【俺の】結婚&新婚萌えスレッド第4夜【嫁!】

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1名無しさん@ピンキー
「あなたの色に染めてください」という意味が秘められた
純白のドレス・・・そんな姿の花嫁さんたちにハァハァするスレです。
愛し合う2人の世界を描くもよし、
式場で花嫁を奪い去る黄金パターンを想像したり、
逆に花嫁を奪われるといった流行りの寝取られ展開を入れてもよし、
政略結婚で好きでもない男に嫁がされる薄幸の美少女に興奮するもよし、

とにかく花嫁が出ていれば何でもOKです!
もちろん2次元キャラ同士のカップリング&新婚生活なんかも大歓迎!!

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【俺の】結婚&新婚萌えスレッド【嫁!】
ttp://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1149503791/

保管庫
2chエロパロ板SS保管庫
ttp://red.ribbon.to/~eroparo/
「オリジナル・シチュエーションの部屋その7」に収蔵されています。
2名無しさん@ピンキー:2009/02/18(水) 02:06:20 ID:2gxBw9ZU
2
3名無しさん@ピンキー:2009/02/18(水) 02:09:12 ID:Dt2+y7ZD
>>1乙!!
4名無しさん@ピンキー:2009/02/18(水) 06:23:15 ID:BKCa3YTY
>>1
乙彼
5名無しさん@ピンキー:2009/02/18(水) 12:19:26 ID:IKSipPuH
いちおつ!
6名無しさん@ピンキー:2009/02/18(水) 23:38:06 ID:wRTChNmd
穂波待ち
7名無しさん@ピンキー:2009/02/19(木) 21:18:20 ID:f6qZEhlp
『大きな旦那様と小さな奥様〜姉妹訪問編〜』
龍一×明子(前半戦)
にゃんにゃん
尻コキ




……とうとう私のターンですか。
こんばんは、野上 明子です。
あれから妹はトイレに行き、30分くらいして戻ってきました。
お肌ツヤツヤ、すっきりした顔しています。
こ…この淫魔共になんで龍一さんとのバラ色ライフを語らなければ
ならないのでしょうか。

『大きな旦那様と小さな奥様〜姉妹訪問編〜』

「そう、おめでたなの〜まだ雄か雌かわからないけど」
「雄とか雌とか生々しいからやめて下さいお願いします
とゆーかもっと知的な会話をしましょうよ、二人とも!」
背丈の低い私が言っても迫力がありません。お姉ちゃんはうーんと
考える素振りを見せると
「んー……受胎した胎児が雄性生殖器を持つのか
雌性生殖器を持つのか判別不能なの。」
「特濃な白濁子種汁が卵子と結合して胎児の核を形成。
それが朝子姉さんの子宮内でアンビリカルコードと連結、胎動してるのね。」
……知的な会話、素晴らしいではないですか。あはははは。
もうイヤ…こんな姉妹から脱却したい。難しい単語をいい加減に並べただけじゃないですか。
8名無しさん@ピンキー:2009/02/19(木) 21:21:02 ID:f6qZEhlp
「このお腹の子は愛しい旦那様の寵愛を受けて授かった愛の結晶なの。」
もう詩的な情緒とかいりませんから。
「ちなみに私、個人として朝子姉さんの言葉を本訳すると
『はうん、ご主人たまぁの特濃ミルクセーキをいっぱい受けて種付けしてもらったニャン』」
朋子…汝の世界の単語と文法で訳さなくていいですから、
ここは野上家ですから、本当に、本当に、どうぞお引き取り下さい。
「と、ゆーワケで…アキちゃ〜ん、聞かせてもらいましょうか?」
「お義兄様との獣のごときずっこんばっこんを。はぁはぁ…」
「…………」
………戦国時代の儚き姫君達が自刃する心境ってこんな感じでしょうか?


これは、そう、先月の話です。
Hはするようになったけど、なかなか共通する話題がない龍一さんと私。
そこで思い切って聞いてみたんです。
『龍一さんが好きな映画ってありますか?』
映画であれば歴史モノもたくさんあります。
邦画は歴史に絡んだモノが色々とありますので
これならば話題に困ることはありません。
我ながらグッドアイディアです。
『ああ』
『何て言う映画ですか?』
『フランケンシュタイン対地底怪獣バラゴンサンダ対ガイラ
大ムササビ怪獣バランキングコングの逆襲海底軍艦―――――』
と、延々と怪獣らしき映画のタイトルが出てきましたので私は言いました。
『怪獣以外でお願いします』
『ウルトラマン対ベムラーテレスドンジャミラブルトンレッドキング
バルタン星人メフィラス星人ゴモラジェロニモンゼットン―――』
すると次に出てきたのはウルトラマンという超人が怪獣と闘う…
たぶんタイトルというか怪獣の名前ですよね?
日本が怪獣や異星人の襲撃を受けた歴史には違いありませんが
それは架空の歴史ですよね?私は言いました。
『ウルトラとか仮面とか戦隊とかそういうの以外でお願いします』
『白鯨深海ニ万里鯨神ジョーズメガロドンディープブルー
アトミックジョーズジョーズ恐怖の12日間シーバース人喰生物の島
オクトパスフライングキラーザ・ビーストザ・グリード―――』
……人喰いとかキラーあたりで却下ですが、一応聞いてみます。
『どんな映画なんですか?』
『総じて凶暴な海洋生物が―――――』
『以外で、お願いしますね。』
『…………』
この世の終わりのような顔をする龍一さんはボソッと一言。
『エッチなDVDとか…持ってないよ?』
え、いや…そ、そういう検査じゃなくて…遠回しに疑ってるワケじゃなくて。
も、持ってないのはいい事なんですけど、ああもう…
しかし、ただで終わるわけにはいきません。シンプルイズベスト。
私は単刀直入に聞きました。
『歴史モノとか時代劇とかどうですか?大河ドラマでもいいですよ?』
龍一さんは沈痛な面持ちで言いました。
『すまない』
私のもくろみは轟沈です。
そして最後にボソッと私は言いました。
『もうアニメとかでも……いいですよ?』
9名無しさん@ピンキー:2009/02/19(木) 21:23:10 ID:f6qZEhlp
じー…
次の日の夕方、龍一さんが帰ってくる前に夕飯の支度を済ませて、
私はそのDVDを鑑賞しています。エプロンで正座して見てます。
何でも飛行機が瞬く間に変形してロボットになるアニメらしいです。
キーワードは『歌』で、龍一さんが学生の頃から見ていたそうですが…
私がレンタルしてきたのは一番新しいシリーズ。何とも覚えにくいタイトルです。
あ…始まりました――きーみは誰とキスをする♪だって……
あはは、それはもう龍一さんとですよ。

そして2時間後。

め、眼が疲れました。
お話は三角関係のトライアングルで安住の星を求めて―――――――
それよりも、この変形速すぎです。一瞬で飛行機、変形、ロボット、変形、飛行機…
眼がついていけません。でも出てきた歌はすごく可愛くて気に入りました。
龍一さんの前で是非、披露したいです。
ヒロインの一人がチャイナドレスを着て歌っているあの歌は可愛いすぎです。
「ただいま…あれ…明子?」
あ、龍一さんの声です。この歌できっと話題に乗れます!もうノリノリです!
だってキーワードは『歌』なんですから
「お帰りなさい、りゅーいち君」
ダイニングルームに入ってきた旦那様に向かって
私は前屈みになり、にっこりスマイルで言います。
「龍一君?……あ、これ、前に言ってた――――」
画面に映っているDVDに驚いている龍一さん
「にゃんにゃんにゃんにゃん、にーはおにゃん♪ごーじゃすでりしゃす、
でか○ちゃあ」
バッと両手を広げて龍一さんの反応を伺います。
「あ、明子……」
「美味しいにゃん?」
龍一さんと私の間に約2秒ほどの静寂が訪れました。
それを破ったのは龍一さんでした。
「これを着て、もう一度やってくれないか?」
え…え…共通の話題とか、どうして借りてきたの?僕も知ってるよ、可愛いよね。
とか、その辺りの過程を全てすっ飛ばしてしまうんですか?
龍一さんが鞄から取りだしたのは、紅い……あれはチャイナドレス?
「ど、どうしたの龍一さん、チャイナドレスだなんて。買ってきたの?」
ま、まさか…龍一さん、エスパーだったんですか!?
「いや、職場の同僚のお土産だ。明子…コレを着てもう一度、
や・つ・て・く・れ・な・い・か・?」
有無を言わさないすごい闘気がビンビンです。剣道をしていた私は咄嗟に身構えました。
でもこの前の剣道着プレイは非常に燃えてましたね、龍一さんだけ。
私は死ぬほど恥ずかしかったです。お尻に続いてコスチュームに覚醒ですか、ご主人様?
10名無しさん@ピンキー:2009/02/19(木) 21:29:23 ID:f6qZEhlp
私は「うん、わかった」と言って、一旦、部屋に戻って着替えました。
…こ、このドレス…私でもちょっとキツイな…サイズが子供用なのかな…
ピッチピッチです。下着があるととキツくて着れないです。
は、恥ずかしいけど私は下着は脱ぎました。
すごくスースーします。それと、このドレスって丈も短いよ。膝上までしかないって
どうなんだ?そして見事にドレスアップした私は龍一さんの前に行きました。
「……あ、あの…龍一さん…これで…いいかな?」
「存分に、心置きなく、やってくれ」
あ、あれ…龍一さん、何でカーテン閉めるんですか?ドアの鍵とかかけなくても
いいですよ、後なんでネクタイ緩めるんですか?まだ、お風呂は沸いてませんよ?
あと、あと、あと……眼が野獣のようになってますよ?
「にゃんにゃんにゃんにゃん、にーはおにゃ―――――――」
「すまない、アキ。もう我慢できない!可愛すぎて!」
『がおー』どころじゃなくて『ぐがおげぎびゃあああ』ぐらいの勢いで龍一さんが吼えました。
まさしく名は体を表す如く『龍』の咆哮ですね。
あ、どっちかってゆーと欧州方面の龍で、もうドラゴンの王様みたいな
咆哮で、ですねぇ……ああ、生け贄は『私』です。
「え…へ?…あ、あ、あの…あっ…きゃ!?」
龍一さんがダダッとこちらに近づき、私はそのままお姫様抱っこされました。
そしてダッシュで寝室へ。しまった。
お風呂の準備はまだだけど、寝室の用意はできています。
もしかして、このままベッドインですか?
何だか怖くなったので、龍一さんに聞いてみました。
「辞退はありますか?」
「ノーサンキュー」
11名無しさん@ピンキー:2009/02/19(木) 21:32:34 ID:f6qZEhlp
「明子…ん…ちゅ…ちゅ…僕の…僕の明子」
龍一さんは私を布団に寝かせるとお尻に両手を這わせて
あ、頭を…ちょ、直接アソコに突っ込みました。ひ、ひええ。
「アキ…のお尻、柔らかいよ…小振りでとっても柔らかい。
…お風呂に一緒に入った時より肉付きが良くなってる」
あうう…そ、そんなこと言わないでください。恥ずかしいよォ。
龍一さんはドレスの裾をまくり私のお尻に指を食い込ませました。。
そしてぐにゅぐにゅ…といやらしく形を変形させながら揉みし抱いていきます。
「あ…りゅ…龍一さん…は、激し…」
「アキ、下着…」
「ん…ん、ドレスがきつくて…ぬ、脱がないとダメだったから」
あ…龍一さんの…ゆ、指が…アソコに…ん、んん!
龍一さんはとろけるような表情で…わ、私のアソコに鼻を押しつけてます。
な、なんで…こんな最初からビーストモードなんでしょうか?
龍一さんは直にアソコへの愛撫を再開させました。
「ん…んん…あふ…はぁ…や、やめ」
や、やだ…す、すごいエッチです。私は龍一さんの頭部を抑えながら、改めて
その光景にドキドキしました。夫が妻のアソコを舌で舐め回し、秘口を開き、しゃぶりつく。
その光景は言葉にならない程、淫靡で背徳的です。どこかのE夫人もびっくりです。
「…ちゅんちゅ…んん…ちゅるちゅる…チュウウウウウ」
「んっんあ!はっあァ!」
龍一さんは秘部に口をあて、私のアソコから
染み出してきたトロトロの液体を音を立てながら吸いました。
次から次へと染み出してくる愛液はいつしか私のアソコを湿らせ、緩めます。
ああ…もう、スタンバイオッケイ…です。
「あん…お尻、お尻に指沈む…アキのお尻…はむ…はん…アキのお尻、お尻!
はああっ、出る出る、出すよ、明子!」
え…あ、あれ?インサイトではないのですか、龍一さん?
龍一さんは私を俯せにさせると、ぷりんと震えるお尻をあらわにさせました。
そして背後から抱きつき、お尻の丘陵に両手を押しつけ、ぐにゅううと尻の谷間にアレを
押しつけます。
「ああっ!出る、出るうう!!」
お尻に熱くたぎったアレを射精によるドロドロの精液の粘着感を感じます。
ああ…り、龍一さん…お、重いよ…そ、それに苦しいです。
思いっきりお尻に押しつけているので床に押しつけられているおっぱいが
すごく苦しいです。
「はあ…ああ…すご…こ、こんなに…出たの、は、ひ、久しぶりだ……」
そんなのガン無視して龍一さんは眼を閉じ、
んっんっと肉棒を私のお尻の谷間にこすりつけ、未だに射精を続けています。
12名無しさん@ピンキー:2009/02/19(木) 21:35:30 ID:f6qZEhlp
「あああっ!もう我慢できなーい、アキ姉、もう一回トイレ!」
「あ、ちょ…待ち―――――」
話の途中で叫びながら朋子は立ち上がり、お手洗いへダッシュ。
そして『あああっお兄様、お兄様!』とお手洗いから聞こえます。
また、あのケータイ画面を見ながらしてるのね。妖獣め。
「い、いやぁ〜…でもアキ。あなたってすごいわねぇ…天然というか尽くすというか。
ちなみに今は話のどの辺なの?」
「え…えっと…その―――ま、まだ本番とかあるんだよねぇ…」
「へぇ…すっごいわね。龍ちゃんもすごいんだぁ…ね、ね、コレさ。
私と孝司がヤッた時のハメ撮りなんだけど…どう?すごく興奮しない?
はやく、はやくぅ続き、続き。」
……結合部をドアップで撮ってるって意味がわかりません。
こんなんで興奮する人、たぶんお姉ちゃんくらいです。
私はテーブルの上に置いてあった扇子を開き、その上にケータイを置いて貰いました。
「はぁ?アキ、何やってんの、ちゃんと手にとって見てよ。」
「野上の妻となりし時より先陣に世話して麾(掃除、洗濯、炊事に買い物あとエッチ)取り候
手にかかる賤しき物取れば汚れ候故、扇に載せて候」
ふふん、天・地・人の言葉です。恐れ入ったか、お姉ちゃん。
「……あ、あの…アキ、それさ日本語に訳して言ってもらえる?」
ダメだ。こりゃ。



あんまりにエッチシーンが長くなってしまったので、2回に分けて投下します。
スレ立て、本当にありがとうございました。
投下は来週になると思います。

穂波…私もあの作品も続きが読みたいです。
13名無しさん@ピンキー:2009/02/19(木) 21:39:55 ID:tF0asx4R
キラッ☆っとGJ!!!!
14名無しさん@ピンキー:2009/02/19(木) 21:41:52 ID:5oMiGv6T
GJ!
龍一さん暴走しすぎだろwww
E夫人吹いたwwww
15名無しさん@ピンキー:2009/02/19(木) 23:59:30 ID:1s6+Xn1i
MBSアニメオタクどもめw
相変わらずちょっとキモイが素晴らしく面白い!

で、俺の病気の妹が、明子たんの続きを読み聞かせしてもらえたら
明日の手術頑張れるかもって言ってるんだが
16名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 14:21:19 ID:WwNvxLAo
>>15
一応、確認するが脳内設定の妹ではないよな?
17名無しさん@ピンキー:2009/02/21(土) 19:55:50 ID:y7hfTACl
『大きな旦那様と小さな奥様〜姉妹訪問編〜』
ラスト
騎乗位
エロローグ



びゅ…びゅる…びゅうぅぅ
「アキのお尻…柔らかい…お尻の肉付きはアキ…最高だよ」
龍一さんはそのまま私の背を這うようにぴったりと密着させています。
お…重い…です、龍一さん。
身長が32センチも違い、さらに男性と女性では体重の比も倍くらいあります。
ぐ…ぐるじい…です。
「アキ…とっても綺麗だよ…」
龍一さんは私の尻の谷間についた精液をティッシュで優しく拭いながら
うなじに舌を這わせます。
ダメだ…龍一さん、今夜は理性がぶっ飛んでる。

