【巨人の星】梶原一騎作品のエロパロ【カラテ地獄変】

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426虎の穴異聞9−3:2009/07/08(水) 22:27:55 ID:9XOcu+Hl
「女の穴の実体について、話してましたね?でもそれは私も知らないヨ。」
「それじゃあ今の偽者は知っていたんですか?」
「多分知らないでしょう。あれは小物だから。おそらく憶測をあなたに切り売りして
変態じみたことするきっかけにしようとしたんでしょう。組織の存在については、知っているようだったが、
これは私も意外ネ。よくない事、おきなければいいネ。」

「それにしては話が上手だったわ。とっても。ただの中国の工作員かしら?」
「洗脳能力ですか?私に、そして私の影武者になりすます訓練しているうちに、勉強したんでしょネ。」
「具体的な話をしていたわ。神様の正体とか・・・。」

「う〜ん。あなた賢い女性ネ。いいでしょ。ひとつ教えましょう。トゥーレ協会ってご存知?」
「トゥーレ?それは神秘主義と民族主義のドイツの秘密結社ですわね。戦前の。」
「そう。素晴らしい。あなた、とても教養がある。そのトゥーレがどうなったか知ってますか?」

「最初はヒトラーとかの寄り合い場所だったはずだわ。その教義もナチスは取り入れた。でも・・・。」
「そう。でもその後どうなったか誰も知らない。あれはナチスにひさしを貸して母屋を乗ったられたんですネ。
で、ナチスに解散させられた。地球が空洞で、このずっと下、地面の裏側にもうひとつの世界があって、
そこから全ては造られる。そして極北の地から使者が現れて、人類の英知を掌る。
ゆえにアーリア人が尊いとかそんな話。どう思うね?美しく賢い人よ。」
427虎の穴異聞9−4:2009/07/08(水) 22:33:28 ID:9XOcu+Hl
「馬鹿馬鹿しいといえば馬鹿馬鹿しいですわ。ただ思うのは、そんなことを大真面目に言う目的と
そして元ネタが何かということですわね。そのことが不思議ですわ。その手の話では、いつも。」

「素晴らしい。あなたの感性は娼婦にしておくのは勿体無い。実にそのとおりですよ。
まあひとりぐらいはそんなことを大真面目に言っている人がいても、周りはだいたい分かっているもんです。
絵空事、嘘八百だとね。考えてもみなさい。テンプル騎士団とか、シオン修道会とか。ネ?
キリストの血脈や、聖杯の存在が明らかになったら?それで世界はひっくり返るんですか?
違いますね。キリストの子孫がいて、その人が世界を統一するなんて言うなら、
どうしてとっくに統一してないんですか?今ごろになって出てきて、キリストの末裔だと言って
それで世界に君臨できますか?もし誰かがキリストの子孫を名乗って大統領選挙に出たら
100人の自称キリストの子孫が対立候補に名を連ねるでしょう。イスラムも黙ってない。」

自称ダライ・マラは冷蔵庫からコーラを出してきてビンごとゴクゴク飲んだ。小水を飲ませろとは言わないようだ。

「教義とか宗教はね。大昔なら人を救うこともできました。でもこれからは無理ですネ。
今も言ったように、教義や血脈は、結局は政治に利用されるだけです。大儀銘文というのネ。
でも、大儀銘文のために戦争すると必ず負けます。100%負けます。それをイギリスもアメリカも知ってた。
だからドイツも日本も負ける。アメリカはベトナムで大義銘文に拘った。そしたらやっぱり負けた。
戦争は勝つためにする。それだけ。大儀銘文のためじゃない。勝てばいいの。それだけ言ってる方が有利。
大儀銘文だすと戦争やめられなくなる。これからの宗教は得か損か、金になるかならないか。
それオンリーね。だから女の穴がどんな大儀銘文を出してきても、あなた真剣に聴いてはダメね。それ絶対うそネ。」
=第10話につづく=
428巨人の星その後213:2009/07/09(木) 21:35:36 ID:nK+cLvD5
「それは知らんな。あとひとりでパーフェクトがパー?
 そら可哀想やな。」

記者の予想に反して、江夏と山田の対談は快調だった。
思いのほか江夏がよく喋りだしたのだ。これは初対面の山田にも意外なことだったが、
彼もこの時間を楽しんでいた。

「阪神だと昭和25年に倉敷での国鉄戦で、当時はまだ投手だった田宮謙次郎さんが、
 27人目の打者、中村にレフト前ヒットを打たれてパーになってますね。
 あとは巨人時代の別所さん。国鉄の村田元一が一度ずつあります。」
「田宮はんが、ピッチャーやったちゅうのもワイは知らんかったで。」
「僕も初めて聞きましたね。」

記者は続けた。
「でもこの人たちはまだ幸運だったほうです。あとひとりでノーヒットノーランから負け投手になった人もいるんですから。」
「誰や?そんな運のない奴は?」
「2人いるんですよ。ひとりは当時阪神のバッキー。昭和38年の甲子園での大洋戦で浜中に二塁ベース直撃の内野安打を打たれて、
 カッカ来てそのあと打ち込まれて敗戦投手。」
「はっはっは!傑作やな。そら。二塁ベース直撃で内野安打されてパーでは、ワイでもカッカ来るで!」
「運なさすぎですね。ちょっと。」 
山田も同情を禁じえない話だったようである。
429巨人の星その後214:2009/07/09(木) 21:37:23 ID:nK+cLvD5
江夏は笑いを堪え切れないようで、腹を抱えて笑いだした。

「はっはっはっはっは!その運のないのが、あのバッキーのおっちゃんやったちゅうんが、
 余計におもろいがなっ!はっはっはっはっは!」
「江夏さん、もうそのときチームメイトでしたよね?」
「いや、昭和38年いうたらワイ知らんねんけど、2年だけチームメイトやったな。
 ワイの1年目と2年目は。そやけどこらゴッツウおもろいで。はっはっはっは!」

「あんまり笑っちゃ失礼なんじゃないですか?」
山田が、心配そうに江夏の馬鹿笑いを見て案じている。

「ワイ、あんま喋ったことないんや。バツキーのおっちゃんとは。日本語はうまかったけどな。
 けどな〜。コントロールはメチャメチャ悪かったなぁ。あのおっちゃん。」
「ホント。行き先はボールに聞いてくれって感じに見えましたよね。」

まだ江夏は笑いが止まらないようだ。
「そ・・・そやけど藤本のおじいちゃんやから使いこなせたんやで。あのおっちゃんは。
 コーチにも、よう楯突いとったもんなぁ〜。」
430巨人の星その後215:2009/07/09(木) 21:39:30 ID:nK+cLvD5
「でも江夏さん。まだ笑いが止まらないようですが、もっと可哀想なピッチャーがいるんですよ。」

「なんや?まだあんのかいな?もうあんまし笑わせなや。腹筋強なっていいかも知れんけど。」

記者はメモをめくりながら、その可哀想な投手の話を始めた。
「江夏さんの入団1年前、山田さんの入団2年前にあたる昭和41年の9月26日ですね。
 後楽園球場で、なんと長嶋さんが休んでた日に、ノーヒットノーランまであとひとりまで行った投手がいます。」
「誰やいな?早よ言いいな。また思っきし笑たるさかい。」

「中日の佐藤公博投手。9回あとひとりで、バッター柴田でした。」
「なんや?王さんちゃうんかいな?」
「僕も王さんだと思いましたが・・・。」
「柴田に右中間を破るツーベースを打たれます。これでノーヒットノーランはパー。しかしまだ完封が残っていました。
 ここでバッターは王貞治。」
「そら敬遠やな。普通に考えて。勝負する理由があらへんがな。」
「僕もそう思いますね。」

「ところが、王を敬遠で歩かせツーアウト1塁2塁、ここでバッターはキャッチャーの森。ゲームセットのはずが、
 なんと森の逆転サヨナラ・3ランホームラン!」
「あっはっはっはっはっは!これも傑作やなっ!あっはっはっはっは!それがサヨナラで敬遠のあと森やったちゅうのが
 余計おもろいがなっ!はっはっはっはっ!」
「笑いすぎですよ。江夏さん。しかも森さん、呼び捨て。」
431虎の穴異聞10−1:2009/07/09(木) 21:41:43 ID:nK+cLvD5
同じ夜の深夜、美鶴代はヒルトン東京(後のキャピトル東急=現在改修中)脇の日枝神社の石段にいた。
辺りは誰もない。東京のド真ん中で真っ暗なのは、ここぐらいか。

向こうからコツコツとヒールの音を響かせてひとりの女が近づいてきた。
姿が見えた。両手をコートのポケットに入れ、その片方の手首に杖を下げている。

ロイド眼鏡に山高帽、どうみても胡散臭く、かえって目立ちそうである。年は50歳を越えているだろう。
「話は聴いた。今日はご苦労。」
それだけ言うと老女は、通り過ぎようとした。
「それだけっ?あたしはこれからどうすれば!?」
「今夜はタクシーで、成田へゆけ。全日空ホテルに部屋を取っておいた。
明日の朝、テキサス州ダラス行きの便に乗れ。現地の空港でミスZがコンタクトを取る。」
「これ以上なにも聞かないわけ?あたしに?」
「聴くことはない。今日はもう休め。航空券はホテルにある。以上だ。」

