1 :
名無しさん@ピンキー:
ここは鎌池和馬氏著作、『とある魔術の禁書目録』のエロパロスレです
カップリングやシチュエーション、エロの有無を問わずSSは常時大歓迎。
ただし、特殊だったりや好みが分かれたりするシチュは投下前に警告しましょう(例 百合や調教、鬼畜や陵辱物など)。
投下前にカップリングの表記があるとなお良いです。
このスレは基本的にsage進行です。レスしたり投下したりする際はメール欄に半角で『sage』と入力しましょう。
次スレは要領が480KBを越えるか、レス数が950を突破した辺りで立てましょう。焦って重複しないように注意。
荒らし煽りはスルー。
ルールを守って、気持ち良く楽しみましょう。
前スレ
とある魔術の禁書目録 14フラグ目
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1236084927/
>1
乙
6 :
名無し@ピンキー:2009/03/28(土) 09:23:34 ID:dL7vW69B
>>1 乙です
ふと思ったのだが、本スレとここの違いって何だろうか
年齢制限
お子様がいない、とか?
遅い、とか…?
流れが速いエロパロスレってどーなのよ
>>1乙
そういうネタこそ前スレの埋めネタにするべきだと思う
(女性と勝負している)
今の女の視界の隅には、幾つもの安全ピンが転がっている。
無論、ピンというものは何かを繋ぎ止めておく役割がある訳で、今はその役目を果たしていない。
即ち、今この少女が着ている服──最早ただの布切れは──
「……ま、まだあと全部で8つも残ってるんだよ! 絶対に諦めないもん!」
──その隙間から、白い素肌を見え隠れさせていた。
勝負はこの女と野球拳という勝負からはじまった。女の方は下着だけだが
インデックスの方は8つのピンだけだった。
「前が開くまで・・・・」
「う、うるさいかもっ! ジロジロ見ないでさっさと続き!」
怒りと恥ずかしさで顔を真っ赤にさせながら、インデックスが発言を遮る。
だが、そうしたところでこの現状が変わる訳もなかった。
9回連続敗北。
「………」
静寂の中、インデックスは勝敗のある二つの手を見つめていた。
やがて、少女の口から少しずつ言葉が紡がれる。
「……まけは……負けだもんね……ひっ、ひとつ外す……」
俯きながら安全ピンへと手を伸ばす。
鍵が外された。
そして、その布の扉は、重力に従いゆっくりと開かれていく。
しかしまだピンは残っており半開きとなっている。しかし扉のすきまからから、少女の白い素肌と、
小さなふくらみが見える。
残るピンはあと1つ
?
17 :
sage:2009/03/28(土) 21:20:13 ID:czCdosD2
なんだ?
野球拳になるとじゃんけんが強くなりそうだな、上条さんはw
上条さんと野球拳をして脱がされ続けるヒロインたちか・・・
不幸を基準に考えれば、自分が脱ぐより相手が脱ぐ(でそれを誰かに見られて〜)
の方がそれっぽいねw
み、美琴分が不足してきた……
御坂、美琴、ミサカン、ミコトン、御坂たん、美琴ちゃん、みさかっち、みこっち、みみちゃん(名前と名字の頭文字)
適当に呼び方を考えてみただけっていう話だ
>>22 「おーいビリビリー」
「またアンタはっ!ビリビリゆーなっての!!」
「じゃあどう呼ばれたいんだよ?ご希望があれば上条さんが呼んで差し上げましょうか?」
「え……と………、」
いやなんかすまん電波がね
(普通に名前ででもそれだとなんか恥ずかしいしでも名字だとちょっと寂しいしお姉様なんて
呼ばれたくないしえっと他になんて呼ばれたことあったっけな……)
「なんだよ特にないのか?じゃあやっぱり今までどおりビリビ」
「お嬢様!」
「…………おじょうさま?」
(思わず思いついたこと言っちゃった!一度だけ舞夏にふざけて呼ばれたことあるだけなのに
だいたいお嬢様って別にこいつはあたしの召使いでもなんでもないわけで)
「まあいいか。……それではお荷物でもお持ちしましょうか、美琴お嬢様?」
>>23の電波がこっちにきたみたいだな。とりあえず反射しておいたから誰か受信よろしく
25 :
秋沙と晩酌:2009/03/30(月) 02:44:59 ID:KgSHe0EX
とある魔術の禁書目録 14フラグ目
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1236084927/n138 -----------------------------------------------------------------------------------
138 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/03/06(金) 20:22:25 ID:fzODObsQ
夢の中でミサカキャバクラに行った俺から質問だ。
あなたに3件のお店の新装開店の招待状が届きました。
お客はあなた一人で「特別な大サービス」それぞれ用意されています。
しかし、3件とも同じ日です。
さて、どのお店をえらびますか?
1.高級クラブ「ランベス」
ママ「かおり」
メンバー オルソラ・オリアナ・ルチア・シェリー・五和・吹寄・風斬
2.コスプレ喫茶「萌」
店長「小萌」
メンバー インデックス、20001号、アンジェレネ、アニェーゼ、ミーシャ
3.キャバクラ「DREAMDCLUB」
店長「御坂母」
メンバー 御坂、御坂妹(各種)、白井、初春、佐天
4.家に帰って愛する妻、「秋沙」と晩酌をする。
さあ えらべ。
-----------------------------------------------------------------------------------
をみて以来なんかヘンな幻視が脳裏にちらつくんだぜ
どうしようもないので文章化してみた
26 :
秋沙と晩酌:2009/03/30(月) 02:45:32 ID:KgSHe0EX
住宅街。
平凡な一軒の平屋。
その平屋の居間。居間は電灯が消えており、薄暗い常夜灯だけが点いている。
響いてるのは古い振り子時計の音だけ。
「……」
薄暗い居間のちゃぶ台の前で正座しているのは姫神秋沙。
いや、今では姓が変わり上条秋沙である。
秋沙は和服の上につけた割烹着の胸元に手を当てる。
その左手には銀色に光る指輪がある。
秋沙はその固い金属に触れ、その固さを確かめるように、自分の左手をぎゅっと握った。
ちゃぶ台には茶碗といくつかの皿が並んでおり、その上に布巾がかけられている。
その家の主人はまだ帰ってこない。
「……はぁ」
秋沙は小さくため息をつく。
夫の帰りが遅いのはいつものことだ。
どこに行っているのかはだいたいわかっている。
夫には夫の付き合いがあるのだろう。
当麻は夜な夜な、お酒の匂いをさせて帰ってくる。
時には耳や頬に歯形をつけて。
時には電撃でも喰らったかのように頭髪をチリチリにして。
秋沙は何も言わず、そんな当麻に絆創膏を貼ったりチリチリになった髪を梳かしたりする。
そんなとき、夫当麻は「ありがとう」とだけ言って頭を撫でてくれる。
腰を抱き寄せて抱きしめてくれる。
秋沙にはそれだけでよかった。
夫である当麻がたとえ外で何をしていようと、許せた。
いや、秋沙にとっては許すなどということですらない。
自分を救ってくれた上条当麻という人が、自分のことを好きになってくれたというだけで望外の喜びだった。
何分の一かでもいい。自分のことを好きでいてくれれば。この家に帰ってきてくれれば。
それだけでよかった。
柱時計が時を打つ。八回。九回。十回。十時を回っても、当麻は帰ってこない。
今日はもしかして――
そう秋沙が思った瞬間、玄関に靴音がした。
秋沙は瞬時に立ち上がると、蛍光灯の紐を引く。
グローランプが煌き、居間が暖かい光で満ちる前に秋沙は玄関に三つ指を突いている。
膝を付き頭を下げながら最愛の夫を迎えていた。
「お帰りなさい」
秋沙の愛する世界でただ一人の男は、妻に優しげに声をかける。
「おう。ただいま」
多少疲れた顔の当麻は、妻の顔を見ると笑顔になり、コートを脱いで無造作に渡す。
そのコートをハンガーに掛けながら秋沙は問いかける。
「お風呂。それともご飯。それとも――」
最後まで言わせずに当麻は、最愛の妻の唇を自分のソレで塞いだ。
わずか数秒で秋沙は割烹着の紐を解かれ、着物の肩をはだけられ、袴をずり下げられて
当麻に組み敷かれていた。
寛げられた襟元からまろび出た乳房は透き通るような純白で。
しみ一つない肌からツンと高く盛り上がった小山はその内側の青い静脈を透き通らせて夫の掌を誘っていた。
27 :
秋沙と晩酌:2009/03/30(月) 02:45:51 ID:KgSHe0EX
キスされながら。玄関で組み伏せられながら。秋沙は身体を夫にまさぐられていた。
夫の舌の感触に、身体の奥底で熱い温度が高まっていく。
最愛の男性の掌の感覚。それで触れられた肌が融けそうなほど熱くなり、女の子の芯がズキズキと高鳴る。
魔法の手。
私の呪いを解いてくれた掌。
たいせつな人。
私を、救ってくれたひと。
涙が勝手に瞳の淵に盛り上がり、視界の中の夫の像が歪んでいってしまう。
上条当麻の掌で乳房を揉まれるたび、薄い毛しか生えていない女の子の園を弄られるたびに
夫がベルトを外し、その熱く滾った怒張を露出したとき。
秋沙の中で何かが生まれた。
「あ、あなた」
秋沙が改まってそう呼びかける。
当麻は「え?」という顔でその声に応える。
言いにくそうな言葉を、秋沙は口にする。
「あ。あの。お口で。して差し上げます」
「へ?」
秋沙との夜の営みの最中、今まで何度も頼んでその度に怒られていたコト。
男のナニを、女の子のお口でソレして貰えるという夢。
当麻のそんな壮大でささやかな夢がたった今、叶おうとしている。
その真っ白な顔をほのかに朱に染めた秋沙。
興奮しているのか、羞恥なのかいつもは怜悧なくらいに隙の無い美貌が紅潮している。
これからしばらくはしなければならない、行為。
それはしてあげたい、行為になった。
自分の口で、自分の唇や舌で愛するひとが幸せになってくれるということ。
それはきっと、とてもシアワセな事。
玄関の板の間に正座した秋沙は、床に腰を下ろした当麻の股間に屈むように近づくと、
その薄桃色の唇を開き、天を指している剛直をその中に招き入れる。
にゅるっ
ちゅぷっ
ふうっ
最後の吐息は当麻のものであり秋沙の鼻息でもある。
夫に唇でご奉仕しているという幸福感が秋沙の両足の間の器官を熱く炙りたてる。
肩に置かれた掌が、幻想殺しの掌が、秋沙をただの、一人の女の子にしてしまっているようだ。
忘れたい過去に、させられていた行為。
度し難い欲望の発散方法だと思っていた行い。
違っていた。秋沙は今まで完全に勘違いをしていた。
大好きな男の人に、ソレをしてあげること。
最愛の人を、口で幸福にしてあげること。
それは、愛の形のひとつなのだった。
息を荒くして後頭部や首筋に手を這わせてくれる夫の愛撫。
口の中、舌の上。口腔の粘膜で直接感じられる亀頭の熱さ。硬さ。
自分の名を呼んでくれる夫の、疑いようもなく快楽に震える声。
28 :
秋沙と晩酌:2009/03/30(月) 02:46:28 ID:KgSHe0EX
秋沙の乳首はズキズキと固く立ち上がり、脱がされかけの肌着に擦れて全身に白い快楽電気を流す。
共感の地鳴りのような光悦が膣の裏あたりに発生し、それが秋沙の脊椎を駆け上り全身から力を奪っていく。
腰だけを高く上げ、上体を床に押し付けるような体勢で秋沙は夫の、最愛の男子のシンボルに奉仕を続けている。
「くっ…あ、秋沙っ」
そう言いながら秋沙の髪を優しく撫でる当麻。
その当麻の指に、掌に、秋沙はたまらない快楽を感じてしまう。
脳が揺さぶられ、頭皮が白熱してしまう。
「秋沙っ…で、出るっ」
そう叫んだ当麻の言葉も、秋沙の耳には意味を成さない音としか捉えられない。
唇の間で、口の中で、熱い脈動が爆発している。
生臭い、夏草の匂いのする男のエキス。
結婚して以来、子宮で何度となく生で感じたその液体の味。
秋沙はその熱さとほろ苦さを舌の上に感じ、同時に女の子の部屋の中をどろどろに熱しながら、絶頂に達した。
----------------------------------------------------------------------------------------------
とりあえずはココまでなんだぜ
もうちょっとエロい続きを書いてくる
一ヶ月以内にまた来るぜ
GJ!!!!!!
俺の中では何故か当麻の姿が刀夜氏になっていたが…
あのツンツン頭は変わらなそうだな。
乙です。何故か、古き良き昭和の時代。昭和30年代頃のお話、と言う印象を受けました。
やっぱり、姫神は和服と日本家屋が似合うんだなあ〜。それに比べて、やっぱり俺のSSって異端だなw
GJです!続き待ってますよ
GJ!!!
続き楽しみにしています
上条さん最高っすw
GJ
ナイスだ!
>>31 君のSSが異端なのか?ここは異端でもある程度は許される所なんだからドンドン投下するんだ
>>35 えっと、ゴメン。前に投下してるんだ。ナースと病院。おとなしくしてるって言ったのに、俺って奴は・・・。
書き手のネガティブな自己主張は自分の作品価値を下げかねないぜい。
読み手の時は読み手に徹するのみだにゃー。
美琴分。
背後から大きな声がした。聞き覚えのある、いや、聞き覚えさせられた、と言う方が自分の
印象にはより近い少女の声が、語気も荒く自分に近づいてくる。
ああ、不幸だ、と呟きながら少年は振り向いた。
「………ビリビリ言うなっ! また! また言ったわね! あ、アンタねえ、は、初めて会ったと
きから……そう言えばその次も、そのまた次も、それからその次も、えっと、ちょっと! 26回
会って26回ともビリビリって呼んでるじゃないの! わ、私には―――」
よくもまあ、そんな下らないことを覚えていたものだ。26回、だって? と、言うことは――つ
まり、今までに26回この少女に絡まれた、と言うことか。自分から話しかけたことなんか無いも
んな……と、目の前で必死にわめき立てる常盤台中学の制服姿の少女を見下ろしながら、
上条当麻は溜息を吐いた。
今回だって、こっちから声をかけたのではない。用もないのに、そんなことなどしない。用が
出来ることも、たぶん無い。
深い溜息がまた沸き上がってくるのを感じつつ答える。
「御坂美琴、って言う名前があるんだろ」
その言葉に虚を突かれたのか、目の前の少女――御坂美琴はぴた、と瞬間動きを止め、目
を見開いて上条を見つめ返した。
その顔が、少し紅潮しているように見える。
「わ、判ってるんだったらなんでビリビリ言うワケ? 嫌がらせ? 勝者の余裕ってやつ? 良
い? 私はアンタに負けたなんて、だって、一発も、」
再びオーバーなアクションを交えながら声を上げ始めた少女を見ながら上条の肩にのしか
かるのは、なんだか猛烈に疲れたような感覚だ。美琴が不自然に頬を染めていることとか、
リアクションがさらに大げさになったこととか、そう言ったことには上条は気付かない。
(名前を言ったら言ったで怒るのか…………結局、一緒じゃん)
やっぱり溜息が漏れるのを押さえられないまま、上条はひらひらと手を振って美琴の言葉を
遮って口を開く。
「はいはい判った判った判ったから。じゃあさ、お前は俺になんて呼ばれたいんだ? ……学
園都市第3位の超能力者・御坂様? スーパー電撃少女ちゃん? 常盤台のエース、御坂美
琴お嬢様? ちょっとくだけてミコちん、とか? あ、そうだ、超馴れ馴れしく―――」
そう言いながら、上条の頭の中をとりとめのない思考が駆け巡る。
毎度毎度雷撃を飛ばしながらやってくるこの少女に、ちょっとうんざりしていたのは事実だ。
絡まれるようになったその原因にしたって、全面的に自分が悪いとは思わないし、本当にど
うしてこの少女は『無能力』以外の判定を出したことのない、というか、あらゆる判定に掠りも
しなかった自分をこんなに目の敵にするのだろう。
ちょっとくらい、からかってみても良いよな、どうせ追っかけられるのは既定の路線だし……
と、上条当麻は自分の顔を思い切り美琴の耳元に近づけた。
少し声のトーンを落として、息を吹きかけるように囁く―――――。
正直言って、御坂美琴は勝ったとか負けたとかは結構どうでも良いような気がしていた。
でも、あいつはやっぱり何時まで経っても自分を子供扱いしている風にしか見えない。それ
が、許せないのだ。いつもいつも溜息を吐いて自分を見下ろし、挙げ句の果てには、
「お前の勝ちにしとけばいいじゃん。はいはい、わたくし上条さんレベル0ですからレベル0。
敵うわけ無いもんなー、学園都市第3位さまに」
などと吐き捨ててさっさと立ち去られたことさえある。あれは本当に屈辱的だったし、何にも
してないのに完膚無きに伸されたような感覚がしたのも腹立たしい。
……腹立たしい、と言えば。
「なんだ? ……………あー、またお前かビリビリ中学生」
これだ。
これが、一番堪える。
男だ女だレベルいくつだ、以前の問題だ。何せ、自分のことをゲームの電気ネズミか何かと
同じ程度に見なしているのだ。こんな風に自分を呼ぶのは、もちろんこいつしかいない。
上条、当麻。
何度雷撃を喰らわせてもまるで無傷、というか、微かにでも効いた感じがしない。
とにかく、自称レベル0――事実レベル0らしい――のこの高校生を負かせてやりたかった
のだけれど。
最近は、自分を子供以外の何者にも見なさないことを訂正させたいがために突っかかって
いるような気も、する。そうして今日の放課後、ようやく見つけた上条が、
「御坂美琴、って言う名前があるんだろ」
自分の名前を呼んだ。
芯から、震えた。
込み上げてくる何かに顔が赤くなる。訳がわからない。頭の片隅で、余計に子供っぽく見え
ちゃう、と思いながらも、オーバーに手足を動かすのが止められない。しかも、どうして自分は
またこいつに口答えをしているのだろうか。そんな中、かろうじて聞こえた上条の声。
「じゃあさ、お前は俺になんて呼ばれたいんだ?」
え、と動きが止まって、その空白を突くように上条が唇を耳元に寄せ、その吐気とともに全身
に響く上条の声。
「み、こ、と……?」
耳から流れ込んだ上条の声が頭の中で鐘のように響く。背中を痺れが疾走って、一度全身に
散った痺れが今度は手指の先から、つま先からビリビリと帰ってきて、ずん、と下腹部に響く。
じゅん、と美琴の雌が疼いた。
押さえることの出来ない本能の部分で、目覚め始めていた雌が騒ぐ。沸騰するのではない
か、というほどに頬が火照るのを感じて、他のありとあらゆることが出来ないままに、美琴は
両手でその火照る顔を覆って隠した。
「………あれ?」
上条の声が聞こえる。耳に入ってくる声が、なぜかさらに痺れを呼ぶ。だめ、このままじゃ、
立っても居られなくなる―――そう思った瞬間、脚が勝手に駆けだした。
上条の顔? 見られるわけがない。声? これ以上、我慢できない。触れられたことさえない
けど、もし、もし、今あいつに触れられたら。
御坂美琴には、もはやここから逃げ出す以外の選択肢は有り得ないのだった。
「おーい………………」
突然、両手で顔を覆って御坂美琴が踵を返した。そのまま、もの凄い勢いで走り去る。
「……やっぱ、まずかったのか……? う……」
あれでもし、猛烈に怒らせたのだとしたら……この次は、一体どうなるのだろう。
上条当麻は、自分の悪戯を深く深く後悔した。明日の不幸を呪いながら。
ではまたいずれ。
>43
乙です!美琴可愛いよ美琴可愛いよ
想像したら萌えた
投下乙です。
雰囲気的に上条さんが記憶を失う前っぽいような気がするけど、そうなのかな?
子ども扱い=恋愛対象ではない、だから許せないっていう思考は可愛いと思ったり。
>>43 美琴分補充乙。楽しませていただきました。続き待っています。
GJ
続きを。続きを書いてくれ〜
ありふれた一場面なのにえろいなーw
この後まで想像できるのが良い
GJ!!!! 当麻陥落編とかまで読みたいが、無理にとは言わない。
気が向いたら書いて下さいお願いします。
>>43 超GJ!
美琴エロ可愛いよ美琴
>>48 火照った体を自分で慰めるんですね分かりますw
おはようございます!
美琴成分が足りないとの話だったので息抜きがてら書きましたよ。
『電撃娘が見る夢は?』
短いですがどぞ。
『電撃娘が見る夢は?』
今、私、御坂美琴の目の前にはベッドに眠るアイツ、上条当麻がいる。
ここは、コイツが怪我をする度入院する病院の、これまた毎度お馴染みの病室。
コイツが何度も入院しては同じ病室に入る――コイツいわく専用個室なんだそうだ、全くアホくさい話を自慢げに言うんじゃないと思うのだが――ものだから私も場所を覚えてしまった。
「はぁ……、アンタはまた何処のどいつを助けたのよ……」
自然と愚痴っぽい台詞が口をついて出た。
話はつい数時間程前まで遡るんだけど、町をぶらついていたら変な格好のクソチビガキに出くわした。
例の白い修道服に安全ピンを無数に付けた銀髪小娘は私の顔を見るなり、
「あっ、短髪!」
と開口一番私をいらつかせた。
しかし私も大人ですからそんな事くらいでキレたりしないわよ。さらっと流すわよ、さらっと……
「ねー短髪、私、お腹が空いてるんだー、何か食べさせてくれると嬉しいかもっ」
「短髪短髪言うなーっ! 私には御坂美琴って名前が有るって何度言えば判んのよ! 大体何で私がアンタの空腹に配慮しなきゃいけないのよーっ!?」
「えーっとね、とうまはやっぱりいつでもとうまのまんまで、また入院しちゃったんだよ」
「あにー!? アイツまた入院したのぉ?」
嘘、アイツ大丈夫なのかしら?
「そうなの。だから私朝から何にも食べてないの。だから――」
そしたら、やっぱりやっぱりお見舞いに行った方がいいわよね。
うん、そう、これはやましい気持ちとか、全然そんなんじゃ無くて――そう、アイツがいっつも不幸不幸って可哀相だから、この美琴様が一肌脱いで……。
いやいや、脱ぐっつっても言葉のあやで、ホントに脱ぐには、まず、ねえ、色々段階ってもんが――
「――なんだよ……って、聞いてるのかな、ねえ、短髪?」
「え? ななな、何? ききき、聞いてるわよ。そそ、それで?」
「あうう……聞いてない。それとも、さらっと流されたのかも……お腹空いたよぉ」
うっ……、だから何でそんな目で私を見んのよ……。そう言う小動物系って私弱いんだから。
「わ、判ったから。ファーストフードとかでいいわよね? その代わり――アイツに何が在ったんだか教えんのよっ、イイわね!」
ヨシ、これで罪悪感は拭え――いやいや!? これでアイツの事聞き出せるわね。フフフ、待ってなさいよぉ!
「さっすが短髪、何時でも何処でも太っ腹だね。そう言う所、とうまにも見習わせたいかも」
「なんか全っ然誉められた気がしないんだけど?」
「気にしない、気にしない。天にまします我らが父よ、願わくは、この胸も性格も貧相な短髪に救いの手を差し延べて下さい」
黙って聞いてりゃこのクソシスターぁぁぁぁぁああああああ!!
「こんのぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおお、おわッ!? き、急に引っ張んないでよっ!」
急に腕を引かれたので前に転びそうになったじゃない! って、大体何でこんな力あんのよコイツ? さっきまでヘロヘロだったのに。
「善は急げなんだよっ! だから早く早くーっ!」
「うわっ、た、だ、だから引っ張んないでよー、歩く、歩くからぁー。も、だ、だれかコイツ止めてーっ!!」
そうしてバカシスターに引き摺られ――いやいや、バカシスターを引き連れて、私は最寄のファーストフード店に行った。
そして、見てるこっちが気持ち悪くなるくらいに食べさせた所で聞き出した話では、イタリア旅行に行った先で、またもアイツは事件に巻き込まれたらしい。
しかも、また女がらみってのが腹立たしい――いや! べ、別にアイツの女性関係なんてどーでもイイのよ。
現に私は、この暴食シスターがアイツと同棲してたって、へ、平気なんだから……、羨ましいとか、ア、アイツがどんな格好で寝るの……、とかなんて、全然、かんけいな……い、いや、そんな事はどーでもいいのよ!
兎に角私は、ついでに、本っ当についでにさり気無ーくバカシスターの予定も確認して、今日は病院に来ない事を確認すると、まだ食べ続けるバカシスターを置いて先に店を出た。
そして、最寄のお店に飛び込んでお見舞い用のクッキーを購入しようと手に取った所で、以前アイツに言われた事を思い出して一瞬躊躇した。
「お客様、新発売になりましたこちらの生チョコなど如何でしょう? 高級ブランデーをふんだんに使いました大人の味に仕上がっております」
などと後ろから店員に声を掛けられて、気が付いたら生チョコを購入していた。
まだ時折、強い日差しに見舞われるようなこの時期に何で生チョコなんか買っちゃったんだろう?
とりあえず保冷バッグに入れてもらったから病院までは平気そうだけど、これを持って行ったらまたアイツに何を言われるかと思うと……、このまま川にでも放り込んでしまいたいくらいだ。
だがしかーし、同じ放り込むならアイツの減らず口の方がなんぼか私の気持ちもスッキリするに違いない。
大体、食べ物を粗末にしたとあっては作った人に申し訳が立たないってもんよね。
てな訳で、大分話が横道にそれた気がするけど、私は病院に来たわけよ。
で、コイツが起きるのを待ってるんだけど……
「起きない」
全っ然起きる気配が無い!
確かにここに来る前に、ゲコ太似の院長先生――何時か写真撮ってやろうと思ってるんだけど、今だ成功せず――からはこの時間は寝てるかもって言われたけど。
「この美琴さんがお見舞いに来たってのに、何でコイツは起きないのよ」
本当ならここで叩き起こしても構わないんだけど、あちこち包帯を巻いたちょっと痛々しい姿を見ると流石に起こすのは気が引けた。
ちょっと唇が半開きになってて――喉が渇かないのかしらコイツ?
しっかし、普段は憎まれ口しか叩かないコイツも、寝てりゃ少しは可愛げがあるもんね。
後で写真でも撮っておこうかしら? あ、いや、そんな事より――
「どうしようかしら、これ」
そう、これ、生チョコよ。
そんなに時間は掛らないだろうと大して保冷材も入れてもらってないので、いい加減食べてしまわないといけないんだけど。
「うーん、どーしたもんかしらねぇー……、おっ! いい事思いついたわ」
私は、保冷バッグから生チョコの箱を取り出すと、包みをビリビリと破いて中身を取り出す。
箱の中には切れ目が入れられた生チョコ、うっすらと汗をかいた生チョコを一つ串に刺すと、アイツの口に押し付けてみた。
すると――
「食べたっ!」
フフフ、大成功。
もごもごと口を動かすアイツの顔を見ながら私は小さくガッツポーズを決めた!
しかし喜んでばかりはいられないのよね。次はどうやって食べさせようかしら……あっ!?
「また口開いてる……、と、とりあえずもう一個……」
アイツの口に運んでやると、もごもごと食べ始めた。
「ホントは起きてんじゃないのコイツ?」
顔を近づけて、じーっと覗き込んでみたけど……、寝……てる……みたいね。
それよりこの生チョコ、どんだけブランデー入ってんのよ!?
コイツの口から漂う甘ーいチョコの香りと一緒にお酒のにおいが鼻をくすぐる。
はぁー、しっかしこうして見ると睫毛長いのねぇーコイツ……。
「!?」
な、何してんの私、か、顔近すぎじゃない! 思わず飛びのいちゃったけど、び、びびび、びっくりしたぁ。
「よ、よぉし、お、落ち着け御坂美琴、ア、アンタが今やらなきゃいけない事は、コイツに生チョコを……、食べ、食べさせる事よ」
ところが、落ち着きたくても心臓は勝手に早鐘打ってるし、頭には血が上って今にも破裂しそう……。
おまけに串を持った手が小刻みに震えて満足に生チョコも刺せやしない。
それでもやっと一つ生チョコを串に刺すと、震える手にもう片方の手を添えてアイツの口に慎重に運ぶ。
「じ、自分がした事とは言え何か変な気分ね。親鳥がエサをあげるのってこんな――あっ!?」
気持ちを落ち着けようと軽口を叩いていたのがいけなかったのか生チョコが串から落ちた!
布団を汚してはいけないと、咄嗟に私は落ちる生チョコに串を持っていない方の手を伸ばして――
「ぁ!?」
ア、アイツの口の中に、ゆ、指……ぃ!?
「きひゃ!?」
咄嗟に串を避けて手の甲で自分の口を塞いだけど、コ、コイツ、わた、わた、私の指ぃぃぃぃぃいいいいいいい……。
「ン、ング! ンンンン!!」
止めて、止めて、止めてぇぇぇ……。
指に、溶けた生チョコと、アイツの指が絡みついてくる何ともいえない感触に背筋にゾクゾクと何かが這い上がってくる。
嫌なら、手を引っ込めればイイんだけど、これ……駄目……、体が、言う事聞かない……。
あ……、指……、吸われてる……。きゅきゅって赤ちゃんがオッパイ吸うみたいに……、オッパイ……、オッパ……。
「フゥゥゥンンンン!!」
私の体がふわぁって持ち上がったような感じがして急に気が遠のいた。
膝がカクンと折れて、私はベッドの側に尻餅をついてしまった。
そのまま暫く呆然としていたが、ふとアイツがしゃぶっていた指が気になってぼやけた目の前に手を持ち上げてみた。
「あ、赤くなっひゃったらない」
あ、あれ? 呂律がおかしい……って、私、その指、どおす、る、つ、も――あぁ!?
口の中に生チョコの微かな甘味と、ブランデー特有の重厚な香りと、それと、そ、れ……。
「ンンンンン!!」
また来た、頭が真っ白になってく……、ふぅわぁぁぁ、イイ気持ちぃ……。
「って、オイッ!?」
な、何してんの私!?
とりあえず口の中にあった自分の指を引き抜いて暫しクールダウン。美琴、冷静に……、冷静になるのよぉ。
「ふぅ」
何回か深呼吸したらとりあえず落ち着いたわ。精神的にちょっと疲れたけど、変な満足感があるのは……何故かしらね?
「と、そんな場合じゃない! ア、アイツは……!? あ……、寝てる」
どんだけ寝んのよアンタはっ!? こっちは色々と大変だったってのにっ!
いや、勝手に騒いでるのは私なんだけどね、なんか、ほら、やっぱムカつくじゃない?
「おら、起きろ、うり、うりうり」
だから指で頬をつついてやった。
アルコールなんか入ってるもの食べさせたせいかしら? 触れた頬が温かい。
「うーん……」
「!?」
急にアイツが唸ったんで、私はびっくりしてベッドから飛び退いた。
「お、起きた、の?」
「…………」
「起きてないの?」
「…………」
「はー……、まったく、なんなのよコイツ」
私は手近にあった椅子にドスンと腰掛けた。
「あーもー、寝ててもこの私をおちょくんのかアンタは。くそー、寝てるやつに負けるなんて余計にしゃくだわね」
どうしてくれよう、と私は頬杖を付いて寝ているアイツを見つめながら考える――あ、布団から右手が飛び出してるわね。
「ホント口だけじゃなくて寝相も悪いなんて――はいはい、この美琴さんが手を仕舞ってあげるんだから感謝……おっ! うふふ、いい事閃いちゃったわ」
ベッドの側まで来ていた私は、アイツの体をぐいぐいっと私が立っている方と反対側に押しやる。
そうすると、そこに1人何とか寝られそうなスペースが出来た。
くいっと、掛け布団を持ち上げた所で、きょろきょろと辺りを見回す。
「い、いつもならここで邪魔が入るんだけど……」
今日は邪魔者は来ないようね――でわ。
私はもそもそとアイツの布団の中に入ってゆく。
フフフ、これぞびっくりどっきり大作戦!?
これで、コイツが起きた所で「おはよ」とか囁いであげれば、小心者のコイツの事だから飛び上がるほどびっく――
「きゃ!?」
シマッ!? 寝返り、い、いやっ!? だ、抱きしめられた!?
こんな事になるなんて想定していなかった私は、すっかり抱きすくめられて動けなくなってから、自分の失敗に愕然とした。
暫く色々抵抗してみたけど、何ら解決の糸口が見つからないので諦めた私は、疲れもあってか急に眠くなって来た。
それにここは何だかほわーんとしていて居心地がいい……。
もういい加減メンドくなってきたので意識を手放す事にしすると、すぅっと意識が落ちてゆく。
きっとコイツは、目覚めた時に私を見つけて驚くんだろうなぁ……、その時が楽しみだわぁ……、えへへ、とうまぁ……お、や、す、みぃ。
END
お終いです。
なんか急に終って申し訳ない。
もう少し引っ張って可愛い美琴を書けたら良かったんですが。
でわ。
>>56 ・・・そ、添い寝来たぁあああ――――っ!!!
美琴の心理描写、お見事です。
何故、貴方はそんなに我々を萌えの世界に引きずり込むのでせうか?
>>56 間接ちゅーに添い寝とは…
朝からいいもの見させてもらったよ
>>56 心理描写もさることながら、自然な言葉遣いとか秀逸だよねー、GJ!!
ただ、個室に冷蔵庫くらいついてないのかなー、って思ったり
まぁ、テンパってそれに気付かない美琴かわいいよ、美琴。ってことで
>>59 あー、入院経験無いんで知らなかった。
とは言え普通はありますよねー
ご都合主義でお願いしまーす。
あれ? 美琴ってインデックスが上条さんと同棲してること知ってたっけ?
まあ、些細なことか、グッジョ!
>>25 前スレ138です
本人が忘れかけたネタの文章化ありがとうございました
次は神崎ママの横取り編ですよね
オリアナ姉さんと上条さんはかなりいいコンビだと思うんだ
神裂ねーちんと上条さんは実は上条さんに主導権があると思うんだ
五和の大精霊チラメイドが気になるんだ
上条さんと喋るだけでショートする美琴たんが可愛いんだ…
>56
美琴はやっぱり最高だな
出来れば続きをお願い申し上げます
堕天使エロメイド←ねーちん
大精霊チラメイド←五和
小悪魔ロリメイド←打ち止め、小萌
聖天使ヒラメイド←禁書、ほかシスター陣の方々
雷獣人ビリメイド←美琴、妹達、打ち止め
つっちーにかかればこれくらいのバリエーションは軽いはず!
雷獣人ビリメイド→猫耳メイドという解釈でいいんだな
吸血半透明黒髪メイド
ぴかちゅーメイドしか連想できなかった<雷獣人ビリメイド
獣だ、メイドだと書いてあるのに頭に思い浮かぶのはザボーガーとかイナズマンだけだから困る
黒子分が足りない…
>>68 ピチュー→打ち止め
ピカチュー→妹達
この流れなのに、自分だけエレブーで半泣きで
登場する美琴
上条さんにトレーナーの格好させて、
黒子にケーシィ
一方さんにソーナンス
ねーちんにカモネギ
ステイヌにガーディ
つっちーにピッピ人形
カエル医者にジョーイさんの格好させればいいよ
上条勢力の出来上がりだ!!
ニート?ポケモン図鑑でいんじゃね?
「もういい、ビリビリ」
で、美琴涙目とかさ
前スレの最後、催眠術までしか取得してないんだけど、あの後何か投稿された?
>>75 埋めネタ
とある噂の巨乳御手(バストアッパー)
埋めネタにしては勿体なかった。
>>74 実際ポケモン図鑑は英語でポケデックスだしな。
数年前日本中の小学生が苦労して覚えた「ポケモンいえるかな?」も彼女は一発暗記だろう。
ピチューの着ぐるみっぽい子供向けパジャマを着た打ち止めを想像してみたら悶えるほど可愛かった
絵を描く技量のない自分が憎いっ…!
お前には妄想っていう最強の武器があるじゃないか
黄金錬成ってそういうのも実現できるのかね?
オタは妄想に強くても、精神的に脆いところあるから逆に向かないよね
>>78 ポケモンの最新作にはピカチュウの着ぐるみを着た幼女のトレーナーもいる。
>>81 エレキブル(エレブーの進化系)じゃないだけマシ。
>>82 mjd
ポケモンは151匹しかいなかった頃しか知らないんだが
やべぇな、侮りがたしポケモン…。
やべえポケモン ピカチュウしか知らねえ
歳がバレるなW
これからは。私の時代
>>86 そのセリフは私とお姉さまのように
OVAが決定してからでございますわ
ifストリーとかってあり?
問題ないと思うけど
エロパロなんて、上条さんがフラグを回収できたら、という大きな括りでifだし
>>88 おおっ![ifストリー]とは、これ如何に?一体お主は、どれ程の面妖な作品を創られたのか?
もし、完成しているのならば、是非とも、我々に御披露を願いたい。・・・・・宜しく頼みます。
///:.//:.:.:./:.イ:.:.:.:.:.:.::/.:.:/ Z:.:.:.ヽ:.:.::.!..:.:.:.:.:ハ
< イ /:,.:.:./:.:.:ー.'.":./.:.:.:.://./ {_.:.:.:.:.ヽ.:.!:.:.:::.:.:.:!
/.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:/ // {三ミ:..:...!:.:..::.:.:.!
/:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:/:..:.:..:/ 〃 ,. - 孑:テ穴ヽ.:..:.:.八
|:.:.〃.:.:.:.:/:/:.:.:\' / / _____ レ'〈:::ヽ }:.:.:.:..:.:\
V /.:.:.:.:/:/.:.:/___\ 、 / /ィ圻 灯 ノ 〈::ノ 从:.:.::.::\\
/.:.:.://.:/ハ < 代心ト '"´ ヾこツ ,. " /.!:.:\.:..:.:::ヽ:.>
/.:/ 厶イ ハ `¨ニ´ ¨¨¨ u ,..:.ーく..:.:.:.:!:..:.:.\:.\
<.イ ハ 从:.:.:.:!:.:.::.:!::.:...::.:.:\:\
/.:.ハ 〈 ,.イ:.::.:.:.:.:!:.:.:.:.:!:.:.:.:.:.:\..\>
, 彡:.:.:_込、 _ ,. -‐、 / .!.:.:.:.:.:.:!:.:.:.:.:!:.:.:!:.:.:.:.:.:\:.\ また浮気か…
ー==彳:.:.://.:.:.:>、 `¨ ー― ' / |_.:.:.:.|:.:.:.:.:|:.:..:!:\.:.:.:.:.\:.:>
/:./ /:.:.:.:.:.:/:.:.:>.、 ¨_,. ' _ ,. -< ∨:.:.:.:.:ハ.:.:ハ..:.:..ト、::.:.:.:\
// /::.:.:.:/.:.:.:.:./.:.:.「´, x-< \:./ V \! \..:.:.:>
/' /..:.:/.:/:.:.:.:/ 彳¨¨!\ /`Y´  ̄ ̄/ ̄\
>>92 またもかしこも上条さんが中学生と付き合ったら淫行罪で捕まってしまうだろうに・・・
>>93 あれ?東京都は14〜17歳はセーフじゃ…
と思ったが誕生日来てなきゃ13歳か
だがちょっと待ってほしい
学園都市に日本の法律がどこまで適応されるのか
警備員にロズウェル事件状態で連行は勘弁ww
どうでも良いが、学園都市に産婦人科はあるのだろうか?
そして学生で妊娠した奴はどうなるのだろうか?
ビリビリは
性的に興奮すると帯電して
見境なく放電してしまうという体質なんだぜ
>>96 大学もあるし大人も普通に働いてるんだから産婦人科はあるんじゃない
>学生で妊娠した奴はどうなるのだろうか?
退学になる
そういや、まだ「エロパロで使われていない人」で書けそうな人材って誰が居る?
学生で妊娠した奴は退学って、厳し過ぎないかな。レベル高い能力者は特に・・・。
そのまま、学園都市にいたら・・・スキルアウトに雷帝誕生するのか・・・・。
産婦人科は、普通にあると思うな。困った時は、奴が何とかしてくれる。あのカエル顔の医者が・・・。
書けそうな人材も未だ一杯いるでしょ。SS2やイギリス編の中に・・・。幻想(妄想)の力は十人十色。
これ書いてる途中でも、何故か脈絡も無く「テッラ×オリアナのSEXバトル」が浮かんだ。誰の電波だ?
>>99 ワシリーサ
ヴェント
あと読んでないけどSS2と17巻の新キャラ。
そういえば、空から降ってくる系のヒロインが乳母車をひいた若奥様の前に着地してたっけ
産婦人科がないほうが不自然かな
退学は厳しいけど、お嬢様学校にはいられなくなるだろうな…
妊娠2、3ヶ月の胎児を妹達の培養器にいれて人工妊娠・出産はできないか
そう言や。妊娠じゃないが、似た感じで放校ってSS(その手を離さないで)あったね。
レスした後で気付いたんだが。マジで前に誰か発してなかったか?こんな感じの。
テッラの奥義。「ふふん。そんな単調な動きじゃ、お姉さんは逝かせられないわよん♪」
テッラ負けるな、ローリングだ!ローリングを出すんだ!ガンバレぇえええーっ!
>>100 オリアナとテッラはない
テッラ死んでるし接点すらない
>>101 キャーリサなんて犯したいキャラNo.1だぜ
じゃあ五和とテッラで
>>104 デジャブを感じたんだが、どっかずれてたんだな。申し訳ない。ちょっと疲れてたみたいだ。
>>105 五和って、おしぼりだよな。テッラ先生が何か技術指導でもするのか?・・・い、いかん。ちょっと休んでくる。
黒子にフラグが立って、朝目覚めると…
「あら…んぐ…おはよう……んん……ございますわ…んん!」
「ちょ!? し、白井何してんだ!? って、うぉ!? あ、朝っぱらからナニを…っていつの間にか拘束されてるし!?」
「んん……あなたは…そのままじっと…んぐっ……していてください…。私に身を任せてよろしいので…」
「いやいやいや!? ナニ言ってますかあなたは!? 何で突然こんなこ……ぐぉ!? ちょ、や、やめて!?」
こんな事になりそう。
・・・・・・「娘」シリーズが読みたい・・・
110 :
名無しさん@ピンキー:2009/04/02(木) 12:49:21 ID:2yeVBg4G
あ
>>106 原作で接点ないカプでも納得できる描写してればありだと思うぞ
>>100 カエル医師は分娩台プレイが好きらしい(2巻)ので危険w
通行止めの娘ネタ書いてた人なら自分のブログで地味に続き書いてる
どこだそのけしからんブログは
kwsk
>>107 ささ、どうぞその前後も投下してください
ネタは多い方がいいよね。
ワシリーサって、サーシャにこんな事しそうじゃね? ってネタ。
「ワシリーサ!」
「あら、サーシャちゃん。血相変えてどーしちゃたのー?」
「第一の質問ですが、この服は一体何ですか」
「あらぁー、新作は嫌だって言うからぁ、今着てるのを改良したのよー。やっぱりサーシャちゃんには薄幸そうなその衣装ゴブワッ!?」
「第二の質問ですが、さっさと鍵を渡してくださいクソ上司。付け加えて解説しますと、即刻鍵を渡さないとこちらにも覚悟があります」
「ああー、新調したデスクが真っ二つに……。もー、備品は大切にっていつも言ってるのになー。何々ー、どーしちゃったのかしらー? 益々深刻そうな顔になっちゃって。もぅ、そんなお顔もとってもキュートよん♪」
「第一の解答ですが、この鍵付きのベルトが外せないので服を脱ぐ事が出来ません」
「いいでしょーそれぇ♪ 貞操帯の機能を付けたのよー。これでサーシャちゃんの初めては私のうふえへへへ」
「第三の質問ですが、貴様の考えがよく解りました。補足して解説しますと、この事をニコライ=トルストイ司教様に報告して――」
「あらぁ、サーシャちゃん。それまでに間に合うのかしらー?」
「第二の解答ですが、この服は破棄させて――!?」
「あらあら、力が入らない? あらあらあらー、震えちゃってどぉーしたのかなー? そぉーよねー、お手洗い我慢してちゃ辛いわよねー」
「だ、第四の質問ですが、私のブランデーに何か混入しましたか」
「たっぷりの愛と、ほんのちょっぴりの痢尿剤♪」
「第五の質問ですが、そこまで堕ちたのですか変態クソ年増」
「あらあら、今は誉め言葉と取っておこうかしらー。じゃあー、サーシャちゃあん、観念しまちょーねー♪」
みたいな。
>>116 ねーよwwwwwねー…いや、日常だな。すばらしい。
ふと思い出したんだが、イエス・キリストは処女と非処女を見分けられたっていう逸話があったと思う。
つまり聖人は処女や童貞を見分けられるということだろうか?
まだ完結してないので良ければどっかのロダにでもテキスト上げとこうか?
完結したらまとめてロダにうpってここにアドレスだけ貼ろうかなーと思ってたんだけど。
(エロパロに置くにはあまりにエロと遠い話になりそうだったので)
>>123 >>1 >エロの有無を問わずSSは常時大歓迎]
外部に投稿するとまとめサイトに収録されない可能性があるから後々のためにもスレに上げた方が。
>>123 やっぱりスレとか保管庫でじっくり読みたいから、できれば投下してほしいかも
まあ職人さん次第だが
いや、正直分量も多くて改行するのがめんど…げふんごふん
娘ネタももう旬が過ぎたしなーと思ったもんで
ぶっちゃけまさか続きを待ってる人がいるとはさっぱり思ってなかった。
じゃあ、とりあえず完結させたらまた来るよ。
完結するまではとりあえず待ってくれ。いつになるか分からんがなw
>126に期待しつつ…
質問です
以前『とある幻想の一方通行』を投下した者ですが、
番外編と称して薬指にはめる指輪ネタを、2ちゃんねるのキャラ板・一方通行スレに投下したんですけど、
124・125の意見があるならば、こちらにも同じものを投下するべきなんでしょうか?
pixivですかそうですか
色々とアレな絵を書いてる人のだっけか。どこかでも絵が晒されてたな
小ネタ
反射を利用方法が考える
1撫でてみると逆に手の平を撫でられる感触が返ってくる?
2舐めてみると舌を舐められたみたいに(疑似ディープキス)?
3素股をしたはずが貝合わせに?
4Hでは突っ込む時だけ反射を切ると常に突かれてイキっぱなし?
5アヌスの場合、抜く時だけ切って常に出して感覚でやっぱりイキっぱなし?
6フェラは嫌がって吐き出そうとすると深く銜えこまされ
逆に堕ちきって、銜えようとすると吐き出してしまいお預けに?
7
「こんなメモをテーブルで見つけたんだよ
ってミサカはミサカはさっきの行動の理由を説明しつつ、
1番2番はもう試したから他のも試したいな
ってミサカはミサカはアナタに期待の眼差し」
133 :
名無しさん@ピンキー:2009/04/03(金) 04:13:10 ID:fRj/ZYIu
何でイギリス清教が贈呈の形で学園都市製品を入手してるのかは知らんが
もし全自動トイレをシスター達が使ったらどうなるんでしょうか?
>>133 分かりきった事を聞くもんじゃありません。MadeInJAPANの実力をその身に受け、虜となるのです。
うぉしゅれっと様の洗礼をビデに受け、トイレの前に行列が現れるのです。
それは、神裂さんも例外じゃありません。自らの好みの水流や量にカスタマイズする程お気に入りです。
こんな事で機械オンチを克服されるとは、天草式の皆さんも草葉の陰で泣いているでしょう。アーメン。
135 :
名無しさん@ピンキー:2009/04/03(金) 05:32:01 ID:fRj/ZYIu
>>134 しかし、学園都市製品がただの市販品と思わない方が…
自動便秘解消機能や排泄器官洗浄機能も搭載されてたりして
>>135 おおっ!そう言えば、洗濯機は360度回転してましたな。
そ、それでは中のヒダヒダさんまでも洗浄されるのですね。パーツさんの消耗が早くなりそうです。アーメン。
137 :
名無しさん@ピンキー:2009/04/03(金) 06:00:27 ID:20e9cTDL
>>133 CV.オルソラ
「こちらの…“うおっしゅれっと”とは…ハァハァ……何て…罪深い物でしょう……あああっっ!!」
CV.神裂
「お…おのれ学園都市…またしても卑劣な…うっ!くっ!!…も、もっと…水圧を…強…くぅぅぅっ!!」
CV.アニェーゼ
「ちくしょう…こんなもので……何が“びで”ですかこんな…ふあっ!!あっ!!…あっあっあっあっ」
CV.シェリー
「なるほどこの角度から水を出すことにより“すべてを包み込む慈悲”を表現しているのか…芸術だ……」
いやもうなんかすまん入学式の準備してくる
>>137 実に素早い対応、感謝致します。
入学式ですか。それは新しい出会い。フラグの晴れ舞台ですね。貴方に幸あらん事を祈ってます。アーメン。
>>132の補足というか尻を拭きにきた
勘違されても仕方ない文だった事を謝る
頭がガンガンする二日酔いのせいだ。
自分の正体がはっきりしているか確かめるため、昨日の記憶を思い出してみる。
たしか、昨日は何故か愛穂も私もぐでんぐでんに酔っ払いていたはずだ。
『だから〜い〜まの男は〜駄目じゃんよ〜』
『うん、男は見る目がな〜い』
今、考えると訳の分かない事ばかり、連呼していた気がする。
たしか、二人で飲んでいた傍らのソファーで
一方通行と打ち止めが重なって寝ていたはずだ。
二人が起きたかどうか記憶にないのが不安である。
二人にあんな姿を見られてたりしたら……
あ、そうだ。
暫くして話題が二人の事に移ったんだったわ。
『きっと〜この二人私達に隠れ〜て、ち〜ちくり合ってる〜じゃん』
『そ〜よ、それに〜あくせ〜られ〜たは〜むっ〜つりスケベよ。絶対そう』
あぁ本当にどうしようもない程、自分達は酔っ払っていたようだ。
二人に合わせる顔がない。
正直ここで思い出すのをやめたいが何か大事な事を忘れている気がするのだ。
だから、私は更に思い出す事にした。
『でも、こんなち〜さな子供に攻め〜られる男って、情けないじゃん?』
『愛穂〜甘いわね〜一方通行は〜はんしゃ〜が使えるのよ』
『それがどうかした〜?』
『だ〜か〜ら〜こっちが気持ちよ〜くしようとすると
逆に気持ちよ〜くされちゃうのよ』
『うわ〜攻め攻めじゃん』
『うん、はんしゃはエロいのよ』
支離滅裂な事ばかり言っている。
確かこの後、反射をH方面に利用する話で盛り上がり、
一方通行をエロいだの鬼畜だの好き勝手言ったような。
しかし、まだ大事な事を思い出してない気が……
ガンッ!
と、そこで部屋のドアが蹴破られた。
そして、一方通行が鬼の形相で入ってくる。
「芳川、この筆跡あンたのだよなァ」
一方通行が突き付けたメモ用紙には、文法が滅茶苦茶でも確かに私の字で
「反射を利用方法が考える」
と書かれていた。
>>116 自分が放り込んだネタは自分で回収します。
つー訳で、ワシリーサ×サーシャと言うかノンエロですのでどちらでもいいですが。
『サーシャちゃん危機一髪!?』投下します。
『サーシャちゃん危機一髪!?』
ここはロシア成教『殲滅白書(Annihilatus)』の営舎の一室。サーシャ=クロイツェフにあてがわれた彼女専用の個室である。
彼女は、部屋に入るとまず腰に下げていた武器の中からバールを手に取ると、クローゼット、洗面所、バスルーム、ベッドなどと人の隠れられそうな場所をくまなくチェックしてゆく。
自室でこのような事をするのは決して彼女の職業柄――ゴーストバスターズ――からでは無い。
日々彼女にセクハラ行為を強いる上司・ワシリーサのせいである。
今彼女が着ている戦闘服――とワシリーサは呼んでいる――からして、ワシリーサのセクハラ行為の一旦である。
この服装一つで彼女がどれだけの誤解を受けた事か、それを思い出すたびにサーシャはあの変態女上司に明確な殺意を覚えるのだ。
サーシャは室内の確認が終ると、手にしたバール、腰に下げたその他の拷問道具、首輪と順番に取り外してはテーブルの上に並べてゆく。
次に真っ赤なフードと、同色のマントをベッドの上に脱ぎ捨てて身軽な服装になった。
とは言えその格好はまだ、妙齢の女性が勝負の時に着る肌着のようにシースルーになったインナーと、全身を拘束する重厚な黒皮のベルトであり、小柄な彼女に凄惨な印象を与えている。
これなら裸の方がまだマシだと思うのだが、自室とて安心できないのは先程の通りだ。
とりあえず一服しようとサーシャはキッチンでお湯を沸かし始めるとティーセットを用意する。
キッチンでちょこまかとサーシャが動き回ると彼女のゆるいウェーブのかかった長い金髪がふわふわと揺れる。
服装にさえ目を瞑れば、可愛らしい少女が家事をこなす姿は何とも微笑ましい。
程なくしてお湯が沸くとそれをティーポットに移したサーシャは、他のティーセットと、何故かブランデーのボトルをお盆に載せると自室に移動する。
それらをテーブルの上に置いて、サーシャはティーカップに紅茶を注いでゆく。
すると紅茶の芳しい香りが部屋中に広がり、サーシャも少し緊張が取れたのかほっと小さくため息をついた。
サーシャは、ティーカップに3分の1ほど紅茶を注いだ所で手を止めると、今度はブランデーのボトルを手に取ってティーカップが並々と注ぐ。
そして、ちょこんと椅子に座ると、ティーカップの中身を半分ほどぐいっと煽る。
「…………」
サーシャは神妙な面持ちで、自分が半分の身干したティーカップの中を覗いた。
そして、おもむろにブランデーの瓶をティーカップを持った手とは逆の手に持つと、ティーカップにブランデーを再び並々と注いだ。
それを今度は一気に全て煽ると、そこでティーカップをテーブルの上に置いて首をかしげた。
「第一の疑問ですが、ブランデーの味がおかしいです。補則して解説しますと、普段私が飲むものより高級な味がしました」
そこでサーシャはふとワシリーサの言葉を思い出した。
それはつい先程、任務を終えたサーシャが、上司であるワシリーサのもとに帰還及び作戦結果の報告に訪れていた時の事。
『サーシャちゃん、今回は1人でお仕事ご苦労様ー。じゃ、報告は後で報告書にして提出して今日はこれで上がって頂戴。』
『第一の回答ですが、了解しました』
ワシリーサの言葉で、退出しようと背を向けたサーシャの背中に、再びワシリーサが声を掛けた。
『あ、待って。それとねぇ』
『第一の質問ですが、何でしょうか』
もったいぶったワシリーサの声に、何の感情も見せずにサーシャは答えると、ワシリーサは満面の笑みでこう付け加えた。
『頑張ったサーシャちゃんにご褒美よん♪ お部屋に用意したから楽しんでねー』
「第二の疑問ですが、ワシリーサの言ったのはこの事でしょうか」
もう一度ブランデーのボトルを手に取る。
外見はいつもサーシャが愛飲しているブランデーのボトルと変わりが無い。と言うことは中身だけを入れ替えたのだろう。
それならボトルごと置いてゆくかすればよい物を、何ゆえこの様に手の込んだ事をするのだろう。
いや、あの根性が螺旋階段のように捻じ曲がったワシリーサの考える事だからよく判らない。
それよりも、味が良かったとは言え2杯も飲んでしまったサーシャの心には一抹の不安がよぎった。
「第三の疑問ですが、いくらワシリーサでも身内に毒を盛るような事は無いと思います」
サーシャはそうひとりごちると、椅子から降りてティーセットをキッチンに戻した。
そしてクローゼットから着替えを取り出すとそれを持ってバスルームに向かった。
暫くの間、無人の室内にはバスルームの方から漏れてくる金属が擦れるような音が微かに聞こえていた。
しかし、それは突然の低い衝撃音と共に、木材とへし折れるような音と、何かがばらばら落ちる音に取って代わる。
その破壊音の発生源たるバスルームからサーシャが何事も無かったように現れた。
服装も先程のままの彼女は、ベッドの上に脱ぎ捨てたマントとフードを身に付けると、テーブルの上の武器を一つ一つ腰に挿してゆく。
その姿は一見何の変哲も無いようだが、鬼気迫る雰囲気はまさに死地に赴くそれである。
最後にバールを手にしたサーシャは、それを腰に挿さず手に持ったままドアに向かった。
そして大きく振りかぶると、バールをドアに叩き付けた!
すると、バールを叩きつけられたドアは重々しい衝撃音と共に蝶番や鍵などを撒き散らしながら粉々に消し飛んだ。
埃の舞う、廊下にゆっくりと姿を現したサーシャは、バールを水平に翳すと走り出した。
すると、廊下の奥の方から再び何かを破壊する大きな音が響き渡った。
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
自身の執務室で書類に目を通していたワシリーサは、丁度正面に位置する扉が大きな音と共に粉々になりながら自分に向かって飛んできても書類から顔を上げなかった。
そして、扉の無くなった入り口から、バールを片手に持ったサーシャが入ってきてもそれは変わらなかった。
「あら、サーシャちゃん。血相変えてどーしちゃたのー?」
ワシリーサは相変わらずサーシャの方は見ずにしれっとそんな事を言う。
すると、ある程度の位置で立ち止まったサーシャはワシリーサに答えるように、
「第一の質問ですが、この服は一体何ですか」
「あらぁー、新作は嫌だって言うからぁ、今着てるのを改良したのよー。やっぱりサーシャちゃんには薄幸そうなその衣装ゴブワッ!?」
次の瞬間、ワシリーサの目の前のデスクに向かってサーシャがバールを振り下ろした。
先程にも勝る破壊音が響きデスクは足が全てへしおれた上に真っ二つになる。
ワシリーサは衝撃の余波を受けて、椅子ごと壁まで飛ばされていたが特に怪我などは負っている様子は見えない。
「第二の質問ですが、さっさと鍵を渡してくださいクソ上司。付け加えて解説しますと、即刻鍵を渡さないとこちらにも覚悟があります」
椅子に座ったままのワシリーサに向けて、サーシャは淡々と、しかし有無を言わせぬ迫力で言い渡す。
しかしワシリーサの方は、最初は驚いたように目を丸くして居たが
「あらー、新調したデスクが真っ二つに……。もー、備品は大切にっていつも言ってるのになー。何々ー、どーしちゃったのかしらー? 益々深刻そうな顔になっちゃって。もぅ、そんなお顔もとってもキュートよん♪」
いつものにこやかな顔をサーシャに向ける。
「第一の解答ですが、この鍵付きのベルトが外せないので服を脱ぐ事が出来ません」
サーシャは皮ベルトの一部を掴むとぐいと引っ張る。
すると、殆ど遊びが無い皮ベルトは箇所が引き絞られて幼い体に無残に食い込んでゆく。
「あらあら、まぁまぁー♪」
「重ねて第一の解答ですが、服が脱ぎたいので鍵を渡してください」
涎を垂らさんばかりに身を乗り出すワシリーサに、すぐさまベルトから手を離してマントで体を覆い隠したサーシャは、再度ワシリーサに詰め寄った。
「いいでしょーそれぇ♪ 貞操帯の機能を付けたのよー。これでサーシャちゃんの初めては私のうふえへへへ」
サーシャの呼びかけを無視するかのように、ワシリーサはひとり夢見心地で椅子の上でくるくる回る。
そんなワシリーサを暫くじっと見つめていたサーシャは、破壊したデスクの片方をバールに引っ掛けると、そのままワシリーサに投げつけた。
凄まじい破壊音が三度響き渡りデスクの片割れは粉々になった。
しかし、相変わらずワシリーサは椅子の上に座っており、優雅に足を組み替えたりなんかしている。
やはり正面からワシリーサに対しても全く効き目が無い。
これではただの八つ当たりで、全く解決にならないと感じたサーシャは次の手に出ることにした。
「第三の質問ですが、貴様の考えがよく解りました。補足して解説しますと、この事をニコライ=トルストイ司教様に報告して――」
「あらぁ、サーシャちゃん。それまでに間に合うのかしらー?」
「!?」
新たな手段に出たサーシャを前に、ワシリーサは余裕を持ってその言葉を遮った。
それもその筈、今まで目の前で元気に暴れていたサーシャが突然膝を着いたのだ。
サーシャは自分の体の状態を確かめようと必死に頭を巡らす。
「あらあら、力が入らない? あらあらあらー、震えちゃってどぉーしたのかなー?」
「!!」
そんなサーシャの耳元にワシリーサの声が振ってきた――と思った次の瞬間、背中からぎゅっと抱きしめられた。
「だ、第四の質問ですが、私のブランデーに何か混入しましたか」
全身に立つ鳥肌とか悪寒を抑えて、サーシャは搾り出すように言葉を紡ぐ。
「たっぷりの愛と、ほんのちょっぴりのび・や・く♪」
「第五の質問ですが、そこまで堕ちたのですか変態クソ年増」
顔は見えずとも、声音からきっと満面の笑みを湛えているであろうワシリーサに向かって、サーシャは吐き捨てるように言った。
「あらあら、今は誉め言葉と取っておこうかしらー」
そんなサーシャの挑発の言葉にもワシリーサは更に笑みを深くする。
そして、程なくしてサーシャの手からバールが滑り落ちて、乾いた金属音が響く。
「じゃあー、サーシャちゃあん、観念しまちょーねー♪」
ワシリーサは、荒い息継ぎをするサーシャを人形のように抱きかかえると扉の無くなった出入り口を潜って出て行った。
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
大浴場の広い洗い場に2つの影が見える。
たっぷりのお湯から立ち上る湯気に隠れながら、小さな影に寄り添うように大きな影が張り付いている。
「どう、サーシャちゃん、痒い所はないかしらー?」
頭にタオルをぐるっと巻いたワシリーサは、年相応の脂の乗った白い肌を惜しげもなくさらしながら、目の前の泡の固まりとなったサーシャの頭を両手で優しくくしけずる。
「第一の質問ですが、一緒に入浴する為だけにこの騒動は一体何なのですか」
「あら!? サーシャちゃんは私がお願いしたら一緒にお風呂に入ってくれるのかしら」
サーシャの呆れたような声に、ワシリーサは楽しそうに答える。
「だ、第一の解答ですが、貞操の危機を感じますので丁重に辞退させていただきます」
ワシリーサのあまりのノリノリぶりに言葉を詰まらせるサーシャ。
そんなサーシャに畳み掛けるようにワシリーサは泡だらけのサーシャの髪を指ですきながら、
「でしょ、でしょー。私は一度ねー、サーシャちゃんのこの綺麗な金髪を洗ってあげたかったのよねー」
「第二の質問ですが、その為だけに私に媚薬をのませたのですか」
そんなワシリーサの言葉に憤りを顕にサーシャは言葉を返す。
「たまたまあれしか手に入らなくてねー。何々、体のほてりが納まらなかったらいつでも言って。上司たるもの部下の欲求不満の一つや二つ――」
「だ、第二の解答ですが、丁重にお断りします。付け加えて解説しますと、他の男性にでも言ったら喜びます」
大きな二つの膨らみを背中に感じて、サーシャは訳もなくドキドキしてしまう自分に戸惑う。
「駄目駄目駄目ー、女の子は天使なのよ、男なんて汚れたものに触れられるなんて考えられないわよー」
「第三の質問ですが、本気で言っている所が怖いです」
「ま、そんな事どっうでもいいじゃない。さ、流すわよ、サーシャちゃん、痛い痛いだから目ぇ瞑ってねー」
「第三の質問ですが、私を子ども扱いしていませ――」
サーシャの不服そうな響きを含んだ言葉は、シャワーの音にかき消された。
END
終わりです。
何か案外ワシリーサってプラトニックってか本気じゃサーシャに手を出す事は無いだろうなとか思ったらこんな話に落ち着きました。
賛否両論あるとは思いますが。
でわ。
新しい!GJ!
