線だけで、奥まで焼かれてしまいそうなほど。
「はぁっ、はっ……ぅあんっ」
こちらはまだ追いつめられた頂点の余韻に震え、ろくに息も整えられていないというのに──
熱を帯びてほころびかけた柔らかな部分へと、今度は硬い指先が直接めり込んでいく。
「まっ、待ってぇ……わたし、まだ、ああぁっ!」
「──駄目だ」
うわずった嘆願はにべもなく退けられた。
長い指が深く差し入れられるほど、内奥からじんわりと滲みだした粘液が、彼の指に絡めとられていくのが分かる。
不意にその指先がその内部をかき混ぜるように動き、くちっと淫らな音を奏でた。
「んん、んーっ」
そのままぐりぐりと、円を描くように刺激を加えられては、自らの口をおさえて声を押し殺すのも限界に近かった。
焦燥が伝わったのか、彼は底部を弄ぶ片手はそのままに半身を起こし、はしたない格好で寝具に押しつけられたわたしの上体に身を寄せる。
──そして、こちらの両手を一気に掴みあげて頭上に固定してしまった。
腰だけを強制的に高く上げられて、立てた膝の間に陣取られているために両足を閉じることができず。
さらに腕までも呆気なく一まとめにされて寝具に縫いとめられては、もう立て続けに襲ってくる波をどう受け流すこともできなくなった。
「あっ、ひぁ、うぁぅ、はなし、てぇ──あああッ!」
あらがう言葉を封じるようにいっそう下腹の異物は暴れ、のけぞった上半身には擦りつけるように男性の隆々たる体躯が密着している。
同じくぎりぎりまで背けた首筋にさえゆるく歯を立てられて……そのうえ。
ずぶりと二本目の指を突き立てられる痛みと、熱い痺れのおさまらぬ芽を親指の腹で潰される圧倒的な衝撃を同時に加えられ、
「あぁん、やぁあ、ああああっあ、──うあぁーっ!!」
わたしはあられもない悲鳴を発しながら、またしても忘我の果てに追い上げられてしまった。
……けれど、それはほんの始まりにすぎなかった。
257聖女と忠犬U 7/9−t ◆SvLllFe4/w :2009/08/10(月) 04:45:12 ID:o5mcD8U9
──あれから、どれだけ時間が経ったのかもわからない。
「あっ、…あうっ、も、あ、ひゃあぁぁあんっ」
「──また、逝ったのか」
ただわたしにとっては、もう一晩中この責め苦が続けられているのではないかと思えた。
「やあぁっ、あふぁっ──あはあぁっ、ああ、またぁっ、なんで…、あ、なんでぇっ!」
「……馴らさねばならんからな」
そう言ったきり、メロダークさんは再び顔を埋め、舌を伸ばす──
もはやほとんど感覚のない下半身のなかで、そこだけ燃え上がるように熱く、信じられないほど敏感になったわたしの陰部へと。
「ひゃぁうっ、そんなぁっ…はぁっ、もういやぁ…ッ、ひぅん、あくぅぅーっ」
がくがくと痙攣するわたしの腰をがっちりと抱え込んだ彼は、もはや滴り落ちるほどにあふれる泉をさらにこじ開けようとする。
周囲の皮膚を左右に引っ張り、両手の指を内奥まで突き入れては内壁を外側へと押しやる。
そんな所へ舌までももぐり込ませてくるものだから、いくらお風呂上がりとはいえ、許容できる行為ではなかった。
必死で身をよじるけれど、あろうことか濡れそぼった部分から直接その液体を啜り始めた彼の頭にさえ、この体勢では手が届かない。
「ひぅ、ひぅうっ! だめっ、だめえぇ、そこやだぁっ、いやあぁ……んくっ、んあああ!!」
──辛いのに。
苦しいのに。
恥ずかしいのに。
何度もやめてって言ったのに。
結局、メロダークさんは許してくれなかった。
「……大人しくしていろ」
「ひぁうっ──やああああっ、それやだぁっ、ゆるして、ゆるしてぇっ!」
どれだけ果てを迎えさせられたのかも分からないほど苛めぬかれて、もう自分の体じゃないみたいに昂ぶらされて。
この人はこんなに鍛えられていて、腕力も体力もわたしよりずっと上で、体格からして抵抗できるわけがなくて。
「うあぁっ……う、ひぐっ──もぅっ、やだぁ…あっ、でちゃう、でちゃうよぉ、っ──あっ、ああぁぁあん!!」
……こちらの体力が尽きた後は、ますますおもちゃみたいに扱われるしかなかった。

「う…うぇっ──ひっ、く……はぁ……はぅ……」
もうしないで、と切れ切れの懇願さえもできなくなった末、いつしかわたしは残酷な責めから解放されていた。
お尻の下に敷かれていた布団の山はもはや取り除かれていた。
気だるい全身はどろどろに溶けて敷布と一体化してしまったかのように重く、半ば感覚を麻痺させてしまっている。
ただ花芯だけは変になるほどいじられ続け、そこにもう一つ心臓があるかのように、トクントクンとひとりでに脈打っているのが分かる。
胸を激しく上下させて荒息をつきながら弱々しく涙をこぼし、小刻みに腰を震わせ続けるわたしの髪を、大きな男の人がやさしく撫でる。
「……いい子だ、マナ」
汗みずくの体を抱きしめられ、そう耳元でささやかれた途端、触られてもいないのにじわりと甘い痺れが秘所にはしる。
──その、柔らかな熱の塊と化した部分に。
今までの指や舌とは比較にならぬ質量のものが押しあてられ、ずぶずぶと奥まで侵入してきた。
「くぅっ──あ!!」
「……まだ、きついか」
独白ともつかぬ彼の声など、わたしには当然聞こえていない。
がくんと跳ね上がろうとする腰を押さえつけられて、混乱した悲鳴をあげるばかりだった。
「んっんぁっ──はっぁ、はぅ……っ!」
めちゃくちゃにかき回されて輪郭を失っていたわたしの体が、とてつもない異物によって中心から押し開かれてゆく。
それと共に、溶けかけた体も、彼を突き立てられた部分から再び実体を取り戻していくかのようだった。
灼熱する巨大な杭は、わたしのおなかの奥をより深く抉ろうとするかのようにぐいぐいと圧迫してくる。
それはもう、これ以上ないくらい奥深くまで打ち込まれているというのに。
「あぁ……んあぁ、ゃ…ぁ」
わたしは歯を食いしばる力もなくて、熱く鈍い痛みに翻弄されるばかりだったけれど。
──おもむろに腰を掴む腕が離れ、びしょびしょに濡れたわたしの恥毛をぐいと引き、結合部をむき出しにする。
それだけでも刺激がわたしの体を激しく打ちすえたというのに、
「あっっ、っ」
壊れるほどにさんざん弄ばれたばかりで、今も電流となって存在感を主張する、敏感すぎる快楽の芽を。
無情な手が根本から暴き立て、二本の指でつまみ上げ、ねじり潰すように容赦なく擦りたてた。
「ああああぁーっ!!」
堪えきれなかった涙混じりの悲鳴と共に、狭いベッドが大きく軋んだ。
258聖女と忠犬U 8/9−t ◆SvLllFe4/w :2009/08/10(月) 05:05:06 ID:o5mcD8U9
──彼がその少女に対して抱く劣情は、性的な欲求というよりも、餓えや渇きのそれに似ていた。
彼女は、罪に溺れるほどに冷たく凝固していく己の心にふれた、光そのものだったからだ。
かつて彼が仰いだような、薄暮の雲の彼方に閃く稲妻のように苛烈な輝きではない。
そこにだけ春の穏やかな日差しが差し込んでくるかのような、暖かく澄んだ光でもって、少女は彼の魂を闇の底からすくいあげたのである。
心優しくも、自ら運命を切り開く強い意志と勇気を合わせもった娘。
彼女の側にいると、業に染まった己の心にもほのかな灯火が宿る思いがした。
そして、それはこれまで触れたことのない安らぎを彼にもたらすのだった。
──だからもっと、この光が欲しい。お前のぬくもりが、その全てがたまらなく欲しい。
……かくて、渇望は際限のない欲求となって、少女の肌を貪らせる。
「んあぁっ、んはぁああんっ、おく、おくがぁっ」
圧倒的な体格差を補うためという以上に執拗な愛撫を施してなお、少女の未熟な肉体は受け入れさせられたものをきつく拒んで締めつける。
跳ねる細腰を片腕に抱き、痛々しくわななく可憐な乳房にむしゃぶりつきながら他方の手を下腹へと這わせれば、少女はいっそう高く啼く。
「あっ、おなか……おさないでぇっ」
どこもかしこも温かく柔らかで、そして小さくできている彼女にとって、およそ男の陽物を受け入れることは苦痛であるに違いなかった。
……だが切羽詰まった哀願が悲痛の色を帯びるほどに、彼はますます歯止めが利かなくなる己を自覚する。
主であるはずの無垢な娘を腕ずくでねじ伏せ、征服するという行為がもたらす暗い愉悦と充足感は、際限なく男の獣欲をかきたてる。
──お前がこのまま、俺から離れられなくなってしまえばいい。
──その瞳で俺だけを見、その光がずっとこの手の内にあるように。
ひくひくと絶頂の余韻にふるえる内股をさすり、尻肉をわしづかみにしながら秘所に吸い付いている間、彼はそんなことを念じていたのだ。
今もまた。
「おなか……くるしいよ、……メロダークさ、あうぅっくぅ」
充血しきった女芯に指先を触れるだけで鋭く息を呑み硬直する華奢な身体と、そこから引き出される鮮やかな媚態に。
「きゃあぁんっ、いっ、…いぁっ、いあぅッ!」
弱々しいすすり泣きと、か細い喘ぎ混じりの訴えが、次第に意味をなさなくなっていく哀れな様に。
「〜〜〜っ、ぁう、ぅあうぅ……」
やがて澄んだ瞳が泣き濡れたすえ、強いられた快楽に蕩け、虚ろに焦点を失っていくいじらしい姿に。
陽根をこれ以上ないほどに張りつめさせた男は、解放の瞬間に最大の自制心を発揮した。
狭く柔らかな膣口から凶器を引き抜くと、限界まで溜め込んだ情欲を少女の白い肌の上へと撒き散らす。
「…っあ、んぁ……っ、あぁ……」
長らく咥え込まされていたものを一時に引きずり出され、少女はひくんと腰を震わせる。
そしてもはやほとんど意識もない様子で無防備に寝台に仰臥したまま、吐き出された飛沫を全身に受けた。
他方、ぎりぎりで秘肉から引き離された肉棒は、なおも未練げに揺れながら白濁を垂らしていた。
だが、その奥では既に次なる欲求が頭をもたげつつある。
メロダークは胸元まで汚された少女の体を簡単に拭ってやったが、まだまだ飢えを満たす時間を終えるつもりはなかった。
ぐったりした体を抱え上げ、先ほど脇へ退かしていた寝具の塊の上へと改めて降ろす。
……やはり腰を高く突き出させるような体勢で、しかも今度はうつ伏せに。
卑猥な姿勢に気づく思考力も、抵抗する力も残っていないらしい少女は人形の如くされるがまま、寝台に頬を押しつけて浅く吐息していた。
しかし晒け出されたしなやかな背筋を指先で撫であげれば、敏感な体はぴくりと反応する。
──今はまだ性感をそれと認識することさえできないほどに未成熟ではあるが、遠からず見事な羽化を遂げるに違いない。
……休む暇もなく繰り返し頂点に追い詰め、こうして男の味を刷り込みながら隅々までときほぐしていけば……
無論、この手でじっくりとその蕾をほどき、この掌中でのみ花開かせるのだ。決して、他の誰にも渡しはしない。
己の下に伏す小柄な体躯の下に手を差し入れ、彼女自身の重みでつぶされてしまった小振りな胸をやわやわと揉みしだく。
呆気なく手の内に収まり、思うがままに形を変える柔肉は、実際のところ今でも充分に彼を魅了していた。
この白い首筋も、うっすらと色づいてほころび始めたあどけない秘花も……
乱れた髪を梳き分けて、幾度となく口付けた細いうなじに唇を寄せながら、男は欲してやまない娘の名を呼ぶのだった。
259聖女と忠犬U 9/9−t ◆SvLllFe4/w :2009/08/10(月) 05:05:52 ID:o5mcD8U9
教訓、旅籠で破廉恥なことをしてはいけません。
「………………」
翌朝のわたしはろくに口もきけないほど落ち込んでいた。もとい、恥ずかしさのあまり町を出るまで顔をあげることすらできなかった。
朝といっても、例によって太陽はもう傾きかけているのだけれど。
ここまで遅くなった以上、出発は延期すべきだと旅慣れた連れは言ったが、とんでもない。
それほど大きくはないあの町の、住民の大半が既に聞き知っているに違いないのだ。
──結局、敷布と枕を買い取る破目にまでなった、不埒きわまる二人連れの噂を。
「……ううううううっ!!」
頭を抱えて地面に座り込みそうになる自分を必死に奮い立たせ、街道を歩む足をいっそう速める。
市門からはだいぶ離れたとは思うが、爆発しそうなほど血の上った頭と目尻ににじむ涙はまだまだおさまりそうにない。
「マナ。そんなに急ぐと足と靴を傷めるぞ」
「──だっ、だっ、誰のせいだと思ってるんですかぁっ!」
後ろからついてくる人物に腹立たしいほど冷静な指摘をされると、わたしは我ながらめずらしく悲鳴に近い声で旅の道連れにかみついた。
せっかくお風呂に入った体は汗やら唾液やらでどろどろにされたうえ、ろくに肌を出せないほどそこらじゅう赤い痣だらけ。
ずきずき痛む全身が昼過ぎまで起き上がれなかったほど消耗しているのも、まだ違和感の残る腰のあたりがじんじんと重いのも。
いったいぜんたい誰のせいだと──
わたしは握りしめた杖ごと拳をぶるぶるさせながら、大きな歩幅で悠々と追いついてきた男の人を精一杯威嚇する。
が、彼のほうではわたしの怒りになどいっさい無頓着だった。
「疲れたのなら休憩したほうがいい。手頃な座布団も手に入ったからな」
「捨ててくださいそんなものッ」
二人分もの得体の知れない体液にまみれた枕は、そう簡単にきれいになるはずもない。
かといって他に用途もなく、顔から火が出るような切れ切れの記憶がまとわりつく代物を、どうして側に置いておけようか。
「……中に出す訳にいかなかったのだから、仕方あるまい」
「え」
「月のものが始まるまで、ちょうど二週間だろう」
とっさに何を言われているのか理解できず立ち尽くすわたしに、少し屈み込んだ相手の手が伸びてきて、腰帯の下あたりをさすられる。
「っな、」
──なんでそんなこと知ってるのぉっ!!
しかも、わたしが呆然と固まったのをいいことに、服の上から腰をまさぐる手の動きはどんどん増長してお尻の方まで伸びようとしている。
……メロダークさんの、
メロダークさんの、
「ばかああぁーッ!!」
大きく振りかぶった長杖を渾身の力でなぎ払う。
がすっ、と小気味よい音を立て、それは助平な剣士の側頭部に命中した。
「っ!?」
「うわあああん!!」
流石によろめいた彼の腕の中から抜け出し、わたしは全てを振り切るように河畔の街道を駆けだした。
──足腰の弱りきったわたしが、再び立ち直った追っ手にあっさりつかまえられてしまうまで。

 【聖女と忠犬/渇望】了
260名無しさん@ピンキー:2009/08/10(月) 12:24:16 ID:jROyKc3P
メロさんは飼い犬堅気なのか御主人様堅気なのか。
でも神官編で主人公に入れ込んだらホントにこんな感じになりそうで怖い。
色々と子供っぽいマナが可愛いと思いつつ、やっぱそれ犯罪じゃないかメロダークさん。

>『外ではやたらと脱ぎたがるくせに〜』
アレを知っててそこまで好きでいられるマナはいじらしいと思う。というかどう突っ込めばいいのか。
何はさておきGJと言いたい。
261名無しさん@ピンキー:2009/08/10(月) 20:14:40 ID:wjstjweC
GJ!待ってた!
濃厚エロ+ロリ調教おいしいです
262名無しさん@ピンキー:2009/08/10(月) 20:42:19 ID:DIFa4Aa4
GJ!がっつりエロとラブラブさの両立具合がたまらん。
263名無しさん@ピンキー:2009/08/11(火) 00:02:04 ID:hrmxJ2b7
「ちょっと待ちたまえ」
 どうやらこの先には過度のふたなり、嘔吐、排泄、異常嗜好の描写があるようだ。
IDでNG処理を行えば回避できそうだ。
 耐性の欠けている探索者は *** 絶対に *** 読むべきではない!
264名無しさん@ピンキー:2009/08/11(火) 00:02:34 ID:hrmxJ2b7
「やあやあ君か……などと言える身分ではないね、不本意なことに」
 天秤の巫女は椅子を軋ませ、つい、と眼鏡を押し上げて向き直った。美味しそうなおみ
足が、古書の匂いで澱んだ空気を小さく混ぜる。その一瞬で少女の姿は既に戸口になく、
足を組み直すテレージャの傍らに音もなく滑り込んできていた。
「それで我らが愛しき陛下の魔将様が、この不良巫女に何の御用かな?」
 ホルムの姫君に影のように付き従っていた黒髪の少女の身を包むのは、かつての女中服
ではない。フランの伸びやかな肢体を隠す物は、影のような外衣が一枚。それだけだった。
「そんな顔をしないでくれたまえ。愛しの姫君に仕えていられるのだろう?」
永遠にね。最後の一言を飲み込んで、テレージャは促すように小首を傾げて見せる。
「ウェンドリン様が……その。夜伽を……って」
「ふふ、彼女も意地が悪いね。そうやって君の妬心を煽って楽しんでいる」
「大丈夫です……ウェンドリン様は世界に必要な方ですから……あたしが、支えなくちゃ
いけないんです……あたしが……あたしが……!」
 指が白くなるまで外衣の裾を掴み、どんよりと昏い瞳で呟く少女にひらひら手を振って、
テレージャは小さく肩をすくめて立ち上がる。さらに育った、質感たっぷりの二つの膨ら
みが大仰にゆっさり揺れる。
「はいはい御馳走様」
 フランの震える手をとって甲に口付け、テレージャは肌も露わな法衣の上に外衣を羽織
る。彼女の外衣もまた、とても不吉な影の色をしていた。こつ、こつ、と石段に足音が響
いていく。人影は二人分、足音は一人分。
265名無しさん@ピンキー:2009/08/11(火) 00:03:04 ID:hrmxJ2b7
「やっほ、ウェンドリン。催促? お散歩? それとも夜・這・い? ちょーっと待ってて
ね。今すっごいの作ってるんだよ。うん、凄いのをね」
 製図台に張り付くようにペンを走らせていたネルは、跳ね起きるように身を起こす。肩
越しに見やるその瞳には、異様にねっとりとした輝きが宿っていた。お夜食のフルーツサ
ンドを摘むウェンドリンにしなだれかかり、毛先をくるくると指に巻いて唇を重ねる。覇
王と言うには少々たおやかな肢体を抱きすくめられ、ウェンドリンは幼馴染みの腕の中で
くすぐったそうに身をよじる。
「ん、んふ、んぅう……」
 フルーツ味の唇を貪られ、鼻に掛かった嬌声をあげるウェンドリンの脚を割り、ネルは
湿ったシルクの股ぐりをふとももで押し上げる。
「っふ、ぅ、ぅうっ!」
 浅ましく布地を突き上げているそれをきゅっと掴まれて震えるネルの脚を、鍛えられた
ふとももで挟み込み、ウェンドリンは逃れようとする舌に舌を絡めて強く抱き寄せた。離
れがたい肢体の柔らかさに夢中で身体を擦り合わせ、二人は互いの本来はありえないもう
一つの性器を責めたてあう。幾夜となく繰り返された下らないお遊びは、今宵もまたどち
らかが達するまで終わることはない。
「んふぅ、んぅう、んん゙ん゙!」
「ん゙ぃ゙ぃ゙……っ!」
 唇の端から唾液が垂れるのも構わず、美貌の覇王と彼女の幼なじみは絡み合い、悦楽に
だらしなく顔を歪めて上り詰めていく。服の上から掌で先端を執拗に扱かれ、ネルは涙を
こぼしてくぐもった嬌声をあげる。薄手の夜着ごと激しく扱きたてられ、ウェンドリンは
足を震わせ、切れ切れに甘ったるい声を絞り出す。疼く乳首を重ねて擦り付け、何度も鼻
を鳴らすウェンドリンをぎゅっと抱きすくめ、ネルは殊更に音をたてて唾液を吸い上げる。
幾度となく身体を重ねてきた二人には、互いの泣き所は文字通り手に取るようなもの。
「ひふっ! ん゙ぃ゙っ、ぃ゙い゙い゙い゙っ!」
「んふぁ、ひふっ、んふ……ふぅあ……」
 幼なじみの少女の手で達する前に、先に精を吐き出させようと動かす、女伯爵の必死の
責め手も、ネルの手指が夜着の上から這い回り、指先が閃く度に鈍っていく。敏感すぎる
ふたなりの身体を弄くり回され、戦場では無双のウェンドリンも既に立っていることすら
おぼつかなく、思いだしたようにネルのもう一つの性器に指を絡めることしかできなかっ
た。途切れ途切れにひきつったような悲鳴を上げるウェンドリンをふとももに跨らせるよ
う、ネルは足を小刻みに押し上げる。
「ふゔぅうっ! ん゙ぅ゙ぅ! んんんっ!」
 ウェンドリンはぬかるんだ秘唇をネルのむっちりした脚に夢中で擦り付け、浅ましく腰
を振り立てる。その狂態に小さく鼻を鳴らして息を継ぎ、ネルは射精を煽り立てるよう、
ウェンドリンの両性具有の躰を手と足とで追いつめていく。
「ん゙ーっ?! ん゙、ん゙う゛ぅうう!」
尻たぶを撫で回していた指を滑らかなシルクの肌着ごとねじ込まれ、ウェンドリンは鞭打
たれたかのように、全身を震わせて精をぶちまけた。肌が透けるほどの薄い夜着が、大量
の汚濁液で汚されていく。嬌声は強く吸い上げて放さないネルの唇に遮られ、くぐもった
呻き声になるばかり。夜毎弄られ、最近は用を足すだけでも変な気分になってしまうほど
になった不浄の穴をかき回され、ウェンドリンはネルにしがみついたまま、二度、三度と
精を搾り取られていく。
「ゔ、ゔぁ゙あ゙……あ゙……ぇ゙……」
 唇を解放されると、かくん、と首を折って崩れ落ちそうになる身体を強く抱きしめ、満
足げにネルは頬を寄せる。幼なじみの腕の中、虚ろな表情で震える若き覇王は失禁してい
ることにさえ気付かず、ただただ絶頂に耽溺していた。
「あれあれ、またおもらししちゃったの? もう、仕方ないからお姉さんが下着をかえて
あげましょうねー」
 ネルは嬉しそうに頬を緩め、脱力したウェンドリンを手近な椅子に座らせると、役に立
たなくなった下着を引き下ろす。アセラスの葉の絞り汁を含ませた布巾で汚れた秘処を拭
き清め、ネルはにんまりと笑みを深める。
「えっへっへ、おもらしウェンドリンにはネルお姉さん特製の下着をですね」
266名無しさん@ピンキー:2009/08/11(火) 00:03:36 ID:hrmxJ2b7
「ネルさま、お楽しみのところ失礼いたしますね」
 内側に不穏な突起のついた黒革の下着をいそいそと取り出してきたネルは、不自然にに
こやかなフランの声で動きを止めた。
「あらお二人さん、どうしたの?」
「いやいや、私たちもお呼ばれでね。その様子だと、先に始めていたようだけれど」
 紅潮したウェンドリンの頬をひたひたと叩き、テレージャは小さく溜息をついた。虚ろ
な目には何も映っておらず、半開きの唇からは唾液がつぅ、と垂れている。
「あ、じゃあわたしキレハさん呼んでくるね」
 下着?を後ろ手に隠し、ネルは廊下を駆けていく。取り残された二人は顔を見合わせ、
どちらからともなく呟いた。
「逃げたね」
「逃げましたね」
 誇り高き<狼>の裔。今の彼女に誇りなど、既に無かった。狼ですらない、牝犬と言うに
もおこがましい最低の獣。おぞましい粘液にまみれたふたなりのケダモノ。それが今のキ
レハだった。ツンと整っていた顔はよだれと鼻水と涙でぐっちゃぐちゃ、おまけに酷い臭
いのするセルフべとべとでまだらにデコレーションされ、正視に耐えない。
 その生臭い粘液をかき集めると、指の股まで舌を這わせてこそげ取る。噎せ返るような
獣臭が舌から鼻を突き、嘔吐感に濁った呻き声を上げる間も、熱く滾るそれを扱きなぶる
手は止まらない。
「っぐ、ぅ゙ぐ、ぐぶっ、お゙……ぶ……」
胸から腹からこみ上げる熱くおぞましい塊が一瞬で口腔を満たした。半ば白目を剥いて胃
袋の中身を逆流させ、娘は浅黒い肌に汚濁液をぶちまける。
「げぶぉ゙っ、お゙ごっ、ぇ゙お゙お゙っ、お゙、あ゙……」
形の良い乳房にでろりと広がった、生黄色い粘液。半ばゲル状の得体の知れない塊を半狂
乱で寄せ集める間も、反り返り、狂おしく疼くそれは昂っていく。背筋を貫く刺激にキレ
ハは寝台に足を突っ張って腰を突き上げる。身も心も腐らせる混沌の悦楽が腰の奥で爆ぜ、
腹に、乳房に、顔に、髪に飛び散った。大股開きで突き上げた尻を揺すって潮まで吹きな
がら、哀れな混沌の娘は吐き戻した胃袋の中身と全く同じ物で、その美しい肢体を汚して
いく。
「ゔぐぅ゙っ、あ゙っ、はっ、ひっ!」
 足指でしわくちゃのシーツをつまみ、泡を噴いて金切り声を上げ、常軌を逸した量の精
液を絞りきってキレハは果てる。恥も外聞もなく放り出されて痙攣する脚の奥、濡れそ
ぼった秘処を震わせ、シーツに地図が描かれていく。
 大河のほとりの小さな街、伯爵邸の奥深くに彼女の姿はあった。髪は乱れ放題に乱れ、
手足は半ばから毛皮に覆われた異形の獣となり果て、三角の獣耳は引きつるように震えて
いる。そして一際目立つのはその陰部に反り返る赤黒い肉柱。混沌の血脈が造り出した、
手っ取り早い力のはけ口である。
「わふっ、わぅっ、がふっがふっ」
 自らの吐き散らした精液をかき集めては口に詰め込み、異臭にえずきながら飲み下した
キレハは断末魔の獣のように切れ切れに息を継いでいた。狂熱に冒されていた脳がゆっく
りと冷えていく。
「……また……私、どうなっちゃったのかしら……」
「入るよー。キレハさん、ちょーっとイイかしら」
「ネル?」
 ぼんやりと顔を上げたキレハににっこり微笑みかけ、ネルは寝台に腰を下ろす。乱れ放
題の黒髪に手櫛を通され、キレハは静かに目を閉じる。軽く鼻を動かしても、ネルの匂い
もわからない。獣の精液の匂いと、発情した牝の匂いしかわからなかった。
「ウェンドリンが遊ぼ、って。キレハさんも来るよね」
「ええ、行くわ」
 ひらり、としなやかな獣のような身のこなしで寝台から飛び降りたキレハは慌てて立ち
上がった。人は四つ足で歩く物ではない。ぱたぱたと手を払って背を反らし、つーん、と
鼻を鳴らしてみせる。
 いつか、完全に<狼>になってしまうのかしら。その時は、ウェンドリンが首輪でも付け
てくれるといいのだけど。
「……なによ、その顔は」
「べつにー?」
 にやにや笑いのネルを後に、キレハはひたひたと廊下の先に消えていった。
267名無しさん@ピンキー:2009/08/11(火) 00:03:56 ID:3ePI4INU
「また胸が育ったんじゃないかな? それでいて、戦働きは鈍ることはない。ほら、もう
母乳が漏れてきた。孕んでもいないというのに、君の身体は実に欲深いね」
「そ、んな、こと、なぃ……」
 背中に柔らかな乳房を押しあて、テレージャはウェンドリンの乳房をすくい上げるよう
に弄び、乳首をこねくりまわす。耳に唇を触れさせ、囁きながら指の腹で敏感すぎるそこ
を押し潰すと、滲み出る乳白色の粘液が手指を濡らしていく。
「いやいや。例えば彼女。フラン君、ちょっと来てくれたまえ」
「ふぇあ……?」
 ぼんやりと忠実な女中を見つめるウェンドリンの前で、四つん這いでのたのた這い寄る
フランの尻に、母乳でぬめるテレージャの指が潜り込む。
「ふぎぃぃいっ?! テレ、ジャ、さっ、まっあっ!?」
「ご覧の通り、彼女はここが実に敏感だね。まあ、君がいろいろしてあげたおかげで、今
や立派な尻穴狂いだけれど、それはまあおいておいて」
 連日連夜の調教ですっかり緩みきったそこを指を捻って押し広げ、テレージャは婉然と
微笑んだ。三本、四本、指に絡みつく粘膜を擦りながら、手を窄めて親指まであてがう。
「違い、まひゅぁあっ、あたひ、ひああっ! そん、な……じゃぁ、あへぇええっ!」
 形ばかりの否定も半ば、ぐぶり、と細い手が手首まで沈み込むと、フランは半ば白目を
剥いて濁りきった嬌声をあげ始めた。開発され尽くした排泄器官を抉られ、口をつく言葉
が半ばから意味もない音の羅列に成り下がっていく。正視に耐えないほどのアヘ顔で啼き
叫ぶその姿は、慎まやかなかつての彼女からは想像もできないほど。両手が白くなるほど
シーツを握りしめ、細い身体を弓なりに反らせるフランの秘唇はしとどに汁を吐きこぼし、
秘術で生やされたもう一つの性器はテレージャが手指を動かす度に大きく脈打ち、寝台に
生黄色いべとべとを撒き散らしていく。
「んぉ゙ぁあああっ! を゙お゙ぉぉっ、おほぁおぉおっ!」
 手首を捻りながら拳を引き抜かれ、フランは泡を噴いて寝台に突っ伏した。牝の性器は
盛大に汁を漏らしながら勢いよく失禁し、牡の性器は薄い腹に張り付くほど反り返ったま
ま射精を繰り返す。拡がりきって戻らない尻穴から奔流のように汚泥を溢れさせ、しなや
かな肢体はだらしなく投げ出されて痙攣している。
 これが、あのフランだなんて。忠実な女中である彼女の魂を縛り上げ、それでも足りず
に肉体をふたなりへと改造し、狂うまで調教したのは自分だというのに。ウェンドリンは
見る影もなく変わり果てた少女の狂態から目を離すことができなかった。
「そして君の身体は彼女と同様に後ろが敏感で、なおかつ」
 不意に、汚れた指先がウェンドリンの後ろのすぼまりを穿った。反射的に喰い締める尻
穴に、テレージャの魔手を拒む力はない。緩い抵抗を指の腹で押し広げながら、テレージ
ャはウェンドリンの耳に歯を立てる。滑らかな粘膜を探られ、ウェンドリンは甘やかな嬌
声を漏らす。毎夜の奉仕を受ける内に、いつしか彼女のそこは排泄のための器官だけでは
なく、肉欲を貪る場所へと成り下がっていた。尼僧院で数多の乙女たちを堕としてきた魔
性の指が閃く度に脳が灼けるような刺激が背筋を駆け上がり、狂おしく疼く男女両方の性
器は熱い汁を吐きこぼす。
「私の知る限りでも、君のここは驚異的に敏感で」
 逆の手指で濡れそぼった秘処の奥、上の方を擦られると、女伯爵は巫女の腕の中で大き
く跳ねた。女性であり、男性でもあり、それでいて両方の肉欲を併せ持つ浅ましい身体。
かつてのウェンドリンはその身体を呪い、戦士として生きることを求めていた。四つの秘
石を揃え、墓所の帝王を討ち果たし、闇をはねのけた今でさえも、彼女に情欲に抗う術は
身に付くことはなかった。それどころか、夜毎繰り返される行為の果てに、恵まれた資質
は完全に開花してさえいた。
 両手で口を押さえ、獣以下の嬌声を堪えるウェンドリンの抵抗も、秘部をなぶられ、尻
穴の奥をかき回され、絶頂に押し上げられては何の意味もなかった。深々と押し込まれ、
奥で蠢く手指を粘つく汁で濡らし、身をよじってだだ漏れの母乳を振りまき、勢いよく精
を噴き上げる。涙と鼻水で両手をべとべとにして狂おしげな嬌声を押さえつけるたびに、
絶頂に打ち震えるフランの黒髪が、ウェンドリンの吐き出した生臭い大量の精液で汚され
ていく。
「その上、直接触れなくても射精が止まらないし、母乳も垂れ流し。君が用意された子、
というのもよくわかるよ。これほどまでに貪欲な身体は、文字通りに何千年に一人だろう
ね。でも……」
268名無しさん@ピンキー:2009/08/11(火) 00:04:23 ID:hrmxJ2b7
 唇を噛んで顔を伏せるウェンドリンの耳朶を甘噛みし、強く乳首を摘みながら、テレー
ジャはそっと囁いた。
「私は、君だからこそ……」
「……ウェンドリン様ぁ……あたひ……ずっと、一緒に……」
 虚ろな目をして身を起こし、フランは白い腹に張り付くように反り返り、濁った精液に
まみれた陽根を陶然と唇を寄せた。ぬめる舌が、生暖かい口腔が、ウェンドリンを責め立
てていく。ぢゅばぢゅばと粘つく水音をたて腰が震えるほど吸われ、女伯爵は身をよじっ
て悲鳴を迸らせる。
「今、そ、んなこと……言っ、ぁあっ! 嫌、いっ、やぁ、出ちゃ、あ゙ぁあ!」
「構わないから存分に出したまえ。ふふ、嫌がるのもいつも通り口先だけだろう?」
テレージャが羞恥に耳まで赤く染めるウェンドリンの乳首を捻り潰し、おしりをこねく
り回す指を一気に引き抜いて黙らせると、フランも咥えたそれを唇で締めつけて吸い上げ、
同時にぬかるんだ秘裂の奥を深々と指でえぐる。
「ぁ゙あ、あ゙っ、ぉ゙あ゙、あ゙、ぁあえぁあああっ!」
 とろけきった性器を同時に責め立てられ、喉を晒すように豊かな肢体を弓なりに反らせ
てウェンドリンは達した。止まらない母乳を噴水のように撒き散らしながら、絶頂に緩ん
だ尻穴から、野太い汚物がシーツにのたくり出ていく。排泄の快楽にまで責めたてられ、
途切れない絶頂に浅ましい陽根は激しく脈打ち、忠実な女中の口に大量の精を注ぎ込む。
「っぐ、ぅぶ、ぐぶっ、ふぐぅっ!」
 獣じみた臭気の精液に喉を打たれ、フランはくぐもった呻き声を上げる。えづきながら
も奉仕の手を止めず、情欲に歪んだ顔は異様な量の粘液で塗りつぶされていく。垂れ落ち
さえしない黄ばんだ粘液で覆われた顔は、造形もわからないほど。
 もはやウェンドリンの身体に、一箇所たりとも自由になる部位はない。視界は白く霞み、
口からは意味を成さない白痴じみた嬌声が溢れるばかり。後ろから家畜のように乳を搾ら
れ、噴き出す母乳が気持ちよくて息もできない。思う様に槍を操り、戦場を駆ける事ので
きる手足は指一本にさえ力が入らず、両方の性器を弄ばれるとばね仕掛けの人形のように
腰だけが跳ね上がるばかり。滾る精を吐き出そうと息むと、同時に汚物を音を立てて押し
出してしまう。絶頂に意識を塗りつぶされたウェンドリンには、垂れ流される物を何一つ
止めることもできない。二人の魔将に弄ばれるまま、法悦を極めて啼き叫ぶだけ。
 うら若き覇王は完全に白目を剥き、尿を飛沫かせながら、腹心であり、親友でもある巫
女の腕の中でのたうち回る。最後に母乳を垂れ流す乳房に吐瀉物をぶちまけて、聞くに耐
えない排泄音と魂消える嬌声の無様な不協和音を奏で終え、ウェンドリンはぐったりと崩
れ落ちた。
「もが、卑ひぃ、女中に……ご馳走ぉ、はぐ、んごぉっ、ぉぶ……っぐぶぇ゙ぉ゙……」
 シーツに放り出された汚物に食らいつくフランの目に、既に正気の色はない。人間の口
にする物ではない物を貪り喰らって絶頂し、シーツに大量の精液をぶちまける。性器とし
て作り替えられた尻穴から、口に詰め込んでいる物と同じ物を垂れ流しているが、壊れた
少女にはそれさえもキモチイイ事でしかなかった。
 咳き込みながら嘔吐を繰り返す肉感的な肢体を優しく抱きしめ、天秤の巫女は大きく溜
息をついた。
「どうしてこんなことになってしまったんだろう」
「おやおやー、テレージャ女史がそれを仰いますかー?」
にやにや笑いを強め、ネルはテレージャの隣りに腰掛ける。
「違いない」
 形はどうあれ、彼女たちは皆ウェンドリンに惹かれていた。ホルムの民を守るために戦
火に身を投じたウェンドリンの誘いにも乗った。乗ってしまった。そして求められるまま
に魔将となり、縛られた魂の僅かな歪みも時と共に肥大化し、いつしか彼女たちを飲み込
んでいった。フランの忠誠は盲信へ。ネルの独占欲は妄執へ。テレージャの好奇心は色欲
へ。キレハの親愛は獣欲へ。
「ところでネル君、その器具をどうするつもりかな……ちょっと待ちたまえ、本当に待ち
たまえ、いい子だからやめぇ゙ぁ゙あ゙あ゙あ゙?! ぁ゙があ゙あ゙あ゙あ゙!」
「あっはははは、すっごいびゅーびゅーでてるよ! テレージャさんひどい顔〜」
 全身を痙攣させて母乳と精液を撒き散らすテレージャの傍らで、半狂乱のフランとキレ
ハがウェンドリンに前後から腰を打ちつける。
「ぃ゙ぎぃ゙ぃ゙い゙ッ! 死ぬ゙っ!? ひぬ゙ぅぅぅ!」
「……死ねるわけないよ」
 ぽつりと呟いたネルの言葉は、誰の耳にも届くことなく闇へと溶けて消えた。
269名無しさん@ピンキー:2009/08/11(火) 00:05:47 ID:hrmxJ2b7
強制バッドエンド後の覇王ウェンドリンらぶらぶちゅっちゅふたなりハーレムでした。
やりたい放題すぎて少々頭が残念なことになっていますが、ご容赦の程を。

Q.あんな物食べてたら死ぬ
A.創作上のふたなりさんはファンタジーです
Q.出しすぎ
A.ウェンドリンがアルケアっぽい魔術で無理矢理生やした魔法の産物ですから
Q.ぼにゅーが出てますが妊婦ですか
A.HENTAIだから普通に出ます
270名無しさん@ピンキー:2009/08/11(火) 00:24:52 ID:G42iVAiz
おおぅ・・・GJだがこいつはハードだ・・・あんまり耐性ないのにがっつり読んじゃったぜ
しかし覇王相手だろうがネルとテレ子は攻めなんだな、流石だ
271名無しさん@ピンキー:2009/08/11(火) 00:27:03 ID:3IY+CEb5
素晴らしい
素晴らしい
ふたなり+AF+ハーレムでドストライクだわ
272名無しさん@ピンキー:2009/08/11(火) 18:33:41 ID:an4EQrby
GJ!実はふたなり苦手なんだがこれは引き込まれた。
273名無しさん@ピンキー:2009/08/12(水) 02:19:00 ID:l4pxXp6+
>>250
gj!毎回gj!
マナよかったな、こっちのルートでは陰毛無事で…
次も楽しみに待ってます!
27415 ◆E9zKH0kZMc :2009/08/13(木) 21:03:35 ID:HZVgFPsy
健全?全年齢向けで3600文字ほどです。お気に召さない方はトリであぼんをお願いします。

※相変わらずフィーです。このルートでクリアするまで続くと思います。すいません
27515 ◆E9zKH0kZMc :2009/08/13(木) 21:04:20 ID:HZVgFPsy
少女は雪山の出来事を語る。あの辺りでは確かパリスによれば、遭難しかけて大変だったと言うが。
「それでね、おっきな声で歌ったら、なだれになったんだよー。アルソン君てすごい魔法使えるの」
「ふぁふぁふぁ、ふひひふふぉふぃっふぁるなと・・・言っている」
肩車しろとしつこくせがまれ、ちょこまかされるよりはと応じたが、ばたばたと足を跳ねながら唇を引っ
張られるのでは流石に支障がある。むんずと腕を掴まえて引き剥がしても大人しくなったのは一瞬で、今
度は髪の毛を編み始めた。
「もう降りろ」
「エンダはへい気だぞ」
「私が平気ではない」
「わっ」
遅れて歩いていた娘が尻に顔を突っ込んできた。レンガに蹴躓いたようだ。
「びっくりしたー」
「暗いから、ゆっくり歩くといい」
ランプを持ち替えて手を引いてやる。これでは子守ではないか・・・。郊外の洞窟に潜っている。幾らか不
用意だったが出入り口も無いのでひたすら歩き続けている。何故か時たま象に出くわすのだから、何処か
相当程度の食料と逃げ道くらいはあるだろう。・・・そう言い続けて数日が経った訳だが。癪にさわるし髪
が痛いので肩から下ろしたエンダは、手からランプをひったくって走り出した。
「また壊されるな・・・」
こんな事もあろうかと予備を用意した。そう言ったのが初日だ。振り回している内に油を零して燃やして
しまい、ついには振り向きざま岩で叩き割ってグラスが粉々にされた。風防だけ入れ替えたが、その日の
内に二つ駄目にした。今鷲掴みにされて頼りなく足元を照らす一つが手持ちの最後となる。
「メロダークさぁん、これあけてー」
「やれと言うなら、やろう」
鉄の箱を壊して中身を取り出してやる。子供が二人で大はしゃぎだ。私は一体どうしたらいいのだろう。
神命を果たすためと信じて働き続けてきた、この街に来たのもそのためだ。神託と予言が指示す子供を捜
索捕獲、帝国の再来を食い止める。だからこそ影に日向に賢者の娘に寄り添っていたが、次第に疑念が募
ったのも事実だ。こんな無力で幼い子供に何ができるというのだろう。軍を誘導して町を襲わせた。結果、
彼女の保護者は死に、私は離反してここにいる。何ができるというのか。この俺に。繰り返し自問したが
神が答えてくれることは無い。父親を見上げるようにこんな自分を慕っている、何より旨そうに手料理を
食べて喜んでくれるこの子供達を、ただ守ってやりたい。今はそれだけしかない。罪滅ぼしになどなり得
ないだろうけれど、せめて彼らの弾除けに位、・・・なれるものならば。
27615 ◆E9zKH0kZMc :2009/08/13(木) 21:05:03 ID:HZVgFPsy
「水が湧いているな。・・・うむ、飲んでも安全だ。お前達も飲むと良い」
「はい、エンダちゃん。コップだよう」
「いやだ。エンダはおよぐ」
その場で衣を脱ぎ散らかして飛び込んだ。もともと水竜だったのだろうか?
「エンダちゃんは泳ぐの上手だねー」
フィーはのんびり拾い集めて畳んでいる。・・・思ったよりも時間が長い。
「深いのかな・・・?」
「・・・さあな」
灯りを掲げて覗き込んだが影も形もない。と言ってあれがクラーケンの一匹程度にやられるとも思えない。
「待っていれば良い。心配ない」

「遅いねー」
確かに、幾ら竜でも息継ぎ位・・・飛び込む準備を始めた所で水面が波立ち青緑の光が挿してきた。フィーを
後ろに立たせて身構えていると、首根っこを掴まえられたエンダと妖精が姿を現した。むっつりしている。
「フィー、エンダつかまっちゃったぞ」
「あなたが落としたエンダはどのエンダです?」

ニア焦げた石を食べるエンダ
 虫を食べるエンダ
 着替えを覗くエンダ

怒っている。三人がかりで謝って許してもらった。俺は一体何をしているのか・・・。「きちんとあやまれた
ごほうび」に粗大ごみのようなものを押し付けられた。仕方ないので持ち帰る。
「まてまてまてー」
「きゃははははははは!」
「まてまてまてまてー」
「きゃははははははははは!」
タオルとエンダが追いかけっこしている。楽しげなので放っておいたがフィーがすっ転んだので止める。
ごしごしと頭を拭くとエンダは不満げな声を挙げたが、菓子で機嫌を直して再出発だ。出口は何処だろう。
27715 ◆E9zKH0kZMc :2009/08/13(木) 21:05:46 ID:HZVgFPsy
やがて水辺に出くわした。灯りを照らしてみると相当な広がりがあり、地下水が流れ込んでいる。
「夕ご飯はお魚にしようね!」
「ういうい」
酒場で見かける隻腕の老人に仕込まれたようだ。並んで釣り糸を垂れてみる。あの人物ひょうひょうとし
て掴み所がないが、どうも只者ではない。幾度か同行して確信に変っていた。この娘の周辺には妙な人脈
があるようだ。ただのコソ泥かチンピラと思っていた少年も意外に腕が立つし、腕相撲で梃子摺らされた
怪力の鍛冶屋に至っては言葉も無い。あの遊牧民も呪われた血の持ち主と言うが、最大の問題は、あの躾
の悪い妖術師だ。保護者感覚で最も近づけたくない。馬鹿な真似をすれば唯じゃおかない。絶対にだ。む
かっ腹が立ってグリップをぐいぐい握り締めていると、息を殺したエンダがささやいた。
「フィー!うごいてる」
「引いてるねー」
網を取って待ち構える。ついついと糸が引かれて、ここで焦ってはいけない・・・しかしこの娘は生来の暢
気さの為か、焦ってばれるということがない。さあ、泳がせて疲れたところで、疲れた・・・と・・・え?

