スレに投下し辛い/迷うSS【元・追い出され3】

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1名無しさん@ピンキー
専用スレがあっても投下し辛いSSを投下するスレです。

・微妙にスレの空気からずれたSS。
・投下したら叩かれそうだなあと思うSS。
・どこに投下すればいいのか迷ってしまうSS。

そんな投下を迷うSSをとりあえず投下するための専用スレ。
タイトルに注意書き必要項目(801、スカ、凌辱、ロリ、etc.)
フリーダムにうpロダ代わりにご利用ください。


■ 前スレ ■
スレから追い出されたSSを投下するスレPart2
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1208076450/

■ 過去スレ ■
スレから追い出されたSSを投下するスレ
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1161043643/

■ 関連スレ ■
【うpろだ】専用スレのないSS その2【代わり】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1240477403/
2名無しさん@ピンキー:2009/05/14(木) 22:35:20 ID:SSi5KYz6
たてました。
何か必死な人が多すぎる…NE!
3名無しさん@ピンキー:2009/05/14(木) 22:36:17 ID:EYz15KH8
重複

【うpろだ】専用スレのないSS その2【代わり】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1240477403/
4名無しさん@ピンキー:2009/05/14(木) 22:42:33 ID:grvSJ35b
スレ立て乙です
5名無しさん@ピンキー:2009/05/14(木) 22:43:43 ID:KE3Q0zgN
前スレ最後で色々と大変でしたが
>>1

>タイトルに注意書き必要項目(801、スカ、凌辱、ロリ、etc.)
これはいらないかもと書こうとしてたのに...orz
なんか色々と怖い物を見てしまったわ

元が『スレから追い出されたSSを投下するスレPart2』だっていうのは
前スレ、過去スレの所でわかるから周知しなくて大丈夫だよね。

ともかく...
乙でした。
6名無しさん@ピンキー:2009/05/14(木) 22:46:43 ID:OBw13klS
>>1
空気読まずに投下してごめんなさい
7名無しさん@ピンキー:2009/05/14(木) 22:51:49 ID:JUok/qrU
>>6二度と来るなゴミ屑
8名無しさん@ピンキー:2009/05/14(木) 22:53:06 ID:SSi5KYz6
まあまあ。これからもいろんな問題あるかもですが…がんばりましょう
>>6こっちに転載したら?
9名無しさん@ピンキー:2009/05/14(木) 22:56:44 ID:SSi5KYz6
早速、削除スレに要望出してる人がいるのだけど、削除人の方はぜひこちらを参照ください。
住人で相談検討し、投票も行い建てました。
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1208076450/415
415〜540あたりです。
10名無しさん@ピンキー:2009/05/14(木) 23:03:43 ID:n2+7Q/Mx
ID:OBw13klSは明らかに要領つぶしが目的の悪意の投下だろJK
もうすぐ書き込めなく鳴るのにみんなが話し合いしてるのに投下とか普通ありえない
どうせ違う名前でスレ立てたりここを削除以来に出したのもお前だろ
マジで消えろよお前見たいのがいるからまともな作家さんがアンチに荒らされて困るんだから
11名無しさん@ピンキー:2009/05/14(木) 23:04:56 ID:KE3Q0zgN
>>6
ごめんね〜
残りKBに気が回らなくて
気付いてたら教えてあげられたんだけど
あれは続きがあるんじゃないの?
12名無しさん@ピンキー:2009/05/14(木) 23:26:33 ID:Ul+Toasq
まあ実際問題、あの流れで作品投下する神経は疑うよな
残KBは見れば分かる筈だしそれ以前に前後の流れを見れば適切な時期かどうかの判断はつく筈だ
・・・まともな知能を持ってればな
あれを全く悪意なしにやってのけたんなら余計にたちが悪いわ
13名無しさん@ピンキー:2009/05/14(木) 23:34:53 ID:EYz15KH8
荒らしのおかげであっという間に即死回避できそうだなw
14名無しさん@ピンキー:2009/05/15(金) 04:40:38 ID:waZvI97t
気持ちは分からんでもないがもうその辺にしておいてやれw
新スレ早々投下し辛い空気になったら意味が無いし。
15名無しさん@ピンキー:2009/05/15(金) 07:09:02 ID:BHyRCTf1
向こうに投下があったようだけれど、あの前のレス読んでも投下してる辺り、
職人なのに荒らし的考えの人とか結構いるのかなぁ
16名無しさん@ピンキー:2009/05/15(金) 07:21:50 ID:L1A9ZTEQ
前スレ潰した荒らしもSS書きだったしな
つーかあいつが書いて落としたんじゃねーのw
ほっとけよあんな糞みたいなSS
萌えねーしおもしろくもない
17名無しさん@ピンキー:2009/05/15(金) 08:07:45 ID:yVgR48uP
腹たつのわかるけどさ。空気考えろよ
いい加減にしとけって言われてるだろ
粘着しないで流せ
18名無しさん@ピンキー:2009/05/15(金) 08:36:27 ID:wV7hqtCb
そだな
じゃ1から居るめぞんさんが来るまで待機
19名無しさん@ピンキー:2009/05/15(金) 08:49:57 ID:uGn/Nz2E
きみら凄いな
本スレや追い出され名義スレに投下出来ないような気弱な人への気遣いで立てたスレかと思ったらこの流れ…
加えて全くフォローになってないフォロー
とどめに『めぞん』以外の人が投下しにくくなる指名レス
凄いよきみら
20名無しさん@ピンキー:2009/05/15(金) 21:03:12 ID:fvU8a80n
>>19
お前ほんと必死だな
21名無しさん@ピンキー:2009/05/15(金) 22:08:53 ID:M1a1mnRa
差し入れ持って来やした

旦 旦 旦 旦 旦
22名無しさん@ピンキー:2009/05/15(金) 22:38:35 ID:ZG1gNKo9
ある意味なんで追い出されたのかわかる気がする
23名無しさん@ピンキー:2009/05/15(金) 22:51:19 ID:DIlGgZcL
>>22いいからお前は自分の立てたクソスレの保守でもしてろよ
荒らしのお仲間がゴミ作品投下してたぞ自演GJしてやれよw
24名無しさん@ピンキー:2009/05/15(金) 22:58:34 ID:lq5uZGX9
         ∧_∧  お茶どうぞ・・・ ちなみに媚薬入りだ
         (´・ω・`)   シュッ
        (つ   と彡 ./
            /  ./
           /   ./
         /    /
        /      /
      / ///   / ツツー
     /  旦   /
   /       ./
25名無しさん@ピンキー:2009/05/15(金) 22:59:02 ID:ZG1gNKo9
さっき見たな
26名無しさん@ピンキー:2009/05/15(金) 23:04:13 ID:iDR2we8v
ほらほらあいてするなよw
ここのスタンスは1,2週間置きに「保守」だけ書き込むものだろ
それでも忘れる人はいないし誰かがいつも気にしてる
職人もこのスレのこと大事に思っている
そんだけの脇役スレだけど結構愛されてるスレ
27名無しさん@ピンキー:2009/05/15(金) 23:10:58 ID:1SQFjqYZ
>>23
自演GJって自分の書いたSSに自分でGJすることなんじゃないの?
まあ激しくどうでもいいことだけど。
28名無しさん@ピンキー:2009/05/17(日) 17:36:11 ID:w/FvCQvu
>>21
( ・∀・)つ日ザバー
       li|
29「浅い眠り」 ◆h4.Hpofy9o :2009/05/18(月) 12:00:42 ID:Fd0s3LeS
志水×香穂子
ゲームではなく漫画の方から書いています。
志水が強引な感じ。
漫画の中の台詞の意味をカップリングの為に歪曲。
思春期の男子ならどんな子でもエロイ妄想するでしょという観点、パロディで書いています。
原作が少女漫画ですので女性向けです。
終わりはすっきりしてません。

以上の事を判断されまして苦手な方は「浅い眠り」で回避、自己防衛願います。



                    「浅い眠り」

 それは偶然だった。
 香穂子が下校しようと練習室から出て、廊下を歩いている時に、ふと何気なく前方の
練習室のドアにある窓が目に入った。正確には、窓から見える練習室内の倒れている人の脚。
一瞬ドキリとしたものの、すぐにそれが1年の志水だと分かると香穂子はやれやれと
いうように小さく溜息をついてそのドアを押し開けた。
 中に入ると志水は以前もそうであったように、楽譜を散らばらせたまま床に丸くなって
寝ていた。

「志水くん、またこんなとこで眠っちゃって……志水くん! 風邪ひくよ!」

 香穂子の声にも志水はただ「う…ん…」と言って寝がえりを打っただけで、起きる様子もない。
 『寝て起きてチェロを弾いて寝て……』ただそれだけだと志水は言っていた。
他はコンサートに行ったり、図書館で本を借りたりするだけで遊んだりはしないと……
その読書ですら『知識の宝庫、自分の音楽を豊かにする糧』だと言う。香穂子はそんな
志水を、それって凄いことだよねと深く尊敬していた。

 だが、それとこれとは別、下校時刻までにはまだ時間があるものの、ここで眠って
いては良くないだろう。

「志水くん!」

 寝転がる志水の傍らに座りこんでその肩に手を遣る。

「志水くん! もう夕方だってば!」

 少しボリュームを上げて呼びながら肩を揺すってみると、やっと目が覚めたのか
志水はボソボソと掠れた声を出した。

「うう…ん…あ…れ? 香穂…先輩? ……そっか…これは……いつもの夢…です…ね
 ……いつも夢の中で……先輩は……とてもいいメロディを僕に聴かせてくれます……」

 横になったまま志水は手を伸ばし、その優しげな容姿とかけ離れた腕力で香穂子の肩を
ぐいと引きよせてしまう。途端に香穂子はバランスを崩し「きゃっ!」と短い悲鳴を上げて
志水に添い寝する形にされてしまった。それは吐息が互いの髪を震わすほどの距離。

(キャー!! 近い! 近い! 近いって! 志水くん!!)

 香穂子の心の叫びに気付くことなく、志水はまたしても惰眠を貪り始めていた。
その綺麗な寝顔を見つめながら香穂子の口から感嘆の言葉が零れる。

「うわっ、睫毛ながっ! …………ほんと…志水くんって、天使みたいだよねぇ……」

 香穂子のその声が覚醒を促したのか、志水の瞼が少しだけ開く。そうして徐に志水の
綺麗な指が香穂子の頬に伸びる。
30「浅い眠り」 ◆h4.Hpofy9o :2009/05/18(月) 12:01:53 ID:Fd0s3LeS
「……香穂先輩、先輩の音に…惹かれるのは……」

 『先輩の音』……志水は時折、香穂子の演奏について語る時にこの言葉を使う。
香穂子が魔法のヴァイオリンを失って、普通のヴァイオリンを今までと比べ物に
ならないくらい稚拙な技術で弾き、自虐的に「とんだ聴き苦しいモノを…」と
言った時もそうだった。

『でも、先輩の音…でした…………ダメなところもたくさんあるんですけど嫌いじゃ
 ないです先輩の音……』

 志水の言葉には裏表がなく、いつも思ったまま感じたままを言ってくれる。だから、
香穂子にはその時の志水の言葉が誰のどんな言葉よりも嬉しかった。
 香穂子が上手に弾ける人と自分とを比べて落ち込んでいた時にも、上手に弾ける人を
「うらやましい」と思う事はダメじゃないと言ってくれたのも志水だった。
『それで先輩がダメなら僕も駄目になる』と……。そうやって志水は何度か、沈み込み
そうになる香穂子の心を助けてくれた。
 学年は一つ下なのだが、香穂子がヴァイオリンを続けていられる恩人の一人と言ってもいい。

 香穂子がそんな思い出に浸っている間に、気付くと志水の顔が至近距離にあり、その唇は
香穂子の唇に触れていた。瞬間、香穂子の脳は活動を停止する。

(え?)

 香穂子の脳が機能停止になっている間にも志水の舌は遠慮なく香穂子の唇を割って
侵入を果たして行く。

「――ぅ……」

 余りの衝撃に呼吸すら忘れていた香穂子だったが、息苦しさを覚えて、やっとその
思考が動き出す。

(え? え!? えーーーっ!? も、も、もしかしなくても、私、志水くんと
 キ、キスしちゃってる!? な、な、なんで? どうして!?)

 先ほどの回想で急接近の動揺から少し落ち着き掛けた香穂子の思考も“未曾有”の
経験にパニック状態に陥る。
 そうしているうちにも志水の柔らかな舌先が香穂子の歯列をなぞり、息苦しさで開いて
しまった隙間から志水の舌が香穂子の舌を求めて口腔内を隅々まで侵す。

(ちょ、ちょっと待って、舌、舌、舌入ってるよね? 入ってる? え? 舌??)

 香穂子の脳内処理能力は志水の行動に追いつかない。既に志水の舌は香穂子の縮こまる
舌を優しく説き伏せるように刺激し誘い出そうとしていた。
 その上、舌の動きにばかり気を取られていた香穂子は、タイや制服のボタンがとっくに
外されてしまっていたことに気付いてもいなかった。

(……あ…れ?……なんか…………キス……って……こんなに気持ち……いいんだ……)

 初めての深いキスで呼吸もままならず意識がぼんやりする中で、香穂子はいつのまにか
志水の舌の動きにたどたどしくではあったが応えていた。

「――んふぅ……はぁ……」

 絡まりあう舌の立てる小さな水音の合間に香穂子の鼻にかかった声が漏れる。そんな中、
志水の手はブラ越しに香穂子の胸をやわらかく揉みしだきはじめていた。
 香穂子が胸の頂と秘所とに未知のじりじりとした熱を持ちはじめた頃、志水はやっと
香穂子の唇を解放した。
 志水は香穂子の耳朶を甘く噛み、首筋に歯を立てると、そこから舌を這わせ愛撫する位置を
少しずつ下げて行く。
31「浅い眠り」 ◆h4.Hpofy9o :2009/05/18(月) 12:03:01 ID:Fd0s3LeS
 香穂子のブラは既にホックが外されキャミソールと一緒に胸の上にたくしあげられていた。
志水の唇は香穂子の白い乳房の上にたどり着くと、そこを強く吸って紅くキスマークを残した。

「…結構……簡単に…付くものなんですね……」

 志水は、ぽそりと言うと二つ三つと紅い小花を香穂子の肌に残す。

「……先輩の……胸……白くて、柔らかくて……気持ちいい…です……」
「……はぁ……し、志水…くん……こ、こんなの……おかしいよ……はぁん……」
「そうですか?……僕は…とても自然な事だと思います……」
「……そう……なの……?」
「そうですよ……」
(なんか……少し……違う気もするけど……)

 志水は香穂子の両の乳房をやわやわと揉みしだき、その指の間からのぞく、既に硬く尖った
鴇色の頂に舌を這わせた。

「……ここ…こんなに硬くなってますね……」

 志水が頂を吸うちゅっという音と同時に香穂子の口から「…あん」と小さな声が漏れる。
志水はそのまま頂を舌先で転がし吸い、ねぶる。そうしてもう片方の頂は指先や掌を使って
抓んだり擦ったりして香穂子の快楽を引き出して行った。

「お臍の隣も……」

 くすぐったそうに身を捩る香穂子に志水はまるでサービスとでもいうように印を残し
舐め上げる。
 そうしながらも志水の空いた手は香穂子のスカートの中、内腿を何度も擦り上げ、
抵抗が無いとみるやその指先を熱く湿る秘裂の上に移動させ、スパッツの上から撫で
始める。

「や、やだ……そんなとこ……あぁ……はぁ……志水くん……」

 香穂子が切なげな声を上げると志水は躊躇わずにスパッツに手をかけショーツごと
半ば強引に脱がしてしまう。

「香穂先輩……だいぶ濡れてましたよ。帰りに穿けなくなると困りますよね……」

 志水は何でもない事のように言うと香穂子を見つめた。
 脱げかけた制服、用を足さなくなったブラ、キスによって紅く濡れた唇、白い肌に
散る自分の挿した所有の証。
 志水はコクリと唾を飲むと香穂子のひざ裏に手を添えて、そのまま香穂子の肩下に
押し付けるように引きあげ、香穂子に抵抗する間も与えず秘所を露わにしてしまった。

「やっ、やだ、やだっ! 志水くんっ! こ、こんなの恥ずかしすぎるよっ!!」

 途端に羞恥のあまり身を捩って逃げようとする香穂子だったが、脚を押さえられて
思うように動けない上に、志水の指を痛める事が気がかりで思いっきり暴れることも
できない。
 香穂子の抗議が聞こえているはずなのに志水はやめるどころか躊躇うことなく香穂子の
秘所に口付けてしまう。

「し、志水くん!? な、何してるの!?……あぁ……やぁ……はぁぁあん……」
「……先輩……男性の60%以上はここを舐めたいと思うとデータがあります。
 僕も先輩の事が好きなので当然そう思います……」

 志水の舌が溢れ出した香穂子の蜜を追ってそろそろと伺うように会陰を舐め上げる。
その刺激に香穂子はたまらず背を反らせて嬌声を上げてしまう。

「好きって……だけど…やぁぁあああん」
32「浅い眠り」 ◆h4.Hpofy9o :2009/05/18(月) 12:03:48 ID:Fd0s3LeS
「……さっきから先輩は嫌ばっかり言ってますが……ここを見ると、とてもそうは
 思えません」
「やだ、変な事言わないで……あぁっ……あぁん」
「……先輩のここはとても綺麗です……きらきらして……ピンク色の小さな花みたいで……」

 志水はそのまま花弁や蜜壺の周りをまるで焦らすようにそろそろと舐め続け、香穂子の
華が淫らにひくりと震えて蜜を吐き出すたびに蜜壺を吸い上げ、その蜜を味わった。

「先輩……もっと、もっと感じて……」
「……あぁ……あはぁ……志水…くん……そんなにしたら……あぁん」

 何度かそうしたことを繰り返しているうちに香穂子の指がおずおずと志水の髪に差し
入れられる。強すぎる刺激に最初は志水の頭を軽く押し返す動きをしていた香穂子の指が
その柔らかな癖毛を時折クシャリと掴むようになると、志水はようやく香穂子の蜜壺に
指を挿し入れた。
 香穂子の腰が悦びにピクリと撥ねる。

「あああぁぁん!」
「……香穂先輩……欲しかったんですね……」

 志水の手は、とうの昔に香穂子の脚を拘束する役目から離れたのに、香穂子は最早
抗う事をせず、快楽に流されていく。志水は何度か指の抽挿を繰り返し、香穂子の蜜壺が
解れてくると挿入する指を増やしていった。
 チェロを弾くための志水の繊細な指が香穂子の中で絶妙なハーモニーを奏でる。
抽挿を繰り返しながら思い思いに動く指が香穂子の肉襞を広げ擦り上げ、嬌声を上げさせる。
 浅い呼吸、上気した顔、しっとりと汗で湿る肌、薄く開かれた瞳に快楽ゆえに浮かぶ涙。

「……先輩……とても綺麗です……」
「……ん…あぁぁん……し…志水…くぅん……もう…だめ……お、おかしくなっちゃうっ!」

 言われて志水は、それまで舌先でチロチロと嬲っていたぷっくりと膨らんだ香穂子の花芽を
強く吸い上げた。
 途端にぴんと伸ばされる香穂子の爪先。撓る背中。

「ひゃぁぁぁぁぁぁぁぁああああああん!」

 香穂子は志水の指をきゅうきゅうと締め付けながら、ふわりと浮くような白い世界へと
達してしまった。

「……先輩のこんなに可愛い顔が見られるなんて……たとえ夢だったとしても嬉しいです……」

 香穂子の躰が弛緩すると、志水は蜜壺から指を引き抜き、香穂子の蜜でふやけきった
指から蜜を舐めとった。

 香穂子は荒い息が整ってくると少しずつ冷静になってきた。そして自分の現状を整理
しようとした時、絶頂の余韻で震える脚もとでカチャリと志水のベルトが外れる音がして、
志水の手が再び太腿に掛り、そうして固い何かが自分の秘裂に押しあてられるのを感じた。
 香穂子は恐怖とともに瞬時に悟る。経験のない香穂子でも次に何が起こるのかは分かる。

「――っ! 志水くん! それはだめ! お願い、やめて!!」
「もう、無理です! ――先輩……」

 逃げる香穂子の腰をつかんで猛った志水自身が、まだ誰の物も受け入れたことがない
香穂子の蜜壺に沈められていく。嫌がっていても大量の蜜で濡れた香穂子の蜜壺は、
ゆっくりとではあったが志水自身をずぶずぶと呑み込んでいく。

「や……痛い……痛いよ……やあぁっ!」
「……うっ…つっ」
33「浅い眠り」 ◆h4.Hpofy9o :2009/05/18(月) 12:04:39 ID:Fd0s3LeS
 指で慣らしたとはいえ狭い香穂子の肉壁が異物を押し出そうとする締め付けに志水も
苦痛の声を漏らす。

「……ぅ……い、痛い……よ……志水……くん……」
「……僕も……です……が…………?」

 志水も痛いのかと驚くと同時に、その動きが急に止まったことで香穂子はきつく閉じていた
瞼を開く。そして、この痛む行為を志水がやめてくれることを祈りながらそっと声を掛ける。

「……志水……くん……」
「……僕は……これは、いつも見る夢だと……思っていたのですが……」
「ゆ……夢?」
「はい……この痛みようからすると……どうやら夢じゃないようですね……」

 香穂子は愕然とする。この行為が志水の寝ぼけた故の行動だとしたら……初体験が
寝ぼけた男の子にうっかりなんて……どう理解すればいいのか? どう感じればいいのか?
行き場を失った感情が溢れ出すように香穂子の瞳からは涙が零れる。

「……お…願い……もう…や…めて……」
「……香穂先輩………………すみませんでした……」


 志水は上着のポケットからティッシュを取りだして素早くシュシュッと引き出し、
いまだ繋がり続ける自身の下側に宛がいそのままズルリと抜き去った。
 香穂子は急いで捲れ上がったスカートを直し、自分の秘所にある志水が置き去りにした
ティッシュを手に取った。こんな惨めな初体験があるだろうかと思いながら、そのティッシュに
滲む紅色を見つめた。

 気まずい沈黙の中、香穂子が脱がされたショーツを探して身を起こすと、志水と目が合った。

「…………」
「…………」
「……し、志水くん……酷いよ……」
「すみません……先輩の事が好きで…凄く好きで……」
「――っ! 好きって……だからって……!」
「先輩は……僕の事が嫌い……ですか?」

 今まで見た事もないくらい表情を強張らせながらも志水は香穂子の答えを待つ。
香穂子はそんな志水の顔を見ていられなくて視線を泳がせながら、叱られた子どもが
言い訳するように小さな声でたどたどしく答える。

「……き、嫌い……じゃ…ない…けど……」
「けど……?」

 視線を外した香穂子の顔を覗き込みながら志水が問う。志水は興味がある事に関する執着、
探究心が旺盛だ。そして他の誰よりも冷静な判断をすることができる。香穂子はいい加減な
返答では逃れられないと思い、混乱しながらもより適切な言葉を探して答えようとする。

「……わ、分からなくて……志水くんの気持ちも…自分の気持ちも……どうしてこんな
 ことになってるのかも……」
「僕の気持……ですか?」

 こくりと頷く香穂子に志水は少し考えてから言った。

「香穂先輩、順番が違ってしまいましたが……僕は先輩が好きです。
 僕と付き合って下さい……」

 現状の把握さえ上手くできずに戸惑い、沈黙する香穂子に「駄目でしょうか?」と
志水はたたみ掛ける。
34「浅い眠り」 ◆h4.Hpofy9o :2009/05/18(月) 12:06:21 ID:Fd0s3LeS
「だって、私、志水くんの事……」
「嫌いじゃない……ですよね?」
「――っ でも!」

 言葉を続けようとした香穂子の顎下に志水の手が宛がわれ、唇は志水の親指でそっと塞がれる。

「僕がキスしたのに拒まなかったのは……なぜですか?」

 問われて香穂子の瞳が揺れる。未だに微かな痛みを訴える下腹部のその理由は決して
志水だけのせいではないことを知っていたから……。

「……私…が……志水くんのこと……好…き……だから……」

 香穂子は胸の奥からきゅうっと込み上げる痛みに瞳を閉じた。志水の唇が香穂子の唇に重なる。
 角度を変えて何度も舌を絡ませ合いながら、志水は香穂子の制服を脱がせていった。
キャミソールとブラのストラップが肩から落とされスカートのボタンも外され、
ファスナーが下ろされる。
 肌寒さと、急に感じた照れから香穂子が身を捩り腕で胸を隠すと、志水は香穂子の手を取り、
その指先に何度も唇を落として囁く。

「……この指が……先輩のあの音を紡ぐんですね……僕は初めて先輩の音を聞いた時から
 その音に惹かれていました。ずっと聞いていたい音だと……それが何故なのか分からなくて……」

 志水の口から言葉が紡がれるたびにその震える唇が香穂子の冷めかけた躰にまた熱を熾す。
 志水は香穂子の指を口に含み舌で転がし、指1本1本はもとより、爪の形をなぞるように
舌を這わせ、嬲る。時折爪を甘く噛み香穂子の肩をひくりとさせながらその合間にも囁く。

「……でも柚木先輩の家に行った時、香穂先輩の髪に柚木先輩がキスしたのを見て……
 よく分からない気持ちになりました。そんな感覚は初めてだったので……
 その感情について考えすぎて眠れない日もありました」

 志水が香穂子の腕のやわ肉に這わせるようにそっと唇を進めるとくすぐったさから
香穂子が身を捩る。

「でも、第3セレクションで弦の切れたヴァイオリンを愛おしそうに見つめる先輩を見て…
 僕は……先輩の音だけじゃなく……先輩のことが好きなんだと気付きました……」

 脱いだ上着の上に香穂子をそっと横たえると志水は香穂子のシューズとハイソックスを
脱がせ一糸纏わぬ姿にしてしまう。

「……香穂先輩……とても綺麗です。僕の夢や想像なんか及びもつかないですね……」

 ほうっとため息をつきながら志水はそのまま香穂子の爪先に口付け、足指に舌を這わす。

「や、志水くん。くすぐったいよ……志水くんってば、何でこんなに慣れてるの? …やぁん」
「……慣れてるわけではないですよ。そうですね……男子の情報ネットワークの賜物と
 言ったところでしょうか……好きな女の子のためには予習は怠れませんから……」

 にっこりと微笑む志水は天使の笑顔だ。例えその手が香穂子の胸を撫でていたとしても……。

 志水は香穂子の全身にキスの雨を降らせる。少しでも好い反応があればそこにチリリと
所有の紅い花を挿していく。
 志水の丁寧な愛撫に香穂子の秘所は潤みを増す。それを確認するように志水の指が秘裂を
上下に彷徨う。

「……香穂先輩」

 熱っぽく囁かれ香穂子が小さく頷くと、志水は空いた手でベストのポケットを探り
四角い小袋を取りだした。
35「浅い眠り」 ◆h4.Hpofy9o :2009/05/18(月) 12:07:54 ID:Fd0s3LeS
「! それって……?」
「この間の保体の授業で貰った物です。持っていて良かったです……」

 香穂子にも覚えがある。一年生は全員保健体育の授業でコンドームを貰うのだ。
香穂子はもちろん使う予定もないし、興味本位で開けてみるといっても授業の中で先生が
開けて見せてくれたので、その必要もなく持っているだけでも恥ずかしいので即刻捨てて
しまったのだが……志水が持っていたのは、用意が良かったわけではなく単なる捨て忘れ
だろうと香穂子は思った。 ……事実はどうであれ。

 志水はコンドームのパッケージを口にくわえて、残っていた衣服を素早く脱ぎ去った。
 香穂子には、天使のように儚げで優しげな志水というイメージしか無かったが
現れた志水の肢体は香穂子が思っていたよりも筋肉質で引き締まっていて美しかった。

「――志水くんって……意外と筋肉あるんだね」
「そう……ですか? 楽器を正しい姿勢で演奏する事は意外と重労働ですし……
 それにチェロはケースも入れると10kg程になるので毎日持って歩いていると少しは
 筋肉がつくのかも知れません……」

 コンドームのつけ方など香穂子はとうに忘れてしまっていたが、志水は話す間に
淀みなくスルスルと付け終える。

(あれが……私の中に……入る)

 何とも言えない緊張感で震える香穂子の耳元で志水が囁く

「先輩……香穂先輩……好きです。どうしていいか分からないくらい……」
「――っ! 私も……志水くんが好き」

 見つめ合い軽くキスを交わしてから、志水は香穂子の膝裏に手を差し入れ脚を引き上げると
香穂子の秘裂にここまで硬くなるのかと思うほどに猛った自身を擦り付ける。
志水としても今すぐにでも香穂子の最奥めがけて自身を突き入れて、香穂子が泣くのも構わずに
無茶苦茶に穿ち続けたいという衝動が無かったわけではない。
 だが、最初の挿入が性急すぎたと反省しているので“ゆっくり”を心がける。
 志水は自身に手を添えて何度も何度も香穂子の秘裂の上を滑らせる。

「ん……あぁ……」

 香穂子の太腿が時折ふるりと震え、僅かではあったが、無意識にその腰が揺れるようになって、
やっと志水は香穂子の蜜壺へ自身を沈めはじめた。
 だが、またそれもごく浅い所での抽挿を繰り返すのみで、なかなか奥へは至らない。
それは志水の香穂子の身体を思う優しさであったのだが、香穂子の内に灯ったまだ幼い慾は、
わけも分からぬ熱で香穂子をじりじりと苛んでいた。

「し……志水くん! 志水くんっ!」
「先輩……?」

 切なげに呼ばれて痛むのだろうかと志水は不安になる――が、直後、香穂子の腰が
大きく動いた。

「あぁぁあっ!」
「――っ!」

 ――入ってしまった。 …………一番奥まで。

「先輩……なんて無茶……」
「……大丈夫……みたい……全然痛くないわけじゃないけど……」

 心配そうに顔を覗き込む志水に香穂子は照れ臭そうに笑ってみせる。志水はそんな香穂子に
愛しさが増す。まったく、好きでたまらないと言っているのに、これ以上自分をどうしてくれる
つもりなのかと……。
36「浅い眠り」 ◆h4.Hpofy9o :2009/05/18(月) 12:08:43 ID:Fd0s3LeS
「……動いても……?」
「うん……」

 香穂子が少し無理をしている事は志水にも分かっていた。

「……ごめんなさい、先輩……もう少し我慢して下さい……」

 志水は緩くかき混ぜるような動きで抽挿を繰り返し、香穂子に少しでも快感をもたらそうと
頑張る。それは志水にとってもかなりの忍耐を伴うことだった。香穂子の肉襞は未だ処女特有の
硬さがあったものの、そのざらつく感触はコンドーム越しにも感じられたし、志水が腰を引く
たびに、香穂子の蜜壺がまるで志水自身を逃すまいとするような吸いつきで志水を責めたてる。
志水はその射精感に抗うために額に汗を浮かべてしゃべり続けた。

「なんだか本当に信じられなくて……先輩の事が好きだと気付いてしまったら……
 今度は毎日先輩の顔が見たい……声が聞きたい、触れたい……そう思うようになって
 ……そのうちこうやって先輩と一つになりたいと……思うようになったら……
 もう毎日のように先輩をこうする夢を見るようになって……って、
 なんか僕、ひとりで喋りすぎですね……凄く嬉しくて……」
「……志水くん……私も嬉しいよ」

 吐息の合間にキスと微笑みを交わす。

 自身の抽挿の角度を少しずつ変えたり、浅く深くしたりして香穂子の表情の変化や
無意識の反応を確認していた志水が深く息を吸って言う。

「……さっきの感じでは……多分……この辺りが……先輩の……」
「…ぁ……」

 香穂子の微かな声だったが、その音を拾えない志水では無かった。

「あぁ……やっぱりここですね……良かった……」

 何がと問うべきかと頭の片隅で香穂子は思ったのだが、躰の中から生まれた快感の芽に
全力で縋りつきたい気持ちの方が勝った。
 志水もその気持ちを感じているのか動きを速めると、その抽挿に合わせて静かな練習室に
香穂子の嬌声と水音が響く。

「あぁ……あぁあん…はぁ……し、志水……くぅん……」
「とても……とても…綺麗な音色です…先輩……もっと…もっと僕に…聞かせてください……」

 香穂子は痛みの向こうから押し寄せてくる、自分をあのふわりと浮くような白い世界に
いざなってくれる感覚を捕まえようとした。

「あっ…あぁ…あん…なんか……あ、熱く…なる…はぁああっ」
「あぁ……先輩の中、とても熱いです。……ぅっ……融けそうってこんな感じでしょうか」

 志水は香穂子の溢れ出る蜜をからめて花芽に指を伸ばす。捏ねる指のリズムに合わせて
香穂子の腿がヒクヒクと反応を返し、浅い呼吸と相俟って香穂子の絶頂が近い事を志水に
教えていた。

「や、やぁ…もう…もう……だめぇっ! 志水くん! 志水くん! ひゃあぁぁぁああんっ!」
「――っつ! あぁ……香穂先輩っ!」

 達する香穂子の奥へ、奥へといざなう締め付けに搾り取られるように、志水は白濁する慾を
吐き出し続けた。

 はぁ、はぁ、とまだ荒い息をしながら志水が囁く。

「香穂先輩……凄く可愛かったです……」
「か、可愛いのは……」
37「浅い眠り」 ◆h4.Hpofy9o :2009/05/18(月) 12:09:53 ID:Fd0s3LeS
 志水くんだよと続けようとして香穂子は自分の上の志水を見る。
汗ばんだ額に癖のある髪を貼り付け、いつもとどこか違う貌をして微笑む志水。
その唇が香穂子の唇をついばむ動きで志水自身がズルリと香穂子から抜け出そうになる。

「あ…ん」

 コンドームが外れてしまわないように志水が慌てて自身に手をやる。

「あぁ……出ちゃいましたね……もう少し一つでいたかったんですけど……」

 志水は悪戯っぽく笑うと、もう一度香穂子にキスをしてから身を離した。香穂子は
志水が離れた事で志水の体温という熱を失い、幾ばくかの寂しさを感じた。

「……私もそうみたい……もう少し一緒でいたかったかも……」

 そろそろと起き上がって、香穂子が俯き加減ではにかみながらも志水に告げると、
志水は少し驚いたような顔をして、それから香穂子をきゅっと抱きしめた。

「香穂先輩……良かった……とても緊張しましたが……」

 その言葉を聞いて、香穂子はコンクールの時でさえマイペースなあの志水くんが緊張? 
と幻聴でも聞いてしまったかのように驚いたが、ただ周囲の人間が理解できなかっただけで
今までだって彼にとっては緊張していた事があったのかも知れないと思った。


 そうして志水に送ってもらって家に帰り着いた香穂子は、入浴するべく脱衣所で服を
脱いでギョッとした。
 洗面台の鏡に映ったキスマークだらけの自分。
 それでも流石はいつも冷静な志水といったところか、体育の着替えなどで香穂子が
困らない位置を選んで付けたようだった。

「……志水くん……恐るべし」

 だが、恋人となった志水の本当の恐ろしさを香穂子が知るのは、翌日の事であった。


 香穂子は登校途中で志水と逢い「おはよう」「おはようございます」と挨拶を交わして、
なんだか気恥ずかしい感じでお互いあまり話さないまま登校した。校門を少し過ぎた所で
香穂子のクラスの加地に声を掛けられる。

「日野さん♪ おはよう。今日の髪型もとっても可愛いね。あっと、志水くんもおはよう」
「加地くん……おはよう……あ、ありがとう……」
「……あ……おはようございます……」

 加地が香穂子を褒めるのは、いつものことなのだが……。加地は急に何かに気付いたように
目を瞠り香穂子と志水を見比べた後、その恐るべき観察力で言ってのけた。

「あれ? ふたりは付き合ってるんだ?」
「え?」
「はい……」

 いつにない志水の即答に驚く香穂子を余所に加地は「そうなんだぁ……じゃ、また教室でね。
日野さん」と明るく言って先に行ったが、香穂子に総てを捧げていると言って憚らなかった
彼の胸中が如何なものであったか推して知るべしである。
 香穂子と志水が付き合いだしたという噂は、朝の様子を見ていた女子から加地がらみで
またたくまに広がった。
 コンクールを通じて仲良くなったメンバーたちにも、移動教室などで会うたびに香穂子は
事の真相を聞かれたが、隠す理由もないので肯定した。
38「浅い眠り」 ◆h4.Hpofy9o :2009/05/18(月) 12:11:54 ID:Fd0s3LeS
 だが、話しているうちに、土浦も火原も月森も別に香穂子が惚気たわけでもないのに、
みんな急に顔を赤らめて用事を思い出し、慌てて去って行くという行動パターンを示したので
香穂子は首をかしげる。
 森や冬海、細かい事に気付きそうな報道部の菜美はいたって普通な態度だったから
疑問は増えるばかりである。
 そんな中、放課後には一番会いたくない人物、柚木に遭ってしまう。しかも屋上でふたりきり。

 どんな嫌味を言われるかと香穂子が身構えていると、柚木は毒のない笑顔をにっこりと
貼り付けて近寄り香穂子の髪を弄びながらその笑顔に似合わぬ冷たい声で詰問する。

「ずいぶん噂になってるみたいじゃないか?」
「お、お騒がせして……」
「本当……」

 言いかけて柚木が口を噤んだので、香穂子は何事かとその表情を窺う。柚木は香穂子の髪を
はらりと後ろに払ってその首筋に指を滑らした。

「! わっ! 何!?」
「……キスマーク」
「へ?」

 反射的に首を押さえそうになった香穂子だったが、ふと、もし本当にキスマークが
付いているのなら冬海は無理でも森や菜美が何か言うはずだと思った。

「な、なに言ってるんですか!?」
「……ふうん。ここに、とても小さくだけどキスマークが付いてる。あまり小さいから
 よく見ないと気付かないくらいだけどね。……そう、どこがいいのか分からないけど
 お前の事を好きで隅々まで見てしまうような物好きなら気付くかもってくらいのね。
 まったく、彼もああ見えてなかなか牽制が上手だね」

 言葉の意味を考えて難しい顔をしている香穂子に、柚木は小さくため息をついて

「本当に鈍くてむかつく奴だな……香穂子?」

 と意地悪く名前で呼んで香穂子の顔を覗き込む。反論すれば、どつぼにハマりそうで
香穂子が何も言えずにいると、天の助けか屋内に繋がるドアが開いた。
 出て来たのは志水で、柚木はいつもの笑顔を貼り付け瞬時に“柚木様”に戻る。

「ああ、お邪魔だね。それじゃあ」

 と言って柚木は志水と入れ違いにドアに吸い込まれて行った。
 ドアが閉まる刹那、柚木は振り返り恋人同士を見た。

「頑張ったってどうにもならないこと……そんなことはないんだよね、香穂子?」

 柚木は、以前香穂子が言った言葉を繰り返し、不敵に嗤った。



                 了



以上です。
39名無しさん@ピンキー:2009/05/18(月) 19:46:22 ID:khi1uSmM
誰かGJとかしてやれよ
40名無しさん@ピンキー:2009/05/18(月) 20:21:20 ID:Yv6LvLoU
原作はなんてやつですか?
41名無しさん@ピンキー:2009/05/18(月) 20:50:50 ID:W1Tp/VeI
>>38
42名無しさん@ピンキー:2009/05/18(月) 21:05:52 ID:3xKSviP0
>>29
金色のコルダか。エロかったよ、投下乙でした

あと、二次なら元ネタ表記してもらえると有り難い
43名無しさん@ピンキー:2009/05/18(月) 22:11:06 ID:xgQ/ZNey
GJ
44名無しさん@ピンキー:2009/05/18(月) 23:59:46 ID:Fd0s3LeS
>>42
事情がありまして元ネタは控えました。
済みません。
45名無しさん@ピンキー:2009/05/19(火) 00:02:41 ID:HANHIZLd
あ、コルダですか。
人間関係把握しなおしてから読み直しましたよ。
指の描写がエロくて良かった。GJ
>>42の言う通り、元ネタ書いてもらえると、なんとなく知ってる人や
知らない人もwikiで辿れるのでその辺もよろしく。
46名無しさん@ピンキー:2009/05/19(火) 00:08:41 ID:HANHIZLd
あ、リロする前だったんで>>45のKYっぽい発言てスマソ
あえてぼかしていらっしゃったんですね。申し訳ない
47名無しさん@ピンキー:2009/05/19(火) 06:29:28 ID:n/o4WryJ
>>44
42だけど、元ネタ伏せてたんですか…こっちこそ配慮が足りなくて済まないです
48名無しさん@ピンキー:2009/05/20(水) 07:30:32 ID:ihRXCVly
>>46-47 44です。
トリで避けていただくようにお願いはしてますが...
元ネタ名で検索して、うっかり読まれた方が不快になるといけないかと思って
絶対に知られたくなかったとか、そんなことは全然無いので
実際投下ぎりぎりまで元ネタ名を入れるか入れないかで迷ってましたしww
お気を遣わせてしまって申し訳ございません。

GJ、感想を頂きましてありがとうございました。
ここで頂けるとは思ってもいなかったのでとても嬉しかったです。
49名無しさん@ピンキー:2009/05/22(金) 09:39:47 ID:tdak4sTs
志水もの発見!投下ありがとう!
50名無しさん@ピンキー:2009/05/26(火) 17:37:54 ID:FN4QIEUs
・RPGの僧侶♂×勇者♀
・男のオナニースレに投下した物の続編
・女性上位?
・手と口だけ

以下、NGワードは「RPGの僧侶♂×勇者♀」でお願いします。
51RPGの僧侶♂×勇者♀:2009/05/26(火) 17:38:45 ID:FN4QIEUs
夜気の中冷たい湖水を何度被っても、一向に体の火照りは静まらなかった。
ふと気を抜けば、この湖で水浴びを楽しんでいた旅の仲間の姿がまた瞼にちらつく。
思いがけず見てしまった彼女の裸に聖職者にあるまじき情欲を掻き立てられ、
逡巡の挙句に物陰で一人密かに若い欲望を処理したのはつい先刻の事である。
――ここで、さっきまで…。
何気なく掌に取った一掬いの湖水にさえ、彼女の香りが残っていそうな気がする。
身を包む水を通して肌を重ね合わせたような錯覚を覚え、ぞくりと腰が疼いた。

厳密には、彼女の裸を見たのは全くの初めてではない。
故郷の城下町でも人望の厚い勇者の一人娘と、町の教会を治める神父の養い子。
互いの親同士が近しい、一つ年の違う姉弟同然に育った幼馴染という関係。
それ故にごく幼い頃にはよく一緒に湯浴みや水遊びをしたし、
同じベッドの中で寄り添って眠った事もある。
だが久方ぶりに見たのは、全く知らない悩ましく伸びやかな肢体。
教会で育った生粋の僧侶という身の自分にとって初めて目にする、
危ういほど瑞々しく実った女の生まれたままの姿であった。

子供の頃からずっと、可愛らしい女の子だと思っていた。
幼いなりに、彼女を慕っていた。
だがずっと共にいたはずの彼女は、いつの間にあれほど綺麗になったのだろう。

記憶の中の無防備極まりない彼女に、そっと意識の両手を伸ばす。
もっと、ちゃんと、あの素肌に触れてみたい。
あの柔らかそうな体の質感を、温もりを思うさま堪能したい。
この腕の中に閉じ込めて、力いっぱい抱きすくめてしまいたい。
更に、許されるものなら――その先を思い浮かべ、再び下半身に血が集まっていく。
52RPGの僧侶♂×勇者♀:2009/05/26(火) 17:39:22 ID:FN4QIEUs
「……!」
無意識に唾を飲み込み、その生々しい音に現実へと引き戻された。
――何を考えているんだ、僕は。
実家でもある教会の戒律では、
誓いを交わした妻でもない女性と交わるのもそれを望む事さえも禁じられている。
裸を覗き見たばかりかあのような不埒な行為に逃避して尚、
自分はまだ彼女への肉欲を断ち切れないというのか。

肌身離さず首に掛けた銀の十字架を握り締め、
頭を振ってしつこく燻り続ける邪念を懸命に追い払う。
このままでは本当にいつか、
幼馴染の自分を信頼して旅の仲間に選んでくれた彼女を襲ってしまいかねない。
――まだまだ、修業が足りないな。
誰に見られている訳でもないのに厳重に前を隠し、
いい加減に湖から上がる事にした。

魔物避けの結界を張ったささやかな野営地の中の焚き火にあたり、改めて一息つく。
「ふう、気持ち良かったわ…やっぱり、体が洗えるのって最高ね」
「う…うん、さっぱりしたよね」
少し冷えた身が、これはこれで心地良くじんわりと暖まっていく。
辺りを見張っていてくれた頼もしい彼女も
今は愛用の剣を納め、穏やかに揺らめく炎を眺めていた。

集めてきた枝を適当に折って火に投げ入れながら、すっかり寛いだ様子の彼女を盗み見る。
焚火の灯りに照らされ、伏せた翠色の瞳に濃い影を映す長い睫毛。
緩く一つに編まれて胸元に流れる、まだしっとりと湿ったままの亜麻色の髪。
拭いきれなかった水気で、軽く素肌に纏わりついた着衣。
その一つ一つが、どれを取ってもひどく美しく、また艶かしい。

「…どうしたの? じっと見ちゃって」
どうやら見惚れたまま、暫く呆けていたらしい。
何時の間にか不思議そうな眼差しが、こちらを見つめていた。
「えっ…いや、その…何でもないよ…っ!」
居たたまれず目を逸らした次の瞬間、鋭い痛みが走った。
53RPGの僧侶♂×勇者♀:2009/05/26(火) 17:40:08 ID:FN4QIEUs
「痛っ…!」
手元が狂い、折っていた枝が指先を掠ってしまったのだ。
幸い出血はそれほど酷くはなかったが、
浅い裂傷特有の執拗な痛みに思わず声を上げてしまう。

「やだ、何やってるのよ!」
弾かれるように立ち上がった彼女が、慌てて隣に身を寄せて来た。
「ああ、平気だよ。これくらいなら呪文を使うまでもないし…」
「でも痛いでしょ、見せて!」
有無をも言わさず、半ば強引に手が取られる。
尚も固辞しようとして、柔らかい感触に思わず言葉を失った。
「ん…」
母親が幼い我が子にするように、或いは仲睦まじい番いの動物たちがするように。
彼女は何の躊躇いもなく、傷ついた指に唇を寄せていた。

ふっくらと柔らかい唇が、指先を含む。
痛む傷を舐め上げられ、滲み出る血を優しく吸い上げられる。
あまりの行動にどうしたものか分からず、固まったままたっぷり数十は数えた。
焚き火の照り返しで、みるみる染まっていく頬が目立たないのが有難い。
「大丈夫?」
「あ、ありがとう…でも、まさか舐めるなんて…」
「あら、子供の頃は怪我したらよくこうしてたじゃない」
確かに幼い頃なら、ごく自然な行動として受け入れられただろう。
しかし今は、もう二人とも小さな子供ではない。
54RPGの僧侶♂×勇者♀:2009/05/26(火) 17:40:44 ID:FN4QIEUs
あの時とは違うという事を、彼女は分かっているのだろうか。
それとも何も気付いていないふりをして、
神に仕える身故に手が出せない自分の反応を楽しんでいるのか。
否、それは有り得ない。
「何よ、照れてるの? 変な子ね」
気恥ずかしさの欠片もなく首を傾げる幼馴染に、
改めて自分は男として見られていないのを実感する。
だが落胆しつつも一方で、その事にどこかでほっと安堵の息をついた自分もいた。

その夜は、出過ぎたお茶を飲んだ時のようになかなか寝付けなかった。
ようやく眠れたかと思えば不意に目が覚め、やがて再び浅い眠りに流されていく。
それを幾度となく繰り返し、未だ夜半をほんの少し回った辺りである。
無理に眠る事を諦め、包まっていた上着から抜け出して上体を起こした。

隣では彼女が、何も知らず寝息を立てている。
「ぅん…」
小さく呻き、相変わらず無防備に寝返りをうつ。
毛布代わりにしていた外套が乱れ、危うく捲れたスカートから伸びた腿が眩しい。
もう少し動けば、穿いている下着まで見えてしまいそうである。
ようやく意識から追い出しかけた彼女のあられもない姿が、また鮮明に蘇ってくる。
――全く、人の気も知らないで。
目のやり場に困りつつ、掛け直してやるべく外套に手を掛けた。
「んんっ…」
重なった睫毛が、うっすらと開く。
まだ眠たそうな瞳が、こちらを映して数度瞬いた。
55RPGの僧侶♂×勇者♀:2009/05/26(火) 17:41:20 ID:FN4QIEUs
「わあっ!」
悲鳴を上げて飛び退き、尻餅をついたのは彼女ではなくこちらの方だった。
「えっ…何?」
どう誤解されても仕方のないこの状況よりも
こちらの反応にようやく目が覚めてきた様子で、彼女はゆるゆると身を起こす。
「違う、僕は何も…これ、掛け直そうとしただけで…!」
「……?」
まだ焦点の合いきらぬ彼女の視線が、ゆっくりと下へ降りていった。

「あ…」
その先には、ズボンの前を不自然に持ち上げた劣情の動かぬ証拠。
丈の長い僧服の上着を脱いでいた事を、すっかり忘れていた。
「駄目だよ、見ないで!」
慌てて股間を押さえたが、既に遅かった。
「えっ、これって…もしかして」
「……」
顔から火が出るとは、正にこの事だろう。
「ごめん、そんなつもりじゃ…」
よりによって、彼女に見られてしまった。
いかに連れの自分を異性となど見ていない彼女でも、
さすがにこんな物を目の当たりにして何とも思わないはずがない。
もう、お終いだ。絶望と激しい羞恥に、目の前が真っ暗になっていく。

「うそ…男の子のここって、本当に大きくなっちゃうのね」
だが返って来たのは、好奇心に目を輝かせた彼女の全く意外な言葉だった。
「聞いた事はあったけど、これほどなんて思わなかったわ…ねえ、見せて!」
「ちょ、ちょっと…!」
手の傷を見た時と全く同じ有無をも言わさぬ口調で、
脚の間に入ってきた彼女の手は音を立てて僧服のベルトを外し始めた。
「いいじゃない、私でこうなっちゃったんでしょ?」
最も痛い所を突かれ、抵抗も反論も封じられる。
程なくズボンと下着を下ろされ、
下腹に打ち付かんばかりに反り返った物が彼女の前に曝け出された。
56RPGの僧侶♂×勇者♀:2009/05/26(火) 17:41:59 ID:FN4QIEUs
「わあ、すごい…」
剣術を得意とする者とは信じがたい繊細な彼女の指が、
自分の最も卑しく汚らわしい男の部分をそっと包み込む。
「大きくて、熱くって…子供の頃とは全然違うのね」
「ぅ、くっ…!」
「こうすれば、気持ち良くなれるのよね?」
愛する者にこんな物をまじまじと見つめられ、両の手で優しく触れられている。
その事実だけでも十分なのに、どこで覚えたのか
彼女の指は自分がしていたように握り込んだ性器を扱き始めた。
「…ぁっ…」
自分しか触った事のないそこを絶妙な力加減で刺激され、思わず全身が総毛立つ。

「っ…駄目、だよ…っ…」
言葉とは裏腹に、詰めた息は淫らな響きを伴って漏れた。
まるで全力で走った後のように、急速に呼吸が上がっていく。
「えっ、こうじゃないの? それとも、私じゃ…嫌?」
「ち…違っ…そういう、問題じゃなくて…っ…」
他ならぬ彼女が自ら望んで与えてくれる、掛け値なしの極上の快楽。
募る神への罪悪感も幼馴染への純粋な恋心も、その前には何と脆いものか。
残る理性を以てどうにか抗おうとするもその動きは自然に彼女の手と同調し、
無意識のうちにこの悦ばしい状況を自ら求めてしまう。
「ふぁ…ああっ…!」
今すぐやめるようになど、もうはっきり訴える事も出来ない。
この手を途中で止められる辛さは、想像して余りある。
何より、出来る事ならこのまま彼女に
最後まで導いて欲しいとこの身が切なく願っている。

求めたい一方で、己の想いも欲望も律する事が出来ず
気持ち良さに呆気なく流されていく自分の体が情けなくて仕方がない。
――神よ、僕は…。
「うぅ、っん…」
そんな自分の苦悩などまるでお構いなしに、
彼女は身を乗り出し夢中になって手の中の玩具を愛撫し続ける。
57RPGの僧侶♂×勇者♀:2009/05/26(火) 17:42:35 ID:FN4QIEUs
「どう、気持ちいい?」
この反応を見れば察しくらいつくだろうに、
答えられないのを承知した様子で見上げてくる。
「やだ、私も…何だか暑くなってきちゃった」
「えっ…?」
ほんのりと汗ばんだ胸元をはだけると、
彼女はその隙間から下着を無造作に抜き取った。
前のめりになっていたせいで、二重の戒めを解かれた豊かな膨らみは容易に零れ落ちた。

服を着たまま、彼女は乳房だけを晒した格好になる。
あの時遠目で見ただけだった彼女のたわわな胸が、
今度は目の前の間近で柔らかく揺れた。
「く、ぅ…」
うっすらと朱を含んだ白皙の素肌と清らかな淡い桃色の尖りが、
浅ましく腫れ上がった自身を時折掠める。
眩暈を覚えそうな光景に募る欲望はいっそう煽り立てられ、
先端からは熱い汁が後から後から溢れ出しては滴り落ちていた。

「良かった、気持ちいいのね」
濡れた指先をしゃぶり、彼女は妖艶に微笑んだ。
「ん、変な味…でも、癖になっちゃいそう」
もっと求めるように、その源を咥え込んできた。
あの時傷ついた指を癒してくれたように舌先で優しく舐められ、
尚も滲み出る先走りを抜き取るように軽く吸い立てられる。
58RPGの僧侶♂×勇者♀:2009/05/26(火) 17:43:11 ID:FN4QIEUs
「駄目…だって…こんなっ、汚い…所…!」
「ううん、あなたのなら…何も汚い事なんかないわ」
囁いて、彼女は再び一心不乱に行為に集中する。
「だ、だけどっ…う…ぁっ、ああっ…」
大胆さを増した口と手の動きに、もはや発する言葉はほとんど意味を為さない。
いつしか彼女の服を引きちぎってしまいそうなほど強く掴んで、
ただあられもない声で喘いでいた。
「あぁっ…うっ…!」
ひときわ強烈な刺激が腰から背筋に打ち込まれ、
高められ膨れ上がった自身がいっそう強く脈打った。

「きゃっ…!」
勢い良く弾けた精液が、真っ直ぐに彼女の頬を打った。
こんな汚らしい物をこのまま彼女の口の中に解き放つ訳にはいかず、
最後の瞬間どうにか引き離そうとしたのが却って仇になってしまった。
あの時から大して時間も経っていないというのに、
迸る大量の白濁液は彼女の顔だけでなく髪や乳房まで汚して流れていく。
「ああ、ごめん…」
「すごいわ、こんなにいっぱい…!」
尚も未練がましく放出を続ける自身を擦って弄び、
透き通るような白い肌を更に濃い白にまみれさせて陶然と呟く彼女。
凛としつつも可愛らしい普段の彼女からはとても想像の出来ない
その何とも淫靡極まりない姿を最後に、全ての意識は眠るように消えていった。
59RPGの僧侶♂×勇者♀:2009/05/26(火) 17:44:18 ID:FN4QIEUs
「あ…」
僧服の上着に包まったまま、ゆっくりと目を開ける。
気だるく身を起こすと、生温かく濡れた下着が股間にまとわりついた。
子供の頃の粗相にも似た、だがもう少し粘つくような不快な感触。
鼻をつく、栗の花にも似た独特の臭い。
傍らで髪も肌もきれいなまま深く寝息を立てる彼女は、まだ目を覚ます気配もない。

――まさか…。
聖職者として認めたくない、この事実の痕跡に一人頭を抱える。
自分は性夢に翻弄された挙句、
またも己を律する事も出来ずに性懲りもなく精を放ってしまったのだ。

夢の中とはいえ、文字通り想い人を欲望で汚してしまった。
未だ子供扱いして一向にこちらを振り向いてくれない幼馴染に、
何という都合の良い痴態を演じさせたものだろうか。
何より自分は神に仕える身でありながら、
心の底ではあんな破廉恥な行為を望んでいたというのか。
「神よ…お許し下さい」
唇をきつく噛み、十字架を握り締めて神に二度目の許しを乞う。
それでも心は、どうしようもない自己嫌悪に苛まれていた。

「…ごめん」
もそもそと情けない後処理を終えて恐る恐る見遣った彼女は、
何も知らず気持ち良さそうに眠っている。
安心しきった寝顔に、気を抜けばまた妙な欲望が身をもたげてきそうである。
――それでも僕は、君を…。
今の自分には到底口にする資格もない想いを苦しく飲み込み、
若い僧侶は再び眠りへと誘われていった。


以上です。
60名無しさん@ピンキー:2009/05/26(火) 20:15:30 ID:ok5jbddo
>>50
注意書き見てDQかと思ったけど違うのね
元スレのSS共々GJ!
61名無しさん@ピンキー:2009/05/26(火) 22:17:08 ID:UYCWjklM
おお、続きが読めるとは!
GJでした!
62名無しさん@ピンキー:2009/05/26(火) 22:26:46 ID:lM0jBPfL
喘ぎ声が良かったGJ向こうも見てくる
63痴漢電車:2009/05/27(水) 22:01:15 ID:QzWsWiI9
中途半端に痴漢、中途半端に自慰、中途半端にレズ、中途半端に輪姦
どこに落としても物議を醸しそうなのでこちらにドン
NGワードは痴漢電車




帰りの電車の中で……痴漢を目撃しちゃった。
されてた相手は親友の知香。
旧家の流れを汲むお嬢様で、優雅で気品があって、美人で頭もいいのに、
全然鼻にかけたりしない、大好きな親友。あたしのひそかな自慢。
いつもなら反対方向の電車に乗るんだけど、知香と入口で別れた後、
うちから電話があって叔父さんにお使いものを頼まれたの。
改札は凄い人込みだったし、あたしがホームに出た時には、ちょうど電車のドアが
閉まって発車するとこだったから、まさか知香も乗り合わせたなんて思ってなかった。
わかってたら、絶対声かけてたもの。
おじさん家までは一時間近くかかるから、次の次の駅で空いた、一番扉側の座席に
腰を下ろしたんだけど、そこから人、一人二人分離れた、扉の真ん中辺りで、
俯いて、ぎゅっと握りこぶしを扉に当てて、何かを我慢してるみたいな顔してた。
でも、あたし最初知香だってわかんなかったの。
ぱっと見なんか違うく見えたから。
だっていつもは一本に束ねた髪を解いていたし、知香あそこまで、
胸大きくないんだもの。
だから、まるでグレープフルーツを仕舞ってるんじゃないか、ってくらい大きな
おっぱいが、実はブラウスの中に手を突っ込まれてそう見えただけなんだ、ってわかった時。
あたし、息を飲んだ。
身体が熱くなってドキドキした。
知香が知らない人におっぱい揉まれてる。
髪やうなじの匂い嗅がれてる。
あたしの親友が、あたしの知らない表情で、知らない人に弄ばれている。
穢されている。
あたしは興奮した。
親友相手に発情した。
もっと見たい、そう思った。
見ながら、イキたい、そう思った。
ホントの親友なら、「痴漢ですっ、友達が痴漢に襲われてます」そう叫ぶべきとこなのに。
64痴漢電車:2009/05/27(水) 22:11:55 ID:QzWsWiI9
あたしは脇に立て掛けてた鞄を膝に置き直した。
変に見えないよう左手で鞄を押さえて、右手でそうっと裾を
たくしあげると、そのままアソコを触り始める。
パンツの中はもうぐちゃぐちゃで、うっかり声をあげちゃいそうになった。
横目でちらっと知香の様子を窺うと、ブラウスのボタンを外されて、
生の乳首をガラスに擦り付けられていた。
苦しげに眉間にシワを寄せて、首を振る知香の悩ましい表情。
ブラの中で乳首がギュンと硬くなった。
触手、淫魔、動物、クラスメイト、……どんな卑猥な妄想で
オナニーした時よりも熱を帯びて、いやらしく疼く。
ああ……乳首しこってる……鞄を傾ければ触れるかな……。
胸元まで鞄を立てかけて、死角をつくると、上から二つ目と三つ目の
ボタンを外して、ブラの中に指を入れた。
乳首を摘んで転がして、ブラに擦り付けただけで、下腹部が
ぎゅっと締まって、やらしいのが噴き出した。
あたしって最低の変態だ。
乗客が見てるかも知れないのに。
席を立ったら座席がおもらししたみたいに
びちゃびちゃに濡れてるかも知れないのに。
でも、痴漢に犯される知香を見て沸き上がる欲望を止められないの。
絶頂スレスレの刺激を堪えながら知香の方を見る。
泣き顔の知香がぎくしゃくと変な風に身体を弾ませていた。
一瞬、動きが止まり、まるで下から何かで押し上げられたように背を反らす。
これでもかと見開いた瞳から涙が零れ落ち、
ぽつり、と床に落ちた音が聞こえた気がした。
……ああ、知香、大人になったんだ……。
ゾクゾクした。
あたしも知らない知香のアソコ。
知香のアソコが知らない人に。
知香のアソコにアレが入ってる。
あたしじゃなくて、知らない人が。
知香と繋がった知らない誰かに対して沸き上がる了見の狭い感情に
つき動かされて、思いきり乳首を濡れたアソコを弄った。
ごめんね、知香。
あたしが男だったら、知香にもっとキモチイイ破瓜を教えてあげられたのに。
だから、あたし、一緒に恥ずかしいの、するから。
一緒にイくから、許して。
65痴漢電車:2009/05/27(水) 22:15:52 ID:QzWsWiI9
「んぎ……ぃ……」
アソコから脳天を貫くあの衝撃を堪え切れず、一瞬、身体が跳ねた。

がたん。

ゆらりと鞄が傾き、目の前にいたサラリーマンの脚に当たって
床に落ちるのがスローモーションのように見えた。
鞄が落ちた。
目隠しが無くなった。
それが意味する事をふやけた頭が理解しようと現実を
たぐりよせるのと同じ早さで、周囲からどよめきがあがった。
「痴女だ」
「変態だぜ」
誰かがあたしの手首を掴んだ。
乱暴に立たされ、人波に放り込まれる。
制服が乱暴に脱がされ、ブラとパンツも
引きちぎられて、生まれたままの姿にされた。
乾いた掌、しっとりした掌、ごつごつした掌、無数の手が
イったばかりで過敏になってるあたしのおっぱいを、お尻を
撫で、揉み、大事な場所を弄り始めた。
指をしゃぶられ、背中を指でなぞられただけで達した。
あたしは足腰立たなくなるまでイかされて、胴上げされるみたいに
仰向けで抱き上げられて、アソコを沢山の人の目に晒された。
覗き込まれたり、指や舌を突っ込まれたりした。
その度にあたしはマヌケな嬌声をあげ、
アソコがぷしゃぷしゃとオツユを噴いた。
あたしは泣きじゃくった。
やめて、あたしこんなの求めてない。
こんなのされたくないよ。
知香、知香あぁ……。
めちゃめちゃに弄ばれながら知香の姿を探した。
知香のまわりにも知らないおじさん達が群がっていて、
ブラウスを開けられた恰好で羽交い締めにされて、貫かれて、
乳首を吸われたり、キスをされていた。
行為に没頭していて、あたしには気付いていないようだった。
あたしは淋しくて涙を流した。
こんな事になったのも、知香の恥態にうつつぬかして助けなかった自業自得?
あの時、声をかけていれば、あたしも知香も綺麗なまま、
こんな風に触れ合って濃密な時間を過ごすことが出来たの?
叶うわけない願望と、後悔が心の中で渦を巻く。
足の裏が床についた。
がに股で立たされて、前と後ろに誰かが密着する。
もうわかったから。
もういいから、あたしを知香の傍にいかせて。
上の空で知香の名前を呼ぶ、あたしのそこが、お尻をが同時に引き裂かれた。



66名無しさん@ピンキー:2009/05/27(水) 22:26:07 ID:StztFo8h
やべっ痴漢電車超好物wGJ
>>63の斜めがなんかつぼったwイイw

昔痴漢電車スレあったんだけど無くなったのか…
67名無しさん@ピンキー:2009/05/28(木) 00:08:25 ID:EMUTk8zV
>>63
確かに該当スレに迷いそうだな。しかしGJ。実にいい。
68名無しさん@ピンキー:2009/05/28(木) 02:38:50 ID:iT1fGP6C
圧縮で落ちたんだっけ、痴漢スレ
とにかくGJ!!
69名無しさん@ピンキー:2009/05/28(木) 07:35:04 ID:D+qsHCF8
つらつらと思いついたネタをエロ少なめです。

「刹那様……明日は決戦ですね」
そう言って、彼女は俺の横にそっと座る。
「ああ、明日は『門』を閉じる、最後の決戦だ。」
『人ならざるもの』魔獣との決戦を控え、俺達は体を寄せ合っていた。
我が名は蒼矢刹那、彼女の名は紅未来。昔から定められた許嫁だ。
「私は、怖いです。刹那殿が魔獣の戦いで死なぬかどうか……」
そっと肩を寄せてくる。肩を抱き寄せ、声をかける。
「安心しろ。俺はお前と契りを結ぶまでは死にはせん。」
「約束していただけますか?」
「ああ、当然だとも」
軽い接吻の後、俺は彼女の顔を。
優しく、気高く、そしてちょっぴり嫉妬深い彼女の顔を。
70名無しさん@ピンキー:2009/05/28(木) 07:36:22 ID:D+qsHCF8
戦いは一方的に進む。俺達人間を優勢として。
「油断するな!かならず2対1であたれ!」
『ヲ・ノ・レェ!!』
魔獣王の叫びが戦場を振りまく。
奴を倒せば、この戦いは全て終わる。
俺と未来は魔獣王の元へと突進していった。 『ヨ・ク・モ・ヤ・ッ・テ・ク・レ・タ・ナ』
魔獣王の声が戦場に響く。
「消えよ!現世から!」
叫び声と共に、魔獣王に二人で攻撃を仕掛ける。
『コ・ノ・ジ・ダ・イ・ハ・ワ・レ・ラ・ノ・マ・ケ・ダ』
「ほう、諦めが早いな」
『ダ・ガ・ツ・ギ・ノ・ジ・ダ・イ・ハ・ワ・レ・ラ・ガ・カ・ツ』
その言葉と共に、魔獣王の体から妖気が発せられた。

「未来……?」
「あ……あ………」
うわごとのように呟く未来。左手に短刀、それが俺の背中の肩を貫いていた。
『ミ・ラ・イ・ヨ・オ・マ・エ・ハ・ナ・カ・マ・ヲ・キ・ズ・ツ・ケ・タ』
じわっと、未来の目に涙が浮かんでくる。
『オ・マ・エ・ノ・イ・バ・シ・ョ・ハ・ソ・コ・ニ・ハ・ナ・イ』
「違う!私の居場所は……」
『ナ・ラ・バ・ナ・ゼ・セ・ツ・ナ・ヲ・キ・ズ・ツ・ケ・タ?』
未来の体が苦しそうにもたげる。
『コ・チ・ラ・ニ・コ・イ』
ガタガタと震えながら、そっと立ち上がる未来。軽い催眠術か!
「未来……」
「私は……刹那殿を傷つけてしまいました」
くそっ!未来!行くな!お前は俺の伴侶だろう!俺が他の女に声をかけるだけで困った顔をするのに、
………他の男の所へ行くな!
71名無しさん@ピンキー:2009/05/28(木) 07:37:07 ID:D+qsHCF8
「ならばっ!」
俺はそう言って上の鎧服を脱ぐ。
「傷には、人のつばが良く効くと聞く。ならば、未来この傷お前が舐めるのだ」
『ン・ナ?ナ・ニ・ヲ・カ・ン・ガ・エ・テ・ル?』
あまりのことに魔獣王が驚愕する。
「刹那殿?」
「お前が傷つけた傷だ。お前が治すのが道理だろう」
がたがたと震える彼女に俺は近寄る。
「わかりました」
彼女は涙を流しながら、俺の傷に唇をあて、ゆっくりと舐め始める。
『キ・サ・マ・オ・ン・ナ・ヲ・ナ・カ・セ・テ・ハ・ズ・カ・シ・ク・ナ・イ・ノ・カ?』
「俺からしてみれば、未来が貴様如きの為に笑うのが気に入らん。
 貴様の目的は未来を手に入れることだったのだろう?だがなあ!」
俺は刹那をしっかりと抱き寄せると、強く唇を合わせる。
『グ・グ・グ』
「ふふふ、悔しいか?お前がこうしていただろうと思ってた事を見せてるだけだ。」
「刹那殿……」
顔を赤らめて未来が俺に抱きよる。
「だがなあ……魔獣王……刹那……お前にとって俺はなんだ?」
「とても大切な……許嫁でございます。」
「と言う事だ。魔獣王!本当に未来を手に入れたければ、俺と一緒に手に入れる算段も考えるべきだったな!」
『オ・ノ・レ!!』
魔獣王が最後の雄たけびを上げる。だが、それは負け犬の遠吠えでしかなかった。 戦闘が終わり、戦士達は帰路に着く。
「あの、魔獣王の言っていた次の戦いとは?」
「49年後、再び新たな魔獣王が生まれる。その戦いだ」
「49年後……」
「未来殿と刹那殿は次の戦いの準備を始めておられる。国を作り、陣地を作りそして……」

寝室、そこで刹那と未来は体を合わせていた。
「お待ちしておりました。この時をこの日を」
艶かしく押し倒されている未来の体。その体の上から刹那は未来の秘所を貫いていた。
情熱で赤くなった体は忽ちの内に恍惚の表情になり、それがさらに刹那の征服欲を駆り立てる。
魔獣王を止め、正式に契りをなしたこの二人の情事を止めれる物はいない。
いや、誰も止めようとしない。交わりが子をなしまたその子が成長し、新たな子を作り、
次の戦士へと繋がっていく。その交わりを止められる存在など、この世界には存在しなかった。

〜終〜

以上です。
72名無しさん@ピンキー:2009/05/29(金) 20:53:07 ID:ihiljYSQ
>>71
乙。これはデビチル?
73名無しさん@ピンキー:2009/05/30(土) 17:18:00 ID:p8oi1nkV
管理人さん×朱美さんの微百合です

嫌いな人はスルーよろ
74名無しさん@ピンキー:2009/05/30(土) 17:22:28 ID:p8oi1nkV
 一刻館の狭い中庭・・・
 冬は寒さを連れて去り、春が連れてきた暖かさがようやく素肌になじんだ頃・・・
 一人の女性が、洗い立ての真っ白なシーツを物干し竿にかけていた。

 「か・ん・り・に・ん・さん」
 不意に耳朶に熱い息がかかり、甘い声が首筋にかけて這った。
 「ひゃ!」
 大げさな反応を示す年上の女性の身体に手を回しながら、朱美はトロンとした目つきで背中にまとわり付く・・・