>145
乙です。なんかいいな!
女性がきゃっきゃうふふしてるノンエロの話が好きな自分にはご馳走でした
ごちでーす!GJでした!
>>145 GJ!です。そうか、ワシリーサってロシア版黒子だったんだな。
それにしても、ロシア組まで網羅しているとは、・・・さすが、ハーレム展開を画策しているお方だ。
天にまします、我らがAサイドさん。
貴方の底無しの幻想の力に、凡俗なる我々は平伏してしまいます。アーメン。
>>145 ぐっじょぶ。
鍵でしか脱げない衣服だと……これは是非とも堕天使エロメイドセットにオプションとして装備してはっ!?
鍵を持つのは勿論上条さんで。
サーシャああああああああああああああああああああああ
ぐっじょ! せりあーさんのヤンデレ小説(・人・)
雲川セリエAだと?
>>152 SS2読んでないから解らないけど、雲川ってヤンデレそうなの?
ま、上条相手なら誰でもヤンデレられそうだよね。
「私だけの上条当麻になって! さもなきゃ……」
うーん、ファンタジー♪
>>154 おや?今度は、雲川さんで書かれるのですか?それは楽しみです。
そういや、上条の先輩って、雲川さん以外に居たっけ?居なかったと思ったけど(♀限定)
「ちょっ、雲川先輩……」
「ふふっ…まだ触ってるだけなんだけど。相変わらず、お前はかわいい奴だなぁ…」
「うう…一応日本男児な上条さんはそんなこと言われてもうれしくないのです…」
「自覚が無いのか?そーゆーところがかわいいと言ってるのだど」
「ど、どーゆーところでせう?」
「ん?だから、」
ムニュッ
「な゛っ!!!!!?」
ムニュムニュッ
「こーゆーところ、だ、け、ど?」
「せっ、センパイ!!?ちょっ、もう無理っす!!」
「とりあえずは、1回目だけど。嬉しいことに、夜はまだまだ長いようだしな」
いやホントすまん電波のせいだよ電波
しかも「だど」ってもうね、吊ってくる
>>157 ぶっ!・・・冗談のつもりで言ったのに実行して下さるとは。・・・GJ!
えっと、不躾ですが、貴方の作品で気に入ってる言葉があるのですが、引用させてもらっても宜しいですか?
>>158 いいよいいよいいよ「だど」意外なら
ヤンデレってなんだよ…ヤンキーデレデレ?病んでるほどデレデレ?ヤンバルクイナデレデレ?
わかんねえよ…
>>159 良い電波を受信なさったな
ヤンバルクイナデレデレってなんだよw
沖縄最高みたいな?
上条さんと禁書の沖縄旅行とか連想したけど書けるわけがない。
いくら禁書さんでもヤンバルクイナ相手に食い気は起こさんだろ。
それを食べるぐらいなら三毛猫をry
「…猫って……おいしいのかな…?」
「(ビクウッ!!)」
「ねースフィンクスー、…猫って…おいしいのかなー」
「(ダラダラ…)」
「ねー?」
「(ダラダラダラダラ)」
「………………」
「(………………)」
「いただきまー「フシャァァァァァ!!!!」
「イタタタタ痛いよ冗談なんだよスフィンクsひゃあ!!そ、そんなとこ舐めちゃ…ああっあっあっ…」
食べようとして逆に食べられる禁書
ほんとすまんしばらく電波受信モードOFFにするわ
なにこのやっちゃった感前回の画像…
これがホントの幻想殺しってか
>>156 GJっ!
雲川ってそーいう人なのね。
面白そうだわ。
ねーちんはもっと凛々しいきりっとした美人をだなあ(ry
口直しに木山先生のネタ。
「さぁー、今日の授業を始めます、えーと……、今日の授業は保健体育です」
「センセー、保健体育って何ですかー?」
「体育って言ったら外じゃねーの?」
「保健体育とは体育と名は付いているが、君達が思っているものとは違う」
「えーっ!? 外でドッジボールやろうよ、センセー」
「何言ってんのよ男子はー、センセーが困るでしょー!」
「うっせー女子ぃ、バーカバーカ」
「静かにしたまえ」
「「…………」」
「よろしい。では、君達にはまだ早いと思うが……、今日は、せ、性徴について学習してもらう」
流石に色々問題あるかなぁ〜
問題がどうとか以前に
異様に従順な子供たちに吹いたw
「うわーすごく濡れてるー」
「せんせーオシッコもらしてやんのー」
「違うよーここは赤ちゃんが産まれる場所なんだよねーせんせー?」
「そ、その通りだ…そこは……ち、膣と言い…ふわっ!!」
「ねーせんせー?このちっちゃくて固いのなーにー?」
「そ…それは陰核と呼ばれる物であり…くうっ…」
「いじっちゃえー!コリコリーコリコリー!!」
「くぁっ!あっ!あっ、よ…せ…もう…」
「うわーまたグチョグチョしてきたよーせんせー」
「そうだ!!せんせーのここ、俺が拭いてやるよ!!」
「え゛っ!!?け、結構だ!!」
「いーからいーからー」
「えんりょーすんなよーせんせー」
「バカ止め…きゃあ!!!!」
「あれー?なんか全然変わんねーなー」
「じゃあわたしも拭くー!」
「じゃあさーこの穴みたいなの塞げばいいんじゃねーの?」
「!!!???」
「すげー!!お前頭いい!!」
「へへー」
「あ、じゃあこの鉛筆いれよーぜ?」
「せんせー入れるよー?」
「た…頼むお前たち、もう止め」
「えいっ」
「くぁぁぁぁっ!!あっ…あっ…」
「んー?なんかまだ全然入りそうだぞ?」
「ほんと?じゃあもっと入れようぜ」
「つーかさっきよりグチャグチャしてんじゃん」
「ちゃんと拭けよ女子ー」
「なによー男子がちゃんと穴塞がないからでしょー」
「せんせーだいじょーぶー?」
「ふあっ…あっ…ああっ…」
「もっと強く拭けよなー」
「そっちこそしっかり塞ぎなさいよねー」
「こ…の……、いい加減に」
「「せーのっ」」
「あああっ!!あっ、ああっ!くっ、うぅぅぅっ!!」
「もっと早く拭けって」
「わかってるわよっ」
「せんせー?もーだいじょーぶだからねー」
「お前たち!!これ以上…うぅっ!!…こ、これ以上するなら私は………」
「「わたしは?」」
「私は……………」
「「わたしは、なーに、せんせー?」」
「…イ…………クぅ」
俺の受信した電波ときたらほんともう
>>173に申し訳たたねぇよ
177 :
173:2009/04/05(日) 09:14:28 ID:trX8AWLU
>>176 いやGJ、アナタはすばらしい。
私ときたらさっさとこの電波を捨てて、木山先生宅のパジャマパーティーを受信してたよ……
代わりに責任取ってくれてありがとう!
凄まじい感度をしてる。360度全方位カバーの上、どれ程の巨大なアンテナなんだ?
おまけに、ブースターの出力も異様な高さときた・・・・・。そんな貴方に恐怖を感じながら、GJ!
エロい!GJ!
よーし、パパ御坂親子丼とか考えちゃうぞー
御坂パパと美琴の親子丼だな……? 遠慮したいな
183 :
名無しさん@ピンキー:2009/04/05(日) 23:18:57 ID:0F2g5M/m
それには同意する、ところでねーちんがヤンデレになって当麻を拉致するSSマダー?
>>182 一瞬、俺が受信した電波と同じ感度の人がいるなんてw
>>181 親子丼ですか。美鈴さんが先なら美琴が狂乱乱入、美鈴さんが大人の余裕で対応して、うやむや3P突入。
美琴が先なら、美鈴さんが、あたしも混ぜろ〜的おちゃらけ乱入するんですかね?やるな、美鈴さん。
電波受信するだけじゃなく、発信してどうすんですか?飛ばし過ぎW
どうせ親子丼するんなら上条さんと御坂母娘に親父も混ぜた4Pにしてやるんだ。
ただし、親父は強化ガラスの檻の中から妻子が種付けされるのを涙を流して見ているだけの役回りだが。
>>186 変態!犯罪者!! でもちょっといいかも・・・
「み、すずさん…俺…」
「ふーん、挟まれるのが好きなんだねえ上条くんは。どお?気持ちいい?」
「は、い…すごく…」
「ほーらぁ、美琴ちゃんもいっしょに楽しみましょってえ」
「う、うるさいこの酔っ払い!!な、なんで私がそんなこと…」
「おんやー?素直じゃないなー我が娘ーそんなに好きな人が母にパクッと食べられるところがみたいのかなー?」
「なっ!!?」
「う…あぁ………」
「ほらほら早くしないと上条くんも限界よー?」
「わかったわよっ!!私にだって…これくらい…これくらいは…」
アムッ
「うわぁぁぁ!?み、御坂!?」
「んむっ…むっ……むぅ」
「あーらあら、美琴ちゃんだいたーん。どうですか上条くーん?」
「め…ちゃくちゃ…熱いです……」
「よかったわねー美琴ちゃーん、愛しの彼に喜んでもらえて?」
「あむっ…んむぅ…んんんっ…」
もうマジですまねえ電波のバカヤローめ
でも世の中には他人丼という料理もあってだないやすいませんでした
お姉様とお姉様のお母様・・・(ジュルリ
ここはパライソですわね。
即興小ネタ集で自身のトリで纏めても良いのになぁ、何か勿体無いと思ってしまいますね。
即興でこれだけ連発してて、本来の作品はどうなってんの?なんて、余計な事さえ心配してしまいますよ。
これからも、貴方が民を遍く照らす光たらん事を祈ってます。アーメン。
すいませんなんか受信したので投下します。
14巻時の禁書ということで。
ほんとすいません。
では投下。
192 :
とうま:2009/04/06(月) 02:25:59 ID:S/4EvLlM
「とうま…」
隣室の友人から
「ご飯を食べさせてやれって兄貴に言われてなー。お前も大変だなー」
などと、晩ご飯の招待を受けたはずなのだが。
家主が自分に作ってくれるそれより遥かに美味しい晩ご飯をお腹いっぱい食べたはずなのだが。
「とうま……」
白いシスターは真っ暗な部屋の中で1人、小さな机に突っ伏していた。
この部屋の主は少々変わった体質を持っていることは重々承知しているし、
彼の性格ゆえに多々無茶な行動を取ることも渋々承知しているが、
それでも、やはり。
「とうま……」
本当は、危ないところにも行って欲しくないし、ずっと自分の側に居て欲しい。
だが、
そんな彼の行動に救われ、そんな彼の優しさに触れた自分には、それを願うことができない。
わかってる。全部わかってる。
ボフッ、とベッドに倒れ込む。
このベッドが好きだった。彼の匂いがした、このベッドが。
今や1人で占拠してしまっているため、自分の匂いしか感じなくなってしまった。
そして当のベッドの持ち主は風呂場で寝てる始末だ。
193 :
とうま:2009/04/06(月) 02:27:49 ID:S/4EvLlM
前に一度だけ、一緒に寝ようと誘ったものの、
「いいいいやいやいや!!上条さんにも意地とプライドはありますから!!」
と、真っ赤な顔で断られてしまった。
なんのことやら。
そう思うと、フッと笑ってしまった、そして泣いてしまった。
グシッと涙を拭い、彼が日頃使っている寝床へ向かう。
そこはひどく狭く、寝そべってみると、小柄な自分ですら窮屈感を覚えるほどだった。
この小さな浴槽の中で、彼はいつも何を考えて寝ているのだろうか。
彼がいつも使う布団を掛けてみると、彼の匂いがした。優しく、温かい、彼の匂い。
「とうま……」
気づいたら、彼女の手は彼女自身の胸に延びていた。
まだ未発達な小さな胸のなぞりながら、彼と出会ったときのことを思い出す。
見られちゃってたんだよね…
顔から火を噴くような思い出を懐かしみながら、胸や先端を揉みしだく。
「とうまぁ…」
大切な彼を思うと、知らず知らずのうちに手の動きは速く、強くなっていく。
「ふぁ…あ…」
そして、すでにグッショリと濡れている自分の秘所にも手を延ばす。
「ふああぁ…」
グチュッグチュッと淫猥な音を立てながらいじりつづける。
,' ,∠ __________/ |
| <__:.:.イ:.`メ、/|:/ |:./\レ:.:.〈 |
┏┓ ┏━━┓ ノ! |/リレ',ィrそド"´ レ ィチxV:.!:.V}. ┏━┓
┏┛┗┓┃┏┓┃ /| /!:.:.! 〈. トzリ トzリ }:!::Nリ. ┃ ┃
┗┓┏┛┃┗┛┃┏━━/ /ソ:.:.i xx`¨´ , `¨x{:从 }━━━┓ ┃ ┃
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┗┓┏┛┗┛┃┃┗━/ /厶|:.:.|\ ヽ、 r つ ,. く:.:.:!:∧ ヽ ━━┛ ┗━┛
┃┃ ┃┃ / / |:.:.|::::::> ミ 、 <} |::.:| ヽ. } ┏━┓
┗┛ ┗┛ /i 〃 レ‐‐く\  ̄´ /::! !:<フ二ヽリ ┗━┛
/ // / /⌒く:\ イ:::::| |:. 厶--、 }
195 :
とうま:2009/04/06(月) 02:29:08 ID:S/4EvLlM
やらしい…
反響する効果音と自らの喘ぎ声を聞き、軽い自己嫌悪に陥いる。
しかし、手を動かし続けるうちに、そんなことはどうでもよくなっていく。
「と…うまぁ…」
もう彼のことしか考えられない。
布団を口にくわえ、文字通り彼の匂いを噛み締めながら彼女は、突起物をつねってみる。
「ひゃうぅっ」
鋭い快感が全身を駆け巡り、彼女は一瞬身を仰け反らせる。
「ふぉうみゃぁ…」
それでも、手の動きは止められない。
指は小さな穴にグチャグチャと言わせながら、その中をかき回している。
そして
「ふぁ、ふあぁぁぁ…」
体がフワリと浮くような虚脱感を感じ、果てた。
「はぁ…はぁ…」
彼を思うが故に溢れ出た体液で体を濡らしながら、荒く息を吐き出した。
今日はもう寝てしまおう。明日には帰ってくるはずだ。そのときはちゃんと「おかえり」と言ってあげよう。
「とう…ま…」
涙に濡れてしまってはいるが、その顔は笑っていた。とても優しく、そして温かく、笑っていた。
以上です。
誤字脱字その他諸々はスルーでどうかお願いします。
恨むなら俺に電波を送信してきた奴にどうかお願いします。
ちなみに自分はオルソラ派です。
寝ます。
ほんとすいませんでした。
>>196 GJ!
もうインデックスのことをいらない子とか暴食シスターなんて呼べないな
そっちの意味で暴食シスターとなら呼べるけど
>>196 貴方にレスする前に、此れだけは言っときたい。
何さらしとんじゃ
>>194、コメまで待たんかぁあああいいいいいいいい!!!!!
失礼した。禁書の切ない乙女心、確かに受け取りました。
正面から、これらの事を書くのは、大変な労力が掛かった事でしょう。
貴方のオルソラが我々の前に現れてくれる事を願って、GJ!を捧げます。アーメン。
これでもうだれにも食っちゃ寝要員とはいわせないよっ!
>>196乙
もしもの話だ。
念を押して、もしもの話である。
何かと気になる彼は高校一年、十五歳。
何かと気にしてしまう自分は中学二年、十四歳。
もし、彼と一つも歳が違わない、今よりもっと近い立ち位置があったなら。
自分と彼はどうなっていただろう。
イフの話なんて想像しても何の意味はない。
今が、今を成り立たせているすべてが変わってしまう。意味が無くなってしまう。
忘れられないことがたくさんある。忘れたくないことがたくさんあった。
幻想に過ぎない。恐らく絶対に現実にはならない。
でも。
彼は、こんな幻想を笑うだろうか。
こんな幻想でも誰かが笑えるなら、きっと――
いつの間にか書き始めてたけど、御坂美琴(中学二年生十四歳)が
ある朝目が覚めたら数年後の成長した姿になっていてさあどうしましょな
話を考えてるんだが、どうしよう。
上条さんに会いたいような、会って私はあいつに何する気だ!?な十四歳。
「あの殿方の右手は12時の鐘を鳴らしてしまいますのぉ!?――しかしガラスの靴は私が(ry」
ここはチャットする場ではない
202 :
名無しさん@ピンキー:2009/04/06(月) 06:46:22 ID:AWpktt9/
先に言っておく。
>>200、ネタを奪ってごめんなさい。
―――あなたに魔法をかけてあげましょう。
「ふにゃ?」
学園都市屈指の厳格さを誇る常盤台中学。その生徒たちの朝は早い。それが生徒に好評かどうかはともかく。
「ふぁ〜あ」
そんな厳しさトップクラスの学校に通うのは、御坂美琴は2年生だ。
(………変な夢)
ベッドで上体を起こし、適当に曲げ伸ばしながら思い返すのは、さっきまで見ていた夢のこと。
「魔法って言われてもねー」
自分が見た、あまりに非科学的な夢を一笑に付し、美琴は起き上がって洗面所で顔を洗いに行くことにした。
御坂美琴は常盤台中学の二年生である。
彼女自身の優秀さと勤勉さのために、これといった浪人生活(つまづき)もなく、順調に成長し生活している。
「おっとと。……なんか体が重いわねー。風邪かしら?」
それは彼女が今、普通の中学二年生の年齢であるということであり、
普通の中学二年生の年齢とは14歳のことであり、
「なんか胸も痛いし肩も凝るし…最近いろいろあったからなあ。疲れでもたまったかしら?」
14歳というのは産まれてから14年経ったということであり、
産まれてから14年というのはそれ相応に幼い外見をしているということであり、
「うわぁ髪もボサボサ…美容室も行かなきゃかな…」
それ相応に幼い外見をしているということはつまり、
「ま、いいか。さーて今日も1日頑張るとしますか!!」
ぱっと見18歳が鏡に写っているのは間違いなのだ。
「………は?」
スラッと伸びた背丈に、大人びた顔立ち。いつもは肩に掛かるかどうかの髪の毛も、腰まで届いている。
そしてコンプレックスのひとつだった小さな胸は面影もなく、
彼女の母親からの遺伝を感じさせる重量感を誇っている。
「…いかんいかん早く目覚めなきゃ」
ポカポカ頭を叩き、バシャバシャ顔を洗い、ギリリと頬をつねってみる。
「…………はぁ?」
しかし鏡は、現実の厳しさを屈指の厳格校生徒に突きつける。
「はあぁぁぁぁ?」
「お姉様〜?朝からあまりうるさくするとまた寮監にどやされ…」
13歳が着るにはどう考えても不相応な寝間着を着た白井黒子は、見た。見てしまった。
ぱっと見18歳のルームメイトの姿を。
「…ぅ」
「く…ろこ?」
「ぅぉおぅぬぅぇぇさまぁぁぁぁぁ!!」
「ぎゃあああああぁぁぁぁぁぁぁ」
バチーンとコミカルな効果音。平手打ち?いいえ電撃です。
「はあ…はあ……」
最も頼れるパートナーから最も恐ろしい敵にジョブチェンジした白井を一撃で滅し、
息を落ち着かせる美琴(14)。
「落ち着け私落ち着くんだそうだこーゆーときは素数でも数えてる場合かどちくしょー!!」
ドンドンドンドン!!!
ビクウッと美琴(ぱっと見18)の体をひきつらせる、扉をたたく音。
寮監だ。
(ま、ずい!!)
ガチャガチャと扉を開けようとする音。向こうはマスターキーを持っている。鍵など無意味だ。
(ヤバい!ヤバいヤバいヤバい!!)
慌てふためく美琴。しかし扉は、現実の厳しさを屈指の厳格校生徒に以下略。
ガチャ
「おい御坂美琴、白井黒子。朝から寮内を騒がせるとはいい度胸だ。これは早々に部屋替えを―」
「……………」
「………ん?」
気まずい沈黙が流れる。
ちくしょーここは寮監をやるしかないのかでも敵はレベル4をいともたやすく叩きのめす化け物だ
いやいやそれならこちらも7人のレベル5の第3位の化け物だ最悪相打ちにでも持ち込んで!!
「御坂美琴の姉上ですか?」
「へぇえ?」
かなり不穏な思考を巡らせていた美琴は、大人の笑みを浮かべる寮監に肩透かしを食らった。
「今日こちらに来られる旨を事務に知らせましたか?」
「えっ?ああ!すいません急に妹に呼ばれたものでしてハハハ!!」
「そうですか…大変申し訳ありませんが、他の生徒への影響も懸念されますし、
なによりも規律に反するため、早急に寮からの退出をおねがいしたいのですが…」
「は、はいい!!もちろんでございますはい」
「本当に申し訳ありません…ところで妹君の行方をご存知でしょうか?」
「へぇえ!?えと、あの黒…あー白井さん?とトイレに行くってー」
「そうですか…わかりました。それでは身仕度を済ませてください。外までお送りしますので」
「は、はぁ…」
現実とは、何が起こるかわからないものである。
もう一度言おう。
>>200、ネタを奪ってごめんなさい。
というか個人の連投はマナー違犯ですよねすいません。
続きは…どうしよ?
まあいいや本当にすいませんでした。
以下通常のエロパロスレで↓
>>209 ですから、貴方はあらゆる意味で飛ばし過ぎですってば!美琴成分量産、乙です!
それにしても、書きかけのSSで使った単語で同一なのが幾つかあるなんて、こりはマズイかな。
今更、別に差し換えなんて出来んぞ!?どうしてくれるのですか貴方は!自分にも←アーメン。
>>196 インデックスの優しい感じがGJっすわ。
>>209 GJ
そしてスレ住人はきっと続きを望んでると思うよ。
>>202 GJ
中々濃いーなー
乙ですよ
私17巻未読なんだけど大丈夫かな?
小ネタでヴェント。
「よう、体調はどうだヴェント?」
「もういつでもいけるわフィアンマ――でもその前に……」
「その前に?」
「私に罰を与えてくれフィアンマ」
「前回の失敗の件か? あれは誰も罰を受けてないぞ。仲間同士で共食いするのは異教徒のサルどもにでもさせておけよ」
「駄目なんだ。今の私には憎しみが足りない……フィアンマ、私に新しい憎しみを与えてくれよ」
「かぁー、ご夫人の頼みと有っては仕方ないか――罰を与えてやるよヴェント」
「ありがとう、フィアンマ」
「それではヴェント、お前に罰を与える――『獣姦刑』だ」
「じゅ、獣姦刑?」
「無様な負け犬のお前にぴったりだろう? ははは、我ながら良く考えたもんだ」
「……で、相手は?」
「犬でも豚でも何でもいいんだけど……、今のお前にはちと上品過ぎるよなぁ――そうだな、あれだ、異教徒と交わってこいよ」
「異教徒?」
「それもただの異教徒じゃ詰まらんから、そうだな――幻想殺し(イマジンブレイカー)にヤられてきっちり孕んだら帰ってこいよ」
「…………」
「出来ないなら罰は無し。他の選択肢も許さん。どうだ、出来るか、ヴェ、ン、ト、さ、ん?」
「……さ……」
「え、何だって? 良く聞こえなかったんだが」
「やってやるって言ったのさ、フィアンマ」
「おーおー、そーかいそーかい、なら手はずはちゃんと整えてやるから、お前はしっかり罪を償ってきなヴェント」
「了解した」
「では我等が同志前方のヴェントよ、これにより汝の罪が赦されん事を。アーメン」
てな毒電波を朝から受信したよ。
最近良質の職人が台頭してるから、いい里親が現れたらうれしいなぁ〜♪
子供は責任を持って育ててやるのが一番いいんだぜ
>>215 貴方に同意します。
しかし、いや、まさか!?何故か
>>214に、同じ匂いを感じるんだが?勘違いか?勘違いならば、申し訳ない。
もしも本人なら、もう、誰にも貴方の電波は止められない。南無南無。
禁書の中の人たちを、普通の町で普通に暮らさせてはどうだろうか?
御坂妹と上条さんがいい感じになってるパラレル世界で
酔っ払った上条さんが妹と間違って美琴に初体験なディープなキスと軽い愛撫かまして
美琴がこんな状況で嫌と思いながらも抵抗出来ず、ほぼキスだけで軽くイカされる
そんな夢をリアルに見てしまった俺はもう駄目かもしれん
>219
俺的には御坂妹じゃなくてもいい
当麻と美琴が絡めばそれだけでいい
BoF以外とくっつくなら誰でもいいや
>>219 「あれ、アンタなんでこんなとこにいるのよ?」
「んあぁぁぁぁ〜?上条さんは学園都市の学生さんですよ?ここは学園都市様ですよ?居て当たり前ですよ?」
「………アンタ酔ってる?」
「当たり前だろぉがぁぁぁぁ!!!」
「ひっ!?」
「こっちゃ酒飲んだんだぞ!!酒飲みゃ酔っぱらうのは当たり前だろぉがぁぁぁ!!ああ!?」
「いや…その……」
「それとも何か!?この世の中にゃあ酒を飲んでも酔わない方程式が存在するのか!?
かぁ〜さすがレベル5の妹君!!!我々凡夫などとは格が違いますねぇぇぇ!!!
ぜひともこの上条当麻にその理論プリーズプリーズプリーズ!!!!」
「いやアンタ妹って…誰と間違えてんのよ……」
「に、してもお前、その口の、相変わらず美味そうだなぁ」
「は?口?美味そう?どれのこと?」
「んあ?これだよ、こーれ!」
ムチュ
「ん゛んん!!!!!?????」
ムチュ…ブチュ…クチュクチュ…
「ん゛ーーーーーー!!!!」
「ん……ぷはぁ、やっぱ美味しかったぁ。上条さんは幸せですよーはい」
「はぁ…はぁ……」
「ん?口の中にも隠してんなぁ?」
「へ…?」
ハムッ
「むぅぅぅ!!!」
クチャッ…クチャッ…クチュ…
「むぅぅ……」
「んむ…んむ……歯ぐぉたえぐぁしゅばらひぃれふなぁ」
クチャクチャクチャ…
「む……ぅ…ん……くぅ」
「はむ…ん〜?なーんかいつもより甘くないかあ?」
「ふぇ…?」
「ま、いいか」
ムチュゥ…
「ん゛ーーー!!!!??」
クチュクチュ…ヂュプヂュプ…
「んぅ、んぅ、む゛ぅぅぅ……」
クニュ
「んんん゛ーーーッ!!!!!……………ふにゅう」
本当にすいません酔ってるのは新歓帰りの俺ですorz
もっと酔うんだ!きっといいSSが出来るに違いない!
やはり、止まらんかったか。・・・もう、突っ走れーっ!
そのまま、全裸にネクタイ黒靴下装備で、夜の歓楽街を、交番の前を、ご両親の前を逝けーっ!!!
ところで、「キス魔上条の珍道中」を見たいと思ったんだが、皆さん普通は、そう思うよな?
>>223 新歓された方ならようこそ、新歓した方ならお疲れ様。
お酒はほどほどに。
じゃあ投下します。
タイトルは「とあるキス魔の珍道中」で。
パート2です。
パート1は>>222-
>>223で。
では。
上条当麻は未成年である。
よって、飲酒というのは立派な法律違反である。本人は勿論、飲ませた店も管理責任を問われることになる。
「……ひっく」
上条当麻は未成年である。
よって、まだアルコールに対しての抵抗力が未発達であることを意味している。
「……うっぷ」
上条当麻は未成年である。
よって、完全に出来上がってしまった自らの精神を、完全に持て余している。
「うだぁー」
そしてそれは、思わぬ方向に向かっていく。
「あれは…」
ツンツンな黒髪がフラフラ歩く姿を目撃した人物がいた。
たまたま所要で学園都市に来ていたエロウエスタン侍、神裂火織だ。
(…酔ってる?)
「上条当麻!!」
どうみても千鳥足を踏むツンツンな黒髪。はて彼は飲酒を認められた年でしたか?
と疑問に思い、声をかけてみた。
「んん〜?おおおー神裂さんではないれすかあ!!」
(酔ってる…)
「いったい、どうしたんですか?」
「んあ?ドウぅ?ドウなんかしてませんよ〜
いま上条さんはルーララーと風に乗って宇宙になるところですよお」
(完全に酔ってる…)
「まったくあなたは…あの子の面倒も見ずに一体何をしているのですか?」
「ナニぃ?神裂さんはナニがしたいのかあ?」
「は?」
ブチュ
「!!!!!?????」
「ふむぅ…神裂さんのクチビールは、ヒッジョーにやわらかいですね〜」
「ッ!!!!!」
轟!!という凄まじい音とともに放たれる聖人の拳。
しかし、
パシッ
「なっ!?」
酔っ払いのわき腹目掛けた聖人の拳は、酔っ払いの手のひらに、いともたやすく受け止められた。
「んっとに〜、カリカリすんなよ神裂さ〜ん。あれか、カルシウム不足か。
しょーがないな〜なら上条さんがカリカリ神裂さんにカルシウムを分けてしんぜよう!!」
そういうと何処からともなく牛乳パックを取り出し、パックを開け、牛乳を口に含み、そして、
ムチュゥ
「む゛!!ん、ん、んぅ!!」
「ん、む、んぅ」
「〜〜〜〜〜〜ッ!!」
ゴクン
「ふッ!!!!」
「んばぁ…もう一杯いっとくか?」
「もっ!!結構ですっ!!」
「遠慮すんなよ〜」
ムチュゥゥ
「ぅ、むうぅぅぅ!!」
「ふむぅ…んむ……」
「むうぅぅぅ!!!!」
ビチャァ…
神裂が2杯目を頑なに拒んだため、牛乳がこぼれてしまった。
その豊満な胸を覆うTシャツの上に。
「ありゃあこれは面目無い!上条さんともあろうものが大失態!!いまきれいにして差し上げますからね」
「へっ?」
ヂュウゥ…
「あ、ああぁぁぁぁ!!」
Tシャツに染み込んでしまった牛乳を吸い取ろうとする酔っ払い。
しかし所詮はTシャツ。その薄さは簡単に快感を伝えてしまう。その豊満な胸に。
「うあぁぁっ、あっ、あああっ!!」
間接的にだが、胸を吸われる神裂。しかも天下の往来で。周囲に人が一人もいないのは幸か不幸か。
そして酔っ払いの口が、Tシャツの上からもわかるほどに堅く立ち上がった突起の上に到達する。
チュウゥゥゥゥゥゥ!!
「あああぁぁぁぁぁぁッ!!!」
耐えられなくなった神裂は果ててしまい、その場で尻餅をついてしまった。
「いよーしこれでよーし!キレーキレーになりましたよー神裂さーん!それでは!!」
爽やかな別れ言葉を千鳥足に乗せ、宇宙の風になっていく酔っ払い。
尻餅をついてしまったエロウエスタン侍のジーンズに、新しく染みを作ってしまったのは、
また別のお話。
以上です!!
ええいこんな電波ばかりのスレに居られるか!!
俺は寝る!!
誤字脱字諸々はすいませんでした!!
>>226 された方っす。
いやあ飲めないのに無理するもんじゃないっすね
>>232 ア、アンタって、奴はぁああああGJGJGJ!!!!
いやぁ〜、貴方のハジケッぷりに、荒んだ私の心も癒されました。
○○○○さん、貴方が許し給うた光を目指し、迷える子羊は、己の幻想(現在65KB)を貫き通す為、
最後の審判の中を、足掻いてみようと思います。皆様には、御迷惑お掛けしました。再見。
ID:P9rW9Jmj
この人って何か薬でもキマっちゃってんの?
レス抽出してみると怖いんだけど……
235 :
名無しさん@ピンキー:2009/04/06(月) 23:25:55 ID:BdTLMuSQ
アニメ化してからここを身内しかいないチャットか何かと勘違いしてる若人が増えたのは事実
とりあえず書き手なら書き手スレで今までの自分の行動がどうかを聞いてみた方がいいと思う
アニメ化してから?
>>234 それは言い過ぎな気はするが……
2chよりblogでやった方が幸せになれるだろうな、その人は
どこらへんがチャットなんだろ?
上の薬中さんのレスはどう見てもチャット(クローズド空間)でのそれと同じ類のものだろ。
身内だけでキャッキャウフフしていて第三者の目を意識していないあたり相当あれだと思うが。
正直、ドン引きせざるを得ない。
誘い受けとも取れる文が多々見受けられるあたりとかもね
もしもパロスレでの書き手としてありたいのなら自覚とかが色々足りない気がする
不特定多数が見る大型掲示板でするようなレスではないだろうよ
春×アニメ
のゲロシャブコンボで厨房とネット初心者が沸きまくったと見た。
ごめん、その通りだ。自重する
誘い受けは往々にして良い印象受けないからほどほどにね
って事でこの話はこの辺にしておこうか。
最悪な流れになってしまったな…
アニメ化…はぁ
開かれた場所だから色んな人がくるのは仕方ないよ。
それより、いちげんさんお断りな雰囲気のが怖いかな。
ま、こうして定期的に注意してやれば、各々自重するからいいんじゃない。
いきなり「キモ」とか「氏ね」とか飛び交わない分、ここの住人は大人だよね。
ところで話ぶったぎるけど、保管庫のアップが前スレの途中で止まってるんだが大丈夫なのかな?
指摘すると「お前やれ」言われそうだが環境がないんで出来ないんだ。
申し訳ないけど勘弁してください。
そろそろ長文投下されないかなぁー
ここだけを保管してるんじゃないんだからおとなしく待ちなさい
あと各自で保管できるのは基本wikiとかになってるとこだけで、ここのは管理人しか無理
じゃあここの無視して新しくwikiで作ろうぜ
言いだしっぺの法則
しかし今更だが、15フラグ目ってスレタイw
わざわざ新しく作りたい程今の保管庫に不満があるのか?
wikiは誰でも編集出来るから〜
と思っても結局一人で編集することになるので
それなりに覚悟がある人でなければオヌヌメ出来ない。
娘ネタまでキッチリガッチリ網羅してくれる保管庫の人にもっと感謝しろよお前ら
大感謝ですよ
保管庫ってエロパロ保管庫のことだよな? アレって他にちゃんとまとめwiki等があるスレに
関してはどうしてるんだろう?
それも含めて全部やるとしたら大変だなぁ
>>256 いや、別個にまとめwikiあるのはスルーしてるはず
逆にそれ以外の長生きスレのはだいたい網羅してる
エロパロ保管庫は保管する前にスレにしていいか聞いてからやってんだよ
各スレでもうあるならやらない。
だが保管しててもスレで新たしくまとめを作って、もう保管してもらわないというスレもある
だからここで新しく作るのもありではある。作る奴がいるかはしらんが
>128みたいなのはどうなってるんだ?
わざわざ作る必要ないだろ。
そもそも、たいていのレンタルwikiはアダルトコンテンツは禁止だから、
利用規約に違反してる。
とりあえず、いつも通りって事で
エロい話に戻りませんか?
エロと言えばショチトルの水着イラストはエロかったな
褐色肌エロ水着はとても良い
是非ともハイムラーバージョンを見たいものだけれども
264 :
名無しさん@ピンキー:2009/04/07(火) 18:35:09 ID:TW+45LdN
>>262 シェリーが自作の前衛デザインの水着を着るSSが欲しいんですね
DVD特典のやつであったんだよ
アレは確かにエロかった
>>264 「あのシェリー・・・・・・、どうしてもこれを着ろと言うのですか?」
「あ? 神裂。折角お前らが水着が欲しいって言うから私が特別に腕を奮って作ったのに、何か文句でもあんのか?」
「あ、あのですね、お願いしたのは私たちですし、好意も大変嬉しいのですが・・・・・・」
「ですが?」
「こ、この生地の少なさはいかんともしがたいものが・・・・・・」
「ばっか、神裂、それがいいんじゃないのよ。判ってねぇなテメエは」
「え、し、しかしですね、これでは隠すところも隠せないと言うか、裸の方がまだマシだと言うか」
「なに言ってんだ。裸よりやらしくなくて何が水着だ。そんなものは水着とは呼べないわ」
「し、しかし、私にも恥じらいと言うものがありまして・・・・・・」
「なに言ってんだ。普段から破廉恥な格好してるわ、事故と称してみんなに裸を疲労するわ、幻想殺し(イマジンブレイカー)に――」
「あっ、わ、判りました! あ、ありがとうございます。ありがたく着させて頂きますから!!」
「ん、判ればいいわよ。じゃ、今すぐここで着ろ」
「え?」
「だ、か、ら、今すぐここで着替えて頂戴って、言ったんだよ」
「え、え?」
「頭悪いやつだなー、着ないと寸法直し出来ないのよ」
「え、でも、だ、だから・・・・・・」
「面倒ね・・・・・・、エリース! この女を押さえ込めー」
『グゴー!!』
「き、着替えます! 着替えますから、いやぁーっ!!」
即興で書いたけどどうかしら?
>>266 フォーク刺したパン並に絶賛されるねーちんが浮かんできた
269 :
名無しさん@ピンキー:2009/04/07(火) 21:00:43 ID:TW+45LdN
>>266 GJですわ、この野郎
出来れば本人が着て欲しかったが
みさかとしらいのガチレズたのむ
とうまとわたインデックスのガチ純愛がいいよー。
なに言ってんのよ! あた御坂美琴の可愛さに気付いたアイツが、「美琴……俺はお前だけを愛してる」ってふにゃー!!
美琴のは結構頻繁に見られるから
インデックスのガチ純愛の方が見てみたいかな。
ただ、何となくだが…
インデックスのガチ純愛は、いずれ本編で見られそうな気がするんだ。
ガチ
ガチ
ガチ
歯を鳴らす音ですか?
クロムのツンデレssってもうある?
保管庫見た?
│
├──→NO──→いいから見ろ。話はそれからだ
↓
YES
│
↓
あった?
│
├───→NO──→じゃあないよ。君が書こうね
↓
YES
│
↓
よかったね
インデックスのデレは難しいね
>>274 に捧ぐ
「ねえとうま。私やっぱりいらない子なのかなぁ」
「な、何を突然やぶから棒に申し上げるのでしょうか、インデックスさん?」
「だって、とうまはいつも私の事置いて行って一人で危険に突っ込んでくじゃない」
「それはいつも言ってるだろ? お前を危険な目に合わせたくないんだって」
「じゃ、他の人は危険な目に合わせてもいいの?」
「え、な、何を一体?」
「だって、かおりだって、短髪だって……、天草式のいつわだってとうまと一緒に戦ったもん!」
「え、だ、だってインデックス、お前とアイツらじゃ戦力って言うか自己防衛って言うか――あ、あれ、インデックス?」
「うううう……」
「あ、あの、インデックスさん?」
「やっぱり……、やっぱり、とうまは私の事がいらないんだね」
「な!? 何で話が最初に戻ったんだ!! 大体、俺が何時そんな――」
「いったもん!! 今いったもん!! 戦力にならないって、足手まといだって言ったもん!!」
「ばっ、馬鹿、だからそれは言葉のアヤっつうか何ていうか……」
「ひ、否定しないんだ!?」
「ひ、否定!? し、しますよ、ちゃ、ちゃんとしますとも……」
「何でそこで目を逸らすのかなとうまは!!」
「ひいっ!?」
「超能力の事ならともかく、魔術の時まで私をないがしろにして……、その上私をの事お荷物扱いなんて……」
「な、何? ちょ、インデックス? な、何か、黒いですよ?」
「そぉっとぉおおおおお、ゆるせないかもっ!!」
「な!? わわっ! ちょ、ぼ、暴力反た――」
「大却下かもっ!!」
「いひっ!」
「この十万三〇〇〇冊の魔道書を有する、魔道図書館インデックスの実力は魔法が使えなくてもたっぷり味わえるんだよ。とうまの幻想殺し(みぎて)でも例外じゃないかも」
「な、何、インデックス、そ、その妖しい笑い。ひっ!? そ、それに、なっ!? やめ、シャツを脱がす――」
「私の実力をたっぷり体と心に刻んであげるね、と、う、ま♪」
「ひ、あっ!? ふ、不幸だ、もがが!?」
「もう不幸なんて言わせてあげないんだよ」
これってヤンデレって言うのかな? 南無
インデックスの自動防御術式が下の口の中にもあって、
触れると起動したヨハネのペンにより、
十万三千冊の魔道書からカーマスートラだの閨房術の記されたやつだの
とにかく性技の限りを尽くして、挿入すること無く相手(カミジョーさん)が枯れ果てる・・・
そんな攻性純潔防衛術式装備インデックス。
なんて電波を仕事中のオレに飛ばしたのは誰だ!
大抵は邪教扱いされるとはいえ、魔術と性は切っても切れない関係にある。
ありとあらゆる魔術を収めたいける魔術図書館ならば、その手の知識は溢れんばかりにあるだろう。
ただ、暴走して実行した後「い、痛くて動けないかも。お願い、当麻、やさしくして」とか言いかねない気がする。
>>279-280 はそれだけ文章が書けるんだから、
自分の思いのたけをSS作成にぶつけたらいいんだよ、
ってミサカはミサカは無責任にあなたたちをあおってみたり
上条さんとミサカの純愛をどなたか書いてください
とミサカは強く希望します
>>272 最新刊における状況がお話の王道ともいえる捕われのヒロイン状態だからな。
みんなの心にいる人こそメインヒロインなのさ!!!
話は代わるがこんだけ男性キャラいるのにアッーな展開を全く考えられないな
そういう話題を振ったらいくらでも話し続ける人が沸くぞ
つーかググレばいくらでも見れるけど本当に見たいのか?
>>286 いや単に想像しにくいな〜という話で
全然興味ないよ!ちょっとしかないよ!!
>>287 こやつ……
まあ、腐った方々に目をつけられるのは嫌だから、ここまでだな
百合子さんのを誰かが書いてくれればいいよ
1 全裸姿の美琴
2 ピカ○ュー姿の美琴
3 短パンと靴下『だけ』の美琴
一番エロいのはどれだ!!
全裸は一番健全な姿
>>290 魔術的に正しい露出のかんざきさんじゅうはっさい
>>290 4 短パンをはき忘れ、いつもよりスースーしてちょっと恥らう美琴
ノーパンスパッツと2サイズ小さいスポーツブラ
下着上下に上条さんのシャツ
禁書版のSSスレで、美琴がノーパン、ノーブラで上条さんの服着てた話があったな。
>>296 「これ…アイツが着てる服なのよね…」と言って深呼吸しながら頬ずりする美琴
>>296 禁書は寝るときそんな感じじゃなかったっけ?
そいえばアイテム関連のやつってまだないよね?
>>300 4人で浜面の取り合いする話とか浜面×滝壺のいちゃらぶ話とかが確かあったはず
ある
保管庫見てこい
先日いい意味での問題作が投下された
こんな時間にこっそりと投下しようかと思ったけどおなかがすいたからちょっとまってて
帰ってきたら多分4レスか5レスくらいの投下します
通行止め、エロ無し。
苦手な方はNGに「通行止め指輪ネタ」の一言を突っ込んでおいてください。
散歩から帰ってくるなり打ち止めが戦利品を自慢するような喜色満面の笑みで、指輪をもらったの、と報告を始めた。
「指輪だァ?」
「うん、ってミサカはミサカはにこにこしながら戦果を報告してみる!」
――打ち止めの散歩、というのは一応、治療中の身の上である彼女のリハビリを兼ねているらしい。
体力のない彼女は、しかし子供故の無謀さか、倒れるまで動きまわるのをやめないもので、一方通行か保護者のどちらかか、誰かしら監督役として一緒に行く事が多い。
…のだが、彼女はこの日、外で「他のミサカ」と待ち合わせをしているから、と、嬉しそうに一人で出かけて行ったはずだ。
そうやって散歩から帰った彼女がにこにこしながら一方通行にその日あった出来事を報告するのもいつものことだった。
一方通行はといえば、それを完全に無視 しても彼女が後でいじけたり涙目になったり、挙句、聞いて聞いてと延々うるさくつきまとってきたりすることを学習したため、
半分くらいは適当に聞き流し て、半分くらいは適当に相槌を打って済ませることにしている。
「えっとね、ってミサカはミサカは早速報告をしてみるんだけど。商店街の方でね、お姉様と偶然会ったの、
ってミサカはミサカは思い出しながら言ってみる」
まぁあの辺りは常盤台からもさほど離れていないし、おかしなことではない。
「お姉様は上条当麻と一緒にいたんだけど」
「……ほォ」
何となく看過しづらい名前が出てきた気がする。
「それでね、えっと、あれ、ほら、ハンドル回したら景品が出て来るのあるでしょ、ってミサカはミサカは思い出しながら言ってみる
…えっと、がちゃがちゃ、って言うんだっけ?」
商店街の玩具屋によく置いてある、学園都市で見るにはちょっとレトロかつアナログな匂いのするあれだろう、多分。
それがどう指輪につながるというのか。一方通行は無言で話を促す。
「――お姉様はゲコ太の景品が欲しかったみたいなんだけど、10032号…えっとミサカと一緒に遊びに行ってたミサカのことなんだけどね、
そのミサカが彼を見て乱入して、ミサカも何となくそこに加わってみたのね、ってミサカはミサカは報告を続けてみる」
何となく光景は想像がついた。
「で、せっかくお金入れたのに誰がハンドルを回すかとか、景品をどう分け合うかとか、そういう話で皆してもめていたから、
ミサカは気を利かせて代わりにハンドル回してあげたの、ってミサカはミサカは胸を張ってみる」
「まァ何だ、ぶっちゃけどうでもいいっちゃァどうでもいいが余計なお世話って言葉の意味知ってるかクソガキ」
「む、ミサカの気遣いに対してそれは失礼な言葉じゃないかしらってミサカはミサカは言ってみたり」
「…気遣い、なァ」
どうせ彼女のことだから本音は「あのハンドルを回してみたかった」とかそんなところだろう。
その証拠に、一方通行の膝の上に横座りする格好で彼を見上げる打ち止めの目には、悪戯っぽい光が浮かんでいる。
(何度襟首を掴んで床に落としてもちっとも 懲りずに彼女が膝の上に陣取ろうとするので、一方通行は彼女が膝に座るのを阻止するのはすっかり諦めていた。
どうせ彼女は一所には10分も大人しくはしていないのだ。その間我慢すれば済む話である。)
「そしたら何故かこれが出て来たのね、ってミサカはミサカは指輪を取り出してみる」
彼女の手のひらの上にころん、と置かれたのはシンプルなシルバーの指輪だった。
玩具というにはしっかりした作りで、その辺りの露店で1000円弱くらいで売っていそうな代物だ。
見たところフリーサイズのようだが当然、10歳程度の打ち止めの指にはあまるほど大きい。
「そのがちゃがちゃの中っていうのがゲコ太の景品が入ってるはずなのに、何でか一個だけ、値段も種類も全然違うのが混じってたらしいの、
ってミサカはミサカはそのラッキーに驚いたんだけど。お姉様と10032号は何だか顔色変わっちゃって、どっちが指輪をもらうかでまたケンカになっちゃって、
何だか間に挟まれてたあの人が不幸だーとか嘆いててちょっと可哀想になったんでミサカが貰って来る事にしたのね、
ってミサカはミサカは戦利品を掲げてみる」
「どさくさに紛れたって言うンじゃねェのかそりゃァ」
「そうとも言うかも、ってミサカはミサカはちょっと舌を出してみたり。
…で、何だか三人とも積もる話がありそうだったから、ミサカはお先に帰って来たの、ってミサカはミサカの報告を終了」
――御坂妹と御坂美琴に挟まれて取り残された上条当麻がその後どうなったのか想像はしたくない。
にこにこ笑う打ち止めはというと
「あの人は誰が好きなのか、ちゃんと態度をはっきりさせるべきだと思うの、ってミサカはミサカは他人事なので他人事のように言ってみたりー」
と感想を述べていた。
案外酷いなこのガキ、と一方通行はそう思ったが、同情するような相手でもないし(むしろ指さして笑ってやりたい)、適当な同意に留めておく。
「えへへ、他のミサカ達に自慢しちゃおってミサカはミサカはネットワークでも戦果報告してみちゃったり」
膝の上の打ち止めは上機嫌でそんなことを言って、指輪を自分の左手の薬指にはめている。
ネットワークで他の妹達と会話をしているのか沈黙する彼女の左手からその指輪を抜き取って、何となしに一方通行はそれを眺めた。
玩具にしてはしっかりした造りではあったが、所詮は景品、安っぽく飾り気もない。
何がそんなに嬉しいのやら、などと思っていると、ネットワークでの会話を終えたのか打ち止めが顔をあげた。
指輪が無いのに気付いて口を尖らせる。
「指輪返して、ってミサカはミサカはあなたに猛抗議!」
「お前にゃでかいだろ、どォすンだよこンな物」
「んー、どうするかは考えてなかった、ってミサカはミサカは言ってみたりー」
一方通行の膝の上、彼が取り上げた指輪を追いかけるように身を乗り出した打ち止めはあっさりそう言った。
「他のミサカがみんなしてあの人からの指輪を貰いたがってたから、ミサカも欲しがってみただけだったりするんだよね、
ってミサカはミサカの補足説明をしておくー。…それより早く返してよぅ、ってミサカはミサカは手を伸ばしてみたり」
「何で指輪なンだよ」
「え? うーん、そういえば何でだろうってミサカはミサカは首を傾げてみる」
生後数か月の打ち止めと比べればそれなり程度の社会常識を弁えている一方通行は、ふとある可能性に思い至ってしまった。
そういえば――この少女はさっき意識してか無意識にか、左手の薬指に指輪をはめようとしてはいなかったか。
一方通行もさして気にしていなかったが、考えてみると、普通その場所にはめる指輪と言えば一種類しかない。
「すきあり、ってミサカはミサカは指輪奪還!」
そんなことを考えて動きを止めた隙に、打ち止めはめいっぱい手を伸ばして指輪を取り返していた。
そうしてまた左手の薬指にはめようとしている。
一応、この小さいのの保護監督役としては、彼女の知識の間違いについては指摘しておくべきだろう。
と、一方通行は端的な一言でそれを押しとどめた。
「そこじゃねェだろ」
「え? 指輪ってここに着けるものじゃないの? ってミサカはミサカはあなたを見上げてみる」
一体どう説明したものやら言葉に詰まった一方通行を、打ち止めは不思議そうに見て、それからまた指輪に目を落とした。
自分の指にはどうやってもはまらない大きな指輪に肩をすくめる。
「まぁ、ミサカはどっちにしても、この指輪を身につけられない訳だけど、ってミサカはミサカは言ってみる」
「ガキに指輪は早ェってことだなァ」
「むー。ミサカはこれでも立派なレディなんだからってミサカはミサカはあなたに主張したいんだけど、
あ、もう、また指輪取り上げないでよーってミサカはミサカは文句を言ってみる!」
「ガキだろォがよ、実年齢含めて」
「う、うわぁ、実年齢のことは言わないのがマナーじゃないかなぁってミサカはミサカは抗議してみるっ…!
あなたってばデリカシーないよってミサカはミサカはちょっぴり怒ってみたり!」
実年齢1歳未満の少女は膝の上でじたばたと暴れてから、一方通行が再び取り上げた指輪を恨めしそうに眺めて溜息をつく。
「なんかくやしい、ってミサカはミサカは言ってみたり。
お姉様達くらい大きかったらミサカだってその指輪をちゃんと着けられたはずなのにってミサカはミサカは…
…痛い、何でいきなりチョップ?」
「バカ言ってンじゃねェよ、成長促進やら何やら変な調整が少なかった分治療の期間短くて済ンでンの分かってンだろォがお前は」
「それは知ってるーけどーってミサカはミサカは、言っても仕方のないことを言ってみるー」
「言っても仕方ねェのが分かってンなら言うなメンドクセェ。ったく何なンだ、さっきから…」
「んー…できるだけあなたに子供扱いされたくないのかなぁ? ってミサカはミサカの自己分析?」
「…」
疑問形かよ。とは思ったものの、一方通行は特に突っ込まなかった。
彼女はこれで結構大人びている所も持ち合わせているので、自分で自分の言っていることがどれだけ身勝手なワガママなのかきちんと理解はしているだろう。多分。
指輪を彼女の手の上に返してやりながら、一方通行は代わりに、こう尋ねてみた。
「そンなにその指輪が着けてェのかよ」
「うん、せっかく貰ったんだし、ってミサカはミサカは頷いてみたり。
あ、もしかしてあなたならこの指輪、どうにか出来ちゃったりする? ってミサカはミサカは便利能力を持ってるあなたを期待を込めた視線で――」
「十徳ナイフじゃねェンだぞ俺ァ。何だと思ってやがンだオイ」
「学園都市最強、でしょ? ってミサカはミサカは答えてみるー」
えへへと何でだか彼女は誇らしげにそんなことを言った。
自分が褒められた訳でもないだろうし加えて言えばその「最強」の上には一度だけ無能力者に敗北して以来「元」という忌々しい一言が付随するのだが、彼女はあんまりその辺りには頓着がないらしい。
一方通行もあえて指摘することはない。打ち止めがそう信じているのなら、それでいい。
「…とりあえず、着けンのなら左手の薬指以外にしとけ」
「うん、分かった、ってミサカはミサカは素直に頷いておくね。
何でって問い詰めてみたいけど、何でかあなたが言葉に困ってたみたいだし、ってミサカはミサカは余計な気を回してみる」
彼女は「左手の薬指の指輪」の意味を、まだ当分は、知ることはないだろう。
あの指輪がちょうどいいサイズになる頃にはどうだか分からないが、とりあえず、しばらくは。何だか一方通行はそのことで執行猶予を与えられたような気分になるが、それが一体何の猶予なんだか、本人にも分からない。
ただ、打ち止めが嬉しそうに手の上で転がす指輪が再度彼女の左手の薬指を占めてしまわないよう、一方通行は彼女の左手を捕えて薬指を軽く噛んで戒めておいた。
驚いてかぴくりと肩を震わせて固まってしまった打ち止めの、目を丸くしたその表情にささやかな満足を覚えて、少し強く歯を立てる。
「…!?」
得体の知れぬ感覚に、彼の膝の上の打ち止めは僅かに身じろいで、目を閉じてしまう。
指先は思いのほか鋭敏で、痛いのとくすぐったいのとを同時に伝えて来る。血が出るほどの強さではなく何度も何度も甘く噛まれる感覚。
おまけにいきなり背中を何度も撫であげられて、打ち止めは混乱のあまりに声も出せずに硬直してしまった。
ぎゅう、と、空いた右手で自分の服の裾を握りしめる。背筋がぞわぞわして粟立つのが何でかなんて、そんなことは考えて居られない。
――いつの間にか左手にあった指輪は床に転がり落ちていたが、そんなこと二人とも気に留めない。
最後に指先をぺろりと舐められて、薬指がようやく解放される。
恐る恐る打ち止めが目を開くと、いつも通りに涼しい顔をした少年は、ぺろりと唇を舐めて、
「…やっぱガキだなァ、お前」
しみじみそんなことを言い出した。
――打ち止めはひとつ小さく息をつく。
何だかまだ心拍数がおかしい気がするのだけれど、吐き出した息が自分のものじゃないみたいに熱っぽい気がするのだけれど、それが何でかなんて彼女には分からない。
分からないが。ただ何だかすごく恥ずかしい気がしたので、彼女は、
「い…意味が分かんないんだけど、あなたにひとつ言っておきたい、ってミサカはミサカは何だかあなたの顔が見れないので抱きつきつつ言ってみる」
一方通行の肩のあたりに顔を押しつけて、そのままもごもご呻くように言った。
「――その『ガキ』相手にこんなことしちゃうあなたは何なの、って、ミサカはミサカは照れ隠しに指摘してみちゃったり」
「お前さっき自分がなンっつったかもォ忘れたかァ?」
「確かに子供扱いされたくないとは言ったけどひゃうううう!?
や、やめ、だめだめやめて背中をつつーってするのはお願いやめてって、ミサカはミサカはー!」
「…ほォ。背中が弱かったンだなァお前」
「明らかに今『面白い事に気付いた』って感じの顔したよねあなた、ってミサカはミサカは言ってみ…ひゃうっ、やめて、ってばー!」
***
「…ということがあったの、ってミサカはミサカは10032号に報告してみたりする」
「そうですか、惚気なら余所でやって頂けますかコノヤロウ、とミサカは20001号に対して冷たい視線を向けます」
翌日、学園都市のどこかの病院内でそんな会話がかわされていた。
二人の瓜二つの姉妹みたいな少女達は、それぞれに溜息をついている。
小さい方の少女の胸元には、ちゃっかり昨日確保した指輪が、チェーンを通してぶら下げられていた。
結局あの後、指輪をどうするか散々考え込んだ後、こうやってチェーンに通してぶら下げておくという案で落ち着いたのだが、
(あの人ってば何だかすごーく不機嫌だったなぁ、ってミサカはミサカは考え込んでみたり)
彼女は真剣にその理由について考え込んでいる。
…いくら漁夫の利で奪い取ってきた戦利品とはいえ、この指輪は他の男からの贈り物に等しいアイテムな訳で、
それを彼女が嬉しそうに身に着けようとしていたのが彼は気に入らなかったのだ――とは。
打ち止めは思い至らないし一方通行も自覚していないのであった。
一人は知識不足と経験不足の幼い少女、もう一人は自分の気持ちに鈍感な少年、と、傍迷惑な上に面倒くさい二人である。
「…痴話喧嘩なら余所でやってください、とミサカは20001号に進言します」
「別にケンカなんかしてないよ? ってミサカはミサカは答えてみる」
「訂正します。早いところ彼の機嫌を取ることに専念してください、とミサカは20001号の無自覚ぶりに呆れます。
…アレがご機嫌斜めという状況は、何だかあまりぞっとしません、とミサカは言ってみますが」
「大丈夫だよー、幾らあの人が短気でちょっぴりキレやすい最近の若者だっていっても、
無意味にその辺りの普通の高校生の人とかを攻撃したりはしないから、ってミサカはミサカは保証してみたり」
「ちょっぴり…ですか、アレが、とミサカは上司の言葉の信憑性の薄さを指摘します」
「……うん、正直、かなりかも、ってミサカもミサカも10032号の指摘に訂正してみる」
***
一方その頃学園都市のどこかでは、うっかりいつものハードラックを発揮して、学園都市最強の白い少年(しかもご機嫌斜め)と遭遇してしまった上条当麻(普通の高校生)が、
何故か全く唐突に殺意たっぷりの笑顔で襲撃されているところだった。
肩がぶつかったとかそんなチンピラ臭い理由の方がまだマシ、そんなレベルの絡まれ方だった。
「ここで会ったが百年目、ってなァ…!ちょっと面貸せテメェ」
「ぎゃああああ!!いやちょっとちょっと待って下さい俺何もしてないから!」
「今日は運がイイみてェだなァ、昨日から何故かテメェに腹が立って仕方ねェンだわ」
「いやちょっと何で!?理不尽すぎるだろその理由!!上条さんはそんな理不尽な理由で殺されようとしてんですかこんちくしょう!!