『大きな旦那様と小さな奥様〜姉妹訪問編〜』

「…ん…ふうう…ん……んあ」
敏感になっているお尻を歯で甘く噛みされる度に
私の背がピクンピクンッと反応します。
「アキ、今度は前を向いて…」
「あ…はぁ……ひゃい」
私は惚けたような声で答えます。ひ、ひや…もうろれつが…
いや、イカン、イカン…これは神聖な行為です。野上家の
繁栄を願い、交尾して繁殖…こ、交尾…
は、繁殖だなんて、とってもいやらしく聞こえるわ。
そんな事を思っていると、龍一さんがいつの間にか私の胸元に手を掛けています。
「あ…ま、待って…今、外しますから―――――――」
「いや、構わないよ。とっても剥きたい気分なんだ。」
笑顔で龍一さんは言いました。え…いや、剥きたい事を笑顔で言われても
とても反応に困るんですが…『優しく剥いて』とでも言えと?
問答無用で龍一さんは手に力を込めバッと胸元を引き裂きます。
ああ、お、お土産が…。中国産にゃんにゃんが…
18名無しさん@ピンキー:2009/02/21(土) 19:57:09 ID:y7hfTACl
「もともと、子供用の服だし……ごめんね、アキ」
やっぱり…子供用ですか、薄々わかっていましたが…
その子供服を着ることのできる私って一体?
「アキ…アキ…アキ」
「あ…あ……りゅ、龍一さ…」
龍一さんの手がゆっくりと裂けた生地をどけ、開いていきます。まだ残っている
生地を手でビリリっと千切ると二つの果実がふるんと零れ落ちてきました。
形良く突き出た薄桜色の二つの突起に、芸術的な曲線を描く豊かな乳房。
姉の乳房がゆっさゆっさと揺れる艶のある果実なら私のはぷるんぷるんと張りのある果実
……なんちゃって。少し、情緒的…いえ、官能的に言ってみました。
ちなみに朋子は『これからは微乳や貧乳が時代を台頭する』と言ってましたので無視します。
元々きついチャイナドレスで押さえ込んでいたおっぱいです。
普段よりも大きく見えるおっぱいを見て龍一さんは興奮気味に言いました。
「…最高だよ、明子…」
「は……恥ずかしいよ…龍一さん」
眼を閉じ、羞恥に唇を噛み、私は顔を背けました。
いや、マジで恥ずかしいです。ホント。
「んっ」
そして間髪おかず龍一さんはその先端を口に含みました。
「…んっ!んふっ…はっ!あふっ!」
思わず漏れる甘い声がさらに羞恥を煽ります。い、いや…も、もうアソコが…
「ん、んんんっ!や、や…龍一さん…そ、そんなにす、吸わないで」
「おいしいよ…あん、んん…とっても柔らかくて…あ…」
なおも執拗な龍一さんの責め。両手でおっぱいを寄せ合い、その真ん中を舌で舐め回し、
さらに寄せて両成敗。元気のいい赤ちゃんが母乳を吸い出すように
龍一さんは私のおっぱいを吸います。そして両手で乳房を支えるように持ち、
その先端を交互に吸い、チュパチュパと舐め回します。
ゾクゾクと這いあがってくる官能に私はだんだん視界が潤んできました。
そんな私の表情を読み取ったのか龍一さんがはむっと乳首に軽く歯を立てました。
「はぁ…ふっ!」
私は思わず色っぽい声を叫んでしまいました。
そして覆い被さってくる龍一さんが荒い息を吐きながら言いました。
「はぁはぁ…ん…アキ…アキに僕の…ぶち込んでいい?」
「ぶ、ぶ、ぶち込んで…い、いや…ちょっとま、待ってくだ―――――!?」
ぶっ飛んでるのは構いませんが、ぶち込むのはや、やめて欲しいです。
そんな声を無視して龍一さんは甘い吐息を漏らしながら
ぷりんと震えるお尻の下…ア、アソコにアレの先端を定めました。
19名無しさん@ピンキー:2009/02/21(土) 19:58:18 ID:y7hfTACl
「りゅ、龍一さん…だ、ダメだよォ…バックからなんて…や、やめて」
情けない声を上げたのが逆効果。龍一さんは吼えました。
「可愛すぎるよ!アキッィィィ!」
そして龍一さんは間髪入れず、全体重を掛け、ねじ込んだ。
ツプっ、ズプププッ!!
「んあっ!?…は、は…ああっ!」
濡れ濡れだったアソコはすんなり龍一さんを受け入れます。
うう…恥ずかしいけど…き、気持ちいいよ…あん、あふ…。
予習復習を欠かさない龍一さんのおかげで痛みは消え、かわりに
何とも言えない快楽がアソコを中心に広がっていきます。
ピクンピクンって伝わります……一人エッチじゃ感じたこともないくらいの快楽。
あはは…もうダメ、これ…癖になっちゃいます。病みつきです。中毒です。
龍一さんが恍惚とした表情を浮かべ、ぷるぷると身体を震わせました。
そしてズンッと思いっきり突かれました。
「ああっ…はあァ!」
……ほんとお尻好きなんですね。龍一さん。あっ…ん…。
「んんんぁ…んおおぁっ…し、しま…締まるぅぅ!アキ…ぼ、僕のアレが…うう」
異物を吐き出そうとキュウウと私のアソコが龍一さんのアレを締め上げて
いるのでしょうか?すごく苦しそうな声ですが、すごく喜んでいる顔。
龍一さん…もしかしていじめられて喜ぶタイプですか、
踏まれて出しちゃう何ともいやらしい性癖の持ち主ですか?
「アキ、アキィィッ…気持ちいい…気持ちよすぎる!」
龍一さんは甘くわななくと、パンパンパンッと私のお尻にアレを打ちつけ始めました。
あん、あん、ああッ!ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさいい!
胸中の声、もしかして聞こえちゃったのかしら?……と思うぐらいの激しい責め。
龍一さんはやっぱりSです!立派な『さでぃすと』ですううう!
「ダメ…ダメッ、りゅう…い…ち…さんんあはっ、ああ、深い深いのっ!」
後ろからパンパンされて、呂律が怪しくなってきました。
うう…は、はげしすぎるよ…あっ…はああっ!すると龍一さんは一旦、私の中からアレを
引き抜き、今度は自分が横になり、こう言いました。
「乗れ」
「お邪魔します」
くいくい、と指でカモンベイビーカモンベイビーです。
…フラフラになりながら私は龍一さんを跨ぎます。んん…あんん…ツツーと内腿を伝って
私の…エ、エッチな液体が垂れ落ちていきます。
20名無しさん@ピンキー:2009/02/21(土) 19:59:57 ID:y7hfTACl
じ、自分から…なんて…とってもはしたない女だけど、ゆ…許して下さい、龍一さん。
「あ…ああ……あふっ…ん、んんん!」
ズプッと切っ先が入り口を広げ、エッチな液体を溢れ出しながらアレがズルリと入ってきます。
「あ…あ…ぜ、全部…入り……ま、ました…くうう」
串刺しにされてる気分です。でも背丈の低い私が龍一さんを見下ろしてるなんて…ちょっと優越感。
あーはっはっは、愚民共よー!学生の頃、校舎の屋上からグラウンドを見下ろしてやってました。
もちろん、両手をバッと広げて。高笑いも忘れずに。ホント、何やってんだって感じですよね。
「アキ、アキッ…すごいよアキ…下からすると…すごく締め付けられる!」
「やッ…あッ龍一さ…りゅ…ちはくうう!あん、あんんッ!」
そして始まるロデオの如き、突き上げ。私はガクン、ガクンと首や腰を乱れ振り、
龍一さんに縋るように声を上げます。逃げようにもしっかりと腰を掴まれてるので
藻掻けば、藻掻くほど、結合部が深くなります。
「あはァ…あっあっあ…あはっダメ…ダメッ…もう、もう…わ、わたひ…はううん!」
きゅううとアソコが締まり始めます…あッ、ダメです。も、もうもうもうイッちゃいそうです。
「んぐ…アキ、アキ…も、もうイキそうなんだね、アキッ」
「はッひゃい…りゅ、りゅうひち…はひっ…も、もォわたし、わたひっ!」
龍一さんの両手が伸び、おっぱいをむにゅと鷲掴みます。
あっ…ち、乳首…か、感じ…ダメ。
「何か出る何か出ちゃいそうです!おっぱいダメッ!オッパイ出るうう!」
いや、現実的に母乳なんて出ないんですけど。ここは、ね…旦那様にサービスって事で
言ってあげます。ついでに私…お先に失礼して、達してしまいました。
ごめんなさい、龍一さん。先にイッしまった私を許して下さい。
「いいよ、いいよ。アキ、おっぱい出して…僕が飲んであげる、ちゅうちゅううって吸わせてくれ
アキはおっぱい搾られるの好きだからね…んッんん…アキ、アキ、アキ、イクよ。
僕の、僕のもいっぱい搾ってくれ!」
「あっダメ…お、おっぱい揉みながら…揉まれながらの…射精、メ、メーなの!」
「ああっ…出る、出る、アキッ――――ふっ…ううっ!」
龍一さんが目を閉じ、一番奥まで突き上げた時、私の中で
アレが弾け、どぴゅびゅるるっと射精が始まりました。熱いのがお腹の中に広がっていく
……どくん、どくんっ…て、とてもリアルに感じます。
あ…こ、これはヒットかなぁ…き、今日って危険日だし。
あ…結婚したから危険日ではありませんね。めでたい日ですか?
「んっ…うっん…ん…」
龍一さんは眼をつむり、まだアレに残るミルクを断続的に射精し、余韻にひたっている。
「はぁ…は…はあぁ……」
「んんっ…あは…はぁ…はひ…は…」
一頻り絶頂の余韻を絞り尽くしたのか龍一さんはぐったりしています。
「んっ…んん……あんっ」
私はゆっくりと腰を浮かせ、アソコから萎えかけたアレを抜きました。
ずゅるる……という音と共にどろりと逆流してきたミルクが私のアソコからドロリと垂れ落ちます。
ぶぴっ…びゅるる…びゅううう……
「さ…最高…だったよ……アキ…」
「と…とっても…エッチでしたね…りゅ…じゃなくて、あなた。」
ちゅ……龍一さんの唇にキスしてあげます。
「……アキ…」
「美味しいにゃん?」
あはは…照れてる、照れてる。
もう、お風呂はいいや…このまま寝ちゃえと思い、服を脱いで、龍一さんの横に添います。
……ん?…太股に…何か堅い物が……とても熱くて、脈うってます…あなたの音
聞こえてくるよ……とくん、とくん、びくん。
「さぁ…アキ。今度はキッチンとお風呂で第二ラウンドだね。」
あ…ああ…龍一さんが完全復活しています。さ、最後のキスと台詞ですか?
私のバカ…あ、あんな激しいのはもう耐えられないです。
「辞退はありますか?」
「煙が出なくなるまで可愛がってあげる」
21名無しさん@ピンキー:2009/02/21(土) 20:00:49 ID:y7hfTACl

「アキ姉っ!トイレッ!」
「ちょっと待て、この淫獣。」
話終えると飛び出そうとした朋子の襟元をお姉ちゃんがすかさず掴みました。
ぐぺッと踏んづけてしまったカエルのような声を上げ、朋子は倒れます。
「イかせてください、トイレでイかせてください。」
お姉ちゃんの下でカサカサ動く、妹…いえ、ゴキブリ人間はこの上なく不気味です。
「ちょっと気になったんだけど…龍ちゃんって私や朋子の前では全然喋らないし
紳士だけど…アキの話だと、なんか壊れてるとゆーか…飛んでない?」
「私の前でも口数は少ないよ…エッチの時はすごいけど。」
それは本当の話です。うん、普段はあまり喋らないです。
「ふーん…で…アキ…あんた、そんだけやってもまだデキないの?」
「え…うん、そ、その後ね。キッチンとお風呂で1回ずつエッチしたんだけど…」
「いや、やりすぎでしょ!?それ!」
……ほ、ホントは2回ずつなんです。ごめんなさい、お姉ちゃん。
「イかせて、イかせてえッ!」
カサカカサ……朋子の顔面にゴキブリホイホイを叩きつけたくなる衝動を
私はどうにか押さえました。
「んん〜トモちゃんのお尻って便座みたいに暖かいのね…あら、濡れてるの?」
……褒めてるのか、貶してるのか…どっちなんだろ?
「いがぜで!いがぜでえええ!あがあああ!」
ほとんど断末魔のような朋子の叫び。キモイです、めっちゃキモイです。
お姉ちゃんは、朋子の上に跨り、ニタニタ笑いながらいいます。
はあーあ…話疲れました。
「お姉ちゃん、朋子をお願いね…お風呂入ってくるから」
うぐーうぐーと唸ってる朋子を無視して私は立ち上がりました。
「はいはい。じゃ、洗い物はしとくから。あとで三人で一緒に寝よ?昔、見たいに川の字で」
「あの布団じゃ無理だよ。ちゃんと大きめの出すから、上がるまで待ってて」
なんだかんだいっても姉妹です。はあーあ…………私は脱衣場に入り、鏡を見ました。
……イカン、イカン…頬がゆるんでる。ばれなかったかな…たぶん、大丈夫。
えへへ……ゆ・つ・く・り、お風呂に入ろう。
私はキュンと疼くアソコを押さえて、胸中で呟きます。
朋子……ごめんね、あなたのお姉ちゃんはお風呂でイかせてもらいます。

END

投下、完了です。
とりあえず明子視点で考えていたのは全て完結。
あとは…結婚スレで少なそうな浮気系…龍一さん視点で浮気話
なんか考えてます。
設定を借りた前スレの>>501さん、ありがとうございました。
22名無しさん@ピンキー:2009/02/21(土) 20:15:58 ID:NqBvto7O
リアルタイム乙です
23名無しさん@ピンキー:2009/02/21(土) 22:43:50 ID:nACRaUGx
乙、GJ!
「乗れ」「お邪魔します」は前の方に(初回?)あったよな。
明子たんの妄想だったかと思うんだが。
撒いた小ネタをちゃんと利用してるのが素晴らしい。
毎回ちょっとキモくてデストロおもしろいのをありがとな!
24名無しさん@ピンキー:2009/02/21(土) 23:14:04 ID:6HU3hSag
乙、GJ!


次は浮気ものですか。
ネトラレになると明子さんが可哀相だなあ……
25名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 09:20:48 ID:26SQX4E5
保守
26君が笑ってくれるなら(イチと香子) 1/7:2009/02/26(木) 16:55:36 ID:sx1elCRK
長いので分けます。

* * *

 土曜日の夜。いつもより少し早めに夕食を済ませて風呂に浸かりながら、今夜はゆっくりとテレビ
を観ながら嫁とだらだら過ごそうか、なんて楽しい予定を組み立てる。

『明日は奥さんと一日中ラブラブですか?』
『何だか生活にハリがありそうでいいよな。そりゃ若々しい筈だよ、八神君は。幸せ者だよなぁ』

 うん、幸せ者だ、俺は。

『いいなぁ。だって奥さん、ついこの間までは――』

 同僚や上司に何気にからかわれたせいなのか、昨日の夜は帰宅した時に飛び上がる程驚いた。
というか腰を抜かしかけた。

 ただいま、と声を掛けても返事がないので、寝室にしている和室の襖を開けると嫁がいた。
『きゃっ!?お、おかえり!って、えっもうそんな時間?うわ、ごめんご飯』
『いや、いいけど……その格好は』
『えっ?』

 しばしの沈黙の後、嫁の香子(かこ)は一旦青くなった顔を真っ赤に変えて、悲鳴に近い声を上げてしゃがみこんだ。
『きゃああっ!!こ、これはその、押し入れを片付けてたら、そのっ……』

 ――高校のブレザー姿だった(ハイソ付き)。

 昼間にあんな会話したもんだからか、見慣れた筈だった姿に異様にドキドキしてしまったのは秘密だ。
『意味は、意味はないんだよ?ただ何となく、何となくだからっ!!』
 うん、まあ、母さんもよく衣替えの度に今必要無かろうと思うような服を
『入るかしら?』
なんていちいち袖を通してみては、いつか着るかもとまた仕舞い込んだりしていたもんだった。だから
女の人というものはそういう質なんだろう、という変な刷り込みがあったためその場は一応納得しておいた。
 で、足下に中学時代のセーラー服までが脱ぎ捨ててあったのも追及はしないでおいた。
 腹も減ってたしね。

「しかし、香子も大きくなったよなぁ……」
 セーラー服を着ていた頃は、もう少し背も小さくてまだまだ幼かったのに。
 それからすぐに母さんが死んで2人っきりになってしまって、俺が子供だと思い込んで――思い込もうとしていた
香子は、いつの間にか俺なんかよりはるかにしっかりした女の子になった。

 2つに結んだ髪はセーラー服を脱ぐと同時に肩に流れ、黒く揺れるそれは俺をときめかせるには充分だった。
27君が笑ってくれるなら 2/7:2009/02/26(木) 16:58:12 ID:sx1elCRK
「イチ君」
 ボケーッと昔の思い出に浸っていたら、いきなりドアが開いてびっくりした。
 ちなみに俺の名は『伊知朗(いちろう)』だが、昔からの名残で29になってもそう呼ばれている。
「うわっ!!……あ、ああ、何?」
「そんな脅かしたつもりないんだけど。……まあいいや。あの、さ、えっとね?」
「うん」
 目を伏せてもじもじしながら、磨り硝子に指でのの字を書いている。な、なんか可愛くないか?
「どうした?あ、一緒に入りたいのか、なんてな……ははっ」
「うん」
 ――はい?
「あ、だから、い、今から私も入っていい?」
 なんですと?
「あ、えっと、やっぱりやめ……」
「よし!待っとくから早く来なさい」
 香子はしばらくぽかんと俺の顔を眺めていたが、すぐに真っ赤な顔して頷くと勢い良くドアを閉めた。

 珍しい事もあるもんだ。この前喧嘩した後に仲直りのために一緒に入りはしたが、それ以降はなかなか
誘いに乗ってはくれなかった。もちろんそんなだから香子から誘ってくるなんてまずある事ではないのだ。
 こんなチャンス逃してたまるか。断るわけがないだろう。

 香子の事情で先週から禁欲、昨夜は夕飯が遅めになったため後は風呂と寝るのみだった。だから
はっきり言って大歓迎だ。
 だが今か今かと待っている当の香子はなかなかやって来ず、ガラス戸越に見える影は先程からじっと
動きを止めていた。
 気が変わったのか?もしや俺が余りに餓えていた為に何かに化かされたのかなどとバカな事を空想しつつ、
少しのぼせかけた体を冷まそうと立ち上がりドアを開けた。
「……香子、どうした?」
「うっわああぁ!?」
 既に全裸になっていた彼女は、洗濯機の前で脱いだ物を抱き締めて眺め立ち尽くしていた。
「何やってんのお前」
「い、いや、別にっ。もう、行くから中で待っててよー!!スケベっ」
「スケ……。まあいいや、早くおいで。あんまり待たせると……ここで襲うぞ?」
「ばっ、ばかっ!!」
 はいはいとドアを閉めて再び湯船で待つ。にしてもあいつ何がしたいんだ?服ならまだしも。

「エプロン握り締めて何やってたんだ……?」

 おじさんだからか?俺が。どうも若い女の子のやってる事は意味がわからない。
28君が笑ってくれるなら 3/7:2009/02/26(木) 17:00:12 ID:sx1elCRK
 新しいシャンプーはいい匂いがする。
「やだ。何じっと見てんの?もうっ!!」
 バスタブの縁に顎をのっけてお尻のラインを眺めていたら、シャンプーを終えた香子にシャワーを
向けられ、お湯を浴びてむせた。
「ぶはっ!!だって背中しか見えてないぞ。つまんないから早くこっちおいで」
「えっち」
 髪をまとめて体を洗い始める。首筋、肩、腕と順にボディーソープの泡に包まれていく一連の動作を
見ているうちに、むくむくと下心という名の潜んだ悪戯心が湧いてきてしまった。
「香子ぉー。たまには背中流してやろうか?」
 ま、多分
『何言ってんの!?へんたいっ!!やっらしー』
とかなんとか怒られて終わりなんだろうな。大体いつもそうだ。正直残念ではあるが、そんな風に真っ赤な
顔で膨れる香子もまた可愛く思ったりするのだ。
 そんなことが面白くてわざと意地悪してみたりする。子供の頃好きな女の子に構いたいが為にそんな
事をする奴がいたもんだが、自分は違った。が、この歳になってそれをやるとは。な、だから
「……うん」
ってほら、こうなるってわか……。


 えっ?

「はい」
 泡の付いたタオルを渡される。
「……え、あ、うん。……いいのか?」
「……じゃ、いいっ!!」
 引っ込めかけた手から奪うように慌ててタオルをひったくり、泡が顔に飛んだ。
「洗う!洗うって!!」
 洗い場へ出て、とりあえず洗い残してある脚を香子の前にしゃがみ込んで洗う。
 ふと顔を見れば、俯きながら俺の手元を見つめているものの首は全く動かさず、見ようによっては
目を合わせまいと視線をそこから外さないように思えた。
「香子?どうかした」
「別に」
 ほら、絶対顔は上げない。俺の顔は膝の上には無いんだけどな。
 だからと言って嫌がってるわけでも無さそうだ。
 普段の香子なら、絶対恥ずかしがってこんな事は断る。だから今だって相当頑張ってるはずだ。

 でも、何のために?