「・・・・・・魚じゃなーい!」

「フィーを離すな!引きずり込まれるぞ引っ張れ!」
「これイドだー、ぐえー」
「しっかりしろ!直ぐ助ける!」
「たこやきが食いたい」
「これイカだよぉー」
何を言っているのか。斬りつけてゲソを切断して体から引き剥がすと、子供を抱き上げて態勢を立て直す。
バリバリと竜人の吐き出すプラズマが水面を襲ってイドが身もだえ、こちらも感電しかけて逃げ出した。
気軽にしたクシャミで電撃を食らう。なんでこうなるのか。適当に作った機械爆弾が転がり落ちたせいで
飛び散って偉い事になった。こんな穴倉に巨体を維持できる食料があるのだろうか。途方にくれていると、
袖をつかまれて夕食のメニューにリクエストを受けた。
「イカ飯?・・・いいだろう」
腕が鳴る。火薬臭いが何とかなるだろう。フィーは妖精料理入門を開いてあれこれ計量を始めた。
「いけない、勘だ、勘で料理しろ。火加減、匙加減を計器に頼ってはいけない。己の感覚を信じるのだ!」
「だから失ぱいするんだろ」
「あそうか・・・いや、そんな事はない。もし戦争で満足に道具が揃えられなくなった時に備えてだ」
「ならエンダは生でくう」
竜人が俺を虐める。フィーが酷く苦労しているので一緒にイカゲソを切り分けた。最終的には幾らか焦が
したが、これはこれでいけるだろう。その筈だ。適当に盛り付けてやり、焚き火を囲んで座らせる。最近
はエンダも手掴みしなくなった。誉めてやろう。真、アダ殿の苦労がしのばれる。
27815 ◆E9zKH0kZMc :2009/08/13(木) 21:06:29 ID:HZVgFPsy
「これかたいぞ」
「うん、固いねー」
「・・・硬いか」
「みんなで食べるとおいしいよぉ」
「そうか」
幸せだ。
「たべないならエンダがたべてやろうか?」
「駄目だ」
やるせない。彼女が一人で食事せざるを得なくなったは私が手引きした為なのだ。そう明かすべきだろう
か。くよくよしながら後片付けをし、落ちてきた天井を受け止め、瓦礫を持ち上げ、岩を転がした。出口
がない。壁にはさまれたり地崩れで滑り落ちたり、穴に転がり落ちたエンダを掴まえて死に掛ごわっ
「メロダークさんどうしたの?大丈夫?」
目を丸くして、涙目になった自分を見上げている。
「心配ない。かすっただけだ」
・・・勘のいい者を連れて来れば良かった。兜がへこんでしまった。
「フィー、キャンプしよう。メロダークもこっち来い」
先を進んでいた竜人が休息できそうな場所を見つけてきた。子供のようでいて生存本能が優れている。わ
いわいと荷物を積んで寝床を作り、毛布をかけて寝かしつけた。すぐにへそを出すのだが。焚き火を見つ
めていると、とりとめのない記憶が蘇ってくる。なんで淡水にイカが住んでいるんだろう・・・どうしてたま
に普通に人が住んでいるんだろう・・・金色猫ってどれだけ支店を持ってるんだ・・・てか猫かあれ、猫か?
「すまない、考え事をしていた。どうした?」
腕を引っ張られて駆けて行くと、エンダが肩まで人面レリーフに飲み込まれて、両脚片手で踏ん張って腕
を引き抜こうとしていた。胴に腕をまわして加勢する。さらに壁に足をかけてみたがびくともしない。
「息を合わせろ!」
「おーえす、おーえす」
「ふんぬう!」
フィーは私のマントを掴んで後ろ向きに踏ん張っている。首が締まるのだが。どさくさに火を吐くんじゃ
ない。髭が少し焦げた。引っこ抜いた瞬間、何故か穴から鶴嘴が出てきて死にかける。どういう状況でこ
ういうものが口に入るのだろう。もしかして、私は命を狙われているのだろうか?
「どうした、おなかいたいのか?」
「なんともない。それにしても・・・暑い場所だな。鎧の下が汗だくだ・・・おもいきり」
「これ、肉焼こう!肉!」
「さっきのイカ焼いてみよっか!」
「たこ焼きたこ焼き!」

・・・かまってほしいの。
27915 ◆E9zKH0kZMc :2009/08/13(木) 21:08:48 ID:HZVgFPsy
以上です。お騒がせいたしました
ネタの確認で歩き回ってたら精神銃拾った!!1
今日一番のトピックです
280名無しさん@ピンキー:2009/08/13(木) 21:28:59 ID:j5Hpy0oE
おつおつ&精神銃おめ
最近は陰気なメロダークばっかりだったから何か新鮮
しかしなんだこの可愛い天然コンビは
281名無しさん@ピンキー:2009/08/13(木) 23:07:07 ID:N2Vp5T1u
だめだこりゃw
これがアルソンなら素で半年くらいたってそうだw

しかし、マナも万が一こんな性格だったらアダばあさん死ぬネw
28215 ◆E9zKH0kZMc :2009/08/13(木) 23:44:14 ID:HZVgFPsy
>>280
私の本文だと戦場では〜を盾に2度もフィーの自宅を燃やしたでかいおっさん

今まで書いたものも割合脱げてるのに、なんかちっとも色気が出ない。もう駄目だ
283名無しさん@ピンキー:2009/08/14(金) 00:52:06 ID:XRAErSYT
えっちですよ。エロスというより健康的な感じのお色気w
まあ、それをほのぼのが上回ってパリス兄さんみたいな気分になりますがww
284名無しさん@ピンキー:2009/08/14(金) 00:59:31 ID:HB+Sag6y
>282
GJ!
象笑った
皆かわゆすのうw
285名無しさん@ピンキー:2009/08/14(金) 04:44:04 ID:e6Y7cP2D
キレハ口上って誰か移植していないのかしら?
ちょっと探してもなかったから、自分で移植して動作確認中なんだけど……30分もかかって、既にあったら嫌だな
286名無しさん@ピンキー:2009/08/14(金) 13:08:00 ID:ToRzh3vZ
>キレハ口上
正座して待ってます
287名無しさん@ピンキー:2009/08/14(金) 14:25:55 ID:vifKOENn
何から何に移植するのかわからんけどキレハと聞いたら畏まって待機せざるをえない
288名無しさん@ピンキー:2009/08/14(金) 14:34:29 ID:e6Y7cP2D
>移植
eraRuinaの最新版に対応させるって意味で
誤解を招くね、うん
ロダに上がってるのがキレハとフランだから、とりあえず中を見て直してる

とりあえず動いてるけど、産卵イベントのところが気になる
あと、フランの口上が処女付きになったのでちょっと面倒な事に
と、この話題はeraスレの方がいいのかしら?
28915 ◆E9zKH0kZMc :2009/08/14(金) 15:55:09 ID:/tcZlm76
今日は閑だったので、歩行グラがあったらなあという想像です
ttp://loda.jp/alaskawarehouse/?id=38.png
290名無しさん@ピンキー:2009/08/14(金) 16:07:48 ID:z1wM0CG7
ElonaのNPCっぽいかも
291名無しさん@ピンキー:2009/08/14(金) 21:44:02 ID:lSP9d25T
>>289
うおすげ
エンダがちゃんと小さいんだなw
292名無しさん@ピンキー:2009/08/15(土) 17:06:32 ID:G64+1ybt
>288
フラン口上は折角なので書き直しているところ。
V経験なしで処女なしってやっぱ変だし。
膜のありなしを表すにしろ、調教後セックスで初めて捧げちゃったりするのはなあ。
精液経験もないから、多分座学や練習程度のもんなんだろうなあとか。

非処女のフランの方がいいという人はいるのだろうか。
293名無しさん@ピンキー:2009/08/15(土) 17:16:40 ID:aQw94zB+
処女がいいです。選択式でもいいがw

処女じゃないのに…のところは里の姐さんや婆さまに
ハリガタかなんかで練習させられたのだと思ってた。
キャシアスならともかくヴェンドリンは聞いたら嫉妬しそうだな〜と妄想をね
294名無しさん@ピンキー:2009/08/15(土) 17:35:48 ID:VHV9kvZB
>>292
書き直し中とのこと、了解です。

コミケにもいけないので最新版のeraRuinaにあわせて古いものを移植してたのですが、作者さんがいらっしゃるのでしたら勇み足でしたね。

待ちきれなくて自分でeratohoA ver1.110対応にしてみたりとか、どこまで暇してるんだろう……
295名無しさん@ピンキー:2009/08/15(土) 17:41:14 ID:G64+1ybt
>294
乙様。
東方サイドとかも口上は別人がガンガン弄ったりしてるし、あまり気にせず欲望の趣くままやってみないか。
ver1.110対応はまだやってなかったので有り難いなあ。
296名無しさん@ピンキー:2009/08/15(土) 17:45:48 ID:G64+1ybt
途中でレスしてしまった。連投うざくて失礼。

>293
選択式で非処女というのも面白いなあ。
ハリガタ(バイブ)でもV経験はつくはずなんで、素直に処女にしてみた次第。
……嫉妬するウェンドリン、いいなあ。
297名無しさん@ピンキー:2009/08/15(土) 18:05:42 ID:VHV9kvZB
>>295
http://loda.jp/youseisan/?id=2111
http://loda.jp/youseisan/?id=2112

せっかくなので上げてみました。お役に立てば幸いです。
298名無しさん@ピンキー:2009/08/15(土) 18:26:16 ID:G64+1ybt
>297
連投で失礼。
お疲れ様ー。
けれども、ERBファイルのキャラ名表示以外の部分の更新には対応してないようなので、
そこら辺も本家に合わせてうpっておきます。

あと暫く前のバージョンから、ゲーム開始時の主人公選択をうっかりなくしてしまったようで、
これは完全にこちらのミスで申し訳なし。
気付くの大分遅くなっちまったい。
299名無しさん@ピンキー:2009/08/16(日) 01:08:37 ID:TxDbS57Y
ttp://loda.jp/youseisan/?id=2114

本家1.110準拠、改訂版をあげてみた。
版上げ作業をする時はERBファイルを更新日順で表示すると、本家さんがどこを更新したのか分かり易くて楽。
あと、遅ればせながら公衆便所プレイをRuina風表記にしました。
300名無しさん@ピンキー:2009/08/16(日) 02:03:32 ID:YWc2WtgX
>>298-299
乙です。
おかしいな、一通り更新したのをあげて置いたはずなんですけれど……
WinMerge使ってマージしたので漏れはないはずです。お奨めです、WinMerge。

で、早速diffを取ってみたら、差異は公衆便所の部分とSYSTEM.ERBの主人公選択とMONEYの値くらいでした。
その際に気づいたんですけれど、アリス関連のコメントアウトが外れてしまってます。
# 必要ないのかな?
301名無しさん@ピンキー:2009/08/16(日) 02:09:59 ID:YWc2WtgX
>その際に気づいたんですけれど、アリス関連のコメントアウトが外れてしまってます。
># 必要ないのかな?
逆だ、自分のが外れてしまってたんだ。
失礼しました。
302名無しさん@ピンキー:2009/08/16(日) 09:44:08 ID:TxDbS57Y
>300
ありゃ、失礼。ざっとチェックしたら確かに更新されてた。
そのツールを知らないんで、エクスプローラで出る更新日時で判断してしまってたわ。
303名無しさん@ピンキー:2009/08/17(月) 10:58:52 ID:uSKnI5i7
エクストラモードで、主人公の設定が出来ないのは使用かしら?
304名無しさん@ピンキー:2009/08/17(月) 20:33:21 ID:tGT3czOL
>303
御免、素で見落としてた
あとで直してオキマス
305名無しさん@ピンキー:2009/08/17(月) 21:54:37 ID:RUMm0IYx
乙です。ありがたくいただいてます。

ところで、今古代都市の辺りをプレイしてたんだが
「半裸の女が客引きしているいかがわしい店」って、
どのくらいまでサービスしてくれるんだろうか。
そして、女主人公やパーティメンバーの女の子は
男メンバーがそこに行くことを許してくれるんだろうか。
306名無しさん@ピンキー:2009/08/17(月) 22:46:33 ID:tGT3czOL
ttp://loda.jp/youseisan/?id=2125

エクストラで主人公を使ったり、調教できるようにしてみた
EVENT_SとSHOP2で少々強引な処理をしています
主人公ズのキャラ番号を動かしたのでそこ周りの処理も調整 見逃しがあるかも 気付いたら教えてくれると有り難い

ttp://loda.jp/youseisan/?id=2126
それに伴ってキャラ番号を使った処理をしてたフラン口上も更新
中身は前と同じなのでまだ処女口上には対応してないデス

>305
ドキドキしながら入ったら出くわしたのがアレだった罠
307名無しさん@ピンキー:2009/08/17(月) 23:03:12 ID:tGT3czOL
ttp://loda.jp/youseisan/?id=2127

ちょっとポカミスをみっけたので上げ直し
大きな支障はないので、既に落としてくれた方はそのままでもいいかも
308名無しさん@ピンキー:2009/08/17(月) 23:26:51 ID:NPPdA39w
>>306
GJ!ついに念願の女主人公調教が実装!!
309名無しさん@ピンキー:2009/08/17(月) 23:38:36 ID:6D8YBjNe
>>307
乙!
ところでキレハを調教中のセーブデータが混ざってるんだが
310名無しさん@ピンキー:2009/08/17(月) 23:44:17 ID:HcAuyaqT
乙です。
マニュアルの顔4フィーに惚れてプレイはじめたんで感動もひとしお。
テレ子さんやユリア様で女主人公たちを責めたり、
同じ生まれの男女で禁断の兄妹愛に走ったり楽しすぎる。

>>305
ウェンドリン「ああいう店に興味がおありなの?不潔ですわね。……いいわ、勝手になさい」
アイリ「オトコなら興味あって当たり前よね。だったら、どうせならここじゃなくてうちにお金落としてよ
なんならサービスするわよ?」
マナ「…何も言うことはありません。不潔ですね」
フィー「やっぱり、男の人って……ああいうのに、き、興味ありますよね……わ、わかりました。
じゃあ一人銀貨一枚までなら、い、いいです……無駄遣いしちゃダメですよ?!」

前スレにあったお風呂の話を思い出して。
311名無しさん@ピンキー:2009/08/18(火) 00:12:16 ID:9c40yyEN
>>305

キレハ→絶対に許さない
フラン→キャシアスなら止める。他なら無関心。
エンダ→わかって無いのでついてくる。
ネルテレ→ノリノリ
312名無しさん@ピンキー:2009/08/18(火) 02:23:21 ID:6QgDTpUr
一番活気がある東方にもフランって名前がいるから
ロダに上げるときはコメントの最初にeraRuinaってつけたほうが良いと思うんだ
313名無しさん@ピンキー:2009/08/18(火) 02:43:31 ID:rbartimO
>309
あ゛

>312
……最近向こうやってなかったんで失念してた
妙にDL多いなーと思ったらそういうことか
ややっこしいから上げ直そうか
314名無しさん@ピンキー:2009/08/18(火) 02:50:02 ID:rbartimO
>本体
ttp://loda.jp/youseisan/?id=2129

>フラン口上新版対応
ttp://loda.jp/youseisan/?id=2130

……口上はコメント編集すればいいんだと削除してから気付いた
このところ喋りっぱなしだったので、後は暫く名無しに紛れる
レス消費して済まん
315名無しさん@ピンキー:2009/08/18(火) 05:18:16 ID:5GqWjSHz
>>314
いつもお疲れ様です。

ずっとera関係の話ですまないのだけれど、個人的に気になる部分があったので修正。
http://loda.jp/youseisan/?id=2131
http://loda.jp/youseisan/?id=2132

Emuera対応とか呼び名修正とか。
気になる方はどうぞ。
316聖女と忠犬V 0/13−t ◆SvLllFe4/w :2009/08/19(水) 05:28:23 ID:f1xKHbEX
>>250->>259の続き、もういろいろとごめんなさい
これでひとまず完結ですがスピリチュアルな鬱展開なので御注意を

・終始捏造全開、人物のイメージが損なわれる恐れがあります
・前編中盤以降ハイパー鬱タイム(グロ・凌辱等)
・後編は精神的に痛い&エロなしという誰得感
317聖女と忠犬V(前) 1/7−t ◆SvLllFe4/w :2009/08/19(水) 05:29:05 ID:f1xKHbEX
勢いで町を発ったはいいけれど、もちろん人里を離れての旅路に危険はつきもの。
野犬やはぐれ夜種ならばまだしも、徒党を組んだ盗賊となると流石に二人連れでは心許ない。
だから、街道を離れて安全な野宿の場所を探さなければならない日暮れ時に、行商の一家に出会うことができたのは幸いだった。
「──すごい、じゃあナザリにも行かれたことがあるんですか?」
「ええ、もちろん。この時期には毎年盛大に大公さまのお祭りが開かれるんですよ」
交易都市カーケンから来たという子連れの商人夫婦と焚き火を囲みながら、旅の話に花をさかせる。
生まれてからホルムを出たことのないわたしにとって、公国の外で見聞きするものは何もかもが新鮮で面白い。
夫妻はもともと首都に店を持っており、カーケンの商会での仕入れ帰りとのこと。
急ぎの旅であれば船を使うのだが、今回は後継ぎ息子の後学のため、陸路での帰郷の途上にあるということだ。
十才前後と見えるその少年は長旅で疲れているのだろう、簡単な夕食を終えると、すぐに馬車の中へ戻ってしまった。
主な荷は既に大河を通じて首都に送ってあるらしいが、一家には護衛として二人の用心棒と御者が同道していた。
これは、庶民としてはかなり豪勢な一団ということらしい……メロダークさんの受け売りだけれど。
その彼はといえば、同じく食事を済ませると、わたしたちの会話に加わるでもなく、少し離れた所の木にもたれて既に仮眠に入っている。
さらに向こうでは、御者の人たちが荷車の傍で馬の面倒を見ながらカードに興じていたが、もちろん彼らと交流するでもなかった。
……いつもながら、もうちょっとこう、人と関わってみようという気にはなれないのだろうか。
もちろん、彼の生き方に口を出す権利なんか、わたしにはないけれど……
同道者を得たというのに、今の彼は普段よりいっそう無口で、気のいい商人夫妻に気を使わせてしまっているようだ。
そういえば昨日の夕刻も、様子がおかしかったことを思い出す──
……その直後のあまりにも恥ずかしい記憶を閉め出したい一心で、つい今の今まで忘れてしまっていたのだが。
明日、改めて訊いてみなくては……
おせっかいだと思われなければいいけど、などとつい思案にふけっていたわたしは、心配げな夫人に肩を叩かれてようやく我に返った。
「大丈夫? 急に黙ってしまったから、どうしたのかと思ったわ」
「あ、す、すいません……ちょっとぼうっとしちゃってて──」
わたしまで気をつかわせてしまった。
申し訳なく思いながら、照れ隠しに手の中の椀をあおろうとして……
何故かその瞬間、背筋を嫌な寒気が駆け抜けた。
そして、理由はすぐに判明した──少しだけ上を向いたわたしの喉元に、冷たい刃が触れたのだ。
「……え、」
「ごめんなさいね、お嬢さん。運が悪かったと思って、諦めてちょうだい」
とっさに身を引くべき最後の機会は失われてしまっていた。
衣の裾を踏みつけられたわたしは、平衡を失って後方に倒れ込んでしまう。
──致命的な隙。
「動くな!!」
商人であるはずのおじさんが発した鋭い威嚇は、わたしではなくメロダークさんに向けられたものだった。
首にナイフを押しつけられたまま、ぐいと髪をつかまれて頭をあげさせられる。
既に剣を鞘ばしらせていた彼は、険しい表情でぐっと動きを止めるところだった。
「とっととその物騒なモンを捨ててちょうだい」
「メロダークさん!」
助けを求めているのか警告を発しているのか、自分でも分からない叫びをあげるわたしの目の前で。
自ら愛剣の柄を手放した彼は、その背後から近づいた御者によって容赦のない棍棒の一撃を頭部に受け、どうと地面に倒れ伏した。
「やめてっ!!」
「悪く思わんでくれ、嬢ちゃん。これも仕事でね」
首筋にぬるりと生温いものが這うのにも気づかず身を乗り出そうとしたわたしのおなかに、熱い衝撃が叩きこまれる。
涙にかすむ視界が、急速に暗くなってゆく──
318聖女と忠犬V(前) 2/7−t ◆SvLllFe4/w :2009/08/19(水) 05:29:38 ID:f1xKHbEX
なにが英雄だ。
なにが、聖女だ。
ふざけやがって。
おれたちを見捨てるのか。
もとはといえば、おまえが災厄の元凶だったんだろう。
──この、役立たず!!
「………──ッ!」
ひどい頭痛のなかで、はっと目を覚ます。
全身の筋肉は重苦しく疲弊し、呼吸を整えるまではろくに身動きする気にもなれなかった。
あながち虚像でもない悪夢の余韻に、心臓はまだ萎縮していたが、ようやく回りだした頭は緊急の事態を思い出させた。
──メロダークさん!
動かそうとした両手両足が縛められていると分かると、わたしは身をよじってなんとか体を起こし、周囲の様子を探ろうとした。
……暗闇の中にいくら呼びかけても、あの低い声が帰ってくることはなかった。
おそらくは、別の場所に連れて行かれたに違いない……お願いだから、無事でいて。
はるか上方の小窓から差し込む、曇りがちな月光を頼りに観察したところ、どうやらここはさほど広くない水車小屋らしかった。
埃っぽい床の半分ほどを大きな石臼が占領し、隅の方に頑丈そうな布袋やらが雑然と置かれている。
ただし主役であるはずの水車はもはや久しく動いていないらしく、やや黴のにおいがする空間は夜の息吹に包まれていた。
虫の音がかなり賑やかなことからすると、日暮れに街道をそれて分け入った森から、かなり奥まで来ているのかもしれない。
けれど、町の外での生活に無知なわたしには詳しいことは分からなかった。
とにかく、なんとかしてここを抜け出さなければ──
と、建物の外から複数の足音が近づいてくるのが聞こえ、わたしは身をこわばらせた。
背中側で縛られた両手で必死に探っても、足首に絡みついた縄は解けるどころか、結び目さえも見つからない。
おまけに腰にも紐がくくりつけられ、近くの柱に繋がれていて、身を隠すこともできそうにない。
空しくもがいているうちに軋んだ音を立てて小屋の入り口が開け放たれ、暗闇を破ってランタンの明かりが掲げられた。
闇に馴染んだ瞳に痛いほどの光から目をそらすと、踏み込んできた男の人の声がすぐ近くから降ってきた。
「よう、気分はどうだい、お嬢ちゃん」
「あなたたちは──」
誰なんですか、と言おうとした顎が強引につかまれて上向けさせられ、顔に直接光をあてられる。
それと同時に、相手の容貌も確認することができた……商人一家の護衛たちだ。
さっきは挨拶程度の言葉しか交わしていなかったものの、間違いない。
「やっぱ可愛い顔してんなあ」
わたしにもそれと分かる野卑な声音と表情で、三人は笑う。
本能的に背筋が震え、全身から血の気が引いていった。
「な、このままカーロスの野郎にやっちまうのはもったいねえだろ」
「違いねえが、奴はどうした」
「もう一人の男ン所だよ。どのみち……」
話し合いは完全にわたしをよそにして行われていたが、もう一人の男、という語が耳に入ると、いてもたってもいられなかった。
「メロダークさんはどこにいるんですか!?」
たまらず口を挟んでしまったわたしに、再び男達の視線が集中する。
「──どのみち奴はここには来やしない」
言いかけた言葉を継いで、護衛の一人がうっすらと口角をつり上げた。
「こんな時でも連れの心配たぁ、優しいねえ」と二人目。
「オレたちにも優しくしてくれよ」
わたしの顎を捕らえたままだった元御者に、そのまま乱暴に突き飛ばされる。
再び冷たい床に引き倒されたわたしは、今度こそ悲鳴をあげた、
「いやあっ、──ッ!!」
正確には、叫びかけた。
けれどそれは、凄まじい痛みを伴う衝撃によって強制的に中断されてしまった。
即座にわたしの体の上に乗りかかってきた男の人に、力任せに頬を張りとばされたのだ。
ぱあん、というすさまじい破裂音が耳の奥に何度もこだましている。
岩のように大きくごつごつした掌はわたしの顔の左半分を燃え立たせ、口の中にじわりと血の味が広がっていく。
首が折れとんでしまわなかったのが不思議なくらいの打擲。
しかもその暴力が同じ人間によって一方的に加えられたのだという事実にこそ、わたしはショックを受けていた。
──痛い。
いたい。
どうしてこんなことするの?
319聖女と忠犬V(前) 3/7−t ◆SvLllFe4/w :2009/08/19(水) 05:30:26 ID:f1xKHbEX
……呆然としている間にも、麻痺しかかった聴覚は、壁一枚を隔てているかのように、どこか遠くから男達の会話をとらえていた。
「おい、顔はよせ」
「そーそー、てめえの女房じゃねぇんだぞ」
「……ちっ。っせぇな、今からそうなるんだろうが」
──やめて。
「胸は足りてねえなあ」
「じゃあオレと代われよ」
「まあ待てって、ちゃんと確かめてやるから」
胸元が荒々しくまさぐられ、性急な手つきで首にかけた女神の聖印を奪われ、ケープをはぎ取られる。
「どうなってんだ、これ」
「破くんじゃねーぞ、後が面倒だ」
「下と一緒になってんだな。……仕方ねえ、縄どけろ」
特殊な結び方をしていたのだろう、全身のいましめがあっさりと無くなる。
しかし四肢を自由に動かす猶予もなく、今度は両腕を頭上に持っていかれて、そこに回った一人に地面へと押しつけられてしまった。
解かれた腰帯が投げ捨てられ、スカートのように膝元までを覆うチュニックに無遠慮な手がかかり、
──やめて。
たった一人の大好きな人にしか見られたことのない、
この先も他の誰にも見せるつもりのなかった肌を、
「──やめてっ!!」
……暴かれて、しまった。
「ほら見ろ、おまえの好みじゃねえだろ」
「──おい待て、こりゃあ……」
一気に首もとまで衣をめくりあげられ、腰の下着以外は何ら肌を隠すもののない裸が、橙色の明かりにさらけ出される。
「ひ……っ」不意に押し黙った彼らが目にしたものに思い至ると、わたしの頭は羞恥を通り越した恐怖でいっぱいになった。
「やめて──やめてください! 見ないでっ、見ないでえ!!」
「……うぜぇんだよ、ガタガタ抜かすな」
まくりあげられたスカートの裾が無理やり口に押し込まれ、文字通り血を吐くような叫びも封じられてしまう。
どれだけ喉に力を込めても、くぐもった呻きが漏れるばかり。
とめどなくあふれる涙のため鼻がつまり、まともな呼吸さえできずにひたすら首を振って拒絶を示すことしかできない。
──やめて!!
「……おしとやかな巫女さんかと思っていたが、こいつはまた……」
「けっ、初モノじゃねーのかよ」
「文句はあの陰気な野郎に言いな」
三方から伸びてくる手が、あばき出された胸を痛いほどに掴み、脇腹を撫で、内股を這って最後の砦である下着にかけられる。
「んぐっ……んんんーっ!」
──見られた。
彼にしか明かしてはならない肌も、そこに残された無数の口づけの痕も。
……情熱的に愛されたのはつい昨夜のことであるはずなのに、何もかもが手の届かない過去になってしまった。
「っは、あいつにすっかり仕込まれてるってわけか」
「ま、これはこれで楽しめそうだがな」
「じゃ、こっちはどうだ」
──やめて、やめて、やめて!!
「んん、んっん、んむうぅ!!」
めちゃくちゃに足掻く脚をとうとう押さえ込まれ、唯一の守りであった下穿きがむしられるように片方の足首から抜き取られる。
そのまま片足を膝で押さえつけられ、もう片足を大きく持ち上げられたわたしの局部に──
いたい、
「!!!!!!」
「ほーぉ、やっぱ若い娘っ子のココはいいもんだな」
「あっ、てめえ何抜け駆けしてやがる」
………ああ。
ごめんなさい。
──よごされちゃった。
ごめんなさい、メロダークさん、
わたし、よごされちゃったよ……
──あなただけの、わたしの……
320聖女と忠犬V(前) 4/7−t ◆SvLllFe4/w :2009/08/19(水) 05:31:03 ID:f1xKHbEX
「まだしてねぇーよ、トチってんじゃねえ、この早漏やろ……あ?」
わたしの陰部に押し入ったまま、足元の男の人の動きがぴたりと止まる。
「……おぁ……」
妙な呻きをこぼしながら、そのまま上体をぐらつかせ、わたしのおなかの上に居座る御者へ前のめりにぶつかった。
「おい、なんだよ押すな──ぐぼ」
次いでその御者もまた、奇妙な咳と共に体を傾け、押し倒されたわたしの傍らにどうと倒れる。
……涙のせいで鈍った嗅覚にも分かるほどの、濃密な血のにおい。
「ヒッ……!?」
頭上から三人目の男の人が鋭く息を呑む音がして、腕を押さえつけていた力が不意になくなる。
──メロダークさん以外の人が中に入ってきたことで茫然としていたわたしは、このあたりでようやく頭を動かしはじめた。
「おぁ……おああああああッ!!!」
裏がえった絶叫が響きわたり、わたしの顔からそう遠くないところにぼとりと太い棒きれのようなものが落ちてきた。
薄暗い橙の光に浮き上がるそれは──つい今までわたしを上から拘束していた男の人の、肘ごと切断された血みどろの腕だった。
目をみはるわたしの眼前で、それは新たに視界へ入ってきた大きな長靴に容赦なく蹴りとばされ、またその足もすぐに去っていった。
痛む首を動かして目線を上げてみれば、今の今まで何度も心の中で求めた後ろ姿がそこにあった。
ああ。
──だめ!!
「んく……けほっ」
自由になった両手を引き寄せて口に詰められた服を吐き出し、わたしの上に折り重なるようにして倒れた二人の男の体を全力で退かす──
その手にぬるりと、たまらなくおぞましい生温い感触が触れた。
「うっ……!」
ようやく御者の下から抜け出し、足にからみつくもう一つのむくろを押しやる。
……いまだ自分の中にあった指が抜け落ちる感覚には、死者への敬意どころではなく吐き気がこみ上げたが、今はそれどころではない。
手荒く扱われて破裂しそうな体を無理に動かして立ちあがり、闇に溶け入るような漆黒の外套をめがけて駆ける。
その彼は、片腕を失った最後の男を小屋の端に追いつめ、血に塗れてどす黒く染まった剣をまさに振り上げようとしていた。
「……奈落に堕ちろ」
ぞっとするような憎悪に満ちた呪詛を吐く彼の背に、
「メロダークさん、やめてっ!!」
わたしはほとんど体当たりするようにしがみついて、無我夢中で押しとどめた。
「っ……離せ、マナ──!」
「やだっ、もうやめて、おねがい……!」
わたしは、彼がこれ以上血を流すのを見たくなかった。
その手で人を傷つけるたび、逆に彼自身の心が苦しみ、闇に蝕まれていくのを知っているから。
──なにより、あの凍てつくような、だが同時に溶岩のような、殺意に凝り固まった暗い瞳。
彼にそんな顔をさせてしまったのは、他ならぬこのわたしなのだ。
「…………」
やがて彼が肩で息をつきながら剣先を降ろした後も、わたしは広い背中に取りすがったまま泣きじゃくっていた。
最後の一人は無事に逃げていったらしく、小屋は奇妙な静寂を取り戻しつつあった。
「──なぜ止めた?」
彼はほぼ調息を終えるとわたしの手を掴んでゆっくりと引きはがし、正面から向きなおって低く尋ねた。
「あ……」
二の腕を強く掴まれたわたしはびくりと震え、一瞬なんと言葉をかけられたのか分からずぼんやりとメロダークさんの顔を見上げる。
彼は険しい表情を一瞬さらに歪め──とつぜん、ふいと顔を背けて話を打ち切った。
「……いや、話は後だ。早くここを離れねばならん」
「は、はい……」
腕を解放されたわたしはのろのろと死者たちのそばに戻り、身を屈めた。
散らばった聖印と衣類とを拾い集めるが、後者はもう身につけられないほど血と埃に汚れてしまっていた。
片方の足首にひっかかっていた下着などは地面にこすれてぼろぼろになっており、どこかで捨てるしかないだろう。
「行くぞ」
「……はい」
利き手になおも抜き身の剣を握ったままの彼に手を引かれ、わたしはようやく小屋の外に出た。
遠くには人家とおぼしきささやかな光の群が見え、この水車小屋はそこに住む人々のためのものだと知る。
しかしメロダークさんはそちらに向かうのではなく、ほとんど枯れかけた溝のような小川を越えていく。
そして森のただ中にある集落とは別の方向──なだらかな起伏の連なる緑深い山地へと分け入ることを選んだ。
「あれは、盗賊どもの村だ」
わたしの手をとって先を行く背中が、忌まわしげに吐き捨てた。
321聖女と忠犬V(前) 5/7−t ◆SvLllFe4/w :2009/08/19(水) 05:31:41 ID:f1xKHbEX
いつもの鎧と外套とを身につけてはいるが、彼がいま携えている剣は普段その背に負われている愛用の大剣ではなかった。
その鎧とても、先ほどついたとは思えぬ汚れやへこみが目立つ。
何よりその顔にも幾箇所か浅い傷がはしっていることから、彼が小屋にやって来るまでに相当の苦労をしたのだということが分かる。
「手当を──」
「今はあの村から遠ざかるほうが先だ」
……硬い声で断られたことを、悲しく思ってはいけないのだろう。
あの小屋での出来事について何ら問われないことについても、感謝こそすれ、一抹の寂しさを感じるだなんて、身勝手にもほどがある。
危険を冒して助けに来てくれた彼を、逆に責めるような振る舞いまでしておいて。
もとはといえば、私が人質にされてしまったせいで彼はこんな目に遭っているというのに……
きっと、嫌われたに違いない。
ああ、それに、彼ではない人に、この身を見られ、弄ばれてしまった──
「…………、」
わたしは強く唇を噛んで涙をこらえようとした。
……自分を哀れんで泣くなんて、ばかみたい。
けれど、えんえんと続く上り坂の獣道を進みながら、うつむいた視界がにじんでくるのをどうすることもできなかった。
──わたし、いつからこんなに弱くなっちゃったのかな。
人を好きになるということは、その人を失うことを恐れることでもある。
わたしは、それを知ってしまった。
……深いこの宵闇の中を導いてくれる、この手がいつか離されるのではないかとひそかに怯えながら、どれだけ歩いた頃だろうか。
「疲れたか」
いつしか立ち止まっていたメロダークさんが、こちらを振り向いて尋ねた。
「はい……ごめんなさい」
「謝ることはない」
わたしに答える彼の声は、相変わらずこわばっていた。
「でも──」
おどおどしながら周囲をうかがうと、いつのまにか山腹のそう高くない崖の上にあたる、やや開けた場所に来ていることが分かった。
「追っ手が来れば松明の位置で分かるが、こちらで光を灯さなければ見つかることはないだろう」
旅慣れた彼に告げられて、ようやくわたしは少し緊張を解くことができた。
あの小屋に閉じこめられていた時から張りつめ通しだった神経がゆるみ、思わず手近な木の根本に座りこむ。
すぐに現金な睡魔が襲ってきたが、この場所で本格的な眠りにつくわけにはいかないだろう。
夜の空をおおう黒雲はいっそう重みを増して月光を遮ってくれているけれど、この後どうなるかは分からない。
──ここを抜けた後も、どうすべきか分からない。
荷物はすべて奪われてしまったし、ここがどれくらい街道から離れているのかも未知数だ。
こんな状況では、わたしはもう足手まといでしかない。
──あなたはやさしい人だから、わたしに愛想が尽きてもこうして助けてくれるだろうけれど、それにはわたしのほうが耐えられない。
「メロダークさん……ごめんなさい」
「……なぜ、お前が謝る」
「だって──」
失望の眼差しを覚悟しながら顔をあげる。
と、視界に入った空に奇妙な影が見えた。
「あれは……」
わたしの視線に気づいた彼もあらためて背後を振り返り、宵闇の彼方に目をこらす。
……煙だ。
その根本を探れば、まさに先ほど抜け出してきたあの集落があった。
あまり立派とはいえない十余の家々のうち、もっともはずれにあるものが炎を発していた。
それも、ただの火事ではない。
この場所にまでかすかに聞こえるほど激しく警鐘が打ち鳴らされ始めると、他の家からも沢山の人影が次々に外へ出てきた。
彼らの多くは、とても盗賊のようには見えなかった──女性はもちろん、少なからず子供の姿もある。
赤ん坊を抱えて逃げる女の人と、彼女を支えながらもより大きな子供を背負っている男の人……普通の家族と、なにも変わらない。
そして彼らを恐慌に陥れているものの正体も、すぐに判明した。
「夜種……!」
野生の獣とは決定的に異なる統制された動きを見せる異形の群れ。
おそらくはどこかに首領格がいるはずだ。
──目の前の崖を下る術はないかと、わたしが身を乗り出したときだった。
322聖女と忠犬V(前) 6/7−t ◆SvLllFe4/w :2009/08/19(水) 05:32:17 ID:f1xKHbEX
「待て。どうするつもりだ」
力強い手で肩を掴まれ、助言を求めて振り返る。
「まさか下の連中を助けるつもりではあるまい」
「あたりまえじゃないですか──」
しかし、彼はぞくりとするほど冷たい声音で言い放ったのだ。
「冗談ではない。悪人どもの巣窟など滅ぼされるに越したことはない」
「なんてことを……」
──ああ、この人はそうだった。
裁きや断罪というものに、痛ましいまでに執着する。
けれど、今は言い争っている時じゃない。
「放してください、メロダークさん!」
彼の手を振り切ってでも身を翻そうとした、その刹那。
「なぜだ!!」
めったに怒りを表に出すことのない彼が、激昂した叫びを発した。
同時に腕が抜けるほどの力でわたしを引き寄せ、そのまま地面に組み伏せる。
「なぜお前は、救いようのない連中にまで救済を与えようとする!?」
……だって、誰が救われるべきで、誰がそうじゃないかだなんて、わたしたちが決めていいことじゃない。
人間が、他人の魂までも裁くことなんてできない。
それに、たとえどんなに悪いことをしている人がいても、その子供にまで咎がおよぶなんて……
──けれど、その時のわたしは、とっさに声を出すことができなかった。
それどころか、わたしの上に覆い被さる大きな影に、隠せぬ怯えが全身を硬直させた。
いやだ。
「……俺が怖いか」
男の人は激しい詰問口調を一転させて、わたしを押さえながら衣の裾に手をかける。
やめて。
「いや──!!」
悲鳴をあげかけた口がまた塞がれる。
もはや覆うもののない足の間がまた夜風にさらされる。
やめて。
──首を噛まれる。乳房を乱暴にこね回される。
そして、ああ、指が。
死人の指が、またわたしの中にはいってくる。
いたい。
こわい。
こわい。
……恐怖に凍りついたわたしの底部は、荒っぽい刺激に対して、湿り気のかけらも示さなかった。
「────!!」
結局、ろくに準備もできていないまま、わたしは犯された。
一気に奥まで串刺しにされ、まぶたの裏が真っ赤に染まるほどの激痛に、一瞬意識が遠くなる。
けれどすぐに、乾いたわたしの体内を掻きむしり、内蔵を引きずりだすかのようなおぞましい抽送が始まった。
破瓜よりもなおひどい痛みがわたしを引き裂き、何度も何度もばらばらにする。
──やめて、
──たすけて、
──ころさないで、
おなかの中にどろりと濁った血の塊が流し込まれた瞬間、
「っんぐ、ぷ」
わたしの喉の奥が爆発した。
323聖女と忠犬V(前) 7/7−t ◆SvLllFe4/w :2009/08/19(水) 05:32:52 ID:f1xKHbEX
涙と、さらにはうっすら血の混じった吐瀉物に頬を汚しながら横たわる少女の、虚ろに焦点を失った瞳。
それを見て、メロダークは彼女との絆がもはや取り返しのつかぬほどに壊れてしまったことを悟った。
無理やり腿を開かせていた手を離して身を起こすと、聖域に汚濁を叩きつけて萎えきったものがずるりと抜け出る。
「……マナ──」
乱れた髪から外れ落ち、泥に汚れてしまったリボンを拾い上げる。
それから地に投げ出されたままの体を抱き起こそうと手をのばした瞬間──
かき消えてしまいそうなほど薄く頼りない肩が、雷に打たれたかのようにびくりと震え、激しい拒絶をあらわにした。
──己に向けられた、化け物を見るかのように怯えきったその眼差しを、彼は生涯忘れることができないだろう。
「マナ……?」
再びのばしかけた手が鋭くはねのけられ、乾いた音が奇妙にそらぞらしく響く。
やがて彼女は、小刻みに震える体を自ら起こし、彼の側からあとずさるようにしてゆっくりと立ち上がった。
身も心もぼろぼろに傷つき、疲弊しきっているというのに。
そして汚れた顔を拭うそばから止めどもなく新たな涙をこぼしながら、わななく唇が途切れ途切れに決別の言葉をつむいだ。
「……わたしは……あなたの神さまには、なれません」
──ああ、マナ、マナ!
「私を……、見捨てるのか」
そう言うと、マナはひどく悲しそうな表情をした──両目を大きく見開き、まるで彼女の方が打ち捨てられたかのように顔を歪めて。
「……あなたは、自分の足で立って生きていくことができるひとです」
「マナ、」
「さようなら……メロダークさん」
──ごめんなさい、と震える声で三たび呟くように告げた彼女は、
制止する間もなく、崖下へと身を踊らせた。
「マナ!!」
324聖女と忠犬V(後) 1/6−t ◆SvLllFe4/w :2009/08/19(水) 05:51:13 ID:f1xKHbEX
夜を切り裂く御使いの翼に運ばれて、ゆっくりと高度を下げながら眼下の集落へと滑空する後ろ姿は、見る間に遠ざかっていく。
……去ってしまった。
私を捨てて。
あれだけの目に遭わせられながら、裁きにすら値せぬ者どもを、自らの危険も顧みず助けるために。
──なぜだ、マナ。
──俺よりも、奴らの方を選ぶというのか?
いまや半分ほどの家屋が炎上し、朱に染まって浮き上がる悪徳の村へと、己のものであったはずの小さな女神が舞い降りる。
本来の杖を持たぬがゆえ、山の木から折りとった頼りない枝のみを頼りに、まずは集落のはずれに降り立った。
既に広く散って食物を漁る夜種どものうち、群れから外れがちな数匹に先制を仕掛けるつもりなのだろう。
村から注意を逸らしたいのならば、作戦としては順当だ。
……だが、敵の数が多すぎる。
崖の上に立ったまま、そう判断した矢先、集落の別の方向から武装した数名の男たちが飛び出して夜種どもへ斬りかかった。
その集団の先頭に立つ男に、メロダークは大いに見覚えがあった。
──カーロス!!

