日本テレビ系列 毎週土曜21時に放送されていたドラマ「銭ゲバ」のスレです
・投下される際にはエロの有無、カップリングの記載お願いします
・SS、作者への誹謗中傷は厳禁です
・荒らしは華麗にスルー
落ちない程度に適度に保守を
基本sage進行でまったり行きましょう
2 :
転載:2009/03/15(日) 18:35:05 ID:je8r/R6C
3 :
161さんの転載:2009/03/15(日) 18:36:06 ID:je8r/R6C
161 名前:名無し募集中。。。[sage] 投稿日:2009/03/15(日) 02:57:27.75 0
「ほら、ふー君、もう一件行こう、もう一件!!」
酔いが回って顔を真っ赤にしたご機嫌の緑は、
傍らの風太郎の肩にもたれかかると、嬉しそうに声を張り上げた。
「緑さん、さすがにやばいですよ、終電ももうなくなっちゃいますよ……」
緑にもたれかかられながら、同じように顔を赤く染めた風太郎は不安そうに言った。
同じように酒がまわっていた風太郎だったが、彼の方が緑より多少冷静だった。
「はあ!? 何言ってんの! ふー君が今日は飲もうって誘ったんでしょう!
だからこうして付き合ってあげたんじゃない!! だったら今度は私のわがまま聞いてよね!!」
不機嫌そうに眼を座らせて睨みつけ声を張り上げる緑に風太郎はたじろいだ。
確かに今日、緑を飲みに誘ったのは風太郎だった。
仕事の悩みから職場の頼れる先輩であり、同時に恋人の姉でもある緑に、
自分の話を聞いてもらおうと思ったのだ。
しかし、その思惑は一件目であえなく潰えた。
「つまらねえ悩み!!」
と緑に一蹴され、そこからは逆に緑に引きずられる格好で店を何軒も梯子し続けていたのだ。
――わがまま言ってんのはどっちだよ……。
風太郎をにらみつけながらなおも愚痴り続ける緑を前に、
苦笑いを浮かべて話を聞きながら、彼は内心やれやれとため息を漏らした。
4 :
161さんの転載:2009/03/15(日) 18:36:38 ID:je8r/R6C
165 名前:名無し募集中。。。[sage] 投稿日:2009/03/15(日) 03:06:42.61 0
「わ、わかりましたよ……じゃあ最後にしましょう……」
いくら説得してもらちが明かないと思った風太郎はやむなく緑に従うことにした。
と、その時だ。
「……気持ち悪い……」
さっきまで風太郎と怒鳴っていた緑は一転、顔を真っ青にして口元を押さえ、
その場にしゃがみこんでいた。
さすがに飲み過ぎていたのだ。
「大丈夫ですか、緑さん……」
しゃがみ込んだ緑を介抱しながら風太郎が声をかけたが、
「やばい……ちょっとやばい……」
そう言ってしゃがみ込んだままの緑は身体を起こすことが出来なかった。
「ちょっと、マジで大丈夫ですか?」
さすがに心配になって風太郎が彼女の背中をさすろうとしたとき、
緑は小さくつぶやいた。
「ごめん……下がって……」
「え?」
風太郎が戸惑いの声を上げると、緑は彼を強引に突き飛ばし、
そのままから顔をそらすと路上の木の根もとにそれまで飲み食いしたものを派手に吐き出していた。
それは風太郎を自分の吐しゃ物で汚しちゃいけない、という緑の乱暴な気遣いだった。
突き飛ばされていた風太郎だったが、よろよろと身体を起こし、慌てて彼女の背中をさすって解放をしてあげると、
「ごめん……ありがと……」
口元を押さえながら、緑は小さくこぼした。
5 :
161さんの転載:2009/03/15(日) 18:37:10 ID:je8r/R6C
166 名前:名無し募集中。。。[sage] 投稿日:2009/03/15(日) 03:15:40.15 0
それからもしばらく身動きできなかった緑だが、
しばらくの時間が過ぎてようやく落ち着いたのか、ふらふらと立ち上がることが出来た。
彼女が身動きできない間に風太郎は近くの自販機でミネラルウォーターを買ってきていて、
それを緑に手渡すと、「ありがと」と小さく頭を下げた緑はそっとそれを飲み、
ふぅ、と小さくため息を漏らした。
「ごめん、迷惑かけちゃったね……」
さっきまでの派手な振る舞いとは一転、申し訳なさそうに頭を下げる緑に、
「いや、俺はいいっすよ……それより緑さん、大丈夫ですか……?」
風太郎が声をかけると、
「うん、大丈夫。もう平気」
緑はニカっと白い歯を見せながら満面の笑みを作って歩き出そうとしたが、
すぐにふらふらっと倒れそうになり、満足に歩くことすらできなかった。
「全然大丈夫じゃないじゃないっすか!!」
倒れそうになった緑をあわてて支えながら風太郎が言うと、
「ごめん、こんなに酔っちゃったの久しぶりかも……」
そう言って緑は恥ずかしそうに顔を伏せた。
そんな緑を支えながら風太郎は携帯を取り出し、時間を確かめた。
終電に間に合うかをチェックするためだ。
が、すでに終電は発車した後。もう帰る電車はなかった。
「もう電車、終わっちゃってますね……」
携帯をしまいながら風太郎がつぶやくと、
「ごめん……」
緑は小さく頭を下げた。
「どうします……? タクシー拾いましょうか……?」
風太郎が路上を走る車に目をやりながら言うと、
「ごめん、ちょっと……休みたい……」
そう言って緑は再びその場にしゃがみこんでしまった。
6 :
161さんの転載:2009/03/15(日) 18:37:40 ID:je8r/R6C
167 名前:名無し募集中。。。[sage] 投稿日:2009/03/15(日) 03:25:19.63 0
――どうすんだよ……。
しゃがみ込んでしまった緑を前に、風太郎はそれまでの酔いも冷め、
心配そうに彼女を見つめていたが、とにかくこのままでいてもどうしようもない。
――どこかで緑さんを休ませないと……。
そう思ったとき、近くにビジネスホテルのネオンが輝いているのが目に入った。
「あ……ホテル……」
風太郎はぼそっと呟いた。
酔いつぶれた女性と二人きりでホテルだなんてまるでつまらない三文小説だ。
さすがにそれはなあ……と内心ためらっていると、緑が声を上げた。
「ホテルあるじゃん……あそこで休も……」
「ええっ!?」
これに驚きの声を上げたのは風太郎だ。
「ま、ま、ま、まずいですよ!
そ、そ、そんなじょ、じょ、女性と、ふ、ふ、ふ、二人きりで、
そ、そ、そのホ、ホ、ホ、ホテルだ、な、な、なんて!!」
酔いとは明らかに違う意味で顔を真っ赤にしながら、しどろもどろになって言うと、
「何言ってんの……違う部屋に泊まれば問題ないでしょ……馬鹿じゃないの……」
しゃがみ込んだままの緑は冷たい視線を風太郎に投げかけながら、やや呆れ気味につぶやいた。
「は、は、はい……そ、そうです……ね……」
そんな緑の反応に、少し慌ててしまった自分を恥ずかしく思いながら、
同時にどこか寂しさを覚えながら風太郎が小さく頷くと、
緑はゆっくり重たげに立ち上がり、
「行こ……」
そうつぶやいて、ふらふらと千鳥足気味にホテルに向かって歩き出した。
「ま、待ってくださいよ!」
風太郎はあわてて彼女の後を追いかける。
7 :
161さんの転載:2009/03/15(日) 18:38:06 ID:je8r/R6C
168 名前:名無し募集中。。。[sage] 投稿日:2009/03/15(日) 03:34:52.99 0
「え?」
風太郎と緑は二人揃って同時に声を出した。
それは二人が向かったホテルのフロント。
二人の前に立つフロント係の男性スタッフは申し訳なさそうに頭を下げて、さっきの説明を繰り返した。
「申し訳ございません。本日シングルは満室となっておりまして……。
ダブルの部屋でしたら一部屋ご用意できるのですが……」
二人は顔を見合わせた。このままだと同室に泊まるしかないからだ。
「どうします?」
「どうする?」
互いにじっと見つめあったままだったが、
緑は「うっ」と小さく呻くと、その場にしゃがみこんでしまった。
再び彼女を吐き気が襲ってきたのだ。
「だ、大丈夫ですか!?」
「大丈夫ですかお客様!!」
風太郎が身をかがめ、フロント係も慌てて受付から飛び出して、心配そうに緑に声をかけた。
緑はハンカチで口元を押さえたまま、
「大丈夫だから……」
と無理に笑顔を作ろうとしたが、その様子は明らかに大丈夫そうではなかった。
「すいません、じゃあそのダブルの部屋でいいですので、すぐに用意していただけますか?」
決断を下したのは風太郎だった。
それはやましい心も何も無く、ただすぐにでも彼女を休ませる必要があると思ったからだった。
すべては緑への思いやりの心からだった。
「わかりました、すぐにご案内いたします」
フロント係は風太郎に頷くとすぐに受付に戻り、部屋に案内する準備を開始していた。
「ごめんね」緑は風太郎を見つめて、小さくこぼした。
8 :
161さんの転載:2009/03/15(日) 18:38:37 ID:je8r/R6C
169 名前:名無し募集中。。。[sage] 投稿日:2009/03/15(日) 03:43:55.53 0
緑がふらふらなのでフロント係と一緒に入室した風太郎たち。
部屋に入るなり、
「ごめん……トイレ……」
緑はそうつぶやくとトイレに駆け込み、再びは出に戻していた。
「何かお薬用意しましょうか? もしなんでしたら、お医者様もお呼びいたしますが……」
心配そうに風太郎に尋ねてくるフロント係に、
「飲み過ぎただけだから大丈夫だと思うんですが……一応薬だけお願いできますか?」
風太郎がトイレの方を見つめながら言うと、
「かしこまりました。それではすぐに……」
そう言ってフロント係は部屋を出ていった。
「大丈夫ですか、緑さん……」
風太郎がトイレに入ろうとすると、
「ちょっと待って! ……汚いから……流すね……」
慌てて返事をした緑はトイレを流すと、ふらふらと出てきてその場にしゃがみこんだ。
風太郎にトイレに入られて自分の吐しゃ物を見せて不快な思いをさせるのが嫌だったのだ。
「薬、用意してくれるそうですから、それ飲んでゆっくり休んでください」
しゃがみ込む緑と同じように腰を下ろした風太郎は彼女に声をかけると、
「ごめんね……だいぶ落ち着いたからもう大丈夫だと思うんだけど……」
そう言って緑は少し苦笑いをしてみせたが、
その笑顔は無理に作られていることがすぐにわかって、風太郎には見ていて痛々しかった。
9 :
161さんの転載:2009/03/15(日) 18:38:58 ID:je8r/R6C
170 名前:名無し募集中。。。[sage] 投稿日:2009/03/15(日) 03:55:26.42 0
フロント係が用意してくれた薬を飲むと緑は、
「ごめん、寝るね」
そう言ってすぐにベッドに入り着替えもせずに休んでしまった。
そして緑が静かに寝息をたてはじめたころ、
ようやく風太郎も落ち着き、ネクタイを外すと緑の横のベッドに腰掛け、携帯を開いた。
見ると茜からメールが届いている。
「今日はお姉ちゃんと飲みに行ってるんだよね。
お姉ちゃんならふーの仕事の悩みにもしっかり応えてくれると思うから、全部打ち明けた方がいいよ。
私からもお姉ちゃんにふーのこと言ってるけど、ふーから直接話をする方がいいと思う。
あ、あと飲み過ぎないようにお姉ちゃんに注意しておいてね♪」
それは風太郎を気遣った健気な茜らしいメール。風太郎はそれを見ながら、
自分の悩みを「つまらない」と緑にあっさり切り捨てられ、
さらに彼女の飲み過ぎを防げなかった自分のふがいなさに苦笑しながら、
携帯を閉じて、ベッドに大の字になって横たわり、瞳を閉じると大きく深呼吸をした。
今夜の疲れがどっとこみあげてきて、そのまま身体を動かすことが出来なかった。
171 名前:名無し募集中。。。[sage] 投稿日:2009/03/15(日) 03:59:34.56 0
そのまま眠ることが出来たらよかった。
が、風太郎は不幸にもそれが出来なかった。
ここにきて急に隣で眠る緑のことを意識しはじめたからだ。
――緑さんと同じ部屋に泊まっている……。
職場の先輩であり恋人の姉である緑と同じ部屋で泊る。
それは他人から見たら何気ないことかもしれないが、彼にとっては一大事だった。
なぜなら風太郎はずっと内に秘めているが、緑に対して恋心を抱いていたからだ。
緑は風太郎の理想とする女性そのものだった。
172 名前:名無し募集中。。。[sage] 投稿日:2009/03/15(日) 04:10:14.18 0
茜との恋愛は彼女の風太郎への告白から始まったものだが、
彼女に緑を紹介された瞬間に、風太郎の秘められたその恋は始まっていた。
美しく、知的で、それでいて飾り気のない気さくな性格の緑。
気は強く乱暴なところはあるが、常に相手を思いやる心を忘れない優しい女性である彼女は、
風太郎が常に心に思い描く理想の女性像そのものだった。
それゆえに一途に自分のことを思ってくれる茜のことも風太郎はもちろん愛しいのだが、
緑への想いもまた捨てきれないものがあって、
風太郎はそれを表に出すことこそしなかったが、自分の内心でそれを感じないことはなかった。
緑にはいつも自分の傍にいてもらいたかったし、
いつも自分のことを優しく包んでいてもらいたかった。
言ってみれば母性愛のようなものを風太郎は緑に求めていたし、
それに応じることが緑にはできた。
だから風太郎は茜と仲良くしつつも、緑との絆も断つことはできなかった。
職場の先輩であり恋人の姉ということでもちろん縁はあるのだが、それ以上のものを求めていた。
それゆえに、こうしてたびたび飲みに誘ったりすることがあったのだ。
もっとも一線を越えてしまうつもりは風太郎にはなかったのだが。
173 名前:名無し募集中。。。[sage] 投稿日:2009/03/15(日) 04:15:33.83 0
だが、この夜はその一線を越える危険のあるものだった。
深夜のホテルに二人同じ部屋に泊まっているのだ。
ホテルに泊まることを決めた際は、風太郎は緑のことが心配で夢中だったが、
状況が落ち着いて冷静になって意識するようになると、胸の高鳴りを抑えることはできなかった。
ほんの少し思い切った行動をするだけで、あっさりその一線は越えることが出来てしまうのだ。
――隣のベッドに眠る緑さん……。そのベッドに入り込んでしまえば……。
こんなよからぬ想像が浮かぶたびに風太郎は頭をぶんぶんと振って、それを忘れるようにしたが、
しかし何度繰り返してもよからぬ想像はつきることはない。
もはや眠るどころではなく、むしろどんどんと目は冴えていき、
興奮を抑えることはできなくなっていた。
――やばい……やばいぞ……。
ベッドの上で頭を抱えた彼は、何度も寝がえりを打ちながら、悶々と苦しんでいた。
174 名前:名無し募集中。。。[sage] 投稿日:2009/03/15(日) 04:21:47.44 0
――そうだ、抜けばいいんだ……!
よからぬ想像に苦しむ風太郎が解決策にとっさに思いついたのはそれだった。
何のことはない。ホテルに常備してあるペイパービュー、要はアダルトビデオを見て、
一回すっきりすれば、多少はこの興奮は収まり、静かな夜を迎えられる、そう思ったのだ。
傍から見ればそれはあまりにも愚かな考え。
しかし当の風太郎にとってはこうでもしないと自分が暴発しそうで必死だった。
幸い緑はすやすやと眠っている。
風太郎はそれを見てほっと溜息を漏らすと、
静かにテレビの下の引き出しを開けてみた。
「ビンゴ!」
彼は小さくガッツポーズをする。
そこのは備え付けのイヤホンがあった。
これを使えば音が漏れる心配もない。
「よしよし……」
彼は何度も頷くと、リモコンを手に取ってテレビをつけ、すぐにアダルトにチャンネルを合わせた。
いくらかの利用料金が発生するがそんなことはたいした問題ではない。
サッサと契約の手続きを済ませると、アダルトの一覧を表示し
思い切って一つの作品を選んだ。
「義姉さんいけないよ!」なる義理の姉との恋愛ものだった。
175 名前:名無し募集中。。。[sage] 投稿日:2009/03/15(日) 04:29:38.57 0
――うわあ、ひでえ……。
再生するなり、風太郎は顔をしかめた。
ヒロインであるはずの義理の姉があまりにも不細工な女優だったためだ。
風太郎は気づいていなかったが、こういうペイパービューのアダルトものはなぜか知らないが、
有名女優の作品は少なくて「これハズレだろ」というようなものが少なからずある。
彼は不幸にもその一つに当たってしまったのだ。
――一応最後まで見てみよう……。
そう思いながら風太郎は黙ってモニターを眺めていたが、
女優もひどければ話の内容もひどかった。
たまたまなぜか同居することになった義理の姉と弟。
弟が姉のパンティーを使ってオナニーをしているとそれが姉にばれるのだが、
なぜか姉はそれを嬉しいと言ってそのままずるずると関係に陥り、
演技丸出しの興奮することもできないつまらないセックスをして、
そのままハッピーエンドとして終わる、というものだったのだ。
――こんなに簡単に行くわけねえだろうが!