爽やかに殺意込めて笑ってんじゃねぇぞこの学園都市最強の理不尽めー!!」
「とりあえずアレだ。ブチ殺し確定、ってなァ!」
「そのセリフ違う人だから!!なんかそれ別のレベル0に倒されちゃったレベル5のセリフだからぁああ!」
不幸だああああああああ、という絶叫が、響いたとか響かなかったとか。
終われー。
前にどこかで指輪ネタの電波のおこぼれを受信させて頂いたんで、指輪ネタにしようかと思ったんですが
とりあえず前スレの指輪ネタの電波の主の人に感謝しつつ。
結局全然指輪関係なくね?というツッコミは無しで。
>>309 よし
で、打ち止めと一方通行のラブラブエチーはまだかね?
>>302 よし!ちょっと見てくる!かなり根気が必要だが…
>309
GJ!GJ!!
電波垂れ流して良かったと心から思えました
またお願いしますw
>>309 お疲れ様でした。
初めはもっと2人に距離があると思ったら、べたべただったんですね。
キター
>:.´:.ヽ:. <_ノ) {つ{ ヽ
/:. :. :. :. :. :. :ヽ:. :\ 〉 >、_:}
ノ:. :./:./:. :./:. :. };}:. :. ヘ\ _ / ,イ l
/イ:. :/:./:. :. ./:. :. ノ:.!'ヘ;. :ハ`ヽ >':/ / l
///:. :. :./:. 从レイ:./!:ノ ハ:.}ハ / / / }
//:. :. :.从ハハ! ナメ ∠´ハ}/ / / ´ i
/7,ィ:. レナv` `,> 、⊂つ´ / / / l
ノハ:. :\ ; ⊂つ、_, ィ ノ:ハ´ /: : ," ;' /
´ ∧:ハ:.`:/ 、 ( //、:.ノ _. '´: : : / }
〈 /ハ从く ` ー`彡ハノ >´: : : : " ;' }
〉: : ,. `\′ //: : : : : : : : ;' }
/ `ヽ、 `yく: : : : : : : : : " ;' l
! / `〉::: : : : . : ,:′ :}
!: : : ヾ : :/ / !:::::: : : : : : / : : : i
∧:::::: : : :ノ / !::::::::: : : : : : : : : ::: : l
〈 ` ー ´ / l:::::::::::: : : : : : : : : : :::::: : : : : i
>>309 GJ! エロ無しって書いてあるのに途中で「通行止めエロktkr」と一人でワクテカしてたw
楽しかった、ごちそうさまです。
>>312 おお、いつぞやは素晴らしい電波をありがとうございました。
お陰さまでこんなものが完成しましたよ。
…指輪の話のはずがいつの間にか一方さんが小さい子にセクハラする話になってたのが何故なのかは自分も知らない。
GJ!!!不覚にも和んだ。
ラストの上条氏への八つ当たりにワロタw
318 :
名無しさん@ピンキー:2009/04/09(木) 17:33:49 ID:NAwpQd+O
美琴と美鈴を手篭めにした上条さんに対して、旅掛がキレてインデックスをレイプする・・・というのが何故か浮かんだ俺がいる。
そんな
>>318 を出し抜いて投下させていただきますよ。
前回
>>264 のネタを膨らまして
>>266 投下したんだけど更に膨らましてみました。
またノンエロっす。
登場はシェリー×神裂、後半にちょっとだけオルソラとアニェーゼが出てきます。
では『優柔不断はよくないです』投下しますね。
『優柔不断はよくないです』
シェリー=クロムウェルの部屋に招き入れられた神裂火織は、勧められるままに椅子に腰掛ける。
「あ、あのシェリー、申し上げてよいでしょうか?」
「あ? なんだい改まって」
「その……、申し上げにくい事ではあるのですが……」
「ん、なんだい? こっちは……おとと、探し物してんだからさっさと話せよ」
「ン、ン……、で、でわ、申し上げますがシェリー、そ、その、下に……何か……つけていますか?」
神裂は顔を真っ赤にしてシェリー――正確には目の前に露わになったシェリーの引き締まった褐色のでん部――から目を逸らしながら言った。
そう、神裂の目からはどう見てもシェリーがショーツをつけている様に見えなかったのだ。
「あ! 有ったわ――で、えーと、何の話だっけ? 私が何をつけてるって?」
シェリーは大き目の紙袋を抱えて振り返ると、顔を真っ赤にした神裂に不思議そうな顔を向けて聞き返した。
そして、聞き返された神裂は更に顔を赤くして――恥ずかしいのにまた言わせるのかと、目尻を釣り上げてより具体的に、
「だ、だから貴女はショーツをつけているのですかと――」
「ああこれ」
「ひぃ!?」
シェリーが何の前触れも無く着ていたベビードールの短いスカートをたくし上げたので、神裂は悲鳴を上げて目を背ける。
「んだよ神裂、ちゃんと良く見なさいよ」
「え? ええっ!?」
恐る恐る目を開けた神裂は、次の瞬間思わずシェリーの股間を食い入るように見つめてしまった。
シェリーの引き締まった下腹部の女性の一番大事な部分を覆い隠すように何かがへばり付いていた。
「『Iバック』って言うんだけど」
「は、はぁ」
急にショーツの説明を始めたシェリーに対して、神裂は間抜けな顔でシェリーの股間と顔を交互に見やる。
「始めは不思議な履き心地だったけど、馴れちまうと他はもう駄目だな」
「そ、そんなもんですか」
「ええ、変に生地がずれて気持ち悪き気分になる事も無いし、脱ぎ着も簡単だしな」
「私もその事が気になったのです。不躾ですが、この下着はどのようになっているのですか?」
すっかりシェリーの話に乗ってしまった神裂は何気に気になった事を聞いてみた。
それがどのような結果を招くとも知らずに。
「簡単よ。ほら」
そういうとシェリーは事も無げに、股間を隠していたそれに指を添えると取り外した。
それはU字型になっていて、股間を隠していた部分は広く、後ろに来るであろう部分は棒状の構造になっている。
「はぁー……。こんな簡単な構造で簡単に脱げたりなどはしないのですか?」
「それは大丈夫よ。あとついでに言っておくと、別にケツは痛くねえぞ」
「そ、そうなんですか」
「ええ、そうよ。後、トイレの時はこうやって――太ももにでも挟んでおけば大丈夫」
「ああ、なるほぶっ!? シ、シェリぃぃぃぃぃ!!」
神裂は何気にシェリーの太ももを見つめ――薄絹越しにシェリーの大事な部分を見てしまって派手に悲鳴を上げると両手で顔を覆った。
シェリーもそんな神裂にびっくりして目を丸くする。
「な、なによ神裂? 今日のオマエは何時になくけたたましいったらねえな」
「シ、シェリー! そ、そそそ、そんな事より、し、下、下、下着をつけて下さいっ!!」
「あ? あー……」
相変わらず手で目隠ししたままの神裂に指摘されて、シェリーは騒ぎの原因に気が付く。
そして、太ももにつけていた下着を元の位置に戻すと「ほら、もう大丈夫よ」と神裂に声を掛けた。
「べっつに女同志だってのに……、貴女は少し気にしすぎよ」
「そ、そんな事はありません! 女性たるもの何時いかなる時でも清楚に、慎ましやかにしていなければいけないのです!!」
シェリーの呆れた声に、神裂は顔を真っ赤にして声高に自分の正当性を主張する。
(テメエはそんなハレンチな格好しているのによく言うぜ)
そんな神裂に、年上のシェリーは口には出さず胸の中でそうひとりごちるのだった。
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
神裂の剣幕も何とか納まった所で、シェリーは先程見つけた紙袋をもう一度手に取る。
「さて、本題に入りましょうか。注文は水着だったよな?」
「確かにオルソラからはそう伺っています。しかし、何故貴女に水着の用意をお願いしたのでしょう?」
「それは、アイツが私の事を暇だと思ってるからじゃないかしら。じゃ無きゃ、アイツがバカだからだ。どっちだと思う?」
「へ、返答しかねます」
返答に窮して戸惑う神裂にシェリーがにやりと笑う。
「ま、それはいいわ――ただし、私に頼んでただの水着で済まそうなんて思ってねぇよなぁ」
「うくっ」
(だ、だから私は嫌だと言ったのです。それをオルソラが押し付けてきて。何が「そろそろお夕飯の仕度をしないといけないのでございますよ」ですか!)
シェリーに目の前まで詰め寄られて逃げ場の無くなった神裂は、心の中でこの騒動の中心人物に毒づいていた。
一方、神裂が押し黙ったのを観念したと解釈したシェリーは、神裂から離れると袋の中身を備え付けのベッドの上に広げる。
大きな極彩色の布が2枚と、同色の小さな布が1枚。
この生地が少ないものは多分、おそらく、間違いなく、これはTバックではないか、と神裂は先程のオルソラへの怒りも一気に吹き飛んで戦々恐々とする。
「さぁてと、これが私が用意した水着よ――おい神裂、第一印象を言ってみろ」
「あ、へぇ!? い、印象ですか……。日本の風呂敷みたいですね……い!? な、何でしょうかシェリー……」
急に聞かれた神裂は率直に水着の感想を口にした。
するとシェリーは目を細めて満面に妖しい笑みを浮かべる。
その笑みに神裂は非常に悪い予感がしたが、さりとて逃げる事も出来ずにその場に硬直する。
シェリーはそんな神裂の隣に並ぶと急に肩を組んで来て神裂をまたぎょっとさせる。
「感心してるのよ私は。さすが極東出身者、自分の所の伝統品は見誤らねえモンだなぁと思ってよ」
「あ、ありがとうございます」
シェリーの賞賛の言葉も、今の神裂には攣った笑いを浮かべて礼を述べるのが精一杯だった。
そんな神裂に耳を疑うような一言が飛び込んできたのはその時だった。
「じゃ、早速着てみようか」
「え? い、今何と……?」
「寝ぼけた事言うんじゃねぇよ神裂。試着してみてって言ったのよ、わ、た、し、は」
「あ、あのシェリー……、今すぐこれを着ろと言うのですか?」
悪い予感が的中してしまった神裂は、何とかこの場を取り繕おうと虚しい抵抗を試みるが、シェリーはそれを許さない。
神裂の首に回した腕に力を込めると、ぐいと神裂の頭を引き寄せて耳元に口を近づけると、
「おい神裂。折角テメエらが水着が欲しいって言いやがるから、腕を奮って作ったのに何か文句でもあるのかしら?」
「あ、あのですね……、確かに……こ、此方からお願いしたのですし……、ご、ご好意も大変に嬉しい事なの、で、ですが……」
静かだが、それだけに底知れない雰囲気を感じさせるシェリーの言葉に、怒るのも当然だと思った神裂の言葉は徐々に小さく弱くなってゆく。
「ですが?」
「あの……着たく無い訳では無いのです……。た、ただ、どのように……、その身につければ良いか判りませんし……」
神裂は耳元にかかるシェリーの吐息にすら戦慄を覚えながら消え入りそうなほど小さな声で返事をした。
そんな小動物然とした神裂ってちょっと可愛いな、とか不埒な感想を心の中で考えていたシェリーはとりあえず目の前で小さくなっている聖人に助け舟を出してやる事にした。
「ばーか――だ、か、らぁ、私が今すぐって言ったんじゃないの。それに実はこれ、まだ完成って訳じゃねぇんだよ」
「か、完成ではないとは?」
急に明るく話しかけて来たシェリーに神裂はあからさまにホッとした表情をする。
そのシェリーの方では神裂を解放するとベッドにある2枚の布を手に取って神裂の方を振り返る。
「1枚はパレオ。テメエみたいに恥ずかしがりやの為に用意してやった」
「も、申し訳ありません」
「はぁ、一々謝んじゃねえよ極東流派――さて、ここで問題を出すわよ」
シェリーはため息をついて、すっかり萎縮してしまった神裂をたしなめてから、緊張をほぐしてやろうとちょっとした質問をしてみる事にした。
「水着のパーツであと足りねえものはなんだ?」
神裂は急な質問にちょっと考える素振りを見せる。
今、パレオは説明を受けたばかり、そしてベッドの極端に布地の少ない西洋凧に似たものは多分パンツ、すると後に残るのは――
「……ブラ、でしょうか」
「大正解!」
神裂の答えにシェリーはにっこりと――まるで先生が生徒を称える様に――微笑んだ。
早速とでも言った感じにシェリーは、パレオとは別の布をベッドに広げた。
「見てろ神裂」
その言葉に神裂が布に注目したのを確認すると、シェリーは器用に布を折り始める。
ただの四角形の布が、シェリーの手にかかると見る間に姿を変えて行く。
神裂はその光景を目の当たりにして、ふとある事に思い立つとそれを口にした。
「これは、まさに日本の風呂敷の使い方に酷似して――」
シェリーはその一言を待っていたかのようににやりと笑うと手の動きを少し緩めた。
「生徒にたまたま日本の留学生がいてな、その子が不思議な布袋持ってるなと思って聞いてみたらそれだったのよ。で、自分でも色々調べてみたら、これがまたオモシれぇのなんのって。で、早速取り入れてみたって訳」
「さすがシェリーですね」
神裂はシェリーの芸術家としての着眼点の凄さと、造詣の深さに素直に感嘆の言葉を述べた。
そんな神裂の言葉に、ちょっと照れくさそうに「ありがと」と答えたシェリーは、
「じゃ、判ったら裸になれ」
「え?」
急なシェリーの言葉に神裂はキョトンとする。
「頭悪いやつだなー、着ないと寸法合わせとか出来ないでしょ」
「え、あ、で、ですが……、し、しかし――」
「恥ずかしがること無いでしょ? 普段からハレンチな格好してるは、事故と称してみんなに裸を披露するは、幻想殺し(イマジンブレイカー)に――」
「んなぁ!? わ、判りました! あ、ありがとうございます。ありがたく着させて頂きますから!!」
シェリーの言葉が神裂の触れて欲しくない部分にどんどん突き刺さってくるので、いたたまれなくなった神裂は降参の意思表示を見せた。
とは言え潔く服を脱ぐのは躊躇われたのかもたもたとTシャツの結び目を弄っていると、それを見ていてまたイライラしてきたジェリーは部屋の片隅にある、崩れかけた泥人形のようなものを振り返った。
「エリース! この女を押さえ込んでひん剥いちまいな」
シェリーのこの一言で泥人形が唸り声を上げながら立ち上がる。
この突然の状況の変化についていけなかった神裂は迂闊にも泥人形の接近を許してしまう。
気が付けば、足は床から生えた泥の手に捉えられ、目の前には腰の高さまで床に埋もれた泥人形――下半身は埋まっているのではなく床の上を伝って神裂の足を捕らえている――が無骨な両手を伸ばしてきている。
その情景に神裂の顔が盛大に引き攣った。
「ぬ、脱ぎます! 自分で脱ぎますら、いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあっ!!」
そして普段の神裂ならありえないような悲鳴が部屋の中に響き渡った。
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
「……あー、なんだ……、その……、神裂もう泣かないでよ」
シェリーは自分の金髪を乱暴にかき回しながら、床の上に女の子座りして鼻を鳴らしている神裂に慰めの言葉を掛けた。
それから辺りを見回して大きくため息をついた。
実に惨憺たる有様――シェリーの部屋の廊下側に面した壁に人が通れるくらいの大きな穴が空いていた。
これは神裂が身の危険を感じて近くにあった椅子ごとエリスを叩きつけた為に出来た穴だ。
辺りには土くれと、壁の一部と、椅子だったものの残骸が散らばっている。
シェリーはもう一度大きくため息をついた。
そして相変わらず床の上に座ったままの神裂に、
「いい加減にしてよ、聖人様だろーがテメエはよぉ」
「せ、聖人だって女なのですよ。ち、ちょっと位は配慮して欲しかったです(クスン)」
言葉を投げかけられた神裂の方はと言うと、破れてしまったTシャツを手で押さえて辛うじて胸を覆っているが、露わになった背中を見るとTシャツを押さえている手を離せない訳が何となく判る。
すっかり目尻が下がって涙目で口を引き結んでいる聖人の姿など中々拝めない状況といえよう。
ただシェリーとしてはそんな悠長なことも言っていられない。
神裂の前にしゃがみこむと、子供でもあやすように頭を手でぽんぽんと軽く叩いた。
「ハイハイ、私が悪かったわよ。全く、泣く子と聖人には敵わねぇよな――で、何時脱ぐのよ」
シェリーの最後の一言に神裂は我に帰ってシェリーから目を逸らす。
(ど、どうあっても逃れられないのですね……)
神裂が流石にこの状況では観念せざるを得ないと諦めかけたその時、外から何ともこの状況に似つかわしく無いのんびりとした声が聞こえて来た。
「夕飯の仕度ができたのでございいますよ」
「「オルソラ!?」」
確かに、壁に空いた穴から顔を覗かせているのは、オルソラである。
「よいしょっと」
オルソラは、年寄り臭い掛け声を掛けて穴を潜ると室内に入って来た。
そして、ぐるりと部屋の中とシェリーと神裂を見回して一言、
「シェリーさん勝手に部屋に出入り口を増やしてはいけないのでございますよ」
「そこを突っ込むのですか!?」
床に座ったままの神裂はオルソラに激しくツッコミを入れる。
「馬鹿な事言わないでよ。こりゃ神裂がブチ破ったんだ」
「なッ!? それはシェリーが無理に私を脱がせようとエリスをけし掛けたからじゃないですか!」
今度はシェリーに責任を擦り付けられた神裂は憤りも露わにシェリーに文句を言う。
そんな忙しそうな神裂をじっと見つめていたオルソラは、一言「なるほど」と呟くと修道服を頭からガバッと脱いでベッドの上に綺麗に畳んで置いた。
続いてガーターベルトからストッキングを外すと、一つずつ脱いでは修道服の上に置いて行く。
「オ、オルソラ!?」
突然の事態に暫し硬直していた神裂は、ガーターベルトも既に外されたオルソラがついにブラを外してその形の良い乳房をさらした所で我に帰って叫んだ。
ところがオルソラの方は気に止める様子も無くブラを置くと、続いてショーツも脱ぎ捨ててしまうと、これはちょっと恥ずかしいのだろうか、服の間に隠してしまった。
そして唖然とする神裂と、神妙な面持ちのシェリーの前で生まれたままの姿になったオルソラは、
「わたくしにも責任はございます。ですからご一緒に裸になれば恥ずかしくないのでございますよ」
その一言にシェリーも合点がいった様子で頷く。
「なるほど、それは気が付かなかったわ。たまにはお前もいい事いうな。じゃ、私も脱ぐか」
そう言うとシェリーも、身に付けていたものをぽんぽんと脱ぎ出してあっと言う間に裸になってしまう。
神裂は目の前で繰り広げられる光景――白と黒の金髪美女の全裸――に言葉を失って硬直……してもいられなかった。
神裂はシェリーとオルソラに両サイドから挟み込まれるように密着されたのだ。
「ひぃ!!」
世にも間抜けな悲鳴を上げる神裂に2人はにっこりと微笑んで、
「「さあ後は神裂(さん)、お前(あなた)だけだ(でございますよ)」」
2人は神裂の手に力を込めると、神裂の胸を覆う布切れと手をどけようと力を加えた。
それを振り払いたい神裂だったが、聖人の力で生身の2人を振り払っては怪我をさせてしまうかもしれないとか、下手に動くと布が落ちてしまうとか、2人が裸なのに何故自分は意地になって服を着ているのだろうとか、そんな事が頭の中で駆け巡る。
すると、徐々にだが神裂の手が自身で押しつぶすようにしていた二つの膨らみから引き剥がされ始めた。
(ああ……このままでは……、しかし2人が脱いだ今私は……)
神裂が葛藤の渦に飲み込まれようとしたその時、再び廊下から少女――アニェーゼの驚きの声が聞こえてきた。
「うぁ! 何すかこの惨状……。シェリー、さっき悲鳴と爆音が聞こえたんすけど大じょ……ぶ……」
アニェーゼは恐る恐る穴から顔を出して部屋の中を覗き込んでその惨状――全裸のシェリーとオルソラに組み付かれている半裸の神裂――に言葉を失う。
「ア、アニェーゼ助けてください! この人たちがむぅぅ!?」
神裂は咄嗟にアニェーゼに助けを求めようとしたが、横からシェリーが手を伸ばして口を塞いでしまう。
「何やってるんすかあなたたちは?」
アニェーゼはそんな3人にあきれながらも、一応理由を聞いてみることにした。
「ちょっとな……、イギリス流の親睦の深め方よ」
「はぁ」
最近ここの馬鹿騒ぎにも慣れてきたアニェーゼは、やっぱり聞くんじゃなかったと聞き流すことにした。
そんなアニェーゼにオルソラは、
「それよりアニェーゼさん、水着が出来上がっているそうでございますよ」
「はぁ、そうっすか」
「なんだ? 反応が薄いじゃねぇかよ。アニェーゼも私が作ったのじゃ嫌なの?」
「ぐ、ぐむんんんんんんんんんんんん!(わ、私は水着が嫌だなんて言っていません!)」
アニェーゼの気の無い返事に、シェリーが眉間に皺を寄せてガッカリしたような声を出す。
そのシェリーの隣では神裂が何やら喚いているが口を塞がれているので良く判らない。
「い、いや、そう言う訳じゃねーんですよ、いやシェリー、すんませんね」
アニェーゼはシェリーが自分の一言でショックを受けたのに気付いて慌てて非礼を謝った。
オルソラはそんなぎこちないやり取りをする2人のうちまずはシェリーに声を掛けた。
「シェリーさん、人には色々と事情があるのでございますよ。アニェーゼさんの場合は神に仕える事を第一として質素倹約を旨にしてまいりましたから特に贅沢に繋がるような事には躊躇するものがあるのでございますよ」
そして今度はアニェーゼの方に向き直ると、
「アニェーゼさん、まず自らが幸せでならなければ他の救いを求める方々を導く事など出来ないのでございますよ。我らが父は贅沢をしたとてお怒りになるような心の狭いお方ではございませんよ」
オルソラはそう言って立ちすくむアニェーゼの手を優しく手に取る。
そしてオルソラは囁くように――
「ですからまず――こちらで一緒に神裂さんのお着替えを手伝って欲しいのでございますよ」
そして促すようにアニェーゼの手を軽く引き寄せた。
たったそれだけなのにアニェーゼは滑る様に神裂の前に移動した。
そんなアニェーゼは一瞬戸惑うような素振りを見せたが、オルソラの笑顔を見ると落ち着きを取り戻す。
「そ、そうっすね。シスター・オルソラの言う通りかもしれないっすね」
「むぐうううううううう!(何でそうなるんですかあああああ)」
神裂は味方が1人もいなくなった事に絶望を感じた。
「じゃ、そうと決まれば――よいしょ」
一度そうと決めたアニェーゼは仕事が速かった。
まずは修道服を物凄い勢いで脱いでゆくと、あっと言う間に裸になってしまった。
幼さゆえのきめ細かい肌を惜しげもなく晒す姿にシェリーは「お! いい脱ぎっぷりじゃねえか」と感嘆の声をあげた。
そしてアニェーゼは神裂の前に跪くと屈託の無い笑みを見せて、
「ふふ、私ね、実は神裂さんの胸が気になってたんすよ。ノーブラでも垂れない秘密、私に教えてくださいよ」
「あ、それは私も知りたいわ」
「どうやら肩もこらないご様子ですから、興味は尽きないのでございますよ」
「お、おああああああああああ!(しゅ、趣旨が既に違っています!?)」
神裂の受難はまだまだ続くのであった。
END
以上終わりです。
読んでくれた方お疲れ様でした。
最初は楽しく書いていたのですが、最後の方は苦しくなってグダグダしてしまいました。
オルソラとアニェーゼの性格もいまいち掴めていなかったかも。
いや他のキャラももしや・・・・・・。
その点ご指摘よろしくお願いします。
でわ。
327 :
264:2009/04/09(木) 18:09:21 ID:E+WQqVNE
GJ!!
もちろん続くんだよな?
なんという……GJ!!
天然セクハラな一方さんも確信犯的なセクハラのシスターズも超エロス!
そんじゃ、俺も投下しますね。スレを消費しちゃうけど、ご勘弁下さい。
『特別スタッフ』
[第3章:姫神頑張る]
第3章は、1日目終了迄も行ってません。
[注意]
例によってバカ話です。何だか味気なかったから、隠し味にシリアステイストをブレンドしてみました。
原作に忠実なキャラ設定ではありません。設定が大事な方は避けて下さい。
ポイ
「え………えっと…姫神?」
「うん。何?」
「なっ!?……『うん。何?』って、……何?って、何じゃねえだろぉおおお―――っ!!!
なんで?どうして?姫神がここに居んだよ!
なんで?どうして?巫女さんからジョブチェンジしてミニスカナースになってんだよ!
はっ!?……こいつか?この医者か?この狂えるナース好きの医者のせいか!?
こんの、ナースフェチ野郎!おのれは、姫神になんて格好させとんじゃぁあああ!!!」
「僕のコレクションの一つ。少しだけ丈が短いナース服No.5、なんだけどね?」
「5って!?……No.5って?少しだけ?少しだけって、……もしかして、これより短いのがあんのか?」
「舐めてもらっちゃあ困るね?僕を誰だと思っているのかな?」
「カエル医者改め、コスプレ変態制服フェチ野郎」
「それは、ちょっと酷いんじゃないかな?ナースの名は、冠してくれないのかね?」
「やっ、喧しい!何処までナースに拘りやがる!変態野郎に人権があると思ってんのか!!」
「君は、法の基の平等、この精神を蔑ろにするのかな?絶対にナースは譲れない。僕の信念だからね?
僕も、僕の友人達も、其々の信念に基づいて人生を歩んでいるからね?」
「はぁ〜っ!?アンタの他にも、ナースに拘ってんのが居んのか?」
「君は、一体何を言ってるんだい。ナースは僕の専売特許に決まってるじゃないか。
僕の友人達、彼らには、彼らなりの信念があるんだよ。そんな事は、当たり前じゃないかな?
全く、近頃の若い者は、そんな事も分からないのかね?(フ〜っ)」
「コラッ!そこっ!何、偉そうに溜め息吐いてんだ!む、ムカツク。こんなのに、バカにされやがった!
第一、敬われたかったら、赤ん坊から人生やり直して、真っ当な人間になってからほざきやがれ!
……で、何だよ、その、彼らなりの信念って?」
「う〜ん、彼らには悪いが、僕には、今一良く理解出来ないんだけどね?
OL、ウエイトレス、キャビンアテンダント、女子高生、スクミズ、だったかな?
彼らとは言わば、名を異にすれども、畢竟一誠なり、って、思ってるんだけどね?」
「な、何っ、制服愛好家サークル創ってんだよ!そんな事、自慢げに語るんじゃねぇ!
だいたい、崇高そうな言い回しすりゃ、何でも許されるとでも思ってんのか!」
「例え、どんなに道が険しくとも、その先にどんな苦難が待ち構えていようとも、己が信ずる道を進むの
が、人としての道理であり、真の道でもあるんだね?
僕は、ナースの道を選んだ。君は、ナースの意味を知っているのかな?」
「何、人生とナースをミックスしてんだ!オイ!聞いてんのか!……なっ、何、遠い目になってんだ?」
思わず頭を抱える(出来ないが)上条である。これ迄の人生で身に付けたスキル(突っ込み)が通用しない。
一方のカエル医者は、成分不明の燃料にでも点火されたのか、異様な熱意を込めて演説し始めていた。
「(はっ!?……ま、不味い!何か得体の知れないトンデモ理論が展開されようとしてる!)」
「いいかな?そもそもナースと言う語源は、世間一般でナースの代名詞的に認識される、ナイチンゲール
なんてチャチな人物からじゃないんだよ。母が子供を看る。それは遥か古代インドの聖典リグベーダに
記されている、乳を与える人、が発祥とされているがそんなものじゃない。シャムシ・アダド1世時代 の古代アッシリア、栄養を与える人、この言葉の意味が、年月と数多の変遷を経て古代インドに―――
――――――。そして、―――――――。ここ迄は簡単に理解できるね?更に、――――――――」
「?…?…?…?…?…?…?…?…?…?…」
スキル(突っ込み)が通用しない。それは己の人生(ボケと突っ込み)そのものを否定されるに等しい。
不幸だらけの人生ではあるが、それに絶対に敗北しない、と己に誓った信念が揺らぎそうになる。
最後のテリトリーであるアイデンティティすら奪われてしまうのか?
いや、認めない。そんな事は、吉本喜劇をこよなく愛するお笑い高校生、通天閣上条は絶対に認めない。
例え、このステージ(せかい)が、プロデューサー(アンタ)の作ったシナリオ(システム)の通りに動いてる
ってんなら、まずは、そのお客さん(幻想)をボケ倒して爆笑の渦に叩き込む。
己のリーゾンデートル(存在理由)証明の為、上条の現実(突っ込み)と幻想(ボケ)がシンクロした。
暫し瞑目した後、カッ!とその眦(まなじり)を見開き、声高らかにお客さん(カエル医者)に宣誓する。
「ウエェェェ――イトォォォ――――ッ!!!暫し待てぇぇぇ―――い!!!」
「(おお〜っ。盛り上がってる)」
目の前で展開される光景を、こちらは本物の観客である姫神が『ボ――ッ』っと暢気に眺めていた。
最初は、上条の方が優勢に思われた戦い(漫才)も、徐々にカエル医者が押し始めたみたいだ。
守勢に回った上条を、怒涛の斬撃(ボケ)で打ちのめすカエル医者。このままでは上条が負けてしまう。
「(上条君。頑張って!)」
思わず二人の戦士(漫才師)の片方を応援してしまう姫神。……相変わらず見た目は無表情のままだが。
暫しの沈黙の後、上条の裂帛の気合の声が放たれると、戦い(漫才)もイーブンに持ち込まれた様だ。
「(ふう〜っ。良かった)」
二人の白熱した戦い(漫才)は、聖戦(グランプリ大会)の様相を帯び始め、この宇宙の真理・法則を超えて別次元の摂理の話しにまで進行してしまっている。
もはや、お互い相手の姿など微塵も視界に入っておらず、唯、己の信念のみで戦場(ステージ)に立ち続けている。
二人の聖騎士(漫才師)の激しい戦闘(掛け合い)は、いよいよ最終局面(勝ち残り)に突入したみたいだ。
しかし、それは未だ終わりの見えない様相をも呈していた。……いい加減にしろ、おまいら。
「(………。飽きちゃった。そろそろ起きないかな?)」
姫神は、右手にあるバインダー(目覚まし、別名:ハリセン)を見た。先程、上条を呼び戻した物だ。
それは、あたかも意志を持ったかの様に、自分に語り掛けているみたいに感じられた。
「『この聖戦を止められるのは、貴女だけです。さあ、私(バインダー)を使いなさい』」
「(うん。わかった)」
姫神は、この聖戦に終止符を打つべく、両の手に神器(バインダー)を握り締めると、大上段に構える。
二人の聖騎士の呼吸の隙を見計らい素早く移動すると、その偉大なる力を行使する事にした。
もっとも、二人のバカ戦士共は自分の世界に入っていて、何も見えてない状態だったのだが……。
そうして、部屋に2つの軽快な音が響いた。
「パコン」「ペコン」
「二人とも。目覚めた?」
「ふあぁい……。グスッ……」
「……まいったね?僕とした事が、柄にも無く熱くなってしまったみたいだ。済まなかったね?」
「そう。良かった」
パライソから無事帰還した二人は深く反省してるみたいだ。姫神は満足げにバインダーを揺らした。
上条が『ビクッ』と体を振るわせる。どうやらバインダーがトラウマに為り掛けているらしい。
そんな上条をチラッと横目で確認すると、カエル医者は満足気に姫神に話しかけた。
「やっぱり、僕の目に狂いはなかったね?君なら、彼のお相手もバッチリ勤まると思うよ?
何と言っても、ナース服姿が、彼の好みに、ど真ん中の直球ストライク的に似合っているからね?」
「オイ!何わけ分かんない事、姫神に言ってんだ?姫神も姫神で、何、『コクッ』って頷いてんだよ。」
「何って、君が言った事を繰り返したんだけどね?君も、似合ってるって言ってたじゃないか。」
「はあ〜っ?俺が、何時そんな事言ったんだよ?」
「僕が、彼女の感想を聞いた時に、『上条さんトキメイテしまうくらい、ど真ん中の直球ストライク的に
似合ってますよ』って答えたじゃないか、覚えてないのかな?」
「オイ!何だ、その劣化版上条さんみたいな口調は?気色悪い声色を使うな!って、チョッと待て!?
……何で、そんな事知ってんだよ?俺は、そんな事一言も喋ってないぞ?考えてただけで……?
…………!?……そうか!まさかとは思ってたが、アンタ、能力者だったのか!」
「君は、一体何を言ってるのかな?普通に喋ってたじゃないか。気付いてなかったのかな?」
「喋ってた?俺が?何時から?」
「突然叫び出したから驚いたけど、確か……、最初はこう叫んでいたかな?
『お、おっ、おぉっ―――っ!スレンダーモデル体型でありながら美乳を持つナイスバディ!!
上条さん的に、高ポイント過ぎてGJ(グッジョブ)を捧げてしまいますよ―――っ!!!』
その後は、普通に喋ってたね?」
「だ・か・ら、気色悪い声色を使うなと言っとろうが!
アナタはあれですか、口真似をする程上条さんを好きになってしまわれたと仰りたいのですか?
あら、イヤだ。上条さんその様に好意を寄せられても、残念ながら殿方の想い応えてあげる事なんて、
これっぽっちも出来ませんわぁ〜。……ん?……はて?……な、何んですとぉ――っ!?」
「おかしいな?そんなに似てないかな。結構自信があったんだけどね?うんんっ、あ―――、あ―――」
「えっと……、そんな口真似なんて、ぶっちゃけどうでも良いんですが?
それよりも、あの時一体何を喋ったか、上条さんあまり覚えていないのですが?」
「おや、そうだったのかい。それじゃあ、僕が教えてあげようかね?……あ―――、あ―――、
『……………綺麗だ………………』『上条さんと致しましては、美人さんが―――』
『そっ、それはいけませんの事よ。――』『そんな事は美人の味方、――』『―』『―』―――」
「……!?……!?……!?……!?………」
上条が口にしたセリフを、一言一句正確に再現するカエル医者。もちろん、劣化版上条さん口調で。
それは、インデックスの完全記憶能力に比肩するのではないかと思われる程、正確無比であった。
しかし、上条にとって、そんな事はどうでも良かったみたいだ。もっと重要な問題があったからである。
カエル医者の口から紡がれるセリフ。それらには、確かに覚えがあった。
曖昧だった記憶が、聴覚の刺激を呼び水に、どんどんと補完されて行く。
「―――と、まあ、大体こんな感じだね?以前から思ってたんだが、君、かなり独り言が多いね?
脳内遊泳も良いけど、水が駄々漏れになってちゃあいけないと思うね?」
「そ、それでは……、上条さんの恥ずかし語録は、こちらにおわす、ナース姫神にも?」
「もちろん、バッチリ伝わってるね?」
「!!!!!!!!!(チラッ)」
「………(コクコクコク)………」
「…………………………………」
固まって動かない上条を満足気に眺め、カエル医者が勝利の演説を始める。
「ふふっ、僕の口真似に恐れ入ったようだね?……でも、これしきの事で驚いてもらっちゃあ困るね?
昨年の忘年会で披露した、取って置きの隠し玉がまだあるからね?
見せて上げたかったよ、あの光景を。あの時の、関係者一同の顔をね?『ナース』を――――」
『ナース』その言葉が、上条の時を再び動かした。
再起動した事により、冷静な戦況分析が行える様になった脳細胞を、フル稼働させ対策を考える。
このまま勢いで反応しても先程の二の舞である。そうだ、何かが自分には足りない。それは何だ?
脳内の膨大な情報を検索。しかし、幾ら探しても見付からない。
無限とも思える時間が過ぎ、諦めかけていたその時、奥深くに潜み、埋もれていた言葉がヒットした。
そうだ、今のこの状態が鍵だったのだ。今のこの状態を、そのまま当て嵌めれば良いだけだったのだ。
近くにあるからこそ気付かずに埋もれていた言葉。そう、その言葉こそ、『冷静』である。
その言葉は、まるで天啓の様に感じられた。同時に、絶対の自信をも上条に与えていた。
「(ふはははははっ、何時迄も、同じ轍を踏む上条さんじゃありませんよ〜。
ここは、リニューアル上条のお披露目タ〜イム!
さぁ〜、愚か者め。生まれ変わった我が力、特とその眼に焼き付けるが良い!)」
そして、満を持して上条の口が開かれた。
「第一の質問ですが、――――――」
・
・
・
そして、再び時は繰り返される。合掌。
「やれやれ、本当にまいったね?さすがに、時間オーバーだ。僕は患者の回診に行かなきゃいけない。
詳しい事は彼女に聞いてくれないかな?済まないね?姫神君。そういう訳で後の事は頼めるかな?」
「うん。まかせて」
足早にカエル医者が退室すると、部屋に残るのは当然の如く二人きりである。
上条はかつて経験した事が無い程の居心地の悪さを感じていた。
「(ううっ、色々と聞きたい事があるけど、どうすりゃ良いんだ?)」
脳内言語が姫神に把握されていたと判明した今、自分に残された手段は一体何があるのだろうか?
取り敢えず、現状を知るのが大前提である。その為には会話が必要だが、どう切り出そうか?
姫神は自分に話し掛けるでもなく、真っ直ぐに自分の事を『ジ――――っ』っと、見詰めているだけだ。
やはり、自分が話し掛けるしかない。恥ずかしさで、どうにかなってしまいそうだが耐えるしかない。
それに、カエル医者には通用しなかったが、冷静に質問すれば姫神なら大丈夫だろう。
「(ここは、リニューアルされたジェントル上条の気品に賭けるしかない!)」
上条は思い切って姫神に話し掛ける事にした。
「うおっほん、そこに居られるマドモアゼル姫神、貴女に伺いたい事があるのですが宜しいでしょうか?
貴女が何故ここに居られるか、不肖な私めにお教え下さいませんか?」
「………(ジ――――っ)………」
「(あれれ?何か不味い事、言ったか?)」
「違う。私。マドモアゼルじゃない」
「えっ!?そ、そうなんだ……。それじゃあ、何と御呼びすれば宜しいのでしょうか?」
「私。美人さん」
「!!!」
「私。ナイスバディさん」
「!!!」
「上条君。そう言った」
「!!!」
「それとも。違うの?」
「ううっ……、あうっ……、そ、それは、その、……た、確かに言いました」
「うれしい」
「(初めて見た……。姫神って、こんな風に笑うんだな……)」
いつも無表情で、感情を表に出さない姫神。
クラスメイトの女の子でさえ、何を考えているのか分からないくらいだった。
何故か視線が合う事が多く、繰り返す内に微妙な表情の変化が分かる様になってしまった。
微かに綻ぶ口元、ほんの僅かに大きさを変える瞳、そこから感情の変化を読み取っていた。
でも、今、自分の目の前で、姫神が見せる笑み。今まで、見せた事が無い、見た事が無い、微笑み。
幼い少女が見せる様に無邪気に、清楚な少女が見せる様に透明に澄み渡り、
そして、相手を安心させる様に、全てを暖かさで包み込む様な微笑み。
姫神が、心から見せる笑み。それは、そんな微笑みだった。
「(………………………………)」
上条は時間が経つのも忘れ、その微笑みを見詰めていた。
「(……この微笑みを、……何時までも、……ずっと、……そばで、見ていたい………)」
自分の心の中の隅々にまで姫神の微笑みが広がり、そんな想いが溢れてくる。
「……くん。……ょう君」
「(………、…うっ、……何だ?……何か、聞こえる)」
「……条君。ねぇ。上条君。」
「(……えっ、……あれ、俺、一体どうして?)」
「大丈夫?上条君。どこか痛むの?」
「どうあ〜っ!?……ひ、姫神!」
「どうしたの?上条君。何度呼んでも返事無かった」
「い、いや、何でもない。何でもない。ちょっと、『ボ――ッ』っとしてただけだ」
「それなら良いけど。どこか痛む?」
「ど、どこも痛くない。痛くない」
上条は、自分の胸を締め付ける痛みに戸惑いながら答えた。
「(どうしちまったんだ?俺は。こんな痛み、経験無いぞ?)」
怪我の痛みとは、明らかに違う。病気の痛みかとも思ったが、何か微妙に違う気がする。
オマケに姫神が視界に入るだけで、その痛みが増し、心臓の鼓動が早くなる。
「ねぇ。本当に大丈夫?」
「あ、ああっ。本当に大丈夫だから。そんなに、心配しなくて大丈夫」
絶対に心配させちゃいけない。絶対に悲しませちゃいけない。何があっても安心させなくちゃいけない。そして、何時でも、何時までも自分の側で笑っていて欲しい。
何故だか、そんな強烈な想いが、心の奥底から自然に沸々と湧いてくる。
未だかつて経験した事の無い強烈な感情の波状攻撃に、未知の恐怖を覚え、上条の防衛本能が発動した。
「(こんな事に屈する上条さんじゃありませんの事よ!さあ、燃え上がれ我がコスモ!銀河の果て迄!)」
しかし、お得意の領域にシフトしてさえ、一向に回復の兆しは見られなかった。
「(何なんでしょうか?この痛みは?この想いは?上条さんのハートはどうしてしまわれたのでせうか?
誰か、この憐れな愛玩動物チワワ上条に救いの手を差し伸べて下さいませんでせうか?)」
幻想に逃避してさえ、なお消えてくれない感覚に、途惑い、途方に暮れる上条。
しかし、そこに救いの手は差し伸べられた。
「(ナデナデ……ナデナデ……ナデナデ……)」
姫神に頭を撫でられている。上条は自分でも驚く程、あっさりとその行為を受け入れていた。
姫神の手が、愛しそうに自分の頭を往復する度に、先程まで感じていた様々な感情を癒し、暖かさに変え
て行く。その心地良さに上条は素直に身を委ねていた。
一方の姫神はと言うと、少し上条とは違った感想を抱いていた。
「(やった。また。ナデナデできた)」
良く分からないが、彼の様子がおかしかった。『ボ――ッ』っとして、自分の言う事に反応が遅れたり、
どもって言葉を繰り返したりしていた。そして、迷子の様な表情。
それは、強烈に自分の心を動かした。
「(あっ。この表情もかわいい。ナデナデしたい。今日怒ってない。させてくれるかな?)」
期待に目を輝かせ、心の赴くままに実行する。……手が頭に触れても、上条は何も言わない。
少しずつ大胆になって行き、その内、思うがままに撫で始めていた。
「(ナデナデ……ナデナデ……ナデナデ……)」
すっかり気持ちが落ち着いてしまった上条は、撫で続ける姫神に普通に話し掛ける事が出来た。
「なぁ、姫神。どうして病院にいるんだ?」
「カエル先生に頼まれたから。上条君のお世話」
「そりゃ、おかしいだろ?普通の学生なのに、病院で働くなんて。」
「うん。でも現実。カエル先生言ってた。裏技って」
「何だ?裏技って怪しさ100%の言葉は。それより学校は、欠席してんのか?」
「違う。公欠扱い。小萌先生に電話したら。上の方から通知あったって」
「上の方って、……あのナース医者、そんな事も出来んのか?」
「良く分からないけど。聞いたら。いつものセリフ。言ってた」
「……『僕を誰だと思っているのかな?』ってか。……あのナース医者、何者だ?」
「マニアなカエル顔のお医者さん」
「い、いや。その通りなんだが……。って、そうだ。マニアだ。姫神、そのナース服は?」
「病院の制服」
「だけど、それってミニスカナースだろ?普通の制服は?」
「特別スタッフの制服。これ。一番大人しい」
「なっ!?……それで、一番大人しいだと?」
「もっと。凄いの。いっぱい」
「あんのフェチ野郎!どこまで腐ってやがる!」
「上条君。見たくないの?」
「……はあっ!?」
「上条君。見たいなら。頑張って着てみる」
「……あ、あの?もしもし、姫神さん。貴女は、何を仰っていますか?」
「ナース服。似合うって言った」
「うっ!……は、はい、言いました」
「だから。頑張る」
「…………………」
思わず頭を抱える(出来ないが)上条である。姫神の中の何かに火が点いてしまったみたいだった。
もう、上条には受け入れるしかない。そして、姫神も姫神で大事な用事を思い出していた。
「(そうだ!餌付けしないと)」
「ねぇ?上条君」
「……ん、んぁ?」
「そろそろ。朝食の時間」
「……あぁ、もう、そんな時間か。今朝はあんま食欲ねえな〜……」
「えっ?……うそ」
「やっぱ、怪我したばっかだし、何か腹減った感じしないんだよな〜……」
「………(ガ―ン)………」
「おい、どうした姫神!何か体から黒い靄が出てんぞ?」
「(餌付け作戦。……しっ。失敗?)」
「お〜い?何か知らんが。気をしっかり持て、姫神隊員。そんな事じゃ赤十字のみしるしが泣くぞ〜」
「……う。うん。大丈夫。ちょっと挫けそうになっただけ。それで。何か食べたい物ある?」
「そうだな……パンくらいは食えるかな?」
「……パン!?」
私怨
規制喰らって撃沈・・・orz
支援。待ってる。
頑張って
上条に輪を掛けて自炊派である姫神であったが、未だかつてパンを作った事は無かった。
和・洋・中の一般的な家庭料理なら一通り作れる自信はあったが、パンだけは別だ。
人生の荒波に負けそうになったが、上条の希望を叶える為、立ち向かう決意を固める。
「……そ。それで。どんなパン食べたいの?」
「どんな……って、病院のパンなんてコッペパンみたいな味気ないのしかないだろ?
全く、患者を蔑ろにすんのも大概にしろってんだ。体が動く様に為ったら調理担当とやらの所に特攻駆 けてやる!……って、あれ?もしかして、姫神が買って来てくれんのか?」
「?……買う?買うって。それで良いの?」
「マジですか?ありがとう姫神!上条さんは、木村屋のアンパンが食べたい。後はやっぱ牛乳だよな。
動けた時は、しょっちゅう買いに行ってたんだけど、今回はさすがに無理だからな。助かるわぁ〜。」
「(私。役に立ってる。………。でも。うれしくない)」
姫神は、自分が手に持っているビニール袋の中身に思いを馳せながら考えていた。
あの後、近くのコンビニへお使いに行ったのだ。さすがは常識人の姫神、ちゃんと薄手の服を羽織って。
ミニスカナースがコンビニでアンパン買ってる所なんかを見たい欲望に駆られたが、割愛させて頂く。
「(………。餌付け。………。手料理。………。虜。………)」
そんな事を考えながら、姫神は、病院に戻る事にした。
「ただいま」
「おう、お帰り。……ごほっ、ごほっ。いつも済まないねぇ。お前には苦労ばっかり掛けて……」
「………。それは言わない約束でしょ?おとっつあん。これで良い?」
「うん、合格だ。上条さんは大変嬉しゅうございます。思わず、目の幅涙が流れる程に……」
相方を得て感涙に咽ぶ上条を眺めながら、一方の相方の姫神も、ささやかな感動を味わっていた。
「(『ただいま』。『お帰り』。ふ、夫婦みたい……)」
心の中でニヤケまくって、買い物の品を上条に食べさせる為に取り出す。
「おお――っ!それは、プリンさんじゃありませんか。もしや、頂いても宜しいので?」
「うん。ついでに。買って来た」
「ほ〜っ。上条さん、その優しさにクラクラしてしまいます。食後のデザ〜トとして頂戴致します。」
「わかった。はい。アンパン。あ〜ん」
「えっ?……な、何ですか?……その『あ〜ん』って?」
「……?上条君。食べられない。だから。あ〜ん」
「(……こ、これは!一部の選ばれし民にしか許されない。あの伝説のイベントですかぁ〜?
確かに、上条さんは体が動かない状態ですので、享受するしかないのですが……)」
「どうしたの?はい。あ〜ん」
「……よっ、良し!あ〜ん。(パクッ。モグモグ。ゴク…クッ!?)…ゴホッ。ゲホッ」
「だ…。大丈夫?はい。牛乳」
「チュルゥゥ――ッ。(……ゴ、ゴクン)……はぁ、はぁ。思ってたより、寝転んだまま食べんのって、
難しいんだな。特に、飲み込む時、何かが……」
「……あっ。そうだ。あれがあった」
「……んっ?何だよ姫神。あれって……?」
「うん。変形モード。コード:EXH-313。まかせて。直ぐに起動するから」
「!?……ちょ、チョと待て姫神!待って下さい、姫神さま!もん凄くイヤな予感するから!!」
そんな上条の制止の声も、『ちゃんと役に立つとこ見せなきゃ』との考えに囚われている姫神には届かない。携帯端末を操作して項目を選択すると、上条の居るベッドの方に向けて送信ボタンをポチッとする。
ベッドの下部から微かな電子音とモーター音が伝わると、ベッド本体が音も無くゆっくり上昇して行く。
1mを少し超えた辺りで停止すると、無数の何かがベッドの下から這い出て来て、天井迄も伸びて行く。
それを目の当たりにした上条の脳裏に、とあるフレーズが自然と浮かんでいた。
『そのもの青き衣をまといて金色の野に降りたつべし、
失われし大地との絆を結び、終に人々を青き清浄の血へ導かん』
「なっ!?……王蟲(オーム)!?上条さんは、青き衣を纏いし人になっちゃうのですかぁ〜!?」
もちろん、そんな事がある訳が無い。
天井付近でゆらゆらと揺らめく無数の触手は、一路、上条目掛けて、雪崩を打つ様に襲い掛かって来た。
「ひぃいいいい――――――っ!?」
恐怖に身が竦む上条。この状態では防ぎ様がない。自分の人生は、ここで終わってしまうのか?
ギュッと目を瞑り、脳裏に無数の触手によって穴だらけにされ絶命している自分の無惨な姿を思い描き、
こんな事なら先にプリン食っときゃ良かった、と後悔した。
走馬灯の様に自分の人生を思い返し、その不幸っぷりに落ち込んでいる事を繰り返していたが、やけに長
く感じる。死んでも思考は継続したままなのか?と疑問に思い、意識を現実へと向けてみる事にした。
「(あれ?俺って、まだ生きてんのか?目開くのか試してみよ……)」
そっと、瞼を持ち上げると確かに見える。見えるのは、何時もの白い天井だった。
天井を覆わんばかりにしていた触手が、今は綺麗さっぱりと無くなっていた。
首を捻りながら(チョビットだが)、視線を下げて体の方を確認し、驚きに目を見開く。
首から下を、ビッシリとあの触手が埋めている。
自分の体をあの機器ごと覆うばかりか、どうやらベッドごと包み込んでいるみたいだった。
驚愕している内に、そのままゆっくりとベッドごと直立して行き、丁度90度の角度で停止した。
「な!?なっなな何なんですかぁ?……一体全体こりは、何なんですかぁ???」
「うん。リクライニングベッド」
「はぁ!?ベッド?リクライニング?……こっ、これのどこが、リクライニングベッドなんですか?」
「患者に負担掛けない。ベッドごとリクライニング出来る。優れもの」
「……こっ、この気味の悪い触手は?一体、何なんだよ?」
「うん。固定金具」
「……か、金具?こんな見た事も、聞いた事も無い、弾力あってウネウネ動く触手モドキが金具?」
「新素材」
「………………………」
「組み合わせ次第。おまけ。テーブル。椅子。足場にもなる。優れもの」
「あ、頭痛くなってきた。……しっかし、触手ねぇ。あんのナース医者!どこまで属性隠してやがる!」
「はい。あ〜ん」
「う、うえっ!?……あ、あ〜ん」
青春の素敵イベント続行である。
姫神に給仕されてアンパンを『モグモグ』食べながら、上条はカエル医者に付いて考えてみた。
『医者』
名医だとは思っていたが、よくよく考えてみるとおかしかった。
自分が過去に負った怪我に付いて、もし、これが他の病院だったらと考えて照らし合わせてみると、明ら
かに入院期間が短かった。
当時は良く考えもせずに、単純に短いのを喜んでいたが、冷静になって考えてみると、現代医療技術を逸
脱していると分かる。それは、この学園都市に置いてもだ。
そこに持って来て、今回の怪我の惨状である。
意識が失われる前に霞む目で自分の体を見た時、死ぬかもしれないとの恐怖や絶望は考えなかった。
死は確定していた。
ズタズタに為った自分の体を確認して思った事。
それは、先に逝ってしまって済まない。誰も自分の事で悲しまないで欲しい。ただ、それだけだった。
なのに、自分は生きている。おまけに、退院まで1週間ときた。もはや、医療の領域を超えている。
『ナース』
頭が痛いが、こちらも自分の理解の領域を超えている。
クラスメイトの脳汁垂れ流しのバカ2人も痛い奴らだが、まだ妄想の領域に留まっている感じにしか思えなかったが、あのカエル医者は違う。妄想を昇華し、現実で実践している。
さらに今回、新しく判明した事実がある。自分に匹敵する程の幻想(ボケ)の使い手である事。
学園上層部にも影響を及ぼせる程の力を有している事。変形物好きの触手マニアである事である。
ここまで己に忠実に生き、数々の偉業を成し遂げているカエル医者に、尊敬の念が頭を掠め瞼を閉じる。
飄々としている等身大のカエル医者が描かれる。
スッと背中を向けた途端、その姿は雲を突き抜け、成層圏に達する程、巨大な姿になる。
その、圧倒的な存在感に思わず平伏してしまいそうになってしまう。
「(……いんや、駄目だ。俺は、普通の幸せを掴むんだ)」
そうだ、偉業も波乱万丈もいらない、平々凡々な生活と幸せな家庭を掴む事こそ、自分の目標だ。
カエル医者に付いて考える事で、改めて自分の生き方を再確認した上条である。
人は其々、己に合った生き方がある。これ程の目に遭っても、まだ自分が分かっていない上条であった。
食事を召し上がって大変満足した上条さん。そんな彼に次なる困った試練が訪れました。
「(う……、○んこしてぇぇぇ―――っ!!!)」
食べた事により胃腸を刺激され、次のプロセスへと移行してしまったみたいだ。うむっ、人体の摂理だ。
「(そ、そんなに強列じゃないから、暫く我慢出来そうだけど。我慢して解決出来る問題じゃねぇな)」
何と言っても、達磨さん状態である。トイレに行く事も、自力で動く事さえ出来ない。
そんな、上条の様子に気付いたのか気付かないのか、姫神が暢気に尋ねてきた。
「どうしたの?上条君。顔。強張ってる」
「……な、何でもない、何でもない」
慌てて答えるが、何ともない訳がなかった。チラッと視界の隅に姫神を捕らえたまま考える。
「(……えっと、この場合、上条さんの下の世話をするのは、当然、専属である姫神って事だよな。
だ、駄目だ。そんなスカトロ羞恥プレイ。風船の様に繊細で薄っぺらい上条ハートが破裂しちまう。
そっ、そうだ。さり気なく、この状態での排泄関係に付いて質問してみよう。あくまで、さり気なく。
その為には、ジェントル上条の……って、さっき失敗したな。ここはグレイ上条の出番か……?
いやいや、これもチョッと違うぞ。そうだ、チャイニーズ上条にしよう!)」
「チョッと良いアルか。そこの美人サン。教え―――」
「!……何?上条君」
「うオォ――ッ!?」
美人さんの言葉を聞くな否や即効で反応する姫神。しかも笑顔付きで。そんな姫神を見て上条は思う。
「(……き、聞けない。嬉しそうな姫神を前に聞けない。とてもじゃないが聞けない。
『てへっ、ンコしたいんだけど。どうしよっか?』、なんて聞けない!)」
顔を強張らせたまま苦悩する上条を、暫く『ジ―――っ』と眺めていた姫神が『ポンッ』と手を打った。
「おお〜っ『ポンッ』。もしかして。トイレ?」
「………(ビクッ)………」
「そのままで大丈夫」
「……へっ?」
「大丈夫。それは。老廃物。排泄物。処理できる。だからそのまま」
「……へぇ〜、そうなんだ。便利なんだな……、悩んでた俺って……」
「遠慮しないで何でも聞いて。何でも答えてあげるから」
「そっか、ありがとな。姫神」
安心した上条は、思いつく限りの質問をし、おおよその機能に付いて把握する事が出来た。
実は今も自分には軽い麻酔が掛かっているらしい。そうでもしないと、ジッとしていても激痛に転げ回る
羽目になっているとの事だった。成る程なっと納得したが、メンテ中の事を思い出して青くなる。
「大丈夫。その前。麻酔が弱から強になるから。メンテ中何も感じない」
安堵した上条と、そのまま暫くの間お喋りを楽しんでいた姫神は、ふと時計を確認してみる。
随分、話し込んで時間が経ったが、未だお昼には大分早い。
しかし、朝食の雪辱とばかりに姫神はお昼のリクエストを聞いてみた。
「上条君。何食べたい?私。作ってあげる」
「えっ?良いのか、そんな事して?病人だから、あんま規定外の物ばっかりじゃ不味いんじゃねえか?」
「ちゃんと許可もらってる。何食べたい?」
「う〜ん、そうだな……」
「(何でも作ってあげる。お勧め京懐石かな。上条君だから鍋料理言いそう)」
「オムライス」
「え?……ええっ!?オムライス?」
「そう。オムライスが食べたい」
「でも……。懐石料理……。蟹鍋……。食べたくない?」
「う〜ん、そっちも興味あるけど、せっかく姫神が作ってくれるんだから、ここは、男のロマン。
定番の女の子の家庭料理を食べてみたい。今まで一度も食った事なかったからなぁ〜。
カレーだろ、ハンバーグだろ、後、肉じゃがに金平ゴボウだろ、それから――――――」
「(そんな簡単なのじゃなくて。もっと凄いの)」
「―――――なんかが食いたいんだけど、駄目か?」
「……うっ。うん。わかった」
「おお〜っ!サンキュ〜な、姫神。楽しみにしてるよ♪」
何だか、予定と違っちゃたな〜。私は、トボトボと調理室に向かいながら少し落ち込んでいた。
凄い料理を作って、彼が『スゲェェ―――ッ!』て驚いて感激してくれなきゃ意味無いのに……。
それなのに、リクエストは誰でも簡単に作れる様な物ばかりだった。これじゃあ、アピール出来ない。
餌付け。そう、せっかく彼を餌付けするチャンスなのに。……悔しくて、涙が出そうになる。
『プルプルプル』何時までも落ち込んでてもしょうがない。何とか頑張るしかないから。
定番の女の子の家庭料理でも、褒めてもらえるように頑張る。
胸の前で小さな拳を『キュッ』っと握り締め、調理室の扉を開いた。
「上条君。お待たせしました」
「お待ち致しておりました。マイ・プリンセス」
「…………………………]
「……って、おい、姫神!?手が下がって来てる。落ちちゃう。料理が落ちちゃう!」
「はっ!?……だ。大丈夫。うん。大丈夫。私。プリンセス。お姫様。お姫様……」
「わ、悪かった!謝るから、目を覚ませ。おっ、落ちるぅぅ――ッ!」
何とか、床への食事の施しを回避した上条は、ようやくオムライスにありつけた。
未だに姫神は何やらブツブツ『白馬に乗っ――』言ってるが、気にしないで置いてあげよう。
……とも思ったが、姫神がこっち(現実)に戻って来ないと、上条はお預け状態なので戻す事にしよう。
そして、ようやく、姫神の運命(餌付け)を賭けたバトル(お昼)の始まりである。
「はい。あ〜ん」
「あ〜ん。(あれ?変わったソースがかかってんな。どれどれ……(パクッ。モグモグ。ゴクン)……)」
「………(ドキドキ)………」
「!?……ぅんまぁ〜い!!!何だよこれ、めっちゃんまぁ〜い!!!」
「ほんと?」
「あぁ、スゲェェ―――ッ!美味いなこれ。茄子としめじ、なんてソースに入ってるから、どんな味すん
のか見当付かなかったけど、甘いケチャプに合うんだな。んで、中もチキンライスっぽくないなこれ。
どっちかってぇと、ピラフっぽくないか?」
「うん。美味しい?」
「もう〜、最高〜っ!上条さん感激しちゃいました!!!」
差し出すスプーンを、まさに食い千切らんばかりの勢いを見せる上条を見詰め、姫神は思った。
「(やった!私。成功。ヴィクトリー!)」
私の頭の中は、彼が言った言葉で占領されていた。
『ぅんまぁ〜い』『めっちゃんまぁ〜い』『最高』『感激』。
私が期待してた『スゲェェ―――ッ!』以外にも、たくさん褒めてくれた。
私は、この後の展開を考えてみた。
「(餌付け成功。お部屋に作りに行く。そして恋人。通い妻状態。同棲。結婚。結婚……!?)」
結婚。……そうだ。結婚したら子供も出来るんだ。やっぱり、男の子と女の子一人づつは欲しいなぁ〜。
庭付き一戸建てで、可愛いワンちゃんも飼って、庭で遊ぶ私達を上条君が穏やかに見守ってる……。
子供かぁ〜。
……あれっ?結婚しなくても子供は出来ちゃうし、できちゃった婚、って結婚する人達も居たよね。
だったら、私に子供が出来たら、上条君と結婚するって事になるのかな?
