「そうなんだが、何故かそのつもりで誘うと、君が特殊な欲求をぶつけてきて、
足とかへそとかメガネとか、そんなのでグダグダに……」
「うわ、すんません……遊ばれてると思ってたもんで」
「それは私の落ち度だな……確かに最初は遊び半分だったし、本気になり始めてからも
駆け引きのつもりで今日まで想いを口に出さなかった……好きだぞ、ごめん」
ちゅ。
行為と謝罪を一度にだしたその唇が、口づけを求めてきたのでそのまま応じる。
「コレで晴れて両思い……っつーことでいいんスかね?」
「……だな。最初に君に興味をいだいたのは、ただの劣情と好奇心だった。
馬鹿で、助兵衛で、変態で、外見と一部の身体的特徴を除けば良い所なしの男だと思ってた」
「……ヒデェ言われようっすね」
まあ事実なんだが。あと一部の身体的特徴って言うな。
「だけど、私もやっぱり助兵衛な女で。でもそれを君ほど外にさらけ出す事ができなくて、
いつの間にか憧れの目で君を見るようになっていたよ、あんなふうに正直に生きられたら、とね。
その素直さには嫉妬に近い感情すらおぼえたよ。それでいつの間にか、君のことを目で追うようになって、
君のことばかり考えるようになって、君に惹かれつつある事を自覚した。それでおもった。
この子だったら、こんなにもいやらしい女である自分を受け入れてくれるんじゃないかって。
だけど……そこで他の男みたいに引かれたらどうしよう、嫌われたらどうしよう、と思ったら、
自分から一線を超えるような決定的なアプローチはできなくって……」
「ま、臆病だったのはお互い様っすよ……」
今にして思うと無理にでも押し倒すべきだったのかもしれん。
「だから昨晩、抱いてくれて本当に嬉しかったんだ。ありがとう」
そこでいとおしさが限界に達して、無理矢理に唇を奪った。
「俺も。先輩がヤらしてくれて、スゲェ嬉しかったです」
「……ぁ、こら、ばか……」
たしなめられて気づく。
劣情に支配された手が勝手に服のスリットに侵入して、むっちりふとももを撫で回していた。
だが強い抵抗はこない。これはオッケーと言うことで構わないんですよね?
「先輩」
「んっ……あぁ、だめ……ばか、ばか……」
言葉とは裏腹に先輩はこっちに身体を預け始め、調子にのった俺の手が更に内側に潜り込もうとして――
「そ・こ・ま・で! ヒトの目の前でいきなりサカり出さないでくれるっ?!」
わすれてた。そういや居たよね、俺ら以外に。
気づけばガンナちゃんは、いつの間にやら席を動いて、ちゃっかりパラ君の隣に腰掛けていた。
そのパラ君はといえば、ただただ苦笑していらっしゃる。
「ガッ、ガンナ、いやこれはそのっ!」
引きつる先輩。どうやらこっちも他人の存在をすっかり失念していたご様子である。
「これは? その? あのままほっといたら、ぜったい私たちの目の前でえっちはじめてたよね?
黙ってみてたら、さっきから二人の世界でイチャイチャイチャイチャ……
こっちまで、ヘンな気分になってきちゃったじゃないっ!」
「つーか、ガンナちゃん。くちびる濡れてるっすよ」
「え、嘘っ?!」
そのままゴシゴシ口元をぬぐったのを見計らってから、
「うん、ウソ」
「……あ! ダマされたっ! 兄ちゃんのいじわるっ!!」
うむ、カマをかけた甲斐があった。やはりアテられてキスぐらいはしてたらしい。
「まあ、その……話し合いと言う空気じゃなくなっちゃいましたね」
パラ君がとりなすように口を挟みながら、むくれたガンナちゃんをあやす。手馴れてんなぁ。
「そだね。もうむりやり引き剥がしたってくっつくわよ。このドスケベカップルは」
「誰がドスケベカップルだ!」
「先輩。俺らです俺ら。そこはいい加減自覚を持ちましょう」
「うるさいっ!!」
まぁまぁ、とガヤつく周囲を諌めながらパラ君が場を鎮めて行く。コレもなれた雰囲気だ。苦労してんなぁ。
「まだ要の部分が終わってませんけど、それでも大体の所は話し終わりましたし、
各人の心の整理がついた頃に、また後日ということで……いや、いっそ、
この分ならもうお話しなくても良いかもしれませんね」
「パラ君のヘタれ……うん、でも、もうそれでもいいかも。後は時間だけがおくすりだよね。」
「二人とも、気を使わせてすまないな……」
話と言うのが何か知らんが、確かにそのへんが今日の落しどころだろう。
しかしなんだかしんみりしちまった。明るい気分でお開きにしたいし、ちょっとギャグっとくか。
とびっきりに下品なのを一発かまして、先輩にぶん殴られて、皆でゲラゲラ笑ってそれでおしまい。
そういうのを一発カマしておこう。
「そうだ。時間薬に頼らなくても、みんな今すぐ仲直り出来るナイスなアイデアを思いついたんスけど」
「……聞こうか」「……ふぅん?」「どんなのです?」
3人ともが喰いついた。ツカミは上々。反応を見ながら少し溜めて、一気に解放する。
「みんなで4Pすりゃぁ良いんスよ!」
しん、と静まり返る。
――スベった!! やっべぇ!!
「あ、あのですね、恋人同士がケンカしたときは、エッチして仲直りすりゃいいって言うじゃないスか!
