【あかほん・濱中】氏家ト全 28時間目【妹・生徒会】

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1名無しさん@ピンキー
前スレ
【あかほん・濱中】氏家ト全 27時間目【妹・生徒会】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1230295418/
過去スレ
【あかほん・濱中】氏家ト全 26時間目【妹・生徒会】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1220494538/
【あかほん・濱中】氏家ト全 25時間目【妹・生徒会】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1210176219/
【あかほん・濱中】氏家ト全 24時間目【妹・生徒会】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1196308247/
【あかほん・濱中】氏家ト全 23時間目【妹・生徒会】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1179570516/
【あかほん】【濱中】氏家ト全総合 22時間目【妹】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1167016800/
【あかほん】【濱中】氏家ト全総合 21時間目【妹】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1158053539/
【あかほん】【濱中】氏家ト全総合 20時間目【妹】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1153304002/
【あかほん】【濱中】氏家ト全総合 19時間目【妹】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1150028186/
【濱中アイ】氏家ト全総合 18時間目【妹は思春期】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1145727127/
【濱中アイ】氏家ト全総合 17時間目【妹は思春期】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1142255932/
【濱中アイ】氏家ト全総合 16時間目【妹は思春期】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1139468699/
【濱中アイ】氏家ト全総合 15時間目【妹は思春期】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1137258988/
【濱中アイ】氏家ト全総合 14時間目【妹は思春期】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1135925974/
【濱中アイ】氏家ト全総合 13時間目【妹は思春期】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1134125251/
【濱中アイ】氏家ト全総合 12時間目【妹は思春期】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1132404885/
2名無しさん@ピンキー:2009/05/25(月) 20:53:43 ID:434R8ZcD
過去スレ続き
【濱中アイ】氏家ト全総合 11時間目【妹は思春期】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1129514442/
【濱中アイ】氏家ト全総合 10時間目【妹は思春期】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1127110404/
【濱中アイ】氏家ト全総合 9時間目【妹は思春期】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1125079101/
【妹】氏家ト全総合 8時間目【濱中アイ】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1122381257/
【濱中アイ】氏家ト全総合 7時間目【妹は思春期】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1120910446/
【濱中アイ】氏家ト全総合 6時間目【思春期】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1118937114/
【女子大生】氏家ト全総合 5時間目【思春期】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1117279379/
【家庭教師】氏家ト全総合 4時間目【思春期】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1114597887/
【カテキョ】氏家ト全総合 3時間目【妹】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1109699736/
【濱中】氏家ト全総合 2時間目【妹】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1106563195/
家 庭 教 師 濱 中 ア イ
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1095652398/
3名無しさん@ピンキー:2009/05/25(月) 20:54:12 ID:434R8ZcD
古田氏作のSS保管庫(旧保管庫、更新停止)
ttp://yellow.ribbon.to/~hamanaka
SS保管庫wiki (新保管庫)
ttp://wiki.livedoor.jp/uziietozen/d/FrontPage
4名無しさん@ピンキー:2009/05/25(月) 20:54:42 ID:434R8ZcD
【お願い】
作品の投下は以下のようにしてくれると助かります。
(1).投下します宣言
(2).本編投下
(3).ここまでです宣言

また、作品のタイトルは上記の(1)、(3)のどちらでも良いのですが、
1行独占で書いてくれると助かります。本文に紛れると見落としてしまうことがあるので。
↓こんな感じ
タイトル:「?????」
名前欄はこれまで通り作家さんのコテでよいです。
5名無しさん@ピンキー:2009/05/25(月) 20:55:10 ID:434R8ZcD
【氏家ト全作品】
・女子大生家庭教師濱中アイ(週刊少年マガジン連載、完結。単行本全6巻)
・妹は思春期(週刊ヤングマガジン連載、完結。単行本全10巻)
・アイドルのあかほん(週刊少年マガジン連載、完結。単行本全1巻)
・妹はひまわり組(別冊ヤングマガジン連載、完結。妹は思春期の二巻から収録)

・生徒会役員共(週刊少年マガジン連載中、単行本は現在第1巻まで)
・ハナとプチ(シリウス読み切り)
6名無しさん@ピンキー:2009/05/26(火) 01:24:56 ID:GH9sQEnR
乙です。
7名無しさん@ピンキー:2009/05/26(火) 08:21:23 ID:saz9Ul8o
8AAがないので:2009/05/26(火) 10:37:30 ID:SOERjLbJ
柔道娘「君が>>1君だね、ムツミから噂は聞いてるよ。」
ムツミ「やだなぁ、>>1君には、このスレッドが立つ時にお世話になって感謝してるってだけだよ。」
柔道娘「ちょっ!ムツミ締まってる、ギブ!」
ムツミ「それに、髪型も只のポニーテールであって、>>1乙じゃないんだから、気にしないでね。」


カッとなってやった。
だが、いずれこのAAができることを願い、後悔はしていない。
9郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2009/05/26(火) 21:45:32 ID:qG1x3Mb9
はい、どうも郭です。それでは僭越ながら新スレの露払いを務めさせて頂きます。
前スレ、>>412の続き、シノ×タカトシ。NGワードは「ダラダラ」「アリア&出島さんのキャラが変」
それでは、投下。
10郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2009/05/26(火) 21:46:19 ID:qG1x3Mb9
「はあ。自分の能力を活かして働きたいとは考えていますが」
「もちろん将来のことは分らないが、しかし恋愛くらいは良いのではないか?
萩村も十分可愛いのに、もったいないぞ」
「!そんな…………わ、私は恋愛に興味なんて」
シノに誉められ、頬を赤らめるスズ。その様子は、確かになかなか可愛らしくて。
(ホントにもう〜〜〜〜、シノちゃんって人が良すぎるんだから)
スズ自身が自覚しているかどうかは微妙なところではあるが、
アリアの見たところ彼女がタカトシに好意を持っているのは間違いないところであり、
そうなるとシノにとってもスズは恋のライバルになるはずなのだが。
タカトシの前でそのライバルであるスズを誉めてしまうあたり、
やはりシノは恋の駆け引きなど出来ない性格のようだ。さりげなく話題を変えようと、アリアがフォローする。
「それじゃ、今度生徒会で料理教室を開きましょうか?もちろん津田君も参加ね!」
「は、はい?なんで俺まで?」
「うむ。これからは男子といえども料理が出来なければ一人前とはいえないだろう。
もちろん津田もそうだ!その………ふたりの将来のためにもだな」
「?はい?なにか言いましたか、会長?」
「な、なんでもない!なんでもないぞ!」
(あ〜〜〜あ、シノちゃんったら、さっきから妄想ばっかり………)
シノの暴走ぶりに呆れながらもアリアは改めて決意していた。
(シノちゃんのためだもの。絶対、今日はふたりをくっつけるんだから!)
「うん、じゃ次回はお料理大会ということで決定ね♪続いてシノちゃんのお悩み相談!」
「?わ、私の悩み…………か。そ、そうだな。その」
突然振られて口籠もるシノだが、そんな彼女の戸惑いを知りながらアリアは笑顔で続ける。
「シノちゃんのお悩みでなくても良いのよ?ね?ホラ、この前言っていた、お友達のお悩みでも」
「あ、あれは………その、ここで話すには、その……ちょっとだな」
ちら、とタカトシに視線を送るシノだが―――もちろん、当の本人はまるで気づいておらず。
「?どうしたんですか、会長?」
「ふふふ、あのね、シノちゃんのお友達の話なんだけど………」
「!!い、いやなんでもないのだ!津田!あ、あれはもう良いのだ、アリア!」
「???」
大慌てでアリアの言葉を遮るシノと、それを怪訝そうな表情で見つめるタカトシ。
アリアは悪巧みな笑顔でそんなふたりを見つめている。
(うふふ♪なにげに良い雰囲気カナ♪)
「あら?ところでスズちゃん」
「ん………平気、です………」
「あ、眠い?萩村」
「…………だい、じょうぶ」
話し込んでいるうちに、夜の弱いスズには限界が近づきつつあったようだ。うとうとと、櫂をこぎ始めていた。
「そうだな、そろそろ時間でもあるし、寝るとするか?」
「ええ、そうですね。大丈夫?萩村」
「………うん」
うつらうつらとしているスズを気遣うタカトシだが、シノはそんな彼を複雑な表情で見つめており。
(も〜〜〜〜、津田君ったら)
そして、アリアは軽く苛立っていた。なにしろスズの隣で優しげに語りかけるタカトシは、
まるで恋人のそれのようで。シノならずとも、嫉妬してしまいそうな雰囲気だった。
「そうね、うん、そろそろお開きにしましょうか。それじゃ女性陣は隣の寝室で。
津田君には客間を用意してるから、出島さん?案内して差し上げて」
「かしこまりました、お嬢様」
「わ、わぁ!どこにいたんですか、出島さん!」
「ええ?わ!いつの間に」
「驚かせてしまってすみません。しかしメイドたるものご主人様のお呼びとあれば、
すぐに駆けつけるのが仕事ですので。こちらで控えさせて頂いておりました」
「しかし全然気づきませんでしたよ。まるで忍者ですね」
「ええ、これも以前勤務していた職場で体得した秘術と申しましょうか。これ以外にも房中術など様々な」
「話が長くなりそうなので、それは後で良いですかね?とりあえず俺をその客間まで」
§
11郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2009/05/26(火) 21:47:11 ID:qG1x3Mb9
「ちッ。はい、ではこちらへ」
(今あからさまに舌打ちしたよな?この人)
心の中でツッコむタカトシだが、とりあえず出島さんの後ろについて部屋を後にした。
タカトシの後ろ姿に少し切なそうな視線を送っていたシノだったが、アリアに向き直り、言った。
「さて、と、アリア?向こうの部屋に萩村を連れて行けばよいのだな?」
「あ、そうね、シノちゃん。向こうにベッドが用意してあるわ。私も手伝うから」
「いや、気遣いは無用だ。萩村は軽いしな。よい、しょっと」
スズの小さな体を抱きかかえるシノ。熟睡しているスズは、目を覚まそうともしなかった。
「このベッドで良いのだな?アリア」
「うん、そっちで。スズちゃんが風邪を引いちゃうと悪いからお布団をかけてあげてね?」
「うむ」
「す〜〜〜、す〜〜〜」
「ふふふ、でもスズちゃんたら、か〜〜わい〜〜」
「重ね重ね勿体ないというものだな、これで恋愛に興味が無いとは」
スズのあどけない寝顔を、しばし微笑みながら見つめていたシノとアリアだったが。
「ところでなんだけどね、シノちゃん?まだもうちょっと話したいことがあるから、戻って話さない?」
「?うむ、私は別に構わないが」
そして元の部屋に戻ると、アリアは紅茶の用意をしながらシノに語りかけてきた。
「レモンティーでもいかが?シノちゃん」
「ん、すまない、アリア。ところで話とは」
「うふ。シノちゃん、津田君とまだ話したいことがあるんじゃない?」
「!!!い、いや別になにも」
「ダメよ、シノちゃん。大きな声を出したらスズちゃんが起きちゃうし」
「あ…………すまない。し、しかしだな、アリア」
「あのお友達のお話って、シノちゃんのお話だったんでしょ?」
「!………ば、バレていたのか?」
「ふふふ、シノちゃん?私たちの仲じゃない。それくらいは分っちゃうわよ」
「それは、その」
「良いのよ、シノちゃん。私は絶対応援するから。だってお似合いだもの、ふたり」
「そ、そうかな?」
「ふふ、私が思うにね、津田君もシノちゃんのこと、きっと好きだと思うの」
「!!!!い、いや、それは、どうだろう?津田は………誰にでも、優しいから」
「確かに津田君は優しい子よ。だけどね、シノちゃんと一緒にいるときは特別に優しい感じがするの。
大丈夫よ、シノちゃん!自信を持って!」
「アリアにそう言ってもらえるのは、嬉しいが、だが、その」
「でもね、今のままだとダメだと思う。だって津田君はちょっと鈍いところがあるから」
「それは、私もそう思うのだが」
「だからね、シノちゃん?ここは年上の余裕で、シノちゃんの方から告白した方が、上手くいくと思うの。
津田君みたいなタイプは、それくらいしないと気づいてくれないと思うから」
「う、うむ………アリアの言うことはいちいちもっともなのだが」
「それに早くしないと危ないわよ?シノちゃん」
「?危ないとは」
「津田君って性格も良いしルックスもキュートだし、モテると思うのね。
ただでさえウチは女子生徒が多いわけだし、あんまりぐずぐずしていると、
他の子に先に告白されちゃって付き合うなんてことになりかねないわよ?」
「!!!そ、それは。しかし、ありえるかもしれないが」
「津田君は性格が優しいから、憎からず思っている女の子から告白されたりしたら断れないと思うのね。
だから、もう今のうち、早い者勝ち、押したもん勝ち!だと思うの」
「ふ、ふ〜〜〜む」
(うふふ、動揺してるわよね、シノちゃん)
"ぎゅッ"
「あ、アリア?」
確信を抱いたアリアは、さらにもう一押しと決意して友の手を取る。
「私はね、シノちゃんにはいつも正々堂々としていて欲しいの。
だから、恋愛にも逃げて欲しくないの。そんなの、シノちゃんらしくないじゃない!」
§
12郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2009/05/26(火) 21:47:50 ID:qG1x3Mb9
「私らしく、か。………今の私は、私らしくないか?」
「迷っているシノちゃんも、シノちゃんだと思うけど………でも私はやっぱり、
シノちゃんには毅然としていて欲しいな。私は、それが一番シノちゃんらしいって思ってるから」
「分った!決めたぞ、アリア!私は、もう迷わない。つ、津田に思いを伝えるぞ!」
「そうよ、シノちゃん。それでこそ桜才学園の生徒会長よ!」
(でも実際のところ、うちの学校って校内恋愛を禁止してるんだけどね)
本音では生徒会長という立場として校則違反はいかがなものかと思ったが、
この場は勢いに任せて友人を励ますアリアであった。
「さっそく、来週あたり津田に」
「ダメよ、シノちゃん!こういうことは思い切り勃ったがイチモツと言うし、今日告白すべきよ!」
「??なんだか微妙に間違っているような気もするが、それはともかく、
きょ、今日は………その、津田も疲れて寝ていると思うし」
「いいえ、津田様はまだ御就寝なさっておりません」
「の、のわあ!出島さん、あなた何時から!」
「お静かに。萩村様がお目覚めになってしまいます」
「あ、すいません。そ、それはいいですが、あの」
「全ては聞かせて頂きました。天草様はご主人様の大切なご友人。
その天草様の思いが成就するよう、不肖この出島、全力を尽くさせて頂きます」
「は、はあ………」
「どうやら今宵の津田様は他家の枕に慣れぬのか未だ眠れぬご様子。
天草様も眠れないからとお声をかけて、お話しをされたらいかがでしょう」
「うん、良いわね、出島さん。その手でいきましょうか、シノちゃん」
「い、いや………私にも心の準備というものが」
「心の準備はもう出来ているでしょう?さっきそう言ったじゃない」
「う、うん。それはそうなの、だが」
「なら決まりね?出島さん、シノちゃんを案内してさしあげて」
「かしこまりました、お嬢様」
「いや、そのだな、アリア」
「うふ。そ・れ・と。はい、シノちゃん」
「ん?なんだ、アリア………おおお?」
アリアがシノに手渡したもの、それは。
「ちょ、ちょっと待て、アリア。これはいくらなんでも」
「遠慮せずに受け取って、シノちゃん。私はシノちゃんの思いが通じることを祈っているから。
そのための、おまじないだと思って!」
「お、おまじないって………その、随分と即物的な」
頬を赤く染め、アリアから手渡されたそれをまじまじと見つめるシノ。
読者諸氏のご想像のとおり、それはいわゆる、コンドームの包みの綴りなのであった。
「それではご案内致しますので、天草様」
「あ………は、はい」
アリア&出島さんの主従コンビにすっかり圧倒され、シノは出島さんの後ろに続く。
そしてアリアがそんな友の姿を満面の笑みで眺めていたのは言うまでもないだろう。
(よし、と…………あとは打合せ通り、出島さんに任せて)

長く迷路のような七条家の廊下をしばらく進み、
ようやく目当ての部屋の前に着くと出島さんは手をかざしてシノに語りかける。
「こちらが津田様のお休みになられている客間です、天草様」
「で、でもやっぱり津田はもう寝てしまったんじゃ」
「大丈夫です。津田様の寝息の気配がしませんので」
「?分るんですか」
「はい。聴覚を澄ませば5m程度の範囲ならば聞き取りが可能です。
これも以前の職場で体得した秘術のひとつです」
(いったい以前の職場って…………)
無表情な七条家のメイドさんを見ながらふとそんなことを考えるシノだが、
事態はもはや引き返せないところまできていた。そう、扉の向こうにはタカトシがいるのだ。
(え、ええい!ここまで来たのだ!頑張れ、私!)
§
13郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2009/05/26(火) 21:49:09 ID:qG1x3Mb9
心の中でそう思うのだが、シノは顔を紅潮させて―――固まったように、動けなくなっていた。
「…………天草様」
「な、なんですか?」
「勇気が出せずにおられるのですね?」
「!う………は、はい、そのとおりです」
「分ります。それは、誰しもそうなのです。しかし不肖この出島、天草様のお話を聞いて思いました。
天草様の真摯な思いが、津田様に伝わらぬはずがない、と。大丈夫です。
あと一歩勇気を出しさえすれば、津田様はきっと答えて下さいます!さあ」
「あ、ありがとうございます、出島さん」
相変わらず無表情なままだったが、出島さんの言葉は、温かかった。
そして、しっかりとシノの心に響いていた。心を決めて――――遂に扉を、ノックした。
"コンコン"
「え?はい」
「津田、わ、悪いが………起きているか?私だが」
「あれ、会長ですか?なにかありました?」
「う、うむ。どうにも眠れなくてな。アリアと萩村はもうぐっすり寝てしまったし、
もし津田が起きていたら少し話でもどうかと思ってだな」
「あ〜〜〜はい、良いですよ、どうぞ」
"ガチャ"
「す、すまないな、津田」
「いえ、良いんですよ。俺もなんか眠れなかったところですし。でも良く一人でここまで来れましたね?」
「ん、いやちょうど出島さんが」
そう言って後ろを見るシノだが―――既にそこには、出島さんの姿は無かった。
(しかし………本当に忍者のようだな)
「どうかしたんですか?」
「いや、出島さんがお休みになる前に会ったので、部屋の場所を聞いてきたのだ。うむ、そういうことだ」
「?はぁ………ま、それはともかく、どうぞ」
少々怪訝な表情をしながらタカトシはシノを部屋に導き入れた。
「津田も眠れなかったのか?」
「あ、はい。なんだか目が冴えちゃって」
「そうか………実は私もでな。眠れないと思ってしまうとますます眠れなくなってしまって」
「あはは、それ、分りますよ。そういう時ってなんだか無限ループみたいになっちゃうんですよね」
「は、ははは。そのようだな。………ところで、だ、な。津田?」
「?なんですか?」
「その、君が副会長になってもう一年近くなるわけだが」
「あ〜〜〜、そう言えばそうですね」
「副会長として、私の右腕として、津田は実によくやってくれていると、私はそう思うわけだが」
「はははは、なんだか改めてそう言われるとちょっと照れますね」
「ただ、君の気持ちというものをここで聞いておきたいと思ってな。どうだった?津田。この一年は」
「そうですね〜〜〜。正直、入学早々副会長なんて大役を任されて戸惑うことの方が多かったんですが、
楽しいことや面白いこともたくさんありましたしね。今は生徒会に入って良かったと思いますよ」
「そうか。そう言ってもらえると、私も嬉しい」
「それに会長や七条先輩や萩村とも知り合えたわけですし」
「う、うむ。私も津田を知ることが出来て、良かったと思っている。
そ、それでだな、その…………君は、私のことをどう思っているのだろうか」
「へ?」
「言ってみれば無理矢理君を生徒会に入れたのは私に責任があるようなものだしな。
本当は、ずっと気になっていたのだ。………私と一年いて、どうだった?」
「は、はぁ………」
(なんだ?会長、いきなり女の子らしく……)
普段の彼女が女の子らしくないというわけではないのだが。
エロボケなしで頬を赤らめて聞いてくるシノというのは確かに珍しいもので。
少し戸惑いながらタカトシは答えた。
「え、ええと………だから、仕事とかはしんどいこともありましたけど、楽しかったですよ。
会長は色々教えてくれましたし、おかげで学校にも早く慣れることが出来たと思いますし」
§
14郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2009/05/26(火) 21:51:06 ID:qG1x3Mb9
「その………それは、さっきも聞いたが、その、仕事とかそういうのを抜きにしてだな。
津田は、私といて、イヤではなかったか?私は津田がいてくれて、嬉しかった。
君が側にいると癒されるというか、その、安心できたから………だが、津田は、どうなのだろう?」
「???え、えぇと………それは、そのですね。さっきも言いましたが、楽しかったですから。
会長といてイヤなんてことは、全然ありませんよ」
「そうか…………それで、確認なのだが………さきほどアリアが聞いていたが、
つ、津田は今、気になっている女の子はいないのだな?それは、本当なのだな?」
「は、はあ」
「そこで、だ。津田!!!」
「わ!いきなり大きな声を出さないで下さいよ」
「す、すまない。それはともかく、だ、な。津田も知っての通り我が桜才学園では、
校則で校内恋愛が禁じられている。しかし、一部の生徒からは男女共学となったことだし、
この校則も時代にあわせて変えるべきではないか、との意見も出されている」
「はぁ。そういえば目安箱でもそんな投書があったような」
「うむ。勿論、ふしだらな男女交際はいけない。だが私も健全な恋愛ならば良しとすべきではないか、
と最近では思うようになってきた。そ、そこでだな、津田!わ、私の恋人になれ!」
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ????なんでいきなりそうなるんすか?」
「せ、生徒会長とは学園の生徒全ての範となるべき存在!校内恋愛を許可するのならば、
先ず隗より始めよ、の言葉どおり生徒会長たる私から男女交際をすべきではないか!」
「??あ、あのですね、仰っていることが分るような分らないような。大体その相手がなぜ俺なのかも」
シノの言葉に混乱するタカトシだが―――シノは突然立ち上がり、
タカトシの隣にちょこん、と座ると肩に頭を預けてきた。
(え?え?え?)
混乱が加速するタカトシの表情を見ながら―――上目遣いのシノが、呟くように、言った。
「…………津田は、私が嫌いか?」
「は、はひ?」
「私は………津田が、好きだ」
「!!!!」
「初めて校門で見たときから、君のことが気になっていたのだ。
一緒にいるようになって、津田の優しさを知って、はっきりと好きになっていった。
私は、君が、好きなのだ。津田は………どう思っている?」
(えぇと…………これってもしかして会長、俺に告白してるわけ?)
混乱しながらも、タカトシはシノの話を頭の中で整理しようとしていた。
確かに、シノのことは頼りになる先輩だとは思っていたし、
エロボケへのツッコミは疲れるものの一緒にいて楽しい人だとも思っていた。
しかし、それ以上の感情は―――異性として意識することは、あまり無かったのだ。
「…………津田」
(うわ!!か、会長)
不安げな、寂しそうな表情でシノが見上げてくる。髪から漂うシャンプーの薫りが、鼻腔をくすぐってきた。
至近距離で見る彼女は―――普段接しているときから気づいてはいたが、ただ、美しかった。
「お願いだ。答えを………聞かせて欲しい。津田は………私のことを、どう思っている?」
「か、会長………お、俺は………」
言葉に詰まるタカトシだが、シノの真剣な表情を見て――――思わず、答えていた。
「俺も、会長が、好きです」
「!!!」
「一緒にいて楽しいし、会長もすごく………ええと、楽しい人ですし。その。はい、俺も会長が好きです」
「ほ、本当か?津田!!!」
「でも良いんですか?俺で」
「わ、私は君が好きだと言っているだろう!私は、津田が、良いのだ!
つ、津田以外の人間など、考えられないのだ!」
「あの、分りましたからもう少しちいさな声で………」
シノの必死かつ若干ズレ気味の告白に、心ではこそばゆいものを感じながらタカトシは苦笑する。
そして隣のシノの肩に手を回し、ゆっくりと抱き寄せた。思っていたより、ずっと細いと思った。
「俺も好きですから。会長以外の人なんて、考えられませんから」
「う、うん。その………と、言うことはだな。つ、津田は私の恋人に………なってくれるということだな?」
§
15郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2009/05/26(火) 21:51:47 ID:qG1x3Mb9
「?はい、そうですが」
「それでは、恋人としてひとつ提案がある!」
「???はぁ」
「わ、私を………名前で呼べ!」
「は、はい?」
「もちろん、その、普段の学園生活ではあまりよろしくないのだがな、
今のようなふたりっきりの時間で『会長』と呼ばれるのは仕事中のようで、私としてはあまり嬉しくはない。
せっかく恋人になったのだから、名前で呼んで欲しいのだ。…………つ、津田はどうだ?」
(その会長の口調が思いっきり仕事モードなんですが)
一応心の中でツッコむタカトシだが、彼女が本気でそう願っているのは確かに伝わってはきたので。
「はぁ。分りました、シノさん」
「!!!!!!!!!!!!!う、うむ………しかし恋人同士なのに『さん』づけはその………色気が無いような気が」
「でも先輩ですし。『シノ』だとなんか礼儀的にどうかと思いまして」
「…………そのうち、だぞ」
「へ?」
「できたら………その、呼び捨てにして欲しい。あまり………年上とかを意識して欲しくないのだ」
そんなことを言いながら恥じらうシノの顔を見つめるうち、タカトシは心にくすぐったいものを感じて。
「えっと。じゃ、シノさん?俺も名前で呼んでくれますよね?」
「う、うむ!たたたたたたた、タカトシ!!!」
「噛まないで下さい、たった四文字なんですから」
「う………す、すまない。なにしろ慣れないものだから」
「まぁ良いですけど。もう少し、近くに来てもらっても良いですか?」
「う………うん」
タカトシはシノの肩を抱いていた手を腰へと回し、彼女をさらに近くへと抱き寄せる。
シノの清潔な匂いが、さらに強く香る。そしてタカトシは、彼女の目をじっと見つめて。
「キスしても…………良いぞ、津田」
「あ、もしかしてバレちゃいました?」
「う、うん。なんとなく、分ってしまった」
「すいませんね………じゃ、遠慮無く」
"ちゅ"
「……………」
「…………くすッ」
「あ、すいませんシノさん。くすぐったかったですか?」
「ん、いや違うのだ。なんだか………あれ?」
「?!シノさん?」
シノの両眼から大粒の涙がこぼれ、頬を伝って二本の線になった。
意識せぬうちに流れた涙にシノ自身も驚いた様子だったが、タカトシは慌てて彼女を抱き寄せた。
「俺………ごめんなさい、シノさん」
「い、いいんだ、タカトシ。君の答えを聞いて、なんだか気が抜けてしまって。悪いのは、君じゃない。私が」
「シノさん、俺、あなたを大切にしますから。あなたを悲しませないから。だから、もう泣かないで」
"つちゅ"
タカトシは、シノの頬を伝う涙に唇をつけ、そして舌先でそれを舐め取る。
シノは、少しだけくすぐったそうにして。それでも、拒もうとはしなかった。
「ん………ふ、タカトシ」
「シノ………さん」
"ちゅ、ちゅう、つ"
タカトシは、不器用に。それでも、必死に。シノの頬へのキスを、続ける。
少しだけ乾いたタカトシの唇が自分の皮膚に触れるたび、
シノはむず痒くなるような快感が背中をせり上がってくるのを感じていた。
「た、タカトシ。私、は…………心の準備なら出来ているから」
「はい?」
「だから、その………キスだけではなく、全部、して欲しいのだ」
「………?あ!!え!でも、七条先輩の家でそれは、ま、マズイんじゃ」
「あ、アリアに許可を取ってある」
「!Б!Θ!!はいいいいい?シノさん、七条先輩に何を!」
§
16郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2009/05/26(火) 21:53:09 ID:qG1x3Mb9
「アリアも、私たちのことを応援してくれると言っていた。だからもし………君さえよければ、」
「えっとですね、シノさん?あの、一応俺らは生徒会長と副会長なわけで、
不純異性交遊といいますか、そういうことを人様の家でするのは」
「ふ、不純異性交遊ではない!これは、言うなればその………純粋異性交遊だ!」
「は、はぁ。つかあるんですか?そんな言葉」
シノの強弁に呆れかえるタカトシだが―――シノはその表情を見て、悲しげに呟いた。
「………タカトシはやはり、胸の大きい女の子が好きなのか?」
「!?な、なんでいきなりそういう話になるんですか!!」
「以前も胸の大きい生徒をじっと見ていたではないか。普段もアリアの胸に釘付けだという話だし。
それに妹のコトミも大きいし………私のような貧相な体では、欲情しないのだろう?」
「よ、欲情って……………」
(さっきからいちいち表現が生々しいんですけど、会長)
少々呆れ気味にそんなことを思うタカトシだが、シノはただ、悲しそうな表情で。
「私だって、努力はしているのだ。タカトシが巨乳派だと知ってからはなるべくマッサージをしたり、
牛乳を毎日飲むようにしたり、しかし私の努力だけではいかんとも」
「あの、ですね。俺は別に巨乳好きというわけでは」
「しかし」
「あのときだって、見とれていたとかじゃなくて、単純にびっくりしていただけでですね、
特に胸の大きい女の子が好みというわけでは」
「だが私は笑顔が素敵なわけでもないし」
「は?」
「こ、好みなのだろう?笑顔が似合う子が。私のような無愛想な女はやはり………タカトシの好みでは」
(あ〜〜〜、そう言えば前、畑さんにそんなことを言ったような?)
以前インタビューでそんなことを聞かれたことがあったような、とようやく思い出すタカトシ。
「て言うか、シノさんって普通に美人だと思いますよ」
「い、いいんだぞ、そんな無理して誉めなくても」
「それに、似合いますから」
「?な、なにが」
「前に修学旅行の写真でシノさん、笑顔だったじゃないですか。あれ、すごく似合ってましたよ?」
「!!!あ、あれは………その、単純に楽しかったから」
「シノさんは、もっと笑った方がいいですよ。絶対、可愛いんだから」
「う………うん、あの、努力する。だから………」
上目遣いのシノが、口籠もりながらタカトシにしっかりと抱きついてきて、耳許で、囁く。
「私を、君のものにして欲しい。私は、タカトシが、欲しい」
「し、シノさん………でも、本当にいいんですか?」
頬を赤く染めたシノが、こくん、と無言で頷いて。そして、かぷり、とタカトシの耳朶を甘く噛んだ。
「好きだ、タカトシ…………初めて見たときから、ずっと好きだった」
「シノさん………俺も、好きです」
"ちゅ……ちゅ"
再び、ふたりは唇を重ねた。ゆっくり、互いの唇の感触を確かめ合うようなキス。
タカトシはぎこちなくシノのパジャマの中に伸ばす。
「ふ    、 ん…………」
ぴくん、とシノが反応したのを確認してから、タカトシはゆっくりブラ越しに乳房を揉む。
確かに大きくはないが、やはりそこは女性らしい柔らかな感触で。
「ん………タカトシ、あの………ベッドで」
「あ、はい」
ふたりは手を繋いで、ベッドへ移動して。そして、またキスを続ける。
"っ、ちゅ、ちゅッ"
「ん………ん、ふ、ン」
「は………ふ、シノ、さん」
貪るように、キスを止めようとしないふたり。タカトシはシノのパジャマのボタンをひとつずつ、外していく。
目の前に現れたシノの白い肌を包む真っ白で小振りなブラに、
一瞬だけタカトシは息を呑んだ後、背中からホックを外して――――
"ふに……"
シノの小振りな乳房に、直接触れた。そこは、あたたかくて。やわらくて。
§
17郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2009/05/26(火) 21:53:56 ID:qG1x3Mb9
(わ………やらかくて、すべすべしてる)
「………小さくて、すまない」
「へ?」
「だ、だから、その………小さいだろう?」
「は?あ、いや。キレイですよ」
「う。しかし、だ」
なおも何か言おうとする彼女をタカトシは微笑みながら抱きしめて。そして、その小さな胸に顔を埋める。
「シノさんの、おっぱい、キレイです」
「ん………で、でも………ひゃん?!」
"ちゅくッ"
そのまま、タカトシは小さな乳首に吸いついた。赤子のように。母乳を吸い出すように。強く。
「や………や、ん。タカトシ………それ、恥ずかしい」
「可愛いですよ、シノさん。俺におっぱい吸われてるときのシノさんの顔、すごく可愛い」
「や、だ………見ないで………」
「恥ずかしがってる顔も可愛いですよ、シノさん」
「ば、ばか………」
抗議の声をあげるシノだが、タカトシは容赦せずにシノの乳首を舐る。
"ちゅう、くに、ちゅッ、ちゅ〜〜〜〜"
唾液をまとわりつかせるように乳首を含み、甘く噛み、指先で舐めていない方の乳首をこね、
乳房の周りをなぞるように舌先で舐める。
「ひゃ!や、く、きゃぁッ!!や、やン………あ、ば、かぁ……」
敏感に、シノはタカトシの口撫に反応してからだを震わせる。
耐えきれないように、両脚をタカトシのからだにもぞもぞと絡めてくる。
(し、シノさん?)
シノの予想以上の乱れ様に意表を衝かれたタカトシだったが、少しだけ、悪戯をしたくなって。
"く………"
「!!あ!」
シノの下半身に、指先を滑り込ませた。その瞬間シノは条件反射のように両脚を閉じてしまい、
タカトシの右手は彼女の太腿の間にぎゅうっ、と挟み込まれる形になった。
「恥ずかしいの?シノさん」
「だ、だって私は…………初めてだから」
「それを言うならシノさんも知ってのとおり、俺も童貞なんですが」
「あ………で、でもなんだかタカトシ、その………慣れてるというか」
「いや、そんなことは。て言うかシノさんも反応ムチャクチャ良いですよね?」
「そ、それは…………タカトシが触ってくれてると思うと、すごく気持ち良くて………」
「!」
羞じらうシノが、たまらなく可愛くて。タカトシはシノの太腿を優しく擦るように、撫でた。
「?!きゃッ、た、タカトシ?」
「シノさんって、脚長いですよね。ほんと、モデル体型じゃないですか」
「………世のモデルというのは確かに貧乳が多いようだしな」
「って、別にそんな意味じゃ。そういうこと言う人には」
「??きゃ、きゃァッ!」
タカトシの指先が、円を描くようにシノの太腿を撫でる。
シノはさきほどよりもさらに高い声を上げ、激しく身を捩るようにして反応する。
「感じる?シノさん」
「や………ダメ、そこ触るの、ダメ、タカトシ」
「教えて。ね?ここ触られるのイヤなの?シノさん」
「ダメなの。感じてしまって………恥ずかしいから」
「恥ずかしがるシノさん、すごくキレイですよ」
そう言うとタカトシは、シノの太腿から指先を上昇させ―――下着に覆われた、膨らみに触れた。
「!あ………」
一瞬、惚けたような表情をして。それまで強張っていたシノの全身から、力が抜けていくのが分った。
くにくに、と柔らかく盛り上がったそこを撫でてみると。
「ふ。ひゃ………ン」
太腿を責めていたときとはまた違う、どこかそれを待ち望んでいたような表情でシノは吐息を漏す。
§
18郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2009/05/26(火) 21:55:36 ID:qG1x3Mb9
「ここの方が………良いの?シノさん」
「ん………さっきより、ぞくぞくってしないから………」
"ちゅ、ちゅ、す………"
乳首へのキスを再開しながら、下着越しに膨らみを撫でる。
じょり、と布越しに恥毛が擦れるような感触が指先から伝わる。
「       は、ふ………!、    む、ン……」
それを続けているうちに、はっきりと布が湿っていくのを感じた。タカトシは、シノの耳許で囁く。
「もう脱がしても、良い?シノさん」
「あ………ふ、う、うん」
目を閉じ、こくり、と小さく頷くシノ。タカトシはゆっくりパジャマを脱がし、そしてショーツも下ろしていく。
(わ、わぁ………)
きゅ、と固く閉じられた両脚。そしてその間にある秘所には、繊細な恥毛がふわりと生い茂っていた。
興奮したタカトシは、彼女がまだ目を閉じているのを良いことに、思いっきりそこに顔を埋めた。
「!!∇¶!?だ、ダメだ、タカトシ!!」
驚いて両手でそこを隠そうとするシノだったが、タカトシは彼女を逃さず―――
むしろより強く、顔を秘所に押しつけていく。
「や………ダメ………」
シノはなおも抵抗を止めようとしないが、タカトシは強引に鼻先を秘裂まで埋めると、
"つ、ちゅ"
蒸れたように熱い、シノの裂け目に舌先を這わせた。シノの薫りが、タカトシの鼻腔を満たす。
「!きゃぁぁぁ!」
恥ずかしさから叫び声を上げてしまうシノ。タカトシは、顔を埋めたままくぐもったような声を出す。
「ダメですよ………七条先輩の家が広いとはいっても、誰か来たらマズイですから」
「お願いだ、タカトシ。それ止めて………」
「シノさんの匂い………すごく、する」
「や!ダメ、タカトシ」
"くちゅうッ"
タカトシはシノの懇願を無視して、裂け目に激しく吸いついた。
「あ!やぁぁぁッツあ!!!」
泣き声を発してしまうシノに構わず、タカトシは舌先をそこに這わせた。
固く閉じていたはずの秘裂は、しかし。本人の意志とは相反して、ぬるり、とタカトシの侵入を許した。
(これが、会長のあそこの味なんだ)
酸いような、塩辛いような、渋いような、未知の味覚が舌先から伝わってきて。
タカトシは、無我夢中でシノの中を舐める。
"ちゅ〜〜〜、るぶッ、ぐぷッ"
「あ………は、や。や、やぁぁぁっぁ………」
唾液と愛液が入り混じり、そこは溶けたように熱く、そして潤っていく。
涙を流し、タカトシの頭を押えながらもシノは―――
(あ……だめ、感じちゃう…………や、やあ)
はっきりと自分のからだが反応し、疼いてしまっていることを自覚していた。
「シノさん、嫌ですか?気持ち良く、ないですか?」
散々シノのそこを辱めてから、ようやくタカトシが顔を上げる。シノは、泣き顔のままで。
それでもその表情は、紅潮して、ひどく艶やかなもので。
「分らない……分らない………でも」
「濡らさないと、入りませんよ?」
「………ぬ、濡れてるのか?タカトシ」
「はい、でも、もう少し………我慢して、シノさん」
"ちゅううッ"
「あ………は、ン………」
再び、裂け目に吸いつくタカトシ。シノは諦めたように両脚の力を抜き、為すがままに任せた。
"る、ちゅ、くちゅうう"
(でも、もうちょっとなんだよな………あとは、ココかな?)
舐めているうちにタカトシはふと思って、裂け目を指先で拡げてみる。
"く………"
「あ……」
§
19郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2009/05/26(火) 21:56:41 ID:qG1x3Mb9
シノの口から、鈍い声が漏れる。タカトシは、剥き出しになった肉唇に舌を這わして。
"ちゅ……つる、ちゅうッ"
「?ふ、ふぁ…………あぁぁッ!!!」
舌先で、埋もれた雌芽を探り出した。肉の中に隠れていたその突起を舌先でつつくと、
シノはさらに一段高い声で、鳴いた。
「ここ、感じますよね?シノさん」
「ダメ、だ、タカトシ。そこ、感じすぎてしまうから」
「あと、もう少し………もう少しですから………」
"くちゅ………ずぶッ、ぐぷッ、つるぅ"
小さな肉芯を、タカトシはひたすら嬲る。そのたびにそこはひくひくと震え、
拡げられたシノの肉泉からはとくとくと愛液が溢れ出る。
「あ!は、ン!!!や、はずかしい、タカトシ!あ、ひゃぁぁぁぁぁッ!!」
"く、くぷぅぅぅぅぅッッッ………"
シノが断末魔の悲鳴をあげると―――そこから、半透明の愛液がとろり、と漏れて、
彼女の全身から力が抜けていくのがタカトシにも分った。
(全然、匂いってしないんだな)
なぜかタカトシはそんなことを思いながら、シノが達した艶姿を眺めていた。
「あ…………ふ、あ………」
「シノ、さん………」
「や、だ………見ないで、タカトシ………」
タカトシはそこから顔を離し、シノを真正面から見た。
涙を流し、額まで真っ赤にした彼女は、両手で顔を隠してしまっていた。
可愛い人だと、改めて思った。目の前の美しい人を、ただ、愛したいと。初めて、そう思った。
「もう、良い?シノさん」
「あ………う、うん。それで、あの………アリアからもらったものがあるから」
「???」
「ちょ、ちょっと待ってくれ」
ごそごそと脱がされたパジャマをまさぐると、シノはその包みを取り出した。
「!?◯括W+!!そ、そんなものまで!」
「その………おまじないだそうだ」
「??おまじない?」
「私とタカトシが上手くいくように、とアリアが」
「はぁ。て言うか、本当に仲が良いんですね、七条先輩と」
「う、うむ。アリアは、一生の親友だ。少なくとも、私はそう思っている」
(な〜〜〜〜んか、嫌な予感がするんだが)
そのあたりは、タカトシも鋭い。今回のシノの告白も、
恐らくはアリアの画策によるものであろうと薄々気付きはじめてはいたが。
「わ、私は構わないのだぞ?タカトシの子供を身ごもることも」
「!って、いきなり何を言ってるんですか!!」
「しかし、その………生徒会長という立場としては、それが少々難しいことくらい、私にも分っている。
だからタカトシには非常に申し訳ないが、一応避妊を」
「いや、俺もそれくらいは分ってますから」
(はぁぁぁぁぁ…………この人は)
迷走を続けるシノの告白に苦笑しつつ、やはり愛しいと思ってしまうわけで。
(ま、いいか。この際七条先輩に乗せられちゃうのも)
「………タカトシ?」
「じゃ、じゃあ、つけますのでちょっと待っててくれますか?」
「う、うん」
(えっと………こう?空気が入らないように、と)
冷静なようで、タカトシも若葉マークである。コンドームの装着に、多少手間取ったりして。
「ふ………ふふ、ふ」
そしてその様子を興味津々といった表情で見ていたシノが、ふと小さな笑い声を漏す。
「………笑わないで下さいよ。すいませんね、慣れてなくて」
「!あ、すまない。違うのだ。その………君はいつもそつがないし、
女性の扱いも慣れているようだが、やはり初めてなのだな、と思って、嬉しくなってしまって」
「はあ。そんなもんですか?」
§
20郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2009/05/26(火) 21:57:36 ID:qG1x3Mb9
「ふふ………タカトシ?」
笑みを浮かべると、シノは両手を広げてタカトシを誘う。
ようやくコンドームを装着したタカトシがその胸の中に顔を埋めると、
シノはぎゅ、とタカトシの頭を抱きしめて。そして、思いをこめて、言った。
「好きだ、タカトシ。大好きだから。ずっと………私の、右腕になってくれ」
「なんだかそれだと、軍師とか参謀がスカウトされるみたいなんですが」
「そ、そうか?」
「ですけど、分りました。一生、あなたの右腕になります。あなたを、助けます。
俺も、シノさんが好きだから。大好きですから」
「………タカトシ」
"ちゅ………くに"
ふたりは、軽いキスをして。そして、タカトシはゆっくりとシノの膣口についた愛蜜を自らのペニスに擦りつける。
「!ひゃ、ひゃん!!」
「!すいません、シノさん。でもその、滑りを良くしないと多分痛いと」
「い、いや違う………その、気持ち良かったのだ」
「へ?」
「タカトシ、わ、悪いのだが今の、もう一回してくれないか?」
「??あ、はい」
いまいち事態を把握し切れていないタカトシだが、シノのリクエストどおり、
"く………くに〜〜〜"
ペニスを、シノの肉丘に擦りつけて往復させた。
「は    は、ぁぁぁん………これ、気持ちいい、タカトシ」
「ん………俺も、気持ちいいかもです、シノさん」
ふっくらとしたシノの肉丘の中心にあるへこみづたいにペニスを触れさせると、
得も言われぬ快感がぞくぞくと伝わってきた。
シノもペニスが自らのそこに触れるたび、奥の方からきゅん、と突き上げられるような快楽がこみ上げてきて。
「た、タカトシ………その、挿れてもらってもいいのだが、これを………しばらく続けてもらってもいいだろうか」
「あ、はい」
エロ知識については旺盛な好奇心の持ち主であるはずのシノだが、
これが俗に言う『素股』だとは気付いていなかった。それは、タカトシも同様で。
(あ………おまんこに、擦りつけるだけで、こんなき、気持いいんだ………)
「んッ      は、     ん………た、タカトシぃ………」
「ふ………あ、シノさ、ん………し、シノさん」
ふたりは、初めて遊びを覚えた子供のように。互いの陰部を擦りつけることに、ただ夢中になっていた。
擦りつけられるたび、シノのそこからはとくとくと愛液が溢れ、さらにペニスの滑りをなめらかにする。
そしてタカトシも、ぬるり、とペニスの先から根元まで蜜液にまみれるたび、
もどかしいような、恥ずかしいような快楽を得て、ぶるぶると腰を震わせる。
「あ………ん、あ。タカ………と、し………あ」
"ぐッ"
堪えきれなくなったように、シノが長い両脚をタカトシの腰に絡め、密着しようとしてきた。
「!?!?あ、わ………だ、めですよ。あ、シノさん!!」
その瞬間、強い刺激を受けたタカトシのペニスは、
"ぴゅッ!!ぷっぴゅウ!!!"
誘惑に勝てず、コンドームの中に青い精を放出した。
(あ………やべ、早すぎるって、俺)
あっさりと精を放ってしまったことに焦るタカトシだが、シノは不思議そうな表情でそんな彼を見ていた。
「………?タカトシ?どうしたのだ?」
「!え、いえ、ああ、あの。………すいません、俺、いっちゃいました!」
「??…………あ!え?まだ入ってないのに、その、男の人は、で、できるのか?」
「う………すいません、俺、その、シノさんが気持ち良すぎて」
「!わ、私は、気持ち良かったのか?」
「はい。もう気が付いたら俺、我慢できなくなって」
しょぼん、としてしまうタカトシだが、シノは妙にはしゃいだようで。
「嬉しいぞ、タカトシ!ふふ、そうか、気持ち良かったか!」
「あの、すいません。俺」
§
21郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2009/05/26(火) 21:59:06 ID:qG1x3Mb9
「謝る必要なんて、ない。本当に私は、嬉しいから!」
言葉どおり、喜々とした表情でシノはタカトシに抱きついてきて。
そして、まだ申し訳なさそうにしているタカトシの股間に手を伸ばしてきた。
「え?ちょ、ちょっと、シノさん?」
「ふふ。見せて?タカトシ」
慌てて腰を引こうとするタカトシだが、シノは素早くペニスからコンドームをくりくり、と外しにかかっていた。
「う、止めて下さいって、シノさん、あッ!」
「いいから。あ、とれた!」
すぽん、とペニスから抜けるコンドーム。シノは目の前にそれを持ってきて、しげしげと眺める。
「ふ〜〜〜む、なるほど。この先に精液が溜まる構造になっているのか」
「あ、あのですね、あんま見られると恥ずかしいんですが」
「なるほど、この精液の生産者はタカトシだ。しかしこのコンドームはアリアから私が譲り受けたもの。
すなわち所有権は私にある。と言うことは、私にもじっくり見る権利があるのではないか?」
「…………はぁ。ってそういう問題ですか!」
ようやく、と言った感じでいつもの生徒会長&副会長のエロボケモードになったのだが、
シノは実に興味深そうに精液の入ったコンドームの入り口を指先で広げてみたりして。
「ふむ。栗の花の匂いとかイカ臭いとか聞くが、これは確かに独特の香りだな」
「で、ですから、シノさん!」
タカトシの抗議の言葉を聞いているのかいないのか、シノはコンドームの中に指を突っ込んで。
"ちゅる"
指先に付着した、精液を少しだけ口に含んだ。その瞬間、なんとも複雑な表情になるシノ。
「ふむ………噂どおり、少々苦みが。糖尿気味の男性だと甘かったりするのだろうか?」
「お願いです、マジで勘弁して下さい」
シノが純粋に好奇心から行動しているであろうことは分ってはいたが、
それはタカトシにとって、あまりに恥ずかしかった。
「ふふ、では………キレイにしてあげようか?タカトシ」
「?わ、わ!い、いいですよ、そんなこと!」
悪戯っぽく微笑むと、いきなりシノがまだ萎れていないペニスに顔を寄せ、手を伸ばしてきた。
驚くタカトシだが―――シノは、笑顔のまま、顔を上げて。
「嬉しかったのだ」
「え?」
「本当に………嬉しかったのだ。タカトシが、私で気持ち良くなってくれて。私も、気持ち良かった。だから」
細く長い指でタカトシのペニスを愛おしそうに挟んで。そして、その先端に。
"ちゅッ"
シノは軽く、キスをした。
「あ、あ!」
こそばゆい快感に、思わず叫んでしまうタカトシ。
「ん………る」
かぷん、とタカトシの亀頭をぎこちなく口に含んで。シノは口内でれろれろと、それを舐める。
「!!あ、ダメですって、シノさん、そんなこと」
「ふ………ちゅぅ―――ッ、んんッ………」
タカトシを無視して、シノはフェラを続ける。吸いついたり、喉の奥まで呑み込んだり、軽く噛んだり。
耳学問でしか知らない、生まれて初めての口戯を続ける。
それはまだ拙くて、時折歯が当たってしまったり、肉茎に爪先を立ててしまったりしたが。
(あのキレイ好きでいつも凛々しい会長が、俺のを………)
夢中になってペニスを舐めているシノを見ているだけでタカトシの性感は高まっていき―――
さきほど精を放ったばかりだというのに、ペニスは思いっきり屹立してしまっていた。
「し、シノさん、でももうダメです。このままだと口の中で出ちゃうから」
「ん?あ………そう、だな。きちんと………しないと、いけないのだったな」
タカトシの言葉を聞いて我に返り、くぽん、とペニスから口を離すシノ。
大きくなったペニスを見て、名残惜しそうに。そして、嬉しそうに。
「………どうだった?タカトシ」
「あ、はい。その………すごく、気持ち良かったです」
「ふふ、なら、嬉しい!」
そう言うと、シノは笑顔のまま、抱きついてきた。ちょっとだけ苦笑して、タカトシもシノを抱きしめる。
§
22郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2009/05/26(火) 21:59:53 ID:qG1x3Mb9
そしてタカトシはもう一枚のコンドームの包みを破って装着すると、
シノを再びベッドの上に寝かせて―――怒張した己のペニスを、シノの入り口にあてがった。
「じゅ、じゅうぶん濡れているし、大丈夫だとは思うから」
「は、はい。それでも一応、準備をしますよ?シノさん」
タカトシはさきほどと同じく、ペニスを膣口に擦りあわせるようにして何度か往復させた。
「ん………ふ、それ、好き…………タカトシ」
繰り返すうち、再び刺激されたシノの肉泉からはまた、蜜液が流れ始めた。
それをペニスの先端に、たっぷりとなすりつけてから。
「じゃあ………いきますよ、シノさん」
「は、はい………」
"ぐ……………ぐぐ、ぐに……"
(う、、、、やっぱり狭いな、すごく………)
シノの膣口に、少しずつ、少しずつ―――埋め込んでいった。
「あ。ぁあ。あ…………」
シノは、喉の奥から言葉にならない叫び声を漏して。
「痛い………ですよね?シノさん」
「あ…………痛い、けど。大丈夫……………タカトシ。も、もっと」
「…………分りました」
それが虚勢だということくらい、分っていた。しかし彼女の思いを知っていたから、タカトシは。
"ぐ………ずぅ………ぐッ!"
「あ!はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!!!」
シノの奥まで、肉棒を、突き立てた。その破瓜の瞬間、シノは悲痛な叫び声を上げた。
「シノさん。入り、ました。シノさんの中に」
「う………あ、タカトシ………私は………今………タカトシと」
「繋がってます。あなたと。シノさんと俺が、ひとつになってます」
「分る………痛いけど、分る。………タカトシが………私と」
シノの口元からは涎が零れ、目には大粒の涙が光っていた。それでもなお、彼女はタカトシを求めていた。
「タカトシ………怖がらなくても、遠慮しなくてもいい………私を、君のものにしてくれ………
私は、君のものに、なりたい。君と、ひとつになりたい。だから、平気だ」
口をきつく結んで激痛に耐えながら、シノは喘ぐように、囁く。タカトシは、ただ、シノを大切にしたいと思って。
"ちゅ"
「あ…………」
シノの耳に、キスをした。その瞬間、シノの全身からほんの少しだけ、強張りが解けたのが分った。
「ここ、性感帯でしたよね、シノさん」
「………覚えていたのか?」
「好きな人の、ことですから」
「…………もっと。キスして」
「はい…………」
"ちゅ、ちゅ、ちゅ"
耳を中心に、短いキスを、繰り返す。ずきずきとした痛みとタカトシの甘いキスに、シノはからだを震わせて。
「ん………ふぅ……………ん………」
「好きです、シノさん………シノさんが、好きです」
キスを繰り返すうち、シノの緊張が解れていくのを感じ取ったタカトシは、
突き立てたままにしていたペニスを、ゆっくり動かし始めた。
"ぬ。ぬ〜〜〜〜"
「あ…………ん…………」
「ゆっくり。ゆっくり動きますからね?シノさん」
「う、うん」
"ぐちゅ………ず、ぬ〜〜〜〜〜、ずぅ………"
小さなピストン運動を、タカトシは開始していた。破瓜の血と愛液が混じって、シノの蜜口から溢れ出る。
「ん………ふ、ふぅ、ン…………あ、あ……」
自分の中で異物が動いているという違和感と痛みは、消えることがなかったが―――
タカトシの優しい動きは徐々にシノの体に馴染み初め、さほど不快なものではなくなってきていた。
(あ………狭いけど、やらかくて、あったかい………会長の、あそこ)
入り口は狭かったが、中にはぬるり、とした空間があって、ペニスをざらざらと擦るかのように包んできた。
§
23郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2009/05/26(火) 22:01:33 ID:qG1x3Mb9
激しく動きたいという欲求を必死に抑えながら、タカトシは緩慢なピストン運動を繰り返す。
「ふ………ん、痛いの、もう………へいき、タカトシ………」
「本当ですか?でも、まだ」
「ん………大丈夫、だから」
そう言いながら、シノは両脚を絡めてタカトシの動きをねだってきた。
(痛くないはず、ないのに)
シノを愛おしいと思いながら、タカトシは少しだけ動きを、大きくした。
"ぐ………ずるッ、ぐぅ〜〜〜〜"
「ん………そう。お願い、タカトシ………」
(は、あ………でも、会長の中、気持ち良すぎ………さっき出しといて良かった)
かといって、タカトシにも余裕があるわけではない。
実は先ほど既に射精したことで、なんとか保っているに過ぎなかった。
彼もこれが初体験であり、それ以上にシノはなかなかの名器のようだった。
"ぐ………ぐに、ぐぅ………"
(う、うわぁ!…………ちょ、マジで)
シノが小さく両脚を動かすたび、シノの中が蠢き、タカトシのペニスを刺激してきた。
それは包むなどといった優しい感覚ではなく、文字通り締めつけてくるかのような刺激だった。
「は、ふ………だいぶ、本当に………あ、ン。痛く………な、い」
"ぎゅ、ぐ、ぐじゅ"
無意識のうちに、シノはタカトシのペニスをきゅいきゅい、と締め上げる。
(は、ちょっと、あ、マジで、会長)
「ん………タカトシ、あ   たかとしぃ………」
"ぎッ"
(あ、いて)
シノはタカトシの動きに合わせるように切ない吐息を漏し、彼の背中に爪を立てた。
鋭い痛みがタカトシの背中を走るが、そのおかげでなんとか一度目の快楽の波をやり過ごすことが出来た。
そしてタカトシは、より深く。より遅く。より大きく、動いてゆく。
"ぎゅッ!ぐ、ぐぷッ!ぐじゅッ!"
「あ!タカトシ!あ、あァァ!!あ、あッ!」
「シノさん!し、シノさんッ!!!!!!!!!!!!!」
"ぐちゅッ!!ぐぷッ!!ぐぅううう!!!"
ふたりは全てを忘れて叫び声をあげ、肉と肉をぶつけあうようにそれを続けた。
それはただ、獣の行為だった。本能のみの、行為だった。
「あ、シノ、さん………俺、あ!!!」
そして、ようやく――――タカトシは、シノの中で。
"ぴッ!!ぴゅ、どぴゅぅッ!!!"
二度目の絶頂を迎え、果てた。
「………あ、タカトシ?」
脱力したタカトシが、甘えるように覆い被さってきて、動きが止まる。
その瞬間シノも、彼が果てたということを知った。
「…………タカトシ」
胸の中にあるタカトシの頭を抱いて恋人の名を呟いたあと、シノは彼の髪を柔らかく撫でる。
「シノさん…………」
タカトシも、シノの名を呟いて。ふたりは、動きを止めて、そのままでいた――――

「でも怒られちゃいますね、シノさんのファンに」
「私の、ファンに?」
「シノさん、人気者だから。今までも俺、結構脅されたりしたんですから。
こんなことバレたら、殺されちゃうかも」
「しかしそういうタカトシも、かなりファンが多いと聞くぞ?」
「は?いや、そんなことは」
「ふふ、だから私が卒業するまではアリア以外の人間には話さないでおこう」
「あ、はぁ。それはそうですね。畑さんなんかにバレたら、エライことになりそうですし」
「………それはシャレにならないから、冗談でも言わない方が良いな」
「ははははは、俺も自分で言ってゾッとしました」
§
24郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2009/05/26(火) 22:02:52 ID:qG1x3Mb9
「ところで、だ。タカトシ。もうひとつ、お願いがあるのだ」
「なんですか?」
ちょっとだけ言いにくそうにしていたが、シノはパジャマの中からネックレスを取りだしてタカトシに手渡す。
「?あ、それ」
「クリスマスのときに君からもらったプレゼントだ。今これを、私につけてくれないか?」
「え?」
「い、良いだろう?憧れていたのだ。こういうのを」
「あ、はあ………」
照れくさそうにそう言うと、シノは両手で長い黒髪をまとめ、目を閉じる。
(やっぱりキレイだな、会長)
ほっそりとした真っ白なシノの首筋は清潔な美しさを放ち―――そして、ひどく艶かしかった。
タカトシは惚けたように彼女の姿に魅入っていた。
「つけて………タカトシ」
「!す、すいません、シノさん」
呆然としていたタカトシはシノに急かされ、慌ててネックレスを彼女の首もとに回す。
「ふふ。私は、幸せだぞ?タカトシ。今日、君とひとつになれて」
「俺も、幸せです。すごく」
笑顔のシノを、抱きしめて。タカトシも、笑顔で答えていた。

そして、同時刻の七条家の別室。
「あ〜〜〜ん、上手くいきすぎ〜〜〜!!!」
なぜかそこでは何枚もの巨大モニターがシノとタカトシの姿を映し出しており、
悲鳴にも似たアリアの声が鳴り響いていた。
「お嬢様、首尾は上々だったではありませんか。なにが不満なのですか?」
「だって〜〜〜、これじゃただのバカップルじゃない!うわ〜〜ん、私も彼氏欲しい〜〜〜」
「お嬢様は七条家の大事な一人娘でいらっしゃいます。相応しい殿方を、いつかご主人様が」
「やだ〜〜〜!!!そんなの待てない〜〜〜!!」
両脚をばたつかせて抗議するアリアだが、相変わらず出島さんはそれを無表情に見つめていた。
「そうは言われましても、そもそもお嬢様にはそういった殿方の候補がおられるのですか?」
「…………いないけど。でもシノちゃん良いな〜〜〜良いな〜〜〜」
「確かに天草様と津田様は仲睦まじいご様子ですが」
「ねえ、出島さん?ちょっとだけよ?ちょっとだけ、シノちゃんから津田君を借りちゃうのってダメかしら?」
「ダメです」
「ええ〜〜〜〜」
「と、言いたいところですが、私としても妥協案を提案させて頂きます」
「??妥協案??」
「お嬢様の貞操を守ることはメイドたる私の使命と心得ておりますが、
しかしいわゆる後ろの貞操についてはギリギリその中に含まれておりません。
愚考しますにお嬢様はむしろそちらの方がお好きなのではないかと思われます。
また、後交のみでしたら津田様や天草様にとっても浮気とは言えないでしょう」
「え〜〜〜っと、要するに出島さん?アナルセックスならOKってこと?」
「…………ですのでお嬢様、そのように直接的な表現は」
「わ〜〜〜い、ありがとう、出島さん!じゃ、早速来週あたり津田君をお招きして♪」
「かしこまりました。不肖この出島、全力を尽くさせて頂きます」

(!!!!!?)
「?どうしたのだ、タカトシ?」
「いえ………なんでもないんですが」
(な、なんだ?今、一瞬)
そして、その瞬間。タカトシは、凄まじい悪寒が背中を走るのを感じていた。

この後の彼の数奇な運命については、また別の物語で――――

END
25郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2009/05/26(火) 22:06:09 ID:qG1x3Mb9
はい、今回は以上。
タイトルは『パジャマパーティーの夜』でお願いします>>Wiki管理人様
以前からそうだったんですが、最近どうにもダラダラ長くなりすぎてちょっと反省。
こんなんだから一作上がるのが遅くなるんですよね、マジで。
あ、あとここで書いて良いのかどうか分りませんが、前スレ>>469様の提案でありましたが、
私一人で良いのでシチュのリクを募って複数視点での短編を書いてみるというのはいかがでしょうか?
例えば↓
キャラ:スズ×タカトシ シチュ:? スズ視点で1作、タカトシ視点で1作

とか。需要がありましたらチャレンジしてみたいです。

では股
26名無しさん@ピンキー:2009/05/26(火) 22:49:20 ID:+4rkX6IE
>>25
このスレまだ有ったんかいビシィッ煤_(-ω―;)と失礼な書き込みしようとしたら、
貴方がおりました
相変わらずでなによりです
GJ
27名無しさん@ピンキー:2009/05/26(火) 23:54:39 ID:+7OWSUhh
すでに50KBに達してることに驚愕
28名無しさん@ピンキー:2009/05/27(水) 00:11:01 ID:JpekBE4u
たしかに容量とレスの関係が普通と逆だw
あ、郭氏超絶GJです!
29名無しさん@ピンキー:2009/05/27(水) 08:56:27 ID:1zOPQN4/
乙です
物語とエロが両立するのはやはり郭氏だからこそ
30名無しさん@ピンキー:2009/05/27(水) 19:34:24 ID:92MS+y+m
スズはパイパンだとよ
31ピンキリ ◆UsBfe3iKus :2009/05/28(木) 00:48:58 ID:QBQV0rxN
お疲れ様です。
埋め用に作った話ですので短い上にエロもありませんが、前スレがしりとりモードに入っているようなのでこっちに投下します。
生徒会で小ネタです。
タイトルは特に考えてなかったので無題で。
32ピンキリ ◆UsBfe3iKus :2009/05/28(木) 00:57:00 ID:QBQV0rxN
 津田タカトシは無事二年生に進級した。
彼の通う私立桜才学園はもともと女子校であり、
少子化の波を受けて驚愕化、もとい共学化したのだが、新一年生が入ってきた今でも、やはり男子の割合は少ない。
男女の比率がトントンになるのは、現三年生が卒業し、さらに数年を経てからのことになるであろう。

「さて、そろそろ生徒会の選挙の準備をせねばならないところだが」
 現生徒会会長・天草シノは腕組みしながら、目の前に座る生徒会の面々に厳かに告げた。
実質、彼女の任期は終わっており、最後の仕事として次年度(既に今年度になっているが)の役員選挙の準備が残っているのみである。
生徒の間(特に女生徒)で絶大な信頼と人気を誇っている彼女の留任を望む声は大きいが、
桜才は進学校でもあるため、受検対策に勤しまなければならない三年生は基本的に立候補も再選も認められていない。
特に校則にそう書かれているわけではないのだが、暗黙のルールというか、今までそうやって生徒会は運営されてきたのだ。
「その前に一つ、やらねばならないことがある」
「なあに? シノちゃん」
 少しだけ首を傾げながら、副会長である七条アリアが尋ねる。
日本でも有数の資産家である七条家の娘であり、美人でスタイルも良く、華道や茶道等にも通じている超優良少女だが、
かなり下方面に天然なエロを炸裂させる困ったちゃんでもある。
「引き継ぎに関しては特に問題はないと思いますけど」
 ツインテールを揺らして発言をしたのは、書記の萩村スズ。
帰国子女にしてIQ180、五ヶ国語ペラペラという、こちらもシノやアリアに負けず劣らずの高ポテンシャル娘である。
ホラーが苦手で体つきが小学生レベルというところは欠点と言えば欠点だが、
むしろ本人がそれを強烈に意識し過ぎてしまっていることこそが彼女の欠点と言えるだろう。
「このまま選挙が行われれば、津田が会長になる」
「既に決定済みみたいに語らんで下さい」
 そしてこの錚々たる面子の中に、ポツンと一人混じっている男子学生こそがこの津田タカトシである。
桜才を進学先に選んだのは家から近いから、成績は中くらい、良家の子息というわけでもなく、
サッカーや野球の経験があると言っても文字通り「経験がある」レベルで、身長も同年代の平均にプラス何センチか程度……。
容姿は多少優れているかもしれないが、ぶっちゃけ、どこにでもいるただの男の子に過ぎない。
「不肖この天草シノ、生徒会の会長として品行方正であろうと心がけ、またそうあるよう努力してきたつもりだ」
「……」
 タカトシは無言で、素直に頷いておいた。
思い返せば昨年度一年間、品行方正という言葉からシノが脱線した場面に何度も遭遇してきたわけだが、
それをいちいち一つずつ挙げていって追求するのは、この場の話の腰の折り方としては正しくないやり様であるとタカトシもわかっている。
それに、シノが会長として学園活動を不足なく行ってきたのはレッキとした事実でもある。
「何分男子が会長になるのは学園にとってもはじめて、色々と難題があろうし、女生徒からの抵抗もあるかもしれん」
 一番抵抗があるのは俺の心なんだが、とタカトシは思ったが、これまた無言で頷き返しておいた。
シノが『言い出したら止まらない系』であるのは、一年という短い付き合いながら十分に承知している。
「ならばだ、津田がどういう人間かを全校生徒が知れば、スムーズに会長に就けるかもしれん」
「津田君が会長を務めるのに相応しい人間であると証明する、ってことね」
「……選挙をすっ飛ばしてませんか?」
 ツッコミありがとう萩村、と心の中で礼を言うタカトシ。
流されるままになりつつあるのは、果たして彼が身に付けた対シノ・対アリア防御法ゆえか、それともM体質なためか。
「と、言うわけで、部外者に協力を依頼した」
「ぶがいしゃ?」
「そうだ、既に呼んである」
 シノは立ち上がると、生徒会資料室のドアを開けた。
資料室は生徒会室に隣接していて、過去の生徒会関係の書類や、文化祭、体育祭など行司関係の資料が収められているところである。
「と、言うわけで、呼ばれました」
「と、言うわけで、呼ばれちゃいました」
 資料室から出てきたのは二人の女学生、それはこの場にいる全員がよく知る顔だった。
「畑先輩とコトミ……?」
 そう、それは新聞部部長の畑と、タカトシの妹の津田コトミだった。
33ピンキリ ◆UsBfe3iKus :2009/05/28(木) 01:01:05 ID:QBQV0rxN
「新聞部の総力をあげて津田君を丸裸にしてみせます。ホクロが体に何個あるかというレベルまで」
「タカ兄のことなら色々知ってまーす、どんな癖があるとか、敏感な部分はどことか」
「ちょっと待って、それ完全にプライベートの侵害だから」
 思わず眩暈を覚えて、タカトシは椅子から転げ落ちそうになった。
彼が知る桜才の生徒の中でも、行動力という点でまさしく四天王な面々が揃ってしまった。
最早ブレーキを踏んでも止まりはしない。
「よし、では早速津田邸に行くか」
「何で!?」
「決まっている、津田タカトシがどういう人間なのかを暴くためだ」
「普通ですよ! 俺はどこにでもいる普通の少年です!」
「いや、エロ本の隠し場所はどこかとか、そこからどういう女性のタイプが好みかを割り出すとか、ゴミ箱の中に昨夜使ったティッシュが何個あるかとか」
「俺が会長になるとして、それがどう関係してくるって言うんですか!?」
 タカトシは助けを求めてスズに視線を送った。
シノは端からそのつもりなわけだし、アリアも性格上シノを止めるわけがない。
畑とコトミに至ってはすっかりやる気マンマンで、タカトシの援軍はここに至ってはスズ一人しかいない。
「萩村、何とかしてくれ」
「……」
「は、萩村?」
 そう、いないはずなのだが。
何故かその萩村スズは、顎に手を当てて考え込むポーズの真っ最中。
しかも若干頬が紅潮しており、どう見てもタカトシを助けようとしている風ではない。
「津田の好み……」
「お、おい萩村!」
「……わかりました」
「はぎむ―――」
「私も同行します」
「ら――――――!!」
 タカトシは今度は本当に椅子から転げ落ちた。
もう、彼を守ってくれるものは何もない。
「では善は急げ、すぐに向かうぞ」
「コトミちゃん、お兄さんの部屋ってよく入るの?」
「入りますよー、でもエッチな本の隠し場所はまだ知らないです」
「隅から隅まで調べあげて、傾向を一覧にして新聞に」
「やっぱり津田も持ってるのかしら……その、エッチな本とかDVDとか」
「お茶とか出しませんからね、各自で途中で買っていって下さいよ」
 どうとでもなれ、の境地にタカトシは達した。
皆より早く帰って部屋を整理する、という手段は使えない。
そんなこと、シノがさせてくれない。
「これで部屋から何も出てこなかったら、津田はEDという疑惑が!」
「女の人じゃなくて男の人の裸の本が出てくるかも」
「えー、タカ兄はホモじゃないと思いますよ、直感ですけど」
「ふむ、もしかしたら両刀の可能性もアリ、と」
「不潔ね、津田……」
「なあ、今気付いたんだけど、そーいうのをオオヤケにしたら俺って会長になれないんじゃね?」
 
 津田タカトシは無事二年生に進級した。
彼の通う私立桜才学園はもともと女子校であり、
少子化の波を受けて驚愕化、もとい共学化したのだが、新一年生が入ってきた今でも、やはり男子の割合は少ない。
男女の比率がトントンになるのは、現三年生が卒業し、さらにそれから数年を経てからのことになるであろう。
そして、生徒会の会長が今後もずっと女子のままか、それとも男子がなれるようになるのか、
それは全てタカトシが会長になれるかどうかにかかっている―――のかも、しれない。



 F  I  N
34ピンキリ ◆UsBfe3iKus :2009/05/28(木) 01:03:53 ID:QBQV0rxN
これだけです。

複数視点の件は、どれか一人だけなら何とかご協力出来るやも。
色々忙しくてですね、仕事が……。
35名無しさん@ピンキー:2009/05/28(木) 09:31:45 ID:sXy5Qf20
新スレ早々久しぶりのPK砲連続タイムリーにGJ
36名無しさん@ピンキー:2009/05/28(木) 16:46:55 ID:sqHyPkag
ぬお、新スレになってしかも郭氏が投下されているのに気付かないとは不覚
乙&GJ


で、旧スレ埋めるかね?
37名無しさん@ピンキー:2009/05/28(木) 21:53:16 ID:3kj8TPB+
今号を見て思ったんだけど、携帯に女性名が多いってことはタカトシは男友達
は少ないんだろうか?

