パーティー内の結束を高めるためにディアナ主催でお食事会が企画されるものの、
折り悪く三人参加限定依頼が舞い込んできてしまう。
ヒューイを巡って対立するディアナと幼なじみセレスティアだが、料理の練習で絆創膏だらけのディアナの指を見て一人で依頼を果たそうとする…
あれ?なんでこんなシーンが頭に浮かぶんだ?作者さんマジで続きを早めに頼んます!
>322
巨乳フェルパー参戦ですね、分かります
「剣士モード解除、ビーストモード、始動……ッッ!!」
優しく礼儀正しく聡明なディアナ……様
もうよしなにしか浮かばない
326 :
名無しさん@ピンキー:2009/07/18(土) 21:42:33 ID:GugNQxQD
あれ、いま御大将がクロスティーニ学園の制服を着ているのが見えたが、気のせいか。
最近このスレ盛り上がっていい感じですね。
最近の流れのせいでディア子の株が急上昇中。ディア子可愛いよディア子!
さてパネェ先生続きモノ書くか別のネタ書くか拙者もディア子に走るか・・
皆さま、感想や期待のコメントありがとうございます。
ちょっと長くなってしまいましたが2話を投下させていただきます。
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『クロスティーニ学園せい春日記』
その2.お〜きくなった〜らなんに〜な〜る?
「──とりあえず、クロスティーニ学園まで来ることができたワケですが……」
ディアナとグノーに出会った翌日の午後、俺達3人は無事に学園にたどり着いていた。
「──私たちがパーティを組む以上、入学手続きに際してひとつ注意することがあります」
学食のすぐ外のカフェテリアみたいになった場所で、俺とディアナを前にして、グノーがちょっとしたレクチャーをしてくれている。
……つーか、わざわざ眼鏡(たぶん伊達)まで、どこからともなく取り出してかけてるあたり、何気にノリノリだな、ヲイ。
「それって、前衛と後衛のバランスのこと?」
ちょこんと首を傾げるディアナ。あいかわらず抱きしめてお持ち帰りしたいほどの可愛らしさだ。
「──その通り。では、ヒューイくん、前衛として主に活躍する学科を4つ挙げてください」
いきなり指示されたものの、このノリなら多分来るだろうと思っていた俺は慌てない。
「ハイハイ、えーと……戦士、格闘家、剣士。それと……忍者かな」
「──正解です。それ以外に種族固有の狂戦士や竜騎士などもありますが、当面は考えなくてよいでしょう。それで、ヒューイくんはどの学科を選択するつもりなのですか?」
うーん、俺の場合、力と素早さは人よりかなり秀でてるんだけど、逆に生命力と幸運がり低めなんだよなぁ。
個人的な好みで言うなら、魔法使い系より武器で戦うほうが性にあってるとは思うんだけど、戦士にしてもレンジャーにしても不安材料があるし。
「──ふむ。意外に自分のことを把握してるのですね。ちょっと感心しました。それでは、当面は普通科を選択してみてはどうでしょう?」
グノーの俺に対する評価の低さは(深く考えると悲しくなってくるので)さておき、普通科というのは、実は俺も考えていたところだ。
自分で言うのも何だけど、器用貧乏な俺にはそれが一番無難な選択だと思うし。装備次第で前衛にもなれるというのも悪くない。
「うっし。ねーちゃん、俺、普通科の星になるよ!」
「──それでは、次にディアナの学科なのですが……」
……はいはい、スルーですか、そうですか。
いぢける俺を尻目にゴソゴソと傍らのカバンを探って何やらスケッチブックを取り出すグノー。
「──すべての能力が中の上以上ですから、この学園でディアボロスが選択できる学科は、忍者以外どれを選択することも可能です」
ペラリとスケッチブックをめくると、そこには玄人はだしの達筆な絵柄で学園の制服を着たディアナのスケッチ画が描かれていた。
なになに……"ディアナ・普通科(想像図)"……って、ちょっと待て。
「い、いつの間にそんなもの描いてたんですか、グノー?」
温厚なディアナもさすがに、ちょっと引いている。
「──まぁ、隙を見て」
隙!?
「──間違いました。暇を見つけてはコツコツと」
ジーーーーーーッ。
俺達ふたりの疑惑の視線を受けて、流石に少し気まずくなったのか、コホンと空咳をするグノー。
「──私個人としては、この"ディアナ・人形遣い"も捨てがたいのですが、人形遣いはどちらかと言うとある程度中級以上になってからの方が役立つクラスです。
そこで! 私がオススメしたいのはこの"ディアナ・アイドル"ですね」
何枚かパラパラとめくったところにあるのは、いかにもそれ風なファッションに身を包んだディアナの姿を描いたスケッチだ。
ゴスロリ風のミニワンピースを着て、手には長手袋、足にはハイソックスを着用。そのいずれも黒を基調に白いレースがふんだんに使われている。
髪型は細いリボンでツーサイドテイル……俗に"ツインテール"とも呼ばれる形にまとめられ、その上にメイドさんでおなじみの白いヘッドドレスを着けている。
兎のぬいぐるみを抱きしめて、恥ずかしそうにしている様は、ディアナの個性をうまく表していると言えるだろう。
ハッキリ言って、滅茶苦茶似合っていた。
「グノーさん」
「──はい」
「同じく、賛成!」
「──はい。では本件は賛成2、保留1で可決されました」
「え? え? コレって多数決で決まるの!?」
可愛らしくうろたえるディアナの肩をポンと叩くグノー。
「……もう、決まったことなんです」
「い、いや、でも本人の希望もきいてほしいって言うか……」
「──ディアナ。私たちはパーティ、すなわちチームとして戦うことを誓いました。最初に言ったでしょう? チーム全体のことを考えて学科を選択しましょう、と。"One for All"の精神ですよ」
「その言葉の後ろには、"All for One"と続くんじゃないかしら!?」
美少女ふたりのじゃれ合いと言うのは心和む風景だったが、このままではラチがあかないよなぁ。
「ディアナちゃん、そんなにアイドルになるの嫌か? 可愛いし絶対似合うと思うんだけど」
「え? あ、あの嫌というワケではなく、恥ずかしいって言うかですね……」
真っ赤になってうつむきながら、両手の人差し指をツンツンと合わせているディアナ。
あ〜、もぅ、どうして素でこんなに萌える仕草をしてくるかなぁ、この娘は!
「──つけ加えますと、ディアナは特に、生命力と幸運の能力が高い。それはまさにアイドル向けと言えるでしょう。また、アイドルはMP、いわゆる魔力の伸びも早いので、のちのち魔法を使う学科に転科する際に有利とも言えます」
「だってさ。どうする、ディアナちゃん?」
しばし躊躇していたものの、キッと顔を上げて俺の方を見返してきた。
「ヒューイさんは、本当にわたしにあんな可愛らしい格好なんかが似合うと思いますか?」
「ああ、もちろん。少なくとも俺なら、惚れ直すこと請け合いだな」
その言葉にポッと顔を赤らめたディアナは、やがて蚊の鳴くような声で「じゃあ、やってみます」とつぶやいた。
* * *
さて、そんな風に騒いでいるところを、オリーブとかいうヒューマンの女の子に聞きつけられて、俺達は入学式の行われる講堂に連れて行かれた。
式と名前のつくものでの校長先生のお話とゆーやつは長いと相場が決まってるんだが、この学校の校長は意外とお茶目な人柄らしく、アバウトに切り上げてくれたんで助かったな。
まぁ、クラス担任がいかにも厳しそうな男の先生だってのは確かにあまり嬉しくはないが……オリーブみたく暴れるほどじゃないだろう。
コッパは隣りのクラス担任のパーネ先生に憧れてるみたいだけど、俺はどうも上品なセレスティアの女性は苦手だしなぁ。まぁ、あくまで個人的な経験上だけど。
職員室で学科を選んで入学手続きを済ませ、制服を受け取って寮の部屋で着替えてみる。
「ふむ、これはなかなか」
まぁ、ありふれたブレザーとスラックスなわけだが、やっぱ新しい制服ってヤツは、こー身が引き締まるってゆーか。
「そぉかぁ? ワイはどぅも、こういう堅っ苦しいカッコは苦手やのぅ」
と、いきなり上着の前を全開にして肘まで袖をまくり、ベッドの上でグテーーッとしてるのは、俺と同室のルーフェス。
ピンと頭から突き出た耳を見ればフェルプールなのは一目瞭然だが、野生味のカケラも感じさせないダラケたヤツだ。
これで格闘家志望ってんだから、世の中をナメてるとしか思えんなぁ。
「いやいや、生命力と運が9で冒険者を目指す物好きな人間もおるご時世やからのぅ」
「フッフッフッ……言うじゃねーか」
と、凄んでは見せたものの、こいつがそう悪いヤツじゃないことは、何となくわかる。
そーいや、俺達のパーティ前衛が足りてないよな……と思いだした俺は、ダメ元で誘ってみたところ、アッサリOKをもらうことができた。
「そや! ワイの連れに魔法使い科のモンがおるんやけど、そいつも誘ぅてエエか?」
ああ、そうしてもらったほうが助かるしな。
「ほな、早速声かけてくるワ」
じゃあ、俺もディアナ達にそのことを報告してくるか。
* * *
で。
女子寮の部屋を訪ねてノックしたところ、「どうぞ」と返事があったんで、ドアを開けたんだが……。
目の前には、制服を半脱ぎ(いや、着てる途中だから"半着"というべきなのか?)状態の、肌もあらわな女性の姿が。
「──きゃー、ひゅーいさんのえっちー」
いや、そんな風に棒読みで悲鳴(?)をあげられても。
「……何やってるんスか、グノーさん?」
目の前の女性がディアナではなかったのは、幸運と見るべきか不運と言うべきか。
もっとも、意中の少女でなかったとは言え、相手も知り合いの妙齢?の美女。
本当なら慌てて目をそむけるべき局面なんだろうけど、照れるでもなくモゾモゾ着替えを続けられてては、意識する方がバカらしくなってくる。
「──それでは、しばしお待ちを」
いやいや、だからって、ワザワザ俺の方向いてスカートの中見せながらストッキング履かなくていいですから!
「──黒ストはお嫌いですか?」
いえ、どっちかっつーと好きですけどね。で、改めて聞きますけど、何してるんです?
「──着替えです。それとも、貴方を誘惑してディアナと私と貴方の泥沼の三角関係を構築しようとしているように見えますか?」
ちょ……シャレにならんこと言わないでください!
「……冗談です(チッ)」
チッつった! 今この人「チッ」って言ったよ!?