 「ニャ・・・ン」
 「あ、朱美さん」
 管理人、音無響子が戸惑いの声・・・というよりかヒクついた声をあげる。

 当然である

 2○歳にして「ニャン」という発言をされれば、引く。
 それに構わず朱美は、まだ酒気が香る息で響子の首筋をなぞりながら、唇を耳元に寄せる。

 「   ダ メ・・・   」
 「まだ、なにも言ってないよ・・・」
 「でも・・・ダメ・・・」

 必死に背けようとする顔を追いかけるように、背中に密着してやる・・・
  〜あ〜

 背に何ともいえない感触を覚え、音無響子はわずかに身悶えした。

 知り尽くしているハズの感触・・・女の身体

 背に張り付いた柔らかさが理性を・・・呼吸を乱していく。

 「うぁ・・・」
 髪をたくし上げられ、さらけ出された肌に唇を摺り寄せられる。

 「お願い・・・」
 「また・・・ですか・・・?」
 「おねがい・・・」
 「も・・・う・・・ダ、メ・・・ ダメ・・・朱美さん・・・クセに・・・なる・・・」
 「忘れられないの・・・」

 そよ風がゆるく吹く中、立ち込める体温よりも熱い吐息・・・息だけの声・・・その会話

 抱きついた朱美の両の手が、その十本の指が、まるで大型の弦楽器を奏でるように“響子”の上を這う。

 「やっぁ・・・」
 「もう・・・忘れない・・・もう放さない・・・この感覚・・・この反応・・・」
 響子は胸の隆起に置かれた、朱美の手首を両手でギュっと押さえながら、その指の動きに耐えていた。
 朱美の指先は響子の乳房に埋もれていた。
 時おり、独特のリズム感でクッ・・・ククッ・・・と乳房がねじられる。
 「ふっ!・・・ん」
 「ネ・・・ネ・・・?この感覚・・・分る?管理人さん・・・」
 頬を乙女のように紅潮させた女性の目が、半ば怒ったように、半ば切なげに、睨む。
 「これで・・・最後です・・・からね・・・」
 「嬉しいっ!アリガト、管理人さん!・・・」
75名無しさん@ピンキー:2009/05/30(土) 17:23:25 ID:p8oi1nkV
 熱くて紅い朱美の唇が、しっとりと汗に潤んだ肌に吸いついた。
 「ふっっ・・・んぅ・・・」
 ビクンっと跳ねる管理人の身体を抱き押さえ、朱美は身体同士をすり合わせながら正面を向き合った。
 “他人”の境界線を越えた至近距離で向き合う顔。
 軽い呼気が肌にかかり、些細な眼球の乱れも見逃されない至近距離。

 「来月は・・・お家賃・・・ちゃんと払ってください・・・ネ・・・」
 視界一杯に広がった音無響子の顔は、ぼやけながらもそれでも美しく・・・そして・・・

 「約束・・・大丈夫・・・約束したよ、管理人さん・・・」
 「いつも・・・そう・・・」 「え?」
 「いつも、朱美さんは『約束したよ』って・・・それでお終い・・・」
 「ああ・・・」

 身に覚えのありすぎる朱美は苦笑するしかなかった。

 「じゃぁ・・・」
 朱美は両手をそっと、響子の頬に添えた・
 「担保を置いてくよ・・・」
 「え・・・」

 朱美の“襲撃”により中途半端に竿にとめられていたシーツが風にあおられ、洗濯ばさみを飛ばし、真下の二人を包み込んだ。
 真っ白な世界に覆われた二人の唇は、ゆっくりと近づき、そして・・・





 風が大人しくなり、バタつくシーツが元気をなくし、地に垂れ下がった。
 取り残されたように佇む二人。
 響子は右手を軽く唇に当て・・・それまでの余韻に浸り・・・
 朱美はその熟れた唇を舌先で湿らし、管理人を舐めるような目つきで愛撫する。

 「ちゃんと、預けたからネ・・・」
 「・・・はい・・・確かに・・・」

 濡らされた唇の淵を指先でなぞりながら、響子は静かに細い瞼を閉じた。

 「ん・・・(イイ顔)」
 ゆっくりと身体を離しながら、朱美は明日のパチンコ必勝を確信するのであった。
 全ては! 3ヶ月滞納した家賃を支払うために!!
76名無しさん@ピンキー:2009/05/30(土) 17:24:40 ID:p8oi1nkV
終わりです
お粗末さまでした
77名無しさん@ピンキー:2009/05/31(日) 21:10:56 ID:XvetBoc0
42 名無しさん@ピンキー sage 2009/05/22(金) 21:54:48 ID:jL0MiNkU
スレから追い出されたSSを投下するスレPart2(http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1208076450/
と言う若干感じ悪い名前のスレに、「専用スレに投下しずらいもの」が今まで投下されていました
そのスレが完走しそうなのでスレタイトルを相談していたところ、アンチが突然このスレを立ててしまいました。
ナンバリングされた正規スレは下記になりますので、どうぞご移動戴ければ幸いです。
このスレは削除依頼が出されています。

スレに投下し辛い/迷うSS【元・追い出され3】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1242308022/


51 名無しさん@ピンキー sage 2009/05/31(日) 01:20:54 ID:ygVWHdLR
スレから追い出されたSSを投下するスレPart2(http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1208076450/
と言う若干感じ悪い名前のスレに、「専用スレに投下しずらいもの」が今まで投下されていました
そのスレが完走しそうなのでスレタイトルを相談していたところ、アンチが突然このスレを立ててしまいました。
ナンバリングされた正規スレは下記になりますので、どうぞご移動戴ければ幸いです。
このスレは削除依頼が出されています。

スレに投下し辛い/迷うSS【元・追い出され3】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1242308022/
78名無しさん@ピンキー:2009/05/31(日) 21:39:16 ID:KfIzHwXr
                ,.,.,.,.,.,.,.,.,__
              ,,;f::::::::::::::::::::::ヽ >>77それで? それでそれで??
              i::::::::/'" ̄ ̄ヾi   /ヽ    \_,       
               |:::::::| '''''_  ''''''|  ( ィ j ミ  、 )'´  ,i  /
               |r-== ( o);( o)  / /  \ \    、,Jしイ
                ( ヽ : :__) }  / / \ \ / ヽ_ フ  ( _
          ,____/ヽ  ー== ;  / /ヾ 、 \ ( ィ j ´Y⌒` \
        r'"ヽ   t、   \___ ! ./ \ \   / / | ^     |
      / 、、i    ヽ__,,/    ./ /\    / /  (_,, )ヽ、. / |
      / ヽノ  j ,   j |ヽ   / \     / /     !ニ=- ノ  _!_
     |⌒`'、__ / /   /r  |  / /ヽ  / /      ヽニ´/ ̄  `ヽ
     {     ̄''ー-、,,_,ヘ^ .|  ./ ヾ  / /         〉/        }
    ゝ-,,,_____)--、j   /    / /           / i,、_,   , ,',;:',i
      / \__      /  /   / /               l l   ,; / ,',l
      |    "'ー‐‐---''     / /             ,-ン´ヽ   ,';','i
    / l`、      /     / /               //;;,',';;  ゙i   ,;';i
  ,〃  _l:::::`ー,=-'(   / /               (__,イ,',',';;"  /i ,;',/
 /     ´ゞ._;;;:r';二二二´__ノ                  ,' 、  / /  \
 l    ,.''"  `'(:::)、::    ` 、                 〈   <    {////
 ;    ,'"      `ー、__  `l                i;,;、  !    ´´´
 l   ;'       /::::::::::::::::ノ                 !,;;   i
79名無しさん@ピンキー:2009/06/01(月) 17:19:49 ID:OjGoCxuH
ああなるほど正規スレはこっちか
なんかあったら投下させてもらうわ
80名無しさん@ピンキー:2009/06/01(月) 21:14:54 ID:zb/5xwGy
57 名無しさん@ピンキー sage New! 2009/06/01(月) 10:35:05 ID:j8c2JkG9
嵐が保守したり書き込みがあるときは消されない場合がある。

じゃあ一つ聞きたいのだけど
なんでたった2レス上にここは嵐が自己中に立てた迷惑スレだと言う明記と証拠があるのに
嵐の荷担をするような投下をする?
どうせ落ちるならって迷惑行為で同類だよ
せっかくまともな文章書いてる職人なのにもったいない
81名無しさん@ピンキー:2009/06/01(月) 21:28:13 ID:sbQhECkp
久々に板きたらすごいことになってるし
まあこっちが正規スレなのはスレタイの気合で即わかるが
82名無しさん@ピンキー:2009/06/01(月) 21:47:50 ID:3pqTpj0W
あっち変な職人が居着きそうだねー
まあ1とあの妙な方向に正義感モドキが動いちゃう二人で回してんだろうが。
まぁ気にするだけ無駄か…


>>73GJ!
ここの前スレでめぞんに目覚めたからうれしかった。また専スレ立つといいね。
乳いぢりいい!
83名無しさん@ピンキー:2009/06/01(月) 22:40:37 ID:UZdWSVAN
保守
84名無しさん@ピンキー:2009/06/01(月) 23:46:26 ID:sbQhECkp
ちょっと気にかかるのは、この先
あの荒らしスレに先に気付いてしまいこの正規スレに気付かず、
投下しちゃう可哀想な職人がいるのかな、ということ。
どうしようもないか。
85名無しさん@ピンキー:2009/06/02(火) 00:22:31 ID:wuO/xaYa
>>84
自分が投下する時はスレの雰囲気を知るためにも
少しはさかのぼってレスを読むんじゃないかな?
それでも投下しちゃったら...うっかりさんって事でww

私が気に掛ってる事は
ここって圧縮に怯えるくらい混雑してるのに
こんないざこざで重複してて
関係ない他のスレの住人に申し訳ないなと...
86名無しさん@ピンキー:2009/06/02(火) 01:03:22 ID:uG8ByWbk
そんなに賑わってたのかこの板。
知らんかった・・・
87名無しさん@ピンキー:2009/06/02(火) 03:08:41 ID:144glkC/
投下するのはどっちのスレでもいいと思うんだけど、重複はどげんかせんとならん
88名無しさん@ピンキー:2009/06/02(火) 03:56:47 ID:d1l05g6H
「投下できない」って、「投下し辛い」より強い表現だよね
だから向こうは、いっそ本気で該当スレに投下できないような痛いSS専用にしたら?
たとえば自分×キャラのラブラブSSとか、版権の名前を借りただけの別物とか
あるいは長ーい後書きとセットにしたい場合とか、続きを書く気が一割くらいしかない続き物とか。
そういうわがままなSS投下スレがあってもいいと前から思ってたし
89名無しさん@ピンキー:2009/06/02(火) 04:04:30 ID:RktFuCYM
そんな無理矢理差別化しようってのもなあ
下手にそれで定着して双方とも番号が続いていくようになったら
それこそほとんど無駄にスレを増やすことになるし
90名無しさん@ピンキー:2009/06/02(火) 07:22:58 ID:wuO/xaYa
変な職人の意味が今朝分かったwww
読解力のなさは感じてたけど...
感想レスに関して、自分で投下しててその合間に
ああいったことを自分は言えないなぁ
ちょっと愛しくなってきたぞ
91名無しさん@ピンキー:2009/06/02(火) 07:34:41 ID:Ae9eyEJ+
>>85
板の混雑や重複を気にするくせに先に立ったスレを無視してこのスレを立てたのが理解出来ない
92名無しさん@ピンキー:2009/06/02(火) 08:11:18 ID:BR/xEIbt
こっちに出張してきてもコピペとかその場凌ぎの論点ずらししか出来ないんだよな

重複は粘着一匹いればできてしまうもんだし
板に悪いとかそんな気にしてもしょうがない
削除依頼も出したり手は打ったんだしもう仕方ないかと

過去にやっぱり荒らしが立てて3重複してたスレあったけど
この前の圧縮で正規スレ以外無様に落ちたよ
長い目で見たら
93名無しさん@ピンキー:2009/06/02(火) 08:15:46 ID:wuO/xaYa
>>91
??
このスレが向こうみたいに、ぽっと出で立てられたのならまぁそうなんだろうが
これの前スレが存在してたのに
向こうが重複と思われるスレを立てたんだよ?
しかも、自称立てた人に言わせればココとは趣旨が違うらしい
だから「投下し辛い/迷う」モノは向こうに投下したらスレ違いになる
そしたら普通に「投下し辛い/迷う」ものを投下できる次スレを立てるしかないじゃないか?

でも結局蓋を開けてみたら、重複だよね、困ったね、他スレに迷惑掛けてるよね ← いまここ

それに自分的に嵐の海で沈む船に
愛し子は乗せられないと思うんだよね
94名無しさん@ピンキー:2009/06/02(火) 08:39:47 ID:k297nqqy
>>93
それを言うなら……
ここだって専用スレのないSSスレと趣旨丸被りだろ。
と書いたら、こっちは専用スレがあるSSに特化してると言い張るのだろうが
実質的には同じになってる。

あと、いくら自分等が気に食わないスレに投下した職人だからって、口汚く罵るのはどうかと思うぞ。
まがりなりにもかつて、
「スレから追い出された気の毒な職人さんを擁するためのスレ」
を謳っていたスレの態度としてそれはちょっと……。
95名無しさん@ピンキー:2009/06/02(火) 08:46:28 ID:BR/xEIbt
>>94
そんな都合の良さそうなことだけ引き抜いてそれらしいこと書いても
突っ込むとこ満載だからなあ
96名無しさん@ピンキー:2009/06/02(火) 09:09:12 ID:UK+rg16N
>>94
>>93に答えるなら3〜5行目の問題無視しちゃだめだろ
なに自分の答えやすいとこだけ抜き出してんだ

で、「スレから追い出された〜スレ」を謳って職人さんが投下しやすいよう
みんなで意見出し合って決めたのに、それを無視して
勝手にスレ立てしてしまったスレの態度とやらはどうなの?
正規スレがあるのに惑わして、それこそ職人に対する罵りじゃないの?

どうも
自分のしたこと、してる非常識は棚にあげて
相手の言動ばかり悪者化して自分だけ被害者・傍観者になれた気になってる典型的なタイプのようだな
97名無しさん@ピンキー:2009/06/02(火) 09:24:25 ID:k297nqqy
>>96
ああ、確かに向こうの最初の方のレスを見たら>>1が何か言ってるね。
ただ誤解してるみたいだから言っとくけど
別に俺はどっちのスレの在り方が正しいか、とか、そういう話がしたかったわけじゃないんだ。
スレの始まりがどうあれ、実際に投下があって、それを読んで楽しむ読み手が居るなら、
そこはあっていいスレなんじゃないかと言いたかった。
ここも重複とかは言い過ぎだった。ごめんなさい。

それに、ここのスレは元々結構な数の住人がいて連日のように投下があるみたいだし、
色んな場所で宣伝している人もいるから、向こうを追い出されスレの後継と間違う人はいないと思うよ。
98名無しさん@ピンキー:2009/06/02(火) 09:25:06 ID:wuO/xaYa
>>94
うん、まぁ...なんだ

>ここだって専用スレのないSSスレと趣旨丸被りだろ。
って被るのが悪いって事実は理解できてるのにねぇ...

でもまぁ残念ながらこのスレも3スレ目と需要があるんだよね
なんでかな? みんな使い分けしてるからじゃないの?

気にくわないスレの書き手だからじゃないよ。
勝手に自分レベルの人間だとエスパーしないように
あのスレは自然淘汰にまかせればいいと思ってたし...
自分の作品を投下中に
投下されたSSに感想レスをつけろって言ってのけるんだよ
時々書き手の自分としては
書き手はこう思ってるってイメージを読み手に持たれると悲しいし厭なんだよね

まぁなんだ、ちょっと微熱の風邪だろ、そのうち自然と治るだろと思ってたら
結核だったと...こりゃみんなに迷惑掛けるし
なんとかしなくちゃと焦ってるとこって感じ
99名無しさん@ピンキー:2009/06/02(火) 09:33:31 ID:k297nqqy
>自分の作品を投下中に
>投下されたSSに感想レスをつけろって言ってのけるんだよ

それは向こうの>> 63のことか。
あれはてっきり、このスレに感想が付かないまま放置されてるSSがあることを揶揄してたのかと思ってたわ。
100名無しさん@ピンキー:2009/06/02(火) 09:44:11 ID:rmp+SloD
>>99
普通に文章を読み取れば、>>99の解釈がただしくて、>>98の解釈は間違っていると思うけれど。
101名無しさん@ピンキー:2009/06/02(火) 11:00:44 ID:wuO/xaYa
>>99
それは普通に分かってますが...
その後のことを言ってるんですよ
風が吹けば桶屋が儲かる的な...

読み手が言うならまだしも書き手なのにそれ言ったらさぁって思っただけ

つか、ここのスレって
たまたま投下された物と趣味の合う読み手が巡り合えば
普通にレスが付くと思ってるんだが
その巡り合う確率が、スレ的に他のスレよりかなり低いし時間もかかると思う
だから、もともと感想なくて当たり前
貰ったら「巡り合う奇跡」的ラッキーだと思ってるんだが違うのか?
102名無しさん@ピンキー:2009/06/02(火) 12:13:07 ID:BR/xEIbt
つうか向こうも63の時点で投下SSにレスついてないんだがなw
自分は良くてこっちはダメか
支離滅裂だよな
103名無しさん@ピンキー:2009/06/02(火) 12:29:33 ID:tt695fvR
いずれにしろ、向こうのスレを覗くのはもう止めた方がいいよ
削除依頼はもちろん、こっちのスレへの誘導レスをしてくれた人もいるのだし、向こうをチェックせずとも投下物を見逃す事もないでしょう
(それでも見逃したくない人はそれこそ700以上のスレを毎時巡回しなけりゃならんし)
特に、自分から出向いて行って向こうの発言を逐一こちらに持ち込むのは要らん
こちらに特攻してくる手合いはスルーで終わり
104名無しさん@ピンキー:2009/06/02(火) 12:58:01 ID:UK+rg16N
>>97
で、いろいろ言葉並べて
あっちが荒らしが勝手に立てた重複スレという一番大事なところはスルーか
なんだかなあ…
まあもうレスしないよ
こっちで投下待つわ
105名無しさん@ピンキー:2009/06/02(火) 13:08:38 ID:aiw/UbAL
>>103
同意。立った経緯は納得いかないし気に入らなかったけど
向こうに出張して文句付けるのはなんか違うって言うか
相手と同レベルになってるような気がする。

こんな言い争いしてたら作品も投下されないし
反発して向こうに投下したくなる作家も増えてしまうかもしれない
106名無しさん@ピンキー:2009/06/02(火) 18:14:02 ID:Ae9eyEJ+
結局
混雑はしてても俺たちが正しいんだから関係ないって事?
じゃあ>>85みたいな事言わないでくれよ
107名無しさん@ピンキー:2009/06/02(火) 20:02:45 ID:gBGGBkXV
寂しい釣り氏が来ているようなのでみな、このスレらしく二週間に一辺の保守レスに戻ろうね
あと10日間ぐらいの保守はほぼ無用だよ〜
108名無しさん@ピンキー:2009/06/03(水) 05:22:41 ID:muGmPfi9
汚れた空気を浄化する為に投下〜♪

プ●キュアSS
    〜咲と舞の百合〜
「できたぁー!咲ちゃん特製オムレツー!大成功なり〜!!」
「ふふふ咲!やったわね♪」
「舞が教えてくれたからだよ!ありがとう♪」
「ううん、そんな事ない咲が頑張ったからだよ!」
「エヘヘ♪ねぇねぇ舞!食べて食べて!」
「うんっ」
もぐもぐ…
「美味しいわ!今まで食べたどのオムレツより美味しい!大げさかもしれないけど本当なの!やっぱり咲が作ってくれたからかな…」
「エヘヘ♪ほんと?!舞に誉められるとすごく嬉しい!」
「うふふ」
「じゃあこれから毎日わたしが舞の為にオムレツ作ってあげるね!」
「えっ///毎日?!家に作りに来てくれるの?」
「うん!そうだよ!あっでも毎日じゃあ飽きちゃうよね!」
「そんな事ないわ!わたし咲が作ったオムレツなら毎日でも食べたいわ♪」
「えへへ♪ん〜そうだ!いい事考えた!」
「なぁに?」
「わたし達この際一緒に住むってのはどお?」
「………えっ///」
バクバク
「な〜んてねっ冗談!」 「…………(えーん咲のばかぁ)」
109名無しさん@ピンキー:2009/06/03(水) 05:23:46 ID:muGmPfi9




「はぁ…」
「舞どうしたチョピ?」
「咲とちょっとね…喧嘩しちゃって」
「明日学校で謝るチョピ!咲ならちゃんとわかってくれるチョピ!」
「うん…そうね!」


キーンコーンカーンコーン
「あっ…咲!お、おはよう。」
「………。」

タタタタタ

「あっ………。」
(はぁ、、やっぱり咲怒ってる…口も聞いてくれない)

教室にて

「おっはよ〜なんか咲元気なくない?マジどうしたの?」
「えっそぉ?わたしは全然元気だよ!今日も絶好調なり〜!あはは」
「……(咲、わたしと喧嘩してるのに絶好調なんだ…)」
「そうだ!仁美!今日一緒に帰ろうよ!たまには2人で帰りたいなぁ〜って!」
「マジいいけど…美翔さんは?」
「あっいいのいいの!じゃあ約束だからねっ!」

「(ズキッ、、約束……わたしが昨日咲と約束してたのに守らなかったから…)はぁ…」
チラッ
「(…舞…元気ない…わたしったらおとなげないなぁ…さっきも舞の事思わず無視しちゃったし…学校終わったら舞んち行って謝ろ…)」


「はーぁ、、結局咲に謝れなかった…わたしったら本当にダメね。もうこんな自分嫌になっちゃう…うぅっヒック」

ピンポーン

「??誰か来たみたい…でもこんな顔じゃ出れないわ…どーしよう」

「んー?舞いないのかなぁ…まーいー?!」
「……?!咲?咲の声だわ!」
タタタタタバンッ
「わっ!びっくりしたぁ〜!」
「はぁはぁ…」
「舞ったら息切れすぎ!大丈夫?」
「う、うん…大丈夫!」
「……?舞…泣いてたの?」
「あっ!何でもないの!それより咲…昨日はごめんなさい。咲との約束破っちゃって」
「ううん、もういいの!わたしも朝…その無視しちゃってごめんね!」
「いいのよわたしは咲がいればそれだけでいいの!」
「舞……」
「咲、私たちずっと一緒だよね!」
「うん!ずっと一緒だよ!」
110名無しさん@ピンキー:2009/06/03(水) 05:25:09 ID:muGmPfi9
「舞!もしもの話だよ!もしも明日地球がなくなっちゃうとしたら最後に何食べたい?」
「そうね、、んーと…(ボソッ)咲」
「え?何?聞こえなかった!」
「///さ、さささしゃけなんてどうかしら?」
「鮭?!何てゆうか意外だね!舞けっこう渋いね!ぷぷぷ」
カァー///
「じゃ、じゃあ咲は?」
「私はもちろん!!舞!」
「えっ…///本当…?」
「ふふふ本当!!」
「咲っ!」
ドサッ
「えっ、ま舞?!」
「わたし、もう我慢出来なくなっちゃった…」
「舞…」
逆に舞を押し倒して
ドサッ
「きゃっ」
「いいよね?実はわたしも…なーんて!あはは」
「うふふいいわよ。咲に食べてほしいわ!」
「えへへ♪やった〜!いっただっきまーす!」
イチャイチャ
111名無しさん@ピンキー:2009/06/03(水) 05:26:13 ID:muGmPfi9

「和也さん…好きです。」
「(……!!誰?お兄ちゃんと…咲?!)」
「咲ちゃんの気持ちは嬉しいんだけど、僕は今宇宙飛行士の為の勉強で他に手がまわらないんだ。ごめんね。」
「あっ…そうですか…わかりました!えへへ何かいきなりすみませんでしたっ!あはは!それじゃあ!」
「咲…」


「うぅッうぅぅ…グスッ」
「さ〜きっはい、これ」
ハンカチを差し出す舞。
「あっありがとう、舞…」
「ごめんね咲、さっきの見ちゃった…咲、お兄ちゃんの事…」
「うん、好きだったの。でもちゃんと言えてよかった!はぁ〜すっきりした!もう全然大丈夫!」
「咲、わたしの前では無理しなくていいのよ。」
「あはは!大丈夫だって!ひっく…うぅっ…えーん、舞〜!」
「よしよし^^咲にはわたしがいるからね♪(これで咲はわたしのもの。お兄ちゃんありがと♪)」

112名無しさん@ピンキー:2009/06/03(水) 05:27:14 ID:muGmPfi9

「ふぁぁおはよ〜舞」
「おはよう♪朝ごはん出来てるわよ」
「うん、ありがとう」
モグモグ
「どう?美味しい?」
「うん、美味しいよ!やっぱり舞の卵焼きが一番だよ。ちょうどいい甘さでなんかフワッとしてて舞そのものって感じ」
「ふふふ、咲ったら誉めすぎよぉ」
「だってほんとにそう思うんだもん♪」
「あっ咲!今日わたし遅くなりそうだから晩御飯、買ってかえるね」
「いいよいいよ!何か食べて帰るから」
「…誰と?」
「会社の同僚だよ。」
「男の人?」
「ううん、女の人だよ」
「そ、そう…」
「あはは、舞が心配するような事は何もないよ。わたし舞の事だけしか見えないもん。それに浮気はしない主義だし」
「浮気はしないって本気にはなるって事?」
「それもないよ!浮気も本気もない!舞ったらからかってる?」
「うふふごめんなさい!」
113名無しさん@ピンキー:2009/06/03(水) 05:28:11 ID:muGmPfi9

「ごちそうさま〜はぁ〜今日も舞のご飯美味しかったぁ!明日はハンバーグが食べたいな♪」
「ふふふ♪わかったわ♪じゃあお皿片付けちゃうね」
「うん」

ジャー、カチャカチャ

ソロ〜ッ
「きゃっ!もー咲くすぐったいでしょ」
「エヘヘ〜だって舞の後ろ姿、妙に色っぽいんだもん。なんか襲いたくなっちゃった」
「もー!さーきーっ!そんな事されたらお皿洗えなくなるでしょ」
「いいから、わたしの事は気にせず洗ってて。もう触らないから!後ろで見てるだけならいいでしょ」
「…いいけど」

カチャカチャ
「フ〜ッ」
「きゃっ!もう咲〜!わたしが耳弱いの知ってるでしょ!」
「へへへ〜♪でも触ってないからいいよね!」
「//もー咲ったらぁ♪!」
「なんか後ろ姿見てたらいじめたくなっちゃうんだもん。舞が可愛いからだよ」
「///…ありがと。でも咲もうちょっとで終わるからソファーでテレビでも見てて」
「えーっつまんないよぉ!じゃあ今度は邪魔しないからそばにいてもいいでしょ!」
「はいはい♪わかりました」

カチャカチャジャー
「終わったわよ、じゃあベットに行きましょ♪」
「舞ってば気ぃ早すぎ」
「咲がいけないのよ。あんな事するから。続きはあっちでしてくれる…?」
「え〜っどうしよっかなあ…」
「もー咲のイヂワルぅ」
「冗談だよ!ま〜いっ」
「うふふ♪さ〜きっ」

114名無しさん@ピンキー:2009/06/03(水) 05:29:19 ID:muGmPfi9

「舞ってほんと可愛いよねー」
「な、何急に」
「だってほんとに思うんだもん〜わたしも舞みたいになりたかったなぁ。女の子らしいし料理も出来るし勉強もできるし…」
「あら、わたしは咲がうらやましいわ。咲はいつも明るくてクラスの中心で、人を笑顔にさせる力があるもの。」
「そう?まぁ、わたしは明るいのだけが取り柄だからね!あははは」
「うふふ、やっぱりわたしは咲がそばにいなきゃダメみたい」
「それならわたしだって同じだよ!舞といる時が一番楽しい!」
「わたしも!ふふふ」
「ねぇ、大空の樹に寄っていかない?」
「いいわね!わたしも思ってたところなの」


「やっぱりここに来たら落ち着くなぁ〜」
「そうね、風が気持ちいいわ」
「うん!それに太陽の光が差し込んでキラキラしてて綺麗!でも一番綺麗なのは…舞」
「///咲…なんかちょっと照れちゃう」
「ねぇねぇ舞!キスしない?」
「えっ、…ここで?」
「うん!誰もこんなとこ来ないし、いいでしょ?」
「うん………いいけど」
「へへへ、まーいっ♪」

チュッ

「//////////」
「もー舞ったら何回もキスしてるのにいつもこれなんだから」
「/////////」
115名無しさん@ピンキー:2009/06/03(水) 05:30:06 ID:muGmPfi9

「行ってきまーす!」
「咲!行ってらっしゃい!」
タタタタタ
「あっ忘れ物!」
チュッ
「///ふふ、行ってらっしゃい」


「ただいまー」
「おかえりなさい!今日も1日ご苦労様。ご飯出来てるわよ」
「うん!ありがとう舞!でもごめん…食べてきちゃった」
「えーー、どうしてもっと早く連絡くれないのよぉ!」
「ごめん!上司と一緒だったから連絡できなかったんだよ〜ほんとごめんね!舞」
「も〜、、、いいわ。わたし1人で食べるから」
「……ハッ!クンクン、この匂いはまさか!やったぁ!ハンバーグ!!うしし」
「咲もう食べたんでしょ」
「ハンバーグは別腹だよ!舞のハンバーグ、めちゃくちゃ美味しいもん!いくらでも食べれちゃう!一緒に食べよ♪」
「うふふ、咲ったらぁ♪うん!すぐ用意するね」
「舞、大好きだよ。今日はごめんね?」
「いいのよ。でも次からはちゃんと連絡してね?」
「うん!約束するよ」
「うふふ、それから、、咲。わたしも大好きよ」
「えへへじゃあ今日はご飯食べすぎだから運動しなくちゃ!舞も付き合ってね!」
「うん!楽しみにしてるねッ///」
116名無しさん@ピンキー:2009/06/03(水) 05:33:29 ID:15sUSz0Q

「舞ったらよく寝てる。そりゃぁ今日はあれだけ激しかったもんね。…にしても舞って寝顔もほんとに可愛いなぁ」
「スースー…咲」
「へっ?!あぁ〜なんだ寝言かぁ。夢でまでわたしの事見てくれてるなんて!舞ってば反則だよ〜ほんっとに可愛いんだから♪ふぁぁ〜わたしもねよっと!おやすみ、舞♪」

チュンチュン

「うぅん…あっ!もうこんな時間?!朝ごはん作らなきゃ!咲ー起きて!会社遅れちゃうわ」
「ううん…舞ってば…まだやるの〜もうヘトヘトだよ〜…ムニャムニャ」
「もーーさーきー!起きなさい!」
ガバッ
「ん?!何何ッ?」
「ごめん、咲!わたし寝坊しちゃって!すぐご飯作るから」
「えっ何言ってんのよ〜舞〜今日は日曜日だよ、ふぁぁ」
「えっ!あっ……わたしったら間違えちゃったみたい///」
「もー舞ってば♪でも珍しいね、舞が寝坊するなんて、、初めてじゃない?」
「そ、そうね。だって……昨日の咲が///とっても激しかったから///」
「あ、あはははは!だって昨日の夜、舞寝言でわたしの名前呼んでたもん!咲ーって」
「……///うそ//」
「ほんとだよ!夢でまでわたしの事見てくれてるんだね!わたしすごく嬉しかったよ!なんてゆーか、、愛されてるなぁみたいな!エヘヘ」
「もー咲ったら♪でもわたしは咲が大好きだから夢にまで出てくるのね。咲はわたしの夢みる?」
「うーーーーーん、、、み、、、ない、、、かな」
「(´・ω・`)しゅん」
「あぁーごめんごめん!わたしは最近疲れてて爆睡しちゃうから夢はあんまり見ないんだ!でも舞が大好きなのは一緒だよ」
「ありがとう。その…咲…おはようのキスしてくれる?」
「うん!」

チュッ

「ねぇ舞!今から昨日の続きしない?」
「え〜〜〜〜〜〜〜…………いいけど///」
「やったあ♪」
117名無しさん@ピンキー:2009/06/03(水) 05:34:14 ID:15sUSz0Q

「いた…なんか腰が痛いのよね、どうしたのかしら」
「舞ったら若いのに。年じゃないの?」
「そんなんじゃないわ、なんか筋肉痛みたいな感じなの」
「あっ、それはわたしが昨日舞に無理な体勢させたからかな」
「そうかも…」
「ごめんね、どうしてもやってみたかったんだ。今考えるとすごい体勢だったよね」
「もー恥ずかしいから思い出させないで///」
「ププーーッ」
「もう咲ー!」
「ごめんごめん、でも舞すごく気持ちよさそうだったよ」
「そ、それは…///」
「あはは舞ったら赤くなっちゃって可愛いー!」
「もーーー//さーきー!」

118名無しさん@ピンキー:2009/06/03(水) 05:34:41 ID:15sUSz0Q

「舞、やっと2人っきりになれたね」
「///うん」
「じゃあお勉強はこのへんにしといて…」
「で、でも咲!もうちょっと勉強しなきゃ明日のテストやばいんじゃない?」
「じゃぁ…こっちのお勉強はどう?」
「もー///咲ったら♪(やったわ)」
「えへへまーいっ」
「うふふさーきっ」
「らぶらーぶ」

                         おしまい♪
119名無しさん@ピンキー:2009/06/03(水) 20:55:54 ID:q7pyywwI
抜いた♪
120名無しさん@ピンキー:2009/06/04(木) 22:16:05 ID:hMPyZND9
77 名無しさん@ピンキー sage New! 2009/06/04(木) 21:48:42 ID:J++SM4he
スレから追い出されたSSを投下するスレPart2((p)http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1208076450/
と言う若干感じ悪い名前のスレに、「専用スレに投下しずらいもの」が今まで投下されていました
そのスレが完走しそうなのでスレタイトルを相談していたところ、アンチが突然このスレを立ててしまいました。
ナンバリングされた正規スレは下記になりますので、どうぞご移動戴ければ幸いです。
このスレは削除依頼が出されています。


スレに投下し辛い/迷うSS【元・追い出され3】
(p)http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1242308022/
121名無しさん@ピンキー:2009/06/08(月) 13:40:45 ID:YZ3qrpXD
スレから追い出されそうなわけでは決してないんだが
一つ続き物やってて、それが途中なのに短編一つ出来ちゃったって場合は
このスレに落とすのが無難かな
122名無しさん@ピンキー:2009/06/08(月) 14:06:07 ID:Zpgh6c8p
別にその元いた場所でいいんじゃないか? それやっても特に面倒事が起こらなかったスレもあるし
まぁどうしても不安だったのなら、続き物を完結させるまで温存しておくのも1つの手だぞ?
123名無しさん@ピンキー:2009/06/08(月) 20:43:28 ID:YZ3qrpXD
だな
せっかくだしもうちょっと推敲したくなってきた
意見ありがとう
124名無しさん@ピンキー:2009/06/10(水) 20:05:11 ID:sbYZ/2Mz
何もなきゃいいが
連載してるくせに短編投下かよ!なんてのもいるからな
終わってからのが無難
125名無しさん@ピンキー:2009/06/16(火) 01:58:17 ID:L1PlSxmj
保守
126名無しさん@ピンキー:2009/06/16(火) 05:31:56 ID:TsHXy5gf
まだ保守はいらん
127名無しさん@ピンキー:2009/06/18(木) 16:35:59 ID:iu6ytLP9
途中からですが、投下しても良いでしょうか?
あと、元スレに誘導を張っても大丈夫でしょうか?
128名無しさん@ピンキー:2009/06/18(木) 16:55:44 ID:sYiRrEo+
誘導するくらいならなんで元スレに投下せんの?
129名無しさん@ピンキー:2009/06/18(木) 17:11:30 ID:iu6ytLP9
元々曖昧な位置付けで書き始めたのですが
どうもこのまま続けるとスレの空気を損ねそうだと思ったので

でも、確かにそうですね。こちらのスレにも迷惑がかかりますし
もう一度考え直してみます
130名無しさん@ピンキー:2009/06/18(木) 20:03:24 ID:JpDeQMRt
>>128
一応ここはロダスレ的な性質があるから、スレの空気からズレてて元スレに直接書くのは憚られるSSを
こっちに書いて誘導、っていうのは割と普通にあったよ。
131名無しさん@ピンキー:2009/06/18(木) 21:43:25 ID:Fk40Rs0c
>>129て言うか、過去にも二次だけれどエロ成分が無いのがだだ長くなったから
こっちに無エロ部分を書いて本編は誘導ってのがあったよ

ここのスレちょっと変なのが居着いていて、スレを潰そうとしているから
どうぞ使ってやって
132名無しさん@ピンキー:2009/06/18(木) 21:50:59 ID:O0GKLXql
なるほど、そういう使い方もあるのか
確かにエロあるかないかで荒れる所も見かけるからなぁ。悪意持ったのも少なくないし
133名無しさん@ピンキー:2009/06/18(木) 22:06:18 ID:QPwZUBGi
>>129
>>130
例えば元スレがエロのあるなしで荒れるところだったとして、こっちに投下しても
元スレから辿れるなら結局荒れるんじゃないかなと思ったんだけど、
変わるものなの?

>>131
えっと、それは俺をイラっとさせて粘着しろと言っておられますか?w
134名無しさん@ピンキー:2009/06/18(木) 22:19:39 ID:PDavsR/6
自意識過剰だなぁ…君のことだなんて誰もかいて無いじゃない
だいたい荒れてないところ、続けるとボミョウな空気になりそう「だから」
こちらに投下、なら気を遣ってやる事なんだから、まだ荒れてないのにさかのぼってこっち読んで
本スレが荒れるなんて事は無いでしょ…
なんで悪意前提なんだ…
だいたいこのスレは「だめ」とか「いい」とかそう言うの無しのスレなんだから

>>129読んでみたいから良かったら投下してみーて
>>50みたいにこっちで読んで、さらに本編読みに行ってGJとかもあると思うよ
135名無しさん@ピンキー:2009/06/18(木) 22:48:44 ID:QPwZUBGi
すいません。あの、何処を立て読みすればいいんでしょうか?
136名無しさん@ピンキー:2009/06/18(木) 23:20:09 ID:9VaBfG0O
もうやめれwww
この流れ、重複スレの基地外を喜ばすだけだぞ

元々、懐の深いのがこのスレの存在意義なんだし、職人が本スレに投下しづらいと思ったなら
ここでいいんじゃね?本スレへの誘導の有無問わずにさ。 
137名無しさん@ピンキー:2009/06/19(金) 05:58:42 ID:nAxfz+Mx
久しぶりに来てみれば…
意味不明な罵倒しあってたり小姑じみた意地の悪い自治厨がのさばったり
何で此処こんなに雰囲気悪くなっちゃったの?
昔は良スレだったのに…
138名無しさん@ピンキー:2009/06/19(金) 06:57:13 ID:UOvGKGmV
ID:nAxfz+Mx
小姑じみた意地の悪い懐古厨乙。気に食わないなら見なければいいだろ。
139名無しさん@ピンキー:2009/06/19(金) 07:44:56 ID:1ouL2/8Z
なんかこうアレ
正妻と愛人の闘いみたいなww
某議員の奥様みたいに
「うちの主人がいつもお世話になって...」
と愛人全員に盆暮れの挨拶をしてる感じ
140名無しさん@ピンキー:2009/06/19(金) 07:54:52 ID:nAxfz+Mx
はあ…鸚鵡返しですか
まあ立って3年近く経ってんだもんね、住人が入れ替わってるってことなのかな
仰せの通り懐古は退散しますわ
ま、あとは攻撃性の強い人どうし仲良くやってノシ
141名無しさん@ピンキー:2009/06/19(金) 09:07:40 ID:8QHPFy6M
>>139
ワロタ
正妻がこっちで、愛人があっちかw
142名無しさん@ピンキー:2009/06/19(金) 11:17:36 ID:SByvoRqi
>>140
わかりやすい向こうのキチガイ出張乙
143名無しさん@ピンキー:2009/06/19(金) 11:54:19 ID:RAqRc4dZ
もうやめやーこれが手だってわからんのかぁー
また2週間にいっぺんの保守隊にもどるおみんな!
144名無しさん@ピンキー:2009/06/19(金) 12:01:19 ID:sqvqXWpd
ようわからんけど盛り上がってるみたいやしageとくわ
145名無しさん@ピンキー:2009/06/19(金) 12:04:30 ID:1ouL2/8Z
>>140
あなたのような方が居なくなると淋しいわ
またいらしてね

攻撃は......そうね
闘うべきは自分の中の疑心暗鬼かしら?
146名無しさん@ピンキー:2009/06/19(金) 12:22:22 ID:v3iZZHx2
書いてる間にスレそのものが(需要なくて)落ちちゃった、っていうのも
ココでいいのか?
147名無しさん@ピンキー:2009/06/19(金) 12:30:36 ID:1V9ZyAg7
いいと思うよ
148名無しさん@ピンキー:2009/06/19(金) 12:33:27 ID:RAqRc4dZ
>>146まさにそれ向きのスレじゃーん
フリーダム!
149名無しさん@ピンキー:2009/06/19(金) 12:41:34 ID:Ffqpqn1q
荒しざまあ!
やっぱここはみんなに愛されてるすれだよね〜w
>>146(゚∀゚ノ)ノキャー早く早く投下して〜~ヘ(´ー`*) カモーン
150名無しさん@ピンキー:2009/06/19(金) 12:51:22 ID:v3iZZHx2
というかSSと全く関係ないベクトルで
楽しそうだなおまえらw

まあ書きあがったら寄せてもらうわ
151名無しさん@ピンキー:2009/06/19(金) 13:11:56 ID:KPTLRSmV
>>150
楽しみに待っているよん。
152名無しさん@ピンキー:2009/06/19(金) 13:34:15 ID:NzWQmHAm
どんなジャンルだろ。。。wktk
153名無しさん@ピンキー:2009/06/19(金) 15:05:19 ID:2wUcpP7Z
>>146
うpロダのないスレを勧める
この馴れ合いの痛さはヤバいっしょ
しかも如何なる理由があるにせよ他スレを貶める性根の貧しさ
自分はスレに投下できるからいいけど、ガチで投下できない事情を持つ人が不憫でならない
154名無しさん@ピンキー:2009/06/19(金) 15:18:35 ID:9vUjKOYk
は〜い皆さ〜んID:nAxfz+MxタソがID変えて華麗に復活されたようで〜すwww
下らない煽りに釣られない様にね〜wwwww
つ〜か何気にてめえんとこの重複スレに誘導しようとしてんじゃね〜よゴミ虫が
屑は屑らしく誰も来ない自スレに引き篭もってろやwww
155名無しさん@ピンキー:2009/06/19(金) 16:13:49 ID:2RLajyG9
>>153>>154
もちをつきなさい

まったく、若いっていいわねぇ
ベクトルとか聞くとウットリしちゃう♪
156名無しさん@ピンキー:2009/06/19(金) 21:10:48 ID:XfSUcAm3
>>133
だいぶ変わるよ。
エロのあるなしにしても、特殊属性とかだったにしてもスレ内にポンと置かれるのと
「自己責任で見たい人だけクリックして見てくれ」では全然違う。
見たい人だけが見られるようになっているのと
見たくない人の目に問答無用で触れるのとでは変わってくるよ。
157名無しさん@ピンキー:2009/06/19(金) 21:36:30 ID:yED7hhfD
>>154いや、うpろだスレは前からある由緒ある?スレだからおk
こっちはもっとカオスな扱いのフリーダムスレ

でも>>127はそっちに移動したみたいだね
どっちに何を落とそうが全く本人の勝手なんだけれど
本当に変なのが居るとこのスレ過疎っちゃうかもな…
…世の中には変わった人が居るからね…
158名無しさん@ピンキー:2009/06/19(金) 21:38:15 ID:RAqRc4dZ
反応しないのが一番だからこのスレのファンの皆々様よろしくお願いします。
159名無しさん@ピンキー:2009/06/19(金) 21:48:50 ID:3ygumvW4
日中スレに書き込んでるやつにはロクなのがいないという事は分かった
160名無しさん@ピンキー:2009/06/21(日) 01:06:22 ID:8fw1rB7H
めぞんの人は今月もこないのかな
161名無しさん@ピンキー:2009/06/21(日) 01:18:48 ID:fnyDu6H5
>>160
そんなに気になるなら、
その人のホームページに行って質問すればいいよ。
162名無しさん@ピンキー:2009/06/21(日) 01:54:07 ID:lFfVKnmq
保守
163名無しさん@ピンキー:2009/06/21(日) 10:18:15 ID:nYhm4rmW
>>159
二次原作の本スレはニートでエロ板は専業主婦という先入観がある
164名無しさん@ピンキー:2009/06/28(日) 02:04:34 ID:lJSvthNE
保守
165名無しさん@ピンキー:2009/07/05(日) 19:06:24 ID:xZzO33LL
めぞん
166名無しさん@ピンキー:2009/07/05(日) 19:47:23 ID:wz8FYSJX
保守
167名無しさん@ピンキー:2009/07/06(月) 14:19:41 ID:k0u15QGa
過疎
168名無しさん@ピンキー:2009/07/06(月) 14:41:43 ID:aF16B/7X
いや、これが普通なんだよこのスレは
だいたいこんな目的のスレが稼働しない方が良いんだから
それでもこのスレの存在は大事だから2週にいっぺんの保守が誰が頼まれたでもなく行われている
169名無しさん@ピンキー:2009/07/07(火) 11:28:55 ID:LpIeMdY7
良かった、
スレに投下しずらい人は居ないんだ。
170名無しさん@ピンキー:2009/07/07(火) 14:43:50 ID:Reh6+Pfr
ジョニー乙
171『月満ちて』 ◆h4.Hpofy9o :2009/07/13(月) 22:29:20 ID:9atArn5E
元ネタ「遙かなる時空の中で」

                   『月満ちて』

 鬼との最終決戦を終え、神泉苑に静寂が戻った時、黒龍の神子は、兄天真に抱かれ、
また白龍の神子は、己を守る八葉の一人天の青龍、源 頼久に抱かれてぐったりと意識を
失くしていた。
 強大な力を持つ龍の依巫(よりまし)となった事は、最悪の事態『消失』は免れたものの
少女達の心身にかなりのダメージを及ぼしていた。
 あかねは、漸く三日後に目覚めたが、長く己が意思を鬼に奪われ黒龍の瘴気に蝕まれ
続けた蘭は、半月過ぎてやっと瞼を開けることができるくらいの消耗ぶりだった。
 八葉の一人、美貌の陰陽師、安倍泰明の見立てでは、気の揺らぎが安定すれば元通り
回復するだろうということで、自然、あかね達の世界、現代への帰還は、蘭の回復を待って
ということになった。

 蘭の気の揺らぎが安定するまで……不確かではあるが、そう遠くない未来に別れは
やってくる。それを惜しんで、あかねと詩紋がやっかいになっている藤姫の住まう館、
土御門には時間の許す限り八葉が代わる代わる毎日のように訪れた。還俗し、もうじき
敦仁と名を戻す永泉は、兄である帝を助ける仕事が忙しいのかさすがに姿を見せられないが、
それでも毎日のように花や菓子、絵巻物と一緒に文が届けられていた。
 同じく政に携わっているはずの『帝の懐刀』と称される友雅がちょくちょく顔を出して
いる所を見ると、永泉の要領が悪いのか、友雅がいいかげんなのか……。まぁ、推して知るべし
といったところだろう。

「八葉の皆様が毎日のようにいらしてくださるので、なんだか何も変わらぬ日々の
 ようですわね……」

 藤姫が少し寂しさを混ぜながらも大人びた口調で呟く。
 本来ならば蘭の回復を喜ばなくてはならないのだが、それと共に否が応でも近づいてくる
別れの日を考えて寂しくなってしまう。
 ……そして藤姫は朝餉の席でため息をつく。

 ――このように八葉の皆様が神子様のことを想っていながら、誰ひとり神子様の
お心を射止められぬとは、藤は口惜しゅうございます……。もっともあちらに帰って
しまわれる天真殿や詩紋殿では意味のないことですけれども……。

 そう、この齢十歳のはしこい姫には『大好きな神子様を京にとどめたい』という野望があった。
そのためには、手段は選べぬと、最初の頃は『神子様にたかる害虫』扱いであった友雅にさえ
協力を惜しまなかったというのに……。
 それなのに、あぁ、何が今業平か、今源氏か、まったくもってこの謀は功を奏さない。

「友雅殿も不甲斐ない……」

 毒づく言葉も悲しげに小さくため息とともに吐き出した。
 とたんに気遣わしげなあかねの声がする。

「どうしたの? 藤姫、具合でも悪いの?」
「いえ、そのようなことは……」

 あかねとの別れがつらくてふさいでいる。あまつさえ謀を巡らしていたなどと悟られては
ならぬと藤姫は、袖で口元を隠し視線を泳がせた。

「藤姫よりもあかねちゃんの方が顔色悪いんじゃないの? なんだかここの所食欲も
 無いみたいだし……」
「えー? そんな事ないと思うんだけどなー。 うーん、暑いからかなー?」

 詩紋の言葉に何でもないように軽く答えたあかねだったが、藤姫には衝撃が走る。
 そう言われてみれば、ここの所のあかねは果物などは好んで食べているようではあったが
食事を残すことが増えた。
172『月満ちて』 ◆h4.Hpofy9o :2009/07/13(月) 22:31:22 ID:9atArn5E
「わたくしとしたことが何たる失態! お別れの悲しみに囚われるあまり神子様御身への
 心配りを忘れるなど!!」
「え? ええーーっ!? ふ、藤姫ぇ 単なる夏バテだよー」

 神子様大事の星の姫が暴走する前にあかねは無理に箸を進める。
 確かに現代の冷暖房機器に慣らされた体には京の夏は暑い。
……が、自分ひとり暑さに負けている事にあかねが少し落ち込んでいたのも事実である。

「私だけ夏バテなんて恥ずかしいなぁ、天真くんはしょうがないとして一緒に向こうから
 来た詩紋くんは全然平気なのに……」
「そんなの……。それにほら、あかねちゃんは、龍神を降ろしたり色々大変だったから
 体力も落ちてるだろうし、仕方ないよ。ねっ。……それにボクは男の子だし……」

 あかねは詩紋の慰めの言葉に頷きながらも庭の木々に目を移して我知らずひとりごちた。

「でも……なんだか『お前はここに合わないよ』って言われてるみたいで……」

 藤姫の瞳が少しだけ見開かれる。だが、その唇が動くよりも前に、詩紋が静かに言う。

「それでいいんじゃないの? ボク達は帰るんだから」
「そう……だね、そうだよね……」

 詩紋を見つめながら明るく答えるあかねに藤姫は問うべき言葉を飲み込んだ。

 ――神子様、こちらに……京にお留まりになりたいとお望みですか?

「さ、今日は鷹通さんが京のことについて色々教えてくれるって言ってたから準備しなくちゃ。
 これもひとつの異文化交流ってやつよね?」
「そうだね、帰っちゃったらもう二度と勉強できないことだもんね」

 迷いなど許さぬとばかりに詩紋が言葉を重ねる。
 わかってるよと言うようにあかねは微笑みながら藤姫と詩紋に『じゃ』と短く言って
房室のある西の対屋へ向かって行った。

「あかねちゃん……。ボクらは帰るんだよ……」

 あかねの背中を見ながら呟く詩紋に藤姫は罪悪感を持ちつつも少しの希望を見出した。


**********

「なるほど……女房さん達っていうのは、文字が上手で代筆ができたり、和歌や楽器が
 上手だったりと特殊技能があるんですね?」

 そうですねとにこやかに同意しつつあかねの次の言葉を待っていた鷹通だったが、
それはなかなか紡がれなかった。
 この日は終始こんな調子で、何事か考え込んでしまうあかねを訝しく思いつつも、
教える事が好きな鷹通は、あかねに問われるまま京の人々の暮らしを色々と語って聞かせた。

 鷹通が辞した後、藤姫は予てから「みんなにお礼と別れの文を書くから」とあかねに
求められていた料紙を持ってあかねの房を訪れた。
 床に料紙を広げてあれやこれやと楽しく語らいながらも藤姫はあかねを京に留める
策を練っていた。そして、あかねが料紙を選び終えると余った物をまとめて立ち上がりながら
ぽつりと言う。

「神子様が帰られてしまったら……寂しくなりますわね……」

 大きな瞳が潤む……。そう、引き留め作戦の第一弾。泣き落しである。
 が、しかし、それは失敗に終わったのか、それともあかねの繊細な心持ち故の悟りか
次の瞬間藤姫はあかねにやわりと抱かれていた。
173『月満ちて』 ◆h4.Hpofy9o :2009/07/13(月) 22:33:36 ID:9atArn5E
 色とりどりの料紙の束が藤姫の手の拘束を離れて床に散らばる。
 この斎姫たる龍神の神子は、時折こうして誰かを抱く。幼子に限らず大の男までも、
そうして波立つ心を静めてしまう。

「み……神子様……?」
「ごめんね……藤姫」

 この謝罪の言葉の意味が解からない藤姫ではなかった。

 ――神子様は行ってしまわれる。この決心は変わらない……変えられない。

 藤姫の眦からつぅと涙がこぼれる。

「藤はいつでも……遠く離れても神子様のお幸せを第一に願っております……」

 最後は、涙で掠れてはいたものの『星の一族』らしく毅然とした言葉を紡ぐ藤姫だったが
続くあかねの言葉に目を瞠った。

「私なんて綺麗なわけでもないし……まともな文も書けないし和歌も読めない、筝だって、
 香合せだって……それどころか京のしきたりとか何も知らないし……あの人に恥を
 かかせちゃったり重荷にはなりたくないの。だから……だから……帰るね」

 そう、あかねは恋に苦しんでいた。それも京の人間との恋に! 藤姫はこの起死回生の
言葉に賭けた。あかねが京に残るかどうか、それはこの恋が実るかどうかに掛かっているのだ。
藤姫は固く心に誓った。総力をあげて例えどんなことをしてもあかねの恋を成就させようと。
 まずは手始めにだめもとで言ってみる。

「神子様。神子様が残りたいと一言仰せになれば、この藤が責任を持って神子様のお世話を
 させていただきます」
「だ、ダメだよ藤姫! ……き、気持ちは嬉しいけど……」

 思ったとおり、即却下である。このあかねという人は、何かを一方的に与えられる事を
よしとしない。身の回りのこともできるだけ自分でしようとするし、どんなに止めても、
下働きのように掃除をしたり……とにかく藤姫には考えられないような事をする。
……そこがまたいいのだが……。

「……そ、そうですわね。わたくしとしたことが、神子様のお心も察せられず、
 申し訳ございませんでした」
「う、ううん……そんなぁ、いいんだよ。私こそ……変なこと言ってごめんね……」
「神子様。ただこれだけは憶えておいて下さいませ。神子様が望めば畏れ多くも今上帝もお力を
 お貸しくださると思いますわ。そのくらい京にとって大変な事を成し遂げたのですもの……」
「そんな……私は何もしてないよ。八葉のみんなや藤姫が頑張って……」
「そうおっしゃると思っておりました」

 微笑みながらふっと軽くため息を吐き、それでは、と藤姫は散らばった料紙を拾った。

「神子様。お顔の色もあまり優れぬご様子。どうかお一人で悩まず、この藤にも少しは
 お聞かせ願えないでしょうか?」

 藤姫は、相手の名前なりと聞き出せればなんとかなると……いや、なんとかしてみせると
思ったのである。
 だが、あかねの返事はなかった。その筈である。
 その時、返事をくれるべきその人は床に倒れ伏し浅い息をしていたのだから。

「!! た……誰かある! 神子様が、神子様がお倒れにっ! 急ぎ薬師を!!」

 悲鳴のような藤姫の叫びが土御門にこだまする。
 しかし、急ぎ呼ばれた薬師により告げられた言葉に藤姫は自身も倒れてしまうのでは
ないかと思うくらい驚愕する。
174『月満ちて』 ◆h4.Hpofy9o :2009/07/13(月) 22:36:00 ID:9atArn5E

**********

「く……薬師殿。い……今、なんと申されました?」
「……ですから、此方は身籠っておられます」
「み、身籠って!? 神子様におややが!?」

 薬師への礼もそこそこに、あかねの傍らに進んだ藤姫が労わるように声を掛けた。

「神子様……」
「藤姫。……ごめんね。……心配掛けちゃって」
「心配などと、そのような事は……。あの……差し出がましいようですが……神子様……
 その……お相手の方は何方で……」

 おずおずと尋ねる藤姫。
 しかし、すまなそうにしながらもあかねが相手の名を告げることは無かった。
いくら藤姫が説得しても「迷惑になりたくない」の一点張りで……。
 藤姫は仕方なく心を落ち着ける薬湯をあかねに飲ませ休んでもらうことにした。
 ほどなくあかねの安らかな寝息が聞こえだす。

「神子様、おいたわしい。何故ですの? 神子様がお心を痛める必要などございませんのに……」

 それまで、悲しげにあかねを見つめていた藤姫の唇がきゅっと結ばれる。

 ――神子様。何としてでもこの藤が必ず!!

 『神子様倒れる』の文を受けた八葉が一堂に会する房に向かい藤姫は、姫君にあるまじき
勢いで渡殿を進みながら考えた。
 八葉以外の殿方があかねの相手である可能性……。
 あるわけはない。この京では文のやりとりから始まるが、あかねは、それこそたどたどしい
文字は書けても京の殿方の書く文字を読み取ることはできない。余人と愛を育む間など無かった
はずだ。そう、八葉以外にありえないのだ。しかも、あの口ぶりでは間違いなく京の八葉。だが、
ここで焦って方法を間違えばあかねはそれこそ「迷惑になるから」と帰ってしまうだろう……。
 まず、あかねの相手である。
 あかねに恋愛感情を持つ者といった点では八葉全員が当てはまる。あかねに求められ相愛で
あるとなれば誰だって可能性はあるのだ。

 ――夜ですわよねぇ? でも、毎日のように頼久が宿直をしていたはず。はたして
   その警固をかいくぐって神子様の元へお通いになることなどできるものでしょうか?

 ここで、いったん歩を止めた藤姫だったが、何かに思い当たり、またしても、いや
前にも増して姫君にあるまじき勢いで渡殿を進む。

 八葉の待つ房に着くと同時に藤姫は、八人の男達の中から目的の一人を射殺さんばかりの
視線で捉え、叫んだ。
175『月満ちて』 ◆h4.Hpofy9o :2009/07/13(月) 22:38:08 ID:9atArn5E

「頼久っ! お前はっ! 神子様にあのようにご心労をお掛けしてっ!」

 常の藤姫からは考えられぬ行いに八葉に動揺が走る。銘々に思うことはあろうが、
つまるところ、あかねに何かとんでもない事が起こったのだとだけ理解した。
 突然繰り出された怒涛の叱責に条件反射の武士は平伏し、ただ「も、申し訳ありません」
と呻いた。
 憐れ彼は、叱責の理由を聞きたくとも怒れる主家の姫の前に言葉を呑み込んだ。
 助け船を出したのは鷹通だった。

「藤姫。どうなされたのです? 貴女らしくもない。もしや、神子殿に何か?」

 八葉達がごくりと緊張の唾を飲む。

「いいえ、鷹通殿。神子様はご病気ではございません」

 場にほぅっと安堵のため息が漏れる。

「じゃ、何で頼久を怒ったりしたんだよ? ご心労って、コイツがあかねに何か
 心配でも掛けたのか?」

 天真の余裕過ぎる問いに藤姫の顔が複雑に歪んだ。

「天真殿。神子様は身籠っておいでです」

「「「「「「「「 ――っ!! 」」」」」」」」

 そういった事に慣れていそうな友雅でさえも言葉を失った。

「神子が……身籠って……?」

 最初に口を開いたのは永泉だったが、ただ単に藤姫の言葉を繰り返したに過ぎなかった。

「え? 何? それって、あかねちゃんのお腹に赤ちゃんがいるってこと?」
「ば、詩紋! 馬鹿なことを言うなっ!」

 天真の剣幕に詩紋は言葉を続けることができない。

「俺が、あかねに確かめて来る!」

 立ち上がり駆け出そうとした天真を藤姫が止める。

「天真殿! 神子様は、お薬湯をお飲みになられまして、お休みになっていらっしゃいます。
 どうかお座り下さいませ」
「天真、落ちつけよ」

 意外にも落ち着いた声を発したのはイノリだった。
 あまりにも意外すぎて天真はイノリを凝視しながらへたり込むように腰をおろした。

「好きんなっちまうと、周りがガタガタ言ってもどうしようもねぇんだよ」

 項垂れる天真の背中を宥めるようにポンポンと叩きながらイノリが言う。言いながら
思い馳せたのは、鬼との恋に苦しんだ姉のことだろうか……。
176『月満ちて』 ◆h4.Hpofy9o :2009/07/13(月) 22:40:46 ID:9atArn5E

 場が落ち着いた頃合いを見計らって友雅が蝙蝠をパチリと鳴らす。

「さて、お話を伺おうか? 藤姫」
「神子様は、お相手のお名を口にされないのです。ご迷惑になるからと……わたくし
 神子様があまりにもおいたわしくて……」

 みるみるうちに藤姫の瞳に涙が溢れ出す。それを袖で拭いながら藤姫は話を続けた。
「わたくし神子様にはどんな事をしても是非ともお幸せになっていただきたいのです……。
 それにはまず、お相手の方をお探ししなければと思ったのです。そして、一つの事に
 思い当たりました。神子様には毎晩、頼久が警固についていたはず。その隙をついて
 通うことなどできましょうか? そうなれば必然、神子様の一番お近くに居たのは
 頼久ということになりませぬか?」

 視線が集中する中、平伏していた頼久は引き攣り蒼白になった顔を上げた。

「恐れながら……藤姫様、私はそのような! いえ、私がそのようなことを神子殿から
 お許しいただいておりましたら、このような……」

 友雅がまたパチリと蝙蝠を鳴らす。

「なるほどね、先ほどのやり取りから天真や詩紋でもない。無論、頼久でもないね。
 藤姫ひとつ言っておくよ。頼久が警固につかなかった夜は、花鎮めでアクラムに
 傷を負わされた時、左大臣殿の警固の時数回、後は大事な日の前だからと言われた
 最後の戦いの前日……と度々あったのだよ」
「友雅殿、随分とお詳しいですね?」

 間髪入れずに鷹通が訝しげな声を上げる。
 頼久に集中していた視線が今度は友雅に集まる。皆この男なら平気で夜這いを
しかねないと思っているのがありありと分かる視線だ。

「それは、色々とね。あぁ、だが残念ながら私ではないよ」
「信用できるかよっ!」
「天真、私は別に信用していただかなくても構わないのだがね。神子殿を妻に娶ることが
 できるのなら赤子の父になる事も吝かでは無いのだから」
「友雅殿! そういう問題ではありませんわ!」

 藤姫の剣幕に蝙蝠を口元に当てながら溜息混じりに友雅がつぶやいた。

「そうだね、藤姫。神子殿はそんなことは望まないだろうね」

 少しの沈黙の後、鷹通が口を開いた。

「神子殿は、何方にも迷惑をかけないように生きる事を望んでらしたように思います。
 ですが、それはお独りでお子をお産み、お育てしようとお考えだったのでしょうか?
 それとも……」

 今まで何事か真剣に思い悩んでいた永泉が弾かれたように問う。
177『月満ちて』 ◆h4.Hpofy9o :2009/07/13(月) 22:42:51 ID:9atArn5E

「み、神子は、お子をお産みあそばす事をお厭いなのですか!?」
「いいえ、そのような事は無いと思います。少し驚かれたようでしたが、すぐにお優しい
 お顔で微笑まれて、そっとお腹に手を当てていらっしゃいましたから」

「そ、そうですか。では、産屋をご用意して、い、いえ、その前に、と、所顕しですか?
 ち、違いますね。そ、その前に、せ、正式に、か、か、か、か、通わなければなりませんね。
 や、泰明殿三日間通うのに良い日を占っていただけますか?」

「問題ない」

「「「「「「「…………!!」」」」」」」

「「「「「「「え、永泉(様)(さん)!?」」」」」」」

「はい? なんでしょうか?」

 押し黙ったままでいた永泉を皆、神聖な神子が身籠っていたという事実に対する衝撃で
固まっているとばかり思っていたのに……。
 つい先日まで八葉の仲間と言っていた者達が疑われ誹られていようが周りが大騒ぎに
なっていようが、この親王様は、何か他の事……幸せな妄想だか不幸な妄想だか(おそらく後者)
をぐるぐると考えていたようだ。

「永泉、そろそろ神子が目覚める。行ってちゃんと話をして来い」

 落ち着き払った泰明の言葉に永泉は強く頷き「それでは」と言うだけ言って答えも
待たずにあかねのいる房へとまさに脱兎のごとく消えていった。

 後には涼しい顔の陰陽師と脱力して屍のようになった六葉と藤姫が残った。

「泰明……お前知ってたのか?」
「何のことだ? 天真」
「永泉……が、あかねの……その……相手だって」
「無論、知っていた」
「泰明殿は、いつからご存じだったのでしょうか?」

 笑顔をひきつらせて尋ねる藤姫に、少し考えるそぶりをして泰明が答える。

「鬼と最後に神泉苑で戦った時だ」
「はぁ? そんな前から知ってたのかよ。じゃ、なんで何も言わなかったんだよ」

 不満げなイノリの問いも尤もである。が、この陰陽師は事もなげに言う。

「知った事、気付いた事を無暗やたらと言ってはいけないとお師匠や神子に言われたからだ」
「でも、こんなに騒ぎになったのですから……。頼久などの事を考えると……」

 鷹通の言うことは、またしても尤もである。頼久などは思わず涙目で頷く。が、泰明はまた事もなげに言う。

「誰も私に聞かなかったからだ」

「「「「「「「泰明(殿)(さん)!」」」」」」」

「問題ない」


178『月満ちて』 ◆h4.Hpofy9o :2009/07/13(月) 22:44:54 ID:9atArn5E

**********

 翌日に神泉苑での最終決戦を控えたあの日の夕刻、永泉は内裏よりあかねの元を訪れていた。

「神子。このような刻限に訪れること、どうかお許しください。わたくしの還俗の事を
 主上に奏上して参りました。明日の決戦に臨む前にどうしてもわたくしの決心を表して
 おきたかったものですから」

 ほんとうにすみませんと俯き加減に告げる永泉に殊更明るくあかねは答える。

「そうですか、永泉さん還俗するんですね。これから……えーと……政? とか
 大変ですよ……ね……」

 言葉の最後は、薄暮に飲み込まれるように消えた。

「藤姫には、明日の事で緊張なされている神子に笛を一曲聴いていただきたいからと
 申し上げてこちらに参ったのですよ」

 途切れがちな会話の場を取り繕うように永泉が柔らかく微笑んで告げる。

「ありがとうございます。私、永泉さんの笛ってすごく好きなんですよね。永泉さんの
 人柄が表れてるっていうか……優しく包まれてるみたいで安心するんです」
「神子。そのようなお言葉、わたくしなどにはもったいない……」

 永泉は、顔を赤らめながらも笛を口に宛がった。暮れ行く時に静かに流れる笛の音に
あかねは今が永遠に続けばいいのにと思った。
 ……そんな望みが叶うわけなどないのに……。

 永泉の笛の音が止むと遠くで鳴く虫の音とさやさやと風が葉を揺らす音だけが聞こえた。

「明日、私が、もし……」
「神子。 いけません。言霊と申します。滅多なことは……」

 思いつめた表情で言いかけたあかねの言葉をいつになく厳しく永泉が遮る。
 言葉にしなくとも現実は変わらない。明日には命が無いかも知れない。いや、縦しんば
命があったとしても役目を終えたあかねにはここでの存在意義がなくなる。現代へ帰らなければ
ならなくなるのだ。
 あかねは、一度ぎゅっと目を閉じ唾を飲み込んでから思い切ったように目を開いた。

「じゃ、今のことだけ考えます」

 あかねの瞳が永泉をまっすぐ射抜くように捕える。
 捕えられた永泉は息を呑み、もはや身じろぎひとつできなかった。

 永泉の心は軋んだ。
 あかねを求め、その側にいたいと切望する心と……。
 ここに居てはいけない、帰らなければ、過ちを犯してしまう、という理性との狭間で。

「み、神子。そろそろお休みになりませんと明日に障りましょう。わたくしはそろそろ
 失礼をいたします」

 平静を装って……。

 ――わたくしの声は普通だったでしょうか? 貴女への想いが溢れて震えたりは
   しなかったでしょうか?