基本微エロネタがメインだから、とはいえシンジ以外の男性陣は男友達との
絡みが少ないですよね。休み時間とかどう過ごしてるんだろう?
38名無しさん@ピンキー:2009/05/28(木) 21:56:03 ID:CfrFx62d
郭氏、ピンキリ氏二人とも乙です。
39名無しさん@ピンキー:2009/05/28(木) 22:45:44 ID:YFjx/OQx
>>37
そもそも学校に男が少ないんじゃねーの
40名無しさん@ピンキー:2009/05/28(木) 22:56:21 ID:oLJq+RN2
男子と女子でグループ分けしてるのかもしれんな
41Y-275:2009/05/29(金) 01:48:21 ID:M/6+1JX4
皆さんこんばんは。お疲れ様です。
まずは郭氏、ピンキリ氏ご両人乙&GJです。
それから>>1とwiki職人どのいつもありがとうございます。
投下します。
スルー対象ワードは
「展開強引」
「キャラが変」
「中だし」
です。
アリア×タカトシです。
それでは、投下。
42Y-275:2009/05/29(金) 01:50:16 ID:M/6+1JX4

「津田君、無防備過ぎ〜♪」
日が延びはじめた初夏の始まり。
2手に別れて行われた校内の見回り。
夕暮れの教室で、タカトシを正面に見据え、可笑しそうにアリアが笑う。
その前、タカトシは何をされたかわからなかった。
ただ見回りを遂行し、立ち寄ったある部屋。
そこで無防備になったタカトシの首筋に触れたほんの少しの熱。
数秒間後にその熱は離れていったものの、驚きからタカトシは勢いよくそちらに振り向く。
気付けば息がかかる程の距離にいるアリアにタカトシは口を開く。
「今、一体何を?」
ただアホの子のように、目の前の疑問のみの答えを求め、タカトシは問う。
「さぁ〜、何かしらね?」
それに答えながらアリアは再び可笑しそうな表情を作る。
完全に目元は笑いながら、その表情をタカトシに悟られることを隠そうともせずに。
「一体何なんですか?」
それを受けたタカトシは不快感を隠そうとしない。
「ほらほら、津田君、そんな恐い顔しないの。」
お姉さんぶるようにアリアは言う。
そこまで来てやっと、タカトシに向ける可笑しそうな表情は消える。
「さ、次行こう!!早くしないとシノちゃんとスズちゃんが百合百合になっちゃうかもよ。」
「ありえませよ…」
そんなことを言ったアリアにタカトシは普段通りツッコミをいれる。
未だに釈然としないものを感じながらも、足を動かしだしたアリアにタカトシは随伴する。
この話題はおしまい。
言われずして突き付けられた現実。
ここまで明確に押し付けられてしまうと、それ以上の追及は出来なくなってしまう。
自分の目の前を歩く、揺れる栗色の髪を眺めながら、タカトシは先程のアレが何だったのかを考えながら首を傾げる。
「あ、そうだ。」
不意に聞こえるアリアの声。
「これで、津田君は私のものだから、よろしくね。」
タカトシはますます、わけがわからなくなった。

………………………………

「これか…」
翌日昼休み。
男子のトイレとして指定された職員用トイレの鏡の前。
隣の席に座るポニーテールのクラスメートから借りた手鏡を駆使し、自らの首筋を眺めるタカトシがいた。

事の発端は朝の事。
「あれ?どうした津田?」
校門での服装チェックを終え、撤収を始めた生徒会役員。
シノの前を歩いていたタカトシにかけられた言葉。
「首筋に赤い痣が出来てるぞ?」
「えっ?」
言われてタカトシは自らの首筋を撫でたものの、そこに湿疹の類のものは無い。
「性病か?」
「童貞の俺に向かって何を…」
すぐにエロボケに繋げるシノに呆れつつタカトシはツッコミをいれた。
だいたい、首筋に赤い痕が出来る性病ってなんだ?等と心の中で独りごちる。
「季節的に虫も出始めたことだし、虫にでも食われたんですかね…?」
さっぱり心当たりが無い。
そう言わんが如くタカトシは首を傾げる。
心の中で、ある一つの可能性に疑念を抱きながら。

ここまでが朝の出来事。
その後、タカトシの言葉に「そうか。」などと呟きながら、納得したシノ達に別れを告げると、タカトシはスズと共に教室に移動した。
そして現在昼休み。
件の自らの部位を念入りに確認するタカトシ。
43Y-275:2009/05/29(金) 01:52:07 ID:M/6+1JX4
そして、間違いの無いことであると確信する。
その痣自体が、誰によるもので、いつついたものなのかを。
そこまで至れば成すべき事は一つしかない。
「七条先輩にこのことを聞かないとな…」
首筋をもう一度撫でて、そこに痛みも痒みも湿疹も無いことをもう一度確認すると、タカトシはその場を後にする。

………………………………

「お嬢様…」
声をかけられて気付く。
一人でいたはずの部屋にいつの間にか出島さんが存在している事に。
「ごめんなさいね…、出島さん…」
私を心配するように声をかけてくれた、我が家のお手伝いさんを気遣う。
それでも…
「………ヒック、…えぐ」
頬を伝う涙は溢れ出ては勢いを失うことはない。
今日の夕食の時の話はまだ高校生の私には酷過ぎたと思う。
『お前は良いお嫁さんになりそうだな。どうだ?インボイス商事の小野寺君なんか。彼は非常によく出来た男だ。』
たまに炎上するがな。なんて付け足して、お父さんは笑った。
お酒を飲んでいたこともあって上機嫌だったのだろう。
だがやはり、薄々感づいていた事は事実なのだなと思った。
今まで両親や家の皆に大切に育ててもらった自覚はある。
小さい頃から、どこにだしても恥ずかしく無いように。と。
でも、それも今となればこの為にだったような気がしてならない。

─親が決めた人との結婚─

思い返してみれば、会話の節々、それっぽい事を臭わすニュアンスはあったと思う。
別にだからと言って、親をうらむつもりはない。
ただ……

………………………………

「七条先輩。」
生徒会会議を終え、終了の号令と共に、一番でタカトシはアリアに声をかける。
「ん、なに?」
声をかけたタカトシに答え、アリアがタカトシの方へ向き直る。
「あの…「お嬢様」」
タカトシがアリアに声をかけた直後、その先は言葉に出来ない。
何故ならば、
「迎えに上がりました。」
短いポニテに、エプロンドレス。
所謂メイド服に身を包んだ出島さんが言葉を遮ったから。
そのタイミングの違和感を気に止めつつも、タカトシは、先程問い掛けようとした言葉を飲み込む。
(なんか苦手なんだよなぁ…)
タカトシは思う。
初めて会った時はそこまでではなかった苦手意識。
ターニングポイントになったとすれば、
『お嬢様に手を出すような事は無いようお願いします。』
そう言われたクリスマスパーティーで訪れた七条家の別荘での事であろうかと思う。
他の女性陣とは、自分に向ける態度が違う気がしてならないのだ。
あのタカトシに釘を刺してきた一件は少なくともマジだった。とタカトシは思う。
「ありがとう、出島さん」
「いえいえ。これもメイドの勤めですから。」
タカトシが声をかけた事実など忘れたように、アリアは出島さんと言葉を交わす。
「あ、そういえば、」
暫くたった後、ようやくタカトシから声をかけられたという事実を思い出したのか、アリアがタカトシの方へ視界を向ける。
「津田君さっき何か言いかけなかった?」
「いえ…」
暫く経ってからそんな風に声をかけられても、一度遮られた言葉をもう一度しゃべりだすのは躊躇われるわけで…
44Y-275:2009/05/29(金) 01:54:01 ID:M/6+1JX4
「んー、気になるなぁ。」
そんな態度をタカトシにされてしまうと、アリアとしては気になってしまう。
「お嬢様お時間が。」
出島さんは特に気にした風でも無く言う。
「はぁい。ごめん、津田君、私これからお稽古があるから。後で家来て。ね?」
「いや…、別に……」
明日でも
そうタカトシが言うよりも早くアリアは身を翻してしまう。
「はぁ…一度帰るか…」
アリアと出島さんに取り残されて一人になったタカトシはそう呟くと鞄を手にし、帰路につく。
帰り道、タカトシの携帯には
『6時半に我が家で』
というアリアからのメールが入った。

………………………………

「はぁ、いつ来ても…」
落ち着かないなぁとタカトシは思う。
一般庶民であるタカトシにとってお嬢様のお宅というのは居心地はよろしくない。
だだっ広い部屋に一人通されてアリアを待つ。
以前来た時に入ったアリアの部屋とはまた違った、所謂、客間と呼ばれるところであろうか?
シンプルに数人掛けのソファーと、冷蔵庫、テレビ、それからベッドと家具類が設置されている。
変に成金じみたコテコテな趣味をしている嫌味なものではないものの、腰掛けたソファーから伝わる感触に、
(高級品なんだろうなぁ…)
等と思い、やはりタカトシの居心地は悪くなる。
実際、腰掛けたソファーの柔らかさ等は抜群なのだが。
「お待たせ、津田君。」
そうこうしているうちにアリアが、タカトシの通された客間へと入ってくる。
高校から戻り、習い事を終えたということもあり、先程学園で別れた時とは違った私服姿で。
「それでは、お茶をお持ちしますね。」
その後ろからは七条家専従メイド出島さんの姿。
アリアと共に一度客間に顔を見せ、そのあとで改めてお茶を入れにいく、と部屋を後にする。

それから暫くして出島さんが紅茶を2つ運んできた後、部屋を出ていった。
アリアとタカトシの2人は、紅茶を片手に話をする。
生徒会の事、それからタカトシが居心地悪く感じたこの客間を含み七条邸のこと。
タカトシにしてみれば、アリアと話をしなければならない内容があった。
それでも、アリアに会話の主導権を握られ中々言い出せない。
数十分間それは一切切り出せないまま、話は続いてしまった。

「そういえば、津田君用件は?」
そうして続いた会話が、ひとしきり盛り上がったところでアリアが口を開く。
タカトシが今までずっと気にかけていながらも、一切触れられなかった内容が今やっと話題に昇った。
(なんか、凄い遠回りになったな。)
タカトシは心の中で苦笑しながら、口を開く。
「あの、首筋の痣の事なんですけど…」
今日の昼休みにアリアから聞き出そうと決意して、ここに至るまでなんと長い時間を要したことか。とタカトシは思う。
それでも、これだけはっきりと残った痣の真意をやっと本人から聞き出すチャンスをやっと得たのだ。
「あぁ、それはね、キスマーク。」
遠回りをした、本人から聞き出すチャンス等と意気込んだタカトシをたった一言でさらりとアリアが返す。
「なんでまた…」
あっさりと答えを聞かされ、困惑しつつもタカトシが言葉を紡ぐ。
「ふふ、こうして見ると、はっきりと残るもんなんだね。」
「…!!ちょっ、七条先輩何を?」
タカトシの言葉には答えず、アリアは手を伸ばすと、タカトシの首筋を撫でる。
突然の事にタカトシは驚きの声をあげる。
「何ってわからないかなぁ…」
「さっぱりわからないんですが…」
アリアの言葉に首を捻りながらも、タカトシが返す。
「ふふ…これなら分かるかな?」
45Y-275:2009/05/29(金) 01:56:34 ID:M/6+1JX4
そう言って、アリアはタカトシの首筋に顔を近づけると、
─レロッ─
舌を伸ばしタカトシの首筋を舐め上げる。
「ん、ちゅぷ……れろっ、ちゅっ」
「やめてください、七条先輩……っぁ!」
タカトシはアリアに抗議の声をあげるも、同時に間抜けな声が漏れてしまう。
しかも、首筋に舌を這わせる程までに接近したアリアとは自然と密着する形になる。
(胸…当たってる……!!)
そうなると、これでもかと言わんばかりにアリアの胸は自己主張を開始する。
抜群のボリューム感を誇るアリアの胸は、タカトシの腕にあたり、形を変える。
「れろ…ぴちゃ、ちゅ、ん……」
その間もアリアはタカトシの首筋に舌を這わせ続ける。
舌の動きは徐々にねちっこいものへ。
タカトシの首筋に唾液を塗りたくる。
「ちょっ、ふ……っぁ、……っ!」
首筋から伝わる感覚にタカトシはゾクゾクしたものを覚え、声をあげてしまう。
腕に伝わる感触と合わせて、タカトシを強く刺激し、タカトシの意志とは関係無しに男としての本能は鎌首をもたげ始めてしまう。
ズボンを下から押し上げ、その存在を強烈に主張する。
「あらあら…」
当然のようにアリアはその事に気付く。
ひとまず首筋を舐めていた顔を離すと食い入るようにそこを見つめる。
「ひどいですよ…七条先輩……」
タカトシが言う。
突然の事に同様しきりのタカトシの言葉は弱々しい。
「それに、その…胸が……」
いくら先程から続いていた首筋への口撫が止んだとは言え、アリアの身体は未だタカトシに密着したままだ。
「気になるの?」
「えっ!?」
タカトシの言葉にアリアはタカトシの意志を確認する問いを返す。
「ねぇ?津田君?」
そんなアリアの問いに驚きのリアクションのみを返したタカトシにアリアが続ける。
「据え膳食わぬは男の恥だと思わない?」
顔色一つ変えずにアリアはそこまでを口にする。
「なっ……!」
アリアの言葉にタカトシは絶句する。
「…………………………」
何も言わずにアリアはそんなタカトシの顔を覗き込む。
タカトシ自身に結論を出させるために。
「いや、でも、ここは七条先輩の家ですし、それに前に出島さんに…」
アリアにそうされることによりかなりの居心地の悪さを感じてしまう。
アリアに対する返答というよりかは、自分自身の置かれた現在の状況を確認するために口にしたに等しい言葉。
─チャリッ─
そんなタカトシの前に差し出されたもの。
銀色に光りながらそれは、アリアの指先で揺れる。
タカトシがそれを認識するにはそれから数秒を要し、それを指して言葉を紡ぐ。
「鍵……?」
タカトシの言葉を受けてアリアはご名答とばかりに笑顔を浮かべる。
そして再び口をタカトシの顔の側まで近づけると囁く。
─貞操帯の鍵─と。
それが意味すること、本来それを持っている人物の手元を離れている意味が繋がった時、タカトシは誘われるままアリアをソファーに横たえた。

………………………………

「好きな人がいるの。」
涙を流す私を心配して、部屋に来てくれた出島さんにこぼす。
出島さんとの付き合いはまだまだ最近になってから始まったばかりだけれど、こうして私を気遣ってくれる彼女を私は信頼しているのかもしれない。
私付きのメイドさんだから当たり前なのかもしれないけれど、彼女からの気遣いはそんな当たり前の主人とメイドの関係の範疇を越えていると信じている。
「彼ですか…」
私の言葉に出島さんは短く確認だけを返してきた。
その問いに私はただ縦に首を動かす。
46Y-275:2009/05/29(金) 01:58:29 ID:M/6+1JX4
「お嬢様は旦那様の意向はご存知では?」
首を縦に振った私に、確認をとるように出島さんが次の問いを放ってくる。
分かっている。分かっているから苦しいのだ。
自分を大切にしてくれたお父さんと、今、私の心の内を占拠する彼。
彼を思うと切なくなる。
適度にからかい甲斐があって、それに乗ってツッコミを入れてきたり、何かと可愛い。
きっと、年下で、異性で、ここまで親しくなったのは初めてだったから。
異性に対して可愛いだなんて失礼かもしれない。
けれどそう思う。
時々、不意にギュッと抱きしめたくなってしまう。
『ふふ、津田のプレゼントが当たったのだ。』
あの日、首にかけたネックレスを撫で、嬉しそうに笑った親友。
『これは、はぐれると大変ね。』
迷わず彼の手を取った後輩。
彼女達の姿を見て切なくなった。
でも、私はそんな積極的にはなれなくて、からかうだけで精一杯。
だから、今回の事でも、お父さんの言うことに従う未来が待っているのだろう。
いずれ手放すことになる思い。
今の自分から彼への思いが本物であればあるほど、私の心は苦しくなる。
「そうですか…」
私がお父さんの意向を知りながら、それでも好きな人を思っている。
その事を受け止め、出島さんは重々しく口を開く。
多分、それだけで私の心は救われたと思う。
一人で抱え込んでいたさっきよりかはマシ。
そう思えた。

………………………………

「んん、ふあっ……っ!あぅ……っ!!」
舐めて、吸って、撫でて、扱いて…
互いに昂ぶらせあった身体をさらけ出しながら2人は交わる。
「あっ、あっ、あふ……ふぁ、っ!」
ソファーに深く腰掛け、足を開くアリア。
アリアの脚の付け根に顔を埋め、タカトシはアリアの下の口とキスをする。
「んあ、あああぁ……っ!」
深くまで舌を挿入され、溢れ出る愛液をタカトシに貪られて、アリアは極まった声をあげる。
夢中で愛液を舐めとり、飲み干すタカトシも、どんどんと興奮に煽られていく。
「七条先輩……俺……」
「うん、良いよ。きて……っ!」
アリアの脚の付け根から顔をあげたタカトシの問いに、アリアが蕩けきった表情で答える。
「それじゃあ…」
タカトシは浮されたように口走ると身体を立て、自らのペニスをアリアの膣口にあてがう。
「んんんんっ……っ!」
それから一呼吸置いた後、一気に自らのペニスでアリアを刺し貫く。
低いうめき声をあげるアリア。
身体を立て挿入するために腰を突き出したタカトシは、痛みに耐えるような表情を浮かべるアリアを正面から捉える。
「七条先輩、大丈夫ですか?」
その表情は、かろうじてタカトシの残っていた理性を呼び戻す。
「……っ!はっ、……っ!」
なおも辛そうな表情を浮かべながら、アリアは首を縦に動かす。
手は何かを掴もうと宙をさ迷っていたが、やがてタカトシの頭をがっちりと掴むと、
「ん、ちゅぷ、ちゅ……っ!はっ、ちゅ……」
引き寄せてタカトシとキスを交わす。
「七条先輩……?」
突然の事にタカトシは混乱してしまう。
思えば、誘われるまま及んだ行為の中で、キスを交わすのは初めてだった。
「……っ、ふあぁ、やっぱり初めてって痛いんだね……っ!さっきまでが気持ち良すぎて想像もしなかったよ……っ、」
アリアは続ける。
「その…今、キスして、少し落ち着いたから……っ!動いて良いよ……」
目に涙を目一杯貯めながら言葉を紡ぐ。
47Y-275:2009/05/29(金) 02:00:09 ID:M/6+1JX4
「ん、ちゅっ、ちゅぷ……ん、あ、ふ……っ!」
その表情に心を奪われ、タカトシはもう一度キスを交わすと、アリアをいたわるようにゆっくりと腰を揺すりだす。
「ん、ふあっ、っあ……あっ、……っ!」
ゆっくりと腰を動かしだしたタカトシに合わせるように、やや苦痛の色も織り交ぜながら、アリアは快感の声をあげる。
「あっ、あっ、ふあっ、……私、Mなのかな……っ!痛いのに気持ちいい……あっ、っ!」
そうしてペニスをアリアの膣に打ち込みつづけるうちにアリアが呟く。
それを証明するように、膣内は絡み付くような動きに変化していく。
(うわっ……これ……っ!)
初めてでまだまだきつい膣内での動きの変化は、タカトシにも確実に快感をもたらす。
背筋を駆け抜ける快感に深く深くペニスを送り込む。
「あっ、あっ、あっ、ふあっ……っ!奥まで当たっ……っ!」
奥まで届くタカトシのペニスを引きずり込むようにアリアの膣内は蠢く。
「ふああぁぁぁ……っ!奥、すごい、あぅ、ふ、気持ちいい……っ!」
それは快感の追いかけっこ。
タカトシから快感を与えられれば、アリアの膣内は蠢き、タカトシに快感を。
アリアから快感を与えられれば、タカトシは腰を震わせ、より強い注挿でアリアに強い快感を。
「あっ……っ!あっ、あぅ……っ!」
互いに腰を動かして快楽を貪りあう。
「あっ、ふあぅ……あ、っ、く……っ!」
声ともならない快感の声は部屋に響き渡る。
タカトシの下で盛大にその放漫な胸を揺らしながら、アリアは快楽に身を委ねる。
ただ欲望のまま快感を渇望し、引いては返す快感の波に自らを漂わせながら。
「津田くん……っ、ふ、あっ、あっ、ふぁ、もっと……っ!」
自ら口にして快楽を欲する。
タカトシの聴覚を刺激し、タカトシは興奮のるつぼと化す。
(態勢を変えて…)
タカトシは思う。
現状の体位でも、気を抜けば達してしまいそうな程の強い快感を覚えている。
これが他の体勢ならどうなのか。と。
それに、一つの体位だけで無く、他の体位への興味も沸いて来る。
「……っ!あ、………津田、くん?」
そう思いたつと、タカトシは腰の動きを止める。
「体勢変えませんか?」
そして、タカトシは提案する。
「うん…」
快感に浮され、潤みきった瞳でアリアは肯定の意志を返す。
「ソファーに手をついて下さい。」
一度アリアを立たせると、タカトシはそう要求する。
「こう?」
言われてアリアがその体勢を作ると、
「ん、……っ!ふわぁ!ちょっと、待っ……っ!」
タカトシは一気に自らのペニスを挿入する。
完全に気を抜いてしまっていたアリアとしては堪らず声をあげてしまう。
「あっ、ふわ、あっ……っ!あっ、あっ、あっ、何コレ、さっきより気持ちいい……っ!」
「……っ!」
ただ単に体勢を入れ換えただけなのに、段違いに伝わる快感に2人揃って全身を震わせる。
(うわ、これ…)
そして、タカトシには聴覚からも伝わるものがある。
染み一つないアリアの背中、揺れる綺麗な栗色の髪と、背中越しでも分かる、その放漫な乳房。
そして、今、その全てを自らが手にしているという事実。
それらは、タカトシの支配欲を確実に刺激する。
「あっ、ふ、あっ、あっ……っ!津田…あっ、く、ん……っ!」
強く強くタカトシは自らの腰をアリアに打ち付ける。
「あっ、あっ……っ!私、もう……っ!」
アリアが自らの限界を訴える。
タカトシももう限界だった。
「あ、ふぁあっ、あっ、あっ、ふああぁぁぁ、っ!」
短く悲鳴をあげながら、背筋をのけぞらすアリア。
タカトシも最後に強くアリアに腰を打ち付けると、一番奥で、自らの精を放つ。
48Y-275:2009/05/29(金) 02:02:30 ID:M/6+1JX4
………………………………

「既成事実を作ってしまえば良いのですよ。」
出島さんが言う。
「既成事実…?」
出島さんの言葉に私は鸚返しのように呟く。
「はい。旦那様も納得されて、お嬢様のご希望にそう形。その実現のために。」
出島さんの突然の提案にびっくりする。
そもそも出島さん自体は、彼のことを快く思っていなかったのではないのか?
「出島さん…でも…」
「お嬢様、恋愛とは自由であるべきです。」
出島さんのこの一言は私の中で勇気になった。
「同性同士というのも含めて、そうあるべきです。」
なんか、納得してしまう。
出島さんらしい論理だと思う。
「私はお嬢様を応援致します。自分の主の苦しむ姿というのは、やはり見ていて気持ちの良いものではないので。」
普段通りのたたずまいでそう口にする出島さん。
やはり、この人の事を信用してよかったと思う。
こうして私を思い、無償でサポートしてくれる。
「ありがとう。それじゃ、お願いするね。」
「はい、お嬢様。なんなりと。」
そう言って慇懃に頭を下げる出島さんは頼もしかった。

………………………………
49Y-275:2009/05/29(金) 02:03:03 ID:M/6+1JX4

「あの、七条先輩……」
勢いでしてしまった。
頭の中でそんな考えが渦巻きながら、タカトシは口を開く。
事後の処理を終え服を着替えたタカトシ。
さすがにアリアの方は、破瓜の血や精液が身体に付着していたが為にそうはいかず。
アリアが全てを終えて戻ってきた矢先だった。
「責任とってくれるんだよね?」
タカトシの言葉を受けてのアリアの第一声。
その一言にタカトシは青ざめる。
「ふふ。」
「??」
そんなタカトシを見ていたアリアが不意に笑い声を漏らす。
その意味がわからず、タカトシは疑問の表情を浮かべる。
「津田君渋い顔しすぎだよ。」
アリアが吹き出すように続ける。
「ダメだわ。ホントは出島さんからは泣き落とすよう手ほどきを受けたんだけど…」
すっかり展開についていけないタカトシを置き去りにアリアの独白は続く。
「津田君の表情を見てるとそんなのどうでも良くなっちゃう。」
そこまでを口にして、アリアはもう一度フフッと笑うと、
「やっぱり、私は津田君の事が好き。」
やっと言えた。そう付け足す。
「七条先輩……」
突然の事にタカトシは驚く。
ただ、アリアを呼んで、そこから黙り込む。
「津田君が私を求めてくれて嬉しかったな。」
黙り込むタカトシに、アリアは顔の前で自らの指を弄びながら言葉を紡ぐ。
その言葉に偽りは無い。と証明するような表情を作りながら。
(綺麗だなぁ…)
そんなアリアの表情に、タカトシはそんなことを思う。
基本的にアリアにはいつも下ネタで振り回されてばかりだけれど、
時折見せるこういった表情にタカトシはくらくらとしてしまう。
(きっと…)
自分も心惹かれていたんだとタカトシは思う。
身体を重ねたことはただのきっかけで、本音の部分で。
そこまで考えが至れば簡単で、シンプルにタカトシは口にする。
「俺も七条先輩の事好きみたいです。」
「ありがとう。」
タカトシに言われて、アリアは短く礼を口にする。
(本当は…)
出島さんに授けられた策は泣き落としなんかじゃ無いんだけどねなんて事を思いながら。
「さて、これからが大変だよ。最終的には私の旦那さんになってもらうんだから。」
これからの未来に思いを馳せながら、飛び切りの笑顔でアリアはタカトシに告げた。
50Y-275:2009/05/29(金) 02:10:58 ID:M/6+1JX4
以上です。
タイトルは思い付かないのでNO TITLEで。

2巻表紙のアリアは反則だろ等と思いながら書いてみました。
アリアの話を書くと何故か痴女風味になってしまって申し訳ないです。

次はシンジ×カナミを書けたら等と思ってます。
個人的に最近はムツミ分が不足してきたりしつつ…
前に投下したお二方が住人の皆様の提案に応えようとしてるなか、申し訳ないですが、自分はまだ保留させてください。

長々と駄文乱文失礼しました。
失礼致します。
51名無しさん@ピンキー:2009/05/29(金) 14:11:42 ID:9EIE9Ho8
郭氏、275氏、いいエロでした乙です
52名無しさん@ピンキー:2009/05/29(金) 16:59:04 ID:TpK0SCqM
Y-275氏乙です

あまり自分を低く置かないで下さいよ
個人的には氏と郭氏のSSがいっとう楽しみなんです
53名無しさん@ピンキー:2009/05/29(金) 17:42:12 ID:3xpnUURJ
新スレ早々投下連鎖で87KB越えw
もう全神にGJで良いんじゃね?
54名無しさん@ピンキー:2009/05/30(土) 18:29:06 ID:ZbE4zooF
まぁまずは落ち着いて前スレを埋めようジャマイカン
55名無しさん@ピンキー:2009/05/30(土) 21:43:49 ID:c4zsqgAH
あのタイプの埋め方は苦手でして
56名無しさん@ピンキー:2009/05/30(土) 22:51:21 ID:50pI1gwy
とりあえず書き込んできた。
57名無しさん@ピンキー:2009/05/31(日) 22:46:59 ID:8PdZgzfW
ちょくちょく参加させて貰ってます。
58名無しさん@ピンキー:2009/05/31(日) 23:32:07 ID:pMLB7zAS
俺もかいといてなんだが、あれ絶対引退した職人と現役職人が参加してると思う
59名無しさん@ピンキー:2009/06/01(月) 00:00:52 ID:5ItyFn/w
>>58同意。
残り3キロバイトで、どんな風に閉めるか見物ではある。
終わらなかったらこっちのスレに移行とかありそう。
60名無しさん@ピンキー:2009/06/01(月) 06:35:04 ID:W4SexFCA
知ってるかもしれんがVIPに生徒会SSスレ勃ってるぞ
KYですまんこ
61名無しさん@ピンキー:2009/06/02(火) 03:07:36 ID:U5RpRp0B
518氏はお元気だろうか…


氏の濱中モノが大好きで…
62名無しさん@ピンキー:2009/06/02(火) 17:57:37 ID:tavEYXw6
518氏で笑って、郭氏でジンとして、トマソン氏でほっこりして
それが俺の氏家エロパロのスタートラインだった
言ってみればこの三人衆のおかげでマガジンも買いもらさなくなったみたいなところがある

あと、個人的にミセリ氏(だったと思う)の未知との遭遇の続きを未だに待っている
63名無しさん@ピンキー:2009/06/02(火) 23:44:42 ID:bvd4Ssxv
そら氏復帰してほしい
そら氏も何気に一時代築いてたと思う
64名無しさん@ピンキー:2009/06/03(水) 16:36:22 ID:pSLoQG16
あとアカボシ氏もね
65名無しさん@ピンキー:2009/06/04(木) 00:12:06 ID:10IuMqqu
初期 ドミンゴ氏 郭氏 518氏 ピンキリ氏 ペピトーン氏

中期 郭氏 518氏 ピンキリ氏 ペピトーン氏 トマソン氏 セリカ氏 アカボシ氏

最盛期 郭氏 518氏 ピンキリ氏 ペピトーン氏 トマソン氏 アカボシ氏 そら氏 サブロー氏 乖離氏 ミセリ氏

衰退期 郭氏 518氏 ピンキリ氏 長時間氏

現在 郭氏 ピンキリ氏 Y-275氏 傍観者氏

こうして見るとやっぱり郭氏とピンキリ氏すげーわ
66名無しさん@ピンキー:2009/06/04(木) 01:21:06 ID:1pETvfJp
懐かしい職人の方々の名前に感慨・・・
67名無しさん@ピンキー:2009/06/04(木) 10:02:28 ID:c5B2xECL
郭氏はペースも半端ないからな…
100作投下は伊達じゃないな、アクシズも押し返せるかもしれん
68Y-275:2009/06/06(土) 01:31:36 ID:vtfCGRBW
みなさん、こんばんは。
お疲れ様です。
投下します。
シンジ×カナミです。
スルー対象ワードは
「依存系」
「中だし」
です。
それでは投下。
69Y-275:2009/06/06(土) 01:33:37 ID:vtfCGRBW

「ん…っ、ふ、ぷちゅ……っ!どうでふか?シンジさん」
「…っ、良いよ、ミホちゃん!」
私より遥かに良いスタイルを駆使して、お兄ちゃんと戯れている。
興味本意で覗いたお兄ちゃんの部屋。
酷い後悔が襲う。
本当はこんなはずじゃ無かった。
今日は出掛けると、嘘までついて覗いた部屋。
そこには自分の好奇心を満たしてくれる光景が広がるはずだった。
なのに…
流れ込む黒い感情。
大きな何かの塊に押し潰されそうになる。
(こんなの……嫌だ……)
そこで気付いた自らの気持ち。
(嫌だよ、お兄ちゃん……)
全てが始まったあの日のことが頭を過ぎる。

………………………………

「ミホちゃん、お兄ちゃんの事好きなの?」
委員会がきっかけで仲良くなり、度々帰路を共にするようになったミホちゃんに問いかける。
「ええっ!カナミちゃ……きゃ!!」
急な私の問い掛けに驚いたのか躓くミホちゃん。
「ドジっ娘だねぇ…」
そんな彼女に、私は今の彼女を形容するのに相応しい言葉をかける。
「あたたたた…」
汚れた制服を叩きながら、彼女は続ける。
「ん。まぁ、ね。」
前のマナカちゃん達との会話からわかっていたことだけど、改めて確認する。
「そっか…まぁ、頑張ってよ。お兄ちゃんもいつまでも童貞ってわけにはいかないだろうし。」
「結局それなの?」
私のエロボケに言葉をあげる彼女。
実はお兄ちゃんに気のある人は多い。
アキちゃんは少なくとも憎からずお兄ちゃんを思い、マナカちゃんはどこまで本気かは解らないけれど、好意を抱いてるのは確かだ。
でもその実、実際に行動を起こそうという人はそう多くない。
私が知る限りではミホちゃん一人……いや、エーコちゃんの友達の子がいたっけ。
「そっか、でも、妹から公認も貰ったし、私頑張るよ。」
「いや、話を飛躍させすぎだよ…」
ミホちゃんは時々暴走しがちな趣がある。
まだ結婚はおろか、付き合ってもいないのに、もう私のことを妹扱い。
「明日こそ、頑張って告白してみよー!!」
なんだか、気になる語彙が混ざったけれど、鼻歌まじりにそう宣うミホちゃんは微笑ましかった。

………………………………

──パチッ
「うおっ!カナミいつの間に戻ったんだ?」
明かりの付けられたリビング。
明かりを付けた張本人のお兄ちゃんは私の姿を認めると、驚きの声をあげる。
「お兄ちゃん…」
逃げるように飛び込んだリビングで、膝を抱えながら震えて過ごした私の声は少し掠れてしまっている。
「…………………」
そんな私の顔を覗き込んで、お兄ちゃんは固まったように何も言葉を発してはくれない。
正確にはかけるべき言葉が見付からない。
そう表現した方が正しそうではある。
普段の私なら、この場を和ませる言葉の一つぐらいは出てくるのに…
先程垣間見た光景が頭を過ぎり、言葉が出てこない。
沈黙が部屋を包む。
「カナミ、お前どうしたんだ?」
先に口を開いたのはお兄ちゃん。
70Y-275:2009/06/06(土) 01:37:18 ID:vtfCGRBW
その表情に張り付いた私を心配する表情。
「お兄ちゃん……」
その表情に縋り付いて、不本意にも私の頬を涙が伝う。
なんだか、昔の距離感とは変わってしまった私達。
以前はもっと気軽にお兄ちゃんに触れたり、抱き着いたり…
それに確かに私は安堵を抱いていたはずなのに…
気付けばそんな日々を、私は自ら手放していた。
「……っ、ひっぐ!」
ポロポロと止まらない涙は次から次へと頬を伝う。
遂には嗚咽まで交え、私は声をあげてしまう。

─ポン─
突如広がる温もり。広がる臭い。
直ぐに理解できた。自分がどうなったのか。
何故ならそれは先程自分が渇望したことだったから。
「…………………………」
私の頭上から何も言わずにただそこにいる人の息遣いを感じる。
「っ……ひっ、ぐ!お兄ちゃん、」
その胸に顔を埋めて、私は思う存分声をあげる。
「嫌だ……嫌だよ……」
ただ譫言のように。
溢れ出す自らの心をせき止められなくて、同じ言葉を繰り返す。
先程お兄ちゃんの部屋を覗いていた時から何度も私の口を突く言葉。
私の本心。
本当はお兄ちゃんが誰かのものになることなんて望んでいなかった。
なのに、好奇心から友人をその気にさせた。
そうして失ったものは大きく、私の心は深くえぐられたかのような強い痛みを覚えた。
その痛みはけしてお兄ちゃんに抱きしめられたくらいで消えるようなものではないけれど、
それでもお兄ちゃんの胸の中で私は幾分かの安堵を覚えた。

………………………………

「おはよう、カナミ。」
リビングで朝食を作るカナミの背中に声をかける。
普段ならカナミに起こされる立場であるはずの俺だが、今日は自然と目を覚ました。
昨晩、リビングで声を上げながら泣いたカナミ。
その姿は夢で見るほどに目に焼き付いていた。
実の妹のそんな姿は、兄としてやはり心配なのである。
「あ、おはよう。お兄ちゃん。珍しいね。」
昨晩と打って変わっていつも通りなカナミ。
昨晩は消えていってしまいそうな程の弱々しさを見せたカナミだったが、今日は普段通りだ。
「朝ごはん作っといたよ。」
カナミが言う。
「おぅ、サンキューな。」
カナミが言ったとおり食卓には湯気を立てる食事が並んでいる。
朝一であるとは言っても、カナミの作った朝食の、湯気をたてる様は俺の食欲をそそる。
「あと、お弁当も作ったから。食べてね。」
カナミが言う。
好意は嬉しいのだが…
「あー…」
俺は言い淀む。
こう見えても17年間に及ぶ童貞生活に別れを告げ、まかりなりにも彼女がいる身。
最近はその彼女が弁当を作って来てくれる。
カナミの弁当を受け取ってしまえば、俺の手元には都合、弁当が2つ。
部活の一つでもやっていれば消化しきれない量でも無いんだろうが、いかんせん俺には無理だ。
だから…
「そのだな、ミホちゃんも弁当作って来てくれるし、気持ちは嬉しいんだが…」
気まずい。
そう思いながら口にする。
71Y-275:2009/06/06(土) 01:38:56 ID:vtfCGRBW
「え…」
それを口にするとカナミは昨晩のような表情を作る。
何かに怯え、今にも震え出して崩れ落ちそうな。
その表情に俺は何も言えなくなる。
「…………………」
部屋に下りる重苦しい沈黙。
やがて、俺は耐え切れなくなる。
「…わかった。もらっていくよ。ありがとうカナミ。」
「うん!」
俺の言葉にカナミにはなんとか普段通りの表情が戻る。
一体カナミの身には何が起こったのだろうか?
そういった考えが頭に浮かぶ。
こうしている分にはなんら変わらないのにな。
そう思う。


─ピンポーン─
朝飯を食べ終えて、すっかり高校へ行く準備を終えた段階になって、家の呼び鈴が鳴る。
そこに立っているであろう人物は容易に分かる。
「先輩、迎えに来ました。」
鞄を持って下まで降りて行き、ドアを開けた先。
そこに立っているのはミホちゃん。
付き合い初めてからは弁当と並ぶ日課。
こういった毎日を送っていると、ホントに俺らは付き合いだしたんだなと言う実感が沸く。
「いつも、ありがとうね。ミホちゃん。」
「は、ハイ!!こちらこそ迷惑じゃなかったですか?」
遠慮がちに口を開くミホちゃん。
こういった部分も持ち合わせたミホちゃんはよく出来た子だと思う。
「いやいや、そんなことないよ、さて行こ─う、か」
─ガシッ─
突然の事に何があったかわからずに、俺は発音おかしく言葉を紡ぐ。
「カナミ…?」
俺の手を掴みながら佇むカナミの姿がそこにはあった。
「……か……で……」
「カナミちゃん?」
何かを口走ったのだが、何を言ったかわからない声をあげたカナミに、ミホちゃんが声をかける。
やはり、突発的にちらつく昨晩のカナミの姿。
俺は何も言えないまま黙り込む。
「行かないで、行かないでよ、お兄ちゃん…」
今度ははっきりと理解できる音声が響く。
─行かないで─
その言葉は俺の胸にも響いて引っ掛かりを残す。
「何言ってるんだ?カナミ。いつも3人で一緒じゃないか?」
「そうよ、カナミちゃん。高校に行かないわけには行かないんだから…」
困惑の表情を浮かべるミホちゃん。
それは俺も同じだ。
「違うの……そうじゃない。」
「「?」」
焦点は定まらず譫言のように、そう口にするカナミに、俺とミホちゃんは疑問を浮かべる。
「……わかったわ、カナミちゃん。先輩、私は先に行きますね。」
そんな痛々しいまでのカナミをしばらく見つめていたミホちゃんが言葉を紡ぐ。
「あ、あぁ…」
そんなミホちゃんに申し訳なく思いつつも俺は返事を返す。
「気にしないで下さい。先輩、お昼休みは待ってますから。」
お先に。そう言ってミホちゃんは踵を返す。
「大丈夫か?」
残された俺はカナミに声をかける。
「…………」
フルフルと首を振るカナミが落ち着くまで俺はカナミを待つことにする。
「ごめん…ありがとう。」
72Y-275:2009/06/06(土) 01:40:37 ID:vtfCGRBW
暫くすれば元通りになるカナミ。
「…………………」
俺は促されるまま通学路に足を向ける。
「昨日からごめんね。お兄ちゃん…その、わがままついでに良いかな?」
暫く歩いた先でカナミが言う。
「手…繋いで良い?」
赤くなりながらカナミが告げる。
昨日からのカナミの様子のおかしさに不安を抱いている俺は、
カナミの願いに応え、カナミという存在を手放さないように大切に手をとると、歩を進める。

………………………………

「大丈夫か?カナミ。」
お兄ちゃんの声がする。
白いシーツの上、身体を横たえた状態で私は目を覚ました。
「お兄ちゃん…?」
枕元から心配そうな顔で覗き込むお兄ちゃんに声をかけてから、私は時刻を確認する。
「1時3分…」
ほぼ、もう予鈴の鳴る時刻だ。
「全く、お前は無理し過ぎだ。倒れたって聞いて心配したよ。」
お兄ちゃんが言うには、昼休みに入ってすぐ、ご飯を食べようと皆の元へ向かう途中で私は倒れたらしい。
「そっか、ごめん。」
私は素直にお兄ちゃんに謝罪をする。
「いや、礼ならマナカちゃんに言ってくれ。マナカちゃんが教えてくれたんだ。」
言われてお兄ちゃんの後方を見る。
「マナカちゃんもありがとう…」
視線の先にマナカちゃんを見とめて、私は礼を述べる。
「とりあえずは大丈夫そうですね。」
安堵の表情を浮かべながらマナカちゃんは言う。

─キンコーンカーンコーン─

その時、校内には予鈴を知らせるチャイムが鳴り響いた。
「シンジさん、先に戻ってください。カナミちゃんも目を覚ましましたし、後は私が見てますよ。」
チャイムを受けてマナカちゃんがお兄ちゃんに言う。
「でも…」
「大丈夫ですよ。それにここにいつまでもいると、噂になっちゃいますよ?」
「噂??」
「城島シンジはシスコンって。ま、私は一行に構いませんが…」
「わかった。戻ることにするよ。」
マナカちゃんの言葉を受けて、お兄ちゃんは保健室を後にする。
立ち去り間際、私を労ってくれたのはすごく嬉しかった。
「さて、カナミちゃん。少しお話をしましょうか。」
お兄ちゃんを見送った後でマナカちゃんは口を開く。
「シンジさんとミホさんのことで追い詰められてるみたいですね。」
ストレートにマナカちゃんはそのことを告げてくる。
「うん…」
「だから言ったのに…」
肯定した私に、遠い目をしながらマナカちゃんが続ける。
マナカちゃんが口にしたのは、あの日の事だろうと思う。
あの日、ミホちゃんの真意を聞き出した私は、マナカちゃんに話した。
その時、マナカちゃんは、『ホントにそれで良いんですか?』
と言った。
今となって、その言葉の意味はよくわかった。
その時の私は、親友の心配など意にも介さず、ただただ"大丈夫"と繰り返した。
「案外、自分の事はわからなくなりがちなものです。」
そんなマナカちゃんからの言葉を聞き入れずに、今こうしている私を、マナカちゃんは責めたりはしない。
冷静に、淡々と言葉を紡ぐ。
「今まで、2人しかいない家族だから。とずっとシンジさんの世話をしてきたカナミちゃんは、そこに存在価値を見出だしていた。」
私の心を見透かすように告げる。
73Y-275:2009/06/06(土) 01:42:47 ID:vtfCGRBW
「でも、それはシンジさんも同じでした。持ちつもたれつで2人は互いにやってきました。」
でも─
そこでいったん言葉を区切るマナカちゃん。
「シンジさんが離れていってしまう。そのことに、自らの存在意義の揺らぎに、カナミちゃんは恐怖を覚えてしまった。」
マナカちゃんは的確に、私の心の内を暴いていく。
だからこそ、あの日、好奇心に任せて行動した私は、反省せざるを得ない。
「シンジさんという存在に依存してしまっているというのが現状だと思われます。」
そう告げる。
やけに冷静に。
いや、もはや冷淡といった方が正しいかもしれないと思うぐらいに。
「解決方法は2つ、新しい依存先を見つけるか、あるいは─」
その後のマナカちゃんの言葉に私は思うところがあった。

………………………………

「ただいま。」
結局カナミは早退と相成ったらしいことを、マナカちゃんから伝えられた俺は、放課後、寄り道などはせず真っすぐ帰宅した。
ミホちゃんと付き合いだしてからは、常に一緒に帰ったり、デートしたりしてたからいつ以来の真っすぐ帰宅だろうか?
そんなことを思う。
「おかえり〜。」
そんな俺を出迎えてくれたのは、普段通りのカナミの声。
その声がリビングから響いたので、俺は真っすぐリビングへと向かう。
「お前、大丈夫なのか?」
そこには、普段のように台所仕事に勤しむカナミの姿。
その姿は一見普段通りだが、いつどこでそんなカナミに影がさすかはわからない。
「ん。大丈夫だよ。」
俺の問いに応え、カナミは笑顔を見せる。
「本当か?」
それでももう一度念押しをする。
大丈夫と答えたカナミをひとまずは信用することにして、俺は一度着替えのため、自分の部屋へ戻る。

「妹が早退してきたからって、わざわざ自分も早く帰ってくるなんて、お兄ちゃんもシスコンだねえ…」
着替えを終えてリビングで、一緒にテレビを見ていたカナミが言う。
「うるさいやい。」
カナミの一言に頬が火照るのを自覚しながら俺は返す。
─ポフッ─
「??」
そうして顔を反らした俺の肩にカナミが寄り掛かってくる。
「でも、嬉しかったよ…」
カナミが呟く。
普段のエロボケとは違った雰囲気のカナミに、俺は暫くそのままでいることにする。
「お兄ちゃんは…」
そのままでカナミが口を開。
「私のことをどう思ってるの?」
「どうって…よく出来た妹だと思ってるよ。」
カナミの問いに答え、俺は思うままを口にする。
「あと、当然、何かあったとすれば心配するしな。」
付け足して、ポンポンとカナミの頭を2、3度叩く。
「うん…」
そうされる事に気持ちよさそうに、カナミが目を細める。
「でも、私はそれだけじゃ嫌だな…」
カナミが呟く。
「カナミ?」
カナミの呟きに俺は疑問譜を浮かべる。
俺にとって、カナミは妹。
それ以下でも、それ以上でもない。
たった一人の妹だから、カナミを心配するし、大切にする。
「お兄ちゃんがミホちゃんと付き合い初めて、」
カナミが続きを口にする。
74Y-275:2009/06/06(土) 01:44:33 ID:vtfCGRBW
「お兄ちゃんがいなくなっちゃうと思うと、目の前が真っ暗になっちゃった。」
カナミの独白。
俺にしてみれば、そんなつもりは無いのに。
それにミホちゃんと付き合い始めた時、カナミも喜んでくれてたはずなのに。
そんなことが脳裏を霞める。
「………………………」
何を口にすれば良いのかもわからずに、俺は黙り込む。
「ねぇ、お兄ちゃん、こっち向いて…」
カナミに促される。
「ん…ふ、ちゅっ、ちゅふ…」
向いた先で重ねられる唇。
「カナミ…」
唇が離れていった後で、俺は呟く。
「私がお兄ちゃんの彼女になる。ダメなの!お兄ちゃんがいないと!!」
強い強い言葉。
「……っ!!」
俺は驚いて、カナミを突き飛ばして距離をとる。
「…お…兄ちゃん……?」
でも、俺に突き放されたカナミは震えていて、今にも壊れそうな儚さを見せる。
カナミの言っていた事は全て真実なのだ。
そのことを改めて自覚する。
このままではダメだ。
それがカナミがいなくなることなのか、それとも、俺への依存を表明したことへなのか。
その事がはっきりとは自分でもわからないまま、もう一度俺はカナミに手を伸ばし、
その両手でカナミを抱きしめた。

………………………………

「ん……ふちゅ、……ぷちゅ……」
カナミに請われるままキスを交わす。
「ね、このまま…」
「あ、あぁ…」
今、俺の腕の中にいるカナミは普段通りのカナミ。
カナミがこのままでいてくれるなら、と思う。
「んん、ふあっ、……っ!」
首筋まで顔を南下させて、首筋に舌を這わせる。
カナミの口からは甘ったるい声が漏れる。
カナミがこのまま壊れてしまうのは嫌だったから…
念入りに、普段ミホちゃんにしてるそれより丁寧にカナミの身体をまさぐる。
「んん、ふ、あっ、ごめんね、……っ!私、ミホちゃん程、胸大きくない……っ!」
自らの乳房に触れた俺の手を見ながらカナミが呟く。
「ふあっ、……っ!くぅ……」
胸を揉みながら、首筋に舌を這わせて、カナミの反応を伺う。
頬を紅潮させながら艶やかな声を吐き出すカナミに、感じてくれているという事実に安堵して事を進めていく。
「……っ!お兄ちゃん……ん、あぅ、あっ、ふ……」
スカートから手を侵入して、ショーツ越しにカナミの秘唇を撫であげる。
「ふあっ、あっ……あっ、あぅ……ん、……っ!」
そこから伝わる熱を感じながら、揉むように手を動かす。
「ん、んん、待って……っ!ショーツが汚れ……ちゃう……っ!」
カナミが言う。
カナミに言われて、俺が一度身体を離すと、カナミは自らのスカートの中からショーツを抜き取る。
「……続き、して?」
ソファーに腰掛けなおして、脚を開き、カナミからは続きのおねだり。
微妙に口を開き、うっすらと愛液を滲ませるそこを見せ付けられて、俺も興奮していく。
「……っ、あっ、あっ、ふ、ん、お兄ちゃん……っ!!」
そこに舌を這わせる俺を呼ぶカナミの声。
今、カナミとしている。
そんな思いを強くして、背徳感に背筋を震わせる。
「あっ、あっ、あっ、ふぁっ……っ、あっ、お兄ちゃん、舌が……っ!」
舌まで挿入しながらのクンニに、カナミは足をピンと伸ばしながら敏感に反応する。
75Y-275:2009/06/06(土) 01:45:38 ID:vtfCGRBW
「っあ、ふ、くぅ……あぅ、あっ、ふあっ……っ!」
溢れ出てくる愛液を舐めあげて、それを塗りたくるようにカナミの膣口全体をほぐしていく。
「あっ、そこ……っ、ダメ、感じすぎ……ちゃ、う、」
途中存在を主張するクリトリスは、舌で弾いて、歯をたてる。
「っ、ふあぁ、あっ、ふぅ……っ!」
なおも艶やかな声をあげるカナミ。
口から伝わる、カナミの秘唇の状況にもうそろそろかな。
なんて事を思う。
「カナミ、そろそろ。」
「……っ、うん、来て。」
俺の言葉にカナミが返す。
俺は身体を立てて、自らのペニスを露出すると、カナミの膣口に押し当てる…
「あっ、ふあっ、お兄ちゃんのが、入ってく、る……っ!」
カナミの声を聞きながら、自らのペニスをカナミの奥深くまで沈める。
「あっ、ふあっ……っ!大きい……っ!」
変わらぬ艶やかな声でカナミが口にする。
そこには苦痛の声は交じってなくて、カナミは感じやすい体質なのかな?なんて思いながら、腰を揺すっていく。
「あっ、あっ、あっ、ふあっ、あっ……っ!」
リズミカルに漏れる吐息はエロくて、俺の腰にも自然と熱が篭る。
「ふああぁぁぁ、お兄ちゃん……っあ、ふあっ、お兄ちゃん……っ!」
しがみつくように、俺の手を掴むカナミ。
委細構わずカナミに腰を突き立てる。
「んん、……っ、ああ、あふ、……お兄ちゃん……っ!」
何度も何度も俺を呼ぶカナミ。
先程も感じた背徳感が俺の中で大きなうねりとなる。
「あっ、ふあっ、ふあぁ、……っ!奥、すごい気持ちいいよ……っ!」
コリコリとした感触が伝わる最奥。
そこの感触は俺にとってもすごく気持ち良くて、そこに目掛けて、何度も腰を突き立てる。
「っあ、あっ、ふあぅ……っ、お兄ちゃん……っ!」
またしても呼ばれる俺の名前。
ゾクゾクと快感になって俺の背筋を駆け抜ける。
「お兄ちゃん……っ、ふあっ、あっ……っ!お兄ちゃん……あぅ、っ!」
ただ俺の名前を呼ぶカナミ。
ホントは俺の心の内がわかっているんじゃないだろうか?
そんなことを考える。
一線を越えてしまった今、もうすでに、その言葉の意味は違う。
「あっ……っあ、ふあぁっ!、私、あっ、もう……イッちゃう……っ!」
カナミの為、その言葉を免罪符に踏み込んだ世界。
世の中はどう思うだろうか?
「ふああぁぁぁ……っ!………お兄、ちゃん……っ!」
カナミが全身をピンと伸ばす。
どうやら、達してしまったようだ。
どう思われようと、引き返すことは不可能なのだろうな。
そんなことを思う。
そこまでを考えて、頭のどこかで開き直りに近い感情が沸く。
「……っ!俺、も」
駆け上がってくる射精感。
俺は低く呻く。
「……あっ、っ!中、中が良い、の……っ!、ふああぁぁぁっ!!」
それが限界まで膨れ上がった時、俺は請われるまま、カナミの中に精を放った。
76Y-275:2009/06/06(土) 01:46:25 ID:vtfCGRBW

………………………………

『寝とれば良い。』
昼間友人にかけた言葉。
それを思い出しながら、マナカはノートパソコンを閉じる。
兄に依存しながらも、友人に気を使い、強くいようとしたカナミ。
心のバランスを崩してなお、気丈に振る舞う彼女に思うところはあった。
思えば、昼間のあれは、彼女と昼ご飯を共にしようとする兄に対する無意識の行動なのだろう。と思う。
それぐらい、兄に依存したカナミを救う手だては無くて、背中を押した。
マナカは思う。
仲の良かったはずの兄妹はどこで道を間違えたのだろうか。と。
ただ兄に着いて、幸せに暮らしていたはずのカナミがシンジに依存してしまったのはいつからだろうか。と。
そのことを知るには、この街を離れていた期間が分厚い壁となって立ち塞がることをマナカは知っているから、
これ以上の詮索はよそう、と思う。
今頃、シンジはカナミを受け入れただろうか?
あの2人はよく似ている。
カナミがブラコンなら、シンジもシスコンだ。
カナミが寄せる好意に心を揺さぶられてしまうのだから。
きっと、なんであれシンジが断りを入れることは無いだろう。
そんな風に思う。
「人は強いもの、そして儚いもの…ですね。」
マナカの呟きは夜の戸張に溶け込んで、あっという間に消えていった。
77Y-275:2009/06/06(土) 01:59:46 ID:vtfCGRBW
以上です。
タイトルは
「強く儚いものたち」
で。
タイトルありきで書いたので若干前に書いた作品と被りますがスルーしてあげてください。
本当はかなり前から温めていて、長いこと放置→最近また書き始めたらサクサクいった感じです。

>>52ありがとうございます。
この感じはもうアイデンティティだと思っていただいたほうが良いかもしれません。
出来れば中だし描写、キス描写とセットで。
あまり、度が過ぎると荒れてしまうみたいですが…
少なくとも、自分としては自分の自己満に付き合っていただいてるわけですから。

次回は生徒会モノで投下したいなと思ってます。
スズとか、ムツミあたりでゴニョゴニョと。
どうでも良いですが、轟さんの自慰目撃→本番な流れを書くのが個人的に負けな気がしてなりません。

長々と駄文乱文失礼しました。
それでは失礼致します。
78名無しさん@ピンキー:2009/06/06(土) 10:42:22 ID:c8GoIUQc
乙です
79名無しさん@ピンキー:2009/06/06(土) 11:21:38 ID:qXs6TwPV
GJ
Y-275氏のSSはエロチカルで実にいい
80名無しさん@ピンキー:2009/06/06(土) 18:35:56 ID:x0G5fkY3
乙です

氏家Days
81名無しさん@ピンキー:2009/06/07(日) 11:13:47 ID:WESNkyck
素晴らしい
82名無しさん@ピンキー:2009/06/08(月) 14:46:32 ID:tiwMMBjF
>>80
マナカ「私だって、シンジさんの彼女になりたかったんですよ!!」

こういうことですか?
83名無しさん@ピンキー:2009/06/10(水) 16:43:37 ID:HvK1CeZZ
>>82
そこから

A:マナカ「抱いて下さい…一度だけでいいんです」とシリアスに→郭氏的展開

B:マナカ「だからこの際、アキさんも皆も一緒にシンジさんのセフレ、じゃない奴隷、でもない彼女になりましょう!」とパーティに→518氏的展開

C:マナカ「と、いう話を考えたんですけれど今度書いて応募してもいいですか」と小説落ちに→ピンキリ氏的展開
84名無しさん@ピンキー:2009/06/10(水) 19:53:48 ID:YHaMPXnU
得物は?包丁?
85名無しさん@ピンキー:2009/06/11(木) 00:09:11 ID:Xl5Xic2z
個人的に、カナミは包丁が似合う気がする。
86名無しさん@ピンキー:2009/06/12(金) 03:38:10 ID:lnXwtdd1
包丁だけにそれはナイフwwwなんつってwwwwwwwwwwwwwwwwww
87名無しさん@ピンキー:2009/06/12(金) 05:21:02 ID:+Bm6f84U
>>86
うわぁ・・・
88名無しさん@ピンキー:2009/06/12(金) 18:26:56 ID:M+wYaGeF
マナカ「誰がまな板ですか?」
89名無しさん@ピンキー:2009/06/13(土) 00:48:24 ID:ssyuV5d2
前にも誰か言ってたけど、ニコニコ動画の東方×思春期ネタが妙に人気がある。
しかも同うp主の別東方動画に比べて9万以上再生が多い。
これはつまり氏家ファンはニコニコだけでも数万人いるということだろうか。

なんて偉大なんだ氏家先生・・・。
90名無しさん@ピンキー:2009/06/13(土) 15:24:19 ID:Agjza9Ea
ニコの再生数がそのままネタ元の人気度には繋がらないとは思うが、
ヤンマガと少マガ、マガスペでの連載作家なわけだから知名度自体は低すぎるということはないのでは

まああれは東方分の方がさすがに多いだろう
91名無しさん@ピンキー:2009/06/14(日) 22:41:03 ID:MbNHfNBX
静かだなぁ。
静かな週末。マターリ
92名無しさん@ピンキー:2009/06/14(日) 23:27:19 ID:Kzh8gHoN
前スレ埋まったね ここしばらく静かだと思ったけどまだ容量先行なんだな
93名無しさん@ピンキー:2009/06/15(月) 16:15:00 ID:Wnyu5fUn
のんびりいけばいいさ
無理をする必要はまったくないし
94名無しさん@ピンキー:2009/06/16(火) 01:08:06 ID:UHYgWy+V
しかし前スレ、期せずして以前から言われていたリレーSSになるとは。
俺も少し参加したけどおもろかった。
95名無しさん@ピンキー:2009/06/17(水) 18:52:00 ID:Tpa+hkV2
氏家作品関連のサイトないかググったらエロパロwikiに当たってそこ経由でここ来た

作者名に郭泰源、伊東、ドミンゴ、サブロー、トマソン、ミセリ、二岡、ペピトーン、宣銅烈などなど
プロ野球選手の名前が多くてワラタ。さすが氏家作品w
96名無しさん@ピンキー:2009/06/18(木) 02:59:45 ID:gD3/5vG8
ここ数週間自分の中でアリア株が急上昇
アリアはかわいいなあ!
アリアはかわいいなあ!!
アリアはかわいいなあ!!!
97名無しさん@ピンキー:2009/06/18(木) 12:05:56 ID:C3Z/Ur0D
画力が上がってるよね。
思春期の1巻とか今見ると酷すぎて吹くw
98名無しさん@ピンキー:2009/06/18(木) 13:42:03 ID:m40Fx6nJ
だが、一番最強だったのは、間違いなく1巻のカナミ。
(オレ調べ)
99名無しさん@ピンキー:2009/06/18(木) 15:28:35 ID:8JSNCDks
あのブラコンっぷりにはやられましたなあ。
100名無しさん@ピンキー:2009/06/18(木) 16:25:27 ID:8aTqK3U4
なんかこのスレは年齢層が高めな気がするw
いやなんとなく
101名無しさん@ピンキー:2009/06/18(木) 22:29:47 ID:Kq9m2uSi
まあスレ設立からこの9月で5周年なわけだし、初期から来てる人はそれなりの年齢だろうなあ。
102名無しさん@ピンキー:2009/06/18(木) 23:49:06 ID:zo/5Vw1G
初期の頃に固まって継続している「流れ」が、なんというか、
エロ&シモを含んだ外伝的SS≧同人的ズリネタSSなんだな
恋愛成分高め・直接エロ描写が必須ではない・起承転結式・原作の適度な敷居の低さと知名度


このあたりが黄金期の多数参入、継続率の高さに繋がっているのだろうか?
103名無しさん@ピンキー:2009/06/19(金) 00:07:59 ID:vcnRtheF
一巻のカナミのお兄ちゃん好きっぷりは異常
裏でやっていても別におかしくない雰囲気だったですからねえ
104Y-275:2009/06/19(金) 00:39:23 ID:ivzpNWuI
皆さんこんばんわ。
雑談中流れぶった切りで申し訳ありませんが、投下します。
修学旅行モノ。
長くなりそうなので、エロ無しの前編です。
やや俺様設定ありです。
主に轟さんとか、柔道部員とか。
それでは投下。
105Y-275:2009/06/19(金) 00:42:09 ID:ivzpNWuI

「京都だぁー!!」
どこへ行くにも元気印そのものな三葉の声が響き渡る。
そんな三葉のご機嫌さを示すように、トレードマークのポニーテールは風も無いのによく揺れる。
「ムツミ元気ありすぎ!!」
そんな三葉に呆れ気味に柔道部員の女子は声をあげる。
「全くだな。」
俺の口から零れる苦笑。
「ほら、行くわよ津田。」
なんだかんだで足を止めてしまった俺の手をひくのは萩村。
高校生活最大の思い出の修学旅行。
かくして、その第一歩を俺は踏み出した。
一学年に28人。
一クラス辺り4人程度しかいないマイノリティーな立場である俺。
「みんな、なんだかんだで楽しみなんですよ。」
隣では轟さんが笑う。
顔見知りばかりで構成された、この班に組み込まれたのは幸いといえよう。
残念ながら少数派である男子が2人同時に存在する班は無いのだ。
そうであるならば、顔見知りの人間は頭数が多ければ多いほど楽しいものとなってくる。
ある程度、異性に気を使う場面は増えてくるにしてもそれは間違いの無いこと。
「ほらほら、タカトシ君とスズちゃんも行くよ!!」
萩村に手をひかれた俺の反対の手は三葉にひかれることになる。
クラスで最も気兼ねなく過ごせる仲である彼女の元気っぷりは、ぐいぐい俺を引っ張ってくる。
「ホント元気ね…」
呆れたような声をあげる、学校で最も長く一緒にいる友人と共に、俺は歩むペースを上げる。
「なんか、2人共えらい張り切りようね。」
「それはそうじゃない?あの人がいないから。」
「あぁ、なるほど…」
歩みを早める俺達とは対称的に、つかず離れずの距離を保ちながら後ろからついて来る2人の苦笑い交じりの呟きは俺の耳にも届いた。

………………………………

「疲れた…」
一日の班行動が終わり、着いた宿舎の宛がわれた部屋で、俺は声を上げる。
結局終始三葉に引っ張られつづけた一日は、宿舎についてようやく終わりを告げた。
「大変だったみたいだな。」
男子ばかりの4人部屋。
同じように一日の班行動を終えたメガネの友人から声をかけられる。
「ああ。そっちは?」
その言葉に肯定の意志を返すと、友人の方の調子も聞いてみる。
「なんかこう…女子に幻想を抱きすぎてたのがよくわかったよ…あいつら、パワフル過ぎる…」
遠い目をしながら語る友人。
この様子ではきっと俺と同じように引きずり回された口であろう事は、想像に難くない。
数的圧倒的有利を盾に、俺らの意志が通る隙などこの学園ではないのだ。
「互いに大変だな。」
友人の肩を叩きながら、俺達は苦楽を分かち合うように一日の苦労を口にしあっていく。

………………………………

「えーと…」
2人の間には到底割っていく事は無理であろう事を察知して、頭を抱える柔道娘。
「スズちゃんだって、タカトシ君の手を握ってたじゃない!」
「確かにそうだけど、私はあんな風に腕に抱き着いて、津田のことを引き回すような真似なんかしてないわよ。」
タカトシが男子部屋で友人と苦労を分かち合い始めたのとほぼ同時刻。
女子だけの部屋では萩村スズと、三葉ムツミによる激論が交わされていた。
事の発端は、
「三葉さん、修学旅行だからってはしゃぎすぎじゃない?」
というスズの一言からだった。
「ええ〜、そんなことないよ。」
なんて、笑いながらムツミが返していたうちは良かった。
106Y-275:2009/06/19(金) 00:43:41 ID:ivzpNWuI
「生徒会役員として言わせてもらうけど、あれじゃ不純異性交遊と取られてもおかしくないわ。津田にも迷惑がかかるのよ?」
「タカトシ君は関係なくない?」
タカトシの名前が出た辺りから2人の会話は熱を帯びていった。
「言わせてもらうけどね、いつもいつも、いっつも津田の事、下の名前で呼んでるけど、
なんなの?2人は付き合ってでもいるの?」
「そんなの関係ないじゃない。そんなにタカトシ君の事ばかり気にして、
何?スズちゃんもタカトシ君の事好きなの?」
「好きよ。なに?悪いの。」
「「あっ、」」
そこまでの一連の流れがあって、見事なまでに部屋の時が止まる。
「何よ?」「何?」
声をハモらせながら、短く声を発した轟さんと柔道娘に、
スズとムツミがこれまた声をハモらせながら、問いを投げかける。
「2人とも…語るに落ちてるんだけど…」
止まった時を動かしだしたのは轟さん。
冷静に2人の言った失言についてのツッコミをいれる。
(ムツミ自覚してたんだ…)
未だに何も言えないまま柔道娘はそんなことを思う。
「「……っ!」」
頬を朱に染めるタイミングまで完全に一緒で2人はそっぽを向く。
「まぁまぁ、2人とも楽しい修学旅行で喧嘩しないの。」
ここがチャンスとばかりに轟さんが声をかける。
「それもそっか。ごめんね、スズちゃん。」
その言葉にやっと冷静さを取り戻したムツミが手を差し出す。
「ううん。こっちこそ、ごめん。」
その手をスズが握り返して和解は成立。
(へぇ。ぼけてるようでやるもんだ。)
そのやり取りを見ながら素直に感心する柔道娘。
何とか平穏を取り戻した部屋は女子特有の話題で彩られていく。
(何とか仲良くしてもらわないと、ね。)
そんな中で、今後の事に思いを巡らす轟さんの心の中等、誰も知らないまま修学旅行1日目の夜は更けていく。

………………………………

「今日も1日楽しもー!」
2日目。
本日も朝一番から三葉は元気そのものだ。
「さ、行こう!」
んでもって、ひかれる手。
昨日は一日中引っ張り回された手である。
明らかに浮かれていて、楽しくて仕方が無いという感じの三葉。
元気いっぱいで動き回るから、ついていくこちらがヘロヘロになる場面もある。
「今日も元気ねぇ…」
全くの同感である。
部活でも一緒に過ごしている柔道娘はある程度免疫があるとはいっても、やや食傷気味な様子である。
いや、それにしても、これだけ、元気と笑顔を振り撒かれると清々しい気もする。
「今日は金閣寺にー、平等院に…」
三葉はそれを楽しみと言わんばかりに口にする。
「そういえば、知ってるか?」
「ん?何が?」
そんな浮かれている三葉に、どうでも良いことなんだけど、って前置きをしながら、話題をふる。
「金閣寺って正式名称じゃ無いらしいぞ。」
「え?そうなの?」
いや、なんか、期待通りのリアクションをありがとう。
思わず、そう心の中で呟いてしまうようなリアクションを三葉が返してくる。
三葉の元気さや、快活さと合わせて、こういう素直なところは見ていて飽きない。
「ああ。正確には鹿苑寺金閣。ちなみに銀閣寺は慈照寺銀閣。」
「へー。タカトシ君物知りだね。」
「いや、まぁね。」
俺は三葉からそう言われて悪い気はしない。
107Y-275:2009/06/19(金) 00:45:13 ID:ivzpNWuI
ただ、あまり、調子にのるのも良くないなとも思う。
なにせ、
「……………………」
そんな俺にジト目を向けるIQ180の天才少女が同じ班にはいるわけで。
中途半端に聞きかじった知識を披露しようものなら容赦はない。
「そういえば、昔そんなタイトルのAVあったね。」
で、明後日の方向からは全く関係の無い話が。
っつーか、なんでそんなもの知ってるんだろうな?
同い年だろ?
「AV??」
で、すぐ近くからは予想通りのリアクション。
たしなめるように、
「轟さん、TPOは弁えて…」
俺はツッコミをいれる。
対称的にAVという言葉に三葉は首を傾げる。
つくづく、エロボケとピュアは相性が悪いなぁと思いながら、俺達はバスに乗り込む。


「混んできたね…」
もうぐったりそう言わんばかりの顔をしながら、三葉が言う。
三葉の言うとおり、俺達が乗ったバスは、続々と人が乗り込み、かなりの混雑を見せる。
ちなみに途中で少しばかり車内が空いたタイミングで萩村を優先的に席につかせた。
「前もって聞いてたとは言え、これは予想外だわ。」
柔道娘が言う。
いや、まったくもってその通りだと思う。
早めに萩村を席につかせたのは正解だったと思う。
「スズちゃん、どうしたの?」
だが、萩村の方は面白くなさそうな表情をしている。
それはそうだろう。
ただでさえ、子供扱いをされるのを極端に嫌う萩村を、それを承知でそういう扱いをしたのだから。
あとで、何か奢ってやってご機嫌を伺わねば…
─グラッ─
そんなことを考えているとバスはカーブに差し掛かり、俺は少しばかりバランスを崩してしまう。
「ごめんね、タカトシくん…」
「大丈夫か?」
ただ、俺はその場ですぐに踏ん張ったから良かったのだが、三葉はそうはいかなかったらしくて、バランスを崩した三葉を受け止める。
「ありがとう、助かったよ。」
正面から受け止めて、そのままの体勢から顔だけ上げてそう言う三葉。
俺はなんだかドギマギしてしまう。
これだけの至近距離から女子の顔を覗き込むのは初めてなのと、
「どうしたの、タカトシ君??」
「いや、何でもない?」
他にもバランスを崩した乗客の影響で、今の体勢からなかなか動けないでいる三葉の胸がしっかり当たっていたりする。
これは素直に伝えるべきだよな。
なんて思いつつも、三葉自身の体勢が立ち直るのを待つ意外に抜け出す方法も無いし。
だなんて、自らの邪まな考えを打ち消そうと必死になる。
先程から、押し付けられた胸を意識してしまって仕方が無い。
普段から特に意識するような事は無いんだけどなとか思う。
きっと修学旅行で浮かれてるのは俺も一緒なのかなと思うと、自然と苦笑がこぼれる。
「ごめんね。タカトシ君。重かった?」
そんな俺に三葉が声をかけてくる。
「いや、大丈夫だよ。」
それだけを返した俺から、三葉の温もりは離れていく。
俺だって健康な男なんだし、名残惜しさが無いと言ってしまえば嘘になるが、その場は何とかやり過ごした。

………………………………
108Y-275:2009/06/19(金) 00:47:31 ID:ivzpNWuI

「なぁ、萩村機嫌直せって。」
そうして着いた鹿苑寺であるのだが、案の定というか、何と言うか、萩村の機嫌はよろしくない。
いやまぁ、理由はわかっているんだが…
「……………………」
怒りのオーラを振り撒きながら、3点リーダー製造機と化してしまっている。
「あの、萩村…すまん」
とりあえず謝ってみる。
「…………行こう、轟さん。」
そんな俺と目など合わせず、萩村は苦笑する轟さんの手をとり、さっさと進んでしまう。
っつーか、人混みではぐれないように、人の手をとる配慮をするんだから、別にバスの一件くらい…と思うのだが…
萩村は萩村で複雑だ。
「タカトシ君。」
そんな事を考える俺を呼び止めるのは、毎度おなじみポニーテールの元気っ娘だ。
「お土産見に行こっ!!」
言うや否や、俺は土産物屋まで拉致られる。
先程の役得な一件以来どうも断れない。
促されるまま、キーホルダーやら、ペナントやら、木刀やらを手にとっては棚に戻す。
っつか、金閣はどうしたんだろうか?
まだお目にかかってないんだが…
まぁ、先に歩いていったはず萩村と轟さんがこの場にいるってことは気にしたら負けなんだろうな。
「これどう?」
そのうちに三葉は金閣寺とかかれた小さい提灯のキーホルダーを手に取ってくる。
その提灯がどうこうと言う前に、それで良いのか、鹿苑寺と思ってしまった俺はいけない子なのだろう。
「んー、良いんじゃないのか?」
どう?と問われたから思ったままを返す。
「ほんとにそう思ってる?」
三葉は俺に疑問の目を向ける。
「ああ。金閣寺の形をしたキーホルダーより全然良いと思うぜ。」
「そっかぁ。」
「それに、提灯型に名前入りのやつなら他の場所でもそこの地名入りで売ってるんじゃないかな。」
多分だけどな。そう付け足す。
昔よく遊んでもらった従兄弟などは、この手の地名入りの提灯を集めていたのを覚えている。
どこか観光に行く度に増えていく仕組みだ。
それのキーホルダー版。
三葉の手にぶら下がるそれは、女子が持つには可愛らしくてちょうど良いと思う。
「そっか、じゃあ、これにするね。」
散々物色していた三葉の心をしっかりと捕らえたらしい。
三葉はそう言い残すとレジに向かっていく。
「あ、タカトシ君は銀閣寺で同じやつ買ってね。なんか、金閣寺と銀閣寺ってセットみたいだし…」
途中三葉が振り返り、そう言い残す。
「ああ…」
先程の件もあり、俺は三葉の方を見るのに、妙に照れ臭くなりながら肯定の意志を返した。

………………………………

「おはよう。あれ?萩村は?」
3日目。
結局昨日はあの後、慈照寺で「銀閣寺提灯キーホルダー」をしっかり買わされた俺は、
三葉に言われるまま、鞄にキーホルダーを取り付けた。
そして、迎えた本日、朝、班の集合場所に行った俺は、そこで萩村の不在に気付いた。
「スズちゃんは髪型がきまらないとかで、少し遅れるって言ってたわ。」
轟さんが言う。
そんなもんかなんて思いつつ、俺達は萩村を待つことにする。
「遅くなってごめん。」
待つこと数分で萩村は現れたのだが、
「あれ、萩村珍しいな?」
髪型がいつもと違った。
「ん、たまにはね。気分転換みたいなものよ。」
109Y-275:2009/06/19(金) 00:50:46 ID:ivzpNWuI
萩村が言う。
普段は後頭部で髪の毛を2箇所縛った、所謂ツインテールという髪型をしている萩村だが、
「お揃いだね、スズちゃん。」
本日は頭頂部に近いところで1つだけ縛った、三葉と同じ髪型、つまるところのポニーテールだ。
「そうね。」
声をかけた三葉に、萩村は短く返す。
なんだか、素っ気ないような気がしたのは俺の気のせいではないはず。
「今日は奈良方面だったわね。」
首を傾げる俺などどこ吹く風で萩村が口を開く。
「行くわよ、津田。」
そう言って、萩村は俺の手をとると歩きだした。
「はあっ…」
後ろからは柔道娘のため息が聞こえた気がした。

