1 :
名無しさん@ピンキー:
俺妹で有名な伏見つかさのエロパロスレです!!
たったのか…、まあアニメ化されるし時間の問題だったが
一応近親相姦モノは注意事項に入れる必要があるな、本スレでも嫌悪感を持つ人はいるみたいだから
ついに立ってしまったか…
即死回避のためにネタフリ
気が向いたらリレー小説にしてくれ
4 :
小ネタ:2009/04/20(月) 01:14:12 ID:BOuhKmX+
「ほらよ、麦茶」
「…ずいぶん庶民的な飲み物ね」
黒猫は言葉こそ嫌味だったが、少しふるえたような声で緊張しているのがわかった。
何を隠そう黒猫は俺の部屋にいる。二人だけでだ。ベッドに浅く腰かけて見るからにガチガチな黒猫を落ち着かせようと冷蔵庫から飲み物をもってきたわけだ。
で、まあ、なんでよりにもよって黒猫が俺の部屋に―しかも今家には誰もいない―いるようなことになってしまったかと言うと…。
「私、今日あやせの家に泊まるから」
親父とお袋が夫婦水入らずで二泊三日の旅行にいった初日、桐乃は明らかに不機嫌な顔でそう言い放った。
「お、おおそうか」
「そう。あんたと二人きりでいるなんて耐えられないから」
相変わらずひでえ言葉だよこの妹は。へっ、そういうことならこっちだって望むところさ。
「チッ、わかったよ。親父達が帰るまで泊まってくりゃいいだろ」
「…何それ」
桐乃はさっきより不機嫌な面で俺をにらみつけてくる。なんで?俺と二人が嫌なんだからそうなるだろ?なんか変なこといったか。
桐乃は連続で舌打ちをして俺を見るもおぞましいものであるように見下ろしてくる。
5 :
名無しさん@ピンキー:2009/04/20(月) 01:39:22 ID:FcVjaqPM
アリスがリリスとの決着が着く前に終わってしまった事は、今でも悔やまれる。
7 :
名無しさん@ピンキー:2009/04/20(月) 07:48:32 ID:FcVjaqPM
あげ
8 :
名無しさん@ピンキー:2009/04/20(月) 11:21:45 ID:bSkT/fOk
9 :
名無しさん@ピンキー:2009/04/20(月) 17:57:34 ID:FcVjaqPM
需要ないのかな…
一日すらたってないのに寝言を
リレー小説なんて投げっぱなしジャーマンでレスが進む訳がない
小ネタふっていくのはエロパロ板じゃよくある話でしょ
こだわらず君がかいたら?
基本的には傍観者が多いんだってばさ
桐野の・・・返答部分を描写してたが・・・俺の脳が溶けはじめたので
お蔵入り
>>15 なんと貧弱な能だ!
・・・・と思ったが俺も返答部分を描写したら脳が蕩け始めてきた・・・・。
× 桐野
○ 桐乃
保守
19 :
名無しさん@ピンキー:2009/04/22(水) 02:36:03 ID:7dPxgVaH
ほ
アリスとリリスがゴスロリドレスで立ったまま互いの秘所を責め合って、イキ果てて膝をついたほうが負けという勝負をするSSはまだですか?
21 :
名無しさん@ピンキー:2009/04/22(水) 16:20:02 ID:h2d8Hujw
ほ
22 :
名無しさん@ピンキー:2009/04/23(木) 01:45:00 ID:GLSILzvK
保守
23 :
名無しさん@ピンキー:2009/04/23(木) 07:27:17 ID:BeOq/8QB
あげ
さげ
25 :
名無しさん@ピンキー:2009/04/24(金) 01:46:10 ID:GPXTRLoy
上げ
本編の行間でそういう展開に持ち込めそうなのは、
三巻の桐乃とラブホ
同じく三巻の麻奈美と同衾
三巻の展開で京介への恋心に気付いた黒猫の一人エッチ
とかかね?
鬼畜兄貴で犯されるヒロインに自分自身を投影する桐乃とか
28 :
名無しさん@ピンキー:2009/04/24(金) 15:40:52 ID:Kx5UAvsN
鬼畜兄貴はホモゲーだろ
鬼畜兄貴に限らず、すでに兄妹ものエロゲーに自己投影してると思うが
30 :
名無しさん@ピンキー:2009/04/25(土) 00:17:01 ID:k4mHfEDN
あげ
31 :
名無しさん@ピンキー:2009/04/26(日) 01:10:28 ID:jZXOjbDI
職人さん来ないかな?
32 :
名無しさん@ピンキー:2009/04/27(月) 00:44:43 ID:P+LqulFe
あげ
えーと…ブルーフォレスト物語のデザイナーだっけ?
それは伏見健二
突っ込み早っ
>>26 流石に本番には持ち込めないけど
2巻4章のエロ同人と神話は同じ!シーンでディープキスや服の上からの乳・尻揉みがあったことにしちゃうとか
1章の押し倒しシーンやラストの偽告白で実はエロ妄想してる桐乃とか
モデルの仕事や体育の着替えのたびに妄想してるあやせだがエロ嫌い変換でなぜか芸術的になるとか
バジーナじゃない状態の沙織が視姦される話とか
エロじゃなくてもいいんだけどなー
のんびり待とう
38 :
名無しさん@ピンキー:2009/04/28(火) 01:21:30 ID:fK92XWy5
あげ
それは、親父とお袋が旅行に出かけた時の事だった。
「おい、桐乃、晩飯どうする?」
「…………」
桐乃は俺の言葉を完全に無視し、自分の部屋に入ろうとする。
「おい!聞けって!何食い――」
「うっさい!なんで、あんたと食べなきゃなんないのよ!」
桐乃はそう捲くし立てると、素早く自室に滑り込むように入り、両手でドアを思い切り閉めようとした。
そしてそこに、桐乃の肩を掴もうとして出されていた俺の手が、絶妙なタイミングでドアの隙間へと吸い込まれた。そして―――
ゴキッ!!
と、家中に響くような鈍い音が走った。
「ぐっ……くっ……」
吐き気を覚えるような痛みだった。右手首が高熱を帯び、腫上がっていくのを自覚した。
「ぁ…あ……に…き……?」
頭上から桐乃の震えた声が聞こえた。しかし、顔を上げる余裕は無い。メチャクチャ痛い。
しばらく冷や汗を浮かべながら痛みに耐えていると、さっきよりもマシになってきた。
その間、桐乃のヤツが何か騒いでいたようだが、全く聞いていなかった。
「兄貴!はやく!」
と、何時の間にか、俺の隣にしゃがみ込んでいたらしい桐乃が、俺の左腕を抱きかかえ、立ち上がるよう促す。酷く慌てている様子だ。
「ぐっ……っ……」
立ち上がり動いた為か、右手から右腕にかけ激痛が走った。額に脂汗が噴出す。
「あ、兄貴!?大丈夫……?」
深刻な表情で俺を見上げる桐乃。
なんだコイツ?もしかして責任とか感じてんのか?………いや、ありえねぇーよな。
しかし、年長者としての意地は見せねばなるまい。
「っ…全然大丈夫だ…っ、モンダイナイ」
そう言って俺は、桐乃を安心させてやる為、爽やかな笑顔を向けた。
「―――っ…、病院、行こ」
俺のスマイルに目を見開いて凝視してきたかと思えば、次の瞬間、顔をクシャリと歪ませ泣きそうな表情になった。……俺のスマイルは見れた物ではないらしい。
年長者としての意地と右手首に傷を負った俺は、桐乃のされるがままに靴を履かされ、タクシーに乗
せられた。病院に着くまでの間、桐乃はずっと俺の左腕を抱きかかえたままだった。
原作ちゃんと読んでないんで、ネットの情報と雰囲気で書いてみたんですが。
箸休め程度になれば……。
この後、看病とかアリかなと思ったんですが、レビューとか見るとキャラ的にやらなそうですねw
41 :
名無しさん@ピンキー:2009/04/28(火) 04:50:22 ID:MbntPSvp
>>40 よし、お前もっと書いて良いぞ
本編は駄目すぎる、あれゴミだ
デレがない妹とか死んで良いよ
42 :
名無しさん@ピンキー:2009/04/28(火) 17:03:51 ID:cizLi//g
ゴミは言い過ぎだと思う
そうだな塵だな
デレなんかいらんがな
1巻だけ買って読みました!……なんか、フツーですね。
まぁ、原作もその内デレたりすんじゃないんですかね。知らんけど……。
ブックオフ行って来ます。
46 :
名無しさん@ピンキー:2009/04/29(水) 00:09:17 ID:IcR5GJbO
2巻からおもしろくなるという物を…
俺妹に関しては個人的に1巻より2巻の方が面白かったけどな
おもしろいとか行ってる池沼はただのマゾ
草食系男子(笑)っすか?wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
>>46 勿論つまらなくないけど、なんか、普通。
結局、ツンデレに乗っかった感じ(今の所デレ無いが…)
あれ位ならココの職人さんの方が、上手な人沢山いると思うんだけどな。
安置必死だな
53 :
名無しさん@ピンキー:2009/04/29(水) 04:48:22 ID:IcR5GJbO
保守
>あれ位ならココの職人さんの方が、上手な人沢山いると思うんだけどな。
これが例の「ワナビ乙 乙 乙、ねえ今どんな気持ち?」 ですね? わかります^^
あれは笑った
伏見つかさなら名探偵失格な彼女も見たいな。
ファイティングニモうと
さてロカルーに引っかかるわけでもないので
ヲチスレというか避難所にでもするか
本スレのほうは酷い状態だものな
荒らしてんのは二人くらいか
嫌いなキャラをあげるのはいいんだが
攻撃対象がスレ住人ってのはどうなんだろ
こっちは本スレの避難所として機能させっかw?
正直キャラ厨は本スレで暴れないで欲しい
どのキャラの批判したって荒れるのは当たり前なんだしさ
なんでこっちにも自治厨が湧くんだよ
ガチャリ。
扉を開けた瞬間、俺は完全に凍りついた。目の前にスカートと下着をずらし、
下半身をあらわにした妹の姿があったからだ。
そういえば、朝、母親が言ってたっけ。
『あ、トイレの鍵が壊れてるから、みんなちゃんとノックするように気をつけてね』
呑気な表情でそう家族に告げた母親の顔を思い出し、我に返る。
「わ、わリィ!」
そう言ってあわてて扉をしめたが、きっともう遅いんだろうなあ。
それより妹の裸(っていうより下半身だけど)初めて見ちまったよ……
っていうか、考えたら女の子の裸みた事自体初めてだ。もちろん幼児の頃はノーカウントな。
いや、でも、幼児の頃と、そうかわらなかったような……って、俺、何思い出してんのさ!
そんな事考えているうちに、水音がしたかと思うと、扉が開いて衣服を整えた妹がトイレから出てきた。
なんて馬鹿なんだ俺。どうして、とっとと退散しとかなかったんだろ。
「……」
どんな怒りが爆発するか恐々として待ち構える俺に、激しい怒りのためか顔を真っ赤にした妹が、
俯き気味の顔から上目遣いで鋭く睨みつけてきた。こ、これは殴られる?
……しかし、妹は一言の言葉も暴力も発することなく俺の前を通り過ぎ、階段を上って自分の部屋へ戻っていった。
「助かった? 許してくれた……のか?」
もちろんうちの妹に限って、そんな甘い話があるはずなかったんだけどな!
「起きてる?」
その夜、妹がそう言っていきなり俺の部屋に入り込んできた。
「お、おう」
来たか……と俺はそう思った。コイツがあのまま済ませてくれるわけないと思ったんだ。
「ちょっと、ちゃんと人の顔見て返事しなさいよ。……って、あんたどこ見てるわけっ!?」
桐乃の顔を直視できなかった俺の視線は、偶然にも妹の下腹部のあたりに吸い寄せられていた。
「ちっ……! 違う! 誤解だ!」
「ふん、いいケド。いまさらだしィ。アンタ、昼間の事ただですませるとは思ってないよね?」
もちろん思ってはなかったが、ここで抵抗をやめるわけにはいかない。
「悪かったよ。でもそんなに大袈裟に騒ぐ事ないだろ、偶然見られたくらい。……きょ、兄妹なんだから」
「ふーん、そういう事を言うワケ?」
桐乃は値踏みするように、俺の頭とつま先の間を、上下へ視線をさまよわせる。
「……じゃあ、見せてよ」
「え?」
「兄妹なら見られても平気なんでしょ? じゃあ、私にも見せてよ。アンタのペニス」
いきなり、何言い出しやがるんだ、この妹様は!
「ば、馬鹿野郎! 女子中学生が、ペ……ペニスなんて言葉言うんじゃねーよ!」
「じゃあ、肉棒」
「余計悪いわ!」
こいつエロゲやりすぎて脳腐ってんじゃねーの?
「なあに? 見せられないの? 兄妹なら平気ってウソついたわけ?」
「違うよ! 偶然見られたのは仕方ないとしても、わざと見せるのはマズイだろ! 兄妹ならなおさら!」
「……バカじゃん? 他人の方がマズイっしょ。 他人にわざと見せたら警察沙汰になるじゃない」
そりゃそうだけど! 論点はそこじゃねえだろ? なんでわかんねえのかなあ、こいつ!
「いいよ、見せてくんないなら。 お父さんとお母さんに、アンタに大事なとこ見られたって告げ口する」
「……なっ!」
それはまずい。桐乃をかばうための方便とは言え、親父には俺が妹モノのエロゲを嗜んでる事になってるんだ。
親父があのウソを鵜呑みにしたとは思えないが、そんな話されたらウソがウソじゃ済まなくなっちまう。
クソォ〜〜! こいつはいつもいつも恩を仇で返すような真似しやがって!
本スレってどこなの?
68 :
名無しさん@ピンキー:2009/04/30(木) 07:48:57 ID:SKg3Y6DZ
>>67 お前なんでそんな上から目線なの?
氏ねよ
>>68 お前ここははじめてか?
とりあえず肩の力抜けよ
どうでも良いがちゃんと話を完結させてからうpっておくれよ・・・
>>65の続きです
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「へえ〜〜こんな風になってんだ」
結局俺には、桐乃に屈する以外の選択肢はなかった。しかしズボンとパンツは脱いでない。
チャックを開いて、ぐにゃりとひっぱり出しただけだ。それが人としての最終ラインを守るための俺の拘りだった。
「で、同人誌みたいになるには、どうすればいいの?」
何が『どうすればいいの?』だ! 読んでんだろ、エロ同人誌! じゃあ、知ってるはずじゃねえか!
「……ちょっと、聞いてんだけど。無視しないでくれる?」
「し、知らねえよ。そもそも妹に見られて、反応するわけねえだろ……」
それは人間として終わってるぞ、確実に!
そんな俺を侮蔑の目で見据える桐乃。
「何よ、それでもシスコン? だらしないわね」
だからシスコンじゃねえって言ってるだろうが……いつまでそのネタひっぱる気だっての。
桐乃は少しばかり思案するような表情になり、少し視線をさまよわせたかと思うと、
遅い時間でもう眠いのか、潤んだような目で俺を見上げ、ヒソヒソ声でこう言った。
「……ねえ、舐めてあげよっか?」
「ば、バカじゃねえの!?」
マジ、こいつの頭、エロゲやりすぎで腐っちまってる!絶対!
だいたい、持ち物を俺に触れられるのも嫌がるくせに自分から触るのは大丈夫なのか?
しかも、こんなところを? それも舐めるって!
その時、なぜか俺はふと思い出した。こいつと初めて一緒にエロゲした時のことを。
あの時もこいつ、マウス持った俺の手に自分の手をかぶせてきたっけ……
あれって、何年ぶりだったんだろうな。妹の手の平に触れたのは。
(……いっ?!)
そんなことを思い出したとたん、いきなり俺の股間が反応を始めた。
な、なんで? あのときは何も感じなかったのに……
と、止まれ! 止まるんだ! この反抗期めっ!
「ちょっと、アンタ、なに自分の世界に入ってんの? あ、また眼鏡の事でも考えてるんじゃないでしょうね?」
「な、なんでここで麻奈美が出てくんだよ!」
そんな話をしているうちにも、一度励起状態へと移行し始めた俺の怒張は、
ムクリとその鎌首をもたげ始めた。
ギンギンに血管を浮かび上がらせた俺のイチモツを見て、桐乃が心底嫌そうな顔でつぶやく。
「……キモ」
酷すぎる。
そりゃキモイだろうさ! でも、おまえが見せろって言ったんだろ? なんか傷ついたぞ。
しかし、俺に文句を言わせる間も与えず、妹は言葉を続ける。
「……キモイ。キモイ、キモイ! キモイからもうしまって!」
「わ、わかったよ」
突然、癇癪を起こしたように涙目になりながらそう叫ぶ妹の声に、俺はあわててムスコをしまう。
な、なんだよ。これじゃ俺が無理やり妹に見て見ろと迫ってる変態みたいじゃねえか。
見せろといったり、急に嫌がったり、相変わらずコイツはワケわかんねー。
「……もう寝る」
桐乃はつぶやくようにそう言って、背中を俺に向けて立ち上がった。
そして、扉を開けて出て行く間際、最後に一言。
「わたしじゃ……やっぱりダメなワケ?」
「え? 何が?」
その俺の問いに、妹からの答えは何も返ってこなかった。
(終)
GJ!
イイヨー、盛り上がってきたw
ニヤニヤ
80 :
名無しさん@ピンキー:2009/05/02(土) 22:13:08 ID:Vp7NiOt5
GJ
81 :
名無しさん@ピンキー:2009/05/02(土) 23:59:44 ID:OyDUb5GV
良いねwこの調子で頑張れ!
おまいら、sageろよ……。
だからなんでそんなにえらそうなのさ
大丈夫、誰も相手にしてないからほっとけ
スマンが意味がわからん
4巻目で妹がデレてくれれば名作になるのにな
そんなことより、桐乃と黒猫に毛は許せるかどうかを議論しようぜ!
俺パイパン派!!
90 :
名無しさん@ピンキー:2009/05/05(火) 01:12:10 ID:0eKPOPvo
俺も同じく
俺はほんわか産毛派で
それなら、うるし原とかにイラスト描かせないようにしないとなw
ここまでタワシ派の陰毛
黒猫はああ見えてきっと毛深いよ。
猫的な意味で。
「オマエ、意外と毛b」
「私が神殺しの呪文を最後まで言わせるとでも思ったのかしら」
(そんなに言われたくないのか)
という最中のシーン
黒猫に惚れた
あまり関連性ないけど一応、
>>77の話の後日って感じで。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「……なあ、おまえ、その格好どうにかなんないの?」
魔がさした、と言っていい。
その日、俺はまた必要もないのに我が家の兄妹間における暗黙のルールを破っちまった。
しかも、よりによって地区を代表するアスリートであり、読者モデルとしてティーン誌で活躍し、
学業も全国レベルという、我が家のやんごとなき妹様に不遜にも意見するような事を言っちまったのだ。
クイックイッ。
妹に指で呼びつけられる。はいはい。今回は自業自得と諦めるしかねえ。
俺は妹に指で指示されるまま、お馴染み罪人ポジションに腰を下ろす。
すると制服のミニスカートからにょっきり伸びた妹のふとももが目に前に現れたので、
俺はあわてて視線をそらす。くっ……このポジションも問題なんだよな……
俺の座りがよくなるのを待ってたかのように、頭の上からコホンと妹の咳払いが聞こえる。
「で。どうにかなんないかってどういう意味?」
すぐさま妹の詰問が始まった。
「その格好ってどの格好?」
俺が答えないと、さらに質問をかぶせてくる。わかったよ、答えるからちょっと待てって。
「その制服……だよ。家に帰ってきたら、とっとと着替えろよ」
「ハァ〜〜ア?」
あからさまに大袈裟な芝居がかった声を出す妹。おまえ、もしかして楽しんでね?
「学校でも文句言われない格好なのに、なんで家で文句言われちゃうわけ?」
そりゃあ、家と学校じゃ色々違うからだよ。
「黙ってないで答えて。なんで制服に文句つけるのか」
くそっ。もういいじゃんか。なんでそんなにこだわるんだよ。
「なんで、家で制服着てちゃだめなの? なんでそんなことにこだわるのかって聞いてるの」
ぐわっ……。俺の方がこだわってる事にされちゃったよ。まあ、実際そうなんだけど……
「じゃあ、何か……お前は、学校でもそんな風にしてんのかよ」
俺は仕方なく遠まわしに話をはじめた。
「そんな風?」
「その……椅子にふんぞり返ったりさ」
「ハァ? わけわかんないんだけど。 自分の家でリラックスしちゃいけないっての?」
「そ、そんなこと言ってねえだろ! ただ、人目を気にしろって言ってんだろが!」
俺は苛っとして声を荒立てる。が妹はまったくひるむ様子なく落ち着いたトーンで言い返す。
「家の中で人目を気にしろとかマジ意味わかんない。それに、なに感情的になっちゃってんの?」
確かにこんなつまんない事で感情的になってる俺の方がおかしい。
後で思い返すとそんなふうにも思えるのだが、その時の俺は実際感情的になっていたのだ。
「だから! そんな短いスカートでふんぞり返ったりするなって言ってんだよ!」
「だ〜か〜ら〜、なんでそれが悪いのかって聞いてるんですけど?」
淡々とした妹の態度に反比例するように、俺はますます感情的になっていく。
そしてついストレートに言っちまったのだ。
「見えるんだよ! 下着が! キモイんだよ、そんなものチラチラさせられるとさ!」
くそ。こんなこと言ったら、まるで俺が妹の下着をいつも気にしてる変態野郎みたいじゃねえか……
でも、家族のそういうのって、本当にキモイんだよ。見せられたってカケラも嬉しくねえんだ。もうなんか、
ムズムズするだけっていうか……毎度ワンパターンで申し訳ないが、この感覚、
姉や妹がいる奴ならわかってくれるよな?
「よーくわかったわ。変態シスコン兄貴の変態的視線のせいで、哀れな妹は、家の中でも
リラックスできないってことよね」
「全然わかってねえっ!!」
くそう。なんか知らんが長年の努力が実った成功者みたいな会心の笑顔で勝ち誇ってやがる……
「ハァ……いつも私のひざこぞうの高さに目線を合わせて座り込むと思ったら、そういう魂胆だったワケ」
「いや、おまえだろ!? いつもこのポジションを強要してくるのはよ!」
これは確実にいいがかりだっ!
「でも、見てたんでしょ? 私のパンツ」
「見たくてみたんじゃねえよ!」
「あーあ。妹のパンチラに興奮するなんて、あんたとことん変態シスコン野郎ね……」
「だから興奮なんてしてねえっ! キモイって言ってんだよ!」
この妹は、まったく……人の話なんて聞いちゃいねえ。いい。もう知らね。なんとでも好きにいいやがれ、こん畜生。
「……いいわ。じゃあ、本当に興奮してたんじゃないって証明できる?」
勝手に言ってろって気分でこの場を退散しようかと立ち上がりかけた俺に、桐乃が突然そんなことを言い出した。
「あ? 証明?」
すると突然、桐乃はそれまでの冷静な感じとはうってかわって、激しく言葉をまくしたてる。
「そ、そう。あんたが……その……本当に私の下着とか……見て、興奮しないかどうかの証明! だ、だって、
あんたこないだも私のトイレ覗いたじゃん? あんたが妹に欲情する変態じゃないって証明されなきゃ、
私安心してこの家で暮らせないって言ってるの!」
「あ、あれは事故だろっ!」
それにお前だって、俺の見せろって言ってきたじゃん。それを言うなら俺だって言いたい事はあるぞ。
……まあ、言わないけどさ。
「へん、じゃあ、安心して暮らせなきゃどうするってんだよ」
ここらで少し強気に出てみる。このままじゃ、いいようにからかわれ続けるだけだ。
「もちろん、お父さんに言ってどうにかしてもらう」
つまり、家を出てけって事ですね。けっ、かまわねえよ。そしたら田村さん家の子にしてもらうから!
俺は毅然とした態度で妹に言い放った。
「……で、証明って何すりゃいいんだよ」
くそったれめ。
「ふふん、そうね……」
妹はソファから立ち上がり、俺のすぐそばまで寄ってくる。そしてとんでも無い言葉を放つ。
「アンタ、わたしのスカート、めくってみなさいよ」
「おまえは、バカか!」
最近、こいつ時々、ほんとにバカになってねえか? それとも単にからかってんのか?
「バ、……バカはアンタでしょ! アンタは妹の下着なんか興味ないんでしょ。
ならこれくらい、なんのためらいもなく出来るはずじゃん?」
……いやいや、どう考えてもおかしいだろ、その理屈。それじゃあ、世の兄貴連中は、
挨拶がわりに妹のスカートめくりまくってるって言うのかよ。
「あのなあ……そんなこと、出来わけねえだろが。 けっ、そんなにめくりたきゃ、自分でめくりやがれ」
俺はあきれて物が言えないという感じで両手を広げたポーズをとる。
「ハァ? なに、あんた妹にたくし上げ要求してんの? もう押しも押されもしないエロゲオタね」
「違うわっ!」
なんだよ、押しも押されもしないエロゲオタって。
「まあ、いいわ。そこまで言うならやったげる」
そう言って制服の短いスカートの裾に手を添える妹に、大慌てで制止を呼びかける。
「お、おいバカ! やめろ、バカなことすんな!」
「……なによ。あんたがやれって言ったんでしょ?」
「今はやめろって言ってんだよ!」
「いいじゃん。あんた、こないだ、私の具まで見たじゃん。いまさら下着くらいで慌てる事ないでしょ」
「ば、バカ! 具なんて見てねえよ!」
具って! どうせネットかエロ同人誌で覚えたんだろうが、こいつ、具の意味間違って覚えてやがるな?
いいか桐乃、具ってのはなあ……って、説明できるか!
「なに? 興味ないなら、目をそらせばいいだけじゃん」
「そういう問題じゃねえ!」
だから、それが出来れば苦労しないっての! ああ、もう! 何なんだよ、この会話はいったい!?
「あのね。言っとくけどね。あんたのシスコンが発覚した時から、視姦されたり着替え覗かれてオカズに
されることくらい、とっくに覚悟してんの。正直に興奮してたって言えば? そうしたらやめたげる」
「してねーよ! するわけねーだろ! 俺をなんだと思ってんだよ!」
「変態と思ってるに決まってんじゃん」
……即答しやがった。
そりゃ、こないだの時は久しぶりに夢精しちまって大変だったが……あれはオカズにしたのとは違うよな!?
桐乃は変態と言っただけでは収まらないとばかりに、さらに俺を糾弾する。
「だ、だって! ノーパソ貸したら猿みたいにエロサイト検索するし……あ、あんなキーワードで検索するし!」
ぐぅ……! そっちか……
それを言われると辛い。もしかして、こんな誤解されるのも、あの事が尾をひいてるのか?
大人びた容姿とか、趣味がエロゲとかだからつい忘れがちだけど、
こいつまだ十四歳の女子中学生なんだよな。あれからノーパソも持ち出させないし。
本気でショックだったのかもしれないなあ。だってこいつ、よく見ると今も、半分涙目だもん……
よ、よし。俺は決意を胸に立ち上がった。
「わかった……。よし、じゃあ、俺がめくってやる!」
「……え?」
桐乃が豆鉄砲を食らった鳩のような顔をする。
「なんだよ、自分で言い出しておいてその顔は。俺がおまえのスカートめくってやるって言ってんだよ!
そんで、俺が妹の裸や下着やふとももなんかじゃ一切興奮しない健全な兄貴だって証明してやる!
そしたらおまえも安心だろ?」
「う……うん。それは、そうだけど……」
このやりとりもやっぱりおかしいのだが、この時俺はテンパりすぎててそんな事に気づく余裕はなかった。
「じゃ、じゃあ、いくぞ」
「う、うん……」
そして俺は、生まれて初めて女の子の……もとい、妹のスカートに意識的に手をかける。
だ、だめだ。心臓がバクバクしてやがる。桐乃の表情を伺おうとも思ったが、とても直視できん。
「ね、ねえ……」
震えているような妹の声に、薄目で妹の顔を見る。そこには紅潮した頬。潤んだ瞳。
いつかの嘘告白で俺をからかった時と同じ感じ。しかし、それを見た俺は、またからかわれてると疑うよりも、
素直にその妹の反応を……
……え? 素直に、何? いったい俺は何を考えてるんだ?
そんな迷宮を彷徨うような俺の思考は桐乃の呼びかけによって引き戻される。
「あ、兄貴。あのね……」
少し艶みを帯びた妹の声。
「な、なんだ……?」
ゴクリと生唾を飲み込む俺。
「その……お願い。やさしく……して?」
ドクンッ! 心臓が早鐘を叩くように激しく鳴り響く。全身の血が沸騰し、頬がかっかと燃え上がる。
「あ、ああ。わかってる」
そうは言ったものの、俺の頭はその時なにもわからなくなっていた。
「いくぞ……桐乃」
「う、うん」
ス――ッ 音も立てず静かに俺の腕が持ち上がる。ほんのかすかな重みでスカートが持ち上がってるのを感じる。
クッ。
すこし手にかかる抵抗が強まった。角度的にもう俺の手は桐乃の腰のあたりより高くなっているはず。
もはや下着は丸見え、下手をすると下腹のあたりまでめくりあがってるかもしれない。
「……」
「……」
二人ともしばし無言。先に口を開いたのは桐乃だった。
「あ、兄貴。み、見てる?」
「ば、バカ! 見てるわけねーだろ?」
俺はしっかりと目をつぶっていた。それがわからなかったと言う事は桐乃の奴も目をつぶっているのだろうか。
「バ、バカはどっち!? み、見なきゃ意味ないじゃん」
「そんな事言ったって、おまえ!」
む、無理。なんだかわかんないけど、これ以上は絶対無理!
そんな風に二人してテンパっていたから、ほかの事なんて一切、耳に入ってこなかったのだ。
そう、家の扉が開く音も、リビングのドアノブがガチャリと回される音も――――
ソファに座ったスカートの中身が見えるって
座高が異常に低いかソファが以上に高いかのどちらかだな
「ふう〜疲れたわ〜。なんだ誰もいないかと思ったら二人ともいるんじゃない。……って、きょ、京介!」
「え……? な、なんだおふくろか。お、お帰り」
助かった。これでこの心臓に悪いイベントも終了だ。その時の俺は間抜けにもそんな安堵の表情で、母親を見た。
「おふくろじゃないでしょ! あ、あんた妹にいったい何してんのよ!」
「え? 何って……」
そこでようやく我に返る俺。正面をみると、直立不動、顔を真っ赤にして目をキュッと閉じ、まったくの無抵抗で
スカートをめくりあげられている妹。そして、それをめくりあげているのは……
ええっ!? お、俺の手?
「う、うわああああっ!」
あわててその場を飛び退る俺。その俺の叫び声に、きょとんとした顔で驚く桐乃。
そして、驚きの表情からまたたく間に怒りの形相へと変わる母親……
「きょ、京介……あんたって子は……」
こええ。こんな恐ろしいおふくろの顔見るの、小学生の頃以来だ。
「ち、違っ! ご、誤解だ、誤解なんだ。なあ、桐乃?」
「……ふぇ?」
だめだ。コイツ。呆けてやがる。
「どういう風に誤解だっていうの? 妹に破廉恥なことして、妹泣かして!」
「いや、本当に誤解なんだ。話を、話を聞いてくれ!」
いつも泣かされてるのはこっちだっての! くぅうう〜〜〜っ!
「……で、最初から話してもらいましょうか。どうしてこんな事になったわけ?」
「そ、それはだな。えーと……」
しまった。落ち着いて話せば誤解は解けると思ったのだが、考えたら誤解部分があまりない。
(妹のだらしない格好を注意してたらスカートめくりあげることになってしまいました)
……だめだ。こんなわけがわからない話、信じてもらえるわけがねえ。
「桐乃、あんたは自分の部屋へ戻ってなさい。あんたにはあとで話聞くから」
げ。さすが刑事の妻。尋問の仕方がわかってる。これで口裏合わせを出来なくなっちまった。
もっともあの妹が俺に協力して合わせてくれるとは限らないわけだが。
桐乃が素直に母親の言葉に従いリビングから出て行くと、ついに俺への尋問がはじまった。
「あんたくらいの年頃の子が、女の子に興味持つのは当然だわ。で、家の中に桐乃みたいな見てくれの子がいたら、
そりゃ、いろいろ考えちゃうのも無理はないのかもしれない。でもね、妹なのよ? ゲームじゃなくて、本物の妹よ?」
「わ、わかってるって。あたりまえだろ」
なぜか、そう答える俺の言葉は自分でもそれとわかるくらい弱々しかった。
ところで、俺がエロゲやってる話、きちんとおふくろまで伝わってたのな。突っ込まないけどさ。
「じゃあ、どうしてあんなことしたの? それに、なんで桐乃は素直にされるがままになってたのよ?」
「……」
なんて答えていいのかわからなかった。実際、本当に俺自身、なんでこんな事になってしまったのかよく
わからなくなっちまってたからだ。
「ねえ、京介。まさかとは思うけど、あんた桐乃を……その……」
お、おい。おふくろ。いったい何を言うつもりなんだよ。そんなわけないだろ。ありえないだろ。
ば、馬鹿なことを口にするのはやめてくれ……!
「あんた、桐乃の弱みでも握って、それであの子を脅かしてたりしないでしょうね?」
「してねえよっ!」
俺は身を乗り出して否定した。弱み握られてるのはむしろ俺の方だっての!
「そ、そう? そりゃ母さんもあんたがそんな事する子とは思ってないけどさ……」
ほんとかよ。思ってなくて、なんでそんな思いつきが出てくるんだよ。実の親からそんな目でみられてたなんて泣きたいよ。
「じゃ、じゃあなんで桐乃はおとなしく、あんたにあんなことされてたわけ? 母さんが納得できるよう説明してよ〜」
おふくろはおふくろで、今にも泣き出しそうな声でそう言った。
「……」
結局、再び答えに窮する俺。まるでいたずらを見つかって叱られているガキみたく、口を真一文字にして黙り込む。
まあ、みたいってより、まさにそのままいたずらを見つかって叱られているようなものなんだけど。
「ねえ、ちゃんと答えてくんない? でないとお父さんに相談しないとならなくなるわ」
親父に言いつける。
これは、俺がガキの頃からの母親の切り札だ。俺はこの方法でなんども口を割らされてきた。そしてその方法は
今の俺にもそれなりに有効なのだ。
「ゲ……ゲームだよ」
「ゲーム?」
「ああ。お、王様ゲームってあるだろ? あんな感じの奴……で、スカートめくらせろって言ったら
桐乃の奴、降参するかと思ったら、そっちこそそんな事できるのか、みたいな感じになって……」
そんな嘘の言い訳をしながら、俺はとてつもない罪悪感にみまわれていた。
なんなのだろう、この罪悪感は。この罪悪感は、『誰』に対しての物なのだろう。
「……はあ、あきれた。まあ、リビングでやってたくらいだから? そんな怪しいものじゃないとは思ってたけど」
意外にもおふくろは、簡単に俺の話に納得した。もしかすると納得したふりをしてるのかもしれないし、
本当に納得してしまってるのかもしれない。おふくろにしたって、妹を脅して悪戯するような息子は望んでいないはずだ。
だから、それを合理的に否定してくれる言葉なら素直に信じてしまえるのではないだろうか。
今の俺にはそういうことがよくわかる。なぜわかるのかは判らないけど、なぜかわかるのだ。
「でも、今後、こんな馬鹿な事はしないでよね。あんただって、いつムラムラってくるかわかんないでしょ?」
「こねえよ! 妹だぞ!」
チクリ。再びわきあがるもやもやとした罪悪感。
「ま、いいわ。じゃあ、桐乃を呼んで来て。一応、あの子からも話聞いておきたいから」
「え……?」
そうだった。この尋問は口裏合わせが出来ないようになっていたのだ。
もっとも、俺に桐乃を呼びにいかせたところを見ると、おふくろの方にはそんなつもりないのかもだが……
「おい、桐乃。おふくろが呼んでる」
妹の部屋をノックすると、珍しく静かに扉が開いた。
「……」
無言で出てくる妹。そして俺の方を、何か言う事はないのかと言った風な様子で伺う。
……王様ゲームで意地張り合った結果だって言っておいたから。
そう伝えて口裏を合わせるよう言おうかと一瞬思ったが、結局それを口にすることはできなかった。
さっきから感じているもやもやした物がそれを邪魔したのだ。
桐乃がおふくろにどんな風に話すのか。その結果、俺の嘘がばれるのか。
そんなことは、とりあえずどうでもよくなってしまうくらい、このもやもやの正体が気になって仕方がない俺だった。
結局、その日の夕食ではこの話は出なかった。どうやら親父まで話が行くことは無かったらしい。
しかし、夕飯の後、部屋に戻ろうとする俺はおふくろに呼び止められた。おふくろは上機嫌でけらけら笑いながら言った。
「あんたね。三つも下の妹に、いいようにからかわれないようにしなさいよ。まったく、だらしないわねえ」
おふくろの言ってる意味はよくわからなかったが、どうやら桐乃はうまくごまかしたらしい。
「あ、ああ。面目ねえ」
ひきつった作り笑いを浮かべて、そう返事をして俺はその場を後にした。
「桐乃、おまえおふくろにどういう風に話したんだよ?」
次の日の朝、今から登校しようとしている妹と玄関で顔を合わせた俺はそう尋ねた。
「ハァ? そのまま話したに決まってんじゃん」
妹が言うには、別々に問いただされるあの状況で嘘をついてもすぐばれるだろと言う事だった。
「私はあんたが下手な言い訳でもして口裏あわせてくれと泣きついてくるかと思ってたんだけどね〜」
何も言わなかったから、俺もそのまま話したのだろうと桐乃は思ったようだ。
でも、あの時の事をそのまま話して、おふくろがあんなにすっきり納得するものなのかね……?
ま、いっか。とりあえず丸く収まったものを下手に掻き乱す必要はねえ。
そう思ってその場を去ろうとしたのだが、妹に呼び止められた。
「……アンタにひとつだけ言っておく事があるんだけど」
うっ、なんか嫌な予感。まさか、また人生相談か?
するとおもむろに、桐乃は自分でスカートのすそをひらりとまくってみせた。
「お、おまっ!」
しかし、スカートの下にちらりと見えたのは黒い少し厚めの生地の物で、下着とは少し違っていたようだった。
「……私、学校じゃ見られても大丈夫なの穿いてるから」
は? 俺は一瞬、桐乃が何の話をしているかわからなかった。
「ア、アンタが何か気にしてたみたいだからさ。そんだけ」
そういうと桐乃はさっさと家を出て行った。
「……見られても大丈夫? いわゆる見せパンってやつか? でもなんで突然……?」
俺は朝食を食べ終わり、これから家を出ようかという段になって、ようやく昨日、自分が桐乃に言った事を思い出した。
『お前は、学校でもそんな風にしてんのかよ』
『その……椅子にふんぞり返ったりさ』
ふん。あいつ、何か勘違いしやがったな。誰もそんな事、気にしてねえっつーの。
家を出て少し歩くと、いつもの場所で幼馴染が待っていた。
「おはよ、きょうちゃん。……あれ? どうしたの? 朝からニヤニヤしちゃって」
(終)
バカな!?
本編そっくりの終わりかだだと!?
まさにエロパロでしたGJ
109 :
名無しさん@ピンキー:2009/05/08(金) 02:15:06 ID:n1ZLUBdk
おおお、神 降 臨 !
GJ
この兄妹はもう駄目だ…
伏見こんなとこで何書いてんだよwww
GJ過ぎるぞ、こんちくしょうw
は?エロシーンは?
俺のログには何もないな
俺既に4巻読んだ気でいるよ…
GJ
116 :
名無しさん@ピンキー:2009/05/11(月) 01:46:39 ID:vwHXzeYZ
保守
きりのがデレる話が読みたいお
既にデレててキモウトの域に入りつつあるようにしか見えない
本編は京介視点でしかないから、他者の目から見るとすんごいデレまくって
見えるのかもしれない
あやせ視点とかな。
なんだ、夢か
ショボーソ
作者は、桐乃が水ひっかぶったのは京介をラブホに連れ込むためと読んでくれるといいなとか
アキバブログ掲載のインタビューで言ってたぞw
作者の言葉でもにわかに信じられない。ま、それくらい穿って読んでねってだけの意味かもしれんが。
そう読んだら台無しじゃねーかw
いや待てよ、小説の参考にするために性行為までするつもりだったと考えれば…ふむ
あっこらへんのプロ意識の高さが桐乃唯一の「美点」と言ってもいいくらいなのになw>台無し
でも本当に、あのシーンにそんな裏があったら作者があんな場で明かしたりしないと思うんだよねー。
むしろ、他のシーン、特に人生相談シーンとかを京介と接点を持つための口実にしてると読んでねって意味かなあとも思ったり。
もちろん、正確なとこはわかんねえけどさ。
アレは、京介が「プロ意識の高さ」ってことで自分を納得させてるだけにすれば
台無しって程でも無いと思う
お兄ちゃん好き好きな展開はまだですか?
何も言われずとも
>>123や
>>125のように思っていた俺。
うん、何でもツンデレ脳内変換しちまうんだorz
>>123みたいにデフォで読めってんなら、
妹ゲーを薦めてるのも当然策略ってことになるよなあ。
ただ、兄貴と仲良くしたいだけなら、普通にやさしく接してやるのが一番なわけだがw
やればできるんだろ? そういう人付き合いも。
あれ、ここってエロパロだよな?
優しく接したいけど、無理なので性的に接してみた
、というのはありか?
「ねぇ」
「ん?」
「一緒に……お風呂、入らない?」
「……はあ?」
とかか
それかなり良いです
続きまだッスか?
134 :
名無しさん@ピンキー:2009/05/17(日) 22:44:05 ID:BGlR8WuI
age
マーダー?
風邪ひいちゃうよ〜
人生相談、最後だから。
あいつがそういってから一週間。
俺達の関係は今までと変わらないままだった。
相互不干渉。
休日の図書館の勉強会、麻奈美と別れて帰宅したが、相変わらず妹様はリビングのソファを占有していらっしゃる。
どうやら話し方から察するに電話の相手は「表の友人」の様だ。
形式程度にただいま、と呟くと、親父譲りの鋭い眼光で俺を睨み返しやがる。
俺の声が電話の向こうに伝わるのも嫌そうに眉をひそめる。
なんだよ。
最後、なんだから、一刻も早く俺を解放してくんねーかな。
ちっ。
こういう時に限って、両親とも久し振りの夫婦水入らずの温泉旅行だそうだ。しかも、桐乃からのプレゼントだとか。
出立前のお袋の嫌味を思い出し、げんなりした俺はさっさと自室に引き下がる。
やることも無いので、桐乃が無理矢理貸したままのパソコンで、シスカリのオンライン対戦に挑む。
なんで妹物のエロゲーなんかやらなくちゃならないんだ?と呟きながら、次々とオンライン対戦者に挑んでは……負け続けた。
まったく、ゲームでも俺は妹様に勝てないのかよ?
そうこうしているうちに、夕食時になる。
我が家の親父様は7時には帰って来て、一家で食卓を囲むのが習わしとなっている。遅れると、夕食抜きだ。
ヤバい。
つい、階段を駆け降り、テーブルについたが、
……考えてみたら両親とも出掛けてるじゃん。
軽く脱力した俺は微妙な違和感に包まれたが、その時はあまり気にしないでいた。
テーブルには、二人分の食事、のようなもの、が並んでいた。
のようなもの、
ってなんだよ、って感じだが、他に表現しようがない。
少しゆるい感じのご飯に、味噌汁、軽くコゲた……これはアジの干物、だったものか?
それと、お袋が作り置きしていったのだろう、きんぴらごぼうと、菜物のおひたし。
それと水切りの甘い冷や奴。
しえん!(・ω・)/
おそらく、この製作者とおぼしき唯一の人物の姿が、そこには見受けられない。
なにやってるんだ、桐乃は?
風呂場の洗面台の辺りで、なにやら水の流れる音がする。
ん?
なにやってんだよ?夕飯だろ?
呼び掛けるが、
返事がしない。
慌ててドアを開けると、水の流れ続ける洗面台の前にに桐乃が、居た。
顔面蒼白で、へたりこみながら。
妹の手首から先は水面に浸かっていた。
鮮やかな緋色の中に。
おい!桐乃!
冷静さを失った俺は桐乃に駆け寄る。
青息吐息とはこういうことか、と、言わんばかりの妹の体温は少し、低い。
ますます落ち着きを失った俺は、桐乃!桐乃!と、妹の名を叫ぶ。
ふっ
と、桐乃が薄目を開いて、
兄貴…
と、呟いた。
ほっ
とした俺はまず、妹の手を水の流れから現世に引き戻す。
リストカット
ではない。
単なる包丁傷だ。
なんだよ。
思わず口をつく、安堵と怒りとない交ぜになった言葉。
見ると、桐乃は薄いキャミ一枚。
さっきまで袖を通していたブラウスと、丈の短いスカートが血塗れで脱ぎ捨てられている。
抱き抱えた妹の身体は、濡れそぼり、少し甘い匂いと、
それから血の臭いがした。
げし!げし!
衝撃音と共に、みぞおちと股間にに痛みが走る。
いってえええ!
なに?なんなんだ?
……どうやら妹様が意識を取り戻した様だ。
開口一番、俺に罵声にならない罵声を浴びせた桐乃は、もう一度自分の姿を鏡の中に認めると、実にあられもない姿を晒していた事に漸く気付いたのか、
早く出ていけバカ兄貴!
と、何時もの元気?を取戻し、俺を洗面所から叩き出す。
まったく、なんだっていうんだ、いったい。
かぶりを振りながら、桐乃が、おそらくは、食卓に並んだ料理と呼んで良いのか少し悩む物を作りながら、包丁の扱いを誤って怪我をしてしまったのであろう事に思い至る。
まったく
どうやら、我が家のスーパー妹様にも、苦手なものがあるらしい。
結構ケータイから文章書くのって大変ですね。
続きは風呂上がりにでもパソから。
あんまし上手くなくてゴメンね
とりっぷ?ついたかな?
続きキター
マーダー?
翌朝、いつものように麻奈美と登校するために、田村家に向かう。
「おはよう、きょうちゃん!」
ほんと、こいつはいくつになっても変わらないよな。
あいかわらずゆるい笑顔で俺を迎えた麻奈美が、
すこし技とらしくふふん、と言って、ちょっと得意げにしている。
「ん、なにかあったのか?」
おそらく、なにか俺に話したいことがあるのだろう。
多分、何の変哲も無い、本当に普通のことなんだろう。
だけど、それが俺には心地良いのだ。
特に昨日のようにドタバタした日のあとは。
「えへへ、きょうちゃん、昨日、桐乃ちゃんの手作りのお夕飯だったでしょ?」
え?
なに?
なんでお前、俺の昨日の夕飯のこと知ってるの!?
軽くぱにくりつつ、麻奈美から事情聴取をする。
なんでも、昨日、麻奈美の自宅に置きっぱなしの携帯に桐乃から電話があったそうだ。
もちろん、
人生相談、
ではない。
いわく、桐乃は料理、というか、家庭科全般が比較的苦手らしい。
もっとも、「なんでもできる」と、周囲から期待されている桐乃は、
それなりにコンプレックスのようなものを感じていたらしい。
もっとも、我が家では専業主婦のお袋が家事全般を取り仕切っている。
そんなわけで桐乃の出番も無く、また、学業や読モの仕事で忙しい桐乃は、
ついぞ料理などをする機会に恵まれず、今に至ったわけだ。
とはいえ、両親不在の中、宅配ピザや店屋物というわけにもいかず、
仕方なく、家事全般が得意そうな麻奈美を頼ってきた、というわけだ。
確かに、麻奈美の家は和菓子屋で麻奈美も良く家業を手伝っている。
もちろん、両親が忙しいときは祖母と一緒に料理を作ることも多く、
自然、料理の腕も磨かれてくるというもの。
この間田村家に泊まった時には麻奈美手作りのささみのカツを振舞われたが、
実際、美味かった。
まあ、確かに昨日の夕飯はやたら和風の料理?だったものな。
味は散々たるものだったが。
「ねえ、きょうちゃん。桐乃ちゃんって忙しいんでしょ?
もし良かったら、お夕飯、私が作りにいこうか?」
ちょっと下のほうから俺を見上げるようにして、麻奈美が提案をする。
ほんと、こいつは俺に懐いてる、なんていうか、こう。
「あ?うーん、それは助かるんだが。。。」
事実、昨日の一件で俺は桐乃の後始末をさせられて、ずいぶん大変な思いをした。
絆創膏に着替え、それも妹の部屋には入るな、ということで、
俺のTシャツを奪われ、さらには料理が美味く食べられないからと。
実に、大変だったのだ。
「そうだな、そうしてくれると助かるな。あいつ、料理ぜんぜんダメだし。
今朝の朝飯は俺が作ったんだが、桐乃の奴、美味くないからって食べようともしねーし」
どうやら妹様には俺の作った目玉焼きとトーストにはご興味を示していただけないようで、
また、今日は具合が悪いので、と、少し遅れて出て行くといっていた。
本当は包丁傷を他人に見せたくないからだろう。
「それでね、この間、きょうちゃんと約束、したでしょ?
今度、きょうちゃん家に泊まりに行くって?
丁度ご両親も居なくて、いろいろ大変でしょ?
だから・・・だからね、えへへ。」
・・・どうやら麻奈美はそのままお泊りしていきたいらしい。
「いや、まずい、それは、すっごーく、まずい」
さすがに妹が居るとはいえ、若い男女が同じ屋根の下、枕を並べるというのは、ひっじょーにまずい。
「えー、
だって、この間きょうちゃんと一緒に寝たじゃない。」
うわあああああ、何を言い出すんだ。
そりゃま、確かに、俺、お前の家に泊まって行ったよ?
だけど、あれ、おまえの爺さんの死ぬ死ぬ詐欺や、
ばあさんの要らぬ気づかいのせいだよ?
俺、そんなにやましいことしてないよ?
「わ、ちょ、っちょ、まて、麻奈美」
思わずあわてる俺の背中に、なにやらプレッシャーを感じる。
そこには、桐乃が、居た。
一瞬俺を蔑む様な眼で見た後、麻奈美に気づかれてはならないと、
すこしつんと澄ました様相をつくっていた。
さすがに陸上部の朝錬は休みをもらったが、
いくら怪我をしたとはいえ、桐乃は優等生で居なければいけない。
無遅刻無欠席程度は親父と桐乃の間の当然の取り決めだ。
両親不在の間とはいえ、それを破ることは桐乃にはできないのだ。
本当に、こういうところは親父譲りなんだよな、こいつは。
「おはよう、桐乃ちゃん」
そんな桐乃に物怖じせず、というか、気づかないのか、麻奈美は桐乃に声を掛けた。
「ねえ、お魚、美味く焼けた?あれはね・・・」
と、おばあちゃんの料理教室の時間が始まる。
笑顔で麻奈美に答える桐乃。
でもこいつ、ほんとは麻奈美のこと、嫌いじゃなかったのかな。
いつも俺が麻奈美と一緒にいる様子を見ては、キモいだの何だの文句をいうんだが。
その後、急ぐからと、桐乃は俺達を残して、さっさと学校に向かっていった。
俺と麻奈美も、遅刻するわけにも行かないので、学校へ向かった。
いつもの教室、いつもの風景、普通の生活、普通の俺。
何事も波風たたず、平穏であることが一番だ。
考えてみれば、桐乃の人生相談。
あれは俺の人生に立った波風そのものだった。
わざわざ、その最後の人生相談に、こっちから踏み込んで、
嵐に流されることはない、そうだろう?
そして放課後、いつものように図書館で麻奈美に勉強を教わった帰り道、
俺と麻奈美は珍しく独りで帰る桐乃の姿を見ることになった。
なにか、すこし、思いつめた様子で、すこし、肩を落として。
指先の絆創膏が、
痛々しかった。
「きょうちゃん、桐乃ちゃん、元気、無いみたい」
それは、俺にだってわかる。
あいつ、指の怪我で料理ができないことがばれたか何かで、落ち込んでたりするのか?
誰からも、何でもできると、思われている、妹。
両親からも、殆どの友人からも。
確かに、そうだ。
あいつは、何だってできるし、そのための努力も欠かさない。
ただ、あいつの特殊な趣味と同様に、数少ない、どうにもならないこともあるのだろう。
それを、
俺だけが、
知っている。
素直になれない妹、か。
支援しえーん
俺はまた、いつの間にか下唇をかんでいた。
「なあ、麻奈美。」
「なぁに、きょうちゃん」
「悪い。お泊りは無しだ。また今度、お前ん家に行くよ」
いつかと同じ「ん、わかった」という麻奈美の声に送り出されて、俺は桐乃を追いかけた。
いつかと同じ「がんばってね、お兄ちゃん」という、麻奈美の声を背に。
「桐乃!」
元気がないとはいえ、あの桐乃だ。
意外に追いつくのに時間がかかり、気がつけば家の前に居た。
俺の声に一瞬びくついた桐乃が、ふ、と、振り返る。
一瞬、
本当に一瞬、
桐乃の頬に、喜びとも哀かしさとも取れない表情が浮かんで、
そして消えた。
「は?」
「なに?どうかしたの?」
あ、あっれー?
あ、あっれー?
どんどん文が短くなってるぞ?
「え、お前、料理ができなくて、落ち込んでたんじゃないの?」
つい、思ったままを言ってしまった俺に、切り返す桐乃。
「は?
誰が?
なんで、このあたしがほんの些細なとるに足りない失敗をしただけで落ち込むっていうの?
たかが料理じゃない?それくらい、
それくらい、
ちょっと
練習すれば、
練習すればできるようになるんだから。
なによ!
そんなに女の手料理が食べたいなら、あの地味子にでも作ってもらえばいいじゃないの!
そんで、
そんで、
そのままお泊りとかして、
そのまま、
せ、せ、セックスでも何でもしちゃえばいいじゃないの!!!!!」
おおおおおおおい!!
俺の心の声を余所に、もはやとどまることを知らない桐乃は、言葉を続ける。
「なによ、大体、朝から盛りのついたカップルみたいにいちゃいちゃしていやらしい!
今朝だって、あの地味子がお泊りにくる相談していたんでしょう?
そうでしょう?
そうなんでしょ!
あたしが居るのにぃ!
あたしだって、料理くらい、できるんだから。
そりゃ、ちょっと下手だし、ちょっとお魚だって焦がしちゃったり、そりゃ・・・」
「おいちょっと、落ち着けよ、桐乃。ご近所さんの手前・・・」
もはや収集がつかない状態に陥りつつある俺、じゃない、桐乃、じゃない、俺。
「な、桐乃、ちょっと落ち着けって」
ご近所さんが出てきている。
もっとも、どうやら俺達を見て、というわけではないらしい。
春雷と共に、やってくるかもしれない、にわか雨から、洗濯物を取り込むためのようだ。
空は、どうやら、桐乃の心を写して雨を落とすつもりなのだ。
ぽつ、
ぽつ、と、落ちる、雨。
そんな中、妹の手を引き、なんとか家まで引っ張っていこうとする俺。
だが、全力で抗おうとする桐乃。
少しずつ、空は雨を落とす。
「いや!汚らわしい!
さわんな、バカ!
あの女とつないだ手であたしに触れんな!
あの女の髪に触れた手であたしに触れんな!
あの女を抱いた手であたしに触れんな!!!」
桐乃の心を表すように、雨は落ち、そして桐乃の涙を覆い隠す。
雨なのか、涙なのか、
もう
わからない。
だけど、俺にはわかるんだ。
俺の妹が、今、泣いてるってことが。
雨は全てを流し去る。雨は全てを覆い隠す。
「……くちゅっ!」
まだ、春先、雨が桐乃の体温を奪ったのか。
聞き覚えのある、小さなくしゃみをする。
「雨で・・・・・・・
雨でずぶ濡れになったアタシを、
あんたは、どうする
……くちゅ!」
デジャブに似た感覚。
もう、わかっている。
寒さからか座り込んだ桐乃を、俺は抱き起こす。
「シャワーで、温める、だろう?」
さすがにラブホ、というわけにはいかない。
ここは住宅街だし、
大体において、我が家の前だ。
「一緒にお風呂、入ろう、な」
「……うん」
言葉すくなになる二人
さて。
我が家のお風呂は、24時間風呂になっている。
元来は親父が一番湯につかる、というのが、我が家の風習だったが、
桐乃が陸上を始めて、良く汗をかいて帰ってくることが多く、
お袋が娘のためと、意外に経済的と近所の奥様方に聞いて、
親父を説得して導入したものだ。
せっかくなのでと、機能の多いものを買ったため、
ジャグジーのように使うこともできる。
そんなわけで、お風呂、といったら、すぐに入ることもできるのだが、
ひとつだけ、問題がある。
桐乃が手に怪我をしていることだ。
お湯がしみるらしく、やっぱり痛い、とこぼすのだ。
「そうだよなあ。ぬれないようにするのがいいんだけど。」
そこで、桐乃から提案されたのが、家庭用のサランラップで防水する、というもの。
桐乃はあまり縁が無いのだが、陸上競技で擦り傷をつくってしまうことがある。
そういうときに、簡単な防水対策として結構活用されているというのだ。
確かに、これは便利だ。
ただ、一点だけ問題があって、
つまりこれ、桐乃は自分の身体を自分で洗えないんだよね。
「あんたがさっさとつれてかえってくれなかったから、アタシが濡れる羽目になったんじゃない。責任取りなさいよね?」
……俺の妹はずいぶんと過酷な要求をしてくださる。
「わーったよ、ちょっと待ってろ」
仕方が無いので、キッチンからサランラップを持ってくる。
「くちゅ!」
ちょっと真剣に震えている桐乃。
まだ絆創膏に血がにじんできている。
痛々しい。
まず、妹の着ている服を脱がさないことには、どんどん体温が奪われていくことになる。
「……脱がすぞ」
妹様は、こく、っと、頷くだけで、
俺を受け入れているのか、
それとも、
下男を見る高貴な女性なのか、
判別つけ難い目で俺を見る。
俺にとっては、ただのかわいい「妹」に違いない。
だから、彼女の服を一枚一枚、剥ぎ取る。
スカートが、ブラウスが、俺の手で一枚ずつ取り除かれる度に、
俺の手の中の冷たさが、妹の身体からはぎ落とされる。
「んっ……」
恥じらいとも、くしゃみを我慢するとも判別つかない音が妹からする。
寒さから開放されてほてっているのか、上気しているのかわからない熱で妹の耳が赤くなる。
「寒いか?」
ちょっと間の抜けた言葉を掛けないと、やっていられない。
俺は、こいつの、兄貴なのだ。
「ちょっと……寒……い……くちゅ!」
ゆっくりしていると、風邪を引きそうだな、と、
ちょっとピントのずれたことを考えて、いそいそと妹の服を脱がす。
ブラを、ショーツを。
全てを剥ぎ取った妹の肢体に思わず見ほれてしまう。
だって、仕方ないだろう?
こいつは、丸顔ってことを除けば、昨今女子人気No.1の読モ様だ。
おまけに、学業優秀、スポーツ万能、品行方正。
そんな女の露わな姿を見て、感じない男は居ないだろう?
いつか妹が恋をして、いざ相手がこいつのことを見て、何も感じないなら、
そいつは聖人君子であると言いたいね!ここに居るけどね!