上条君だったら、子供が出来たら絶対知らない振り出来ないし、絶対に、その人と結婚しちゃう。
えっと、こう言うのはもしかして、幸せへのショートカット、って呼ぶんじゃなかったかな?むむっ。
子供が出来るには、妊娠しなくちゃ。妊娠するには、エ○チしなくちゃ。
……上条君とエ○チ!?……そ、そっか。エ○チしなくちゃ、子供が出来ないんだった。
あれっ?そう言えば、1回エ○チしたからって、確実に子供が出来る訳じゃなかったんだ。
じゃあ、何回もやらなきゃ駄目なんだよね?むむっ。
じゃあ、エ○チも頑張らなきゃ。上条君が喜んでくれる様に頑張る。その為には、お勉強しなきゃ。
えっと、……お勉強ってどうすればいいのかな?う〜ん、う〜ん。ああっ!そうだ。あれがあった。
前に、小萌先生のタンスの奥で見付けた、DISC。
あれ、エ○チなのだった。あ〜、良かったぁ。あの時は、呆れちゃたけど、後で小萌先生に貸りよっと。
ふふん、ダメだって言っても、弱みはこっちが握ってるから、絶対に貸りれるはず。
……って、あれ?……私、何を考えてるんだろ?……は、恥ずかしい。
……ううっ、ずっと上条君見てるから、知らない間に影響受けてるのかな?
……あっ!これが、あの人達(バカ2人組)が言ってた、上条属性とかカミやん病なのかな?
……い、良いんだもん。それで。病気でも、重症でも、手遅れでも、私はそう決めたから。
色々褒められ舞い上がって天にも昇る気持ちで、壊れかけている姫神であった。
そうして無事にお昼も終わり、2人で他愛もない話に興じていると、それを破る者が現れた。
「盛り上がってる所、申し訳ないんだけどね?」
「出たな。諸悪の根源。騒乱の元凶。一体何しに来やがった」
「ちょっと待ってくれないかな?そんな言い方は酷いと思うよ。僕が一体何をしたって言うのかな?」
「何処までも惚けやがって、……良いだろう。それじゃあ、新事実だけで勘弁してやる」
「新事実かい。それは何を指しているのかな?」
「アンタの目の前にあんだろうが!何だ、この一部マニアに絶賛支持されてる様なジャンルの具現化は!
触手だ?触手プレイだ?何時からこんな奇天烈な18禁作品を制作してやがった!」
「やれやれ、曇った眼鏡には歪んだ像しか写らない様だね?
宜しい。そこまで聞きたいなら、教えてあげようかね?いいかな?」
「あっ、やっぱ良いや。そんな話はノー・サンキューです。また、遠い目になっちまってるし」
「何だい、人に話を振っておいて。こっちがその気になったらキャンセルかい。ふふっ。やるね?」
「今度のは何だ?強敵と書いて友(ライバル)なんて仲間を得て喜んじゃう益荒男、みたいな目付きか!」
「僕は嬉しいよ。君が更なる飛躍を遂げて、成長した姿を見せてくれたんだからね?」
「やっぱ、このナース医者には言葉は通じんかったか。頼む、姫神」
「うん。わかった。はい。カエル先生」
「おや、何かくれるのかな?」
「今朝のお返しの品だ。それで、正気に戻れ」
「チロルチョコ、……だね?」
「うむ。その通ーり。姫神が、次いでにコンビニで買って来てくれた中の一品だ」
「おいしいよ。カエル先生」
「あぁ、ありがとう。……僕は、どうすれば良いのかな?」
「そうだな。アンタ、このベッドどうやって作った?」
「僕一人じゃ無理だね?僕の友人達の協力があってこその作品だからね?」
「やっぱり、サークル仲間が絡んでやがったか。あんま、聞きたくないけど、他にもあんのか?」
「これを含めて5台あるね?今は計算上じゃ分からない、実際に使用しての耐久テスト段階だね?」
「耐久テストだぁ?……これって、そんなに壊れ易い物なんかよ?」
「バカ言っちゃいけないね?ベッドを毎分60回転させても、十分耐えられる様に設計しているからね?」
「無駄な機能、ベッドに付けてんじゃあねェ!」
「そうかな?あった方が、何かと便利だと思うんだけどね?」
「どういう基準してんだ?それより、こんな所で油売ってる程、暇じゃねぇんだろ。さっさと診察しろ」
「あぁ、それはもう済んだよ。様子見、しに来ただけだからね?それから、姫神君。頑張りなさい。」
「うん。頑張る」
「それじゃあ、僕は失礼しようかね?」
上条はカエル医者が立ち去った後も、暫く文句を言っていたが、次第に眠くなって来た様だった。
その様子に気付いて、姫神は上条に声を掛けた。
「上条君。眠かったら。寝て良いよ」
「あぁ……、悪いな。どうにも、気持ち良くなっちまって。少し寝させてもらうわ、………」
「うん。見ててあげる」
私が見守る中、静かな寝息を立てて眠る上条君。
眩しくない様に少し閉めたカーテンを揺らし、心地良い風が吹いて来る。
椅子に腰掛けジッとしてると、何だか私まで眠くなってしまう。
「(あっ。そっか。今朝。早かった。から……)」
見詰めていた彼の顔が、次第にぼやけて来て、……何時しか、私も、眠っていた。
「(………。ここ。……どこ?)」
私は、何処とも知れない白い空間に佇んでいた。地面との境界さえ曖昧な、唯、白一色の空間。
周りを見回しても代わり映えがしないから、前だけを眺める事にした。と、そこに変化が生じた。
豆粒ほどの、小さな眩しい金色の光。それは、見る間にその大きさを増し、直径1m位の大きさになる。
私は興味を引かれ、一歩近付こうと足を動かそうとした。……そして、全く違う景色の中に佇んでいた。
「(何処だろ……、ここ?何だか覚えてる……)」
日差しこそ少し強いが、緩やかに吹き渡る風は肌に心地良い。眩しさに片目を眇めながら確認してみた。
視線の先には柵がある。。煉瓦を幾層か重ねた上に、フェスタフェンスを張り巡らせた柵。
視線を少し左右に動かすと、それ程高くない樹と色々な草花が、柵の手前を彩っているのが見て取れる。
それの手前には、緑の芝生。柵の向こう、少し隔てた所には、違う仕様の柵が見える。
「(ここ……。誰かのお家だよね。お庭の中……)」
そう納得した私は、『コクッ』っと頷いてみる。……と、何か黒い物が視界を掠めた。
確認しようと目線を足元に下げてみて、自分の足元に女の子が居るのに気が付いた。
「(7歳?……ううん。もっと幼いかな?)」
小学校1年生くらいの女の子。黒髪のおかっぱ頭、可愛らしい白いチュニックを着ている。
その娘が私を見上げ、『ジ――――っ』っと、見詰めている。
「(ど。どうして一点見詰めしてくるの?それに……。何だか知らないけど。親近感が湧いて来る……)」
「…………(ジ――――――っ)…………」
「…………(ジ――――――っ)…………」
「…………(にこっ)…………」
「(……か。かわいい。ナデナデしたい。……あれっ?……この娘。前に見た事ある)」
私が、その娘に話し掛け様とした時、右足に『ポスン』と軽い衝撃を感じた。
見てみると、男の子が右足にしがみ付いていた。
この子は5歳位かな。寝癖かな?短い髪の毛が上に跳ねている。なんだか嬉しそうに笑ってる。
気付くと、小さな子犬が嬉しそうに尻尾を振りながら、私達の周りをグルグルと回っている。
私は、それらの光景に、何故か……、幸せな気持ちが溢れてくるのを感じていた。
暫し幸福感に浸っていた私の耳に、男の人の声が届いた。
「『……秋沙……』」
あれっ?私の名前を呼んでる。苗字じゃなくて、名前を呼ぶ人なんかいないのに……。誰だろ?
声のした方に視線を巡らすと、男の人がいた。穏やかな優しそうな瞳が私を見詰めている。
私はその瞳を見詰めた途端、無性に嬉しくなって、彼の方に近付こうと、一歩足を動かした。
……そして、自分が白い空間の中に居るのに気付いた。
「(えっと。最初に戻った。……かな?)」
目の前にあった金色の光は無くなっていた。もう一度、さっきの景色が見たくて探してみる。
金色の光は無かったけど、今度は黒い光を見付けた。この光も、見付けた途端に大きくなった。
私は、何だか嫌な予感がして行きたく無かったけど、する事が無いので仕方なく行く事にした。
「(幸福の後には不幸。予定調和。ただそれだけ。何があるんだろ?)」
そこは、黒い地面と薄明かりに満たされた空間。そして、目の前の少し離れた所に、大きな階段がある。
そこだけが白く照らされ、細部が分かった。大きさの割りに、段差がほんの少しなのが確認できた。
私は、その階段の所に行こうかどうか迷った。悩んでいると、右手に誰かが何時の間にか立っている。
私は右に視線を向け、少し見上げる。上条君だった。嬉しくて笑い掛けると、彼も笑い返してくれた。
彼は笑顔を浮かべたまま、前に歩き出した。私も彼に続こう、と思いながらも考えていた。
「(また戻るのかな?あの白い空間に……)」
少し残念だけどしょうがないかな?そう思っていた私の予想は、あっさりと外れてしまった。
……戻らなかった。白い空間に。そして、私の足は動かそうと思っても一歩も動かなかった。
「(……えっ?これって。どうなってるの?上条君は……)」
彼は階段の手前に佇んでいた。その顔からは笑顔が消え、見詰めている内に、悲しそうになっていった。
「(待って!今行くから。悲しそうな顔しないで。動いて……)」
だけど、私の足はやっぱり動かなかった。彼は悲しそうな顔のまま、階段へ向きを変えると昇り始めた。
私は見詰める事しか出来ない。彼が離れて行ってしまうのを、見詰める事しか出来ない。
「(待ってよ。行かないでよ。上条君……。……えっ?……あれ何?)」
何時の間にか、彼の側に黒いシルエットが寄り添っている。形からして女の人。そして、彼は……?
「(や。やだ。……そんなのヤダ!どうして?どうして笑ってるの?どうして笑い掛けてるの?)」
彼がシルエットの女の人に笑い掛けている。嬉しそうに笑い掛けている。本当に嬉しそうに……。
私は目の前の光景に、心が凍り付いてしまうかと思った。しかし、それさえも許されなかった……。
「(……ううっ。……絶対イヤ。……上条君。……当麻君。………。……う。うそ……!?)」
階段を登って行く上条君達。その周りに小さな靄が現れる。それは上条君達が進むにつれ大きくなる。
そして、上条君の髪型も変わり、さっき見た男の人になる。小さな靄も、はっきりと形創られた。
「(………。……子供?……さっきの人。……上条君。私……。さっきまで……。そこにいたよ……?)」
上条君達が階段を登って行く。私との距離がドンドン遠くなって行く。私に出来る事は、ただ………。
「待って!!!ヤダッ!!!」
目の前には、白い壁。そして、窓からカーテンを微かに揺らしながら、風がそよそよと吹いていた。
「(あっ!?……えっ。……あれ?……ここは?……。どうして私。叫んでたのかな?
あっ。上条君だ!良かった……。良かったって……?……どうして?どうしてそう思うの……?)」
私は自分の声に驚いていた。今まで出した事が無い位の大声に……。そして、目の前の光景に安堵した。
彼が居る。彼が目の前で眠って居る。気持ち良さそうに眠ってる。眠って……?私は、時計を確認した。
午後3時。彼がお昼寝したのは、午後1時過ぎだったはず。むむっ?何だか、時間が合ってない……。
『ポンッ』そっか!私も気持ち良くて寝ちゃってたんだ。あ〜、良かった。さっきのは、夢なんだ。
ビックリしちゃった。あんな変な夢見るなんて。あんな変な……。んっ?何だか頬が変……?痒い……。
あれ〜?何だか冷たいよ。えっと、濡れてる。手がいっぱい濡れてるよ。何だろこれ……?
「(私……。泣いてた?いっぱい?……夢なのに。あんなの夢なのに。でも……。本当に夢なの?)」
金色の光。あれは私の夢。未来に現実になるかもしれない、私の夢。
黒い光。あれは誰か夢。未来に現実になるかもしれない、誰かの夢。私じゃない、誰かの夢。
誰かの夢を見て、私は泣いてた。いっぱい、いっぱい泣いてた。いっぱい、いっぱい叫んでた。
イヤだって。絶対にイヤだって。彼が、私じゃない誰かと遠くへ行っちゃうのがイヤだって。
「(………………………)」
私はフラフラと立ち上がって、ベッドの上条君の側に行った。
「(……Zzz……Zzz……Zzz。…Zzz…zZ)」
「………………………」
私は、ベッドで気持ち良さそうに眠ってる上条君を眺めていた。
私はこんなに近くにいるよ。『ペタッ』ほら、チョト手を伸ばせば簡単に頬を触れる位、近くにいるよ。
あの夢みたいになれるよね。私に笑ってくれるよね。それとも違うの?笑ってくれないの?届かないの?
……好きなのに。こんなに好きなのに。ねぇ、上条君。ねぇ、当麻君。私は、あなたが……。
「(……好き。)」
私は指先に触れていた彼の唇に、自分の唇を押し付け様とし、……て、気付いた。
「(……私。言ってない。ちゃんと言ってない。一度も言ってなかった)」
今まで気付かなかった。どうして私の気持ちが届かないんだろう?って思ってた。でも、違った。
……届けてなかった。私の気持ちを彼に届けてなかった。ちゃんと伝えてなかった。
届けたい……。彼に伝えたい……。ちゃんと……。彼に対する私の気持ちを。私の想いを……。
『ピンッ』居眠りしていたせいだろうか……。背中の方で髪を纏めていた髪留めが、床に滑り落ちた。
そして、その音の余韻が消える頃、長い黒髪が一房、上条の頬に落ちた。
「……ん、んんっ!?」
「(何だぁ……?頬っぺに、何か落ちたぞ?……何か、くすぐったいな。それに、良い香りがする……)」
「(パチクリ)!?……!?……!!!」
「(うぉ!?な、ななな何だぁぁぁ―――っ!?ひ、姫、姫神が目の前に……近っ、近過ぎる!!!)」
目を覚ました自分の顔の前に姫神がいる。30cmも離れて無い所に姫神の顔がある。
その事に、上条の心はパニックを起こした。
「(どーして、目の前に居んだよ!?こんなに近かったら、また……、……ああっ、来ちまった!)」
胸が、胸が締め付けられる。今朝、体験した痛みが再び襲って来ていた。そして、あの感情も―――。
上条の心はざわつき、意識が乱れる。どうにかしたいが、自分には治める事は出来ない。原因は分かる。
そして、治す方法も分かる。矛盾しているが治せるのは一人だけ。その唯一の人に声を掛けようとして、
上条の時は止まった。
「(……な、何だ、……姫神の目が赤い、目元も赤い、……頬も濡れてる、………)」
上条は呆然と姫神の顔を眺めていた。
「(これって一体何だ?何でこんな顔してんだ?こんな、こんな泣いた後みたいな顔。……泣いた!?)」
姫神の顔に留まる痕跡。それが示している事は、姫神が泣いたと言う事実だけだった。
その事を認識した時、上条の心の中でざわめいたまま静止していた水面が変化した。
まるで、画面が切り替わった様に荒れ狂った。それを認識した刹那、大時化の海の様に荒れ狂っていた。
「どうして泣いたんだ?何で泣いたんだ?悔しくてか?悲しくてか?どんな理由で泣いたんだ?)」
上条は自分の心が分からなかった。様々な感情が表れ、それらが綯い交ぜと為って自分を翻弄する。
「(何が!何が姫神を泣かせた!何処のどいつだ姫神を泣かせたのは!俺の……、俺の姫神を……)」
あまりに激しい感情の奔流に、上条は流され、溺れそうになる。……そして、一つの顔が浮かんだ。
「(あっ……)」
この顔を心配で曇らせちゃいけない、この顔を悲しに染めちゃいけない、この顔を安心させて守らなくち
ゃいけない。そして、何時でも、何時までも自分の側で浮かべていて欲しい……そう、思わせた顔が。
上条はその顔に縋り付いた。自分の荒れ狂った心をどうにかして欲しくて、その顔に縋り付いた。
「……姫神」
「…………」
上条が求めた顔は、そこには無かった。荒れ狂った心のまま、ただ、見詰める事しか出来ない。
姫神も自分を見詰めていた。ただ、真っ直ぐに見詰めていた。そして、その唇が微かに震えていた。
姫神の顔を見詰める事しか出来ない自分。
見詰める瞳に変化が訪れる。瞳が微かに揺れ始めたみたいだ。
もっと良く見ようと目を凝らした時、瞳から何かが零れ、自分の頬に落ちた。
「(えっ!?……つ、めたい。……これっ、……涙)」
涙が頬に零れ落ちた。上条の荒れ狂った心のうねりは、瞬間的に凍結されてしまった。
何も考えられない。ただ、見詰める事しか出来なかった。姫神の顔を。震えている唇を。
そして、震えている唇が開かれ、言葉が紡がれる……。
それは……短い言葉。しかし、どんな言葉よりも、想いが篭った言葉だった。
「好き」
姫神の瞳から、更に一滴。涙が零れた。
『好き』。暗く凍りついた上条の心のしじまに、その言葉が聞こえた。
その言葉が届くと、暗く凍てついていた上条の心を一瞬で砕いていた。
うねりも砕かれ、ざわめきも無く静寂が支配する薄暗い景色に、一筋の小さな光が零れ落ちてきた。
それは頬に落ち、そのまま心にまで沁み込んで、零れ落ちて来た、涙。
それは、小さな細い軌跡を引きながら心の水面に落ちると、砕け小さな波紋を広げた。
今にも消えてしまいそうな程、小さな大きさだった波紋は、広がる度に大きさを増し勢いをつけて行く。
水面を優しく穏やかにする為に……。そして、薄暗い心の中の空間に声が響いた。
「私は当麻君が好き」
響き渡る優しく暖かな声。それは、たゆたうように想いを空間へと満たして行く。
何時の間にか、上条は暖かな優しい光に満たされた空間に佇んでいる事に気付いた。
眼下に広がる青く澄んだ水面。その水面が淡く白い光に包まれる。
そして、奥には小さな光が見えた。
淡く白い水面に煌く小さな金色の光。その光が近付いてくる。水面を抜け自分の目の前まで……。
上条は、眼下に広がる水面を眺める。元の青く澄んだ水面。そして、目の前の金色の光を眺める。
何も言わない。目にした時に全てが理解できた。その光は自分の想い。心の奥底に隠れていた想い。
今まで気付かなかった自分の想い。そして、姫神秋沙に対する自分の想い……。
上条は、金色の光に両手を添えると胸に抱きしめた。そして、金色の光は胸に吸い込まれる様に消えた。
伝えたい、この想いを……。彼女に、姫神秋沙に、この想いを伝えたい……。
「ありがとう、姫神」
私は微笑む彼に、自分の中の溢れる想いを伝えた。
「当麻君が大好き」
涙を瞳から溢れさせ、それでも真っ直ぐに見詰めている彼女に、俺は……、自分の想いを伝えた……。
「俺も姫神が……、秋沙が……、好きだ」
私は最初、彼が言った言葉を理解出来なかった。今まで何度も夢で聞いた言葉。待ち望んでいた言葉。
何時もの夢かと思った。目が覚めると消えちゃう幸せな夢かと思った。私は頬を指でツネッテみた。
「(……『ぎゅううううう!』……い。痛い。ものすごく痛い!)」
……ううっー。い、痛かったよ〜。今も痛いよ〜。思いっ切りツネッチャタよ〜。私のバカ〜!
あれれっ?これって……?何だろ?私は、ジンジンと痛む頬を『ナデナデ』しながら考えてみた。
「(夢か確認。頬をツネル。痛かった。今も痛い。えっと。私起きてる。結果発表。パチパチ)」
な〜んだ、夢じゃなかったんだ。良かった。うん。ちゃんと現実。名前呼んでくれたよ。ヤッタ〜。
『俺も、秋沙が好きだ』って、言ってくれた。秋沙だって、照れちゃう。好きだって、言って……。
「(……うそ。当麻君。私を好きだって言ってくれた。名前呼んでくれた)」
私は現実に立ち戻り、彼の顔を見た。彼は笑顔を浮かべていた。私に向かって笑顔を浮かべていた。
私は嬉しくて、彼の名前を叫びながら頭を抱き締めた。
「当麻君!『ぎゅううううう!』」
「ぅんぎゃあぁぁああああ―――ッ!!!!」
病室に、上条の絶叫が響き渡った。
「ごめんね。ごめんね。ごめんね」
病室に、私の謝る声が木霊した。
私は、彼の頭を『ナデナデ』しながら考えてた。
「(うわぁ〜。落ちつくなぁ〜。ナデナデしてると……。ちっ。違う違う)」
顔を見て条件反射してしまったんじゃないから。心配だったからナデナデしてるんだから。ホントだよ?
……でも、これから何時でもナデナデ出来るんだ。何時でもナデナデして良いんだ。
嬉しい……。う、ううっ、嬉しいよう……。『グスッ』。涙が……、涙が止まってくれないよう……。
『好きだ』……って、言ってくれた。『秋沙』……って、呼んでくれた。
嬉しくて、体が震えてる。……体が熱くなってくる。……胸が『キューッ』って締め付けられる。
……どうしよう、息が苦しいよ。ちゃんと、息が出来ないよ。……し、深呼吸しなきゃ。
『ス、ハー、スー、ハ』……ん、んうっ、唇が強張ってて上手く出来ないよ。『スーハー、スーハー』。
ふう〜、やっと出来た。うん。少しは落ちついたね。えっと、何か忘れてる?……そうだ。唇だ。
「(………。唇かぁ……。キスしたいな……)」
私は、彼の唇を見詰めながら、そう思った。
でも、……動けなかった。どう動けば良いのか、……分からなかったから。
戸惑っている私の耳に、痛みが落ち着いた彼の声が届いた。
「ふぅーっ。もちょっと、お手柔らかに頼むぜ。ひ……、えーっ、と、その、……秋沙」
『……秋沙』、その言葉を聞いた私の体は、自然に動いていた。
自分の唇を、彼の唇に重ねる為に……。
「(あっ……。私……。キスしてる……。キスしちゃってる)」
お互いの唇が、ただ触れ合うだけのキス。
触れ合う唇から伝わる温もりに、私の心は満たされ、何時までもその温もりに浸っていた。
「(き、きキス!?俺が、女の子と!?……し、しかも、ああ秋沙とキスしてるってかぁ――っ!?)」
お、おおお落ち着け、マイハート。こ、こここれ、は、ゆめ夢夢じゃ、……ない……ないな。
自分の唇が感じる感触と温もり。これは夢、何かじゃない。確かな現実だ。そう……、認めるしかない。
暴れ回る心臓の鼓動を押さえ付け、自分の顔に覆い被さっている姫神の顔を観察する。
「(あっ……)」
上条は、その顔に見入っていた。目を閉じて自分の唇に唇を重ねている、姫神の顔を……。
近過ぎて、全体の輪郭を視界に納める事は出来ないが、綺麗に整った眉毛や、目が閉じられ扇状に広がる
長い睫毛、スッと通った鼻梁が自分の頬に触れている、ほんのりと赤く染まった頬などが見て取れた。
彼女の長い黒髪の一部が、自分の頬に触れながら、顔の周りを取り巻く様に流れている。
上条は、素直に綺麗だと思った。そして、それ以上に、自分の心を動かしている事があった。
姫神が見せる表情、そこから伝わってくる一つの想いが……。
彼女が、……幸せだと、自分は本当に幸せだと、心から感じている事が伝わってくる。
抱き締めたい、彼女を……。抱き締めてあげたい、彼女を……。
上条は、歯噛みした。動けない体に……。彼女を抱き締める事が出来ない、自分の体に……。
胸の奥底から湧き上がる衝動に、自分の体が反応してくれないもどかしさに、歯噛みするしかなかった。
そんな感情が唇を強張らせたのか、気付いた姫神が、慌てて上条の口から唇を離した。
「……(パチクリ)……」
「……(パチクリ)……」
「……(ボッ)……」
「……(ボッ)……」
正気に戻った二人は、顔を真っ赤にして『アウアウ状態』である。
「(!?……どどど、どうすりゃ良い?どうすりゃ良い?……い、いかん、何も思い付かん!?
オイ!バクバクと五月蝿いぞマイハート!停止しやがれ!
……い、いや、ホントに止まっちゃうと困るんだが……。
こんな時に頼りになるのは、何上条だ?……頼む!NEW上条、降臨してくれ―っ!)」
「(!?……キ。キキキキス。キスしちゃったよ!?
……えっと。嬉しい!……んんっ?……そ、そうじゃない!
……どうしよう?これからどうしよう?……う〜ん。う〜ん。……あっ。そうだ)」
「……えっと。上条く……。じゃなくて。その。……と。当麻君。」
「!?……な、WHAT?」
「お夕飯。何食べたい?」
「……お夕飯?」
「うん。ちょっと早いけど。頑張って作ってくる。何食べたい?」
「え……、えっと、そうだな。何でも、……じゃないな。そ、そうだ、ハンバーグが食いたい」
「うん。わかった。待ってて。作って来るから」
そう言うと、姫神は笑顔を残して病室を後にした。
やはり、想っていた長い時間の分、立ち直りの早さは、姫神に軍配が上がったみたいだった。
上条は、咄嗟に出たリクエストに、文句も言わずに答えてくれた姫神に感謝しつつ、去り際に見せてくれ
た笑顔を思い出していた。
姫神が立ち去った方を暫くジッと眺めていたが、やがて、その口から、言葉が自然と漏れ出ていた。
「あの笑顔を守る為に……、俺も頑張んないとな……」
こうして姫神の想いは上条に届いたのだ。祝福のファンファーレを盛大に鳴らそうではないか諸兄達よ。
流石に凄まじい威力だ。清らかな美少女のみに許された伝説の最終秘奥義。その名も『真珠の涙攻撃』。
キング鈍感である、にぶちん上条でさえ一撃で撃破するのだからな。それにしても、良かったね。姫神。
愛の天使イマジンエンジェル上条が、フラグの回収を果たしたのだ。盛大に祝おうではないか。
もっとも、今回の場合は、ただの回収劇では済ませてやらなかったがな。その結果は御覧の通〜り。
天使の微笑みナースエンジェル姫神に、フラグを立てられると言う、体たらくにしてやった。エッヘン。
フフッ、ベタで甘甘な王道的な展開だろ?しか〜し、賢明なる諸兄達なら御理解頂けているはずである。
『相思相愛』、これこそ純愛物語の真骨頂であり、宇宙開闢以来の法則であり真理なのである。うむっ。
さあ、これで思い残す事は何も無い。二人で『LOVELOVEの道(通称:バカップル)』を、突き進むが良い。
ペシャ
ふ〜っ。まいった。まさか投下中に、改行規制、なんか喰らって、長文NGになるとは思わんかった。
ちゃんと、60行に収まってたのに。色々、規制ってあるもんだ。迷惑掛けてゴメンな。
3章は、余計な思い付きの為に、大改造する羽目になっちまって大変だったぜい。
「誰この人?・・・えっ、姫神?」・・・・・・まっ、いっか。無責任男、万歳。
何時までも、お花畑(幻想)で遊んでいる姫神さん。その頃、上条は絶対絶命のピンチを迎えていた。
「(ら、らめぇえええええ!!!犯されるぅうううううう!!!!)」
次回、「とあるカミやん陵辱日記?」・・・・・何時になるかは、書いてる本人にも分かんない。南無。
>>354 お疲れ様でした。
今後の展開、楽しみに待っています。
うわっ、ゴメン。18の最後の一文削除して。あせって、遊びで書いてたのと間違えた。
こんなに輝いてる姫神は初めてだ
>>354 キタコレ
姫神さん可愛すぎ
でもってラブラブえっち編はまだですか?
エロパロなのにエロが無いとは。
けど姫神がカワイイよ!
そしてGJ
360 :
名無しさん@ピンキー:2009/04/10(金) 13:48:16 ID:Dd7/jGcm
打ち止めっていつでも14歳の身体になれるの?
他のシスターズと同じように成長促進とかすりゃなれんじゃね
ただまぁそんなことしても、身体に余計な負担がかかるだけだろうけどな
そんなことしたら一方通行さん好みに育てられないじゃん
何を言ってるんだろうこの人は
ミサカネットワークが混線して御坂妹と打ち止めが入れ替わる
という電波を受信した
見た目は打ち止め中身は御坂妹に話しかけているところを赤眼白髪の人に見られ修羅場となる上条さんか
むしろ「もう、ミサカはこっち!ってミサカはミサカは拗ねてみたり!」とむくれる御坂妹(中身は打ち止め)を想像した
ダメだ我慢できねぇ
ちょっと書いてくるわ
おのれ、携帯しかない環境でこんな電波受信しちまった自分が憎い
楽しみに待ってます
>>354 GJ!!!
姫神のハッピーエンド久しぶりなきがする
つまり。これからは私の時代
>>373そんなこたぁ〜 わかってんだよこの蛇野郎
蛇野郎。この私が。蛇野郎ですって。
少なくとも野郎ではないな
いや。昨今の男の娘の需要を考えれば。あるいは。
きたな、一方通行
380 :
名無しさん@ピンキー:2009/04/11(土) 19:27:45 ID:BpA1lIEN
黒子成分がほしいな
381 :
名無しさん@ピンキー:2009/04/11(土) 19:31:03 ID:BpA1lIEN
テストSSをかきこみます。
382 :
名無しさん@ピンキー:2009/04/11(土) 19:32:06 ID:BpA1lIEN
黒子SS
今日もこの学園都市はいつものように学生たちが日々の能力開発に打ち込
んでいた。
そうこの学園都市は脳の開発のカリュキュラムを受けることでだれでも能
力、自分だけの現実パーソナルリアリティーをもつことができる。
そうした能力者が暮らし生活するこの街は様々な化学の恩恵を受けること
ができるがその逆もあり様々な弊害などもでてくる。
そうした問題に対して主に表向きの問題に立ち向かい解決する機関がこの
学園都市に存在する。それは教師などが勤めるアンチスキルそして主に学
生たちが自分たちの学内の問題に対処するジャッチメントが存在する。
そのジャッチメントの一員である常盤台中学1年白井黒子と、とあるレベ
ル0の少年上条当麻がくりひらげる、学園都市でおこる事件に対処してい
く話である。
今日もいつもと同じく白井黒子は風紀委員の活動をしていた。
「このごろは仕事も学業も順調ですし、平和ですわね。そう平和には違い
がないのですが・・・ハアー」
黒子が案じているのは黒子憧れのお姉さま御坂美琴の様子があのレベルア
ッパー事件を少ししてあとからどこかなにか思いつめてる顔が目に付くか
らだ。
「お姉さまにわたくしが助力をもうしあげたとこらで話をはぐらかしてし
まいますし、いったいどうしたらいいのでしょうか。」
そう思いながら彼女は風紀活動をつづけこの日の仕事を終わらせ寮にかえ
てきていた。
寮の自分の部屋には御坂美琴はまだ帰ってきていなかった。
(今日もお姉さま帰りがお帰りが夜遅いのですね。)
とお姉さまを心配しながらあこがれのお姉さまのベットにうずくまって体
を休めた。
383 :
名無しさん@ピンキー:2009/04/11(土) 19:33:16 ID:BpA1lIEN
しばらくすると自分たちの部屋に外部からの呼び出し音がなった。
(この時間にどちら様でしょうか?)
その呼び出しに出ると女子寮には似つかわしい男の声が聞こえてきた。
「あ、あの御坂はいますか」と
おやこれはめずらしいというかお姉さまの知り合いだろうかと思いながら
聞いていた。
「もしかして部屋間違えましたか?すみません!おれあわててて・・」
「いえいえこちらであっていますはわたくし御坂美琴お姉さまと相部屋な
んですの」
「あ・そうなんですかーよかった、」
「そうなんですのよ♪おほほほほー♪」
とここまで会話してふと黒子はきずいたそういえば昼ごろこの声を聞いた
ことあるような気がと
「あーーーー!あなたお姉さまと逢引していた殿方じゃありませんか!い
たいお姉さまになんのようですの!」
「えいやそれはその・・・」
「まさか口では言えないあんなことやこんなことや思春期の男性がよくお
ちいる若気のいたり、妙な情熱をわたくしのお姉さまにぶつけるつもりで
ここにきたわけじゃありませんの!?」
「なんでいきなりそうなる!俺は少し御坂のやつに聞きたいことがあるか
らききにきただけだ!それで御坂はいないのか?いるのか?」
どうやらこの男はまじめな話をしにきたようだまあわざわざ女子寮に男子
がくるのだから先の自分が思った以外の用ならそういう類のものだろう。
「冗談が過ぎました、御坂お姉さまは現在は帰宅なされていませんのもし
よければわたしたちの部屋でおまちいただけませんか?」
そうしてわたしはこれから長い先色んな意味で因縁になっていく男・・
上条当麻を部屋に招きいれた。
384 :
名無しさん@ピンキー:2009/04/11(土) 19:36:08 ID:BpA1lIEN
SSははじめて描くのでテストssひとまず終わりです。黒子のSS需要があれば続きを書こうかとおもいます。
それでは失礼します。
まずメール欄にsageと打ち込んでから書き込みをするようにしましょう。
これは
>>1にもある基本的な事です。出来ていないと自分でテンプレも読めない最低の屑と言っているようなものです。
次に改行です。携帯から書き込んでいるのでしょうか?おかしな所で改行されています。
PCで見る場合一行は全角で64文字まで表示されるのでそちらに合わせるようにした方がいいです。
内容についてはどうこう言う気はありませんが需要を聞いてから続きを書くというのはいい事ではないです。
誘い受けというこのスレで嫌われる行為です。
それに需要なんてよっぽど特殊なシチュやカプでない限りあるんです。
なかったとしても俺が開拓してやるぜぐらいの気持ちを持って書きましょうよ。
i r ァ ( ソ r / ) 人 Y !
| ,!/ 二ニ= ,―,-r =r' _^) 匕.! |
┏┓ ┏━━┓ l _ソ´ _ /_L _ / ! l L _ ハ `>、| | ┏━┓
┏┛┗┓┃┏┓┃ ∠´ィ '´ハムtVi/ ヽ} V_/`}7ト、 ヽ! | ┃ ┃
┗┓┏┛┃┗┛┃┏━ ,' 人 /'´ん、:} 了示xハ ト、ヽ、_ |━━━┓┃ ┃
┏┛┗┓┃┏┓┃┃ ! l下 弋zク Kじc八i/ ! ̄ | ┃┃ ┃
┗┓┏┛┗┛┃┃┗━; ,!| ' ゞ'='" | l |━━━┛┗━┛
┃┃ ┃┃ ,' ,! i、 、 ! ! | ┏━┓
┗┛ ┗┛ ; ,:'.l l,ヽ、  ̄ `ー ' ,.イ ;' | { ┗━┛
; ,' l ハ ファ、 _ ィ ).Y i .| l
// 《| ! r' l\_T ー.≦ _ </i }、_} l
. //{ _/ | | | ` ̄ ̄ /./ .! ハ i
sageろ
1行づつの改行はさすがに見づらい
続きを書け
誘い受けが増えるのは有名税……ってことでいいのかな
>>384 まだ話しも動かないところで評価しろと言われても辛いので、続きをお願いします。
皆の指摘は全てはあなたに期待しての事ですので、萎縮せずにまた投稿してください。
あと、誤字脱字が多いので携帯で大変かも知れませんが見直しを頑張ってください。
では、続き待ってますね。
みんなの優しさにポロリした
美琴の乳はポロリしないけどな
あれ?禁書さん、何頑張って服の中にスイカ入れてんですか
まあつまりみんな待ってるよとゆうことだ
黒子と聞いてry
そろそろ存在を忘れられてるんじゃないかと思いつつ
>>395 スフィンクスだけじゃ飽き足らずスイカまでも?
上条さんの頭にかじりつけるんだ
皮ごと丸のまま食べてくれると思うよ
「とーまぁぁぁ種飲んじゃったよぉぉぉ盲腸になっちゃうよぉぉぉ…」
(…迷信なの知らないのか?)
便秘や生理痛に苦しむビリビリとねーちんを頼む
作品最強女も所詮女の宿命に逆らえないってことで
便秘や生理痛に悩むビリビリねーちんに見えたw
ラムちゃんコスのねーちん――――ありだな!
>>399 『好物の鯛茶漬けを調子に乗って食べ過ぎてしまい腹痛に苦しむねーちんは正露丸に手を伸ばしたが、
その臭いは強烈かつ凶悪で寮では誰も近寄らず職場の同僚も引いてしまい挙げ句の果てに天草式の面々から
「五和ァ!!女教皇様が正露丸臭い今がチャンスだ!!今こそ勝負の時だ!!」
という声が上がっているのを耳にして鬱になっているところを
優しい言葉で慰めてくれる上条さんにメロメロズキューンなねーちん』という電波を発信しました
>>401 ここまで書けるなら地文なしで下手でもいいから書くのだ
>>392 「な、何やってんだインデックス!?」
「ひゃ!? と、とうま、何でも無い、全然何でも無いんだよっ!」
「何でも無いこたぁないだろ? どうした? スイカなんか服ん中に入れて」
「わ、笑わない?」
「あ? えーと……、笑わない、約束する」
「絶対? 我らの父に誓って笑わないって言える?」
「誓う誓う」
「えと……ひょうかがね……」
「ん、風斬がどーした?」
「胸が大きいと大変だって言ったの」
「あ、ああ……あれはそーかもな。うんうん、確かに大変かもしれん」
「な、何しみじみと思い出してるのっ! ……やっぱりとうまはおっきな胸が好きなんだ……うう……」
「な、何カミジョーさんを変なカテゴリーに当て嵌めようとしてるんですかッ!」
「怒ってごまかそうとしたって駄目なんだよ! ちっちゃいのやだよ……うう……痛ッ」
「おまっ、何無茶してんだインデックス!?」
「む、胸が……、胸が大き、く、なれば……」
「だからってそんな揉んだってすぐには大きくなんねーだろ」
「だって……だって私の胸がちっちゃいから、とうまはあっちにふらふらこっちにふらふら……」
「なんだそりゃ? いくら健全なコーコーセーのカミジョーさんだって、四六時中女の子のオッパイの事ばかり考えてませんよ?」
「普段のとうまを見てると説得力無いかも……。じゃ証明出来る?」
「証明ってインデックス……」
「わ、私を抱いて……ほし……かも」
頑張ったよね俺……ガクッ
体調不良で苦しんだり、悩んでるヒロイン’Sを介抱する心優しき上条さん、そんなSSは無かった様な?
皆、凄い電波だね〜wそれじゃ取り敢えず、可愛いポーチを拾った上条さん、
「んんっ、・・・何だこりゃ?」
「ああっ!?な、何でアンタが、それ持ってんのよ!か、返しなさいよ」
お約束で、ぶちまけられる中身、拾う上条さんが何気なく商品名を、
「ふむ・・・多い日も安心、○○○夜用って、御坂ってナプキン派なんだな・・・・・あれ?・・・うっ、ええっ!?」
「なっ!?な、ななな何言ってんのよ!アンタは!!」
真っ赤になったビリビリとうろたえる上条さん、こうやってちゃんと美琴さんも女の子の一人と認識して貰える訳だ。
良かったね、美琴さん。と言う、ありきたりな電波を発信しときました。
「ふぃ〜、何か喉が渇いちまった。ジュースでも飲むか・・・・・」
だいぶ和らいだとはいえ、まだまだ日中の日差しは強い。
喉の渇きを覚えた上条は、ジュースを買おうと公園の片隅にある自販機に近付いて行く。
「んんっ、・・・何だこりゃ?」
自販機の横、少し離れた所に小さな可愛いらしいポーチが落ちている。
取り敢えず拾い上げて、しげしげと眺めながら考えてみる。
「落とし物かな?・・・後で、ジャッジメントにでも届けとくか、今はジュース、ジュースっと・・・」
「今日、蹴り入れた自販機って、あそこの自販機が最後よね・・・・・」
御坂美琴は、少し息を乱し、公園の入り口を駆け抜けながら考えていた。
(もう〜、なかなかジュースが出てこないからって、あっちこっち梯子すんじゃなかったわ。
ポーチを落としてる事にも気付かないくらい、熱くなってたなんて・・・・・)
「あそこに無かったら、誰かに拾われてるって事になるんだけど・・・・(//////)」
(・・・ど、どうしよう〜。あれを、誰かに拾われるなんて、恥ずかしくて死んじゃいたいくらいよ。
ええい、今は確認の方が先よ。その先の事は後で考えれば良いじゃない。確かこの辺り・・・あっ)
ターゲットの自販機は視線の先にある。
しかし、美琴の視線は直ぐにそこからずれ、横に設置されたベンチに固定された。
ベンチに座りジュースを飲んでいる人物がいる。
何時も目印にしているツンツン頭。
しかし、それよりも重要なのは傍らに置かれている、どこか見覚えのあるポーチだ。
(あ、あれってまさか?・・・な、何であいつが持ってんのよ〜・・・・・)
「ぷっは〜。やっぱ、この『フラミンゴの憂鬱』は最高だな〜。喉越しスッキリ爽快!」
ジュースを堪能していた上条。と、その時、目の前に何者かが急ブレーキの摩擦煙を上げながら現れた。
「へっ!?」
「『ゼーゼー』な、何で・・・何でアンタが、それ持ってんのよ!!!」
「どわぁーっ!?・・・ななな何だいきなり?って、あれ?・・・誰かと思えば、ビリビリ」
目の前で『ゼーゼー』と息を荒げているのは、一応知り合いである御坂美琴。
これでも、名門常盤台中学に通うお嬢様にして、学園都市で7人しかいないレベル5。
その中で、第3位の位階を拝命していると言うエリート様だ。
「どーした?ビリビリ。そんなに汗かいて、ジュースでも飲むかぁ?」
「『ハーハー』あっ、それじゃアンタが飲んでんのと同じのでいいわ。それ美味しいのよね」
「お〜っ、ビリビリもそう思うか。趣味が合うな〜。よっと、ちょっと待ってろ・・・・・」
そう言ってベンチから腰を上げると、自販機に歩いて行く上条。その右手にポーチを持って・・・。
「だぁーっ、そうじゃない!何で、アンタが私のポーチを持ってんのよ!」
「あれ?これって、お前のだったのか?さっき、そこんとこで拾ったんだけど・・・」
「い、いいから返しなさいよ!」
「ちょ、おま、急に引っ張る・・・・」
強引にポーチを回収しようと引っ張る美琴。反射的に握り締めてしまう上条。
「あ・・・、ああっ!?」
ファスナーの所を掴んでいた手が、上条の抵抗により『スーッ』と滑った。
当然の如く、開いた口からは中身が地面に向け滑り落ちて行く『バラバラバラ』。
「わ・・・、悪い、御坂」
慌てて地面に散らばった中身を回収するのを手伝う上条。
「ちょ、ちょと、て、手伝わなくても良いから。み、見ないでよ。って言うか、見るな!」
「何、慌ててるんだ?上条さんは自分の粗相を放置する程、不義理じゃありません。
見るなって、別に変なもん入ってた訳じゃねぇんだろ・・・ん?・・・」
「ああっ!?」
「ふむ・・・多い日も安心、○○○夜用って、御坂ってナプキン派なんだな・・・・・あれ?・・・うっ
、ええっ!?」
「なっ!?な、ななな何言ってんのよ!アンタは!!(//////)」
真っ赤になったビリビリとうろたえる上条さん。
お互い無言のまま回収作業を続け、作業が終わると立ち上がり、向かい合ったまま俯いてしまう。
(き、気まずい。どうして良いか分かんねぇけど、御坂の方がもっと気まずいはずだよな。
よ、良し。やっぱ、俺の方から声を掛けよう・・・)
「あ、あの〜、御坂さん?」
「・・・・・・・『グスッ』」
こちらを見上げる美琴の顔は真っ赤に染まり、上目遣いになった目は普段の勝気そうな雰囲気が欠片もな
い。
そして、瞳は涙で滲んで『ウルウル状態』になっていた。
その顔を見て、上条はこんな状況にも関わらず、こう思ってしまった。
(か、可愛い・・・)
今度は見詰め合ったまま、膠着状態に陥ってしまった二人。
その時、絶叫とも呼べる大声が響いた。
「な、何をやってますの、お姉様!!!」
スレの流れ的に、俺も何か書かなきゃ悪いのかと思ったんで書いてみてたけど、最後はこうなった。
即興と言えば、例の人が「ミサカネットワークが混線」の話を書いてるはずだけど、
随分時間を掛けてるみたいなんで、相当な力作が拝めるんじゃないかと勝手に期待してる。
ちょwハードル上げんなw
>>408 あれ?そんなつもりじゃなくて、何時もスレに迷惑掛けてるお詫びのつもりだったんだけど・・・、
また、改行失敗してる。済みませんが、脳内補正して下さい。それでは失礼。
やだ……なにこの流れ
散らかすだけ散らかしといて完結するものが全然ないじゃない
>>408 頑張れwww
>>409 ちゃんと補完してぇ〜
>>410 ごもっともな意見。
しかしこんな流れも私は楽しかったりする。
んー、でもやめた方がいいのかな?
保管の人は大変そうだな
いや自分にも責任の一端はあるが
娘ネタ粗製乱造あたりからそうなってる感はあるかな
>>413 そうかー。
私はあれを楽しんでしまった口(投下した)なので複雑。
ただ確かにネタとSSは区別しないといけないよね。
とにかくこれからは個人的にSS風ネタ投下の際は保管不要とか書いておきます。
て言うか
少し黙っとけ
敵を作るだけだぞ?
「「・・・『ビクッ』・・・」」
突然の大声に、驚く上条と美琴。
恐る恐る振り返ると、かなり離れた所に常盤台の制服を纏った女学生が仁王立ちに此方を睨み付けている
光景が飛び込んできた。
「あっ、・・・確か、白井とか言ってたよな」
以前一度だけ会った時、そう名乗った少女だった。
「『グシッ』あ、あれ?黒子・・・」
「お姉様ったら、こんな所で、その殿方と密会なさってるなんて、一体どう言うおつもり・・・
『ハッ』どど、どうしたんですのお姉様、まさかお泣きになって・・・
『キッ』ま、まさか、その殿方が何か身の毛のよだつ淫らで不埒な行為をなさったんですの?」
「オイ!何、不穏な発言してんだ。紳士である上条さんがそんな事するわきゃねぇだろ!」
「な・・・、何でもないのよ、黒子『グスッ』」
「あぁ、御労しや、お姉様。口にするのも憚られる程、凄惨な目に遭わされたんですのね」
「だ・か・ら、そんな事しねーって言ってんだろ!人の話をちゃんと聞け!」
「『ブチッ』ゆ、許せませんわ。例え、お姉様が許しても、このジャスティス白井は許せませんわ。
おんどぉりゃああああ!!!!私のお姉様に何さらしとんじゃいいいい!!!!」
「ひぃぃぃいいい!!!!」
綺麗に整った顔立ちの人程、怒りの形相は恐ろしい。普段は可愛らしささえ感じさせる黒子であったが、
今、上条の前には、般若が降臨していた。
その眼光に、まるで、ニシキヘビに睨まれたハムスターの様に体が硬直して動く事が出来ない。
その驚きは、美琴も同様だったらしい。
「えっ?ちょっと、黒子。どうしちゃったのよ?」
「殺す」
白井が太腿から鉄矢を抜き出し、指に挟んで構える音が聞こえる『シャキーン』。
その音が、ハム太郎上条の生存本能に突き刺さり、呪縛を解いた。
「どっわぁあああああああ!!!!」
「なぁ!?ちょっ、と、な、何で私まで・・・・」
反射的に美琴を小脇に抱え全力疾走を始める上条。
そのスピードはとても人一人を抱えているとは思えない程であった。
「お姉様!?お、おのれー、今度は誘拐まで実行するとは、絶対に逃がしませんわ」
こうして、上条VS白井の追いかけっこが始まったのだった。上条の命を賭けて・・・。
「『ゼーゼー』な、『ゼーゼー』何とか巻いた、『ゼーゼー』みたいだ・・・」
流石は命が賭かっていただけあって、本能的に人込みや店の中を突っ切るなどテレポーターの弱点を的確
に抑えて、この追いかけっこは鬼の勝利に終わったみたいだ。
「『ハーハー』あっ、そうだ、忘れてた。おい、御坂」
上条は小脇に抱えていた美琴を地面に下ろし話しかけた。
「・・・・・・・・・・・」
しかし、美琴は返事もしないで、お腹を抱えて蹲ったままだ。
「お、おい。どうしたんだ?大丈夫か?」
「・・・だい、大丈夫よ。・・・ちょっと、お腹が痛いだけだから・・・」
そう言って下腹部の辺りを手で抑える美琴。
どうやら小脇に抱えられる事で、腹部を圧迫された事が原因らしい。
普段なら、こんな事にはならないが今は時期が悪かった。
上条もその事に思い至ったらしい。
全くこの鋭さの万分の一でも恋愛方向にむければ良いのだが・・・。
「病院に連れてこうか?・・・えっと、この近くの・・・」
携帯を取り出し病院を検索し始める上条、そこに声が掛けられた。
「病院に行く程じゃないわ。少し横になれば、治まると思うから・・・ちょと貸して・・・」
そう言って上条の携帯を借り、現在位置を把握して休める場所を探し始めた・・・。
「・・・ここ。ここなら、すぐに部屋が取れるから」
そう言って、画面を見せる美琴に、
「分かった。そこに行けば良いんだな」
真剣に頷きながら、答える上条。
普段ならギャーギャー喚いて話が進まないのだが、こう言う時は話が別だ。
う〜ん、人の体の事になると何時も真面目になるな。自分の時も考えて欲しいものである。
「すぐに連れてってやる」
「アンタ、何してんのよ?」
「見りゃ分かんだろ。負んぶだよ。さっ、負ぶされ」
「ひええっ!?なな、何で負んぶなんか・・・自分で歩けるわよ(//////)」
「嘘付け。まともに立てもしねぇのに。負ぶさんねぇなら、お姫様抱っこで連れてくぞ」
「わ、分かったわよ・・・(//////)」
今度は観念したのか、素直に上条の背に負ぶさる美琴。
「じゃあ、行くぞ」
そう告げると、ホテル目指して歩き出す上条だった。美琴に負担が掛からない様に気を使いながら。
(こいつの背中って、以外と広かったのね。それに、あんまり揺れない様にしてくれてるんだ。
・・・お姫様抱っこかぁ。ちょっと惜しかったかな。・・・って、な、何考えてんのよ私(//////))
「ん?どうした御坂。気分でも悪いのか?」
「なな、何でもない。それより、ちゃんとエスコートしなさいよ(//////)」
「はいはい、了解しました。お姫様」
この時、もし上条が振り向けたなら耳まで赤く茹で上がった美琴の顔が拝めた事だろう。
そんな事には露程も気付かずに、上条は歩き続けていた。
「おっすー、御坂」
「あぁ、とう・・・、アンタか。おっすー」
あれから、上条と美琴は普通に挨拶を交わす仲になっていた。
あの後、ホテルのベッドで横になっていた美琴の側に、上条はずっと付きっ切りでいてくれたのだ。
何時の間にか眠ってしまったのか、目が覚めた時、自分の手を握ったまま眠る上条がそこにいた。
思わず叫びそうになったが、繋いだ手から伝わる温もりに心が安らいで行くのを感じていた。
その後、目を覚ました上条と視線があったら、慌てててを離してひたすら謝っていたのには笑ってしまった。
あれから、自分は何かが変わってしまったのだろうか。
普通に挨拶を交わす時さえ、思わずあいつの下の名前を呼びそうになってしまう。
あいつの顔を見ると、何だか胸にモヤモヤとした物を感じる様になってしまった。
一体これが何なのか、知りたい様な知りたくない様な複雑な気持ちだ。
(まっ、あまり気にしてもしょうがないか・・・。何時か、その時が来れば分かんでしょ)
「さってと、今日は何処の自販機を攻略しよっかな〜・・・」
そう呟きながら、美琴は歩き出した。
彼女が、自分の気持ちと正面から向き合う時が来るかは、また別の物語である。
『落し物って何ですか?』終了
何だか変な事になっちゃって、申し訳ない。ちょっと続き書いてみました。
相変わらず設定無視になってるけど、これで勘弁して下さい。
……ふぅ
(//////)とかwwwテラスイーツww
黒子、初春、佐天、他もろもろ
キャラがしっかりついてるサブキャラが活躍するだけで全て許してしまいそうになる
423 :
名無しさん@ピンキー:2009/04/12(日) 21:39:50 ID:+iZyy6zo
>>418 GJ〜!よいビリビリでした。
とりあえず
>>420見たいなのに揚げ足取られてしまうので、
照れている部分にアスキーアート見たいなのは不要ですよー。
読み手が勝手に妄想で保管する部分でもあると思うので。
ヘタレステイルがローラさんに童貞を喰われるのはありか?
427 :
名無しさん@ピンキー:2009/04/14(火) 00:47:58 ID:Z8aZrrYV
いいよ
>>426 ステイル14歳ローラ38歳ぐらいかなあ。
>>418 何で効果音をキャラが言ってんの?
あと効果音の最初と最後の二重括弧は何回意味あんの?
携帯小説じゃないんだし他のSSとか読んだりして学んで欲しい
漫画的な感じにしてるんじゃないかな
別に煽りとかでもなんでもなく普通に携帯から書いてるんじゃないかと思う
というかどんな書き手がいてもいいんじゃない?
トリ付けてるんだから読みたくなけりゃNGにでもぶっこめばいいし
子どもじゃないんだから書き手に何か言う前に読み手も自分で出来ること位するべき
こりゃぁ
>>429が手本となるすばらしいSSを投下しないとね。
確かに
インデックスにフェラチオさせたら絶対に噛まれるだろうな
ガチンッ!
>>434 「――んっ、ちゅ……っは、んむっ…………ぷは、とうまのせーしおいしいよう……もっと、もっとお……!」
精液が美味しいものだと認識させれば大丈夫じゃないか?
「ねぇ当麻ーその当麻についてるおっきいのは何かな?」
「こっ、これはだな」
上条は、自分の息子を禁書目録に見られ、動揺しているのかうまく呂律が回らなかった。
そんな上条の息子を見た禁書目録は涎を垂らしながら、上条に尋ねる。
「おいしそうかも。食べていい?」
「いやだめだ。」
上条は当然のごとく即答した。
「目の前にこんなおいそうな肉があったら我慢できないよ…いただきまーす」
だか今の禁書目録に上条の言葉は届かなかった。
ただただ、目の前の肉に貪るように食いついた。
ガチン
そして上条はいつものように、ある口癖を叫んだ。
「オティンティーン!」
そんな2人を夕日が優しく包んでいた…
なんていうかごめんなさい。「不幸だー」はなんとなく使いたくなかったんです。
臭いな
蓋しとけ
久しぶりに来たら随分と投下作品と名無しのクオリティが下がってるな
――――――――――――――――――――― 蓋 ―――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――以下通常運営――――――――――――――――――――
書きもしない奴等が文句言うな
気に入ったら誉め気に入らなかったらスルー
GJ 続きを頼む。
…ってだけの感想も書き手としては嫌なんだけど。
これなら駄目出しの方がまだやる気になる。
書き手が一々出張るのも宜しくないと思うが気にするなってことだな
同人作品なんか見たら分かるが誉めてる奴がいる一方で貶すやつもいるんだし
そんな些細な事で創作意欲が削れるくらいなら元から向いてないんだよね
一応かもしれないが続きを頼むって言われてやる気なくすとか言っちゃうのとか
ここみたく温い空気じゃないところだと誘い受け乙、じゃあやめたら?って返されるのがオチ
それも書き手によりけりだろ
ていうか書き手読み手がお互いに相手はこうあるべきみたいな話しだすと一直線に廃れるからヤメレ
何一つ空気を読まずに質問だ
上条さんの能力を知らない人って誰が居るかな。
青ピ?
コモエセンセー、フキヨセイインチョ、青ピ
くらいか?
美琴は知ってたっけ?
現象は見てるけど具体的に何の能力か知らなかった希ガス。
もなか
黒子には説明してたよなぁ、確か…
あと妹達はどうだったっけ?
で、
>>449 はそれで何を投下してくれるのかなあ?
妹達ってか御坂妹は一応上条さんが一方さんをぶん殴っているところ見てたけど…どうだろ?
>>456 それなら御坂もじゃね?
レールガンや一方の能力を打ち消してるのを見てれば
>>449の言う「知ってる」って
ことになるのかな?
それなら打ち止めも知ってるってことだよな
それだと、シェリーとの戦闘を見てたんだから黄泉川も知ってることになるのかな
雑談もいいんだがせっかくのエロパロなんだからエロイ話をしようぜ
美琴はセックスの時に乱れるかどうか。
>>460 乱れて無意識にビリビリしちゃうので、上条さん以外とはできません
当麻「お前そんなんじゃ俺としかできねーじゃねーか…」
「あ、あんたとしかしないからいいのよ」
たくみなむち乙
打ち止めたんも微弱ながらビリビリしてそうだが
防ぐ手段のない一方さんではまともに食らってしまうので、攻めてるときも攻められているという変な構図に
美琴は派手に乱れ吹寄は恥じらいながらだな
姫神は「ああ…ん。」と切なく静かに悶えるのだと思うが
変態紳士達よ、私の妄想をどう思う?
俺的に吹寄はAV女優ですかって乱れ方して事が終わった後に自己嫌悪に死にたくなると思うんだ
それを抱きしめる上条さん萌え
>>467 普段物静かな姫神が派手に乱れるってのもなかなかじゃないかね、同志よ?
>>466 ふと思ったが、ビリビリして相手がビクンビクンなんてしたら、
接続部分の相手側動作は逆にいい具合にビクビク動いて腰もガクンガクン(痙攣して)動くんじゃなかろうか。
天然肉バイブ作成能力的な
ビリビリだとさすがに危険かもしれんから打ち止め程度のピリピリぐらいがいいかもしれない
つまり好きなタイミングで一方さんのアレを刺激してしゃせーを促す打ち止めがだな
ん?なんだろう周りに小麦粉が舞って…
そもそも上条さんは相手を乱すほど感じさせる事ができるのだろうか
>>471 上条さんの右手に何の能力が宿っているか忘れたのか?
上条さんなら「その処女膜をぶち破る」って言っただけで相手は濡れ濡れです><
あー、妹達は上条さんの右手のことは「なんかすごい」程度にしか知らんってことになるか…
美琴や妹達は知ってるもんだと思い込んでた
まぁいいか
あと打ち止めたんのピリピリはほら、ベクトル操作できっと一方さんなら何とかするよ
自分じゃ制御できないピリピリに怯える打ち止め。
……なんかそんな状況になったら一方さん嬉々として打ち止めいじめそうだなーと思うのは自分だけか…
>>474 全裸待機してるから書いてください、お願いします。
>>474 全裸待機してるから書いてください、お願いします。
>>451 小萌センセーは上条の力を知ってるはず
3巻132Pより
>「いや、むしろ上条ちゃんみたいなタイプの方が重要なんですけどねー」
>「……? とうまの力を知ってるの?」
>「まぁ、上条ちゃんは入学した時からやんちゃでしたからねー。いろいろあったのですよー、
>いろいろ。うふふ、うふふふふふ」
上条さんが小萌にどんなやんちゃをしたのか気になって仕方が無い
大事な事なので(ry
><474-476
二度(ry
というかその能力の手綱を握ってるのは打ち止めたんだ
仮に攻めに成功しても、間違いなく大逆襲されるぞ。四肢拘束で延々手コキとか
ちょ、安価ミスったww
>>480 ヾヽ'::::::::::::::::::::::::::'', / 時 .あ ま ヽ
ヾゝ:::::::::::::::::::::::::::::{ | 間 .わ だ |
ヽ::r----―‐;:::::| | じ て |
ィ:f_、 、_,..,ヽrリ .| ゃ る |
L|` "' ' " ´bノ | な よ |
', 、,.. ,イ ヽ い う /
_ト, ‐;:- / トr-、_ \ な /
, __. ィイ´ |:|: ヽ-- '.: 〃 `i,r-- 、_  ̄ ̄
〃/ '" !:! |:| :、 . .: 〃 i // ` ヽヾ
/ / |:| ヾ,、` ´// ヽ !:! '、`
! |:| // ヾ==' ' i i' |:| ',
| ...:// l / __ , |:|::.. |
とニとヾ_-‐' ∨ i l ' l |< 天 ヾ,-、_: : : .ヽ
と二ヽ` ヽ、_::{:! l l ! |' 夂__ -'_,ド ヽ、_}-、_:ヽ
むしろ手綱が打ち止め側にあるから一方さんも遠慮せず攻められるんじゃないかね
本気で嫌なら打ち止めがブレーキかけてくれると思ってついついやりすぎちゃう一方さん
そんで後で打ち止めに泣かれて慌てるといいよ
通行止めが一番エロい
/ l O / ──┐O ┼─┐ |
./ | /| | l | l l |\_
/ l | _ノ ノ _/ _ノ |
/\___/ヽ
/'''''' '''''':::::::\
. |(○), 、(○)、.:| +
| ,,ノ(、_, )ヽ、,, .::::|
. | `-=ニ=- ' .:::::::| +
\ `ニニ´ .:::::/ +
,,.....イ.ヽヽ、ニ__ ーーノ゙-、.