 よく見ればまだ温まってもいないのに、俯いたせいで尚ふっくら丸く感じる頬はほんのり朱く染まっている。
「ここも……洗おう?」
「えっ?……ひゃっ!?」

 それが俺のちょっとした悪戯心に更に火を点ける事となったようだ。
29君が笑ってくれるなら 4/7:2009/02/26(木) 17:02:28 ID:sx1elCRK
 しゃがんだまま左手で肩を包むように抱き、右手を両膝の間からそっと奥へ差し込んだ。
「や……」
「駄目だろ閉じちゃ。まだ綺麗にしてないんだから」
 泡の付いた控え目な毛を撫でるとこれまた控え目なため息が聞こえた。
「……ふっ……んん、あっ」
 すぐ下にある筈の小さな突起を探し指で軽くつつくように擦ると、泡でするんと滑らかに転がされ、
同時にくぐもった声が漏れ始める。
「んん……あ、やだぁ……」
「本当に嫌?」
 おでこを当てて唇が触れるか触れないかの所で囁くと、困ったように眉を寄せた。
「やっぱり嫌だよなー。ごめん調子に乗りすぎたかな?」
 本当はもっともっと苛めて泣かせてみたい願望もあるけど、楽しみは後にとっておこう。
 そう思い指を引き抜き、軽くキスをして唇を離そうとした。

 が。
「!」

 離れた唇を追いかけるように香子の舌が突き出され、背中に腕を回してしがみついてくると、ぶつかる
ように押し当てられた唇同士が強く吸い付き合い、拙い舌の動きを受け入れた俺の口内は香子のそれで
一杯になる。
 ぷはあっと息を吐いていきなり離れた顔は、今度は酸欠で赤くなっていた。
「おい、大丈夫か!?」
 いわゆる大人のキスはいつも俺からで、香子から仕掛けてきたのは初めてだった気がする。だからか
うまく息継ぎ出来なかったらしい。鯉かお前は。
「う、うん」
 はあはあと息をついて俺の胸にもたれて来て、じっと動かなくなった。
 ん?と顔をのぞき込もうとして……視線の先にあるモノに気がついた。
「もう、おっきい……」
「いや、あの、そりゃ仕方ないだろ?あんな声聞いて、触って、えっちなキスされて、その気にならない
 わけないじゃん」
「……そうなの?」
「うん」
「それって、私だから?それとも、男の人はみんな誰にでもそうなんの?」
「お前だからに決まってんじゃん。何言ってんの!?香子が好きだからそうなるんだよ」
 上目遣いに不安げな顔を向けてきたが、ふとまた俯く。どうしたんだと思っていると、バスタブの
縁に腰掛けるように促された。
30君が笑ってくれるなら 5/7:2009/02/26(木) 17:04:08 ID:sx1elCRK
「い、いくよ?」
「う、うん」
「じっとしててね……」
 何する気?と聞こうとしてすぐにそれは頭のどっかに吹っ飛んでしまった。
 泡の付いた手のひらですっかり堅くなったナニを握ると、いきなり先っぽに食い付いたのだ。

「――っうあっ!?」
 これはっ……反則だ。何の心の準備も予告も無しに(実のところかなり)嬉しい不意打ちをかまされてしまった。
 時々、本当に時たまお願いしてして貰う事はある。嫌がりはしないがそれでもかなり恥ずかしがって
いるので、ちょっとこっちも躊躇ってしまうのに。
 きゅっと目を瞑って舌を這わせ、手のひらで撫でてしごかれると、いかにも『ご奉仕してます』という
格好に妙に罪悪感と共にぞくんとする快感を覚えるのは何故だろう。
 回数をさほど重ねていないせいか、最後まで行くのは少し長く掛かるかも、と一生懸命頑張ってるなと
わかる顔を見て頭に手を乗せた。
 濡れた艶のある髪を撫でながら、それでも少しずつ高ぶってくる興奮にそのまま終わりまでいかせて
欲しいと片手で反り返りそうな体をバスタブの縁を掴んで支える。
 それでもやはり疲れてきたのか、眉を寄せて時々肩で息を切らす素振りを見せ始めたのを見て、
「……ありがと。もう、いいから……」
と正直名残惜しく思いつつもそれを終えさせた。
「は……はぁ、はぁっ。き、気持ち良く、なかった?……ごめんね、下手くそだから……」
「いや、気持ち良いよ?でも、無理しないでいいから」
 本当に気持ちは良かった。いわゆるテクニックはないが、今だって口の端からつっと垂れる涎をそっと
手の甲で拭い去る、その仕草や頬を朱く染めた顔はまだ女というには幼いくせに、堪らない。

 はっきり言って非常に、エロい。
 人間、視覚も非常に大事だというのが本当にわかる。

「後でもっともっと気持ち良くさせて貰うから……」
 一週間ぶりに禁欲生活解除だ。そのつもりでとりあえず我慢しておいたのだが。
「……じゃあ、他の方法で」
「他?……って、おいっ!?か、香……」

 膝を立ていきなり腰に手を回し抱きついて来たので、危うく背中から湯船にひっくり返る所だった。が、何とか耐えた。
31君が笑ってくれるなら 6/7:2009/02/26(木) 17:05:32 ID:sx1elCRK
「危ねっ!!いきなり何だよおま」
「黙って!!」
 胸に付いた泡を俺のソレにも塗りつけると、
「……じゃあ、いきます」
と真顔で言われたので思わず
「どうぞ」
と言ってしまった。

 っておい!

 そこはかとなく柔らかい感触がお腹の辺りに感じる。温かい……。
 ぬるぬるとした泡の滑る感じは結構気持ち良いし、鼻に届くシャンプーとソープの匂いは凄くいい。
 思わずすうっと吸い込んでうっとりと流れに身を任せていたら、香子の動きが止まった。

「で、出来ない……」

「ん?どうした」
 相変わらず押しつけられたままの体の温かさを感じつつ俯いてみると、思っても見なかった光景に
目が丸く(多分)なった。

 香子は自分の胸を両手で寄せるように包み、俺の下半身に体をぴったりと押し当てていた。
 その間にあるのは、俺の、俺、の――目一杯主張する、アレが波打っているわけで。
 要するにそれは「パイズリ」と呼ばれる行為ではないのか!?
 まさか頼みもしないそれを進んでやって貰えるとは思わなかったので、頭の中は喜びに小躍りしていた。
 だが当の香子は顔を真っ赤にして俯いたまま動かない。
「香子?」
「む、難しいっ……」
 見れば密着した躰に挟まれてはいるが、お世辞にも『胸の谷間』に挟まれてはいるとは言い難い状態だった。
「私無理だぁ……ごめん」
 形は良くて色も綺麗だ。だが、香子は正直言って胸が大きいとは言い難い。
 必死で寄せたところで何とか谷間らしきものは無理やり作れても、それ以上何かを求めるのはきつい
かもしれない。例えばそこにナニかを挟む、とか。

 つまり、無理なわけだ。

 それでも当の本人は必死で体を泡だらけにして何とかソレを挟み込もうとして悪戦苦闘している。
「ぶっ……」
 その必死な顔がちょっと可笑しくて。
「イチ君?」
「ぶはっ……くっ」

 なんだか物凄く可愛くて。

「くっ……ぶはははっ!ごめ、もうだめっ!!ひ……ひーっ!!」
「!?……酷い!イチ君のばかーっ!!」
「ごめっ……だって、あははっ」

 真っ赤な顔で涙を溜めて怒り出す香子を抱き締めゴメンと言いながら、それでも腹を押さえて笑うのを
止める事が出来なかった。
32君が笑ってくれるなら 7/7:2009/02/26(木) 17:08:06 ID:sx1elCRK
「香子さん」
「……」
「香子ちゃんてば」
「……っ」
「香子ぉー。ごめんってば」
「ううっ……ぐすっ、……うるさっ、うぇっ、ばかっ!ひっく」
 俺が失礼にも大笑いしてしまったがために、香子は相当傷ついたらしくずっと泣きじゃくっていた。
 湯船に彼女を後ろから抱き抱えるようにして、体育座りの足の間に包み込んで一緒に浸かる。
「こっち向いてくれよう。なあってば」
 こんな時なのに、密着した体は堪らなく魅力的で、むーっと膨れた顔で振り向いた香子の顎を手で
掬うと首を伸ばして唇を塞いだ。
「……なんかお尻に当たってるよ」
 そりゃこんな形でくっついてたら、健康な男の体なら素直にこうなるだろう。
「思いっ切り笑ったくせに……」
「だからごめんって!あんまり可愛いからさ。本当だぞ!?」
 また顔を前にぷいっと向けられかけて、ちょっと強引に押さえて振り向かせ、またキスする。
「嬉しかったよ?だって俺のために一生懸命やってくれたじゃん。香子のそういうとこ好きだよ」
「そういうとこ?」
「生真面目で、健気で、一生懸命なとこ。お前のそーいう所が堪らなく可愛くて好きなの、俺は。
 だからごめん」
 振り向いた香子の泣きすぎて鼻まで赤くなった顔を見てまた吹きそうになったが、我慢して髪を
撫でながら頭を抱き寄せた。
「今日はどうしたの?何か積極的」
「……私出る。後から出て」
 そう言うと香子は風呂から上がってしまった。

 慌ててタオル1枚で後を追うと、リビングで向こうもタオルを体に巻いただけの格好でソファーに
座っていた。
「何なんだよー?」
 ムスッと膨れ涙を浮かべている。が、返事が無いのでさすがに不機嫌な気持ちになりつい咎める様な
口調になってしまったが、クッションの下から出され床に放り投げられた物を見て愕然とした。
「何でこんな物があんの!?……やっぱり私じゃ物足りない?不満があるなら、い、言っ……」

 ――1枚のDVDといわゆるエロい雑誌が1冊。

「いや、あの、これは、違っ……」

 今日積極的だったのはこれが原因か。
 泣き出した香子を見ながら俺はへんな汗をかき、情けなくうなだれた。


「後半につづく」

33名無しさん@ピンキー:2009/02/26(木) 18:20:45 ID:OfvxcjiR
何という生殺し

GJ!しながら全裸待機
34名無しさん@ピンキー:2009/02/26(木) 19:22:21 ID:ebFTQEpF
イチさん、あなたは偉い!我慢の武士だ。
まだ未成熟な香子の難しい心情を寛大な心で
受け止めている。
…香子は喜怒哀楽の『怒』が他に比べて2割り増しで高い様に思うんだが気が強いのか?
35名無しさん@ピンキー:2009/02/27(金) 01:06:07 ID:2JEF/JOU
香子ちゃんが相変わらず可愛いのは凄く良い
凄く良いんだけど
「後半につづく」がキートン山田の声で再生されて仕方がない
オレが悪いんだが、このせいで一気に息子が冷静になるんだ……
36名無しさん@ピンキー:2009/02/27(金) 23:40:47 ID:o4by1/GZ
おおっ!留守してた間に香子&イチくんキテタ━━(゚∀゚)━━!!!
このカップル、微笑ましくて好きだ。後編wktkして待ってる。
残り投下します。

* * *

 昨日の事だった。
 引っ越してきた時にしまい込んでしまったバッグを探すついでに、押し入れの整理をはじめてしまった。
 特に几帳面というわけではないものの、一旦やり始めるとのめり込んでしまうので、気がついたら
とりあえず仕舞いっぱなしになってしまっていた荷物を、片っ端から出しては片付けてといった具合に
なっていた。
 手前が片付けば奥の物まで手が及び、自分の物は粗方終わってしまったので、今度はイチ君の物と
思しきケースに手を掛けた。
 ちょっと気が引けなくもないけど、いいよね?と軽い気持ちで開けたそれには、季節外れの衣類や
小物に紛れて
『ああ、止めておけばよかった』
と思ってしまうような物が挟まれてあった。

 何で男はこういう物を喜んだりするんだろうか?

「やらしー……」

 まだ私達がただの同居人であった頃、同じ目に遭った事があった。
 その時の私達はまだ互いに男でも女でもなくて、ただただ彼を軽蔑してしまった。
 今はあの頃と比べれば経験ある分、免疫だってあると思う。だけどそれだけにショックも却って大きかった。
 だってこういう物って、願望を満たすためにあるんだよね?ということは、私では物足りないというわけで。
 満たされない何かが不満だという本音が彼に隠れてるのかもしれないわけで。

 グラビアを恐いもの見たさで捲ってみれば、自分とは比べ物にならない成熟した大人のカラダや、
思わず目を覆いたくなるような卑猥な写真に
「こんなの無理だよー……」
と地面にのめり込んでしまいそうな程落ち込んでしまった。
 DVDなんか、昼間レンタル店でバイトして見慣れてる筈なのにパッケージだけでもう無理だってば!
これを彼が観てたのかと思うとそれだけで卒倒しそうになった。
 彼氏や旦那様と一緒に観ちゃう、って人もいるみたいだけど、私には勘弁、とんでもないって感じだし。

38君が笑ってくれるなら 2/10:2009/02/28(土) 03:31:28 ID:tgHeA8uA
 決して胸も大きくないし、いわゆるテクニックもない。その上なかなか自分から誘う事も出来ない。
いつも彼から求めてくるのが当たり前で、その必要もなかった。
 だけどそれがもしかしたら不満なのかもしれない。いわゆるマグロ女で子供っぽくつまらないのじゃないか。
 10も歳が違えばその辺物足りなく思ってたりするのかも。そう考えたら途端に不安になった。

 ――私の事を『何も知らないひよこ』だと背を向けられた17歳の冬。どんなに追いかけたくても
それを許してくれなかった彼とやっと暮らせるようになった今、二度と離れるのは嫌だったから。
 互いのためを想いながら離ればなれに暮らすのは辛い。だけど心のどこかに不満という隙間を抱えて
我慢や妥協しながら、それを隠して幸せなふりして相手を欺き騙しだまし暮らしていくのはもっと嫌だ。
 そう思ったから。


 イチ君は制服姿で男の人と絡んでる女優さんのページを指しながら、小さくなっている。
「お前それで昨日制服を……?」
「いや、あれはそのっ!?」
 うう、顔から火が出そう。
「てーと、さっきのエプロンはもしや?」
 手にしているDVDの写真には、いわゆる裸エプ……いやあぁ!!
「だって、イチ君にそういう趣味があるのかと……」
「いや、そりゃたまたまでその、嫌いじゃないけど、お前……そんな事考えてたの?」
 呆れたような笑いを堪えたような複雑な顔しながら私を見る彼の態度にカチンときて、側にあった
クッションを思いっ切り投げつけた。
「何よっ!私に飽きたんならそう言えばいいじゃん!!どうせ貧乳だし、下手だし、色気が無くて
 つまんないんでしょっ!?ふーんだっ」
「違う!お前に不満なんか無い」
「じゃあ何で?今度はAVまであるじゃん!サイテー」
 よく見てみろ、と促されて本の裏を見せられると発行日が1年近く前。結婚前の1人暮らしの頃に
DVDと一緒に買ったものだという。
「だからそういう事なんだってば。捨てるの忘れてただけだよ!今観てないっ」
 言われてみれば、あんな奥にしまい込んであったんだから、今更彼がそれらを目にする事はないわけだ。
 それに気付くと、一気に気が抜けてしまった。
39君が笑ってくれるなら 3/10:2009/02/28(土) 03:34:33 ID:tgHeA8uA
「ごめんなさいもう買いません。てか買ってないから!……香子がいなくて寂しかったんだよ、俺だって」
 クスリを効かせてやるつもりでしばらく無視してやろうと思ってたのに、最後の一言で吹いてしまった。
 しゅんとしちゃってさ、なんか可哀想になっちゃうんだよね。――そういうとこ、ずるい。そりゃ、
浮気したわけじゃないけど何かムカついたんだよね。
「今度はもう無いからね」
「当然だ。もう必要ないし」
 ここにおいで、と促されて膝の上に後ろから抱っこされる。
「だからあんなに頑張ったのか?……制服プレイとか考えたり?」
「……ん」
「ぷっ……くくっ」
「あー笑った!!」
 こっちは必死だったのに!
「だって、だって……あははっ」
 恥ずかしいのと腹が立つのでまた泣きたくなった。やっぱり私らしくもない行動だったかもしれない。
「バカだなあ。でも、なんか嬉しいわ。ありがとう」
 私はお礼を言われても嬉しくない。はっきり言って複雑だった。

「余計な真似するんじゃなかった。本当ばかみたい」
「んー確かにあんな小細工しなくても良かったかもな」
 そう言うといきなり首筋にきつく唇を充てて吸い付いてきた。
「わっ……」
「そんな事しなくたって充分お前に欲情してる」
 耳たぶを軽く噛みながらバスタオルを外され、露わになった胸をふにふにと手のひらで弄ぶように揉まれる。
「お陰でその気になっちゃったんだから、責任とって貰うよ。一週間ぶん」
「……えっ、や、だ……」
 するりと膝の上に落ちたタオルを握り締め、きゅうっと尖ってきた乳首を摘まれる刺激に耐える。
「んあっ……あ……」
 首筋に滑る舌と同時にかかる息がぞわぞわと背筋にまで伝わって、思わず仰け反った。
「ここで……しよっか?」
 彼にそう言われくいと顔を向けられ、肩越しのキスをされた。
 唇が離れると、再び耳たぶを噛みながら胸を撫で回され、指先で乳首を転がしながら強弱を繰り返し
決して豊かとは言い難いであろう胸を揉みしだかれた。
40君が笑ってくれるなら 4/10:2009/02/28(土) 03:36:51 ID:tgHeA8uA
「はあっ……はあ、ああ……」
 耳の後ろに当たる舌が滑らかに動き、同時に感じる胸の刺激に声を堪える事が出来なくなって、荒い
呼吸を吐きながら開きっぱなしの唇はからからに渇いてゆく。
「ん、も、だめぇ……」
「触って欲しい?」
 むずむずと落ち着かなくなって擦り合わせるように動く膝の動きを察知されて、片手は胸を弄びながら
もう片方の手が掛かったタオルの下に潜り込んだ。
 するん、とした下着の感触とその上から感じる線に沿った指の感覚と共に彼のちょっとした戸惑いがわかる。
「香子……いつもと違う?」
 頷くと、
「だよね?見ていい?」
とタオルを落とす。

「そんなに期待しないでね……。凄くないでしょ?」
「いや、まあ……でも珍しいな。いいじゃん」


 普段は色気とは程遠い3枚いくら、なんていうごく普通の物を身に着けている。
 だが今日は単なる綿素材ではなく、少しだけレースの飾りの付いた薄手の光沢のある素材の物を履いていた。