だってそうだ、俺はこいつの兄で、つい最近まで、俺の妹がこんなにかわいいわけが無い、って信じていたくらいなんだから。
桐乃の服を脱がせた後、やらなければいけないことがある。
まず、彼女の身体から、雨をぬぐってやることと、
雨で濡れて汚れた手指を洗ってあげることだ。
服を脱がせたとはいえ、身体が濡れていれば濡れているだけ、雨は体温を奪い続ける。
また、絆創膏で覆っているとはいえ、指先に染みた雨のせいで傷口にばい菌が入るかもしれない。
ちょっと、かわいそうだな。
「桐乃、ちょっと身体拭くぞ。くすぐったかったら言うんだぞ」
と、つい、アホなことを言ってしまったが、桐乃の目が、なにか懐かしいものを見るような目で、俺を見ている。
「うん、お願い、兄貴」
「……ん?」
ふかふかのバスタオルで、桐乃の身体をふいてやる。
まず、いまどきの女の子を演じるために染めた長い明るい茶色の髪。
濡れそぼって、少し重い色になった彼女の髪。
「なあ、桐乃。」
「なに?」
「俺が女の髪を触るのって、お前が初めてなんだぜ」
「……そう?」
「ああ」
彼女の湿り気を移したバスタオルで、続いて、顔と、肩と、背中と、拭いてやる。
ちょっとくすぐったそうにしている妹に、なぜかノスタルジックなものを感じる。
むかし、こんなことがあったっけ。
彼女の足を拭いてあげる。
ちょっとくすぐったそうにしている。
かわいい。
いやいや、まてまて、こいつは、そんなかわいいもんじゃない。
案の定、俺をこづくようにする。
何だよおまえ。。。
「ね……ちょっと、お願い」
「……な、何だよ?」
「ふ、拭けてない、じゃないっ!」
「あ?」
「お尻とか、ま、前とかぁ!」
そうですね、確かにそうですね。
でもね、兄としてちょっと自重してしまったんですよ。
お風呂に入れば一緒じゃない、って。
「あ、ああ」
大分妹の水気を吸ったバスタオルを変えて、
新しいタオルで桐乃の繊細な部分を拭く。
もちろん、繊細な部分だから、優しく拭いてあげないといけない。
「ぅ…」
フェイスタオルで胸元を拭いたときに、あまったるい匂いと、あまったるい声を上げる。
ヤバイ。
おれは、
桐乃の
お兄ちゃんだ。
OK,OK.落ち着いたぞ。
しかし、こいつ、結構綺麗な身体してるんだな。
陸上部で読モってなれば、多少控えめとはいえ、
やっぱちょっといいおっぱいしてるんだな。
年間通して、軽い小麦色の肌も、外での活動のため。
乳首もピンクから薄いピーナツバターっぽい色で、
ちょっと見ほれてしまう。
つい、丁寧に拭いていたら、妹様からクレームが来た。
「ちょっと、いつまで人のおっぱい触ってるの?」
「うわああああ」
つい、後ずさった後、今度は動揺しないように、
お尻と、あとその、
前のほうを、なるべく見ないように拭いてあげる。
どうしても見ないようにすると、桐乃の肌に触れてしまう。
やわらかくて、すべすべしてる肌に。
そのつど、小さく声を漏らすのは、俺の精神衛生上よくない。
続いて、手指の処置だ。
まず、こういう傷は、清潔にしておかなければならない。
雨で濡れてそのままってなったら、やっぱり、よくない。
特に桐乃はモデル業もやっている。
傷になったらかわいそうだ。
なるべく綺麗に直すために、まずは、絆創膏をはがして、綺麗に洗ってあげないとならない。
ちょっと痛いかもしれないのがかわいそうだが、そうすることを告げると、こく、とうなづいた。
ただ、面と向かってというのが恥ずかしいらしいのと、
少し寒いのとで、後ろからやってくれ、という注文だ。
それと、自分だけ脱ぐのはフェアじゃないので、
お前も脱げ、とのことで。
数秒間悩んだ挙句、自分の理性を信じて、半裸になった。
手指を洗うために、洗面台の前に立つ。
桐乃の背中側から手を伸ばし、彼女の手元を洗う。
ただ、この姿勢をとるためには、どうしても密着しなければならない。
妹になにを言われるかわかったものじゃないが、せめて後ろからということで納得してもらっている。
ふと、触れ合う妹の背中と、俺の胸。
俺の鼓動と、妹の鼓動。少し妹のほうが早い。
俺の胸も同調するように鳴りそうだが勤めて平静を装い、
「痛くないか?」と、声をかける。
ちょっと痛いのか、一瞬表情を厳しくするが、どうも身体が触れている安心感から、
痛くても大丈夫と思ってくれているのだろう。
傷口を洗い、また清潔な絆創膏をはって、こんどはラップでくるであげないと。
そう考えていた矢先、妹が「きゃ・・・」と、女の子のような声を上げる。
どうやら、鏡に映った俺達の姿が、ちょうど、その、後ろからやってるように見えてしまったらしく、
みるみる顔が真っ赤になっていくとともに、少しだけ、女の匂いを立ち上らせていた。
なんとも言えず淫靡な愛液の匂い。
桐乃はそれも恥ずかしいらしいのだが、もはや言い訳も利かず、なされるがままだった。
彼女の傷口は両手だ。ラップで覆ってあげる。多分これで防水はばっちり。
ただ、問題は、風呂で妹が手が使えないんだよね。
「……じゃあ、ちゃんとお風呂に入れてよ。
あ、でも、前からはやだから。
前からだと見えちゃうからやなの。」
へいへい、もう、仰せのままに。
ここまでくればもう覚悟は決まっている。
それに、少し冷えたようなので、後ろから抱きかかえるように、浴室に連れて行く。
終始上気した表情をした桐乃だったが、一緒にお風呂に入る、というところで、
ちょっとだけ、そう、ほんのちょっとだけ、幼さを取り戻したようにも見えた。
「ねえ、お兄ちゃん、桐乃のこと、ちゃんと洗ってちょうだい」
「ああ」
一瞬と惑いつつも、なぜか、思い出の中にある言葉。ノスタルジーなのかもしれない。
もしかしたら、昔仲が良かったころ、一緒にお風呂に入ったりしたのかな、俺達。
いつもより幼い表情で、前からは禁止だからね!という桐乃
なので、後ろからまずシャワーを浴びせるのだが、どうしてもくっつかなければならない。
まず、長い髪、肩、背中と洗い、見えないように前のほうを洗わなくちゃならない。
「ちょっと前から洗うぞ?」
「ん」
後ろから桐乃を抱きかかえながら、
シャワーで彼女の繊細な肌をたたく。
乳首を、足を、内股を、陰部を。
「……んーっ、ん」
「おい、変な声だすなよ?」
「だって、仕方ないじゃない。」
こんなところでも(多少)強気なのは、妹様のいいところなのだろうか。
一通り、体中を洗った後、上気した桐乃を抱えるようにして、湯船につかろうとする。
こけても大丈夫なように、俺が後ろについて、妹の体重を支えるように、ゆっくり湯船につかる。
妹のやわらかさで、どうしても俺の男性の部分が軽く反応してしまっているが、
そこにあえて触れないのは、桐乃の優しさなんだろうな。
まあ、手先を保護するために、ちょっとだけ万歳ポーズをしなければならなかった桐乃がちょっとだけかわいそうだったが。
二人とも、湯船につかる。
ちょうど妹を後ろから抱くように、湯船につかる。
あ、なんかこれ、懐かしい。
そうだ、桐乃とこうするのって、いったい何年ぶりだろう。
そういえば、昔はおにいちゃんっ子で、なにをするにも一緒だった。
遊びに行くにも、なにするにも。
でも、俺も家だけじゃなくて、そのうち、幼馴染ができた。
麻奈美だ。
もしかしたらそれ以来、少しずつ桐乃との壁ができてしまったのかもしれない。
俺がよく麻奈美のことを話すから、やがて桐乃はもっと目だって、
話題の中心になりたかったのかもしれない。
確かに、桐乃は我が家でも、どこでも、話題の中心になった。
優れた娘だと、誰からも賞賛された。
だけど
だけど、俺は、そんな妹を、まるで違う生き物のように扱い、
ずっと逃げるようにして、放って置いたのかもしれない。
たまらなく
堪らなく妹がいとおしくなった。
桐乃がいとおしくなった。
お互いの表情が見えないから不安になった。
だから、俺は妹を抱きしめた。
そして、こころから、言った。
ごめんな、俺、お前を見てなかった。見ようとしてなかった。
お前はできすぎた妹、おれは平凡なやつ。
だから、別物だ。兄妹でも別物だ。そう言い聞かせていた。
でも、そんなのは、間違いだった。
桐乃を抱きしめる腕に力が篭る。
い、痛いよ、と、言う声も、心なしか、艶っぽく、そして、拒む声ではなくなっていた。
桐乃、好きだよ。
振り向いた妹が、やおら俺の顔を見つめる。
やっと、言ってくれた。
湯あたりのためか、それとも。
少し上気した身体が俺に覆いかぶさる。
でも、手が使えないので、必死で桐乃を抱きとめ、抱き寄せる。
そしてキスをする。
いままでできなかっただけ、それだけ、たっぷりと、熱く、キスをする。
キスをしたまま立ち上がり、俺は桐乃を抱きしめる。
強く強く抱きしめる。
女の子を抱くのも、お前が初めてなんだ。
そうして、おれは、見たんだ。
頬を伝う、桐乃の涙を。
大好きだよ、おにいちゃん、と言う言葉と共に。
もう、否定しない。
桐乃は、可愛い俺の妹なんだと。
-----------------
それでは一旦、ここでお別れということで。
って、ほんと、生まれてはじめてのSSで、つたないものをお見せして申し訳ありませんでした。
ごめんなさい、ボク、ちょっともう眠くて持たないのと、これ以上純愛ちっくなエロスを維持できません。
つうか、この後は、お風呂でバックで半拘束エッチから、どんどん過激な方向に進めたかったです。
もっとも、構成間違えて、ちょっと逃げに走って、お風呂になっちゃったせいで、グダグダになったかも。
最初残業上がりに本スレで地獄で会おうぜ宣言した後、
帰宅途上の電車の中でケータイでカキコしはじめてちょっと頑張ってみましたが、
やっぱ思いつきベースで描いていたため、展開の矛盾とか、ご都合主義とか、
単にお前がそうしたいってだけちゃうか、って内容ばっかりになってしまい、申し訳ないです。
前半はいっしょで、雨に頼らずに、桐乃が最終的に身体を張って、最初の人生相談よろしく京介の寝込みを襲って、
エロ漫画の定番フルコースにしようとしていたのですが。
ダメですね。。。
精進して出直します。
んー、言い訳ばかり出てくるな。
あと、「いままで放って置いたくせにいまさら兄貴面すんな!」の、ボクなりの回答とか、
このSSで仕込んだ、「両親を温泉旅行に追い出して二人きりにした桐乃の策略」とか、
麻奈美も含めた3Pとか、やりたいエロはいっぱいあったんだよ。
でも、それが巧く機能しない。
多分、もっとキャラを理解しなければいけなかったんだと思う。
思い付きじゃなくて、もっと最初から最後までクライマックスにすればよかったと思う。
本編の引用を巧く取り込むべきだったと思う。
くわーーーーー、悔やんでもきりがない。
どうやっても、エロが巧くかけないか、ほんとに生っぽくて嫌気がさすかどっちかになってしまう。
だいたい俺、10代でセックスしてねーもん。それでこいつらのセックスかけるわけねーじゃん。
20でちゃんと彼女できて、ほぼ毎週末彼女の実家に泊まっては、ほぼ両親公認でやりまくってたもん。
だから、どっちかっていうと、田村さんちの子になった京介麻奈美的なセックスのほうが描きやすいかも。
そこでこっぴどく振られてから、女性不振になって、出会い系とか刹那なことやりまくって、
そのあと、冗談抜きで、リアルでであってその日のうちにキス、次回セックスとか、そんなダメ人間やってて、
でも、そんな俺と同居してた妹が一番支えてくれてたんだよ。
だから、ほんと、愛してる。○○○ちゃん(実妹)、愛してる。
ほんとはね、桐乃が、逝っちゃってる目で、兄貴のちんぽを貪るほうの話を書きたかったんだよ。
こいつのIFシナリオとか、いつか書いたら読んでもらえるんだろうか。
でわ。
よしよくやった!
おまえもっと書いていいぞ!
IFシナリオもさっさと書いていいぞ
作品投下してくれたのはGJだけど、自分語りが作品より気合い入ってるとかもうね。
筆力はこれから付ければ良いしシチュとか雰囲気とか凄く良いのに、最後の二レスで台無しだよ。
自分語りと全レス返しは止めといた方が良いと思う。
さて続きを待つ作業に戻るか。
194 :
名無しさん@ピンキー:2009/05/21(木) 03:38:41 ID:2zxNCQre
神GJ!
195 :
名無しさん@ピンキー:2009/05/21(木) 05:03:53 ID:wrr5JwNp
べ、別にうれしくなんかないんだからね
erolist erolist
「人生相談があるの」
両親御自慢の妹様がそんな事を言ってきたのはほんの小さなキッカケからだった。
まぁ色々あって三回目の「人生相談」に応じている時の事だ。
じゃー
シャワーからお湯が出ている音が聞こえる、
ラブホテルという施設の性質を鑑みれば当たり前の音だが。一緒にいるのが、恋人ならば、そりゃ当たり前な話だと俺も思うが……
湯を浴びてるのは妹だ、
妹なんだよ、
「キモイ、何妹のキャミソールの匂い嗅いでるの」
俺が妹の服をドライヤーで乾かしているときに浴場から出てきた妹の声が聞こえた。
「んなわけあるか!乾かしてたんだよ」振り返らず声だけ返す……タオル一枚なのがわかっているから、何せ妹の服はここにあるからな!
「はっどうだか、何しろ、あんたはシスコンだもんね」
それはお前がーーと振り返って言おうとした俺の背中に圧力が柔らかさと共にのしかかってきた。
「わかってるわよ、あんたはシスコンじゃないって……でも私がブラコンだってこと、……知ってた?」
妹の生暖かい吐息が耳にかかる。
ぎゅっと抱きしめる腕に力がこもる。
「止めろよ、そんな言葉に今更引っかかるかよ」
馬鹿らしい、妹が俺を好きなわけが無いだろうが。
ちゅっ
妹は俺を押し倒して更にのしかかった。妹の舌がなぜか俺の口の中に入っている……甘い。じゃなくって、押し返そうとした俺の手は逆にとらわれた。動けない、だんだんと俺は……(続きは省略されました読みたい方はヤンデレ風に罵って下さい!)
ヤンデレ風に罵る?
難しいないいから続き書いていいぞ
>>191 GJ
ただ、他の人も言ってるけど、読者は作品と直接関係ない作者のプライベートを聞かされても
なんというか、その、困る
あと、作品やキャラ同士の関係にもよるけど3Pなんてどっちのファンにも微妙な反応されるからやらなくて正解だったと思う
ことに三角関係気味な関係のキャラでやるのは最悪に近い
作者が両方好きで気にしない人だったり作品勃興〜全盛期によくあるメインキャラのヤるだけ同人にありがちだけど
>>197 桐乃がブラコンの性的倒錯者だなんて嘘です
お兄さんに騙されてるんです
返して、桐乃を返してください
201 :
名無しさん@ピンキー:2009/05/21(木) 13:34:49 ID:MS/1bk4c
>>197 へー書かないんだ・・・
書かないんだね・・・書いてくれないんだ・・・そう・・・こんなに想ってるのに・・・書いてくれないんだー
ふりが無茶だったかな(汗)続き
くちゅくちゅ、音を立てて妹の舌が俺の口を犯す。
ーー何でだ、何でこんな事態になってるんだ、駄目だ、何にも考えられない。
プハッ
三十秒だろうか三分だろうか、はたまた三十分だろうか……時間の感覚が酷く曖昧だが、俺は妹に押し倒されて接吻をしていた、ラブホテルで、妹とkissをしていた。
真っ赤な顔で潤んだ目を俺に至近距離で向けている妹、いつもの態度はどこへやら。
互いに無言、くそっ何いっていいかわからねえよ、だってあの完璧超人の妹様だぜ?何で俺なんかとキスしてんだよ。
「……どうよ」
「あ?」
「……巧かった?」「知らねえよ……初めてだからな」
妹の表情が刹那明るく輝き、再度俺を押し倒して、……動きを封じるのがうまいなこいつ、親父様に警察の制圧術でも習ったのか?
避けようがなく、……避ける気がなく、妹の女の子の柔らかい体と唇が俺に迫る。
「あっ……堅い」
妹の可愛い口から声が漏れた、その手が俺のある部分に当たったからだ。
続きキター!
205 :
203続き:2009/05/21(木) 18:45:25 ID:Va2t7LUK
「……硬い、これって」
妹の手が俺の局部に当たっている。
「勃起だよ!」
不覚!妹相手に立っちまうとは……
妹がニヤリと笑う。「へーこれが勃起って言うんだ。……興奮してるの、お兄ちゃん?」
満面の笑みで妹が下になってる俺を見上げるなんて器用な真似をしてくれる。
ドキッと不覚にも胸が高鳴る。その表情は卑怯だろ!
「ねぇ……見せてよ」
「はぁ?何言ってんだよ!」
「見せてよ!見たいのよ、お兄ちゃんのあそこが、見たいの!」
自分が何を言っているのかわかっているのか?
「私の全部を見といて…拒否するなんてありえないよね?」妹は再度笑いながらその手を俺の局部に這わせる。
くそっ……もう何がなんだかわからねえ……何で俺はこんなところで妹と何をやってるんだ!
wktk
携帯じゃ限界です!続きはパソから一気に上げるんで、よろしく(・ω・)/
超期待!!!!!!!!!
209 :
名無しさん@ピンキー:2009/05/21(木) 21:02:14 ID:7ij4h6br
210 :
shiodome・otome:2009/05/22(金) 00:03:42 ID:MLcHUTb6
すごい・・・というか、いや、すごいですね。
なによりびっくり、びっくりでした。
世界観というか、心の動き方とか・・・ほんとびっくり。
妹さんがお幸せ(?)ですね。
慣れてないもので、よくわからなくて、とんちんかんな感想しか
書けなくてすみません。
>>210 もしや、帰り際にボクが添削お願いした娘?
212 :
名無しさん@ピンキー:2009/05/22(金) 00:17:06 ID:6SqKuYFx
神降臨!
メールで確認したら、やっぱそうじゃないか。
おーまーえーはー
いいぞ、もっとやれ!
ちょっとこっちのセカイに連れ込んでくる。
せっかくの文才がもったいない。
それに、そもそもキミも妹キャラじゃないか。
やっぱ、文章を読まれるのは嬉しいもんです。
ただ、勘違いして欲しくないのは、
桐乃と京介は、俺と妹じゃないってことだからね(汗
>>213 おまえ気持ち悪いぞ
そういうのはいいから
そうだね、今後は一切やらない
みなさん、すみませんでした
そのうち作品カキコすることがあったらかわいがってあげて下さい
>>214 個人的な事はどうでもいいから、とにかくSSを書いて寄越せという新手のクレクレですね。
わかります。
いや、実際のところ2chじゃこういう人は絡まれやすい
それで荒れるのは勘弁
ま、擁護してる人も、「なんでも全肯定してやるから、とにかくSS書いて寄越せ」って事なんだろうしなw
205の続きマダー?
続きマダー?
風邪引いちゃうよぉ……
絶望した!規制に引っかかっているイーモバイルに絶望した!何もしてないのに!ってことでちまちま携帯から書き込みします。携帯だと速度二十分の一になりますが、ご考慮して下さい。では、始まります。
ktkr!!!!!!
超期待!!!
下半身風邪引く思いで待ってた甲斐があった!!!!!
ktkr!
俺の下半身風邪引いて汁出てきたけど待った甲斐があった
微笑みを浮かべながら、妹は再度唇を俺に絡ませる、キス魔だな。
甘い、甘い?不自然に甘いぞ、この味はチョコレート?
妹の体を優しく力を込めずにつかみあくまで優しく上下を逆にする。
何を期待しているのか、可愛らしく目を瞑ったままの妹、この野郎、女だがこの野郎、そんな顔されたら間違いをおかしちゃうじゃねえか。手は妹の裸を押さえたまま顔をバスルームの方に向ける。
……あった、体を起こして、妹が食べたであろうそのパッケージを拾い上げる。我が自慢の妹さんは何を食べたのやら、なるほど、ウィスキーボンボン、か。
「ねぇどうしたの?……見せてよ」
切ない雰囲気を醸し出している声と共に柔らかい感触が再度背中にのしかかる。この野郎道理で態度がおかしいと思ったぜ。
しかしこんなもので此処まで酔っぱらっちまうのはまだまだ子供……むにゅ
こども…むにゅむにゅ
こ……むにゅむにゅむにゅ
「お兄ちゃん、見せて」
妹の手が再度俺の局部に伸びる。
「私の体好きにしていいから」むにゅむにゅ
酔っぱらっているとはいえ、エロげーのやりすぎた!
そんな思考も言葉も発する時間もなく、妹は力任せに俺を無理矢理ダブルベッドに押し込んだ。
白くて細い、女の子の手が器用に俺の服に伸びて、剥がす。
まずは、上着シャツそして、ズボン、器用にベルトを外し、ずりおろす妹。
なすがままの俺、妹の胸についている、慎ましいが、柔らかいそれを何度となく押し付けられたときに俺の頭はどうにかなってしまったらしい。
靴下をはいたままというなんというかマニアックなシチュエーションに追い込まれ、俺はラブホテルのダブルベッドの上でいつの間にか妹と裸で向き合っていた。
俺の息子は元気にパンツでテントを張っている。
ごくり……どちらが飲み込んだ唾の音なのだろうか、わからないが、妹の手がパンツにかかる。
「駄目だ、桐乃」
ワクテカが止まらんな
何という寸止め
229 :
名無しさん@ピンキー:2009/05/23(土) 01:29:10 ID:MtmSLuun
続きはまだですか?
がしっと俺の手が妹の手をつかみあげる、駄目だ。俺達は兄弟なんだぜ?
妹が泣きそうな声を出す、「……あの女なら、いいの?」麻奈美か、想像したこともねえや。
ズルッと何も答えない俺を無視して妹はパンツをずりおろした。さっきよりも確実に力がこもっていた。
「今、見たいの私が見たいの!」
涙を浮かべながら妹は俺のパンツをかなたへ放り投げた。
俺の息子は元気にたっている、いや、説明している場合じゃねえ!
がしっ
局部を押さえようとした俺の両腕をがっちりとホールドする妹、護身術なのか?使い方が間違ってるぞ、的確すぎて抵抗できん!
妹の視線が下に行き俺の息子を暴く。
腕は腕で足は足で押さえつけている妹は俺より体重が軽いのにもかかわらず、完全に俺の自由を奪っている、その視線から逃れるすべは、無い。下を向けば妹の二つの山が目に入り、更に下を向けば少しだけ毛が生えている妹の……って何を見ているんだ俺は!
むくむくと更に元気になる俺の息子、妹の視線が熱い。
携帯まじ疲れますね……………
更に混乱する思考、妹の視線を痛いほど感じる。見るな!
「大きい、の?」
知るか。
「……舐めていい?」
「馬鹿かお前は!」その言葉は見過ごせない、駄目だろJK!「何よ、いいじゃない兄弟何だから!」「この馬鹿!さっさと酔いを冷ませ!」
がっちりとホールドされてる状態で言い争うもんじゃないな、
れろっ
避けようがない、妹の唇が再度俺の唇を塞ぎ、二つの山とその下の茂みが俺の体に接せられる。むにゅむにゅっと柔らかい。あーもうどうすりゃいいんだ!
「酔ってないもん」
酔っ払いは絶対そう言うな。ちょっとだけ離れた唇と唇の間にかかる唾液のブリッチ……酷く淫靡だ。
「だったら離れろ悪ふざけはいい加減にしろ!」
むにゅ
妹の柔らかい体が俺の局部を包み込む。
いいよいいよー
超がんばれ!
待ち続けたら日が昇っていた
不思議!
超スンドメ
早く続きを(*´д`)
これって書き起こしながら書き込んでるの?
現在絶賛寸止め中でガチエロを自給自足してしまった。
むしゃくしゃしてやった。後悔してはいない。
投下していい?
んじゃ、投下〜
■春休みの昼下がり、高坂家の玄関にて
大きなカバンを抱えて階段を駆け降りる桐乃
リビングからボケっとした表情で自分の部屋に向かう京介
ちょうど双方の死角になるところでぶつかってしまった二人
桐乃の鞄から小さな箱が落ちる
トレフィグか何かかと思い桐乃に渡そうとして拾う京介
うすうす0.02
勘違いとわかり、気まずい沈黙がおちる
耳まで真っ赤にして京介から箱をひったくる桐乃
玄関から逃げ出すように走り去る桐乃
後ろめたい気分になる京介
■夕食時、高坂家の食卓にて
桐乃を除く高坂家の家族が食卓を囲む
桐乃がその場にいないが両親ともそのことに触れない
もくもくと食事をする一家
思わず、桐乃のことを母親に聞く京介
桐乃は一週間読者モデルの仕事で沖縄へ出かけた、と答える母親
少し不機嫌そうな父親
不安定に思考を巡らせる京介
■一週間後、高坂家のリビングにて
お土産で膨らんだ荷物を抱えて帰宅し、リビングに入ってくる桐乃
ソファで漫画雑誌を読む京介
沈黙
日焼けした桐乃の表情が少し大人びた、と感じる京介
つんとした目で京介を見たあと、ふん、と、目をそらす桐乃
言葉を交わすことなく、気まずく各々の部屋に帰っていく二人
■桐乃が帰宅した深夜、京介の部屋にて
連日のように眠れず、思考を巡らせながら天井の一点を見つめる京介
不意に京介の部屋のドアを開ける桐乃
寝たふりをする京介
はじめての人生相談の時と同じく、京介の上に馬乗りになる桐乃
ぱし、と、京介のほほをたたく桐乃
人生相談
それだけで諒解し、無言のまま桐乃の部屋に向かう二人
■桐乃の部屋にて
自室のドアを開ける桐乃
桐乃の部屋に入る京介
無言で床を指さす桐乃
猫の座布団に胡坐をかいて座る京介
ベッドに腰掛ける桐乃
どちらも、言葉を切りだそうとしながらも、切り出せない、無言のままの二人
そのまま沈黙が続く
■ベッドにて@
すく、と、立ち上がる京介
桐乃の肩に手をかける京介
京介の腕を振り払おうとするが、男の腕の力に抗えない桐乃
ベッドに桐乃を押し倒す京介
桐乃のピンクのパジャマの前を強引にはだける京介
あらわになった小麦色に日焼けした桐乃の肌
妹のその肌を、その乳房をむさぼる京介
■ベッドにてA
桐乃の腹から、乳房から、首筋から、頬から、額から、唇へキスをする京介
その身体をもはや兄のなすがままにゆだねる桐乃
ねぶるように、唇を、舌を絡める二人
そのままパジャマのズボンに手を入れる京介
突然のことに一瞬目を見開くが、唇を貪られ、目をとろけさせる桐乃
ショーツの上から桐乃のその部分を、なぞるように触れる
あ、
と、声をあげる
濡れてる
と、ありきたりの言葉を耳元で囁く
その言葉に、身体をびくつかせる桐乃
いったんだ
問うように囁く兄から目をそらす
少し強引にショーツを横にずらし、湿った桐乃の中に人差し指を挿し入れ、
そのまま、親指でクリトリスを執拗に触れ続ける
もはや堪えることを諦めた桐乃は艶っぽい声を洩らしつづける
■ベッドにてB
おねがいだから
責めるように弄び続けられ、耐えられずに、思わず乞う桐乃
腰をあげて
うん
素直に従う桐乃
桐乃の中で濡れた手で、ショーツを引きずりおろす
京介の手が、張りのあるすらりとした脚に触れる
自分の露で濡れた兄の指に、恥じらい、堪え切れず、思わず瞳を濡らす桐乃
■ベッドにてC
兄に応えてベッドに横になったまま、慣れない手つきで兄のパンツをおろす桐乃
その手が、大きくなった兄のそれに触れてしまう
いとしい、と思う
その手で兄に触れられたら、その身で兄を受け入れられたら、
理性はとうに消え、軽くうつろな目で、兄を見る
挿れて
だが兄は、桐乃の願いにこたえてくれない
挿れて
・・・ください
何時もであれば、兄に慈悲を乞うことは耐えられない屈辱だ
だがもはやそれは喜びであり、恍惚であり、絶対的な快楽であった
桐乃の哀願にこたえて、強引に兄が中に入ってくる
破瓜の痛みすら、桐乃にとって悦楽であった
■ことのおわりにて
行為ののち、京介にじゃれるように抱きつく桐乃
おまえ・・・初めてだったのか?
そうだよ。はじめては、兄貴が・・・おにいちゃんがよかったの。
だっておまえ、出かける前のあれはなんだったんだよ?
あれ、って?
だから、・・・ゴムだよ。コンドーム。
あはは、あれはね。あれは保健の授業で女子は持ってなさいって言われて、みんなで買ったんだよ。加奈子がさー、調子に乗って、これ、最近出た体温まで感じられるやつだ!なんていって。
なんだよ、それ・・・
ねえ、もしかして、あたしのこと、心配してた?誰かのものになっちゃうかもって、しんぱいしてたんでしょう?ほれほれ?
う、うるせーな!
でも、使えばよかったね。そのまましちゃったし。
・・・・・・
えへへ。また、こんど、つかおう?ね?
照れくさそうに微笑んで、ぎゅっと、京介にすがりつく桐乃
まったく、おれの妹がこんなに可愛いわけがない。
おしまい。
うははwwwwwww
超乙!!!!!!!
次作に超期待
249 :
名無しさん@ピンキー:2009/05/23(土) 18:39:34 ID:/NRJDLk3
まぁおちつけよ
明らかにクオリティが下がってるがこんなもんだろ
次に期待しようぜ
それは、反則……だ、頭が真っ白になっちまう。
「やだ、絶対に離れない」
意固地になった妹は止められない、なんせあの親父すらも納得させてしまった経歴の持ち主だから。
「はぁ……わかった……わかったから」
仕方なしに、妹を抱きしめる、下手に動かれて暴発したら目もあてられんからな。
「えへへ、じゃぁ……しようよ」
「それは駄目だ、足を動かすな!」
しかし、妹は止まらない、やわらかい感触が息子を絶え間なく攻め立てる。
妹なんだ、これは妹なんだという鉄の意志が無ければすでに果てていただろう。
暖かい、人肌プラス、酔いも混ざっているのだろう、ただ、暖かい。
「私が魅力的じゃないから……いやなの?」
何をおっしゃるウサギさん。
イエスともノーとも言えない、妹が身じろぎするたびに息子に快感が走る、これは……スマタってやつなのか。
(携帯での更新はあきらめました、面倒くさすぎ、ちょいと満喫にて更新テスト)
キターーーー!!!!!!!
妹相手に出せるかよ!
そりゃ妹のノートパソコンでさんざんエロを検索したけど、それは若気の至りってことで許してくれ。
とろっと、暖かい液体が、俺の下半身を濡らす。
……愛液、か。
「するわよ、これから入れ……」
駄目に決まってんだろうが!
言葉では妹は止まらない、どうするどうする、体をさらに下げようとした妹を今度は俺ががっちりと抱きしめる。
セックスは駄目だろうが!
「あっ……」
再度、妹の生暖かい吐息が俺の耳をくすぐる、むにゅむにゅっとしたむちむちとした感触が俺の胸に広がり、俺の腕にも広がる。
女ってのは……どうしてこんなに柔らかいんだろうな……、頭の中身を真っ白にしながら、妹を動かさないためにひたすらきつく、きつく抱きしめる。
が、
それは、逆効果だったらしい。
やばい、
やばい、
俺の息子が、妹のけつにあたる……
「いいよ、お兄ちゃん、好きに、して……」
甘美な誘いが耳元でささやかれる、これは悪魔の誘いってやつなのか?
(不思議、携帯の二十倍の速度で更新できます)
「違うんだ!」
なんて弱弱しい声で呟く俺、だが、腕は放せない、放した瞬間、妹は腰を下に下げて、めでたく合体だ。
できるかよ!
だが、柔らかい、この柔らかさは反則だ。
ちゅっ
もう、言葉は要らないとばかりに、妹は俺の口を貪欲に貪り尽くす。
あわせ技一本、勝負あり、なんて言葉が脳裏に浮かび、そして頭を白く白く染め上げる。
どうやら、双方ともに準備は整ってしまっているらしい。
くそっ、情けない……俺の精神力はここまでなのか?
いや、んなわけあるか、……とりあえず、抱きしめることだけを続行だ。
さわりっ
妹の息子への攻撃、俺の息子は100のダメージを喰らった。
「触るな、握るな!」
口を無理やり剥がして声を出す。
「何、さっきより、大きくなっている……それに、あったかい……」
俗に言うテコキってやつか?
どこで覚えたんだ妹は!もちろん、エロゲーですよね、頭が働かん。
「お兄ちゃん……初めてだから……やさしくしてね?」
超接近戦での潤んだ瞳攻撃、
俺は精神に200のダメージを受けた。
どうせエロゲーからの引用なんだろうが、効果的すぎる、俺はノックダウン寸前だ。
妹にいかされちまうなんて……両親に知られたら殺されちまう。
だが、どうしよう、本当にどうしよう。
妹の行動力は並じゃないのは、俺が一番身近で見てきて一番よく知っている。
さぁ、どうする、どうする、俺。
いつまでも抱きしめていられんぞ、んなことしていたら出ちまう、何がって、あれに決まってんだろうが!
片手の戒めを剥がして、妹の両手をつかみ上げる、手首は細いな。
おい、その期待に満ちた目はなんだ、潤んだ瞳はなんだ、……妹じゃなきゃ……とっくにやっていたよ。
真奈美の顔が、ふと浮かんだ、どうして、だ?
妹の顔が、豹変した。
「……あの女のこと考えていたでしょ」
お前はエスパーか!
「違う、っていうか、……よく考えろ、俺たちは兄弟だぞ?セックスなんか……」
ちゅっ
最後まで言葉を発することはできず、妹の口が言葉をさえぎる。
「私は、お兄ちゃんと、したいの! あの女よりも先に、したいの!」
妹の手が、俺の拘束を振りほどいた、
そして、
俺の息子を握り締め、自らのあそこに、あてがった。
たっぷりと愛液が滴り落ちる、息子に降り注ぐ、何でだ、何でこいつはこんなに俺なんかとしたがっているんだ。
なんてことを考えていたら、妹の腰が浮いて……
(ちょっとだけ質問、ガチと寸止めどっちがいいでしょうか?二通り考えてはいます、満喫なんで書き上げたやつは頭にしかないため、修正が効きます)
ガチだろjk
ガチでJC
>>256-257 ガチですね、了解ー。
ねちょっとした音が、鈍く響いた。
俺の息子を包み込む、妹のあそこ。
それは酷くゆっくりだ。
当然だ、初めてなんだからな。
俺も……妹も……。
とうとう、やっちまったか……どうしてだろう、あんまり後悔していないのは、それは、きっと妹が――可愛らしくて、そして、あまりの快感に、俺の頭がいかれちまっているせいだろう。
ズボッ
「いたっ」
騎乗位の格好で、俺の下半身に、赤い液体がたれた。
処女幕か、話には聞いていたが、本当に血みたいに流れるんだな。
下半身を包み込む、強制的な快感から逃れるためだろうか、俺の思考はひどくゆっくりとしていた。
気を抜けば、出る。
突如、妹がいとおしくなった、痛みに耐えている妹の顔が、なんだか、とてもいとおしく、なった。
動けない妹の腰を掴んで、繋がったまま上半身を抱きしめて、キスをしてやる。
「……初体験が騎乗位か、お前らしいっていえば、お前らしいよ、桐乃」
涙をなめてやる。
「最後までやるんだから、放さないわよ!」
「……わかった、わかったよ」
よしよしと、頭をなでて、なるべく刺激がいかないように考慮する。
何でも酷く痛いらしいからな。
少しでも痛みを紛らわせるために、キスをしながら、慎ましい胸を愛撫してやる、背中も撫でて、しりもなでて、一箇所に意識が集中しないように。
ふぇ
なんて声が妹の可愛い口から漏れる。
俺の行為も所詮エロゲーやそういう雑誌の受け売りな以上、どこまで有効なのかは知らんが、少なくとも何もしないよりはましだろう。
妹は体の力を抜いて、俺に全身を預けている。
……対面座位ってやつか……。
とりあえず、いくらなんでも中に出すのは、駄目だろ。
いれちまったのは仕方が無い、妹が落ち着いたら、さっさと抜かないと。
ぬちゅ。
……やばい、気持ちいい。
「んっ」
なんて声が漏れる。
そうか、まだ痛いか、文字通り身を引き裂かれる痛みだろうからな。
ゲームみたいに簡単に痛みが引くわけ無いよな。
ゆっくりと抱きしめて、妹の腰を固定する。
「動いて、いいよ」
んなことを申し立てる妹、馬鹿が、そんな顔みたらできるかってんだ。
「もう、やめるなんて言わないから、黙ってろ……痛いんだろ?」
俺はすごく気持ちいい。
妹と繋がっちまうなんて……何処でどう間違ったんだ。
妹の中はきつきつだ、少し動いただけで、容赦なく出ちまう、童貞なめるな!
首をふりふりと横にふる妹。
なんだか、ものすごく嬉しそうな顔をしている。
「ねぇ、お兄ちゃん」
「なんだ?」
「……今までいろいろありがとう」
「馬鹿やろう、黙ってろっていっただろうが」
「……うん」
妹の手が俺の背中に伸びて、惜しげもなくその体をこすり付ける。
だから、動くなって……。
我慢しろ我慢しろ我慢しろ我慢しろ、今こそ兄の威厳を見せるときだ!
「あはは、お兄ちゃんの方が、辛そうだよ、我慢しないでいいよ」
これがいわゆるツンデレのデレってやつなのか?
今まで一度も見たことが無い妹の極限まで甘えたつら。
息も絶え絶えに吐き出す言葉の一つ一つがとんでもない破壊力を持つ。
何かを思いついたような表情の妹。
きゅっ
……締めやがった、何をって、あそこだよ。
俺の息子をきつくきつく締めやがった。
「ねぇ……出していいよ」
だからお前はエロゲーのやりすぎなんだよ!
テンプレート通りの妹の言葉、だが、テンプレートは王道ともとれる、そして王道とは、場所が間違えていなければ、効果はこれ以上無いほど抜群だ。
「馬鹿やろう、妹相手に中田氏なんかできるかよ」
「お兄ちゃんなら……いいよ」
ちゅっ
ぎゅっ
妹が俺にキスをして、更に力を込めて、腰を動き出した。
駄目かもしれんね。
どこか冷静な俺の思考回路、どうなっているんだか解剖してみたいくらいだ。
体面がどうのこうのじゃなくってな、近親相姦が近代社会において禁忌と言われているのは遺伝子学上れっきとした証明がされている、なんたらかんたらの思考が頭をよぎる。
同時に、この気持ちよさを味わっちまえよっていう声も同時に頭を流れる。
おまけに、間違いなくばれたら親父に殺されるっていう考えも流れ、走馬灯が見えた。
にゅるにゅるにゅる。
潤滑油がたっぷりと配布されていたのだろう。
滞ることなく、俺と妹の結合部分は摩擦を続けている。
抵抗する気力すらも根こそぎ奪われている。
ただ、気持ちいい。
はぁっ、はぁっ、と妹の荒い声が遠く聞こえる。
出したい、
駄目だ、
出したい、
駄目だ、
出したい、
駄目だ、
出したい、
駄目だ、
出したい出したい出したい出したい、
駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ。
二つの思考言語が同時に頭を所狭しと駆け回っている。
人間、頑張れば結構我慢できるんだな。
でも……駄目だな、こりゃ。
妹が俺の感じている顔を見て嬉しそうに笑みを浮かべた。
「出して、いいよ」
そう呟いて、更に速度を上げる妹、痛みはどうした! ……我慢してんのか、ほかならぬ俺のために……。
262 :
名無しさん@ピンキー:2009/05/23(土) 20:56:35 ID:MtmSLuun
ハァハァ……
とっさに動いた俺の体は、偉い。後で盛大にほめてやることに決めた、快感に負けた脳みそと違って本当に立派だよ、自分の体ながら、偉い!
我慢の限界なんかとっくに超えていた俺は、妹を一度、強く抱きしめて、息子を無理やりはずした。
強く強く締め付けてきた妹を振りほどいて、皇帝液は、無事、中に出ることなく、外に放出された。
……ぶっちゃけカウパー液だけでも妊娠するっていうから、まったくもって安心できないんだけどな。
ふぅ……ふぅ…………すーすー
荒い息使いから、静かな寝息へと、酔いが完全に回ったんだろう、妹は血まみれ、白い白濁液まみれのまま、ダブルベットの上で眠り姫とかした。
「……この酔っ払い、この馬鹿、いつもの態度はどうしたんだよ」
妹の可愛らしいほほを軽くつつきながら、ため息を吐く俺。
完全に寝に入ったのだろう、まったく起きる気配が無い妹。
「よっこいしょっと」
こんな掛け声使うから馬鹿にされんだろうな、なぁ妹。
妹を抱えあげて、バスルームで体を洗ってやる。
果たしてこいつは酔っ払っているときのことを覚えているのかね?
処女幕がなくなってんだ、流石に気づくか、な?
よかった、妹の服は幸い惨事から逃れている位置にあった。
……なんか疲れたな、ちょうどいいから俺も少し寝ちまうか。
寝る寸前、妹の声を聞いた気がした。
「お兄ちゃん……大好き……いつも……御免ね」
寝言か、空耳だ……ろ……う。
(ひとまず終了、いやー規制されているなんて夢にも思っていなかったんで
間が開きに開いたことをお詫びします、教訓として、
携帯は小説なんか書くのにまったく適していないこと、
桐乃はよく書けたな、今の女子○生はすげえや、
では、また、どこかでお会いしましょう、長らくご賞味ありがとうございました!)
264 :
名無しさん@ピンキー:2009/05/23(土) 21:04:01 ID:MtmSLuun
ネ申!
ずっとここに張り付いててよかった
気が向いたらまた書いてくだしあ!
今度からは書きためて推敲した上で書き込んだ方がいいよ
267 :
名無しさん@ピンキー:2009/05/24(日) 01:48:46 ID:VPK92ZLz
神、此処にアリ!
マジ神キタコレ!!!!!
次回作はもちろんあるよな?
な?
寸止めエンドとか中田氏エンドもみたかったな
270 :
京極はん:2009/05/25(月) 14:16:15 ID:EakAcXX9
あんた、なんてモノ読ましてくれはるんや! GJや!
神の降臨はまだですか?
家畜に神はいない
いや、いるね
インターネットでみた
神降臨マダー?
京介かっこいいよ京介
神様早く来い!
いや、来てくださいお願いします
なんか、余計書きずらくならないか?w
『は〜い神で〜す♪』 ってあげれる人って少数派な気がw
じゃあ神様じゃなくてもいいから書け
いや、書いてくださいお願いします
日本は虫にも糞にも神がいるような国なんだ
神だから、じゃなくていいもの書けばその時点で神だ
って兄弟姉妹神話万歳な高校生がいってた
デレた桐乃タソハァハァ
それでも読みたい作品があるんだ!
ここ何ヶ月かの人生相談で妹と俺の距離が縮まったかというとそうでもなく、何年もお互い話すらしなかったっていうブランクはそんな短期間じゃ埋められないわけだ。
ブランクって言えば、いつから俺と妹はこんな風になっちまったのかって思い返してみても、ものごころついた頃から変わってない気がする。世間の兄妹ってのはだいたいこんなもんだってのは妹を持つ兄貴ならわかってくれると思う。
ブランクも何もそもそも俺と桐乃にはベルリンの壁よりも大きな隔たりが生まれた時からそびえ立ってるんだろーな。
尽くすばかりで見返りがなくてむなしくないかって? へっ、むなしくなんかねーよ。見返りも何も俺は俺のやりたいようにやってるだけさ。俺はエロゲマニアでシスコンで妹とラブホに行くような鬼畜な兄貴なだけさ……いったい俺は何をやってるんだろーな。ううっ。
そんな俺はいつものように学校から帰宅した。桐乃は相変わらず携帯をいじって俺なんか見向きもしねー。へっ、そっちがそのつもりだったらこっちだって無視してやるぜ。
「……ただいま」
小声で宣言する。……いくら返事が来なくても挨拶は礼儀だろ! べ、別に妹が怖いんじゃないんだからなっ! ……なんか変な影響をどこからか受けている気がするの気のせいだろうか。
「……」
くるり、とこちらに振り返る桐乃。はっ、どうせゴミを見るような目で俺を睨むんだろ。いいだろう、いつも通り受け止めてやるぜ。
「おにーちゃん!」
桐乃は携帯を放り出し満面の笑顔でこちらに走ってきた。
「おかえりなさいっ!」
ミサイルのように俺の胸にタックルしてくる桐乃。ぐおおおおっ、痛ぇっ! そうか今度は精神じゃなくて肉体にダメージを与える作戦できやがったな! 次々とよくもまあ俺に対して嫌がらせが浮かぶもんだよまったく!
「どーしたの?」
きょとん、とした顔で上目遣いに見つめてくる桐乃。な、なんだこの潤んだ目は! ち、違うぞ、俺は別に妹に萌えてなんか、萌えてなんか……
「えへへ、おにーちゃんだぁ」
ぐはぁっ! だめだ、胸に頭を押し付けて幸せそうにぐりぐりとかやめてくれ! 普段は中学生に見えないかわいいというよりは美人で端正な顔立ちが崩れ、甘え倒している様はギャップの一言では語りきれないもはや犯罪的な可愛さをかもし出している!
「……ねぇ、ぎゅー、して?」
必殺上目遣いで首をちょこんと傾げられたら、もぉーたまらんっ! おにーちゃん、ぎゅーしちゃうぞー!
と、そこで気付いた。『おにーちゃん』?
桐乃は、妹は、俺を呼ぶときは『兄貴』だとか『アンタ』だとか『ねぇ』だとか、いけぞんざいに扱われていた。最後にいたっては呼称ですらねぇ。
いきなりのタックルでよくわからなくなっていたが、さっきから桐乃の様子が明らかにおかしい。これじゃまるで大人しくて可愛い妹だ。俺の妹がこんなに可愛いわけがない!
ここで『ぎゅー』なんかした日にゃ「うわっ、本性現したなキモシスコン、略してキモコン! 何が『ぎゅー』だ、マジでキモいから近寄んな」とか言われるに決まってる。
「……」
ほーら、いつの間にか桐乃が俺から離れて俺をジト目で見つめてやがる。あー危ないところだったぜ。
「……ゴメン」
「……はっ?」
俺を見つめていた瞳から何かが零れ落ちたかと思うと桐乃はすごい勢いで階段を上っていってしまった。
あれは…………涙…………だよな。
桐乃がどうしてあんな行動をしたか。桐乃がどうして泣いてしまったのか。俺にわかるはずがなかった。
あれから数日が経過した。
正直、あの日の夕食に桐乃と顔を合わすにびくびくしていた俺だったが、桐乃はいつもと変わらない態度で俺に接してきた。
そうして俺たちはまたいつもと変わらず(一方的に)罵り合いながら距離を取って暮らしていくのさ。
ふん、こんな事はお互い慣れたもんだ。
そうさ、どうせいつもの通りに……
戻らねぇかもしれねぇだろ! 桐乃は泣いてたんだ! 妹が泣いてるのに立ち上がらないのは兄貴じゃねぇ!
俺はさっき桐乃が上がっていった階段を上り、桐乃の部屋の前に立った。あれから大して時間は経っていない。だが、桐乃の部屋からは物音一つしなかった。
ノックをしてみる。返事はない。
意を決してドアノブを回してみた。何の抵抗もなくドアは開いた。
部屋は暗かった。カーテンが締め切られており、ただ静寂に満ちている。
そんな部屋に違和感が一つ。光だ。
どうやら例のノートPCのモニタが光っているようだった。
「桐乃……?」
呼びかけてみるが返事はない。確かにこの部屋にはいるはずなんだが……
と、ベッドがこんもりとしている。どうやらここにいるらしい。
「お、おい、桐乃」
布団に直接声を浴びせるが反応なし。触れるてもいいのかわからず思わず視線を逸らすとそこには例のPC。
一体何が映ってるんだと何の気なしに見てみると。
『妹と恋しよっ Vol.21 〜恋敵は泥棒メス猫!? お兄ちゃんどいて!! そいつ○せない!!〜』
俺は見なかったことにした。
何なんだよこれは!? シリーズ続きすぎだろっ!? 前に見たときはまだ一桁だったのに、しかも何だこの不穏なタイトルは!? あの時、桐乃に無理やりやらされた時はもっと、大人しくて可愛い妹が……
大人しくて可愛い妹……?
そういやさっき玄関で俺に突っ込んできたのは何だった?
大人しくて、可愛い、妹……?
まさか……桐乃は……
いやいやそんなわけがない。考えてもみろ、桐乃の今までの俺に対する態度を。
目が合えば無視。
「……キモ」
手が触れれば即座に洗面所に。
「うわ、菌がうつる」
俺が視界に入るとゴミクズを見たような視線。
「視界に入んな」
……やっぱりありえねぇか。
人生相談。
そうだよ、妹が俺なんかに──
誰にも相談できないでうつむく桐乃。
あの傲岸不遜の妹様が──
ただ部屋で一人で泣いて、自分が精一杯やったことをふいにされても。
決して俺なんかじゃ及びもしない才能と努力を備えた妹が──
あいつは悪くないのに。ただ、空回りしているだけなのに。
ふん。そうさ。
あいつは俺の妹なんだ!
妹を守るのはこのお兄様の義務なんだよ。
ったく、しゃーねーったらねーよ!
「桐乃!」
俺は思い切り掛け布団を捲り上げた。後の事なんざかんけーねぇ! 妹の涙を止めるのは俺の役目だ!
「……あれ?」
そこには桐乃はいなかった。そこにあったのはどこかで見た箱の山。
「これは……」
そうだ、あのパンドラの箱(襖)の奥に潜んでいた災い(エロゲーの箱)ども!
それが、なんでここに?
ってか桐乃の奴はどこに?
呆然とする俺の背中に何かが飛びついてきた。
「うぉっ! なんだぁ!?」
思わずベッドうつ伏せにに倒れこむ。何なんだよいったい!
「……兄貴」
「桐乃……か?」
俺の背中に抱きつきこくりとする桐乃。ったくコイツは俺にタックルするのがどれだけ好きなんだよ。
「……ゴメンね」
いつになく殊勝な態度な桐乃。はっ、いつもこうならな。
「何がだよ」
「キモかったよね。いつも兄貴にキモいとか言っててあたしのがキモいじゃん。あはは、あたし馬鹿みたい」
壊れたようにまくし立てる桐乃。でもこれは行き過ぎだ。お前はそんな奴じゃないだろ?
「だから何がだよ」
「だからぁ!」
だから俺は言ってやるのさ。
「兄貴なんて呼ぶんじゃねぇ! 『おにいちゃん』と呼びやがれ!」
「………………はぁ?」
ポカンと、口を開ける桐乃。はん、わかっちゃいねぇな。今からお前に教えてやるぜ! この俺の全てをなぁぁぁぁぁぁ!
「それでもお前は妹か! 兄を呼ぶときは『おにいちゃん』に決まってるだろォがッ! 『おにーちゃん』でも可だッ!
さァ、甘えるように媚びるように蜂蜜と砂糖をぶっ掛けたようなハニーヴォイスで『おにいちゃん』だッ! さァ! さァ!」
「……あんた……」
おお、妹から尊敬と畏敬と憧憬と睥睨の視線を感じるぜっ!
「…………あんた、わかっちゃいない! 『おにいちゃん』に込められる感情がそれだけだと思ってるの!? いい?
『妹』が『おにいちゃん』って呼ぶのはねぇ、そこに愛があるの。逆に言えば愛がなきゃ『おにいちゃん』って呼ばないの。ただ媚びて甘えてるだけじゃ妹って言えないの!
兄を立て、兄を尊び、兄を助ける。妹はただ兄に甘えてちゃだめなの。兄の横に並んでて一緒に同じ道を進む。そうしてこそ真の『妹』と言えるのよ!」
言い切った。どこか論点がズレているような気がするがそもそもこの議論の論点なぞ考えるだけ無駄というもの。ていうかお前は俺を立て尊び助けたかぁ?
はっ、しかしいつもの調子を取り戻しやがったか。桐乃はこーでなくちゃな。真の妹なんてどうでもいいんだ。お前がいつもの調子に戻りさえすればな。
やれやれ、今回も色々あったが一件落着ってとこか……
「……で?」
「あん?」
まだなんかあんのか?
「あたしはおにいちゃんのこと、だいすきなんだよ……?」
…………は?
「さっき言ったよね? 『おにいちゃん』って呼ぶのには愛が込められてるって」
「あたし、何度も呼んだもんね? おにいちゃんわかってるもんね?」
あ、あれ? 背中に押し付けられてるモノの感触が……
「おにいちゃん言ったもん。おにいちゃんって呼べって」
言葉の綾というものが……
「お・に・い・ちゃんっ」
桐乃サン? 俺の唇に何か近づいてますよっ! え、ちょっと目を瞑られても、あ、おい、やm
投下しゅーりょーです。
設定とかキャラがおかしいとこあるかもしれません。
俺にはこれが限界だぜっ!
キターーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!
毎日深夜遅くまで張り付いてた甲斐があったぜwwwww
お疲れ様!
また書いてね!ねっ!
あれ?
いくらF5押しても続きが見れない…
マーダー?
黒ゴス邪気眼娘マダー?
マーダー?
風邪引いちゃうよぉ……
冷えてきたな
そしてまた風邪ひく桐乃を
294 :
名無しさん@ピンキー:2009/06/01(月) 18:54:10 ID:UyVz7cGl
裸で抱き合えば治りが早い、なんて言葉を思い浮かべた俺は夜、桐乃の部屋の扉をノックした。
なんかキターー
コンコン、硬質な音が静かな夜に響く。
親はすでに寝ている。少し前、といっても昼間の出来事だが、何事も経験しなければいけない文豪桐乃大先生曰わく、この寒空に噴水の水を浴びておかなければいけないとかの理由で俺の妹は文字通り噴水に飛び込んだ。
ラブホテルで乾かした服は生乾きだったらしく、風邪を引いて寝込んだ妹の世話を見る羽目になった俺。
返事がない、親には知られたくないとかで結局全部面倒を見る、安請け合いしたはいいが…風呂どうしよう。
期待
続きはまだですか?
もももも、もう待てないんだなっ!!
マーダー?
風邪引いちゃうよぉ……
それより、原作では決着が着かなかった三月を巡るアリスとリリスの戦いの結末を、此処ではっきりさせようじゃないか。
そんなことよりもいっそ妹空(非全年齢版)ろうぜ
ワクテカが止まらないんだな
まず恋空を読むという苦行
京介ってあの小説、ちゃんと読んでないんだっけ?
やっぱ、トシとリノは実は兄妹とかいう伏線がはりめぐらされてんのかなw
まだかっ!
まだなのかっ!?
マーダー?
下半身が風邪ひいちゃうよぉ……
期待あげ!!
ま、まだッスか・・・?
黒猫って京介に好意持ってるの?
黒猫に京介をとられて嫉妬する桐乃って考えてみたけど・・・
なぜか文章にうまくできない
>>311 確かにそんな感じだな
がんばってくれ。おまえならできると信じてるぞ!
密かに期待している俺ガイル
まったりでいいからあげてくだしあ
きょーすけかっこいいよな
あんなうぜぇ妹のためによくあそこまでできるわ
シスコンだからな奴は。
…それはさておき、桐乃をウザイと思う奴は妹に幻想抱き過ぎじゃないか?
無条件に兄を慕うのが当たり前だと思ってないだろうな?現実はこんなものだぞ。
某12人のブラコンのところの後継作でさえ3人くらいツンデレだしね
個人的には桐乃よりも京介婿確定みたいな扱いしてくる田村家の方がよっぽど
少ない経験を持ってるやつより、むしろ経験無い奴の方が正しい物の見方をできる好例だな。
ほとんどの妹は、お兄ちゃん大好きに決まってるだろ。
妹の大半がお兄ちゃんラブっていうのは理想であって、現実じゃないと思う。
一行目だけだと説教くさいかなと思って、ネタも加えといただけじゃん……
>ID:NURlI35q
お前何言っての?死んで良いよ
ずいぶんと殺伐してんな
嫌われるわけだ
無様だな
仕方ねえな。
スレの空気を帰るために一丁投下出来たらいいな。黒猫に寝取られて泣きながら兄にすがりつく妹もので!
なんてな
エロパロスレとか冗談みたいな場所で、マジ喧嘩できるって正直、よくわからんw
どんな話しても目くそ鼻くそなんだぜ?ww
よし、そろそろ書き上げた奴うpしていいぞ
わわわわくてぃか〜
4巻目できりのデレねーかな
333 :
名無しさん@ピンキー:2009/06/18(木) 06:43:01 ID:hyR4BtGZ
保守
お兄ちゃんスキスキ
鬼畜兄貴がホモ本じゃなく兄妹レイプ本だったら
きりりん氏はオカズにするつもりだったんでしょうか
黒猫さん:
そんなモノ、あったらむしろ私が買うわ
そう、買い占めて独占支配するわね
フフ、悔しげな顔が浮かぶわ
死亡フラグが立ったな。
このスレ。
京介のイケメンさは異常
俺のほうがイケメンだもん
へぇ
きりのはいつデレますか?
まずは兄貴がデレてからじゃないかな……。
桐乃的には京介の今の態度がかわらない限り、これ以上変わりようないんじゃないかと、
ここでSS書かせてもらった時思った。
ほう、それは良いとして次作はまだですか?
京介が桐乃に干渉しないから桐乃が冷たいってこと?
逆じゃね?
実はあれでも、桐乃は兄貴に干渉しようと必死でがんばっているんだよ。
そんな風に読むと、桐乃がとっても可愛くみえますw
それだとすんげー萌えるなwwwwwwww
まぁ、ないだろうけど
いや、やっぱりあるか
あるよな
な!
もちろんある! ないとか思う奴はエロゲ脳が足りないぜ!w
特にコミケの時なんて、京介が別行動しようとしたときとかあからさまだったよな。うろたえちゃって……。
わかりにくいとこで印象的なのは一巻最初の「行ってきます」だな。
京介にはいやいや義務を果たすように聞こえたらしいが、違うんだよ。
気が弱い人間が飲食店で「ごちそうさま」といって出てくるのと同じくらい、
あの「行ってきます」を搾り出すのは桐乃にとって大変なことだったんだよ……多分w
ナイスエロゲ脳!
良いからはやくその頭の中身をここに書き綴るんだ
桐乃がさりげに地味子に嫉妬してるのが良いよな
それでいて、兄と地味子の仲を悪くしようとかは微塵も思ってない感じや、
なんだかんだ言って、アドバイスなどするあたりが、いじらしいというかなんというか……
誰だよこんな所にウンコしたの
353 :
名無しさん@ピンキー:2009/06/29(月) 22:55:31 ID:NsOdtHlv
保守
hosyu
>>97-107の続き。心持ち進展(?)してる感じかもです。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「あの〜すみませーん、赤城の家の者ですが、兄を呼んでいただけますか?」
教室に入ろうとする俺の背中に、そう声をかけてきたのは一年生とおぼしき
背の低いポニーテールの女子生徒だった。地味な顔つきだがそれなりに可愛らしい。
「赤城の……?」
「なんだよ、なんの用だ?」
俺が取り次ぐ必要もなく、その声を聞きつけた赤城がこっちにやってきた。
赤城の声は若干不機嫌っぽかった。
「あのねえ……おにぃが弁当忘れていくから届けに来てやったんでしょ」
赤城の妹らしき女子生徒は怒ったように巾着に入った弁当を突き出す。
「そっか、わりぃ。サンキュー」
「貸しだからねー。……あ、それじゃ、失礼しまーす」
赤城の妹は何の役にも立たなかった俺に丁寧に挨拶してその場を去った。
「……おまえ、うちの学校に妹なんていたんだな。知らなかったよ」
伝言頼まれたにも関わらず、何の役にも立たなかったバツの悪さから、俺はなんとはなしに話をふった。
それに対し赤城は、「言った事ないからな」と素っ気なく答える。
「そもそも妹なんて、最近、全然、接点ないしなあ」
「……そうなのか? 随分仲よさそうだったじゃねーか」
正直、なんだか眩しかったぞ、おまえら。
「そうか? 普通だろ? 家にいたって飯の時以外、ほとんど顔あわさないし」
ふーん。どこの家でもそんなものなのか。ちょっと意外だ。ま、他所のお家事情なんて田村家くらいしかよく知らないしな。
「もう何年も一緒になんかした事とかないよ。小学生の頃は一緒にゲームとかしたけどな」
「ちょっ……! 兄妹一緒にゲーム!? しかも小学生の頃から!?」
俺は思わず身を乗り出して叫んだ。
「……何おどろいてんだよ。そんなに小学生が家族でゲームしたら変か?」
気圧された赤城が目を丸くしてのけぞる。
「い、いや。別に変じゃない」
お、落ち着け俺。エロゲじゃなくプレステとかの普通のゲームに決まってるじゃねーか。
義務教育中の妹が兄貴に一緒にエロゲやろうと言ってくるなんて、いくら日本がオタク大国だからってウチくらいのもんだって!
「……じゃあ、一緒に出かけたりとかもしねーの?」
「一緒に? 妹と? ありえないだろ。親とかと一緒に旅行行った事ならそりゃあるけど」
へー、そういうものなのか。あんなに仲良さげだったのによ。
と、そんな会話を学校でやったもんだから、ついつい家で、妹をガン見しちまったんだよな。
「……なに? きもいんですけど」
すると当然、こういう流れになる。
「べつになんでもねえよ」
そう言って目をノートパソコンに戻す。家に帰る早々、妹に呼びつけられてシスカリ対戦中ってわけだ。
なんか、部活が試験休みとかで暇なんだとよ。試験休みなのに勉強しなくていいのか? とは言わない。
試験前に慌てる方がどうたらこうたら、また、こっちがバカにされるのがオチだってのはわかってるからな……
「ふん。また私のパンツみてたんでしょ。飽きないわね、この変態シスコン魔王」
「見てねえよ! おまえ、その話はもうしねえって約束しただろ!?」
そんなに見られるのが嫌なら、そんなエロゲのヒロインが穿いてるような縞パンじゃなく、
家の中でも見せパンとやらを穿いとけよ!
「約束? あんたが勝手に言ってるだけじゃん。なあに、それとも自分の変態を認める? そんなら私も諦めて
おとなしく視姦されたげてもいいけど〜」
「んなもん、誰が認めるか!」
まったく。こないだ、あんな事があったばかりだってのに、こいつは、懲りるって事を知らんのか?
「……じゃあ、何、さっきあたしの方をじっと見てたのよ?」
「べ、別に見てねえよ」
「見てたかどうかなんて聞いてない。なんで見てたのかって聞いてんの」
どうしてそんなに自信満々で決め付けられるかな。まあ、実際見てたんだけどさ……
ちっ……このパターンで食いつかれて逃げおおせられた試しなんてないんだよな。
あきらめ気分で、俺は話し始めた。
「……ちょっと、学校の奴と妹の話をしたんだよ」
「は? きもいから知らない所で勝手にひとの話しないでくんない?」
「ふん、おまえの話なんてしてねえよ。クラスの奴の妹の話さ」
「……クラスメイトの妹?」
ありゃ、なんか食いついてきた? こいつ、二次元だけでなく三次元の妹にまで興味あんのか?
「わかった。それであんたはあらためて自分の妹の素晴らしさをかみしめてたってわけね」
いや、わかってない。おまえ全然、わかってないから。
勝手な言い草の妹をちくりとやりたくなって、つい俺は余計な事を言っちまう。
「あのな知ってるか? 他所の妹は兄貴の事を、アンタ呼ばわりなんかしねえんだよ」
「ウザっ!」
妹は心底、嫌そうな声をあげる。……まあ、確かに俺も他所の兄貴と比べられたらいい気はしねえし。
……ちょっと失敗しちまったかな? なーんて考える殊勝な俺に、いつもの勝気な表情に嘲笑を浮かべて桐乃がのたまう。
「自分を棚に上げてよく言う〜 兄貴扱いしてほしけりゃ兄らしくしろっての。妹のパンチラ狙ったりするような変態は、アンタで十分」
反省撤回。こいつに気遣いなんて無用だ。
「おまえこそ、少しくらい妹らしくしたらどうなんだよ。他所の妹はな、忘れ物をしたら届けてくれたりするんだよ」
「なにそれ? エロゲの話?」
ちげーよ! もう、つっこむ気力もねえよ!
俺がため息をつくと、桐乃は再びウザそうに俺を見る。
「……あんたねえ。他所の妹は、他所の妹はって、隣の芝生は青く見えるってことわざもしんないの?」
知ってるよ? でも本当に隣の芝生が青い時にはそのことわざ使いませんよね?
うちの芝生、どこからどうみてもまっ茶色の枯れかけじゃん? つーか、むしろ焼け野原?
そう思いながらもその事をだまっていると妹は調子にのって、あろうことかとんでも無い事を言い出した。
「だいたいさー、うちってかなり良い方でしょ? 兄妹仲」
「………………は?」
人間、あまりに理解の及ばない話されると、ちゃんと聞こえてても脳がそれを拒否するみたいだな。
「なあに。あんた、もしかしてバカにしてる?」
さすがに聡いな、うちの妹は。ああ、俺は今、心の底からおまえの事をバカだと思ってるぞ。
「……ムンッ!」
ドゴッ!