: | '; \_____ ノ.| ヽ i
| \/゙(__)\,| i |
> ヽ. ハ | ||
麦のんの能力みたいに全開で使うと自分の能力が制御できずに肉体が吹っ飛んでしまう一人の能力者。
彼は渾身の力を込め、ヒーローになるために、一人の少女を守るために
股間から能力を全開で放出する。
学園都市の女の子の間でまことしやかに噂される手軽に巨乳体験が出来ると言う薬、その名は『巨乳御手(バストアッパー)』。
しかし、その正体は搾乳するまで乳房を大きくし続けると言う粗悪品だった。
しかも、搾乳は異性――つまり男に吸ってもらわないと駄目なのだ。
搾乳すれば元にもどる。
今、感度抜群の魔乳を揺らして少女は走る……。
で、そんな『巨乳御手(バストアッパー)』があるとしたら誰に飲ませたい?
>>486 美琴が「ktkr!!」って飲むけどとんでもないことになってしまい、
「吸われれば戻る」ことから黒子がむしゃぶりつくものの事態は悪化、
半泣き状態でいるところを「よー御坂…おっぱいでけぇ!!」と言われ、
「うるさい文句言うなら吸いなさいよ!!」とマジ泣きしたら上条さんが…
っていう電波を受信してしまったorz
素直になれないオリジナルを尻目に、我こそはと名乗りをあげる妹達
血で血で洗う戦いの末に、それぞれがそれぞれの粗悪品を手に、学園都市に集結する
…一万対の爆乳に囲まれる上条さんはまだですか?
「みてみてー、ってミサカはミサカはあなたにミサカネットワークで流行ってるないすばでぃを見せ付けてみたりっ」
「あァ?今度は何を……、ぶッ!? テメェ、なンて格好してやがるンだァァァァァ!」
巨乳ロリに悩殺される一方さんも見てみたい…
ちょっと上で言われてたことをあっさり忘れる
何しろ「妹達」は約一万人も居るため、中には豊胸術に成功する個体も存在できる可能性があるのでは。少なくとも母親からの遺伝を考えればありえない話ではないし。
そしてその情報を受け取った「巨乳化御坂妹VS貧乳御坂美琴」の対決が。
???
たわわに育った打ち止めVSひんぬー妹達&オリジナルですね。わかります。
あの年で恋する乙女だからな打ち止め
美人になるだろうなぁ…
体質云々を考えた場合、打ち止めは『妹達』の成長データを参考に良いとこ取りの成長をするべく、運動や食事療法を続ける……のか?
ある程度の男性ホルモンがないとおかめ化するかピザると思う
参考にできるデータが14歳〜だから
10歳前後〜14歳のプロセスは未知なんだよな
美術教師の分際でお肌も髪も手入れしないシェリー先生に
綺麗にするという名目で(性的に)弄りまくるってのも…
>>487 上条さんの「右手」が「巨乳」という「幻想」をぶち壊すわけですね。
>>498 なるほど、右手で揉めば元に戻るわけだ。
この乳房が、神様の個人的趣味の通りに大きくなるってんなら――――――――――まずは、その巨乳をぶち殺す!!
いいのか?
いいわきゃねぇだろう!!
馬鹿野郎!
おっぱいは幻想でも異能の力でもない!
「ホンマにカミやんのブツは女殺しやでえ」
フラグ立てた全員とヤればバージンブレイカーにクラスチェンジか
最近、あっちもこっちも作品投下が少ないんだな
執筆中なのか職人さんのテンションが下がってるのか、寂しい限りだ
アニメも終わったしな
どっかの管理局の白い悪魔スレみたいに荒らされないだけかなりマシ
そう思うのならば、ネタを電波を投下するんだ
どれかが職人さんの琴線に触れるかもしれん
もしくは自分で書くんだ
>506
恐ろしいことに超電磁砲と禁書目録2期の製作がすでに決定しているという・・・
まあまあネタ電波だけ乱射してもしょうがないし、しばしの充電期間ということで
充電、か……
デレデレになった美琴は定期的に上条さんからの愛を充電しないと生きていけないと思うんだ
もちろん上下両方の口で
前後だろうjk
上条さんが他の女と付き合ったりしたら美琴やばそう・・・
>512
「ばかーっ!アンタなんか死んじゃえ!」
といいながら電撃を食らわすわけですな
虎縞ビキニで
インデックス=しのぶ
美琴(美鈴さんVer.)が虎柄ビキニ着てくれたらぼかぁもーっ!!
他にも。似合う。候補は。いると思う。
「よく分かりませんが、電撃が必要だというのならミサカでも良いはずです、とミサカは主張します」
「えー、それならミサカも着てみたいってミサカはミサカは…え、なーに?ミサカには早いってそんなこと無いよってミサカはミサカは…」
打ち止めの場合がっちゃんだな
ねーちんのポジションは?
弁天かサクラだろ
ねーちんのラムちゃんコス見たいな。
その場合ビリビリはテンちゃん役で諸星とうまに絡ませよう。
胸がないから上半身裸も期待でき(ry
流れを無視してSSが出来たので投下させてください。
今回は、何故か猟犬部隊のヴェーラと言うどうでもいいようなキャラをチョイスしました。
あの工場のIF話です。
ナンシーとのちょいレズ、一方通行とのちょいグロシーンがあります。
興味が無い方は華麗にスルーして下さい。
では、『犬に堕ちて』投下します。
暗闇の中で人間の下顎と思しきモノを見つけた瞬間、私の中の飽和していた恐怖が一気に溢れ出した。
マスクをしているのも忘れて胃の内容物を吐き出した私は、息苦しさにマスクを外すとその場に放り出してうずくまった。
そして、げほげほと咳を繰り返しながらも気道を確保しようとしたのだが、息苦しさは一向に解消されない。
酸欠はどんどん進んで段々頭がくらくらしてくると、それに合わせて世界が歪んで見えて来た。
そうしたら急にこの状況が可笑しくてたまらなくなって来て、そう思ってしまうともう止まらなかった。
私は自分の吐いた吐しゃ物にまみれてげらげら笑った。
こんなに笑ったことなんて生まれて初めてでは無いだろうか?
笑えば笑うほど世界はぐにゃぐにゃに歪んで、状況はどんどん判らなくなる。
(本当は、直にここを移動しなければいけないのに――)
まだ残っている冷静な部分では次の行動を指示するのだが、現実の私はすっかり恐怖と狂気に支配されてしまっていた。
何故こんな事になったのだろう?
全ては目的の為と幾人もの命を無慈悲に奪って来た。
いつか目的が果たされたなら全ての罪を償う。そうすれば私の罪は赦される――そう思うことで、非人道的な行為の繰り返しに挫けそうになる心を必死に鼓舞して来た。
しかし今思うとその考えは甘かったと言わざるを得ない。
いや、あえてその部分は考えないようにしていたのかもしれない――目的を達する前に、私の罪(つけ)に支払期限が来てしまうかも知れない事を。
大体そういう時って、死神(とりたてや)はこっちの都合なんて考えてくれる訳は無いのだ。
掃き溜めに落ちて最初に学んだ事を思い出す。
『目標を認めたら、速やかに殺す』
私が速やかに殺すべき相手は誰だったのだろう?
でも今更そんな事を考えてももう遅いみたい。
だってほら、私の後ろに死神(とりたてや)が来たわ。
『犬に堕ちて』
薄暗い廊下を歩いて1つの部屋に到着した私は、大きく間を空けて2度ノックしてから返事を待たずに扉を開けた。
廊下より幾分かマシな照明の中に窓の無い1DKの部屋が照らし出される。
その部屋の一番奥のベッドの上に誰かが膝を抱えて座っている。
「ナンシー」
私は壁を先程と同じように2度ノックしてからナンシーに呼びかけた。
しかし返事は帰って無い――ま、いつもの事だ。
私はつかつかと彼女の座っているベッドまで近づいた。
肩までで切りそろえられた黒髪に、日本人特有の肌理(きめ)の細かい肌。
これで『ナンシー』なのだから木原さんのセンスも大したものだ。
そんな私だって素顔は何処から見ても日本人なのに『ヴェーラ』なのだから人の事は笑えない。
「ナンシー、眠れないの?」
「ヴェーラ、来てたの?」
物憂げに私を見上げるナンシーに私はそっと口付けをする。
「そんなにぼっとしてたら死んじゃうよ?」
「ああ、その時はよろしくね」
そう言ってナンシーは口元だけで笑う。
「大丈夫。その時が来たらちゃんと、ね」
私もそう言って笑い返す。
私たちの言う『その時』とは、死に切れなかった時の事。
木原さんは怖い人だ。
敵も味方も生きている限り彼の役に立たなければいけないらしい。
それは、おとりだったり弾除けだったり実験だったり気晴らしだったり。
実は、現場での戦死者より木原さんのおもちゃになった数の方が多いのではないかしら?
とにかく我々にとって中途半端に生き残るのは死ぬよりも恐ろしい事なのだ。
私がベッドの端に腰掛けると、ナンシーはポツリポツリと喋り始めた。
「明日の相手は学園最強よね」
「そうね」
「ヴェーラ、学園最強を知ってる?」
「学習装置(テスタメント) でなら」
ナンシーの言葉に私は素っ気無く答えながら、ちらっとナンシーに視線を向ける。
もう、まだ膝を抱えてぼおっとしている。
「私、一度本物と会った事があるんだ」
あ、膝の間に顔を埋めた。体も小刻みに震えてる――また例の発作みたいね。
私は気付かれないように座る位置を変えながら腰を少し浮かせた。
「あれは別格なの。私たちが今までバラした相手とはちが――!?」
そんな私に気付かずに言葉を続けるナンシーを、私は背後から覆いかぶさると一気に反転させて向き合うような形で押し倒した。
そして両手首をがっちり掴むと、そのまま彼女の白いのど元に唇を寄せて強く吸った。
「ひぅ」
ナンシーが小さく喉を鳴らす。
私の方は、吸った部分にキスマークが出来た事を確認すると、そこに唾液をたっぷりと乗せた舌を這わせてた。
そこを強く何度も何度も舐めて彼女の肌に唾液を塗りこめる。
「じ、銃、取って」
「駄目よ」
震える声でおねだりして来たナンシーに、私はまた素っ気無く答えた。
大体これから愛し合おうってのに銃なんてお呼びじゃない。まして――
「死なせてくれないの? さっき約束したんんぅ!?」
彼女に最後まで言わせない為に、私は彼女の唇を強引に奪った。
そのまま舌を彼女の口の中に差し込むと、おずおずと彼女の方から舌を絡めてきたので、こっちもギュッと舌を絡めた。
「う゛う゛っ」
ナンシーが喉を鳴らすと口の端から大量の唾液が零れる。
ちょっとかわいそうな気がしてきたので、唇を離して零れた唾液を舐め取ってあげた。
それから改めて目を合わせると――あらら、涙目をうるうるさせちゃって、すっかり準備オッケーみたいね。
ま、一応念のためにナンシーに言っておこうかしら。
「その時が来たらって言ったでしょ。今は違うわ」
そう、今は違う。
前にもあった事だが、ナンシーは恐怖から逃れる為に死のうとしたのだ。
この部隊で次に多い死因は多分自殺(これ)かしらね。
「冷たいのね……。愛してくれてると思ってたのに……」
「あら? ちゃんと愛してるわナンシー」
拗ねたような顔をするナンシーに改めてホッとしながらも、私はそれを気取られないように軽口を叩いた。
「ヴェーラ……、何で貴女みたいな人が堕ちて来たの?」
「またその話?」
正直その質問にはうんざりしている。
「みんなが言ってる。何故、ヴェーラはこんな――あンッ」
また黙らせてやろうと、私はTシャツの上からでもしこっているのが判る、ナンシーの乳首に布越しに歯を立ててやった。
「いひから」
「あっ、うん、駄目よ……、今回だけは駄目……お、しえ、てっ……」
何時もならここでナンシーが折れるのだが、今回はしつこい――これはもう少し念を押す必要がありそうね。
私はナンシーの乳首から口を離すと、上気した彼女の顔をじっと覗き込んだ。
すると、ナンシーの顔から瞬く間に血の気が引いて行く。
生唾でも飲んだのか、ナンシーの喉がごくりと鳴った。
「教えたら――私は貴女を殺さなければいけないわ」
我ながら冷たい声。
死を覚悟した人間すら凍りつかせる――それが私たち人間のクズを集めて結成された猟犬部隊(ハウンドドック)。
ナンシーだって一度任務に付けば、子供だろうと老人だろうと同僚だろうと息を吸うより容易く殺す。
そのナンシーの唇が震える。
いくら他人が殺せても、大抵自分の命は惜しいものだ。
それに死ぬのと殺されるのは意味も覚悟も違う。
これで彼女も諦めてくれるだろう、と私は安堵と寂しさの入り混じった理解しがたい心の片隅でそう思っていた。しかし――
「そう――じゃ教えて。それから殺して」
「え?」
私は、驚きのあまり殺人鬼の仮面が剥がれ落ちたのも気付かなかった。
そんな私の唇を、ナンシーは顔を起こしてぺろっと舐めた。
「いいわ、ヴェーラのその顔、私を殺す時は感情を込めて頂戴」
先程の恐怖に凍る顔は何処にも無い。
その顔を見ると何だか急に泣きたくなってきた。
でもそんな格好悪いのはナンシーに見せたくないとばかりに、私はナンシーの耳元に唇をよせてそっと彼女だけに囁いた。
話し終えた私がそっと顔を離すと、ナンシーは瞑っていた瞳をゆっくりと開ける。そして――
「話してくれてありがとう。約束ね」
ナンシーはにっこりと私に微笑みかけた。
くそ、やっぱりなんて可愛いんだこの子は。
呆然とする私を余所に、ナンシーはいつの間にか力の抜けてしまった私の両手を自分の首にあてがう。
「銃なんか使わないで。素手で、手で締めて」
そして、私の手の上からぎゅっと力を加えてくる。
それになぞらえるかのように私の両手にも力が入る。
「ああヴェーラ、感じる、貴女のぬくもり。このま――え?」
私はナンシーの両手を振り払って、その細い首から自分の手を引き剥がすと、自由になったその両手でナンシーを抱きしめた。
「駄目よ……、駄目……殺せない」
私はナンシーの肩口に顔を埋めると、嫌々を擦るように首を振る。
すると、ナンシーがそっと私の背中を撫でてくれた。
優しいナンシー、貴女になら私殺されてもいいわ。
「ナンシー、私を殺す時は一思いにね」
私は再びナンシーの耳元でそっと囁いた。
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
あまりの激痛に瞼を開けるとそこは工場の中だった。
床に這いつくばったまま、訳も判らずぼぉーっとしていると突然頭に激痛が走った。
咄嗟に両手を頭に当てると何かに触れる。
その何かが判る前に私の頭がぐいっと引き上げられた。
「目が覚めたかよ」
「ア、一方通行(アクセラレータ)……」
「あ、誰が呼び捨てにして良ィっつたンだコラ」
「い、痛ッ!!」
掴んだ髪をそのままぐいと引っ張って引き摺り起こされると、耳に自分の髪の毛が切れるぶちぶちと言う嫌な音が聞こえてくる。
私は痛みを和らげようと必死に、一方通行(アクセラレータ)の手にしがみ付く――とした瞬間、私の目の前の景色が一気に流れた。
頭に激しい激痛が走ったかと思う間も無く背中から何かに叩きつけられた。
激しい痛みが体中に走って意識が一瞬遠のいた。
このまま逝けたらどんなに幸せなのにと思ったけれど、そうは問屋がおろさないみたい。
私の胸に何かがドンとぶつかってくると、その衝撃で無理に覚醒させられた私は「ごほっ、がはっ」と何かを吐き出した。
「案外髪の毛ってな丈夫なモンだなァ……。チッ、それに絡みつくと中々取れやしねェな」
すっかり虫の息になってしまった私に一方通行(アクセラレータ)の静かな侮蔑の言葉が浴びせられる。
あー、ここからなぶり殺しタイムかしら? だってほら、あいつが手を伸ばしてきたわ。
一方通行(アクセラレータ)は私の防弾チョッキの前の部分に手を掛けると私を引き起こした。
「さっきはフッ飛ばしちまって楽しむ暇も無かったからな。オイ、余興に付き合えよ」
余興って何よ? って私がそう思っていると……。
「うぐっ?」
く、口元にショットガンの銃口を押し付けられた!?
「そいつをしゃぶれ」
しゃ、しゃぶれってそれショットガンの銃口を?
私はギョッとして銃口と一方通行(アクセラレータ)の顔を交互に見やった。
するとそんな私にじれた一方通行(アクセラレータ)は、無理矢理私の口の中に銃口をねじ込んで来た。
「オゴァ!!」
「ギンギンになったコイツがお待ちかねなンだからよォ、さっさとしゃぶれよオラァ」
ショットガンの銃口を強引にねじ込まれた時に口の中が傷ついたのか血の味と、あと舌が痺れるような苦い味――多分火薬の残りカスか何か――が口の中に広がる。
さらに銃口はお構い無しにどんどん力任せにねじ込まれるから息苦しくなって来た。
「ヴゴォ! オ゛、オ゛エッ!」
「オラオラ、さっさとしねェとこのままぶっ放しちまうぞ」
「ガゴォォ!!」
一方通行(アクセラレータ)の一言に、私の脳裏に先程見た肉片が思い出されて、そうしたらもう我慢で来たかった。
「ゴプッ、オ゛ァエッ!」
自分で口の中にもう一味追加してしまった……。
「オイ……、テメエは勝手に何してやがンだ? ああァ、なンか急に冷めて来ちまったぞ。オイ、どォしてくれンだテメエはよォ」
「んぃい゛!?」
一段とショットガンに力が込められるのを感じて私は心底震え上がった。
こ、殺される!? 私もナンシーと同じにされちゃう!?
私はその恐怖から逃れようと必死になって、汚してしまったショットガンの銃口に舌を絡めた。
無機質な銃口に舌を這わせる無様な私を一方通行(アクセラレータ)は黙って見つめている。
一瞬、一方通行(アクセラレータ)がどんな顔をして私を見ているのだろうと興味が湧いたが、それ以上に恐怖が先立って目が開けられなかった。
私は一心不乱に舌と口を使って銃口を愛撫する。
実際真剣にやってもやらなくてもショットガンがオーガズムに達する訳ではないんだけど、何かに没頭していないと気が狂いそうだったのは事実。
だから、正直な話、その……、こんな状況で少し私も感じていた。いわゆるマゾヒズムってヤツかしら?
何時までそんな馬鹿げた事を続けていたのだろうか?
急に一方通行(アクセラレータ)が馬鹿笑いを始めた。
「ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ、俺ァ興味無ェからよく判ンねェけど、オマエって結構上手いんじゃねェの?」
自分の中で大分出来上がってき始めていた所で、一方通行(アクセラレータ)にそう声を掛けられて、まさか私の事を抱くつもりかしら? とこの時初めて私はふと目を開けて一方通行(アクセラレータ)の顔を見上げた。
そして……見るんじゃなかったとすぐに後悔した。
瞳は赤光を放ち頬まで裂けた口は白い歯と赤い中身を覗かせている――私は銃口を咥えたまま狂相を浮かべたその顔を見つめ続けた。
すると、硬直した私の口から銃身がずるりと抜き取られた。
ショットガンの銃口と、私のぽっかりと明いた口から泡だった唾液がぼとぼとと床に落ちてシミを作る。
一方通行(アクセラレータ)は銃口に付いた唾液を振り払いながら、
「オイ、なンか言い残す言葉はあンのか?」
まるで、気のいい仲間に挨拶するかのような軽い感じで聞いてきた。
あ、私死ぬのね。そう、なんだ。
私はそう理解すると同時に、頭の中が冷静になってゆくのを感じた。
そんな感覚に囚われていた私に、口も聞けなくなったのかと判断した一方通行(アクセラレータ)は、
「ねェのか? じゃ、名残惜しいが――」
とゆっくりと銃口を私に向けようとした。
「待って」
「命乞いか? そいつは聞く気はねェ――」
「私の命は別にいいの」
「はァ? 恐怖でトチ狂ったか?」
私の言葉に一方通行(アクセラレータ)は唖然とした。
ま、当然だろう。
命が惜しくない人間なんてそういるものでは無い。
「お願いがあります。まず――」
「まずって一つじゃねェのかよ」
ショットガンの銃口はそのまま、一方通行(アクセラレータ)は片方の眉を吊り上げて呆れた声を出した。
「まず、木原数多を殺して」
「あ? 木原はテメェの仲間だろうが」
「2つ目、ナンシーがまだ生きていたら医者を呼んでやって」
「…………」
「じゃ、後は好きにして」
その言葉を聴いた途端一方通行(アクセラレータ)の眉間に深い皺が刻まれた。
すうっと彼の目が細まる。
「オイ、豚アマ。テメエ何好き勝手ほざいてやがンだ」
「何って言い残す言葉よ。貴方が言ったんでしょ」
「オレが一々テメエのようなヤツの指図を受けると思ってンのか?」
「思わないわ。でも興味は引いたみたいよね」
私がそう返した途端、ショットガンの銃口がすっと私の目の前に上がった。
それだけで覚悟していたとは言え、自分の血の気が引くのが判る。
「あ? じゃ、すぐ死ね」
トリガーに指が掛るのが見える。
ああ、願わくば苦しみが長引きませんよ――
「ハハ、震えてンじゃねェか。ホントは怖いンだろ?」
「こ、怖いわよ。それが何か可笑しい?」
折角覚悟を決めたってのに何を今更――ってあれ? 銃口が下がってく。
「クソっ――聞いてやっから訳を言え」
一方通行(アクセラレータ)は完全にこちらから視線を外すと、吐き捨てるようにそう言った。
「木原は私の妹を能力開発の実験で殺した。だから私は木原に復讐したいの」
「あ、知らねェのか? 実験たって木原1人でやんじゃねェンだぞ。何で木原だけ殺すんだ」
「他はもう殺(や)ったもの」
「…………」
一方通行(アクセラレータ)は黙って視線だけこちらに向けている。
そう、私は、妹をここに置き去りにしたクソ親父も、研究に携わっていた馬鹿ども殺した。
「あとは木原だけなの。私の手で殺せないのは残念だけど、貴方なら間違いなく殺すでしょ」
彼は黙ったままだ。
でも多分一方通行(アクセラレータ)は木原を殺せる。
今は駄目かもしれないけれど、いつか彼は木原を殺す。
何だか説明は付かないけれど、私はそう確信した。
「ナンシーの件は私の気まぐれね。生まれて2度目に大切にしたいって思えた相手なの。1度目は失敗した。だからもう失敗したくないの」
「なら手足でもへし折って金庫ン中にでも仕舞っとけ」
「次があったらそうするわ」
私がそう答えると、一方通行(アクセラレータ)は何だか苦しそうに目を瞑って頭を振る。
その瞳が再び大きく見開かれると、それは私の方に向けられた。
自然と私の喉がごくりと鳴る。
「テメェ……、全てが上手くいくとか、ンな甘っちょろい事考えてンじゃねェだろなァ?」
「何でそんな事聞くのかしら?」
本当におかしな事を聞く。
よほど私が不思議そうな顔をしたのだろう、言った一方通行(アクセラレータ)の方も急に険が取れてキョトンとした顔になった。
すると、元々中性的な感じの顔が可愛い感じになって……って私も相当のん気よね。
そんな彼は、勿体無い事にすぐにその可愛い顔を仕舞いこんでしまった。
「チッ、テメエの目が死ンでねェからだ。その目を見るとムナクソ悪くなンだよなァ」
顔を逸らしてまでそんな事を言われるとは思わなかった。
私が希望を捨ててない? そんな馬鹿な……。
急に何だかイライラしてきた私は、
「じゃ、さっさと殺したら?」
「ンじゃァそうさせて貰うとするわ」
売り言葉に買い言葉とはまさにこの事だろう。
と言うか、遅れていた死刑執行の予定が決まっただけ、か……。
私はショットガンの銃口と、トリガーに掛る指を一直線に見据えたまま唇をギュッと感でその瞬間を待った。
「あばよムナクソ女、もう二度とオレの前に立つンじゃねえ」
次の瞬間ドンと衝撃が走って視界がぶれると、目の前が急速に真っ暗になってゆく。
「く……ントムナクソ悪(わ)……い何でこン……が猟犬部隊(ハウンドドック)にいやが……が増えまっ……かよ……」
途切れ途切れに彼の声が聞こえる……。
そう言えばナンシーはどうなるかしら? 約束破ってゴメンネ。願わくば地獄で会うのはずっと先に……なぁんて考えたってせん無い事よね。
「オ……者(しゃ)、まだ生き……よ? 救(きゅう)……あ? ちが……ォでもいい……と……は忙し……」
私は、彼の声を鎮魂歌代わりに闇の中に落ちていった。
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
「なんで!?」
それが私の第一声だった。
目が覚めると――と言うか目覚められたこと自体奇跡なのだが――私は病院のベッドの上に居た。
そして結論から言えば私は助かった。
詳細は医師から聞いたのだけれど、あの一方通行(アクセラレータ)が救急車を呼んでくれたらしい。
そして、助かったといえば、ナンシーも助かっていた。
あの時、下顎を完全に失ったナンシーだったが、クローン技術の応用だとかで完全に元の顔に戻っていた。
ただ、脳に大きな障害を負っている様子で、今の彼女の記憶は殆ど無い――つまり私と過ごした短いひと時も失われていた。
それでも私は、彼女が生きていると知ったとき本当に嬉しかった。
生きて彼女を抱きしめられる日が再び来るとは思わなかった。
それからもう一つ、これも聞いた話だが、木原はどうやら一方通行(アクセラレータ)に殺されたらしい。
らしいと言うのは、木原が殺される所を誰も見ていない事、木原の遺体が発見されていない事、出血、肉体の一部の発見などから生存確率が著しく低い事から、死亡と判断されたようだ。
何故ここの医師がそんな暗部に生きる者の生死について知っているのか疑問だったが、それは聞かないことにした。
一度暗部に堕ちた者はそういう危険に敏感だ。
暗部といえば、猟犬部隊(ハウンドドック)は隊員の殆どと木原を失ってどうなるのか?
ま、今の私には知った事じゃないわね。
と言うのも私の元に差出人不明の猟犬部隊(ハウンドドック)除隊の通知と、口座に大金が振り込まれていた。
大金の方は口止め料って所かしら?
私のような罪人に過ぎたボーナスと言えなくも無いが、これから少し物入りになるので、ここはありがたく使わせてもらうことにした。
私は、入院着姿で廊下を歩いてゆくと一つの病室の前に立つ。
そこで大きく間を空けて2度ドアをノックしてから返事を待たずに中に入った。
光溢れる室内の、これも眩いばかりの白いシーツ、枕カバー、掛け布団。
そこに身を起こして外を眺める1人の女性のが居た。
「ナンシー」
そう呼ぶと彼女はくるっと振り返って満面の笑みを私に見せてくれた。
すると、自然と私の顔もほころぶが判る。
「お姉ちゃん♪」
些か厚かましいとは思ったけれど、私はそういうポジションに納まってみた。
これから幸せを掴むと言うのはおこがましいけれど、二度と暗部にだけは戻るまいと思う。
私を『ムナクソ悪い』と言ってこの場所に立たせた彼の為にも。
END
以上です。
ナンシーがあまりにもかわいそうだったのと、ヴェーラの設定に引っかかってこうなりましたが、すっかりオリキャラですね。
賛否両論あるかとは思いますが、読んでいただいた方ありがとうございます。
では。
ねーちんがカミやんを襲う話はまだかにゃー?
>>532 ナンシー、ヴェーラ救済乙です。
通行人Aとかと同義で忘れ去られていくキャラに、スポットライトを当てるその着眼点と手腕に感心しました。
それに、一方さんはこんな風に胸糞悪くなりながらも、救っていく人達が増えていくんでしょうね。
誰も思い付かない様な面白い幻想が見れて楽しめました。
なんというマニアックな話を……
でもGJだぜ。なんか新鮮
美琴が電撃で、他の女キャラをいかせまくればいいだけの簡単なお仕事まだか?w
____
/ \
/ _ノ ヽ、_ \
/ o゚⌒ ⌒゚o \ 今日もまた、女の子に
| (__人__) | フラグを立てる
\ ` ⌒´ / 日常が始まるお…
>>538 ベタベタ触るやつかww
まさか上条さんの女殺しまで調べようとしてたしなw
上条さんってボクシングでも習ってたのかな?あのつよさ
必殺の右イマジンブレイクショト
545 :
名無しさん@ピンキー:2009/04/18(土) 16:10:29 ID:b5tpFuRd
本屋で立ち読みして
正しいパンチの打ち方とか覚えてたり?
その上条さんを難無く叩き伏せてるのが土御門さんなんだよな。
そしてその土御門さんでも手も足も出ないのが一方さんなんだよな。
やっぱ主人公は一方サンだよな。上条さんは禁書とくっついてりゃいいよ。
その一方さんを尻に敷いてるのが打ち止めさんなんだよな。
やっぱり主人公は打ち止めさんだよな。一方さんのお膝の上できゃっきゃうふふしてればいいよ。
549 :
名無しさん@ピンキー:2009/04/18(土) 16:40:36 ID:b5tpFuRd
ここは最強ヒロイン系で一方サンとくっつくべきだよ
世界王者の上条さんが
「俺の遺伝子をくれてやる」言った瞬間なんと
フィアンマ「つまりはその右手が手に入るわけだな。や ら な い か?」
>545
ホーリーランドの神城ユウみたいな上条か……
サルまんみたいなサルケンでも読んだんだよ
まぁ喧嘩歴というか虐められ歴はかなり長いから嫌でも覚えたんだろう
未来の当麻氏はどんな奴になってるのか考えてみた。
1.刀夜氏の様な感じになる。
2.ハーレム主状態上条氏。
3.誰かとひっそり隠居生活。
…しかし、1.2.3.とも事件の度に召集・非常呼集が掛かりそうだが。
「おとーさんってどんなひとだったのー?」
「んー?それはもう一歩踏み出せば女が3人は寄ってくるくらいの…」
「ちょ、娘になんてこと話してんだ俺は清く正しく生きてたっつーの!!」
きっとアットホームパパになっているさ
ことわざに曰く「男子家を出れば七人の敵あり」。これを彼(とその父)に当てはめれば「上条家男子、家を出れば七人の婦女子との出会いあり」かな?
話の腰を折って悪いけど。
8巻で、黒子の全裸ドロップキックに秘めた思いって何だ?
ただの女の意地か?
愛するお姉様にみまうには随分と豪快な一撃に感じたけど。
上条さん、女関係を振り切って整理する(できる)人格じゃないっぽい。
結婚しないまま延々と続いていくんじゃなかろうか。
>>558 最初に「責任取って」と言ったもの勝ち
既成事実がいるが…
上条でググったらキーワードに
「上条女性クリニック」と出た。
誰かこれでSS書いてくれ
不妊治療・婦人科 上条女性クリニック
ワロタww
「赤ちゃんができないんだよ、とうませんせい」
「…ツっこまねーぞ。…オホン、今日はお一人で来られたのでしょうか?パートナーの方は?」
「パートナーはまだ居ないんだよ」
「パートナー無しで赤ちゃんが出来ますかっ!!!つーかそういうのは十字教のお得意分野じゃ!!というかシスターさんとしてその発言は…」
「だからね、とうませんせいに赤ちゃんをつくってほしいな」
(ry
こうですか、これが約10000回繰り返されるんですね
同じような人が何人もならんでるのか‥
一般人からみたらこわいなw
メロンで「近づくと焼くわよ」というプレートを見つけた
「本日は…どうされました?」
「子供ができねェンだけどよォ」
こんなこともあり得る
>>562-563 「鬼畜産婦人科医 患者を妊娠させて逮捕」
容疑者は「フラグ体質だから」と発言
と載りかねんな
むしろ逆レイp(ry
>>563 一方「行列の出来る病院たァ有りそうで無かッたなァ。さァてあのガキに要らねェ知恵が流れる前に、だな」
ステイル「病院とは良い建前だね。…とりあえず、顕現させる準備はできた。いつでも行ける」
建宮「孕ませるのは承諾できんのよな。こればかりは我等天草式でも満場一致の事実なのよ……ところで五和はどこに行った」
海原「標的は一人、上条当麻を消せばいい。…残念ですよ、あの日の約束が破られるなんて」
アックア「また幻想殺しか…騒乱の元凶には早急な始末が必要である」
男性陣が出陣する様が目に浮かぶな
上条さん死ぬなww
>>571 禁書「そんなこと言ったって病気なんだから仕方ないかも!!」
美琴「私たちにはこの病院が必要なのよ!!」
御坂妹「あなた方がそう来るならこっちにも考えがあるぞわれー、とミサカは怒気を強めます」
神裂「ぶっ潰すぞド素人ども!!」
世界で三度目の大戦が勃発します
>>573 いや、そのリアクションおかしいだろ…上条教の信者ですか?
「この場合、ミサカはどっちにつたらいいのかな、ってミサカはミサカは騒ぎをよそにお茶を飲んでみたりー」
「とりあえずオマエはどっか行ってろ、ガキの見るモンじゃねェよ」
「うーん、一応あの人ミサカ達の恩人だし、見捨てるのも忍びないかなーってミサカはミサカは思ってみる」
「………」
まぁなんだその、
とりあえず上条さん逃げてー。
一方さんが嫉妬で黒翼出しちまうぞ。いや、マジで
>>574 普通に読み取ったらそうなるだろ…
別に打ち止めやら先生が入ってるわけでもないのに上条教とか
上条とかいらねえだろ
もう一方さんだけでいいじゃん
平和にいこうぜ
>>578 上条さんがいなかったら一方さんの魅力は半減すると思う
『新たなる光』4人組のラフが灰村HPに公開されてた。
14歳くらいの時って熱血レッドよりニヒルなブルーとかの方が好きだった人は多いはず
幽白だと飛影みたいな
>>581 おおっ
…読み返さないと誰が誰かわからない
駄目だ、「時既に遅し、打ち止めは余計な知識を吹き込まれて一方さんの布団に潜り込んだのでした」という話が頭から離れない
誰かこの電波受け取っちゃくれまいか…ッ
>>584 こんな感じですかね…?
「アナタの部屋に入る、ってミサカはミサカはドアノブにぶら下がりながら最初の手順を踏んでみたり」
「何勝手にヒトサマの部屋に入ってきてンだァ?」
「次に布団に潜り込む、ってミサカはミサカはさらに手順を重ねてみたり」
「だァから、ナニやってンだって言ってンだよ」
「間違えた、ってミサカはミサカはアナタにはもう一つ動作が必要なのに気付いて慌てて代理演算を切ってみる」
「ォ、おい……私が許可なしで部屋にそれをあきらめるとすぐに、何かのためにこれを作ります、そして、そこにウインドウからはいるサービスがあります!」
「よし、次にズボンと下着を下ろして、ミサカもお洋服を…」
「○△×□〜!!」
きっとミサカの事だ、“マニュアル通り”に事を進めるに違いない
>>585 吹いたww一方さんエキサイト翻訳かよw
エキサイトホンヤク
一方通行
何となく思いついて通行止め小ネタ。
「ミサカ、よばいっていうのをやってみたいんだけど、ってミサカはミサカはあなたに相談してみる」
「どっから突っ込めばイイのか分かんねェがひとつ言わせろ。すンな。」
「うわぁ即断で却下だよこの人ってば、ってミサカはミサカは嘆いてみたり…せめてよばいのやり方くらい教えてくれても!」
「教えるか!」
「…え?何なにどうしたの?…うん、うん」
「………?」
「…成程。先に服を脱いだ方がいいのね、ってミサカはミサカは下位個体のアドバイスに従ってみ」
「待てェェェ!!!!何してやがンだネットワーク!!ガキに犯罪促してンじゃねェぞォォォ!!!」
(主にミサカはあの白い方に犯罪を促してるつもりなんですが、とミサカ19976号は舌打ちしながら呟きます)
(今日こそ面白いものが見られると思ったのに上位個体のうっかりでバレてしまいましたね、とミサカ16512号も舌打ちしてしまいました)
(…これっていわゆるデバガメって言うんじゃありませんか、とミサカ19090号は一応他の個体を窘めてみますが無駄ですね)
「とりあえず服は脱ぐな」
「えー、つまんない、ってミサカはミサカは拗ねてみたり」
「あとネットワーク切っとけ」
「? 何で?」
「覗き防止だ」
(ちっ、バレてしまいましたねとミサカ19778号は露骨にがっかりしま…あ、ホントに切りやがりましたねあの小っこいの…)
(な、何だか今凄くいいとこでしたよ、と、ミサカ16042号も悔しさに歯噛みします…)
「ん…ふ…ん、ぅ…っ…」
「――、…は、…とりあえずこれでいいだろ、大人しく部屋戻って、寝ろ」
「………あの、」
「?」
「何だかその、腰がぬけちゃって立てない、って、ミサカはミサカは、言ってみる」
「………ンだそりゃァ」
「分かんな…ってひにゃぅ!や、だめ、だめって、ひゃんっ!?」
「…。オマエ、も少し肉つけた方がいいぞ」
「ひ、ひとの足触って、感想それだけって、どうなの、って、ミサカはミサカは息も絶え絶え…」
「オマエが立てねェとか言い出すからだろォが」
「何でニヤニヤしながら言うのかなぁ全然説得力ないじゃない、ってミサカはミサカは抗議してみるー!」
「夜這いの仕方を教えろとか言いだしたのは誰だ?」
「さっきまで乗り気じゃなかった癖に、ってミサカはミサカは…んっ!…んー!」
「あー、あと腰がどーとか言ってたかァ、さっき?」
「だ、だめってば、ミ、ミサカ確かにそのつもりだったけど、えっと、もう少し…その…!」
「言いたいことがあンならはっきり言えよ」
「ひゃ! う、だ、だから、そ…はう、あ、んんっ…!やぁ…っ!」
・後日
(何というセクハラ魔人…)
(セクハラ魔人ですね)
(セクハラ魔人以外にあれを評価する言葉を知りません、とミサカは配信されたデータを見ながら告げます)
(ちちちがうのちがうのミサカ間違えたのそっちのデータは配信するつもりなかったのみんな忘れて忘れてってミサカはミサカはー!!)
(興味深いものを見せて貰いました、とミサカ19692号はデータを堪能します)
(ええ、実に大変興味深いですね、とミサカ12008号も頷きます)
――学園都市では涙目になりながら下位個体から奪ったサブマシンガンを振り回し、自分とそっくりの容姿の少女達を追いかけまわす幼い少女、という世にも珍しい光景が出現した。
>>588 ネタで済ますには惜しい。
何気に妹達の反応がイイ
セクハラ魔人ワロタww
まるでP2Pによる個人情報の流出……打ち止めがデータを消去するよりも早く、別の個体にリレー形式でコピー・再コピーが行われるに違いない。
全く、セクハ……いやグッジョブとしか言うべき言葉が無い。
一方ナニした!というか間抜けすぎて和んだ。
上条当麻先生の保健体育も気になるわ、生徒はミサカ妹・そのネットワークの面々。
保管庫、更新されたな。
ご苦労様です。
保管庫更新記念ってことで、投下しますね。
飛び交ってた電波を、幾つか強引に混ぜ合わせて作った、お遊び企画第2弾。
気楽に読んで楽しんで頂けたら幸いですが、合わない方は華麗にスルーして下さい。
『とある巨乳の狂想曲』
[注意]
微エロあり。意味なし、落ちなし、続きなしの、三拍子揃った怪作です。
SS風ネタのロングバージョンって感じですね。
くらえ
「だ、だめぇ、………」
窓一つ無い広い部屋の中に、少女のか弱い声が響く。
目の前の小さなピンク色の乳首は、まるで自己主張する様にピンと立ち上がりフルフルと震えている。
その表面は唾液によって艶やかに濡れ、蛍光灯の光を受けテラテラとした光を放っていた。
乳首だけを口内に含むと、赤ん坊がやる様にチュッチュと吸ってやる。
「ふあっ……そ、んなに、吸わないで……きゃう、……気持ちい…ん……」
上条は目の前の巨乳にむしゃぶり付きながら、どうしてこんな状況になってしまったのか考えようとした。
「ああっ、……そん、んくっ、コリコリ……しないで……くんっ!」
意識朦朧としながらも、吸い付いていた乳首を歯で甘噛みしていたらしい。
噛まれた相手は拒絶の言葉を使ってはいるが、その声にはどこか淫靡な響きが含まれている。
相手の切なそうな吐息が鼓膜に届いて、上条の劣情を更に刺激する。
「………レロ…レロレロレロ、……ずっ、ずちゅうううう!!!」
「はぁ、はぁっ……、あっ、あっ、あっう、……くっ、くっうううんんん!!!」
乳首を舌で捏ね回し、頬張った乳房ごと啜り上げる。
すると、それに呼応する様に、相手の口からも快楽の嬌声が迸る。
更に、嬌声を引き出そうと乳房に手を添え様としたところ、その右手が何者かによって遮られた。
「とうま!短髪ばっかり相手してないで、私の事もちゃんと見てくれないと許さないかも!」
「(ビクッ!)」
鋭い犬歯を光らせて威嚇するインデックス。
頭蓋骨が噛み砕かれるかもしれない。繰り返し日常で体験している恐怖感が、ピンクの靄で霞がかっていた
上条の意識を一瞬にして覚醒させる。
「ちゅぽん……」
「あんっ……」
貪っていた乳房から口を離し、右手に視線を向ける。
今、自分の右手には、手に余る程のボリュームを持った乳房が押し付けられている。
「(モミモミ)」
「ひゃう、……とうま、…もっと、もっと揉んでぇ……」
右手の動きに敏感に反応を返し、甘えた声を上げるインデックス。
そうだ。
自分の口唇愛撫を乳房に受け、目をトロンとさせ艶めかし吐息を漏らしているのは、御坂美琴。
そして、自分の右手を抱きかかえる様に、自身の豊満な胸に押し付けて悶えているのは、インデックス。
更に、自分達の事を潤んだ目で見詰めている、複数の一糸纏わぬ全裸姿の少女達。
ただっ広い殺風景な部屋の中に置かれた6畳は優に超えるベッドの上で、上条はここに至る迄の経緯を思い
返してみた。
「やけに厚みのある封筒だな……」
その日の夕方、郵便受けから部屋に持ち帰った封筒を前に、上条はどうしたものかと考えていた。
一応ひっくり返して差出人名を確認してみたが、当然の如く見当たらない。
そもそも消印すら無い事から、直接、郵便受けへ差出人本人が突っ込んだ物だろう。
「あ、怪しい。誰が、どう考えても怪し過ぎる」
上条の不幸センサーは、ビンビンとMAXを振り切る程の反応を示した。
「うーん、うーん……やっぱ、開けて中身を見てみない事には始まんないよな」
そして、何時もの如く、自ら不幸と言う名の死地へと赴く事を決断するのであった。
「右手に何も反応ないって事は、少なくとも異能の力は関わってないみたいだ……」
それでも、いきなり爆発する懸念は拭い去る事が出来ない。
上条は、何時でもダッシュ出来る様に体制を整えてから、へっぴり腰になりながらも開封作業に着手した。
「あれ?何ともない……」
何事もなく無事に開封され、出て来た中身は数枚の手紙と長方形の紙箱が2個だった。
取り敢えず、危険は無さそうなのに安心し、手紙を読んでみる事にする。
「えっと、なに何、―――――」
一通り目を通して把握した内容は、ある曲に付いて自分がモニターに選ばれた事。
発売前に試聴アンケートを取りたいらしく、他言無用との事だった。
1つの箱には曲が収められたDAPが入っており、もう1つは事前の謝礼らしい。
曲に付いての感想は、付属のアンケート用紙のチェック項目を塗り潰して送ればOKだそうだが、10日後に記
載されていた場所に行き、詳しく感想を伝えると豪華商品を貰えるとの事だった。
まぁ、学園都市には酔狂な研究をしている施設や個人が無数にあるくらいだから、今回の話もそれ絡みだろ
うと推測された。
「まったく、暇な連中も居るもんだな。上条さんなんか、貧乏暇なしだっちゅうのに……」
そうブツブツとボヤキながら謝礼の入った箱を開けてみる。
「どうせ、大した物じゃねぇんだろ、っと……、何でしょう、この紙の束は?」
やけに小奇麗な紙の中央に¥1000の文字が印刷されているのが目に入った。
一枚を手に取り、周りに書かれた文面や裏面の方もチェックしてみる。
「商品券。どこでも使える大手カード会社系列の物だな。んんっ?……なぁ、何ですとーっ!?」
慌てて食い入る様に何度も確かめ、紙の束を勘定してみる。
「……ひゃ、100枚。100枚もある!?」
暫く呆然としていたが、ある考えに思い至り冷静さを取り戻す。
「ふっ、偽モンだな。こんなラッキーが、上条さんの元に訪れる訳が無い」
そう結論付け様としたが、やはり気になるものは気になる。
「まっ、実際使えるかどうか、試してみればいっか。余計な期待は、落胆も大きいしな」
そう言いながら、10枚程財布にしまうと、何処かそわそわとしながら近所のスーパーへと向かった。
1時間後、両手に食料品の入ったビニール袋を抱えた上条が、家路へと向かいながら叫んでいた。
「神様、ありがとう!こうなりゃ、豪華商品の商品券1000枚ゲットしちゃるぜぇーっ!!」
その遡る事、数時間前。
インデックスは、何故か顔を隠す様に帽子を目深に被りマスクをした宅配業者から、自分宛の封筒を受け取
っていた。
「何だろ、これ?」
あまり深く考えずに、ビリビリと封筒を破いて中身を確認する。
中身は上条が見た物と大して違いはなかったが、少々違っていたのも確かだ。
「ふむふむ、なるほど〜。図解入りで説明してくれてるし、これなら私でも使えそうだね。
とうまに聞かなくても何とかなるかも。えっと、こっちの方は謝礼ってなってるけど……」
上条の商品券とは、異なる紙の束が入っていた。
「えっと、!?……、た、食べ放題のバイキングの無料招待券!それも、10枚もある!」
そう叫ぶ彼女の目には、お星様がキラキラと輝き、開いた口からは涎がダラダラと滝の様に滴っている。
「ひぅ!?詳しく感想を伝えると、さ、更に100枚プレゼント!」
あまりの幸運に、跪き胸の前で手を組んで、主に感謝の言葉を述べてしまう。
「天にまします我らが父よ。憐れな子羊は、とうまの甲斐性無しのおかげで、ひもじい思いをしてきました
が、これで飢餓状態から脱出できそうです。どうか、100枚手に入れる迄お導き下さい。アーメン」
深く頭を垂れ祈りを済ませると、スックと立ち上がり、欲望に目をギラギラとさせて叫んでいた。
「よーし、10日後には、無料招待券100枚ゲットだね!!!」
多少の時間のずれがあったとは言え、その日の内に封筒を手にした者が、他にも何名か居た。
「はん、何なのよ、この胡散臭さ満載の手紙は。こんなもんに騙される美琴さんじゃないっつーの。
謝礼って、どうせ大したモンでもないんでしょ、…………!?」
何気なく開けた箱から転がり出た物体に、美琴の目が釘付けになり、真ん丸に見開かれる。
そして、絶叫とも呼べる大声で叫んでいた。
「げ、げこ太!!!」
箱から出て来たのは、カエルをモチーフにした一体のフィギュア。
ワナワナと震える手を伸ばして、それを手に取ると、美琴の口からは感嘆と賞賛の言葉が漏れる。
「なっ!?何と言う精緻でラブリーな造形美。まさに神の御業って奴ね。ああ〜っ、げこ太……」
思わずスリスリと頬擦りしてしまう。
暫し、うっとりと感触を堪能していた美琴だったが、箱の中に紙が入っているのに気付き、取り出して折り
畳まれた紙片を広げてみて目を通す。
「ふんふん、豪華商品は以下の写真の物になりますって、……」
パサッと、その手から紙が滑り、床に舞い落ちた。
「ふっふっふっ。待ってなさいよー、げこ太。美琴さんが10日後には必ずゲットして、毎晩ベッド抱っこし
て可愛がってあげるから!!!」
そう決意に燃える美琴の体からは、バッチン、バッチンと紫電が迸っていた。
その余波を受けた紙が床から舞い上がり、印刷された写真画像が照らし出される。
ベットに横たわる等身大(150cm程)?の、げこ太ぬいぐるみが……。
この日、学園都市のあちこちで同様な叫びや決意が行われた。
「各種サプリメント詰め合わせ1年分―――――」
「人気者になれる魔法少女7点セット―――――」
「最新携帯モバイル、Aランクアクセスコード付き―――――」
・
・
・
人通りの無い路地の奥で、宅配業者は携帯を取り出すと誰かに電話を掛け始めた。
「ふぅ、任務は完了した。これで、良いんだな?」
それに答える様に、無機質な声が返ってくる。
「問題ない。次の任務に着手してくれたまえ」
「地下射撃場の改装か……、今度は何を企んでる?」
「君には、関係無い事だ」
「おい、もしも彼女達の身に何かあったとしたら―――」
「心配するな。彼女達に危害が及ぶ事な無い。むしろ、彼女達の願望を叶える利益になる事だ」
「………………」
一方的に回線が切られ、会話は終了した。
宅配業者は、手にした携帯を睨みつけた後、溜め息を吐いた。
「カミやん……、今度も面倒な事になりそうだぜい」
そう呟きながら携帯を仕舞い、その場を後にした。
その日から、律儀に曲を聴いていた面々だったが、曲に関しての感想自体はそれ程変わりはなかった。
旋律に独特なクセはあるが、綺麗な曲であると……。
上条などは早々に飽きてしまい、うっちゃってしまっていたが……。
そんな事より、重大な問題が女性陣には訪れていた。
聴き始めて、何となく心と体に違和感を感じた敏感な者も居た様だが、3日目には誰もが自覚する事態とな
っていた。主に体の面で……。
「わわっ、少し胸がおっきくなったかも♪」
「あれ〜?ちょっとブラがきついわね。ひょっとして、成長した♪」
「むっ、不味いわね。これ以上大きくなったら、可愛いブラの選択肢が無くなるわ」
「おお〜っ。巨乳への第一歩♪」
「はやぁ〜、ブラがきつくなっちゃいましたけど、こっ、これがばれたら佐天さんの攻撃が胸まで……」
・
・
・
各々、感想は悲喜交々ではあったが、バストアップしているのは間違い無かった。
しかし、そんな彼女達に悠長に構えている余裕は無くなってしまった。日増しに成長するバストの為に。
急激に成長するバストは、張りを訴えズキズキとした痛みをもたらした。
それに、せっかく買ったブラも翌日にはきつくなる始末だった。その出費も馬鹿にならない。
周りの視線も、始めは好意的な物だったが、だんだんと奇異な物を見る様に変わって行く。
もう、この頃には、全員が自分に苦しみを与えた元凶が何であるかを正確に理解していた。
血気盛んな者(約一名)は、指定の場所に猛然と特攻を仕掛けてみたのだが……。
しかし、そこにあったのは無人の廃ビルで、人っ子一人見当らなかった。
そんな、地獄の様な苦しみに耐えていたが、バストの痛みは1週間で突然、嘘の様に消えてしまった。
皆、首を傾げたが、後に残されたのは、元のサイズに対して、4〜5ランクアップされたバストだけだった。
バストだけ成長した為か、自分の物とは思えない程、綺麗に整った形の良さを見せ付けている。
お風呂上りに鏡に映る自分の上半身にウットリとしながら、『良し。これなら行ける』と一人の男子学生の
姿を脳裏に思い浮かべてしまうのも全員同じだった。
そう、バストの痛みがある時からおかしいと感じていたのだが、ツンツン頭の少年の姿を見ているだけで、
心拍数が上がり胸の鼓動を抑え切れなかった。
痛みが治まる前は恥ずかしくて、目を逸らしたり逃げ出す行為に及んでしまっていた。
だが、痛みが治まり鏡に映る生まれ変わった自分なら話は別だ。
成長したバストは、何時も抱いていたコンプレックスを吹き飛ばし、女としての大いなる自信を少女達に与
えていた。元々、そんなコンプレックスとは無縁だった約一名を除いては……。
決行の日は何時にしようかと、そこはかとなく乙女心の純真さで迷っていた時、其々の元に手紙が届いた。
差出人の名前はなかったが、だからこそ誰からの物かは明白だった。
思わず破り捨てようとした者もいたが、良く考えてみて今の自分があるのは誰のお陰なのかに思い至った。
取り敢えず、内容を確認してみようと中の便箋を読んだ全員の目が、記された文面に釘付けになった。
『今回、参加して下さる皆様には、事前にお知らせ頂いた豪華商品を進呈致します。
尚、当日は参加者によるコンテストも開催いたしますが、奮って御参加下さい。
優勝者には、貴女の想い人をプレゼント致します。
審査員も想い人である彼一名のみの予定に為っております。かしこ』
そこから推測される事は、容易に理解できた。
最近、自分と同じ様に急にバストが大きくなった者が何人か目撃していた。
何となくお互いに尋ねる事が出来なかったが、同じ境遇に陥っている事だけは理解していた。
そして、彼女達が今回の参加者の面々に名を連ねているのに間違いはないだろう。
『ライバル』その言葉が脳裏に刻み込まれる。
コンテストに参加しないと言う選択肢は、もはや頭の中には無かった。
これはピンチであると同時に、最大のチャンスでもあるのだ。
会場に彼が来る。優勝商品であると同時に審査員も兼ねて。
これで優勝すれば、『ライバル』の目の前で、自分が彼の一番であり、彼は自分の物だと宣言出来る。
少女達は、心の中で闘争の炎をメラメラと燃やし決戦の日に思いを馳せるのだった。
……優勝商品、兼、審査員にされているとは、これッぽっちも知らされていない上条を置き去りにして。
「んんっ?このビルで、間違いない……ん、だよな?」
人通りの無い寂れた雰囲気の漂う裏路地で、古い雑居ビルを見上げながら上条は疑問符を浮かべていた。
2日前に届いた手紙、そこに記されたビルの名前はここで間違い無い筈である。
何度かビルの壁面に貼り付けられた薄汚れた金属プレートと照らし合わせて確認もしてみた。
「ホントに、大丈夫なんかよ……」
手紙には、主に、こう言う内容が記されていた。
『今回、参加して下さる貴方には、事前にお知らせ頂いた豪華商品を進呈致します。
更に、特別企画に御参加頂くと、貴方の将来の幸福をお約束する素晴らしい方達をプレゼント致します。
是非、貴方の薔薇色の未来の為に御参加頂きますようお願い致します。かしこ』
「お、おっ、おおーっ!!!何て、太っ腹なスポンサー様だ。
商品券1000枚をただでくれる上に、その上ラッキーチャンスに素晴らしい商品をプレゼントとは。
上条さん、世知辛い世の中に現れたメシア様に、感謝感激の雨あられです。
思わず閉じた瞼から、随喜の涙が溢れてしまう程に……。
さぁー、どんな企画だろうが、バッチ来い!不幸慣れした上条さんに不可能は無い!
これで素晴らしい商品もゲット……って、あれ?……何だ、この『方達』ってのは、……誤植か?
う〜ん、……まぁ良いや。単なる打ち間違えだろ」
あまり深く考える事なく、そう結論付けた。
何故なら、上条の脳裏には、貧乏からの脱出の光明が差し込んでいたからである。
「待ってろよー、薔薇色の未来!!!」
手紙に記された内容と、目にする現実との大きなギャップに不安を覚えながらも、一歩踏み出す事にした。
古ぼけたエレベーターで3階に上がると、通路に並ぶドア番号を見ながら一番奥の部屋を目指す。
予想通り、目的の部屋は一番奥の部屋だった。脇にあるインターフォンを押して、相手の応答を待つ。
暫く待っていると、インターフォンから女性の声が聞こえて来た。
「……お待たせしました。上条当麻様ですね。
今、ドアのロックを解除致しますので、そのまま中にお入りになって、テーブルの上を御確認下さい」
そう告げると、ドアの蝶番の辺りから『カチャ、カチャ、カチャ、ガチャン』と音がした。
(何だぁ?えらく複雑なロック施してんだな。こんなボロビルなのに……。
それに、一言も喋って無いのに俺が分かるなんて、どっかに監視カメラでも設置してんな)
予想外のセキュリティの高さに軽く驚きを覚えつつ、指示通りドアを開け部屋の中へと入ってみる。
ドアは厚みの割りにスッと開き、中へ入って手を離すと元通りにと閉まって行く。
ガランとした広い部屋には、中央に来客用らしい革張りの応接セットがあるだけだ。
テーブルの上には、手紙と紙袋、それに1枚のカードキーが置かれていた。
上条は椅子に腰掛け、封筒の中の便箋を取り出すと内容を一読して確認してみた。
(何々、紙袋には事前にお知らせ頂いた豪華商品っと、カードキーは部屋の奥にあるエレベーター用っと。
あっ、ホントだ。何で部屋ん中に、最新式みたいなエレベーターがあんだ?金持ちは良く分からん。
で、地下5階に下りるっと。……いいっ!?地下5階?何で、そんなにあんだよ。
もしかして、学園都市の支配を企む秘密結社のアジトか何かか?此処って。
まさか、そんな馬鹿な事ありえ……、えっと、……つうか、そんな事って十分ありえるな。
いやいや、そんな事くらいで、薔薇色の未来を諦めてなるもんか。俺は幸せを掴むぞ。
んっと、それから正面のドアを開けて中のソファーで暫くお待ち下さいっと。オシ!)
気合を入れて立ち上がると、手順通りの行動を開始した。
「うわっ、暑っちいな。空調壊れてんのか?それに、何だぁこの匂い、お香でも焚いてんのか?」
そうボヤいた上条に対し、
「御不便をお掛けして申し訳ありません。少し前から、温度設定が不調に為りました。
御香の方は、リラクゼーションの一環だとお考え下さい」
「うおっ!?い、いきなり声を掛けられるとは、……って、声だけ?」
「部屋に設置されましたスピーカーからの音声です。音声だけで、御不快でしょうが御了承お願いします」
「まぁ、そんな事気にしねぇけど。それより、一体何すりゃ良いんだ?時間とか、どん位掛かんの?」
「準備に暫く時間が掛かると思いますので、用意が出来ましたら御呼び致します。
お部屋が暑いのでしたら、服を脱いで涼しい格好を為さって頂いても構いません。
ソファーの脇の冷蔵庫に、お飲み物も御座いますので御自由にお飲み下さい。
左手のドアの向こうは、トイレとシャワールームと為っておりますから、こちらも御利用下さい」
「なぁ、1つ聞いて良いか?」
「何でしょうか?」
「ソファー、って言ってるけど、俺には馬鹿でっかいベットにしか見えんのだが?」
「ソファーです」
「いや、だから、誰がどっからどう見ても……」
「ソファーです」
どうあっても、ソファーで押し通すみたいだった。
「………………」
「それでは、御呼びする迄、気楽に御寛ぎ下さい」
そう告げると、音声が途絶えた。
ハァーと、溜め息を吐きながら冷蔵庫を開けてみる。
中には、同じ種類の瓶入りジュースがぎっしりと詰まっていた。
「見た事ないジュースだけど、美味いのかこれ?」
冷蔵庫の棚に置いてあった栓抜きで蓋を開けると、取り敢えず飲んでみる。
「おっ!?結構いけんな、これ」
瞬く間に飲み干すと、もう一本に口を付ける。
ついでにトイレとシャワールームを確認しようと、ジュースを飲みながら左手のドアを開けた瞬間、
「ブッオォォォ―――――ッ!!!」
上条の口から、ジュースが毒霧攻撃の如く噴出した。
「ゲホッ、ゴホッ、……なな何ちゅう趣味しとるんだ……」
中に入ると、サニタリールーム広がっていた。
大理石製のシックな色合いや、金メッキされた金具なんかで統一された高級ホテル風の作りだった。
洗面台が2個並んでる。これは普通にあるだろうし珍しくも無い。
同じくトイレも2台あるが、何故間仕切りも無く仲良く並んでいるのだろう?おまけに丸見えだ。
右手に広がるのは、シャワールームなんて呼べない。
10名様は楽勝です、と自己主張する大理石製のバスを奥に控えた、巨大なバスルームが見える。
そう、見えるのだ。天井迄も届かないガラス製の間仕切りを通して。
写真や画像でしか知らないラブホのサニタリールームを、数段グレードアップした作りだった。
些か目眩を感じ、虚脱状態になりながらも、近くに備え付けられた棚からタオル1枚を取って、自分が飛び
散らせたジュースを拭き取る上条だった。
上条に遅れる事30分程して、次々と女性陣もボロビルに集結していた。
本来は、其々時間をずらして指定していたのだが、恋する乙女達にそんな物は通用しない。
まぁ、それを見越して、上条に指定した時間との開きは2時間はあったのだが……。
「参加者は彼女で最後になります。本日のコンテスト参加者は、以上の合計5名と為ります。
暫く準備に時間が掛かりますので、時間が来る迄の間、冷蔵庫のジュースでも飲みながらお待ち下さい。
それでは皆さん優勝を目指して頑張って下さい」
そう女性の声が告げ終わった後で、御坂美琴は睨み合ってた『ライバル』達から視線を外し、最後に仲間入
りした敵を見遣る。
「えっ!?貴女、確か初春飾利さんだったわね。どうして貴女がこんな所にいるわけ?」
「え!?ああっ、御坂さんだ。どどどうしたんですか、その水着は!?」
「うんっ?あぁ、これ、ね。コンテスト参加者用の衣装らしいわよ。
テーブルの上にナンバー書かれた紙袋置いてあって、その中に入ってたわ。
後、コンテストの進行手順の説明もあったわね。
……ったく、私がナンバー3だなんて、オチョクッテんのかしらね……」
「さあ、それはどうなんでしょうねえ?それより、あのう、恥ずかしくないんですか?」
「ハッ、今さら恥ずかしいもヘッタクレもないわ。絶対、アイツは私の物にしてみせるんだから。
てっ、そういや貴女も『ライバル』の一人だったわね」
美琴の初春を見遣る目に、剣呑な光がちらつく。
「あわわわわ、私は、あれ?そうですね。宜しくお願いします」
『ペコリ』と頭を下げられ、何となく闘争心が狂わされる。
「うっ、まあ……、あのバカが好きな同志には違いないんだから、いがみ合ってるのも不毛かもね。
それより、私、すっごく喉渇いてんだけど、初春さんもジュース飲む?」
「あ、はい頂きます。この部屋暑いですもんね」
ジュースを取って来ようと冷蔵庫の方を振り向いた美琴は、少し意表を付かれた。
(なっ、何なのよう、コイツら。さっき迄、睨み合ってたのに……)
冷蔵庫の前に置かれているテーブルでは、インデックス、姫神、吹寄の3人が仲良く座ってジュースを飲ん
でいる光景が繰り広げられていた。
呆れた事に、インデックスの前には、空の瓶が5本も置かれているのに、まだ飲み続けている始末だった。
「うまうま、ぷはーっ」
「ふー。癒される」
「なかなか美味しいわね。中にどんな成分が入ってんのかしらって、なによラベルも無いじゃない」
先程までは、各々の武器をちらつかせて威嚇し合っていたはずなのに。
美琴は、何時もの様に体から電気を、バッチンバッチンさせて……。
インデックスは、何故か歯磨きしながら泡だらけの歯を、ガッキンガッキンさせて……。
姫神は、魔法のステッキ(スタンガン)を素振りして風きり音を、ビュンビュンさせて……。
吹寄は、持参のスポーツバックから500mlのペットボトルを取り出したが、役者不足と感じたのだろうか、
新たに電気マッサージ器(振動式)を取り出して、ブルブルいわせていた。
そんな状況からの急展開に、美琴は脱力しながら、初春を呼んで一緒にテーブルでジュース飲む事にした。
「……ったく、何時まで待たせる気だ?もう、2時間近くも経ってんぞ」
上条は、少し苛立った様に呟いた。
空調が直ったのか、部屋の温度は快適と呼べるまで下がっていた。
しかし、脱いでいた上半身の服を再び着ようとする気が起きなかった。
何故なら、感じる不快感には、それ程変わりがなかったからだ。
その理由は、感じる『暑さ』が『熱さ』に取って替わられていた。
体表面に感じる暑さは快適で問題ないが、体内に感じる熱さが異常に上がってしまっていたからだ。
それも、その熱さは下腹部の方に集中していた。
上条の肉棒は窮屈なズボンの中でそそり立ち、まるで、それ自体が別な生き物の様に、ドクドクとした脈動
を発している。
(……ふざけやがって。間違い無く、ジュースの中に一服盛られたな。
これから問い詰めて、返事が無かったり、はぐらかす様なら、此処とはオサラバしてやる)
そう決意して、口を開こうとした瞬間、突然、照明が落ちた。
暗闇の中、呆然としていると、天井にあるスポットライトの1つがともり、一条の光が自分の事を暗闇の中から照らし出して、浮き立たせる。
そして、スピーカーからは、朗々とした男性の声が大きく響いて来た。
「レディース&ジェントルマン、大変長らくお待たせしました。
只今より、審査員、上条当麻による『巨乳コンテスト』を開催致します。ゲートオープン」
そう告げると同時に、部屋の奥の壁が下方に沈み込み始めた。
(なっ……、何だ、何が起こってるんだ!?)