 これまでに文句を言われた事はないけれど
「もっとちゃんと見せて。そう……綺麗だよ」
と向かい合わせに立たされ嬉しそうにソファーに腰掛け見上げてくる所を見ると、本音はこういうの
好きなんだろうなぁ、と思う。
「じっくり見ないでよ。それに褒めすぎ」
「えー?充分色っぽいぞ。……触っていい?」
 言うが早いか抱きつかれて、私は彼の体に倒れ込むように密着し、胸元に吸い付かれてお尻を撫で回された。
 きつく唇の当たった後に朱い印を認めると、またそれに重ねて何個も痕を付けられる。
「ん、痛い」
「悪い……でももうちょいだけ」
 唇を尖らせ吸い付きながら上目遣いに見つめてくる。
 ――もう、これに弱いんだよ!はっきり言って反則だー……。30前にもなる癖に。この顔見ちゃうと
仕方ないなと何でも許してしまいそうになってしまう。甘いよ私。
「こっちおいで」
 ひとしきりマーキングして気が済んだのか、位置をずらすと場所を空け私の体を座面に横たえ、脚を
割って入り覆い被さってきた。
41君が笑ってくれるなら 5/10:2009/02/28(土) 03:38:22 ID:tgHeA8uA
「可愛いな。いつ買ったの?」
「この前バイト先の近所のショップで……なんかそこの店上下セットで安くなってるタイプのがいっぱいあって」
「セット?」
「うん。ブラ買いに行ったら、その、サイズが変わっててね、何組か……あ、でもそんなに高くないの
 選んだからっ!」
「いや、それは気にしなくていいよ。お前は無駄遣いするような子じゃないし好きなの買えば?ん、
 でも……サイズ?」
「1サイズおっきくなってた」
 果たして反応は?――ああ、やっぱり。
「そっかー成長したか。揉みまくった甲斐があったというわけだ」
 嬉しそうに、乗せた手のひらで確かめるように胸を包んで撫で回す。エロ親父根性丸出しじゃん。
「俺のお陰だな」
「は?」
「そう考えると周りが“若い嫁”が羨ましいのがわかるかな。段々自分好みに育っていくのはいいもんだ」
「やっぱり大きい方がいいんだ……」
 揉むとか迷信じゃないの?って思ってたんだけどな。彼がそんな事間に受けるなんて、ちょっと面白くない。
「ていうか大きくなったのが嬉しいの!ほら、俺嫁育てたってよくネタにされてるじゃん?別に狙って
 そうしたわけじゃなくて、たまたまそうなったってだけで。だから最近は正直参ってたんだけどさ、
 やっぱりお前がそうやって綺麗になっていくのは嬉しいな、って」
「でも……私だっていつまでも若いわけじゃないし。年取って、それで思い通りにならなかったら
 冷めちゃうの?」
「は?俺をそんな男だと思ってんの?そんなつまらん奴に惚れてくれてるわけお前は」
 おでこをぴん!と軽く弾かれた。
「いたっ!じゃあさ、おばさんになっても好きでいてくれる?飽きたりとか……しない?」
 頬を寄せられ口づけをする。
「お前を抱きたくて、何年耐えて抑えてきたと思う?やっと手に入れたんだぞ。だから信じろ。その
 ままの香子が俺は好きなんだ。だからもう……無理すんな」
「……うん」
「よろしい」
 おでこにかかる前髪をかき分けキスしてくれると、もう一度唇にそれを戻しながら胸を寄せるように
揉まれた。
42君が笑ってくれるなら 6/10:2009/02/28(土) 03:40:18 ID:tgHeA8uA
 ゆっくり優しく、かと思うと時々強く揉みほぐすように触れられる胸の愛撫に酔っていると、仰け反った
拍子に無防備になった首筋にすっと舌の動きを伴って唇をあててくる。
「あ、やっ」
「嘘。色っぽい声出してるくせに」
 くすっと笑いながら片手は胸そのままに、片手は腰のラインを撫でて太ももを這う。
「んんん」
「口と指どっちが好き?」
 さわさわと指の腹で堅くなった胸の先を触られて選択を迫られる。
「どっちって……わかんない、もうっ」
「じゃあ好きにしよ」
 両脚を膝を曲げて広げさせられ体を乗せられると、無防備な体勢のまま身動きの取れない状態に置かれ
そのまま躊躇いもなく、舌先でちろちろと痛い位に尖る乳首の先だけを焦らすように舐められた。
 苦しげに呻く事しか叶わずのしかかる彼の髪や肩を掴んで背中を反らすと、
「して欲しい事いってごらん?」
と言いながらじわりと熱を帯びてきた秘所を下着の上から擦られる。

 ――だめ、耐えられない。

「やぁ……も、もっとし……あああっ!?」
 いきなり舌全体で口に含んだ胸先を転がし始め、脚の間の指の動きが速まった。
「あ……んっ!いや、そこ、やっ」
 下着の上からとはいえ、指の動きが少し鈍くなったのがわかる。濡れて貼りついた部分が時折ヨレて
ぬるんと滑るのがちょっと気持ち悪い。

 でも、気持ちいい。
 ちゃんと触れて欲しい。

「ね……お願い。ちゃんと」
「ん、何?」
「だから、ちゃんと」
 これだけ言えば解るはずなのに、彼は首を傾げて知らぬふりをしてまた下着の上から焦らしじらし
スリットに沿って指を押し当てながら撫でてくる。
「わかんないよ、ちゃんとおねだりしなきゃ」
「う……」
 腰が勝手にぴくぴく浮く。不格好に広げられた脚が震えて爪先までぴんとなり、放っておけばつって
しまいそうな程張り詰めている。
「やめていい?なあ」
 そんなに辱めたいのか。一瞬で頭に血が昇った。
「意地悪!イチ君の……ばかっ」
 悔しくて腹が立ったのと同時に恥ずかしくて逃げたくなった。
「わかったよ。もう苛めないから泣くなよ〜」
 苦笑いしながら気づけば頬に伝っていた涙を大きな手でゴシゴシと拭かれ、背中を支えられ体を起こされた。
43君が笑ってくれるなら 7/10:2009/02/28(土) 03:42:16 ID:tgHeA8uA
 さっきと逆に私をソファーに座らせ、彼の方が床に跪いた。
「なにす……きゃあっ!?」
 両膝を抱えられ脚を広げられた。これって、え、M字ってやつ!?
「嫌、いや!恥ずかしい!!」
「だめ。きちんと見せてよ。香子が女になったこと、ちゃんと見ておきたいんだから」
「そん……」
「お願い」

 出た。上目遣いのおねだり。もう、だからダメなんだってばー!イチ君は歳の割に若く見える。私が
言うのも何だけど、見方によっては意外と可愛い顔だったりするんだよ……。
 だから年上のくせに母性ってやつを刺激されるっていうか。だからズルい、絶対卑怯だ!
 とか何とか思ってるうちに胸をまじまじと眺めて触られつつ、下着に手が掛かる。
 透け素材のせいで湿り気を帯びたその部分がほんのり濡れて、中身の、いわゆるヘアーがうっすら
見えて、そこだけが淡いピンク色とレースの調和を妙に淫靡な雰囲気にしてしまっているように感じた。
 これは恥ずかしい。
「あの……あんまり見ちゃ、いや」
 でも私の控えめな『お願い』は脚下されてしまったようだ。
「だめ。ちゃんと見せてくれなきゃ」
 脚の付け根に這わせた指をそのまま躊躇無く脇から中に滑らせた。
「――あああ!!」
 直に触れられ転がされる花芯は、焦らされ続けた故の強い揺さぶりに一気に快感を駆け上ってゆく。
「目、閉じないで。ちゃんと見て」
 唇を啄みながら小声で叱咤してくる彼の低くとも強い声に恐々と俯けば、広がる脚の中心に下着の
中で蠢く彼の長い指を認めた。
「どう動いてるんだろうね?俺。……想像してごらん」
 直接見えないだけに頭の中で浮かぶ細やかな指の動きが実際の刺激に重なり、余計にいやらしく思えた。
「あ、やあんっ、だめえぇ」
 まだ、まだだめ。
「我慢すんな」
 できないよ。でも。
「やらしくて綺麗だ。俺も我慢できないよ……」
 私も、あなたが。
「欲し……」

「イけよ」


「――――っ!!」


 背もたれに躰を預けて大きく仰け反りながら、自らの声にならない悲鳴を聞いた気がした。
44君が笑ってくれるなら 8/10:2009/02/28(土) 03:43:42 ID:tgHeA8uA
 ――ふっと我に返ると、横になった体を見下ろす彼と目が合った。

「立てる?」
 頷くとゆっくり腕を取って最初のように私を立たせ見上げてくる。
「ここにおいで」
「えっ?」
「跨って。自分で入れてごらん」
 まだちょっとぼんやりとした頭で、既に準備を終えて剥き出しになっている彼の下半身を眺める。
 えー!?いきなり自分でなんて無理だよ。途中から上になった事はあったけど、いつも最初は普通に
彼から入ってきてくれてたのに。
「今日は俺の事気持ち良くしてくれるんじゃないの?積極的な香子がもっと見たいなぁ」
「だってあれは……」
「大丈夫だから、おいで。俺が欲しいって言ってなかったっけ?」
 さっき熱に浮かされて口走ってしまった一言が重くのしかかり、同時に体の芯が熱くなって導かれる
ままにふらふらと膝の上に乗っかってしまった。

「……あ、下着」
 脱ぐのを忘れたと気付いたところで降りようとすると
「このまま」
と股の布を指でずらしただけで腰を掴まれた。
「腰、下ろして……」
 ぬるぬると滑るその部分にアレの先が当たってツンツンとつついてくる。まるで自分の存在を主張
してるみたいに。
「く……ううんっ、……ふっ」
 思い切って腰を沈めてみる。ぐっと大きなモノが、私の中をいきなり押し広げながら奥まで入り込む。
「んん」
 一度入れてしまえば抜いてもするりと受け入れてしまうのに、やはり初めから深くするのは少し痛い。
お腹の中が苦しくて、必死で息を吐いた。
 もう少しなのに。やっぱりうまく出来なくてチラッと目の前の彼を見ると、ふっと笑みを零して
「しっかり捕まって。大丈夫だから」
と言いながらお尻を掴む手に力を込めてくる。
 それに従って首に腕をしっかり回して抱きつくと、いきなり下からずん、と突き上げてきた。
「――くあっ!?」
 思わず仰け反った私の背を支えながら、そのまま強く深くかき混ぜるように中を貫き、
「香子も、動いて……」
呻きながら私を串刺しにしてゆく。
45君が笑ってくれるなら 9/10:2009/02/28(土) 03:45:07 ID:tgHeA8uA
「好きにしていいから」
 そんな事言われても、どうしたら気持ち良く出来るかなんてわからない。とりあえずゆっくり上下
して堅くそそり立つモノが壁を擦りながら出入りするのを感じる。
 深く呑み込んでは浅く押し出す、その繰り返し。
「……っ!?んっ、ふっ、く、んん!」
 不意に唇を塞がれ、浮かした腰が密着した躰にほんの少し作った隙間に彼の指が忍び込み、熱く充血した
堅い蕾をつっと擦った。
「やぁんっ……」
 ほんの少し揺らすだけで、震えるだけで簡単に私の躰は跳ねてしまう。だめ――だめ!!
「いや、これじゃまた……わた、私、が」
「いいんだよ、イっちゃっても」
「だって、やっ、だめっ!!」
 それじゃあなたが、と言おうとしても声は言葉にならず、意思に逆らい自らの快感を求めてその指と
中で暴れるモノに、めちゃくちゃに突き動かされるままに身を委ねてしまう。
「ああああ……!!」
 頭の中は何も考えられない程ぐちゃぐちゃに乱れて、ただそこにある愛しいひとの形をした温もりに
しがみつく。
「イチ君、イ……っ!!」
 前後に上下に掻き回され突き上げられ、繋がりを持っているそこはジンジンと痺れるように熱く蜜を
滴らせ躰を濡らす。
 そこだけが濡れそぼった音をたてているかのように耳に届いて、それをかき消そうとまた私の声が
被さり益々淫らな空間を造り上げてゆく。
「もっと狂っていいんだよ」
「そん……だって、イチ君、が、ああんっ」
「俺は、お前……が、感じてるのが嬉しい。それがイイんだ……。もっと……乱れて、声も、もっと」
「――あああっ!!」
 お腹の中がきゅっとなる。そこから、切なくなるほど胸から喉元へと熱くなる何かがこみ上げる。

 強く突き上げて。
「や、もっと」
 深く貫いて。
「は、はあっ、はあ、そこ……」
 ぶつかり合う躰に合わせてギシギシとスプリングの跳ねる音がする。

「香……子!イくよ、イく……っ!!」
「――――んっ!!」
 息が出来なくなり、涙がじわじわとこみ上げて流れだす。


 ――最後の最後に、思いっ切り彼の首筋に私のシルシを残した。
46君が笑ってくれるなら 10/10:2009/02/28(土) 03:46:58 ID:tgHeA8uA
 2人とも何となくそのままソファーに重なり合って横になり、イチ君が端に丸めてあった小さめの
毛布を持ち上げて作ったトンネルの中に滑り込む。
「重くない?」
「平気だよ」
 仰向けになった彼の胸板に顔を乗せて上になった。
「俺はあんまり気の利いた事言えないし出来ない。不器用だし、お前にも年上のくせに頼りない所
 ばかりで迷惑かけてると思う。なのにちゃんと俺を見て、信じて、応えてくれて感謝してる」
「そんな事。私はずっとイチ君に守られて来たんだよ?大事にされて、愛されて。感謝するのは私の方」
 おでこにキスされながら抱き寄せられ、髪を梳かれると安心して眠くなった。
「密かにお前を欲しいと想い続けてその願いは叶ったけど、ずっと表立って願ってたもう一つは叶わ
 なかった。でも今となってはそれで良かった」
「え?」
 顔をあげると、ふっと笑いながら頭をよしよしされた。
「――昔、俺が『他の誰とも結婚しない』って言ったの覚えてる?」
「うん」
 そんな事があった。彼が私にとって“男”になった瞬間だった。

「お前を立派に嫁に出すつもりでいた。けど、諦めて手離さなくて良かった。お前のいない人生なんて
 意味がない」
 ふいに目頭が熱くなる。
「愛してる。一生側にいて」
 閉じた瞳から涙が零れて彼の胸に流れた。
 それ以上気の利いた言葉なんかいらない。

 そのままのあなたが好きだから小細工は必要ない。
 ただこの耳に届く心臓の音をずっと聴き続けていたい。

 あなたに幸せだと笑っていて欲しい。

「あ、そうだ。あと何枚ある?ああいうパンツ。今度はどの下着がいいか選びたいなー」
「はっ!?まだする気?」
「当然。夜はまだこれからだぞ?」
 嘘でしょー!?私結構疲れました……。
「……それと」
「え?まだ何か!?」
「俺昔は普通に見てたから気づかなかったんだけどさー……制服の上にエプロンていう組み合わせって、
 結構最強コンボじゃないかなぁ。特に今ならまだ」


 ――さて、どうやってその男のロマンとやらを回避しようか。
 今度こそあの上目遣いに負けるまいと決意して、温かな胸の上で寝たふりする事にした。


「終わり」
47名無しさん@ピンキー:2009/02/28(土) 03:58:15 ID:0/FiXgXY
いや〜んwwリアルタイムGJ!
48名無しさん@ピンキー:2009/02/28(土) 18:59:42 ID:FHCnW6wk
GJ!香子ちゃんかわいい
裸エプロンもいいが制服にエプロンもいいな
49名無しさん@ピンキー:2009/03/01(日) 09:55:32 ID:4m0R1jP6
>>46超GJ!!!!!
このカップル大好きだ〜

また続編待ってます
50名無しさん@ピンキー:2009/03/07(土) 12:09:44 ID:fCggHkMI
捕手
51名無しさん@ピンキー:2009/03/11(水) 00:05:16 ID:69RuxHzR
投手
52名無しさん@ピンキー:2009/03/11(水) 04:11:00 ID:6XO4yxVJ
鉄仮面と子猫、続編あったらまた読みたい
53名無しさん@ピンキー:2009/03/14(土) 22:11:49 ID:DFcIwcdl
大樹×穂波を書いている者です。
仲直り編で話題に出てきた夕菜の話を書きました。
エロないですが、保守がてら投下させて下さい。