「うがっ!」
桐乃のつま先が俺のアゴを強打した。揺れた! 脳が揺れたぞ!?
「何しやがんだよ!」
「あんたが失礼な事考えてるからでしょっ!?」
あれ? 俺、声に出してたっけ……?
あらゆる意味で納得しかねるといった俺の様子をみて、桐乃は子供を諭すように語りはじめた。
「あのねえ……たとえばさあ。普通、あたしくらいの年のコの部屋に兄貴が自由に出入りとかできると思う?」
「……そりゃ、思わねえよ?」
俺も自由に出入りなんてしてねえし。
「でしょ?」
いや、桐乃さん? そこのつなげ方、な〜んか変だと思うんですけど……
「今だって、こうして一緒にゲームで遊んでるじゃん?」
おまえが強制的に相手をさせてるだけだがな。
「たまに一緒に出かけたりもするし」
おまえの趣味や用事に無理やりつき合わされてる事を『一緒にお出かけ』と表現していいのならな。
「ま、それもこれも全て、シスコンの変態バカ兄貴に対する、あたしの献身的な気遣いの賜物よね〜」
「は?」
「シスコンのあんたが欲求不満で性犯罪に走らないよう、私が相手してやってるんでしょ。感謝してよね」
「おい! ふざけんのもいい加減にしろよ、てめえ!?」
誰が性犯罪に走るって? さすがの俺もキレるわ。これ以上、おまえの妄言なんて聞いてられるか!
しかし桐乃は、俺の威圧に動じることもなく余裕しゃくしゃく言い放つ。
「……なあに? 照れ隠し? キモイんですけどぉ〜」
その妹の言葉に俺は、両肩をがっくりと落とすしかなかった。
はあ、口ではどうせこいつにはかなわねえんだよな。まあ、じゃあ何ならかなうのかって言われても
情けない事に何にも思い浮かばねえけどさ……
がっくり来ている俺に、桐乃はさらに追い討ちをかけてくる。
「ちょっと。そこでしけた顔しなくてもいいじゃん。あんたシスコンなんだから現状に文句ないでしょ?」
「んなわけねーだろ!」
俺は断じてシスコンじゃないから現状に文句ありまくりだよ!
すると、さも意外だと言う顔をして桐乃が問い直す。
「じゃあ、これ以上どうしろって言うわけ?」
どうもしていらねえっての。俺にかまわないでくれるのが一番だよ。
ま、そんな事を言えるはずもないので、俺は別の事を口にした。
「なんだよ、言えば聞いてくれるってのか?」
んなわけないでしょ! そんな台詞でこの話題はおしまい。
そう思っていたのだが、桐乃の返事は意外なものだった。
「聞いてあげないこともないよ」
「……マジ?」
俺の驚き顔を見た桐乃は、それまでの機嫌良さげな顔をしかめっ面に取り替えて言った。
「あ、でも、やらしいお願いはダメだかんね」
「しねーよ!」
おまえは俺をなんだと思ってんだ!
ああ、そっか。変態シスコン兄貴と思ってんだっけ……
「じゃ、言ってみ? ほらほら、はやく」
なんだかわからないが、上機嫌でそう催促する桐乃。なんでこいつ、こんなに機嫌いいんだ?
「えーと……それじゃあ、昨日わたされたエロゲ、やんなくてもいい?」
実はまた新作のエロゲをクリアするように仰せつかったばかりだったのだ。
すると桐乃の機嫌は一転、苦虫をかみつぶしたような顔で俺を睨み付けながらこう言った。
「ハァ? 何バカな事言ってんの? 兄妹仲をよくするって話してんのに、
私らの数少ない共通の話題なくしてどうすんのよ」
あー、やっぱり却下されたか。それにしても共通の話題ってのは違うと思うぞ。
俺が一方的におまえに合わしてるだけなんだから。
しかしこれは意外に難問だ。そもそも俺は兄妹仲をよくしたいなんてこれっぽっちも思ってないんだから。
にも関わらず兄妹仲を改善するためのお願いを強要されるといった困難な立場に置かれているという……
うーん、なんでいつもこんな感じになっちまうんだろ?
「じゃ、じゃあ……まずは呼び方からあらためるってのはどうだ?」
とりあえず無難な提案をしてみる。
「たとえばなんて呼んで欲しいわけ?」
「え……? そりゃ、『お兄ちゃん』とか、『兄さん』とか?」
赤城んとこみたく『おにぃ』ってのでもいいし。とりあえずアンタとかシスコン以外ならなんでもいいよ。
「ハァ? 何それ。エロゲ脳もいい加減にしてよ」
「ちょ! 実の妹に兄と呼ばせるのがエロゲ脳なのかよ!」
……まあ、確かに普段よばれ慣れないから? 今でてきた呼び方は全て、
最近プレイさせられた妹モノエロゲからとらせていただきましたけどね……
「だいたいさー。その件ならさっきも言ったでしょ。あんたなんて、アンタで十分」
なんだそりゃ。
「わけわかんねえよ。兄妹仲を良くするための話なら、まずは互いを兄・妹として認めあうところから始めるべきだろ?」
俺としてはこれ以上ない正論を述べたつもりだったのだが、桐乃はそれをあっさりと否定する。
「は? あたし前に言わなかったっけ。兄貴面すんなって」
覚えてるよ。俺も同感だったからな。でもよ。
「それとこれとは別だろ。おまえだって、兄妹仲がどうこう言ってるじゃねえか。兄・妹と認めてるからだろ?」
「ふん。勝手な解釈やめてくれる? 単なる便宜上の問題でしょ。兄と認めてようがいまいが
私らの関係、ほかに表現しようが無いじゃん?」
へー、そうかね。他にもあるだろ、もっとも適切な表現がさ。『アカの他人』って奴?
……一瞬そんな事も思ったが、いくら口ゲンカの売り言葉に買い言葉でもこれはいっちゃなんないと思った。
そもそもさ。冷静に考えてみれば、いまさらこいつと、兄だと認める認めないで喧嘩するとかありえねえし。
兄と思われてようが思われていまいが、どうでもいいはずだろ……俺は。
そんな思考をめぐらせてる間の俺の沈黙をどう受け取ったのか、桐乃が怪訝そうにこう言った。
「……なによ、黙り込んじゃって。なあに? あんた、まさか、あ、あたしと……その……きょ、兄妹以外の
関係の方がいいって思ってるとか?」
俺が思ってる事を読み取ったのか、最近たまに見る怒り爆発寸前のような、頬を紅潮させたしかめ面でそう言う。
しかし桐乃も『その言葉』だけは言っちゃだめだと思ったのだろうか。はっきり言わずに言葉を濁していた。
「いいや。思ってねえよ。俺とお前の関係は兄妹以外ありえねえ。俺たちが望もうが望むまいが関係なく。
そういう風に生まれちまったんだからな」
最近、ふと思う事がある。俺と桐乃がもし兄妹として生まれなければ、もっと違う関係が築けたのだろうかと。
たとえば桐乃が実の妹じゃなく単なる出来のいい幼馴染だったら?
へっ。それこそまったくせんない話だ。考えるだけ無駄ってやつだな。
そもそも兄妹でなければ、たとえ隣に住んでたって一切接点なんてなかったんじゃねえか?
少なくとも、俺にとってこいつはそういう存在だったはずだ。
「……ふん、何気取ってんだか」
桐乃がそっぽ向いて鼻を鳴らす。そして、再びギロリとこちらを睨み付ける。
「……で! お願いは? こんなことさえすぐに思いつけないくらいどうしようもない低脳だったの?」
激しくイライラした感じで桐乃が言う。そっか。その話まだ終わってなかったのな。
なんだか色んな意味で気が失せてた俺は、罵詈雑言に反応する気にもなれず投げやりに思いつくまま言葉を放った。
「もう、なんでもいいよ……。背中でも流してくれれば改善すんじゃね? 俺とおまえも一応家族なんだしさ」
そう言った時の俺の頭の中には、昔──といってもほんの数年前──親父の背中を流してやった時の事が思い出されていた。
たしか、親父に酷くしかられて……俺もそんときはなぜかひっこみつかなくなって激しく抵抗して……
そんなことがあった後、おふくろの奴が、風呂一緒に入って背中流して来いとかうるさく言うから渋々流しに行ったんだよな。
そうしたらお互い最初は無言だったけど、もっと力を入れろとかなんとか言う話から少しずつ会話がはじまって、
最後には親父の方から少しきつく叱りすぎたって言ってくれて……それで俺も素直に謝れたんだっけ。
「はあ? それって一緒にお風呂に入りたいって事? さっきエッチなお願いはダメだって言わなかったっけ。あたし」
「勝手にニュアンス変えるんじゃねーよ!?」
俺の数少ない暖かな家族の思い出が台無しにされちまった気分だよ!
「わかった、わかった。さ、もう出てって。暇もてあましてるあんたと違って、私、いろいろ忙しいんだからさー」
そう言ってすげえ力で俺の腕をひっつかみ、部屋の外へ追い出す桐乃。
「は? おい、勝手な事言ってんじゃねえよ。おまえがシスカリやるって、出かけようとした俺を無理やり……」
「はいはい。対戦なら、また今度、相手してあげるからね」
「誰もそんな事言ってねえ! ……あ、おい!」
バタン!
あっという間に追い出されちまった。
適当な事言われたと思って怒ったのかね。まあ、実際適当な事言ったんだけどさ──
「……あ」
もしかして、俺がいやらしい気持ちであんなこと言ったと思ったから、それで怒ったのか?
自分はまじめに兄妹仲の改善のための話をしているのに……って。
もしそうだったら悪い事しちまった……かな。
……いやいや、あいつはそんなタマじゃねえ。ついさっき、あいつにそんな気遣いは無用だって悟ったばっかじゃん!
どうせ、今回の話題全体が、なんかのひっかけだったんじゃねえのか? それが自分の思うような面白い方向に
話が転がらなくて嫌になっちまったとかさー。ありそうな話じゃん? でもな──
「……くそっ。なんで俺がこんなことでイライラしなきゃなんねえんだよ」
こういう時は、幼馴染の顔を見たくなるのが俺の常だった。でも、もうこの時間じゃ遊びに行くのもな……
結局、俺は夕飯の時間まで部屋でふて寝を決め込む事にしたのだった。
「京介、父さん今日は泊まり込みだから、あんたもうお風呂入っちゃいなさい」
親父がいないせいか、やけに手抜きくさかった夕食の後、リビングで一人テレビをみているとおふくろからそう声をかけられた。
「……桐乃は?」
実際に言われた事があるわけじゃないのだが、なんだか桐乃の前に風呂に入ると、髪の毛が浮いてるのなんの
文句つけられそうで、なるべく遅い時間、一番最後に風呂に入るのが俺の近頃の習慣になっていた。
「寝る前に入るから最後でいいって。あの子、今手が離せないんだってさー。めずらしく試験勉強してるみたい」
「ふーん。いつもは試験前に慌てるのは、普段やるべきことをやってないからとか偉そうに言ってるのによ」
俺はいつぞや言われた話を思い出して、そう陰口をたたいた。
いや、俺が根に持つタイプとか、陰口叩くタイプとかってんじゃないんだぜ? 妹だけは特別なんだ。
「何言ってるの。京介、あんたももうすぐテストでしょ? 普段、やるべきことをやってないあんたは慌てて勉強しなくていいわけ?」
うえっ。とんだヤブヘビだ。
「風呂に入ってきまーす」
そう言って俺はその場を逃げ出した。
チャポン。
「ふー。今日もつかれたぜ……」
湯に身体を浸しながら独りごちる。
たいした事は何もしてないのだが、おそらく桐乃との事が俺の精神にダメージを与えてるに違いない。
あの日からこっち、家にいるとなかなか気が休まらない事が多くなっちまった。
からんできたらからんできたでウザイし、無視しあってる状態になるとそれはそれで神経使うし。それに比べて……
「あーあ、今日は麻奈美んとこにも遊びにいけなかったな……」
あいつと一緒だと本当に癒されるんだけどなー。
なんで実の妹相手にピリピリして、血の繋がりも無い相手に安らぎを覚えるんだろうか。
……結局、血縁なんて意味ねえんだろうな。家族で憎みあったり殺しあったりだってする事もあるわけだし。
一緒に過ごす時間が長いって意味なら、麻奈美の方がよっぽど家族だし。
考えたら親父とおふくろのように夫婦も家族だが、夫婦間には血縁ないよなあ……
そんな風にとりとめの無い考えにふけっていると、突然、夕方の出来事が思い出された。
『だいたいさー、うちってかなり仲いい方でしょ?』
『……じゃあ、あんたはこのあたしにどうして欲しいわけ?』
あいつ、何考えてあんなこと言い出したのかねえ。
あれ? そういやお願いの話って結局どうなったんだっけ。たしか俺が──
すると、脱衣所のドアが開く音がして、風呂のすりガラス越しに人影が見えた。
その時、天啓のように昼間のやりとりが思い出された。
『背中でも流してくれればいいんじゃね?』
『なあに? それって一緒にお風呂に入りたいってこと?』
「げっ……! ま、まさか!」
しかし、俺の心配はすぐに取り越し苦労だと判明した。
「京介ー、桐乃まだしばらく入らないらしいから追い炊き消しといてー」
「……あ、ああ。わかったー」
脱衣所から聞こえて来たのはおふくろの声だった。
「ふう。これじゃ桐乃から変態よばわりされても言い返せねえな……」
まったく。最近の俺はどうかしてるぜ。
そんな混沌としだした思考を洗い流すかのように頭からお湯をかぶり、操作パネルの
自動追い炊きスイッチを切って風呂を出た。
その夜──
真夜中に誰かに起こされたと思ったら、いつぞやのように妹が、ベットの上で
俺に覆いかぶさるように四つんばいになっていた。
こういうことがあったのはこれで二度目。しかし、こんな事に慣れるはずもなく、
俺の心臓は前回にもましてバックンバックンいっていた。
前回と違って、妹はまだ私服のままでパジャマには着替えていない。
「こ、今回は何なんだよ……」
俺は努めて冷静にそう問いただす。慣れたわけじゃないが、何が起こってるかわからなかった前回に
比べれば、状況把握が出来ている分、落ち着いていられた。
「はあ? 何言ってんの? もう昼間の事忘れた?」
「昼間……?」
もしかして夕方の話か?
「そ。あんたから言ってきたんでしょ。……その、背中……流してくれって」
「いっ……!」
これぞまさに不意打ち。完全な時間差攻撃だった。
「で、でも……俺、もう風呂はいっちまったし」
ドギマギしながら、なんだか言い訳がましくそう答える俺。
「そ、そんなの別に関係ないでしょ! 身体きれいにするのが目的ってわけじゃないんだしさ」
は? 背中流すのに、それ以外の目的があるのか? まさか、いわゆる大人のマッサージ……!?
「兄妹仲を改善するためっつったじゃん」
ああ……そっちね……お、驚かすんじゃねーよ!
「で、でもなんでこんな夜中なんだよ!」
とりあえずなんでもいいから否定材料をぶつけてみる。
「相変わらずバカね。お母さんが起きてる時間に、二人でお風呂に入れるわけないでしょ? こないだ、
あんな事があったばかりなのに、学習能力はないわけ?」
そりゃ、こっちの台詞だっつーの! っていうか、やっぱ一緒に風呂はいるって話なんですね?
「ま……マジで、俺と……その、風呂に一緒にはいる気か?」
嘘にきまってんでしょ! きも〜本気にしたわけ? そんな答えをちょっぴり期待しつつ聞いてみる。
「ハァ? 何言ってんの? そうしなきゃ、背中流せないじゃん」
うう……普通に答えやがったよ……
「で、でもさ。お前、いやらしい願いごとはダメだって言ってたじゃねーか」
「何? あんたもしかして、いやらしい気持ちで背中流せって言ったの?」
「バ、バカ! んなわけねーだろっ!」
俺は大慌てで否定する。
「なら、いいじゃん。ほら、いつまでもぐずぐず言ってないでとっとと行くわよ」
そういって、俺の袖をひっぱって部屋から引きずり出す桐乃。
あ、あれえ? なんでこうなっちまうんだろ?
「んもう、何してんの? 早く脱ぎなさいよ」
結局、有無を言わせぬ勢いで脱衣所まで連れてこられてしまった。
「マ、マジで……?」
コクリ。桐乃は眉をひそめながらただうなづいた。
「……」
俺はじっと、そんな桐乃を見返した。
「なに?」
いや、おまえは脱がないのか? そう尋ねようかと思ったが、これじゃまるで俺が妹に服を脱ぐ事を強要してるかのようで、
言えなかった。ああ、そうか。桐乃は、自分は服を脱がずに、ただ、風呂場に入ってきて俺の背中を流すだけのつもりなのかもな。
考えたら、あたりまえじゃね? もともと俺もそのつもりだったんじゃねえか。夜中にこそこそするから、変な勘違いしちまったよ。
「もう、いつまでぐずぐずしてんの!?」
「わ、わかったよ」
これはもう、何もせずに終わるってわけにはいきそうにない。それならとっとと言うとおりにして、
一刻も早く終わらせるのが得策ってものさ。とはいえ……
「おい……」
「なに?」
「そう、じろじろ見ないでくれるか? 脱ぎにくいぞ」
「は? 兄妹で何恥ずかしがってんの?」
そういうもんじゃねえだろ。……とは言えない。兄妹なんだから裸みられたってどうってことないとは、
以前、事故で桐乃の裸……っていうより、あれはナニだが……を見てしまった時に俺が言い訳に使った
言葉だからである。くそう。でもコイツだったら、そんな事気にせず「それはそれ」とか言って開き直るんだろうなあ。
結局、俺は桐乃ににらまれながら服を全部脱ぐと大急ぎで風呂場へと飛び込んで磨りガラスのドアを閉める。
風呂は既に追い炊きされてあたためられていた。
俺は風呂場に備え付けられている自分用のナイロン製ボディタオルを腰に巻き、股間を覆い隠してバスチェアに座る。
「はあ〜〜」
と大きなため息をつき、深呼吸してからドアの方を見る。
すると、桐乃のシルエットが写り、手を胸元に持っていったかと思うと、ゆっくり服を脱ぎ始めた。
「げっ! あいつ、まさか……!」
風呂の暑さだけのせいではなく、顔、そして全身が燃えるように熱くなるのを自覚する。
今度は桐乃が手を腰のあたりにそえると、ストンとスカートが落ちる。シルエットだけだとほぼ全裸も同然である。
そして、ついに桐乃の手が最後の一枚を自らずりおろした。その一部始終を俺は視線を外す事なく見届けてしまった。
ガラリ。
磨りガラスのドアが開くとそこには一糸纏わぬ妹の姿ああった。
特にどこかを隠すでもなく堂々としている。
さっきまでガラスドア越しに桐乃の様子を伺ってた俺は、当然のごとく風呂場に入ってきた桐乃の姿を
凝視することになった。
初めてまともに見る、成長した妹の裸身──
湯煙の中に浮かび上がったそれは素直に美しいと感じられるモノだった。
均整の取れた、女性らしいやわらかみのある肉体。ナチュラルに胸のあたりを隠すように肩にかかる長い髪。
その髪の合間から覗く、やわらかそうな乳房ときれいな色の乳首。なんというか……エロ本とかのモデルと全然違う。
そして真っ白な腹部。へそから股間へのなだらかなラインが俺の本能を刺激する。
そして幼く閉じた性器と女らしい腰つきのアンバランス。細身のわりに肉付きのいい太もも──
ゴクリ。
俺が生唾を飲み込むと、その音に反応したかのように、それまで静かに佇んでいた桐乃が、手で身体を隠す。
「こ、コラ! やらしい目でじろじろ見るな! 変態!」
顔を真っ赤にして桐乃が声を荒げる。とはいえ、おふくろを起こさないように絞った声なので迫力には欠ける。
「み、みてないって!」
が、俺への効果は十分。俺はあわてて妹に背中を向ける。
ついでに股間のテントも、桐乃の目から隠した。
それにしても。桐乃の奴、案の定、「兄妹なんだから」って言うさっきの自分の言葉なんて棚にあげやがったな。
とはいえ、それが理不尽だとは決して思わない。妹の裸と、俺なんかの裸は、確かに価値が全然違うものだ。
例えるなら──見せたら減りそうな感じ?
「じゃ、背中洗うから」
その平然とした桐乃の言葉で我に返る。そういや、俺のボディタオルは今、俺の股間にかぶさっている。
桐乃のやつどうやって洗うつもりだ? そんな風に思っていたら、ムニュと背中に柔らかい感触が。
「ひょっ!」
思わず上ずった声を上げる俺。
「……どう? 気持ちいいでしょ」
「あ、ああ……」
確かに気持ちいい。俺がいつもつかってるビニール製のボディタオルとは全然違うやわらかな感触。
こ、これはもしかして桐乃の……?
「今日は特別にあたしのボディタオルで洗ったげる。普段勝手に使ったらダメだかんね」
「つ、使わねえよ」
ゴシゴシ。うわあ、本当に気持ちいい。しかし、かつてここまで妹に優しくしてもらった事なんてあっただろうか。
普段は座布団ひとつ借りるのも一苦労なのに、これってこいつとしては破格のサービスなんじゃねえか?
いつも酷い目にあってるのなんて、すっかり許せる気分だ。
なんか泣きたくなってきた。
ん? ま、まてよ。この気持ち。
幼い頃にも感じた事があるような……もしかしてこれって……
「ジャイアン効果か!?」
「……ハァ? いきなり何?」
うわ、思わず声に出しちまった。
みんなもわかるよな、この感覚。普段、ひでェ事ばかりしてる奴ほど、ちょっと優しいところや
いいところを見せられると、何倍も良く見えるという……
ちょうど子供の頃よく見た映画版ドラえもんの、かっこいいジャイアンみたいな感じ。
「い、いや何でもねえ」
正直に言ったら、ぶっとばされること請け合いだ。
「もう、夜中なんだから急に奇声上げるのやめてよね」
ゴシゴシ。桐乃の手は、力強く、しかしゆっくりと時間をかけて俺の背中をなぞって行く。
なんだかなあ、このやすらぐ感覚。まるで麻奈美と一緒にいるみたいだ。
まさか、桐乃と居て、こんな気分になるなんてな──
「あんたさ。このあたしがここまでやってるんだから、死ぬほど感謝しないさいよね─」
ああ、こういう余計な一言さえなきゃなあ。
「あ、少しお湯かけるから」
そう言って、桐乃が身を乗り出して洗面器でお湯をすくうと、俺の目の端で妹の乳房がぷるんと小さく揺れる。
「……っ!!」
そうだ、こいつ裸だったんだ! 改めてそう意識すると、さっきまでの安らぎ気分はどこかにふっとび、
再び顔と股間がカッカと熱く燃えはじめる。
だめだ、このままじゃ場がもたねえ! そう思った俺は、桐乃にどうでもいい話を向けようと声をかけた。
「あ、あのさ。おまえって、特別な石鹸とか使ってんのか?」
「ん〜。特別かどうかわかんないけど、まあ、ちょっと高めの自分専用の奴使ってるよ。日焼けとかしすぎると困るし」
お、いい感じ。これぞ世間話って感じだ。
「なるほど、どうりで部活とかしてるわりに……」
きれいな肌してる、といいかけてやめる。なんか変な解釈されそうだしな。
しかし桐乃は俺の飲み込んだ言葉を予測したかのように言った。
「……ちょっと、変な目で見るのやめてよね」
ほら、やっぱりそんな解釈しやがるんだ、こいつは。
「へ、変な目でなんか見てねえよ」
思わず声がうわずる俺。
「嘘ばっか。さっきだって、私の裸、やらしい目で嘗め回すように見てたじゃん」
「や、やらしい目でなんて見てねえって!」
「嘘。じーっと見てた」
「あれは……びっくりして、つい、ちょっと見いっちゃっただけだろ」
「夜のオカズにしようと思って?」
「違うわ!」
こいつは〜……最近、すぐにそういう事言い出しやがって。マセガキめ!
「ま、あんたが見とれるのもわからないでもないけどね〜」
くっ……! 相変わらず、自信満々だな、オイ。自信過剰ってわけじゃないところが、さらに頭にくるぜ!
「……何言ってやがる。妹になんか見とれるわけねえだろ?」
腹が立つから断固否定する。
「……」
突然の沈黙。
しばらくして桐乃が、それまでの明るい声から一転、急に悲しそうな声を出す。
「……そっ……か……」
お、おい。急になんだよ。
「これでも一生懸命がんばってんだけどな……あたしって、そんなに魅力ないかな……」
「い、いや。そ、そんなに落ち込む事ねえだろ?」
おまえらしくねえぞ?
「だって、あたし読モだよ? 水着になったりもするんだよ? 裸みられて魅力ないとか言われたら、そりゃ落ち込むって……」
うわあ。こいつ、こんなに打たれ弱いやつだっけ?
あれか? これもモデルとしてのプロ意識ゆえの事なのか?
くそ……こういう時は、きっちり顔を見れないのがもどかしいぜ。
「ち、違うって。あくまで、俺はおまえの兄貴だからだろ。それに魅力ないなんて一言も言ってねえだろ?」
「いいよ。慰められたら余計、みじめじゃん……」
ああ、もう! この妹は、本当に手がかかるなあ!
「お、おまえがやらしい目で見るとか言うからだろ! ちゃんと魅力的だから安心しろ、バカ!」
「魅力的って……? どんな風に……?」
「ど、どんな風にって……」
俺が口ごもると桐乃がまた暗い声で言う。
「ほら、テキトー言ってごまかしてるだけじゃん……」
「ああ、えっと。き……キレイだったって! あと、すごく色っぽかった!」
くそ……なんで、妹にこんな事言わなきゃなんないんだよ……
「もっと、具体的に言ってくれないと信じらんない……」
なぬっ!? ……クソっ! もう、ヤケだっ!
「え、えーと。白い肌がキレイで、体のラインもすんげー、女らしくって。でもって……」
ああっ! いったい、これはどういう羞恥プレイだよっ! そろそろ納得しやがれっ!
「……プッ……ククッ……」
ん? な、なんだ?
「ククッ……あ、あんた。やっぱり、すっごい見入ってたんじゃん! ……ハッ、アハハッ……うぷぷ」
声を噛み殺しながら笑いころげてるらしい桐乃。ま、まさかコイツ……また……
「し、しかも、妹にキレイだとか色っぽいとか……ククッ……あんた、シスコンもたいがいにすればあ?」
「き、桐乃てめぇっ! また、ひっかけやがったな!」
俺はそう叫んでおもむろに振り向く。
顔を真っ赤にしてニヤニヤ笑いを噛み殺す桐乃の姿が視界に入ったかと思うと……
バシッ!
泡だらけのボディタオルが俺の顔を直撃する。
「わぷっ! 目に泡が、目にっ!」
「み、見るなっ! あと、でかい声だすなっ……! お母さんが起きたらどうする気!?」
「くぅ〜……!」
もう、なにもかもが理不尽だろっ!
「ま、正直に見とれてましたって言えば、今日は特別に許してあげるからさ」
悔しさとタオルの泡のせいで、目をしばたかせる俺を無視して勝手な事をほざきつつ
再びマイペースに俺の背中を流し始める桐乃。
「うう……」
くそっ! 三つも下の妹にこうも軽くからかわれるとは!
……まあ、いつもの事と言えばいつもの事だが、それがなおさら情けねえぜ。
ここは兄として毅然とした態度で言い訳しなければ。
「ち、違うぞ。別におまえに見とれてたわけじゃねえよ。ほら、馬子にも衣装って言うじゃねえか。単にそんだけの事だよ」
「あたし、いま素っ裸なんだけど?」
そうでした。
「なに? あたしは裸が一番いいって意味?」
「ち、違うって!」
「もしかしてあんたの頭の中じゃ、あたしって常に全裸だったわけ? 本気で変態ね、あんた」
「そんなわけねえだろっ!」
常に妹の裸を想像してる兄とか、気持ち悪すぎるわ!
「今のはちょっと、口がすべっただけ!」
「口がすべるってことは日ごろからそう思ってる証拠」
「勝手な証拠認定すんな!」
とは言ったものの、その言葉はある意味で俺の痛いところをついていた。
裸云々は別として、からかわれてるとも気づかずに、妹の容姿を不覚にも褒めちまった事。
確かに俺が、妹の事を可愛いとか美人とか思ったのは今にはじまったことじゃねえんだよな。
こいつの事をずっと無視し続けてた時だって、こいつの事を心からウザイと思ってた時だって、見てくれだけはずっと可愛いと思ってたんだし。
ただ、それを素直に口にしてやるには、おまえが今まであまりに憎らしかっただけだよ。
そして、さっき俺がペラペラとお前を褒めちぎっちまったのは……
たぶん、今夜のお前はそれを素直に口にしてやってもいいくらいには、可愛いかったってことなんだろうよ。
もちろん、全てジャイアン効果による錯覚だけどな!
「……はい。もっかいお湯かけるから」
俺の葛藤をよそに、妹は淡々と背中を流す作業を続ける。
「あ、さっきみたいに、私の胸、盗み見るのやめてよね」
「ばっ! バカ言うな。そんなことしてねえよ!」
そういって、湯を汲むために乗り出してくる妹と、逆方向に顔を向ける。
ザバァ。ゴシゴシ。
それにしても桐乃の背中の流し方は、非常に丁寧だ。なんというか、すごく愛情がこもってるというか。
まあ、本当に愛情が込められてるわけじゃなく、こいつの器用さと完ぺき主義の賜物なんだろうけどさ……
そうはわかっていても、この快感の前には、こいつの事を全くいとおしく思わない……ってわけにはいかない。
はぁ。俺が昔、親父の背中流したときもこんな感じだったのかねえ。もっとも俺の流し方が、
これほど上手だったとは思えないけどさ。
「はい、おしまい」
桐乃は最後にもう一度お湯をかけてそう宣言した。
正直、もう終わるというのが──そしておそらくは二度とないだろうってことが──残念だった。
「あ、ありがとうよ。すげえ気持ち良かった」
俺は心からの礼を述べる。ちょっとした騒ぎはあったものの、本当に良い気分にさせてもらったひとときだった。
「そ、そう……」
お互い、顔を合わせずそんな会話をする。どんな表情してんだろな、桐乃の奴。
見てみたいが、なんだか恥ずかしくって見れずにいると……
「くちゅん」
桐乃が小さくクシャミをした。
「大丈夫か、湯船につかれよ」
「う、うん……」
桐乃が俺の左脇を通って湯船へ向かう。俺は視線を右にそらし、そのまま回れ右で
湯船にポチャンとつかる桐乃とすれ違いに風呂場を出ていこうとする。
しかし、後ろから妹の声がして俺をひきとめた。
「ちょっと、どこ行く気?」
「どこって……もう背中流してもらったから」
「ば、バカじゃない? まだ全然、兄妹仲改善してないじゃん」
そ、そうかな? 俺としては十分、当初の目的は達成できたと思ったんだが……
そんな気持ちを俺がとっさに言葉にできず、ただ黙っていると桐乃が再び口を開いた。
「あ……あんたも、とっとと湯船につかりなさいよ」
不機嫌そうにそう言う桐乃。
「え? さ、さすがに、それは無理じゃね?」
うちの湯船はそんなに広くない。
少なくとも身体を密着させずに二人で入るのは無理だ。
「……抱っこ」
桐乃がぽつりと、スネた子供のようにそう言った。
「え?」
あまりに桐乃らしくない言葉に思わずそう聞き返す。
すると今度は実に桐乃らしいトゲトゲした言い方で答えた。
「あったま悪いなあ。あんたがあたしを抱っこするみたいに入れば大丈夫でしょ」
「いっ!? いや、それはマズイって」
色んな意味で!
「何がマズイの? いいから早く。それともあんた自分の言う事はきかせておいて、
あたしの言う事はきけないとでも?」
「いや、そうは言うけどさ……」
そんな風に早口でまくし立てる桐乃に対し、俺は変わらず歯切れが悪い。
だってよ……抱きかかえるようにするってことは俺の股間が桐乃の背中とか尻のあたりに
あたる事になるわけで……
「別に、勃起してるのとか気にしないから。……早く」
うげ。しっかり気づかれてたよ!
「わ、わかったよ……」
この流れになるともはや逆らえない。俺は素直に桐乃の言葉に従う。だって勃起してる事、追及されたくねえし……
「し、失礼しまあ〜す……」
そういって桐乃の背中側にまわるようにして湯船に入る。桐乃の素肌に足が触れる。
桐乃はスペースを空けるように前傾姿勢で顔もうつむいたままなので表情は見えないが、耳が赤くなってる気もする。
照れくさい……のか? それともお湯が熱いだけ?
「んしょ」
腰を下ろす俺。とうぜん俺の勃起したままのイチモツが桐乃の背中に……
ぴと。
「ひゃんっ!」
「ご、ごめ!」
桐乃が色っぽい声をあげる。俺は思わずかがみかけた腰を浮かせて立ち上がる。
「……い、いいから。余計なこと気にせず、とっとと座って」
「あ、ああ……」
再び腰を下ろす。ツツツツツ……俺は竿の裏の部分で桐乃の背中をなぞるようにして腰を下ろした。いや、あくまで不可抗力だよ?
「〜〜〜〜!」
桐乃は声にならない声を挙げる。よほど気持ち悪いんだろーな。
そう思うと、俺は日ごろの恨みというか、悪戯ごころというか、わざと亀頭や裏筋を桐乃の背中に強くおしつけたりしてしまう。
うわっは! こりゃ気持ちいいわ。征服感って奴か? 肌もすっげー、つるつるもちもちだし! な、なんか興奮してきた!
「は、あぁん」
ついに桐乃が声をあげる。やべえ、本当になんて色っぽい声を出しやがるんだ、こいつ……
ていうか、俺、かなり人間としてヤバイ事してたんでは……?
我にかえり、いろいろと自分に危険を感じた俺は、素直に腰を下ろした。
「……ちゃ、ちゃんと入った?」
「お、おう」
湯船につかりおわった俺がそう答えると、桐乃はふわりと俺に体重を預けてきた。
「はふう……」
桐乃の吐息。濡れた髪の毛が張り付いたうなじや肩の線がやけに色っぽい。
これまで女の色気ってのは胸とか尻とか太ももにあるもんだと思ってたけど……なんか、少し大人になった気分だ。
もっとも、中学生の妹に色気を感じて、大人気分も無いかもだけどさ。
「ね、ねえ」
「あん?」
「ず、随分落ち着いてるじゃん」
桐乃が少しばかり不満そうにそう言う。なるほど、やっぱりコイツ、俺をからかうつもりでこんな事を……
だとしたら残念だったな。なんかこうやって湯船に浸かってみると、変な気持ちはほとんどふっとんじまった。
なんだか、体だけでなく気持ちまで暖かくなるっていうか……さ。
「ま、あっちはあんまり落ち着いてないみたいだけどさー おしりにコツコツあたってウザいんですけどー」
「うぐ……」
ま、まあ、それとこれとは別問題っていうか……仕方ないじゃん!
妹とはいえ、裸の女の背中が目の前にあるだけでなく、密着してんだしよ!
それにおまえ、さっき勃起してても気にしないって言わなかったか? この嘘つきが!
「なーに? あんた、落ち込んでんの? まあ、いーじゃん。特別に誰にも言わないであげるからさ」
桐乃はそういいながらクスクスと笑う。その笑い声に、俺の風呂にのぼせかけた頭は一瞬で冷やされちまった。
……くそっ。頭と同じように、股間もおさまってくれればいいのになあ。
しかし──今の桐乃の笑顔は……ここからだとかろうじて横顔が見えるくらいだが、なんというか……
本当に可愛い。いつか見た幻のような、これが本当に俺の妹なのかと言うような笑顔がそこにあった。
この笑顔のためなら、どんなことだってしてやる──俺以外のほとんどの男はそんな風に思うんじゃないだろうか。
それとも、これは兄の欲目って奴か? だとしたら、俺も本当にシスコンだってことになるのかねえ?
「……どうしたの? さっきから黙っちゃてさ」
「い、いや別に」
「……」
桐乃はチラリチラリと俺の方を伺うようにする。何かを言いたそうな感じだ。口ごもるとか、こいつらしくねえな。
「なんだよ?」
促すと、ようやく桐乃は言葉を紡いだ。
「ねえ……あんたさー。もしかしてあたしのこと……好き……だったりするワケ?」
「は、はあ!?」
な、何を言い出すんだ! コイツはいきなり。
「べ、別に。あんたがあたしの事、どう思ってようが、あたしには関係ないけどさー……」
口をとんがらせてスネるような言い方。ただ、その問いかけには、今夜のこのイベントの意味が
全て含まれているようにも思えた。
だから、俺もその問いに真剣に答える。
「ええと……わからねえ」
沈黙。俺のその答えに桐乃からは何の反応も返ってこなかった。
あらためていうまでもなく、このイベントは兄妹仲を改善しようってイベントだ。
そして桐乃のやつは、桐乃なりに一生懸命その目的を達成しようと頑張ってた……ように思う。
ま、こいつがなんでそんな気になったかは、さっぱりわかんねえけどさ。
単にからかおうとしたのが成り行きでそうなったのかも知れないし。
それでも……そんな妹に対して、俺の答えはあんまりだったと、我ながら思う。思うんだが──
「い、いやお前の事、考えるとなんか頭の中がぐちゃぐちゃになるっていうか、俺もよくわかんなくて……」
だめだ。どう言い訳しても、俺が悪い。『好きに決まってるだろ、兄妹なんだから』とでも言えば、きっと桐乃は満足したはずで、
今夜のこのイベントも大成功でおしまいになって、明日からはもしかすると、これまでより少しはマシな兄妹関係が築けたかもしれなかった。
しかし、それを俺の答えがぶちこわしちまったんだ。しかも、俺はその言葉をうまく取り繕う事さえ出来ない。
我ながら、どうしようもねえ兄貴だぜ、まったく。
そんな自己嫌悪に陥ってる俺に、桐乃から追い討ちをかけるような言葉が返ってきた。
「それって……結局、嫌いってことじゃん?」
スネるような声でそういう桐乃。
「そ、そんなこと言ってないだろ! 勝手に解釈すんな!」
今度は素直に言葉が出た。そして言葉を放ったあとで、ふと思い悩む。
あ、あれ? 俺は普段、妹を『嫌い』だから、あんな返答をしたんじゃなかったのか?
「……じゃあ、好きなワケ?」
「いや、そうとも言ってない」
「……ん〜〜」
うわ、すげぇ、睨まれてる。とりあえずいつもみたく迎合しておいた方がいいんじゃねえのか、俺。
……しかし、なぜか、この点に関してはいつものように迎合する気になれなかった。
まあ、そりゃそうだよな。あんだけの仕打ちされて好きだとか、シスコンどころかドMのド変態だって!
「……ぷっ」
突然、桐乃が小さく吹き出す。
「あは。結局、あんた、本当にわかんないんだ」
「わ、悪ィかよ……」
俺は、非常にバツの悪い気持ちでそう返答する。
「でも、嫌いじゃ……ないんだ?」
「た、たぶんな」
さすがにここは一応──ほんとうに一応だが──肯定しておく。
「そっか。……うん。そっか。ふうん……」
桐乃はそんな俺の言葉にもそれなりに満足そうに頷く。
そういえば、俺がはじめて桐乃のオタク趣味を知り、それを肯定してやったときもこんな感じで頷いてたっけ。
そして桐乃はちらりと俺の方を振り返る。
「……あのさ、あたしもたぶん……最近のあんたは、嫌いじゃ、ない……カモ」
妹からそんな有難い言葉が返ってくる。
「ほ、ほんとかよ。また俺をからかってるんじゃねえの?」
俺はこの照れくさい空気から脱しようとそんな事を言ってみた。しかし桐乃は大きくため息をつく。
「バカじゃん……それくらい空気読むっつーの」
はは。確かに、俺、空気読めてないかもな……
「……も……からかったわけじゃ……ないしィ」
口をとがらせて、まだぶつぶつ言っている桐乃。わかったって。信じるよ。
チャプン
そんな会話の後、しばし流れる、なんとなく甘い沈黙──
それを破ったのは桐乃だった。
「ところでさー」
いきなり桐乃がいつものトーンでしゃべりだした。
「あんたって、結構、絶倫? 全然、さっきから萎えないじゃん?」
「……ぐぅ!?」
絶倫って! せっかくのいい雰囲気が台無しだ!
そもそも、おまえの尻や背中がずっと密着してんだもん。萎えるわけねえじゃん!
そんな俺の心の声が聞こえたわけはないのだろうが、桐乃が的を射た事を言う。
「ねえ。それってさー。私のせい、なんだよね〜?」
くっ……なんだか愉快そうにいいやがって。やっぱりこうしてシスコンネタを増やすのが目的だったのか!?
「そ、そうかな? そんな気もしないでもないけど、実は全然違う可能性も考慮すべきかと……」
「……ハァ? 何を言ってんのか、わけわかんないんだけど」
俺だって、自分で何言ってるかわかんねーよ!
ああっ、なんだろう。急に恥ずかしくなってきちまった。おそらく桐乃の調子が普段どおりに戻っちまったからだと思うが……
「い、いやあ、参ったなー。じゃ、俺、そろそろのぼせて来たから上がるな」
ザバン。
なんだかいたたまれなくなって湯船を飛び出すと、ドアの前でギュッと手首をつかまれた。
振り返ると、同じように湯船から出てきた桐乃の裸身が目にはいる。
全身から滴り落ちる雫が、さっき見た時より数倍桐乃を美しく、色っぽくしていた。
「うわっ……!」
はっきりって今の俺には目の毒以外の何でもない。
俺はあわてて目をそらすも、桐乃に握られた手を振り解くことはせずその場に留まった。
すると桐乃がはにかむように言う。
「あのさ、どうしてもって言うなら? その、パクってしてあげても……いいんだケド?」
「パ、パクッ?」
「だって、それ……どうにかして、欲しいでしょ」
そ、そりゃして欲しいけど、それは絶対にだめだ!
「い、いいから! いらないから! お先!」
とにかくここは逃げるしかない。
「ちょ、ちょっと!……ひゃっ!」
「ぬわっ!?」
桐乃に手をつかまれたまま強引に風呂場から出ようとして、足を滑らせる。
それにつられて、桐乃が俺の方に飛び込んできた。
ゴチッ!
「きゃあっ!」
「痛テェ!」
桐乃と頭をぶつけ合うわ、ひじや腰を風呂場のタイルにぶつけるわであちこち痛めてしまう。
チカチカしてる目が元に戻ると、俺に桐乃がまたがる形になっていた。
どうやら俺がクッションになったおかげで、俺とぶつけあった頭以外、痛めてはいないようだ。
その点は良かったのだが、クッションにされているるポジションにいささか問題があった。
桐乃がまたがっていたのは、ちょうど俺の股間のあたり。
しかも俺の肉棒が反り返るべき本来の方向と逆の向きに折り曲げられた状態で桐乃に座布団にされていた。
おひょおおうお
つ、続きは
なんかきてぁ!!!!!!!!!!!!!!
GJ
下半身丸出しで張り付いてたかいg(ry
あのそろそろ下半身が風邪ひきそうなんですけど
続きはまだですか?
お、きてたか
期待しておこう
いえ、期待させてください
つ、続きは?
おおっ
続き続き!
続きはまだッスか?
連投規制かなんかにひっかかったようで、昨日最後までアップできませんでした。
>>383の続きです。
★☆★
「ひいっ……!」
あわてて体をずらすと、ちょうど桐乃の股の下から開放された俺の亀頭が、桐乃の膣内に侵入せんと力強く反り返る。
「い、イヤッ!」
しかし固く閉ざされたた桐乃の性器は俺のギンギンにスーパーサイヤ人化した息子の侵入を拒んだ。
結果、それは、ワレ目を滑走するようにして反り返り、
最後にぷっくりとした桐乃の突起をピシッとはじくようにして俺のヘソの方へと戻ってくる。
「ああんっ……やぁぁん!!」
その刺激に桐乃が、思い切り色っぽい声を上げる。俺の理性の壁はもはや決壊寸前だった。
「わ、ワリヒィッ!」
声をひっくり返しつつ、最後に残された理性と力をふりしぼり、四つんばいでドタバタと風呂場を飛び出し、
衣服をそのまま手にとって全裸のまま廊下や階段を水浸しにしつつ自分の部屋へと逃げ帰った。
「ハァ、ハァ、ハァ」
──その夜、俺は初めて、妹をオカズにした。
次の日。
最悪な自己嫌悪と共に目覚めた俺は、気まずい気持ちでリビングに向かう。
「……おはよ」
いつものように気の入ってない挨拶を飛ばすと、親父とおふくろから返事が返る。
「ああ、おはよう」
「おはよ京介。あら、今日は早いわね」
「……」
今朝は桐乃もいる。しかし、桐乃からの返事はない。ぶすっとした表情で、俺の方を目だけ動かしてちら見しただけ。
うーん。いつもなら親父たちの手前か、嫌そうにでも形式だけの返事は返してくるのだが。
ま、いつもと言っても、うちの妹は忙しいので朝に顔を合わせる機会自体少ないんだけどな。
しかし、昨夜のアレはいったいなんだったんだろう。一夜あけると、昨夜の出来事は夢だったんじゃないかと思えた。
この愛想の悪い妹と、一緒に仲良く(?)風呂にはいっていろいろ語り合ったとか……あと、その、なんだ……
うーん、迫害されすぎてタチの悪い妄想でも見るようになったんじゃないかと自分を疑っちまうぜ。
俺は桐乃に対する気まずさをごまかすように、親父たちに話かける。
「……あれ? 親父、昨日は泊まりこみって言ってなかったっけ?」
「ついさっき、帰ってらしたばかりなのよ」
おふくろが親父の代わりに答える。まあ、予想通りの答えだった。
それなら寝てればいいのにと思うのだが、普段忙しいだけに、
食事など家族が一同に介するこういう機会は出来るだけ大事にするのが
うちの親父の主義なのだ。
しかし、家族団欒を願う親父の気持ちと裏腹に、俺はいつにもましてきまずい思いでテーブルに近づく。
すると近づいてきた俺から逃げるように、
桐乃がしかめっ面のまますっと席を立つ。
そしてテーブルの真ん中から食パンの袋を乱暴に手にとり、
オーブンレンジの前に立つと、妹は俺の方を振り返り言った。
「ねえ、食べるんならついでに焼くケド……?」
おふくろは珍しい物を見るような目で俺と桐乃を順番に見た。
親父は目を新聞におとしたまま、しかしかすかに笑みを浮かべて咳払いひとつ。
俺はというと、とまどいを隠しきれないまま……
「じゃ、じゃあ一枚」と答えるのが精一杯だった。
(終)
>>392 GJ過ぎる!!
続きはもちろん書くよな?いや書いてください
ちょwwwwwwwwww
マジ神だろこれwwwwwwwwwww
最後の(終)いらないだろ?そうだろ?
続きに超期待してます
両親の前で焼きたてトースト挿入プレイ?
桐乃が京介に、妹が兄に挿入する
実にエロいね
100回読み返した
マジSUGEEEEEE
続き来てた!
俺も何度も読み返した
399 :
名無しさん@ピンキー:2009/07/05(日) 23:41:31 ID:tl4YH8g7
GJ
続きは……今回くらい長くなってもいいならw
>>395 さすがにバターまで塗るのはマズイだろうと思って自粛した。
バターがダメならマ(ry
長さについては全然かまわないので是非
>>400 良いから続き書けよ!
いえ、書いてくださいお願いします
ネタ考えるために原作読み直してみる
wktkが加速する!
俺に文才があれば桐乃が実は京介スキスキ〜な展開を書くというのに
どうして神様は俺に文才を与えてくれなかったのだろうか
神様は黒猫派なのさ
おまえにないのは才能じゃない 行動力だ
名言だな
紙に書いて部屋に貼っておこう
その紙見る度に死にたくなりそう
ほ
今読んだ
本編よりおもしろくて吹いたwwwwwww
俺、試験が終わったら、京介×桐乃のエロパロ書くんだ…
待て! それは死亡フラグとかゆう…
ともあれ、期待しつるよ
試験なんかよりも大切なものあるよな?
な?
魂か
熱いハートだ!
神が降臨してたのか…、超GJ
少し不安、アニメ化始まって職人が集まって来てくれてもこの神と比較されそうで怖い
アニメがおもしろいわけないだろ
学校帰り、うだるような熱い夏の日差しを散々浴びながらあたしは歩いていた。
汗で制服が身体にベタ付いてきて気持ち悪い。帰ったら直ぐにシャワーを浴びよう。
何気なく空を見上げると、憎い位晴れ晴れとした青空があった。早く雲が太陽を隠してくれないかな。
そんなことを思いながら角を曲がると、ゆらゆらと揺れる陽炎の向こうにあいつがいた。
正確に言えばあいつと、女。
あたしと居る時とは打って変わって、楽しそうに安心した様子で話しながら歩いている。
何故か、胸の奥の方で締め付けられるような感覚がした。
あいつらの笑い声が、耳の中を掻き回す。
……あたしはそれに背を向け、引き返した。別の道から帰ろう。
なんでそうしたんだろう。分からない。
あたしとあいつの兄妹仲はとても悪い。
でも、最近はまだマシになったような気はする。
『人生相談』の影響だと思う。
あれ以来、少しだけあたしとあいつの冷めた距離は縮まった。
あいつのことも見直したし、感謝もしている。それでも、やっぱりその距離は凄く遠い。
そういえば、なんでこんなに冷めた関係になったんだろう。
昔はこんなんじゃなかった。むしろ、仲が良かったような気がする。
そこまで考えを巡らせた時、ちょうど目の前に玄関のドアがあった。
「……まあ、いいや。今さらそんなこと、どうでもいいし」
そう小さく呟いて、私は玄関のドアノブを捻った。
「ただいま」
家の中に入って、靴を脱ぎながら言った。
あいつの返事はない。多分自分の部屋へ行ってるんだろう。
あたしが挨拶してやってんのになんで返事しないのよ、と腹を立てながらリビングへ行く。
ジュースを飲んで一息つく。よくテレビとかでやってるおっさんがビールを飲む感覚ってこんな感じなのかな、とかどうでもいいことを思う。
瞼が自然に落ちてくる。眠い。
ここの所ずっと忙しかったから疲れが溜まってるんだろう。シャワーを浴びて、少し寝よう。
脱衣所に行って服を脱ぐ。鏡に私の身体が映る。
まあ、綺麗なんだろう。読モやれてるし、クラスのあのダサい男子どもにもチヤホヤされるし。
それに比べてあいつは……。あ、やめとこう。あたしとあいつを比べるなんていくらなんでも可哀想だ。
それにしても、本当にあいつと血が繋がっているのかなと思うぐらい似ていない。
ふあ、とあくびが出た。さっさと浴びて寝よう。
間抜けに開いた口を手で押さえながら、磨りガラスのドアを押した。
「……まあ、本当は分かっているんだけどね。隠してるみたいだけど」
そうして、シャワーで汗を流して、しっかり水分補給をして、あたしは寝た。
コンコン、というドアをノックする音がしてあたしは目が覚めた。
タオルケットをのけてベッドからゆっくり起き上がりドアを少しだけ開く。あいつがいた。
「……何よ」
「メシ」
「……ん」
もうそんな時間か。思った以上に疲れが溜まってたみたい。
部屋から出てあいつの後に付いていく。
痩せていかにも弱っちそうな背中だ。
……でも、私を助けてくれたヤツの背中だ。
なんで、こいつはあんなことをしたんだろう。あたしいつもあんな態度取ってんのに。やっぱり本当にシスコン?
「おい、階段下りる時にぼーっとしてんなよ。危ねーぞ」
「はあ? してないし。眼鏡買った方が良いんじゃないの?」
「……ったく、悪態しか付けねーのかお前は」
「うっさいわね、シスコン変態エロゲ脳」
そう言うと、あいつはため息を一つ付いて黙った。
晩ご飯を食べ終えて、お風呂に入った。いつもは一番風呂はお父さんなんだけど、なんか仕事の続きをさっと終わらせたいから後で入るらしい。
身体と髪を入念に洗い、手入れをしてから浴槽に浸かる。
熱めのお湯が身体の疲れをゆっくりとほぐしてくれる。エヴァで「お風呂は命の洗濯」っていうセリフが出てきたけど、まったくその通りだと思う。
そうやって安心していると、またあの考えが頭の中に浮かんだ。
何故あいつとの関係がこんな冷めた関係になったのか。
どうでもいい、と考えを吹き飛ばそうとするけれど、頭の中にへばり付いて取れない。
……あいつが最近、優しいせいだ。
あいつとあたしの仲がおかしくなったのは、多分、あいつの弱さのせい。
……こんなこと自分で言うのは自信過剰で嫌だけど、あたしに対しての劣等感。
あたしが何度も何度もお父さんやお母さんに褒めらて、一緒にあたしを褒めてる時あいつの顔は今思えばどこか寂しそうだったと思う。
段々と少しずつあいつはあたしよりもあの幼馴染と一緒に居るようになった。私はそれが嫌で、もっと目立てば、もっといい子になればきっとお兄ちゃんはまたあたしと遊んでくれる。そう考えてあたしはもっといろんなことを頑張った。
学校の勉強に限らず、絵のコンテストや、読書感想文コンテスト、その他にも色々賞を貰った。その度あたしはそれをあいつに報告した。そうすれば遊んでくれると思っていた。構ってくれると思っていた。
でも違った。まあ、当たり前だと言えば当たり前。嫌味みたいに感じてたんだろう。
私が嬉しそうに報告する度、あいつはあたしの頭を撫でて、幼馴染と遊びに行った。
でも、それでもあいつはそこまで私をほったらかしにはしなかった。遊んでと言えば遊んでくれたし、向こうからもあたしを構ってくれる時もあった。嫌なことがあると慰めてくれた。
でもある日それが決定的に変わった。あいつが中学に上がって暫く経った頃だ。
これはあいつのせいでもなんでもないと思う。しいて言えば、お父さんとお母さんの管理不足と注意不足。
知ってしまったんだ、あいつが。
自分は、お父さんと、お母さんと、あたしと。
血が繋がっていないって。
結果を出したらしっかり褒める、というお父さんの方針から、結果を出していたあたしはよく褒められた。
……あいつはなかなかそういう訳にもいかず、あまり結果を出せず褒めて貰うことも少なかった。
なんであいつばっかり、とか思ったんだろう。まあ自分のせいなんだけど。
でも、血が繋がっていないとなると話は別。あいつはこう考えたんだと思う。
血が繋がっていないからか、って。本当はそんなことが理由じゃないんだけど、そう考えてしまうのも仕方がないと思う。
血が繋がっていないという事をどこからか知った翌日、あいつは部屋に引き篭もった。学校にも行かず、あの幼馴染とも遊ばず。
お父さんが出て来いと怒鳴っても、お母さんが泣いても、あいつは部屋っていう殻にずっと引き篭もった。
あたしは心配だから何度もあいつの部屋に行くんだけど怒鳴られて、泣いた。
それで、一週間ぐらい経ってからかな。お父さんにあいつが部屋から引きずり出されて、車に乗せられてドライブにいったんだ。
何か色々話をしたんだと思う。それからあいつは学校に行くようになった。
元通りになったとあたしは思った。
でもあいつは、それからあたしとより一層距離を置いた。お父さんに注意されて、叱られて、殴られても、かたくなに。
あたしもそうなると意地になって、あいつを嫌った。なんであいつがあたしに距離を置こうとしてるのかも分からなかったし、もうあたしも
お兄ちゃんお兄ちゃんなんてその頃はもう言ってなかった。
それからもう無視、無関心の関係に。お互い嫌い合った。目も合わさなかった。
それで、去年。お父さんが珍しく酔っ払って、そのことを母さんに呟いていたのをたまたま聞いて、あたしはなんであいつがあんな風になったのかを知った。
でも、あたしは関係を修復しようとは思わなかった。
……あいつの弱さを認めてあげられなかった。
あたしが小さい頃、あいつはあたしが虐められていると直ぐ飛んできてくれて助けてくれた。
なんでも出来て、いつも褒めて貰って、本当は嫉ましい妹なのに。
苦しい時は、いつも助けてくれた。
でもあたしは、そうできなかった。認められなかった。
それはあたしの弱さだと思う。今は、そう思える。
……あいつとの関係を修復したい、とも思う。
何で今さらそう思うんだろう。ああ、そうだ。多分。
あいつが最近、お兄ちゃんっぽいからだ。
脱衣所でお母さんが用意してくれたパジャマを着て、自分の部屋に向かう。
階段を上って、廊下の奥にあるあたしの部屋のドアノブに手を掛けた。
でも、あたしはそのドアノブを捻らなかった。
あたしは、その隣のあいつの部屋のドアノブを捻った。……長いことお風呂に浸かっていたからのぼせてしまったんだろう。
あいつの部屋は電気がついていなくて、薄暗かった。寝ているんだろう。気付いて起きてくる様子もない。
するり、と気付かれないように体をあいつの部屋の中に滑り込ませる。
ドアを後ろ手で閉める。廊下の明かりがドアに区切られ入ってこなくなり、部屋が真っ暗になった。どきどきと心臓がうるさく鳴る。
ベッドにタオルケットを跳ね除けて寝ているあいつがいる。情けない寝顔。
あたしはゆっくりとあいつの上に四つん這いになる。まだ気付かない。
こんなことをするのはのぼせているから。いまのあたしはおかしい。
気付かれないように、あいつの傍で横になる。少しだけ、くっつく。
じゅん、とあたしの奥の方が熱くなった。
……でも、もしかしたら、あの幼馴染ともうこういうことぐらいしているのかも知れない。
それはとても自然なこと。
だってあいつが苦しい時にいつも傍にいたのはあの幼馴染だ。
あの幼馴染ともあいつは距離を取ろうとしていたことをあたしは知ってる。
それでも、あの幼馴染はあいつの傍にいたんだ。
あいつの涙を受け止めたのはあの幼馴染だ。
あいつの痛みを受け止めたのはあの幼馴染だ。
……だから、それはとてもとても自然なこと。
ぽろぽろと涙がこぼれる。
なんでこうなったんだろう。
なんであたしじゃないんだろう。
なんであたしはあいつの家族なのに、あいつの支えじゃないんだろう。
なんでこんなにも身体の距離は近いのに、あいつの存在はこんなにも遠いんだろう。
嗚咽が漏れる。とめなきゃ、おきちゃう。
必死に口を押さえる。でも、ダメだった。
嗚咽が漏れる。涙の勢いはより激しくなって、あいつのシャツを濡らした。
「……おい、どうした。なんでこんなとこにお前が居るんだ。泣いてるんだ。びっくりして心臓が止まりそうだ」
「……」
なんか柔らかい感触を感じて起きてみれば横で妹が俺に抱きついて泣いていた。
意味不明だ。
身体がガチガチに固まる。冷や汗が流れる。
「おい、黙ってちゃ分からないぞ。ほらお兄ちゃんに……」
「……うっさい、きもい」
泣き声まじりに妹がそう言う。
どうしよっかなーやっべえなー。いやだって前代未聞の大事件だぜこれ。
あの桐乃が俺に抱きついて泣いてるだと?あ、夢か。ぜってえ夢だ。
そう思ってお約束の頬引っ張りを試してみるが全然痛かった。
「……なにやってんのよ」
「いや、夢かなって」
「そんなわけないでしょ、バカ」
やばいやばいやばい、いろんな意味でヤバイ。
なんかいい匂いとかするし、胸が当たってくるし脚とかすげえ絡んでるし。ほっぺた引っ張り過ぎて痛えし。
「ねえ……」
「な、なんだよ」
「……あんたさ、地味子とこういうことしたことあんの?」
はあ?
「ねえよ! つうか誰ともしたこともねえよ! こんなびっくり事件お前が初めてだよ!」
そう言うと、妹は余計泣いた。俺にもっとすり寄ってきた。顔を俺の胸にうずめる。
なんか猫みたいだなこいつ。
なんかごめんだとかありがとうだとか、すっげえ小っちゃい声で呟いてる。
それを見て、なんだかこいつがすっげえ弱い存在に思えて、俺は頭をひたすら撫でてやった。
「……昔、よく頭撫でてもらった」
「……マジで? か、考えられねえな……」
「うん……」
沈黙。気まずい。
「……あー、マジでどうしたんだ、お前」
「……あのね」
妹が顔を上げる。……か、可愛いぞ。
「……最近、ありがとう。それからごめんね、いっつも」
「へ? お、おう……」
「……それだけ」
「そ、そうか」
「うん」
妹が少し笑って、また俺の胸に顔をうずめた。
ぎゅう、と桐乃が俺の身体を抱きしめる。
くらくらする。女の子の身体ってなんでこんないい匂いがするんだ。いや、桐乃だからか?
や、やばい、寝起きで半勃起してたブツが完全体になろうとしてやがる!
「……なんか当たってるんですけど」
「し、仕方ねえだろ! 寝起きなんだから!」
そうだ、仕方がない。寝起きだし。こいつなんか色々柔らかいし。
「……抜いたげよっか」
「だだだだだダメ!ゼッタイ!」
そんな俺の言葉を無視するが如く桐乃が俺の股間に手を伸ばす。
俺の肉棒を服の上からぎこちなくさする。
「気持ちいい……?」
「バ、バカ! やめなさい!」
そう言って俺は桐乃を引き離し、跳ね起きた。
「も、もう寝なさい! ほら早く部屋に戻って……」
「嫌。一緒に寝る」
「い、一緒にって……ほら俺今から風呂入るし」
「待ってる」
「そ、そうか。じゃあいってくる」
そう言って俺は慌てて部屋を飛び出した。
なにがそうか、だバカ! ダメだろうが!
階段を駆け下り、脱衣所に慌てて入り、服を脱ぐ。
まあとりあえず風呂だ。そしてあいつをなんとか説得して部屋に返して……。
磨りガラスのドアを開け、風呂場に入る。
だんだんと俺のブツも心も落ち着いてきて冷静な判断を取れるようになってきた。
まあ、あいつにも色々あるんだろう。一応中二の女の子なんだし。
そ、それにしても……抜いてあげよっかだと……?
い、いや、このことについて考えるのはやめよう。エレクチオンしそうだ。
熱いシャワーを浴びてそんな俺のピンク色の考えを吹き飛ばそうとシャワーを全開にする。
冷水が一気に身体を打ち、俺は奇声を上げた。
「そっか……あたしが初めてか……」
ふふっ、とあいつの枕を抱いて笑う。
今日は昔みたいにあいつに甘えまくって、あいつを慌てふためかせてやろう。
さ、流石に「あれ」はやりすぎだったけど……。
「これで多分、距離縮まったよね……?」
あいつの部屋の窓から夜空を見上げる。
まんまるとした月が、綺麗だった。
終わり。
えっ、神って双子だったの?