「──空耳です。それで、何か御用があったのではないですか?」
「ええ、まぁ。ひとつは、パーティの仲間のアテがふたりほどできましたよ」
「──学科と種族は?」
「格闘家と魔法使いですね。ひとりはフェルパーの男で……もうひとりは何だろ?」
しまった。ルーフェスに聞いときゃよかったか。
「──ふむ。フェルパーですか。最悪ではありませんが、良くもないというところですか」
「ああ、ディアナちゃんとの相性ですか……」
確かにディアボロスと相性がいい種族って限られるからなぁ。……つーか、そもそも相性が「良い」と言い切れる種族っていないんじゃなかったっけ。
「──貴方があの娘を愛妾にしてくださるなら、問題の大半が片付くのですが」
「わはは、そーいうオヤジギャグは勘弁してください」
大体俺としてはお妾さんなんかじゃなくて、ディアナちゃんとはキチンと交際して結婚し、暖かな家庭を築くのが目標なんスからね。
「──本気ですか?」
さすがに、ディアナのお姉さん代わり……だよね? まさか母親代わりじ(ギロリ)……いえ、何でもないです。と、ともかく、姉代わりな貴女にまで、冗談でそんなことを言いませんよ。
「ま、とりあえずはお友達から始めて、しばらくしたらデートにでも誘ってみるつもりですけどね」
「──なるほど。……だ、そうですよ、ディアナ」
へ?
あ、壁際に置かれたタンスがガタガタ揺れたかと思ったら、中からディアナが転げ落ちて来た!
「な、なんでバラしちゃうんです、グノー!?」
例のスケッチ同様、ゴスロリなミニのワンピースに着替えている。ああ、こりゃ、眼福眼福。
「──いえ、男女間の恋愛の機微で、こういう盗み聞きのような真似はフェアではないと思いましたので」
と、澄ました顔でのたまうグノー。
何でも、俺がノックしたときはふたりとも着替えの最中だったのに、グノーが「どうぞ」と返事したので、ディアナは慌ててタンスに隠れたらしい。
……そーいや、ドレスの背中のボタンがいくつかはまってないよーな。
「ですが、よかったではないですか。彼は、私の見たところ、誠実さA、誘惑耐性A、家庭志向度A、将来性B+といったなかなかの優良物件です。まぁ、ヘタレ度もBと決して低くはありませんが、そのへんはこれから女の側が教育していけばすむことです。
それに第一、貴女の方も彼のことを憎からず思っているのでは?」
「そ、それは…「それは本当っスか、グノーさん?」 ヒャッ!」
割り込んで尋ねる俺の勢いに、ディアナが小さく悲鳴をあげる。
「あ、ごめん、ディアナちゃん」
「いえ、わたしこそ、結果的に盗み聞きする形になってしまって……」
申し訳なさそうに頭を下げる彼女の顔を見ていると、ついさっきまでのテンパった脳ミソが、一気にクリアーになっていくのを感じる。
そーだよなぁ。こういうコトは他人の口からじゃなく俺本人がディアナ本人に直接聞くべきことだよな。
うし、覚悟を決めろ、ヒューイ。分の悪い賭けは嫌いだけど、状況はそれほど絶望的ではなさそうだし。
「じゃあ、俺からひとつ質問。俺は、前にも言ったとおり、ディアナちゃんのことが好きだ。今すぐでなくてもいいから、恋人になってくれたらいいな、と思ってる。
で、現時点でのディアナちゃんの正直な気持ちを聞かせてくれないか?」
ふぅ〜、言いきったぞ。よくやった、デカした俺! さて、彼女の答えは?
「え、えーと……その……」
俺の告白に真っ赤になったディアナだが、それでも何とか答えを返そうとしているのは、彼女の誠実さの表れだろう。
「わたし、も……ヒューイさんのことは嫌いじゃありません。いえ、たぶん好きだとは思います。でも、まだ会って2日しかたってませんから、恋人になれるかと言われると、ちょっと自信がないです」
や、まぁ、確かに妥当な結論だろう。出会った瞬間に運命を感じる俺のほうが、むしろ「どんだけ少女漫画なんだよw」って感じだし。
「そっか。うん、今はそれで十分だよ」
ポンポンとディアナの頭を軽く撫でて部屋を出ようとした俺の上着の裾を、ギュッとつかむディアナ。
「で、ですから、ちょっと卑怯な言い方かもしれませんけど、友達以上恋人未満の、その、"ボーイフレンドとガールフレンド"から始めませんか? わたし、今まで"ボーイフレンド"と言える人がいたことないですから、うまくやれるかわかりませんけど……」
!
「うん、ありがとう。ディアナちゃんの初めてのボーイフレンドになれるなんて光栄だよ」
小躍りしたい衝動を押えて、極力優しく微笑んでみせると、ディアナはパアッと花が開くような笑顔を浮かべてくれた。
「あ、あのっ、では、ふつつかものですが、よろしくおねらいしましゅ」
あ、また噛んだ。どうやら、ディアナは緊張が極限に達すると口調が乱れるらしいな。……なんか可愛い♪
「いえいえ、こちらこそ。それとその挨拶、2回目だから。あんまり頻繁にやると有難みが薄れるから、3回目は俺ん家に嫁ぐ時までとっとこーな」
「ハイッ! ……あ」
肯定すると言うことがどういう意味なのか気づいたのだろう。先ほどにも増して茹で上がったように赤くなるディアナ。
グハッ……萌え尽きたぜ、真白によぅ。
……アレ? どうしたんです、グノーさん。いそいそとドアの外に出てこっちを覗き込んで。
「──いえ、話が弾んでいるようですので、あとは若い者同士でしっぽりと」
いや、「しっぽりと」じゃなくて!
「──ぬっぷりと、ですか? それともぬぷぬぷと?」
いやいやいや、その擬音の意味、わかるよーな気もするけど、わかんないから!
外から鍵かけないで! ふたりにしないでーーーーーッ!
* * *
「ふぅ、あのままでは、危うく取り返しのつかない過ちをおかすところだった……」
「──いえ、責任とっていただければ過ちにはなりませんよ? それに和姦なら"犯す"とは言わないのでは」
「わ、わか……」キュウ〜〜。
「こらこら、ウブで可憐な乙女がいるんだから、滅多な発言はやめなさいって」
ディアナが目を回してるじゃねーか。ほんっと、今どき珍しいくらいの純情可憐な娘さんだなぁ。いや、もちろん「むしろ、ソコがイイ!」んだけど。
「──まるで、私が百戦錬磨で酸いも甘いも噛み分けた年増女のような言い草ですね。これでも殿方を知らぬ生娘ですのに」
ええっ!? ゴメン、正直意外。グノーさんって……え〜と、ホラ、大人っぽいから。
「──失敬な。これでも開発度0%の無垢なる処女ですよ
……ボディは」
「そーゆーオチかいっ!」
あ〜、これって相手がノーム族だからこそ成り立つギャグだよなぁ。
「──それはさておき。ヒューイさんは、先ほど「ひとつは」とおっしゃってましたが、それなら他にも用事があったのではないのですか?」
ああ、そういやそだっけ。
「ん〜、いやね。俺、グノーさんがどけの学科選択したか聞いてなかったからさ」
俺達3人にルーフェスたちふたりを加えて5人。パーティメンバーはあとひとり余裕があるけど、どういう学科の人間を勧誘するべきか考えないといけないし。
「──なるほど。一理ありますね。私の職業はご覧のとおりです」
いや、ご覧のとおりったって、アイドルのディアナみたくドレス着てるわけでもないし、忍者みたくマフラーしてたり、人形遣いみたく人形背負ってるわけでもねーし……もっとも、ノームは後のふたつにはなれないけどさ。
……と言うか、大概の学科は学園の制服の上に防具付けてるだけなんだから、今の段階じゃわかんねーって。
「──ふむ。言われてみれば確かに。私は、今回はレンジャーを選びました」
その「今回は」って台詞が気になるけど……ま、いいや。レンジャーってことは、後衛か? 確かに盗賊技能持ちは必須だよな。
でも、確か女子のレンジャーってスカートじゃなくてショートパンツを履いてたような気がするんだけど?
「──あれは邪道です。そもそも、前衛に立ちもっとも激しい動きをするはずの戦士系の各学科が皆制服のスカートを履いていると言うのに、なぜにレンジャー科の女性だけがショートパンツを履くのでしょう?
後衛だって同じです。魔法使いが魔法をバックファイアしたり、人形遣いが人形の操作を誤ったり、アイドルが触手系のモンスターに襲われたりと、常にスカートの中を外部にさらされる危険はあるのです!」
「いや、最後のは、ねぇって! エロエロな漫画か小説の読み過ぎだ」
「わ、わたし、エッチなモンスターに襲われちゃうんですか!?」
「──そうです。ですから、初めてくらいは好きな殿方に捧げておく方が……」
や、頼むから、ディアナにヘンなコト吹き込むのはやめてください。
「ヒュ、ヒューイさん、魔物に貞操奪われるくらいなら、いっそ……」
「だーかーらー! 嬉しいけど、ほんっとうれしいけど! ディアナちゃん、軽率な発言は自重しなさいって。俺が自制心を保てるうちに!!」
「──ふむ。誘惑耐性A+と。なかなかの精神力ですね。見直しました」
あ〜、もうグダグダだよ。
「──故に。私は抗議の意味も込めて、レンジャー科に在籍中も、制服のスカートで通そうかと思う次第です」
はぁ、そうスか。ま、一男子としては、ミニスカの方が目の保養になってうれしーですけどね。
「──見つめ過ぎです。このフェチ!」
言いがかりだぁ!!
ディアナちゃんも、対抗心燃やしてパンチラしようと葛藤しなくていいから! だいたい、グノーさんは、俺達のこと真顔でからかってるだけなんだし。
「(──あながちそれだけでもないのですけどね)」ボソリ
<つづく>
----------------------------------------
以上です。うーむ、この調子だと、Hシーンは第三話の終わりくらいになりそう。
ちなみに、皆さんの予想通り、3話には、あの子が登場予定です。
できれば連休中に投下したいと思います。
333 :
名無しさん@ピンキー:2009/07/19(日) 04:33:02 ID:039c8zPv
GJ!!
グノーさん暴走しすぎww
読んでる間ニヤニヤが止まらないwww
アイドルディアボロス・・・自分と同じですね。でも一つだけ決定的な差があります。
性 別 が 真 逆 と言う事。
・・・後悔なんてしてませんよええ。これでも一度は桃源郷を目指した身ですから。
第三話、ついに出てくるのか、幼馴染が!!!
楽しみだ!!
特にディアナと会った時の反応が!
第三話、楽しみにしてます!