だからみんなで裸の付き合いをすればですね、そのぉ……」
慌ててフォローを入れるが、こーゆーときはフォローするほどにドツボにはまっていくと言うのがお約束。
みるみるうちに場の空気は冷え込んでいった。ああ、ごめんなさいごめんなさいごめんなさい……。
「座れ」
先輩の声が固い。ヤバイ、マジ説教だコレ。
このままだと二時間はこってり絞られること確定なので、先輩の身体を撫で回してた手を
そーっと外して離脱のタイミングを計ろうとすると――
「ガンナ、いつもみたいにメディ君に抱きつけ――ただし、彼が逃げないように思いっきりなっ!」
「えと……うんっ!」
機先を制した先輩の指示に、ガンナちゃんが弾丸のように飛び出して、俺はソファへと押し込められた。
「あだだだだっ!! 優しくっ!! ガンナちゃんもっと優しくっ!!」
そして万力のような力でギリギリと全身を締め付けられる。
そういやこの子、華奢な外見に似合わずウチで2番目に腕相撲が強かったんだったっ!
「逃がさないぞ、メディ君」
先輩も俺の隣に腰掛けて、そのままぎゅうと抱きついてきた。何この微妙に嬉しくない両手に花はっ?!
「あ、あのっ! すんませんっ! 今のギャグそんな怒られるとは思わなくって!」
「怒ってはいない……いや、逃げようとしたから怒ってるが、問題はそこじゃない」
「参りましたね……」
「うん、ホント、どうしよう……」
「偶然とはいえこの話が出てしまった以上、最後まで説明するしかない気もしますけど……」
「話す以上は決めなければならない。多少強引にでも押しこむぞ、いいな、ふたりとも?」
「ううん、アルケミ。やっぱりアレは無しでもいいよ……だって、独占してたいでしょう?」
「土壇場でそういう遠慮をしかねないからガンナを今日は連れてきたくなかったんだがな……。
だけど、身を持ち崩しかけてた私を助けてくれたのは、間違いなく君だ。
だからあの時の約束を違えるような不義理はしたくない」
三者三様に頭を悩ませている――なんなの? 俺ってば今度は何をやらかしたのっ?!
「……あの、話が見えないんスけど」
「話だったら今からしてやるさ。メディ君、今のは冗談のつもりでいったんだろうがな、
我々としては冗談で済ますわけには行かないんだ。失言の報いとおもって聞くだけは聞いてもらうぞ」
「冗談じゃ済まないって……4Pが?」
「君の選択次第ではそういうこともありうる」
「はぁっ?! どういうっ?!」
「さっき私が言いかけた話の続きさ。早い話が最初の『話し合い』時の顛末だ。
その時ガンナが君とほとんど同じことを言ったんだ。話して構わないな、ガンナ?」
「自分で言うよ……『三人でずっと一緒に仲良くしたい。それならわたしとアルケミ、二人ともが
パラ君のモノになっちゃえばいい。だから、みんなで一緒にえっちしよう』ってね。
……バカでしょ。笑ってくれていいよ」
「ちょ…ま……3Pっスか?」
笑えるわけがない。こっちは半ば以上冗談で言ったとはいえ、思考の経路は非常に近い。
気分的には受け入れがたいがガンナちゃんもやはり爺ちゃんの娘だ。いいそうなセリフではある。
「細かい経緯は省きますけど、数日後にアルケミさんがその提案を受け入れて、
僕も思いつめていたんで一度はうんと言いました。だけど、実際に3人まとめて一緒に
夜を過ごす段になると、土壇場でおじけづいてしまって……」
「そのころになると私も頭が冷えてきてた事もあって、身を引く覚悟を決めかけていたんだ。
何せどう考えても悪いのは私だ……ところがガンナはそれじゃ気がすまないと言い出した」
「わたし、アルケミの一番大事な人を盗っちゃったから……代わりに、
わたしも……アルケミには私の一番大事な人をあげようとおもって……」
繋がった。つまり。ようするに。そういうことだったのか。
「それで、俺、かぁ……」
「そこで終わればそれなりに美談だったんだがね。残念ながらそうじゃない」
「マジすか……」
勘弁してくれと言いたい気持ちもあったが、逃げたら逃げたで絶対後悔するだろう。ココまで来たら毒皿だ。
「最初は憐れみをかけらてたと思って断ろうとした。男だったら適当に漁るから、譲ってもらうまでも無いと。
そう言ったらすごい剣幕で怒られたよ。アンタ組織のリーダーなんだからフラフラするのはもう止めて
一人の男に心を固めなさいよ、とね。このままじゃ、固まりかけた皆がまたバラバラになっちゃう、
そんな事になるぐらいだったら、やっぱりパラ君あげるからくっついちゃいなさいよ、とまで言われたよ。
ガンナには感謝してる……実際、あの状況が長く続いたら人間関係のもつれでギルドは
空中分解してただろうな」
なるほど。そんときゃそれで落とし前をつけたわけか。
「だがね私も……想いを残した昔の男を親友にとられる辛さは知っていた。それが自分の望んだことでもね。