本日二回目の超GJ
これは良い名作!
ニヨニヨが止まりませーん
フヒヒヒヒwwwwwwwww
とりあえず10回ほど読んだ
何度読んでも最高でした!
今読んだ
この桐乃はいい桐乃
壮大に萌えた
http://www15.atwiki.jp/fushimi_eroparo/ 僭越ながらまとめwikiっぽいものを作らせていただきました
作品を投稿してくれた職人様はタイトルなりトリップなり変更あれば各自で編集するなり
申告していただくなりすればどなたかが手直ししてくださるかと思います
wikiとか閲覧しかしたことなかったのでもっとスマートな方法なりあればごそっと作り替えたりしちゃってください
>>434 よくやった、ウチに来て妹とファックしていいぞ
>>434 乙です。64ですがレス番ごとの行間も、きっちり余分に空けてくれててありがと。
しかし、サブタイトルとかつけてる人のが少ないようだったからつけなかったんだが、
こういう風に整理してもらうと、体裁悪いね……
438 :
名無しさん@ピンキー:2009/07/20(月) 05:24:16 ID:Ad+rZafC
まとめ全部読んできた
投稿した神とまとめた奴GJ!
桐乃が催眠とかで調教されて性奴隷に堕ちるやつ希望
それか黒猫がレイプされたうえに殺されるの
京介に素直になれず、悶悶となりながら妹凌辱ゲーをする桐乃。
そして…その夜見た夢の中で『何故か10人いる京介と激しく10P』なやつ
希望。
>>440 つまりは10人の京介たちによるアー!だな
>>441>>442 >それだと京介しかいないぞ
桐乃の願望…って事で。
>つまりは10人の京介たちによる〜
そうそう、つまり『三穴・手コキX2・髪コキ・のこり4人でブッ掛け』なんです。
10人いる意味がわからん
>>444 ぶっ掛けが一人では絵にならないから、キリのいい数で…
更に、三穴中出しした後に即、交代して桐乃をヨガらせまくる為の人数です。
>>441-442 君らの言いたかったことが俺には分かったが
肝心な対象には多分理解されてないぞ。
会話のすれ違い具合が、どっかのコントみたいでワロタw
A:「それだと京介しかいないぞ?」
B:「桐乃の願望って事で」
A;「き、桐乃の願望!?」
B:「つまり『三穴・手コキX2・髪コキ・のこりでブッ掛け』なんです」
A:「おいおい、桐乃、腐りすぎだろう……っていうか、3つめの穴ってどこだよ!?」
B:「このネタで何とかグッとくるSS書ける先生様方お願いいたします」
A:「801板へ行け!」
まとめのリンクミスと本文と関係ないが含まれていたミスを修正しました
>>447 ?…!! しまったっ!桐乃入れれば11Pだった
皆、何言ってるんだろうと思ってたんだが桐乃も数に入れるの忘れてた〜っ。W
計算ミスすいませんでした、改めてこのネタで極エロなSS書けれる先生方
宜しくお願いいたします。
>>450 期待に応えようと十人の京介による10P頑張って考えてたのに、
違うのか。
>>451 よしんば桐乃×量産型京介がアリだと仮定する。
ならば私は、桐乃か黒猫のどちらかがトイレに行き、「学校の怪談」の赤紙青紙に尻を撫でられるSSを希望しようッ!
黒猫と桐乃が輪姦されるの希望峰
>>440 >>450 そのネタの変形で、桐乃が恭介X10に
連続アナル中だしされて恭介に見られながら大放出…なSS
を所望。
本当に京介が10人も必要なのか、もう一度よく考え直そうぜ。
やっぱ要るんじゃね?、京介がものすごい回復力が有る…て言うんならともかく
10人の京介に犯されるケータイ小説を書いてるところを見つかってしまい、
兄にレイプされる願望があることを知られてしまうのですね
そんでもって――――
>>454 あやせ、加奈と3人で肝試しに参加する桐乃。催して駆け込んだ便所。用を足して一息、すると何かに尻を撫でられる。ひどく冷たい感触に驚きトイレを飛び出しふたりの元に戻る。
慌てふためく桐乃から話を聞いた加奈が面白がって便所に赴きしゃがむや、またしても小振りのお尻を触られる。
後に続き半信半疑で入るあやせ。形の良いお尻が、便器から伸びてきた白い手に撫でられてしまう。
そんな、一夏の怪談を読んでみたい。
そして、三人は便器から出てきた触手妖怪に全ての穴を攻められて
「堕ちちゃう…。」のですね、わかります。
とりあえず文章化よろしく
同じくノシ
頭の中に構想はあるんだがいざ文章化しようとすると難しいな
まぁ、偉い人がいってたけど頭の中にあるってのは無いのと同じなんだとさ
そこで空想具現化ですよ
どこのギガロマニアックスだよwwwwwww
468 :
413:2009/07/26(日) 21:41:17 ID:MaRy/X8F
試験が終わったので書いてみます。
エロパロとかいいながら、エロに行くまでが無駄に長いというか、冗長になってしまいました。
ご容赦を。
[京介×桐乃][エロ有り][近親注意]
469 :
A-1:2009/07/26(日) 21:42:12 ID:MaRy/X8F
じめじめと鬱陶しい梅雨の合間、気まぐれのように晴れ渡った日曜の昼に、俺は何故かエロゲーをしていた。
誤解を避けるために言っておくが、こんなことをしているのは、俺が折角の日曜日を嬉々としてエロゲーのプレイで潰すエロゲーマーの鑑であるから、
ではない。今日は午後から予定が入っており、それまでの時間潰しとして仕方なくやっているだけなのなのだ。
まあ、俺もいよいよ受験生と呼ばれる身分になってしまったわけで、空いた時間があるなら本来勉強をするべきであり、実際、朝飯を食った後しばらく
は机に向かっていた。なのに、今はベットの上で妹に借りたノートPCに向かっているってんだから、これはもう、全くもって褒められたことではないのだが。
今やっているエロゲーは、言うまでもなく我が妹様から押しつけられたものであり、題名を『Sister Days』という。
何でも少し前に話題になったゲームらしく、あいつの言うには『あたしはこういうのあんまり好きじゃないんだけど、とりあえず有名どころは押さえておか
ないとね』だそうである。
ていうか、大して好きでもないゲームを「有名だから」って理由で兄貴に押しつけるなよ。なんなんだあいつは、俺をエロゲーマスターにでもするつもり
なのか?
なんだかんだで毎回押し切られちまう自分もどうかと思わないでもないがな。
470 :
A-2:2009/07/26(日) 21:43:24 ID:MaRy/X8F
そんなことを思い返していると、画面の中でロングヘアーの妹が走り寄ってきた。なんとこのゲームは、全編通じて
アニメみたいに絵が動くのだ。
今まで妹に借りたゲームにこんなの無かったし、最初やったときはスゲェと思ったね。ていうか、むちゃくちゃ作るの
に手間かかってないか、これ。話題になったのもここら辺が原因なんだろうな。
内容は桐乃に最初にやらされた『妹めいかぁ』みたいなアドベンチャーゲームで、どうやら妹二人との三角関係を軸
に話が進んでいくようだ。
妹と三角関係になるっていうツッコミ所を置いておけば、キャラクターは大体黒髪でストーリーも割とリアルっぽいので、
少なくとも今までやった極彩色の髪の妹がきゃるきゃる言うのよりも、俺の精神的ダメージは少なくて済んでいる。
良く言えば穏当、悪く言えば地味ってことで、ここら辺があんまり桐乃のお気に召さなかった理由かもな。
髪型以外共通点がないのに何故かあやせを連想させる、ロングヘアーで引っ込み思案な妹が話しているのを聞きなが
ら時計を見ると、いつの間にか約束の時間が近づいていた。
まあ、約束といっても、男子高校生が求めてやまない心躍る色っぽいものでは全然無いのだが。
471 :
A-3:2009/07/26(日) 21:44:45 ID:MaRy/X8F
俺は『Sister Days』を終了させると、ブラウザの検索履歴とキャッシュを消去してPCを落とした。
パソコンの使い方について妹の逆鱗に触れ弱みを握られた後、『絶対に変な事に使うな』と釘を刺されつつ
またPCを貸して貰った際に、俺が最初にしたことは、「パソコン 痕跡の消しかた」で検索をすることだった。
何となくあいつに悪いような気もしたが、俺だって健康な若い男であり、お袋の厳しい管理の下おかずが限
られている身とあっては、PCをそういう風に使うな、と言われても無理というものである。
案の定、一旦PCを返した後に桐乃からキャッシュが消えていることについて問い詰められたが、俺にも隠し
ておきたい事くらいあるとかなんとか言ったら、舌打ちしつつも引き下がった。
ていうか、「そういうの」を見たくないから怒ったんじゃねーのか? この間のは事故だから仕方ないかも知れ
ないが、見たくないなら俺が何を見たか確認するなよ。
それともあれかね、自分のPCがそういうことに使われること自体が気にくわないのかね。何だかんだ言って
あいつも中学生だからな。そういう潔癖なところはあるのかも知れない。
そう思うと、少し罪悪感のようなものが心をよぎる。
これからは、あまりそういう風に使わないようにするかな。とりあえず、もう一通りのものは見たような気もするし。
472 :
A-4:2009/07/26(日) 21:46:21 ID:MaRy/X8F
ノートPCを机の上に置いて時計を見ると、針は12時45分を指していた。約束の時間まであと15分。
約束というのはあれだ、黒猫達が家に来ることになっているのだ。
何でも、夏のコミケに受かった、とかいうことで、この夏黒猫は本を作って売る側としてコミケに参加
するそうだ。
その際、店番だとか荷物運びだとかで人手が必要だそうで、その手伝いを頼まれたという訳である。
あいつには桐乃の事で色々世話になってるし、それを抜きにして俺にとっても大事な友達の一人だと
思っているので、その程度の手助けならなんでもない。ということで、勿論OKした。
今では、まあ、可愛い後輩でもあるといえるからな。
そうなのだ。この春から、黒猫は俺と同じ高校に通っているのである。
そんな話は事前に全く聞いていなかったので、『なぁ、あの新入生可愛くね?』というクラスメイトの
声に反応してふと視線を向けた先に、なんだか見たことのある仏頂面を発見した時には、思わず
「うおっ」とか声を上げちまった。
その後多少のすったもんだがあったが、それは割愛する。要は、黒猫は俺と同じ高校に通っていて、
現在はそれなりに楽しく高校生活をおくってるみたいだってことだな。
実はコミケのことも、黒猫から学校で直接頼まれたのだ。
なんでも当日ちょっと手伝えばいいというものではなく、事前に準備が必要なんだそうな。それで、
今日はその打ち合わせをするために、家に集まることになったというわけだ。
準備といっても、今のところそれが何なのか聞いておらず、何をさせられるか見当もつかない。本を
作ることに関して俺は全く役に立たないだろうし、黒猫もそこについて俺に期待はしていないだろうから、
俺がするのは何か別のことだとは思うんだが。展示用のディスプレイ作りかなにかだろうか。
まあ、あいつのことだからコミケに参加するにしても自分なりに一生懸命やるのだろうし、そうだとすれば
俺としても手助けするにやぶさかではない。多分、桐乃みたいに無茶なことは言わないだろうしな。
473 :
A-4:2009/07/26(日) 21:48:28 ID:MaRy/X8F
そうこうしていると、階下からチャイムの音が聞こえてきた。12時55分、多分黒猫達だろう。
今日は両親共に出かけており、桐乃も朝早く出て留守なようだ。てっきり桐乃には話が行って
いて、今日は沙織も含めた四人で話をするんだと思っていたんだがな。それとも、先に三人で
どこかに行って、それから家に来るという段取りなんだろうか。
階段を降りて玄関のドアを開けると、例によって黒くてヒラヒラした服を着た黒猫が立っていた。
背後には誰もおらず、どうやら一人で来たらしい。
黒猫の服はなんだか今まで見たことのあるのとは違うような気がする。どこが違うのかは分か
らないし、大体今までだってコイツの服の違いを分かったことはないから単なる勘違いかも知れ
ないがな。
じっと見つめてしまっていたのだろう、黒猫が「入って良いかしら」と聞いてきた。
「おお、悪い。上がってくれ」
そう言って道を空ける。それで、靴を脱いでいる黒猫に聞いてみた。
「沙織は? 今日は一人なのか?」
「ええ」
そう端的に答えてから一拍おいて、今度は黒猫が俺に尋ねる。
「…いけなかったかしら?」
勿論いけない事なんて無い。コミケの事だっていうから、てっきり桐乃や沙織も一緒に打ち合わ
せをするんだと思っていたから意外だったのは確かだが、良く思い返すと、黒猫からは打ち合わ
せのために家に来て良いかと聞かれただけで、沙織達のことは何も聞いていなかった。
考えてみれば、コミケとなればあいつ等はそれぞれ自分のことで忙しいからな。それで、一番暇
そうな俺だけに白羽の矢を立てた、ということなのだろう。
それに、最近は学校なんかで桐乃や沙織を交えずに話すこともあるしな。今更二人だけじゃ間が
持たない、なんてこともない。
「別にいけなくねーよ。ほら、さっさと上がれ」
そう言って、靴を脱ぐ体勢のまま下を向いて止まっている黒猫を急かしてやる。
なんだか遠慮させちまったのかも知れないな。最近分かって来たんだが、実はこいつには結構繊細な
ところがあるらしい。多分、俺の言葉がその繊細な何かに触れちまったんだろう。ただ、今の会話で何を
そんなに遠慮するのかは今ひとつ良く分からないが。
「ほら、こっちがリビングだ。って、何度か来てるから知ってるか」
そう言って先導してやろうとすると、
「今日は私一人だから、貴方の部屋でいいわ」
「は?」
なんだ遠慮の続きか、と思い、意図を計ろうと俺が振り返ると、黒猫はついと視線を階段の上に向けた。
ああ、ひょっとすると、今日は何か展示用の物を工作するのつもりなのかもな。そうだとすると、どうしたって
部屋が汚れる訳で、どうせ汚すならリビングより俺の部屋の方が気が楽だ、ということかも知れないな。
それに考えてみると、もしお袋が予想外に早く帰ってきた場合、黒猫と二人でいるのが見つかったら、何か
色々と面倒な誤解が生まれるかも知れない。そうしてみると、俺にとっても上でやった方が良いような気がする。
今、部屋は一応片付いてるし。
「おう、分かった。飲み物持って行くから、先に上がっててくれ。階段上がってすぐの部屋だから」
「そう、分かったわ」
そう言って、黒猫はスタスタと階段を上がっていった。
474 :
A-6:2009/07/26(日) 21:50:48 ID:MaRy/X8F
グラスに氷を入れペットボトルの茶を注ぎ、そこらにあったまんじゅうみたいな洋菓子と一緒に
お盆にのせて部屋に戻ると、黒猫は背筋をピンと伸ばしてベットに座っていた。
…実はさっきから思ってたんだが、なんか今日、こいつ変に緊張してないか?
「ほら、今日は少し暑いし、ノドかわいたんじゃないか?」
そう言って勧めてやると、黒猫は「ありがとう」と言ってグラスを受け取った。
やっぱこいつ何か変だなと思いつつ、俺は勉強机の椅子に座り、茶を少し口にする。
「あー、今日は良い天気だな。来るとき暑くなかったか?」
「平気よ」
「はは、それは良かった」
その後俺は何となく話しかけるタイミングが掴めず、黒猫も黙っていたので、しばらく無言の時間が続いた。
…さっきこいつと二人で居ても間が持たないなんてことはない、と言ったような気がするが、アレは嘘だった
みたいだ。今現在、俺はまさに間が持たずに困っている。
こういう時は年長者である俺が、軽い世間話でもして空気を変えるべきなんだろうが、生憎と俺はそんなに
器用じゃない。大体、なんでこいつがこんな、なんていうか神妙な感じで居るのか分からないしな。
下手なことは言わずに、本来の用件を進めるとしよう。
「あー、コミケの打ち合わせだったよな。俺は何をすれば良いんだ? 何か当日までに作っとくものとかある
のか?」
「いいえ。本は今私が創っているし、あまり大げさな看板みたいなものなんて作るつもりは無いから、貴方が
何か作る必要はないわ」
そう言った後、黒猫は少しからかうような微笑を浮かべながら
「どうしても貴方が何か書きたい、というのであれば、私のスペースで売っても構わないわよ。本を一冊作る
のが難しいなら、私の本にスペースを作ることも考えてあげるわ」
ごめんなさい、無理です。
絵は中学の授業以来描いてないし、小説なんて書くどころか読むことすらほとんどしていない。そんな状態で
本を作るとか、ましてせっかく黒猫が作った本に自分の駄作を載せるだとか、出来るはずがない。
「ねーよ。それじゃなにか力仕事でもあるのか?」
「いいえ。本はそれほど多く刷らない予定だし、当日も荷物と言うほど大げさな物は無いわ。」
分かってきたような気がする。つまり…
475 :
A-7:2009/07/26(日) 21:51:52 ID:MaRy/X8F
「なら、俺はなにをすればいいんだ? 何か俺にさせたいことはあるんだろ?」
俺がそう言うと、黒猫は目を泳がせながら「それは…」と口ごもった。
なるほど。さっきから黒猫の様子がおかしい原因は、その「俺にさせたいこと」にあるようだ。
つまり俺は、お願いすることすら躊躇われるようなことをやらされるわけだ。
ここに来て一気に膨れあがってきた悪い予感を押さえ込みつつ、俺は黒猫に続きを促す。
「まあ、俺に出来ることであれば、なるべく手伝ってやるからさ。何か考えている事があるなら
言ってみろよ」
俺がそう言うと、黒猫は膝の上で手を組んだ後こう言った。
「そうね…、貴方に一番して欲しかったのは、売り子よ」
売り子、っていうと、あの机に座って本を売ってたりした人たちのことか?
「そう。貴方は、基本的に私のスペースで本を売ってくれればいいわ」
なんだ、そんな事か。もっと凄いことさせられると思って覚悟してたんだがな。
悪い予感が杞憂に終わったので安心しつつ、俺は黒猫に尋ねる。
「でも良いのか? 俺で。お前の作る本って、やっぱり若い女の子が多く買いに来るんじゃないのか? 周りで売ってるのもお前みたいのが多いだろうし、売り場で俺が浮いちまったら、逆効果にならないか?」
まあ、これは俺の気にし過ぎかもな。と思っていたら、黒猫が当たりを感じた釣り人の様な顔をして言葉を継いだ。
「貴方もそう思うのね。そうね、私も”対策”は必要だと思うわ」
そう言いながら今日初めてしっかりと俺に顔を向けた黒猫の瞳の奥を見て、俺は安心するのは早すぎたことを知った。
476 :
A-8:2009/07/26(日) 21:53:50 ID:MaRy/X8F
若干気圧された俺を置いて、黒猫は言葉を続ける。
「今回私は、マスケラ本を創るわ」
えーと、黒猫さん、なんだか少し話が飛んでませんか?
「ねえ、マスケラ本を売るのであれば、それに相応しい”格好”というものがあると思わないかしら?」
俺の内心のツッコミを無視して、さっきまでの遠慮がちな空気はどこへやら、黒猫はどこか陶然と
した様な目をして話を続ける。
悪い予感がみるみる形をなしていくのを感じつつ、俺はどうにか回答をひねり出す。
「あー、やっぱ本を売るからには本屋さんの格好、というわけでは…」
「無いわ」
黒猫さん。せめて最後まで言わせてください。
だが分かった。今度こそ全部分かったような気がする。
「なら、その相応しい”格好”ってのはどんなんだよ」
そう尋ねると、黒猫は自分の荷物から流れるような動作で一冊の本を抜き出し、素早くあるページを
開き俺に見せつける。
「えーと、これは…」
開かれた大判の本には、あるアニメのキャラクターが描かれていた。身長やら体重やら生い立ちやら、
そのキャラクターに関する情報が、見開き一杯に所狭しと書き込まれており、右ページの端にはその
キャラクターの全身図と名前が記されている。
どうやらこいつは、「来栖真夜」という名前らしい。
「…なあ黒猫、俺の勘違いかもしれないが、ひょっとしてお前は、俺にこいつと同じ格好をしろと言って
いるのか?」
違う、という答えが返ってくるという淡い願いを込めて尋ねると、心なしか顔を赤く染めた黒猫は、こくん、
という感じで首を縦に振った。
−−−−−やっぱりかよ!
こいつ、俺にコスプレさせる気でいやがった!
477 :
A-9:2009/07/26(日) 21:54:56 ID:MaRy/X8F
いや、別に俺は、コスプレに偏見をもっている訳じゃない。別にコスプレしたからって誰に迷惑をかけるわけ
ではないし、去年コミケで見た奴らも楽しそうだったしな。あと、セルはすげぇ気合入ってたし!
だが、それを自分でするとなると、少し、いやかなりハードルが高い。
大体、あいつ等はそのキャラクターが好きで、その好きの延長線上の行為としてコスプレをしてるんだろ?
それに対して俺は、この来栖真夜ってののことはほとんど知りもしないわけで、俺がするのは少し違う気がする。
それに、そのキャラクターが好きだからって誰もがコスプレをする訳じゃない。多分コスプレをするのは、元々
「見られること」が好きな連中なんだろう。もしオタク方面の趣味に向かわなければ、役者になりたいとか芸人に
なりたいとか、そういった事を考えるタイプの。
その点俺は、平凡に生きることを信条としている男であり、そういったタイプとは真逆の性格をしていると言って
良い。
なので、黒猫には悪いが、正直言ってやりたく無い。
…無いのだが、本を持ったまま、半分睨むような必死な目つきで俺を見る黒猫を前にすると、簡単に断ってし
まうのは躊躇われた。
478 :
A-10:2009/07/26(日) 21:56:54 ID:MaRy/X8F
「えーとあれだ、一応確認しておくが、お前は、俺にこいつのコスプレをしろと言ってるんだよな」
「…そうよ」
「でも、コスプレっていっても衣装用意するのは大変なんじゃないか? こういう衣装って売って
るのか? 売ってても結構高いだろうし、作るのは難しいだろ」
「私が作るわ。まあ、作ると言っても一からではなくて、有り物の服を改造する形になるでしょうけ
ど。ほら、来栖真夜の服は現代でも結構良くありそうな形でしょう? 古着か何かで似た形の服
を用意して、それをベースに改造すれば、それほどお金を掛けずにできると思うわ。マント部分は
一から作らなければならないでしょうけど、これはそれほど手間は掛からないでしょうし。それに、
この服はどこかの萌えしかないアニメに出てくるものと違って、マントさえ外せば普通の服とほと
んど変わらないデザインだし、貴方もそれほど違和感なく着られるはずよ」
いつもより若干早口で畳み掛けるように話す黒猫に若干気圧されつつ、俺は必死に反論の
糸口を探す。
「でもよ、この来栖なんとかってキャラは、多分結構人気があるんだろ? 俺なんかがコスプレし
たら、こいつのファン達から反感を買わないか?」
「そんなことないわ!」
うおっ、びっくりした。
いきなり大声を上げて俺の言葉を否定した黒猫は、そのことに自分でも驚いたのだろうか、少し
慌てた様子で話を続けた。
「ごめんなさい。でも、それは気にしなくて良いと思うわ。貴方も去年見たと思うけれど、お世辞に
も似ているとは言えない人たちも普通にコスプレをしているわ。そもそも、コスプレは一種の愛情
表現という側面があるから、似ていることは必須ではないの。勿論、似ているのに超したことは無
いのだけれど、貴方は…」
そこまで言って、黒猫は視線を下に落とした。おい、俺が何だって? 最後まで言えよ。
479 :
A-11:2009/07/26(日) 21:58:48 ID:MaRy/X8F
それにしても、こいつ、服を作ったりとかも出来るんだな。そういえば、最初に会ったときに着ていた服も
なにかのコスプレだったみたいだし、あれも自分で作ったってことなんだろうか。とても素人が作ったよう
には見えなかったけどな。
まあ、こいつがそれくらい出来ても、今となっては別に不思議とは思わない。こいつは、こと自分の好きな
ことに関しては異様に力を発揮するし、しかもその好きなことの幅が割と広いヤツでもあることを知っている
からだ。
その結果、黒猫は、実は結構色々デキるヤツになっている。
だが、それは別にこいつが人より優れた才能に恵まれていたからではない。
つきあう時間が増えて分かってきたんだが、こいつはそれほど頭が良いわけじゃない。それどころか、絶
望的に不器用なところがあったりする。いわゆる素質だとか才能だとかという部分に関し言えば、例えば
桐乃などとは比べるべくもないだろう。まあ、言ってみれば、俺と同じ「凡人」に区分されるような人間だ。
ただ逆にそれだからこそ、俺はこいつのことを結構尊敬していたりする。
こいつの前では、俺は、桐乃に対して無意識にしていた言い訳が出来なくなる。多分、俺とこいつの差は、
なにかを強く望む心が有るか無いか、それだけなのだろう。
黒猫を見ると、さっきの本を膝に抱えて、床をじっと見つめていた。
さっきの様子からすると、今回のお願いは、こいつにとっては重要なことなんだろう。こいつの創作にかける
情熱は知っているつもりだり、なんでそうなるのかはよく分からないが、今回は俺のコスプレってのはこいつに
とってはその創作の一部なんだろうな。
「ふう」
ため息をつく。思えば、答えなんて最初から決まっていた。
なぜなら、こいつは、桐乃大事な友達だし、俺の可愛い後輩で、そして尊敬すべき友人だからな。
「いいぜ。コスプレでもなんでもやってやるよ」
480 :
413:2009/07/26(日) 22:06:56 ID:MaRy/X8F
とりあえずここまで
よく頑張った、続きも期待して待ってるぞな
だが初めを読み返したら京介×桐乃ってなってて一瞬混乱したw
これは後の展開が楽しみだ
これは四巻の予告?
GJ!
続きまってるぞ
超GJ!
ネ申!
黒猫かわゆす
もういっそ凶介お兄様×黒猫で。
まとめ早速更新されてるしwwww
仕事早すぎ吹いたwwwww
京介×黒猫に路線変更願います
本気です
桐乃11Pネタはー?。
11Pを1UPと読み違えた自分に明日はありますか
あとGJ&試験乙
>>489 作者の趣向に下手な横槍を入れるのは失礼だぞ
そういった訳で、今、俺は黒猫に首を絞められている。
というのはもちろん嘘で、実際には黒猫持参のメジャーで首周りを測られているだけだが。
さっき俺がコスプレをすることを了承すると、黒猫は自分から頼んだ癖にOKされたのが
信じられないような顔で少しの間止まっていたが、その後は、俺の気が変わらないうちに
事を進めてしまえとでもいう風に、てきぱきと動き出した。
俺の方は、こいつのビックリした顔や、憎まれ口を叩きつつ恥ずかしそうに礼を言う姿が
見られただけでも、OKした甲斐があったかな、なんてことをのんきに考えていた。
それでまあ、服を作るとなれば当然俺の体のサイズを測る必要があるわけで、黒猫の
指示のもと、俺は部屋の真ん中あたりに立って採寸を受けている。
黒猫の採寸はゆっくりと確かめるようで、黒猫のしなやかな指が体に触れる度に、俺は
なんだかくすぐったさを感じてしまう。股下を測り終え(これはちょっと恥ずかしかった)、
これで全部終わったかと思っていると、首周りを測るから少しかがんでくれと言われ、いま
俺の首にメジャーが回されているというわけだ。
495 :
A-13:2009/07/27(月) 19:39:34 ID:PqQkRF9t
黒猫の表情を見ようと目を向けると、予想外に近く、息が届きそうなほどの
距離に黒猫の顔があって、一瞬心臓が跳ねる。
さっきまでは全く意識していなかったが、こうして近くで見ると改めて感じる。
黒猫は美人だ。
桐乃の精気を溢れさせるような美しさと違い、黒猫の持つ美しさは静かに
整った造形物のものに近い。二人ともまだ幼いといっていい年齢でしかなく、
そのためにある種のアンバランスさが残っているが、桐乃のそれが成長の
活力として桐乃全体と調和して表現されるのに対し、黒猫のそれは欠落で
あって、だがそれが故に淫靡な陰として黒猫自身を彩っているように思う。
…って何考えてんだ俺は!
これ以上思考がろくでもない方向に向かわないよう、俺は、真剣に作業を
しているためか少し上気した様子の黒猫の顔から視線を引きはがした。
くそっ、なんだか頬が熱い気がする。
その後、黒猫が「もういいわ」というまでの時間は、やけに長く感じられた。
496 :
A-14:2009/07/27(月) 19:41:31 ID:PqQkRF9t
「ふう」
なんだか妙に疲れた気がして、俺は本日二度目のため息をつきながらベットに座り込む。
そうしていると、俺の首周りのサイズを手帳に書き込みつつ、黒猫が尋ねてくる。
「そうね、あとは念のために身長と体重、それと足のサイズも教えておいてくれるかしら」
動揺を隠しながら、俺は答える。しかし、足のサイズなんて必要なのか? まあいいや、
教えて減るもんじゃなし。
「あと、貴方、生年月日はいつかしら?」
自分の生年月日を教えながら、俺はさっき生じた雑念を振り払おうとする。
「そう。それでは、初恋は何歳の時だったかしら?」
「え〜とそれは…」
初恋? 俺の初恋は…
そのことを考えようとすると、なんだか悲しいような、苦しいような、申し訳ないような、
よく分からない感情が浮かんでくる。あれ、俺の初恋っていつだっけ?
…って、おい。
「そりゃ流石に必要ないだろ!」
なんだか自然な流れで聞かれたから普通に答えようとしちまったが、全然関係ない
質問じゃねーか。よく考えると、生年月日も関係ねーよな!?
「こうして色々データを書き込んでいると、設定情報を揃えたくなってくるのよ。なんだか
ぼけっとしていたから、もっと色々聞き出せると思ったのだけれど、案外早く気づいたわね」
なんて奴だ。人の油断につけ込んで、個人情報からセピア色のメモリーまでゲロさせよう
とするとは。
497 :
A-15:2009/07/27(月) 19:42:39 ID:PqQkRF9t
「畜生。…まあいいや。おい、せっかく生年月日を教えてやったんだから、
誕生日は期待してるぜ?」
「ふふ、そうね。今度のコミケでの働き次第によっては、考えてあげなくもないわよ?」
そう言って、黒猫はいたずらっぽく笑った。
…あー、いかん。まだ調子が戻らないのか、妙にその仕草が可愛く見えてしまった俺は、
再び頬が熱くなってくるのを感じつつ、黒猫から目を逸らした。
「ああ、見てろよ。俺の一世一代のコスプレデビューだからな。スゲェの見せてやるぜ」
動揺を悟られまいと軽口を叩いてみたんだが、訳分からないことを言っちまってるな、俺。
なんだか墓穴を掘った気もするし。
「あー、つっても、俺はお前が作ってくれた服を着るだけだもんな。もし万が一俺のコスプレ
が受けたとしても、それはお前の功績か」
こうして俺がべらべら話していると、手帳をしまった黒猫が、俺の隣に腰掛けてきた。
498 :
A-16:2009/07/27(月) 19:44:08 ID:PqQkRF9t
…なんか、妙に近い気がする。
って、さっきから意識しすぎだ! 変なこと考えるからそう感じるんだ。
別に隣に座るくらいなんでもねーだろ。
「いいえ。貴方のコスプレは、きっとかなり”うける”と思うけれど、それは
私ではなくて貴方の力よ」
…考えてみると、友人含め今までこの部屋に入った事のある女は、お
袋と麻奈実と、あとは桐乃くらいのものだった。
つっても、この三人を女としてカウントするのは、バレンタインに母親か
ら貰ったチョコを数に入れるような行為といえるだろう。
そうすると、黒猫は、俺が初めて部屋に招いた女、ということになる。
「ありがとう。さっきはきちんと言えなかったから、もう一度言っておくわ」
今まで聞いたことの無いような優しい声でしおらしいことを言うので、
俺は思わず黒猫の方に振り向いた。
「貴方が本当は乗り気では無いことは、分かっているわ。全部、これは
私の我が儘。」
黒猫は、頬を紅潮させながらも、今まであまり見たことのない優しい微
笑みを浮かべている。…少し、瞳が潤んでいるように見える。
「だから、引き受けてくれて、嬉しかったわ。いいえ、今日のことだけじゃ
なく、今までのことも、色々と…」
そう言って恥ずかしそうに微笑んだ後、黒猫は一つ大きく息を吸って、
今度は真剣な顔で、
「ねぇ、私…」
499 :
A-17:2009/07/27(月) 19:45:01 ID:PqQkRF9t
やばい。
頭の中で危険信号が鳴り響いているのを感じる。このままではいけない、話を変えるべきだ、
もう少し距離をとった方がいい、まずは頭を冷やせ。多分俺の中にある理性と呼ばれる部分が、
そう警告を発する。
だけど実際の俺は、濡れて綺麗に輝く黒猫の瞳から目を逸らすことも出来ず、あまつさえ右
手は黒猫の肩に伸びて…
ガチャ
その時、異常に敏感になっていた俺の聴覚が、玄関の扉が開く音を聞き取ってくれた。ただ
いまという声も聞こえた気がする。確信はないが、なんとなく桐乃っぽい。
「お、桐乃が帰ってきたかな。せっかくだからあいつも呼ぶか」
絡みつくようだった時間の流れを振り切るように、俺は勢いよく立ち上がる。
「えっ」
という、どこか驚いたような黒猫の声が背後から聞こえてきたが、俺はまるで逃げるように
部屋のドアを開いた。
500 :
413:2009/07/27(月) 19:48:15 ID:PqQkRF9t
とりあえず、ここまで。
皆さん、ご声援ありがとうございます。
黒猫も可愛いですよね。黒猫ものも書いてみたいなーとは思います。
あと、11Pとかw
一体どんな話になるんでしょーね
うひょ〜wwwwwww
テラGJ
なんか言葉にうまく表せないが
あれだな
ワクワクって言うかフヒヒってかんじがするな
502 :
487:2009/07/27(月) 19:53:17 ID:rEVYN6NJ
俺の余計な一言がきっかけで空気が悪くなってしまった。みんな済まない!(土下座)
黒猫報われないなぁ…
続きに期待します。
11Pにトイレ妖怪。
スレの未来は明るいなぁ。
ああ!ホントなんか心躍るな!
>>502それだけ↑のに期待している奴が多かったってだけだ気に病むこたーない
まぁそんなわけで413は超GJでございます
GJ!まさにGJ!。
次11Pっ!!ぜひ次は11Pでお願げーいたしますっ。
まとめ更新しました
>>500 続き期待してます!
>>504 あんまり催促するとしつこいと思われて、誰も書いてくれないから注意。
と言いつつ怪談ネタに一票。
黒猫かわいいよ黒猫
嫉妬に狂う桐乃がみたいお
1・1・P!、 1・1・P!。
>>509へのいやがらせに、
エロなしで11P書きたくなったw
きりりんが「この泥棒猫!」とかって黒猫を罵倒する話か
それかなり良いなwwwwwww
>>509 京介10人で絡んで桐乃はそれをゴミのような目で眺める。
観戦者(サポーター)はもう一人の選手なんだぜ!
>>509 うっせーーー!!!
1UPネタでも妄想してろ!!!
いや妊娠とかではなく
>>512 その台詞はなんか凄く負けポジションだぞ桐乃。
ところで続きマダー?
桐乃、可愛いよ桐乃
ぶん殴って犯したい
俺妹って妹より主人公がツンデレだよな
そうだな。ただ、京介をツンデレの箱に入れるのは、かなり広義のツンデレを採用した場合だけかも?
本当は好きなのに実は……って事ではなかったと、3巻で明示されたから。
もっとも、同時に、3巻で普通にツンデレになった部分もあるな。それでも妹の事は大嫌いだといいながらごめんな、とかw
今後は桐乃に対して、普通にツンデレるようになるかもしれん。
そして桐乃がツンデレ兄貴をじっくりと攻略していく訳ですね
フヒヒ
523 :
1:2009/07/30(木) 22:09:38 ID:YSGnH1GR
麻奈実「…もういやぁ。もういきたくない」
男7 「ぎゃはは、何言ってやがる。まだ5人も残ってるぜ」
麻奈実のか細い声など意にも介さず、男達は麻奈実を貪り続ける。
麻奈実の白い肌は全身白濁液にまみれ、男達が入れ替わる度に、性器とアナルからは
「ごぽっ」っという音と共に精子が溢れ落ちた。
「ふう…」
なんだかなぁ、という気持ちで、あたしはマウスから手を離し背伸びをする。
今やっているのは『妹散華』というエロゲー。これがもう、直球ど真ん中に頭の悪い陵辱
ゲーだ。しかも、キャラのセリフは他のゲームのセリフをテンプレにして適当に貼り合わせ
たようないい加減さだし、地の文はやたらくどくどと説明的な癖に、状況の細部にまで目が
行き届いていないのが丸わかりの稚拙さ。大体、「男7」って何よ、いい加減にも程がある
んじゃない?
524 :
2:2009/07/30(木) 22:10:50 ID:YSGnH1GR
まあ、題名からして、ろくでもない代物だってのは分かり切っていたけどね。いい加減、題名に
「妹」とか「兄」とか入っているだけでソフトを買っちゃうのは止めた方が良いのかも知れない。
でも、一見大したことのなさそうなエロゲーの中に、予想外に良質な妹要素があったりするの
よね。そして、その中には、あたしにだけピンとくるようなものも偶にある。だから、いくらアンテナ
を伸ばして情報を集めたとしても、やっぱり自分でやってみないと、そういう自分にとっての隠れ
た良作を見逃してしまうことになっちゃうのよ。
とはいえ、この『妹散華』は、あたし的妹ゲーランキングでは最下位付近にランクインされること
間違い無しのクソゲーだ。
大体、妹ゲーを名乗っておきながら、兄貴が妹を助けようともしなければ、妹に手も触れないど
ころか、妹が犯されているのを陰からのぞいてオナニーするだけってのはどういうつもりよ。一体
誰がこれを喜ぶというのだろうか。
でもあたしは、もうこれが逆転の余地もないクソゲーであることが分かっていながら、なんとなく
プレイを続けてしまっている。それは、折角買ったゲームだから勿体ないという心がそうさせてい
るのであって、画面の中で酷い目にあっているヒロインの名前のせいではない、と思う。あたしは、
そこまで暗い女では無いはずだ。
525 :
3:2009/07/30(木) 22:12:27 ID:YSGnH1GR
マウスをクリックして、何となくゲームを進めてみる。
今の場面は、”麻奈実”が兄の名を騙った奴に体育倉庫に呼び出され、10人のがかりで
犯されるというシーンだ。
例によって男の都合の良い妄想丸出しの、最初は兄の名を呼びながら嫌がっていた
”麻奈実”が、乱暴に犯されているうちに、その…感じ始めて、何度もオルガスムスに達する、
といった筋立てだ。
「女の子なめんな!」と言いたい。
こういうのを見ると、エロゲーが犯罪を助長するとかいう頭の悪い意見も、分からなくもない
ような気がしてくる。
「そういうこと」は、好きな人が相手だから、良いのだ。しおりちゃんも、「大好きなお兄ちゃん
だから痛くても平気だよ」とか「お兄ちゃんと一つになれて、しおり、幸せだよ」とか言ってたし!
きっとそうなのだ! 嫌いな奴によってたかってとか、絶対有り得ない。
でも、ふと思う。そうだとしても、もし好きな人が10人いて、10人にいっぺんに抱きしめて貰え
たら、それは10倍気持ちよかったりするんだろうか?
って、
「ぶっ、くくく、あははははははっ」
笑った。これはもう、笑うしかないと思う。何よ10人の好きな人って!? それって細胞分裂?
彼氏アメーバかよww いや普通に考えれば10股かな? えらい恋多き女だことw
自分のアホな考えを、「好きな人」という言葉に釣られて頭に浮かんできたヤツの顔と一緒に、
笑って吹き飛ばす。
こんなアホなことを考えるのは、きっと疲れているからだ。明日は試験前で朝練は無いけど、
今日は早めに寝るとしよう。
526 :
4:2009/07/30(木) 22:13:32 ID:YSGnH1GR
目が覚めて、身支度を済ませてから朝ご飯を食べるためにリビングに入ると、珍しいことに
あいつが先にテーブルに着いていた。いつもは時間ぎりぎりになるまで起きてこない癖に。
いつもより一つ分多いおはようにまとめて挨拶を返し、あたしはあいつの隣に座る。
食事中は特に話したことも無かったけど、なんだかいつもより空気が柔らかいように思った。
あいつがいつもあたしとの間に作っている壁のようなものが、今日は感じられなかったからか
もしれない。
朝食を終え、お母さん達にいってきますと言って玄関をでると、門の所にあいつが立っていた。
「よし、じゃあ行くか」
「は?」
なに言ってんのコイツ。たまに早起きしたと思ったらまだ寝ぼけているんだろうか。朝っぱら
からあたしとどこに行くつもりだっての。
「どににじゃねーよ。学校に決まってんだろ。なんだお前、さぼるつもりか?」
そう言って、あいつは怪訝な顔で私を見る。
そうだった。あたし達は、昔から毎朝一緒に登校しているんだった。
小さい頃はそのことでからかわれたりもしたけれど、あたし達をからかうガキは、こいつが
怒って追い払ったものだった。
「あんたじゃないんだから、さぼるわけないでしょ。ほら、ボケっと突っ立ってないで、早く行くわよ」
そう言って、あたしはあいつの手を引いて歩き出す。
ちなみに、手はすぐに離してやった。繋ぎっぱなしは、あいつが恥ずかしがるからね。
527 :
5:2009/07/30(木) 22:15:04 ID:YSGnH1GR
いつもの道を、あいつと一緒に歩く。
歩きながら、あたしの何でもない話にあいつが突っ込んだり、あいつの間抜けな
話をあたしが馬鹿にしたり。
そうしていると、もう校門が見えてきた。何でだろう、通学路って、こんなに楽し
かったっけ?
昇降口に着いて、なんだか後ろ髪引かれるような気持ちであたしが自分の下駄
箱に向かおうとすると、あいつがあたしを呼び止め、顔を寄せて話しかけてきた。
「なあ、ちょっと話があるんだ。そうだな…、放課後、体育倉庫に来てくれないか?」
「顔近すぎだって。キモッ。」
突然の接近で過剰な勤労意欲に目覚めた心臓をなだめつつ、あたしはようやく
それだけ口にする。
でもあいつは、キモイと言われたことを気にする風でもなく、そのままの距離から
さらに話しかけてくる。
「今日は何か予定があったか? なんだったら別の日でもいいんだが」
「それって、家じゃ出来ない話なの?」
「ああ、」
なんだろう、家で出来ない話?
要するに、お父さんやお母さんには間違っても聞かせたくない話ってことよね。
それって…
そう考えている間も、あたしの心臓は超過勤務を続けている。この心臓は、
ワークシェアリングという言葉を知るべきだと思う。こいつのせいで、今あたしの
脳は絶賛失業中なのだから。
「いいわよ。なんの話か知らないけど、話だけならきいてあげる」
あたしが心臓のリストラ対策を講じている隙に、今度は口の奴が勝手にあいつにOKの返事を出していた。
528 :
6:2009/07/30(木) 22:16:28 ID:YSGnH1GR
そういった訳で、放課後あたしは誰にも見られないように気をつけながら、
体育倉庫の前までやってきた。
とはいえ、ホントはそんな注意を払う必要なんてないんだけどね。
あいつの思わせぶりな言い方のせいでちょっと混乱しちゃって、それで
午前中の授業なんてなにやったのか全然覚えてないけど、あいつの話っ
てのは多分、今度の結婚記念日に二人でお父さんとお母さんに何か贈ろ
うとか、そういうことなんだろう。
よく考えてみれば、お父さんにもお母さんにも内緒にしておきたいこと、
なんて、そんなことくらいしか無いだろうから、きっと間違いないはず。
つまり、朝からのあたしの混乱は、単なるあたしの勘違い、空回り、独り
相撲だったってわけ。
そう考えると、なんだか無性にむしゃくしゃしてくる。あいつは身に覚えが
無いだろうけど、仕返しをしてやらないと気が済まない気分だ。
さて、どんな罰ゲームを食らわせてやるか、なんて考えながら、あたしは
体育倉庫の扉を開けた。あいつはもう来てるかな、と思いながら、倉庫の
中に目をやる。
529 :
7:2009/07/30(木) 22:17:42 ID:YSGnH1GR
あいつは、既に倉庫の中で待っていた。薄暗い庫内で、倉庫の小さな窓から
差し込む光があいつだけを照らしていて、なんだかあたしはすごく…
以前、あいつのことを黒猫の奴が、来栖真夜っていう黒猫の好きなアニメの
主人公にちょっと似てる、なんて言い出したことがあった。その時は沙織も一緒
にいて、「ほう、言われてみれば、なるほど似ているかも知れませんな」なんて
言って、二人でなんだか盛り上がっていた。だけど、あたしはそんなに似てると
は思わない。そりゃ、顔のつくりにちょっと近いところはあるような気はするけど。
…正直に言ってしまうと、あたしは、あんな邪気眼中二病アニメのお耽美主人
公なんぞより、あいつの方が全然格好いいと思っている。
分かってるのよ? これは、身内の欲目50%と、…あとは、…「それ以外の理
由」でのひいき目50%で出来上がった意見で、あたしの目の方が完全に曇って
いるんだって。
でもね、あいつは、あの暢気と劣等感と消極性がブレンドされたような中途半端
な表情を改めて、もう少しファッションに気を使えば、少なくともそこらのチャラチャ
ラした男共には負けないはずなのだ。
そう、丁度今みたいな感じでいれば。
530 :
8:2009/07/30(木) 22:19:16 ID:YSGnH1GR
「来てくれたか。悪かったな、こんな所に呼び出しちまって」
「ホント、話があるにしたって、他にもっとマシな所はなかったわけ? 大体、
こんな薄暗くてじめじめしたところに呼び出して何するつもりよ。変態なん
じゃないの?」
あたしは、いつものようにあいつに憎まれ口を叩く。それは、あたしたちが
兄妹だから。思ったことをそのまま口にしてしまうより、悪口でも言う方が、
きっと健全だから。
「変態ついでに悪いんだが、一応後の扉は閉めておいてくれないか?」
「…仕方ないわね」
いつもなら、あたしに憎まれ口を叩かれたら、あいつは不機嫌になって、
黙り込むか言い返すかする。なのに今日は、まるで全部解ってるとでもいう
ように、微笑みを崩さないでいる。
だからあたしは、新しい憎まれ口を叩くことも出来ず、ただあいつの言葉
に従うしかなかった。
扉を閉めると、あたりはさっきよりももっと暗くなった。なのに、あいつの姿
だけはハッキリと浮かび上がるように見える。
倉庫の中が沈黙で満たされる。それは、きっとほんの数秒のことなんだろ
うけど、あたしにはやけに長く感じられた。
531 :
9:2009/07/30(木) 22:20:16 ID:YSGnH1GR
「桐乃…」
「話ってのはあれでしょ? お父さんとお母さんの結婚記念日に、一緒に何か贈ろうとかってことでしょ。
今までそんなこと全然気に掛けなかったあんたがそんなことすんのは、なんかキモイ気がするけど、
まあ、二人は喜ぶだろうからいいんじゃない? あたしと違って、あんたはそんなこと位でしか点数稼ぎ
出来ないだろうしね。あ、点数稼ぎなら、あたしと一緒にするより一人でやった方が良くない? あたしと
一緒にやったんじゃ、差は縮まらないもんね」
あいつの言葉を遮って、あたしはまくし立てる。出来るだけ嫌味に、あいつがいつもみたいに怒り出す
ように。
あいつが何を言うのか、凄く、怖くなったから。
「ん、それも良いかな。でも、今日話したいのは別のことなんだ」
ああ、今日のこいつは変だ。あたしの弱さが、全部飲み込まれてしまう。
「桐乃、これから俺がする話を聞いて、きっとお前は驚くだろう。ひょっとしたら、気持ち悪く思うかも知れ
ない。だけど、聞いて欲しい」
そういって、あいつは、真っ直ぐにあたしの目を見つめる。
あたしは、まるで金縛りにでもあったかのように動けないで、ただ、あいつの目を見つめ返す。
「桐乃、俺は、お前が好きだ」
532 :
10:2009/07/30(木) 22:21:29 ID:YSGnH1GR
うそ…
あいつが、あたしに、好きだと、言った。
その言葉は、今まで夢の中で何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も
何度も何度も何度も、聞いた言葉。でも、いま目の前で、あいつが言った。
あいつの手が、あたしの頬に触れ、知らずに流れていた涙を拭う。
あたしは動けない。あいつが、あたしに触れているから。
そうして、あいつはあたしの唇に、キスをする。
ああ、今あたしの頭は、きっとおかしくなっている。だって、触れているのは唇だ
けのはずなのに、体中全部が、甘い。
「はぁ…」
あいつの唇が離れた時、あたしの唇は、ビックリするくらい熱い吐息を発した。
でも、まだ足りなくて、あいつの熱が欲しくて、あいつを探そうと目を開けるけど、
馬鹿になってしまったあたしの目は、あいつを見つけてくれない。
なんだか凄く寂しくなって、また泣き出してしまいそうになった時、あいつが、いつ
かあたしが望んだ強引さそのままに、強く抱きしめてくれた。
「桐乃…」
あいつの声が、耳からさざ波となって体中に広がる。触れあっている身体の部
分は、燃えるように熱い。
そうして、二度目のキスをする。今度は、ゆっくりと、深く。
533 :
11:2009/07/30(木) 22:22:39 ID:YSGnH1GR
唇同士を熱く触れあわせていると、あいつの舌があたしの唇をノックした。溶かされるようにして
あたしが唇を開くと、あいつは舌先で、あたしの歯茎や、上あごや、縮こまった舌の表面を、くすぐ
るように愛撫する。それだけで、体中に甘い電流が走って、あたしの身体は震え出す。
震えるあたしを一層強く抱きしめながら、あいつは舌で、あたしの舌に出てるように催促をした。
おずおずと前に進んだあたしの舌は、あいつの舌に絡め取られたかと思ったら、一気にあいつの
口の方に吸い上げられた。
ああっ、食べられちゃう! そう思った瞬間、あたしの頭は真っ白になった。口から広がった電流
は、背筋を通ってあたしの女性としての部分を熱く溶かし、脚をつりそうになるほどに強ばらせる。
腕は、助けを求めるようにあいつの背中にしがみつく。なのにあいつは離してくれなくて、あたしの
舌は、噛まれて、吸われて、あいつに良いように嬲られ続ける。
そうしてあいつはあたしを散々弄んだ後、ゆっくりと唇を離す。うっすらと目を開けると、あたしと
あいつの間に涎で出来た橋がかかっているのが見えた。なんだか、すごいエッチだ。
534 :
12:2009/07/30(木) 22:23:50 ID:YSGnH1GR
あたしは膝に力が入らなくて、もう一人では立っていられない状態になっちゃってる。
あいつは、まるで二人がかりで支えるような確かさで、崩れ落ちそうなあたしの身体を
抱き留めている。
キスしかしていないのにこんなになっちゃうなんて、多分異常。でも、あたしは、もや
のかかった様な頭で、ああやっぱりな、なんて思ったりしてる。お兄ちゃんに抱かれた
ら、異常なあたしは、きっとこうなっちゃうような気がしていた。
あいつがあたしの髪を優しく撫でる。そうしたら、「はぁん」なんて、鼻にかかった声が
自然と出てしまった。髪に神経なんて通っていないはずなのに、何で撫でられただけ
でこんなに気持ちいいんだろう。
「ああ」
髪を撫でているのと反対の手が、右肩から腕を撫で下ろす。それだけの刺激に、
あたしは声を上げた。全身の肌がピリピリしているみたい。
同時に別の手が、左の太ももからゆっくりとスカートをまくり上げながら登ってきて、
あたしのおしりを掴んだ。
「くぅん!」
535 :
13:2009/07/30(木) 22:25:01 ID:YSGnH1GR
そして、あいつが、あたしの耳元で囁く。
「桐乃…触るよ?」
キスされただけでも、今までのどんなオナニーよりも気持ちよかったのに、あそこを触られたり、その先まで
されちゃったら、一体どうなっちゃうんだろう? 凄く怖くなったけど、お兄ちゃんの息が耳にかかっただけで
全身を震わせてしまうあたしは、こくんと頷き返すしかなかった。
「っん、あああああ!」
下着を引き下ろされると同時に、「ぐちゅ」っていういやらしい音を立てながら、お兄ちゃんの指があたしのそこに
触れた。そして、その指はすぐにあたしの敏感な突起を探り当てて、軽く押しつぶすように擦り上げる。
「いやっ、やっ、あっ、あっ、あああああ!!」
まぶたの裏でバチバチと火花が飛ぶ。強烈すぎる刺激にあたしの身体は逃げようとするけど、お兄ちゃんは
あたしをしっかりと抱き留めてそれを許してくれない。
しかも、いつの間にかセーラー服ははだけさせられていて、痛いくらいに尖った乳首ごと、両方の胸が揉み
しだかれた。
536 :
14:2009/07/30(木) 22:26:11 ID:YSGnH1GR
「ひうっ、いやっ! ダメっ、兄貴、やめ…、あぁ、あっ!あっ!」
三カ所から同時に突き上げてくる刺激に耐えかねて、あたしは拒否の声を上げようとする。だけど否定の声は
途中で沸き上がる快感に押し流され、あたしの腕はお兄ちゃんを突き放すこともせず、その上着のシャツを
力一杯握りしめるだけ。
「ひゃあん!」
お兄ちゃんが、いきなりあたしの右耳に舌を挿し入れてきた。ぴちゃぴちゃという唾液の音が頭に直接響いて
きて、まるで頭を直接犯されているような気持ちになってくる。
その刺激に思わず目を見開いたら、すぐ目の前でお兄ちゃんが優しく微笑んでいた。ああ、ズルイ。そんな顔
されたら、なにされても逆らえないじゃない。
…あれ? でも、なにか変な気がする。どこかおかしい気が。
あたしは心に浮かんだ違和感の正体を探ろうとした。けど、お兄ちゃんがあたしの敏感な突起を強くつまみ上げて。
「ひゃうぅぅぅぅん!」
その瞬間、あたしの意識は飛んだ。
・つづく
GJ
これは…いったい…
GJ
わっふるわっふる
まさか……実現するやつがいるとは…
ぅぃーあっふーるぅぃーあっふーる
おおおおおーーっ!? き・きた きたーっ
つ・つ・ツツ 続きマダーっ!><?
あっ 忘れてた><; GJ
543 :
名無しさん@ピンキー:2009/07/31(金) 00:59:30 ID:h6klOpP9
本気で11Pやりやがったwwwwwww
11P寸前で夢から覚めるオチだったり…
GJ!
マジデ書き方が俺妹っぽい
超GJ!!!
…続きマダー?。
この上トイレの怪談も実現するといいな!
549 :
黒猫×京介@:2009/08/01(土) 05:29:16 ID:90eKQWA7
自宅のリビングのソファに並んで腰掛けている、俺と黒猫。
俺たちの目線の先では、真夜というキャラが絶賛戦闘中である。―――あっ、転んだ。
「……ここからよ、彼の真価はここから発揮されるわ」
黒猫の顔が今まで見たことないくらいに輝いていやがる。
しかし……なんだ。よく考えるよな、こんな複雑な設定。
―――と、俺が若干アニメの展開についていけなくなり遠い目をしていたら、黒猫がこちらを横目で睨んできた。
「……観る時は真剣に観る。それがマナーよ。……私はアニメの観賞中によそ見をする人間と席を立つ人間が許せないわ。よく覚えておきなさい」
「おまえも現在進行形でよそ見をしているわけだが……」
「……私はもう二十回以上観たから良いのよ」
自分勝手なヤツめ。まぁ、桐乃に比べたら可愛いもんだけどな。
そうだ、桐乃だ。なんで俺が今、黒猫と二人でアニメを観ているのか?その原因はやはりというか桐乃にあった。
「今日、ゴスロリ邪気眼がうちに来るから」
土曜日の朝、妹からの第一球がこれだった。
「……あぁ、それで?」
投げやり気味に打ち返す。
「掃除をしなさい」
「どこを?っていうかなんで俺が」
「リビングと玄関」
「だからなんで俺が」
またファールかよ、と言わんばかりに妹は首を横に振り、舌打ちをした後、ため息をつき、もう一度舌打ちをした。
……なんで休日の寝起きにこんな仕打ちを受けているんだろうなー、俺は。
「あんたわかってないわねー、黒猫が来る前に服とか爪とか汚れたら嫌じゃん」
「なんだよ、その理由は!?服着替えて手ぇ洗えば済む話じゃねぇか!」
「……あんた、まさかあたしの着替えを覗く気?」
「なんでそうなるんだよ!?」
「うわー…、シスコンここに極めり」
「だから覗かねぇって!あー、もうわかったよ!掃除すっから、その人を蔑むような目をやめてくれ」
朝から大声出させないでくれよ……ったく。
550 :
黒猫×京介A:2009/08/01(土) 05:34:47 ID:90eKQWA7
「おーい、桐乃ー、掃除大体終わったぞー」
俺が玄関からリビングへ向かうと、そこにはソファに寝そべり携帯をいじる妹様の姿があった。
「……おまえそれは人としてどうよ」
「ん?鬼畜兄貴はさすがのあんたも拒否反応?」
「……いや、意味がわからない」
携帯をいじりながら桐乃が何を考えていたのかを考えると恐い。
―――と、その時、家のチャイムが鳴った。
「ん?黒猫か?はいはーい、今出るぞーー」
俺が玄関の扉を開くと、目の前には中学生の集団。いや、桐乃の友人たちがいた。
「おはようございます、お兄さん」
あやせが代表して俺に挨拶をしてくれる、―――その後ろにいるチビガキが俺を見て、小声で「ダサッ」と言ったが気にしない。
「で、今日はなんの用件……ってかまず桐乃を呼ばなきゃな」と、俺が言い終わる前に桐乃がリビングから顔を出した。
「あれぇー?みんなどうしたの?映画は明日じゃ…?」
「日曜日は加奈子の都合が悪いからって土曜日に変更したでしょ?」
「えー!?そうだったっけ!あちゃー」
桐乃が困った顔で俺を見てくる、―――あぁ、もうしょうがねぇなぁ!
俺は桐乃の耳に顔を近付け―――「きもっ」と聞こえたが気にしない―――小声で提案した。
「黒猫にはメールで遊べなくなったって送っとけ、もし万が一家に来ても俺が適当に対応しとくからさ、安心して映画観に行ってこい」
桐乃は少しの間、思案顔をしてから。
「……ん。まぁ三十点ってとこかな、あんたにしては上出来」
やけに上から目線だなおい!っていうか元々はおまえのミスが原因なんだからな!?
……友達の前だから声には出さないでおいてやるが。
「じゃあ、行ってくるから留守番よろしく」
手早く準備を済ませた桐乃があやせたちと共に玄関から出ていくのを見送る……わけもなく、俺はソファの上で一人うなだれていた。
「なんっつー最低の休日だ……」
551 :
黒猫×京介B:2009/08/01(土) 05:41:24 ID:90eKQWA7
というわけで、今俺は黒猫とアニメの観賞中だ。回想終わり。
ちなみに何故桐乃がいないとわかっていて、黒猫が家に来たのかといえば。
「家族には友人の家に行くと前日に伝えておいたのよ、今更ドタキャンされたから行きませんなんて恥ずかしくて言えないわ」
とのことだ。正直、黒猫の恥ずかしいの基準がよくわからない。
そんなことを考えていると、どうやらアニメが終わったらしい。
「……で、どうだったの?迅速に答えなさい」
黒猫がやや興奮気味に尋ねてくる。
「あーーー…、良かったんじゃねぇの?」
「…………でたわ」
ため息と共に黒猫が吐き捨てる。
「出たって何が?」
「ただ全体を何となく『良かった』なんて誰にでも言えて分かり切っている事は言わなくて良いのよ、私はどこがどう『良かった』のかを聞いているの」
「んーー?あぁーー、主人公の冷めた言動とか戦闘シーンとかが良かったかな。あとあれだ、背景が綺麗だな、と思ったぞ」
「――フン、まぁいいわ。……三十点ってところかしら、あなたにしては上出来よ」
こいつや桐乃の中での俺は上出来でも赤点なんだな。というかホント変なところで気が合うよな、こいつら。
「ところで、さっきから気になっていたのだけれど……」
黒猫は薄らと頬を染め言い淀む。
そして迷うようにゆっくりと指をあげ、その指が俺の股間のあたりを指す。
「道徳心の防波堤が崩壊して……、チラチラと薄汚いモノが見え隠れしているわ……」
ああ。簡単に言うとチャックが全開でパンツの隙間からナニが挨拶しているわけだな。―――って、ええ!?
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!?」
ナニ冷静に解説してんだよ俺は!これはドン引きものですよ!?
「いっ…いつから気が付いていたんだ…?」
「……あなたが私を玄関で出迎えた時には既にある意味、余所行きの格好だったわ」
「ならもっと早く言えよ!」
「……優しさとは時に残酷な結果を生むものなのよ」
「それは優しさでもなんでもねぇよ!?」
「そんなに騒ぐのならば代わりに私のも見せてあげましょうか…?」
「えっ!?でも、それはおまえっ。ちょっと、どっ、どうなんだろうな」
「…………冗談よ、なに本気で狼狽えているのかしら」
552 :
黒猫×京介C:2009/08/01(土) 05:50:59 ID:90eKQWA7
ちっくしょう…!自分の顔が赤くなっていっているのが手に取るようにわかる。
「それとも本当に見たいのかしらね?……兄さん?」
試すような眼で俺を眺めてくる黒猫。そして―――
「…………っ!」顔を少し下に向け、黒猫は自爆した。耳から血が吹き出そうなくらいに赤い。
「お、おっ、おお、おっきくなっているわ……」
茫然と黒猫が言った。
もしかするとさっきまでの余裕を感じさせる物言いは、自身の動揺を隠すためだったのかも知れない。
顔どころか耳や首まで赤くした黒猫が何事かを呟き始める。
「……後学の為。リアリティの追求。後学の為。リアリティの追求。……」
「ど…どうした、大丈夫か……?ってウオォっ!?」
黒猫が突然俺に飛び掛かってきた。
「兄さん、しゃ、射精するところをみ、み、見せなさい」
ちょっ!こいつ完全に眼が据わっちゃってるよ!
何故勃起した位でこんな事に!?いっつもおまえは同人で見てるんだろ!?あれは絵だけど!