幼なじみのセレスティアが、ヒューイとディアナが仲良くしてるのを見て嫉妬
→「どうしてディアボロスなんかと・・・」→ヤンデレ化 という展開が浮かんだ
・・・修羅場・三角関係スレに帰るか・・・
ノム娘さんはフェル男君orその相棒と良い仲になるのか
それともディア娘さん一筋wなのか
茶化すためにセレ娘・ディア娘・ヒュマ男と泥沼の四角関係にするのか
それが密かに楽しみですw
純情で陽性なディアボロスって存外に良いな…
本人は人気者の素質を持ってるのに
産まれのせいで忌避されがちとか俺のツボすぎる
「学園日記」の3話、難産でした。しかもHは無理やりの後づけ方式。とりあえず、よろしければお読みください。
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『クロスティーニ学園せい春日記』
その3.熱血のウォブル
懸念していたディアナたちと、ルーフェスたちの対面だが、予想に反して案外うまくいった。
「それでは、今後はパーティの仲間として、よろしくお願い致しますね」
「はぁ……こちらこそよろしゅぅに」
ニッコリ笑ってペコリとお辞儀するディアナの様子に、ルーフェスは呆気にとられたかのように反射的に頭を下げてる。
「……なぁ、ヒューイ」
ツンツンと脇腹をつつかれた。
「ん? どうかしたか?」
「自分、パーティのツレは中立属性のディアボロスや言うてへんかったか?」
「ああ。それが?」
「どこがやねん! どう見たって善属性のハーフエルフやないかい!」
「いや、頭にちゃんと角があるだろーが。それに生徒手帳も見せてもらったけど、確かに中立属性だったぞ?」
学園に入学すると支給される"生徒手帳"。一見ただの手帳に見えるこれは、実は歴としたマジックアイテムで、持主の体力・魔力・能力値といったパラメーターや属性その他がキッチリ数値化されてわかる代物なのだ。
「はぁ、さよか。世の中不思議と理不尽に満ちとるのぅ。あないなエエ娘が……」
確かに、世間一般の"ディアボロス"という種族に対する偏見からは、180度かけ離れたお嬢さんだよなぁ。
「……やらねーぞ。あの娘は俺ンだ」
「安心せぇ。ワイには既に心に決めた女性(ひと)がおるさかい」
む。それは確かに有難い。
ディアナみたいな優良物件だと、ほかの男性からもターゲットにされること間違いなしだが、やはり同じパーティに属しているというのは大きなアドバンテージだ。
その点、今んところ、ウチのパーティの男は、俺とルーフェスだけだからな。ルーフェスがライバルになる気がないというのは助かる。
……待てよ。そうなると、6人目は女の子のメンバーを探すほうがいいってことか。
俺が「むむむ」と首を捻っている横で、グノーが、ルーフェスが連れてきた魔法使いと話をしている。どうやら旧知の間柄らしい。
「──しかし、まさか貴女と一緒に戦う日が来ようとは」
「ワシもお主とこんな形で再会するとは思いもよらなんだわ。まっこと、人間万事塞翁が馬よのぅ」
いやに古めかしい言葉遣いをしているのがルーフェスのツレの魔法使い。80歳を超えた皺くちゃのばーさん……ではなく、特注の学園女子制服を来た可憐なフェアリーの女の子だ。
身長はおおよそ俺の鳩尾よりちょい上、ヒューマンで言うと10歳児くらいか? フェアリーにしては大柄だけど、この種族の特徴か、いかにも可愛らしい美少女といった顔立ちをしている……ディアナには負けるけどな!
「ホホホ、言ぅてくれるのぅ若僧。まぁ、それも恋は盲目な年頃故、無理もなきことじゃが。お主がこのパーティのリーダーかえ?」
えーと、そう言えばリーダーとか決めてなかったよーな。
「わたしは、ヒューイさんでいいと思いますけど」
「──上に同じ」
「エエんとちゃうか。ちなみにワイはやらんで? 面倒そうやし」
「ふむ。婿殿がよいと言うならワシにも異論はないが」
いかにもおまいら適当だな、ヲイ……ってムコぉ!?
「ああ、そう言えば自己紹介がまだだったかえ」
ニヤリと微笑むフェアリー少女(?)。いつもの浮遊をやめてフワリと床に降り立つと、スカートの裾(特注だけあって膝下2センチくらいの長さがあるのだ)をつまんで、優雅に一礼する。
「我が名はフェリア。フェリア・タイターニア・イオランテ・ル・フェイ。そこなルーフェスと許婚の契りを交わせし者よ。以後お見知りおきを」
ええっ!? 許婚って……フェリアの娘さんとかとじゃなくて本人とかよ?
「──そこが突っ込みドコロなのですか?」
や、だってグノーさんと旧知の仲ってことは、このロリっぽい妖精さんも見かけによらず、相応の……ヒィッッ!
「洞察力はなかなかじゃの。しかし、淑女の年齢を詮索するのは感心せぬな」
「御免なさい、もう言いません、勘弁してください!」
バッと床に這いつくばって土下座する俺。ああ、我ながらなんたるヘタレ。
いや、だって、あの時のフェリアの視線からは「そんなに死にたいのか、虫ケラ?」って殺気がビンビンに伝わってきたんだぜ?
国レベルで二桁も習得者はいないと言われる超上級魔法イベリオンでもブチかまされるかと思った……。いや、そんなわきゃないんだが。
「ふむ。危険に対する勘もまずまずか。確かにリーダー向きの逸材かもしれぬな」
え、えーと、もしかして、習得なさってるんでしょーか、イベリオン?
「安心せい。今のワシは一介のレベル1魔法使いに過ぎぬ。それ相応の力しか振るわぬよ。でなければ婿殿の鍛練にならぬでな」
……たはは、使えるんですね、やっぱ。
「──(ゴホン)聞いてのとおり、フェリア殿は熟練の呪文使いです。先ほどおっしゃられたように、自らに枷を課しておられるようですが、それでも私たちの冒険の大きな助けとなってくださることでしょう」
あのグノーが"殿"づけ&敬語! やっぱり、凄い人、いや妖精ってコトかぁ。
「いやいや、グノーよ。ワシもこのパーティの一員となったからには仲間として対等に話してもらって構わぬよ」
「──そ。じゃあ、よろしく」
いきなり軽いなぁ、ヲイ!?
ま、いーや。一連の騒ぎのおかげで、まだ一度も冒険に出てないにも関わらず、この5人のあいだに妙な親近感ができたみたいだし。
そう思えば、俺が土下座した甲斐も……いや、やっぱディアナの前でああいう醜態をさらしたのはマズいか。
チラリと彼女の方に視線をやると、きょとんとした顔で俺を見返し、ホニャッと微笑ってくれた。
ああ、ちくそー、メンコイなぁ、この娘は!
「まぁ、フェリアにあんな暴言吐いて黒焦げにされんかっただけでも、御の字ちゃうか」
「ルーフェスか。そーすると、お前さんが言ってた女性って……」
「お、おぅ、そぅや! ま、フェリアはワイのこと気に入ってくれとるみたいやけど、現状では釣り合わんコトは百も承知しとるさかいな」
少しでも彼女の隣りにいるのにふさわしい男になるために、この学園に来たのだそーな。
確かにロリババアで巨乳美人(純粋な身長比率で考えると、人間換算でEは堅い)な超一流の元賢者を嫁さんにするのは、一介のフェルパー風情では荷が重そうだもんな。
俺としても、冒険で腕を磨きつつディアナのハートをげっちゅうwすると言う目的があるのだから、その気持ちはわからんでもない。
「がんばろーぜ、お互い!」「おぅ!」
ガシッと、腕を握りあう俺達。
「「めざせ、"冒険者として功を為しつつ美人で可愛い嫁さんをゲットするぜ"計画達成!」」」
ふたりの漢の心が通い合った瞬間だった。
「ねーねー、アレ、何してるのかな、グノー?」
「──ま、やる気を出してくれたのはいいことですしね」
* * *
「あのぅ、ところで、あとパーティにはあとひとりメンバー枠があるわけですけど、どうしましょうか?」
それなんだよなぁ。
現状、普通科の俺が前に出るとしても、格闘家・普通科・レンジャー・アイドル・魔法使い……という構成だから、できればもうひとり前衛がほしいところだ。
お、鴨ネギ来たーーーッ!
「なぁ、オリーブ、この時間でココにいるってことは、ひょっとしてまだパーティ……」
「ああ、何だパーティメンバー探してたんだね。残念でした、私はもう別のパーティに入ってるよん」
チッ、そう上手くはいかねーか。
「あ、でも6人目になる予定の生徒の到着が遅れててね。ここ2、3日は暇だから、そのあいだ1、2回なら冒険につきあってあげてもいいよ?」
「本当か!?」
それでも助かるな。
「そやな。幸いオリーブも普通科みたいやし、前衛は務まるやろし」
「うむ。パーティのコンビネーションを確かめつつ、真に必要な人材を模索するには丁度よいかもしれぬのぅ」
ルーフェスたちも頷いている。
「いいんですか、オリーブさん?」
「いいっていいって、ディアナ。困った時はお互い様だし。ま、その代わりパーティ抜けるときは稼ぎの6分の1は分けてね」
そりゃまぁ、妥当な意見だよな。もっとも、レベル1パーティが1、2度冒険に行ったからって、大した金は稼げんだろうけど。
「──でしたら、その分は前払いというのはいかがでしょう?」
? グノーさん? いや、ウチのパーティ、そんなにお金持ってないでしょ。
「ええ、現金は。しかし、冒険に出るにあたって私から皆さんにお渡ししようと思っていた物がありますので」
いつぞやのカバンから、次々に武器防具を取り出してテーブルの上に並べるグノーさん。
「──こちらのメイジクラブ+2はルーフェスさんに。カーボンマイク+4はアイドルのディアナ専用ですね。私は皮の鞭とブーメランでいいでしょう。フェリア用には、ライトスリングでよろしいですか? 生憎ぱちんこ弾しかありませんが」
「うむ。武器を持って戦うのは久方ぶりゆえ、あまり助けにはならぬと思うがの」
まぁ、イベリオン使える賢者だったんなら、魔法唱えるのが普通だよな。
「──では、オリーブさんには、この猛毒針のメイスでいかがです? 命中にマイナス補整がないぶん、使いやすいと思いますけど。あと報酬はコレを現物支給ということで」
「ええっ、いいの!? でも、それって結構高いんじゃあ……」
「──武器は使ってこそナンボ、ですから」
ニッコリ笑うグノー。
普段が無表情なだけに笑うと美人度が一気にアップするんだけど、この人の場合、何か企んでそうで怖いんだよなぁ。
「え、えーと、グノーさん、俺には何かないのかな?」
「──ヒューイさんの場合、素早さを活かさない手はありませんね。コレなんていかかでしょう?」
と、グノーが差し出したのは……おもちゃの鉄砲!?
「わーい、鉄砲だぁ、バキュンバキュン……って、アホかぁ!」
「──お気に召しませんか?」
「いや、その、グノーさんにこういう冗談は似合わないと思うんですが……」
それともいじめ? 妹分を取られることに危機感を覚えた小姑のイビリ?
さすがに対応に困っている俺の袖をクイクイッと引っ張るディアナ。
「ヒューイさん、ヒューイさん。それ、玩具みたいに見えるかもしれませんけど、れっきとした実用武器です」
「いいっ、マジで?」
「ええ、本気と書いて"まじ"と読むくらいマジです」
おそるおそるグノーの方を振り返ると、意外なことに怒ってはいないようだ。
「──初期の遠隔攻撃が可能な武器としては、単発の攻撃力が比較的高めの銀玉鉄砲です。弾丸としては鉄の弾を用意しました。お気に召しましたでしょうか?」
穏やかに、優しげにさえ微笑むグノー。
こ、こぇ〜〜っ!