昨夜の立ち会いから、随分と時が経ったような気がする。
およそ一年ぶりの再会であったが、カーロスは記憶にある姿と全く変わっていなかった。
……夕刻、宿付きの酒場で杯を傾けていた時のことである。
「ようメロ公、相変わらず陰気なツラしてやがんなあ」
剣によってとはいえ、神に仕える身にはあるまじきその軽薄な態度こそ相変わらずというものだ。
かつての同僚──神殿軍剣狼戦士団の一員が、いまさら脱退者である自分に用があるとは思えなかった。
とすれば、その目当ては「ホルムの英雄」以外にありえない。
……マナは、彼女なりの考えから巫女の装束を纏うことをせず、今もなお神官としての正式な叙階を済ませていない。
それゆえ彼女の身分は、厳密には神殿組織には属していないことになる。
神殿の外の人間が奇跡を起こし、聖女と崇められる……これは由々しき事態を招きうると考えられたのだろう。
すなわち、異端。
「現に、ここに改宗者が出ちまってる訳だしな」
カーロスはにやにやと酒杯を傾けながら聞き捨てならぬ言葉を吐いたものだった。
──彼女の名声が神殿のために利用できるならばよし、さもなければ脅威として排除するということだろう……一度ならず、二度までも。
「……去れ、カーロス」
気づけばメロダークは杯の代わりに剣の柄を握りしめていた。
「お前が……彼女を害するというのなら、この場で斬る」
「おいおい、ムキになんなって。今日は挨拶しに来てやっただけなんだからよ」
カーロスはそう言いながらも、あっさりと席を立った。
直後、戸口で当のマナと鉢合わせした様子は彼の心胆を寒からしめたが、元同僚はそのまま去っていった。
そのため、さしあたりの脅威は回避されたと、致命的な油断を彼はしてしまったのだ。
遠からず再び接触してくるだろうとは思っていた。
……だが、これほど早く仕掛けてくるとは。
この地に連行され、冷水によって覚醒させられた際に真っ先に目に入ったこの男の顔を見て、メロダークは読みが甘かったことを悟った。
町がすぐ近くにあるというのに、夕方になって徒歩の旅人に荷車が追いついてきた時、もっと警戒してしかるべきであったのだ。
それもこれも己が招いた事態、失態である。
──すぐれた勘を持つ彼女を本調子でなくさせていたのは、他ならぬ彼なのだから。
さらにあの元同僚が、この盗賊村に関わりを持っているとまでは予期できぬことだった。
強引な治水工事によって大河支流の流れが変わり、窮乏したこの地の住人は、土地を捨てる代わりに新たな生業を選択したのだろう。
それが、人身売買の仲介だ。戦が続き、治安の乱れた紛争地帯などではよくある話である。
……夜種を殲滅したところで、このまま魔力が尽きれば、彼女が再びあの連中にいいようにされるのは分かりきっている。
―─暗い小屋で姦されかけていた少女を見つけた時の目もくらむほどの激情がよみがえり、メロダークは我知らずきつく拳を握りしめた。
そして、その手にまだ彼女のリボンを持っていたことに気付く。
「……俺はお前を手放すつもりはない、マナ」
──みすみすあんな奴らの手に渡すくらいなら……
乱雑に血をぬぐっただけの剣を拾い上げると、黒衣の剣士は躊躇なく地を蹴って闇の底へと身を投じた。
325聖女と忠犬V(後) 2/6−t ◆SvLllFe4/w :2009/08/19(水) 05:52:14 ID:f1xKHbEX
御使いの力を借りているとはいえ、使いなれた杖ならぬただの木の枝と聖印のみを頼りに放つ彼女の術はいかにも精彩を欠いていた。
遺跡で鍛えられた法力をもってしても、その体力には限界がある。
また全ての異形を打ち倒したところで、マナは人間が相手となると致命的な弱みを露呈する。
夜種に相対していてさえ、その成り立ちに同情を示すほどの娘なのだ。
……お前は、つくづく甘すぎる。
行く手を遮る異形の生物を続けざまに斬り伏せ、黄金の翼を目指して戦士はひたすら突き進む。
だが彼女のもとに辿りつくまで数十歩という頃、ひときわ大きな鬼の雄叫びが轟き、御使いの姿がかき消えた。
とても人間には扱うことのできないほど巨大な石斧を携えた夜種の頭目が、その胴を一撃のもとに両断したのである。
──かたや守りを失ったマナは、生身に布服一枚しか身につけていない。
メロダークはさらに、視界の端に憎むべき旧知の男の姿をとらえ、いっそう焦燥を深くした。
──自分よりも、奴がマナの元にたどり着く方が先だ。
立て続けの戦闘で興奮した頭と体がさっと冷たくなる思いがした。
「マナ……!!」
叫びに近い警告の声を発するも、それは夜種どものわめき声と剣戟の音に阻まれ、己の耳にすらよく聞こえなかった。
いびつな姿をした獣の化け物とつばぜり合いをする間、メロダークはその巨体越しに、カーロスがマナの側へと駆け寄るのを目撃した。
──夜種の仕業と見せかけて邪魔者を始末するには、これ以上ない機会。
「退けっ!!」
腹の底からの咆哮と共に、術で強化した身にあらん限りの力を込めて不吉に光る毒爪を払いのける。
同時に手入れの悪い剣の刃が半ばで折れ飛び、運良く魔獣の片眼に突き立った。
『GYAAAAAAN!!!』
大きく仰け反った怪物を折れた剣で殴りつけると、メロダークはその脇をすり抜けて、ひたすらに少女の姿を求めた。
──開けた視界に飛び込んできたのは、敵の首領の重い一撃をかろうじてかわしながらも次第に追いつめられつつあるマナ。
そして、その横合いからまさに長剣を突き出そうとするカーロスだった。
その切っ先がマナをとらえるまで、僅かに間に合いそうにない。
「──やめろ!!」
それでも彼は全力で駆ける他にすべを持たなかった。
夜種の頭までもが巨大な斧を振りかぶり──
──その丸太のような異形の腕を、鋭い剣先がつらぬいた。
『ギイイッ!!』
夜種が猛り狂った憎悪の眼をカーロスに向けた矢先、マナの術が発動し、命ある水の奔流がその巨体に絡みついて動きを封じる。

ようやくメロダークが二人のもとにたどり着いたのは、ちょうどこの時だった。
自らの勢いを止められぬと判断するや、素早く身を屈めて剣の残骸を構え、下方から化け物の懐へと飛び込む。
そして、己の体ごと砕けた剣先を太い首に打ち込んだ。
『ギイィィイィイ!!!』
黒々とした体液を吹き出しながら断末魔の絶叫を放つ胴を押し倒し、メロダークは唯一の武器をさらに怪物の急所にねじこんでいった。
「メロダークさん!」
「あっ、ばか──」
マナがこちらに駆けてくる気配、そしてなぜか焦りを含んだカーロスの声に、後者の目線を追って振り返る。
今しがたとどめを刺し損ねた魔獣が隻眼となった赤目をらんらんと光らせながら、獣らしい敏捷さでもって彼めがけて突進してきていた。
彼の頭をめがけて振り下ろされる、牙よりなおまがまがしく発達した爪は、もはや避けようがない。
……これまでか……
メロダークが半ば投げやりに迫りくる運命を見つめようとした時、
──ふわり、と羽のようにやわらかな感触が彼の頬をかすめた。
目の前で揺れる女神の聖印。
突然花が咲いたかのように、ぱっと飛び散った……彼女の、彼女の血。
向き直った腕の中に落ちてくる、柔らかな身体は──背中を大きく切り裂かれ、大量の血液を止めどもなく流し続けていた。
「マナ……?」
彼の中で、世界が砕ける音がした。
「マナ!!!」
326聖女と忠犬V(後) 3/6−t ◆SvLllFe4/w :2009/08/19(水) 05:52:51 ID:f1xKHbEX
月をも隠す深夜の暗雲は、大粒の雨を降らし始めていた。
「ちぃっ!」
鋭く舌打ちしたカーロスは、間合いを外されて僅かによろめく魔獣の前に素早く踊り出て、横薙ぎの一撃でもってその首を斬り落とした。
次いで心臓と思われるあたりにも一突きを与えると、獣はようやく動きを止めた。
──引き抜かれた剣の汚れた刀身を、雨粒が盛んに押し流そうとする。
夜半の雨は急速に勢いを増しつつあり、この分ならば消火活動は無用だろう。
大斧の夜種に統率されていた小鬼どもは既に泡を食ってばらばらに逃げだし始めていたが、残党狩りをしている余裕はさすがに無い。
とはいえ指導者がいなければその脅威は大したものではなく、しばらくは捨ておいても問題ないと思われた。
……それよりも、問題は、だ。
カーロスは剣を収め、地に座り込んだままのメロダークをかえりみた。
その腕の中に抱きとられた娘は、驚いたことにまだ意識を保っているようだ。
激痛に苛まれているであろうに、何とか手をもちあげて、呆然とするばかりの男の顔を撫でようとしている。
──メロダークさん……なかないで。
ほとんど音を発さぬながら、唇が弱々しく動く。
降りしきる大雨からは庇われているにもかかわらず、彼女の頬には次々に水滴がしたたり、流れ落ちていった。
「……こいつぁ、ちとやばいな」
カーロスはその傷に目を落とすや、印を結んで治癒術の詠唱に入る。
このお人よしどもときたら、夜種の征伐で力を使い果たしてしまったのだろう。
しかもメロダークの奴は手当の心得が無いはずもなかろうに、完全に腑抜けちまっているときた。
「……そんな風に俺を赦さないでくれ……」
罰してくれ、とか何とか怪しげなことをぶつぶつと言いながら、ついに青ざめて気を失った娘に取りすがるように顔を埋めている。
──こいつが泣く子も黙る神殿兵のざまとはねえ……
泣き虫小僧と成り果てた大の男を押し退けて、カーロスは全身を血だらけにした娘の傷口に手を触れる。
するとメロダークがさっと身を強張らせ、大事な玩具を奪われまいとする子供のように小柄な体を隠そうとした。
「何をする──」
「見てわかんねえか?」
「……目的は何だ」
「……あのなぁ」
この期に及んでこの石頭は、とカーロスは嘆息した。
こいつは昔からそうだった。
神官にして兵士という、既にして神殿という巨大組織の矛盾を体現している存在であるということ―─
それを自覚していない訳でもあるまいに、この男はすぐに単純な二分法に逃げようとする。
敵か味方か、善か悪か。シロかクロか、0か100か。
──それで、ひとたびカーロスを敵と断じたものだから、娘に手当を施すという行為が理解できないのだろう。
もとはといえば、この頑固者がこちらの話に全く耳を貸そうとしないものだから、彼とても今回のような強硬手段に訴えたのだ。
……確かに少女の悲惨な有様を見るに、重大な手違いが多々あったことは否定できないが。
ここで一々説明するのも面倒なので、カーロスは適当に話を切り上げた。
「悪党ってのは仁義に厚いもんだろ。早くなんとかしねぇと本気で危ないぞ、その娘」
──やれやれ、あんたも苦労してんだろうな、嬢ちゃん。
お上のほうは、適当に何とかしてやるからよ。
……無事に助かったら、この堅物をよろしく頼むぜ。
327聖女と忠犬V(後) 4/6−t ◆SvLllFe4/w :2009/08/19(水) 06:04:25 ID:f1xKHbEX
──だが、マナは目を覚まさなかった。
毒爪に蝕まれた体は高熱を発し、襲撃から二日が明けてなお、彼女は生死の境をさまよっている。
そしてメロダークはといえば、ほとんど食事も仮眠もとらず、焼け残った家へ運び込まれた少女の側を決して離れようとしなかった。
カーロスをはじめ村の者が時おり訪れて何事か言っていたが、彼の耳にはほとんど何も入っていなかった。
マナが逃がしたあの護衛の末路だの、彼女が助けた子連れの親の感謝だの。
……全てどうでもいい。
いま、寝台の上で眠り続ける彼女が瞳を開けてくれなければ、何の意味もない。
差し入れられた水や蜂蜜を少しずつ口に含ませてはいるが、そろそろまともな栄養をとらせなければ、身体が衰弱に耐えられないだろう。
たとえ一命を取り留めたところで、熱によって頭の中が傷つけられでもしていれば、元の彼女は戻ってこないかもしれない。
ようやく熱も収まりつつあるとはいえ、白い背の肩口から他方の腰にかけて刻まれた傷痕は一生消えはしないだろう。
はじめはうつ伏せに横たえられていた体は、今では床ずれや首への負担を防ぐため仰向けにされ、青白い顔は天を向いている。
しかし、あの優しげな紅茶色の瞳が彼を見つめてくれることはなかった。
「なぜだ……」
小さな手を取って祈るように額を重ね、幾度となく繰り返した呼びかけにも、あの耳に快い声が返ってくることはない。
……実際は彼女が意識を失う直前に、この問いかけには答えが与えられていた。
あの時、急速に色を失い、こわばっていく唇が、ほとんど形だけで言葉を紡いだのだ。
──あなたに、しあわせになってほしいから。
「マナ……」
……馬鹿なことを。
お前がいなければ、幸福などありえない。
お前がいない世界など、果てのない無明の闇でしかないというのに。
──ああ、マナ。マナ……
──どうか俺を置いていかないでくれ……


さほど大きくはないホルムの町の神殿は、もともと救貧のための機能も資金も持ち合わせてはいなかった。
大河の岸辺に流れ着いた、素性のしれぬ孤児を養うことを神殿付きの巫女が決めたとき、少なからず反発が生じたのも無理はない。
住人からは、よそ者の子供が神殿で特別扱いをされることについて不平が出る。
だがそれ以上に、大河信仰の総本山こそがいい顔をしなかった。
一の例外を許せば、いまに十も百もと捨て子が神殿に「押しつけられる」ことになるのではないか。
それも、何の役にも立たぬ女児を、と。
……そうした追及を受けるたび、老巫女は毅然と反論し、そうした声がマナと名付けた娘の耳に届かぬようかばってくれていた。
しかし、幼い少女は己の存在が育ての親の負担になっていることを敏感に悟っていた。
──わたし、がんばるから。
──みんなの役に立つから、もうわたしを捨てないで。
幼いがゆえに深刻な孤独への恐怖を抱えながら、彼女は誰からも疎ましがられぬよう、懸命に老巫女や町の人々の手伝いをした。
長じて法術の才を認められてからは、さらに身を入れて修行に打ち込んだ。
すべては、自分の存在を認めてもらうため。
……そして、あの人に出会った。
誰かを守り助けることのできる力を持ちながら、そっけない態度の中にもいたわりと優しさを知っている、大樹のように頼れるひと。
素朴な憧れは、いつしか初めての恋情へと形を変えていた。
さらに、かの瀬で触れた彼の深い孤独と悲しみは、マナの底に眠る寂しさに共鳴し、よりいっそう引きつけたのだった。
……やがてついに己の出自と原罪を知り、彼女は気づけば英雄としてたてまつられる存在になっていた。
──けれど、ようやく与えられた居場所は、マナをより孤立させることになった。
噂には尾ひれが付きもので、「聖女」に救いを求める人々が引きもきらず彼女を訪れるようになりはじめる。
しかし、マナは癒やし手としては特別な力を持つわけではなかった。
光を失った子供や重篤な病人を助けることができない時などは、かえって罵声を浴びせられることすらあった。
一人歩きをしはじめた名声は、彼女を英雄として祭り上げ、それ以外の役割を許さなくなったのだ。
英雄ではなく、聖女でもなく、一人のマナという少女を認めてくれる者は、彼女自身を親しく知るごく僅かな人々だけだった。
──ごめんなさい。
これ以上とどまっては、老巫女にも、そして町全体にも迷惑がかかる。
だからこそ、彼女は故郷を去ったのだ。
……しかし、故郷や恩人を、彼女を頼る人々を「見捨てて逃げた」という罪悪感は常にその心に巣くい、日増しに大きくなっていった。
──ごめんなさい。
恩知らず、と彼女をののしる声は、他でもない彼女自身のものだった。
328聖女と忠犬V(後) 5/6−t ◆SvLllFe4/w :2009/08/19(水) 06:05:35 ID:f1xKHbEX
────!!
はっと身を起こすと、既に夜は明けかけていた。
窓越しに青白い黎明の光が差し込み、瞳を閉ざした少女の横顔を静かに照らしている。
その首筋に手を触れ、弱いながらも生命の脈動を確かめると、メロダークは震えるほどの安堵に包まれて長いため息をついた。
浮かせた腰を元の椅子に戻しながら、いつの間にか頬じゅうを濡らしていた涙に気づく。
いまだ心臓を突き刺すような痛みのなかで、彼は呆然とマナの顔を見つめた。
──どんな夢だったのか、もはやほとんど覚えてはいない。
「……マナ……」
だが、魂までも凍えるようなこの痛みが、彼女のものであるということには確信がある。
彼があまりに強く握りしめていたため、少女の体にかけられた毛布は大きくたわみ、その肩口が露わになってしまっていた。
……己よりも遥かに年下の娘の、こんなにも細い肩に、自らが担わせてきたものを思い知る。
神の代替物として、聖女という役割を真っ先に押しつけたのは、他でもないこの自分だ。
常にもっとも身近にありながら、彼女を支えるどころか追いつめ続けた。
そのうえ──彼女に忠誠を誓った身でありながら、女としての彼女をも利用した。
……二度も彼女をこの手にかけようとした、この汚れきった身に、それでも純粋な信頼と尊敬とを示してくれたマナ。
この心に芽生えた彼女への好意と、その光に対する憧憬を、従者という立場に封じた時から、抑圧された想いは邪恋に変わったのだ。
──そうだ、惚れていたのだ。心底から。
この時はじめて、メロダークは痛烈に自覚した。
これまで、年齢も立場も大きく異なる彼女に抱いてしまった恋慕を無意識のうちに否定し、己を誤魔化し続けてきたのだ。
だがそのたびに、それはどす黒い劣情に満ちた独占欲や嗜虐心となって彼の内にとぐろを巻いていった。
──己の卑小な自意識を守るためだけに、彼女の身も心も、何もかもを傷つけた。
「すまなかった……」
救済も、ぬくもりも安らぎも愛さえも、惜しみなく奪い、食いつぶすだけ。
──誰よりもそれを求めていたのは、他ならぬ彼女自身であったというのに。
「愛している」
懺悔の言葉も告白も、今となってはあまりに遅く。
彼にできるのはただ、祈ることだけだった。
──誰に?
もちろん、彼女にだ。
……だが、もはやマナを救済の導き手として仰ぎ、この小さな手に己の運命を押しつけることはするまい。
──もしもお前が許してくれるなら、私と共に生きてほしい。
今度こそ間違えはしない。そのあたたかな光を守らせてほしい。
誰よりも大切な、私の小さな愛しい光……
「……マナ?」
──不意に。
両手で包み込むように重ねた彼女の手のひらが、ほんの少しだけ動いたような気がした。
はじかれたように顔をあげて見れば、静かに閉ざされていた少女の瞼がわずかにふるえ……
焦がれつづけた柔らかな眼差しが、息もつけずにいる彼をゆっくりと見つめる。
「マナ……!」
とめどなく沸き上がる歓喜と希望、そして一抹の不安に胸を裂かれんばかりになっている男に、
「……メロダークさん」
朝焼けに輝くかんばせが、花のようにほころんだ。
──その微笑みは、彼の中で永遠となった。
329聖女と忠犬V(後) 6/6−t ◆SvLllFe4/w :2009/08/19(水) 06:06:32 ID:f1xKHbEX
──いつか、春の陽の下で。
大河の川辺に立つ大樹のもとに、一人の男が腰をおろしていた。
そのかたわらには、彼の膝に頭を乗せ、黒い外套に包まれてまどろむ少女の姿がある。
──その額にかかる柔らかな髪のひとすじを、大きな手がそっとすくいあげて耳にかける。
すると、ゆるやかに閉ざされていた娘の瞼がうっすらと開いた。
「──起こしたか」
「ううん……」マナは小さくかぶりを振る。
やさしく髪を撫でる暖かな手の感触に、うっとりと口元に微笑をたたえながら。
……そのまま、もう一度夢のあわいを漂いはじめようとする彼女のこめかみに、かすかな口づけが落とされた。
「……マナ」
「なあに?」
「──私の妻になってくれないか」
ぱちりと、少女の瞳が見開かれた。
「…………」
膝のうえの頭を仰向けて呆然と見上げると、すぐに今度は情熱的な接吻が降ってきてマナの唇を吸い上げる。
「んっ……くぅん、ふっ──」
いつにも増して真剣な眼差しと熱烈な求めは、たやすく彼女の吐息をぬくもったものに変えてしまう。
「……マナ?」
という催促に、マナは陶然としたまま答えていた。
「は、……はい」
──ああ。
──メロダークさんって、こんな顔して笑うんだ……
「では結婚しよう」
「えっ……ちょっ、きゃぁ!?」
いきなり抱き上げられたマナは、思わずそのたくましい首にしがみつく。
「ど、どこに行くんですか」
「神殿に決まっているだろう」
「なっ……わ、わたしは、先生のところに、」
「ではホルムに帰ろう」
「ここから何日かかると思って──も、もうっ!」

赤面し狼狽しながらも、やがて抵抗をあきらめて広い胸に顔を埋めた少女は、そっと自らの腹部に手を触れる。
──いずれ自分が父親になることを告げたら、この人はいったいどんな顔をするだろうか。
ゆっくりと心にひろがる幸福の予感をかみしめながら、マナは最愛の人の腕の中でいま一度ほほえんだ。

 【聖女と忠犬/光】了
330t ◆SvLllFe4/w :2009/08/19(水) 06:07:43 ID:f1xKHbEX
長い話を読んで下さった方々、どうもありがとうございました。
今はラブい和姦を書きたい気分で一杯なのでそのうち番外的な何かでやろうと思います。ではまた。
331名無しさん@ピンキー:2009/08/19(水) 09:39:03 ID:EYWW08zs
GJ
メロさんSSだと格好よすぎだろ
332名無しさん@ピンキー:2009/08/19(水) 11:25:16 ID:wYjLlejw
GJ!
メロさんは神官ルートやって一番印象変わった
ゲームだと無口寡黙な露出狂なのになんでこんなにかっこいいんだ……
番外編も待ってます
333名無しさん@ピンキー:2009/08/19(水) 20:30:27 ID:rzyvlma6
GJ。かっこよすぎる。
メロさんも無論、マナも可憐なのにかっこいいな。
334名無しさん@ピンキー:2009/08/20(木) 00:08:57 ID:2GmDHYLt
GJ。メロさんの駄目男っぷりが実に良い。
マナの苛烈な不幸描写が素敵というか上手いな。
335名無しさん@ピンキー:2009/08/20(木) 05:13:01 ID:xJ9QdGus
散々な危うさからの大団円。良い物読ませてもらった。
336名無しさん@ピンキー:2009/08/20(木) 10:14:17 ID:10SAKdpt
途中までどっちか死ぬんじゃないか心配してた
めでたし めでたし
337名無しさん@ピンキー:2009/08/21(金) 17:51:49 ID:F801zbQA
テレージャさんって色慣れしてそうな割にエンディングが淡泊だよな。

生真面目で経験皆無、かつ鈍感なエメクに、爛れた青春を送って来たせいで気後れしてしまうテレさんとかどうだろう。
それとなくモーションかけてるんだけど全然気付いて貰えず密かに落ち込んだりとか、
遠慮なしにエメクにひっついてるエンダにこっそり焼き餅をやいたりとか。
338名無しさん@ピンキー:2009/08/21(金) 18:19:45 ID:FkWFxAXp
>>337
グッドだとコミカルだけど。テレ子さんトゥルーは実に萌える。
33915 ◆E9zKH0kZMc :2009/08/22(土) 08:37:29 ID:HbM060K0
朝っぱらからフィーで4500文字程度はいります。
お気に召さないかたはトリあぼんでお願いします。

※一部に深刻な飲んだくれを含みます。ご注意ください
34015 ◆E9zKH0kZMc :2009/08/22(土) 08:38:11 ID:HbM060K0

フィーは、指で行をなぞりながら何かを呟いている。不安になって覗き込むと、いきなり辞書を広げて
「あーはあさひのあー・・・だから・・・えぇとー・・・」
本当に読めているんだろうか。じっと見つめているのにも気づかず首を傾げたり、鉛筆を落としたり、
差し入れのお菓子をひっくり返して、慌てて片付けに行ったりしている。大事な遺品つーのを飲み食い
しながら読むのか?とはいえもう十二月、あのエンダですらもこもこのパンツを履くようになった。
酔っ払いならともかく酒場の中は、じっと本を読んでいるだけじゃ肌寒い。それを口実に温まるための
一杯を引っ掛ける訳だ。あの女将もよく考えてるね。
今日は朝から同じテーブルについて(あっちから勝手に座ってきた)足をぶらぶらさせながら難しい顔を
して『鍵の書』を読んでいた。途中、フィーが鼻を垂らしているのに気がついたキレハが、魚のスープ
を作ってくれた。この人は、飯だけは間違いないな。ほやほやの湯気がのぼる器を貰う。
「あったかーい!」
頬を真っ赤にして歓声を上げた。すっかり冷えていたらしい。当然のようにエンダも椅子を持ってくる。
「何でお前までいるんだよ、ここは僕のテーブルだぞ」
「私が作ったんだから誰に上げても自由でしょ。エンダ、おかわりする?」
「ういうい!」
「あなたも、あんまり根をつめちゃだめよ?大事な書物でしょうけれど、あなたの体が一番なんだから」
「はぁい、キレハさん、気をつけます。スープすっごく美味しいよー。ね!」
「あ?ああ、旨い」
「そう、良かったわ」
みなの笑顔を見回したキレハは、満足げにほほ笑んだ。
「エンダこれ食べたら、ちゃんとごちそうさまする」
「えらいねーエンダちゃん。ご挨拶できるんだ」
それじゃ今日来たときの、オハーゴーザとか叫んでたのは挨拶だったのか。僕はまた新手の呪文唱えたの
かと思ってた。オハラさんがひざ掛けを貸してくれたので頭まで包まって続きを始めた。マトリョーシカ
と並んで読書をする僕・・・。ぱちぱちと暖炉の火がはぜる。マトリョーシカはもにょもにょ何かを呟く。
「集中できねー!何の呪文だよ!・・・・・・フィー?なんだよ、さっそく居眠りか?」
食ったら眠くなるって何処のお子様だ。睨みつけていたが無視されて腹が立ったので小突くと、そのまま
床へ崩れ落ちた。自分の手にびっくりする。
「嘘だろ・・・どうしたんだよ!?おいってば!」
「ゆかでねると、おしりがいたくなるんだぞ」
「あれー、フィーさん。どうしたんですかー、もーしもーし」
アルソンがぺちぺちほっぺたを叩く。皆なんだなんだと集まってきて眼鏡が顔を覗き込む。思わず涙目に
なっていると、後ろから不吉な声がした。

「貴様・・・一体何をした」

やばい、目がマジだ。
34115 ◆E9zKH0kZMc :2009/08/22(土) 08:39:04 ID:HbM060K0
テーブルを飛び越えて来たくそパリスが、ゴムまりのように素早く傭兵の懐に割り込んで叫ぶ。
「ここでそんなもん抜くな!シーフォンさがってろ!」
「・・・貴様が書物を狙って、たびたびフィーを付回していたのは知っている」
「ちっがーう!僕のせいじゃない、勝手に倒れたんだ!ほんとだもん!昼寝かと思ったもん!」
「見ろよ!泣き出しちまったじゃねーか!どうすんだよ!!」
「がっはっは、泣いとる泣いとる」
「泣いてねー!ちきしょう!フィー、フィー・・・うわああん」
「いいから逃げろ!あんたもいい加減にしろよ!」
顔を真っ赤にして抱きとめているパリスの後ろに、ゆっくりとラバンが歩みだした。
「なあメロダークよ、ここはひとつ、わしに免じて剣を収めてくれんかな」
老侠客の静かな青い目が、メロダークを真っ直ぐに見つめている。なんか、格好いいじゃないか。
「・・・そうしよう」
引き下がってアルソン夜の剣を鞘に収めると、パリスは体を離して大きくため息をついた。
「なあ、どうなんだよ。風邪か何かなんだろ?」
ひざまずいた神官は、ひざ掛けを開いてフィーの首筋や手首をさわりながら返事する。
「見たところ、眠っているだけのようだね」
脇から首を伸ばしていたアルソンが大声を出した。
「本当ですか!?何か悪い物を食べたんじゃ」
「私のせいだって言うの!?」
掴みかからんばかりにキレハが怒鳴る。
「いや僕はそういう意味で言った訳では」
「あんたらうるさいから離れてろよ」
「なによ!!」
「くぁwせdrf」
「あたし・・・あたし一体どうしたら・・・」
人だかりに参加できないフランがお盆を持ったままおろおろしている。にやにやした怪力が強引に頭を
なでながら、からかう様に言ってきた。
「ほらほらー、しーぽん泣かないの」
「うるヒッせー、ヒッ僕は泣いヒッ泣いて・・・ヒッなヒッ」
「しゃっくりか?エンダがおどかしてやろうか」
「うるひゃい!!ングッ」
「差し迫った危険はないね。瞑想状態というやつさ。この子を寝かせられる場所に移してくれたまえ」
「やれというなら、やろう」
「こういうことなら任せてください!」
「いやいや、ここは年長者の私が」
「わしのほうが年上だぜ」
「私はそういうことを言っているのではない」
「でしたら若さ溢れるこの僕が」
「年寄り扱いしおって、わしだってまだまだ現役だい」
34215 ◆E9zKH0kZMc :2009/08/22(土) 08:39:47 ID:HbM060K0
揉めている間にネルが担ぎ出して、オハラさんに貰った鍵でフィーの部屋に運び込む。なんかいい匂い
がする。ちらちら見ていると、棚の上に細々したものがちらばっていて一つだけ、ぽち袋にしまわれて
いるものがあった。ラブレターかなんかか?見てやれ見てやれ、にやにやしながら開けてみる。
(なーんだ、ただの悪夢食いのお守りかよ・・・てかこれ、僕がくれてやったやつか?)
洞窟探検のたび、夢魔にとりつかれちゃあ魘されていたので、わざわざ作ってやったやつだ。神殿でも
扱ってるのに、特注品だとかいって喜んでた。それなりにぴかぴかなのは、今でも時々磨いてるのか。
「ここは私が見ているよ。君は勉強の最中だったろ?」
「え?ああ、そうだな。貴重な僕の時間を無駄にできないね」
僕のは効果抜群なんだからな。枕元にお守りを置いて表に出ると、くそパリスが来た。顔色が冴えない
上に汗だくだ。なんか皆乱闘しはじめた、疲れたという様なことをいってふさぎ込んでいる。ケケケ、
ざまあ。内職道具を抱えて現れたネルが、パリスの顔を覗き込む。
「そんな顔しなーいの、フィーは大丈夫だよ。チュナちゃんだってちゃんと治せるんだよ。ね?」
「ああ・・・、そうだな!よし、今度こそ爺ぃどもを止めてやる!」
そっと欄干から覗いたら、数人が腕をまくって力瘤を見せ合っている。わけわからん。

「テレージャさん、私も付き合うよー。お菓子食べる?」
「ああ、椅子も持ってきたのかね。いいとも、そっちにランプをあげよう」
「ありがとー。お店におくやつ溜まっちゃってさー」
ネルは籠を広げて傷薬を作り始めた。気にしない風を装っても発した声は暗い。
「フィーどうしちゃったのかな・・・」
強気なことを言っておいてこいつも心配なのか。テレージャはフィーに毛布をかけながらいう。
「なあに心配なんていらないよ。魔法使いにはよくあることさ」
大げさな身振りで胸を叩いてみせる。
「今に見ていたまえ、フィー君が目を覚ます頃には、きっとなにか新しい術を覚えているよ」
「そういうものー?」
「ああ、幾分特殊ではあるがね。ご覧よ、苦しそうな様子もないだろう?だから心配しないで」
眼鏡越しにやさしくほほ笑みかける。
「そうだね・・・うん!あ、ほらテレージャさんも食べて」
「頂くよ。ー・・・うまい菓子だね。手作りかい」
「えへへー、ほんとはみんなでおやつにしようと思ってさあ、今日焼いてきたんだー」
「君は物を作りだす才能があるのだなあ。じつに素晴らしいことだよ」
「そうかなー」
「そうとも!自信を持ちたまえ。技術というのは実があるものだ。人に最も力を与えるものだよ」
「そういうものなのかな・・・」
魔法よりも力になるという言葉に納得いかない表情を見せたが、それでもようやく笑みがこぼれた。
34315 ◆E9zKH0kZMc :2009/08/22(土) 08:40:31 ID:HbM060K0
菓子をつまみつつ話をしていると、ノックがあり、何故か先程よりよれよれの汗みずくになったパリスが
部屋の角へと崩れ落ちた。もういやとかなんでこんな連中ばっかとか壁に話し掛けている。
「どうしたのー?また殴られちゃった?」
「みな若さがどうとか言って脱ぎだした、俺にはどうにもならん」
にわかに神官が浮き足立つ。
「みんなどういう了見だろう、ほかのお客に迷惑だ!もぐもぐ」
「出てっちゃったぞ?俺にもくれよ、もぐもぐ。うめえなこれ」
「はははーもぐもぐ」
「もう戻ってきたぞ?」
テレージャは両手を広げて絶叫した。
「年寄りの尻なぞ、私は見たくはなかった!!!」
そしてがっくりと肩を落とす。遠くキレハたちと思しき阿鼻叫喚が耳に響くようだ。
「ラバン爺・・・なにやってんの・・・」
パリスは開いたままの扉の向こうへ話しかけた。
「お前もんなとこ突っ立ってないで、ほれ食うか?」
「ー・・・僕はいらない」
「心配なら一緒にいてやりゃいいじゃねえか。入ってこいよ」
促されてしぶしぶ入るとネルが腕組みして言う。
「気がかりで喉も通らないんだね、うんうん。お姉さんわかるよーその気持ち」
「おお、若人よ、精一杯に恋するがいい!さあここに来たまえ、側に座らせてあげよう」
「そんなんじゃないもん!僕はこいつのせいで根暗なクソおやじに殺されかけただ、へ・・・?」
かぼそいさえずりに静まり返る。意を決したネルがささやいた。
「フィー?今、何か言った?」
「・・・ネルぅ・・・」
「フィー君!目が覚めたんだね!大丈夫かい!」
「気分はどうだ?動けそうか?何かいるか?何でも言ってみろ」
何故かフィーは涙をためている。どうしたってんだよ。おろおろと部屋を歩き回った。
「・・・ぃぃぉぅたがね・・・聞こえたの・・・でも、目が覚めたら・・・わかんなくなっちゃった・・・」
ぽろぽろと涙を零した。ネルはびっくりした顔で髪をなでる。
「どうしたのー、ラバンがはだかで怖い夢みちゃった?」
「そんなことあるか!僕のお守りは絶対だぞ!」
「うん、いい夢だったよぉ」
「やった、やっぱり効果あったんだ」
ネルがにやにやした。クソが。フィーは助け起してもらって小首をかしげる。
「あのね、なんかね、へんな宇宙人がいっぱい出てきたんだよ。それからね・・・兎さんがいて、卵・・・」
「卵?」
顔を見合わせる。
「卵産んでねー、目玉焼き食べるんだってぇ・・・」
駄目だ、頭が痛くなってきた。
「そうか、大変だったな。怖かっただろ、ゆっくり休むんだぜ。俺は皆に知らせてくるからよ」
なんか通じてるのか?一応。・・・ちくしょう。
「あと頼むぜ」
「まかせてくれたまえ」
不意にフィーはもぞもぞと布団を探った。
「ー・・・あれえ、へんな杖がある。えぇとぉ・・・JYOH・・・REY・・・?」
「<上霊>だろ。悔しいがそいつはお前のための杖だよ。大事に使えよなばか!」
ふん!とか鼻を鳴らして威勢よく部屋を飛び出ていった。ネルが耳打ちするとフィーも一緒に噴出した。

とまれかくまれ、こうして彼女は無事にこの世に帰還したのだった。
34415 ◆E9zKH0kZMc :2009/08/22(土) 08:41:32 ID:HbM060K0
以上です。お粗末でした。

〜概略〜

      .∧__,∧
      ( ^ω^ )
僕のお守り効いたんですか!
悪い夢みなかったんですか!


    n.∧__,∧n
    ゝ( ^ω^ )ノ
   やった──!


   .∧_,,_∧   .○_,,_○
   ( ゙'ω゙` )   ( ゙'ω゙` )
みんなまだ裸のままじゃないですか!


            n.○_,,_○n 
 n.∧_,,_∧n     ヽ(    )ソ
 ヽ( ;ω; )ソ      〉    |
   〉    |     √r─‐ァ.)
  √r─‐ァ.)      ー''   一
   ー''   一
     やだ───!
345名無しさん@ピンキー:2009/08/22(土) 08:46:50 ID:isuYpxmy
わあいリアル投下ktkr!徹夜してみるもんだ!!
>>344華麗なオチまで乙wwww
346名無しさん@ピンキー:2009/08/22(土) 10:29:58 ID:5ShD9/Fr
クソワロタ
347名無しさん@ピンキー:2009/08/22(土) 11:12:24 ID:CzbrGfmx
概略ww
348名無しさん@ピンキー:2009/08/22(土) 15:43:20 ID:4WQgbLza
ワロタGJ
俺のeraデータ内シーフォンがフィーを脱がせたり媚薬盛って触りまくったり
縛ったり撮影したりしてるのがなんだか恥ずかしくなってくる純情っぷりだ
349名無しさん@ピンキー:2009/08/22(土) 22:45:42 ID:Ys70wWFA
オチ噴いたw

>>348
eraの中の人と比べるなw
350名無しさん@ピンキー:2009/08/22(土) 22:56:13 ID:9rogd+GO
フィーの天然キャラが私の中で確立されていくわけだが
351名無しさん@ピンキー:2009/08/23(日) 06:03:13 ID:jOQ6M/iK
なんの問題もあるまいw
ちなみにみんなの中で主人公はどんなキャラ?
352名無しさん@ピンキー:2009/08/23(日) 07:38:30 ID:d6bK79rJ
同じ主人公に毎回違うタイプの性格付けをしてたよ
353名無しさん@ピンキー:2009/08/23(日) 08:39:44 ID:artPqgCa
>348
さあフィーの口上を書くんだw
あとシーフォンのcsvデータ見せろww
354名無しさん@ピンキー:2009/08/23(日) 09:45:51 ID:AFpHourj
調教対象:フィー 調教者:マナ 助手:シーフォン
助手を犯させる
こうですねわかりま
355名無しさん@ピンキー:2009/08/23(日) 09:50:25 ID:KadcbQrg
何という無法地帯>354

しかしもう300KB超か、圧縮も視野に入れて保存しとかないとな
356名無しさん@ピンキー:2009/08/23(日) 10:58:55 ID:dlOhnRVL
いい子だw
しかしテレさんは既に老人とか無機物萌えくらいお手の物かと思ってた。


関係ないけどメロさんには駅弁が似合う気と思う。
35715 ◆E9zKH0kZMc :2009/08/23(日) 13:55:45 ID:k2iUKCm5
>>356
盛り込める知識がありません・・・力不足です


ところで、自分のテクストの訂正みたいなものは
持ち出さないほうがいいでしょうか?こうした物を書くのは
ここが初めてなので、色々迷惑にならないか心配してます
358名無しさん@ピンキー:2009/08/23(日) 14:42:41 ID:I6Os0r2M
>>353
エキストラモードの主人として使うために作っただけだから、
アベリオンをコピペして罵倒コマンドのために資質サド付けただけの手抜き。

フィーに恋慕つけた上で罵倒すると元ネタのイメージに近くて楽しいw

>>354
ワロタw
359名無しさん@ピンキー:2009/08/23(日) 19:14:36 ID:csNpov6C
>>357
持ちだすの意味がよくわからん
訂正してもう一度再投下するって意味か?
360名無しさん@ピンキー:2009/08/23(日) 19:21:59 ID:artPqgCa
>358
ナルホド。

……男衆も入れる需要があるのだろうか。シーフォンとかメロさんとか。

ttp://loda.jp/youseisan/?id=2184

非常に簡単にだけれども主人公に個別の能力をつけてみた。
性格系の素質は抑えめ。口上を書く人がエキストラ構文でつけてくれるのに期待。
36115 ◆E9zKH0kZMc :2009/08/23(日) 20:17:04 ID:k2iUKCm5
>>359
無計画に書き続けたために生じた、矛盾の申し開きをしたいと思いましたが
スレが消費されるのはよくないので、こまけえことは(ryとして、放っておくべきか迷いました
やはり、あんまり拘らない方がいいでしょうかね
362名無しさん@ピンキー:2009/08/23(日) 20:18:48 ID:tgJSmXyj
その矛盾を解決する新たな設定を盛り込んだ新作を書くならおk
     *      *
  *     +  うそです
     n ∧_∧ n
 + (ヨ(* ´∀`)E)
      Y     Y    *
って言いたいだけなら、こまけぇことはいいんだよ!
363名無しさん@ピンキー:2009/08/23(日) 20:53:21 ID:TSG24yfl
>>361
こまけぇこたあいいんだよ!