事態に付いて行けない上条を放って置いて、シナリオは進行して行く。
壁が完全に沈み込み、床と一体化したところで、再度、男性の声が響く。
「それでは、コンテストに出場下さった素敵なレディー達の御紹介です。
一名づつの御登場で御願い致しましょう。
まずは、エントリーナンバー1番、吹寄制理」
軽快な音楽が流れ出し、壁が無くなった向こう側の薄暗い空間に、一条のスポットライトが浴びせられた。
そこに浮かび上がったのは、名前の通り上条のクラスメイトである吹寄。
(あ、あれ?……吹寄?……顔は確かに吹寄だよな。えーっと、何だあ?この違和感は………)
視覚情報に脳内処理が追い付いて行けないと感じ、目を閉じて深く深呼吸してから再度見てみる事にする。
撮影開始。上条ビジョンのフォーカスを顔に合わせ、徐々に下に移動し、足元反転して再び顔に移動。
最後に、倍率を下げて全身像をフレームに収める。撮影終了。そして、瞬時にデータの脳内処理完了。
その結果、上条の下顎がカクンと落ち、更に運動機能と思考能力の両者を、ピシッと凍結させた。
吹寄が上条に向かって歩き出した。
その動きに合わせる様に、スポットライトの光も追従する。
吹寄はソファー(ベッド)に腰掛ている上条の目の前まで進むと、そこで立ち止まった。
その場で、ファッションモデルよろしく数種類のポーズを披露すると、元の場所へと戻って行く。
それと交差する様に、もう1つスポットライトがともり、女性の姿を浮き上がらせる。
「続きまして、エントリーナンバー2番、姫神秋沙」
上条は、唖然として固まったままだった。
・
・
・
「以上を持ちまして、参加者全員の御紹介が終了致しました。
後は、審査員による審議の結果発表に拠って、優勝者が確定致します。
皆様、ドンドンと気の済むまで審査員にアピール為さって下さい」
スピーカーからの音声がそう締め括ると、音楽が途切れ、照明が一斉に点いた。
光の奔流が、上条の意識を覚醒させた。
そして、横一列に並んでいる女性陣に向け、思わず叫んでいた。
「ナンちゅうエロい格好しとんじゃ、おまいらはぁああああああ!!!!」
横一列に並んでいる女性陣は、同じ衣装を着けていた。
古今東西の美人コンテストの定番、お馴染みの水着審査と同様に水着を。
ただし、彼女達が着ている水着は、そう簡単には、お目に掛かる事が出来ない類の物だった。
鋭い角度を描く白いビキニパンツは、Vゾーンをやたらに強調し、白いハイヒールを履いた足先迄の脚線を
更に長く、美しく見せている。
ビキニブラは着用しておらず、その代わりとばかりに、ビキニパンツからは幅5cmも無い様な極細の白い
布地が2本、乳輪を隠す様に胸を通り肩に伸びている。
こんな水着の呼び名は、一つしかなかった。その名とは、スリングショット。
巨乳化(約一名爆乳化)した彼女達が着用すると、そのエロ度の破壊力は凄まじい物だった。
「むっ、何かこの水着に文句があるって言うの、上条当麻」
「上条君が好きって書いてあった。この水着」
「アンタ、この美琴さんがこんな格好してやってんだから、もっと喜びなさいよ」
「私だってこんな水着着れちゃうんだから。見て見てとうま、谷間も凄い事になってるかも」
そう言って、腕を前でキュッと絞るインデックス。その胸には、深い谷間が出来ていた。
(くっ、こいつら全然悪びれてないじゃねえか。これで当然、みたいな事を平然と言いやがる。
つぅーか、マトモな人間はいねえのか?……おや?……おおっ、一人発見!)
「コラ!そこでモジモジしてるオマエ!オマエは、ジャッジメントの風紀委員だろうが。
何、自ら風紀を乱す事に加担してんだ?今すぐ、理由を言ってみろ!」
「は、はひっ!……えっと理由ですか?それは、その……、貴方を手に入れる為、ですかね?」
「はあっ!?……俺?……何で俺が、手に入れられなきゃならないんだ?」
「それはですね……」
「ああっ、まどろっこしい。アンタ、さっさと決めなさいよ!」
「こうなったら腕ずくで……って、姫神さん!?何してるのよ?」
「埒が開かないから。アドバンテージ作戦」
「ちょっとぅ、それはズルイわよ。こうなりゃアタシだって……」
「わ、私だって負けないんだから。とうまには、前に一度見られてるから平気。
むしろ、成長した今の私を見て欲しいかも」
「わかったわ。私も脱いで、この爆乳で上条を虜にしてやる」
「み、皆さん落ち着いて下さーい。あわわッ、私も脱ぎます」
全員ハイヒールを脱ぎ捨て、水着を脱ぎ始めた。
「むむっ。アドバンテージ作戦U」
全裸になっても、皆が同じでは意味が無い事に気付いた姫神が、上条に向かって特攻を仕掛けに走り出す。
「抜け駆けなんてさせないわよ。体育会系を見くびらないで……」
普段の乱闘で培った運動神経を発揮し、水着を脱ぎ捨てた吹寄がダッシュする。
「負けないもん」
意外と器用に水着を脱いだインデックスが、天下一品の逃げ足の速さを発揮して駆け出す。
「ちょ、ちょと待って、待ちなさいってば、……」
そして、変な所で不器用さを発揮した美琴が、足に絡まった水着をなんとかしようと悪戦闘していた。
「まっ、……マッテって、言ってんでしょうがァあああああ!!!」
思わず、電撃の槍が前髪から迸った。
「「「……キャウン……」」」
「あ、ゴメン」
(それ程、強くはないから、一時的に体が麻痺してるだけよね。直ぐに動けるはずだけど、……ゴメンね)
ピクピクと痙攣している3人に謝りながらも、何とか水着を脱ぎ捨て上条の元に向かう。
上条は、あまりの事態の進行に顔を真っ赤にし、金魚の様に口をパクパクとさせていた。
「やっと捕まえた。アンタ、観念しなさい」
美琴はそう言って上条の頭をガシッと両手で掴むと、その顔を自分の胸へと押し付けた。
インデックスの胸を揉みながら今迄の事を思い返し、さて、これからどうしたモンか?と考えていた上条
は、上から降って来る声に現実に引き戻された。
「アンタって、アンタってやつは、こんなとこでもアタシをスルーするか……」
顔を上げた上条の目に、前髪から紫電がバチバチと漂い始めている美琴の顔が映った。
「ひッ!?」
思わず身を竦める上条、しかし、意外な所から救援の手が差し伸べられた。
「ふぁ!?」
美琴がそう声を上げると、前髪から紫電が綺麗サッパリ消え去っていた。
良く見ると、インデックスの胸を揉んでいた右手が、何時の間にか美琴の股間の方に移動している。
「えっと……、俺の右手は、何時この位置に移動したんでしょうか?」
「とうまは、そのまま短髪を右手で触ってて、そうしたら短髪は力を使えないから」
上条の疑問に答えたのは、インデックスだった。
さすがは禁書目録、咄嗟に電撃封じの為に自分の胸にあった上条の右手を使ったらしい。
上条は自分の右手に感じる感触に、目眩を覚えそうだった。
指先には、どこまでも柔らかい感触が熱い火照りを伝え、更に、微かに濡れた感触も伝えてくる。
手の平には陰部を覆う柔毛のしっとりとした感触。上条は、その感触にのめり込みそうになる。
「とうま!」
ビクッと、声のした方を振り返ると、自分を睨むインデックスの顔が見えた。
「まったく。とうまは、どんな時でもとうまなんだね。あっちへふらふら〜、こっちへふらふら〜」
「い、いや、インデックス。人をタンポポの綿毛みたいな言い方するのは、どうかと思うぞ」
「いただきます」
そう言ったかと思うと、インデックスは上条の唇に自分の唇を重ねた。
「!?」
驚きに上条の唇が僅かに開く。
その隙間を抉じ開けるかの様にインデックスは、自分の舌を上条の口内に捻じ込んで来た。
インデックスの柔らかく甘い舌先が、上条の口内を彷徨う。
そして、上条の舌の感触に気付くと、それを必死で絡め取ろうとする。
インデックスの両手が上条の頭に巻き付く様に回され、拠り深い口付けが始まった。
二人の口付けが拠り深まるたびに、上条の右手が振るえ美琴にも快感をもたらしていた。
「あっ……うっ……くぅん……んんッ……」
美琴は、両手を上条の右手首に伸ばして掴むと、更に手の平が自分の濡れそぼった陰部に強く押し付けられる様にギュッと力を込めた。それは、更に深い快感を味わおうとする、女の本能の動きだった。
美琴の電撃を警戒しベッドの周りで様子を伺っていた3人だったが、真っ先に動いたのは初春だった。
流石に日々情報分析しているだけあって、美琴が完全に無力化された事を把握したのだ。
ベッドに上がり込み、上条の膝の上に体を捻じ込み横座りとなると、剥き出しの胸板に舌を這わせ始める。
更に、左手はズボンに浮き上がった肉棒を擦り上げ、右手を使ってズボンのベルトを外し始める。
胸板に這わせていた舌を乳首の方に向かわせ、ペロペロと子犬が舐める様にし出した。
乳首が舐め上げられる度に、上条の体が微かに震える。
完全に出遅れた吹寄は、慌ててベッドに上がり込んだが、先行した3人を見詰めながら歯噛みする。
力ずくでも引き剥がしたいところだが、それも何だか大人気無く感じられたし、負けた様に感じる。
取り敢えず、ベッドの上で膝立ちに為り、フリーの左手を両手で掴むと手の平を自分の股間に宛がい、太腿
をギュッと締めて固定する。
そうして腕を固定して置いて、自らのメロンを超えた小さなスイカ程もある爆乳の間に、二の腕を挟み込む
と、腕へのパイズリを敢行し始めた。
「さあ、上条。私の胸の感触をタップリ味わいなさい。貴様も左手を動かして、私を感じさせるのよ!」
最後に残された姫神は、暫くの間ボーっとベッドの上を眺めていたが、ある結論に到達したのか、ポンッと
手を一つ叩くと、いそいそとベッドに上がり込んだ。
「前がダメなら。うしろ」
そうポツリと呟くと、上条の背中に回り込み膝立ちに為ると、ベタッと自分の体を背中に押し付けた。
そして、体を大きくくねらせグラインドしながら、胸や股間を背中に擦り付け始めた。
上条は、5人から与えられる刺激に、全身が沸騰しそうに為っていた。
何もしていなくとも熱くなっていた体に、この刺激である、とても耐えられる物では無い。
それに、少女達から立ち上る甘い体臭が、部屋に焚き込められた御香と混じり合い、上条の理性を蕩けさせ
て行き、男としての本能を目覚めさせて行く。
とうとう限界に来たのか、スローモーションの様に、上条の体が5人を巻き込みながら後に倒れて行く。
そして、これが性の饗宴の始まりの合図となった。
壁に設えられた複数のモニター画面で、事の一部始終を眺めていた男は、『パチン』とモニターのスイッチ
を消した。そう広くも無い部屋は、空調の音だけが微かに聞こえるだけになる。
男は携帯を取り出し、登録された番号へと電話を始めた。
コールホーンが、1回鳴り止む前に相手との回線が繋がる。
「見てたんだろう。これで満足か?」
土御門元春は、吐き捨てるように呟いた。
『巨乳御手(バストアッパー)』
シスターズが持つ電気的ネットワークに、木山春生が開発した『幻想御手(レベルアッパー)』。
2つの持つ特性を分析して作られた、全く新しい脳波リンクネットワーク。
今回が、『巨乳御手』の初めての実地テストであり、その被験者に選ばれたのが上条達だった。
『第一陣のデータ結果は既に収集が完了した。君は第二陣の準備に入ってくれ』
「第二陣だと……?お前は他にも『巨乳御手』を使うつもりか?」
『もう既に仕込みは済んでいる。後は、彼女達をここに連れてくれば済むだけだ』
「学園都市に居る『幻想殺し』に関わる被験者達は、今回の7人で全員だったはずだ」
『そうだ』
「それじゃ……いや、お前まさか、……イギリスにも?」
『イギリスだけではないがな。第一陣と同時期に手元に届く様に手配した』
「お前は正気か、アレイスター。魔術師が、超能力を使えばどうなるか……」
『君は何か勘違いしている様だな。『巨乳御手』は、超能力とは関係無い』
「何だと……?」
『私は『幻想御手』が持つ共感覚性に注目した。世間ではテレパシストにばかり注目するが、シンパシスト
と呼ばれる者達がいる。お前は彼らを知っているのか?』
「シンパシスト、……何だ?」
『言葉の通りだ。シンパシーとは同情、共感、共鳴等の意味合いがある。それらが強い者達を称して呼ぶ。
彼らは他者の強い感情に共鳴する。超能力開発に必要な五感とは別物だ、謂わば回路が違う』
「お前は第三の回路を創ったと言うのか……」
『人間が誰でも持っている他者を思いやる感情、情動に明確な筋道を付けただけだ』
「感情の共鳴、……ネットワークに取り込まれた人間は超能力では無く、感情を増幅されるのか」
『そうだ』
「それは……、一種の洗脳と同義だぞ」
『君はまた勘違いしている様だな。今回ここには来なかった被験者2名、彼女達を見れば分かるはずだ』
「……………………」
土御門は、来なかった被験者2名を思い出す。
『月詠小萌』、そして検体番号20001号『打ち止め(ラストオーダー)』の2名を。
こんな所で、名前が挙げられているなどとは露程も知らない2名は、其々の自宅で物思いに耽っていた。
月詠小萌は、大きな胸に手を当てて、イギリスの方角を向いて、煙草を上下に揺らしながら……。
打ち止めは、なかなか帰って来ないあの人を吃驚させようと、胸を強調するポーズの練習をしながら……。
(更に強く想っている相手がいれば、そちらに向かう寸法か。それじゃ、……あの娘は?)
「初春飾利はどうなる。彼女は『幻想殺し』との接点が、それ程でも無かったはずだ」
『真っ白な状態ならば何も影響は無い。『巨乳御手』はその時点で一番気になっている異性、その者に対す る感情を増幅しているに過ぎない。彼女が一番気になっていた異性が『幻想殺し』、唯それだけだ』
(好きの段階に至っていない相手でも、ネットワーク上に同じ相手が好きな女性がいれば、それに共鳴して
増幅される。その結果が、ああなる訳か……。………、それより、もっと重要な問題があるな……)
「もう一つ分からない事がある。『巨乳御手』が感情を増幅する物なら、何故、胸が巨乳化する?」
『それは開発中に判明した副産物だ。彼女達は情動を刺激され、女性ホルモンが過剰分泌されるのだ。
名も付けずに開発した物だからな。身体的特徴から分かり易く、『巨乳御手』と名付けた。不服か』
「当たり前だ!お前はとんでもない物を創ったんだぞ!」
『これを使用すれば想いを告げる手助けになるが。胸にコンプレックスを持つ女性も自信が出るだろう』
「ああ、恋する乙女の後押しになるのは認める。だが、オレはこれを使う事は認めんぞ!」
『何が不満だ』
「こんな物を使われたら、ロリぺタが絶滅するだろうが!」
『………、君は何を言っている』
「そんな事も分からないのか、アレイスター。全世界に散らばる同志達を代表して、オレが言わせて貰う。
ロリこそ至高の美!これにぺッタンコが加われば、まさに無敵の存在へと昇華するのだ!
お前の行いは、ロリぺタを愛する我々への死刑宣告に等しい。オレは、断固として使用を阻止するぞ」
『土御門、前から思っていたのだが君は病気だ。治したいなら良い医者を紹介するが』
「オレはこの病気を、墓場まで持って行く覚悟だ」
『………、良いだろう。この手順が済めば封印してもかまわない。元々世間にばら撒く気も無いしな』
この時、この瞬間、土御門は、ロリぺタを愛する全世界の同志達のメシア足りえたのだが、この事が世界に
伝えられる日が来る事は永久に無かった。
「……しかし、解せんな。お前は何故、吹寄制理を被験者に選んだ?彼女は元々巨乳だったはずだ」
『巨乳化するにしても形の良い胸の方が良いはずだ。貧乳ばかりでは具体的にイメージ出来ないからな』
「貧乳を馬鹿にするな!」
『………、歪みの補正の為には、胸が少し足りない者以外に、実際に巨乳を持つ者がネットワーク上に必要
不可欠だ』
「なるほど……、それで彼女が選ばれた訳か。しかし、お前が『巨乳御手』を創った目的は何だ?
恋する乙女の後押し、などと言う平和的な理由のはずが無い」
『なに、『幻想殺し』の成長の為だ。これによってプランが短縮される。理由はそれだけだが?』
(プランの短縮、か。またカミやんを使って、何か企んでいるってのか……)
『不特定多数を守るだけでは不安定だ。やはり特定の相手が必要だろう』
「すでに特定とは言えん状況だと思うんだがな……」
土御門は、モニターに映っていた上条の様子を思い浮かべながら、想像してしまった。
(……カミやん、その歳で腎虚なんて笑えんぜよ……)
『大切なのは自己認識する事だ。曖昧な理由で不特定を守るのでは無く、特別な存在として守る事が重要な
のだ。あの手のタイプはそれで飛躍的に成長する』
「それなら尚更、一人に絞った方が良いだろう?」
『君は分かっていないな。『幻想殺し』が一人で治まる訳が無いだろう。無自覚から自覚する事が重要だと
言ったばかりだ。自覚する相手が居れば良いだけだ。それも居ればいる程、成長が促される』
「……数が多ければ良いなら、シスターズを使えば済む事だ」
『シスターズは数が多すぎる。それに別な用途に支障を来たすしな』
「電気的ネットワークで繋がった『打ち止め』を、被験者にしたのは何故だ?」
『あれは特別な固体だ。『巨乳御手』を使用しても、シスターズに影響ない事は予測出来ていた』
「なるほど、それで第二陣のご登場か……」
土御門は、イギリス清教『必要悪の教会』の精鋭達を思い浮かべながら、想像してしまった。
(……カミやん、絞り取られ干からびてミイラになっても、即身仏として祭ってやるにゃー……)
「ん?ちょっと待て。お前はさっきイギリスだけじゃないと言ったな?」
『君には関係ない事だ』
(カミやんの成長だけが、目的の全てじゃ無いって事か。……何を考えている、アレイスター)
土御門は、アレイスターの考えを推測しようと、思考の海に沈み込んだ。
アレイスターの目的は全てAIM拡散力場、虚数学区・五行機関に繋がる筈だ。今回も例外では無い。
『巨乳御手』には、どんな意味が隠されているのか?
これは感情を共鳴・増幅するものだ。男に効かないのは、女とは脳の造りが違うかららしい。
それでは風斬氷華に対しては?……影響を与える確率が高い。
それでは今の状況に彼女が加わるのか?……実体化出来るのだから可能だろう。
今の状況が進めばどうなるか?……近い内に、カミやん二世の誕生かにゃー。それも大勢だぜい。
風斬氷華は?
(待てよ。……彼女は謂わば異界の者だ。そんな事が可能なのか?)
異界の者と交わり子を成す事はある。想像妊娠による神の子などがそうだ。
聖人とは、謂わばその余波を受けた亜種みたいなものだろう。
このケースは、人間の女性が異界の者の子を産むが、その逆のケースはあるのか?
そんな者に実際お目に掛かった事はないが、世界中に散らばり残る伝承は、枚挙に暇が無い。
伝承には歪曲した物が多いが、全て偽者だとは限らない。
(界が違う者同士による異種交配。それも今まで存在しえなかった界、AIM拡散力場の集合体である彼女
との、………)
「アレイスター……、お前はまさか、全く新しい人類を創り出すつもりか!?」
『さてね。馬鹿馬鹿しい妄想を膨らませるな』
アレイスターはそう告げると、回線を切断した。
巨大なガラスの円筒の中で逆さに浮かぶ男は、うっすらと笑いながら一人呟いた。
『ふ。馬鹿馬鹿しい妄想か。彼女の方は手順通り、順調に動き出した様だな。
さて、もう一つの鍵である彼女は、一体どんな幻想を見せてくれるのか』
その頃、学園都市行きのチャーター機は、日本列島の上空を飛んでいた。
ロシア成教『殲滅白書』のメンバー、サーシャ=クロイツェフは、窓寄りの座席に座って、右手に握り締めた金槌をシゲシゲと眺めていた。心なしか、その顔の表情はどこか嬉しそうに見えた。
「第四の解答ですが、素晴らしい威力でした」
そう呟くと、左手の指先で愛しそうに金槌の打撃面を撫でる。
「補足説明しますと、あのワシリーサのクソ野郎が一撃で泡を吹くとは思いもしませんでした。
あの日、これが匠の鍛えた業物なのだと確信しました」
サーシャは、あの日の事を思い出していた。
「第一の質問ですが、私個人宛に学園都市から荷物が届く理由が見当たりません。これは罠でしょうか?」
その日、サーシャは学園都市からの荷物だと言う、細長い段ボール箱を受け取っていた。
首を傾げながら、宛名を見ると確かに自分の名前が記されている。
サーシャは机に置いた段ボール箱を、魔術探査(スキャン)して調べてみたが感知出来る様な危険は見当たら
なかった。
「第一の解答ですが、開けてみない事には分かりません。補足説明しますと、科学サイドの罠が仕掛けられ
ている可能性がありますが、私には探知出来る手段が無いからです」
サーシャはそう言いながらも、何処か楽しそうに開封し始めた。
「更に補足説明しますと、ニコライ=トルストイ司教様以外から、私個人宛に荷物が届くなんて滅多に無い
事です。一体何かな?と、内心楽しみで仕方が無いと感じている訳ではありません」
中から出て来たのは、上条達と似た様な物で、違うのは謝礼の品が40cm程の長方形の紙箱だった事だ。
サーシャは手紙を読み終えると、少し呆れた。
「第二の質問ですが、曲をモニターする事は分かりましたが、意味があるのかと考えます。
補足説明しますと、日本とロシアの距離を考えると、とても正気の沙汰とは思えません。
続けて第三の質問ですが、謝礼の品とは何でしょう?」
色々と疑問もあるが、取り敢えず説明書を見ながら曲の試聴をする事にする。
「第二の解答ですが、なかなか良い曲ですね。けれども、私に聞かせてどうするのでしょう?
補足説明しますと、曲の感想を言う為だけに、日本に行くのはありえない事です」
そう呟きながら、謝礼の品が入った紙箱を手に取る。
紙箱の割りにズッシリとした重量感を感じる。それもその筈で、紙箱を開けると木箱が入っていた。
材質は分からないが、無垢の木肌が高級感を漂わせている。
サーシャは少し戸惑いながら、木箱の蓋を開いて中身を確認してみた。
中身も木箱に劣らず高級感を漂わせ、深い色合いのビロード生地が敷き詰められている。
それに固定される様に、一本の金槌が納められていた。
サーシャは、金槌を手に取ってみる。
その握りはまるでサーシャの手の大きさに合わせたかの様にしっくりと馴染む。
次いで、数度揺らして全体のバランスを図ってみた。
今まで体験した事が無い程の絶妙なバランスと重量感に、サーシャの目が大きく見開かれた。
「第三の解答ですが、一体何と表現して良いのか分かりません。
補足説明しますと、まるで無くしていた体の一部が戻って来た、その様に感じます」
「第四の質問ですが、これを魔術強化すればどれだけの威力があるのでしょう?
補足説明しますと、居ても立っても居られません。早速、開始します」
そう宣言すると、サーシャは思い付く限りの魔術強化を金槌に施し始めた。
サーシャが金槌に施術を始めてかなりの時間が経った頃、サーシャの直接の上司であるワシリーサが、
部屋にコッソリと忍び込んで来た。サーシャに気付かれない様に、細心の注意を払いながら、………。
「(あらあら?サーシャちゃん。真剣なお顔なんかして、なーにしてんのかしらぁ?んんっー、そんな凛々
しいお顔もとってもキュートっ!これはまさに絶好のチャーンス到来、ってやつかしらぁー)」
ワシリーサは、サーシャに気取られない様に背後に近付いた。
そして、サーシャが大きくフーっと溜め息を付き、全身から力を抜いた瞬間、セクハラ攻撃を開始した。
「サーシャちゃぁん♪」
そう声を掛けると同時に、背後から腕を回して抱き締めると耳に息を吹き掛けながら囁いた。
「そーんなに疲れたんならーマッサージしてあ・げ・る・わー。もー体のスミズミまで余すところなんか、
これっぽっちもないくらいブッギャアアア―――ッ!!!?」
ワシリーサは、自分の腕の中から抜け出したサーシャが、振り向き様に工具を振るうのを眺めていた。
サーシャの力では、自分の魔術障壁を破る事など出来ない。ダメージを喰らう事など絶対に無いのだ。
この後どんなセクハラをしようかと色々考えていた時、側頭部に凄まじい衝撃を感じ意識が途切れた。
サーシャは、突然セクハラ攻撃を仕掛けたワシリーサに、手元にあった強化したばかりの金槌を振るった。
そして、ワシリーサが振り抜いた方向へピンポン玉の様に弾け飛ぶのを見て唖然としていた。
宙を舞ったワシリーサは、壁に激突し、そのままズルズルと床に倒れ込む。
その音を聞いて、サーシャは慌ててワシリーサの元へと駆け寄る。
ワシリーサは床に仰向けに倒れ込み、口から泡を吹いて全身をピクピクと痙攣させていた。
床に屈み込んでワシリーサの状態を調べたサーシャは、単に気絶しているだけだと結論付けた。
スックと立ち上がると、右手に握った金槌とワシリーサを交互に見比べ、大きく一つ頷く。
そして、机に引き返しロープを探し始める。
その途中、金槌が入っていた木箱の蓋の裏に、折り畳まれた紙片が貼り付けられているのが目に入る。
紙片を剥がし取り、広げて内容を確認してみる。
そこには、次の事が書かれていた。
『尚、今回、会場に参加して下さる貴女には、釘抜き、ノコギリを始とした、工具一式を進呈致します。
日本が生んだ伝統工芸、関の刀匠達が魂を込めて制作した至高の工具達。
市販の量産品のナマクラでは、決して味わう事が出来ないその素晴らしさを、
是非、この機会に手にして味わってみて下さい。かしこ』
読み終えたサーシャは、紙片を元の状態に戻すと再びロープを探しだした。
ようやくロープを見付けると、ワシリーサの元へ行き、その体を俯けに転がす。
両手両足を背中の上に一纏めに縛り上げると、何処に吊るそうかと天井を見上げながら、ポツリと呟く。
「第二の解答ですが、私は必ず日本に行き、工具一式を手に入れてみせます」
サーシャは、あの日の回想を終えると窓の外を眺めた。
目的地が近付いて来たのか、飛行機は高度を下げ雲海の中に入って雲しか見えない。
瞼を閉じ、工具一式の事を思い浮かべる。
もうすぐだ、この熱い鼓動を受け止め、静めてくれる場所に辿り着くのは。
どの様な素晴らしい出会いが待っているのだろう。
雲を突き抜けたのか、閉じた瞼に眩しい光を感じた。
そっと瞼を開き、遠くに見える景色を瞳に刻む。
学園都市。
サーシャは、拘束服を押し上げる大きな胸に手を当てた。
Fine.
べチャ
以上で終わりです。読んで下さった方、大変お疲れ様でした。
う〜ん、今回は連投規制に引っ掛かってしまった。
上条さんが、バージンブレイカーになったかなんて、そんなの分かりません><
> 「オレはこの病気を、墓場まで持って行く覚悟だ」
格好良過ぎて吹いたwww
GJ!
土御門wwwwいやはやGJ
自分のは投げっぱなしだから頑張らねば
そして保管庫の人乙でした
>>609 とりあえずGJ!
土御門の生き様に全俺が泣いたwww
>>609 いい、いい、凄く良かったです。
巨乳御手の使い方が実に素晴らしい。
何故上条の所に女性が集まってしまうのか? そこの所の理由付け、実に説得力ありました。
あと。
土御門……裏方乙。
>>609 GJ!
ああ、素晴らしきかな土御門、我が同士よwww
保管庫の人・・・ア、アンタ・・・その、なんちゅーか・・・・・・・・・再更新、乙。
保管庫の人の仕事の早さに吹いたwww
保管庫
すごいなw
娘編の続き読みたい
きっと今までため込んでいた分がんばったんだな保管庫さん乙
ああ、あの時急かしてごめんなさい。
保管庫さん、大変乙です。
保管庫乙!
ところでせっかく設定画も公開されたことだし
レッサー×上条さんで誰か書いてくれないかな
「この間は助けてくれてありがとございました。……それで、お礼に、その……」
「ちょっ!? 何故にいきなり服を脱(ry
口調もキャラもまるで掴めねえよレッサーたん
他に17巻からエロパロ的展開と言えば、
「ふにゃー」な美琴に電撃を喰らって気絶し、介抱と称してホテルに連れ込まれるとか
真っ黒に絶望した■■を保健室に運び入れるとか
ナイスバディなフライトアテンダントさんと密室でにゃんにゃんだとか
十年程前に立てたフラグを回収しに来たアッークアさんと第三王女だとか
騎士派の方々に剥かれてヤラレちゃうインデックスだとか
あれ? 意外に豊富?
>>621 第一王女、第二王女と上条さん。
ローラ、エリザードと上条さん。
オリアナと上条さん。
17巻はいろいろいるよなあ。
>>622 あと助けに来た上条とのにゃんにゃんを夢想する神裂とか?
あとは酔っ払った五和が上条さんを押し倒したりとか
イギリス在住の妹達はいるんだろうか?
ふにゃーのお姉様、何もないことを祈りましょう。
「ビリビリ」
アイツの声が耳に響く。
「ナニ怒ってんだよ? 上条サンはお前を怒らせるようなことしましたか?」
しないから怒ってるんじゃない!
私がこんなにドキドキしてるっていうのに。
アイツの顔を見るだけで顔が赤くなっちゃうってのに。
全然わかってない。
ニブチン。バカ。トウヘンボク。
胸の中が熱くズキズキと痛む。
こんなに・・・私は、こんなにコイツのことが・・・なのに!
泣きたくなる。
「あーもー、しょうがねえなあ」
コイツはそう言って私の頭をぐりぐりと撫で始める。
「俺お前に泣かれるほど酷いことした覚えはないんだけどなあ。頼むから泣き止んでくれませんかね?」
もうだめ。
コイツの右手が。
私の頭皮に触れる。髪の毛をくしゃくしゃにするようにして撫でてくる。
すごい。
まるで魔法の手みたい。
触れ合った肌から伝わってくるのは、痒いくらいに痛い甘い切ない感情。
なんでだろう。
ただ触れられてるだけなのに。
涙が止まらない。
嬉しくて。
切なくて。
もっともっと近づきたくて。
私は気がつくと、コイツの胸に顔を押し当てながら両手で背中に手を回し。
ようするにコイツの胸の中でスンスンと泣いていた。
「なんだよ? どうしたんだよいったい?」
困惑しながらも、私の背中や後頭部をそっと撫でてくれる。
その優しさに。
その暖かさに。
私の身体は反応してしまっていた。
触れた感触。シャツ越しの胸の厚さ。暖かさ。
その熱はズキズキと私の芯を焼き焦がしていく。
最近覚えたはしたない一人遊びのときみたいに、ジュクジュクとわたしのそこが熱く湿って溶け出していく。
コイツに強く抱きつけば抱きつくほど、その熱は高まっていく。広がっていく。
だから私は気がつくと、両腕で強く固く、コイツに抱きついていた。
「なあビリビリ」
そう言うコイツは、私の顔を持ち上げて問いかけてくる。優しい目。まっすぐな瞳。
そんな色が、私の視界いっぱいに広がっていく。
汗のにおい。オトコノコの匂い。嗅ぐだけで肺の中が甘く焼けてしまいそうな匂い。
それはますます強くなり、私の唇がコイツのそれをふさいだ瞬間、スパークのように私の全身を貫いた。
いきなりキスされ、そしてソレと同時にぴくっ、ぴくっ、と身体を痙攣させる女子中学生の態度にびっくりしながら、
あ、なんか今のコイツの顔ってなんかエロいな、としか思えない超ド級トウヘンボクの上条当麻少年は
その淡くていい匂いのする可憐な御坂美琴の唇から視線を離せないでいた。
その晩、この二人が一線を越えてしまい、そして翌朝真っ赤になった美琴があわわわと実のないいいわけをしたりするのは、また、別のお話。
朝っぱらから壮絶に身悶えそうになってしまったw
>>622 エリザード…熟女の極みですねわかります
キャーリサと上条さんなら上条は受けだな
オリアナと上条さんは車に乗る前は絶対ホテルの待ち合わせだったと思うんだ。だからあんなに息が合って(ry
大減点食らった上条さんの運命やいかに!!
>>626 GJ!
これをネタとしてだけではなく早急に完成させるんだ!
お願いします
職業柄あちこち跳び回っててあまり会えないウィリアムをつなぎ止めるために何を血迷ってか性的な手段に打って出て、
それでも引き止めきれず仕方なく一人で慰める第三王女という感じの話が少し頭に出来上がってきている
>>631 期待しております。
そして私はまたまた空気読まずに投下します。
しかもクオさんが既に投下したネタでもある『巨乳御手』ネタで被りました。
クオさんごめんなさい。
今回は美琴×黒子。カミジョーさんはキーパーソンで出ますが殆ど絡みません。
微エロ、爆乳ネタ、母乳ネタ、レズネタです。
合わない人は申し訳ありませんがスルーして下さい。
それでは『大きい方がやっぱりイイの?』投下します。
『大きい方がやっぱりイイの?』
自分の机に向かって明日の予習の為にノートを開いていた御坂美琴は、先程から隣の机で頬杖を付いて物憂げにため息をつく同室の後輩、白井黒子の様子が気になって仕方なかった。
白井は部屋に帰って来てからと言うもの、敬愛して止まない美琴への挨拶とお互いの愛の確認――美琴からすればはた迷惑な舌戦およびスキンシップなのだが――もそこそこに机に向かうと、ずっとこんな調子でため息を付いている。
いい加減進展しないこの状況にじれた美琴は、ノートを閉じると机に寝そべるようにして白井の方に顔を向ける。
「どうしたのよ黒子? 帰って来てからっていうもの、すっとため息ばっかりついて」
「え? はぁ……、その……、お見苦しい所をお見せしましたのですわ。どうかお気になさらないで下さいまし」
愛する美琴の言葉にも白井の反応は鈍い。
何時なら、この十倍、いや二十倍は言葉が返ってくる。
「アンタねぇ、そんなあからさまに『私悩んでます』って感じなのに気にするなって方が無理っしょ? ほら、判ったらちゃっちゃと白状する」
美琴の一言に今まで沈んでいた白井の瞳が俄かに輝きを取り――戻すのを通り越して背後から後光を放ちそうな勢いだ。
そんな白井の姿に、美琴は頬を引き攣らせるが白井は意に返す様子も無く、椅子からすっと立ち上がるとくるくると周りながら美琴に近づいてくる。
そして椅子の上で体をそらせて逃げる美琴の手を両手でぎゅっと握り締めた。
「お姉様……、ああ、お姉様ぁ! そこまで、そこまでこの黒子のことを考えて頂いていたとは……、ああ、黒子、お姉様の為なら例え火の中水の中、愛の炎は何処までも――」
「あー……はいはい、それはいいから黒子、本題……、本題に入って」
美琴は元のペースを取り戻した白井にうんざりしたような視線を送る。
「はい、ですわお姉様」
白井は夢見る少女から瞬時に元の状態に戻ると笑顔で返事をした。
そして自分の机の横に立て掛けてあった鞄を手に取ると机の上に置いて蓋を開け、そこからカプセルが入った小瓶を取り出して美琴の目の前に差し出した。
「これ、何だとお思いになります?」
「……んー、薬よねー……はっ!? まさかアンタまた変な薬……」
「あ……、まだ覚えてらしたんですのそんな事」
白井は過去の過ちを指摘されて、頬を引き攣らせながら笑みを浮かべた。
「ま、それなら少なからず素性も判るのですが……、お知りになりたいですか?」
「え、何? 今更もったいぶっちゃって……、そんなヤバイシロモノなの?」
美琴は白井の掌の上の小瓶を指差しながら怪訝そうな顔を浮かべた。
白井は、ひとつわざとらしく咳払いをすると、小瓶を自分の机の上に置いた。
それから美琴の方に向き直ると、何時になく真剣な表情を作る。
「『巨乳御手(バストアッパー)』と言うモノはご存知ですか?」
「バスト、アッパー?」
豊胸薬の一種だろうか? と美琴はその言葉の響きからそんなイメージを頭に浮かべる。
「その昔、能力を薬によって別の人間で再現すると言う実験があったそうなんですの」
「能力を……別の人間で……」
そんな実験があってもおかしくないだろう、と美琴は漠然とその話を信用した。
この学園都市では能力に関する色々な研究が行われているのだ。
『量産能力者(レディオノイズ)計画』の被験者であった彼女には信じるに値する話であった。
「透視能力(クレアボイアンス) 、念動力(テレキネシス) 、発火能力(パイロキネシス) ……、当時発見されたあらゆる能力を再現させる事を目的としていたらしいのですが……」
「ですが?」
「結果はご覧の通りですの。未だに学園都市ではわたくし達のように能力開発は行われております。つまり――」
「失敗した?」
美琴は大きく息を吐き出すと、知らずに入ってしまっていた肩の力を抜いて椅子の背もたれに寄りかかった。
「と、見た方が正解ですわよね。でも、この話にはまだ続きがあるんですの」
白井の一言に美琴の体が椅子の背もたれから跳ね上がった。
「実は『実験は失敗ではなかった』、と言うんですの」
「まさか!?」
「お姉様もそう思いますわよね――ああ、やっぱりわたくしたちは心も体も一つに繋がっておりますのですねあだだだだ―――――っ!?」
「そういう不穏当な発言は例え外じゃなくても、つ、つ、し、ん、で、ちょう、だい、ねぇ!」
美琴は白井にがっちりとアイアンクローを極めると、ぐりぐりと頭を押し込んだ。
暫くそうして教育的指導を行った美琴は、域も絶え絶えの白井を解放して椅子に座りなおすと話の先を促す。
「がはっ、ぜぇ、ぜぇ。え、えと、何の話でしたかしら? あ、嘘嘘、覚えてます、覚えていますからそれ以上お怒りになりますと、流石のわたくしも体が持ちませんから、あは、あははははははは……」
白井は、美琴の前髪に光り輝く電撃が音を立てて集まるのを見て、誤魔化し笑いを浮かべる。
「一例だけ成功したらしいんですの――その能力は肉体変化(メタモルフォーゼ) 」
「肉体変化(メタモルフォーゼ)? 自分の顔や体を他の人のものに組み替えられるってアレ?」
美琴の言葉に白井は「そうですの」と頷いて見せた。
「そして、その実験の成果を元に作られたのがこれ。女性に理想のバストを与える魔法の薬、それが『巨乳御手(バストアッパー)』ですの!」
「それが……、その小瓶の中身が『巨乳御手(バストアッパー)』だって言うの?」
美琴は机の上にある小瓶を見つめてゴクリと生唾を飲み込んだ。
「と言う都市伝説ですが聞いたことはございませんか?」
「と、都市伝説ってアンタぁ……」
白井の一言に気が抜けたのか、美琴はがっくりと肩を落とした。
「ま、真偽の程はその程度の代物ではありますが、ともかく、昨日わたくし風紀委員(ジャッジメント)の活動中に偶然これを手に入れましたんですの」
「ア、アンタ、それってもしかして業務上横領」
「ま、そこを突かれますとわたくしとしても言い訳のしようがございませんが……」
美琴に呆れ顔でそう指摘されて、白井はばつが悪そうに頬を掻いた。
「で、どうするのよそれ? の、飲むの?」
「わ、わたくしが! ですか……?」
「他に誰がいんのよ」
「それは……まあ……一応毒劇物の類が混入されていない事は確認しましたけど……」
妙に歯切れの悪い白井の反応に、美琴は何かピンと来るものがあったようで、にやりと意地悪そうな笑みを浮かべた。
そんな美琴の変化に白井は敏感に反応して珍しく美琴から距離を取る。
「お、お姉様!? いい、一体どうされましたんですの?」
「ねえ黒子」
「な、何でございますか……?」
「それ――一緒に飲んでみない?」
「いっ!?」
美琴の突然の申し出に、白井はビクンと体を震わせた後、まるで油の切れた機械のようにぎこちなく小瓶の方を振り返る。
そこから物凄いスピードで美琴の方を振り返ると、
「しょ、正気ですかお姉様!? わたくしのお話を聞いてらっしゃったんでしょう? でしたらそんな……」
「何、黒子。アンタ、もしかして……怖いの?」
「ひへ!? んな、わた、わたくしを誰とお思いですかお姉様! 泣く子も黙る風紀委員(ジャッジメント)の白井黒子ですわよ。そ、そんな怖い……、怖いだなんて、おほ、おほほほほほほほほほほ」
誰が見ても今の白井はただの強がりを言っているようにしか見えなかった。
普段からおちゃらけているか、軽口を叩きながら本心を中々見せない――一部はた迷惑な本心は見せているがこれはあえて無視して――白井が珍しく自分の目の前で弱い部分をさらけ出している。
このルームメイトを内心憎からず思っている美琴にとっては、これ以上のチャンスは無かった。
ちょっとばかりお灸をすえて、先輩の威厳をここで示してやるつもりだった――それがどんな結末を招くとも知らずに。
美琴はゆっくりと余裕を持って椅子から立ち上がった。
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
「で、それが結果って訳か?」
ツンツン頭の男子高校生、上条当麻は呆れたような顔をした。
そして一瞬だけ美琴と白井に視線を送ったが、とある部分で視線が止まると顔を真っ赤にして物凄い勢いで回れ右した。
「うう……」
上条の一言に返す言葉も無い美琴は悔しさのせいか、はたまた恥ずかしさからか、こちらも顔を真っ赤にして涙目である。
その隣には言葉も発さず目を閉じて佇むと言う普段は中々見られない白井がいた。
そのかわいらしい顔が若干ゆがんで見えるのは、上条の不用意な一言にイラッときたのだろう。
ただ、愛しいお姉様の前でも有り、尚且つ体調が万全でないのでぐっと堪えているのだ。
そんな美琴と白井の姿は、いつもの常盤台の制服の上からこの時期にしては珍しくストールをかけていた。
だが、確か名門常盤台中学では外出時の服装は『制服』と決められていた筈では?
しかもストールは不自然に内側から大きく盛り上がっていて、胸の前で組まれた両腕とを見るに、ストールの中に何か大きなものを隠して抱えているように見える。
上条はもう一度だけチラッと2人の姿を見る。
「しっかしなぁ……、そこまでして大きな胸が欲しいかねぇー。カミジョーさんは健全な男子高校生ですから、女子のそう言ったデリケートな所は良く理解出来ねーけど、
んな無茶ばっかりしてると終いに親が泣くぞ」
「うぐぐ」
上条の辛らつな言葉にぐうの音も出ない美琴。
しかし、そんな美琴のピンチに黙っていられないのが自称お姉様の露払いこと、白井黒子。
閉じていた目をカッと開くと、背中を向けている上条の膝裏に蹴りを一閃、上条は膝を折ってその場に尻餅を付いた。
「いっっ……。何しやがんだこの白井!?」
「黙って聞いていれば、お姉様の涙ぐましい努力を踏みにじるなんて、この類人猿めぇぇぇぇぇええええええええええ!!」
「え? お、おいちょっと待て、いっ!? ふわああああああああああ!!」
白井の剣幕に慌てて振り返った上条の目に飛び込んできたのは、跳ね上がったストールの下から現れたサラシ。
そこに見出せるのはあからさまに女性の乳房のそれなのだが大きさが尋常ではなかった。
明らかに大の大人の頭より2回りは大きい肉感を伴った2つの膨らみは、華奢で小柄な部類に入る白井の胸にあるにはあまりにも不自然で、
それでも白井が身じろぎするたびに波立つようにゆれる様は、一種背徳的な興奮を上条に与えた。
それだけでも純情な少年には刺激が強すぎるのに、更に追い討ちをかけるように白井がスカートに手を伸ばした為にスカートの中が丸見えになっていた。
白く細い太ももに巻かれた皮ベルトと、少女の大事な部分を隠すレースたっぷりのショーツ。
しかもそのショーツは部分的に透けていて、地肌がはっきりと見えたりするシロノモ。
上条は瞬時にそれだけの情報を頭の中で整理すると、顔を真っ赤にして両手で覆い隠した。
「もう許しませんわ!! ここで鉄矢の錆にしてくれ……、あ、あれ、胸が邪魔で手が届きませんわ」
「と言うより黒子……、アンタ今能力使えないじゃない」
スカートまで手は届くものの、胸が邪魔でそれ以上手が届かない白井は、スカートをまくったままもじもじと体をくねらせる。
そんな姿を見ながら美琴は呆れたような声でもうひとつの事実――能力が使えないことを指摘した。
実は『巨乳御手(バストアッパー)』を服用してからと言うもの、白井は能力を使えなくなっていた。
もし能力が使えていたなら、こんな場所で上条に出会うことも無かっただろう。
そして能力が使えないのは白井だけではなかった。
「それを言うならお姉様だって……、あ、ちょ、ちょっと擦れて……ぁ……」
非難の声を上げていた白井の声が尻つぼみになると共に、彼女は顔を真っ赤にしてモジモジと体を動かし始めた。
左手はそっと乳房に指を食い込ませ、スカートに伸びていた右手がススッと太もものベルトより上をまさぐる。
「こ、こら黒子っ!? しっかりしなさい!! こ、こんな往来で何始めようとしてんのよっ! 止めなさいっ!!」
「い、いやワザとじゃなくて……、だってこれ……、せ、切なくて止まらないんですの」
「な、何頬赤らめながらモジモジしてんのよっ!! だーかーらー、止めろって言ってんでしょうが、この万年発じょ――」
目の前で繰り広げられようとする痴態に耐えられなくなった美琴が、白井を止めようとして上条と白井の間に割って入ろうとした。
ところが、普段は無い胸の重さにバランスを崩したのか、美琴の体が斜めに傾いだかと思うと、そのまま地面に座り込んだ上条にダイブする形になった。
「きゃ!?」
「のぅわ!?」
美琴の悲鳴に咄嗟に差し出した上条の右手があろう事か美琴の胸に触れた。
サラシ越しの肉の中に容易に指が沈み込む。
(何だこれ!? 柔らかいってモンじゃねぇぞここりゃ!?)
上条はその何ともいえない感触に心を奪われる。
しかし、その感情も美琴の口から発せられた「熱っ!!」の一言ですぐにかき消されてしまった。
「オ、オイ、大丈夫か……?」
「ひ……、イヤ……、出る、出ちゃう……」
「え?」
「ふぅ――――――――――――――――――――――――――――――っ!!」
美琴の言葉の意味が判らず聞き返そうとした上条の掌に、じわりと何か湿った感触がしたのはその時だった。
上条はおそるおそる美琴の乳房から手を離した。
すると、美琴のサラシには大きなシミが広がっていて、そこからポタポタと何か白いものが垂れて来る。
上条は自分の右手に付着したそれを指先で揉んでから、おそるおそる自分の鼻先に近づけた。
(甘っ!? こ、これってまさか!?)
「だ、大丈夫か御坂?」
「ぁぅぅ……」
上条は慌てて美琴に声を掛けるが、半眼になった瞳には弱々しく、それで上気した顔にうっすらと浮かんだ笑みは何だかとっても幸せそうに見えた。
(さっきの感触をもっと楽しみたい。御坂の事をもっと……ぉ、いや駄目だ駄目だ駄目だぁ!!)
上条は心に邪な思いがゆらりと浮かび上がってくるのを必死で我慢する。
「そ、そんなっ!? お姉様の苦しみを沈めようと親指よりも大きくなった胸の頂きを口いっぱいに含んで、その愛らしい桜色が情熱的な朱に染まるまで吸ってもひとしずくも出なかった母乳が……?
こ、これがわたくしには越えられない壁、真の愛の力と言うものなのかぁぁぁぁぁああああああああああ!!」
「お前らそんな事してたの?」
「ひっ、ひゃ、黒、ひょ、ばらひゃ、らめ……」
美琴は全身を真っ赤にして白井を黙らせようと体を起こそうとする。
しかし羞恥心から振起した気力もそれがすぐに途切れて、切れ切れの言葉はか細くなって最後には聞こえなくなってしまう。
最後には上条の膝の上にばったりと倒れて、荒い息継ぎを繰り返すだけになったしまった。
「あ、いや……、お姉様……、そんな恥じらいに満ちたお顔もなんて可愛らしい……、うふ、うふふふふふふふふふふ」
「お、おい、白井さん? ちょ、ちょっとまっ――」
白井が壮絶な笑みを作ってにじり寄ってくるのを、上条は美琴を抱き寄せながら後ずさる。
「待てるわけがないでしょう? たとえ玉砕覚悟といえど、乙女には……、乙女には戦わねばいけない時がありますのよ、と、の、が、た、さん?」
次の瞬間、あろう事か白井は上条に向かってダイブした! と見えたのは上条だけで、実際にはつま先が数センチ地面から離れた程度で、地べたに座る上条にのしかかるようになった。
それでも恐怖に駆られた上条は、白井を静止させようと咄嗟に右手を突き出した。
そして、
「「あ」」
2人の目はその一点、白井の大きな乳房に釘付けになる。
そこには指を半ばまで食い込ませた上条の右手が……。
その事実に凍りつく2人――だがそんな状況もすぐに一変する。
「きゅ――――――――――――――――――――――――――――――ぅ!?」
「し、白井っ!?」
悲鳴と共に胸を押さえた白井が身を捩りながら上条の胸の中に倒れこんできた。
そのまま小刻みに痙攣する白井に上条は必死になって声を掛ける。
「……ひぬ、きもひよひゅぎてひぬ……」
しかし、白井の方も既に焦点の合わない視線を漂わせて、うわごとのように何かを呟くだけで返事は返ってこない。
それに白井の乳房からも母乳らしきものがあふれ出してきて、瞬く間に上条の服にべったりとシミを作ってゆく。
美琴に続いて白井までも……。
(こ、この状況を誰かに目撃されたら俺に未来は無い!! とは言え2人がこうなったのも俺が呼び止めたりしたから。うう、うぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬんうううううう!!)
「ぬうぇ―――――い!! カミジョーさんの隠された力を今こそ得と見よォぉぉおおおおおおおおおお!!」
上条は意味不明の叫び声と共に――あろう事か美琴と白井の2人を抱えてすっくと立ち上がった。
「御坂、白井、少しだけだから我慢しろよ」
上条は額に青筋を浮かべた真っ赤な顔で、茫然自失となってしまった2人に優しく声を掛けた。
それから、前方を力強く睨みつけると、一歩足を踏み出した。そして、少し腰を落として前傾姿勢を取ると、
「んもぉぉぉぉぉおおおおおおおおお! 不幸だぁ――――――――――――――――――――!!」
雄叫びを上げながら2人を抱えたまま路地裏から飛び出していった。
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
「先生、2人は大丈夫なんですか?」
とある病院の診察室で、上条は神妙な面持ちで、目の前に座る見慣れたカエル顔の医者に話かけた。
「うーん、随分興味深いね?」
「興味深いって……、先生、2人は一体どうなるんですか!?」
「愚問だね。私を誰だと思ってるんだい? 治すさ、完璧にね」
そう言うと、彼はふいと視線を上条から外して、机の上のディスプレイに向けた。
「ただ今日は泊まって行って貰うけどね。何、学校の方にはそれとなく言っておいたからね?」
「そうですか。ありがとうございます」
その一言に安心したのか、上条は診察室に入って初めて笑顔を見せた。
「彼女たちは病室に移って貰ったよ。会って行くかね?」
そんな上条の様子に、カエル顔の医者の顔も心なしかほころぶ。
「ところで、プライベートな事で申し訳ないんだけどね。いつも君の事を心配している白い修道服の女の子、彼女の事は大丈夫なのかね?」
「え、大丈夫って?」
「もう大分遅くなったけどお腹をすかせてるんじゃないかと思ってね?」
「あ……、ははは、いやぁー、それは一応手を打って置いたんで大丈夫だと思います」
そう言いながら上条は遠い所を見つめるようにしながら頭を掻いた。
実は病院に着いてすぐにインデックスと小萌先生のところに電話して段取りは済ませておいた。
その時、何故か双方から『何処の女の子を助けたの!?』と言ういわれの無い……事も無い非難を受けた事が思い出される。
(何か俺、とっことん信用が無いんですけど、って言うかこの状況を考えると……やっぱ俺って不幸だぁ―――――っ!)
「本当に大丈夫かね?」
「あはは、大丈夫、もうぜっぜん大丈夫っす! もうオールオッケー、全面クリアー、ラスボス攻略? ってヤツですよ!」
「ふむ、一応『問題ナシ』と」
カエル顔の医者は、キーボードを叩いて電子カルテに何か打ち込んでゆくが、空元気を撒き散らす上条は気が付かない。
「じゃ、彼女たちが目覚めるまでちょっとかかるから、それまでに腹ごしらえ、してもらうからね?」
「へ?」
「あ、いや、なに、新作の病院メニューが出来たんでね? 最近は食べ盛りの子が良く入院してくるからね。僕も少しはそういった方面のニーズも汲んで上げようと思ったのさ」
そう言ってカエル顔の医者は、不思議そうな顔をしている上条の手を握って笑いかけた。
「ま、ボランティアだと思ってさ。協力してくれるかな?」
病院食にしては妙にスタミナたっぷりな食事を終えた上条は、ある病室の前で1人所在無げに佇んでいた。
ノックをしようと手を持ち上げる事十数回、そうしてこの場所に立ってかれこれ10分以上は経過しようとした。
(上条当麻、貴様何を怯える事がありましょうや!?)
いや実際上条はかなりビビっていた。
2人が倒れた時の一部始終を目撃しているのだから、もしかしたらこの場で口封じをさせるかもしれない。
とは言え2人の顔を見ないまま帰るのも何だかとっても人の道に反する気がする上条は、ついに覚悟を決めると扉をノックした。
「か、上条だけど」
返事は無い。
「おーい、もしもーし、上条当麻さんですわよー……」
もう一度扉をノックした。
これで駄目なら今日は帰ろう、そう思っていた時、
「……入ってきていいわよ」
中から美琴の入室OKの返事が返ってきた。
上条は過去の経験――着替え中とか全裸でカプセルに浮いていたりとか――から慎重に扉を開けると、病室内を直視しないようにお尻の方から室内に入る。
「し、失礼しまぁ――」
「あ、ちょ、ひょっとまっれ」
すると再び美琴から、ちょっと舌足らずで聞き取りにくかったが待ったの声がかかる。
「んくっ、ちょ、ちょっと着替え中なのよ……だか、あんっ、黒子ぉ……」
「お、俺すぐ出てくよ、な、ふ、ふた、2人とも」
明らかに只ならぬ雰囲気を感じて上条はすぐに逃げ腰になった。
先程から聞こえる湿った音も、病室に入ってからずっと気になっているつい最近嗅いだ事のある甘ったるい臭いも、上条を酷く不安にさせた。
「ぁ……ン、待って」
「ぇ……?」
美琴の艶を含んだ声に上条の動きが止まる。
「眼を瞑って、こっち……、来てぇ」
「ハ、ハイ!!」
上条の背筋がピンと伸びた。
そしてまるで機械仕掛けの人形のようにぎこちない動きで回れ右する。
「じ、じゃ、そっち行くからな」
そう言うと、上条は不自然な美琴の要求に律儀に答えてぎゅっと目を瞑ると、ギクシャクした足取りで歩き出した。
「まっすぐ……そう、まっすぐよ」
心の中に沢山の不安を抱えたまま行進を続ける上条に、美琴からの吐息交じりの甘い指示が飛ぶ。
そしてそのままどれぐらい歩いたのだろうか?