いつもこの連絡役というかマネージャー、ミスXは必要以外のことはほとんど喋らない。聴きもしない。
美鶴代にはこの老女の目がニガテだった。とにかく暗いのだ。それでいて鈍く光っている。
しかしこの夜、ミスXは美鶴代にひと言付け足した。

「放尿プレーごときで顔を赤らめ羞恥に自己を失うようでは、いけない。今一度おまえは
本部で特訓をうける必要がありそうだな。」
なぜ知っているのだ?そんなことまで。美鶴代が一番触れて欲しくないことを。
美鶴代は返事をせずにその場を駆け出し、外堀通りでタクシーを捕まえた。
432虎の穴異聞10−2:2009/07/09(木) 21:43:41 ID:nK+cLvD5
自称ダライ・マラの本物は言っていた。
「組織の大儀銘文は全部ウソだ。」と。
そしてこうも言った。
「人間を支配するのは利益(マージン)と恐怖(テラー)だけである。」と。

「いいですか?復讐は人を動かす動機になります。しかしそれは、復讐を遂げたら終わります。
でも終わらない復讐があります。それが、逆恨みです。
逆恨みは最初からボタンの掛け違いをしています。だから恨みの素が解決しても消えません。
もっとも性質の悪い人間の動機です。これは、テラーかマージンかでいうとテラーですね。
その人が持っている、或いは受けたテラーが根底にあります。
何かのマージンのために女の穴が存在するのではなく、この恨み、
見当違いの恨み、逆恨みがバックボーンだと女の穴はとても危ないことになります。
恐怖に支配されつつも、その行動の目標を間違えているのですから。」

女の穴が危ないのだろうか?或いはその兆候がどこかにあるのか?本部が何か的外れな行動に出ているのか?
言外にダライ・マラはそう言いた気だった。
洗脳の技術をあっさり公開してくれたのは、最初の偽ダライ・マラだった。しかし後から現れた自称本物も
何かとてつもないオーラを出していた。彼らは実は誰の手先なのか?どちらかが本物だったのか?

考えてみても分からなかった。胸にモヤモヤした感情を抱えたまま美鶴代は再び日本へ戻ってきていた。
あの日から3週間、ダラスでの仕事を終えて、美鶴代を乗せた飛行機は成田に着陸した。
433虎の穴異聞10−3:2009/07/09(木) 21:46:00 ID:nK+cLvD5
美鶴代は成田空港のタクシー乗り場で、ミスXと接触した。
「ご苦労。ダラスでの首尾は上々だ。そしてお前はテストにも合格した。」
(テスト?あれがテストだったわけ?)
美鶴代はこの3週間、テキサス州ダラスで受けた任務をこなしながら、
ある機具の取り扱い説明を受けていたのだ。使用もしてみた。
ミスXは、コインロッカーの鍵を美鶴代に渡した。

「品川駅のロッカーに機具が入っている。それをもって的と接触しろ。
 的は先週からお前が気に入っているようだ。しかし抜かるなよ。場所は高輪東武ホテルだ。」

美鶴代は高輪東武ホテルに正面から入った。その「機具」はハンドバッグの中に納まるサイズのもので、
既に品川駅で入手していた。ホテルに入るなり背の高い若い外国人が声をあげた。
「ミッチー!待っていたよ!もう来てくれたんだねっ!?」

身長は2メートル近くある。しかし体は華奢だ。金髪の長い髪が肩にかかっている。
男はいきなり美鶴代を抱擁した。
「デビッド。人がみてるわ。少しお利口さんになれないの?」
「誰がなんと言おうと構うもんか。僕は君に逢えないなら日本に来なかったさ。」
434虎の穴異聞10−4:2009/07/09(木) 21:48:35 ID:nK+cLvD5
二人が肩を組むようにして、エレベーターに乗ろうとすると、
目の前をとてつもない大男が立ちはだかった。
「デビッド。グルーピー遊びも程々にしとけよ。俺はお前のオヤジさんに
 お前を見張るように言われてるんだからな。」
「パパは関係ないさ。僕は僕だ。それに、フランク。ユーが僕を見張るなんて無理だよ。
 だってユーは目立ちすぎる。まぁミスター馬場には、試合では頑張るからと伝えておいてくれよ。」

デビッドはからかうようにフランクという男に口答えすると、美鶴代とエレベーターに乗ると
すぐさまドアをクローズさせた。
そのフランクと呼ばれた男もデビッドと同じく2メートル級の大男だったが、肉体のデカさはデビッドの比ではなかった。
ゴツい胸板に発達しきった脚部。まさに「動くダビデ像」といった感じだった。
しかし顔は、後ろでポニーテールにした髪まであたかもキリストのような顔立ち。そして髭。
一度見たら忘れない顔で、ギョロリとした眸の色はダークブラウン。見るからにユダヤ系の顔立ちだ。
「さっきの人、あなたの見張りなの?」
「関係ないさ。フランクも自分のビジネスで日本に来てるのさ。それに彼のほうが、僕よりずっとギャラが高い。
 まあ2〜3年のうちに逆転するつもりだがね。彼、フランクはとってもグルーピー嫌いなのさ。奥さんオンリーなんだって。
 そんな人生、何が面白いのか分からないし、僕にはありえないけどね。オット。君がグルーピーだって言ってるわけじゃないよ。」
=第11話につづく=
435名無しさん@ピンキー:2009/07/09(木) 21:57:49 ID:p0oRJd/N
フランクは言うまでもなく、あのキングコング。
そして・・・エリック家の悲劇につながるわけですね・・・。
436虎の穴異聞11-1:2009/07/10(金) 20:23:12 ID:liLyNeKj
「デビッド。面白いマシンがあるの。試してみる?」
「どんなマシンだい?コレか。どうやって使うんだい?」
「ここをペニスにはめるのよ。そしたらペニスが通常の何倍にもなるの。」
「へぇ〜。面白そうじゃん。これでさらデカくなった僕のおチンチンで、
 いつもよりさらにミッチーをアヘアヘ、ヒイヒイ言わせられるんだね。どれどれ。」

部屋に入るなり一緒にバスを浴びようと言って、強引にバスルームで美鶴代を脱がせ、
バスルームで乳くりあったあと、ベッドに腰を下ろし、コーラを飲んでいたデビッドは
美鶴代の見せた機具を面白そうに眺め手に取ると自ら早速、装着した。
「ふ〜ん。なんだか乙な気分になってきたな〜。あっ!ホントだ!スゲーデカくなってるよ!」
「それはいいけど、そのマシンに全部発射しちゃわないでよ。お楽しみはこれからなのよ。うふふ。」
「わかってるさ。でもコレ、気持ちい〜い!スゲエな。あっ!あっ!ウゥッ!グエェ〜ッ!」

それだけ言うとデビッドはベッドに仰向けに倒れてしまった。白目を剥いている。
(あれ〜?どういうこと?まさか・・・死んじゃったんじゃ・・・・・?)
デビッドの瞳孔は開ききっており、口から泡を吹いて絶命していた。
(うそぉ〜?死んでしまうなんて聞いてないわ!なんなのよ!?これって!)

デビッド・フォン・エリックは来たる全日本プロレスの蔵前国技館興行で、天龍源一郎とUNヘビー級タイトルマッチを
争うことが決定している。死亡してしまっては、マズい。もちろん美鶴代は殺す指令など受けていない。

そのとき、デビッドのこの部屋に鍵が架かっているのを、ドアを壊して誰かが侵入してくる音がした。
ドカーン!バキバキッ!
(だっ・・・誰なの?凄い力・・・。まさか・・まさか・・・さっきの・・・・?)
ドアノブ部分を破壊して寝室に侵入してきたのは、さっきロビーでデビッドに話し掛けてきた大男であった。
「尻尾を出したな。子猫ちゃん。いやっ。薄汚い女の穴の工作員か?」
「ひっ・・・ひえぇぇぇぇぇぇぇぇ〜っ!」
437虎の穴異聞11-2:2009/07/10(金) 20:25:30 ID:liLyNeKj
「このアマァ。こっぴどくお仕置きしてやるぜ。グッフッフッフッフ。」

美鶴代は、近くにあったコーラ瓶やテレビのリモコン、ハンドバッグを大男に投げつけるが
そんなものは、もちろん全く効果がない。
大男は美鶴代の髪をつかむと、いきなり物凄いビンタを顔面に食らわせた。バツーン!
「グエッ!」
美鶴代の口から血が飛び出てほとばしる。大男は美鶴代の胴体に手を回すと、軽々と持ち上げた。
そしてもう片方の手で美鶴代の尻を平手で叩きはじめた。
「そらっ!お仕置きはケツだぁっ!」
ビシッ!バシッ!ピシッ!パシッ!
「ぎゃぁあああああああ〜っ!お許しぃ〜!後生!お慈悲〜っ!」
「お慈悲は、ないぜ!そらっ!お仕置きだっ!」
今まで味わったことのない強烈な臀部の激痛に美鶴代は、じきに声もあげられなくなった。
かわりに尻が真っ赤に染まり、そして湯気をたてている。そして間もなく美鶴代の太腿を一条の液体が流れ始めた。
「おやおや。もうお漏らしかい?可愛いベイビー。しょーがねえ。ちょっくらシャワーで冷水でも浴びせてから、
 お仕置きの再会だぜ。グッフッフッフッフ。・・・・グワッ!」