「は、ハイッ、喜んで使わせていただく所存です!」
将来ヒューマンの専門職のガンナーに就くことを見越しておくなら、今のうちから銃に慣れとくのはいいことだよな、ウン。
「──それから、お古ジャージの上も6人分用意してありますので、冒険の際には着てきてください」
至れり尽くせりだッ!
にしても、これだけの武具を、一体どこから……。
「──いい女には秘密がある、ということで納得していただければ」
わ、わかったから、皮の鞭片手に妖しく微笑まんでください! 心臓に悪い。
ところで、隊列についてはどうしたもんかね。
「うむ。その点については、ワシから提案させてもらおうか」
フェリアの意見は確かに武器の特性を考えれば、納得できる合理的なものだ。
しかし……。
「何で俺が4番手なんスか!?」
フェリアの言った隊列は「ルーフェス・オリーブ・ディアナ・ヒューイ・グノー・フェリア」という順番だった。
「防御と体力、および武器の特性を考えた順番じゃな」
「あ〜、確かにヒューイ、体力がえらい低いしのぅ」
「同じ普通科で女の私より、HPないもんね」
「──恨むなら、1クレスポ半しかない己の生命力の低さを恨むべきかと」
何だい、みんなして言わなくていいじゃんか! とくにグノーさん、その謎の表現はなぜかこーグサッとくるんでやめてください。切なくなる。
「あの……ヒューイさん、わたし頑張りますから。それにわたしの使うマイクって近接武器ですし……。
ヒューイさんの銃は、後列からでも届くんですよね? それでわたしが歌ってるあいだに、バンバン敵をやっつけちゃってください」
うぅ、ディアナちゃんは、やっぱりいい娘だなぁ。
──後日、生徒手帳を見て、イカサマしてるであろうグノーやフェリアはともかく、オリーブはおろかディアナにまで体力面で遥かに負けてることを知って、さらに落ち込むハメになろうとは、その時の俺は気づいていなかった。
* * *
てなワケで、いろいろあったものの、早速冒険に出かけた俺達だったが、いや、さすがに最初から装備が充実してるとスゴいわ。
考えてみりゃあ、普通の初心者パーティだと、全員ダガー&学園制服装備ってのがあたりまえなんだから、当然後衛は通常攻撃には参加できない。
ところが、俺達は6人全員が攻撃可能。それもダガーなんてメじゃないレベルの攻撃力を備えてるのだ。
もっとも、グノーに言わせると、この程度の装備はすべて最初の場所で揃うものらしいけど。
学園近くにある「初めの森」では、特定の場所に現れるダスト以外に怖いものなし!
全体攻撃してくるダストだけはちょっと厄介だけど、多くてもせいぜい4体くらいしか現れないから、フェリアの魔法(ファイア)で減らしつつ、残りのメンツでタコ殴りにすればいーし。
ふつうなら、レベル1魔法使いなんて3、4回もファイア使えば魔力が切れるんだが、なにせ、フェリアは最低でもレベル36以上の(そして多分、推定レベル50は堅い)賢者から転科した魔法使い。
毎ターン、ファイアを使ってもMPがタプンタプンに余りまくってる。当然ヒールもいくらだってかけられるわけで……。第一、いざとなったらグノーでさえヒールどころかヒーリングが使えるんだもんなぁ。
故に。一度も学園に帰ることなく、ほんっとに丸一日=24時間、初めの森で戦い続けてました、ハイ。
ええ、おかげさまで、いちばん経験値が多く必要なはずのアイドルのディアナまで、レベル3に上がることができたけどね。
当然のことながら「レベル1」のフェリアやグノーもレベルアップ! ……ア〜ンド、MP全快。
……正直、「レベルアップしたときに魔力が回復する」というこの世界の法則を定めた神にケンカ売りたくなったよ、ったく。
「うがーーーーーーっ! も〜イヤ! もぅ、触手生やした木も、ピノキオモドキも、デブいカエルも見たくな〜い!!」
と、オリーブがいつものカンシャクを爆発させた時、思わず「勇者降臨!」と褒め讃えかけたくらい。
まぁ、さすがのフェリアたちも、無理言って参加してもらったゲストをこれ以上引き回すつもりはなかったようで、そのまま学園に帰還とあいなった。
「よかった……ホントにオリーブが入っててくれて……よかった!」
「おぅ……いくら、魔法で体力回復して、モンスターが落とす生ハムやらおにぎりやらで腹は満たせる言うても、やっぱ寮の学食で晩飯食うてベッドで眠りたいワ」
俺とルーフェスが涙を流してオリーブの両手を握り、感謝の意を示したことは言うまでもない。
「いや、私もそれなりに修行になったし、武器防具のほかに消費アイテムをいくつかもらえたからいいんだけどね……」
苦笑するオリーブ。
「でも、アンタたちこれから大変よ? 正式メンバーが加入したら、あのふたりのMPが続く限り、引き回されるんでしょ?」
!!
思わずorzな姿勢になる男ふたり。
「アハハ、まぁ、頑張ってね。その分成長も早そうだし、いいじゃない」
* * *
そして、翌日からは6人目のメンバー探しと平行して冒険と言う名の特訓が始まったワケだ。
幸いパーティが万全でないことを考慮してか、最初の時みたいな強行軍じゃなくなったものの、それでも一日の3分の2近くは冒険に行ってる計算になる。
その合間に、依頼を受けてダンテ先生をボコしたり(いや、さすがに俺たちはヤられちまったんだけど、グノーとフェリアが2ターンかけて魔法でフクロにしたらしい)、変態性マッチョや怪しいマッドドクターの依頼をこなしたり、校長のお使いに行って来たりもした。
それにしても、オリーブの腐れ縁の幼馴染だとか言うジェラートって娘と初めて会った時は、てっきりヤツが学園まで追って来やがったのかと思って、腰抜かしそうになったぜ。
いやぁ、世の中によく似た人間が3人はいるって言うけど、種族の壁さえ飛び越えて、見た目どころか声や性格までソックリな女が身近にいようとは……世間って、広いようで狭いんだなぁ。
ま、コッパのドリンク剤事件は、ありゃ完全に自業自得だよな。俺と違って甲斐甲斐しい世話焼きな幼馴染がいるクセに、その娘をシカトした罰だ、ワハハハ。
でも、諸々のアクシデントの結果、ディアナとの距離も結構近くなったんじゃないかと思うんだ。
具体的には、初日が「ほとんど"友人"に近い"ボーイフレンド"」だとしたら、一週間経った今は「限りなく"恋人"に近い"ボーイフレンド"」くらい?
「ほほぅ、そのたとえに、なんぞ根拠はあるんか?」
いや、何と言うか、漢の勘?
「あ〜、女の勘とちごて、そりゃ全然アテにならんワ」
む! それじゃあ聞くけど、ルーフェスの方はどうなんだよ?
「ふ……」
あ、コイツ、鼻で笑いやがったな!?
「なんだかんだ言うて、ワイらは許婚やからのぅ。そりゃもう、暇を見つけては、超らぶらぶでえろえろやで?」
ら、らぶらぶでえろえろ……コイツがヘンな見栄張ったりしない奴だってことはよーく知ってるだけに、多分嘘じゃないんだろう。くそぅ、いいなぁ、何か負けた気分だ。
……ん? 待てよ、ラブラブはともかく、エロエロの方は、まさかこの部屋でサカったりしてないだろーな?
「ああ、安心せぃ。ニャンニャンする時は、いつもフェリアの部屋つこぅとる」
そ、そーか。フェリアと同室の娘には悪いが、まぁ、がぶりんちょに噛まれたとでも思って、あきらめてもらうしかないな。
「まぁ、大概は気ぃ利かせて出てってくれるしのぅ。いっぺんだけ昼寝しとる横でヤったこともあるけど」
羞恥プレイ!?
「いや、さすがにフェリアが嫌がってな。結局念入りにスリプズかけて、目ェさめんようにしてからシたんや」
素直に別の場所捜すか我慢しろよ、コンチクショウ!
しっかし、フェリアはいくら妖精族としては長身っていっても、人間換算で10歳くらいの体格だろ。キチンと出来るもんなのか? いや、答えたくないんなら、いーんだが。
「……なぁ、ヒューイ。女のアソコからは、赤んぼの頭が出てくるんやで? それに比べたら、ワイの貧相なモンくらい、どないでもなるワ」
自分で貧相とか言うなよ、哀しくなるだろ、男として!
「そやけど事実やしな。成人フェルパーの平均チン長からしたら、たぶんひと回り小振りやと思うけど、でも、そのお蔭で、今フェリアとHが存分に楽しめとるんや。何でも大きければエエっちゅうモンとちゃうで?」
おお、な、何か、ルーフェスがひと回り大きく見える! ――言ってるコトは真逆だけど。
「で、お前さんの方の進捗具合は、どやねん? キスくらいはしたんか? それともまだ手も握れんのか?」
「ちょ、バカ、手くらいいつも繋いでるって。キスだって、まぁ、2回ほど……」
「お!? ヘタレかと思たら、意外にやるやんか」
……ディアナが別れ際に頬っぺにチュッてしてくれただけだけど。
「やっぱり、そないな所やと思ぅたワ。なぁ、ヒューイ、ちっとは男らしくリードしたりや。あのテの娘は、どちらかて言うたら、男に頼りたいタイプなんとちゃうか?」
うぅ……そりゃ、俺だってわかってるんだけどな。強引に出て嫌われたって思うと……。
「――甘いですね。ナイトメアが落とすハニートーストより大甘です」
わっ、グノーさん、いつの間に……と言うか、どこから?
「ドア、開いた音、せんかったんやけど……」
「――気にする必要の無い些細な事です」
いや、気になるよ! レンジャーの盗賊技能をこんなところで無駄に駆使しないでよ!
「――それはさておき。ヒューイさん、貴方は堕落しました!」
ビシッと俺に人差し指を突きつけるグノー。
「あぁ、堕落て言うたら、アレか。フェアリーとかセレスティアが飛び過ぎて疲れてた時に……」
そりゃ、ついら……
「――ベタな漫才はノーセンキューです」
ああっ、せめて最後まで言わせて!