「永泉さん…」

 躊躇いがちに伸ばされたあかねの指が永泉の袖を握りしめる。
179『月満ちて』 ◆h4.Hpofy9o :2009/07/13(月) 22:46:09 ID:9atArn5E

「神…子…」

 呼ぶ聲はもはや懇願めいて聞こえるほどに掠れ、永泉の震える指先があかねの頬に
優しく触れた。
 あかねはくすぐったそうに身じろぐと永泉の掌の宝珠にそっと唇を寄せた。

「こういう時って、どう言えばいいのかな? 一夜のお情けを……とか……?」

 自嘲するようなあかねの呟きに永泉が目を瞠る。

「み……神子は、い、意味がおわかっ……」
「いくら私でもそのくらい分かりますよ」

 苦く微笑むあかねの痛々しさに永泉の胸に突き上げる物があった。
 あかねが駄目ですか? と言葉を続けきらないうちに永泉は唇を重ねた。

「神子……わ、わたくしのような者で……その……よろしいのでしょうか?」
「永泉さんじゃなきゃ駄目なんです。つらい時に一番理解ってくれた貴方じゃなきゃ……」
「――ッ――神子!」

 もう、何も分からなかった。愛しいその女性と体を重ねることができるのなら総てが
どうでもいいような気さえした。
 永泉は熱情の赴くままにあかねを抱き寄せ、あかねの髪に指を差し入れ、唇を求め
重ねた。永泉はあかねの柔らかな唇を食み、緊張から硬く結ばれていたあかねの唇から
力が抜けると舌を差し入れ、歯列をなぞり口腔内をゆっくりと侵した。生来の優しさ
そのままに舌を柔らかく絡ませ、そっと啜りあげながら、ゆっくりとあかねの肩に
掛っていた袿を落とし単の上から乳房をやわやわと揉みしだく。
 合わせた唇の隙間からあかねの声が小さく漏れだすと、永泉はあかねの腰紐を解いた。
 生まれたままの姿になったあかねは、恥ずかしそうに身を捩り、己の胸の上に手を置いて
俯き蚊の鳴くような声で囁いた。

「……あの……あんまり…見ないでください…。小さいし…その…恥ずかしいんで……」
「神子。……どうか隠してしまわないで下さい。あなたはこんなにも美しいのですから……」

 永泉の懇願にあかねの手が緩められ、敷かれた袿の上に置かれると永泉は「あぁ、
なんと言うことでしょう。」と感嘆の言葉をあかねの耳元で囁きそのままあかねの
耳朶を甘噛し首筋に舌を這わせた。
 永泉の唇は首筋を辿り鎖骨の下まで至るとあかねのその白い肌を強く吸って所有の
紅い花を挿した。

「…ん……」

 永泉は、あかねの鼻に掛った甘い声を聞きながら吸いつくような乳房を焦らすように
そっと撫で、鴇色の頂を掠め、それが凝り立つまでゆるゆると責めていたが、あかねが
きつく閉じていた瞳を薄く開けたのを合図とばかりにその頂に音をたてて吸いついた。
反対の頂も指で捏ね、摘み、またいくつも紅い花を散らした。

 空いている手は、あかねの内腿をそっと上下に撫で擦りながら淡い草叢に少しずつ
近づけていく。

「神子。貴女の肌はとても甘い香りがいたします」
「あ……永…泉……さん…あぁ……」

 囁く永泉の言葉にもあかねは返答できず、ただ、甘やかな声を上げることしかできなかった。
 永泉の指があかねの草叢からまだ誰にも触れられたことのないあわいへと進むと
そこはもう充分に潤っていて、くちゅりと小さな音を立てた。

「あ…んん……うふぅ……」
「あぁ、神子…。わたくしごときに感じてくださっているのですね」
180『月満ちて』 ◆h4.Hpofy9o :2009/07/13(月) 22:46:59 ID:9atArn5E

 恥じらい、頬に朱を走らせたあかねが「そんな…」と小さく呟きかけた時、永泉の
指があかねの秘裂を割り蜜壺に差し入れられた。

「う……」

 途端にあかねは身を捩り切なげに眉を寄せる。

「お、おつらいですか?」

 気遣わしげな永泉にあかねはふるふると頭(かぶり)を振る。

「あの…少し……驚いた…だけです」
「良かった…おつらい事がありましたら仰ってくださいね」

 ほっとしたように微笑むと永泉はゆるりと指を奥へと進め、そして肉襞を広げるように
かき混ぜ、頃合いを見計らい一本また一本と指を増やしていった。

「あぁっっ!」

 あかねがひときわ高く啼くところを見つけた永泉はにっこりと微笑む。

「此処が神子の好ろしい処なのですね」

 執拗に好いところを責められ、あかねの呼吸が浅く短くなり、内襞はひくつきながら
永泉の指を奥へと誘う。

「…あぁん……も……お…おかしく……なりそう…こ……怖いぃ……ぁん」
「神子。どうぞそのままで、わたくしがおりますから大丈夫ですよ」

 言うなり永泉は花弁の中にツンと立った花芽をきつく吸い上げた。

「やっ!?……だ、だめぇぇぇぇぇっっ!!」

 背を弓なりに反らせ、永泉の指をひときわ締め付けてあかねが達すると永泉は指を
引き抜きそれに絡んだ蜜を舐めとった。
 達した余韻で朦朧としているあかねを見つめながら衣を脱ぎ去ると永泉は猛った
自身に手を添えてあかねの秘所に宛がう。それに蜜をからめ、あかねの唇に羽根のような
口づけを落とした。潤んだ瞳で見上げるあかねに愛しさが込み上げる。

「神子…。お慕いしております」
「永…泉…さん。私も……愛してます」

 永泉があかねの中に自身を沈めようとすると、まだいくらも入らぬうちにあかねが苦痛を示す。

「ん…あ……ぅ……痛ぅ!」
「神…子…もう……少し、力を…抜…い、て…いただけ、ます……か?」

 きつい締め付けに喘ぐように永泉が囁くが、あかねとしては「力を抜く」とは
どうすればいいのか分からず、ただ嫌々をするように頭を振って永泉にしがみつく
ことしかできなかった。
 そのあまりにもつらそうな様子に永泉は躊躇った。
 そして、ここでやめるべきだと判断した。

「あぁ……神子。おいたわしい…。このままではあまりにも神子にご負担が……」
「え、永泉さん。だ、大丈夫です……から……」

 お願いと囁くあかねの瞳から涙が一筋零れた。永泉は、その雫をそっと舐めとると
そのままあかねに口づけ、意を決したように一息に腰を押し進めた。
181『月満ちて』 ◆h4.Hpofy9o :2009/07/13(月) 22:48:49 ID:9atArn5E

 つぷりと何かの隔たりが解かれる感覚がして、合わせた唇の間から洩れるあかねの
悲鳴に永泉が苦しげな貌をする。まるで貫かれているのが己自身のような……そんな……。

「神…子……。こ、れで…全部入りましたよ」
「……永…泉さん……泣いて……?」
「情けないですね。わたくしは、こんな時にも……。神子がこんなにもおつらそうなのに……
 なのに……わたくしは……浅ましくもこうすることを止めることができないのです」

 永泉の顔が哀しげに歪む。あかねは肩で息をしながらも永泉の涙をそっと拭う。

「永泉さん。そ、そんなにつらくは…ありませんよ。……ちょっとは痛いですけど……
 でも……。永泉さんとこうなれて、私はとっても……嬉しいです」
「神子!」

 永泉があかねをきゅっと抱きしめるとその動きであかねの胎内の永泉自身も動いてしまう。

「あ、つぅっっ!」
「み、神子!? も…申し訳ございません」

 焦る永泉に微笑みながらあかねが訊ねる。

「あ……の…よく、分からないんですけど……こ、これで…終わりでは無いですよね?」

 真っ赤になりながら問う質問の意味に永泉が目を瞠りながら「ええ」と頷く。

「初めての貴女にどれだけお悦び頂けるか分からないのですが、もう暫しご辛抱
 いただけますか?」

 あかねがにっこりと頷いたのを見て永泉はゆっくりと腰を動かし始めた。
 熱く狭いあかねの中で今にも達しそうな自分を律していると玉のような汗が噴き出す。

「神子。…あ、あなたの此処は……余りにも良すぎて……はぁ……す、すぐにも
 達してしまいそうです」

 永泉は話すことで気を散らせながら辛抱強く角度を変えて抜き挿しを続けた。
あかねの花から零れる蜜が増え水音が高く部屋に響く。
 それに呼応するようにあかねの声が徐々に苦痛から甘やかな物に変わって行くのが
分かり永泉は安堵した。
 そうして永泉は二人が確かに繋がる場所から滴るあかねの蜜を指ですくうと
あかねのぷっくりとほころんだ花芽を摘まんだ。

「ひゃぁ! 永泉…さん……そこ……あん…だめぇ……また……おかしく……なっちゃうぅ」

 花芽をつぶすように捏ねたり、摘まんで扱いたりされる度にあかねは太腿を戦慄かせ
愉悦の度合いを永泉に示す。
 そんなあかねの様子を愛おしそうに見つめながら永泉は少しずつ腰の動きを早めていく。
それに呼応するようにあかねの嬌声も浅く短くなる。

「あぁん……あ、あぁ……はぁぁぁぁぁああん」
「神子……あぁ……わたくしも……もう…もう、あぁっっ!」

 あかねが達するのに引きずられ、永泉はあかねのその最奥へ白濁した滾りを解き放った。

 まだ息の整わない永泉があかねの頬にそっと口づけを落とし、あかねの胎内から自身を
引き抜くと、あかねは、んっと小さく身じろいで恥ずかしそうに眼を伏せた。

「神子。貴女が愛おしすぎて、また求めてしまいそうです」
「え、永泉さん!?」
182『月満ちて』 ◆h4.Hpofy9o :2009/07/13(月) 22:49:50 ID:9atArn5E
 驚き焦るあかねの様子に永泉はくすりと笑って言う。

「初めての貴女に、これ以上の無体はいたしません。明日は大事な日ですしね」
「もう、からかったんですね?」

 脱いだ単を手繰り寄せ体を隠しながら身を起こすあかねを見ながら永泉が言う。

「い、いいえ、神子。からかうなんてとんでもない。もっともっと愛おしんで差し上げたいのは
 本当なのですよ」

 真っ赤になったあかねは、照れ隠しのように背を向けて身を清め始める。永泉も
身を清め、衣を整えていると、あかねが清め終わった布を脇に置くのが見えた。
それに走る純潔の紅。
 とたんにあかねへの切なくなるくらいの愛おしさが永泉の胸に込み上げ、あかねを
背中からきゅっと抱きしめた。

「明日。貴女を必ずお守りいたします。この命に代えましても」
「永泉さん」
「ですから、明日の戦いが無事に終わった暁には、貴女を真名で呼ぶことをお許しください」
「ま…な……? ですか?」
「ええ、天真殿のように、あの…神子のお名を……」
「ああ! はい! いいですよ。もう『龍神の神子』じゃなくなりますしね」
「ええ」

 にっこりと微笑み合うお互いの会話が、ほのぼのと少しズレている事に、二人とも
気付かなかった。


183『月満ちて』 ◆h4.Hpofy9o :2009/07/13(月) 22:52:12 ID:9atArn5E
**********

 七葉と藤姫への説明責任を後に回した永泉は、早足にあかねの房へとたどり着くと
息を整える間も惜しんで声を掛ける。

「み……神子?」
「!?……え、永泉さん!?」

 思いがけず、あかねは目覚めていた。どうぞと優しい声に促され永泉は躊躇わずに部屋に入る。

「お仕事は大丈夫なんですか?」
「はい、神子が倒れられたと伺ったものですから」
「あ……ごめんなさい」

 ばつの悪そうに眉尻を下げて上目づかいに永泉を見つめるあかねに永泉は思った。

 ――あぁ、神子。なんとお可愛らしいのでしょうか。

 が、続くあかねの言葉で現実に引き戻される。

「あの、聞きましたよね? こ、こんなことになっちゃって。……え、永泉さんには
 迷惑かけないように相手が永泉さんだって誰にも言いませんから……」
「み、神子!?」
「その……ここで、京で赤ちゃん……産ませてください」
「……え!?」
「だ、ダメですか? ……こ、こんなこと突然言われても……こ、困っちゃいますよね?」
「神子? あの……」
「私でもお料理したり、お掃除くらいはできると思うの、だから下働き? とかして
 頑張って絶対に永泉さんには迷惑掛けませんから……」

 ぽろぽろと涙を零して項垂れるあかねの言葉に永泉の思考がやっと追いつく。
 どうやらあかねは、子どもを一人で産み育てる気らしい。

「え、ええぇぇ!?」
「ど、どうしても、だ、ダメですか?」
「み、神子、ど、ど、どうか落ち着いて、は、話を聞いてくださいっ!」

 どうみてもあかねよりも落ち着いてない永泉を心配してあかねが顔を上げる。

「あ、あの、まず。………… ……… …… …」

 永泉の言葉は続かない。

「……あ、白湯をどうぞ」
「あぁ……すみません」
「……」

 永泉は、白湯をあかねに勧められるまま一気に飲んだ。

「神子。少しお窶れになられたのではないですか? お体のお加減はいかがですか?」
「え……? 大丈夫です。病気じゃ……ありませんから……」
「その…神子は、わ、わたくしが……い、妹背であると世に知られるのをお厭いなのでしょうか?」
「い、いも? せ?」
「あの、で、ですから……。わ、わたくしの事がお厭になってしまわれたのでしょうか?」
「……え? ええぇぇえ!? そ、そんな事あるわけ無いじゃないですか!?」
「では、どうして相手の名を尋ねられた時に、わたくしの名を言ってはくださらなかった
 のでしょうか?」
「だって……」
「……やはり、ものの数にもならぬわたくしごときが神子のお心に留まるなど……」
「え、永泉さん。違います!」
184『月満ちて』 ◆h4.Hpofy9o :2009/07/13(月) 22:55:01 ID:9atArn5E
「では、なぜ……?」

「……あの、京では…貴族は、『恥をかかないこと』が大事だって聞きました。
 一族の誰かが恥をかくとそれだけで一族みんなが笑われちゃうって。だから、
 私なんかと、その……こういうことになったって噂が立ったりしたら永泉さんが
 笑われちゃうもの……」
「神子、何を仰いますか!? わたくしが恥になる事はあっても貴女が恥になるなどと、
 そのようなっ!」
「え、永泉さんは優しいから……。そう言っ……んっ」

 あかねの言葉は、永泉の唇に啄ばまれて消えた。

「え、永泉さん……!?」
「神子。あれほど貴女を恋い慕うと毎日のように文に認(したた)めましたのに、
 わたくしの気持ちをお伝えすることは叶わなかったのでしょうか?」
「え? あ……あぁ……文……ですか?」

 なんとも歯切れの悪い返答である。

「あの……実は……余りにも達筆過ぎて…ほとんど読めなくて……。でも、藤姫や女房さんに
 読んでもらうのもなんだか恥ずかしいし……。なんとな〜くこんなことが書いてあるのかなぁ
 って感じでお返事してたんです。……ねっ。やっぱり私って駄目なんですよ」

 確かに、熱烈な恋文を送っても、忙しい永泉の身を心配するような内容の文が
返って来ることがあった。永泉としては『神子は、なんと奥床しいのでしょう』
としか思っていなかったのだから……。まぁ、ここに来てやっと少しズレが修復できた
といったところだろうか。

「貴女が駄目などということはありえません。他の世界から来た神子がこちらの文字に
 不慣れであるのに何が駄目でしょうか? それに思い至らぬわたくしの方が駄目なのです。
 神子、何より貴女は居て下さるだけで、わたくしだけではなく周りの皆様を幸福にして
 くださいます」
「え……ええっ!?」
「本当ですよ。ですから改めてお願いいたします。わたくしの妻になっていただけないで
 しょうか?」
「……永泉さん…本当にいいの?」

 ええ、と頷く永泉に、俯く顔に紅を刷いてあかねが「嬉しい」と囁く。
「本当は、帰らなきゃならないかなって悩んでたんです」とあかねに言われて実のところ
永泉は、いっぱいいっぱいだったのだが、あかねの指に自分の指を躊躇いがちに絡めた。

「神子…」
「あかね、です」
「…あか…ね」
「はい」
「あかね」
「何ですか?」

 「約束をお守りいただけたことが嬉しいものですから……」と囁く声は夏の風になる
 空には月満ちて微笑むような丸い月。



以上で投下終了です。
読んで下さった方ありがとうございました。
185名無しさん@ピンキー:2009/07/14(火) 06:07:46 ID:SZRoUvXO
保守乙
186名無しさん@ピンキー:2009/07/14(火) 09:09:24 ID:ItDTpwVq
永泉×あかねは予想外だった
やりとりがかわいかったよ
GJ!
187名無しさん@ピンキー:2009/07/14(火) 09:12:50 ID:sgeZ6cG1
GJ!!
188名無しさん@ピンキー:2009/07/15(水) 03:23:02 ID:cbQPk/fd
元ネタ知らないんだが面白かった
189名無しさん@ピンキー:2009/07/23(木) 19:06:04 ID:BHD7Nx6N
困ったw
原作真面目に見たこと無いから
永泉がかわいい女の子の姿でしか浮かばないww
190名無しさん@ピンキー:2009/07/23(木) 21:04:16 ID:SwePWCI4
その認識で間違いないと思うw
やりとりが初々しくて可愛いかった、乙。
191 ◆qM8UwHNWDA :2009/07/26(日) 10:38:33 ID:AHivBsqi
えーめぞんの人です。
ものすごく遅くなってしまいましたが前スレに投下してものの
続編を投下します。


タイトルは「A11 初夜 (後編)」


ではどうぞ
1921/12 ◆qM8UwHNWDA :2009/07/26(日) 10:39:12 ID:AHivBsqi
明かりが消えた真っ暗な管理人室で男女二つの影がうごめく。
もちろんそれは五代と響子の二人だ。

暗闇の中、五代は座ったまま響子を後ろから抱きとめ、浪人時代からの憧れの象徴である乳房をゆっくりと揉みほぐす。
すると当然のように響子の口から熱い吐息が漏れる。

響子は五代に後ろ抱きにされるこの体勢がいつの間にか気に入っている。
五代と身体が密着する部分が広く、なにより五代に受け止められているという安心感から響子は愛撫に身を任せることができる。
もちろん五代とて同じことで、乳房も秘所も好きなように愛撫できるし、響子の背中から響子がいつ感じているのかダイレクトに伝わるのが興奮を誘う。
いざ挿入するにもいろいろな体位への移行もスムーズで、顔を振り向かせるとキスもできるし耳元で囁いたり息を拭きかけたりもできる。
二人の思惑が合致し最近はいつもこの体勢から営みが始まる。

「今日はたくさんの人達が響子さんで妄想してますよ、」
五代は響子の耳元で囁きながら響子の胸の感触を楽しむ。
「どうしてそんなこと……」
「響子さんが綺麗過ぎましたからね……。男なら間違いなく響子さんで妄想するか奥さんや彼女を響子さんに重ね合わせて抱きますね」
五代がしたり顔で言う。
響子はどうこたえればいいかわからず黙ったままだ。
「でも本物の響子さんを抱けるのは……」
五代は言葉を切ると響子のうなじを露出させ舐め始める。
「あっ……」
思わず響子が声をあげる。
「今晩は響子さんの体の隅々まで舐めてみましょうか」
「そ、そんな……」
響子が快感に体を震わせながらうめく。
「響子さんのうなじ……すごく……」
五代は響子の髪をたくし上げ舐めあげる。
そしてそのまま首筋から鎖骨の窪みまでゆっくりと唾液を響子の体に滲みこませてゆく。
既に一度出して余裕がある五代はゆっくりと響子の体を弄ぶつもりだ。

「ここなんてどうですか?」
五代は響子の左腕を抱えると普段隠されたままの腋を舐め始める。
「ひいぃ」
響子が未知の感覚に悲鳴をあげる。
「まだ春先なのにきちんと手入れしてありますね。……もしかして舐めて欲しかったんですか?」
五代がいやらしく響子を言葉で責める。
「そ、そんな……。ああっ!!」
五代の言葉を否定しつつも響子はその快感に思わず声をあげる。
「響子さんって……全身が性感帯ですよね」
五代は響子を舌と言葉で辱めながら舌先で腋を刺激すると響子の吐息が更に荒くなる。
(こ、こんなところまで舐められるなんて……)
響子は羞恥のあまり顔が真っ赤だ。
なによりも今日初めて舐められたにもかかわらず快感を得てしまう自身の体が恨めしい。

1932/12 ◆qM8UwHNWDA :2009/07/26(日) 10:39:43 ID:AHivBsqi
「逆も舐めてみましょうか……」
五代はそうつぶやくと続けて右の腋に舌を走らせる。
「ああ……」
響子はまたも喘ぎ声をあげる。
反対の腋を舐められても当然のように感じてしまう響子。
「ふふふ、こっちは結構匂いがきついですよ」
「い、いやっ!!」
匂いがきついなどといわれるのはさすがに我慢できず、響子は五代を拒絶しようとする。
しかしやはり男の力には敵わない。
五代は響子を力ずくで布団に押し倒し執拗に腋を舐め続ける。
「や、やめて……」
響子が快楽におぼれそうになる自分を励まして五代に懇願する。
「こんなところを舐められて興奮するのが恥ずかしいんですよね」
五代はそういいいながら空いた右手で響子の胸のつぼみをくりくりとこね回し始める。
五代は響子を嬲りつくすつもりなのだ。
「だ、だめ……」
響子の顔が快感にゆがむ。
「なにがだめなんですか、こんなに硬くさせてるのに……」
五代は響子の乳首を指で擦り上げながらつぶやく。
「うう……」
響子は五代の思うままに感じさせられてしまう自分の体を嘆く。

五代は響子の腋を散々に唾液まみれにしたのを確認してから響子の顔を覗き込んで言い聞かせる。
「さっきも言いましたけど響子さんはこんな風に責められると普通にするよりずっと感じますもんね」
「そ、そんなこと言わないで……」
響子が体を震わせながら顔を背ける。
「口ではいやだって言ってるけど……おれのをしゃぶるのも大好きですもんね……」
五代は響子の顔を掴み顔を背けることを許さない。
「ち、違う……」
「違いません。おれのを口にしてるとき、響子さんはめちゃくちゃ興奮した表情してるんですよ」
「い、いや……」
「エッチな表情のまま夢中になってしゃぶる響子さんを見てたら……我慢なんてできませんよ」
五代は響子を言葉で散々に嬲り続ける。
「それに口でした後の響子さんってすごく興奮してるんですよ。今日も普段とは反応が全然違いますし」
「も、もう許して……」
響子は目をつぶったまま五代の許しを請う。
五代に見抜かれていたことをまたも思い出し響子はもう体を震わせることしかできない。

1943/12 ◆qM8UwHNWDA :2009/07/26(日) 10:40:26 ID:AHivBsqi
五代はまだまだいじめてみたいがこれ以上やりすぎてはいけないと思い直し響子の体に照準を移す。
まずはその敏感な胸のつぼみに舌を這わせ、舌先で横から正面から舐めあげる。
「あっ……」
突然の刺激に響子が思わず声をあげる。
すでに響子の乳首はそそり立っており、五代にねっとりと舐められると響子の体にぞくぞくとした快感が走り抜ける。
五代は響子の敏感な乳首を舌でいたぶりながら逆の乳房を優しく揉みしだく。
響子のむっちりとした乳房は五代に強く掴まれるとその指の間に柔肉が溢れ出すほどだ。

「初めて会った日から……ずっと……」
五代がしんみりとつぶやく。
「当時はこんな素敵な人が一刻館に来るなんて信じられなくて……」
五代は初めて響子と会った日に一刻館を出ようとしていたことを思い出す。
「もし響子さんが来る日がもう一日遅かったら、おれ達出会うことがなかったんです。そう考えれば運命って不思議ですよね」
五代が感慨深く言葉を続けるが響子はそれどころではない。
響子は執拗に繰り返される快感にはぁはぁと喘ぎ声を出すことしかできない。


「好きです、響子さん」
五代は自分の愛撫に体全身を使って快感を表現する響子にウソ偽りのない言葉を送る。
「初めて会った日からずっと……響子さんと結ばれたいって思ってました」
五代は愛撫をやめ再度つぶやく。
「おれは響子さんが好きです。世界中の誰よりも……大切に思います……」
「ご、ごだ……い……さん……」
響子がなんとか五代の名を呼んでこたえる。
五代は響子が何か言おうとしているのに気づき響子の言葉を待つ。
すると響子が五代の体の下から一言だけつぶやく。
「ずるい……」
「え……?」
五代は響子の予想外の言葉に驚きを見せる。
「こんなにあたしをいじめてるくせに……」
響子はなんとか少し拗ねた表情を作ってみせる。
「でも……」
響子が五代の顔に両手で触れる。
「でもやっぱり……嬉しいです……」
そうつぶやくと響子は五代に自分から軽く口づけする。

「響子さん……」
五代はそうつぶやくと愛撫を再開する。
響子を心の底から満足させたい。それが今の五代の唯一にして最大の願いであった。
五代は両方の乳首を同時に指でつまんだり擦りあげたり乳房の中に押し込んだりして響子に快感を送りこむ。
「ああんっ……!!」
響子は我慢できないといった様子で首を左右に振りながら悶える。
(響子さん、すごく感じてくれてる……)
五代は響子の乳首をくりくりとこねりながら響子をじっくりと観察する。
「腋とかもよかったみたいですけど……やっぱり響子さんは乳首を弄られてるときの反応がぴかいちです」
「うう……」
響子はただうめくことしかできない。反論するどころか秘所の疼きを五代に悟られまいとごまかすのに必死なのだ。

1954/12 ◆qM8UwHNWDA :2009/07/26(日) 10:40:58 ID:AHivBsqi
五代はそうしてるうちに響子の反応の変化に気づく。
これまでの愛撫でも確かに響子は感じていた。
しかし、乳首を弄りだしてから響子の体に確実に変化が起こっている。
つまり響子の体から完全に硬さが消え……五代を受け入れたがり始めているのだ。
もちろん五代がそれを見逃すはずがない。
「響子さんの心と体がとろけだすこの一瞬がたまりません」
五代は顔をそらせたままの響子に言葉を続ける。
「そろそろ……欲しいんじゃないですか?」
五代は悶える響子の姿を楽しみながら尋ねる。
「ち、違う……」
響子は必死になって五代の言葉を否定する。

五代には響子が本当はもう挿れて欲しがっていることがわかる。
しかし言葉のうえでは響子はそれを否定している。
身体は完全に五代に屈服してしまっているのにそれを認めようとしない響子。
しかしだからこそ……五代は響子を思うがままにしたい。

「響子さんが違うと言うんなら仕方ありません」
五代はそうつぶやくと……響子の体を起こし最初と同じようにまたも後ろ抱きにする。
そしてゆっくりと……響子の秘所に指に侵入させる。

「んん……」
響子の口から熱い吐息が漏れる。
十分すぎるほど濡れそぶった響子の秘所は違和感なくあっさりと五代の指を受け入れる。
五代は右手の指で秘所の中をこねくり回しながら左手で乳房を揉みしだく。
響子は完全に五代に体を預けその快感に酔いはじめる。
五代の指先はいつものように最も響子が感じる部分……世間ではローマ字とカタカナで表現される部分を的確に刺激する。
「……んんっ……ああっ!!」
響子は我慢できずまたも喘ぎ声をあげる。
気がつけば五代の足で股を完全に開いた状態に固定されてしまっている。

「響子さん、見てくださいよ」
五代は響子が異様に恥ずかしがる行為をいつものように実行に移す。
つまり……秘所から抜いたばかりの二本の指を響子の眼前でゆっくりと開き、粘つく愛液が糸を引く様子を見せつける。
「い、いや……」
響子は思わず顔を逸らす。
「ちゃんと口できれいにしください」
五代はその愛液で十分に濡れた指を響子の口にゆっくりとねじりこむ。
「んん……」
響子は反発するが、五代に指を無理矢理口にねじこまれ愛液を舌でふき取らされる。
「まだまだ溢れてますよ」
五代はそうつぶやくと何度も何度も愛液をたらす指を響子の口にねじ込む。
しかし何度繰り返しても響子の秘所の潤いが消えることはない
響子は口に指を突っ込まれ、舐めさせられるこの状況にすら興奮し始めているのだ。

1965/12 ◆qM8UwHNWDA :2009/07/26(日) 10:41:25 ID:AHivBsqi
「きりがありませんね」
五代はそうつぶやくと響子を仰向けに横たえ両足を思いっきり開かせ押さえつけると、股間に顔を埋め直接舌で舐め始める。
「だ、だめ……」
あまりにはしたない姿勢に響子が抵抗のセリフを口にする。
しかし、その口調に抵抗とは違う響きが含まれ始めていることに五代は気づく。
(もう少しだな……)
五代は響子がまもなく自分から求め始めるだろうと感じ更なる攻勢に出る。

五代は秘所の奥を指の腹で弄りながら響子の最も敏感な突起を舐め上げる。
「ああっ!!」
響子はまたも思わず声をあげる。
秘所の内側と同時に責められて我慢できるはずもなく響子は体をのけぞらせる。

「欲しくなったらいつでも言ってください」
五代が響子にそっけなく言う。
五代は響子から求めさせるつもりなのだ。

「ああっ……!!」
響子の口から悦びの声が漏れ続ける。
あまりの官能にもう自分がすっかり昂ぶってしまっていることを隠すことすらできない。
(も、もう……ほんとにだめ……)
響子は全ての感覚を投げ出し快楽に身をゆだねようとする。
しかし五代は響子が今にも果ててしまいそうなその瞬間、秘所への愛撫をやめる。
「えっ……?」
響子は驚きの声をあげる。
しかし五代はそんな響子の反応を無視して体をうつし今度は乳房を愛撫し始める。
(ど、どうして……)
響子は呆然とする。確かに乳房からも官能を得ることはできる。
しかしそれでは既に物足りないほどに身体は興奮しきってしまっている。
響子は五代の愛撫に身を委ねながらももっと強い刺激を欲し始める。
すると響子の意図を汲んだかのように再び五代の指が響子の股間の性感帯を愛撫し始める。

(ああ……そうよ……)
響子は心の中で悦びの声をあげる。
しかしその響子の期待はあっさりと裏切られる。
五代の指は響子の秘所の周辺や入り口付近をなぞるだけで響子が望む部分を明らかに避けているのだ。
既に昂ぶりきっている響子にとって、五代の指の動きをあまりにもどかしい。
しかし、五代は相変わらず響子の意図に反する部分をなぞるだけ。
響子は自分でも気がつかないうちに五代の指が望む場所に届くよう身体を自然にくねらせてしまっていた。
もちろん五代がそれに気づかないわけがない。

1976/12 ◆qM8UwHNWDA :2009/07/26(日) 10:41:54 ID:AHivBsqi
「何してるんですか?」
五代が響子に満を持して尋ねる。
その言葉に響子ははっと我に返る。
「そんなに弄って欲しいんですか?」
無意識のうちの行為とはいえあまりにも淫らな自分自身に響子は穴があったら隠れてしまいたいほど恥ずかしく感じる。
「その予想通りの反応がすごくかわいいんですよ」
五代はそんな響子を見下ろしながらようやく響子が望む場所に指を這わせる。
「ああっ……!!」
情けないことにここまで辱められても響子の身体はあまりにも正直に反応してしまう。
ついに秘所をまさぐりはじめた五代の指に、熱い愛液を溢れさせてこたえる響子。
そそり立つ突起は五代に何度押し込まれてもすぐに元の姿を取り返すほど。

「響子さん、そろそろ……欲しいんじゃないですか?」
五代が再度響子に尋ねる。
「……」
響子は思わず肯定しそうになるがわずかに残った羞恥心でそれを押さえ込む。
「恥ずかしがらないで……」
五代が耳元で囁きながら響子を淫らな世界に誘う。
響子の羞恥心はまたもそれを拒絶しようとする。
しかしそれはあまりにも弱いものであった。
「で、どうなんですか?」
五代に再度尋ねられた瞬間、あまりにもあっさりと響子の口から言葉が発せられる。

「ほ、欲しい……です……」
響子は声を震わせながら小さな声でこたえる。
「やっと素直にいえましたね」
五代が勝ち誇ったようにつぶやく。
一度口にしてしまえば響子を止めるものは何一つない。
響子の口から五代を求める言葉が湯水のように湧いてくる。
「は、早く……ください……」
響子が五代を求めるセリフをはっきりと口にする。
「ふふふ……」
五代がにやりと笑う。
響子は一度おねだりをしてしまうと後はもう何度でもおねだりしてしまう。
響子はもう完全に五代の思うとおりなのだ。

「前からと後ろから、どっちがいいですか?」
「そ、それは……」
響子が一瞬口ごもる。
響子に好きな体位を言わせるのは時間の問題であったが実は五代自身がもう限界であった。
目の前の成熟した色気を放つ女体を前にもう我慢できないのだ。

五代は無言のまま響子をうつぶせにさせる。
もちろん響子もすぐに五代が後背位を望んでいることに気づく。
五代は響子のお尻に手を添え、尻を掲げさせると五代は響子のお尻の肉を広げ秘所をはっきりと目視する。

1987/12 ◆qM8UwHNWDA :2009/07/26(日) 10:42:23 ID:AHivBsqi
(そ、そんなに見ないで……)
響子が心の中で悶える。
響子のそれは明らかに潤みを湛え五代の男を今や遅しと待ち構えている状態だ。
五代は目の前の愛妻のあまりに淫らな姿に震えながら自身の欲望の象徴をしかるべき箇所にあてがう。
一気に貫きたいという衝動を抑え五代は少しだけ響子に挿入する。
「ああっ!」
それでも響子の体は敏感に反応する。
しかし、やはり足りない。
響子は奥まで貫いて欲しいのだ。

「響子さん、もっと気持ちよくなりたいんじゃないですか?」
五代が響子に尋ねる。
「……」
「じゃあまたお願いしてくださいよ、こんな風にしてくださいって」
五代は容赦なく響子を最も奥深くまで貫く。
「あ、ああ……」
響子が快感に震える。
「言わないとやめちゃいますよ」
五代は体を倒し両手で響子の乳首を弄びながら響子の耳元で囁く。
「あっ……あっ……」
しかし響子はあらたな刺激に声をあげることしかできない。
「ほら、喘いでばかりいないでちゃんと言ってください」
五代は腰の動きを止めて響子の背中を舐めながら言葉を待つ。
「そ、そんな……」
響子は五代のあまりといえばあまりな言葉に何も言うことができない。
「早く言ってください」
五代は響子から一旦抜きながら言う。
「ぬ、抜かないで……」
抜かれてしまったことに気づいた響子が五代に懇願する。
「また挿れて欲しいんですよね……?」
「は、はい……」
五代の言葉に素直にうなずく。
「じゃあちゃんと言ってくれないと」
五代は響子の言葉に耳を傾ける。
「あ、あの……」
響子は思わず躊躇する。
響子が躊躇する様子に五代は再度響子を奥まで貫く。
「あ、ああっ……」
響子は待ちに待った快感に体を震わせる。
しかしそれは一瞬のことであった。五代はまたもあっさりと抜いてしまったのだ。
「言わないともうこれで終わりにしますよ」
五代が心にもないことを言って響子に屈服を強いる。
そんな五代の言葉に響子はもう我慢できない。

1998/12 ◆qM8UwHNWDA :2009/07/26(日) 10:42:50 ID:AHivBsqi
「ご、五代さん……」
「はい」

「五代さんので……一番奥まで……。お願いだから……奥まで……」
響子の言葉に五代の興奮が頂点に達する。
「わかりました」
五代はそうつぶやくと響子の言葉が終わるや否や五代は再び己自身で響子を勢いよく貫く。
「今日も響子さんの中にたっぷりと出しますから」
五代はそう宣言すると野生動物のように遠慮なく思いのままに腰を突き動かす。

「あっ!! あぁんっっ!!」
響子の体中を衝撃が走る。
十分すぎるほどに潤っていた響子の秘所は五代を何の抵抗も無く受け入れる。
逆に五代の方が拍子抜けしてしまうほどだ。
「いきますよ、響子さん」
五代が気合をいれ腰を動かすたびに響子の体が揺れる。

五代は自身と響子の膣壁が擦れあう感触をじっくりと愉しむ。
響子の中の生暖かい感触と必要以上に溢れる愛液がグチュグチュと淫らな音たてる様子がたまらない。
そしてなによりも響子の反応がいい。
五代が突き入れるたび響子の喉から喘ぎ声が吐き出される。
その声は十分な高さと音量で五代を満足させる。
五代がゆっくりと出し入れすると突き入れるたびに響子の口から悦びの声が、半分以上抜いてしまうと残念そうなため息が漏れる。
その露骨な響子の反応がいいのだ。五代は今まさに響子を好きなように喘がせることができる。

一方、響子は快楽に溺れていた。
「はあっ!!あんっ!!あっあっあっ……!!」
毎回奥深くまで貫かれその毎に悩ましい喘ぎ声が漏れてしまう。
響子は何も考えられず快楽を貪る。
五代に突かれるたびに豊満な乳房揺らし淫らな喘ぎ声をあげる響子。
今現在、体の奥底からこみ上げてくるぞくぞくとした刹那的な快感に身を委ねることしか響子の頭の中にない。

そんな響子の様子に五代はとどめとばかりに響子の最奥部分に自身の先端をぐりぐりと擦りつける。
「ひ、ひぃ……」
響子が冗談のような悲鳴をあげる。
それと同時に響子の秘所がまるで生き物のように五代を少しずつ締め付け始める。
(もう少しだ)
五代は響子が達する寸前にあることを響子の秘所から直接あまりにも分かりやすい形で知る。
五代は自信を持って響子を責め始める。すると……
「そ、そこよ……そこをもっと……」
快感のあまり響子自身の口から弱点を認める言葉が漏れ始める。

「きょ、響子さんっ!」
五代が響子の言葉に力を得、さらに響子を責め続けると……響子はいつものように頭の中が真っ白になっていく感覚に襲われる。
(やだ、こんなに簡単に……)
響子は思わず抵抗しようとする。しかしそれはまさに無駄な足掻きであった。
そのわずか数秒後……
「………っ!!!」
響子は言葉にならない叫び声を上げると……あっけなく身体を震わせながら布団の上に崩れ落ちてしまった。

2009/12 ◆qM8UwHNWDA :2009/07/26(日) 10:43:16 ID:AHivBsqi
あまりにも容易い響子の陥落。
しかしそれは五代の予想通りの姿に過ぎない。
五代はぐったりとした愛妻の両腕を掴みのけぞらせると間髪いれずピストン運動を再開させる。
「ちょ、ちょっ……待って……」
あまりに突然の再開に響子が五代に泣き言を言う。
しかし五代はそんな響子を無視して自身の欲望を響子に叩きつける。

「あっあっ……!!」
五代の若く荒々しい欲望の前に結局またも成す術もなく悶え喘ぎ始める響子。
普段の響子の喘ぎ声は隣の一の瀬一家に聞かれてしまう恐れがあるためかなり控えめといえる。
しかし今日はいつも以上に焦らされてしまったためか響子はその快感に自分を抑えることができない。
五代もいつもの響子との違いに気づく。
「声が大きすぎますよ、響子さん」
他の住人達は5号室にいるため1階は無人のはずだが万が一のことがある。
五代の言葉に響子も声を必死に抑えようとする。
しかし先日のホテルの時と同じようにどうしてもうまく声を抑えられない。
「だ、だめ……。声が……」
響子は状況を説明しようとするがそれすら自身の喘ぎ声でうまく言うことができない。
仕方なく五代は右手で響子の口を塞ぐ。
しかしその行為は五代の予期せぬ事態を引き起こしてしまった。

「くっ……」
五代は思わず苦悶の表情を浮かべる。
響子の口を塞ぎながらのピストンに、五代はなんだか響子をレイプしているかのような錯覚に陥る。
やってはいけないことをしているような、禁忌の感覚は五代の興奮を更に加速させる。
(や、やばい……)
五代は自分が限界が近いことを悟る。
このままでは先に自分が達してしまいかねない。
しかしそんな五代の耳に響子の声が耳に入る。
「もっと……もっと奥まで……」
響子から発せられる五代を求める声。
普段の清楚な響子とは全く正反対のあまりにも生々しいストレートな言葉。
響子も口を押さえつけられて抱かれるこのシチュエーションに五代と同様に燃え上がってしまっているのだ。
欲望を押し付けてばかりの自分を受け入れてくれている響子を前に五代は一か八かの賭けに出る。

「うおおおおっ!!」
五代は奇声を発しながら激しく腰を前後させる。
「ああっ……あああっっ!」
響子も意識を朦朧とさせたまま無意識のうちに五代にこたえる。


五代に体内奥深くに侵入される快感に喘ぐ響子。
響子の温かい感触と悶え狂う様子に今にも放出してしまいそうな五代。

先に限界に達したのは……五代であった。
またも締め付け始めた響子の秘所に抗う余力は五代には残されていなかった。
「で、出る……」
五代のつぶやきと共にダムが決壊したかのような勢いで精液が響子の子宮に流れ込む。

20110/12 ◆qM8UwHNWDA :2009/07/26(日) 10:43:41 ID:AHivBsqi
響子は五代の動きが止まり、響子の中で五代がぴくぴくと震える感触に思わず驚く。
(い、今、出されてるの……?)
そもそも結婚式まで避妊する方針だったため、五代が避妊をやめたのはほんの数日前からだ。
そして以前までの住民の目を逃れ隠れるようにして抱かれていたときと違い、ここ最近ともに暮らし始めた五代は、響子を余裕を持ってじっくりと抱く。
それがため、響子は射精の瞬間、いつも前後不覚に陥ってしまっておりよくわからなかったのだが今日は違う。
身体の奥底に精を出される感触が響子にはっきりと伝わってくる。
(ああ……。今、五代さん、すごくいいのね……)
響子は息を整えながら五代を受け入れる。


「ふう……」
五代が思わずため息をつく。
響子を完全に満足させることはできなかったが五代は満足であった。
なによりも我慢に我慢を重ねた末の射精、それも相手は愛する響子なのだからいうことはない。
五代は響子の中にたっぷりと放出し、自らの欲望を満たすとそのまま響子の背中に倒れこむ。


「すみません、我慢できなくて」
お互いに落ち着くと五代は響子に謝る。
「ううん、その……あたしは……十分ですから」
響子が五代の胸に頬をあてたままささやく。
実際、慣れたなどといわれてしまっていた響子は、五代が我慢できないほど興奮してくれたことに少し安心していたというのが本音だった。

響子が無言で五代の身体にしがみつくと五代も響子の背中に手をまわし抱き寄せる。
響子はただそれだけで幸せであった。
包み込まれるように抱きしめられる安らぎにしばらく身を委ねていると……響子の耳元に五代の寝息が届く。
見上げると五代はいつの間にか寝入ってしまったようだ。
(そうよね、昨日からお疲れだしね)
響子は五代が昨日までの連日の宴会であまり睡眠を取れていないことを思い出す。
「お疲れ様でした」
響子は五代の頬に手を添えつぶやく。
響子としてはもう少し色々な話をしたかったところであったが、夫の寝顔を見守っているうちに自身もいつの間にか眠りにつくのであった。

20211/12 ◆qM8UwHNWDA :2009/07/26(日) 10:44:03 ID:AHivBsqi
「……た、朝……よ、起きて……」
五代は誰かが自分を呼ぶ声に目を覚ます。
「まだ眠いんだよ……」
そういって五代は布団をかぶる。
しかし、その布団を急に剥ぎ取られてさすがの五代も目を覚ます。
「あなたっ、いい加減に起きて下さい!」
「は、はいっ!」
響子のきつい声に五代ははっきりと目を覚ます。
「すぐに顔洗って、歯も磨いて。もうあんまり時間ありませんよ」
響子が五代をせかす。
布団をたたみながら時計を見ると新婚旅行の出発まであと1時間しかないことに気づく。
五代はいそいそと廊下に朝の準備にでる。
トイレを済ませ歯を磨いていると、なんとなく違和感が残っていることに気づく。
その正体がわからぬまま五代が管理人室に戻ると、既に布団は片付けられ、机の上に朝食が並んでいた。
「早く食べちゃってくださいな」
響子が茶碗を五代に渡す。
「10時にはここを出ないと電車に間に合わないんだから……」
ぶつぶつとつぶやく響子に触らぬ神にたたり無しと五代は朝食に取りかかる。
味噌汁を口にしながら五代は響子の様子に目をやる。
ともに朝食を食べる響子はどうやらいつもの響子にもどっている。
素早く朝食を食べ終わると五代は響子に話しかけてみる。
「天気予報だと今日は晴れるみたいですね」
「ええ、晴れるみたいでほんとに良かったです」
響子が相槌を打ってくる。
「あなた、おかわりはいいですか?」
「美味しかった。そろそろ準備しないと」
五代の言葉に満足したのか、響子は差し出した手を引っ込める。
「さて、急いで後片付けしなくっちゃ」
響子はそうつぶやくとお皿を持って後片付けに流しに向かう。
そんな響子の後姿を見ていると、五代は違和感の正体にやっとのことに気づく。


新聞の一面を眺めながら響子の後片付けが終わるのを待つ五代。
そして響子の手があいたのを確認して五代は声をかける。
「ねえ、響子さん」
「なんですか?」
「ちょっとこっちに」
五代が響子を手招きする。
「早く着替えないと間に合いませんよ」
響子はエプロンで手を拭きながら五代に近づいてくる。
「ちょっと座って」
「もう、なんですか……」
響子が五代の横にちょこんと腰を下ろす。

20312/12 ◆qM8UwHNWDA :2009/07/26(日) 10:44:40 ID:AHivBsqi
「響子さん、あの……」
「はい……?」
「五代さんって呼ぶの止めたんですね」
五代の言葉に響子が少し赤くなる。
「……だって昨夜、止めろって言われたから……」

あまりにさりげなくて五代もしばらく分からなかったが……今朝から響子は五代を「あなた」と呼んでいるのだ。
少し恥ずかしそうに俯いたままの響子を見ていると五代もけじめをつけなくては改めて思い、響子の手を取る。
「な、なんですか?」
いきなり手を握られ響子が尋ねると五代は歯切れが悪いながらも口を開く。
「あの……俺たちも結婚式も挙げたわけですし……これからは夫婦として……よろしくお願いしますね」
響子は五代の突然の言葉に驚きながらもその真剣な表情に五代の意図に気づく。
確かに既に籍を入れ一緒に暮らしてはいるものの、やはり両家の親族の前で正式に結婚式を挙げると今までと違った感じがするのは五代も響子も同じであった。
(ふふっ)
響子は心の中で少し微笑むとエプロンを脱ぎ五代に向かってきちんと座りなおす。

「不束者ですがよろしくお願いします」
響子は床に手をつき頭を下げる。
「きょ、響子さん、そこまでしなくても……」
五代が響子の腕を掴み顔を上げさせる。
「それに響子さんは全然不束じゃないですし……」
響子の思わぬ反応に思わず動転する五代。
「ふふっ、こういうことしてほしいのかなって思って」
そう言って響子は首を横に傾けにっこりと笑ってみせる。
その笑顔に五代は……あっさりと撃沈される。

「響子さんっ!」
五代は無意識のうちに響子を抱きしめる。
「やだ、こんな朝から……」
突然の抱擁に響子が顔を赤くする。
「響子さんが悪いんですからね」
五代はそうつぶやくと響子に口づけしようとする。
「ダメです……」
響子は俯いたまま抵抗するものの……結局は五代の口づけを許してしまう。

「もおっ……」
唇が離れると、響子は顔を赤くしながら急いで五代から離れるとそのまま鏡の前に腰を下ろす。
「早く準備してください!間に合わなくなっても知りませんよ!!」
響子は照れ隠しで怒ったような素振りを見せながら化粧台の前で出発の準備を始める。
そんな響子の様子がまた五代には愛しくて仕方がない。

着替えをしながら、二人っきりの旅行となる新婚旅行が間違いなく最高の旅行になると確信し、思わず笑みがこぼれる五代であった。



A-11 初夜 完

204名無しさん@ピンキー:2009/07/26(日) 10:48:32 ID:AHivBsqi
以上です。

内容以前に1月中に書くといっておきながらこんなに遅くなってしまい申し訳ありませんでした。
次回作は新婚旅行編かなと思ってみたりするけどいつになるかは不明で年内に書けるといいかなあと思ってみたり。

ではまた。
205名無しさん@ピンキー:2009/07/26(日) 12:19:53 ID:ouY1lLbs
またね
206名無しさん@ピンキー:2009/07/26(日) 13:10:00 ID:lC+o7pbt
GJ!待っていた!
挿入後の描写が良かった
207名無しさん@ピンキー:2009/07/26(日) 13:30:17 ID:NhyK9eUR
GJ
208名無しさん@ピンキー:2009/07/27(月) 04:26:27 ID:TM0wOEvj
>>204
これは素晴らしいですね!
209名無しさん@ピンキー:2009/07/27(月) 16:23:23 ID:HEGPAozD
209
210名無しさん@ピンキー:2009/07/29(水) 23:37:18 ID:Rz2Lgnai
GJ!
もっと読みたい!!!
211名無しさん@ピンキー:2009/07/30(木) 03:57:52 ID:YeOHUIsS
テスト
212名無しさん@ピンキー:2009/07/31(金) 00:28:01 ID:r3MJbM5q
ネ申降臨!!!!!!!!
続きキボン!!
213名無しさん@ピンキー:2009/07/31(金) 23:47:21 ID:10cdongP
ほう
214名無しさん@ピンキー:2009/08/01(土) 00:55:35 ID:aO/KqvXA
これは面白いね
215名無しさん@ピンキー:2009/08/01(土) 05:46:51 ID:wLCBLehf
次はどんな職人さんが
来てくれるだろうか
216名無しさん@ピンキー:2009/08/01(土) 23:57:45 ID:aO/KqvXA
ラブラブいいな、おい
217名無しさん@ピンキー:2009/08/11(火) 16:35:07 ID:YwbkpC/g
保守
218名無しさん@ピンキー:2009/08/15(土) 03:23:04 ID:oKIU92Bk
age
219名無しさん@ピンキー:2009/08/20(木) 20:22:17 ID:4PywCCT+
マッサージ師が患者を愛撫して虜にする話を書きたかったので書いてみた。
そうしたら、女の子をまったり可愛がるだけの話になってしまった。
そんな中途半端な話ですが、せっかく書いたので投下します。
220名無しさん@ピンキー:2009/08/20(木) 20:23:40 ID:4PywCCT+
 マッサージとは、対象の体を擦ったり揉んだり叩いたりする事で血流を改善し、筋肉の緊張を解す事を
言う。その歴史は古く紀元前にまで遡る。行為だけなら有史以前からだ。日本においては按摩と称され、
江戸期には主に視覚障害者の専門職として一般に広まった。
 無論、現代でも至る所で気軽に行われている。職業として請け負っている者だけでなく、子供から年寄り
まで対象者施術者は老若男女に関わり無くだ。
 しかしながら厳密にいうと、マッサージ行為を行っていいのは、国家資格を持つマッサージ師と正規の
医師のみなのである。じゃあ子供の肩叩きもアウトなのかと言えば、流石に法律もそこまで頭は固くない。
 法で規制されるマッサージは「体重をかけ、対象者が痛みを感じる強さで行う行為」である。軽く肩を叩く
くらいは楽々セーフだ。それに、警察が動くようなマッサージ犯罪は、無資格者がマッサージを業務として
客から金を取るといったものである。カイロドクターや整体師がマッサージ師の資格無しにマッサージを行う
のはアウトなのだ。学校の体育教師が生徒に本格的なマッサージをするのも、かなり黒に近いグレーだっ
たりする。
 何故なら、マッサージはれっきとした医療行為だからだ。純粋な親切心からであっても、身体に害をなす
可能性がある限り、素人がやってはいけないのである。
 俺が高校を出てマッサージの専門学校に入ったのは、祖父がマッサージ師だったからだ。影響とか薫陶
を受けたわけでなく、治療院の看板を掲げて開業していたのである。就職に悩まなくて良かったのだ。
 それに慢性的な胃痛を抱えて会社に向かう父の姿を見て、サラリーマンは辛そうだと思ったからでもあ
る。年寄りの増える時代で需要も多かろうし。
 そういう訳で専門学校に進み、首尾よく「あん摩マッサージ指圧師」の国家試験に合格。ついでに友人に
引き摺られて「アスティックトレーナー」と「健康運動実践指導者」の資格も取得。前者はスポーツ選手の
健康管理や怪我の予防に関わる物で、後者は選手のみならず幅広く一般の人に健康の為の基礎トレー
ニングを指導できるという、どちらも民間の資格だ。
 勉強は大変だったが、友人一同で「若い女の子の体を合法的に触りまくる!」を合言葉に頑張った。
 下心は偉大である。
221名無しさん@ピンキー:2009/08/20(木) 20:24:59 ID:4PywCCT+
 そういう訳で、晴れて祖父の治療院に正規のマッサージ師として就職。思惑通り、中高生の
スポーツマッサージを一手に任された。無骨な男子学生は程ほどに荒っぽく、可愛い女の子に
は丁寧かつ丹念に。
 もう何と言いうか国家資格の力は絶大である。下着姿になった中高生の女の子を思いっきり
撫で回して給料が貰えるのだ。選んだ道は間違いでは無かった。まあ汗臭い男共の相手もしな
きゃならないのは我慢の一言だとしても。
 こうして年月が過ぎ、オナニーのネタに困らない生活を送っていた俺は、一つの風評に眉を顰
める事になる。
 ちょっとした噂になってしまったのだ。俺の事が。
 女の子を触りまくるエロマッサージ師として――ではなく、特に若い女の子のスポーツマッサー
ジに定評があると、逆に有難がれたのである。
 まあ自分で言うのもなんだが、それは確かかもしれない。プロになって数年、女の子の体は熱心
に丹念に入念に丁寧に撫でまくっていたのだから。ついでに体調管理やトレーニングの相談も親身
になって世話をしたし。
 一つの契機になったのは、マッサージを手掛けた女子高生のインターハイ優勝だった。水泳の
自由形で日本記録に並ぶタイムを叩き出し、一躍脚光を浴びたのである。彼女は世界水泳や五輪
の強化選手にも指定され、インタビューにはこう答えた。
『支えてくれた友人と家族、何よりマッサージの先生のお陰です』
 名前を出して貰えなかったコーチ涙目である。
 絶賛された俺は市内外の学校やスポーツジムから引っ張りダコとなった。若輩者ながら某実業団
や、とあるスポーツ協会が専属契約の話を持ってきたくらいである。だが俺は専属の話は丁重に断った。
「より多くの人に自分の力を役立てたい」というのが表向きの理由だが、言うまでもなく、より多くの
女体を撫で回したいというのが本音だ。無論、活動の場所が広がるのは歓迎であるから「必要なら
どこにでも行きますから呼んでください」と名刺を渡すのは忘れなかった。
 そうやって各種のスポーツイベントにマッサージ師として顔を出すようになった俺は、いずれ「奇跡の手」と
まで称されるようになる。が、それはまだ先の話だ。
222名無しさん@ピンキー:2009/08/20(木) 20:25:42 ID:4PywCCT+
 とある冬の事。俺はさるスポーツの協会から依頼され、一件のホテルに赴いた。
 用件は言うまでも無い。選手へのマッサージである。大事な試合を明後日に控えているが、最終
調整が上手く行かず、筋肉に疲れが残って張っている。どうにかマッサージで体を解して欲しいと
いう事だ。
「じゃあ、始めるからね。服を脱いでベッドにうつ伏せになってくれるかな」
「は……はい。その、お願いします」
 鹿嶋祥子さん。18歳の高校3年生で、フィギュア・スケートの若きホープである。顔立ちこそ地味で
大人しめだが、体を目一杯使う伸び伸びとした動きは評価が高い。ただ、子供っぽさが抜け切れて
おらず、頑張っているという印象はあっても優美さに欠けると言われているそうな。
 よし、その辺の艶っぽさも引き出してあげよう。
 本人及びコーチやトレーナーを交えたミーティングの後、彼女の部屋で2人きりになって服を脱が
せる。飾り気は無いが、清楚な白いブラジャーとパンツが目に麗しい。
「腕を広げて、ちょっと足も開こうか。そう、気を楽にして」
 事前に「先生の指示には全て従うように」とコーチの口から言わせているので従順な物だ。顔は
真っ赤だが、ちゃんと素直に足も開く。
「んっ、ん……」
 先ずは背中側に手を触れ、筋肉が云々疲労が云々と言いつつ若い素肌を撫で回す。一応専門家
なので、普段どういう練習をどれだけやっているかピタリと当てる。そうなると体のどこをどう触られ
ても祥子ちゃんは黙るしかない。
 大人しく可愛らしい童顔で一見すると華奢な体つきだが、流石に鍛えられているだけに弾力的で
柔軟性がある。太ももなど見かけによらずムッチリ感が素晴らしい。
「ん……くぅ。あ、あの……」
「足を上げたままにする機会が多いよね。付け根の部分が固くなってる」
「あ、はい。んっ、ん」
 下着の線ギリギリを指一本はみ出した辺りに手を置き、内腿を振動させたり撫で擦ったりする。
後2cmで下の唇という距離だ。祥子嬢も流石に戸惑う。だがやっている事はちゃんとマッサージで
ある。こんな所を酷使する方が問題なのだ。
223名無しさん@ピンキー:2009/08/20(木) 20:26:24 ID:4PywCCT+
 手に吸い付くような白く滑らかな肌の感触を楽しみつつ、パンツに覆われた性器を鑑賞する。それ
を脱がして一方的に触れるのは如何せん医者だけだ。そして自分から脱いで「触って下さい」と言わ
せるのがマッサージ師の腕の見せ所でもある。
 両足の付け根を丹念に揉み解すが、今の所、彼女の性器に変化は無い。だが、まあ焦る事は無
い。時間もあるし、これからが勝負だ。
「ん、あ……んむ。んっ、ふう……ふう」
 肩から足首まで、間接の周辺は優しく、そして筋肉はやや強めに撫で擦る。同時に背骨の脇にある
ツボを親指で指圧。体中で滞っていた血流を解放する。これに、自分が楽しむための愛撫を織り交ぜ
て、丁寧に体を解しつつ丹念に彼女を味わう。
「全身が熱くなって来たろう?」
「は……はい。先生、私……凄く、ポカポカしてきました」
「うん。血行が早くなって新陳代謝が活発になってるんだ」
「んッ! ふぅ、はぁ……は、はい」
 疲労回復の為の血行促進マッサージに隠れて性的な愛撫を施された祥子ちゃんは、大分息が上
がってきた。肌も上気して赤味が差し、しっとりと汗をかいてもいる。体中がジワジワとした感覚に覆
われてきた筈だ。その中に性感が潜んでいるとは気付かずに。
 頃合と見て、彼女の体を仰向けにさせる。
 子供っぽいと言われているが、中々どうして色っぽい顔も出来るじゃないか。俺は内心でニンマリと
笑みを零した。
 すっかり力の抜けた祥子嬢は、目をトロンと垂れ下げ、頬を赤く染めてボウッと俺を見上げている。実
に良い兆候だ。もう少し可愛がれば自然と甘い鳴き声を上げるだろう。
「じゃあ、前の方もマッサージするからね。もう少し腕を広げて」
「ん……ぁ、はい。ふぅ、ハァ――っ! ん、んんっ」
 横から細い胴体を挟むように両手を脇に当て、ゆっくりと上下させる。腕の付け根から脇の下を通
り、大胸筋の横から骨盤に至るまで。真面目な顔を装って撫で擦る。例によって腕の振り上げ方が
どうだの、腹筋が苦手だろうだのと口々に言いつつだ。
「うーん、ここん所の疲労度が高いな。トレーナーさんにも伝えておこう」
「はっ、ハァっ……ん。んっ」
224名無しさん@ピンキー:2009/08/20(木) 20:27:19 ID:4PywCCT+
 かなり盛り上がってきた祥子ちゃんを前に、メモを書き付けて見せる。振りだけでなく、ちゃんと仕事
も兼ねてだ。理想の動きを想像して鍛える場所とトレーニング法を決めるのがトレーナーなら、筋肉の
疲労度を見て必要な鍛錬ポイントを見つけるのがスポーツマッサージ師である。これがピタリと的を
射るから、俺は選手本人だけでなく関係者一同からも信頼されるようになったのだ。全ては不自然なく
女体に触れるための前振りであるにしても。
「良し。じゃあ、ちょっと体を起してくれるかな」
「あ……ん、んしょ。んんッ、ハア……ふぅ」
「うんうん。後ろに座るからね、君は力を抜いて。そう、持たれかかっていいから」
「はぁ、はァ……ん。はい、先生……んっ、ふぅ」
 ベッドに登り、彼女の背後で膝立ちになる。そして祥子嬢の体格に合わせて腰を下げ、最終的に
爪先を立てた正座になった。その体勢で彼女の腰に手を回す。
 傍目から見れば後ろから抱き締めている感じだ。
「腕を上げて、そして大きく息を吸う」
「はい。こう……ですか?」
 スゥーと俺の言う通りに肺一杯に空気を溜めた祥子ちゃん。かれこれ30分以上も撫で擦られ続けた
だけに、ちょっとやそっとでは驚かなくなっていた。何の疑いも持たずに力を抜いて、こちらに身を預け
てもいる。
「ん――っ!? んっ、あぅ。んっ」
「そのまま。もう一度息を吸って。うん、分かるかい? 大胸筋が疲れているのが」
「あ、んっ。は、はい……。何か、張ってる感じ……です」
 ただ、やはりそっと胸を持ち上げられると驚いたようだ。ビクリと震える。が、そこはそれ、何故なのか
をちゃんと説明すると黙って受け入れた。
 胸ではなく、乳房の下にある大胸筋を解す――のを、ついでとして、俺としてはやっぱり乳房目当て
で触っているのだが。
「目一杯、背中を反らしてー。そうそう、良し、力抜いてー」
「はい……ん。んんッ、んぁ。は……ふぅ」
「今度は肩を後ろに反らしてー。うん、良し、力抜くー」
「はぅ――っ! ん、んぁ。あッ、あ……」
 手の平にすっぽり収まる小振りな胸を下からムニュッと持ち上げつつ、彼女に身動きを要求。自分から
体を動かさせるのがポイントだ。背中を反らせれば、戻った反動で俺の手の平に乳房全体が収まり、肩を
反らせれば戻った反動でやはり胸が俺の手の中に飛び込む。
 祥子嬢にしてみれば、自分から男の手に胸を擦り付けているという格好である。大胸筋マッサージの為
に俺の手はグイッと押し付けてあるので、もう思いっきり胸を揉んでいるのと変わりないのだ。
225名無しさん@ピンキー:2009/08/20(木) 20:28:13 ID:4PywCCT+
 そして既に固くなり始めていた乳房の先端が、何回かこれを繰り返す内にピンと尖ってきた。カップ
無しの柔らかいブラジャーだからそれが良く分かる。乳輪も僅かに膨らみ、手の平を擦る感触が明ら
かに変わっていた。
「はぁ……ハァ。んっ、んはぁ……あンっ」
「うん? ちょっと疲れたかな?」
「あ、その……大丈夫、です。続けて――下さい」
「分かった。苦しかったら言ってね。じゃあ、背中反らすー」
「んんんっ、んふぅ。はあ……んあ、あッ!」
 完璧に思惑通りであった。祥子ちゃんは形だけでなく、自分から胸を俺の手に当てて来るようになっ
たのだ。脳ミソに行き渡る酸素が減って思考力が低くなっているのだろう。目を潤ませてこちらの手の
平に乳首を擦り付けている。吐息も一段と熱くなり、呻き声も鼻に掛かるようになった。チラリと下を見
れば、両太ももをモジモジと微妙に擦り合わせている。
 もう一押しだ。もう少し優しく刺激すれば、彼女は俺の手の虜になってくれるだろう。そう判断し、俺は
手の角度を僅かに変え、少しだけ指を開く。彼女が動く度に、その乳首がこちらの指に挟まれるように
だ。そして固くなったポッチが指の股を掠める瞬間、ホンのちょっぴり指を閉じる。
「んあぁ……あっ! んああッ。ん、ふぅ……あ、やぁ。先生、私……んっ」
「どうした?」
「胸が……体が、その……ジンジンして。んっ、んむ。あンっ。こ、こんな気分になるなんて、んふぅ。あ、
あん……おかしいですか?」
「いいや、そんな事無いよ。体の活性化に伴って性的衝動が沸くのは自然な事なんだ。お腹がすけば、
ご飯が食べたくなるだろう? 生きた人間なら当たり前の欲求なんだよ」
 そんなマッサージの教科書のどこにも書いてない無茶理論で諭しつつ、宥めるように優しく腰を抱き、
頭をポンポンと撫でる。今の今まで信頼しきって体を委ねてきた相手だけに、祥子ちゃんは何の疑いも
持たずにうっとりと目を細めた。
 プロの技術で全身を解きほぐされ、愛撫され捲くった後である。男に免疫なさそうな女の子が性の衝動
までもやんわりと肯定されてしまっては、我を忘れて悦んでしまっても仕方がなかった。
226名無しさん@ピンキー:2009/08/20(木) 20:29:08 ID:4PywCCT+
「んっ、んふぅ。先生、先生……その。お願い、私……んっ、このままじゃ」
「僕で良いのかい?」
「だ、だって。んぁ……私、先生に。んっ、んーっ! あ、あ……っ」
 俺の腕を抱え、スンスンと鼻を鳴らす彼女の姿に内心で快哉を上げる。最後の仕上げだ。トロットロ
にしてしまおう。
「分かった。じゃあ、コレもとって良いかい?」
「は……はいっ。あんッ、ん……はぁ。あ、ぁ」
 優しげに頷いて見せ、キュと抱き締めてから白いブラジャーの肩紐に手を掛ける。そして向こうが頷い
たのを確認し、おもむろに俺はブラジャーの肩紐をずらした。祥子ちゃんは恥ずかしさの余り顔を横に
向けているが、一切の抵抗はない。ウズウズ感が体内に堪ってしまい、どうしようない様子だ。しきりに
体を震わせ、荒い息を吐いている。
 背中のホックをプチと外し、ゆっくりと白い下着を彼女の腕から抜く。我ながら感動の瞬間だ。
 慎ましくも形の良い、小振りな胸が姿を現す。乳輪は充血して尚も桜色。自己主張する乳首も可愛ら
しい。見た目にも柔らかそうな膨らみは、しっとりと汗ばんで艶やかだ。
 思わず「ほぅ」と溜息が漏れる。それを耳にした祥子ちゃんは今になって緊張を始めたのか、顔を伏せ
て胸を隠してしまった。だが頬とお腹に手を当てて優しく撫でれば、やがて「くぅん」と鼻を鳴らして力を抜く。
 うむ。実に組し易い子だ。
「あ、あっ! ん、胸……気持ち、良い。んっ、んああぁ」
 そして今度こそ普通に乳房を愛撫。生乳の感触を楽しみ、彼女にストレートな快感を与えていく。力を
込め過ぎず、だがちゃんと揉まれる事の良さが伝わるように。角度を変え、強弱をつけてネットリと。合間
合間にプクっと膨れた乳首も撫で擦り、先端の突起を指の腹で摘み上げ、押し潰す。
「はッ! あ、あぁ、やぁ……こんな、胸、気持ち良いの、知らなかった」
 半開きになった彼女の口から悦びの悶え声が漏れる。だらしなく歪んだ顔が歓喜とも淫らともとれる
表情を作っていた。気持ち良さの余り朦朧としてきたのか、目の焦点が半ばズレているようだ。そこまで
喜んで貰えるとは、こちらとしても男冥利に尽きる。
227名無しさん@ピンキー:2009/08/20(木) 20:29:56 ID:4PywCCT+
「あああ、あン! せ……先生。んっ、そっちは……ん、ああッ!」
「足、開いてくれるかな? 怖くしないから、ね?」
「んっ、んんっ! だ、ダメぇ。んんあッ、か、感じすぎて……私、わたし」
 そろそろコッチも責めてみようかと、俺は腕を伸ばして祥子嬢の股間に触れる。白い下着は既に
しっとりと水気を纏っていた。軽く擦れば徐々に蜜が溢れだし、やがて布地がヌルヌルとした粘性の
液体に濡れて性器に張り付くようになった。
 そんな自分の変化に彼女は弱々しく足を閉じるが、快感を求める本音には逆らえず、俺の言う通り
に股を開く。
「んーっ、あ、あッ! やぁ、体の奥が、震えて……止まらな、んぁ、あッ」
 焦らずゆっくり、ジワジワと割れ目をなぞり、確実に祥子嬢から快感を引き出す。陰唇の薄さを確か
めながら、僅かな痛みも感じさせず、ただ快感だけを与えるのだ。何しろマッサージ師である。人体の
手探りはお家芸だ。
「ひぅ……ふぁ、あッ! せ、先生……先生っ。んっ、私……んんッ」
 下着越しの緩やかな愛撫が余りにももどかしかったのか、目に涙を溜めた彼女は、震える手を必死
に伸ばして自分からパンツを下げた。そしてポロポロ泣きながら俺の腕を取り、露出した股間に押し当てた。
「お、お願い……せんせ、い。んっ、もっと……もっと、してっ。ああンっ」
 いや中々に根っこの部分は積極的だ。フィギュアスケートという舞台で観衆の前に立つだけはある。
大人しくて素直なだけの子ではないのだろう。
「あああンっ! あ、ああ……私、こんなの――んッ! あ、気持ち、良くて。んッ」
 リクエストに応じて直に性器を撫でる。僅かに開いた大陰唇に指先を埋め、割れ目の内部を上から
下、そして下から上へと。膣口、尿道口、クリトリスを順に刺激された祥子ちゃんは、ワナワナと腰を
揺すって悶え喘いだ。完全にのめり込んでいるようで、甘い叫び声を抑えようともしない。
 声がドアの外に漏れてたりしないだろうなぁと、少しばかり冷や汗物だが、まあ大丈夫だろう。言葉に
ならない叫びならマッサージの一貫だと思ってくれるだろう。
「んはぁっ! あ、あッ。や、やぁぁ……先生の指が、あ、あッ! 入って……」
 頃合を見てツプと中指を膣口に挿入。だが第一間接の先だけだ。傷など残さないよう注意を払って
クチュクチュと掻き回す。体の中に異物が侵入するのは僅かであっても恐怖感があるのだが、ここまで
乱れていれば快感が上回る。彼女も顔を歪めてパクパクと口を開閉したが怯えの色はない。
228名無しさん@ピンキー:2009/08/20(木) 20:30:43 ID:4PywCCT+
「先生……ん、あぁっ! せ、先生、私――んあぁ。気持ち、良いの」
「そうか。うん、良し良し」
 タラタラと股間から愛液を漏らし、全身を細かく震わせて祥子ちゃんが俺を見上げる。体の中が
快感で飽和状態になっているようで、異様なまでに幸福そうな顔だ。深く悶えながら背中をこちらの
胸に擦り付け、ハフハフと浅い呼吸を繰り返す。
 正に夢見心地といった所か。初見の女の子をここまで連れて来れるようになった自分を褒めたい。
「んっ、あ、ああ……んっ! 先生、何だか……あっ、私、んんっ」
「大丈夫。怖くないからね。全部、受け入れて大丈夫だから」
「ん……っ。う、うん、あぁ。あッ! ひッ、く、来る……の。す、凄いの」
 ただ夢のような時間には必ず終わりもあるもので、一時は体中に広がって妙に安定した快感が、
再び渦を巻いて膨れ上がったようだ。初めて体験する怪物のような快感に、彼女は喘ぎながらも身を
竦ませた。それを我ながら胡散臭いほどの猫撫で声で宥め、片手で腰を抱いて安心感を与える。
 だが、そろそろトドメを差してあげるとしよう。快感も過ぎればトラウマになりかねない。
「ん、あああっ! 気持ち、いっ! い、いぃ……あ、あッ。んんっ」
 俺は抱いた腰をキュッと引き寄せ、片手で祥子嬢の股間に最後の刺激を送った。中指の先端を
膣口に出し入れし、親指で僅かに顔を覗かせているクリトリスを擦る。胎内に生まれた大きな快感
が急激に暴れ出したようで、彼女は目を剥いて仰け反った。だが恐怖や嫌悪を感じる暇はなかったろう。
「んあああッ! 先生ッ、せ、先生っ! あ、あぁんッ。んあぁッ!」
 中指を入れた膣が急に狭くなり、祥子ちゃんが一際高い悲鳴を上げた。細い腰に巻きついた俺の
腕を両手で掴んで背中を弓なりにし、全身をブルブルと痙攣させる。かと思えば前傾してくの字に
なり、そしてまた仰け反る。
 倒れる時はやや苦しげだが、仰け反る時はパァッと花が開くような幸福感に満ちた顔だ。実に良い
果てっぷりである。
「んふ……んっ。はぁーっ。ふぅ……んっ。先生、せんせぃ」
「うん。どうかな、気持ち良くなれたかい?」
 彼女は一通り強烈な快感が過ぎた後も、間を置いて何度か細かい痙攣を繰り返した。真っ当な
全身マッサージに続いての事だから息も絶え絶えだ。グッタリと俺に寄りかかり、だが優しく抱き締
めれば心底気持ち良さそうにゴロゴロと喉を鳴らす。
229名無しさん@ピンキー:2009/08/20(木) 20:31:37 ID:4PywCCT+
 出来ればこのままお持ち帰りしたい所だ。だが、そうもいかないのが辛い所である。もう少しイチャ
イチャするだけで我慢しよう。俺の立場ではそれが限界なのだから。
 暫くの後、自分を取り戻した祥子嬢が真っ赤になって俺から離れ、替えの下着を身につける。だが
パンツを穿き、ブラジャーを身に着けた所でフラフラーッと倒れた。予想していた事なので軽く受け止
め、抱き上げてベッドに寝かせる。
「あ、そ、その。有難う御座います」
「うん。それより、さっきので筋肉使ったからね。軽く解しておくよ」
「え……あっ。そ、その。は……い」
 自分がさっきまでどんなだったかを思いだした彼女は、一声唸って羞恥に悶えたが、それでも素直に
体を広げて力を抜く。全くやり易い子である。
「今日は夜まで体がグッタリしている筈だから、もう運動はしないように」
「はい。ん……んっ」
「夕食は軽く。でもデザートに果物をたっぷり取る事。果汁100パーセントのジュースもいいね」
「ひゃくぱーせんとの、んっ。ジュース。あ、んっ! はい」
「明日の朝もちょっとダルいかもしれないけど、午後にはスッキリするから安心して」
「は……い。はぁっ、ふぅ――んっ」
「よし、これで終わりだ。お疲れ様。今日明日、体を冷やさないようにね」
「はい。ふぅ……はぁ、有難う、御座いました」
 軽く全身をマッサージし、愛撫で凝ってしまった筋肉を弛緩させる。手渡したジャージを着るが、上着
の前を閉めた時点で祥子ちゃんはグッタリと横になってしまった。まあ、マッサージ、エッチ、マッサージ
のトリプルコンボだ。如何に鍛えてあるスポーツ選手でも、暫くは起き上がれまい。
「せ……せんせ、い。あ、あの……また、マッサージを」
 ベッドの上掛けを剥ぎ、そこに転がしてシーツを被せる。彼女は名残惜しそうに俺の袖を掴んでいた
が、やがて睡魔に負けて安らかな寝息を立てた。
 パーフェクトに任務完了だ。満足気に頷いて自分の健闘を称える。後は帰って抜くだけだ。
 ベッドサイトのメモ帳に『応援しています。頑張って!』と書き残し、俺は彼女の部屋を後にする。ドア
の前に怒りで茹蛸になったコーチやトレーナーがいなくてホッとした。どうやら祥子ちゃんの鳴き声を聞
いた者はいなかったようだ。
230名無しさん@ピンキー:2009/08/20(木) 20:32:32 ID:4PywCCT+
「あ、マッサージの先生。随分、時間を掛けて下さったようで、スイマセン」
「いえいえ、とんでもないです。仕事ですから」
「どうです? 明後日の試合に間に合うでしょうか?」
「ええ。若いですし、実に良く鍛えられてますから。明日の午後には回復するでしょう。試合には最高
のコンディションで望めると思います」
「おお! 流石ですな。いやぁ、来て下さって有難う御座います」
 ホテルのロビーでお茶を飲んでいたコーチとトレーナーに挨拶し、警戒する事も無かったかと苦笑す
る。それに呼んでくれて嬉しかったのはこちらも同じだ。彼女のマッサージには是非また呼んで欲しい
物である。
 一応は真面目に書き付けたメモを「今後のトレーニングの参考に」と渡し、一仕事終えた男の顔で、
颯爽とホテルを出る。
 同期の連中も今頃は女の子をしっぽり濡らせているのかね、とか考えながら。
 一日おいて翌々日。
 午後の診療を終えてテレビをつけると、一昨日たっぷり可愛がった鹿嶋の祥子ちゃんがドアップで
画面に映って驚いた。しかも泣いている。ガン泣きだ。が、嬉し涙のようで胸には金のメダルが輝いていた。
 アナウンサーによれば『一皮剥けて、演技に艶が出た』とか何とかだそうな。そしてリプレイが画面に
映し出された時、俺は思わず頭を掻いた。銀板に綺麗な弧を描く彼女の表情が、イった後のうっとり顔
そのままだったからだ。
 艶っぽさを引き出そうとは思っていたが、ちょっと引き出し過ぎたかもしれない。
 女性アナウンサーにインタビューを受けた祥子嬢は、涙で顔をくしゃくしゃにしながらもこう答えた。
『マ……マッサージの先生に優しくして貰ったお陰ですっ!』
 さて。
 暫く身を隠す準備でもしようかね。