正直毎回げらげら笑ってよませてもらってるし
ほんと細かいこと気にならない
いっちゃなんだがエロパロ板だし
364名無しさん@ピンキー:2009/08/23(日) 21:07:47 ID:+ufWN6HT
>>360
エクストラ主人としての需要なら。
男主人公で女主人公調教してると近親相姦してるみたいでちょっと気が引ける。
まだソフトならブラコンシスコンでいいとしてもあんまりハードなのは、ちょっと。

調教対象としては適当でいいんじゃね?
「男の主人が女奴隷たちを調教するサド向けゲーム」としての遊び方としてだけじゃなくて
「女の主人に男奴隷たちが調教されるマゾ向けゲーム」としての遊び方が出来る需要もあるんだろうか。
他のバリアントだとそういうのもあるみたいだが。
365名無しさん@ピンキー:2009/08/23(日) 21:11:58 ID:+ufWN6HT
間違えて送信した。すまん連投

>>361
気にすんれよ!俺ぼいけん好きだからさ…

毎回楽しんで見てるし、気になったことはないな。
どうしても気になるからリライトして新しいネタとして投下するならアリだと思うが
申し開きだけなら細けえことは(ryでいいんじゃね?
366名無しさん@ピンキー:2009/08/23(日) 21:14:45 ID:awa58qaL
http://loda.jp/youseisan/?id=2185
eraRuina私家版。

>>364
男同士のぬちょぬちょしたのも需要としてはあると思うんよ
36715 ◆E9zKH0kZMc :2009/08/23(日) 23:05:17 ID:k2iUKCm5
アドヴァイスを下さった皆さん、有難うございます

さっそく>>90についての矛盾(料理できる人がいない時点で、食材を買い込んで出かける)を
>>91で「何故かフランの顔がよぎった」複線と一緒にネタにしました

※心から誰得で3000文字ほど
36815 ◆E9zKH0kZMc :2009/08/23(日) 23:06:00 ID:k2iUKCm5
新しく見つかった遺跡について、冒険者達の噂を思い巡らせながら、パリスは浮かない顔をしていた。
「苦手なんだよなあ、ああいう・・・オバケ?とかさぁ・・・、小銭稼ぎにはよさそうだけどよぉ・・・あぁ〜」
「がっはっは、お前さんは昔から怖がりだったなあ」
フィーはカウンターに寄り添って聞いていたが、不意に話をさえぎった。
「本当におばけがいるの?」
目がきらきらしているのはどういうことか。ラバンはふんぞり返ってみせる。
「おおとも、うっじゃうじゃしとるぜ。そこかしこからばあ〜っ!フィーちゃんあーそぼってな」
きゃっきゃと歓声を上げるのを横目にパリスは不機嫌だ。
「んなもんどうすりゃいいんだよ」
「死霊の類は魔法がいい。動く死体はもう死んどるからなあ、せいぜいが動けないように、ばらばらにでも
するくらいしか手はないわ。でろでろ・・・っとなあ」
早くも顔が引きつるパリスに、にやにやしながらアドバイスする。
「お前さんはそうさな、神殿にあるような聖別された武器を使うか、鈍器がいいぞ。魔法使いは甘いもんを
切らすと後が怖いからなあ、それなりに準備は忘れちゃいかん」
パリスはうーんと懐に手を当てたが、フィーはぽんと手を打って言う。
「そしたらシー君も一緒に行ってもらおっか!すっごい魔法が使えるんだよ」
酒場の向こう側でぴくりと反応したものがいる。地獄耳だ。ちらりとそちらを見ながらラバンは言う。
「おお、あの子は死霊使いだったかな?きっとむいとるだろうなあ」
「それじゃあ頼んでくるー!」
立てかけた若木の杖を持って駆け出す後ろをついていくと、妖術師は明らかに身構える。
「なんだよ、やるのか」
「シー君おはよー」
「おはってシー君て呼ぶな!・・・雁首揃えて何の用だ」
「うん、あのね、今日ね、これから・・・いっしょに、洞窟探検に来てほしいの」
「そおぉだなあ」
少年は腕を組んだままつーんと顎を突き出した。
「妹を街の医者に見せてやりてえんだ。手を貸してくれると有り難い」
「・・・だめ?」
しょんぼりし始めるのを待って大声を出した。
「しょぉおがないなあ、お前らは幸運にも、忙しいこの僕の予定の空きに当たったようだな。感謝しろよ」
「やったー、どうもありがとお!」
「そんじゃ一旦神殿によるぞ。お前らもなんか補強しなきゃな」
「エンダちゃんに会いに行こう!」
「しかし、弁当はなにがいいかな。俺はぶん殴ってりゃあいいけど、お前らはそうもいかねえし。すぐに
腹減らして術がつかえなくなるもんな」
36915 ◆E9zKH0kZMc :2009/08/23(日) 23:07:22 ID:k2iUKCm5
「あのう」
向かいのテーブルから声をかけられた。がっしりとした岩のような体格だが、かなりの童顔のためなのか
全くイカツサがない。胸に手を当てた紳士のポーズ。少しお辞儀をして申し出る。まさにお坊ちゃま。
「よければ、僕がなにか作ってあげますよ」
「えっ、貴族様がそんなことを」
声が裏返ってシーフォンが噴出したが、アルソンは輝かしい笑顔で答えた。
「いやあ、こういう時は庶民とも交流を図ることが不可欠ですからあ」
ちゅーかまともなもん作れるのかよ。ばか高いモンなんかだったらどうすんだ。パリスの顔が引きつる。
「フィーさんはすぐに市場に行って、ありったけの果物と小麦粉を買ってきてください」
「はあい!」
「女将!女将!厨房を使わせていただきますよっ」
がっしがっしと寄って行って、鎧兜を預けながら高らかに言い渡した。まごつく女将もしどろもどろだ。
「まあ、・・・あら、ええ・・・もちろん、こんなところで宜しいなら、どうぞお使いくださいまし」
おつまみを口に含んだままのラバンも、きょとんとしている。真っ白なエプロン、そしてマイ包丁。
「なんなんだ、この闘志は・・・」
「さあ、ぼさっとしていないで手を洗うんです!あなたも!!」
「は、はい!」
さっそくフランが巻き込まれ、パリスも袖まくりさせられた。シーフォンは柱の影に避難している。
「俺は料理なんかしたことねえよ」
「や る ん で す。君は生クリームを作ってください。バターを室温に!卵をわりますよ!」
無口な大男は、自らの最大のライヴァルに出会ったことに気がついていた。湧き上がるこの歓喜よ!
(少しはやるようね・・・。お手前を拝ませてもらいましょうか・・・)
階段の影から鋭い視線が飛んでいた。熱い、熱すぎる!
37015 ◆E9zKH0kZMc :2009/08/23(日) 23:08:11 ID:k2iUKCm5
雑貨屋の娘の援軍で、荷物をどっさり抱えてかけてきた。
「アルソンさーん、買ってきましたぁ」
「見せてください。・・・素晴らしい!ヘタを取ってよく洗ってください!水気をすっかり切るんです!」
「はぁい」
振り向きざま、パン焼き窯を覗き込んでいる黒髪の少女に指示を飛ばす。
「窯の温度はどうですか!」
「はいアルソン様、唯今150度まで上がりました・・・」
「よろしい!」
ぐるんときびすを返しざま、喝を入れる。
「パリスさん!もっと脇を締めるんだ!そうだ!その調子です!!混ぜて混ぜて混ぜまくるんです!!」
「ぬおおおおおおおおぬあああんでだあああああちくしょおおおおおおお!!!!」
「もっとだ!もっと腰を入れて!よぉし、これが耳たぶの硬さです!わかりましたか!」
「はいアルソン先生!」
「これで醗酵が完了した状態です!!覚えてくださいね!!パン種をキリわけますよ!!」
「はいアルソン様」
フランに任せると、果物をより分けたフィーの後ろから手を添えて、包丁の扱いを教える。
「ネコさんの手です!指を怪我しません!左手はかならずネコさんのお手々の形にしてください!」
「こうですか、先生」
「完璧だ!すばらしい!1cmくらいの厚さでスライスしましょう!こんな感じです」
「はい、がんばります」
「声が小さい!」
「がんばります!」
「全然聞こえませんよ!」
「「がんばります!!!!」」
「はい切った!今イチゴが全部切れましたよ!」
「なんじゃそら・・・」
「クリームにツノは立ちましたか!見せてください!・・・まだまだです!」
(ちくしょおおおぉぉぉ・・・)
「お砂糖を加えて火にかけます!とろ火です!煮立たせないように見張っていてくださいね!」
「はい!」
「ハーブを氷水に入れる理由が分りますか!」
いきなり当てられたフランは狼狽している。
「・・・葉っぱを、しゃきっと・・・させるためです」
「正解!ハーブをつかう理由を挙げてください!」
びっくりした顔のフィーは目を白黒しながら答える。
「香りがよいためと、いたみにくくなって、長持ちさせられるためです」
「素晴らしい!あなたたちは優れた料理人になれますよ!」
(なれんでいいから俺はねててえよお・・・)
37115 ◆E9zKH0kZMc :2009/08/23(日) 23:09:05 ID:k2iUKCm5
地獄のような特訓、戦場と見まごうばかりの(フランによる)暴挙、片付けによって瞬く間に時は過ぎた。
「これで完成です!」
「わぁ〜!私もお料理できちゃった!」
「あたしたちやりましたよっ、フィーさん!」
歓喜に頬を染めて手を取り合う。後ろではこき使われたパリス。
「ほげ〜・・・」
香りに誘われて集まってきたギャラリーも歓声を上げる。
「すごいじゃーん、やるう」
「エンダもたべたい」
オハラさんは特別仕様の口調で褒め称える。
「素晴らしいですわね、貴族様にこんな特技があったなんて。あたくし驚きましたわ」
宝石のように輝くアップルパイ、新鮮な朝摘みイチゴによるフルーツサンド、芳醇なカカオの香り香る
チョコレートパイ、バニラの薫り高い生クリームたっぷりプディング、得体の知れない驚愕殺人パン、
闇より深い漆黒のブラックプディング、厨房に宿りし狂気が詰まったマッドシチュー、・・・焦げた石。
(こやつ・・・只者ではない)
厳しい表情の傭兵は覚悟を新たにしていた。
「・・・・食ったらしぬ」
フランに頼んじゃいけない、それだけが今日の最大の収穫だ、肝に銘じなくてはいけない。
「皆さん、素晴らしい出来です!これで冒険は安泰ですね!」
忘れてた。びしっと敬礼して叫ぶ少女達。
「はい先生!どうも有り難うございました!」
「最後に大切なことを言っておきましょう。いいですか。料理とは芸術です。技術です。しかーし・・・
それは形には残らない(略)それでいて(略)それに加え(略)体の一部となる。そう、料理は人生だ!!」

ぐっと拳を握って何処とも知れぬかなたを見つめている。心から疲れた。
37215 ◆E9zKH0kZMc :2009/08/23(日) 23:10:16 ID:k2iUKCm5
ご迷惑をおかけしました。以上です
アルソンさんは間違った方向に情熱を傾けるに違いない、そんなお話です
373名無しさん@ピンキー:2009/08/24(月) 00:33:19 ID:C/T4gW1G
GJ!
テレ子とお似合いなお母さんですねw
374名無しさん@ピンキー:2009/08/24(月) 00:34:20 ID:c/Jie6Wc
相変わらずGJ。

言われてみれば確かに、MP食いのフィーとしーぽん連れて、食材だけ持って料理できないメンバーで
宮殿探索に行くのはゲーム的に変だよな。
とにかく話が面白くて、そんな矛盾なんて全然気付かず楽しく読んでいましたが。

そしてその矛盾をネタに新たな話を書き上げてしまう15 ◆E9zKH0kZMcに幸あれ。
しかしこれ、フィーはアルソンによる特訓で料理スキルを身につけたわけだが、
パリスはどうなんだろう。
ハンドミキサーなしで生クリーム泡立てを強いられただけに終わったとしたら、
同情せざるを得ない。
375名無しさん@ピンキー:2009/08/24(月) 00:58:21 ID:eo0y8qO8
>、・・・焦げた石。

ここで限界が来た。吹いた。
こいつら楽しそうだな。
376名無しさん@ピンキー:2009/08/24(月) 06:40:54 ID:jQJFdVsm
>>366
テレ子さんが、男を調教しまくってゲイの帝国を作るんですね。
377名無しさん@ピンキー:2009/08/24(月) 11:07:36 ID:EaArknSK
喝!略称が我が比類なき帝国と被る腐った帝国を作り上げるとは不届き千万
罰としてその比類なきおっぱいを1024回総統に揉みほぐされる刑とす
378名無しさん@ピンキー:2009/08/24(月) 11:09:37 ID:01SP+C/p
アーガゲーム帝国ktkr
379聖女と忠犬? 0/14−t ◆SvLllFe4/w :2009/08/24(月) 12:52:01 ID:w/rBYsd1
316-の後日譚(?)、もう少し熟成するつもりでしたが駅弁温泉と聞いて
甘めにしたつもりが、読み返してみたら別にそんなことはなかったぜ…

・メロさんがやっぱりいろいろひどい
・全編だいたいぬとぬとしている、やや羞恥系注意
・シリアス1:バカ2:ぬとぬと3:変態4くらいの割合
380聖女と忠犬?(前) 1/6−t ◆SvLllFe4/w :2009/08/24(月) 12:52:43 ID:w/rBYsd1
寝具の中で身じろぎし、わたしは目を覚ました。
あちこち痛む体を起こし、なんとか身を起こす。
視線を下げてみれば、大きな男物の上着を着せられた肌には、目に見える部分だけでも覚えのない痣やら痕やらがあちこちについていた。
「……はぁ……」わたしはげんなりと肩を落とした。
もういい加減、ため息しか出てこない。
そのとき、
「マナ。起きたか」
ため息の原因が音もなく部屋に入ってきて、わたしの傍ら、二人用の大きな寝台に腰を下ろした。
その手に携えていた水差しの中身を、彼が自らあおるのを見て、わたしはとっさに顔をぷいと背ける。
けれど、すぐにあっけなく顎をもちあげられて、その口付けから逃れることはできなかった。
「ん……んくっ──」
優しく、けれど有無をいわさぬ力で唇をこじ開けられ、生ぬるく甘い液体が直接喉へと流し込まれていく。
飲み込みきれなかった分が唇の端からあふれて顎を伝い、しずくが胸元へと滴る感触に、ぞくりと体が震える。
互いの口に含まれた液体がすべてなくなったあとも、なお舌を絡めようとするメロダークさんを、わたしはあらん限りの力で押しやった。
「んむ……っ、ぷはっ」
そのまま水差しを奪いとるや、つっけんどんに背を向けて、自分で中身を飲み干す。
檸檬を混ぜた蜂蜜水はひやりと心地よく舌を潤し、喉の痛みを落ち着けてくれた。
とりあえず渇きを満たしたわたしが大きく息をついていると、またしても後ろから手が伸びてくる。
それは戯れに首筋をくすぐるように撫でていき、ぶかぶかの服を着せられたわたしの腰に回された。
「機嫌が悪いな」
「あたりまえですっ」
寝台に腰掛けて半身を寄せてくる彼を、わたしは恨みがましい半眼でにらみつけた。
「き、今日は早く出発したかったのに……もう、もうお昼じゃないですかっ」
窓から差し込む陽光の傾きがそれを物語っている。
いま滞在している町のすぐ近くに温泉地があると聞いて、わたしが楽しみにしていたのは彼も知っているはず。
「夕方の乗合馬車には間に合うだろう」
「そういう問題じゃありません!」
今から準備をしていたら、日帰りを諦めなければならない。
──だからわたし、昨日はやめてって言ったのに!!

やっぱり、しばらくは立ち上がれそうもない。
いじけたわたしが再び寝台に身を預けると、なだめるように……というよりは懐柔するように、大きな手が背中を撫でてくる。
……そこにある傷痕が未だ疼いていた頃は、彼はとても紳士的で、こちらが気後れしてしまうほど優しく気遣い、いたわってくれた。
生真面目な彼は、その外傷だけでなく、わたしが心の中に抱くようになった男の人への僅かな恐れにも責任を感じていたのだろう。
決して後ろから近づいたり、急に触れてくることはせず、わたしが立ち直るまで静かに見守り、支えてくれた。
そして、慈愛と哀切のないまぜになった深い色の瞳で、時折こちらを見つめていたことも、わたしは知っていた。
──潔癖で何も知らないままのわたしだったら、力ずくでこの身を陵辱した男の人のことなど、ぜったいに許せないと感じたことだろう。
今でも、あの恐ろしい夜のことを思い出すだけで、心に冷たい石が入り込んだような気分になる。
……けれどその恐怖も、あれから彼が言葉と態度で示し、与えてくれたものによって徐々に薄れつつあった。
「……謝って赦されることだとは思わない。何をしても償えるものではない」
言葉少なにそう語ったメロダークさんはあの夜の出来事を心底から悔やみ、それでもわたしと一緒にいたいと言ってくれたのだ。
──やさしく、してくれますか。
眠りに就こうとするわたしの髪をそっと撫でる大きな手に自らの手を重ねて、おそるおそる訊ねたとき──
彼は低く掠れた声で、初めて「愛している」と言ってくれた。
逆にわたしの手をとって口付けし、何度も頷きながら。
……ほんとうに、それからの行為はとても優しく親密で、温かな手で穏やかに導かれたわたしは文字通り天にものぼるような心地がした。
幸せだった。
──それなのに。
ああ、それなのに。
381聖女と忠犬?(前) 2/6−t ◆SvLllFe4/w :2009/08/24(月) 12:53:15 ID:w/rBYsd1
最近の彼の振る舞いときたら、経験不足な恋人に手ほどきをするというよりは、……まるで、し、躾とか、ああそんなとんでもない。
「明日は、早く出発したいから…」
「ああ。………善処しよう」
「そんなこと言ってぇっ、こないだも──んんっ」
森のただ中であっても、危険がないと見ればおかまいなし。
まともな寝台のある宿に泊まろうものなら、こちらの体力が尽き、意識が飛ぶまで離してくれない。
まして昨夜などは月のものが終わったばかりで、たった数日間をあけただけだというのにその要求には際限がなかった。
さすがにこんなときは、早まったかなあ、と思わなくもない……男の人って、傭兵って、みんなこうなの?
──さりとて、わたしの体を丸ごと取りこんでしまえるような大柄な彼に手足をいましめられ、押さえつけられては、ひとたまりもない。
「んくぅっ…うぁああっ」
かつては肌を撫で回されてもくすぐったいばかりであったのが、近頃では彼の手に直接触れられるだけでぞくりと体の芯が揺さぶられる。
限界まで昇ぶらされた後や、彼自身を体内に受け入れている時は特にそう。
「はぁうっ」
はしたなく足を広げ、正面から熱い塊に貫かれている間、彼は好んでわたしの腰や太股をまさぐり、指圧したり、揉みほぐそうとする。
とりわけ、緊張しきったおなかの下あたりをあらゆる方法で弄んで、余裕のないわたしをいっそう追いつめる仕打ちをするのだ。
まるで、わたしの中を隙間なく埋め尽くす彼そのものを馴染ませ、融けあわせようとするかのように。
「あっ、ああっ、…あ、っふ──」
瞳を閉ざし顔を背けても、うねる快感は彼に占領された部分を中心に渦を巻き、内と外から同時にわたしを責め立てる。
──そう、わたしはそれが快楽であることをもう知ってしまったのだ。
……支配される。
圧倒的な力と質量に。
……支配される。
絶え間なく与えられる、過ぎた快楽のさざ波に。
重い体に圧し掛かられ、熱っぽい吐息を首筋に吹きかけられるだけで、わたしは背を震わせ、視界を潤ませて彼の広い背中にすがりつく。
「はうっ……メロダーク、さん──」
しあわせだ。
しあわせだ。
「……いいのか、マナ?」
「んっ……きもち、いい、ですぅっ……」
愛しい人と身を重ね、途切れがちな浅い息をこぼしながら、とっくにものを考えられなくなっているわたしは素直に答えを返していた。
あまりに恥ずかしい告白を拒もうにも、彼は特に敏感な部分を鋭く探りだしたが最後、淫らな悦びを認めるまで決して解放してくれない。
はじめは本当に痛かったり、苦しかったはずの行為や場所でさえ、幾夜もかけて何度も繰り返し責められれば、やがては彼のなすがまま。
もうなにもかも分からなくなってしまうほど、とてつもない歓喜の淵に追いやられてしまう。
「……ここは」
「んぁっ──あっ、だめ──や、また、っちゃ……うぅぅんんっ」
急に激しくなった突き上げに、花芯への刺激を重ねられ、わたしは他愛もなく追いつめられて幾度目かもわからぬ絶頂を強いられた。
わたしの意識は急速に深いところへ落ちていこうとしているのに……
彼の方では、わたしの中に熱い迸りを注ぎつけるのは、それがたった一度目にすぎなかった。
382聖女と忠犬?(前) 3/6−t ◆SvLllFe4/w :2009/08/24(月) 12:53:55 ID:w/rBYsd1
「ぅぁっ……」
明け方に、不穏な刺激によって目覚めさせられることも少なくない。
それは、親愛の表現というにはあまりに力強い抱擁であったり、寝巻きの中にもぐりこんだ手の動きであったり。
さらに悪ければ──覚醒したとたんに快楽の頂点を極めさせられることだってある。
眠りの中で弛緩した体にずぶずぶと遠慮なく侵入してきた異物によって、文字通り跳ね上がりながら目覚めを強いられることも。
「ひあっ……きゃああうっ!!」
当然ながらわたしは状況を把握できないまま目の前の体にしがみついて助けを求めるも、彼が許してくれたためしは一度としてなかった。
やみくもに暴れるわたしを寝台に押さえつけ、拒絶すればするほど強く抱きしめて、容赦なく抜き差しを繰り返す。
「やあっ、や、んあぅっ──ふあっ、んやあああっ」
混乱しきった頭とは裏腹に、既に昇ぶらされていた体は全ての刺激を無防備に取り込み、それが毒のようにいっそう思考をかき乱す。
こうして一方的な挿入を仕掛けられた時には、結局再び意識がふっと途絶えるまで、ひたすら手酷い責めに翻弄され続けるはめになる。
……今朝もそうだった。
昨日の夜から一体どれくらいされたのか、わたしには分からない。
ひとたび交わり始めれば、こちらの限界など、そして意識の有無すら関係なしに昼夜の別なく求めてくるのだから。
見知らぬ痣や身体の倦怠感、それから──体を動かした時にどろりと内奥からこぼれ出るものから判断するしかない。
……いや、それよりも。
「……メロダークさん」
「何だ?」
彼の服越しにわたしの背中をさすっていたはずの手が、いつしか毛布の下へともぐりこみ、お尻の方にまで降りてきている。
しゃあしゃあと答えるいやらしい手の甲をぎゅうっとつねり、わたしは毛布を首もとまで引き上げながらじと目で彼を威嚇した。
「……わたしの服、どこですか」
すると彼は寝台のわきに置いた荷物の中から、洗われたうえきちんとたたまれた衣服を取り出した。
「さっき乾いたところだ」
清潔な服はうれしいけれど、つまりは洗濯屋さんに預けた衣服が戻ってくる昼まで、彼には端から出発する気などなかったということだ。
「…………」
さらに機嫌を悪くして俯いたまま黙り込むわたしを、いけ図々しい男の人がのぞき込んでくる。
「どうした。着替えないのか」
わたしはきっと顔を上げてわめいた。
「出てってください!!」
383聖女と忠犬?(前) 4/6−t ◆SvLllFe4/w :2009/08/24(月) 12:54:26 ID:w/rBYsd1
次にあんなことしたら絶交です、とわたしはついに宣言した。
「……あんなこと、とは?」
それぞれ五人は座れるような、長い腰掛けが左右に配された大きな幌馬車の中。
遅い時間に湯治地を目指す乗合馬車には、もはやわたしたち以外に乗客はいない。
腕組みしたままちらりと顔を上げた、向かいに座るメロダークさんに、わたしは思わず声を張り上げかけ──
「わっ、わたしが……寝ているときにまで、その……し、しないでほしいんですっ」
外の御者台に届かぬよう、慌てて口元をおさえた。
「……話がよく見えんのだが」
──まさかとぼけてるんじゃないでしょうね、この人。
そんな思いをこめて黙り込んだわたしに、今度はメロダークさんのほうが席を立ち、揺れる足場をものともせずこちらにやってきた。
居心地の悪さを感じたわたしが退くよりも早く、低くかがみ込んで馬車の背もたれに手をつく──両腕の間にわたしを挟み込む形で。
「つまり、寝込みを襲うのはやめろということか」
──やっぱりわかってるんじゃないの!!
間近で恥ずかしいことを言われて一気に頬が火照る。
けれど抗議しようと口を開いたとたん、噛みつくように素早く唇を塞がれて、わたしは息を詰まらせた。
「んぅっ──」
けれどさすがに話の途中で、誤魔化されはしない。その胸に手をついて精一杯押しやり、顔を背けてなんとか接吻から逃れる。
「……どうしてもか」
彼はなおもこちらの顎に手をかけ、喉元に指を遊ばせてくるが、猫の機嫌をとるような扱いにわたしはいっそう口を尖らせた。
「ど、どうしてもですっ」
「……そうか……」
──捨てられた犬みたいな目で見たってダメです!
最近ではわたしも悟るようになってきた。
間近に身を寄せて誘うように触れてきたり、一見子供をあやすように頭を撫でたり、あるいは少し落ち込んだ素振りを見せたり。
こちらが気恥ずかしくなるほどに愛情を示してくれるのは嬉しいけれど、メロダークさんは時々ずるい、と思ってしまう。
うかうかと丸め込まれてしまった後で、わたしはたいてい後悔することになるのだ……主に、寝台の中で。
今度ばかりは騙されてなるものかと、わたしがそっぽを向いたままだんまりを決め込んでいると、彼はようやく諦めてくれたらしい。
長い息をつくと共にようやく目の前からどいてくれた。
そのまま隣に座し、ちらりと視線を向けたわたしに珍しく苦笑らしきものを浮かべてみせる。
「分かった。努力しよう」
わたしは口をへの字に曲げた。
「努力じゃなくて約束してください」
「……私の負けだな」
──はじめから勝ち負けも何もあるもんですか!
憤然として、わたしは再びふいっとそっぽを向いた。
……それが間違いだった。
384聖女と忠犬?(前) 5/6−t ◆SvLllFe4/w :2009/08/24(月) 12:55:02 ID:w/rBYsd1
「ではお前が起きているうちにさせてもらおう」
不穏な台詞に嫌な予感を覚えて振り返ろうとした刹那──
後ろから伸びてきた腕が素早くケープの下に入り込み、わたしの胸をぎゅっと掴んだ。
「っ!?」
あまりのことにわたしが愕然と凍り付くのをいいことに、大きな両腕は簡単にこちらの体を持ち上げて、彼の膝の上に引き込んでしまう。
「あまり大声を出すと外に聞こえてしまうぞ」
「んんっ──!」
耳元でとんでもないことを囁かれ、とっさに声を漏らすまいと口を押さえるわたしを服の上からまさぐるだけでは飽きたらず。
メロダークさんは後ろから首筋に吸いつき、下衣にまで手をかけてきた。
「だめです、だめ──やっ、メロダークさん……いやです、こんな──ぅあっ」
拒絶をかき消すように強く抱きすくめられ、敏感な部分ばかりを強引に刺激されて、意志とは裏腹に体は望まぬ反応を示してしまう。
「欲しいんだ、マナ……」
「あ、ああっ……だめなの……」
──少し掠れた彼の低い声が吐息と共に直接耳へと吹き込まれるだけで、電流が背筋を駆け抜ける。
スカートの中に潜り込んできた片腕が、下着までもかいくぐってわたしの中心を探り当てた。
「ひ──ひぅっ!」
そのまま直に、神経がむき出しになっているような突起を摘みあげられ、ぐりぐりと好き勝手になぶられて、反射的に全身が跳ね上がる。
「あ……だめ──おねがい……も、やめて……あっ!?」
歯を食いしばって声を殺すのも限界という時、わたしの腰帯が突然するりと解かれた。
逃げ出す間もなくメロダークさんはその細長い布をわたしの頭に巻き付け、完全に両目を覆う形で結んでしまう。
「やっ、こんな──ぅあっ、んくぅんっ」
視界を奪われてろくに抵抗もできなくなったわたしに、すかさず責めが再開される。
片足をすくい上げられて椅子の上に乗せられ、大きく開かされた足の間で、下着が大きくずり下げられた。
もはや決して彼から逃げられない不安定な姿勢になったわたしは、背後に密着するメロダークさんにすがる他ない。
片手でその服を握りしめ、もう片手の指を噛んで必死に声をこらえるが、彼はますます行為を深めようとする。
すっかり外気に晒されてしまっているのに、くちゅり、と音を立てはじめた秘部が執拗に弄られる。
「マナ……可愛いマナ」
至近で囁く男の人の熱い舌がわたしの耳をねぶり、甘く歯をたててくる。
何も見えないわたしにとって、肌に与えられる直接的な刺激と、その耳から入ってくる情報がすべてだった。
ここが白昼の馬車の中であることも、すぐ近くに他人がいるということも、闇の中では何もかもが遠ざかる。
「あっ、はぁっ、や、いやぁ……んひっ」
ぬめりを帯びたわたしの中に長い指が何本も差し込まれ、同時にその上の芯をめちゃくちゃに苛められて。
──からだが、はじける。
「くぅっ──、〜〜〜〜っ!!!」
わたしは片足をたてて彼の膝の上に座ったまま、大きく仰け反らせた背筋をびくびくと何度も激しく痙攣させ──
やがて、背後の腕の中にぐったりと倒れこんだ。
385聖女と忠犬?(前) 6/6−t ◆SvLllFe4/w :2009/08/24(月) 12:55:33 ID:w/rBYsd1
最低だ、さいていだ、サイテーだ。
メロダークさんも、わたしも、最低だ。
──あのあと、わたしは彼の広い背中で目を覚ました。
馬車はとっくに山麓の終着地に着いていて、山の上の温泉までは徒歩で赴かねばならない。
その途上のゆるやかな林道を、メロダークさんはわたしを背負って目的地へ向かおうとしていたのだった。
……こんなふうに運び出されたわたしは、あの馬車の主には、いったいどう見えたことだろう。
わたしの服をまとめる腰紐は、涙に濡れた部分を巧妙に隠すかたちで元通り結わえられていた。
しかしスカートの下に下着はなく、さらさらと外衣の生地が直接おしりに擦れる感触がなんとも居心地悪かった。
──記憶はないけれど、おそらく彼自身を迎えさせられたわけではないようだ。
ただ、その力強い腕の中にとらわれたわたしは、一度高みにのぼりつめさせられた後も解放してはもらえなかった。
視覚を閉ざされたまま、そして片膝をたてたまま馬車の長椅子に押し倒され、指と舌とで幾度も激しく追い立てられた。
あまりの羞恥と恐れにすすり泣きながら懇願しても、残酷な腕はわたしを捕らえたまま。
暴れては外に気取られると脅しつけ、恐怖にすくみあがる内壁を強引に押し広げ、擦りあげ続けた。
挙句には口元を押えていた両手をひとまとめにされて頭上に固定され、もがく体を大きな体に押さえつけられる。
背けた首筋や胸の頂に食らいつかれ、敏感になりすぎた下腹の芽を休みなくおもちゃにされて──
「ぅ……ふく、ぁっ、ぁぅ──」
喉をひきつらせながら、少なくとも三度の絶頂を立て続けに強いられたあと、わたしは意識を手放したのだった。
……そして、今に至る。
──おそらく下着がなくなっているのは、もはや使いものにならぬほどぐしょぐしょになってしまったからだろう。
その行方は彼が知っているだろうが、わたしは敢えて訊ねる気にもならなかった。
目覚めて記憶を蘇らせるや、わたしはめちゃくちゃに暴れたててその背中から降り、ふらつきながらも自分の足と杖で歩き始めた。
彼とは一度も言葉を交わしていない。
「マナ──」
メロダークさんの方では幾度か声をかけようとしてきたけれど、わたしは決して返事をしなかった。
しばらく無言で林道を行くと、やがて道は二手に分かれた。
その一方は山上の宿場へ、他方はそれを迂回して小川へと至るものらしい。
「マナ?」
しばし考え、川へと向かう道へ踏み出したわたしに、後ろから怪訝そうな声がかけられたので、一度だけ振り向いて告げる。
「しばらく一人になりたいんです。──明日、町の入り口で」
言外に付いてこないでほしいと言いおいたきり、わたしは彼の顔も見ずにきびすを返して足早に下り坂へと分け入った。

後ろから彼の気配がついてこないことを確かめて、少し安心する反面、一抹の痛みが胸をよぎる。
空がうっすらと黄昏の色を帯びはじめた今の時間から山頂へのぼったところで、宿の部屋が空いているかどうかは分からない。
意固地になって町を出たというのに、もうわたしには当初の目的などどうでもよくなっていた。
──なんで。
「なんで……」
懸命にこらえていた涙がじわりと視界を揺らす──わたしはこんなに泣き虫ではなかったはずなのに。
ほんとうに、意志が弱くなってしまった。
本来なら、あんな非常識な行為はなんとしても許してはいけないのに。
結局はわたしの意志が弱いから流されてしまったのだ。
こんな自分は好きではない。
彼と共に過ごしたの夜はもう両手でも数え切れないけれど、数ヶ月前からは想像もつかないほどに、わたしは変わってしまった。
夜ごと情熱的に求められ、かつては熱と痛みばかりだった行為が、今では鋭い快楽の奔流となってわたしをばらばらにしてしまう。
この身に芽生えた赤い炎はとどまるところをしらず、一夜毎にどんどんふしだらに堕落していくようで、それがたまらなく恐ろしかった。
──どうすればいいんだろう。
メロダークさんと、一度ちゃんと話をしなければ。
……もしも、彼が明日、待ち合わせの場所に来てくれたらの話だけど。
「あ……」
──その時、緑なす木々の彼方から静かなせせらぎの音が耳に届いた。
思わず顔をほころばせ、荷物と杖を持ち直して森の切れ間を目指す。
ところが、地についた杖が不意に木の根にとられ、驚いて引き抜いた拍子に今度は逆の方向へぐらりと体が傾いだ。
眼下の川の流れへと。
しまった──
「マナ!!」
一瞬手を泳がせた先に、あの人の呼び声を聞いたような気がしたけれど。
それもすぐに、大きな水音と共に訪れた暗い波の果てに消えた。
386聖女と忠犬?(後) 1/8−t ◆SvLllFe4/w :2009/08/24(月) 12:57:19 ID:w/rBYsd1
せき込みながら苦しい目覚めを迎えたとたん、わたしはとてつもない力で大きな生き物につぶされかけていた。
「ん……けほっ」
妙に全身が重いと思ったら、わたしは全身びしょぬれで。
同じく水浸しで黒髪を乱したメロダークさんに上体を抱えこまれていたのだった。
──ああ、わたし、また川に落ちたんだっけ。
力強く脈打つ彼の首もとに顔を埋めたまま、ぼんやりと思い出す。
「──メロダーク、さん……?」
重い腕をなんとか持ち上げてその頭に手を添えると、彼はいっそう強くわたしを抱きしめて、大きく長く息を吐き出した。
その吐息がわずかに震えを帯びているのは気のせいではないらしい。
戸惑い、かける言葉を探していると、やがてメロダークさんはゆっくりと腕の力を抜いていき、わたしを起きあがらせてくれた。
「怪我は。どこか痛むところはないか」
「あ……はい、大丈夫です」
肩に手をおかれ、いつにもまして真剣に尋ねられたが、まだ頭のはっきりしないわたしは漫然と頷くだけだった。
すると、メロダークさんはあらためてわたしを抱擁した──ただし、今度はずっと穏やかに、半ばわたしにすがるように。
「……すまなかった」
と、沈痛な呟きが落とされる。
「お前が……私の手の届かない所へ行ってしまうことになど、耐えられない」
──彼は、あまり多くを語らない人だけど。
「無事でよかった、マナ……」
わたしを大切に思ってくれていると、その態度で、眼差しで、伝えてくれる。
「わたしも……、心配かけてごめんなさい」
広い胸に額を預け、わたしもしばし瞳を閉じた。

二人そろって荷物もろとも濡れねずみになってしまい、このまま夜を迎えては風邪を引いてしまう。
メロダークさんによれば、温泉が流れ込んでいるらしき水温の高い場所があったというので、ひとまずは上流を目指すことになった。
可能な限り服の水気をしぼってから、河瀬の砂利の上を手をつないで歩く。
普段こんなことはしない人なのに、剣を握りなれた硬く大きな手はわたしを片時も離すまいとしているようだった。
気恥ずかしさとそれ以上の喜びがこみあげてくるけれど、わたしにはどうしても確かめたいことがあった。
「あの……それで、どうしてあんなことを──?」
しばしの沈黙を挟みはしたが、今度は誤魔化しのない答えが返ってきた。
「……私は、」
自らの内面を手探りしているかのように、ぽつりぽつりと言葉を落とす。
「お前の側にいると、時々抑えが効かなくなる」
繋いだ手に、ぎゅっと力がこめられた。
「私に笑いかけてくれる顔も、抱く時に恥じらって泣く顔も、快楽に溶けて誘う顔も、なにもかも魅力的だ」
「………」
この人はたまに、とんでもないことを平然と口にする。
「できるものなら、このままさらってどこかに閉じこめてしまいたい。私以外の誰の目にも触れないように」
わたしは声もなく、赤くなったり青くなったり忙しい。
「……だから、」
と、メロダークさんは傍らのわたしを見下ろして言った。
「私がもしまたお前に嫌われてしまいそうなことをしたら、……お前が私を止めてくれないか」
「メロダークさん……」
どこまでも真摯な、夜の色の双眸。
「手加減は無用だ。なんなら踏みつけたり罵倒してくれても一向にかまわない」
「はい?」
「……いや」
普段あまり感情を表に出さないその瞳に、一瞬期待のきらめきが浮かんだような気もしたが、今度は咳払いでうやむやにされた。
「とにかく、遠慮はいらんということだ。お前は、私の守るべき……その、大事な女性で、パートナーなのだからな」
──不穏な部分もあったけれど、わたしを対等な存在として見てくれる彼の言葉は、なによりも嬉しかった。
……だから、すっかり日が落ちて肌寒さを感じはじめた頃、小さな崖の下に湧き出す自然の温泉にたどり着いたとき。
「確かめさせてほしい」
と彼が求めてきた時にも、わたしは拒みはしなかった。
387聖女と忠犬?(後) 2/8−t ◆SvLllFe4/w :2009/08/24(月) 12:59:03 ID:w/rBYsd1
ひとしきりお湯につかって温まった体は、絶えず湯気のたちこめる河辺の空気に触れてももはや寒さは感じなかった。
わたしはメロダークさんに導かれて、まずは熱水の源から少し離れた浅い河床に座らされた。
腰掛けた太股の辺りまでしかない足下の暖流を利用しながら、彼はわたしの後ろに回り、石鹸を泡立てた大きな手を全身に滑らせてくる。
「怪我はないようだな」
「ん……はい」
お互い生まれたままの姿ながら、体を洗われているにすぎないのだと、わたしは何度も自分に言い聞かせなければならなかった。
けれど、わたしの肌を力強く這う手を、まともに見てはいられない。
手足を探りつくした硬い掌が体の前にきて首や腰を、そしてわたしの最も柔らかな部分までをも探ろうとする。
「あ──そこは自分で、ひぅっ」
「駄目だ。ここは特に念入りにしなければならんからな……」
背後から伸びる手はいつのまにかわたしを抱え込むような形で、円を描くように胸を強くこすって泡立ててきた。
さらには泡を流した背中の傷跡を唇でなぞられながら、少し膝を立てさせられてお湯から離れた底部に手がかけられる。
おへそをたどって下腹の茂みに石鹸が直接押し当てられようとしているのに気づき、わたしは慌ててそれを奪い取った。
「あ、あのっ!……わ、わたしも洗ってあげますからっ!!」
とにかく取り返されまいと、相手が何か言う前に声を張り上げる。
「そうか。では頼む」
すると、ほとんどわたしの体をすっぽり包み込むように覆いかぶさっていたメロダークさんは、あっさりと河床に腰を降ろした。
──ところが、膝立ちのわたしをそのまま引き寄せてきたものだから、
「……あの、洗いにくいんですけど」
石鹸を持ったわたしの手が、彼の大きな体に抱きつくような形でその背中へと導かれる。これでは手元が全く見えない……って、
「きゃっ!?」
「こうすれば前も一度に洗えるだろう」
メロダークさんはわたしの腰をさらに抱き寄せて、彼の逞しい上半身に密着させた。
上下に体をゆすぶられると、既に泡を乗せられていたわたしの体が、その引き締まった胴部へ強く押しつけられ、擦りつけられる。
「こっ、こんなの、洗うっていいませ──やぅっ!」
確かに互いの体の間からは細かな泡があふれてくるけれど、それが流れてしまえば、徐々に摩擦のほうが強くなってくる。
さして存在感のないわたしの胸は彼の胸元ですっかり押しつぶされて、体を動かされるたびにその筋肉や体毛までもが鮮明に意識された。
……おまけに太股のあたりには見ずともそれと分かる、熱と硬さを持った彼そのものがあたっていて。
「あっ、あぁ……」
にわかに性的な含みを帯びはじめた触れあいに、わたしはついに彼の背を流すどころではなく手に持った石鹸を取り落とした。
温水の中を流れていこうとするそれが彼の手で拾い上げられたのを、ぼんやりと視界の隅にとらえながら、嫌味なまでに沈着な声を聞く。
「──やはり、お前から洗った方がよさそうだ」
彼は左腕でわたしの腰から太股にかけてを抱え込み、より近く身を寄せながら、石鹸を握りしめた後の右手を局部に伸ばしてきた。
膝を揃えて水底についたままのわたしは逃げるすべもなく、足の間のふくらみをわし掴みにされてたちまち仰け反った。
「やっ……いやあぁん!」
無遠慮に茂みをかき回されて盛んに泡が生じると、さらにそれを利用して、きつく閉じた足の間に難なく指がすべりこむ。
「さあ、……もっと足を開け」
「だ、だから自分で洗えますからぁっ」
「……ならば、こちらから始めよう」
「──っきゃあん!」
わたしをつかまえていた左手がするりと動き、同じく石鹸を帯びた手でわたしのおしりをぐにぐにと揉み始める。
思わず足から力が抜けるが、この姿勢で腰を落とせばそれだけ底部に潜り込んだ右手の指が奥へとめりこんでしまう。
わたしは必死に膝に力を込め、彼の首にしがみついて自分を支えるしかなかった。
「め、メロダークさん……もう、いやです…んんんっ」
「もう少しだ、マナ」
割れ目のうえを前後に往復していた指は、ますます深みへ入り込んで陰唇のひだを丁寧になぞり、薄い皮の中にまで泡を送り込んでくる。
さらには左右のお尻を泡まみれにした左手の指先が、その合間の溝に割りこんできて、とんでもないところを撫で始めた。
「あっ、だめ、だめ──そんなところ、汚いよぉっ、やあぁっ」
「お前に汚いところなどあるものか」
「ないわけないでしょっ、……うあぁぁん!」
自分でさえ直に触れたことなどない不浄の穴をじわじわと撫でられ、軽く押されたりして、わたしの忍耐は限界を迎えた。
ばちん、と満点の星空に小気味よい音が響きわたった。
388聖女と忠犬?(後) 3/8−t ◆SvLllFe4/w :2009/08/24(月) 12:59:45 ID:w/rBYsd1
「……うむ。実にいい平手だった」
ようやく石鹸を手放した男の人は、べそをかく寸前のわたしを抱え上げ、意味不明なことを独りごちながら再び水深い場所に運んでいく。
彼が手頃な岩に腰掛けると、その膝の上に乗せられたわたしの胸の上あたりまでがお湯の中に浸された。
今度は、彼は性急にことを進めようとはしなかった。
胸元を隠すべく体の前で交差させたわたしの両手を退かそうとすることもなく、軽く体を寄せるだけ。
素手ですくわれた温水が幾度も首や肩にかけられ、残る泡が洗い流されると、ほつれかけた髪が濡れないよう頭の上で結わえなおされる。
それから腕や背中を巧みに揉みほぐされるうち、わたしはすっかりいい気持ちになってうっとりと彼に背を預けるようになっていた。
やがてお湯の中でうごめく手が内股を這いあがってきた時にも、促されるまま彼の膝の上でゆるやかに両足を開く。
「んっ……」
先ほど石鹸をこすりつけられた秘裂を微風のように指で触れられ、思わずきゅっと唇を噛む。
「大丈夫か」
「ぁ……はい……」
あやすように他方の手で腰を撫でながら、気遣うように尋ねられて、わたしは戸惑いながらさらに体の力を抜いた。
──いつもなら、一度そこに手をかけられたが最後、こちらがどれほど懇願しても離れてはくれないのに。
ところが今、わたしの後ろから回された手はたっぷりと時間をかけて少しずつ指先を進めてきた。
下腹の茂みを優しく梳き、壊れ物を扱うかのように繊細に裂け目をなぞる。
……こんなふうに触れられては、逆に神経がはりつめて、ごくわずかな指の動きまでもが鮮明に意識されてしまう。
「ん……はぅ……」
幾重にも折り重なった花弁を一枚一枚やんわりと剥ぎとられ、それぞれを丁寧に愛撫されて、隅々まで洗われる。
きつく握られていたわたしの手はいつしかすっかり開き、呼吸にあわせて上下する胸元へ力なく添えるだけになっていた。
──もはやわたしの体とお湯との境界線は、とけあったように曖昧になってしまっていた。
「……そろそろあがるか、マナ」
長らくの後に彼が耳元で問いかけてきた時、もはや完全にその体にしなだれかかっていたわたしは、声もなくただこくりと頷いた。
体の奥底に目覚めた疼きは、もはや否定しようもなくわたしの秘部で脈打っていた。
389聖女と忠犬?(後) 4/8−t ◆SvLllFe4/w :2009/08/24(月) 13:00:13 ID:w/rBYsd1
力の抜けた体を再び抱き上げられて、岸辺に連れていかれる。
平板な岩に横たえられた頭の下には、丸めた彼の外套が敷かれたきり。
けれどすっかり柔らかくなった身にとっては、硬い岩肌よりも、彼の匂いに包まれていることばかりが意識された。
膝から下だけは岩からはみ出して、いまだ流れの中にあったが、やおらメロダークさんはそのわたしの脛を片方抱え込んだ。
再び石鹸を持ち出して丁寧にまさぐり、器用に泡立てる。
「ひゃっ……んん」
足の裏を押されたわたしが身をよじるのに構わず、そのつま先にまで泡をすり込む。
次いで彼は河床から拾い上げた穴だらけの小石を軽くこすりつけ、垢をおとし始めた。
反対側の足にもたっぷりと時間をかけて同じことをされ、お湯ですすがれる。
その頃には、わたしは気恥ずかしさとくすぐったさに両目をきつく閉じ、枕にしがみついて乱れかけた呼吸を落ち着けようとしていた。
──だから、洗い流された足先をとつぜんかじられて、思わずひっくりかえった悲鳴をあげた。
「ひやぁっ……や、そんなところ、だめぇ!」
じたばたと岩の上でもがくのをものともせず、メロダークさんはがっちり抱え込んだわたしの足の指を一本一本ねぶる。
あるいはその間へ強く舌をこすりつけるようにして口内で舐めあげ、啜りたてた。
「ふうんっ──き、きたないってばぁっ」
「今洗ったばかりだろう」
「あぁ、んっ……ばかあ!」
ぐりぐりと土踏まずの敏感な部分を指圧されるものだから、くすぐったくて体に力が入らない。
それをいいことに、メロダークさんはもう片方の足をも持ち上げて口の中に含んでしまった。
「うぅっ……ん、あぅっ……」
ふくらはぎを丹念に揉みほぐされながら、そこらじゅうをかじられ、しゃぶりつくさくる。
骨を貰った犬じゃあるまいし、またしても抵抗など歯牙にもかけぬ振る舞いを、いつものわたしなら決して受け入れはしなかっただろう。
──それなのに。
芯まで温められ、いつになく優しい愛撫でほどかれきっていたわたしの体は、この倒錯した行為にさえ反応を示し始めてしまっていた。
……それに、温泉から出たり入ったりを繰り返していた身には、それどころではない事態が生じつつあったのだ。
それを自覚した時、わたしはあらん限りに身を縮こまらせて硬直した。
「────っ!!」
「マナ?」
鋭く身を引いため、爪先から唇を引き離されるかたちになった男の人が怪訝に声をかけてくる。
「メ、メロダークさん……わたしのサンダル、どこですか」
「どこへ行こうというんだ」
いまさら、と言外に匂わせながら、彼はやや不機嫌に眉根を寄せて岩の上のわたしに覆い被さるように迫ってくる。
「だ、だから、その……」
わたしは真っ赤になって視線をそらし、その身を押し戻そうとした。
しかし逆にその手を掴まれ、顔の両側の岩肌に押しつけられて、退く気のないことを示されると、わたしはついに観念して告白した。
「あ……あのっ、──お、お花を摘みに………」
一時いぶかしげな沈黙がおりたが、彼はこちらの言わんとすることを理解してくれたらしい。
「そうか」と落とされた声に、ほっと安心して顔をあげたのもつかの間──
「では私が摘んでやろう」
あくまで優しくささやきかけるその彼の、目の色が変わっていた。
390聖女と忠犬?(後) 5/8−t ◆SvLllFe4/w :2009/08/24(月) 13:00:45 ID:w/rBYsd1
「いやあああっ、もうやめ──うあ゙あああああっ!!」
涙で濁った悲鳴を発し、水揚げされた魚同然に激しくのたうつわたしの底部から、じゅわっと温かな液体がにじむ。
太股を限界まで開いた状態で平岩にはりつけにされ、下腹の丘を裂かんばかりに割り開かれて。
押され、こねられ、太い指をねじいれるようにされ、舌や歯まで使って暴力的なまでにしごきぬかれる──
切羽詰まった小水の孔を、そのすぐ上でむき出しにされた突起もろともに。
「ひゃう、ひゃうぅぅっ……、う、あああ、っあ! やだぁっ、押しちゃやだああ!!」
暴発を必死に耐えてわななく膀胱を、肌の上から容赦なく刺激される。
挙げ句、秘唇に奥まで突き入れられた複数の硬い指が我が物顔にわたしの体内をかき回し、ぞろりと内壁をこすりあげながら──
内側から、その天井を押しあげられた。
上下双方から、そして出口を直接いたぶられ続けて、ついにわたしは強制的に決壊の時を迎えさせられた。
「ああっ、あっ、ああああ……」
ぎゅうっとぎりぎりまで収縮した膀胱ごと、押さえつけられた腰全体を小刻みに痙攣させながら。
「みないで、みないでぇ……」
それ自体が質量を持つかのような、食い入るような視線に晒されながら。
「うくっ、んっく……んぁう──は……」
唯一自由になる両手で握りしめた彼の外套に顔を押しつけながら、わたしは暴きたてられた股間から熱い液体をこぼしていた。
一度決壊してしまえば、それは止めどなく漏れ続け、太股やお尻をつたって岩肌に滴り落ちる。
けれど、溢れるものが完全になくなったと思っても、指はその動きを止めず、弛緩した股間からじわじわと残尿を搾りとろうとしていた。
「ひっく、っくぅ、うぁ……」
なおもくちくちといやらしい音をたてながら突起を弄ばれ、わたしは苦しい呼吸を休める間もなく全身を震わせ続けた。
「……素晴らしかった、マナ」
「ぅぁ……」
耳元で何事か囁きかけられるが、今のわたしにはほとんど聞こえていなかった。
一度の絶頂で許してくれたことなどない彼は、その後も抗う声さえ出せなくなったわたしを好き勝手になぶり、岩の上でいたぶり続けた。
彼がようやく自身でもって押し入ってきた時、わたそはもはやまともにものを考えられなくなっていた。
限界まで背を仰け反らせ、並外れた異物をめちゃくちゃに締めつけて──
そこから先は記憶がない。