「――ヒューイさん、貴方が私達と初めて会った時のことを思い出してください。あの時、貴方は、溢れ出る煩悩のままに、いつかディアナをモノにするという妄想を大きな声で口走ったではないですか!」
そーいう言い方されるのは心外だが、確かに否定はできないかも。
「――あの時の貴方は、若さと希望に満ちていました。
一人前の冒険者を目指しつつ、「オレはディアナと添い遂げる!」と言い切る貴方の迷いの無い瞳に、私は「嗚呼、この人になら大事なディアナを託せる……多分託せると思う……託せるんじゃないかな……一応婿候補に入れておこう」と思ったのです」
むぅ、信頼されてるんだかいないんだか。
まぁ、シスコン(って言うのか、姉貴分と妹分の場合も?)傾向の強いグノーに、それなりに認められてるのは、一応確からしい。
「――それが、ちょっと冒険者レベルが上がって、ディアナに「お友達から始めましょう」と微笑まれたからって、当初の野望を忘れて牙を無くした狼、いえ駄犬になり下がるとは……」
「ヤレヤレだぜ」ってな感じに肩をすくめて、いかにも「ハンッ」と言わんばかりに軽蔑した視線を向けてくるグノー。
M属性の強い人間なら、これだけの美女の蔑みの眼差しにゾクゾクくるのかもしれないが、生憎、そーいう趣味は俺にはない……と思う。
「わ、わかってますよ。ただ、この一週間、学園でも、冒険の準備と身体を休めるのに忙しくて、ディアナちゃんとデートとかしてる暇なんかなかったでしょう?」
「――デートする暇なんてものは何とかやりくりして作るものです。そこの万年発情豹男のように」
「ヒドっ! 姐さん、キッついワ〜」
いや、しかし、ルーフェスの奴は、あれだけハードな冒険の合間を縫って、フェリアと逢い引きしてんだよな。
そのバイタリティと甲斐性は、確かに見習うべきかもしれん。
「――とは言え、生後15年間にわたって色恋沙汰と無縁の生活を過ごしてきたヒューイさんに、海が見える素敵なレストランにエスコートしたあと、夜景の綺麗なホテルでの大人の一夜に繋げる素敵コンボを使いこなせるとは思っていません」
わるぅござんしたね、ヘタレで。
「――そこで、このチケットを進呈しましょう」
なになに……「クロスティーニ学園 カフェ&バー 新装開店招待券」?
「――幸い、明日は一日休養日です。とりあえず、ヘタレ屋なヒューイさんでも、それと勉強会を口実にすれば、ディアナをデートに誘い図書館で勉強→カフェで夕食→展望台で☆を見る→気分を盛り上げてA、状況次第でB……という流れに比較的容易に持ち込めるかと」
いや、そりゃ、有り難い話ですけどね。いーんスか? ディアナの"保護者"として。
「――そうですね。気分次第でCにまで雪崩れ込みたくなるかもしれませんが、やはり女の子にとって"初めて"は特別ですから、よく考えていただけると助かります。
確かに星空の下で……というのも悪くありませんが、明後日は通常どおり冒険に出かけるのですから、ディアナの歩行に支障をきたすような真似は自重してください。小豆とお米の買い置きもありませんので」
ヲイヲイ……。
ん? てことは、俺がディアナと初エッチできるのって、休日前の晩に限るってことかYO!
<つづく>
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以上。すんません、ツンデレ(ヤンデレ?)セレスティアを出すところまで、辿りつけませんでした。
当初の目論見では、ヒューイとディアナのデート現場に鉢合わせする予定だったんですが、そのデート自体が4話に持ち越しとなったので……。
それでは納得がイカン! と言う方のために、ちょっとHな番外編を用意しましたので、よろしければ続けてどうぞ。
学園せい青日記 番外編『素敵なラブリーガール』
「遅いですよ」
ディアナがくすりと笑う。いつも俺達やクラスメイトに向けているのと変わらない、優しい笑顔だった。
「悪い。待たせたか?」
俺は後ろ手に自室のドアを閉めながら、中へと入った。
「でも、こんなムサ苦しいトコでいいのか?」
「初めては、この部屋でって決めてたんです。それでいいですよね?」
異論はない。あるいは最適なのは、俺達が初めて出会ったあの森の中がベストなのかもしれないが、さすがに初っぱなからアオカンはないだろう……グノーにも釘刺されてるし。
「あおかん、ですか?」
「や、その単語は覚えなくていーから」
猫のようなしなやかな足取りで、扉の側にいる俺に近寄ってくるディアナ。
さすがは歌って避けて殴って前衛もこなせるアイドルだ。一応、筋力では俺の方が勝ってるはずだけど、全身のバネを使われたら、押え込めないかもしれない。
そういや、アイドルって声が大きいよなぁ。この寮、そこそこ防音はしてあるはずだけど、隣に聞こえたら、ちと気まずいな……なんて、どうでもいいことを考えたりする。
「大丈夫ですよ、多分」
俺の考えてるコトがわかったのか? もしかして、また口に出してた!?
「そうじゃありませんけど……なんとなく、わかる気がするんです」
だって、大好きな人のコトですからとはにかむディアナと、その言葉に照れる俺。
……いかん、これじゃあ、いつもの通りだ。
「それでいいんだと思いますよ。いつものわたし達でいることが、むしろ大事なんじゃないでしょうか」
む。深いな。だが、一理あるか。
とりあえず、いつもみたいなキスをする。
僅かに彼女の唇が震えているのが感じ取れた。
「怖いか?」
距離は殆どゼロ。目の前に立ったディアナがほんの僅かに上目遣いで微笑をくれる。
「ぜんぜん、へっちゃらです……と言ったら、嘘になるでしょうね。でもいいんです」
今日は貴方とひとつになりたい、そう覚悟して来ましたから。
そんな健気なコトを言う恋人を抱き締めずにいられようか、いや、おれまい!(反語)
衝動のままに、彼女の身体をぎゅうっと強く抱き締める。
「きゃっ!」
一瞬身体を強ばらせたディアナだったが、すぐに力を抜いて俺に身を預けてきた。
背中に腕を回し、その柔らかな感触を受け止める。ふわりと揺れた髪の毛から甘い匂いがする。
ディアナの匂いだ。出来るものなら全て独り占めしてやりたい。ディアボロスらしくない彼女の、唯一俺にとって「魔性」とも言えるその香りを肺いっぱいに吸い込んでやる。
「あなただけなんです」
腕の中でディアナが呟く。
「グノーはわたしの中にお母さんの影を見ています。それは多分、フェリアも同じ。ルーフェスさんは、いい人ですけど、それでもやはりフェリアさんの見方に影響されているでしょう」
クラスメイトだって、やっぱりディアボロスだからか、ちょっと壁を感じますし……と、切なげに笑う。
かつて世界を救った"奇跡の5人"の血を引く者。
"5人"を裏切った"6人目"と、5人のひとりの間に生まれた、「祝福されると同時に呪われた娘」。
――そんな、無理やり背負わされた宿命に、どれだけこの娘は疲弊し、押しつぶされそうになってきたのだろう。
俺なんかにその全てを肩代わりできとは思っていない。
それでも。
この娘のそばにいて、その苦しみの一部だけでも背負って、試練に共に立ち向かってやれるのなら……。
俺は、自分の残りの人生すべてを賭けても惜しくない。
「今のわたしが、"わたし"個人であることの意味は、たった一つだけ。あなたが、わたしをひとりの女の子として認識し、その腕で包み込んでくれるから」
だから、とディアナは続ける。
「もし、あなたの温もりを失ったら、わたしは自分のココロを保てなくなるでしょう。だから、そのときは――」
俺は彼女の唇を塞いだ。
そんなことになんかさせやしない。
たとえ誰からの祝福を受けなくとも、俺はディアナと添い遂げる。
たとえ、呪われた苦難に満ちた茨の道だとしても、絶対に離したりなんかしやしない。
「ん……」
こじ開けた唇の奥から、おずおずと彼女の舌が伸びてきた。すかさず俺の舌を絡み付け、積極的に歓迎し、柔らかくて暖かな彼女の舌の感触を十分に堪能してやる。
彼女の吐息は限りなく熱く、交じり合う唾液は蜜のように甘い。
俺と彼女の互いを欲する気持ちが重なっていく。
絡み合う舌の感触が、思考を少しずつ侵食していく。
抱きしめた彼女の身体の感触が、俺の脳の思考領域をクラックする。
――彼女(ディアナ)が、欲しい。
その言葉だけが俺の脳裏で無限リピートされ、半ば無意識的に彼女の胸に手を伸ばしていた。
学園の制服でも、いつものアイドル正装のゴスロリドレスでもない、薄水色のワンピース越しに豊かなふくらみに触れる。
ビクッと一瞬身体を震わせたものの、彼女は拒むことなく、俺の掌を受け入れている。
フニフニしたマシュマロのような餅のような、そしてそれらのいずれとも微妙に異なる感触が、俺の掌から脳を占拠していく。
「……ヒューイ、さん……ベッドに……」
唇を離し、恥ずかしげに言いかける彼女の口に人差し指を当てて押し留める。
「待った。急がなくても時間はタップリあるんだ。ゆっくりしようぜ」
暴走しそうな俺自身を止めるように、彼女と手を繋ぐ。
正式に恋人になる前の、仲の良い"ボーイフレンドとガールフレンド"だった頃から続けてきた儀式のようなその行為は、焦りはやる俺達の気持ちを鎮めてくれる効果があった。
「ん……もぅ大丈夫です、ヒューイさん」
熱っぽい目を細め、そう囁く彼女。
「思い出しましたから。これまで、どれだけヒューイさんがわたしのことを大切に、大事にしてくださったかを」
そういうことなら、むしろ俺の方が、初めて会った時以来、ずっとディアナの世話になってると思うけどな。
まあ、信頼してくれると言うのも悪い気はしない。俺だって彼女の体をじっくりと味わってみたいからな。
「えっちですね」
男の子は、好きな女の子を前にしたら、皆エッチになるんです!
「そんなに力説されても……」
困ったように言いながら、彼女は目を閉じてくれた。ご期待に応えて顔を近づける。
今度は軽く触れるだけのキス。それから彼女の耳元に唇を寄せて、囁く。
「……大好きだよ、ディアナちゃん」
何度も口にした言葉だが、これを聞く度に、ディアナの顔が世界中の幸せを独り占めしたかのような、うれしそうな表情になるのだ。俺自身、彼女の喜ぶ顔が見たくて、バカみたく「好き好き大好き」を繰り返すようになった。
あ〜、順調(?)にバカップル化してるよな、俺達。
そう思いながらも、一向にそれを止める気にはならない。
「ちょっと、くすぐったいかもしれないけど……」
と断ってから、彼女の耳に唇を近づける。
ねっとりとした熱い感触が耳に触れたせいか、彼女がぞくりと身を震わせる。
まだ目を閉じたままだが、何をされたのかはすぐに分かったのだろう。それでも懸命に喘ぎ声を漏らさないようにしている様が可愛かった。
そのまま、舌を彼女のディアボロスたる徴の角へと滑らせる。
「ひゃ、うっ!」
「気持ち良い?」
「そ、そんなの聞かないでくださいぃ〜」
一見硬そうなソコも、確かに愛しい彼女の一部には違いなくて、ほのかな熱と弾力を伝えてくる。
聞くところによれば、ディアボロスが角を触らせるのは、家族などの親しい身内か、連れ合いに限られるらしい。
その意味で、俺の行為を受け入れてくれるということは、彼女の気持ちを的確に表しているのだ。
ただ、敏感なのか僅かに触られただけでもディアナ真っ赤になってしまうのだけれど、それでも身を縮めてふるふると堪えている彼女の様子は、俺の右脇腹の浪漫回路を果てしなく刺激してくる。
「ディアナは可愛いなぁ〜〜」
どこぞの変態紳士の心の叫びに、思わず同調してしまう。
「ふえっ!? い、いきなり、何ですか?」
「いや、何でもない。ただの妄言だよ」
くすりと笑って彼女と三度目のキスを交わす。
「じゃあ、そろそろ始めようか……もっとエッチなこと」
* * *
「……てところで、目が醒めちまったんだ」
「なんや、夢オチかいな。まぁ、童貞の想像力では、それが限度やろしな」
「うっせい、童貞言うな!」
コンコン
「どーぞー」
カチャッ……
「あの、ヒューイさん、今、お暇ですか? その、もしよろしければ、わたしと……」
「むぉっちろん! 愛しいディアナちゃんのお誘いとあらば、たとえ火の中水の中ダンジョンの中、このヒューイ、何処なりとも駆けつける所存でござい」
「クスクス、大丈夫です。今日は、お買い物につきあっていただきたいだけですから。それで、その……お弁当も作って来たんですけど」
「OH! 恋人の手作り弁当とあっては、万難を排して戴かないワケにはいくまい。まずは、初めての森の入り口あたりまで、ピクニック気分で出かけよーぜ。買い物は、そのあとでいい?」
「ハイッ!」
浮き浮きと腕組んで出かけていくふたりを見て、「ま、アイツらは当分、あのままでもエエんかもしれんな」と呟くルーフェスだった。
−FIN−
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
以上。マジですんません。この続きは正夢となるべく、そのウチちゃんと書きますので、ご勘弁。
348 :
名無しさん@ピンキー:2009/07/20(月) 17:39:59 ID:owSPOHDf
GJ!!