ユダヤ系の髭面大男の後頭部に何かが命中した。美鶴代は辛うじてその方角を抱え上げられたまま見た。
438虎の穴異聞11-3:2009/07/10(金) 20:27:56 ID:liLyNeKj
「ゆ・・・・ゆう子?」
「美鶴代っ!何やってんだっ!早く逃げなっ!この化け物はアタシに任せなっ!」

ゆう子は、両手にヨーヨーを持っていた。これのひとつが化け物の後頭部にさっき命中したのだ。
なおもゆう子はヨーヨーを振り回した。3発4発と化け物の顔に命中し、化け物は美鶴代を手放した。
ドサッと絨毯の上に落下した美鶴代に、ゆう子がリュックサックを放り投げた。
「服、着てる暇はないよっ!それと的のペニスに着いてるの持って屋上に逃げなっ!こいつは、デスパーの化け物さっ!」
「で・・・デスパー?」
「説明してる暇はないよっ!足手まといさっ!早くいけっ!」
「ゴ・・・ゴメン。ゆう子。じゃ後でね。」
「ああっ!命があったらねっ!」

美鶴代はデビッドの死体から機具を取ると、全裸のまま、部屋から駆け出し屋上に上がった。日は暮れている。
誰もいない。リュックを開けてみた。黒のつなぎ服と何かビニール地の折りたたまれたものが入っていた。
リモコンのようなものが一緒に入っていて、『ON』のボタンを押すと、ドバッと音がしてジャンプ笠のようなものが
ひらいた。パラグライダーのようだ。こんなもの、どうすればいいのだ?思い出した。アルプスで練習させられたことがあった。
その時、屋上への非常扉がガターンと音をたてて開いた。
「いたぞっ!あの女だっ!捕まえろっ!」
439虎の穴異聞11-4:2009/07/10(金) 20:30:32 ID:liLyNeKj
声の主は5〜6人はいるようだ。捕まってはどうしようもない。
しかしこれだけの人数が待ち伏せていて、それと知らずに仕事しようとしたことと、
今ゆう子が階下でどうなっているか、それが気にかかった。
何から何まで変だ。しかも的が死んでしまうのも聞いていなかった。

美鶴代は全裸のまま黒いつなぎ服を着ずに脇に抱えたまま、パラグライダーを助走させた。
たちまち凄いスピードに乗り、パラグライダーは高輪東武ホテルの屋上を離陸した。

ひとたび離陸すると、この高さでは凄い風力だった。美鶴代が背負ったパラグライダーは
すぐに目の前にある品川プリンスの横っ腹に激突しそうになったが、
練習を思い出し、右手のレバーを引くと急上昇した。ほとんど気を失いかけたが、
なんとかパラグライダーはゆるい上昇カーブを描いて安定飛行に入った。

下は、品川と五反田、高輪の夜の街である。まさか上空を全裸の美女がパラグライダーで飛行しているとは、
誰も想像していまい。東武ホテルの屋上で何か叫んでいた男たちを除いては。

しかし美鶴代は、ゆう子が気がかりだった。果たしてあの器用なふたつのヨーヨーで
あの化け物が退治できたのか?美鶴代はさっき失禁してしまった濡れた股間に
上空の夜風があたり寒気がするのをこらえて、2月の夜空で飛行を続けた。
「それにしても・・・・・。デスパー・・・。デスパーって何?」
=第12話につづく=
440巨人の星その後216:2009/07/10(金) 20:33:13 ID:liLyNeKj
花形啓一と別当薫は、慶応大学の同期生だった。
昭和21年の秋に同時の繰り上げ卒業した二人には、来年、昭和46年の3月
大きな節目の行事を控えていた。

慶応大学OB会は、三田会という。慶応三田キャンパスから取られたこの会は、
実は細部に分かれており、実業界には実業界三田会、
野球選手には野球三田会、などというように同じ業界に身をおく者同士は顔を合わせる機会は多い。

しかしこの次の春は、花形啓一と別当にとっては、卒業から25年目の春にあたる。
三田会全体は、そのOB全員に、卒業から25年目の春に二度目の入学式を授けるのだ。

そして50年目の春には二度目の卒業式が行なわれ、二通目の卒業証書が授与される。
25年目に健在な者は必ず出席するし、50年目に健在な者も必ず出席する。

これが慶應義塾大学の伝統なのだ。
「うまく動いてくれたのかな?警察は。」
「さあ。しかし相手が暴力団だと、大人しく白旗をあげるかどうか。第2第3の犯罪が起きなければいいが・・・。」
別当も案じていた。そろそろ二人とも帝国ホテルをあとにする時間になっていた。別当はボーイに尋ねた。
「どこかテレビのニュースを見れる場所はあるかね?」
ボーイに案内され支配人室に通された別当、花形、小泉の3人はそこのテレビで意外なニュースを見た。
『新宿区の第8機動隊本部が火炎瓶をもった男に襲撃されました。繰り返します。今日午後4時20分頃・・・・。』
=つづく=
441登場人物紹介(巨人の星1):2009/07/10(金) 20:37:58 ID:liLyNeKj
※年齢は、昭和45年現在での設定
★京子 19歳 東京都江東区出身
  元・新宿の女不良少女グループ「竜巻グループ」のリーダー
  15歳のとき母と死別したあと、父親の再婚問題から裕福な家庭を家出、
  浅草のすき焼き屋で働いたこともあるが、徐々に新宿一体で、名を馳せていく。
  オートバイは、750ccでも乗り回せ、オートレーサーを志したほどの腕前。
  情熱的で涙脆いが、意地っ張りの負けず嫌い。自分を美人だと自覚しているが、
  それに群がる男には興味がなく、我儘な自身を理解してくれる男性に脆い。
  飛雄馬に惚れぬいており、それが募ると襲ってくる肉体のうずきを制御できない。
★左門豊作 20歳 熊本県出身
  大洋ホエールズで来期4年目を迎える強打者、京子に片想い中。
★鉄二 45歳 東京都台東区出身
  上野7丁目で、バイク屋「合羽商会」を兄と経営。バイクの知識は天才的。
  戦争中に航空隊で右足を不自由にしている。京子の初恋の相手。
  台東区内で、京子と同居していたこともある。
★ひとみ 44歳 京都府出身 
  京子の母、英子の親友であった。京子の母親代わり。
  五反田で喫茶モンテクリストを経営
★山本警部補 23歳 東京都世田谷区出身
  新宿警察の捜査一課勤務のキャリア警察官、父浩一は元・警視
★衣笠警部 44歳 埼玉県春日部市出身
  新宿警察の捜査四課勤務(マル暴)、勤続22年目のたたき上げデカ
★山本浩一 61歳 東京都世田谷区出身
  元・警視正 退職後、脳梗塞で左半身不随に 慶応義塾大学出身
★古場署長 48歳 新宿警察署署長
★大下警部 25歳 新宿警察捜査一課勤務 
★花形満 20歳 神奈川県横浜市出身
  先シーズンまで阪神タイガースのクリーンアップを勤めた強打者、
  すでに退団し、父が総帥である花形コンツェルンで実業家デビュー
★大谷 25歳 山梨県出身 
  花形コンツェルンの末端社員、京子に一目ぼれしたが性格は凡庸。
★江藤 39歳 福岡県出身
  花形コンツェルンの中間管理職、大谷の上司
★高木 30歳 静岡県出身 江藤の部下
★花形啓一 50歳 神奈川県逗子市出身
  花形コンツェルンの総帥、自分の代で自動車産業に進出
  大企業にまで成長させた。慶応義塾大学卒
★小泉 39歳 神奈川県横須賀市出身 花形啓一の執事兼秘書
442登場人物紹介(巨人の星2):2009/07/10(金) 20:39:45 ID:liLyNeKj
★村山実 33歳 兵庫県神戸市出身
  阪神タイガース監督 兼投手 関西大学卒
★江夏豊 22歳 兵庫県尼崎市出身
  阪神タイガースのエース
★野田誠三 75歳 兵庫県加西市出身
  阪神電鉄社長 阪神タイガースオーナー 京都帝国大学卒
★笠原和夫 50歳 大阪府出身 野球解説者
  元トンボ・ユニオンズ監督 早稲田大学卒、別当とは戦中最期の早慶戦を戦った
★別当薫 50歳 兵庫県西宮市出身
  大洋ホエールス監督、左門を心配している。慶應義塾大学卒。
★水原茂 61歳 香川県高松市出身
  中日ドラゴンズ監督、元・巨人、東映監督 慶応義塾大学卒。
★山田久志 22歳 秋田県能代市出身
  阪急ブレーブスの来期3年目の投手
★ハーリー・レイス 27歳 カンサス州カンサスシティ出身
  プロレスラー 日本プロレスに来日中の大物外国人
★樋口寛治 36歳 神奈川県横浜市出身
  日本プロレスの通訳兼外国人世話係り 法政大学卒 柔道三段
★鬼怒川次郎 55歳 東京都武蔵野市出身
  暴力団鬼怒川組の組長 かつて10回以上の殺人を犯しており
  加虐性の変態性欲者になっている
★黒崎 45歳 東京都福生市出身
  鬼怒川組若頭
★慎吾 22歳 鬼怒川組の組員
★広瀬登喜夫 30歳 愛知県出身
  伝説的オートレーサー、この物語の時期は、冤罪の八百長事件に
  巻きこまれていて出場停止中、後に驚異の復帰を果たす
  川口オートレース場所属
4431:2009/07/10(金) 20:46:06 ID:liLyNeKj
>>435
ありがとうございます
レスラー登場には、やはり気を遣いますが、どうぞ長い目で見てやってください。
虎の穴異聞は、女性キャラを今後増やしていくつもりです。
ヒロインがひとりだと、「京子」のようにマドンナ化して、
こちらも人物描写過剰ぎみになり、エロ方向にシフトが困難になってしまいますのでw。