作品を見終えた風太郎が、自身の経験に基づいてこの駄作に毒づいていると、
不意にイヤホンが乱暴に外された。
慌てて風太郎が振り返ると、
そこにはすやすやと眠っていたはずの緑が座り、風太郎のイヤホンを片手にしていた。
彼女が風太郎のイヤホンを引き抜いたのだ。
「何してんだよ」
目を怒らせて睨みつける緑に、風太郎は返す言葉が見つからなかった。
223 名前:名無し募集中。。。[sage] 投稿日:2009/03/15(日) 18:12:49.42 0
「み、緑さんこそ……何してるんですか?」
びっくりして固まっていた風太郎が、少しの時間をおいて紡ぎだした言葉がこれだった。
緑は眠っていたはずなのだ。
うっとうしそうに風太郎を睨みつけながら緑は吐き捨てる。
「妙にまぶしいから目が覚めて、見るとふー君がテレビで何か見てるから、
『まぶしいからテレビ消して』って何度言っても返事してくれないから、こうしてるんだよ」
不幸なことにイヤホンをしてAV鑑賞をしていた風太郎には緑の声が聞こえなかったようだった。
と、緑はちらりと首を伸ばして風太郎に隠れているモニターをのぞいた。
風太郎にとってさらに不幸なことに、
そこには再生を終えた「義姉さんいけないよ!」のタイトルと、
あの不細工な義姉役の女優が乳房を露わにして、それを弟が間抜けそうに吸う姿のジャケットが映し出され、
その下に「もう一度再生しますか? 終了しますか?」という確認メッセージが併せて表示されていた。
「しかも観てるのアダルトだし……最悪……」
軽蔑するようにつぶやいた緑を前に風太郎は返す言葉が見つからない。
最悪なのは風太郎の方だった。
まさか眠っていた緑が突然起きて、しかも何を観ていたかまで確認されるとは思わなかった。
すべてが緑の前で曝されてしまったのだ。
224 名前:名無し募集中。。。[sage] 投稿日:2009/03/15(日) 18:13:13.87 0
気まずい沈黙がしばらく続いたが、それを破ったのは緑だった。
「そりゃあさ、私は職場の先輩でしかも茜の姉。
ふー君とは家族同然の存在だから、ついつい気が緩んじゃうんだろけどさ、こう見えても私、女なんだよねー」
そう言いながら大げさにすねた様子を見せた緑は乱れた髪をくしゃくしゃと乱暴にかくと、
「だから、ちょっとはさ、私のこと女として見てくださいよ。デリカシーくらい持ってよ。ね?」
ため息を漏らしながらそう言って、いつしかぎゅっと正座してうつむいたままの風太郎を覗きこんだ。
緑にしたらそれは冗談交じりの非難だった。
彼女は男がAVを観ているくらい当り前のことだと思っていたから、
風太郎がそんなものを観ていることに嫌悪感なんて抱かなかったが、
けれど、女の自分の前でそんなものを堂々と見ながら、
テレビを消してくれと言っても消してくれなかったことには腹が立っていた。
もっとも、それについても本当はもう何も言うつもりはなかったのだが、
突然の出来事にびっくりしたのか、風太郎が自分の予想以上に固まってしまい、
気まずい沈黙が支配するようになったのでこれを打ち破るため、
また風太郎の緊張を少しでもほぐしてあげようと思って、緑は自虐的な冗談を交えて風太郎を批判をしてみせたのだ。
しかし、風太郎は固まったまま返事をしない。じっとうつむいたままだ。
225 名前:名無し募集中。。。[sage] 投稿日:2009/03/15(日) 18:13:39.66 0
――さすがに気まずすぎるか……。
義理の姉である自分にAVを観ている場面に遭遇されたら、
恥ずかしすぎてこうなってしまうのもしょうがないか、
そう思った緑は、パッと明るく笑顔を作って再び風太郎を覗き込んだ。
顔の左右にぱっと広げた両手を太陽に見立てて大げさに振りながら……。
「ほら、ふー君、お姉さんもう怒ってないよー。大丈夫よ? ねー?」
しかし、それでも風太郎の様子は変わらない。
「もう!」
そんな風太郎にうんざりした様子で緑は言った。
「そんなに固まらないでよ。なんだかこっちが悪いことしたみたいじゃない……」
そう言って視線をさまよわせて居心地が悪そうな緑と、
じっとうつむいたままの風太郎の間を気まずい重たい沈黙が再び支配した。
226 名前:名無し募集中。。。[sage] 投稿日:2009/03/15(日) 18:13:58.58 0
「……だったんです……」
小さくぼそりとこの沈黙を打ち破ったのは今度は風太郎だった。
「え?」
しかし、あまりにも小さな声だったために風太郎の言葉が聞きとれなかった緑が疑問の声をあげると、
風太郎はさっきよりも声を大きくして、はっきりと言った。
「ずっと好きだったんです……緑さんのこと……ずっと……」
「え……」
予想外の風太郎の言葉に緑が言葉を失っていると、
風太郎は何かのタガが外れてしまったかのように、
それまで抱きつづけてきていた緑への想いを打ち明けた。
緑が自分にとってずっと理想の女性であったこと、
いつも緑を意識していたこと、
緑と深い絆で結ばれたいと思っていたこと、
そしてどうしてこんなAVを観ていたのかまですべてを洗いざらい緑に打ち明けた。
もう隠せない、そう思ったのだ。
227 名前:名無し募集中。。。[sage] 投稿日:2009/03/15(日) 18:14:22.48 0
「……」
今度言葉を失ったのは緑の方だ。
風太郎の告白は緑にとって予想外だった。
まさか自分に好意を抱いているとは想像もしていなかった。
ただ、私になついているだけで、この子は茜を一途に愛している、そう信じて疑っていなかった。
そんな緑に風太郎は言った。
「だから……緑さんを女性として見てないなんてことありません……。
いつもいつもあなたのことを……一人の女性として……意識してました……」
風太郎にとって緑から「自分のことを女として見ていない」そう思われることは最も辛いことだった。
それだと、緑が自分の想いに全く気付かれていないことになってしまうから……。
228 名前:名無し募集中。。。[sage] 投稿日:2009/03/15(日) 18:14:43.56 0
そのあとはまたも重たい沈黙が支配した。
風太郎が思い切ってすべて洗いざらいに緑に話したことに後悔の念を抱きそうになった時、
いつの間にかうつむいたままになっていた緑がそっと口を開いた。
「……茜はそのこと……知ってるの……?」
「……前に一度……聞かれました……緑さんと初めて会った直後に……。
『お姉ちゃんのことばっかり話してる』って……。僕が……茜に緑さんのことばかり聞いていたから……」
緑と同じようにうつむいたまま風太郎がぽつりぽつりとつぶやくと、
「それにあなたは何て言ったの?」
緑は驚くほど静かに冷静に、
しかし同時に少しふれただけでも血が噴き出してしまいそうな鋭さを秘めながら風太郎に尋ねた。
彼は絞り出すように答える。
「茜のことが好きだと……言いました……」
229 名前:名無し募集中。。。[sage] 投稿日:2009/03/15(日) 18:14:59.58 0
「聞かなかったことにするね」
そう言って緑はすっと立ち上がるとベッドを下りて、荷物を整え始めた。
「え? 聞かなかったことにするって……」
突然行動を開始した緑に戸惑いながら風太郎が聞くと、
緑はてきぱきと荷物を整えながら言った。
「ふー君の告白。君は茜と仲良くしたいんでしょ? だったら今日の話はなかったことにしましょ。
まだ酔いが抜けてないから、自分でもわけのわかんないことを言っちゃったんだよ」
緑としてはそうすることでこの話を綺麗に収めるつもりだった。
風太郎の告白には驚いたが、茜の問いかけに「茜を好きだ」と彼が答えたのを聞いて、
彼の本心は茜にあるんだ、そう思った。
だったらこの話は気まぐれなもの。聞かなかったことにすればいい。
緑はそう考えていた。
何よりも茜を悲しませるのが嫌だった。
230 名前:名無し募集中。。。[sage] 投稿日:2009/03/15(日) 18:15:24.31 0
荷物をまとめ終えた彼女はコートのボタンを締めていくと、
「とりあえず私、この部屋出るね。お金は私が払っとくから……心配かけせさせちゃってごめんね」
冷たく機械的に言って、そのまま部屋を出ようとした。
「ま、待ってください! 部屋を出るったってもう夜中ですよ!? どうするんですか?」
風太郎はそんな緑を止めるようにして慌てて叫んだ。
それはホテルを出た緑が夜中にひとり街中をさまようことを心配したのと同時に、
このまま緑が自分の前からいなくなってしまうのではないか、という不安からのものだった。
「大丈夫だよ、どこかでぶらぶらして時間つぶすから……」
緑は小さくつぶやくと、風太郎の方に振りかえって言った。
「今度から二人きりで会うのやめましょ……職場でも仕事のこと以外じゃもう関わらないように……。
その方がお互いのためにいいことだから……。わかった、ふー君?」
風太郎の不安は的中していた。
緑はこれからは風太郎と距離を置くつもりだったのだ
「……茜のこと……これからもよろしくね、ふー君……」
ふっと寂しげにこぼした緑は優しく儚げに風太郎に微笑みかけると、
そのままくるりとドアの方へと進んで行った。
この部屋を出ていくために。そして、風太郎との近づきすぎた距離を広げるために。
231 名前:名無し募集中。。。[sage] 投稿日:2009/03/15(日) 18:15:47.25 0
風太郎はその光景をまるでスローモーションの映像を見つめるようにして、茫然と見つめていた。
――緑さんが出ていく……。二人きりでももう会えない……職場でも親しくしてもらえない……。
緑との絆が失われていくことに、言葉に出来ない絶望が風太郎の中で広がっていった。
――もう会えない、モウアエナイ、アエナイ……。
心の中で何度も繰り返しながら……。
232 名前:名無し募集中。。。[sage] 投稿日:2009/03/15(日) 18:16:08.71 0
「イヤダアアアアアアアアーーーッッッ!!」
風太郎が獣のように絶叫したのは緑がドアノブに手をかけた瞬間だった。
突然の出来事に緑が驚いて振り返ると、
そこには猛然と自分に駆け寄ってくる、それまで見たことのないものすごい形相の風太郎の姿があった。
「え?」
びっくりして立ち尽くしている緑に風太郎は勢いよく飛びかかると、そのまま彼女を押し倒した。
入り口前の狭い廊下で倒れこんだ二人が激しくもつれ合う。
「いやあああっ!」
緑は叫んで、風太郎をなんとか押し離そうとしたが、
彼は信じられないほどの力を発揮して、彼女を押さえこんでいて、
逃れようと幾らあがいても緑は風太郎に押さえこまれてしまった。
「離して! 離しなさい!! 君は茜のことが好きなんでしょ!! 何やってるの!!」
力づくで風太郎に押さえこまれながら、なおももがき続ける緑は叫ぶ。しかし、
「いやだいやだいやだ!! 緑さんがいなくなったら嫌だ!! いやだいやだ!!」
風太郎は狂ったように繰り返しながら、緑のことを離そうとしない。
「私はあなたとは一緒にいない方がいいの!! お願い、わかって!!」
緑は懇願するように叫ぶが、風太郎には通じない。
「嫌だ嫌だ嫌だ!!」
と、首を激しく左右に振り立てながら繰り返すばかりだった。
233 名前:名無し募集中。。。[sage] 投稿日:2009/03/15(日) 18:16:33.28 0
それからもしばらく二人はもつれあった。
緑がなんとか風太郎と引き離そうと懸命に彼の胸板を両手で押したときだ。
ぱたっぱたっと緑の頬を何かが濡らした。
――え?
何事かと思って緑が顔を上げると、そこには風太郎の顔があった。
彼は顔をまるで子供のようにぐしゃぐしゃにして涙を溢れさせている。
緑の頬を濡らしたのは風太郎の涙だったのだ。
風太郎に両手を抑えつけられたままの緑と目線が重なった時、
「……嫌だ……緑さん……いなくならないで……」
息を大きく乱しながら、風太郎は泣きつかれた子供のように絞り出した。
これこそが風太郎の想いのすべてだった。
緑がいなくなる、そのことに絶望を覚えた彼はなりふり構わず彼女を引きとめようとしていたのだ。
緑との絆は何があろうとも失いたくはなかった。
「……」
風太郎と同じように息を弾ませたまま、緑はそんな彼をじっと見つめたまま動きが取れなかった。
234 名前:名無し募集中。。。[sage] 投稿日:2009/03/15(日) 18:16:52.26 0
二人が見つめあうことで一瞬の間があった後、再び風太郎の動きが激しくなった。
ただそれはさっきまでのものとは少し違っていた。
緑の服を乱暴に脱がせようとし始めたのだ。
緑を引き留めようと強引に押し倒してしまったことで、彼の中で何かのスイッチが入ってしまっていた。
「いやあああっ!! 何してるの!! やめて!!」
風太郎の目的に気付き、緑は叫んだ。
しかし風太郎は止まらない。なんとか緑のコートを脱がそうとボタンに手をかけ、ぎこちなく外そうとする。
それを食い止めようと緑も必死になり、お互い再びもつれ合う。
と、ボタンをはずそうとする風太郎の動きが止まった。
突然のことに緑が一瞬拍子抜けしたようになると、次の瞬間、
「んんっ……!!」
緑はくぐもった声を上げた。
ボタンを外すことをあきらめた風太郎は、強引に緑の唇を奪っていたのだ。
235 名前:名無し募集中。。。[sage] 投稿日:2009/03/15(日) 18:17:09.81 0
「んんっ……んっ……うんんん……」
風太郎に唇を奪われたまま苦しげにくぐもった声を漏らしながら、
緑はなおももがいたが、風太郎は逃してはくれない。
――く、苦しい……。
さっきから暴れているせいで息が乱れている中、
ぴったりと唇を重ねられているうえに、上からのしかかられているために、
息をまともにすることが出来ず、緑は意識が遠くなりそうになった。
それでも風太郎のこれ以上の侵入を許してはならない、
と緑は唇をぎゅっと閉じて懸命にこらえていた。
何とか自由に動かすことのできる両脚をばたつかせながらもがいているが、
風太郎は唇を重ねたまま身動きしようとしない。
236 名前:名無し募集中。。。[sage] 投稿日:2009/03/15(日) 18:17:33.87 0
それからどれほどの時間が経ったろう。
風太郎は緑の許しを請うようにずっと唇を重ねたまま彼女を押さえつけていた。
伏せたままの両の瞼から涙はずっと溢れ続けていて、頬を伝った彼の涙は緑の頬を濡らしていた。
と、パンパンと背中を緑に叩かれ、風太郎はハッとした。
瞳を開けて緑を見ると、彼女は顔を真っ赤にして風太郎を苦しげに見つめている。
彼がとっさに唇を離すと、
緑は唇を大きく開いて「はあはあ」と苦しげに吐息を漏らしながら、観念した様子で言った。
「……わかったから……離して……シャワー……浴びさせて……」
転載は以上です
追々続きを投下されるそうですよ
お疲れ様です。
それでは今後はこちらでよろしくです。
ワァオ、スレ立て乙
続き待ってるよー
やや熱めの湯がシャワーから勢いよくあふれ出て緑の身体を濡らしている。
気持ちよさげに瞼を伏せ、顔からシャワーを受けながら、
緑は顎をくーっと大きく仰け反らして、そのまま細く長い首へと連なる美しく滑らかな曲線を描きながら、
濡れた髪をオールバックにするようにして後ろに綺麗に流し、
充満する湯気に包まれながら、まるで人形のように身動き一つしないでいる。
――私、何してるの……。
緑は思う。
緑は風太郎とは距離を置くつもりで部屋から出ていくつもりだった。
もう今までのように仲良くしない。茜のためにも身を引こう、そう思っていた。
さらに、職場も辞めて家も出ていく、そこまで彼女は考えていた。
そうしないと風太郎を弄ぶようで可哀想だし、みんなのことも不幸にしてしまう、そう思ったから……。
自分一人が身を引いて、他のみんなが幸せになれるならそれでいい、緑はそう思っていた。
なのに今、緑はシャワーを浴びている。それは単なる入浴行為ではなかった。
これから風太郎に愛されるために、そして風太郎を愛するために、少しの汚れもないように身体を清めようと思っていたのだ。
――茜……泣くだろうな……。
緑はぼんやり思う。
けれどもう止められない、そう思った。
なぜなら緑も風太郎を愛してしまっていたから。
いや、今まで気づかないままでいた、
もしくは気づかないふりをしていた自分の想いに気づいてしまっただけなのかもしれない。
初めて茜の紹介で風太郎に出会ったとき、「可愛いな」と思った。
両親から大事にされて育ってきたのだろう。
どこか抜けたところはあるけれど、心の優しい可愛らしい男の子だ、そう思った。
茜はいい男の子を見つけた、そう思い素直に二人を祝福していた。
それからも緑の望みどおり、茜と風太郎は仲良く付き合っていた。
ただひとつだけ思わぬことがあった。
なぜか風太郎は自分にも懐いてくるのだ。何かと言えば自分に甘えてきた。
そんな風太郎のことを緑はさらに可愛いと思った。
年上の自分に懐いてくれることが嬉しかった。
だから緑は風太郎のことはいつも何かと面倒見ていたし、
この夜も風太郎に飲みに誘われたら、素直に応じて話を聞いてあげていた。
――可愛い弟……。
そう思いながら、緑は風太郎と仲良くしていたのだ。
彼が自分に懐いてくるのはあくまで「姉」として慕ってくれているのだ、そう思っていた。
そんな中での思わぬ風太郎の告白。
緑はとにかく驚いた。
茜と付き合っていながら、まさか風太郎が自分にも好意を寄せているとは思わなかった。
――冗談……でしょ……。
そう思いながら、
けれど同時に胸の奥から言葉に出来ない高鳴りがして、身体の震えを抑えることが出来なかった。
それは緑が初恋をしたときに覚えたあの感覚だった。
しかし、風太郎は茜の恋人だ。
それに彼自身、緑への想いを茜に疑われた際、茜に「好きだ」と伝えているという。
――だったら私が身を引くしかない……。
緑は即座に決断した。
私への想いはこの子の一時的な気まぐれだ。
本当はこの子は茜のことが好きなんだ。
風太郎の思わぬ告白によって起こった胸の高鳴りはすぐに鎮まり、
かわりに言葉に出来ない寂しさを覚えながら、緑は自分にそう言い聞かせ、
そして二人の前から身を引こう、そう思っていた。
それが二人のためだし、茜を悲しませないで済む……。
緑はそう思って部屋を出ていこうとしたのだ。
しかし、それを風太郎は許してくれなかった。
今までに見せたことのないような信じられない形相で襲いかかり、自分を必死に止めようとしてきた。
ぼろぼろと子供のように涙を流して……。
――そんなに私のことを想ってくれてるの……?