5レスお借りします。
54名無しさん@ピンキー:2009/03/14(土) 22:12:26 ID:DFcIwcdl
「らんららんららーん」
倉元夕菜は楽しげな、というよりは投げやりな鼻歌を歌いながら自宅のドアを開けた。
「ただいま帰りました……っと」
返事がないのは分かっているけれど、一応は帰宅を告げてみる。
「……」
案の定返事はなし。
返事がないどころかキッチンの電気まで消されている。
「ふーざけんなっつうの」
夕菜はキッチンの電気をつけると、ハンドバッグをテーブルの上に置き、脱いだコートを椅子の背もたれにかけた。
流しの方を見ると、食器は洗われて水切りかごの中に入れられている。
普段は食べ終わると皿をそのままテーブルに置いて、部屋に戻ってしまう夫のことだから
片づけなんてしていないかと思っていたが、一人なら自分のものを洗うというくらいの配慮はあるらしい。
夕菜は手を洗いながら、初めて夫の部屋に行った時のことを思い出していた。
あの時はいつから洗っていないのか分からないような食器や鍋が流しに山積みになっていた。
ゴミ箱にはコンビニ弁当の空きパックの山。
憧れていた相手ではあったけれど、その光景を見てから憧れはどこかに消え、
代わりに生まれ持った世話焼き根性が顔を出した。
それからしばらく彼の家へ通い、家事をするうちに半同棲生活になり、結婚に至ったのだが、
結婚してからも生活はほとんど変わらず、一年経たないうちに冷めた夫婦になってしまった。
「何がいけないんですかねえ」
食器を拭きながら呟いてみる。
自分の努力が足りないのだろうか?
いや、自分は仕事をしながら家事もちゃんとやっている。
バリバリのキャリアウーマンではないかもしれないけれど、たいていは定時に上がれる仕事だけれど、
結婚しました、はい辞めます、と簡単に言えるようなポジションではない。
「何が悪いのよ……」
夕菜は苛立って食器を乱暴に食器棚に戻した。
今日は高校のクラス会があった。
友人のほとんどは自分と同じように結婚して、子供がいたり、子供がいなくても楽しい生活を送っているようだった。
結婚していない友人たちは、今は恋愛より仕事が一番だ、と口をそろえて言っていた。
こんなつまらない日々を送っているのは自分だけのような気がして、最近では気にならなくなっていたことが
今日はやけに夕菜を苛立たせる。
いつも考えないようにしていることが繰り返し頭をよぎり、夕菜は思わずそれを口に出してしまった。
「やっぱり、前の奥さんが忘れられないのかな」
55名無しさん@ピンキー:2009/03/14(土) 22:13:06 ID:DFcIwcdl
ポロリと涙がこぼれた。
夫は前の結婚相手と死別している。
とても仲の良い夫婦だったらしい。
それなのに、今の自分たちときたらほぼ赤の他人だ。
結婚する前の方がまだ仲が良かった。
「うう〜……うっ……うくっ……」
クラス会は楽しかったし、泣くのは自分の主義に反するけれど、一度泣き出してしまうと涙というやつは止まってくれない。
夕菜は諦めて、納得するまで泣くことにしたのだったが、今日は思い切り泣いてやろうと思ったところで、
「どうした!」
とキッチンのドアが開いた。
「はい?」
ドアの方を向くと、いつもどこかだるそうに眉間にしわを寄せている夫が目を見開いてこっちにやってきた。
「……何があった?」
「……ふぇ……別に、特に……」
「何もないのに泣く人間がいるか。
 どうした?クラス会で意地悪でもされたのか?」
夫は優しく肩に手を置いてそう言ってくれたのだけれど、あまりに見当違いな発言に夕菜は思わず吹き出してしまった。
夫の眉間にしわが寄り、見慣れた顔になった。
「何故笑うんだ。帰ってきたのに、いつまでも部屋に来ないからどうしたのかと思えば泣いている。
 君が泣くなんてよっぽどのことだろう?
 それなのに、僕が聞いたら笑うとは……」
夕菜はティッシュで涙を拭い、鼻をかむと、
「ごめんなさい。
 ……心配してくれてありがとう」
と言った。
冷めていると思っていたけれど、自分が泣けば夫は飛んで来てくれるらしい。
「もういいの」
夕菜は首を横に振り、夫の胸に額を寄せてみた。
少しは抱きしめてもらえるかと思って。
56名無しさん@ピンキー:2009/03/14(土) 22:13:58 ID:DFcIwcdl
しかし、夫は夕菜の両肩を掴んで自分から引き離すと、
「良くないのだが」
と眉間のしわをさらに深くした。
「君がなぜ泣いていたのか分からないと、大変に不愉快だ。
 原因はなんだ?クラス会か?仕事か?……それとも僕か」
なんだか以前に聞いたような言い回しだ。
そう言えば、自分からプロポーズした時に、
『どうも君は本気で言っているらしいが、一回りも離れた僕にそんなことを言う目的はなんだ?
 財産か?生活の安定か?…………それとも、僕か』
と聞かれた。
それを思い出してまた吹き出すと、
「なんなんだ、今日の君は」
と怒られてしまった。
あまり話したい内容でもなかったけれど、話さないと彼は納得してくれそうになかったから、
夕菜はしわの寄った夫の眉間を人差し指で撫でながら、
「私ね、隆二さんに愛されてないかと思ってたの」
夫の表情が、不愉快極まりない発言だ、と告げている。
「でもね、私が泣いたら隆二さんが来てくれて、心配してくれたから、もうそれで満足しちゃった」
「何を基準に愛されてないと」
「だって、会話もエッチも少ないじゃない」
「君はセックスで愛を量るのか」
この言葉に今度はこちらが不愉快な発言だ、と眉間にしわを寄せたくなった。
「そうじゃないけど、月に一回か二回だし、明らかに排卵日狙ってるし、
 前戯短いし、じゃあ私がって何かしようとすると、しなくていいって言うでしょう?
 エッチだけが愛じゃないけど、そんな作業みたいなエッチ、私は嫌ですー」
今まで言いたくても言えずにいたことを一気に言うと、かなり胸がすっきりした。
「別に電話してる最中にまで触って、って隆二さんに言うつもりはないけど、
 もう少し楽しいエッチしたってばちは当たらないと」
調子に乗ってそこまで言ったところで、夫が咳払いをした。
57名無しさん@ピンキー:2009/03/14(土) 22:14:37 ID:DFcIwcdl
「なに?」
「君がだな……嫌だと言ったんだぞ」
「なにを?」
「おじさんくさいねっとりしたセックスは嫌だ、と」
「……そうだっけ?」
そんなことを言った記憶はまるでない。
そもそも夫にそんな風に扱われた記憶がない。
が、夫がこれだけきっぱりと言うところを見ると、言ったことがあるのだろう。
「そうだ。僕はおじさんなので、どうしてもそうなってしまうから控えていたのに、
 控えていたら今度は愛を感じないというのはどういう了見かな?」
夫の眉間を弄っていた手を掴まれた。
怒っている訳ではないらしい。
むしろ口元にうっすらと笑みを浮かべている。
なんだか嫌な予感がしてきた。
嫌な予感がしてきたのに、いい言い訳を思いつかない。
むしろ、この笑みに対する自分の予測が正しいなら、夫はもしかしたら色々してくれるかもしれない、
と期待さえしてしまった。
「ええと……でも、もう私もおばさんの域だからいいかな、と」
「おばさんはやめなさい。君がおばさんなら僕はおじいさんになってしまう」
「いや、まだおじいさんていうほど」
「そうだな。枯れていない」
夫はにやりとやらしく笑った。
こんな表情の夫は初めて見る。
そんな夫に対してなのか、夫が言うところのねっとりしたものに対してなのか分からなかったけれど、
夕菜の鼓動は明らかに早くなってきていた。
「話はもっとするようにしよう。
 僕はあまり話をするのが得意ではないけれど、何かあれば話すから、夕菜もなんでも話すといい」
夕菜が頷くと、頭にぽんと手を乗せられた。
「まだ先は長いんだ。ゆっくりと夫婦になっていけばいいだろう?」
さっきとは違う意味で涙が出てきて、目をこすると、夫が笑った。
58名無しさん@ピンキー:2009/03/14(土) 22:14:58 ID:DFcIwcdl
「君は意外と泣き虫だな」
「今日はたまたま。隆二さんが優しいんだもん」
「この後も優しくするとは限らない」
顔を上げて夫の顔を見ると彼はわざとらしく肩をすくめて見せた。
「……そんなこと言われると期待しちゃうんですけど」
「……君は意外とスケベだったんだな」
「スケベなんじゃなくて、隆二さんと触れ合いたいだけ」
「物は言いようと」
「隆二さん、照れてる?」
「そんなことはない」
夫は目を逸らして、また咳払いをした。
やはり少し照れているらしい。
夫とこういうやり取りをしたこと自体、初めてかもしれない。
初めて同じベッドに入った時はそういう雰囲気があったから、その流れに乗っていて、大した会話はなかった。
その後もどちらかが身体を寄せてそのままそういう流れになった。
久しぶりのまともな会話がこれだから、照れるのも無理はないかもしれない。
自分だってなんだか今までに感じたことのない高揚感を感じている。
このままでは寝室に行くきっかけを掴めそうにない、と思っていたところで夕菜は友人の惚気話を思い出した。
「ねえ、そうだ。シャワー浴びよう?
 背中流してあげる」
「それはまた急な話だな」
「友達の惚気話聞いてね、私も隆二さんにしてあげたい、って思ってたの」
「……じゃあお願いしようか」
「まかせてよ」
夕菜はぐっとこぶしを作って久しぶりに取っておきの笑顔を夫に見せると、彼の手を引いてバスルームへと足を向けた。

(了)
59名無しさん@ピンキー:2009/03/14(土) 22:50:42 ID:PM7cLMCQ
……大きい旦那様と小さい奥様書いてた者ですが…
超GJです!!隆二さんが好きです。何か格好いいぞ
夕菜さんの
「そんなこと言われると期待しちゃうんですけど」
隆二さんの
「君は意外とスケベだったんだな」
……めっさ萌えました。
60名無しさん@ピンキー:2009/03/15(日) 05:33:45 ID:heJXhrtY
またもや我々の前にGJ夫婦が誕生とは!
ありがたやありがたや〜
61名無しさん@ピンキー:2009/03/15(日) 10:38:00 ID:dQ4+CW3T
なんだこの可愛い夫婦は!!!
無愛想に見えて、ちゃんと奥さんを気にしてるあたりがもう!!
おじさんくさいねっとりしたセックスしちゃえばいいよ!!

ああもう、この後の風呂場でいちゃいちゃはまだか!!!
62名無しさん@ピンキー:2009/03/15(日) 10:54:16 ID:NxRiYqI5
なんというGJ!!
GJとしか言葉が出てこない!!
63名無しさん@ピンキー:2009/03/20(金) 00:29:04 ID:67j7x+Bp
hosyuage
64名無しさん@ピンキー:2009/03/24(火) 09:18:18 ID:ej7y4JIo
規制解除記念保守
65名無しさん@ピンキー:2009/03/26(木) 23:19:07 ID:JPNpghcd
鉄仮面と子猫カモーン\(^O^)/
66名無しさん@ピンキー:2009/03/27(金) 12:29:34 ID:R+tIDAbc
お歯黒は
妻を醜くして、浮気させない為
67名無しさん@ピンキー:2009/03/28(土) 00:08:59 ID:IZD6Ts8M
捕手と投手
68妻へ:2009/04/02(木) 20:48:36 ID:viX3jeva
はじめて君に出会ったとき、その表情をまじまじと見た。
ああ、この人のこれまでの人生は、長く、暗く、
そして笑ったことなどなかったんだろうなあ…。そんな印象だった。
その時、どうやら君は自らいのちを絶つことを考えていたんだね。
そんな悲しい悲しい時期に、僕と君は出会ったんだ。

ふたりだけの、幸運な世界と時間が目の前に広がった。

ボクは君を笑わせることに、しがない人生を賭けた。
遊園地にデートに行った。君は遊園地なんて初めてだったんだね。
夕焼けの観覧車から眺めた海の光景は一生忘れない。
その時君はいった
「あたしは昔は夕焼けが好きじゃなかった。だって暗く嫌な夜が来るんですもの。
でもね。今はへーき。好きな人ができたから。また明日が来るって思えるの」

初めての夜。
ボクは君を抱いた。なにもかも引き裂くように君の中に入った。
うれしいとほほ笑んだ君の顔を見て、僕は泣きそうになった。
君の壊れそうで神々しいまでに綺麗な裸体。世界にひとつのかけがえのないもの。
69妻へ:2009/04/02(木) 20:49:17 ID:viX3jeva
そうして幸福な時間はいつまでもいつまでも続くように思われた。
海ではしゃいだり、いっしょにご飯を作ったり、さわりっこしたり
お金なんかじゃない、ささやかながら本当の幸せをみつけたんだ。

でも

ボクは君の病気のことを知った。ああ、君にも分かってしまったんだ。
決して助からない心臓の病。
ボクは君より先に死なない。君を笑顔で最後まで看取ってやる。約束する。
こんな悲しい指きりが世界のほかのどこにあると言うのだ!

君はあの晩、病室でいつものようにやわらかいおやすみのキスをしてくれた。
しかし、朝 もう君が目覚めることはなかった。
安らかに 苦しんだり怖がったりすることなく…。
今日はもっと朝寝坊してもいいよ。病室のざわめきをよそにそっと耳元でささやいた。
70妻へ:2009/04/02(木) 20:51:08 ID:viX3jeva
数日後、君が死の前に必死に書き綴っていた日記を見つけてしまった
彼女も、同じ境遇であと2,3年のうちに病魔に負けてしまうであろう、
僕に宛てたものだった  君を喪って 孤独で 死にそうな僕に


○○○(僕の名)・・・

もしも あなたの 人生がこの先
痛くて 苦しくて 
ひとりぼっちだったとしても
こわくはありません
だいじょうぶです。

あたしが かならず
ここで 待っています
どんなことになっても
あなたの○○○(彼女の名)が
ここで待っています

「おかえりなさい」って 言います

だから
だいじょうぶです。
71名無しさん@ピンキー:2009/04/02(木) 21:02:35 ID:b985aRZp
ふぅん、なかなか陳腐なというかベタな話だな。元ネタは半分の月……あたりかね?









あれ、目蓋の過剰塩分排出機構が誤作動を……
72名無しさん@ピンキー:2009/04/03(金) 17:47:44 ID:zir+v0i9
悲しいよ
73名無しさん@ピンキー:2009/04/03(金) 18:44:23 ID:V92wnBmT
ai-renはおもしろいよね
74名無しさん@ピンキー:2009/04/06(月) 06:23:28 ID:1WuvN6FV
鉄仮面に期待age
75名無しさん@ピンキー:2009/04/08(水) 05:12:03 ID:tt/3sLEr
ほしゅ
76名無しさん@ピンキー:2009/04/09(木) 22:21:31 ID:sWI90FSc
大樹×穂波で保守ネタ書きました。

2レスお借りします。
77大樹×穂波(保守ネタ):2009/04/09(木) 22:22:39 ID:sWI90FSc
食事の準備は私の仕事。
食後のお皿洗いは大樹の仕事。
これは結婚することになる前から、何となく決まってた。
大樹は私のうちに食べにくると、飯のお礼、っていつもお皿を洗ってくれてたから。
で、今日もお皿洗いを大樹に任せて、私は楽しく食後のビールと映画鑑賞。
やっぱりハリウッドはいいね。
分かりやすい。
分かりやすい割に、見るたんびにドキドキさせてくれるから、どの映画を見ても飽きない。
見てたことのある作品だったとしても、ついつい見ちゃう。
今日はもう何度目になるか分からない、なかなか死なないおじさん第二弾。
いっつも血まみれになるくせに、どうやっても死なないんだよね、この人。
もう、なかなか死なない、っていうレベルを通り越してる。
やっぱりニの頃はまだ髪の毛があったな……。
とか思っていたら、大樹に呼ばれた。
「穂波ー、ちょっと来て」
「えー」
とは言ったけど、まだ話は序盤だから、まあいいか。
ビールをテーブルに置いて、流しに行くと、
「袖、落ちてきたからまくって」
と言われた。
横から覗き込むと、Tシャツの左の袖が手首まで落ちてきちゃってる。
あー、嫌だよね、手が濡れてる時に袖が落ちてきちゃうのって。
「はいはい」
って大樹の腕に手を伸ばしかけたんだけど、そこで私はいたずらを思いついた。
私が、大樹の後ろに回ると、大樹は、
「なんだよ、穂波、ちゃんとまくれよ」
と首をこっちに廻してきた。
78大樹×穂波(保守ネタ):2009/04/09(木) 22:23:01 ID:sWI90FSc
「ふっふー。今、まくって……あーげーるっ!」
私はそう言いながら、後ろから大樹に思いっきり抱きついて、大樹の左の手首をつかんだ。
「うおっ!」
「わーい。びっくりした?」
大樹の後ろから右手を伸ばして袖をまくりながら、大樹の肩にほっぺたを擦り付けると、
「……そりゃな、いきなりその乳を押しつけられたらびっくりするだろ?ふつう」
「ふっふー。どうだ!」
両手で大樹のお腹に抱きついて、更にぐいぐいっと胸を押し付けると、大樹がまた、うおっと背中を反らした。
「お前なぁ……。十一時までテレビの前から離れる気ないくせに挑発すんなよ」
大樹がお尻で私のお腹を押してきた。
確かにちょっと悩む。
まあ、でも、今日はいいかな。
この映画、しょっちゅう再放送されるし。
……今週は一回もエッチしてないし。
「大樹は十一時までしなくていいの?」
ちょっと背伸びして首にキスすると、大樹がぞくっと肩を震わせた。
私だってやられてばっかりじゃないもんね。
「穂波……もしかして、誘ってる?」
「大樹がしなくていいなら、私、またテレビ見るけど」
ちょっととぼけてみると、大樹が手にしていたスポンジをわしゃわしゃわしゃっと握り締めた。
大樹の右手があっという間に泡に隠れる。
「おっまえなぁ、こんだけ乳を押し付けといて、俺のムスコが黙ってる訳ないだろ!」
大樹がこっちを向こうとしたけど、私は大樹に抱きついたまま、
「大樹のムスコさん、もう元気になっちゃったの?」
って聞いてみた。
ホントはここで大樹のズボンに触ってみたりとかしてみたいんだけど、そこまでする度胸はないんだよね……。
代わりにもう一度、ほっぺたを肩に擦り付けると、
「まだだけど!」
と、ぶっきらぼうに言い放たれてしまった。
「なんだ、そっか」
私のおっぱいの効力も落ちたか、と思って大樹から腕を解くと、大樹が手だけの流しの上に残して、
ぐるりとこっちを向いて、ちょっと引きつった笑顔で、
「まだだけど、テレビはここで終了だからな」
と言ってきた。
なんでだか大樹は少し不本意みたいだけど、私は嬉しくてしょうがない。
大樹が私のお誘いに乗ってくれたっていうことがすごく嬉しい。
だから私は多分、満面の笑みで、
「はいっ!」
って答えて、大樹のほっぺたにキスをした。

(了)
79名無しさん@ピンキー:2009/04/09(木) 22:57:58 ID:CECQJteb
超GJ!!!!!

二人ともかわいすぎる……
80名無しさん@ピンキー:2009/04/10(金) 12:54:37 ID:xatp6IR8
GJ!!かわいいなあもう
81名無しさん@ピンキー:2009/04/10(金) 18:03:59 ID:g/e6le7K
GJ!
ナイス保守
82名無しさん@ピンキー:2009/04/11(土) 05:16:15 ID:bGDUPtQf
初めて投下します。
内容的にはザッツ嫁馬鹿としかいいようのない代物です
83考える男:2009/04/11(土) 05:18:24 ID:bGDUPtQf

姫野徳馬<ひめのとくま>28歳は事あるごとに”それ”をぐるぐると考えていた

嫁が可愛い。

新婚ほやほやで頭がわいているのはまぁ仕方ないのだろうが
本気で彼は毎日毎日そればっかりを考えていた。



「……どうかしましたか?」
背中にじっとりと視線を感じたのか、流しで夕食の洗い物をしていた
件の新妻・萌莉<もり>が手を止めて訝しげに振り返った。
「あ…いや…別に……」
不埒な視線を誤魔化した徳馬がビールを煽っているのを見て、
萌莉は不思議そうに首を傾げてまた洗い物に戻る。
妻が洗い物に戻るのを横目で確認して徳馬は缶を口から離した。
350ml缶は煽る前からとっくの昔に空だ。

流しに立つ妻の後姿が、
動きに合わせてゆらゆらと揺れるポニーテールが
そのうなじのおくれ毛が、パンツ越しでもわかるぷりんと張った可愛い尻が
少しでも視界に入ると、徳馬は目が離せなくなりずっと眼で追ってしまい
自分を叱責したくなる位に、その影響は如実に下半身に反映してしまう

『俺は中学生か…』
思わず溜息をついてしまう程、姫野徳馬はこの妻にハマりこんでいた。
84考える男:2009/04/11(土) 05:20:51 ID:bGDUPtQf
彼女は完璧だ


顔は街を歩けば男なら誰しも振り返る程の美人だし、
150cしか無い小柄な体でも少女然としている訳ではなく
出る処は出て締まる処は締まっている
ほんの半年前までは大学で体操選手として鍛えていただけに無駄な肉は無い

性格も温和で、やさしくてぽやんとしていて、癒し系であり
加えて言うならば、年齢も大学卒業したての22歳であり
自分と結婚するまでは処女だった
まさに男の願望を全て叶えたような理想のお嫁さんである

それに対して、徳馬のウリと言えるものといえば

小山のようだといわれる長身のカラダ位で
どちらかといえば整っていると分類される面立ちではあるが、
友人に言わせれば”悪役商会に5回位スカウトされそう”という
凶悪な目つきは、彼と女性の縁を遠ざける大きな要因であった。

そんな完璧な彼女が、何故大学を出てすぐにお見合いしたのか
何でその相手がよりにもよって俺だったのか

とてつもない幸運なんだろうと考えてはいたが
結婚して2か月経った今でも徳馬にはその二つが謎で仕方がなかった

85考える男:2009/04/11(土) 05:23:10 ID:bGDUPtQf

「もーりー?早く終わらせないと、先に見るぞ」
「ええっ!あ、今終わりしたからもうちょっとだけ待って下さい!」
ソファに腰かけたままケースをチラつかせれば、
急いで洗い物を終わらせた萌莉がパタパタとスリッパの音をさせて小走りでやってきた。