今後は味方、敵、含め女性キャラ増量で励みたいと思います。
巨人の星は最終段階に入りつつあります。人物紹介を入れましたので、どうぞ参考までに。
444名無しさん@ピンキー:2009/07/11(土) 03:15:54 ID:R1DjIcIR
このスレの執筆者陣の想像力と書く力には感服
今後はエロ風カラテ西部劇や、女子プロ野球、変態スーパースター列伝なんかにも
挑戦してほしい
445女悪役ブルース:2009/07/11(土) 10:53:32 ID:THsCZWOo
距離がとれないというのは、格闘技においてどれほどハンデになるかと
いうことを、月子は十分知っていた。しかし、一定以上の実力差があれば、
それを補って余りある。実際に最初の二人は何も出来ず月子にKOされた。
だが相手がゼロクラスの実力者となれば話は違う。
下手に固め技にいって、大技で切り替えされたら、一瞬で自分がKOされる
可能性も十分にある。地下デビュー以来一度も敗北を知らない月子に
とっても、ゼロは最強の敵であり、地上のプロレスでデビューするに
当たっての試練としては十分だった。
互いに相手の息使いまで聞こえそうな近距離、睨み合ったまま、どちらも
手を出せない。いつもなら過激な野次で二人を煽る観衆も、この時だけは
静かだった。デビュー以来無敗の月子が、もしかしたら敗北する可能性が
わずかでも存在し、月子が全裸に剥かれることも考えられる。
月子が勝った場合も、地上のプロレスで実力1のゼロが全裸を晒すこと
になる。それに月子はゼロのマスク剥ぎも宣言している。謎に包まれている
ゼロの正体が暴かれることにもなる。観衆達にもいつもと違う緊張感が
漂っていた。
446女悪役ブルース:2009/07/11(土) 11:27:22 ID:THsCZWOo
先に仕掛けたのはゼロだった。三沢並みのエルボーを月子の顔面に
叩き込む。ゴッ!!ゴッ!!と重い打撃音が響く。くず折れそうになる
月子を、手錠の作用で無理矢理たたせ、今度は腹にニーを入れる。
2発、3発膝が入る度、月子の体が大きくしなり、体が落ちていく。
4発目を叩き込まれ、ついに月子は腰からストンと落ちた。
リング下で見ている純には、意外といっては失礼と思いながら、
今更ながら、ゼロのガチンコ強さ、デスマッチ慣れに感心した。
実力的には互角でも、月子の持つ怪しい格闘センスは、純が今まで
見た格闘家の中でも、群を抜いてる。どんな技も通じる気がしなかった。
しかし、ゼロのラフファイトは確かに月子を追い詰めている。
ゼロはダウンした月子の首に足を絡めると、やや変形だが首四の字を決めた。
痛め技としてではない、決め技として、グイグイと首を絞めていく。
月子の顔から血の気が引いていき、青ざめていく。
月子の敗北が現実味を帯びてくると、観衆は騒ぎ出した
「おいおい、本当に月子が負けちゃうのか」「へへっ、それはそれで
お楽しみだぜ」「ゼローッ!いいぞーっ!そのまま脱がしちまえ!」
「客なんて残酷なもんだよな月子。勝ち続けてる時は持ち上げてくれても、
一旦負けそうになればこんなもんさ。どれ、じゃ客の要望に応えてやるか」
そう言うとゼロは、少し体を浮かせ、月子のスパンコールの水着に
手を掛け、調度胸の辺りを引き裂いた。
そこはまるで、一度も陽に当たったことがないような白い肌が露出し
乳首はギリギリ見えないが、形の良い乳房のふくらみは見えた。
「いいぞーっゼローッ!全部脱がしちまえ!」観客の声に、ゼロは
更に大きく水着を引き裂こうと体を浮かしたが、その為足が
月子の首から一緒に浮いたのを月子は見逃さなかった。
447女悪役ブルース:2009/07/11(土) 11:58:54 ID:THsCZWOo
一瞬で、首を抜くと月子は強靭な体のバネで、カウンター気味に
自分の足で、ゼロの首を挟むと首投げで、ゼロを頭から落とした。
膝立ちになった月子は覚めた目で
「少し見せ場を作ってやったら、調子に乗りやがって!よくも
あたしの水着に手を掛けてくれたな、お礼はたっぷりしてやるよ」
リング下の純は落ち着きが無くなってきていた。
やはりゼロでも月子には勝てない、この後のなぶり殺しのような
凄惨なリング上での処刑が目に浮かぶ。
「水着を破られた恥ずかしさで、テコの原理みたいに体が動いただけの
くせに偉そうなこというなよ。ほら、優しく脱がしてやるからこっちに来な」
ゼロの強がりもなんとなく、無理があるのが純にはよくわかる。
ゼロの挑発など無視するように、月子はゼロに体を絡ませると、ヘッドロック
で頭を締め付ける。すかさずゼロはバックドロップにいくが、月子が宙空に
浮いたところで、手錠のチェーンが引っかかり、逆に月子に浴びせ倒された。
「この程度の返しがあることも読めないようじゃ、あたしには勝てないよゼロ」
マウントポジションをとった月子の攻めは、ゼロに一切反撃を許さない
一分の隙もない、寝技のラッシュだった。縦四方横四方と、チェーンが
邪魔をするが、確実にゼロの全身から力を奪っていった。
再びマウントの体勢に戻ると、タコ殴りにゼロの顔面にパンチを入れる。
何発その重いパンチが入ったろう、残忍な笑みを浮かべて殴り続ける
月子に、会場が静まり返りだした時、ゼロの口から血が吐き出され、
そこでやっと、月子は攻撃の手を止めた。
448女悪役ブルース:2009/07/11(土) 12:38:16 ID:THsCZWOo
「ふんっ!やっとお眠りしたかい、それじゃさっそく脱がすとするか。
おいっ!レフェリー鍵をはずしな」
リング下にいたレフェリーが上がってきて、ゼロの手首にかかって
いた手錠をはずし、すぐレフェリーは下に降りた。右手に手錠がぶら下がった
状態で、月子は失神しているゼロの服に手を掛けた。
タンクトップと、パンタロン風のズボンを脱がすと、上下とも
黒の下着を着けていた。そのままゼロを中腰に起こすと、まず
ブラジャーの紐を解きにかかる。ポロンとその黒のレースのブラは
はずれ、下に落ちる。表れた乳房はかなり貧乳で、乳首だけが
やけに黒かった。
「はははっ!悪の女王様がこんな貧乳だったとはな」
「それにこの女、やけに乳首が黒いな。かなりのヤリマンじゃねーのか!」
観客の声が、純には辛かった。自分を守ってくれた、ゼロを本当なら
今度は自分が守らなければいけないはずだ。だがどうしていいかわからない。
悩んでいるうちに、リング上の処刑は続く。
ブラに続けて、黒のレースパンティーに月子の手が伸びズルズルと脱がされた。
「ウオーッ!」歓声ともつかない声が会場に上がる。
そして遂に、月子はゼロの太腿の下に手を入れると、勢いよく持ち上げた。
「ヒャッ!ヒャッ!遂にやったぜ、クイーンゼロのオマンコだ!」
「すげーなこの女、ケツまで真っ黒だぜ!」
観衆の言う通り、ゼロの陰部は剛毛に包まれていた、臍の下、間もなく
から、濃い毛の密生は始まり、陰唇を囲む毛は、いやらしくよじれ、
肥大し、黒々とした大陰唇をも包み、中心で小陰唇の中が赤く濡れそぼる
のが余計に淫猥だった。更にその濃い毛は尻の割れ目まで達し、肛門の
周辺も覆っていた。
全てを晒されたゼロの股間を、純は見つめていた。この体育館に来てから
何人もの女の裸を見てきたが、ゼロの裸が一番美しく思えた。
その時、ゼロの肛門が大きく収縮を始めた、まるで大便でも出るかの
ように上下に収縮した。純はちらりとゼロの顔を見たが、一瞬目が会ったような
気がしたが気のせいか、次の瞬間には先ほどまでと同じく、口を半開きに失神した
ゼロの顔がそこにあった。
449女悪役ブルース:2009/07/11(土) 13:04:24 ID:THsCZWOo
(早くしなきゃゼロのマスクが剥される!間に合わない!!)
気持ちはあせる純だが、ゼロの股間から目が離せない。
観衆からは、更に下品な歓声が上がってる
「氷点下ゼロどころか、沸点100度位のコーマンしてやがるな!」
「どんどん濡れてきてるぞ、それともおしっこ抱っこで、本当におしっこかな!?」
笑い声が上がるが、確かにゼロの股間から、尿とも愛液ともつかない
液体がたれていた。そして純に気になる会話が聞こえてきた
「なあ、俺どっかでこのマンコ見たことあるような気がするんだけどなあ」
「ははは、クイーンゼロがお前のカーちゃんだってか!」
「馬鹿野朗!!そんなんじゃねーよ!・・・でも思い出せないんだよな」
「どうせこの後マスクが剥されりゃわかるこった」「それもそうだな」
男達の会話の間、抱えたゼロを月子はゆっくりとリング上を一周して
視姦させ終えるとこだった。
あせる純の目の前にレフェリーの男が立っていた。
(そうだ・・・)思いついた純はレフェリーの後ろに立ち
「鍵を寄越しな」「バ、バカなこというな!!まだ終わっても、グッ・・・」
延髄に手刀を入れ昏倒させると、ポケットから手錠の鍵を抜き取った。
リングの上では、一周し終えた月子が、ゼロをマットにおろし、
再び中腰にすると、マスクのアゴの部分に両手を沿え宣言した
「只今よりクイーンゼロのマスクを剥ぐ!!」
「いいぞーっ!やれやれーっ!」
「地上のリングでも謎に包まれていたゼロの正体を、俺達だけがみれるぞ!!」
「ケツの穴まで見てしまったら、謎の正体もクソもないがな」
450女悪役ブルース:2009/07/11(土) 13:35:14 ID:THsCZWOo
アゴからマスクは捲り上がっていった。
シャープに尖ったアゴが見え、開口部からも見えていた、失神してだらしなく
開いた口が見えてくる。脱がしに関しても、エンターティナーの月子は
一気にマスクを剥さず、ジリジリとゆっくり剥していった。
「そんなにじらすなよ月子ーっ!」「でも正体はなかなかの美人みたいだぞ」
さらにマスクは捲り上げられ、形良く高い鼻が露出した、素顔の下半分が見え
顔の雰囲気がわかる程になってきた。
「なんか見たことがあるような顔の気がするなあ・・」
そして目の下ギリギリまでマスクは捲れ上がり、素顔の3/2が見えている
目だけが隠れているが、ほとんど顔の表情までが読み取れそうなほど
だ、一部の観衆から「もしかして、こいつ・・・」
何人かが、ゼロの正体に気付始めた。
その時
「デヤーッ!!」飛び蹴りと共にリングに純が飛び込み、月子をロープまで
吹き飛ばした。
「お前、こんなことしてただで済むと思ってるのか!」
月子に恫喝され、すぐその月子の側に行くと
「だからこうするの」ガチャリ・・
月子の片手に残ってた手錠の片方をロープに掛けてしまった。
「こ、この野朗!!」
全裸のゼロを純が担いだその時、遠くからサイレンの音が聞こえてきた。
「や、やばい!警察の手入れだ!!」「みんな早く逃げろ!」
一気に体育館の中は修羅場と化す。
「早くあたしの手錠を外しな、あのガキぶっ殺してやる!!」
「鍵は私が持ってるよ〜ん」純が鍵を右往左往する観衆の中に投げ入れた。
「クソッ!ロープを切れ!あのガキーッ!」月子の怒りは納まらない。
「月子まずいよ、警察が来る前に取り合えず逃げよう!
あのガキはそれからにしよう」
それぞれが、それぞれに散っていった。
451女悪役ブルース:2009/07/11(土) 13:44:45 ID:THsCZWOo
>>418
おそらく国内では手錠マッチの前例はないでしょう。海外でもほとんど
ないでしょうね。こういう現実には有り得ないデスマッチを作品世界に
持ち込むのも梶原作品の特徴ですね。