涙を流す風太郎に唇を奪われながら緑は思った。
気まぐれのはずだった。
茜のことが好きなはずだった。
けれど、この子は必死になって「いなくならないで」と伝えてきている。
ぼろぼろと涙を流して子供のように……。
とろとろと緑の中で何かが溶けていった。
――ダメ……茜が……。
そう思って心がとろけていくのを緑は懸命に抑えようとしたが、しかし出来なかった。
かわりにどんどんどんどん風太郎への想いが溢れてきた。
――可愛いふー君……いつも私に懐いてくれるふー君……私のことを好きでいてくれるふー君……。
風太郎のなりふり構わぬ乱暴な行動が、
そして風太郎が無様にこぼして緑の頬を濡らしたその涙が彼女の心を変えた。
いや、緑の心を解き放った、というべきか……。
もう心がとろけていくのを緑は止めることはできなかった。
そして何もかもが溶けてなくなったとき、緑は想った。
――だったら、私がそばにいてあげる……いつまでもずっと……ずっと……。
その瞬間、緑の中から茜のことも何もかも消えた。
ただ、今目の前で無様に涙を流す風太郎を懸命に愛したかった。この子を守ってあげたかった。
自分でも驚いてしまうほどの心変わり。けれどそれは嘘偽りない緑の正直な想いだった。
風太郎に対する言葉に出来ない愛しさに緑の胸はいっぱいになり、そのまま風太郎を抱きしめキスしたかった。
しかし両手を押さえられていて抱きしめることもままならない。
それによく考えたら、自分は今夜はシャワーも浴びていて汚い。
そんな状態でこの子に愛されるのは失礼だ。
そう思ったから、緑は一瞬、自分のことを抑える力が緩んだすきに、
風太郎の背中を叩き、伝えたのだ。
「……わかったから……離して……シャワー……浴びさせて……」
それは緑の想いのすべてを込めた風太郎への告白でもあった。
一方の風太郎。
「サー」という緑がシャワーを浴びる音が静かに部屋の中に響く中、
ベッドに腰掛け、がっくりとうなだれていた。
――俺は……なんてことを……。
緑にいなくなってもらいたくない、そばにいてほしい、
そう思うあまり、彼は我を見失ってとんでもない行動をとってしまった。
乱暴に緑を押し倒し、挙句キスまでしてしまったのだ。
それは人間として絶対にしてはならない行為だった。
けれど、シャワーを浴びる直前に緑は風太郎にこう言っていた。
「いいんだよ、ふー君……大丈夫……」
我に返って何度も謝る風太郎の髪をまるで子供をあやすように優しく撫でながら、
緑は優しく微笑んだまま、乱暴を働いた風太郎のことを一切責めなかった。そして、
「シャワー……浴び終えるまで待ってて……」
そう囁くと、緑は寂しげな笑みをたたえたまま静かに浴室に姿を消したのだ。
それが風太郎にはかえって辛かった。
緑は優しい女性だ。
それゆえに無理をしているのではないか、そう思えてならなかった。
――俺は何してるんだ……!
自分のことが許せなかった。
緑に乱暴を働いたことはもちろんのこと、
そもそも茜と付き合っていながら、どうして緑にまで好意を寄せるのか。
それはただの二股じゃないか、いい加減なだけじゃないか、そう思えてならなかった。
ふと風太郎はポケットに入れてある自分の携帯を手に取った。
さっき確かめた時には茜からのメールがあった。
自分のことを心配してくれている健気な茜の想いがそこにはあった。
「……」
風太郎は胸が痛かった。携帯を開く勇気が出なかった。
思えば茜は健気な女の子だった。
風太郎を喜ばせようといつも一生懸命頑張る。
お弁当を作るときはいつも風太郎が喜ぶメニューを考えてくれていた。
風太郎が悩んでいるときは一緒に悩んで話に乗ってくれていた。
そもそも今夜このように緑に相談することを勧めてくれたのは茜なのだ。
――健気なんだ……あいつは……。
風太郎はやりきれないため息を漏らす。
セックスの時もそうだった。
二人とも初体験の中、ガチガチに緊張して決して幸せにその行為は終わったわけではなかった。
茜は口で愛することも満足にできず、思わず噛みついてしまって風太郎を飛びあがらせ、
一方の風太郎も女性を愛したことなど初めてだから上手く出来ず、「痛い痛い」と茜は泣かせてしまった。
しかし茜はここでも健気だった。
なんとか風太郎に悦んでもらえるようにしようと、いつも不器用ながら懸命に風太郎を愛し、
大して上手でもない風太郎の愛撫にも大げさなほどに悦んでみせていた。
――それなのに、俺は……。
風太郎は自分の卑しさには吐き気を覚えた。
緑に、そして茜に対して申し訳ない、と思いながら、
しかし同時にこれからの緑との情事に興奮を抑えきれない自分も存在していたからだ。
その証拠に彼はもう勃起を抑えることが出来なかった。
「最低だ……俺は、最低だ……」
風太郎は小さくつぶやくと、携帯の電源を切った。
そうすることで少しでも茜から距離を置きたかった。
髪を洗い終えた緑はシャワーを出しっぱなしにしながら、
備え付けのポンプからたっぷりとボディーソープを手に垂らし、
それを全身に丹念に塗り広げていた。
うなじから乳房、腰、おなか、ヒップ、太もも、つま先、そして秘められた花弁まで、
ボディーソープのためにぬるぬるになった両手をつーっと左右対称に滑らせていきながら、
全身にたっぷりとぬるぬるしたボディーソープを何度も何度も塗り広げる。
緑の大きな重たげに揺れる二つの乳房ときゅっと張りつめた形のいいヒップ、そして濡れた花弁には、
特に念入りに心をこめて、まるでマッサージをするようにボディーソープを塗り広げた。
左右の乳房に両手を乳首を中心にした円を描くように滑らせ、さらに優しく揉み、
それが終わると片方の乳房をまるでパン生地をこねるようにしてマッサージをし、
ヒップもきゅと突き出して、円を描くように手のひらを滑らせたあと、
黒い草叢を包み込むようにして、右手で念入りに花弁を清めるのを何度も何度も繰り返すのだ。
――綺麗にしなくちゃ……。
それは緑の女としてのプライドだった。
少しでも自分を綺麗にして、愛されたかったのだ。
そしてボディーソープを何度全身に塗り広げたときだろう。
石鹸特有の真っ白な匂いに緑が心地よさげ包まれたころ、不意に声がかけられた。
「緑さん……いいですか?」
風太郎だった。
このホテルはユニットバスだ。
緑はトイレを濡らさないように浴槽に防水のカーテンを引いて、その中でシャワーを浴びていた。
風太郎はその前に立って、緑に声をかけていたのだ。
「何……?」
思わぬ風太郎の訪問に緑は驚いたが、努めて冷静に返事をした。
驚いて見せると彼に余計な気遣いをさせてしまうように思ったからだ。
「緑さん、俺は……最低です……」
風太郎は絞り出すように言った。
「茜がいるのに……緑さんのことも好きで……なのに、あんな乱暴して……。
しかも茜に申し訳ないと思うのに、これからのことに興奮を抑えきれないんです……」
緑はシャワーを出しっぱなしにしたまま返事をしない。
風太郎の葛藤は痛いほど良くわかるからだ。
ただ、緑の方は茜に申し訳ないと思いつつも、
これからのことを躊躇うつもりはなくて、どこか開き直っていた。
もう「倫理感」という名の歯止めが効かなくなっていた、というのが正しいだろう。
しばらくお互い沈黙し、ただシャワーの流れる音だけが響いた。
と、緑がカーテンを開け顔だけのぞかせると、ニカっと笑って言った。
「ふー君、一緒にシャワー浴びよ」
勢いだけで書いてるから推敲も何もなくてむちゃくちゃかも…
ほぼこれで「前座」は終わり、あとはエロに突入することになると思いますが今日はこの辺で…
長くて申し訳ないです
おおこんな時間に乙です
ほんの二三行だけど初々しい風太郎と茜の様子もかわええw
>>43 早速どうもです
つかそのシーン、早速言葉足りなくて意味伝わんないですね…
やっぱ一回は読みなおさないとダメだな…
45 :
名無しさん@ピンキー:2009/03/16(月) 03:33:35 ID:qlO8hSmr
つうかコレマジで神ドラマだったんだぞ、、
うお、続きGJ!
この焦らされ感たまんねぇ…
ふー君じゃないが興奮抑え切れません
他の神職人様も待ってますよ〜
風太郎(S)×茜(M)
風太郎(M)×緑(S)
以上、異論は認めない
防水カーテンを締め切った狭い浴槽の中で、
シャワーからやや熱めのお湯が降り注ぐ中、風太郎と緑は全裸で立ったまま向き合っていた。
もう、ちょっとでも距離を詰めれば、すぐにお互いの肌が触れてしまいそうだ。
「じゃあ、ふー君のこと洗ってあげるね」
緑は明るく笑みを浮かべると、ポンプを何度も押しながらボディーソープを手のひらに溜めていっている。
「いっぱい綺麗にしてあげるからね。気持ち良すぎててとろけちゃうかもよ」
楽しげにはしゃぐようにして緑は言った。
そんな緑を前に、風太郎はうつむいたままだ。
緑の誘いに乗って思わず服を脱ぎ、浴槽に入ったまではいいが、
いざ緑の裸を目の前にした瞬間、恥ずかしさと興奮と、
そして自己嫌悪に陥りながらも欲望に逆らえない自分に再び強烈な罪悪感を覚えていたのだ。
「どう? ね、私、スタイルいいでしょ?」
がっくりとうなだれたままの風太郎の前で、
そんな風太郎にお構い無しといった様子で、緑は腰の手を当ててポーズをとりながら笑う。
緑の身体にまんべんなくたっぷりと塗られた白いボディソープの一部が、
豊かな緑の乳房へと流れ、そのままねとねとと乳首の先から滴り落ちていて、
それはまるで緑が練乳のような濃い母乳を溢れさせているかのようだった。
しかし、風太郎はうなだれたまま顔を上げることが出来ない。
恥ずかしさと罪悪感からまともに緑を見ることが出来なかった。
「緑さん……俺……」
重々しく顔を上げて風太郎が口を開こうとしたときだ。
「大丈夫だよ。ふー君」
それまではしゃいでいた緑がふっと真顔になり、風太郎をじっと見つめた。
そして、風太郎の頬をボディソープでぬるぬるとなった両手でそっと包み込むと言った。
「私が一緒に堕ちてあげるから……。もし地獄に落ちても私があなたを守ってあげる……ずっとずっと……」
あなたが汚れたというなら、私も一緒に汚れよう……。
あなたが責められるというのなら、私も一緒に責められよう……。
私があなたの苦しみのすべてを受け止めてあげる……。
私があなたをいつまでも守ってあげる……。
どんなことがあっても、風太郎一人を苦しめはしない……。
風太郎へのとめどない想いが溢れた瞬間から、緑はもはや覚悟を決めていた。
とことん彼と一緒に堕ちていくつもりだった。
だから風太郎一人に苦しんでもらいたくはなかった。一緒に苦しんであげたかった。
「み、緑さん……」
緑に優しく頬を包まれたまま、風太郎はぼろぼろと泣きだした。
なんて優しい人なんだろう、風太郎は思った。
綺麗事を言って励ましたりするのでも何でもなく、ただ「一緒に堕ちてあげる」という。
この自分勝手でエゴイズムに溢れたどうしようもない自分と一緒に……。
それは風太郎にとって何よりもうれしい言葉だった。
自分がひどいのはもちろん変わらない。
しかし、緑が一緒に堕ちてくれることで大きく救われる思いがした。
――緑さんがいてくれる。一緒に堕ちてくれる……。
そう思うと、溢れる涙が止まらない。
「おいおいコラコラ、泣くなよー。男だろー?」
緑はそんな風太郎に白い歯を見せて再び明るく微笑みかけると、
「大丈夫だから……私がそばについててあげるから……」
そう言って風太郎の髪を優しく撫でてあげた。
「じゃあふー君も綺麗になろう。ね?」
「は、はい……」
小首を傾げて微笑む緑に、溢れる涙をそのままに風太郎は無様に笑った。
「なんだよ、その顔」
緑はそんな風太郎の額を指で軽くはじくと、けらけらと笑った。
緑は自分の身体にしたのと同じように、
風太郎の身体にたっぷりとボディーソープを塗り広げた。
両手を使って何度も何度も優しく丁寧にねっとりと全身に……。
そのあまりの心地よさに風太郎は息が弾んでしまうのをこらえきれず、
また、興奮して大きくなったものは一層痛々しげに膨張していた。
と、それまで風太郎の胸板を優しく滑ってボディーソープを塗り広げていた緑の掌が、
つーっと胸板を滑り落ちて腹を通過し、膨張した部分を優しく包み込んだ。
「うお、み、緑さん……そこは自分で……」
風太郎は思わず両手で隠した。さすがに恥ずかしかったのだ。
「何言ってんの……。ここも綺麗にしないと……」
優しく瞳を細めた緑は、
「ほら、手をどけて……綺麗にしてあげるから……」
まるで母親が幼い子供に言い聞かせるように囁くと、
そのまましゃがみ込み、そっと風太郎の両手を外した。自然すべてが露わになる。
「うわ、大きい……」
興奮のせいもあって大きくそそり立っている風太郎のものを見て、緑は感嘆の声を上げた。
確かに風太郎のものは並の男のものと比べたら大きいものだった。
「……」
風太郎は顔を真っ赤にしたまま返す言葉が見つからない。
目線をあたふたとさまよわせる。
「あれかな、ふー君が馬みたいな顔だから大きいのかな?」
下から風太郎を見上げながら真剣な顔をして緑が言う。
「え……いや、それは……」
馬は確かに性器は大きいが、しかし、自分が馬面だからと言って、
それがこの大きなものとどういう因果関係があるのか、
そもそも自分は馬面なのか、返答に詰まって言葉をうまく紡ぎだせない。
と、緑はそんな風太郎と見て吹き出すと、
「何、真に受けてんだよ。冗談だよ冗談」
そう言ってからかうようにして彼のものを指で弾いた。
「まったく、立派なもの持ってるのに子供みたいなんだから……」
緑は苦笑いしながら、改めて優しく風太郎のものを包み込んだ。
「う……」
ボディーソープでぬるぬるに濡れたあたたかな緑の両手に優しく包まれた心地よさに、
風太郎は思わずうめいた。
ちょっとだけだけど更新。わずかながらエロ入り。
明日は更新無理です。すいません。
キタコレ
激しく乙です
馬面に吹いたw
緑さんの包容力ハンパないな
56 :
名無しさん@ピンキー:2009/03/17(火) 14:32:00 ID:v6wFy5N7
乙乙
他の職人さんも来てくれるといいねえ
期待を込めてage
GJ!