 了


 −*−*−*−

 マッサージでグッタリした女の子って良いですなあ。
 華奢で柔らかいのにムッチリ感もあるスポーツ選手だと尚いいなあ。
 という願望をストレートに書いたんですが、ムッチリ感がイマイチ出せなかったのが残念です。
 あー、ムッチリ肉触りてぇ。
231名無しさん@ピンキー:2009/08/20(木) 21:21:46 ID:ZZsyhfGX
ふぅ…

あ、投下乙
(いや、ネタレス使っちゃうほどGJだった!!!!w)
232名無しさん@ピンキー:2009/08/20(木) 21:56:11 ID:xZs6K6tH
GJ!
俺ちょっとマッサージ師の資格取りに行ってくるわ
233名無しさん@ピンキー:2009/08/20(木) 23:19:33 ID:l4UfIM2S
GJ!
234名無しさん@ピンキー:2009/08/21(金) 05:27:59 ID:gyVohQMo
これはえろい
GJ!
235名無しさん@ピンキー:2009/08/22(土) 19:37:34 ID:35gC1DBz
GJ!
ちょっと知り合いのマッサージ師殴ってくるわ。
236名無しさん@ピンキー:2009/08/23(日) 10:21:38 ID:lv1lGe3/
>>235
八つ当たりするなw
237名無しさん@ピンキー:2009/08/25(火) 02:35:45 ID:EbZUqgb6
そして数日後。
そこにはマッサージ師にメロメロにされた>>235の姿が…!
238名無しさん@ピンキー:2009/08/25(火) 02:40:37 ID:eGF43ERJ
しつこい
239名無しさん@ピンキー:2009/08/25(火) 03:40:26 ID:SMzQf9hy
これはGJ
ごちでした
240名無しさん@ピンキー:2009/08/26(水) 20:35:56 ID:KS4BVIT4
こんな所もあるんだね
241名無しさん@ピンキー:2009/09/03(木) 10:53:36 ID:HflAkNsd
どんなSSでも受け入れてくれるのですか?
242名無しさん@ピンキー:2009/09/03(木) 11:59:06 ID:4YcbWYp+
おういえ
そういうスレです
243名無しさん@ピンキー:2009/09/03(木) 18:04:46 ID:HflAkNsd
分かった
どうもありがとう
244名無しさん@ピンキー:2009/09/06(日) 12:15:36 ID:iKNz0xTv
圧縮近そうだから保守
245名無しさん@ピンキー:2009/09/10(木) 00:26:09 ID:ohr2FE1T
保守
246名無しさん@ピンキー:2009/09/13(日) 01:55:10 ID:DNdE4wTm
どこに投下しようか
迷うことって結構あるよね
247名無しさん@ピンキー:2009/09/15(火) 23:56:59 ID:B0JV3tmA
似たようなスレが結構あるしね
248名無しさん@ピンキー:2009/09/17(木) 16:24:54 ID:o1ne2fPf
ホッシュ
249名無しさん@ピンキー:2009/09/18(金) 00:32:55 ID:HBCOWcvI
>>246
作品によっては該当スレがあっても
和姦やラブラブじゃないと許さん! な〜んて空気のところもあるからね。
鬼畜もの陵辱ものを投下するのには結構気を遣うわ・・・
250名無しさん@ピンキー:2009/09/18(金) 00:42:32 ID:Qw0KCLkF
>>249

[レイプ]鬼畜陵辱[スカトロ]第12章
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1237766223/

猟奇・鬼畜・グロ・嗜虐・リョナ系総合スレ 第8章
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1233395041/
251名無しさん@ピンキー:2009/09/20(日) 21:20:10 ID:JeE/27Lq
「どう考えてもこれは鬼畜「プレイ」。同意の上」な作品なのに
「鬼畜注意」でスレに落としたことあるわ
252名無しさん@ピンキー:2009/09/22(火) 00:21:17 ID:4Ixi/Do9
投下し辛い〜
253名無しさん@ピンキー:2009/09/22(火) 00:39:02 ID:5e0TY8Y8
>>251
あるあるwwwwwwwwww
254名無しさん@ピンキー:2009/09/24(木) 22:09:18 ID:VhY1t0V2
>>251
鬼畜的行為注意なら嘘にはならないな
255名無しさん@ピンキー:2009/09/29(火) 05:52:46 ID:kpiEPelQ
保守
256『Original Sin 再会』 ◆q5zSSkwO.2 :2009/09/30(水) 00:21:55 ID:F8ybzBxB
元々女性向けを意図して書いてあるため、甘く痛い感じです。
257『Original Sin 再会』 ◆q5zSSkwO.2 :2009/09/30(水) 00:22:23 ID:F8ybzBxB
 私の幼馴染み──恭助は、悪の組織と戦っていた。
 そもそも、恭助はそんな『世界平和のために』とかで身体を張るようなタイプじゃない。
 幼稚園時代はいじめられっ子、小学校ではおとなしい真面目な子だったし、中高は全寮制
の私立に行ってしまってその後は音信不通だったけど、それでも私の知る恭助はヒーローの
ような凄い人間ではないと断言できる。
 これは哀しい宿命だったのだと今は言える。



 休日の午後、街のショッピングモールへ買い物に来ていた私は、最近話題になっている異
形の怪人たちによって、強引にアジトに連れ去られた。
 意識を取り戻した所はどこか知らない大きな建物の中で、私は鉄格子の嵌められた部屋の
中で転がっていた。
 同様にして捉えられたと思われる老若男女バラバラな20人ぐらいと一緒だった。
 暫くすると働き蟻を思わせるマスクに顔を隠した、無機質で冷たいメタリックブラックの
ツナギに身を包んだ者たちが鉄格子を開け、私達は強引に引き立てられていった。
 連れていかれたところは、怪しげな胸像が飾られた陰湿な広間だった。
 中央に据えられた教壇がナチスを連想させて陰惨な印象を与える。
 ザッと足を揃える音が広間に響いたと思うと、教壇に向かって働き蟻が敬礼した。
 教壇の向こうから異形の怪人が、マントを翻して現れた。
 働き蟻は奇妙な掛け声と共に手を上げ、怪人は大様に頷き、それに応える。
 怪人は大袈裟な芝居がかった身振りで、押し付けがましい傲慢な口調をもって話し始めた。
 私達は、これから怪人たちの仲間になるため薬を飲まされ、強化手術を受けさせられると
言う。彼等に選ばれた栄誉を光栄に思えと怪人は笑った。
 真っ平だった。
 あまりの理不尽に驚き、震え、泣き出す人もいた。
 働き蟻は小さな子供も、弱々しいお年寄りも、容赦なく構えたライフル銃で脅しつけ、よ
ろける人々を無言で見つめた。
 冷たい恐怖と絶望感に胸が塞がれる。
 無力な自分に血が滲むほど唇を噛み締めていた時、彼等はやってきた。
 世界政府公認組織と噂のある、WATTM日本支部の面々だ。
 黒いパワードスーツに身を包んだ彼らは、統制された動きの元に敵を鎮圧、私達市民を救
出した。
 彼らの軍用車に乗せられ脱出した直後に起こった大爆発と炎上を目にして、私達は口々に
無事を喜んだ。
 噂にはなっているものの、実際の奴等も、そして救出してくれた彼等も何だか現実感がな
く、何故そのようなものに自分のような人間が巻き込まれてしまったのだろうと、今更なが
らに震えが襲った。
 悪の組織は《ギルティ》と呼ばれていた。
 何故異形の怪人や働き蟻に身をやつし市民を襲うのか、何が目的なのか分かっていない。
 そもそも、情報統制されたこの世の中では、本当に大切なことは報道されない。
 だから真実はいつもネットの中にあった。
 ネットの噂は玉石混淆で真偽入り乱れていたけど、真実は公にはならないので、私達はい
つもネットの中に情報を探していた。
 《ギルティ》もWATTMもネットで知った。
 最初はどうせ与太話だろうと誰もが思っていたが、そのうちブログに目撃情報がアップさ
れたり、WATTMの人たちを遠くから撮影した画像が出回るようになってから俄然ヒート
アップし、今ネット上では一番ホットな話題になっている。
 その中でも一番の話題はWATTMのリーダーのことだ。
 いつもヘルメットに隠されていて素顔は分からないが、助けられたと言う人の書き込みに
よると、動きが素早く破壊力が尋常ではない、武器も無しにあの怪人と単独で戦い勝利し
た、低い声が痺れる、などと言うミーハーなものまであった。
 隊長想像図等もアップされており、絵師たちが腕を競っていたりする。
 軍用車を先導するようにバイクで走る人影──これが『隊長』だろう。
258『Original Sin 再会』 ◆q5zSSkwO.2 :2009/09/30(水) 00:22:45 ID:F8ybzBxB
 私達のいる後部荷台と運転席とを遮る防弾仕様とおぼしきガラス、運転席、フロントガラ
スと何重にも隔てられているからよく見えないが、怪人たちを倒す際に見せた動きは目にも
止まらないスピードで、あっという間に醜悪な異形の怪物が倒れていたことからして間違い
ないと思う。
 人々は興奮冷め遣らぬと言った様子で、互いに助けられた幸運について話している。
 私も隣に座った人の良さそうなおばさんから話し掛けられたが、そんな気分ではなかった
ので生返事だけして前方を見詰めていた。
 WATTMも《ギルティ》も現実だった。
 その事実が妙に身にのし掛かっていた。



 軍用車は船着き場に到着した。私達はこれからWATTMの船に乗せられ、横須賀の港まで
運んでもらえると言う。
 『隊長』の説明を聞きながら、私はその低音を心地好いと思っていた。
 正直、好きな声だ。
 戦闘用フルフェイスのヘルメットにぴったりしたレザースーツを着た黒づくめの隊長は、
確かに顔は一切見えない。
 どんな人なんだろう? 興味が沸く。
 声フェチの性だ。
 順番に船に乗り込む一番後ろに陣取り、人々に手を貸す『隊長』を見つめる。
 彼の動きはとても滑らかで細やかな配慮が行き届いており、小さな子供やお年寄りへの当
て付けがましくない優しさには、その人柄が滲み出ていた。
 最後に私の番になって手を握って貰った時、小声で「本当にありがとうございます」と感
謝の意を伝えた。
 その瞬間、彼の呟きに耳を疑った。
「──深雪?」
 船の中から手を伸ばした隊員に引き渡されながら私は振り返った。
 私の下の名前を呼び捨てにする知り合いは一人しかいない。
「恭助?」
 これが私達の再会。



 港に着いた私達は『隊長』から安全上の理由での他言無用の旨を言い含められ、解散に
なった。
 撤収作業を行う隊員の横で帰路に着く人々を見送っていた『隊長』──多分恭助──の
傍に行った。
「あなた、恭助、なの?」
「いえ──」
 『隊長』──恭助は言い澱んだ。
 その瞬間、確信に変わる。その不器用さは恭助しか有り得ない。
「人違いだと思います。どうか速やかなお引き取りを」
「恭助でしょ?」
 事務的な口調の彼を無視して私は続けた。
「私──深雪だよ。恭助、覚えていてくれたんだね」
「いえ──人ち──」
 私は背伸びして、無理矢理彼のヘルメットを取った。
 私を見返す顔は、私の知る恭助の面影を残しているものの、成熟した大人の男性のもの
だった。
 私の記憶にある恭助とは違い、顎がしっかりとしていて、口が大きい。あの少女と間違われた繊細な容貌ではなく、端正な中にも甘さの残る、非常に男性らしい顔立ちだ。
 しかし、彼だと断言できるものがあった。鼻の頭の傷痕だ。昔、癇癪を起こした私が彼を
引っ掻いて残った傷──。
259『Original Sin 再会』 ◆q5zSSkwO.2 :2009/09/30(水) 00:23:04 ID:F8ybzBxB
 瞬間、私は彼の胸に飛び込んでいた。
「恭助!」
 頼りないけど優しくて、泣きたくなるほど優しい少年は私の初恋の人だった。



 
¬
とても困った顔をした恭助は、割れ物に触るような手つきでそっと私を引き剥がした。
「送っていくからちょっと待って」と私だけに聞こえるように囁くと、隊員たちに私には分
からない暗号で指示を出した。
 船から降ろした軍用車にまた乗って、隊員たちは去っていく。
 私は恭助を見つめた。
「久しぶり、だね」
 12の春に別れて以来だから、16年ぶり?
 私の言葉に答えず、恭助は再びヘルメットを被り、バイクのシートから出したもうひとつ
のヘルメットを私に差し出しした。バイクに跨がり後ろを指す。
 タンデムどころかバイクに触るのも初めての私は、恐る恐る彼の指示に従い後ろに腰を下
ろした。
「しっかり捕まっていて」
 彼の言葉に従いそっと腰に手を回し、私はヘルメットをその背に凭れさせた。
「行くよ」

 行き先を確かめるため二言三言言葉を交わした後、恭助は無言でバイクを進めた。
 強い風とバイクのエンジン音に包まれながらも、どこか暖かいものを感じていた。
 この暖かい空気感は昔も今も変わらない。
 恭助には訊きたい事が一杯あった。
 何故、WATTMになんているの?
 今までどうしていたの?
 ──私のこと、どうして覚えていたの?

 でも、訊いてしまうのが少し怖い。
 私の知る恭助とはWATTMのような組織と全く相容れないタイプのはずなのに、何故今この
ようなことになっているのか。
 真実が恐ろしかった。
 信号待ちをしながら、ぽつりと呟くように恭助が言った。
「引っ越したんだね」
「うん、今マンションにいる」
「──結婚、したの?」
「ううん、独身。恭助は?」
 答える前に信号が変わった。
 またエンジン音が煩くなり、会話は続けられなくなった。
 恭助の広い背中にすがり付きながら、年月がもたらした彼の成長に驚いていた。
 昔はとにかく小柄だった。クラスの一番前。色白で目の大きい、可愛いと言う形容詞が
ぴったりの少年。
 勝ち気で強引な私はいつも恭助を仕切って、良いことも悪いこともした。
 叱られる時に正直に私のせいだと言えばいいのに、そういうことは一切無かった。
 毎回イタズラをする私に引きずり回された、単なるとばっちりなのに、一緒に怒られてく
れた。
 でも人を傷つけるようなことには断固と反対して、絶対に首を縦に振らない強さを持って
いた。弱虫なのに、私をからかう他の男子には勇敢に戦いに行った。(案の定ボロボロになっ
ていたけど)
 私たちは、朝から晩までいつも一緒だった。それが当たり前だった。
 そんな私達だったが、中学受験すると言う彼は塾に通うようになり、遊べなくなった。
260『Original Sin 再会』 ◆q5zSSkwO.2 :2009/09/30(水) 00:23:32 ID:F8ybzBxB
 そして、彼は地方の全寮制中高一貫校へ行ってしまった。
 そんな世界があるとも知らなかった私は、突然の別れに泣きじゃくった。
 私はいつも恭助を守り、恭助に頼られているつもりだった。でも実際は違った。
 私には恭助が必要であり、恭助に守られ、恭助を頼っていたのだ。
 その恭助がいなくなり、独りきりになった私は何も出来ずただただ泣きじゃくるしかな
かった。
 ようやく自覚した幼く真剣な恋を伝える術が無いことが悲しかった。

 現在の恭助は180近い長身に、ツナギの上からも分かる、肩幅の広いしっかりとした均整
の取れた身体をしている。
 『隊長』として見せた驚異の身体能力を持ち、私好みの低音ヴォイス。
 長めの黒い髪と、整った顔立ちの奥の、少し哀しげな瞳が印象に残る。

 ネットに出回っていた想像図はどれも精悍な猛々しい顔立ちだったが、実物はあまりにも
違っていた。
 こんな哀しげな澄んだ瞳の持ち主があんな怪人たちと戦っているのか──そう思うと、胸
の奥がちりりと痛んだ。



 自宅マンションの前にバイクを止めた恭助は、私を下ろした後バイクに跨がったままヘル
メットを外した。
「元気そうで良かった」
 頬を歪めて笑みを作った。
 ああ、こんな表情は昔と変わらないなと思う。胸が締め付けられる。──熱い。
「判っていると思うけど、俺のことは──」
「誰にも言わない」
「ありがとう」
「ねえ、何でWATTMになんているの?」
「どうして、その名を?」
「知らないの? 今、ネットで話題だよ。あと、私は個人的に仕事の関係で耳にしたことも
ある。口コミで広がりつつあるよ」
「知らなかった──」
「詳しい話、訊きたい?」
 このまま別れたくなかった私は、恭助を誘った。
「久しぶりに会ったんだし、お礼もしたい。コーヒーでもご馳走するから部屋に上がって
よ」
 暫く逡巡を見せたが、恭助は意を決したか私の誘いに素直に頷いた。

 この部屋に男性を上げたのは恭助が初めてだ。
 ブラウン系を中心としたシンプルなインテリア。あまり女らしくない殺風景な部屋を恭助
はどう思うだろう? 少し気恥ずかしい。
「その辺に適当に座って」
 ソファーを勧めて、私はキッチンに立った。
 お湯を沸かし、ドリップをセット。買い置きのお菓子、何かあったっけ?
 この部屋にあの恭助がいる。
 その事実に私は妙に浮き足だち、なんだか落ち着かない。
 恭助ってどんなものが好きだったっけ?
 それより、ご飯でも作る? でも強引すぎて引かれないかな。
「甘いもの、大丈夫?」
「気にしないで。何か手伝うことある?」
 振り返って声を掛けた私は、すぐ傍で声がしたのでどきっとした。
 手持ちぶさたな恭助が、キッチンの入口に顔を覗かせていた。
 レザースーツを半分脱いで、Tシャツ一枚になっている。
261『Original Sin 再会』 ◆q5zSSkwO.2 :2009/09/30(水) 00:23:52 ID:F8ybzBxB
「あの──良かったら、何か食べていく? もう夕方だし」
 私はそっと顔を見上げながら言った。
「いや、そんなに長くお邪魔する気はないし──」
「独りで食べても美味しくないんだ。遠慮しないで」
「でも──」
 また、少し困ったような表情を見せる。
 迷惑だったかな?
「ごめん、迷惑だよね。忙しいだろうし。それに彼女とか──奥さんとかに、誤解される
ね」
 ついつい、言わなくてもいいことを。
 何言ってるんだ、自分?
「彼女はいないよ──結婚もしていない…できない」
「え──?」
 思わず恭助の顔を覗き込んだ私に、明らかに喋りすぎたと恭助は動揺した。
「──深雪、お湯沸いてる!」

 恭助の声に慌てた私はコンロの方に振り返って──やかんにぶつかって落としてしまっ
た。
「きゃっ!」
 柄にもなく女の子らしい悲鳴を上げた私は、恭助に抱きすくめられていた。
 床に落ちたやかんの蓋が、カタカタと不安定に揺れている。
「あ──ありがとう」
「大丈夫? 怪我は?」
「平気」
 あの時、やかんが落ち、熱湯が飛び散るのがスローモーションで見えた。
 あのままなら私は大火傷を負っていた筈だ。
 なのに、一瞬のうちに引き離されて助かった。
 WATTM『隊長』の不思議な力──
「指、赤くなってる」
「え?」
 恭助は優しく私の手を掴み、水道の蛇口に寄せた。
 流水に晒され、どんどん手は冷えていく。なのに、頬は妙に熱い。
 恭助の日向を思わせる体臭を感じ、それを好ましく感じる自分に気付く。
 恭助の手の大きさに驚く。昔はあんなに小さかったのに。
「──もう、大丈夫だよ」
「いや、熱傷は甘く見ない方がいい。I度だから問題ないと思うけど、もう少し」
有無を言わせない恭助の言葉に、耳まで赤くなりながら私は頷いた。
 真剣な表情の恭助を覗き見て、私は心臓の音が聞こえてしまうんじゃないかと思った。
 時間にしたら、ほんの2、3分。でも私には一時間にも感じた長い時を経て、恭助はよう
やく私の手を離した。
「あとは軟膏でも塗っておこう」
「平気だって。それより床拭くよ。ごめん、コーヒー淹れ直す」
 私はドタバタと雑巾を準備した。
 外では5時を告げるチャイム。やっぱり、ご飯を食べて貰いたいな。
 素早く冷蔵庫のストックを頭に浮かべ、メニューを検討する。

 結局半ば強引に私に言い含められて一緒に食卓を囲んだ私達は、食後にコーヒーを飲みな
がら例のブログや掲示板の書き込みを見ていた。
「今日のことも書き込まれてる」
 私の言葉に恭助も身を乗り出した。
「参ったな──」
 明らかに困惑顔。
「一般市民だから情報統制には限度がある。だが、これでは彼等も危険だ」
「うん──今日連れていかれた島についても書かれているよ」
262『Original Sin 再会』 ◆q5zSSkwO.2 :2009/09/30(水) 00:25:32 ID:F8ybzBxB
「ああ──《ギルティ》の秘密に関わることが明かされている。彼等に危険がなければいい
んだけど」
 苦悩の表情を浮かべ唸った恭助は、隊で検討すると言ってこれ等のページをプリントする
ことを頼んできた。
 快く応じながら、プリンターを見つめる彼に近寄り、私は彼の頬を手で挟んだ。
「え?」
 驚く恭助に口づけする。
「今日は本当にありがとう」
 そう言って、もう一度軽くキス。
「二度も助けられた。ありがとう。そしてもう一度会えて嬉しかった」
 恭助の顔を見つめる。
 呆然とした恭助は──暫くして真っ赤になった。
「ごめん。でも、これ私の気持ち。恭助、好きだった。ずっと言いたかったのに、会えな
かった」
 やっと言えた。私の初恋。16年ぶりの再会で。
 もう何年もたつのに、忘れたくても忘れられなかった、私の幼い恋。
「今はもっと好き。あんまりにも格好良くなっちゃって恭助じゃないみたいだけど」
 私の熱が伝染したような恭助は私の告白を静かに聞いていたけど、最後の部分に大きく動
揺した。
「たしかに俺は昔とは違う──頼む、俺をもう恭助とは呼ばないでくれ」
「どうして?」
 何事か言おうと口を開きかけた恭助は苦しげに言葉を飲み込み、悲痛な面持ちで私を見返
すだけだった。
「もう行かなきゃ──深雪、ご馳走様。美味しかった。そして俺も会えて嬉しかった。俺も
ずっと──会いたかったから……」
 最後の部分はほとんど消え入りそうで、漸く聞き取れたほどだったけど。
 プリントし終わった紙を掴み、足早に玄関に向かう恭助を追う。
「待って! 恭助!!」
「深雪……俺のことはもう忘れて。恭助は死んだと思って」
 編み上げの軍用半長靴(はんちょうか)を履き、スーツのファスナーを上げた
恭助は哀しげな笑顔で私を見つめた。
「俺が言うべきことじゃないけど──幸せになって」
 笑顔が哀しくて仕方ない。
「何で? 何でそんなこと言うの? やっと会えたのに──恭助」
 恭助の言いたいことが解らない。自然と涙が込み上げ、私は子供のようにしゃくりあげ
る。
 恭助は困ったような笑顔を見せて──私の頭を撫でた。
 昔のように──
「さようなら」
 駄目! 行かないで。貴方はまだ私に何も言っていない。何も答えていない。
 そんな泣きそうな笑顔で行かないで。
 言葉は胸に溢れているのに、何も口には上らず、私はただただしゃくりあげるだけ。
 貴方はやっぱり変わっていない。やっぱり、昔と同じ、優しくて、泣きたくなるほど優し
い人だった。
 私は哀しみとそして怒りを込めて、彼の背に抱きついた。
 驚いて振り向いた唇を強引に奪い──舌先で口をこじ開け、奥に差し込んだ。
 暫く為すがままだった恭助は、次第に激しく──だが彼としては精一杯セーブしながら私
を抱き締め返した。
 互いに舌を絡め合う。
 躰中が溶け落ちそうなキスの後、恭助は私の瞳を見つめた。
 私は生まれて初めて、恭助に恐怖した。
「深雪──!!」
 彼の欲望に燃えた瞳を受け入れながら、私は全身で歓喜した。
263『Original Sin 再会』 ◆q5zSSkwO.2 :2009/09/30(水) 00:26:43 ID:F8ybzBxB



「深雪──」
 辛くて仕方がないって表情で、恭助は私を見つめていた。
 泣きたくても泣けない恭助の代わりに私が泣く。
「泣かないで──恭助」
 返事の代わりに首筋を舐められ、あ、と私は小さな声をあげた。
 恭助の手は忙しなく私の躰のあちこちを触った。
 その度に躰中に電流が走り、私は小刻みに震える。
 私は何度も何度も恭助にキスをせがんだ。
 恭助は貪るような切迫感でそれに応える。
 熱い舌が口内を蹂躙し、離れる際には唾液が糸を引く。
 チュニックをたくしあげ、ブラを剥き出しにし、それをずりあげてむしゃぶりつく。
「ああっ……!」
 恭助の熱い舌が胸を這う。唇が乳輪を吸い上げ、その手は不器用に捏ねくり回す。
 躰中の歓喜に翻弄された私は、もう何も考えられなくなっていた。
 恭助の与える全ての刺激に酔いしれ、狂う。
「ふぁっ……ぁん……あっ……」
 そんな私を見て、恭助も狂う──
「深雪……深雪──!」
 玄関先だというのにそのまま睦み合っていた私達だったが、立ち上がった恭助に抱き抱え
られて寝室へと向かった。
 そっと私を寝かせた恭助は慣れた様子でレザースーツを脱いだ。
 下は半袖Tシャツとトランクス。
 私も着崩れた服を脱ぐ。
 チュニック、ジーンズ。下はキャミソールにブラとショーツ。
 キャミソールも脱ごうとしたけど──急に恥ずかしくなって手が止まる。
「灯りを消していい?」
「深雪の躰──見たい……」
「でも、恥ずかしいよ」
「綺麗になったね」
 恭助の賛辞に私は躰を熱くした。
「初めて見た時、君だって判らなかった──あまりにも綺麗になってて」
「そんな、そっちこそ──」
 恭助の視線に晒され、私は自分がとても尊いものとして生まれ変わるような気がした。
 彼の視線が眩しくて、眩しいからこそ恥ずかしい。
「ずっと、こうしたかった──中学で別れてからずっと想っていた」
「恭助──」
「お願いだから、君の全部を見せて──頼む」
 恭助を見つめる。
 哀しみを湛えた静かな瞳が切ない。
「大好きだよ──深雪」
「私も──」
 もう、幾度目か判らないキスをした。
 そっと、恭助に抱き締められる。
「もっと強く抱いて」
「こう?」
「あっ……もっと」
「色っぽい声だね」
 恭助の声に笑いが混じる。
「今の俺は力の制御が難しいんだよ──難しいこと言わないで」
 恭助の手が背中を這い回る。その度にぴくぴくと躰が跳ねる。
264『Original Sin 再会』 ◆q5zSSkwO.2 :2009/09/30(水) 00:27:24 ID:F8ybzBxB
「あっ……」
 恭助の舌が鎖骨を舐め、くすぐったさの奥に蕩けるような官能を感じて、私は一際高い嬌
声をあげた。
「ここ、感じるの?」
 いたずらっぽい含み笑いに私は恭助の耳朶に向かって啼いた。
「いや…だめっ……ああっ……」
 恭助は私の目を覗き込んで、また甘やかなキスをした。
「昔から深雪のイヤって言うのは、やってっておねだりなんだよな」
「嘘──!」
「俺が知らないとでも思っていたの?」
 そう笑いながら、また鎖骨を舐めた。
「いやぁぁ……っ」
「そんなに気持ちいい?」
「馬鹿……」
「うん……」
「こらっ、馬鹿って言われて悦ぶな」
「うん……」
「折角会えたのに──16年ぶりなのに、素知らぬ顔で別れようとするな」
「ごめん」
「私だってずっと会いたかったんだから!」
「うん」
「中学の時だって──さよならも言わないで、遠くに行って」
「うん。でも、俺もさよならって言いたくなかったんだ」
 軽く、額にキス。
「さよならって言ったら二度と会えない気がした。また会いたかったから、わざと言わな
かった」
「馬鹿──」
「ちゃんと会えた」
「うん……」
 また、涙が溢れ出す。
「君も薄々気付いていると思うけど、今の俺は昔と違う──」
 恭助の重い言葉に胸の奥が痛い。
「詳しくは言えないけど、今の俺の躰は普通の躰じゃない──」
「気付いてた」
「俺の精液を君に一滴でも触れさせる訳には行かない」
「え?」
「ここまでしておいて──だけど、最後まで出来ないけど、それでもいい?」
 悲痛な──あまりにも悲痛な恭助の告白に私は言葉も無かった。
 原因は推察できる。
 彼の超人的身体能力のせいだろう。
 何かの原因で恭助は超人へと肉体を変えた。
 子供を作る危険性を考えたのか、それとも彼の精子が与える危険性が存在しているのか
──
「まだ未解明な部分が多すぎるんだ。受精能力があるのかどうかも判っていないが、相手に
与える危険性もはっきりしない」
 恭助は私の長い髪を指で鋤いた。
「カウパー腺液だけでもどれだけの力があるのか判らない──コンドームも万全ではない
し」
 恭助は辛そうに微笑んだ。
「君が欲しい──全部欲しい。でも、最後だけは出来ない──こんな勝手なこと言って、許
して貰える?」
「馬鹿──!」
「ごめん」
265『Original Sin 再会』 ◆q5zSSkwO.2 :2009/09/30(水) 00:27:48 ID:F8ybzBxB
「いいに決まってるでしょ? だって私も恭助の全部が欲しい。セックスしたくても出来な
い、そんな貴方も恭助なんだもん。全部含めて好きなんだから仕方ないじゃない」
「うん……」
「大好き。恭助」
「ありがとう──深雪」
 馬鹿。本当に馬鹿。
 だったらなんで、もっと早く会いに来てくれなかったの?
 綺麗な瞳を細めて笑う恭助の頬に口づけた。

「唾液や汗は大丈夫なの?」
 恭助がキャミソールを脱がすのを手伝いながら訊いた。
「食器の共有の問題があったから、唾液は調べた。あと、風呂の問題もあるから、汗や垢の
分泌物も。血液も、少量ならば問題ない。精液やカウパー腺液は、俺が我慢すればいいだけ
の話だから、時間もなかったし研究出来なかったんだよ」
「まさか自分で調べたの?」
「うん──俺、内科の研究医だったんだ」
「私、貴方の力になれるかもしれない──今、A製薬で薬品の研究をしているの」
「ありがとう、嬉しいよ」
 恭助は初めて、本当に嬉しそうに笑った。
 そうだ。私はこの笑顔が大好きだったんだ。
 恭助のTシャツを脱がそうと、手に掛けた時、ピンと大きく張っているトランクスの中央
が目に入った。
 この奥に、彼のものがある。
 恥ずかしさと哀しさに、私は目を反らした。
 恭助の躰を見つめる。
 体毛の薄い滑らかな躰。しっかりとしているが、思っていたより華奢だ。
 筋肉の付き方として考えれば、ボディービルダーやプロレスラーのようなそれではなく、
空手家や中国拳法使いのような細くしなやかな体躯だ。
 それでもくっきりと割れた腹筋と下方に濃くなっている体毛が──そそる。
 恭助が手を伸ばし、細やかな動きで──引きちぎらないよう、とても注意しているのだろ
う──ブラのホックを外す。
 ぷち、と音がしてホックが外され、私は慌てて胸を隠した。
「見せてよ」
「や……」
「約束したよ」
「やっぱり、電気消して」
「駄目」
 胸を隠した私の手は容易に外され、彼の視線に晒される。
「基準が判らないんだけど──大きい?」
「もう! そんなこと言わないでよ!!」
「感動する」
「え?」
「俺、君の躰見たのって多分小3の時以来だし」
「私だってそうだよ」
「凄く綺麗だ……」
 やわやわと揉みあげる。
「あっ……ふぁん……っ…」
「深雪──」
 恭助はまた胸を舐めた。
 舌のもたらす甘い疼きは下半身の奥──残すはあと一枚の小さな布切れの奥で切なく疼い
ていた。
 溢れる蜜は太股まで濡らし、伝っていく感覚はそれだけで愛撫のように感じられた。

266『Original Sin 再会』 ◆q5zSSkwO.2 :2009/09/30(水) 00:28:25 ID:F8ybzBxB
 指先でコリコリと撫で上げれば、つんと尖って、まるで彼の舌を欲して喘いでいるかのよ
うだ。
 恭助にのし掛かられて胸を愛撫された私は、彼の髪に手を入れそれを弄んだ。
 徐々にそっと指先を落とす。
 なだらかな背を伝い、腰元まで。
 でも指は彼のトランクスに阻まれる。
 彼は性急に私のショーツを取り去った。
 今日は勝負下着でもなんでもない平凡なものなのが、ちょっと悔しい。
 もう、自分でもとろとろなのが判るそこに、恭助は指先を差し込んだ。
 入り口をくちゅくちゅ音を立てながら弄る。
 快感のポテンシャルが上昇し、恭助の背に乗せた指に力を入れた。
「ああああああぁ!!」
「深雪──!」
「あっ……あっ……あっ……」
 喘ぐ私に口づける。
 中をなぶる指と口をなぶる舌、二つの快感に呑まれ、翻弄される。
 親指がもう一つの快楽を呼び覚ます。
 入口に顔出した小さな突起は、痛いほどの快感をもたらした。
「あんっ……あっ…恭助、恭助……恭助!」
「深雪──!」
 大好きな人が私を呼ぶ。
 あまりにも気持ち好くて死んじゃいそう。
「みゆ……イって」
 懐かしい幼稚園時代の呼び方で恭助は私をいざなった。
「────っ!!!」



 荒い息を吐き、調わぬ息のまま恭助とキスをする。
 私だけ──という不満が残る。
 でも彼の精液に触れずに彼を導く方法は無いのか。
 私はあるものを思い出し、彼のトランクスに手を掛けた。
「みゆ……駄目だよ。さっき話しただろ?」
「うん、直接触らなければいいんでしょ?」
「?」
「恭助の精液を体内に入れず、貴方の手伝いをする方法──ちょっと待ってて」
 私はベッドから立ち上がり、机の中をごそごそ探した。
 あ、あった。
「これ。コンドーム。どうして持っているのかは、大人の女のタシナミです。解る?」
「────」
「そこ! 細かく詮索しない! 私はご存知の通り、処女ではありませんから──ごめん
──こういうものも持っていたりする訳です。でも言い訳すると、現在はフリーです。男性
経験豊富って訳でもないからね。今は貴方だけです。了解?」
「うん」
「前置きが長くなりました。で、提案。貴方のものに貴方がこれを被せ、私が愛する。こう
いうのは嫌?」
「いや……じゃない」
「サービスとして、貴方に私の躰を自由に触らせてあげます。如何?」
「如何って──もう少し情緒のある誘い方って出来ないの? そんなえっちな格好して」
「だって──」
「だってじゃないよ。俺に他の男のこと話して、嫉妬させたいの?」
「そんなつもりじゃ──」
「そりゃ、お互い28で初恋を貫き通してるとは思わないよ。君、散々中でも感じていた
し。でも、ああもあからさまに言われると傷付く」
267『Original Sin 再会』 ◆q5zSSkwO.2 :2009/09/30(水) 00:28:48 ID:F8ybzBxB
「じゃ言わせて頂きますが、貴方はどうなの?」
「俺?」
「うん。童貞──?」
「ごめん──」
「相手は?」
「留学時代のガールフレンドです」
「留学してたんだ。向こうの人? じゃ、私のことずっとって嘘?」
「それは──嘘、じゃない」
「私も嘘じゃない。お互い、そういうこと、なんだよ」
「そうだね──」
「初めてはあげられなかったけど──私の恋心はずっと恭助だけのものだけど、それでは駄目?」
「駄目じゃないけど、嫉妬する──くそっ、アメリカなんか行くんじゃなかった。此方の大
学に入って君に会いに行って、さっさと告白しとけばよかった」
「ずっと、向こうに?」
「ああ──WATTMに入るまでずっと。向こうで医者になった」
「そうだったんだ──」
 恭助の過去が一部判った。
 アメリカで──何かあったんだ。



 赤黒く屹立したものを私は愛おしく見つめた。
 口で舌でその昂りをより高めたいところだけど、ぐっと我慢する。
 恭助がそれを着けているところをじっと見ていたら照れ臭そうに「見るなよ」と言った。
 でも見ちゃうけど。
 電気消してくれなかった恨みだ。
 装着完了した恭助は苦笑した。
「情けねぇ、俺」
「そう?」と言いながら、そっと握る。
 さっきイかせてくれたお礼をしなくちゃね?
 性豪──には程遠いし、実はまあ相手は今まで2人だけなんだけど、それでも今までそれ
なりに体験して、でも本当はずっと忘れられなかった大事な人に、私の想いを知って貰いた
いから。
 薄いゴム越しにその熱さが伝わる。
 ごく、軽く扱いてみる。
 わっ……あれで、半勃ち? どんどん大きくなる。
 えっと──これ、もしも恭助の躰が正常でも、私、無理かも。
 私の性体験が少なすぎるせいかもしれないけど──ちょっと、このサイズは無理。
 でも、そんなことはとても言えず、私はそっと袋の方にも手を伸ばしながら愛撫を続け
る。
 恭助は長い睫毛を伏せ、眉を寄せている。
でも手はそっと私に伸ばして、乳を揉んでるけど。
「どう?」
 自分で言い始めたことなのに、妙に恥ずかしくて、声が震えていた。
「ん──気持ちいい……もっと力入れていいよ」
「こう?」
「あぁ……」
 大好きな低音が妙に艶っぽくて、私の方が興奮する。
「深雪は、胸とここ──どっちが好き?」
「あぁっ……」
「こっちか。それじゃ、中と…」
「ひゃぁんっ……」
「こっちは……?」
268『Original Sin 再会』 ◆q5zSSkwO.2 :2009/09/30(水) 00:29:14 ID:F8ybzBxB
「ぁぁあんっ」
「どっちも気持ちよくなっちゃったら判らないよ」
「だって……」
「舐めていい?」
「ぃやぁっ…………」
 まるでシックスナインのように恭助は私の中に舌を差し込み、私は彼を扱く。
 彼がわざと音をたてて舐めていることに気付き、私は躰を赤らめる。
 酷い──でも大好き。
 クリトリスを吸い上げながら、ヴァキナを指で探る。
 ああ──恭助の指はなんで私の弱点を知っているんだろ?
 指を増やされ奥を突かれ、舌先で突起をなぶられる。
 甘い嬌声が切羽詰まって、獣じみてくる。
 気持ちいい、気持ちいい、気持ちいい、恭…助……!!
「みゆ……俺、もうイきそう……」
「うん……恭助……」
「あ──」
「恭助……恭助……」
「あっ、みゆっ!!」
「きょう、すけ……」
「うっ……ああっ!」
 射精の瞬間、私は恭助に手を掴まれて離され、彼はゴムの中に独りで吐き出した。
 それでも絶頂の余韻に浸る私は、彼の背に抱き付いた。
 この歪んだ愛の形は切なかったけど──それなりに満足の行く形として結実した。
 避妊具と一緒に持ってきていたティッシュに始末を終え、彼はそっと私を抱き締めた。
「ありがとう──」
 セックスの後、お礼を言われたのは生まれて初めてだ。



 シャワーを浴びた恭助はまた元の黒づくめに戻った。
 最後にもう一度、キスを交わす。
「行くの?」
「ああ──」
 恭助はまた、哀しみを背負った戦士の顔に戻った。
『行かないで』と言いたかった。
『また会える?』と訊きたかった。
 でもそんな言葉は全部飲み込む。
 だから──
「死なないでね、恭助」とだけ言った。
 恭助は哀しげに笑う。
『また来て』
『また会いたい』
「さよならは言わないよ」
「うん」
 握った手を離したくない。

「恭助──」
「ん?」
『アイシテル』
 私は精一杯の笑顔を浮かべる。
「会えてよかった。ありがとう」
 全ての支度を終えた恭助は、振り返って私を抱き締める。
 こんな時なのに、羽毛のような優しい抱擁。
「俺も、さよならは言わない」
269『Original Sin 再会』 ◆q5zSSkwO.2 :2009/09/30(水) 00:30:10 ID:F8ybzBxB
「うん」
「何も約束できないけど──」
「解ってる」
「そうか──」
「そうだよ」
「俺の連絡先は教えられないけど、みゆの携帯教えて」
「判った。名刺渡す──」
 その瞬間、手を離してしまったことに気が付いた。
「深雪──行ってくる」
 その瞬間、恭助は昔からの私だけが知ってる笑顔で出掛けていった。
「結局、名刺持っていかなかったじゃない。馬鹿──」
 恭助のいなくなった玄関に呟く。
 私は知っている。例え、恭助は名刺を持っていったとしても、連絡して来ないだろうと。
 いつかまた会えるのだろうか?
 今度は会った時、恭助はどんな男性になっているんだろう?
 また会いたい……また会いたい……また会いたい……また会いたい……
 心の中はさざ波のように同じ言葉を繰り返していた。



270名無しさん@ピンキー:2009/09/30(水) 00:43:43 ID:mI0xRCb3
いいなぁ〜  オレ好きだわ、この話。GJ!
271名無しさん@ピンキー:2009/10/08(木) 06:30:03 ID:dtXZkvdO
保守
272「ネコとカリカリ」:2009/10/16(金) 23:05:54 ID:BwbgEogQ
完全に元スレの趣旨から話が離れてしまったので
ここに投下させてください。
「ネコとカリカリ」
多分5レスくらい。
273「ネコとカリカリ」1:2009/10/16(金) 23:06:48 ID:BwbgEogQ
すまなかった、と抱き寄せると案外素直に寄りかかってきた。
会わなかった――正確には会えなかった――四年のあいだ、どうにか親子二人で食っていたようだ。
俺の知っている身体とは違う。
もしかしたら、と戦時下の混乱中にはありがちなことまで考える。
他の男に身体を開いて金を工面したこともあるのじゃないか、と。
俺が給与振り込みの通帳のありかをきちんと教えていなかったばっかりに、
そして本来その予定だった戦死もしなかったために、ネコとその娘――というか俺の娘だが――は
貧しい生活を強いられていた。
人里離れた、草の生い茂るなかにぽつりと建つ掘っ立て小屋。これを家と呼ぶのは少々憚られる。
何しろ一部屋しかない。
「おやすみなさい」
無邪気な笑顔で挨拶をする娘に、おやすみ、と返事をして頭をぐりぐりと撫でてみたら笑みが深くなった。
昼に感動の初対面を果たした父と娘はこの先いい関係を築いていけそうだ。
「よかった……」
しみじみと深い声でネコが言った。
うっとりと目を閉じて、額を俺の胸に擦りつけるようにして甘えてくる仕草は本物の猫のようだ。
「待ってた。待ってたけど、もしかしたらもうだめなんじゃないか、って毎晩考えた。
でも定期的に様子を見に来てくれてる軍の人が、一般には極秘だけど、って
捕虜の状況だとかを教えてくれて、もう少しだから、って、頑張れ、って言ってくれたから」
誰のことだろう。
心当たりを探すが、わからない。ネコに問いただしてみても、名乗ってくれないから名前は知らないのだと言う。
役に立たん。
「見つからないあんたの通帳にはちゃんと給与の振り込みがされてるはずで、
だからあんたが帰ってきたらそこから返してもらえばいいから、って毎月お金を置いていってくれて」
「なんだと!?」
いよいよもってそんな奇特なやつの心当たりが無く焦った。
「それ、それだけか? その……特に要求をされたり」
「なにを?」
なに、ってナニだよ。ピンと来ないということはその方面に関しては大丈夫なのか?
いやまて。成長した娘を差し出せとかいう可能性も否定できない。
目の前のベッドで眠る娘の寝顔を見る。
拾った直後のネコの寝顔も幼かったが、突然知らない環境に連れてきたせいか
どこか怯えていたように思う。それに比べると娘の寝顔はあどけない。愛らしさは百倍じゃきかない。
しかし。
目の前で幼児が寝ているとなると。
「ネコ」
「ん?」
「外に出ようか」
家の中じゃまずいだろ。
274「ネコとカリカリ」2:2009/10/16(金) 23:07:27 ID:BwbgEogQ
立て付けの悪いドアを苦心して、できるだけ音をさせないように閉めた。
手を繋ぐと怒ったように顔をふいと背ける。
「ネコ」
「……なによ」
「すまなかった」
「あんた、そればっかりだわ」
拗ねた口調で背を向けたままのネコを後ろから抱きしめる。
「それと、ありがとう」
待っていてくれて。
一人で心細かっただろうに子供まで生んで、こうやって育てて。
目の下に見えたつむじに口づけたら、あ、と声を漏らしてちょっと背が縮んだ。
「なにやってんだ?」
「あんたが! 変な事するから!」
膝が砕けたらしい。
新婚生活の真似事をしたのはほんの一ヶ月にも満たなかった。
それから四年。
正直こっちは我慢の限界。ネコはどうだ。
柔らかく丸みを帯びた身体を服の上から撫で回す。
前から後ろからと手を回し、ぽよぽよとした尻の肉を、ふっくらとした胸のふくらみを捏ねて、
その温かさと確かさに、帰ってきたという思いを強くする。
「あ、あ……」
あっけなく声が震えはじめる。
すがりつくものを探してネコの手が花の茎を掴む。
風が草をざわりと揺らす。
「あ、んた…なにしに出てきたのよ」
照れ隠しに詰ってきているのは声音でわかった。
「おまえと月でも見ようかな、って」
「今日は新月よ。月なんかどこにも……っ、あ、ああんっ」
耳朶を食みながらスカートをまくり上げていった。
「好都合だ。真っ暗で」
星明かりもあり真の闇ではないが、誰かに見られる心配はとりあえず無い。
本当は四年ぶりに、女らしく成長したネコの身体をじっくりと見たかったがそれはまた後日ということで。
引き寄せる力で自分の身体を下に敷いて衝撃を殺しつつ草むらに倒れ込んだ。


ぎこちないのは最初だけだった。
火がついたと思った途端一気に燃え上がり、熱が急上昇する。
「ん、ん… ふ、うぅ」
唾液で濡れた唇からぽってりとした舌が覗くのを吸い上げてこちらの口の中で絡め取る。
くちゅくちゅと音をさせて嬲るとネコの呼吸はどんどん荒くなった。
口でも鼻でもはあはあと息をしている。熱の籠もった、湿った息がかかるとこちらも興奮してくる。
「ネコ……」
「ぅあぁん… やぁ、やだぁ」
四年前とは明らかに違う大きさになった胸を揉みしだく。子供を生んだせいだろうか。
もったりと柔らかく重たいそれは自在に形を変え、手にしっくりと馴染んだ。
ふよふよとしたふくらみの中心が勃ちあがる。ころりと転がり掌に存在を伝えてくる。
むりやり服を引き上げた。
「ひゃぅう…っ」
相変わらずおかしな声を上げるネコがおかしくて笑うと、身をくねらせて逃げようとしたネコの動きが止まった。
「なんで笑うの」
「さあ」
ここで正直に言うやつはバカだ。
ふくらみを両手で掴み、中心に向かって押し上げて顔を埋めた。
「んあ…っ」
強引に作った谷間に突っ込んだ鼻先に女のにおいが満ちる。たまらず肌を舐めた。
275「ネコとカリカリ」3:2009/10/16(金) 23:07:57 ID:BwbgEogQ
「あ、…っふ」
ネコの腰が大きく跳ねる。
下敷きになって潰れた草のにおいと、土のにおい。
それを上回る、蒸れた女の身体のにおい。
あるか無しかのあかりに目が慣れてくると、目の前のネコの身体もぼんやりと見えてくる。
母子で食べるのに精一杯だったか、と肌の見えている腹部の肉付きを見て申し訳なく思うが、劣情がそれを上回る。
思い切りスカートをまくり上げたら、あらわになった足で蹴られた。
「痛ぇ!」
「服、汚れる!」
「洗えよ!」
「洗い替えが無い!」
そこまで困窮した生活を送っていたとは。
明日にでも身分証明書を持って通帳の再発行申請と同時に金を引き出して来なければ。
だがその前に飢えきっている俺におまえをくれ。
「じゃあ脱げ」
嫌がるネコをにやにやと見つめながら、ほら脱げやれ脱げとけしかけて素っ裸にした。
自分の身体を両手で抱くようにしてぶるりと震えるネコを、仰向けになった俺の上に乗っからせる。
「自分で入れてみな」
「そんなのしたことない!」
させたことないからなあ。
やろうぜ。
俺を跨いでいるネコの股ぐらに手を突っ込んだ。
「やあぁ…っ も、やだ、なんでそんな」
「いけるいける。俺の肩に掴まれ」
上体を起こし、ネコに掴まらせ、俺は片手で自分のものを立て、もう片方の手でネコの尻を押し下げる。
「や…っ や、や やぁん や …ゃあ」
子ネコがにゃあにゃあ言ってるような声を出して抵抗するが、
中途半端にしゃがんでいる姿勢ではどっちつかずなのか、とうとうこっちの力に屈して腰を落とした。
「ひゃぅんっ!」
ぐちゅっ、と音がする。
まだ接しただけなのに。
「ものすごく濡れてる」
「バカバカ!」
ふるふると首を振る。髪の毛が俺の顔を叩く。
「寧々子」
「う……」
至近距離だ。表情も顔色もわかる。
真っ赤になって、ちょっと頬を膨らませて、切なげに俺を見る。
「恥ずかしいか?」
「……恥ずかしいよ」
まあ、外だしな。
ゆらゆらとネコの腰が揺れる。
俺の肩を掴んでいる手にぎゅっと力が入った。
「……もう」
あまり怒りの感じられない、諦めたような声。
「じらさないで」
「じゃ、ちゃんと俺の上に座れ」
ネコは俺の鎖骨あたりに額を押しつけ、久しぶりというのも生ぬるい肉の触れあいを
ゆっくりと味わうように腰を下ろしていった。
276「ネコとカリカリ」4:2009/10/16(金) 23:08:33 ID:BwbgEogQ
ぬるぬると粘液が混じり合う。
最初は控えめに腰をゆらりと動かすだけだったが、まとわりついてくる肉襞はかつての悦楽を思い出したのか、
もっともっと、と蠢きだしてしまい、それにネコ自身が引きずられる形になった。
「あっ、あ、あっ! ああぁ やぁんっ! い、い ひゃぁんっ! あぁん ん んっ!」
ぐらぐらと前後に尻を揺する。胸を俺に擦りつけるようにしがみついてくる。
「やあぁ あ う…んっ も、やあ … ね、ねぇ…」
「ん?」
俺の目を見て言う勇気はないのか、首筋に顔を埋めてくる。
「して……」
「ったく」
からかい混じりに舌打ちすると、ネコは身体を縮こまらせた。
「しっかり掴まってろ」
尻の肉をがっちりと掴んで、ネコの身体を上下させる。
「やあああッ! あ、アッ アア ア… ふ、いい いい、よぉ…っ」
ぽたぽたと雫が落ちる音が聞こえた。歓喜の涙をこぼしているらしい。
肉棒を包み込んでいる壁はこちらを溶かしてしまいそうなほど熱い。揉み込まれ搾られて、
ひどく密になっているそこを攻撃するように突き上げる。切り裂いて穿って、
先端に抵抗を感じ、張りつめた皮膚で粘液にまみれている内壁のざらつきを感じ、
妙にこそばゆい射精感を堪えようと奥歯を噛みしめる。
目のすぐ下でゆさゆさと揺れているほの白い乳房。
相変わらず短く切りそろえ、しかもこっちは着衣のままなので、どうしてもたてられないツメ。
頭を振り立てながらのけぞるから、後方へ倒れていきそうになる。
「ネコ…っ」
掴んでいた尻から手を放し、背中を支えてやる。
「ひゃ ぁあ う んんっ ふ はぁん…っ」
息も絶え絶えに嬌声を漏らすネコの口の端からよだれが落ちる。
舌先で舐め上げると、ぶるぶるっ、と身体を震わせた。
「も、イく…」
ぐじゅぐじゅと結合部から淫らな音をさせ、しなやかに身体をくねらせてネコは俺を貪る。
飢えていたのは俺だけではなかったらしい。
「やあんっ ゃああ …っ ぅにゃああぁぁぁぁッ!」
うにゃあ?
ここぞというところでけったいな声を上げられてしまい、ネコは満足そうに微笑みながら
ふうっと身体から力を抜いていくが、こっちはそれどころじゃない。
ちょ、イく寸前! イく寸前でそれって。
女と違って途中から巻き戻し、みたいな火のつきかたはせんのだぞ。
一からやり直しじゃないか。
着替えがない、と言っていたネコのために、自分のシャツを脱いでなぎ倒した草の上に敷く。
「ネコ、もうちょっと」
「ぇえ? も、むりぃ…」
気怠く蕩けた声で否やを唱えるネコを押し倒して、足をM字に広げさせ、のしかかった。
幸いまだ繋がったままだ。ゆらゆらと腰を動かして浅いところを擦ってやると
「ふや… ゃあ…」
と鈍いながらもいい声を出す。
「年、取るとねちっこくなるってほんとなんだ…」
「誰に聞いた、そんなこと!」
母子でつましく暮らしてたんじゃないのか。どこからそんなくだらない情報を仕入れた。
ああもう、やっとられん。
大きくグラインドさせる。
277「ネコとカリカリ」5:2009/10/16(金) 23:09:44 ID:BwbgEogQ
「ひあぁぁぁああっ! や、だ…っ だめ、激しすぎ…っ!」
「こんなの激しい内に入らん」
うそです。これ以上を求められたらちょっと厳しいです。
でもなんつーか、男の見栄?
じゅぼっ、じゅぼっ、と勢いよく抜き差しする。竿に絡みついた粘液が白く濁って泡立ち、
飛沫をまき散らしながら俺とネコの内股を濡らしていく。
「や…っ やぁん! あ、あん! う、あぁんっ」
どこか、うなー、とやはり猫の鳴き声のような声を上げてネコは俺の動きについてくる。
「さっき…っ イ、った のに…っ」
「続けてイったらだめ、なんて決まりは無いぞ」
いい感じにこっちも中断したあたりまで戻ってきた。ぶちまけたい欲望が腹の奥に渦を巻き始める。
絶対頭の中じゃない。腹だ。熱くたぎってねっとりとして、そのくせ高速でぐるぐると渦を巻いて出口へ向かう。
「ネコ……、寧々子」
「あぁ…ん す、き。好きぃ…っ」
どくりと跳ねたのが心臓だったのか、それともいままさに第一射を放った部位だったのか。
ネコに体重をかけすぎないようにしながら覆い被さる。
そろりと背中に回された腕は優しく俺を抱き寄せた。


翌朝。
顔を洗って小屋に戻ってくるとネコが娘を起こしているところだった。
この小屋もなんとかしてやらんとな。
いっそちゃんとした家に引っ越した方がいいんだろうか。
「俺、今日ちっと街まで出てくるわ」
「何しに?」
「いままでの給料と退職金の確認。あととりあえずの必需品の買い出しだな」
「そう。――ミャー、起きなさい」
「ミャー!?」
突然の猫の鳴き声に、何も口に入れていないのにふきだしそうになった。
ネコがきょとんとした顔をする。
「ミャーよ? 美彌」
ネコが子ネコ生んどる……。
むちむちとした手を丸めて、こしこし、と擬音が聞こえてきそうな動きで美彌――ミャーは目を擦り、あくびをした。
「おはよございます」
「顔、洗ってらっしゃい」
「ふぁい……」
ネコの子って顔、水で洗わないよな。好奇心に負けてついていった。
「お父さん?」
「ん? いやいい。ちゃんと洗えー」
気になるのか振り返り振り返りしながら顔を洗うから、服をビショビショに濡らしていた。
街に行く、と言うとミャーもついていく、とだだをこねるので、ネコが留守番となった。
「お父さんの言うことをちゃんと聞くのよ」
「はい!」
お父さんって実感、あるようで無いんだよな、俺。はぐれかけて「おとうさーん!」って呼ばれても
ちゃんと振り返られるだろうか。
「どこ行くの? ねえ、どこ行くの!?」
嬉しそうに俺の周りをびょんびょん飛び跳ねながらミャーはついてくる。
「こっから……どのくらいだっけなあ。とりあえず軍施設のある街まで出る」
「おかいもの、する?」
「する」
「じゃあ!」
ミャーは俺の腕にぴょんと飛びついてぶら下がった。
「カリカリ買って! 牛乳と!」
「そういう一回で飽きる食い物は買わない! 牛乳は買ってもいい」
親子だ。間違いなく親子だ。
カリカリの代わりに新しい服を買ってやることを約束して、晴れ渡った田舎道を歩いていった。

(おわり)
278名無しさん@ピンキー:2009/10/17(土) 08:05:38 ID:aI7aRS8t
可愛くてハァハァさせてもらいました
GJ !
279名無しさん@ピンキー:2009/10/18(日) 07:15:22 ID:v9ncz1xH
かわいいなぁGJ!

再会→(即)→外で、に乙という気持ちが溢れてしまうww
280名無しさん@ピンキー:2009/10/18(日) 12:03:04 ID:Z2I4MNNl
>>272
後日談気になってる奴いっぱいいただろうから
元スレでも十分歓迎されてたと思うけどね
GJでした!!
281名無しさん@ピンキー:2009/10/18(日) 12:22:51 ID:CqF1kbEs
駄SS乙
投下しなきゃいいのに
282名無しさん@ピンキー:2009/10/18(日) 12:28:54 ID:ew37NmpS
>>281重複スレの気違い荒らしさん、監視お疲れさまですw
283名無しさん@ピンキー:2009/10/18(日) 18:10:22 ID:scMKdKCS
ネコの元スレはどこだったの?
284名無しさん@ピンキー:2009/10/18(日) 19:31:58 ID:W5Os/3RW
>>274
GJ
ミャーが可愛すぎて、両親死んで引き取りたいとか思ってしまう。
カリカリいくらでも買っちゃう。
ついでに俺のカリを下の口にry
ところでカリカリって何?
285名無しさん@ピンキー:2009/10/18(日) 19:38:34 ID:47lzqMkX
>>284
ドライタイプのキャットフード<カリカリ
286名無しさん@ピンキー:2009/10/19(月) 09:00:01 ID:jefliYUd
>>283
金で
287名無しさん@ピンキー:2009/10/26(月) 22:54:15 ID:W5FWk5T+
hosyu
288名無しさん@ピンキー:2009/11/04(水) 18:23:31 ID:mYnkOJXf
289名無しさん@ピンキー:2009/11/10(火) 04:19:09 ID:ORF2JMmh
もしかしたらSSを投下するかも…

ただ、長い&オリ要素高いで、スレを荒らしてる感じに見えるかも知れない。
投下したら、ほったらかしにして貰えると有難い。
290名無しさん@ピンキー:2009/11/10(火) 08:27:49 ID:ACq3Leuw
うぃ
このスレでの投下で荒らしていると感じる事なんてないよ
291名無しさん@ピンキー:2009/11/21(土) 01:05:08 ID:hmhBYEu0
待ってるよ
292名無しさん@ピンキー:2009/11/24(火) 02:46:29 ID:9GwUNSaK
ここに投下して叩かれるのなんか書きながら投下とか転載とか明らかなマナー違反くらいだしね
293名無しさん@ピンキー:2009/11/26(木) 19:35:08 ID:kB+fqZaU
マイナーなギャルゲーSS祭り!変更事項!

1. SS祭り規定
自分の個人サイトに未発表の初恋ばれんたいん スペシャル、エーベルージュ、センチメンタルグラフティ2、canvas 百合奈・瑠璃子シナリオ
のSSを掲載して下さい。(それぞれの作品 一話完結型の短編 10本)

EX)
初恋ばれんたいん スペシャル 一話完結型の短編 10本
エーベルージュ 一話完結型の短編 10本
センチメンタルグラフティ2 一話完結型の短編 10本
canvas 百合奈・瑠璃子 一話完結型の短編 10本

BL、GL、ダーク、18禁、バトル、クロスオーバー、オリキャラ禁止
一話完結型の短編 1本 プレーンテキストで15KB以下禁止
大文字、太字、台本形式禁止

2. 日程
SS祭り期間 2009/11/07〜2011/11/07
SS祭り結果・賞金発表 2011/12/07

3. 賞金
私が個人的に最高と思う最優秀TOP3SSサイト管理人に賞金を授与します。

1位 10万円
2位 5万円
3位 3万円
294名無しさん@ピンキー:2009/11/26(木) 19:43:32 ID:kB+fqZaU
(1) 初恋ばれんたいん スペシャル
初恋ばれんたいん スペシャル PS版は あまりのテンポの悪さ,ロードは遅い(パラメーターが上がる度に、
いちいち読み込みに行くらしい・・・)のせいで、悪評が集中しました。ですが 初恋ばれんたいん スペシャル PC版は
テンポ,ロード問題が改善して 快適です。(初恋ばれんたいん スペシャル PC版 プレイをお勧めします!)
初恋ばれんたいん スペシャルは ゲームシステム的にはどうしようもない欠陥品だけど。
初恋ばれんたいん スペシャル のキャラ設定とか、イベント、ストーリーに素晴らしいだけにとても惜しいと思います。

(2) エーベルージュ
科学と魔法が共存する異世界を舞台にしたトリフェルズ魔法学園の初等部に入学するところからスタートする。
前半は初等部で2年間、後半は高等部で3年間の学園生活を送り卒業するまでとなる。
(音声、イベントが追加された PS,SS版 プレイをおすすめします。)

(3) センチメンタルグラフティ2
前作『センチメンタルグラフティ1』の主人公が交通事故で死亡したという設定で
センチメンタルグラフティ2の主人公と前作 センチメンタルグラフティ1の12人のヒロインたちとの感動的な話です
前作(センチメンタルグラフティ1)がなければ センチメンタルグラフティ2は『ONE〜輝く季節へ〜』の茜シナリオを
を軽くしのぐ名作なのではないかと思っております。 (システムはクソ、シナリオ回想モードプレイをおすすめします。)

(4) canvas 百合奈・瑠璃子シナリオ
個人的には 「呪い」 と「花言葉」 を組み合わせた百合奈 シナリオは canvas 最高と思います。
295名無しさん@ピンキー:2009/11/26(木) 20:15:42 ID:k7/YB9dk
このコピペ最近流行ってるの?
296名無しさん@ピンキー:2009/12/01(火) 02:41:42 ID:KRoRF4HY
流行ってるっぽい
297 ◆mmI3FWyPzM :2009/12/07(月) 01:36:06 ID:Oo0eEaNm
7レス分投下させていただきます。
内容は男女カップルの普通のセックスです。
いろいろ投下先を考えましたがどこの雰囲気にも合いそうにないのでここをお借りすることにしました。
タイトルは「コールユー・コールドモーニン」
NGはトリップでお願いします。
2981/7 ◆mmI3FWyPzM :2009/12/07(月) 01:37:30 ID:Oo0eEaNm
                   Call you, Cold morning.