現在私のパソコンが壊れていて、この書き込みは仕事帰りか、休みの日に
ネットカフェで書いてます。レスが遅くなり申し訳ありません。
間もなく、虎の穴の魔神像を模った、自作PCが完成しますので、
それまで失礼をお許し下さい。
452名無しさん@ピンキー:2009/07/11(土) 16:15:46 ID:qtaNY8Ff
>>437

>「そらっ!お仕置きはケツだぁっ!」
スーパースター列伝 乙
453巨人の星その後217:2009/07/11(土) 21:39:52 ID:Vy98Sezv
鬼怒川組事務所と目と鼻の先にある機動隊第8本部からは黒い炎があがっていた。
鬼怒川組に張り付いていた山本、衣笠らの新宿署の刑事たちにも
パトカー無線でその様子は伝わっていた。
一時的に、刑事達はパトカー、覆面パトカーに戻っていた。

「どこの過激派よ?公安はもう本部おいたの?」
「わかりません。われわれ、牛込は一度、署に戻るように言われています。
 新宿の皆さんには、その指示は出ていないようですが・・・。」
「もう面倒くせーな!いちいちお伺いたてんのがよ!もっとパッとできないのかね?!パッと!」

衣笠はイラついていた。降って涌いたような機動隊への襲撃事件に本庁も牛込も公安も
テンヤワンヤなのは、わかるとしても、指示系統が錯綜していては、今、衣笠たちの踏んでいるヤマは
動きようがない。

「おい!山本警部補さんよ?なんか聞いてる?」
「指示が出ていないということは、このままここに張り付いてるしかないということでしょ?」
「カァーッ!アンタはいいねぇ〜。上に忠実にしてることに疑いを持ってないから。」
「どういう意味ですか?」
「いや、別に。」
衣笠は鼻の横をコリコリと掻きながら、上目遣いに山本を見た。
454巨人の星その後218:2009/07/11(土) 21:42:58 ID:Vy98Sezv
「ところでよ。山本っさんよ。聞いたぜ。」
衣笠は鼻で笑うと、胸ポケットからショートピースの箱を出すと
1本取り出しマッチで火をつけた。

「何をですか?」
「お母様が入院されたそうじゃねーか?いいのかい?こんなところにいてよ。」
「・・・・・・・・・・・・・。」
「大事な大事なお母様の具合がお悪いときに、顔を見せねーでいいのかい?
 親孝行したいときには・・・って言うぜ。意地悪で言ってんじゃねーぜ。今度ばかりは。」
「フッ・・・。衣笠さんに心配してもらえるとはね・・・。うちのお袋も幸せ者だ。」
「おい!心配じゃねーのかよ?アンタ一人っ子なんだろ?」
「キレイゴトを言うつもりは、ありませんが、僕もデカの端くれですからね。」
「デカは親の死に目に会えねーし、畳の上じゃ死ねねーってあれか?
 アレはあんたらキャリアにゃ関係ねえ話さ。這いずり回るのは、俺ら糞デカの役目でな。」
「糞デカ?」
「なんだ?知らねーのかよ?糞デカの意味。」
「いえ、知りませんね。教えて下さいよ。」
455巨人の星その後219:2009/07/11(土) 21:45:18 ID:Vy98Sezv
そのとき、新宿署の四課刑事が鬼怒川組の前に駐車された
パトカーから走り寄って来た。
「衣笠さーん!山本警部補ーっ!」
「あん?機動隊本部が爆破でもされたか?」
「大変です!大変なことが分かりました!」
「だから何だよっ?」

息を切らしてその刑事は驚くことを二人に告げた。
「じっ・・実は、第8機動隊に火炎瓶投げ込んだ奴・・・・。鬼怒川組の構成員らしいんです!」
「なっ・・・なにぃ〜!?」
「何ですって!?」

「ですんで、衣笠さんっ!面通しと尋問に立会いいただきたいと、牛込が言ってきてます!
 すぐここを離れて、ご一緒くださいっ!」
「オイ!マジかよ〜っ!?なんでアイツラそんなこと、しやがったんだ?」
「変ですよ。これは。衣笠さんっ!」
山本も衣笠も驚きながらも腑に落ちないものが、あった。
「チッキショー!鬼怒川のジジイに直接、聞いてやるっ!」
衣笠は鬼怒川の事務所に再度、入り込もうとした。山本も続く。
「おいっ!組長さんよっ!なんのつもりだいっ!?こりゃ!・・・・・・・・・・・!!」
「ま・・・まさか、衣笠さん!」
山本は衣笠と鬼怒川組の事務所に踏み込むと、すぐに顔を見合わせた。
「鬼怒川のジジイっ!ズラかりやがった!こいつぁ一芝居うちやがったっ!」
=つづく=
456虎の穴異聞12−1:2009/07/11(土) 21:48:37 ID:Vy98Sezv
ゆう子の放ったヨーヨー攻撃は、しかし怪物を一時的に面喰わせただけにすぎなかった。
「カマーン!それでおしまいかよ?グッフッフッフッフ。」
「ヤローっ!今度こそくたばりなっ!」
ゆう子は、一旦2個のヨーヨーをキャッチすると、それの内部から鋭利な刃物状の部分を取り出した。
まるでヨーヨーに仕込まれた三枚刃の手裏剣のような形だ。これが喉元にでも命中すれば、致命傷を負わせることができる。
しかしゆう子の投げた2個の三枚刃手裏剣は、いとも簡単に怪物にヒモ部分から掴み取られてしまった。
自分の投げるヨーヨーは時速170キロは出ているはずだ。それを見切ってキャッチしてしまうとは、
この化け物は反射神経も只者ではない。真っ赤なレーシング・スーツに身を包んだゆう子の顔は青ざめた。