ふー君泣きすぎ。だがそれが良い!
ドラマの風太郎もいろんな汁を出してたのを思い出した。
色んな汁w確かにww
公式のインタビューで、涎の濃度が薄くなるんで注目しててください!
って言ってたの思い出したw
このスレ、どれくらい人居るかな
緑さんエロいな
最高だ
最終回の風太郎の妄想のおかげで、現実世界のエロと、妄想世界のエロ、2通り楽しめる
すばらしい
風太郎の前でしゃがみ込んだままの緑は、
彼の興奮したものを捧げ持つようにして両手で包み込んだまま、
竿のあたりをゆっくりとしごく様にして、ボディーソープを塗り広げていく。
たっぷりと時間をかけて優しく丁寧にゆっくりと何度も何度も、
風太郎を包み込んだまま両手を上下に滑らせ続ける。
ローションを思わせるボディーソープのぬるぬるとした感触に、
そしてきつ過ぎず、かといって緩いわけでもない、
優しくあたたかく風太郎を包み込んだまま繰り広げられる、
緑の両手の動きのあまりの心地よさに風太郎の息は自然と弾んだ。
うっとりと開かれたままの口の端からよだれを垂らしそうになり、何度慌てて口元を拭ったことか……。
そんな風太郎に気づいているのかいないのか、
緑は口元に優しく笑みを浮かべたまま、風太郎を包み込んだまま「清める作業」を続けている。
「み、緑さん……」
息を弾ませながら風太郎がつぶやいたときだ。
「うお!」
突然の刺激に彼は思わず声を上げた。
それまで竿のあたりを上下していたはずの緑の両手は、
不意に風太郎の大きくなったままの頭の部分をそっと包み込み、
そのまま大胆にこねまわすようにしてきたからだ。
敏感な部分を刺激されることに、たまらず風太郎はやや腰を引き気味にしてしまうが、
緑はそれに構う様子もなく、風太郎の頭を包み込んだまま、遠慮なく大胆に両手をうごめかせ刺激を続ける。
「ちょ、ちょっと、緑さん……それは……」
腰を引いた格好のまま、少しでも刺激から逃れようと身体をくねらせながら風太郎が緑に声をかけると、
「こらー、動かない。ここも綺麗にしてあげてるんだから」
まるで母親が子供を優しくしかりつけるような感じで緑は風太郎をたしなめ、
「なんだよ、こんな程度でびくびくしてちゃ、この後持たないよ?」
なおも風太郎の頭に刺激を与え続けながら、彼を見上げてイシシ、と笑った。
「い、いや、そうなんですけど……」
緑からの刺激に腰をくねらせる格好は自分でも無様だと思うので、
風太郎はなんとか我慢しようとするが、なかなか上手くいかない。
「み、緑さん……これは……きついっす……」
刺激が強く、そしてあまりにも気持ち良すぎるのだ。
緑がこれまでどんな経験を経てきたのかわからないが、
彼女の「清めの作業」は風太郎にとってはかつてないほど刺激的な愛撫だった。
きつ過ぎず緩すぎず、優しく時に凶暴に、風太郎を丁寧に「清め」ながら刺激し続けるのだ。
おそらくは風太郎に限らずどんな男も、緑にこのようにされたらたまったものではないだろう。
と、緑は両手の動きを止めると、少し軽蔑を込めたような感じで言った。
「なんだかさあ、さっきからふー君のおちんちん、ビクンビクンしてるー」
「い、いや……そ、それは、気持ち良すぎてですね……」
顔を真っ赤にした風太郎はしどろもどろの様子で返事をした。
確かに緑の刺激の前に、風太郎は何度も身体をぶるると震わせ、
緑に包まれたものも何度も大きく跳ねさせていたからだ。
が、それはやむを得ないことだろう。緑があまりにも巧みに刺激しすぎるのだから。
そんな風太郎を追い詰めるように緑はなおも続ける。
「綺麗にしようと思っても、どんどんふー君のおちんちんぬるぬるしてくるしさあ……。
これ絶対ボディーソープじゃないよね? ほら、見て? 何だか糸引いてる」
そう言って風太郎の鈴口にぺとりと指を触れさせた緑はそのままつーっと指を離していき、
鈴口と緑の指の間に細長い透明の糸を伸ばして見せた。
「ねえ、何これ? ふー君、これ何? おしっこじゃないよね? 何なの、これ?」
糸を伸ばしたり縮めたりを繰り返しながら、緑は真顔で風太郎を見上げて言った。
――……これって……言葉責めってやつですか……?
恥ずかしくて緑に返す言葉が見いだせない中、風太郎は心の中で思った。
いくらなんでも、今、風太郎と緑との間で糸を引いているものを緑が知らないはずはないからだ。
風太郎には、緑がわざとそんな問いかけをして、彼が戸惑う様を見て楽しんでいるようにしか思えなかった。
「わ、わかってる……でしょ……」
そんな言葉責めに少し抗議の意味をこめて風太郎がつぶやくと、
「いや、わかんない。だから聞いてるの。ねえ、ふー君、このねばねばの糸が何だか私にもわかるように教えて」
緑は風太郎を真顔で見上げたまま白々しく言った。
戸惑う風太郎を見るのが楽しいのか、彼女の口元には笑みが浮かんでいる。
「……」
風太郎は思わぬ緑の責めにどうしたらいいかわからず、返す言葉に詰まっていると、
彼を見上げたままの緑がうっとりと瞳を細め、甘くそっと囁いた。
「もし教えてくれたら……フェラチオしてあげる……」
それはあまりにも蠱惑的で妖しげな、そしてとろけてしまうほどに甘い響き。
風太郎は思わず身体をゾクゾクと痺れさせた。
――答えたら……緑さんにフェラしてもらえる……。
そう思うと、風太郎の下す結論は一つしかなかった。
しばらくの沈黙をおいて彼はそっとこぼした。
「……か、カウパー液……いわゆる……ち……ち……んぽ……汁……で……す……」
恥ずかしさのあまり最後は途切れ途切れになりしかも声をかすれさせてしまった。
緑は風太郎を見上げたまま首を傾げると、怪訝そうな表情を作って言った。
「ごめん、最後の方聞こえなかった。もう一度言って?」
「え?」
風太郎が戸惑いの声を上げると、
「だから聞こえなかった。カウパー液ってのはわかったけど、そのあと何て言ったの? 教えて?」
緑は首を傾げたまま風太郎に言った。
最後、途切れ途切れになった言葉を風太郎にはっきり言わせるつもりなのだ。
風太郎が思わず声をかすれさせてしまった、恥ずかしい一言を……。
本来ここでもう不快感をあらわにしてもいいはずだし、そういう人もいると思うのだが、
風太郎はなぜかそういう感情を抱くことはなかった。
小さく深呼吸をすると、彼は少し声を大きくして言った。
「ち、ちんぽ……汁……です……」
「え、ごめん聞こえない、なんだって?」
緑は片方の耳に手を添えて「聞こえない」という素振りを見せながら言う。
まだ、どこか恥じらいを抱いて言葉を途切れさせてた風太郎の繰り返した言葉ではまだ不十分ということか。
風太郎はここでも緑に忠実で、さらに声を大きくして言う。
「ち、ちんぽ……汁……」
「え、なんだって?」
「ち、ちんぽ汁……」
「聞こえなーい!」
「ち、チンポ汁!!」
なおも執拗に風太郎に言葉を繰り返させる緑に、最後風太郎がやけくそ気味に声を大きくして言うと、
ここで緑は初めて優しく笑みを見せ、耳元から手を離してゆっくり頷くと呟いた。
「よくできました」
そして、ねとねとと指を前後に動かして、自分で糸を伸ばしたり縮めたりする様を見つめながら、
「そう……これ、ちんぽ汁っていうんだ……私のような清純な乙女には何のことだかさっぱりだったよ」
さも風太郎の言葉に感心した風にわざとらしく何度も頷いて見せた。
――よく言うよ……。
そんな緑に少し呆れながら風太郎は内心つぶやいていると、
「あ、『お前清純な乙女とか何言ってんだ』とか思ってる? ね?」
表情から察したのだろう。緑は風太郎の気持ちを読んで彼を睨むようにして見つめながら言うと、
「あー悲しいなあ、ふー君に私は汚い女だなんて思われてるんだ。あー悲しいなあ。もう泣いちゃいそう」
そう言って大げさにすねた様子を見せ始めたので、
「い、いや、そ、そんなことないです。緑さんは素敵な人です! 素敵! さすが清純な乙女!」
風太郎が慌てながらややオーバー気味に緑をフォローすると、
「だよねー。こんないい女が汚れてるわけないもんねえ。ふー君はさすがよくわかってる。私は信じてましたよ」
緑は白い歯を見せて嬉しそうに笑った。
――信じてたなら最初から余計なフォローさせないでくれ……。
そんな緑を見て笑顔で頷きながら、風太郎は内心うんざりした。
しかし悪い感情は全くなかった。
緑の手のひらの上で転がされていることはわかっていたが、そのことがむしろ嬉しかった。
その証拠に、今見せている風太郎の笑顔は自然に生まれたものだった。
そして、
――じゃあ今度は俺の番だなあ……。
そう思った風太郎は緑に言った。
「じゃあ緑さん、約束ですよ……」
「へ、何が?」
緑がきょとんとした表情で言うので風太郎が、
「いや、だから……さっき言ってたじゃないですか……『教えてくれたら、フェラしてあげる』って……」
さっき緑が伝えたことを繰り返すと、
「ああ、それね」
緑は思い出した、と言った様子で小さく頷くと、あっけらかんと言った。
「けど、すぐにフェラするなんて言ってないよね?」
「ええっ!?」
思わぬ緑の返事に風太郎は声を上げる。
「いや、それは、緑さん、こっちは……」
混乱してしどろもどろになっていると、
「やだなあ、ふー君。今はふー君のおちんちんをきれいきれいしてるんだよ? 何でそこでフェラなんかするんだよ」
「いや、けど……」
なおも風太郎は抗議の声を上げたが、
「それはふー君の勘違いじゃん。私はすぐにフェラするなんて言ってないよ」
戸惑う風太郎とは対照的にきょとんとした表情のまま緑は冷静に言う。
当然風太郎は納得がいくわけがない。
「けど、けど……!」
と、抗議の声を上げてまるで駄々をこねる子供のようにして粘っていると、
さすがにこれには参ったのか、緑はあきれた様子で風太郎を見上げると言った。
「もう……そんなにフェラしてほしいの?」
「は、はい……」
――やった、粘り勝ち!
風太郎は緑の意地悪に散々粘って繰り返した抗議が実を結んだと思った。
緑はさすがに根負けしたのだ、そう思った。
そんな風太郎を見上げたまま、緑は笑みを見せると言った。
「しなーい。だって今はおちんちんを綺麗にする時間だもん。だからフェラチオなんかしないよ」
首を左右にゆっくりと振りながら、さも残念そうにそして意地悪げに緑は言うと、
「さあ、じゃあきれいきれいしちゃいましょーね」
そう言って再び、ボディーソープを大量に手に取り、風太郎のものを清める作業に取り掛かった。
竿を頭をあたたかく包み込んだ両手を滑らせ、念入りにゆっくりと優しく丁寧に清めていく。
――ドSだ! この人半端ないドSだ!
