【涼宮ハルヒ】谷川流 the 65章【学校を出よう!】

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810SS「なでしこ」
長キョンSSですが、本来の活動場所には投稿出来ない代物になったので、エロOKらしいコチラをお借りします。
特にエロ要素が強い訳でもないのですが。お目汚し失礼します。

 『なでしこ』

 とある日の団活後のこと。
 俺は長門の家にお呼ばれすることになった。
 特に理由は無い。ただなんとなく、長門と帰り道が一緒になって、その流れでそのまま家にお邪魔することになった。
 長門が普段どんな生活をしているのか気になるところもあったしな。

 無言の帰り道、無言のエレベーター内を経て部屋に辿りついた時、長門がようやく言葉を口にした。
「夕飯の支度をするのをわすれた」
「あー、別に無理しなくていいぞ?」
 別に飯なら家でも食えるしな。
 しかし長門はゆっくりと首を振り、
「買ってくる」
 とだけ言ってそのまま回れ右で玄関に向かう。
 俺も行こうと腰を上げたが、長門の目で制されて思いとどまった。ひょっとしたら、こいつなりに俺を歓迎してくれているのかもしれない。
 そう考えると、少し嬉しくなる。
「じゃあ、よろしく頼む」
「了解した」

 長門がいなくなり、俺は一人部屋に残されたわけだが、これほどだだっ広い部屋に一人でいるというのは落ち着かない。
 でも長門は毎日ここで一人で暮らしているんだよな。
 こたつ机にちょこんと座って一人本を読む長門の姿を想像する。
「……たまには、遊びにくるのもいいかもしれないな」
 そんなことを考えていたとき、部屋の隅っこに無造作に脱ぎ捨てられた靴下が目に入った。
 紺のニーソックス。考えるまでもなく長門のものだろう。
 しかしこんなところに脱いだまま放っておくなんて、長門らしくないな。見て見ぬふりをするのもなんだし、洗濯機の中にでも入れておいてやるか。