「だっダメだ、現在おまえは冷静さを失っている、後で絶対に後悔す…っつあ!」
黒猫は俺の元気過ぎる本来の目的では未使用な生殖器を右手で掴むと、恐る恐る動かし始めた。
「あっ!こらっ!あぐっ!うっ!」
気持ち良さと痛さと恥ずかしさで俺は情けない声を出してしまう。くそう。
黒猫は熱心に右手の上下運動を続けながら、潤んだ瞳を俺の引きつり気味な顔に向けてくる。
「兄さん……」
「はうぅっ、なっ、なんだ?あっ…」
「わ、私…、私は……」
「ちょっとあんたたち何やってんのよ!?」
リビングの扉が猛烈な勢いで開けられる。
―――え?桐乃?玄関の扉が開く音なんてしなかったよな?―――
ちらりと時計の方に眼を向けると、既に時刻は午後の六時を廻っていた。
【続く。気がする】
これは期待
ワッフルワッフル
黒猫「味もみておこう」
>>552 生殺し・・・だと・・・?
わっふるわっふる
嫉妬した桐乃が夜這いをかけてくるわけですね
黒猫の突然の豹変にワロタw
超GJ
562 :
黒猫×京介D:2009/08/01(土) 21:38:37 ID:90eKQWA7
驚きで萎えてしまった俺の交接器から黒猫が手を離し、桐乃を挑発するように言った。
「……あら、何をしているのか見てわからないのかしら?」
「見りゃわかるっての!あたしが言いたいのはこんなとこですんなって事よ!」
「……わかったわ。じゃあ兄さんの部屋に行きましょう。……ほら、兄さん、早く立って」
俺がソファからゆるゆる立ち上がると、桐乃はこちらを鬼も逃げ出すような憤怒の形相で睨み付けていた。
「いや…、桐乃…、これは…だな…」
俺は全身の毛穴から汗を吹き出しつつも、必死で言葉を探す。
「いいから早く行きましょう、兄さん」
黒猫に手をひかれ、黒猫と俺はリビングを出て、自室へと向かった。
「――勢いで部屋に来たのはいいがこれからどうするんだ?」
ベッドに腰掛けた俺が尋ねると、同じようにベッドに腰掛けている黒猫が少し迷ったようにしてから口を開いた。
「……そうね。さっきの続き……をさせてもらってもいいかしら?」
「続きっていうと、――あれか」
「――あれよ」
言いながら黒猫は俺のジーパンに手を伸ばしチャックを下ろした。俺の愚息が再び外気にさらされる。
何かが吹っ切れてしまったのか先程までの恥ずかしさは無い、それは黒猫も同じなようだ。
「……触るわよ」
黒猫が、今度は両手で包み込むようにして、俺の息子を熱血させようとする。
―――こいつの手の平、ひんやりしてて気持ちいいんだよな。でも―――
確かに気持ちはいいのだが、手と息子が乾いているので少し痛ッ!いやいや、かなり痛い!そんな早く動かすんじゃねぇ!
「ちょっ、ちょっとタンマ!マジで痛い!」
「痛い…?気持ちいいのではないのかしら?」
不思議そうな顔をして黒猫が小首を傾げ、手を動かすのを止めた。
「別に気持ち良くないわけじゃないんだが、乾燥してるから摩擦で……な。唾か何かで濡らしてもらえると助かる」
「……中学生の唾を要求するなんて、あなた中々の変態ね」
頭が茹ってて忘れていたがこいつ中学生なんだよな…、しかも桐乃の友達…。
「……まぁいいわ。射精してもらわないと私もこんなことをしている意味がないものね。助力してあげるわ」
黒猫が小さく整った唇をもごもごと動かし、その口内に唾液を溜め込む。
563 :
黒猫×京介E:2009/08/01(土) 21:42:06 ID:90eKQWA7
充分に溜まったところで、黒猫は俺の男根の先っぽに、そのヌラリと白濁し泡立つ唾液を垂らし始めた。
―――なんて淫靡なマーライオンだ…。俺は黒猫の口から溢れる唾液の温かさに脳みそが沸き立ちそうになる。
「んっ……。これで多少はマシになったかしら?」
濡れそぼった男茎を包む黒猫の両手が、確認するようにゆっくりと動きだし―――次第に早さを増していく。
唾にまみれた肉棒が、ぐっちょぐっちょと耳と頭をとろかす音を奏でながら、その肉を固く熱くするのが非常に心地よい。
「……ね、ねぇ?」
呼吸を荒くした黒猫が、肉棒から俺の顔へと視線を移す。
「少しだけ、コレに口を付けてみてもいいかしら…?」
潤んだ瞳でおフェラ宣言!?―――いやいやいやいやさすがにダメだよな、今の状況も大概アレだがオーラルセックスはペケですよあなた!
いっ妹が、身内が家の中にいるんですよ!?そういえば日帰りで旅行に行ってる両親もそろそろ帰ってくっぅ!って!あああああーッ!!
鼻息が!鼻息が!先端に触れている唇の感触もやばいが鼻息が特にやばい!やばいな、うん。
「く…黒猫、これはまずいって…」
「……手コキがOKでフェラが駄目という基準がわからないわ」
ううっ、先っちょに唇を付けたまま話すなよ!マイクじゃなくてこれはマラだぞ。
あっ、くっ…、無気力で『普通』『無難』だった頃の俺カムバァアアアアアアアアアアアアアック!!
「ああ…っ!」
ついに限界を迎えた俺は、白い子種を黒猫の顔に撒き散らす。
「……?」
ぼんやりとした表情の黒猫は、細かく脈打つ俺の肉棒を眺め、そして―――
「……っ!!!!!」
尻尾を掴まれた猫のように一瞬、全身を硬直させた。
「…………臭いわ」
第一声がそれですか。まぁ気持ちはわからんでもないが。
「でも……。思ったよりもベトベトしないものね、意外にプルプルしているわ。」
端整な顔に精子を付けた黒猫を見ていると、何だか可笑しくなってくる。
「ふふっ…」
「……なに笑っているの?気でも狂ったのかしら?」
―――気は狂ってないが、おまえのせいで俺のキャラは確実に狂っちまったな。
564 :
黒猫×京介F:2009/08/01(土) 21:52:44 ID:90eKQWA7
「……帰るわ」と黒猫が言ったので、俺と黒猫は二人で玄関から外へ出る。
「本当に送っていかなくていいのか?」
「……ええ。まだそんなに暗くないし、それに……あなたにはまだ大切な仕事が残っているでしょう?」
「仕事?」
「大好きな妹の機嫌取りよ」
「はァ!?いつ俺があいつの事を大好きだなんて言ったよ!」
「――フフ、それなら別にいいのだけれどね。……じゃあ、また近いうちに会いましょう」
くそっ、年下相手に軽くいなされてしまった。
「ああ、またな」
年長者の意地で冷静さを装い、黒猫に手を振る。黒猫は眼を細めると、少し気恥ずかしそうに手を振りかえしてきた。
両親が帰宅してから夕食をとり、風呂に入って、今は自室のベッドの上でゴロゴロとくつろいでいる。
―――ううむ、このベッドで黒猫とあんな事をしたなんて…、我ながらどうかしてたよな。
軽く身悶えていると、ノックの音もなく突然に、自室の扉が開かれる。
そこにいたのは見間違いようもない、お風呂あがりの妹様だ。
「うおっ!お、おまえいい加減ノックくらいしてから開けろよ!」
「はァ?なんであたしがあんたに命令されなきゃいけないわけ?」
「命令じゃなくてこれは常識だ!常識!」
「うざっ」
な…殴りてぇ…!なんでこいつは、ご近所でふりまく愛想の一ツマミを兄に振り分けられないんだ。
「なにキモイ顔してんのよ?ハァー、あんたみたいな兄を持って、可哀想なあたし」
「それはこっちのセリフだ!」
「意味わかんない。…………ところでさ、あの後、黒猫と二人で何やってたわけ?」
「……何やってたかなんて、おまえには関係ないだろ」
……どうしたんだ、俺は?なんとなく胸がモヤモヤして、桐乃の顔をまともに見れないぞ。
「ふーーーーーん、まぁいいや。…………ねぇ、黒猫と同じ事、あたしにもさせてよ」
「――――なッ!?」
【つづく】
なん・・・だと・・・?
ここでまさかの桐乃×京介編が始まるわけですね
ブヒヒwwwwwww
>>564 GJ
黒猫派の俺としては勃起が止まらない
生殺しにも程がある
GJ
>>564 GJ!ツヅキマッテマス
もちろん黒猫×京介の
11Pの先生、GJ
続きを切に待っとります。
>>564 GJ
小ネタ以外だと黒猫×京介って初じゃない?
期待してる
…ところでこのスレ、伏見つかさ総合だよな?
…頑張れアリスー。
572 :
黒猫×京介G:2009/08/03(月) 19:00:05 ID:VphXQtQU
眉間に皺を寄せ、上から俺を見下す桐乃に―――
「あっ…握手だ!」
風呂に入った事が台無しになるくらい嫌な汗をかいてしまっている俺は、咄嗟にそう言葉を投げたのだった。
「……は?」
「だから俺とあいつはこの部屋で握手をしていたんだ!」
「握手って……、いくらなんでも無理矢理過ぎない?それ」
「お…、お互い、妹には苦労させられるよなって、そういう話を二人でしてたんだよ。そこで、握手だ。」
桐乃が指摘した通り、ちと苦しいかな、この設定は。
「じゃあリビングでコソコソやってたのはなんなのよ……っていうかいつあたしがあんたに苦労をかけたっての!?」
かけていないとでも!?
「ま、まぁそれはいいじゃねぇか。で、だ。黒猫がしていたことをしたいんだよな?なら、ほら。握手握手」
ベッドの端に腰掛けた俺は、精一杯の作り笑顔で桐乃に右手を差し出す。
何故か桐乃は「うぅっ……」と唸りながら、俺の右手と自分の右手を交互に見つめている、風呂あがりだからかほんのりと頬が赤い。
「も…もういい、寝る」
桐乃は逃げるように、俺の部屋から出て自分の部屋へと帰っていく。
―――あ。あのバカ、また扉を開けっ放しにしていきやがったな。
俺はベッドから腰をあげて開いたままの扉へ向かう。
一週間後の土曜日。
呼び鈴が鳴り、俺が玄関の扉を開けると、そこには夜魔の女王のコスプレをした黒猫が立っていた。
「……来たわ」
「……桐乃なら学校の友達と遊びに出掛けてていないぞ」
「我が眷族―――つまりはあなたに会いに来たのよ」
「俺がいつ、おまえの身内や子分になったっていうんだ?」
「あら?気付いていなかったのかしら。……憐れね」
なんだかよくわからない内によくわからない理由で憐れまれてしまった。ハァ…。
「ん。まぁとりあえずあがれよ」
俺が玄関から家の中へと案内すると、黒猫はホッとした表情で呟いた。
「……安心したわ」
「なにがだ?」
「招かれなければ……私が中へ入ることは出来なかったわ……」
どこの吸血鬼だよおまえは。
573 :
黒猫×京介H:2009/08/03(月) 19:02:13 ID:VphXQtQU
黒猫をリビングのソファに座らせてから、俺は飲み物と菓子を取りに行く。
「えー…っと。なんかあったっけか」
冷蔵庫のドアを開く。と、そこで気配を感じて振り返る。
「……どうかしたか?」
やたら近くに黒猫の顔があった。
「いえ……。今日、この家にあなた以外の人間は?」
「いや、俺一人だが」
「なら一刻も早くあなたの部屋に向かいましょう」
そう言うなり黒猫は、俺の上着の袖を掴んで歩き始める。
部屋に入って二人並んでベッドに腰をおろすと、すぐさま黒猫が話しはじめた。
「……私は先週の出来事によって不本意ながらあなたと契約を結んでしまったのよ。そして定期的にあなたの精液を摂取する事によって闇の力【ダークフォース】を維持、……代わりにあなたには眷族として不死を与えているわ」
「…………」
「……やはり元人間であるあなたには理解できないようね。仕方ないわ……、純血【オリジナル】との差はそれ程までに大きいのだから」
「…………そうか」
妹モノのエロゲ脳で解釈するなら『おにぃちゃんとえっちなことがしたいよぅ』といったところだろうか。
っていうか、これ完全にエロゲの設定だな。
……もしかすると黒猫なりに照れているのかも知れない。
そう思うと黒猫がとても可愛くみえて雰囲気に流されそうになるが……、ここはハッキリさせとかなきゃな。
「でもさ、おまえはこういうの……なんつーか、付き合ってもいないのに……」
「……既に眷族だと言ったはずよ」
「いやいやいや、そういうんじゃなくてさ。この前は勢いでやっちまったけど……、後悔とかしてないのか?」
俺の言葉に黒猫が少し悲しそうな顔をしてうつむく。
「…………後悔なんてしているのなら、わざわざこの家に来たりしないわよ。本当に救い難い人間ね」
「……今は元人間、……なんだろ?」
「……そうだったわね」
俺は顔を下に向けている黒猫の頭に軽く手をのせ、ゆっくりと撫でた。
―――うおっ、こいつの髪の毛マジでサラッサラだな。それと今まで気にもしてなかったけど、耳の形も綺麗に整ってんのな。
つーか、あれだ。髪を撫でられて目を細めている黒猫はホントの猫みたいで…………これはヤバいぞ、か、可愛過ぎるっ!
俺は思わず黒猫を力一杯抱き締めたくなる衝動にかられ―――というかすぐに抱き締めた。
574 :
黒猫×京介I:2009/08/03(月) 19:05:54 ID:VphXQtQU
普段の黒猫なら「……暑苦しいわよ人間」「服が皺になってしまうわ」とでも言うところだろうが……。
当の黒猫は「くふっ」と息を洩らしてからは身じろぎの一つもしない。
それにしても……、細過ぎんだろこいつ。ちゃんと飯食ってんのかよ?
誇張じゃなく、これ以上力を込めたら折れちまいそうだ。
「……ん」
首の横にかかる吐息が、確かな熱を帯び始める。
「にい…さん」
黒猫が俺の背中にそろそろと両腕をまわし、一度力を込めるとすぐに今度は力を抜き、俺の身体から少しだけ離れた。
潤んだ眼差しを向ける黒猫が薄く目蓋をとじ、顎をしゃくる。
―――目の前にはひどく蠱惑的な唇。この状況が意味するところはひとつだろう。つまりは……キスだ。
俺は黒猫の熱く濡れた唇に自分の唇を押し当てた。黒猫の唇を割って、粘り気を増した唾液と共に舌を差し込む。
ビクリ、と黒猫が身体を強張らせる。
……いきなり舌を入れたのはまずかったか……、などと考えながらも熱心に舌で相手の舌の感触を味わい。唾液を啜る。
しばらくそうしていると、黒猫も徐々にだが身体を弛緩させていく。
はじめは控えめに、そして段々と大胆に、こちらの舌に自身の舌を絡めてくる。
黒猫の口腔内は温かく、唾液は甘く、舌はねっとりとし、吐息は良い匂いがする。
俺は強烈な快感に囚われ、目を開けていることすらままならない。
あまりの官能に、頭がクラクラした。
息苦しくなったのか黒猫が、唇同士の接触を少しだけ緩めた。丁度良かったと俺も新鮮な空気を肺に送る。
小休憩を終えると、今度は黒猫の方から口を押し当ててきた。先程よりも更に深く、きっちりと合わさる俺たちの唇。
俺の背中にまわされた両腕にも力が入る。それを受けて俺も黒猫の華奢な身体を強く強く抱き締めてやった。
―――存在を主張する舌。溶けて交じる、二人の唾液。
―――近く、温かい、お互いの身体。その体臭。
目を開くと、そこには同じように目を開いた黒猫の顔、見つめ合い、激しく舌を絡め合う。鼻息が自然と荒くなる。
我慢出来なくなった俺は、黒猫の背中から両腕を戻し身体を解放してやると、慌ただしく黒猫をベッドに押し倒す。
その時に相手の歯で僅かに唇が切れたみたいだが、たいした痛みは無い。
俺は微かに身じろぐ黒猫の舌先をしゃぶりながら、おそるおそるその胸へと手をのばした。
【続く】
な、生殺し…だと…
神降臨ってやつだな
わっふるわっふるわっふるわっふるわっふるわっふる
クロネコ可愛いよクロネコ
フヒヒヒ……
GJ
お兄ちゃん……大胆すぎですよ
413マダー?
>>574 GJ
あやせ派だったけど黒猫派になっちまいそうだ
京介×黒猫か
GJ!
あやせって誰だっけ?
>>584 キーワード:桐乃同僚・ガチ百合・ヤンデレ
いやヤンデレではないだろ。
ヤンデレだったら、桐乃の趣味が発覚した時、あんなにあっさりと絶交しない筈だが。
京介のツンデレ風と同じでヤンデレ風に見せたかったんじゃないかな。本気のヤンデレにしたかったわけじゃなくて。
>>355-
>>392の続きです。前回の話で兄妹仲がある程度よくなってしまい、原作からの乖離が激しくなったため、
今度のでシリーズ一応完結にしようと思ったらやたら長く……ってことで、章仕立てにしてあります。
★☆★
─プロローグ─
「850円になります」
「は、はい……」
俺は緊張しながら財布から金を取り出す。ふー。高校生にも普通に売ってくれるんだな、こういうの。
俺jは薬局を出ると、外の薄暗い街灯の下で待っていた妹に声をかける。
「ま、待たせたな」
「ん……ちゃんと買って来た?」
「あ、ああ。で、でも本当にするのか?」
俺がびくついた声でそう尋ねると、桐乃からキツイ声が返る。
「いまさら何言ってんの? せっかくお母さん、今日は帰ってこなくなったんだから」
「……でもよ、こういうのってこんな風に勢いでやっちゃ駄目なんじゃねえか?」
「何よ。あんた、あたしが望むようにしてやるって言ったじゃん」
「そりゃ、言ったけどさあ……」
「もう、グズグズうるさいなあ。だってその調子だと、あんた明日になったらまた、言ってる事変わりそうなんだもん」
くっ……こいつめ。痛いところを……そりゃそうだろう。こんなの何日悩んだって、悩みすぎなんてこたあねえよ。
しかしそんな俺の気持ちとまったく逆の事を桐乃は言った。
「とにかく! ちゃんと今日のうちに、既成事実を作るの!」
そんな桐乃の宣言に、俺は頭を抱えながら、なぜこうなったのか、ここ数日の事を改めて思い出していた──
589 :
第一章:2009/08/05(水) 03:49:09 ID:0C6BRree
第一章
「きょうちゃん、今日これから家に寄れない? 朝、言うの忘れてたんだけど新作和菓子の試食して欲しいんだー」
下校の途中、校舎を出たばかりのところで、麻奈美がそんな事を言い出した。
もちろん、俺は快諾しようとしたのだが──
「あ──、ダメだ。今日は多分、無理」
俺は今日が木曜日だというのを思い出した。
「あ、なにか予定あった?」
「予定というか──用事が」
「……どんな用事か聞いていい?」
なんだよ、麻奈美の奴、めずらしく食い下がるな。こんな時に限ってよ……
「その、妹の奴が……」
俺はどんな風に説明したものか悩みつつきりだした。
「ああ。確か、こないだも木曜日に急に用事が出来たんだよね。もしかしてあれも桐乃ちゃん?」
「ま、まあな」
「そっかー。もしかして、いつかの相談がまだ続いてるのかな?」
「あ、ああ。まあ、そんなとこだ」
渡りに船とばかりに麻奈美の話に全のっかりでやりすごそうとする俺。
「ふーん。いいお兄ちゃんしてるんだあ」
そういいながら、キラキラした瞳で俺の顔を覗き込んでくる麻奈美。俺は思わず目をそらさざるを得なかった。
「桐乃ちゃんと約束してるなら仕方ないね。じゃあ、また都合のいい日にお願い」
「あ、ああ。すまねえな。明日でよければ伺うよ」
「うん! あ、実は私、今日、色々買い物して帰らないと行けないんだ。そういう事なら、ここでバイバイね」
そういって、校門を出ていつもとは逆の方向に去っていく麻奈美。俺はかすかな罪悪感を持って、その後姿を眺める。
「ふー」
思わず、大きなため息をついてしまった。
590 :
第一章:2009/08/05(水) 03:51:15 ID:0C6BRree
桐乃。なんでも出来て、自信満々で、クソ生意気な三つ年下の俺の妹。
最近の俺と妹の関係はというと、──努めて客観的に表現するなら──まあまあ良好と言っていい。
俺との関係だけではない。今まで食事時はほとんど口を開かなかった桐乃が、わずかではあるが、
学校の部活や友達の事などを話すようになった。
おふくろの配膳の手伝いも(たまにだが)進んでやるようになったし、
この間なんて親父が晩酌をしている時、コップが空いてる事に目ざとく気付いて
手ずから酌をするというサービスっぷり。
その時の親父の顔は、正直見れたものではなかった。親父がニヤつくのを必死で我慢しようとしてる様は、
傍で見てて頬の筋肉をつるんじゃないかと心配するほどだった。
その日、食事を終えて部屋に戻ろうとする俺に親父がこう言った。
「京介。お前の事を見直したぞ」
……と。親父はおそらく、俺が桐乃のオタク趣味の件で色々動いてやった結果が、
今の桐乃の姿に繋がったと考えているようだ。
何年かぶりに親父に褒められたというのに、その時の俺はひきつった笑みを返す事しかできなかった。
それというのも、俺自身は現在の妹との関係を素直に肯定する事が出来ないでいたからなのだ。
「ただいま」
「おそーい!」
扉を開けるとそこには仁王立ちで妹が待っていた。
「あんた、何してたわけ? 今日が木曜日ってわかってるよね? もう、人をどれだけ待たせたら気がすむのよ!」
案の定、桐乃の中では木曜日は約束の日という事になっていたようだ。
一度も約束だなんて話、した事ないのによ。やれやれ、麻奈美の誘いを断っておいて正解だったな。
「仕方ねえだろ。今日は掃除当番だったんだよ」
「もう、それならそうと、言っておいてくんない? こっちも予定ってもんがあるんだからさあ」
いったい何の予定だよ。
「もう、時間なくなっちゃうじゃん! ねえ、早く……しよ?」
はにかむような妹の表情にドキっとする。
「あ、ああ」
顔を熱くしながら俺はそう応じた。
591 :
第一章:2009/08/05(水) 03:53:14 ID:0C6BRree
木曜日。
それは専業主婦であるおふくろが習い事で家を開けている日である。
そして、いつも部活だなんだで忙しい桐乃もこの日の放課後は定休日のようなものなんだそうだ。
つまり、家で俺と妹が二人っきりになることができるほぼ唯一の時間という事になる。
そういうわけでいつの間にか、毎週この日の午後は、俺と妹にとって二人で過ごす時間として定着した。
最初の頃は俺も気にせず別の約束などを入れていたのだが、結局、桐乃によって強制キャンセルさせられるので、
今日のように最初から用事を入れないでおくようになったのだ。
それに俺自身も……なんだかんだ言って、この時間を楽しんでいるみたいなのだ。
そこのところが俺のここしばらくの最大の悩みでもあった。
俺は足早に二階の自室へと駆け上がり、カバンをベットの上に放り投げると
急いで妹の待つリビングへと向かう。
そこでは桐乃が準備万端整えて俺を待っていた。
「あ、ああん! ちょ……やめてったら、もう! こ、このっ! ああん!」
2PWINという文字がTVの大画面に表示される。ちなみにプレイヤー2は俺である。
さすが移植版と言えば良いのだろうか。PC版シスカリに比べると格段にバランスが良くなってる。
桐乃愛用の隠しキャラも、PC版での反則的強さが抑えられており、相変わらずPC版のつもりで
戦っている桐乃の勝率はあまりかんばしくない。
「もう、何よ、コレ! せっかく新型PSPごと買って来たのに、とんだ劣化移植じゃない!」
いや、かなり良く出来た移植作だと思うぞ。なんといっても元のゲームの欠点が修正されてる点が素晴らしい。
ちなみに俺が使ってるPSPは桐乃のお下がりの旧型である。
PSPで対戦するためには、PSPが二台にソフトも二本必要ってことで、結構な金がかかっているんだと。
592 :
第一章:2009/08/05(水) 03:55:59 ID:0C6BRree
ただいま、俺たち兄妹はリビングで格ゲー大会の真っ最中。
本来、携帯ゲーム機であるPSPで遊ぶのにテレビは必要ないのだが、
桐乃曰く、大画面だとやはり迫力が違うそうだ。
「もう、今日はやめ。違う事しよ?」
そう言って桐乃は、PSPとTVをつなぐ出力ケーブルを乱暴に引っこ抜いた。
「違う事ってなんだよ?」
「うーん。あんた何か考えて」
なんだそりゃ。相変わらず勝手放題だな、この妹様は。
「言っとくけど、お母さんがいない時ならではの事じゃないとダメだかんね」
「なぬ!?」
「あたりまえでしょ。お母さん居るときに出来る事、今したって意味ないじゃん」
だとさ。
うーん、おふくろが居ない時にしかできない事ねえ……
じゃあ、また一緒に風呂に入るとか……
「あ、一緒にお風呂とかもダメだから」
「わ、わかってるよ!」
あーびっくりした。冗談で思いついただけなのに、心の底からびっくりしたぞ!
ドギマギする俺に、悪戯っぽい表情で桐乃が言葉を続ける。
「本当に? 少し考えてたでしょう?」
ぷぷぷと、いやらしい含み笑いをしながら流し目で俺を見る。
「か、考えてねえよ!」
考えたけど!
「あはは。ま、そのうち気が向いたらね──。今日は普通に遊びたい気分なの」
「そんな気、向かなくていい!」
くそ。そのうち気が向くのか? 本当に? いや、どうでもいいけどさ。どーでも。
あーもう、考えるな。股間が反応したらまたからかわれ放題だ。
そんなことより、今のあははって笑ったところ。腹立つくらい可愛い顔しやがって。ああ、もう、納得いかねえ……!
593 :
第一章:2009/08/05(水) 03:58:27 ID:0C6BRree
「……じゃあ、またメルルのDVDでも見るか?」
知恵を絞ってはみたものの、気の利いた事は何にも思いつかなかった俺は、
とりあえずもっとも無難な案と思われるものを言ってみる。
すると桐乃は少し思案顔になった後でこう答えた。
「……ううん。それはパス」
「なんだよ、見たくないのかよ」
「だって、あんたあんまりアニメに興味ないじゃん。……もっと、二人で楽しめる事がいい」
「そ、そっか」
やべえ。今のとこもちょっと可愛かった。
くそっ! 最近のこいつはちょっとおかしいぞ。いや、おかしいのは俺の方なのか?
「……ねえ。あんたは、何かしたいことないの?」
「え? 俺?」
それはあまりに意表をついた言葉だった。
「そ。考えたら、あんた普段、何やってんの? あたし、あんたの趣味とか全然知らないんだけど」
俺の趣味?
「ええと……読書とか?」
「読書? どうせ漫画ばっかりでしょ。絵に書いたような、無趣味人間ね、あんた」
「う、うっせい」
図星をつかれて思わずそんな言葉が口をつく。
しかし趣味……ねえ。確かに趣味って言われても特別なものは何もねえ。
でもさ、漫画やテレビや音楽聴く以外の趣味なんて、ある奴の方が珍しくね?
「はあ……あんたねえ。少しは、妹以外の事にも興味もちなさいよ」
「ほっとけ! っていうか、今さらりと変な事言っただろ、おまえ!」
しかし、桐乃は完全スルーで言葉を続ける。
「あんた、普段……あの女とばかりつるんで、いったい何してるわけ?」
ジトっとした視線で見つめながら桐乃が俺に問う。
何してるっていわれてもなあ……
594 :
第一章:2009/08/05(水) 04:00:46 ID:0C6BRree
「特に何も……。麻奈美や麻奈美の弟やじっちゃんばあちゃんと茶飲みながらだべったり……」
「は? でも毎日のように通ってんだから、それだけってことないでしょ?」
「ああ、勉強したりもしてるぞ。おまえが思ってるより意外に俺は勉強してんだぜ」
俺だってやることはやってんだ。少しは兄貴を尊敬しやがれ。
しかし桐乃は呆れ顔で言う。
「……勉強くらい家でしたら?」
勉強くらい一人で出来ないのかと蔑むような視線。俺はたまらずいい訳する。
「ま、麻奈美は教えるのが上手いんだよ。中学時代から教えてもらってるから、俺がひっかかりそうなとこも
ちゃんと心得てるからな。効率が全然違うんだって」
「へえー……。ま、そんなこと、ど〜〜〜〜〜でもいいんだけど……」
ウザったそうに、どうでも、って所をやけに強調して桐乃が言う。
なんだよ、てめえが聞いて来たくせにさ。
「とりあえず、あんたは特にやりたい事って無いわけね」
「まあ……なあ……」
正確に言うと、おまえと一緒にできる事が思いつかない。一人でならいくらでも時間潰すことくらい出来るけど。
……ここらへんが桐乃と麻奈美の一番違うとこだな。麻奈美なら何もせずとも、一緒にぼーっとしてるだけで間が持つんだが。
「はあ……」
大きくため息をつく桐乃。
「いいわ。じゃあ、気を取り直してシスカリの続きやろ。あたし、キャラ変える」
「あ、ああ」
桐乃は慣れない新キャラを使うのに苦労していたが、俺も慣れないキャラの相手で苦労したため
結果、戦績ば五分だった。こうして俺と桐乃の低レベルな格ゲー大会は終了した。
595 :
第一章:2009/08/05(水) 04:04:55 ID:0C6BRree
翌朝。
「ふっふーん♪ はちみつトースト作ってみた。ほら、美味しそうでしょ?」
バターの上から、匂いが鼻を付くほど蜂蜜がたっぷり塗られたトーストを桐乃が差し出してくる。
桐乃自身の前の皿にも一枚のっかてるから、これは俺の分って事らしい。
「ゲ……甘すぎるだろ、それ」
「ハァ? このあたしがせっかく作ってあげたのにケチつける気? じゃあ、食べんな!」
「ヘン、いらねえよ。……おふくろ、食パンは?」
「もうないわよ。桐乃が焼いたのが最後」
「ふふん。恩知らずは空腹のまま学校に行って餓死するべき」
「仕方ねえ。これ食べてみるか ……ん、あれ? 意外と美味い」
「あ、泥棒! このっ!」
「痛え! わき腹に蹴り入れんな!」
「いらないって言ったくせに、あんたが勝手に食べたからでしょう!」
「悪かったよ。美味しいよ、作ってくれてサンキュー……これでいいだろ?」
「全然、感謝の気持ちが足りない!」
朝から騒ぐ俺たちに、呆れ顔でおふくろがつぶやく。
「はあ……あんたら、仲良くなったみたいなのはいいけど、朝っぱらからじゃれるのやめなさい。
まるで小学生に戻ったみたいよ? お父さんからも言ってやって」
「ん……あ、ああ。あ──、桐乃。それ今度、父さんにも作ってくれ」
ガクリとおふくろが肩を落とす。
「いいケド……甘いよ?」
「はあ……父さんは、桐乃が作ったものならなんだっていいのよ」
親父の言葉に再び呆れ顔でおふくろがため息をつく。
「ふうん。じゃあ、今度、タラモサンド作ったげる。そっちのがお父さん向きだろうし」
「あ、ああ。じゃあ、それを頼む」
広げた新聞を隠れ蓑にして、親父が嬉しそうに頬をひきつらせる。まったく、普段の威厳はどこへやらだ。
ところで親父、タラモサンドって何かわかってんのか?
596 :
第一章:2009/08/05(水) 04:07:59 ID:0C6BRree
それにしても──
桐乃が少ししゃべるだけで、なんとなく場が華やぐ。こいつが学校で人気あるってのもよく分かる。
結局、家の外も家の中も、世界はこいつを中心に回ってるようだ。
俺自身、桐乃と過ごす時間は、決して不快なものではなくなっている。
しかし、相変わらず俺はこの妹を心から好きにはなれないでいるのだった。
そして、その日の放課後。
昨日の約束を果たすべく麻奈美と共に下校しようとしていると校門で見知った顔が待っていた。
「げ……あやせ」
「お久しぶりです。お兄さん」
「あ、あやせちゃんだ〜〜ひさしぶり〜」
「お姉さんも、お久しぶりです」
「どうしたの?今日はこんなところで……って、きょうちゃん!? なんで素通りして行こうとしてるわけ?」
う、麻奈美の奴め余計な事を……。
「よ、よう。久しぶりだな。といっても、一ヶ月たってないか」
「そうですね。ところでなんで今、逃げようとしたんですか?」
う、このパターンは……! 俺の脳裏にコミケ帰りの桐乃を追い詰めるあやせの恐ろしい姿が蘇る。
「まさか、桐乃に何かしたんじゃ……?」
「し、してない。何もするわけねえだろ!?」
とりあえずそんな風に言っておく。最近あった諸々の話は、あやせの耳には伝わってないらしい。
ま、あたりまえか。
「え〜またまた、きょうちゃんたら照れちゃって。きょうちゃん、最近、桐乃ちゃんに色々やってるんだよ〜」
「ハアッ!?」
恐ろしい形相であやせが俺を睨みつける。
「ば、バカ! 誤解を招くような言い方するんじゃねえよ!」
「え〜〜? わたし、何かわるい事言った……?」
事情をよく知らない麻奈美は何の事やらわからないというそぶりである。
「と、とにかく、今日はどうしたんだよ?」
ここはとっとと話を変えよう。
「あ。今、話をごまかそうとしましたね?」
「してねえよ!」
くそ、相変わらず勘のいい娘だ。
597 :
第一章:2009/08/05(水) 04:10:11 ID:0C6BRree
「……ま、いいです。後でゆっくりと聞かせてもらいますから」
「あ、後で?」
「はい。今日はお兄さんにお話があって来たんです」
「俺に話……?」
「はい」
そう言うとあやせは、麻奈美の方をちらりと見やる。
こういう事には意外に気が回る麻奈美は、
「あ、じゃあきょうちゃん。私、先に帰って家で待ってるから」
そう言ってその場を去ろうとする。
「え……? いや、ちょっと待て。俺も一緒に……」
しかし麻奈美を追いかけようとする俺を背中でブロックしつつあやせが言う。
「すみません、お姉さん。少しだけ、お兄さんお借りします」
「ううん、気にしないで。じゃあ、きょうちゃん、後でね〜」
結局、麻奈美は去ってしまい、後には俺とあやせだけが残された。
しばしの沈黙。それがたまらなくって、俺は単刀直入に切り出した。
「あ──、……話ってのは桐乃の事だよな?」
あやせと俺の間の話題は、それ以外ありえない。
「はい。実は……」
あやせが言うには、なんとあの責任感の固まりのような妹が、部活をサボってるって言うのだ。
継続的にサボってるわけではない。サボる頻度がそれほど多いわけでもない。
だから、特に部で問題になってるわけではないらしいのだが、あやせはたまたま陸上部のクラスメイトと
桐乃が話しているのを耳に挟み、そのクラスメイトを問いただしたところ、桐乃がたまにサボるって話を知ったらしい。
598 :
第一章:2009/08/05(水) 04:12:55 ID:0C6BRree
「でも、変ですよね? たとえ、たまにだろうと理由もなく桐乃がサボるなんて……」
「確かに……な」
親友のあやせと仲たがいした時でさえ、落ち込むのをひとまず横においておいて、部活に没頭するくらい
自分に与えられた役割はきちんと果たすような奴だ。
「どうやら、サボる日は木曜日が多いみたいです」
「木曜日? あれ、木曜日は……」
部活が休みの日なんじゃないのか? そう聞き返そうとした俺は、すんでの所で言葉を止めた。
「何か、知ってるんですか?」
「あ、いや。うちの母親も、よく家を空けるなあと思って」
「お母様が? じゃあ、それと関係があるのかな……」
ふう。どうやら俺にしてはうまくごまかせたようだ。
「ああ! まさか、お母様が留守なのをいい事に、家で二人っきりになったりしてないでしょうね!?」
怒りの形相で俺に問いただすあやせ。うわあ、まったくごまかせてなかったよ!
「まさか二人でいかがわしい事をしていたりってことは……?」
「んなわけないだろ!」
実際、いかがわしい事をしてたわけではない──少なくとも木曜日は──ので俺はきっぱり否定する。
「そ、それより、なんで直接、桐乃に聞かないんだ?」
そういうと、あやせは少し悔しげな表情をする。
「……怖いんです。また、前みたいに隠し事をされたらって思うと……」
あの喧嘩は、当然ながら桐乃だけでなくあやせにも大きなダメージを与えていたのだろう。
実際、あやせの判断はある意味、賢明だった。
もし問い詰められたとして、桐乃は本当の事を言う事は出来なかっただろうから。
599 :
第一章:2009/08/05(水) 04:18:27 ID:0C6BRree
「あ、ところで、さっき桐乃に色々してるって言ってましたよね? 一体、桐乃に何したって言うんです?」
思い出したようにあやせが俺の方を問い詰める。
「だ、だから、何もしてねえよ! あれは単に、おまえとの事とか色々と相談にのってやった事だよ」
「本当に?」
「あたりまえだろ。どこの誰が幼馴染に、妹に手を出した話を自慢げに吹聴するってんだよ!」
「はあ……それもそうですね……きゃっ!」
その時、校門を吹き抜ける風がつむじ風となってあやせのスカートをふわりとまくり上げた。
それも、下着だけでなく、へその辺りまで丸見えになるほど高く。
大慌てでスカートを抑えつつ顔を真っ赤にしながら、あやせが恨めしそうに俺を見る。
「……み、見ましたね?」
白に控えめのレースとフリル。しかし馬鹿正直に答えるわけにもいかない。
「え、ええと……」
だからといって、この状況で見てないとか、下手な言い訳はこいつにはきっと逆効果だ。そう思った俺は、
『見えたけど、女子中学生のパンチラなんかにまったく興味はありませんよ』って体で、世間話をするように言った。
「あ、……あやせは、あれだな。見せパンってのは穿いてないんだな」
しかし、あやせの表情は逆に険しくなる。
「……いったい、誰と比べてるんです!?」
「へっ?」
「なんで、桐乃がスカートの下にショートスパッツつけてること、お兄さんがご存知なんですか?」
「げっ!? そ、それは……」
「返答いかんによっては、タダじゃすみませんが……」
ひええっ!
結局、そこからあやせをごまかすのにまた一苦労してしまったのだった。
600 :
第一章:2009/08/05(水) 04:22:22 ID:0C6BRree
その後、俺は麻奈美の家に寄って店で出す新作和菓子の試食をすませ、
爺ちゃんたちの相手をしてしばらく過ごした。しかし普段、田村家にいる時と違い、俺の気持ちはザワついたままだった。
田村家の居間にある古めかしい柱時計が6時を告げた頃、麻奈美の
「今夜のおかずは、きょうちゃんの好きな、おばあちゃん特製の里芋の煮っ転がしだよ〜」
という夕飯の誘いも断って足早に家に帰った。
部活をサボってる事を桐乃に問い詰めたりするつもりはなかったが、
それでも早く、妹の顔を見ないと落ち着かない気分になっていたのだ。
「ただいま……!」
息せき切って家に帰ると、リビングはライトもつけられず薄暗いまま、しんとしていた。
テーブルの上にはおふくろの置手紙らしきもの。
ライトをつけて確認すると親父に届け物をしてくるので少し遅くなるとの事。
そしてソファには桐乃が制服のままで横たわり、ライトの光に目を覚ますこともなく静かに寝息を立てていた。
相変わらずしゃべらなければ可愛いうちの妹。寝顔もやはり可愛らしい。
「……なあ、木曜日は部活休みなんじゃなかったのかよ?」
妹の寝顔に向かって、小さな声でつぶやくように言葉を投げる。
そんなにリビングの大画面でアニメみたりゲームしたりしたかったのか?
……おまえに限ってそんな理由で部活サボったりするわけないよな。じゃあ、なぜ?
俺の中にまた、桐乃に対するもやもやした感情が蘇る。
俺は複雑な想いで『黙ってれば可愛い』、妹の寝姿を凝視する。
今日は部活で汗を流してきたのか化粧は落ちている。俺はこのすっぴんの時の妹の顔の方が好きだった。
魅力的なのは顔だけでない。スラリとした手足。中学生と言えども十分に女らしさを際立たせたプロポーション……
「……おわっ!」
さっきは暗くてわからなかったが、よく見ると、桐乃のスカートが随分まくれあがっていた。
601 :
第一章:2009/08/05(水) 04:24:46 ID:0C6BRree
「む……」
ゴクリと生唾を飲み込み、俺はほかに誰もいないとわかっている室内をキョロキョロと見回し、
そこに俺と寝ている妹以外存在しないことを再確認する。
そして、確認が終了すると、室内をイライラと歩き回ってる風を装い、ソファに寝そべる桐乃の足元に回った。
桐乃は学校では短いスカートから下着が見えるのを防ぐために下着の上にもう一枚、桐乃曰く
「見られても大丈夫なの」をつけているらしいが、家に帰ったら脱いでいることがほとんどだ。
「……!」
期待した通り、短い制服のスカートからおしりの部分……白に薄いブルーのストライプの入った下着が丸見えになってる。
にょっきり伸びた白い太ももが眩しい。そして色んな妄想をかきたてる股間部分のシワ。
そこに先日の風呂場で見た妹の全裸を思い浮かべ重ねるとあっという間に俺のモノが痛いほど反応する。
「……ゴク」
再び唾を飲み込むと、思わず俺は、震える手で携帯電話を取り出し、撮影モードにセットし、狙いをつけた。
カシャ。
桐乃のあられもない寝姿を写メに収める。
「芋」という名前をつけたフォルダに他の写真とは別にして保存する。
同じフォルダには既に、以前、おふくろに置き場所を教えてもらった親父のスクラップブックを接写した
桐乃のモデル写真が10枚ほど保存されていた。
どれも、ミニスカートなどの露出の高めの服や、体の線がわかりやすい服を着た写真。
最近俺がよくお世話になっている『オカズ』である。
そして、初めて生で撮影した写真である妹のパンチラ写真をプレビューで確認しながら暗い満足感に耽る。
「これが見つかったら、さすがに自殺するしかねーな……」
口の中でつぶやき、密かにそう覚悟する。
ダメージはいつぞや見つかった、パソコンでエロ画像検索した事の比ではない。
602 :
第一章:2009/08/05(水) 04:26:31 ID:0C6BRree
『妹のパンチラばかり狙う変態シスコン兄貴』
ちょっと前まで桐乃がよく使ってたフレーズだが、半分は俺をからかう冗談として言っていたのだろう。
そんな桐乃が、本当に自分のパンチラ写真を、それも寝ている時に盗撮された写真を俺が持っていると知ったら……
今度こそ俺たち兄妹の関係は修復不可能なまでにぶち壊れるのは必至だ。
もっとも、保存場所は自分の携帯。しかも通常デフォルトで保存されるフォルダではなく、
カモフラージュしたフォルダの中。
借り物のPCと違い、その危険性はほぼ皆無といって良いだろうが……
そう考えると共に、毒を食らわば皿までと言うフレーズが俺の頭に浮かぶ。
俺はズボンのチャックを開き、ペニスを取り出す。そして、桐乃の股間、下着に触れる寸前のところまで
もっていって、下着とペニスが写るようにして、再び写メに収める。
カシャリ。携帯のシャッター音が、やけに大きく、そして淫猥な響きに聞こえる。
「……」
再び桐乃の様子を伺う。静かな寝息を立てており、気付くそぶりも見せない。
よく見ると、半開きになった口から少しヨダレが垂れている。それは俺にある種の連想をさせるに十分だった。
たまらなくなった俺は大胆にも、桐乃の寝顔のまん前、丁度、口のあたりに自分のペニスを突き出した。
妹の吐息がかかる距離に、俺の亀頭がある。この異常な光景に俺の興奮は頂点に達した。
戯れに2回、3回、手でしごいてみる。今まで感じた事の無い快感が俺の脳天を突き抜ける。
このまま、妹の顔にぶちまけたい。この小さな口の中に突っ込んで咥え込ませたい。
そんな衝動が起こるが、それを実際に行動に移すほどまでには俺は常軌を逸してはいなかった。
カシャ。
とりあず、この光景を写メに収め、「芋」フォルダに保存する。その時──
603 :
第一章:2009/08/05(水) 04:27:38 ID:0C6BRree
「んん……」
シャッター音に反応したのか、桐乃が身を振るわせる。
俺はあわてて、ペニスをズボンの奥にしまいこむ。全身から血の気が引くのと一緒に、
怒張からも血液が引いていく。
「……スー」
桐乃は再び静かに寝息を立て始めた。
無事、最高のオカズを手に入れる事に成功した俺は、喜びを感じると同時に
たまらない自己嫌悪に襲われる。
『妹相手に恋愛とか、こいつらおかしいんじゃねえの?』
最初そんな風に俺が思っていた桐乃のエロゲに出てくる主人公たちは、
それでも純粋に妹の事を愛していた。ただ、女としても愛しているがゆえに、欲情する。
それは純愛である。作品の中では、たまに周囲の無理解により蔑まれたりもするが、愛を貫くためにそれらに耐え、
それらと戦ったりもする。
しかし俺はどうだろう。ただ、妹の事を性欲の対象としか見ていない。
単に身近に非常に俺好みの容姿をした女がいて、家の中って事で無防備になっているってだけで、
自分の性欲のはけ口にしているのだ。先ほど俺の携帯に納められた写真にしても本来なら犯罪である。
『あんたが性犯罪に走らないように私が相手してやってんでしょ』
そんな桐乃の言葉が頭の中でリフレインする。ばかやろう、むしろお前のせいで、とうとう性犯罪に走っちまったよ!
……いやいや、ここで桐乃のせいにして、さらに男を下げてどうするんだ、俺。
いや、もうこれ以上、下がりようないけどな……
しかし、それでも俺は自己弁護をせずにはいられない。
たとえば、別の誰かが妹だったとして、俺は同じ行動に出ただろうか。答えはノーだと自信を持って言える。
604 :
第一章:2009/08/05(水) 04:29:21 ID:0C6BRree
この妹は、あまりに色っぽすぎる。あまりに容姿が突出しすぎてるんだ。
今までは、こいつに対する嫌悪感が先にたって、そこらへんをあまり意識せずに済んでいた。
しかし、こないだの一件からこっち、何度も可愛いところを見せられて、こいつの魅力を再認識させられて、
両親からも言われるほど、「普通に仲が良い」兄妹みたいになっちまって……
そりゃ変になっちまうのは当然だろう。この気持ちは日本中、いや世界中でも俺以外誰にもわからない。
たとえ俺と同じように妹がいる兄貴連中にだって、絶対わかるはずはないんだ。
なぜなら、桐乃の兄貴は──世界で、この俺、ただひとりなのだから。
「……何してんの? そんなとこで携帯、握り締めたままボーっと突っ立って」
「……っ!!」
俺は飛び上がるほどびっくりしたが、気持ちとは裏腹に体は完全に硬直していた。
俺、どのくらいこうしてたんだろう? いや、それより桐乃のやつ、いつから目を覚ましてたんだ?
「お、おう。起きたのか。いや、ちょっとな。あ、おふくろ出かけたみたいだぜ?」
「……」
キョドっている俺の言葉に、あまり関心を示した様子はなく、
それよりも桐乃の視線は俺の右手に握られた携帯電話に注がれていた。
バシッ!
「えっ!?」
俺が桐乃の視線に気付いた時はすでに遅かった。桐乃は目にも止まらない動きで、一瞬の内に俺の右手から
携帯電話をもぎとったのだ。
605 :
第一章:2009/08/05(水) 04:30:49 ID:0C6BRree
「お、おまえ! 何すんだよっ!!」
俺は大慌てで取りかえそうとするも、桐乃は足を突き出して俺を押し留め、
俺の携帯を開いて、パパっと操作する。
「寝てる間にあんたが、あたしのヘンな写真撮ってないかチェックするだけ」
なにぃ──!? あやせといい、なんで女子中学生ってのは、こんなに鋭いんだよ! ありえないだろう!?
心底焦りまくっている俺は、大声を張り上げる。
「撮ってるわけないだろ! おい、やめろって。何、人の携帯、勝手にいじってんだよ!」
強引に取り替えそうとする俺を、桐乃はおもいきり蹴飛ばした。
「うわっぷ!」
思わず俺は、テーブルの上にしりもちをつく。
そして、桐乃は携帯画面と俺の顔を見比べるように視線を行ったり来たりさせる。その表情の変化は読めない。
もはや俺は体を動かす事さえ出来ず、桐乃の様子をただ見守るしかなかった。
すると桐乃は、「ふん」と鼻を鳴らして、携帯を俺の方に軽く投げ返す。俺は、わたわたしながらそれを受け取った。
「で、あ……、あんたは何をボーっとしてたのよ?」
何事もなかったように桐乃が言う。ふう。どうやらバレなかったようだ……
よかった。隠しフォルダに保存しておいて、本当によかった……
「だ、だから。おふくろが親父の用事で出て行ったみたいでさ。遅くなるから夕飯勝手に食べとけって感じらしい」
俺はそう言って、おふくろの置手紙と、一緒に添えられてた五千円札を一枚、ひらひらとさせてみせた。
桐乃はそれにも、ぱっと手を伸ばし、自分の目でおふくろの置手紙を確認した。
606 :
第一章:2009/08/05(水) 04:33:13 ID:0C6BRree
「ま、そういう事だ。何を取る? ピザか?」
しかし桐乃は俺の言葉にすぐに反応する事なく思案顔になっていた。そして、しばらくしてポツリと言った。
「外に食べに行く方がいい」
予想外の答え。そして俺は桐乃の言った言葉を反芻する。
『外に食べに行く』ではなく、『外に食べに行く方がいい』……ほとんど同じに見えて、微妙にニュアンスが異なる言い回し。
それは自らの意思の表明ではなく、俺に対する要望であった。
「外に……って、一緒にか?」
俺がそう聞き返すと、桐乃は拗ねたような表情で答える。
「嫌ならいいよ。あたし一人で行く」
「い、嫌なんて言ってねえだろ!」
でも、一緒に外食するなんて何年ぶりだ? いや、アキバに行った時に桐乃のオタ友たちと
ファーストフードくらいは食べたけど。あと、親父との一件の時、スタバにも行ったりしたが……
少なくとも二人だけで『外食』なんて、もはや記憶には残ってないぞ?
「なに、グズグズしてんの? 置いてくよ?」
「わ、わかったって」
こうして、俺たちは制服を着替えて、二人して飲食店へと向かう事になった。
607 :
第一章:2009/08/05(水) 04:36:27 ID:0C6BRree
「……ねえ、なんでそんなに後ろの方に離れて歩くワケ?」
歩みを止めて俺より10mほど先を行く桐乃が振り返って言った。
「だって、お前、怒るじゃねえか」
距離を保ったまま俺も足を止めて答える。
知り合いなんて居ないであろうアキバでさえ、デートしてると思われたら困るとか言って嫌がるんだから、
こんな近所じゃ、さらに嫌だろうなって気をきかしてやってんだよ。
「ハァ? じゃあ、あんた、お店に行っても別のテーブルで食べるつもり?」
「……」
桐乃の問いに俺が答えら得れずずにいると、スタスタと桐乃が俺の傍まで近づいてくる。
「……言ったでしょ。最近のアンタの事は、そんなに嫌いじゃないって。でなきゃ一緒に外食なんて行かないって」
桐乃がまっすぐに俺の目を見てそう語りかけてくる。俺はなぜか母親に怒られた子供のように目をそらしてしまう。
「は、はっきりそうとは言われてねえよ。"たぶん”嫌いじゃない"かも”って言われただけだし」
俺のそのつぶやきは、まさに怒られた子供の言い訳のようだった。
桐乃はあきれたようにため息を一つついて、こう言った。
「ウザいなあ……じゃあ、今、言ったげる。最近のあんたは嫌いじゃない。はい、これでいい?」
そう言われて桐乃の方を見返すと、今度は桐乃が目を逸らす。
しかめっ面で顔を少し紅潮させている桐乃。結局、また怒らせてしまったようだ。
ただ……その表情は、どこか照れているようにも見えた。
いわゆるツンデレ……? って、俺のエロゲ脳もかなり重症だな。普通にイラついてるだけに決まってるじゃねえか。
なんと言っても俺自身でさえ、自分にこれだけイラついてるってのに。
そうして、桐乃と並んで歩いてみると、結局、桐乃と並んで歩きたくなかったのは俺の方なのかも?
……と、そんな気がしていた。
608 :
第一章:2009/08/05(水) 04:38:34 ID:0C6BRree
「あれ? きょうちゃん?」
突然の聞きなれた声が俺の思考を遮った。
気付くと俺たちは麻奈美ん家の前を通りかかっていたのだ。
そしてたまたま店を閉める手伝いをしていた麻奈美と出くわしたというわけである。
「どうしたの、お家に帰ったんじゃなかったの?」
確かに麻奈美にしてみれば、今日は家で夕飯を取るからと言って帰った俺が舞い戻って来ていたら
疑問が生じて当然だろう。
「い、いや。おふくろが急用で出かけちまって。夕飯は勝手にしろって事になったんだ」
「そうなんだ……あ、だから桐乃ちゃんも一緒なのかな?」
そう言って麻奈美は視線を桐乃に向ける。
しかし桐乃はそっぽを向いたまま、まるで聞こえないふり。
とげだらけのオーラを全開にして俺の影に入ってる。
「あ、あはは」
麻奈美は俺の方に視線を戻して苦笑いである。
「あ、そうそう。さっきも言ったけど、今晩はきょうちゃんの大好物だよ。
そういう事なら、やっぱりウチで食べて行ったら? もちろん、桐乃ちゃんも一緒に」
麻奈美がそんな誘いをかけてくる。
俺としてはこの状況では特に断わる理由はないのだが、問題は桐乃だ。
それは麻奈美も心得てるようで、俺と同様、桐乃に視線を注いでいた。
一身に注目を浴びる形になった桐乃は、俺に向かって言った。
「あんた、そうしたいんなら食べてくれば? あたしは遠慮しとく。今日はもう、外で食べる気分になっちゃってるから」
そう言って桐乃はすたすたと歩いて行ってしまった。
俺はひきとめることもせず、ボーっと、ただ桐乃の後姿を見送る。
「……きょうちゃんは、どうする?」
その麻奈美の言葉で俺も我に返る。
「い、いや。やっぱ今日はやめとくわ。ワリィな」
「うん、そうだね……。早く追いかけないと、桐乃ちゃん見失っちゃうよ?」
麻奈美は予想通りの答えが返ってきたと言った風で、俺にそう言った。
「あ……ああ。じゃあ、またな」
「うん。またね」
なぜだろう。そう言って手を振る麻奈美に、俺は、いつにない距離を感じたのだった。
609 :
第一章:2009/08/05(水) 04:41:46 ID:0C6BRree
「──おい、待てよ、桐乃」
桐乃の歩みは結構早く、俺が追いついたのは田村屋からかなり離れた場所であった。
桐乃が一直線に歩いて行ったのでなければ、見失っていたかもしれない。
「なんだ。寄ってこなかったの?」
そう言葉を返してくるも、桐乃は俺の方を振り向いたりせず、前を見据えたまま歩き続ける。
「お、おれも、今日は、が、外食気分、だった、からな」
小走りで駆けてきた俺は、荒い息をつきながらそう答えた。
「……」
桐乃は無言のまま、少し歩くペースを落とす。
そしてしばらく経ち、俺の呼吸が整った頃にようやく口を開いた。
「夕飯……誘われてたのに、なんで食べてこなかったの?」
桐乃が言ってるのは、今ではなく、俺が家に帰る前の事なのだろう。
詳しく経緯を説明はしていなかったが、麻奈美の口ぶりから、俺がもともと誘われていた事を察したらしい。
その理由を問われて、俺はあやせから聞いた話を思い出した。
思い出したが、特にその話を桐乃にしたりはせず、別の事を言った。
「なんでって……自分の家で夕飯を食べるのに理由なんかいらないだろ?」
「……」
桐乃はその俺の答えに、何か言いたそうな顔をしつつ、それでも顔は前を向いたまま、
しばらくは視線だけをちらちらと俺に向けていた。
そしてようやく、少しだけ顔を俺に向け、拗ねたような表情で言った。
「……でも、誘いを断わるには理由があったんじゃないの?」
今度は俺が返答に窮する番だった。
「た、単に、今日は家で食べたい気分だっただけだよ」
桐乃の言い様を真似てみる。
「今日、お父さんが遅いって知ってたでしょ? お母さんの手抜き料理が好物よりよかったワケ?」
「それはだな……」
結局、俺は返事を返せないまま黙り込んでしまったのだが、桐乃もそれ以上は追求してはこなかった。
(第一章 終)
わっふるわっふる
これはわっふるせざるをえない!
楽しみにしてるぜ
>>609 伏見先生こんなところで何やってんすか
わっふるわっふる
なんという大作
ちょwwwwwwwwwwwwwww
まじっぱねぇぞwwwwwwwwwwwwww
神すぐるwwwwwwww
伏見先生こんなところで同人作って良いんですか?wwwwwwww
やっぱり桐乃は良いな
俺は桐乃が一番好きだ!大好きわっふるわっふる!
<目次>
プロローグ
>>588 第一章
>>589 ★☆★
第二章
そうこうするうちに、俺達は飲食店の並ぶ大通りに出た。
「で、何食べるよ?」
桐乃にそう水を向けると、
「一応、行きたいところはあるんだけど……」
と、桐乃らしくない控えめな主張。
「じゃあ、そこにしようぜ。俺はどこでもいいし」
「ふうん。ま、あんたがそう言うなら、いいケド」
ってことでやってきたのは最近できた感じのまだ真新しい建物のカフェ。
「……ここで夕飯にするのか?」
なんか、ケーキとかパフェとかばっかりなんだけど……
「何よ。あんたがいいって言ったんじゃん。今さら文句言うワケ?」
「い、いや、言わねえよ」
仕方ねえ。ま、一応、スパゲティとかピラフとかくらい置いてあるだろう。
そうして店内に入ってみると、いかにも女子中高生が好きそうな内装。
メニューを開いても、やたらきらびやかな写真が並んでいる。
中でもひときわ目立ったのがでっかいパフェ。4〜5人サイズくらいのでっかい奴が
何種類も並んでる。
「それ、ここの名物なの。ビッグパフェ。学校でも人気あるよ」
「……おまえ、まさかこれ頼んだりしないよな?」
そう言うと、桐乃から呆れたような返事が返る。
「ばかじゃん。そんなの二人で食べられるわけないっしょ」
まあ、確かに。
「注文するのはこっち」
そう言って桐乃が指差したのは、先ほどのパフェよりは一回り小さいが、
それでも下の方に載っている普通サイズの2、3倍はあろうかというパフェ。
色は少し渋めの、濃厚そうなチョコレートパフェだった。
「なんだ、これ……カップル限定パフェ?」
「そ。カップルじゃないと頼めないの」
なるほど、俺を連れてここに来た理由がわかったぜ。
桐乃の奴、これが食いたかったってわけね……
そうこうしてるうちに注文を聞きに来たウエイトレスに桐乃が注文をすませる。
「じゃあ、俺はこのカレーピラフを……」
と、俺が自分の分を注文しようとすると、
「あんた、そんなにたくさん食べれるの? ここのパフェって結構ボリュームあるよ?」
「へ? そのパフェ俺も食べんの?」
そういや、さっき、二人で食べられるわけないだろって言われたような……
「あったりまえじゃん。あ、ピラフはいいですから。あと、ドリンクバー二つ」
と、勝手に俺の注文をキャンセルする桐乃。
「お、おい、勝手な事すんなよ」
「パフェの後で余力があったら追加注文して食べていいから」
だとよ。まったく、ありがたいこった。
早速ドリンクバーにコーヒーを取りに行き、それをちょびちょび飲みつつ、
携帯をいじくる桐乃の様子をなんとはなしに見ている。
いったい、何を一生懸命やってるんやら。そう思っていると妹の方から説明してくれた。
「へへ。限定パフェ、これから食べるぞって自慢した。みんなまだ食べてないはずだから」
「……ふーん」
「あ、早速返信来た!」
正直、こんな事になるならやっぱ煮っ転がし食べたかったなあと思ってた俺だったが、
なんか、楽しそうな妹を見てると、ま、いっかって気になってきていた。
しかし、そんな時、俺の携帯が振動した。
「ゲ……!」
携帯をチェックするとあやせからメールが届いていた。
おそるおそる確認してみると……
『命知らずのお兄さんへ──
どういうことですか! カップル限定パフェ食べたいとかって桐乃をムリやり付き合わせるとか!?
そんなにパフェが食べたければ、いつも一緒のお姉さんと一緒に行けばいいんじゃないですか?
以前の警告を忘れたわけじゃありませんよね? お兄さんがそんなに命知らずだったとは思いませんでした』
「ひええ……」
相変わらず怖い奴。
……ん? 俺が桐乃をムリやり……だと?
「あ、どんどん返信返ってくる。ふふ、みんなうらやましがってる〜」
はしゃぐ妹に向かってちょっと訪ねてみる。
「なあ、それって、あやせにもメールしたのか?」
「へ? あったりまえじゃん。一番の親友だかんね」
その言葉は二人の関係の修復に関与した者としての誇らしさを俺に感じさせるものではあったが、
今はそれどころではない。
「ふーん。で、なんてメールしたわけ? まさか、バカ正直に兄貴と一緒にカップル限定パフェ食べに来たって書いたとか?」
「……書いたケド?」
忌々しい事に、俺の中で妹の可愛い表情BEST3に入る、きょとんとした顔で答える。
「おいおい、それって恥さらすようなもんじゃないのか? 彼氏がいないから兄貴を連れ出して……とか」
だって、たとえば、彼女同伴のクリスマスパーティに、彼女と偽って妹連れていくみたいなもんだろ?
もしそんなことしてそれがバレた日にゃ、恥ずかしくって学校行けなくなると思うんだがなあ。
ま、俺の知り合いにゃそんなシャレたパーティ企画できるような奴はいないけどな!