そんな緑の愛撫を受け入れて、息を弾ませながら風太郎は思った。
けれどそれでも風太郎は悪い気はしなかった。戸惑いながらもどこか嬉しかった。
ただ風太郎は一つ気付いていないことがあった。
それはここまでの一連の彼女の「意地悪」が、
罪悪感に苦しむ風太郎の気分を少しでも軽くしてあげよう、忘れさせてあげようと、
緑が気遣ってのものだということに……。
緑はわざと努めて明るくふるまい、風太郎の気分転換をさせようと意地悪を繰り返していたのだ。
そしてそれは見事に成功していた。
緑はこういう気遣いを見せる女性だった。
しかし、緑はそのことは一言も口に出さず、優しく笑みをたたえたまま、
風太郎の興奮したものをゆっくりと清め続けている。
この優しげな表情こそ彼女の心を素直に映しだしたものだった。
少しだけですが、更新。
エロは一応あるけど、それ以上に二人のいちゃいちゃって感じでしょうか。
まあそういうところからじっくり高ぶっていくってことで……
緑さんドSすなあ
流石女王様
緑さんいいオンナすぎる
ふー君うらやましー
それからも緑はしゃがみこんだまま、丁寧に風太郎の大きくなったものをボディーソープで清め続けている。
そんな彼女を見下ろしながら風太郎は思った。
――緑さん、おっぱい大きいなあ……。
緑の気遣いの甲斐もあって、彼はようやく落ち着いてきたのだろう。
風太郎は緑の裸体をじっくり観察する余裕が出てきていた。
緑は一見するとスレンダーな印象を与える色白美人だ。
しかし、こうしていざ裸になった彼女を見ると、
彼女は結構むっちりと肉付きが良く、特にその乳房が大きいことに驚かされる。
まず重たげに揺れている緑の二つの乳房だが、それは垂れて無様な形をしているということもなく、
絶妙のバランスを保った綺麗な弧で輪郭を描かれた形の良い美しい乳房だった。
元々色白の緑だが彼女の二つの乳房はその中でもひときわ白く、
見ているだけで乳房から息が詰まりそうなほど濃厚な甘い香りが漂ってきそうだ。
そんな彼女の大きな美しい乳房の先端にある乳首は薄い桃色をしてやや小さく平べったい。
その小さな乳首を中心にして、乳首とおなじ薄い桃色をした乳輪が淡く滲むようにやや大きめに広がっていて、
緑の可憐な乳首と大きな乳房をバランス良く美しく彩っていた。
しかも、シャワーを浴びながらもなおも彼女の肌に残っているボディーソープが、
さっきと同じくとろとろと緑の身体の上を垂れてきていて、
彼女の二つの大きな乳房に流れたそれは、緑の二つの乳首の先から真っ白い滴となってこぼれ落ちていて、
このことが緑の乳房を一層妖しく艶めかしく彩っていた。
――エロいな……。
風太郎は思わずごくりと生唾を飲んだ。
乳房から目線を落としていくと、
細く美しい曲線を描いてくびれながら、ねっとりと肉をつけた彼女の腰、
うっすらと腹筋が割れた中心で美しくくぼむ縦長のおへそ、
そしてその下でふっくらと膨らむ肉の丘の上を彩る濡れた黒い草叢が目に入るが、
そのすべてが風太郎には言葉に出来ないほど美しいものに思えてしまい、そのままじっと見惚れて言葉を失ってしまう。
すでに見たことのある茜の裸体も姉の緑同様美しいものなのだが、
茜の場合はどこか幼さ、あどけなさが残るもので、美しさ以上に可愛らしさを感じさせるものだった。
緑のような妖しさ、艶めかしさを併せ持ってはいなかった。
と、
――恥ずかしいよ、ふー……。
初めて茜と関係を結んだ時、恥ずかしげに自分の裸体を隠す茜の姿が風太郎の脳裏に浮かんだ。
顔を真っ赤にして、おそるおそる手を外して幼さの残る乳房を露わにし、ゆっくりと両脚を開いていった茜の姿だ。
「……」
さすがに風太郎は気まずくなり、ぶんぶんとそれをかき消すようにして頭を振ると、
それを忘れるようにしてただ一心に緑の裸体に集中した。
この場面で茜のことを考えるのは緑にも、そして茜にも失礼な気がしたのだ。
「ん?」
そんな風太郎の様子に気づいたのだろう。緑は顔を上げると、
「そんなにじろじろ見ないでよ」
と苦笑いしてみせた。
「す、すいません」
緑の言葉に風太郎があわてて目線をそらし、そのままおろおろと視線をさまよわせてしまったのだが、
その様子が滑稽に映ったのか、緑はそんな風太郎を見上げたままクスクスと笑っていた。
緑が風太郎のものを清めるのをやめて腰を上げたのは、それからしばらくしてからのことだった。
「ふー、これでほとんど綺麗になったよ」
風太郎の前に立ちあがった緑はそう言いながら、うんうんと頷いていたのだが、
ふと「あ!」と何かを思い出したように声を出すと、
イシシ、と何かいたずらを思いついた子供のような表情をして風太郎を見つめた。
「な、なんすか……?」
何か企んでいそうな緑の表情に、
また何か意地悪をされるのではないか、と内心怯えながら、またどこか楽しみにしながら、
風太郎がおそるおそるつぶやくと、急に緑は風太郎を思いきり抱きしめてきた。
緑の大きな二つの乳房がぐにゃりと形を歪めて、風太郎の胸板にピッタリと重なる。
「え……? え……?」
突然の出来事に風太郎が戸惑っていると、
緑は風太郎を抱きしめ自分の乳房を重ねたまま、自分の上半身をゆったりと円を描くようにして動かし始めた。
互いの身体がボディーソープで濡れていたせいで、
形を歪めた緑の乳房が彼女の動きに合わせてぬるぬるとスムーズに風太郎の胸板を滑っていく。
それはまるで風俗で行われるマットプレイ、いわゆる「泡踊り」をほうふつとさせるものだった。
「ふー君の胸もきれいきれいしないとねー」
そう言って笑いながら、緑はなおも自分の乳房を風太郎の胸板に滑らせ続ける。
――これ、やばい……。
緑に抱きしめられたままの風太郎は思った。
緑の乳房がまともに触れていることはもちろんだが、
それがぬるぬると自分の胸板を滑る心地よさがたまらないのだ。
特にコリコリと固くなった彼女の乳首が当たる部分の心地よさと言ったらなく、
また自分の乳首と緑の乳首が重なりあった瞬間など電気が走るようだった。
「み、緑さん……」
息を弾ませながら風太郎がつぶやくと、
「あれ、ふー君、何でそんな気持ちよさそうな顔してるのかなあ? 私のおっぱいでふー君の胸を綺麗にしてるだけだよ?」
緑はそんな風太郎をからかうように笑った。
再び風太郎は緑の意地悪の餌食にされたのだ。
自分の行為に感じる風太郎を見て緑は楽しみたいのだ。
しかしその気持ちよさと言ったらない。
緑の意地悪とわかっていても風太郎はあまりの心地よさにうっとりととろけそうになる。
「こらこらー、ダメだよ。綺麗にしてるだけなのにそんな気持ちよさそうな顔しちゃ。なんでそんな風になるんだよ」
緑はなおもからかうように言ったが、風太郎の目に映るそんな緑の頬も真っ赤に染まっていて、息を弾ませている。
自分の乳房をぬるぬると滑らせるのがたまらないのだろう。
「み、緑さんだって……」
風太郎はそんな緑をからかってやろうと言い返そうとしたが、気持ち良くてそれ以上言葉が続かない。
「うーん? 何だって……?」
緑はうっとりと瞳を細めて首をかしげたが、彼女もそれ以上言葉は続かなかった。
元々は風太郎をからかうつもりで始めた行為だったが、予想以上に気持ち良すぎてやめられなくなってしまったのだ。
それからは二人とも無言になった。
ただ互いに「はあはあ……」と息を弾ませたまま、
緑は風太郎を抱きしめたまま自分の乳房をぬるぬると滑らせ続け、
風太郎はそんな緑の背中をいつしか何度も優しく撫でさすっていた。
そしてしばらくの時間が過ぎると、
「これ以上はやばい……」
緑は小さく恥ずかしげにつぶやくと、風太郎を抱きしめるのをやめて身体を離した。
彼女にすればここでこのまま行為に没頭するつもりはなかったようだ。
「は、はい……」
緑が離れたことに風太郎は少し未練を感じたが、無理強いはできない、と思い、ただ頷くだけだった。
しばらく二人の間を沈黙が支配したが、
「歯、磨こう」
ふと緑はそう言うと備え付けの歯ブラシを風太郎に手渡し、丁寧に歯磨きを始めた。
「はい」
風太郎もそんな彼女に合わせるように歯を磨く。
二人とも身体は洗ってもまだ歯を磨いてはいなかったのだ。
シャワーが溢れ続ける中、「しゃこしゃこしゃこ……」としばらくの間、二人仲良く歯磨きをする音が響く。
先に歯磨きを終えたのは風太郎。彼の歯磨きはいつも手早くすませるものだった。
風太郎がシャワーで口をすすいだ後しばらくして、緑も歯磨きを終え風太郎と同じように口をすすいでいたのだが、
口をすすぎ終えた緑がシャワーを元の位置に戻しながら、風太郎を意地悪げに見つめて言った。
「なんか磨くの早くない? そんなので綺麗になるの?」
「だ、大丈夫ですよ。いつもこんな調子ですけど口が臭うとか言われたことないですし……」
口を綺麗にしたことを風太郎は強調したが、緑は疑いの眼差しで風太郎を見つめたままだ。
「ほんとかなあ……みんなふー君に気を遣って臭ってること言わないだけかも……」
「そ、それはないですよ……たぶん……」
緑にそんな風に言われるとさすがに少し自信がなくなり、風太郎がやや弱々しく言うと、
彼女は風太郎に向き直り、あっさりと言った。
「確かめさせて」
「え?」
風太郎が戸惑いの声を上げるが早いか否か、緑の唇が風太郎の唇に重ねられた。
歯磨き粉特有の冷たい香りを漂わせた、濡れたやや肉厚な緑の唇が風太郎にははっきりと感じられる。
と、そのまま緑はそっと唇を開くとぬるりと舌を差し出してきて、微かに開かれていた風太郎の唇の中に侵入してきた。
緑の冷たい香りが一層濃厚に広がる中、緑はうっとりと妖しげに瞳を細め、
風太郎の口の中で自分の舌を大胆にうねうねと這いまわらせながら、風太郎の舌を、歯を、頬の内側を何度もしつこいほどに舐めまわす。
「……!」
突然のことに風太郎はびっくりして身動きがとれずされるがままになっていたが、
徐々に落ち着きを取り戻し、緑に応えようと舌を動かそうとしたとき、
そんな彼から逃れるようにしてさっと緑は舌を戻し、唇を離した。
「あ……」
緑の為すがままにされただけで終わったことに少し未練ありげな声を出した風太郎のことをじっと見つめたまま、
意地悪げな笑みを浮かべた緑はぺろりと口元を舐めると、
「うん、確かに綺麗になってるみたいだね。よかったよかった」
そう言って何度かうんうんと頷いた。そして、
「言っとくけどこれはキスじゃないからね。あくまで風太郎君が綺麗になったかのテストだよ」
そう言うと、なおも未練ありげな表情をしていた風太郎に、緑はイシシと白い歯を見せて笑った。
――敵わねえな……。
そんな緑に風太郎は苦笑いをするしかなかった。
またも緑にからかわれたのだ。
完全に緑のペースで時間が流れていっていた。
入浴シーンは今日までです(たぶん)
じれったい感じですいません
今宵も乙です
完全に緑さんに手玉にとられてるw
そして数行の描写なのに茜が可愛くて死にそうです
今日は更新は休みです
すいません
連日乙です
どうぞ無理ない範囲で
wktkして待ってます
乙です
のんびりと続きお待ちしてます
気が向かれたら
>>75の茜との初めて場面も是非kwskお願いしたい
職人の文体、好きです
乙!
ふー君逆転なるか?続き楽しみにしてます
それから二人はシャワーで身体のボディーソープを洗い流すと一緒に浴槽を出た。
風太郎の前を歩いていた緑は備え付けのバスタオルで自分の身体を大雑把に拭うと、
すぐにもう一枚のバスタオルを手に取り、
「ほら、じっとして」
と言うと、そのまま風太郎の身体をてきぱきと拭いていった。
まるで母親が小さな子供の身体を拭くように……。
「あ、あのそれくらい自分で……」
ここまで緑に世話をしてもらうことになんだか恥ずかしくなって、
風太郎が遠慮がちに言うと、
「いいよ、遠慮しないで」
構わず風太郎の髪をぐしゃぐしゃと乱暴に拭きながら緑は優しく目を細めて微笑んだ。
――この人から見ると、俺って子供なのかな……。
緑のあまりの子供扱いに、風太郎のプライドが少しカチンとする部分もあるのだが、
しかし、それ以上に、緑に甘えることが出来るのが嬉しかった。何だか安心できるのだ。
緑に髪を拭ってもらいながら、いつの間にか風太郎はぼんやりと緑の優しい笑顔を見惚れていた。
と、
「ん?」
風太郎に見つめられていることに気づいたのか、緑は小さく首をかしげると、
「何、ぽーっとしてるのさ」
そう言って風太郎の額を指で軽く弾くと、イシシと笑った。
「す、すいません」
風太郎は照れ笑いを浮かべるしかなかった。
緑に見惚れていた、と正直に伝えるのはさすがに恥ずかしかった。
風太郎の身体を拭い終わると、緑は再び自分の身体を丁寧にバスタオルで拭っていた。
その間にバスタオルを腰に巻いていた風太郎は、洗面台の鏡でぼんやりと自分の顔を眺めながら、
ちらりと鏡に映る緑の裸体を見つめた。
――おっぱい大きいなあ……。
改めて思う。緑の乳房は明らかに大きい。
さっき風太郎の胸板の上をボディーソープでぬるぬるになった彼女の乳房が滑ったが、
ぬるぬるした彼女の乳房はやわらかくてあたたかくてぷにゅぷにゅしていて、男なら誰でも虜になってしまうだろう。
今も鮮やかにあの自分の胸板を滑って行った緑の乳房の感触が生々しく鮮やかに蘇る。
――もっと……触りたい……。
風太郎がぼんやりと緑の乳房に欲情を抱いたころ、
緑は何気なく風太郎に背中を向けた。
――あ……。
風太郎は心の中で声を上げた。
緑の背中からヒップにかけてすべてが露わになったのだ。
緑の真っ白の背中はすーっと綺麗にくぼんだ背骨のラインによって美しく彩られていて、
その下で滑らかな曲線を描いて腰がきゅうっとくびれていき、
そしてふわりと優しく再び曲線が膨らむことで彼女のヒップが描かれていくのだが、
優しく膨らむ緑のヒップは大きすぎることも、逆に貧相な感じも与えない、
きゅっと肉の引き締まった丸く可愛いらしい形のいいものだった。
――緑さん、おしりもいいなあ……。
鏡ごしに風太郎は緑に見惚れていたのだが、
「なあに見てんだ?」
と緑に睨まれて、慌てて眼を逸らした。
それからほどなく身体と髪を拭い終わった緑は、
「お待たせ。じゃ行こうか」
そう言って風太郎の手を優しく握った。
「み、緑さん、バスタオルは……?」
タオルで身体を隠そうともせず、そのまま浴室を出ようとする緑に風太郎が少し慌てて声をかけると、
「ふー君こそ、こんなもん外しちゃいなよ」
緑はそう言って風太郎が腰に巻いていたバスタオルを一気に外してしまった。
自然風太郎も何もかもが露わになる。
「あ……!」
慌てて股間を手で覆い隠した風太郎だったが、そんな彼を見て、
「どうせこれから全部見えちゃうんだからいいじゃん」
そう言って緑はけらけらと笑っていたが、ふっと笑うのをやめると、
「こうして裸でいる方が気持ちいいよ。ね? 二人きりなら別に恥ずかしくないんだから……」
そう優しく囁いて風太郎が恥ずかしげに股間を隠す両手をそっと外すと、
彼の右手を握り、何の恥ずかしげもなくゆっくりと足を進めていって風太郎をリードする格好で浴室を出た。
――大胆だなあ……。
風太郎は緑に少し引っ張られるようになりながら、恥ずかしさをこらえることが出来なかった。
しかし、それは緑も同じだった。風太郎をリードしながら彼女は内心、実は恥ずかしかった。
けれど緑にしたら、それ以上にありのままの二人でいたかった。
肩書とか恥じらいとか何もかも一切合財を捨てて何からも解放された裸のままで風太郎と向き合いたかった。
だからあえて恥を忍んで大胆な行動に出たのだ。
浴室を出てベッドルームに戻った緑と風太郎。
そのままベッドに向かうかと思いきや、緑はそのまま大きな窓の方に向かった。
「ふー君、ほら見て! 月が綺麗だよ」
そう言って窓から見える大きな月を指さしながら緑は風太郎に振りかえり笑った。
その夜はちょうど満月。真ん丸の月が浮かんでいた。
「ちょ、ちょっと!」
そんな緑の行動に風太郎はあわてた。
ホテルの部屋はかなり上の方に位置するし、幸い同じ高さで向かい合う建物もないので、
窓辺に立つ緑の全裸が誰かに見られる心配は少ないのだが、しかしそれでも思い切った大胆な行動だ。
「緑さん、表から見えちゃいますよ」
風太郎は緑を心配して言ったが、
「大丈夫だよ。誰にもわからないって。それよりふー君、ほら月が綺麗……」
そう言うと緑は窓辺に両手をかけてうっとりと月を見上げた。
「……」
風太郎は思わず言葉を失っていた。
月明かりに青白く照らし出される緑の裸体の美しさ、
そして月を見上げる美しくもあまりにも儚げで寂しげな横顔に……。
――なんて綺麗なんだろう……。
風太郎は見惚れていた。
「綺麗だねえ……」
月を見上げたままうっとりとつぶやく緑に、
「ええ……綺麗です……」
風太郎は小さく返事をすると、緑の隣に立って一緒に月を見上げた。
そして、クサいな、と内心思いながらも思い切って言った。
「緑さんも……綺麗ですよ……」
風太郎の言葉にびっくりした様子で振り返った緑。
――ダメだ……やっちまった……!
振り返った緑を見て風太郎は思った。
自分のクサいセリフを緑にからかわれる、そう思ったのだ。
が、
「ありがとう……」
緑は小さく囁くと、そのまま寂しげに微笑むだけだった。
思わぬ緑の反応に、そしてその儚げな美しさに風太郎は言葉を失い、
緑から目をそらすようにして月を見上げた。
まともに目線を合わせることが出来なかったのだ。
そんな風太郎が可愛らしく思えてクスッと緑は小さく微笑むと、再び月を見上げた。
それからも二人は一言も発することなく静かに月を見つめていた。
優しく冷たい青白い月明かりに裸体を静かに照らされながら……。
今日はここまで。
前回ほどエロくなくてすいません。
乙です
緑さんは風太郎が可愛いんだなあ……
しかし緑さん良いひとだ
今日はお休みです。すいません
イシシの顔が目に浮かぶw
わくてかです。
おつ華麗様です。
乙ですー
楽しみですなあ
他の職人さんも投下してくれるといいな
更新遅れててすいません。
今夜にでも行うようにしますのでもうしばらくお待ちください。
本当にすいません。
いつも乙です
続き楽しみにしてるよー
それからどれほどの時間が経ったろう。
月を見上げるのをやめた二人は窓を離れ、
備え付けの冷蔵庫からペットボトルに入ったミネラルウォーターを2本取りだすと、
二人仲良く並んでベッドに腰かけて、それぞれ静かにペットボトルを口に含んでのどを潤していた。
照明は一切付けず、ただ窓から差し込む月明かりが静かに部屋の中を、そして二人を青白く照らし出している。
ミネラルウォーターを静かに飲みながら、風太郎は隣に座る緑をちらりと見た。
風太郎と同じく全裸のままの緑はさっき浴槽ではしゃいでいたのとは打って変わって、
おなかのあたりでペットボトルを両手でぼんやりと持ったまま、やや伏し目がちに静かに腰かけている。
――なんて悲しそうな顔をするんだろう……。
美しくも儚げな緑の横顔に風太郎は思う。と同時に、
――俺は緑さんを、そして茜を悲しませるだけじゃないか……。これでいいのか……?