だからその提案を呑む前に、一つ条件を出したんだ。その『兄ちゃん』とやらを私に奪われるのに
耐えられなくなったら、その時はいっそのこと――互いのパートナーを共有しないか、とね」
「きょ、共有って……!」
「言葉通りの意味だが。私とガンナは、メディ君とパラ君、二人の男に同時に所有されたいんだ。
もちろん君たちが望むなら、二人ともを抱いてくれていい」
ゴーレムに殴られたってココまでのショックは受けまいよ。
「パッ、パラ君はっ?! パラ君はそんなんでいいんスかっ?!」
するとパラ君は、物憂げな表情を作って俺たちを順繰りに手差しした。
「重いでしょう、それ」
「……重い?」
「好意をもった女性二人を支えることが、です」
確かに重い。肉体的にも精神的にも。
体感してみてはじめてわかった。両手に花ってこんなにしんどいことだったのか。
爺ちゃん。やっぱアンタは超人だよ。嫁四人とか羨ましいけど真似できねーよ。
「僕も狡い男なんです。二人ともに未練があって、二人ともを幸せにしてあげたい。
だけど結局プレッシャーで潰されそうになって、二人ともを不幸にしかけてしまった。
でも男一人で女二人を支えられないなら、そこに男一人を加えてバランスを取ればいいんじゃないかって。
だから、どんな形であっても、その重みの半分をひきうけてくださるのなら
……僕はあなたに感謝したいとおもってます」
「どんな形でも半分……ってこたァ、俺が先輩とくっついて、
そっちはそっちで今まで通りやってくっつー『普通の』方法でも構わねーってことっすよね?」
「ええ、僕としてはもちろんそれでも……」
よかった、パラ君に関しては交渉の余地ありらしい。
「わたしもそれでいいんだよ? 他の女だったら嫌だけど、兄ちゃんと付き合うのが
アルケミだったらわたしは別に全然辛くなんか……」
「ばか。嘘ならもっとうまく付け……そんな事を泣きながら言う奴があるか」
ガンナちゃんの顔を見てギョッとなる。大きく開かれたブルーの瞳には涙が浮かび始めていた。
「ウソなんか……ウソなんかついてないもん……」
「ガンナ。想いを伝えるのなら、本当に最後のチャンスだぞ。今から君が何を言おうと
私はそれを許すし、パラ君やメディ君もそれを受け入れてやって欲しい」
「受け入れろって何をっ!?」
わかっていた。本当はもうわかっていた。そしてその通りのことが目の前で起きようとしていた。
「あ、あ、あ……あぁ、ヤだよ…やっぱり嫌ァっ!
兄ちゃんがアルケミだけのモノになっちゃうのなんてやだぁっ!」
ガンナちゃんが泣きながら、本音を吐き出し始めたのだ。
「だって、だって、兄ちゃんのことずっと好きだったんだよっ! 生まれた時から好きだったっ!!
好きだからキスされて嬉しかったし、身体を触られるのは恥ずかしかったけど気持ちよかった。
それに好きだから……初めてだって兄ちゃんにあげたかったっ! ぜんぶ、全部好きだったからだよっ!
それで今でも、好きなの……好きだよっ、だいすきだよぉ……」
こんなにも激しい好意をぶつけられて、そして抱きつかれて、流石に俺にも情がわく……いや、思い出す。
「ガンナちゃん、俺も……」
いやまて俺。いま何を言いかけた?
「ガンナ。後一押しだ、口づけろ」
「先輩アンタ何言って――」
懐かしい味だった。
ガンナちゃんの唇が、俺の口元を塞いでいた。
大人になりかけのその唇は、まだ乳臭く、そしてほんのりと甘く。
流石に罪悪感をこらえきれず先輩の顔を覗き込むと――軽く微笑みさえしてうなずきやがった。
怒ってくれよ。キレてくれよ。なんでいつもと反応が違うんだよ。
パラ君だってなんか言えよ。仮にも自分の恋人が他の男に媚び売ってんだぞ。悔しくねえのかよ。
ガンナちゃんもホントにわかってんのか?
俺ら血ィ繋がってんだぞ……こんなの、ここまでやっちまったら、もう戻れねぇんだぞ。
くそったれ。やっとわかった、いまさらようやく、ホントの意味で理解した。こいつら、最終的にこの形に
落としこむために、歪んだカルテットの最後の1ピースとして俺を必要としたわけか――ふざけやがって!!
「……んっ、にいちゃぁん」
だが、一心に好意を示してくる叔母っ子が、胸に渦巻く激情を怒りとは別のものへと醸成していった。
深くはない、ついばむような口づけだったが――堕ちるにはそれで十分だった。
「キスとか……三年ぶりだね」
「……ッスね」
「好きだよ。兄ちゃん」
「ああ、くそ、わかったよ、言やぁ良いんだろ……俺だって、好きだよ」
そして本日の馬鹿オブ馬鹿がこの俺だ。言ってしまった。言わされてしまった。
ほんの数分前、別の女に激しく愛を語ったのとおんなじ口で、ガンナちゃんに好きだと言っちまった。
ああ、悪かったな! こちとら女と名のつく生き物はぜんぶ大好きの節操なしだよ!