「遊びは終わりだぜ。」
怪物はヒモごとヨーヨーを巻き取り奪い取ってしまうと、自分の後方に投げ捨てた。
「チッキショーっ!」
ゆう子が、空手のポーズから上段のまわし蹴りを見舞い始めた。それは美しく華麗な蹴りだったが、もちろん通用しなかった。
「窮鼠猫を噛むと日本では言うそうだが、猫キックは見るには楽しいが、それで俺様を倒せると思ってる所が可愛いぜ。」
バスッと音がしてゆう子の華麗な回し蹴りはキャッチされてしまった。
「はなせーっ!はなしやがれーっ!」
片足を捕まれたまま抵抗を見せるゆう子のもう片方の足を怪物はキャッチすると、そのまま逆さ吊りに持ち上げた。
「そらよっ!」
「うぎゃあーっ!」
グイーン!と怪物は力まかせに、ゆう子の両足を左右に開き、股裂きにした。逆さ吊り股裂きの刑の格好である。
ゆう子は、これだけで完全に失神してしまった。目を剥いてヨダレを垂れてしまっていた。
457虎の穴異聞12−2:2009/07/11(土) 21:50:22 ID:Vy98Sezv
「さて、どうしたもんかね?」
喋っているのは、さっき屋上まで、美鶴代を追跡していた真っ黒なサングラスにダーク・スーツを御揃いにした
5人の男たちだった。どれも欧米人のようだが、髪の色はマチマチで金髪も黒髪も、そして白髪まじりもいる。
「俺はデビッドを検死してもらう手続きをしなきゃならん。プロモーターの馬場に代わりのコンテンダーを来日してもらう手筈もな。」
怪物はいうと部屋の電話を掴んだ。
「その馬場ってプロモーターは、この話を事件にせずにまとめられる人物なのかい?フランクよ。」
「多分な。馬場のバックにはテレビ局と大手新聞社がついている。それも日本のメディア王と言われるところの新聞社だ。」
「だろうな。昔に国交もないのにチベットからダライ・マラ法皇を来日させたこともある実力者のようだな。
 現在はその2代目だが、中国にも遠慮なしに先日もダライ・マラを再来日させたらしい。」
「こっちのほうは、俺に任せてもらえればいいが、その女スパイの処遇はお前たちに任せるぜ。」

「なんだって?フランク。こんな上玉の女を拷問するのに、お前さん立ち会わねーってのかい?」
「ああ。この俺だってサドッ気がないわけじゃないが、どうもひとりの女を人数で寄ってたかってってのが苦手でな。遠慮しとくぜ。」
「おいおい。フランク。こんないい女を拷問するのを面白がらんとは、お前さんは変人の部類だぞ。」
「一度しか言わねーぜ。お前たちの部屋へ持っていってからヤリな。ここには、じきに検死官も来るんだ。」
「うししし。そうかい。わかったぜ。じゃあ首尾が終わったら知らせてくれや。俺たちゃ隣の部屋で饗宴と洒落込むぜ。」

サングラスの男たちは気絶したままの、ゆう子を運び出して、部屋から出て行った。
「ひとりじゃ何にもできねえバム(うじ虫)どもめっ!」
フランクは呟いてから電話を回し始めた。白目を剥いたデビッドの遺体はまだベッドに仰向けに横たわっていた。
458虎の穴異聞12−3:2009/07/11(土) 21:52:27 ID:Vy98Sezv
ゆう子は失神から回復すると、すでに自分が全裸にされているのを悟った。
手は後ろ手錠に拘束されて、絨毯の上に裸体を転がされていた。
「気がついたかね?勇敢な女スパイちゃんよ。グッフッフッフッフ。」
「ど・・・どうしようってのさっ!さっさと殺しなって!」
「グッフッフッフッフ。その身に寸鉄帯びておらんことは、充分に身体検査させてもらったぜ。だがこれからが本番だ。
 昔からスパイは絞首刑ときまっとるが、おまえは絞首刑ではなく、おまえの”女”を吊られるのだ。」
(”女”を吊る?こいつら、サディスト揃いのようだけど、一体アタシの体に何を・・・・。)

ゆう子の杞憂は、自身の運命をしかし悟るものではなかった。男たちは魚釣りで使う
ナイロン質の釣り糸のリール状のカートリッジを持ち出してきた。
「なっ・・・なにをする気だいっ!?やめろ!やめろってばっ!変態どもがっ!」
「せいぜい尖がって見せなって。そのほうが痛ぶり甲斐があるってもんよ。もっとも大事な所がじきに尖ってくるぜ〜。」

男たちは、4人がかりでゆう子の手足を押さえつけ、もうひとりがゆう子の花弁を器用に割り開くと、そこに鎮座する肉の芽を摘み上げた。
「きゃっ!なにを・・・・!?ま・・・まさか?」
「その『まさか』だぜ。グッフッフッフッフ。そぉ〜れ。出来上がりだ。いい声で泣きなって。」
ゆう子の肉芽に結び付けられた釣り糸は、天井のシャンデリアにそのリールをくぐらせると、ひとりの男がそのリールをキャッチして手に持った。
「アッ・・・アッ・・・・ヒッ・・ヒエェ〜ッ!」
「ガッハッハッハッハッハッハッハッ!一丁上がり〜っ!これぞ首吊りならぬクリ吊りの刑!」
459虎の穴異聞12−4:2009/07/11(土) 21:55:34 ID:Vy98Sezv
「ア・・・・・・・ア・・・・・アッ・・・お・・・お慈悲を・・・・・・」
ゆう子は、クリトリスが千切れてしまわないように、ブリッジで耐えようとした。
たちまち全身から脂汗が流れ出した。濃厚な女のフェロモンが室内に充満し始めた。

「フフフッ・・・。女の穴の女スパイも、こういうザマを晒しては、おしまいだな。」
「首吊りのほうが、ましと思わんか?女そのものを吊る。つまり陰核をナイロン釣り糸で吊り上げられるよりは。」

天井のシャンデリアの光にナイロン糸がキラめいている。その下では、ゆう子が地獄の拷問に耐えてつつ、
ブリッジしながらも、その肉体は小刻みに震えていた。
「そろそろ味付けするか。フフッ・・・。」
男のひとりが、コーヒーフレッシュのポーションを取り出すと、ゆう子の”女”が吊られたままの股間に垂らし始めた。
「ヒッ・・ヒェ・・・。」
「なぜコーヒーフレッシュを垂らしたか?その訳がすぐに分かるぜ。」
男がそこに一匹のチワワを連れてきた。リードを付けられたままのチワワは辺りをピョンピョン飛び跳ねていたが、やがて
ゆう子の股間をクンクンし始めた。
「やめてえーッ!!」
チワワはゆう子の股間に注がれたコーヒーフレッシュをペロペロ、ピチャピチャと舐め始めた。
「ヒエエエーッ」
なおもチワワは、小さな舌でゆう子の股間をくまなく舐めてゆく。
「アオオ〜ッ 殺してえ〜ッ!!」
「快くなるのが怖いとは因果な話よな。」
男たちの笑い声が室内にこだまする。「アハハハハハ!」 「ガハハハハハハ!」
ブリッジで耐えるゆう子に、さらに残酷な仕打ちがなされた。男のひとりがシャンデリアに架かっている釣り糸をツイッと弱く引っ張ったのだ。
「ギエエエーッ」
ゆう子の股間から噴水のような小水が、噴き出した。それがチワワにかかりチワワは「キャウン」と小さく鳴いた。
「天国と地獄に片足ずつかけてやがる。クククッ・・・・。」

=第13話につづく=
460:2009/07/11(土) 21:58:53 ID:Vy98Sezv
>>451
虎の穴の大魔神像PC、写真もUPしてほしいものです
たいへんそうですが、ご健闘を祈ります
>>452
ありがとうございます
461名無しさん@ピンキー:2009/07/12(日) 02:05:43 ID:q2V/KWdv
エロパロ板らしくなってまいりましたwww
首吊りならぬクリ吊りの刑ってのも、カジセンセっぽいセンスでいいですねw
462名無しさん@ピンキー:2009/07/12(日) 03:02:14 ID:DgEUx+QF
バター+マルチーズがコーヒーフレッシュ+チワワになってる点もセンス抜群ww
463名無しさん@ピンキー:2009/07/12(日) 19:31:38 ID:OI5wXknW
>>458
>>459
この陰核吊り上げなめ犬責めは新カラテ地獄変の
伝説的シーンだからなw
陰核吊りは団鬼六のオリジナルだが
ここになめ犬をドッキングさせたのはカジセンセの天才的サド気質wwww