いよいよ迫る「その時」を前に、風太郎はそう思わざるを得なかった。
儚げな緑の横顔を見ていると再び罪悪感とそして迷いが生じてきたのだ。
と、
「ふー君」
緑はふっと風太郎の方に振り向くと、
「やろっか」
そう言って、風太郎の背中に両手を回しそのままぎゅっと抱きしめてきた。
やわらかくてあたたかな緑の肌が風太郎にぴったりと密着し、
緑の大きな二つの乳房がむぎゅうと圧しつぶされる。そして、
「……大丈夫だよ……」
緑は優しく囁くと、薄く開かれた彼の唇にそっと口づけた。
一人だけで堕ちるなら怖いだろう。不安だろう。
だけど大丈夫。私が一緒に堕ちてあげる……。君のそばにいてあげる……。守ってあげる……。
愛しいふー君、私はずっと一緒だよ……。
緑はそれらの想いを「大丈夫」という一言に込めていた。
口づけは風太郎とともに堕ちるという緑の誓いの印だった。
――緑さん……。
緑に抱きしめられ優しく口づけされたまま、風太郎は何もできなかった。
しかし、それは無理のないことだった。
なぜなら、彼の中に再び生じてきた迷いは、緑に抱きしめられてから、さらさらと消えていき、
そして口づけられた瞬間それは完全に消滅し、かわりに大きな安らぎが訪れていたためだ。
母の胎内に帰った様な、信じられないほど心地よい安らぎに風太郎は満たされていたのだ。
それがいいのか悪いのかはわからない。
ただ、少なくとも緑は自分の行動をもってして、
風太郎を彼が再び陥りそうになった悩みから解き放ったことは間違いなかった。
それは緑の想いがあるからこそなせる業だったに違いない。
と、そっと唇が離された。
シャワーを浴びている時の「チェック」とは違い、緑は舌を差し入れることも何もしない。
それは唇を重ねただけの、とても純粋で美しい、甘く優しい口づけだった。
「ふー君、これがキスっていうんだよ」
唇を離した緑は風太郎を見つめてにっこりと笑った。
「はい」
彼女の優しい癒しのおかげで心を軽くした風太郎も一緒に笑いながら頷くと、
緑は嬉しそうに再び風太郎に抱きつき、彼の耳元でからかうように囁いた。
「ねえ、ふー君、さっきからずっと私のおっぱい見てるよねえ?」
「え……!?」
風太郎は思わず返答に詰まった。
事実だったからだ。
シャワーを浴びていた時……。
シャワーから出て身体を拭っていた時……。
何かと風太郎は緑の大きな乳房に目をやり、そして見惚れていた。
今、風太郎の胸板にピッタリと押し当てられて、ぐにゃりとつぶされている、
信じられないほどやわらかくてあたたかい、大きくて美しい緑の乳房に……。
「……おっぱい……好きなの?」
緑が小声で風太郎に囁く。
「え、あ、いや……」
風太郎は戸惑った。そんなことを考えてみたこともないからだ。
――けど、緑さんの言う通りなのかも……。
風太郎は思う。
茜と初めて関係を持ったとき、
それは男に目覚めた風太郎が初めて女性の裸を目の前にしたのだが、
今思い返してみると、風太郎はまず最初に茜の乳房に目が行っていた。
茜の乳房も姉の緑と同じ血を引いているためか、大きいほうだった。
けれど緑とは違ってそれはどこかあどけなさ、幼さのあるもので、
緑の乳房を「美しい」とするなら、茜のそれは「可愛い」ものだった。
緑は桃色の乳輪が輪郭をにじませるようにして淡く、やや大きめに広がっていたが、
茜の場合、緑と同じ淡い桃色をした乳首も乳輪も小さくきゅっと引き締まっているような感じのもので、
それが一層茜の乳房を可憐なものに見せていた。
そんな茜の可愛い乳房を風太郎は気がつけば、夢中で舐め、吸っていたものだ。
ぺろぺろちゅうちゅうと無様な格好で……。
――くすぐったい……。ふー、何だか、赤ちゃんみたいだね……。
そんな彼のことを茜は顔を真っ赤に染めたまま、クスクスと笑っていたが、
それを気にすることなく、風太郎はなおも茜の乳房を吸い続けていた。
そんな過去の出来事を思い出した風太郎は、緑に抱きつかれたまま小さくつぶやいた。
「たぶん……好きだと思います……」
言われてみると、緑の指摘を否定のしようがないと思った。
自分はおっぱいが好き、いわゆる「おっぱい星人」なのだろう、そう思った。
「たぶん、じゃなくて、絶対、だね。だってふー君、私のおっぱい見る時、狼みたいな目つきで見てたもん」
緑は「絶対」という言葉を大きく強調して頷きながら、風太郎の耳元で言った。
「そ、そうですかあ……?」
そこまであからさまに緑の乳房を見つめていたつもりのない風太郎は疑問の声を上げたが、
「見てたよー。絶対絶対見てたー」
緑はわざと大げさに不機嫌そうな調子で反論すると、
「はあー、そうかー。ふー君も私のおっぱいが好きですかー……。
しかし、男の人ってのはどうしてこうもおっぱいが好きなんですかねー。
女の私からするとこんなもの重たくて肩がこるばかりのうっとうしいだけのものなんですけど?」
と、少しうんざりしたような、軽蔑するような、残念そうな、そんな調子で、
ため息交じりに首を大きく左右に振りながら言った。
「い、いや、その……」
緑が怒っているわけではないのは、風太郎にはわかっていた。
本気で怒っていたら、その言葉とは裏腹に優しく抱きしめたままでいてくれるはずはないからだ。
ただ、どう返事をしていいのか、と戸惑っていた。
と、
「えーい、こうなりゃおっぱい好きのふー君に罰を与えてやる!」
緑は声を大きくして、わざとらしく言うと、そのまま風太郎を抱きしめるのをやめてベッドに押し倒した。
「え!?」
突然の出来事に風太郎がびっくりしていると、急に風太郎の視界がふさがった。
あたたかくやわらかいものが風太郎の顔全体を突然覆って圧迫してきたのだ。
「むぐ……うぷ……」
顔全体を突然圧迫されたため、風太郎は息も満足にできない。
そんな風太郎の耳に勝ち誇ったような緑の声が届いた。
「ほらどうだ! おっぱいで顔を押しつぶされて苦しいだろう! おっぱいむぎゅむぎゅの刑だ!!」
そう。
風太郎の顔を突然覆ったものは緑の大きな二つの乳房だった。
緑は風太郎を押し倒すと、そのまま自分の大きな二つの乳房で風太郎の顔を挟み込むようにして圧迫してきたのだ。
緑の二つの乳房はぐにゃりと大きく形をゆがませながら、風太郎の顔全体を覆っている。
「どうだどうだ、私のおっぱいは苦しいか?」
両肘で上半身を支えた緑はなおもわざとらしく勝ち誇ったように言いながら、
いつの間にか、上半身をゆっくりとうねらせたり上下左右に揺すったりして、
押し付けたままの乳房をぎゅうぎゅうぐにゃぐにゃと大きくゆがませながら、風太郎をさらに圧迫し続ける。
「う……う……」
ボリュームたっぷりの緑の二つの乳房に顔を圧しつぶされている風太郎は息も満足にできなくて苦しかった。
しかし、同時にすごく心地よかったのも事実だ。
当然だろう。
緑の言う「おっぱいむぎゅむぎゅの刑」はそれは風太郎を苦しめるためではなく、
「おっぱい星人」の風太郎を楽しませるためのものであるのは誰の目にも明らかだった。
事実、緑は「罰」という名の下、自分の乳房で風太郎を楽しませてあげていたのだ。
――たまんねえ……。
風太郎は緑から「おっぱいむぎゅむぎゅの刑」を受けながらぼんやりと思った。
緑の肌の色のせいだろうか、視界一面が真っ白となる中、
顔いっぱいに広がる真ん丸に大きくて、ぷにゅぷにゅと中に水が詰まった風船のようにやわらかくて、
そして優しくあたたかい緑の乳房の感触の心地よさと言ったらこの世のものとは思えなかった。
しかもそれが緑の手によってぎゅうぎゅうぐにゃぐにゃとうごめくのだからたまらない。
同時に息が詰まるほどに濃厚な甘くて真っ白い緑の匂いもたまらなかった。
――緑さんに包まれている……。
そう思わずにはいられなくなるのだ。
ぷにゅぷにゅぎゅうぎゅうぐにゃぐにゃと緑の乳房に顔を圧迫され、
濃厚な甘い真っ白な匂いの中で優しくあたたかく包まれた風太郎は夢心地の中にあった。
いつまでもこのままで過ごせると思った。
更新遅れてすいませんでした。
今日はここまでです。
すいません、今日は更新お休みです
おまたせしました。
更新です。
それからもしばらく、「おっぱいむぎゅむぎゅの刑」は続いたが、
ふっと緑の乳房が外された。彼女が上半身を起こしたのだ。
「あ……」
突然現実に引き戻されたことに驚きと少しの不安を交らせた声を風太郎は漏らした時、
自分を見つめる緑と目があった。
緑は優しく瞳を細めて、唇にはそっと微笑みをたたえている。
それは、さっきまで「おっぱいむぎゅむぎゅの刑」にはしゃいでいた女性とは思えない表情だった。
と、緑は再び静かに上半身を倒して、さっきと違って両手でこれを支えながら、
今度は乳房で風太郎の顔を圧迫させず、かわりに彼の口元のあたりに二つの乳房を重たげに揺らしながら垂らすと、
「……舐めてもいいよ」
静かに優しく囁いた。
風太郎の目の前で重たげに揺れる緑の二つの乳房。
その先端にあるやや大きめに淡く広がる桃色の乳輪と同じ色をした小さなやや平べったい乳首が、
少し唇を伸ばせば触れられる位置にあった。
「……いいんですか?」
風太郎が聞くと、
「……うん」
と緑はにっこり笑って頷いた。
それを聞いて、風太郎は恐る恐る緑の片方の乳房の先端にそっと舌を伸ばした。
そして、そのままぺろりとゆっくり舐めてみた。
緑の小さな乳首と乳輪を優しくゆっくりと……。
「あ……」
その瞬間、甘い痺れが走り、ぴくんと身体を震わせた緑は濡れた声を漏らした。
それが合図となった。
風太郎は今舐めた乳首をそっと口に含むと、そのまま、まるで赤ん坊のようにちゅうちゅうと吸い始めたのだ。
「あ……あ……」
淡く広がる痺れに緑はかすれた声を漏らしながら、風太郎の好きにさせた。
乳首を吸われる心地よさに思わず身体が崩れそうになるのを両手でしっかりと支えながら……。
「いっぱい……吸っていいよ……」
息を弾ませながら緑は優しく囁いた。
すべては緑の巧みなリードだった。
罪の意識、そして緊張から行動に移せない風太郎のために、
緑は時にはしゃぎ、時に静かに、とにかく自分から積極的に動いて優しくあたたかく風太郎をリードしていたのだ。
そんな緑の乳房を風太郎は赤ん坊に子供がえりしたように夢中で吸っている。
ぬらぬらと風太郎の唾液に濡れた小さな緑の乳首はいつの間にか彼の唇の中でころころと膨らみ、
その周りに滲むように広がっていた淡い乳輪はきゅっと引き締まっていた。
――緑さん……緑さん……。
風太郎は心の中でただただ彼女の名前を呼んでいた。
いつもすぐ近くにいて、そしてすごく遠かった緑。
その彼女が、今、全裸となって風太郎の前にいて、しかも彼にその大きな乳房を好きに吸わせている。
まるで母親が子供に授乳するように愛情たっぷりに優しく微笑みながら……。
まるで夢のようだった。
さっき一緒に飲んでいる時まで、いや緑が悪酔いしたためにホテルに入ってからも、
まさかこのような光景が展開することになろうとは、風太郎は夢にも思っていなかった。
しかし、風太郎の唇の中でちゅうちゅうと吸われるころころと大きくなった緑の乳首の生々しい感触、
そしてふわふわと揺れながら頬に当たる、緑のもう片方の乳房のあたたかくやわらかい感触によって、
今この瞬間、すべてが現実であると思いしらされる。
そう、今、全裸となっている緑は両肘をついて自分の乳房を重たげに垂らしながら、
風太郎に好きに吸わせているのだ。
いつもはしゃいで風太郎をからかってばかりいる緑が、
風太郎のために身体を捧げているのだ。
そのことを意識すると、風太郎はゾクゾクした興奮とそして深い感動を覚えずにいられなかった。
それはなんて卑猥で、そしてなんて優しくて安らぎのある光景だろう。
風太郎はなおも夢中で緑の乳首を吸い、そして無様に舐め続けた。
両肘で身体を支えながら緑はいつのまにかそっと瞼を伏せて、
風太郎に乳首を吸われ、舐められることで生まれる甘美な痺れに身体を震わせ、
微かに開かれた唇から乱れた熱い吐息と一緒に儚げに切なげに、
「あ……あ……ああっ……」
と、甘く濡れた声を艶めかしく漏らし続けていた。
それは風太郎が初めて見る緑の姿。
そんな緑に風太郎はさらなる興奮を覚えながら、なおも緑の乳房を貪り続けた。
最初、風太郎はふらふらと揺れる二つの乳房を交互に舐め、吸っているだけだったが、
いつの間にか彼は両手で二つの乳房を優しくぎゅうぎゅうと絞りながら、
片方の乳房を吸い、舐め回すようになっていた。
「ん……あ……はああ……」
風太郎に優しく乳房を揉まれることで、緑の身体の中に生まれる痺れは一層濃厚で味わい深いものとなり、
そのためにこぼれる吐息をより深く艶めかしいものにしながら、甘美な声を溢れるさせるようになっていた。
さらに、いつの間にか無意識のうちに、緑はその心地よさから身体をゆっくりとくねらせるようになり、
「もっと吸って……」と風太郎におねだりするように、自分の乳房をぎゅうと風太郎に押し付けるようにもなっていた。
そうすることで緑の中を駆け巡る甘い痺れはさらにどんどん高まっていくのだ。
「ああ……はああ……」
緑は切なげに顔を何度も大きく仰け反らせ、その度に熱く濃厚な吐息を艶めかしく溢れさせていた。
そんな緑の乳房に圧迫されることは多少息苦しくなっても、
風太郎にとってはそれ以上の安らぎと興奮をもたらしてくれるもので、全然不快ではなかった。
あたたかくやわらかに緑の乳房に押しつぶされながら、風太郎はなおも緑を貪り続けた。
いつまでも無限にこうして緑に甘えていたかった。
それからもしばらく風太郎は緑の乳房を吸い、舐め、揉んでいたが、
「……とろけちゃいそう……」
緑は息を弾ませたまま儚げに甘くこぼすと、そっと乳房を風太郎のもとから離した。
そして、身体を少しずらして風太郎をのぞきこむと白い歯を見せて笑いながら言った。
「あまえんぼ」
風太郎は緑を見つめたまま、小さく笑うと言った。
「緑さん……感じちゃってるんでしょう?」
風太郎にこう切り返されるのも無理はなかった。
白い歯を見せて笑いながらも、両頬から両耳までも真っ赤に染め、
しかも、額にじっとりと汗粒を浮かばせている緑の顔を見たら、
それは照れ隠しに強がっているようにしか見えない。
実際そうだった。
「……とろけちゃいそう……」とこぼしたあの甘い言葉こそが緑の本音だった。
あまりの心地よさに緑はとろとろととろけていってしまいそうだったのだ。
ただその事実を風太郎に知られるのが恥ずかしくて、わざと強がってからかってみせたのだった。