夕食後は週末と言わず、平日にもDVDをレンタルして見るのが結婚してからの二人の習慣だ

「お待たせしました♪さ、見ましょう!」
先ほどまじまじと見つめていた小さな背中が腕の中にすっぽり収まる。
150cmの彼女の人間座椅子
彼女はとても小柄だから徳馬の体の前に座っても視界を遮らない
このリビングで、映画を見る時の彼女の特等席である

こうして何気ない時に妻が体を預けてくるこの時が、結婚しての一番の至福であった。


「ふぉあっ!」
変な悲鳴をあげて、びくっと小さな体が跳ねる
画面の中ではヒロインの友人が、ゾンビらしきものに追い立てられており
今しがたは、安全地帯に逃げ込んだと思ったら先回りされていたというお約束が映し出されていた
『……似たようなパターンでよくもまぁ飽きないなぁ』
先週借りてきたゾンビ映画も同じようなシーンがあったような気がするが
萌莉は製作者の意図するままに、そういったシーンが映される度に身体をびくびくさせていた

彼女は、ホラー映画…とりわけ海外の物が大好きで特にゾンビ映画を好んでよく見ていた
徳馬は特に好きでも嫌いでもないが、ホラー映画だろうと何だろうと特にこだわりはなかったので
ゾンビ映画はどれも大概同じに見えていた、が、あえてそれを突っ込む事はしなかった

前に「13日の金曜日だ」と言って「テキサス・チェーンソー」を借りてきてしまった際、
『大男がエモノもってカップル追い回すホラー映画だから一緒だ』と弁明したら
萌莉にその違いを延々1時間近く説明された事があったからだ


それにもう一つ
比重的にはこちらの理由が大きいが…
86考える男:2009/04/11(土) 05:25:57 ID:bGDUPtQf
「ひああああっ!」

また大きな声をあげて萌莉が徳馬の二の腕にぎゅっとしがみ付く
怖がりの癖にホラー映画を見るのが好きなので驚かされるシーンが来るたびに
こうやって徳馬の腕にかじりついてくる
しかもジャパニーズホラーのような、じわじわと恐怖が忍び寄ってくるシーンがある場合など
うるうるとした子猫のような眼で徳馬を見上げて
「怖いからぎゅうぅっとしててくださいね」といって縋りついてくるのだ

男として、最高に萌えるシチュエーションだ
これが徳馬が黙って萌莉とホラー映画を見る最大の要因だ

それに変な声をあげて、小柄な体が腕の中でびくんと動くたびに
映画を見て怖がっているのがわかっていても、
意識は違う方向へ、目の前のプラズマの液晶画面から隣の寝室へともっていかれるのだ
『恐怖が後をひいてるのか、ベッドの中でもぎゅっと縋りついてくるんだよなぁ…』
実際ホラー映画を見た夜は、いろいろと盛り上がるのだ


「…とくまさん?見ないんですか、えーが…」

色々とやましい事を考えていたら少し上の空になっていたらしく、はっと気がついたら何故か少し目元を赤くした萌莉が徳馬を見上げてた。
「いや、見てたぞ。ちゃんと」
「…………嘘ばっかり…」
しらを切れば、腕の中の妻はもぞもぞと居心地が悪そうに少し徳馬の体から離れようとする
折角上半身が嘘をついても、正直な下半身が萌莉の尻に当たっていたのでわかったらしい
「………悪い、萌莉…」
そんな妻が恥ずかしげに逃げる様が可愛くて、徳馬はぎゅっと抱きしめて肩口に顔を埋める
妻の匂いに、仕草に、どうにも映画が終わるまで持ちそうもない
ぎゅっと抱きしめる腕に力を入れれば、
不穏な気配を察したのか胸の中に収まる体が少し硬くなった

「なぁ……今いいか?」
「…っ!っヤ…やです!これ新作だから延滞したらお金高いし…ダメです!」
目の前で繰り広げられる惨劇の続きが気になるのか、
いやいやと腕から逃れようとするが如何せん体格が違いすぎて功を成さない。

萌莉が明確に拒絶出来ない間に、パジャマのボタンが外され不埒な手が忍び込む
「あ、やぁ…!胸ヤっ」
小柄な体格に合わせたように少し控え目な乳房を、掌が覆うように優しく包み込む。
大柄な体格に合わせたような大きな手が、器用に小さな赤い果実を擽れば先ほどのように体をびくりと強張らせた。
「まだ今週一回しかしてないだろ?俺はもっと萌莉に触れたい」
「一回”も”したんです!……だって…まだ火…曜日!」
「新婚だから毎日でもいいだろ」
「あんな事…毎日なんてしたら私恥ずかしくて死んじゃいます!」

耳まで真っ赤にして恥じらう新妻の初々しさとエロさに、
徳馬の嫁限定中学生並の下半身が耐えられる筈もなく
お姫様だっこのような俵抱きのような強引さで結局合意を得る前に寝室に直行する事となる。


ちなみにここ数週間、借りてきたDVDはどれも最後まで見れた事はなかったりした。
87考える男:2009/04/11(土) 05:28:48 ID:bGDUPtQf
「あっ…やぁっ!あっあっ」
ギシギシという軋むベッドの音と共に萌莉の嬌声があがる。
小さな腰を掴んで思いの丈を捻じ込めば、ぽろぽろと涙を零して背を仰け反らせた。
「萌莉…気持ちいい?」
銜え込んでギチギチになった所の少し上の尖りを
打ち付けるリズムとは関係なく擦りあげると内壁が急激に絞り上げるように蠢く
「はっ…イイのっ…気持ち…イ…あぁっ」
中学生並が勃ちの良さだけでよかったと本当に思う。
反応まで中学生並だったら挿れた途端に果てていただろう。

ベッドに縫いとめられている妻が、身も世もなく喘ぐ

圧倒的に自分よりも小さな体の女が、身の下で身悶えている
大きく足を割り開かれて、醜い肉の楔を飲み込んで
どちらのものともしれない体液に塗れて、己の与える快楽に酔いしれている

「ねぇ…もっイ…くまさん、私…イッちゃうのっ」
舌ったらずな声で、絶頂を願う声が徳馬を煽る。

萌莉は何故か快楽に浮かされ始めると、徳馬の事を”くまさん”と呼ぶ。
普段”徳馬さん”と呼ぶ彼女が何故”と”を抜いてしまうのかわからないが、
とにかく快楽に浮かされて我を忘れ始めるとそう呼ぶのだ。

その事に気づいたのは3度目のSEXの時で、前触れもなくそう呼ばれて死ぬ程驚いた。
『何で”くま”なんだ』とも思ったのもあるが、
くまさんとか言ってしまうような少女にイケない事を強いている自分、というのが俯瞰で見えた気がしたのだ。
結婚してから二か月経ってさすがに慣れた、さらに今ではそれはそれで萌えるようになってしまった。
”くまさん”と呼ばれると、パブロフの犬のように己も射精を促され尾てい骨の下からジワンとした痺れが呼び起される。
『ロリコンの気はなかった筈なんだが』
欲情の熱にとろかされながらも頭の片隅でそんな事を考える。
ジュブジュブと泡立つような音を立てながら、さらにきつくなったそこの締め付けに逆らって
膣の最奥まで肉欲を注ぎ込むように腰を叩きつけた。
「くまさん…くまさっ…イクの…イク、イっちゃうっ!!!」
「萌莉…!も…りっ!!!!!くっ!」
肉の先に何か硬い物が触れたと感じた瞬間、そこで滾りが爆ぜる。
びゅるっと波打つようにその先まで放出される白い熱に、
萌莉の意識は恍惚の先の絶頂まで押し上げられた。

88考える男:2009/04/11(土) 05:33:21 ID:bGDUPtQf
「なぁ?何でくまんだ?」
「えっ?…な…何かですか?」
後始末に萌莉の体を清めている時に、不意にそう尋ねたら心底驚いたように顔をあげた。

「いや…なんかよく俺の事”くまさん”て呼ぶだろ?何で?」
「え!私そんな事言ってないですよ!」
本当に無自覚だったらしく、熱が去った筈の顔にどんどんと赤みが挿す。
顔を覆って必死に否定する様が、とても恥ずかしそうなので意地悪してみる事にした。
「言ってるって、イキそうな時にバッチリと。何なら今度録音して…」
「っやああああ!録音はダメです!録音は!」
赤い顔してぽかぽかと徳馬の胸を叩いて拒絶する萌莉の腕を苦笑いしながら受け止める。
「わかったわかった…で、何でくまなんだ?」
「えーと…」
改めて聞かれて、萌莉は所在なさげに目線を逸らしたと思うと、
そのまま急にシーツをめくるとぐるんと丸まった。
「も、萌莉?」
「とにかく…それは内緒なんです!」
シーツに丸まりながら、顔を真っ赤にして頬を膨らませる妻に、またドキュンと心臓を打ち抜かれた。

お見合い結婚してまだ二か月でお互いにまだ知らない事は多い。
聞きたい事は他にも色々と山ほどあった。
でもまだまだこれから二人で過ごす時間は長いのだ。
そんな事を今暴くよりも、とりあえず今目の前のこの可愛すぎる嫁をどうしてくれようか。
勃ちの良さだけでなく復活の早さも中学生並になったようだ。

「萌莉…そんな事言うようだったら、実力行使だなぁ」
「え…やっ…徳馬さんの目、怖いですよ?やっ…やあああああ!」




姫野徳馬は事あるごとに”それ”をぐるぐると考えていた

嫁が可愛い。

新婚ほやほやで頭がわいているのはまぁ仕方ないのだろうが
本気で彼は毎日毎日そればっかりを考えていた。

そして今夜もまた、やっぱり嫁は可愛いと再確認するのであった。
<終わってしまえ>
89名無しさん@ピンキー:2009/04/11(土) 05:43:50 ID:bGDUPtQf
普段絵描きなのでエロい文章というものをあんまし書いた事がなかったので
そういうシーンの表現が非常にヌルかったと思いますが、
初心者という事で目を瞑っていただければ…

話の端々に色々ネタ振りをちりばめたので、そこら辺を解決する
今書いてる嫁サイドの旦那バカ話を近々ウプれたらと思っております

お目汚し失礼しました
90名無しさん@ピンキー:2009/04/11(土) 08:31:15 ID:sl+BI8TA
何という森のくまさんww

GJ!いやあ可愛いなあ、もう
91名無しさん@ピンキー:2009/04/12(日) 21:03:19 ID:PbN7C2+t
圧縮回避
92名無しさん@ピンキー:2009/04/13(月) 00:07:04 ID:38hHIRis
>>89
くまさん秘話、待ってるよ。

全裸で。
93名無しさん@ピンキー:2009/04/13(月) 12:29:16 ID:aWCXJoea
俺も全裸で
94名無しさん@ピンキー:2009/04/15(水) 20:39:32 ID:dQCmt555
保守
95名無しさん@ピンキー:2009/04/16(木) 11:18:24 ID:MZiRhVOE
全開で…保守
96名無しさん@ピンキー:2009/04/17(金) 19:11:34 ID:2PAnxsFi
保守
97名無しさん@ピンキー:2009/04/18(土) 19:04:17 ID:QyCn4W6i
保守
98名無しさん@ピンキー:2009/04/20(月) 22:22:25 ID:iDkz1IAB
全裸で保守
99名無しさん@ピンキー:2009/04/24(金) 09:16:41 ID:c0ZYeETi
久々に鉄仮面が見たい保守
100名無しさん@ピンキー:2009/04/25(土) 13:29:57 ID:wN/ONFLV
じゃあ、ほなみ見たい保守
101名無しさん@ピンキー:2009/04/25(土) 21:03:32 ID:eK4bss7W
保守ネタ




「ちょっと、孝司、いつまで寝てるのよ!会社に遅刻するわよ!」
朝の7時半、子供達を幼稚園バスに乗せ、お見送り
した後、朝子は未だに眠り続ける夫を起こしに来た。
夫婦の寝室に入ると半壊した青い猫型ロボットが床に転がっている。
「んん〜あと5時間〜」
「ふざけんなぁ!とっとと起きろ」
朝子は胸ぐらを掴んでガクン、ガクンと揺らした。
「ぐるじぃ〜……ん〜朝子さん、じゃあ、おはようのキスして」
「……ぴ、お前」
寝ぼけ眼でん〜と唇を突き出す夫に朝子は凄味をきかせて言った。
そして胸ぐらから手を離し、踵を返して寝室から出て行こうとすると
「お願いします。おはようのキス〜」
足に縋り付く、愛撫をねだる猫のような夫。
「わーかった、わかったから……んッ……はいコレでいいでしょ?」
朝子が軽くキスをした途端、夫の目が輝き、同時にアソコも元気になった。
「朝子さん、大好き!ついでに朝勃ちも沈めて」
「わッ!?や、やめ…こら!」

「あん、もっと…もっと…もっと突いて」
ベッドに放り投げられ、後はなすがまま。剥かれて突かれて、なし崩し。
「はぁはぁ…最高だよ朝子さんのエプロン姿、マジエロいよ」
ズンズンズンッ年下の夫は今日も元気だ。
「あ…ああっ…こ、こんなにしてたら…んんッ…三人目なんてすぐ…ああイクッ!」


「おい、おーい、明子…明子」
「はぁ〜い…むにぃ…なぁんでしゅかぁ……りゅういちさぁん?」
ネクタイを締めながら、龍一は寝室の妻を必死で揺さぶる。
「い、いや…あのさ、もう朝だから」
「……今日は日曜日でしゅよォ〜…せっかちさぁん」
「……今日、月曜だから…ゴミ出して来たから。港に行くから。」
「あはっ、りゅーちゃんたらぁ……うそばっかり。もうだまされましぇんよ」
「……アキ、これ。今日は月曜だから。」
夫はデジタル時計を見せた。
「……………」
102名無しさん@ピンキー:2009/04/25(土) 21:04:48 ID:eK4bss7W

「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいいいいィ!龍一さん、ごめんなさいい」
完全にパニックになって、キッチンで右往左往。冷蔵庫を開けて冷凍マグロやら
蟹やらを出して、再びしまう妻を見ながら龍一は冷静に食パンをトースターに
差し込み、お湯を沸かしていた。
「いや…あの…明子」
「目玉焼き!サラダ!コーンスープ!コーヒーの材料がありません!盗まれたみたい!
どうしよおお龍一さあああん!」
眼をうるうるさせながら明子は龍一に縋った。
「……その…材料…使って…僕が作ったんだけど……食べる?」
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいいいいィ!龍一さんに朝ご飯作らせる
なんて!妻失格です!」
「いやいいんだけど……その…あと…一つ言ってもいい?」
「はい、まだ何か足りませんか、旦那様!?」
「………服」
「ふく……ですか」
「……アキ、服……着て…くれないと…は、裸にエプロンとスリッパは…その」
恥ずかしげに眼をそらす龍一に明子は己の姿を見た。
確かに昨夜は盛んに愛し合った為、服は着ていない。
「あっ…きゃ、ごめんなさい。わ、私ったら…もうイヤ…ごめんなさい。すぐ着てきます」
そういって明子は寝室に向かおうとした。しかしそれは致命的な行為だった。
龍一にお尻を向けてはいけない。何故なら―――――
むぎゅ……背後から尻肉を鷲掴みにされ、明子は飛び上がった。
「ひゃあん!りゅ、りゅういちさ―――」
「アキのお尻…我慢できない。ああ…この柔らかさ…あと15分ある。
アキ、テーブルに手を突いて……僕の愚息を沈めてくれ」
「………は、はい」

「はあん、はああっ、りゅ、龍一さああん」
「はぁはぁはあ…エプロン越しのオッパイも…ああ、アキ、アキ
最高だよ…で、出るよアキ、いっぱい搾ってくれ!」
「ああっ、りゅ、龍一さんの…んんうううっ…わ、私も…あっはああ!」

おまけ

朝…カーテンを開ける。
深夜アニメの録画を確認。
制服を着る前にお兄様と愛し合う。
制服を着てもう一度愛し合う。
両親は旅行中。冷蔵庫から牛乳パックを取り出し、
コップに注いで一気飲み。
食パンをくわえながら登校……でも
私にはお兄様がいるからパスするの。
後はコーンフレークバーを持って、鍵を持って行ってきます。

続かない。
103名無しさん@ピンキー:2009/04/25(土) 22:13:47 ID:gbawNgAv
これはひどい
良いぞもっとやれ
104名無しさん@ピンキー:2009/04/26(日) 07:12:25 ID:P3KQVnyv
これは良い保守w
105名無しさん@ピンキー:2009/04/26(日) 07:24:43 ID:HMpNfrqv
…ふぅ…ふぅ…ぬふぅ
保守って最高だな
106名無しさん@ピンキー:2009/04/28(火) 07:33:48 ID:INWIpT9z
正座で保守
 一緒に旅行なんて何年振りだろうか。
 とは言ってもいわゆる家族同伴の社員旅行だ。
 バスの通路を挟んだ反対側の席で子供をあやす友人夫婦を見て、夫のイチ――八神伊知朗(やがみ いちろう)
は妻の香子(かこ)に話し掛ける。
「大変そうだなぁ」
「そうだね。でも……」
「でも?」
「……早川さんが笑ってる……」
「おいおい」
 香子が驚くのも無理はない。
 夫婦喧嘩して家を飛び出した後迷子になり、ナンパされて絡まれてる所を彼に助けられた事がある。
 特に何をするでなく『俺の知人に何か用か』と軽く一睨みしただけなんだが――切れ長につり上がった
涼しげな目元と180センチの背丈はかなり迫力がある。
 昨年の秋に生まれた愛娘にぐずられ、あやし疲れた妻の愛永(まなえ)に替わって相手をしている
のだが、困った困ったと言いながらもその強面は見事に崩れていた。