 朝は二種類ある。ひとつは、なんの妨げもなくお昼までぐっすり寝ていられる朝。もうひとつは、
なんらかの妨害因子による破壊的強制起床活動のため、醜悪な眠気と不快感をまといつつもなお
はかなくも美しいこのカラダをフトンからムリに引きずり出さねばならない朝。
「白子さん……白子さんっ!」
 フトンの向こうからくぐもってひびく声をかんがみるに、今日はどうやら、残念ながら、後者の朝の
よう。
「白子さんってば……」と、私の名前を呼ぶ声は続く。「……もう、ちょっと寒くなると、すぐこれなんだから」
 ……しかしまだ希望はある。相手は大学の指導教官からの電話でもスケジュール帳の赤字の予定
でもない。ようは目覚まし時計といっしょだ――叩いて止めてしまえばどうということはない。ひとまず
この場は。うん。
「ほら、白子さん、起き――うわっ!?」
 ばっとフトンをはねのけ、私は声のしたほうへ飛びかかる。腕のなかに感じるのは、やや骨ばった
細身の身体……そのおなかが息をのむようにへこむのを感じ、その胸からの鼓動を、私は感じる。
とくん、とくんというそのかすかな音を除いて、
 ――静寂が落ちた。作戦は成功のようだ。
「し、し、し……」と、そのとき、時計の秒針みたいなテンポの声がきこえた。「し、白子さ、ちょ、
ちょっとっ……」
 ……む? と、私は顔を上げる。
 そこには見慣れた顔があった。身体とおなじくやせ気味で、やや女性的なその顔の、眼鏡の似合う
きまじめそうな、けれどいまはマンガみたいに見開かれた目がこちらを凝視している。私は首をかしげ、
それに合わせるようにかれの視線が移動して、私もそれにつられてそちらを向く。
 その方面には姿見があった。もちろん私の部屋にあるのだから私のものなのだけど、タテ長の鏡に、
うまいことベッドの上のふたりの姿がおさまっている。ひとりの青年、とも胸を張っては言えそうにない
男のコの隣に、こちらは――寝起きノーメイクながら目の覚めるような美しい女性がいる。
 おや、と私は思った。見れば、その女性のすばらしいボディラインはただ薄い布一枚でおおわれて
いるばかりではないか。
「あー、なるほど」と私は言った。「こりゃ、寒いはずだわ……」
 ――ぎゅう、とかれのあたたかい身体を抱きしめる。鏡の中で口をぱくぱくさせていたかれは、
今度はにぎりこぶしが入りそうなくらい大きく口を開けてなにか言おうとして失敗している。ひし、と
さらに身体を――とくに、そのやわらかい部分を――押し付けると、ようやくヘンな動きも止めて
押しだまる。そのころにはかれの薄白い頬と、それよりいくぶんかは色の濃い身体の一部は、ずい
ぶん血のめぐりがよくなっていたりして……にひ。
「……し、白子さんっ」かれは私の名を呼ぶ。だいぶおとなしくなった声で。「今日、ゼミでしょう? 
一限から……」
「ん」私はかれの薄い胸の中でうなずく。「でも、いーや。外は寒いし……ここはあったかいし」
「で、でもっ……」
「黒樹」と私はかれの名を呼ぶ。名字じゃなくて、名前。コクジュじゃなくて、クロキ。「私のこと、
きらい?」
 上目づかいで、ちょっと首をかしげてきいてあげると、黒樹はぎょっとした顔で口をもぐもぐさせて、
それから、また目をふせて、ごくごくちいさな声で、「……すきですよ」とつぶやく。
「きこえない」私がにこにこしながらいうと、「……すきですってば」と、たいして変わらない声で返す。
私はそんな彼をぎゅうっと抱きしめてあげて、同時に、いっぱいのあたたかさをもらう。黒樹は
もう、かわいくって、あったかくって……もう、顔がふにゃふにゃしちゃうわけ。
 ……黒樹はおなじ大学の一年後輩だ。とはいっても学部はちがうし、サークルやバイトの仲間と
いうわけでもない。そういう私たちがいったいどうして知り合ったのか、そこのところはくわしくは
おぼえていないけれど、とにかくいま、私たちはこういう関係になっている。
 こういう関係――とあえていうのは、恋人、だなんてあっさり言ってやると、あんまり不公平だからだ。
 なにせ、黒樹といったら、朝っぱらから一人暮らしで寝ている女の部屋に踏み込んでくる度胸は
あるくせに、ちぃとばかし雰囲気ってものを出そうものなら、「…………」――こうなのだから。こう
しているときより、外でいっしょに歩いているときの方がずっとアクティブだ。フツー逆だろうに。とくに
こんなカッコの恋人が零距離にいるなら、もっとこう、男らしく……もう、とにかく、そういうわけで。
2992/7 ◆mmI3FWyPzM :2009/12/07(月) 01:38:05 ID:Oo0eEaNm
 とはいえ……この男のその、男の部分までパッシブなわけではなかったり。ジーンズごしに私の脚に
当たる硬い感触。私がそこを手で滑らすように撫で上げると、黒樹は「っ!?」と声にならない叫びを
あげて、びくんと身体を跳ねあげる。
「このお、むっつりさんなんだから」私は熱いそれをすりすりとしながら、口の端を上げて言う。
「そ、そういうんじゃ……白子さんっ」とかれは私の名を呼ぶ。ちなみに、シラスじゃなくてシロコ。
「なあに、黒樹ぃ?」
「そういうことしてる場合じゃないでしょ!」
「そういうことって?」
「…………」じれったいようにくちびるをかんでから、かれは言う。「……僕も、授業があるんですっ」
「私もだけどー」
「だから、……!」
 なおも言い逃れようとする黒樹の口を、私は背を伸ばして、ふさぐ。朝のせいか乾いたかれの唇
を押し開けて、ほんのり塩味のする舌をからめとる。朝でも、ハミガキをしてなくても、なぜか黒樹の
口の中はクサい味はしない。身体が全体的に乾燥してるからだろう、たぶん。
 で、そういう黒樹を湿らせてゆくのが、とても、楽しいわけで……。
 わざと音をたてて舌を吸い、わきだす唾をからめる。はじめは懸命に私を押し戻そうとしていた
かれも、その頃には抵抗をあきらめて……というか、なんでキスするのに抵抗されにゃならんのか。
ともかく、私はかれの首に手をまわし、抱きつくように思い切り身体を押しつける。触れあった身体
が熱く感じるのは、かれの体温が上がったせいか、それともそれは私自身の温度か、両方なのか。
 すっと口を離すと、ぷは、と黒樹が息を吸い込む。かれの目はすこし涙目でとろんとしていて、
頬を染めて呼吸を荒くしている様子は、ちょっとなまめかしい。はじめての――かれにとっては、ふたつの
意味でのはじめての夜を過ごすまで、私が黒樹のことをそっち方面の趣向かと疑ったのもわかるの
ではなかろうか。いつか私は、かれに「きちんとした」化粧と格好をさせていっしょに外を歩こうかとも
計画している。その後はいっしょにミスコンだ、うむ。
 さて、閑話休題。
「白子さん……」さっきよりは湿っぽい声で黒樹は言う。「だめ、ですって……」
「まだ言うかな……」私はもうはちきれそうになったそこをなでる。「……こんなにしてさ」
「だって……授業が」
「授業と私、どっちが大事?」
「それは、白子さんですけど……」
 ……こういうときはふしぎと即答するんだよなあ、こいつは。むう。ためらってくれなきゃ、からかいがい
がなかろーが。うれしいけどさ。
 私はちょっといいことを思いついて、言った。
「じゃあさ……二人とも大学に用があるとかけて、これからすること、とときます」黒樹はきょとんとした
顔で私のことばをきいている。「その心は?」
「……?」
「……いっしょにイきたい」
「……!」――ぼんやりさくら色だったかれの顔が、とたんに真っ赤になって! にひひ。
「……その発想力、ふだんもっと活かしたらどうですか」観念したようなあきれたような声で言う黒樹に、
「こういうこと言うのは、あんただけだってば……」
 私は言って、そっとかれを押したおす。……抵抗はない。「……暖房、つけないと」かれがそれだけ
言った。私は答える。「いいよ……黒樹、あったかいもん」
 横になって、かれと目があうと、つい、くすっと笑ってしまう。その目があんまり不安そうで、どぎまぎ
しているから。はじめてでも二度目でもないのに、こうも緊張することはなかろうに……私はかれの
手をとって、肩ひもに誘う。その指がおそるおそるながらひもをつまんで、片方ずつ、ロングのキャミ
ソールの上半分をはだけさせてゆく。覆われていた素肌がひんやりとした空気を感じて、
「……私も、気持ちよくしてよ」
 私はそう言って、かれがまた引っ込まないうちに、かれの顔に胸を押しつけるようにして抱く。
「……はい……」
 黒樹は、胸が好きだ。好き、というのは、私の身体の部分について、かれが比較的積極的に、こう
……愛撫してくれるのが、このおっぱいだということ。
 まあ、これを愛撫と言っていいか、どうか……。
3003/7 ◆mmI3FWyPzM :2009/12/07(月) 01:38:45 ID:Oo0eEaNm
 ギリギリでD分の規模はある私の胸に、かれは顔をうずめるようにもたれかかる。そして、ちゅっ、
ちゅっ、と、音を立てながら、ときには静かになめるように、私の胸を吸う。手は使わず、くちびると
舌のうごきだけで……それがかれのクセなのか、こだわりなのかはわからないけれど、こうしている
ときは、かれは夢中に、その行為に没頭しているようにみえる。
 はじめは外堀を埋めるように、乳房の端から、かれの湿った舌が、くちびるが、私の肌を滑って
ゆく。肌に触れる、かれの身体のいち部分のかたちが、目を閉じていてもわかる……それは指と
錯覚してしまいそうなほど、器用に私をまさぐる。くちびるがついばむように肉をつまみ、舌がきゅうに、
つつ、と肌をへこませながら進む。
 そして徐々にてっぺんまで近づいてきたかれの口は、一度はなれ、また近づいて、ほおばるように
口全体でそこを包む。舌が胸の先端にふれて、ちゅ、ちゅ、と水音を立ててそれを吸い、はじき、
転がす……そして、唐突に、きゅ、と硬いものではさまれる感触がして、
「――……っん」私は思わず、小さくうめき声をあげる。
 ……この胸の部分だけに関しては、黒樹はそこらの男よりもよっぽど上手だ。私はおなかの奥に
湧いてきたあたたかさを感じながら、黒樹の髪をなでる。一心に私のおっぱいをいじるかれは
まるで赤ちゃんみたい。……けれど、このテクニックを見るに、もしかしたら、実は以前に経験がある
のかもしれない、と私は思う。それでも私はいっこうに構わないけれど、ウソをつかれているのだと
したら、それはちょっとイヤだな。
 とくに、この、黒樹にウソをつかれるのは……ヤだ。むう、信じてるけどさ……
「……こういうことするのは、白子さんにだけですよ」
 ……う。上目づかいで黒樹に言われる。最初におもわずきいちゃったときのこと、根に持ってるなあ、
こいつめぇ……あのときの怒りっぷりは、あれはあれで貴重な一幕だった気がするけども。経験済み
であることならともかく、ドーテイであることを疑われて怒るオトコって、そうそういないんじゃなかろーか。
ま、そーいうとこもカワイイ黒樹なのであった。
「あんまナマイキいうと、おあずけだぞぉ」私が笑って言うと、
「……あ……す、すみません、そんなつもりじゃ」と首をちぢめる黒樹。
 ……そんなにいいもんかなあ、私のって? でも、わるい気分はしなくって、きゅっと抱いてあげる。
「ほぉら、たんとめしあがれ」
「そ、そういう言い方……もう」ばつの悪そうな顔をしながらも、黒樹は素直に顔を戻す。
 もう片方の乳房も同じようにされて、私の胸は黒樹の唾液でべとべとになった。それをまた、黒樹は、
最後に全体を舐め上げるようにして舌ですくう。そして、胸に顔を置いたまま、上目づかいで私を
見やる……次はどうすればいいの、というように。
「どうしたい、黒樹?」
 私はかれに、ついついいじわるに聞いてしまう。そうすると、かれは、おずおずとちいさな声で、
「……白子さんに、気持ちよくなってもらいたい、です」と答える。
「どうやって?」
「…………」
 黒樹はだまって、からみついた脚に硬くなったものをこする。そうした態度のいちいちが、どこか
頼りなくて、いじらしいのだけど……なぜだか、ふしぎと、イヤな感じはしないのだ。黒樹はこういう
もんだ、とすでに理解しているからだろうか。そして私は、なんでだか、そういう黒樹が好きなのだ。
ひとの好き嫌いというのはまったくふしぎだと思う。この世には抹茶アイスなる異形のものが大好物な
人間もいるのだ、たとえば目の前の、私が大好きなこいつのように。
「……白子さん?」
 もう少しいじめてあげてもよかったけれど、私のそこもだいぶ湿ってきていた。ん、と私はうなずく。
 起き上がって、下着を脱ぎ、裸になった黒樹のそこにゴムをつけてあげる。今までさんざん男らしく
なさを私に指摘されてきた黒樹も、すくなくともここは太さも長さも立派に一人前のオトコだ。主人も
息子と同じくらい自己主張してくれるとうれしいのだけども。
「白子さん……」
「うん。……」
 身体を重ねあわせると、かれのそこの感触がおなかに当たる。全体に体毛の濃くはないかれの中
でも、そこはざわざわと黒く茂っている。そのもうすこし下、脚の間には、熱く硬く、けれどやはり肉の
柔軟さをどこか感じさせるものがあって、私のおなかの、もうすこし下に当たる。
 私が上、かれが下。これははじめてのときからずっとそうだ。腰を上げ、むくむくと立ち上がった
それを指で導きながら、私はそっと腰を降ろす……。
3014/7 ◆mmI3FWyPzM :2009/12/07(月) 01:39:25 ID:Oo0eEaNm
「っ、あ……っ」
 黒樹が中に入ってきたとき、私はおなかからのどにかけて駆けあがってきた何かを、吐息とともに
吐きだす。あ、というつづく声は、私ではなく黒樹のもの。私はかれの肉付きのうすいおなかに手を
当て、なでる。荒い息にあわせるように、それは動いている。顔をあげれば、黒樹は目を細め、口を
なかば開いて、私たちの接点を見つめている。
 ……この大きさだと、私だけで動いて出し入れするのはけっこう大変なのだけど。腰をあげると、
中に密着した――あるいは私の方がひっついているのか、かれの熱いものがずるりと引き出される
感触をつよく感じる。抜き切ることはせずに、ゆっくりと、上下の運動を繰り返してゆく……かれの
硬いくさび型のそれが私の中をこするたびに、腰のあたりから、背へ、頭へ、心地よい波が伝わって
ゆく。
 黒樹はといえば、されるがまま、ときおり跳ねるように腰を浮かして、そのたびにうめきともつかない
甘ったるい吐息をもらしている。「白子さ、あ、っ……!」腰を落として、その袋の部分を後ろ手に揉んで
あげると、切なげに黒樹は身体をふるわせ、両手で私の腰をつかむ。
「黒樹……」私はそんなかれに言う。「私を、気持ちよくさせてくれるんでしょ? 私、まだまだ……」
 まあ、正直いって、そこまで余裕はないのだけれど……。
「…………」
 黒樹はいじらしい目で私を見上げると、ぐ、と腰を突きあげる。黒樹のそれが、奥の方までとどいて、
こすって、私はおなかの奥から声をもらす。「あ、……っん、く」どうにか微笑んでみせて、「……ん、
そう、そうやって……いいよ、黒樹……もっと、……」
 腰をあげて、突かれて、そのたび、私は甘い声をもらす。貪欲に、かれを誘うように……じっさい、
私はかれを求めている。私の身体が、そして心も。かれと交わり、こすれあうたび、あふれるような
その欲望が、声となって発散されていくようだった。何度も、何度も、熱く湿った息として……。
「白子さん……」かれの、熱に浮かされたような声。「腰、浮かせて……」
 私はかれの言うとおりにする。すると、かれのかたわらに置いていた手を、ひしとつかむ感触。
 そして、
 ――ひといきに、引き降ろされ、貫かれて、私は、
「――……っ!!」
 声にならない叫びを上げる。私の、奥の、奥まで触れるかれの熱いものが、熱く脈打っているのが
わかる。私たちを隔てる薄い膜がなければ、きっと、その熱いものから放たれたもっと熱く粘っこい
液体が、私の中を満たしていたことだろう。そうでなくても、しびれるような頭の中は白くもやが
かかったようで、私は黒樹をくわえこんだまま、かれの上にへたりこんだ。
「黒樹、ぃ……」われながら、なさけない声。
 かれの返事はなかった。ただ、つよい力で、私は持ち上げられ、あおむけに押し倒されている。
 淡い視界にあるのは、かれの、ほの赤らんだ、真剣な顔。……いったいいつもはどこに、こんな力と、
こんな表情をかくしているのか……。ともかくも、私は、黒樹の「スイッチ」をうまいこと入れられたこと
に満足した。
3025/7 ◆mmI3FWyPzM :2009/12/07(月) 01:39:58 ID:Oo0eEaNm
「……白子さん、まだ……いい?」かれの、急かすような、せがむような声。
 わたしは考えることなくうなずく。……第二ラウンドは、かれの番、だ。
「黒、っ……」
 ふさがれた口の中に、かれの舌があらあらしく入ってくる。上手くはないけれど、私の唾液を吸い
つくしてしまいそうな、はげしい口づけ。私の中で達してからすこししぼんでいたそれが、むくむくと
大きくなっていくのを感じる。だからコンドームはゴムでできているのだ、と私はなんとなく思う。
「ひ、あっ……!」
 先ほどの受け身がうそのような勢いで、黒樹は一心に腰を私に打ちつける。今度は私の方が、
されるがままになる番。小細工をする余裕なんてない。ただ、黒樹を全身で受け止めるだけ……
全身でかからなければ、受け切れないほどのつよさ、熱さ。ふだんのかれからは、想像もできない、
たけだけしいほどの攻め。
 黒樹にも……男らしいところは、少しは、ある。
「あ、っく……ん、う……っ」
 そして私も、自分が女なのだと、こういうとき、確かめさせられる。
「ひぅ、あ、あっ、んんっ……あ、はぁっ……」
 私は、いったい自分のどこに、こんな声があったのかと思う。黒樹のそれに突きあげられるたびに、
身体の奥から押し出されてくるような、そんな声。こんな声は、こういうときか、冬に熱いお風呂に入る
ときしか出てこない。そう、黒樹と私はその一部でつながっているだけなのに、まるで全身をお湯の
ように、かれにつつまれて、私は熱いくらいのあたたかさを感じる。声を、はずかしくなるような
声を出さないと、その熱にまいってしまいそうで……。
 ふと見たかたわらの姿見には、女が映っている。その身体にのしかかる男の背に、はなすまいと
するように脚をからめつかせて、髪をふりみだし、口から糸すら引きながら、その女はめまいのする
ような快楽にもだえている。それは私。ふだん身につけているたくさんのウソを脱ぎ捨てたそのままの
私。それはみっともなくって、はしたない、けれどかれの前では、そんなことはどうでもよくなって、私の
きれいなところもそうでないところも、ぜんぶでかれと触れて、交わって、愛しあいたくなる。
「白子さんっ……」
 かれの声に、私は目を上げる。かれの瞳のなかに私がいる。こんなときに、こんなにも相手のこと
を見つめられるひとを、私はしらない。かれの瞳は、まっすぐに、やさしく、けれどどこか心細げに、
私をとらえている。白子さん、白子さん、とかれは私の名を呼ぶ。真摯で、いちずで、私の心をじかに
打つ声。かれは私を愛してくれている。そして私は、かれを愛している。それをこういうとき、つよく、
つよく、確かめさせられる。
 ……それがたまらなく、心地いい。
「んっ、あ……」私はどうにか、ことばをつむぐ。「黒樹、……すご、い……いいよ、っく……あ、……
気持ち、いい、っ……すきぃ、っ……」
 黒樹の瞳が、なにかの感情にゆらぐ。――すきです、と、かれが、言う。
「僕も、白子さん、っあ、……すき、だいすきですっ……」
 私はもうなにも考えられなくなる。かれの肉体と、私を想ってくれるかれの心、そしてことばだけを感じて、
私はそれに甘えるようにひたる。それは体温よりもすこしだけあたたかい液体の中で、眠るような……
泳ぐような、そんな感じに……。
「白子、……っあ……!」
 黒樹が二度目に達するまでに、私は何度も何度も、かれの中で果てた。
3036/7 ◆mmI3FWyPzM :2009/12/07(月) 01:40:25 ID:Oo0eEaNm
 布団の中はあたたかい。二人分の体温、二人分の吐息、あとは二人分の愛情、なんちゃって。
 黒樹は私の胸で眠るように目を閉じていた。ちょいちょい、とほっぺをくすぐると、すりすりとして
くるのがかわゆい。これがついさっきまで、さんざんに私をハズカシメていた男とは――あふれそうな
ほどかれの体液を受け止めたゴムが、きつい臭いを放って枕元に鎮座しているのを見なければ、
とてもそうは思えない。黒樹は私の部屋にこの手のものを捨てさせようとしないのだ。ヘンなところで
律儀なヤツだと思う。
「…………」
 行為のあとの心地良いつかれを感じながら、黒樹を抱いていると、おなかのあたりからなにか、
さっきまでのそれとはまたちがった、あたたかさのようなものが湧いてくる。……それはたぶん、
しあわせ、という気持ちなんだろう。寒い朝に布団にくるまって二度寝するときみたいな、たとえが
なんだかアレだけど、そんな、ずうっと身をゆだねていたくなる、ふわふわした気持ち……。
 こういうとき、また私は、かれを、黒樹を好きなんだなあ、と思う。だいすき。うにゅ。
「あの……」かれのくぐもった声。
「うん?」私はかれの細い首をなでながら答える。
「えと、その」もごもご。「さっき、あの……気持ちよかった……ですか、白子さん?」
「白子って言ってよぉ」私の顔にはまだ、あのときの余韻が残っている。にへ。「あれ、けっこー効いた
わよぉ……もしかして、狙ってやった?」
「え、い、いや、そんなんじゃ……その」
「もっかいされたらね、もう、ゴムしてても、デキちゃいそうなくらい」
「……そ、そう……ですか」またはずかしげに目をふせて、黒樹は言った。「よかったです。僕、ずっと、
白子さんに気持ちよくさせてもらうばっかりでしたから」 
 ん? と私はふしぎに思ってその顔を見る。かれは続けた。
「いつも、がんばろうって思って、する前にいろいろ考えるんですけど……その、最中は、もうなにも
考えられなくなって……がむしゃらにするだけで。でも、今回は、ちょっとは……その、うまくできた
なら、うれしいです」
 そう言って、ぽふ、とまたうつむく。
 ……黒樹ってば、もう、ホントにマジメなんだな、と思う。普通、えっちの前にいろいろ考えるといえば、
そーいう理屈っぽいコトじゃなし、もっとケダモノっぽいコトだろうに。それだけ私のことを想ってくれて
いるのだといえば、それはそれで、うれしいのだけど……
「ね、黒樹」私はかれの細い首をなでながら言う。「私たち、恋人だよね?」
「え?」ぱっと、おどろいたように顔をあげて、「それは、そう……だと思ってます、けど」
「どっちよ」
「……そうです。白子さんは、ちがうんですか?」
「恋人でもないひととこーいうことする主義じゃ」と、ゴムをとりあげて、プラプラと振ってみせる。あんがい
重いな。「ないわよ。……そいじゃ、私たち、りっぱに両想いなラブラブカップルなわけだ」
 頬を染めてうなずきつつ、黒樹は不安げな目を私に向ける。
「なら……」私はそんなかれに顔を近づけて、すこし考えてから、言う。「せっかくのときに、そう
やって、心配したり考えたりするのって、野暮じゃない。黒樹、そのままでもじゅーぶんおっきくて
きもちいーし」耳まで赤くなるかれ。「それにね……私、黒樹が出してるときのあの顔、あのそのまんま
の顔が、いちばんかわいーし、すきだと思うんだけどなあ」
「……っ!」
 あの、なんともいえない、とろけきった顔ったら! ……まあ、私の方もそういうとき、姿見を見るまで
もなく、あんまりほめられた顔はしてないんだけど。
「だからね……」ほかほかになった顔を押し付けてむぐむぐ言っているかれを、ほほえんでなでる。
そんなはずかしがることじゃなかろーに……恋人どうし、なんだから。「私は、そのままの黒樹でいて
くれるのが、いちばん気持ちよくって、しあわせだとおもうな。ムリなんてしなくていーの、というかね、
その、私の前でくらいは……えー、ホントの黒樹でいてほしいな、って……」
 えへ、と私はこらえきれなくなって言う……こーいう甘々なセリフは、私のガラじゃないのだっ。
「……はい」黒樹が顔をうずめたまま答えた。「ありがとうございます……白子さん」
 そこは、ありがとう白子、だろーが……というのは、ちと早急すぎるか。でも、さっき名前を呼ばれた
とき、胸がきゅうんとしたのは、冗談じゃなくって、ホントにホントなんだからね……と言えない私も私。
そーいうガラじゃないのだ、と言い訳しつつ、胸の中のかれをなでなで。私はことばよりも行動でしめす
タイプなのだっ。
3047/7 ◆mmI3FWyPzM :2009/12/07(月) 01:40:47 ID:Oo0eEaNm
「黒樹は、甘えんぼさんだよねえ」私はにこにこしながら言う。
「……そうですか?」かれは目を閉じたまま答える。
「もしかして、おかーさんの愛情が足りなかったり?」
「ちがいますよ」そこでうなずいて甘えてくりゃいーものを、男ってのは、みんなイったらずいぶん冷静
になっちゃうもんだ。むう。「それに、だいたい、白子さんはおかあさんってガラじゃないでしょ」おーおー、
口のイキオイも戻っちゃって。そりゃ私は、そーゆーガラでもありませんがねっ。
「あら、そお」そんなカワいくない黒樹には、カウンターでお返し。「少なくとも、その予定はあるんだけどぉ?」
「…………。どういう意味ですか、それ……」
 そう言いつつ、胸に感じる温度が、ちょっと高くなった気がする……黒樹は基本的に正直ものだ。
正確に言えば、ウソをつくのがヘタなのだ。頭をなでてあげると、ため息みたいな吐息をもらして、
それでも私の胸に顔をうずめる……そうそう、正直がいちばん。
「おかあさんってガラじゃ、ないですけど……」黒樹がもごもごとまた、私のやーらかい胸に向かって、
なにやら言った。
「うん?」
「その……」ふにふにと、ほおずり。「白子さんの……愛情は、もっと……ほしいです」
「…………っ」
 ……んん〜、もう、黒樹ったら、ウソをつくのはヘタでも、甘えるのは上手っ!
 私はしぜんとにこにこしてしまう顔で黒樹の頭をすりすりしながら、ぎゅうっと愛情いっぱいに抱き
しめる。あー、かわゆいかわゆいっ!
「あ、あの、だから、もう少し……」うんうん?「もう少しだけ、おかあさんになるのは……待ってほしい
んです。もう少しだけ、白子さんを、ひとりじめしていたいから……」
「……――――っ!!」
 ――あああああもう、そーゆーことを真顔でゆーのかきみはっ! ホントにもう、ときどき黒樹は、
一撃必殺で理性を撃ち砕いてくることをあっさり言っちゃうから困るっ! いまどきこんなに素直で純情で
うぶな男子大学生なんて、きみくらいだぞぉ、黒樹くんっ!
 ……そんな黒樹が、私はもうだいすきでだいすきで……がばっ! と押し倒しちゃうのだっ!
「わっ……し、白子さんっ?」
「だいじょーぶよ、黒樹」私はちゅっ、ちゅと頬に口づけして、「おかーさんになっても、黒樹にあげるぶん
の愛情は、まだまだまだまだ、たーっぷりあるんだからねっ」
「え、あう……」あわてたような、おどろいたような、はずかしがるような顔で、「あ、白子さん、ゴムをっ、……」
 私はその口をふさいで、――またはなして、
「黒樹……きょう、大丈夫だから」私は……ただかれだけを見て、言う。「たまには……ね?」 
「…………」そしてかれの瞳も、私だけを映して……「はい、……」
 白子、と、ただそれだけかれが言ったようにきこえたのは、気のせいか、空耳か、それともホントの
ことだったか、……。

 ……寒い朝。けれど、たがいの名を呼び合う私たちの身体は、熱く熱く燃えるよう。私たちは抱き
しめあって、たがいにあたたかさをもらって、甘え合って、ささえ合って、……黒樹。その名を呼ぶたび、
私の中で、かれへの愛情は消費されるどころか、どんどん増してゆくのがわかる。だから、肌寒かったり、
心細かったり、さみしかったりするとき、私はその名を想い、呼ぶ――この世でいちばんだいすきなひと、
あなたの名前を――

「……ってのは、ガラじゃない、わよね? にひひ」
「え? あっ、や、ひゃうぅっ……」

 ……そんな、さむくてアツぅい朝のお話なのでしたっ!
 
                   Call you, Cold morning. おしまい
305 ◆mmI3FWyPzM :2009/12/07(月) 01:42:12 ID:Oo0eEaNm
投下は以上です。
306名無しさん@ピンキー:2009/12/08(火) 08:51:42 ID:7mc+3fgR
GJ
307ALI PROJECT@妄想SS:2009/12/13(日) 10:54:35 ID:W6gvgsVT
質問スレで大丈夫かもと言われたので投下します。

・このSSはグロテスクな表現がメインです。
・登場人物はアリプロのCDジャケットが元ですが、私が妄想で作り出したキャラなので
 禁止されている「実在する人物」ではありません。
・世界観は魔女とか魔物とか普通にいるファンタジー系。
 アリカさん達(CDを元にしたキャラ達)は魔女扱い。
・登場人物全員ふたなり(男も)。
・レス数は6レスです。
・アリプロのイメージを崩したくない方やアリプロが嫌いな方はスルーorNGお願いします。
・NGワードは「ALI PROJECT」です。
308ALI PROJECT@妄想SS:2009/12/13(日) 10:55:34 ID:W6gvgsVT
「レーイーラちゃんっ、セックスしようぜセックス!」
語尾に音符マークが付きそうな程の楽しげな声でさらりと危ない発言をする男は、
満面の笑顔でレイラと呼ばれた女性の顔を覗きこんでいた。
当の本人は目覚めた瞬間に彼の発言を耳にしてしまった為に、少々不機嫌であった。
「人が夕食も忘れてすやすや寝ている間に複数で不法侵入した挙句、第一声がそれか…」
彼の後ろに申し訳なさそうに立っている二人に視線を移しながら、
できるだけ低い声で彼、ミキヤに向けて言い放つ。
ちょっとした昼寝のつもりが、どうやら夜まで眠ってしまったらしい。
換気の為に開け放しておいた窓からは、時折冷たい風が入り込み、
上半身だけを起こしたレイラの身体をぶるっと震わせた。
「ごっ、ごめんなさいっレイラ…説得はしたけど…聞いてくれなくて」
秘書のような衣装に身を包んだ女性、ジーニアスが必死に頭を下げ、
その横で黒装束を着た女性、クロウは流し目でミキヤを睨んでいる。
「そんな怖い顔して怖い事言うなよー、あんまりキレると小じわが増えるぞ」
その台詞を言い終えた瞬間に我慢の限界がきたレイラが拳を繰り出すが、
簡単に避けられ、思わず歯がみしてしまう。
「照れるなよ、ほら、レッツプレイセックス!」
またも危ない発言をかますミキヤを無視し、少しきつい口調で言う。
「とにかく、早く帰ってくれっ!もちろん、その馬鹿を連れてな!」
言い終えてすぐに窓を閉めようと、三人に背を向ける。
309ALI PROJECT@妄想SS:2009/12/13(日) 10:56:22 ID:W6gvgsVT
だが、それが間違いだった。
やめておけばよかった。そのまま寝台から降りて自分が部屋から出れば良かった。
背を向けた瞬間、クロウが素早くレイラを抱えるようにして捕らえた。
「!?な、なにをっ…馬鹿っ、離せ!」
身の危険を感じて暴れるレイラを簡単にねじ伏せ、そのまま小声で呟く。
「すまないな…あいつの命令を聞かないと、私達が酷い目に遭うんだ…」
それを聞き、レイラは怒りの視線をミキヤに向けるが、
本人は特に気にせず、微笑みながら近づいてくるだけだった。
「っ…く、来るなぁっ!」
火事場の馬鹿力を発揮し、クロウの拘束から逃れ、扉へと駆け出す。
そして右手をドアノブへと伸ばす、が。
「……あ、あれ…?」
何が起こったのかレイラは一瞬、理解ができなかった。
ついさっき、ドアノブを握ろうとした右手が、肩の辺りから無くなっていたからである。
戸惑いながら首だけで振り向くと、丁度ジーニアスが刀を構え、
目にうっすら涙を浮かべながら、レイラの左腕に振り下ろす瞬間だった。
「あ……あ゛あ゛あ゛ぁ!?嫌ああああ!!」
少し間をおいてから鮮血が吹き出し、部屋を真紅に染める。
三人も例外ではなく、大量の血液を全身に浴びていた。
痛みのあまり床を転げまわり、激しく泣き叫ぶが、
ミキヤは全力で彼女を踏みつけ、その動きを止めた。
「うあああああっ!痛いっ痛いよぉぉっ!ああああっ!」
両足をバタつかせながら転んだ幼い子供の様に泣き叫ぶが、誰も助けようとはしない。
むしろ、その様子を微笑みつつ楽しげに見下ろしていた。
310ALI PROJECT@妄想SS:2009/12/13(日) 10:57:08 ID:W6gvgsVT
最初は躊躇していたジーニアスとクロウだったが、先程の事で慣れたらしく、
今やミキヤの命令を全く躊躇わず、笑顔で実行する様になった。
「ははっ、レイラちゃん、腕がどっちも無くなったうえに、
 その傷口に中出しされた感想は?」
蹲っていたレイラの頭を掴み、無理やり顔を上げさせる。
ミキヤとジーニアスは腕を切り落とした後、傷口に挿入し、そのまま射精した。
抵抗する術(すべ)の無いレイラは、突かれる度に只泣きわめくしかなかった。
「うぁ…ぐす…っ…えぐっ…」
当然、感想など言える筈もなく、激痛と屈辱で泣きじゃくっていた。
「さて、回復してあげるか…ジーニアス、リカバー頼む」
「はいはい」
短い詠唱を唱え、杖を振りかざすと、レイラの身体は眩しい程の光に包まれる。
その光が晴れる時には、レイラの傷は塞がり、腕も元通りくっついていた。
「う…うわあああぁぁっ!!」
リカバーによって傷が完治したと同時に身体を震わせ、
怯えながらこの場から逃げ出そうと慌てて起き上がろうとする。
「おっと」
だが、レイラが立ち上がるより早く、ミキヤが彼女の腕を掴んで引き寄せる。
「ああああぁぁっ!いやぁぁ!」
三人の暴行からどうにかして逃げようと必死に暴れるが、
一対三ではどうにもならず、結局首輪と鎖で繋がれる。
自分を抱いて震える彼女は、もう魔女などではなく、只のストレス発散の道具と化していた。
「さて、逃げようとした罰を与えないとな…ちょっと手伝え」
そう言いつつクロウを手招きし、レイラに視線を移す。
涙を流しながら全身を激しく震わせ、過呼吸の様な呼吸を繰り返し、
ミキヤとクロウを恐怖の目で見上げていた。
311ALI PROJECT@妄想SS:2009/12/13(日) 10:57:55 ID:W6gvgsVT
「よしクロウ、お前のデカイので犯してやれよ」
クロウは軽く頷き、少々躊躇いつつスカートのようなものを降ろす。
「ひ…いやっいやぁぁ!やだぁぁっ!
 お前らみたいな奴の子供なんてやぁぁぁ!!」
空気に触れた瞬間に大きくなったクロウのモノを目にした途端に、
絶叫しながら必死になって暴れ出す。
しかし鎖の強度は凄まじく強く、暴れる程度では壊れる事は無かった。
「まあ落ち着け。誰も此処を犯すなんて言ってないぞ」
そう言いながらレイラを下半身だけ脱がし、秘所に指で優しく触れる。
「ふぁ!?や…さわ…るっ…なぁ…んあぁ!!」
頭では嫌がっているものの、敏感な部分に触れられれば、
身体は大きく跳ね上がり、喘ぎ声に近い悲鳴が発せられる。
「今犯したいのは…ここだよ、ここ」
その台詞が言い終わらないうちにクロウがレイラに歩み寄り、
頭を掴んで後ろの壁に押し付け、右目にモノの先端をあてがう。
「え……ま、待ってよ…そんな…み゛いいいぃぃ!?」
クロウのモノが一気に突き入れられた瞬間、猫の様な悲鳴をあげ、
右目からは鮮血を、左目からは涙を流して絶叫する。
312ALI PROJECT@妄想SS:2009/12/13(日) 10:58:50 ID:W6gvgsVT
「おー、やっとハーフっぽい声出たなー。
 ライガなんて凶暴なやつとの混血なのに、なんでお前はこんな可愛い声出すんだよ」
「し…しら、な、いっ、知らないよっ…う゛…くぅ…」
クロウが激しく腰を振る度、レイラは短い悲鳴をあげ続ける。
絶えず生々しい音が響き、傍観していたジーニアスは思わず耳を塞いだ。
「んああぁ!?な、何これっ…!?
 目玉犯すのがっ、こ、こんなっ、気持ちいいなんてぇぇ!」
普段のクールさはどこかへ吹き飛び、初めて感じるタイプの快感に酔いしれ、
発情期の獣のように腰を打ちつけ続けた。
「ん?はは、こんな事されて濡らしてるのか、凄いエロ猫だな」
ミキヤの言う通り、レイラの秘所は洪水状態といっていい程濡れ、
足元には愛液の水溜りができていた。
「ふん、変態淫乱エロ猫女が。
 こんな事されても感じて愛液分泌するなんて、お前危ないよな」
「ち…違う…変態じゃない…淫乱じゃない…エロくない…
 猫なんかじゃないぃぃぃっ!!」
絶叫しながら否定するが、実際に彼女は性的な快感を感じており、
只それを認められず、必死に否定し続けていた。
「あぁっ、もう駄目ぇぇ!!
 イクっ、イッちゃう、目玉ぐちゃぐちゃにするのっ、気持ち良すぎるうぅぅ!」
叫ぶと同時に入るだけ突き入れ、そのまま大量に射精した。
「あ゛あ゛あ゛ぁぁっ!やっ、あづっ、あづいぃぃ!やあぁぁぁ…!」
一年は溜め込んだかと思う程の大量の濃厚白濁液が、結合部から絶えず溢れ、
二人の身体を赤と白に染めていく。
「うあぁ…いや、もういやぁ…お願いぃ、もうやめ、あ゛あ゛!?」
313ALI PROJECT@妄想SS:2009/12/13(日) 10:59:43 ID:W6gvgsVT
クロウが恍惚の表情でモノを引き抜いた瞬間、ミキヤが左目にピンセットのような器具を突っ込む。
そのまま目玉を引きずり出し、レイラの口に入れ、無理矢理咀嚼させる。
「んぐうぅ…ん…あ゛…うぇぇ…」
噛み砕く度に白い液体が溢れ、レイラの口内にどろっとした感触が広がる。
「自分の体の一部くらいちゃんと飲み込めよ」
「う…ん、んぐっ…けほっ…」
朦朧としながら素直に飲み込み、そのまま動かなくなる。
「ん?…死んではいないか…ジーニアス、リカバーリカバー」
出番がなくなりボーッと傍観していたジーニアスだが、
ミキヤに声をかけられれば即座に反応し、リカバーで回復させる。
「………」
レイラはもう何も言わなかった。
泣く事もなく、震える事もなく、只虚ろな目でミキヤ達を見上げていた。
何か思いついたような顔をしたクロウが術を唱えると、レイラの腹は直ぐ様大きく膨らむ。
「…ふ…あ…?」
ほんの少し喘いだ瞬間、秘所からは次々と仔猫が生み落とされる。
「あ…は…ねこぉ…ねこの赤ちゃん…いっぱい生んでるぅ…」
恍惚の表情で仔猫を生み続け、母乳を噴出しながら、レイラは彼らの手に堕ちた。

(終了)
314ALI PROJECT@妄想SS:2009/12/13(日) 11:00:31 ID:W6gvgsVT
一応どのキャラがどのCDが元か書いておきます。
レイラ…オリジナルアルバム「Psychedelic Insanity」
ジーニアス…オリジナルアルバム「禁書」
クロウ…シングル「わが揩スし悪の華」
ミキヤ…オリジナルアルバム「Poison」の歌詞カード内で毒殺される男性
お粗末でした。
315名無しさん@ピンキー:2009/12/13(日) 21:46:28 ID:w3OK8ye1
GJ
316名無しさん@ピンキー:2009/12/15(火) 17:42:47 ID:e1WUna+J
この発想は無かった
317名無しさん@ピンキー:2009/12/22(火) 23:09:12 ID:G6pU2AQb
>>256はもっとGJを受けるべき
元ネタ知らないけどこれはいい
318名無しさん@ピンキー:2009/12/23(水) 00:04:50 ID:JwTAJAGG
>>317
作者様自演乙。
319名無しさん@ピンキー:2009/12/25(金) 12:27:05 ID:Y4ZZ2WkW
三次創作投下てアウト? セーフ?
320名無しさん@ピンキー:2009/12/25(金) 13:06:39 ID:x+1VzDRn
基本、ここにアウトはない
321名無しさん@ピンキー:2009/12/25(金) 16:10:02 ID:Y4ZZ2WkW
了解。有難う。
322名無しさん@ピンキー:2009/12/26(土) 14:22:35 ID:alVs3uli
>319
そんな事を聞くってことは、二次の作者に無断または断られたけど三次創作をしたいって事だよね?
このスレとしては問題ないかもしれないけど、元スレで作者に断ってから書いたほうが良いと思う

319が誤爆スレや愚痴スレを見たことあるかは分からないけど、あそこのレスは書き捨ての筈なのに元
スレ態々持ち込んで荒しの材料にする輩もいるんだよね、実際
それと同じ事が起きる可能性を考慮した上で投下したいのなら、別に良いんじゃない
323名無しさん@ピンキー:2009/12/27(日) 00:41:46 ID:UGxqLO0c
>>305
おお、いいもの読んだぞ。GJ
しかし女の子に「白子」と名づける親は悪意の塊だな。
324名無しさん@ピンキー:2009/12/27(日) 02:06:12 ID:1AnXFQxe
嫉妬スレの荒らしがキモイというか哀れというか頑張れというか……
24日25日とスレ監視して過疎ってる避難所まで監視してず〜っとスレにいるよ
どんなに時間に余裕があっても飽きるだろうにさ。もう二〜三年くらい粘着し続けてる
病気レベルの粘着っぷりに仕事とか友達とか恋愛とかリアルが心配だよ
たまにしか来ない来訪者相手に同じこと繰り返してるのを見るとなんかもう……

荒らしでここまでドン引きするのも実生活を応援したくなるのもこれが初めてだわ
もしかしたらこのスレも監視してるかもしれないけど十分ありえるんだよなあ
325名無しさん@ピンキー:2009/12/28(月) 00:22:48 ID:sUfcwtrD
?
326名無しさん@ピンキー:2009/12/28(月) 00:53:20 ID:kTgX+O34
ウナギのことじゃね?
327名無しさん@ピンキー:2010/01/02(土) 09:26:31 ID:wszWXsS7
あけおめー
328名無しさん@ピンキー:2010/01/18(月) 11:44:45 ID:RoDqghJ+
ほしゅ。
329名無しさん@ピンキー:2010/01/19(火) 03:16:50 ID:xw+zeaxE
調教済みの女の子の話を書いてみたかった。
書いてみたらエロが随分薄い、やたら説明的でグダグダした話になってしまった。
でも折角書いたので投下させて下さい。
調教で従順になって純愛のスレとは少し趣がチガウのでここで。
330名無しさん@ピンキー:2010/01/19(火) 03:19:03 ID:xw+zeaxE
 春も半ばを過ぎた四月末のゴールデンウィーク初日。
 酷い事をしようと思った。いや、酷い事をした。
 ネットを通じて知り合った近所に住む大学生――仮に[S]としよう――に誘われたのだ。「遊びに来
ないか?」と。彼とは、とある画像投稿掲示板でコメントを交わす間柄だった。いわゆる個人撮影の
アダルト画像を投稿するアングラサイトで、もっともSが精力的に自力で獲得した女性の写真をUPす
るのに比べ、俺はもっぱらコメントをつけるだけの賑やかしでしかなかったが。
 ただ、Sの撮影する写真に、度々見覚えのある背景が写っていた事から割と近所に住んでいるの
が判明。恐る恐る「これ、〇〇公園ですよね。ウチの近くです」見たいな事を述べてみたら、気さくな
彼が「じゃ、会おう」と言い出したのだ。以来、飯を奢って貰ったりゲームをしたりという付き合いが始
まった。
 そして今回。俺が女性経験のない事を嘆いていたら「なら、抱かせてやる」とSが言い出したのだ。何
とも有り難い申し出である。だが、話以上に俺は驚いていた。彼のメールには『この子でいいか?』と
いうメッセージと共に一枚の画像が添付されており、そこに写っていたのが見知った顔の女の子だっ
たのである。
 同じ高校に通う女生徒だ。同じ学年で、去年のクラスメイトでもあった。杵築愛海(キヅキ マナミ)という、
朗らかだが軽い感じの子だ。勉強は嫌い、遊ぶのが好きという性格で、お世辞にも真面目な生徒と
は言えなかった。何故、過去形なのかと言うと、前年度の三学期に入った辺りで行動パターンや雰
囲気が一変したのだ。以前は事ある毎にケラケラと口を開けて笑うような奴だったが、一月半ばくら
いから沈みがちになり、何事も斜に構える口数の少ない女になった。
 その杵築が、裸になって足を広げ、陰唇を両手の指で開いて虚ろな笑顔を浮かべていたのだ――。
 元より好みのタイプでは無かったが、それでも見目は良いし、セックスの相手にして不足はない。
 俺は震える手でSに返信メールをだした。
 そしてGW初日の四月二十九日。午後一時。俺は公園でSと待ち合わせたのである。
 Sは俺が杵築と知り合いである事を聞いて爆笑していた。だが少し遅れてやって来た杵築本人は
愕然とし、真っ青になって足を震わせた。まさか、こんな所で知った顔に出くわすとは思っていな
かったのだろう。可哀想なほど膝をガクガクさせ、そして目に涙を溜めた。
「今日はよろしくな、杵築サン」
331名無しさん@ピンキー:2010/01/19(火) 03:20:02 ID:xw+zeaxE
 だが結局の所、彼女は泣き出すまで行かなかった。これまで散々弄ばれてきたのだろう。諦めに
も似た溜息を吐き、無言で目を伏せただけだった。その哀れな姿に、むしろ嗜虐心を煽られたのだ
から、やはり自分は酷い人間なんだろう。
 Sも俺も、見かけは十人並みで無害そうな男である。目つきが鋭いわけでも、態度が乱暴で迫力
があるわけでもない。如何にも脂ぎっていて、女を物扱いするような人間には見えない。だが、肝心
な部分のネジが外れているのだ。そんな共通点を読み取ったからこそ、Sも俺を気に入り、構ってく
れる様になったのだろう。
 杵築は完全にSの言いなりだった。余計な事を喋らず、何事もただ黙って従う。道すがら、Sが俺
に女を従順にさせるコツなどをレクチャーしている間も、ただジッと俯いて後を付いて来た。相当、
教育が行き届いているらしい。ホテルに着いてからも同じだ。用意しろとの指示にコクンと頷き、無言
でシャワーを浴びに行く。そしてバスタオル一枚だけを体に巻き、そのままベッドに乗った。意外に
豊かな胸が揺れ、白く滑らかな肌が顕になっている。
「じ、じゃあ。頂きますって事で」
 初めて女の味を知ろうという俺は随分とテンパッていたが、彼女がシャワーを浴びている間にSと
軽口を叩き合った事で大分緊張も薄れていた。それでも上着を脱ぎ、ベルトを緩めると息が荒くな
る。だが思い切って股間を晒し、彼女にペニスを舐めさせると、次第に緊張は心地良い興奮に変
わった。
 これもSの助言によるものだ。フェラチオをさせて上から女を見下ろせば、立場の上下がハッキリ
分かる。そうすれば落ち着いて女を楽しめるだろうという。それは、なるほど正鵠を射て、俺は初め
て触れる女の柔肌を、存分に楽しむことが出来た。
 大人しく言う事を聞く杵築の胸を揉み、乳首を吸い、女性器を撫でて蜜を零させる。そして硬く勃起
したペニスを挿入し、夢中で腰を振った。
 後にして思えば、やはり途中から我を忘れていたのだろう。結局の所、最初の一回は大した事が
出来ずに終わったように思う。気がついたら俺は彼女の膣内で果てており、微妙に冷たくなった頭
と、どこか燃焼しきれていない疼きが体に残っていた。
 惜しいと言えば惜しい。折角の機会をくれたSの手前「思わず夢中になっちまったZE!」などと強
がって見せたが、杵築の方が達していない事は明白である。堪能しきれなかった事も含めて口惜
しかった。まあ、これも後にして思えば割と上出来の類だったのかもしれないが。
332名無しさん@ピンキー:2010/01/19(火) 03:21:10 ID:xw+zeaxE
 この時、Sは手出しをせず、椅子に座って眺めていただけだった。彼なりに気を効かせていたのも
あるが、杵築の仕上がり具合も見たかったのだそうだ。
「これ、使ってみる?」
 そして俺が内心で狼狽えるのを見て取った時点で漸く口を出し、鞄から一本のバイブを取り出す。
 全く、実に良く出来た先達だ。使い方と効果的な責め方を、横たわる杵築の体で教わる。知ってい
た筈なのに触り忘れていたクリトリスや、最近の研究で存在が疑問視されているというGスポット、そ
して膣の奥にあるというポルチオ性感など、責めた時の反応を仔細に説明しながら女体の扱い方を
伝授してくれたのだ。
 お陰様で、杵築は俺の操るバイブによって淫らに悶え喘ぎ、絶頂を迎えるに至った。ある種の感動
である。しかも見知らぬ女性ではなく、同じ学校に通う同級生。かつては屈託なく笑顔で挨拶し、他愛
ない会話を交わした間柄である。そんな女の子を嬲り、激しく鳴かせて果てる顔を身るのは、どこか
背徳的な愉悦感があった。
 焦点の合わないドロッとした瞳でベッドに横たわり、ビクビクと体を震わせる杵築を前に、俺は初め
て満足の行く顔で頷いていた。女を好きに弄ぶのが、大層な娯楽である事を漸く知り得たのだ。Sに
肩を叩かれ、ニィッと笑う。
「気に入ったみたいだな」
「ええ、まぁ。知り合いでもありますしね」
 グッタリしている杵築の太ももをポンと触って撫でる俺を見て、彼は顎を軽く押さえて何やら思案し
た。そして改めてこちらを眺め、意外なセリフを口にする。それは俺にとっては大変に有り難く、そし
て嬉しい話だった。
「うん。じゃあ、この子、君にやるよ」
「は? え、やるって……?」
「ああ。俺はもう手を出さないから、今後は君の物って事」
「か、簡単ですね。良いんですか?」
「あははは。俺は他にも手掛けてる女がいるからね。最近は歳上がメインだし」
「は、はぁ。そういやそうですね」
 確かに、彼が件の掲示板に投稿する画像は幾人もの女性に渡っている。二股三股のレベルでは
ない。その中の一人を友人に譲渡した所で、痛くも痒くもないのだろう。そもそも今日だって、特に気
に入っているわけでもないからこそ俺に抱かせるのを良しとしたのだろうし。
333名無しさん@ピンキー:2010/01/19(火) 03:22:16 ID:xw+zeaxE
「んー、俺もね。実は最初の一人は先輩に貰ったんだ。だから遠慮しないで良いよ。ま、いらなきゃ
いらないで引き取るけど?」
「ええっと。そういう事なら、頂きますが……」
 チラリと彼女を伺う。ボーッとしている杵築は、その視線に気付いたのか、やがて虚ろな顔をこちら
に向けた。何を思っているのかはサッパリ不明だ。ただ無言で俺達を見ている。
「愛海も良いよな?」
「……っ。――」
 ただ、Sが軽く声をかけると、彼女は一瞬だけ目に光が戻り、そしてコクンと頷いた。杵築の反応は
それだけだ。本当に分かっているのかいないのか、俺には判別出来なかったが、Sにとっては十分
だったらしい。彼女の連絡先を俺の携帯に登録し、そして自身の携帯から杵築のアドレスを消して
みせる。
 余談ではあるが――後日、俺の自宅にSからの小包みが届き、中を改めると『杵築愛海 調教記録』
と銘打たれたDVDが3枚入っていた。要するにハメ撮りの生データである。別途封入されていた手紙
には、それが記録に残る彼女の全映像記録であり、既に彼のPCからはファイルを抹消してあるとの
事。杵築を縛る物証でもあるが、恐らく必要性はないとの事。俺にとって不快であれば、見ずに破棄
するのを勧めるとの事などが書かれていた。何とも感心するしかない手際だが、後で聞いた所、彼
の知っている世界では『女性の譲渡』の際に行われる一般的な手続きらしい。どんな世界なのかは
知らないが、曰く「信用問題なんだよね」との事である。
 尚、忠告に従い、俺は三枚のDVDを焼却処分した。見るだけは見ようかとも考えたが、急に胸糞が
悪くなったのだ。初めての相手だけに、自分でも意外なほど抵抗感があったのである。杵築が他の
男に抱かれている姿を目にする事が。
 ともあれ、こうして彼女は俺の物になった。
 身繕いを済ませて三人でホテルを出る。あの後、俺はもう一回セックスに挑んだが、それもあっさり
射精して終り、時間は残っていたがお開きになったのだ。
「じゃあな。今度は焼肉でも食いにいこう」
「ええ、その時はメール下さい。喜んで行きますから」
 時刻は昼の三時。Sは自分もしたくなったからと言って去っていった。俺だけに別れを告げ、杵築
には一言もない。既に他人の物という認識なのだろう。友人に対しては気さくで和やかな人物だが、
女性には恐ろしくドライな部分がある。俺はまだ彼ほど割り切ることは出来そうにない。だが、いつか
自分もああなるのだろうとボンヤリ思った。
334名無しさん@ピンキー:2010/01/19(火) 03:23:17 ID:xw+zeaxE
「あー、と。お前はこれから予定とか、無いよな」
「……うん」
 残された杵築は目を伏せて立ち尽くしていた。俺が「帰っていい」と言うまで帰れないのだろう。大人
しく指示を待っている。相変わらず表情は無く、何を考えているかは読めない。取り敢えず歩き出し、
待ち合わせ場所だった公園まで来た俺は、さてどうするかと首を捻り、取り敢えずクレープを二人分
買った。
 先にベンチへ座らせておいた彼女を、露天からの戻り際に遠間から眺める。薄くブリーチを掛けた
ほんのりブラウンの黒い髪は肩を過ぎた辺りでカットされ、自然に流されていた。長袖の白いTシャツ
の上に淡い緑のキャミソール、そして水色の薄手のパーカーを羽織っている。チェックのスカートは
膝丈、足元は白にワンポイントの入った靴下にスニーカーだ。歳相応で可愛らしい服装ではあるが、
俯いて静かに佇んでいる杵築には、去年よりも大人びた雰囲気がある。以前は好みでないと思って
いたが、今は正直、心象が変わった。第三者の手引きがあったとは言え、肌を合わせたからだろうか。
「今更だけど良かったのか? 俺の物になるって話」
「……ホントに、今更よね」
 Sがいなくなった事もあるのか、彼女はやや砕けた口調になっていた。手渡されたクレープをもそもそ
食べながら、こちらの質問に答える。
「あー、ぶっちゃけた話。俺、初心者なんで結構無理するかもだけど」
「好きにすれば良いと思う。君の物なんだから」
「ふむ。そかそか」
 沈んではいるが、杵築の様子はセリフから感じるほど不貞腐れてはいなかった。自分の境遇を受け
入れきっている感じだ。クレープも意外に平気そうに食べている。むしろ俺の方が緊張で食欲を失っ
ていた。無論、平気な顔を取り繕って必死に食べたが。
「でも……そうね。本音を言うなら、まだ君の方がマシだわ」
「そ、そっスか」
「会話を――させてくれるもの」
 薄く笑った彼女に諦観めいた物を感じる。ただ、虚ろに見えた顔には、ほんの僅かに安堵らしき表情
があった。得体の知れないSより、まだしも分かりやすい俺の方がマシというのは本心のようだ。どうせ
彼女には俺がビギナーである事を知られている。なら変に気取らず、遠慮なく欲望をぶつけさせて貰おう。
「そーか。じゃあ、きづ……愛海は俺の物って事で」
「……はい」
335名無しさん@ピンキー:2010/01/19(火) 03:24:36 ID:xw+zeaxE
 コクンと頷く頼りない姿にゾクゾクと背筋が震える。なるほど、これが女を従えるという感覚か。対
等の関係でなく、上に立って見下ろす優越感。Sのような人種が求めているのは、こういった光景な
のだろう。苦労を押して山の頂まで這い上がるのではなく、平地で他の人と目線を合わせながら、
一段下に落とされた女を見下ろす。酷く卑屈で下衆な感情だが、開き直ってしまえば愉悦でしかない。
「なあ。俺のする事を手伝ってくれたりもするのか?」
「他の子にも手を出すの? 学校の……子に」
「分からん。ただ、そういう機会があれば、お前を助手にしようと思ってる」
「ふぅん。好きに使えば良いじゃない。私は君に逆らえないもの」
 良心の呵責とか、自分ばかりこんな目にとかいう気持ちは既に無いらしい。杵築は淡々としていた。
だがクレープを食べ終え、包み紙をポイとゴミ箱に放ると、不意に俺の顔を見て小さく笑う。
「そうね……ただ、私の事も構って欲しいわ」
 それは、最早特定の男に従う事でしか生きられないという、自身の存在意義にまで達した服従心な
のかもしれない。或いは、色々な物を捨てられ、諦め、踏みにじられた挙句に残ったのが人肌の温も
りだけという寂しさからか。
 今日、彼女が俺を正面から見たのは始めてだ。微笑みは直ぐに消えてしまい、また能面のような無
表情に戻ったが、僅かでも本心を口にしたからか、何処と無くスッキリした印象を受ける。
「うん。なら、早速だけど。ついて来てくれるか? 折角だから、もう少しイチャイチャしてみたい」
「……」
 すんなり杵築が頷くのを見て、俺はベンチを立って歩き出した。つい先ほど、二回の射精をしている
ので性欲自体は薄まっているが、何をしても良い女体が側にあるのだ。暇さえあれば弄り回したいと
思っても不自然ではなかろう。ホテルではとにかく挿れて出す事に終始してしまったので、取り敢えず
はキスを経験したいのだ。
 百均の店でウェットティッシュとお菓子を買い、向かった先は一件のカラオケ屋である。駅前の商店
街から少し外れた場所に位置した地元限定のチェーン店だ。夕方19時までは祝日でもお一人様30分
50円+ワンドリンク。飲食物の持ち込みOK。純粋にカラオケ屋としては駅前にもっと安くてサービスの
良い店があるので、そちらの方が人気だ。しかし、余り知られていないらしいが、こちらにはメリットが
あるのである。
 緩いのだ。色々と。監視カメラは全部屋にあるが、ほぼ飾り同然。各部屋のドアには有事の際に店員
が様子を伺えるよう、30センチ四方くらいの覗き窓はあるが、内側上部にフックがあり、ハンガーで上着
を掛けると見えなくなってしまう。鍵は流石に掛からないが、敢えて開けようとしなければ密室も同然。
それを良い事に、如何わしい事に使用する人が後を絶えないとか。店側も承知で、むしろ密かなウリ
らしい。言うまでもなくSに聞いた情報だ。そこで撮影された写真も例のサイトにアップされていたりする。
336名無しさん@ピンキー:2010/01/19(火) 03:25:39 ID:xw+zeaxE
「へえ、意外に綺麗だな」
 二時間を申請し、ドリンクはメロンソーダとコーラを注文。前払いで代金の820円を払い、部屋を借
りる。決して広くはないが内装はシックで悪くない。木目の壁に黒い合皮のソファで、照明を落とし気
味にすると変に雰囲気がある。
「愛海、こっち」
 ドリンクが届いた所でドアに上着を掛け、BGM替りにランダムで音楽を流すようマシンに入力。買っ
てきた菓子をテーブルに広げ、準備が整った所で俺は大人しく座っていた杵築を呼んだ。
「あ……出来れば、服は」
「おう。汚さないようにするよ。取り敢えず抱っこがしたいんだ」
「そ、そう」
 着衣のまま膝に乗せて抱きつかせ、軽く頭や背中を撫でる。派手なセックスを求められた事はあって
も、こういう扱いは余り経験が無いのか、彼女は随分と戸惑っていた。だが力を抜いて楽にと促すと、
やがてそっと強張りを解く。
「はぁ……ん。ん、ふぅ」
 足を揃えて横抱きにされ、上半身だけ正面を向いてベッタリとくっ付く杵築。次第に余計な力が抜けて
俺に体重を預けるようになって来た。こうなると素直になすがままになる彼女に愛着めいた感情が湧い
てくる。殊更優しげな手付きで髪を撫で、頬に触れると、やがて杵築の吐息に熱が篭り始めた。
「こっち向いて」
「ん……はぁ。ん――んむ、ん……」
 背中を支えつつ細い顎を手に取り、ゆっくり顔を近づけて唇を奪う。触れるだけのキスだ。彼女は
目を閉じて無抵抗に受け入れた。気を良くして、二度三度と唇を重ねる。そしてそのまま頬を合わせ
て呼吸を整え、もう一度、今度は上下の唇を交互に挟むような少しだけ深いキス。
「ん、んむ。んぁ……ん、はぁ、ふぅ。んむ、んちゅ」
 最初は乾いていた唇も少しずつ唾液に濡れ始め、やがて杵築の口から僅かに溢れるようになっ
た。それを舌先で舐めとり、またキスを重ねる。やってみたかったのだ。こんな恋人同士が甘い時間
を過ごすようなキスを。
337名無しさん@ピンキー:2010/01/19(火) 03:27:09 ID:xw+zeaxE
「ん……、ん、う、うぅ。は、くっ! んんッ」
 俺自身、浸ってしまった事もあり、暫くそんなキスを続けていると、不意に彼女が身を竦めて小刻
みに震え始めた。そしてこちらの鎖骨辺りに顔を埋め、グググとしがみつく。軽く感極まったらしい。こ
れは可愛いやと抱き返し、後頭部を静かに撫でる。
「ふ――ふふ、はは……ぐすっ。はぁ、はは」
 顔を上げた杵築は、鼻を啜りながら泣き笑いの顔を作っていた。口元は微妙に引き攣り、何やら悔し
げだ。両脇に回された細い指も、キュッと俺のシャツを掴んでいる。
「君……酷いよ。こんな事、初めてされた」
「言ったろ? 無理するかもって」
「うん。へへ……、ホントに酷い人だ」
 無理矢理笑い顔を作りながら、だが彼女の頬に涙が一滴溢れる。モノ扱いを宣言されながら優しくさ
れるのは、却って強引に蹂躙されるより堪えるという事だろう。恐らくは『こんな事までされてしまった』と
いう、かつて失った筈の絶望が蘇っているのかもしれない。一方的に嬲られ、快楽を強制されるのは慣
れた彼女にも、まだ『こんな事まで』という行為が残っていたのだ。割と軽く考えていた『恋人同士が甘
い時間を過ごすようなキス』は、杵築にとって自分でも気付いていなかった、彼女に残されていた可能
性――つまり、本当の意味で心を許せる相手との和やかなキスを、示唆されつつも奪われたに等しい
のである。
 答えて返した俺のセリフは、ちょいと格好を付けてみただけだったが、考えてみれば結果的に随分と
辛辣で洒脱だった。我ながらグッジョブである。
「続けるぞ?」
「うん……どうぞ」
 膝に横座りになっている杵築の上体を起こし、首筋にキスをしながら片手で胸を揉む。さっきのキス
の所為か、随分と彼女の体温は高い。多分、ホテルでセックスをした時よりも上気している。
 どうですか、Sさん。ビギナーの俺にも入り込む余地がありましたよ? と、少し誇らしげに思った俺
だったが、後日になって彼に言ったら「一度トコトンまで堕とした後、態度をガラッと変えて優しく接し、
更なる深みに落とすのはパターンの一つ」だと事もなげに返された。流石に先達である。杵築には単に
やらなかっただけのようだ。まあいい。
338名無しさん@ピンキー:2010/01/19(火) 03:28:33 ID:xw+zeaxE
「ふぅ……んっ、ん。はぁ……」
 反応もやはりホテルの時より良い。パーカーが無いだけで着衣のままだし、触り方もソフトだが、
明らかに彼女は目をトロンとさせていた。快楽というよりも、純粋に心地良いのだろう。そっと胸の輪
郭に沿って撫で摩ると、子犬のように喉の奥を鳴らす。完全に俺の腕に身を委ね、体は投げ出しきっ
ていた。このまま続ければ、依存心をより深みに嵌める事ができそうだ。今日はこのまま時間まで着
衣のままイチャイチャしよう。セックスまでするつもりはあったが、何も焦ってガツガツ喰らう必要は
ないのだ。杵築愛海は俺の物になったのだから。
 そうして、俺は彼女を脱がす事無く二時間を終えた。やった事と言えば、頭や背中を撫で、抱擁し、
胸を軽く触り、キスをしただけである。股間への接触はないし、彼女が感じそうになれば手を控えた。
要するにひたすらイチャイチャだけしていたのだ。感覚よりも感情を、恋人気分方向に揺さぶられた
杵築は、最後には俺の腕の中でワンワン泣き始め、そして俺の腕の中で正気に戻った。そのまま
ヒシッとしがみついて離れず、立たせるのにも苦労したくらいである。この先も、偶にこういう事をす
ればやがてバッチリ俺に依存するようになるだろう。元より服従心を植え付けられている彼女だ。そう
遠い未来ではあるまい。
 ただ、それをSに話した所「下手に心まで依存させると、捨てた時に刺して来るよ」との事である。な
るほど、だから彼は滅多に女性を甘やかさないのか。気をつけよう。
「じゃあ、また明日。学校で、かな?」
「うん。学校で……」
 背後にひっそり佇む息遣いに、だがその時はまだ脅威を感じる事もなく、俺はあっさりと帰路につ
いた。内心では初セックスと、カラオケ屋でのイチャイチャにお祭り騒ぎ状態だったが。しかもそれが
今後好きなだけ楽しめるとあっては浮かれずにいられない。
 いつか報いを受ける日が来る事など、俺の頭にはなかった。
 今を、ひたすら今を楽しめれば良いと、半ば本気で考えていたのだ。
 一週間後の自分は容易に想像できる。きっと女の子と戯れているだろう。
 一ヶ月後の自分になると少し難しい。それは最早、別の物語なのだから。



 了


 ― * ― * ― * ―

 後は野となれ山となれ。
 この後、彼は複数の女の子に強姦を働き、警察に捕まる前に刺されて死にます。
 もしくは最初の子以外に結局手を出せず、彼女が早死にしてアル中になります。
 或いは結婚した挙句、半年でブクブク太った嫁さんに尻に敷かれて一生を終えます。
 幸せってなんでしょうねぇ。俺も幸せになりてぇなあ。
339名無しさん@ピンキー:2010/01/19(火) 10:41:59 ID:v0Nz8IeI
ぐっじょぶ!
話に引き込まれてしまったよ。
展望も達観してていいね。

クオリティと体裁で思い出したが、あなたはマッサージの人だな。
あれ、該当スレでコピペしてあったけど、他人のしわざ…だよなあ?
340名無しさん@ピンキー:2010/01/19(火) 13:36:20 ID:xw+zeaxE
悪徳マッサージスレなんてのがあったんか。知らんかった。
鹿嶋祥子さんで検索したら出てきた。
最初から、そっちに投下すべきだったんか……。
ともかく、向こうのはどなたかのコピペです。
前書きと後書きまでちゃんとコピペするくらいなら、改行ミスも直して欲しかった……。
まあいいや。
341名無しさん@ピンキー:2010/01/19(火) 21:20:26 ID:v0Nz8IeI
>>340
おっと、スレを元々知らなかったのか。調べる手間を取らせてすまんよ。
向こうのイメージじゃないからコッチを選んで投下したんだと思ってた。

やっぱり無断転載だったか。
多分貼り主も感銘を受けたから貼ったんだろうが、説明すら無いのはなあ……。

とりあえず、今後周りから「使い捨てでいいからトリ付けれ」って好意で言われるかもだよ。
個人的には、無いなら無いでいいと思うけどね。
342名無しさん@ピンキー:2010/01/19(火) 21:32:43 ID:zcV/qgLF
おーおもしろかったー
個人的には愛海を助手にして次々に手を出していくうちに加速しすぎて正気を失い
nice boat直前まで行くのだけど最後に愛海に目を覚まさせられてハッピーエンド、とかがいいなぁ
でも人を強姦したらハッピーになっちゃいけないかもなぁ難しいなぁ
343名無しさん@ピンキー:2010/01/20(水) 01:07:53 ID:GYrwWGHO
好きな作風
GJ!
344名無しさん@ピンキー:2010/01/20(水) 22:36:04 ID:2GbtrkHq
うにさん?
345名無しさん@ピンキー:2010/01/28(木) 04:53:50 ID:yqOsUYQg
保守
346名無しさん@ピンキー:2010/02/11(木) 06:25:14 ID:83HFbYUq
347名無しさん@ピンキー:2010/02/15(月) 12:01:20 ID:YQ1zovtL
あっすく回避
348名無しさん@ピンキー:2010/02/18(木) 15:00:07 ID:C6nw289g
349名無しさん@ピンキー:2010/02/18(木) 15:18:54 ID:CGjxGTHN
チンチン!
350名無しさん@ピンキー:2010/02/24(水) 01:05:38 ID:9buJXRAL
保守
351名無しさん@ピンキー:2010/02/26(金) 21:33:37 ID:KRKAlBXq
あげない
352名無しさん@ピンキー:2010/02/28(日) 01:20:01 ID:q8WTijUe
テスト
353名無しさん@ピンキー:2010/03/03(水) 15:08:37 ID:bPmlKnWg
795
354名無しさん@ピンキー:2010/03/06(土) 23:57:41 ID:ODI6xuTP
保全
355名無しさん@ピンキー:2010/03/10(水) 19:58:20 ID:+uhoWxbZ
面白かった。でもこれ依存スレ向きじゃない?と依存好きな俺がいってみる。
356名無しさん@ピンキー:2010/03/25(木) 02:05:54 ID:z9pOD4gA
保守
357YOUレイプ漫才1:2010/03/27(土) 23:05:46 ID:R9pORi4K
3レス。ギャグレイプだよ。下手糞スレに持ってくほどには壊れてない気がしたんで


突っ込まれどころが悪くてオレは死んでしまった!
あ、ケツ穴じゃないからな。漫才だ。相方め、死ぬほど突っ込むとは何事だ。
オレは呪うべく相方を探した。いた。でも既に肘を骨折していて呪いようがなかった。
相方は包帯の巻かれた腕で涙を拭う。
「ぶへっ……うひ……浦平……なんで死んでしもうたんや……ウウッ。こんなになるんやったら……
やったら、……お前に好きだってこと、言うとけば良かったァ……///(泣)」
アッー?! 死んで良かった! 危うく本当に突っ込まれるとこだった!!
「浦平? ひょっとして、そこにおるんか?」
相方がふと幽体のオレのいる方へ目を向け、身の危険を感じてオレは足ないのに猛ダッシュで逃げた。
次生まれ変わったら、絶対にツッコミの方になってやる、そう固く決意して……。

街中にはカップルが溢れている。オレは童貞のまま死んでしまったことを切なく思った。
そこへすらりとした美女が歩いてきた。おっぱいもすらりとしている。青信号が点滅し、美女は焦って走り出す。
突っ込んでくる果物屋のトラック! 気付かず急ぐ美女。
キキー!
トラックが急ブレーキかけバナナが飛び出し美女が踏んだ!死んだ。バナナの皮で滑り死ぬとは、
なかなかクオリティが高い。来世はこんなボケとコンビを組みたいわぁ。
感心していると美女がむっくりと起き上った。いや、正確には美女の幽体が、だ。
しかもそれは全裸だった。そういえばオレも全裸だ! そうだよな、服ごと死ぬわけないもんな。
美女はしばらく伏し目がちに沈黙してから、つんと尖った唇を開いた。
「バナナもったいない」
見ると確かに皮の取れたバナナが目の前に転がっているが
「バナナかよ! 死んだことに着目しろよ!」
美女は小さな白い肩をびくりと震わせてオレを見た。
「だって……バナナ好きだし……」
「そんなに好きならオレのを咥えろよ!」
ボケた口にギンギンに滾ったチンポを突っ込んでやった。
「ンむっ!……んんー!」
美女は苦痛に歪んだ顔をする。彼女の口の中は温かく気持ちいい具合にオレのチンポにまとわりつく。
「って、感じるのかよオレ!」
こりゃいいや。オレは美女の細い長髪を乱暴に掴んで喉を突いた。
「うぐッ!」
「白目きめぇ!」
怨霊みたいだ。ズン!
「がッ……ハァッ……」
美女はだらだら涎を垂らしている。汚いな。死体の方は綺麗に死んでいるというのに。
「そんなにうまいのかよ!」
オレは美女の口の中に射精した。
「―――――ッ!! んぐ……」
美女は喉を震わせてオレのバナナジュースを残さず飲み干した。
「食いしん坊かよ!」
358YOUレイプ漫才2:2010/03/27(土) 23:06:16 ID:R9pORi4K
オレはチンポを口から引き抜いた。美女ははっとして、逃げ出そうとするがしっかりと腕を掴む。
幽霊同士だからすり抜けないのだ。
「へへっ……」
「やあっ……やめてぇ……!」
「今更かよ!」
オレは美女のちょっとしか膨らんでないおっぱいを引っぱたいた。まったく、巨乳ならボインツッコミが
出来ただろうに、残念だよ。
「ひっ……いた……」
「さっき打ったとこの方が痛いだろ!」
と、突っ込みつつ俺は改めて死体の方を見た。人だかりが出来ており、トラックドライバーと思しきおっさんが、
「おい! しっかりしろ! しっかりしてくれ!」
と彼女を揺すっていた。誰もオレ達幽霊の方は見ていない。
「見せつけてやれないのが残念だよ」
そう言いつつ、オレはおっさんと同じ体勢で美女を抱えた。こっちの彼女は意識を持ち、オレに抵抗してくる。
「け、警察呼ぶ……わよ…………」
呼ばれるべきは救急車だろ! もう助からないけど。
おっさんは彼女の息を確かめている。オレは彼女の股間を確かめた。
「死んでるじゃないか!」
「濡れてるじゃないか!」
おっさんは絶望の声をあげ、オレは勝ち誇った声をあげる。
「死んだばっかなのに変態だな!」
ズプ! オレは一気にチンポを美女のマンコに突っ込んだ。
「ああ゙―――ッ!!」
彼女が甲高く悲鳴をあげ、人だかりの中から数名が何かを感じたのか振り返った。
「霊感のある奴がいたら、公開レイプになってるかもなぁ」
「……うっ」
彼女は目を見開き顔を真っ赤にする。不安そうに辺りを見回して恥ずかしげに身をよじらす。
「気にしてんじゃねーよ!」
「あア!あああああ!」
ブチブチっと奥で切れる音がした。
「美女なのに処女なのかよ!」
処女を失ったばかりのマンコに容赦なく突っ込む。
「アア! あっ、んんっ……」
「感じてんのかよ! ええのんか、こういうのがええのんか?」
「は、……ちが……」
「じゃあなんだよ!」
オレは小刻みに美女の奥を突いてやる。
359YOUレイプ漫才3:2010/03/27(土) 23:06:36 ID:R9pORi4K
「あ、あ、あ、あ、あ!」
「しっかり感じてるやんけ!」
パァン! パンパン!
「あぁん……あっ……あはぁ……あ、もっ……もっとぉ…………///」
「和姦かよ!」
「ああ、ふぅん……///」
同意するかのように彼女は喘ぐ。締め付けが緩急つけられてきて、気持ちが良い。
「おいっ、そろそろ出すぞ」
オレの言葉に美女はふるふると力なく首を振る。
「あ、や、赤ちゃん、が……」
「幽霊なのに出来るかよッ!!」
オレはどくどくとバナナジュースのおかわりを彼女の中に注ぎ込んだ。
「んあああっ/// あんッ」
満足げに彼女の声が裏返った。もう全然抵抗しない。
「もうええわ!」
即チンポを抜いた。そして、彼女を立ち上がらせ、オレ達の気配に気付いてそうな人々に向かって、
「どうも、ありがとうございましたー!」
と一礼をしておいた。
やっと救急車が到着、死体の美女を連れて行く。