おれが好きなのは斬殺者で女忍者がさせられた股間綱渡りw
乞う期待
464巨人の星その後220:2009/07/12(日) 22:10:36 ID:veu2dsmO
京子は、東五反田の喫茶モンテクリストに戻ってきた。
用心しながら戻ってきたので、時計はすでに午後7時を回っていた。
表通りをなるべく通らず、路地ばかりを伝え歩いて戻ってきた。
桜田通の店の玄関ではなく、路地裏から勝手口に出た。
店の灯りは消えていた。この裏側から見たら周辺も真っ暗である。

勝手口のドアノブを回してみた。ドアは開いていた。
ひとみが拉致されたことの確証はなかったが、それで仲々警察にも取り合ってもらえなかった。
しかし最後に繋がった新宿署の刑事が動いてくれるようだった。
当初は、牛込に電話をかけなおすように、またタライ回しにされかかったが。

店の中に入った。シーンとしている。人の気配もない。
スイッチを押して店内の灯りを点けた。厨房と店部分の明かりがパッと点いた。
やはり誰もいなかった。カウンターの上に京子の白いボストンバッグがチャックがあいたままの
状態で放置されていた。中を改めたのだろう。そしてやはりひとみの姿もない。
念のため2階にも上がってみた。やはり誰もいなかった。
465巨人の星その後221:2009/07/12(日) 22:12:12 ID:veu2dsmO
カウンターの上には、メモが遺されていた。
『お京か、かくにんしろ』『ここにもどらせろ』『はやくはやく』と
走り書きされた文字は、かなり急いで書かれたもので
ひとみの字ではなかった。昼間に柘榴坂付近でヤクザ
追いまわされたあと、京子が品川駅の裏側の電話ボックスから
この店に電話をかけたときに、ひとみが応対したとき横にいたヤクザが書いたものだろう。
電話に出ていたひとみに、こも要件を伝えようとしたものであることは、京子にも察せられた。

どうしたものか?警察に。午後にきいた新宿警察の番号に
その後どうなったか問い合わせてみようか?連れ去られたひとみが、ヒョッコリ帰ってくるようにも思えなかった。
その時、電話が鳴った。
誰だろう?警察か?いや警察ならここに電話してくる用はないはずだ。もしや・・・。

まさか左門が、今一度電話してくることもあるまい・・・。とすれば・・。
京子は電話を取った。声は立てずにしばらく聞き耳をたてて、相手の様子をうかがった。
しばらく相手も黙っていた。しかしそののち、受話器から聴こえた声は京子にとって反吐が出るほど
嫌な相手の声だった。

「お京か?・・・・お京だな?おい。味なマネ、してくれんじゃねーかい。サツに垂れこみやがったな。」
「そっちの用はなんだい?叔母さまは無事なんだろうね?」
「グッフッフッフッフ。用は分かってるはずだがな。言わなきゃ分かんね〜かい?ああ?」
「このスケベ野郎っ!スケベじじいっ!どうしろって言うのさっ!?」
466虎の穴異聞13−1:2009/07/12(日) 22:14:41 ID:veu2dsmO
デビッド・フォン・エリック急死の報道は、急性心不全との診断とともに翌日発表された。
蔵前国技館で行なわれる予定だった試合は急遽アメリカからリッキー・スティムボードが来日し代役を務めた。
その試合は、ジャンボ鶴田がニック・ボックウィンクルを破り、日本人初のAWA世界チャンピオンになった試合の
セミ・ファイナルとして行なわれたが、試合はもり上がらず天龍のシングル初戴冠という事実以外にファンの記憶に
残るものにはならなかった。

それから1ヶ月がたった3月下旬、代官山のフィットネス・クラブにある温水プールは、本日貸しきりの案内板がつるされ、
締め切られていたが、中にはひとりのグラマーな女性が悠々と泳いでいた。ビキニ姿である。
その周りにはカメラマンが2人、照明とスタイリストが、合計6人、つきっきりで撮影に臨んでいた。
「オッケー!あがりっ!しのぶちゃん、グッジョブだったよ。お疲れ様〜。」
グラビア撮影が終わり、まだ20歳になったばかりのしのぶと呼ばれたグラマーな女性は
マネージャーからタオルを渡されるとそれを手にとり、そのグラマーな肉体を拭きながらプールサイドを歩いていた。

「しのぶちゃん。あのお方が見えてるわよ。」
マネージャーは顎でその方角をさすと、しのぶにひとりの老女を案内した。プールサイドに不似合いな
マント姿に山高帽、ロイド眼鏡といった場違いな雰囲気は案内されずとも、しのぶは気付いていた。
「仕事も順調なようだな。トリプルB。ところで本職のほうの指示にきた。これを持って京王プラザホテルにゆけ。
 名前を告げフロントに預けてあるものを受け取るのだ。ミッションは、本日午後9時。以上だ。」
老女は、小さなピルケースを渡しその場を立ち去った。
「ねえ。あの人、誰なの?身内?ときどき突然現れるけど・・・。」
マネージャーが問いただすが、しのぶは手を振りそれを遮った。それだけの動作で巨大な乳房がユサユサと揺れる。
「うるさいわねっ!アタシに質問は許さないって言ったはずよっ!今度くだらない質問をしたらクビにしてやるからっ!」
しのぶは、高慢チキに30歳前後の女マネージャーに毒づくと、大きな胸と桃尻をユサユサ揺らしながら更衣室にむかった。
467虎の穴異聞13−2:2009/07/12(日) 22:16:31 ID:veu2dsmO
しのぶは、京王プラザホテルのフロントで受け取ったもの、ハンドバッグの中を改めた。
(またコレかぁ・・・・・・。)
思わず溜息を洩らしたが、ホテルを出ると前のタクシー乗り場からタクシーに乗り込んだ。
「ちょっと待って。え〜と・・。赤坂プリンスよっ!急いでねっ!」
高飛車にそう告げると、バッグの中を物色した。
(やれやれ・・・。またガキじゃなきゃいいけど・・・。アタシの相手ってガキばっかりなのよね〜。ガキはアタシの大きなお乳が
 タイプなのかしら?嫌だな〜。年下は嫌いなんだけど・・・。)

ホテルは赤坂プリンスについた。しのぶはボーイを相手にせずツカツカとヒールを鳴らして中に入った。
ビキニではなく、ブリリアント・ブルーのワンピースだが、それでも巨乳と桃尻はユサユサと揺れる。
横目で凝視しているロビーの紳士は、全員が鼻の下を伸ばしていたが、しのぶはもちろん目もくれない。

ホテルの新館正面から、西出口へ回るとしのぶは、料亭清水の庭園を音もなく通り抜け、紀尾井町通に出た。
そのままニューオータニの庭園から通用口へ入ると、非常階段を登り始めた。
(やれやれ・・・。こんな重労働だと、また足が太くなるわ・・・。ったく。)
最上階のスイートルームのドアをノックした。
「グッド・イヴニング・・・。お待たせしたかしら?」
しのぶは、すっかり営業用の顔になっていた。
468虎の穴異聞13−3:2009/07/12(日) 22:18:20 ID:veu2dsmO
スイートルームの主は、まだ童顔の白人青年だった。まだ少年かも知れない。
(うわぁ〜。またガキじゃん!嫌だね〜。ガキのくせにプロの女抱くなんて、こいつサイテー!)

「WOW!チャーミングだぁ!やった!やった!今夜はサイコーにラッキーだよ!」
少年はソファから立ち上がると、いきなりワンピース越しに、しのぶの巨乳をギュッとワシ掴みにした。
「ちょっと痛いわよっ!いきなり。坊やは、いくつなの?」
「ボクまだ16歳さ。で、オッパイの大きな年上の女性じゃないとダメなんだ!ユーはまさにタイプだよっ!」
(バカか?こいつ。誰が好き好んでテメエの相手になんかなるかっ!?哺乳瓶でもカジってなっ!)

少年は、史上最年少でポーランドの国際ピアノ・コンクールで優勝したばかりの神童らしい。
しかし、しのぶは音楽のことは興味がなかったし、このように才能に天狗になったガキが大嫌いだった。
シャワールームはガラス越しに見えるようになっている。ガキからしのぶが見えるように、
しのぶからもガキが見えていた。早くも自分の一物をしのぶのシャワー姿を見ながらシゴいているようだ。
(勝手にオナニーでもして、そのまま寝てくれないかなぁ〜?ああ嫌だ嫌だ!)

しのぶがシャワーを出るとベッドに歩み寄るまでに少年が飛びついてきた。
「早く早く!ボクもう我慢できないよっ!」
「はいはい。おませさんね〜。」
469虎の穴異聞13−4:2009/07/12(日) 22:19:59 ID:veu2dsmO
ベッドで少年は、しのぶの乳房を堪能していた。揉み、舐め、乳首を吸い、そして摘み上げたりした。
「ちょっと痛いわよっ!何、考えてんのよっ!」
しかし少年は無視して、今度はしのぶをうつ伏せにした。
「大きなお尻だ。大きな桃みたいだな〜。こんなお尻に頬ずりしてみたかったんだぁ〜。」
今度は、しのぶの桃尻に頬ずりをし、さらに手の平で愛撫した。
(コイツ、インポの年寄りみたいだわね・・・・。よっぽど屈折してるんだろうけど・・・。)

そのとき、少年の指が、しのぶの尻の割れ目に滑り込んできた。そこにある菊の蕾をさぐりあてた。
「きゃぁっ!変態っ!」
しのぶは慌てて体を起こすと、少年の顔にビンタを食らわした。ビシーッ!
「痛っ!何もブたなくてもっ!」
「そんなことする変態は、絶対お断りよっ!アタシはこう見えても日本じゃスーパーグラビア・アイドルなんだからっ!」
「悪かったよ・・・。気を悪くしないでくれ・・・。二度とあんなところには触れないよ。」
「約束よっ!今度触ったら、その100万ドルとかいう指を切り落とすわよっ!」
「ウン。でも、おっかないな〜。でも怒った顔も最高にセクシーさ。ユーは。」
(バ〜カ!早く仕事を片付けよっと!)