「………………………」
朝一こそ、俺に言葉をかけてきた萩村だが、その後は終始無言。
昨日よろしく3点リーダー製造機を決め込んでいる。
宿舎をでて、電車を乗り継いで到着した東大寺は、昨日行った鹿苑寺など程では無いにしろ、そこそこの混雑を見せている。
それもそうだろう。
なにせ、今は修学旅行シーズンの真っ只中。
全国から学生が集まって来ている。
そして、鹿苑寺等は一般の客も入り、ここよりかは混雑の度合いが増す。
唯一の例外だったのは、昨日言った宇治平等院ぐらいだった。
「まったく、獣臭いのは嫌いだわ。」
そんなことを考えていると、萩村が口を開く。
「ああ…」
辺りを見回してみれば、周りは一面鹿の群れ。
萩村の言わんとしていることはわかる。
「鹿煎餅をあげてたりする人達の気持ちはわからないわ。」
苦笑を浮かべる俺に萩村が続けた。
そういえば、1年生の時、動物を飼ったりなんだりするのはあまり好きではないみたいなことを言ってたな。
一年前…考えてみれば、萩村との付き合いももう一年になるんだな。
「どうかしたの?」
そんなことを考えて苦笑を浮かべる俺に萩村から声がかけられる。
「いや、萩村とは知り合って、なんだかんだ、もう一年になるんだなと思ってさ。」
俺は思っていることをそのまま口にだして伝える。
「そうね。」
俺の言葉に萩村が短く頷く。
何となく、まだ不機嫌なままのような気もするけれど、考えてみれば、
バスの一件以来、萩村とここまで長く話すのも久しぶり。
俺は思い切って、萩村の機嫌を伺うことにする。
「なぁ、萩村、まだ怒ってる?」
「別に…」
萩村からは素っ気ない答え。
口にした言葉とは裏腹なのは、火を見るより明らか。
なんとなーく、萩村の容姿とあいまって幼い仕種だななんて思ってしまう。
「今、何かとてつもなく失礼な事、考えてないでしょうね。」
「いや、そんなことは…ない。」
萩村に指摘されて慌ててごまかす。
途中に間をいれてしまったことが、胡散臭さ満天だ。
「まぁ、良いわ。ところで、あんたは、なんで私が苛立ってるか分かってるの?」
「何でって…バスでの子供扱いじゃないのか?」
俺は素直に答える。
「はぁ…これだものね…」
ハズレと言わんばかりに、萩村はため息をつく。
「じゃあ、なんでだ?」
俺は改めて萩村に問う。
「何だって良いでしょ!!」
俺の言葉に、いらだたしさも隠さず萩村が返す。
「…まぁ、良いわ、別にあんたのせいじゃないもの。」
110Y-275:2009/06/19(金) 00:52:31 ID:ivzpNWuI
俺のせいではない。萩村がそう告げる。
「ねぇ、津田、私アレで手を打とうと思うんだけど。」
言われて、萩村が指差した方を見る。
土産物屋に並んだ各種キーホルダーがそこにはあった。
「えーと、つまり…」
「私、欲しいキーホルダーがあるんだけど…」
「つまり、それを買え…と」
「そう。物分かりが良いじゃない。」
まぁ、それぐらいで萩村の機嫌が直るのであれば安いものだろう。
「それを2個ね。」
「2個??」
何を言っているのだろう?そう思い、俺は聞き返す。
「1個はあんたの分。」
「え?なんで?」
「何よ、三葉さんとはお揃いのキーホルダー付けれて、私とはつけられないっていうの?」
プレッシャー。まさしくプレッシャーをかけながら、萩村が宣う。
ほんとに難儀な天才児だなぁ…と思った。

………………………………

「あの…」
場所を弁えようよ。と言おうとして柔道娘は口をつぐむ。
「あらあら…」
横からは苦笑混じりの轟さんの声。
本日3日目の夜は、旅館の露天風呂が開放される日である。
それまでの2日間は一般客への配慮から、露天風呂が解放されることはなかった。
それが3日目の本日は各班15分ずつの持ち時間で解放されるのである。
「何よ、別に私がどんな髪型にしようと私の勝手でしょ。」
「今、認めたでしょ、真似っこしたって!」
「随分と逞しい妄想だこと。」
修学旅行の最終日の夜になって、再びあいまみえる2人。
2日目の夜はまだスズが終始無言を決め込んでた分だけ平穏だった。
タカトシと、金閣寺と銀閣寺でペアのキーホルダーだー!!なんてご機嫌のムツミはスズの苛立ちに気づく事もなく。
3日目は、今度は立場は逆転。
前日はムツミといる時間が長かったタカトシだが、本日はスズといる時間が長くなった。
昼間は微妙な表情こそしていたスズだったが、宿舎で浮かれ気味だったのはスズの方。
それに対して面白くない顔をしたのはムツミの方だった。
まぁ、後はきっかけ…裸で風呂を共にした事で、何気ないムツミの一言から火がついた訳である。
「そうよね、まだまだお子様な体じゃ、髪型で気をひくしか無いもんね。」
ムツミが言う。
「言ってなさいよ。」
それをスズがあしらうように言う。
初日と違い、スズが幾分冷静な分だけ、口げんかでムツミは分が悪い。
「むーっ……」
「……ふん。」
大きくヒートアップしないことがせめてもの救い。
とも思えるのだが、ムツミとしては面白くはないわけで…
「まぁ、ツルツル、ペタンコな体の人じゃタカトシ君も興味なんか惹かれないでしょ。」
せめて何か、何でも良いからといった一言。
「なんだとっ!」
この言葉に思いの外、スズの食いつきは良かった。
「自覚の一つぐらいあるんじゃない?」
煽るようにムツミが言う。
「何よ、ただ単に私より少し発育が良いだけじゃ無い。」
と言うより、スズの発育が悪すぎるだけではあるのだが。
「大体、何故、それが重要かなんて理解してないくせに良く言うわ。」
「何よ!知ってるもん。」
「ふーん、じゃあ、言ってみなさいよ。無理よね、Hの仕方の一つも知らない癖に。」
「っ!………」
敢えてスズは学術的知識としての"sex"という言い回しは回避する。
111Y-275:2009/06/19(金) 00:55:13 ID:ivzpNWuI
普段から遺憾無くピュアっぷりを発揮するムツミには、それはかなり効果的だった。
「むーっ……」
「ふん。」
再び睨み合いに移行する両者。
「それだわ!!」
突如、轟さんの声が響く。
「どうしたの?」
不意打ちに体を驚きで強張らせた後、スズがそちらに問いかける。
「ううん。知らないんなら知れば良いだけの事よね。」
スズの問いに一切答えてはいないが、轟さんは良い笑顔を浮かべる。
(もう、どうにでもなれよ…)
柔道娘の呟きは湯煙に消える。

………………………………

「あっ……っ!ふあっ、んん、お兄ちゃん……っ!」
「カナミ、……っ!」
(これか………)
呆れ気味に心で呟く柔道娘。
部屋に戻った一向は轟さん発案のAV鑑賞会と相成っていた。
「………………………っ!」
「………………………」
というより、釘付けのスズと、訳もわからず眺めるだけのムツミという混沌とした部屋。
(私はパスパス。アホくさ。)
何気に兄がいて、兄の部屋に行けばその類のものを目にする機会のある柔道娘はどうでも良い様子。
(しかも、近親モノって……)
実際兄弟のいる人間にしてみれば、有り得ない以外の何物でも無いなぁ…
なんてことを柔道娘は思う。
「どう?すごいでしょ?」
そんな柔道娘に轟さんが声をかける。
「対したモンだわ。」
工具を手に得意げな轟さん。
その工具で横の機械をいじり、PAYテレビの機能を開放した訳だ。
とりあえず程度の称賛を柔道娘がかける。
「しかし、これが、どうあの2人の仲直りに繋がるわけ?」
露天風呂からの帰り道、こそっと耳打ちされた内容の是非を問う。
「まだまだ、これからだよ。ちゃんと、この先の手も打ってあるしね。」
再び良い笑顔で轟さんは告げる。
「ふーん…とりあえず私はあんま、関係なさそうね。」
「まぁ、そうだね。でも、後で少し手伝ってほしい事があるかも。」
112Y-275:2009/06/19(金) 00:57:37 ID:ivzpNWuI
「手伝ってほしいこと??」
「時期にわかるよ。後は主役の登場待ちかな。」
「何となく分かってきたわ…まったく良く思い付くわね。」
こめかみを押さえながら柔道娘が呟く。
「まあね。」
相変わらずな笑顔で轟さんは返す。
そろそろかな…なんて呟きながら。

─コンコン─
「「…………っ!」」
その時、ドアを叩く音が部屋に響いた。
その音を聞いて、スズとムツミが身体を強張らせる。
「はーい♪」
妙にご機嫌な轟さんがドアの方に向かって行く。
「何が面白いんだか…」
呟いたのは柔道娘。
ちゃっかり、ドアの方向に自分も向かっているのはご愛嬌だ。
「ん、な……!!」
開かれたドアの前には絶句する男子の姿。
「ちょっ……おまえら!!」
周りなど気にもせずに、その男子は一目散に部屋へと立ち入ってくる。
今年が共学化した代の初めての修学旅行ということもあり、
教師の許可があれば、男子は女子の部屋への出入りを許される。
男子が入ったのを確認すると、轟さんと柔道娘は部屋をでる。
「ここまでうまくいくとはねぇ…」
戸を閉めて、声をあげたのは柔道娘だ。
「後は、"3人"で仲良くしてもらいましょう。」
改心の結果に今まで以上の笑顔を見せる轟さん。
忘れないうちになんて言いながら、戸に突っ張り棒を噛ます。
「ほんと策士ねぇ。」
もはや、柔道娘に呆れの色は無く、手際良くここまでを進めた轟さんに感心の表情をむける。
「ふふ。ありがとう。」
「あんた、三国志の世界に行っても活躍しそうだわ。」
どちらにせよ、ここからが長丁場になりそうだと思っていた柔道娘は、
話題になりそうな話を轟さんに振っていった。

………………………………
113Y-275:2009/06/19(金) 01:02:56 ID:ivzpNWuI
とりあえず以上です。
続きは来週中に投下できればなと。
ドタバタ系をテーマに書いてみたんですが、なんか遠いような…
話を書く中で下ネタ以外は出てこない轟さんの使い勝手が良かったりなんだり。それではまた。


駄文乱文失礼しました。
失礼致します。
114名無しさん@ピンキー:2009/06/19(金) 01:11:49 ID:NriNPWgu
修学旅行、原作でもやるかなあ
115名無しさん@ピンキー:2009/06/19(金) 16:07:20 ID:ltKCZqK6
乙です
116名無しさん@ピンキー:2009/06/19(金) 16:39:57 ID:5FF37CqK
乙でした
Y-275氏はペースも快調ですなあ

ここは最低でも一か月に一度は投下があるな
五年も続けてると、仕事や家庭やらの変化で初期組もさすがに苦しくなってくるだろうし、
若手組が頑張ってくれると実にありがたいしうれしいな
117名無しさん@ピンキー:2009/06/20(土) 12:16:25 ID:rj/a93Z8
乙!!!!
118名無しさん@ピンキー:2009/06/20(土) 17:35:28 ID:s1mt+jfA
本編でもタカトシの学年の修学旅行はやってほしいが、
そうするとシノやアリアの出番がなくなっちゃうのがなあ
119郭泰源 ◆Ot.EmIRUsS7D :2009/06/21(日) 00:21:45 ID:y1Ye7acu
はい、どうも郭です。
Y-275氏、見事です。
実はスズ×タカトシ×ムツミの三つ巴は私もチャレンジしたのですが、
ムツミが鈍感すぎたのと、コトミほどスズが動いてくれなかったので没ったんです。
この後の展開が楽しみですな。
さて、私は続きものふたつ。前々スレ>> 371の続き、
あかほん×妹シャッフルでアキ×シンジ×ヒロキの番外編です。
NGワードは「エロ無し」、「シャッフル」、「カナミのキャラが微妙」かな?では、投下。
120名無しさん@ピンキー:2009/06/21(日) 00:22:21 ID:h2ulXQ4t
Y-275氏乙です。修学旅行もの楽しみですなぁ。






あとついでに、シンジとカナミAV出演乙!
121郭泰源 ◆Ot.EmIRUsS7D :2009/06/21(日) 00:22:42 ID:y1Ye7acu
「じゃあカナミちゃんは結構ブラコンだったりするんだ?」
「えへへ、そうですねッ♪だってウチのお兄ちゃん、カッコイイんですよ!」
「ふ〜〜ん、ちょっと写真とかあるかな?」
「ありますけど………井戸田さん、大丈夫ですか?」
「あ、由田さん、お分かりだと思いますがカナミちゃんのお兄さんは一般の高校生なので」
「ええ、写真を掲載するようなマネはしませんよ」
「ならOKですね」
「じゃ、はい!」
「なるほど〜〜。さすがにカナミちゃんのお兄さん、イケメンさんだね」
「そうなんです!カッコイイだけじゃなくて、優しくて、たくましくて、ちょっとおっちょこちょいで。可愛いんです!」
「はは、やっぱり子供の頃とかはお兄さんと結婚したいとか思ってた?」
「はい!今でも理想の男性はお兄ちゃんです!」
「あはは、結構どころじゃなくて本当にブラコンなんだね、カナミちゃんって」
「や、やだあ!恥ずかしいですよ、由田さんたら!」
(しかしまあ、良くやるよ、カナミちゃん)
目の前の城島カナミとインタビュアーのやりとりを、井戸田ヒロキは内心苦笑しつつ見ていた。
そこは、都内某所のスタジオ。レイ・プリンセス事務所所属の新人アイドルとして活動中のカナミは、
某週刊誌での短いグラビア撮影終了後にインタビューを受けていた。
(これで妹萌え層はつかめるしな。それに由田さんもカナミちゃんを気に入ってるみたいだし)
手練れのインタビュアーであり辛口ライターとしても知られる由田が
アイドルや女優とガチンコで対談するというのがこのコーナーの目玉であり、
彼の舌鋒の鋭さは今をときめくグラビアアイドルや人気女優に対しても手加減が無く、
過去の対談ではあまりの過激な内容に事務所側からNGを出されたこともしばしばだったという。
(カナミちゃんの頭の良さは分ってたから安心はしてたけど………)
彼女の頭の回転の良さや少女期特有の瑞々しい可愛らしさについては以前から認めていたが、
アイドルとして必要不可欠な「華」とでもいうべき輝きが最近ますます増してきたと、
マネージャーであるヒロキですらも感じているところだった。
「うん、じゃ今日はこんなところで。ご苦労様でした、カナミちゃん」
「はい!今日はありがとうございました、由田さん!」
満面の笑顔でカナミがお礼を言うと、由田に向かって手を差し出す。
少々照れくさそうに彼も手を伸ばし、ふたりはその場でしっかりと手を握った。
「えへへ、手、冷たいんですね、由田さん!」
「え?そ、そうかな?」
「でも手の冷たい人は心があったかいって言いますから、由田さんもそうなんですね!」
「…………参ったな」
(ありゃ〜〜由田さん、すっかり)
辛辣なインタビュアーであるはずの由田が苦笑しているのを見て、ヒロキも同じく苦笑していた。
今回のインタビューは、完全にカナミの一本勝ちのようだ。
「おつか、井戸田ちゃん」
「あ、お疲れ様です!石嶺さん」
気づかぬ間に副編集長であり現場の責任者である石嶺もインタビューを見ていたようだ。
慌てて、ヒロキは頭を下げる。
「カナミちゃんって井戸田ちゃんがスカウトしたんだって?良い素材を見つけたね〜〜。伸びるよ、あの子は」
「ありがとうございます。そうは言ってもスカウトできたのは偶然なんですけどね」
「?スカウトなんて、たいてい偶然じゃないの?」
「いえ、実は最初はカナミちゃんの友達の子をスカウトしようとしたんですけど、断られちゃって。
そのときに一緒にいたカナミちゃんが代りに話を聞いても良いよって言ってくれたんですよ」
「ふ〜〜〜ん、そんなことがあったのかい?」
「わ!よ、由田さん、今日はありがとうございました!」
石嶺と話し込んでいるうち、いつの間にか由田も側に来ていた。驚きつつ、また頭を下げるヒロキ。
「いや、こちらこそ。でも良い子だね、カナミちゃん」
「え、ええ。最近やっと露出も多くなってきまして」
「実は今回はヨシちゃんのご指名だったんだけど、すっかりヨシちゃんもカナミちゃんに首ったけみたいだね」
「え?そ、そうだったんですか?」
「そうなんだよ、だって最近ずっとカナミちゃんに会いたいって言いまくってたもんね、ヨシちゃん」
§
122郭泰源 ◆Ot.EmIRUsS7D :2009/06/21(日) 00:23:48 ID:y1Ye7acu
「コラ、バラすなって、石ちゃん。全く、アンタにかかると俺がストーカーみたいじゃないか。
実はね、この前封切りされた『死神の精力』に出てたよね、カナミちゃん?
あれを見て、すごく光るものを感じてね。一回会ってみたいと思ってたんだ」
「あ、あの映画ですか?でもカナミちゃん、そんなに」
「うん、確かに出番は少なかったけどね。でもなんていうかな、短い時間でもすごく存在感があるっていうか。
そう感じたのは俺だけじゃなかったみたいで、映画関係の仲間内でもカナミちゃんは評判みたいだよ」
「そうなんですか………って、俺が言っちゃマネージャー失格ですよね」
「あはは、ヨシちゃんの仲間うちでは、ってことだから話半分で聞いておかないとダメだよ、井戸田ちゃん。
なにせこの人の周りは筋金入りのヒネクレ者ばっかりだからね」
「そういうお前もだろ、石ちゃん」
「あたたたた。でもあの映画のカナミちゃん、ヨシちゃんの言うとおり光ってたよ。それは俺も認めるけどね」
「ま、あの映画自体、結構デキが良かったってのもあるんだろうけどな。主役の金玉タケシも良かったしね」
石嶺と由田のふたりの間では、映画談義に花が咲いていた。
適当に話を合わせつつ、ヒロキは別のことを考えていた。
(そんなに評判が良かったのか、カナミちゃん)
確かに映画の撮影現場でも監督からカナミの飲み込みの良さを評価されたことはあった。
そうは言っても彼女はまだまだ新人であり、ほんの脇役程度の出演でしかなかったはずだ。
にもかかわらず、業界でも評判の目利きである石嶺と由田から注目されるということは、
それだけカナミの存在が際だっていたということなのだろう。
(今は完全にアイドルとしての売り出しだけど、こっから女優業にシフトするのも手だよな?)
レッスンを受けさせるとカナミはなかなか器用な女の子で、歌も踊りもかなりのレベルでこなすことができた。
それだけに、これからの方向性については社長とも再度話し合う必要があると、ヒロキは思っていた。
「それに性格も良さそうだよね、彼女」
「え?そ、そうですか」
「ほら、あっち」
考え事をしていただけにちょっと不意打ち気味になってしまったヒロキは、由田が目線を送る先を見る。
そこには、スタッフの輪の中で談笑しているカナミの姿があった。
「最近は新人の子でも撮影がハケるとさっさと帰っちゃう子が多いんだけどさ、
カナミちゃん、すごく良い感じじゃない」
「あの子、ウチのスタッフにも評判が良いよ。男のスタッフだけじゃなく、女のスタッフにも」
「あ〜〜〜、カナミちゃんって人なつっこいですからね」
「それだけじゃなくて、なんて言うかな………周りの人間を惹きつけるものを持ってるよ、彼女は」
「あはは、やっぱりお気に入りじゃない、ヨシちゃんたら。大事に育てないとダメだよ?井戸田ちゃん」
「は、はい!」
業界の大先輩からお褒めの言葉を頂き、ヒロキは喜びと同時に緊張も感じていた。
それだけ、カナミが注目されているということに他ならないからだ。
「井戸田さ〜〜〜ん、これからみんなでちょっとゴハン食べませんか?って話しになってるんですけど」
「次のスケジュールがあるからダメだよ。すいませんね、由田さん、石嶺さん」
「はは、売り出し中の子は仕方が無いよ」
「そうそう。じゃ、またよろしくね、井戸田ちゃん」
「え〜〜〜〜」
「え〜〜じゃないだろ。それじゃ、皆さんすいませんがこれで」
「はい、じゃ、おつか。またね?カナミちゃん」
「お疲れ様でした!次は絶対ゴハン食べにいきましょうね!」
「あははは、カナミちゃんにはかなわないな………」
カナミの人なつっこく明るい性格のおかげで、現場の空気は和やかなまま終わりを迎えた。
慌ただしくスタッフへの挨拶を終えると、事務所の車にカナミを乗せて走り出す。
「ねえねえ、ヒロ君?確か今日はこれで終わりじゃなかったっけ?
それにヒロ君はこれからシホちゃんのお仕事で、帰りは小田さんが送ってくれるんじゃなかったの?」
「あ、ゴメン、まだ話してなかったよね。実は今日、ヤングギンギンのグラビアで
小池マイちゃんを予定してたんだけど、ホラ、彼女しばらく風邪引いてて調子悪かったろ?
とうとう今日ダウンしちゃったみたいでさ。それで悪いけど代役にカナミちゃんを出して欲しいって
小田さんから連絡を貰ったんだ。申し訳ないけど、お願いできるかな?」
「あ、そうだったんだ?私は全然OKだよ!こういうのもチャンスだもんね、小池さんには悪いけど」
「そう言ってくれると助かるよ。急な話で悪いね」
§
123郭泰源 ◆Ot.EmIRUsS7D :2009/06/21(日) 00:24:22 ID:y1Ye7acu
(ま、なんだかんだ言って、下ネタ以外はカナミちゃんって性格良いんだよな)
この世界、突発事故のような事態は案外多い。他事務所のマネージャー仲間の話を聞いても、
芸能界の水に浸りきっていない子の場合は突然の仕事を嫌がることも少なくないようだが―――
TBの三人にせよ、カナミにせよ、むしろ積極的に仕事に挑もうとしているのは、
ヒロキにとっても事務所にとっても有難い話ではあった。
(そういった意味では恵まれてるんだよな、俺も)
「ねえねえ、で、ヒロ君?水着とかあるの?」
「ん?うん、一応全部用意しておくって話だったけど?」
「そっか〜〜、じゃあ、そのためにヒロ君さっきゴハンを断ってくれたんだね?
食べた後でお腹出ちゃってたら水着はダメだもんね」
「ま、単純に時間がなかったってのもあるけどね」
「貧乳でおまけにお腹ぽっこりじゃね〜〜〜」
「…………そこまで言ってない」
カナミの察しの良さは確かに有難いのだが、最後を下ネタで落そうとするのはなかなか慣れないな、
とヒロキは思いながらハンドルを切る。少しだけ、渋滞しつつあるのを気にしていた。

「…………悪いな、井戸田」
「あ、間に合いました?小田さん」
「……………」
強面の先輩マネージャー・小田が無言でこくり、と頷く。
なんとか指定のスタジオに時間ギリギリで間に合ったヒロキは、
大慌てでカナミを控え室に送った後、ようやく彼に会うことができたのだった。
「マイちゃんは?」
「しばらくドラマ撮影やグラビア撮影で過密スケジュール気味だったからな。
今日も本人は責任を感じて無理をしてでも現場に出ようとしていたんだが………
なんとか言い聞かせて、休ませることにした。全て、俺の責任だ」
「い、いえ、そんな!」
普段は無口な小田だが、言葉通り責任を感じているのかいつになく多弁だった。
それが逆に、ヒロキには痛々しくすら感じられていた。
「ちょうど良くカナミちゃんのスケジュールも空いていましたし、本人もやる気満々です。
今はマイちゃんの体調が回復することだけを考えましょうよ」
「………すまん」
短く言うと、小田は辛そうな表情でヒロキに頭を下げる。
先輩の誠意に、ヒロキは胸が熱くなるのを感じていた。
「小田さんも辛いと思いますが、気持ちを切り替えて下さい。これからカナミちゃんが来るんですから」
「………そうだな」
「お疲れ様です!小田さん」
「………今日はお願いするよ、カナミちゃん」
ジャストのタイミングで、メイクを終えて水着に着替えたカナミが登場してきた。
「じゃ、カナミちゃん、撮影入ります!お願いします!」
「あ、はい!よろしくお願いします!」
それまで停滞していた撮影現場が、カナミの登場によってようやく急スピードで動き始めた。
「はい、じゃ、カナミちゃん、こっちに笑顔!」
「カナミちゃん、軽く肘をつけて!」
「うん、そこで立って一回転して!」
カメラマンの矢継ぎ早の指示にも、笑顔で応えるカナミ。
(カナミちゃん………良いよ、すごく)
カナミにとってみれば今日ふたつめの現場であり、疲れがないはずがない。
にもかかわらず、彼女はそうしたところを微塵もみせずに最高の表情を振りまいていた。
「…………井戸田、それでカナミちゃん、なんて言ってた?」
「代役は全然OKだし、むしろチャンスだって言ったましたよ。マイちゃんに悪いとも言ってましたけど」
「そうか…………良い子で助かったな」
「ええ。生意気を言うようですけど、マネージャーってのはタレントを助けてタレントに助けられるもんだと、
教えられたような気分ですよ」
「そうだな。本当に」
§
124郭泰源 ◆Ot.EmIRUsS7D :2009/06/21(日) 00:24:58 ID:y1Ye7acu
ヒロキと小田のふたりはじっとカナミを見つめている。水着やセーラー服姿、それにメイド服等、
衣装を次々と着こなしながら、カナミはポーズをとっていく。
「はい、おつかれ!カナミちゃん、ありがとう!良かったよ〜〜〜」
「お疲れ様です!今日は小池さんの代役でしたけど、ありがとうございました!」
「いや〜〜〜、助かったよ。マイちゃんが病気だって聞いたときはどうなることかと思ったけど」
「心配ですよね………しばらく小池さん、無理してたみたいだから」
「うん、でもその代りに人気急上昇中のアイドルと仕事ができたわけだから、こっちとしちゃラッキーだったよ」
「いえ、もしなにかありましたら、またよろしくお願いします!」
「こちらこそよろしく!」
最初こそマイの不在のためかピリピリとしていた撮影現場だったが、
カナミの明るいキャラクターのおかげかいつの間にか和やかな空気になっていた。
「ふう。良かったですね、小田さん」
「ああ。カナミちゃんには本当に……助けられたな。もちろん井戸田にも」
ようやく、小田の表情にも(無表情なため親しい人間以外には分りにくいのだが)安堵の色が浮かんできた。
意識しないうちにヒロキも緊張していたのだろう。思わず、ふう、と気が抜けたような息を吐いた。
「おつかれさまでした〜〜〜〜!井戸田さん、小田さん!」
「お疲れ!カナミちゃん、良かったよ!」
「…………悪かったね、カナミちゃん」
「私は、大丈夫ですけど。あの、小田さん?小池さんは」
「今は病院に行ってる。点滴を受けてるけど、風邪と過労が重なったってところだ。
本人の体力の回復を待つしかないが…………」
「………そうなんですか」
「小田さんは、これからマイちゃんのところへ?」
「そうしようと思ってる。社長は営業だし、三瀬はお前の代りにシホの仕事に向かったから手が放せないしな」
「他に今日はマイちゃんの仕事関係は大丈夫なんですか?」
「なんとかな。各方面にお詫びの連絡をいれなくちゃならんだろうが」
「それ、今から事務所に帰って俺がやりますよ」
「…………しかし、そこまでお前に迷惑をかけるわけには」
「お願いします。やらせて下さい!」
「小田さん、私もなにかできることがあれば」
「…………すまない、井戸田。すまない、カナミちゃん」
カナミとヒロキに深々と小田が頭を下げる。ふたりは、少し照れくさそうにしていたが、
すぐに小田から仕事の内容などを引き継ぎ、急いで車へと戻った。
「悪いね、カナミちゃん。今日は夕方には終れるつもりだったんだけど」
「良いんですよ。帰ってアキちゃんとお兄ちゃんのエッチの邪魔をしたくないし」
「………『エッチの』は要らないよね」
「ええ〜〜〜、でも今頃絶対ズッコンバッコン」
「……………社長にも、今日の仕事の分は給料に上乗せしてあげられるよう頼んでおくから」
現場でも小田の前でもカナミはヒロキのことを「井戸田さん」と呼び、下ネタも完全に封殺していた。
しかし車の中などふたりだけの空間になると、途端に下ネタ好きの本性を全開にしてきた。
それは性格に裏表があるとかではなく、純粋に構ってくれる人間を選んでじゃれてくるような感じなのだが。
(だからと言って、なぁ)
売り出し中のアイドルとして、それはそれで困りものだとヒロキは思っていた。
そんなこんなでようやく事務所に着くとヒロキは鍵を開け、カナミと手分けをして電話をかけまくった。
「あ、はい。レイ・プリンセスの井戸田です。今回は本当に、ええ?あ、はい。
このまま順調にいけば近いうちに仕事にも復帰できますから」
「レイ・プリンセスの城島です!今回は小池先輩がすいませんでした!」
アドレス帳の上から順に電話をかけ、謝罪し続けるヒロキとカナミ。
電話をかけ終えて残務を終えると、既に8時近くになろうとしていた。
「ふぅ〜〜〜、やっと終わったね、ヒロ君!」
「ありがとう、本当にすまなかったね、カナミちゃん」
「でもメールだけじゃダメだったんですか?」
「小田さんもメールではお詫びしてたんだけどさ、でもこういうのはやっぱり電話で謝るのが礼儀だから」
「ふ〜〜〜ん、そのあたりけっこう古風ですよね、芸能界って」
「古風って……あはは、でもそうかな」
§
125郭泰源 ◆Ot.EmIRUsS7D :2009/06/21(日) 00:25:53 ID:y1Ye7acu
カナミの言葉を聞いてちょっと苦笑したヒロキだったが、彼も安心して気が抜けたのだろう、
う〜〜〜ん、と伸びをした後にふう、とひとつ、大きな溜息をついた。
「じゃ、もう大丈夫だと思うから送っていくよ、カナミちゃん」
「ね、ヒロ君?ご褒美ほしいな、私」
「ご褒美?さっきも言ったけど、今回の分は給料に上乗せしておくように社長に言っておくから」
「えへへ、違うの。ね、ゴハン連れてって?」
「え?でも、シンジ君が」
「さっきメールしておいたの。今日はゴハン食べて帰るからって。
お兄ちゃんもアキちゃんと二人っきりの方が良いだろうし。ね、連れてってよ〜〜」
「え〜〜〜っと、でもまだ俺は」
"♯♭♪"
そのとき、ちょうど。ヒロキの携帯からメールの着信音が響いた。
「あ、ちょっと待ってね?」

『 from 社長 sub 今日は色々ご苦労さん。
マイのことはさっき小田から話を聞いた。大変だったけど、とりあえず今日はお終いにしとこう。
私からも出来る限り各方面にお詫びしておいたから、明日改めて事務所で打合せをする。
三瀬にも連絡したんで、もう帰って良いよ。私も含めて全員直帰するんで、鍵だけよろしく」

「………社長らしいっていうか」
携帯の画面を見ながら苦笑するヒロキ。今回はマイが無理をして倒れてしまったが、
基本的に疲れたときは無理せず休めというのがレイコの方針である。
ハードワークを強要することが多いこの業界ではむしろ異端と言った方が良いのだが、
今回ばかりはレイコの気遣いがヒロキにはありがたかった。
(だからこそ小田さんもあれだけマイちゃんのことで落ち込んでたんだろうけど)
「ヒロ君?」
「あ、ゴメン。うん、そうだね、じゃ今日のお礼にゴハンごちそうするよ。何系が良いかな?」
「わ〜〜〜〜い♪私、疲れたときはがっつり食べれるのが良いな!」
「ん、分った。それじゃ事務所の電気落すから先に行っててくれるかな?」
「は〜〜〜い!」
今日一日の疲れも見せず笑顔で部屋を出て行ったカナミの若さを少しだけ眩しく感じながら、
ヒロキは事務所の後片づけをし、施錠してセコムをセットしてから駐車場に向かった。
「それじゃ行こうか、カナミちゃん」
「うん!」
最近はほとんどヒロキの通勤兼用となっている事務所の車にカナミを乗せて走り出す。
「カナミちゃんの家にいく途中でさ、美味しいステーキハウスがあるんだけど、そこで良いかな?」
「わ〜〜い、にくにっく♪お肉♪」
(ま、こういう姿を見るとまだまだ子供だよな、カナミちゃんも)
無邪気にはしゃぐカナミを見て、そんなことを思うヒロキ。ほどなく車は目当ての店に着いた。
そこは、アメリカ郊外のダイナーを思い起こさせるようなステーキショップだった。
「カナミちゃんは今売り出し中だから、一応ね?」
「うん!」
ベースボールキャップにメガネをかけ、軽く変装してから車を降りるカナミ。
ヒロキもすぐその後に続き、ふたりは店の中に入っていった。

「えっと、じゃあ俺はペッパーステーキとライス、それとコーヒーで。カナミちゃんは?」
「う〜〜〜んと、ミディアムサイズステーキにライスと、あと一緒にシーフードサラダ食べない?ヒロ君」
「ん、良いね。じゃそれでお願いします」
ヒロキがウェイトレスに注文した後、カナミはもの珍しそうに店内をキョロキョロと見渡していた。
「ここ、来たことないんだ?」
「だってちょっと高そうだし。ヒロ君は結構来てるの?」
「うん、最近はちょくちょくね。意外に値段もそんなに高くないし、
夜遅くまでやっててドリンク類も豊富だから、打合せとかでも使ってるんだよね」
「でも車がないと来にくい感じじゃないですか?」
「あ〜〜〜、それはあるかもね。俺も初めは気付かなかったし」
§
126郭泰源 ◆Ot.EmIRUsS7D :2009/06/21(日) 00:26:43 ID:y1Ye7acu
「お待ち遠様でした」
「わ〜〜〜、美味しそう!」
ぱちぱち、とプレートの上で肉汁が弾ける様子を見て歓喜の声を上げるカナミ。
注文した品がテーブルに並ぶと、ふたりはそそくさとそれを胃袋に納めていった。
「でも、もぐ。心配ですよね、小池さん」
「うん、だけどしばらく彼女、ドラマにグラビアに出ずっぱりだったからね。
むしろ今回はからだを休める良い機会だと思ってくれると良いんだけど」
「私、誤解してましたよ、小池さんのこと。あんなに頑張り屋さんだと思いませんでした」
「女の子には人気がないけど、マイちゃんってすごい努力家だよ。
新人の頃は演技も歌もダンスも全然だったらしいんだけど、今じゃどれもかなりのレベルだしね」
「それに責任感も強いですよね。先週あたりから調子悪そうだったのに、絶対休まなかったし」
「うん。でもそこらあたりは本人も分ってるだろうけど、やっぱり無理しちゃダメだよね」
「でも私、小池さんの気持ちも分るんです。現場にいくとみんな私たちのことを
すごく大切にしてくれるじゃないですか?だからつい頑張り過ぎちゃうっていうか」
「う〜〜〜ん、そう思ってもらえるのは俺たちマネージャーとしてはありがたいんだけどさ。
でも、やっぱりからだは大事にして欲しいよ」
ステーキを食べながら、ふたりはとりとめもない会話を続ける。
(こんな風にゆっくりカナミちゃんと話したコトって、最近あんまなかったよな)
思えば最近は忙しすぎてカナミの話を聞けていなかったとヒロキは反省したりしていた。
「もぐ。でもホントに美味しいですね、ココ」
「でしょ?今度シンジ君も誘ってみんなで来ようか?」
「え〜〜〜〜、でも良いんですか?」
「はは、だっていつもシンジ君にはお世話になってるからね」
「意地悪言っても良い?ヒロ君」
「?なに」
「アキちゃんが一緒でも、大丈夫?」
「!………それは、まあ、大丈夫だけど」
「ふふッ、冗談ですよッ♪」
「………ちょっと、カナミちゃん?」
「あはは、ヒロ君ってばか〜〜わいい♪」
言うなればアキのスカウト失敗のおかげでカナミという人材を獲得できたわけだが、
今もなおアキに会うと少々複雑な思いになってしまうのは、
自分の心の中にまだ彼女に対する未練が残っているからだと、ヒロキも自覚はしていた。
(未練、か…………俺ってやっぱ女々しいのかな)
ヒロキとしては認めたくないが、もうひとつ自覚していたことがあった。
それは、アキに対する未練の中にはほのかな恋愛感情が混じっていた、ということだった。
「あ、ゴメンなさい、怒っちゃった?ヒロ君」
「ん………いや。そこまで子供じゃないよ」
思いを巡らせて沈黙したヒロキの顔を、心配そうにカナミがのぞきこんできた。
(多分………いや、間違いないよな。カナミちゃんって、結構鋭いし)
自分のそういう感情は、とうの昔にカナミに見破られているのだろうとヒロキは思い、苦笑しながら口を開く。
「だけど今日久しぶりに会って思ったけど、矢野さんすごく幸せそうだったし、キレイになったよね?」
「あ、そうですよね。やっぱセックスすると女の子ってキレイになるのかな?」
「………それ、迷信だから」
いつもどおり下ネタで落すカナミになぜか安心しつつ、ヒロキはツッコミを入れる。
「でも恋をするとキレイになるってのは本当ですよね。アキちゃん、最近すごく可愛いもん」
「それはさ、やっぱり相手の目を意識してオシャレしたり、色々気を使うようになるからじゃないかな?」
「あ〜〜〜あ、いいな〜〜〜、アキちゃん。私もキレイになりた〜〜〜い」
「カナミちゃんは今でも十分可愛いよ。今日会った由田さんや石嶺さんも言ってたし」
「えへへ、私って年上受けするのかな?現場でもオジサン世代の人が可愛がってくれるんですよ」
「どうだろう?この前あった握手会は普通に若い男の子ばっかりだったじゃん」
「そう言えばそうだったかも。でも私のファンの人ってすごくマトモな人ばっかりですよね?
シホちゃんやカルナちゃんに聞くと危なそうな人もたまにいるって話なのに」
「それは………マイちゃんやTBくらいメジャーになると少しばかりアレなファンも多くなってくるのは確かだけど」
「う〜〜〜ん、私はまだまだってことですね」
§
127郭泰源 ◆Ot.EmIRUsS7D :2009/06/21(日) 00:27:15 ID:y1Ye7acu
「いや、そういう意味じゃ」
と言いつつ、実はファンの傾向を見ながらヒロキには気付いていたことがあった。
世間一般では『城島カナミ』は優等生的なタレントのイメージが先行しており、
年齢層が上の―――言ってみればカナミの親世代の層からも好感を得ているようだということを。
(確かにカナミちゃんって下ネタさえ言わなきゃウチの子の嫁に、って感じだよな。
家事は万能だし、明るいし、人懐っこいし。そのあたり狙って朝の連ドラとかオファーできないかな?)
いかにもマネージャー的なことを考えてしまうヒロキだが、
カナミは彼の思案顔を別な意味で受け止めてしまったらしく。
「悩まないでよ、ヒロ君!私、頑張るから!もっともっと!」
「い、いや別に悩んでないよ。カナミちゃんは今でも頑張ってるって」
「ううん、絶対今より頑張るからね!」
(ま、こういう前向きなところもカナミちゃんの魅力なんだけどさ)
力強く言い切るカナミの表情を見て、改めてそう思うヒロキ。
「じゃ、頑張るためにはしっかり食べようね?シーフードサラダもどうぞ」
「はい!いただきます!」
ちょっとふざけたような笑顔で、シーフードサラダを食べるふたり。知らない人間が見ればそれは、
仲の良い兄妹のような。少しだけ年の離れた、恋人同士のような親密な空気だった。
「じゃそろそろ行こうか?カナミちゃん」
「うん、ヒロ君!」
並んだ料理を全て平らげた後、カナミがトイレに立って帰ってきたタイミングでふたりは店を後にした。
「ふう〜〜、しかし久しぶりにこんな食べたかな、俺も」
「えへへ、私も♪」
しばらく満腹感による、のんびりとした空気が車内を支配していたが――――
「ヒロ君!」
「ん、なに?」
「ちょっとだけ、ドラマのセリフ合せに付き合ってくれないかな?」
「いや、でも今日はもう遅いしさ」
「次の収録来週だもん。ねえ、お願い!お兄ちゃんにはさっきメールしておいたから」
「え〜〜〜っと、それは」
「お・ね・が・い!」
「…………しょうがないなあ。でも場所とかどうする?事務所に戻る?」
「ありがとう、ヒロ君!場所ならね、いいところ知ってるんだ、私」
「でもそこ、近いの?あんまり遠いのは」
「うん、車ならすぐだから!」
カナミの少々強引な願いを、渋々ながら引き受けたヒロキは彼女の指示通り車を走らせる。

やがてふたりが着いたのは、人気の全くない、山林公園の一角だった。
「へえ〜〜〜、小笠原町にこんなとこがあったんだね」
「へへ、びっくりしたでしょ?お天気の良い日は町が見渡せて、最高なんだから」
「うん、今でも夜景がキレイだよね」
「夏場なんかはアオカンの人気スポットらしいんだけど」
「…………どこで君はそういう情報を」
「それはナイショ♪じゃ、セリフ合せお願いね、ヒロ君。はい!」
「あ、ああ」
呆れかえるヒロキをなぜか満足そうに眺めた後、カナミが台本を渡してきた。
それを受け取ると、ヒロキは外灯の薄い明りに文字を照らしながら目を通してゆく。
「え〜〜〜っと、ちょっと素人には難しいけど」
「大丈夫、ヒロ君はただ読んでくれればいいから」
「ん。じゃ、『そうですか、あなたのお姉様がここで亡くなられたわけですね』」
「結構上手じゃん、ヒロ君。『はい。あの頃私はまだ小学生でしたから、突然のことに驚いてしまって』」
「『お察し致します。しかし逆に幼い頃だからこそ、鮮烈な記憶として残っているということはありませんか?』」
「『い、いえ………それは』」
ひとたび役作りに入ってしまえばカナミはあっという間に集中し、朗々とその役を演じ始めた。
ヒロキもそんな彼女に引き込まれるように、必死でセリフを追ってゆく。
そして、気付いた頃にはそれなりの時間が過ぎてしまっていた。
§
128郭泰源 ◆Ot.EmIRUsS7D :2009/06/21(日) 00:29:14 ID:y1Ye7acu
「わ、もう十時近いよ、カナミちゃん」
「あ、ホントだね」
「さすがにもう帰らないと。乗って」
「うん!」
カナミを車に乗せ、ヒロキは発車しようとシフトレバーに手を伸ばそうとしたが―――
「?どうしたの、カナミちゃん」
その手の甲に、柔らかくカナミが手を被せてきた。少しだけ驚くヒロキだが、彼女は囁くようなちいさな声で。
「今日はありがとうね、ヒロ君」
「いや、今日は逆にこっちがお礼を言わなきゃいけないくらいだよ。急な仕事ばっかり頼んじゃったし」
「ううん、全然だよ。なんだかパワーをもらっちゃったから!
それよりね、ヒロ君………私、恋しちゃったみたいなんだ」
「え?ま、まさか気になる人とかできたわけ?それ、事務所的には」
「ダメなの?」
「そりゃそうだよ!その人に告られたとか、そういう状態なわけ?それとももうお付き合いしてるとか?」
「ううん。まだ、私の片思い」
「なら、まあ………いや、でもちょっとどうなの?君にもプライバシーがあるわけだから、
答えたくなければそれ以上は俺も聞く気はないけど、その」
「ふふふ、そういうところ、ヒロ君らしいよね」
「からかわないでって。今はそれどころじゃないよ!まさかその相手って、同業者さん?」
「………片思いの相手はね………」
「!?狽ヲ?凵v
"ちゅ"
悪戯っぽく微笑むと―――カナミが、身を乗り出して頬にキスをしてきた。
驚くヒロキだが、彼女は少しだけ顔を赤くして、恥ずかしそうな表情で。
「………好きになっちゃったんだ、ヒロ君のこと」
「ちょ、ちょっとカナミちゃん?」
「ね、ダメ?私、本当に好きなの」
「ダメっていうか、いや、やっぱりその。気持ちは嬉しいけどさ、でも。え?えええ?」
「えへ、あのね、ヒロ君いつも優しいし、頼りになるし、でもちょっとドジで、年上なのに可愛くて。
なんだか、お兄ちゃんにちょっと似てて………ずっと前から、良いなって思ってたの」
「だけど君はアイドルであって、俺は君のマネージャーなんだよ?やっぱりそれは、マズイって」
「それは分ってるの。ね、ヒロ君?私、このお仕事好きだよ?
今日みたいな大変なこともいっぱいあるけど、でもすごくやりがいがあると思う」
微笑みながら、カナミはヒロキに語りかける。それは、混じりけのない、純粋な、美しい笑顔で。
(………やっぱり、可愛いな、カナミちゃん………)
突然の緊急事態に混乱するヒロキだったが、そのときはただ、そう思っていた。
「でもね。もしヒロ君が私のことを見守っていてくれなかったら、こんなに頑張れないの。
今日、そのことにはっきり気付いたの。私はヒロ君が好きだから頑張れるって、そう思ったから」
ふわ、とカナミが頭を預けてきた。
「か、カナミちゃん?」
「ヒロ君がずっと側にいてくれて………恋人になってくれたら、私、もっと頑張れるんだけどな」
「でも…………俺」
「ダメ?ねえ、もしかしてヒロ君、まだアキちゃんのこと」
「違うよ。本当は………俺、怖いんだ」
「…………社長が?」
「いや。…………もしかしたら矢野さんに聞いてるかもしれないけど、
俺、昔酷い失恋しちゃってさ。それ以来、ちょっと恋愛に臆病になっちゃってるんだ」
「ちょっとだけ、アキちゃんに聞いた。そんなに好きだったの?その人のこと」
「うん。でも別れたときは、そこまで好きだったなんて思わなかった。突然だったし、
それまではずっと上手くいっているって思ってたから。でも………ダメだったんだ。
思っていたよりも全然、俺はあの人のことが好きだった。そのことに、あの人がいなくなってから気付いたんだ」
(あ…………そう言えばカナミちゃんって、少し)
ふと、ヒロキは思った。目の前にいる少女に、かつて愛した人の面影があることを。
(アイさんも………明るくて、笑顔が可愛くて、ちょっととぼけたところがあって………)
思い出していた。アイと過ごした日々を。それは、ヒロキにとってかけがえのない幸せな時間だった。
§
129郭泰源 ◆Ot.EmIRUsS7D :2009/06/21(日) 00:32:05 ID:y1Ye7acu
あたた、>>120氏、被っちゃいました!すいません。
で、今回は以上。次回エロ有りで完結の予定。
なお、一応これは番外編なので前作を『秋月』で、
今作を『車の中でかくれてキスしよう』でお願いします>>Wiki管理人様
ちなみにこのSS、引退された長時間氏の設定を一部意識的に借用しています。
個人的にとても興味のあるSSだったのですが、志半ばで長時間氏が引退されたため、
あまりにも惜しいと思い借用させていただきました。
今でもこのスレをご覧になっているか分かりませんが、ここで感謝とお断りをさせてもらいます。

続いて前スレ>>372の続き、濱中パラレルです。
これは主に嫁主導の作品なので今後伊東名義で投下します。では、投下。
130伊東 ◆Ot.EmIRUsS7D :2009/06/21(日) 00:32:53 ID:y1Ye7acu
柴原さんのそんな様子が気になった私だけど………。
「よ〜〜し、HRはこれで終わり」
「はい、起立!礼!着席!」
クラス委員らしいメガネをかけた背の高い男の子が号令をかけて、HRは短時間で終わった。
次の授業の先生が来るまで、少しの間だけまた教室がざわついた雰囲気になる。
「ねえねえ、ミサキちゃん?もしかして、柴原さんって豊田先生のコト」
「?いつものとおりじゃない、どうしたの、アイちゃん?」
ちょっと声を小さくしてミサキちゃんに聞いてみたけど……ああ、そういうことか。みんな周知のことなんだ。
ていうか、そういえばミサキちゃんはマサヒコ君に片思い中のはずで?
それなのに、今日お母様は私のことを「ウチの息子のお嫁さん」って??
思い出すと顔が赤くなっちゃうけど、それより私とマサヒコ君がどういう関係になっているのかが気になって。
「は〜〜い、それじゃみんな授業を始めるぞ」
なんてことを考えているうちに国語の先生らしい、初老の男の人が来て授業が始まった。
それは、なんだか懐かしい風景だった。でも懐かしがってばっかりもいられなかった。
情けないことに結構忘れてることも多くて、授業についていくだけで精一杯だったりした。
「よし、今日は以上」
「はい!起立!礼!」
「わ〜〜い、次はプールだよ、アイちゃ〜〜〜ん!」
「あ、そうか。次は体育……………あ!私、泳げないんだ!」
「へ?今さら思い出したのか?アイ」
「だ、だって」
「泳げなくても大丈夫だよ、ビーチ板とかあるし」
「…………勝負以前の問題だったわけね」
「えへへ〜〜、私も泳げないから一緒に頑張ろうね!アイちゃん」
「ってお前もかよ!そのくせ朝からあんなにはしゃいでたのか!」
「泳げなくてもプールは楽しいから良いんだもん!」
周りのみんなが呆れたように見てるけど、リンちゃんは全然気にしていないみたいでニコニコしていた。
「本当に的山さんは………はぁ。まあ、いいわ。さ、着替えに行きましょ?」
「?どこに行くの?」
「あはは、今日は本当にボケてるねえ、アイちゃん。女子更衣室に決まってるじゃない」
「わ〜〜い♪みんなで行こう!」
リンちゃんが嬉しそうに歩いていくのをついていく。女子更衣室に入って、着替えを始めた。
「ね〜〜ね、アヤナちゃん?なんでそんなおっぱいおっきいの?」
「ぶッ!!的山さん、あなた!」
「私なんておっぱいぺったんこなのに〜〜〜。あ〜〜あ、いいな〜〜」
そう言いながら、きゅ、とリンちゃんが自分の乳首をつまむ。なんだかその仕草もリンちゃんらしくて可愛い。
「大きいからって良いことなんて別に」
「え〜〜、でも中村先生が、おっぱいは大きい方が色々使い勝手が良いって」
「つ、使い勝手って」
「胸が大きいだけじゃなくてスタイル良いもんね、若田部さんは。羨ましいな」
「天野さんまで、もう!それを言うなら濱中さんだって」
「え?私?」
スクール水着も懐かしいんだけど、それ以上に女子更衣室のこういう雰囲気も懐かしい。
でもそれどころじゃなくて、いきなり。
「そうだよね〜〜、いいな〜〜アイちゃんも結構ナイスバディだもんな〜〜。ぶぅ〜〜」
「きゃ、きゃあ!リンちゃん、ダメ!」
本当にいきなり、リンちゃんが私の胸に触れてきて。びっくりして、大きな声を出してしまった。
「あははは、相変わらずねえ、アイとリンは」
そんな私たちを、柴原さんが爆笑しながら見ていた。
う〜〜ん、しかしこのクラスの子達は本当にみんな仲が良いみたいだ。
プールに向かうと、もうマサヒコ君達男子は準備運動を始めていた。
「的山にアイ、泳げないチームは向こうだってさ」
「あ、そうなんだ?」
「行こ行こ!アイちゃん!」
「う、うん」
§
131伊東 ◆Ot.EmIRUsS7D :2009/06/21(日) 00:33:45 ID:y1Ye7acu
ちょっとの間だけ、マサヒコ君の水着姿を見とれてしまう。
背も高くなったし、やっぱり男っぽくなってるな、なんて思いながら。
「ふふふ〜〜、わ〜〜い!!!」
"ばしゃあぁぁん"
「り、リンちゃん、今お腹打ったんじゃない?」
「ちょっと痛いけど、平気だよ♪」
でも、そんなことよりはしゃぎまくってテンションの高いリンちゃんについていくのが大変だった。
「わ〜〜〜、アヤナちゃんすご〜〜い!!はや〜〜〜い!!」
「え?」
ふと隣を見ると、髪をくくったアヤナちゃんがクロールでプールを激泳しているところで。
「うわ〜〜、すごいね、アヤナちゃん。今度こそミサキちゃんに……あれ?」
快調に飛ばしていたアヤナちゃんが、いきなり減速し始めた。
隅のコーナーのミサキちゃんがマイペースに(それでも結構速かったけど)抜き去って、一位でゴールした。
「あれれ?突かれちゃったのかな?アヤナちゃん」
「字が微妙に違うけど、どうしたんだろうね?」
軽くリンちゃんにツッコミを入れながら見ていると、ようやくアヤナちゃんがゆっくりゴールした。
だけど彼女は顔をしかめながらプールから上がれないようで。
「すいません、先生。途中で脚が攣ったみたいで」
「なんと。そりゃ大変だ」
ショートカットの女の先生が、急いでアヤナちゃんをプールから助け上げた。
私たちも慌ててアヤナちゃんの側に駆け寄る。
「だだ、大丈夫?アヤナちゃん!」
「つ……あんまり大丈夫でもないみたい。水の中でコキッて音がしたくらいだし」
「わ〜〜、足コキだ!」
「………お願いだから黙ってて、的山さん」
あっという間にアヤナちゃんの周りは女子生徒が集まってきた。みんな心配そうに彼女を見ている。
「こりゃ保健室に行かないとダメみたいだな、お〜〜い、保健委員―――」
「私です」
「なんと。んじゃ男子の保健委員は―――」
「あ、それならマサ君です」
「そうか。お〜〜〜い、小久保〜〜〜」
「え?はい、なんですか、先生?」
「………と、ゆーワケで若田部を保健室まで連れていってやってくれ」
「わかりました。どう、立てる?若田部」
「ん………なんとか」
「それじゃ運んでやるから背中に乗んな」
「う、うん…………」
「これだけ薄地だと背中に胸の感触が直に伝わってくるね」
「ぶ!ま、的山!」
「優しい言葉をかけといて!結局は身体目当てなのね―――ッ!!」
「……他に運ぶ方法があるんなら遠慮無く言え」
「じゃ、じゃあ、肩だけ貸して連れてって」
「OK」
ひょこひょこと、二人三脚みたいな感じでアヤナちゃんとマサヒコ君がプールを後にしていった。
「へへへ………心配?アイ」
「あ!柴原さん。う、うん。だってアヤナちゃん、ケガしてるから」
「ち・が・う・よ。アヤナと小久保があんな風に密着してると、奥さんとしてはどうかな〜〜とか」
「!お、奥さんって」
「ホラ、だってミサキを見なよ」
柴原さんの指さす先には―――ミサキちゃんが、すごく切なさそうな視線でふたりを見送っていた。
「う………それは、その」
「まあ、一緒に住んでいるってだけでアドバンテージだけどね、アイの場合は。
だけどミサキだって諦めてないみたいだし、アヤナもあれで結構小久保のこと気に入ってるみたいだし。
あんまり油断してると………大変かもよ?」
それだけ言ってにや〜〜っと笑うと、柴原さんが離れていった。
§
132伊東 ◆Ot.EmIRUsS7D :2009/06/21(日) 00:34:22 ID:y1Ye7acu
しかし彼女はそういうキャラなのか。でも柴原さんのおかげで、なんとなく分ってきた。
この世界でも、ミサキちゃんがマサヒコ君のことを好きなのはやっぱり確定。
アヤナちゃんもひょっとしたら。それで私は?私は、どうなのかと言うと―――
(………好きに、決まってるじゃない。でも)
家庭教師になって一緒に時間を過ごしていたときから、マサヒコ君のことは弟みたいだと思ってた。
だけどほんの少しだけ、寂しさを感じていたのも事実だった。
もしも、家庭教師と生徒という関係じゃ無かったら?
もしも、マサヒコ君と私が同い年だったら?
もしも、彼と私に年の差がなかったら?
それ以上に。中学を卒業して、彼との接点が無くなってしまったら、
私たちは―――もう、ただの赤の他人になってしまうの?それで、良いの?
本当は、ずっとそう思っていたから。この世界でなら、それは。
「アイちゃん、ど〜〜したの?ブツブツ言って」
「!な、なんでもないよ」
気づいたらリンちゃんが私の顔をのぞきこんでいて、慌ててしまった。
そうだ。勝手に除外しちゃったけど………リンちゃんだって、そうなんだ。
ふたりともちょっと鈍いところがあるから意識してないみたいだけど、
マサヒコ君とリンちゃんもすごく仲が良いわけだし。
「?ねえねえ、なんでそんな怖い顔してるの〜〜〜〜?」
「!あ、ご、ゴメン、リンちゃん」
ダメだ。なんだか今日の私はどうかしている。
突然こんなことになってしまえば誰だって混乱しちゃうんだろうけど。それでも、私は。
「えへへ、じゃ、泳ご♪」
私のそんな混乱をよそに、リンちゃんはいつもどおりのほにゃ〜〜っとした笑顔で私の手をとる。
「う、うん」
ちょっとだけ、まだ違和感を抱きながら私はリンちゃんとビーチ板につかまりながら、泳いだ。
でも、やっぱりずっと気になっていたのはマサヒコ君のこと。なにより、彼はどう思っているんだろう。
以前の世界なら、彼と私は先生と生徒という関係だったけど、ここでは同級生。
私がもし彼に思いを告白したら、そのときは………なんて答えてくれるんだろう?
"き〜〜〜ん、コ〜〜〜ン"
「わ〜〜〜ん、もう終わりだよ〜〜〜」
なんて考えているうちに、いつの間にか授業は終わってしまった。
心底口惜しそうなリンちゃんとプールから上がると、ミサキちゃんが近寄ってきて。
「心配だよね、若田部さん」
「そうだね。この後みんなでお見舞いに行こうか?」
「さんせ〜〜い!」
「あ、なら私も行くよ、アイ」
「…………私も行きます」
あっという間にリンちゃんに柴原さんも集まってきて、それに、あれ??
いつの間にか話に参加してきた、ショートカットのこの子は?
「あ、ユキもいく?」
「じゃ、戸川さんも一緒に」
柴原さんとミサキちゃんの言葉に、無言でこくこく、と頷く。
この子は『戸川ユキ』さんって言うのかな?おとなしい感じだけど、目のくりっとした可愛い子だ。
そして私たちは更衣室で水着から制服に着替えた後、保健室へと急いだ。
"ガラッ"
「アヤナちゃん!大丈夫?」
「あ…………来てくれたの?みんな………」
ベッドで休んでいたアヤナちゃんは私たちが部屋に入ってきたのを見て、
一瞬驚いた顔をして―――それから、すぐに照れくさそうな顔をした。
ふと見ると、マサヒコ君はまだ水着姿のまま、すぐそばの机でなにか書類を記入していた。
「どう?まだ痛い、アヤナ?」
「う、ううん、じっとしてれば大丈夫。ただ捻っちゃったみたいで、ちょっと歩くのが辛くて」
「捻挫だと思うんだけど、先生がまだ戻ってこなくてさ。一応、応急処置はしておいたけど」
「ふ〜〜〜〜ん、小久保ってそんなことできるんだ?」
§
133伊東 ◆Ot.EmIRUsS7D :2009/06/21(日) 00:35:09 ID:y1Ye7acu
「ああ、去年も保健委員だったからその程度のことはな」
「結構手際良かったよね、小久保君」
「わ〜〜〜、小久保君かっくい〜〜〜」
「って、からかうなよ、的山」
苦笑するマサヒコ君と、そんな彼を笑顔で見守るみんな。
アヤナちゃんもちょっと恥ずかしそうな顔だけど、ニコニコ笑っていた。
あれ?今アヤナちゃんの視線がマサヒコ君にいって、それが――――なんだか愛おしそうな感じで?
「で、それはともかく、どう?アヤナ、次の授業は」
「次は英語だっけ?無理しないで休んどいた方が良いよ、若田部」
「………残念だけど、そうするしかないかしら」
「私、若田部さんの着替え、持ってきてます」
「え?あ、ホントだ!あ、ありがとう、戸川さん」
「わ、エライね、戸川さん!」
ちょっとぼーーっとした外見とは裏腹に、戸川さんは意外にしっかりものらしい。
私たちは全然気付かなかったんだけど、更衣室からアヤナちゃんの着替えを持ってきてくれたみたいだ。
「んじゃ、俺も着替えがあるから先に行ってるわ」
「うん、じゃあね、マサ君」
「私たちもそろそろ行かなきゃだけど、アヤナひとり残していくのはちょっと気がかりだね」
「私、若田部さんについてます」
「え?い、いいの?戸川さん」
「!そんな、私はもう大丈夫だから」
「保健の先生が来るまでです。若田部さんひとりだとなにかあったら危ないですから」
「うん、それもそうね。ユキにお願いしときましょうよ」
「…………悪いわね、戸川さん」
申し訳なさそうに、ぺこり、とアヤナちゃんが頭を下げると、
戸川さんは無言で顔を横に振り、笑顔をつくってみせた。
「じゃ、また来るからね?若田部さん」
「帰るときは送ってくからね〜〜〜!アヤナちゃん」
「う、うん………ありがとう、みんな」
戸川さんとアヤナちゃんのふたりを残して私たちは保健室を後にしたんだけど―――
「でも良かったのかな?戸川さんだけに任せて」
「ふふ、良いのよ。ユキってアヤナの大ファンだからね」
「え?」
ニヤニヤ顔の柴原さんがそう言って、驚いてしまった。てことは、もしかして、その、同性愛とかレズってこと?
「あ、変なこと考えてるな〜〜?あはは、そういうんじゃなくてユキはね、純粋にアヤナに憧れてるのよ」
「?へえ、そうなんだ」
「アヤナちゃんってすごいもんね!頭は良いし、スタイルも良いし、美人だし、お嬢様だし!」
「ふふ、そうだよね」
それはそれでアヤナちゃんと戸川さんをふたりで残しちゃうのは別な意味でちょっと心配のような?
それでもマサヒコ君とふたりで残しておくよりは………!って私、またなにを考えて!
「?ど〜〜〜したの〜〜〜?アイちゃん、またブツブツ言って?」
「なんか今日は変だよ?アイちゃん」
「う………ご、ゴメン」
でも、さっき。ほんの一瞬だけど、確かに私は思ったのだ。
アヤナちゃんのあの表情。あれは間違いなく、マサヒコ君に好意を抱いている表情だった。
それはケガを手当てしてくれたことへの感謝とかだけじゃなくて、なにかもっと深い思いを感じさせるもので。
ああああ!!!もう、本当に、どうしようもないくらい、私は!
そんな混乱しまくった状態で教室に帰ると、そこには私の気持ちなんて知るはずもないマサヒコ君がいて。
「あ、小久保帰ってたんだ?」
「ん、お先」
プールあがりのマサヒコ君。いつもの癖っ毛が少し濡れたようになって、それはただ、色っぽくて。
それまでの戸惑いも忘れて、私はただそんな彼の姿に呆然と見とれていた。
「?どうした、アイ、タコみたいだぞ、お前」
「た、タコって」
「今日はホントにヘンなんだよ〜〜〜〜、アイちゃんは」
§
134郭泰源 ◆Ot.EmIRUsS7D :2009/06/21(日) 00:36:51 ID:y1Ye7acu
はい、今回は以上。まだ続きますがこれはどうやらのんびりペースのようですね。生暖かく見守って下さい。
てか、あれ?なんかトリップの設定変わってませんか??

>>100
特に私ら夫婦が平均年齢を押し上げてるかも知れませんな(苦笑)
しかしまあ5年目ですか…………ようやりますな、我ながら。
135名無しさん@ピンキー:2009/06/21(日) 00:38:55 ID:h2ulXQ4t
つれづれなるままに読んでいたら、まさか職人さんの投下にリアル遭遇するとは!
郭氏も乙です( ゚∀゚)
136名無しさん@ピンキー:2009/06/21(日) 09:40:42 ID:gfA3A0ZU
なんかトリップ12桁になってるね
137名無しさん@ピンキー:2009/06/21(日) 11:26:08 ID:A0KiX2PS
郭氏GJ
138名無しさん@ピンキー:2009/06/22(月) 17:15:48 ID:cjILryt4
郭氏乙です
五年も続けられてるのは、夫婦でやっているというのも大きいのかもしれませんな
139名無しさん@ピンキー:2009/06/24(水) 14:22:42 ID:EpKdi0kE
先生と出島さんが意外と巨乳な件
140名無しさん@ピンキー:2009/06/24(水) 17:38:24 ID:z9gl1m1h
wikiみてると、スズがタカトシの先輩になっちゃってるのが多いね
確かに間違えやすいけども
141名無しさん@ピンキー:2009/06/24(水) 18:32:17 ID:nqt4Djdk
ええと…それはマジで言って(ry


マガスペ時代はシノ・アリアが三年、スズ二年、タカトシ一年という設定だった
本誌移籍に伴いタカトシ以外が一学年下がった
よってマガスペ時代に書かれたSSは当然当時の設定基準
142名無しさん@ピンキー:2009/06/24(水) 22:14:40 ID:z9gl1m1h
>>141それは知らんかった

ん?マガスペ掲載時の話って1姦に載ってるよな
ということは話の膣内身(なかみ)もいじくったのか
143名無しさん@ピンキー:2009/06/24(水) 22:16:10 ID:Oo4Y024t
今週号を見て

アリアの官能小説の内容が頭から離れ無くなったスズは
一人Hが止められなくなり、それをタカトシに見られて

などと言うネタを考えたが、いかんせん決定的に足りない

144名無しさん@ピンキー:2009/06/24(水) 22:18:12 ID:Oo4Y024t
文章力が・・・
145郭泰源 ◆Ot.EmIRUsS7D :2009/06/24(水) 23:41:31 ID:1zZK0qGx
>>143
いただく、、、かもしれません
146143:2009/06/25(木) 01:15:17 ID:sfblt8iM
ぜひいただいちゃってください、お願いします m(_ _)m
147名無しさん@ピンキー:2009/06/25(木) 03:37:23 ID:bSiLeqKK
オナニーしてるスズを見てオナニーしてるタカトシをシノが見て……
148名無しさん@ピンキー:2009/06/25(木) 08:42:21 ID:aqSkaz7/
その連鎖を畑さんが目撃。
149名無しさん@ピンキー:2009/06/25(木) 12:19:14 ID:4LXqrumh
>>145
郭氏のサービス精神と連投肩に敬意を表します!
150Y-275:2009/06/26(金) 00:46:26 ID:mXemnSPX
皆さんお疲れ様です。
先週の続き投下します。
展開が強引だったり、最後がグダグダだったり、スズパートを割愛してますが、ご容赦下さい。
相変わらずの中だしありです。
それでは、投下。
151Y-275:2009/06/26(金) 00:49:06 ID:mXemnSPX

「ちょっ……おまえら!!」
開かれた戸の奥にあった光景に唖然としてしまう。
轟さんからメールで、打ち合わせがあるからと、訪れた班の女子の部屋で、俺は一歩を踏み出した。
「ちょっ、津田、これは違うの…」
顔を真っ赤にしながらそんなことを言う萩村だが、
「そう思うならまずは消そうぜ。」
俺は取り乱し気味でもしっかりと声をかける。
「………………………」
テレビからはずっと、濃厚な男女の絡みが垂れ流されている。
その画面の前で三葉は固まったように、それを凝視して動かない。
「三葉も何をやってるんだよ…」
そんな三葉に声をかけながら、俺はリモコンに手をかけ画面を消そうと試みるも、
「……っ!消えない!!」
なんだこりゃ!?後に俺の呟きが続く。
「轟さんが…あれ?轟さんは!?」
取り乱しきったような萩村の声が聞こえる。
そこで、俺は現状を理解する。
本来であれば見れないはずのPAYテレビ。
それが見れる状況を作り出したのは誰なのか?と言うことを。
と、すれば、リモコンが干渉出来ないように設定するのも朝飯前のはずだ。
いや、下手をすれば、いや、きっと、テレビについてるボタンの類も効かないように設定してあるはず。
そこまで考えが至って、俺はテレビに一直線。
本体と壁を結ぶプラグを一目散に引き抜く。
「消えた…」
安堵の息を吐く。
「ったく、萩村、お前がついていながら…」
そして、振り向き様、未だに真っ赤な顔をした萩村に苦言をていする。
「いや…あの、だって…って、津田…え、あれ?」
かなり混乱しているのだろう。
普段の萩村ではけしてお目にかかることの出来ない取り乱しようを見せる。
「ほら、三葉も…もう、テレビは消したぞ。」
もう一人。
テレビの前で置物のようになってしまっている三葉にも声をかける。
「タカトシ君…」
俺の声に応えて、三葉はこっちを向いた訳だが…
「お前大丈夫か?」
こちらも顔は真っ赤で、心なしか目は潤んでいるような気がする。
「タカトシ君もこういうことしたいの?」
「は?」
次に三葉の口から漏れてきた言葉に思わずマヌケな声が漏れる。
それから、ゆらりと立ち上がってきた三葉は俺の方へ向かってくると…
「ちょっと、待っ……三葉、うぉわっ!」
あっさりと捕まり、床に転がされてしまう。
「ねぇ…タカトシ君…」
そこで、やっと気づく。
三葉はすっかりあてられてしまっているようだ。
俺に馬乗りになり、潤んだ瞳で顔を目一杯まで寄せてきた三葉は、
「ん…ちゅふ、ちゅっ、ちゅぷ…っ!」
躊躇いも無く、俺に自らの唇を合わせてくる。
「あの…三葉…」
「タカトシ君…身体が熱いよぉ…なんだか、もどかしくて…」
唇を離した後で、そう告げてくる。
気付けば三葉の着ていた浴衣は、下半身の方が乱れ、倒れた俺の膝にしっかりと三葉の股間の部分が当てられている。
視覚でそれを確認してしまうと、意識はそっちに向かってしまう訳で…
その、まぁ、そこから、熱が伝わってくる訳だ。
「いや、三葉…だから…」
このままではまずい。
そう思う。
152Y-275:2009/06/26(金) 00:51:14 ID:mXemnSPX
三葉が自慰行為なんて知る訳無いしなんて事が頭を過ぎる。
いや、そういう事ではない。
つまりだ、本格的に俺もあてられ始めている事に気付く。
「ねぇ…Hすれば治るの?」
鼻をくすぐる風呂上がりの女子の匂いを漂わせながら、潤んだ瞳を極限まで三葉が近づけてくる。
「いや、こういうことは好きな男と…」
なんとかかわそうと、俺はそう口にする。
「それなら、大丈夫だよ。私の好きな人はタカトシ君だから…」
そんな俺の言葉に合わせて、三葉が言う。
「ちゅっ…ちゅふ、ふ、ちゅっ…」
もう一度唇を重ねられて、俺は…
「三葉、良いのか?」
もう一度確認を取る。
コクコクと潤んだ瞳の三葉が首を縦に振る。
「じゃあ…」
その先を口にしようとしても俺の言葉は先に出ていかない。
何故なら、
「ちゅぷ、ちゅっ…勝手に人を置き去りにしてるんじゃないわよ。」
この部屋にはまだ人がいる訳で。
無理矢理にそちらを向かされると共に唇が重ねられ、俺の言葉は遮られた。
「私だって一緒なんだから…」
萩村がやや斜め下を見ながら告げてくる。
「いや…だから…」
「最後まで女子に言わせるつもりなの?」
それでも口を挟もうとした俺の言葉は萩村に凄まれて、何も言えなくなる。
「分かったよ…」
降参。そう言わんばかりに両手を上げると、俺は2人のなすがままにされる。
「ちゅぷ……ふ、ぷちゅっ…タカトシ君……ちゅ」
「ふ、ちゅっ、ちゅぷ…どう?…ぷちゅ……」
俺の唇を夢中で貪る三葉と、俺の首筋に唇をはわす萩村。
俺の興奮も自然と高まっていく。

………………………………

「……っ、ふあっ、っ……っ!」
萩村の膣内に指を埋める。
傷付けないように慎重に。
「あっ、ふぁっ、……津田、これ、……あふ……っ!」
内側から柔らかくほぐすように指を動かす。
かなりきついのは承知の上だが、それでも、しばらくするうちに萩村の吐息に快感の色がのる。
「……ん、ふぁっ、あっ、ちゅっ、ちゅぷ……ふ」
開いた左手で三葉の胸を揉む。
頬を紅潮させる三葉と唇を合わせる。
「ふあっ、っ、あっ……っ!私も……っ!」
三葉とキスを交わすと、反対側から、萩村のおねだり。
先程から何度も繰り返したやり取り。
それに応え、萩村とも唇を合わせる。
「ちゅぷ、ちゅっ、……ふ、れろっ、ちゅ……っ!」
萩村と舌を絡め、唾液の交換をする。
「あっ、ふあっ……っ、あっ……っ!」
その間も絶えず三葉の胸を愛撫する。
「っ……あぅ、あっ、ふぅ……なんかさ、」
萩村が口を開く。
「ふあっ、さっきから、……あぅ、三葉さんの、胸、…揉みすぎじゃない?……っ!」
気持ちよさに熱い息を吐きながら、萩村がやや頬を膨らませる。
いや、別に意識してやってる訳じゃないんだが…
「確かに……っ、ふ、私は胸、つぁ、ふ、無い、けど…」
萩村の心中はいかほどのものなのだろうか。
常に自らの体にコンプレックスを抱く萩村にとって、こちらの意識などは一切関係ないのかもしれない…
「すまん、三葉。」
153Y-275:2009/06/26(金) 00:53:12 ID:mXemnSPX
そこまで、考えが至ると、俺は一言三葉に断りをいれる。
「……んん、ふあっ、あっ、あっ……っ!」
それから俺は顔を目一杯萩村に近づけると、萩村の乳首に舌をはわす。
応えて、萩村からは甘い息を漏らす。
こうなると、さすがに2人同時に相手は出来ない。
その為の三葉への断りであるし、三葉には少し休憩願おうと思う。
「……………むぅーっ」
そうなると、当然三葉は手持ちぶたさになってしまう訳で、申し訳ないと思いながらも、俺は萩村の方に集中していく。
「ふあっ、あっ、ふ、津田……もっと……っ!」
萩村の声はどんどんトーンアップしてくる。
「あっ、あっ、ふあっ、あっ……ふ、気持ち……い…」
そう言われるとなんだか、嬉しくなる。
萩村の膣内に入れた指を出し入れしながら、唾液を塗りたくるように執拗に舌をはわす。
「ふ、あぁ、あぅ、……っ、なんか、もう……!?ちゅっ、ちゅぷ……ちゅっ……っ!」
萩村の声のトーンが上がったなと思っていた矢先、それは水音に掻き消される。
「スズちゃん……ん、ちゅ……」
そちらに視線を巡らせると、三葉が萩村の唇を塞いでいた。
「ちゅっ、ふ、ちゅっ……ふ…」
そうして、暫く、三葉と萩村は俺の目の前で、キスを交わす。
その光景はエロくて、俺は自らの衝動の昂りを感じる。
「ふ……ちゅぷ……ふは、三葉……さん……あっ、っ!」
三葉が唇を離すと驚いた表情の萩村。
顔は真っ赤で、目は潤んでいて…
やっぱり、その表情は凄く訴えてくるものがある訳で…
「なぁ、萩村……挿れて良いか?」
俺は伺いをたてる。
「っ!……何よ、今更……」
今までとは違った色合いの朱に頬を染めながら、萩村が言う。
「うん」
俺は一つ頷きをいれると、身体を立てて、萩村の膣口と自らのペニスを合わせていく。
「……っ、きつっ、」
思わず言葉が漏れてしまう。
本当に挿れることは可能なのだろうか?
「…っ、痛ぁ……」
目尻に涙を貯めながら呟く萩村。
「萩村力抜けって…」
実際にそれが有効なのかはわからないんだけれど…
「……っ、くはぁ……」
その声かけが功を奏したのか、先程よりかは幾分か滑らかに、俺のペニスは萩村の膣に埋まっていく。
「スズちゃん、血が!!」
そうして俺のペニスが七分目程まで埋まると行く手を遮るように突き当たりについたのが伝わる。
三葉が声をあげた内容は生々しく俺のペニスを血が伝う感覚でよく分かる。
「……っ、……っ、」
あえてそちらは見ないようにして、萩村の表情を伺うと、
声にならない声をあげながら悲痛な表情を浮かべている。
その表情は、何だか俺の心を苛んで、
「すまん、萩村…」
思わず謝ってしまう。
「……っ、どうして?……っ、」
「その……あまりにきつそうだから…」
素直に言う。
そんなことを言って、途中で辞めようとしても、萩村の処女を奪ったことには変わりないのだけれど…
─ぎゅっ─
「萩村?」
突如俺の腰に萩村の脚が絡み付いてくる。
俺は何がどうなっているのかさっぱり理解できないまま、ただ声を上げる。
「……っ、まさ、か、辞めようと思ってないでしょうね…」
なおも辛そうな表情のままで、萩村がそう告げる。
「認めない…っ、認めないんだから、タカトシ!!」
突如呼ばれる下の名前。
154Y-275:2009/06/26(金) 00:54:52 ID:mXemnSPX
「…ほんとは、三葉さんがあんたの事を、下の名前で呼ぶのが羨ましかった…」
「スズちゃん…」
それを静かに聴き入る三葉。
「嫉妬して、悔しくて……あんたは三葉さんに密着されてデレデレして…」
「萩村、それって……」
「ねぇ、下の名前で呼んでよ…」
萩村の真意が聞きたくて、かけた言葉は、萩村自身の言葉に掻き消される。
「あー、スズちゃんずるいよ、私も呼んでほしいな…」
妙に緊張感の無い声で、三葉も声をあげる。
俺はひどい勘違いをしていたんだろうな…
先程の萩村の『私だって一緒』は、俺を好きだと言ってくれた、三葉と同じだということだろう。
考えてみれば、2人から同時に告白されたんだな(しかも、すごい状況で)。
男として嬉しくない訳が無い。
苦笑いのような、喜びのような微妙な表情を浮かべてしまう。
「わかったよ、スズ。あと、ムツミも。」
思い切って2人の下の名を呼ぶ。
「むー、なんか心が篭ってないなぁ。」
三葉…いや、ムツミが言う。
「そうよ、もっと心を篭めて!!」
2人から催促されて、俺はもう一度2人の名前を呼んだ。