「あ、そこらへんなら大丈夫。甘党のあんたが、どうしてもこの店のパフェが食べたいけど、
一人じゃ入れないから一緒に行ってくれって私に泣いて頼み込んだって事にしてあるから」
「あ、なるほどね。……って、ちょっと待て! オイ、コラ!」
思わずノリツッコミをしてしまう。
「あ、万一、あやせとかと偶然会う機会があったら、ちゃんと話を合わせてよね」
いけしゃあしゃあとそんな事をのたまう桐乃。
「おまえ、それじゃ俺の立場はどーなんだよ!」
「いいじゃん。あたしの友達の間で、あんたがどう思われようと関係ないでしょ?」
「あるよ! 顔見知りもいるじゃねーか!」
「あんたって、結構見栄っ張りよね」
「おまえが言うんじゃねえっ!」
まったく、こいつは……
「と、とりあえず、あやせにだけでもちゃんと話しておいてくれよ」
「なーに? ……あんた、まさかあやせに気があるとか言うんじゃないでしょうね?」
鋭い眼光で睨みつけられる。こいつら、さすが親友同士、変なとこで似てやがんなあ。
「ちげーよ! あいつ、俺らの事、誤解してんだろ? ほ……ほら、近親……相姦がどうとか……さ」
思わず言いよどむ俺。そっか、俺がこいつをオカズにするって、近親相姦の一歩手前なんだよな……
「そんなの、あんたが自分で蒔いた種じゃん。でも、安心しなよ。ちゃんと説明して誤解は解いておいたから」
感謝してよね、と桐乃は締めくくる。
って、おまえのために蒔いてやった種だろ! おまえこそ感謝しやがれ! あと、その誤解、全然解けてないから!
そんなツッコミを心の中でしただけで、俺の気力は萎える。
いつもの事だし、まあ、いいかってちょっと考えてる自分が嫌だ。
そんなこんなしてるうちに、桐乃お待ちかねのカップル限定パフェが到着した。
すると、パフェを持ってきたウエイトレスがポケットから大きめのカメラを取り出して俺たちに向ける。
「はい、笑って下さい〜」
「へ?」
俺が面食らっていると、桐乃が俺の胸倉を掴んで自分の方に寄せる。
パシャッ!
フラッシュがたかれたかと思うと、あっという間に店員は去って行った。
あまりに一瞬の事で、何がなんだかわからない俺に桐乃が言う。
「さ、食べるよ」
俺は気を取り直してパフェに視線を移す。
強めのチョコの香りが漂う、濃厚なチョコレートパフェ。異様に長いスプーンが二つ添えられている。
「パフェのスプーンって長えなあ……使いにくそ」
パフェなんて自分じゃもちろん頼んだ事ないし、麻奈美も頼まねえからほとんど初めて見るんだよな。
「……そりゃ、カップル専用パフェなんだから当然でしょ?」
と、桐乃。
「カップル専用だと、なんで長いんだよ?」
すると、眉間にシワを寄せた呆れ顔で、無知な兄貴を恥じ入るように顔を赤らめつつ桐乃が言う。
「も、もう、相変わらず勘が鈍いなあ。じゃあ、実際に使ってあげるから……見てなよね?」
すると桐乃はスプーンを手にとり、器用にパフェのアイスやクリーム、チョコレートソースなどをからめて
スプーンの上に、一口サイズのパフェを完成させる。
「い、いい? これは、こういう風に使うの……」
そう言って、対面に座る俺の方に向かってスプーンを突き出してくる。
「な、なんだよ?」
急な攻撃に身を引く俺。
「ほ、ほら! 早く、口を開けなさいよ!」
「な……!」
ま、まさかこれは……空気を読めないバカップルのみに許される、あの、ハイ、アーンって奴なのか?
「きょ、兄妹でこんな恥ずかしい事、出来るか!」
いや、兄妹でなくても、こんなことムリだ!
「バ、バカ! 兄妹とか大きい声で言うな! カップル専用パフェを、別個に黙々食べてる方がよほど恥ずかしいでしょ!」
そ、そうか? そういうものなのか?
「はやく……ンもう! 周りから見られてるじゃん……!」
桐乃が顔を真っ赤にしてそう訴える。きっと俺の顔も、同じように赤くなってるに違いない。
「わ、わかったよ……」
郷に入っては郷に従え。旅の恥は掻き捨て。
そんな言葉を頭の中で走らせながら、俺は桐乃の差し出したスプーンにかぶりつく。
「ど、どう? 美味しい?」
「あ、ああ……」
味なんてわからねえよ!
「ほんと? じゃ、じゃあ、あたしも食べてみよっかなあっ」
微妙に不自然な棒読みっぽい台詞を吐きながら、桐乃が再びスプーンでパフェをすくう。
そして、先ほど、俺の口の中に突っ込んだスプーンを、自分の口元へと持っていく。
(お、おい……!)
声にならない声を挙げつつ、スプーンが桐乃の口の中に飲み込まれていく様を見守る。
俺は、スプーンが加えられた桐乃の唇から目が離せなくなっていた。
「ほ、ほんとだ。美味しい……」
桐乃の口から出てきたスプーンには、桐乃の唾液とクリームが混じった後が残っている。
そして桐乃はそのスプーンの先と俺を交互に見つめながら……
「あんたも、もう一口……どう?」
その桐乃の言葉に、思わずのどを鳴らして唾を飲み込む俺。
「あ、ああ」
そう同意の言葉を述べると、再び、桐乃の口の中に入ったばかりのスプーンが、俺の口の中に運ばれる。
俺は、妹の唾液の味を感じ取ろうとスプーンを強くなめてみた。もちろん、良くは分からなかったが……
「ふう……」
俺は、一発抜いたような倦怠感と疲労感に襲われていた。
しかし、パフェはまだ、二人で三口食べただけ。ほとんど全くと言っていいほど減っていなかった。
「つ、次はそっちの番……」
脱力している間もなく、桐乃が突然そんな事を言ってくる。
一瞬、俺はその言葉の意味がわからなかったが、桐乃の視線がパフェに添えられた、
もう一本のスプーンに注がれているのを見て、ようやく理解した。
ま、まさか。俺にも今のと同じ事をやれと……?
いいだろう。ここまで来たら、もう後には引けない。
(なぜ後に引けないと思ったのかを冷静になってから思い出すと、また例の悪い癖が出ていたようだ)
俺はスプーンを不器用に操りながら、桐乃がやったのと同じようにスプーンの上に小ぶりなパフェを完成させる。
「ほ、ほら……」
おそるおそる、桐乃の口元めがけてスプーンを運ぶ。しかし口元までスプーンを寄せてみると、
どうもスプーンの上にパフェを乗っけすぎたらしく、桐乃の小さな口には収まりきらない感じだった。
「わ、悪い。すくい直す」
そう俺が言うと、桐乃は、
「い、いいよ。大丈夫」
と、答えて、口を精一杯大きく開いて俺のスプーンを咥え込もうとする。
しかし、やはり多すぎたのかちょっと苦しそうだ。
「あん……」
「だ、大丈夫か?」
「うん……」
桐乃はなんとかパフェを口の中に収め、口内でクチュクチュとさせながら、ようやくパフェをコクコクとのどを鳴らしながら飲み込んだ。
唇の端からトッピングのミルクソフトクリームが垂れている。こ、これはなんというか……
「も、もう一口いくか?」
思わず俺はそんな言葉を発していた。
そんなこんなで、パフェの4分の1くらいを食べさせっこした後、やはりこれでは埒があかないと、
結局、個別に黙々食べる事になってしまった。
味は確かに悪くなかったが、いかんせん量が多い。俺はピラフを追加することをやめた。
なんとか完食した後、口なおしの紅茶をドリンクバーで二人分いれてテーブルに戻ってくると、
桐乃がポラロイド写真らしき物に蛍光ペンで何やら書いていた。
「なんだ、それ?」
写真を除きこむと、それは先ほど撮られたらしい、俺と桐乃の写真だった。パフェを中心に、わたわたした俺の顔と、
小さくピースして可愛く笑う妹の顔が写っていた。コイツ、さすがに写りなれてやがるなあ。
俺がピースサインなんてしたら、きっと小学生のガキみたいな感じになっちまうに違いない……
写真の余白部分には、「美味しかった」とか「また来ます」とか、星だのなんだの、ゴテゴテ装飾付で書かれている。
「それ、どうすんの?」
「お店に飾ってもらうの。ほら」
そう言って桐乃が指し示した壁には、一枚の大きめのコルクボード。
そこには、「来店くださったらぶらぶ☆かっぷるの皆さん」と言う見出しの元、
先ほどのパフェを囲んで笑顔のカップルたちの写真が何枚も貼られていた。
「お、おい、それはマズくないか?」
俺は慌てて桐乃に問う。
「なんで?」
と、真顔で聞き返す桐乃。
「だ、だって。おまえ、学校の友達とかに誤解されたら困るんじゃないのか?」
「困んないって。仲のいい友達はみんなあんたの事、知ってるし」
ああ、こないだ家に来てた連中か……でも考えたら階段下でもつれあったとこ見られたりしてる分、余計、やばくね?
「いや、俺が言ってるのはだな……たとえば、おまえの事を、その……好きな男子とかがだな、
お前に、その、か……彼氏がいるって勘違いしたりしたら……その……まずくないか?」
俺はしどろもどろになりながら、桐乃に懸念を伝えた。
すると桐乃は、「別にィ」と一笑に付す。
「誤解されたらむしろ好都合。手紙もらったりコクられたりしょっちゅうだけど、正直、ウザくて困ってるし」
相変わらずの尊大な物言い。が、なぜかある意味、ほっとする。
「で、でも、中にはおまえが気に入る奴がいるかもしれないだろ?」
すると桐乃はケラケラと笑った。
「まさか! 同じ学校の男子なんてみんなガキっぽいし、興味ないって」
だとさ。まあ、確かに、中高生って女子の方が男子に比べると色々、大人びちゃいるが……
「私の友達、みんなそう言ってるよ。私とかも、恋愛対象になるのは……」
そこまで言って、桐乃は恥ずかしそうに目を伏せる。そして、上目遣いでチラチラとこちらを見ながらようやく言った。
「せいぜい、あ、あんたくらいの年から……カモ」
「そ、そっか」
な、なんだよ。その意味深っぽい言い方……またからかおうとしてんだな? そうだな?
俺は、それ以上、この件に触れるのをやめた。
それにしても、明日あたりにはあのコルクボードに、俺と桐乃の写真がカップルと称されて
貼り付けられているのだろうと想像すると、色々とむずがゆい気分になるのだった。
(第二章 終)
おぉ!
ネ申にリアルタイムに遭遇できた!
これで1週間は戦える
神様マジでありがとうございます
ブヒヒwwwwwwwww
時にまとめるときの並べ方はこのままで良いですか?
どこか並べ替えた方が良いとか
なんというハイペース・・・
これぞネ申!!
伏見先生がご光臨されたと聞いてやってきました
夏休みは変なのも増えるが、暇を持て余した神々がお戯れになるから困るw
長くてごめんね。読んでくれてる人がいてほっとしたw
>>627 いつもごくろうさまです。
ところで並び替えるとは? どこか変? 順番おかしくなってるとか……もしかしたら単に下手くそで、おかしく見えてるだけかもですw
あ、第何章ってのは無視してもらっていいです。元はだらーんと、した感じですんでw (それともあった方がいいですか?)
>>631 ちょっとこっちが勘違いしてたみたいです。すみません
ともかくお疲れ様でした!
空腹に、んまい料理をたらふく食べた満足感と同じ気分です GJ!!
11Pの先生っ 早くご降臨を〜っ。
わっふるわっふる
作家って新刊出る直前は暇なのかな
トイレの怪談話も是非お願いします!
>>625 パフェをお互い食べさせあうとか悶え死にそうですw
桐乃がパフェを食べるシーンが妙にえっちくていいですねー
どうやったらそんな風にうまく書けるのか知りたいです。
本当レベル高いよな
このスレに来て初の収穫だわ
>>625といい黒猫SSの人といい・・・
ボクの下半身が凍死しそうなので早くしてくだしあ><
きょうちゃんが変態さんになってる
でもそれがいい
愛故
地味子んちで夕飯を食べるを選択してたらヤンデレルートだったのに
それもなかなか良いな
<目次>
プロローグ
>>588 第一章
>>589 第二章
>>616 ★☆★
第三章
たらふくパフェを食べた帰り道。
俺と桐乃は普段、どこに飯食べに行ったりするかって話で盛り上がった。
俺が牛丼屋へよく行くという話をすると、桐乃は一度も行った事が無いらしく、非常に興味を惹かれたようだった。
しかし、俺がよく特盛のつゆだくを頼むという話をすると、桐乃になぜか大笑いされた。意味がわからん。
「じゃあさ、今度、連れてってよ。お昼ご飯にでもさ」
「いいぜ。でも、おまえ土日忙しいだろ?」
「大丈夫、うまく調節する」
そんな風にリラックスした会話が出来ている自分にちょっと驚く。
そして、どうやらそれは桐乃も同じだったようだ。
「……あはは。今ってさー、あたしら、ちょっとびっくりするくらい仲良くない?」
そう言って可愛い満面の笑顔を向けてくる。
一時はこういう笑顔が俺に向けられる事は決して無いだろうとも思ったものだが……
「そ、そうだな」
俺はこみ上げてくる不可解な感情を抑えるのに必死で、ただ作り笑顔を浮かべてそう答えた。
「やっぱさー。あれかな。間接キスいっぱいしちゃったから?」
「そ、そうだな」
ん?
「……って! おまえ、何をいきなり言い出すんだよ!」
今、こいつなんて言った? か、間接キスとかなんとか……
「いきなりも何もないっしょ。したじゃん、さっき」
パフェの食べさせっこの事だろ? そりゃわかってるけどよ……
「あ、あれは間接キスとかじゃねえだろ。兄妹同士じゃねえか。間接キスとかにはならねえよ」
俺は精一杯、桐乃の言葉を否定した。
しかし案の定、軽く桐乃にいなされる。
「何言ってんの? そんなの兄妹同士とか関係ないじゃん」
そう言って、俺のすぐそばまで桐乃が近づいてくる。俺はまるでヘビに睨まれたカエルのように微動だにできない。
「じゃ……じゃあさ、キスしようよ。間接キスとかじゃなく、本当のキス」
突然、桐乃がそんな事を言った。
「おまえ、何言ってんだよ……!」
「兄妹だと間接キスにならないなら、きっとキスにもならないんでしょ? 本当にそうかどうか、試す」
「で、できるわけねえだろ!」
俺は桐乃から顔をそむける。なんだ? いったい、今、何が起こってるんだ?
「ふう。……本当、意気地が無いわね、あんた」
ため息と共に、桐乃がキツイ口調でそう言う。
「意気地なしとかじゃねえだろ、こういうのは」
俺は弱々しい口調で反論した。
「意気地なしじゃん。あんたさ、私にいやらしい事したいんでしょ? キス、したいんじゃないの?」
「お、おまえにいやらしいことしたいわけないだろ! 兄妹だぞ!? なんでそれが意気地なしになんだよ!」
だんだん、俺の語調も荒くなる。
「ハ! 意気地なしだから、意気地なしって言ってんの」
しかし、桐乃は俺の言葉に気おされる事もなく、むしろ攻撃の手を強めてくる。
「だって、あたしが寝てる時にしかあたしにエッチな事できないんでしょ? 立派な意気地なしじゃん」
「おまえが寝てる時だってしてねえよ!」
反射的に否定した後、はたと気付く。こいつ、まさか……
すると桐乃は不敵な笑みを浮かべる。
「あんたさ──高校生の携帯に『芋』なんて名前のフォルダがあるの、不自然だとは思わなかったワケ?」
「──!!」
伏見本人の文体にかなり似せてあるなぁ
すげーよGJ!!!
こいつ、知ってる? 俺がこいつの寝姿を撮った事を……
俺がペニスを突き出して、こいつにいやらしい事をまさにしようとしているような写真を撮った事を……
「あんな写真まで撮っちゃってさ。正直、リアクションに困ったんだけど」
目の前が真っ暗になるってのはこういう事なのだろう。
俺はもう何も考えられなくなっていた。いや、何も考えたくなかったのかもしれない。
俺は自分の意識が深い闇の底に沈んでいくような錯覚を感じていた。
「大丈夫? なんか、目がうつろだけど……?」
桐乃が心配そうに俺の顔を覗き込む。
「しっかりしなって。バレて恥ずかしいのは分かるけど、別にあたし、それほど気にしてないから」
「……え?」
気にしてない? そんなわけないだろう。おまえは俺の事が今、気持ち悪くてたまらないはずだ。
もう、二度と顔も見たくない。そう思ってるはずじゃねえのか? 少なくとも俺ならそう思う。
俺は、俺の顔なんて、もう二度と見たくねえ……!
しかし、桐乃は言う。
「本当に気にしてないって。言ったでしょ、視姦されるくらいは覚悟してたって」
そう言いながら、桐乃は優しく笑う。
「ねえ、兄貴、聞いてる?」
兄貴。そう呼ばれて俺はいくらか正気を取り戻す。
「急にあっちの世界に行っちゃわないでよね」
「あ、ああ」
しかし、まだ頭の中がごちゃごちゃしている。なんだか現実感がない。
っていうか、今、この状況が現実離れしすぎてんだ。
……いや、違う。俺の方に現実に対する想像力が欠けていただけだ。
あんなことをすればどうなるか、バレた時にどうなるか、本当の意味でちゃんと想像してなかった。
なんであんな事しちまったのか……これがいわゆる、出来心って奴なんだろうか?
「ま、あたしは気にしないんだけどさ。お父さんやお母さん、あんたの友達とかがこの事知ったらどう思うかなー」
友達……麻奈美の顔が浮かぶ。俺がこれまで何をしようが、俺のことを肯定してくれた麻奈美。
俺にとって最後の心の拠り所。しかし、そんな麻奈美でさえ、今の俺を肯定してはくれないだろう……
桐乃の言葉は俺をどんどん追い込んで行く。
「へっ……お前、それで俺をおいつめたつもりかよ。こ、こんな写真、消しちまえばおしまいじゃねえか」
追い込まれた俺がそう開き直ると桐乃は目を丸くして驚いた様子を見せる。
「ふーん。そういう態度とるんだ」
そしてその後、嘲笑するような表情で言い放つ。
「じゃあ、好きにすれば?」
そう言われた俺は、言葉に詰まる。追い込まれたからこそ開き直れた。が、そんな風に突き放されたら
もはや開き直る事もできない。
「い、いや……俺が悪いんだ。煮るなり焼くなりバラすなり、もう好きにしてくれ……」
俺がそう言うと、再び、桐乃の表情が柔らかくなる。
「ハァ? バラしたり出来るわけないじゃん?」
「……なんでだよ?」
「あたりまえじゃん。あたしも恥ずかしい思いするんだよ?」
なるほど。身内の恥だもんな。
「じゃ、親父たちにだけバラすか?」
「それも出来ないって」
と、桐乃。
「なんで?」
今度こそ俺は桐乃がそういう理由が思い当たらなかった。
「あんたさあ。忘れたの? 弱みを握ってるのはあたしら、お互い様だってこと」
「弱み?」
お互い様? なんの事だ?
すると桐乃は呆れたような、驚いたいたような、はたまた感心したような複雑な笑みを浮かべて言った。
「本気で思いつかないの? あんたも、あたしの弱み握ってるじゃん。あたしの趣味」
「ああ……」
そこまで言われてようやく気がついた。
「別に……それは弱みなんかじゃねえだろ。前に言ったとおり、誰に迷惑かけるわけでもねえんだし
恥じる必要はねえと思う。そりゃ、お前の言う世間体とやらもわかるけどさ」
「そう、世間体。それがあたしの弱みだって事もわかるよね?」
「フン……。あやせも言ってたがバラしたところで誰も信じねえよ」
「そう? あんたはもっと色々知ってるんだから、説得力ある説明もできんじゃない?」
なんだ? 桐乃の奴。まるでバラしてほしいみたいな言い方しやがって。
「何が言いたいかっていうと、あたしらは運命共同体って事。お互いにお互いの弱み握ってるんだから」
とても弱みを握られてる人間とは思えない様子で、桐乃がそう宣言した。
確かに桐乃の言うのも一理あるが……俺にはこいつのオタクだという秘密を知っているという立場を使って
自分に利するような事をする気にはさっぱりなれなかった。想像することさえ出来ない。
なぜならそれは、これまで俺が妹のためにやってきた事を全否定するのも同じだったからだ。
それをすることは、シスコンの変態として糾弾される以上に俺自身にとって
我慢できない事だった。だから俺は桐乃に対して(自分の置かれてる立場も忘れて)きっぱりと言った。
「いいや。やっぱり、オタクってのは、お前の弱みじゃねえ。少なくとも俺はそう思わない。だからそれを他人に話して、
他人がまるでお前の欠点のようにその趣味について批判する事を許すつもりもねえ」
これは今後、どんな事があろうと変わらない俺のスタンスだ。
「だから運命共同体とやらでもねえ。俺が一方的におまえに弱みを握られてるだけだよ……」
俺の宣言を聞いた桐乃は、複雑な表情を見せた後、未見にシワを寄せて、顔を紅潮させながら言った。
「じゃ……じゃあ、やっぱりあたしも、あんたのした事、他人には話せないじゃん」
「……へ?」
と、俺は間の抜けた返事を返す。
「だ、だって! あたしも、別に、あんたのシスコン……その……悪い事だとは思ってないし……」
と、桐乃。
「でも、お前、俺のことをさんざんシスコンの変態と罵ってたじゃねえか!?」
しかし、桐乃はギュっと目を閉じて、まったく俺が予想だにしなかった言葉を吐いた。
「そ、そんな事、言ってない!」
はあぁぁ──っ!? 俺は口をあんぐりとあけて、その桐乃の大嘘に、心の中で盛大にツッコミを入れた。
さすがの桐乃も、これはあんまりだと思ったのか、即座に訂正する。
「あ……い、言ってたけど……もう、言わない」
なんだ? いったい、この話は、いまどういう流れなんだ?
俺はショックと混乱で展開についていけずに頭がどうかなりそうだった。
なに? まさか、こいつ、本気で俺の事を許してやるって言ってるのか?
「だって、あたしも、別に……その……妹の事、エッチな目でみたりとか、そういうの変だと思わないし……」
その桐乃の言葉に、またもや自らの立場も忘れてツッコミいれてしまう俺。
「いやいやいや、十分、変だろ! 生き別れで兄妹だって知らなかったとか、そういう特殊な事情ならともかく、
実の妹に欲情するとか、絶対、おかしいって! そんなのエロゲの中しかありえねえってば!」
「……なによ、その盛大な自己否定」
桐乃が呆れ声で言う。
「わかってるよ! だから俺は、おかしいんだよ! でも、自分ではもう、どうしようもねえんだ! クソッ!」
俺が頭を抱えて身を捩じらせながら悶えていると、桐乃がいきなり俺の胸倉を掴んで自分の方に引き寄せて、そして──
「……!!」
俺の唇を自分の唇でふさいだ。
こ、こいつ、ホントにキスしやがった?
ショックで俺の頭は再び真っ白になる。
桐乃は俺が大人しくなると、唇を離した。そして二人の唇の間をつないだ粘性のある透明な糸を指をからめて切る。
「あ、あのさ──。彼女とかと違って、妹とかは自分で選ぶ事は出来ないから、そういう事が滅多に起こらないってだけでしょ」
さっきまで俺の唇と重なっていた妹の唇が、そんな事を話し出す。
「でも、たまたま、あたしみたいな美少女が妹だったりしたら、あんたみたいになっちゃうのも無理ないかと思うしィ」
その相変わらずな物言いに、俺は一瞬脱力する。しかし、実際のところ、そうなのだから俺には何の文句も言えなかった。
「……聞いてる?」
「あ、ああ。聞いてる」
ふと、妹の唇以外の部分に目を移すと、冷静な口調と裏腹に顔は耳まで紅潮し、
視線は俺の方を見たり、目をそらしたり、キョロキョロと定まっていない。
「で、好きな女の子に、そういうエッチな事したくなるのは、そりゃ男としちゃ当然じゃん?
相手の意思を無視してムリヤリとかはそりゃ許せないけど、この場合は、そういうのとは違うと思うし……」
え?
その桐乃の言葉に俺はひっかかった。
「や、やっぱり、ちょっといやらしい目で見られたくらいでぎゃあぎゃあ言うのは、女としてどうよ? って思ったりも……」
「ま、待ってくれ。……待てって!」
次々と言葉をつむぎ続ける桐乃を俺は強く制した。
「な、なに?」
桐乃が少し不安そうな表情を浮かべて俺の言葉を待つ。
「おまえ、勘違いしてる。俺は、お前の事を好きってわけじゃないんだ……」
「え……?」
桐乃がなんで俺を許そうとしているかわかった。
こいつは、こいつの好きなエロゲの主人公同様、俺が純粋な気持ちで自分を好きになったと思ってやがるんだ。
だから、俺の邪な視線や卑怯な行為も許す気になってるのだろう。
でも、違うんだ。おまえにそんな誤解をさせたまま許してもらうわけにはいかない。やはり俺は罰を受けるべきなんだ──
「……俺はお前が好きだからお前をそんな目でみてたんじゃねえ。おまえのその容姿だけだ。おまえの見た目が
色っぽくて、そしてたまたま無防備だったから、あんな写真を撮ったってだけなんだ」
「……だ、だから! ……それってあたしの事を女として意識したからじゃん?」
「ああ、女として意識した。でもそれは、エロ本見るようなもので、おまえを好きだとかそういう感情から発したわけじゃねえ」
「エロ……?」
さすがの桐乃もその言い方に少し、ショックを受けたのか傷ついたような表情を浮かべる。
すまねえ、桐乃。こんな酷い兄貴でよ……。
でも、今ここで話をやめるわけにはいかねえ……これは罪の告白であり、懺悔なんだ……!
「ああ、見た目だけだ。前に、おまえの裸もみたりして、エロイ妄想しやすかったってだけ。
それだけで、俺はお前をオカズにしてたんだ」
その俺の告白に桐乃が顔を歪める。
怒っているような、笑っているような、泣いているような、そんな能面のような表情。
「それって、あたしの事は好きでもなんでもないって事……?」
「ああ」
「あたしって、あんたにとってエロ本とかと同じなんだ……?」
「……ああ」
「サイッッ……テェ──」
心の底からの侮蔑。
こんな兄を持った情けなさか、それとも俺なんかと血が繋がってる悔しさか、うつむいた妹の目から涙がこぼれる。
俺にはその涙を拭ってやる資格はなかった。なぐさめの言葉をかけてやる事さえ出来ない。
「それでも……」
桐乃がうつむいたままぼそっと声を出す。
「桐……?」
妹は目に涙をためたまま、『キッ』と俺を睨みつけ、そして言った。
「……それでもっ! あたしは、あんたの事、好きなのっ!」
「──え?」
こいつ、今、なんて言った?
俺が桐乃の言葉を理解できないうちに、桐乃はその場を走り去って行った。
「ま、待てよ!」
俺はあわてて追いかける。なんだか、足がガクガクする。
桐乃が、俺の事を、好き?
妹の写真をエロ本に見立てて、性欲のはけ口にしてたような屑を?
運動も勉強も出来て、ルックスも最高。そんな果てしなく高スペックの妹が、
特に際立った取り得など何もないシスコンで変態のダメ兄貴を……?
それは信じられない事であると同時にすんなりと己の内に受け入れる事が出来る話でもあった。
まるで、ずっと前から自分はその事を知っていたかのように……
そして、その時、天啓のように、俺は俺の、桐乃に対する感情の全てを理解した。
文武両道、なんでも出来る、天才のような妹。
そんな妹に対する劣等感。それが俺の、桐乃に対する負の感情のほとんど全てだった。
俺が少しくらい何かを頑張ったり、それなりの成績をおさめた所で、桐乃の影に隠れて決して評価されることは無い。
おそらくこの先、周囲の客観的評価が覆る事はないだろう。
それでも──そんな俺の劣等感を払拭できる奴が一人だけいる。
桐乃だ。
桐乃が俺を認めてくれるんなら、周囲の比較評価なんて何の意味も無い。
俺自身の俺に対する評価さえ何の意味も無かった。
「くそ……! 陸上選手が本気で走りやがって……!」
いくら一生懸命追いかけても桐乃の姿はただ遠ざかっていく。
「待て! 待てよ、桐乃!」
ダメだ、追いつかねえ。どうすれば追いつける? どうすればあいつの足を止められる?
「桐乃──っ!」
俺はあらん限りの声で妹の名を呼んだ。一瞬、桐乃の足が鈍る。
その一瞬の隙に、俺は履いていたスニーカーを脱いで、妹めがけて思いっきり投げつける。
スパーン!
俺の靴は見事、桐乃の後頭部に命中した。
すると桐乃は案の定、その場に立ち止まり、俺が投げつけた靴を拾ってこちらを振り向く。
「……」
そして、鬼のような形相でこちらに凄い勢いで迫ってきた。
「おお、成功……ぐわっ!」
バシーンッ!!
桐乃が投げ返してきた靴が俺の顔面をまともにヒットした。
あまつさえ、跳ね返った靴を桐乃は華麗にキャッチすると、そのままひっつかんだ靴で、
俺の顔面を連打してくる。まるで格ゲーの超必殺技みたいだ。
「痛っ! いてぇっ! こら、桐乃っ、やめろって……!」
「……るさいっ! うるさいっ! この変態! 変態! 変態っ!」
目にいっぱいの涙を溜めて、さっき、もう言わないと誓ったはずの言葉を連呼し、俺を責め立てる桐乃。
「落ち着け! 落ち着けって!」
俺は桐乃の腕を掴み、それでも暴れる桐乃を近くのコンクリート塀に押し付け大人しくさせる。
それでも暴れて俺を蹴飛ばしたりし続ける桐乃だったが、そのまま我慢していると、
俺の足にたっぷりの青あざをつけた頃ようやく大人しくなった。
しかし、同時に、桐乃は嗚咽をあげはじめる。
「……っ」
「わりぃ……全部、俺が悪い。謝るから泣かないでくれよ」
そういうと桐乃は、「泣いてない!」と相変わらずの強がりを見せる。
こいつはまったく、どこまで意地っ張りなんだか……
「……あたし、馬鹿みたいじゃん……ひとりで舞い上がってさ……」
「桐乃……」
「死んでよ……あんたなんかこの世から消えちゃえ……!」
その痛々しい妹の声はいつもの憎まれ口なんかとは比べ物にならないほど、俺の胸をえぐった。
「ああ……消えてやるよ。お前がそう望むならな。でもその前に一つだけ言わせろ」
「うぐっ……」
桐乃からの返事はない。構わず俺は続けた。
「桐乃、俺は、お前の事が好きだ」
「……」
しばらくして桐乃の嗚咽が止まる。そして桐乃はゆっくりと目を見開き、俺を睨みつけた。
「ふざけんな……!」
バシン! 渾身の力が込められたビンタが俺の頬を打つ。
「……ふざけてねえ。俺はお前が好きだ」
痛みをこらえながらそう言うと再び頬をぶたれた。
桐乃の顔に笑みが浮かぶ。口元だけが釣りあがった、ひきつったような笑み。
「なに? 同情したの? それとも、そう言うともっとイヤラシイ事をさせてもらえるとでも思った?」
「違う……」
「何が違うの? はっ! 言っとくけど、さっきの言葉、真にウケないでよね。あんなの本気じゃないから」
俺は黙って桐乃の言葉が終わるのを待つ。
「当然でしょ? 妹をオカズにするような変態、誰が好きになるの? こんなのと血が繋がってるとか、こっちが死にたいって」
「……関係ねえ。お前が俺をどう思ってようが、俺はお前が好き……」
「──やめてよっ!」
俺に最後まで言葉をしゃべらせず、桐乃が叫ぶ。
「わかった。あんたとセックスしてあげる。したいんでしょ? その代わり、もう二度と、あたしに話しかけないで。
家の中でも目をあわさないで。そうしてくれたら、あんたの性欲だけは満足させたげる。それでいいでしょ?」
その言葉はあまりに辛かった。こいつに、そんな事を言わせてる自分が許せなかった。
しかし、今はそんな自己嫌悪に飲み込まれて自己憐憫に浸っている場合じゃない。
俺は、妹の目をしっかり見据えて──
「そんなことしなくても、お前が望むなら二度とお前に話しかけたりしねえ。
お前の視界になるべく入らないようにする。家を出たっていい。
でも、これだけは信じてくれ。俺は本当にお前が好きなんだ。お前の事を愛してる」
──そう、俺は自分の気持ちをぶつけた。しかし……
「どうやって……」
しばしの沈黙の後、桐乃がようやく口を開く。
「どうやって信じろっていうの? あんな話を聞いた後で。あたしがあんたの事を好きだって言ったとたん、
手のひら返したように、好きだって言われて……いったい、どうやって信じろっていうワケ?」
桐乃の言い分は当然だった。俺自身、どう言えば信じてもらえるかさっぱりわからない。
だから俺は何も取り繕わずに、ありのままを語った。
「確かに……俺はお前があまり好きじゃなかった。ぶっちゃけちょっと前までははっきりと嫌いだった。
だって、お前も俺を嫌ってたからな。勉強もスポーツもルックスも、何一つ敵わねえ上に、
嫌われて、馬鹿にされ続けて……そんな妹の事、好きになんてなれるわけねえだろ?
……でもな、最近、なんとなくおまえとも仲良くできるようになってきて、おまえに対する気持ちも
変わってきて……でも、それがどんな風に変わってるのか、自分でもよくわからなくて……
でも、さっき、お前が俺を好きだって言ってくれたから、俺も自分の気持ちを知る事が出来た。
俺もやっぱりお前の事を好きだったんだって……」
その俺の告白を、桐乃はただ無言で聞いていた。そして告白が終わっても、口を開かなかった。
「……駄目か。こんな話、信じられないか?」
そう言うと、ようやく桐乃が口を開いた。
「そんなの当たり前の話でしょ……」
そうか。そうだよな。自分を嫌いだと思ってたから嫌い、好きだといわれたから好きとか……
そんな気持ちのどこに真実があるのかってなもんだ……。
「信じるも信じないも、自分を嫌いな相手の事を嫌いになるなんて、当たりまえじゃん」
──え?
「あたしだって……似たようなものだったし……。でも、最近のあんたは、もしかすると
あたしの事、ちゃんと見ててくれてるんじゃないかって……そう思ったら、だんだん、
つっぱってばかりいられなくなってきて……」
「でも、所詮、あたしの事は妹として見てるだけだとも思ってたし。あんたの頭ん中は、
……で、いっぱいだって。それがなんか腹立たしくて、対抗したくなった。
あんたが、あたしに……その……反応した時、勝ったと思った。
その時は、ただ、意地で、勝ちたかっただけだったんだって自分でも思ってた。
だって、それ以上、どうしようもなかったから。だって、あたしたちは──」
「──兄妹だから。今だけ、子供のうちだけ仲良くできても、決してずっと続く関係にはならないじゃん。
大人になったら、結局はなればなれになるんだし……仲良くしたとこで意味あんの? って感じだし。
……でも、あんたがあんな写真撮ってる事を知ったら、もしかしたらどうにかなるんじゃないかって思った。
もしかしたら……その、少なくとも、あたしがキレイなうちは一緒にいられるじゃないかって……それなら……」
──桐乃は目に涙を溜めながら堰を切ったように、一気にまくしたてた。俺はただ黙ってそれを聞いていた。
「それなら、好きになってもいいんじゃないかって。そう思った。
だから、あんたの話だって理解できる……報われない気持ちを持つのはあたしだって嫌。
自分を好きじゃない相手なんかを好きになるとかありえない……!」
……なんてこった。
やっぱり、俺とこいつは、兄妹なんだ。まさに似たもの兄妹。
「じゃ、じゃあ、俺の話、信じるか?」
そう言うと、桐乃はしばらく俺の表情を伺ってから、ようやくコクンと頷いた。そして言う。
「──で、でもさ、……もっとちゃんと聞かせてよ」
桐乃が恥ずかしそうに言う。
「え?」
「あんたの好きって、どういう好きなの? エッチな事は別腹ってだけで、やっぱり兄妹としての好き?
それとも……違う好き?」
その桐乃の問いに答えるべく、俺は自分の心の内を必死で覗き込んだ。
しかし、結局、明確な答えをみつける事はできなかった。
「……わからねえよ。だって、どんな種類の『好き』だろうと、俺たちが兄妹な事にかわりねえし……
ただ、これだけは言える──」
俺は、俺の言葉を待ち続ける桐乃の目を見て、自分の気持ちが正しく伝わるよう祈りながら告げた。
「俺は、お前が泣いたりしてるところは見たくねえ」
正直、自分でも歯の浮くような台詞。しかし俺の少ないボキャブラリの中で一番、想いを伝えらるだろうと
思って、思い切って言った言葉だった。
しかし、桐乃の目には、はっきりとした失望の色が浮かぶ。
「つまり……家族としての好きって事だよね? それって……」
その桐乃の反応に、俺はあわてて否定する。どうやら俺の祈りは通じなかったらしい。
「ち、違う。そういう意味じゃない。お前が泣かないで済むなら、おまえの望むようにしてやるって事だ」
「……あたしが望むように?」
「ああ。お前が泣かないならそれでいい。どんなことだろうと、俺はそうしたい」
それは取り繕ったような言い方ではあったが、俺の本心でもあった。
桐乃さえ良ければそれでいい。その時の俺には、自分の事など考える余地はなかった。
「じゃあ……もし、あたしが、普通に仲がいい兄妹のような関係がいいって言ったら?」
「その時は……俺もきっぱりあきらめる」
俺がそう言うと、桐乃が目を丸くし、そしてちょっと呆れたように……少しだけ笑った。
「……あんた、今、『あきらめる』って言った?」
え?
「じゃあ、それって、あんたも本心は普通の兄妹とは違う関係になりたいって事じゃないの?」
え? え?
その桐乃の指摘に俺は混乱する。そうなのか? この後に及んで、俺はまだ自分の気持ちを把握してなかったのか?
「ふぅ……あんたってさー本当に救いようの無いくらいのシスコンよね──」
まだ目の端に涙の後が残っているものの、元気を取り戻した桐乃が俺の頬をつねる。
「いて──っ!」
つねった力自体はたいした事なかったが、なんせ、さっき思いっきりビンタを食らったばかりである。
しかし、そんな痛みなんて一瞬で忘れさせてくれるほどの──
可愛い妹の、満面の笑顔が目の前にあった。
「ところでさあ」
桐乃が突然口を開く。
「あんた、ひとつ勘違いしてるみたいなんだけど……」
「か、勘違い?」
まさかまた、ひっかけられたのではという俺の心配を余所に、桐乃は晴々とした表情でこう言った。
「あたし、あんたの事を嫌いだなんて、言った事ないからね!」
(第三章 終)
なんでこんなに更新早いの?神なの?
わっふるわっふる
楽しみ
超乙っ! 次でいよいよですかな〜っ
わっふるわっふる
乙乙乙
頑張ってください!
原作の最終巻これでいい気がしてきた
ちょまwwwwwwww
神すぐるwwwwwwwwwwwwww
なんなのこれ思わず奇声を上げながらのたうち回ってしまったじゃないかwwwwwww
それでも、あたしはあんたのことが好きなの!
とか、マジ最高やんwwwwwwww
伏見先生涙目wwwww
あ、すみません本人ですよね
<目次>
プロローグ
>>588 第一章
>>589 第二章
>>616 第三章
>>642 ★☆★
第四章
「ま、待たせたな」
俺は薬局を出ると、外の薄暗い街灯の下で待っていた桐乃に声をかける。
「ん……ちゃんと買って来た?」
「あ、ああ。で、でも本当にするのか?」
俺がびくついた声でそう尋ねると、桐乃からキツイ声が返る。
「いまさら何言ってんの? せっかくお母さん、今日は帰ってこなくなったんだから」
「……でもよ、こういうのってこんな風に勢いでやっちゃ駄目なんじゃねえか?」
告白しあって、即……ってのは、エロゲの世界だけなんでは……少なくとも学生の場合。
「何よ。あんた、あたしが望むようにしてやるって言ったじゃん」
「そりゃ、言ったけどさあ……」
「もう、グズグズうるさいなあ。だってその調子だと、あんた明日になったらまた、言ってる事変わりそうなんだもん」
拗ねたように不信の目を向ける桐乃。
「あんたって、結構、優柔不断だよね?」
くっ……こいつめ。痛いところを……そりゃそうだろう。こんなの何日悩んだって、悩みすぎなんてこたあねえよ。
しかしそんな俺の気持ちとまったく逆の事を桐乃は言った。
「とにかく! ちゃんと今日のうちに、既成事実を作るの!」
パフェ食った帰りの大騒ぎが一段落したちょうどそのタイミングで、
親父の元に届け物をしに行ったおふくろから俺と桐乃、ふたりの携帯にメールが届いた。
さらに急用が出来て今夜は帰れない……と。
そのメールを読んだとたん、桐乃が俺に提案してきたのだ。
「あのさ、今夜だったら、あたしの事を自由にしていいんだケド……?」
そんな事を、最高に可愛い表情と仕草で言ってきやがったんだ。
「ねえ、どうする?」
「じ、自由に……とは?」
「もちろん、エッチしてもいいって事」
俺は大きな音を立てて唾を飲み込んだ。しかし、俺にもこの時はまだ理性が残っていた。
「ま、マズイだろ。こういうの、いきなりするもんじゃないし。それに、おまえまだ中学生じゃねえか」
「中学生の妹にフェラさせてるような写真とって、オカズにしようって変態が言っても説得力ないんだケド?」
「勘弁してくれよ……本当、反省してるから……」
そんな風にごちゃごちゃ言い合ってると、とうとう桐乃がとんでも無い事を言い出した。
「そ。あんたがいらないんだったら、渋谷でナンパされて処女捨ててくる」
「ば……! バカやろう、なんて事いいやがんだ!」
「どうするの? あたしの処女、いるの? いらないの? それとも他の男に奪われてもいいワケ?」
「だ、ダメ! ……それは絶対、駄目!」
許せるか、んなもん! 俺でなくても妹がそんな事するの許す奴なんていねえよ!
「じゃあ、どうする? やるの? やらないの?」
ここまで言われたら、もう俺には選択肢は残されていなかった。
……で、薬局に回って避妊具、いわゆるコンドームを買って、帰宅してきたってわけだ。
「あたし先にシャワー浴びてくる。あんたは自分の部屋きれいに片付けておいて」
「え? お、俺の部屋でやんの?」
桐乃は返事もせずにとっとと脱衣所に消えた。
「しゃあねえなあ……」
俺は部屋を出来るだけ片付けて、桐乃と入れ替わりにシャワーを浴びる。
すれ違ったバスタオルを巻いた妹からはとてもいいにおいがした。
熱いめのシャワーを浴びながら俺はこの後の事を考える。
シャワーを浴び終わったら妹と……って、だめだ。全く、現実感がねえ。
(や、やっぱ、これはどう考えてもマズイだろ!)
相手はまだ中学生、しかも近親相姦のおまけつき。
どう考えても、ここは俺が良識を働かせるべきケースじゃねえか?
みろ。俺のムスコも、これから事に及ぼうってのに、まったく元気が無い。
普通、これから初めてセックスするって男子高校生ならそりゃ、獣のようにいきり立ってても当然ってもんだろ?
やっぱ、中学生の妹と近親相姦はマズイ。
つまりは俺とムスコの間でこの点において合意がなされたって事だ。
やっぱ、エロ本みたく写真で妄想するだけだから、良かったんだ。
そりゃ、ちゃんとアイツの事は愛してるって断言できるけど、欲情したから恋愛感情、欲情しないから家族愛とか
そんなもんじゃないんだよ、きっと。
相手が家族だから、家族愛なんだ。家族愛であるべきなんだ。それが人が人として生きていくためのルールだ。
たとえ欲情しても手は出さない。それが家族。プラトニックな関係。
よくやった、俺。雰囲気に流される前に正しい判断をお前はしたんだ。ちょっとヤバかったけど!
俺が手を出さないならナンパされて処女捨てる? 冷静になれ。あの桐乃が、そんな事を
本当にするわけがねえ。あいつのプライドがそれを許すはずはねえんだ。
よし、兄としてきっちり話をつけてやる。
仲良くするのはかまわない。たまにはデートだっていいんじゃねえか?
でも、セックスはダメ。なぜなら妹で中学生だから!
よーし、完璧だ、完璧すぎるぜ……!
俺はちゃんと脱いだ服を再び身に纏い、颯爽と桐乃が待っているであろう、自分の部屋へと向かった。
「桐乃!」
そう言って扉をあけると、「なに?」と妹の声が返ってくる。
するとそこには、俺のベッドの上で制服を着てちょこんと座っている妹の姿。
「あ、あれ? なんでお前、また制服なんて着てるの?」
てっきり夜着か、もしくはバスタオル一枚はおっただけかと思ってたんだが……
「……だって。この方が、なんか、彼氏の部屋に来たって感じしない?」
ま、まあ、それはそうだが。
「それに……あんたも、女の子の制服、脱がしてみたいかな──って思って」
白いベッドシーツの上にペタンと座ったまま、俺を見上げてはにかみながらニコっと笑う。
その様子はまるで一枚の絵、かわいい妹キャラがウリのラノベの表紙イラストのようだった。
「ほ、ほう……」
俺はなぜか感心するような声を出す。違うだろ! ほら、ここでガツンと一発言っておかないと、
本当にこのままずるずると桐乃のペースになっちまうぞ!
「ねえ……ちょっと、それ、大丈夫?」
その時、桐乃が突然、心配そうな声をあげる。
「な、何が?」
すると桐乃が恥ずかしそうに俺の股間を指差した。
みてみると、ジーンズの上からでもはっきり分かるほど、ギンギンに俺の息子が自己主張を始めていた。
「はっ! 早くも裏切り者が!?」
「なんのこと?」
「い、いや、こっちの話……」
「と、とりあえずズボン脱いだら? 見てる方がなんか苦しくなってくるんだけど……」
「い、いや、まだいい。これは、その、大丈夫だから」
「そうなの? でも、ホント、あんたスケベね」
桐乃がクスクスと笑う。
「くう……」
※訂正:
>>668の分、-3-じゃなく、-4-でした
まずい。この状態で、いくら兄妹間での清い関係の大切さを説いたとしてもまったく説得力がない。
「な、なんかさ──」
俺が言葉につまって身動きできないでいると、またしても桐乃が口を開く。
「やっぱ、緊張するよね、こーいうのってさ」
再びニコっと笑う桐乃。しかし、どうも何か、無理して笑ってるようにも見える。
考えたら当然か……こいつだって怖くないはずがねえ。
「そ、そうだな。俺も緊張してる」
桐乃の不安を少しでも和らげようと俺もニコリと笑みを浮かべる。
……って、何やってんのさ、俺!?
ま、まずい。さっきから、こいつが何か言うたびに、どんどん、向うのペースにひきずりこまれてる……!
「ねえ、キスしてよ」
「いっ!?」
とかなんとか言ってる間にまた桐乃が自分のペースで事を進める。
動けずに居ると桐乃が目だけで俺をせかす。
(ま、キスだけなら……)
後で思い返すに、そう思った俺は、その時すでに冷静な判断能力を失っていたに違いない。
たった今、反省したばかりだと言うのに、早速、桐乃のペースに乗せられる俺だった。
「ん……」
ともかく俺は、桐乃の唇にそっと触れるだけのキスをした。
しかし、それだけでも桐乃は満足したように笑った。
「へへ……ファーストキス」
「え? で、でも、さっきもしたじゃん……キス」
俺がパニクってた時に、俺を落ち着かせるために、おまえがさ。
「あれはノーカウント。犬に噛まれたみたいなもんだから」
いや、噛んだ犬がおまえだよね!?
うう……でも考えたら、あれって、ドラマとかだと男が女をなだめる時にやることだよな。かっこわりぃ……
俺もあれはノーカウントでいいや……
「ね、ねえ。あのさ」
またまた、桐乃が突然口を開いた。っていうか、俺が何も言えてないってだけなのだが……
「あたし、自分で脱いだ方がいい?」
胸元のボタンに手をかけながらそんな事を言う。
「だ、ダメだ、ダメ!」
反射的に俺がそう言うと、桐乃は「あ、そう?」と言って、手を下ろし、俺の方に向けて胸を突き出す。
「じゃあ……はい」
「はい?」
「……あんたが脱がすんでしょ?」
どうやら、さっきの『ダメ』って言葉を桐乃は『脱ぐな』ではなく、『俺が脱がす』って意味にとったようだ。
「ち、違う! 服を脱ぐのがダメって言ってんの!」
そう言うと桐乃がなぜか顔を赤くする。
「へ、へー。あんた、結構、マニアックじゃん」
マニアック?
「着エロって奴? せ、制服着て来て正解だったかな……あ、でもあまり汚さないようにしてよね?」
「ちがーう! そういう意味じゃねえ!」
「ハァ? もう、何いってるか、全然、意味わかんないんだケド」
頭をかきむしりながら苦悶の表情を浮かべる俺に桐乃が苛立った目を向ける。
「だ、だからだなあ。俺がいいたいのは、兄妹でこういう事はやめようって事だよ」
「こういう事?」
桐乃がムスっとした顔をする。
「なあに? あんた、あたしの事、好きなんだよね?」
「あ、ああ」
うーん、まだこれを肯定するのは抵抗がある。が、もはや認めざるを得ないので認める。
「で、あたしの事をいやらしい目でみてたんだよね?」
「まて! その言い方はちょっと語弊があるぞ?」
まるで俺が四六時中そういう目でみてたみたいじゃねえか!
「もう、ホントめんどうくさいなあ……。じゃあ、あたしをオカズにヌイてたんだよね?」
「ぐ……!」
そうストレートに言われると……
「ヌイたんだよね?」
「は……ハイ」
「──それなのに、なんで、やめようとかって話になんのよ?」
意味わかんない! ……と憤慨の声をあげる桐乃。
正直に言えば、写真や妄想でヌク分にはエロ本とかをオカズにするのと大差無い、
実際に事に及ぶのとは違うって事なのだが、さっきの件があるから
このたとえをするわけにはさすがにいかない。
「だ、だって俺たち兄妹じゃん?」
苦し紛れに俺はそんな事を言ってみる。
「はあ!? 話をそこまで戻す気? あんただって、今、あたしにキスしたじゃん!」
「そ、それはおまえがしろって言ったからだろ?」
「ハ!? 最っ低。あんた、女なら誰が相手でも誘惑されたらホイホイついてくってワケ?」
「ち、ちげえよ! お前だからしたんだろ!」
……く、もしかしてまた恥ずかしい台詞いっちまったか?
しかし、その台詞が功を奏したのか、桐乃は顔を赤くして剣幕を収めた。
そこでふと、俺は考える。
キスは……確かに嫌じゃなかった。でも考えたらキスだって兄妹じゃおかしい事だよな?
再び俺は自分の気持ちがよくわからなくなり自問自答を繰り返す。
なぜ、キスはよくて、セックスはダメなのか? むしろキスよりセックスの方がしたいはずだろ?
単に臆病風に吹かれて? いや、違う。これは、そんなんじゃねえ。
その時、突如、俺はある事に気がついた。
「まてよ、桐乃。おまえはどうなんだよ?」
「ハァ?」
「おまえは……その、俺と……その……やりたいのかよ?」
「あ、あたし?」
思わぬ反撃に桐乃がたじろぐ。
やっとわかった。キスをして欲しいと言った桐乃の言葉は本心だった。少なくとも俺はそう感じた。
だから、俺も、素直にキスが出来た。
が、セックスをしたいってのは本当に桐乃の望みなのか?
おそらく……いや、間違いなく、俺がひっかかってるのはそこなんだ。
「おまえ、言ってたよな。既成事実を作るんだって。もしかしたら、ただそんだけのために
俺に体を許そうって考えてんじゃねえのか?」
すると桐乃は図星を指されたとでも言わんばかりに、すっと視線を外す。
「そ……そんなワケ、ないじゃん……」
「いいや、あるね。普通、女の子が初めてって言ったら、もっと大切にするもんだろ?
ロマンチックな雰囲気とかさ、なんかの記念日とか。女心に鈍い俺だって、それくらいは世間常識として知ってるぜ」
妹が怯んだ好きに、ここぞと追い討ちをかけたつもりの俺だったが、逆に妹に反論の隙を与えてしまう。
「そ、そんなの、人それぞれじゃん! なあに? その昭和の少女漫画並のテンプレ。
あんたそんなんだから、いつまでもダサイままなんだって!」
「ダサくて悪かったな! でもよ、詳しい理由はともかく、おまえが本当は
セックスなんてしたくないって事くらいは分かるんだよ! 兄貴、ナメんな!」
「ん〜〜〜〜〜〜!」
桐乃は口をへの字にして唇をキッと噛み、悔しそうな、しかしどことなく照れてるような表情を見せた。
「だいたいさ……おまえらしくねえだろ? 自分がしたくもないことをしようなんてさ。
なんだよ、既成事実って。そんなのがなけりゃダメなほど、おまえは自分の魅力に自信が無いのかよ?
そんなのおまえらしくねえじゃん! いつもの尊大で自信満々な高坂桐乃はどこいっちまったんだよ!」
そう言ったとたん、桐乃の表情がスーっと冷たい表情になる。
「また……あたしらしくないって言った……」
「え?」
そして、桐乃は怒りに火がついたとばかりに、声を荒げながらまくしたてる。
「あんた、相変わらず、何にも分かってない! 自信満々じゃないのがそんなにあたしらしくない?
ふざけんな! 自信なんてあるわけないじゃん! あんたは、あたしがここまで持ってくるのに、
どんだけ努力したかわかってんの!?」
「な、なんだよ、努力って?」
こいつ、いったい、何の話をしてるんだ?
「あんた……、あたしが一緒にお風呂入ったりするのが、平気だと思ってたわけ!?
あたしにとっては、あれくらい、なんでも無い事だったとか!?」
え……?
「スカートめくられたり、パンツ覗かれたり……平気だと思ってたの? 全然、恥ずかしくなかったとでも!?」
桐乃は顔を真っ赤にして訴える。
「それだけじゃない! 他にもいっぱい! あんたはバカだから気付かなかったでしょうけどね……
だって、パフェのスプーンが長いのをカップル用だからと言われて真に受けるくらいの低脳だもの!
ハ……! バッカじゃないの? 長いスプーンじゃなきゃ、パフェグラスの底まで届かないっての!」
た、確かに……。なんてこった……本当に、ちょっと自分がバカに思えて来たぜ……
「だから、セックスぐらいなんてことないの! ここでやんなきゃ、今までの努力が全部無駄になるんだから!」
そう言って、桐乃は俺に向かって飛びついて来た。
「ちょ……! おまえ、何する気だ?」
桐乃はすごい力で俺をベッドに叩きつける。そしておもむろに俺のジーンズを脱がそうとし始めた。
「いいから、大人しくしなさい! 天井のシミ数えてる間に終わるから!」
「ま、まて! 落ち着け! 桐乃、落ち着けって!」
初体験が妹に襲われて逆レイプとか、いくら男でもイヤすぎるぞ!?
俺は妹の腕を掴んで、互いの位置を入れ替えるようにしてベッドに押し付けた。
暴れた勢いで制服の短いスカートがまくれて下着が見えている。
ふと気がつくと、思わずそこに目が言ってしまった俺を、桐乃が少し恥ずかしそうに頬を染めつつ見ていた。
「ほら……興味あるんでしょ? あたしの体……」
嘲笑うような口調で桐乃が言う。
「あんたこそ素直になればいいじゃん。せっかくヤラせたげるって言ってんだからサ」
そう、挑発するように言う桐乃。しかし、その言葉は、どこか切ない響きを持っていた。
桐乃の新たな告白。俺はその意味をまだ完全に把握してはいなかったが、コイツが
俺が思ってた以上に、俺の事を想っててくれたと気付き、俺の中でも妹を可愛いという気持ちが高まって、
高まりすぎて、とうに沸点を越えていた。そこに、妹の服が乱れた姿を見て……
正直、もう我慢の限界を越えていた。
「わ、わかった。じゃ、じゃあ、既成事実を作ろう」
俺がそう言うと、桐乃は一瞬、驚いたような顔をした後、頬をあからめつつ恥ずかしそうに目を逸らし、コクンと頷いた。
うう……また、こいつは反則的な事を……! そんな誘惑に、ま、負けねえからな!
「ただし! ……やっぱ、本番は、まだ早いと思うんだよな」
その俺の言葉に、桐乃は反論することもなく、ただ、俺の言葉の続きを待っていた。
「で、とりあえず、普通の兄妹がしない事をすればいいんだろ? その……たとえば、恋人同士じゃないと
しないような事をさ……?」
桐乃は少し思案顔になったあと、またコクンと頷いた。
「ってことで、キスをもう一回しないか? その……もちょっと、濃厚な奴を。ディープキスっての?」
すると、桐乃はまた頷きだけを返した。
俺は、桐乃の手をとって抱き起こし、ベットのふちに座らせ、俺も隣に座った。
お互い横を向いて、しばし見つめあう。そしてゆっくり目を閉じた妹の顔には若干の不安の色が浮かんでいた。
なんだこいつ……キスぐらいでこんな顔するくせに、よくセックスしようなんて考えたもんだよ、まったくさ。
頭いいのか、バカなのか。憎たらしいのか可愛いのか……
「い、いいか?」
俺は間の抜けた声で、そう言う。桐乃は相変わらず口をきくことなくただ頷き、そっと目を閉じた。
俺は、桐乃の顔に自分の顔を近づけるようにして、強く唇を押し付けた。
そして、舌を伸ばして桐乃の口の中に突き入れようとした。
「……んっ……!」
すると桐乃が少し苦しげな声をあげる。あわてて俺は顔を離した。
「わ、わりぃ。強すぎたか?」
「ケホっ……ううん、大丈夫だケド……」
「そっか」
「……」
「……」
気まずい沈黙。このままでは埒が明かないので、俺は思い切って聞いてみた。
「ど、どうだった?」
すると桐乃はキョトンとした顔で、
「え……どうだったって?」
「だ、だから。既成事実……こんな感じで良かったか?」
「え? もう、終わり……?」
明らかに不満そうな表情を見せる桐乃。
「い、いや……そんな事ねえよ」
ふう……やっぱダメか。まあ、確かにあまりうまく出来なかったしな。
「じゃ、じゃあ、いくぞ」
そして再び俺は唇を寄せる。今度は桐乃の方からも体を寄せてきてくれたので、
幾分やりやすい。俺は再び、舌を桐乃の口内に突き入れようとする。すると今度は、桐乃の方からも
舌が伸びて来た。俺は桐乃と舌を絡めながらさらに舌を奥へと伸ばす。
ディープキスの正しいやり方なんてわからないので、とにかく懸命に桐乃の口内をむさぼった。
すると次第に桐乃の体がずり落ちていく。あわてて俺は桐乃の体を支える。
しかし、とうとう桐乃の体はその場に沈み、ベッドからもずり落ちてしまった。
「はあ、はあ……あふう」
桐乃は苦しそうに荒い息を吐きながら顔を紅潮させている。口元は俺のものか桐乃のものか、
はたまたそれが入り混じったものなのか、ヨダレでベトベトである。
「こ、今度は? やっぱダメだったか?」
そう聞くと桐乃は、息も絶え絶えと言った感じで首を横に振った。
「そ、そうか。すまねえな、下手くそで……」
俺はすっかり自己嫌悪に陥る。さっきはギンギンだった、裏切り者の俺の息子も自信をなくしたのかしょんぼりしてしまっていた。
まあ、今となっては好都合ではあるのだが……
「ち、違う……」
すると、ようやく回復してきた桐乃が口を開いた。
「な、なんか、すごく気持ちよかった……」
「ほ、本当か。そ……そりゃ、よかった。ハハ」
ふーっと俺は胸をなでおろした。うーん、しかし、こういうのって想像してたのとはちょっと違って、
あまり楽しいもんじゃねえなあ。気を使ったり緊張ばかりして、気持ち良さとかとは無縁っていうか……
エロイことはエロイんだけどさ。まあ、慣れたら違ってくるのかもだけどよ……
でも、とりあえず桐乃も満足してくれたみたいだし、良かったかもだ。
そう思ってると桐乃がベッドの下から俺を上目遣いで見上げながらぼそりと言った。
「あ、あのさ。あたし、本当に、ちょっとエッチな気分になって来たんだケド……」
「な……!」
その妹の艶かしい表情に加え、さきほど妹からお褒めの言葉を頂き自信を回復していた分、
息子の方も、にわかに元気を取り戻す。そんな俺の股間をみつめながら桐乃が言葉を続けた。
「そ、その……本当にするのはやっぱ、コワイけど……口とかであんたを気持ちよくしてあげるくらいなら……
出来る……カモ」
その桐乃の言葉と視線に、以前の事を思い出す。
風呂に一緒に入った時とかも、確か、桐乃は似たようなことを言っていた。
その時も、そして今回も、きっと無理をして言っているんだろう……
「い、いいって。もう既成事実は十分だろ? お、欧米とかだって、兄妹でこんなキスはしないんじゃね?」
俺は無理やり笑顔を作りながらそう言った。正直、してほしい気持ちはあるが、やはりここは桐乃を優先してやりたい。
「だ、ダメだって。あんた、それほど気持ちよくなかったみたいだし……あんたが気持ちよくならないと意味ないじゃん……」
「そんな事ないって。俺も十分、気持ちよかったぞ?」
キスの間、気持ちよかったかどうかはちょっと微妙だが、エロイ気分は十分味わった。
実際、今のキスや、桐乃の表情をオカズに一発ヌキたくてしょうがねえ。
早いとこ、一人にしてくんねえかなあって思うくらいだ。
「そ……それでも、あたしが、あんたを気持ちよくしてあげたいんだって……」
桐乃は熱にうなされたような雰囲気で、そんないじらしいことを言ってみせる。
「エッチってさ……そういうもんでしょ? だからさ……」
そこまで言われると、もはや俺に抵抗する術は無い。本番じゃなきゃいいかなとか、つい考えてしまう。
「じゃ、じゃあ、頼む……」
桐乃はコクリと頷いて、その身をベッドの下に置いたまま、俺のズボンのチャックに手をかけてくる。
チャックが下までずらされると、トランクスをかぶったまま、俺の息子がズボンから飛び出す。
すると桐乃の白くて細い指が、トランクスの上から、俺自身に触れる。
「うっ……」
ただそれだけで、脳天がしびれるような感覚を味わった。
桐乃はなぜか、いつになく不器用で、
俺のイチモツをトランクスの窓から取り出そうとするが、なかなかうまく取り出せない。
辛抱たまらなくなった俺は、自分で自分のモノを取り出し、桐乃の目の前に突きつけた。
「ひゃっ……!」
桐乃は勢いよく自分の眼前に飛び出してきた俺のペニスに驚くように身体を引いた。
そして、おびえるような目でしげしげと俺のペニスを見つめる。
「む、無理すんなよ? 無理しなくていいんだぞ」
そう言うと桐乃は首を振って「だ、大丈夫」と答える。しかし、その表情は全然大丈夫に見えない。
しばし、桐乃と俺の(愚息の)ニラメッコが続いた後──
「ね、ねえ?」
「なんだ?」
「あの……あんた、お風呂でそれ……キレイに洗った?」
と、言いながら、桐乃が俺のモノを指差す。
「え? ま、まあな」
桐乃のいきなりな質問にたじろぎながらも答える俺。
「じゃ、じゃあ、お風呂から上がった後で、トイレ行ったり……した?」
「……いいや。そのままここに来たからな」
「そ、そう……」
しばし気まずい沈黙が流れた。その沈黙の中で、俺の愚息だけが、空気も読まずに自己主張を続けていた。
「あ! 口の中で出すのはやめてね? 出すときはちゃんとティッシュかなんかで」
「わ、わかってる」
とりあえず、桐乃は自分の中にある様々な懸念を俺に確認してきた。
そして桐乃が意を決したような顔をしたので、いよいよかと身構えていると──
「ご、ごめん。それでもやっぱり無理かも……」
桐乃が突然、そんな事を言った。
「おしっこするところ……口に入れるとか、やっぱ無理……」
「そ、そっか」
俺は思わず失望の色が濃くついた口調でそんな言葉を返してしまった。
そうなんだよな。これまでだってあいつは、俺のチンポを咥えたかったわけじゃねえんだ。
考えたらあたりまえだ。フェラチオしたがる処女の女子中学生とかちょっとおかしいだろ。
単に、そうすることで、俺との間に既成事実……っていうか、絆を作りたいと思ってただけなんだから……
「ご、ごめんね? 自分から言い出しておいて……」
「い、いや気にすんなって」
おいおい、あの桐乃に素直に謝られちゃったよ……
まあ、桐乃もそれなりに男の生理について知識はあるだろうしな。
期待させるだけさせてほったらかしってのが、男にとってそれなりに辛いって事も知ってるのかね?