=第14話につづく=
470:2009/07/12(日) 22:26:39 ID:veu2dsmO
>>461
微妙な言葉の言い回しって梶原一騎先生は天才ですよね
「いうなれば尻の穴固め(アヌス・ホールド)!!」とか「赤貝の剥き身」とかww
いいニュアンスがあんなふうにヒラめくことができたら、いいんですがw
>>462
バターを塗りこめるというのは、チト抵抗がありますw
>>463
そうですね 「斬殺者」はぜひ参考にしたい作品です 時代モノも挑戦したいですが。。
471虎の穴異聞14−1:2009/07/13(月) 20:52:59 ID:Y0HXYx61
「ねえ。これ飲んでみない?余計に気持ちよくなるし、
 おチンチンがグーンと大きいまま長持ちするお薬なの。」
「ウンウン。ボク何でも言うこときくよ。これ飲めばいいんだね?」

(こういうところは、やっぱガキなのよね〜。助かるわ。)
少年は薬を飲んだ。すると目を輝かせ、またしのぶにシャブリついてきた。
「ちょ・・・ちょっと・・・。待って。もうひとついいものがあるのよ。」
「何?何?なんだい?」
「これよ。これをつけてほしいの。とっても気持ちよくなるマシンなのよ。」
「ウンウン。これ付けるんだね。でも、ちょっと待ってよ。ひとつ確認してから。」
「確認?なんの?なにを確認するの?」

一瞬しのぶは、ギョッとした。何か自分の正体にまつわることなのか?そういえば最近、女の穴のメンバーが
任務中に消息を絶ったことが何度かあったはずだ。
「ウン。ぼくね。これを確認するのさ。」
そう言うと、少年はさっきしのぶの肛門に当てた自分の人差し指を自分の鼻孔にあてがった。クンクン。
「あ〜。いい匂いだ。この匂い。ボクの女神様でもお尻の穴は、こんな匂いがするんだぁ〜。フフッ。」
「ばっ・・・バカッ!変態っ!早くそれを付けなさいっ!」
(こいつ、スカトロジストなのね・・・。キモ〜い。早くそのマシンつけて逝っちまって死んじまいなっ!)
472虎の穴異聞14−2:2009/07/13(月) 20:55:17 ID:Y0HXYx61
「グワッ!グエッ!うっ!うわぁ〜・・・・・・っ!」

少年はペニスに言われた通り、機具を装着すると、すぐに奇声をあげて絶命した。
(あ〜。よかった。終わった。終わった。やれやれ・・・・。)
しのぶには、同じ女の穴のメンバーの美鶴代のような殺人への良心の呵責は微塵もなかった。
それに、巨乳のせいで、年下の少年ばかりの好みとして、あてがわれるのを不満としていた。
セックスに未発達でテクニックもないガキの相手では、演技ばかりが大変で割に合わないとさえ考えていた。

しのぶは、少年のペニスについた機具を外すと、キャップをしてハンドバッグにしまいこんだ。
この機具を使って仕事をするように命じられるようになったのは、ここ1ヶ月のことである。
それ以前は、ターゲットの男根の勃起時を切断し、特殊な容器に入れて持ち帰るスタイルだった。

ターゲットが勃起しないときには、相手が表沙汰にできないように、これもペニスを切断してしまうのだったが、
その場合は、ペニスは置いてきてもいいのであった。
しかしいくら相手が表沙汰に出来ないからといって、ペニスを切断される事件を次から次へと起こすわけにもいかない。
そこで、女の穴司令部は、この機具を開発し使用を命じ始めたのだろうが、難点はターゲットが絶命してしまうことだった。

どちらにせよ、しのぶにはどうでもいいことだった。新たに薬も使うようになり、ターゲットの勃起率、膨張率も上がっていた。
仕事は効率よくできるに越したことはない。しのぶは、男に多くを求めず専らオナニーで性欲の処理をしているのだった。
473虎の穴異聞14−3:2009/07/13(月) 20:57:44 ID:Y0HXYx61
しのぶは、音もなく誰にも姿を見られずにニューオータニを抜け出すと、
来た時と同じルートで赤坂プリンスに戻り、新館正面から歩き去ろうとしていた。

そのとき、ひとりの青年が、しのぶに声をかけてきた。
「グラビア・アイドルのしのぶさんですね?ファンなんですっ!握手してくださいっ!」
しのぶは、その青年に一瞥をくれたが、フンッと顔を背けるとそのまま去ろうとした。黒い長い髪が青年の頬をうった。

「さっき、ニューオータニにいらっしゃいませんでしたか?」
(・・・・・・・・!)
しのぶは、立ち止まった。そして振り向いて相手の顔を見た。知らない顔だ。
「な・・・・なんのことかしら?変な言いがかりをつけると、タダじゃすまないわよっ!アタシを誰だと思ってるのっ!?」

「知ってますよ。よく。グラビア・アイドルの・・・・そして或る時は・・・。」
「ま・・・待ってっ!待ってちょうだいっ!話があるなら聞くわっ!ここでは何だから、そうね。どこかでお酒でも飲みませんこと?」
しのぶは、憔悴したが、顔には出さず、怪しい笑みをつくり相手を篭絡するペースに持ち込もうとした。
「うふふふ。アタシのファンなんでしょ?」
「お酒ですか?でも僕はまだ未成年なんですよ。そうですね。僕の部屋にいらっしゃいませんか?」
相手の青年は屈託なく明るく話し掛けている。何者か知らないが、相手はガキだ。どうにでも悩殺できる。
「でも、それじゃなんか怖いわ。アタシの知ってるホテルに行きませんこと?うふふふ。」
474虎の穴異聞14−4:2009/07/13(月) 20:59:45 ID:Y0HXYx61
しのぶが青年を案内したのは、赤坂からタクシーで1時間半以上かかる、
横須賀の先端、観音崎にあるコテージだった。窓から浦賀水道が見える。たたら浜に面している。

ここは、女の穴が幽霊法人に表面上は経営させている仕掛コテージである。
何人もの男が、色気に誘い出されて、ホイホイ乗ってきて、命か陰茎を失っていた。
しのぶは、ここを自身の判断で使うことは初めてだったが、何度か指令の元に任務を遂行してきた。

「へえ。ステキな所ですね。それに海も近いし、ロケーションも最高じゃないですか?」
「そこのソファーに掛けなさいな。まだ未成年って言ってたわね?早く帰らなくちゃママが心配するんじゃないの?」
「ああ。僕、この国に両親はいないんですよ。アメリカなんです。」
(・・・・・・!こいつ何者かしら?まあいいわ。すぐに消してしまうんだし。)

「帰国子女なわけ?道理で垢抜けてると思ったわ。女遊びにも垢抜けているかしら?」
そこで、しのぶは突然ワンピースを脱ぎ去り、下着姿になった。こぼれそうな巨乳と滑らかな腹のライン、肉感たっぷりの太腿が露わになった。
「どう?アタシが欲しいんでしょ?だったらアナタは誰?質問に答えること。それが条件よっ!」

青年はしかしグラマラスなしのぶのセミヌードが突如現れても、にこやかに微笑んだままで、眉ひとつ動かさなかった。
「条件?条件っていうと・・・・コレのことかいっ!?」
青年はやや鋭い声を出すと、手をしのぶのパンティーのヒップ部分に回し、
そこに挟まれていたブローニング銃をすばやく抜き取った。
「あっ・・・・!アアッ!許してっ!殺すつもりは、なかったのよっ!お願いっ!殺さないでぇ〜っ!」

=第15話につづく=
475巨人の星その後222
「言う通りにしねえと、大事なママさんが、どうなるかはわかってるだろうな?」
「どうしようっていうのさっ!?」
「どうにも、こうにもおめえが、これから言う場所へひとりで来りゃそれで問題はねえぜ。
 言っとくが、サツに垂れこむなよ。今度サツに垂れこみやがったら、タダじゃおかねーぜ。」
「どこへ、来いっていうのさつ!?」
「グッフッフッフッフ。それはな・・・・・。」

鬼怒川は言うだけ言うと電話を切った。
行くしかないが、それで自分がどうなるかだ。待っている運命は想像できないぐらい悲惨なものだろう。
この身を「はい。どうぞ。」とくれてやるには値する相手ではないし、
自分がその屈辱に耐える自信もない。

京子は、しばらく静寂の中で思いつめたが、キッチンに立ち尽くしていて、あるものが目に入った。
思えば飛雄馬、左門というのは思い出深い存在だ。
彼らと顔を合わせていると心が和んだ。

鉄二もよくしてくれた。しかし縁がなかったのだ。