ルーファスのキャラが良い。
そしてがんばれ、ヒューイ。
ディアナとのデートの後に本当の試練が待ってるぞ。
番外編の方を見ていたらヒューイとディアナが某08小隊とダブったのは俺だけか?
正夢待ってるぜ!!!あと何度か出てきた伏線にも期待。
番外編のタイトルが「学園せい青日記」になってるのは番外編だからですか?
GJ!
ってかヒューイの生命力6ですか!
>>349 1クレスポと半なら9じゃないかw
なんにせよGJです
351 :
347:2009/07/20(月) 18:36:46 ID:HtgAI52/
>348
はわっ、すみません。素で間違えてた。正しくはご指摘どおり「学園せい春日記 番外編」です。
>350
おっしゃるとおり、9で正解です。
ついでに、新加入のふたりのプロフも載せときます。
*ルーフェス
フェルプール・男・善/格闘家(→ビースト)
ヒューイが学園に来てできた最初の友人(ディアナ達とはそれ以前に知り合ったため)。
筋力は高いが、精神力の低さがややネック。
立派な格闘家を目指してはいるが、根が無精者なのでその歩み具合はイマイチ。
それでも、仲間(主にフェリア?)のためなら体を張るくらいの気概はある。
※イメージは「フェルプール・男・格闘家」そのもの。ただし、目が糸目。
*フェリア
フェアリー・女・中立/魔術師(→賢者)
ルーフェスの育ての親的存在(10歳から育てた)にして婚約者(!)。じつは、実の娘とルーフェスを密かに争奪して勝利したという背景があったりなかったり(本人いわく「包容力と胸の差」、娘いわく「男はみんなマザコン」)。じつは体型的にはパーティで一番のグラマー。
(ディアナがC、グノーがDでフェリアがE相当。後にくるセレスティアさんは貧乳)
※イメージは、「エルフ・女・普通」に魔法使いの服を着せ、フェアリーの羽を生やした感じ。
忘れてた。これが一応ディアナのイメージ……って、まあ単なる公式絵の色変え版ですが。
ttp://up2.viploader.net/pic3/src/vl2_159869.jpg
08とかぺらぺらとか小さいネタ入れんなw
ととモノやるような人はSWとかTRPG系も好きな人多いのかねぇ
そしてセレ娘はやはりジェラート互換だったか
想像通りで吹いたw
>>351 乙です
グノーさんヒーリング持ちとか何物ですかww
装備の充実と良い怪しさ満点だ
あと前から思ってたが何故にわざわざフェルプール?w
ちなみに魔法はイベリオンじゃなくてイペリオン
フェルプールと聞くとスターオーシャンのアレ思い出す
別に剣持ってにゃんにゃんする子でも無いんですけどね
俺もフェルプールを知ったのは初代スターオーシャンだったなぁ
あっちにゃより猫に近いレッサーフェルプールとかいたが
>>353乙です。
フェリアさんのイメージとしてジョルジオ並の大きさで美人なフェアリーを想像しましたぜ。
だがディアナさんかわええ。健康的な色のディアボロスってこんなに印象が変わるとは驚きだ。
>>312 まぁユーノ先生強い先生ですので。
ギルガメシュ先輩相手でもビンタとか膝蹴りとか普通にやってそう。誰に対しても。
でも先生の愛情なのですよ。
>>313 ギルガメシュ先輩は結構凄い半生を生きてきた子です。
パルタクス入学前にも色々あってあんな性格になっちゃってるけど根はいい子、の筈。
うん、いい子の筈なのよセレスティアだから。
2人の恋の行方はまだまだ続きます。ついでにディアボロスは主人公ポジションにいるから大丈夫。
>>320 このパーティは1での自分の1軍パーティだったり。けど、凄くバランス悪いけど仲良い子達なんです。
うん、バランスは悪いのです。
そうですねライフゴーレム達は学校に行ってません。
一応トロオはゼイフェアで図書室のお手伝いはしてるけど毎日いる訳じゃないとか。
ライフゴーレム達は皆でディアボロスのお姉さんなのです。
ディアボロスが何だ! バハムーンの何が悪い!
と、言うことで流れを読まずにととモノ。2のOPより
ヒューマン(剣士)×バハムーン(戦士)
の短編です。どうぞ。
ある晴れた日。場所は『始めの森』。クロスティーニより歩いて数分で着くその森に、一人の女性がいた。
彼女の種族はバハムーン。
見る限り、彼女は冒険者養成学校の生徒で、学科は『戦士』だろうか。右手には簡素な剣を持ち、左手にレザーシールドを携えていた。
彼女は今年の新入生だ。しかし、彼女以外の生徒の姿は見えず、彼女一人しかいない。
不機嫌そうに彼女は『始めの森』を歩く。出会った敵は器用にダガーとブレスで倒しながら、先へと進む。すると、
「おーい。そこのポニーテール」
ふと、声が聞こえた。
周りには人影すら見えないから自分の事かと彼女は(少々苛立ちながら)その声の方向へ顔を向ける。すると、そこにはこれまた一人のヒューマンがいた。
装備を見る限り学科は『剣士』だろう。ふと彼女は自分だってポニーテールじゃないかと不満を言いそうになり、一応堪えた。
その剣士はこちらを見た事に気付いたのだろう、「やぁ、こんにちは」と彼女に挨拶をした。
彼女はそれに「こんにちは」とだけ言うと早々に立ち去ろうとして、
「おいコラ待たんかポニーテール少女」
呼び止められた。
彼女は出来うる限りの威圧を放ちながら振り返る。しかし、剣士はそんなの意にも介さず彼女に聞いてきた。
「お前さん、新入生だろう? これは先輩からの御節介だが、これ以上一人で行くのは止めておけ」
いきなりそんな事を言われ、彼女は不機嫌そうだった顔をより不機嫌そうにして、返答する。
「指図するな。下等種族」
それだけ言うと彼女は先へ進み始めた。
「おいポニーテール、それ以上行くな」
そこへ再び剣士の声。酷く馬鹿にされたように呼ばれた彼女は、苛立ちながら剣士へと振り向く。
「貴様……死にたいのか?」
剣の切っ先を剣士へと向け、彼女は告げる。
すると剣士は背中のバックから『うしさん』という人形を取り出し、ポンと彼女へ放り投げる。
受け取った彼女が何だこれはと不振に思う。
「ソイツを進行方向に投げてみろ」
? マークを頭に浮かべながら彼女が渋々言われた通りにしてみる。
すると、放り投げられたうしさんは地面に付いた瞬間、バチッという嫌な音と共に一瞬でウェルダンを通り越し、炭となった。
唖然とした彼女を後目に剣士は告げる。
「『始めの森』と言っても電気床や電気壁はある。下手するとバハムーンといえ、死ぬぞ」
剣士の言葉に彼女は冷や汗をかく。もしアレが自分だったらと思うと、いきなり身近に死の臭いを感じ、足が竦んでしまう。
「地図はあるか? 俺は御節介やき何でな」
そんな彼女に剣士は問う。呆然としていた彼女は素直に肯定の意を表した。
「少し、貸してくれ」
彼女は剣士の提案に条件反射をしたかのようにポケットから地図を取り出し、剣士に渡した。
「あらら、殆ど埋まってないじゃないか」
剣士の感想についムッとした彼女は五月蝿いと呟いた。
聞こえていたのだろう、剣士はすまんすまんと謝る。
その姿に何だか自分が幼くて恥ずかしく感じた彼女は、頬を赤く染めて俯いた。
「俺の地図をあげてもいいが、それだと為にならんしな……是非も無い、か」
そう言うと剣士は彼女に地図を返すといきなり手を掴んできた。
「!? なっ……!」
肉親以外初めて触る異性の感触に、先程赤く染まった頬が更に赤く染まっていくのを彼女は感じた。
半ば混乱気味に振り解こうとした彼女の手を剣士は更にしっかりと手を握る。
「おっと、暴れんなよ? ――フロトル」
剣士がそう呟くと彼女の足が数センチばかりフワリと浮いた。
「うわっ!? え? えぇ!?」
突然の未知なる感覚に狼狽えた彼女はただでさえ危なげな体勢もあってバランスを崩し、
「きゃぁあ!」
「おっと」
剣士の胸へと頭を預ける格好――更に詳しく言えば手は握られたまま、上半身ごと剣士に預け、足はバランスを崩すまいと内股というやや情けない格好――へとなってしまった。
当然、彼女は抗議する。
「い、いきなり何をするんだ!」
「ハッハッハッ、悪い悪い」
「こ、この……! うわぁ!?」
ちっとも悪びれていない様子の剣士に、文句の一つでも言おうとすればまた変な風に体を預けてしまう。
仕方がないので再び出来うる限りの威圧を持った目で睨んだが、やや涙ぐんだせいで半減していた。いや寧ろ。
「いやぁ、涙目で睨まれると何だか……いいな」
「っ!? へ、変態!」
「何を言う。男はみーんな変態さ」
当たり前のように言う剣士に苛立ちが募るが、この体勢では立つことすらままならない。どうするものかと試行錯誤をしていると、
「ホラ、立てるか」
剣士が自分から彼女の体勢を直してきた。
「え……? う、うん……」
その予想外の対応に拍子抜けた彼女は、怒りがすっかりどっかへ行ってしまった。
「フロトルは慣れるのに少し時間が掛かると思うが、これで電気床を踏んでも大丈夫だ。ただ、電気壁には気を付けろよ? フロトルでは防げないからな」
「あ、あぁ……」
先程までのからかい口調は何処へ行ったのか。剣士は春風のような優しい感じで彼女に教える。
そんな剣士の突然の優しさに彼女は三度頬が赤くなるのが分かった。その顔が少しばかり綻んでいたのは――彼女でさえも知ることはないだろう。
そんな一時を過ごしていると、突然剣士が振り向きながら剣を抜き構える。
「? どうか……」
「まいったな、お客さんだ」
「え?」
彼女の声を合図にしたかのように茂みから出てくる。
「くっ!」
彼女はすぐさま反応し、グッと足に力を込めて構えをとろうとする。が。
「うなっ!?」
フロトルに未だ慣れていない彼女は、マトモな体勢を取ることも出来ず、倒れそうになる。
「大丈夫、か! っと」
そこへすかさず剣士がフォローに入ってきた。鞘を持つ左手で彼女を支え、刀を持つ右手でモンスターの群を牽制する。
「あ、ありが「足に余り力を入れるな。足は構えるだけで慣れない内は上半身だけで敵を叩くように迎撃するんだ。いいな?」
「……」
彼女の言葉を遮っての剣士の警告に彼女は黙りになった。その様子に気づいた剣士は、当然問い掛ける。
「おい? どうかしたか?」
「……別に。(お礼ぐらい、素直に受け取ればいいのに……)」
「……すまん。後ろの方が聞き取れなかったからもう一度――」
「う、五月蝿い! 何も言ってない!」
彼女は何故だかスゴく不機嫌そうに呟く。
ただの聞き間違いでここまで怒る女心の難解なる理解度に剣士は少しだけ難しい顔をして、すぐ止めた。
「とりあえず、難しいのは後回しだ! お前の背中は俺に安心して任せとけ!」
「……いいか。また、今度で……」
半ば嬉しそうに構える剣士の後ろ姿をチラリと見て、彼女はボソリと呟いた。
「? 何がだ?」
「だから何でもない!」
この剣士と彼女が後に名コンビと名を上げ、名カップルと茶化され、学園史に名を残すのは――もう暫く後のことである。
「しかし……驚いたな」
「はい?」
「着やせする方なんだな」
「……は?」
「胸」
「……――〜〜!?」
「ザッと、そうだな……8じゅ――」
「いっぺん、死ネェエエエエエエ!!」
「うぉおおおおおお!?」
ドギャーン
……もう暫く後のことである。
ワッフル!ワッフル!