………………………………

「……っ、ふわぁぁぁ、タカトシ君のが入って……っ、来る……っ!」
横になった俺にムツミが跨がる。
スズ相手だと、絶対出来ない体位だよなぁ、なんて思いながら、ムツミを眺める。
「っ、あっ、あふ、あぅ、タカトシくぅん……っ、あっ、」
自らの身体を上下させながら、熱い息を吐き出す三葉。
スズとの一回目を終えて、改めてムツミと交わる。
体型的な差もあるのか、ムツミはあっという間に馴染んだようだ。
「あふ、あっ、……っ、あっ、タカトシ君、……キス……っ!」
身体を屈めて、俺の前に顔を寄せるムツミ。
「あっ、ちゅっ、ふ、……ちゅ、ちゅぷ、れろっ……」
ムツミに応えて、唇を合わせる。
舌先でムツミの唇を割って、舌を絡め合う。
「ふ……ん、ちゅっ、ちゅぷ、あっ、れろっ、ちゅ、ちゅぴ……っ!」
キスが凄く気持ちいい。
そんな事を思う。
ムツミも同じなのか、うっとりと、目を閉じて、キスに没頭している。
「ちゅっ、ちゅぷ……ふ、あっ、あっ、ふあっ、」
前屈みに俺の上に乗るムツミを下から突き上げる。
それに応えるようにムツミの膣内は、俺のペニスに絡み付くように蠢く。
「…………………」
そうして、ムツミとの行為に没頭するのは良いのだが、この部屋にはもう一人人がいるわけで、
「…………………」
スズの視線を先程から痛いほど感じる。
挿入した時のスズの独白。
その時にも言っていたが、スズはどうも、かなりのヤキモチ焼きの性格のようだ。
なにか、目に力をこめて、こちらを見つめるスズに俺は声をかける。
「ほら、スズ、ムツミを気持ち良くしてやれよ。」
「……うん。」
ムツミと違い、そこまで、積極的に動くようなタイプではないスズはこの言葉を待っていたのだろう。
俺の言葉に頷いて近づいてくると、
「あっ、あっ、あぅ……あっ、ス、スズちゃん……っ!」
ムツミの無防備に開いた背中に舌と唇を駆使して愛撫を施していく。
「ちゅる、ちゅぷ……ちゅっ、ちゅる…ムツミさん、気持ちよさそう…」
そんなことを言いながら。
「ふわああぁ、あっ、あっ……っ、あっ、っ!」
背中と膣と、同時に襲ってくる快感の波に耐えるようにムツミが声をあげる。
「ムツミさん、感じてる…ちゅ、れろっ…」
155Y-275:2009/06/26(金) 00:57:37 ID:mXemnSPX
「……っ!!あっ、んん、っ、ふ……っ!」
ムツミが大きく背をのけ反らせる。
「ちゅ、ちゅぷ。ほら、胸もがら空きよ。」
そうして、先程よりも遥かに手を回しやすくなったムツミの乳房にスズが手を回す。
「あっ、ふあっ、……っ、胸、ダメ……っ、感じすぎちゃう……っ!」
ムツミのトレードマークとも呼ぶべきポニーテールを左右に振り乱しながら、ムツミはイヤイヤするように首を振る。
「ふあっ……っ、あっ、あぅ、っ、あっ、あっ……っ!!」
下から突き上げられて、同時に胸を弄られて、頬を紅潮させながらムツミが感じまくる。
「ほら、乳首も固い。」
そう言って、スズがムツミの乳首を摘む。
「あっ……ふわぁっ、あっ、あっ……っ!」
スズが胸を弄る度に、それと連動してムツミの膣内が動く。
それは俺に強い快感をもたらすわけで、
「あっ、あっ、ふぁっ、……っ、あっ、タカトシ君、強いよ……っ!」
意識せずに腰を強く打ち付けてしまう。
「あっ、ふあっ、っ、あぅ、奥……っ、奥がすごいの、あっ、ふっ……っ!」
最奥をコツコツとペニスで叩く。
「ん、ちゅっ、ムツミさん。」
俺の動きで、激しく上下するムツミに負けないように、スズもムツミを責める。
「そうだ、スズ……っ!」
そんなスズを見とめて、俺は一つの提案をする。
「俺の、顔の、上に。」
いわゆる顔面騎乗位という奴だ。
「……っ!嫌よ、恥ずかしいもの。」
頬を朱に染めながら、スズが返してくる。
まぁ、スズの性格を考えればなんとなく予想できる事ではあった気がする。
「わかった。……っ、その気に、なったらで……っ!」
俺はそれだけを告げて、ムツミを突き上げるのに没頭する。
「あっ、ふあっ、っ、あう……っ、あっ、タカトシ君……っ!」
ムツミは突き上げる度に、断続的に息を吐き出す。
「ん、っ、ふあっ、ふわあっ……っ!」
頬を染め、ポニーテールを揺らしながら。
うっとりとした表情で、目を閉じ、膣内を出入りする、俺のペニスに全神経を集中するように。
「ん、あっ、あっ、ふあっ、タカトシ君、何か、来る、ふわ、あっ、ふわああぁ……っ!」
ガクガクと身体を揺らした後、弛緩する。
瞬間、俺のペニスを引きずり込むように、締め付けて、その後に、小刻みに震える。
どうやら、絶頂に達したらしい。
正直、俺も一度スズとした後で無ければ、耐えるのはきつかったと思う。
「ふ、あ…ぅ……っ!」
俺はムツミが落ち着きを取り戻すまで暫く待つ。
「…………………」
そんな三葉を見つめながら、黙り込んでいるのは、スズ。
暫く、部屋には静けさがおりてくる。
「ふ…あぅ、ありがとう、タカトシ君……っ、」
暫く息を、整えるようにしていたムツミが口を開く。
「その……まだ、タカトシ君の固いままだし、っ、良いよ動いて。」
まだ、息が調わないのか、ゆっくりとした口調で、そう告げてくる。
「それから、スズちゃん、我慢しなくて良いんだよ……っ!」
「……………っ」
ムツミにそう言われて、スズが息を飲むのが分かる。
「さっきから、私の胸に触れてるスズちゃんの手がすごく熱くなってるのが分かるから…」
「………………わかったわ。」
スズはそれだけを口にすると、立ち上がり、こちらまで歩いてくる。
「ん……っ、ふ!」
そうして、先程、一度は拒絶した行為を今度は躊躇い無く行う。
「ほら、スズちゃん、キス……ん、ちゅふ……っ!」
そうして、自分と向かい合う形になったスズに、ムツミがキスをする。
「ん、ちゅっ、ちゅぷ……ふ、ちゅ、ムツミさん……っ、」
スズもそれに応える。
156Y-275:2009/06/26(金) 00:58:54 ID:mXemnSPX
先程から思うのだが、女性同士のキスは、独特の淫靡さがあると思う。
「タカトシ君、動いて、ん、ちゅっ、ふあっ、」
ムツミからの言葉が耳に届く。
「んっ、あっ……っ、ふあっ、タカトシ君……っ!」
俺はその言葉で、再び腰を揺すりだす。
「あっ、あっ、あっ、ん、ふあっ……っ!」
俺の顔に跨がったスズの淫唇に舌をはわす。
「ふあっ、っ、あっ、あっ、……っ、ふ、ん、あっ……っ!」
「あっ、あっ、ふあっ……っ!タカトシ……っ!」
先程まで唇を合わせていたいた2人は、自然と離れていく唇を気にもせずに、断続的に熱い息を吐き出す。
「んん、あっ……っ!ふあっ、気持ち……良い……っ!」
腰を動かしながら、夢中で、スズの淫唇を舌でなぶる。
次から次へ、溢れてくる愛液を舌で掬って、一面に塗りたくる。
「あっ、ふあっ、っ、あぅ、ふ、あっ、あっ……っ!」
ペニスが、ムツミの膣内を撹拌して立てる水音は、俺の耳元まで、はっきりと聞こえてくる。
「あっ、ふあっ………っ!ふわぁっ、あっ、私、また、……っ!」
ムツミが身体を震わせる。
凄まじい快楽が俺の背筋を駆け抜ける。
「んんっ……っ、ふわぁっ、私ももう少し……っ!」
スズの声が聞こえる。
3人同時の絶頂に向かって、俺は今まで以上に、腰と舌を激しく動かす。
ぐちゅぐちゅと水音が反響する部屋。
それぞれ、どれが、誰の立てている音なのかの分別もつかないまま。
徐々に白くなっていく意識など意にも介さずに、無我夢中で腰を突き上げ、舌を動かす。
「私……っ、もう……ふわぁぁぁ……っ!」
「あっ、ふあっ……っ、ふ、あっ、あっ、私も……〜〜っ!」
声にならない声をあげるスズとムツミ。
俺はその声を聞きながら、腰に渦巻く射精感に身を任せ、そのまま、ムツミの中に自らの精を放っていく。

………………………………
157Y-275:2009/06/26(金) 00:59:39 ID:mXemnSPX

「仲良くなったみたいね。」
「そうね。」
向かいの席に座った轟さんは微笑みながら、柔道娘は、苦笑いをしながら口を開く。
今は帰りの新幹線の中。
修学旅行は早くも全日程を終え、ここちよい疲労感と、少しばかりの名残惜しさを保ちながら電車に揺られる。
「くーっ……」
左側にはすっかり肩にもたれ掛かって寝入るムツミと、
「…………(コクっ)」
反対側に、うつろうつろしながらも、何とか意識を保つスズ。
「無理しないで寝たらどうだ?」
スズに声をかけながら、苦笑いを浮かべる。

あの後、勢いで致してしまった事とは言え、改めて2人には意志確認を行った。
『私は形はどうであれ、タカトシ君と付き合いたいな。3人ででも……大丈夫かな。スズちゃんともキスしたしね。』
と答えたムツミ。
『まぁ、今更ねぇ…』
言葉こそ少なかったものの、ムツミの言葉に嫌とは答えなかったスズ。
そんなもんなのか?とは思いつつも、修学旅行中2人を意識してしまったのは確かで、
どちらかを選ぶということには消極的な俺としては助かる話ではあるのだが。
『でも、』
そこまで、話が至った段階でスズは口を開いた。
『私が真ん中は嫌。子供みたいに見られるから。』
スズは、率直にそれだけは拒絶の意志を見せた。
その後の取り決めで、現在の状況になっていたりする。
まぁ、要は2人の間に俺を挟む訳だ。
「寝ちゃったね。」
目の前から聞こえた轟さんの声に、右側を向けば、
「スー、スー……」
寝息を立てるスズ。
反対側のムツミもそうなのだが、2人とも、俺に安心して身を委ねてくれてると思うと正直うれしい。
形は変則的なものになったとは言え、2人とは恋人同士なのだから。
これから学園に戻って一体どうなるかはわからない。
そもそもが、我が桜才学園は男女交際自体が禁止されているのだから。
「まぁ、何とかなるっしょ。」
そんな言葉をかけてくれる柔道娘。
「あぁ。」
その言葉には曖昧だけれど、意志を込めて相槌を打っておく。
もはや、踏み出してしまった一歩を、退くつもりは当然無い。
楽しかった修学旅行もこれで終わりとの思いとともに、決意を新たにする。
大丈夫きっとやれるさ。
心の中で呟く。
鞄につけた3人お揃いの、京都の文字の入った提灯型キーホルダーを眺めながら、
俺は2人の温もりを両肩に感じ、学園の帰路への道を辿っていく。
158Y-275:2009/06/26(金) 01:07:42 ID:mXemnSPX
以上です。
タイトルは
「修学旅行」
で。
いや、もはやタイトルが思い付きません。
かなりムツミ分が多くなってしまいました。
というか、もはや、ムツミメインに苦笑
こういう組み合わせも良いかなということで。

次回についてはノープランです。
カエデのSSに挑戦しようと思うんですが…
まだ何も考えてません。
かなり長いこと間が空きそうな気がします。
雑談にはちょいちょい出張ろうと思ってます。
それではまた。

駄文乱文失礼しました。
失礼致します。
159Y-275:2009/06/26(金) 01:59:47 ID:mXemnSPX
書き忘れました。
郭氏乙でした。
どちらかと言うとエロシーンメインで書いたんで、そうやって言っていただけると光栄です。
個人的には、ムツミは誰か挟むと転がりやすい気がしてます。
今回自分は、轟さんを使ってみましたが。
160名無しさん@ピンキー:2009/06/26(金) 10:31:28 ID:LeZbh/3J
Y275氏は「ネタを考える」「それを書く」のが楽しくて仕方ない感に溢れているな

161名無しさん@ピンキー:2009/06/26(金) 16:49:50 ID:VvaxgS9y
乙です
なんかY-275氏は“もう一人の郭氏”って感じがする
162名無しさん@ピンキー:2009/06/27(土) 12:42:56 ID:nDvJRlN9
濱中や思春期をリアルタイムで体験していない世代も出てきたんだなあ
163名無しさん@ピンキー:2009/06/27(土) 15:46:09 ID:/rdmFyrk

俺は全部生徒会から逆流しました
164名無しさん@ピンキー:2009/06/27(土) 22:46:14 ID:gS9yfzhV
そりゃ5年も続けば世代交代も進むっしょ。むしろここは上手く交代できた方じゃないの?
165名無しさん@ピンキー:2009/06/29(月) 00:32:16 ID:hq62P/zU
>>164
郭氏がエースを勤められてるだけにさながらライオンズのように。
とか言ってしまう自分はライオンズファン。
166名無しさん@ピンキー:2009/06/29(月) 01:03:11 ID:/OlIRUBU
おお、ここにも黄金時代を知るものが一人・・・スレ違いすまそ
167郭泰源 ◆Ot.EmIRUsS7D :2009/06/29(月) 23:10:34 ID:q9JML/Si
>>143
とりあえず導入部だけ、ちょっと加工しましたが投下してみます。
168郭泰源 ◆Ot.EmIRUsS7D :2009/06/29(月) 23:11:37 ID:q9JML/Si
「ま、全く七条先輩は…………」
顔を赤くしてそう言うと、スズは"それ"を机の端へと押しのけた。
(なんで………なんで、生徒会室にこんなもん持ち込むのよ、あの人はッ!!)
その日三年生のシノとアリアのふたりは大学説明会に参加するために不在で、
タカトシも用事があるとかで遅くなるという話で――――
ただひとり生徒会室で黙々と仕事に励んでいたスズは、ふと机の上の"それ"に目をやったのだった。
(?…………誰かの、本?)
"それ"はいかにも女の子らしい、可愛らしいポップな柄のブックカバーに包まれていた。
気分転換がてら、スズはそれに手を伸ばして目を通したのだが。
(!!こ、これって)
途中で、気付いた。それが、アリアの持ち込んだ官能小説だということに。
(全く!本当に、あの人は!)
憤りつつも、なぜかスズは読書を中断することはしなかった。
それは官能小説ながら暴力描写や汚らしい描写が無く、彼女にも抵抗無く読めた。
そのうえセックスシーン以外は恋愛小説と言って良いほどライトなもので―――しかも、偶然ながら。
(主人公の名前が津末タカヨシで、恋人役の名前が荻野シズって………)
主人公ふたりの名が自分の名と、同級生であり副会長である津田タカトシの名に酷似していたのだった。

『荻野………俺、好きなんだ、お前のこと』
『私も、好き。タカヨシ、だから』
タカヨシはシズの小柄な肉体を抱き寄せると、彼女の唇を塞いだ。
『ん………ん、タカヨシぃ………』
貪るように、深いキスを交わすふたり。そうしながらタカヨシは、シズのショーツの中に指を入れた。
『あ、ん………』
シズの中は既にとろりと濡れ、そしてキスをしたまま吐息を漏す。

(……………)
無言で読み進めるスズ。頬を赤く染め、物語の中に耽溺していった。

(怒ってるかな〜〜〜)
そして、最悪のタイミングで生徒会室へと近づく男子生徒が一人。
(遅刻には特に厳しいからな、萩村。あ〜〜〜あ)
罪の意識から、つい音を立てぬよう忍び足で部屋のドアの前に立ったタカトシだったが―――
「…………んッ……………」
(?萩村?)
扉の向こうからは、なぜかスズの堪え忍ぶような声が聞こえてきた。いつもの嫌な予感を感じたからか、
タカトシは静かにドアに耳を近づけて生徒会室の物音を拾おうとする。

「は………ッ、ん………」
(あ………だ、め、誰もいないからって………こんなこと、しちゃ、ダメ)
理性ではそれが危険なことだと―――不躾なことだと、理解していながら。
スズは誘惑に勝てず、アリアの官能小説を読みながら自らの秘所に指を這わせていた。
(……………もう、湿ってる)
ショーツ越しにそこをくすぐるように撫でると、指先からでもはっきり分るほどそこは濡れ始めていた。

『あッ!あッ!タカヨシぃ!!』
『シズ、あ………シズの中、すごく良いよ、シズ!』
タカヨシはシズの中を激しく突き立て、掻き回しながらピンクの乳首を舐める。
『は。ぁああッ!!タカヨシッ!!』

(あ………あ、タカトシ………タカトシぃ)
いつの間にかスズは、主人公をタカトシに、ヒロインを自らに置き換え、ふたりの交わりを夢想し始めていた。
"くしゅ………す、しゅぅ"
最初はおずおずと触れるように撫でていた指の動きはやがて少しずつ早くなっていき、
そして無意識のうちにショーツの中に指を差し入れ、直接恥丘を擦り始めていた。
§
169郭泰源 ◆Ot.EmIRUsS7D :2009/06/29(月) 23:12:03 ID:q9JML/Si
今回は以上。
もう少し続けて中編くらいにしてから投下しようか迷いましたが、こういうのは鮮度勝負だと思うので。
多分来週続きを投下しますのでご容赦を。では股!
170143:2009/06/29(月) 23:36:18 ID:gjFm188C
私の妄想を郭氏に本当に文章にしていただけるとは感謝感激
恐れ入谷の鬼子母神であります
171名無しさん@ピンキー:2009/06/30(火) 00:17:00 ID:RzZbmxTE
郭氏のノリの良さなら当たり前田のクラッカー・・・すまん
172名無しさん@ピンキー:2009/06/30(火) 00:24:57 ID:zFS/9ktB
郭氏乙であります!!
続き期待してます。
173名無しさん@ピンキー:2009/06/30(火) 13:14:37 ID:+Rilijmp
郭氏乙です
さすが!
174名無しさん@ピンキー:2009/06/30(火) 18:59:17 ID:bt+xlePl
郭氏すげーです!
気さくで庶民目線な神、郭氏に感動しました…!
175名無しさん@ピンキー:2009/07/01(水) 00:08:22 ID:oMVVxdPI
いつもありがとうございます>郭様

郭氏やピンキリ氏らベテラン職人様がいてくれるから、
新世代の職人様もがんばって下さるのでしょう。
176ピンキリ ◆UsBfe3iKus :2009/07/01(水) 23:49:15 ID:VTDNxiXf
お疲れ様です。
濱中でアヤナ話、スルー対象ワードは「オナニー」「やや病んでる気味?」、タイトルは『虚しき慰め』でお願いします。
177ピンキリ ◆UsBfe3iKus :2009/07/01(水) 23:53:50 ID:VTDNxiXf
 薄暗い部屋の中、少女はベッドの仰向けに寝そべりながら、じっと自分の右手を見ていた。
正確には、右手の手首から先を。
カーテンが窓にはかけられているが、その隙間から薄っすらと月や街灯の灯りが差し込んできており、
部屋の中にあるもの全てを仄かに浮かび上がらせている。
彼女の大きな家は当然庭も広いのだが、
その分囲いである外壁から邸宅までに距離があり、外の光を遮るものが無いのだ。
「……」
 右手を目の前にかざし、指と掌を見る。
そして溜め息をつき、右手を下ろす。
また右手を目の前に……。
この行為を、果たして何度繰り返したか。
少女は回数を意識をしてはいないが、それでもゆうに十回は越えているだろう。
「はぁ……」
 少女は一際大きく息を吐くと、その右の掌で自身の目を覆った。
視界が一気に暗闇になり、掌の温もりが、眉間の奥にしっとりと溶けるように広がっていくのを、少女は感じた。
「小久保君……」
 呟くように少女は、名前を紡いだ。
その響きには、彼女にとってもちろん特別な意味がある。
「……」
 むくり、と少女―――若田部アヤナは身体を起こした。
目をこらし、薄闇の向こうでぼんやりと光っている時計の蛍光針を見る。
「もう……こんな時間」
 針は、一日が終わるまであと二時間をきったことを示していた。

 ◆ ◆ ◆

 時は、今日の昼過ぎに遡る。
参考書を買いに町へ出たアヤナは、偶然マサヒコと出会った。
休日のこと、それ自体は別段おかしなことではない。
ただ、いつもと違っていたのは、マサヒコの側に天野ミサキがいないことだった。
小久保マサヒコと彼の幼馴染である天野ミサキは、
中学卒業と同時に付き合い始め、それから二年以上経った今も関係は良好そのもの。
べったりという程ではないにしろ、中村リョーコが苦笑混じりに冷やかす程度には、仲は着実に進行している。
 ややいぶかしげに思いつつ、アヤナはマサヒコに挨拶をした。
マサヒコも、それに応えた。
そこでそのまま普通に「じゃあ」と別れていれば、何ごとも無かったかもしれない。
 だが、そうはならなかった。
天野ミサキの不在を問うたアヤナに、マサヒコは「いつも一緒にいるわけじゃあないんだけどな」と笑顔で答えたのだが、
アヤナはマサヒコのその表情に、モヤモヤしたものを覚えた、と言うか覚えてしまった。
そして、「そう」とやや乱暴気味に返し、プイと視線を外すと、「それじゃ」と足早にマサヒコの前から立ち去ろうとした。
が、その次の瞬間、アヤナはマサヒコに思い切り右の掌を引っ張られていた。
勢いのまま、マサヒコの胸に背中を預ける格好になったアヤナ。
何を、と苦情を申し立てようとした彼女の目の前を、一台の大きな運送トラックが音を立てて過ぎ去っていった。
狭い十字路の角で、アヤナは道路のミラーを全く確認せずに道に飛び出してしまったのだ。
あのまま足を進めていたら、間違いなくはねられていたところだった。
「大丈夫か、若田部」というマサヒコの声を、アヤナは音声ではなく、背中に伝わる振動で感じた。
マサヒコの左手によって強く握られた、自身の右の掌が、熱くなっていくのも覚えた。
いや、掌だけではない。
図らずも後ろから抱きすくめられる形になって、頬も、胸の奥も、頭の奥も、熱くなっていった。
「気をつけろよ」と、マサヒコの言葉が再度、身体全体に響いてきた。
アヤナは、どうしたらいいかわからなかった。
普通なら、ありがとう、と感謝の意を口に出すべきだったろう。
だが、身体が固まったように動かず、舌も麻痺したような状態になってしまっていた。
どうした若田部、と三度身体の奥にマサヒコの言葉が届いたところで、アヤナはようやく金縛りを解いた。
しかし、ゆっくりと振り返り、斜め上にあるマサヒコの顔を見て、小さく「ありがとう」と呟くのが精一杯だった。
 そこから先の記憶は、曖昧になっている。
気づけば、去りつつあるマサヒコの背中と、マサヒコによって握られた右の掌を交互に見やる自分がいた。
参考書の件は、もう頭には無かった。
残っていたのは、身体の芯に残る熱さだけだった。
178ピンキリ ◆UsBfe3iKus :2009/07/01(水) 23:58:01 ID:VTDNxiXf
 ◆ ◆ ◆

 小久保マサヒコ。
この少年は、若田部アヤナにとって、形の上では特殊な立場にあるわけではない。
単なる異性の友人、というだけのことである。
中学時代に彼女が一方的に決めつけていたライバルの幼馴染であり、
知り合いになったのもそれがきっかけで、言わば成り行きでしかない。
 だがしかし、ほとんど偶然知人になったこの“小久保マサヒコ”は、
時間が経つにつれ、アヤナに色んな意味で他の異性とは異なる存在になっていった。
元々アヤナは、自身の早熟な身体と生来の潔癖症ゆえに男性とは距離を置きがちで、彼女に好意的な感情を持っている同年代の男子連も、
アヤナが発する“壁”のようなものを感じ取ってか、踏み込んで関わりを持とうとする者は皆無だった。
が、小久保マサヒコは違った。
この、探せばそれこそどこにでもいるような少年は、
壁を乗り越えるというより、元から壁なぞ無かったかのようにアヤナに接してきた。
男も女もない。
欲も気取りもない。
アヤナには、それが新鮮だった。
発育が早かった彼女は、小学生高学年の頃から、異性の目を気にするようになった。
同年代の女の子よりも大きく膨らんだ胸、そして女らしいなだらかな身体つき。
男子だけではなく、教師、果ては道をすれ違う様々な年齢の男性から、性的な欲求を感じさせる視線をアヤナは送られてきた。
顔立ちが美人と言って良い程に整い、スタイルもグラビアアイドル並とくれば、
人目を引くのはある意味当然ではあったのだが、それはアヤナにとっては決していい気持ちではなかった。
ミサキやリンコが羨むその発育状況も、当の本人にとってみれば、悩みの種でしかなかったのだ。
 いつの頃からか、アヤナはマサヒコを意識するようになった。
それが恋と呼べる物なのかどうか、中学生当時の彼女には認識出来なかった。
だが、今は……。

「小久保君の、手」
 呟きながら、アヤナはそっと、右手の人差し指と中指を唇に当てた。
そして、ゆっくりとそれを、自身の下腹部へと移動させていった。
その指先は、まだマサヒコに握られた時の熱を残している。
いや、実際にはそんなことは無いのだが、アヤナ自身は、熱さを覚えたままだった。
「……ッ!」
 スカートの中に右手を潜り込ませ、ショーツの上からそっと指先でクレバスをなぞる。
瞬間、アヤナの身体は、電撃を浴びたようにぶるりと細かく波を打つ。
「あ、あ……」
 行為を、二度、三度と繰り返すアヤナ。
局部が潤み、薄い布地が湿っていくのが、アヤナにはわかった。
「ダメ……こんなこと……」
 行為の否定を口では行うが、手はそれに反して止まることはない。
逆に、速度と強さを増していく。
「う、う……っ」
 アヤナが自慰を覚えたのは、中学の半ば頃のこと。
性に対して拒否に近い感情を持っていた彼女は、その行為を嫌悪すらしていた。
健全な少年少女なら、間違いなく通る道であり、悪いことでは無いのだが、アヤナはそれを認めることが出来なかったのだ。
しかし、アヤナの思いとは裏腹に、早熟な肉体は、同じく感覚も早熟だった。
早熟と言うより、敏感と言うべきか。
豊かな乳房の先の、薄紅色のつぼみ。
淡い陰毛の奥の、真珠と秘唇。
一度それに触れれば、頂点は、あっけないくらいに近かった。
179ピンキリ ◆UsBfe3iKus :2009/07/02(木) 00:01:25 ID:bNXlL7Tu
「小久保君の手、手が……」
 アヤナの自慰の頻度は、以前は決して多くはなかった。
他の同年代の女の子の状況をアヤナは知らないが、進んで毎日自らを慰めるようなことはしなかった。
知識としてオナニーが悪ではないと知っていても、感情がセーブしてしまっている部分もあった。
だが、最近はそうではない。
自らを慰める日が、確実に増えてきていた。
「あ、んんっ!」
 アヤナはゴロリと体勢を変え、仰向けになった。
左手は上着の裾から中へと潜り、ブラジャーを外し、直に乳房を。
右手はショーツの上から、秘所を。
まさぐる手はもう、止まらない。
「くうっ、小久保くぅん、こくぼ……くん」
 太股はいつの間にかだらしなく開かれている。
普段の彼女からは、想像も出来ない痴態と言えた。
「だめっ……もうっ」
 マサヒコに握られた掌で、自身の淫らな場所を弄る。
背徳感にも似た感覚は、だが行為を加速させる燃料にしかならない。
頭の中で、色々な思いが渦を巻く。
今日握ってきた小久保マサヒコのあの手は、天野ミサキの身体を這いまわったのだろうか。
もし自分が本当に小久保マサヒコに秘所を触られたら、どうなってしまうのだろうか。
何故、小久保マサヒコは、自分のモノではないのだろうか。
「ああっ……!」
 身体を大きく反らせ、アヤナは達した。
ショーツの股の部分は、トロトロに濡れて、陰毛が透けて見える程になっている。
「はあ、はあ、はあ……」
 マサヒコを思って自慰をするようになったのは何時からだったか、アヤナは覚えていない。
最初は単純に、人間なら誰もが覚える性的衝動によるものだったが、
そこにマサヒコが脳内に介在するようになったのは、果たしてどの頃が初めてだっただろうか?
「……ごめんなさい、小久保君……天野さん……」
 アヤナの両の目尻から、透明な液体がすっと零れ落ちる。
終わった後の解放感と罪悪感。
マサヒコを思ってしてしまったこと、天野ミサキを裏切ってしまったという思い、そして虚しさ。
それらによって、アヤナは自慰の後、必ず泣く。
「う、ううっ」
 しかし、行為をやめることは出来ない。
歪んだ快楽と知っても、なお止めることは出来ない。
「私は、私は……」
 自分の想いが限界にきつつあるのを、アヤナはまさに今知った。
小久保マサヒコの気持ちは、天野ミサキに向けられている。
天野ミサキは、大切な友達である。
二人を祝福してあげるべきだ、マサヒコへの想いは、ずっと隠しておくべきだ。
アメリカから帰ってきて以降、ずっとアヤナはそう考えて、実際に以前と変わらぬように二人に接してきた。
だが今日、心のダムが決壊を始めた。
マサヒコの温もりを、改めて身体が知ってしまった。
そして、自分の想いが大きく、強くなってしまっていることに気付いた。
「どうしたらいいの……? 小久保君……」
 想いを告げれば、全てが壊れてしまうかもしれない。
それに、小久保マサヒコは、アヤナを恋愛の対象としては見てくれていない。
あくまで、マサヒコが異性として愛しむのは、ミサキのみ。
思えば、そういった爽やかな部分にこそ、アヤナは惹かれたのだが……。
180ピンキリ ◆UsBfe3iKus :2009/07/02(木) 00:06:01 ID:VTDNxiXf
「わたし、は……」
 お別れパーティの時は、まだマサヒコに対する恋心を自覚出来ていなかった。
全ては、それが原因だったのだ。
あの時に既にマサヒコのことが好きだとはっきりわかっていれば、
天野ミサキに改めて勝負を挑めたはずだった。
当時はまだマサヒコも、ミサキを幼馴染以上には思っていなかったのだから。
 しかし、今となっては遅い。
マサヒコとミサキは恋人同士として幸せな関係を築き、そこにアヤナが割って入る余地は欠片も無い。
自分だけに都合の良い恋愛など、あるわけがない。
想いを爆発させても、アヤナにも、マサヒコにも、ミサキにも、決して良い未来は待ってはいないだろう。

「う、うっ」
 アヤナは、泣いた。
いつもより多く涙を流し、泣いた。
その涙は、彼女が今まで堰き止めて、小出しにしていたマサヒコへの想いそのものだった。
「小久保君……小久保君っ……、天野さん……」
 明日から今まで通りに二人に接することが出来るか、自信が無かった。
そうするのが一番いいのだ、とわかってはいるが、それを実行出来るかどうかわからなかった。

 
 ポン、ポンと、時計が11回鳴いた。
無情の明日は、あと一時間後に迫っている―――


 F   I   N
181ピンキリ ◆UsBfe3iKus :2009/07/02(木) 00:10:55 ID:bNXlL7Tu
 ここまでです。

 本当はマサヒコとアヤナが街で会う部分がもっと長くて、
さらにアヤナは悲しさに耐えきれずに第二ラウンドに突入しちゃう―――というところまで書いてはいたんですが、
投下する前に読み直してみるとバランスがやたら悪かった上に、アヤナが壊れてるようになってしまっていたので、思いっきり削りました。
何か余計にバランスが悪くなった気もせんでもないですが……読みづらかったらすいません。

 では、また。
182名無しさん@ピンキー:2009/07/02(木) 00:19:31 ID:McdrZiwG
何かグッと来ますねえ・・・実にいい
183名無しさん@ピンキー:2009/07/02(木) 10:16:53 ID:syIXLd9Y
乙です!
久々のアヤナ分ありがとうございます!
184名無しさん@ピンキー:2009/07/02(木) 16:11:32 ID:fnH4hBL9
ところでアヤナのバストサイズって結局何センチくらいなんだろうか
アヤナだけじゃなくて氏家マンガの全女性キャラの3サイズを知ってみたい

まぁ、気になるだけって話なんだが
185名無しさん@ピンキー:2009/07/02(木) 23:19:32 ID:EUjyzRQg
アヤナの何がすごいって、明らかに体格差のある中村や濱中(二人ともスタイルが
いいという設定)よりさらに胸が大きいってことだよな。80後半は確定だろうか。

氏家作品全体ではアリアとアキが特に大きいようなイメージ。
186名無しさん@ピンキー:2009/07/03(金) 00:01:47 ID:NWV0l/2h
アリアは絵的にも大きいな
シノは胸は小さいが他が完璧

氏家漫画のヒロインって貧乳が多いな
アイくらいか普通以上なのは
187名無しさん@ピンキー:2009/07/03(金) 00:28:16 ID:14tXHKEE
はっきり数値で表現されてたのは思春期の三人のみだよね

加藤先生(87)>アキ(85)>今岡(83)

それよりピンキリ氏GJっした!
PK砲とか言われるけど実際郭氏とよく投下が重なりますね!
188名無しさん@ピンキー:2009/07/03(金) 00:35:32 ID:DZYKU9hE
貧乳は好物です。ていうかロリコンです。
189名無しさん@ピンキー:2009/07/03(金) 01:03:20 ID:wsbK3r0e
そいや今週号、帯(?っていうのか、横の文章)がジオングで吹いた。
今週は全体的にテンション高かったな。
190名無しさん@ピンキー:2009/07/03(金) 07:07:25 ID:yYH1e47F
柱は編集が書いてるんじゃないの?
191名無しさん@ピンキー:2009/07/03(金) 17:09:57 ID:r17wv2PY
ある意味数字が出ない方がファンタジーが膨らむのかもな
想像している間が一番楽しい、ということもあるし

さて、それはともかく全裸になって郭氏の続きでも待つとするか
192名無しさん@ピンキー:2009/07/04(土) 12:06:00 ID:Ucf46LnU
Y-275氏と傍観者氏が新世代のツートップで岡崎&大久保ならば
郭氏ピンキリ氏のベテランふたりが俊輔&中澤ってところか。
193名無しさん@ピンキー:2009/07/05(日) 19:42:09 ID:ie+ztA70
現役という意味ではキングカズ=郭氏


全くスレチだが、サカつく2(サターン)の攻略本を掃除の時に押し入れから見つけたが、
Jリーグの当時の外国人選手の凄さに改めてビビった、準世界選抜作れる
194郭泰源 ◆Ot.EmIRUsS7D :2009/07/05(日) 22:33:23 ID:ySkT0AFk
はい、どうも郭です。
ピンキリ氏にGJと敬意を!しかしお互い本当にベテラン扱いですなぁ(苦笑)
名を工藤に変えちゃいたいくらいですよ。それでは、老骨に鞭打って>>168の続きです。
NGワードは「短い!」「自慰のみ」では、投下。
195郭泰源 ◆Ot.EmIRUsS7D :2009/07/05(日) 22:37:53 ID:ySkT0AFk
(…………?)
扉の向こうから聞こえるスズの荒い息遣いを怪訝に思って耳を澄ましていたタカトシは、
ほんの少し、気付かれぬようにドアの隙間を開けた。
(は、萩村?)
タカトシの目に飛び込んできたのは―――小柄な同級生がスカートの中と胸の中に手を入れ、
それを悩ましく動かしている光景だった。

「ふ………ん………ッ、はぁ………ン、や………」
もはや声を殺すこともできず、スズは自らを激しく慰めていた。左手の指先で小さな乳首を摘み、擦る。
そしてショーツを膝までずり下げ、右手の指先を裂け目の中に沈ませ、くりくり、と刺激して。
「あ    あ、ん。……………ふぁッ!!あ。…………た、タカトシぃ………」

(え?)
自分の名前がスズの口から漏れ、驚くタカトシ。しかし視線は彼女から外すことのできぬままだ。
(…………あれって、そうだよな)
いかに鈍い彼とて、スズがしている行為がなにかということくらいは理解できた。
しかし目を潤ませながらそれに没頭しているスズは、
普段の生真面目で幼い感じのする彼女と別人のようで――――
タカトシは声をかけることも忘れ、取り憑かれたように彼女の姿に魅入っていた。

"すッ、きゅ………こしゅッ、くにゅ………"
中指で自分の中をかき混ぜるようにしながら、スズは親指で肉の芽を擦った。
「あ、    ひわッ!はぁ…………、ひ、ん…………」
その瞬間、一際大きな快楽の波に呑まれて彼女はからだをくねらせる。
生徒会室という神聖な場所で禁忌を犯しているという罪の意識と、
それに相反する興奮の中で、スズの小さなからだはずぶずぶと快楽の沼に沈んでいく。
「ふぅッ!くぅん!!あッ、あ………あ、タカ、トシ!た、タカトシッ!!」
声を抑えることすら忘れ、スズはタカトシの名を二度三度と叫んで―――絶頂に、達した。
"くつ…………"
ショーツの中から指を引き抜き、それを目の前でかざしてぼんやりと見つめるスズ。
べっとりと、愛液が付着していた。
「………………」
達した後の気怠さの中で、スズは自らの指先を眺める。少しだけ、近づけてみた。
(…………へん、な、匂い…………)
匂いを嗅いで、ただそう思った。それ以外、なにも考えられなかった。
その行為をしたことは初めてではなかったが、こんなにも大きな快楽を得たのは初めてだった。
(…………ん。なんだか、眠い)
激しい行為を終え、疲れ切ったスズは思わず――――うとうととしてしまって。

(寝ちゃったのかな?)
ドアの隙間から中を窺っていたタカトシは、スズが机の上に頭を預けて動かなくなったのを見てそう思った。
(………荻村も、女の子なんだ)
声に出さず、そう呟くタカトシ。エロボケを連発するシノやアリアと違い、
スズは謹直そのものといった性格で、そのせいかいつも怒っているような表情の印象が強かった。
しかし彼女のあのような行為を結果的に盗み見てしまったタカトシは――――
かつてないほどはっきりと、スズから異性を感じてしまっていた。
"す…………"
起こさないよう、慎重にドアを引いた。幸いほとんど音は立たず、スズはぐったりと熟睡している。
(………………)
寝息を立てているスズの顔を無言で見つめた。同級生の男子生徒からは
『美人揃いの生徒会の中に一人子供が混じっている』などと揶揄されるスズだが、
こうして間近で見れば彼女とて十分すぎるほど整った顔立ちをしていると、タカトシは思った。
全体に輪郭は細面だが、赤く血色の良い唇は少しぽっりとしていて熟れかける直前の果実を思わせた。
すっと通った鼻筋が少しだけ上を向いているのと、眉尻がきれいなアーチを描いているのが
彼女の意志の強さとプライドの高さを表しているようで―――それでいて、同時にどこか幼さを感じさせた。
§
196郭泰源 ◆Ot.EmIRUsS7D :2009/07/05(日) 22:39:05 ID:ySkT0AFk
本当に短いですが今回は以上!なんだかこれは分量も間隔も短めでサクサク投下したい気分なので、
ご批判あるかと思いますが、このスタイルで行かせて下さい。
意見などあったらガシガシ書いて頂けると次回投下で反映させられるかもしれません。
では股。
197名無しさん@ピンキー:2009/07/05(日) 23:05:26 ID:/ULlddV5
良き哉、良き哉
198名無しさん@ピンキー:2009/07/06(月) 00:17:44 ID:NO6jjtXj
工藤となぞらえて、いつかの年(86年でしたっけ?)の日本シリーズ並の大車輪の活躍GJです。
199名無しさん@ピンキー:2009/07/06(月) 11:48:10 ID:nrqs95LH
郭氏乙です
200名無しさん@ピンキー:2009/07/08(水) 17:34:48 ID:yAPInK0m
郭氏GJでした
もう単独100投下の峠を越えて、めざすは200勝投手ですな!
201名無しさん@ピンキー:2009/07/08(水) 19:52:30 ID:eXbNFokP
コトミはやはり巨乳
202名無しさん@ピンキー:2009/07/09(木) 12:05:20 ID:6ydOlU7A
ここに投下されたSSを使って氏家漫画のギャルゲとか作れないだろうか…
とか考えたことがあるのは俺だけじゃないはず
203Y-275:2009/07/09(木) 13:19:01 ID:AAdJLX/o
>>202
いや、むしろ、自分がSS書くようになった動機っす。
204名無しさん@ピンキー:2009/07/10(金) 17:34:32 ID:oRk03uAu
大投下時代に来た職人のほとんどは郭氏や518氏、
トマソン氏らの書くSSを読んで「俺もやってみよう」と思い、我も我もとなったのは想像に難くない
ただ、「やってみよう」から「続けてみよう」に移るのはやっぱり学問やスポーツもそうだけど難しいんだろうな、
結局当時に来たほとんどの職人が今は消えちゃったわけで……

継続は大変、だけど力なりってことなんだなー、とオモタ
205ぺピトーン ◆NerkxCFOyg :2009/07/10(金) 22:16:17 ID:x/HtSY5q
お久しぶりです。長らく体調をくずすやら、仕事に追われるやら、
挙げ句の果てにパソコンからの投下が出来なくなるやら・・・
ですが今も少しずつでも作品を書いています。まだ引退するつもりはありません。
必ずここに戻るつもりなので、気長に待っていただければ幸いです。以上生存情報も兼ねての近況報告でした。
206名無しさん@ピンキー:2009/07/10(金) 22:23:02 ID:onARKZCI
>>205 待ってるよん
207名無しさん@ピンキー:2009/07/11(土) 01:27:58 ID:4O7v3rWZ
一度だけ投稿した記憶がある。
バックアップもとってなければ、どんな内容かも覚えてない単発ものだったけど。
書き続けられるって凄いと思います。
208名無しさん@ピンキー:2009/07/11(土) 12:28:26 ID:XeQNFI0V
ペピトーン氏、無理だけはなさらぬようにご自愛を
しかし、氏も郭氏に次ぐ「長期組」ですな
209名無しさん@ピンキー:2009/07/11(土) 18:39:38 ID:lW/xa651
test
210郭泰源 ◆Ot.EmIRUsS7D :2009/07/11(土) 18:41:37 ID:lW/xa651
はい、どうも郭です。それでは>>195の続きでラスト。
NGワードは「急展開」「自慰のみ」では、投下。
211郭泰源 ◆Ot.EmIRUsS7D :2009/07/11(土) 18:42:40 ID:lW/xa651
(…………荻村)
スズを起こさないようにと初めは遠巻きに見ていたタカトシだが、
やがてそんな気遣いも忘れ、彼女に近づいていった。よほど疲れたのか、
彼女はすうすうと寝息を立てたまま、眠りの中だった。少しだけ、スズの頬に赤みがさしていた。
それが先程の激しい自慰行為の名残かと思うと、今更のようにひどく淫らな気持ちになって。
"ごくッ"
大きく一度、生唾を呑み込んだ。タカトシは、自分が欲情しつつあることを自覚していた。
(…………?あ!)
気付いた。スズが、ショーツを膝の先まで下げていたことを。その光景は、タカトシにはあまりに刺激的で。
(や、やべ!)
"くッ"
あくまで、勃起しかけた前を抑えようとしただけだった。その、つもりだった。しかし。
"すッ、すッ、くくッ"
気が付くとタカトシは制服の上から、往復させるようにそこを擦り始めていた。
(う…………んん…………)
机の端にあったティッシュボックスからティッシュを引き抜いて、トランクスの中のそこにあてがった。
(う………うむッ………やべえって、バレたら、俺)
それが露見する恐怖と恍惚に怯えながら、タカトシは自慰行為に溺れる。
目の前の少女の寝顔を見下ろしながら、強く、激しく、ペニスの先端を擦る。
(ん、う………うぅ)
淫した後の興奮のまま眠りから覚めないスズの横顔は、あどけないと同時にどこか扇情的で―――
タカトシは、彼女が自慰に耽っていた鮮烈な光景を思い起こしながら。
(う………うぅ、うッ………う!!!!)
"ぴゅッ!!ずぷッ!!!"
そしてタカトシも、絶頂に達した。
ティッシュで抑えていたペニスの先から、ぬるい精液が勢いよく放出されるのを掌に感じて。

「………………ん?む、あ、アレ?つ、津田、来てたの?」
「!!!!!!!!!!!!!あ、は、はははは、萩村、う、うん、その、ついさっき」
「あ、ああ、そうなの?」
(な、なによ、津田ったらそんなに慌てて?)
不審に思うスズだが、思い出した。
(あ!わ、私ったら!!!)
そう、他ならぬ自分が、この部屋で激しい自慰行為に及んでいたことを。
「ああああ、あのね、つつつつつ、津田?あの、その」
「あ、わりい、萩村、お、俺、教室に鞄忘れてきたから!!!」
ダッシュで生徒会室を走り去るタカトシ。スズはそんな彼の後ろ姿を呆然と見ていた。
(だ、大丈夫だよね?津田は、見てなかったと思うし………)
ふう、と溜息を漏したその瞬間、とある事実に気付いて青ざめた。
(!!私ったら、下着を!!嘘、まさか、津田がさっき慌ててたのって……やだ、やだぁ…………)
慌ててショーツを引き上げた後、恥ずかしさから泣き出しそうになってしまうスズだったが―――

(うわぁ〜〜〜〜、気持ちわりい、やっちゃったな、俺)
男子トイレの個室に駆け込み、トランクスの中のティッシュを投げ捨てた。
大量の精液はティッシュの中で納まらず、下着まで汚してしまっていた。
(ば、バレてねーよな?アイツ、いきなり起きるから)
しかし全ての処理を終えてもまだタカトシの頭に思い浮かぶのは、
スズが自慰に耽っていた光景と、彼女のあどけない寝顔だった。
(わ!って、やべえよ、また俺!)
またも勃起しかけてきたペニスに慌てたタカトシは抑えるつもりでそこに手を伸ばすが、
なぜかまたも指先は往復運動を。

(うわぁ〜〜〜ん、どうしよう、どうしよう。津田に見られちゃった)
そして生徒会室では―――やはり同じように、恥ずかしさに身悶えながら、
またもショーツに手を伸ばして二度目の自慰行為に及んでいるスズがいた。

スズと、タカトシ。さてそんなふたりの行く末は――――

END
212郭泰源 ◆Ot.EmIRUsS7D :2009/07/11(土) 18:44:34 ID:lW/xa651
今回は以上で完結。
タイトルは『眠れる生徒会室のスズ』でお願いします>>Wiki管理人様
なんだか某YJ誌の『B型H系』のような展開に(苦笑)。
推敲も嫁チェックもほとんどなく久しぶりに思い付く端から投下したので荒いですね。
ここから本番な展開はちと厳しかったのでこんなオチになりましたが、結構楽しかったですよ。
本スレでもなんだか修学旅行ネタでSSのネタになりそうな話があったのですが、
これはY-275氏と被りそうなので遠慮しておきました。
それでは股。
213名無しさん@ピンキー:2009/07/11(土) 20:34:21 ID:50ZafsvM
郭氏乙です。
駄洒落ではなく、郭氏という核がいるからこそエーコ聖水があっても
ここは存続したのだと思います。タモさんも休養するくらいですから
郭氏も無理せず自分のペースでがんばって下さい!

ペピトーン氏も待ってます!
214名無しさん@ピンキー:2009/07/12(日) 16:51:31 ID:48cxzVGK
TEST
215名無しさん@ピンキー:2009/07/12(日) 16:53:29 ID:48cxzVGK
郭氏、乙です。なかなか早い仕事、お見事でした。
216傍観者:2009/07/13(月) 00:05:51 ID:Ivn6Xlyz
どうも、何か月ぶりか忘れるくらいお久しぶりですが投下します。
前スレからの続きです。
217傍観者:2009/07/13(月) 00:06:46 ID:Ivn6Xlyz

 絶叫とともに達した後、ぐたっとした状態のリンコの中に、マサヒコはまだいる。
 ビクッ、ビクゥッ、と性器が脈動しわずかにでも残った精液をリンコの中に放出しよう
としていた。
 射精の瞬間は、至高の快楽と中に出せた満足感がマサヒコの感覚を支配していた。性交
による快感というのは、言ってみれば子を成すという行為を奨励するために人間に擦り込
まれた本能である。そして、得られる満足感も男としての大事な使命を成し遂げたことに
由来するものだ。
 しかし、自らの性器の脈動が徐々に弱まっていくにつれ、マサヒコは素に戻っていく。
そして自分がしてしまったことに恐怖を覚え、背筋が凍る。
(中で……、出しちまった)
 リョーコは安全日だと言っていたが、リョーコからの伝聞に過ぎないし、若い女性の生
理からの推測というのは当てにならない場合も多いと聞く。
 今、リンコの中にマサヒコの精子が彼女の卵子を探し、大量に彷徨っている。確率は低
いとはいえ、この瞬間にも受精し新たな命が生まれてもおかしくはない。妊娠、責任、堕
胎、出産、結婚。そんな言葉が目まぐるしく頭の中を巡り回り、マサヒコはいやな脂汗を
全身からダラダラと流した。
 もし、相手が恋人のミサキであったならどうだったろうか。ミサキとの間に今子供がで
きたとしたらどうなのだろうか。おそらくマサヒコは戸惑い、混乱し、狼狽し、いろいろ
と見苦しい様を曝すだろう。
 それでもやはり、恋人との間の子供は『産んでほしい』という気持ちが一番に来るのは
間違いない。実際にそれが可能かどうかは分からない。マサヒコもミサキもまだ高校生だ。
結婚すらできない。それに、妊娠が知れたらミサキは最悪、学校を追われるかもしれない。
ミサキと子供を養うすべも今のマサヒコにはない。それでもやはり子供は愛おしいのだ。
愛する人と愛を交わし交わり合った結果が愛の結晶以外のなんだというのだろう。
 しかし、この相手がリンコであればどうだろうか。空気に流されて抱いてしまった負い
目はある。孕ませた責任も感じる。自らの血を引くわが子を粗末にはできないとも思う。
 それでもせいぜい『堕ろすというのは嫌、なのだが……』ぐらいの気持ちしか持ち得な
い。ミサキに対しての『産んでほしい』に比べればはるかに消極的であり、残酷な考え方
だ。結局は自らの体面や事の大きさに、子供を切り捨てることを選ぶのかのしれない。
 重すぎる可能性や自らの酷薄さを実感してさらにマサヒコの脳内は混沌としてくる。汗
だくになりながら、なんとなしに下になったリンコを見つめる。
 荒い、というほどではないが激しい運動の後だけあってリンコの胸は呼吸により大きく
上下している。肌色は普段より全体的にほんとうに若干だが赤味が強まり、全身にうっす
らと、それこそしっとりという言葉がふさわしい程度に汗が滲んでいる。
 表情は穏やかであり、若干疲れているようにも見える。微笑みが浮かんでいるわけでは
ない。しかし、どこか幸せそうに嬉しそうに見えた。


218傍観者:2009/07/13(月) 00:08:11 ID:Ivn6Xlyz
 今現在、リンコに意識があるのかどうかは定かではない。おそらく、放っておけば眠る、
少しでも声をかけたりすれば起きる、というような曖昧模糊な状態で快感の余韻と幸福感
に浸っているのだろう。
 両腕をやや肩上の方に広げ、全てを曝け出すような体勢でまどろむリンコを見つめ、マ
サヒコは、
(これは……、芸術的と言うのかな)
 という感動を覚えた。
 絵にしても彫像にしても撮影しても伝わりきらないであろう、少女の肉体の『美』がそ
こにある。そして、その状態を作り出すのに自分が関与したことをマサヒコはひそかに誇
らしく思った。
 しばらく芸術を鑑賞したところでマサヒコは素に戻り、いつまでもリンコの内に入りっ
ぱなしの自らの一部を遅まきながら引き摺り出した。先程まで過敏に反応していたリンコ
も、堅さを失ったペニスを感じ取ることは出来ないのか何の変化も見えない。だらりと伸
びて垂れ下ったマサヒコの一物が露わになる。リンコの愛がねっとりと絡み付き、リンコ
との間に糸を引く。
 濡れっぱなしはベッドを使わせている身としては失礼かと思い周囲を見回すと、さすが
に準備がいいというかリョーコの必需品なのか、すぐ手の届くところにティッシュが見つ
かった。マサヒコは苦笑しながら2、3枚抜き取り、自らの抜き身を清める。
 リンコの方をどうするかと見てみると、これまでマサヒコが安住していたその入口はほ
のかに色づいた桃にシロップをかけたかのように、ねっとりと艶めかしい外観になってい
た。
 拭いてやるべきかとも思ったが、デリケートな部分に下手に刺激を与えて起こすより、
多少周りが濡れようとそっとしておいてやることにした。そしてリンコの左隣に、彼女の
方を見ながら寝そべる。
 2、3分経った頃だろうか、
「んっ……」
 か細く喉を震わせながら、まるでマサヒコの存在を感じ取ったかのように自然に彼の方
を向いて寝返りをうつリンコ。2人の距離は互いの吐息が肌に触れるほどに近くなり、リ
ンコの温もりがわずかな距離を越えて伝わってくるかのようだ。
 安らかで可愛らしいリンコの寝顔を見ていたマサヒコは、なんとなしに再びリンコの頭
を撫で、前髪を軽く掻き上げてみる。
「うぅん……」
 今の状態を理解しているのかどうかは分からないが、撫でられて心地良かったのかリン
コの顔にわずかに微笑みが浮かぶ。そして、心地良さに釣られてかわずかにマサヒコの方
へにじり寄った。
 しばらく撫でられるがままだったが、少ししてリンコが薄目を開ける。そしてマサヒコ
の姿を認識した。ほんの一瞬、状況が理解できずきょとんとしたようだが、すぐに思い出
し破顔する。
「起こしちゃったか?」
 気遣いを見せるマサヒコ。リンコは首を軽く左右に振り、
「ううん。そんなことないよ。寝ちゃうつもりじゃなかったし」
 と返答する。それを聞いてマサヒコもまた破顔した。お互いに相手の笑顔を見るだけで
幸せな気分になれる。
「小久保君」
 リンコがマサヒコに声を掛ける。
219傍観者:2009/07/13(月) 00:09:30 ID:Ivn6Xlyz
「どうした」
 マサヒコが問うとリンコは、
「ありがとう」
 と答えた。
 唐突なことにやや面食らうマサヒコに対し、リンコが言葉を継ぐ。
「私を大人の女の人にしてくれてありがとう。私、小久保君が初めての人で幸せだよ」
 率直に感謝の意を伝えるリンコ。それに対してマサヒコは、
「いや……、俺はただ、その……」
 と言いよどみ、
「その……、なんだ?お前を相手に性欲を発散しちゃっただけというか、あの……」
「そんなの気にしなくていいよ。小久保君も私も凄く気持ち良かった。むしろ小久保君が
私とセックスしたいって感じてくれたことが嬉しい」
「ああ……、すまない」
 リンコのフォローを受けて、マサヒコは少し落ち着かない気分になる。
(何か、大人の反応って感じだな)
 これではリンコがマサヒコに処女を捧げたというより、マサヒコがリンコに筆下ろしを
させてもらったかのようだ。彼女の小さな体に柔らかな色気と温かな包容力が感じ取れる。
もっと甘えてしまいたくなるかのようだ。
 リンコの方でも甘えたいのは一緒だった。ただのすらりとした男子でしかないマサヒコ
が、一度情を通じ合った後だと逞しく思える。おそらく、あれだけ激しく男の強さと強靭
さを味わったからだろう。見た目以上の頼もしさが目の前の人物にはあるのだ。
 その逞しい胸板に、リンコは頬を寄せた。頭を撫でてくれていたマサヒコは、肘をつい
ていた右腕を伸ばしリンコを頭を抱きよせるような姿勢を取り、再び右手で彼女の頭を撫
でる。
 再び触れ合った2人の体。汗でしっとりとした他人の肌は心地良い。伝わる温もりにも
中毒性があるようで、もっと接触面積を増やしたくなる。自然に、リンコはマサヒコに抱
き付き、彼の体に自らを浸み込ませるかのように体を擦り付ける。マサヒコもまた、それ
を当然のように受け入れた。
 そんな風にしてマサヒコの肉体と体温を求めていたリンコだったが、ふと体の内の内が
冷ややかさを感じ取った。違和感。寒くもないのに何故そう感じたのか。
 理由は少しして理解できた。今が寒いのではない。さっきまでが熱かったのだ。マサヒ
コがいなくなって空虚さだけが残った子宮と膣。そこが『寒い、寂しい』と強く訴えて疼
いている。リンコは顔を赤らめる。知らず、右手がそれらの入り口部分へと伸びる。
 ペチャ。
 そんな擬音を感じる。リンコの股間は知らぬ間に謎の液体で濡れていた。視線をやると、
割れ目を中心にぐっしょりと濡れ、蛍光灯の光を反射しぬらぬらと光っている。
 おそらく、これはその割れ目から出たものだろうと見当は付くものの、いったいなんな
のか分からない。こういうときいつもするように、リンコは濡れた手をマサヒコの目に入
る方へ持っていき、
「小久保君、これ何だろ?」
 と質問した。
220傍観者:2009/07/13(月) 00:10:33 ID:Ivn6Xlyz
 相変わらずの答えにくい質問。しかし、リンコは大真面目に質問しているのだし状況が
状況だから答えざるを得ない。
「それは愛液、っていう液だ」
 と頬を紅潮させながら答える。
「アイエキ?」
「ああ、『愛する』に『液体』で愛液だ。女の人が感じると出る」
「カンジル?」
「その、あの、さっきのエッチで気持ちいい感覚のことだ」
「ああ、なるほど」
 前戯の時から涎でも出ているような感じだったが、本当に出ていたようだ。イッた時に
決壊したかのように感じたのもその通りだったらしい。
 リンコはしばらく愛液で照かる右手の指を物珍しげに見ていたが、再び股間に手が行く。
 ピトッ、と指が陰部に触れた。普段なら気にならなかったのだが、マサヒコに愛撫され
男を受け入れた後だったため感覚が鋭敏になっている。
「んっ……」
 っと艶めかしい声が少し漏れる。自分の指で触るのが気持ちいい。マサヒコの前で恥ず
かしい気持ちもあるのだが、欲望が勝る。触れた指を動かし、鋭敏な性器に擦り付ける。
「んっ、んんん!」
「的山?」
 マサヒコが彼女の声で奇行に気付く。
「んー、んーっ!」
「何やってるんだ?」
 問わずにはいられない。しかしリンコは答えない。指の動きは激しくなり、割れ目を押
し広げて中に入ったりもする。
「あ、ああっ!」
 マサヒコに抱かれたまま身悶えするリンコ。男の太い指で愛撫されるのと少女自身の細
く柔らかな指で撫で回すのとどちらが気持ちいいだろう、そんなことを考えながらさらに
指は深く食い込む。マサヒコは唖然として急遽開催されたオナニーショーを見つめるしか
ない。
 指を入れ、内側を擦り回すのが気持ちいい。リンコは快感に酔う。だが、それと同時に
虚しさも込み上げる。足りない、不十分なのだ。幾ら自力で頑張ったところで、自分の『雌』
の部分が求めているのは『雄』、マサヒコのペニスなのだ。代用には到底ならない。続ける
うちに虚しさに耐えられなくなり、リンコは指を股間から離してマサヒコの首に両腕を回
し強く抱き付く。
「小久保君!」
「何だ?どうした」
 マサヒコが問うも、リンコはハァハァと荒い息を吐くだけでなかなか答えない。だが、
しばらくして決心がついたようで、ゴクリと唾を飲み込んだ後に告げた。
「入れて」
 マサヒコに視線を合わせはっきりと言う。
221傍観者:2009/07/13(月) 00:12:04 ID:Ivn6Xlyz

「もう1回、私とセックスして」
 女性からの大胆発言に驚き、言葉も出ないマサヒコ。それを拒絶と受け取ったのか、リ
ンコは目を潤ませながら、
「お願い、私、我慢できない!小久保君が欲しいの!」
 と言って縋り付く。
 マサヒコはまだ若い。下半身はまだ余力を残していた。それに先程からリンコを抱きな
がら彼女の痴態を見せつけられていたため、すでに勃起している。
「いいのか?」
 ついつい、好物を出された子供のような口調で答えてしまう。言ってから自分を恥ずか
しく思うマサヒコ。彼の口調から相手も乗り気だと気付いたリンコは目を怪しげに輝かせ
ながら、
「お願い……」
 と再びねだる。2人の顔は拳1つ分くらいまで近寄り、胸部は密着。マサヒコの肉槍は
数センチ先にありリンコの下の口の方を差して脈動している。断る理由はない、むしろ望
むところ。先程の膣内射精で少し捨て鉢になっていたマサヒコは毒を食らわば皿まで、と
でもいうような様子で臨戦態勢に入る。リンコの両肩に手をやり、仰向けになるように倒
す。そして自らはそのまま上から被さるような体勢を取る。一度交わった後だから前戯は
要らない。むしろ、交わってからどうするか、だ。しかし、
「でも、その前に」
 と、リンコが出鼻を挫いてきた。今まさに彼女の両脚を啓かせようとしていたマサヒコ
は驚く。
「どうした?」
「その、あの……」
 先程、強く性交をせがんだのとは対照的に、恥じらうリンコ。マサヒコは不安になる。
何があったのだろうか。恐る恐る、リンコは言葉を継いだ。
「小久保君、キス……して」

222傍観者:2009/07/13(月) 00:15:09 ID:Ivn6Xlyz
今回は以上です。
なんというか、こうしようこう書こうとか考えてると、そのたびに細かい点が
変わっていくというか。やはり、思いついたらすぐ書かないといけませんね。
折角考えたことを忘れてしまう。

そんなことを考えてるあいだ、リンコには大変お世話になっています(笑)
223名無しさん@ピンキー:2009/07/13(月) 13:06:25 ID:kHserqp0
乙です!
224名無しさん@ピンキー:2009/07/13(月) 15:36:01 ID:bY+2iMjj


なんだかんだで現スレもペースがいいねえ
225名無しさん@ピンキー:2009/07/14(火) 17:34:04 ID:Lg4HBZ9E
氏家キャラはエロカワイイとい表現が似合うな
226名無しさん@ピンキー:2009/07/15(水) 19:33:51 ID:JPjKjee/
今週読んでやっぱりシノとタカトシのコンビは良いと思った
227名無しさん@ピンキー:2009/07/16(木) 12:30:01 ID:YhCMoF6p
誰かタカトシとシノで退行萌えお願いします
228名無しさん@ピンキー:2009/07/16(木) 20:41:28 ID:JvwpuVB4
初めまして。生徒会役員共2巻の発売以来、個人的に氏家作品がヘビーローテーションだったので、
ついに自分でもSSを書いてみることにしました。未熟者でありますが、ご笑覧いただければ幸いです。
NGワードは「シンジ×カナミ」「展開強引」「中だし」です。
229228:2009/07/16(木) 20:41:59 ID:JvwpuVB4
 開け放した窓から聞こえてくる潮騒で目が覚めた。ぼんやりとした目に、いつもと
違う天井が目に入る。
「ここは…」
半身を起こしてそうつぶやき、寝ぼけた頭を軽く降ると、徐々に意識がはっきりしてきた。
「お兄ちゃん、起きた?」

 カナミの声が聞こえた。そうだ、俺たちは海へ旅行に来て、コテージに泊まって
いるんだっけ、と自分に言い聞かせながらカナミの声がする方を向いた。カナミは、
バスタオルを身体に巻き付けたままの格好でバスルームから出てきたところだった。
「寝汗をかいたから、先にシャワーを使ったよ?」
「お前、そんな格好でうろつくなよ…」
「いいじゃない、兄妹なんだし、それに…」

 そう言うとカナミは俺の腰のあたりを指さした。そこは朝の生理現象で自然と
膨らみ、テントを形作っていた。
「お兄ちゃんだって、見せつけるように…」
「しかたないだろ、これは…」
「あれ?いつもより元気がないようだよ?夏バテかな?」

 カナミは俺のベッドに近づき、俺の股間をしげしげとながめる。
「いいから、お前は服を着ろ!」
そう言ってカナミの肩を押すと、その衝撃か、バスタオルがはらりと落ちる。
濡れた髪、上気した顔、小振りな胸、腰から尻にかけての遠慮したくびれ、
何よりも股間の茂み、あらゆる視覚情報が目に入ってきて、眩暈を感じた。
カナミの甲高い悲鳴を聞いたような気もするが、よく憶えていない。
230228:2009/07/16(木) 20:42:38 ID:JvwpuVB4
「お兄ちゃん起きて。」

 カナミに揺すぶられて、あらためて目が覚めた。カナミはさすがに今度は服を着ていた。
「お兄ちゃん、さっきは、その…」
いつになくしおらしい。
「いや、俺の方こそ、悪かったな。それより朝飯にしようか。」
「うん。それじゃ準備するね。」
「頼むな。その間に俺、シャワーするから。」

 そう言って着替えを持ってバスルームに入る。頭から熱いシャワーを浴びて、
先ほどのできごとを忘れようとする。でも、目を閉じて水しぶきを浴びても、
脳裏に写るのはカナミの身体。

 いつ以来だろうか、全裸のカナミを見るなんて…小振りだけど、出るところも出て、
丸くなるところも丸くなって、やはり成長期の女なんだなあと思う。
「でも、妹だし、いつかは俺から離れるんだよなあ。」
そうつぶやいてシャワーのコックをひねって止めた。

 部屋に戻ると、朝食ができていた。といっても、トーストにサラダという簡単なもの
だったが。
「なあ、カナミ。今日はどうしたい?」
「そうだね、海に行きたいな。このコテージの前って、泳げるんでしょ?」
「らしいな。じゃ、食ったら着替えるか。」
「うん。やったね!」

 こう無邪気に喜んでいる姿を見ると、まだまだガキだなと思う。ふたりっきりの兄妹。
たまには友人と離れて兄妹で遊ぶのも、いいかも知れないと思わせる笑顔だ。
231228:2009/07/16(木) 20:43:06 ID:JvwpuVB4
 食事を済ませて、交代でシャワールームを使って着替える。
「ジャーン。どうかな?」
カナミはそう言って飛び出してくる。イカン、今朝のできごとがフラッシュバックして
正視できない。
「お兄ちゃん、どう?似合ってる?」
いつの間にかカナミは俺の前に回り込んでいた。
「うん、似合っているよ、カナミらしくていい。」
やや自分でもぶっきらぼうかなと思ったが、カナミもそう感じたようで、
「心がこもってなーい」
と不満の声をあげる。
「いいから行くぞ、カナミ」
そう言って出口へ向かうと、
「あ、お兄ちゃん、待ってよう。」
といいながらついてくる。

 浜辺に着くと、カナミはさっそくシートをひき、浮き輪やビーチボールをフーフーと
膨らませる。俺はパラソルとクーラーボックスを地面に置き、日焼け止めを取り出し、
自分の身体に塗り始めた。

「おいカナミ、背中に日焼け止めを塗ってくれないか。」
さすがに背中に手は届かないのでカナミに頼む。
「うん、いいよ。」
そう言うと、カナミは自分の胸や腹に塗りだした。
「おいおい、先に俺の背中を…」
「うん、だからわたしが塗ったのを、お兄ちゃんの背中に…」
「そういうソーププレイはいいから。」
軽くカナミの頭をこつんとやると、
「えへっ、しょうがないな。」
と言いながら両手を使って、俺の背中に塗り始めた。
「お兄ちゃんが弱いのはどこかなー?耳の裏?ワキ?横腹?おへそ?それとも乳首?」
といいながらあちこちを触られるたびにつっこむのはお約束か…
232228:2009/07/16(木) 20:43:30 ID:JvwpuVB4
「じゃ、今度はわたしに塗ってね?」
 そう言ってカナミはシートに寝そべり、ビキニの紐をほどくと、日焼け止めを
差し出してきた。その仕草にドキッとした俺は無言で日焼け止めを受け取ると、
瓶を軽く振ってから中身を手に取る。そしてカナミの背中に塗り広げる。
思っていたよりカナミの肌は柔らかく、水蜜桃のようにみずみずしかった。
「お兄ちゃん、くすぐったい。」
「うるさい、さっきのお返しだ。」
カナミが抗議の声をあげるが、俺は無視して日焼け止めをうすく塗り広げていく。
(これがカナミの身体…)
押しつけてもしっかりとはねのける弾力に酔いしれながら、いつしか調子に乗って
小振りな乳房の麓や、思ったよりも大きめなお尻の割れ目に手を伸ばす。
それでもカナミはキャッキャ言うものの、嫌がりはしない。
(このまま続けたら…どうなるんだろう…)
そう考えると、また眩暈を感じた。

「お兄ちゃん、もういいよ。」
 カナミの声に、ハッと我に返り手を止める。カナミを見ると、いつの間にか
ビキニの紐は結ばれていた。
「それじゃ、行こう?」
カナミは元気よく言うと、左手にビーチボール、右手に俺の左手首をつかみ、
立ち上がった。
「おいおい、待てよ。」
と言いながらも、俺も立ち上がってついていった。
233228:2009/07/16(木) 20:43:51 ID:JvwpuVB4
 時間は瞬く間に過ぎて、昼前になった。大はしゃぎのカナミにつきあったせいか、
朝食が少な目だったせいか、腹が減ってきた。
「カナミ、飯を食べに行こう。」
「うん。焼きそばが食べたいな。」
ということで、海の家まで歩くことにした。隠れた穴場なのか、ここの浜辺は客が
少ない。でも、大胆な水着を着たお姉さんや、かわいらしい子ども連れまで様々な
客がいる。ふと見ると、いいスタイルの女の子がナンパされていた。
「あ、タカくーん。この人がわたしの彼氏…夫です!」
俺と同じくらいの背格好の人を捕まえてそんなことを言ってナンパから逃れていた。
あの若さで結婚しているのか?