この上なく窮屈で甘美な締めつけのあと、今度こそぐったりと意識を失ってしまった少女の膣内から、メロダークは一度己を引き抜いた。
完全に脱力した体を抱き上げると、共に再び湯の中へ浸かる。
そして自らは手頃な岩に腰を下ろし、正面から抱擁する形でマナの体を己の上に座らせた……というより、跨がせた。
──柔らかに弛緩した娘の膣内は穏やかに脈打っていたが、もとの小柄さから、間をおかず受け入れさせられたものを苦しげに包みこむ。
意識のない上半身を胸にもたれさせ、メロダークは内部に己を収めさせたままの体をくまなく湯の中で揉みほぐし、汗を流してやった。
やがて背を這い降りていった男の両手は尻の双丘に至り、その合間に隠されたすぼまりを探りだす。
「ん……」深い眠りの中にある娘が弱い呻きをもらした。
排泄の穴をいじられても、正気のない体は何ら抵抗することはできない。
しかしメロダークは無防備な後孔を犯すことはせず、指先でそのささやかな皺の感触を楽しみ、いつまでも愛おしげに撫でるだけだった。
今のように無抵抗の体を意のままにすることも、一興ではある。
しかし、わずかに理性を残したまま恥じらう少女をじわじわと陥落させていく愉楽こそは、何ものにも代え難い。
たっぷりと快楽浸けにした末に、相手が本気で嫌がって泣き出す寸前の責めを繰り返し、徐々にその行為に慣らしていくのである。
もちろん今回のように、己が暴走して一方的に望みを果たしてしまうこともしばしばだが……
──ああ、大丈夫だ。次はちゃんと優しくしてやろう、マナ。
胸と同様に控えめな曲線を描き、ほとんど手の内に収まってしまう桃のような尻をゆるゆると撫で回しながら。
いずれはこの指も、自らをも全て受け入れてもらおうと決めこんでいる菊の秘花を、男は飽きもせず触り続けていた。
少女の中に埋めたままの肉棒が、不平を訴え始めるまで。
391聖女と忠犬?(後) 6/8−t ◆SvLllFe4/w :2009/08/24(月) 13:01:18 ID:w/rBYsd1
……このまま受け止めてもらっても大いに満たされはするのだが、あの耳に快い啼き声をさらに堪能しない手はない。
メロダークは敢えてマナの尻を揉んでいた手を再び細い背へとすべらせ、臍の反対側にあたる一点を強く圧した。
その途端、ぐにゃりと萎えて為すがままにされていた娘の体がびくっと仰け反り、跳ね上がった。
「んはあっ!!」
急激な動きにばしゃんと水面が波打ち、いっぱいに目を見開いた少女の内部がきゅぅっと締まる。
──たまらない。
「ああっあっ……な、なに──んやあっ!」
渇を入れられ、強制的に覚醒させられた彼女が己の置かれている状況を把握するよりも早く。
メロダークはその身を抱きすくめ、とりわけ腰と肩をとらえて陽物の上に押さえつけ、同時に下から突き上げた。
「やあっ、んぁ、あはぁっ!!──っひ、んんんんっ」
目覚めたばかりだというのに、その体の方はすっかり手懐けられて敏感になっている。
マナは絶え間なく与えられる最奥への刺激に、嬌声とも悲鳴ともつかぬ混乱しきった喘ぎを発して必死にもがく。
しかし眼前で激しく身悶えしながらますます狭隘に締めつけてくれる小さな体を、男が解放する筈もない。
「いくぞ……マナっ、」
「いっ──いゃあぁっ、だめぇ、あはぅッ……ひゃああぁあんっ」
一突き毎に涙の色合いを強めていく艶声は、びゅくびゅくと大量の子種を内奥に注がれてひときわ大きくなった。
いやいやと首を振るのとは裏腹に、外からも内からも温められた子宮口は歓喜に震えるかのようにゆるんで男の精を迎え入れる。
そして力を失っていく肉棒を労るように、あるいは甘えるように柔らかく包み込みながら、未練げな収縮を繰り返すのだった。
──お前はやはり、どこもかしこも愛らしい。
「ふぅっ……はぁ、んぁ、っふ……」
その頃にはマナもすっかり力尽きて、唯一の支えである彼の胸にもたれ、再び夢のあわいを漂い始めようとしていた。
だが、男の手は娘の拘束を緩める代わりに、再度その下半身へと伸ばされて不穏な動きを見せ、眠りへ落ちることを許さなかった。
一方の手が尻の間に割り入って執拗に菊座を撫で始めれば、他方の手は前へ回って結合部を探り、すぐに花芯を見つけだして摘みあげる。
「んんっ、そこはだめぇ、──あっ、はぁんっ、やだぁ…お湯、はいってきちゃうぅ……んっ」
もはやろくにあがく力も残っていないマナは切なげに身をよじる。
だが、その動きこそ、一度は萎えた男のものに再び欲望を注ぎつつあることには気付いていないのだろうか。
「……もっ、抜いてくださ──あぅ、メロダークさ……やぅっ!」
ぐりぐりと陰核を親指の腹でこねるように押しつぶしてやれば、一気に内部がぎゅっと引き締まる。
それが決定打となって、埋めこまれていた男根は彼女の中で急激に力を取り戻し、見る間に硬く膨らんで頭をもたげた。
「ふあっ……」
マナもそれを悟り、泣き出しそうな顔でびくりと動きを止める。
そこにあるのは期待ではなく、またされるのかという不安ばかりだった。
もはやその体力は限界を迎えて久しいのだから、無理のないことではあるが……
──始末の悪いことに、その怯えた表情もまたいっそう彼の劣情をそそるばかりなのだ。
「──嫌か?」
口付けを落として尋ねるメロダークに、マナは頬を染めながらもそっと涙の残る瞳を伏せた。
「ごめんなさい……」
ほとんど一方的な行為を強いられている身だというのに、心から申し訳なさそうに言う。
そしてメロダークが答えずにいると、ますます居たたまれぬ様子で目をそらしたまま、顔を真っ赤にして頼んだ。
「あ、あの……お湯、入っちゃうから……ぬ、抜いて、くれません、か」
精一杯の懇願に、メロダークはふっと表情を和らげる。
だが、内気に俯いているマナがその顔を見ることはなかった。
湯の中にたゆたう下腹の茂みをくすぐられながら、彼が告げた言葉を呆然と聞くばかりだった。
392聖女と忠犬?(後) 7/8−t ◆SvLllFe4/w :2009/08/24(月) 13:07:06 ID:w/rBYsd1
「今抜けば、ここに湯が流れ込んでしまうと思うが……抜いて欲しいのなら仕方がないな」
あくまで優しく、トンと下腹の一点をつつかれて。
「っひ──」
心底怖がっているのだろう、目に涙をたたえたマナの内部もきゅっと縮こまる。
メロダークがその腰を掴んで引き抜く素振りを見せると、悲鳴を上げて彼にしがみついてきた。
「や、やぁっ──お願い、抜かないでぇ!」
──とうとう言わせた。
健気に首にすがりつくマナに、いたく気をよくして彼は密かに喉を鳴らして笑った。
真っ赤になった小さな耳に唇を寄せ、意地悪く囁きかける。
「……わがままだな、私のマナは」
「んくっ、ごめんなさい……っふ、助けて…メロダークさん……あぅっ」
自らをこの状況に追いやった当の男に、いじらしく助けを求める哀れな少女。
──今ならば何を要求されようと彼女は拒めないだろうが、あまり苛めすぎて、あとで嫌われては困る。
それならば、と、メロダークはせいぜい優しく恋人の髪を撫でながら命じた──両足を彼の胴に回すようにと。
彼の手に導かれ、時に強いられながら、マナはおずおずと脚をさらに開いて男の体にからませ、巻き付ける姿勢になった。
その細腕もより深く首に抱きつく形にさせると、これ以上ないくらい互いの体が密着する。
人一倍恥じらいが強く、交合の最中に自ら足を絡ませるなど思いもよらないマナである。
その彼女にこんな体位をとらせたことでも、メロダークは非常に満足だった。
「しっかり掴まっていろ」
マナの腿の下から手を回してその小振りな両の尻を掴み、いよいよ自己主張を激しくする己の下半身を楔として固定する。
それだけでもマナはねじ込まれたものの感触に「んっ」と小さく声をもらして身を捩ろうとしたが、零れる呻きはすぐに絶叫に代わった。
「ひっあ……ひゃあああぁぁんっ!」
ざぱんと水面を蹴たてて、メロダークが湯の中から立ち上がったのだ。
もちろん、少女の体を抱え、その底部に鋭く自身を打ち込んだままで。
「いやああぁっ、いたいっ、いたいよぉ!」
水中では軽減されていた自重でさらに深く結合部を抉られることになったマナは、必死にメロダークの肩にしがみつきながら泣き叫ぶ。
いきりたつ剛直は容赦なく繊細な秘所ごと彼女を串刺しにし、突き当たりの柔らかな壁をもこじ開けて貫こうとしていた。
「いやっ、いやあ──きゃうっ」
ずり落ちようとする体をしっかりと抱え直したメロダークは。
岸へあがるべく、水の中を一歩ずつ歩き始めた。
ずしん。
「いっ──」
ずしん。
「……〜〜〜〜ッ、」
踏み出すごとに、限界まで見開いた愛らしい目から次々に大粒の涙をこぼすマナの全身がびくびくと痙攣する。
もはや声もなく、大きく開閉する口からは空気の塊が不規則に押し出される。
「……っ、……、っっ、──……」
そして、岸辺の石段をのぼり終える頃には、マナの小さな体は再び全ての力を失い、両の瞳は涙の跡を残したままに閉ざされていた。
──可愛い可愛い、私のマナ。
まずは岸辺に腰掛けさせる形で、メロダークは脱力しきったマナの体をゆっくりと丁重におろした。
しかし己の一物は引き抜かぬままに、上体だけを陸地に横たえ、その腰を掴みながら、気絶した少女を改めて犯し始める。
……あとはもう、彼の思うがままだった。
いまだ水中を足場としているため、腰を打ちつけるたび、足元からぱちゃぱちゃと軽やかな水音と共に小さな飛沫が跳ね上がる。
際限なく沸き上がる欲望にまかせて無防備な想い人を好き放題に貫きながら、その胸や腹、太股を撫で回す。
またそればかりでは飽きたらず、岩の縁に預けさせた体をうつ伏せにして背後から襲い、しなやかな背や尻に無数の痣をつけていく。
もともと瑞々しく張りのある柔肌は、夜ごと日ごとに濃密な愛撫を施された末、ますます吸いつくような艶を帯びてきていた。
脱力した体が冷えぬよう時折湯へ戻し、注意深くその反応を見守りつつも、メロダークは蓄えつけた精が尽きるまで存分にマナを貪った。
ようやく彼が退いた時には、ひくひくと震える薄紅色の膣口から、泡立つほどに混ざりあった互いの体液があふれ出てくる始末である。
……小動物のように体を丸めて眠るマナの側で身を乾かしながら、メロダークは再び外套に包んでやった彼女の脚の付け根に手を伸ばす。
戯れに浅く挿入した指先で軽くかき混ぜるたびに、止めどなくとろとろと中身をしたたらせるさまは、まさに泉のようだった。
──誰よりも大切な、私の愛しいマナ。
とくとくと静かに脈打ちながら蜜を滴らせる年若い恋人の秘唇を、彼は無心に撫で続けるのだった。
393聖女と忠犬?(後) 8/8−t ◆SvLllFe4/w :2009/08/24(月) 13:07:41 ID:w/rBYsd1
──翌日夕刻、再び街道沿いの街にて。
杖を携えて早足に歩く少女と、無表情ながらどこか沈んだ風情でその後を追いかける剣士という、一風変わった二人連れが目撃された。
「一応、昼にも起こしたのだが──」
「聞く耳もちません!」
山頂の宿を取れなかった観光客がしぶしぶこの街に足を向けるというのはよくあることだが、いかにも奇妙な取り合わせである。
「それにだな、あれはお前が途中で気をやったのであって私が寝込みを襲ったことにはならn」
ごいん、と。
今度は娘の長杖という物理的な力が男の口を閉ざさせる。
やがて街の中央広場まで来て、娘はようやく男に向き直るなり宣言した。
「今日は神殿に泊まらせてもらいますから、ついてこないでください」
「しかし──」
「でもはなし!」
「…………」
勇ましく杖を地面に打ちつけ、とても大の男を相手にしているとは思えない口調でぴしゃりと叱りとばす。
そのままきびすを返して坂の上の地区に向かった彼女の背を、その倍ほどは年上とみえる剣士はしばらく悄然と見送っていた。
が、その後を追ってまさに一歩を踏み出した瞬間、娘が足を止めて振り返り、じろりと男をにらみつけて威嚇する。
「ついてこないでって言ってるでしょ!」
「………………」
まさかこの二人が、かの「ホルムの聖女とその忠実な従者」であるなどと、考える者は誰ひとりとしていなかった。
ただ無言でうなだれる男の背に、同じくしょんぼりと垂れる犬の尻尾を確かに見た、と人は言う。

 【聖女と忠犬?】了
394t ◆SvLllFe4/w :2009/08/24(月) 13:08:09 ID:w/rBYsd1
>メロさんはご主人様気質なのか犬気質なのか
つ「嬉々として尻尾と首輪を装着しつつ、ご主人様に無理やりエロいボンテージを着せて悦に入るMかつドSの大型犬」
↑という妄想。書きたいものを書けて楽しゅうございました。
395名無しさん@ピンキー:2009/08/24(月) 13:21:13 ID:vMxG9+G2
>>394
こんな犬耳親父嫌だwwマナの中の人(未誕生)がしんでしまう
396名無しさん@ピンキー:2009/08/24(月) 22:33:02 ID:eo0y8qO8
メロさんが鬼畜過ぎる。
実にエロ過ぎてマナの体が心配で仕方なくなりつつGJ。
397名無しさん@ピンキー:2009/08/25(火) 03:57:03 ID:duHQR00D
粘着質なのに中弛みせずどんどん引き込まれるなあ。流石すぐる。
ところでこのマナの顔グラはどれのイメージ?
398t ◆SvLllFe4/w :2009/08/25(火) 06:48:14 ID:tyj287xO
相当の時間経過があった>>328-329間の一幕、という想定なので中の人はまだいません。説明不足失礼。
顔はお好みで補完して頂ければと思いますが、個人的には犯罪の香りしかしない4イメージでした。
彼女も早いとこ「猛獣使い」を習得……できたらいいですね!
どうもありがとうございました。
399名無しさん@ピンキー:2009/08/26(水) 07:43:27 ID:nBN7C51O
>>398
乙、GJ!
ねっとりエロでたまらん
強制排泄おいしいです
400名無しさん@ピンキー:2009/08/26(水) 17:02:33 ID:o1oac64v
>398
俺は脳内で顔2だった。

顔4かよ。
顔4かよーッ!
メロさん、幾らなんでもそれはヤバい。
401名無しさん@ピンキー:2009/08/26(水) 17:59:29 ID:O5mw/wgc
顔2は結構胸がありそう
ひんぬうは顔4のイメージだった
402名無しさん@ピンキー:2009/08/26(水) 19:01:53 ID:FezQxASG
>>400
俺もだ。
自分のプレイではマナは3なんだが、
この話では2のイメージだった。

>>401
俺の場合、どの顔を当てはめても
ウェンドリンは大きめ、アイリは巨乳、
マナは普通、フィーは貧乳つかロリのイメージ。
403名無しさん@ピンキー:2009/08/26(水) 19:16:24 ID:DCk5sadP
ほかは意識したことないのに、なぜかアルソンだけ全体に具体的なイメージがある
体格といい顔つきといい、ブレンダン・フレイザーが鎧着てでてくる。すごく困る
404名無しさん@ピンキー:2009/08/26(水) 22:43:42 ID:lrg3zanP
主人公女に巨乳なぞありえん。
それが俺のイメージ。
まじめに考えれば栄養が足りてそうなのは騎士生まれぐらいと思う。
盗賊はカツカツだろうし、神殿は質素倹約なイメージ。
賢者は盗賊ほどでなくても裕福なイメージがないな。先生は貧乏人とか格安で診てそう
かといって、カムール父さんが贅沢してるイメージも湧かないがw
裕福な商人のほうがホルム伯爵家より贅沢してそうやね。

まあ、一番の理由は俺が貧乳派だからですが!
405名無しさん@ピンキー:2009/08/26(水) 22:49:21 ID:DCk5sadP
騎士女は怪力自慢だけあって女子レスリング代表並みのイメージ
賢者はお年より向けあっさりメニューのせいでやせっぽちのイメージ
盗賊はダンサーだけあってバランス型モデル体型のイメージ
神官女は修行と研修で色白、運動不足気味でむちむちのイメージ

なんとなくだから書いてみただけだ
406名無しさん@ピンキー:2009/08/26(水) 23:09:58 ID:Bx73/sZk
>>405
てめぇのせいでウェンドリンがマッチョ以外に想像できなくなった。どうしてくれる。
407名無しさん@ピンキー:2009/08/26(水) 23:10:11 ID:O5mw/wgc
俺も俺も

賢者女は無知+献身の心で言われるままにえぐいことなんでもやってくれそう
盗賊はノリノリでエロいことしてくれる割にいざ挿入となると激しく抵抗されそう
神官は全力で抵抗するけど無理やりされたら物凄く乱れそう

騎士女だけはなぜかあまりイメージない
408名無しさん@ピンキー:2009/08/26(水) 23:17:14 ID:DnceE7QG
>>407
お前とはうまい酒が呑めそうだ。
ウェンドリンは毅然と抵抗されるけど、
理路整然と理由を並べて「ホルムの為です」と言われると
(実はデタラメでも)納得して耐えそうなイメージ。
409名無しさん@ピンキー:2009/08/26(水) 23:18:41 ID:DCk5sadP
>>406
うるせえさおりん可愛いじゃねえか!!どこが悪いんだ!!
精一杯のお洒落とかしてくれるんだぞ!ちょうどいい服なくて・・・
とかいって、不慣れな化粧してちょっと恥ずかしそうに言うんだぞ!
何気なくこづかれて死に掛けるたび涙目で謝ってくるんだからな!

いま思いついただけだけど
410名無しさん@ピンキー:2009/08/26(水) 23:19:18 ID:m4I6wyjC
>>407
ホルムでガッツ!
411名無しさん@ピンキー:2009/08/26(水) 23:40:13 ID:ryMFlBWP
>>409
京子か胃腸妹ならいける
412名無しさん@ピンキー:2009/08/26(水) 23:56:50 ID:DCk5sadP
>>411
Tシャツのすそズボンにいれたおっさんがそっち向かったぞ
413名無しさん@ピンキー:2009/08/27(木) 00:39:54 ID:7yKuK9Mh
>405
むしろ田舎町なんでみんなそれなりにアウトドア派のイメージだったなあ。
賢者は薬草取りで野歩きが多そうだし、ネルとつるんでるし、
盗賊も踊り子だから体力勝負だろう。
神官は、けっこう野良仕事とか作務とかあるんじゃないかな。日本のお寺でもそうだし。

大河流域ってけっこう肥沃でノンキなイメージがあるのは俺だけかしら。
414名無しさん@ピンキー:2009/08/27(木) 00:47:39 ID:1DtL5DiG
>>413
エジプト沿岸とか、大陸の河川は川が土地を肥えさせるから
種まいて実るのを待つような、のんびりしたイメージがある

寒いところって雰囲気もあまりないから、地中海のどこかっぽいな
主食が小麦粉だから、フランス南かイタリア半島も相応しいかも
415名無しさん@ピンキー:2009/08/27(木) 00:52:20 ID:9sfWGPq1
自分内の乳ヒエラルキーは以下の様な感じだ
豊:フィー(顔2)>美:アイリ(顔1)>>貧:ウェンドリン(顔3)>>>無:マナ(顔4)
顔1アイリはモデル体型、顔2フィーは着やせするタイプ
416名無しさん@ピンキー:2009/08/27(木) 03:17:34 ID:qc9AdGoq
>>402
顔1かつロリというのは新しい世界が開けた気分だ。
金髪ウェーブロングのロリとは素晴らしい。
417名無しさん@ピンキー:2009/08/27(木) 06:18:58 ID:WTT53Rok
>>407
その説明だけでもげそうだ。

ちょこちょこフィー(ロリ系)口上書いてるんだが、服従ルートプレイ中に
転生の器がどこの馬の骨とも知れない妖術師に手込めにされ、さんざん犯りに犯られまくった挙げ句
それ以上の馬の骨相手にレンタルされたり公衆便所になってたりするのを見たら
始祖さんはいったいどんな気分なんだろうな……
と、ふと思った。
418名無しさん@ピンキー:2009/08/27(木) 08:45:15 ID:orOA1yZb
>>417
次の器はもっとうまくやってくれるでしょう。
じゃないかな
419名無しさん@ピンキー:2009/08/27(木) 23:16:40 ID:WTT53Rok
>>418
そいや何度も試みたって言ってたな。
「今回はうまく行ったかと思ったが、期待外れのダメ器だったか」みたいなもんか。
420名無しさん@ピンキー:2009/08/27(木) 23:47:20 ID:mlNxYAf/
>>412
え?こんな時間に…


はっっはっはっはっはっはっはっはっは
421名無しさん@ピンキー:2009/08/28(金) 00:00:08 ID:7yKuK9Mh
>417
何はともあれ楽しみにしておくッ。
422名無しさん@ピンキー:2009/08/28(金) 01:05:51 ID:xSjjaOmu
eraの導入が上手くいかなくて非常にもどかしい。
まとめサイト参考にもうひと頑張りしてくるわ……
423名無しさん@ピンキー:2009/08/28(金) 01:10:13 ID:+9TTYqxr
>422
どの辺が上手くいかない?
eraRuina(というかA)はパッチとかが大体セットになってるけど
424名無しさん@ピンキー:2009/08/28(金) 02:58:47 ID:hz114yRo
>>417
むしろ三途の川にいるタイタスさんの魂とか、デネロス先生が草葉の陰で泣いていると思う。

つか本編でも「お父さんに紹介したい人がいるの」ってアレ連れて来られたら困るだろうな。
遠まわしに考え直しなさいと言うべきか、親としてきっぱりとそんな男やめなさいと言うべきか。
425名無しさん@ピンキー:2009/08/28(金) 04:51:54 ID:QHJWaBA7
>>417
タイタス一世「我の番はまだか」
426名無しさん@ピンキー:2009/08/28(金) 08:26:47 ID:2M7ywrD+
>>425
調教対象:タイタス一世 調教者:フィー

真っ暗な部屋の中、彼女の周囲だけが黴臭く、暗闇の中でも長い銀髪は光を放つようだった。
血の色をした瞳に怒りを湛え、手を振り上げるが魔剣も現れなければ雷も走らない。
たじろぐ自分と同じ顔をした女帝を寝台に押さえつけ、手際よく戦装束を剥ぎ取った。
「……やめろ」
やめろと言われてやめるはずがない。
大河の女神を、ヴァラメアの魔女を虜にした魔性の女帝はその豊満な肢体を隠すことなく、
傲然とフィーを見つめている。これから始まることに気付いたようで、指先は僅かに震えていた。
427名無しさん@ピンキー:2009/08/28(金) 08:53:09 ID:jA9lW8Y2
あちゃー・・・ネルに石棺のフタで1世殴るプロットは破棄しようかな
428名無しさん@ピンキー:2009/08/28(金) 09:02:25 ID:2M7ywrD+
一発ネタなんて踏み潰して先に進んでね! そっちの方が読みたいよ!
42915 ◆E9zKH0kZMc :2009/08/28(金) 23:46:33 ID:jA9lW8Y2
3000文字弱。迷走しております。お気に召さないかたはあぼんで
ご協力をお願いします。よいこはまねをしないでね☆な全年齢

原作でど派手な魔神とあるのに、>>120でビキニパンツと表現した点を
どうにかしようと頑張った結果、全く無関係の思いつきができました

※特に害はないと思いますが、多少気の毒な登場人物が含まれます
43015 ◆E9zKH0kZMc :2009/08/28(金) 23:47:16 ID:jA9lW8Y2
ああ、僕は死ぬ・・・

ゆっくり藪が近付いてくる。マントが翻る晴れた空、杖が頭を飛び越えてイラクサの茂みに散っていった。
ああして地面に突き刺さって死ぬのか。それもいいかもしれないな・・・あんなやつに、勝てないのなら。
一瞬が何分、何時間にも感じられる。走馬灯のように駆け巡ったのは青紫の「かゆ」と傭兵、暖かなスープと
狩人、毎朝演説をぶつ神官、落ちてきた岩のほうが砕け散る石頭貴族、真鍮のマグを握りつぶした雑貨屋、
口ごもっては目を伏せて黙り込む給仕の白い手、石ころを平気で噛み砕く竜人と釣った生魚を与える老人

そして。

「くぅうううそおぉぉぱぁありぃすがあああああああ」




ここしばらく続く晴れ。朝早く酒場に顔を出したフィーは、よぼよぼの使いで町の外に行くといって、フラン
と雑貨屋を誘ってピクニックのような支度で出て行った。時折楽しげに歌を歌いながら、繋いだ手を揺らして、
時は今と咲き誇る花の街路を飛び跳ねながら歩いていく。僕は死者の書の続きを探して後を追っていた。
「「こーんにっちは!!」」
「ヘデロン様、ご在宅でいらっしゃいますか・・・」
丘の稜線の向こう側に、日の出もとい印象的な頭がにょっきり現れる。
「まーた来たのかっ、このガキンチョどもが!おお、今日も揃っておるな!」
髭をぴょこぴょこさせて息を切らせた教授に、ネルがごわごわの紙袋を取り出した。
「またお菓子焼いてきましたよー教授っ」
「おおこれはホルム名物の焼き菓子だな?おお、すぅばらっしい・・・この芳醇なかほり!」
包みに鼻をつっこんで力一杯息を吸いこむ。こりゃ駄目だ、しばらく掛かるぞ。きびすを返して丘を離れ、
向こうから見えないように注意しながら草むらを進んだ。ふと見ると、北面に光の反射がチラチラ見える。
なんだろう?金目のものか?杖で地面をつつきながら進んだが、案の定ずぶっと足首まで沈む。こういう、
体力仕事?頭のいい僕に似合わないからな。どろどろの汚れと草の根が絡まって折角のブーツが台無しだ。
最悪すぎる。うろうろしていると丁度岩があるので腰掛けた。ちくしょうが。落ち葉で擦って落とそうと
試すうち、両手を広げて駆け下りてくる一群が目に留まる。忍者流石だな。
「フランちゃんがいっちばーんはやいねー!」
「えへへ、昔からかけっこで負けたこと、ないんです・・・」
恥ずかしそうに微笑んでうつむく。
「まぁってよぉ〜」
スカートの裾をつまみあげてくるのはネルだ。ドンけつ、ぷぷーっ。よくみるとあの馬鹿でかい燃える大剣を
軽々背負っているのに気がついて冷や汗が噴出した。動けるとかどんな女だ。岩の陰に身を潜めて息を殺す。
模様があるんだなこの岩。遺跡か?草を踏んでいく気配、駆け足になったりじゃれあったり、軽快だ。
43115 ◆E9zKH0kZMc :2009/08/28(金) 23:48:12 ID:jA9lW8Y2
声色の調子が変ったのに気がついて、耳をそばだてた。
「いいよねぇ、ほんと」
「お料理上手ですよね・・・あたしもキレハさんみたいだったら、もっと・・・」
揃って切ないため息。
「あんな風にすらーっとしてたらなぁ、かっこういいのよねえ。あたしももっときゃしゃならなあ・・・」
長い手足、エキゾチックな瞳、凛とした声。騎馬のために、長い切れ込みがはいった民族衣装。面倒見よくて
料理が上手で生真面目で、一見つんとしてるのに、動物を見ると子供みたいにはしゃいで喜ぶ。ああ確かに。
いや、待て。や、そうじゃなくだな、段々距離をとられて聞こえなくなってきたぞ。ちらりと目に入ったのは
よく茂ったリンデンだ。こいつなら・・・。鈎つきロープを固く結びつけた杖を投げつけて、よじの・・・よじ・・・
よ・・・・・ふんぬうううう・・・低い木にしよう。引っかかんなマント、頑張れ僕の足!覗くぞ!連続鳥の巣攻撃を
かわしつつ、尻を引き上げ毛虫をかき分けとうとう枝葉の中に身を潜めた。ちくしょう、息が切れるじゃな

「すきなひと?」

息が止まる。どつき合って笑っているが、フィーは考え込んでいるのか。だ・・・誰だ・・・。心臓喉から出そう。
「あのね、私もいるよーすきなひと」
くくくっと鳩のような笑いを漏らす。
「ほんと!?だれだれ?あたしたち知ってる人?」
頬を赤らめ、内緒にしてくれるように何度もお願いしている。誰?誰なの?誰だい。聞かせてご覧。さあ!
「うん。とっても・・・格好いいの」
僕だな。
「それにね、すっごく強いんだよぉ」
僕だな。まさに僕。
「暗算速いんだよ。それに、笑顔がとっても素敵なの」
僕だな、・・・僕だよ、な?
「すっごくやさしくて、それに、とっても力持ちなんだよ」
死 亡 確 認 パリスざまあああああちいいいくしょおおおおおお!!!!1誰だよ!知り合いってことは
酒場の連中だ、じじいはありえない、くそぼけパリスもない、てことは貴族か貴族かあああああああああああ
えっあのおかゆ・・・?
「ふわっふわなんだよ。とってももこもこしてるのー」
甘酸っぱいため息を漏らして、少女はうっとりつぶやいた。
「ピぃートさぁん・・・」
まっさかさまに転げ落ちた。




満月の明かりは大きな影を落としている。一身に見上げているのは土の小鬼たち。つぶらな瞳が瞬きした。
「コイツ ネテルノカ?」
けらけらと笑いを漏らして、枝から逆さにぶら下がったままの少年の頬をたたく。
「う・・・?ごあっちくしょうなんだこりゃ」
「ヒャハハ スゴイ ネゾウダナ」
「ヒョー!ドッカラカ トンデキタノカ?」
「うるせえこんのっ」
びりっと音がした途端ぐるんと一回転して地面に転げ落ちた。
43215 ◆E9zKH0kZMc :2009/08/28(金) 23:50:04 ID:jA9lW8Y2
以上です。ただの思いつきなのでどうぞご容赦ください・・・
金色猫が腕力持ちのソースは特にありませんが、相当な装備品を扱うことや
やたらあちこち店舗を持っていることなどから、そうとうな実力者と睨んでいます
433名無しさん@ピンキー:2009/08/28(金) 23:58:55 ID:DgpmV857
GJ!GJ!いつも楽しく読ませていただいとりますw

フィーの言ってるのだれかわかんなくて
最初、キレハの呼び出す動物かと思ったw
そうか金色猫かw
434名無しさん@ピンキー:2009/08/29(土) 01:23:50 ID:Cl/upIlC
毎回面白いですなあ
しーぽん可愛いよしーぽん
435名無しさん@ピンキー:2009/08/29(土) 05:12:01 ID:2MOrfz7p
GJ!
ピートさんならしょうがない、あれには誰も勝てないw
436名無しさん@ピンキー:2009/08/29(土) 06:45:54 ID:80Gz75Xv
GJ!
ピートさんの顔に腹をうずめてモフモフしたい。
437名無しさん@ピンキー:2009/08/29(土) 12:51:18 ID:UkIZEQs6
>>436
         / ̄(S)~\  <                      >
       / /  ∧ \ \<   顔に腹をうずめたい!!    >
       \ \( ゚Д,゚ ) / /<                      >
         \⌒  ⌒ /  ノ Y´`Y´`Y´`Y´`Y´`Y´`Y´`Y´`Y´`Yヽ
          )_人_ ノ                  
      ∧_∧     /   
     (ピート; )  (    ))  
   γ⌒   ⌒ヽ   ̄ ̄ヽ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| ノ
438名無しさん@ピンキー:2009/08/29(土) 13:05:06 ID:6ocTCa2c
>>437
変態だ。
439名無しさん@ピンキー:2009/08/29(土) 15:19:01 ID:hGFXBu6+
やべえ、金色猫に裸で迫るメロさんとひきまくりのマナとテレージャを幻視したw
440名無しさん@ピンキー:2009/08/29(土) 15:34:16 ID:+Ya/cMxm
GJ、さすがに相手が悪かったな青年w
猫様相手じゃ分が悪すぎるw誰も勝てねえww

>>432
はっきりと言われてはいないけど、ピートはミーアクック神の化身or使いと匂わせてはいるな。
ガチ神様orガチ天使なら相当のもんでないかと。
441名無しさん@ピンキー:2009/08/29(土) 16:11:32 ID:UkIZEQs6
         _、_
       ヽ( ,_ノ`)ノ
      へノ   /
        ω ノ
  ∧∧      >        .∧_,,_∧   .○_,,_○
  ( ゚ω゚ )              ( ゙'ω゙` )   ( ゙'ω゙` )
 .c(,_uuノ              | θ |   |   |
                    U _ U   U _ U
                    〉 ) 〉)    (〈 (〈
442名無しさん@ピンキー:2009/08/29(土) 18:53:39 ID:uUCiUIzd
>>441
やめてww笑い死ぬwwww
443436:2009/08/29(土) 22:52:33 ID:80Gz75Xv
萌えたから当たり障りのないコメントでGJしようと思ったのに
とんでもないミスしてた……!
ちげえよ腹に顔だよ!みんなわかってんだろ!('A:;.:...
444名無しさん@ピンキー:2009/08/29(土) 23:10:34 ID:Q/By6BAQ
>>443
いや、顔に腹をうずめるプレイは普通にアリだと思うんだ。
むしろ相手は猫だ、アリだろ。
445名無しさん@ピンキー:2009/08/30(日) 00:50:11 ID:v9uZlSn2
http://loda.jp/youseisan/?id=2266
eraRuina私家版
顔選択できるようにしてみたよ!
貧乳とか絶壁とかは独断と偏見で。おまけの画像から感じ取った!

主人公の生まれごとにキャラ相性つけたら難易度崩壊しちゃうだろうかね?
ちょっと悩み中
446名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 09:24:47 ID:v9uZlSn2
http://loda.jp/youseisan/?id=2268
eraRuina私家版。男キャラを追加した。まあ、雛形的なもの。
素質とか適当なので、誰か修正プリーズ。
447名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 11:57:13 ID:aW6KhpdG
おつ
448名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 12:05:16 ID:wSR3DzQA
いつも乙です。
顔選択と男キャラ(エキストラ主人)はほんと助かります。

>>445
浪漫としてあってもいいんじゃないかと思います。
449名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 17:18:38 ID:WGvF+frM
eraRuinaにて。
ドSなフィーというロールをやってみたくて
主人公賢者女でシーフォンの調教に勤しんでみたが、
冷静になってみると根本的に方向性を誤ってるよなコレ。
徹夜のテンションって怖いな。リセットリセット。
450名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 17:28:33 ID:5YAiD7bV
eraRuinaでは写真撮影コマンドあるけど、多分本編でもカリスマ探索者とその仲間となれば
彼女たちをモデルにした春画の類も出回ってそうだよな。
それを見つけてしまったときとか、パーティ内の男がそれを持ってたときどういうリアクション取るんだろ。
ラバン先生が持ってた場合はネタで流されそうだが。

>>449
その状況を想像してみたが、どうも
「私を好きになってくれないあなたが悪いんだよ。私のことを見てくれないなら、いっそ…」
みたいな方向性しか思い浮かばなかった。
これじゃドSというよりただのヤンデレだ。
451名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 17:42:37 ID:eoHGy8KJ
>>450
ターニャちゃんのぱんつじゃ駄目か。それじゃあわしの取っておk(ry
452名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 17:48:35 ID:7X3uNlB+
フランがウェンドリンを調教するのが最高だと思うんだ
453名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 17:50:35 ID:WGvF+frM
>>450
パリスあたりが持ってるのを見とがめた女性陣がきゃーきゃー言ってたら
メロさんも隠し持ってるのがドサクサで発覚して
マジくささが洒落にならない感じで一同ドン引きまで妄想した。

あとテレ子さんは放流側になってる可能性が高いよね。
454名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 17:52:12 ID:r553Ok2f
シーフォンはガチでS心をくすぐってくるキャラだと思うが…
455名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 18:01:35 ID:PIAeBY4S
本当徹夜のテンションって怖いよな
昼起きたら夜種王が夜種プリンセスを調教してた時は自分の正気を疑ったぜ
456名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 18:20:03 ID:v9uZlSn2
今の俺なんて、エンダの処理(ロリス周り)とふたなり処理(主人・奴隷・助手)と男調教の処理の修正箇所を洗うために、マナ(ふたなり)とエンダ(ふたなり)の二人掛りでメロさんを犯してたぞ

ごつい男が少女のぶっといので貫かれまくるとか退廃的過ぎる……
457名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 19:35:53 ID:L83LO+JJ
レズ経験値(ゲイ経験値)は助手の方にも加算されてるのかな
458名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 19:39:31 ID:A0JTKl9k
>445,446
乙&GJ。
ネームド主人公がいるっていう珍しいヴァリアントだし、相性あってもいいんじゃないかな。
騎士:フラン、アルソン
賢者:ネル、シーフォン
神殿:メロさん、エンダ
罪人:パリス、チュナ

って感じか。110〜120ならそう大きく変わらないと思うし。
459名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 19:43:52 ID:p+isnpCT
マナ(顔2)がメロさんにアークフィアの杖ぶっ挿して
「溺れなさい…」とか言ってる情景が眼に浮かぶ。
460名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 19:46:21 ID:xPbkX/i7
自分はふたなり顔4マナがメロさんに騎乗位で逆レイプされるとこが浮かんだよ。
461名無しさん@ピンキー:2009/08/30(日) 20:16:39 ID:L83LO+JJ
eraで仲間以外育ててる人いる?
462名無しさん@ピンキー:2009/08/30(日) 22:13:18 ID:eoHGy8KJ
>>455
なんの地獄だよwしっかりしろよ
463名無しさん@ピンキー:2009/08/30(日) 22:43:02 ID:ORLcyJSZ
キャシアス「そう・・旨いよ、フラン・・すごく・・・もう八連剣陣だよ・・」
時と共に激しさを増すフランの二刀流に、キャシアスは突撃命令していた。
正直、いまだ経験がないフランでは充分満足できるランダムマップは得られないと思っていたのだが、
フランの激しい暗黒料理は思った以上のブラックプディング。
フラン「キャシアスさま、どうですか? エウルス?」
キャシアス「あぁ・・・すごく、時渡りの剣だよ・・」
自分の上で手裏剣を乱れ投げするフランのポララポを愛撫する。
キャシアス「愛してるよ、フラン・・・こんなイベント戦闘しちゃった以上、もうお前を全滅させたりしないから・・・・・・・」
フラン「うん・・・ぅ、ん・・・・しないでっ・・あたしたち・・もうパーティなんですから・・・!」
キャシアスはフランのイーテリオを舌で憂い祓いし、フランはおぞましき鉄杭を更に盗賊の技で奇襲する。
キャシアス「ああ・・・お前は最高のメイド忍者だよ・・!」
フラン「あたし・・もう・・・ダメ・・・月相閃しちゃう・・・!」
フランのアーガデウムはもうオーバーロードだ。
するといきなりタイタス1世が急に天球結界を起動した。
タイタス1世「おまえたち・・・世界よ、おまえを愛していた!!」
変態だ。



日曜日ももう終わりだってのに何やってんだろ俺
464名無しさん@ピンキー:2009/08/30(日) 23:21:13 ID:eoHGy8KJ
       _、_
     (;;::::_ノ` ) 彡   
    ,/;/⌒/)     疲れているようだな>>463
  // /;:: /./  
  (;::::|;:: (;: (/   俺が添い寝してやろう、全裸で      
  \);;:::.\;\
   (;:: ( (<<<ヽ
    .|;: |\;::::\
    );:: |  );:::: )
465名無しさん@ピンキー:2009/08/30(日) 23:57:53 ID:PIAeBY4S
>>463
これは酷い電波だw
466名無しさん@ピンキー:2009/08/31(月) 02:02:08 ID:btThaOeu
http://loda.jp/youseisan/?id=2277
eraRuina私家版。変更点抜粋が面倒なのでこぴぺ。相性とかの意見ありがとう。

・エンダに赤いキャンディーを与えるとロリス化の処理が誤爆していたのを修正。
eraTohoAのドキュメントどおりに1箇所コメントアウトでOK。
・EXTRAの際にキャラ0を選択できてしまっていたのを修正。
・主人公キャラと各キャラの相性を追加。Ruinaエロパロスレ2の>>458を参考にした。thk!
・思いっきり趣味で女体化薬を追加。また、薬の材料(双)の対象にオトコを指定できるように。
# この二つの薬でTSFを楽しめるよ!オトコに戻す事は考えてない。
・オトコでなくなった場合、元オトコという素質を付けるようにした。
# 口上とかで使えるか?だんだんeraTohoAと互換性が薄くなってきたような……
・黄色のキャンディの処理が正しく行われていなかったので修正。
しっかりと舐めた人に効果が現れるようにした。
# 恋慕付きとかだと結構簡単に崩壊するので注意。多分、最初に意図したとおりの処理のはず。
467458:2009/08/31(月) 02:47:27 ID:HG+ZON8E
乙。素早い上に良い仕事だ。
参考にしてくれてアリガトー。

私家版というか正気のナンバリング名乗っちゃっていい気もする。
俺より良い仕事されてるし。
468名無しさん@ピンキー:2009/08/31(月) 04:35:59 ID:CXrwoe2m
>>466
いつもながらGJ。

盗賊四姉妹とかなんかものすごく惹かれるものが。
いや、まあ、長女と三女は男だったような気もしなくもないけど
 そ ん な こ と は な か っ た ぜ 。

あと女キャシアス調教してて、オリジナルのキャシアスが男児だったから男として育てられたけど
実は大河のほとりで拾った子は女だった男装少女キャシアスとかってアリかもなあとか電波が来た。
顔2か顔3なら実は女もアリだと思うんだ。
469名無しさん@ピンキー:2009/08/31(月) 12:19:16 ID:+fqu0rcQ
フランが百合ロード猛進ですねわかります。
470名無しさん@ピンキー:2009/08/31(月) 16:32:30 ID:pYEfd2eQ
>>466
乙です。

神殿に拾われた孤児⇔テレージャの相性が良くてもいいと思う。
471名無しさん@ピンキー:2009/08/31(月) 17:24:24 ID:88WxjKXZ
>>466
乙です。