「すきぃ……」
「ああ、俺も……俺も好きだ」
とまどう心とは裏腹に、口は勝手に動いて再び愛をささやく。
言葉を飾る必要はない。子供の頃からずっと通じ合ってきた相手なのだから。
ついには自覚する。せざるを得ない。俺だってガンナちゃんの事が好きだった。
同じ家に生まれて、育って。最初に意識しあった異性だった。
綺麗な容姿は目を惹いた。明るい性格に心をつかまれた。
そんな子が俺を無邪気に慕ってくれて嫌いになれるはずも無く……そして、
「結婚の約束……したよね?」
「あったな……そんなのも。約束したよ。結婚したかった」
ガキのままごとの延長だったが出来ると思ってた。ずっとずっと一緒に暮らせると思ってた。
だけど俺らの血縁じゃ無理だと知って、互いに一週間はヘコんだね。
「お嫁さんになれなくってもいい。だけど今日だけでいいから兄ちゃんのモノになりたい……いいでしょ?」
ここで嫌だと言ったら、泣くだろう、悲しむだろう。だけど悲しませたくない。
「ああ、いいよ」
そう考えると自然に首は縦にふられていた。
「決まりだな」
先輩の声で我に返る。
「これでめでたく私たちは四人が四人とも、今の恋人がありながら、
昔の恋人への想いが捨てきれないろくでなしだ」
今日ほどこの女を悪党だと思ったことはない。
『ヒトとしてそれはどうなの?』というラインで戸惑ってる人間の背中をあっさり押しやがった。
一言なんか言ってやろうと思ったが、困ったことにアレほど煮えくり返ってたハラワタが
ほとんど収まっちまって、うまい言葉が出てこない。
そればかりか、この変わった人間関係に組み込まれた事に、ある種の期待感さえ抱くようになっていた。
赤信号みんなでわたれば怖くない。堕ちてしまえば結局俺も『こちら側』だ。
「そしてメディ君。共犯者の世界へようこそ。この件に関してこれ以上君が誰かを責めることは許さないが
同時に誰かが君を責めることもない。そこは間違いなく保証する」
「……ったくもー、アンタって人は、ホント人の気持ちとかお構いなしっスよね!」
「急な話になってしまったことは謝るよ。だがな、本音を言えば私だってまだしばらくは
君を独り占めしてらぶらぶしていたかったんだぞ……君さえ、あんな事を口に出さなければ、な」
「ら、らぶらぶとかキャラに合わねー事言ったからって、ごまかされないんすからねッ!」
コイツをどう埋め合わせしてくれるんスかっ?!」
ちょっとグッと来てしまったのは内緒だ。
「何なら今度こそ一発ひっぱたいてみるか? いつもの意趣返しも兼ねて」
「女なぐる趣味はないんで、代わりに後で一発ヤらせてください。
瞳からハイライトが消えるまで犯しますけど」
「ゾクゾクするよ……イイ目ができるようになったじゃないか。
だがその劣情は私ではなく、まずはガンナに向けてやってくれ」
互いにハッとなって、叔母っ子と顔を見合わすと、
「ね……ホントに、する?」
悩ましげな声を作ってしなだれかかってくる。
「いや、あの、だけど、なぁ……」
ああ、ちくしょう。なんで女の子ってこんなかわいいんだよ、反則だろコレ。
「相変わらず優柔不断な……まあいい、とっとと既成事実を作ってしまうぞ。ガンナ。メディ君ひん剥け」
「今ッ?! ココでッ?!」
「今だしここでだよ。これ以上のタイミングはない。考える時間を与えるとやっぱり止めたと
なりかねないからな。もちろん本当に嫌だというなら強要はしないが、君だってグループセックスに
興味ぐらいはあるだろう? 人生における数少ないチャンスだぞ、これは」
「うぅ…ぐ……」
そりゃもう、大変に興味ありまくりですともよ。
「じゃあじゃあ。みんなでえっち、するんだよね? ホントに脱がせちゃうよ?」
「も……勝手にして」
いろいろとお手上げだ。
抵抗を諦めると娘ふたりがじゃれつくようにして俺の衣類を剥ぎ取りはじめた。
まな板の上の鯉になった気分でボンヤリしてると、不意にパラ君と目が合った。
「コレでいいわけっスか?」
「だいたい望んだ形ですね。流石に目の前で始まるとは想いませんでしたが」
「この二人って、ずっとこんな感じだったワケ?」
「コレでもずいぶんマシになったんですよ。一昔前なら術式と銃弾が飛び交ってます」
「そりゃ、苦労したんだろうなぁ……」
「しましたよ……だけど結局、どちらか一人を選べないぐらいにふたりとも魅力的で……」
「この、正直者」
「それだけが取り柄です」
互いに苦笑し合いながら、とりあえず彼とは仲良くやれそうだと確信を深めたのであった。
♂♀
↑【ここまでのあらすじ】 色々あって皆で4Pすることになった。
…と、言うところで投下終了です。また後日に。
GJGJ!!
声出してワロタwwwww
ツッコミどころが多過ぎて追い付けねぇwww
今月発売のTRPG版世界樹の迷宮、このスレ向けのネタがあれば嬉しいが、はてさて。
GJ!
途中ちょっと鬱ったが最終的には笑うしかなくなってたww
GJ、要約がまたGJすぎw
なん・・・だと。。。。
真のヒロインは、ガンナちゃんだったなんてEEEEEE\(^o^)/
畜生夜中に読むもんじゃねぇ!?
笑い堪えすぎて涙出てきたわ
4P期待して待ってます!!
GJすぎる
これは読むの面倒な人でも読まなきゃ駄目だw
要約しすぎw
乙ですGJ
何度でも言うがホントGJ過ぎるにも程が有る。
しかし改めて思うが、先輩と俺。また別の日。(9)←まだ9だったのか……(ナンバリング前に2つ?あるけど)
もう20くらい読んでる気がするぜ!それだけ濃ゆいということか。
ところで俺……このシリーズが完結したら……全部読み返した上で読書感想文書こうと思うんだ……(オイ
最初は人間関係に鬱ッたり恐ろしいと思ったけど
本当お前等とんでもないな!いいぞもっとヤれ!