「お兄ちゃん、鼻の下がのびている。」
「え…そうか?」
「そりゃ、あたしはナイ胸ですよーだ。」
「勘違いするなよ。あの娘みたいに、お前もいつかお嫁に行くんだなと
思ってたところだよ。」
「えー、あたしお嫁になんか行かないもん。ずっとお兄ちゃんと一緒がいい。」
「何を言っているんだよ。」
そんなことを言っている内に海の家についたので、その話はそれっきりになった。

 陽が傾いてきたので、海から引き上げることにした。コテージに戻りシートや
パラソルの砂を落とす。
「お兄ちゃん、シャワーお先に。」
カナミの声を合図にバスルームに入り、シャワーでこびりついた砂を洗い落とす。
日焼け止めを塗っていたものの、焼けた肌にシャワーの水がしみる。
234228:2009/07/16(木) 20:44:14 ID:JvwpuVB4
 夕食は焼き肉だった。昼間たっぷり遊んで疲れたから、空きっ腹にドンドン入る。
カナミはどこから調達してきたのか、ワインも用意してきていた。こちらも空きっ腹に
効いて、少し酔いが回ってきた。
「ああ、もう満腹だよ、ごちそうさん。」
「たくさん食べたね。」
「後かたづけ、俺がするな。」
「いいよ、それじゃ、いっしょにやろう?」
二人並んで食器や調理道具を洗う。
「えへへ、こうしていると新婚さんみたいだね。」
「いつものことじゃないか。」
苦笑する。それに対してカナミが抗議の声をあげる。
「いつもと違うもん!家じゃない特別な場所で、特別な人と…」
そう言い終わったときに、すべての洗い物が洗いかごに収まった。
「お前にも俺にも、そのうち違う相手ができるから…」
「え…」
「悪い、トイレに行って来る。」

 トイレで用を足しながら考える。いつもの旅行と違ってアキちゃんやマナカちゃんたちが
いない分、エロボケはすべて俺に向かってくるし、それにいつも以上に甘えてくる。
ま、カナミに彼氏でもできれば、俺を相手にする事もなくなるだろうから、今の内は
エロボケと甘えにつきあってやろうか。
「でも、カナミもいい加減兄離れをしなきゃな。」
そうつぶやきながらトイレから出て居間に戻ると、カナミは花火を持って待ちかまえていた。

「お兄ちゃん、花火をしよう?」
「よし、それじゃ表に出よう。」

 まずはネズミ花火やロケット花火などの派手めなものから。それから手持ちの花火へ。
最後はお約束の線香花火。カナミと向かい合って、一本ずつ火をつけて手に持つ。
カナミの方が先に消えて、続いて俺のが消えた。あたりを闇が包む。
235228:2009/07/16(木) 20:45:02 ID:JvwpuVB4
「終わったな。」
「うん。終わったね。」
「後かたづけして、帰るか。」
「待って、お兄ちゃん。」
「どうした?」
「お兄ちゃんは、この花火みたいに消えたりしないよね?」
「どうした?藪から棒に」
「だって、今日のお兄ちゃんはいつもと違ってわたしを突き放すようなことばかり言う…」
「気のせいだよ。」
「ううん。わたしわかる。いつもお兄ちゃんを見ているから。」
「それはなカナミ、俺たちは兄妹だからいつまでもじゃれ合っていないで…」
「何で兄妹に生まれたんだろう…こんなに好きなのに!」
そう叫ぶとカナミは俺の胸に飛び込んできた。
「好き…好きなのに…」
カナミは泣きじゃくって俺の胸の中でいやいやをするように首を振る。俺はいつも明るく
エロボケをかますカナミの豹変ぶりに驚いて何もできずにただカナミを受け止めるだけだった。
「好き…離れたくない…」
カナミはしばらく俺の胸の中でえぐえぐ泣いていた。俺は抱きしめて背中をやさしくなでた。
と言うより、そうする以外の手だてを知らなかった。ようやく落ち着いたカナミが口を開く。

「お兄ちゃん…」
「何だ?」
そう応えてカナミの方を向いた瞬間、カナミが俺の頭を抱きかかえてキスをする。
「うん……ああ、くちゅ、ちゅっ……」
あわてて俺はカナミを引き剥がす。
「ダメだよ、カナミ俺たちは…」
「お兄ちゃん、『お前が義妹だったら』って前言ってくれたよね。」
「でも俺たちは血のつながった…」
「いいの。あの時お兄ちゃんの気持ちが聞けてうれしかった…ねぇ、お兄ちゃん。
一緒にいて。わたしはお兄ちゃんさえいれば何もいらないから」
236228:2009/07/16(木) 20:45:25 ID:JvwpuVB4
 月明かりに浮かぶカナミの顔は、心細げな顔をしている。ここでこのまま拒絶をすれば
どうなるのだろう。いや、カナミを受け入れても…ワインの酔いでよく回らない頭を必死に
フル回転させる。
「お兄ちゃん、お願い…」
カナミはそう言うと、今度はそっと抱きついてきた。
「わたしはどこまでもお兄ちゃんについて行くから、お兄ちゃんのモノにして…」
その言葉に眩暈を感じた。

 気がつくと、俺はカナミを抱きしめていた。
「うれしい、お兄ちゃん…」
「父さん母さんや世間をすべて敵に回すけど、いいか?」
「お兄ちゃんさえいてくれたら、わたしは平気…」

 あらためてカナミとキスをする。
「ちゅ……くあ、ちゅ、ぷちゅっ……」
舌を頬や耳、首筋に這わせる。そのたびにカナミは甘い声をあげる。
「お返しだよ…」
今度はカナミの舌が俺の耳の裏や鼻の頭を這い回る。

どれだけ時間がたっただろうか。俺もカナミも顔中をベタベタにして荒い息を上げている。
「お兄ちゃん…」
「なんだ…」
「続きは部屋で…」
カナミの消え入りそうな声を合図に、カナミをお姫様だっこすると、素早く部屋に戻る。
237228:2009/07/16(木) 20:46:10 ID:JvwpuVB4
 カナミをベッドに下ろすと、そのままカナミの上にのしかかる。
「お兄ちゃん…やさしくして…」
「努力はするけど、約束はできない。」
俺はそんな勝手なことを言って、抗議の声をあげようとするカナミの唇をふさぐ。
そしてカナミのTシャツの隙間から手を差し込み、カナミの胸をまさぐる。あれ、
ブラジャーが邪魔だな。どうしたらいいんだともぞもぞしていると、
「お兄ちゃん、待って…自分で、脱ぐから…」
カナミはそう言うと半身を起こして、Tシャツを脱ぎ、ブラジャーをとった。
「えへへ、恥ずかしいな…」
「いや、きれいだ…カナミの身体…」
「さわっていいか?」
「うん。お兄ちゃんの好きなようにして…」
おそるおそるカナミの小さな乳房に手を伸ばす。かわいい乳首がぴょこんと自己主張
している。そっとなでるように乳房をまさぐる。だんだん力を入れていく。同時に舌を
カナミの首筋や鎖骨に這わせて反応をうかがう。

「ああっ!お兄ちゃん……んふっ、あぅ、あっ、ふ……」
「カナミ…感じてくれているんだな…」
「あん…いやっ…そ、んなこと…くふっ言わないで…」
童貞の俺の愛撫でも感じてくれているんだなと感激しながら、今度は手を徐々に
下半身に這わせていく。まずはおへそのあたりを、それから内股…
「あふっ、……くっ!あぅ……」

 カナミの声にますます興奮した俺は、スカートの隙間から手を差し入れて、大事な
部分をショーツ越しにまさぐる。
「お兄ちゃん……うん、くふぅ……」
「カナミ…しっとりしているよ…」
「……ああん、お兄ちゃんの、せい、だよ…」
「脱がせるよ?」
「あん、待って、ああ、自分で…」
238228:2009/07/16(木) 20:46:36 ID:JvwpuVB4
 カナミはそう言うと、自分でスカートを脱ぎ、それからショーツも脱ぎ去って、
一糸まとわぬ姿となって、ベッドに横たわった。
「ああ…お兄ちゃん、お願い…続きを…」
カナミのその言葉に、思わずゴクリとつばを飲み込むと、再びカナミに重なった。
唇はカナミの唇と重ね合わせ、右手でカナミの小振りな胸をまさぐり、左手を
愛液でしめっている秘唇に這わせる。
「…あっ、かはっ、ふっ、くぅん、お兄ちゃん……ああっ!」
唇を離すと、ぜいぜいという息とともに、カナミが俺を呼ぶ。
「いいぞ、カナミ…もっと言い声をだして…」
今度は俺は舌をカナミの秘唇に這わせる。
「ああん、あっ、あっ、あっ、ふわっ、お兄ちゃん、見ないで…」
「見ないでっていわれても、こんなにきれいだし、カナミにももっと気持ちよくなって
欲しいから…」
カナミの抗議の声にさからって、舌を秘唇に差し込んで愛液を掻き出すかのように
舐めあげる。
「ここは家じゃないんだから、隣近所を気にしなくていいんだぞ…だからカナミ、
遠慮せずに、もっとイイ声で鳴いてくれ…」

 そう言うと俺は、カナミに聞こえるようにびちゃびちゃと卑猥な音をたてながら、
秘唇をなめ回す。ぷっくり膨らんだクリトリスには指を這わせる。そのたびにカナミは
「あ、ああああん、そん、な、すごい…」
と声をあげた。
239228:2009/07/16(木) 20:47:02 ID:JvwpuVB4
 俺がカナミの股間から顔を上げてカナミの顔を見ると、顔を真っ赤にして瞳を潤ませていた。
そんなカナミにお伺いを立てる。
「カナミ、そろそろ…」
「あふぅ…う、ん。お兄ちゃん、カナミの、初めて、ああ…もらってください…」
しおらしいカナミの声に感動しながら、俺はTシャツ、ハーフパンツ、トランクスを脱ぎ去り、
膝を立てて右手をペニスにそえてカナミの秘唇にセットした。
「いくぞ…」
「あ、うん…」
狭いが暖かい膣口をペニスが進んでいく。
「ああ、かはっ…お兄ちゃんが…来る…」
やがて障害物に行き当たる。カナミも感じたみたいで、俺とカナミの間を目線が行き交う。
「カナミっ!」
俺が叫んで腰を突き出すと、カナミの絶叫が室内に響く。
「ああーっ!!」

 しばらくしてからカナミに声をかける。
「カナミ…」
「うん。うれしい、初めてをお兄ちゃんに捧げられて…」
「続きいいか?」
「うん、痛さも、少し収まったから、お兄ちゃんをちょうだい?」

その声を合図に腰を動かす。浅く、深く、遅く、早く…
「あんっ、あっ、あっ、あんっ、あっ、あっ、あっ、ああん!」
その腰の動きに逢わせてカナミが可愛い喘ぎ声を上げる。ますます興奮して、カナミの
奥をえぐるように激しく腰を動かす。
「あん、お兄ちゃん、はぁぁん、す、ごいよう…」
カナミに覆い被さると、カナミは手と足を俺の背中でクロスさせて、しがみついて叫ぶ。
ますます興奮した俺の腰の動きが、勝手に早くなる。
「あん、ふぁ、やああん!お兄ちゃん、もっと、ちょうだい…」
「ふぁっ…お兄ちゃん…むむ…ああん!すごい、そんな…」
「お兄ちゃん、やん、くはっ、あああっ…奥まで、来てる…」
240228:2009/07/16(木) 20:47:31 ID:JvwpuVB4
「お兄ちゃん、も、もう…イっちゃうよ…」
「カナミ、俺も、そろそろ…」
カナミの声を合図に最深部めざして一突きする。
「ああぁぁぁぁぁっ!……お兄ちゃんっ!」
カナミの足が、背中がピンと伸びて美しいカーブを描く。どうやら達したようだ。
「くっ、カナミっ!中に出すぞっ!」
「うん…ちょうだい、中に…」
カナミの返事を合図に、俺はカナミの最奥へ精を放った。

 精も根も尽き果てて、ベッドに横たわる。息を整えたカナミが俺にしがみつくようにして言う。
「お兄ちゃん、ありがとう。」
「カナミ…本当にいいんだな…」
「お兄ちゃん、後悔していない?」
「カナミこそ…」
「わたしはお兄ちゃんがいれば何もいらない…ああ、これで、カナミはお兄ちゃんのもの…
お兄ちゃんはカナミのもの…」

 その低い声に驚いて、カナミのパッチリとした目をのぞき込むと、そこには鬼火のような
妖しい光が宿っていた。その光を目の当たりにした俺は、これまで一番大きな眩暈を感じた。

END
241228:2009/07/16(木) 20:49:12 ID:JvwpuVB4
以上です。
タイトルは「眩暈」でお願いします。
前半gdgd後半強引な展開ですね。
また修行して出直しますので、
その節はよろしくお願いします。
242名無しさん@ピンキー:2009/07/16(木) 23:42:41 ID:axpeXTlQ
正攻法の新人現る!
243名無しさん@ピンキー:2009/07/17(金) 13:42:04 ID:6KJieOZS
乙!
新人さんいらっしゃい
244名無しさん@ピンキー:2009/07/17(金) 17:29:17 ID:RcshCxsH
乙でした頑張れ!

ベテランがいること、保管庫がしっかりしていること、そして新人が定期的に現れること
この三つが長寿スレとなった理由なのかな
245名無しさん@ピンキー:2009/07/18(土) 23:19:47 ID:Yu+EkR4X
しかし、保管庫wikiは重いな…
246464:2009/07/19(日) 03:01:24 ID:ghQEDzGE
お久しぶりです。
なんとなく思いついたので投下します。
247464:2009/07/19(日) 03:01:54 ID:ghQEDzGE
Prologue 光の中で

「天下一歴女武闘会」の決勝戦において、天野ミサキは破竹の快進撃を続けていた。

「なれば、これより、第11問。甲斐の虎こと武田信玄といえば風林火ざ・・・」
ピンポーン。
会場に高音が鳴り響く。
ミサキが回答ボタンを押したため、司会とおぼしき中年男は、またしても問題文を最後まで読み上げることができぬ。
度重なる天野ミサキの早押しに、司会の男は不興の色を隠せなかった。
なれども、大会規則があるからには回答ボタンを押しし者には相応の対応をせねばならない。
内心の苛立ちを抑えつつ、司会の男は視線を小柄な少女へと向けて静かに問い掛ける。
「天野殿、解答や如何に?」
と、間を置かずしてミサキがそれに応じた。
「難知如蔭(知り難きことは蔭の如く)、動如雷霆(動くこと雷霆の如し)!」
ピンポンピンポーン。
先程のものとは趣の異なる高音が会場に鳴り響く。
「いかにも。甲斐の虎こと武田信玄といえば風林火山の軍旗で著名だが、孫子の兵法書において「風林火山」に続く言葉や如何に、という問いにござった。…正解でござる。」
またしても正解であることが公のところとなり、会場は大きなざわめきに包まれた。
「おお…此度も正解とは…」
「あの娘の先読み…見事なものよな…」
「あれぞ、南蛮渡来の『にゅうたいぷ』ではござるまいか…」
そのような賞賛の声を衆目から得ても、天野ミサキにはいささかの慢心もない。
(戦は終わってみるまで分からぬ。一寸先は闇ぞ。油断や容赦は禁物じゃ…。されど…)
首をかしげる天野ミサキ。
(それがしは、なにゆえ、このような場所でこうような事をいたしておるのか…?)
此処これに到って、彼女の中に強烈な違和感が生じ始めた。
(ここ到る経緯…どのようなものであったか…)
だが舞台は、記憶の糸を辿る暇を役者に与えようとはしない。
「なれば、これより、第12問!」
司会の発した朗々たる声が次なる戦いの到来を告げ、ミサキの意識は勝利への渇望にて再び覆い尽くされた。
248464:2009/07/19(日) 03:02:21 ID:ghQEDzGE
Episode T 発端

天野ミサキは恋焦がれていた。
幼馴染たる小久保マサヒコは彼女にとって以前から気になる存在ではあったが、しばらく疎遠になっていたこともあり、ここまで意識するほどのことはなかった。
それが、再び親しくなって以後は彼のことを想わぬ日はついぞ無いという体たらく。
その日もまた、ミサキ女史は彼の横顔を眺めることに夢中であり、英語教師による熱のこもった授業さえも全く耳に入っていない様子であった。
(ああ…素敵だな…マサちゃんの真剣な顔…やっぱりいいなぁ・・・)
恋の力の成せる所業であろうか。
ミサキはマサヒコの姿にいちまでも見とれ続け、飽きる兆候すら見受けられない。
「マサちゃん…」
恍惚の表情でミサキが呟く。
心昂ずるあまり、無意識のうちに口から出てしまったのだろう。さもありなん。
だが、問題は、心の泉より染み出た妄言を他者に聞かれてしまったことにある。
「…マサちゃん? マサちゃんって何?」
「ッ!?」
不意に背後から声が降ってきた。
正気に返ったミサキが慌てて振り返ると、そこには級友の少女が訝しげな顔をして立っている。
「え…あ・・・?」
周囲の同級生たちは思い思いの場所で食事を摂っていた。
いつの間にか英語の授業は終わり、昼食の時間になっていたらしい。
眼前の少女もまた、小さな弁当箱を手にしている。
どこぞに移動する途中、全くの偶然においてミサキの独白を耳にしてしまったのだろう。
「ねぇ、天野さん。今言った『マサちゃん』って何?」
計らずもミサキが発してしまった単語に、彼女はいたく興味を抱いたようだ。
(まずい…)
冷たい汗が全身を伝うのをミサキは感じた。動悸も激しくなっている。
何としても誤魔化さねばならない。
どのようにして事態を収拾すべきか。
秀才との誉れ高い天野ミサキの頭脳が猛烈な勢いで稼動している。
脳裏に浮かんだ幾つかの案を瞬時に取捨選択し、やあやって最善の弁明を導き出した…はずであった。
ミサキが発した次の言葉は、本人の意思とは関係なく、彼女の運命を狂わせていくことになる。
「え…えっとね…。あれはね…伊達政宗のことなの。最近…そういうのに…ハマってて・・・アハハ…」

傷を塞ぐための処置によって更に大きな傷を負う。人間の悲しい性である。
249464:2009/07/19(日) 03:03:12 ID:ghQEDzGE
Episode U 邂逅

「ホラ、この店は品揃えがいいのよ。アンタも何本か借りてって勉強しなさい!」
「先輩、こういうハード過ぎるのはちょっと私には…」
「何をカマトトぶってんの。そんなんだから未だに処女なのよ!」
「そ、それとこれとは関係ありません!」
「い〜や! おおいに関係あるね! こういうの観て度胸を養なわなきゃ一生処女のまま!」
「そんなことないです! 絶対ないです! そのうち私だって素敵な人とSEXするはずです!」
町外れのレンタルビデオ店。
その「成人向けコーナー」にて二人の若い女性が口論していた。
女子大学生・濱中アイと、その先輩たる中村リョーコの両名である。
会話の内容から推察するに、先輩のリョーコが「過激な作品」の鑑賞を勧めているのに対し、
後輩のアイはそれを頑なに拒んでいるようだ。
押し問答は20分ほど続いていたが、やあやって一応の決着を見た。
アイが手ぶらなところをみると、彼女に「過激な作品」はまだ早いという結論らしい。
その代わりといっては何だが、リョーコは山のようにDVDを抱え込んでいる。
「先輩、そんなにたくさん観れるんですか…?」
「全部観るわけじゃないからね。実用に耐える『要所』にだけ用があるのよ」
「はぁ・・・」
レンタルの手続きを済ませるべくレジへ向かった二人は、そこで意外な人物と遭遇することとなる。
「あれ、ミサキちゃんじゃない?」
「あ・・・。アイ先生…中村先生も…」
天野ミサキであった。
家庭教師の教え子を通じて、アイとリョーコの両名はミサキと面識があるのだ。
「ふ〜ん。アンタもビデオ借りに来たの? ま、ここ穴場だからね。SMものとか?」
「もう、先輩! ミサキちゃんに限ってそんなわけないでしょ! ねぇ、ミサキちゃ…」
リョーコの軽口を笑いながら受け流そうとしたアイだったが、ミサキの様子を見て言葉が途切れてしまう。
顔を逸らし、眼が泳いでいる。知人に出会ったことに動揺しているのは明らかであった。
「まさかミサキちゃん…本当に…? 駄目よ! 法律に違反しちゃうわ! 18歳まで我慢しなさい!」
「ち、違います!そんなのじゃありません!」
早とちりしたアイが繰り出す的外れな諫言を、ミサキが真っ赤になって否定する。
それを面白そうに眺めていたリョーコが口を開いた。
「ま、アンタにそんな度胸は無いでしょ〜ね。じゃあ、何を借りたわけ?」
「そ、それは…」
ミサキは手にしたDVDを背後に隠そうとしたが、その動きはリョーコに先読みされており、成すすべなく手中のものを奪い取られてしまった。
「返して下さいッ!」
「ど〜れどれ、今時の娘はどういうプレイが好きなのかしらん」
泣き声のミサキが必死に抗議するが、リョーコは気にも留めない。
「先輩、いけませんよ!」
アイも口では注意するが、リョーコの行動を止める様子はない。ミサキの借りたDVDに興味津々のようだ。
そして、ミサキが秘匿しようとした事柄は無残にも白日の下に晒されることとなる。
「え〜と、なになに…。『独眼龍政宗』…?」
「それって確か、某大河の…」
「そうよ。ミサキ、あんたって見かけに拠らず渋い趣味を……うわッ!?」
ミサキを顧みたリョーコはそこでおおいに狼狽した。
「うぅ〜…ッ! ううううっううっうぅ・・・」
二人の心無い所業に耐え切れず、ミサキが大粒の涙を流していたのだ。
250464:2009/07/19(日) 03:07:35 ID:ghQEDzGE
これで前半です。
後半は連休中に何とか。
半端ですみません。
251名無しさん@ピンキー:2009/07/19(日) 12:41:51 ID:OCr/08Rg
うーん、ここからどう話が展開するのか、楽しみにしています。
252名無しさん@ピンキー:2009/07/19(日) 17:46:30 ID:IU3qpF46
今までにないパターンで笑った。
253名無しさん@ピンキー:2009/07/19(日) 22:52:33 ID:cYoQsk5p
>>227
それ良い!
退行したシノとか可愛すぎる
254名無しさん@ピンキー:2009/07/20(月) 13:01:52 ID:upDW2Sef
牛柄パジャマ
255名無しさん@ピンキー:2009/07/20(月) 13:55:39 ID:RrEc32uZ
これは期待できそうだ( ゚∀゚)
ミサキがこれからどうなるのか楽しみだ。
256名無しさん@ピンキー:2009/07/20(月) 13:57:58 ID:/LbpmyHx
まだKB数>レス数か
今スレは凄まじく順調だな
257名無しさん@ピンキー:2009/07/20(月) 19:02:07 ID:EgVP2I+W
464氏復活!&乙

>>256
新世代職人とPK砲が良いペースで投下してくれてるよな
最盛期は1ヶ月でスレ消費という異常事態だったが
258名無しさん@ピンキー:2009/07/22(水) 11:25:41 ID:HI6m2vl1
郭氏はまとめれば本が一冊出せるくらい書いてそうな予感
259名無しさん@ピンキー:2009/07/22(水) 17:17:23 ID:6BVVkxrP
実際どれくらいの総量なのかね
260名無しさん@ピンキー:2009/07/22(水) 21:30:24 ID:VwR+C99J
郭夫妻とピンキリ氏とトマソン氏と518氏の作品を合わせたら
京極夏彦級の大厚三巻くらいは楽に行くだろねw
だけどたしか以前郭氏は旧作を個人の楽しみで手直ししたり
リミックスしたりしてると発言されてるし没作もあるようだから、
実際の作品はもっと存在するのかもね。恐ろしいw
261名無しさん@ピンキー:2009/07/24(金) 14:57:40 ID:w/e1+RUt
マターリ
262名無しさん@ピンキー:2009/07/25(土) 17:34:55 ID:UGN/NXBJ
ふじわらのかマターリ
263名無しさん@ピンキー:2009/07/26(日) 07:16:47 ID:2rbJVcIS
シノとミサキ繋がりで生徒会と濱中のコラボSSが読みたいっす
あかほんはコラボ多いのに
264名無しさん@ピンキー:2009/07/27(月) 00:36:37 ID:7phXvelh
あかほんは連載が短期で終了したからコラボで書かないと
上手くストーリーを回せないんじゃないか?
逆に生徒会は萌要素やカプ幻想がありまくるから
コラボらなくてもストーリーが成立する気がする
265名無しさん@ピンキー:2009/07/27(月) 02:02:27 ID:fddbJnbY
シノとミサキの百合は読んでみたい
266名無しさん@ピンキー:2009/07/27(月) 16:11:44 ID:gNSVL87i
あかほん面白かったけど唐突に終わっちゃったからなぁ……どれくらい唐突かと言うとタカヤが異次元に行ったりリボーンがバトル漫画になった時くらい唐突だった
そして最終回の時の氏家コメントを見て本気で心配したわ
267名無しさん@ピンキー:2009/07/27(月) 16:18:39 ID:rbJ0456X
まああかほんに関しては本当にネタもなかったんだろうな
濱中連載後三か月くらいでスタートだったから、準備期間もほとんどなかったわけだし

>>265
そーいえばこれだけSSが多いのに百合系はあんまりないな
268名無しさん@ピンキー:2009/07/28(火) 01:21:41 ID:7nIiGPsz
最盛期には百合モノのスペシャリスト、マリリスト氏がいた。
あまり百合モノは好きじゃない自分も大いに楽しめた。
あの頃は色んなタイプの職人さんがいたね。
269名無しさん@ピンキー:2009/07/28(火) 03:47:49 ID:rZwVViFz
連載本数とこのスレの賑わいは比例するのかもしれん
270名無しさん@ピンキー:2009/07/28(火) 11:35:25 ID:3DTyKsK+
そりゃそうだ連載本数が多いほどネタが増えるわけだし
271名無しさん@ピンキー:2009/07/28(火) 13:15:01 ID:IfD0FHU/
そういえば女男女の3PSSはあっても男女男のSSはほとんどないね。
コレも何となく氏家らしいけどw
272名無しさん@ピンキー:2009/07/28(火) 15:49:18 ID:rZwVViFz
男女男は鬼畜っぽい感じになっちゃうから書きにくいんじゃないだろうか
273名無しさん@ピンキー:2009/07/28(火) 16:48:56 ID:PAiKPVWW
漫画は下ネタなのに二次SSはおとなしめ
同人的・即物的・一方的なエロよりキャラ像と雰囲気重視なエロ
初期がそうだったから今もそう、という部分はあるはず


氏家キャラが凌辱されたり淫乱堕落したりな展開だと多分個人的にはヌケずに萎えると思う
なんというか、この気持ちをうまく説明できないが…
274名無しさん@ピンキー:2009/07/28(火) 23:04:34 ID:ciXdz4IA
我々は氏家漫画に純粋に「萌えている」のではないだろうか云々
275名無しさん@ピンキー:2009/07/29(水) 23:32:01 ID:XlGnV0Gi
つまりマターリ、フワーリが好きってことなんだよね
276名無しさん@ピンキー:2009/07/29(水) 23:35:53 ID:d/jMb1Zn
そろそろ投下がないと禁断症状が出そう
277名無しさん@ピンキー:2009/07/29(水) 23:47:55 ID:RsHiRII6
なるほど、これが「萌え」か…
278名無しさん@ピンキー:2009/07/29(水) 23:58:32 ID:BO9GNbg/
純粋な奴ら
279名無しさん@ピンキー:2009/07/30(木) 01:21:15 ID:z1y6tMKD
「なんて純情可憐な奴らなの!!」
280名無しさん@ピンキー:2009/07/30(木) 15:26:30 ID:T2Rc+ngY
>>273
なんとなくだが理解できる。
以前濱中の陵辱モノSSを読んだのだが萎えたことがあるので。

陵辱モノは結構好きなはずなのだか……
281名無しさん@ピンキー:2009/07/30(木) 17:01:34 ID:P7kVqVne
これも氏家の人徳?か
282名無しさん@ピンキー:2009/07/30(木) 17:28:17 ID:o2froMUH
>>280
姦詰工場だっけ?
アヤナがレイプされて、逆恨みでミサキも被害に遭うやつ

生徒会で凌辱なら
狂ったタカトシにコトミが(ry
政略結婚の嫁ぎ先でアリアが(ry
シノがタバコを注意した不良男子生徒たちに(ry
スズが頭脳を嫉妬されてクラスの男子どもに(ry
他校との練習でムツミが(ry
283名無しさん@ピンキー:2009/07/30(木) 18:34:05 ID:AgD7DJeq
今週のは乱交フラグか
284名無しさん@ピンキー:2009/07/30(木) 18:42:50 ID:wIwGVVlo
結局どの漫画でもどのゲームでも似たパターンのエロになっちゃうからな>レイープ・凌辱・鬼畜系
エロ同人においてはそれが正解でもあるが…氏家キャラは二次においてそういう需要や適性がないんじゃないだろうか
単純な欲望の源にならならい、つまりある意味「色気」がない、とw


だがそれはそれで漫画としては幸せかもしらん
285名無しさん@ピンキー:2009/07/30(木) 20:34:41 ID:6juvk/OD
だからト全先生はエロ同人と無縁なのか。三大少年誌で萌えアリの作風でエロ同人無しはかなり稀ではある。

見掛けたら買っちゃうと思うけど。
286名無しさん@ピンキー:2009/07/30(木) 23:05:04 ID:Q+SsPcX7
一時期どっかの掲示板でここのSSを基にした同人書くとか言ってた人いたよね。
郭氏はOK出してたんだけど結局立ち消えたんだ。
287名無しさん@ピンキー:2009/07/31(金) 00:07:09 ID:oNAy2iFb
その同人誌期待してたんだけどなぁ。
今まで氏家作品の同人って見たことなかったから楽しみにしていただけに、自然消滅したのは残念だった。
288名無しさん@ピンキー:2009/07/31(金) 00:23:30 ID:+zTcU8+S
同人誌でシンジ×カナミ見たいなぁ
289Y-275:2009/07/31(金) 01:44:49 ID:P4be3+bS
ご無沙汰してます。
今週号を読んでネタ投下します。
スルー対象ワードは、
「序章」
「勢いのみ」
「1レス」
「エロ無し」
です。
多分、来週号を読んだら書けなくなってしまうので、
以前郭氏がおっしゃったように、鮮度命で行かせていただきます。
290Y-275:2009/07/31(金) 01:45:57 ID:P4be3+bS

「と、言うわけで、第1回タカ兄争奪チキチキ…えーと…」
「無理してボケんでよろしい!!」
「てへへ…」
やけにハイテンションな我が妹を窘める。
台風の暴風雨が吹き荒れた空模様のせいで、兄妹2人で過ごす予定だった夜は賑やかになった。
「面白そうだな。」
会長と
「勝負だね、シノちゃん。」
七条先輩と、
「津田を賭けてってのは、気に喰いませんが、勝負事に負けるのは私の主義ではないので。」
萩村。
だったら参加すんなよ。
喉元まで出かかった言葉はよりによって飲み込む。
まぁ、何と言うか、桜才学園に入学して、生徒会に入って身につけた処世術という奴だ。
なにせ、変な方向に流れて行く話を、俺が修正出来た試しが無い。
入学当初の会議のはずが、会長プレゼンツ校内案内になった時点で悟った俺の限界。
悲しい限りである。
「さてさて、タカ兄の胃袋を見事篭絡したお三方ですが、」
無理して難しい言葉を駆使しながら、勝手に場を仕切るコトミ。
「3人で作った料理と言うことで、勝負はイーブン。正々堂々、決着をつけようというこの企画です。」
ハイテンションを保ちながら、全ての説明を言い終える。
というか、冒頭の第1回なんちゃらをかみ砕いただけのような気がするのは、気のせいでは無いはず。
「ルールは簡単、この紙にそれぞれ、タカ兄としたいことと名前を書きます。」
コトミの手には4本のアミダクジが掲げられる。
「ちょっと、待て4本!?」
「ん、あってるよ、ほら4人いるじゃん。」
言われて、部屋を見渡す。
1、2、3、4……
いや、確かに4人いるけどさ…
「コトミも参加する…のか?」
マヌケな声をあげる。
「モロチン!!やばい、噛んじゃった。」
「絶対わざとだろ…」
もはや、ツッコミ等というレベルでは無い、呆れの声が俺の口から漏れる。
「何て言うか、お約束かなって。」
てへへなんて言いながらコトミが後頭部を掻く。
おまえはどこかの駆け出しアイドルグループの中学生か!!
なんて心の中で悪態をつく。
「まぁ、良いや。続けるね。その行為を経て、見事タカ兄を落とした人が勝負有りということで。」
全く良くない事、この上無い限りである。
とりあえず全面的に俺の意志はスルー。
かつ、俺の人権が蹂躙されるのは確定的なようだ。
主にどう転んでも、損をするという意味において。
目の前で女性陣4人はジャンケンでの順番決め、アミダクジに書き込む行為を行っていく。
「それでは、正々堂々勝負だな。」
「2人には負けないよ。」
「1番になるのが、私の流儀ということで。」
「タカ兄を熟知した私の力を見せてあげますよ。」
何故に皆やる気満々なのか?
嗚呼、千の時間と万の言葉を用いて問い正したい。
こうして、表の台風さながらの嵐の夜は幕を開けた。

………………………………
291Y-275:2009/07/31(金) 01:54:46 ID:P4be3+bS
とりあえず以上です。
アリアから順に、スズ、コトミ、シノの順番に行く予定です。
ネタの引用元はヤンマガでやってる某双子姉妹の出て来る漫画です。
なんか、そんなことを交えつつ妄想してたら、面白くなりそうなので。
ぶつ切りで申し訳ないですが、小分けに投下する予定です。
なんとか、来週いっぱい位までが目標です。

駄文乱文失礼しました。
それでは、失礼致します。
292名無しさん@ピンキー:2009/07/31(金) 05:07:06 ID:NmvFRjYk
>>286
どっかの、っていうかここじゃなかった?
全盛期の頃だった気が
293名無しさん@ピンキー:2009/07/31(金) 08:32:39 ID:WbshU8z6
俺にも画力があれば…っ!
全てをなげうってでもそれに費やすのに…っ!
294名無しさん@ピンキー:2009/07/31(金) 10:26:05 ID:qF6MwnYD
>>289
乙です。今後の投下をお持ちしてます。
295名無しさん@ピンキー:2009/08/01(土) 10:00:43 ID:WpoGyo0Z
Y-275氏GJ!wktkして待ちなさいということですね?ええ待ちますともw

画描きじゃないんだが仮に同人化するならやっぱり郭氏かピンキリ氏なんだろうな。
518氏や乖離氏やトマソン氏のような独特の文体の持ち主だと、画化は難しいと思う。
296名無しさん@ピンキー:2009/08/01(土) 14:26:59 ID:jgRSUrws
モロチン
297名無しさん@ピンキー:2009/08/01(土) 15:54:43 ID:FoKUkcae
Y-275氏乙

>>295
そうか?
台詞より地の文が長く、心理・情景描写が多い方が逆に絵にするのが辛そうだと思うのは素人考えなのだろうか
298名無しさん@ピンキー:2009/08/02(日) 00:12:40 ID:wO1o+x6P
漫画にしなくてもいいから、誰か一枚絵でいいから描いてみてくれないかなあ
299名無しさん@ピンキー:2009/08/02(日) 12:22:53 ID:MPVyKmAx
思春期の本スレで最終回後に何本かネタを投下したことならあるが
300名無しさん@ピンキー:2009/08/02(日) 18:07:50 ID:wF79QsMA
職場の絵がうまい人にカナミを描いてもらった事ならある。
非エロ、顔のみだが。
301名無しさん@ピンキー:2009/08/02(日) 20:39:05 ID:/BH/R/6o
アカボシ氏が確か絵を描いてたな、同人誌かゲームを作るとかでスレから引退されたはず
最近の更新はないみたいだが、サイトは健在だったよ
302名無しさん@ピンキー:2009/08/02(日) 23:01:33 ID:60YuCIHp
>>299
kwsk
303名無しさん@ピンキー:2009/08/02(日) 23:23:54 ID:MPVyKmAx
>>302
こんなのを数本投下してた
http://gban.jp/i/2cg42u3
304名無しさん@ピンキー:2009/08/03(月) 16:36:26 ID:qsPRryRg
>>301
そーいやピンキリ氏もアカボシ氏に絵を贈ってたな
305Y-275:2009/08/04(火) 01:26:06 ID:09yacEe+
皆さんお疲れ様です。
>>290の続き。
一人ずつ区切って週末から投下するつもりだったんですが、思ったより時間がかかっちゃいました。
なので、まとめてアリアとスズのを投下。
306Y-275:2009/08/04(火) 01:27:46 ID:09yacEe+
アリア編 (抱擁)
「というわけで、一番最初は私ね。」
どうやら、トップバッターに決まったらしい七条先輩がそう宣う。
「ということで、アミダクジいきましょうか。」
相も変わらず司会進行のコトミの言葉で場は流れて行く。
「ふむ。まぁ、妥当か。」
結果を受けての会長の声が聞こえる。
果たして何が出たのだろうか。
一切こちらに公開はされないので、俺としては怖いものである。
「発表します。七条先輩の項目は抱擁です。」
やたらめったら、高いテンションのコトミ。
そんなコトミの口から語られた項目は「抱擁」
…………要はアレだ、七条先輩と抱き合うわけだ。
一体誰だろうか、こんな事を書いたのは…
「これ書いたのは誰だ?」
はからずも俺の考えと一致したのか、会長がそんなことを言い出す。
「……私です。」
そして、控えめに上がる手。
見れば、頬を染めながら、萩村が手を挙げている。
「なんか、普通過ぎてつまんないよ〜」
萩村の自己申告を受けて、コトミが言う。
いや、おまえ失礼だろ…
心の中で毒づく。
俺としては人知の及ぶ範囲で非常に助かったのだが。
「ま、スズちゃんらしいね。」
俺に向かって一歩踏み出した七条先輩が言う。
「スズちゃんはツンデレだもんねー」
続くのはそんな言葉。
無邪気。
というか、天然。
果たして一般にツンデレという言葉がどこまで通用するのだろうか?と思う。
ある種世間ズレしたお嬢様とこれから抱き合うわけだ…
そうなると、どうしてもある事が脳裏を掠めるわけで…
「タカ兄……さっきから七条先輩の胸チラ見してますよ。」
「うむ。……くっ、やはり胸か……!!」
そこ、事実だとしてもそういうことはスルーしていただきたい。
俺だって健康な男子だ。
そう…先程からすごく意識してしまうのは、七条先輩の胸。
冬服であろうとも、強烈に自己主張する七条先輩の胸。
その胸が自らの身体を押し返す事に思いを馳せ…じゃなかった、その事が大いなる問題な訳で…
なんだかんだ、状況を楽しんでるじゃん。みたいな言葉は言わないでいただきたい。
すごい巡り会わせだなと思う。
よりによって七条先輩と抱き合うことになるかね…
せめて、本人の希望通り萩村となら気にならな…
「萩村先輩、タカ兄何か失礼な事考えてますよ。」
「あら、興味深いわね。」
くはないな。うん。
307Y-275:2009/08/04(火) 01:29:23 ID:09yacEe+
余計な事を萩村に吹き込もうとするコトミの声に、俺は一切の考えを破棄する。
「あの…津田君…そろそろ…」
「あ、あぁ、すいません。七条先輩。」
周りにばかり気を散らして、一行に進まなさそうな空気を察したのか、七条先輩から声をかけられる。
「それじゃ、ハイ」
そう言って、自らの手を伸ばす七条先輩。
妙に乗り気な七条先輩を前に、やらなくて済ませる方法など無いんだろう。
そう思い、俺は覚悟を決めると、七条先輩と同じように、手を延ばして抱きしめる。
「……………………」
そうした先にあるのは、予想を遥かに超える勢いで自己主張して来た2つの膨らみ。
「どう、津田君?」
「…………!!」
だが、それ以上に耳の側から感じる七条先輩の息遣いや、良い匂い。
それから、抱きしめた腕から伝わる女性特有とでも言うべき柔らかさ…
どちらかと言えば、そちらの方が遥かに深刻な問題であった事が良く分かる。
クラクラと頭に酸素が回らなくなる感覚。
血の巡りが明らかに下半身に偏る感覚が良く分かる。
一瞬でも気を抜いてしまえばやばくて…
「あれ?」
それは七条先輩にも伝わったのだろう。
綻びを見つけたかのような、七条先輩の声が耳元で聞こえて…
「……………っ!」
俺は慌てて七条先輩から体を離してしまう。
「半勃ち……」
「……半勃ちか…」
「半勃ちですね。」
「…………………」
……それが結果、1番取ってはいけない行動であることに気づいた時には、遅かった。
辱めを受けて、固い殻の中に、閉じこもりたい気持ちになった。

………………………………
308Y-275:2009/08/04(火) 01:30:50 ID:09yacEe+
スズ編(ディープキス)
「さて、じゃあ、続いて萩村先輩のクジいきましょうか。」
8月の北半球と南半球かと言わんばかりの女性陣と俺との温度差など、
あたかも鼻から存在しないかのように、進行のコトミが告げる。
何かうまい例えでも出して、現実から逃げよう等という俺の例えは完膚なきまでに失敗に終わる。
先程、針の筵状態から身を守るように体育座りに移行した俺は、俎上の鯉が如く…
いや、もう良いや。
きっと、これが欝という感情なんだろうな……
「萩村先輩は……ディープキスです。」
「……ふむ。引き当てられなかったか…」
コトミの発表に続いたのは会長の声。
ああ、それを書いたのは会長なのですね…
ディープとか、余計な事が、キスの前につくあたり、非常にあなたらしいです。
それでも、レロチューとかじゃないだけ…
今度は、半ばやさぐれだす俺だったりする。
「あんたには、同情するわ…」
俺の目の前までやって来て、萩村がそう告げてくる。
「…ありがとう萩村。」
そんな萩村に一言だけ言葉を返す。
「…でも、ゲームはゲームだから…七条先輩の時の、アンタのあんなリアクションだけ見せられて、
引き下がるのも酌だし。」
それでも、引き下がるという意志は萩村には無いみたいだ。
負けず嫌いなんだよなぁ…
同じ下級生の生徒会役員として、そして、今年同じクラスになって…
その中で知った萩村の性格。
ホントに萩村らしいな。
「……?どうしたの?」
そんな考えが表情に出ていたのだろうか?
萩村に声をかけられる。
「いや、萩村らしいなと思って、さ。」
「……っ!何でも知り尽くしてるかのような言い方はしないで!!」
で、七条先輩の言葉を借りるところのツンデレ。
正に俺の知ってる萩村だと思う。
そう思えば気分は幾分、楽で、
「それじゃ、キス…するぞ?」
わざと雰囲気をだしながら萩村に問い掛ける。
309Y-275:2009/08/04(火) 01:32:34 ID:09yacEe+
「早くしなさ……んっ、ちゅっ……」
萩村の返答が返ってくるよりも先に、萩村の唇に自らの唇を重ねる。
「ちゅっ……っ、ふ、ちゅ…」
徐々に啄むように。
先程、七条先輩を抱きしめて慣れた部分もあるのか、顔にかかる吐息は、さほど気にならない。
「ん、ちゅ、ちゅ……っ、ちゅ」
それよりも、唇から伝わる熱というか、独特の感触が気持ち良くて、夢中になっていく…
「キスって思った以上に見ててエロいですね。」
「あ、あぁ…」
外野の声が聞こえる。
「ていうか、私の時に比べて、時間長くない?」
「まぁ、あれは事故が…」
七条先輩の不満の声を打ち消すように、会長が言う。
もう蒸し返さないでいただきたい。
俺は心の中で思う。
「でも、まだ本題にもいってないですし…タカ兄、ディープだよ、ディープ!!」
コトミの声が聞こえる。
そういえば、そうだったな。
「ん……ふ、ちゅっ、ちゅぷ…れろ、ちゅっ、……っ!」
その言葉を認識すると、俺は舌を伸ばして、萩村の口内に侵入する。
「れろ、ちゅぴ……ふ、ん、ちゅっ、れろっ……」
控えめながら、何度か萩村と舌を絡ませて、唾液の交換を行う。
他人の唾液を口にするというのは初めてだけれど、決して不快ではない事に、不思議な気持ちになる。
「ちゅっ、ちゅふ、れろっ、ふ……っ!」
徐々に、絡める舌を激しくする。
軽く開いた目に飛び込んでくるのは、目を閉じた萩村の顔。
長い睫毛がひどく印象的で、凄く綺麗だと思う。
見た目は、本当に同い年か?と疑いを持ってしまうほどの容姿の萩村だが、
その容姿とは裏腹に整った顔のパーツのひとつひとつが芸術品の様に思える。
「ふ、ん……ちゅっ、れるっ、れっ……ちゅる、ちゅぷ……っ!」
最初はゲームだからと、始めたはずなのに、気付けば夢中になってしまっている俺に気付く。
普段は一切、意識などした事が無いのに、物凄く萩村の事が気になってしまう。
「ちゅっ……れるっ……ちゅふ……ぷはっ……」
そんなことを思いながら、暫く続けていたキスは、どちらからとも無く、離れて行く。
名残惜しさを感じながら。
「……………………」
唇を離した後、萩村は何も言わなかったが、頬を赤らめている様も、やっぱり無茶苦茶綺麗だった。

………………………………
310Y-275:2009/08/04(火) 01:35:45 ID:09yacEe+
今晩は以上です。
ホントはそれぞれを1レスくらいで纏めて…なんて思ってたんですが、中途半端な長さに。
なんだか、日を跨いで書いてるので、最初のテンションが保ち切れていない感じは満載ですが、
よろしくお願いします。

それでは、また後日続きを。
失礼致します。
311名無しさん@ピンキー:2009/08/04(火) 10:36:02 ID:NR4j3wLC
乙です
焦らずマターリいきましょう
312名無しさん@ピンキー:2009/08/04(火) 20:38:50 ID:d0M3Ya3/
いいなあ、これ 何か妙にエロい
313名無しさん@ピンキー:2009/08/05(水) 17:38:41 ID:4wz2NTeE
乙っした
無理なくマイペースでがんばってください



上で絵の話があったけど、確かにここのSSを読んでると挿絵が欲しくなるなw
314名無しさん@ピンキー:2009/08/05(水) 21:32:25 ID:fIMyK3iU
乙です。続きが非常に楽しみです。
315Y-275:2009/08/05(水) 21:53:55 ID:jdItwtVO
お疲れ様です。
>>309の続き投下します。
316Y-275:2009/08/05(水) 21:55:14 ID:jdItwtVO


コトミ編(乳揉み)
萩村とのキスを終えて、なんだか、気恥ずかしいような、何とも言えない空気に包まれてしまった。
「はい、はーい、次は私の番でーす!!」
そんな強烈な自己主張いらねーんだよ。
と、思わず心の中で毒づいてしまうほど、本日ずっと見てきたハイテンションなコトミ。
「アミダクジいきます!!」
司会進行役自らのターンを迎えて、正しく独壇場で場を支配して行く。
で、気になる結果なのだが…
『乳揉み』
なんだか、見てはいけない文字が並んでいる気がします。
「…えーと、ちなみに、どなたのご意見でしょうか?」
俺は女性陣にお伺いをたてる。
「私。」
うん、だろうね。
自ら申告して来た七条先輩を一瞥する。
「津田君を落とすのが趣旨なんだから、駆使できるものは駆使しないとね。」
─ピシッ─
瞬間空気がひび割れるような感覚に教われる。
…怖いので、これ以上のコメントは差し控えさせてもらおうと思う。
触らぬ神になんとやらだ。
「と、言う訳でサクッといこうタカ兄。」
サクッと行けたら苦労しないんだけどな。
苦笑してしまう。
実の妹の胸を揉むことになる日が来るとはまさか思わなかった…
「さ、タカ兄、早く!!」
何故、こうも女性陣は乗り気なのだろうか…
そろそろ、洒落にならないものが混ざりはじめた今、俺は辞退したいのだが…
「昔、一緒にお風呂も入ってたし、今更でしょ?」
渋る俺にかけられる言葉。
「それとも、妹の事を意識しちゃってるのかな?かな?」
くそ、なんだ、そのハイテンション。
そのツインテールの両端を持って、つむじから真っ二つに裂いてしまいたい。
そんな感情が沸々と沸き上がる。
「だーっ、分かったよ!!」
俺は一声あげて、気合いを入れる。
317Y-275:2009/08/05(水) 21:56:13 ID:jdItwtVO
「そうそうそれで……っ、ふあっ!!」
「……っ!コトミ……!!」
それで、意を決して、コトミの胸に俺の手が触れると、思いもかけないコトミのリアクションに、俺はドギマギしてしまう。
そこから、俺は、コトミの胸の重みを感じながら、ゆっくりと手を動かしていく。
「……んっ、ふっ、あ……ふあっ…」
いや、気づいていなかった訳ではない。
分かっていた。
その…コトミの胸は大きいのだ。
ずっしりと、俺の両手に重みを伝えてくるの等、朝飯前なのだ。
「ふあっ……っ!ふ……」
改めて、その事を意識してしまうと、コトミの胸に触れる手に自然と熱が篭ってしまう。
それはコトミにも、確実に伝わってしまうわけで…
「タカ兄は……っ、ふあっ、妹の、っ、おっぱい揉んで興奮しちゃう変態さんなんだね……っ!」
そんなことを宣う。
「…………うるせぇ」
バツが悪くなった俺はそれだけ呟くのがやっとだったりする。
「いや、1度言ってみたかった……ふ、あぅ、だけ、なんだけどね…」
俺を茶化すようなコトミの声。
考えれば考えるほどドツボに嵌まってしまう。
熱を帯びるのは手だけじゃなくて、お恥ずかしながら、本日2度目の、下半身に血が収束していく感覚。
「タカ兄、あ、……っ、さえ、よければ…また……」
暫くそうして、コトミの胸を揉んでいると、コトミの口からそんな言葉が漏れる。
「………………っ!」
「「はい、終了!!」」
コトミの言葉を遮るように、会長達がコトミを引きはがす。
「コトミ、その発言はアウトだ。」
その後でそうコトミに告げる会長。
正直助かったと思った。
あのままだとどうなっていたかわからない。
はからずも会長達に救われた形になった。
妹に手を出す人の道から外れた道が待っているところだった。
コトミの胸に触れて、俺はひそかに興奮を覚えてしまったのだから。


………………………………
318Y-275:2009/08/05(水) 21:59:58 ID:jdItwtVO
本日は以上です。
相変わらず1レスに纏めきれないグダグダっぷりが申し訳ないです。
次で終わりなんて思ってますが、どうなることやら。

それでは、駄文乱文失礼しました。
失礼致します。
319名無しさん@ピンキー:2009/08/05(水) 22:40:23 ID:vTlJvxrY
GJ
あとはもうアソコ触りあうしかないじゃないか!
320名無しさん@ピンキー:2009/08/05(水) 23:00:41 ID:gRKlITxT
Y-275氏、乙です。会長を楽しみに待ってます

>>319
この世にはまな板ショーというものがあってな(ry
321名無しさん@ピンキー:2009/08/07(金) 17:33:50 ID:7yCGnA0S
乙でした
楽しんで書いてる雰囲気が伝わってきます
322Y-275:2009/08/08(土) 02:09:44 ID:gLA3uzMN
こんばんわ。お疲れ様です。
>>317の続き、一番最後を投下します。
323Y-275:2009/08/08(土) 02:11:58 ID:gLA3uzMN


シノ編(兄妹プレイ)
ここまでを終えて…
七条先輩……気まずい(性的な意味で)
萩村……気まずい(主に甘酸っぱい感じに)
コトミ……気まずい(兄妹的に)
一応勝負事として、各々が真剣に挑んでいるのだから、ここまでを一応自分なりに総括してみる。
本音を言えば、エスカレートする行為に、脳はショート寸前で、頭の中で纏めておかないと、
不意に感想を求められた時に袋だたきにされそうだからに外ならないのだが…
「さて、それじゃ、最後に、会長のいきましょう!!」
そういうときに限って、完膚なきまでにスルーしてくれるのが、俺の周りの女性陣である。
「最後なんで、もうそのままいきます。ハイッ!!」
勢いよく、内容が発表される。
『兄妹プレイ』
ちょ……!
消去法で書いたであろう人物を突き止め、そちらに視線を向ける。
「いや、妹萌えは必須かなって。」
俺の視線を感じて、コトミが後頭部を掻く。
「それで、墜ちないのは、城島さん家のシンジさんぐらいだよ。」
「誰だよそれ…」
聞いたことも無い名前に俺は疑問符を浮かべる。
「お兄ちゃ〜ん!!」
そんな俺の体に不意に重みがかかる。
まぁ、言わずもがなやる気満々な会長のせいだ。
「お兄ちゃん、遊ぼ?」
…………………………
思わず心の中で3点リーダーを大量に発生させてしまう。
ドン引きして絶句したわけではない。
普段クールな会長が、俺をお兄ちゃんとよんで、小首を傾げた様があまりに……
「どうしたの?お兄ちゃん?」
そんな俺の様子に、再び小首を傾げながら、会長が言う。
その様は反則だと思う。
いつぞやコトミに言われた、退行萌えとはこういうことなのだろうか?と思ってしまう。
「シノねー、生徒会長頑張ってるんだー。」
なんだか、アホの子のようにも思えてしまうのだが、普段の会長を知っている分だけ、
ドツボに嵌まってしまう。
何故にここまでノリノリで、恥ずかしげも無く、自らのキャラを崩せるのか?
そして、会長の演じている、この妹キャラの元ネタは?
甚だ疑問である。
「ね?シノ偉いでしょ?」
そんな疑問を一撃で吹き飛ばす会長の妹キャラ。
破壊力は抜群なのである。
「あ、あぁ…」
狼狽気味に、会長に返事をする。
「ね?撫でて?シノの頭。」
慣れない。
本当に慣れない、自らを下の名前で呼ぶ会長。
それでも、俺は会長の求めに応じて会長の頭を撫でる。
「………♪」
頭を撫でられてご機嫌そうに、会長は目を細める。
会長の綺麗な黒髪が、指の間を抜ける感覚が気持ちが良い。
そして、ゴロゴロスリスリと俺の胸元へ、甘えるように、顔を擦り付けてくる…
その感触と共に、撫でる黒髪から、良い匂いが抜ける。
今までの事もあってか、そんな今まで見たことも無い会長の姿に、俺はKOされてしまうのであった…

………………………………
324Y-275:2009/08/08(土) 02:12:48 ID:gLA3uzMN

「さて、どうしたものか?」
タカトシを囲むようにしながら陣取った一番上座でシノが呟く。
気を失ったタカトシをいかにすべきかで頭を抱える。
勝負の結果は明らかなような気もするのだが、
「なぁ、私はどうすれば良いのだろうか?」
シノとしては難儀な事。
何故ならば、
「妹キャラの演技じゃなぁ…」
軽く溜息をつく。
他のメンバーは各々の魅力でタカトシに追ったのに対し、シノだけは自らと乖離した自分。
何となく、納得がいかないのである。
「まぁまぁ、シノちゃん…」
そんなちょっと落ち込み気味な親友にアリアが声をかける。
「そうですよ、会長。私達がすべき事は一つですよ。」
コトミが言う。
何となくそれぞれに腑に落ちない部分を残したままのゲームの終了。
何となく灰色決着。
アリアはアリアで、向こうから離れられてしまったし、
スズはスズで、何となく気恥ずかしさが先に立ってしまった。
コトミはコトミで、シノはシノ。
成すべき事はあるわけで、
「「「これからは、お兄ちゃんって呼ばないと。」」」
「3人揃って、その結論なのにはびっくり!!」
3人の言を受けて、スズのツッコミが部屋には響いた。
325Y-275:2009/08/08(土) 02:21:22 ID:gLA3uzMN
以上です。
エロで責め続けて、最後萌えで落とす的な感じで書いてみました。
退行萌えのリクエストに上手く応えられてるかは甚だ疑問ですが…
ホントは、細切れで今週号が出るまでに投下しきりたかったのですが、
思ったより時間がかかってしまいました。
最後にどんでん返し的な感じにしましたが、良好な反応が頂けて、とても嬉しかったです。

長々自分語り失礼しました。
それでは失礼致します。
326名無しさん@ピンキー:2009/08/08(土) 08:16:55 ID:5Ft92sFN
シノで妹キャラとか、その発想はなかったわw
ともあれY-275氏、乙でした。次の投稿をお待ちしてます
327名無しさん@ピンキー:2009/08/08(土) 19:28:14 ID:K4iHfuAc
いいなあ、エロくて。
328名無しさん@ピンキー:2009/08/09(日) 10:35:02 ID:2hCQpQCk

これぞエロパロ
329名無しさん@ピンキー:2009/08/12(水) 18:13:32 ID:8UWmMHze
静かだなー、と思ったら世間はお盆休みに入ってるんだよな
そりゃしゃーないわな
330名無しさん@ピンキー:2009/08/12(水) 23:18:04 ID:7bPfiCpg
あまりに静か過ぎて鯖移転(過去のトラウマ)を疑ってたぜ。
331名無しさん@ピンキー:2009/08/12(水) 23:40:38 ID:OPwkt4ug
今週の柔道部合宿なんか、いいネタになりそうだけどね
332名無しさん@ピンキー:2009/08/13(木) 19:57:46 ID:x4qtPCI8
リアルタイム(鮮度)とif(濱中の高校モノとか)で職人も傾向が分かれてるよな
333名無しさん@ピンキー:2009/08/16(日) 23:19:00 ID:j+Sxjizc
合宿でタカトシとムツミ急接近!
と、ならないところが氏家クオリティです
334名無しさん@ピンキー:2009/08/17(月) 00:20:09 ID:UdUbI2Y0
むしろ、フラグぽっきりと感じたのは自分だけですか?
335ピンキリ ◆UsBfe3iKus :2009/08/17(月) 00:38:37 ID:XCvZz8zT
お疲れ様です。
あかほんで小ネタ、スルー対象は「エロなし」「下ネタ話」です。
タイトルは『アイドルの怪談』でお願いします。
336ピンキリ ◆UsBfe3iKus :2009/08/17(月) 00:39:46 ID:XCvZz8zT
 学生には、夏休みがある。
だが、アイドルにはない。
より正確に言うと、「一か月以上のまとまった夏休み」がない。
何しろ初夏からお盆にかけては、生放送であったり、特番の収録であったり、
サマーフェスタのステージ出演であったりと、年末の収録ラッシュに次いで忙しいのだ。
 さて、ここに一組のアイドルユニットが存在する。
デビューから一周年を無事に迎え、CDを出し、ついこの前は写真集も発売した。
飛ぶ鳥を落とす勢い―――と、までは行かないが、着実にお茶の間に名前を浸透させていっている、
それぞれ小・中・高に通う女の子三人組の、そのユニットとは。
「暑ーい、ねぇ、服を脱いでいい?」
「誰に許可を取ってるつもりなの? シホ」
「ねぇねぇカルナちゃん、ちょっと算数の宿題見て欲しいんだけど」
 芸能事務所レイ・プリンセス所属。
メンバーは中学生の飯田シホ、高校生の如月カルナ、小学生の有銘ユーリ。
「くっそー、じゃあパンツとブラジャーだけ脱ぐか」
「……そのままで外に出ないでよ」
「カルナちゃーん、それでここの問題なんだけども」
 トリプルブッキング、略称“TB”である。


 TBは八月半ば現在、二週間程のオフに入っている。
つい先日まで、夏季の特別番組の録りでドタバタしていたので、やっと“夏休み”を味わえているというわけだ。
「うーん、暑いけど、仕事があった方がマシだなぁ」
「そう? この前は『疲れた』と叫んでスタジオでへたりこんでたのは誰?」
「いや、だってさ」
 シホはちょいちょい、とカルナの肩越しに指をさした。
その先には、事務所の机の上で必死に夏休みの宿題をやっているユーリの姿がある。
「ほら、課題が片づけられなかった時の言い訳になるじゃん」
「……まったく」
 カルナは溜め息をつきつつ、頭を左右に振った。
現在、コンサート等の大きな仕事がある時は、マンションで三人で生活をして準備を整えるが、
思えば、シホがそこで勉強の類に取り組んでいた場面を一切見た覚えがカルナにはない。
「私たちの本分は学生なんだから……。下手に成績を下げると、両親や事務所にも迷惑がかかるわよ」
「それはそーだけど……」
「明日でいいから、家から夏休みの課題を持ってきなさい。私が見てあげるから」
「うー」
 分が悪くなったのを悟ると、シホは周囲に視線を走らせた。
このままだとカルナの追求がますます厳しくなるので、何とかネタを探して話を逸らそうという魂胆だ。
「あ、しょ、しょうだ! お化け屋敷! ホラーショー!」
「何を突然」
「ほら、としまんこえんのお化け屋敷の仕事!」
「としま公園のお化け屋敷、でしょう。それが何?」
 特番収録だけが夏休み前の仕事だったわけではない。
遊園地として有名であるとしま公園は、毎年夏になると園内のお化け屋敷を大々的に宣伝するのだが、
そのキャンペーンガールのようなものにTBは選ばれたのだ。
選ばれた、と言っても、一週間日替わりで一日ずつ別々のアイドルが呼ばれて、
お化け屋敷の前で客の呼び込みをするだけであり、業界的なステータスが高い仕事では決してなかったが。
337ピンキリ ◆UsBfe3iKus :2009/08/17(月) 00:50:17 ID:XCvZz8zT
「あれ、凄く怖かったよねー」
「そうね、力を入れているだけあって、なかなかのものだったと思うわ」
「冷や汗で服も下着もびちょびちょになっちゃったよ」
「……で? 結局シホは何が言いたいわけ?」
 まだ二年にも満たない短い付き合いだが、カルナもシホがどういう人間かはわかっている。
手綱を緩めると暴走するし、締めすぎても結局暴走するので、ある程度緩やかに持ってコントロールすることが大切だ、と。
マネージャーである井戸田ヒロキの苦労を間近で見ていることもあり、そこから学んだ部分も大きい。
「だから、怪談」
「怪談?」
「そう、夏なんだから夏らしいことしにゃいと」
「なら夏休みの課題をしなさい」
 再びカルナは溜め息をついた。
シホのことだから、どう制止しても怪談を始めようとするだろう。
怖い話は好きではないが、苦手でもないのでその点はいいのだが、
問題は、シホが語る『怪談』が本当に怪談なのかというところにある。
「ほらユーリも宿題なんかほっといて、怪談大会しよう」
「えー、でも今日中にこのページだけは終わらせとかないと」
「いいからいいから。ユーリは芸能歴が長いから、そっち方面で怖い話とか知らない?」
「知らないこともないけど……」
 さらにユーリがいる。
この少女は、年齢の割にしっかりしてそうに見えて、強烈なボケをぶっ放す存在であり、
時と場合によってはシホ以上の『歩く火薬庫』であるとも言える。
「ふう……」
 カルナは事務所の入り口の側にあるスケジュールボードと、壁の時計に交互に見た。
三人のマネージャーである井戸田ヒロキは打ち合わせで外出しており、当分帰ってこないことになっている。
事務の三瀬エリコ、営業の小田も揃って不在で、現在事務所にいるのはTBと、社長の柏木レイコの四人だけということになる。
まさか社長にストッパーを頼むわけにもいかないので、その役目はカルナががっつりと背負わなければならない。
「それで早速なんだけど、講談TVの東棟の裏階段は『血が滴る階段』として有名らしいって話」
「えー、それ聞いたことないなあ、どういう話なの? シホちゃん」
「ええとね、Aという俳優とBというアイドルが付き合っていて、その日二人とも収録の仕事があって」
「ふんふん」
「終わった後、じゃあ一緒にきゃえろうかって話になって、でも誰かに見られたら困るから、人気のない裏階段から駐車場に行くことになって」
「それでそれで?」
「そして、薄暗い裏階段を肩を並べて歩いていると、Aが不意にムラムラきちゃって」
「へー」
「踊り場でガバッとBを押し倒しちゃって、そしてBはまだ処女で……」
 背負わなければならない、のだが。
何かもう、早々にビルの窓から放り投げたい、そんな気にカルナはなってきている。
「そういう話なら私も知ってるよ」
「教えて、ぐっちょりと怖い話」
「東々ラジオの『喘ぎ声が聞こえるラジオ番組』って話なんだけど」
「ふんふん」
「Cさんっていうラジオパーソナリティの人が深夜に番組を持ってたんだけど、『女性の喘ぎ声のようなものが混じって聞こえる』ってお便りがあったの」
「それでそれで?」
「スタッフもCさんも『混線だろう』と思って気にせずに取り上げずにいたら、一か月後同じ人から別のお便りが来て、先日は失礼致しました、って」
「へー」
「ラジオの受信が上手くいっていなかったみたいです。隣の部屋の夫婦が引っ越したら、遮る物が減ったのか喘ぎ声のようなものは聞こえなくなりました……」
338ピンキリ ◆UsBfe3iKus :2009/08/17(月) 00:53:01 ID:XCvZz8zT
 カルナはソファーに深く身を預けた。
もう、背負うも何もどうでもいい。
シホとユーリは二人で熱中し、こちらに話を振ってくる気配もない。
ならばよし、どこまでもやったらいい。
どうせ誰も聞いていないのだから。
「それじゃあ次は、『乾いたアイドル雑誌』という話を」
「私は『濡れた水着の行方』という話を」
 絶対に止めないし、関わらない。
そう心にカルナは決めた。
が、同時に。
「……早く帰ってきて欲しい」
 制止役たる井戸田ヒロキの帰還も、強く願うカルナだった。


 F  I  N
339ピンキリ ◆UsBfe3iKus :2009/08/17(月) 00:54:40 ID:XCvZz8zT
ここまでです。
上で絵の話が出てましたが、私もエンピツで適当にザクザクと描き殴るのが学生時代の暇つぶしのひとつでした。
先輩の同人の手伝いをしたことも、正味あったりなかったり。
で、数年前に自分でSSを書く時に資料になるかもと思って描いたもの(濱中キャラの高校生時とか)を数点、
そしてそれだけだと何なので、本当に数年ぶりに描き殴った生徒会のスズを一点、

ranobeのUPLOAD板、up385524.zip(解凍パスはTOZEN)

に放り込んでみました。
文はともかく、絵はもうおっさんと呼ばれる歳になりつつある自分には描けません。
では、また。
340名無しさん@ピンキー:2009/08/17(月) 01:05:46 ID:z0htZdIC
さっそく落として見てみました。
描けませんなどと言わないで、是非今後も描いて欲しいです。
341名無しさん@ピンキー:2009/08/17(月) 01:49:15 ID:iAngrcuj
すいません。場所が分からないです・・・
良かったらヒントをください
342名無しさん@ピンキー:2009/08/17(月) 17:23:21 ID:klRrSDlY

だけどまあ、そのなんだ、ここは絵板じゃないからほどほどにな
343名無しさん@ピンキー:2009/08/18(火) 21:48:31 ID:VgXgp9Ub
今にして思うと、あかほんは月刊誌で連載するのが
ちょうどいいペースだったのかも。

344名無しさん@ピンキー:2009/08/20(木) 16:52:38 ID:MI81Qb3i
かもねぇ
345名無しさん@ピンキー:2009/08/21(金) 02:48:44 ID:OywFSQkg
エロほん
346名無しさん@ピンキー:2009/08/21(金) 03:21:06 ID:3/+WlQLz
シンジ×カナミの純愛みたいなあ
347名無しさん@ピンキー:2009/08/21(金) 16:08:15 ID:LQ3cVhd8
中旬に入って急に勢いがなくなったな、みんな夏バテか?
とりあえず郭氏とY-275氏期待待ち
348名無しさん@ピンキー:2009/08/22(土) 02:21:40 ID:zj11ia4Z
まったりいこうぜ
349名無しさん@ピンキー:2009/08/24(月) 10:59:40 ID:zPAUGl6b
火を絶やさぬように
ボワーム
350名無しさん@ピンキー:2009/08/24(月) 20:02:15 ID:tXA/NlNm
464氏の続きマダー?
351名無しさん@ピンキー:2009/08/27(木) 01:01:37 ID:K7E/sZUY
郭氏はお元気なのだろうか?
月一ペースの投下が途切れてしまわれた。
352名無しさん@ピンキー:2009/08/27(木) 03:56:50 ID:q0YhUmtu
そろそろ禁断症状が
原作でタカトシ×シノ成分少ないから職人さんたちに期待したいぜ
353名無しさん@ピンキー:2009/08/27(木) 18:30:28 ID:aMuF+VVJ
もう20日も投下がない?
354名無しさん@ピンキー:2009/08/27(木) 21:39:11 ID:K7E/sZUY
>>353
10日でつね。
つか、最近は妄想材料が減った気がする。
それも原因では?
355名無しさん@ピンキー:2009/08/27(木) 23:38:10 ID:q0YhUmtu
生徒会で妄想材料と言えば、シノからではなくタカトシの方からシノを意識してる描写が少し増えたくらいか
これは意外と氏家漫画では珍しい
356名無しさん@ピンキー:2009/08/28(金) 10:17:34 ID:X1RDUMaV
マサヒコは最終回ギリギリでやっとミサキを意識
シンジは右手が恋人で交友関係上異性への意識よりも先にツッコミが立つ
ヒロキは巨乳姉さん好きで担当三人を子供だと思ってる
プチは犬


タカトシはまともに思春期してるんだな、まだ
357名無しさん@ピンキー:2009/08/28(金) 10:21:41 ID:JLC0Vxtk
シンジはマナカを好きなように見える
358名無しさん@ピンキー:2009/08/28(金) 10:43:05 ID:Kdb89y89
シンジは○ナ○が好きだよ
359名無しさん@ピンキー:2009/08/28(金) 19:26:35 ID:LthVCI/h
意外と生徒会の作品投下が少ないんだな。
360名無しさん@ピンキー:2009/08/29(土) 09:56:02 ID:eyLWwKIE
>>358
1カナミ2アナル3アナホ
どれだろうな?
個人的には1が好みなんだが。
361名無しさん@ピンキー:2009/08/29(土) 19:16:46 ID:r4XlopcY
シンジからカナミも良いが、カナミからシンジはもっと良い。
というか、初期カナミ最高!!
362名無しさん@ピンキー:2009/08/29(土) 21:33:32 ID:sGNxYdCa
てすと
363ぺピトーン ◆NerkxCFOyg :2009/08/29(土) 21:41:40 ID:sGNxYdCa
お久しぶりです。携帯からの投下になります。
タイトルは「身を滅ぼした発音」で。
364ぺピトーン ◆NerkxCFOyg :2009/08/29(土) 21:54:40 ID:sGNxYdCa
三年生の英語の時間−
日本人が英語を勉強するにあたって、lとrの発音の使い分けは結構難しいのだが、
カズヤもついある単語の発音を間違えてしまった。すると、
「ナンダその発音はー!!」
マリアの絶叫と共に今岡ナツミばりの鉄拳が炸裂した。その間違えてしまった単語とは、






election:選挙
erection:勃起
365ぺピトーン ◆NerkxCFOyg :2009/08/29(土) 22:02:07 ID:sGNxYdCa
以上です。どうもすみません、こんなしょっぱいネタで。
やはり携帯からの投下はきついものがあります。
投下の環境が整い次第、長編も投下したいと思います。ではこれで失礼させて頂きます。
366名無しさん@ピンキー:2009/08/29(土) 22:33:09 ID:xbh3vljB
カズヤ・・・(´;ω;`)ブワッ