以上です。短いです。変態です。
(以下無視して構いません)
保守代わりになればいいかな。と一瞬思いましたが活気付いているから意味ないなぁと意気消沈。日々は光陰矢の如しと言いますが、次に会えるのは何時になるのか。
ではまた会う日までサヨウナラノシ
う・・・うしさぁぁあああああああん!!!!
・・・ふぅ、乙です
戦士バハ子可愛いよ戦士バハ子
剣士ヒュム男のグラは好きじゃないがあのグラをおっさんに変えてイメージしたらイケメン過ぎて困ったぜ
364 :
名無しさん@ピンキー:2009/07/22(水) 00:58:09 ID:n5y6IgoV
うしぃぃぃぃぃぃぃ!!!
GJ。うーん、ディア子もいいがバハ子も捨てがたいなぁ。
だが俺の中で一番可愛いのはフェア子なのさ。
大きいのには興味な@(イペリオン→鬼神斬り
なんてこと、第5話の為の容量が足りないかも知れないなんて……!
>>362氏乙です。
保守代わりに自分も一発小ネタを投下しよう。
世界中の荷物が集まるボレンタ港。彼、との待ち合せ場所はボレンタ港全体が見渡せる小高い丘の上だった。
魔法の名門ブルスケッタ学院を卒業してはや1年。そんな私も、気が付けば文筆家としての日々をそれなりに多忙に送っているが、つい最近やってきた仕事は数年前に起こった事件の調査だった。
そしてその中で浮かび上がってきた、ある1人の学生の事。
世界すらも救ったというクロスティーニ学園の伝説のパーティの中でも、彼の存在はとても大きかったと記録には残る。そのパーティの面々が今どうしているか、彼も今どうしているか私は知らない。
だが、彼らを知る1人の人物とコンタクトを取る事が出来た。そして私は、その彼と会う約束をしている。
「……アンタか?」
約束の場所に来た時、そう声がかかった。ふと振り返ると、1人のセレスティアの青年が私の背後に立っていた。
「……では、貴方が?」
「ああ。間違いないな」
彼はそう呟くと、近くのカフェを指さし、そのまま椅子に座る。私も対岸に座る。
私が今回、話を聞きたい話題について告げると彼の顔つきは少しだけ緩む。鋭い目つきだっただけに、少し怖かった。
「……奴の話か? ああ、知ってる。懐かしい話だ……知ってるか? ディアボロスってのは、大きく分けて三つに分けられる。種族としての誇りに生きる奴、
ただ純粋に力を追い求める奴、古の叡知を学び教える事を生き甲斐とする奴、この三つだ。けど、あいつはそのどれでも無かった」
セレスティアの青年はそう言って笑う。
彼は『白銀の死神』と畏れられたセレスティア。『彼』の元友人。
「あの日、パーネ先生の指示で、氷河の迷宮、大橋、忘却の道、海底洞窟、終わりなき塔。ほら、今はもう無くなっちまったけど、あっちに見える塔の残骸があるだろ?
その五ケ所に封印されているドラゴンオーブを探す事だった。そのうちの、氷河の迷宮では俺達のパーティはもう手に入れたんだ」
懐かしいように、淡々と語る。
「けど、氷河の迷宮で俺達の仲間が1人いなくなっちまった。それで、パーティの補充を行ったんだ」
そして青年は、そこで彼と出会った。
大橋の近くで駐留していた彼らの元へ、リーダーであるヒューマンの少女と彼がやってきた時、他のパーティは彼がディアボロスである事に驚いた。そしてもう1つ。
「新しくパーティに加えてもらう事になったんだ! 皆よろしく! 所属は、普通科の1年。種族は見て解るけどディアボロス。
趣味は、ルー●ックキ●ーブ。ほら、あの立方体の各面の色を揃えろって奴。結構早いのには自信あるんだ。誰かやってる奴いたら今度競争しようぜ。
……まぁ、いいや。さぁ、行くかぁ!」
ディアボロスにしては信じられない底抜けの明るさ。
リーダーであるヒューマンの少女も普通科で普通科が2人並ぶという通常のパーティではおかしな事にもなっていた。
「最初は、ディアボロスで、おまけにリーダーに誘われてきた奴だ。俺は本気で嫌いだったね。パニーニ学院で堕天使に転科してからは特に。
けどな、あいつの凄い所は……凄かった」
前衛は既に間に合っていた為か、後衛に回されて遠距離攻撃用の銃を持たされたその少年は、そこで天才的な才能を発揮する。
運がそう良くない故にディアボロスは盗賊には向いていない。忍者に転科すればなれない事は無いが、しかし彼はその銃の命中率が凄まじいほどだった。
「そこらへんのガンナーよりもずっと上。俺達前衛が敵の前衛とぶつかると、その前衛は次から次へと体勢が崩れる。そして俺らが前衛を倒す時には、後衛はとっくに蜂の巣になっていた。
驚いたね。銃を使う奴なんて、ヒューマンぐらいだしそのヒューマンでも数が少ない。だが、奴は百発百中だった」
迷宮に現れた、ディアボロスの、ベストオブベストの狙撃手。
「イヤッホゥ! またまた、命中!」
誰よりもノリが良く、また誰に対しても明るい。そんなディアボロスは、気が付けば好かれていた。そう、嫌っていたセレスティアですらも。
「ああ。気が付けばあいつと一緒に迷宮探索に出掛けるのが楽しくなっていた。ジョークばっかり飛ばして、戦闘にもなれば片っ端から蜂の巣だ。
奴の目の前に立つモンスターは至近距離まで近づく前に蜂の巣だった。けどな、そんなあいつも躊躇った事があった」
パーネと、彼らの担任であるダンテ。2人の陰謀で、世界をまたにかけた戦争が始まる。
その過程、バケモノに変えられた級友を前にした時、彼は躊躇ったという。
「普段は銃をモンスターに当てては喜ぶ。外した事なんて無い。だが、そんなあいつが当たらない。いや、当てられなかった。
どうしてか、って気になったよ。そしたらさ、目に涙を一杯浮かべて言うのさ。『俺には撃てない。俺には撃てないよ』ってな」
セレスティアは寂しそうに言葉を続ける。
「ここで撃たなかったら、怪我人が出るぞ」
「けど……ティラミスが可哀想だ。俺には」
「駄目だ、撃て! 撃ってくれ! あいつは俺らには止められない! 撃つんだ!」
セレスティアを含め、私がインタビューした彼と同じパーティの面々は本当に、ここで撃つ事を進めた事を後悔したと語っている。
最終的に、彼は撃った。バケモノに変えられた級友は、頭部の一発で命を落とした。
級友を元の姿に戻す事は不可能に近く、仕方ない事だった、とその級友の恋人であったドワーフの少女も語った。彼女は命日になる度に、欠かさず献花に来る仲間達がいるという。
「そして最後の最後……級友を殺したっつー思いもあったのかも知れない。あいつは、どんどん壊れていった」
四天王、女帝、次から次へと現れる強敵を全て狙撃した。
「コッパが死んだ後から、あいつはだんだんジョークを飛ばさなくなった。敵に対する躊躇いも無い。どんどん、非情になっていったんだ。
四天王の1人、ビットは当初は俺らに優しくしてくれた。ビットは、俺らに自分の行為を止めて欲しかったとまで言われてる。けど、あいつはそれでも射殺した」
非情になった彼を、仲間達は怪訝に思うようになった。そんな彼が呟いた、些細なひと言。
「俺、どうすればいいのかもう解らないよ。何回引きがね引けばいい?」
セレスティアは語る。
「こいつはもう無理だ、って俺は思ったよ。繰り返される戦いに、あいつの心が耐えられなかったんだろう。あいつは優しすぎたのさ。
だから俺は、皆に言った。こいつはもう無理だと。パーティに加える事は出来ないってな。
………皆、あいつの事を好きになってた。けど、仕方なかったのさ。あいつにパーティから外れるように言った時、あいつ自身はやっぱり残して欲しかったって思ってたんだろうな。
けど、寂しげに笑って解ったって言ってた。その時にな。あの野郎、よせばいいのに餞別代わりにルービッ●キュー●だぜ? 6コ、な。6コめは後任に渡してくれって」
そして、最後の最後になって、パーネと対峙した時だった。
新たな仲間はパーティ仲間を頑張って助けた。しかし、それでも重傷を負ったのだ。
「ヤバいと思ったね。白銀の死神がついているのに、無様な真似出来るかって。そこへあの野郎、ひょっこり来やがった」
たった1人で最難関の迷宮の最深部へとやってきた彼は、そこで再び銃を握る。
トリガを引いて引いて引きまくった。隣りのクラスの担任であった彼女を蜂の巣にした。
「だがな、やりすぎたらしい。まさか塔は崩壊するとはね。新しく来た奴は、フェアリーだったんだ。飛ぶ事は出来ても、力はない。
そのうち、崩壊する瓦礫が直撃しちまった。置いていかなきゃ、皆死ぬと思った。けどな、そこへあいつがすっ飛んできた」
「バッカ野郎! ここで死んで何の為に戦ったんだよ! いいか、生き残るぞ!」
「落ちてくる瓦礫も、あいつは何もかも撃ち抜いた。フェアリーを抱えたまんまだ。凄かったぜ。だから俺は思ったよ。こいつにパーティに戻ってきて欲しいとね」
だが、それはフェアリーを斬り捨てるという事。
「でもな、それが叶う事は無かった。クロスティーニに戻ってから、あいつはいなくなった。翌日職員室に行ったら、退学したんだと。
俺達を助けに来た、その日が最後だった。部屋に荷物がそっくりそのまま残ってたんだよ。鞄一杯のルービ●クキュ●ブがな。
……お陰で今じゃ俺も趣味の1つだ。でもな、1つだけ言える事がある。あいつが生きてるかどうかは解らん。けど、生きてるならもう1度迷宮に潜りたいね。
あいつと肩を並べて、あいつがジョークを飛ばすのを皮肉で返して、俺達前衛の仕事を全部奪っちまうような、あいつと。もう1度、会いたいよ」
セレスティアの話はここで終わる。
だが、その伝説の生徒は事実だったという事だった。世にも珍しいディアボロスの話。