あとあらすじが端折りすぎワラタwww
もう450KB越えとか早すぎだろう。まだ1週間だぞ。
ここは480超えで次スレだっけ?
見間違えた。1年前じゃねえか。一生糸を買い忘れる呪いにかかればいい。
>一生糸を買い忘れる呪いにかかればいい。
その願い、聞き届けた。
あーあどうすんだもうVが出ようというのに。
糸なし制限プレイはキツいぞ・・・w
なあに返って免疫力がつく。
少し遅れたがGJ
しかしアレだな
4Pということは、先輩とパラ君のからみもあるわけで
嫉妬屋のメディ君には、ダメージがでかいんだろうなぁ
びっくりした!
メディ君とパラ君のからみもあるわけでに見えて、ものすげーびっくりしたわ!
ぐぐぐGJ!!!すごい展開になってキタよ…!
510kbが近いってことは、次スレを待った方がいいのかな?
やべ俺も
>>603とまったく同じびっくりをしたわwww
そして本当に有りそうで困る。
乱交 ダメ 絶対
先輩とガンナちゃんの絡みはないですかそうですか
3人との性的スキルレベルの差に涙目になる
メディ君が頭に浮かんでソワソワが止まりません
>>607 そういえば先輩は男も女もイケちゃう人でしたね
カオスな展開になる予感がひしひしと……!!
>>607 まあ先の内容から察するに過去に傷の舐め合いはあったんだろうなあとは思うので
脳内で補完するかそれとも描写を待つか
>>608 そこは豊富な知識でカバー!…できるといいな
まぁ、全員が満足できる形で終わればいいな〜、ということで一つ
てか、そろそろ次スレたてたほうがよくないか?
あと1つまでなら大丈夫だろう
投下したいのだけど、残りのスレ容量じゃちと足りないんだが、
次スレ立てても構わないかな?
スレチな気もするから埋めがてら吐き出し
絵板のゾディ男×赤モン子がたまらなく好きだ〜
このスレ大作ばっかりでこわい
次スレ乙です。
保守。
しかしこっちは保守しておいた方がいいのか、埋めちゃった方がいいのか
もうほったらかして落ちたら落ちたでいいものなのか。
いやまあショート埋めネタでも俺が書ければ良いんでしょうけどね……。
遠方からの電波を受けて、急ごしらえで書き上げてしまったSSを投下します。
随所に荒い部分があるかもしれませんが多目に見てやってくださいまし。
世界樹1、おっさんパラディン×いいんちょアルケのおっぱいSS。本番なし!(えー
埋めを兼ねてるため短いですが、どうぞ。
「じゃあ、改めて。リーダー、おつかれさまでした」
「うん」
グラスとグラスが小気味よい音を立て、私は隣に座る中年のパラディンに笑顔を振りまいた。
午前2時を過ぎた金鹿の酒場。もう客の姿もなく、グラスを拭いてマスターが片づけを
始めているところを、無理を言って入店させてもらった。
この時間、二人でゆっくりと飲むのに、この店はぴったりだった。
「委員長にも、世話になったな……」
「いえ、私なんか」
私がこのギルドに入ったとき、「なんだか中等学校の委員長みたいだ」と言われ、そこから
愛称としてつけられたのが「いいんちょ」というニックネーム。
なのだが、この人はその辺りのニュアンスというか機微を理解せず、言葉そのまま私のことを
「委員長」と呼ぶ。それがなんだかくすぐったかった。
でもそれも、今日でおしまい。
「本当に、実感が沸かないです。明日からギルドにも、迷宮でも、リーダーの姿が見れない
なんて」
今日は(正確には昨日だが)、私たちのギルドを引退するリーダーの送別会だった。
たくさんのメンバーに祝われながら、リーダーは自らが立ち上げたギルドを去る。
笑いが絶えず、泣く人間もいた。いいパーティだった。
そして今は、リーダーに誘われて、ギルドでの思い出などを語りつつ、こうして二人で飲んでいる。
「私の代わりに、明日からはメディックの子が入ることになっている。若いが、元気で優秀だ。
ギルドにもすぐ馴染んでくれるよ」
「それはありがたいです。うちのギルドは少々血の気が多すぎますから、サポートタイプの
メンバーが増えてくれないと。……リーダーがいなくなって、本当にどうなることやら」
大丈夫だよ、とのん気に笑いながら、リーダーは2杯目をオーダーした。
しかし、正直不安なのだ。リーダーが殿(しんがり)を務めて、何事にも動じないチームの
柱をやり遂げてくれたからこそ、私たちのギルドの栄光はあったのだ。
ネガティブなイメージをグラスの中の液体で流し込み、私も2杯目を注文した。
そこからは、1次会で話せなかった、今までのことについてリーダーと語った。
自然と、話題は私たち2人が関わった迷宮での出来事ばかりになる。
楽しかったこと、悔しかったこと、驚いたこと……、何もかもが懐かしくて、胸を打つ。
「おっと」
2杯目のグラスが、軽い氷の音を奏で、リーダーは3杯目を頼んだ。
「リーダー、早くないですか?」
「そんなことはないよ。……そうだ、僕から君に、折り入って頼みがあるんだ」