いいぞもっとやれw
367名無しさん@ピンキー:2009/08/30(日) 00:59:05 ID:UD9rVo7Z
乙!
妹らしいネタだw
368名無しさん@ピンキー:2009/08/30(日) 01:47:36 ID:A2RH8TH8
マリアがタカトシを逆レイプするってどう?
369名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 12:28:53 ID:TyV/190w
久々の作品、お疲れ様でした。長編も期待しています。
370郭泰源 ◆Ot.EmIRUsS7D :2009/08/31(月) 00:01:41 ID:+jGgOhMh
はい、どうも郭です。
私事ながら、新居購入&仕事での新規業務立ち上げとバタバタしたりしてまして、
ちょっとブランクが空いてしまったのです。心配してくださった住民皆様にはお詫び申し上げます。
それでは気を取り直して投下します。
生徒会SS、アリア×タカトシで中編。一応前作『パジャマパーティーの夜』の続編です。
NGワードは「未完」「エロ未満」「やや展開が急」かな。では、投下。
371郭泰源 ◆Ot.EmIRUsS7D :2009/08/31(月) 00:02:08 ID:+jGgOhMh
「ねえ津田君、ちょっといいかしら」
「?なんですか、七条先輩」
とある秋の日の、午後のことだった。生徒会室での会議も終わり、
秋期予算折衝の報告でシノは職員室へ、スズは柔道部予算の詰めが甘いとの話で部室へ向い、
予算の最終チェックを担当していたアリアとタカトシのふたりが、生徒会室に残っていた。
にこ、とアリアはいつもの柔らかな笑みを向けて、隣に近づいてきた。
「………………?」
なぜかメガトン級の悪い予感が頭を過ぎるタカトシの耳許に唇を寄せると、彼女が囁く。
「この前のパジャマパーティーのとき、最後までしてたでしょ、シノちゃんと…………」
「…………え!?」
目を見開いて驚くタカトシだが、アリアは変わらず笑顔のままで―――しかし、
その裏にとてつもなく邪な、『何か』が潜んでいることを、既に彼も勘付き始めていた。
「うふふ、良いのよ。機会があるなら行くところまで行けば?ってシノちゃんに言ったのは私だし」
「う………あの、その」
「でもね〜〜〜、シノちゃんに決断してもらうためにあんなコトを言ったっていうのが本当のところなの。
まさ貴方達が最後までしちゃうなんて思わなかったのよ。一応生徒会長と副会長という立場なんだし、
実際のところどうかとも思うのよね。もしバレちゃったら、校則違反なんてものでは済まないし」
「ちょ、ちょっと七条先輩?」
「あ、そんな顔しないでよ、津田君。私も他の人におしゃべりする気なんて無いのよ?
シノちゃんも津田君も私の大切なお友達だから。ただちょっとだけ、あなたにお願いしたいことがあるの」
「う……………あの、それは、その…………」
これでは正に脅迫ではないか。そもそもシノにコンドームまで手渡して焚きつけたのはどこの誰なのだ。
そう抗弁することも出来たと後で悔いたタカトシだが、
このときはアリアの不意打ちに混乱し、完全に主導権を握られてしまっていた。
なにしろ、彼女の家に上がりこんでシノと肉体関係を持ってしまったのは他ならぬ自分なのだ。
「ね?ちょっとしたお手伝いだから。後で私の家に来て欲しいの」
「あ、あの、それで俺と会長のことは」
「うん、勿論誰にも話さないわ。良いわよね、津田君?」
「あ………その、はい」
「ありがとう♪じゃ、後でね♪」
にっこりと微笑むと、アリアは席に戻っていった。凄まじい量の冷や汗をかき、固まってしまったタカトシだが。
「ふぅ〜〜〜〜、予算折衝の報告終了だ!」
「私も終わりました。三葉さんたら会場借上費の予算計上を一桁間違えていたみたいで………」
「あ、おかえりなさい、シノちゃん、スズちゃん」
「ああああああ、おかえりなさい、会長!!!萩む、村!!」
「「????」」
ほどなく戻ってきたシノとスズのふたりを笑顔で迎えるアリアと大慌てのタカトシを見て、
先ずスズから疑問の声があがる。
「…………なんかあったの?津田」
「いいいい、いえ、なん、なにもありましぇん!」
「盛大に噛んでるし。さてはまた七条先輩にからかわれた?」
「ははは、あまり津田をイジるなよ、アリア」
(…………?でもいつものそれとはちょっと違う、ような?)
いつものようにアリアのヘヴィーなエロボケに付き合わされたのだろうと軽快に笑い飛ばすシノだが、
スズだけはタカトシとアリアの間の微妙な変化を感じていた。
「うふふ。だって、必死になっちゃう津田君って可愛いんだもん♪」
しかし、そこはさすがに役者が違う。
アリアはすかさずいつもの笑顔でその場の空気を元に戻してしまうのだった。
「ま、それくらいにしておけ。今日はこれくらいにして、お開きとしよう」
まだスズだけは疑念の目をふたりに向けているが、
元来男女の機微にやや鈍いところのあるシノはあっさりとそう言い、帰り支度を始めようとしていた。
「そ、そうですね、そろそろ帰らないと」
「…………まあ、そうしますか」
「じゃあ行きましょう♪」
生徒会メンバーはともに家路へと向うが、タカトシの顔色は蒼白を通り越して土気色であった。
§
372郭泰源 ◆Ot.EmIRUsS7D :2009/08/31(月) 00:02:34 ID:+jGgOhMh
「しかし横島先生も我々を指導しろとは言わないがもう少し生徒会の仕事を手伝って欲しいのだが」
「忘れた頃にひょっこり現れるんですけどね」
「あらあら、うふふ」
三人娘はなかなかに姦しいが、タカトシは生きた心地がしないわけで。
(なんだ…………なんなんだ、七条先輩のお願いって?)
「?どうかした、津田?」
「!!!な、なんだよ、萩村、別になにも」
「だってさっきから全然喋らないし、ヘンだよ?」
「いや、その………」
「横島先生のことになるとこれだからな、津田は。ま、そんなに怖がるな、あの人も根は悪い人ではないぞ」
怪しむスズと相変わらずピントのズレた指摘をしてくるシノだが、相変わらずアリアは微笑みの表情のままだ。
無論、タカトシにとって彼女の笑顔が無言の圧迫であったことは言うまでもない。
「うん、じゃ私たちはこれで」
「またね?津田君?スズちゃん」
「あ、お疲れ様です、会長、七条先輩」
「お、お疲れ様です………」
アリア&シノのコンビと分かれてようやくホッとしたタカトシだが、ここからはスズの追及が待っていた。
「ねえ、やっぱりなにかあったんじゃないの?」
「いや、別になんもないんだけど………」
(言えねえ………萩村には、言えねえ)
事が事だけにタカトシは言葉を濁すしかなかった。
スズは引き続き問いかけようとはするものの、やがて諦めたように口を閉ざした。
「「………………」」
しばし、気まずい空気のまま並んで歩くふたりだったが。
「………ねえ、津田?」
「なに?萩村」
「私、そんなに信頼できないかな?」
「え?」
「アンタが困ってるんだったら、少しくらい助けてあげてもいいな、って思ってるよ。だって………友達でしょ?」
少しだけ、恥ずかしそうに。スズが、タカトシを見上げていた。
ぶっきらぼうではあるが優しいスズの言葉に、タカトシは胸にこそばゆいものを感じて。
「あ、ありがとう、萩村。本当に、大丈夫なんだ。だから、心配しないで」
「……………分った」
まだなにか言いたげだったが―――スズは寂しげな表情で、そう答えた。
そんな彼女を見て、思わず苦しい胸の内を吐き出したくなったタカトシだが、ぐっとそれを堪えた。
「じゃ、またね?」
「う、うん。また」
そしてスズとも別れ、タカトシは一人家路へと歩く。しかし、胸のわだかまりは消えないままだ。
(なんだ………手伝いってなんなんだよ、七条先輩)
思い悩むタカトシだが、早速。
"♪♯"
(!!!!げ?)
携帯が鳴り、心臓が飛び上がりそうになりながら慌ててそれを開くと。

From シノさん
Sub 今日は
=======================================
お疲れ、タカトシ。
今日はヘンだったぞ?アリアに悪気がないということは分っているだろう?
それはともかく、来週のデート、楽しみにしているから。
私はやはり水族館が良いな。その後はまたふたりで映画が見たい。
タカトシのお勧めの映画はあるか?また後で電話でもメールでも良いので連絡してくれ。

シノより
=======================================
§
373郭泰源 ◆Ot.EmIRUsS7D :2009/08/31(月) 00:03:16 ID:+jGgOhMh
(はぁぁぁぁ、シノさんか)
一安心して盛大に溜息をつくタカトシ。
それはシノらしく絵文字などいっさい使わない、事務連絡のようなメールだった。
(ま、でもそこが可愛いっちゃ可愛いっていうか)
恋人からのメールに思わず顔がニヤケそうになるタカトシだったのだが、その次の瞬間。

"♪♯"
(わ、わわ?へ?)
耳慣れぬメロディーに慌てて携帯を開くタカトシ。

From アリア
Sub さっきの約束
=======================================
私の家で待っています。シノちゃんやスズちゃんにはナイショだよ?
=======================================

(?…………ていうか、あの人はいつの間に俺の携帯を!)
アリアにメアドを教えた覚えもなく、さらに先程の着メロも設定した覚えがない。
恐らく自分の知らぬ間に勝手に彼女が設定したのだろう。
怒る気力も失い、げっそりとした気分のままタカトシは踵を返し、七条邸へと歩く方向を変える。
(とりあえずシノさんに返信、と。はぁぁぁぁ。でもシノさんのためにもバレるわけにはいかねーよな)
シノの笑顔を思い浮かべ、そう思うタカトシ。突然の告白に戸惑うところもあったが、
恋人として付き合うとシノは年上ということを感じさせない無邪気さの持ち主で、
元々彼女に惹かれていたタカトシは日々愛情が深まっていくのを感じていた。だからこそ。
(守らないと、シノさんを。最悪、俺が生徒会を辞めることになったって)
やがて七条邸の正面門に到着したタカトシは、そう胸に決めてインターホンを押した。
"ピンポ〜〜〜ん♪"
「あの、すいません津田と申しますが」
「津田様ですね。ただいまお迎えに上がりますのでお待ち下さい」
"カラカラカラカラ………"
いつもどおり淡々とした出島さんの声が聞こえた後、七条邸の門扉が乾いた音と共にゆっくりと上がる。
自らを奮い立たせるように、タカトシは足を踏み入れるのであった―――

「ふふ、そんなに緊張しなくても良いのよ、津田君?」
「は、はぁ」
そしてそれからしばし後。出島さんの案内でアリアの部屋へと通されたタカトシは、
ソファに座りながらぎこちなく紅茶を飲んでいた。勿論、目の前には笑顔のアリアがいる。
「それで………七条先輩、あの、手伝いって具体的には俺、なにをすれば」
「う〜〜ん、そうね、まず…………」
(!!!!!!!!!!!!!わ、ちけえって、先輩)
アリアが隣に座ってくると、間近に顔を近づけてきた。彼女の華やかな薫りが、濃厚に漂ってきて。
「まずは…………キスしてもらおっかな?」
「………………へ?」
「はい!」
軽く目を閉じ、ぷっくりと艶やかなピンクの唇を突き出すアリア。
「せ、先輩、それって」
「だ・か・ら・キ・ス」
くい、と形の良い唇をさらに突き出してくる。そして、固まるタカトシ。
「あ、あの…………」
「最初は」
うっすらと目を開けて、アリアが呟く。その表情は、少しだけ寂しげで―――
帰りの道中でスズが一瞬だけ見せた表情と似ていると、なぜかタカトシは思っていた。
「?」
「津田君、シノちゃんより私に良く話しかけてきてくれたよね」
「…………」
§
374郭泰源 ◆Ot.EmIRUsS7D :2009/08/31(月) 00:03:43 ID:+jGgOhMh
「私、一人っ子だから嬉しかったな。可愛い弟ができたみたいで。でもそのうち津田君、
シノちゃんにべったりになっちゃって。ふたりとも毎日楽しそうにしてて。シノちゃんは嘘のつけない人だから、
津田君のことを好きになったんだってすぐに分っちゃった。あの頃ね、本当は口惜しかったんだ、私。
でもシノちゃんは一番大切なお友達だから、しょうがないかな、って思ってた」
「…………あの、それは」
「でもね、この前シノちゃんと津田君がしちゃったのを見て、やっぱり口惜しかった。
ね…………今日だけでも良いから、ね?」
そう言うとまたアリアは目を閉じて、唇を突き出してきた。
(う…………あ………で、も、シノさんのためには………)
罪の意識を感じながらも、タカトシは魅入られたように。
"ちゅ"
アリアと、唇を重ねる。ほどよい弾力が、タカトシの唇に伝わってくる。
"ん………"
いつもの可憐な彼女の声より、いくぶん低い、くぐもったような声が漏れる。
"ふ………ん……"
白い頬を染めて、アリアは呼吸すら忘れてキスを続ける。やがて、堪えきれなくなったように。
"ぷちゅ………ぺりゅ"
小さな舌を出して、タカトシの唇に触れさせる。
「!」
驚いて固まってしまったタカトシに構わず、アリアは舌先をすぼめてタカトシの唇を舐める。
「ん…………ふ、ん…………」
(う……………わ、やべぇって、七条せんぱい)
弱々しくかわそうとするタカトシを押し倒すようにして、アリアは彼の唇を舐め続ける。
"っちゅ…ぷ、………つ〜〜〜"
そしてようやくアリアが顔を離すと、舌先からタカトシの唇の間に透明の細い糸がかかって、切れた。
「ん………つ、だ、くん………」
とろん、と潤んだ瞳のアリアが夢見るように話しかけてきた。
凄まじいまでの彼女の色っぽさに、タカトシは全身の肌が粟立つかのような錯覚を感じていた。
「つだくん………すき、つ、だ、くん………」
呂律の回らぬような、酔ったような口調のまま、アリアがブラウスのボタンに手をかけて、
それをゆっくりと外していく。流麗なクロッチがあしらわれたライトグリーンのブラと、
それからこぼれそうなくらい大きな乳房が、タカトシの目の前に現れた。
「!し、七条せんぱ、い、ああああ、あの!」
「さわって………津田くん」
"ふに"
ふわり、とタカトシの手をとると、アリアは自らの乳房に導く。
その重量感に、タカトシは金縛りにあったかのように動けないままでいた。
「ふぁん………もっと、強く、触って………」
「あ…………」
"ふく、ふぬ"
目の前には、静脈が透けそうなほど白いアリアの胸の谷間があった。
魂が抜かれたかのようにタカトシは―――彼女に促されるがまま、それにぎこちなく触れ、揉む。
"むに………むにゅ"
張りのあるアリアの乳房の弾力が、ブラ越しから掌に伝わってきて。
もはやタカトシは、股間の硬直を抑えきれなくなってきていた。
「ん………つだくん………おねがい」
両腕をあげてブラウスを脱ぎ去ると、アリアは背中に手を回す。
それがなにを意味するか悟ったタカトシは慌てて阻止しようとするが、
「ままま、待って下さい、先輩!」
「だめぇ………見て。つだくん」
タカトシの制止も聞かず、アリアはブラのホックを外してしまっていた。
「!!!!!!!わ、わぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!」
"ぷるッ"
アリアの裸の胸が、放り出されるようにタカトシの視線に晒された。それは白く、あまりに豊かで―――
そしてなだらかなカーブを描くその先端には、可愛らしい乳首がぷっくりと勃起して存在を主張していた。
§
375郭泰源 ◆Ot.EmIRUsS7D :2009/08/31(月) 00:04:19 ID:+jGgOhMh
今回は以上。次回エロ有り完結というか次回はほとんど本番シーンのみの予定。
ワンパ気味というか、、、なんかアリアのキャラが壊れ気味ですかね。いや、好きなんですよ?
それでは股。
376名無しさん@ピンキー:2009/08/31(月) 00:07:28 ID:ZvtiEoRn
郭氏GJ!
やっぱり郭氏のSSは読みやすくていいなぁ
そして新居購入おめでとう!w
377名無しさん@ピンキー:2009/08/31(月) 01:20:40 ID:3jk2235A
郭氏キター(゚∀゚)
相変わらずの安定感すげーっす!
平仮名で「つだくん」てのがまたイヤらしい感じでたまらんち。
378名無しさん@ピンキー:2009/08/31(月) 02:28:14 ID:uLpnzA2P
両氏乙です
最古参のお二人が健在なのは心強いです
379名無しさん@ピンキー:2009/08/31(月) 02:39:06 ID:rGQ64p5B
ペピトーン氏復帰作に吹き出して
郭さん復帰にハァハァ&感涙(ToT)
やっぱりこのスレは信頼できるな
380名無しさん@ピンキー:2009/08/31(月) 16:50:17 ID:wWNA06ao
郭・ペピトーン・ピンキリの三氏はとにかく精力ビンビンありすぎる
この三人でいったい何作品書いてるんだ
381名無しさん@ピンキー:2009/09/01(火) 15:14:04 ID:P6VA4ZP3
GJ (>o<)
382名無しさん@ピンキー:2009/09/04(金) 12:16:04 ID:eirD+/RD
9月といえば…何ネタがあるだろう
383名無しさん@ピンキー:2009/09/04(金) 15:36:14 ID:7F9QYfT9
性欲のアキ
384名無しさん@ピンキー:2009/09/05(土) 00:34:04 ID:PApNz/bP
>>382
スレの誕生日。
しかも今年は連休の頭じゃないか?

それとはまた別の話しだが、尻を押されてスイッチの入るアリアと、アナルフェチシンジの組み合わせって最強じゃなかろうか?
385名無しさん@ピンキー:2009/09/05(土) 16:39:58 ID:miLW30Kz
需要と供給の一致した最強のカプ誕生w
シチュさえ提案すれば郭氏かY-275氏あたりが書いてくれるかも
386名無しさん@ピンキー:2009/09/05(土) 21:14:04 ID:8DZJZTdf
シンジで良く分からないのはそれだな。一体アナルに拘泥するって良く
分からない。アナルで満足できるならカズヤに尻貸せって言えば済む事
だろうに。やっぱ自分には存在しない器官こそが素晴らしい、と思うの
だけれど。まあそれでもアリアに懇願されたらもう一も二もなく奉仕するのは
男のつとめってやつであることは理解しています。
 で、誰かシンジのこだわりについて説明してくれ!何が楽しいんだ!!
387名無しさん@ピンキー:2009/09/05(土) 21:18:44 ID:SLllkKDu
北条司が至言を吐いている。
「美女の尻は最高だ。俺はおっぱいよりお尻が好きだ。美女とはお尻が美しい女性のことなんだ。」
世の中には熱烈なオシリスキーが存在するのさ。
388名無しさん@ピンキー:2009/09/05(土) 21:30:16 ID:mUESRPqd
アリアとってことは婿にならないといけないから、カナミがヤンデレ化する悪寒
389名無しさん@ピンキー:2009/09/05(土) 21:31:32 ID:jpCwI0y0
しろー大野も「チチよりシリが好き。それが大人の男ってもの」と言ってた
390名無しさん@ピンキー:2009/09/05(土) 21:35:22 ID:SLllkKDu
それを踏まえてシチュを構想するとならば痴漢冤罪モノしかありえないだろう。

満員電車にて。
アリア「ちょっと貴公!いま、私の臀部を摩擦したでしょう!」
シンジ「な、何を言ってるんだ!誤解だよ!そんなことはしていない!」
アリア「問答無用!次の駅で降りていただきます!」
で、下車。
アリア「さて、落とし前を付けてもらいましょうか…!」
シンジ「本当に誤解だって! 確かにお尻は好きだけど…。あ、いや、違う!」
アリア「ふふ、小生の睨んだ通り。アッサリと白状したものですね。」
シンジ「違うって! 今のは言葉のアヤ! 実際に犯罪行為をするほど堕ちてはいないよ!」
アリア「そうはいきません! 私のスイッチを入れた責任は取って貰います!」
シンジ「だから本当に…! …スイッチ…?」
アリア「スケベ中年はお断りだけど、貴公のような『真のお尻フェチ』なら話は別。よく見ればハンサムですし。さ、行きましょう。」

こんな感じ?
391名無しさん@ピンキー:2009/09/05(土) 22:13:16 ID:SLllkKDu
で、>>388の要素も加えるとだな…

色々やってホテルから出てきた両名は、そこでカナミ御一行とバッタリ遭遇。
カナミ「お兄ちゃん…その女、誰?」
マナカ「私というものがありながら!」
アキ「まさか本当にそういうことをする人だったなんて…」
シンジ「ええっと…これは…あの…その…」
カナミ達とシンジを交互に見比べていたアリアだったが、やがて鷹揚に微笑むと…。
アリア「ふふ、ごちそうさまでした。すごく美味しかったですよ。」
カナミ「!!」
マナカ「!!」
アキ「!!」

みたいな終わり方で。
392名無しさん@ピンキー:2009/09/05(土) 22:19:21 ID:yFzRYiKX
SSを書く作業を始めるんだ
393名無しさん@ピンキー:2009/09/05(土) 22:59:16 ID:mUESRPqd
シンジとアリア以外にも生徒会コラボSS読みたいぜ
394名無しさん@ピンキー:2009/09/05(土) 23:15:10 ID:PApNz/bP
カナミがヤンデレと聞いて
395名無しさん@ピンキー:2009/09/06(日) 09:52:57 ID:BIWbWFzy
今まではヤンデレ・れいぽぅ・調教系は皆無だったが、いよいよ解禁されてしまうのか
396名無しさん@ピンキー:2009/09/06(日) 14:28:09 ID:w9+ig+Np
ヤンデレカナミはクロム氏のがあったな
シンジに関係の清算を言い渡されて、最後の情事の前に近藤さんに穴開けるヤツ
397名無しさん@ピンキー:2009/09/06(日) 14:48:41 ID:Qjt/6Z+i
あれは良かった
398名無しさん@ピンキー:2009/09/06(日) 17:11:46 ID:K4oXQVrN
カナミは微ヤンデレが多くないか?
郭氏もそんな感じのSSが多いような。
399名無しさん@ピンキー:2009/09/06(日) 20:09:19 ID:AFnRb9DX
彼氏でも出来れば治りそうなんだがな

ヤンデレと言えばミサキはガチな悪寒
400名無しさん@ピンキー:2009/09/08(火) 01:05:54 ID:Ld0aoLo7
妹ネタがわからんので妹全巻入手したぜ。
エロパロ目当てに原作入手するのは俺ぐらいなもんだろう。
ナツミかわいいよナツミ。
マナカナミかわいいよマナカナミ。
401名無しさん@ピンキー:2009/09/08(火) 04:41:20 ID:Rj0gjzJR
俺も家庭教師と生徒会しか知らなかったけど
エロパロの充実さをみて妹を買ったな
402名無しさん@ピンキー:2009/09/08(火) 16:43:42 ID:4Bn1kIwa
キャラは妹のが好きなの多いな
403名無しさん@ピンキー:2009/09/08(火) 18:46:15 ID:ePLjtr0J
>>401
あかほんハブにするのイクナイ
シホかわいいよシホ
404名無しさん@ピンキー:2009/09/08(火) 21:06:50 ID:jUZOAhAp
ハナとプチを(ry

思春期や濱中は郭氏やペピトーン氏らベテランが
生徒会はY-275氏や傍観者氏ら若い世代がSSを引っ張っていってくれる
ありがたいことです
405名無しさん@ピンキー:2009/09/08(火) 23:26:29 ID:Ld0aoLo7
>>404Not found
つまり球団で言うとどこだ?

あと素朴な質問。
天野って選手いたっけ。
406名無しさん@ピンキー:2009/09/09(水) 07:13:03 ID:E14YILRI
>>405
つ天野浩一(元広島)
407Y-275:2009/09/09(水) 15:01:42 ID:5Jg08kmW
皆さんこんにちは。
ご無沙汰してます、お疲れ様です。
投下します。
色々書いてたはずがボツにボツって結局ムツミ×タカトシです。
スルー対象ワードは
「夢オチ」
「エロ無し」
です。
それでは投下。
408Y-275:2009/09/09(水) 15:05:33 ID:5Jg08kmW

「夜の学校っていうのも中々風情があるものだなぁ……」
ふと口をついた呟き。
8月の第2週。
普段だったら、クーラーをガンガンに利かせた部屋で、グダグダと過ごしている時期。
今年は柔道部の臨時マネージャーを引き受けて、学校に宿泊することになった。
学校は、よくホラーや怖い話の舞台になる場所だけれど、部室棟の方はそことはまた別。
ちょっとした林のようになっており、虫の鳴き声が聞こえる。
夏の日中の肌を焼く日差しもおさまり、涼しくなった時間帯の今は、ちょっとした情緒ある風景だ。
一日マネージャーとして働いて、クタクタになったはずの身体は、
いつの間にか心地良い疲労感に浸るほどまでになっていた。
窓を開けると抜ける涼しい風に心地よさを覚えながら、何をするでも無く過ごす。
臨時マネージャーなんて最初はめんどくさいなんて思っていた。
でも、実際こうして夜の学校で過ごしてみると、そうでもなければ、学校に泊まる経験なんて無かった訳で、
その点は、今回の話を持って来た会長に感謝だなと思う。
案外、あの人が学校に泊まってみたいだけかもな。
当然ではあるけれど、女子とは別の部屋、1人で過ごす広い部屋でリラックスしながらそんなことを考える。
─コンコン─
不意に叩かれた男子部屋のドア。
誰が来たのだろう等と思いながら、俺は音のした方へ向かっていく。
「こんばんは。」
開かれたドアの向こう側、そこには、クラスメートで柔道部部長三葉の姿。
「よぉ、どうした?」
その姿を見とめた俺は、三葉と挨拶を交わす。
「いやぁ、なんか、寝付け無くて…」
照れ笑いのような表情で頭を掻きながら三葉は言う。
「他の連中は?」
「それが…話相手が欲しければ、タカトシ君の所にでも行けって言われちゃった。」
そう三葉は言う。
何となく状況は分かってきた。
要は皆クタクタなのだろう。
普段から鍛えている三葉だけは例外で、話相手の欲しい三葉を相手にする余裕が無い。
なので、こちらにやって来たというところだろう。
「そっか。明日は試合だし、立ち話もなんだろ?入れよ。」
そんな事情があるのであれば、三葉を無下にする事など出来ない。
ジャージ姿の三葉を、自らの部屋の中へと招き入れる。

………………………………

暫く三葉と話をしていた。
学校の事、私生活の事、ファッションの事や音楽の事…
まだまだ夏休み中だけれど、普段学校があって、前の席に座る三葉と話しをしているそれのように、
話題は尽きない。
夏休み中も生徒会の仕事で何度も学校に登校したが、そこに無かった日常を取り戻して、正直嬉しかった。
異性だけれど、気兼ねの無い相手。
会長達では、こうはいかない。
会長達には振り回されているような場面が多いけれど、三葉とは対等に付き合える。
近いからと、この学校を選んで、女子の多さにビビりつつ、振り回されつつも、三葉がいなければ、
ここまで楽しいものにはならなかったと思う。
「ねぇ、タカトシ君?聞いてる?」
ふと、三葉に問い掛けられる。
「あ、あぁ、わりぃ、なんだっけ?」
回想に耽っていた俺が聞いていた訳も無く、素直に聞き返す。
「もぉ〜、しっかりしてよね。」
眉を八の字にしながら、三葉が言う。
「もしかして、疲れてる?」
三葉に問われる。
けれど、
「いや、大丈夫。」
別段、疲労感などありはしない。
409Y-275:2009/09/09(水) 15:09:02 ID:5Jg08kmW
「じゃあ、どうしたの?」
俺の言葉を受けて、三葉は首を傾げる。
「いや、何て言うかさ…」
俺は先程から抱いている感想を、素直に口にして良いものかと考え、言い淀む。
なんだかんだ言って恥ずかしいのだ。
「ん〜、どうしたの?」
言い淀んだ俺に三葉から声がかけられる。
「私達の仲なんだから気軽に言ってよ。」
と、その後に続ける。
そこまで言われてしまうと、気恥ずかしいから、と言い淀んだ内容を口にしないのは躊躇われるわけで…
「いやさ、この学校に入学してから、正直、三葉がいて良かったな、と。そんなことを考えてた。」
考えてた内容は、もっと長きにわたるんだけど、要点を絞って言葉にするとこんなもん。
考えることと、言葉にすることのギャップに若干戸惑いつつも、すらすらと言葉を紡ぐ。
「そう…」
面と向かって言われた言葉に、すべきリアクションが見つからない。
そんな感じのリアクションが三葉からは返ってくる。
「何て言うか、会長達とは違ってさ、三葉とは対等なんだよな。」
そう言葉を続ける。
これは本当の事。
先程考えていた事の残り半分。
そこまでを告げると三葉は、はにかむように笑う。
「なんか、面と向かってそんなこと言われると照れちゃうね。」
その言葉に嘘は無いんだろう。
素直にそう思う。
裏表の無さ。
男である俺としては、こう言った部分もやはり、三葉に気兼ねしない要素の一つなのだろう。
「だろ?だから、さっき言うかどうか悩んだんだよ。」
そう言って、俺は笑う。
「それもそうだね。」
俺につられるように、三葉も笑った。
いつ見ても三葉に笑顔は良く似合う。
そんな風に思う。
「そんな風に思ってもらえてるなら、私も光栄だよ。」
そう言って、三葉はもう一度笑う。
見慣れた笑顔。
夏休みに入り、暫くの間、俺の生活の彩りからは欠けてしまった笑顔。
その笑顔は俺にとって酷く魅力的だった。
しばしのインターバルが、ここまで魅力的に見せるということに強く驚きながら。
「なぁ、三葉…」
残りの2週間。
その時間を待たなくてはいけない。
頭の中で、
『それに耐えられそうにない。』
そう思った俺は、思わず口を開いていた。


………………………………

「ねぇ、ホントに私で良いの?」
腕の中のムツミが呟く。
「あぁ。」
その言葉に短くも確かに相槌をつく。
成り行きはホントに些細だったかもしれない。
でも、恋人らしいことしようなんて抱き合って、ムツミの温もりを感じれば感じるほど、
それは間違いで無いと思える。
1年の時から同じクラス。
近い距離で見続けてきたムツミの笑顔に、俺はいつのまにか惹かれていたんだと改めて思う。
「そっか…私も好きだよ。」
ムツミが言う。
410Y-275:2009/09/09(水) 15:10:32 ID:5Jg08kmW
その言葉に胸のうちにも温かいものの広がりを感じる。
「…………………」
そうして抱き合いながら、何をするでもなく過ごす。
互いに何も言わない。
静寂の中で、ただただ互いの温もりを感じ合う。
実際こういう場合、どうするのが正解なのだろう。
頭の中にそんな事が巡る。
裏腹に早鐘を鳴らす鼓動は、肌を通じてムツミにまで届いているような気がして、ドギマギしてしまう。
実際の所、抱きしめたムツミから鼓動が感じ取れる訳でも無いので、それは無いのだけれど…
「ねぇ、タカトシ君……」
先に沈黙を破ったのはムツミ。
声をかけられて、そちらに顔を向ける。
「なに?…………んっ」
「んっ、ふ、ちゅっ……んっ、ふ……っ」
瞬間重ねられたのは唇。
ただ唇を押し付けられただけなのに、勝手に全神経はそちらに集中してしまう。
「ちゅっ、ちゅっ……っ、ちゅっ、ん、ふ、ちゅ……っ!!」
暫くそうしていた後、自然とムツミの唇は離れていく。
「はぁ、はぁ、息が続かない…」
少し肩で息をしながら、ムツミが言う。
「いや、鼻で息をすれば…」
そんなムツミに苦笑しながら、そう言う。
「あ、そっか!!」
その言葉を受けて、ムツミが言われてみればって言うリアクションをする。
「試してみるか?」
意地悪くそんな事を言う。
本当は自分がしたいだけなのに…
「うん。でも…」
俺の言葉にムツミは一度首肯したあとで、ムツミが口をつぐむ。
「どうした?」
そんなムツミにいぶかしげに俺は尋ねる。
「いや、あんまりキスしてたら、妊娠しないかな…」
「いや、それは…」
よくムツミはピュアだと言われる。
それでも、さすがにその発言はどうなのだろうか?
そんなことを思う。
果たして、何から突っ込めば良いんだろうか?
今時、小学生でもそんな事は言わないだろう。
「キスぐらいじゃ妊娠しないんだけど…」
とりあえずそう口にする。
「え、そうなの?」
素で驚いたリアクションをするムツミ。
「ああ。」
再び苦笑しながら、その問いを肯定する。
「じゃあ、気にする必要は無いんだね。」
恥ずかしさからか、頬を染めながら笑顔を作る。
ムツミが照れ隠しするとき特有の表情だなと思う。
「それじゃあ……」
その表情を引っ込めた後で、ムツミの言葉を合図に、
「ん、ちゅっ、ちゅ……ふ、ちゅ……」
もう一度、躊躇いも無く唇を重ねる。
「ちゅっ、ふ……ん、タカトシ君……」
一瞬だけ唇を離し、うっとりとした瞳で俺を見つめるムツミ。
でも、すぐに、
「ん、ふ……ちゅっ、っ、ふ……ちゅっ、ちゅ……」
再び唇を重ねる。
夢中。
まさしく夢中でキスをする。
キスをすることが、すごく気持ちがいい。
「ちゅ…っ、ふ、っ……ちゅふ……っ!」
411Y-275:2009/09/09(水) 15:13:36 ID:5Jg08kmW
啄むように唇を動かしながら、ムツミとのキスに没頭していく。
「ふ…ちゅ、ふぁ、っ…っ」
キスを交わすことが凄く気持ち良くて、全ての意識が唇に集中したように敏感になる。
「ちゅ……ふ……あっ……っ!」
戯れるように唇をムツミの首筋に移す。
一瞬だけビクッとしたムツミだけれど、その後はうっとりと身をまかせてくれる。
「んっ、ふ……あっ、っ……っ!」
そのリアクションに気を良くして、時折舌も使いながら、何度も首筋を責める。
「ふ……っ、あっ、ふっ……タカトシ君……っ!」
俺の名前を呼ぶムツミ。
自らの身体を支えるように、俺の両袖を掴む。
「ムツミ……」
自らの名を呼ばれて、一瞬身体を離して、その様子を伺う。
「びっくりしちゃったよ。」
少しだけ、非難を乗せた視線をムツミから向けられる。
「わりい…」
少しだけバツが悪くなって謝罪の言葉を口にする。
「ううん。別に、大丈夫だよ。」
俺の言葉にムツミはそう口にする。
「ただ、……もっとキスがしたいかな…」
目一杯潤ませた瞳でムツミがそう告げる。
「ね?」
そう言いながら、俺の袖を掴んでいた手は首へと回る。
「ん、……ちゅっ、ふ……」
徐々に近づいてくる潤んだ瞳と、女の子特有の甘い香りに引き込まれながら、もう一度唇を重ねる。

………………………………
「あれ……?」
そこで、ふと目を覚ます。
その臭いのみで、自らが今、どこにいるのか一瞬にして特定できる臭いが鼻を抜ける。
薬品の臭いで保健室にいることがわかる。
「タカトシ君…」
俺を呼ぶ声に気怠さで霞む視線を向ける。
「……三葉?」
「良かった、目を醒ましたんだ。」
そこには、目を潤ませながら目一杯顔を近づけてくる三葉がいた。
「俺、どうして?」
「体育の時間に…」
俺の問いに三葉は一部始終を答えてくれる。
体育のバレーの時間、三葉のスパイクが顔面を直撃して気を失ったらしい。
そんな、漫画みたいなアホなことがおこり得るのか?
甚だ疑問ではあるが、現実として、俺はノビていたのだから、それ以上深く考えるのはやめることにする。
「あの…タカトシ君…ごめん。」
らしくない、シュンとした三葉からの謝罪の言葉。
「あぁ、気にすんな。俺も注意が足らなかった。」
それは事実。
女子の前でボールを顔面にぶつけ、ノビてしまうだなんて恥ずかしいかぎりだ。
それだけを口にして、俺は天井を見つめる。
あんな夢を見た後で、すぐ側に三葉がいるというのもすごい偶然だと思う。
夢か…
思い返してみれば、やけにリアルな夢だったと思う。
唇に手をかければ、まだキスしていた時の感触が残っているような気がしてしまう。
淡い夢を見た後に、戻ってきた現実。
何の悪戯か、夢の中で強く強く意識してしまった女子が今真横にいる。
どれだけご都合主義なのだろうと思うけれど、今の状況下で意識するなと言われても、
それは無理な相談というものな訳で。
三葉に好きな人はいるのだろうかとか、夢の中で触れた三葉の唇の感触だとか、色々なことが頭を巡る。
「なぁ、三葉…」
夢の中と同じその言葉を、俺は口にする。
それから、2、3言葉を交わした後で、三葉は俺の手を握った。
412Y-275:2009/09/09(水) 15:23:45 ID:5Jg08kmW
以上です。
タイトルは
「例えばこんな柔道部合宿」
で。
夢オチですからね。
ムツミスキーのワンパターンは本当に申し訳ないです。
そして、こないだ保管庫見てたらムツミばかり書きすぎでした苦笑
逆にシノを全然書いてないんだななんてびっくりしました。

そういえば少し前に出てたシンジとアリアの話。
シンジ家庭教師案とかで、色々妄想してみてます。
文章に起こせるかどうかはアレですが。
最近グダグダで申し訳ありません。

駄文乱文失礼しました。
それでは失礼致します。
413名無しさん@ピンキー:2009/09/09(水) 18:13:20 ID:8Pu8kBz2
乙。
414名無しさん@ピンキー:2009/09/09(水) 19:49:43 ID:WW9v6xBw
いいね!
415名無しさん@ピンキー:2009/09/09(水) 20:32:25 ID:sSfHruIS
乙GJ
投下ペースもいい感じですな!
416名無しさん@ピンキー:2009/09/10(木) 14:27:52 ID:DBWs/XWs
まさにエースの系譜か
417名無しさん@ピンキー:2009/09/10(木) 23:57:55 ID:6HkKj3rB
えーっすね。
418名無しさん@ピンキー:2009/09/11(金) 18:09:21 ID:URY3nSOK
しかし、エロありにしてもエロなしにしても、よくもここまでネタを考えて書けるものだと感心するわ
419名無しさん@ピンキー:2009/09/11(金) 20:42:52 ID:Vr98SxIo
最近エロSSを見てもト全絵で再生される。
誰か助けてくれ。
420名無しさん@ピンキー:2009/09/11(金) 22:16:08 ID:dX7HM90U
何故助けを呼ぶ必要がある?
とてもいい傾向じゃないか
421名無しさん@ピンキー:2009/09/12(土) 14:13:33 ID:R5xft5ci
さぁそれを皆に見えるように君の手で具現化するんだ
422名無しさん@ピンキー:2009/09/13(日) 00:47:27 ID:u7M2l7KB
ところで、初代スレの立った日って9月なのか?
だとしたら、やはり記念祭を期待していいのだろうか
423名無しさん@ピンキー:2009/09/13(日) 17:11:22 ID:xwB1sN2G
何かに影響を受けたマナカが「オッス、マナカだよっ!てへっ。」って言ってくれると俺は信じている。
424名無しさん@ピンキー:2009/09/13(日) 20:32:23 ID:/FBU2nKG
キャラの違い杉ww
猫かぶりにも程がある・・・が認める!
425名無しさん@ピンキー:2009/09/13(日) 20:48:20 ID:xyHwD4YN
そうか、来週が記念日か。何かネタのひとつでも投下して盛り上げたい。
426名無しさん@ピンキー:2009/09/14(月) 20:58:54 ID:HayLLp4p
住人と現役職人による一大リレーSSとか
427名無しさん@ピンキー:2009/09/15(火) 00:22:11 ID:9myqhryb
姉派の俺だが最近妹もアリかと思ってる。
助けてくれ。
428名無しさん@ピンキー:2009/09/15(火) 00:50:59 ID:UFuubCJx
その思いをシンジ×カナミかタカトシ×コトミのSSを書いてぶつけるんだ!
429名無しさん@ピンキー:2009/09/15(火) 00:57:10 ID:b2xn/Ef6
どう助けろっていうんだw


ところで、氏家作品で主人公に対する立ち位置が姉(=明確に歳上)のヒロインはシノとアイだけなんだな
カナミはシンジの実妹だし、
ミサキは確か誕生日がマサヒコより先だし気にかけっぷりも姉っぽいが、その一途な追っかけ方はむしろ幼い
シホはヒロキより10は年下のはず
プチは犬だから問題外


妹天国ですよ、お客さん!
430名無しさん@ピンキー:2009/09/15(火) 06:24:52 ID:jwwQKXmD
>>429
ちょっとこじつけすぎだろwww
姉、妹、同級生とむしろバランスいいかと思われ。
431ピンキリ ◆UsBfe3iKus :2009/09/16(水) 00:18:23 ID:cTcq+MZ2
スレ創立記念、参加したいと思います。
連休中のどれかになると思いますが、何分仕事もありまして、長いのは無理かもしれませんが……。

何かネタがあったら恵んでいただけると幸いです。
432名無しさん@ピンキー:2009/09/16(水) 00:36:08 ID:AwFfTLT5
>>
431
上にあるシンジ×アリアはどうでしょう?
シリアスよし、ギャグよし、アナルよし
433名無しさん@ピンキー:2009/09/16(水) 16:44:41 ID:wHrqetLD
>>431
好きにやったらいい
注文聞いてるとキリないよ
434名無しさん@ピンキー:2009/09/18(金) 01:13:51 ID:t0I564TV
濱中モノを久しく見てないなぁ
435名無しさん@ピンキー:2009/09/18(金) 17:28:24 ID:BUhL6r48
祭りになればいいなあ
436名無しさん@ピンキー:2009/09/19(土) 02:06:39 ID:OnKbXVRq
ふんどし!
437ペピトーン ◆NerkxCFOyg :2009/09/20(日) 07:10:30 ID:6pQ+FQGg
今日は5周年記念ということで、ひとつ投下させていただきます。
タイトルは「GOOD EVENING」で。
438ペピトーン ◆NerkxCFOyg :2009/09/20(日) 07:12:57 ID:6pQ+FQGg
小久保マサヒコ、現在英稜高校の二年生である。これからの時代は大学に行くべきだ
という母親の考えもあって中学生時代のように家庭教師を頼んだ。
入学当時の成績は平凡なものであったが、別に大学に進学する気もなかったので
はじめは気乗りのしなかったマサヒコだが、今度の家庭教師は男の大学生ということもあり、
男同士の気安さ、大学生活のことや少々大人?の話などをするうちに少しずつ勉強に
身が入るようになった。特に盛り上がるのが中学校時代に周りの女性たちに振り回されたこと
である。この先生もまた高校時代は周りの女性たちに振り回されていたようである。
そう、この家庭教師とは城島シンジの事である。シンジもまた自分と年が近いこともあって
一種の男友達のような感覚で接している。マサヒコも勉強を教えてもらうシンジと
気が合うらしく、現在は大学も本気で狙えるほどの成績をキープできるようになっていた。

ある日の夕方−
「じゃあ、マサヒコ君、今日はここまで」
「先生、ありがとうございます」
二人が今日の授業を終えて二階から降りてくると、
「マサヒコ、終わったところで悪いけど晩ご飯の材料買ってきて」
「えーっ、今終わったばかりなのに、しょうがないなあ」
授業が終わったところで疲れていたが、文句を言っても仕方ないのでマサヒコは
商店街に買い物に行った。
その間マサ母とシンジは居間でお茶を飲みながらマサヒコの成績について話していた。
「先生、いつもご苦労様です。おかげであの子も大学に進めそうですよ」
「マサヒコ君、頑張っていますから」
「本当、先生には感謝していますわ」
などと話していたが、突然マサ母は話題を変えて、
「ところで先生って、彼女はいるのですか?」
「いえ、それが…マサヒコ君はいるみたいですけど」
シンジはやや気恥ずかしそうに応えた。するとマサ母がシンジに身体を近づけて密着してきた。
439ペピトーン ◆NerkxCFOyg :2009/09/20(日) 07:15:29 ID:6pQ+FQGg
「あ、あの、ちょっと…」
シンジが突然の事に戸惑っていると、
「ふぅん、結構男前なのにね」
シンジの顔を両手にとり、しげしげと見つめる。シンジもマサ母の顔を見つめる。
高校生の息子がいるとは思えないくらい若々しく、居間に差し込む西日に照らされて
年増ならではの妖しさをかもし出している。その女性が瞳をうるませて息遣いがわかるくらいに
近づいている。もはや金縛りにあったように動く事が出来なかった。
「さ、目を閉じて…」
シンジが言われるままに目を閉じるとマサ母は唇を重ねてきた。
「ふぅ、んんん…」
さらに舌をねじ込んできた。シンジも舌を動かしてそれに応える。唾液が混じり合う音を
させながらお互いの舌を絡め合う。シンジはすっかり年上女性との甘いキスに陶酔しきっている。
さらにマサ母はシンジの股間に手を伸ばす。
「…もうこんなに固くなって…」
なおもシンジの口を吸いながら両手でペニスを初めはズボンの上から、そしてベルトを緩めて
ズボンを下ろして直に触れて刺激する。直に触れる手の感触がさらに快感を高める。
さらにマサ母はシンジのシャツに手を掛けて脱がそうとする。シンジも先程興奮して少々
汗ばんでいたので服を脱いでしまいたい気分だった。シャツを脱ぐとマサ母はトランクスと一緒に
ズボンを下ろし全裸にした。いつ自分の生徒であるマサヒコが帰ってくるか分からないというのに。
そんなスリルもシンジを余計に興奮させ、ペニスはいきり立つ一方である。
「これは私からのお礼、気持ちよくしてあげる…」
そうは言うものの、若い男の肉体を味わいたいというのが本音であろう。
「さ、そこに立って…」
シンジがソファーから立ち上がると露わになったペニスに迷うことなく舌を這わせる。
自分の唾液を塗りたくるようにまんべんなく舐め回す。亀頭の鈴口を舌先で軽く刺激すると、
尖端から透明な液体が出てきた。舌先を離すと透明な一本の糸が引いている。
マサ母は舌先でそれを舐め取ると、シンジのモノを咥えた。そして頭を前後させる。
シンジは暴発しないようにひたすら耐えている。
440ペピトーン ◆NerkxCFOyg :2009/09/20(日) 07:18:26 ID:6pQ+FQGg
「私も脱ぐわね…」
ペニスを咥えながら器用に自分の服を一枚一枚脱いでいき、自分もまた全裸になった。
シンジはマサ母の裸がきれいな事に改めて驚くと同時にその姿に興奮した。
さらにマサ母は手でペニスをしごきながらシンジの陰嚢に舌を伸ばし、舌先で舐め回したりアメ玉を
しゃぶるように口の中に軽く含んだりする。さらに陰嚢とアナルの間を舌先で何度も軽く往復すると、
「ここも舐めてあげる…」
舌先を尖らせてシンジのアナルに埋め込んだ。
「ああっ!」
シンジは思わず声を上げてしまった。やわらかい舌の感触が自分の後ろの穴から背骨を伝わり
快感となってこみ上げてくる。あまりの快感に膝が震えてしまい、立ち上がっているのが辛くなってきた。
その様子を感じとったマサ母は、
「じゃ、横になって…」
シンジを仰向けにし、音を立てながらペニスを咥える。シンジはただされているだけでは物足りなかった。
自分もまたマサ母の熟した身体を味わいたかった。シンジはマサ母の下半身に手を伸ばして
自分の顔に引き寄せようとする。
「あら、私のも舐めてくれるの?」
マサ母はシンジの顔をまたぎ自分の恥部をシンジの視界にさらけ出した。そこはすでに湿り気を帯びていて、
妖しくテラテラと光っていた。
「汚くて恥ずかしいけど、私の事も気持ちよくしてくださいね…」
さすがのマサ母も自分の恥部をさらけ出すのは少々恥ずかしいようだ。
シンジはそんな言葉には構わず既に恥部を濡らしている愛液を舐め回す。シンジが舐め回すたびに
新たに液体が溢れてくる。
「ふうっ…気持ちいい…」
シンジは夢中になってマサ母の恥部を舐め回す。綺麗で熟した女性の肉体を貪りたいのもそうだが、
そうでもしないとマサ母の舌技にあっという間にやられてしまうのは確実である。男として少しでも
我慢しなければと思うと同時に舌技を堪能したいとも思っていた。
シンジはさらに恥部をたどっていくと充血したピンク色の突起にぶつかった。突起を包んでいる皮を
舌でかきわけて直接突起を刺激すると、
「はぁん…!」
身体をビクッとさせて一段と声のトーンが高くなった。
「はぁ…ああ…ああん…ひゃ、あん…」
突起を刺激するたびにマサ母は身体を小刻みに震わせて嬌声を上げる。その間、シンジのペニスへの口撃が
しばし止んだ。だが、いつまでも休んでいるわけにはいかない。下半身からこみ上げてくる快感に耐えながら
マサ母はうっとりとした目でペニスを見つめると再び口に含んで刺激する。とめどなく溢れ出した愛液によって
いつのまにかシンジの口元はべとべとである。シンジはふと目を開けて見ると、自分が吸い付いている恥部の
少し上に菊型のすぼまりがみえる。もちろんアナルフェチのシンジにはたまらない光景だ。
だが見ているだけではもったいない。シンジは迷うことなく両手で尻の割れ目を拡げて口先を移し
先程マサ母がしたように舌先を穴の中に埋め込んだ。
441ペピトーン ◆NerkxCFOyg :2009/09/20(日) 07:21:10 ID:6pQ+FQGg
「…!」
マサ母は今まで股間から来ていた舌の感触が突然自分のお尻の穴に移ったことにさすがに驚いていた。
まさかシンジが自分のアナルまで舐めてくれるとは思わなかったのだ。
「あらあら、そんなところまで…」
マサ母はシンジが自分の身体を夢中で味わっている事に女としての誇りを感じていた。
そんな一生懸命なシンジに応えるように自分も巧みな技を駆使して快楽を与え続けた。
居間には二人のくぐもった声といやらしい水音が響く。
マサ母の動きが次第に激しくなってきた。シンジもまた少しでも気を紛らわせようと夢中になって
舐め回していたが、とうとう限界を迎える時がきた。
「お、奥さん、オレもう…」
ちょっと考えれば教え子の母親であるからお母さんと呼ぶべきであるがシンジは完全に理性を失っていた。
「んぐっ、いいわ、よ、口の中に出して…」
マサ母はペニスを激しく刺激してシンジを絶頂へと導く。もはや耐えられなくなったシンジは
身体から口を離し、
「い、いきますよ…ううっ、あああ…」
絶頂の瞬間シンジは頭の中が真っ白になり、マサ母の口の中に大量の精液を発射した。
「はぐっ、うっ、うぐっ、うううん…」
大量の精液がマサ母の口腔を満たしていく。マサ母は若い男のエキスを味わい尽くすかのように
しっかりとペニスをくわえ込んでいる。放出は止んだ後も口の中でペニスはピクピクとうごめいている。
ようやくマサ母は放出が止んだのが分かると、右手の親指と人差し指でペニスの根元から残りの精液も
しぼり出した。そして漏らさないようにペニスから口を離すと、しばしの間舌を転がして口の中で
味わいながらゴクッと喉を鳴らして飲み込んだ。そして上体を起こしてシンジの顔に押し付けていた
股間を離してシンジに振り返ると、
「ふうぅ…いっぱい…出ましたね…」
西日も傾き少し薄暗くなった居間の中で上気して赤くなった顔、陶酔しきった瞳で見事な裸をさらけ出して
振り返りながら、なおも口元から少し漏れた精液を指ですくってちゅぱ、と味わう姿はこの世のものとは
思えないほどぞくり、とする妖艶さであった…



442ペピトーン ◆NerkxCFOyg :2009/09/20(日) 07:22:37 ID:6pQ+FQGg
シンジはマサ母が持ってきた数枚のおしぼりでいろいろな体液で濡れた顔や身体をさっと拭き、元通り服を着ながら、
「気持ちよかった…」
夢見心地でぽつりとつぶやいた。マサ母はクスクス笑いながら、
「ふふっ、私も…」
若い男の身体を味わうと同時に気持ちよくしてもらったことにすっかり満足した様子だった。

しばらくするとマサヒコが買い物から戻ってきた。
「母さん、買ってきたよー」
当然マサヒコは自分がお使いに出ていた間の出来事について知る由もない。
「あっ先生、休憩してたんですね」
「あ、う、うん」
シンジは努めて平静を装ったが、先程までの二人の情事がばれないかと、気が気では無かった。
幸いマサヒコは気付いている様子は無い。と言うよりまさか自分が外出している間にそんな事があったとは
考えもしないだろう。シンジは半分上の空でマサヒコと軽く会話をしてから小久保邸を後にした。




(生徒の母親とこんな関係を持っていいのか?)
シンジは帰る道すがら、先程の快感の余韻に浸りつつもひたすら自問自答し、
さらに別れ間際にマサ母が囁いた言葉の意味をしきりに考えるのであった。





「先生、今度は二人きりで会ってくれますよね?」






おしまい
443ペピトーン ◆NerkxCFOyg :2009/09/20(日) 07:25:29 ID:6pQ+FQGg
以上です。なんとか記念日に間に合わせたかったこともあり急ぎ足で作ったので
いろいろ至らない点はあるでしょうが、そこはご容赦のほどを。
では、職人&住人の皆様で5周年も盛り上がっていきましょう。
444名無しさん@ピンキー:2009/09/20(日) 15:18:05 ID:kObf3mVX
乙です
これからもよろしくお願いいたします!
445ピンキリ ◆UsBfe3iKus :2009/09/22(火) 18:24:55 ID:oZhuKs2u
ペピトーン氏お疲れ様です。
では五周年、私も続きたいと思います。

濱中でマサヒコとミサキ話、スルー対象ワードは「本番寸止め」「雨宿りネタ」です。
タイトルは「銀の週」でお願いします。
446ピンキリ ◆UsBfe3iKus :2009/09/22(火) 18:28:34 ID:oZhuKs2u
 生物学上、男の対になるのは女であり、女の対になるのは男である。
例外はごく僅かにあるものの、男(雄)と女(雌)が生殖行動を行うことにより、次代、次々代へと繋がっていく。
とある古人はこう言った。
死ぬことへの恐怖と、生むことへの快楽があるからこそ、人間は人間足り得るのだ、と。
生命を新たに作る行為に快楽が伴うから、男は女を求め、女は男を求める。
そこには、あらゆる感情が伴う。
互いを愛しいと思う気持ち。
単純に行為そのものを楽しむ気持ち。
相手を行為によって精神的に縛ろうとする気持ち。
そういった心の幅は、人間以外の生物には無い。
というより、色々と意味をくっつけてしまうのが人間だ、と言えるかもしれない。



「あ、んっ……」
 純白のシーツの上で、少女は身を少し捩った。
彼女の身体の上には、少年が覆いかぶさっており、指を、そして舌を使って、彼女の官能を引き出そうとしている。
「マサ、ちゃん……そこ、っ……!」
「やっぱりミサキはここが弱いな」
 首筋にそっと指を這わせる少年。
その動きは、乱暴さの欠片もなく、どこまでも優しい。
「おかしくなっちゃうよ、マサちゃん……」
 小刻みに身体を震わせる少女。
ここで、「どうおかしくなるんだい?」などとは決して聞かない、いや、聞けないのがこの少年である。
少女に被虐的な快楽を与えよう、などという考えがそもそも無いのだ。
「ああ、マサちゃあん……」
「ミサキ……」
 閉じられたカーテンの向こう側は、未だ夕闇とは無縁。
それもそのはずで、時間はまだ午後の四時も回っていない。
本来なら、二人が交わしているのは夜に行われるべき行為なのだが、
陽も落ちないこの時間にこうしてベッドの上で睦みあっているのには、もちろん相応の理由がある。
「……ねぇ、キスして、マサちゃん」
「ああ」
 少年は少女の求めに応え、少女の顎に手を当てると、顔を寄せて、そっと唇を合わせた。
二人の、重なり合った唇の間から、鈍い銀色の粒が筋となり、ポトリと零れ落ちていく。
 少女の名前は、天野ミサキ。
少年の名前は、小久保マサヒコ。
共に高校二年、幼馴染にして、現在絶賛恋人同士な二人である―――
447ピンキリ ◆UsBfe3iKus :2009/09/22(火) 18:32:52 ID:oZhuKs2u
 ◆ ◆ ◆

 小久保マサヒコと天野ミサキが付き合い始めてから、二年以上が経とうとしている。
ミサキはずっとマサヒコのことを想っていたが、マサヒコがミサキを異性として意識したのは、中学卒業前のこと。
互いに気持ちを通わせるまで、短いような長いような時間だったが、晴れて恋人同士となった今、
二人の間に大きな障害もなく、ここまで順調に愛を育みあっている。
通う高校こそ違えど、家が近所であり、会うこと自体は全く難しくはない。
家族同士の交流もあり、一日に顔を合わせないことなど、一週間のうちにほとんどない。
 しかし、休日のデートとなると、やや事情が異なってくる。
二人には、中学以来の友人というか、仲間が複数いる。
濱中アイ、中村リョーコ、的山リンコ、若田部アヤナの四人で、
そのうちリンコとアヤナは二人の級友で、アイとリョーコはそれぞれマサヒコとリンコの家庭教師だった。
中学卒業後、アヤナは父の仕事の関係で渡米し、リョーコは就職、アイは卒論と就職活動と、顔を合わせる機会は減るはずだった。
ところが、なんだかんだで休みがあるとリョーコが招集をかけ、アヤナも一年足らずで帰国し、結局、六人でつるむことが未だに多い。
リンコとアイの天然ボケ、アヤナの厳しいツッコミ、リョーコのエロボケに悩まされることはあるが、
別に集まることそのものには、二人とも嫌な気持ちを抱くことは無い。
やっぱり、仲の良い連中で集って遊ぶのは、楽しいからだ。
しかし、一方で、二人だけの時間がなかなか持てないのも事実。
いざ休日、いざデートという段になって、リョーコからの連絡でそれが潰れてしまったことも一度や二度ではなかったりする。
 で、この九月のシルバー・ウィークである。
四連休、リョーコが絶対に「さぁ集まるわよ」と全員に呼び掛けるかと思いきや、何とリョーコが職場の研修で外出不可能に。
産休代替の臨時講師として小学校に勤めているアイも帰郷、リンコとアヤナは家族と旅行と、
マサヒコとミサキのデートを阻む要因は全く、何一つ無くなってしまった。
この機会を、みすみす逃す二人ではない。
与えられたチャンスは、それこそシルバー・ウィークだけに、銀の塊よりも価値がある。
初日こそ、共に学校の課題を片づけなければならず、デートは出来なかったが、
二日目から堂々、街へと繰り出すこととなったのだった。
 学生であり、両者ともバイトはしていないので、自由に使えるお金は決して多くはないが、
それならそれで、行けるところで楽しむのがデートというものである。
ウインドーショッピングをし、カフェでお茶を飲み、公園を歩く。
派手ではないが、相手がいれば、それでいいのだ。
 そして連休三日目の今日、二人は朝からまた外出をした。
それぞれ、自宅に両親はいない。
働き者のマサヒコ父とミサキ父は共に出張で、マサヒコ母とミサキ母は婦人会の日帰り旅行で一日農園体験へと出かけている。
母たちが帰ってくるのは夜の遅くになるので、それまで共に時間を気にせず一緒にいることが出来る、というわけだった。
 映画を観て、駅前デパートの屋上遊園地で遊び、大型家電量販店でCDやDVDを探す。
楽しい時間を過ごしていた二人だが、空模様がやや怪しくなってきたということで、早めに帰宅することになった。
途中、ケーキ屋に寄り、ケーキを買って、二人は帰路についた。
と、その途中、「早道だ」と裏通りを突っ切ることにしたのだが、事件というか、問題はそこで起こった。
同じような考えでショートカットしようと思ったのであろう車が一台、電信柱に車体をぶつけてしまい、道を塞いでしまっていたのだ。
警察やら何やらが来て、とてもその道は通れそうになく、仕方なく逆方向に引き返そうとした時、天からパラパラと小雨が降ってきてしまった。
傘を持ってこなかったこと、天気予報をちゃんと見ておかなかったことを悔やみつつ、速足で急ぐ二人だったが、
雨粒が大きく、勢いが強くなるにあたって、何処かに雨宿りに入る必要性に迫られた。
表通りまで500メートルくらいだったが、そこまで走っていってもずぶ濡れになってしまうのは必定、
前も後ろもなく、勢いだけで二人が飛びこんだのが―――ラブホテルの入り口だった。
448ピンキリ ◆UsBfe3iKus :2009/09/22(火) 18:39:19 ID:oZhuKs2u
 ◆ ◆ ◆

「お、おいミサキ」
「マサちゃんは……じっとしてて」
 マサヒコの手と口によって、ミサキは小さいながらも達した。
そのお返しと言うかお礼と言うか、今、ミサキはマサヒコを逆に寝かせて、雄々しく屹立した男の象徴へと、指と舌を這わせようとしている。
処女と童貞を同時に捨ててから一年弱、それから何度も身体を重ねてきた二人だが、
基本、求める段階まではともかく、本番でミサキが積極的にマサヒコに奉仕したことはあまりない。
生来、この少女は恥ずかしがり屋なのだ。
マサヒコの方はと言うと、こちらは年齢相応のガツガツさは無いものの、
そこはやはりあの母と、それに応えている父の血を引いているだけのことはあり、やる時はやる男だったりする。
「ん……ちゅ、っ」
「う、ミ、ミサキ……」
 サオの部分を両の掌で軽く扱きつつ、亀頭に唇を当てるミサキ。
マサヒコの両足の間に屈むように座り、手と舌で奉仕しつつ、時々「気持ちいい?」と言う風に、マサヒコを上目づかいで見やる。
男からすれば獣性を一気に解放してしまいかねない絶景だが、そこで「がおー」とならないのがマサヒコという男である。
一所懸命に自分を求める彼女に対して、彼が抱くのは、ただ愛おしさのみ。
股間から突き上げてくる電撃に似た快楽に脳を痺れさせつつも、右手でミサキの頭を優しく撫でる。
「で、出そうなら……言ってね」
「あ、ああ……」
 普段は見せることのない、ミサキの痴態。
それに、マサヒコはやや驚きつつも、制止は決してしない。
ここで止めるようなら、それこそ男失格であろう。
「ちゅ、ふ、はぶ……っ、れ、ろ……っ」
「くっ、ミサキ……!」
 ミサキの舌技は決して上手な方ではない。
経験そのものが多くないのだから当然だが、拙いとさえ言える。
リョーコがもし見ていたなら、「後100回は訓練を積まないとね」と溜め息をついたことであろう。
もっとも、マサヒコからすれば、上手下手はあまり問題ではない。
ミサキが自分のためにしてくれている、という点が何より大切なのだ。
「む、はむぅ……はふ、ど、どう……?」
 マサヒコに放出の気配が無いことに、ミサキはやや顔を曇らせた。
優等生にありがちな傾向と言うか、後ろ向き気味の思考の持ち主であり、
「やっぱり私なんかじゃ」という思いが湧きやすいタイプ……と表現するのが適切だろうか。
「いや、気持ちいいよ、ミサキ」
 そんな思いを知ってか知らずか、優しい言葉をミサキにマサヒコはかけた。
イキたければミサキの頭を掴んで強引にその口に出し入れをすればいいのだが、そんなことはマサヒコは考えたこともない。
「うん……頑張るから」
「無理するなよ」
「……うん」
 セックスという、人間の本性が露わになる場でも、あくまでミサキはミサキらしさを、マサヒコはマサヒコらしさを崩さない。
ゆっくりとだが、確実に、上へ上へと階段を昇っていく二人である。
449ピンキリ ◆UsBfe3iKus :2009/09/22(火) 18:42:14 ID:oZhuKs2u
 ◆ ◆ ◆

 雨の勢いに背中を押されて、はじめてマサヒコとミサキはラブホテルに入った。
入口で雨が止むまで待機、という選択肢もあったのだが、いつ空模様が回復するかもわからない上に、
従業員にギロリと睨まれてしまったのでは、もう引き返すべき道はなかった。
ミサキの部屋、マサヒコの部屋、そのどちらかが、二人の逢瀬の場所であり、ラブホテルの中は未知のゾーン。
通された部屋の中を、最初、躊躇いつつも観察していた二人だが、やっぱりここは名前の通り、愛を交わす専門のところ。
若過ぎる二人にスイッチが入ってしまうのも、無理からんことではあった。
 窓の外に雨音を聞きつつ、ベッドに寝かせたミサキの衣服をゆっくりとはぎ取っていくマサヒコ。
マサヒコの邪魔にならないように、時には身を浮かせ、捩って位置を変えるミサキ。
間にキスを挟みつつ、生まれたままの姿に二人がなるまでに、実に十分以上の時間を費すことになったが、
それもまた、この二人らしいと言えば二人らしいとも言えた。
 柔らかい光を放つ部屋の電灯、微かに漂う備え付けの甘いアロマの香り、そして何より、「はじめてのラブホテル」という事実。
ちょっと積極的になりつつも、それでもかわないところはかわらない。
マサヒコとミサキというのは、そういう男女なのだった。

 ◆ ◆ ◆

「じゃ、いくよミサキ……」
「うん……マサちゃん」
「……」
「ど、どうしたの?」
 いよいよ挿入という段になって、マサヒコは不意に動きを止めた。
そんなマサヒコに、不思議そうに、そしてどこか心配そうに、ミサキは尋ねた。
「いや、ほら、いつも使っているやつと違うから」
「あ……」
 二人はまだ高校生であり、家庭を営む能力は無い。
すなわち、性行為の『結果』が出てしまっては色々とまずいことになってしまう。
マサヒコの母などは、「いいじゃない、この歳でお祖母ちゃんになるのもまた一興」などと言ってけしかけるのだが、
やはり学生の身空で子供が出来てしまっては、問題がある。
ナマでヤッたこともないわけではないが、セックスする時は、基本、ちゃんとマサヒコがコンドームをつけて行うことにしている。
「大丈夫、だよな?」
「そ、そんなこと私に聞かれてもわからないよお」
「そりゃそうか……」
 二人は顔を見合わせると、クスリと笑いあった。
今から本番を迎えるというのに、何とも奇妙ではあったが、この穏やかさこそが、二人の愛の印、愛の形でもある。
「それじゃあ……」
「うん……」
 改めて、ミサキはベッドに仰向けになると、そろそろを足を開いた。
マサヒコはもう一度、ゴムの根元のズレを直すと、ミサキの足の間に、自分の太股を割り込ませた。
「ミサキ……」
「マサちゃん……」
 そして、今日何度目かのキス。
「ん……」
「……あ、ん」
 窓の外ではようやく陽が落ちようかとしている。
だが、まだ雨は当分止みそうにない。
より激しく、音を立たせて、空は銀の粒を降り注がせている。
二人に、まだ帰るなと言わんかの如くに。


 F   I   N
450ピンキリ ◆UsBfe3iKus :2009/09/22(火) 18:48:05 ID:oZhuKs2u
 ここまでです。
無難にと言うか、やっぱり自分はマサヒコとミサキが好きなんだな―と再確認する次第です。
シンジとアリアは……考えたんですが、なかなか難しく、実現出来ませんでした。申し訳ないです。
 どこまでSSを書き続けることが出来るかわかりませんが、まだもうちょっと、頑張っていきたいと思います。 
では、また。
451名無しさん@ピンキー:2009/09/22(火) 20:25:17 ID:uaWLWmss
相変わらず乙であります
出来れば実生活に響かない範囲でスレが続く限り宜しくです
452郭@携帯:2009/09/23(水) 11:40:15 ID:kJof6rE0
ペピトーン氏&ピンキリ氏にGJですっ!
両氏とも濱中や妹SSというのがなんちゅうかベテランですね。や、私もなんですが(苦笑)
周年祭、私はちょっとズレこみます。多分連休明けになっちゃいます。
すいませんが気楽にお待ち下さい!

では股
453名無しさん@ピンキー:2009/09/23(水) 17:45:24 ID:XKvSDeLk
郭氏キタ―――――――――
wktkしながら待ってます!
454名無しさん@ピンキー:2009/09/25(金) 16:46:16 ID:lefvZwS5
今週一週間が記念週間ということでいいのかな
455名無しさん@ピンキー:2009/09/26(土) 17:23:27 ID:EWd0b26l
なんか過疎った
456名無しさん@ピンキー:2009/09/27(日) 17:46:40 ID:35uxnISt
静かなのもいいじゃないか
457名無しさん@ピンキー:2009/09/28(月) 00:40:03 ID:IyhI7pxL


ギシッ ギシッ ギシッ

458名無しさん@ピンキー:2009/09/28(月) 01:44:36 ID:9WIFGPtt
曲者!
敵の間者か!
誰ぞ槍を持てい!
459名無しさん@ピンキー:2009/09/28(月) 12:12:16 ID:cXZlCVGt
カズヤ「では早速!」(と言って股関を)
460名無しさん@ピンキー:2009/09/29(火) 11:09:55 ID:hgG+aIlQ
>>459
カズヤの股関は蹴り上げられるために、有ります
461Y-275:2009/09/29(火) 21:24:11 ID:ULhHkKUj
皆様お疲れ様です。こんばんわ。
ペピトーン氏、ピンキリ氏乙&GJであります。
生誕記念祭一切顔出せなくてすいません。
ここんとこ仕事がアホみたいに忙しく、あっという間に時間が経ってしまいました。
これからぼちぼちと書く作業に入りますので。
とりあえず今日は挨拶だけ。
5周年おめでとうございます。
462名無しさん@ピンキー:2009/09/30(水) 11:18:17 ID:PdSseHnU
よろしくー!
463名無しさん@ピンキー:2009/10/02(金) 12:16:28 ID:znNFeT5q
保守
464名無しさん@ピンキー:2009/10/04(日) 18:11:32 ID:Wg3EoO2S
さすがに一時期に比べるとレスの量が寂しくなってきたなあ…
まぁそれでも複数の職人が生存している時点で十分贅沢なのはわかってはいるんだが
465名無しさん@ピンキー:2009/10/04(日) 23:41:16 ID:BsXlgRwg
最盛期が異常だったんだよ
466名無しさん@ピンキー:2009/10/04(日) 23:47:05 ID:IznAJ+sa
マターリいこう。
それはそうと、こういう時こそ色々案を出し合うのはいかがでしょう?
何度も出かけては断ち消えるリレーSSの話とか。
それかいっそ、リレーSSを始めてしまうとか。
467名無しさん@ピンキー:2009/10/05(月) 19:25:50 ID:19egkOR1
よし。ならばオレから始めようではないか。
リレー小説・第一節だ!
投げっぱなしになっても知らんぞw
468名無しさん@ピンキー:2009/10/05(月) 20:00:42 ID:19egkOR1
それは友人の唐突な一言から始まった。
「なぁシンジ、あの娘たちの中から誰か一人を俺に紹介してくれよ」
「………は?」
何を言われたのか咄嗟には理解できず、城島シンジは思わず気の抜けた声を洩らした。
自分の発言の意味を相手が分かっていないのを看て取ったシンジの級友・カズヤは、じれったそうにシンジの方へと詰め寄る。
「あ〜。だからさ、お前の妹のカナミちゃんって彼氏いないんだろ? だったら…」
ニヤニヤと笑いながらカズヤがそこまで言うに到って、ようやくシンジの方は事態が飲み込めてきた。
「お…お前ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇい!!!!」
激昂して立ち上がると、鬼のような形相でカズヤの両肩を掴む。
「いつものノリでカナミに何かしてみろ…お前…殺すぞ…!!!!」
「いたたたたた…! シ、シンジ! 落ち着け! 肩が痛い! 割れる! 話を聞け!」
懇願も及ばず、シンジは腕に込めた力を緩めようとはしない。
声にならない悲鳴を上げ続けていたカズヤだったが、その頭部が突如として上方向に引っ張られた。
「状態は飲み込めたわ。城島君、このクズを殺す気なら助太刀するわよ」
シンジたちの級友が一人、今岡ナツミだ。
背後からカズヤの頭部を鷲掴みにし、万力の如く締め上げている。
「か、かたたたたた…! ああ、あ、あたまあぁぁぁ!!! ★◇×△@#%=□ーっ!!!!!」
カズヤの命は風前の灯火であった。
469名無しさん@ピンキー:2009/10/05(月) 21:18:42 ID:19egkOR1
「いつつ…。おまいら、人の話は最後まで聞くもんだぞ…」
自分の後頭部と両肩をしきりにさすりつつカズヤがボヤく。
あの後、白昼の惨事を見かねた級友たちのとりなしによって、カズヤはどうにか一命を取り留めたのであった。
「いきなり仰天発言をするお前が悪いんだろうが…」
机を挟んで対面に座っているシンジの憤りは収まっていない模様。
「日頃の言動が酷すぎるからよ。自業自得だわ」
その傍らに立つナツミは、便所蟋蟀でも見るような冷たい視線でカズヤを見下ろしている。
もっとも、マゾヒストのカズヤにとっては彼女の蔑視は嬉しいご褒美でしかないのだが。
「で、なんだ。さっきの話の続きってのは…」
ウンザリした表情でシンジが切り出した。
なんだかんだで友人の妄言に最後まで付き合うあたり、彼の人の良さが表れている。
「おう! それそれ!」
カズヤが喜色満面で身を乗り出してきた。
「ほら、お前の妹のカナミちゃんとその友達ってさ、もの凄〜くレベル高いじゃんか!」
「…そうか?」
興味なさげに応じたシンジを見て、カズヤは深い溜息をつく。
「はあぁ〜…。シンジ、お前って何もわかってないのな。カナミちゃんたちの可愛らしさは他校でも評判になってるだぞ!」
「え、マジで!?」
「ああ、大マジさ。他校の知り合いに俺も聞かれたぜ。『あの評判の可愛い娘、お前の学校の生徒なんだろ?』ってな」
「そう…なのか…」
初耳であった。
確かに実兄のシンジから見ても妹の容姿は端正な方だとは思うが、そこまで衆目を集めていたとは…。
「本気で狙ってる野郎も結構いるって話だ」
「そうか…。それは危ないな。これからはもっと注意して見てないと…」
「そこだ!!!!」
「え!?」
思案顔になっていたシンジは、不意をつくカズヤの咆哮に驚いて肩を振るわせた。
そんなことにはお構いなしにカズヤは猛然とシンジに詰め寄る。
「シンジ!『ガード役』という名目でカナミちゃんたちの行楽に同行してるらしいな!」
「あ? …ああ、女の子だけだと危ないからな。でも、それがどうかしたか?」
「どうかしたか、じゃねーよぉぉぉぉぉう!!!!」
絶叫しつつ天を仰ぐカズヤ。その目には涙が煌いている。
「泊りがけで美少女たちと遠出なんて…遠出なんて……この野郎!! このやろぉぉぉぉうぃぃぃやぁぁぁ!!!!」
「ちょっと、城島君! それ本当!?」
カズヤの言を受けて、今まで傍観を決め込んでいたナツミが急に話に喰いついてきた。
「え…マズかったかな?」
「まずいも何も…城島君がそんなことしてたなんて…。何か起こったらどうするの?」
「何かって…。それが起こらないように俺が同行してるんだけどな…」
問題点がどこなのか分かっていないシンジを見て、ナツミは絶句している。
その後を継ぐような形でカズヤが怒声を浴びせてきた。
「この不倶戴天の悪人め! どうせまたお出かけの予定があるんだろ! そうだろ!」
「あ、ああ。今度の連休に泊りがけで高原に行くみたいだけど…」
「俺もイクぞ! 絶対イクぞ! もう決めた!」
「なっ!? なに言ってんだお前! そんなの駄目に…」
決まってるだろ、とシンジが言いかけたその時、横からナツミが言葉を挟んだ。
「それがいいわ。城島君、私も行く」
「今岡!? いや、でもな…」
「行くからね」
「…はい」
有無を言わせぬ迫力にシンジは頷くしかなかったという。

「ハンマーチャーンス!!!! やったるでぇぇぇぇ!!!!」
その夜、カズヤが自宅で快哉をあげたのは言うまでも無い。
470名無しさん@ピンキー:2009/10/05(月) 21:21:17 ID:19egkOR1
俺は…ここまでだ…。
後は…任せたからな…。
471名無しさん@ピンキー:2009/10/06(火) 13:13:59 ID:vI7BJBPs
おい、しっかりしろ!
返事を!返事をー!
472名無しさん@ピンキー:2009/10/06(火) 17:29:48 ID:1GBoN1f3
よし、短いけど


「しかし、チャンスはものにしないとイケないわけだ」
イケ、のところのイントネーションがなんとも卑猥だが、カズヤは気にしていない。
このイベントは非常に重要なものである。
何しろ美少女たちに囲まれてお出かけするのだ、彼の人生にとって、これほどの幸福はない。
むろん、お出かけからさらに深く進むことができたらもう何もいうことはないのだが、
さすがに一足飛びにそこまで到達するとは彼も考えてはいない。
最低でも、「夜のオカズのネタ」が増えたならば、それはそれでヨシとしておくべきであろう。
高望みしても、簡単にかなえられないのがエロ道の王道というもの。
「やっぱりデジカメは数台持っていくよな…」
なんで数台持っていくのか、もしかするとこの男は、
メモリーいっぱいに女の子たちの写真を撮りまくるつもりなのかもしれない。
また、今岡ナツミに没収されたときのことを考えて、スペアは必須ではある。
「…うっ、想像するとイッてしまいそうだ」
どんだけ早漏なんだよ、と天の声でつっこみが入る。
もちろん、カズヤには聞こえていない。
「楽しみで仕方ないぜ!」
まちがいなく超キケン人物、カズヤ。
今岡ナツミと城島シンジが、どこまで彼の暴走を止めることができるのか。
はたまた、彼のエロ道をひっくりかえすほどにカナミやマナカがボケをかますのか。

いざ、高原。




↓あとは任せた
473名無しさん@ピンキー:2009/10/06(火) 18:17:42 ID:6KAk6Sow
では小生も…

ちょうど同じ頃合、今岡ナツミも入念に荷造りを行っていた。
「動きやすい服装じゃないとね。となると、ジーパンよりも綿パンになるか。高原の夜は冷えるだろうから、ジャンパーなんかも要るよね。それと…」
そう言いつつ彼女が手にしたのは、冬用のオシャレなコート。
昨年の冬に「対クリスマス用決戦衣装」と意気込んで購入した勝負服だったが、結局のところ去年は着ず終いであった。
「城島君…」
そのコートを胸に抱いたナツミは微かに頬を赤らめた。
しかし、その表情は次の瞬間には鬼気迫るものへと変貌する。
「そして…」
そう言いつつ彼女が手にしたのは、冬用のオシャレなメリケンサック。
変態野郎が可愛い後輩およびその友人にセクハラを働いた場合、その脳天を渾身の虎砲で撃ち抜かねばならない。
「カズヤ…」
そのメリケンサックを右手に装着したナツミは微かに顔を赤らめた。

いざ、高原。



↓次の人よろしく
474名無しさん@ピンキー:2009/10/06(火) 20:21:11 ID:qgieVkVV
まさか本当にリレーの流れになるだなんて・・・。初思春期。

 そして、真打ちのシンジ。
「美少女、か」
 シンジは改めて全員の顔を思い出してみる。
 なるほど、妹の親友3人はそれぞれ個性は違うが見目麗しい。
 男っぽいと言われながらも、りりしく端正な顔立ちのアキ。
 一見華奢で儚く、深窓のお嬢様といった雰囲気を持つマナカ。
 ごく一般的に活発な美人といった様子のショーコ。
 これに、明るく朗らかな陽性の美少女である妹、カナミがいればさぞかし男
たちの目を引くだろう。
 さらに今回はショーコ経由の友人金城カオルと、シンジに対しては妙に警戒
感があるよう(だとシンジは思っている)だがカナミの新しい友人叶ミホも加
わっている。どこを見ても美少女だらけだ。

 で、ふと思う。

『なぜ俺はそれに気づいてなかったんだ?』
475名無しさん@ピンキー:2009/10/06(火) 20:32:17 ID:qgieVkVV
 元々のきっかけは、そう、カナミと一緒にいるところ出くわしたり、カナミ
が家に連れてきたところであいさつされたり、という程度であった。
 その時の印象は、『ああ友達ね』、と本当にその程度だった(マナカとの再
会には流石に驚かされたが)。容姿についてはこれまでとくに意識したことも
ない。
 読者諸兄もご存じのとおり、シンジは健康溌剌、性欲旺盛な男子である。そ
れが年頃の麗しい異性に対して一切反応を示さないというのは、本人からして
も首をかしげたくなる事実である。

『やっぱり、妹の友達は子供、って感じだからかなぁ』

 考えたすえ、無難かつ現実味の高い結論に落ち着く。いかに天然純粋培養エ
ロボケ耳年増妹とはいえ、兄からみたらいつまでたっても子供にすぎない。美
人だろうと肉感的だろうと、どうしても子供にしか思えないのだ。
 子供、と考え至ってシンジは苦笑する。妹と自分は2歳しか違わないのだ。
妹が子供なら自分も十分子供のうちである。
 しかし、

『俺は子供か?』

 まあ、高3ともなれば大人ではないにしろ、自分を子供とは思わなくなる。

『じゃあ、カナミたちは……』

 カナミたちはまだ子供なのだろうか。生生しい話をすれば、生理は当然来て
いるだろうし、ショーコに至っては微かに伝え聞くだけでも小宮山級といって
いいほどに派手な性生活を謳歌している。考えようによっては童貞のシンジよ
り彼女の方がよほどオトナだ。
476名無しさん@ピンキー:2009/10/06(火) 20:52:35 ID:qgieVkVV
 シンジは今更ながらに、彼女たちが子供に思えなくなってきた。その上でこ
れまでにあった様々なことが自然と思い出される。

 波に水着を攫われたアキにタオルをかけて彼女を伴って陸へ戻ったこと。
 家に帰ったらなぜかコスプレ大会。
 どんな運命のいたずらか巻き起こったスカートめくり祭り。

『やばっ……』

 今更ながらあらわになった女体や、薄い下着に隠されたその奥が気になっ
てしまい(アキネタが多いのは彼女の不幸体質故)、興奮しつつある自分の
一物の動きを、あわてて身をすくめ抑制する。

『いかん、いかんいかんいかん!!』

 いかにスケベ心旺盛なシンジとはいえ、リアルの、それも妹とその友人たち
を自分の汚らわしい妄想で汚さないという良識はある。
 しかし、冷静に彼女たちの容姿と肢体について判断をくだしていけば、普段
見ているエロ本やエロビデオの女体なぞより確実に美しい。それが普段から自
分の半径1メートル以内をうろうろしていたと考えれば、もう興奮と狼狽が収
まらない。
 ベッドで煩悶するシンジ。いっそ眠ってしまえればいいのだが、性的に昂ぶ
って眠ることもできない。
 どれだけ長い間うなされただろうか。それでも眠れないシンジは一つの決断
を下す。

「よし、抜こう」

 ほうっておいて収まらないのなら、むしろ発散させる方向で収めればいい
のである。危うい決断のような気もするが、シンジは長らくのじらしプレイ
で若干くたびれている感もあるがうちは意気軒高といった状態の己の分身を
引きずり出す。
477名無しさん@ピンキー:2009/10/06(火) 21:23:15 ID:qgieVkVV
 臨戦体制が布かれたことで、シンジの肉棒はいざ鎌倉とばかりに隆起した。
 あまりにも直情径行すぎるわが子を見て苦笑するシンジ。とりあえず、とこ
れまでにも何度も見ている入れっぱなしのエロビデオを再生する。

『ん、うん、あ、あん、あ〜ん!!』

 早送りでただちに濡れ場に持ち込む。ニヤリとしながらリモコンを置き、
愛槍に右手と懐紙を添える。
 そして一扱き、と身構えたそのとき。

『……ぁん』

 一時、ビデオの中の女優がか細くせつなげな声を漏らした。これまでにも
何度も聞いてきたはずの声だが、このときだけはなぜか、

(マナカ……ちゃん?)