キャシアスとウェンドリン、アベリオンとフィーみたいに
同じ生まれのキャラ同士の相性が良くてもいいかもしれないかな。
472名無しさん@ピンキー:2009/08/31(月) 19:43:57 ID:ku2juzbL
※このお方が危機感を抱いた※
アルソンさん
「この先は非常に危険です! 皆さん僕の後ろに……
 って、なんですか人をそんなねっとりとした目……あ、ちょっ、押さなアッーー!!」
>>31の次回予告、有言実行してみた




「いやーん、負けちゃったわ・た・し☆」
 深い霧に包まれた広大な森の奥。水滴をたっぷりと纏った肢体をくねくねとうねらせ、夜種王マーメイドがどこか楽しげな悲鳴をあげる。
「っふ、強いなお主……」
 そういうゼスはいつものトーガを脱ぎ、赤いビキニパンツ一丁といういでたちだ。
(チャンピオン、そなたのおかげで勝てたぞ!)
 拳と拳で語らい、敵ではなく強敵(とも)として出会えたら、と熱い涙を流して抱擁を交わした盟友・夜種王チャンピオンの姿が脳裏に浮かぶ。もしこの彼愛用のビキニパンツがなければ裸トーガのゼスはこの勝負、決して勝てなかっただろう。
――野球拳――
 三つのカードから知略・運・思い、すべてを込めた一手を出す。まさに猛者と猛者の戦いに相応しい勝負方法。ゼスは己のすべてを出し切り、マーメイドの猛攻を掻い潜って見事勝利を収めたのだ!
「んもぅ、ちょっと待ってて☆」
 微かに頬を赤らめ、目を見開いたままの表情でマーメイドが自身の胸元、金色に輝く二つの星を繋ぐ紐に手をかける。
「ふんっ!!」
 逞しい声とともにブツン! と大きな音を立てて濡れた紐を引きちぎる。緊張が途切れたことで肩紐がハラリと力を失って垂れ下がり、だらしなく腕に掛かって止まる。たった一本の紐が無くなっただけだというのに、露になった肩のラインに思わず息を呑む。
「がっつくとモテないぞ☆」
 そう悪戯に笑うマーメイドは筋骨隆々な両腕で切れたビキニごと胸元を抱きかかえて盛り上がった胸筋を隠している。
 ……隠されると暴きたくなるのが古来からの男の性だ。気づけばゼスはふらふらと、誘われるようにしどけなく垂れ下がる肩紐を掴んでいた。
 そんな彼を弄ぶかのように、マーメイドはくわっと彼を仰ぎ見ながら徐々に胸元を隠している手を引いていく。
 両腕を引いた時、支えを失ったビキニがついにはらりと地面に落ち、神々しいまでの光を放っていた星の下に隠されていた胸が露になる。
 盛り上がった胸筋の上に乗った小さな乳首は外気と勝負の興奮によって硬く立ち上がり、ピクピク揺れる筋肉にあわせて見るものを誘う。
(ふふふ、所詮男。ちょろいわぁ!)
 わざと身体に力を入れ大胸筋を誇示すると明らかにゼスの視線と吐息により一層の熱が籠もり、深紅のビキニパンツが盛り上がっていく。
 しかし熱い吐息は彼だけのものではない。己の裸体を晒し、そしてゼスの猛る一物を目の当たりにしたマーメイドもまた、めくるめくぬとぬとで淫靡な時間の予感に興奮を隠せず、荒い吐息を漏らしていた。
(はぁああ〜ん! たまごぉ……卵に熱いの掛けてほしいよぉ!)
 溢れそうになる思いを抑え、かっと目を見開いたまま、マーメイドはゆっくりと焦らすように猛るゼスの肉棒に手を――

反省しているが、後悔はしていない
473名無しさん@ピンキー:2009/08/31(月) 19:44:06 ID:KEGtO2MP
>>466
乙です

そういえば今アークフィアと料理店を経営したり乱交ライブや娼館に勤務させたりさせたりしてる訳なんだが、
前者はともかく後者を一世が見たら少しは思うところがあるんだろうか
474名無しさん@ピンキー:2009/08/31(月) 20:42:34 ID:rjeQPtiJ
>>472
助けてーおかああああああああああああああああさああああああああああああ
475名無しさん@ピンキー:2009/08/31(月) 20:45:13 ID:xPYYAitF
>>472
おwまwえwはww馬鹿野郎www

具合が悪くなったので医者の娘のフィー(顔4)に看病してもらうことにする。
476名無しさん@ピンキー:2009/08/31(月) 20:50:07 ID:rjeQPtiJ
もう書けないw夜種王のシーンがもう書けませんwwww
どうしようこれからwwwwしんじゃうかもしんないww
477名無しさん@ピンキー:2009/08/31(月) 23:56:55 ID:cuFp2xwf
酷いwwww これは酷いwwwwwwwww
いいぞもっと(ry
478名無しさん@ピンキー:2009/09/01(火) 01:50:12 ID:J06QSE+3
>>475
そういえば医者の娘だっけ。
風邪引いたときとか怪我したときとかに、フィーが手作りのおかゆ作って看病してくれたり
ウサギリンゴつくってお見舞いしてくれたりしたらいいな。

特にエンディング後なら、フィー目当てにカスリ傷で来る患者とかいそうだな。
479名無しさん@ピンキー:2009/09/01(火) 08:45:15 ID:t7FWSW1l
http://loda.jp/youseisan/?id=2293
eraRuina私家版。変更点抜粋が面倒なのでこぴぺ。
相性について、ありがとうございます。参考にしました。
あと、電波はなるべく受け止めるので、どんどん出してね!
>>467 これからどんどん趣味に走るので、別枠で続けたいかな、と。しばらくは。

・アイテム使用時の崩壊処理呼び出しを修正。eraスレ16の>>201 thk!
・排卵誘発剤と子宮内避妊結界の対象にオトコを取れなくした。
調教対象がオトコしかいない場合はそもそも購入できない。
・同じ生まれの主人公キャラ同士の相性を追加。
・テレージャと神殿に拾われた孤児の相性を追加。
・テレージャに各女性キャラとの相性を追加。女性からの受けに抵抗なしって事で。
# レズついてるから過剰かな?
※異性装をさせるために処理の改変中。
CLOTHES.ERBの抜本的見直しが必要になるため、現在中途半端。
その関係で、素質に男性装者と女性装者を追加。まだ意味を成さない。
480名無しさん@ピンキー:2009/09/01(火) 17:48:27 ID:1S7Rv22d
もう♀なら夜種王でもいいか……
481名無しさん@ピンキー:2009/09/01(火) 18:51:03 ID:8mzIZrKW
>>480
よし、じゃあ調教してみてくれ pass:ruina
ttp://www1.axfc.net/uploader/Sc/so/32737.rar
482名無しさん@ピンキー:2009/09/01(火) 18:54:10 ID:8mzIZrKW
間違えた。こっちだ
ttp://www1.axfc.net/uploader/Sc/so/32738.rar
483名無しさん@ピンキー:2009/09/01(火) 19:23:40 ID:wGAvW602
やりァがった……!
484名無しさん@ピンキー:2009/09/02(水) 00:50:47 ID:4yw16fuP
http://loda.jp/youseisan/?id=2302
eraRuina私家版。変更点は以下の通り。
>>482 おいしすぎるので一枚噛ませて!

・キャラに夜種プリンスを追加。Ruinaエロパロスレ2の>>482を使わせて貰った。thk!
・シナリオにゼス編を追加。まだ未完成だけど、流れは考えてる。
・薬で女性化させた時の男性装者追加処理の修正。
# ラベルの仕様がいまいち分からんのよね……
・古代人ではなくアベリオンがさらしを装着できていたのを修正。
・女体化時に処女にするようにした。
・逆レイプ時に再生処女を喪失しないのを修正。
485名無しさん@ピンキー:2009/09/02(水) 01:32:18 ID:m+RsBurU
な、なんつーモンを実装する……
俺はお前たちを絶対に許さない!

……野種プリンセスに舌使いが無いのはおかしいと思いますw
486名無しさん@ピンキー:2009/09/02(水) 01:37:16 ID:aiem7o5w
>>484
さわりの部分だけで腹筋ねじ切れた。
あんまりやー…これはあんまりやー……

ところで、ここで聞く事じゃないかもしれないけど
口上が未だにどういう物なのかわからない。
操作を覚えるためにエクストラでだらだらやってるせいなのか
未だにそれらしき物にお目にかかれていない。
487名無しさん@ピンキー:2009/09/02(水) 01:38:15 ID:MqU38Hkb
面白くなってきやがったな。いいぞもっとやれ。

主人公以外のキャラクター間相性を考えてもいいかもな(というか本家ではそれが本分だし)。
例えばキレハとテレージャとか、幼馴染み組のパリスとネルとか、パリスとオハラとか。
パリス・チュナ・ヴァン・アイリとレナもか。
……家族乱交ってなんか良くないか。
母娘レズ強姦とか大好物なんだが。
488名無しさん@ピンキー:2009/09/02(水) 01:39:42 ID:MqU38Hkb
>486
口上ファイルというのが別売りであるんだ。
そいつを入れるとそのキャラ用の口上が出るようになる。
今のところキレハとフランだけかな。
489名無しさん@ピンキー:2009/09/02(水) 01:48:22 ID:4yw16fuP
ネタと電波が続く限り頑張るよ!
面白そうなものはどんどん拾うよ!
……問題はどんどん戻れない方向でカオスになっていく事だね

>>487
eraRuina(A_ver1.112)_私家版1.5\資料\CSVデータ\EraIndex.html
を開くと、実は全キャラのデータを参照できるんだよね。
最近追加してみたんだけれど。
490名無しさん@ピンキー:2009/09/02(水) 01:57:22 ID:aiem7o5w
>488
なるほど!
今まで勘違いしてた…。サンクス。
早速落として来よう。
491名無しさん@ピンキー:2009/09/02(水) 09:51:27 ID:aveI2Cq5
キレハとテレージャってなんか絡みあったっけ?
492名無しさん@ピンキー:2009/09/02(水) 10:44:05 ID:MqU38Hkb
キレハイベントで「仲良くしようとしたけど振られた」って言ってたり、
「性別も拘らない」とか妖しいことを言ってたりする。
逆に終盤にキレハがテレージャを心配してたり。
あと普段の会話でもけっこう仲がいい。
493名無しさん@ピンキー:2009/09/02(水) 12:33:37 ID:aveI2Cq5
ありがとう。
キレハとテレージャを一緒に連れまわしたことないから助かった
494名無しさん@ピンキー:2009/09/02(水) 13:00:53 ID:k3Hz9oRR
テレージャ「ふう……」
ttp://toppg.to/up/img/eraruina_ss.htm(能力表示の選択画面だけだが閲覧注意)

この一発ネタのために延々と男調教していたんだが、なんだか癖になってきたwwww
495名無しさん@ピンキー:2009/09/02(水) 13:13:27 ID:63z2UFa1
>>494
ちょw間違った情熱と努力www
496名無しさん@ピンキー:2009/09/02(水) 19:37:45 ID:CJZQuJxP
キャシアスがいないことが救いか…

しかしチュナがかわいそうだw
497名無しさん@ピンキー:2009/09/02(水) 19:53:05 ID:aiem7o5w
>>496
主人の欄をもう一度よく見るんだ…
498名無しさん@ピンキー:2009/09/02(水) 20:48:35 ID:V44k8XR2
>>496
チュナ「パリス兄さん…ヴァン兄さん…」
アイリ「目を合わせちゃダメよ」
499名無しさん@ピンキー:2009/09/02(水) 23:25:14 ID:ztIMMjJK
口上を入れてキャシアスでフランを調教しようとすると
存在しない関数と言われて落ちるんだが…
500 ◆1HLVKIREhA :2009/09/03(木) 01:10:22 ID:GaaYgein
ホルムの町の裏通りには美しい姉妹が住んでいる。
「……」
穏やかな寝息を立てる妹、チュナ。
「……」
穏やかな表情でその寝顔を見つめる姉、アイリ。
「良かったわね。妹さん、無事で」
さらにそんな姉妹を見守る、キレハ。

ごく普通の少女に見える彼女達が、ホルムの町とその周辺を襲った異変を解決した英雄である。
アイリに関しては妹を助けたい一心であり、それ以外の事象にはさほど興味がなかったことを付記しておく。
そんな英雄達が裏通りの小汚い屋根裏部屋で生活しているのにはもちろん理由がある。
以前からアイリとチュナの姉妹はここに住んでいた。
遺跡探索とそれに付随する諸々で十分な資金は捻出できた。
神殿軍の侵攻によって焼けた町の再建に乗じて既に土地は確保してある。
新居が完成し次第、そちらへ移り住む予定である。

ありがとう。
アイリからキレハへと向けられるのは、感謝の言葉。
遺跡探索、異変解決に際してキレハの果たした役割は決して小さくない。
根が世話好きで気配りに定評のある性格が、アイリの精神安定の一助となっていた。
そういったものを全て含めての一言である。
「どういたしまして。家族のために、なんていうのを見過ごせるほど薄情じゃないからね」
言葉の裏までを察しつつ、あえて表面通りの言葉だけを受け取る。キレハは照れ屋なのだ。
「私からもありがとう。アイリがいなかったらと思うとゾッとするわ」
キレハもまた、異変の最中に自らの呪われた血脈に飲まれかけた。
そこを救ったのがアイリだったというのは偶然か必然か。
ともに過ごした時間と幾つもの出来事の積み重ねが、現在の二人の関係を形作っている。
恋人。
女同士ではあるものの、この関係を表すのにこれ以上の表現はないだろう。
「え、あ、う、今日も、するの?」
アイリがキレハの髪を撫でると、先ほどまでの大人びた余裕はすぐにどこかへ消えてしまう。
人生経験は年齢不相応に豊富だが、恋愛に関しては疎いのである。
その点、多少汚い大人達に囲まれて育ったアイリは結構な耳年増だったりする。
唇を重ね、舌で口内を蹂躙する。体重のかけ方や腰に回した手の位置も妙に手慣れている。
「ちゅ……ふ、うん」
よろよろと腰が抜けそうになるキレハを巧みに導き、寝台へ倒れこむ。
ギシギシと安作りの寝台が軋み、音を立てる。
「ひぅ……」
既に蕩けたような目で、アイリの為すがままになっているキレハ。
感度のいい彼女は、キスや軽いスキンシップでもすぐに気持ちが入ってしまう。
ぷっくりと着衣の上からでもわかるほど主張を始めた乳首を繊細な指先で弄る。
盗賊まがいの生業で身につけた技能の無駄遣いである。
「うー……ふ、服の上からなんて……っ」
着たままでできるようにしているキレハが悪い、と責任転嫁をして愛撫を続ける。
さらに、どこからともなく凶悪な双頭の張り型を取り出す。ピンガー商会で極秘に入手した逸品だ。
「んむぅ……ちゅぱ……」
互いにその男性器を模した頭を咥え、唾液をまぶす。
同時に、股間の湿り具合を確かめるように手を伸ばし、まさぐる。
「んああっ、あっ、はあっ」
くちゅくちゅと指を挿し入れると、それだけで上擦った声を出す。
声を抑えないとチュナが起きる、と今更な忠告をしつつ手は緩めない。
キレハも快感に震えながら反撃をするが、アイリの方が遥かに上手である。
唾液でべとべとになった張り型を躊躇わずにキレハへ挿入する。
「やっ、んっ、入って……っ」
二人の処女は、互いの指がとうの昔に散らしている。
「ふぅんっ……むっ」
手の甲を唇に押し当てて呻くキレハの膣内をたっぷりと責め立てる。
「ん、くっ、はっ、あ、あああっ、はぁぁんっ!」
ツボを心得たアイリの動きに翻弄され、悩ましい喘ぎを漏らす。
敏感なキレハに声を抑えろというのが土台無理な話である。
501 ◆1HLVKIREhA :2009/09/03(木) 01:10:43 ID:GaaYgein
その媚態に煽られ、アイリも張り型を自らの秘裂に沈めていく。
キレハの喘ぎ声とアイリの吐息、そしてチュナの静かな寝息が狭い屋根裏部屋に響く。
「あはっ、いっ、気持ちっ、いいっ」
腰の動きが同調し、一つの生き物のようにうねる。
無機質な張り型と愛する人の柔肌のコントラストに、否応なしに昂っていく。
同性であることなど関係なく、繋がっている。交わっている。愛し合っている。
「あっ、はっ、あっ、んむっ、んんんんんんっ!!」
キレハの中の収縮から絶頂の前兆を感じ取り、絶叫を唇で塞ぐ。
「……うあ、ん……ふ……」
快楽に緩みきったキレハの顔を見て、未だ達していないアイリの腰が貪欲に動く。
「ふぁっ!?まっ、まだ、あぅっ」
美麗な黒髪を振り乱すキレハに構わず、自らの性感を高めていく。
激しい動きに形のよい乳房が揺れる。
踊りで鍛えたアイリの腰つきはあまりに卑猥で、しかし今のキレハにはろくに見ている余裕もない。
「やっ、ひあっ、もうっ、ああっ」
その声と、普段は取り澄ましたキレハを屈服させているという優越感に後押しされ、アイリも上りつめていく。
呼吸に合わせ、一際深く腰を突き入れる。
「んっ、いっちゃ、あああああああっ!!」
再び絶頂を迎えたキレハの身体を、余韻で震える身体で抱き締める。
「うん……アイリの匂い……」
繋がったまま寝入ってしまいたいところであるが、翌朝チュナに見つかると大変なので、だるいながらも後始末はしておく。
汗で額に貼りついたキレハの前髪を一筋すくい、口付ける。
「……貴女って、たまにキザよね」
冷めたフリをするキレハに微笑を返し、狭い寝台に横になる。
英雄たちの熱い夜は、こうして更けていく。



以前の宣言通り真面目にアイリ×キレハ編
何だかとてもお久しぶりでございます
コミケに始発で出撃したりロボットバトルに興じたり武士娘とイチャついたり恋愛授業に勤しんだり忙しかったんだと思います
百合ってこんな感じでいいんだっけっつーかチュナは確実に目撃してるよね
数年後にはチュナも混ざってぬとぬとした3Pに発展しているに違いない
502名無しさん@ピンキー:2009/09/03(木) 06:18:24 ID:oceXww9H
>>500
GJ!
これはいい純愛キレハ

Ruinaキャラは百合がよく似合うな
503名無しさん@ピンキー:2009/09/03(木) 07:17:31 ID:Jf4uFx4c
http://loda.jp/youseisan/?id=2317
eraRuina私家版。変更点は以下の通り。

・口上テンプレートの修正。
特定キャラでの調教時の関数名がおかしかった。Ruinaエロパロスレ2の>>499報告thk!
・夜種プリンセスに舌使いを追加。
・キレハとテレージャ同士の相性を120%に変更。
・シーフォンに痛みに弱いを追加。

http://loda.jp/youseisan/?id=2318
フラン口上0.7私家版。古い方のですが>>499で指摘のあった箇所を修正。
本家様2.0では発生しないので、今後はそちらを使うつもりでいた方が良いかと。
504名無しさん@ピンキー:2009/09/03(木) 19:31:43 ID:RGHDdoV/
>501
GJ。可愛いなこいつら。
でもこれ、チュナは絶対気付いてるだろオイw

>503
乙&GJ。フラン口上の修正までやって貰って申し訳ナイ。

パリスの体力・気力なんかも適当な値にしておくべきだろうか。
本家だと鬼の勇儀2500が最大っぽいから、それを目安にでも。
なんなら明日にでも勝手にやっとく。
50515 ◆E9zKH0kZMc :2009/09/04(金) 14:44:45 ID:kB7K88su
>>275-278の続きです。3000文字少々、全年齢というか、なんというか
レオンを目指したらキンダーガートン・コップになったよ!そんなSSです
ご不快な際には、どうぞトリあぼんでご協力ください

※終わりのほうに3週目以降のネタバレを含みます。ご注意ください
50615 ◆E9zKH0kZMc :2009/09/04(金) 14:45:28 ID:kB7K88su
一体どれほど経ったのだろう。日の出が拝めないし、星も見えないから時間というものがよく分らない。
不安な夢から覚めると、いつのまにか毛布で蓑虫のようになったフィーが懐で眠っていて、裏返しになった
エンダに後ろ蹴りをかまされている。辺りを探ると、紙縒り状になった毛布が端に追いやられていたので、
広げて竜の子どもにかけ直す。全くすごい寝相だ。アダ殿が思いやられて涙すら浮かぶ。正確な日付はもう
わからないが、おそらく二週間はたったはずだ。もう秋も深いというのに、どうすればいいのか。

扉を蹴破るたび、わけの分らないものが噴出したり、釘が散乱してきたり、そこまでしてこじ開けたのに
何もない事はままあるし、古びた宝箱から卵が出てきたり、どろどろの死骸から瑞々しい野菜が出てきたり
心の迷いにつけ込んでくるものは多々ある。一体どうしたらよいのだろう。なぜ出口が見つからない。
これほどさ迷い歩いたのはいつ以来か、およそ見当もつかない。思い切り反らした胸元にぱらぱらと土砂が
零れ落ちてくる。天逆様に空間を見回したが、あまりに暗すぎていく先も見通せない。思わずため息が出る。
「・・・メロダークさん!」
消え入りそうな涙声で、ひざまずいた幼子は必死に手を差し伸べようとしてくれる。
「あ、ああ、下がっていろ。お前まで落ちるといけない」
反響してエンダの歓声が聞こえる。なんと無邪気なのだろう。滑り落ちて死にかけているとは思えない。
辛うじて掴んだ足首が徐々に靴毎抜け落ちていき、冷や汗がそれを加速させていく。残念ながらこちらも
半身転げ落ちているので、ともに滑落する覚悟を決めかけたとき、白い腕が下から伸びてきて、私の手首を
掴むと背中を飛び越し、外套を掴んで一息に床まで引き上げられた。怪我どころかエンダはご機嫌だ。
「やっぱりひろいといいなー!」
豪快に笑っている。もうやだ・・・。
「だいじょうぶ?メロダークさん。どこか痛い?」
「平気だ。心配要らない」
恐るべきばねの持ち主。頭から土を振るい落として再び考える。どうしたものだろう。粉々のランタンを
諦めた数日後、運よく売店に出くわしたので買い集めたが、もう考えたくない。くよくよしたくなるたび
必死にわれとわが身を奮い立たせて進んできた。なぜだ。心の迷いが現れたというのか?どうして出口が
「なんだ」
戸惑った表情でフィーが見上げる。荒い語気を後悔したが、彼女の視線に促されて目を移すとぼろぼろの
吊り橋を派手に助走をつけて駆け抜けていく竜人がいた。橋のたわみを使って大跳躍、むなしく崩れ落ちる
つり縄は異様な音を立てて土煙と共に崩れ落ちていった。元気よくこちらに手を振っている。渡れない・・・。
ものすごい勢いで走り出してそのままどこかへ行ってしまったので、回り道を探す。時折、歓声と思しき
いななきのようなものが聞こえるので、生きてはいるだろう。地面の裂け目を慎重に越えてとぼとぼ歩いて
いると、軽快な足取りで駆け寄ってきたものがいる。
「フィー!エンダがとったとりにく食うか!」
ルクの死骸を担いでにこやかに。子供っていうのはたくましーいなーあ。
50715 ◆E9zKH0kZMc :2009/09/04(金) 14:46:21 ID:kB7K88su

「お前が料理を?」
確かに、今日は酷く疲れた。任せていいだろう。磨き上げたなべ底に浮かんだ俺の顔は、どう見ても死相が
出ている。心配をかけるわけだ。下ごしらえを手伝いつつ、さりげなく秘伝の隠し味をたしておいた。これで
間違いないだろう。心安らかに待っていよう。焚き火の炎は癒される。

しばらくして、とんでもない刺激臭が湯気とともに激しく溢れてきた。なにごとだ。
「うわっ・・・けほけほっ、おー・・・マッドシチューになってる・・・」
目をしょぼしょぼさせているフィーの脇の下からエンダが顔を出す。
「エンダたべてやろうか?」
「だめだよー。まだできてません」
「あじみあじみ!」
「一口だけだよぉ。ふうふうして」
いやに鮮やかな黄緑の何かを一さじ掬って息を吹きかけている。眩暈がする臭いだ・・・、またやってしまった。
「・・・いもむしみたいな味がする」
「魔法のかわりに使えるね!」
「ああ、そうだな・・・」
「フィー!こっちは!」
「どれどれー?見てみようね!」
二人で肉の焼き色を確かめている。肉汁を一掬いして捧げ持ち、真剣なまなざしがこちらへ向けられた。
「メロダークさんも味見して」
「・・・うむ。なかなかだ」
「やったぁ!」
いそいそと盛り付けて、うやうやしく並べる。ままごとの延長の様でいて、料理を振舞う喜びを体得している
ことに感銘した。左様、かの貴族が述べたように、料理とは人生なのだ・・・素晴らしい。目の覚める思いだ。
「食べないなら」
「駄目だ」
「エンダちゃん、まだおかわりあるよー」
さしあたってはゆっくり飯にして、おいおい腹ごなしにねぐらを探そう。



水辺を元気よく走り回っていたエンダは、ベルトを足がかりに背中を駆け上がって肩に飛び乗った。
「あれあれ!」
言われて気がついた。よく分るものだ。遠く、暗い洞窟の中で、ちらちらと灯りが漏れ出している。
「あそこにいこう!」
「いいだろう」
「なあに?どうしたの?」
手を引かれている少女には見えないようだ。
「出口かもしれないし、下り階段かもしれないということだ」
「そっかぁ!」
50815 ◆E9zKH0kZMc :2009/09/04(金) 14:47:03 ID:kB7K88su
地下水脈を迂回しつつゆっくり歩んでいくと、中ほどのうろに奇妙なものを見つける。古代文字だろうか。
「の・こり・・・あと・・・いち?あと一階でおしまいだって!」
いまだかつて、古代の落書きにこれほど熱い感情を覚えたことはなかった。下手糞な殴り書きは明らかな
出口を指していた。愚かなこの私をお導きくださった神に祝福あれ。沸き立つ興奮をかみ殺しつつ進むと、
朝の日差し差し込む登り階段が見えてきた。最終階だ!ここまで来れば迷うことはない。中も見て回ろう。
何も恐れることはない。親玉を探そう。ゆるやかな下りカーブを描いたトンネルを進む内に、白いもやの
ようなものが怪しく這い出してくる奇妙な部屋に突き当たる。・・・なんだろう?そっと足を踏み入れる。

「ついに、ここまで来たか・・・」


「貴様・・・夜種王?」
いんちき臭い玉座にふんぞり返っている。なんだ。
「君は知っているかね。赤の、王様を」
「なに・・・?」
「キィイング オォヴ ハァアート、だ」
得意げに・・・癇にさわる・・・。エンダは緞帳にもぐりこんで、尻だけこちらに出している。やめなさい。
「この世の全てが夢だとしたら?王様の束の間の眠りが生んだ夢ならば・・・?そう考えたことはあるかね?」
フィーから怯えが伝わってくる。真顔でドレスのおっさんと対峙して、そうそう平常心は保てまい。
「かの王が目覚めたもうし時、その時まさにお前達は世界もろとも消え去るのだ・・・この意味がわかるかね」
消え入りそうな声を振り絞って抗議した。
「も、もうちゅーはしないよっ」
「ククク・・・お嬢ちゃん。それもこれも私が見た夢のうち、我が『廃都物語』の一章に過ぎないのだ!」
その瞬間、どこか頭のなかでぷつんと切れたものがある。これは酷い。これはない。こんな茶番の為に私は
さ迷い歩いたと、そういうのか。ランタン、数々のランタン・・・あの粉々の硝子が飛び散ったように、自制の
たがが外れた。言いようのない怒りがこみ上げてくる。フィーの金切り声が背中を押した。
「ええ?!食べちゃ駄目だようエンダちゃん!」
もうめらめらと怒りが沸き立って手加減も何も正直記憶にない。まあ、力任せに殴りかかったのは確かだ。
「脱げば脱ぐほど強くなる!」
「なんっと安易な・・・」
「エンダもぬぐ!」
「もともとお靴だけだよお!」
「いやーん」

「・・・・許せん」

「えっ・・・」

信じがたい殺気にぞくりと身の毛がよだつ。最も怒らせてはならない人を、最も拙い時に激昂させてしまった
ことに気がついた。しかしときや既に遅し。あにや如何せんとす。
「許さんぞおおおおお!!!ぬおおおおおおお!!!!はあああああああああ!!!!!とう!!!!」
「へぶあわばっ!?」
もうみんな裸だ。
50915 ◆E9zKH0kZMc :2009/09/04(金) 14:48:57 ID:kB7K88su
以上です。原作が面白すぎて書くのが申し訳ないネタですね
510名無しさん@ピンキー:2009/09/04(金) 17:49:35 ID:duQk1rvh
しばらく見てない間に良作ラッシュが!

>>500
GJ!
アイリは職業だとかシスコンだとか兄弟以外に絡む男がいないからだとか
いろいろあって百合が似合う気がする。

>>503
GJ!修正乙です。

>>505
GJ!
相変わらず笑い&和んだ。
もうみんな裸ということは、ロリ二人も裸と解釈していいのか?
511名無しさん@ピンキー:2009/09/05(土) 00:57:53 ID:vlK7mxml
>>506
GJ!
子守り大変ww
512名無しさん@ピンキー:2009/09/05(土) 01:03:55 ID:EfPeVVt+
http://loda.jp/youseisan/?id=2344
eraRuina私家版。変更点は以下の通り。
昨日はちょっと仕事が忙しかった。

・eratohoA ver1.113準拠へ変更。
# 黄色いキャンディーの箇所、RESULTをAに退避済みだったのか……見落としてるなぁ……
・ヴァン, アイリ, パリス, ラバン, シーフォン, アルソン, メロダークの体力/気力を修正。
・メロダークに露出癖を追加。
上記2点、eraスレ16の>>305をそのまま使用させて頂いています。thk!
513名無しさん@ピンキー:2009/09/05(土) 12:04:50 ID:3txj2LqB
すいません、eraRuinaをつい最近はじめたんですが、金の稼ぎ方(というか、それらしきコマンドの在り処)が
分かりません。ぐぐる先生に聞いてもロダくらいしか出てこず、このスレの過去ログ読もうにも既に落ちてます。

まとめ・攻略ページ(入門程度の内容でいいです)などありましたら、どなたか教えてもらえますか。
514名無しさん@ピンキー:2009/09/05(土) 12:10:07 ID:1gMmfHwW
>>513
服従付けてレンタル
515名無しさん@ピンキー:2009/09/05(土) 12:25:17 ID:kgHekI5+
元がeratohoAだからそっちの攻略を見るがよいよいよい
516名無しさん@ピンキー:2009/09/05(土) 12:25:53 ID:FlONf6NW
>508
相変わらず意味が分からない(誉め言葉
もうなんといえばいいのか解らんがフィーとエンダが可愛い

>512
更新お疲れ様ー

>513
システムの元になってるeratohoのページにいけば攻略などが詳しい。
eraRuinaの基幹になってるeratohoA周りはあまり載ってないけど。
恋慕・淫乱・服従のいずれかをつけた上で助手可能にすると、金を稼ぐためのコマンドが使えるようになる。
もしくはある程度調教したキャラを売ってしまうとか。
517名無しさん@ピンキー:2009/09/05(土) 12:39:52 ID:INuW8/sa
>>513
売ったキャラは帰ってこないからな。目先の金がいるときならともかく、歌とか料理とかのスキルで稼げるキャラは手元にいた方がいい。
518513:2009/09/05(土) 14:11:33 ID:3txj2LqB
皆さんありがとうございます。これで子孫の小娘(貧乳)に調教された挙句、単なる商品として
感情のこもらない目つきで見送られながら売り飛ばされるタイタス1世のロールプレイをすることができます。
519名無しさん@ピンキー:2009/09/05(土) 14:28:07 ID:2xBc0pmS
>>512
乙です〜。

>>479を見るにたぶんミスだと思うんだけど、テレージャが
フィー、ウェンドリン、アイリの3人から受ける相性が100%に設定されてます。
520名無しさん@ピンキー:2009/09/05(土) 22:37:38 ID:pvtH/d63
口上初挑戦なのでかなりやっつけですが。

http://loda.jp/youseisan/?id=2356
顔4おっとりロリ前提でフィー口上。
主人アベリオンだと兄妹になるので、近親が苦手な人はご注意ください。
521名無しさん@ピンキー:2009/09/05(土) 23:47:51 ID:EfPeVVt+
http://loda.jp/youseisan/?id=2357
eraRuina私家版。変更点は以下の通り。

・奴隷のコンドーム常時着用が効いていなかったのを修正。
# この辺も抜本的な処理の見直しをした方がいいかも。
・テレージャの相性を修正。主人公女との相性が100%になっていた。Ruinaエロパロスレ2の>>519報告thk!
・購入時の説明を追加。仲間になるキャラはゲーム本編から拝借。
チュナの説明は兄姉がいる時のみ『〜の妹。』と表示するように。
あとはテンプレ的に名前のみ全員分つけておいた。誰か追記してくれると嬉しい。SHOP2.ERBの442行目から。
・ENDING.ERBからオープニングとチュートリアルを別ファイルに切り分けた。
# ENDINGでオープニングの定義って分かりづらくない?
・資料に『ERBファイル概要.txt』を追加。ただし自分なりに把握したものとコメントの抜粋。
個人的に欲しかったので作ってみた。
・ゼス編に入る前でちょっと遊んでみた。不用意なものを選択すると終了します。
・着衣設定で前回終了時にした際、『どこに身に着けていたか』ではなく『何を身に着けていたか』を覚えるようにした。
ただし、まだ意味をなさない。着せ替えとかしたいよね?
# eramakerは累乗もビットシフトも演算子がないから使いづらいね。
・着衣で男性装者を持っていた場合は、オトコとほぼ同じ初期着衣にした。
# さらし巻いてます。
・女性装者の場合はショーツとかブラジャーとかを着ける事ができるようになりました。
# ただし、女性装者が付いてる人や付けるイベントはまだ無い。
・夜種王関連の定義を追加。CSVはまだ作っていない。誰か作ってくれると個人的に嬉しい。


>>520
乙です。顔4フィーはいいよね!
ちょっと文法ミスがあったので直して上げておきました。
参考まで。
http://loda.jp/youseisan/?id=2356
522名無しさん@ピンキー:2009/09/05(土) 23:50:08 ID:EfPeVVt+
あ、URL間違った。こっちね。連投すまない。
http://loda.jp/youseisan/?id=2358
523名無しさん@ピンキー:2009/09/06(日) 00:05:15 ID:C5mqkaSC
>520,521
GJ!

とりあえず、フィー口上のあなた部分をネルで妄想w
百合はいいものだw
524名無しさん@ピンキー:2009/09/06(日) 00:11:07 ID:1FHNP6A2
>>521
ミスありましたか。お手数おかけしてすみません。
訂正ありがとうございます!
525名無しさん@ピンキー:2009/09/06(日) 01:05:42 ID:IxUFpmg8
>>524
いえいえ、こちらこそ。
私はしがない虫取りやですから。

さあ、みんな!文法ミスは俺に任せて、早く口上を各作業に戻るんだ!!
あ、欲しいものとかあったら言ってね。出来る範囲で実装するから。
526名無しさん@ピンキー:2009/09/06(日) 01:28:12 ID:fy8wihUE
eraRuinaのベースになってるeratohoAの詳細攻略ページ。
ただし激しくネタバレなので注意。

eratohoまとめ - eratohoAについて(ネタバレあり)
ttp://www7.atwiki.jp/eratoho/pages/132.html


ネタバレしない程度に軽くアドバイスするとこんな感じ

・基本
2〜3人程度でローテーションを組む
体力が尽きるまで調教するのはやめた方がいい
気力が尽きると調教効果が半減するし、体力が回復しないと次の調教の幅が狭まるので効率が悪い
Aではストレス値というものが存在しているので、元気になる薬を使って連続調教すると精神崩壊してしまう可能性あり
また、各コマンドで依存度が増加するか減少するかを把握すること
厳密には違うけど、基本的に+されるもの、基本的に−されるもの、現在値が正か負かで±が変わるものがあると思っておくといい
あと、労役させるには陥落していて助手可能な状態でなければいけない

・恋慕ルート
愛撫や奉仕系中心に。依存度はプラスへ。アブノーマルな真似は厳禁
労役は主人が付き添う必要があるので他のキャラの調教などができず、また経験を積まないとほとんど収入にならない
また屋台は目標金額100万に加え屋台設備費10万が必要だったり、コンサートは収入が安定しなかったりとやや資金を稼ぎにくいルート
そのため、このキャラの労役で稼ぐなら攻略キャラを一人か二人に絞った方が無難

・淫乱ルート
快楽系中心に。依存度はどうでもいい。多少はアブノーマルな行為や同性愛を嗜ませるのも必要
労役は最低金額高めなので手っ取り早く稼げるが、上限値が低いので最終的な効率は悪い
他のルートに比べて到達しやすいルートなので、まずは低難度キャラをこのルートでさくっと落として人海戦術で補うといい

・服従ルート
SM系やアブノーマルプレイ必須。依存度はマイナスへ。ただし快楽系や同性愛は控えめに
陥落させるのに手間はかかるが、労役収入はダントツでしっかり鍛えていれば10日間レンタルするだけで目標金額を満たせるほど
心が痛まないならば、資金稼ぎ用に一人はこのルートで落とすと楽にクリアできる
527名無しさん@ピンキー:2009/09/06(日) 02:29:34 ID:h+YkbF6V
eraRuinaだと仙女が簡単に淫乱化するんで、
それで稼がせるのが一番手っ取り早いと思った。
528名無しさん@ピンキー:2009/09/06(日) 22:16:04 ID:QRlUeXpM
>>520
乙!
ここまでマイルドというか、かわいい反発刻印3ははじめて見たような気がするw
Ruinaだとキレハやフランの反発3は「ムッコロス」って感じなんだけど
フィーの反発3は「○○のバーカ」って感じだ
特にアベリオンだと兄弟ゲンカみたいで反発3なのに変に和むw

あと主人アベリオンだと服従ルートがヤンデレっぽくなってこれはこれで
恋慕だと甘デレでかわいいんだけど、ある意味けなげで一途に見える
実兄への禁断の愛っぽい雰囲気になるし

>>521
いつも乙です!

フィーを調教してると、単体エンド迎えられないのが惜しい
エキストラとノーマル以外にフリー対戦というか、ノーマルルールでキャラ選択自由モードか
選んでない主人公を対象にするモードが欲しい気がする

あと口上の人にリクするのは筋違いかな?
もしOKなら、主人がネルや盗賊兄弟の時、つまり幼なじみの時バージョンが欲しい気がする
フィーがネルたち相手にしてはちょっとよそよそしいような
529名無しさん@ピンキー:2009/09/07(月) 03:58:02 ID:SA5fvvrL
http://loda.jp/youseisan/?id=2377
フィー口上ケアレスミス修正。失礼しました。

>>528
その辺は少し気になってました。
おいおい取りかかろうかと思います。
530名無しさん@ピンキー:2009/09/07(月) 23:25:32 ID:AuIwQnO6
※仕様変更があります。セーブデータを流用する際はOPTIONからフラグ修正を実行してください。

http://loda.jp/youseisan/?id=2390
eraRuina私家版。変更点は以下の通り。

・eratohoA ver1.114準拠へ変更。
・ゲームモードに関連するフラグ(FLAG:5)の判定周りをビット演算へ変更。細かい指定が可能になりました。
# 参照するときがちょっと面倒だけれど。
・上記の関連で、EXTRAだった人(含むエンド後)とゼス編だった人のためにOPTION追加。
フラグを新しいものに修正できます。
・既に使っているフラグ周りに手を入れてしまったので、バージョン番号を1.000へ変更。
次回以降は0.010のセーブデータとの互換性が無くなるかもしれません。
・ゲームモードにEXTRA2を追加。全キャラを選択可能になります。Ruinaエロパロスレ2の>>528thk!
・着衣設定で前回終了時にした際、全裸になるのではなく全着になるようにした。
# 脱がす楽しみとかあるじゃない。
# もうちょっと服に関して重要度を上げたい。
・『eraRuina フラグ使用状況一覧.txt』を作成中です。基本はeraTohoAのこぴぺ。
・細かい修正。
5311/13:2009/09/08(火) 03:20:24 ID:/O+0cxC3
それは、キレハがひばり亭に帰って来た日の夜だった。

「でも、本当に良かったよな?ヴァン」
俺とパリスは、オハラさんにあてがわれた一室で酒を交していた。
チュナの件に遺跡の探索、テオルやビンガーとのしがらみ。
まだまだ問題は山積みだが、今はひとまず仲間の生還を祝おうという事らしい。
もっとも、当の本人は疲れ切って部屋で眠っているが。

あの時、獣になったキレハに剣を向けるラバン爺を制したのはパリスだった。
キレハを必死に説得し、誰よりも傷を負ったのもパリスだった。
そして、誰よりも喜んでいたのも……

「おい、聞いてる?」
聞いてなかった。
どうせ内容はキレハの事ばかりだったのだろう。
「ま、いいけどよ……っと、お前そろそろ行った方が良いんじゃねえか?」
行く?俺が?何処に?
「夕飯前、ネルが今夜部屋に来いって言ってたろ?」
……すっかり忘れていた。
グラスに僅かに残った酒を飲み干し、椅子から立ち上がる。
「じゃあな、頑張れよ!」
……何を頑張れというのだろうか。
5322/13:2009/09/08(火) 03:21:33 ID:/O+0cxC3
『おーそーいー!!』
そう書き殴った紙を高々と掲げ、ネルが睨みつけてきた。
部屋に居たのはネルだけじゃない。
テレージャ、ラバン爺、それに何故かメロダークまで居る。
一人部屋らしからぬ人口密度だ。
一体何をしようというのか……
口を開きかけた俺を、テレージャがそっと制した。
『室内の会話はすべて筆談とする』
そう書かれた紙と、数枚の白紙とペンを彼女に手渡される。
小さな火を灯すランプを囲う輪に加わったところで、テレージャが話を切り出した。
『今日集まってもらったのは他でも無い。パリス君とキレハ君についてだ』
彼女は続けてスラスラとペンを走らせる。
『周知の通り、彼等は両想いの間柄だ』
それに関しては概ね把握していた。
パリスはキレハを随分気にかけていたし、
キレハも満更でもなさそうにしていた。
『その上で昼間の出来事があった。二人の距離はグンと縮まったであろう』
それは……一概には言えないんじゃ……
『そこで私は、今夜にでもパリス君は勝負に出ると推測した』
筆を進めるテレージャは目をキラキラと輝かせている。
そして、ここはキレハの部屋の丁度隣にあたる。
嫌な予感がする。

『見届けよう、パリス君の勇姿を!ついでにその先の行為も!!』

最悪だ!
5333/13:2009/09/08(火) 03:22:28 ID:/O+0cxC3
『あのー、カードゲームするんじゃないの?』
そう書いた紙をネルが皆に見せた。
『あれは方便だ。すまないね』
テレージャの返答を見て、ネルの眉間に皺が寄る。
『私の部屋を変な事に使わないでくださーい!』
おもむろに、腕を組んで目を瞑っていたメロダークがペンを走らせる。
『これは変な事では無い。奇跡への立会という神聖なる儀式だ』
何言ってるんだ、アンタは。しかも無駄に字が上手い。
『ヴァンもラバン爺も何とか言ってよ!』
かける言葉を模索する中、ラバン爺は迷い無く自身の意見を書いた。
『俺は一向に構わんッッ!』
駄目だこいつら。
『勝手にしてよ。もう知らない』
それだけ残して、ネルは枕を抱いてベッドの隅に座り込んだ。
表情は伺えないが、きっとぶんむくれている事だろう。
ともかく、こんな事には付き合えない。
部屋に帰って、もう一杯だけ飲んで寝よう。
そう思った矢先だった。
隣の部屋から、ドアの開く音が聞こえた。
ノリノリだった3人は、息を殺して壁に耳を当てた。
しかし、彼等はどうする気なのだろうか。
いくら壁はそう厚くないとは言え、僅かな音しか聞こえない。
その僅かな音を楽しむというのが粋なのだろうか?
よくわからない。
ここで、いつの間にしたためたのか、テレージャから手紙が回ってきた。
5344/13:2009/09/08(火) 03:23:28 ID:/O+0cxC3

ヴァン君、君に重大な任務を与える。
窓の外に大きな木があるだろう?
そこから、隣の部屋の様子を視察してきてほしい。
そしてその内容の委細を書き記してくれ。
今日は月明かりが強い。どうにか文は書けるはずだ。
書きあがった文書は逐一こちらの部屋に投げ入れてくれ。
後、こちらで隠身のマントと常闇のローブを用意しておいた。
これで幾らか勘付かれなくだるだろう。
失敗の無いよう、よろしく頼む。
尚、君がこれを拒否した場合、
大変心苦しいが、今後君にだけは回復魔法と補助魔法を使わない。
同士二人も、同等かそれ以上の罰を下すだろう。
無論、君が任務に失敗した場合もだ。
では、健闘を祈る。

脅迫文書だった。
通るか、そんな要求!
断ろうと彼等を見やると、3人とも微笑んでいた。
だが、その瞳は笑っていない。
メロダークに至っては、母なる夜の剣の柄に手を伸ばしている。
……引き受けよう。
ラバン爺から手渡されたローブとマントを纏う。
窓をそっと開け、木の枝に手を掛ける。
これで俺も、立派な変態の仲間入りだ。
5355/13:2009/09/08(火) 03:23:55 ID:/O+0cxC3
キレハの部屋は調度この木の上から良く見えた。
都合の良い事に、ベッドの周囲もはっきりと見える。
キレハは良く眠っている様だった。
そして、その側には誰かが立っている。
……パリスだ。
躊躇を振り払う様に頭を振り、ベッドの上のキレハに跨った。
……この程度の暗さなら、問題なく様子を書き記せる。
ここからは、様子の覚え書きに専念しよう。
5366/13:2009/09/08(火) 03:24:22 ID:/O+0cxC3
「……何、してるの?」
キレハが目を覚まし、その視線をパリスへと向けた。
「何って……わかるだろ?」
いっぱいいっぱいなのを必死で隠すパリスに対し、
キレハはどこか余裕な顔をしている。
「呆れた。まるでケダモノね」
その一言で、パリスはもう必死さを隠せていない。
「……いいわ、しましょう?」
「いや……でも……」
「貴方はこの時を待っていた。私も、こうなるのを望んでた」
「は?待て待て、落ち着け。それって……」
「そういうの、女に言わせるかしら?」
余裕そうだったキレハの顔も、赤くなっている。
うろたえていたパリスが、覚悟を決めた顔になった。
「キレハ。俺、お前が好きだ」
「……私も、貴方の事が好き」
必要な言葉は交わされた。
二人は抱き合い、お互いの唇を合わせた。
5377/13:2009/09/08(火) 03:24:53 ID:/O+0cxC3
接吻は、やがて互いの口内を蹂躙するかの様に激しさを増した。
貪る様に唇を重ね、舌を絡ませる。
パリスの掌が、キレハの胸へと伸びる。
衣服の上から愛撫し、やがてその手を襟から差し込む。
キレハが腰帯を解き、衣からその柔肌を覗かせる。
身体は雪の様に白く、まるで芸術品の様に均整が取れている。
パリスも己の衣服を脱ぎ捨てる。
産まれたままの身体になり、二人は尚激しくお互いを求め合う。
キレハの身体中を舐め回していたパリスの指が、秘所へと伸びる。
「んッ……」
普段のキレハからは想像も出来ない声が漏れる。
その声はパリスの中の獣に火を付けた。
更に激しく攻め立て、遂にその指を挿れる。
「……キレハ、お前……」
何かに気付いたパリスの口を塞ぐ様に、キレハの手がパリスの一物を握る。
「ッ!?」
何かを確認する様に、何度もそれを握っては離しを繰り返す。
「ふうん……」
キレハは関心している様な声を上げるが、その表情の奥には不安が潜んでいた。
5388/13:2009/09/08(火) 03:25:32 ID:/O+0cxC3
「そろそろ、本番と行こうぜ」
キレハの太股をそっと開き、パリスが腰を滑りこませる。
「ちょ……ちょっと待って!」
「ん?」
「その……痛く、しないでよね?」
「わかってる。力、抜けよ?」
「うん……」
局部と局部が、遂に交わる。
「痛ッ……!」
「わ、悪い!大丈夫か?」
「うん……平気よ」
パリスは可能な限り優しく、己をキレハに挿し込んだ。
揺り籠の様に優しく、ゆっくりと。
互いの息遣いと、濡れた音が部屋に響く。
血と愛液の交じり合ったものが、パリスを濡らす。
体位を変え、その都度確かめる様に速度を落としながら。
律動は徐々に、静かに激しさを増していく。
「ッく……ふッ……」
「あぁッ……んッ……」
やがて互いの限界が見え始め、炎は更に激しく燃える。
「うッ……んッ……あぁッ!!」
先に果てたのは、キレハの方だった。
「ッ……っああ!」
刹那の差で、パリスがキレハの外で果てた。
「……まだ、作っちまうわけにはいかないから、な……」
「……馬鹿」
火照りを鎮める様に、二人はそっと抱きあった。
5399/13:2009/09/08(火) 03:26:04 ID:/O+0cxC3
――――…………
よし、これだけ書けば十分だろう。
二人に気付かれないように、慎重に体勢を整える。
……それにしても、俺はなんて事をしてしまったのだろう。
他人の情事を、しかも自分の兄貴と大切な仲間とのを盗み見るなんて。
明日から俺はどんな顔で二人に接すれば良い?
チュナ、お兄ちゃんは天国には行けないみたいだ。
そうだ。全部に片が付いたら神殿に行こう。禊が必要だ。

……ネルの部屋に戻った俺は、目を疑った。
そこには混沌が広がっていた。

テレージャが、獣の様な息遣いに潤んだ瞳で自分を慰めている。
変態だ。

メロダークが全裸で仁王立ちしている。
変態だ。

ラバン爺は、その様を見てニヤニヤしている。目つきがひどくいやらしい。
変態だ。

やがて、テレージャとメロダークが目を合わす。
言葉は要らないようだ。
ベッドという戦場に、二人の変態が舞い降りる。
大変だ!!