私にはきつすぎて飲めない度数のウィスキーを置いて、マスターは後ろに一歩引き下がった。
「……なんでしょう?」
リーダーのその神妙な面持ちに、私はグラスを置き、椅子を回してリーダーに正対した。
一拍おいて、リーダーはゆっくりとその口を開いた。
「君のおっぱいを……、触らせてくれないか?」
「マスター」
私は静かに、女主人にお冷を頼んだ。
グラスをひっ掴み、リーダーの頭頂からゆっくりじょぼじょぼと水をぶっかけた。
「むぅ」
最近薄くなってきたと嘆く頭は水をほとんど捉えることなく、リーダーの朴念面に
いくつもの水路ができあがる。
空になったグラスをマスターに返し、一呼吸。
「……本当に、実感が沸かないです。明日からギルドにも、迷宮でも、リーダーの姿が
見れないなんて」
「……デジャ・ビュだな」
違うわ。なかったことにしてやろうちゅーとんじゃ。
「委員長、落ち着いて聞いてくれ」
「リーダーこそ鼻息荒いですよ今度は鼻から注ぎ込んだらいくばくかその脳も冷めますかね?」
なおも食い下がろうとするリーダーを無視し、私は容赦なく2杯目の水をオーダーする。
「一生のお願いとは言わない、そうだ、このギルドでの最後のお願いだ。頼む。」
「すみません、もう午前0時過ぎちゃったんで」
「……なんとこの世は手厳しい」
がくっとリーダーは首を落とす。
……リーダーの"これ"は、何も今に始まったことではない。
前から何度か、酒に酔うたびにこのように言い寄られている。そしてそのたびに断って
いるのだ。
まったく……、困ったものだ。この悪癖には。
「ていうか、人前で堂々とよくそんなことが言えますね。マスターもいるのに」
「ママさんは口が堅いからな。特にこういうプライベートなことには口を挟まず、温かい
目で見守ってくれる」
「あの視線、色んな意味でアイスピックですよ」
痛い。ああちくちく痛い。
「……ダメか?」
「嫌です」
「……しかし、こないだは」
「ぶっ!?」
そう、……あまり思い出したくはないのだが、リーダーとは一度だけ「そういう」流れに
なったことがある。そう昔のことでもない。
お互い酒に酔いつぶれ、飲み直しと称してリーダーの部屋へと雪崩れ込み、あとはその場の
空気でうにゃうにゃ、というまるで学生みたいないきさつだったが。
「あれは……痛かったな」
「うう、すみません」
いや、私もリーダーならいいかな、と思ったのだ。本当に。
でも、ベッドに入って、お互いの衣服を脱ぎ始めるとなんだか急に怖くなってきて、その、
……核熱の術式を思い切りリーダーに叩き込んでしまった。
はじけ飛ぶリーダーとリーダーの部屋のベッドと窓。あの光景は未だに忘れられない。
ちなみにここ、エトリア。……私は恐怖のあまり、超えてはいけない次元とゆーものを
超えてしまったらしい。
酒場でこんな時間に、わざわざ私がアルコールではなくグリーンティーをちびちび飲んで
いるのはそういう理由があったりする。
そんなに迫り寄るリーダーが怖かったのか、
……いや、怖かったというよりも、その。
「……なんで酒に酔わないと言えないのよ、このヘタレリーダー」
「え?」
「……なんでもないですっ!」
私はぷいっとそっぽを向いた。まったく、本当扱いに困る、この朴念仁は。
「あ、思い出した。委員長にプレゼントがあるんだ」
「……このタイミングで出します、普通?」
そういう狙いがないとしても、疑われても仕方があるまいに。
そんなことはお構いなしに、リーダーは手の平の大きさほどの小さなケースを渡す。
指輪……、ではないかさすがに。細長いし。
「! これは……」
「正直、似合うかどうかはわからんが……。赤が好きだと、言っていたから」
ケースを開けた中に入っていたのは、赤いビビッドカラーのメガネフレームだった。
ベッコウのようなうねりの入った色使いの合成樹脂のそれは、やたらとか弱く、繊細な
作りで。
「……ぷっ」
「な、何か変だったかな?」
変も何も、私がいつも買うのは強固で無骨なチタンフレームのやつだ。迷宮につけて
いくには、丈夫なものでないとすぐ壊れてしまうから。いくつも買う余裕もないし。
つまりこれは、オフで使うためのものだ。これなら誰かさんも、私がこれをつけている
ところを見る機会があるだろう。
……そういう意図とか、まったく考えてないんだろうけどさあ。
「マスター、いつものお願いします」
マスターは恭しく頷くと、ジンライムを私の前に置いた。
訝しがるリーダーの前で、私はそれをくっとあおる。
「ふぅ。……いいですよ」
「メガネのフレームが?」
「違うわ! だからその、む、胸……」
言わすな。ああもう、絶対顔赤くなってるこれ。
「さ、触らせてあげてもいいって、言ってるんです」
「……」
大雷嵐の術式でも叩き込まれたかのように目をむき出して表情を固めるリーダー。
いや……、そんなに?