 妹の友人の声に聞こえた。周りを見るが当然マナカはいない。もちろん妹の
部屋に彼女が隠れていて、ビデオに合わせて声を上げたなんてこともない。
 改めてビデオ画面を見る。映っているのはなかなかいい体つきをしているが
顔は美人に半歩足りない、といった程度の女優である。マナカとは似てはいな
い。

『空耳、空耳』

 気を取り直して、もう一度。ビデオ画面を注視していれば妙な勘違いは起き
ないだろうと凝視する。そしてもう一扱き。

『うぅんっ!』
「!?」
 一瞬、官能に顔をゆがめた女優がアキに見えた。当然似ていない。
 今度は目をつむってやってみる。しかし、脳内の闇の中には女優の声が不気
味な反響とともに鳴り響く。

『アン!アッ!アッ!アアン!ハァ、アッ』

 カナミ、アキ、マナカ、ショーコ、カオル、ミホ。シンジがよくしる少女たち
のあえぎ声が重なりあって聞こえる。
 それとともに、闇の中にぼんやりと画像が浮かんでくる。自らの眼下に組み敷
いた女性の姿。AV女優と同じ体勢だ。だが、顔や体つきといった細かいところま
では分からない。

『アン!イイ、イイの!イイ!もっと、あ、ア〜ン』

 AVの声とともに下になった女性の姿が像を結んでくる。その姿はカナミであ
った。その妹に覆いかぶさって突きこんでいるのは視点からして明らかに自分
だ。扱く手にも力がはいる。が、すぐ正気にかえり頭をふるってカナミの像を
振り払う。
 だが、すぐに次の女性の姿をとって妄想は続く。次はアキだ。揉みがいのあ
る大きな胸をしている。実際に揉んだことはないのだが、弾力のある大きなマ
シュマロを握りこむのを想像して指使いと腰の動きの療法で彼女を喘がせる。
 また気を散らして仕切りなおすが、今度はマナカが出てくる。何度やっても
別の少女が顔を出し、その少女に自分は欲望を叩きつけてしまう。
 やめてしまえばいいのだが、手が止まらない。気持ちがよすぎる。性器は初
めて本気を出せたとばかりに興奮している。
478名無しさん@ピンキー:2009/10/06(火) 21:33:06 ID:qgieVkVV
 続けるうちに、組み敷いていた少女は混在し、1人として確かに存在してい
るのに、移り変わっていくように思える。そして、どの少女と捉えたととても
その全てがシンジとの交尾に酔い痴れている。

『イクッ、あ、アアア〜〜ンッ!!』

 女優が慣れた演技で嘘か真か判然としない声で絶頂を迎える。それとともに
妄想の少女もシンジの性愛に応えて快楽の頂点に至る。
 そして、シンジの肉棒からは白い汚れた欲望が放出された。

「………………」

 その穢れを紙で抑え込んだまま、シンジは呆けたように物思いにふけった。
自分は何をしているのか、してしまったのか。そして、

『結局……、俺は誰に出したんだ?』

 そんなとりとめないことを考えるうちに、シンジの種はだらだらと茎をたれ
下がっていった。


わたしはここまで。ナツミさんは絡めれませんでした。↓
479名無しさん@ピンキー:2009/10/07(水) 13:07:15 ID:lA0CqqZT
バトンを引き受けた。少しだけ頑張る。


それぞれの人物がそれぞれの思惑を抱いて眠りにつく。
そして、夜が明けた!

「おきなさい。おきなさい わたしの かわいい シンジ や……」
誰かが自分の名を呼んでいる。
城島シンジは両目を開いた。
太陽の光が突き刺さる。
今日もいい天気のようだ…。
「ふ・・・あ〜あぁぁ・・・」
欠伸をいつつ首を巡らすと、視界に妹のカナミがフレームイン。
シンジと目が合うと、美しい妹は穏やかな笑みを浮かべた。
「おはよう シンジ。 もう あさですよ。
 きょうは とても たいせつなひ。 
 シンジ が はじめて おしろに いくひ だったでしょ。
 このひのために おまえを ゆうかんな おとこのこ として そだてたつもりです」
「ああ、悪い。起こしてくれたのか。サンキュな」
「さあ かあさんに ついて いらっしゃい」
「朝飯の用意ができてるって? ずいぶん寝坊しちゃったんだな…。この埋め合わせは今度するよ」
「もう!ちゃんとツッコまなきゃ駄目じゃない!」
「寝起きはカンベンしてくれよ…」
いつもの二人だった。

「ゆうべは おたのしみでしたね」
いきなりのカナミの一言にシンジは激しくむせ込む。
飲みかけの珈琲をあやうく噴き出すところであった。
「ゲホッ!お、おまい…何を…っ!」
うろたえる兄を見てカナミはニンマリと笑う。
「んふふふふふ。図星だったみたいね〜」
「…あ…!」
シンジはカマをかけられていたことに気付いた。
こんなにアッサリと引っかかってしまうとは、何たる不覚。
オルテガ父さんに会わせる顔がない…。
「まぁ、お兄ちゃんの日課だから仕方ないんだけど、さすがに出発前日は控えて欲しかったなぁ」
クスクスと笑いながらカナミが言う。
男性の『そういう行為』に対して嫌悪感や羞恥心を抱いてる様子はない。
もっとも、あまり理解を示されるのも男の側としては気恥ずかしいのだが。
「あ〜、いや、なんだ、その…。…すまん」
「いいっていいって。それだけ本気ってことなんでしょ?」
「…本気?」
妹の口から漏れた単語にシンジは思わず身を固くする。
(まさか、昨夜の妄想を…?)
エスパーでもあるまいし、と一蹴しようとしたが、後ろめたさがあるだけに発想はどうしてもネガティブになっていく。
(麻宮ア◇ナのように突如として超能力が目覚めたとか…? もしそうなら、俺は…)
シンジの背中を冷たい汗が伝う。
しかしながら、カナミの次の言葉は兄の杞憂とは無縁のものだった。(当然だが)
「今日は好きな人が来るんだもんね!」
480名無しさん@ピンキー:2009/10/07(水) 13:45:08 ID:lA0CqqZT
「ん・・・? 『好きな人』って・・・?」
妹がサイコソ★ジャーに成っていないことに安堵したシンジだが、
それとは別に彼女の発言に引っかかるものがあるので反問した。
「うひひひひひ。ま〜たまたぁ、旦那もやりますな〜」
オヤジのような口調になったカナミが、ニヤニヤしながらシンジのわき腹を肘で小突く。
「可愛い妹と後輩を、意中の娘を落とすためのダシに使うたあねぇ。よっ、今孔明!」
「え、何言ってんの? まるで話が見えてこないんだが…」
困惑するシンジを尻目に、カナミは何もかも分かっているという顔で頷く。
「は〜いはい。そういう事にしておきましょ。ターゲットに必死さが露見したらアウトだもんね!」
「いや、だから、何を…」
「単なるクラスメイトからラヴァーズへの脱皮! この城島カナミが全力でサポートさせていただきますぜ!」
「ああっ!」
ここにきてシンジは妹が壮絶な勘違いをしていることを理解した。
級友2人を高原旅行に急遽参加させたのを『そういうこと』だと捉えていたとは…。
「いやいやいや! あいつらが来るのはそういう事じゃなくてだな!」
「大丈夫、大丈夫! この頼もしい妹にドーンとまっかせなさ〜い!」
「カナミ!」
「あ、そうそう。さっきの『はじめて おしろに いくひ』の『おしろ』ってのはラブホ的な意味だよ。うまくイったら後で話を聞かせてね!」
「カナミ! だから違うって!」
「暴走を防ぐために予めヌいておくなんて『マ◇ーにくびっ◇け』みたいだね。用意周到!」
「おい、人の話を聞け!!」
「お兄ちゃん!ファイト一発だよ!…あ、一発じゃ鎮まらないか。だったらファイト5発だね!」
「カナミぃぃぃぃぃぃぃ!!!!」
早朝の町にシンジの絶叫が響き渡った。


ここでバトンを次の走者に渡す。
481名無しさん@ピンキー:2009/10/08(木) 05:16:50 ID:y/g/LlvE
これが未来の職人たちか…

今週のムツミの空回りっぷりが見ていて痛々しい…
ミサキと違って芽がないのが
482名無しさん@ピンキー:2009/10/08(木) 23:52:02 ID:X1rOmG5l
長命職人が複数
トータルで途切れない新人参加
住人の大半が職人予備軍


これがスレの底力か…
483名無しさん@ピンキー:2009/10/09(金) 00:08:23 ID:DL3FZkE4
>>481
確かにラブコメではなくシモネタ4コマ漫画だから仕方ないとは言え
タカトシに女性として意識してもらえないムツミはちょっとかわいそう
484名無しさん@ピンキー:2009/10/09(金) 01:50:24 ID:fVI31V/D
逆にタカトシ→シノ描写は増えてるという
485Y-275:2009/10/09(金) 02:20:32 ID:K/tmbWcp
皆様お疲れ様です。こんばんわ。
ちょうどリレーSSが途切れるのと書き終えるのが被ったので投下します。
ここ数号を用いてのシノ×タカトシです。
スルー対象ワードは
「全体的に雑」
「シノのキャラ」
「中だし」
で。
それでは投下。
486Y-275:2009/10/09(金) 02:22:06 ID:K/tmbWcp

「なぁ、タカトシ、一つ聞きたいことがあるんだが…」
ある日友人にかけられた言葉。
『病は気から』
なるほど、昔の人は上手いことを言ったと思う。
別段気にする必要など無かったのでは無いか?
とも思うんだけど、そのあとに続いた言葉を気にかけて、心の中で温めた結果、今があるわけだ。
思い起こせば、全ての繋がりはそこから始まっていたのだと思う。
誰もいない生徒会役員室で1人佇みながら、頭に浮かぶどうでもいいことを弄ぶ。
そうでもしなければ、想い人を待つこの時間が永遠になりそうだったから。
『恋は熱病。』
ホントに昔の人はよく言ったものだ。

………………………………

「なぁ、タカトシ、一つ聞きたいことがあるんだが…」
母親が作ってくれた弁当で腹を満たしながら、口を開いた友人に視線を向ける。
本日は生徒会活動が無くて、久しぶりに落ち着いて飯が食えるななんて思っていた矢先の事だ。
「ん、どうした?」
口の中に入っていたものを咀嚼して俺は改めて問う。
「いや、最近さぁ、校内で流れてる噂はホントなのかなと思ってさ…」
「噂?」
なんのことか分からず、俺はおうむ返ししてしまう。
「ほら、あの、タカトシが会長の事を好きっていう噂」
「……………は?」
口から思わずマヌケな言葉が漏れる。
唐突に降って湧いた、そんな話に頭の理解がついていかない。
「いや、だって、最近結構噂になってるぜ。タカトシが会長に熱い視線を送ってるって。」
「いやいや、待ってくれよ…」
さらに詳細を聞いて、頭がくらくらする。
軽い頭痛を……ん?
「………………」
「………………」
ふと、意識をまわりに巡らすと、教室は静まり返っていた。
会話をしていたはずのクラスメート達は黙り込み、耳をこちらに傾けるようにしている。
見れば普段から騒がしい三葉までもがその有様。
どうやら、噂はもはや、噂の域では留まってはいないらしい。
「はぁー。ノーコメントで…」
ならば、何を言おうとも、額面通りにはならないだろう。
俺は深い溜息の後で、それだけを友人に告げる。


………………………………
487Y-275:2009/10/09(金) 02:25:04 ID:K/tmbWcp

「というわけでだ…」
放課後。
生徒会活動。
確かに最初は流されるまま始めたかもしれない活動。
1年半やって来て、今は何となくだが、やっていく事に自覚のある活動。
史上初の男性生徒会長(いやまぁ、共学化した初めての代の生徒会副会長だし。)候補。
長ったらしい現在の立ち位置。
先代の会長、つまるところ現在の会長からまだまだ学ぶところは多い。
それで、一挙手、一動に視線を向けているからこそ生まれた噂であろうと思う。
昼間の出来事を思い返しながら、今日も会長に視線を向ける。
独特の跳ねた部分のある黒髪は、丁寧に手入れがなされているのか、今日も綺麗である。
やや鋭めな目は、パーフェクト超人で、クールな会長の雰囲気をぐっと引き立ててるなぁ。
………等と普段なら確実に考えもしない邪まな考えが頭を過ぎる。
俺、普段からこんな事考えてたっけ??
思わぬ事態に俺は心の内で動揺をしてしまう。
「津田!!」
「はいぃっ!」
そんな俺を見透かしたような会長からの鋭い声に、俺は思わず背筋を正す。
「何をボーッとしてるんだお前は。そんなことでは、時期会長として困ることになるぞ!!」
俺を指差しながら、会長が告げる。
「すいません…」
萎縮しながら、俺は反射的にそう口にする。
(でも…)
そうやって、人を指差しながら、鋭い視線を向ける会長は凄くさまになっていて、絵になるなぁ、と心の内では考えてしまう。
何か違和感を感じずには過ごせない生徒会役員活動だった。

………………………………

「あー、ダルいなぁ…」
思わず口をつく呟き。
それから1週間経って無事に衣替えも終了。
夏服よりも、ブレザーに身を包んだ会長に親しみを感じてしまう。
単純に1年間の中の着ている比率的に、こちらの方が見慣れているだけなんだろう。
あれから、ずっと、やっぱり巡ってしまう邪まな考えと葛藤する日々が続く…
最近は夢に出てきたりもして、ドキドキ感と共に迎える朝も多い。
そんな日はどこか切なくて、朝から気怠さが残る。
「夏バテか?」
俺の言葉が聞こえたのか、会長の声が聞こえる。
いえいえ、お気になさらずに精神的なものですよ。
「………っ!」
そう答えようとしたのに、その言葉は言えずに、口から漏れるのは息を飲む音のみ。
だって…
「ふーむ…熱は無いみたいだ。」
会長が俺のデコに自分のデコを押し当ててきたから。
今まで経験したことのない会長との距離。
夏休み、うちに泊まりに来たときに嗅いだ薫りが鼻を抜ける。
鋭い目つきなんだけど、それは俺を心配してくれてるからで、
そう思うと心の中になんとも言えない感じが流れ込んでくる。
気付けば、俺の視線は目の前にある会長の瞳にくぎづけになっていて、会長と視線を交わしたまま、
動けなくなる。
カチッ、カチッ、カチッ……
「不慣れなキスシーンを演出してみました。」
ボールペンをノックする音と共に離れて行く会長の顔。
その後で聞こえたのは七条先輩の声。
「そんなんいいから」
キスだとか、ここの所、会長を意識してしまっている俺の前で使うのはやめていただきたい。
そんなことを思いながらも、俺は七条先輩につっこむ。
顔を離した会長の表情はどこか不満げだ。
488Y-275:2009/10/09(金) 02:26:53 ID:K/tmbWcp
そんな会長の表情を見ても、先ほどの光景は瞼に焼き付いているようで、
心のどこかで続きを期待せずにはいられなかった。

………………………………

「はぁー…」
溜息と共に、携帯電話で時刻の確認を行う。
夏が終わってなんだかんだ日が短くなったということを自覚できる今日この頃。
現代っ子であるが故、時刻確認といえば、携帯電話である自らも何と言って良いのやら…
結局、あの日以降、俺は妙に会長を意識してしまった。
会長が喜んでれば、自然と嬉しくなったりして…
まぁ、柄にも無く、恋心なんてものを抱いてしまっていたりする。
純粋に会長と一緒にいれたらなんて思ってしまったり…
だから、会長と前もって約束をしておいて、今日の放課後に、こうして生徒会室に呼び出した。
俺なりにいっぱいいっぱいの行動なんだよな…
まだ少ししか待ってないのだけれど、挫けそうになる。
「津田待たせたな。」
そんな事を考えること数度、思いの外早く、その人は現れた。
「わざわざありがとうございます。」
自らの気持ちは一先ず置いておくとして、目上の人に対して最低限の礼儀で接する。
「私と君との仲だ。気にするな。それでどうした?」
そんな俺にある種、社交辞令的な言葉が返ってくる。「そのですね…」
会長の長所ではあるけれど、ストレートに用件を要求されても困るな…
わかってはいたけれど、いざその場面になると、言い淀んでしまう。
「えーと…」
で、結局、次に口をつくのも全く意味をなさない言葉。
これから告白をしようと言うのに格好悪いこと、この上ない。
「なんだそれは…まぁ、良い。」
その後に続いたのは呆れの色を含んだ言葉。
「アリアは、私が君をどう思っているか語れば良いと言っていたが、それで良いのかな?」
「………はい」
思いがけない会長の言葉。
一体どういった流れが、七条先輩のその発言に繋がるのだろうか?
と思いながら、俺はなんとか肯定の意志だけを返す。
自らのヘタレっぷりが情けなくて、俺は自然と会長から目を逸らしてしまう。
そんな俺などお構い無しに会長は口を開いた。
「君は優し過ぎると思う。」
会長の第一声で顔をあげた俺の目の前で、会長は淡々と言葉を紡ぐ。
「自らの身を呈してまで、私の側にいてくれる。それを何度も、私は心強く思ったんだ。」
だって、それは会長がそうするように言ったから。
それを言うのはフェアでは無いんだろう。
少なからず俺を憎からず思ってくれてる。
そのことを嬉しく思う。
「何と言うか、頼りないところがあるのも本当だと思う。」
おっしゃる通りです。
思いあたる節がありすぎて困る。
「でも、それも引っくるめて、君の魅力じゃないかなと、私は思うんだ。」
そう言って会長は口を閉じる。
そして、会長は複雑な表情を作る。
期待と不安と…他にもいくつか楽観的な感情と悲観的な感情を混ぜ合わせたような表情を。
美人は悩む顔さえ美しいという。
今の会長はまさにそれだなと思う。
そして、多分、会長はこれから俺が何を言おうとしているかわかっているような気がする。
だとすれば、今、会長が語ってくれた言葉は好意的に解釈して良いのだろうか?
「私は思っている事を言ったぞ。君の気持ちを聞かせてもらおうか。」
しばらくして会長が再び口を開く。
なんにせよ、惚れてしまった時点でそこに道は3つしか無い。
封殺するか、当たって砕けるか、そして、上手くいって望んだ未来を手繰り寄せるか。
489Y-275:2009/10/09(金) 02:28:08 ID:K/tmbWcp
ここまで来て2分の1。
のるかそるか。
もし、今ここにある空気を好意的に解釈するなら手繰り寄せられるだろう。
……と思う。
もし、何とも思ってくれてないなら、こんな表情はしてはくれないと思うから…
シンプルに俺は自らの思いを伝えようと思う。
「会長。俺と付き合ってくれませんか?」
やっと踏み出せた1歩。
今までヘタレていた自分を払拭するつもりで、そう口にする。
夕焼けとは違った、別の紅が会長の頬に灯った。
…そんな気がした。
「……今のは減点だな。」
一瞬、笑顔を作りかけて、その表情を会長は引っ込める。
「私の名前は会長ではないからな。」
赤くなった頬を晒しながら会長が言う。
俺にしてみれば些細な事かもしれないけれど、女性にしてみれば、大事な事なのだろう。
「わかりました…天草シノさん、俺と付き合っていただけませんか?」
であるならば、と、すぐさま言い直す。
「ああ。喜んで。」
返ってきた返事は即答だった。
「私もタカトシの事を好いているからな。」
ここまで勿体振るように見せてくれなかった胸の内。
初めて見せてくれたそれは、俺にとって歓喜以外の何物でも無い。
こうして晴れて、俺達は付き合うことになった。

………………………………
490Y-275:2009/10/09(金) 02:30:02 ID:K/tmbWcp


「さて、付き合うのは良いんだが…」
それから暫く談笑をしていた。
それは関係の変化などは一切関係の無いもの。
会話の区切りの良いところで、会長がそう口にする。
「どうしました?」
「こう、恋人らしいことって、やっぱりこう……す、するのか?」
俺の問いにどう返答していいか悩んだのか、やや躊躇いがちに言葉が返ってくる。
その証拠に、聡明な会長にしては珍しく、同じ単語を2度挟むようなミスをしてしまっている。
「キス……とか、ですか?」
ただ、それはやはり俺も同じな様である。
やや躊躇いがちにそう口にする。
「そ、それもそうなんだが、そ、その…」
「あー…」
珍しく歯切れの悪い会長だが、寧ろこの場合はそれで良かったのかもしれない。
直で性行為を想起させる単語を口にされていたら、多分頭が沸騰してしまっていただろう。
「……………………」
沈黙。
次に言うべき言葉が見つからなくなって、俺は口を閉ざしてしまう。
「……………………」
それは会長も同じなようで、同じく3点リーダーを生産する。
こういう場合、何を言うのが正解なのだろうか?
それは俺も健全な男なんだし、その気が無いわけじゃない。
前に台風の日、嗅いだ会長の薫りに包まれてみたいなんて思ったりもするわけで…
かと言って、それをストレートに口にするのは気が引ける。
かなりオブラートに表現を包みながら、アレコレ考える。
そもそも、会長を好きになったって気持ちのみで行動を起こしたわけで、
事ここに至るまで、そのことをすっかり忘れていたのも事実だったりする。
でも、普段から思春期全開な会長が、すぐにこういった考えに至るのは当たり前なんだろうな。
さてどうしたものだろう?
「私は、タカトシとなら構わない。」
アレコレと考えを巡らす俺に会長から声がかけられる。
「…というか、出来ることなら、せっかく自分の好きになった人と付き合えたのだから…繋がりが欲しい。」
時折見せる、恥ずかしげな表情そのままに、会長が言う。
そこには、人一倍思春期な会長の姿は無くて、本当に純粋な姿。
いつものエロボケをかます姿で言われたらこんなにはならなかったと思う。
まるで心臓をわし掴みにされたように、自らの心拍数が上がるのがわかる。
「俺も、……そうですね……したいです。」
いざ、口に出して言うことには恥ずかしさを覚えるけど、
自らの感情をはらすにはそれを素直に伝えるしかないわけで…
「そうか。ありがとう…」
そう言って会長は自らの顔を近づけてくる。
「んっ…ふっ、ちゅ…」
会長を受け止めて、頭に手を回しながら唇を合わせる。
「タカトシ…」
「シノ…」
一度離した唇で俺の名を呼ぶ会長。
自らの名前を呼ばれて、まるでそうすることが正解と最初からわかっていたかのように、
自然に会長の名を呼ぶ。
唇が触れない程度だけ離れたその瞳が潤んでいるのがよく見て取れる。
「ふ、ちゅ、ふちゅ……っ!」
暫時のち、再び重ねられる唇。
感触を楽しむように、自らの唇で、会長の唇を啄む。
「ん、っ、ふ、ちゅっ、ちゅ、ん……っ!」
時間をかけて何度も会長とキスをする。
「ちゅ……ふ、ふちゅ、ちゅ、っ……れろっ」
自然と昂ぶる身体に任せて、舌を延ばして、会長の舌を搦め捕る。
491Y-275:2009/10/09(金) 02:31:35 ID:K/tmbWcp
「れろっ……ふちゅ…タカトシ…」
一度離した唇から漏れるのは俺の名前。
なんだか、こう呼ばれることに違和感はあるのだけれど、不思議と嫌な感じはしない。
「……ん、ちゅ……」
俺の名前を呟いた後で、会長は軽く唇を合わせると、机の上に腰掛ける。
「タカトシ……」
誘うように俺の名を呼ぶ。
蕩けたような瞳を潤ませながら。
少し肌寒くなってきたこの季節。
綺麗な色を映えさせる夕焼けに反射して、その瞳に吸い込まれそうになる。
「シノ……」
応えるように、その名を呼ぶ。
今をもってなお、心の中では会長なんて、仰々しい呼び方をしているだけあって、少しの違和感を残す。
でも、こちらも不思議と嫌な感じはしない。
すぐにでも、そう口にすることが馴染んで、心の中まで全てがそうなってしまいそうな不思議さがある。
会長を、自分の好きな人を下の名前で呼ぶ。
その行為に宿る満足感に満たされる。
「…タカトシ、来て」
そう言って会長は手を伸ばす。
「っ……ふわ、ん……っ!」
それに応えて俺は会長に近寄って、背中に腕を回し、首筋に舌を這わせる。
クールなシノの少し熱がかかった息遣いが聞こえて、胸がドキドキしてしまう。
「ふぁっ、っ……あっ」
良い匂いに囲まれ、舌を動かせば、頭の上からはもどかしそうな声がする。
この体勢では表情を窺い知ることは出来ないけれど、きっと俺が好きになった、
彼女の表情の一つがあるから、俺は夢中で舌を動かす。
「んん、……っ、ふ、ふぁっ!あぅ……っ!」
俺の舌の動きにシンクロするかのような荒々しい息遣いを感じて、気を良くする。
途中かかっている、シノの綺麗なストレートロングな黒髪を流しながら、舌を北上させる。
目的地は、
「あっ、ふあっ、あっ、〜〜っ!タカトシ、そこは……っ!」
以前、シノから申告された、会長の性感帯。
耳の裏をなぞるように、そこを一舐めする。
それに反応するように、会長は、ゾクゾクと身体を震わす。
その反応が気に入って、何度もそこに舌を這わせる。
「ふわああぁぁ、耳は……っ!…っ!やぁ……あっ、ふ、あぅ……」
身をよじるようにしながら、感じるシノ。
自らの好きな人をこうして口撫するというのも、中々不思議な感覚。
「んっ、っ……っ!ふ、あっ…」
開いた右手はシノの太股を滑らせる。
「あっ……ふあっ、っ、あ、タカトシの手、っあっ、大きい……っ!」
その手も北上させて、シノの股間へ。
ショーツ越しに、そこを揉みほぐすように愛撫していく。
「あっ、ふあっ、あっ……っ!」
シノの声色の変化と共に、吐き出される熱い息。
シノが感じているのがわかる。
「あっ、あっ……ふ、あっ〜〜っ!、あっ、ふあっ……っ!」
シノの反応を見ながら、強弱をつける。
「ふあっ……っ!タカトシ……っ、あっ、ふあっ、もう、大丈夫……っ!だから……」
身体をゾクゾクと震わせながら、シノがそう口にする。
「ふぁっ、ちゅ、ぷちゅ……っ!」
シノの言葉ごと咀嚼するかのように唇を合わせる。
「ふあっ、っ、くっ、あっ〜〜っ!」
唇を離した後で、シノは身体を震わせる。
「……っ!だから、ふあっ、もう良いと……っ!」
ハアハアと熱い息を吐き出すシノに対する愛撫を止めると、そう言葉を紡ぐ。
「その……ふ、あ、軽くイってしまったようだ…」
そう続ける。
492Y-275:2009/10/09(金) 02:33:07 ID:K/tmbWcp
「すいません…」
何となくバツが悪くて、謝罪の言葉を口にする。
「まぁ、良い、許そう。」
俺の謝罪を受けて、シノは続けて口を開く。
「攻守交代だ。」
そう言って、シノは体勢の入れ替えを要求して来る。
「ん、ちゅ…」
机に腰掛けた俺の膝に跨がると、シノは一度だけ、軽く唇を合わせてくる。
「……っ!シノ…っ!」
それから、先ほど俺がしたように、俺の股間を摩りながら、キスの雨を降らせてくる。
「ん……ふちゅ、ちゅ、……ん……」
頬やデコ、耳朶と移動して、やがて首筋に至る。
声を漏らすほどじゃないけど、それはなんだか、こそばゆいような、心地よいような感触。
それよりも、好きな人にそうされてるという満足感が心を満たすのがわかる。
「ん、ふ、ぷちゅ…ちゅ…れろ……ちゅ…」
丁寧に、何度も何度も唇を上下に移動させながら、シノが俺を責める。
「ん……ちゅ〜……」
それから、さらに南下した鎖骨の辺りを強く吸ってくる。
「ん、ちゅ……っ、」
それから、再び俺と唇を合わせると、顔を離して微笑む。
「ふふ、キスマーク。わざと、見えない所に作っといたからな。……
その、ばれて、別れることになるのも嫌だし…」
あー、可愛いなもう。
この若干照れたような表情に凄く惹かれてしまうわけで。
心の中でそんなことを思う。
「さて、下の方は…ふむ。大丈夫そうだな。」
口撫に夢中になっていたのか、いつのまにかおざなりになっていた手の中で、
すっかり勃立した俺のペニスに触れながら、そうつぶやく。
「タカトシ……ちゅっ…」
確認した後、それ以上シノは何も言わない。
ただ、俺とキスを交わすと…
「……っ、ふあっ、……〜〜っ!」
自らのショーツをずらして、俺のペニスに腰掛けてくる。
「〜〜〜っ!ふ……あっ……っ!」
首の後ろに回した手に力を込めて、声ともならない声をシノがあげる。
多分、それは痛みに耐える声。
前戯のお陰か挿入は割とスムーズに出来た。
ただ、対面座位という体位の関係上、加減はきかなかったようだ。
一気に俺のペニスを根本まで飲み込んだ事で、鋭い痛みが走ったらしい。
「シノ……大丈夫?」
今の体勢では俺は何も出来なくて、ただ、シノを気遣うように声をかける。
「あ、あぁ、大丈夫……っ!」
未だに痛みが残る声でシノが言う。
「初めては痛いものなのだろう……っ、くっ!だからこそ、タカトシとの絆を感じてるところさ……っ!」
そう言ってシノは笑う。
その頬には涙が流れた後があるけれど、その発言に幾分か安堵を覚える。
「シノ……」
名前を呼ぶ。
「……っ、タカ、トシ……っ!」
俺の名を呼ぶ声が返る。
「動く、ぞ……っ!」
それを宣言するとシノは腰を前後に揺すりだした。
「……っ、あっ、ふ……っ!」
どこか苦しそうな声。
その声を聞く俺自身は、シノの膣内で擦られて強い快感に襲われる。
「あっ……っ、ふ、あっ……」
それをシノと分かち合いたい。
快感の色など燈さず、ただ俺を見つめながら、腰を動かすシノを見ながらそう思う。
493Y-275:2009/10/09(金) 02:34:05 ID:K/tmbWcp
「……っ、あっ……?〜〜っ!」
そう思うと、俺はシノの胸に手を伸ばし、制服のブラウス越しにその胸を揉んでいく。
「あっ、ふ……っ!あっ、あっ、ふあっ…」
徐々に左手に力を込めつつ、右手でブラウスのボタンを外していく。
「ふあっ……私、胸小さいから……っ!あっ、ふあっ……っ!」
露になった自らの胸を見ながらシノがそう呟く。
「そんなことない、綺麗だよ……」
俺はそれに応えて、自らの胸の内を伝えながら、シノの乳首を摘む。
「あっ、ふあっ〜〜っ!それ、あっ、ジンジンする……っ!」
それが効を奏したのか、シノの声色に若干の違いが現れはじめる。
「……っ!ふあっ、〜〜っ!」
何よりもどんどん注挿が滑らかになっていく事が、シノが感じ始めてくれている証明に思う。
「あっ、ふあっ、あっ……ふ、あぅ、ふ……っ!」
次から次へと熱い息を吐き出しながら、シノが腰を前後する。
「んっ、っ、あっ、あっ、ふあっ、あっ……っ!」
その度に自らのペニスを伝う快感に腰が抜けそうになる。
「あっ、んっ、タカトシ……っ!……ちゅ、ぷちゅ……っ!」
シノが唇を合わせて、容赦無く舌を絡めてくる。
「ん…ふ、ぷちゅ……れろ、ちゅ、れろっ……っ!あ、あぁ、声、出ちゃう……っ!」
自然と流れ込んでくるシノの唾液を咀嚼する。
味があるわけではない。
直接脳内に流れ込んだかのように、俺の脳を蕩けさせ、より一層の興奮と快楽をもたらす。
「ん……ふ、んっ、……っ!ちゅっ……ちゅ……っ!」
何度も何度も唇を合わせてくるシノ。
くぐもった声だけど、確実に感じてくれてるんだなと実感できる声が響く。
「あっ、ふあっ、あっ、あっ、ああぁぁ、……っ!」
俺のペニスに絡み付くように動くシノの膣内。
「……っ、ふわあぁ……っ!あぅ……ふ」
俺を引きずり込むような動きと併せながら、強く強く締め付けてくる。
「ふ……っ!あっ、ふあっ……っ!」
ものすごい快感に意識が吹っ飛びそうになる。
「タカトシ……っ、ふあっ…あっ、あっ、私……もう……っ!」
ああ、俺ももう限界。
限界を訴えて、しな垂れかかってくるシノ。
「あっ、ふあっ〜〜っ!あっ、〜〜〜っ!ふわあぁぁぁぁ……っ!」
俺が精液をシノの膣内に吐き出すのと、シノが身体を震わせて絶頂を迎えるのはほぼ同時だった。

………………………………
494Y-275:2009/10/09(金) 02:34:56 ID:K/tmbWcp

「……っ、あっ、ふあっ、あっ、あっ……っ!」
それから少しだけ時間が経った。
あのあと、ジト目を向けられながら、『中で出したな』なんて事を言われてしまったんだけど、
『でも、凄く気持ち良かった…それに、心が満たされるような気がしたよ。』なんて、
照れながらシノが言うものだから、そのままもう一度いたすことになった。
少し前までそんな事に考えが及ばなかった割には旺盛な性欲である。
もはや夜の戸張が降りようとする生徒会室でシノを組み敷いて、腰を揺する。
「ふわあっ、あっ……あふぅ、タカトシ……っ!」
潤んだ瞳で俺を見据えながら、名を呼ぶシノ。
机に横たえたシノの黒髪が綺麗に広がり、凄く幻想的に思える。
「……っあ、ふ……っ、…」
1度目を終え、シノは心が満たされる気がすると言っていた。
「ん、ふあっ、あっ、……っ、んんっ……っ!」
初めてだったから、快楽に流されてしまうような感じだった1度目。
「あっ、あっ、ああっっ、〜〜っ!」
2度目だから、多少の余裕が出来たのか、今ならその感覚が分かる気がする。
「……ん、ふあっ、ちゅ、ちゅぷ……っ、ちゅ、……っ!」
シノの眼前まで顔を近付けると、どちらからともなくキスをする。
心と心が確かに繋がった。そんな気がする。
「ちゅ、ふわあぁ……っ!、ふ、〜〜っ!私、もう……っ!」
シノの手を握る。
握りしめた手から伝わる温もり。
確かにシノも共有してくれてると思う。
「あっ、ああっっ、……っ、あぅ、ふ、ふああぁぁぁ……っ!」
やがて、シノの膣内は小刻みに痙攣しだす。
「……っ、俺も……っ!」
その快感に身を委ねながら俺も絶頂に至る。
握った手から伝わる温もりを大切に、込み上げる愛おしさで胸を満たしながら。
495Y-275:2009/10/09(金) 02:42:29 ID:K/tmbWcp
以上です。

基本ムツミ大好きで、誰か→ムツミばかりなので、久しぶりにシノを。
ちょうど最近の回が題材として使いやすかったので。
最近忙しい仕事の息抜きも兼ねてガツガツと。

リレーSS、いずれ参加したいと思います。
エロシーン辺りで苦笑
今は物語も序盤で、組み上がっていく過程を楽しませていただいてます。

次回はまだ未定です。
最近はシンジが主人公な話は書いてますが、煮詰まったらあっさり変えてしまうかも知れません。

長々駄文乱文失礼しました。
それでは失礼致します。
496名無しさん@ピンキー:2009/10/09(金) 17:36:47 ID:sCJ7Dslz

応援してます
497名無しさん@ピンキー:2009/10/09(金) 19:55:00 ID:TiAvNS17
コンスタントな投下、いつも乙です
シンジでもマサでもヒロでもタカトシでもオールOK
次回投下をお待ちしてます
498名無しさん@ピンキー:2009/10/09(金) 20:31:02 ID:Niu2EvNE
乙です。
さっそく保管庫に保存したいんですけど、タイトルはないんですかね?
499Y-275:2009/10/10(土) 01:10:02 ID:KVpltZqf
>>498
遅くなりました。
「秋の日のシノ×タカトシ」
で。
タイトルを考えるのは苦手なんで、そのまんまです。
500名無しさん@ピンキー:2009/10/10(土) 07:13:10 ID:EU5Ltdqu
Y−275氏、乙です。
つくづくここは職人に恵まれてますなあ。
501名無しさん@ピンキー:2009/10/11(日) 01:41:16 ID:sKV/V0HZ
しかし職人を支えている「やる気」とは何なのだろうか
四大少年誌の一つに連載持ってる漫画家の作品とはいえ、
アニメ化もドラマCD化も何もされてない原作すっぴん漫画群なのに




…それがいいのかしらん?
502名無しさん@ピンキー:2009/10/11(日) 03:25:01 ID:rZKndA5i
良い感じに原作がはっちゃけてるし
基本が四コマ漫画だから後日談的に妄想がしやすいんだよね
それにしても氏家さんの漫画の同人誌の無さは異常。
pixivでも絵が少ないしね
503名無しさん@ピンキー:2009/10/12(月) 16:05:40 ID:QwVkmYaI
絵心ないからSSで誤魔化している…ということだろうか
504名無しさん@ピンキー:2009/10/12(月) 16:59:02 ID:Z7TaUVu/
なんて言うか氏家作品はカップリングが色々妄想しやすいのもあるんだろう
マサヒコは微妙だが他の野郎共は特定の女性キャラだけを好いてるわけでもなく、俗に言うハーレム漫画みたく「あの娘が好き」「この娘も好き」的な優柔不断ってわけでもない
各女性キャラからアプローチを受けるわけでもなく、キャラの数も年齢もその家族も世界観も絶妙だと思う
あと何だかんだ言って連載(していた)作品が四つもあるわけだからネタも浮かびやすい
要するにスズがかわいいってことだ
505名無しさん@ピンキー:2009/10/12(月) 22:15:46 ID:/qdJPoUV
>>504×スズで書いちゃえばいいんじゃね?
506名無しさん@ピンキー:2009/10/13(火) 20:40:06 ID:u+jzjXAP
>>505
 大学からの帰り、普段なら歩いて帰るのだが強い雨に降られたため珍しく
バスにのった>>504
 皆考えることは同じようで、バスの中は予想外に込んでいて>>504も含めて
立ち乗りの客も多数いた。
 そうやって10分ほどところで、

「すいません、すいませーん!」

 幼い少女の声が響く。その声の方を見ると、彼より後方、多くが込み合う中
もみくちゃにされた、小学生くらいのひときわ小柄な少女が必死に声をあげて
いる。
「運転手さーん!おりまーす!!」
 どうやら少女は次で降りるつもりらしい。誰しも御存じのとおり、こういった
バスは本来降りるバス停前でボタンを押して運転手に知らせるものである。
 では、なぜ少女がそれをしないかというと、単純に手が届かないためだ。普通
に高校生くらいの背丈であれば、バスの真ん中からでも体をよじり、手を伸ばせ
ば壁面にあるボタンに届くだろう。しかし、彼女では手を伸ばすことはおろか、
他の客を多少なりとも押しのけて寄せることすらできていない。
 当然ながらそのような体力では直接前に行って運転手に知らせることもできな
い。結局、恥ずかしさに顔を赤らめながら必死に大声を上げるしかなかったのだ
ろう。

 懸命に叫ぶ少女をほかの乗客が無視する、というより気付いてもいないような
のは別に彼らが酷薄なわけではない。社会というのは得てしてそういったもので、
群衆に埋没すると、個々の出来事に一切反応しなくなるのだ。残酷とはいえ、
>>504自身も普段はとりたてて殊勝な人間というわけでもないので、彼らを責める
気はしない。ただ、少女が可哀そうなだけである。
507名無しさん@ピンキー:2009/10/13(火) 21:08:37 ID:u+jzjXAP
 少女をよく見ると、金髪?に近いような明るく薄い茶色の髪の毛をした、年
のころには似合わないほど端正に整った顔をした美少女だった。別に>>504
リアルでロリ属性があるわけではないが、ふと心動くような美しさだった。
 しばし考え込んだ末、>>504は自らボタンを押す。
 「ピンポーン」という音が鳴るとともに「止まります」とアナウンスの声が
響く。直後、バスは次のバス停に滑り込む。どうやらタイミングとしてはギリ
ギリだったようだ。
「ちょっとすいません、すいません」
 わざとアピールするかのように気持ちのこもっていない声で周りの客に断り
を入れながら、大きく押しのけるようにして、人ごみを割って道を拓いていく。
 そんな>>504を見て、あわてて少女も閉じつつあるその道を辿って出口へと
向かった。

 2人、縦列になるようにして降車。雨は強いというほどではなくなったが、
普通に降り続いている。コンビニで買った安物の傘を開いて、>>504は家路
につく。本当なら次の次くらいがアパートの最寄りだったのだが。
 そんな彼に、

「待って」

 と後ろから声をかける者が。当然先程の少女だ。振り返ると、少し不機嫌
そうな顔で>>504の目を見据えている。
「なんでここで降りたの?」
 詰問調で言葉が続く。>>504はわざと小首を傾げて、何を言っているのか分
からない、という風を装う。だが、少女はそれでは納得しない。
「あなたは私の方をしばらく見てからボタンを押した。普通に考えればあんな
遅いタイミングではボタンは押さない。それからそっちはバスの進行方向でほ
ぼ1本道。ならあなたはここで降りる意味はないはず。なんでここで降りたの!」
 ひどく辱められた、とでもいうように顔を紅潮させる少女。この2分ほどの
時間、自分も料金を払ったりしながらもそこまで観察し推理していたのか、と
>>504は内心舌を巻く。
 さて、こうなってしまっては説明しないわけにもいかないが、正直、説明する
ほどの理由はない。強いて言えば、彼女を見ていたらふと少し気のきいたことを
してあげたくなった、というくらいか。なんと言っていいのだろう。

「なんというか、さ」
 言葉を発しながらも頭を掻き掻き、次の文言を考える。

「ちょっとした親切もいいかな、って思ってね。女の子相手ならさ」

 言ってしまってから、『あ、これ保護者が聞いたら不審者と思われそう』
と不安になる。
508名無しさん@ピンキー:2009/10/13(火) 21:21:19 ID:u+jzjXAP
 この言葉を聞いた少女は目を丸くする。案の定不審者と思われたか、それと
も台詞が臭すぎたか。言わなきゃよかったと心底後悔し>>504は渋面になる。
 さっきよりもさらに少女の顔は赤くなる。そして、視線を下におろし、少し
戸惑った様子。なにか悪いことをしてしまったかな、と>>504が不安に思った
あたりで、

「私、子供じゃありませんから!」

 顔を上げ、キッと>>504に視線を向けながら宣言する少女。その気迫にやや
後ずさりしてしまう。
 少女はそんな>>504の様子を見ながらも怒ったような、不機嫌にも見える表
情で睨み続ける。少女はしばらくそうしていたが、ふっ、と表情が緩み、また
目を付した。そしてぽつりと、

「でも、ありがとう」

 とボソボソとした声で言った。
「?」
 聞き取りにくい声であったため、何を言われたのかはただちに理解できず、
>>504は不思議そうな表情を浮かべた。が、少女はそれには気付かず、傘を開
き、脇道、住宅街の方へ>>504の方を振り返らずに駆けていった。顔は最後ま
で真っ赤だったのが印象に残った。

 取り残されてしばし呆然と彼女の背を見送る>>504。彼女がさらに道を曲が
り完全に見えなくなったあたりで、最後の言葉は自分へのお礼であったことと
、少女がなにやらどこかで見たような服を着ていることに気付く。

「あれ……、高校の制服だよな?」

 にわかには信じがたいことである。しかし、同じような制服の小中学校が
あったはずもないので否定しようもない。なるほど、子供扱いされれば怒る
わけだ。

「あー、まー、うん」

 しばらく考えた末、>>504は一人納得したように頷く。自分は一応いいことを
したと認められたようだし、好みの美少女と会話をすることもできた。これは
幸運といっていい。
 そう考えると、雨の中とはいえ>>504の気持ちは晴れやかになり、こころなし
うきうきとした様子で帰路につく。

「たまにはバスもいいもんだな」

 そんな独り言をいいながら。




 エロパロではないが書いてみた。これでおしまい。
509名無しさん@ピンキー:2009/10/13(火) 21:54:47 ID:1AK8wa+u
超GJ!
新ジャンル誕生の瞬間…?
510名無しさん@ピンキー:2009/10/14(水) 17:46:10 ID:j2vZAQ+p
ここが職人とその予備軍のすくつだということがわかった
いいぞもっとやるべし
511名無しさん@ピンキー:2009/10/16(金) 14:08:58 ID:9prYzMm3
保守
512名無しさん@ピンキー:2009/10/16(金) 16:54:10 ID:IzVszjhB
リレーの続きどうする?
513名無しさん@ピンキー:2009/10/16(金) 18:46:06 ID:upy9wq6S
>>512
YOU書いちゃいなよ。
自分は一回書いたんでまだ書く気起きない。
514名無しさん@ピンキー:2009/10/16(金) 22:05:09 ID:SsJWWJyJ
話がどう転ぶか分からないけど、一人が何度か書く必要はあるだろうな。
515名無しさん@ピンキー:2009/10/17(土) 12:03:41 ID:rbhApHvD
前回のリレー、間違いなく現役職人と引退職人が名無しで書き込んでるに100000パンツ
516名無しさん@ピンキー:2009/10/17(土) 12:29:23 ID:47Eh2lsg
かきたいひとがかけばいいのよー
517名無しさん@ピンキー:2009/10/17(土) 23:35:14 ID:W+k3KzbV
初めて書きますがリレーの続きです!!
次レスからです
518名無しさん@ピンキー:2009/10/17(土) 23:36:19 ID:W+k3KzbV
カナミ「じゃっお兄ちゃんまた明日の朝ね!!」
カナミは笑いながらそういって自分の部屋に帰ってった。
カナミ「やっぱり妹じゃ無理だよね…」
ベッドの上で悲しそうに小さく呟いた。

そして旅行当日…

シンジとカナミは待ち合わせ場所にやって来た。
カナミ「遅くなってごっめーん」
アキ「まだ時間内だしみんな来てるわけじゃないから遅くはないよ!!」
マナカ「後はお兄さんの友達だけですけどね」
シンジが回りを見渡すと確かにナツミとカズヤがいない
シンジ「電車の発車時間は8:34分だったよね」
シンジはアキに聞く…いや聞いたはずだった。しかし
マナカ・カオル・アキ「ハイ!!」
と、マナカとカオルそして話をふられたアキが反応し返事をした。それもそのはずこの3人はシンジに淡い恋心を抱いていたのだった。シンジは凄い勢いで返事をした3人に少し驚いた。
ショーコ「みんな反応速かったねぇ」
とニヤニヤしながら言った。
アキ「ちっ違うだってお兄さんは私の方を向いて言ったからで…そうですよね??」
シンジ「ああ、俺もアキちゃんに聞いたんだけど…」
ショーコが「後の2人は??」と、聞こうとしたら後ろから声が聞こえた。
ナツミ「ごめん遅くなった」
シンジ「そうでもないよ」
と言って時計を見ると8:32を指していた。
シンジ「もうじき電車が出るぞ!!」
いまだに話している5人に声をかけ電車にのり発車する。
シンジ「なんか忘れてる気がする」

9:40分カズヤの家にて
カズヤ「zzz」
カズヤは夜中までオナ○ーをしていて寝過ごしてしまっていた

後は頼みます
519名無しさん@ピンキー:2009/10/17(土) 23:37:57 ID:W+k3KzbV
セリフなどが多少変なところもあるとおもいますが
そこらへんは見逃して下さい
520名無しさん@ピンキー:2009/10/18(日) 00:23:20 ID:AFMOxDey
カズヤ哀れw
521名無しさん@ピンキー:2009/10/18(日) 00:51:41 ID:CLZ+LeqA
…ミホは?
522名無しさん@ピンキー:2009/10/18(日) 01:41:29 ID:lAtLyx7B
本当にわすれてた…

だめだ死のう
523名無しさん@ピンキー:2009/10/18(日) 02:39:26 ID:Ms0DlfrI
ミホ「放置プレイってことね!」
524名無しさん@ピンキー:2009/10/18(日) 09:23:05 ID:If2M6N5i
ミホをわすれるなんて俺は許さん絶対ゆるさんぞ
525名無しさん@ピンキー:2009/10/18(日) 18:21:16 ID:UNmWM0HX
次の人がフォローすればいいじゃん
526郭泰源 ◆Ot.EmIRUsS7D :2009/10/18(日) 21:01:15 ID:X/mwNJj/
はい、どうも郭です。
流れブッタのうえすげえインターバル空いちゃいましたが、>>374の続きです。
もうゴチャゴチャ言わんとさっさと投下しますよ、はい!
527郭泰源 ◆Ot.EmIRUsS7D :2009/10/18(日) 21:02:07 ID:X/mwNJj/
「つ、だ、くん…………」
半裸のアリアが、ゆっくりとタカトシに迫ってきた。
「!ちょ、ダメですって、七条先輩!!!」
しばし固唾を呑んで見入っていたタカトシもようやく我に返り、慌てて逃れようとするが―――
(………あ、アレ?)
体を動かそうとするも全身に軽い痺れのようなものが走り、力が、入らなかった。
「えへへへ〜〜、そろそろ効いてきたよね♪動けないでしょ?」
「こ、これって、せ、先輩?」
「さっきの紅茶にね、出島さんからもらった痺れ薬を入れておいたから。大人しくしていてね?」
「な、%$這刧凵I!ななんあなな、ななな、なにぃぃぃぃ!!!!」
「大丈夫よ♪弱めのお薬だし、性感も鈍らないって出島さんが言ってたから。ふふふ………」
アリアはそのままタカトシをソファに押し倒し、自らの胸で、彼の顔を。
"むに……"
「!?!!!ふわッ!!?」
挟むように、抱きついた。微かに汗で湿った乳房の温かさと柔らかさに、息を塞がれるタカトシ。
「畑さんが言ってたけど、いつも見てたんでしょ?私の、おっぱい」
「その………それは」
「あのね、私、嬉しかったの」
「え?」
「シノちゃんと津田君が相思相愛みたいな感じで、私なんか入る隙もないのかな、って思ってたの。
でも津田君が私の胸を見てる、って知って。………ちょっと恥ずかしかったけど、嬉しかったの」
「う………」
熟した桃にも似たアリアの甘い肉の薫りが、タカトシの鼻腔を侵してきた。
嗅覚から頭脳を犯されているかのような錯覚に惑い、タカトシは―――言葉を失って、ただ固まっていた。
「ね………津田くん、キスして。私の、胸に」
「あ、あの、で、も」
「好きでしょ?おっぱい………」
ぐい、とアリアはさらに柔らかな胸を押しつけてきた。タカトシは、白昼夢を見ているかのような気分になって。
"くちゅ"
「あ、ん!!嬉しい………嬉しいの、つだくん!」
誘われるがまま、乳房に唇をつけてしまっていた。そして、アリアは。歓喜の声をあげて、応えた。
"ちぃう………ちゅッ"
「ん………あ、いい………つ、だ!くん」
ゆっくり舌を乳房に這わせると、アリアはさらに大きな声をあげた。白い乳房に、ぷつぷつと鳥肌が立つ。
"つ………ちゅく"
タカトシは、そして。粟立ったアリアの肌を濡らす、小さな汗の玉を、舌の先で吸いつくように舐めとった。
「ん!ふ、ん………あ、ン………つだくぅん」
次から次へ、吹き出すように流れる汗の玉を、無心に舐め続ける。
(…………生温かい…………)
体温にも似ているような、しかしそれとは根本的に異なるような汗の温度を舌先に感じつつ、
"ぷつッ"
「ん!」
タカトシは、アリアの乳房に唇から吸いついた。
弾力のある柔肉はそのまま形を変えて、きゅ、と吸い出され、彼女の汗の味と匂いが口内に広がった。
"ちゅ、きゅ、きゅぅッ"
真っ白な柔肉を、ひらすら吸う。吸われる度に、乳房には、タカトシの唇の形が赤い輪になって、跡になる。
「ふぁ、ふ………ね、つだくん、乳首も………」
「あ、は、はい」
"くちゅ"
アリアの言うがまま、ぽってりと勃起した赤い実を口に含んだ。
「ッん!!!」
びくん、とアリアの体が跳ねる。彼女の動きと一緒に、口の中の果実も震えて固くなるのが、分った。
"くちゅ………くぷ"
口内で乳首を舐り、転がす。そして、くりくり、とくすぐるように舌先で刺激すると、
「はぁッ!ふ、ぅん!!は、ン!!!」
§
528郭泰源 ◆Ot.EmIRUsS7D :2009/10/18(日) 21:03:54 ID:X/mwNJj/
さらに激しく、びくびくッ、とアリアはからだを震わせ、可愛らしい叫び声をあげて、悶えた。
"く………つ、きゅぷ、くに"
アリアの声に、唱和するかのように。タカトシは左右の乳首を、交互に。強く吸い、舐め、噛む。
「いぃ!!あ、ン、つ、つだ、くん、あッ、ああぁ………、ンんん!!あ、それ、いい」
"く、くき"
甘噛みにアリアが一番強く反応したのを見て取ったタカトシは、
くに、と乳首を噛むのと吸うのを繰り返すことに集中した。
「ん、ンンン、ああ、ン!!あ、あッ!!」
期待通り、アリアはその口撫に激しく反応して涙を流さんばかりの叫び声をあげた。
"むに………"
「あッ!!そう、揉んで………触ってぇ、つ、だくん………」
もはやタカトシも遠慮無く、口に含んでいない方の乳房を揉み、そして指先でくにくに、と乳首を刺激した。
「ん、はぁン!!そっちも、もっと………」
豊かな乳肉を揉みながら、タカトシは唾液でぐじゅぐじゅにまみれた乳首を、舐め続けた。
「ん………ふ、ひゃッ!!う、ああン!!!」
滝のような汗をかきながら、アリアはタカトシの口撫に悶え続け、そして。
「あ………あ、あぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!!!!」
一回、大きくからだを震わせた。そして、一瞬動きを止めてから―――ぶるッ、ぶるッ、と小刻みに震えて。
「はぁ、あ………つだくん、じょうず………」
そう溜息混じりに呟くと、アリアは完全に脱力して、くにゃり、とからだをタカトシに預けてきた。
汗でべっとりと濡れた柔らかな乳房が、タカトシの顔半分を埋める。
「せ、せんぱい、ちょっと、その、息が」
「ん………ごめん、つだくん………」
疲労しているようなのだが、どこか満足げなアリアは―――緩慢に、タカトシから肉体を離した。
と、同時に円くおおきな白い乳房が、たぷり、と重そうに揺れる。
(しかし………やっぱりすげえな、七条先輩は)
改めて彼女の肉体を見つめ、ごくり、と息を呑むタカトシ。なにしろ眼前のそれは、あまりに圧巻の光景で。
「……………?んふ、津田君、見てるの?私の胸」
「!!あ、その、すいません、あの」
「本当に好きなのね、おっぱい。えへへ………ねぇ、津田君?こっちで、してあげよっか?」
「?えっと、それって」
「だ・か・ら」
「!?わ、ちょ、先輩!」
アリアの指が、すす、と股間に伸びてきた。驚くタカトシだが、彼女は楽しそうに微笑んで。
「えへ、かたくなってる〜〜〜♪津田君のおちんちん」
「それは、その」
「さっきは私を気持ち良くしてくれたから、津田君にはお返してあげないとだよね♪」
「え?わ、だから、せ、先輩?」
ち〜〜〜〜、とアリアがジッパーを下ろすと、
タカトシの言葉とは裏腹にトランクスを勢いよく押し上げるかのような膨らみが現れた。
「わ〜〜〜、元気だね、津田君!!」
「あ、あの、だからちょっとそれは」
「ダ・メ!うふふふ♪わ〜〜い、おっきくてかた〜〜〜い、津田君のおちんちん♪」
ぴょこり、と下着の中から飛び出てきたタカトシのペニスを、アリアは細い指でしなやかにさすってきた。
「!あ、ちょ、マジで、先輩」
「うふふふ〜〜〜♪ここに、キスしちゃうよっ♪」
"ちゅッ"
「お、おおぅ!!!」
尿道口を啄むようなアリアのキスに間抜けな叫び声をあげ、仰け反ってしまうタカトシ。
「えへ、気持いい?津田君」
「それは、その、すごく、じゃなくて!」
「気持良いのね?うふ、さっきは津田君が私のこと、いっぱい気持ち良くしてくれたから、
今度は私が津田君のことを気持ち良くしてあげる。えへ………」
満面の笑みを浮かべて、アリアはペニスの根元を握って軽く起こすと。
"ふにゅ"
§
529郭泰源 ◆Ot.EmIRUsS7D :2009/10/18(日) 21:04:50 ID:X/mwNJj/
自らの胸の中に、それを挟んだ。熱い体温が、ペニスから伝わってきた。
(や、やらかくて…………あったかい………)
柔らかなアリアの乳房にペニスを包まれ、タカトシは惚けたように思考を停止させてしまっていた。
(うふふ、ぴくぴくして可愛い♪津田君のおちんちん)
"つ〜〜〜〜〜〜"
誰から教わったのか(恐らく出島さんだろうが)アリアは口中にたっぷりと唾液を溜めてから、
それをタカトシのペニスに垂らした。唾の糸はゆっくりと落下し、ペニスの先端に、触れた。
「あ………」
唾液が尿道口あたりに垂れる感触に、ぞくぞくっ、と震えるタカトシ。そのまま、アリアは。
"ちろ………"
真っ赤な舌先を伸ばすと、肉棒の先端に、それを這わせた。
そしてそれを乳房で挟んだまま、ちゅるちゅる、と啄むように尿道口を舐めてから―――
"かに………"
「!!!あ!」
甘く、噛むように。柔らかく、包み込むように。アリアはペニスを、口の中に含んだ。
ねっとりとした口内の温かさに、タカトシは思わず叫び声を上げた。
「ん…………ん、ん………」
舌を、滑らかに絡ませるように。アリアは、肉棒を舐めて、きゅッ、と吸って、愛おしんだ。
"くつ、くちゅう、ちゅぬッ"
そして唾液でまみれさせた乳房で、ペニスの根元を緩やかに扱くかのように上下させた。
(わ………す、すげえ、気持ちイイ………)
タカトシは、もはやアリアのフェラチオに身を委ねて快感に打ち震えることしかできずにいた。
彼女の口撫は、好奇心ばかりが先行してしまうシノのそれとは違ってあまりに濃厚で、技巧的だった。
「うふ、どう?津田君」
アリアが口からペニスを離すと、にっこりと笑って問いかけてきた。
「あ、あの、先輩、気持ち良いんですけど、その、上手すぎるっていうか」
抗議の言葉すら忘れ、タカトシは思わず本音を口にしてしまっていた。
「えへへ、出島さんに教えてもらっていっぱい練習したの。初めてにしては上手でしょ?」
そしてアリアは再び口の中に唾液を溜め、ちろり、と舌を出すと―――
"つる〜〜"
舌の先から、たっぷりと唾液をペニスの先に垂らした。
"ぎゅうぅぅぅ"
さらに乳房で肉棒を強く挟み込み、両の乳首でくすぐるように擦りつけてきた。
「!!あ」
"くしゅッ、きゅぷッ………ぬむぅ………"
アリアが乳房を動かすたびに、こりこりと乳首がペニスの両脇を刺激してきた。
「あ、ああ!わ、せ、先輩、タイムっす!俺、もう」
限界が近くなってきたタカトシは慌ててアリアに告げるが―――
彼女はただ微笑むだけで、動きを止めようとはしなかった。
"ちゅッ、ちゅ"
そして言葉で答える代りにアリアは、またタカトシのペニスの先端にキスをして。
"きゅッ、くくッ、ぬにゅッ"
乳房でそれをくりくりと挟みながら、動かすのをより早く、より強くしてきた。
「!!!あ、ちょ!!だからマジで、先輩!マズイっす、あ!!」
「んむッ、んぅう………ね、津田君?このまま」
「え?」
「出して…………。出る瞬間、見たいの、私」
「で、でも」
「お願い。かけて…………私の、胸に」
"ちゅッ、ちゅ…………ぐむッ、にゅぷ、ぎゅぷゥ"
アリアが舌先で、つんつん、とペニスの先端を突きながら、乳房でこねるように愛撫するうち、遂に。
「あ………あ、ああ、せ、先輩!、お、俺、あ!!」
リミットを超えたタカトシは、悲鳴にも似た声とともに、達した。
"ぴゅッ、ドぴゅぅ、びゅるるるぅ!!!"
ペニスの先から勢いよく青白い精が吹きだし、彼女の顔に、額に、顎に、肩胛骨に、飛び散る。
§
530郭泰源 ◆Ot.EmIRUsS7D :2009/10/18(日) 21:05:24 ID:X/mwNJj/
「ん、きゃふッ!!」
目を大きく見開いて、タカトシのペニスが二度、三度と震えながら爆ぜるのをアリアは見つめていた。
(わぁ…………すごい。こんな風に………すごい)
「あ、あぁあ、す、すいません、俺、あ………あ」
"ぴゅ………ぴゅ、ぷぷッ"
なおも終わろうとしない、タカトシの射精。そして、アリアはその様子をじっと見守っていた。
「良いのよ、津田君♪私が見たかったんだから。………うふ、じゃ」
「え?わ、わわッ!!」
"かぷッ"
笑顔のアリアは、なおもびくッ、びくッと震えながら精液を放射しているペニスを口の中に含んで、
"ちゅうう………"
その先端から吐き出されるタカトシの精を、吸い取りはじめた。
「せ、先輩、そこまでしなくても」
「う………ン、むふ、ん……ん………」
タカトシがそう言うのにも構わず、アリアはちゅるちゅると精を吸い続け、
"ちゅ、ちゅる、れるッ"
やがて射精が止むと、亀頭から包皮の周縁を辿るような、お掃除フェラをしはじめた。
「!!あ………あ、せ、先輩………あ。きもち、いいです………」
さきほど射精をしたばかりだというのに、アリアの口撫につい惚けたような声を発してしまうタカトシ。
(ん………)
一方アリアは、口内に青臭さとほのかな苦みが広がるのをはっきりと感じながら、
タカトシの反応を愉しむかのように流し目で彼が身悶えるのを見ていた。
「うふふ、シノちゃんはここまでしてくれなかったでしょ?」
「!!あ、それは、その」
「胸でもしてくれなかったでしょうし、津田君のパイズリ初体験は私が初めてってことだよね♪」
(それは、まぁ………シノさんだと、その、ボリューム的にそれは難しいというか)
恋人であるシノに対して失礼であることは承知でついそんなことを思ってしまうタカトシだが。
アリアはそんな彼の思考を見透かしているのか、ニコニコと笑顔のままだった。
「ふふ♪じゃ、次は………私の初めてももらってもらっちゃうからね♪」
「え?え?ええ、ちょ、ちょっとそれは、それだけはマズイっすよ、先輩」
アリアの爆弾発言に痺れの残る手足を必死でばたつかせて抵抗しようとするタカトシだが、
彼女は気にもとめずにスカートのポケットの中から小さな包みを取り出した。
「大丈夫よ、津田君♪シノちゃんには悪いから、今日は前じゃなくて後ろでエッチするから♪」
「…………へ?」
彼女の言わんとすることが理解できず、固まるタカトシ。
アリアはそんな彼を見つめながら立ち上がると、するり、とスカートを脱いだ。
(………!)
呆然と、タカトシはショーツ一枚になったアリアの姿を見つめていた。
豊かで形の良い胸にべっとりと精液が貼り付いているのが、たまらなく淫靡だった。
ウエストは見事なまでにくびれ、太腿はほどよく肉づきつつも足首はきゅっ、と締まっていた。
普段タカトシが雑誌などで目にしているグラビアアイドルに劣らず―――
いや、劣らないどころかほとんど完璧に近いバランスを誇るアリアの肢体に、ただ圧倒されていた。
「えへへ………津田君、目がえっちだよっ♪」
「!!う!あ、その、すいません」
「いいよ♪津田君なら、見ても。ほ〜〜〜〜らッ♪」
「!!!!!!!!!!!!!」
ぺろッ、と悪戯っぽく舌を出すとショーツの脇紐に手をかけ、焦らすように、ゆっくりと下ろしていくアリア。
彼女が前屈みになると同時に、また胸が、たぷん、と重そうに揺れる。
アリアが小さな下着を右足から抜いて脱ぎ捨てると、タカトシの目に飛び込んできたのは―――
赤茶色の恥毛が薄く、そして美しく刈り込まれた三角地帯だった。
"ごくッ"
思わず生唾を呑み込んだタカトシを見つめて可愛らしく微笑むと、
アリアは自らの裸体を見せびらかすように両腕を頭の上に組んでポーズをとってみせた。
「えへへ………どう?津田君♪」
「あ、あの。えっと、すげえキレイです、七条先輩」
§
531郭泰源 ◆Ot.EmIRUsS7D :2009/10/18(日) 21:06:31 ID:X/mwNJj/
「ありがと♪えへ、じゃあ、準備するね?」
「??じゅ、準備???」
アリアがさきほどの包みの中から小瓶を取り出し、蓋を開けた。
"とろ〜〜〜〜〜"
粘り気のある半透明の液体が瓶の口から垂れてくるのを掌で受け、
アリアはこねるように両の手の指先にオイルをたっぷりとまみれさせる。
「うふっ♪これはね、特別に配合したオイルなの。だから今日は生でしちゃっても大丈夫だからね♪」
「?????」
まだ訳が分らない、といった表情のタカトシをそのままにして。
アリアはオイルでべとべとになった指先を腰の裏へと伸ばし、
「ん………ちょっとだけ待ってね、津田君……」
ゆっくりと、菊門の周辺にそれを塗りたくり始めた。掌に馴染ませたとはいえ、まだ少し、冷たかった。
"きゅ、ぬぅ〜〜〜、ずぶッ"
しばらく桃肉をほぐすように指先で撫でたあと、それを菊門に、挿入した。
「あ………あ、あァん………」
切なげな吐息を漏し、アリアが悶える。本来排泄器官であるはずのそこは、
異物の侵入を拒絶するかのようにきゅぅぅぅッ、と窄まり、そして指を挟んできた。
「ん………ふ、あ、ン………ひゃ」
快楽に浸り、嗚咽にも似た声を、あげながら。
自分の意志とは関係なく蠢く肛門を、アリアはひたすら指先で拡張するかのようにかき混ぜ続けた。
初めは、人差し指だけで。そのうち、中指と、二本で。
"くちゅッ、ぐちゅッ、ぷぴゅっ"
そして二本の指が菊門を出入りするたび、微かに空気が破裂するような淫音が、漏れる。
(し、七条、せんぱい………)
タカトシは、目の前で繰り広げられるアリアの痴態を呆然と見つめるしかなかった。
アナルを自ら弄り、豊満な肉体を揺らしながら身悶える彼女の姿はあまりに挑発的で―――
(!………あ!)
そんなアリアの姿を見ているうち、射精したばかりだというのにペニスは緩やかに勃起しはじめていた。
「ん………ん?あ、うふふふ、ちょっと勃っちゃったね、津田君♪」
「!!す、すいません、俺!」
「えへへ………じゃ、津田君も準備をしないとだよね♪」
「え?」
"ぬるッ"
悪戯っぽい微笑みとともに、菊門オナニーに耽っていた指を引き抜くと、
"くに………"
「!$p@あ!ああッ!!」
アリアはオイルと腸液でぬるぬるになっていた指先で、ペニスを優しく包んだ。
柔らかく、滑らかなその感触に、短く叫ぶタカトシ。
"ぬる………くに、くぬ"
ペニスに指先を、馴染ませるように。アリアは淫らな液を、亀頭から陰茎まで、べっとりとまみれさせていく。
「あ、せせ、先輩!あ」
「もう大丈夫かな?うふふ…………」
「………?え!!!!」
アリアがタカトシの胸の上にちょこん、と両手を置いて跨ると―――ペニスを、右手で握った。
"ぐ………ぐ"
そのまま彼女は腰を落していき、自らの菊門の中へと、それを導きいれようとして―――
「ちょ、ちょちょちょちょちょ、ちょっと待って下さい、先輩!!!」
「ん………ゴメンね、私も本物は初めてだから、なかなか入らないナ………」
まだフル勃起ではないものの固さを取り戻し始めたタカトシのペニスを、ぐりぐり、と揺らすようにして。
アリアは苦悶にも似た表情を浮かべながら、ゆっくり、ゆっくり。菊門の中へと、挿れていく。
「あ!ん、あ、はいって、くるよ………つ、だく、ん………あ、はァ、んんん!!!」
「わ、わわわわ、せ、先輩!」
"ぐ………ず、ずぶッ"
少し手間取ったものの、ペニスの先端はようやくアリアの菊門の中へと、呑み込まれた。
(わ!し、シノさんのおまんこのときと違って、なんだか狭くて………ぬるっとしてる!)
§
532郭泰源 ◆Ot.EmIRUsS7D :2009/10/18(日) 21:13:52 ID:X/mwNJj/
(!ん、あ、熱ぅい………つだくんの、おちんちん………)
アリアは目を閉じ、しばしペニスの感触を確かめるように、動きを、止める。
「…………ん………ふぅ………」
やがてアリアが、大きく荒い息をひとつ、吐いた。それから、ゆっくりと。
"ぐ……………ぐぷッ…………"
腰を少しずつ、深く、下ろす。そして、亀頭が完全に菊門の中へと納まったのを感じてから、
"ぬず〜〜〜〜、ずちゅっ"
ゆっくり、軽くペニスを抜き取るように、腰を起こす。
"ぐちゅ……………ずぅにゅ〜〜〜〜〜〜ぶぷッ…………ずじゅぅ〜〜〜〜〜"
汗で濡れた大きな胸を、揺らしながら。アリアは、そのふたつの行為を、緩慢に、続けた。
「あ!………!!あ。あ?え?」
奥に挿れられているときは、腸壁にびっちりと締めつけられ。浅く擦られているときは、蠢くように挟まれて。
生まれて初めての体験に、タカトシは快楽に打ち震え、悶える。
(ん………ん、んッ、ちょっとだけ痛いけど……あ、ん……)
かたやアリアは、肛門から直腸を通じ、下腹部に甘い痛みと疼きを感じながら、
"ずぶぅ………ずぐ〜〜〜〜〜ぅ、にちゅッ………"
反復運動を、ひたすら繰り返す。そしてそれは、少しずつ、激しくなっていった。
(ふッ!ひゃ、ん………あ!ひ!きもち、いいよぉ………)
奥まで挿し込むと、激しい便意にも似た強い圧迫感が背骨まで走るが、
そこからペニスを引き抜く瞬間には、排泄するときとそっくりの快楽がびりびりとアリアの背中を突き抜ける。
"ぐずぅッ!ぶずッ!!!ずぅるるッ!!"
「あ!く、ゥん!!つだく、ん!あ、きもちいい!キモチイイよ!つだくぅん!!!」
浮遊感と圧迫感と膨張感とが交互に菊門を襲い、アリアは獣じみた叫び声をあげ、腰を振り続けた。
「あ、せ、せんぱ、い!!お、俺も、うぁぁぁ!!」
激しくアリアの中でペニスを振り回され、タカトシも目が回るかのような快楽に堕ちていた。
アナルの中に挿入されるのは膣に挿入するときとは異なり、
弾力のある腸壁の中にペニスを打ちつけるかのようなもどかしさと征服感に包まれる。
逆にアナルから抜かれるときは、絡みつく腸壁がつぷつぷと圧迫しながらペニスを刺激してきた。
(あ、あ!お、お尻の穴って、こ、こんな気持ち良いんだ!?そ、それに………)
そして全身の痺れがとれないせいでのたうち回ることすらできないもどかしさが、
よりタカトシを悦楽の沼の中へと沈めていく。
"ぬぷッ!!ぶぷぅッ!!!ぐうぷぅるッ!!"
ペニスが菊門を往復するたびにその隙間から湿った音が漏れ、アリアは唇を半開きにしてその行為に耽る。
「あ、あぅぅぅん!!!つ、だ。くん………ぅあうあッ!!あぁ〜〜〜、あン!!」
動きが激しくなるのと一緒にアリアの赤茶色の髪が乱れ、そして彼女の額からは玉の汗が飛び散る。
豊満な胸がたぷたぷと上下しながら揺れ、そして、ぴん、と隆起した乳首が震える。
「うッ!あ、せ、先輩。俺、もう、マジで、もう…………」
絶頂が近いことを感じたタカトシは、息も絶え絶えに叫ぶ。
「ん!ふぁん!い、イイよ、つだくん。わ、私も、もう、んぅん!!イキそうだから、中でッ!!」
目元まで興奮で赤くしたアリアは、ペニスを挿入させたまま。
"ぐ、ぐずッ!!ずぷッ!!!!!!!!!!!!!"
ぐりぐりと腰を捻るようにして、菊門を締め上げた。
「わ、わわッ、せ、先輩!!!」
その瞬間、タカトシは快楽のリミットを完全に超え、アリアの中でペニスを爆発させた。
"びゅッ!!びゅびゅッ!!くびゅッびゅぅ!!"
「!!あ………あつぅい、あついよォ。でてる………でてる、つだくん!!あ、あつぅい!!」
アリアが絶叫し、それとともに直腸が、きゅうぅぅぅぅぅ、と収縮した。
「あ、あぁあ………俺、あ……しちじょう、せんぱい…」
"びゅッ!……くぴゅッ、ぶびゅぅ!!"
一度射精したにもかかわらずペニスからは勢いよく青い精が放たれ続け、未だ終わる気配を見せなかった。
それを包む腸壁も、ペニスを搾り尽くそうかとするかのように蠢いていた。
「は………あ、あ、ン……すごい……つだ、くん」
そして――――タカトシの射精がようやく止み、ペニスも硬度を失って。
"ぬるッ"
アリアは、ゆっくりと菊門からペニスを引き抜く。すると、ぽっかりと広がったセピア色の肉穴から、
§
533郭泰源 ◆Ot.EmIRUsS7D :2009/10/18(日) 21:18:22 ID:X/mwNJj/
"ぷッ………とろッ………"
腸液と混じった白濁色の精液が溢れ、滴となって、タカトシの陰部へと垂れた。
"こぽッ……こぷッ"
「ん………や、溢れちゃう、つだくんの………あ」
喘ぐような声を発しながらも広がっていた菊門に手をやり、溢れ出てくる精液を受け止めるアリア。
(………ものすげえ、キレイだ、先輩)
そのえげつない動作にもかかわらず、全裸のアリアは恐ろしいまでに艶やかで、美しくて。
タカトシは惚けたように口を開け、目を見開いて彼女の姿を見つめていた。
「あ………ゴメンね、津田君」
ソファの近くにあったティッシュボックスから何枚かティッシュを引き抜くと、
アリアは申し訳なさそうな顔をして菊門と手に着いた精液を拭き取り、
すぐに新しいティッシュを用意して、タカトシのからだに滴り落ちた精液を丁寧に拭き取った。
「あ、あの、そんなことしなくても」
「ダ・メ。私がキレイにしてあげるから、任せて」
先ほどまではどこか気怠そうだったアリアだが、
一転して慈母のように優しげな表情になると、タカトシのからだを清め始めた。
(う………断れん………)
実は既にからだの痺れもとれつつあったタカトシだが、彼女の為すがままに任せてしまっていた。
「…………ねぇ、津田君?」
「な、なんですか?先輩」
「えへ。気持ち良かった?私のお尻」
「!あの、それは………は、はい」
「わ〜〜〜い♪ありがとう、津田君!」
無邪気な笑顔をつくると、アリアはタカトシに抱きついてきて。
"ちゅッ"
彼の右頬に、キスをした。さきほどよりもアリアの汗の匂いが強くなっている、
となぜかタカトシはそんなことをぼんやりと思っていた。
「あの………それで、先輩、シノさんには」
「うふ、分っているから。シノちゃんにはナイショにしてあげる。でもね、津田君?」
「は、はい?」
「これからも、いっぱい気持ち良くして欲しいナ………私のことも」
「へ?え?そ、それは、ヤバイっすよ先輩!だってもしバレたら!」
「大丈夫、シノちゃんには絶対バレないようにするし、あなたとシノちゃんのこともね、
みんなにバレないように協力してあげるから」
「………でも」
「津田君は、私のこと、嫌い?」
「き、嫌いとか、そういうんじゃないっすよ。それじゃ、俺、シノさんを騙すことになっちゃいますから」
(ふぅん………やっぱり、一番は、シノちゃんなんだ)
アリアのとんでもない提案に対してタカトシなりに誠実に答えてはいるのだが、
それは彼女の妬心を煽るだけの結果しか招かなかった。
「じゃ、これでもダメかな?ねぇ、で・じ・ま・さ・ん」
「え?」
「バッチリでございました、お嬢様」
「わ!わぁぁぁぁ!で、出島さん?」
カーテンの隙間から、音もなく出島さんが現れた。そして、彼女の右手に握られているのは。
「え?あ………ビデオカメラ?」
「お嬢様のご指示のとおり、ハイビジョン対応で撮影させて頂きました。
ズームを多用せざるを得ませんでしたが、手ブレ補正のおかげで臨場感のあるほぼ完璧に近い内容かと」
「!!!!って、アンタなにやってんだぁぁぁぁっぁぁぁ!!!!!」
「ね、津田くん?コレ、シノちゃんに見られたらまずいよね?」
「!!!ちょ、脅迫ですか!!!」
「うふふ、そうね、津田君が私の言うこと聞いてくれなかったら、脅迫しちゃうかも〜〜〜♪」
(そ、それが、脅迫だっちゅうんじゃ!!!!ああ………)
がっくりと項垂れるタカトシと、満面の笑みのアリア、そして無表情な出島さん。
タカトシの、運命やイカに、ではなく如何に――――

END
534郭泰源 ◆Ot.EmIRUsS7D :2009/10/18(日) 21:20:16 ID:X/mwNJj/
今回は以上!仕事と私事が重なりまくって結局周年祭には参加できず、本当にすいませんでした。
タイトルは『アリアさんの悪戯』でお願いします>Wiki管理人様
ていうか、今回、職人生活5年目突入にして初の(苦笑)アナルセックスSSだったりします。
とはいえ実体験ないもんで、かなり手探りで書きましたがいかがだったでしょうか?
こんなだから時間かかったのかもですね、ホント申し訳ない。
しばらくちょいまた間隔空くかもしれません。ダメダメのベテランですいませんねえ。
あ、リレーなんだか盛り上がってますね!一読者として面白いっす!!