 一行が宿泊先のホテルに着いたときには、早川家はぐっすり眠ってしまっていた。
「大丈夫ですか?」
「あ……うん。うるさかったでしょ?ごめんね」
 声を掛けて起こした香子に恥ずかしそうに言う愛永に
「大丈夫だろ?子供なんかみんなそこらではしゃいでたじゃん。カラオケやら何やらでそんなの気に
 なんかならなかったよ」
とイチも笑いながら声を掛ける。
「マナ、鍵貰ってきたから部屋で休もう」
 夫の早川が荷物を持つと、娘を抱いた妻を促した。
「うん。夕飯まで時間あるしそうしろよ。しかし美月(みつき)ちゃんもおっきくなったな」
「ああ、離乳食もよく食うんだよ。重くて適わん」
 とか言いつつ目尻の下がる早川をからかうイチを見て
「伊知朗君も大概でかいから、あの二人が並ぶと迫力あるよねぇ」
「はあ、確かに……」
と妻達は半ば笑いながらそのやり取りを見ていた。
108信じる者は愛される 2/10:2009/04/28(火) 14:40:07 ID:g5F4ZDQL
「疲れたろう?」
「ううん。観光なんて久しぶりだもん。明日も楽しみ!」
「そっかー元気だなぁお前。この辺が若いって所だよな」
 二つ並んだベッドの片方にどすんと倒れ込む。
「何よおじんくさ〜!まだ30前じゃん」
 夫のイチは春に高校を出たばかりの香子よりも10歳上である。
「でもさー“もう30”って言い方も出来るんだぞ?40なんてあっという間じゃん。今はいいけど
 その内腹も出るしハゲるかもしんないし……そしたらお前どうするよ?」
 ちょっと想像してみる。
「うーん……どうでもいい」
「あ?」
「っていうかわかんないよ。想像つかないもん。いいじゃない。お腹が出ても、ハゲたとしても、私は
 イチ君が大事な旦那さんなのは変わりないよ?」
「えっ……そ、そうなの?」
「うん」
 香子が自分を見上げて枕を抱くイチの側に座って微笑むと、彼はその頬にニヤニヤしながら手を伸ばして触れる。
「そっかー。お前俺に惚れてんな?」
「なっ!何を今更……」
「はいはい」
 頬にあった手を腕に回してぐい、と引き寄せると、簡単に香子の体はイチの上に倒れ込んだ。
「嬉しい事言ってくれるよな、お前。だから好き」
「な……?ば、バッカじゃな」
「バカで結構」
 ん、と耳まで真っ赤にして唇を突き出して顎をしゃくる。そんなイチのやる事を毎回
「子供かっ!?」
と言いながらもそれをはね退ける事が出来ず、ついそれを聞き入れてしまう。
 腕を伸ばして見下ろす体制になると、そのまま彼の顔に自分の顔を重ねる。
 軽く唇が触れた所でそれを離そうとすると、イチの舌が伸びてきてそれを追いかける。
「!」
 片腕で頭、もう片腕でがっちりと腰を抱かれ捕らえられると、イチからの深いキスからは逃れられなくなる。
 跨った形になった香子の体の下腹には、互いのジーンズ越しにも盛り上がってきたイチのそれがわかり、
それが慣れない場所での行為に余計に戸惑いを掻き立てて、震える腕で必死に体を支えて堪えていた。
109信じる者は愛される 3/10:2009/04/28(火) 14:47:28 ID:g5F4ZDQL
 頭の手が背中へ下りて腰の手はお尻を撫でる。その間に背中の手は今度は香子のTシャツを捲り、
ブラの線を指で伝った。
「も……もーだめっ!それ以上はだめっ!!」
 慌てて体を離して飛び跳ねイチの横へ転がる。
「おっと!……危ねえ、落ちるぞ?」
「イチ君のせいじゃん!」
 香子の腕を掴んで引き寄せると、今度は横向に抱き締めて寝転がる。
「やっぱりちょい狭いなー。ベッド慣れないからなぁ……寝れるかな?くっつきゃいいか」
「え?一緒に寝んのっ」
「嫌なのかよ」
 ぶんぶんと真っ赤な顔を振る香子の頭を撫でて、イチは嬉しそうに笑った。
「早川んとこはどうかな?あっちは普段ベッドなのに今日は和室だからな」
「そうだね。後でご飯は一緒に食べられるんだよね?」
 イチ達のように夫婦二人や独身者は洋室だが、早川夫妻のように小さい子供のいる家族連れは和室
のある館に部屋を取ってあったので、食事までは別行動になりそうだ。
「大分疲れてそうだったから休んでるんだろうな。風呂誘うつもりだったんだけどなー。香子も行くだろ?
 大浴場楽しみにしてたんだもんな」
「うん。でも愛永さん一応誘ってみる」
 携帯を掛けてみるとすぐ繋がったが
『あたしも行きたいんだけど美月まだ寝てんのよ。コージだけ行かせるから……』
との返事だった。
「下の売店で待ってて、だって」
「お、わかった。んじゃ行くか」
 一緒に着替えを持ち部屋を出て廊下を歩く。
「子連れ組は忙しいなぁ」
 そう言いながら周りの同僚達家族を眺め、時折小さく微笑むイチの横顔を香子は同じ様に微笑みながら眺める。
「イチ君も……早く赤ちゃん、欲しい?」
「ん?……うん。まあ、そのうちな」
 照れ臭そうに頭を掻いて顔を赤くする。
「そのうち、そういう時期がきたら……そしたら」
「……うん」

 賑やかな声がこだまするホールを後に、二人はエレベーターに乗り込んだ。
110信じる者は愛される 4/10:2009/04/28(火) 14:48:34 ID:g5F4ZDQL
「早川まだみたいだな。お前先に行けよ。女の風呂は長いからなー」
「悪かったですね!……じゃ、また後でね」
 香子は待ち合わせするイチを残し先にある大浴場へ向かう。

 社の人間以外の利用客も当然ながらいる筈なので、まだ早い時間だが割合脱衣所は混雑していた。
 適当に空いた箇所を見つけて荷物を置くと服を脱ぎかける。が、どこからか
「……でね、設計部の早川さんてさぁ……」
との声が耳に届いたのが気にかかり、その手を止め思わず振り返った。
 背後に位置したロッカー前に若い女子社員と思われる数人がたむろしていた。観光や昼食時に見掛けた
覚えのある面々だ。
 香子に背を向けた格好でいるが目の前には鏡がある。だが、何度か人が行き来しているせいで香子の
姿は途切れ途切れにしか映らないので向こうは全く気付いていない様子だった。
 立ち聞きなんて、と思いながらも気にせず居られるわけもなく、つい気付かれないように顔を背けて
その会話の内容を拾っていた。
「見た?あの無愛想な早川さんが目尻下げて子供あやしてんの」
「ねー。奥さんの前だとああも変わるのね。かなりの愛妻家だったんだー……意外!」
 付き合いの長い香子でさえそう思うのだから、彼女達が驚くのも当然だと言えるだろう。
 正直、人の噂話の類は苦手な質なので内心はハラハラしていたのだが、悪口ではなさそうなのでほっと
して服に手を掛けた。
 が、
「……でも愛妻家っちゃー八神さんもさあ……」
「あー、だよねー」
続いてきたその話題にまた手が止まる。
「早川さんもだけど、あの人も普段を知ってると何かさぁ……アレだよね」
「そうそう。彼女の前だとマジ人格違うくない?」
「っていうかユカリさんってそういうとこ知ってんのかな?だめだ笑っちゃう」

 震える手で荷物をかき集めると、後ろを一切振り向かずその場を後にする。
「あら、こんにち……」
 出口で見知った顔に挨拶されても会釈するだけで精一杯で、言葉を返す余裕も無く逃げるように立ち去った。
111信じる者は愛される 5/10:2009/04/28(火) 14:49:31 ID:g5F4ZDQL
「あれ?香……」
 遅れてやって来たイチと早川に廊下でばったり出くわした。
「お前忘れ物でもしたのか?」
「……」
 にこやかに覗き込んで来る顔はいつものイチの顔だ。だが、今はその目を逸らさず見返す事が出来ず
香子は黙って俯いた。
「気分でも悪くなったんじゃないのか?八神、部屋で寝かせてやった方が……」
「あ、大丈夫です!ち、ちょっと疲れただけみたい」
 早川が心配して掛けてきた声に慌てて応えると、
「そうなのか?じゃ、俺も部屋に戻……」
「いい!一人で!イチ君は入ってきて、ねっ」
とその場から逃げるように去ってしまった。
 一人になりたかったのだ。とにかく今は。

「なんだあいつ……?」
 香子が去った後首を傾げながら歩いていると、今度は前から
「あ、八神さん!」
と駆け寄って声を掛ける者がいた。
「ああ、島田さん。旦那さんは?」
 イチ達と同い年の同僚の女性である。彼女は夫と参加してきていた。
「うちのは先にお風呂に……って私の事はいいのよ!それより八神さんの奥さん大丈夫?」
「へ?」
「ああ、今部屋に戻ったんだが……何か言ってたのか?あのコ」
「んー、さっき見かけたんだけど何か様子が変ていうか……顔色悪かったから」
「そうか?……やっぱり疲れてんのかなー。寝かせといてやった方がいいかもな……。悪いね島田さん
 心配掛けて」
「ううん。まあ、それ位なら大丈夫だと思うけど……。ほら、普通の旅行じゃないから気疲れでもしたの
 かと思ったから。私も旦那の社の人って気遣っちゃうもの」
「……あんたでもそうなのか」
「ちょっ!失礼ねー。八神さん何とか言ってよ」
「いやーマナちゃんじゃなきゃこいつの手綱は捌けないわ」
「そうか。奥さんに言いつけてやる」
「好きにしてくれ」
 親友と同僚のやり取りを半笑いで眺めながらも香子の事が気にかかる。
 やはりいくらしっかりしているとはいっても、まだ二十歳にも満たない娘なのだ。
 妻の立場というのは自分の想像以上に重いのかもしれない、とその心中を想おうとしていた。
112信じる者は愛される 6/10:2009/04/28(火) 14:50:52 ID:g5F4ZDQL
 イチが部屋に戻ると、香子は置いてあった浴衣に着替えて横になっていた。
「……もっとゆっくりしてきて良かったのに」
「男なんてみんなこんなもんだよ。シャワー浴びたのか?」
 本当は早川が呆れる位カラスの行水並みの速さだったのだが。
「うん」
「そうか」
 濡れた髪に触れようと手を伸ばす。が、それを反射的に香子の手がはねのけた。
「!」
「……あ、ごめ……ほら、髪濡れたまんまだから、その」
 驚いて戸惑った顔のイチに、香子も自分のした事に戸惑いながら謝る。
「嫌なの?」
「そうじゃない」
「じゃあ何だよ。俺何かした?」
「……ううん」
 なんでもないの、とベッドに起き上がりながら首を振る。
「ほんとに、何か疲れちゃったから。それだけ」
 香子はそう言うものの、どこかよそよそしい態度にイチは何となく釈然としないままでいた。


「香子ちゃんそんなに具合悪いの?」
 食欲が無い、と言う香子を部屋に残し、イチは夕食を宴会場で早川家族と一緒に食べていた。
「うん。気疲れしたのかもな、やっぱ」
「そっかー……まあ気持ちはわかるわ」
 美月にベビーフードを食べさせる愛永の言葉に、イチより先に早川が反応する。
「やっぱりお前にも、無理させちまったか?」
「んー、そうでもないよ。あたしは美月を言い訳に勝手にやらせて貰ってるから。けど、まあ元々
 集団て苦手でしょ?あのコなんて周りに気遣うタイプだから、違う意味でこういうのきついかもなって」
「あー……マナちゃんもそう思う?やっぱり島田さんの言うとおりなのかなぁ?」
 香子が世間的に幼い事で、夫である自分に恥ずかしい思いや負担を掛けさせたりしまいと頑張っていた。
それは妻になる前からそういう所はあったのだけれども、本当によくやってくれているとイチは思っている。
 それがここにきて一気に出てしまったのかもしれない。妻としてのプレッシャーに押し潰されて
しまっているのではないか……。
「ま、今はそっとしといてあげなさいよ」
 愛永の言葉に頷いてビールを呷った。
113信じる者は愛される 7/10:2009/04/28(火) 14:52:13 ID:g5F4ZDQL
 イチが部屋を出てから、しばらくの間香子はぼうっと横になったまま薄明るい夜の空が映る窓を眺めていた。

「――イチ君は……」
 彼はなぜ自分を選んだのだろう。
 一目惚れした女性の遺した娘だからだろうか?
 そして自分を大事にすると約束したから?
 例えそうだとしてもそれは自分が成人するまでの話で、生涯懸けて愛する義理はない筈だ。
 だからきっと、一緒になろうと言った時の気持ちは本物だったのだろう。
 だが、それが一生必ずしも続くものだとは限らない。

『人の気持ちは変わる』

 そう言ったのは他でもない彼自身なのだから。
 結婚まで考える程真剣に付き合いたいと想い焦がれた女性。そんな相手への気持ちがいつしか思い出に
なり、その人の死後遺された娘の香子を一途に愛するようになってしまった。
 それと同じ様に、他の誰かに愛情は移り変わってしまう事も有り得ない事ではないのかもしれない……。

 香子は声を殺しながら涙を流し、そのまま静かに悲しみから逃れるように眠りに落ちていった。


 コンコン、とノックの音がして、ハッと目を覚ました。2時間程寝てしまっていたらしい。
「ロリコン攻撃にあった〜」
とかでやけになって飲んだらしく、赤い顔したイチが早川に抱えられて帰ってきた。
「ロリコン……」
「酔った喪男独身社員の僻みだ。気にするな、俺もやられた」
 愛永は目立つタイプとは言えないまでも結構美人だ。それに子供もいて幸せそのものという早川なら
妬まれても不思議はないと思う。
 が、“ロリコン”の一言が今の香子には強く突き刺さっていた。

 先程の脱衣所の者を含め見掛けた女子社員達は、若いと言っても皆自分よりは年上だろう。
 綺麗に塗られた爪や栗色に巻かれた髪、洗練されたメイクや服装、均等の取れた体のラインなど、
“大人の女”と言われるに相応しい。
 染めたことのない黒い肩までの髪やそのままの爪、どちらかと言えば地味目な顔立ち、服装、控えめな
胸にぽこんとしたお腹というまさに幼児体型の自分……。
 それら一つ一つを比べては、香子は自らの魅力に疑いを深め落ち込んでゆく。
114信じる者は愛される 8/10:2009/04/28(火) 14:53:25 ID:g5F4ZDQL
 空いた方のベッドに寝かせたイチに背を向ける形で、もう一方の自分のベッドにまた横になる。
 先程は疲れもありすぐ眠ってしまったからなのか、大して気にならなかった浴衣の裾がはだけるのが
妙に気になって、バッグからTシャツとスウェットを取り出した。
 着替えようとベッドに腰掛けて帯を解くと、旅行用におろした新しい白レースの下着が目に映る。
「こんなの着けたって不相応だよ……」
 はあ、と溜め息をつきながら肩まで袖を抜いたところで
「そっかぁ?」
と間の抜けた声が掛けられ、慌てて前を合わせて振り向いた。
「お、起きてたのっ!?」
「俺最初から寝てないもん」
 枕に頭をつけたままぽーっとした顔で眺めてくるのを見て、慌てて照明を落とそうと伸ばした手を
素早く起き上がってきたイチに掴まれ、あっという間に背中から抱き抱えられるようにしてベッドに
倒れ込んだ。
「ちょ、着替えるからっ……」
「だからって消さなくていいじゃん。見せてよ、新しいパンツ?」
「やだ。だって、私のカラダなんか見たって……」
「見たって何?襲いたくなるだけだと思うけど」
 ぐい、と香子の体を反転させてその上に跨ると、彼女が押さえるより早く浴衣の合わせを開き見下ろした。
「お、いいね」
「嘘」
「何で?綺麗だよ」
「だって貧乳だしー、くびれも少ないし、色気ないしー」
「そんな事ないって!……ほら」
 香子の手を取って自分の下半身に導く。浴衣の上からそっと触れてみてもそこは堅くなっているであろう
事は充分伝わったはずだ。
「う、でも、私なんかよりもっと大人っぽいヒトの方が……」
「誰がそんな事言った?」
 むっ、と額に皺を寄せて低い声で囁く。
 怒っているのだ、と香子が思った時には両方の腕を押さえつけられて身動きが取れなくなっていた。
115信じる者は愛される 9/10:2009/04/28(火) 14:54:21 ID:g5F4ZDQL
「誰が言ったんだ?」
「え、だ、って……ロリ」
「んなの早川の言うとおりほっときゃいいんだよ」
「……気にしてたじゃない」
「だって変態扱いだぜー。冗談じゃねえっつの!別に俺は香子が幾つだって関係ないの。そいつ自分が
 ロリコンだから僻んでんだよ」
「……私、イチ君の負担になってるの?」
 世間ではまだ未熟な身であるから、だからそのような事を言われなくてはならないのだろうか。
 イチに恥をかかせてしまったのではないかと、香子は夕餉の集まりに顔を出さなかった事を今更後悔していた。
「我が儘言って……行かなくてごめんなさい。だからそんな」
「大丈夫。誰も咎めたリなんかしてないから。俺も怒ってないから」
 今にも泣き出しそうな香子の顔にちょっとした怒りは忘れてしまった。
 イチは押さえていた両腕から力を抜いた。
「俺こそごめんな。気疲れさせて。普通にしてればいいんだから」
「でも」
「あーもういいって!それ以上俺にまで気を遣うような事言ってると……こうだ!!」
「えっ!?ちょ」
 脱ぎ捨ててあった浴衣の帯で香子の両腕を縛る真似をした。
「お仕置きだぞー……なんてな。冗談だよ、冗談!俺マジ変態じゃん。ごめん酔ってんな」
 はは、と笑って帯を取った。
 その様子を眺めていた香子は、黙って起き上がると浴衣を脱ぎ捨てて床に落とし、続いて自らブラを外した。
「んっ?何おま……」
 いきなり何をやらかすのかと目を丸くするイチの前に、両腕を差し出して手首をくっつけて見せた。
「いいよ。そういうの好きなら、私の事縛っても」
「は?いや、あの……お前何言ってるか解ってんの!?」
「うん。イチ君の好きにしていい。私で満足させられるかどうか、わかんないけど、でも頑張るから。
 言うこと聞くから」
 イチを見つめながら精一杯の言葉をかける。

「だから、嫌いにならないで。離れていかないで……」

 涙を堪えて愛を乞う香子に驚き戸惑いながら、目の前の裸体に目を奪われたままイチは生唾を飲んでいた。
116信じる者は愛される 10/10:2009/04/28(火) 14:55:39 ID:g5F4ZDQL
「……だめだ」
 脱ぎ捨てられた浴衣を拾うと香子の肩に掛けた。
「なんで?」
「あーのなー」
「私ならいいってば!」
 ぎゅうっと目の前のイチの胸元へしがみつくと、ベッドがぎしりと揺れた。その勢いで肩からはらりと
浴衣が滑り落ち、再び晒された滑らかな肌にイチの欲望はまたふつふつと湧き上がる。
 思わず背中に腕を廻して抱き締めると、香子の手がイチのそれに触れた。
「ほら、こんななってる」
「いや、そりゃ」
「ね、だから」
 縋るような瞳に胸が締め付けられる。だが、
「だめだよ。出来ない」
そう言って触れてきた手を離し躰を押し戻した。
「……だめなの?」
「うん」
「私が……嫌いなの?」
 自らの躰を抱くように腕を縮めてポロポロと涙をこぼし始める香子の頭を、諭すようにイチはそっと撫でた。
「何でお前を嫌いになるの?」
 黙ったままただ俯き泣き続ける彼女を、ただただイチは愛おしく見つめる。
「どうした?何かあったんならちゃんと言いなさい。大体何かあるんだよ、お前がこういう事する時は」
 やはり彼には解ってしまうのか。
「……嫌?」
「ううん。でもこのままじゃ抱きたくても抱けないよ。だから言ってくれよ。俺はそんなに頼りにならない?」
 日頃からヘタレだのなんだのと自らの気弱な部分を気にしているからか、香子が不安事を口に出来ない
のではないかとイチ自身も不安を感じていたのだ。
 香子にもそれは充分伝わっていた。なし崩しに抱いてしまわず、ちゃんと年上の男として妻である
自分を押し止める事の出来るイチの、ある意味気弱さ故の慎重さが逆に頼もしくもあるのだ。
「……イチ君嘘つかない?」
「ん?ああ」
「絶対?」
「つかないよ。話す気になったか?」
 暫くの沈黙の後頷くと、いいから話してみろと言うイチの言葉にようやく口を開く。