その後、オレと美女は霊界にて最強夫婦漫才コンビとして名を馳せることになる……。

                                                       (完)
360名無しさん@ピンキー:2010/03/28(日) 10:48:49 ID:ArvG2nvI
投下乙

独特だなあ
でもちょっと良い話かも……?
勢いがあって読み易かったGJ
361名無しさん@ピンキー:2010/03/28(日) 22:46:44 ID:VfeLmJy4
>>357バナナうめぇw
そのキレの良さを見習いたいです
362名無しさん@ピンキー:2010/03/29(月) 06:19:35 ID:ic8vuQ2X
ルールも守れずスレチな百合とか細切れ投下する初心者書き手はここに永久に隔離されて下さい。
ウザいんで誘導とかもいいです。
363名無しさん@ピンキー:2010/03/29(月) 06:41:48 ID:qkhTclf2
>>362
エロパロ板の愚痴を吐け!【八言目】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1262218294/
364名無しさん@ピンキー:2010/03/29(月) 11:38:22 ID:SPGcgvBP
>>あなたは永久にここから立ち去って下さい




邪魔
365名無しさん@ピンキー:2010/03/29(月) 11:39:44 ID:SPGcgvBP
>>364>>362宛てね
366名無しさん@ピンキー:2010/03/29(月) 11:51:31 ID:m6SYoh8u
>>359
勢いはあったwww おつおつw
367名無しさん@ピンキー:2010/04/03(土) 00:09:04 ID:uH0ZboeI
専スレはあるんだが色々あって投下しにくいのでここに投下してもいいだろうか?
368名無しさん@ピンキー:2010/04/03(土) 03:55:28 ID:lU+Bv96E
誘い受けイラネ
369名無しさん@ピンキー:2010/04/03(土) 08:51:29 ID:XK9wgkeq
>>367
そういうスレかと
370名無しさん@ピンキー:2010/04/03(土) 11:54:26 ID:uH0ZboeI
そりゃそうだ。

個人的理由で専スレには投下したくないってだけから、それじゃ1からは外れるなぁと思ってさ。

まぁいいや、投下しちまえ。


二次創作だけどキャラ名は伏せてある。でも読む人が読めばすぐわかると思う。
371無題 1/3:2010/04/03(土) 11:56:20 ID:uH0ZboeI
…痛い。
…体が、痛い。
…体のどこがって聞かれたらものすごく困る。
右足は絶っ対に折れてる。左手首は捻った。これは手首の太さが倍になってるわ。頭も打った。ズキズキする。自慢の黒髪も泥だらけよ。そして一番はやっぱりお腹ね。血がドクドク流れてるのがわかるわ…。


学園を卒業して、私はとある城に就職してお抱えくノ一になった。少し前に隣国の城と戦が始まって、私たちもドンドン忙しくなってきた。
奥方様の護衛、侵入者の排除、陣地での炊き出しまで。
そしてとうとう、敵国の密書を盗み出せという命令が下った。
私は仲間たちと一緒に城に忍び込み、密書を持ち出す事に成功した。
でも敵も馬鹿じゃない。すぐに追っ手が来てあっという間に囲まれた。
私たちは打ち合わせ通りバラバラに逃げた。そして敵の忍びの一番使い手は予想通り私を追いかけてきた。

敵の忍びで一番の使い手…それは学園を私より数年先に卒業した優秀な先輩だった。

敵の城にそうとう腕の良い忍びがいるとは聞いてたけど、まさか先輩だとは思わなかった。
向こうも私を見て驚いた顔をしてたっけ。
でも、それも一瞬。すぐに打ち合う。
暗闇の中に金属音と火花が散って消える。
私は必死に戦ったが崖に追い詰められ、あえなく、落下…。

多分、任務は成功だ。打ち合わせ通り、密書は私が持っていると見せかけ他の仲間が持ち帰ったはずだ。
でも、自分がこの様じゃね…私は暗闇の中で少し笑った…ら、咳き込んで血を吐いた。

…はぁ…このまま死んじゃうのかなぁ。短い人生だったなぁ。
後悔は色々ある。もっとおいしい物食べたかった。きれいな着物も着たかった。そして…もう一度アイツに会いたかった。

一つ年下で、私よりチビのケチな落ちこぼれ。でも、いつの間にか背を追い抜かれ、優秀な忍になっていった。
付き合い始めたのはまだ二人共学園にいた時。好きだった。凄く大事にしてくれた。
でも私が卒業して城付きのくノ一となったら、忙しくなって会う機会が極端に減り、一年後にアイツが卒業した時には…もう会う事はなくなった。
372無題 2/3:2010/04/03(土) 12:00:02 ID:uH0ZboeI
…アイツに会いたい。
アイツに触れたい。触れて欲しい。
抱き締めて欲しい。
…抱いて欲しい。


やだ、私ったら何考えててんだか。
吹き出した途端、脇腹に激痛が走った。

ったぁ…。
ま、いっか、最後だし。


アイツの指が好き。
撫でられた箇所が熱くなる感覚が好き
唇も好き。
とんでもない所まで濡らしてくれる舌も好き。
好き。全部好き。

アハハ、私ってば、助平、だったんだ、なぁ…。

あぁ、視界だけじゃなく痛みすら感じなくなっていく。

…うん、最後に、思い出せたのが、アイツの事で、よかっ、た…。

私は、目を、閉じた。
373無題 1/3:2010/04/03(土) 12:02:13 ID:uH0ZboeI
最初はまず嗅覚。
これは、薬草の匂い?
極楽ならお花の香りで迎えてくれたっていいじゃない。
次に触覚。
なんだろう。全身を、ゆるく締め付けられてる?布団にくるまれてる?
…まさか簀巻き?え?何?何地獄!?
バッと瞼を開くと、目に入ったのは何の変哲もない天井。

薬草の匂いのする家の中で布団に寝かされている。
…極楽でも地獄でもなさそうだ。

ほんの少し体を動かそうとするとアチコチがズキズキと痛む。
それでも苦労して布団から右腕を出して見ると包帯を巻かれている。
…生きてるんだ、私。

ふと脇を見ると…アイツが座って居眠りをしてた。
その横には千切った葉っぱやら粉になった干し草やら、山になった血まみれの包帯やら。
…看病、してくれたんだ。

そっと顔に手を伸ばすと、ヤツが目を覚ました。

「起き、た?…よかったぁ」
そう言って私の手を握ってくれた。
「先輩から連絡貰ってさ『自分が助ける訳にはいかない、急げ』って」
言いながらボロボロ泣き出した。
「すっげぇ急いだんだけどさ、探し回ったんだけどさ、時間かかっちゃって、傷だらけだし、全然、起きないし、もう、間に合わないかと…」
手を握りながらボロボロ泣きながら言うヤツの顔を見ながら、私は言った。
「…お金ならないわよ」
「いらねぇよ!」
「…槍でも降るかしら」
「降らねぇよ!」
私が笑うと、ヤツも笑った。

あぁ、私は生きてる。生きて、また一緒に笑い合えてる。
嬉しくて嬉しくて、涙が出てきた。

少しだけ静かに泣いてたら、ヤツは私の涙を拭ってくれた。
「ねぇ」
私が小さな声を出したら、ヤツは耳を近付けてくれた。
「…治ったら、シようね」
そう言ったらヤツは一拍置いた後真っ赤になって仰け反った。

私はそれを見て、また笑った。


374名無しさん@ピンキー:2010/04/03(土) 16:15:52 ID:uH0ZboeI
今気付いた。一番最後の1/3じゃなくて3/3だ
スレ汚しスマン
375名無しさん@ピンキー:2010/04/04(日) 00:31:39 ID:xJ6+ELDR
GJ
まさか萌えてる二人のSS読めるとは思わなかったw
376名無しさん@ピンキー:2010/04/05(月) 00:46:48 ID:SkBnJP+R
元ネタは知らんがGJ

こういう空気のSS好きだよ
377名無しさん@ピンキー:2010/04/10(土) 22:06:57 ID:3UvKN4Zv
保守
378女上司のお仕置き?:2010/04/16(金) 00:04:50 ID:5OfrI2Xr
女装、M男、電気あんま、足フェチが中途半端にあります。
どこに投下すればいいか、というよりどこにも合いそうになかったので投下。
NGは「女上司のお仕置き?」で。

「ふふ、よく似合ってるわよ。でも、ちょっとスカートの前が膨らんでるわね」
上司の川田英恵に脅され、お下がりのスーツを着せられた真央。長身の英恵のスーツは真央には少し大きめだ。
英恵の手がスカートの前の膨らみをそっと撫でる。
「ふぁっ…か、川田さん…やめ…っく。やめてください…」
「硬くなってる…私のお下がりのスーツ着て、興奮したんだ。それとも、別のものに興奮したのかな?」
真央は答えられない。図星であった。英恵に着せられた女物のスーツ、下着も英恵のものを着けさせられている。
パンティ、ガードル、ストッキング…英恵の衣類で包まれて真央のモノは硬くなってしまっていた。
それに加えて絶妙な力加減で英恵が股間を撫でてくる。それでさらに硬くなり、ガードルがそれを押さえつけよう
とするのが刺激となってますます硬く大きくなっていく。真央は股間が窮屈で仕方なかった。
だが、逃げ出すことができない。せめてもの抵抗として英恵の手から逃れようと腰を引くが、英恵の手は決して
真央を逃がさない。
「そんなに前屈みになってどうしたの?おちんちんがもっと硬くなっちゃった?変態ね、日高くんは」
「川田さん…も、もうやめ…っあ!」
最初はもどかしい感じしかしなかった英恵の愛撫がだんだんと堪らなくなってくる。
女装させられ、股間を撫でられるなんて屈辱だったはずが、それを受け入れそうになってくる。
「息が荒くなってるわよ。そんな変態の日高くんにはお仕置きが必要ね」
その直後、真央の視界が回った。自分が仰向けに倒されたのだと気付くまで少し時間がかかった。
そして気付けば英恵が自分の両足首を持ち、股間に足を当てている。
自分がこれから何をされるのかを悟った真央だが、全てはもう遅い。
「ほら、電気あんましてあげる」
英恵の足が振動を始める。まずは弱めの振動のようで、真央の股間に切ない刺激が走る。
「うぁっ…!あっ、あっ!や、やめ…っくぅ!」
「凄い凄い。おちんちんが硬くなってるのがよくわかる。どんどん強くしていくからね」
その言葉通り、英恵の足の振動は徐々に強さを増していく。当然、真央の股間に走る刺激も徐々に強くなる。
「うぁぁぁぁ…川田さん、やめて…それだめ…んくぅぅっ!?」
379女上司のお仕置き?:2010/04/16(金) 00:05:22 ID:IuCx+e6k
英恵の電気あんまは強さを増していき、真央にとっては堪らない刺激になっていく。
彼女の27cmという大足は、ただ振動するだけでなく微妙に方向を変えて真央の股間に刺激を与える。
それだけでなく、真央の股間の状態まで的確に調べている。
「おちんちんはガチガチに硬くなってるのに、タマタマはぐにぐにしてて柔らかいね。結構大きいじゃない」
大足を巧みに使いペニスも睾丸も刺激していく英恵。真央は快感と微妙な痛みで頭がおかしくなりそうだった。
「涎垂れてるわよ日高くん。私みたいなおばさんに電気あんまされて感じちゃってるの?」
「んぁぁぁぁぁ…!あぅぅぅぅぅ…!か、川田…さん…」
真央の口は半開きになり、涎まで垂らしてしまっている。英恵の攻撃にもう今にも果ててしまいそうだ。
「だらしないわね。もう少し頑張って。これ履かせてあげるから」
英恵は自分が履いていたパンプスを脱ぎ、真央に履かせていく。だがそれは、真央にはサイズが合っていなかった。
「あら、ぶかぶかね。男のくせに女の私より足小さいの?ちょっと情けないんじゃない?」
英恵の27cmのパンプスは真央の足にはかなり余ってしまう。それは今の言葉と合わせて真央の男としての自信を
砕くには十分なものだった。
「男のくせに私より足が小さい日高くんにはもっとお仕置きね。それっ」
英恵が電気あんまを再開する。さっきよりも強い振動を真央の股間に送り込む。
「あぅぅぅぅぅぅぅっ!や、やめ…っくぅぅぅぅぅぅぅぅっ!」
増していく快感と痛み。真央のパンティの中はもうぐしょぐしょになっているが、そんなことも気にならなく
なっている。溢れ出した先汁はガードルにまで達しているだろう。
英恵もそれはわかっていた。その感触がストッキング越しに自分の足にも伝わっているのだから。
「ほーらほら、出してもいいのよ日高くん。あなたより大きいこの足で、情けなくイッちゃいなさい」
「うぁぁぁぁぁん!か、川田さん…川田さんっ…」
「違うでしょ、真央ちゃん。英恵お姉さま、でしょ」
振動させていた足に、抉り込むような動きを加えてさらに刺激を与えていく。
「ひぁぁぁぁぁぁんっ!は、英恵お姉さま…英恵お姉さまぁぁぁっ!」
「よく言えました。ほら、ご褒美よ」
英恵はとどめとばかりに一気に足を押し込み、ぐりぐりと今までで一番強く振動させる。
それは真央にとってまさにとどめだった。
380女上司のお仕置き?:2010/04/16(金) 00:06:06 ID:IuCx+e6k
「んはぁぁぁぁぁっ!?はぅ…ぅあ…」
一際体を大きく震わせ、その後は小さく震える真央。女装させられ、電気あんまでイカされてしまった。
だが、真央の中には今までにない悦びがあった。
「イッちゃった。女装させられて、女の子みたいな声出してイッちゃったんだ。可愛かったわよ、真央ちゃん。
その下着、あげるわね。好きに使っていいわよ」
真央の耳に英恵の言葉が聞こえてくる。
「はい…英恵お姉さま…」
遠のく意識の中で、真央は答えた。それは服従の証なのかもしれない。

その翌日。

「ん…ぁ…ふふ、上手ね」
「ぅあ…んふ…」
上半身は裸、下はガードルにストッキングという姿で英恵の素足を舐めている真央。
特に足の裏を念入りに舐めている。前日の件で真央は英恵の大足の虜になってしまっていた。
27cmの大足を隅々まで舐めると、英恵は体をぴくんと震わせる。だが英恵のもう片方の足はガードル越しに
真央の股間を踏み付けていた。真央も英恵の足を舐めながら体を震わせている。
「そう…んっ、上手よ、真央ちゃん。ぁん、くすぐったいわ」
「あぅ…ん…んぁ…」
「…ぅん、いいわ…あっ。そ、そこいい…はぁ…」
英恵は特に土踏まずが弱いようだ。そこを重点的に舐められると真央の股間を刺激している足の強さが弱まる。
「真央ちゃんは、私の何?」
「真央は…英恵お姉さまの奴隷です…真央のおちんちんを…もっと踏んでください。もっと英恵お姉さまの足を
舐めさせてください」
「そうよ、真央ちゃん。私の足、いっぱい舐めなさい。ふふ、他の若い子になんて渡さない…真央ちゃんには
私の足だけを舐めさせるんだから」
真央が英恵の大足の虜になっただけでなく、英恵も自分の大足を舐める真央の舌の虜になった…のかもしれない。
381名無しさん@ピンキー:2010/04/16(金) 00:10:29 ID:IuCx+e6k
以上です。
短い上に中途半端に変態じみてるので読む人を相当選ぶと思います。
382名無しさん@ピンキー:2010/04/16(金) 20:32:41 ID:U/YBH82F
確かにw
けどGJ
383名無しさん@ピンキー:2010/04/17(土) 04:39:38 ID:9kCNB1wM
>>378
確かにこれは投下先に迷うw

しかしこの香り立つ変態臭は結構好きだ。
シチュそのものは自分の好みからは外れてるはずなのに
何とも言いようのない魅力を感じて困惑しているw
新しい境地をありがとう、GJ!

>>371
人生で最初に好きになったカプなので
こんなところで出会えて嬉しかったw
2人の関係もよかったし、気を遣ってくれた先輩にも感動。
しかし「何地獄!?」で笑ったw
ハッピーエンドで良かったGJ!
384名無しさん@ピンキー:2010/04/19(月) 19:14:23 ID:DVZ/jbQD
保守
385名無しさん@ピンキー:2010/05/09(日) 03:18:31 ID:xyqYn2lA
ほっしゅ
386責められる女上司:2010/05/12(水) 21:49:38 ID:lCuTN35q
378の続きのようなもの。
電気あんまとM男分が減り、母乳とくすぐりがちょっと追加。
NGは「責められる女上司」で。

「んっ…あっ…ま、真央ちゃん…上手…んん…」
「れろ…ん…英恵お姉さまぁ…」
あの日のお仕置きから数週間、真央は10歳ほど離れた女上司・英恵の奴隷生活を楽しんでいた。
毎日のように英恵の家で女装し、股間を踏み付けられながら英恵の大足を舐める。
そのおかげか足裏を舐めるテクニックはどんどん上達していき、今や土踏まずを一分も舐めれば
それだけで英恵を絶頂させられるほどになった。
川田英恵33歳、足のサイズは27cm。彼女も真央の技術の上昇に満足しており、二人は奴隷とお姉さまと
して少々歪んでいるが幸せな日々を送っていた。
だが、そんな日々にも少し変化が訪れる…。

「お久しぶりね、英恵ちゃん」
「あ、相沢さん…」
ある休日、英恵は道端で女性に声をかけられる。
英恵に声をかけたのは相沢美奈子。かつて英恵の上司だった女性だ。聞いた話では三人目の子供を
産んで産休中と聞いていたが…。
「もうすぐ仕事に復帰するのよ。それより英恵ちゃん」
美奈子が英恵の耳元に唇を寄せてくる。
「奴隷ができたんですってね」
その言葉に英恵の体が震える。彼女の体は明らかに緊張で硬くなっていた。
「いけない子ね、あなたは私の奴隷なのに…今度、可愛がってあげる。その奴隷君も一緒に連れて
来なさい。そうね…次の金曜日の夜にしましょうか。仕事が終わったら、私の家に来なさい」
「は、はい…」
英恵は美奈子の言葉に逆らえない。彼女にできるのは体を震わせながら頷くことだけだった。
「そんなに緊張しないでいいのよ。可愛がってあげるだけなんだから」
「あっ、はっ…」
耳に息を吹きかけながら美奈子が囁く。強張った英恵の体から力が抜けていくが、それはただ耳に
優しく息を吹きかけられて脱力してしまっただけであった。
それから美奈子に質問され、英恵は真央とのことについて洗いざらい白状させられてしまう。
「じゃあ、次の金曜日にね。待ってるわ。子供たちもあなたに会いたがってたわよ」
美奈子は最後にそれだけ言って去っていった。残された英恵は体を微かに震わせて立ち尽くしていた。

金曜日の夜、英恵は真央を連れて美奈子の家に向かっていた。英恵は真央に全ての事情を説明し、
真央もそれに納得してついてきていた。英恵のためというのもあるが、英恵が美奈子にどのように
されていたのか、それを見てみたいという好奇心も真央の中にはあった。
そして美奈子の家に着く。そこはかなり大きな一軒家だった。
「あら、よく来たわね。入ってちょうだい」
出てきた美奈子本人に家の中に案内される。真央はリビングにでも通されるかと思っていたが、美奈子が
二人を案内したのは地下室だった。英恵はこの場所を知っているようで、地下に続く階段を下り始めた
時から怯えの表情が強くなっていた。
387責められる女上司:2010/05/12(水) 21:50:15 ID:lCuTN35q
「奴隷君、あなたのことは英恵ちゃんから全部聞いてるわ。着替えなさい」
「え…?」
「服は用意してあるわ。これに着替えなさい」
美奈子が手に持っていた鞄から出したのは女物のスーツだった。下着一式も全て揃えられている。
真央は美奈子の言葉に逆らわず、出された服に着替える。心なしか英恵のものよりフィット感がある。
「ふふ、お似合いよ。私のお古のスーツ、残しててよかったわ。下着は今のものだけどね」
その言葉を聞いた瞬間、真央の股間が反応し、スカートの前が盛り上がってしまう。予想はしていたが
これは全て美奈子の衣類。予想が的中し、股間が膨らんでしまったのだ。
「ちょっと失礼するわね」
美奈子は真央の手を後ろ手に回し、手錠で固定してしまう。
「あ、相沢さん!?」
「ちょっと我慢しててね。英恵ちゃん、あなたはストッキングを脱いで。そこの椅子に座って足を前に出すのよ」
「は、はい…」
英恵は言われるがままにストッキングを脱ぎ、椅子に座り足を前に出す。
「優子、来なさい」
「はい、ママ」
美奈子の呼ぶと一人の女の子が地下室に下りてくる。英恵はその少女に覚えがある。美奈子の娘、相沢優子だ。
「あ、英恵お姉さんだ。こんばんは」
「今日は久しぶりに英恵ちゃんを可愛がってあげましょう」
「はーい」
美奈子と優子はそれぞれ英恵の足を一本ずつ持ち、足の裏に指を這わせる。
「あっ…んっ…」
「あら、ずいぶん感度がいいわね。まだそっと触っただけなのに」
英恵の足裏の感度は美奈子の想像以上だった。軽くなぞっただけでぴくぴくと体を震わせる。
以前は軽くくすぐったがるだけだったのに。
「英恵お姉さん、あそこの変態さんに何かしてもらったの?」
「優子、あれは英恵ちゃんの奴隷なの」
「英恵お姉さん、奴隷なんてできたんだ。ママの奴隷のくせに、奴隷なんて作ったんだ」
「そうよ。英恵ちゃんはあそこの奴隷君に足の裏を舐められて、敏感にされちゃったの」
二人の言葉に英恵は体を震わせる。これからされることがわかっているだけに、恐怖が止まらない。
そんな英恵をよそに、真央は英恵の怯えている表情を見てますます股間を膨らませていた。
美奈子と優子が英恵の足を持っているのもまた真央にとってポイントが高かった。
美奈子は熟した美女であり、優子も小さいながら美少女といって差し支えない。両者とも方向性は
正反対だが、その趣味を持っている者からしたら垂涎ものだろう。
そんな二人に今にも責められそうな状態で怯えている英恵を見て、真央は興奮が治まらない。
388責められる女上司:2010/05/12(水) 21:51:20 ID:lCuTN35q
「ふぅ、ふぅ、ふぅぅ…んっ、んぅ…」
二人の指が緩やかに英恵の大足をくすぐっている。それを必死になって耐えようとしている英恵。
歯を食いしばるようにして耐える英恵の表情がまた真央の心にストライクだった。
「相変わらず大きい足ね、英恵ちゃん。27cmだったわよね。こんなに大きくて、恥ずかしいわね」
「ホントに英恵お姉さんってデカ足だよね。こんなに大きくて恥ずかしくないの?」
美奈子と優子は英恵の大足を嘲り始める。それがまた真央を興奮させる。
男の自分より足が大きい英恵が足の大きさを嘲られるのを見て、真央の股間はさらに硬くなっていく。
「こんな大きいパンプス、私たちじゃ大きすぎて履けないわ。本当に大きい足。こんなに大きいから
前の男に逃げられたのよね」
美奈子の口から思わぬ事実が語られる。英恵は前に付き合っていた彼氏に大足を理由に別れを告げられたのである。
それから、自分より足が小さい男を苛めたいという願望が芽生え、真央がその餌食となったのだ。
27cmの大足を生かして真央を責め立てていた英恵だが、実はその大足に非常にコンプレックスを持っていた。
毎日のように真央とお楽しみだったのは、彼女からすればせっかく手に入れた奴隷の真央が他の若い
女性、足の小さい女性に走らないよう必死に繋ぎとめておくためだったのである。
真央はもうすっかり英恵の大足の虜なので、そんなに必死にならなくても問題はないのだが、彼女自身の
持つ自分の大足へのコンプレックスが以前の美奈子と優子の責めで増幅されてしまっているため、英恵は
自分に女としての自信が持てなくなっていた。
「優子、よく覚えておきなさい。女の足は25以上あったら恥ずかしいのよ」
「はーい、ママ。だから英恵お姉さんの足は女として恥ずかしいんだね」
「そうよ。27cmもあるなんて、女の足として恥ずかしいの。このくすぐりやすい足の裏はね、大足女に
足が大きくて恥ずかしいことを身をもってわからせるために責めるのよ」
このように美奈子と優子は英恵に大足が女として恥ずかしいと繰り返すことでそれを植え付けていった。
その責めが今夜再び蘇る。
「んん…んふぅ…っくく…ふっく…」
二人のくすぐりは少しずつ、少しずつ強くなっていく。英恵は真央の前で笑い出さないように耐えているが、
その耐えている表情が真央を興奮させていることに気付いていない。
「英恵ちゃん、見なさい。奴隷君がスカートにあんな立派なテントを張ってるわよ。英恵ちゃんが足の裏を
くすぐられてるのを見て、あんなに股間を膨らませてるのよ」
「きゃはは、こんな大足によく興奮できるわよねー。やっぱり変態ね、あの奴隷さん」
「んふ…んくぅ…ま、真央ちゃん…見ないで…んっ、んひっ…」
「あら、英恵ちゃんったら反応がまたよくなったわ。大きい足の裏を責められるのを見られて興奮しちゃった
のかしら。ちょっと見ない間にいやらしくなったわね」
真央が責められる英恵を見て興奮していることを美奈子に言われ、英恵も興奮してしまう。
「いやらしい英恵ちゃんにはこれでお仕置きが必要ね」
美奈子はスカートから羽根を取り出し、もう一つを優子に渡す。
389責められる女上司:2010/05/12(水) 21:51:44 ID:lCuTN35q
「ほら、これでここをこしょこしょしてあげる」
「こしょこしょこしょ〜」
美奈子と優子の持つ羽根が英恵の土踏まずを重点的にくすぐる。真央の舌によって弱点といえるほどに
敏感にされてしまったそこを羽根で責められては堪らなかった。
「んくぅ〜っくくくく!んふ、んふふふ…ふぅ、ふぅぅ…んふぅぅぅ…」
歯を食いしばりながら頭を激しく振り乱す英恵。くすぐったくて堪らないのが真央にもわかった。
それを見て真央はスカートに張ったテントをさらに立派にするだけでなく。息を荒くしてその光景に
見入っている。
両手さえ自由ならスカートの上からでもガチガチに勃起したペニスを握ってしごきたいのだが、手錠を
かけられてしまっているのでそれもできない。そのためか腰が前後に動き始めていた。
「あはっ、あははっ。奴隷さんが腰振ってるよ。英恵お姉さんがデカ足くすぐられてるのを見て、腰振っ
ちゃってる。へんた〜い」
「英恵ちゃんの今の姿に興奮してるのね。英恵ちゃん、見られてるわよ。奴隷君に見られてるわよ。
英恵ちゃんがくすぐられてるのを見て、今度は腰振りだしたわよ」
「んっ、んふっ…んくくっ…くふぅ〜っひひひひひひひははははははっ!」
興奮がより英恵の土踏まずの感度を上げ、それが我慢を上回り、とうとう英恵は笑い出してしまう。
「あら、笑い出しちゃった。もう我慢できなかったのね。我慢できなかった英恵ちゃんにはお仕置き。
もっともっと土踏まずをこしょこしょしてあげる」
「んひゃふふふふふふふふふふっ!きひひひひひひひひひひひひひひっ!」
笑い出してしまったが、それでも英恵は笑い声を抑えようとする。だが、一度笑い出してしまったものを
抑えることなどできるはずもなかった。今は弱点の土踏まずを両方ともくすぐられているのだから。
「ひゃひっ、きゃひっ!んひひひひひひひひひひひひひひっ!」
「こしょこしょ〜。英恵お姉さん、くすぐったい?ねえ、くすぐったい?」
「んふふふふふふふふはははははははははははっ!く、くすぐったい…くしゅぐったいですぅ〜!
はひひひひひひひひひひひひひひひっ!ひゃはははははふふふふふふふふっ!」
大笑いする英恵の様子を見て、真央の腰の動きが激しくなる。後ろで手錠が激しく音を立てている。
しごきたい、このいきり立った棒を今すぐしごきたい。目の前に土踏まずをくすぐられて笑い悶えている
英恵という、真央にとって最高のおかずがあるのにしごけないというのは彼にとって凄まじい苦痛だった。
「こしょこしょこしょこしょ」
「こしょこしょこしょこしょこしょ」
「んひゃはははははははははははははははっ!ゆ、許して…美奈子お姉さま、許してくださいぃぃっ!
ひ〜っひひひひひひはははははははははははははっ!」
「ふふ、やっと私をお姉さまって呼んでくれたわね。ほら、許してほしかったらいつものあれを言いなさい」
「くははははははははははひひひひひひひひひひひっ!み、美奈子お姉さま…英恵の大きい足を…もっと
くすぐってくださいぃぃぃっ!ぎひひひひひひひははははははははっ!」
「もっとくすぐってほしいの?ならしてあげる。こしょこしょこしょ〜」
390責められる女上司:2010/05/12(水) 21:52:32 ID:lCuTN35q
土踏まずをずっとくすぐられ続け、美奈子と優子がそれをやめた頃には完全に体力を奪われてしまっていた。
ぐったりとして息を切らす英恵の様子を見て、真央はようやく腰を振るのを止めた。スカートに張られた
テントはより立派になっていたが。
美奈子が上を脱ぎ、上半身裸になる。露になった胸は非常に大きかった。産休中と聞いていたし、母乳で
張っているのかもしれない。真央はそう思った。スカートに立派なテントを張りながら。
「優子、奴隷君の手錠を外してこっちに連れて来なさい」
「はぁい、ママ」
優子が真央に近付き、手錠を外す。一緒に美奈子に近付くと、美奈子は英恵を抱えるようにしていた。
「優子と奴隷君は英恵ちゃんの足を舐めなさい」
「うん。ほら奴隷さん、英恵お姉さんのデカ足、舐めてあげて」
二人は嬉々として英恵の27cmの大足をそれぞれ舐め始める。土踏まずを舐めると体力が尽きていたはずの
英恵の体がぴくぴくと震える。
「…ぅん。んぁ…」
「ほら、英恵ちゃん。吸いなさい」
美奈子は抱えている英恵の頭を胸に寄せ、英恵の口に自分の乳首を近付ける。英恵の口は近付いた乳首を
含み、ゆっくりと吸い始めた。
「ふふ、そうよ。吸いなさい、飲みなさい」
コクコクと喉を鳴らす英恵。美奈子の乳首から出ている母乳を飲んでいるのだ。
三人目の子供を産んだことでまた母乳が出るようになった美奈子だが、一度に作られる量が多すぎて子供に
飲ませるだけでは減らない。優子や上の子供に与えないと胸が張って苦しいのである。
「…んむ、ぁん…んふ…」
「れろ…ん…」
美奈子の母乳を吸いながら体をぴくぴく震わせる英恵。英恵の足裏を二人が舐めているだけでなく、美奈子も
服越しに英恵の乳首を責めている。
「ん…英恵ちゃんってば、服の上からでもわかるくらい乳首が起っちゃってる。気持ちいいのね」
三箇所を同時に責められながら母乳を吸い、英恵は安らぎながらも少しずつ絶頂へ昇っている。
英恵がこれで達してしまった時、それが美奈子の奴隷になる再契約となる。今度は真央共々美奈子の奴隷と
なるのだ。
それは好きな時に真央に足の裏を舐めてもらえるという奴隷とお姉さまとしての生活が終わってしまうことを
意味するが、足裏に与えられる快感と母乳に夢中になっている今の英恵にそれを考えることはできなかった。
真央も英恵の足裏に夢中になっていて、二人きりで英恵の足裏を舐められる生活が終わってしまうことなど
考えられるはずもなかった。
もっとも、真央は女装して英恵の足裏を舐められれば特に困らないのだが。
391名無しさん@ピンキー:2010/05/12(水) 21:53:43 ID:lCuTN35q
以上です。ちょっと中途半端になってしまった。
エロじゃなくてただのダメな変態な気がしてならない。
392名無しさん@ピンキー:2010/05/15(土) 15:52:36 ID:zKEbskCJ
乙ー
393名無しさん@ピンキー:2010/05/18(火) 17:20:38 ID:47BcaKrD
GJ
394名無しさん@ピンキー:2010/05/27(木) 11:13:32 ID:gPMUWzH/
間違いなくダメな変態だろw
面白かったよ
GJ
395名無しさん@ピンキー:2010/06/05(土) 23:16:43 ID:jo9rcm4F
保守
396名無しさん@ピンキー:2010/06/05(土) 23:43:46 ID:GDHf7oX1
糞スレ上げてんじゃねーよ滓
397in 2012(1/4):2010/07/12(月) 03:41:57 ID:mqaCsT5v
元ネタはDSの逆転裁判
書いてるうちに元のキャラとかけ離れてきたので、こっちに投下

*****


 鏡の使い道は様々だ。普通に自分の姿を確認するのに使ったり、そのままじゃ見えない
場所を映したり、光を反射させてみたり。彼も小学生の頃、映画の登場人物に憧れて、
母親の手鏡を失敬し日光信号の真似事をしたコトもあった。勿論バレて叱られた。
 それはともかく。“鏡”というと用途様々だが、これが“姿見”となると想定される
使い道は限られてくる。主に身だしなみの確認だろう。大きすぎてその他の目的には向か
ない。
 では、あるのだが。
 この姿見という代物が、ダブルベッドの──人がふたりほど乗っかってくんづほぐれつ
しても充分な広さのある寝台の近くに、遮るものもなく設置してある場合。着替えるのに
ベッドから離れるのもめんどくせえよ、というズボラな人間のためだけの位置取りなのか
というと──いや、本当はそうなのかもしれないし、もしくは単にスペースの問題なだけ
なのかもしれないが。そこに何らかの卑猥な意図を読み取ってしまうのも仕方がないと
いえば仕方のない話だ。

 少なくとも彼、巌徒海慈は思いついた。

「トモエちゃん」
 女の名を呼ぶと、組み敷いたカラダがびくんと震えた。繋がった場所もきゅうと窄まり
痛くない程度の強さとやわらかさとで絡んでくる。「――っは、はい──」それだけの
返答を途切れ途切れに、荒く息つきながら巴は発する。汗に濡れた背が、肩が、苦しげに
上下する。
 後背位の体勢だが、巴の上半身は大分崩れていた。額を力無くシーツに預け、両の肘と
僅かに傾けた右肩でかろうじて支えている有様だった。高い位置に掲げた腰も、抱える
巌徒の腕がなくなればその瞬間に落ちるだろう。前戯でぐずぐずに解かれたカラダには
余裕がない。巌徒のモノを呑み込む場所も同じく。潤いひらいた場所は太いモノを抵抗
なく受け入れはしたものの、充血しふくふく膨れた柔襞と熱く粘る体液のせいで余剰の
隙間はほぼ無い。
 強張る腰を軽く突き放し、また引き寄せる。それだけの動作で、ナカを擦られた彼女は
背を小さく仰け反らせた。栗色の髪が肩甲骨に貼りつき、緩やかに渦を巻く。シーツを
握る手の甲に白い筋が浮いた。
 ぱたん。と。巌徒の方へ向けようとしていたカオが、横向きの半端な位置でシーツに
埋まる。腕の力も失ってぐったり潰れたカラダの下、乳房がひしゃげ横にはみだすのが
見えた。
「や。ダメだよ、トモエちゃん。このくらいでヘバってちゃ」
 熱いナカと触り心地の好い尻のカンショクを一方的に楽しみながらの台詞に、
「も…しわけ、ありません……」
 不明瞭ながらも謝罪が返る。コトバだけでなく、汗で濡れた肩に、腕に、汗とは別の
体液が伝う太腿に、貫かれ好き勝手扱われる場所に、力が籠もる。後ろのオトコに従い、
オトコを悦ばせるため必死で持ち直しを図る。
 行為自体のケナゲさもさることながら。鼻にかかる短い呼吸と、腹の下に見える朱く
濡れた肉が、ひどく、煽った。
「っ、まっ、あ、まだ、待って──!」
 尻を掴んで揺すぶる。ぐちゃぐちゃ粘る音と泣き声めいて高い懇願が響いた。イイよ、
待ってあげるよ──囁いて動きを止める。「そしたら。また、頑張れるよね?」
398in 2012(2/4):2010/07/12(月) 03:42:34 ID:mqaCsT5v
 問いに。オトコの身勝手に翻弄される彼女は、朦朧として頷いた。
 巌徒は満足げに笑い、湾曲した背骨をユビでなぞる。微かな呻きが聞こえた。
 この。捜査官としての巌徒に心酔し、付き従う部下は、閨でも従順そのものだった。今
のところは。

「ん──く、う──」
 一度引き抜かれた場所を再び割いて男根が沈む。
 ベッドに深く腰掛けた巌徒に後ろから抱かれ、巴がずるずると腰を下ろす。年齢を感じ
させない逞しい性器が、とろつく肉をかき分ける。「あ──!」張り出した部分が柔襞を
削り、散々弄られ敏感になったカラダはそれだけで引き攣った。溢れた体液が結合部から
伝い落ちる。
 巌徒の手が伸びる。片方は巴の波打つ下腹部を抱えるように回され、もう片方は真っ赤
に染まる耳朶をなぞり、整ったおとがいのラインを辿り、白い喉へ。
 ひくつく喉元を掌に収め。囁く。
「終わり?」
「――っ、いえ、いいえ、まだ、」
 肉が、沈む。亀頭が狭い場所を押し広げ、割かれた肉は反動のように続く幹へと絡み、
包んだ。
 巴が腰を揺すり、あやすように更に腰を落とし。
 完全に。最奥まで呑み込んで。ぐたり背後の巌徒へともたれる彼女は、苦痛の呻きを
洩らした。呼吸が浅い。貫かれる圧迫感や、強すぎる快楽への反応ではない。後ろからに
慣れていないのと。まだ、深い場所で“感じる”までには至っていないからだ。
 ――まあ。ソレも。
 手を。喉から胸へと這わせ、震える乳房をすくいあげて。巌徒は声を立てず笑う。
預けられた背がひくんと跳ねて、喘ぎに微かな甘さが混じった。
 ――今後の、仕込み次第。ってヤツだけど。
 仕事でも、ベッドの上でも。仕込めば仕込んだぶんだけ“役に立つ”彼女は、ここの
ところ巌徒の“お気に入り”だった。

「トモエちゃん」
 耳元で、名を呼ぶ。上がる嬌声は返答のつもりだったのか、それとも濡れた陰毛の下、
カタくなった花芯を愛撫するユビへの反応だったのか。
 ソトからの快感と、奥での苦痛に巴が背を仰け反らせる。巌徒を締めつけ、緩み、間を
置かずしてまた締めつける。びくつくカラダが逃げぬよう抱いて、巌徒は尚も刺激を与え
続ける。「トモエちゃん。前。見なよ」促す。命じる。「見える? ――イヤらしい、
トコロ」絡み合う身体の、正面。痴態を余すところなく映す鏡を見るよう、巌徒は巴に
命じた。
 巴がのろのろとカオを正面へ向ける。
 ふらつく瞳がゆっくりと焦点を結ぶ。「――」──快楽に蕩けたカオは普段の怜悧さ
なぞ何処に行ったかという有様で、半開きの唇は熱い吐息を零している。紅潮した肢体を
太い腕──言うまでもなく巌徒自身のものだ──が捕らえ、抱く。巌徒の腕に覚束なく
縋るのは、巴のひとまわり小さな手だ。ぎゅうとしがみつく指先が、白い。
 そして。端正な印象のオンナの、滑らかな下腹部と、引き締まった脚の間。太いユビの
這う、濡れて熱とニオイを放つソコは、ぐずぐずに解けて赤黒い肉を咥えこんでいた。
照明を受け光るのは、溢れた体液だ。
 イヤらしいコトこの上ない眺めだった。
 一瞬。この、表情だの、カラダの具合だのを直に見られる対面姿勢を取らなかったこと
を後悔する程度にソソる。鏡面のなかの巴は、そんな風だった。
 ひく、と。男根を包む襞が、震える。抱くカラダが震える。
「あ」
 鏡を、鏡の中のスガタをまともに見た巴は短く呟き。
399in 2012(3/4):2010/07/12(月) 03:43:18 ID:mqaCsT5v
「――っ?!」
 巌徒の予想とは違う方向に動いた。
 深く、まるで安堵するかのように巌徒へ全身を預け、ゆるゆると腰を動かす。奥が痛む
のか鏡に映るカオは眉をひそめていたが、動きは止まらない。疑問を呈しようと口を開き
かけた巌徒だが、音声化する前に歯を食い縛る破目になった。「ふっ、んう、んっ」巴が
自らの右手に舌を這わせ。その唾液をたっぷり絡めたユビで、繋がった場所をなぞった
からだ。よりセイカクに言えば、巌徒の性器の付け根辺りと、陰茎ほどではないがカタく
なった陰嚢とを。
「ちょ、え、ナニ、」
 巌徒としては何が起こったのか分からない。普通こういう場合、羞恥に身悶えするのが
正しい反応ではなかろうか? 何ゆえこのオンナはたどたどしい手つきでの奉仕なんか
始めたのか──「よかった」
 ごく小さな。熱に浮かされたような呟きだった。
 巴は、貫かれる圧迫感と、奥を抉られる苦痛と、ともすれば意識を持っていきそうな
快楽に、汗を滲ませて。
「貴方が──少し、でも──ん、わ、私、で──私でも──」
 あなたに。切れ切れの単語を吐いて、彼女は陰嚢の裏、その先を撫ぜた。そくそくと
した快楽が神経を伝う。

 ようやっと巌徒は気がついた。鏡と向き合う宝月巴、彼女がドコを見ているかに。彼女
は鏡像の自分ではなく、その後ろの、

「――?! 主席、捜査官、なん、何、を──!」
 気づいた瞬間。彼女の目を手で覆った。急に目隠しをされた巴はうろたえ、愛撫の手も
止まる。そこを、「い──っ?! ひ、やっ! あ──!」やわらかなカラダを押さえ
つけて突き上げた。腹のすぐ裏側を擦り、奥を抉るルートだ。交互に訪れる快楽と苦痛に
高い声が迸る。頭を振って目隠しを解こうとするのは、首が折れるかの勢いで抱え寄せる
ことで阻止した。
「な、なん──いっ?!」耳の上部を噛む。硬直するカラダを今度は前後に揺すぶる。
「トモエちゃん」翻弄され混乱する巴へ、巌徒は、「キミ。ドコ、見てたの」答えの
分かり切った問いを囁く。果たして巴は。
「しゅ──主席捜査官、あなたを、貴方、を」
 喘ぎ声の下から殆ど我を忘れた様子で答えた。
「…………そう」
「外して、くださ、いっ」
「イヤだね」
「や、あ、見せてっ、」
 てのひらに熱いカンショク──彼女は泣いていた。ワケが分からな過ぎて巌徒だって。
 別に泣きたいワケではないが、困った。イライラして腕の中のカラダを乱暴に扱う。
ぐじゅりと派手な音がして結合部から泡が弾けた。高い鳴き声。「お願い、」懇願が。
「見えないと──分からない──っ」
 巴の呼吸が、短く早くなる。締めつけが、キツく、引き絞られる。
 巌徒は。狭まり、絡まるナカを、最奥を抉るように容赦なく貫いた。刹那、空白。
次いで激しい収縮と痙攣、弓なりにしなるカラダが硬直し震える。ナカも。膨張しきった
男根にぎゅうぎゅうに絡みついて亀頭を包み、エラを蜜でくすぐり、太く浮いた精管を
強くなぞりあげた。そこを、突き上げる。悲鳴も濡れて軋む肉にも構わず、自分の快楽
だけを求めて。“与えられる”快さを振り切り、先に絶頂を迎えるカラダを無理矢理また
押し上げて。とうとう息も出来なくなりがくんと意識を落とす寸前に、ようやっと吐き
出した。
400in 2012(4/4):2010/07/12(月) 03:44:01 ID:mqaCsT5v
 目隠しは、最後まで外さなかった。

 巌徒は意識のない巴を抱き、呼吸を整えながらとりとめもなく考える──利害一致の
可愛い“手駒”は、仕込めば仕込んだ分だけ巌徒の役に立つ。巌徒の好みになる。それは
いい。別に良い。そちらの方が巌徒には好都合だし、彼女もソレを望んでいる。問題は、
彼女が“そう”する理由が、単なる御機嫌取りなのか、それとも、
 雫をはりつかせた睫毛が震え、ゆっくりと開くのを見ながら、巌徒は考える。

 もしかしたら自分はこう訊くべきなのだろうか──もしかして。トモエちゃん。ボクの
コトが、好き? ――と。

 それは非常にバカバカしく、理性を取り戻した巴が否定を返すこと間違いなしの質問
だったので、巌徒はとっとと思考の外に放り出した。話すことなら他にいくらでもある。
先程までの彼女の乱れぶりや積極性への指摘は、さぞかし愉快な反応を引き出すだろう
し。鏡についても今なら別の反応を示すかもしれない。

 楽しみは幾らでも。
 だから、わざわざ危険を冒してまで問う必要はない。

 問うて。逆に聞き返される危険を冒すことはない。
 例えば──では、主席捜査官。貴方は私のことを──どう──などと。
401名無しさん@ピンキー:2010/07/17(土) 02:03:14 ID:6cBatade
GJであります
402名無しさん@ピンキー:2010/07/19(月) 12:05:26 ID:+IvfkFAL
逆裁なつかしい
GJっす!
403名無しさん@ピンキー:2010/08/05(木) 22:23:56 ID:aX2W+A2f
ほ。
404名無しさん@ピンキー:2010/08/22(日) 02:02:31 ID:R8aKDZvX
某シチュスレ雑談を元ネタに書いてみた。
が、出来てみたら微妙にスレ違いの上フワフワな内容になってしまったので。

・元ネタ若干改変・非エロ部分が多い・NTR気味?



「だあれ?」
カティアは森の暗がりに佇むものに声をかけた。
村の子供たちと森に木の実を採りに来たものの、他の子供とはぐれてしまった。
心細く思っていたときに、その何ものかの気配に気づいた。
不思議と怖くはなかった。
ただ『それ』は傷ついているように見えた。
痛い、辛い、苦しい……――。
「ないてるの」
「泣いてなど。ただ、休みたいだけだ」
『それ』は尊大な態度で口をきいた。眠いのだろうか。
「だったら、わたしのおふとんをかしてあげる。いっしょにねましょ」
枕をぽんぽんと叩くふりをする。
かつて母がそう言って寝かしつけてくれたのを思い出しながら。
「そう。おまえは優しいね。私を休ませてくれるのか」
近づいてきた『それ』は美しかった。あまりにきれいで、きれいで……。
「では、おまえを褥に眠るとしよう。力が再び、満ちるときまで」
カティアの額に唇が触れる。瞬間、『それ』は姿を消した。

――――ゆめ?

「おいカティア!何してるんだよ!」
突然の大声に、カティアは身をすくませた。
「……テオ?」
「テオ、じゃないよ全く!ぼーっとしてるからだぞ!」
そう言ってテオは手を出した。
405カティア←タイトル忘れた:2010/08/22(日) 02:07:34 ID:R8aKDZvX
憎まれ口を叩きながらも、焦って体中汗をかいているのが分かった。
テオは子供たちの兄貴分で、やんちゃでいたずら好きで、ときどきひどいことを
言ったりするけれど、最後は必ず助けてくれる。
「……もう離れるなよ」
「うん。ありがと、テオ」
汗で湿ったテオの手を、ぎゅっと握った。
きっと走りまわって探してくれたのだ。
そう思うと胸が熱くなって、この手を離すまいと強く握り返した。

だから、すっかり忘れ去っていた。記憶を消し去られていたことにも気付かなかった。
その身の内に、魔がいることなど。
ましてや、そのときの熱が魔に影響を及ぼしていることなど――――。



日が暮れかけていた。
町への買い出しから戻って来たばかりで疲れていたが、
テオは真っ先に恋人の元へ向かった。
懐に大事に仕舞ってある贈り物を、服の上から触れて確かめる。
気に入ってくれるだろうか。一刻も早く見せたかった。
しかし、彼女は村のどこにもいない。
不思議に思い自分の家に戻ると、中に見慣れた恋人らしき姿があった。
思わず口元が綻ぶ。
「カティア?来てたのか」
数日ぶりに会った恋人を、テオは背後から抱き締めた。
照れ屋の彼女は親しくし過ぎるのを嫌がるが、二人だけの時なら許してくれる。
しかし、何かおかしい。
カティアにしては、やけに。
「カティア……?」
とっさに離れると、『カティア』は顔を上げた。
それはカティアだった。が、よく見知ったカティアではない。
同じ身体で、同じ目で、同じ唇でいて、何かが根本的に違う。
「お前は、誰だ」
自分の愛する娘ではない。懐の短剣を抜いて構える。
目の前に突きつけるが、『カティア』は平然としている。
『カティア』は微笑んだ。くらりとするほどの魅力で、全身が熱くなる。
「……テオ?」
その声はぞっととするほど美しく、官能的で、――人ならぬものだと知れた。
406カティア:2010/08/22(日) 02:12:15 ID:R8aKDZvX
息の詰まりそうな恐ろしさと、火照り始める身体に戸惑いつつ詰問する。
「カティアに化けている、のか」
「何を言っているの、テオ。『カティア』よ」
うっとりと微笑み、突然首筋に縋りついたかと思うと、唇を奪われた。
「んっ……!」
驚くほど甘い感触にめまいがする。
柔らかい。温かい。濃厚な蜜のようにぬめる。
服の隙間から手を差し入れられる。柔らかい指が肌の上をまさぐる。
筋肉の一つずつを確かめるように辿られ、確実に身体を把握される。
かと思えば、油断した唇の間に舌を割り入れられ、中の肉を蹂躙する。
普段の彼女からは考えられないほどの大胆さにぞくりとする。

ぎし、と椅子が鳴った。
カティアがテオにのしかかったのだ。
足首より上を見せてはならないこの時代に、めくれ上がった彼女の服の裾からは膝が見えていた。
見てはいけないものを見た。
同時に、その白さに、柔らかさに、卑猥さに、むしゃぶりつきたいほどの衝動を覚える。
「惑わそうとしても無駄だ」
伸ばされた手を振り払う。瞬間、女のそれまでの泰然とした様子が消えた。
「おまえには、分かるようだな」
女は微笑した。悲しそうにも嬉しそうにも見える。
「私は魔だ。テオ」
「魔……?」
「かつて私は力を失った。回復するためには、ひとの器……清らかな娘が必要だった。
そのとき、カティアに出会った。
この娘は私を受け入れた、だから私はずっと中で休んでいた。
だが、時が経ち、力が満ちた」
「じゃあ、その身体は」
「カティアだ。正真正銘の」
村娘の質素な装いに馴染まない華やかな美貌。
しかしそこには、もっと似つかわしくない暗い表情がある。
「カティアを乗っ取ったっていうのか!」
「そうだ」
「お前……っ!」
胸倉を掴んで引き寄せるが、女は眉ひとつ動かさなかった。
ただじっと、何かを思い悩むように一点を見つめている。
407カティア:2010/08/22(日) 02:13:38 ID:R8aKDZvX
「カティアを返して欲しいか」
「当たり前だ」
「では、教えてやろう。私を満足させなさい。――――この身体で」
一瞬、意味が分からなかった。
「……ふざけるな!」
「ふざけてなど。私は知っているぞ、おまえが今にもカティアを欲しがっていたことを。
何故なら、私はカティアの中からずっと見ていた。……おまえを」
魔性の誘惑だ。分かっている。
きっと誘惑に負ければ、テオの精魂まで奪われてしまう。
だが、頭の中で理解はできても、この翡翠の目で、熱を帯びた視線で見られては、揺らぐ。
女は突きつけた短剣をものともせず、ただ一心にテオを見つめる。
「おまえの欲求が叶うというのだ。これほどよい条件はなかろう」
高飛車な言葉とは裏腹に、女の目は真摯だった。
――これは罠か、と言えば罠に決まっている。
だがどこか女を否定しきれない。カティアと同じ目だから。
そこに込められた感情も、カティアと同じように見えるから。
「それでおまえに何の得がある?」
「単にこの身体に飽きたというだけ。次の身体に移る前に、してみてもいいかと思っただけだ」
「おまえは、それでいいのか」
「何を言っているのだ、お前は」
女は本心から意外だというように、小首を傾げた。
そんな何気ない仕草まで、いちいち見惚れるような優雅さであった。
カティアではない。
伏し目がちなところも、穏やかで心地よい声も、控えめに笑うところも、
テオが抱き寄せれば恥ずかしそうにしながらもそっと身を寄せてくるところも。
今、あの女にはない。
テオは馬鹿馬鹿しくなって、手にした短剣を投げ捨てた。
もう自分の愛した彼女はいない。
あれはただの「魔」だ。
やりきれなくなって、どうしていいか分からなくなって、その場に立ち尽くす。
「どうした、テオ。これは『カティア』だぞ」
愚かな魔だ。人間というものが分かっていない。
「この娘が欲しいのであろう――?」
女の指が、俯いたテオの頬を撫でた。反射的に顔を上げる。
視線が絡む。カティアのものであった翡翠の目がテオを捕える。その中に、唯一、カティアと同じものを見た。

それは。
408カティア:2010/08/22(日) 02:14:52 ID:R8aKDZvX
「……いいだろう」
テオは伸ばされた女の手を取った。その柔らかさに、カティアでない指に堪えようもない憤りを感じながら、その手を強く引き寄せた。
女がたたらを踏んだところへ、もう一方の手首も掴んで束縛する。
「なに……」
壁に向かって押し付けられ、眉をひそめた女の耳元に、テオは押し殺した声で応える。
「あんたも俺が欲しいんだろう。いいか、人間っていうのは、――こうするんだよ」
そのまま耳を軽く噛んだ。柔らかい耳朶を舌先で舐る。
女がぴくりと肩を震わせ、身をよじらせる。
「こんなことを……?」
首筋からうなじを辿り、鎖骨へ、さらにその下へ唇を這わせる。
女の呼吸はわずかに早くなってきていた。
「『カティア』にも、していたのか」
「そうだ」
嘘だ。
カティアは純真な娘だった。敬虔な彼女は夫婦になるまでは純潔を保ちたいと
思っていたから、テオも無理強いはしなかった。
そうだ。ふたりは夫婦になって、幸せな暮らしを送れるものだと信じて疑わなかった。
なのに今、彼女はもういない。
女の両手を片手で押さえつけると、空いた手で女の胸元をさぐった。
硬い下着の間から手を入れれば、とろけるような柔らかさが迎え入れた。
「あ……」
女の声が甘さを帯びてきていた。
カティアの声であるはずなのに、生娘とは思われぬ艶があった。
強引に手を差し入れ、強く蹂躙すれば、女はあえかなため息を漏らした。中心の頂は硬く尖り、テオの指を押し返す。
テオ自身も既に反応し始めていた。愛した娘の身体であればなおのこそ、さらに魔性の魅惑がかかっているのだから、もはや止められるものではない。
拘束していた手を離すと、女はよろけてテオにもたれかかった。
「テオ」
だが、テオは容赦なく突き離すと、壁に再び押しつけ、女の下履きを捲りあげた。
下着を引き下ろし、柔らかく形良い臀部を露わにした。暖炉のわずかな明かりに照らされたそこは、陰影をもってますます妖しく誘っているように見えた。
それだけでテオ自身も硬く張りつめ、熱を帯びてきていた。
秘裂に指を差し入れると、生娘とは思えぬほどの潤いが満ちている。
魔性のせいだ、とテオは思った。
人であって人でない。生娘であって、生娘でない。
試しに中を何度か抜き差しすると女は、あ、とたまらず叫んだが、
ただ悦ばせてやるつもりはない。
これは凌辱だ。
「大人しくしていろ」
409カティア:2010/08/22(日) 02:16:30 ID:R8aKDZvX
下履きを脱ぎ、自分のものを取り出すと、女の腰を引き寄せ一気に中に押し入れた。
「あ、あ……あっ!」
女の中はきつく、ひといきに入れるのも困難だった。
だがこの快感はどうだ。きつさ、ぬめり、温かさ。
柔らかい肉襞のひとつひとつがテオを引き絞るように動く。
それだけで昇りつめそうな快楽は、果たしてカティアの身体だからか。
それとも、魔性が宿っているからか。
じりじりと腰を使って押し進めると、奥の硬いものに当たる。
「あ……」
これは、カティアだ。カティアが自分のために守っていた純潔そのものだ。
しかし今、白い臀部を見せびらかすように突き出しているのは魔性だ。
テオの愛撫に反応し、身をのけぞらせ、痴態と嬌声を見せているのはカティアではない。
情けないことに泣きそうになった。
カティアではない。
動きが止まったテオを訝るように、女がこちらを見た。
熱に浮かされた表情で、それはまるで恥じらうカティアのようで、
魔性はカティアの声で囁いた。

「……いれて、テオ」

容赦なく奥へ突き入れる。硬いものを突き抜けた感触があった。
「ああっ……!」
悲鳴が上がったが、休みなく抽挿を続ける。
快楽がテオの背筋を這いあがる。
くちゅくちゅと粘度の高い音が室内に響く。
肉の擦れ合う音、叩きつける音、荒い息、甘い声、淫靡な水音、
女の匂い、汗の感触、たぎるような熱。
けだもののように突き上げる。
カティアだったものを犯す。
肉襞を削るように擦りあげる。
容赦はしなかった。だってこれは魔性なのだから。
「いやあっ、あ、あ、……っあぁんっ……!」
女の嬌声が耳を付く。
その声を出すな。そんな声でカティアを汚すな。
そう思う一方で、カティアの痴態を想像しぞっとするほどの興奮を覚える。
410カティア:2010/08/22(日) 02:17:36 ID:R8aKDZvX
女がいやいやをするように身体を揺すると、熱を帯びた臀部が揺れて
ますます劣情を誘う。
「そんな、……あっ、……ああっ!……や、ぁんっ」
ああ、熱い。気持ちいいよ、カティア。
速度が段々早くなる。限界が近くなっていた。
「あ、あ、あっ……だめっ……!」
カティア……!
一番奥に、熱い精を叩きつけた。どくどくと溢れだし、女の中を満たすのが分かる。
一瞬気が遠くなりかけたが、傾ぎかけた女の身体をとっさに支える。
テオが自身を引き抜けば女のそこからどろりとした液体が垂れ、内腿を汚す。
白に混じった朱が、カティアの身体だということを思い出させる。
女の息も荒くなっていた。
「少しばかり、痛かった。あんなものがいいのか、人間は」
負け惜しみのように呟くが、目はとろりと溶けたようになっている。
本当に生娘であれば、最初は快楽を感じられないというが、そこは魔性であるから
だろうか。
これで満足か、と聞こうとしたとき、女が微笑んだ。
テオに身体を預けてはにかむ姿は、カティアそのものだった。
今は魔性の妖気のようなものは薄れ、本当の村娘ようだった。
そこで、初めて気がついた。
本当にカティアを汚したのは自分だ。
魔性に誘惑されてその身を犯した。
ただカティアの身体だったというだけで、結局彼女の魂を汚したのは、俺だ。
「テオ?」
女が不審げに名前を呼んだ。
「呼ぶな」
テオは女から遠ざかった。
「その声で、俺を呼ぶな」
「……お前の愛した娘ではないのか」
「だからだ!」
魔性には分からない。
411カティア:2010/08/22(日) 02:19:09 ID:R8aKDZvX
魔性には分からない。
「何故」
「来るな」
近寄ろうとする女に、テオは距離を取った。
その姿を見るだけで、愛おしさと罪悪感とがこみ上げてくる。
今まで肌を重ねていたのが、夢のように感じられた。
「俺は、カティアに」
思わず座り込んだ。
取り返しがつかない。
身体を奪われ、魂を汚された彼女にどうやって謝罪すればいい?
「テオ」
再び名を呼ばれた。その声はカティアであってカティアでない、魔性のものだった。
「『カティア』はお前を愛していた」
「……ああ」
「カティアも、お前が欲しかった」
「……」
「愛した男に抱かれたかった。それが叶ったのだ、文句はあるまい」
「お前が、その機会を奪ったお前がそれを言うのか」
「この身体は『カティア』だぞ」
「中身はカティアじゃない!」
だん、と拳を床に叩きつけた。
「頼む、お願いだ。返してくれ。カティアを返してくれ。……カティアを……」
最後はほとんど泣き声になりかけていた。
次の瞬間、女にそっと抱き締められた。
「そんなにカティアがいいか」
ふわりと甘い香りがした。そこに混じって女の、行為の後の匂いがした。
「俺は彼女の性格や、話し方や、優しさ、そういうところが、好きだった。
恥ずかしがりで、人前で親しくするのを嫌がって。でも、俺の前では本当に
嬉しそうに笑うんだ。それが俺のカティアだ。誰にも代えられない」
ぎゅっと、強く抱き締められた。
カティアの匂いがした。
思わずきつく抱き返した。亜麻色の柔らかな髪が愛おしかった。
こうしていると、カティアがいなくなったとは信じられなかった。
それこそ、夢だったのではないかと思うほど。

「……やだ。そんなに強くすると痛いわ」

顔を上げると、あどけない表情のカティアがそこにいた。

412カティア:2010/08/22(日) 02:20:02 ID:R8aKDZvX



幼い少女は、内気で控えめな美しい娘になった。
その成長にふさわしく内面も大人になっていった。日に日に、テオへの思慕を
募らせていることが分かる。
内気な性格にそぐわないほどの熱。
テオにも、きっと本人でさえ気付いていないひそやかさで育まれた。
私だけが知っている熱情。
私だけが理解できる感情。

――……私にも覚えのある、感覚。

ひとの身体に長く留まりすぎた。
かつて、己がひとの身だった頃の感情をむざむざと呼び起こしてしまった。
もう、相手の名前も顔も覚えていないというのに、身を焼くような想いだけが蘇る。
テオが寄せる情に己の身を重ねた。これは私の身体でもあるのだから。
そうは言っても、この身は『カティア』のものだ。
テオが愛しているのは、カティアなのだ。

それでもテオを前にすれば思ってしまう。
指が触れ合い、手を取られたとき、高なった胸は誰のものか。
ふいに抱きしめられ、愛を囁かれたときの歓喜は誰のものか。
そして、同時に襲った嫉妬と言う名の激情は――……。



「どうしたの、テオ」
「……カティア?」
「そうよ。……んっ」
そっと口づける。
緊張してどうしたらいいか分からなくなって身を硬くして、でもためらいがちに
応えてくれる。いつものカティアだった。
そうとわかってさらに求めようとすると、カティアは慌てて顔を反らした。
「だめよ、そんな急に。は、恥ずかしいわ」
「恥ずかしいことなんてない。カティアが戻ってきたんだ」
「ええ。……会いたかった、テオ」
そう言って抱きつかれると、胸の奥から愛おしさがこみ上げてくる。
夏草の香り。カティアの匂い。
413カティア:2010/08/22(日) 02:20:55 ID:R8aKDZvX
「……どうなってるんだ。魔性は、消えたのか」
「わたしもよく分からないわ。今、急に戻ってこれたの。
……もう二度と会えないと思ってたから、嬉しい」
微笑むカティアに、罪悪感が胸を苛む。
「すまない、俺は、カティアの身体に……」
「それはもういいの。その……魔性が言っていたのは本当だもの」
「どれのこと?」
「……わたしも、あなたが欲しかったっていう」
「カティアが?」
「わたしだって女よ。あんまり表立っては言わないけど、でも。
あなたに抱きしめられるとどきどきした。
もっと触れてほしい、もっとあなたに触れたいと思った。でも」
そう言って目を閉じる。
「そんなことを言って不埒な娘だと思われたら。嫌われたくなかった。
テオならいつか、って信じてたけど、早く求めて欲しいとも思っていた。
……駄目ね、わたし。結局ふしだらな女だわ。そんな迷いがあるから、
魔性に取り付かれたのよ」
「俺は、俺は嬉しいよ。そんなふうに思ってくれてたなんて」
カティアの手を取ると、恥ずかしそうに微笑んだ。
「ありがとう、テオ。あなたでよかった。……本当は、こんなことは許されないのに」
敬虔な彼女は、恥と思ったのだろうか。表情に僅かに陰る。
「お願い、わたしを抱いて。今までのことは忘れて、わたしを愛して」
そう言うカティアを見れば微かに震えている。
「緊張してるの?」
「……ええ。知らないことを知るのは、怖いの。知らない自分を見せるのも」
「俺が一緒にいるよ」
震える彼女の手を取って、指先に口づけた。
「一緒に、知らないことを知ろう」
「……教えてくれる?」
「ああ。カティアがどれだけきれいで、可愛くて、優しくて、……いやらしいかって」
カティアの顔が真っ赤になる。
414カティア:2010/08/22(日) 02:21:59 ID:R8aKDZvX

カティアの髪を結ぶ飾り帯を解いたのが合図になった。

寝台に倒れ込むと互いにひたすら求めあった。
普段は恥ずかしがってあまりしてくれない深い口づけにも応じてくれた。
舌を差し入れれば、最初は強張っていたが次第に舌を絡めてきた。
その肉感に、普段の彼女とは違う生々しさにぞくぞくするほどの興奮を覚える。
唾液が混じり合い、口の周りを濡らすのも構わず夢中で貪りあう。
カティアの柔らかい髪を掻き乱す。
口づけだけでこんなにも愛おしい。苦しい位に気持ちがいい。
「……っ……は、あっ、テオ……」
熱っぽい表情はそれだけでテオの官能を揺さぶる。
顎まできれいに舐め取ると、カティアはくすぐったそうに笑った。
「いい?」
一枚一枚、衣装を解く。一糸纏わぬ姿になったカティアは、既に羞恥で
ほんのりと色づいていた。カティアもぎこちなくテオの服を脱がせた。
「見せて」
胸を隠していた腕をそっと剥がす。
「きれいだ、カティア」
「そんな……」
予想以上に豊満な乳房に、優しく触れることで賛辞を与えた。
片方は円を描くように揉み、もう片方は淡い色の先端を口に含み舌先で転がす。
「ん……」
慣れないのか、カティアは愉悦ともため息とも取れる声で答えた。
両方の先端を両手で突き、捏ねているとその声も段々荒々しくなってきた。
「あっ、やだ、だめ……っ」
「気持ちいい?」
「なんか、変な感じ……ぁんっ!」
もぞもぞと身を揺すり始めた。
「感じてる?」
「そ、そんなこと言われても――あ、駄目、そんな」
茂みの中に指を差し入れると、きゅっと内腿が閉じられた。
そんなことをすれば却って指を咥えこむだけだというのに、彼女は気づかない。
「開いてくれないとできないんだけど」
苦笑しながら、それでも指先を動かすとカティアは反応する。
「だけど、……ぁん、だ、だめ!」
「駄目?止めてもいいの」
意地悪く言うと、カティアがほとんど涙目になりながら首を振った。
「じゃあ、お願い」
ようやく僅かに緩めてくれた膝の裏を押すと、秘裂が露わになる。
415カティア:2010/08/22(日) 02:23:08 ID:R8aKDZvX
「やだ、恥ずかしい……」
「もっと見せて」
そこは既に充分過ぎるほど潤っていた。とろとろに溶けて、今にも溢れだしそうに
なっている。すぐにでも貫きたい欲を抑えて、肉芽を指で突けば、分かりやすく
反応が返った。
「……ぁん!」
くちゅ、と粘度のある液体が指を濡らす。襞の間から掬いあげて肉芽に垂らし、
ねっとりと愛撫すれば、指の動くに合わせて白い裸体が身をよじらせた。
固く閉じていたはずの膝は今や、テオを求めて開いてしまっている。
硬い芽を軽く引っ掻くと、その身がぐっと仰け反る。ふるふる揺れる乳房の上で
ぴんと尖った頂が存在を主張する。もっと、と身体が訴えている。
「は……あ……っ、テオ……、そこっ……」
欲しいのか。
「あ、あ、あああっ!」
きゅっ、と摘まむとカティアは悲鳴のような声を上げて達した。
一瞬の気絶から帰ってきたカティアは、荒い息でテオの胸にもたれかかった。
貞淑な彼女は、気をやったのを恥じらいながらも艶めかしかった。
「いやらしいなあ」
髪を梳いてやりながら耳元に囁く。
「やだ……」
目を合わせられず俯く彼女が愛おしくなる。
「すごくいやらしくて、きれいだ。俺のカティア」
もっと彼女を悦ばせたい。もっと感じさせたい。よがらせて、訳が分からなくなる
くらいめちゃくちゃにしたい。
大事に、優しくしたい一方で、激しく突きたい衝動に駆られる。
テオ自身も、硬く張りつめて痛いほどになっていた。先端が少し濡れてしまっている。
熱を持ったそれを、カティアの柔らかい内腿に擦りつけた。
「……いい?」
カティアは緊張した面持ちで頷いた。
「あのね。わたし、上手くできないかもしれないけど。頑張るから、テオも、
気持ちよくなって……ね?」
「俺はもう充分だよ」
「ううん。テオに気持ち良くなって欲しい。忘れられないくらい気持ちよくなって、
ずっと今日のことを覚えていて欲しいの」
「俺がカティアを忘れるなんて」
「お願い」
首筋に抱きついた彼女は、女の匂いがした。
欲が出たのだろうか。そう思うと健気で、可愛らしい独占欲に却って愛おしさが増す。
「分かった。二人で気持ちよくなろう。な」
そう言って額に、瞼に、唇に口づけを落とす。
416カティア:2010/08/22(日) 02:24:09 ID:R8aKDZvX
カティアのぎこちない膝の間に身体を割り入れると、徐々に先端を押し進める。
やはり、中は狭かった。ぬるぬるした温かさと、きゅうと絞られるようなきつさに
それだけで達しそうになるが、なんとか中に入る。
「痛くないか?」
「ううん……大丈夫。さっきの余韻が、ちょっと残ってるけど」
魔性に取り付かれていたときだ。
俺がやった。
「そんな顔しないで。わたし、相手があなたでよかった」
そう言ってカティアは微笑む。
「カティア」
微笑む彼女の目は、しかし女の目をしていた。
娘から女の表情になった彼女は、ぞっとするほど艶があった。
「でも、ちょっと悔しいから。今度は本当に、わたしを、愛して……」