「ストップ……もう目を開けていいわよ」
「お、おう」
上条は強く閉じられた瞳をそっと開けた。
あまりに強く閉じていたので、最初はぼやけていた視線が徐々に像を結び始める。
「ぁ……」
上条は目の前に広がる光景に唖然とした。
ひとつのベッドの上で裸で絡み合う2人の少女の姿。
その全身は乳白色の液体にまみれていて、巨大な乳房は絡み合ってどちらがどちらの乳房を抱いているのかすらも判らない。
そして少女たちはあの時白井が言ったように大きな先端を口に咥えて吸っている。
特に白井の方は、小さな唇に2つの大きな先端をいっぱいに頬張って一心不乱に音を立てて吸っていて、飲み切れなかった分のミルクがだらだらと滝のように唇の隙間から溢れている。
「ンフフ、こうしないといっぱい汚しちゃうのよ。先生は汚してもいいって言うんだけど。やっぱり……ねぇ……」
美琴は咥えていた乳首から唇を離すと、唇の端に零れたミルクを舌を出して舐め取った。
2人の何とも言えない淫靡な光景を前に、上条の喉が知らずにごくりと鳴った。
「んく、ほ、本当は殿方なんかにひとしずくたりともお渡ししたくない所なんですけれども、お、お姉様のたってのご希望ですから……」
「ちゅむ……、アンタ自分の方から「殿方に吸ってもらったらもっと気持ちいいですわよ」なんてアンッ?」
痺れるような痛みに一瞬言葉に詰まった美琴は、とろんとした瞳を白井に向けると、そこには白い歯をわざと見えるようにして真っ赤になった先端に歯を立ている白井がいた。
「やったわねぇ黒子……。覚悟は出来てんでしょうねぇ?」
そう言うと美琴は両手に乳房を片方ずつ掴むと親指でその頂きをこね回す。
そのたびにじわっと先端からミルクが染み出す。
「フフフ、このくらいで許されるとか甘い事考えてないでしょうねぇ?」
美琴の言葉に、責められている筈の白井は次の責めを期待するような眼差しを向ける。
「たく、期待してちゃお仕置きになんないでしょうがっ!!」
「ひんっ!? あ゛――――――――――っ!!」
次の瞬間、美琴は両の掌にありったけの力を込めて乳房を握りこんだ。
びちっと一際大きな水音が響くと、美琴の手元から大量のミルクが吹き上がる。
それは、美琴と白井の顔や胸にシャワーのように降りかかった。
「あはは、ぴゅーだって、おっかしい、ホントにぴゅーって音するのね、あはははははははははは」
「あ゛へー……、き、気持ひいいれすわぁ……」
こうして痴態を繰り広げる2人を前に、上条は既に声も出ない。
頭の中では先程から『逃げろ』と言う言葉がずっと鳴り響いているのだが、上条がそれを正常に理解で来ていないのだ。
「?」
上条は手首に何か触れたような感触がして、ゆっくりと下を向こうとした。
「こっち来なさいよアンタは」
「お姉様の言うとおりですわ」
「ひぶっ!?」
美琴と白井が何か言ったと思った時には、上条は顔面からぶつかっていっていた。
世にも情けない叫びを上げた上条は、暫く自分が何にぶつかったのかも判らないままぶつかったそれに顔を埋めていた。
柔らかくて暖かくて、濡れてはいるがそれでもずっとこれに顔を埋め続けていたい――そんな気分にさせる何かに、上条は思わず自ら強く顔を押し付けた。
「きゃふっ」
「あんっ!」
少女たちの嬌声を聞いて、霞のかかった頭にじわじわと何かが像をなし始めた。
(おい、待てよ……、この感触、この臭い……)
上条は呆然としながらゆっくりと顔を上げた――2人のミルクまみれになったその顔を。
「……オマぶっ!? もがが……」
「無駄口はいいから……吸えってのよ」
「吸ってくださいな、殿方さん?」
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
「これでもう大丈夫だろうね? 勿体無いかもしれないけれど、これで明日にはみんな元通り……、かな?」
そう言うとカエル顔の医者はディスプレイに写る3人の痴態の映像を消した。
「一応想定出来る結果に対しては処置しておいたけど、万一彼女たちに子供が出来たら彼は驚くだろうね? 全く幻想殺し(イマジンブレイカー)とはよく言ったもので、彼は時々僕の考えの先を行くからね。
彼には申し訳ないけど、本当に医者泣かせの患者だよね?」
そういうと苦笑を浮かべながら髪の毛の乏しい頭に手をやってぐりぐりと撫でる。
「それにしてもあんな物がまだ残っていたなんてね? 流石の僕もちょっと驚いたよ」
そう言うと彼は、片手でマウスを動かして画面上のデータを本のページをめくるように次々と送り始めた。
そうしていくつかのデータをめくり終えた所で、ふとマウスを動かす手を止めた。
「あったあった。『母乳の利用価値に関する研究』、これだ」
カエル顔の医者は深く椅子に座りなおすと、ゆっくりとデータの中身を目で追い始めた。
そのデータには『授乳と能力の遺伝』とか『大量の母乳を確保する方法』とか『乳腺と性欲の関係』などと言った妖しげな見出しの付いた項目が踊っている。
ひとしきりそれに目を通した彼は、小さくため息を付いてその資料を閉じてしまうと天井を見上げた。
「あの時は随分と尻拭いをさせられたんだけどね? うん、それでもやはり興味深い事には変わりないね」
そうひとりごちた彼は、おもむろにポケットから携帯端末を取り出すと、フムとそれを眺めて一息つく。
「しかし今更こんな物が出てくるなんて意図的なものを感じるね? どうやら彼は暇を持て余しているらしい。ここは一つ悪戯好きの友人の暇つぶしに付き合ってやるついでに、今回の兼を問いただしてみるとするかな?」
そう言ってカエル顔の医者は椅子から立ち上がると、そのまま診察室の出口を潜って廊下に出ようとした。
ところが、出入り口でふと立ち止まると、顔を上げて難しそうな顔をしてうーんと唸り声を上げた。
「ふぅむ、防音にはもう少し気を配らないといけないね?」
夜の病院に響くある不幸な少年の叫び声にカエル顔の医者は、彼をその場所に送り込んだ本人として、ほんの少し罪悪感を感じながら廊下の奥、彼らのいる病室に思いをはせるのだった。
END
終わりです。
何か途中で書き込みできなくて苦労しました。
読んでいただけたら幸いです。
でわ。
なんというバストアッパー……GGGjjj!
さらに母乳ネタだと!? やるじゃねぇかこの変態!!(褒め言葉)
盛大に吹いたww牛乳返せww
GJ!!!
これの応用でアレのサイズが大きくなって精液量がふえるアイテムも作れるんじゃ無かろうか?
翌朝まで何があったのか、詳細な報告をいただきたい。
>>642 こちらは黒子が加えられなかったってのに、おまけに、カエル顔の医者まで登場させるとは・・・・GJ!
それにしても2人して一体何書いてんでしょうねwwwこれも『巨乳御手』の電波を飛ばした方が悪いんだwww
精液量だけなら伝説のアイテム、エビオス錠様、亜鉛様もあるのにねぇ〜・・・・・
>>644、後は貴方に任せた。
母乳大好きな俺にとってはありがとう。最高のGJを送る
…ふぅ、みんな落ち着いてレスするんだよ
賢者。おお我が同志よ
上げることができるなら、下げることができるはず。
…胸以外に肉体年齢とか。
かんざきかおりちゃん10歳とか、かみじょうちゃん10歳とか、
あくせられーたー10歳(能力復活)とか、みさかみこと10歳…はすでにあるけど
中身はオリジナルで打ち止めとは別人だ。
『幼児退行(エイジダウナー)』ですね、わかりません
あくせられーた−(マイナス)10歳に見えた
性格まで退行するんだったら一方さんがマジエライことになるぞ
「お姉ちゃァン」とか言いながら打ち止めに抱きついたり、保護者の方々にものすごい甘えまくったり
……上記の三人に被害を及ぼす人間を笑顔で抹殺したりとか
子供で純粋無垢な分、手加減とかしないだろうし
>>653 あくせられェたァ10歳だと小4だから、既にスレてる可能性も否めないな。
ここは思い切って5歳ぐらいにして、
「あはは、おねェちゃンおねェちゃン! ボクねェボクねェ、がくえンさいきょうなンだよォ、すごいでしょ? えっへン」
って愛嬌振り撒く一方通行なんて……
あれ? なんだあいつ? 俺の車の前に誰か立ち塞がっ……
アニメの回想シーンのランドセル一方さんが10歳くらいだと考えると、十分スレたガキかな。
どうせちっさくするならやっぱり5歳くらいで、
窓辺の日向で打ち止めと寝ちゃって保護者に毛布をかけてもらえばいいと思うよ。
もしくは、見た目はこども頭脳は大人を体現して、
保護者にベタベタに可愛がられたり、打ち止めとタオルなし混浴したら最高
ダメだ……、電波受信が止まらない。
書いてくるノシ
>>655 頑張ってください。
さぁて今日も流れを読まず投下します。
台詞だけ(若干効果音あり)ではSSと呼ばないかも。
なのでこれはネタかな?
ネタにコテつけてごめんなさい。
エロ無し、美琴×上条ですわ。
では『あの時俺が勝っちゃったら』で私のリビドーを聞いてください!
『あの時俺が勝っちゃったら』
「うが―――――っ!! つっかれたぁ――――――――――っ!!」
「お疲れだにゃー、カミやん」
「おぅ、全く持ってカミジョーさんはお疲れモード全開ですよー」
「ああ、しっかしカミやんのお陰で全ては万事つつがなく解決したにゃー。まさにカミやん様様、幻想殺し(イマジンブレーカー)様様だにゃー」
「へ、んな拝んだって何にも出ねえぞ! ったく、オリアナとっ捕まえるだけでも大変だっつーのに、大覇星祭まで頑張っちまったもんなぁー」
「ああ、アレは正直俺も驚いたぜよ。まっさかカミやんあんなに頑張るとは……もしかして他に目的でも有ったんかにゃー?」
「はぁ? たまにはこのカミジョーさんだって無欲で頑張る事だってあるんすよ? 無欲だからこそ勝利を掴めた! どう、この言葉?」
「はぁー。カミやん保険証とか診察券とか持ってるかにゃー?」
「あぁ、備えあれば憂いなし……おい土御門っ、テメェ、俺を病院送りにするつもりだろ!? カ、カミジョーさんは何処も悪くないんですよ? この大バカヤロ――――――――――ッ!!」
「うぉっとぉ……、それだけ元気なら問題無さそうだにゃー」
「いたいたいたクソいやがったわねアンタ!!」
「うぉ!? 御坂ぁ」
「あらら、常盤台のお嬢様のご登場だにゃー。お邪魔虫は馬に蹴られる前に退散するにゃー」
「う、おい、待て、土御門? 俺の事置いてくなっ! 何笑顔で親指立ててん――」
「無視してんんじゃないわよアンタは!! (バチィン)」
「うぉ!?」
「はぁはぁ」
「あっぶねぇなぁー、俺は今日お疲れモード何ですから勘弁しろよなぁ」
「……っ……ょ」
「え? 何だって」
「罰ゲームどうすんのって聞いてんのよ!! (バチィン)」
「どわぁ!!」
「はぁはぁ……。で、どうすんのよ」
「ど、どうすんのって言われてもなぁー」
「ア、アンタ……、もしかして何にも考えてないわけっ!? あんだけ私に啖呵切っといて何にも考えてないってどう言うわけなのよっ!」
「お、おまっ、そんなに罰ゲームの事気にしてたのか? わ、悪かったな変な約束させて」
「な、ん、で、ア、ン、タ、がぁ……謝んのよぉ――――――――――――――――――――ッ!! (バリバリバリバリ)」
「わ゛ぁ――――――――――――――――――――っ!!」
「はぁはぁ……。さ、さあ、早く考えなさいよ。この美琴様に何をして欲しいのかをっ!」
「ぜぇ、ぜえ……。オイ、んな顔真っ赤にして言うことかよ……。マジで何にも考えてねえよ。ってかいいよ、わざわざ罰ゲームなんてしなくたって」
「へぇ!?」
「はぁー……。大体お前にして欲しい事なんて思い付かねーよ。お互い全力で頑張ってそれで結果が出たんだからそれでいーじゃねか。俺が勝ったのなんかたまたまだろうし、悔しかったら次で挽回すりゃいいじゃねーかよ」
「貸しにしようってわけ?」
「貸しってお前……、はぁー……、俺の周りにはどうしてこう『貸し』って言葉が好きなヤツが多いのかねぇ」
「ア、アンタ!? 他にどんな女に貸しがあんのよっ!」
「おま……、どうして俺が女にしか貸しが無いかのようなそんな言い方するんだよ……。いいよ貸し借りとかホントもう勘弁して」
「何遠い目してんのよ……。も……、と、に、か、く、ちゃんと私への罰ゲーム考えといてよねっ。あ、あとで……、ちゃんと確認するんだからぁ――――――――――……」
「御坂……、行っちまったよオイ……」
「で? 罰ゲームはどうするんだにゃー?」
「げっ!? つ、土御門ぉ……」
「常盤台のお嬢様はお仕置きをご所望ぜよ? こんな据え膳喰わない手は無いにゃー」
「はぁ? 言ってる意味が良く判んねーんだけど?」
「んもぅ、カミやんの朴念仁っぷりには何時もやきもきさせられるぜよ。こりゃカミやん落とすにゃ一筋縄では行かんぜよお嬢さん方」
「何遠い目してやがる。それより……、おい、今聞き捨てならねえ言葉連発しただろ? 訂正しろ! じゃねーとカミジョーさんご機嫌斜めで今日は帰りますわよ!」
「あーあーわるかったわるかったにゃー」
「いてっ!? コ、コラ、そんな棒読みで許されると思ってんのか!? そ、それと俺の頭をぐりぐりすんなっ!!」
「はっはっは、面白いなぁカミやんは。お、そうだ、土御門さんはいい事を思いついたぜよ!」
「んあ? 何だよいい事って?」
「ま、それは後で教えるにゃー。ちゅー訳でカミやん、2時間後に寮で合いましょー……」
「あ、おい、土御門っ! って早っ!? 全く何なんだよ2時間後って……」
「お、ま、た、せー」
「あ、ああー……」
「早速薄いリアクションをありがとうカミやーん。で、罰ゲームの件はどうなったのかにゃー?」
「はっ!? ば、馬鹿、声がでけーよ! インデックスに聞かれたらどーすんだよ(小声)」
「あっはっはぁー。やっぱり考えてない? そうだよなー、やっぱカミやんは女のもごもごもご……」
「だ、だから声がでけえってんだろうが、このうすら馬鹿!」
「にゃー、そんなカミやんに朗報だぜい」
「あ? 何だこの紙袋?」
「俺様秘蔵の丸秘アイテムだにゃー」
「……メイド衣装か?」
「チッチッチ。俺がメイドだけの器の小さい男だと思ってもらっちゃ困るにゃー」
「…………」
「ま、この土御門さんの好意が嬉しくて黙るのも判るんだが、まぁ、そのまま黙って聞け。いいか、お嬢様はきっと何が何でもお前から罰ゲームしてもらいたいんだにゃー」
「そ、それは……」
「でもカミやん的には女の子に無理強いなんかさせられない」
「そ、その通り」
「しかし、それでは彼女は納得しないんじゃないのかにゃー?」
「う……、た、確かに……」
「そ、こ、で、だ。カミやんにこのコスプレ衣装を授けよう! なに、大したものじゃないから感謝しなくてもいいにゃー。これを彼女に着せて「あはは、変な格好」って笑ってやれば即終了! これでバッチリだにゃー」
「そ、そうか? そうなのか土御門?」
「うんうん。大丈夫、大丈夫だにゃー。だから早く彼女に連絡してやるといいぜよ?」
「あ、ああ、判った土御門、サンキューな」
「いやいや、お役に立てれば何より。ま、後で感想でも聞ければ……まま、そう言う訳で、グッドラック、カミやん!」
「で、私にこれを着ろって訳ね」
「あ、ああ。あ! でも別に断ってもいいんだぞ! 俺もあれからよく考えると後か――」
「行くわよ!」
「んあ? オイ、行くって何処に?」
「何アンタ、私にここで着替えろって言うの? ま、まぁ罰ゲームですから、こ、ここで着替えろって言われたら従うしか無いんだもごもごもご」
「ば、馬鹿、変な目で見られんだろ!?」
「ぷはっ。だから場所を変えるって言ってんのよ。ちょっと黙って付いて来なさいってのよっ!」
「う、うわ!? だから、何処に俺を連れてくつもりなんだよ? てて、ひ、引っ張んなってオイ! 御坂っ! もぉ不幸だぁー……」
「で、こんな場所に連れて来られた訳だが……。つくづく金銭感覚の違いっつか……住んでる世界が違うっつか……中学生がこんな高級ホテル借りるかねぇ。と言いますか貸す方もどうかしてる」
「何ぶつくさ言ってんのよアンタ……」
「うひゃ!? み、御坂さん、もうお着替えは済んだので?」
「……こっち向け」
「はっ、しかしカミジョーさんにも心の準備が……」
「い、い、か、ら、こっち、むけ(パリパリッ)」
「ひゃい! ではぁ――、ぶっ!? ねこみみ、だ、伊達メガネ……、鈴付きの首輪……」
「よくもこんなもの手に入れてきた来たもんよねアンタ……、そんなに私の恥ずかしい姿が見たかったんだ……」
「ぶひゃ!? ちょ、ちょっと待て! カ、カミジョーさんは天地神明にかけて、そ、その様な不埒な……お、おい御坂、震えてないか? だ、もういいから着替えて来い。だから羽織ったガウンは脱がなくて――」
「い、今更逃がさないんだからっ」
「ぐはっ!? ス、スク水! しかも何だその生地の薄さ……かえってエロすぎんだろ?」
「ふは。解説ありがと」
「ドウイタシマシテ……」
「じゃ、アンタ……、いや、上条……、…………と……う……まぁ……」
「はぃ……いいっ!! み、みさ、みさ、みさ」
「み、こ、と、よ♪」
「お、おま、しし、尻尾ってそれ……」
「お、美味しく食べてほしいニャン♪」
END
終了です。
最後の台詞が書きたかったんだ。
それだけだったんだ。
チラ裏かもしれない!?
でわ。
エロなし小ネタをうっかり書いてしまったので投下しにきたんですけどどうしようこのタイミング。
自分を呪ってしまいたい。
ああだけどスク水猫耳首輪つき美琴だと可愛いじゃねぇか。
おのれつっちー。おのれ。グッジョブ…!
>>659 Aサイドさん、貴方は何故そんなに台詞回しが上手なんですか?違和感無くて、何時も感心してしまいます。
こんな台詞を言って欲しい、こんなシーンが見てみたい、リビドーこそ全ての始まりですね。
・・・・・もっとも、そこに辿り着く迄の手段に、とんでもない手間が掛かる事もありますけどww
>>660 貴方が具現化したリビドー、楽しみにしています。
せっかく書いちゃったしこっそり不法投棄していくことにした
小ネタ。小ネタの癖に4〜5レス。
エロ無しキャラはごちゃごちゃ。あと通行止め。
NGワード→「お風呂が壊れたので銭湯に行きました」
「きゃ」
――女湯の方から小さな悲鳴が聞こえた。
場所は銭湯である。タイル張りの湯船にまだ昼日中なので日光が差し込んできらきらと辺り一面やたらに明るい癖に、湯気がたちこめて視界は悪い。
その湯気の中でぼんやりとしながらその声を聞いた上条当麻は、隣の女湯に居るであろう同居人と担任と、
あと何故か途中で遭遇して公衆浴場という場所に興味を示してついてきた御坂妹の顔を思い浮かべた。
誰か転んだのではあるまいか。
「うぅ、転んだ、ってミサカはミサカは自分の怪我を確認してみたりー」
(……御坂妹…じゃないな、似てるけど。っつか、どっかで聞いた声のような)
などとぼんやり考えていると、隣の少女の声の、連れだろうか。男湯の方から声が飛んだ。
男女の浴場を隔てる壁は薄い上に天井付近が開いているので、さほど声を張り上げずとも隣には届く。
「――風呂場で走るな、はしゃぐな、って散々言ってンだろォが。聞かねェオマエが悪い」
「うー。だってこんな大きいお風呂初めてなんだもん、ってミサカはミサカは抑えられない好奇心を主張してみるー」
へんてこな喋り方。幼いけれどどこかあのビリビリや御坂妹に似た声。
(あ。打ち止めだ)
――いつぞや遭遇した小さな小さな「妹達」の統括個体の姿を思い出し、当麻は思わずほのぼのとした気分になった。
大きなお風呂は初めて、と言っていたか。 あの小さな「妹達」は、御坂妹や他の「妹達」に比べて感情が豊かで本当に普通の子供みたいで、だからはしゃいでいる姿も簡単に想像ができる。
「大丈夫ですか、20001号、とミサカは一応上司を気遣ってみます」
「一応って一言がすごく余計だよ10032号、ってミサカはミサカは抗議してみたり…」
「はい、立てる?そこ滑るから気をつけた方がいいかも」
「怪我はないみたいですねー、良かったです」
次いで小萌や御坂妹、インデックスの声もする。小さな、しかもそれぞれ顔見知りだったりもする少女を見かねて三人揃って手を貸しに来たのだろう。
「20001号はどうしてここに?とミサカは尋ねてみます」
「んー、おうちのお風呂が調子が悪いから。あとあの人が起きるのがすごく遅くて、色々ばたばたしてたらこんな時間になっちゃったの、ってミサカはミサカはお隣に向かってさりげなく文句を言ってみたりー」
「うるせェな。だったら芳川達と先に行きゃ良かっただろォが。オマエ一人、面倒見るコッチの身にもなれってンだ」
「あなた一人でお風呂に行くのは淋しいだろうと思って気遣ってあげたんですー、ってミサカはミサカは澄まし顔で言ってみたり。それにお風呂くらい一人で入れるもん、ってミサカはミサカは主張する!」
「20001号。ウソはよくありません。とミサカはネットワーク経由であなたが浴場で溺れた時の映像をリピートしながら告げてみます」
「わ、わー!?10032号、何でそんな昔の話…、な、内緒にしてたのに…っ、ってミサカはミサカは慌てて…違う、違うの、それは病院の話で…」
「あァ成程なァ。そンであの時俺が引っ張り出された訳かよ、今更納得したわ」
「あ、そういえばあの時、あなたってばシャンプーが目に入って――」
「…その先口にしたら後でどォなるか分かってンだろォなテメェ」
「その一件は、ミサカネットワークでも大変話題になりました、とミサカは淡々と事実を告げてみます」
「…。ほーォ。そりゃまたどういうことだろォなァおい。何であン時のことがネットワークに流れてンだよ、テメェ覚えとけよクソガキ…!」
「………うー。恨むよ10032号、ってミサカはミサカは上目遣いに言ってみる…」
「あなたとアレの問題です、とミサカは知らんぷりを決め込みます」
ミサカネットワークのことを考えると、一緒に居る奴は大変そうだなぁ、と他人事のスタンスで当麻はのんびり考えながら、ざばー、とお湯を被った。
それでなくともあの少女達は色々あってちょっと常識知らずというか、ズレているところがあるみたいだし。案外振り回されて苦労してるのかもしれない。
苦労人だ なぁ、と当麻は自分のことを棚上げして顔も名前も知らない男湯のどっかに居る誰かのことをそう評した。
「10032号ってー」
と、不意に、女湯の声が少し低くなった。こちらに聞こえないようにという配慮なのかもしれないが、あんまり効き目はなさそうだ。
「――あんまり胸、ないよね、ってミサカはミサカはお隣のシスターさんと見比べてみたり」
「なっ」
珍しく動揺した風な御坂妹の声。少し得意げなインデックスの声。
「…そういえば確かに最近ちょっとおっきくなったかも」
そそそそうなんですかインデックスさん。
いえ別にその、だからどうだって訳でもないんですが。と、当麻は無駄に動揺する。
「ほら、少し寄せたら谷間が出来るようになったんだよえへへー」
嬉しそうなインデックスの声に当麻はついつい耳を澄ましてしまう。いやいやその、何だ、不可抗力です。聞こえて来るんだから。これは不可抗力。
「でも、これはこれで結構困ってるかも」
「そうなんですかー?シスターちゃんは見た感じまだまだ成長期ですし、成長するのは健康で良いことなのですよ」
「成長」というものを完全にどこかに置き忘れている小萌先生が言うとやけに重たく感じるのは何故だろうかそのセリフ。
「うん、確かにその、おっきくなるのは嬉しいんだけど…私の服が、その、」
同居人の服装を思い出して当麻は何だかこうとても居心地の悪い気分になる。
主に当麻のせいで、彼女の服というのは「一度ビリビリに破けた布きれを安全ピンで無理やり留めた」という大変パンクな代物と化しており、そのため、動きまわるとちらちらと白い素肌が覗いて色々な意味で危なっかしい。
「…む、胸が見えちゃいそうで、困るっていうか…」
――ああしまった聞くんじゃなかったくそう。意識しちまうじゃねぇか。今度から意識しちまうじゃねぇか。やっとあの格好慣れてきたのに。プチ不幸だ。と当麻は思いながら煩悩を振り払うようにまたお湯をかぶる。
「じゃあ新しいお洋服を買えばいいんじゃないかと先生思いますけどねー」
「うーん。でもあれじゃないと色々困るかも…」
「それじゃ何かアンダーウェアを着ると……ところでそっちの二人は二人でどんよりして、どうしたのですか?」
「……よく考えたら、ミサカは将来10032号みたいになるんだよね、ってミサカはミサカは落ち込んでみたり」
「自分で指摘して自分で落ち込んでどうするんですか、とミサカは上位個体のドジっぷりに言葉もありませんがどうも地味に傷つきました。
…矢張り男性は大きい方が良いのでしょうか、とミサカは悩みます」
「統計的には大きい方がいいらしいっていう結果が出てる、ってミサカはミサカはネットワークのデータをお届けしてみたり…」
ミサカネットワークは一体何をしてるんだろうかと当麻は思った。
何かもっとこう、膨大な演算能力があるらしいし、有意義な使い道が他にありそうな気もするんだが。
まぁ平和的な利用方法といえばそう言えなくもないので、別にあれはあれでいいのかもしれない。
「…ところで上位個体の場合は、アレに直接好みを聞けばよいのでは、とミサカは提案します」
「あ、そっか。じゃあ訊いてみようかなってミサカはミサカは――」
皆までは言わせず男湯の方から鋭く突っ込みが入る。
「公衆の面前で何を口走ろうとしてンだオマエはァ!っつーか俺に何を答えさせる積もりだテメェら!!」
「ですから胸のサイズの好みを」
「ふざけンのも大概にしとけよ…!!!」
何だか大変そうだなぁ。当麻はがしがしと頭を洗いながら苦笑いした。あの少女達にはいまいち羞恥心という概念が薄いようで、それに巻き込まれる側はそりゃたまったものではないのだろう。
「ミサカ大真面目なんだけどなぁってミサカはミサカは口を尖らせてみるんだけど、あなたがそうまで言うなら仕方ない、ってミサカはミサカは引っこんでみる」
「…随分とあっさりですね、良いのですか20001号、とミサカは尋ねますが」
「うん。後でこっそり訊く事にする、ってミサカはミサカは言ってみ…あ、これシャンプーは赤と緑、どっち?」
「こっそり訊かれても答えねェぞ。緑の方だ」
「ケチー。ってミサカはミサカは言いつつ一人で髪をわしゃわしゃしてみたりー」
流す時はきっちり流せよ、オマエよく泡残してるだろ、と、大層面倒臭そうな調子でどこかの誰かが言う。
うん大丈夫、と軽く請け負う打ち止めの声にかぶさる様に小さな溜息が響いたのは多分、あの小さな女の子がどれくらいきちんと髪を洗えるものか、あんまり信用していないのに違いない。
打ち止めとどういう関係なのかさっぱり分からないけれど、会話を盗み聴いている限り小さな女の子と彼女に懐かれている保護者役のお兄さんといったところか、微笑ましいやり取りだなぁ、と自分は湯船につかりつつ当麻が思っていると、
女湯の方からあんまり微笑ましくない言葉が飛んでくる。
「ところでそういえば、ミサカも直に胸の好みについて尋ねることができるはずでした、とミサカは今更思い出してみます」
「……上条さんもその答えについては拒否させて頂きたいんですがよろしいでしょうかー…」
ホントにこの子達は。
もう少し羞恥心を覚えるべきです。
その後も女湯の方からはわしゃわしゃとかばしゃばしゃとか、身体を洗っているような音とか、そういうのに紛れて会話が聞こえ続けていた。女の子たちは積もる話がたくさんあるらしい。会話はなかなか途切れない。
「最近急に大きくなったのには何か訳があるのでしょうかとミサカは分析を試みます」
「うーん。特に変わったことはしてないよ?…単に成長期なだけかもー」
「ね、牛乳を飲むと大きくなる、っていうのはホントかなぁ、ってミサカはミサカはどこかのミサカが雑誌で読んだ知識を思い出してみたり」
「残念ながらそれは迷信なのですよー。でもあなたくらいの子は牛乳をいっぱい飲むと身体にはいいですから、先生としてはオススメです」
「…あれは迷信だったのですか…とミサカはここ数日飲んだ牛乳の量を思い出しながら愕然とします…」
「……10032号、みんなに内緒でそんなことしてたの、ってミサカはミサカはちょっと呆れてみたり…」
「あなたのような小っこいのにこの苦労は恐らく理解できません、とミサカは小さな上位個体に頭からお湯を被せます」
ざばー。
きゃー。という小さな悲鳴も一緒に響いた。
「ぷはっ…あう、目にお湯入った…ってミサカはミサカは涙目になってみたり…」
「アレの言葉通りだった、という点が多少腹立たしくはありますが、確かに20001号は髪を洗うのが下手ですね、とミサカは評価します。
髪は女の命だと言いますし、手入れは重要ですよ、とミサカはお姉さんぶって言ってみます」
「あ、髪の毛って言ったらミサカ、そっちのシスターさんの髪触ってみたいんだけどいいかな、ってミサカはミサカはどきどきしながら言ってみるー。
なんだか気になってたの、ってミサカはミサカは興味津津に言ってみたり」
「人の話を聞きなさい、とミサカは…はぁ、もういいです…」
「え?私の髪?うん、いいよー。ちょっと待っててね、流すから」
またざばー。という水音。ざばざば。何度も何度も頭からお湯を被っているらしい音がしてから、
「はいどうぞ」
と、ちょっとくすぐったそうな声がする。あの同居人さんは髪の色を褒められたのが嬉しかったのかもしれない。
ぱちゃん、と水音と、跳ねるような足音と、それからふふ、と嬉しそうに笑う幼い声。
「わ、すごーい、ほんとに銀色だー。あの人の髪の毛も面白いし綺麗だけど寝てる間にこっそり触って観察してた時にそう思ったけど、あの色とはちょっと違うんだね、ってミサカはミサカは思い出しながら比べてみたり」
「………あのガキ、人が寝てる間に何してやがンだ…」
湯船の端っこの方でそんな声がしたが、あんまり低かったので女湯には響かなかったようだ。
「きらきらしてて綺麗、ってミサカはミサカは羨ましくなっちゃったり」
「え、そうかな、えへへへへ…」
インデックスの髪の色は確かに綺麗だ。夜に見ると薄闇で光が映えるせいか、殊更に綺麗だ。と、当麻はそんなことを思い返して一人で気まずくなって湯船の中で目を閉じた。
別に盗み見ている訳ではない。深夜に時々顔を出したらそんな感じに見えるのだ。
「とーまはあんまり私のこと褒めてくれないし、考えてみたら、髪の色を褒められたのは、初めてかも」
「そうなの? 残念だね、折角綺麗なのに、ってミサカはミサカは髪の毛を触りながら言ってみる」
何だかちくちく胸の痛む当麻であった。――ごく普通の、あんまり恋愛経験なんてありもしない、一介の高校生には、女の子を真正面から褒めるなんてのは結構ハードルが高い。
まぁそもそも上条当麻は記憶喪失なので恋愛どころか人生経験もろくにありもしないのだが。でも頑張って一言二言褒めるくらいはした方がい いのかもしれない。
インデックス嬉しそうだし。それはもう、声だけ聞いていても笑っているのが分かるくらいに嬉しそうだし。
などと湯船の中で悶々と一人考え込んでいると、隣が段々と不穏な気配に包まれ始めた。
「ひゃうんっ!? い、いきなりそんなとこ触ったら…!」
ごずん。と、当麻は盛大にタイルの壁に頭をぶつけた。何だ今のすごく形容しがたいピンク色の悲鳴は。
声の主はインデックスのようだが、次いで、御坂妹の淡々とした声も響いた。
「む。矢張り本物ですか。以前より確実に大きくなっているので、もしや偽物かとも思ったのですが、とミサカは触り心地を確かめます」
「ひゃ、や、やめ…!」
うわぁちょっと勘弁して下さい何をしておられるんですかあなたたち。
耳を塞ぎたいような塞ぎたくないような、いややっぱり塞ぎたいような、そんな衝動で板挟みになりながら当麻が内心で悲鳴をあげていると、更に小さな悲鳴が重なった。
「わわ、いきなり何するんですかー!?」
「こっちの小さな女性の胸に比べればミサカの方がまだある部類に入るでしょうか、とミサカは確認してみます」
「こもえの胸は確かにちっさいかも…うん」
「し、失礼ですね二人して!先生はこれでも大人の女性で…ひゃん!や、やめ…、んっ!…も、もう、怒りましたよー!?大人の女性を怒らせると怖いんですからねー!」
「わわわ、こもえが怒っ…は…ひぁ…っ!」
「ん…っ、な、何を、くすぐった…」
何を始めたんですか先生。いやもうホント何なんですか。そもそもここは公衆浴場です。と、当麻は内心で悲鳴を上げていた。
「どうせ女湯には私達しか居ないのですしもういっそ存分に色々やっちゃいますよー!」
「せんせいいいいいい!!!落ち着いてください部外者さんいますからぁあああああ!!!」
が。
その肝心の部外者さんは巻き込まれるのを嫌ったか、それとも単にそういうタイミングだったのか。
「10032号が相手してくれないしミサカ先にあがって待ってるね、ってミサカはミサカは隣のあなたに声をかけてみたりー」
「湯船つかったのか、オマエ」
「うん、ちゃんと言いつけどおり肩までつかって10数えました、ってミサカはミサカは胸を張ってみる。
ちゃんと約束守ったから、フルーツ牛乳飲んでもいいよねー?ってミサカはミサカは尋ねてみたり」
「…髪しっかり拭けよ。湯冷めして風邪ひいたとかで文句言われンの俺なンだからよ」
「はーい、って言いながらミサカはミサカは脱衣所に一直線っ」
「走ンなっつったろォが!」
そんな感じで、騒ぎなんてどこ吹く風で、小さな少女を伴ってさっさと出て行ってしまったのでした。
**
「あ、出てきた出てきた。フルーツ牛乳買ってーってミサカはミサカはあなたに飛びついてみたりー」
「髪濡れてンぞ」
びしりとチョップされて打ち止めはぱちりと目を瞬いた。自分の髪の毛の先をつまんで、納得いかないみたいな顔をする。確かに滴がぽたぽた落ちて肩を濡らしているが、本人は結構頑張って拭いた積りだったのである。
「…フルーツ牛乳はー?ってミサカはミサカは口を尖らせてみたり…」
「その前にドライヤーだドライヤー。ったくこのクソガキ、手間かけさせやがって。だからオマエと来ンのは嫌だっつったンだよ…」
濡れた髪のせいで肩まで冷えている打ち止めを、とりあえず手元にあったタオルで適当に拭う。
目を細めながらも打ち止めはしっかりと、一方通行の服の裾を握った。気を引くように指に力を込める。
「ミサカは色々面白くて楽しかったよ、ってミサカはミサカは言ってみる」
「何がだよ」
「例えば、あなたとお風呂場の壁ごしに会話するのは楽しかったし。あ、ここであなたが出て来るの待ってるのも何だかすごく楽しい、ってミサカはミサカは思い出してみたり」
そんな言葉の後に、フルーツ牛乳も楽しみ、としっかり付け加えておく。忘れたふりをされたらかなわない。
「また来たいなー、ってミサカはミサカはあなたにおねだり」
べしり。
今度は普通に頭を叩かれた。
「そういう台詞は、一人で風呂くらい入れるよォになってから言いやがれ」
「むー。…確かに今日は10032号とか、知ってる人がいて助けてもらったけどー、ってミサカはミサカは言い募ってみるんだけどー…」
口を尖らせて、諦めの悪い幼い表情。
「――でもやっぱり、あなたと一緒にまた来たいから、せめてシャンプーくらい一人で出来るようになる、ってミサカはミサカは決意してみたり」
「……諦め悪ィなァ、オマエ」
「そこは呆れるんじゃなくって褒めるところだよ?ってミサカはミサカは指摘しとく」
終わり。
特にオチはない。
一緒にお風呂もいいけど神田川もバカップル度数が高いと思う。
>>668 かんざきさんじゅうはっさいが小さな石鹸カタカタならしてるのが見えた
GJ、割と好きな雰囲気です。
とりあえず、先生と胸の大きさを比べて安心感を得るのは寧ろ敗北宣言だと思うんだ。
そしてインデックス隠れセクシー説には同意。
>>668 途中句読点とか、会話と文がごっちゃになってて正直感情移入しきれなかった。
もう少し他の文章とか読んで研究してみるといいと思いました。
最後の一方通行と打ち止めのやり取りはホントほのぼのしてて、あー普段の2人はこんなかなーなんてニヤニヤしました。
ネタと言わずに続きお願いします。
辛辣な事書いてごめんなさい。
ホントに期待してますよ。
>>668 GJ! ほんと通行止めは和む…毎回楽しんで読んでいます。
>>668 もはや、小ネタじゃないでしょこの文章量はww
上条さんが冷静に解説して、話が進行して行くタイプってのは珍しいですね。
打ち止め&御坂妹はよくあるけど、それにインデックスに小萌が+されてて、
キャピキャピ話してるなんて・・・髪と胸は、女性のキーワードですね。これは楽しめましたよ、GJ!
某100均買った青竹踏んでて妙な電波受信した。
仕事帰りでお疲れの上条さんに、姓が変わったばかりの新妻美琴さんがサービス
ご自慢の電気の出力電圧・電流量を抑えに抑えて肩腰足のマッサージ(パナソ○ックなどのパッドをぺたっと貼る低周波マッサージ機的な要領で)
でも自分の体温やらをチェックしながらおおよそ月に1回数日間、やたらと足裏かかと中央の辺りばかりを刺激する時期があるとか無いとか。
何でこんな電波拾ったやら。もう寝たほうがいいな。
あにその身篭る気満々のビリビリ反則だろ
久しぶりに活気付いてる!
通行止めも素晴らしいが、インデックスが何気に可愛くて
いい味を出してると思った。
今日もまたねーちんのためにジーンズを破く仕事がはじまるお
ミサカ19090号が身につけた痩身テクが実はひとりHで、他の3人に身を持って手ほどきするはめに……
「こ、ここを強く擦ると、濡れて来ます……、とミサカ19090号は……、あっ、き、気持ち良くて我を忘れそうになるのを堪えながら説め……し、ます」
「女の体には神秘が隠されています、とミサカ10032号はミサカ19090号の変化に興奮を抑えられません」
「さ、さらに、あふっ……い、一緒にここ……か、掻き回っ、すとぉ、気持ち良くぅぅ―――――ッ……」「ミサカ19090号どうしました!? とミサカ10032号はミサカ19090の生体パルス他の突然の異常に驚愕を表にします」
病気だな、私。
こんなんばっかりだよ。
ここは。姫神×上条の癒しのSSを。所望する
>1乙です
美琴×当麻×インデックス
最高
いや、
御坂妹×上条×美琴
そして、それよりも
打ち止め×一方通行
通行止め最高
まあまあ、マターリ行こうぜ
上琴だろうが通行止めだろうが上打ちでも御坂通行でも大歓迎するのがここのスタンスだぜ
ようするに上条さんと黒子ってことですね
御坂通行ってどう見てもレイープ物しかないだろ…というか組み合わせがありえない
ぶっちゃけなんでもありっす
百合子さんならきゃっきゃうふふでくんずほずれずできるよ! できるよ!
カプ論争とか面倒くさいからやめようぜ
絶対に退かない奴が何人か大暴れするから
そう言えばSSってどれくらい遡って読んでるのかな?
例えば最新のSSだけとか。
ちなみに自分は前回アクセスした日にちを目安にそこから当日までは読みます。
禁書にはまるのが遅かったけど、ぜひともss書きたかったので過去ログ全部(当時11フラグ)を読んだ俺がいる…
自分アニメではまって13フラグ目あたりから入ってきた新参だがとりあえず過去ログはほとんど読んだ
でもあんま身にはなってない気がする
エロを書けるようになりたい…。
エロ書くだけならここじゃなくて違う所を見たほうが早いと思う
キャラ掴みたいのなら原作、アニメ、漫画等で
3フラグ目か4フラグ目ぐらいから合わないカプ以外のログは全部読んでる
それより以前のSSは保管庫で読んだ
俺は13からで前のは保管庫で読んだ
所詮、自分の理想のカップルの幻想(シチュ)は自分しか叶えられない
エロを書く参考にするなら市販の官能小説を参考にしたほうが良いんでない?
オススメを教えてほしいんだぜ
官能小説はちとハードルが高いな…
まぁこれ以上は書き手のスレとかでやる話だな、やめとこう
こっちでやるべきはむしろ「打ち止めたんは耳年増か否か」という重要な問題についてだ
個人的には言葉だけ知ってて意味が分からず、教えて教えてと一方さんに迫る展開を期待したいところなんだが
保管庫にあるやつのおすすめを教えてほしいんだぜ
>>700 よし、まずは貴方が率先して文章にしてより詳細に意見を求めてみるのは如何でしょうか?
>>701 こう言う質問て答えると怒られるんだっけか?
どれも面白いんだけど、特にこれと言うと。
◆UHJMqshYx2 さんのは全体的に良いけど、中でも
『前略、親愛なるクローン様』
が一番好きかな。
あと、
『クロキス〜鉄矢でしか伝わらない思い〜』シリーズ
『姫神秋沙のとある一日』シリーズ
『ある諜報員の仕事の話』シリーズ
小ネタ、インタビュー シリーズ
『こんな夢を見た。』シリーズ
基本的に長めなのが読み応えあって好き。
あとほのぼの系は読んでて楽しい。
流れぶったぎるようだが
一方さんは女の子だよね!?
>>703 世の中には解かないほうがいい謎もあるのさ……
一方さんの性別は観測するまで誰にも分からないとかでいいと思うよ。
シュレディンガーの一方通行…
って、どこかで誰かが言ってたな
わからないからこそ、通行止めも上百合も同時に存在しうるんだぜ
ヒロインの誰かが上条さんの幼なじみとか言う設定のSSを書いてた夢をみた
鬼畜な上条さんが目につく女性皆食べちゃう話を誰か書いてくれ
禁書が訪れた頃にはもう小萌先生も御坂も堕ちてるような鬼畜なやつ
…俺?俺は原作が好きくないから無理
>>708 7ァァァァァァァァァァ08くゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン
711 :
名無しさん@ピンキー:2009/04/28(火) 13:28:28 ID:m0+SdZ1q
――――――――――――――――――――――閑話休題――――――――――――――――――――――
ここからインデックスSS祭り
って禁書が言ってた
713 :
名無しさん@ピンキー:2009/04/28(火) 14:10:39 ID:XQSffV0u
保守
インデックスの可愛さは異常だけど
美琴の可愛さは神
そういう話さ。
最後にも。読点が。必要。
姫神の空気度は異常
妹達×上条の愛のある逆輪姦が読みたいです
妹達×一方通行の愛のない復讐アナル輪姦が読みたいです。
何本目までのディルドーに耐えられるのか……。
演算結果をいぢくられて自らの手で犯される一方さん
責められてアヘ顔の一方さん想像したらキュンってなった
やだ…なにこれ…
恋です
むしろ変です
だれうま
普段ほぼ無敵の一方さんが
一方的に嬲られるのって素敵じゃないか
今の一方通行は、かなりの部分をミサカネットワークに頼っているのは周知の事実です。
考えた事を言葉にするのも、ミサカネットワークの演算能力を借りて行っている状態です。つまり、彼の言葉は彼の考えによるものであっても、言語そのものはミサカネットワーク上で組上げられているわけです。
……ミサカネットワーク上にある『一方通行IME』が『みさくら語IME』に置き換えられる危険性があるな。
一方「だーからウゼェって言ってンだろォがクソガキィィィとアクセラは怒りを込めて言ってみるゥゥ!!」
打止「うつっとるがなとミサカはツッコミを入れてみる」
そいつは偽者だとミサカはミサカは本物として忠告してみたり
せめて打ち止めくらい間違えないでください
ミサカネットワークと繋がってるから何をされるかわかってるけど、
言葉も出ないし体も動かせずないから
ただ突かれて感じて息を漏らすだけ
の一方さんを思いついた。
やばあぁい、可愛すぎる…
なんだ? この一方総受けな流れ。
総受けにもなるさ。
一方通行だもの。
ただしお相手は男キャラのみってミサカはミサカは言ってみたり!
腐ってやがる…!
早すぎたんだ
>>733 一方さんが総受けになったら打ち止めが嫉妬魔人なヤンデレになるぞ。監禁拘束三昧じゃ白い人の精神が保たぬ
……レイプ目全開な打ち止めたんも、なかなかそそるかもしれんが
レイプ目でレイプだと…
一方さんはそんなにヤワじゃないぞ。
研究施設たらい回し、あげく木原クンのモルモット。自分の名前も忘れる境遇で、絶望に絶望を重ねた白い人の精神がそれくらいで…
いや、もうイっちゃってるんだったか…
弱点の両乳首みたいな一方さん思い出したw
御坂妹にも弱点が欲しいな
キャフぅってなるほどの
弱点・・・・・・御坂一族の女性陣は可愛い物(?)好き。
ひよこかげこ太の着ぐるみ装着した上条さんに、相乗効果でメロメロ状態。
「もう、あなたの好きにしてぇ〜」の着ぐるみプレイで「キャフぅっ」って展開になる・・・・・・のかな?
「カミやん、何時でも用意してやるにゃー。衣装なら、この土御門さんに任せるぜよ」
>>742 何か楽しそうな話してる・・・
さてさてまたも流れを読まずにSS投下します。
今回は姫神×上条。
一応エロあり。
シチュはSSの里芋食べた辺りからのif話。
合わない人はスルーお願いします。
では『秋沙ちゃんのスリリングな一日』投下します。
『秋沙ちゃんのスリリングな一日』
「やっちゃった」
憂いを帯びた声がトイレの個室に響く。
蓋を閉めたままの便座に腰掛けた如何にも和風な長い黒髪の少女、姫神秋沙は小さくため息をついた。
姫神がそのかわいらしい顔に憂いを浮かべるその訳はほんの数分前に遡る。
彼女のクラスメートであり命の恩人であり地獄から引き上げてくれた黒髪の少年、上条当麻との楽しい昼休みの一時に事件は起こった。
姫神が自分の手作り弁当のかぼちゃの天ぷらとトレードした上条お手製の里芋の煮付け。
内心の喜びを押し殺す余り無表情になりながらも一気に口の中に頬張って、「ああ。こんなのも悪くない」なんて幸せに浸ったのもつかの間。
姫神は里芋を喉に詰まらせると言うらしからぬ――浮かれすぎていたのだろう――失敗をして自ら幸せな時間を台なしにしてしまった。
いや、それだけならまだ挽回のチャンスは有った。
万人に優しいと酷評される上条は、姫神が指示するままにやさしく背中を摩ってくれた。
苦しみにもがきながらも、上条の掌の温もりを感じて「苦しいけど幸せとは。なんてジレンマ」などと状況にそぐわない事を考えていた矢先――何ともあっけない抵抗感を残してブラのホックが外れた。
姫神はその瞬間、条件反射とも思える素早さと的確さをもって上条にボディーブローをみまってしまったのだ。
「わざとじゃないのに殴る事は無かった」
そう言うと姫神はもう一度ため息を付く。
あの直後、教室を飛び出した姫神と入れ違いに上条に近付く吹寄と一瞬目が会った。
彼女からは大丈夫後のフォローは任せてと目配せはもらったけど、むしろその方心配だったりする。
きっと吹寄は上手くフォローしてくれるだろうが、その時には上条の頭の中から姫神が殴った事も一緒にお弁当を食べた事も忘れているに違いない。
「折角。私をもっと知ってもらうチャンスだったのに」
そう愚痴を零すと姫神はまたため息を付いた。
「あっ。そうだ。ブラ」
忘れてた、と言いながら制服の裾から手を差し込む。
そのまま背中に回そうとした手を、姫神はふと胸の方に回す。
「フロントホックにするべきかな? そしたら――――」
(そしたら何? 今日の私。何か変……)
「あっ」
考え事をしながら手を動かしていたらか偶然指が大事な部分――ブラがずれた為に無防備になった胸の頂に触れた。
「硬くなってる……」
瞬時に姫神の顔が赤くなった。
そこには戸惑いの表情が一瞬浮かんだのだが、それは瞬く間にとろけたような表情に入れ替わってしまう。
そして姫神は、今度は確信を持って指に力を込めると頂を転がしたり押し潰したりして刺激した。
「あ……。あんっ」
姫神の口からは指の動きに合わせて自然と甘いあえぎ声が漏れる。
すると頂はますます硬くしこって来て、心地良い感触を触れる指の腹に返してくる。
(背中を摩ってくれた温かい掌……。手……。これは上条君の……手)
「き……もちい……。かみっ……じょ……くっ……」
自分の手を上条の手と思い、その温もりを上条の温もりだと思う――そんな陳腐な暗示ではあったが、それでもあっという間に姫神を虜にした。
姫神は更なる快楽を求めてブラの中に手を滑り込ませた。
そして、ますます自己主張を強くする頂を掌で転がすように膨らみの中に押し込んだ。
するとじりじりとした疼きが体の奥から湧き出してくるのだが、
「も……。もっと……つよ……くっ!」
姫神の言葉に応じるように伸ばされたままだった指が強く握りこまれた。
柔らかい二つの膨らみに爪を立てながら揉みしだくと、姫神は体を小さく痙攣させて小さく喘ぐ。
その薄く閉じられた目尻からつうっと涙がこぼれ頬を伝って行くのだが、その涙とは裏腹に唇は愉悦の笑みを浮かべながら、
「はぁっ。いい……。かみじょ……くっ……。も。もっと」
すっかり快楽の虜となってしまった姫神は心の中の上条に更なる陵辱を求めるのだった。
そしてそれに答えるのは自分(かみじょう)の両手。
その手は自身の柔らかな膨らみに無残な指と爪の痕を残して次の獲物を求めて動き出す。
「かみ……じょ……くん。どうす……るの……?」
心の中の上条に問いかける姫神に自分(かみじょう)の両手は――先程から掌にコリコリとした感触を伝えていた膨らみの先端に牙を剥く。
「きゅふっ!」
薄い爪を硬くしこった部分に立ながら根元を強くねじりながら引っ張る。
すると、まだかわいらしいピンク色をしていた頂は徐々に赤黒く変わってゆく。
「すて……き。かみ……じょ……くん。わたしに。き……みを……きざ……みつけ……て……」
止め処なく涙を流す瞳は既に何も映してはいない――いや、そこに上条の姿を見ているのだろうか?
唾液を滴らせながら突き出された舌は見えない上条の舌を絡めようと妖しく蠢く。
「ふわぁ……。はぁ。もぉ……。きてぇ……」
姫神は舌足らずな声で上条に止めを懇願する。
すると自分(かみじょう)の両手は苛め抜いた先端を開放すると、再び柔らかい膨らみに狙いを定めてその爪をつき立てた。
「はかっ」
さらに手を金庫のダイヤルかドアノブでも回すかのようにねじり上げる。
ぎりり、と手が動くとそれにつられる様に姫神の瞳が大きき開かれて――瞬間姫神の体が大きく跳ねた。
「ぎぃい゛――――――――――――――――――――っ!!」
姫神は大きな叫び声と共に便座の上で両足を体の方に引き寄せて体育座りのような格好になった。
艶やかな長い黒髪が滝のように膝や足の間に流れ落ちてゆく。
その姿勢で膝に顔を埋めると姫神はぶるっぶるっと体を震わせる。
嬌声を上げながら体を震わせる姫神、その間隔は急速に弱くなってゆく。
すると今度は前に倒れるような姿勢からだらんと四肢を投げ出した。
「はっ。はわっ。はぁ……」
ぐったりと下を向いた顔からは、ぽたぽたと涙と鼻水と涎が滴り落ちるが今の姫神にはそれに構う余裕は一切無い。
ただ危ういバランスで便座に腰掛けたまま肩で息をするのが精一杯の様子だった。
呆然と脱力する彼女の耳に、夢の終わりを知らせる目覚めの鐘のように学校のチャイムの音が聞こえて来た。
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
姫神は昼休みの情事ですっかり脱力してしまって午後の授業を遅刻した。
しかも、ブラを付け直す筈が、胸を激しく愛撫したお陰で大事な部分が腫上がってブラなど出来る状態ではなくなってしまった。
そのままでは服も満足に着られないので、応急処置として絆創膏を貼って対処したのだが、いわゆる『ノーブラ』である。
そしてもうひとつ。
ショーツがお亡くなりになった。
これには姫神も一瞬洗って穿こうかとも考えたが、いくら搾った所で乾く訳も無く、濡れたままでは今度はスカートがやられてしまう。
かくして姫神は現在、ノーパンノーブラと言うとんでもない格好で授業を受けているのだが……
(頼りない)
姫神は心の中でひとりごちる。
一時はこのまま帰ってしまおうかと考えた。
しかし小萌に何と説明していいか思いつかなかった為に学校に残ったのだ。
(やっぱり頼りない)
やはりこんな状態では授業など身に入る訳が無い。
姫神は黙々と黒板の内容をノートに書き写すと後は気を紛らわす事に尽力を注ぐ。
そんな彼女は今、教室に帰って来た時の事を思い出していた。
「大丈夫か姫神!?」
教室に戻った姫神の元に上条が駆け寄ってきた。
姫神はそんな上条に顔を真っ赤にしながら視線を逸らすと、
「大丈夫。さっきは殴ってごめん」
「そんな事はどーでもいいんだ姫神。それより喉につかえた里芋、あれ大丈夫だったか?」
「味。共に問題無し」
姫神は照れくさそうに上条にブイサインで答える。
「そっか、良かったぜ。とは言いがたいかな……」
「?」
「弁当、食いそびれちまっただろ? 折角早起きして作ったのに食べられないなんて……スマン姫神っ!」
「ひゃ!? き。気にしないでいい」
上条ががばっと平身低頭土下座したお陰で、要らぬ風が姫神のスカートを巻き上げた。
しかも上条の頭の位置は明らかにスカートや上着の裾より下で、姫神にとっては更に危険度が増す。
姫神は両手を使ってスカートと上着を押さえながら、じりじりと上条から距離を取る。
「上条君。気にしてないから。立ち上がって欲しい」
「ん? だがそれでは俺の気持ちがおさまらねえよ……。そうだ! 姫神、俺に何でも言ってくれ! 俺はお前が満足したって言うまでお前の言う事を何でも聞くぞっ!!」
「え゛?」
珍しく姫神の表示が驚愕に歪む。
それと共に奇異の視線が姫神と上条に集中する。
その多くは、姫神に対する哀れみと、上条に対する怒りなのだが……。
(む。むむ。これは明らかに私への嫉妬の視線)
姫神は気持ちを引き締めるとちらりと辺りに視線を送る――いるいる、嫉妬の眼差しを姫神に向ける少女たちが確かに教室にいる。
こうして無様に床に這い蹲る上条だが、姫神を含めて上条に恋心を抱く女性は多い。
ただ彼は本当に恋愛感情と言うものには疎くて、色んな女性からアプローチを受けても気が付かない、もしくは気のせいと一笑にされてしまうのだ。
彼を振り返らせるのは本当に難しい。
それこそ命がけでないと彼は答えてくれない。
ゆえにこれはちょっとした優越感。
早く上条が立ち上がってくれればもっとこの優越感を楽しめるのだが。
そんな姫神の贅沢な悩みをぶち壊す大音声が響き渡ったのはその時だった
「くぉら、上条当麻!! 貴様は姫神さんに乱暴狼藉を働いた上に今度はストーカー行為でもしよっての!!」
そこに立ち上がったのは、全ての髪を完璧なまでに後ろに流したオールバックをさらにヘアピンで固定した、その名も『吹寄おでこDX』。
吹寄は怒りの表情も露わに足音を響かせて上条に近づいて来た。
「ふえ? ほああああああ。ご、誤解だ吹寄。お、俺はただ姫神の努力を無駄にした償いをしようと――――」
「男なら言い訳するな、この……大馬鹿野郎っ!!」
「ごばぁ!!」
吹寄が凶器ともいえるおでこを上条の頭に振り下ろすと、ゴキィと派手な音と共に上条は床の上に沈黙した。
上条が先程の土下座よりも低く潰れて沈黙したのを、「フン」と鼻息一つで終わりにした吹寄は、くるっと向きを変えると、唖然として状況を見守っていた姫神の方を振り返る。
(あんな音がしたのに。おでこが赤くなってない。これが吹寄さんの能力?)
「姫神さんどうしたの?」
「え? いや。おで……」
「え?」
「あ。いや。何でもない」
珍しく歯切れの悪い返事をする姫神に吹寄はいぶかしむ様な素振りを見せるが、
「上条当麻ぁ!! 貴様、姫神さんのスカートの中覗いたでしょ!!」
「ぶ、ふぇ? め、めめめ、滅相もございませんのことよ吹寄さぁああん!! な、姫神、俺は何もっ!」
首根っこを捕まれて背中に馬乗りにされた上条は、背中から伝わる感触に「ふ、吹寄は胸だけじゃねぇ!?」とどぎまぎしながらも必死で姫神に助けを求めた。
ところが助けを求められた姫神の方は、上条の目線が気になって顔を赤くしながらささっと距離を取る。
スカートの裾を目一杯引っ張ったその姿を見た吹寄は、
「ほら見ろ上条。貴様の目はいつもいやらしいのよ! す、こ、し、は、は、ん、せ、い、し、ろぉ!!」
「あば、あばば、お、お、の、脳が、ゆ、ゆれ、る……」
襟首をつかまれてロデオマシーンの様に激しく揺さぶられた上条は、暫くすると完全にぐったりして動かなくなった。
それでも微かに「ぐぁ、ぁ、ぁ……、ふ、こ……だぁ……」と聞こえるので、何とか意識だけはあるのだろう。
吹寄はバンバンと手を払いながら立ち上がると、再び姫神に話しかけた。
「ねえ、姫神さん、今日暇?」
「?」
ぐったりした上条を見ながら、「私も背中に乗ってみたい」などと不埒な事を考えていた姫神は、我に帰って不思議そうな顔を吹寄に向けた。
そんな姫神に、吹寄は髪を止めていたピンを外しなが、先程とは打って変わって屈託の無い笑みを見せた。
「姫神さん、今夜はクラス全員ですき焼きパーティーよ」
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
その後何とか無事に授業を終えた姫神は、すき焼きパーティーまでの時間を使って一度寮に戻ると、とりあえずショーツだけは身に付けた。
そして、鏡の前に立って自分をチェック。
上から下へ、下から上へ、時にはくるっと周ってみたりもする。
吹寄と並ぶと見劣りしがちだが、姫神もそれなりに育ってきている。
むしろバランスから言えばこちらの方が良いと言えない事も無い。
ま、それは主観とも言えなくも無いが、姫神が気にする主観の持ち主は何かと女性の胸が気になるお年頃らしい。
ふっと下から持ち上げるようにして、乳房に手を添えてみる。
少し力を加えると、それなりの重量感が感じられる。
ちょっと寄せてみたらどうだろうか? などと考えて手に力を加えると、チクッと痛みが走り姫神は表情は変えずともぴくりと眉を動かした。
それから改めて自分の胸をじっと見つめると、
「自分の事ながら。激しすぎ」
二つの膨らみに残る昼間の情事の跡を改めて見ると顔が熱くなる。
こんな場所に塗るような薬の買い置きが無い姫神は、とりあえずまた先端に絆創膏を張ると、長めのインナーを2重に着込んでその上から制服を羽織る。
それからもう一度鏡の前に立つと不自然な点が無いかチェックした。
「うん。完璧」
鏡の中の自分にブイサインを送ると、姫神は荷物を持ってそそくさと玄関に向かった。
とりあえずすき焼きパーティーは無事に終了した。
途中、吹寄が『吹寄おでこDX』に変身して場を取り仕切ったり、インデックスが暴走して鍋まで食べそうになったり、土御門の飲酒疑惑を塗りつぶす為に小萌に飲ませすぎて小萌がダウンしたりもしたが、
とりあえず何事もなく終了した――一名を除いてはだが。
「え―――――っ!? お、俺の肉、俺の肉はどこだぁ――――――――――っ!!」
「とうまぁ、そんな事はどうでもいいかも。それより私……、もうとっても眠い……ふわぁ……」
いつも腹ペコな修道女、インデックスはゴシゴシと目を擦る。
そんなインデックスの胸に抱かれた上条家第二の居候、スフィンクスと呼ばれる子猫も『くわぁ……、もう帰って寝ようぜ』と言わんばかりにあくびをした。
「なっ!? 家主たる俺がまだ腹が減っていると言うのに、この居候どもと来たらホントに胃からの指令に忠実と言うか本能のままと言うか。不幸だぁー」
「んにゃー、喰った喰った――あら、カミやんどうしたんぜよ?」
見捨てられて一人途方にくれる上条に、ご機嫌な様子の土御門が爪楊枝を口にくわえながらやって来た。
「っ!? 土御門、テメエのお陰で俺は喰いっぱぐれの腹ペコですよっ!! ふざけんなこのやろー!! お、俺の、俺の牛肉をかえしやがうわぁ――――――――――――――――――――っ!!」
「おほっ!? 珍しくカミやんが我を忘れてるぜよ。こりゃよっぽど肉が食えなくてムカついてるとか? はてさてどうしたモンかにゃー」
子供じみたグルグルパンチを繰り出す上条を、右手一本で制した土御門は心底困ったと言うような表情を作ると自分の顎を撫でた。
そんな不毛な争いも、その内上条のエネルギー切れで幕を閉じる。
徐々に土御門の腕一本に押され始めた上条は、最後に路上にぺたりと尻餅を付いた。
「ぶぇぇー。む、無駄な体力使ったら余計に腹が減っちまったぜ」
「もぉ、とうまー、遊んでないで早く帰ろうよー」
「そうそう。諦めて家に帰ってカップラーメンでも啜って下さいよ、カミやん?」
「ふざけんな、最初っからお終いまでテメエは……、次、舞夏が来たら覚えてろよ」
上条の口から『舞夏』の名前が出た途端、今まで余裕綽々だった土御門の顔色が一変する。
「テメ、カミやん、舞夏はカンケーねえだろ? つか、今ここでお前を潰すっ!」
「おらやってみろこの変態ロリシス軍曹がっ!! テメエの義妹に対する幻想をぶっ殺す!!」
「幻想じゃねぇ!! お前に俺の現実(リアル)が殺せるかっ!!」
上条の渾身のアッパーと、土御門の振り下ろすような拳が交錯した次の瞬間っ!
「ふっ!」
「「ごっ!?」」
相手に拳が届くよりも先に、お互いの額同士を打ち付けた上条と土御門が重なり合うように路上に沈む。
その向こうに仁王立ちする影は……?