俺はガタガタ震えているネルの手を引き、急いで部屋を出た。
54010/13:2009/09/08(火) 03:30:58 ID:/O+0cxC3
「もう、最悪!」
俺達は、取り急ぎ無人となった俺とパリスの部屋に逃げ込んでいた。
今日一番の被害者は、おそらくネルだろう。
俺は被害者ではなく、誠に不本意ながら加害者だ。
「ヴァンもあんなの相手にしなければ良かったのに」
おっしゃる通りだ。だが、そうすれば今頃命は無かったかもしれない。
「あーあ、なんか、疲れたよ……」
そう呟き、ネルは俺の枕に顔を埋めた。
確かに疲れた。明日の探索が不安だ。
「……ヴァンの匂いがする」
不意に、ネルがそう呟く。
「ねえ、私達もしちゃおっか?」
突然の言葉に、耳が、身体全体が熱くなる。
「な、なんちゃって!冗談よ冗談!」
ネルは再び枕に顔を埋めたが、その耳は恐らく俺と負けず劣らずに真っ赤だった。

……ネルには申し訳ないけど、
今はまだ、この気持ちは隠しておこう。
全部に片を付けた、その時まで……
54111/13:2009/09/08(火) 03:31:27 ID:/O+0cxC3
結局、俺はドキドキしっ放しで全く眠れなかった。
「ねむいよー」
ネルも同様だったようだ。
おかげでいつもより早く、ひばり亭のホールへと降りて来ていた。
「二人とも、どうなされたのですか?」
紅茶を淹れてきてくれたフランが、心配そうに尋ねて来た。
「んーん、なんでもないよ」
紅茶にミルクと砂糖を入れながら、ネルがそう返答した。
疲れた身体に、紅茶が染み渡る。幸せだ。
「フランちゃん、お早う」
ラバン爺が部屋から降りてきた。
いつものカウンターに腰掛けると、俺に手招きをしてくる。
近付くと、義手で小突かれた。
「ヴァン、お前はいつからそんなヘタレになったんだ?」
その顔には、ありありとこう書かれていた。
【見ていたよ】
もうやだ、死にたい。
54212/13:2009/09/08(火) 03:31:58 ID:/O+0cxC3
ぽつらぽつらと仲間達が2階から降りてくる。
いつも通り元気そうなアルソンにエンダ。
対照的にいつも通り眠たそうなシーフォン。
やたら肌がツヤツヤとしたテレージャ。
精魂尽き果てた様なメロダーク。
そしてキレハと、少し遅れてパリスが降りてきた。
何事もなかったかの様に、挨拶を交わしている。
俺は二人をまともに見れなかった。
ネルも気まずそうに俯いている。
例の3人は、ニヤニヤしている。死ねばいいのに。
「おっはよー」
最後に、オハラさんがやって来た。
その足はカウンターでは無く、パリスとキレハの座るテーブルへと向かっていた。
そして、2人に言い放った。
「昨夜は随分とお楽しみでしたね」
その一言に、ひばり亭が激震した。
堪えていた笑いを決壊させたテレージャ達。
何事かとざわつく部外者達。
頭上に?マークを浮かべるエンダ。
顔を真っ赤にしてうろたえるキレハ。
顔面蒼白で呆然とするパリス。
いつもよりも随分賑やかな朝。
「はぁ〜……」
ネルはやってられんわとでも言いたげにため息を吐いた。
54313/13:2009/09/08(火) 03:32:36 ID:/O+0cxC3
長ァい!ダレてるッ!!
素人が手を出した結果がコレだよ!
キレハとパリスのやり取りの間に可能性を見出して、
精一杯妄想した末にこのgdgd駄文。
すまぬ……すまぬッ……
ちょっと夜種プリンセスにでぃーぷちっすしてもらってくる。
聖なる骨になれたらいいですね。
544名無しさん@ピンキー:2009/09/08(火) 03:36:16 ID:auHlT1a8
>>543は 大ダメージを受けた HPが1になった

センテンスの短いのもいいもんだね
改行でいつも苦労するから参考にしようかな
545名無しさん@ピンキー:2009/09/08(火) 09:38:08 ID:Qlby2eVg
>>531
GJ!
筆談ワロタ
駄目な大人ばっかりだw
ネルかわいいよネル
546名無しさん@ピンキー:2009/09/08(火) 12:06:52 ID:aRhTLB94
大変だ!
エロイのに吹いた
GJ
547名無しさん@ピンキー:2009/09/08(火) 13:44:41 ID:KJbdHTB8
やはりテレージャさんは色々とアレだな
絶倫メロさんをも一呑みかwww

野種プリンセスとのレポもよろしくv>>543
548名無しさん@ピンキー:2009/09/08(火) 15:06:54 ID:pDonFcKR
>>531-542の続きが出来たようです。
久々の休日をひたすら妄想に費やす俺は間違いなくできそこない。
5491/7:2009/09/08(火) 15:09:10 ID:pDonFcKR
パリスが立ち上がり、コホンとひとつ、咳をした。
そして、テーブルの面々を見渡し言った。
「えー、それでは!俺達の勝利と!帰ってきたチュナと!俺達のこれからに!」
「「「かんぱーい!!」」」
ひばり亭に杯をぶつけあう音が響き渡る。
大宴会のファンファーレだ。
そして、皆と過ごす最後かも知れない一時の始まりだ。

タイタスを倒してからの事は、よく覚えていない。
崩れ逝くアーガデウムを必死に駆け抜け、
気が付けば皆の元へと辿り着いていた。
笑顔、泣き顔、安堵の顔。
仲間達はそれぞれの顔で出迎えてくれた。
……タイタスの最期の言葉を思い出す。
『さらばだ、世界よ。私はお前を愛していた』
こうして全てを終えた今、少しだけ奴の気持ちがわかった気がする。
世界は、人は、こんなにも美しい。
少なくとも、今はそう思う。
5502/7:2009/09/08(火) 15:10:28 ID:pDonFcKR
話題は尽きなかった。
冒険中の苦難や困難、ハプニング。
過ぎた今となっては笑い話だ。
勿論、これから解決しなくてはいけない問題だっていっぱいある。
今回の件でネス公国、特にホルムは難題が山積みだ。
アルソンはこれから大変だろう。
俺とパリスも、改めて今後の生計を立てなくてはならない。

「くぉらヴァンこの野郎!飲め!酒飲め!!」
パリスに後ろから羽交い絞めにされ、大量の酒を流し込まれる。
むせる俺を、シーフォンが指を差してゲラゲラと笑う。
……うん、明日の事は明日に任せて、今は今を楽しもう。
とりあえず、先程されたのと同じ様に、シーフォンを羽交い絞めにして、
彼の口になみなみ注がれた酒を流し込んだ。
5513/7:2009/09/08(火) 15:11:16 ID:pDonFcKR
「らめだぁ、もう飲めねぇ……」
真っ先に潰れたのはシーフォンだった。
「ヴァン兄さんがあんな事するから……」
チュナに咎められてしまった。
「ギャッハハハハハッ!なっさけねえんがぁ」
「パリス兄さん!?」
「ちょっと、大丈夫!?」
続いて馬鹿兄貴1号が、爆笑しながら寝た。
チュナとキレハが心配そうに駆け寄った。
「うーん、もう、限界、でふ……」
更に続いてアルソンが力尽きる。
「うひゃはひゃひゃ、情けないろ男子!」
テレージャも、最早ろれつが曖昧だ。
「………………」
メロダークがやおら立ち上がり、服を脱ぎ出す。
全てが露になるより早く、フランの投げ付けた手裏剣が彼の額を捕えた。
そんなドタバタ騒ぎの中で、ふとネルが外へと出たのが見えた。
5524/7:2009/09/08(火) 15:12:12 ID:pDonFcKR
広場の噴水に、彼女はいた。
「あ、ヴァン……」
その眼は赤く、頬には涙の跡が浮かんでいた。
「ごめん!なんか、皆ともう会えないかもって思うと、どうしようもなくなって
……」
そう言いながら、彼女の目に再び涙が溢れる。
そっと、ネルを抱きしめた。
12月の寒空の中で、彼女の身体だけが暖かかった。
「ヴァンは……何処にもいかないよね?」
不安そうに、ネルが尋ねた。

――大丈夫。俺は、ずっと側にいるよ。



5535/7:2009/09/08(火) 15:12:42 ID:pDonFcKR
目を覚ますと、思わず吹き出す程近くにネルの顔があった。
彼女は目を覚ますと、顔を見る見る内に赤くして、そっぽを向いてしまった。
「……なんか、恥ずかしいね」
彼女の言葉に、思わず微笑んでしまった。

――――……
さあ、現実と立ち向かおう。
ひばり亭は、すっかり阿鼻叫喚の地獄絵図となっていた。
立ち上がり動ける者で、大掃除が始まった。
「……良い顔になったな、ヴァン」
食器を下げていた俺に、モップで床を拭いていたラバンが呟く。
その顔には、やたら爽やかな笑みを浮かべていた。
またか、またなのか。【見ていたよ】か。
もうやだこの爺さん。
5546/7:2009/09/08(火) 15:13:09 ID:pDonFcKR
「あーあ、結局こんな時間になっちゃったね」
ネルが空を見上げて呟いた。
太陽はすっかり西へと傾いていた。
空には鈍色の雲が集まりつつある。
夜には雪が降りだすだろう。
「……帰ろっか」
人もまばらな通りを並んで歩く。
隣の彼女の手を握る。
少しだけ驚いた後、彼女は嬉しそうに微笑んだ。
それがなんだか可笑しくて、つられて微笑む。
世界は今日も、美しい。
5557/7:2009/09/08(火) 15:16:27 ID:pDonFcKR
                _           ニ / l l
             /´´,ィ〕           /       気が付けば……
  ニ / l l   ,_   /  'ーっ          /ニ7
   /   /777/  /  ./ ̄             /         駄文っ…!
  /ニ7 {   し'7/ ゙̄7/    ,. ''´ ̄`ヽr:z   :
   /   ヽ.  ノ { /〈/   /    _,、 ゝ       _ f'h、 >>
    :   |ー-|  X ,.へ    !   r'7/,ゞ7レリ       (.くノ ' 'ヽ  2日続けて
  ,rf'?   !   !// V   \_l   y/__ヽ,        .〉   ノ   駄文っ…!
 〈  レフ .!    ̄/ ̄ ̄/ /   ,.イ | r'::   、    /   /´
  ヽ  く  `‐! !-l__/ /イ / / ̄`<:: _ ヽヽ.  /ー-v'   やって
.   V⌒ヽ_, l l-‐ヽ /  ´ l/ レ'      ,ゝ、  ̄7 i‐-'  / } }  しまったっ……!
   ヽ    ! !   ∨   /       /   \/l. !   ./  ノノ
     \__,,.ゝヽ''7    ./ ニ / l l   、   /ソ ,'─‐'   r‐ 、  さすがの>>も
         /    /   /     ,イ ヽ./ / /、_ __/  ´ヾ、 2日連続
.        /    ノ   /ニ7   /;'|___ゝ'/   }   __,.へ)  駄文は
       <、   ./     /   /;' | '´イ ` ー─‐'-‐'''´       猛省…!
     /:::`::::ー- 、      :  /;'  !   L_    ノ丿

書いてから気付いた。濡れ場が無い。
大したオチも無い。何も無い。
とりあえず、5週目のメンツを元に色々妄想してみました。
次があれば、別の何かが書けると良いですね。
>>547
いざ口付けしようとしたら顔見て拒否された。
無想転生を習得しかねない程の哀しみに包まれたよ。
556555:2009/09/08(火) 15:18:08 ID:pDonFcKR
失態である。
仕込んでいたAAのアンカーを書き忘れたのだ。
死のう。数値入力で14と入力して死のう。
557名無しさん@ピンキー:2009/09/08(火) 15:35:23 ID:8jN3Di7C
エメク×テレージャさん 若干エンダ
エロなし

乙女なテレージャさんを妄想したかったんだ。
558名無しさん@ピンキー:2009/09/08(火) 15:35:51 ID:nqpUxx/X
GJ!
ネルエンド、ほんわかしてていいな。
見●いるよの活躍っぷりにも吹いた

またの投下を待ってる
今日中に三連投でも一向にかまわないぜw
559名無しさん@ピンキー:2009/09/08(火) 15:36:10 ID:8jN3Di7C
失態である。
専ブラのリロードを暫くせずにいたのだ。

間を置いて出直して来るヨ。
560名無しさん@ピンキー:2009/09/08(火) 16:52:19 ID:auHlT1a8
ちょとまて死者が出てないか死者がwww
酒場になにか刺さった野生動物が混じってるだろう
561名無しさん@ピンキー:2009/09/08(火) 17:49:39 ID:D/4bL8oE
2日続けてGJ!
ネル可愛いわテレージャさんタチ悪いわで和む。

このルートだとわくわく冒険ランドのアトラクション要員に
鷹とか馬とか狼が増えたたりするのだろうか。
というかそうであって欲しい。
562名無しさん@ピンキー:2009/09/08(火) 18:11:57 ID:JS+4DriA
>>530
GJ!このモードを待っていた!
さっそくフィーを嫁にしようとしてプレイしてたら
嫁:フィー
金づる:ルギルダ
手持ち資金でもう一人:エンダ
気がついたらこうなってた。いっそ銀髪ハーレム作るか…

era関係はこれだけ勢いがあるならera板に単独スレ立ててもいけるかな?

>>531 >>549
GJ!実になごむ。素晴らしい。
ネルかわいいなあ。
563555:2009/09/08(火) 19:09:50 ID:pDonFcKR
                      ,.. -───‐- 、
               /    , ', -─‐- 、.._  _,.-.\
      |二l二    /       i l  ‐#- 、゙ヽ. ̄   ,r`ゝ-
-─- 、  |二|二 バ (        | L_ u v   \`ー-‐''/ ヽ
 _,ノ  ハヽヽ亅   ヽ      | r‐、} ヽ ̄`ヽヽ,, ,//´7;|   なんだっ・・!
      ┌┴─      >   | |ト、|l u ` ー゚イ u vl.゚ー'  | このレスはっ・・・・・・・・!
 o    | 土土l カ  /    | ヽ_|! u'_,ノ {  u'  }じ v |
      ノ 上 匕    (    /|  /! r'',ニニ=`==='=ニヽ!   全部ありがてえ・・・!
 o     l       \__/  |. / :| | |ー'ー'ー'ー'ー'ー'ー'ー' l‖ ありがてえじゃねえかっ・・・・!
       ニ|二       ,ゝ   |/  :| l lーiーiーiーiーiーiーi‐rl ||
 o      ヽ_ノ    / |    iヽ.  ヽヽニニニニニニニンノ
                /   !    | ヽ   ` ー-- ニ二二~-‐'\   出来るかっ・・・・!
 o      |      ヽ  |   |  ゙i      ::::::::::::/ :|\. \  3本目など・・!
         |       \|     !   !       //   |   \
 r:、      /       > /\  !ヽ..__,//\  |
 |/      /-、     /! /   oヽ |::::::::::::::/ __   \. |
 o     /  し'   (  "       |:::::::::::/      `

エロ分はほぼ皆無だろうけど、
和んで頂けるものが書けたらいいですね。
エロはeraruinaに任せた!
私は私に出来ることを頑張る!
最後にこれだけ言わせてください。
ネルは俺の嫁。
564名無しさん@ピンキー:2009/09/08(火) 19:27:30 ID:auHlT1a8
>>563
500kB見えてきてるからAAはほどほどになw
565名無しさん@ピンキー:2009/09/08(火) 22:29:16 ID:Qlby2eVg
>>549
またしてもGJ!
キュンとした

そして>>557を待っている
乙女なテレージャwktk
566名無しさん@ピンキー:2009/09/08(火) 23:04:45 ID:8jN3Di7C
ttp://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1252418505/l50

容量が微妙っぽいので先に立ててきた。
このところ投下ラッシュが続くしことによるともう50kbあっと言う間に埋まりそう。

>549
なんかタイミング外したけどGJ。
ヴァンネルとパリスキレハって新しいが、主役が見てないとこでも交流はありそうだよなァ。
567名無しさん@ピンキー:2009/09/08(火) 23:06:18 ID:8jN3Di7C
というわけでそろそろいいかとエメク×テレージャさん改めてちょっと通ります。
エロは一応なし。若干エンダ。グッドエンド後。
568名無しさん@ピンキー:2009/09/08(火) 23:06:52 ID:8jN3Di7C
「テレージャはエメクとつがいになるのか?」
 口にパイの食べかすをたっぷり付けたエンダが、前置きもなくそんなことを聞いてきた
ものだから、テレージャは不意を突かれてらしくもなく呆けた。
 安息日の真っ昼間、私室で、お裾分けされたチョコレートパイとティーセットを挟んで
二人きり。エンダの好物だからと、ネルがわざわざ焼きたてを届けてくれた物だ。
 遺跡の災厄からもう二年、成り行きでここに居着いてしまい、このマイペースな竜の娘
ともそれなりに親しくなった。
 テレージャは拘りのない性格だし、彼女自身が負けじと我が道を行くたちであったから、
元々相性は良かったのだろう。書物や覚え書きの羊皮紙が散乱する彼女の部屋に転がり込
み、本を読みふけるテレージャの横で没原稿の裏に落書きをしたり、昼寝をしたり、菓子
パイや生肉をこっそりご馳走になったりしているエンダの姿は、最近では珍しいものでも
なくなっている。
 彼女の“父親”であるエメクが、このところ巫女長アダに代わって神事に携わることが
多く、あまりエンダに構ってやれないのも理由だろう。
 斯く言うテレージャもこの一月、まともに彼と時間を持っていない。ナザリから来た何
とかいう偉い神官との会談だの、慰霊祭だの、季節の祭事だの、貧民街への慰問だの。
 テレージャも手伝ってはいるのだが、擦れ違ったり、お互い忙しすぎて手一杯だったり
して、会話をする暇もなかったのだ。
(なんだか偉くなっちゃって……私の右腕になるって、言った癖に)
 なんだか面白くない気分に駆られて、我知らず眉根を寄せ、虚空を睨み付ける。
 と、鼻先で白い小さな手がひらひらと動いた。
 テーブルに膝をついて、体を乗り出したエンダの手だ。
「テレージャ、おーい」
「え? ああ、うん、つがいか、つがいね。まあ今のところそういう予定はないけれど」
「そうか」
 よっこいせ、と席に戻ったエンダへ紅茶のお代わりを注いでやる。
「なんだってまた、突然そんなことを?」
 エンダが紅茶へ思い切り糖蜜を垂らすのを、テレージャは組んだ両手に顎を乗せて見や
りつつ、平静に尋ね返した。
「こないだ、ケッコンがあったろ」
「ああ、粉屋の」
 三日前、他ならぬテレージャが聖句を詠んで祝福したのだから、当然覚えている。夜種
に襲われて奥さんを亡くした粉屋の若旦那が後添えを貰ったのだ。彼には亡妻の遺した男
の子が一人いたのだが、新婦はその子を大変可愛がっており、子供の方も、幾らかぎこち
ないながら新しい母親を受け入れているように見えた。聞けば新婦の方も両親を亡くして
いて、身よりがないのだという。
 花嫁は陰のない貌で、「新しい家族を作りたい」と言ったものだ。
 彼らなら傷跡を乗り越えて仲の良い家庭を作っていけるだろうと、そういう微笑ましい
気分になれる婚礼だった。
569名無しさん@ピンキー:2009/09/08(火) 23:07:24 ID:8jN3Di7C
 エンダはその手伝いをしていた時に、どうやら参列者から御菓子を貰ったり、世間話を
立ち聞きしたりしていたらしい。
「ママハハっていうんだろ。後からつがいになったお母さんのこと」
「そうだね」
「テレージャがエメクとつがいになったら、エンダのママハハになるんだなって」
「まあ、そういうことになるのかな」
 エメクは正しくエンダの名付け親であるが、名前を得ることによって知恵を持ち、人間
として転生した彼女にしてみれば、その意義は実父にも等しいものであるらしい。
 その割には、エメクに対する態度が今一つぞんざいではあるが。
「ママハハと子供は仲が悪いらしいぞ」
「大抵はそうかもしれないが、そうじゃないこともあるさ。現に、こないだのママハハと
子供は仲が良かっただろう?」
「テレージャはママハハになってもエンダをイジメないのか」
「そんなことはしないよ」
「そうか」
 しおらしいことを言っているようだが、エンダの調子はいつもと変わりない。うんうん
と何を考えてるのかよく分からない顔で頷いて、パイの最後の一つに手を伸ばす。
「……いやそもそも、彼とつがいになる予定とかがないのだけれど……まあ、仮に、仮に
だ、もし私がママハハになるとして、エンダ君はいやかな」
「テレージャならいいぞ」
「それは嬉しいね」
「乳の出が良さそうだし」
「……」
「ネルがエメクから母乳吸わせて貰えって言ったけど、エメクがオトコだから出ないって。
だからテレージャがつがいになったら飲ませて貰おうって思ってた。ニンゲンの子供は母
乳を飲んで育つんだろ」
「飲んでみたいんだ」
「興味ある」
 エンダは両手で持ったパイにざくりとかぶりつき、小さな口いっぱいに頬張って、一生
懸命に咀嚼する。咀嚼しながらも、その両眼はテレージャの胸――薄手の神官衣に包まれ、
谷間を覗かせた豊かな双丘をじっと見つめているようである。
(――うまそう)
 そんな感じの目つきだった。
(母乳の出と胸のサイズはあまり関係ないはずだけれど)
 教えてやるべきなのだろうか、どうなのだろうか。
 あんなに期待いっぱいの目で見られては無碍に扱うのも悪い気がする。
 テレージャは紅茶をのんびりと嗜みながら、齧歯類のように必死にパイを囓るエンダを
見つめ返した。
 咀嚼する。咀嚼する。味わう。咀嚼する。飲み込む。
 顔と服とテーブルにたっぷり食べかすをくっつけて、唇の周りを舐め回し、見た目だけ
なら神秘的なほど色白で怜悧な竜の娘は、相変わらずテレージャの胸を見ていた。物欲し
そうに。
570名無しさん@ピンキー:2009/09/08(火) 23:08:01 ID:8jN3Di7C
 妙な沈黙が落ちる。
 しばしの間を置いて――
「……味見してみるかい?」
「おお?」
「と言っても、子供を産んでないから母乳なんて出ないけど、まあ含むだけなら」
「おお、おお」
「少しだけだよ?」
「おう!」
 エンダが椅子から飛び降りて、大喜びで駆け寄ってくる。
 やれやれと笑って、テレージャは肩紐をずらし、下着をのけて、大きく形の良い乳房を
露わにした。
 本業が学者とはいえ、フィールドワークで鍛えた体は女性的な脂肪の下にもしっかりと
必要な筋肉をつけており、双丘をぴんと張り詰めた形に保っている。乳輪はサイズ相応に
大きいが色が薄くて目立ちすぎず、先端もつんと下品でない程度に自己主張をしている。
 色は透けるほどに白く、肌の質感は若さもあるが、大河沿いで暮らす娘達の多くがそう
であるように、玉のように滑らかで瑞々しい。女神が宿る大河は適度な湿度をもたらすと
共に、軟質で沐浴にも適し、肌にすこぶる優しいのだ。
「おおー……」
 エンダが感心したように息をついて、小さな掌を伸ばし、むぎゅりと鷲掴んだ。程よく
成熟した女の器官は細い指を容易く受け入れるほど柔らかく、張りを保ちながらも素直に
ひしゃげて指先を包み込む。エンダの幾らか高い体温が、乳房越しに伝わってくる。
 エンダの細く硬質な指が、深々と胸に食い込んで、テレージャは呻き声を漏らした。
「ンッ……もう少し、優しく……君は人より力が強いから」
「お、ごめん。……じゃあ、吸うぞ」
「どうぞ。敏感なところだから、そっとね」
「ん」
 エンダは注意された通り、両手で慎重に乳房を持ち上げ、ゆっくりと淡い色の唇を寄せ
ると、薄く開いた唇に乳首を含む。
 初めに感じたのがエンダの口中の熱さ、次に濡れた舌の感触と、やわやわと吸い付いて
くる唇のこそばゆさだった。さっきまで熱い紅茶を飲んでいたのもあるだろうが、彼女の
体温は元々高いほうなのだろう。一瞬驚くくらいに粘膜は暖かく、小さな舌が丹念に乳首
の先端を舐りつけてくる。母乳の分泌を促そうとしているのだろうが、無邪気ながらも執
拗な舌使いは愛撫に等しく、テレージャの背筋に妖しい震えを走らせた。
 幼くも美しいエンダが、無心に自分の胸へ吸い付き、唇を這わせている。
 その光景も何やら倒錯したものを感じさせ、それでいて愛らしく、いとけない姿にも見
えてきて、異性交友どころか同性との行為も経験があるテレージャを惑乱する。
「――ぁ……」
「ン、痛かったか? も少し弱くした方がいいか?」
「い、いや、そうじゃなくてだね、ン……っ!」
571名無しさん@ピンキー:2009/09/08(火) 23:08:31 ID:8jN3Di7C
 テレージャが思わず上げた鼻声を苦鳴と勘違いしたエンダは、吸うのを控えて舐め回す
ことに重点を置いてきた。先ほどまでとは打って変わって、もどかしいほど丁寧で優しく、
いじらしい。乳輪を舌先でべとべとにし、乳首をゆっくりと転がして、尖端に口付ける。
乳房から背筋、背筋から腰奥に抜けるぞくぞくしたものはもう誤魔化しようがないほど確
かになっており、肺腑の奥から甘く熱い吐息になって漏れ出ていた。
(――む、胸は弱い方だと思ってたけど、まさか、何も知らない子供に……)
 深く大きな呼吸、時折艶めいた喘ぎが混じり、腰がふるふるとさざめく。
 見上げたエンダの瞳には、真っ赤になったテレージャの顔が映っている。
「どうした、やっぱり痛いか、やめた方がいいか?」
「ゃ……あ、いや、うん、平気だ……それより、エンダ君こそ、乳も出なくてつまらなく
はないかな」
「うーん、なんだろ……なんかこれ、落ち着く」
「落ち着く、か……人間の本能に目覚めてきているのかもね。授乳は竜にはない生態の筈
だから」
「よく分からないけど、柔らかくて気持ちいい。あと、なんか先っちょ硬くなってきてる
けど、ひょっとして母乳出そうなのか」
「いや、それは……ん、んぅー……ッ!」
 エンダの愛撫により一層の熱が籠もって、濡れた唇が乳首をちゅるりと扱き上げていく。
一心不乱に前後へ揺れて奉仕するエンダの姿は、本人は意識してないのだろうが酷く卑猥
なものだ。肉体と気分の双方がじわじわと追い詰められ、腰奥が迫り上がっていく感じが
する。擦り合わせた腿の合わせ目に粘性の感触。肌にうっすらと汗が浮いている。
(あ、駄目……このままじゃ……私、私、子供に乳を吸われて……)
 一際大きく腰が跳ね、椅子に尻肉を押しつける。テレージャは急激な愛おしさと欲情に
駆られてエンダの頭を抱き締めた。熱に浮かされたように息が荒い。
 昇る。昇り詰めてしまう。
「はぁ……あぁ……ぁ……ふあぁ、ァ……!」
 がちゃりと私室のドアが開いた。書籍を抱えて入ってきたのは銀髪赤目の見慣れた異貌。
 テレージャ、頼まれてた本を――とか言いかけて固まっている。
 顔を真っ赤に染めたまま、テレージャもぴたりと固まった。心身ともに。
 言い知れぬ空気が漂う。
「エメク!」
 そんなことは露ほども意に介さず、エンダはテレージャの胸から顔を上げ、一直線に彼
に向かって飛びついて行った。
「エメク! 遅いぞ、あんまり帰って来ないからエメクの分もおやつ食っちゃったぞ! 
今日は遊べるのか、ずっといるか?」
 厭らしいことも後ろめたいことも欠片もない、という快活なエンダの声を背に、テレー
ジャは大急ぎで身なりを整え、息も整えて気持ちを落ち着けた。
 そうして振り返り、
「ああ、エメク君、ご苦労。その本は後で翻訳するから書き物机に置いといてくれ」
 なんでもないように言った。
 うなじに脂汗が浮いていた。
 エメクがエンダに引っ付かれたままぎこちなく頷いて、その通りにした。


572名無しさん@ピンキー:2009/09/08(火) 23:09:04 ID:8jN3Di7C
「なんかもう、あれだ、死にたい」
「自業自得じゃないの、それ」
 突っ伏すテレージャ、呆れ顔のキレハ。
 宵も更けたひばり亭の店内は閑散としており、神官の娘と南方風の容姿をした流れ者と
いう妙な取り合わせでも、人目を惹くことはない。
 あれから三日が経った夜、テレージャは久しぶりに彼女と酒を酌み交わしていた。
 遺跡の災厄が収束して以後は流浪の身に戻ったキレハだが、友人が多く居て、交通や噂
集めにも便利なこの町を旅の拠点と決めたのか、二月に一度くらい訪れては一週間ほど滞
在し、いちいち仲間の息災を確かめていく。
 騒動の渦中で彼女に助けられた住人や、無愛想と見えて優しく面倒見の良い人柄を知る
友人、彼女の滞在中ちゃっかり厨房を手伝わせているオハラなどからは、「いっそ住んで
しまえばいい」としきりに勧められているものの、そうした誘いにはいつも、苦笑と共に
首を振って見せるのみであった。
 それでも、背中を預けられる友を一時でも持ったことが良く働いたのか、以前の尖った
態度はなりを潜め、随分、人と打ち解けるようになったようだ。
 ふらりと現れては請われるままに遠方の話をしてくれるこの麗しい旅人は、近頃姿を見
せないラバン老に代わって、今やひばり亭の名物になっている。
「というかテレージャ、私でも引くんだけど」
「置いていかないでくれ。今の私には君しかいないんだ」
「ええい、縋り付かないでっ」
「うう……こんな気分になったのは、五年前、ちょっと狙ってた後輩にうっかりノートを
見られて『うわあ』って目で見られた時以来だよ」
「そんなこと言われても、なんと言っていいかわかんないわよ」
「純朴で可愛らしい子だったんだけどなあ。一から色々教えてみたかったのに」
「……なんかもう敢えて色々突っ込まないで置くけど……とにかくね、生まれが普通じゃ
ないって言っても、あんな小さな子に手を出すのは正直感心しないわ」
「いや、違うんだ、あの時はそういう意図は一切なくてだね」
「端から見れば似たようなものでしょうに」
「うぐ」
「それで、その後どうしたの」
「どうも……」
「はぁ」
「気まずくて顔を合わせられないんだ」
「あなたらしくもない」
「全くだ」
「早めに誤解……でもない気がするけど、とにかくきちんと話した方がいいんじゃない?
 彼、そういうの真面目そうだし。恋人が女の子、しかも自分が世話してる子を相手に浮
気したなんて受け取られたら、目も当てられないわよ」
「ああ……いや、うん、その……実はね、キレハ」
「何よ」
「まだなんだ」
573名無しさん@ピンキー:2009/09/08(火) 23:09:56 ID:8jN3Di7C
「何が」
「私と彼はそういう仲じゃないんだ」
「……はぁぁ? え、そうだったの? 私てっきり、とっくの昔に押し倒してると」
「押し倒すとはなんだ、人聞きの悪い。こう見えても純情な乙女だよ」
「あ、そ」
「冷たいね。……なんというか、言い出す機会を逸したというか」
「そういうの、あなたでも気にするんだ」
「遺跡の調査を手伝ってくれ、みたいな感じで声を掛けたからなあ。実際、あれから一年
くらいは探索にかかりきりだったし……そう言えばちゃんと言ってなかったなあって気付
いた頃には、今更改めて告白するのも気恥ずかしくなってたというか」
「趣味を優先した結果じゃないの」
「ぅん……いやね? 合間を見てそれとなく誘惑したり、告白めかしたことを言ったりは
していたんだよ?」
「流されたのね、全部。あいつ鈍そうだものね」
「おっしゃる通り……ここの神殿に転がり込んでから、普通に暮らす分には仲良くやって
るし、今の関係もそれなりに上手く回ってると思うんだけど……それだけに余計ね、こう、
今になって、と思ってしまって……どうしたものだろうね」
「私に色恋の相談されても困るわよ。あなたの方がよっぽど場数踏んでるでしょうに」
「うぅん……今まではそれなりに力押しが効いたか、向こうもその気だったんだけれど、
エメクは一歩間違えるとドン引きしそうだし、向こうがどういう気なのか、今イチ読めな
いし……」
「なんか難しいのね」
「正直、戸惑ってる。こういう感じは初めてなんだ」
「初めて?」
「つまりその……本気で好きになったのが」
「ははあ」
「おかしいかなあ、私……酸っぱい甘いは一通り知ったようなつもりでいたのに、今更、
生娘みたいなこと言って」
「……私にはそういうの、分かんないけど。でも今日のテレージャ、なんか可愛いわ」
「そうかな」
「そうよ」
 戸惑い気味に目をしばたくテレージャへ微笑み、キレハが酒を注ぎ足そうとしたが、瓶
は殆ど空いていて、杯を半ばまでしか満たせなかった。
 テレージャが一息に飲み干して、席を立つ。
「もう一瓶貰ってこようか。奢るよ」
「いいの?」
「いいんだ。今夜は付き合ってくれ」
「次のあては干し肉がいいわ」
「了解」
574名無しさん@ピンキー:2009/09/08(火) 23:10:26 ID:8jN3Di7C

 はたと気がつくと、テレージャは緩やかに揺すぶられていた。
 朦朧として意識の焦点がぼやけている。
 ああ相当呑んだなこれは、と、他人事のように思った。
 首筋が肌寒いくせに、妙にぽかぽか暖かい。
 何か逞しいものにしがみついている。
 誰かの背中。
 負われている。
 キレハだろうか。
「すまない」
 と言ったつもりだが、唇をむにゃむにゃ動かした感じがするだけで、きちんと声に出た
かは自信がない。
 一月の夜風は冷たくて、目の前の背中に強く縋る。
 どうせならキレハの部屋に置いてくれれば良かったのに。
 ただでさえ気まずいところ、ぐでんぐでんの姿で神殿へ帰るのは気が重い。
 ああ、考えたくない。面倒くさい。嫌だ。
 っていうか、どうすればいいのだろう、あれは。謝るのも何か違う気がするし。誤解と
いうわけでもないが、あまり良くないような、気恥ずかしいような。ちょっとした悪戯心
と……母性? エンダ君は可愛らしいし、悪い気はしなかったけれども。ただちょっと、
予想外に妙な気分になってしまって。それをエメク君に見られて。ああ、なんかあんまり
気にするようなことでもない気がしてきた。彼も私の性向は知ってるし。じゃあなんだっ
て、私はこんな悩んでるんだろう、馬鹿馬鹿しい。彼はあれを見てどう思ったろう。浮気、
って別に付き合ってるわけじゃなし。不道徳。彼の性格からしてそれが一番あり得るか。
不埒な気持ちじゃなかったというのは釈明すべきだろうか。でもそれもなんか間が抜けて
るなあ。彼がこっちをどう思ってるか分かれば、対処も楽なのに。はっきりしないのが悪
いんだ。エメク君がはっきりしないから。背中を預け合って、助けたり助けられたりして、
もう二年以上も一緒にいるのに。二年だ。女が親類でもない男にそれほどの時間べったり
くっついてるんだぞ、察しろいい加減。こちとら本当の本気だってのに。独り寝が切なく
て泣いたときなんか悔しくて悔しくて。大体、そもそも、あの子に胸を吸われておかしな
気分になったのだって、このところエメク君に会えなくて寂しくて、一人遊びが多かった
から――
「テレージャ」
 その一声で、意識がぐいっと現実に引っ張り戻された。
「え、あ、ぇ、エメク君」
「部屋に着いたけど、立てる?」
 いつの間にやら神殿の宿舎に着いていたようだ。
 キレハだと思っていた背中はエメクのもので、聞けば彼女に頼まれて迎えに来たという
ことだった。余計な気を回してくれる。お節介焼きめ。
「すまない、面倒かけた」
 エメクの背中から降りると、まだ怪しい足元がふわふわ浮ついた。肩に大きな外套が掛
かっている。エメクの物だ。帰り道、冷えないように気を使ってくれたらしい。
575名無しさん@ピンキー:2009/09/08(火) 23:11:12 ID:8jN3Di7C
 もう何もかも億劫で、このままベッドに倒れて朝まで眠ってしまいたい。
 けれども、エメクに一言くらい何か言っておくべきだろうか。御礼とか、釈明とか。
 ぼんやりと考えながら彼の顔を見る。
 エメクは右手にランタンを持っていて、それが彼自身を照らしていた。いつもの僧衣。
色の薄い髪。色白なので際だつ真っ赤な頬。落ち着かなげな物腰。どうしてか顔を逸らし
ている。
 はて。
「……エメク君、私、どうかしたかな?」
「いや、その……さっきから」
「さっきから?」
「色々と言われて……」
「……ひょっとして口に出てた?」
「うん」
「どの辺まで?」
「……えー……『このところ寂し…』」
「いい! 言わなくていい! 分かったから!」
 テレージャは頭を抱えて蹲った。死にたい。もう本当死にたい。
「っていうか、いっそ殺せ……!」
 こんな情けない涙声を出したのは、いつ以来だろうか。
 エメクは暫く頭上でおたおたと戸惑っていたが、やがて慌てたように、
「あ、いや、御免、忘れる、全部忘れるからっ」
「忘れられてたまるかぁっ!」
 脊椎反射で立ち上がり、テレージャは半ば自暴自棄で彼の首根っこをひっつかんだ。
「き、聞いたんだろう、全部っ! じゃあ答えろっ、答えて貰おうじゃないかっ!」
「テレ、テレージャ、落ち着――」
「落ち、け、落ち着いたら、死ぬっ! 今素面になったらっ! エメク、いいから答えろ、
教えて!」
「は、はいっ!」
「で、どうなんだ! 私のことどう思ってるんだ!」
「はい、好きです!」
「本当に!?」
「本当だって!」
「…………………」
 へたり込み――そうになったところを抱き留められた。
 あっさりだ。
 こんなことならもっと早く言うか聞くかしておけば。
(ああ、何やってるんだろう私)
 抱きついて胸に顔を伏せ、じゃあどうして今までちゃんと言ってくれなかったんだと八
つ当たり気味に詰問すると、「テレージャの学問を邪魔しちゃいけないと思って」という
返事。
576名無しさん@ピンキー:2009/09/08(火) 23:11:51 ID:8jN3Di7C
「自業自得」
 キレハの声が蘇る。ああ、分かった、分かりましたってば。
 なんだか泣けてくる。酔っぱらいを介抱する手つきで背中をさするエメクが恨めしい。
もっと他にやることがあるだろうに。
 そんなテレージャの内心をよそに、エメクは優しい手つきでテレージャを支え、ベッド
まで運んで座らせてくれた。
「とにかく、休んだ方がいいよ。水、持ってこようか」
「……まさかこのまま行くのか」
「え」
「何もしない気なのか、エメク君」
「テレージャ……?」
 やんわりと離れようとする彼を抱き留める。酒臭い嗚咽。
 背中の温もりが残った胸が切なく、比喩でなしに疼痛を帯びている。
「夜中に、酔った女の部屋で二人きりなんだぞ……何もしないのか? 私を置いていくの
か? ねえ……」
 エメクの手を取り、頬に押し当てる。彼の指先が涙で濡れた。
 おずおずとぎこちなく、頬を撫でてくれる。テレージャは彼を見上げて目を瞑った。
 チェストに置かれたランタンが陰を落としている。
 彼の息遣いが覆い被さってきた。
 ――ゆっくりとまぶたを開ける。
 朝だった。
 夢かと思ったが、同じベッドに横たわったエメクを見てはそうも言えなかった。
 事後というわけでもなかった。残念ながら。
 どうやら昨夜はあそこまでで力尽きてしまったらしい。飲み過ぎたのが悪かった。
 二日酔いの頭痛と酔った勢いの醜態を晒した羞恥で、なんかもう最悪の気分だった。
 呻き声を上げて悶えていると、エメクが起きた。
「水、持ってくる」
「……」
 直視できず、枕に顔を埋めてやり過ごす。
 エメクが水差しいっぱいに汲んできてくれた冷たい水を何杯も飲み干すと、気分も少し
だけ上向いてきた。
「……あの……」
「さっき、そこでエンダがね」
 何か言おうとしたテレージャを遮って、エメクが笑う。
「『テレージャはいつママハハになるんだ』って」
「……そ、そう」
「もうすぐ、でいいかな」
「…………」
 テレージャは俯いて、エメクの指先を握った。
577名無しさん@ピンキー:2009/09/08(火) 23:12:22 ID:8jN3Di7C
……おしまい。
お粗末様。
578名無しさん@ピンキー:2009/09/08(火) 23:28:49 ID:Os+v3gC1
ごちそうさまでした
579563:2009/09/08(火) 23:38:43 ID:QMcIPhIv
>>577
ご馳走様でした。
やべえ、テレージャが可愛い。
文章も凄く参考になりました。