「………………本当なのか」
「ちょ、その溜め本気が伺えすぎて怖いです。えっと、まあ、その、やっぱり最後ですし、
どうしてもって言うんなら、一回くらいは」
ああ痛い。カウンターの向こうのアイスピック痛い。
そして、リーダーはまた溜めモードに入った。なんだかよくわからないが、思考が高速
回転していることは伝わってくる。なんかしゅんしゅんゆってるし。
「あのー……、リーダー?」
耐えかねた私のその声をスイッチに、リーダーがガタッと席を立った。
「ちょ、あの」
「行こう」
「へ?」
「さあ行こうすぐ行こうたちまち行こう」
「ちょ、待ってリーダーお代お代!」
私の腕をつかんで、リーダーは勇ましいほどの足取りで店を出ようとする。慌てて片方の
手で財布を取り出す私。
「そんなことより……、おっぱいだ」
「ちょっと待ってっばリーダー! ああ、さ、刺さる、アイスピックが刺さる!」
からがら取り出したお札を適当にカウンターに投げ出して、私たちは店を後にした。
乾いた笑みを浮かべるマスターが、はらはらと手を振っていた。
……もうこのおみせこれない。
「……さあ」
「さあ、じゃないですよ! ここ外ですよ!?」
酒場を出てすぐの路地裏。こんな時間だから人通りなど皆無だったが、常識外れにも
程がある。
「なにも、宿に戻ってからでいいじゃないですか!?」
「ここから宿までの距離は約400メートル……。今の私の昂ぶりに対して、なんと
絶望的な距離であることか……」
「どんだけ私の胸触りたいんですか!? って、わっ」
と、頭を抱えている間に、彼はその野太い手で私の肩を抱いて迫ってきた。家屋の
ざらりとした木製の壁を背にする。
彫りの深い、無骨ながらも鼻筋の通った精悍な顔立ち。厚い肩。
リーダー、なんだかんだでいい男なんだよなあ。……くそう、不覚にもキュンときて
しまった。
「本当に触っていいのか、……おっぱい」
「その単語せっかく保ってるテンション萎えるんでやめてくれません?」
そうか、とリーダーは頭をかく。ムードもなにも期待できたものではないな。
「……いいですけど、服の上からはちょっと。下着とか擦れると痛いんで」
「……なにっ、それでは」
はぁ、と溜め息をつきながら、私は心の中でえいやっと覚悟を決めた。
パチン、パチンと、上着の止め具を外していく。ゆるくなった背中に手を回し、ブラの
ホックを以下同文。
あああ、ダメだ。顔が熱い。この暗さなら、表情もあまり気取られずにすむだろうか
チクショウ。
「……どうぞ」
後はインナーをめくり上げるだけ、というところで、私はリーダーに体を委ねた。
ていうか、ナニコレ? どういう状況? だれか教えろ。
「お、おお……」
この男はこの男で、ここまでお膳立てしてるのに変な唸り声上げるばっかりだし。
「ああ、もう……、……はい」
私は結局、自分でシャツの裾を捲り上げた。
遠くに光る街灯と、月の青白い光が、ほのかに私の胸を照らす。ああもう恥ずかしい、
死んでしまいたい。
「これが、委員長の……」
「その独白こっ恥ずかしいんでやめてください」
「禁止事項が多いな……」
言いつつ、リーダーは露わになった胸を顔を近づけてガン見する。うううう。
ちなみに、自分で言うのもなんだが、私の胸は大きい。正直コンプレックスだ。重いし、
戦闘の邪魔になるし、好奇の目で見られることもしばしばだ(含む目の前の男)。
こうして触りたくなる気持ちもわからないではないが、個人的にはこんな胸など捨て去って――
「それを捨てるなんてとんでもない!」
「うわあっ、やっと『!』が入ったと思ったらそんなセリフですか!?」
しかも思考読まれてるし。
「よ、よし、では触るぞっ」
「だから、ごちゃごちゃ言わずにさっさとやってくださいってば……」
泣きそう。
「ちなみに私のフォースゲージはMAXだ……。途中で止めようとしても、核熱なんだろうが
何だろうが、今度は防ぎきってみせるからな」
「なにリーダーまで次元の壁突破しちゃってるんですか!?」
キリッて擬音が聞こえてきそうな顔で、何を自信満々に……。
情けなさに本気で涙が出そうになる私の前で、恐る恐る、リーダーは私の胸に手を伸ばした。
「あ……」
ぴと、その指が乳房に触れた瞬間、思わず体がびくっと震えた。
長年の戦いですっかり硬くなった指先が、柔らかな膨らみへと沈み込んでゆく。人差し
指から小指へと、ゆっくりと全体を包み込み、緩慢な圧縮を加える。
「んっ、んん……。どうですか……?」
「……やーらかい、な」
「そ、そうですか」
いい年こいたおっさんがやーらかいとか言ってんじゃねーよというツッコミはぐぐっと
飲み込んで、私はなおもされるがままにする。
ある日、ソド子に「これぐらいの大きさかしら」とグレープフルーツを並べられて
からかわれたこともあった(鼻で笑ってやったら泣いて部屋を出て行った)。
その胸を、リーダーはいとおしげに、何回も揉みしだく。やたら楽しそうに。嬉しいやら
何なのやら。
しかし、むにゅむにゅと形を変える双房に、なんだか私も変な気分になってくる。
「委員長……」
「ふぁ……っ、リー、ダ、ん……!」
リーダーの指が、私の胸の先端を捉える。少し硬くなったそれを、リーダーは親指で
ぴんぴんと、まるで手慰みのおもちゃのように弄ぶ。