それに、きっと、俺を気持ちよくさせたいと言った言葉は、本心だったに違いない。
俺としてはそれで満足だった。
……まあ、もちろん、あとで自分で一発くらいは桐乃をオカズに抜かせてもらうけどさ。
「そ、それなら手で……とかはどうだ?」
は? 今の誰の声だ?
「手……で?」
「あ、ああ。手でやってくれるだけでも気持ちいいんだけど」
どうやら俺の声らしい……
なんてこった、無意識のうちに妹に手コキを要求しちまったよ!
「……やり方、教えてよ」
「え? あ、ああ」
俺は妹の手を自分のペニスに導く。そして、桐乃の手の甲に自分の手のひらを上から重ねるようにして、
桐乃に俺のイチモツを握らせた。
「……!」
桐乃の顔が激しく紅潮する。……多分、俺の顔もそれなりに紅くなってるに違いない。それくらい、頬が熱い。
「こ、これでどうするの?」
「上下に動かす……こんな感じで」
そう言って俺は、桐乃の手と一緒に自分のペニスを握りこみ、自慰する要領で動かしてみた。
「わかった……じゃあ、一人でやってみる」
そう言って、桐乃は俺の息子をしごき始めた。初めてにしては要領がいい。さすがは桐乃と言ったところか?
俺のペニスは先から透明な液を分泌しはじめ、それが桐乃の手にまで垂れてきた。
「ひゃんっ!」
桐乃は驚いて手を離す。そして自分の手に垂れて来た、俺の先走り液をクンクンとにおいを嗅ぐ。
「これって一応、精液?」
桐乃が俺に聞いてくる。
「どうだろう。とりあえず……気持ちがいい証拠、みたいなものかな……」
実は俺も正確な知識は無いのだ。
「ふ、ふうん……」
しかし、その俺の説明で桐乃は十分納得したようだ。
再び桐乃は俺のモノに手を添えて、上下に動かし始めた。
「うー……」
俺は気持ちよさに思わず声をあげた。いい、手コキだけでも十分、イケそうだ……
イケそうだが……
「き、桐乃……」
「ん?」
「やっぱ、咥えるのって無理か……?」
「え?」
「い、いや悪い。なんでもない」
はあ、やべえ。つい妹にフェラチオまで要求するとこだった。
あぶない、あぶない。もう少しで兄妹の一線を越えちまうとこだった……
……って? あれ? きょ、兄妹の一線って、どこだっけ???
「やっぱ、咥えて……欲しいワケ?」
そんな風に俺が頭の中をこんがらがせてると、桐乃がそう尋ねて来た。
「あたしに……咥えさせたいの?」
「そ、そりゃ、まあ」
バカっ! 俺、否定しろよ!
「じゃ、じゃあ……咥えたげる。そ、そのかわり! あ、あんたも、ちゃんとあたしの事、それなりの扱いしてよね?」
「わ、わかった」
桐乃の言う意味はよく分からなかったが、とりあえず俺は咥えてもらいたい一心で頷いた。
「ん……」
桐乃のかすかなうめき声が聞こえたかと思うと、ペニスが温かいモノに包まれた。
見ると桐乃が俺のペニスをくわえ込んでいた。少し目をしかめて苦しそうにしていたが、
妹を気遣うより、俺はその快感に支配されてしまう。
……これがフェラチオ。ただ咥えてもらっただけなのに、めちゃくちゃ気持ちいいぞ。
「き、桐乃……さっきの要領で、上下に……」
「わひゃってる」
桐乃はそう言うと、頭を動かして、口で俺のモノをしごきはじめる。
そんな妹の姿を見下ろしていると、たまらなく可愛く思えてくる。
しかし、俺がそう思えば思うほど、怒張が膨らみ桐乃に苦しい思いをさせてしまうのだが……
だんだん、ピチャピチャとイヤラシイ音もしだし、俺の興奮はあっという間に頂点へ上り詰める。
「き、桐乃、そろそろ出そうなんだけど……」
「へ?」
「うわっ! だ、ダメだ、出る!」
自分で予想した感覚より早く、俺のペニスは爆発した。俺はより快感を得ようと、
思わず桐乃の頭を掴み、のど元深くペニスを突き入れる。
「ん、んん〜〜〜〜!」
まるで悲鳴のように、桐乃が苦しそうな声をあげる。
そんな苦しそうな妹の口の中に、ドクンドクンと精液を放出し続ける俺。
とうとう桐乃の口内に収まらない分の精液が口の端から漏れ始める。
その光景に俺はますます興奮してしまう。
妹なのに……そんな思いがさらに興奮を加速させていたのかもしれない。
長い射精が終わり、桐乃は俺のペニスから唇を離す。精液が糸を引く様がいやらしい。
「ん〜〜ん〜〜」
桐乃が苦しそうな声をあげておれに何かを訴えている。そ、そうか、ティッシュ……
「コクン」
桐乃がいきなりのどを鳴らす。
「き、桐乃。そこまでしてくれなくていいから、待て、今、ティッシュ探す」
俺はベッドの横に落ちていたティッシュを見つけ出すと乱暴に数枚のティッシュを抜き取り
桐乃に渡す。桐乃はそれを受け取ると、激しく咳き込みながらまるで嘔吐するように精液を口から吐き出した。
「ゲホッ! ゲホッ! うえェ……やっぱり無理……」
涙目でそうつぶやく桐乃。射精して一息ついたせいもあるのか、その姿に罪悪感が沸いてくる。
「わ、悪ィ。お、俺、調子にのっちまって……」
「あんたさっき、思い切り、のどの奥、突いてきたでしょっ!」
涙目で怒りを訴える桐乃。
「それも、出す瞬間! むちゃくちゃ苦しかったんだからね! 気管にまで入るしっ!!」
「わ、悪かった! だって、めちゃくちゃ気持ちよくて、何がなんだかわかんなくって」
平謝りの俺。こりゃしばらくこの怒りは収まりそうに無いと覚悟していると……
「……ふ、ふうん。そんな気持ち良かったんだ?」
意外にも桐乃は怒りをトーンダウンさせる。
「そ、そりゃ、この世のものとも思えなかったっていうか……さ、最高だった!」
「ふ、ふん。ちょ……調子のいいことばかり言っちゃってサ……」
そっぽを向いてそう言いながらも、桐乃もまんざらでも無い感じがするのは俺の勝手な思い込みなんだろうか?
そんなことを思ってると、桐乃がふと俺の目を見てつぶやく。
「あたし……あんたの精液飲んじゃったじゃん……」
の、飲ませてしまったのか、俺。
「悪かったって、ほんと……」
すると桐乃はふと俺のとなりに腰掛け、身を寄せてくる。なんていうか、甘えられてる感じ?
それこそ初体験なのでよくわからない。
「あ、あんたが気持ちよかったのはいいけど、少しはあたしの事も考えてよね」
「め、面目ない」
「いいけどサー……」
そう言う桐乃の顔が赤い。なんだか瞳もトロンとして熱にうなされたような表情をしている。
「あたしも……なんか、気持ちよかったから……」
そう言ったかと思うと、桐乃は俺に身を預けたまま寝息を立て始めた。緊張と疲れで眠ってしまったようだ。
俺は、桐乃をちゃんとベッドに寝かせて、その寝顔を見ながら自分もその横に寝転んだ。
これで俺たちは、恋人……ってことになるのだろうか。よくわからない。
「と、とりあえず、本番は、桐乃がもう少し大人になるまで待たねえとな……」
っていうか、中学生にフェラチオもだめだろ! と、セルフツッコミを入れておく。
もし、桐乃の方がその気になってしまった場合、理性が保てるか正直自信はなったく無いが……
それにしても──
血の繋がった兄妹。結婚も公表も出来ない関係。これから一体、どうなるのか。どうすればいいのか。
いくら考えても、思考はメリーゴーランドのようにぐるぐる回るだけで。
「まあ、なるようになるか……」
そう口に出してつぶやいてみると、本当になるようになってくれるだろうと思えた。
この時の俺は、やはり「現実」に対する想像力が全くといっていいほど欠けていたのだ。
「桐乃をこのままにして、俺まで寝ないようにしないと……」
しかし、そう思った時にはすでに睡魔を跳ね除ける力は俺になく、桐乃の横で俺も眠りについたのだった。
(第四章 終)
─エピローグ─
目が覚めると、もう朝だった。
ふと隣を見る。妹の姿はもう無かった。
おふくろ達は昨夜、帰って来たんだろうか? まさか、早い目の時間に帰って来て、
俺の部屋に来たなんてことはなかっただろうな? もし桐乃と並んで寝てるとこを見られてたら……!
しかし、そんな不安をかきけすように、桐乃の明るい声が耳に飛び込んできた。
「兄貴──、早く起きなよ。朝ごはん食べるよ?」
そんな声と共に、扉から桐乃が明るい顔で飛び込んできた。
桐乃は昨夜着てた制服ではなく、普段着だ。今日は土曜日。桐乃の奴も部活は無いのか。
「なんだ、起きてんじゃん」
「ああ……今いくよ」
ぼんやりした頭で俺はそう答える。
すると桐乃は俺のそばまで近づいてきて、くんくんと鼻を寄せる。
「汗臭いよ? 着替えたら?」
「あ、ああ」
「じゃ、先に降りて待ってる」
普通の会話。しかし、ちょっと前までの俺と桐乃にとっては考えられなかったような会話。
朝の挨拶をしながらリビングに入ると、桐乃は親父との約束どおり、タラモサンドを作っていた。
皿の上に積み上げられたそれを一つ手にとってかじる。なかなか上手い。
「どう? なかなか美味しいっしょ?」
桐乃が自信満々に尋ねてくる。
「ああ」
そう短く答えると、
「なに? そのテキトーな返事」
と桐乃が不満そうにする。
「ああ、いや、美味しいぞ。ホント」
そういい直すと、桐乃が悪戯っぽく笑う。
「冗談だって。兄貴、今日の予定なんてないよね? だったらサー」
「ああ、今日は前から麻奈美と約束してんだよ」
「……ハァ?」
俺の言葉に桐乃は先ほどまでの機嫌よさそうな笑顔を激しく歪めた。
「な、なんだよ?」
「……」
桐乃はそのままそっぽを向いたまま一度も俺の方を見る事なく、朝食を食べてる間、ずっと無言だった。
まるで、以前に戻ったみたいに……
「ちょっと、こっち来なさいよ」
朝食を終えて早々に、そう言って桐乃が俺をリビングからムリヤリ連れ出し、
二階の自分の部屋まで連れて行く。
そして扉をバタンと閉じると、俺に対し、詰問口調で語り始める。
「ねえ、あんた、まだ、あの女と二人で会う気?」
「え? あの女って、麻奈美の事か?」
「そ」
桐乃はそっけなく肯定した。
「そりゃ……会うだろ。幼馴染なんだから」
俺がそう答えると桐乃がイライラした感じで言う。
「あたしが言ってるのはそういう意味じゃなくてー。……もう! ありえないじゃん、二人で会うとか!」
「なんで、ありえないんだよ。いままでだってあいつと会う時は、たいがい二人だよ」
「だーかーらー! も、もう! あんた、ほんっとにバカでしょっ!」
桐乃はなんでこんな簡単な事がわからないのかとイラつく一方で、しかし上手く説明も出来ずにいるようだ。
しかし、やがて意を決したかのように、俺を見据えて言った。
「あ……あたしは、あんたの何っ!?」
「は? 何言ってんだよ、そんなの……」
妹に決まってる。そう言いかけて、あわてて口を閉じる。
あわやというところで、なんとか致命的失敗を回避した。
そっか、そういうことかよ。
まさか、こいつ、俺と麻奈美の事でヤキモチ焼いていたとか?
それも結構以前から? ……って、それはないか。
いつか俺が麻奈美と仲たがいしたかと勝手に勘違いした時もなんだかんだ言ってちゃんと相談に乗ってくれたしな。
むしろ麻奈美目線……っていうか、女側目線でさ。
「でもよ、前にも言ったけど、俺と麻奈美はそんなんじゃないんだって。そういう色恋とかとは無縁な関係なんだからさ」
「……うん、前にも聞いた。でも、そんなのありえないじゃん?」
そう、バッサリ一刀両断にする桐乃。
「そ、そんなことねえよ。お前にはわかんないだろうけどさ、俺たちの関係はなんていうか……」
俺はいつぞや赤城にした説明を桐乃にもしようかと思ったが、赤城の反応を思い出してやめた。
「何? 兄妹みたいなもんだとでもいいたいの?」
その桐乃の表現に乗じる。
「そ、そうだよ。だから、色恋なんて事には……あ゛」
すぐに俺は再び自分が失敗した事に気がついた。昨日、俺はまさにその兄妹で、キスしたり……したり、
色々いたしてしまったばかりだったのだ。
「わかった? 幼馴染だろうと兄妹だろうと、男と女には関係ないんだから」
俺の表情を読み取って桐乃が言い切る。
「で、でもよ。それじゃ何か? 俺に麻奈美と絶交しろってのか?」
「そ、そこまでは言わないけど!」
「うーん……」
「ん〜〜〜!」
兄妹して睨みあうような感じで固まってしまう。先にしびれを切らしたのは桐乃だった。
「も、もういい! 好きにすれば?」
そして俺は部屋から追い出されてしまった。
結局、仲が良くても悪くても、上手くいかねえのかね、俺たちは。
相性って意味じゃやっぱ最悪なんだろうか。
「ちっ……わかったよ。なんとかすりゃあいいんだろ?」
妹の部屋の扉に向かってそうつぶやいて俺は玄関へと向かう。
俺は自分と桐乃の関係を麻奈美に話そうかと考えていた。
もちろん、俺たち兄妹の話を聞いて麻奈美がどんな反応を取るかはわからない。
もしかしたら俺は思いつきで、めちゃくちゃ無謀な事をしようとしているのかもしれない。
しかし俺は麻奈美と絶交するつもりはないし、一方で麻奈美に会えば桐乃が傷つく。
それなら他に選択肢があるだろうか?
結局、桐乃を苦しめてるのは、俺たちの関係が秘密だって事なのだ。
だから麻奈美と会わなければ全てがうまくいくかと言えば、決してそうとも思えない。
それに桐乃の苦しみがいつ俺の苦しみになるとも限らない。
「あいつらにも……話した方がいいのかもな……」
黒猫、沙織、『桐乃と俺』の友人たちの顔が浮かぶ。
なぜか、あのあやせの顔まで思い浮かべてしまい俺は苦笑した。
以前、あやせを説得するために色々調べた時の事──
神話には確かに近親相姦の物語がたくさんあった。
しかし多くの宗教が近親相姦を禁じてもいた。
俺と桐乃がこの関係を育てていくには、神様の代わりに祝福してくれる人間が必要だった。
(終)
よしよし、またもやリアルタイム!
まさかこんな時間に神と邂逅出来るとは思わなかったです
こんなすばらしい作品を読める私はきっと特別な存在なのだと思います
真夜中なのにベランダに出て声高らかに叫びたい!
マジでGJです
あとがきをぜひ!
ネ申 光 臨 !
GJ過ぎワロタw
もうこの兄妹はダメだ…
まあ待て
これしきで動揺してはならない
京兄に踊らされた8週を思い出すんだ
そうだ。ここまで来て本番をしない訳がない
するんだろう?そうさするんだ
お願いします
どんな形でもいいから二人を後には退けないとこまでやっちゃってください
なんていうか、文章が巧いなー
とにかくGJ!
焦るなよ
これは数ある終着点の一つでしかないはずだ
本番をするルートもあるはず。そうだろ?
それはそうとこの神作のタイトルみたいなのはないんですか?
これだけ作品数あるのに本番ひとつもないので是非ともお願いします。
お前等がっつきすぎだろwwwwww
俺はあれだフェラシーンだけで賢者になれたぞ?
>>698 DXFnp2S8dk氏の作品に本番シーンあるぞ
タイトルは確か聞きたいですね
700 :
黒猫×京介J:2009/08/07(金) 02:48:29 ID:vkFx12Sr
―――思っていたよりも固い感触。
まぁこれは当たり前か。服とブラの上からだしな。
黒猫の舌から口を離すと、すぐに黒猫が「自っ分で、脱いだ、ほうが、いっ…いいのかしら?」と尋ねてくる。
俺は右手の中にある胸の感触を確かめるように、言葉を切りながら答えた。
「そう、だな。そうして、もらえると、助か、る」
黒猫は少し戸惑ったように返してくる。
「……なら、……一度、手を、胸から、はなっ離して、もらわないと……」
「あっああ!そうだな、すまん」
その訴えにすぐさま手を引っ込める。はーーー、おっぱいの魔力って恐ろしい。
黒猫は身体を起こすと、慣れた手つきで夜魔の女王から一人の少女へと姿を変えていく。
「……下着は……どうするべきかしら?」
ハニカミながら上目遣いをする黒猫なんてレアなものを目撃してしまった俺は、動揺しつつも声を発する。
「脱いでもらえると……、その、な」
カーテンをしていても外からの光で明るい部屋の中。ついに黒猫がその裸体を晒した。
―――不健康に青白くもキメ細やかな肌。うっすらと青い静脈の浮いたやや小ぶりだが形の良い胸。
生を感じさせる腹部。漫画のように縦に切り込んだようでは無いが、愛敬のあるヘソ。
決して肉付きは良くないがスラリと細く格好の良い脚。純白の太腿。つい触れたくなるようなふくらはぎ。幼さの残る、爪の小さな足先。
顔を上に戻すとそこには、おそらくは人生初めてであろう羞恥に歪む美貌。手入れの行き届いた長い黒髪。その黒髪を添え、なおいっそう芸術性を高める鎖骨。
はかなげな肩。脚と同じくほっそりとした腕。キュッと締まった手首。日焼けと老いに縁の無さそうな手先。
ゴクリ…、と唾を飲み込み、目線を少し横にずらす。
ひどく女性を意識させる腰。そして……。
―――こっ、こいつ、……生えてねぇ、毛が。
剃ってる?いや、でもその割りにはやけにツルツルしてるよな、ということは生えない体質?女って生えるのが遅いのか?
もう一度唾を飲み込んでから、ゆっくりと黒猫の秘部へと手を伸ばす。
ぷっくりとした形に触れ。そこを開く。……熟れきっていない林檎のように淡いピンク色をした、黒猫の中があらわになる。
そのピンク色の粘膜に息を吹き掛けると「んッ…!」黒猫が悩ましげに鳴く。
俺は上半身を起こし、黒猫の身体をベッドに寝かせなおすと、その上にのしかかり乳房を口に含んだ。
舌を這わすと、薄桃色の乳首がすぐに反応をみせる。
固くなった乳首をやさしく噛みながら。左手で、残ったもう片方の乳房を愛撫する。
上気し、強烈にメスの匂いを放ち始めている。均整の取れた肉体。
701 :
黒猫×京介K:2009/08/07(金) 02:50:47 ID:vkFx12Sr
俺は乳房から口を離し、疼く男根を握り締め、切っ先を肉裂に差し向けた。
「あ……、あの……」
泣きだしそうな声で、黒猫。
「どうした?やっぱ恐いか?」
「……す、少しね。それよりも、ね。」
「ん?」
「…………契約、とか、仕方なく、じゃなくて。……私がしたいから、するの。」
「ん。わかってるよ」
「…………ちゃんと初めてだから、安心しなさい」
それもわかってるさ。
「じゃあ…、いくぞ」
俺は一つ息を吐き、角度をつけた亀頭を秘部にグリグリと擦り付ける。
「んんっ……んっ!」
二度、三度と的を外しながら、やっとの思いで膣穴を捉え、強張る肉棒をゆっくりと挿入する。
「んーーーーーーーーーっっっ!」
黒猫の美しく整った眉が苦しげに歪むのをどぎまぎと見つめながらも、奥へ奥へと肉棒を突き進めていく。
ミチミチと肉を押し分けて自身が侵入する征服感だけで頭が真っ白になりそうだ。
かなり強い締め付けも、痛みよりも愉悦の方が大きい。
そしてズッポリと根元まで肉壺に納まる。
ー――処女膜ってのはよくわかんなかったな……。あ、でも血が出てんな。
「だい…じょうぶか?」
長い睫毛に取り囲まれた切れ長の眼に問い掛ける。
「……えぇ。案外、平気、だったわ」
痩せ我慢だとわかる声音で、黒猫が微笑む。
俺は、痛みに震える黒猫の唇に、軽くキスをした。
「こっちを最初にしとけば良かったな」
黒猫の手を握りながらおどけた口調で言う。
「……なんの話?」
「キスの話だよ」
「……あぁ。確かにファーストキスが舌入れなんて、どこぞの幽霊娘かって感じよね」
「犬飼ってるあの娘か」
「……そう。その娘」
こういう時に出してほしい喩えじゃないな。
702 :
黒猫×京介L:2009/08/07(金) 02:56:04 ID:vkFx12Sr
―――と、まぁ。その後も意外と淡泊に行為は続けられ、最後は俺が黒猫の腹に出してお開き。
結局一番お互いが盛り上がっていたのはキスの時だったな、うん。
それから春休みに入り、黒猫は通い妻状態。
俺は桐乃に必死で説明して暴言を吐かれ、最終的に桐乃は呆れつつも。
「ま、しょうがない、か……」と認めてくれた。……その時の桐乃の顔は、…………一生忘れられない気がする。
そして両親だが、初めは驚いていたもののすぐに黒猫に馴染んだ。黒猫が桐乃に少しだけ似ているからかも知れない。
そう桐乃に言うと「どう考えたって黒猫はあんた似でしょ」と馬鹿にした口調で返されたが…。
あーーー。あと。俺と黒猫が付き合い始めたことを、麻奈実には未だに報告できていなかったりする。
後に延ばせば延ばす程、切り出しにくくなることはわかってるつもりなんだけどな。
―――なんて風にグダグダと考えながら、靴を履いて玄関の扉を開く。
春休みが終わり、今日からは三年だ。ま、特に何が変わるわけでもないけどな。
扉を開ききり「ぶフぉッッ!!」盛大に噴いた。
「お、おまっ、それ、うちの!」
うちの高校の制服を身につけた黒猫が、スカートの端をつまみ挨拶をしてくる。
「……ごきげんよう、京介」
そうそう、呼び名も変わったんだ。
「う…ぁ、ごきげんよ……ってそれよりお前なんでうちの制服を!?」
「……生徒だからよ」
そりゃそうか。よく考えてみたら家も結構近いしな。
黒猫が俺の手を掴み、妖艶に微笑む。
「……さ、早く行きましょう。ラスボス地味子を倒す為に」
―――三年になったって特に何が変わるわけでもないってのは訂正が必要だな。
俺と手を繋いで歩く黒猫の横顔を見つめながら、俺はこれからの騒動を想像して……なんでか声を出して笑ってしまう。
「……何がおかしいの?」
不可解そうな顔をした黒猫を、横目で見る。……あっと、そういえばまだこいつの本名を言ってなかったな。
こいつの、黒猫の名前は―――――
【終わり】
GJでした!
終わり方がなかなか
フヒヒヒwwwwww
今宵は神様がお暇なのかな?
こんな短期間に二人の神様に邂逅してしまうとは
私は明日死んでしまうのかもしれないな
ネ申がまたもや光臨とか…
興奮し過ぎて眠れんww
アァァーGJGJGJGJGJGJゥゥゥゥ! ビクッビクッ
そういえば俺、神ご光臨にリアルタイムで拝謁できるの初めてだ
GJすぎて泣きそうだよ
これはマジで金払ってでも読む価値があるよな
本編がこんな内容なら10冊ほど買っても良いんだけどなw
>>706 いやいや、本編が全く違う展開だからこそ、俺達はこれらの作品を楽しめるんじゃないか!
みんなGJ!
このスレ神大杉wwww
ssも増えてきたが、あやせと沙織の作品がまだないのか
なんだよここは神の溜まり場か!?
ペース早いは内容すげー上手いは…
お二方とも、GJであります!
>>699 おお、たしかに。見逃してました。
ありがとうございます。
>>692 先生電撃編集にボツくらったからここで発表ですか?
>>693 あとがきっていうか、じゃあ、お言葉に甘えてちょっとだけ説明入れてもいいですかね?
一応、今回のを含め(
>>63からの)一連のシリーズは2巻終了時からのパラレルのつもりで(携帯小説展開なし)
原作3巻を参考にしつつ、書いてみました。フレーズなどもところどころ引用させてもらいました。
全4章とか急に長くなったのは、4巻読んだあとだと
ターニングポイントやらの新設定が入るだろうから続きが書けないかも思ったからです。
せっかく、兄妹仲よくなるとこまで書いたから、そのあとも少しは書きたかったもので。
一応、第一章・第二章をほとんど削る形でまとめようとしたけど、どうにもつまらなくなりそうだったんで諦めました。
ともかく、長々とした奴を読んでくださった方ありがとうございます。
邪魔だなあと思った方、マジで多分、結構いると思います。すいません。わがままさせてもらいました。
これの続きもまだ書きたい気持ちはあるんですが、今後は、4巻までの設定を踏まえて
また、一から書くと思います。(多分、新しい情報がたくさんあると思うんで)
だから、(私とわからないかもですがw)またよろしくお願いします。
>>697 タイトルですが、一応保存してあるテキストファイル名は「新しい関係」になってます。そのまんまですねw すいません。
本番ルートは……期待して下さった人、本当にごめんなさい orz
>>714 最高に感動しました
今は、お気に入りのアニメの最終回を見終わったような気分です
続きも出来たらほんの戯れでも良いので書いてください
新作は毎日wktkしながら待ってます。
あと、トリップやらつけてくれませんか!?
トリップですか。まとめサイトとかもあるからあった方がいいんでしょうね。
ってことで、つけてみましたが、うまくついてるかな?
続きは書くとなったら、本番ルートにたどり着くまで頑張りますw ちょっと良心の呵責も感じてるので……
>>716 ありがとうございます!
本当にお疲れ様でした!
>>714 邪魔とか思う人なんている訳ないっすよ!
ボリュームがあって最高でした!
…これで、のこりは11P三穴ぶっ掛けと、便所触手三穴か…。
神よー早く降臨してーっ!!。
あっ また書き忘れてた、
超激GJです。
なんか本スレでネタバレがどうの騒いでるけどもうネタバレきたの?
それが怖いから本スレには行ってない
確かにネタバレはちらほらあるね
俺としてはぜひバレを見ることなく本編4を読んで欲しい超興奮するから
4巻読んだ!仕事ほったらかして!w
でもネタバレ避難してきてる人もいるから、感想は一切やめとくね……
解禁って、10日の夜中? 当然、それまでパロ書くのももだめだよな……
>>724 みんな一応、気を使って書いてるけど、本スレみるとかなりの事わかっちゃうだろ……多分。
察しのいい人ならなおさら……
と、ここまで書いて本スレみたら、盛大にネタバレされてるw 絶対行っちゃだめだね。
>>725 これがタラモサンド……実物初めてみましたw
美味しいのかな。今度、うちでも作ってもらおう……
よっしゃこのスレも見ないわ
10日までじゃあの
もう出てるのか。給料日前で買えない〜(>_<)
ネタバレ解禁は基本11日
電撃文庫の早売りは6日からだから、そのあたりでネタバレ厨が暴れだす
アマゾンが仕事をしたので新刊読了。
むう、案の定ここに投下しようと考えていたプロットが破綻した。
こんなことなら、発売前にとっとと書き上げてとけば良かったなりよ。にんにん。
こまけぇこたぁいいんだよ!
YouうpしちゃいなYO!
三巻までの設定でプロットつくったので〜云々と注釈つけたら誰も気にしないんじゃね?
むしろ投下されない方が悲しいぜ
そういや神作二つとも完結したのか…
侘びしいよぅ
終わりって新しい始まりだろ?
4巻読んでから
>>692読むとホントにボツシナリオかと思うな
ネタフリしまーす
あかね色スレにあったネタの二番煎じですが・・・
読者モデル仲間から「これオモロイから」と貸し付けられた
「レディコミ」・・内容は「ヒロイン(桐乃と同じ歳)と10人の兄弟
(上は大学4年、下は中○一年)のラブイチャくんずほぐれつの11P・・・」
と言う内容だった・・・。 興奮して寝たその日の夢で・・・
桐乃は、大学生モードの京介、現在の京介、中○生な京介達にレディコミの様に
体の全てを貪られるのであった・・・。
どうも上で似たようなネタ振った先達が居られるようですね・・・。
このネタも二番煎じかな?。
あんたもしつこいね〜
便所怪談もまだだってのにな。
小ネタ(2レス)
桐乃の趣味に歩み寄ろうと勉強したあやせと京介の会話
あ「最近わかってきたことがあるんですよ、お兄さん」
京「聞こう」
あ「多少オタクっぽいものでも、いかがわしくないものの範疇でなら、面白いものも多いかもしれないです」
京「ふぅん」
あ「えろげー?というものはちょっとハードルが高すぎますけど……」
京「あー、まあな。わかるわかる」
あ「でも、気付いてしまったんです。らいとのべるの面白さに!!」
京「ら、ライト……なんだそりゃ?」
あ「かい摘まむと、多少オタクっぽい小説のことです。知らないんですか?」
京「いや、俺はエロゲーしか経験無いし」
あ「いかがわしいですっ、近寄らないで下さい!!」
京「振って来たのはお前だろうが!」
あ「イカくさいですっ、近寄らないで下さい!!」
京「表現がひどくなった!?」
あ「まあ、冗談ですけど」
京「冗談だったんだ……」
>>739続き
あ「それはともかくお兄さん。調べてみたんですけど、最近はらいとのべるがアニメになることも多いというお話です」
京「へぇ。考えてみれば、桐乃の部屋にもあった気がするよ。学校がどうとかいうのとか、きみとぼくの何とかとか」
あ「やっぱり両方とも妹モノなんですね」
京「知っていたっ!?」
あ「読みやすくて、面白かったです。小説ですから、いかがわしくもないですし」
京「小説だからエロくないってのは、どうかと思うけどな……」
あ「文章が上手い作家さんだったりすると、台詞をそのまま使ってみたくなったりとか」
京「あー、黒猫も同じことやってるな」
あ「いかがわしいですっ」
京「何でだよ!!」
あ「私みたいなキャラを、ヤンデレっていうんでしょう?」京「こいつもういろいろと駄目だ」
なんでだろうか
ありゃりゃ木さんと八九寺の声で脳内変換される
きりりんはあれだな京介にベタぼれだったんだな。
俺は最初逆できりりんがツンデレかと思ってたけどそうじゃなかった
>>742 一巻読んだあと、桐乃って京介の事、嫌ってないよな?って発言したら
エロゲ脳乙と言われたのも、今となってはいい思い出。
まあ これで桐乃の外ヅラの態度はともかく内心は
「お兄ちゃん、大好き」だから
これからのエロSSは、『多少』京介が変態チックなことしてもOK…だよな?、
OKなはずだよね?
スカトロはさすがにマズイだろう……
何で多少変態チックがスかトロに直結するんだよwwwwww
そうだよな
おしっこは飲み物だもんな
>>746 すまん。これではいきなり「おまえウンコ喰うの?」って聞いた京介なみの短絡嗜好だな。
とりあえず桐乃が隠し持ってたスカトロシスターズを偶然みつけた京介が何を勘違いしたか
好意から色々やってしまう感じでとかでどうよww
そんなの読んでもスカっとしないな。
スカトロだけに。
^^;
おぉ、神様タイトルの付け方を勘違いしてたみたいです
修正お疲れ様です
じゅ…11Pのせん…せぇ…
もう、挫けそうれす…。
>>749 山田く〜ん、座布団全部もってって〜っW
スカトロと言えば…以前、エロ友人との話で、
自分はスカは、あまり好きではないが「連続アナル中出し精液浣腸→
アナルから精液大噴射!!(あくまで精液のみ、ウ○コ無し)」が興奮する…
と言ったら、「どっちも似たような物んじゃねぇか」って言われた…
ここにおられるエロの先輩方、意見乞います。
わざわざ茶色いものが出るリスクを冒してまで後ろでやる必要なくね?
前で「精液おしっこ」とかほうが個人的には相当来る。それでも引くけどな!
尿道を犯すのはちょっと・・・
しかし、それも一つの愛の形なのさ
>>751 まとめ作業ごくろうさんです。しかしあれって、大変じゃないの?
テキスト元ファイルとかあったほうが便利なのかな?……って思って確認しに行ったついでにつけました。
1話目はこういうスレってリレー小説するのが王道なのかと勘違いして
直接書いてたのでwテキストファイルなかったから後からつけました。あとはファイル名まま……
>>756 コピペしてるだけなので全然ですよ
すばらしい作品をうpしてくれてありがとうございます!
おまえらの愛は深くて広いな
黒猫や桐乃にザーメン浣腸なら俺も見てみたいが
こういう生意気な小娘たちを性奴隷に仕立て上げたいもんだ
>>752>>753 牧場スレへおいでやす
まさにそんなことされてるキャラいるから
桐乃ってお兄ちゃんスキスキ大好きでFAだよな?
760 :
名無しさん@ピンキー:2009/08/10(月) 13:44:32 ID:qhZR9/bE
黒猫って兄さんスキスキ大好きでFA
>>759 あえて言うと
超スキスキ大好き愛してるお兄ちゃんのことしか考えられないでFA
今北
>>651の「……それでもっ! あたしは、あんたの事、好きなのっ!」
って台詞が良いな
なんかきゅんきゅん来た
アンケートでシナリオ決めるとか・・・
それだけはやめとけよ伏見・・・
アンケートはフェイク
こっちの方が多かったからこういう形にしました
でも僅差だったので別でこっちのルートも出します
出版社大もうけ!
ハハッ
まさか
きりりんルート一択に決まってるだろ
まあ桐乃か黒猫が勝つだろうな
あやせ派の俺に謝れよ
>>766 SUGEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEE
転載しちゃって良いのか?
やっちゃうぞおれ?
>>766はスゴイなw やっぱ桐乃いいわー
今作成途上のSSは黒猫ものなんだが桐乃ものも作りたくなってきた
なんか露骨な引き延ばしにはうんざりするな
ここのSSのが本編より面白いじゃねえか
まさに選択肢間違えてのバッドエンドだわ
>ここのSSのが本編より面白いじゃねえか
心底同意だわ
まぁ、あれだ、商売だしな
みんなの心が桐乃に向かっている・・・だと?
ええい!誰か黒猫のポスターを作る猛者はいないのか!?
ちなみに言い出しっぺの俺は絵心が皆無です。だれか・・・・たすてけ・・・・
ここはBBSPINKってこともあって桐乃党近親相姦派が多いんかね?
確かに4巻の黒猫可愛かったがやっぱり桐乃が可愛いよな
そうか?
俺は桐乃と黒猫だったら黒猫の方が好きだけど
うまく言えないが
最初は全く京介のこと好きじゃないって感じの桐乃が話が進むにつれてあれ?こいつ京介のこと好きなんじゃね?
ってな感じに推移していくのがこの作品の魅力だと思うんだ
そんな中、地味子や黒猫が良い感じに桐乃の嫉妬を煽る(意図的であるかどうかは別として)それが良い感じにスパイスになってよりよく作品を引き締めてるような感じ
やっぱりあれだよね。背徳感が良いんだろうね
年齢的にも近いし一番身近な男女なわけだし、互いにそれがわかりそこに苦悩する様もまた良いよね
大好きだけど、好きになっちゃいけないから
4巻つまりそういうことなんだと思う
あれだ、離れた時間がさらに二人を引きつけるのさ!!!!
自分で読み返してみて意味不明だったけどまぁいいや
>>768 問題にならない範囲でならw
俺、二次創作ってうといんだよ。(いや、一次創作なんてそれこそしたことないが……)
桐乃応援サイト、どこかに出来ないかなあ。
なんていうかアンケートはな…
本スレにもキレて先生を罵倒してるやつがいたけど
黒猫が3番目くらいに好きな俺でも4巻終盤とアンケの妙に偏った選択肢のコンボはふしみじゃなくてふじき級に卑怯だと
まさか作者諸氏の先生扱いどころか取って代わってくれと思う展開になるとは
>>778 最近はラノベは本屋で流し読みで、今回もそれで済ませたが、
あんたの心意気をみて、アンケートのため購入することにした。
多分ブギーポップ以来だな>ラノベ買い
正直、展開自体(伏線残して一時退場)は、全く不満はないし、4巻も神巻だと思うんだけど……
アンケートってのが怖いってだけかなあ。
アンケートがなけりゃ、普通に桐乃が帰ってくるの正座して待ってた。
>>780 おう、ありがとう。そう言ってくれるだけでも嬉しいぜ。いや、アンケートも出してほしいけど!w
アンケートさえなければ次で黒猫後輩編になっても主要キャラで人気もあるし…ぐらいにしか思わないんだけどね
桐乃がいない間のサブメイン張らせるなら地味子より黒猫、バジーナかあやせだろうし
古来、1作品内部だけのアンケートなんて作者がやりたい展開、推したいキャラと合致してたときにだけ声援があったとぶち上げる道具だし
さぁ、盛り上がってまいりましまた!
これは桐乃の風が吹いてる!
伏見先生が桐乃と黒猫のどっちをヒロインにするか迷ってるんだろ
本スレは黒猫派が多いけどここは桐乃派が多いね
今回のアンケートは展開を批判された時に逃げる口実としか思えないんだよなぁ
「でも、多くの読者さん達は、この展開を望んでいたんですよ」って
桐乃でも黒猫でもその他でも良いけど作者と編集で好きなように書けよと
もし5巻がつまらなかったらアンケート出したこっちの気分が悪くなるっつーの
責任逃れ、浮気や多角関係を本妻に責められたときに相手の女のせいにする男の如し
前に大本営発表ですら「賛否両論」だった2章を今後も続けるって言ってたときにも思ったが
今度のインタビューでの桐乃用済み、イラネ的な発言で確信した
伏見氏は見かけによらず、我が強いというか無神経なとこがあるでござるな
その割りにアンケートなんて免罪符を求めたりするけど
そんなことより京赤や赤京はこのスレでやっていいのかが問題だが
作者が決めたなら不本意なシナリオでも多少は我慢できる
ただ読者が決めたのなら納得は絶対できない
>>780 ブギーは今月この作品と一緒に新刊が出ていたりするw
791 :
名無しさん@ピンキー:2009/08/11(火) 02:04:18 ID:D0mfhq9j
かなかなちゃんビッチ可愛い
メルルコス着せて罵声を浴びせられながら押し倒してあげたい
4巻発売記念SS書きました
注意事項
・4巻のネタバレ注意。どころか、4巻読んでないと理解不能かも
・4巻からの引用多し。ていうか全然独自のストーリーじゃないです。
・地の文多し。読むのめんどくさいかも。
・麻奈実が正真正銘の天然だと思う人には不快かも
・エロ無し
以上ご留意の上、お付き合いいただければ幸い。
793 :
1:2009/08/11(火) 02:25:14 ID:v2dDXeU/
うららかな春の訪れを前にして、冬の妖精達が最後の抵抗をしているような、ここ最近ではちょっと
寒いかなと思えるある日、私は、いつものように夕飯の買い物をするためにスーパーに訪れていた。
入り口でカゴを取って、今日は何にしようかな、なんて考えながら、まずは野菜売り場を眺めてみる。
そうすると、特価品と書かれた売り場に、たくさんのカブが売られているのが目に付いた。
カブかぁ。いかにも冬らしい野菜だし、終わりゆく冬に敬意を表して、今夜はカブ料理もいいかな、な
んて考えてみる。カブだったら、やっぱり和風のお出汁であっさりと含め煮にするのが良いかな。それ
とも、歯ごたえを活かしてサラダにしたらいいだろうか。でも、それじゃロックにはちょっと物足りないか
も知れないから、お肉と一緒に煮込んだ方がいいかも。
そうやってカブの調理法を考えながら、ふと視線を上げると、なんだかつまらなそうな顔をして、いつ
も私といるときより猫背で歩いている彼の姿が見えた。
私は、心の中でがっつぽーずをとる。今日は良い日だ。会えると思ってなかったのに会えちゃうのっ
て、凄く嬉しいよね?
「あれ? きょうちゃん?」
私は、きょうちゃんが近づくのを待って、いま気づいたかのように声を掛ける。
794 :
2:2009/08/11(火) 02:26:36 ID:v2dDXeU/
「お、おお……麻奈実じゃんか」
そう言ってきょうちゃんは、意外そうな顔をして私を見る。
むう、出来ればもっと嬉しそうな顔をして欲しかった。でも、欲張りすぎはダメだよね。
「もしかしてきょうちゃんも、夕ご飯のお買い物?」
「まあな」
「ふぅん……こんなところで会うなんて珍しいね。じゃあ、せっかくだし一緒に回ろうよ」
まさか断られるとは思わないけど…
「そうすっか」
そう言ってきょうちゃんは、私ににっこりと微笑みかけてくれる。
うう、これもふぇいんとっていうのかなぁ。きょうちゃんのその顔を見ただけで、さっき少し
だけ感じた残念な気持ちは吹き飛ばされて、私はふわふわと浮き立つような気持ちになっ
てしまう。簡単だなぁ、私。
きょうちゃんとお話ししながらお買い物をする。それだけでもいつもより100倍楽しいお
買い物なのに、きょうちゃんに料理のことを褒められてしまった。うう、今日という日は無
駄じゃなかった!
きっと今日はらっきーでーだ。なので、らっきーが逃げないうちに、もう一歩踏み込んで
みることにする。普段とは違う場所にいるのだから、普段とは違うことを話してもいいはず
だよね。
795 :
3:2009/08/11(火) 02:27:51 ID:v2dDXeU/
「あ、そうだ。ねぇねぇ、きょうちゃん。この前といえばさ」
「あん?」
「きょうちゃんがうちに泊まりに来てくれた日……夜、一緒に寝たじゃない?」
「バッ……! ご、誤解されるような台詞言うんじゃねえ!」
だって誤解されたいんだもん。
きょうちゃんの反応は予想通り。でも、こういう風に反応するってことは、きょうちゃんは、
今すぐ私とそういう関係になりたいとは思っていなくても、少なくとも私のことを全く女の子
として見ていないわけじゃない、そう思っていいんだよね?
「あはは、ごめんごめん。で−−あのときさ」
そして私は、あの日した約束を確認する。案の定きょうちゃんは忘れていたけど、今度
はきちんと日付けまで決められた。と、安心したら。
「おお、実はちょうどその日親がいなくてさ、メシどうしようかなって思ってたとこなんだ。
家にきて作ってくれよ」
親がいなくてさ? 親がいない、おやがいない…
待って、待ちなさい、落ち着きなさい田村麻奈実。きっと、多分、間違いなくきょうちゃん
はそういう意味で言ったんじゃない。変に舞い上がったらきょうちゃんに引かれる。冷静に、
あくまでなんでもにゃいことのように話をながすさないと。
「……ふ、ふぅん……。そういうことなら……その日に、お邪魔しよっかな」
なんとか普通に、答えられた、はず。
きょうちゃんに変なところはないし、やっぱり私が考えてるようなことは考えてないはず。
…でも、念のために、ちゃんと”準備”はしていった方がいいよね?
796 :
4:2009/08/11(火) 02:28:37 ID:v2dDXeU/
約束の日。きょうちゃんと一緒にお買い物をして、一緒にお家に向かう。
これってしんこんふーふみたいだよね? とか思ったら、笑いがとまらなくなっちゃって、
自然に鼻歌なんて歌っちゃう。
し、しかも、今日のきょうちゃんのお家には、お、おばさんもおじさんもいないわけで、多
分無いと思うけど、ひ、ひょっとしたら、本当に新婚さんみたいなことになっちゃうかも…
だ、大丈夫。昨日お風呂でしっかりチェックしたし、下着はこんな時のための取っておき
だし…
頭の中で今日これからのしみゅれーしょんを色々やっていると、いつの間にかきょうちゃ
んのお家の前についていた。
きょうちゃんに促されて、「お邪魔しまぁ〜す」と言って玄関に上がると−
あの女が立っていた
797 :
5:2009/08/11(火) 02:30:25 ID:v2dDXeU/
てっきり誰もいないと思っていたから、ビックリして一瞬思考が働かない。
…そういえば、きょうちゃんは、親がいないと言っただけで、こいつのことは一言も言って
いなかった。私としたことが、一番邪魔なヤツのことを忘れていたなんて、ちょっと浮かれ
すぎていたかもしれない。
さっきまでの幸せな気持ちが7割減にしぼんでいくのを感じながら、私は体勢を立て直
す。そうしていると、あの女が私のことを凄い目つきで睨み付けてきた。
あらあら、きょうちゃんの前で、よくそんな顔ができるね?
ちらりと隣のきょうちゃんを見やる。ほら、やっぱりあなたの顔を見てビックリしている
よ? いいのかな?
「あ、桐乃ちゃん。こんにちは〜」
そうやって、私は声をかける。あくまで友好的に、この女の態度なんて全く気にも掛け
ない風に。そして、まるでいいお姉さんみたいな調子で、一生懸命コミュニケーションを
取ろうとするみたいに話しかけてみる。
でも、「桐乃ちゃん」は全く取り合わないで、ずっと親の敵を見るような目で私を睨み続
ける。
ふふ、そうだよね? あなた、「お姉さん」なんて要らないもんね? でもいいのかなぁ、
ずっとそんな態度だと…
「おい桐乃−てめえ、いい加減にしとけよ……?」
ほら、「お兄ちゃん」に怒られちゃった。
798 :
6:2009/08/11(火) 02:31:42 ID:v2dDXeU/
さて、どうするのかな? と思っていると、あの女はきょうちゃんを家の奥に無理矢理引っ張って行った。
それがあまりに一瞬だったので、私はあっけにとられてしまった。
すごく強引で、遠慮がない。それは、とても親密な関係を思わせて。
でも、あんなのが許されるのは、妹だから、だと思う。きょうちゃんは、あいつがあいつだから許している
のではなく、妹だから許しているのだ。これは希望的観測では無いはず。
少しだけ弱気になりそうになったけど、こんな事で挫けているわけにはいかない。とりあえず、何を話して
いるかは聞いておかないと。どうせ大声で話しているんだろうから、部屋の中から見えない位置に立って
いても話は聞けるはず。
リビングの側で、中の会話に聞き耳を立てる。あの女の言い分を要約すると、「あたし達の家に女なんか
連れ込まないで!」というところかな。でも、言い方がストレートじゃないから、きょうちゃんには伝わってい
ない。
まあ、当たり前だけどね? たとえ鈍感なきょうちゃんじゃなかったとしても、妹が自分に異性として好意
を持っているなんてこと、普通考えもしないだろうし。何よりあの女自身、好意を表沙汰には出来ないのだ
から。
ただ、今のアイツは興奮し過ぎていて、ボロを出しそうな気配がある。時間的にもそろそろ良さそうだし、
止めに入るべきだろう。
799 :
7:2009/08/11(火) 02:33:07 ID:v2dDXeU/
「あ、あのぉ…? 二人とも…けんか、しないで〜…?」
私の進入に一瞬静まりかえった後、あの女は忌々しげに舌打ちをした。
その様子を見て、きょうちゃんはアイツを叱りつけようとする。きょうちゃんの気持ちは
嬉しいけど、また喧嘩に逆戻りというのは避けたいので、私はきょうちゃんを遮ってアイ
ツに頭を下げた。
ここは、あくまで低姿勢に、のれんに腕押し糠に釘といった態度でいくことにする。そう
すれば、自然とあの女の評価は下がり、私の評価は上がるはず。
そうすると、案の定、私の得意分野に自ら飛び込んできて玉砕したあの女は、「フン、
えっらそーに…。…いつもいつも…! いちいち当てつけっぽいんですケドぉ! むか
つく…!」という捨て台詞を残して、すごすごと逃げ帰ることになった。
ばいばい、どうせなら今日はもう出かけちゃって、そのまま帰ってこなくてもいいよ?
それにしても、「いつもいつも、当てつけっぽい」ねぇ。私、アナタに対して何かした覚え
なんてないんだけどなぁ。まあ、私ときょうちゃんが一緒にいる時に、良く遠くから見てい
たのは知っていたけどね? 一昨年のクリスマスはお疲れさまでした。
800 :
8:2009/08/11(火) 02:34:17 ID:v2dDXeU/
ようやくあの女がいなくなったので、やっときょうちゃんと二人きりになれた。
きょうちゃんと一緒だと、お掃除だってとても楽しい。
お掃除が終わって、そろそろかなと思っていると、案の定あの女が降りてき
た。はいはい、上手い作戦は思いつきましたか?
さてどういう手でくるかな、なんて思いながら見ていると、あの女は私の仕事
に次々にケチを付け始めた。なるほど、どうやら私のことを怒らせたいらしい。
要は、相手の減点狙いの作戦。
でもこんな作戦、分かってしまえば対処は楽だ。しかも、ケチを付ける箇所が
いちいち不用意で、墓穴を掘っているとしか思えない。アナタ、私がそんなミス
をすると思っているの?
それにしても、この女、噂では相当な才女だって聞いていたけど、実際に会っ
てみたらとてもそうは思えない。そういえば、子供の頃に一緒に遊んだ記憶で
は、コイツは結構馬鹿だったような気がする。
結局あの女は、アニメまんがのやられ役みたいな台詞を残して、またすごす
ごと逃げ帰っていった。さようなら、今度はこっちから呼んであげるから待って
いてね?
801 :
9:2009/08/11(火) 02:35:49 ID:v2dDXeU/
お掃除が終わればお料理です。男はエサで釣れっておじいちゃんも言っていたし、俄然力が
入ります。
ちなみに、お昼のめにゅーは、前にきょうちゃんが美味しいって言ってくれたトンカツです。念
のため、昨日1回練習しておきました。
きょうちゃんのお家のお台所でお料理をしていると、あの女のせいで消えかかっていた新婚さ
ん気分がまた沸き上がってきた。きょうちゃんもじっと私をみていて、なんだか良い雰囲気?
「や、やんも〜……きょうちゃんったら、さっきからこっち見て、どうしたの〜?」
「いやぁ、ババくせーなぁって」
ひ、ひどっ!? いつものきょうちゃんの意地悪な言葉だけど、あの女と会った後だけに、いつ
もより私のこころのだめーじは大きい。
やっぱり、もう少し女の子らしく、可愛らしくした方が良いのだろうか。あの女のように、お化粧を
して、今風のオシャレをして。
でも、私は思う、ババくさくなくなった私と、きょうちゃんは一緒にいてくれるのだろうか? きょう
ちゃんは、変化を望んでいるのだろうか?
答えはNo、だと思っていた。きょうちゃんは、そんな変化を望んでいない。子供の頃から続く緩
やかな日常の中で、ゆっくりと過ごすのがきょうちゃんの望みだと。今まではそう思っていた。
でも、最近はそれが本当に正しいのか、分からなくなってきた。ひょっとしたら、私の知らないう
ちに、きょうちゃんは変わったのだろうか? それとも、もともと変化を望んでいなかったのは私の
方で、それをきょうちゃんの望みだと、自分に言い訳していただけなのだろうか? それとも…
802 :
10:2009/08/11(火) 02:37:17 ID:v2dDXeU/
揚げ上がりを知らせる油の音の変化が、私の意識を引き戻す。危ない危ない、
ここで失敗しちゃったら台無しだよ。
きょうちゃんに料理が出来たことを知らせて、あの女を呼んでくれるようにお願い
する。上の部屋にいることが分かっているんだから、あの女の分も作らないわけ
にはいかないもの。
それに、きょうちゃんの話では、きょうちゃんのおばさんはあまり料理が得意では
無いみたいだ。だとすれば、その娘であるあの女の料理の腕も推して知るべしとい
ったわけで、私の得意なふぃーるどで戦えるはず。しかも、もしあの女が戦いを避
けて降りてこなければ、せっかく私が料理を作ったのに食べないということで、あの
女は大減点になるだろう。
なんて、必勝の態勢で臨んだはずだったんだけど…
私の期待を裏切り素直に降りてきたあの女は、料理のカロリー高そうだからご飯
は少しだけでいい、とか言ってきた。
うう、スタイルのことを持ち出すのはズルい。しかも、今は一年で一番お肉がたま
っている時期だし。なんと、ウエストは夏に比べて7センチも増えてしまっている。き
ょうちゃんは、それほどスタイルには拘らないと思う、けど…
私はあの女の方をちらりと見る。さすがにモデルなんてやってるだけあって、悔し
いけどむちゃくちゃスタイルが良い。…きょうちゃんは、毎日これを見てるんだよね?
803 :
11:2009/08/11(火) 02:38:00 ID:v2dDXeU/
「はぁ〜」
今日きょうちゃんと「そういうこと」にならなくて、良かったのかも知れない。この女までは
無理としても、そういうことになるのなら、せめて夏くらいの状態にはしておきたい。
そんな感じに落ち込まされたけど、あの女は食事中一言もしゃべらなかったので、食事
自体は問題なく終わった。
しかも、あの女は最後に「おいしかったです」とか言い残して行った。出来れば貶すなり
して欲しかったんだけど。まあ、そこまで馬鹿じゃなかったってことかな。
ただ、さっきに比べて妙に静かだったのが気になった。今までのやり取りくらいで根を上
げるタマだとも思えないので、きっと何か企んでいるのだろう。
804 :
12:2009/08/11(火) 02:39:24 ID:v2dDXeU/
「その…きょ、きょうちゃんの部屋…見たいなぁ…なぁんて…ダメ?」
あの女が何を企もうと、私は私で前に進むだけだ。来る前から、きょうちゃんの部屋
には入れて貰おうと思ってたし、それに場所が変われば向こうの企みを外せるかもし
れない。
二階に上がってすぐ左手にきょうちゃんの部屋。間取りからして、その隣があの女の
部屋なんだろう。
その「近さ」に、一瞬言いようのない焦燥感が沸き立つ。けど、今はきょうちゃんの部
屋だ。考えても仕方ないことを考える暇はない。
「ここが俺の部屋な。…ま、入ってくれ」
そう言ってきょうちゃんがドアを開ける。私がきょうちゃんに続いて部屋の中に入ろうと
すると…
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
きょうちゃんがいきなり大声を上げて走り出した。
「ど、どうしたの…きょうちゃん…?」
私はびっくりして立ちつくしてしまう。きょうちゃんは、机の上の何かを必死で隠そうとし
ているみたいだ。
こんなに慌ててるきょうちゃんは久しぶりだ。ううん、初めてかも。何を隠しているのか
知りたいけど、無理に聞いたらダメだよね。
そう考えて、部屋の別のところに目を移すと、床中に本が散らばっているのが見えた。
え〜と、表紙に女の子の裸があるし、これっていわゆるえろほんってやつだよね?
805 :
13:2009/08/11(火) 02:40:51 ID:v2dDXeU/
ああそっか、これがあの女の策ってわけね。
よく観察してみると、眼鏡の娘が表紙になっている本がやけに多いのに気づく。これって
多分、きょうちゃんの本でいいんだよね? だとしたら…
手近にある一冊を手に取り、中を開いてみる。
「わ、わわ……すごい」
こういう本って初めて見たけど…えーと、ここってこんな風になってるんだ。私のもこんな
感じなのかな? 今度鏡で見てみようかな…もし変だったらやだし。
「ぼ、没収っ…!」
「あっ…」
取り上げられちゃった。
「……眼鏡の娘ばっかりだった」
私がそう言うと、きょうちゃんは何か叫びながら必死になって本をかたす。
やっぱりきょうちゃんの本だった。私は心の中でこの間の十倍くらいのがっつぽーずを取る。
きょうちゃんにとって一番の「そういう対象」になっているのは、あの女でも他の誰でもなく、
私ということだから。これは自惚れではなく、きょうちゃんにとって眼鏡といえば私のはずで、き
ょうちゃんが眼鏡の娘のえろほんをたくさん持っているってのは、つまりそういうこと。
なんだかしょっくを受けてるみたいなきょうちゃんを、むずむずした気持ちで見つめていると、
机の上のぱそこんがしゃべりだした。
806 :
14:2009/08/11(火) 02:42:37 ID:v2dDXeU/
『おにいちゃんはねー、妹にしかよくじょーしない、変態さんなんだよぉ〜』
あんまりなセリフに私が戸惑っていると、きょうちゃんは一層慌てた様子で、なんだか訳の分
からない言葉をまくし立てていた。
ここはとりあえず分からないフリをしておこうかな。
「きょうちゃん…よくじょ〜ってなに? おふろのこと?」
そう言うと、きょうちゃんは「う、うう…」とうめいて、絶体絶命みたいな顔をして脂汗を流し出した。
え〜と、つまりどういう事だろう。きょうちゃんは「眼鏡と妹によくじょーする変態」ということになる
のだろうか? つまりきょうちゃんは、私だけでなく、あの女のこともそういう対象として見ていると。
さっきの歓びが大きかっただけに、一気にがっかりしそうになったが、ふと私は別のことに思い
当たった。こうやってえろ本とかをばらまいたのは、あの女の仕業だ。では、あの女は何のために
こんな事をしたのだろう?
きょうちゃんが妹でもOKな人であることを見せて私を牽制したいだけなら、本まで出す必要は無
いはずだ。むしろその場合、眼鏡の娘ばっかりの本の方は隠しておくべきだろう。
807 :
15(終):2009/08/11(火) 02:44:04 ID:v2dDXeU/
…ひょっとして、こういうえっちなものを出しておけば、私が怖じ気づいて逃げ出すとでも
思ったのだろうか? 眼鏡の娘のえろほんをみて、自分がえっちな目で見られていると思
って、私が嫌がると。
もしそうだとすれば、これは嬉しい誤算。だって、私がそう感じるとあの女が思っていると
いうことは、あの女自身がえっちなことに対して逃げ腰だってことなんだから。
「…そっかあ」
そんなに焦る必要はないのかも知れない。
少なくとも、きょうちゃんは、私のことをちゃんと女の子として見ている。
そして、きょうちゃんのすぐ側にいるあの女は、今のところそれほど恐れる存在じゃない。
今日の様子では、まともにきょうちゃんの気を引くことなんて出来なそうだったし、過激な
手段に出る危険性も低そう。
今までのように、少しずつ進んでいけば、大丈夫なのかも。
「…えっと…きょうちゃん…その…」
とりあえずその一歩として
「…これからは、おにいちゃんって呼んだ方がいい?」
眼鏡で妹なら最強だよね、きょうちゃん?
「渡る世間の鬼と鬼」 完
最近わかったことがあるんですが
神様は夜がお好きなんですかね。寝てる間に投下とかサンタさんですか?
超GJです!
地味子……作中では天然な描写しかされてませんが、実はこのような恐ろしい子っ……
なのかもっ!?
天然にも偽と真がいるからなw
>>778 馬鹿なっ、文書も書ける上にこんな物まで作れるだとっ!?
邪険に扱われない程度に転載させていただきますね
桐乃応援サイト
これは作るしかない!
トップはこの応援用ポスターで
そろそろアンケートの話題は本スレだけにしようぜ
桐乃信者とか黒猫信者とか地味子信者とかが衝突して荒れるから
大丈夫。互いを尊重すれば争いは生まれない
信じ合えば憎悪は生まれない
ここはエロパロスレです。作品に関する雑談は然るべきスレにてどうぞ
…1……1…ぴ…!?ぱたっ、ぴくぴく(チアノーゼW)…。
桐乃(作品継続中に)ちゃんと戻って来て活躍すんのかなあ。
こない、もしくは帰っても以前みたいな活躍しないって分かってれば、
高校編でSS書きたいけど、活躍するなら妙な先読みみたいなことしたくねえし。
中学生のロリ桐乃も好きだったが、やっぱ高校生の桐乃ってのはワクワクするな。(性的な意味で)
やっぱ黒猫か桐乃かあ
俺はあやせを推したいんだが・・・、どちらかと言えば桐乃か・・・
桐乃か黒猫かっていうと黒猫だけど
正直あやせ派だ。
>>816 クリスマスデートの時に電話かけまくって来たときはちょっと期待したんだがなあ。
>>818 あやせは3巻までだと微妙につかみ所なかったが、今巻でSSとかも増えるんじゃないかな。
しかし、桐乃とあやせって、親友のくせにお互い、猫かぶりあってたんかなwww
黒猫も良いキャラしてるけど
京介の嫁ってことになるとやっぱり桐乃が一番だと思うんだよね
桐乃も黒猫もただの当て馬だろ
どう考えても正ヒロインは地味子じゃん
アンケートのルート分岐は単なる桐乃迂回ルートになるだけって説と、
今後のヒロインを決定するものだって説があるが……
後者だと、選択肢に名前の載ってないキャラはちょっと絶望的だな……
824 :
名無しさん@ピンキー:2009/08/12(水) 00:51:33 ID:cg6STikK
引き延ばすために
黒猫人気あるのでちょっと黒猫のはなし書きますね^^
でもアンケートに意味はありません^^
嘘だけどアンケートの結果こうなりました(キリリッ
これだろ
今後のヒロイン決定は無いだろ
タイトルがあれだからな
最終的に桐乃ルートにするならアンケートなんてする意味ないじゃん
伏見自身が桐乃ルートにするか黒猫ルートにするか迷ってるんだろ
826 :
名無しさん@ピンキー:2009/08/12(水) 01:03:47 ID:cg6STikK
アンケート自体に意味はないけど
アンケートをとったってことに意味があるんだよ
>>792 うむGJ
面白い
地味子が偽天然という設定も、思ったより嫌な感じにならなかったのがイイね
桐乃の内面の考察とか、地味子鋭すぎてコエーw
829 :
828:2009/08/12(水) 01:24:46 ID:WrzBJNFQ
>>829 横レスだが一応読者の意見を取り入れましたよー
というポーズが欲しいんじゃね?