そう、私はいつか彼に出会ってみたいと思った。それがいつになるかは解らない。だが、いつか会いたかった。
投下完了。
まぁ小ネタとして楽しんで下さい。
次に会う時は次スレでありますな!(ビシッ
369 :
351:2009/07/22(水) 09:33:42 ID:bpy85m+7
「尊き龍乳(みたま)の為に散って逝った英霊(うしさん)に向かって敬礼!」 バハ子とヒュム夫、GJでした。
すんません、WIZ以来の癖で、ついフェルパーをフェルプールと表記しちゃいました。あとイペリオンについては素で間違って覚えてたorz
>ディモレア作者様
短編乙です。ディアボロスの凶相ってやはり肌色と目つきが原因だと思うので、目元の可愛いディア娘の肌を白くすると、途端に萌え度が3割増しだと思うのですよ。
(アイドルディアの目元をいぢるのもアリかも)
それでは、私も埋め代りに3.5話投下させていただきいたします。
----------------------------------------
『クロスティーニ学園せい春日記』
その3.5.キミが大っ嫌い……切なくさせるから
ずっと昔、あたしはあたしの世界のお姫様だった。
あたしの暮らす屋敷でも町でも、あたしに逆らう者はいなかったし、ちょっと反抗的な人でも、パパの名前を出して脅せば、すぐに態度を翻した。
けれど。
そんなある日、あたしはアイツに出会った。
半ば引退した著名な冒険者の息子。アイツとアイツの両親だけは、あたしを「ただの女の子」として扱った。
最初は腹も立ったけど、でも、その内ににそう言う風に接してもらえるのも悪くない……ううん、新鮮で嬉しいことなんだってわかってきた。
アイツに手を引かれて、以前は見向きもしなかった町の子供たちの世界に足を踏み入れることで、初めて自分が「すべてを与えられている」ように見えながら、何も持ってなかったことに気付いたから。
町へ出かけて庶民の子供達と遊ぶことを、パパは心良く思ってないみたいだったけど、お祖母様が庇ってくれたから、あたしはアイツと一緒に下町を、森を、野原を、駆け回って遊ぶコトができた。
ある日、アイツとあたしは、森の漁師小屋でひとりのケガ人を見つける。
その人は、たぶん15、6歳のディアボロスで、駆け出しの冒険者なんだって言ってた。
「ちょっと仕事でドジ踏んじまってな」と笑うその人は、明るく活気に満ちていて、ウチの町でごく稀に見かけるいぢけた目をしたディアボロス達とは、まるで別の種族みたいだった。
(もっとも、彼らが卑屈で精気がないのは、セレスティアであり、町の事実上の支配者でもあるあたしの家が、暗に圧力をかけているからだってことは、後に知ったのだけれど)
ケガと言っても、命にかかわるほどじゃなく、一週間も寝ていれば治るとのこと。彼のことを黙っている代わりに、あたしたちは彼の旅の話を聞かせてもらうことになった。
あたしもアイツもひとりっ子だったから、陽気で気さくな彼と話していると、まるでお兄さんができたみたいで、なんだかとてもうれしかった。
彼の方も、ヒューマンのアイツはもちろん、セレスティアであるあたしのことも妹分として分け隔てなく可愛がってくれた。
「僕も、いつか、父さんたちやアニキみたいな冒険者になる!」
「ふ、ふんだ。弱虫なアンタは、まほう使いかレンジャーになって、後ろからえんごしてなさい。アタシが強いせんしになって戦うから」
「え〜〜、なんかカッコわるい……」
「ハハハ、そんなにガッカリするなよ、ヒュー。セレの言うことにも一理ある。冒険者は適材適所だ。パーティを組んだ仲間、それぞれが最適な役割を果たすのが一番重要なんだから」
「そーよ! おにーちゃんがいうとおりなんだからぁ」
アイツがあたしに付けた「セレ」と言う愛称を呼ぶことを許したのは、アイツとあの人だけ。
アイツとふたりだけの秘密を共有できたこと。そして、あたしたちのことを見守ってくれる"お兄ちゃん"がそこにいたこと。
それはとても幸せな一週間だった。
けれど……同時に、運命はひどく残酷だった。
頻繁に森へ出かけていくあたしのことを心配したパパがつけた見張りによって、彼が発見されてしまう。
あと一日遅ければ、ケガの治った"お兄ちゃん"は旅立ち、見送るあたしたちは彼のことを幼年期の良き思い出として胸にしまっておけるはずだった。
あるいは、歩けるようになった"お兄ちゃん"を、あたしの家は論外としても、たとえばアイツの家に連れていくことも出来たはずだ。
そうしたら、その後のアイツとの関係も随分変わっていたに違いない。
でも……時計は巻き戻らない。
無人とは言え他人の小屋を無断で占拠していたことで、彼は咎めだてを受け(それには、たぶんにディアボロスに対する偏見もあったのだろう)、せっかくケガが治りかけた身なのに袋叩きにされたのち、追放となった。
「どうして、アニキの居場所がバレたんだろう……」
泣きそうなアイツの言葉に、あたしは何も答えられなかった。
「お前のせいじゃ、ない、よな?」
すがるような彼の言葉には、あたしのことを疑いながらも信じたいという響きが宿っている。
──それでも、あたしは何も答えなかった。
あたし自身が告げ口をしたわけじゃない。
でも、あたしがいたからこそ、今回の悲劇が起こったのもまぎれもない事実だ。あるいは、あたしがもっと気をつけていれば、今回のことは防げたかもしれない。
その思いが、否定の言葉を紡ぐことをためらわせたのだ。
「なんとか言ってくれよォ!!」
今度こそ本当に泣き出すアイツを尻目に、あたしは耳をふさいで逃げ出すことしかできなかったのだ。
それから、あたしはひとりで町に出ることは禁止されてしまった。
アイツとも会えずに、ひたすら"ヴァンガード家令嬢としてふさわしい"教育を受ける毎日。
「あたし」から「わたくし」へと一人称を変え、「パパ」を「お父様」と呼ぶようになった12歳のころ、ようやく自由な外出が許されるようになった。
護衛付きとはいえ、ようやく町に行ける、あいつと、ヒューとまた会える!
けれど、再会したあいつは数年前の姿が嘘みたいな、下品で、無作法で、おちゃらけた軽薄な少年になっていた。
そんな彼の姿に苛立つわたくしは、会うたびに口論を重ね、あいつを罵倒するようになってしまった。
今ならわかる。
あいつは──彼は精一杯、あの日旅立った"お兄ちゃん"みたくなろうとしてたんだろう。
でも、その時のわたくしは、そんな事にも気付かず、売り言葉に買い言葉で彼を見下し、上から目線で物を言うことしかできなかった。
そうして、「優秀な冒険者の、不肖の息子」対「町の名士の、高慢な令嬢」という構図が周囲にもすっかり定着してしまい、結果、ますます彼の居場所を奪ってしまう結果になる。
当たり前の話だ。わたくしの家に逆らえば、この町で商売していくことすら難しくなる。
彼の両親は確かにヴァンガード家に媚びたりはしなかったけど、それは昔のコネがあるからこそ。それにしたって表だって逆らうような真似まではしていない。
彼が同年代の少年少女のあいだで孤立しているのを知りつつ、それでもわたくしは彼にちょっかいをかけることを止められなかった。
それが、いまや唯一の彼との関わり、「腐れ縁の幼馴染」という唯一の絆だったから。
でも……まさか、彼が町を出ていくなんて!
………………
彼が山ふたつ越えた場所にある冒険者学校に入りたがっていることは知ってましたから、町に2軒ある本屋から、そこに行くまでの地図はすべて買い占めておきました。
仲のいいメイドには「お嬢様、そこまでしなくとも」と呆れられましたけど。
だから、最初は隣り町に遊びにでも行ったのかと思っていました。
けれど翌日も翌々日も町で彼の姿を見かけることはなく……。
まさかと思って彼の家に押しかけ、両親に聞いてみたところ、「クロスティーニ学園に入学にし行った」とのこと。
(そんな! 戦いの心得もないクセに、地図も持たずに!?)
無謀としか言いようがありませんわ。
もしや途中で行き倒れているのでは……と人をやったところ、幸い無事に学園に辿り着いて入学していることが判明しましたのでひと安心です。
そうとなれば、わたくしがとるべき道は、ひとつだけです。
渋るお父様を「町を治めるヴァンガード家の娘として恥ずかしくない強さと経験を身に着けるため」と説得し、今日、わたくしもまた学園へと旅立ちました。
さすがに地図は持ちましたけど、お伴も護衛も不要です。
彼だってひとりで学園まで行けたんですもの。このわたくしに同じことができないはずはありませんわ!
彼と違ってキチンと家庭教師に習った剣の心得もありますから、駆け出しの戦士としては十分通用するでしょうし。
そして……学園に着いたら、今度こそ素直になりましょう。
彼のパーティに入れてもらって、もう一度、昔みたいに友達としてやり直すのです。
「──行きますわよ、セーレス」
レイピアとバックラー、そして高貴な制服の上下に身を固めたわたくしは、自分自身を鼓舞するように呟いて、ほの暗い山道へと足を踏み入れて行きました。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
以上、ちょい短めですが、4話へのつなぎ。
セーレスの心情を描くべきかどうか(タダのタカビーツンデレ娘にしとくべきか)迷ったんですけれど、上のような某ゲームのコノメ様っぽい形になりました。
このままではディアナちゃんが(ヒロインとして)くわれちゃうので、彼女にもテコ入れが必要かも。タダでさえ濃いメンツの中で影が薄いですしね。