ゆっくり動くつもりでいたのが、そうもいかなくなってしまった。
中のざらざらしたところを擦れば、カティアは声にならない悲鳴を上げた。
「あ、ああっ、そこ、……あぁんっ!」
カティアの中のねっとりした熱さに、痴態に、身も心もとろけそうだった。
時折乳房の先端を突いてやると、きゅっと締まってますます溶けてしまいそうになる。
「……気持ちいい?」
激しく揺さぶられながら、カティアは頷いた。
「カティアっ、……俺も、気持ちいい……、すごく」
カティアはテオの肩に爪を立てた。その痛みが、逆に快感を増す。
一息に奥まで貫けば、先程まで生娘だったとは思えないくらいの甘い声を上げる。
「テオ……好き、好きよ。愛してる」
耳元に囁かれ、くらくらするほどの熱を感じる。
「俺も、愛してる。カティア……」
ぐちゅぐちゅと卑猥な音を立てながら、二人で愛を誓った。
愛おしい。
たったひとりの、最愛の人。
俺が愛した、俺のカティア。
「……カティア……?」
カティアだったはずの身体は、いつの間にか人ならぬ肢体になっていた。
人ではありえないほどの完璧な美しさ。
それがテオに貫かれ、艶めかしく喘いでいる。
何が起きているのか分からない。
だが、動きは止まらなかった。止められなかった。
カティアだからか。それとも――魔性のものだからか。
417カティア:2010/08/22(日) 02:24:47 ID:R8aKDZvX
女は、懇願するような目でこちらを見た。
「私も、カティアのように……」
蕩けるような声。
「今は、今は……愛されたい、ただの、女。だから」
カティアの声。
「お願い、抱いて……っ」
そう言ってテオに縋った。テオを求めて腰を振った。
今、自分が抱いているのはどちらだ?
カティア?魔性?
分からない。だが止まらない。止められない。
気持ちいい。このままおかしくなってしまおうか。何も考えられなくなってしまおうか。
この快楽には代えがたい。
もっと。もっと。
欲しい。
「テオ」
こつ、と奥に当たる。
「愛してる……」
果たしてそれは、誰の声だったか。
テオはたまらず精を放った。



気付けば、テオは寝台の上で独りだった。
「……カティア?」
敷布には行為の匂いが満ちていた。夢では、ない。
飛び起きて辺りを見回す。部屋の中は静寂と暗闇に包まれ、人の気配はない。
蝋燭の火はいつの間にか消えていた。
「どこに行った」
家中を探すが見当たらない。
出て行ったのか。どこへ?
服を身に付け、慌てて外へ飛び出す。
村にも、カティアの家にも、彼女は戻っていなかった。
村人は事情を問い質そうとしたが、茫然自失になったテオには何も答えられなかった。
ふらふらした足取りで家に戻る途中、胸元の隠しに何か入っているのに気づいた。
指輪。
カティアのために手に入れた、翡翠の指輪が無くなっていた。代わりに細い布が入っている。
髪を結ぶ飾り帯だ。何か書かれている。帯からは『カティア』ではなくなった女の甘い香りがした。
「……カティア」
テオは嗚咽にも似た声で呻いた。

“愛してくれて、ありがとう”

それを見てようやく、彼女は二度と戻らないことを悟った。
418名無しさん@ピンキー:2010/08/22(日) 02:27:36 ID:R8aKDZvX
以上です。
思いがけず長くなって申し訳ない。

微修正入れるの放棄してたので焚き上げスレのがよかったか。まあいいや。
419名無しさん@ピンキー:2010/08/24(火) 21:33:23 ID:2FQtkgK4
SSきてたーGJであります!!
420名無しさん@ピンキー:2010/08/25(水) 15:16:10 ID:LAnQBB9E
切なエロい。GJ
421今昔系ぎりぎり四十路夫婦・前書き:2010/08/26(木) 09:44:55 ID:cgIu2PK3
思い出話から新婚エロに繋げたかったのに、ただの思い出話で終わってしまった非エロSS
追い出された訳では全くないが、なんだか投下に気が引ける、けどこのまま眠らせるのも悲しいのでこちらに
非エロ、家族、熟年モノ
422今昔系ぎりぎり四十路夫婦@:2010/08/26(木) 09:47:14 ID:cgIu2PK3
今日、上の息子がうちに彼女を連れてきた。
彼女を紹介したい、と言われたのはこれが初めてだったので、
もしやこのまま、と浮き足立ちそうになったところを夫に冷静にたしなめられたのが先月末のこと。
息子2人はとっくに独立していて、デート前に寄るという兄たちに、野次馬根性丸出しの
弟も帰ってくるというので、今日は久々に昼からベランダでバーベキューだったのだ。
「――じゃあ俺もそろそろ帰るわ」
「え? 泊まっていけばいいのに。晩御飯も多めに用意してあるのよ」
最後まで残って後かたづけを手伝ってくれたのが下の息子・航太。
まだ5時前なのにもう帰るのかと思うとやはり残念な気持ちになる。
ここから車で3時間ほどの大学に通っているのだが、一人暮らしを始めたのは大学2年から。
ちょくちょく帰ってくるかと思いきや、近さ故になかなか帰ってこないのだ。
「卒研もまだ始まらないんでしょ? 何か用事あるの?」
「まあまあ。夫婦水入らず、お邪魔はしませんよ」
ニヤニヤと笑う息子に苦笑する。ここ数年毎日水入らずだ。揶揄されて照れるほどのこともない。
「――航太、何時ごろうちを出るんだ」
地下の物置から帰ってきた夫が麦茶を注ぎながら尋ねる。
「あー、と。そうだね、あと1時間くらいかな」
「後で駅前に行く。車に乗せてけ」
「はあ? なんか用事? てか、もしかして親父と2人でドライブ?」
「あら。何かあった?」
「いや、プリンターの用紙を買ってくるだけだ」
「ふーん。んー、おいしそうで安いゼリーあったらお願い」
「駅前でそりゃ難しい注文だね」
ポケットから取り出した車のキーを手の中で弄びながら航太が茶々を入れる。
「――そういえば、お袋と親父ってお見合いだっけ」
「ああ、そんな感じだったかしらねぇ」
「今から……、え、でもお見合いなんてもう主流じゃなかっただろ?」
「そうねぇ……。もうかなり少なかったわねぇ」
夫とお見合いのようなものをした当時、時代はバブルだった。
東京程ではないにしろ好景気に沸き、人々はとにかく派手に遊んでいた。
土地柄もあってお見合いなんて前時代の遺物みたいな扱いだったし、
ある意味時代に逆行する2人だったような気がする。
「でもうちの科のベテランに、お見合いおばさんみたいな人がいてね。
 その人のおかげで何人かまとまっていたのよ」
地元の私立病院に勤めていた私もバブルを感じることはままあったが、
医者と言えども楽して高い給料を貰っているわけじゃない。
423今昔系ぎりぎり四十路夫婦A:2010/08/26(木) 09:48:56 ID:cgIu2PK3
看護師(当時は看護婦と呼ばれていたけど)だって今も昔も重労働の不規則勤務だ。
合コンに行けるのは夜間診療のない科だけ。特に小児科にいた私たちには別世界の話だった。
そんな中に、とにかくパワフルなベテラン看護婦がいた。
世話好き、喋り好き、いつも元気の赤坂さんだ。
「赤坂さんがいなかったらお父さんと出会うことも、今こうして航太と話すこともなかったんだから、
 人生って不思議よねぇ」
「なんだそれ」
確かにそうだけどさ、と言いながら笑う息子の向こうでは、
ソファに座ってぼんやりテレビを観る夫の姿が見える。
出会った当初、この人とこんな風に生きていることなんか想像すらしなかった。
でもいまこうしてともに過ごし、2人の息子を育て、また2人で生き始めている。
何年かしたら孫も生まれるかもしれない。その前にまずは新しく娘ができるんだろう。
「今日、瑞季さん、いい子だったわね」
「うぇ、まじ? あの堅物の兄貴とは違う派手系オンナだろ」
「堅物が堅物連れてきてもつまらないわ。
 まだこれからのことはわからないけど、また会えたらいいと思うわよ」
「ふーん……」
本音ではあるけれど、たぶん後で兄弟連絡を取り合うだろうことを含めての言葉にする。
望みなしと思われたくはないが、期待大と調子にのられるのも癪だ。
親心は複雑なのだ。
お見合いには積極的だったくせに、実際挨拶に来る段になったら急に消極的になった両親を思い出す。
まだ先のことはわからないし、理想の嫁という子ではなかったけれど、賢そうな印象があった。
なにより、お互いを見つめる眼が良かった。息子をちゃんと愛してくれるなら取り敢えず良しである。
「航太もいい人見つけたら連れてきなさいよー」
「ぶっ!」
注いだばかりの麦茶を盛大に吹く航太。
あらら、意図せずに図星を当てちゃった?
「はい布巾」
「ごほっ、あっ、がっ、どぅ……」
「そんなんで運転できるのか? 事故らず行けよ」
「ぐっ、うっせ!」


******

「ただいま」
「お帰りなさーい。航太は? ちゃんと行った?」
「ん。はい、これ」
返事もそこそこに紙袋を渡される。お菓子の袋だ。
「え、なにかしら? わ、トマトゼリー?」
「ハスカップも買っといた」
年甲斐もなくやったー、と叫びたい気分になる。このじめじめとした天気の中、
さっぱりすっきりする甘いものは身も心も軽くしてくれる。しかも夫が買ってくれたのだ。
424今昔系ぎりぎり四十路夫婦B:2010/08/26(木) 09:50:43 ID:cgIu2PK3
「幸せ……」
「もう開けたのか? 食べるにはまだぬるいぞ」
「まだ開けていません」
むっとする。人の幸せに張本人が水を差すとはどういうことよ。
「ねぇねぇ、トマトとハスカップは2つずつ? 航太にはなんかあげた?」
「あげないだろ、子どもじゃないんだから。
 駅前で、俺を車から降ろしたらそのまま帰った。2つずつだ」
「そうね、うん。じゃあ、私はトマトをいただきます」
「ん? ハスカップの方が好きじゃないのか?」
「そうだけど。おいしいものは後に取っておきたいじゃない。
 ……あら、もしかしてトマトはお父さんの分?」
「いや、違う。……両方好きに食べなさい」
そのまま夫は寝室に向かった。箱から出してゼリーを冷蔵庫にしまうと、麦茶を用意する。
「………………」
夫が来ない。いつもなら着替えた後、リビングで麦茶を飲むのに。
ノックをして寝室を覗く。いない。
「――どうしたんですか? のど渇いていないの?」
夫の小さな書斎を開けると背を向けてパソコンに向かう姿が見えた。
「いらない」
「……なんかあったの? 私悪い事しました?」
「別に」
何様。修司様か。ん? 修司様?
「……修司さーん」
びくっ、と肩が上がった。
「ゼリーも、冷たい麦茶もありますよ、修司さん」
「………………」
「修司さん修司さん修司さーん」
「わかった!」
がばっと椅子ごと振り返ると2歩でこちらまで来て、私が顔だけ出しているドアを勢いよく開けた。
じっとにらみ合う。いや、にらんでいるのはあちらだけで私はにやにやしている。
夫は明らかにむっとしていた。しかしそれは怒っているというよりなんというか、
拗ねているような、若干動揺もしているような、けれどもそれを悟られまいとしているような、
そんな感情が瞳の奥に見え隠れしている。
ここで本当に鬱陶しいという顔をされていたら私の笑顔は凍りついていただろう。
「なあに?」
「………………」
425今昔系ぎりぎり四十路夫婦C:2010/08/26(木) 09:51:24 ID:cgIu2PK3
無言のまま私を避け、のしのしとリビングに向かう。
私は益々にやにやしてその少し後をついて行く。
リビングに入ると夫はだいぶ汗のかいた麦茶を一気に飲み干し、また新しくつぎ直すところだった。
「外は暑かった?」
「……んん。まだ日中は蒸すな」
「お夕飯どうしよう。お腹空きそう?」
「いや、遅めで、軽めでいい。さすがに、久々に食べ過ぎた」
「じゃあ、ゆで豚にするわ。ポン酢でさっぱり、その後ゼリーでもさっぱりしましょ」
私はぱちんと両手を打つと席を立ち、冷凍庫から冷蔵庫にお肉を移す。
台所の窓からは強烈な西日が射していて、その眩しさに目を細める。
「――ねぇ修司さん」
振り向くと夫は珍しく何もしないで、ぼーっとあらぬ方向を見ていた。
「結婚するとき、迷わなかった?」
「……おまえは迷ったのか?」
「迷いはしなかったわ。でも、不安はあったし、仕事からの逃げ道を作りたかったのも確かよ」
ふっ、と。馬鹿だなあと言うように笑われる。それからゆっくり、夫が私に焦点を合わせる。
「正直、あの時はそれほど結婚に責任も感慨も感じていなかった。
 君は看護婦で、僕に頼らなきゃ生きていけないようなタイプじゃなかったし、
僕は自分のことだけでいっぱいになっていた。結婚も周りに流された感が、確かにある」
でも、と夫は眩しそうに目を細めた。
「不安はなかった。君なら大丈夫だと思えた。
 今まで色々なことがあったが、この結婚を後悔をしたことはない」
結婚当初、『きみ』という呼称が妙にこそばゆかったのを思い出す。
ただ、年を経て、自分の思いをちゃんと伝えようとするとき出やすいのがわかった。
普段は決してお喋りじゃないし、言動も素直じゃない人だけれど、真摯に私に向き合ってくれた。
その優しさに、私は助けられてきたんだと思う。
「……修司さん」
「早苗……、こっちに来い」
手招きされ、私は気恥ずかしく思いながら向かいの席に腰を下ろす。
にやっと、夫が笑った。
「夕日が目に痛くてなあ。眩しかったよ」
「……っ、ばか!」
――優しいかもしれないけど、やっぱりこの人は意地が悪い。
426今昔系ぎりぎり四十路夫婦:2010/08/26(木) 09:53:37 ID:cgIu2PK3
以上です
すっきりした、ありがとう
427名無しさん@ピンキー:2010/08/30(月) 23:37:04 ID:pe8qkS3c
ほのぼのいいな、GJ!
428名無しさん@ピンキー:2010/09/08(水) 17:20:49 ID:C/JIzWyr
>>404
某シチュスレ雑談見てたひとです。

元スレでも、充分イケたとオモ
少し残念だけど、書いてくれてありがとう!

>>421
これも元スレで、ほのぼのにやにや、楽しみに読んでた。
ここに投下されてるとは。

2作品ともGJGJGJ!!
・・・規制で書き込めなかったんで、今頃すまんです。
429名無しさん@ピンキー:2010/09/09(木) 08:51:55 ID:lKA1ZrJV
>>421
うあ〜っGJ!!!
元スレに転載してくれないかなぁ…エロなしでもジュウブンですから
430名無しさん@ピンキー:2010/09/12(日) 17:29:56 ID:02nqXxrL
>>404>>421
面白かったわお二方ともGJGJ
ここたまに来るといろんなSS読めていいな
431名無しさん@ピンキー:2010/09/23(木) 00:46:03 ID:AY6Adk6+
短めに2レスです 寝取られになるのかな?

一年前は本当に申し訳ありませんでした
432名無しさん@ピンキー:2010/09/23(木) 00:46:55 ID:AY6Adk6+
「ただいまー」
 俺がバイトから帰ってくるのは夜遅く。
 玄関上がって居間に行くと、あれだ。
「アニキ、お帰り!」
 奴がそんな言葉と共に、下半身丸出しで下に敷いた雪南を突いてる。
「……っ?」
 顔だけこっち向ける雪南。
 相変わらずのめり込んでるようだ。顔がすっかり蕩けてら。
「おう、挿入中のとこ邪魔しちゃ悪いから、気にせずやってくれ」
 そう言って俺は台所に言って、水筒を洗う。

 村田雪南(むらたゆきな)は俺の幼馴染で、付き合い始めて7年。今年で20歳。
 小柄で無口で、困った時は俺を頼るような性格だった。
 でま、見も蓋も無い話だが、寝取られた訳だ。
「っ…っ…!」
 寝取ったのは奴。名前は蠣崎真(かきざきまこと)。3つばかり年下の高2。
 人懐こい犬系青年。やや頭は空洞気味で、寝取っておきながら俺をアニキと慕う。
「ユキ、出すよっ…!」
 何かアレだ、最初は茫然自失と自己嫌悪で狂いそうになったものだが、徐々にどうでも良くなってきた。
 元はと言えば、俺がEDなのが悪い。7年も一緒にいてこれでは、床の権利くらい他人に移る。
 …あ、イったようだ。

 冷蔵庫に冷やしてあるお茶を湯呑みに注いで、がぶ飲み。美味い。
 クールダウンしている二人に一応尋ねる。
「メシは食ったか」
「食ったよ。マーボー丼の元使った。アレ美味しいよ、春雨入れるとさぁ――」
 奴はレトルトその他くらいでしか料理が出来ない。運動神経は良いが勉強もダメ。
 そんな奴に何故とっ捕まったのか、修羅場になりそうなので訊かなかったが、多分雪南の欲求不満が切欠だろう。
 空気の読めなさは天才的で、気がつけば俺の家に通いというか、もう居候している。
 育ちが良く金には困ってないようで、外出した時は派手に遊び回っているようだ。
 が、家での食費や水道光熱費は俺が出している。救えなさは底が抜けてる。
「でさー、試しに七味振りかけたら入れ過ぎちゃって辛いの何のって――」

「おっけ。俺、風呂つけてくるからな」
 唯一つ、まともなことがある。それは同時に俺にとっちゃ最悪のことかもしれないが。
 俺は体は無理でも、心ではまだ雪南を愛している。雪南も同じ思いだと言ってくれる。
 で、奴はそんな俺たちの関係を、応援してる。自分はセフレだと割り切って行動してくれやがっている。
 いっそ奪って行けば? と思うが、そこだけは引け目があるのか、単に遊び相手としか見てないのか。
「あ、そうくると思って沸かしといた」
「お、サンキュ」
「へへーん」
 結局日常では、恋人同士の二人にじゃれ付く犬か弟――のように振舞っている。
 思考回路が全く理解出来ない。

 作業着と下着は洗濯カゴにぶち込んどく。
 風呂場に入って体を洗って流し、きれいな一番風呂に浸からせてもらう。
「はあ……」
 俺は病んでいるのかもしれない。
 奴を見ていると、前に読んだ凛野ミキの漫画を思い出す。
 いや、そちらの気は全くない。ただ包丁を段々大きい物に買い換えながら枕元に置きたくなる気持ちには時々なる。
 そんな物騒なことを実行に移さないように、正気をいつまで保てるか。
 ただ、目の前で盛られる分には慣れた。他人事というか、感覚が麻痺してるに違いない。
 生でヤってるが、子ども出来たらどうすんだ? 中絶させんのか? ははは、保護者か俺は……。
 薄ら寒い想像をしているのに、何だか乾いた笑いしか出てこない。
433名無しさん@ピンキー:2010/09/23(木) 00:48:20 ID:AY6Adk6+
 風呂上がっても二人はまだ続けていた。
「おーい、俺はもう寝るぞ」
 そう言い残して個室にでも行こうとしたら、
「…たか、ちゃんっ」
 まっぱの騎乗位を中断して、雪南が俺を呼ぶ。
 情けない格好して、しょうがない奴だな――とそんな顔で笑ってやる。
「はいはい?」
「……」
 最近とんと、雪南の考えていることが分からなくなった。
 俺が昔やりかけて失敗したままの童貞だから、勘ってもんが働かないんだな。

 雪南の頼みは、シている最中隣で、手を繋いでいてほしいというもの。
「良いよ」
 そう言って布団を敷いて、俺は端に横になる。
「こうしたらアニキと一緒だね?」
「…うん」
 3Pのつもりか。俺の手をしっかり握ったまま、雪南は苦しげに呼吸をする。
「たかちゃん…嬉しい」
「…そうか。俺、疲れてるからこのまま寝るよ」
「うん。おやすみたかちゃん、大好き…」
「俺もだ」

 隣でずぶずぶと突いたり跳ねたり、等間隔で息が漏れる。
 ああ、そんな拷問も聞いてるだけで眠くなれる。
 うとうとしながら少しの間、目を開けて天井を見ていた。
 一度だけ、雪南の方を見てみた。
「…たか、ちゃん…」
 雪南は首だけ軽くこちらに向けて、俺を見つめていた。
 暗い部屋に外から入ってくる明かりが反射して、目尻に溜まった涙が光りながら零れる。
「……」
 俺は心ばかりに笑って見せて、そして仰向けに目を瞑った。
 ……アホくさい。

 ロクな夢を見なかった。
 昔の自分と、雪南。愛しているはずなのに、どこか遠い。もう交わらない。
 それは全く仕方のないことだ。本当に仕方がない。
「おっはよーアニキ!」
「おう、休みなのに朝っぱらから元気良いな」
「…おはよう、たかちゃん」
「おはようさん。昨夜はしっかり寝れたか?」
 笑顔で頷く雪南。
 こういうところは昔から変わらないが――もう、現実は変わったんだ。
 俺はただそれを、受け入れるしかない。憎悪も憐みも後悔も、全部頭の中で薄めて、埋没させて。

「お、何だそれ」
「発売したばっかのゲームソフト。アニキ、一緒にやろうよ? な?」
 奴呼ばわりしてるが、いつかこんな嫉妬のような気持ちも忘れてしまえたらな。
 人を呪うより、頭がパーになってしまった方がまだ良いや。
「…良いぜ。せっかくの休みだし、やり込むか?」
「よっしゃ、やろやろ! ユキも来なよ、コントローラ3人分用意してあるから」
「え? …じゃ、私もやる」
 そう言って雪南は俺と真の真ん中に座る。
 そして俺の体にちょっとだけもたれかかる仕草を見せて、嬉しそうに笑う。
「オッケー、電源オン!」

434名無しさん@ピンキー:2010/09/23(木) 11:24:49 ID:uEAyGnoB
最初ガチホモきたかと勘違いしてちょっとびびったw
少し切ない上に面白かったですGJ
435名無しさん@ピンキー:2010/09/24(金) 01:47:04 ID:HzHfIyA0
NTR苦手だと思ってたが、こういうの好きかもしれん。GJ
436名無しさん@ピンキー:2010/09/24(金) 01:51:58 ID:P3+qcMkA
>>431
一年前って何?
437名無しさん@ピンキー:2010/09/24(金) 23:43:10 ID:Dip5fmJF
たかちゃん……が、文字なのに耳に着いて離れないよぅ。
切ないよう。
投下最中に読めたんだけど、モヤモヤが続いて書けなかった。
自分もNTR苦手だったけど、イケるかも。すんごくGJだ。
438名無しさん@ピンキー:2010/09/24(金) 23:43:15 ID:P3+qcMkA
>>431
一年前って何?
439名無しさん@ピンキー:2010/10/11(月) 00:12:55 ID:n8t2HPYO
保守
440名無しさん@ピンキー:2010/10/11(月) 21:49:06 ID:8ckt5NBY
座りの悪さはあるのに不愉快じゃなかった
いい意味で妙なSSだね。おもしろかった
441名無しさん@ピンキー:2010/10/11(月) 23:55:59 ID:++8RcqET
小学生の作文みたいで微笑ましい。
442名無しさん@ピンキー:2010/10/25(月) 16:32:54 ID:Hc32U1oT
保守上げ
443名無しさん@ピンキー:2010/11/14(日) 10:34:46 ID:NWmS4IMi
保守
444名無しさん@ピンキー:2010/11/19(金) 18:54:16 ID:XU5xZJqh
かつて大陸を支配した王も、元を正せば大陸南部を拠点とした小国の君主であった。
軍馬に跨り、戦場を駆ける君主に常に付き従う者が二人いた。
一人は後に君主の妻となる女騎士。
もう一人は軍師として仕える、青年。
幼い頃より共に笑い、泣き、苦楽を共に過ごした親友であった。
やがて君主は大陸を平定し、強大な帝国を築く。
女騎士を正妻として迎え、軍師として仕えた青年も妻を迎えた。
帝国は益々、栄えるはずだった。しかし、君主は全ての頂点に立つ者として
『大陸に平穏を保たねばならない、再び戦乱の世に戻してはならない』という思いがあった。
いつの頃からか……誰かがこの座を奪うのではないか?…と君主は人の心を疑うようになった。
今、この座を奪われては、再び大陸は戦乱の世に戻ってしまう…と人の心を疑う思いが日に日に強くなっていった。
そして王の心が闇に閉ざされるきっかけを作ったのは皮肉にも、王の世継ぎが誕生した日だった。
側室を持たなかった王には待望の世継ぎであったが、生まれたのは元気な女の子であった。
さらに王妃の産後の容態が思わしくなく、そのまま帰らぬ人となってしまった。
幼い赤ん坊を前に王は、一つの結論に辿り着く。

疑わしき者は全て消さなければならない。

そして謀反を疑われた者は全て処刑された。その中には無実の罪を問われた者の少なくはなかった。
あまりに度が過ぎた粛清に対して、かつて軍師は君主に諫言した。
しかし、もはや疑心暗鬼の塊と化していた君主はその軍師を筆頭にその一族郎党を全て処刑してしまった。
王は自ら親友を処刑した事で自責の念に駆られたのか、ようやく冷静さを取り戻したが既に時は遅く
王は臣下、万民から『魔王』と呼ばれ、恐怖の対象となると共に多くの怨恨を背負った。
445名無しさん@ピンキー:2010/11/19(金) 18:55:08 ID:XU5xZJqh

「……有能な将校さんはこんないい部屋で寝泊まりできるのね」
朝の日差しが差しこむ部屋で若い女性がくるまったシーツから顔を出した。
「ははは、何度修理しても雨漏りする兵舎が懐かしいよ」
「贔屓だわ。とっても贔屓。同じ王に仕える身なのに」
「ルナは近衛騎兵団の副長だからね、俺とは武勲の数が違うのさ……」
既にベッドから出て、制服を身につけた青年騎士が水差しと2つのグラスを持って来た。
「……気兼ねなくシャワーが浴びられる貴方が羨ましいわ」
ルナと呼ばれた女性が半身を起こしてグラスを受け取る。
群青色の髪に赤い瞳が印象的な女性だ。何気なしに水を飲んでいるだけなのに不思議と見とれてしまう。
「私なんて身体を拭くのがやっとなのに……ん?…やだ」
青年の視線に気付いたルナはシーツから覗いている乳を隠し、顔を赤らめた。
「あ、ごめん……そんなつもりじゃなかったんだけど」
「もう……」
近頃は帝国内外で兵士の行き来が激しい。
その理由は帝国に反旗を翻す部族や小国によって帝国領内の街道が寸断され、物品の流通に支障が出ているからだ。
特に貴重な真水や塩などの供給がここ数日、滞っている。先に大規模な暴動が街道で起こったためだ。
さらに国境外の少数民族及び、森林地帯のエルフ、地下探鉱のドワーフ達が同盟を組み、着々と軍備を進めているという。
また帝国内でも一部の者達がその同盟組織と内通しているという噂がある。果ては王の暗殺まで画策しているとか、ないとか…
「なら前線の部隊に転属するかい?ルーナンティ=エレオノーレ君。
我が第1騎兵団は君を歓迎するよ。毎日、乾燥豆のスープに塩漬け肉と水割り酒のフルコースで」
水を飲み干した女性は軽く笑って
「遠慮しておくわ。キース=フィリップマン第一騎兵団長…………もう行くの?」
「ああ、朝議の時間だからね。シャワーは自由に使うといい。じゃ、また後で」
「ありがとう、いってらっしゃい」
446名無しさん@ピンキー:2010/11/19(金) 18:55:46 ID:XU5xZJqh

「失礼致します。お呼びでしょうか」
「………入れ」
城内に設けられている塔の中で、最も高い塔の一室
城下が一望できる部屋の主にルーナンティは低い声で入室を告げた。
「ルーナンティ=エレオノーレ近衛騎兵副団長であります」
「………近くに寄れ」
暗い室内で椅子に座す男の声にルーナンティはゆっくりと歩み寄った。
「ここ最近、お前に命じた任務の報告書に同じ文字が記されている」
「い、いえ…そのような事は――――――あっ」
男はいきなりルーナンティの尻に指を食い込ませた。
「事細かに記されているが……要は『成果なし』と言うことだ。これが何を意味するか、わかるか?」
「じ…事実を述べているだけです…わ、私は―――んっ…く」
男の指がさらに下部に伸び、ぐっと上へ突き上げた。
「フィリップマン…とか言ったか…あの男は有能すぎるのだ。それに人徳もあるとあれば計画とやらに携わっているかもしれん。
風の噂では……私を暗殺する計画というではないか。お前をあの男へ近づけたのは、
暗殺計画に関わっているであろう者共を調べ上げるためだ。
それを命じて4ヶ月も経つ…それほど時間がかかっておるのには、他にワケがあるのではないか?
男と女……床を共にする中では寝物語に何を囁いているかわからんからな?特にお前は」
男がルーナンティの眼を射抜くように睨んだ。
「わ、私は……あの者にそのような感情は……んっ…は」
男の手がさらにルーナンティを弄(まさぐ)る。
「我が血を分けた娘で無ければその首をとうに刎ねているところだ。あの男の下で股を開くだけがお前の任務か?」
「……断じて…そんな…心構えではありません…」
「お前の身体には母親と同じように淫らな血が流れているのだ。男を狂わせるセイレーンの血がな。
その能力(チカラ)を使ってもこの程度とは……」
男は報告書の束をルーナンティへと投げつけた。宙を舞う紙の中でルーナンテイは静かに言った。
「…母は貴女を愛していたと………ち、父上」
ルーナンティは目を閉じ、震える声で答えた。
「何だ、それは?」
しかし、男は殺気を帯びた声で答えた。
「――――――し、失礼しました。陛下」
「お前の存在は、私しか知らん。この世で私の血を正統に受け継いでいるのは第一皇女のみ」
「………はい」
「あと一週間の猶予を与えてやろう……その汚れた雌犬の身体をもって、忠誠を示せ。
もしも、あの男が計画にたずさわっていたとしても…あの男だけは生かしてやる。
舌を抜いて生かせておけば裏切りの憎悪の矛先は全てあの男に。お前もその方が楽しめるだろう?」
「……し、承知致しました。計画の首謀者、必ずや……」
「その言葉、努々、忘れるな……」
447名無しさん@ピンキー:2010/11/19(金) 18:56:24 ID:XU5xZJqh
「………」
数日後、首都の郊外の娼館がひしめき合う地区をキースは歩いていた。
「ねぇん、騎士さまぁん、お願い、私を買ってくれないかい?」
一人の街娼が腕を絡ませてきた。大きく開いた胸元を見せつけるよう言った。
「ああ……そうだな」
「ふふふ…『料金は』?」
「『それ相応で』………ハンナ、集まっているか?」
「そこの角の酒場よ。あと1時間は巡回の兵士が来ないわ」
娼婦はボソとキースに呟くようにいうとさっと路地へと入った。
酒場のドアを3回叩き、さらに3回叩く。するとドアが開いた。
「遅いぞ、キース。お前が最後だ。皆、揃っている」
ドアを開いたのはルーナンティの上司である近衛騎士団長のハリーだった。
酒場に入ると帝国の名だたる将校と同盟組織の代表が集結していた。
「遠路痛み入る、この計画の責任者、キース=フィリップマンだ」
「前置きはけっこうです。時間が惜しい、本題に入って下さい」
どこかの少数民族の族長だろうか?どこか気品がある。
美しい青い髪に尖った耳、エルフの女性だ。
「決行はこれより7日後の半月の夜だ。抜け道に精通しているというのは君か?」
キースの視線が一人の男性に向けられた。
「ああ。とある縁でラズライト公に協力している者だ。あんた達よりあの城の構造を知り尽くしている自信はある」
男がテーブルに置いた詳細な城内地図を指し、言った。
「ここに兵舎がある。奥から2番目兵舎の屋根は新築でもしていなければ今も雨漏りがしている。
そして側溝を流れる水は地下水路に流れず、逆流して兵舎の床を水浸しにする…違うかい?」
「……君の素性に興味があるな。正解だ、王を討つメンバーに君が入っている事は心強い」
「王を討つメンバーは申し分ないが…皇女を討つメンバーの編成はどうする。
聞けば、あの王の力を受け継いでいるらしいではないか、生かしておくのは危険だ」
ドワーフの男が言った。これには近衛騎兵団長のハリーが答えた。
「そうしたいのは山々だが、皇女の部屋まで距離がありすぎる。我等、近衛隊の者でさえ
ここには近づけん。皇女直属の者達がガードしている。ここは確実に王のみに的を絞りたい。
王が死ねば、この強大な帝国をまとめ上げることはいくら皇女とて容易ではないだろう?
皇女を討つのは、盟約通りに各部族の代表で議会制を敷き、帝国から自由を取り戻してからでも遅くはない」
「帝国の残党をまとめる事は容易ではない…確かに、あなた方をみていれば納得がいきます」
先のエルフの女性が言った。
「そういう事だ。あとは――――――」
そして最後の会合が終わり、メンバーは別々に散っていった。
残ったのはキースと近衛騎兵団のハリーだけだ。
「いよいよだな……」
「………ああ」
448名無しさん@ピンキー:2010/11/19(金) 19:38:43 ID:XU5xZJqh

二人は酒場から出て、城下にある兵士御用達の酒場に入った。
「こうしてお前と二人で話すのは久しぶりだ。近衛騎兵団は都の警備ばかりで暇でな」
葡萄酒が入ったボトルを置き、ハリーは上機嫌に言った。
「お前が近衛騎兵団に入る前に会ったきりか……確か2年も前だな」
「辺境の平定じゃかなり武勲を挙げたそうじゃないか。聞かせてくれよ」
ハリーはキースのカップに酒を注ぎながら言った。が、キースは一口煽るとボソッと呟いた。
「………酷いもんだ」
「ん?」
「国境の外にいる部族は皆、敵に見えてくる。帝国の圧政と無理な併合が原因だ。
彼等は我々を憎んでいる。道ですれ違う荷馬車に弓兵が潜んでいて射かけてきた事もあった。
商品を売る女が箱の中から出したピストルで頭を撃たれたヤツもいたよ」
「………そうか」
「リセを覚えているか?」
「お前の副官だった女だな」
「花売り子供のバスケットに爆薬が仕掛けてあってな…リセの脚ごと吹き飛んだんだ。
俺は必死で彼女の脚を探したよ。
だけど見つからないんだ……俺はもう血まみれのリセを抱えることしか出来なかった。
息も絶え絶えに言うんだよ……『帰りたい…故郷に帰りたい…』って…似たような兵は他にも大勢いた……
そうしてこちら側の報復が始まった。女を殺して、子供を殺して疑わしいヤツは皆、殺した。
『殺さなきゃ、殺される』って自分を納得させながらな」
「もういい、もう終わった事だキース……お前のおかげで故郷に帰れた奴もたくさんいるんだ。お前は悪者じゃない」
「いや、俺の方こそすまん。悪い酒になってしまったな……そんなつもりで話したんじゃないんだ。
こんな戦は早く終わらせたいと思ってな…」
「だが、正直……辺境の平定からお前が戻った時、嬉しかったよ。よく生きて帰ってきてくれた」
「感謝するよ…戦友」
キースはふと言った。ハリーに耳をかすように身振りで伝えると
「ひとつ提案があるんだが」
「どうした」
「ルーナンティを仲間とは言わないが、何とか逃がすことはできないか?」
「エレオノーレをか?冗談じゃない。無理だ。あいつは大した実績もなく王の命令で配属されたヤツだぞ?
貴族の養女とされているが素性は不明だ。息が掛かってるに決まっている。
いくらお前とつき合っていると言っても……それは無理だ」
「……彼女を愛しているんだ。何も知らずにあんな王を守って死ぬなんて――――――
決行の前に何とか彼女だけでも」
「いいか、キース冷製になれ。あの女は俺の副官だ。監視役といってもいい。
彼女は常に俺の側に控えているんだ。決行する時に彼女が生きていたら俺が殺られる」
449名無しさん@ピンキー:2010/11/19(金) 19:42:31 ID:XU5xZJqh

「…………どうにもできないのか」
キースは酒が回らない程度に話を切り上げ、自室へと戻った。
決行までの数日間は教育隊での任務をこなすだけだ。指揮下にあった第一騎兵団には新たな指揮官が配属されているが
ただのお飾りにすぎない。何年もの間、戦場を共にした兵士や兵長達は自分の命令に従う。
決起の日は指揮官を消し、首都の主要な機関を制圧する手筈になっている。確かに彼女とはつき合って何ヶ月も経たない。
つき合う事は…今思えば副官の……リセの事を忘れたかったからかもしれない。
ルーナンティの笑顔を見る内に癒されていくような感じがしたのは確かだ。血まみれのリセの夢をもう見ることはなくなった。
だが、王を暗殺することによって再びルーナンティが死ぬような事があっては……
「くそ……」
苛立ちを隠さずにドアを開けた。頬を撫でる一陣の風……そこにいたのはルーナンティだった。
「キース、おかえりなさい」
「あ…ああ…すまない。君が来ているとは思わなくて……外で一杯やってきたんだ。ど、どうしたんだ?こんな夜に」
明らかに動揺している、心臓の鼓動が何かを警戒するように脈打つ。戦場で何度か経験した事がある。
何かがおかしい、自分の身に危機が迫っている。だが、その何かがわからない。その何かとは…まさか――――――
「キース」
その言葉に、キースは思わず声を上げた。心臓が鷲掴みにされるような声。ルーナンティに圧倒されている?
この声と優しく微笑みを浮かべた眼に見つめられただけで?
「抱いて下さい」
ルーナンティは後ろを向き、するするとスカート捲り、下着を着けていない臀部を晒した。
月の光に照らされ、色白の男を狂わせる女の肌はいつもとは違う妖艶な色気を漂わせていた。
例えて言うなら…セイレーンが持つという…魅惑の…否応なしに魅了されるという色気だ。
「ルナ……?」
「貴方が欲しくてたまらないのです」
こちらを振り向いたルーナンティの肢体。まるで神話で語り継がれるような女神がそのまま顕現したような美しさだった。
年相応に実っている乳房も、それを支える胸筋によって張り出し、その頂きでツンと慎ましくも存在を主張している桜色の突起。
大胆にくびれている腰から太腿の艶やかな曲線美、腹部にうっすらと浮かぶ腹筋は男性のような武骨なものではなく
股間部の淡い茂みへと続くなめらかな線を描いている。
「何も言わずに……キース」
それはまさに女神だった。女神には違いないが、誘う者を破滅へと導く深淵の女神、セイレンの化身だった。

続く…と言いたいのですが、ここまでしか書いて元スレの
雰囲気を悪くしてしまったのでここから先はありません。
450名無しさん@ピンキー:2010/11/20(土) 01:01:28 ID:IHAFrMdq
どちらかというとお焚き上げスレ案件?
451名無しさん@ピンキー:2010/11/20(土) 22:22:55 ID:GVLx7D2Q
読ませるし、面白い作品だと思う
しかし・・・どうすればこのSSで、スレの空気が悪くなるのかがわからん。
452名無しさん@ピンキー:2010/11/20(土) 23:25:45 ID:T9Lyz4P6
>>449

残念だけどスレ違い

【お焚き上げ】投げSS供養スレ【墓場】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1221031954/

住み分けはきっちりと。


>>451
今わざわざ上げないで。
>>449のスレから荒らしが来たら面倒だから。
453名無しさん@ピンキー:2010/11/21(日) 11:03:37 ID:myUXYDzC
次スレからわかりやすいようお炊き上げスレもテンプレに入れた方がいいかもな
>>449
読みやすく実に面白かったです
454名無しさん@ピンキー:2010/11/22(月) 14:49:28 ID:m95f3eqU
455名無しさん@ピンキー:2010/11/26(金) 14:06:46 ID:6qIm6eyl
テス
456名無しさん@ピンキー:2010/12/11(土) 01:10:08 ID:rQsRYxAr
ほしゅ
457名無しさん@ピンキー:2011/01/02(日) 03:30:04 ID:MpTJmtif
あけおめ
458名無しさん@ピンキー:2011/01/17(月) 23:52:59 ID:FbliF14I
投下しにきました

・子持ち夫婦もの
・妻30半ば位、夫40ちょい
・セックスレス…でも、不和不仲の描写は無
・妻側の一人称


・コレを投下しようとしたスレの趣旨と、違う気がしてきた。
・他に本来該当するらしいスレがあるのをさっき思い出したが、探すのも面倒になった。
・書いてる途中で放棄しかけたんで、直し・詰めがあまい上、冗長気味。
 「投げ」スレにいくべきかもしれないけど、一応完成していたので。



投下は 12レスほど
NGワードは「ボタンのかけ違い」
459ボタンのかけ違い:2011/01/17(月) 23:53:47 ID:FbliF14I
              
『夫婦円満』ていうのは、どこまでを含めていうの?

別に仲が悪い訳じゃない。
夫は家事だって、できる部分はやってくれているし。
子育てだって、かなり協力的。
というより、子どもたちを溺愛しているかも。
……だから、私は?ってなる訳で。
そう。いい夫で、いいおとうさんで。
あなたがいないと、私たち……ううん、私は生きてゆけない、と思う。

社内恋愛で結婚した、7歳上のオトナの男性で。
優しくて、ちょっと頼りないところもあるけれど、曲がったコトは大嫌いで、誠実で。
うん、確かに押しは弱いかも。
今時でいえば、『草食系』?
だからプロポーズは、私がそういう雰囲気にもっていったっけ。
結婚情報系の雑誌とか、さりげなく車の中に置き忘れたふりしたりして、彼に意識させようと必死だった。
大好きだったから。この人しかいない! って思ってた。
今でも。
夫は、結婚記念日だって、忘れずにいてくれる。
年に一度はふたりで映画を見に行ったり。
手だって繋ぐわよね。

でも。
結婚なんて最初だけ。
子どもが生まれれば、家庭の中心は夫婦から、親子へ。
親子でもないのに「パパ」「ママ」と呼び合う仲になって。
よっぽどラブラブか性欲旺盛でなければ、男女の関係は脆くも崩れ去る。
だから、そう。
そうなんだよね。
もう、5年以上も――セックスレスって、誰にも言えない。





夏羽と悠斗は、ぐっすり眠ってる。

夫と新婚当時来て以来の、テーマパークに家族で来ることができて、私は少し舞い上がってしまっていた。
子ども以上にはしゃぐ母を、小学校2年生の夏羽はどう思っただろう。
目を丸くして、あげく、長女らしく弟にするようにたしなめたりしていた。
すこしおどけながら両手を腰にあて、まるで私がするように「ちょっと! 静かにしなさい! 周りにご迷惑でしょ?!」と、怖い顔で私を睨んできたのだ。
一瞬で冷静になって、そして笑ってしまった。
彼も「おーっ、そっくりだ。末恐ろしい」と夏羽に目配せしたり。
来年小1になる悠斗も、「コワ〜!」と生意気に父に同調していたし。
そんなこんなで、とにかく親子そろって興奮した一日を過ごした。
おかげで、子どもふたりは、遅くホテルに到着したこともあり、シャワーを大急ぎで済ませ、ベッドに倒れ込んでそのまま夢の中へ。
私もさっぱりして、はやく横になりたいんだけど……。
今は夫がお風呂を使っているから、その後にしか入れない。
疲れて、湯船で居眠りしてるんじゃ……。

『オフロに洗い場のある』部屋を選んで予約したから、ここはウチの浴室より一回り大きいくらい。
清潔感もあって、広い洗い場で広い浴槽で、のんびりしちゃうのはわかるけど。
毎日のいつもの順番だから、私がまだ、ってことはわかってるでしょ。
もう待ちきれない。
だって体は汗かいて、埃にまみれているし。
ずっと待っていると、このまま眠ってしまいそうになるし。
この状態、私的に我慢できない
彼がいようがいまいが、嫌がろうが、構うもんか。
私は服をつぎつぎ脱ぎ棄て、思い切って浴室のドアノブに手を掛けた。
460ボタンのかけ違い:2011/01/17(月) 23:55:08 ID:FbliF14I
              
普段は一応、夫にむやみに裸を晒したりしないようにしている。
恥じらい、というのは大切なことだし。
セックスレス歴は長いけど、一応、あきらめた訳じゃない。
そうはいっても、こちらから歩み寄ることもなく5年の月日を過ごしてしまい。
だってそういうことは、夫側から……と古風にも思ってた。
7歳下だし、まだ30前半だし、いつか求めてくるだろうとその時を待っていた。
待っていたらば――5年経っちゃってた……。
たかがハダカぐらい、なんだけど……それで私を女と意識して欲しかった。
せめて少しでもオンナであるという、一種のアピールをしていた訳で、男と女の一線を私なりに引いていたのだ。

そんな私の想いなど知る由もなく、夫は普段、平気で脱衣室兼洗面所に入ってくる。
小2の娘には、入っていいか、とか聞くくせに。
てことは、もはや私をオンナとは認識してない訳だ。
……だから最近は、はっきり「今は入って来ないで」と言うようになってしまった。

「入るわよ」

なんだか緊張する。
夫のほうを見ることができないまま、浴室に入った。
いつもとは立場逆転で、湯船にいた夫は驚いて腰を浮かせてる。
お湯のザブっという音が浴室に響いた。

「パパ、遅いんだもん。後に控えてる私のこと考えてよね」
「あ?……ああ……ごめん」

目を合わせずに、むこうを向いて会話だけする。
体の交渉がなくなってから、口での攻撃が容赦なくなってきた。
一応、気をつけているんだけど。
一度火が着くと、お互いにエスカレートしたりして。
少し歳が離れているから、たいていお互いだんまりになって口を利かないことが多い。
いつもそれで、自然にほとぼりが冷めていくのを待つのだ。
でも、今日はいやに素直に謝ってきたよね。
ああそうだ、旅行中だったもんね……ケンカはなるべく避けたいところだしね。

「あ、お湯浸かってていいよ、先にシャワー浴びるから」
「……ああ」

先に体洗って汗を流してしまいたい。
洗顔後、ボディーソープを掌にとって、首筋から手を滑らせていく。
両手を交差させて、肩から肩甲骨に差し掛かったところで、ちょっと中断。

「あのさ。こっち見ないでくれる?」
「へいへい」

これで心置きなく体が洗える。
見られてると思うと、体の隅まで洗えないし。
浴室の床に膝をついて、しばらく私は体を洗うことに集中した。
……突然、ザバァッと湯船の音がして、我にかえった。
シャワーで体を流していたから、音がするまで全然気付かなかった。
反射的に振り向くと、久しぶりに……すごく久しぶりに見る夫のソレが目の前に。

「……!!」
「うわっ、急にこっち見るなよ」

うわ、ってこっちも言いたい。
夫が一瞬のうちに背を向けたにもかかわらず、私の目にそれは焼き付いてしまった。

「な、なんで元気になってるのよ!」
461ボタンのかけ違い:2011/01/17(月) 23:55:54 ID:FbliF14I
          
…で、余計なことを言ってしまった。
私のばか!
夫のソレは、たまにうっかり目にする時とは明らかに異なり、誰がどう見ても”勃起”という状態だった。
それでもまだ最中に何度も見た”完ぺきに起ってる状態”じゃなく。
嗚呼バカ。
さっきからの気まずい空気が、さらに気まずくなったじゃない。
ていうか、さっき見た夫の姿に、私自身が熱くなってる。

「俺は今から出るところだっての。声掛けただろ」
「聞こえなかったわよっ」
「……おまえこそ、体、真っ赤になってるぞ」

私は夫に背を向けてるからわからないけど。
またこっち向いて、私のこと見てるらしい……と思ったらあそこがキュンとした。
一人エッチの時とか、やらしいサイトとか覗く時とかと、どこか違う、このキュンとした刺激は、何?

「なによ、入浴中だから当り前じゃないのっ」
「さっきから見てるけど、明らかに違うから」
「『さっき』いぃぃ?! 何じっと見てんのよ、えっち!」

出しっぱなしのシャワーに打たれながら、夫を見上げた。

「エロいのはどっちだよ。俺の見て、興奮してるんだろ」

何? なんで今日はそんなに強気で積極的な回答をするんですか。
いつもは、私の攻撃にすぐ退散していくのに。
あなたの言うとおり、そうですよ、コウフンしてます。
だって、久しぶりの、“ナマ”だもん。

「興奮してもらえるんだから、ありがたく思いなさいよ!」

て、なんで売り言葉に買い言葉……。
夫が前を隠さないまま、私のほうにしっかり向きなおって、

「興奮、してんの?」

って聞くから「うん」ってつい。
また買い言葉ですよ。

「まだ俺で、興奮できるワケ?」
「はあ?」

思わず間抜けな声で聞き返してしまった。

「『まだ』って、なんでそういうコト言うの」
「もう、俺じゃ、ダメなんだと思って」
「はああ? 何言ってるの」
「だっておまえ、悠斗が生まれた後、拒んだじゃないか」

ええっ?

「拒んだって、どういうことよ」
「出産後から半年経った頃、どうかな、と思ったら、おまえなんて言ったと思う? 覚えてるか」

いいえ、全然。

「なんて言ったのよ……」
「『触らないで』って言った。しかもスゲェ嫌そうに」
「覚えてないわよ!」
462ボタンのかけ違い:2011/01/17(月) 23:56:31 ID:FbliF14I
        

それは、きっと子育てに集中してる時の、動物的な感覚で言ったのだと……。

「そ、それは、オオカミの母のような感じでですね、」
「そっちが拒むなら、それはそれで仕方ないから」
「仕方ないから?」
「自分で処理するか、と」

処理……。
その、処理の内容を聞きたいですね、うん、ぜひ聞きたい。
で、おそるおそる聞いてみる。

「フーゾク、とか?」
「ばっ! そんなとこ行くかよ! つか、入社したころに連れてかれて二回行った以来、行ってねぇよ」

それは、結婚する時、聞きました。

「でもっでもっ、私の友達のとこも、3年無くて、ダンナさんが怪しい行動してたから、問い詰めて……」
「おまえさ、俺のこづかいでどう遊べと」
「でもっ」

夫の小遣いは新婚当時から3万円のまま。
昼食は、弁当持参。
マンション買ったからね。
交際費もその範疇で賄う事になっているから、かなりキツイらしい。
その上、昇給しても、私は夫の値上げ交渉を突っぱねてきた。
夫には釣りの趣味があって、私にはわからないのだけど、その道具類が高額らしい。
それを買うために、少ない小遣いから少しづつ貯金しているのを知ってはいる。

「少ないカネをそんなとこに使う事を俺は喜べない性質なんで。だいたい世の中の男連中皆が皆フーゾク通い詰めるとは限らん」
「でも……」
「おまえ、テレビとか雑誌とかネットとかに感化され過ぎ。まあ仕方ないだろうけどさ」

なかなかのキレイごとをのたまっているが、あなたのAVコレクションの在処を、私は一応知っている。
といっても、3枚くらいだけど。
悠斗が生まれた頃に買ったのであろう(発売日がその頃のものだったし……)それらを大切に繰り返し見ているんだろうな……とは思っていた。

「趣味とかほんとに好きなものを手に入れるためにしか、カネは使いたくないんだ」

てことは、あのDVDは夫の好きな、厳選した物ということか。
近頃は週末の夜中、よくパソコンに向かっているようだけど。
最近久々に買ったらしい3枚目、やっぱり今度見てみようかな。

「フーゾクなんて、一瞬だろ」

繰り返し見れるものね、DVDなら。
ネットの無料サイトじゃ、満足できないんだよ!って友達のダンナさんはタンカをきって家を出たらしい……。
そういうものなんですか。
だとしたら、あなたは、エライじゃない。
目の前で、偉そうに腰に手をあてて自論を展開しようとしている夫が、急にいじらしく思えてきた。

「それならまだAVとかだな、」
「ごめんね」

何かまだ言いたそうな夫の言葉を遮って、素直に謝った。
というより、この5年余りがすごくもったいない気がして……。
目の前の、さっきより少し柔らかくなったモノが、とてもとても愛おしくなった。
463ボタンのかけ違い:2011/01/17(月) 23:59:27 ID:FbliF14I
         
「ごめんね」

思わず両手で、壊れものを触るようにそっと包み込んだ。
夫の顔を見上げる

「おわっ」
「もったいなかったね。私だけの大事なモノなんだよね、これ」

尖端にそっとキスした。
唇同士のキスさえ、何年してないのかな。

「あ……む」
「きゅ、急にっ」

少しずつ硬度を増してゆく夫を愛しく思いながら、舌で舐めまわした。

「待て」

誤解したまま――夫の性格上、無理矢理エッチとかできなかったんだろうな。
そういうところで、押しの弱さを発揮しないでほしい。
私がキツク拒んだことで、それ以上は無理強いできないで、ひたすら耐えてくれてた訳ね。
私、強引なのとかムリヤリとか、ホントは結構好きなんだよね。
愛があるなら、どんとこい。あなたなら、大歓迎……ていうか、なんというもったいないことしたんだろ。

「ダメ? ダメなの?」
「何言って……ここでかっ? だっ……めなわけ…………ない」

夫はとうとう観念したように、おとなしくなっ――私はそれを続けた。
片手でできるだけ優しく柔らかな袋を包み込み、もう片方の手指で舌を這わせている竿を支える。
裏筋を念入りになぞってから、カリの下へ。
傘の内側を舌先でゆっくりと回って、亀頭へ上る。
時々ソレは、ビクンと跳ねたりして、夫の高まる感じが私の舌や唇へ伝わってきた。
鈴口の部分から、少し粘ついた液がしみ出してきていて、それを口をすぼめて、ちゅっと音をたてて啜った。

「咥えて……くれないか」

頭の上で、上ずった声がした。
とうとう夫は私に要求してきた。
フェラチオはあまり好きじゃないけど、私はなんだか優位な立場にいる気がしている。
夫の言うとおりに口を開け、すっかり太くなった少しグロテスクな肉の棒を、飲み込むように喉の奥まで収めた。
夫のお尻を抱え込むようにして片手を回し、夢中で頭を動かした。

「す、ストップ!!」

という頭上の声とともに、私の頭をガシっと夫の両手が捕まえた。
思い切り頭を引いたところだったので、口から外れたソレが鼻の先にある。
私の口はすぐにソレを飲み込む準備で、半ば開きかけていた。
唾液が、だらしなく糸を引いてポトポトと床へ落ちていく。

「……出そうなんだ。あぶなかった」
「な……んで、出してくれていいのに」
「……」
「気持ちいいんでしょ? だって……5年ぶりだもん」
「…………だから、俺は」
「嫌いになった? 私のことインランなヤツだ、とか思った?」
「…………」
「な、なに?」
「…………口は、嫌だ」
「や、やっぱり、あきれたのねっ」
464ボタンのかけ違い:2011/01/18(火) 00:02:21 ID:FbliF14I
             

泣きそうになる私の腕を、夫は掴んで引っ張り上げた。

「そうじゃなくて」
「じゃ、なんなのよ……わた、私だってぇ」

今ので息がしづらかったのと、哀しくなって胸が痛くなったのがごちゃ混ぜになって、喉の奥からなにかこみ上げてくる。
泣きそう、ていうか、視界がぼやけ始めてる。

「久しぶりだから、もったいなくて」

そう言いながら、シャワーのお湯を私の背後に向けてザァっとかけて、夫はそこへ私を押しつけた。
浴室の壁は冷たくなくて、妙な生ぬるさだった。

「りょうこ」

何年ぶりだろうか、私の名前を夫に呼ばれるのは。
不意打ち過ぎて、私は泣くのを堪えるあまり、ヘクヘクと変にしゃくり上げてしまっている。
壁にすっかりへばり付いて、下を向いて嗚咽と同時に体が揺れる。
ここで泣いてるのを、夫に見られたくないのに。
あれ。
そういえば、ちょっと待って、向い合せは、まずい!

「だめ」

だめだめだめ――!!
悠斗産んでから此の方、緩みきってるんだから!
最初の頃こそ少しは頑張ってたけど、ご無沙汰が続いたらすっかり油断してしまって……。

「お願い、前からは嫌」
「せっかくだから。それに、おっぱい、揉めないし」
「後ろからでも揉めるでしょう!!」
「しーっ。あんま、でかい声出すなよ」

慌てて口をつぐむと、突然迫って来た夫に唇を塞がれた。
ちょっと待ってよー!
今日できるとは思わなかったから、心と体の準備がっ。
いきなりなんて無理ー!
ていうか、久しぶりのキスー!!

「ふ……ぁん」

ストップして欲しくて頭を振ったら、変な声が出た。

「りょうこ……」

一瞬唇が離れたけど、逃げるタイミングも掴めない。
キスのあまりうまくない夫の久しぶりの唇の感触。
拙いのも変わらないけど、一生懸命なのも変わらない。
それに、割り込んできた舌の質感とかを、私はちゃんと覚えてた……。

「んん……んっ」

……夢中になってしまった。
壁にもたれてるとはいえ、胸を揉まれて隠しようも無く尖った乳首を摘ままれたら、座り込みそうになった。

「脚、開いて。りょうこ」
465ボタンのかけ違い:2011/01/18(火) 00:04:56 ID:T+W0Wgdo
           
耳たぶを甘がみされた。
耳も弱いってことも覚えてるのね。
熱い息が耳にかかって、ぞくぞくが止まらない。
て、感じてる場合じゃない……止めて。見ないで。

「見ないで。お願い。私、ぶよぶよの体なんだよ」
「俺だって」
「ダイエットするから、また今度に……」
「やだね」

いやー!! そこにしゃがまないで!
あなたの目線に私のぽっこりお腹が!

「今やめたら、またずっとお預けかもしれない」
「おなか、見ないで、お願いっ」

泣き声で言ったら、夫はようやく立ちあがった。

「仕方ないな……」

夫の手が腰に回って、抱きしめられた。
両腕が後ろに回り、私のお尻の上のあたりに両方の掌がやんわり押しつけられてる感じ。
私の肩の、首の付け根のところに顔を埋めるようにして、夫の動きが止まった。
夫の性格通りの、優しい抱擁。
あの頃はこれだけで死にそうなくらい幸せ、とか思ってた。
でもでもでも、今はそれどころじゃなく……もしかして、これで、おしまい?
最後に抱かれた時とは変わってしまったであろう体型を確かめられるのは、すごくコワイし、カナしいのだけれど……。
……ちょっと、いや、かなりもったいない……?

その時、夫の体温と肩を流れて落ちていくシャワーの温度の違いに、私の体が軽く震えた。
一瞬で寒気が全身を駆けた。

「ふぁっくしょん!!」
「おわっ」

私のくしゃみが浴室に盛大に響いた。
抱きしめてくれていた夫の体も、一緒に大揺れした。
弾みで腕が解かれる。

「お湯、浸かれ」

なんてタイミング……。
ていうか、すごくいいところだったのに。なんで、こうなるのよ。
……なんだか急にもの哀しくなってきた。
優しく手を引いて浴槽に入れてくれたのに、顔を上げられない。

「なんか、悪かったな。しっかり温まって出てこいよ」

妙に優しい声で言われているのに、あんまり聞こえない。

「俺、ホントはさっき、のぼせる一歩手前だったし、ちょうどいいから、出るわ」

扉を開けて出ていく夫が振り返って、何か言ってるのも、上の空だった。


466ボタンのかけ違い:2011/01/18(火) 00:05:52 ID:T+W0Wgdo
               
のろのろ就寝準備して、やっとベッドにもぐり込んだ。
子どもたちは、隣のベッドで並んでよく眠っている。
キングサイズのベッドが二つ。
夫と悠斗、私と夏羽の組み合わせのはずだったのに、子どもは子ども同士で寝るんだと言うことを聞かず。
落下防止のため、壁際のベッドには子どもたちを寝かせ、窓側のベッドで夫と二人で一つ寝床に就くことになってしまった。
しかも、さっきのことがあって、気まずい気分。
でも、ま、いいかげん彼も眠っただろうと思うし、私もいいかげん気を揉むのをやめにしよう。
パジャマを家から持参して、のびのび休むつもりだったんだもの。
誰も聞いていないけど、習慣だから小さな声で「おやすみなさい」と呟いて、頭まで布団の中にもぐり込んだ。

「遅い」
「うきゃあ」
「変な声出すな」

背後から夫の手が左胸に伸びてた。

「どこ触ってんのよ」
「おっぱい」
「ちかん〜っ」

右向いて――窓側向いて横向きに寝た体勢で、夫がその後ろからくっついてきた。
背中に夫の体が密着する。
温かくて、安心するこの感じ、久しぶりだ。
背中から全部覆われるくらいに抱きしめられる。

下にした右脇と敷布団の間から、ねじ込むように腕が伸びてきた。
その手も、むにゅ、と私の右の胸を掴む。

「や、なにして……ぁんんっ」

パジャマの上着の裾から手が侵入し、素肌を撫でながら上へと移動していく。
同時に上着をたくし上げて、胸を露出させられた。布団の中とはいえ、恥ずかしい。

「や、だめっ」
「続き、したい」
「疲れてるんでしょぉ……明日、運転して帰るんだから」
「おまえ遅いから、ちょっと眠ったよ。お陰で回復した」
「うそっ」
「さっき、ベッドで待ってる、って言ったじゃないか」
「ええっ?」

小声でしゃべってる間にも、彼の手は休みなく動きまわる。

「知らない、だって聞いてない……あっ」
「出る時に言っただろ? ほんと、おまえってやつは」
「それはっ、はあぁんっ」

捏ねまわされてた左胸の手が離れて、いきなりズボンの中に滑り込んだ。

「ちょっと!」

私の制止にも止まることなく、ショーツの中へも侵入して……。
ぷちゅ……と、遠慮もへったくれもなく、そこへ指を差し入れられた。

「お、いいな」
「やだ、やだっ」
467ボタンのかけ違い:2011/01/18(火) 00:06:36 ID:T+W0Wgdo
         
体が跳ねた。
指がくねくねと動くたび、腰がびくびくと前後に揺れてしまう。

「隣、子どもが」
「起きないよ」

何、この、満々なヤル気は。
ベッドで待ってる、って聞いてないよ。
ていうか、落ち込み過ぎて聞こえてなかったのかな、私。
なんでもいいけど、思いがけない強引さに興奮して、全身が心臓になったみたいにドクドクしてる。

「や……ぁん」

変な声、でちゃう。
音も、恥ずかしいくらいに大きく聞こえ始めた。
でも、指を深く飲み込みたくて、夫の動きに合わせて、自然に腰を前後に揺らしてしまう。
唐突に指が抜かれれば切なくなって、鳴き声をあげそうになった。
その隙にショーツもろとも、足からズボンが抜かれる。

「も、いいか?」

って聞くだけ聞いて、先に太股を手で押し上げかけてるじゃない。
アソコの濡れた音を盛大にたててた指が離れて、かわりにお尻にぐい、と擦りつけられるモノが。
熱い塊――。

「あぁっ」

ぐちゅぐちゅと音を立てながら、侵入してくる。
音も声も、子どもに聞かれたらマズイ。
パジャマの上着もいつの間にか、脱げてしまっているし。
私、今、全裸だ。目撃されたら、超マズイ。
どうかどうか、子どもが起きませんように!!
というか、疲れて絶対朝まで起きない、と思っておこう。
夫も同じく、子どもの存在を忘れちゃったくらいに荒い息づかいで、私の名前を呟いてるし。
私も、迎え入れることだけで精一杯で、他のことに意識がいかなくなっていて。
アソコの音や質感にも圧倒されるけど、熱い吐息混じりに呼ばれる私の名前の方が、何倍も体に響いてくる。
性急に押し入ってくるモノが久しぶり過ぎて、やけに窮屈な感じで。拡げられて、ぐいぐい侵入してくる。

「ひさ……しぶり」

また夫が呟く。
返事したいけど、自分でも意外なほど余裕が無い。

「5年ぶり。ナカ、狭いな……」
「んあっ」
「侵入者はなかっただろうな……」
「そ、そんなわけないでしょ!」

潜めた声で、全力で否定。
浮気なんて考えもしないで、家族のためにがむしゃらにやってきたのよ。
気がついたら……あきらめの境地に入ってきちゃってる気がしていた。
どんどん老いていく自分。
あなたを愛してるという気持ちだって、少しずつ変化してる。
でもやっぱり一つ屋根の下に暮らす、男と女なわけで。
夫婦の愛情は心だけで繋がってるからいい、という心境には程遠い。
性欲だってあるんだから。
オモチャ買おうとか思ったりしてるんだから。
あなたは知らないかもしれないけど、時々、みんな寝ちゃってから、布団の中で独り指で体をなぞって、声を殺して悶えてるんだから。
468ボタンのかけ違い:2011/01/18(火) 00:08:31 ID:T+W0Wgdo
                   
「狭いの?」
「うん。ていうか、入口狭くて……中が緩い」

緩い……そうですか……入口は一応、狭いのね。。
ごめんね。
ホントはあなたの他に、これまで何度も侵入してます……「自分の指」が。
絶対言えないけど。

「緩い、というより……やらかい、ねちこい、淫乱な動き」
「な……に、それ……やっ、奥ぅ……」

夫が上になった左の太股をぐい、と持ち上げてずんずん腰を打ちはじめた。
掛布が肌蹴け気味になり、窓に向けて私の体が晒される。
……カーテン閉めてあるからいいけど、でもちょっと心もとない。

「動きやすくなった……」

夫の動きがさらにせわしくなり、深く挿入したままぐるぐる腰を押しつけてきたり。
膝裏を掴んで好きに角度を変えるから、そのたび私は抑えられない声を自分の手で封じるのに必死だった。
久しぶりなのにこんなに感じてしまうなんて、思ってなかった。

「……りょうこ……ナカにして、いい?」
「っ……ふっ」

こくこくと首だけ動かした。
口を開いたら、変な声で叫んでしまいそうだから。
今日は安全日です。もう好きにナカ出ししてください――。

「りょうこ……っ」
「んん!」

左足が引っ張られて、夫の躰の上に重なるように仰向けにされた。
正確には斜め上を向いてる、その胸の上にさっきまで私の脇の下になっていた腕がまわされた。

「……あ、あなたっ」

仰向けにされたことで封印がはずれてしまい、おもわず声をあげてしまった。
左胸を掴んで尖端を摘ままれたことで、我慢が出来なくなって立て続けに喘ぎ声が漏れてしまう。

「あっあっや、だ……あぁっなたっ」

声が止めどなく溢れてきて、壁に反響してる……どうしよう、子どもが起きたら!