831 :
名無しさん@ピンキー:2009/08/12(水) 01:35:48 ID:cg6STikK
どんな結果に転んでもファンの皆様の意見を反映しました^^
お客様のせいです^^
ってことにできるやん
普通に冒険するから読者の意見が欲しいってことで、特に疑念を挟む余地なくね?
ただ、(おそらく編集の人が)、ショーアップして、ガチで!って言い出したから、
なんか微妙に感じちゃう人もいるのかもだけど。
普通に「これはまだ未定ですが、おそらく、しばらくの間、桐乃は登場しません」って予告して
反発が多かったら、普通に変更するだろう、きっと。それと同じことなんでは。
まー商売だしな
売れそうなものができたら多少醜くてもやらんとあかんのだろう
>>830-831 元から桐乃ルートだとわかってた作品なんだから桐乃エンドだったとしても読者からの反感は大してないと思うんだが・・・
桐乃が不人気ならわかるけど別にそういうわけでもないし
俺はむしろあのアンケートで伏見は桐乃ルートをやめる気だと思った
まあこれは俺の暴論だからスルーしてくれ
俺はこの売れた作品を容易に引き延ばす方法として黒猫ルートを起用
するとあからさまな引き延ばしだ!
と叩かれるだろ?
それを回避するためのアンケート
アンケートの結果黒猫の人気が高かったので書きました^^
延命じゃありません
こうじゃないかと思うんだよね
ここでSS投下してくれる人の作品のがおもしろいよねw
>>835 確かにここのssは良作が多いし面白いけど
原作があっての二次創作なんだからあんまり原作を貶めるようなことを言うのは控えとけよ
>>836 すまん。怖くて読めなかったけど今4巻の4章だけ読んできた
確かにおもしろかった
ただやっぱり見なきゃよかったわ
桐乃ブワッ
いや、マジでにここのSSのが面白いぞ
今回の展開はクソ以外のなにものでもない
どんなに贔屓目に見てもそれはない
まぁまぁ、どちらも違ったおもしろさがあるじゃないのさ
なんできりりん京介になにも言わずに行ってしまったんだろな
気付いて欲しかったとはまた違う気がするんだが
だからどこかで選択肢を間違えたってことじゃん
じゃあ正しい選択肢を選んだルート書きます
アメリカに一緒に行くのか
ちょwwwまwwwwww
外堀を埋めた後に京介に話そうとしてたみたいだからアメリカに一緒に行くっていう選択肢は確かにありそう・・・・
某らっきょの某あざかさんみたいに、離れて兄妹という意識をなくす策略やも
金髪ロリのオタク仲間を連れて日本に帰ってくる展開があると信じている…
ぐふふ
アンケートの趣旨ってもしかしたら、作者が素直に兄妹のラブラブを書くのが恥ずかしいからってのはないだろうかw
ポジティブ!
そろそろ保管庫が欲しいぜ。
総合保管庫に入れて貰うにはどうすればいいんだろ・
>>850 保管庫の掲示板で申請すれば管理者も検討はしてくれるだろうけど、
あそこも今や膨大な数のスレを保管していて負担もかなりのものだろうから、
wikiが機能してる以上はここは今のままで続けた方がいいんじゃない?
>>848 ブリジットちゃんが何か言いたそうな目でこちらを見ている。
>>848 リースが何か言いたそうな目でこちらを見ている
どうやら連れていってほしいようだ
>>807 原作読んだけどうまいこと出来てるなwwwwww
桐乃厨と黒猫厨氏ね
人気あるからって調子のんな
伏見のお気に入りは麻奈美だから結局麻奈美エンドで終わるよ
>>855 地味子END大歓迎。
アフターで地味子vs桐乃・黒猫連合の嫁小姑バトルやってくれればよい。
自作自演乙
まぁ、あれだ落ち着けよ
まぁ、キレイに人間関係の面で当たり障りなく終わるには地味子END(を匂わす)が良いのかもな
俺は京介が桐乃と二人暮しをしつつ休日は黒猫やあやせ、沙織なんかが遊びに来るってラストを期待しているが
取り敢えず初心に帰って、このラノベのタイトルを思い出してみようか。
そうそう、まぁ何んだ?
ここはひとつ京介と桐乃・黒猫・あやせ・地味子で
みんな仲良く5Pと言うのは…。
>>861 アンケート次第で出番が無くなる使い捨て(苦笑)
桐乃使い捨てにされたら読む意味無くなるんだが…京介×桐乃で綺麗に終わらして欲しいわ
だよなっ!
いやだかちょっと待って欲しい
桐乃×京介では無かろうか?
攻めが桐乃だろjk
…その発想はなかったわ。
それってどんな感じになるの?
触りだけてもちょっとSSしてみて。
ShikoShiko
ところで413氏の続きはまだですか?
かなり好きな展開なんだけど
>>864 さすがにキャラクターファイル01の「主役」を使い捨てとか、
作家の今後の信用にかかわるレベルだろw
それも皆が納得できる展開とかならともかく、いかにも先がありますよって含みもたせたまま……
ただ、使い捨てはないだろうが、アンケートによっちゃお休み期間が1年とかはありえるんだよな……
>>870 期待してるw
使い捨てまではいかないだろうけど、ヒロイン降格なら十分ありえるな
最終的にただの家族愛で終わるかもしれんし
ま、アンケート次第だろ
そんなツマラン展開で誰徳だよwwwww
桐乃「京介……大好き」
で終わるよ
マジで
誰得って黒猫信者とかあやせ信者とか地味子信者とか沙織信者とか加奈子信者が得するだろう
桐乃エンドこそ桐乃信者しか得しないわけだし
どの信者も得する終わり方なんてハーレムエンドくらいしかないよ
しかしアンケートの問2からして黒猫ヒロインでいく場合桐乃は出さない
つもりなのが見え見えなんだが。
出てくると一定の描写はどうしても必要になり、伏線の回収もしないと
いけなくなるからめんどくさい。それよりは「留学中に陸上の実力つけて、
高校もアメリカで陸上特待生として通う。そしてX年後に五輪に出場してる
のを夫婦となった京介と黒猫がテレビで観る」というあらすじを最終巻で
少し出す方が実際に書きやすいだろうな。
今回は「アンケートの結果で展開を決める」という大義名分があるから、
かなり思い切った展開もありえると思う。
つ本のタイトル
そーゆうのは本スレでやりなさいw
書きたいことはいろいろあって案を6つほど考えて超大まかな内容をテキストに落としてはみたんだけど
そこから一向に進まないんだよね
こう、なんて言うかな?書きたいんだけど進まないんだよね
どうすればいいか教えてください!!
桐乃を使い捨ての穴奴隷として使用したい
しかしなんでこんなアンケートの結果により云々なんてことしたんだろ
どれが一番好かれてるかを知りたければ公式人気投票やれば済むことなのに
このスレのちょっと前を読めばいろいろ書いてある
>>879 思うがままに書け
さぁ、書け
>>879 ひたすら書くしかない。
プロでもなければプロット作りは楽しいだけだし、二次創作であれば簡単にアイディアが浮かんできて当然で楽でもある。
ただ、実際に書く作業は、単に楽しいだけではなく、大変な部分が出てくる。
どうしても筆が進まない時もある。
そういうときは、じっと耐えて一行ずつ書く。推敲しながら書く。後で消すハメになるかも知れないけど書く。
>>877 本のタイトルに「妹」が入ってるからって桐乃エンドになるとは限らないよ
某禁書なんて空気だし
そういえばあのラノベも人気あるキャラが優遇されてたな
やっぱ俺妹もアンケート次第だろ
インデックスの方は、インデックスこそ地味子ポジでしっかりいついてるからいいんじゃない?
桐乃とはかなり事情が異なるような。
桐乃がヒロイン降格とか…某ガンダムみたいに糞化しそうだな
>>884 あれが地味子ポジ・・・?
なにをいってるんだお前はw
第一、序盤はちゃんとヒロインやってたぞ
まあ禁書と違って桐乃は人気あるからアンケートも勝てるんじゃないか?
アンケート勝てれば無問題なわけだし
アンケート勝っても作者次第だよな
アンケート無視で作者次第とかになったら、作者が大好きな地味子エンドになっちまうぞ
アンケートは票数公開してほしい
そうじゃないとあの黒猫プッシュ兼厨オブ地味子厨な作者は信用できん
公開しても謎の伸びで作者の贔屓キャラが〜なんてよくあるから完全には信用できんが
アンケート調査は投票ではない件
>>881-882 どうもありがとう!
とにかくやってみる
みんなが望む内容をここで保管できたらいいなぁ〜
後の文豪である
本スレより爽やかだな……
桐乃信者がちょいとウザイけどな
そうゆう事言うなよ。
ウザくてサーセンw 心配事が無くなったので、バジーナのような気分で受け流せる幸せ。
まぁ、仲良くしましょうよ!
俺の尻貸してやるから仲良くしようぜ
899 :
名無しさん@ピンキー:2009/08/15(土) 21:03:08 ID:cCWj9DeE
黒猫は高校にいったらイジメられそうな気がする・・・。
そこで兄さんが活躍するわけですな
…そしてまたあらぬ誤解が増えていく
>>899 人間風情に黒猫をどうこうできるとは思えない
まあ友達は出来そうには無いが・・・
黒猫狙いで京介氏ねってのが出そうであるが
『京介へ 出掛けてきます お父さんは今日も遅くなるそうなので晩御飯は勝手にたべてね☆ 母より』
「はぁ……今日もかよ……」
お袋の奴、桐乃がアメリカへ留学してからというもの、どうも家事をサボりがちだ。このままじゃ、マジで田村さん家の子になっちまう。
でもそれも仕方ない事なんだろうよ。何たって桐乃の奴は、自慢の娘だったからな。自慢じゃない息子、俺の扱いなんてこんなもんさ。
………っといけねぇ、劣等感丸出しじゃねえか。
この一年、桐乃の奴の人生相談とやらに乗っていた、いや、乗らされていた。その過程で俺自身が得たもの、気付かされた事だって沢山あるのさ。情けは人の為ならずってな。
妹、桐乃に対する嫉妬や劣等感に気付けたのも、そのお陰だろうよ。
にひひ、と桐乃が笑ったような気がした。
その時、玄関のチャイムが鳴った。
A−1>
「なんだ、お前か……」
「……人の顔を見てがっかりするのは止めて頂戴、先輩=v
「ん、わ、悪い、丁度考え事してたんだ」
「……っふ……どうせ、丸顔モデルの事でも思い返して変態行為に及んでたのでしょう?相変わらず変態ね、先輩≠ヘ」
「断じて違う、と言っておこう。まっ入れや」
「……お邪魔するわ」
もう説明するまでも無いだろう?こいつの名は黒猫、桐乃の友達で俺の友達だ。
この春、俺の高校に入学、先輩=A後輩≠フ間柄でもある。
しかし、こいつに先輩≠ニ呼ばれる日が来るとはね。嬉しいような、くすぐったいような…。まあ、それはさておき、
「で?今日は何か用か?」
「……いちいち勘に障る物言いね…。いいわ、そんなに聞きたいのなら教えてあげる」
俺もこの一年で成長したのさ。もういちいちツッコマねーぞ。
黒猫はゆっくりと息を吸うとこう言い放った。
「実は相談≠ェあるの」
【つづく】
早起きして良かった
桐乃ルート?
まぁ、冗談だろ
>>902 期待してます!
>>904 桐乃大好きだなw
こっちは桐乃と京介の組み合わせが好きなんだけどw
朝食はちみつトーストにしたからうpしようとおもって写真とったけど
どう見てもただの食パンにしか見えないからやめたw
そして半端無く甘い!
そして
>>739さんすみません
見落としてましたorz...
A−2>
「…………!!………!……」
すまん、限界。
お前もか!お前もなのか!!何で俺の周りの女共は、そのセリフが好きなんだよ!つーか、本気で陰謀感じるんですけど!
「相談に………乗ってくれる?」
しかし、黒猫は俺の様子お構い無しで訊いてきた。
うつむきがちに、真剣に。
…………悪かったよ、俺としたことが取り乱してたぜ。でも、しょーがねーだろ!?アレやコレを思い出したらさぁ!
しかし、まあコイツの相談、ってのも心当たりはあるんだよな。
ひとつは、人間関係の事だろう。コイツの事だ、クラスで孤立しててもおかしくない。いや孤立してないほうがおかしい。
もうひとつはコイツの創作活動について、だ。
俺がどれだけ力になれるかは分からないが、そういう事なら出来る事はするつもりだ。……可愛い後輩の為だしな。
「当たり前だろ?で、なんだ相談って」
「……本当にお人好しね、先輩は。……でも、ありがとう。………それで、相談、なんだけど……」
ごくり、俺の喉が音を鳴らす。
桐乃の御陰で今の俺には、どんなぶっ飛んだ相談でも受け止める自身がある。が、これは真面目な相談だ。自然、こちらも真剣になる。
そして黒猫は、
「いますぐ服を脱ぎなさい!」
「な、なんだってェェ−−−−−−−−−−!!!???」
【つづく】
命令w
どうも!今日はついったーがゲーム休みwっぽいので
暇潰しにでも読んでいただけたら幸いです。
わっふるが止まらない
わっふるわっふる
915 :
名無しさん@ピンキー:2009/08/16(日) 19:03:17 ID:RDebgAbO
あげ
A−3>
ぐおぉぉぉぉ!今なんつったコイツ!命令口調の相談ってなんだよ!桐乃ですらしてねぇ!初めて聞いたわっ!いやいや待て待て、ツッコムのはそこじゃねぇ!
返せっ!俺の真剣を返してくれよぅ………。
俺は余りの事に脱力し、ゆっくりと膝から崩れ落ちた。
「あら?私は跪け、とは言って無いわよ。服を脱げ、と言ったのよ」
「んなこたぁ分かってるよ!!何で服を脱がなきゃなんねーんだ!」
「少し落ち着いて頂戴。全く、一から説明しなくてはならないなんて。人間風情を信用した、私が愚かだったわ」
「偉そーっすね!」
黒猫は鞄の中からスケッチブックを取りだして、俺に寄越してきやがった。
「お前、これ………」
正直、驚いた。スケッチブックには様々な物が描かれていた。どれも物凄く上手い。
「スッゲ、なにこれ、全部お前が描いたのか?」
「当たり前でしょう。…でも先輩が言うほど凄くはないわ。……専門の人から見れば、デッサンが狂ってるって言われるでしょうね…」
「これでか!?」
黒猫は、こくり、と頷いた。
「それで、何で先輩に服を脱いで貰いたいかというと………」
「あ〜皆まで言わんでいい。つまり、あれだろ?」
「そういうことよ」
そう、コイツ、黒猫はこの俺に
ヌードモデルをやってほしい
と言っているのだ。
【つづく】
黒猫おおおおおおおぉぉぉぉおおおぉぉ
918 :
名無しさん@ピンキー:2009/08/16(日) 22:27:12 ID:IRI1UM6W
ああもう黒猫はかわいいなあ!
A−4>
「お前の言いたい事はよく分かった」
「脱いでくれる?」
「できるかーー!!」
幾ら可愛い後輩の頼みでもこれは無理! いや可愛いからこそ無理!
「せめて服は着てていいだろ!?」
「ええ、構わないわ。……けど、そうね、体のラインがでる服、学校指定の体操服に着替えてもらえないかしら」
くっコイツ、初めからそのつもりだったな? 今更断れねぇ。 つーか、最初からそう言えよ! …………照れ隠しなのか………?
……………わっかりずれぇーー!!
さて、そんなこんなでモデルをやる事になったのだが…………
黒猫が絵を描いているところを初めて見た。
そりゃ、あれだけの絵を描いてたんだ。半端じゃねーとは思ってたが予想以上だ。
ぴん、と張った静寂な空気の中、黒猫の鉛筆が奏でる音だけが流れていく。
真剣な表情。伏せられた切れ長の大きな目。長い睫毛。
見とれていた、と言っていい。
だから黒猫の
「やはりシャツだけでいいから脱いでくれないかしら?」
って言葉にも頷けたんだ。
「今日は本当にありがとう、先輩」
そうやって素直に頭を下げる黒猫は本当に可愛かった。
「何かお礼ができればいいのだけど………」
「いいって、俺にとっても有意義な時間だったしな」
「そういうわけにはいかないわ。……………あのっ」
黒猫の白い肌がみるみる朱色に染まっていく。
「わ、私のも、み、見る?」
【つづく】
>>919 超GJ!
黒猫大好きだからすごい良い
だけどもうちょっと書き溜めてから投下した方がいいかも
俺は気にしないけどそこらへん過剰反応する人がいるから
(´・ω・`)……黒猫様の下僕になれなかったお……
>>920 thx うん、そうするよ……今日はもうだめだ………
なんだこいつ
きめぇ
喧嘩すんなよ。荒れるし仲良くしようぜ
>>922 その程度の煽りなど、この身にとってはそよ風のようなもの
三十過ぎでこんなもん書いてる俺に死角などないわ!
かっけぇww
>>925 本当にすまん。本気で気持ち悪い。
てか下僕じゃなくて眷族だろう。
928 :
927:2009/08/17(月) 19:15:21 ID:lTHxpHLB
と思ったら下僕で合ってたね。
本当に申し訳ない。どこかで吊ってくる
眷属になれたら羨ましいけど、下僕じゃどーでもいいや。
下僕の良さがわからないとは・・・
桐乃「ふーん、地味子とは生でするくせに、私とやるときはゴムつけるんだ」
桐乃「ま、いいけど………ねぇ兄貴、ここになんで針があるとおもう? このゴムの中の精子、いつもより少ないと思わない?」
だがそれがいい!
つーか、
>>932乗ってくれてサンクソwwwwwwww
桐乃「…あっ、少し垂れてきちゃった(微笑」「コポッ…タラーッ」
936 :
名無しさん@ピンキー:2009/08/18(火) 19:19:49 ID:j/pXjc4F
兄貴の額からも汗がタラーッ
ヤンデレ・・・?
いや策士なだけか
桐乃「フフフッ…あっ、いっけなーい今日『あの日』なのすっかり忘れてたわ(微笑」【秘所から白い液に混じって赤い液も…】
A−5>
「…………………………」
何秒、何分、経ったかなんて、俺には分からなかった。
とにかく、その時の俺は完全に放心していた。 魂が抜けるとはこの事だ。
そんな俺を現世に引き戻したのは、
「……………………ひっ………………っぅ………」
「ちょっ!?お、おま、なな何で!?」
何で泣いてるんだ? 俺の記憶が無い間に、一体何が起きたっていうんだ? おい、俺、何をした!?
……さっぱり分からねえ。 分からねえけど、
「と、とにかく泣き止んでくれ!俺が悪いのなら謝る!ゴメン!……そ、それとも、本当に、俺が何かした、のか?」
黒猫が大きくかぶりを振ると、瞳から涙の粒が散った。
「せ、先輩、が……グスッ、…な、何も……グスッ、言って……くれない、か…ら……グスッ」
「ばっ………」
その先はなんとか言わずにすんだ。 当たり前だ、馬鹿は俺だ。それも大馬鹿野郎だ。
ようやく、置き去りにされていた思考が追いついてきたぜ。
黒猫は精一杯の勇気を振り絞って、言葉にしてくれたんだと思う。 私のも、見る?と。
……けれど、どうする?
正直に答えるか?
『見たいでーす』
…………………これは、無いな。 何か色々と終わってる。
俺には全然、経験値が足りていなかった。
くあぁぁー―――――!!! こんな事なら桐乃の奴のエロゲー、もっと真面目にやっとけば良かった!!
A−6>
暫くすると、黒猫はようやく泣き止んだ。そして、
「……ごめんなさい、困らせるつもりはなかったの」
俯いて、そんな事を言った。
しょんぼりと肩を落として、瞳に涙を残して。
「謝るのはこっちのほうだろ!?」
「でも……私、本気で見せたかった訳じゃ無いの。……その、……桐乃、よりも、…小さいし……。迷惑だったでしょう?」
「な、……………」
「本当に、ごめんなさい。だから、………私のこと、嫌わないで………」
そう言って、リビングから出ていこうとする黒猫の左腕を、俺はなんとか掴むことができた。
「ち、違ぇーーよ!! そうじゃねえ! 俺がお前の事嫌うとか、そんな事、あるわけねーー!!」
黒猫の腕を掴む手に、力が入る。
「それに、迷惑だとか、考えてんじゃねえよ! 俺は、お前の事が、……その、」
けれど、その先は続かなかった。
いつもの俺ならこんな時、頭で考えなくても自然に言葉が出て来るのに………………なんでだろうな?
喉がやたらと乾く。心臓が口から出そうだ。
その時、見開かれた黒猫の瞳から涙の残滓が、ぽろり、と頬を伝った。
それがスイッチ≠ノなった。
「!?………せ、先輩!?」
柔らかく華奢な体だった。 冷たい印象の黒猫なのに、抱けば驚くほど温かい。黒絹の様な髪。甘い匂い。
全てが俺の中で、得体の知れないエネルギーに変換されていく。
「……見てぇよ、見たいに決まってるだろ? お前みたいな美人な女の子の、なんだ、とにかく、見たくない訳ねーだろうが! そう!俺、高坂京介は、黒猫、お前の……」
「俺は、黒猫の!裸が!!見たいんだぁぁぁぁぁぁーーーーー―――!!!!」
A−6>A−7>
………また、暴走しちまった…………。
ここは普通、好きだー、とか、愛してるーとか言うところじゃね? 何だよ、裸が見たい、って! 本当に俺は馬鹿なのか……。
「……ぷっ……は、はははははははっせ、先輩、貴方っひ、人は、っくははははは、可笑しっあははは」
……馬鹿でもいいか。 こんな大笑いしてくれてるんだもんな。 こんな黒猫初めて見るし。
それにコイツ、黒猫は俺に対して邪気眼ではない素≠ナ接してくれた。 俺だけ格好つけてもしょうがないしな。
でも黒猫、お前もう邪気眼止めてもいいんじゃないか? 学校とかでもその笑顔みせてやれよ、皆にさ。
そんな想いをこめて黒猫を見つめてやる。
黒猫は、それが伝わったかのように、先程とは全然違った涙を拭うと小さく頷いた。
「いいわ、私の眷族にしてあげる」
全っ然伝わってねえー!?
「あら?本当に私にかしずくのが好きね、先輩は。 さあ立って頂戴」
「違えーよ! ?、何処に行くんだ?」
「勿論、先輩の部屋よ。……見たいのでしょう?見せてあげるわ」
「えっ」
「終わりの始まりをね!……クククッ」
それは見たくねぇー!
黒猫は俺を引き摺る様に歩いていく。後ろからでもクスクスと笑っているのが感じられた。
「まあ、いいか」
結局、あのちょっと泣き虫でしおらしい黒猫も、今の邪気眼全開の黒猫も、どちらかが本物って訳じゃなさそうだ。
それに、あのしおらしい黒猫にもどうせすぐ会える。
だからこの、ほんの少しの間だけこう思うのさ。
ここまで付き合ってくれた皆なら分かるだろ?
俺の黒猫があんなに可愛いわけがないってね。
【END】
どうも!いかがでした?
不快に感じた人、ごめんなさい
楽しんでくれた人、ありがとう
エロを期待した人、もう少し待ってね
どんな感想でも書いてくれたら嬉しいです
「超劣化圧縮コピー乙w」「黒猫廚きめぇ氏ね」「こんな糞駄文書いてる暇あったら仕事しろよ、おっさんwww」等、バッチコーイてなもんです
ただ「最近髪薄くなったんじゃねww」みたいなのは止めて下さい お願いだから
以上、ぺけっぱでした
まあ乙
続き待ってるから
GJ
黒猫もいいじゃない
また書いてくれ
お疲れ様でした!
桐乃の話も良かったら書いてみてくださいー
GJ!
オチうまいな、おいww
「はむ・・・・・・ん、ちゅ・・・・・・」
いったい何が起こってるのか分からなかった。
「ちゅ、ちゅぱ・・・・・・! れろ・・・・・・」
兄貴の部屋で、黒猫が兄貴のアレを咥えている。見間違いかと思って目を擦ったりしてみたけど、視界に写るのは二人の乱れた姿だった。
「ちゅう・・・・・・れろ、れろ・・・・・・。どうかしら? 私の口は?」
黒猫がペニスから口を離し兄貴に問いかける。
「ああ、黒猫の口、最高だ」
「それじゃ、もっとよくしてあげるわ」
兄貴の言葉を聞き、黒猫は満足そうに微笑み、再びペニスを口に含んだ。
「んちゅ、チュウッ・・・・・・! ズッ、ズズッ・・・・・・」
猥らな音を響かせつつ黒猫は嬉しそうにペニスをしゃぶり始めた。
「くちゅ、くちゅっ! ジュルッ、ズッ、ズッ・・・・・・!」
「くうっ、黒猫ちょっと・・・・・・激しすぎ・・・・・・だっ!」
手と口の動きが急に激しくなり、兄貴が声を洩らした。
「はぁ、ああん、出しなさい、精液出しなさい! 全部! 全部飲んであげるからぁ!」
黒猫はペニスを根元まで咥えこみ、喉の筋肉を使い、一気に吸い出した。
「くあっ、出る!」
「んぐっ、イくのね? いいわ、全部吐き出しなさい・・・・・・! んむ、ぐ、じゅぶっ、んむじゅるるるるるるっ!ちゅぅううううう!!」
兄貴が何度か体を震わせ、ようやく体の脱力した時は黒猫の顔が精液でベトベトだった。
「んぐっ、ごくん。ぉく・・・・・・ごくん」
何度か喉を鳴らして、ようやく黒猫は精液を飲み終えた様だった。
「ふぅ・・・・・・気持ちよかったぜ」
「私はまだよ」
そういい、黒猫は横になり股を広げ、濡れそぼったヴァギナを晒した。
「貴方のを加えているだけでこんなになってしまったのよ。責任は取ってくれるわよね?」
「ああ」
そういった兄貴のペニスはさっき出したばかりの筈なのに、既にさっき以上に大きかった。
「それじゃいくぞ」
兄貴は黒猫のヴァギナに亀頭をあてがい、一気に貫いた!
「はぁぁぁぁん!! 気持ちイイ・・・・・・! 京介のおち○ちんがはいって来るぅぅぅ」
黒猫は既に焦点が定まっていない。兄貴がピストンを繰り返す度に小さく痙攣している。
「ダメ! イくぅ!! イっちゃう!!!」
「よし! イけ! イっちまえ!」
兄貴は更にピストンを速め、激しく動かした。
「あぁぁぁぁんっ!! イくぅ! 頭真っ白で何も考えられない! うあぁぁぁんっ!!!!!」
「うっ・・・・・・! 出すぞ!」
ビュックッ! ドクゥッ!! ブビュウッ! ドクンッ!! ドク、ドクンッ!
「溶けるぅぅ!! 京介の精液でおま○こ溶けちゃうぅぅぅぅ!!!」
さっき出したばかりとは思えない程の量を黒猫の中にぶちまけた後、二人は繋がったまま余韻に浸るように抱き合っていた。
「どういう・・・・・・こと?」
私はふらふらと夢遊病者の様に中に入った。
「き、桐乃!?」
扉が急に開いたと思ったらいきなり桐乃が入ってきた。
「兄貴? これ、どういうこと? なんで黒猫と?」
「桐乃! これは!」
「京介。もっといっぱい繋がりましょう」
「黒猫!?」
俺が何かを言おうとすると、黒猫が近づき口を近づけてきた。
「や、やめなさい!」
「何故? 私達は愛し合っているのよ?」
「嘘だっ! 兄貴が一番大事にしてるのは私だもん! 兄貴は私のことを一番に愛してくれてるもん!」
「なら、本人に聞いてみたら? 一番愛してるのは誰かって?」
黒猫の言葉に、桐乃は縋るように俺を見つめた。俺は・・・・・・
「すまん桐乃。俺は・・・・・・黒猫が一番好きだ」
そう言った瞬間。桐乃は膝から崩れ落ちた。
「そういうことよ。分かったら邪魔しないでくれるかしら?」
「いや、いやだよ! 兄貴! 嘘付かないで!」
桐乃は泣きながら俺に縋り付いて来た。俺のアバラが折れるんじゃないかと思うほどの力で抱きついてきた。
「ヤダ、ヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダ。嘘だもん! 兄貴が私のこと一番大切じゃないなんて嘘だもん!」
「桐乃・・・・・・嘘じゃない。本当なんだ」
「うわああああああああああ」
桐乃は凄い声で泣き叫び、更に力を加えて俺に抱きついてきたが抵抗は一切せず、優しく頭をなで続けた。
以上です。
今更ですが
>>327のネタをなんとなく書いてみました。
寝取られ? 多分寝取られ。
まあ、ぶっちゃけ黒猫と京介ののエロが書きたかっただけです。
続きも書いてるのですが、ちょっと桐乃がヤンデレ化しているのでどうかなと思ってしまっています。
こんな感じのチラ裏SSでも続きを読んでやるって方がいたら投下してみようと思います。
ちなみに誤字・脱字その他罵倒も受け付けておりますので何かありましたら後学のためにご指摘ください。
それではありがとうございました。
>>949 ご謙遜を!
超GJ!ですよ!
桐乃に傾いてくれるとうれしいですけど
どっちにせよ全部投稿してください!
読みたいです!!
>>942 確かに黒猫が白い!けどだからこその最後の一文か
GJ!仕事しなくていいからもっとまとまった量書いてくれ あとエロも
白猫とな
これでは愛し合う2人+桐乃(片思い)ともとれる
寝取られと言うからにはちゃんと桐乃と京介が
愛し合っていた場面も書いてもらわなければ困りますな
948の続き。今回はエロなし。
一頻り暴れた桐乃はそのまま寝てしまった。俺と黒猫は桐乃を俺のベットに寝かせて部屋を出た。
「折角貴方と繋がっていたのに」
黒猫は少々拗ねたように部屋を見た。
「まあまあ。今日はもう帰るのか?」
「そうね。桐乃が起きたら面倒になりそうだし」
「ははは。そうだな。まあ」
次までには説得しておくよ。そう俺が続いてもらした瞬間に・・・・・・
「無理ね」
・・・・・・黒猫はキッパリとそう言った。
「無理って・・・・・・なんで?」
「今の私が貴方を失うことを考えられない。もし失ったとしても何がなんでも私は貴方を取り戻すわ」
「ありえない。俺はお前を見捨てたりしない」
「信じられないわね。貴方には前科があるのよ?」
「桐乃は妹だ」
そう、桐乃には兄としての愛情をそそいでやればいい。俺が一番好きなのは黒猫だ。
「関係ないわ。妹だからって何? 男と女には代わらないわ。だから私は貴方をどんな手を使ってでも繋ぎ留めておかないといけない。私は貴方なしでは生きていけないから」
黒猫の視線はまっすぐ俺を射抜く。俺は思わず逃げ出したくなった。それほど黒猫の目には力があった。
「何故桐乃は貴方にあれほど縋ったのかしら? 何故あれほど強い力で貴方に抱きついたのかしら?」
「それは・・・・・・」
「当ててあげる。何故なら」
・・・・・・さっきしていたことと同じことを、桐乃にもしていたから。黒猫はゆっくりと、確かにそういった。
「なっ!」
「何で知っているかって? 桐乃に聞いたのよ。嬉しそうに」
あいつは他人にいったい何を言ってるんだ。
「兄貴に抱いて貰った、兄貴に愛してるって言って貰ったってそれは嬉しそうにね。でも私も貴方が好きだった。だからきっとこうなるって分かっていても貴方に言い寄ったの」
黒猫の顔は沈んでいた。こいつも辛かったのだろう。
「さっきも言ったけど、俺は絶対お前を見捨てない。ずっとお前の傍にいる」
俺はゆっくり黒猫に近づき、両肩を掴んだ。
「信じろ!」
「京介・・・・・・」
そのまま二人はゆっくりと顔を近づけていった。二人の視界には既にお互いしかなかった。
だから気づかない・・・・・・京介が肩を掴んだあたりから扉が少し開いたことも。そしてそこから誰かが覗いていることも・・・・・・
投下終了。
>>953に指摘されたことを補足してみた。
さて、次なのですが桐乃のエロにしようと思ってます。
お前みたいなエロくもないエロシーン書くなって人がいたら桐乃エロ無し投下しますが。
>>955 お疲れ様です!
ぜひそのままのプランで投稿してくださいませ
957 :
名無しさん@ピンキー:2009/08/20(木) 09:08:49 ID:4RJKCibv
とりあえずGJ
卑屈になるな。どうせ二次創作なんだから気楽に書け。
958 :
名無しさん@ピンキー:2009/08/20(木) 09:10:07 ID:4RJKCibv
sage忘れてた。サーセンwww
>>955の書きたいように書け
無理して他人の意見を取り入れる必要なし
とりあえずわっふるわっふる
兄貴に抱いて貰った、兄貴に愛してるって言って貰ったってそれは嬉しそうにね。
きりりん可愛すぎるだろjk
「あんた……なんでいんの?」
桐乃は開口一番にそう呟いた。
両親は遅くまで帰らない予定で、こいつは陸上部の練習があったはずだった。
だからこの時間は俺しか家にいないはずなのだが、しかし、この場には高校生一人と中学生二人が固まっていた。
やはり家に招いたのは軽率だったようだ。
「お、おまえ、部活はどうしたんだよ?」
「今日体育でねん挫したから休んだ。で? あんたと約束した覚えなんてないんだけど」
なんでいんの、と再び呟いた桐乃の、一際鋭く眇められた目が、ここにいるはずのない黒猫の姿を射抜く。
「いや、これはな……お、俺が呼んだんだよ! こいつ近所だろ? 偶然そこで会ってさ」
苦しい。あまりに苦しい言い訳だった。
桐乃はこちらには一切視線を向けず、その親父譲りの眼光に、黒猫だけを映している。
俺の話など、はなから聞いちゃいねぇ。
黒猫はというと、桐乃の視線を正面から受け止めて涼しい顔をしている。
なにもやましい事などない、というように。
確かに、妹に内緒にしていた、という点で後ろめたさは感じているが、別に責められるような事をしているわけではない。
「京介、別に隠しておく事はないわ」
「確かにそうだけどよ……」
それでも、兄としては気が引けてしまうのだ。まさか妹の友達と――
「私たち交際しているのよ。別に彼女が彼氏の家を訪ねていても不思議ではないわ」
―-付き合っているだなんて。
「……は? なに言ってんの? ギャグのつもり? キモいんだけど」
「じ、実はそういう事なんだ」
顔に熱がこもるのを感じながら、妹から視線をそらす。どんな羞恥プレイだよ。
果たして笑われるか、罵倒されるか。こいつの事だから思い切り馬鹿にするんだろうよ。
身を硬くして桐乃の反応を待っていたが、予想外な事にすっかり黙り込んでしまっていた。
俺たちの関係を聞いた桐乃は焦点の合わない虚ろな眼をさせていて、あの鋭い目から光が失われたような気さえする。
「き、桐乃?」
「……なんで? いつから?」
「え、ああ、まだ一ヶ月くらいか? 黒猫から告白されてさ」
「あら、あなただって以前から私を見る目に熱が篭っていたようだったけれど?」
黒猫は明らかに俺をからかい始めていた。妹の前でなんて事を言いやがるんだ、こいつは。
まぁ、つまりは両思いだった、というわけなのだが。
しかし、そんなのろけ話を聞いてもなお、桐乃は冷めた様子を崩さない。
「んなワケないじゃん。だって、こいつ、すっごいシスコンなんだよ? ねぇ?」
いつもの調子の台詞なのだが、やけに言葉にプレッシャーを感じる。
普段、俺を馬鹿にするのとは違い、言葉のトーンはひたすらに平坦だ。
否定してしまえば、どうなってしまうかわからない。そんな危うさを持っている。
「ああ、そっか。あんた遊ばれてんじゃん? さすがに実の妹に手を出すわけにはいかないもんね」
「あなた、いい加減に……」
「うっさいな! 黙っててよ根暗女が! さっきから人の家でなにしてんの!? さっさと出てってよ!」
黒猫の声に、桐乃は弾かれたように声を荒げた。
さっきまでの会話も、まったく聞いていなかったような、本当に何故黒猫がここにいるのかわからない、といった様子である。
ギリギリと音が聞こえるほどに歯を食いしばり、黒猫を睨むその目からは抑えようもない嫌悪が滲んでいる。
なんだこいつの取り乱し様は。いつもとは違う、すぐにでも壊れてしまいそうな予感をさせる。
俺は背筋に冷たいものを感じた。こいつは、一体どうしちまったんだ。
お、俺の妹がこんなに恐いわけが……
あかん、桐乃でキモウトは難しいお
続かない☆
この後、桐乃が黒猫に向かって
「この泥棒猫!!」
と言うんですね
わかります
まあ、そんな訳で俺はぼやきつつも、黒猫の手に引かれていったのさ。終わりの始まり、とやらに多大な期待を寄せてな。
けど、皆が期待するような事にはならなかった。あれは……
A−8>
リビングを出たところで黒猫の足が止まった。
「なっ急に止まんなよ、一体どうし……!真奈「ベルフェゴール!」」
違う!つーか、まだその設定引き摺ってたのかよ……。っと、それどころじゃなかったな。
そう、リビングを出てすぐの玄関に、幼馴染みの真奈実の姿があった。
「ふぇ?べるふぇ……?」
「あ、ああ、気にしなくていいぞ。それよりどうした?こんな時間に?」
「う、うん、昨日きょうちゃん、わたしの家に傘置いていったでしょ?天気予報で明日は雨だって言ってたから……」
「そりゃ悪かったな、つーか、連絡してくれたら、取りに行ってたのによ」
「そうなんだけど…お客さんが来てたんだね。えっと、黒猫ちゃんだよね、こんばんわ〜」
黒猫は無言のまま、軽く会釈した。本当、コイツは人見知りが激しいな。
まあ、いいところを邪魔された訳だからムッとくるのは分かるが。それとも、妬いてんのか?
まったく、俺と真奈実はそんなんじゃねーての。
「実は黒猫に絵のモデルを頼まれてな。スゲーんだぜ、コイツ」
「えー、きょうちゃんがもでる?」
「ああ、黒猫、真奈実にお前の絵、見せてやっていいか?」
黒猫は暫く迷っていたようだったが、やがて、こくん、と頷いた。
それを確認すると、俺はリビングから黒猫の鞄を持って来て、真奈美にスケッチブックを渡してやった。
「うわ〜、すっご〜い!」
「へへ、だろ?」
へっ何だか自分の事のように誇らしいぜ。
「うん!でも、ぷっ…ははは、きょうちゃん、ちょっとかっこよすぎかも〜」
「そ、そうか?ならお前も黒猫に描いてもらえば?少しは美人に描いてもらえるかもよ?」
「も〜ぷんぷん、だよ。でも、お願いしちゃおかな〜」
バン!!
「な…、黒猫?」
黒猫が真奈実の手からスケッチブックを奪い取っていた。
いつもの照れ隠しではない事は一目でわかる。自分の事を褒められると、コイツは不機嫌そうにそっぽを向くのだ。ちょっと頬を染めて。
だが、今の黒猫は、
「悪いけど、私は町の似顔絵描きではないのよ、先輩」
何の表情も浮かんでいなかった。いや無表情を貼り付けた、とでも言うべきか。
そして真奈実をじっと見つめると、少し目を眇めた。
確実に気温が五度は下がった気がする。 こ、恐ぇー。見ろよ、真奈実の奴、完全にビビッちまってやがる。
「さっきはベルフェゴールなどと言ってごめんなさい、真奈実先輩」
いや、お前それ、絶対謝ってないだろ。何の表情も無いくせに、敵意だけは伝わってくる。
「貴女はイブね。まだ、知恵の実は食べていないのかしら?それとも………クククッ」
黒猫にようやく浮かんだのは陰惨な笑みだった。
「……っふ……、この神が不在の現世で、聖書をなぞらえる事ができるのかしらね」
何だ?これもアニメかなんかのセリフなのか?
「…………帰るわ」
黒猫はまた無表情に戻ると、俺から鞄を奪いとり、とっとと帰ってしまった。
真奈実は呆気にとられていた。
「凄い迫力…………怒らせちゃったのかなぁ」
「黒猫ってぐらいだから、気まぐれなんだよ、あいつは」
桐乃が黒猫を指して「邪気眼電波女」と言ってたっけ。確かに黒猫の言ってたことはさっぱり分からない。真奈実もきっとそうだろう。ただ帰り際、真奈実とすれ違う時、呟いた言葉が残っていた。俺の耳が確かならこう言っていた筈だ。
私は桐乃みたいに甘くないわよ、と。
こんな時間にご苦労様ですw
黒猫ー1>
「ふぅ、もうこんな時間、……そろそろ寝なきゃね……」
2時を少しまわっていた。
今日のクロッキーを基に、設定画を起こす作業に集中し過ぎたようだ。
……いや、彼の家での出来事から作業に逃げていただけかもしれない。
盛大な自爆だった。彼の前で泣くのは2度目だ。けど彼が泣く姿も私は2度見ている。おあいこだ。
ここまではいい。思い返しても、思わず顔がにやけてしまう。問題はその後だ。
何が私の逆鱗に、あそこまで触れたのか自分にもよく分からない。
確かに彼の、私との事を誤魔化す様な態度は許せなかった。それに……彼を描いていた時に感じていた、二人だけの特別な時間。その場所に彼はあの女を招き入れようとした。
正直、「やめて!」と叫びたくなった。
けれど、どれも正解ではない。
……ああ、そうか。私は単に、彼とあの女の会話をあれ以上聞きたくなかったのだ。
聞きたくないから彼の家から逃げだしたのだ。
ぎりっ。私の歯が音を鳴らす。
あの女が彼に好意を持っているのは、すぐに感じとることができた。
けれど、彼の方はというと、私の邪眼をもってしても、さっぱり分からない。
元々、想像の斜め上を爆走するのが彼だ。
これ以上無い、というぐらい情けないのに、時には頼もしい。
………そんな所に惹かれたのだ
抱きしめられた時の感触を思い出すと、胸が熱くなった。指でスケッチブックに描かれた彼をなぞってみる。もう片方の手は下着へと伸びていった。
黒猫ー2>
「…………ん、…んンッ………っあ……」
直接触る事は恐くて出来ない小さな突起。下着の上から軽く爪の先で擦ってやると、腰が浮いてしまいそうになった。胸も優しく可愛いがるように揉みほぐしてみる。……あの女が来なければ、彼にこうして貰えただろうか。
「はっ…………あ、…………ぁあン………」
自分のものとは思えない甘い声があがった。急いで髪に巻き付けていたタオルを口に含む。
彼の手と……舌を思い浮かべ、指を這わせていく。
首筋へのキス、きっと彼は私の髪を撫でながら胸へと移動するだろう。ぎこちなくブラをはずし、そして…
「ふっ……ん、……んっ………」
尖端を強く摘まむと痺れるような痛みと快感が押し寄せた。そして胸を揉みながら脇腹を辿り下へ。
椅子に浅く座り直し、パジャマごと下着を膝まで摺り下ろす。十五歳にしては少し幼いと思っている股間が露になった。
少し足を開き、指をあててみる。ぬるり、とした感触に少し驚いた。私は濡れにくい、と思っていたがどうやらそうではないらしい。
彼の視線をイメージすると更に溢れる感触があった。それを指で掬うようにしてから、恐る恐るほんの少し上にある敏感な部分を撫でてみる。優しく、丁寧に。「んっむ、………ふー、ふー、…んっ……んっ……んんっ」
身を捩ると椅子から転げ落ちそうになる。
私は照明をおとすとベッドへ倒れ込んだ。
黒猫ー3>
胸をシーツに擦りつけるようにしてみると、乳首が固く尖っている事がよく分かった。股間とベッドで手を強く挟みつけるように力を込める。私の中で何かがせりあがってくるのを感じた。
「んっ……んんっ……んんーーー!」
膝を立て、お尻を突きだし、わざと卑猥なポーズをとってみる。
膝にむけて、つー、と愛液が伝わっていく。股間を弄る手に滴が落ちた。
「えん…あ…い、せ、んんっ…ぱ、いぃっ」
入学前から何度も呟いた、彼の春からの呼び名を口にすると、熱い何かが全身を駆け巡った。
タオルが口からはずれ、口との間に銀の糸ができる。
仰向けになり少し腰を浮かした状態で頂点まで昇り詰めた。
「はぁん、あっ、あっ、あぁあーーーっ!」
長い硬直が続き、弛緩が訪れる。
「はぁ、はぁ、んんっ、はあ」
時折、ぴくっ、ぴくっと体が跳ねる。
やがてそれも治まり、辺りはまた静寂に包まれた。
よかった、家族には気付かれずに済んだようだ。
カーテンの隙間から月光が洩れていた。私はそれに吸い寄せられる様に身を起こし、近付いていく。
内腿がぬるり、とした。
カーテンを開くと満月の光が私の裸体を蒼白く浮かびあがらせた。
「ふん、明日は雨ですって?……ククッ」
明日は晴天だ、間違いない。それでも彼は、あのチャイムも鳴らさず玄関に立っていた幼馴染みに、何の疑いも持たないのだろう。
「彼の目の前であの女を引き裂いてやったらどんな顔をするかしら」
私は出来もしないことを呟く。構やしないだろう。ままならない現実から解き放たれてもいい筈だ。……この月光の下でなら。
私は誰に聞かせるともなく呟く。
「そう、私は夜の眷族だもの」
【END】
>>972 まとめさせてもらってます
何かご要望でしょうか?
ぼちぼち次スレの季節ですね
あんまり暑いんで脳が融けてたのかも知れないが。気付いたら生まれて初めてSS書いた。
NTR物の京介×桐乃とかいうの需要ありますかね。
それとも投下するなら新スレのがいいのか?
>>976 投下前に注意書きがあれば大丈夫でしょう。
次スレで期待してます!
…へんじがない ただのしたいの ようだ。
……ん? ゆびさきに もじが…だいいんぐめっせーじか?…
「11P」…なんの いみだろう?…W。
>>978乙
NTRつーとあれか、桐乃が他の男と、ってやつか
ゴクリ、は、早く今スレ埋めよーぜ!
>>978 乙です。
昼寝して気付いたらいっぱいレスが・・・。次スレ立ったみたいだから投下しても平気かな。
NTRというか若干鬱入ってる感じかも知れません。
あとエロくないからあんまり期待しないでね。
※注意 京介×桐乃です近親相姦とNTRに耐性の無い人は気をつけてください。
986 :
桐乃NTR@:2009/08/23(日) 17:17:33 ID:NsrYJgGp
高3の新学期が始まってすぐの春先の事だったか、桐乃が突然留学先のアメリカから帰国した。
帰って来た桐乃は帰って早々部屋に引き篭もってしまったらしく、同じ屋根の下に居るっていうのにまだ一度も顔を合わせていない。
ある日、親父がリビングで酒を飲みながらテーブルを壊す勢いで拳を叩きつけて居たので止めに入った。
なかなか事情を話してはくれなかったが、この時は桐乃に関わる事なのだと直感が働いたので問いただすと・・・・・・。
留学先で海外のコーチとやらにレイプされたらしい・・・・・・。
日本から留学までさせておいて女子中学生の体が目当てだったなんてとんだロリコン野郎じゃねーか!
すぐにでもアメリカに飛んでって上条当麻ばりに殴って説教してやろうと思ったね。
いや、説教どころか今の殺意の波動なら確実に殺してしまいそうだったが。
もちろん親父に一喝されて殺人犯にならずに思い留まれたわけだが。
どうも桐乃はそのロリコンコーチを訴える事を拒否したらしい。
アメリカで裁判する費用や時間だとか、セカンドレイプがどうだのだか説明されたってわかんねーよ。
何もせずに納得出来るわけがないじゃないか!
だってそうだろ、あいつの多分・・・初めてがそんな鬼畜野郎に奪われちまったんだぜ!?
聞いた話によるとその変態ロリコンは示談金を払ってちゃらにしたいと言ってきたらしい。
けれど、桐乃はそれを突っぱねたらしい。援交するほど落ちぶれちゃいないとかなんとか。
理乃先生のスイーツ小説だと主人公は自発的に援交してましたよねなんて突っ込みは不謹慎か。
どうやらその件で親父はテーブルに八つ当たりなんてまったくらしくない事をしていたみたいだ。
様子を見た時は親父がおかしくなったのかと思ったが、親父は全然おかしくなんて無かった。
むしろ俺はアメリカまで殴り込みかけたくてたまらねーよ!早くあのジェット機のAAよこせよ!
987 :
桐乃NTRA:2009/08/23(日) 17:18:27 ID:NsrYJgGp
俺の動転振りに気付いた親父に説得されて思い留まったけどな!
なんでも、一番辛いのは桐乃だから今出来るのは桐乃を見守る事だけだの。
桐乃は誰よりも出来た娘だがその分プライドが高すぎるから桐乃の精神が心配だとさ。
確かに桐乃が修羅場ってた時の動転っぷりは異様だった、あいつの頭ならもっと上手い立ち振る舞いが出来ただろうに。
それなのに今回の事件の様な事があったら桐乃はどうなっちまうんだ?
一瞬、桐乃に無理やりやらされた鬱ゲーや泣きゲーと呼ばれるエロゲーのBADENDを思い出してしまった。
俺の馬鹿野郎!そんな事が現実にあってたまるか!
俺は居ても立ってもいられずに気付いたら妹の部屋の前に居た。
けど、何て話しかけたら良いんだ。
俺は、あいつが親友と大喧嘩した後だって声をかけてあげられなかったヘタレだって言うのに。
暫く廊下を行ったり来たりして悩んでいたら、桐乃の部屋からゴソゴソと物音が聞こえ始めた。
ま、まさかあいつ自殺なんかしねーだろうな?
最悪の心配が脳裏を過ぎった瞬間にさっきよりも大きな音が聞こえた、何かが落ちて潰れる様な。
俺は無我夢中であいつの部屋に飛び込んでいた。引き篭もってたはずなのに不思議と鍵はかかってなかった。
「き、桐乃!」
そう叫んだ俺が見たのは妹の変わり果てた姿だった。
988 :
桐乃NTRB:2009/08/23(日) 17:20:15 ID:NsrYJgGp
そこにはレイプ目って言うのか?光彩を欠いた瞳で床に落ちているそれと対峙してる妹が居た。
「お、おいおい・・・お前何してんだよ・・・・・・」
桐乃は自殺なんてしてなかった。桐乃の周りにはあいつが集めた大切な宝物達が散乱していた。
いくつか床に叩きつけられて箱が凹んでいた。
「わ・・・わかんない・・・もう何もわかんない・・・」
「おい・・・何してんだって聞いてるんじゃないか」
「分かんないの!なんでこんなゲスなゲームを後生大事に守ってたのか!」
え・・・それってまさか・・・。
よく見ると潰れている箱は件の鬱ゲーって呼ばれてる中でもとくにキツイ奴だった。
NTRだとか何とか言うジャンルらしいが、正直俺にはそんな性癖は無いのでまったく理解できなかったが。
そう言ってる間にも桐乃はそのゲームの箱を思いっきり踏み潰していた。
「どうしたってんだよ!エロゲはお前の魂じゃなかったのかよ!」
余りにも見ているのが辛かったので止めに入ったのだが。
痛え、あいつエロゲの代わりに俺の足を踏みつけやがった。
今の俺っていつもながら滅茶苦茶格好悪いな。
あまりの痛さについ言葉を荒げてしまった。
「エロゲが好きな事も含めたのが本当の自分じゃなかったのかよ!」
「そんなの言われなくたって自分が一番分かってる!でももう今のあたしは以前のあたしじゃないの!」
レイプ被害者は心に大きな傷を抱えて殺されたのと同じくらいの痛みを受けるって言うけど、あの楽しそうにエロゲをやったり俺に無理やりやらせてた桐乃は死んじまったって言うのかよ。
「み、認めねぇ・・・」
「・・・・・・・・・・・・あんた何言ってんの・・・」
「だから認めねえんってんだよ!俺はお前から人生相談を受けた。最初は驚いて言葉も出なかったがお前が好きだって言うなら馬鹿にしたりしねーと思ったし。それがお前がお前らしくある為の自身の一部だって言うから全力でそれを守った!だから今回も絶対に守る」
「あたしが捨てるって言ってんのよ!こんなもん!
と言って桐乃はまた俺を足蹴りにした。捨てるってひょっとして俺の事なんですか?妹様。
このままじゃ埒が明かないので気付いたら桐乃を力いっぱい抱きしめていた。
後から思うとこれはやりすぎだったな、いくらの兄弟だからってここまで密着した事なかったし。
989 :
桐乃NTRC:2009/08/23(日) 17:21:11 ID:NsrYJgGp
不思議な事に桐乃は一切抵抗しなかった。むしろ緊張していた体から力が抜けていくようだった。
こうして触れ合うと桐乃の体ってこんなに細かったんだな。モデルなんだから当たり前なのかも知れないが、陸上をやっていたからか骨だけとは違うが引き締まった無駄の無い肢体の所為か所々ゴツゴツしている。
もちろん胸はすっげー柔らかかったけどな!
あんまり桐乃が力なく体を傾けて来たのでまさか締め付け過ぎたのかと思って慌てて解放してやる。
「ごめん、いきなり抱きしめたりして。苦しかったか」
「・・・う、うーうん。むしろずっと抱きしめて欲しかった・・・」
え・・・今何て言った?留学直前のあのしおらしくなった桐乃が一瞬戻ってきた様な気がした。
「ああ、それでお前の気持ちが少しでも晴れるなら・・・」
再びあいつの体を抱いてやる、今度優しく包み込むように。
暫くそうしていると桐乃が呟いた。
「・・・忘れさせてよ・・・」
それってひょっとしてエロゲーの事か?一瞬元に戻った様な気がしたのは俺の勘違いだったのか?
「嫌だ!絶対捨てさせない!あれは俺たちの絆でもあるからな!」
「そ、そうじゃない・・・そっちじゃなくて・・・」
え、違うんですか?俺はてっきりこの無残になった残骸達の事かと。きっと作者が見たら相当落ち込むぞこの有様は。
「だから・・・あの事・・・」
「いや、言わなくていい。分かったからその先は言うな!」
これ以上あいつにあの事件を思い出させたくない。もし、忘れさせてやれるもんなら天使の力だって借りたいね。
「だったら抱いてよ・・・」
「いや、今抱いてますけど・・・、いくら兄弟でもこんなに引っ付いたらキモイって程に」
「いいよ、今回だけは許してあげる。だけど抱くってそっちの意味じゃない」
そっちの意味じゃないってどういう事ですかね・・・。他に抱くという言葉の意味あったっけ?
「まさかとは思うけど、その・・・エロゲみたいな事しろって事?」
「あたしに言わせないでよ。あたしの愛してたそのエロゲをもう一度愛すには、最悪だった記憶を幸せな記憶で書き換えないといけない」
990 :
桐乃NTRD:2009/08/23(日) 17:23:24 ID:NsrYJgGp
いやいやいや、理屈は分かるよ?でも幸せな記憶ってそれが俺でいいのかよ!?
もっと他に優しくてイイ男とか居ないのかよ・・・って居ないんだったか。
「いや、でも兄弟でそういう事はその・・・流石にダメだろ・・・」
「あたしが気まぐれであんたにエロゲを無理やりやらせたと思ってるの?いい加減気付いてよ、この馬鹿兄貴」
馬鹿って、いやいや。普通に考えてありえねーよ!え?まさか、妹様は兄貴が好きなブラコンの近親相姦願望をお持ちだったって事ですか?
確かに俺の妹は容姿は素晴らしく可愛いよ客観的に見たら日本一可愛い妹だって言っても過言じゃないね。そんな事絶対に言わないけど。
それに最近の桐乃には俺の妹がこんなに可愛いわけがないってほど、正直胸に込み上げてくる物があったのも事実だけども。だからって・・・
「そんなの無理に決まってるだろ俺たち兄弟なんだぞ!妄想はエロゲの中だけにしとけよ!」
そう言った瞬間急に突き飛ばされた。いて、足元が散らかってるからコケて後ろ向きに倒れちまったよ。
桐乃のお宝も何個か押しつぶしちまったし、ていうか頭はぶつけなかったが背中がいてー。
なんだってエロゲの箱ってここまで頑丈に作ってあるんだよ。
桐乃を見るとようやく氷解しかかった心が再び凍りに閉ざされた様にまたあのレイプ目に戻っていた。
「もういい・・・、出てってよ!それであたしの事なんか放っといてよ!あたしが自暴自棄になっても知らないって言うんでしょ!」
お願いだからそんな悲しい事言わないでくれよ。もしお前が自殺でもしたらと思うと俺まで正気じゃいられなくなるよ。
「出て行かない・・・」
「はっ、今なんつった?」
あれ一瞬1年前くらいの桐乃に戻ったか?
「駄目なんだ、お前がそんな悲しい事してるのを見て見ぬ振りなんて出来ない」
「そうだったらあたしに優しくしてよ・・・、今までの事が全部夢だったって思えるように激しく抱いてよ!」
優しくか激しくかどっちなんですか。いや、どっちにしても不味い事に変わりないが。
「今まで、お前の人生相談という名の無理難題に付き合ってきた。それをやり遂げる事で少しは兄弟の仲が昔みたいに良くなるんじゃないかと思ったからだ。だけど今回のは違うだろ、それが本当にお前の望むことなのか?」
「兄だとか妹だとか関係ない。私がそう望んでるから言ってるの。前に最後の人生相談だって言ったけどあれ撤回する今度こそこれが最後の人生相談、拒否は認めない」
どうやら本気で言ってるみたいだな。これは覚悟を決めなきゃいけない瞬間が来たのか。
「お前が拒否を認めないというなら仕方ないな・・・、俺も覚悟を決めるよ」
「それじゃ答えになってない。もっとちゃんと言葉で言って」
え、これ以上の言葉って言われても。何だこれ以上どうしろって言うんだよ。
「お、俺は桐乃が好きだ・・・、だから抱いてくれって言うならその・・・エロゲみたいな事してやってもいい。近親相姦なんて問題じゃない。
だからお願いだから元の桐乃に戻ってくれ!同級生と楽しそうに喋るお前もエロゲを無理やり俺にやらせてくるお前もどっちも合わせて高坂桐乃なんだろ!」
そう俺が最高に格好悪い決め台詞を吐いた瞬間、桐乃は驚きと嬉しさが入り混じったような殊勝な顔つきをしていた。
はっきり言って見物だったね、まだこんなに可愛い顔も出来るんじゃないか。
この可愛い顔した妹は絶対に守ってやらなければと、この時は思った。
991 :
桐乃NTRE:
「うん、合格点かな。あたしにかかればこんなのちょろかったけどねっ」
「え・・・何言ってんのお前?」
今までの張り詰めた空気が嘘だったかの様に、俺が必死に守りたかったいつも通りの高坂桐乃がそこに居た。
「はぁ?まだ気付かないの?これだからニブチンは。それから早く離してよ暑苦しい」
「お、おう。すまん」
そういえば、ずっと抱き合って密着していたんだった。
気付かなきゃならない事は分かるのだが。どうも頭の回転が上手く回らない。
どういう事なんだ?エロゲ以外に本を読んだりしない俺にも分かるように説明してくれよ!
「本気で分かってないって顔してるね、今のあんたの顔最高にウケるwWw」
何腹抱えて笑ってんだよそれと女子中学生が草なんか生やすんじゃない!どうやったら台詞で草生やせるんだよ!?
「あんたさぁ、おかしいと思わなかったわけ?ドア開けっ放しでこんなに騒いでたはずなのに父さんが気付いて見にきたりしないのとかさ」
やっと頭が回ってきて顔が熱くなるのを感じた。えー!?今の全部演技だったっての?
俺超ー心配したのに。何コレ?ドッキリ?ドッキリなら早くプラカードもった母親でも出て来いよ!
どうせ廊下で聞いてたりしたんだろ?
「うはwwwもうヤバイwww笑い死ぬwwwうぇ」
お前はまだ笑ってたのかよというか「うぇ」って何だよ。吐きたくなるほど笑いが沸いて出るんですか。
「まさか、全部演技だったのか?最初から最後まで?」
「き、決まってるじゃん!じゃなかったらキモイあんたなんかに抱き付かれて、このあたしが抵抗しないとかありえなくない?」
そう言われればそうだな、疑問に思わなければいけなかった点はいくつかある。
「トレーニングで公園を走ってたらさぁ、ハリウッドのスカウトに声かけられちゃってさー。
あたしならハリウッドスターも夢じゃないと思うんだよねー。これだけ演技力ある上に超可愛いし」
ハリウッドねぇ・・・へぇそれでこんな事して演技の特訓でもしてたのかー。
って待てよ。てー事はつまり・・・。
「親父もグルだったって事かよ!?あの野郎ゴクドーの親分みたいな顔しながら舐めた真似しやがってー」
「今頃、お父さんも腹抱えて笑ってるかもね」
死にたい、今すぐ俺が死にたい。誰か俺にロープをくれ。
あともう一つ気になる事があったんだ。
「そういや、その潰れた残骸はどうしたんだよ。いくら演技でもコレクションにそんな真似出来るのかよ」
「あー、これ?使用用、保存用、交換用の交換用のヤツ。交換と言ってもほとんどは特典がメインだから本体はどうでもいいんだよね。あ、でもあんたが無様にコケて潰したのは弁償してよね」
うわぁえげつねー。交換用じゃなかったのかよ!
「ちょ・・・おま・・・あがががが」
あまりの仕打ちに言葉が詰まって文句の言葉すら出ない。
その様子がおかしかったのか再び桐乃が爆笑しだした。
「げふ、げほ、ごほ・・・。笑いすぎて死ぬかと思った。面白かったから特別に今回はチャラにしといてあげる。感謝しなさいよね」
そう言って涙を浮かべながら笑顔であいつは言った。
今回は「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」何て絶対思わないからな!
ましてや抱くだの抱かないだのに未練なんかこれっぽっちも無いからな!
終わり。