それと、遅くなりましたが。
無駄にAA使ってしまい申し訳ありません。浮き足立ってました。
580名無しさん@ピンキー:2009/09/08(火) 23:43:12 ID:jndx6ZUt
ご馳走様でした
ちょっとeraでテレージャと一緒に遺跡に潜ってくる
581名無しさん@ピンキー:2009/09/08(火) 23:50:47 ID:Qlby2eVg
>>568
GJ!
これは予想を遥かに上回るいいテレージャ
乳舐めもエロくてイイヨイイヨ-
582名無しさん@ピンキー:2009/09/09(水) 00:06:53 ID:h1wKaaWh
やばいテレージャに萌えた
経験豊富だけど純情って新しいジャンル開発か?
超GJ!
583名無しさん@ピンキー:2009/09/09(水) 00:22:49 ID:lQHKvkKY
>>576
おめでとう。
…いや、ホルムの市民、みんなそう言ってニヤニヤしてそう。パリスあたりがいつかを賭ける胴元になってたりして。
584>>549-554の続きの様な何か1/8:2009/09/09(水) 02:56:36 ID:wCd2StXN
タイタスとの決着から、早1ヶ月。
結局、仲間達は全員、冬が過ぎ去るまでこの街に留まる事となった。
それを聞いて、ネルは本当に嬉しそうだった。
当然、俺も嬉しい。
嬉しいんだけど……

「ジジイ、その牌だ」
「げえッ!?」
やる事が無いのだ。
おかげで、公務に忙しいアルソンを除く野郎衆はこうしてひばり亭でゲームに興じている。
今やっているのは、ラバン爺が教えてくれたゲームだ。
遥か東方の国の、マージャンというゲームらしい。
覚える事が多く、ルールもいまいち把握出来ない。
しかし、シーフォンは異様なまでの飲み込みの速さを見せつけ、
今やラバン爺をも圧倒する程になった。
……ところで、一体ラバン爺は何処でそんなものを覚えたのだろう。
「つまんねーよー。ポーカーしようぜポーカー」
「……ババ抜き」
完全に蚊帳の外のパリスとメロダークが自己主張を始める。
でも、賛成だ。俺もポーカーがしたい。
……とその時。
「あの、皆さん。少し良いですか?」
フランが何か訳有り気な顔をして訊ねてきた。
5852/8:2009/09/09(水) 02:57:19 ID:wCd2StXN
「で、何だよ話って?」
ホールの隅に席を移し、フランと野郎共との相談会が始まった。
シーフォンはまだゲームをしたいのか、少し苛立たしげだ。
それでもしっかり輪の中にいるあたり、彼なりに成長したのだろう。
「あの……聞きにくい事だとは存じているのですが……」
フランは顔を赤らめて、小さな声で、言った。
「アルソン様は、その……好きな人、いらっしゃるのでしょうか……?」
全員の目が点になる。
「そんな事かよくっだらねー!自分で聞けよ!」
にべも無くシーフォンが突っぱねる。
「まあまあ……フランちゃん。そんな事を聞くという事は、つまり……」
ラバン爺はノリノリだ。
「……好きです。彼の事が」
赤い顔を更に真っ赤にして、フランが答えた。
「へぇー……アルソンか……へぇー……」
パリスは複雑そうな顔をしている。
「どうなさいました?」
「いや……確かにあいつ、良い奴だとは思うよ。顔も良いし。でも……」
「あの……」
困惑するパリスを見て、フランも更に困惑する。
「……奴は、女性に興味があるのか?」
メロダークが重い口を開いた。
5863/8:2009/09/09(水) 02:57:51 ID:wCd2StXN
「そう、それなんだよ!」
パリスが声を大にして言った。
「誰かアイツの浮いた話、聞いた事あるか?」
「お坊ちゃまなんだろ?ソッチの世話係だっているんじゃ……」
シーフォンが何かに気付く。
「そう。もしそんな恵まれた環境で育ったとしたらだ。1年近くも我慢してられると思うか?」
「娼館にでも行ってるんじゃ……」
「アイツが夜中に出歩いてんの、見た事あるか?」
しばしの沈黙の後、メロダークが再び口を開いた。
「……フラン」
「は、はい!?」
何故だろう、嫌な予感がする。
「夜這え」
変態だ。
「え……何……ですか?夜這……え?」
フランは耳を赤くして、困惑している。
「……それが一番かも知れんな」
ラバンが真剣な表情でフランを見つめる。
「アルソンは他に類を見ない程の鈍感だ。これくらい刺激的な方が良いと思うぞ」
「そう……なんですか?」
「ま、こっちにゃ夜這いのプロだっているしな」
シーフォンが嫌味ったらしくパリスを見てそう言った。
「……まあ、そうだな。そこの童貞ちゃんじゃゴミより役に立たないだろうしな」
「てめえ、表に出やがれ!」
チンピラ2人が久々に喧嘩を始めた。
その脇には瞳をキラキラさせたラバン爺とメロダーク。
もうやだこのひばり亭。
5874/8:2009/09/09(水) 02:58:29 ID:wCd2StXN
――――……
「……本当に、これで良いのかな?」
今思えば、私は相談する相手を間違えたのかも知れません。
ネルさん達に相談したほうが良かったに違いありません。
とはいえ、私は既にアルソン様の寝室の前に寝巻き姿で立っています。
本当はもっと、魅力的な服の方が良かったのでしょう。
けれど、私はそんな服など持っていませんし、
テレージャ様やキレハ様の服では胸のサイズが違い過ぎます。
……心臓が痛い位に、ドキドキしています。
このドアの向こうに行けば、もう引き返せません。
「ふーーっ……」
深呼吸をして、決心出来ました。
元々身分違いの恋です。どうせ散るなら、潔く……!

ドアを開けると、机に突っ伏したままのアルソン様がいました。
ランプの火は付いたままです。
どうやら仕事の残りを持ち帰っていられたようです。
そして、そのまま疲れて眠ってしまったのでしょう。
……どうしよう、このままじゃ台無しです。
「んー……寝ちゃってたかー」
なんと、アルソン様が起き上がりました!
どうしましょう、心臓がすごく痛い!
「あれ、フランさん?どうしたんですか?」
すぐに私の気配を察したようです。
レンデュームの里に生まれながら、この様です。
ああ、もう、駄目――――
5885/8:2009/09/09(水) 02:59:09 ID:wCd2StXN
目を覚ますと、そこはベッドの上でした。
「あ、目が覚めました?」
意識が再び飛びそうになりました。
アルソン様が、ベッドの横に椅子を移し、様子をみていたようです。
「あの、私――」
「動かないでください」
そう言うと、アルソン様は私の顔をそっと包み、その額を私の額にそっと当てました。
アルソン様のお顔が、こんなに近くに……!
「いけない、熱があるみたいですね!顔も真っ赤だ!」
違う、違うんです!これはそういうのじゃないんです!
「あ、あの、アルソン様!」
「はい!?」
アルソン様を驚かせてしまったようですが、構いません。
首を獲れなくても良い、せめて一太刀……!
「私、アルソン様の事が……す、す……」
「す?」
受け取ってください、私の気持ち!
「好きです!」
「僕もフランさんの事が好きですよ」
え、そんなにあっさり言わなくても!
まだ、心の準備が出来てません!
「フランさんはとても僕に良くしてくれますし、それに何より……」
なにより……?
「大切な、友達ですから!」

こうして、私の初恋は見事に砕け散りました。
5896/8:2009/09/09(水) 02:59:39 ID:wCd2StXN
――――……
「あの、これは一体……」
俺達は、椅子に座らせたアルソンが逃げられない様に囲んでいた。
「自分の胸に聞いてごらんなさい」
キレハが冷たく言い放つ。

フランの様子がおかしいと察したキレハが、パリスを問い詰めたのだ。
うっかり口を割ってしまったパリスのおかげで、我々野郎衆は顔中アザだらけだ。
すっかり女性陣の怒りに火を付けてしまい、そして今に至る。

「……なあ、アルソン君」
「は、はい!?」
錫杖を片手に、アルソンの周りをテレージャがゆっくりと歩く。
「いくら君が女心に疎いとはいえ、わかるだろう?フラン君の気持ちが」
テレージャが一歩進む度に、錫杖が綺麗な音を上げる。
「君はそんな純情な乙女心をだ。小石や雑草の様に踏み躙ったのだよ」
アルソンの正面で、その歩みを止める。
「騎士として……いや、男として、何か言うべき事があるんじゃないかね?」
錫杖をアルソンの頬に当てる。
「……あの、僕は、その……」
「先に言っておく。返答次第では君に明日は無い」
やだ、なにこれ怖い。
「ぼ、僕は!」
恐怖を振り払う様にアルソンが声を上げる。
「気付いていました、彼女の気持ちに。でも……」
その場の空気が異様なものに変わる。
「でも、今の僕には彼女を迎え入れるだけの器はありません。それで……」
「……つまり、どういう事かな?」
テレージャが、冷たい表情を揺るがす事なく問い詰める。
「いつか、今度は僕の方から彼女に伝えます。僕の気持ちを」
「今ひとつ的を射ないなぁ」
アルソンは顔を赤くして、しかしはっきりとした意思を込めて告げる。
5907/8:2009/09/09(水) 03:00:31 ID:wCd2StXN
「僕もフランさんが好きです!友達とか仲間とかとは違う、一人の女性として!!」

ひばり亭の何処にいても聞こえる程の声だった。
それは最早、彼の魂の叫びだった。
「……そうらしいよ、フラン君」
「は!?」
アルソンが素っ頓狂な声を上げた。
飾り柱の後から現れたのは、目に嬉し涙を浮かべたフランだった。
「え、あの、これはどういう……え?」
「全く、子供か君達は。思春期か!」
すべてはテレージャの計画通りだった。
不器用で奥手な二人をくっつける為の強攻策。
これで、顔にアザが出来る程殴られた甲斐があったという訳だ。
5918/8:2009/09/09(水) 03:01:07 ID:wCd2StXN
翌日、相も変わらず暇を持て余した連中が、ひばり亭にたむろしていた。
「いやー良かったねー」
ネルはまるで自分の事の様に、嬉しそうに言った。
「本当、これでアルソンが本物の馬鹿だったらどうしてやろうかと思ったわ」
キレハも同様だ。
「"おわりよければすべてよし"ってアダが言ってたぞ。シーフォン、ロン」
「嘘だッ!!」
エンダの凶悪なまでの役の数々にシーフォンは蒼ざめた。
マージャンの方は、今や新勢力である女性陣の独壇場となっていた。
シーフォンは哀れにも、良いカモと成り果てていた。

雪が溶けて春が訪れるまであと2ヶ月。
それまでは、この退屈な程穏やかな日々が続くだろう。
こんな日々も、意外と悪くない。
592名無しさん@ピンキー:2009/09/09(水) 03:05:10 ID:wCd2StXN
書けば書くほど薄くなる!
最早エロスの欠片もありませんね。
それでは、お目汚し失礼しました。
593名無しさん@ピンキー:2009/09/09(水) 04:27:23 ID:iLLdeoPe
うはw深夜に見に来てよかった
アルソン×フランは思いつかなかったなー
超さわやかカップルに乾杯!
594名無しさん@ピンキー:2009/09/09(水) 06:48:32 ID:0fN3ZrJl
良作ラッシュでGJが追いつかない幸せ!
神殿コンビの人も、もうやだこのひばり亭シリーズの人もGJ

しかし最後のシーンで異様に顎がシャープになった女性陣を思い浮かべてしまい、泣きたくなった
595名無しさん@ピンキー:2009/09/09(水) 09:28:25 ID:09ooI/VG
メロさんババ抜きワロタ
596名無しさん@ピンキー:2009/09/09(水) 18:51:52 ID:Z/4GzDHs
>>594
いやそこは咲だろJKw

神官の人、ヴァンチームの人、どっちもGJ!
597名無しさん@ピンキー:2009/09/09(水) 19:05:15 ID:XziVf7Nl
>>596
調べて意味がわかった、あの立体感溢れる麻雀漫画の話してるのかお前らw
598名無しさん@ピンキー:2009/09/09(水) 19:09:48 ID:cy2BiDxr
ファンタジーで麻雀で女性上位というといまだに麻雀幻想曲のイメージが強い
599名無しさん@ピンキー:2009/09/09(水) 22:33:43 ID:cx6NEHU/
シーフォンの屠りのリーチの呪文!
「自模によって断たれぬ物なし! 死ねやクソがァ!」
フランの手裏剣がアタリ牌を大河に流す!
「すみません……」
役満積み込みLv4が聖剣で真っ二つにされて河に捨てられる麻雀魔王が忘れられません
600名無しさん@ピンキー:2009/09/09(水) 22:35:27 ID:Udn9PwV9
アタリ牌を河に流したら死ぬだろw
601名無しさん@ピンキー:2009/09/09(水) 22:45:55 ID:d6ZIk0d7
麻雀ネタというと、100円投入「かすみ、勝っちゃったー(はぁと)」が忘れられない
数知れぬサラリーマンたちの昼飯代を吸い取った恐ろしい呪いだ

>>599
トリプルウォーズだっけ?違うか?
602名無しさん@ピンキー:2009/09/09(水) 23:09:51 ID:uVtkybBT
雀神・雀鬼→テレージャ、アイリ
雀豪→キレハ、フラン、
堅実に強い→ウェンドリン、マナ、ネル
基本的には弱いが、ときどきとんでもないことをやらかす→フィー、エンダ、チュナ

脱衣麻雀ゲームだとこんな感じだろうか。
とんでもなく強い隠しボスとしてユリア様が、アイン的ポジションでゼスがいたりして。
603名無しさん@ピンキー:2009/09/09(水) 23:19:27 ID:5iEEOBsj
Hボタンを連打しろ!
近所のゲーセンのホットギミックも
Hボタンだけやたらへたってたなw
604名無しさん@ピンキー:2009/09/09(水) 23:31:46 ID:f3x3fPul
ネルはおじさんに見込まれやすい的な意味で
異様に剛運なのもアリかもなあ。
妙に味のある顔のおっさんがいちいちおののくの。
605名無しさん@ピンキー:2009/09/09(水) 23:47:00 ID:DOpTpFuc
教授の一陣に見込まれた挙句集団レイプされてしまうネルさんのエロSSください。
606名無しさん@ピンキー:2009/09/09(水) 23:58:03 ID:XziVf7Nl
>>605
幼なじみ「ネルちゃん、起きてよ〜(はあともう朝だよ?」

幼なじみ「早く起きないとイタズラしちゃうよ?」
義理の妹「も〜、お兄ちゃんってば、いつもねぼすけなんだから。ぷんぷんっ」
委員長「迎えに来てあげたのに、いつまでも寝てるんじゃないわよ!」
宇宙人「フィーさんを起すには、肉体的な刺激が最適・・・とデータにあります」
猫耳メイド「にゃは☆それじゃあみんなでくすぐっちゃうのだ☆」
607名無しさん@ピンキー:2009/09/10(木) 00:01:34 ID:ZI4JzJGA
>>602
Hボタン連打のご褒美画面で
「服が破れる(鎧が壊れる)」「スライムに服を溶かされる」「触手に脱がされる」
この辺ありそうだな
608名無しさん@ピンキー:2009/09/10(木) 00:02:20 ID:XziVf7Nl
後半この前とったデータのままだったwまあいいや
609名無しさん@ピンキー:2009/09/10(木) 00:51:41 ID:lUz0naKJ
盗賊の技持ちのパリス、フラン、しーぽん、アイリで
サマあり麻雀バトルは面白そうだなw
610 ◆1HLVKIREhA :2009/09/10(木) 01:27:07 ID:RxVmGrF4
ホルムの町は、未だ混乱の最中にあった。
神殿軍による占領状態は公子テオルによって解決を見たものの、未だに町を覆う異変は終結の兆しもない。
占領中のような緊張した雰囲気はなく、再建のための喧騒に包まれている。
そんなホルムの川べりをのんびりと歩く少年が一人。
ぼーっとした顔をしているが、その実、異変の元凶である遺跡の核心に最も近い人物である。
とは言え、彼もただの少年であることに変わりはなく、たまには遺跡探索を休んでゆっくりしたい時もあるのだ。
神殿軍との戦争において様々な出来事に襲われた直後であれば尚更だ。
天気もいいし昼寝でもしようかと河原の芝生に目をやると、先客の姿が。
遠目にも見間違えようのない黒髪に異国の装束。
武者修行のために放浪中の旅人であり、現在は少年の探索仲間でもあるキレハだ。
近付いてみると、無防備に<狼>の耳を頭部から生やして穏やかな寝息を立てている。
警戒心の強い彼女の隣に腰を下ろしても起きる素振りを見せないというのは、信頼の証のようで少し嬉しい。
普段は取り澄ましたような表情でいることが多いだけに、あどけない寝顔がより可愛らしく見える。
何かと世話焼きな性格の彼女に親切にされて、少なからず好意を抱いていることもあり。
ついでにその好意を自覚させられる出来事もつい最近あり。
そこへこの寝顔を見せられれば、多少の悪戯心が湧いてきた思春期の少年を責めることはできないだろう。

まずは頬をふにふにとつついてみる。
「んにゅ……」
イメージに反して、甘えるような声を漏らす。
その一瞬によぎった雑多な想いを一言にまとめるとこうなるだろうか。
――何だこの可愛い生き物は。
微かな音に反応して小刻みに動く<狼>の耳が小動物的な雰囲気を助長する。
ふわふわした毛に包まれた耳に触れないように、髪に指を通す。
「……んっ」
繊細な黒髪に触れる感覚が心地良く、同時にキレハも気持ちよさげに鼻を鳴らす。
不規則な上に荒っぽい生活をしているはずなのに美しい髪を保っていられる事実には感心するほかない。
……さて。
あまり異性とのスキンシップに慣れていない少年に、これ以上を望むのは酷かも知れない。
右手が宙をさまよった挙句どこへも行きつかずに下ろされ、キレハの整った顔へ少年の色素の薄い顔が近付いていく。
唇が頬に接触しようかというその刹那、
「う……ん」
キレハの瞼がゆっくりと上がっていく。
無表情な少年にしては珍しく慌てた様子で顔を離し、何もなかった風を装う。
「あら……どうしたの?」
軽く伸びをしながら上半身を起こしたキレハが、まだどこか抜けたような表情で首を傾げる。
――何だこの可愛い生き物は。
そんな想いは微塵も見せず、何でもないと首を横に振る。
「そう……あ。うー、その、寝顔、とか、見た?」
少しずつ現状を把握するに従って、ほんのりと頬を朱に染めて微妙に目を逸らしていく。
「いえ、別に、嫌とかじゃないんだけど。やっぱり、ほら、ねえ、恥ずかしいし」
たしたしと頭を叩いて耳を引っ込める。
動揺、と言うよりも照れているのがありありと見て取れる。
「用があるなら起こしてくれてもよかったのに」
などと言われても、昼寝をしようとしていただけで特に彼女に用があったわけでもない。
むしろ昼寝よりも有意義な時間ではあったが、そういった事実はやはり伏せておく。
「ふうん。じゃあ、えーっと、一緒に、寝る?」
場面によっては艶っぽい意味に取られかねない台詞を照れながら吐く。
――恐るべし、天然。
しかし隣で寝ることを許してくれたという意味でまたキレハとの親密な距離感を感じ、喜んで申し出を受ける。
間近でキレハの寝顔でも観察してやろうと意気込み、しかし日頃の疲労からか、あっという間に寝入ってしまう。
「もう、寝ちゃった?……むー」
一方キレハは、気になって仕方がない異性を意識しながら眠れるほど図太くはなく。
かと言って寝ている隙にあれこれできるほど積極的でもなく。
高鳴る胸を押さえつつじっと寝顔を見つめ続けるという、何とも言えぬ時間を過ごす羽目になった。
混乱の最中でも、甘酸っぱい青春は存在するのである。というお話だったのさ。
611 ◆1HLVKIREhA :2009/09/10(木) 01:27:28 ID:RxVmGrF4
キレハの寝込みを襲ってみよう(未遂)編
麻雀の流れをぶった切ってぬるいいちゃいちゃを投下する暴挙
やっぱり非エロの方が書きやすいなあと実感する
主人公はいつも通り皆さんの頭の中で補完するとよいよいよい(例のアレ含む)
恋人になる前の段階の微妙な空気とか良くないですか?良くないですか
最近はスレの流れにティンと来るネタが少ないのでどこぞのエロゲから閃いてしまいました
612名無しさん@ピンキー:2009/09/10(木) 01:28:17 ID:dy4Pd7CG
>>606
トラウマが蘇っちゃうらめぇええええ!!
謎の電波を受信したので、カカッと書いてみた。
毎度お騒がせしています、ヴァンと奇妙な仲間たちのお話です。
時間的にはキレハとパリスがどうこうの前の話です。
613名無しさん@ピンキー:2009/09/10(木) 01:32:25 ID:dy4Pd7CG
リロードしなかったらすぐこれだ!
>>611
俺の2828が止まらない!GJ!
今度、ロリorショタ顔主人公で進めてみるかなぁ……
6141/9:2009/09/10(木) 01:33:38 ID:dy4Pd7CG
失敗だ。完全に失敗だ。
何の準備も無しに見慣れない、突然現れた遺跡に潜るだなんてどうかしていた。
おかげで随分ひどい目にあった。いや、今もあっている。
今まで遭遇した事の無い強敵に何度も出くわした。
何度も解錠に失敗し、必死に罠を避けながら開けた宝箱の中身はただのロープだった。
怪しげな魔女の占いを受けてからは、異様に強いイカの化物に何度も襲われた。
好奇心猫を殺す。昔の人は良い事を言うものだ。
「よし……ここなら休めそうだ」
先行していたメロダークが、比較的安全なスペースを見つけてきた。
近くには澄んだ水を湛えた井戸もある。
少しだけ口に含むが、臭いも妙な味も無い。
口にしても問題なさそうだった。
「ああ……脚が棒のようだよ……」
テレージャがその場に座りこむ。
無理も無い。随分奥深くまで潜ってきてしまったし、
途中何度もイカの化物から全力疾走で逃げ延びたのだから。
……俺も、正直ヘトヘトだ。
6152/9:2009/09/10(木) 01:34:29 ID:dy4Pd7CG
火を熾すメロダークの脇で所持物の確認をする。
傷薬は残り少ないが、材料は手元にある。
野営中に調合すれば問題なさそうだ。
問題があるとすれば、食糧か。
あるのは干し果物とアルソン手作りのクッキーのみ。量も僅かだ。
もし明日になっても出口が見付からなければ、最悪の事態も覚悟しなくてはならない。
詫しい夕食を水でごまかし、見張りのローテーションを決める。
遠慮するテレージャを丸め込む形で、見張りはメロダークと俺で交代する事にした。
流石に、一番疲弊しているテレージャに任せるのは酷な話だ。
それでも、彼女は残り僅かな魔力を割いて魔物よけの呪文を唱えてくれた。
「俺が先に見張ろう。ヴァン、3時間程経ったら起きてもらうぞ」
メロダークに入口を任せ、毛布にくるまる。
少しでも、疲れを取らないと……
6163/9:2009/09/10(木) 01:35:06 ID:dy4Pd7CG
「……ヴァン君、まだ起きているかい?」
消えそうな程小さな声でテレージャが尋ねてきた。
振り返ると、彼女は上半身を起こし、巫女の服を脱ぎ半裸になっていた。
「す、すまない。こっちは見ないでくれ」
彼女は少し慌ててそう言った。
「どうしても汗が気持ち悪くてね。身体を拭きたかったんだ」
そういう事は先に言って欲しかった。
薄暗い部屋ではあるが、確かに彼女の身体を見てしまった。
くびれた腰と、たわわに実るふたつの果実。
衣服の上からでもわかる、大きさにも形にも恵まれた美しい乳房。
それが、ダイレクトにこの目に飛び込んできたのだ。
「……すまない。もう大丈夫だよ」
しばらくの間の後に聞こえた、彼女の声に振り返る。
彼女はしっかりと毛布にくるまっていた。
裸のままとかいう、お決まりのオチが無くて良かった。
「迷惑かけたね。それじゃ、おやすみ」
悶々とする気持ちを抑えつけて、眠りへと落ちていく……
6174/9:2009/09/10(木) 01:35:35 ID:dy4Pd7CG
丁度、まどろみの国へと片足を突っ込んだあたりだった。
背中に、毛布越しの柔らかい感触が伝わった。
「ヴァン君。ひとつだけ願いを聞いてくれないか」
耳元でテレージャが囁く。吐息が耳にあたり、こそばゆい。
「キス、してくれないか?」
唐突な願い出に、思わず声を挙げそうになる。
振り向いた先の彼女は、普段の飄々としながらも聡明なテレージャでは無かった。
儚げで、憂いを秘めていて、そしてひどく艶めかしい。俺の知らないテレージャだった。
鼓動が高鳴り、血が滾る。頭が熱くなる。
何かの本で読んだ事がある。
生命の危機に瀕した時、本能は種の存続を最優先する。
つまり、そういう事だ。
そんな事を場違いな程暢気に考えている間にも、
本能の獣は理性の縄を喰い千切りつつある。
このまま彼女と交わりたい。
神に仕える彼女を、人間の手で滅茶苦茶にしてしまいたい。
その乳房をこの掌で嬲ってやりたい。
その秘所を俺で塗り潰してやりたい。
その唇を、奪いたい―――
本能の趣くまま、彼女の唇へと喰いかかる。
6185/9:2009/09/10(木) 01:36:46 ID:dy4Pd7CG
その瞬間、誰かの顔が目に浮かんだ。
小さな頃から知っているその顔。
一緒に笑い、時には喧嘩をして、泣かせたり泣かされたり。
それでも、最後は一緒に笑っていたその顔。
理性の最期の一噛みか、それとも別の何かの力なのか。
本能の獣はふたたび束縛された。

しかし、そんな急には停まれない。
勢いのまま、彼女に口付けをした。
柔らかい。
触れるだけのキスをして、彼女の顔から離れた。
「本当に、キスだけなんだな」
テレージャはおどけてそう言った。
「……少し、話をしても良いかな?」
6196/9:2009/09/10(木) 01:37:22 ID:dy4Pd7CG
――――……
ある所に、まだまだ新米の巫女がいました。
彼女はとある遺跡を調べたくて、異国の町へと旅に出ました。
そこで彼女が出会ったのは、その遺跡にはじめて足を踏み入れた青年でした。
そのまま彼やその仲間と共に、彼女は遺跡の探索をはじめました。
率先して未知の領域へと踏み出し、どんな魔物や困難にも勇敢に立ち向かう青年。
逞しくて、頭が切れて、温室育ちの彼女の知らない色んな事も知っていて。
それなのに、時々間抜けで、意外とお茶目で。
そんな青年に、彼女は恋をしてしまいました。
けれども青年には、他に好きな娘がいるようです。
それでも諦めきれない愚かな彼女は、
僅かな可能性にすべてを賭けてみようと決心しました。
6207/9:2009/09/10(木) 01:38:28 ID:dy4Pd7CG
――――……
「そして彼女は、すべてを悟り、受け入れることが出来ましたとさ」
おしまい。と、テレージャはその物語を締め括った。
……全然、気が付かなかった。
「……本当に愚かで、穢れた女さ」
そう言って彼女は背を向けた。
「願い事、叶えてくれてありがとう。それと……」
それと?
「もし君の好きな娘が彼女の予想通りなら、きっと未来は明るいそうだよ」
嬉しさと、後ろめたさが頭に交錯する。
「それともうひとつ」
テレージャが振り返り、俺の顔を見つめて言った。
「もし青年が、その好きな娘を悲しませる真似をしたら、絶対に許さないとさ」
……そうだよな。俺も、あいつを悲しませたりしたくない。
「絶対、ここから生きて帰ろう。おやすみ」
それだけ言って、テレージャは眠りに就いた。
6218/9:2009/09/10(木) 01:39:15 ID:dy4Pd7CG
まどろみの国へと踏み出した俺を、今度は別のものが引き戻す。
魔物の臭いだ。
飛び起きて武器を手に取り、入り口へと駆け出す。
しかし、次の瞬間、俺は目を疑った。
メロダークの剣が光を帯び、壮絶なまでの連撃を放った。
先程まで散々俺達を恐れさせたイカの化物の巨躯は、瞬く間に散っていった。
「……起こしてしまったか」
唖然とする俺に、メロダークは言った。
「少し、話がある」

彼の話を聞いて、俺は少なからず衝撃を受けた。
メロダークは傭兵などではなく、シーウァの騎士だった。
そして、俺を監視し、シーウァへと連行する任を受けていたという。
かつて栄えたアルケアの王、タイタスの復活の阻止の為。
そして、異変の終息の為に。
「……だが、俺はお前を信じてみたくなった」
メロダークが俺を見据える。
「お前はきっと、タイタスの力になど屈しない」
ここまで饒舌な彼を、俺は知らなかった。
「この事は、仲間には内密にしておいてくれ。それと……」
今度は何だ?
「こんな状況で女と乳繰りあうのは関心出来ないな」
見てたのかよ。さっさと国に帰りやがれ。
6229/9:2009/09/10(木) 01:40:20 ID:dy4Pd7CG
結局碌に眠れないまま、再び探索へと戻った。
出口は、野営した部屋のすぐ側にあった。
結局、遺跡で手にいれたものはロープ1本のみ。
外に出た途端、メロダークがイカの化物の肉片を鍋で煮込もうとしだした。
2人がかりで彼を説得し、急いで町へと帰還した。

そして今、こうしてひばり亭で温かいスープとパンにありついている。
「もう、薬草採りに行ってくるだけだと思ったのにさー」
スープを作ってくれたネルがテーブルに座る。
「あんまり心配かけさせないでよね」
テレージャの話した、「彼女」の言葉を思い出す。
素直にネルに謝罪の言葉を告げ、頭を下げた。
「うん。いい子いい子」
頭を撫でられた。テレージャがニヤニヤして俺を見ている。
なんなんだよ、畜生。

……テレージャの事にしても、メロダークの事にしても。
俺達は互いに命を預けあっているのにも関わらず、
知ってる事は驚くほど少なく、思っている事は悲しいほど察せていない。
そういう意味では、今回の冒険はとても大切なものだったと思う。
623名無しさん@ピンキー:2009/09/10(木) 01:42:07 ID:dy4Pd7CG
真人間なテレージャとメロさんが書きたいだけでした。
俺の日常がどんどんRuinaに侵食されていく!
それでは、失礼しました。
624名無しさん@ピンキー:2009/09/10(木) 02:02:18 ID:ZAbnS3jH
>>611
GJ!
キレハかわかわ
最強すぎる俺の嫁

>>614
乙女テレージャGJ!
ちんぴらなのになんという純愛…このヴァンは間違いなくモテ夫(ゴクリ)

ていうか作品大量投下でGJ全然間に合わない
神スレすぎる
職人さんたちありがとうすげーよあんたら
625名無しさん@ピンキー:2009/09/10(木) 07:58:58 ID:6WXRZ+tr
>>611
乙。見にきてよかった

>>623
ハハハ・・・寝ぼけた勢いで投稿した甲斐があったw
文字だけだとどんなギャルゲだよって、何かを期待した人が
プレイ中に顔グラみて憤死したら、俺のせいだよなww
626名無しさん@ピンキー:2009/09/10(木) 09:35:31 ID:MrB8A7iB
>>611
GJ!
いやはや、キレハは可愛いしエロもできるし本当に万能だな
627名無しさん@ピンキー:2009/09/10(木) 11:55:47 ID:VBrhHWML
>>611
GJ!キレハかわいいよキレハ

>>623
GJ!テレージャも良いけど、最後のネルもなんか萌えた
628名無しさん@ピンキー:2009/09/10(木) 11:59:18 ID:sC+GOgRX
GJGJGJ!キレハ最高!
629名無しさん@ピンキー:2009/09/10(木) 19:35:40 ID:Qk9M0/5p
>>611
GJGJGJ!
>恋人になる前の段階の微妙な空気
素晴らしい、よく分かっていらっしゃる。
思春期万歳!

>>623
ピュアなテレ子さんとかっこいいメロさん素晴らしいなあ。GJ!
二人ともかっこいい。テレ子さんもネルもかわいい。
ただ、三角関係要素があるならできれば先にその旨書いといて欲しかった。
630名無しさん@ピンキー:2009/09/10(木) 19:57:05 ID:0ySt4wfa
500KBも近づいてきてることだし、埋め代わりの賑やかしとして各ルート主人公八人+αの学園パラレルラブコメパロディーです
※危機感知※
なにか邪な気配がする……

廃都物語X

――運命の出会いは、いつも突然――
「きゃーん☆遅刻ちこ……ぬあんっ!」
 いつもの通学路の曲がり角、出会い頭でぶつかったのはパンを加えたイチゴパンツの見慣れない美少女。
 純粋な輝きを放つ大きな瞳、眩しすぎる禿頭にチャーミングな角、筋骨隆々な美脚、そしてスカートから覗き見えるイチゴパンツに、キャシアスは一瞬で虜となった。

――可憐に咲き誇る華の登場は、平穏な毎日を嵐と変えた――
「アーガデウム学園から来た夜種子だ」
「き、君は……!」
「むむっ、今朝の」
 唐突な美少女の出現と、すでに彼女と面識があるキャシアスに対し男達の本能に火が着いた

――愛しい人のハートを手に入れるための熱いバトル!――
「こんなに誰かを愛しいと思ったのは君が初めてだよ、夜種子……」
 恵まれた環境に育った学園の貴公子・キャシアスは初めての恋に落ち、
「不思議だな。お前だけは傍に居てほしいと思える」
 孤高の一匹狼・アベリオンは閉ざしていた心を開く。
「キャシアスとアベリオンのほえ面拝むのも面白そうだな」
 すれきった不良・ヴァンはその言葉で己の本当の気持ちを隠して手を伸ばし、
「僕は変わる。
 君の心を手に入れて! 神官=地味という印象をぶち壊すんだ!」
 物静かな好青年・エメクは戸惑いながらも己の心に従って立ち上がる。

 彼らの一途な気持ちに、夜種子はどう応えるのか!?
「ふっふっふ、興奮するのう……! ほとばしる熱く若いパドスをキッスで受け止める……堪らん!!」

――他のヒロイン達も魅力的な美少女揃い!――
「君のような人が(生徒会に)欲しかったんだ。私についてきてくれないか?」
 才色兼備の宝塚系生徒会長、ウェンドリン。
「ふふん、ようやくあたしと張れそうな子が出てきたわね」
 自信家で小悪魔な学園のアイドル、アイリ。
「夜種子ちゃん可愛い! 大好きっ! でもお兄ちゃんとっちゃ嫌だよ?」
 明るく朗らかなお兄ちゃんっ娘、フィー。
「何も起きなければいいのですが……」
 物静かな霊感学級委員長、マナ。

 彼女達は夜種子のよき親友・強敵(とも)となるのか? それとも!?
「柔らかな唇もいいのう……! 我輩、男も女も構わず食っちゃう奴なのである」

 鬼神・ゼスが渾身の力を込めて放つ、多数の魅力的なキャラクター達が綴る学園ラブコメディーの王道にして至高! 皇女様も絶賛!
『廃都物語X〜ホルム恋物語(ラブストーリー)〜』既刊大好評発売中!!
 なんと次回は夜種子のイチゴパンツを狙う謎のチョイ悪イケメンが登場? ますます加速していく物語から目を離すな!


「ターニャちゃんに続いて、いいパンツがあると聞いて」
===
もちろん続かない
このスレでだいぶ夜種王分を発散できて満足
631名無しさん@ピンキー:2009/09/10(木) 19:58:21 ID:4To5Zz7q
これは酷いw
そういやもう493KBまでいってるんだよな
早く次ぎすれ立てた方が良さそうだ
632名無しさん@ピンキー:2009/09/10(木) 20:02:44 ID:pPEm14jS
ひどすぎるwwwww

野種王が脱ぐまで書きつづけてくれ
もちろんメロさんも一緒にな!
633名無しさん@ピンキー:2009/09/10(木) 20:07:25 ID:wwAYkPo8
ひでえ、なまじ普通のキャラがいるだけにひどすぎるwww

新スレ誘導しとこう
ttp://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1252418505/l50
634名無しさん@ピンキー:2009/09/10(木) 20:14:07 ID:6WXRZ+tr
ぬあんて瞬間に誰か判って首をへし折られた誰かが路上に転がってる様が脳みそに・・・ww乙
635名無しさん@ピンキー:2009/09/10(木) 20:16:59 ID:Qk9M0/5p
>>630
こwれwはwww
笑いすぎて腹が痛いwwwwwあんた最ッ高に最ッ低だwwww
636名無しさん@ピンキー:2009/09/10(木) 20:20:45 ID:ZAbnS3jH
>>630
ヒロインさえまともなら普通に面白そうなところがくやしすぎるwww
チェンジwキレハにチェンジwww
637名無しさん@ピンキー:2009/09/10(木) 20:26:30 ID:6WXRZ+tr
    n         n
  (ヨ )        ( E)
  / |          / /
  \ \   ∧ / ノ ヒロインなら我輩にまかせておけ!
    | ∩( ゚Д,゚ )/
    .|.( ⌒)   /  ∩_ _
    /,. ノ    /    i .,,E)
   ./ /"   ヽ   / /"  俺達がいつもいっしょだ!
   ./ / /_、_  )/ ノ'
  / /| | ,_ノ` ) | /
 (  (_)   .| |

                               そして新スレへ・・・
638名無しさん@ピンキー:2009/09/10(木) 21:09:51 ID:yVF4jf5F
>>630
これはひどいwwwwwwひどすぎるwwwwwwwww
もう>>630自身がゼスになって書き上げて欲しいくらいだwwwww
639名無しさん@ピンキー:2009/09/11(金) 02:43:41 ID:iSwsfa+N
「3ねーん」

「Bぐみー」

「「「しーぽん先生ーーー」」」

「……なんだよ、それ」
突然呼び出されたと思ったら、この意味不明な仕打ちだ。
「しーぽん先生に魔法を教えてもらおうの会」
怪力熊女、手前が諸悪の根源だな。
僕様の名はシーフォンだ。しーぽんなんかじゃない。
大体、何なんだこのメンツは。
怪力熊女に、純正駄目人間に、インテリ巨乳。
「テレージャ、あんたが教えればいいだろ?」
「無理」
無理と来た。簡潔にまとめてんじゃねえ畜生。
「将来の大魔王様(笑)なら、俺達一般人に魔法教える位簡単ですよねぇ?」
純正駄目人間がニヤつきながらほざきやがる。
「はいはーい先生!」
怪力熊女が右手を行儀良くピシッと挙げる。
「5分で覚えられるカッコ良くて強力な魔法教えてくださーい」
「そんな物無えよ!」
「なぁ、アレ教えてくれよ」
純正駄目人間が身を乗り出す。アレってどれだよ。
「あの、北○神拳みたいなヤツ。指先ひとつであべしひでぶの」
……死の指の事か?
「そういう技じゃねーよこのド低脳!」
「じゃあじゃあしーぽん!3分で覚えられる究極破壊魔法教えて!」
「尚更無ぇよ!魔術ナメんな!屁でもこいとけ!!」
「アレ教えてくれよ。なんかこう、雷落とすヤツ」
「手前じゃ来世でも無理だ!死んじまえ!!」
「………………」
「おい、神殿の巫女さんは無いのか?この僕様から教わりたい魔法」
「君から学ぶものは何もないなぁ」
「何しにきたんだよド畜生ーッ!!」
640名無しさん@ピンキー:2009/09/11(金) 02:44:35 ID:iSwsfa+N
クソ、よってたかってコケにしやがって!
大体あいつ等何がしたいんだよ!
いつか絶対思い知らせてやる!
怪力熊女とインテリ巨乳は肉便器にしてやる!
純正駄目人間は燃えるゴミの日に出してやる!
それから――
「あのー……」
「うわッ!?」
いつの間にかメイド忍者が背中に立ってやがった。
「ご、ごめんなさい!考え事中に、急に声掛けてしまって……」
あのメンツの相手をした後だと、こういう真人間が天使に見えてくる。
「何の用だよ?」
「ケーキ焼いてみたんです。よかったら、試食してください」
そういって目の前に出された皿には、極彩色の汚物が乗っかってた。
「なんだよこれ……」
「何って、ケーキですけど」
「さも当然の様に言うんじゃねえ!どう見たって毒物じゃねぇか!」
「ど……毒、物……」
え、何ショック受けてんのコイツ。
「申し訳ありません……私が、料理下手なばっかりに……」
何泣いてんのコイツ!本気で作ってたのかよ!!
「い、いや、これは、その……」
これじゃ僕様が泣かせたみたいじゃないか!
ああもう、クソッタレ!
「い、いやーおいしそうなケーキだなー。いただきまーす!」
もうどうにでもなーれ。
641名無しさん@ピンキー:2009/09/11(金) 02:45:05 ID:iSwsfa+N
「シーフォンさーん、まだ出ないんですかー?」
ドア越しに空気の読めないお坊ちゃまが声を掛けてくる。
僕様は今、トイレの支配者となっている。
どうにもならなかった。
あのケーキを一口食べて、そこから先の記憶が無い。
気付けばベッドの上にいて、それと同時にこの腹痛だ。
「……お医者さん呼んできましょうか?」
「いらねえよ!あっち行ってろ!」
もう限界だ。こんな所出て行ってやる!

ようやく腹が落ち着いた所で、荷物をまとめて部屋を出る。
しかし、ホールであいつ等が何か話し合っていた。
見つかって面倒な事になっても困る。
やり過ごすついでに、あの馬鹿共がどんな下らない事話してるのか聞いてやる。

「どうすれば、しーぽんと仲良くなれるかなぁ?」
怪力熊女が信じられない事を言っていた。
隣の白髪野郎は難しい顔をしてやがる。
「素直になれないだけだと思うんだけどね」
ツンツン動物女がわかったような事を言っている。
「ああ、類友じゃねえか。お前も大概だもんな?」
純正駄目人間がしゃしゃり出て……やっぱり吹っ飛ばされた。
「難しい年頃なのかも知れないね。それがまた可愛らしいのだけど」
な、何言ってやがるこのインテリ巨乳!
「ちょっと、変な気起こさないでよ?」
「気を付けるよ」
642名無しさん@ピンキー
何なんだよ、なんで僕様と馴れ合いたがるんだよ。
こっちはごめんだからな!
お前等なんて、大っ嫌いだ!!
「あのー……」
「っ!?」
またしてもメイド忍者に背後を取られた。
「もう身体は大丈夫ですか?」
「……大丈夫だよ」
言ってやりたい事は山ほどあるけど、また泣かれたら堪ったもんじゃない。
「そうですか、良かった……」
何ホッとしてやがんだよ。
「ところで、その荷物はどうなさったんですか?」
「何でもねえよ……ところで、あいつ等なんであんな話してるんだ?」
「……ああ、シーフォン様のことでお話してるみたいですね」
「何が仲良くだよ。こっちはそんなの願い下げだっつうのに……」
「だって、仲間じゃないですか」
………………は?
「シーフォン様も、私達の大切な仲間なんです」
平気な顔して何言ってるんだこの女は。
「だから、みんな心配してるんですよ?」
いつから僕様はお前等の仲間になったんだよ。
利用し合うだけの間柄じゃねえのかよ。
「……なんか、シーフォン様を見てると弟の事を思い出しちゃいます」
格好は全然違うんですけどね。と付け足して、にっこり笑いやがった。
「荷物のお片付け、手伝いますか?」
「……いらねえよ」
もう良い。こうなりゃとことん利用してやる。
お前等の気持ちなんて、知ったことか!