実にあっさり見破られてしまったが……。
――ばれてたか……。
緑は心の中でぺろりと舌を出すと、笑顔をそのままに風太郎をのぞきこんだまま、そっと言った。
「……うん」
もう隠す必要はないと思った。素直になろうと思った。
それは緑が本当の意味で裸になった瞬間だった。
そんな緑の表情はとてもすがすがしく爽やかで、そして、とても美しかった。
風太郎は思わず緑に見惚れてしまっていた。
と、
「ねえ、ふー君……」
顔を真っ赤にしたまま笑顔を浮かべている緑はそっと首を傾けると、とろりと囁いた。
「……ちゅーしていい?」
「は、はい……」
緑のあまりに色っぽさに風太郎がどぎまぎして返事をした次の瞬間、緑の唇が風太郎の唇に重ねられた。
熱く濡れた肉厚の緑の唇がぷにゅりと重なると、
そのままねっとりと緑の舌が差し込まれ、風太郎を求めるようにしてうねうねとうごめいた。
風太郎がぎこちなく舌を伸ばし、これに応えようとすると、
緑は過敏に反応して、すぐに風太郎に絡み粘るように交りあった。
それはさっきシャワーを浴びている時に行われた「チェック」など、
比にならないほどに濃厚で生々しく、そしてこの上なく艶めかしい。
だがそれも無理ないことだろう。
緑は風太郎に乳房を吸われ、身体をくねらせている間ずっと、
風太郎とこうしてキスしたい、一つになりたい、と望んでいたのだから……。
たまりにたまった想いを、緑は風太郎に思い切りぶつけていたのだ。
「んん……ううん……んむ……んん……」
甘くとろけるような声を漏らしながら、
緑は風太郎を思いきり抱きしめ、自分の乳房をぎゅうと風太郎に押し付けたまま濃厚に舌をうごめかせ、
いつしか風太郎もそんな緑の背中を抱きしめながら、懸命に応えていた。
粘った音を立てながら、二人はいつまでもいつまでも深く求めあい、
貪りあうように舌を交らせ絡ませ続けていた。
まるで何かのタガが外れてしまったように……。
以上です。
緑は濃厚なセックスが似合うと思い、
濃いドロドロのセックスにしようと思ってます。はい。
それからも、顔を互いに何度も傾け合って、風太郎と緑は夢中で濃厚な唇と舌の交わりを続けた。
じゅっぽじゅっぽと粘った音を立てながら舌を絡めて交らせ、互いに吸い合い、互いの唾液を貪るように飲みほしていた。
目には見えないが、風太郎には緑がどのように舌を交らせているのかが手に取るようにわかった。
緑は風太郎にぴったりと唇を重ねたまま、
粘った唾液の糸を引きながら熱い舌を差し伸ばしてうねうねと淫らにうごめかせて、
いつまでもしつこく濃厚に情熱的に風太郎に絡みついてくるのだ。
息を大きく弾ませ、時折ぶるると身体を震わせながら……。
――凄い……。
風太郎は夢中で緑と交わりながら思う。
彼にとってこれほどまでに濃厚なディープキスは初めてだったのだ。
茜とのセックスでももちろん舌の交りあいはあったが、ここまで濃厚で激しいものではなかった。
もっと質素に恥ずかしげに行われるものだった。
しかし緑は違う。
力いっぱい風太郎を抱きしめたまま、ぎゅうと自分の大きな乳房を押し当てながら、
身体の奥底からこんこんと溢れる淫らな情念をそのまま伝えるかのようにして、
濃厚に絡みついたまま妖しげに激しくいつまでも貪り続けるのだ。
緑はすさまじいほどに激しく燃え上がる女性だったのだ。
そんな緑とこうして舌を交らせていくうちに、
それまで風太郎が抱いていた一つの考えが間違いであることに気づかされた。
風太郎はそれまでキスというのはあくまでセックスの前戯にすぎないと思っていたのだ。
だが、それはとんでもない間違いだった。
力強く抱きしめあうことで、汗に濡れた肌と肌を密着させお互いのぬくもりを伝えあう中、
どろどろと溢れ垂れていく唾液を気にすることなく、
ぴったりと唇を重ね合ったまま、その中で貪欲に淫らに舌を絡ませ吸い合っていつまでも求め合うことは、
もはや、それはセックスに等しいものだった。
ぼんやりと瞳を開けて風太郎は緑を見つめる。
そこには色白の頬を真っ赤に染めて、うっすらと眉間にしわを刻みながら伏せた睫毛を震わせて、
いつまでも風太郎を求め絡み続ける官能に溺れた緑の顔があった。
――緑さん……。
その緑の表情の妖しさ、艶めかしさに、風太郎は見惚れてしまう。
つい舌の動きが緩慢となってしまう。
と、緑はぼんやりと瞼を開いた。
そして「ふっ」と目だけで優しく笑って見せると、
風太郎を抱きしめていた右手を外して、こつんと風太郎の頭を小突いた。
――何見てんだよ……。
と言いたげに……。
――す、すいません!
そんな緑を前に、風太郎はあわてて舌の動きを激しくし、再び緑を求めて絡みあった。
それからも二人で交わり続ける中、
――ふー君……! ふー君……!
再び濃厚に絡みついてきた風太郎に応じながら、
そっと瞼を伏せた緑は何度も風太郎の名前を心の中で叫んでいた。
緑にとってこうしてお互い裸になって抱き合ったまま濃厚に舌を交らせることは最高の瞬間だった。
抱き合い互いの肌を密着させ、唇と舌で濃厚に愛しあうことで、
二人がまさに一つになっていることが実感させられるためだ。
何て素敵なことなのだろう、緑は思う。
緑にとっての理想はこのまま濃厚にキスをしながら、身も心もドロドロに溶けて一つに交りあうことだった。
だからついつい風太郎を抱きしめる力が強くなった。自分の乳房を痛いほどにぎゅうぎゅうと押し付けてしまう。
舌の動きも激しくなる。舌を吸うのも乱暴になってしまう。
そしてもっと風太郎にも求めてほしい。飽きることなく貪欲にいつまでも。
だって、少しでも一つになりたいから……。
そして濃厚に舌を交らせながら、緑は何度も小さな爆発を身体の中で繰り返していた。
それは肉体的な絶頂というよりも、精神的な絶頂というのがふさわしいだろう。
こうして風太郎と濃厚に絡み合うことに感動で心が打ち震え、心が何度も絶頂を迎えているのだ。
この爆発のたまらなさと言ったらない。それはある意味肉体的な絶頂を越えたものであり、
風太郎と絡み合いながら緑がぶるるぶるると何度も身体を震わせるのはそのためだった。
けれど、そんな自分の様を風太郎にじっと見つめられるのは恥ずかしい。
だからさっき緑は風太郎の頭を小突いたのだ。
それは緑の照れ隠しであり、
同時に風太郎にも余計なことに気を取られずにもっと貪欲に自分を求めてほしい気持ちの表れでもあった。
――ふー君! ふー君……!!
風太郎の名前を心の中で叫び続ける緑は、
かつてないほどに燃え上がり濃厚に絡みながらなおも風太郎を求め続けていた。
それに応じるように風太郎も懸命に舌をうごめかせる。
顔を傾け合い、身体の上下を何度も入れ替えながらいつまでも二人は絡み続けた。
短いですが、今日はここまでです。
キスシーンだけですいません。
お疲れ様です
いやいや、いつもながら良い仕事ですね
緑がリードする形で始まったこのとても濃厚なディープキスだが、
その貪欲な交わりの幕を引いたのもやはり緑だった。
風太郎の唇との間にきらきらと光る幾筋もの唾液の糸を引きながら、
唇を離した緑は「ぷは」と大きく一息つくと、
「ふー君おっぱい、ほらおっぱいだよ」
少し切羽詰まった様子で囁きながら、風太郎の頭をかき抱き、
そのまま自分の乳房の谷間に押し付けた。
「おっぱい星人」である風太郎に自分の乳房を再び好きにさせてあげようとしたのだ。
緑に頭を抱かれた風太郎はぎゅうと乳房に顔を押し付けられたまま、
「うぷ……ぷぷ……」
と苦しげにうめきながらも、そのまましばらくふるふると顔を小刻みに左右に振りながら、
顔全体で彼女の乳房の感触を楽しんだ。
やわらかくて弾力感のある、ボリュームたっぷりのあたたかな大きな緑の二つの乳房が、
むぎゅうと優しく風太郎を圧迫するその感触がたまらない。
そんな風太郎の様子を敏感に察知した緑は、風太郎の頭を抱くのをやめると、
自分でぎゅと重たげに左右に流れる乳房を持ち上げ、そのまま左右から真ん中に寄せていき、
心地よさげに楽しんでいる風太郎の顔を何度も何度もむぎゅむぎゅとやわらかく圧迫してあげた。
「ふー君、おっぱい気持ちいい? ねえ気持ちいい?」
乳房を何度もむぎゅむぎゅと寄せ上げ、風太郎を圧迫しながら、
興奮して息を弾ませた緑は風太郎に問いかけた。
そこにはいつもの調子で風太郎をからかう様子など微塵もなく、
ただただ風太郎を満足させるため懸命に自分の乳房を使って奉仕しようとする緑の一途な想いがあるのみだった。
「気持ちいい……気持ちいいです……」
顔を緑の乳房で圧迫されながら、緑と同じように興奮のため息を弾ませながら風太郎は途切れ途切れに答えると、
なおも緑の深い胸の谷間に顔を埋めたまま、
左右から何度も圧迫を続ける緑の乳房に心地よさげに頬ずりしながら貪欲に楽しんでいる。
「もっとしてあげる、ほら、ほら……」
そんな風太郎を見下ろしながら、緑は風太郎を満足させるため、さらに力いっぱい乳房を寄せて風太郎を圧迫し続けた。
緑のやわらかくて大きな左右の乳房は痛々しいほどにぐにゃぐにゃと形を歪ませ、
じっとりと汗でその表面を湿らせていきながら、いつしかほんのりと桜色に染まっていた。
――最高……これ最高……。
緑の乳房に圧迫されながら風太郎は思う。
風太郎が働く職場で緑は「巨乳美人」として有名だった。
男性社員は自分の同僚から先輩まで皆、緑の豊かな身体、特にその大きな乳房に目を奪われていて、
「一度でいいからあのデカパイを好きにしてみたい」
と語るのを風太郎は何度も聞いた。
風太郎自身、そういうはしたない欲望を抱かなかった、と言えばうそになる。
しかし、職場における緑は、プライベートにおける風太郎たちに対するような気さくな人柄と異なり、
仕事をバリバリとこなすやり手のキャリアウーマンであり、
近寄りがたい冷たくて鋭いオーラを常に放っていて、全くと言っていいほど、男を近付けることはなかった。
一度酒の席で酔っ払った中堅の男性社員が緑にふざけ半分で抱きついたことがあるが、
これを緑は容赦なく平手打ちし、その後、あわてて男性社員を平謝りさせたようなエピソードもあるほどだ。
もちろん風太郎も例外ではない。
職場では緑に厳しく容赦なく叱責されたことは一度や二度ではなかった。
もっともこの夜のように一緒に飲みに付き合ってくれたり、
初月給の時に「大事に使えよ」と優しくねぎらってもらえたのは、
そこはプライベートでも関係を持っているゆえの例外と言っていいだろう。
とは言え、それは職場の他の人間には目につかない二人きりの時に限られるのであり、
風太郎が初月給をもらった際も、緑にねぎらわれたその直後に誰かが通りかかると、
「何ぼさっとしてるの! さっさと仕事に戻りなさい!!」
と緑は風太郎を厳しく叱りつけて、何事もなかったかのようにそのままスタスタと立ち去ってしまったのだが……。
ともかくそれが職場の緑だった。
「いい女なんだけど恐くて近寄れない」
これが職場における誰もが、特に男性社員が抱く緑への評価だった。
その豊満な肉体に淫らな欲望を抱いても、緑の威厳がその欲望を満たすことを許さなかったのだ。
その緑が今、頬を赤く染め、「はっはっ」と息を弾ませながら、
風太郎を満たすために、誰もが憧れた自分の豊かな乳房を存分に使って、
ぎゅうぎゅうと風太郎を圧迫し続けている。
職場の人間たちからしたらそれは信じられない光景だろう。
緑がここまで乱れることなど想像もつかないからだ。
その夢のような時間を今、風太郎は独占していた。
あたたかくやわらかな乳房で顔を圧し潰される心地よさにくわえ、
この独特の何とも言えない優越感が、風太郎をさらに満たし、そしてなおも貪欲に緑を求めさせていた。
そんな風太郎に懸命に自分の乳房で奉仕をし続ける緑。
実は彼女にとって、今風太郎を満たしているこの大きく豊かな乳房は深いコンプレックスだった。
まず肉体的な苦痛。
乳房が重たくてとにかく肩が凝るのだ。
そしてそれ以上につらいのが好奇のとくに性的な目線が自分に集中することだった。
満員電車で痴漢にあったのは数え切れない。いつも胸を触られた。
乳房が大きいというだけで「ヤリマン」と誤解されたこともある。
いつも陰で性的な話題のネタに挙げられる。
当然緑は職場で男性社員たちが、自分に卑猥な視線を向け淫らな噂をしあっていることも百も承知だ。
たまらなかった。
この大きな乳房があるために、自分という人間すべてが無視され否定されているように感じられた。
だから職場の緑は強く出た。わずかな隙も見せず、男を少しも近付けなかった。
そうすることでしかこの乳房から解放されたありのままの自分を保てないと思っていたのだ。
さっき緑は冗談半分で風太郎に「男の人はおっぱいが好きだ」と愚痴ってみせたが、
それは実は冗談交じりにこぼした緑の嘘偽りない本音だった。
そんな緑だから、自分の乳房で男に尽くすことなどある意味屈辱的なことだった。
セックスにおいても乳房ばかりで自分の人格が否定されるように感じるからだ。
だから緑はセックスになると何よりも濃厚にキスをし、貪りあうことを好んだ。
ありのままの自分を求めてほしい、愛してほしい、そう思うからこそ、
緑は唇と舌で一つにドロドロに溶けあうような濃厚な交わりを好むのだ。
しかし、その緑が今、風太郎に自分の乳房で懸命に奉仕を続けている。
それは緑の風太郎への想いが自分のコンプレックスをも超越していたからに他ならない。
かわいいふー君が、自分のおっぱいを愛するならば、好きにさせてあげよう、一生懸命愛してあげよう、
そう思うからこそ、ここまで尽くすのだ。
相手への一途な想いがあるからこそ、この乳房を使っての濃厚な奉仕は行われていたのだ。
緑がここまで尽くしたのはかつての恋人正輝以来だった。
「ああ、緑さん、緑さん……」
うっとりとこぼしながら、風太郎は圧迫を続ける緑の乳房への頬ずりを止められない。
「いいんだよ、ふー君……もっとしてあげるから……ほら、私のおっぱい、いっぱい感じて……」
息を弾ませたままの緑は優しく微笑みながら、なおも風太郎の顔を自分の乳房でむぎゅむぎゅと圧迫し続けた。
むぎゅむぎゅぎゅうぎゅうというやわらかくてあたたかな弾力感たっぷりの優しい圧迫の中で、
風太郎は身体がとろけていきもはや身動きが取れなかった。
緑は慈愛の笑みをたたえたまま、そんな風太郎を二つの乳房で愛し続けている。
ということで今日はここまで。
おっぱい好きの方に楽しんでいただけたら幸いです。
ナイスおっぱい!