ちょっとそれは、まずい。
「だめ、リーダー、ごめんなさい、それは、んあ……!」
「そうか……? なら……」
リーダーは私の言うことを聞き分け、今度は私の胸を押し上げるようにして揉む。
少し重量のある乳房が少し軽くなり、乳首がこちらを向くのがわかる。
「あ、ん、あう! どう……っ、ですか……?」
「うん……うん……」
もうすっかりリーダーは、私の胸に夢中だった。うーん、こんなに安らいだ表情の
リーダーの顔は見たことないな。えらいぞ私のおっぱい。
「っ、ふああっ!?」
と、油断をしていたところに、リーダーは私の胸に吸い付いてきた。
ぬるりとした舌が、乳頭のまわりを這い回る。首筋が総毛だった。
「だ、ダメです、ルール違反です、んっ!」
「ルールは試合前に確認しないとダメだ」
「もっともぽいことを何て情けない格好で!? あうっ、だ、ダメですって、んんっ……!」
私の乳房を唇で押しつぶしながら、その余った柔肉を右手で弄ぶリーダー。ちくちくと
した髭が当たって、痛いやらかゆいやら、……気持ちいいやら。
一心不乱に私の胸をむさぼるその後頭部。私の胴を抱きすくめるその肩。
……もうあんまり、会えなくなるんだなあ。
「委員長……、むぐっ?」
いつの間にか、私はリーダーの頭をぎゅっと抱き寄せていた。
いや、なんだかもう、
「どうした、委員長……?」
「いえ、リーダーは……、ずっとリーダーでいてほしいな、って」
「……?」
「今日、引退祝いの席リーダーが言ったこと、あれびっくりしましたよ」
「ああ……」
私が明日から、このギルドのリーダー。
メンバーの誰も聞いていなかった。私本人も、今日初めてリーダーから言い渡された
ことだ。完全に寝耳に水だった。
まあ、ここらでは誰も使えない掟破りなチート術式を使えるようになったおかげで、
ギルドの中での立場も上がっていたから、自然な流れではあったのだが。
改めてリーダーにはいろいろ感謝するべき……なのかどうかはともかくとして。
「私がリーダーになるって言っても、実感無くって、それはやっぱり……」
「……むぅ」
私の言葉に毒気を抜かれてしまったのか、リーダーはその手を止め、私の胸に埋まった
まま黙ってしまった。
辺りは静かだ。人の気配も何もしない。
「……重荷か?」
「いえ、全然? 頑張りますよ、私。ただ、私の中では、リーダーだけが、リーダーだって
そう言いたかっただけです」
「そうか」
リーダーは、私の背中に回した腕にぎゅっと力を混めて、
「ありがとう」
そう言うと、安心したように彼は体重を私に預けてさらに私の胸に埋まってきた。
「ふふ、もう……」
私も、この愛しい中年パラディンの存在を胸の中に感じながら、こんな街中の路地裏で、
しばらくそのままでいた。
しばらくして、彼はゆっくりと体を離した。
あー、恥ずかしかった。いや、でもまだしかし。
「あの……、いいんですか、その、これだけで……」
もじもじしながら私は尋ねた。いや、正直辛いぞ私は。このままほっとかれると。色々。
しかし、彼は悠然と佇まいを直すと、
「いや、私はもう十分に満足した。いや、してしまった……」
「? 何を言って……、………………まさか」
リーダーはこくんと頷き、さようなら、とニヒルに笑って夜のエトリアをとぼとぼと
歩いていった。
その姿は、股間にひっかかった何かをかばいながら歩いているらしく、ひょこひょこと
実に情けなかった。
「……マジでか」
弱すぎるだろう……。あんな人に私たちは今まで守られてきたのか。
さらけ出した胸をいそいそとしまい直しながら、私はがくりと首を落とした。
……まあ、でも。
「リーダー!」
私は、リーダーのその情けなくも大きな背中に走り寄る。
「なんだいいんちょ、うっ?」
のそりと振り返る、くたびれたもみあげ顔に、私は思い切りキスしてやった。
ほっぺなんかじゃない。マウス・トゥー・マウス、べっとりと私の感触を叩きこんで
やるってな勢いで熱いベーゼをかましてやった。
年代物の乾いた唇に、再び潤いが灯るように、念入りにちゅーしてやった。
「……っ」
「さようなら、じゃないです。まだまだ、教えてくれなきゃいけないことはいっぱい
あるんですから、……たまにはギルドに足を運んでくださいね?」
息を吹きかけるように、私はリーダーにそう言うと、またね、と言って呆けたおっさんの
肩をぽんと押した。
乾いた夜風が吹くエトリアの街中を、足音を響かせながら歩く。
気持ちいい。自然と笑みがこぼれてくる。
ややあって、いぃぃぃやっほううぅぅ!! と本日2回目のイクスクラメーションマークを
ほとばしらせながら走り去るリーダーの声がした。
ほんと、おかしな人だなあと、私は時間も気にせず声に出して笑った。
「んふふっ、はーぁ……」
リーダーにもらったプレゼントの袋を頭の高さに掲げる。
袋からケースを取り出し、華麗な細工の施されたフレームをもう一度見つめる。
「レンズ、注文しないとな」
たぶん、そう遠くないうちにかける機会が来るだろう。
次の休日なんて、どうだろうか。
-END-
以上です。楽しんでいただければ幸い、前々スレが埋まって私幸い。
スレ立てから作品投下までお疲れ様でした〜!
ナイスバカップルwww
グレープフルーツと比べられるサイズとか超埋まりたいわ