【田村くん】竹宮ゆゆこ 19皿目【とらドラ!】

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626ニセドラ!4

「だからさーっ、お願げーだよ。ちゃんと躾けるからさー…」
櫛枝家の玄関。実乃梨は母親を説得している。もちろん竜児(犬)を飼うためだ。
申し訳ない気持ちでいっぱいになる。あんたは言ったら聞かないから…母親は折れる。
「ウェルカムホーム!ニセドラッ、今日から我が家の一員だっ!ヨーシヨーシ…」
だからそれは…嬉しいけど、恥ずかしいんだって…
玄関で、ステイっされた竜児(犬)は、大人しくしていた。奥から声が聞こえる。
そうだ、お姉ちゃん夕食は?バイト先で食った。じゃあ、お風呂はいちゃってよ、
あんたが最後よ。…とその直後。
「ニセドラっ、お前、汚れているから一緒にお風呂はいるよっ!!おいでっ」

飼い主の命令には逆らってはいけない。

***

おじゃまします…と言いたい所だが、竜児(犬)は声が出ない。クウーンと唸っただけだ。
櫛枝家の脱衣場。やっぱりマズいよなっ、いや、しかしご主人様だし…とっても自然な事。
「ニセドラ。先にお入り、こっちだよっ」
竜児(犬)は手…ではなく、前足を拭いてもらい、脱衣場に入り、さらに風呂場へ。
ピシャッと扉が閉まる。犬の嗅覚は、最大1億倍というが、櫛枝家の風呂場には、
実乃梨の臭いが、プンップンッしていた。正確には犬だからこそ臭ったのだろう。
そんな臭いフェチと化した文字通りエロ犬は、脱衣場にいる実乃梨の脱衣シーンを
すりガラス越しに見ていた。よく見えないが肌色が見える。肌色が多い。大興奮。
はあっ、はあっ、うぉーんっ。実は今、相当エロい事を口走ってしまったのだが、
何言っても犬だからバレない。実乃梨は犬語は喋れない。だがしかし…
しかし竜児(犬)は相当やばい状況になっている。犬の場合は何というのか解らないが、
人間の場合。下半身が、だ。人間同様、犬だって。興奮したらカラダの一部が変化する。
ガウッ、ウォホオオオン
またもや竜児(犬)は、日本語だったらとんでもない卑猥な言葉を発したが、やはり
実乃梨はバウリンガルではないので、ノーリアクションだった。助かった。
おあずけっ!!状態のままの竜児(犬)は、風呂場の窓枠に手…、ではなく前足を掛け、
けんすいを始めた。けんすいをして、カラダの一部に集結した血液を分散させようとした。
ウォオオウッ!すっ、滑るっ!後ろの脚をバタバタさせて、けんすいスタート。
ワン!ツー!…ツーが言えない…。そんな努力をしていたが、馴れないカラダで、
けんすいなんてそう何回も出来るものではない。キャゥゥウッ!前足が窓枠から外れた。
「おまたせっ!ニセドラッ!…あり?どした?」
竜児(犬)は、スッ転んで、実乃梨にいわゆる腹見せの状態に…丸見えだ。全開だ。

実乃梨は水着を着ていた。