緑さん、なんていいおっぱい…
更新止まっててすいません。明日以降にします
最近ちょっと忙しいんで、週1くらいのペースになってしまうかもしれないですが…
まあ気を長くしてお付き合いください…
喜んでお付き合いさせていただきます。
焦らないでくださいね。ゆったり待ってます。
むぎゅむぎゅと緑の乳房で顔を圧迫され続けていた風太郎が顔を上げたのはそれからしばらくしてのことだ。
やわらかくてあたたかな緑の乳房の余韻をたっぷりと頬に残したまま、風太郎は言った。
「揉んでも……いいっすか……?」
緑からその豊かな乳房でたっぷりと尽くしてもらった風太郎だったが、
これに飽き足らず、今度は自分で好きにしてみたくなったのだ。
無理もないことだろう。
「うん、いいよ」
白い歯を見せて緑はにっこりと微笑むと、
「私のおっぱい、ふー君の好きにして」
そう言って瞼を静かに伏せて両手を脇にそっと寝かせたまま、身動き一つとらなくなった。
風太郎の目の前で静かに横たわるミルク色の美しい緑の裸体。
さんざん風太郎を楽しませた二つの豊かな乳房はほんのりと桜色に染まったまま、
その重みに逆らうことなくやわらかく左右に流れている。
それは言葉に出来ないほどに美しく、そしてどこまでも優しく愛情に満ちたものに思えた。
「緑さん……!」
風太郎は小さく、けれど力強く緑の名を呼ぶと、彼女の乳房を両手でむぎゅと鷲掴みにした。
搗き立てのお餅のようにやわらかな緑の乳房の桜色に染まった肉ときゅっと絞られた桃色の乳輪と丸く大きく尖った乳首が、
乱暴につかむ風太郎の指と指の間いっぱいにむぎゅうとやわらかく絞りだされている。
「ああっ!」
風太郎に自分の乳房をわしづかみにされたその瞬間緑は声を上げた。
突然訪れた強い感触に眉間に深くしわを刻み、肉厚で魅力的な唇を悩ましげに大きく開きながら……。
そのあまりにも艶めかしい緑の表情に風太郎はさらなる興奮を覚え、
鷲掴みにした緑の乳房をぎゅうぎゅうと力いっぱいこねるようにしてゆっくりと揉み始めた。
ぐにゃりぐにゃりと痛々しいほどに緑の乳房は大きく形をゆがませながら、風太郎の好きなようにこねまわされている。
「ああ……はああ……ああっ!!」
力いっぱい自分の乳房を揉まれながら、
緑は顎を突き出すようにして白い喉元を露わにしながら大きく顔を仰け反らせ、左右にぶんぶんと振り立てた。
まさかいきなりここまで力いっぱい自分の乳房をこねまわされるとは思わなかった。
ぎゅうぎゅうと乱暴に絞られたまま揉まれる乳房には痛みが走る。
しかしそれ以上に気持ちよくてたまらない。
重たい乳房の奥にある、緑を肩こりなど肉体的に苦しませてきたコリコリとした固い「芯」のようなものが、
風太郎のこの乱暴な愛撫によって、ゆっくりと解されていくようでたまらないのだ。
それは今までの苦しみから徐々に解き放たれていくようなたまらない心地よさで、
重たく揺れて緑を苦しませるだけだった二つの乳房が、そして何より自分自身が、
風太郎の手によって「芯」をほぐされることで、別のものに転化を遂げるようなそんな錯覚を緑は覚えていた。
「いいよ……ふー君、すごくいいよ……」
緑は大きく息を弾ませ顔を仰け反らせたまま、いつしか背中までくうっと浮かして、切なげに訴えた。
風太郎に乱暴に揉まれることで緑の豊かな左右の乳房の奥のコリコリがゆっくりとゆっくりとしかし確実に解されていく。
それに連れて乳房の先を彩る乳首はぐんぐんと膨らみ、やがて痛々しいほどに尖りきり、
こぼれる吐息はいつしか大きく弾み、そしてふっくら膨らんだ花弁はとろとろと溢れた蜜のためにじっとりと濡れていた。
「もっと……もっとぎゅうぎゅうして!!」
コリコリを解されるそのたまらぬ感触に緑の身体はこれまでにない興奮を覚えていた。
風太郎はそんな緑の要望に応えるべく、必死で彼女の豊かな二つの乳房を愛撫、いや格闘していた。
最初はそのあまりにもやわらかい揉み心地にたまらず、
夢中でこねまわすように力いっぱい揉んでいただけだったのだが、
これに緑が予想以上に興奮し、「もっともっと」とねだってくるので、風太郎はなおも懸命に頑張っていたのだ。
左右の乳房を交互にギュッギュッと力強く揉んだり、
そうかと思えば両方同時に思いきりぎゅうううと痛々しいほどに絞りこんだり、
さらにグニャグニャうねうねと大きく緑の乳房の形を歪ませながらこねまわす。
そうしながら風太郎は一つ気付いたことがあった。
最初は気づかなかったが、夢中でこねまわし続けるうちに「それ」に気づいたのだ。
「緑さんのおっぱい……なんか……コリコリしてるのありますね……」
「え!?」
緑は思わず声を上げた。
自分にしかわからないと思っていた「芯」を風太郎も気付いてくれていたのだ。
その理由はわからない、しかし、今風太郎は自分の一番責めてほしいポイントを間違いなく把握しているのだ。
だから、緑はたまらず叫ぶように言った。
「それ! そのコリコリもっと揉んで!! コリコリを解されるのがすごくいいの!! ふー君お願い!!」
緑の叫びを聞いて、風太郎は緑の乳房の奥のコリコリを揉みほぐすつもりで、
コリコリをポイントに力強く乳房を揉み、絞り、こね続けた。
乳房の上の方だけを揉みほぐすのではなく、左右の乳房の根元から力強く揉み、こねまわすようにすることで、
乳房の奥にある固いコリコリを重点的に責め続けるのだ。
「ふー君……ふー君……!! あああ……!!」
そんな風太郎の愛撫に緑は色白の頬と左右の乳房を真っ赤に染め、
さらに大きく息を弾ませ、いつの間にか開かれっぱなしの唇の端からはよだれが一筋つーっと細くとろとろと垂れたままになった。
しかしそのことを恥ずかしく思う余裕など緑にはない。
それ以上にコリコリを確実にゆっくりと解されていく気持ちよさに全身がとろけていくようで、
この世のものとは思えないたまらない快感の中、頭の中は真っ白となってしまい何も考えることができなくなっていたのだ。
それは風太郎が初めて見る緑の姿だった。
「緑さん……緑さん……」
大きく乱れていく緑を目の前にして、風太郎も言葉に出来ない興奮を覚え、
夢中で緑の乳房を揉み、コリコリに挑み続けていた。
と、急に緑にガバと背中を抱きしめられた。そして、
「おっぱい揉んだまま……このまま、ちゅーして」
瞳を大きくうるませた緑はじっと風太郎と見つめたまま囁くと、
自分から風太郎と唇を重ね、すぐにそのまま熱い舌を差し入れた。
風太郎ももちろんそれに応える。ただただ互いの舌を貪りあう粘った濡れた音が淫らに響く。
「んむ……んむ……ううん……うう……ううううん……んむんむ……んんむんむ……うう……うううっ!!」
風太郎にぎゅうぎゅうと乳房を揉まれたまま、緑はくぐもった悦びの声をたまらずなんども噴きこぼしながら、
さっきのキス以上に自分の舌を熱く激しくうねるように風太郎の中で悶え狂わせながら絡み続けた。
風太郎はそれを真正面から受け止め懸命に応じつつ、
なおも緑の乳房を、そしてコリコリをいつまでも揉み続けている。
そのような中、風太郎に絞りだされる緑の乳房の先にある二つの乳首は痛々しいほどに膨らみ、限界まで尖りきっていた。
かつてない悦びの中にある緑の心中を表現するように……。
ということで今日はここまでです。
少し短いのがなんですが…。
おっぱい祭りはまだ続きます。
レスくださった皆さん、ありがとうございました。
148 :
名無しさん@ピンキー:2009/04/05(日) 08:37:48 ID:ml8t/E7/
あげ
風太郎x由香が見たい俺は異端?
>>149 そんなことない
風太郎が由香をレイープ→和姦とか
>>147 こいつ以外の人のが読みたいんだが・・・ムリなのか?
おっぱいに芯て…胸のコリコリ!?
何か乳癌みたいで怖い
住人:「おっぱい祭はもうお腹いっぱい」
楽しみにしてるやつもいるんだから、そういう水さすような事言うなや。
私はいつも楽しみに待ってますので気にせず続き書いてくださいね。>>風×緑の書き手さん
いつもの方じゃないのですが、少しずつ書いてた風太郎×茜が
仕上がったので投下します。5レスほど。
新婚初夜ネタですがほぼ非エロとなってます。
三國茜と結婚した。
風太郎にとって、全ては三國造船丸ごとを乗っ取る為の、ただの手段の筈だった。
屋敷の茜の部屋がそのまま夫婦の寝室となり、大きなベッドが運び込まれた。
豪華な部屋に豪華な家具。その全てが自分には不釣り合いで、思わず苦笑めいたものをもらしてしまう。
これからは全てが自分のものだ。
遠くない未来、屋敷も会社も全て。
そして、先ほどからどことなく緊張した面もちでこちらを見つめる、茜自身も。
少し明かりを落とした、二人だけの寝室。
「今日からいっしょの部屋だね」
何がそんなに嬉しいのか、笑顔で茜は言う。
「本当に茜と結婚できるなんてね。夢みたいだよ」
心にもない言葉を紡ぐ。本心をけして悟らせないように。
「おいで」
ベッドの上に腰掛けて手を差し伸べた。つとめて優しい声を出す。
おずおずと隣に座る茜の腕をとって、未だうすく傷跡の残る手首に口づけた。
痛ましい表情を作り、辛そうな声色を意識して。
「ごめん。こんなことをさせてしまうなんて」
風太郎が欲しい、と願った茜。
それが叶わないと知ったとき、自らつけた傷。
それは彼女の命を奪うには至らなかったが、父親や姉にとっては衝撃だったに違いない。
「茜には風太郎君が必要なの」
そう言われたときのことを今でも覚えている。
風太郎自身にとっても、茜がそんな手段をとったことは予想外だった。
茜の夫として三國家に潜り込むまでは、死なれるわけにはいかないのだから。
「心配かけて、ごめんなさい」
「それは緑さんや……お義父さんにもだろ?」
「うん……」
「もうこんなこと、させないから」
「大丈夫、」
これからは風太郎さんがいてくれるから、と再び茜は微笑んだ。
そんな風に幸せそうな笑顔にも、心を動かされるわけにはいかなかったのだけれど。
風太郎を愛しているという茜。
だからといって、風太郎が茜を愛せるはずもない。
そんな資格は、どこにも。
いまさら誰かを愛して、幸せを手に入れるなど。絵空事にもならなかった。
今の風太郎にできるのは、「優しい夫」の仮面を被ること。
遠くない未来、その仮面を外すことになろうとも、今だけは茜を騙し通さねばならないのだ。
そっと茜の右頬に触れる。そこにある青い痣。茜のコンプレックス。
そっと撫でると、それだけでとろけそうな表情を見せる。
髪で顔を隠し、ひたすら無表情を貫いていた茜は、今では驚くほどに表情豊かだ。
そっと抱き寄せると、びくりと身体がふるえた。顔を見ればほんの少し不安そうで。これから何をされるのか、本当にわかっているのだろうか。
薄く笑みを浮かべて、ベッドに組み敷いた。触れた肩から伝わるのは、かすかな体温だ。
「風太郎さん……?」
その声を無視して、髪に顔を埋める。
「大丈夫」
そう呟いて、行為に及ぼうとした瞬間。
風太郎を見つめる茜の表情が、初めて口づけたあのときと同じことに気がついた。
何も知らなかった茜。口唇はしっかりと閉じたまま、口づけに応えることもできなかった。そっと顔を離せば、あまりの驚きに目を見開いていた。
そのときの経験から、ほんの少し予感はしていた。でもまさか。
今自分の身に起こっていることが理解しがたいのだろう。頬を染めてただ固まっている。その姿が、ひどく可笑しかった。
元々度を超えた箱入りだとは思っていたが、まさかこれほどとは。
きっと何も知らないまま、綺麗なままで育てられたのだろう。あの父親にあの姉だ。その上、外に友人を作ることもなかったであろう茜は、まさに純粋培養だった。
「どうしたの……?」
風太郎が黙り込んでしまったので不安になったのか、おずおずと話しかけてくる。
「いや……」
茜はまだ何も知らないんだね、とくすくす笑いながら告げれば、きょとんとした顔で見上げてくる。
「わ、私、何か変だった?」
自分に不手際でもあったのかと、不安げな顔を見せる。安心させるように頭を撫でてやれば、たったそれだけでほんのりと顔が赤らむのが見てとれた。
「違うよ。可愛いなって」
「え?」
「だって、知らないんだろう?」
普通の男女が何をするか。先ほどの風太郎の行動の意味も。赤ん坊はコウノトリが運んでくると信じている子供のようで、それはひどく滑稽だった。
「さっき俺がしようとしたのはね、」
***
「……ほんとう?」
風太郎がほんの少し説明しただけで、茜の許容量はいっぱいになってしまったらしい。
先程ほんの少し触れたときとは比べものにならないほど、茜の顔は真っ赤だった。
ベッドにちょこんと座って、もじもじと落ち着かない様子で、寝着の裾を弄っている。
「こんなことで嘘なんてつかないよ」
「みんな……?」
「俺もよくは知らないけど、恋人とか、夫婦とかね」
「は、恥ずかしい……かも」
「恥ずかしいから、好きな人としかしないんじゃないのかな」
その言葉で、茜は納得したようだった。
「じゃあ、これから……」
先程の続きをするのかと茜は言うが、正直それは無理だと思っていた。
せめてもう少し性知識があるならともかく、今現在の茜を抱こうにもうまくいく筈がない。
今だって、表情には怯えが混ざっているというのに。
風太郎に心酔しきっていて、操るのもたやすいと思っていた相手だったが、思わぬところで手間がかかりそうだ。
別にこのまま抱かずに清い関係でも構いはしないだろうが、万が一他に知れるようなことがあれば面倒なことになる。
不自然さを感じ取らせるわけにはいかないのだ。
「いいよ、まだ。だって茜、怖がってる」
「嫌いに、ならない?」
不安なのか、いつもそう聞く茜に「ならないよ」と優しく告げて。
「印をあげるよ」
茜が俺のものだっていう、印をあげる。
そう言って、茜の首筋に吸いついた。
歯は立てず、少し痛みがはしるくらいに口唇だけできつく吸う。
「ん……っ」
茜が声をあげるのと同時に解放すれば、その場所には赤い痕が散っていた。
風太郎が満足気にぺろりと口唇を舐めて茜を見やれば、茜は上気した肌に潤んだ瞳でこちらを見つめていた。
その瞳には微かな情欲を含んでいて、この調子ならばそう遠くない未来に茜をこの手に抱くことになるだろうと風太郎は確信する。
「その痕が消えるまでに、茜を俺のものにするよ」
心と身体、どちらも風太郎に溺れさせてしまえばいい。
その存在すべてを、風太郎のものにしてしまえばいい。
風太郎は、その自分の思考をただの金への執着の為だと思っている。
たどり着くべき場所へと至る為の、ただの手段にすぎないと。
今は、まだ。
おしまいです
ひとまず非エロ編でお送りしました
激しくgj!!
風太郎×茜、待ってましたー!
茜可愛いよ茜
薄ら暗い風太郎も良かったし、次回作も期待してます!
キタ━( ゚∀゚)━━!!!
_(っ/ ̄/___
 ̄ ̄
風×茜いいよーいいよー
ドラマの雰囲気そのままでGJ!
しばらく来てない内に風×茜キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
遅ればせながらGJです!
暗い雰囲気纏った風太郎も、純情茜もイイヨイイヨー
風茜GJ
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本編通りでも妄想でも、どっちでも歓迎
風太郎さん…
167 :
名無しさん@ピンキー:2009/04/24(金) 16:32:56 ID:juQKgCYW
ほしゅあげ
169 :
名無しさん@ピンキー:2009/05/06(水) 02:15:39 ID:E389Owoj
風茜超好き
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茜待ち
茜好きな人まだいるんだ
自分もその一人
エロ無しでいいから風茜読みたいよ
風茜イイヨイイヨー
楽しみにお待ちしてます
ほっしゅ
174 :
名無しさん@ピンキー:2009/05/23(土) 15:07:43 ID:kk/VFpj7
DVD発売記念
保守
新ネタまち
保守
178 :
名無しさん@ピンキー:2009/07/13(月) 03:19:08 ID:h8zHyk2U
あげ
上に同じく
俺も見たいよ
182 :
名無しさん@ピンキー:2009/08/14(金) 01:42:59 ID:2yMlPxMp
俺も
同じくズラ
ズラ
緑さん綺麗ヅラ
186 :
名無しさん@ピンキー:
ズラズラ