それでは股…というか最後に一言、サンキュー、ボビー。
535名無しさん@ピンキー:2009/10/18(日) 22:10:06 ID:PN18+SMT
郭氏GJ!
ダメダメのベテランだなんてとんでもない、俺の股間の紳士が反応するわするわ
ボビーって誰ぞw
536名無しさん@ピンキー:2009/10/18(日) 23:02:31 ID:IOWMJsFJ
郭氏乙!
ボビーことバレンタイン監督は頑張ってくれたよなあ

うちの応援球団は来年も縦軸ルンバルンバ♪でどうなるやら
537名無しさん@ピンキー:2009/10/20(火) 16:03:42 ID:pIrTFzp5
郭氏にGJと乙を!
来シーズンも頼みますぜ!
538名無しさん@ピンキー:2009/10/20(火) 18:35:49 ID:9IEVU79m
郭氏、乙です。これからも期待しています。
539名無しさん@ピンキー:2009/10/22(木) 18:08:24 ID:cehde5Gm
保守
540名無しさん@ピンキー:2009/10/23(金) 00:52:18 ID:2CHAg5T+
やばいな。リレー小説止まってる
541Y-275:2009/10/23(金) 01:29:20 ID:CGEJJ20O
ではノシ
ちょっとつじつま合わせの粗削り気味ですが。
いきます。


「ドジっ娘だねえ…」
「もう……ほっといてよ…」
和んだような表情のカナミの言葉に、スレ内で忘れ去られたと話題になった、
いたいけな少女は頬を赤くする。
目的地に向かう電車の中、席を回して向かい合う形で座った座席で、件の駅での話題になった。
「はぁ…なんか、いつも空回っちゃうんだよね…」
肩を落しながらミホが言う。
要は簡単である。
シンジの問い掛けに反応を示した3人。
それをからかい半分に眺めていたショーコ。
その陰でミホは舌を噛んでいたのである。
全員と同じタイミングで返事を返そうとした。
なのに、上手いことその瞬間に舌を噛んだのである。
別段、普段から噛み癖があるわけでも無いのに。
そして、皆がシンジを出迎え、ナツミを待ってる間うずくまっていた。
いつもいつも何故私ばかり…とミホは思う。
「テストで無双っぷりを発揮するミホさんがドジっ娘とは侮れませんね。」
「しかもいちいち凹むのはポイント高いよね。」
「ええ。なかなか、ツボを抑えていらっしゃる。」
そんなミホをネタに盛り上がるマナカナコンビ。
実際、そうなのである。
プレーンな状態のミホはミホで男心をくすぐるような女の子なのに、
自分磨きと称して、はたまたシンジとのドッキリハプニングで空回る。
無自覚でそう立ち回るミホは守ってあげるのが1つの正解のような気もするのだが、
そうはならないのが、氏家漫画主人公クオリティーである。
(ホントに叶さんやマナカ…金城もこれでアレだし、カナミも以外と…)
彼氏持ちのショーコは傍観者として、眺めて今の状況を楽しんでいた。
「やばいんじゃないのアキ?」
そして横に座るアキに話題をふる。
「へ?な、何が?」
「ごちそうさま。」
そして期待通りのリアクションにショーコは可笑しさを噛み殺す。


後はお願いします。
542名無しさん@ピンキー:2009/10/23(金) 22:47:46 ID:xrRjiPn4
すみません、wikiを編集する際に少々失敗してしまいました。
余分なページ(同じページが二つ存在…)があるので注意して下さい。
543名無しさん@ピンキー:2009/10/23(金) 23:01:07 ID:xrRjiPn4
追記

余分な方はリンクから外したので、そのうち流れると思います。
いや、もう、本当にすみません。
544名無しさん@ピンキー:2009/10/23(金) 23:14:06 ID:2CHAg5T+
乙です

では>>541の続きを蛇足程度に


そのころ寝過ごしてしまったカズヤは…。
四度目の夢精を体感していた。

「ハァハァ…今岡」
「カ…ナミちゃん、ダメだぁ…」
「みんな…俺、も…もう…うっ」
ドピュッ!ビュル!ビュ…
四度目の夢精を経てカズヤはようやく眼を覚ますのだろうか!?
545名無しさん@ピンキー:2009/10/26(月) 00:00:45 ID:019QsNWE
覚ますわけがないのであった。




てかもう450KBよね
546名無しさん@ピンキー:2009/10/26(月) 10:05:01 ID:eNrLoBh7
あらほんと
547名無しさん@ピンキー:2009/10/26(月) 22:17:07 ID:/PFF45L8
郭氏の「Back in Japan」のマサヒコは氏の作品では珍しくヘタレで、やってることはスクイズの誠並みのクズだけど何故か許せるという
548名無しさん@ピンキー:2009/10/27(火) 11:01:57 ID:JirgTjqg
昔なら450KB越えたら次スレ用意だったな、そういや
現在のペースだとリレーも含めてあと二つ程はSS7待ち、490KB突破で次スレの目安か

>>547
氏家の作風とキャラの性格、郭氏の筆力だな
549名無しさん@ピンキー:2009/10/27(火) 20:26:08 ID:VGUeicR6
あの兄妹は裏切り者と一生言われ続けるんだろうな
550名無しさん@ピンキー:2009/10/27(火) 23:09:54 ID:gU8lB+IZ
>>549
??
…誤爆?
551名無しさん@ピンキー:2009/10/28(水) 01:09:30 ID:r2+Rs3hw
城島が阪神入りするから、ってことだな
元ネタ的に言うと、シンジが来たのにナツミは去ることになるな
552名無しさん@ピンキー:2009/10/28(水) 13:14:36 ID:RvVyJVCM
シノミスコン出場とか格好のSSネタだな
553名無しさん@ピンキー:2009/10/30(金) 12:31:12 ID:4G+dpbGJ
ネタは豊富なんだが、即物的なエロSSにならないのがこのスレだったりする
554名無しさん@ピンキー:2009/10/31(土) 17:35:18 ID:ksOdsk0v
あの作品では郭氏は意図的に文体やキャラを変えたと発言されていたけど
確かに初めて読んだときは少々郭氏らしくない違和感があったな。
555名無しさん@ピンキー:2009/10/31(土) 19:06:12 ID:I8FVgG7n
シノミスコン出場とかチャラ男からナンパされてもしらんぞ
556名無しさん@ピンキー:2009/10/31(土) 20:17:32 ID:G60G0Da8
リレー止まったか
やはり無謀な企画であったようだ
557名無しさん@ピンキー:2009/10/31(土) 20:42:47 ID:I8FVgG7n
誰か続き書いてくれ
558名無しさん@ピンキー:2009/10/31(土) 22:15:33 ID:PJ3SdGuT
なんか大規模な規制の最中らしいよ
559名無しさん@ピンキー:2009/11/01(日) 10:56:22 ID:4EnuqnLn
テスト
560郭泰源 ◆Ot.EmIRUsS7D :2009/11/01(日) 11:26:26 ID:xUKGd4Pj
それでは襷を繋げますか。ほい。
561郭泰源 ◆Ot.EmIRUsS7D :2009/11/01(日) 11:27:23 ID:xUKGd4Pj
さて、それでは現在の席の配置について確認しておこう。
窓          窓
(カズヤ)】【シンジ   アキ】
ナツミ】【カナミ ショーコ】
カオル】【マナカ   ミホ】
通路

カズヤの席は彼が現在絶賛夢精中のため、空席になっている。

「えい!どうだ!」
「わ、わわ、ちょっとタンマ!矢野ちゃん」
「ダ〜〜〜メですよッ♪」
携帯ゲームに興じるシンジ&アキのコンビを少し羨ましそうに見つめるミホ。
そしてそれをニヤニヤと余裕の笑みを浮かべているのは―――もちろん、ショーコである。
(本当に、この天然コンビは面白いわよねえ)
カオル、マナカ、ミホ、そしてナツミの4人から好意を抱かれているのは明らかなのだが、
シンジ自身は全くそのことに気付く気配すらない。そして彼と最も接近していると思われるアキも
どうも恋愛感情に対しては鈍感なようで、他の女性のシンジへの好意には気付いていないようだ。
(でもアキもシンジさんのこと好きだと思うんだけどな〜〜〜)
実はアキとショーコは中学からの親友というか悪友であり、彼女のことは誰よりも良く分っていた。
抜群のスタイルとハーフに見間違われるようなエキゾチックな美貌にもかかわらず、
アキはオクテでいまだに男性と付き合ったこともなく、それどころか初恋すらまだなのである。
(アキが男の人と一緒にいて自然に笑えるなんて、今までにシンジさん以外にいないもんね)
だからこそ、ショーコとしては友人のためにもシンジとうまくいって欲しいのだが。
(マナカはクールを気取ってるけど本心では絶対シンジさんを好きだし、ミホはストーカーに近いし、
カオルは一目惚れだったみたいだし、今岡先輩もな〜〜、あれは完全にシンジさんにラブだよね?)
しかも4人ともタイプは違えど皆かなりのレベルの美少女なのである。
(もし誰か一人が抜け駆けしちゃったら、シンジさんってへタレっぽいから付き合っちゃいかねないしな〜〜)
面白がってばかりもいられず、考え込んでしまうショーコであった。
「?どうしたの、ショーコちゃん」
「あ、ゴメン。なんでもないのよ、カナミ。ちょっとローターの振動が弱くて」
「あまり使い続けると旅行中電池が持ちませんよ」
「大丈夫、予備の電池持ってきてるから」
「ええッ!!い、今も入ってるの?」
「…………冗談よ、ミホ」
軽快に思春期的会話を続けるこちらの席の一方で。

「へぇ〜〜、カオルちゃんバスケ部なんだ。どうりで背も高いしスタイルも良いわけだね」
「す、スタイルなんて良くないですよッ!でも今岡さんも凄いですね!空手で全国行ってるなんて!」
「あはは、中学の頃の話だけどね。ウチの高校、空手部がないから今は道場でちょっとやってるだけだし」
「私、格闘技に興味あるんですよ!一回道場をのぞかせてもらっても良いですか?」
「うん、大歓迎だよ!あはは、カオルちゃんみたいな可愛い女の子だと
道場の野郎どもががっついてくると思うけど、私がガードするから安心してね!」
「そ、そんな!可愛いだなんてッ!」
「うふふ、照れない照れない。それにカオルちゃん、白百合なんでしょ?お嬢様だとか言われるかもよ?」
「ウチの学校にはお嬢様もちょっとはいるかもしれませんけど、私は全然」
シンジの後ろのカオル&ナツミの初顔合わせコンビは最初こそややぎこちなかったものの
どちらも体育会系気質であるせいかすぐに意気投合し―――
初対面にもかかわらず、会話が弾んでいたのであった。
(でも本当に可愛いな、カオルちゃんって。それこの子も城島君に惚れてるっぽいかな?)
しかしそこはナツミもしっかり恋する乙女モードである。抜かりなく、カオルを観察していた。
(自分ではあんまり気付いてないみたいだけど、ちょっとメイクとか頑張ったりしたら
いきなりキレイになるタイプだよね。それにこういう天然で純情っぽい子って城島君弱そうだし。でも……)
後ろに聞き耳を立ててみると、そこではアキ&シンジの楽しげな声がしていた。
(矢野さん………今はあの子が一番のライバルだよね)
562名無しさん@ピンキー:2009/11/01(日) 21:24:42 ID:oDFF9QMH
リレーを始めた>>467ですけど、想像以上に繋がっているのでビックラこいています。
ただスレ住人の数を考慮すると、一人が何度か書く必要があるんでしょうね。
というわけで、二週目突入っつうことで不肖>>467が再度頑張ります。少しだけね。
563名無しさん@ピンキー:2009/11/01(日) 23:00:45 ID:oDFF9QMH
「ん? どぎゃんした?」
ナツミの視線に気付いたシンジが声を掛けてきた。
さりげなく様子を窺ったつもりだったが、こうもあっさりと察知されてしまうとは…。
まだまだ修行が足りないようね、と苦笑しながらナツミは応じる。
「ん〜、なんか凄く楽しそうだな、と思ってね」
「そうかな」
「そうよ。城島君が後輩の娘たちとこんなに親しいなんてビックリだもの」
「まぁ、ちょくちょく同行してるから、親しいといえば親しいかも…」
「ふふ、意外とモテモテだったんだ」
「意外とは失礼な!…なあんてね。これはあくまでも付き添い。そういうのとは違うよ」
「ふうん…」
シンジは屈託のない笑みを浮かべている。
謙遜とか嘘とかではなく、心底から「自分はただの付き添いだ」と思っているのだろう。
ナツミはひとまず安堵した。どうやら手遅れというわけではなさそうだ。
一方で矢野という娘の存在は気に掛かる。
自分がシンジと会話している間、彼女の表情は曇っていた。
とりあえずナツミは牽制球を放ってみることに。
「ごめんなさいね。横から割り込んで邪魔しちゃって。そういうつもりはなかったの」
「あ。いえ、とんでもない。今岡先輩こそ私は気にせずに続けて下さい」
「ううん。私は飛び入り参加させてもらった身だし。今回は勝手を言ってごめんなさいね」
「旅は多い方が楽しいですから…」
「でも、いつもは男性が城島君ひとりだけなんでしょう? 危なくないのかな?」
「それは大丈夫です。シンジさん、意外と頼りになりますから…」
「矢野ちゃんまで『意外と』なんて言うのかぁ。事実とはいえ流石に凹むな」
これはシンジ。慌ててフォローしているアキを横目に見つつ、ナツミには感じるところがあった。
(シンジさん、ねぇ・・・。既に名前で呼んでいるとは…。これは気合を入れて頑張らないといけないみたいだわ)

「くっくっく。はやくも心理戦を展開しておるわいな」
「? ショーコちゃん、どぎゃんしたのかね?」
「いやはや、アンタの兄貴も大変だと思ってね」
「?」
この旅行中はおおいに楽しめそうね。
ショーコはひとりほくそ笑んだ。
564名無しさん@ピンキー:2009/11/01(日) 23:04:56 ID:oDFF9QMH
はい、じゃあ次の人よろしく。
565名無しさん@ピンキー:2009/11/02(月) 01:10:12 ID:mnRPSTsF
何だか規制情報見ると、かなり大規模な規制&解除見込みなし?
携帯からは今のところ大丈夫みたいだけど…


おっと失礼、リレーを続けてくれたまえ
566郭泰源 ◆Ot.EmIRUsS7D :2009/11/03(火) 23:47:04 ID:zDGlDs0R
続けますか。

そんなシンジを巡る思春期少女たちの秘かなる駆け引きが続いている一方。

「あ…………あ、あ。いい、そう、ミホちゃん、ヒールでグイグイッと踏んづけて!!思いっきりィ!!」

目を覚ます気配すらない、この男のことは、この際放っておこう。

「ところでシンジさん?お友達の新井さんは」
「ん?ああ、いっくら携帯に電話しても出ないんだよ。アイツのことだから寝坊でもしてるんだろうけど」
「カズヤの奴〜〜〜、自分から一緒に行きたいって言ってたくせに!」
「ま、しょうがないじゃん。アイツらしいと言えばアイツらしいけど」
「そのおかげでハーレム状態だもんねッ♪お兄ちゃん」
「ってなぁ、カナミ。いつものことだからあんまり」
「…………いつものことなんだ」
「今岡、妙な誤解すんなよ?俺はボディガードであって、そんなヘンなことをする気は」
(…………城島君はそう言うけど、それはそれで女の子にしたら)
(寂しいんですけどね、シンジさんって本当に)
(鈍感です、先輩………)
シンジのセリフを聞いた途端、少女達は一様に不満顔になってしまうのであった。
――――ただひとり、ショーコを除いては。
(んっとにまぁ、楽しませてくれること)
ショーコとしては親友であるアキとシンジがくっついてくれればそれにこしたことはない、のだが。
(あんまりにも危機感がないんだよね、アキも。せっかくだし今回はこの子達を焚きつけてみようかな?
ショック療法でもしかしたらアキとシンジさんが本格的に付き合うようになるかもしれないし)
なかなかに腹黒いことを考えているショーコは、とりあえず正面のマナカに話題をふる。
「ところでマナカ、お昼はどうするの?駅前で適当に食べる?それともコテージでまたバーベキューとか?」
「コテージに着いてからですとそれだけで準備に時間がかかってしまいますので。
サンドイッチを作ってきましたから、どうぞ」
「!わ、ありがとう、マナカちゃん。適当に駅弁でも食べようかとも思ってたよ」
「ダメですよ、シンジさん!衆人環視の前で、そんなアクロバティックな体位は!」
「…………そうくるかと思ってたけど」
「わ、私もッ!!!あのッ、おにぎりを作ってきましたッ!!」
いたいけな少女がシンジへのアピールとばかりに大きな包みを開け放つ。
そこには、三段重ねのバスケットに詰め込みまくったカラフルなおにぎりが。
「おお!叶さん、そんな大量に………あ、でも今日は今岡がいるから大丈夫か」
「シンジ君、それヒド〜〜〜〜〜い!!」
「あはは、ゴメン。でもお前いつもガッツリ食べる方じゃん」
「ぶ〜〜〜、みんなの前でそんなバラさなくても」
「でも今岡先輩の大食漢ぶりは結構有名ですよ。去年の学園祭の椀子そば大会で女性ながら二位に」
「あ、あれはケイが出ろって無理矢理!!」
「うふふ、その割にはナツミさんったら壇上で一位になれなかったのを凄く悔しがってたじゃないですか」
「!違うのよ、カナミちゃん!あの、それは」
「うわ〜〜〜〜今岡さん格好良いです!本当に男の人に全然負けないんですねッ!」
ひたすら恥ずかしがるナツミだが、なぜか少々ズレた方向で憧れの視線を送るカオルであった。
「そう言えば木佐貫は誘わなくて良かったのか?今岡」
「あ、城島君にはまだ言ってなかったっけ?黒田さんにもうお願いしておいたんだけど、
ケイは予備校の補習があるから明日だけ参加させて下さいって」
「へへッ、演劇部のお姫様ことケイ先輩が気になるの?お兄ちゃん」
「…………そうなんですか?シンジさん」
正面のアキに思いっきりジト目で見つめられてシンジは慌てて弁解する。
「!ち、違うって、ホラ、木佐貫ってカズヤや今岡と違ってあんま自分から言い出すタイプじゃないし、
仲間はずれみたいにしたら気にするかなあって」
「それだと私とカズヤがズケズケ押しかけるタイプみたいに聞こえるんですけど〜〜〜?」
「あ、そういうつもりじゃ、ゴメン!今岡」
「あははは、な〜〜んてね。確かにケイってちょっと引っ込み思案だから、城島君の言うことも分るんだけど」
「?木佐貫さんって、誰なんですか?」
567郭泰源 ◆Ot.EmIRUsS7D :2009/11/03(火) 23:52:58 ID:zDGlDs0R
「あ、そうだよね、カオルちゃんは分らないよね?私や城島君と同じクラスの子なんだ。
え〜〜っと、ちょっと待ってね、この子!」
携帯をしばし操作してフォルダの中から写真を選ぶと、それをカオルに差し出すナツミ。
そこには、ナツミと並んでちょっと恥ずかしそうに微笑みながらピースサインをしているケイの顔が写っていた。
「うわ〜〜〜!キレイな人ですね!」
「あはは、そうでしょう?」
「演劇部の副部長で小笠原高校のお姫様って呼ばれてるんだよッ♪」
「なんでも生徒会女子役員の反対で学園祭のミスコン開催は中止されたそうですが、
木佐貫先輩はミス小笠原の最有力候補だったとのもっぱらの噂ですね」
委員長らしく生徒会の裏事情をぶっちゃけるマナカにナツミは興味津々の様子だ。
「へ〜〜〜、ケイって一年の子らでもやっぱ有名なんだ?」
「それは、もう。あれだけキレイな方ですし」
「私も聞いたことあるかも。一年の男子でも木佐貫先輩のファンって相当いるって話だよね、ショーコ?」
「あ〜〜〜そうね、狩野君とか浅井君とか告ったって話じゃなかったっけ?」
「結果は見事玉砕だって話だよね?そう言えば木佐貫先輩って、
あんな美人なのに浮いた噂を聞かないよね?今岡先輩、どうなんですか?」
「う〜〜〜ん、ケイってちょっと恋に臆病っていうか男性恐怖症っぽいところがあるかもね」
「しかしお前らこういう話題だと食いつきが良いな………………」
今更ながらガールズトークに少々圧倒されて呆れ顔のシンジだが、逆襲されたりして。
「うふふ〜〜〜♪てことは、お兄ちゃんも後でみんなにバレたら大変かもねッ♪」
「へ?なにが?」
「だってウチの学校で人気の木佐貫先輩とナツミさんのふたりと一つ屋根の下で過ごすなんて、
男子全員から袋だたきにあっちゃうかもだよ〜〜〜?」
「あはは、カナミちゃん、気を使ってくれるのは嬉しいけどケイはともかく私なんて」
「いえ、お世辞ではありません。今岡先輩も一年男子の間ではかなりの人気なのです」
「え?う、嘘だぁ………だってケイと違って私は一回も告白されたことなんて、ないよ?」
「それがですね、なんでも叱って欲しい先輩No.1だそうでして」
「私も聞いたことあります!女子の間でもお姉様にしたい先輩No.1って」
それまでほとんど会話に参加できていなかったミホも慌てたように言葉を継ぐ。
「そ、それってモテてるとは言わないよね」
「いえ、今岡先輩が考えておられる以上にこの世にはドM人口と百合人口というのは案外」
「マナカちゃん、それ以上はストップだ」
「ふ〜〜ん、でもお兄ちゃんもMだからナツミさんと相性は良いってことだよね?」
「!ちょ、ちょっとカナミちゃん!」
カナミの言葉に思わず頬を染めてしまうナツミだが。
「カナミ、お前なぁ!俺は微MであってドMじゃない!!!」
「び、微Mなんですか?シンジさん」
「!あ………違うんだよ、矢野ちゃん、その」
自爆してしまったシンジに思わず引き気味になってしまうアキ。
しかしここぞとばかりにいたいけな少女はシンジに潤んだ目を向ける。
「大丈夫ですッ!先輩、私は………私は、たとえMでもSでもどちらでも!」
「だだだ、だからぁッ!!!!」
(ふ〜〜〜ん、矢野さんはツッコミ役だけあって、マトモな感覚の持ち主みたいね。
で、この叶さん?この子は隠す気もないくらいアピってるんだけど、全然城島君が気付いてないのね)
さきほどはカナミからの思わぬ援護射撃に慌てたナツミだが、すぐに冷静さを取り戻して観察を続けていた。
(あとイマイチ分らないのは黒田さんと岩瀬さんか。岩瀬さんは彼氏持ちって話だけど)
ゆっくりと、マナカの方へ視線を向けるナツミ。
(この子もちょっとキツ目な感じがするけどキレイな子だし。
それにさっきのサンドイッチ作ってきましたってのは、絶対城島君へのアピールだよね?)
「照れなくって良いから、お兄ちゃん!ところで私もお弁当作ってきたから、はい!」
「お、さんきゅ。お前の弁当、美味いんだよな」
「ま〜〜〜ね、一応生まれたときから一緒にいるんだし。
性癖以外にもお兄ちゃんの好みは全部把握してますから!」
「…………あのなぁ」
ぐったりとした表情でつっこみすら放棄してしまったシンジだが―――ナツミの視線は、カナミへと移る。
(それに………兄妹なんだけどカナミちゃんも、ど〜〜〜も怪しいんだよな〜〜〜〜)
568郭泰源 ◆Ot.EmIRUsS7D :2009/11/03(火) 23:58:16 ID:zDGlDs0R
ほい、今回は以上。襷を回しますよ〜〜〜
569名無しさん@ピンキー:2009/11/04(水) 20:36:47 ID:zbPaQePG
郭氏と合作できるなんて、いい企画だな〜コレ。
というわけで小生も二筆目を執りたく思います。
570名無しさん@ピンキー:2009/11/04(水) 21:50:13 ID:zbPaQePG
そんな恋する少女たちの闘いの覇気を感じ取ったのかは定かではないが、ついに「山」が動くときがきた。
新井カズヤ。
「…ん…」
長き眠りから目覚めた魔人は周囲を見渡して首を傾げる。
朱く肌を高潮させた全裸の美少女たちが見当たらない。
つい今しがたまで自分と甘美な時間を過ごしていたはずなのだが…。
「…………………………」
約3分の停止時間。そして。
「やばい! 寝過ごしたッ!!」
時計は現時刻が10時22分であることを淡々と示している。
彼の額から嫌な感じの汗が伝い落ちていく。
万全を期したはずであった。
昨夜は「日課」を控えめにしたし、目覚まし時計も3つ設置した。
それなのに何故こんな事態に…。
「全てはあんな淫靡な夢の所為…。くっ、ゴルゴムの策略に違いない!」
敵対勢力への怨嗟を叫びながらもカズヤの行動は迅速であった。
この失態から速やかに立ち直らねば、彼の計画は水泡と化してしまう。
まずは現状確認だ。城島シンジの携帯へ電話。数コールもしないうちに相手は出た。
それを待ちきれぬように、カズヤは猛然と問い掛ける。
「シンジ、今、どこだ!?」
「お、やっと起きたか。 何度か電話を掛けたんだぞ。だいたいお前はいつも…」
「そんなことはいい! 今どこにいるんだッ!?」
「え…ああ…」
相手の気迫に押されたのか、シンジは遅刻を咎める言葉を詰まらせてしまう。
呑まれたのだ。
「今、予定通りの快速列車に皆で乗ってるよ」
「目的地までの所要時間は!?」
「ん…。あと1時間ってところだな」
「他に乗り損ねた者は!?」
「そんなのお前だけだよ…」
声の調子からするにシンジは少なからず呆れているようだ。
「くぅぅ…」
唸って天を仰ぐカズヤ。
その拳が震えている。
己の冒した失敗が許せなかった。
そんなことに構わず電話口のシンジは続ける。
「今からじゃ間に合わないだろうから、今回はパスという事にしておくか?」
「断じて否ッ!!」
両目を見開いて絶叫するカズヤ。
電話越しとはいえ耳に響く大声量にシンジは顔をしかめた。
「否っつったってカズヤ、もうどうしようも…」
「そちらは予定通り行動しててくれ! 俺もなんとかして合流する!!」
「え? 合流っておま…」
そこで会話は途切れた。カズヤが電話を切ったのだ。
「むう、事態は想像以上に逼迫しているな…」
腕を組み険しい表情を見せたカズヤだったが、間髪を入れず携帯電話を再び手にとる。
「我に…秘策アリ!!」
571名無しさん@ピンキー:2009/11/04(水) 22:24:58 ID:zbPaQePG
「先輩…このような突然の無心に応えてくださり…まことに…」
「なに、後輩の切なる頼みとあらばな…無下には出来まい」

新井宅からほど近い某所。
そこには漆黒のライダースーツに身を包んだカズヤが佇んでいた。
彼の眼前には一台の大型バイクが鎮座してその威容を示してる。
「では、しばし拝借致します」
「うむ。同志よ、健闘を祈る」
「はい。事が成った暁には…」
「そなたのことだ。おおいに期待できそうだな」
「はっ…」
微笑み頷きあう二人の漢。

カズヤが言葉を交わしているのは「その道」の先輩のうちの一人だ。
彼等は日頃から情報などを交換して連携を密にしており、様々な事態にも迅速に対応できるのである。
今回もまた、先輩に事情を話してバイクを速やかに借り受けることができた。
(ちなみに、貸与条件は『デジカメで撮影した美少女画像を優先的にコピーさせること』)
ともかくも、これでカズヤは遅れを取り戻すことができる。
変態ネットワークといえども、決して侮れぬものがあるのだ。
「では、行って参ります!」
バイクに跨って咆哮するカズヤ。
先輩と呼ばれし男は黙って敬礼を返す。
次の瞬間、バイクは轟音を残して地平線の彼方へと消えた。
572名無しさん@ピンキー:2009/11/04(水) 22:31:24 ID:zbPaQePG
はい、今回はこんな感じで。
カズヤがあのままじゃあんまりですからねw
573ピンキリ ◆UsBfe3iKus :2009/11/06(金) 00:14:50 ID:2b6nuLEa
 新井カズヤの旅は見果てぬ旅である。
どこにゴールがあるのかもわからないし、果たしてゴールそのものがあるのかすらもわからない。
なおのこと始末に悪いのは、そもそも本人からしてそのことを理解していないところにある。
だが、どこが終着点であるかなど、彼にとってはどうでもいいことなのかもしれない。
例え行きつく先が地獄であろうとも異次元の端であろうとも、
そこにたどり着くまでにどれだけ自己の欲を満たすことが出来るか、
つまりは童貞、ではない道程を充実させることが出来るか、そこに全てがあるという問題なのである。
凡人には何とも納得も理解もし難いが、彼の選んだ人生とはそういうものなのだ。
あな恐ろしや。
「シンジだけにいい思いはさせないぜ!」
 空気が耳元で唸りをあげ、前から来る風景が瞬時に背中へとカッ飛んでいく。
今、カズヤは風になっていた。
跨るバイクは日本が世界に誇る名バイク・ホンダのスーパーカブである。
しかもただのスーパーカブではない。
至るところに改造が施されている、彼の先輩のウルトラカスタム使用なのだ。
まず、色がピンクがかった赤。
これは当然、通常より三倍速いナニカにあやかったものである。
シートはお尻に優しいシルク貼りで、元の素材はもちろん女性の下着に他ならない(さすがに盗品ではない)。
メーターには艶やかな女性の裸体の透過シールが貼られ……とまあ、正味の話、改造なんだか改悪なんだかさっぱりわからないシロモノと言えようか。
「高校生活最後のアバンチュール、ワンダフルライフが俺を待っているんだ!」
 何が彼をここまで突き動かすのか。
答は至って簡単である、すなわち、性欲。
しかもただの性欲ではない。
多分に特殊でアブノーマルな性欲である。
もっとも、彼からすれば、自分に素直なだけで至極“真っ当な欲望”ではあるのだが。
また何より怖いことに、このバイクの本来の持ち主やその他、『同志』と呼べる存在が数多く存在したりする。
カズヤもいずれ、その欲望を芸術の高みまで昇華させることが出来れば、
現代のサド侯爵(サディズムの語源となった人物だが、当人はマゾヒストだった)になることも不可能ではないかもしれない。
「イクぜえええええ、あああう、あうあうあイッたあああああああ」
 いつしか道路は山の砂利道に入っていた。
方向が合っているのか甚だ疑問だが、野生の勘がおそらく彼を導いているのであろう。
そして、砂利道の振動で思わず股間に快感を覚えてしまう辺り、やっぱりカズヤはこの道では性器の天才、もとい世紀なのかもしれない。

「おおうおおう、行くイク行くイク行くイキっ放しで止まらないぜー! この山を越えれば、乗換待ちのシンジたちに追いつくはずだー!」
 人生のゴールはまだ先だが、取りあえず現実の旅のゴールはかなり近づいてきているのであった。  
頑張れカズヤ、君の望む現世の天国は文字通り目の前だ―――






仕事が忙しいので、なかなかまとまった話を最近書くことが出来ません。
リレーに参加でお茶を濁す、というわけではありませんが……次の方にバトンを渡します。
574名無しさん@ピンキー:2009/11/07(土) 13:06:46 ID:zD/ZihjB
でもそろそろ終わりを考えないと、次スレに移るタイミングを逃すかもしれない
・・・まさかの引き継ぎ!?
575名無しさん@ピンキー:2009/11/07(土) 17:30:21 ID:yVGRvtWZ
引き継ぐでしょ
まだ話は本番ではないんだし
超大編の予感w
576名無しさん@ピンキー:2009/11/07(土) 22:30:02 ID:xqe8jEBy
リレー見てて思うがつくづく良い職人と良い住民に恵まれたスレだよな
577名無しさん@ピンキー:2009/11/08(日) 17:54:09 ID:Yh8xAgil
エロ無し容認・恋愛色強め・2828傾向・原作雰囲気重視、これらは自然と醸造された酒みたいなもんだ

もし初期に凌辱ありーの濡れ場だけの切り取りSSありーのだったら現状は違っていただろう
ただ、その場合はここまで長期に伸びるスレにはならなかったかもしれない
578名無しさん@ピンキー:2009/11/08(日) 19:04:49 ID:O9EYROC+
んでもさ、ぶっちゃけその方がリアリティがあると思うんだょ
だって実際に女の子とセクロスするまでって時間かかるじゃん?
だからいきなりエロの話だとなんかオラはダメだにゃ。
579名無しさん@ピンキー:2009/11/08(日) 20:44:42 ID:6YkUqJ0M
半年近くはかかってるけどこのスレも容量オーバーで新スレか・・・
本当このスレの職人はすごいと毎回思う
580名無しさん@ピンキー:2009/11/11(水) 19:30:55 ID:iB2OUYVg
保守
581名無しさん@ピンキー:2009/11/11(水) 22:46:27 ID:aJCjsero
今号のラストはエロい。
582Y-275 ◆7mSmx3IxmI :2009/11/12(木) 00:50:59 ID:RDVyfJqR
皆さんこんばんわ。お疲れ様です。
投下します。
前編。エロは後編に。
リレーが始まる前に話題になってた、シンジ×アリアです。
スルー対象ワードは
展開が急。
長文でごまかしすぎ。
辺りで。
それでは投下。
583Y-275 ◆7mSmx3IxmI :2009/11/12(木) 00:53:18 ID:RDVyfJqR

「はぁ、ありえねぇだろ…」
城島シンジの口をつくのは純粋な驚き。
バイト先である家庭教師派遣元から渡された、地図を片手に辿って行った先で、驚愕する。
9月の頭、まだまだ汗の吹き出てくる季節のど真ん中で、反対の手で汗を拭いながら。
目の前にあるのは、シンジにとって、エロゲの中ぐらいでしか見たことの無いような豪華な屋敷。
自らの立つ門の奥に、更なる道のりが続いている。
「こんな家に住んでる人間がなんで家庭教師なんか…」
途方に暮れるような現実に、思わず口から漏れるのは文句にも似た呟き。
元々、城島シンジが家庭教師のバイトを始めたのは先輩からの誘いに他ならない。
今年の4月から晴れて大学生となったシンジ。
自らの最大限の努力の果てに、親の助けもあり単身上京して来た。
当然ながら苦学生の身。
降って湧いたような話しではあるのだが、天の助けとばかりにシンジはそれに食いついた。
自らのスケジュールに合わせた勤務形態。
生徒との垣根を作らずに気軽に行う授業。
カリキュラムに沿って指導をしていくという初心者にも触れやすいシステム。
順風満帆に登録を済ませた矢先、突き付けられた現実は物理的にあまりにも大きい。
「はぁ、とりあえず行くしか無いな…」
そう呟きながらシンジは『七条』とかかれた表札のかかる、その屋敷のインターフォンに手を延ばす。

………………………………

「へぇー、東栄大学といえば、良い所じゃないですか。」
通された屋敷の一室でシンジに保護者より声がかけられる。
途中屋敷までの道のりを案内してくれた、これまたエロゲの世界でしかお目にかかったことの無い、
メイド服に身を包んだ女性に対する疑問をシンジは脳内の片隅に追いやる。
「いえいえ、そんな事は無いですよ。」
解答的にはこんな感じで良いのかな?
そんな風にシンジは思う。
自分的には大冒険だった第一志望の大学。
直前の追い込みと、それを献身的に支えてくれた妹。
そして、自分の進学に合わせて、実家へと戻ることを決めてくれた両親。
それら全てでもって勝ち得た称号。
本当は、胸を張りたかった。
そこに至るまでの苦難を乗り越えたのは、外ならぬシンジ自身なのだから。
だからこそシンジは、努めて社交辞令に徹したのである。
「うちの娘に、今まで一般教養の習い事はさせてきたんですけれど…」
それを受け取る側もそれはきちんと理解している。
間髪入れずに話題はシフトしていく。
「気付いたらこの子の同級生達も追い込みをしてる時期になってしまって…」
親御さんの話しは続く。
「最初は予備校になんて思ったんですが、他のお稽古もあって…」
要は他の今まで積み上げてきた習い事との兼合いで時間を合わせられる家庭教師という結論に、
この豪邸に住まわれるご家族はなったらしい。
「娘は高校で生徒会役員もやってまして…」
そこまで話しは進んで、ようやく自らが教える事になる、教え子の紹介が始まる。
スタイル抜群、栗色のややウェーブがかった髪の完膚なきまでのお嬢様と、
交互に視線を行き来させながら、シンジは話しを聞いていく。
一通り親御さんとの会話が落ち着いた所で、その子は口を開く。
「七条アリアです。」
礼儀正しく背筋を伸ばした恰好で、お嬢様はシンジに挨拶をする。
「城島シンジです、よろしくお願いします。」
その人物にシンジも姿勢を正して自己紹介をした。

………………………………

それはお見合いの際に使う言葉ではなかろうか?
口にこそ出さなかったが、心の中でシンジがツッコミをアリアの親に入れたのが小1時間前。
「後は若い人達に任せて…」
584Y-275 ◆7mSmx3IxmI :2009/11/12(木) 00:55:10 ID:RDVyfJqR
なんて言葉を残して消えていったアリアの親に残された2人は、シンジのバイト先最初のカリキュラムである、
実力テストに取り掛かる。
(完璧……なんだよなぁ……)
はたして自らの出番があるのかと思うほど、淀み無くシンジの前でスラスラ問題を解いていくアリア。
殆どの回答欄に正答が書き込まれ埋まっていく。
それは現文、古文に限らず、数学、物理、世界史、英語…
各教科の好き嫌いは無く、むしろ、受験を経験した身であるシンジとしては、必要のない教科まで含めて、
優等生っぷりを見せ付けるアリアにはただただ、舌を巻くばかりである。
とは言え、そんな彼女でも全教科満点とはいかないわけで…
アリアは学年1位は取ったことが無いという。
常にほぼ満点というただ一人、自らの上にランクする人物の壁は厚いのだという。
「世の中にはそんな人もいるんだね…」
シンジが派遣先から渡された解答集を片手に採点をしながら言う。
「ええ。でも、だからこそ頑張ろうって思えるわけです。」
シンジに応えてアリアが口を開く。
「そっか…」
未だに緊張で堅さを残すシンジの声。
かたや、アリアの方は持ち前の明るさというか、人を選ばない人懐っこさというか、
いや、天然に近いのかもしれない。
そうシンジが思うほど自然体でシンジに語りかける。
それでも必死に採点を続け、シンジは暫く後、解答をアリアに返却した。
「ここあってませんか?」
暫く渡された答案を眺めた後でアリアが声をあげる。
「オクティビアナル……」
採点を終え、アリアに返した歴史の答案を突き付けられ、シンジはそこをただ口にだして読み上げる。
「いや、オクティビアヌスが正解だよ。」
その後で努めて冷静に言う。
実は、シンジもこの名前で躓いた事がある。
ギリシャの一時期に〜アヌスと言う名前の人物が多いのだ。
アナルフェチのシンジが躓かないわけがあろうか。
「アナルもアヌスも同じ意味じゃ無いですか?」
「人名だから0点だね。」
アリアを知る人ならば知るアリアのボケ。
そしてそれを、シンジを知る人ならば知るツッコミでシンジは切り返す。
半ば無意識に互いの普段の性格での応酬をする。
「でも、どっちもお尻のあn「おーい」」
なおも食い下がるアリアが直接的に言葉にしようとした言葉をシンジが慌てて掻き消した。
そしてシンジは悟った。
(この娘、妹やその友人達と同じだ。)
そう思うとただ屋敷の雰囲気に気圧されていたシンジも幾分か肩の力が抜けるのを感じた。

………………………………

「はぁ〜」
冒頭と同じ種類の溜息をシンジは吐き出した。
驚嘆。
それ以外の言葉でどう表現すれば良いのだろうか?
シンジは思う。
「でも、今回も2位だったんです。」
中間テストを終えてアリアが貰ってきた得点表をシンジは再度覗き込む。
家庭教師を始めて、エロボケをかましながらも頭の良い子だとは思ってはいた。
目の前に並ぶ全て十の位に"9"の並ぶ得点表。
準パーフェクトとしか形容のしようの無いそれは見ているものを圧巻する。
「はぁ、俺の出る幕無いじゃん…」
溜息。
再びシンジの口から出ていくもの。
「膜ならちゃんとありますよ。」
「前後の脈絡から察しようか?頭良いんだから。」
シンジの呟きの一部を聞いてのアリアのエロボケ。
凹んでいるようでいて、シンジもちゃっかりとそれに応えてしまう。
585Y-275 ◆7mSmx3IxmI :2009/11/12(木) 00:56:55 ID:RDVyfJqR
(しかし…)
シンジは思う。
田舎で離れて暮らす妹の様だな。と。
何故、自分の周りにいるエロボケキャラは皆優秀で、ツッコミキャラは自らも含め凡庸なのか。と。
それは転居して来た、この土地でもなんら変わら無いようだ。と。
1人だけ当て嵌まらない、エロボケというよりも変態の域にいる親友はシンジの頭の中には出てこない。
(クールなマナカちゃんとは全く違う…やっぱりカナミそっくりなんだよな。)
その中でも、アリアのちょっと天然というか、ボケてるような所、
人見知りしない所は妹がこんな感じだ。とシンジは思う。
おまけに学校でのテストの成績まで似たようなものだな。
なんて、凡庸の域から抜け出すことの無いシンジは、過去に妹に見せてもらった得点表を眺めた時のような
既視感を覚える。
「どうかしましたか?」
そんなシンジにアリアが声をかける。
「いや、うちの妹もこんな感じの成績表を持ってくるんだよね。」
苦笑まじりにシンジが言う。
「へぇ〜、妹さんがいらっしゃるんですね。」
その会話にアリアは自然に食いつく。
今日の所はテストでの成績を吸い上げて、派遣会社に報告をあげるだけ。
勉強の予定は特に無し。
だから、少しリラックスした調子で、2人は雑談を交わしていく。
「妹さんはどんな感じなんですか?」
純粋な興味でもって、アリアがシンジに尋ねる。
「いや、こんなこと言うと兄バカかも知れないけど、よく出来た妹だと思うよ。」
やや、むず痒げにしながら、シンジが言う。
「へぇー。そうなんですか?」
「ああ。こっちに越してくるまで、両親が長期出張で暫く2人で暮らしてたんだけど…」
シンジは両親不在期間中のまるで1年とは感じられない日々の事を振り返りながら言葉を紡ぐ。
時折、へぇーとかお嬢様のそれと言うよりかは、年相応のリアクションを見せながら、
興味津々といった感じで、アリアは話を聞く。
(そういえば、ここまで長いこと話をするのも初めてだな。)
シンジはそんなことを思う。
今までは家庭教師のカリキュラムに追われて、ゆっくりとする隙など無かった。
だが、今日はたっぷりと時間がある。
自らの妹のようで、妙に親近感を覚えてしまう教え子と沢山話をするのも、悪くないなとシンジは思う。
「禁断のインセストですね!!」
「今まで何を聞いてたんだ?」
話の合間に挟まれたアリアのエロボケ。
本当に妹そっくりだなと思うとシンジは苦笑してしまう。
「七条さんはうちの妹にそっくりだよ。」
そして、そのままを口にする。
事実シンジはそう思っているのだから。
「そうですか?」
不意をつかれたのか、驚きの表情を浮かべるアリア。
「ああ。言わなかったけど、うちの妹もよくボケるんだ。狙ってなのかは知らないけどさ。」
またしても苦笑を浮かべながら、アリアに応えてシンジは言う。
「私ボケてますか??」
「うん。」
どうやら、この子は自覚のないタイプらしい。
またしても苦笑。
なんだか、今日は苦笑いの絶えない日だなぁ。
シンジはそう思う。
「でも、妹さんに似てるんですよね?」
「うん。」
「そうですか…私一人っ子だから、兄弟に憧れがあるんですよね。」
「そうなんだ。」
アリアの言葉に、シンジは曖昧に返事をする。
「今度からシンジ先生の事、兄のように思うことにします。」
アリアが言う。
「いや、まぁ、構わないよ。」
586Y-275 ◆7mSmx3IxmI :2009/11/12(木) 00:59:55 ID:RDVyfJqR
なんかこそばゆいような気になりながら、シンジが返す。
こちらからは、妹に似てるなんて勝手な親近感を抱いているのだから、別段断る理由は無いしな。
なんて思いながら。
「それで、七条さんが頑張れるなら。」
そして、笑顔でそう言う。
「……だから、下の名前で呼んでくださいよ。」
不満げにアリアがそう告げる。
「分かったよ。…アリアちゃん。これで良いかい。」
もはや、何度目ともわからない苦笑をシンジが浮かべる。
「本音を言えばちゃん付けはいらないですが、仕方ないですね。
やはり、形から入らないと盛り上がりにもかけちゃいますもんね。」
「…意地でもツッコまないからね。」
アリアが何を言わんとしてるか分かって、先回りをして、シンジがそう口にする。
敢えて、越えられない壁である体型の事は触れないでおこう。
カナミの名誉のために。
心の中で、そんな風に思いながら。

………………………………

「コーヒーで良いのかな?」
暫くして、シンジはアリアを自らの部屋に招いた。
理由は至極簡単で、
「シンジさんの家、一度行ってみたいです。でも、イカ臭そう……」
というアリアの言葉と、
「ちゃんと片付けぐらいしてるから…」
というシンジのツッコミ。
一連の会話の後で、大学が近所とは限らないからその参考として。
などとシンジはおろか、家族、お付きのメイドの出島さんまでアリアが、説得してしまった為である。
『へぇー。ホントにイカ臭くないですね。』
入って初っ端のアリアの言葉に、少々シンジが凹んだのは内緒だ。
「あ、はい。」
シンジの言葉にアリアが肯定を返す。
好奇心に定まらない視点を隠そうともせずに。
アリアにしてみれば、初めて触れる一人暮らしの部屋。
しかも男性の。
シンジのコーヒーで良いか?との問いにも、どこか上の空だった。
「そんなに珍しいものじゃ無いさ。」
そんなアリアにシンジは苦笑する。
その初々しいリアクションは、やはりお嬢様として、どこか自分達とは住んでる場所が
違うと思わせてしまう。
シンジがアリアを妹みたいだと言い、アリアがシンジに兄だと思うことにすると言ってから、
かなりの時間が経った。
家庭教師の授業を行う上での円滑さは、目に見えて増した。
時には、アリアのボケから勉強が脱線してしまうこともあったけれど、概ね順調だった。
シンジが1人で出てきた街で、田舎に住んでいた頃と変わらないような、
気兼ねしない相手が出来たのはシンジにとって純粋に喜びだった。
そうして、シンジが接した事をアリアがどう受け取ったかまではシンジにはわからない。
でも、それに伴ってアリアも楽しそうに授業を受けてくれていると、シンジは確かに感じていた。
「アリアちゃんお待たせ。」
だから、
だからこそ、
シンジは油断していたのかもしれない。
多分、田舎にいた頃なら、誰を自らの部屋に入れても、もっと万全の準備をしていたはずなのに、
そこから離れて、でも、その先で、今までの環境と変わらないような人と出会い、浮かれて…
「……………………っ!」
マナカでも、エーコでも、実妹であるカナミを部屋に招き入れるのでも、細心の注意を払っていたはずの事を、
シンジはすっかり忘れ去ってしまっていた。
シンジは思う。
やはり、この子はカナミに似ていると。
同時に、アリアは自らの妹では無いんだと言う相反する考えが頭に浮かぶ。
587Y-275 ◆7mSmx3IxmI :2009/11/12(木) 01:01:04 ID:RDVyfJqR
コーヒーを持って、キッチンから戻ったシンジの部屋。
そこには、先程の好奇心で浮つくアリアの姿はすでに無かった。
代わりに、シンジ秘蔵のアナルモノのエロ本を読み耽るアリアの姿があった。

………………………………

(気まずい……)
どうにか、アリアの意識を引き付けて、エロ本を手放させる事に成功したシンジ。
だが、肝心な次に言うべき言葉は出てこない。
「…………………」
アリアはアリアで頬を紅潮させたままで、何も言わない。
部屋には沈黙が降りてくる。
「……コーヒー冷めちゃいますよ。」
先に口を開いたのはアリアの方。
落ち着かない。
そんな様子はありありとシンジに伝わる。
「あ、あぁ……っ!」
コーヒーを口に運んで、アリアの方を一瞬垣間見る。
その一瞬で目が合って、慌てて逸らす。
それは、アリアも一緒だったようで、同じように合った瞳を一瞬で逸らしてしまう。
(あぁ、何故カナミにこの恥じらいは無かったのだろう…)
不足の事態に、カナミに責任転嫁して、シンジは気まずさを紛らわそうとする。
「あの……」
不意にかけられる言葉。
「あ、あぁ……」
今まで順調だった家庭教師と教え子の関係が嘘のように、
胃に鉛を流し込まれるような気心地でシンジは曖昧に返事をする。
「…シンジ先生はアナルフェチなんですか?」
下を向きながらそう口にするアリア。
「………………………」
シンジは、胃に流し込まれた鉛が融解して、胃で煮立っているような
感覚に襲われているような気がしてならない。
「先生……アナルって気持ちいいですよね。」
「………………………は?」
何を言っているんだろうこの子は?
余りに場違い過ぎる言葉がその後に続いて、シンジの頭は混乱する。
「……その…私、時々……オナニーの時、お尻の穴弄っちゃうんですよね…」
頬を紅潮させながら、アリアが言う。
「だから、シンジ先生の気持ち、良くわかりますよ…」
アリアが独白する。
「ねぇ……だから、その…」
しませんか?
アリアが続ける。
「いや、でも、その、そういうのは…」
未だに思考がまともに働かない中で、シンジは制止の言葉をかけたのは確かに覚えている。
「…実はもう、疼いちゃって…」
頬を染めながらの、アリアのその言葉は強烈過ぎて、意識が塗り替えられるのをシンジは自覚する。
気付けば、誘われるまま、シンジはアリアに手を延ばしていた。

………………………………
588Y-275 ◆7mSmx3IxmI :2009/11/12(木) 01:05:57 ID:RDVyfJqR
今回は以上です。
後編はエロシーンとオチです。
仕事が忙しいので期待せずにお待ちいただけると幸いです。

どうでも良いですがトリップなぞつけてみました。

駄文乱文失礼しました。
それではこれで失礼致します。
589名無しさん@ピンキー:2009/11/12(木) 10:42:42 ID:3lJUZkbd
乙です
さすがの安定感ですね、続きも期待しています
590名無しさん@ピンキー:2009/11/12(木) 15:47:37 ID:+e80TvIn
Y-275さん乙です。
容量がやばいので29時間目立てました。
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1258008134/
591名無しさん@ピンキー:2009/11/14(土) 08:34:45 ID:HM9Zr70G
新スレGJ

埋め
592名無しさん@ピンキー:2009/11/16(月) 07:17:21 ID:47+OW6ce
シリトリ



規制解除マダー?

「だ」
593名無しさん@ピンキー:2009/11/16(月) 10:49:29 ID:ZlxoC7nc
「だって、びっくりするじゃない!雪で滑ったからっていきなり押し倒されたら… ばか」

涙ぐみながらマサヒコを責めるアヤナ。

「な」
594名無しさん@ピンキー:2009/11/16(月) 22:23:00 ID:f8KuowLL
「なんだそのツラは!! 違いが出るほどムネないとか言いたいのか!!」

「か」

595名無しさん@ピンキー:2009/11/17(火) 02:12:07 ID:eG7yY1kM
「かなり特殊なコト……してますね」

「ね」
596名無しさん@ピンキー:2009/11/17(火) 20:20:28 ID:jhi/3OpS
「ねぇ小久保くん、私達ってそんなに特殊なコトしてるかな…?」
「かなり特殊だとおもうぞ若田部。
水着姿で四つん這い手押し車状態で保健室に向かうのは。」

「は」
597名無しさん@ピンキー:2009/11/19(木) 01:38:02 ID:ZL32ioI5
「はい、おヨメさんです」
 まぶしい・・・・

「い」

598名無しさん@ピンキー:2009/11/19(木) 01:58:03 ID:hma+vgkv
「インセストはさすがにまずいよー」

599名無しさん@ピンキー:2009/11/19(木) 23:29:38 ID:hWIV6j8Z
酔った勢いで妹を抱き締めてしまった…!カナミごめんな。

「な」
600名無しさん@ピンキー:2009/11/20(金) 00:06:23 ID:5af406g2
「何が……何が、ごめんねなの。私の気も知らないで!!」
まさかのシリアス展開。
涙声でカナミが言う。
601名無しさん@ピンキー:2009/11/20(金) 22:07:42 ID:afgNTy4r
氏家漫画の神髄は決してここから先へ進まない事だ

「だ」
602名無しさん@ピンキー:2009/11/24(火) 07:10:28 ID:/qSWyZOk
「だいたい昨晩のはお前が寝惚けてたせいだろーが!!」
「だからって!!同じ男の子に水着はぎ取られて
一緒の布団で一晩寝て――
責任取ってくれるんでしょーね!?」

「ね」
603郭泰源 ◆Ot.EmIRUsS7D :2009/11/26(木) 00:30:04 ID:umED4T9k
「ねえ、マサヒコ君。本当に良いの?私で」
「なにをいきなり言ってるんですか?まさかマリッジブルーってやつですか?」
「だって私、マサヒコ君より六歳も年上だし、可愛くないし、そのくせ子供っぽいし、それに」
「え〜〜〜っとですね、アイさん?イチローの奥さんが何歳年上か知ってます?」
「?え?」
「八歳年上だそうです。松坂の奥さんは俺たちと同じ六歳の年の差で、
ついでにオノ・ヨーコもジョン・レノンの八歳年上だったそうですよ」
「???」
「ま、だから」
"ちゅッ"
「ん!…………マサヒコ君?」
「関係無いってことですよ」
「でも………」
「それと日本人女性の平均寿命は86歳、男性の平均寿命は79歳だそうですから。
そう考えれば俺たちの年の差ってバランスがとれてるって思いませんか?」
「それって、バランスとれてるって言うのカナ?」
「アイさんが85歳のときに俺が79歳でしょ?その頃どっちが年上だとか誰も分りませんし、気にしませんよ」
「…………それは、そうかもしれないけど」
「だから、ひとつだけ約束してください」
「?なにを」
「俺より、一分一秒でも良いから長生きして下さい。アイさんのいない世界なんて、考えたくないから。
笑いながら、アイさんと過ごしたいです、ずっと」
「…………それ、ズルイよ、マサヒコ君」
「ズルイ、ですか?」
「私だって、マサヒコ君のいない世界なんて考えたくないよ。
私も………マサヒコ君に、一分一秒でも良いから、私より長生きして欲しい」
「はは、じゃ決まりですね」
「え?」
「ずっと一緒にいましょう。それで、いいじゃないですか。
それで、ふたりで競争しましょうよ。どっちが長生きするか、どっちが最後まで相手の顔を見ていられるか」
「…………うん」
「アイさん、それと」
「?」
「愛してます」
「!!もう、ズルイよ!マサヒコ君、不意打ち」
「はは、あんま言うの慣れてないから不意打ちじゃないと照れるんですよ」
「あの………ね、マサヒコ君?それ、もう一回言ってもらっても良いカナ?」
604郭泰源 ◆Ot.EmIRUsS7D :2009/11/26(木) 00:31:39 ID:umED4T9k
「なあ、アヤナ?」
「?なによ」
「愛してる」
"パリーーーーン"
「わ!危ないって、アヤナ!」
「!な、なにをいきなり言うのよ、マサヒコ!」
「ん?そういや最近言ってなかったな〜〜〜っと思って」
「ばばばば、バカッ!もう、いきなりヘンなこと言うからお皿落しちゃったじゃないのッ!!!」
「ヘンなことって、嫁さんに言って悪い事じゃないだろ?」
「そ、それはそうだけど、でも、その、いきなりは」
「愛してる」
「!!!ば、バカァ!!知らないんだから!!」
「あははは、真っ赤だ。アヤナって確かに不意打ちに弱いよな」
「………………」
「悪かったよ。でもさあ、『じゃあこれから愛してるって言うから心の準備をしてくれ』
ってのもなんか変じゃないか?」
「…………知らない!!もう、バカ!本当に、本格的に、知らないッ!!」
「準備して」
「え?あ、これ………」
「前一緒に行ったとき、ジッと見てただろ、このリング」
「気付いて………たの?」
「大事な嫁さんのことだからな。なんだかお前は俺のこと疑ってたみたいだけど」
「…………」
「わ!泣くなよ、アヤナ!」
「…………だって、だって、マサヒコ最近全然私のこと見てくれないし、
それなのに通りすがりの女の子のこと妙にジロジロ見てたりしたから、
浮気はしてないかもしれないけど結婚したら私のこと、もう興味ないんだって思って」
「いや、プレゼントのこと考えてたらなんだか照れくさくてお前を正面から見れなかっただけだし、
最近の流行とか分らねーからとりあえず女の子とか観察してただけだし、
それでさ………正直、思ったんだけど」
「???」
「やっぱりアヤナが一番だよ」
「!!え!!」
「愛してるのは、お前だけだから」
"ちゅ"
「…………………ぁん、馬鹿……」
「ずっと、一緒にいような?」
605郭泰源 ◆Ot.EmIRUsS7D :2009/11/26(木) 00:34:07 ID:umED4T9k
「泣いちゃったんだ、マサちゃんったら」
「だって俺、すげえ感動したよ。頑張ったな、ミサキ!」
「あは、ありがとう」
「こっちこそありがとう、ミサキ。本当に頑張ったな。ちっちゃいな〜〜〜、赤ちゃんって」
「ふふ、そうだね。まだ首がすわらないから気をつけてね?」
「あ、ああ。わ、なんだか子供っていうより本当に"赤ちゃん"って感じだな」
「うん。でもホラ、目許なんてマサちゃんそっくりだよ?」
「そ、そうかな?そう言われてみれば鼻とか口はミサキに似てるかな?」
「あは、ふたりの子供だもん、似てて当たり前じゃない」
「ん、いや、そうなんだけど………不思議だなぁって、さ。俺やミサキもこんな風だったのかと思うと」
「ふふ、そうだね………ね、マサちゃん?私たちってどっちも一人っ子同士だったから、
ちょっと寂しかったじゃない?だから、この子にはやっぱり妹か弟がほしいな」
「ってお前、気がはえーよ。この子を産んだばっかじゃんか」
「ふふふ、良いの。私はまだまだ、産む気全開なんだから!!」
「全開って………ま、いいけど」
「でね、マサちゃん?それよりこの子の名前、考えてる?」
「うん、一応男の子でも女の子でも二通り、な」
「その名前、聞かせてもらっても良い?」
「ん、でもそれは後で」
「え〜〜〜〜マサちゃんの意地悪!」
「はは、一応俺の家とお前の家の全員に聞いて欲しいんだよね、それでどうするか決めたいんだ」
「私は、良いよ?マサちゃんの考えた名前なら、どんな名前でも」
「ありがとう。でもやっぱりみんなの前で発表したいんだ。ふたりの子供だからさ」
「うん………そうだね。あのね、マサちゃん?私、本当に幸せだよ」
「なんだよ、いきなり」
「だから………ありがとう。愛してる」
「うん。俺も、愛してる」
「本当に?」
「嘘なわけないだろ?」
「なら、もう一回言って」
「ああ」
606郭泰源 ◆Ot.EmIRUsS7D :2009/11/26(木) 00:35:57 ID:umED4T9k
「愛してる」
「ダメだよ、まりん!」
「ヤダ〜〜〜〜、おフロきら〜〜い!!」
「もう、待ちなさ〜〜い!まあ君、さっきなにか言った?」
「…………なんでもない」
「パパ〜〜〜〜、ママがイジワルするぅ〜〜〜」
「もう!まりんはすぐにまあ君のところに隠れようとするんだから!」
「まあそれくらいにしておけって。まりんをあんまり怒るなよ……」
「ダメ!もう、まあ君はまりんに甘いんだから!」
「まりん?パパと一緒にお風呂はいるか?」
「うん!パパといっしょならはいる〜〜〜」
「てことでいいだろ?リン」
「…………もう!」
「リンも昔はおっとりしてたんだけどな」
「母親になったらそうはいかないの!じゃ、着替えは出しておくから」
「へいへい」
「へいへい」
「まあ君のマネしないの!まりん!」
「じゃあ行くか、まりん」
「うん!パパ!」

「えへへ、パパといっしょだとおゆがいっぱいになちゃうね!」
「はは、そうだな」
「ねえ、パパ?」
「ん?なんだ」
「パパとママは幼馴染み萌えだったの?」
「…………お前、どっからそんな言葉」
「ほいくえんのカナミせんせいがいってたの」
「城島先生か………良い先生らしいんだが、それはちょっと違うよ。ま、腐れ縁ではあるけど」
「えへへ、まあ君、私も入っちゃうからね♪」
「え?あ、リン、お前も入んの?」
「わ〜〜〜ん、ママ、おフロせまくなっちゃうよ〜〜」
「大丈夫よ〜〜〜♪ふふふ」
「なんだか三人で一緒の風呂ってのも久しぶりかもな」
「うふふ、ねえ、まあ君?セクシー?」
「!!ぶッ!!ば、バカ、リン、まりんが見てるだろ!」
「ねえ、パパ?」
「あ、あのな、まりん」
「セクシー?」
「………まりん、あのね?それは保育園とかじゃ絶対やっちゃいけないよ?」
「??そうなの、ママ?」
「そうね、まだまりんには早いかな?将来好きな男の子ができたら試してみても」
「自分の娘に変な入れ知恵すんなよ!」
「ね〜〜〜まりん?ところで、そろそろ弟か妹欲しくない?」
「うん、まりんきょうだいほしい〜〜〜!!」
「うふふ、聞いた?まりんも欲しいらしいわよ?」
「あの………それって」
「だって愛してるんだもんね?まあ君は」
「!お前、聞こえてたのか?」
「ね、まあ君?もう一回言って欲しいな、私」
「………まりんが聞いてるだろ」
「え〜〜〜〜、わたしもききたい!さっきパパ、なんていってたの?」
「まりんまでかよ………しょうがねえなあ」

「アイシテル」
607郭泰源 ◆Ot.EmIRUsS7D :2009/11/26(木) 00:38:01 ID:umED4T9k
はい、どうも。埋め用小ネタ集、エロ無しばっかですいません。
タイトルはそのまま『アイシテル』で。
それでは

「る」
608名無しさん@ピンキー:2009/12/02(水) 01:11:18 ID:/Sly4pil
「ル・・ル・・ルーマニア」
「アブノーマル」
「またルですか? え〜と・・ルビー」
「ビザール」
「またル? う〜ん・・・ルイジアナ!」
「生ア〇ル」
「ちょ・・・そんなのありですか? 七条先輩」
「あら、生は味わいが違うんだから」
「いや、そういう事言いたいんじゃなくてですね」

しりとり一つでもこのように油断がならない先輩達を見ていると
私、萩村スズはつくづく思う、津田タカトシが生徒会にいてくれて
本当に良かった、と
609名無しさん@ピンキー:2009/12/08(火) 15:54:11 ID:pFWa+CVl
トリプル(三穴)攻撃
610名無しさん@ピンキー:2009/12/10(木) 07:19:54 ID:vaFaW30x
「きたないわ、そんなところ・・・」


「ろ」
611名無しさん@ピンキー:2009/12/13(日) 20:21:56 ID:3WrzDf3/
ローソク
612名無しさん@ピンキー:2009/12/13(日) 23:24:21 ID:aO/VojC8
くんに

「に」
613名無しさん@ピンキー
埋め