「聞こえ……ちゃうぅ……」

目をぎゅっと瞑って、快感の波を乗り切ろうとする。
夫のほうは限界が近いらしく、そんな私を逆にまた同じ所へ追い詰めていくみたいに責めてくる。
子宮にとんとんとそれを打ちあてる速度が、これ以上ないくらいに速くなる。

「あう……うっ」

急に、顔を後ろに向けさせられて、唇を思い切り吸われた。
漏れ出る声も吸い取られるように、がばっと覆われてめちゃくちゃに貪られる。
これは逆に苦しいっ。

「んふ……っんんん!」
469ボタンのかけ違い:2011/01/18(火) 00:10:40 ID:T+W0Wgdo
          
胸を鷲掴みにして左足を抱え、私の体をがっしりおさえ込み、夫は最後に強くそれを私に送り込んだ。
本当に久しぶりの熱く迸る夫のそれを、私は泣きながら受けとめた。
ごめんね、という気持ちと、長年の夫への苛立ちと、それから、やっぱりあなたを好きなんだという気持ちとが一緒くたになって、頭をぐるぐる駆け巡った。

「……急だったから、着けなかったけど……」
「いいよ……今日は確実に安全日だから」
「そうか……いやぁ、中出ししちゃったよ〜」
「ばかっ」

終わっても繋がったまま、夫が私の下腹を優しくさする……“ぽっこり”を確かめるように。
……イヤミですか。

用意周到に夫がベッドに敷いていたバスタオルは、派手な染みをつけていた。
夫はそれを引き摺りだし、お互いをきれいにしてくれたついでに私の涙も拭いてくれて……せめてそこはティッシュにして欲しかったけど。
一息ついて眠る前、私も夫の以前より緩くなった頬に頬ずりをして。
空いた手で彼の、前髪が後退し始めてちょっと光ってる額を撫でさすって“お返し”をした。





あれから半月経って。
拍子抜けするほど何もなかったように、平凡に日々は過ぎていく。
だからといって、別に不満は無い。
セックスしたという事実に、体の余韻が消えてしまっても、お互いの気持ちの確認ができたことで私は満足していた。

「ママ、今日は遅くなるから、先メシ食っといて」
「わかった」

夫が、悠斗に先に行ってエレベーターをウチのフロアに上げておくように指示している。
夏羽はすでに学校へ登校済み。
私は今日、9時からPTAの役員会議があるので、悠斗の登園を夫に頼んでいた。
夫はいつもより少し遅く家を出て、悠斗を幼稚園へ連れていくのだ。
「ママ、いってきまーす!」

父との登園が嬉しいのと、最近、エレベーターのボタンの全部に手が届くようになって、操作したくて仕方が無い悠斗は、挨拶もそこそこに玄関を飛び出ていく。

「じゃ、あなたもいってらっしゃい」

と、夫から靴べらを受け取った時だ。

「……週末、子どもをおまえんちの実家に預けるから」
「はあっ?」

夫は手袋をはめながら、唐突に言った。

「は? 何? 実家? なんで」
「電話しといた。一泊分の用意、してやって」
「へ、どういうことよ」
「お義父さんお義母さんも、子どもも大喜びだ。義兄さんも来るとさ」
「兄さんも?? とにかく! 全然私聞いてないけどっ」

話ながら、夫の意図に気付いた。
だって、不自然なくらいこっちに目を合わせないように話すんだもん。
ふと、夫と目が合った。体がカッと熱くなる。
470ボタンのかけ違い:2011/01/18(火) 00:14:46 ID:T+W0Wgdo
              
慌てて目をそらせた私は急に引き寄せられた。
同時に、夫の唇が耳に触れたのを感じた。
いつの間にか無くなった、私たちの「行ってきます」のキス。
私のお化粧が済んでいると、口紅が落ちてしまうのを気にして、彼が耳へしてくれた、あの習慣。
自然に私も、お返しのハグをした。
覚えてるもんだね。
訳も無く泣きそうになった。

「また、あれっきりになったら、マズイし」
「……うん」
「我慢せずに……声、ちゃんと聞きたいし。無理にとは言わないから」
「うん……うん」
「また、ナカ出ししてもいい?」

こんな良い場面で、その発言は無い。

「もうっ…………3人目ができても知らないわよ」
「大歓迎」

にっこり笑顔の夫は、それが「小遣い減額の危機」となることに気付いていないらしい。







――以上終了

追い出された訳じゃなく、自主回避してきました
こういうスレがあって、ありがたいです。
では、失礼します。
471名無しさん@ピンキー:2011/01/18(火) 10:53:57 ID:zOmRhA8f
凄く良かった、キュンキュンした。
言わせてもらおうGJと!
472458:2011/01/18(火) 22:17:53 ID:T+W0Wgdo
うぎゃ、「ご無沙汰な年数」が違ってる・・・
息子の年齢から考えれば、5年よりも長くなるはず
スンマセン・・・

他にも細かいミス……読みにくくて申し訳ないです
473 ◆nANBdOEm/A :2011/02/01(火) 19:41:13 ID:01AQkfgL
投下します。
甘スレに投下しようとしたけど甘く無かったので。
474 ◆nANBdOEm/A :2011/02/01(火) 19:42:34 ID:01AQkfgL
月光。
全てのものを引き込んでしまうような、満月の光が、多くの人がもう眠ってしまったこの村を静かに照らす。
そんな静かに照らされる村の外れにテオは独り佇んでいた。
「満月の夜はトチガミ様が散歩するから外に出てはいけない・・・だったっけ。」
 この村で育った子どもなら、幼少期に毎日といって良い程聞かされるお話。
 もっとも、テオは今はもう、その話が子どもを怖がらせて、家に帰らせて家事を手伝わせる為の大人のつくり話だと知っている。
「しっかし、こんなに妖しい雰囲気なら、本当に出そうだよな・・・」
 いつもなら虫が五月蝿いくらい鳴いているというのに、今日は遠くの田んぼで蛙が鳴いているのが微かに聞こえてくるだけ。
「・・・いるとしても泥棒だけだな。」
 少し寒くなってきたし、酔いも醒めてきたので家に帰る。
 と、村共同の荷車にかけられた布がわずかに膨らんでいることに気付いた。
(・・・もしや本当に泥棒が・・・)
 まあたとえ、どんな大怪盗だろうがこの村からは何も盗めまい。
当たり前だ、無いものは無いのだから。
あっても酒や、村長が趣味で集めた怪しいツボが精々だ
しかしそれでも泥棒だったら捕縛して街の警察に突き出せば小遣い稼ぎにはなる。
(しっかし、この泥棒もよくよく不幸だな。こんな何も無いところに盗みに来て、何も為せず捕まるなんてな。同情はしないけどな)
 そろりそろりと足音をたてぬように荷車へと足を近づける。
(その不幸面、よーく拝ませてもらうぜ)
ガバッ、とひとおもいに布を引き上げる。
泥棒がナイフを持っていないとも限らないので、身構えたテオ。
(・・・大丈夫だったみたいだな)
 警戒を解かないよう、少しづつ構えを解いていく。
 
そこにいたのは、とても泥棒をするようには思えない、美しい娘だった。

 幼いころ、たまに来吟遊詩人の謡った一節を思い出す。
 あれは森に迷った青年が、森のヌシであった狐が化けた娘と恋をする話だった。
 子ども心ながらに、密かにときめいたころもあった。
 そして、目の前にいる娘は、詩に出てきたように、立派な獣の耳と尻尾を持っていた。
「き・・・狐・・・?」
「違うわーい!!」
 いきなり荷車から飛び出すように起き上がるその娘。
「違うもん違うもん!狐じゃないもん!おーおーかーみー!!生態系のてっぺん、誰もが畏れおののく狼なんだーかーらー!!!」
 虫の声も聞こえないような、静かな夜の村に、美しくも若々しい声が響き渡る。
(バントさん家のアデーレちゃん(5)だってもうちょっと慎んで声だすっちゅーに・・・)
「そんなに狼っぽくない!?私トチガミとしての威厳が足りない!?私だってこんなところまだ来たくなーかーったー!!」
(トチガミ?・・・彼女は今「トチガミ」と言ったか?)
「お兄ちゃんのせいだ、お兄ちゃんがずっと私を甘やかしたせいで私は成長できなかったんだー!!うーあー!!」・・・とうとう泣き出してしまった。
 先ほどから結構な声量で叫んでいいるにも関わらず、村人の誰一人として起きてこない。
(女の子泣かせたときの対処法なんて知らねえよ・・・)
「だ、大丈夫か?見かけない顔だが、どっから来たんだ?親はどうしたのかなあ・・・なんて」
 とりあえず優しく声をかけてみることにしたが、テオには生憎恋人というのが無かったため、些かぎこちの無いものになってしまう。
 しかし、そのぎこちない声に反応してか、娘の顔が一気に明るくなる。

475 ◆nANBdOEm/A :2011/02/01(火) 19:43:51 ID:01AQkfgL
「お兄ちゃんだあ!!」
「はあ?」
 何だコイツ、そう思うもつかの間、抱きつかれていた。
「わーい、お兄ちゃん!応援に来てくれたの!?やったー!!!」
(よくみたらコイツ!裸じゃねえか!)
 混乱するテオのことなどお構いなしに、少女は頬擦りを続ける。
「おいおい!良く見ろ!俺はお前みたいな妹を持った覚えはねえ!お前も俺みたいな兄を持った覚えはねえ!そうだろ!」
 テオが慌てて少女を引き離す。
「あれ?お兄ちゃんじゃない?・・・うわーん!また私捨てられたんだー!」
 またも泣き出す少女。
(しっかし、女っつーのは本当によく泣くなー・・・)
 こちらも若干泣きそうなほど困惑しているというのに。
「なあ、泣いてるところ悪いんだが、ちとアンタの名前教えてくれないか?身元不詳だと警察に突き出さなきゃいけないんだよ・・・」
「ふぇ・・・?うん・・・いいよお兄ちゃんなら」涙を腕で拭き、彼女は立ち上がって言った。

「我は、土地を護り、実りを豊かにし、命を慈しみ、時を輝かせる、思考する意思なり!古きに伝えられし神狼トチガミとは、私のことだ!・・・あれ?間違えたっけ?」
 裸で言われてもなあ・・・

 今日は満月。
 正円を描く美しい月が煌々と輝いている。
「おーにーいーちゃーん!」
その美しい月の下で大声で叫ぶこの娘の名前はヘラ。
 この辺り一帯に伝えられる守り神、トチガミ一族の末裔の一人らしい。
「お兄ちゃん、お兄ちゃんお兄いちゃん、お兄ちゃん!!!」
 それが何故テオのことを「お兄ちゃん」と呼ぶのか。
 別にテオはヘラの兄というわけではなく、親族・親戚でもない。どころか出会ったのは約30日前の、満月の日。
 それから会うのがこれでたったの二回なのに、ヘラが何故テオのことを兄と呼び、慕うのか。それは・・・

「実兄と顔が似てるって、それだけなんだよなあ・・・」

 事実、彼女は出会ったときからテオのことを「お兄ちゃん」と呼んでいた。
 その後、テオが兄では無いことを彼女に告げても、彼女はそれを頑として認めず、テオも仕方なく「お兄ちゃん」という呼び名を甘んじて受けている。
 テオも男。可愛らしい娘から慕われて悪い気がする訳が無い。
「しっかし、なんであんなところにいたんだか・・・」
 彼女が初見時にいたのは、村共同の荷車の中。しかも全裸。
「ねえねえお兄ちゃん!あっちに行こ!」
「はいはい・・・しっかし元気だな・・・」
 あんだけ泣くならそりゃそうか。と静かにテオは続けた。
 ヘラに手を引かれて来たのは夜の森。
 子どもどころか、大人でも入るのを躊躇う、禁忌の地。
「お、おい。こんなトコに来てナニするんだ?」

 ヘラがすっかり蕩けそうな顔になった頃に、ようやくテオは口を開いた。
「凄いな。流石ヘラだ」
 テオ自身、いつの間にか口を動かしていた。
 まるで何かが乗り移ったかのように。
「お兄・・・ちゃん」
「ん?何だ?」
 これはテオ自らの言葉。
「・・・・・・何でもない。でも・・・このままでいて・・・」
 それからテオとヘラは身を寄せて、しばらくしたらテオはいつの間にか眠っていた。
「お休み、お兄ちゃん。」
 そんな声だけが、僅かに聞こえた。


476 ◆nANBdOEm/A :2011/02/01(火) 19:45:11 ID:01AQkfgL
ミスった・・・「お、おい〜」から「ヘラが〜」の間にこれが入ります。


「いーから!しっかりついてきてね!お兄ちゃん!!」
 更にグンとスピードを上げるヘラ。
(しっかし、足はえーな。さすが狼の化身ってとこか)
 ヘラが狼であることを思い出し、僅かに怖気づいてしまう。
(まさか・・・な)
 夜の森は獣達のテリトリー。そんな事は誰だって知っている。
「ホラホラ!見て!!」
 不安に駆られながらも、恐る恐る目を開けると、そこには幻想的な光景が広がっていた。
「すげぇ・・・」
 大きな池を、光る虫が飛びながら照らしている。
 その様子は、まるで月に照らされた世界を真上から見ているかのようだった。
「でしょ!?」
 えっへん、とヘラは胸を張る。
 その姿を見ると、本当に唯の無邪気な村娘にも見える。
 とても畏れと恐れとともに語られる、トチガミ様の一族とは思えない。
「この池を造ったのはお爺ちゃんだけど、ホタルを集めて綺麗にお掃除したのは私なんだから!」
 掃除の手伝いを自分からした子どものように、その美しさを誇るヘラ。
 目の前の景色に見蕩れるまま、テオの右手はいつの間にかヘラの頭へと伸びていた。
「きゃふっ!」
 なでなで。
「あうー」
 なでなでなで。
「ふへー・・・」
477名無しさん@ピンキー:2011/02/02(水) 00:07:06 ID:y4dl5kaG
続きマダァー?(・∀・ )っ/凵⌒☆チンチン
478 ◆nANBdOEm/A :2011/02/02(水) 18:55:48 ID:WOgsMf4x
 今日書いた分

今日もまた満月。
 テオとヘラが会うことの出来る数少ない日。
 しかし、月光の下に立つテオの顔は何故だか憂鬱そうだった。
 前回の満月の日、不思議な池で眠ってしまったテオは、いつの間にか自分の寝床で寝ていた。
 ヘラが運んだのかもしれない。
 そうだとしたら男としてこれ程情けないことはそうそう無い。
 ヘラが狼の化身だとはいっても、見た目は女の子、中身はそれ以上に幼い。
 そんな相手に家まで運ばれるなんて、考えるだけで気が落ち込む。
 第二に、これは最も考えたくないことだ。
 それはヘラの事が夢だという可能性だ。
 あの前回の満月の日のあと、テオは暇さえあれば森に入ってはあの池を探していた。
 結果は無残なものだった。
 森には小さな川が無数に流れていても、それが池となると、片手の指の数もない。
 ましてやあのとき見たような、美しく大きな、湖とも言える様な池など。
 その事実は、あのとき見たものが幻や夢であることを示しているとも言える。
テオは、何だかんだ言って、ヘラとの蜜月を愉しんでいた。
 それが全て夢だなんて・・・
「考えたく、ねえよな。」
 呟いて白い息を吐き出す。
 あれから約31日、指折り数えながらも、常に心の片隅では焦燥感に似た感情が燻っていた。
(あと少し待ってみよう。それで来なかったら・・・)
 心の中ですら最後の一言を躊躇う。
 村では本格的な冬が始まってきて、テオも本来ならさっさと眠って、体力の回復にいそしむのが通例。
「・・・寒いな」
 それは自分の身体の状態を示しながら、また別のことも示している。
「・・・・・・帰るか・・・」
 元々待ち合わせをしてた訳ではない。
 自分にだって都合があるのだ。
 心で疼くもう一人の自分に言い聞かせるようにしてゆっくりと踵を返す。
(・・・今なら、あの池が見れるかも・・・)
 何故だか頭の中にそんな発想が浮かんだ。
 一度気になりだすと止まらない性分のテオは、いてもたってもいられなくなり、森へと駆け出した。
 夜の森が、危険すぎる程に危険であることなんかは、もうテオの頭の中に無かった・・・
 

479名無しさん@ピンキー:2011/02/02(水) 21:39:56 ID:nlE7bkuN
これは、
細切れ投下か?
連載なのか?
480 ◆nANBdOEm/A :2011/02/02(水) 21:44:53 ID:WOgsMf4x
細切れになりそうです。
ペースとしては三日から一週間くらいかと
481名無しさん@ピンキー:2011/02/02(水) 23:16:05 ID:ElAdcrAD
メモ帳かなんかテキストエディタで書き溜めしてから投下したほうがいいんじゃないの?
482 ◆nANBdOEm/A :2011/02/03(木) 06:43:15 ID:yJvNUmjJ
>>481次からそうします。
アドバイスありがとうございます。
483名無しさん@ピンキー:2011/02/03(木) 09:35:03 ID:97SqyHRu
投下します
どのスレかよく分からなかったので

オリジナル
バレンタインネタ
ソフトな半異物挿入あり
484名無しさん@ピンキー:2011/02/03(木) 09:35:23 ID:97SqyHRu
チョコレートを口移しで食べさせられる。
味と食感もそうだけど、施される行為にもう溶けてしまいそう。舌が気持ちいい。
「いい習慣」
すごく嬉しそうだ。
胸にチョコレートをのせられ溶けかけたそれを舐められる。
「すごく、あまい」
ねっとりと舐められ先端も吸われるとびくん、ってしてしまう。
甘いにおいで胸はべとべとして、すごく変な感じなのにいつもより丁寧に舐められるから
触られてもいないのにあそこは、もうとろとろになってシーツにたれちゃってる。
膝を胸につくくらいに曲げられる。もうすごいことになっているあそこが丸見えになってしまう。
「ん…やだあ」
動けないようにされているその横で、箱から1個チョコレートを手にとるのが見える。
まさか、まさかだよね。
「あの、それ…」
「ん?なに?」
悪魔みたいな笑みで見つめられる。これはそうだ、絶対そうだ。
「い、いや。それだけは…」
チョコレートを手に持ってちょっと困った顔をしていたから、やめてくれると思ったのに。
期待したその瞬間にそれは見事に裏切られる。
「だめ、とかいや、とか言われるとよけいやりたくなるんだよ。学習しようね」
そう言われて、半分埋めこまれてしまった。もう信じられない。
「たべもので遊んじゃだめだよ」
「もちろん、おいしくいただくよ」
あそこに口が当てられて、先をとがらせた舌がえぐるようにあそこに入ってきた。
「ああっ、ひゃあ」
異物感はなくなったけど、その後も何度もすくうように舌は入ってきて。
「あぁん、やああ!」
「あまくってとろとろだ」
じゅるじゅるってすすられると、音がいつもよりすっごくいやらしい。
「へ、んたい」
「言ったね」
口のかわりに指がはいってきてぐりぐりされる。弱いとこぐりぐりってされるともう、だめ。
腰振っちゃうの。指がぬかれるとちょっと色がついている。
「シーツはもうだめだね」
かああっ、とほっぺたが熱くなる。このSめ。
「んじゃ、いただきます」
大きくてかたいあれが入ってきた。へんたい、いつもよりおっきい。
だからいつもより感じちゃう。
「あん、あぁっ、おくまできてる…」
壁をずってこすられると頭が白くなっちゃう。あれで弱いとこを引っかけられると花火もあがる。
「いい、すっごく、あぁん」
おくをずんずんされていっちゃった。どくどくって出してくれた。
「いつもより早くいったね」
からかわれてまた熱くなる。
「きれいにしようね」
なんて言われてお風呂のお湯の中で指でかきだされた。それでまたいっちゃった。
結局お風呂でもしてのぼせそうになってしまった。
「ホワイトデーは楽しみにしていて」
すごく、こわいことを言われたみたいなのは気のせい?
485名無しさん@ピンキー:2011/02/03(木) 09:35:47 ID:97SqyHRu
以上です
割り込みごめん
486 ◆5BTYqMDpDPjk :2011/02/04(金) 04:20:28 ID:CM8c6F2S
当初「勇者シリーズ&エルドランシリーズ総合スレ4」に投下しようと思っていたのですが、
どうもスレの趣旨とはずれているような気がしたので、こちらに。

前提
・ゴウザウラーの秀三×教授ですが、絡みなし。
・そのうえ男のソロ活動。
・道具使用。

興味のない方、「ヤローのソロなんてみたくねー!」な方は、読み飛ばすか、
専ブラのNG機能でタイトルを指定してあぼーんしてください。
487カナシキガング1  ◆5BTYqMDpDPjk :2011/02/04(金) 04:22:59 ID:CM8c6F2S
 教授のお願い(というか命令)はいつも突然で唐突である。

「秀三くん」
「何だよ?」
「服を脱いでください」
 その言葉に秀三は飲んでいたコーラをブーーーッ!!と盛大に噴き出した。

「ちょっ……きょ、教授っ!?
 い、今なんていったんだよ?」
 口をぬぐいながら、顔を真っ赤にしてテンパる秀三に対して、
「『服を脱いでください』……私はそう言いました」
いつものように真面目な表情で、さらっととんでもないことを言いだす教授。
 ここが秀三の部屋だからいいものの、もしここが学校の屋上とか教室とかだったら
かなりの問題発言だ。
「脱げっておま……いきなりなんつーこと言い出すんだよ?
 今日はえっちする日じゃねーだろ?」
「ええ」

 どうも嫌な予感がする。
これはやばい。やばすぎる。
「俺を脱がしてどーするつもりなんだよ?」
「これから秀三くんに『ある実験』の被験者となってもらうためです」
「ひ、被験者ぁーーーー!?」
 秀三は素っ頓狂な声を上げた。
 ああ、予感的中。
 彼女が行う実験は、大抵拳一か秀三が生け贄……もとい被験者になるお約束だからだ。
しかも、その実験が一歩間違えば人生終了のお知らせになりかねないくらい
とんでもない内容のものばかり。
 今までよく無事だったもんだと自分でもそう思う。
というか、さんざんひどい目にあってもなお教授のことが嫌いになれないし離れられない。
我ながら充分立派なドMなものだと妙に感心せざるを得ない。
488カナシキガング2  ◆5BTYqMDpDPjk :2011/02/04(金) 04:24:36 ID:CM8c6F2S
「じ、実験って……一体何の実験なんだよ?教授」
 おそるおそる聞いてみる。
まぁ、どうせろくなものじゃない内容だろうけど。
「それはおいおい説明します。
 だからとっとと脱いで裸になってください」
 にっこり微笑む教授。
だが、眼鏡の奥の目は全く笑っていない。
『つべこべ言わずに早く脱げ』と秀三をせかすかのように、光っている。
「あわわ……」
 もはや、秀三は蛇ににらまれたカエル同然であった。
 ここで彼女に逆らったら、何をされるかわからない。
いつぞやのように、尻の穴や尿道に細いドライバーをつっこまれるはめになるのは
本当に勘弁してもらいたい。
「わ……わかったよ」
 彼女のオーラにびびりながら、秀三は震える手でツナギのホックをジジーッと下げていく。


 秀三が一糸まとわぬ状態になるのに、3分はかからなかった。
「ぬ、脱いだぞ?」
 赤面する秀三。
いくらこれまで何回も体の交わりを経験している、気心のしれた仲とは
いえども、女性の目前で裸をさらけだすのはさすがに恥ずかしい。
489カナシキガング2  ◆5BTYqMDpDPjk :2011/02/04(金) 04:26:16 ID:CM8c6F2S
 が、当の教授はそんな彼の様子に目もくれずに、
「ちょっとくすぐったいですが……」
 懐から電極のついたコードを何本かとりだし、
手際よくてきぱきと秀三の額や胸にとりつけていく。
「きょ、教授……何これ?」
 何がなんだかわけがわからず困惑する秀三。
いつもは元気爆発な股間の『ムスコ』も半萎え状態である。
「何って……心電図や脳波を測定するためのものです」
「……って、何させるつもりだよ?」
 秀三の問いに答える代わりに、教授は
「ハイ、これ」
 なにやら筒というかカップ状の物体を手渡す。
 カップの中にはやわらかい素材が詰まっており、
真ん中にひとつ穴が開いていて、中は透明な液体で潤っている。
それは、まるで『何か』を模しているかのような物体であった。

「おい教授。 こ、これって……?」
「オナホールです」

 ブーーーーーッ!!

 再び噴出す秀三。
「どどどどど…………」
『どういうことなんだよ?』とたずねたくても声にならない。
「今からこれを使って自慰を行ってください」
「え……ええええええ〜〜〜〜っ!?」
 まさに『あ……ありのまま(以下略』状態。
 秀三にしてみれば、青天の霹靂としかいいようがない。
490カナシキガング4  ◆5BTYqMDpDPjk :2011/02/04(金) 04:29:46 ID:CM8c6F2S
※申し上げございません。>>489は3です。

「な、なんでこれでオナニーしなきゃなんないんだよ?
 いきなりシコれといわれても困るがな!」
 テンパる秀三を尻目に、教授は黙々とコードの先の端子をノートパソコンにつなげていく。
「先ほど申し上げたように、
 これから『実験』の被験者となってもらうためです」
「だーかーら、一体何の実験なんだよっ!?」
 秀三は納得いかないとばかりに、声を張り上げた。

 が、しかし。

「…………うるさい、黙れ」
 返ってきたのは、いつもよりトーンが低いドスのきいた声。
その一言に、秀三は凍りついた。


「しのごの言わずにとっととやりなさい。
 つーか、やれ。 拒否は一切却下します」
「はははははははひっ!?」
 その迫力たるや、ばくはつモード時の五郎に匹敵するものであった。
もうこうなっては教授に逆らうすべは何もない。
 秀三は首をたてに振るしかなかった。

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

とりあえずベッドに腰を下ろし、『ムスコ』を左手で握り締め、
オナホールをあてがい、ゆっくりと挿入していく。

くちゅう……

「ん…………」
内部を潤しているローションがいやらしい音をたてる。


 秀三はびくりと体を硬くし、ため息をつく。
こころなしか、ぐんにゃりしていた『ムスコ』が少し硬くなってきている。
ややせまっくるしい感じだが、教授の膣内(なか)に侵入したときと同じ感触であった。
教授いわく、このオナホールは女性の膣内の感触の再現に徹底的にこだわった
代物だそうだ。
(たしかに……似ているな)
 そう思いつつ、教授のほうをちらっとみる。
教授はというと、ノートパソコンごしに秀三をじっと見つめている。
彼女の顔がほんのり赤くなっているのは、気のせいなのだろうか?
(見られながらシコるなんて……これなんて羞恥プレイなんだよ?)
 こんな状態で果たしてイクことができるのか?
一抹の不安が秀三の脳裏によぎる。
491カナシキガング5  ◆5BTYqMDpDPjk :2011/02/04(金) 04:33:22 ID:CM8c6F2S

じゅぶ……ぬぷちゅ……ぐちゅう!

「く……あっ……! な……これ……ああ!」
 未知の感触に思わず声がうわずってしまう。
いくつかの小さなひだ状の突起が秀三の『ムスコ』を摩擦していく。
たとえるならば、無数ものミミズみたいな生物がこぞって肉茎にからみついてくる感じだ。
「ああっ! くっ……! すご……っ!」
 とまどいながらも、たまらず右手の動きをはやめる。

 ほどよい硬さとしなやかさをもったシリコンの突起が与える刺激。
『ムスコ』全体をぬらすローションのぬるっとした感触。
そして、突き刺さる教授の視線。

 秀三にとってはまさに未知の快感であった。
教授と繋がっている時と同じ、いやそれ以上の快感の波が襲い掛かってくる。
しかも、教授に見られながらの自慰で、だ。
やっぱり自分はM男なのかと、改めて認識させられてしまう。
「くあ! あっ……!! んんっ!!」
 体がものすごく熱くなっていく。
硬さと熱を増していく『ムスコ』。
息もだんだん荒くなり、呼吸困難になりそうだ。

ぐちゅぅっ! ぬぷっ!! ずぶうぅ!!!

「ああっ! きょ……『尊子』っ! なんか……きそう!!」
 教授の本名を叫び、さらに自分の分身をしごく手に力をこめる。
もはや今の秀三は、ただただ自慰のことしか考えられない状態であった。


 当の教授はというと……。
「ああ、すごい……すごいですよ秀三くん……」
 ノートパソコンのモニターに映し出される棒グラフがどんどん上昇していく様子と
目前のパートナーの痴態を見比べて、興奮のあまり目を輝かせている。

「私の思っていたとおりです……これは素晴らしいデータがとれそう……」
 目前の秀三の乱れぶりにうっとりし、思わず股間に手を伸ばしかけそうになるのを
ぐっとこらえてなおも監視を続ける。
その姿は熱心に研究に取り組む科学者というよりも、奴隷のあさましい姿を眺めて
悦にひたっている女王様そのものであった。
492カナシキガング6  ◆5BTYqMDpDPjk :2011/02/04(金) 04:35:40 ID:CM8c6F2S
 秀三はいよいよ限界に達しつつあった。
「あっ……くっあ! いいっ!気持ちイイッ!!
 見られながらシコっているのに、こんなにキモチイイようう!!」
 顔を真っ赤にしてぜえぜえとあえぎ、首を横に振る。
右手首を壊れてもかまわないとばかりに激しく動かしていく。
全身はすでに大量の汗が吹き出し、口の端からよだれがだだ漏れになっている。
その乱れぶりたるや、いつもの教授の痴態以上である。
「ああっ、出そう! でるっ!! なんか来そうっっ!!!
 なんかどぷどぷ出てきそうっ!!」
 怒涛の勢いで湧き出る脳内麻薬のおかげでトリップ状態になっている。
もはや自分が交わっている対象が、教授なのかオナホールなのか。
秀三にはそれすらもわからなくなりつつあった。


「もうそろそろイクんですか? 秀三くん」
「ああ、もうオレッ、ダメぇ! 限界だよう!! たかこぉ!!
 なぁ、中にっ、中にだしていい?!
 いっぱいぶちまけても、いいっ!?」
 涙目になりながら、秀三が教授に向かって懇願する。
どうやら男のプライドとか羞恥心などというものは、とっくに頭の中から
すっぽ抜けてしまったようだ。

「もうそろそろイクんですか? 秀三くん」
「ああ、もうオレッ、ダメぇ! 限界だよう!! たかこぉ!!
 なぁ、中にっ、中にだしていい?!
 いっぱいぶちまけても、いいっ!?」
 涙目になりながら、秀三が教授に向かって懇願する。
どうやら男のプライドとか羞恥心などというものは、とっくに頭の中から
すっぽ抜けてしまったようだ。
493カナシキガング7  ◆5BTYqMDpDPjk :2011/02/04(金) 04:38:05 ID:CM8c6F2S
教授はにっこり微笑み、
「いいですよ。 そのままイッちゃってください」
絶頂に達する許可を下した。

 それがとどめの一撃。

「でるっ、白くて濃いものがでちまうっ!!

 ……あふっ、くはっ──ふああああああああああ!!!!」

 絶叫と同時に『ムスコ』がプクンと膨張し、

 ビュルッ! ビュクビュク……ドクッドクッ!

シリコン仕立ての蜜壷の深奥に大量の熱い欲望を一気に吐き出していった。



「あうう〜〜めっさ疲れたぁ〜〜」
 全裸のまま、秀三はぐったりとベッドの上に倒れこんだ。
なんともいえない虚脱感と疲労が、一気にのしかかってくる。
その傍らに転がっているオナホールの穴からは、出したてほやほやの白濁が
とろとろと流れ出し、シーツにしみをつくっている。

「お疲れ様です。秀三君」
 教授が秀三の顔を覗き込む。
「……お望みどおりに公開オナニーしてやったぜ? 教授。
 これで満足したか?」
「ええ、おかげさまでいいデータがとれました」
「……そーかい。 そりゃよかったな」
 満面の笑みを浮かべる教授に、秀三はげんなりした表情で
皮肉っぽく答える。
494カナシキガング8  ◆5BTYqMDpDPjk :2011/02/04(金) 04:43:11 ID:CM8c6F2S
 だが、しかし。

「──ですが、まだまだデータが足りません」
「へ?」
「次はこれを使ってください」
 教授が懐から何かを取り出し、秀三の目の前に差し出す。
「…………え? な、何コレ?」
「先ほど使用したものとは別のメーカーのオナホールです」

ブーーーーーッ!!!
 本日3度目の噴出。

「ちょっ、ちょっとまてえええ────!! まだやるつもりなのかよっ!?」
「ええ、そのとおりです。 まだ試していないものが他にもたくさんありますからね」
 教授は白衣の裏からこれまたいろいろな形や色のオナホールを
たくさんとりだしてみせる。
「ちょっ、おま……ド○えもんの4次元ポケットかよっ!?
 つーか、第一さっきイッたばっかりだぞ? 
 俺ぁ拳一や金太みたいに絶倫じゃねーぞ! そんなに早く回復できっか!」
 混乱と羞恥で一気にまくしたてるパートナーに対し、教授は
「あ、それならご心配なく」
あくまでもいたって冷静にきっぱりと答え、
「こんなこともあろうかと……このようなものを用意しておきましたw」
 かばんの中をがさごそとまさぐり、中から段ボール箱1個を取り出す。
 その中には、『赤まむし』『すっぽんエキス配合』とラベルに書かれた栄養ドリンクの瓶やら
なにやら妖しさ大爆発な薬剤のボトルがぎっしり並べられていた。
「ななななな……」
 箱の中身をみて唖然とする秀三。
 さらに教授は、
「秀三くんの『やる気』を高めるために、秀三くんが好みそうなアダルトビデオや写真集も
 どっさり入手しておきました」
 と、これまたみっちり箱に詰め込まれたビデオや本を秀三に見せ付ける。

 秀三の顔がみるみるうちに青ざめていく。
もはや噴き出すこともすらできない状態であった。

「勘弁してくれ〜〜教授ぅ!」
「秀三くん、がんばってくださいね」
 教授が花のような笑みを浮かべる。
だが、それは清楚な天使というよりも狡猾な悪魔の笑顔であった。


「いやああ──! しゅーちゃんおうちかえるぅぅ──!!」
「何いってんですか、ここは君の部屋ですよ?」
495カナシキガング9  ◆5BTYqMDpDPjk :2011/02/04(金) 04:47:18 ID:CM8c6F2S

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

──さて、翌日。

 よろよろと教室に入ってきた秀三の姿は、まさに生ける屍そのものであった。
その両目の下にはパンダのように黒いクマが浮き出ていて、頬がげっそりこけていた。
髪の毛はボサボサで、今にも口からエクトプラズムを吐き出しそうだ。

「しゅ、秀三くん、どうしたの? 顔色すっごく悪いよ?」
信じられないといった表情を浮かべた浩美の問いに、
「あ……ひろ……み……」
かなり弱弱しい調子の声で返す秀三。

「俺……近いうちに……腎虚で死ぬかも……しんない」
「えっ?」
「はぁ?」
 浩美と五郎が目が点になる。
「教授の命令で……どっぷり搾り取られて……赤玉フィーバー……うふふふ……」
 秀三は、小さな声でなにやら意味不明なことをつぶやく。
その目はうつろで、視点が全く定まっていない。
「お、おい? 腎虚とか赤玉って一体何を言っているんだ……?」
 訝しげな五郎の問いを無視して、秀三のつぶやきは続く。
「おゆるしくらはい……たかこたまぁ……しゅーちゃん……もうダメポ……うふふふ
 ああ……またシコシコする作業が始まるお……うふふふふふ……
 これ以上もうでないお……うふふふふふふふ」
 そうつぶやくなり、がっくりうなだれて沈黙する。

「しゅ、しゅうぞう……くん?」
 浩美が恐る恐る秀三の顔を覗き込む。

 と、そのとき。

「あ──ひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃっ!!」
 突然、秀三が狂ったようにケタケタ笑い出した。
その場にいた全員がギョッとして、秀三のほうへ視線を向ける。

「あひゃひゃひゃひゃひゃ! しゅーちゃんもーらめえぇしんじゃうぅぅぅ!!
 ちんちんやくたたずになっちゃうぅぅぅーーー!!!!!」
「ちょっ、秀三くん!? しっかりしてーー!!」
「おちつけ秀三! 一体どうしたんだ!?」
 浩美と五郎があわてて秀三の肩をつかんで支えるなり、
「あひゃひゃひゃ……ひゃ……」
そのまま秀三はがくんと頂をたれて気絶した。
496カナシキガング10  ◆5BTYqMDpDPjk :2011/02/04(金) 04:50:14 ID:CM8c6F2S

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

「──これが各メーカーのオナホールを使用したときのデータです」
「ご苦労様、教授。 報酬は後で払うわね」
「こんなにいっぱい試したの? 秀三くん、よく体力もったわねぇ」
「そこは、小休止の合間に滋養ドリンクとサプリメントを与えて
 スタミナをつけさせましたから」
「……それってドーピングなんじゃない?」」
「なんだか秀三くんが気の毒になってきたわね……」
「でも、秀三くんが協力してくれたおかげで、エリーさんたちの望む
 データが手に入りましたから結果オーライですよ」
「『君の犠牲は無駄にはしないよ』ってやつね、わかります」
「それで、どれを選べばいいの? 教授」
「そうですね……拳一くんには○○社製のソフトタイプが、
 洋二くんにはXX工業製のハードタイプかツイストタイプがよろしいかと。
 金太くんは少々サイズが大きいようなので、※※ファクトリー製の
 Lサイズのツイスタータイプあたりがいいでしょう」
「なるほどね……ありがとう教授。
 よーし、これで洋二くんを絞って絞って絞りまくるわよー」
「拳一にはしばらくこれで我慢してもらわなくちゃ、さすがにあたしも
 体がもたないわ」
「金太くん来週柔道の合宿にいっちゃうから、ユカのかわりにこれ使って
 もらおっと」
「皆さんに喜んでいただけたようで何よりです。
 なんにせよ、パートナーの性欲管理は必要ですよね」
「ごもっとも」
「浮気されるより、まだましよね」
「ま、もっとも3人とも浮気する度胸がないヘタレ男子だから心配いらないけど」
「だよねー」




「なぁ、拳一……。
 今なんかすっごい寒気しなかった?」
「洋二……お前もか」
「俺も今寒気が……風邪ひいたのかな?」

<終わり>
497 ◆5BTYqMDpDPjk :2011/02/04(金) 04:52:24 ID:CM8c6F2S
以上を持ちまして、投下終了させていただきます。
長々とスレ汚し失礼しました。
◆nANBdOEm/Aさん、割り込みしてしまって申し訳ございませんでした。


ところで、スレの容量が少なくなってきたのですが、大丈夫でしょうか?
498 ◆nANBdOEm/A :2011/02/04(金) 19:57:40 ID:KXfX5j+x
どうしてこうなった!どうしてこうなった!



超展開ですハイ。

投下しまーす。最後です
499 ◆nANBdOEm/A :2011/02/04(金) 19:58:59 ID:KXfX5j+x
鬱蒼とした森をテオは疾走していた。
 周囲を見渡して、ヘラの姿を探しながら。
「何処だ、何処に・・・」
 テオの頭はもう既に冷静とはとても言えない状況に陥っていた。
 心に抱いていた大きな不安と、長時間独りで野外に立っていたことが相まって。
 いつしかテオの身体は疲労し、徐々に思考能力が低下していった。
 グルグルと同じ所を周りつづけ、休憩などという言葉は頭の中から抜けていた。
 そして遂にテオは倒れこんでしまった。
「ハァハァ・・・」
 走る事をやめ、体力を取り戻したテオは思考能力も取り戻し、今までの自分の愚かな行いに気付いた。
 気付いてしまった。
 
目的だけの為に全力で、休憩もしないで限界を超えて身体を酷使していた人間が、その目的を失ったとき、その人間はどうなってしまうのか。
正解は、壊れるのである。
酷使された身体はもちろん、その身体を無理やり突き動かしていた心までが。いとも簡単に、ガラガラと。
「はは、馬鹿だな・・・俺・・・」
 遠くから獣の嘶く声が聴こえる。
 獣のエサになるのも悪くない、そう思った矢先。
 テオの目に映ったのは前の満月のとき、ヘラと共に見たあの湖だった。
「こんなところに・・・」
 テオは、その湖を見た瞬間、死への恐怖を完全に失った。
「じゃあな、ヘラ」




「おにーちゃーん!」
その愛しい声で目を覚ます。
 目の前にいるのは可愛らしい耳をピンと立てたヘラ。
「おはよう。」
「おはよ!」
 あの森で倒れた日から、俺は狼になった。
 そしてヘラと共に森を歩き回って、満月の日にはヒトの姿になり村を散歩する。
 それだけの、ゆっくりとした日々。
 
 俺とヘラは、幸せだった。 




エロゲっぽく終わった・・・
エロく無い・・・

というわけでありがとうございました。
500名無しさん@ピンキー:2011/02/07(月) 23:11:09 ID:vI4fErxJ
浮上
501名無しさん@ピンキー:2011/02/07(月) 23:22:35 ID:vI4fErxJ
下げたままだったorz…今度こそ浮上
502名無しさん@ピンキー:2011/02/19(土) 19:21:05 ID:ZVwtqlsp
☆ゅ
503名無しさん@ピンキー:2011/02/25(金) 02:23:49 ID:UfWQiiKS
保守。
504名無しさん@ピンキー:2011/03/20(日) 22:23:08.75 ID:JIWvnlep
ほ。
505名無しさん@ピンキー:2011/03/30(水) 17:59:17.88 ID:Eb8Do0Ye
小ネタのつもりが、途中で俺妹的な電波に乗っ取られて暴走した為、こちらに
506名無しさん@ピンキー:2011/03/30(水) 18:05:08.71 ID:Eb8Do0Ye
例:彼女を部屋に呼んだは良いけれど、彼氏が昼寝をしてしまいました

「わたしをほったらかしにして、昼寝なんてしないでよ」
「すやすや」
「ねー」ゆさゆさ
「すやすや」
「良いよーだ、家探ししてやる。すっごいエロ本隠してないか見つけてやる」がさがさ

「…ない。まさかこいつ、不能?」
「うーん」ごろんちょ
「……起きてよ暇だ。帰るぞ? 荒らすぞ? 携帯覗くぞ? 良いのか?」
「すやすや」
「よっしゃ携帯見てやる。後悔してもしらねーぞ、わたしちゃんと確認したかんね」ぱちり

「…浮気のうの字も見えてこなくて、逆につまんねー」ぱたん
「すやすや」
「退屈なんだよおまえ。割とベタベタする癖に、それで満足してんだろ」
「すやすや」
「起きろ、病むぞごるぁ。ヤンデレだぞ」

「ちぇっ、せっかく遊びに来てやったのに心外だ。疎外感だ。どうせなら何か面白いもんでも貸せよ」
「ん、ふぅ」
「何この安心しきったような寝顔は。腹立つ」むにぃ
「うぃ…すやすや」
「つまんねーからそろそろ叩き起こすぞおい」

がくがくがく(襟首つかんでゆさぶる)
ぺし、ばし、べしっ!(徐々に強く平手)
うわーーーーー!(耳元で大声)
じりりりりりりりりr(目覚まし時計)
ぱん! ぱん! ぱん!(馬乗りビンタ)

「おまえなんか、こうだ!」おめめびろーん
「う、う」
「これでもか! っと、お?」
「…ん……あ、ごめん」
「……」

「今日はゲーセンとカラオケ梯子ね。ご飯もフルで奢れ分かったな」
「馬乗りでいきなり何言うの」
「うるさい黙れ。おまえにはわたししかいないんだろどうせ。だったら尽くせ」
「無茶苦茶だなぁ」
「!」ぺしっ

「なにその目は」
「…俺ら、無理があると思うなら、別れても良いよ。俺は寂しいけど、雛さんが嫌なら引き止めない」
「は? 殺すぞバカ」ぎろ
「……洒落になんない」
「うっさい童貞が舐めんな。恋愛経験もロクにない薄っぺらいおまえに付き合ってやってんのに何様だバカ!
捨てられたらぼろっぼろに泣いてやっぱり行かないでなんて惨めったらしくメールしてくるんだろどうせ! キモいんだよ!
趣味合わないわ気が利かないわおまけに無欲で面白くない、それが上から目線で”別れても良い”とか次口にしたら腫らすぞ!」

「…雛さん、ごめん。だから、まず退いて」
「……」ぼうぜん
「雛さんに付き合って、て言ってOK貰った時、嬉しかったよ。今も、一緒にいられるだけで、安心する」
「……」
「けど、俺ばっか安心し過ぎたみたいだ」
507名無しさん@ピンキー:2011/03/30(水) 18:08:20.02 ID:Eb8Do0Ye
「良いよ。今日は雛さんのしたいこと、しようか。無理過ぎなければ、何でも尽くす」
「じゃあ遊んでよ」
「遊ぶ?」
「わたしの希望、全部聞いてよ。わたしが連れ回すから、ついてきて楽しんでよ。いるだけで満足なんて自己完結ぶらないで、ちゃんと付き合え」
「うん。なるべく頑張る」

「まず一つ目、私をなだめて。ほったらかしにされて機嫌悪いんだよ?」
「どうすれば良いかな。俺、嫌われてるみたいだし」
「それくらい自分で考えろ。わたしの今一番してほしいこと、おまえに!」
「……」じー
「……」じー

「…雛さん。それをしても、怒らない? 噛みつかない?」
「見当外れじゃなければね」
「分かった……」ぎゅっ
「……」ぱさ
「……はぁぁ」

「雛さん柔らかくて、あったかい。俺、ずっとこうしてみたかったんだけど、すごい怒るんじゃないかって思ってて」
「うるさい黙れ。黙って、もう少しこうしてろ」
「うん」
「……嫌いだ、おまえなんか」ぎゅっ
「……なんとなく、分かった」

―――
508名無しさん@ピンキー:2011/03/30(水) 21:31:41.26 ID:3RWapvWN
甘えスレはいつでもあなたをお待ちしております
509不和とすれ違い:2011/04/02(土) 21:46:10.06 ID:EGErHLGL
男女の不和、喧嘩、すれ違いスレに投下してみようかなと宣言してたら
スレがなくなってたのでお焚きあげorz
エロないし、なんかヒストリカルなハーレっぽくなった。
スレ無くなったんでここまで。
510不和とすれ違い 1/3:2011/04/02(土) 21:46:57.23 ID:EGErHLGL
「母様!リスが」
「ステファン、そんなに急いでは転んでしまいますよ」
「はーい」

 風薫る初夏の公園。キャスリンは穏やかな気持ちで自分の息子を見つめていた。
 この子を授かった時。世の天国と地獄を同時に味わったのがもう嘘のような穏やかさ。
 あの時の事は、もう遠い記憶の……胸の奥底にしまって平気になったと思っていた。
 ベンチに座りくるくると日傘の柄を回しながら、公園の林を駆け回るステファンを温かく見守る。
 ふと、その風景が曇った。いつの間にか、キャスリンの背後には人が立っていてその影だ。
 何気なく、振り向こうとして。
「久しぶりだな、キャスリン」
「!!」
 名前を呼ばれて、キャスリンは心臓が飛び上るほど驚いた。低くて魅力的で……聞き覚えのある、声。
 忘れたくても忘れられなくて、胸が締め付けられるほどの愛しさと切なさと……痛みを伴う。
 キャスリンは、ベンチから逃げるように立ち上がると、声の主を無視して息子の傍に行こうとする。
 自分がきちんと歩いているのかわからないほどの動揺。がくがくと震える足を無理やり動かした。

「待ってくれ、キャスリン。私の話を聞いてくれないか」
 それにキャスリンは無言で歩を進めることで答える。
 最後にこの声で名前を呼ばれた時とは段違いの、柔らかくそして自分を求める声にあがらうのは至難の業だった。
「キャス……」
「は、離してくださいっ!!」
 腕を急につかまれて、キャスリンはつい振り向いてしまった。そこには立派な身なりの紳士が立っていた。
 かつて愛した、人の顔が……記憶の中と少しも変わらずに、いや少し苦悩の陰りがあると思うのは。
 そうであってほしいという気持ちの所為か。
「君は相変わらず……だな」
「……っ! 何の御用ですか、今更」
 今更。そう、本当に今更だった。キャスリンは顔を思い切り背ける。
「貴方は、私を……捨てたんです。もうそっとしておいてください」
 キャスリンはいろんな感情がない交ぜになった気持ちを抑えて、淑女らしくなく男の手を振りほどく。
 いや、もうこの人の前では、キャスリンは淑女じゃない。無言で、足を動かす。早く逃げなくては。
 あの秘密を知られる前に。
「それについては、誤解だった、私が悪かった」
「…………ご結婚されたと聞きました」
「破綻したよ」
「……」
 だから? どうしたというのだろう。もう二人の間にあったことが誤解だったと謝られても、すべてはもう過去の事。
 終わったことで、彼を好きだったあの頃の自分はもういない。キャスリンは心が動くはずがない。 
 ないはずなのに、振り向けないのは。深く考える前に小さくて愛しい声で我に返る。
「母様? どなたですか」
「ステファン、なんでもないのよただ道を聞かれただけ。知らない人よ。さぁ帰りましょう、お父様が待っているわ」
 気が付けば、息子がそばに寄っていた。母親の様子がおかしいことに気が付いて心配そうに見上げる、その瞳は男と一緒の色。
「待ってくれ、キャスリン!!」
 男は悲痛な叫びを上げた。しかし、キャスリンはつとめて無視する。
 ――――そう言って、昔すがった私の話を聞かないで振り切ったのは貴方。
 今日は立場が反対だなんて。心が麻痺したのかキャスリンは笑いたくなった。そしてぎゅっと息子の手を握りしめた。
511不和とすれ違い 2/3:2011/04/02(土) 21:48:34.67 ID:EGErHLGL

 キャスリン=セレンソンは下級貴族の次女に生まれた。
 大きくなり社交界デビューをすると、持参金が少ないと知られていたので、野望のないそれなりの貴族か、お金はあっても身分のないジェントリが彼女の主な求婚相手で。
 一時的な火遊びを持ちかけられることも多かった。
 その玉石混合の求婚者のなかでも、マティアス=エゼルリッド伯爵は異色の存在だった。
 キャスリンは自分の魅力を十分に分かっていた、醜悪でもないが、だからと言って取り立てて美しくもない。
 マティアスは彼女とは正反対の男だった。
 甘いマスクと魅力的な肢体をもつ男性という訳だけでなく、爵位持ちで、お金持ち。中身も社交的で、男らしかった。
 一度夜会で少し、壁の花となって退屈にしていたキャスリンと一度会話を交わしただけだったのに。
 何かと会えば、彼は寄ってきた。そして彼女と一番に踊る権利を欲しがり、エスコートしたがった。
 何か裏があるのだと思った。
 だってキャスリンには彼が選ぶようなものは何もない。
 大方、有閑貴族の恋の戯れなのだろうと。

 でも彼は辛抱強く彼女を口説き続け、両親も口説き落とし、本当にプロポーズをしてきたのだ。
 その頃には、彼以外の男意外と結婚するなんて思えないぐらいに、キャスリンの心も動いていた。

 そして、愛する男女にありがちな悩み。
 キャスリンはまだ正式な夫婦になっていないというのに体を求められる。
 結婚するまで待ってと一度はかわしたが、遅かれ早かれこうなる運命だと二人の気持ちは止められず。
 一度許してしまうと幾度か体を重ねた。いけないとわかっていても、幸せだった。
 あと少しで結婚式という時になり、めまいがよくおこるようになり、キャスリンは自分の体の異変に気が付いた。
 秘密裏に医者に診てもらうと、懐妊していた……このお腹の中に彼と自分の子供がいる。
 愛しい人にすぐにでも知ってもらいたかったが、彼は領地の巡回に行っていて、その日を今か今かと待っていると……。
 彼は帰ってきたら会おうと約束の日……怒り狂った体でキャスリンの家の門をくぐった。
 彼が怒っている理由がわからなかったキャスリンは、子供の事を言うことが出来ないままに、その理由を説明されて混乱した。
 何故なら彼の手にはキャスリンの裸婦画が握られていたのだ。覚えのないキャスリンはそれは偽物だと私ではないと訴えた。
 けれど、その絵の彼女には内太腿の……普通なら見ることができない場所にある星形の黒子がはっきりと書かれていたのだ。
 彼女の一糸まとわぬ肢体を見たことのある彼には、絵の体つきが彼女だとしか言いようがないと言った。
 キャスリンよりも彼女の体を知っている彼が。
 どんな言い訳も聞いてもらえぬうちに、一方的に婚約を破棄され、社交界ではひどい噂が流れる。
 それでもキャスリンは彼の誤解を解こうとして、何とか伝手を使い彼と同じ夜会に出たが、娼婦だ淫売だと一方的に罵られて会話は出来なかった。
 しかし、段々とお腹が大きくなり、精神的なものからか体調もすぐれず夜会にも出ることが出来なくなり。
 そうしている間に、マティアスが婚約したということを聞いた。

 ……彼女は完全に捨てられたのだ。

512不和とすれ違い 3/3:2011/04/02(土) 21:50:33.36 ID:EGErHLGL

 幸せから一転、地獄を見たキャスリン。
 打ちひしがれた彼女は、未婚で子供を産むという醜聞で……実家に迷惑を掛けることもできず不意に橋から身を投げようとしてしまう。
 そこに偶然にも通りかかったのは片足が不自由な一人の老年の紳士で、キャスリンの気持ちを解し話を聞いてくれた。
 「老い先短い私の話し相手になってくれないかね」そう言われて、キャスリンはその紳士の話し相手として屋敷に上がる事となった。
 お屋敷は必要最低限の使用人とひっそりした生活だった。
 初めは使用人として尽くす生活だったが、さらにお腹が大きくなると本当に話し相手をすることだけしか出来なくなった。

 どうして旦那様はこんな私を助けてくれたのか。そう尋ねると贖罪だと昔を懐かしむような遠い目で呟いた。
 旦那様は若い頃に、身分違いの婚約者を置いて戦場に赴き、片足を負傷し愛しい人の元へ帰ってくると……その婚約者は旦那様の親友と結婚していた。
 若さの勢いは時に罪になる。
 自分を裏切った二人を許せなかった。
 詫びる親友と婚約者の話を聞かず、詰り許さず追い詰めた――そして彼女は詫びるように死んだ。
 そしてあとから知ったのだ、屋敷で待っていた彼女は親戚から疎まれ追い出され、それでも待っていた。
 けれど旦那様が死んだと知らされた。
 その時彼女を支えていたものが全て崩れて、新たに支えてくれた親友と結婚しただけだった。
 それが一体どんな不義だというのか。
 その一件があり親戚づきあいもしなくなった。年を取ってからわかった――自分がどれだけ愚かだったのか。と。
 キャスリンを見た時、その暗い瞳に、昔の婚約者を重ねたという。
 だから――これは自分勝手な贖罪なのだからキャスリンが気にすることではないと。

 そして、何の見返りも求めないまま、ただの私生児になるはずだったステファンの父親にまでなってくれた。
 立場としてはキャスリンは老紳士の妻となったが、その関係は何もやましい事はなかった。まるで孫と祖父のような関係。
 キャスリンの友愛と尊敬と……恋愛以外のすべての心を捧げ、手となり杖となった。

 あの時……旦那様にお会いしなければ私もステファンも。
 そんな今となっては考えてもしょうがない事を想像をするだけで、キャスリンはゾッとする。

 そんな旦那様が病の床に就いて数か月。
 もう長くはないと言われていた。
 ステファンには言えない。

 そんな大変な時に、なぜ……過去の影が追い付いてくるのか。
 キャスリンにはもう必要のないはずのモノなのに。
 ステファンが彼の子供だとは――秘密にしなくてはとキャスリンは心に誓った。


513名無しさん@ピンキー:2011/04/04(月) 13:55:37.58 ID:L3i6iewY
>>509
GJ!
投下待ちしてたのにスレが落ちちゃったからここで読めて良かった。
ありがとう。
514名無しさん@ピンキー:2011/04/18(月) 19:57:16.85 ID:lzqtuLhl
続きが読みたい。これで終わるのは惜しい予感
515名無しさん@ピンキー:2011/04/24(日) 23:43:36.02 ID:2xt0PJy7
そうだよ。これじゃお焚き上げ案件
続き期待
516名無しさん@ピンキー:2011/05/15(日) 18:24:04.61 ID:IAL77wBG
どうしたわけかメシ喰ってるだけになったSSをポイ投げ
517旨味の跡:2011/05/15(日) 18:25:14.12 ID:IAL77wBG

外へ出た時にはすでに陽が昇っていた。
シンと空気の張り詰めた波止場をしばし歩くと、朝の早くから異常に活気づいた場所が見えてくる。
朝市だ。

「オヤッさんどうだい、焼きたての秋刀魚は!この煙見てくんな、脂が乗ってる証拠さ!!」
威勢のいい声に呼び止められ、足を止める。
売っているのは、魚よりよほど脂が乗っていそうな小太りの男だ。
だがその団扇の扇ぐ先を見てみると、なるほど美味そうな秋刀魚があった。
大振りな一匹が七輪の上で狐色に焼け、香ばしい匂いの煙を空へ流している。
身の表面で弾ける汁は何とも食欲をそそった。

「一匹くれ」
俺がまんまと釣られたのを見て、魚屋の隣に座る男もこちらを向いた。
「どうじゃ、こっちも買うていかんか。秋刀魚はいい皿に乗せてこそ映えるってもんだ」
男は皿を売っているようだ。
四角い中に、川の流れを模したらしき濃い青と水色の焼きが入っている。
ウン千万の価値がある物だと言われれば、なるほどそうかと思うし、
硬貨ひとつで買える安物だと言われれば、なるほどそうかと思う、そんな一品だ。
陶芸に疎い俺にはさして必要もない物だが、あえてこちらにも釣られてやる。
今朝は財布にも余裕があった。

秋刀魚と皿の袋を手に、市場を縦に突っ切る。
物置のような様相を呈する一角へ潜り込み、赤い暖簾を避けると馴染みの店だ。
朝市で買った品をその場で食える、簡素な定食屋。

飲み屋のように薄暗い店内には4人の客がいた。
一番奥の禿頭だけが見知った顔だ。
「いらっしゃ……」
店の娘が一瞥をくれ、俺だと解った途端に言葉を切る。
「どうした、お帰りなさいじゃないのか」
「馬鹿」
赤ら顔の禿頭が茶化し、娘が短く答えた。
その額には薄く汗が浮いている。
半袖の白シャツと、腰へ黄色のパーカーを巻きつけた格好で、厚着な訳でもない。
それだけよく働いているという事だろう。

健康的に焼けた肌、耳の辺りに切り揃えた髪、挙動のたびにシャツを揺らす乳房。
街を歩く女共とはまるで違うが、この港の界隈では珍しい雌の分子だ。
見慣れない客2人も娘に下心を抱いているようだった。

俺は奥まりの指定席に腰を下ろしながら、その娘が俺の下で見せた表情を思い出す。
518旨味の跡:2011/05/15(日) 18:25:41.81 ID:IAL77wBG

俺が買った袋の中身を見ながら、娘は黙々と献立を組み立てた。
主賓である秋刀魚の皿を中心として飯と汁椀を置いていく。

飯には白身の魚が炊き込まれてある。
何という魚かを説明はされたが、名の覚えが悪いのでよく解らない。
二文字か三文字か、頭に残るのはせいぜいそのぐらいだった。
吸い物も三文字の魚で取った一番ダシに、ハマグリのみを沈めた単純なもの。
あくまでここで獲れた物にこだわる造りが粋だ。
秋刀魚の皿にも山盛りの大根おろしが添えられ、醤油の瓶が脇に置かれていよいよ朝食の支度が整う。

「いただきます」

俺は手を合わせて頭を下げた。
この習慣が身についたのは、そこそこ長く生きた中でのつい最近のことだ。
食う前にこれをしないと、食材への感謝が足りないだのぎゃあぎゃあと煩くする奴がいる。
それに辟易し、どうせ一銭を払うわけでもないのだからと渋々始めた形だった。
それも今では随分と自然な動作になっている。

俺はまず醤油の瓶を手に取り、大根おろしの山へと注いだ。
味の抜けた劣悪なものには味を誤魔化すように回しかけるが、今は違う。
ここで出されるものは卸したての清冽なものだ、醤油の量で味の生き死にが分かれる。
半ばほどまでに醤油が染みた所で、俺は瓶を戻した。
そのまま端でおろしの全体へと醤油を馴染ませる。
そしてそれを少量摘み、秋刀魚へ乗せてザクリと皮を割った。汁が皿へ流れ、白い身が現れる。
口元へ近づけるほどに香ばしい匂いが鼻を満たし、柔らかな口応えと共に舌の上へ。

美味い。
ほのかな甘みと汁の酸味、脂の乗った濃厚なうまみが舌へと浸透していく。
次の瞬間には大根おろしのシャリリと音のしそうな澄んだ辛味が味覚を引き締める。
鼻がすうっと通るのが感じられた。
辛い。しかし不快感を催す事はなく、醤油がほどよく和らげている。
俺はそれによって醤油の量が適切であった事を理解した。
誘われるようにもう一箸。身を切り取り、贅沢におろしを乗せて口へ運ぶ。
身を隠すほどに乗せても、娘の用意した量は十分で、後々を気に病む必要がない。
519旨味の跡:2011/05/15(日) 18:26:04.42 ID:IAL77wBG

まろやかな旨味が口に残っているうちに、今度は飯へと箸を伸ばす。
仄白い魚の身と、ダシで炊き込まれかすかに色づいた米。
その一角を掬い上げて口へ運ぶ。
薫り高さが味覚を包み込んだ。ダシで際立った米の甘みに、品の良い味の白身が合わさる。
まるで鯛を炊き込んだ飯のようだ。
娘が言っていたのは鯛ではなかったと思うが、それに匹敵する旨味がある。

控えめながら和の心をくすぐる味わいだった。
醤油や味噌、そういった日本古来の調味料の根底に通じる旨味が、この飯にはある。
米に因るものか、ダシに因るものか、あるいはこの魚ゆえに出せるものかは定かではないが、
この飯全体としての旨味、調和の巧みさには文字通り舌を巻かざるを得ない。

また控えめな味ゆえに、主菜たる秋刀魚の邪魔をしないのも素晴らしい。
いや、邪魔でないどころか、秋刀魚とはまた趣の違う甘みをもってその美味さを引き立ててもいる。
単に白飯に秋刀魚を合わせるより、遥かに複雑で後味の良い旨味をもたらしてくる。
ただの三口ほど秋刀魚と炊き込み飯を合わせ食っただけで、俺は深い深い息を吐いて興奮を抑えねばならなかった。

汁に手を伸ばす。
ずず、と吸い上げると、期待通りの落ち着いた味わいが俺の味覚を整えてくれた。
重厚な旨味に上書きされて雑多な味が調和していく。
なんと複雑で、且つ、なんと爽やかなことだろう。その味は海そのものを思わせた。
酒の肴としても十分にいける吸い地だ。
奥深い旨味に触れ、俺の口からはいよいよ唾液が溢れ出した。
過多な水分を吸わせる目的で飯を放り込み、口内を整えて再び主菜に箸を伸ばす。

魚、飯、魚、汁、魚、飯、汁、魚。
夢心地になるような味の組み合わせを続け、やがて最初に飯が尽きる。
秋刀魚はまだ片面の半分以上が残っている状態だ。
「……綺麗に食べてくれたね、おじさん。ちょっとは料理の出来る女になった?」
娘が俺の平らげた椀を翳しながら言う。俺は小さく笑った。
100点はとうにやったはずだが、どこまでいけば満足するのか。
奴のこの貪欲さはセックスの時も同じだ。
520旨味の跡:2011/05/15(日) 18:26:43.73 ID:IAL77wBG

こいつが思いつめた顔で夜の海辺に佇んでいたのは、もう5年も前になる。
用もなく近くを歩いていた俺は、気紛れにその近くへ腰を下ろした。
煙草をふかし続けながら沈黙を続けているうちに、娘は聞いてもいない事情をぽつぽつと話してきた。
彼氏に騙されて玩具にされた、学校から追い出され、親にも勘当されてしまった……。
詳しくは忘れたが、世の不幸話を縫い合わせたような内容だったはずだ。
当人にすれば死に値するような重い話だろうが、俺はそれを大した興味もなく耳にしていた。
生まれて以来かなりの間、俺はそういう人間だったからだ。

娘が話を終えても、俺は返事をしなかった。
ただ黙って時間を過ごし、日が昇ってきた頃、ただの一言、
「綺麗だな」
そう呟いたぐらいだ。
娘は泣いていた。さんざん泣き通した末に、近くの市場で獲れたての刺身を食い、また泣いた。
5年も前のことだ。
今では奴なりに、奴なりの人生を歩んでいるように見える。
俺はあの日、奴の死に方に興味を持ったのと同じように、その生き様を時々ぶらりと見に来ていた。

馳走を食い終わり、俺は席を立つ。
「お勘定は?」
「……ツケとけ」
娘の言葉に、俺は短く言葉を吐いた。娘が小さく笑う。
気がつけば、店にもう客の姿はなかった。

「ツケた以上は、また来てもらうからね、おじさん!」

娘の言葉に、俺は肩を竦めて店を後にする。

朝の市場はさらに活気を増していた。
雑多な人ごみを歩きながら、俺は煙草に手を伸ばそうとして考え直す。

口に残る旨味が、惜しかった。


                    了
521名無しさん@ピンキー:2011/05/15(日) 22:19:26.25 ID:4AKcaH3Y
おい腹がへったぞどうしてくれる
孤独のグルメで再生された
522名無しさん@ピンキー:2011/05/17(火) 16:32:04.21 ID:knR9fT7J
こんな時間に読んだらお腹すいたw
523名無しさん@ピンキー:2011/05/26(木) 02:26:09.22 ID:/z3crr6p
うわー美味そうw
524 忍法帖【Lv=6,xxxP】 :2011/06/14(火) 00:27:47.68 ID:L5TDDhIW
腹減った・・・
525 忍法帖【Lv=10,xxxPT】 :2011/06/19(日) 00:06:35.77 ID:ZNUIg6I8
こんな時間に見てしまったのが敗因
美味しそうだ
526『昼顔』:2011/06/29(水) 21:53:09.65 ID:/0f7qsMY


「いやっほうっ!!」

スルリとショーツを脱ぎ捨てた結花は五月の真っ青な海を背景に颯爽と駆け出す。『思春期の裸体と大自然』という定番かつ王道の美に、僕は不覚にも少し感動してしまった。

「……おおい!! 危ないからあんまり端っこには行くなよ!!」

ここは通称『目隠し岩』。妙な名前だが付近の小中学生にこの場所を知らぬ者はいない。
市街から少し離れた海水浴場に鬱蒼と佇む巨大な岩山なのだが、今僕たちが立っている平べったい目隠し岩の頂上こそ、夏休みともなればちょっと変わったある用途に重宝されている場所なのだ。

「……でも大丈夫かな? こんなに見晴らしがいいのに……」

岩場をぐるりと一周したすっ裸の結花が首を傾げて言う。すぐ前は大海原、背後にははるか僕たちの街が広がるこの雄大な風景の中では、いくら呑気な彼女でも不安になるのは当然だろう。

「……大丈夫だって。今登ってきた石段以外にはてっぺんまで来る方法はないんだ。ほら……」

まるで垂直な岩肌に絡みつくような狭く険しい石段。砂浜からここまで登るのにたっぷり五分は掛かっただろう。そして僕たちが佇むこの頂上から、長い石段を登って来る者の姿は一目瞭然だ。
しかし絶妙に傾斜した頂きの様子は、決して下にいる者から眺めることはできない。だから夏休みになると海水浴に来た市内の女子生徒はみな、この小高い岩山に登って水着に着替えるのだ。
眩しい夏の日差しを浴びながら、日灼け跡も鮮やかな少女たちがその裸体を熱い潮風に晒す場所。
大の字に並んで濡れた肌を乾かし、嬌声を響かせながら成長期の肉体を較あう彼女たちの姿を一目見ようと、いったい幾人の少年たちがその頭脳と身体を駆使したことだろうか。
だがこの難攻不落の目隠し岩、大自然が生んだ奇跡の空中巨大更衣室を制した者は誰もいない。

527名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/29(水) 21:56:37.86 ID:/0f7qsMY
たった一人、のんびり石段を見張る役さえいれば、険しい絶壁と意地悪く要所に茂る灌木、そして絶妙の勾配差が少女たちを完全に守っているのだ。

「さ、ちゃんと見張ってるからゆっくり遊んだらいいよ」

「うん!!」

僕の初恋相手であり、先日の一件で僕に奇妙な秘密を明かした結花。
いわゆる帰国子女である彼女は僕たちの学校に転入してくるまで、その肌を衣服で隠すこともなく、とある熱帯の小国で家族と暮らしていたらしい。
だが事情により半年前、未だ単身赴任を余儀なくされているお父さんを残し帰国した結花たち母子を待っていたのは、不慣れで窮屈な着衣の生活だった。
可愛い洋服や小物の話題で盛り上がるクラスの女子たちからポツンと離れた窓辺で、澄んだ春の空を見上げる彼女の苦悩を知る者は僕以外に誰もいない。
そんな訳でこんな心地よい春風が吹く午後、結花の為に一肌脱ぐ、いや……一肌脱がせてやるのは、男子として当然のことではないだろうか。
とはいえ、まあ白状すれば僕がこの一風変わった名所に結花を案内したのはそれほど純粋な想いだけではなく、結花には秘密の日光浴を、僕には先日に続くお楽しみを、というのが正直なところなのだが…

「うわ……昼顔がいっぱい咲いてる!!」

久しぶりに野外で生まれたままの姿になった結花は、上機嫌で黒っぽい岩肌を跳ね回っている。まだ小学六年生とはいえ、もう微笑ましい時期はとっくに過ぎている裸体。
それは妖精や天使を想わせる儚いかたちではなく、刻々と『おんな』へ変わり続ける切ないばかりに気まぐれな十二歳の肉体だった。
そんな見事なヌードが惜しげもなく躍動する様子を間近で鑑賞出来ないのは残念だが、岩場の端っこで下界を見張る役目はけっこう重要なのだ。
それに僕は少し離れた距離から結花の裸身を鑑賞しながら、彼女に気付かれることなくシコシコ……などという不埒な企みも心の隅に隠している。
528名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/29(水) 22:01:31.78 ID:/0f7qsMY
高く舞う海鳥の鳴き声を聞きながら、僕はのんびりと人気のない砂浜と結花の身体を交互に眺め、しばし雲の上にいるような至福に浸っていた。



「……ひいい怖いっ!! 怖いよ涼くんっ!!」

「……落ち着け結花!! 大丈夫か!?」

ペタリと座り込んだ涙目の結花は、まだ可愛い悲鳴を上げ続けていた。どうやら海に面した絶壁の高さは、当然ながら彼女の想像を遥かに上回っていたらしい。

「……だから危ないって言っただろ!! 落ちたら死んじゃうぞ!!」

「は、はい。 ごめんなさい……」


まったく、注意一秒怪我一生というやつだ。
暖かい岩に寝そべって流れる雲を仰ぎ、気ままに咲きほこる野の花を摘み……と、僕の邪念が恥ずかしくなるほど結花は天真爛漫に遊んでいたのだが、やがて無鉄砲にも僕の注意を忘れて海寄りの断崖へと駆け寄ったのだ。
もし足など滑らせて墜落すれば、間違いなく命はない高さ。思わず見張りを中断して彼女を追った僕は、かなりきわどい崖っぷちで、ようやく彼女を止めることが出来たのだった。

「な、なんか、脚に力が入らないよ……」

結花はへたり込んだまま両腕を伸ばし、膝立ちで僕の腰にひしと掴まってくる。思わず差し出した手がびっくりするほど滑らかな肩に触れた。

「そ、そろそろ降りよう。喉も乾いたし……」

股間に柔らかな乳房をぐいぐい擦り付けられ、しばし忘れていた欲望が激しく燃え上がる。小学生として超えてはならぬ一線を守る為、これまで僕はなるべく結花の身体に触れないようにしてきた。
しかしこうして、ひしと下半身に縋りつく彼女を振りほどくことなど出来るだろうか。禁欲も大事だが度を過ぎると罰が当たるというものだ。
529名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/29(水) 22:05:51.40 ID:/0f7qsMY
そもそも同級生のおっぱいに遠慮なく触れられる幸せな男子など、間違いなく学校中で僕くらいなのだから……

「……うん。でも、最後にもう一回ちゃんと見てみたいかも……」

「……え?」

懲りない奴……と言おうか、いかにも結花らしい呆れた好奇心の強さだった。僕から手を離して再び崖へと向き直った彼女はしなやかに腰を捻り、用心深い獣みたいに低く身構えて言う。

「顔だけ出してみるから、涼くんは足をギュッと掴んででよ。絶対離しちゃイヤだよ?」

「……う、うん。わかった」

いつの間にか僕は、束の間下半身を包んだ魅惑の感触に彼女の忠実な下僕となっていた。四つん這いでじりじりと絶壁に向かう結花はしなやかに背中を捻って、悪戯っぽい笑顔で僕を振り返る。
願ってもない任務だ。目隠し岩から荒波を見下ろす結花。そしてその後ろで彼女の両足首を握り、否応なく視線を真正面に向ける僕……見事に利害の合致した合理的な構図だ。
岩肌に腹這いになった結花は慎重に這い進み、やがて上体を落としお尻を高々と上げた姿勢になると、断崖から頭ひとつの距離でピタリと停止した。

「絶対離さないでね!! 絶対だよ?」

「う、うん……」

迫る感動の時に胸躍らせながら、僕は跪いて彼女のくるぶしを掴む。しっかりした踵の腱から真っすぐなふくらはぎ。よく締まった太腿、そして……

わざとゆっくり視線を巡らせてから、いよいよ鼻先に迫る結花の中心に目を向けたその瞬間だった……波音を掻き消す甲高い叫びと共に彼女は眩しく輝くお尻を僕の視界いっぱいに突き出した。

「わあ……あ……」

僕と結花の深い溜息が長く重なる。波打ち寄せる岸壁に頭を突き出し果敢にも遥かな波濤を覗き込んだ彼女は、その吸い込まれそうな迫力に再び激しく驚愕したのだ。

「凄い……」

530名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/29(水) 22:10:45.67 ID:/0f7qsMY
太腿に挟まれていたむっちりと肉厚な畝が、まるで深呼吸するようにパクリと開く……さらにその奥で薄紅い内部を晒す、金魚の尾鰭のように可憐な襞。
襞から覗いた用途不明の突起までが、収縮するふたつの深い窪みに合わせ、ぴょこり、ぴょこりと上下している。

「凄いよぉ……涼くん……」

打ち寄せる荒波に合わせてリズミカルに膨らみ、そして窄まる剥き出しの内部が、いや、目隠し岩の絶景に驚嘆する結花の全てがびくびくと脈打っていた。

「あ……ああ……」

いったい僕は何百回、この薄紅色の肉を空想のなかで弄んだだろうか。限界まで硬く膨らんだものが、ズボンのなかで灼けそうな絶頂に近づいてゆく。

「あ……」

遥か彼女の眼下で砕け散る波は真っ白な飛沫となり、高く高く宙を舞っているだろう。喘ぎを押し殺し、ぶるぶると硬直する僕の飛沫も同じように一息に迸り、とめどなく溢れ出した。



「……涼くん? ちょっと痛い……」

「え!?」

気が付くと僕の両手は、力いっぱい結花の足首を握り締めていた。海鳥の鳴き声を掻き消すほど激かった動悸が穏やかに静まってゆく。

「あ……ご、ごめん……」

「ううん、大迫力だった!!」

膝の砂を払って立ち上がった結花は、当然だが僕の射精に気付いた様子はない。べとりと濡れたトランクスを気にしながら腰を上げる。

「……涼くんも裸になればいいのに」

「え!?」

水平線を背にすっくと立つ結花の裸身が眩しい。彼女の思わぬ言葉に戸惑いながらも、僕はじっとり湿っぽい服を窮屈に感じ始めている自分に気づいていた。

END

【全裸スレ『蘭の咲く家』より続編】
531 忍法帖【Lv=6,xxxP】 :2011/06/29(水) 22:31:41.00 ID:jfH6JyRx
投下おつ!!!爽やかエロス!
532名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/30(木) 02:19:30.22 ID:7PhmdWJJ
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533名無しさん@ピンキー
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