「ふ、きよ、せ……」
「帰って……無かったにゃ……」
「ふん。あんたたちみたいな馬鹿がいると思って残ってたのよ。ったく、残ってて正解だったわね」
吹寄が冷たい一瞥を投げかける中、まず上条が覆いかぶさった土御門を押しのけてのろのろと立ち上がる。
それから路上に転がる土御門を助け起こそうと手を貸す。
「俺は、もう駄目だにゃー……。カ、カミやん……舞夏に会ったら伝えてくれ『お兄ちゃんはお前を愛してていた』って……」
「お、おいしっかりしろ土御門っ! 傷は、傷は浅いぞ!!」
「もう一発食らいたいのかしら?」
「「ノーサンキューであります、マムッ!!」」
吹寄に向かって軍隊仕込みの最敬礼をする上条と土御門であった。
そんな直立不動の上条の上着をちょいちょいと引っ張る者がいた。
「何だ、姫神?」
「上条君。ちょっと付き合って欲しい所が」
「え、これから?」
「そう。これから」
上条は一瞬天を仰いだが、すぐに気持ちを切り替えると、
「土御門っ」
上条は小さな声で土御門の名前を呼びながらインデックスから見えない角度で土御門に紙幣を握った手を突き出した。
土御門は一瞬上条の顔と握られた紙幣を見て、そっと紙幣を受け取るとズボンのポケットに仕舞いこんだ。
そしてインデックスの方を振り返ると、
「おーい、禁書目録。アイス買ってやるから先に土御門さんと一緒に帰るにゃー」
「アイス!? いや、え、えっと……、先に帰るってどういう事なのか説明してほしいかも」
アイスと言う言葉に一瞬怯むも誤魔化されずインデックスが上条を睨みつける。
「あ、ははは……、あ、あれだ金が足りないんでこれから吹寄と姫神と一緒にみんなの家を周らなくちゃいけないんだ。お前もバクバク食べたんだから判るだろ?」
「うー……、またバクバク食べたとか言って……、そんなに私は音を立てて食べるようなはしたない女の子じゃないんだからっ!」
「ご、ごめん、インデックス。とにかく、な、土御門に送ってもらえ」
「う―――――っ!」
インデックスは、まず上条を恨めしそうに涙目で睨み付ける前に、チラッと姫神と吹寄に視線を投げた。
(あれは。嫉妬する女の目)
(あからさまに疑われてるわね)
それぞれに心の内で感想を述べる2人。
にらみ合う上条たちを余所に、吹寄はすっと姫神の側によると耳元に顔を近づけて、
「姫神さん頑張って。あたしもいつか追いつくから」
「ありがとう。追いつかれるのは困るけど」
そう言うとお互いの顔を見合ってくすりと笑い合う。
「ほら、行くぜよ禁書目録」
「うー……」
上条、姫神、吹寄の3人はそれぞれの思惑を隠したまま、インデックスを引き連れた土御門の背中が路地に消えるまで黙って見送っていた。
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
「じゃ、あたしも帰るわね」
土御門の背中が見えなくなった途端、吹寄がそう言った。
「え? 吹寄も一緒じゃ――――」
「じゃ。お休み」
「お休み、姫神さん――上条当麻っ!」
「は、は、い……?」
急に名前を呼ばれたので返事をして顔を見れば、茹蛸のように真っ赤になった吹寄がそこにいた。
「吹寄、お前……」
「な、何、ひゃ!?」
吹寄は返事する間の無く上条に肩を捕まれた。
続いてぐいっと上条の顔がアップになる。
「「っ!?」」
吹寄と姫神が息をのむ中、上条の顔が吹寄の――顔のすぐ近くでストップすると、すんすんと鼻を鳴らした。
「さっきからテンション高いし顔も真っ赤だからてっきり酒でも入って――おい、どうした吹寄?」
「い、いや、何でも。そ、それより離して」
何時になくしおらしい吹寄の姿に首を傾げながらも上条は肩から手を離す。
「じ、じゃ、上条当麻、お休み」
「おう、お休みな――――って、オイ吹寄1人で帰……早っ、もう行っちまった」
あっと言う間に視界から消えた吹寄に一抹の不安を覚えながらも、上条はその気持ちを切り替えるように髪を乱暴にかき混ぜた。
そしてくるっと姫神の方に向き直ると、片膝を地面について片手を胸に当てると頭を垂れた。
「さって姫神。ご用件を何なりとお申し付けくださいませ」
上条の様子に絶句する姫神だったが、このままでは話が進まないとばかりに気力を振り絞る。
「君の乗りの良さには呆れる」
「平身低頭お使えする身と致しましては、不慣れながら粗相が無い様に対応する所存だ」
「あっ。そ」
姫神は勤めて上条の悪乗りに――――
「それでは上条君。エスコートお願い」
とことん付き合う覚悟を決めた。
「畏まりまして御座いますれば、いざ参りましょうか――で、どちらに?」
「まずは買出し。よろしく」
「おお! これが女子寮」
両手に一杯に膨らんだエコバッグを下げた上条は、わりと遅い時間なのも気にせず大きな声で感想を述べた。
そんな上条を置いて先に玄関を潜った姫神は、玄関の明かりを付けると上条に手招きする。
「お、おう――お邪魔しまーす」
「どうぞ」
上条の緊張気味な声に姫神が振り返らずに相槌を打つ。
玄関から入ってまず目に付いたのは、自分の部屋より数段立派な備え付けのキッチン。
綺麗に掃除されたそこは、一見すると使われていないような感じさえ受ける。
「後は私が片付けるから買ってきたものはそこに置いて。自分のジュースだけ取ったらこっち」
「お、おう」
いつも饒舌な上条の様子がおかしい。
とにかく口数が少なくなってきているのだが、それもその筈、初めて――記憶を失う前の事は上条にも判らないので、記憶を失ってからの事になるのだが――女の子の1人暮らしの部屋にお邪魔したのだ。
何も無いとは判っていても上条の心臓は勝手に早鐘を打つ。
そんな上条は姫神に誘われるまま部屋の中に通される。
上条が最初に受けた感想はシンプル。
ベッド、テレビ、ローテーブルに座布団代わりと思われるクッションが一つ。
その一つしかないクッションに上条を座らせた姫神は、
「あまり見られると恥ずかしい」
「あ、ああスマン」
あまりに落ち着きの無い上条の姿に、姫神はそっと釘を指す。
それから隣に腰を下ろすと、じいーっと穴が空くかと言うくらいに上条の顔を眺めた。
段々と居た堪れなくなる上条は声を裏返らせて、
「ひ、姫神っ。な、何でしょうか?」
「気にしないで」
にべも無く返した姫神はすっと立ち上がると、
「じゃ。私は着替えさせてもらうから」
「ひ、ひゃい!?」
変な声で返事を返す上条を置いて、姫神は備え付けのクローゼットに向かうと衣類を手に部屋の奥へと消えていった。
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
姫神は脱衣所の中に入ると、途端にその場にしゃがみこんでしまった。
気が付くと顔が真っ赤で息遣いも荒い。
「この緊張感は。生まれて始めて」
自然に振舞おうと頑張ってきた姫神だったが、上条があからさまに緊張しているのを見ていたら、緊張が移ってしまったのだ。
とにかく今の状態を鎮めないと上条に会わせる顔が無い。
姫神は何度も深呼吸を繰り返し、次に小さな声で「落ち着け。落ち着け。落ち着け」と呪文のように呟いた。
「あ。あの時も緊張したけど。それとは比べられない。私。怖いくらい意識してる」
あの時とは――かつて上条のいる学校に編入した時の事、それを思い出すと自然と自嘲の笑みが湧いて来る。
あの時の上条の反応と来たら、もう少し衝撃的な反応がもらえるかと期待していたのだが……、上条にそう言う色事的なモノを期待するのはお門違いだったと、今の姫神には理解出来た。
だからこそここで失敗する訳には行かない。
「この後何か作ってあげるつもりだったけど。今のままだと無理そう」
数少ない取り柄――と姫神は思っている――で失敗する事は出来ない。
「いっその事。このまま帰ってもらおう? ――いや。駄目。これ以上のチャンスは二度と無い。ここで頑張らないと。吹寄さんに先を越される」
姫神ファイト、と拳を作って鏡の中の自分を鼓舞した姫神は勢い良く、ばばっと制服を脱ぎ捨てる。
そして、自分の裸をまじまじと見つめて姫神は愕然とした。
「あっ。ブラ」
鏡に映る姫神の裸身。
胸の谷間に光るのは自身を守る十字架。
そして、谷間を作るその胸の頂上に貼られた絆創膏。
その間抜けな自分の姿を見た瞬間に、昼休みの情景が姫神の頭の中を駆け巡った。
すると急に、絆創膏の下からずきんと甘い痛みが姫神を襲う。
「あつっ!?」
姫神は胸を押さえて蹲る。
途端に顔だけにさしていた赤みが瞬く間に全身に広がり白い肌を朱色に染めた。
心臓は早鐘を打ち頭にどんどん血流を送り込んでくる。
そして……、触れなくても判る布地に隠された部分の湿り気。
「いや。上条君がいるのに。だめっ」
姫神はいやいやをするかのように頭を振って、自分の中の熱を追い出そうとする。
しかし、一度意識してしまうと意識はどんどんそっちの方にばかり向かってしまう。
もう絆創膏の下では、それを突き破らんばかりにしこった先端が出口を求めてぐいぐいと押し上げてきている。
(いやらしい私。上条君はどう思う? 好き? 嫌い? 嫌われたらどうしよう。嫌わないでっ)
姫神の心の中は上条への感情で一杯になっていた。
だから……
「お、おい姫神……」
「きゃ!?」
思いがけないほど近いところからの声――上条に急に呼ばれた姫神は飛び上がって驚いた。
その瞬間胸にチクッとした痛み……、とその後に開放感を感じて思わずホッとするが、
「ああ……」
姫神は鏡に映った自分の姿に再び唖然とした。
先程の痛みは驚いた拍子に絆創膏が剥がれた為、その後の開放感は硬くしこった頂が顔を出した為であった。
数時間ぶりに外気に触れた頂は、自分の体の一部なのにまるで見たことも無いものの様に淫らにそそり立ち存在感をアピールする。
姫神は、恐る恐るその紅い頂に指先を触れた。
「くっ!?」
瞬間ピリッと電気の様なものが体の中を駆け抜けると、姫神の中で何かが弾けた。
「その……、大丈夫……か?」
そんな姫神の耳にいとおしい上条の声が聞こえた瞬間、霞掛かった頭の中で愛と欲が実を結ぶ。
(欲しい。ここに……。触れて欲しい。)
「姫神……?」
「かみ……じょ……くん」
脱衣所の外から聞こえる上条の声に姫神は途切れ途切れに返事を返した。
その脱衣所の外にいた上条の方はと言うと、姫神の弱弱しい声に戸惑う。
しかし、着替えると言って席を立った姫神の事を考えると……。
(カ、カミジョーさんとしては、ここで飛び込んで姫神の裸を見る、なぁーんてテンプレ通りのお約束は御免被りたい訳ですよ)
姫神の事は心配だが、要らぬお世話で姫神に恥をかかすわけには行かない。
ましては、今失敗すれば1日に2度も姫神にいいのを貰う可能性が見えてくる。
姫神の右は世界を狙える、と実際に貰った上条は本気で思っている。
そんなこんなで躊躇する上条の目の前に、
「かみ……じょ……くん」
「うわっ!?」
脱衣所の入り口からにゅーっと白い腕が伸びてきた。
「姫神?」
「こっち」
白い腕は上条に向かって手招きをする様に振られる。
上条にはその意味が全く掴めない様で「え?」と言ってその場に硬直する。
「こっち。来て」
姫神が言葉に出して上条を呼ぶと、まるで操り人形の糸にでも操られるかのようなぎこちない動きで上条が脱衣所に近づく。
上条が近づくにつれ腕の先が徐々に見えてきて……。
「姫が……え?」
姫神と目が合った瞬間上条の頭の中には盛大に危険を知らせるベルが鳴り響いた。
それもその筈、そこにいた姫神はいつもの姫神ではなかった。
白い肌を紅く上気させ、表情豊かに妖艶な笑みを湛えた姫神に背筋に寒いものを感じた次の瞬間――――
「どわっ!?」
上条には何が起こったのか判らなかった――実際には姫神に手を手繰り寄せられて脱衣所の中に引き込まれたのだが。
その時躓いた上条は、脱衣所の床の上に転がると一回転して壁に激突した。
「い、いってぇ―――――え?」
天地も判らぬまま体中の痛みに悲鳴を上げる上条。
その腹に何かがのしかかる感覚に、ぎょっとして体を起こそうとした。
そんな上条の目に映ったのは――――!?
「吸って」
頭上から姫神の声がした。
上条は目だけを上の方へと動かしてゆく。
すると、水平より少し上に形の良い唇、その上には美しい稜線を描く鼻梁、そして若干潤んだ黒瞳と目が合った。
ごくりと上条の喉が大きな音を立てる。
「私の。いやらしい乳首。吸って」
姫神はもう一度、今度ははっきりとそれを口にした。
上条は視線を下げると、目の前にあるもの――姫神の乳房の先端を凝視した。
その目の前に突き出された赤みを帯びてそそり立つ肉芽に上条は息を呑む。
「おね……がい」
その一言が上条の心にどんな変化を及ぼしたのだろうか?
上条は、一度ぎゅっと目を瞑ると、緊張の面持ちのまま舌を突き出す。
そして慎重に、慎重に舌を伸ばすと姫神の膨らみの先端にそっと触れた。
「あっ」
艶を帯びた姫神の声に、その意味するところが理解できない上条が心配そうに見上げてくる。
「だい……じょ……ぶ」
姫神のその言葉に、上条は視線を元の位置に戻すと動作を再開した。
そんな上条を期待と情欲の入り混じった眼差しで見つめる姫神。
上条の生暖かい吐息と舌から微かに伝わる震えが姫神の性感を緩やかに刺激する。
ゆっくりとした上条の動作は姫神をじりじりと追い詰めていたが、既にもう姫神の位置からは自分の先端は見えない。
(来る……。もうすぐ……。あと。もうちょっと)
心の中で執行のカウントダウンをしていた姫神の期待に答えるように、ついに上条の口が膨らみに吸い付いた。
「あふ」
瞬間姫神の口からは安堵とも取れる声が漏れた。
今度は上条も迷わず姫神の膨らみを吸い続ける。
更に吸いながら硬くしこった頂に舌を擦り付けた。
「きゃ!?」
姫神の体が上条の体の上で跳ねる。
その嬌声に気をよくした上条は、頂の更に先端に舌の先を合わせると、ぐりぐりとねじり込むように押し付ける。
「舌ぁ……。それ……すご……」
上条は姫神の言葉を聞いて更に舌に力を込めて押し込む。
舌から来る押し返すような感触と、姫神の声と腹に押し付けられた部分の熱さが、上条の心を狂わせる。
上条は、舌を一度引っ込めると先端に弱く歯を立てた。
「あ。は? なに。すゆのぉ――――」
姫神が快感に酔ったまま声を掛けて来たのも無視して、上条は一気に立てた歯の先端で頂を扱いた。
その強すぎる刺激に姫神は声も無く体を硬直させる。
瞳は焦点を失い、呆けた様に開かれた口の端から垂れた涎が自身の胸と上条の顔を汚した。
しかしその変化に気が付かない上条は一心不乱にその動作を続けていたが、次の瞬間――――
「ぶっ!?」
上条は、姫神に頭を力強く抱きしめられて顔を胸に押し付けられた。
その息苦しさから思わず顎に力が入ってしまいこりっと言う感触が帰って来る。
「ん゛――――――――――――――――――――っ!!」
姫神は押し殺すような低い唸り声を上げて体を痙攣させた。
尋常じゃない震えと、頭を締め付ける腕の力に上条は驚いて声も出ない。
そんな状態がほんの僅か続いたと思うと、にわかに上条の腹の部分が生暖かくなる。
上条はそんな事にことに気付く余裕も無かったのだが、姫神は快感のあまり少し漏らしてしまったのだ。
そんな状態から暫くして腕の締め付けも緩んできたので、上条は姫神の胸から口を離す。
艶かしい音を立てて離れたそれは唾液のまぶされて先程以上に淫らな姿を見せ付けた。
(もう一度……)
そんな気持ちに捕らわれそうになる上条だったが、それよりも姫神の状態が心配だった。
「だ、大丈夫か、姫が……み」
先程から一言も発さない姫神に声を掛ける。
すると言葉の代わりに、姫神の手が上条の頭を優しく撫でた。
さわさわと柔らかく触られると、火照った体に心地よく、上条は目を細める。
その手が頬から顎の辺りに差し掛かったところで、くいっと力を加えられて上条は顎を上げさせられた。
夢見心地だった瞳が、姫神の目と合う。
純粋に綺麗だと思った。
いつも綺麗だとは思っていたが、今の姫神に比べたら普段の美しさは妙に作り物めいている様に感じる。
そんな魅入られたかの様に呆けた上条の顔に、姫神の顔が覗き込むように近づいて来た。
「いやらしい私。好き?」
「ひぅ――――」
上条はその質問に答えることが出来なかった。
上条の言葉は姫神の柔らかい唇に吸い込まれ、やがて夜の闇の中に消えていった。
END
投下終わりです。
色々感想がありましたらお願いします。
面白くなかった時も、出来ればスルーせずに文句言っていただけたらそれも励みになりますので。
あと、姫神生殺しにしてごめん。
次は本番書けるといいな(書くのは姫神とは限りませんが)。
でわ。
おつ
>>755 おおっ!凄い官能小説を見させてくれてありがとう御座います。
M属性に学校のトイレ。おまけに絆創膏ですか・・・・力が入ってますね。
アクティブに動き回る登場人物達、読んでて非常に楽しかったです。GッJョブ!
質問.小萌先生の娘ネタはあるんですか?
>>755 GJ。周りは。もっと褒めるべき。次は本番を。
さて、本番編の投下を全裸で待つとするか
>>760 馬鹿野郎!
ネクタイはつけろよ!
俺はいつもそうしてるね
最近は。姫神作品が。多くて。幸せ。
もう。□□□□とは。言わせない!
腹ペコシスター並みに出番がなかった姫神が輝いてるぜ……
本番が投下されるまで某素直クールSSを脳内変換して我慢してますかね
さてさて続きを書かない私は姫神を蔑ろに次のSSを投下します。
なので全裸待機の皆さんは服を着て下さい。
今度は上条×妹達(シスターズ)1名のSSです。
妹達(シスターズ)と名打ったのは、読んで頂けたら判ると思います。
全編ドエロと言うか調教入っていますので、駄目な人はスルーお願いします。
では『トイレのミサカさん』投下します。
『トイレのミサカさん』
自分の事をミサカと名乗る1人の少女――妹達(シスターズ)と呼ばれる御坂美琴の体細胞クローン――は暗闇の中で目覚めた。
「ここは何処でしょう? とミサカは現状把握が出来ていない事を吐露します」
まず何時もの病院のベッドの上ではない事はすぐに判った。
次に、自分が今座った状態にある事、両手両足に何か拘束があり特に両手は吊られた状態にある事も確認できた。
「以上の状況から推測すると私は捕まったようです、とミサカは暗い室内に目を凝らしながら結論を口にしてみました」
ミサカはミサカネットワーク――妹達(シスターズ)だけが利用出来る脳波リンク――に接続を試みるが応答は無い。
どうやらここは何らかの電磁波のかく乱が行われているのだろう。
次にミサカは電撃を使ってみようとするのだが、
「能力が使えません!? とミサカはこの事実に驚愕します!」
この事実は、ここが単なる監禁目的の場所では無く、本格的に能力者を閉じ込める為の施設である事を意味していた。
能力が使えなければただでさえ非力な自分は脱出できない。
最悪の展開にミサカは息を呑んだ。
(早急に脱出の為のルーチンを再構築しな――――)
ミサカは現状を打開する為にすぐさま脱出方法を模索しようとしたその時、突然部屋の中が明るくなった。
すでに暗闇に目が慣れ始めていたミサカにとって、その明るさに痛みすら感じた。
何とか目を閉じてその痛みに耐えていると、ミサカの耳にガチャガチャとドアノブを回す音が聞こえて来る。
続いて空気が吸い出される感触と共に、誰かが入ってくる足音が聞こえた。
そして、
「ふー、やっとカミジョーさんのプライベートな時間ですよ。おい、元気にしてたか?」
「あなたは? とミサカはあなたを確認してちょっと安堵します」
あまりにも聞き覚えのある声――、妹達(シスターズ)の命の恩人である少年、上条当麻の声にミサカは安堵のため息を付く。
ところが、そんな気持ちを打ち砕くかのように、何者かの手が突然ミサカの髪を鷲掴みにするとぐいと手前に引き寄せた。
室内にじゃらじゃらと金属のぶつかり合うような音が鳴り響く中、まだ目が光に慣れていないミサカは何の抵抗も見せずに床の上に投げ出された。
ミサカは固く冷たい床の感触を頬で感じながらぼんやりとした視線をさ迷わせる。
そんな状態の彼女の頬に、突然何かが押し当てられた。
それは圧力をもってミサカの頭を床の上に固定する。
度重なる状況の変化に混乱するミサカの耳に、更なる混乱をもたらす言葉が聞こえたのはその時であった。
「『あなた』じゃねーだろ。俺の事は『当麻様』で、お前は『便所』だろ? ったく何度言や判るんだこの欠陥品は」
「あなたが『当麻様』で私は『便所』ですか? とミサカはあなたの言っている意味がよく理解出来ません」
急激に視界が戻り始めたミサカは目だけで頭上を仰ぎ見た。
そこに見えたのは、自分を床に押し付ける裸の足の裏と、そこから伸びるスウエット地のズボンの足、そこからずぅーと上には見覚えのある顔。
確かに、自分を踏みつけているのが上条であると言う事実にミサカは珍しく驚愕の表情を浮かべた。
それ以上に驚く事は、あの上条が自分を便所(モノ)扱いした事だった。
あまりにもめまぐるしく変わる状況に言葉も出ないミサカの頬を、上条は呆れた表情を浮かべながら足の指でぐいぐいと引っ張る。
「ったく……。お前がどうしても寮に置いてくれって言うから仕方なく個室まで用意してやったんだろ? そんな事も覚えてないのか?」
私が? と言う言葉が浮かんでくるようなミサカの表情に、上条はやれやれと言った感じで頭を掻くと、ミサカの顔の上から足をどけた。
そして自らしゃがみこむと、ミサカの髪を鷲掴みにして床から引き上げると目線を合わせる。
ミサカは、そこに何時もどおりの上条の暖かい瞳を見て、安堵と不安が入り混じり内心混沌とする。
そんなミサカの内情などお構い無しに上条は、
「2日目でこれじゃすぐ使い物になんなくなるかもなぁ。それともあれか? 『栄養』が足りてないのかなぁ」
そう言うと、上条はおもむろに立ち上がって自分のスウェット地のズボンを脱ぎ捨てた。
すると、ミサカの目の前に隆々と天を向く上条のイチモツが現れた。
初めて目にする異性のそれにミサカはごくりと生唾を飲む。
「おら、口開け」
「口を開けと言われても、とミサカはあな……当麻様の言葉の意味が理解できず戸惑います。それか――――」
上条の言った意味が理解で出来ずに聞き返そうとしたミサカだったが、上条がそれを許さない。
「ごちゃごちゃうるせー便器だなぁ。カミジョーさんは健全なダンシコーコーセーですから毎日溜まるんです! だからだまって口開けろよ」
そう言い放つと、まだ喋るミサカの鼻と顎を掴むと強引に口を開けさせた。
「ふが? 無理矢ははははあえはええあえはほほはほほほほあ? おおおああおおあああほおあああああ(無理矢理口を開けさせて何をするのですか? とミサカは当麻様に問いかけます)」
上条の行為に戸惑うミサカ。
そんな彼女の柔らかそうな唇を潜ってまだ元気に動く舌の上に、上条はイチモツをそっとあてがった。
ミサカは舌から伝わる感触と独特な味と、鼻を抜ける香と、それ以上にこの状況に驚いて体が勝手に逃げそうになる。
「いいからそのままにしてろよ」
「おあ!?」
上条の低い声と、有無を言わせない両手の力がミサカをその場に釘付けにする。
そして上条はミサカの抵抗が収まると、ゆっくりとした動作でミサカの舌をレール代わりにして口の中を進み始めた。
その先の結末を予測してか、ミサカの唇は小刻みに震え、舌は抵抗を示すようにイチモツに絡みついてくる。
「歯ぁ立てんなよー」
上条はそんな事を言いながらも前進の手を緩めない。
その内にイチモツは口の中から喉に達したが、止まる事を知らないのか更に奥へと突き進んでゆく。
「えほっ、えほっ!」
「ぅん……。この押し返してくる感じが何とも……」
ミサカが嘔吐感にえづく度に喉の奥が上条を締め付けると、上条は目を細めてミサカの頬を優しく撫でた。
(え?)
その瞬間ミサカは、体の奥底に熱い疼きを感じて我知らず内股を擦り合わせた。
その間にも上条の前進は続き、最終的に根元まですっぽりと口の中に納められてしまった。
上条の恥毛がミサカの鼻先をくすぐる中、「オラ、動くぞ」の号令でそれは唐突に開始された。
まず、突き入れられたイチモツが半ばまで抜き取られると、カリに掻き出された大量の唾液がミサカの口の中に溜まる。
続いて再び喉の奥まで今度は一気にイチモツが突き入れられる。
そうして何度も繰り返される抽送に、ミサカの口の中は唾液と、若干の胃液と、イチモツから漏れる牡の先走りですぐに一杯になった。
最初は零すまいと堪えていたミサカだったが、そのうち口に納まる事も飲み込むことも出来なかった分が泡立ちながら滝のように唇から零れ落ちて、ミサカ自身の胸をしとどに濡らした。
じゅぶじゅぶと水音が響くミサカの頭の中は、既に嘔吐感も感じられない程に朦朧として来ていた。
そんなミサカの頬を何かがぺちぺちと叩くと、ミサカは涙で潤んだ瞳を上へ――上条の方に向ける。
「もっと舌使えよ。喋るしか能がねぇのかその舌は?」
上条の言葉に、ミサカは舌に力を込めるとイチモツに絡めるように動かした。
「そうそう。やれば出来るじゃねーかよ」
上条は嬉しそうにそう言うとミサカの頭を優しく何度も撫でた。
その瞬間、再びミサカの体の奥底に熱い疼きが沸き起こる。
すると、先程までの苦しさ等の不の感覚が全く別の……浮き上がるような高揚感に置き換えられてゆく。
その狂おしいほどの感覚に取り込まれたミサカの舌の動きは徐々に激しさを増して上条を追い立てる。
終いには唇をすぼめたりして前後する竿を締め付けるてやると上条のピッチが上がった――そろそろ上条の限界が近いのだ。
そして、その瞬間はすぐに訪れた。
「うっ。で、出るっ!」
ミサカは押し付けられた唇を伝って上条の腰が小刻みに震えるの感じていた。
イチモツの根元のその奥から、喉を通ってさらに奥に何かが放たれる。すると一段と強い牡の香が頭の中に充満する気がした。
それらを固く眼を瞑って感じるミサカ自身も、実は身を焦がすような快感に体を震わせていた。
そうして軽く達してしまったミサカがイチモツを咥えたまま上条に体を預けていると、喉の奥からゆっくりとイチモツが引き抜かれ始める。
すると、ずるずると引き出される竿と共に白濁液が緩んだミサカの唇からぼとぼと零れ落ちた。
イチモツを引き抜く間も小さく痙攣するミサカの喉を堪能した上条は、
「ふぅー。よし、残ってる分を吸い出してくれ。おと、ただし飲むなよ。吸い出した分は口ん中に溜めとけよな」
そう言って先端をミサカの唇に押し付けると、ミサカも黙って先端をズルズルと下品な音を立てて吸った。
ミサカが口をすぼめる度に、イチモツの中に残る残滓が口の中に溜まってゆく。
すると、瞬く間に口の中に広がった粘っこい液は、ミサカに牡の香を伝えた来る。
暫くそうしてイチモツに吸い付いていたミサカだったが、何も出なくなった所でちゅぽんと音を立てて唇を離すと、口を閉じてもごもごさせながら上目遣いに上条を見上げた。
上条は、そんなミサカの顎に指を当てると、更に上を向かせながら、「見せてみろ」と一言言う。
その言葉に答えてミサカは、大きく口を開けてその中にある唾液と白濁の交じり合ったものを上条に見せた。
「そのまま舌でこねて泡立ててみろ」
上条の言葉にミサカは忠実にそれを実行する。
口を開けたまま舌で中をかき回すと、ぐちゃぐちゃと汚らしい音と共に内容物が泡立ち始める。
それが唇から顎を伝って滴り落ちる程になった所で、
「ヨシ。飲めっ」
その合図でミコトは、上条の顔を見つめたまま口の中のものを一気に嚥下した。
ミサカの喉がごくりと鳴るのをじっくりと眺めた上条は、
「飲み終わったらどーすんだったかな?」
「ご、ごちそうさまでした。大変美味しかったです当麻様、とミサ……べ、便器は喜びを隠さずに言葉にします」
恥ずかしそうに、それでも目を逸らさずに言い切ったミサカに、上条は始めて笑顔を見せた。
そして優しくミサカの髪を指ですきながら、
「よしよし。カミジョーさん素直な子は女の子でも便器でも大好きですよ」
「ありがとう御座います当麻様、と便器は当麻様の賛辞の言葉に感動します」
そんな上条の言葉に、状況――今まで触れなかったが実は全裸で、両手足を鎖につながれ、手は今だ吊られたまま、床に膝立ちの状態――も忘れてミサカは珍しくほんの少し嬉しそうに感謝を述べた。
「じゃ、そんな素直な便器ちゃんにご褒美をあげようかな?」
そう言うと上条は、床に膝立ちのミサカを抱き起こした。
そしてくるっとミサカを回れ右させると、壁に手を付かせてお尻を突き出したような状態にする。
その状態から上条は、自分の指を後ろの割れ目をすっと掠めて一気にむき出しになったミサカの秘割にあてがった。
小さな水音と共に、ミサカの口から「あっ」と小さな声が漏れた。
暫くその水音とミサカの口から漏れる嬌声を楽しんだ上条は、ミサカの目の前に濡れた指を持ち上げた。
糸を引くそれを指で弄んでミサカをたっぷりと辱めた上条は、
「何だこの便器水漏れしてんな……やっぱ欠陥品は駄目だなこりゃ。捨てるか?」
「あっ、い、いやです当麻様。べ、便器は一生懸命頑張りますから捨てないで下さい! と便器は必死に当麻様に懇願します!!」
上条の言葉に本気でうろたえるミサカは、珍しく声を荒げて上条に懇願した。
「ぷっ!」
「?」
破裂音のような音に、ミサカは後ろの様子を確認しようとした。すると、
「ぷはははははは――んなお約束通りな反応すんなよ。なぁに、カミジョーさんはこれでも物は大切にするんです。この水漏れだってちょいと塞いでやれば――――」
「あっ!?」
ぴとっと秘割に何かがあてがわれた。
指よりもはるかに圧迫感のあるそれに、ミサカは自然と声が出てしまう。
そんなミサカに上条は、
「『あ』じゃねーだろ? こう言う時は、な、ん、て、言、う、ん、だ?」
「と、当麻様、どうかこの欠陥便器の水漏れをお止め下さい、と便ひゃぁぁぁぁぁあああああああああああああああっ!!」
ドンと言うお腹の壁を突き上げるような衝撃に、ミサカの声は途中から叫び声に切り替わる。
奥まで貫かれた衝撃に震えるミサカの秘所からは止め処無く愛液が吹き出して、上条の太ももとミサカの太ももを濡らしている。
「何だこの便器……。水漏れの次は振動が出んのか? って冗談はともかく――オイ、ちょっと逝っちまったか?」
「あ゛い、べ、べんぎ……ちょとイギました……、とべん……きはと、まさまの、ことば……そのままかえ……しまぁ……」
すっかり壊れたテープレコーダーと化したミサカは、訳も判らず上条の言葉をただ鸚鵡返しのように返す。
そんなミサカの様子に上条はちょっと面白くなさそうな顔をすると、乱暴に腰を打ち付け出した。
「んだ? 入れただけだってのにっ! 随分とっ! 感度がっ! 良いんだなあっ!!」
「あっ! ああっ、ああっ!! あい゛!? おぐに当た……ぅ」
「ははは、何時もみたいに喋ってみろよ、とカミジョーさんは便器に言ってみたりして」
ミサカの叫びも締め付けのあざ笑うかのように、上条のイチモツは力を増してミサカの中を削り取る。
もう床にはミサカからこし取られた愛液が水溜りを作っている。
そのまま一気にミサカを追い詰めるのか? そう思われるほど激しい腰つきが突然止んだのはその時だった。
「あれれ、すっかり中が膨らんじまってスッカスカだなぁ? オイ便器、物欲しそうにすんのもいいけど、これじゃあ俺が逝けないんですけど?」
「あ゛ー、あ゛ー」
ところがミサカの方は、すっかり頭の中が飛んでしまったのか上条の質問にも答えず1人迎え腰を振っている。
そんな状態のミサカに上条は呆れたような顔をして、
「何だこの便器、ICもイカれてやがんのかよ? チッ、仕方ねえなあ。ここは一つ荒療治といきますか?」
そう言うとミサカの腰を押さえてイチモツを一気に引き抜いた。
「あ゛うぅ?」
ミサカは、急な抵抗感の損失をいぶかしむも、相変わらず迎え腰を続けようとする。
その腰を上条はギュッと押さえつけると、先程の秘割では無くその上にあるすぼまりに竿にべったりと絡みついたミサカの愛液を塗りつけた。
それから小さく「動くんじゃねえ」と呟きながらすぼまりに先端を押し当てた。
そして、
「おりゃ」
「あ゛――――――――――――――――――――っ!!」
ミサカはまた一気に奥まで貫かれた。
そして先程以上の衝撃に彼女らしからぬ――いや人とは思えないような叫びを上げて体を仰け反らせた。
そのあまりの衝撃は彼女に激しい絶頂と共に失禁をもよおさせ、足元の水溜りはかさを増して更に大きく広がってゆく。
そんなミサカを余所に、上条は逃げるミサカの腰を押さえ込むとイチモツを引きちぎらんばかりの締め付けを堪能していた。
「おー、やっぱこっちのが締まるなぁ――――オイ、俺がイクまでイクんじゃねえぞ」
「あ゛、い゛、べんぎがんばり、あ゛い゛っ! べんぎが、あ゛あ゛ッ!!」
ミサカは既に自分を見失って聞き取る事も困難な叫びを発しながら一心不乱に腰を動かしている。
そんなミサカのすぼまりを抉るように上条は激しく腰を振るう。
そんな身を削るような快楽拷問が何時まで続くかと思われた。
だが、その終わりは突然に訪れる。
上条のイチモツが一際太さを増して張り詰めた瞬間、
「いくぞっ! うおっ、出っ!!」
「熱っ!!」
最初の迸りの熱さに一瞬正気に返ったミサカだったが、次の迸りをその内に受けると、後はもう声も無く何度も体を跳ね上げるだけだった。
そして、全てを吐き出した上条が満足して体の中から出てゆくと、そのまま意識を闇の彼方に手放したミサカは、ぐったりと鎖にぶら下がる。
幸せそうな笑みを浮かべて呆けるミサカ。
吊るされて床から浮いた尻のすぼまりは、もうすぼまりとは呼べぬようなうろ穴と化して、その縁は半ばめくれ上がり紅い空洞を晒している。
そして、そこから床へと滴り落ちる赤と白の混ざり合った粘液が、2人の行為の激しさを雄弁に物語っていた。
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
「――――と言う夢を見たのですが、とミサカ一九〇九〇号は報告します」
その言葉に一瞬沈黙したミサカネットワークだったが、
「それなら私も同じ夢を見ました、とミサカ一〇〇三二号も発言します」
「多分ミサカネットワークに繋がっている全てのミサカが同じ夢を見たのでは、とミサカ一三五七七号は確信を持って答えてみます」
「今回の夢を占い的に見るとどうなるのでしょう、とミサカ一八三〇二号は以前学園都市内に残る妹達(シスターズ)内で流行った事を思い出して聞いてみます」
次々と他の妹達(シスターズ)から、珍しく若干の熱を帯びた発言が飛び出す。
「それよりも夢を見て以後、ネットワーク内で音信普通の妹達(シスターズ)が数名います、とミサカ二〇〇〇〇号はあの人の身辺警護の必要性を訴えます」
「了解しました。それは学園都市(こちら)に残る妹達(シスターズ)で実行します、とミサカ一〇〇三二号は上位個体に代わって全てのミサカに回答します」
ミサカ一〇〇三二号――上条に『御坂妹』と呼ばれる個体――は、ほんの少しだけ面白くなさそうなニュアンスを言葉に乗せた。
それにいち早く気が付いたミサカ一八三〇二号は、
「ところでそのちっこいの――もとい、上位個体はどうしたのですか? とミサカ一八三〇二号は疑問を投げかけます」
「詳細を確認する気もありませんが、ネットワーク内に残る最後の言葉は、『ねえねえ肉便器って何何ぃ―――――って、ミサカはミサカはあなたに質問を投げかけてみたりっ!』でした、
とミサカ一〇〇三二号は妹達(シスターズ)の身の安全を心配しつつも上位個体はどうでもいいので放って起きます」
ミサカネットワーク内に妹達(シスターズ)のため息が木霊する。
「――――ところで先程から一〇〇三九号からの発言が無いのは何故ですか? とミサカ一三五七七号は疑問を投げかけてみます」
その一言に、同じ病室内にいた3人の妹達(シスターズ)の視線が、残る1人に注がれると、その注目の的になったミサカ一〇〇三九号は慌てたように俯いて視線を逸らすと、
「えっ? わ、私は……特に何も言う事が無いので黙っていたのですが……、とミサカ一〇〇三九号は平静を装いつつ答えます」
『平静を装う? とミサカ*****号は一〇〇三九号の言葉の意味を確認します』
綺麗なハモリ声とも呼べる発信がミサカ一〇〇三九号に集中する。
「あ、い、今のはただの言葉のあやですので深い意味を込めたつもりはありません、とミサカ一〇〇三九号はしどろもどろになりつつも答えました」
『…………』
(う、疑われていますね、とミサカは戦々恐々としながらも沈黙を守ります。しかし……、興味本位で朗読した本が全妹達(シスターズ)の夢に出るとは、とミサカは改めてネットワークの恐ろしさを痛感しました)
そう原因はミサカ一〇〇三九号だった。
いつぞやあの人の部屋を訪れた時に、珍しく写真集でも漫画でもない本が置いてあったので興味本位で題名から本を探して読んでみたのだ。
その題名は『淫欲の肉便器メイド』。
(さて、この夢をあの人にお話したら、あの人はどんな顔をするのでしょうか? とミサカはその情景を思い浮かべてほくそえみます。
それには妹達(シスターズ)を出し抜けるルーチンを構築しなければいけません、とミサカは成功に向けての行動計画の作成を開始します)
平静を装いながらもミサカ一〇〇三九号は行動を開始した。
END
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終了です。
何かSSの区切りに失敗して無駄にスレを消費しました。
申し訳ありませんでした。
で、また夢落ちでした。
読んだ方、是非感想下さい。
でわ。
すばらすぃ…
次は禁書でエロエロしいのをお願いします
乙乙
1000いかずに終わりそうで良かった良かった
ミサカネットワークによって妹達<シスターズ>は繋がっているというのは周知の事実だが、占いが話題となった時のカエル顔の医者の台詞によって、同一の意識でありながら個体差が生じているとの発言があった。
もし「出し抜きに成功」するミカサが誕生したとして、共有されない肉体的な差異が生まれたら、ミサカネットワーク上で共有される情報はどうなるのだろうか。
女性の場合、性行為は慣れるまでは苦痛であるというから……頭の中と体の方で感じるものの違いとか、どうなるのだろう。
……なんてエロ向きの話題だろうか。
>>772 本番通り越して肛虐展開にまで突入するとは・・・・・・。
近い内に書くんじゃないかなとは思ってたけど、ミサカを使うとは思いませんでしたよ。
楽しそうにノリノリで書いてるAサイドさんの姿が浮かびました。即興エロ魔人さん、乙です!
あれだ、美琴の罰ゲーム前夜の夢なんかがネットワークに垂れ流しになったら
大変だろうな…妹達がパニックに陥るとか。
んな感じで誰かの夢と夢がリンク、もしくはトレードされるような話もいいかな…
とちょっと考えてみる。
ところで一方さんはどんな夢見るんだろう?
GJ!
んで
>>767、一箇所名前がおかしなことになってます。
>>778 指摘ありがとう。
書き中何度も間違えて、散々見直したんだけど……
自分の間違いにニヤリとしてしまった。
久々に鼻水吹いた
罰ゲームって美琴さん策士だよな
何かと胸の事ばかりが話題になる女性陣だけど。
尻好きな私としては尻も気になる訳よ。
神裂、オルソラの尻はさぞかしエロいと思うのよな。
オルソラはやわやわでオリアナはしっかりしてたよ
一番いい尻してるのはインデックス
禁書乙
着眼点がエロいな…
>>785 吹いたww
1番はねーちんじゃないか?
引き締まってていい尻してそうだ
ねーちんの尻は引き締まりすぎててゴツゴツしてたよ。
やっぱりオルソラの桃尻がサイコーだな。
インデックスは観賞用。
その幻想はぶち殺しておこう
今日、本屋で17巻立ち読みしたんだがアックアことウィリアムって死んでなくね?
それとなんか上条さんを食っちまってなくね?(ヒーロー的意味で)
>>790 あそこまで絶妙なタイミングで登場するのは
全盛期の上条さんでも難しいくらいですね。
本 ス レ 行 け よ wwww
じゃあ上条さんのオカズは誰か考えるか
むしろ上条さんをオカズにするのは誰かで妄想と股間を膨らませよう。
まず、鉄板はビリビリだな。
ねーちんに限る
>>794 美琴なら更にまだオネイニーじゃなくて単純に抱きしめられてるのを想像するだけというピュアっぷり。
消燈後
御坂美琴は同室の白井黒子にバレないようにこっそりと
ツンツン頭の事を思いながら自慰に耽る
あの手に触れられたらどうなるかとか
あの口でキスされたらとか
裸にされて乳房を触られたりとか
乳首にキスされちゃったらどうなるだろうとか
それ以上のことも妄想しながら
声が出ちゃわないように枕カバーを噛み締めながら
片手で膨らみかけのおっぱいをやわやわと刺激しながら
パジャマとショーツの中の未熟な秘部に指を這わせているわけで
まあでも黒子にはお姉さまのしてることなんかバレバレで
逆に「あのお姉さまがあんなことを!!」
とその性匂をくんかくんかしながらもやっぱりこっちも自慰に浸るという
>>797 でもマジでどこでGするんだろうな
上条さんも。
上条さんの寝床はバスタブですよ
現実的な話をすると上条さんはやっぱり風呂場でこそこそやるんじゃないか?
もしくは土御門の部屋で(ry
上条「おい土御門、ちょっと尻を借してくれ」
土御門「は? かかかカミやん、ななな何を言ってるのかにゃー!?」
上条「いいからカメラ止めろ。尻を出せ」
土御門「ちょ、ちょっと待っくぁwせdrftgyふじこlp」
「「「アッー!アッー!アッー!」」」
>>800 /:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:/:..:.:..:/ 〃 ,. - 孑:テ穴ヽ.:..:.:.八
|:.:.〃.:.:.:.:/:/:.:.:\' / / _____ レ'〈:::ヽ }:.:.:.:..:.:\
V /.:.:.:.:/:/.:.:/___\ 、 / /ィ圻 灯 ノ 〈::ノ 从:.:.::.::\\
/.:.:.://.:/ハ < 代心ト '"´ ヾこツ ,. " /.!:.:\.:..:.:::ヽ:.>
/.:/ 厶イ ハ `¨ニ´ ¨¨¨ u ,..:.ーく..:.:.:.:!:..:.:.\:.\
<.イ ハ 从:.:.:.:!:.:.::.:!::.:...::.:.:\:\
/.:.ハ 〈 ,.イ:.::.:.:.:.:!:.:.:.:.:!:.:.:.:.:.:\..\>
, 彡:.:.:_込、 _ ,. -‐、 / .!.:.:.:.:.:.:!:.:.:.:.:!:.:.:!:.:.:.:.:.:\:.\ 土御門ォ…
ー==彳:.:.://.:.:.:>、 `¨ ー― ' / |_.:.:.:.|:.:.:.:.:|:.:..:!:\.:.:.:.:.\:.:>
/:./ /:.:.:.:.:.:/:.:.:>.、 ¨_,. ' _ ,. -< ∨:.:.:.:.:ハ.:.:ハ..:.:..ト、::.:.:.:\
以前の流れで「総受け気味の一方さんに打ち止めがヤンデレ化」というのがあったので
書いてみた小ネタ
エロあり、ロリありで、一方通行が受け身な感じの通行止め
苦手な方はスルーでお願いします
NGワードは「とある午後の」
では、以下5レス
きっかけは些細なことだったのかもしれない。
義賊を自認する彼は、人助け(この世界では女性を助けることだ)をする機会がはからずとも多い。
学園最強という称号となぞめいた噂、そして影をまとった彼の立ち居振る舞いは数多の女性を引きつけるには十分すぎるほどだ。
性格が破綻しかけている彼も、なんやかんやと言って、自分を頼ってくるものを邪険にすることはできない。
強引に迫られでもしたら突き放せずにどうなるか、知れたものではない。
何より、先日一方通行はどこにでもフラグを立てるあの男にまで抱きつかれていたのだ。
ミサカネットワーク経由でその男が色んな女性や自分の一万人もの姉妹達やオリジナルと
非常に複雑な関係を築いているのは、もちろん打ち止めも知っていた。
だが、男性まで守備範囲だというのには想定外だった。
状況からするに、偶然彼が突き飛ばされた先に一方通行がいて、『触るンじゃねエよ』とものすごい勢いで払いのけられたというだけのことだが油断はできない。
何しろ歩くフラグといっても差しつかえない彼ならば、男も女も見境なく、ひとたび触れ合っただけでこの後の展開がどうなるかは言わずもがななのだ。
つまり、状況は非常に危ういということだ。
というわけで、今の状況にいたったわけだ。
「風速が地盤沈下によるスタグフレーション的法則を見舞いまして乱降下!」
脳の損傷をおぎなっているミサカネットワークの管理権限を持つ打ち止めに言語野を没収されて、
一方通行の発する言葉は意味をなさない。
警備員たる保護者からいつの間にかぶんどってきたのか、彼の手首には手錠が嵌っている。
「どうしてこんなことになってしまったのだろうとミサカはミサカは首をかしげてみる」
首に嵌められているスイッチの電源も、少女がオリジナルから受け継いだ電気操作能力によって
すでにオンに切り替えることは不可能だ。
「だけどあなたが悪いんだよ、ってミサカはミサカは大主張」
今の一方通行の脳ではすでに少女の言葉の意味も認識することはできないが、かまわず少女は一方通行に囁きかけた。
「だって、あなたにミサカしかいないのとおんなじくらい、ミサカにはあなたしかいないのに」
不自由な両手に苦戦しながらばたばたと暴れる一方通行を、少女の小さな手がそっと押し倒す。
「ミサカのためにこんなになってまで守ってくれるようなひとは、あなた以外どこにもいないし…」
少女はいとおしむように、彼女を守るために一方通行が嵌めることになった彼の生き死にを左右する首輪をなぞる。
「姉妹達(シスターズ)とか上位個体じゃなくって、『ミサカ』を一番大事にしてくれるのもあなただけなんだよって…」
色素が欠如しているために血の色を透かしている一方通行の瞳を、少女が見つめる。
「ミサカはミサカは下手な言いわけ」
少女の話す内容も分からないまま抵抗する一方通行をあやすように、小さな手のひらがふわりと白い髪を撫でた。
「エンドロール洗礼ッ!形而上擬態ッ!!」
「だからどうしてあなたがミサカから離れて他のひととふらふらするのなんて、ミサカはミサカは認められないの」
打ち止めは、彼が彼女を想うのと同じくらい一途な狂気をもって、彼のまぶたに口付けた。
それがはじまりだった。
手錠が邪魔になって脱がすことはできないので、少女は一方通行のシャツをずりあげた。
まっしろな彼の体でそこだけ色づいている胸元に手を伸ばす。
年相応の顔つきでビー玉でも転がすように指で弄っていると、押しのけるような力がゆるみ、くすぐったさに戸惑うような声がした。
抵抗が少なくなったことを幸いに、少女はさらに反対側に口付ける。
これまたあめ玉でも舐め溶かすように、舌でなぞり口で食み、時折軽く齧ってみると、意味をなさない抗議の声があがる。
それが面白くなって打ち止めが続けているうちに、やがて罵声以外のものが少しずつ入り交じるようになってきた。
「これはなかなか感度良好ってミサカはミサカは意外な事実を新発見」
少女は嬉々として、幼い子供が好きなおもちゃで遊ぶように、一方通行の全身を弄り尽くしていく。
そもそも脳の機能の一部分を失っている一方通行には、今の状況を秩序立てて理解できない。
なぜ自分の手が不自由なのか、自分の上に少女が乗っているのか、何を話しているのか、
一方通行には分からない。
ただ皮膚から伝わる暖かい重みと、ゆるゆるとやって来る気持ちよさが本能で理解できるだけだ。
あらゆるものが意味をなさない混沌とした彼の頭のなかで、その感覚だけがリアルだった。
「この新発見に免じて少し言語を返すよってミサカはミサカは大サービスしてみるね」
さらに下って臍のあたりに口付けながら打ち止めが囁いた。
それと同時にしばらくぶりに一方通行の口から意味の通る言葉が響く。
「…打ち止め」
「アプリコット対照の干魃名鑑による向上がエンスト事象で天下泰平ッ!」
続く彼の猛抗議の言葉は、やはり意味をなさないままだった。
少女が返したのはたった一つの言葉だけだったのだ。
大サービスにはほど遠い仕打ちもそのままに、少女は一方通行の細身のジーンズのジッパーに手を掛ける。
空いたすき間から妙に手際よく引き出して、形を変えかけていたものを打ち止めは躊躇わず口に含んだ。
もちろん小さな口に全てを収めるのは不可能なので、先端だけを口内で愛撫し、残りはゆるやかに手でさすっている。
戯れるかのように口内で転がされ、ひっかくように爪先で浮き出た血管をなぞられれば、学園最強といえども為す術はない。
「っぐ…、…はッ…」
一方通行の口からくぐもった呻きが漏れる。
艶っぽい反応が返ってきたことが嬉しいらしく、打ち止めはますます献身的とも言えるほどに打ち込んでいく。
少女は滲み始めたものまで丁寧に舌先ですくい取って、また塗りつける。
幼子とは思えない、どこから仕入れたのか今ひとつ不明な技巧で、少女はそれは楽しそうに彼を追いつめる。
心地よさに沈みゆく頭では、状況一つ判断することもできない。
どんな経緯で、なぜこんなことになっているのか、理解することのできない一方通行には、まともな抵抗をすることもできず、ただ感じる快楽の狭間にいることしかできなかった。
痛いことや痛めつけることなら彼の体は知りすぎるほど知っていたけれど、こんなに気持ちイイことは初めてだった。
もたらされるものが憎悪や恐怖によるものだったら、いつかのようにきっと体が反射的にはねつけていただろう。
けれど底抜けの愛情には、一方通行はまったくの無防備だった。
今まで受けたことのなかったそんな愛情にも愛撫にも、彼の体はどう対処して良いのか分からなかったのだ。
少女の手が動きを早める。終わりは近い。
まぶたの裏がひきつるような痺れと、腰からとろけていくような暖かさが、混乱して何も分からない一方通行の頭をさらに蝕んでいく。
ぐちゃぐちゃに乱れきった彼の頭の中に、たったひとつだけクリアな言葉があった。
その言葉だけが変わらず彼の全てで、その言葉だけが彼の理だった。
濁り澱む脳内でただひとつきらめくそれを掴み取り、一方通行は混沌とした世界での最後の秩序の名を呼んだ。
「ラストオーダーァっ!」
そして白い少年の見る世界が真っ白に染め上がる。
同時に、彼の先端から放たれた飛沫が少女の顔も白く染めた。
幼い顔には不似合いの粘液を、少女は舌でぺろりと舐め取る。
何も分からないまま快感の余韻に漂う一方通行のうつろな目をうっとりと見つめ、打ち止めは微笑んだ。
そして精液くさいキスを一方通行の唇へとほどこす。
ぐちゃりと生臭い液体が口の中でかき混ぜられても、もう彼は抵抗しない。
そんな一方通行をいたわるように、打ち止めは優しく彼の頬を撫でてやる。
全ての感情を打ち止めに捧げ、いつだって彼女のことを一番に考えて行動する男からこれ以上のことを望むには、どんなに努力すれば足りるというのだろう。
荒くなった息を鎮めて、打ち止めは一方通行の耳を舌でなぞりながら湿った声を吹き込んだ。
「あなたはこれで満足したかもしれないけれど…」
そう言って、少女は笑みを深くした。
「ミサカはミサカはまだまだ全然足りないの」
以上
改行に一部お見苦しい点がありましたが、ご了承ください。
案外この二人はSM風味(どちらも可)でもイけるんじゃないのと思った今日この頃
>>808 GJすぎる…!!あんたが神か…。素敵なエロありがとう。ありがとう。
あと上条さんの扱いに吹いた。触れただけでフラグとかどんな能力だそれはwww
通行止めは確かにどっちでもいけるよな。うん。全力で同意したい。
>>808 二人の結び付き、お見事です。通行止めへの愛を感じるなぁー。
しかし、よくエロの中に心理描写が組み込めますね。これには、ホトホト感心してしまいます。
切っ掛けが上条さんとは、新機軸です。その内、上条×一方通行をやらかしそうに感じました。
>>811 スレ立て、乙です!
連休中に書き終わったら投下させて頂きます。気分転換の着ぐるみネタなのが申し訳ないけど。
>>79 「ちょ、ちょっと姫神サン?いったい何をなさっているんですか?!」
下校途中にいきなり手を捕まれ「付いて来て。何も言わないで」と姫神秋沙に連れてこられたのは
学園都市の人気のない公園の片隅の薄暗い便所なわけで。
そんな便所の男子トイレの個室に、上条当麻は姫神秋沙に連れ込まれ、便座に腰掛けさせられ、挙句の果てにベルトを解かれてしまっている。
っていうか流されすぎだ上条当麻。
「土御門。君が。言っていた。あなたは。欲求不満だと」
「え?ナニ?なんのことだ?」
「健康な男子は。一日一回以上自慰行為をしないとフラストレーションが溜る、と」
「い、いや、その、なんで?」
「あなたは。禁書目録と同居しているせいで。そういう行為に及べないと。土御門君は言っていた」
「いやその、図星って言うか、そのソレとコノ行為との関係がないでしょうが」
「だったら。あなたは。私の口で。自慰をすべき」
それだけ言うと秋沙はそそり立つ当麻の肉棒に向き合うと、薄桃色の唇を開きながらその中にそっとその逞しい先端を招きいれ
まで読んだ
>>808 一気に流れるように読ませていただきました。
ラストの2人が今後どんな立ち位置になって行くのか……。
一方通行は案外ずっと浮けのまんまの方がかわいいかな。
>>811 スレ立て乙です。
>>814 姫神のテンパりぶりと、あなたのテンパりぶりが重なって新しい面白さだったよ。
次は。落ち着いて書くといい。
ネタで、土御門と建宮の策略で、上条と神裂と五和とインデックスで姉弟ごっことか受信したんだが……
並び的におもしろいのは、
@神裂五和上条インデックス
A五和神裂上条インデックス
B神裂五和インデックス上条
C上条神裂五和インデックス
D上条インデックス五和神裂
かな?
>>808 GJ!良かった。二人のお互いに対する愛がビシバシ伝わってきた。
そーいや五和18だか19だか、とにかく
神裂さんじゅうはっさいと同じか上なんだっけ。
上条さんは年上好きのはずなんだが
中々好みのタイプ(管理人のおねーさん)に直撃しないな。
なんで?
五和が18か19なのにかんざきさんじゅうはっさいより年上なの?
>>819 いっそのこと作中出てきた年上のおねーさんを管理人にしてみるのはどうか?
わざと料理作りすぎて上条さんの部屋に持ってきたり、家賃待ってもらう代わりに体要求されたりとか
言い出しっぺの彼が管理人さんになるんですね……?ゴクリ
アッー!
五和ってほんの一瞬淫乱キャラと思った
だっておしぼりサービスだぜ?
保管庫更新乙!
おしぼりコキのSSあったよな。わりと続き待ってるんだが
おしぼりサービスって言葉自体がそのものズバリ、ソープランドの行為前の拭き拭きのことだからなw
>>829 あのほんのり怖い話か。
確かにあの後どう吊るし上げられるかは見てみたいぞ。
他にも加わりそうな人が居そうだし。禁書とか。
埋め! ってミサカはミサカは叫んでみる!!
495K
埋め
>>832 うるせェンだよクソガキ。ちッたァおとなしくできネェのか
/. : : : /. : : : : /. : : : : : : : : : :i: : : : : :`ヽ
/. : : : : //.:./ :/.: : : :/. : : : : /;ハ: : : : : : : :',
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/.: :/厶ィ7/||丁下ヌヽ/X´ / !_厶: :|: : : :\
. .:/⌒ヽY.: :.:lj八.弋:.:ノソ` ≦リ|:.:ノノ.: :/丁`ヽ ピキーン
. :{{ ゝ|: : : l| ー ' 丁下ヌイ.: :/!:/ __人,、__________
: :ヾ、 ヽ|: : : l| 弋ツノ/|/ ,リ  ̄ ̄`^'` ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
: : : :`ー‐|: : : l| ' ¨ {:.| この感じ・・・・・・・
:.:.: : :.:/ :|: : l: | _ } | 次スレの予感・・・
: : / /. : |: : l: | ´’ 人|
: / / : : ;|: : l: |> . イ: i: |
/ / . : /.|: : l: | `,r―― ' ´}: : |: :l: |
 ̄` ̄ .!: : !:.| /.: : : : : ://. : :|: :li:.|
長期休みは子どもがいっぱいだな
打ち止めがいっぱいだと…
「あのお人形さんカワイイってミサカはミサカは指さしてみたり!」
「それよりもミサカはあのお店の『ごおるでんアイス』っていうのが気になるかも、ってミサカはミサカはあなたの腕をぐいぐい引っ張ってみたり」
「あっちのベンチで休もうよーってミサカはミサカはあなたの背中に張りついてみるー」
「ぶーぶー、ミサカはあなたと二人っきりで遊園地に行きたかったのに、何でミサカたちと買い物なのってミサカはミサカは愚痴ってみたり」
「ごっはんっ、ごっはんっ、ご飯を食っべよーっ! ってミサカはミサカは物申してみたりーっ!」
「それよりも、もぐ……、下のかひにあったゲームセンター……はぐ。も面白そうだよ、ってミハカはミハカはタイヤキを頬張りつつ……むぐもぐ、……あなたのズボンを引っ張ってみたり」
「うっぜェからちょっと黙ってろってンだよクソガキどもォおおおおおおッ!!!」
一方さん、過労死するね
あと2KB
>>839 ジャージとエプロン、フェルトで作った名札装備の保育士一方さんが園児達(全員打ち止め)にもみくちゃにされている図が見えた
埋めネタ
魔術と科学とGAINAXが交差する時。
「逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ−−」
不幸にも山と積まれた宿題を前にした、黒髪の少年が一人。
「あんた、バカぁ?」
紫電を纏った、中学生が一人。
「あなたは死なないわ、ミサカが守るもの」
決意を表明する、クローンが一人。
「音楽はィィね」
凶悪な笑みを浮かべる、白髪赤眼が一人。
「計画に変更はない」
男にも女にも子供にも大人にも聖人にも囚人にも見える、とある組織のトップが一人。
>843
丁度、主人公が三馬鹿だ!
蒼ピーがえらい事になるな、それだと
書き忘れ
でも惚れてくれる委員長がいる
つまり吹寄と・・・でもグシャ
「埋めるんだよとうま!」
「唐突すぎる言葉だが上条さんは真摯に対応しよう。何を埋めるんだ?」
「昨日食べたフライドチキンの骨だよ! これを地面に埋めて水をあげると、明日には肉が一杯生えてくるらしいんだよ!」
「…………へぇー、そうかー。ちなみにそれは誰からの情報だ?」
「今朝舞夏に聞いたんだよ。メイドさんだけが知ってる極秘情報なんだって」
「二百パーセント騙されてるぞそれ」
ハ,,ハ
/\( ゚ω゚ )/\ いいでしょう
((⊂/\ /\つ))
ハ,,ハ /つ ) ノ
( ゚ω゚ )// (_⌒ヽ
/ / ヽ ヘ }
//) ノ ε≡Ξ ノノ `J
ハ,,ハ ⊂/ (_⌒ヽ
( ゚ω゚ ) ヽ ヘ } あなたが何でも
( \ ノノ `J 思い通りに出来るというなら
\\ \\ 一二
⊂\ (_\つ \つ 一二
\\,,ハ ヽ ヘ } 一二
//ω゚ ) ノノ `J 一二
(/ )
) //
(//ヽ
し ,ヘ } まずはそのふざけた
ノノ `J 幻想を埋めます。