「……ユカリさんてどんなひと?」

 恐る恐る見上げたイチは、疑問符だらけを浮かべた表情で香子を見下ろしていた。


「続く」
117名無しさん@ピンキー:2009/04/28(火) 16:33:58 ID:0SX3tHG+
wktk
GJは完結までとっておこう……
118名無しさん@ピンキー:2009/04/29(水) 01:47:45 ID:MSCBrnKc
んだんだ
わくてか
119名無しさん@ピンキー:2009/04/29(水) 03:01:54 ID:zkgFG6Y9
くそ、前編しっかりねっぷり読んだ俺は生き地獄だ!
つづきつづき〜
120名無しさん@ピンキー:2009/04/29(水) 22:32:17 ID:T7ZSNAGi
圧縮来そうだ
「誰だよそれ」
「いや、私が聞いてるんだけど?」
「だって知らないもん。お前の友達か?」
 何度聞いても知らないの一点張りである。
「ほんっとーにとぼけてるんじゃないの?」
「うわ、疑うの!?いーよわかったよ!早川に聞いてみる」
 頭をぽりぽり掻き悩みながら携帯を弄りだすところをみると、どうも本当に知らないようだ。
「もういいよ。ほんっとーに知らないのね!?」
「知らないってば!あーもしもし早川?お前ユカリって女知……うおいっ!!」
「あの、ごめんなさい、ほんっとーに知りません?」
 イチから携帯を引ったくると自ら早川を問い詰めた。
『本当に知らん。……何だ、八神が何かやらかしたのか?』
「いえ、それを確かめようと」
『それなら心配いらん』
 何故ですか、と速攻で返ってきた答えにまた速攻で返す。
『そいつはヘタレてるかもしれんが信念は曲げない奴だ。だから絶対それは無い。俺が保証する』
 きっぱりと言い放つ早川の自信有り気な言葉に納得せざるを得ないような気がして、香子は静かに携帯を切った。

「早川何だってー?」
「知らないって」
「だろ?ていうか誰だマジで。お前どこで聞いたのそんな女」
 香子は脱衣所の出来事を話した。
「彼女ねえ……。その娘ら多分うちの隣の部署だと思うんだけど覚えないなぁ?そんな名前の女子社員
 いたっけな……?明日島田さんに聞くわ」
 その名前に香子は「あっ」と思った。
 その場を去るとき誰かに挨拶された気がするのだが、気が動転していて顔もろくに見ず出て行ってしまった。
 明日ちゃんと謝っておこう、などと考えていると、イチの腕が伸びてきて胡座の上に乗せられた。
「つーかさ、お前ひょっとして俺が浮気してると思ってんの?疑ってるわけか、自分の亭主を」
「違うの?」
「違いますー!っていうかまだ新婚だぞ!?これからって時にそんなあほな事するか!!」
「だって」
「だってじゃない!俺は浮気なんか絶対しない。しないったらしない!!」
「そ、そんなのわかんないじゃん。人の気持ちなんか変わっちゃうんでしょ?イチ君が言ったんだよ」
「それは……」
 言ったけど、と一瞬言葉を詰まらせた。
122信じる者は愛される 2/12:2009/04/30(木) 22:13:46 ID:Kdiku+DS
 だが絶対やらないと頑なに言い張るイチに香子も意地になって食い下がる。
「どうしてそんなに言い切れるの?」
 何度も態度を崩さず答えるイチの気持ちを信じたい気持ちもあったが、だからといって言葉通り受け
取ってしまうのはやはり恐いのだ。
「それは」
「それは?」

「……一度やった事があるからだ」

 自分を抱くイチの手を見つめながら香子は表情を固めた。
「これを話したら、お前俺の事嫌いになるかもしれない」
「どう……いう事?」
 一度裏切りを犯した事があるのだ。いつ?何故?――誰を?
「お前が俺を百パーセント信じられないなら仕方がない。でも俺は信じて欲しい。だから、聞いて欲しい。
 お前は……嫌かもしれないけど」
 複雑な気持ちを渦巻かせながら、それでもそれを知らなければならないような気がして、香子はイチの
腕をだくように自らの手を重ねる。

 その温もりを確認すると、イチは香子の耳元でぽつりぽつりと話し始めた。


 交際していた彼女に二股を掛けられた挙げ句振られ、傷心のうちにひょんな事から出会った女性に
一目惚れしてしまった。
 だが彼女には子供がいた。
 若い彼はそれも含めて愛すると誠意を表すために母親まで巻き込んで結婚を前提に申し入れるが、
何度もそれを断られる。
 前の失恋に続く恋愛の痛手にやけになった彼は、友人にそそのかされ酔った勢いで別の女性を求めた。
 ――といってもいわゆる風俗だったのだが――それでも我に返ってからは、元々生真面目な彼は恋する
女性を裏切ってしまった、顔向けが出来ないと思い悩んだ。
 だが、その直後彼女が彼の申し出を受け入れる気になったのだ。
 喜びと同時に二度と馬鹿な真似はすまいと心に誓ったのも束の間、僅か数日後予期せぬ事態が起こった。
 彼女が事故で亡くなったのだ。
 その時、遺された彼女の子供を自分が引き取る事を何の迷いも無く決めた。
 今となっては、それは彼女が自分に愛する者の運命を託したのではないかと思えるのだ。

 絶対に守り抜く。
 その誓いは形を変え、彼の心を変えてしまったが、今もずっと守られているのだ。
123信じる者は愛される 3/12:2009/04/30(木) 22:15:23 ID:Kdiku+DS
 少しの間重い沈黙が続いた。
「……それって」
「うん、そうだ」
 裏切った女性は、引き取ったその子供は……。
「結局俺の一方的なもんだったのかなとも思う時もある。けど後悔はしていない。ただ……その事だけは
 今でも自分を許せない。だから絶対もうしないって決めた。惚れた女に悲しい想いさせて傷付けて、
 自分も傷付いて、幸せになんてできるわけないじゃんか。……愛してるんだ、お前を。俺の手で幸せに
 したいと思ってる。だから死んでも裏切らない。……軽蔑されたって仕方無いけど」
「……しないよ。平気かって言われりゃ微妙だけど。ちゃんと話してくれたから、イチ君が苦しんで
 きた事、ちゃんと受け止める。だから……」
「香子」
 ありがとう、と膝の上の躰を強く抱き締める。
「明日マジで島田さんに聞いてみよう。あ、友達って早川じゃないから。もうそん時マナちゃんいたし」
 早川もその頃のイチの痛みを解っていたのだろう。
 『保証する』と言ったその言葉の重みを含めて、香子は全てを信じようと思った。

「ところで香子。その格好はかなり目の毒なんだが」
 言われて香子はショーツ一枚でイチの膝に乗っかって抱き付いている自分の状況に気付き、慌てて
離れようとして逆にしがみつかれた。
「はーなーしーて!ちょ、浴衣取るから」
「だめー。さっきの続きをします」
「えええ!?」
「……と言いたい所だがゴム無いんだよ」
 残念、と名残惜しそうに乳首を探る手を香子の手が咎める。
「もう!……でも、イチ君が欲しいなら私は……」
「まだいいよ。どっちでも」
「本当にいいと思ってた。そうなったらイチ君は離れていかないかも、って。……でもダメだよね、そんなの」
「そんな事考えてたのか?だめだよ。そんな気持ちなら、産まれて来る子供が可哀想だよ」
「……ごめんなさい。き、らいに……」
「ならない。ならないけど」
「けど?」
「やっぱりお仕置きが必要かな?」

 ニヤリとするイチの表情に何となく嫌な予感がした。
124信じる者は愛される 4/12:2009/04/30(木) 22:16:27 ID:Kdiku+DS
 香子を押し倒して帯を拾うと、あっという間に両手首を縛り頭の上に上げた。
「え……えええっ!?うそっ」
「さっきいいっていったじゃん」
「そんなぁ……」
 膝を大きく曲げ割って入り込むと、イチも着ていた浴衣を脱ぎ捨てる。
「酔ってるから、なんてね。あー、俺やっぱり変態かもな。ロリコン確定だしさ」
「え、そんな」
「だって俺、中学生に惚れてたんだぜ」
「はあぁ!?」
 頭上にある腕を片手で押さえると、もう片方の手で体を支えながら香子を見下ろす。
「母さんが死んだとき、お前、葬式が終わった後ずっと俺の手握って側にいてくれた。『私がいるから』って
 真っ赤な目してさ。あん時『ああ、俺は一人じゃないんだ』って凄く心強かった。同時に絶対こいつを
 不幸にしたくないと思ったよ。だから諦めようともした」
 自分を手離そうとした時の『他人に受け入れられなければ不幸になるのは避けられない』と言った
イチの気持ちが今の香子には痛いほどわかった。
「その前はまさかのランドセルだし、高校の時は完全に惚れてた。だから正確には解んないけど、多分
 自覚したその頃より前には好きだったのかもな、お前の事」
 僅か13、4の女の子に惹かれていた自分を抑えるために、どれだけ苦しんできたのか。それは香子
には知る由もない。
「あーあ、育ててモノにした大事な嫁にソフトSMやらせてる俺は、やっぱり立派な変態だよ……」
「じゃあやめ」
「やだ。こんなの香子にしかしないもん」
「もん、じゃない!」
 じたばたともがいてみたところで、香子の力じゃどうにもならない。
 せっかくの愛の告白もこれじゃあ感激するどころじゃない、と真っ赤に頬を膨らませた。
「じゃ、何してほしい?」
「は?」
「このままじゃつまんないだろ?だから香子の言う事聞いてあげよう。どうしたい?」
「じゃ解いて」
「それはだめ」
「即答!?」
「俺を疑った罰ですよ奥さん」
 くーっと歯を食いしばって睨む香子を愉しげに見下ろして笑っている。
 どうしてこの男はこういう時だけ強気なんだろう。
125信じる者は愛される 5/12:2009/04/30(木) 22:17:42 ID:Kdiku+DS
「イジメっ子!!」
「なんだ?イジメられっ子」
 何を言ってもへらへらと笑っているイチが無性に憎らしい。絶対何も言うもんかと口をへの字にして
そっぽを向いた。
「……」
 少しの間があって、突然胸の先にびりっと電気の流れたような衝撃が走った。
「やっ!?」
 イチの長い指の先でこりこりと摘まれ弄られた胸の先端が、勝手に尖ってつんと飛び出してゆく。
「……っあ、なにし」
「いや、言わないから勝手にやらせて貰ってるけど?お構いなく」
「そん……なああっ!!」
 親指と中指で挟んだ桃色の乳首の先を、人差し指で撫でて転がす。
「ん」
 押さえられた両腕ではそれをはねのける事も叶わず、きゅうと胸の中に押し込まれるように圧されると
背中を反らして身悶えしてしまう。
「や……やあ……あ」
 ぴく、ぴく、と白く柔らかな肌を、単調なそれだけの動きで面白い程小刻みに震えさせる様を見て、
イチは一見眉一つ動かさず香子を眺めているように感じられた。
 実際はカラカラに渇いた喉を潤すのも忘れて、熱くなるばかりの溜め息を洩らしていたのだが――
香子には自分の一点に与えられる刺激に堪える事で精一杯だったのだ。
「イチく、ん。ねぇ」
「ん?」
「解いて……」
「聞こえない」
「やだ……お願い。じゃせめて暗くし」
「却下」
 何を言ってもしらっとかわされてしまって、さすがに香子もカチンときた。
 こうしていても弄り倒される胸の感覚に躰が跳ねて、喉から声が押し出される。嫌よ嫌よも何とやら、
言葉と反応が噛み合っていない現状に苛立ちが募る。
「だったら、やめ、てよぉ……もうやだ……」
「嘘だね」
 縋るような気持ちで請うた願いも虚しくイチは一蹴し、いきなり屈むと、痛々しい程朱く張り詰めた
胸の蕾にぺたりと広く舌を押し当てた。
「うっ、うあっ……ああっ!!」
 度重なるイチの言葉の仕打ちにどうしようもない屈辱感を感じて、背中を仰け反らせたまま涙を流した。
126信じる者は愛される 6/12:2009/04/30(木) 22:19:03 ID:Kdiku+DS
「もうやだあ!やめて!!イチ君のばか、ばかーっ!!」
 ちう、と乳首を吸いながら上目遣いに香子の泣き顔を眺め、黙ってそれを続けながら太ももをさする。
「やめてってば!触んないで……イチ君なんか嫌い!大っ嫌い!!」
 ぴた、と動きが止まり、唇が離れ濡れた胸が露わになった。
 イチはそのまま体を起こすと、押さえていた香子の両腕から手を離しベッドの端に腰掛けた。
「イチ君?」
「やめたよ」
「え……」
「やめろっつったじゃん。だからやめた。嫌いなんだろ俺の事。だから触んない」
 何を今更、と呆れ返って声も出なくなった。ただ怒りに任せて口をぱくぱくさせている香子をチラリと
肩越しに振り返り、意地悪く呟く。
「言っとくけど解かないよ。触んないで欲しいんだろ?」
「うっ……」
 完全に拗ねている。酒が入ると幼児返りする傾向が普段より強いのだが、これは酷い……。
 香子は煌々と照らされる灯りの下に、あられもない格好で放置される羽目になった。

 ふてくされる三十路前男を『勝手にしろ』と無視を決め込み、香子もだんまりを決め込んだ。
 だが、胸の前に持ってきた両腕は相変わらず自由はきかず、置かれている状況に段々不安になってきた。
 裸でいるのも何かと心細い上に、さっきまで側にあった下手すれば鬱陶しい程の温もりが今は遥か
遠くに感じるのだ。
「イチ君……」
 恐々掛けた声にイチは肩を震わせ、チラリと見返しまた俯いてしまう。
「何よ。怒りたいのは私の方じゃん!」
「怒ってない」
「んじゃ何」
「……嫌いって」
「は?」
「香子俺の事嫌いだってゆった〜」
 言ってがくーっと脱力して背中からベッドに倒れ込む。
 足下に転がるでかい図体を見て香子もまた脱力して溜め息をついた。
「あのね……何その言い方。泣きたいのはこっちなんですけど?なーんですぐそうなるかなぁ!?だから
 酔っぱなイチ君はや・な・の!!……こんな事しなけりゃ嫌いだなんて言いませんー」
「ほんとにぃー?」
 いい大人が叱られた幼児みたいに上目遣いで見つめてくる。それに頭痛を覚えそうになりながらも
なんとか我慢した。
127信じる者は愛される 7/12:2009/04/30(木) 22:20:09 ID:Kdiku+DS
「わかったら解いてよう……」
「それはやだあー」
「何でっ!」
「だってエッチな香子が見たいんだもん。いっつも好きにさしてくれるけど、たまにはお前の好きに
 してみたいつうかさ〜」
 要は香子に主導権を握らせたかったわけだ。そうやって虐めて辱めて、自分から求めさせてみたかったのだ。
「だったら言うこと聞いて。解いて。こんなのやだ」
「えー」
「だってこれじゃイチ君に触れない。そんなの寂しい」
 イチが起き上がって香子の腕を取る。
「思いっきりしがみつきたい。抱き締められたい。ぎゅーってして、そんでキスして……それから」
 帯が解かれ、香子の上にのしかかるように抱き締める。そのイチの背中に自由になった両腕が廻される。
 自分がこれほどまでに誰かに求められた事があっただろうか、と胸が熱くなる。
「ごめんね香子」
 軽く触れるだけのキスを交わす。
「イチ君のしたいようにして。そうやって愛して……」
 それに唇を重ねて応える。何度も、何度も。
「電気は」
「それはやだ。嫁の裸見えないーたまには見たいー」
「駄々っ子か!……んっ」
「あーそうですよ」
 首筋を舌でなぞりながら尖りきった胸の先を指でころころと転がす。
「は……あんっ……」
「恥ずかしい方が気持ち良いんだよ」
 舌を胸元まで下ろして這わせながら、片手を下着の中に滑り込ませる。
 つるっと滑らかに湿りを帯びた秘所へ指が吸い込まれていき、簡単に窪みの中へ沈んでいった。
「ほら、こんなにすぐ入ってく」
「う……そ。んっ……」
 つぷ、と驚く程簡単に何の違和感も無く長い中指がくわえ込まれてゆく。
「見ていい?」
「あ……あ……」
 返事にならない声を聴きながら、差し込んだ指はそのままに空いた手で下着を捲りにかかる。
「便利だなこれは」
 両端が紐になった薄く白い布切れは儚くその形を崩してしまった。
 はらりと剥ぎ取られた後には、ジワジワと滲み出る雫を纏った指がせわしなく律動を繰り返す様が
開かされた白い両脚の中心に浮かび上がっていた。
「ひぁ」
「いやらしくて可愛いね」
 く、と噛まれた耳朶に首を竦めて悲鳴をあげる。
128名無しさん@ピンキー:2009/04/30(木) 22:22:30 ID:Glpt5gsq
C
129信じる者は愛される 8/12:2009/04/30(木) 22:23:32 ID:Kdiku+DS
 指を抜くと香子の腰を掴んで躰を起こし、自分の上に乗せて横になった。
 自分が上になるのかと覚悟を決めた所で
「間違えた。反対だ。香子、あっち向いて」
と言われ、ぼーっとしながらイチの足下を向いてその上に跨ったところで我に返った。
「ありゃ?」
「じゃ、お願い」
 気が付けば四つん這いで男の上に跨る自分がいる。しかも目の前には下着を下ろして剥き出しになったアレ。
 いくら疎い香子でもこれが何を意味するか位は解る。チラッと振り向いてみればお願い顔のイチと
目が合って、断りきれない自分の甘さに情けなく唇を尖らせる。
「……ひゃっ!?」
「早くー……俺もう待てないぞ」
 突き出たお尻を撫でられたかと思うと、突然クリトリスを摘まれる。
「あ……ん」
「狡いぞ、お前」
 ぬるぬると溢れる愛液を指で掬い塗り付けて転がす。
「は……んっ」
 自分の下半身に意識が持って行かれてしまいそうになるのを必死に堪えながら、ピクンと波打つイチの
それに舌を滑らせる。
 つうと流れる自分の唾液と先端から滲み出る雫の混ざり合いを味わいながら、ひたすら奥までくわえ込んで
舐め尽くそうとする。
「お前上手くなったなぁ……」
 根元を包んでゆっくり擦りながら唇を離す。
「えっと……気持ち良い?」
「ああ、いいね」
 はあ、と低く呻くような声を漏らすと香子のお尻を掴んで引き寄せる。
「え……やあっ!?」
 改めて自分の姿を省みれば、明るい部屋でもろに全てを晒してしまっている事実に愕然とした。
「よーく見えるよ。香子の大事な所」
「やだあ!!」
 真っ赤な顔で首を振る。だがそれと同時に熱い柔らかな舌がじゅるりと音を立ててそこに滑り込んだ。
「……あ……あ……っ」
 立てた膝はがくがくと震え、背中を走るじんとした衝撃に「くう」と喉を鳴らして仰け反った。
 ぼんやりとした視界に映るイチのモノを掴まるようにまた手のひらで包み、ただ夢中で舐め尽くした。
130信じる者は愛される 9/12:2009/04/30(木) 22:25:04 ID:Kdiku+DS
 互いにただ貪り合う水音だけがしんとした部屋に響き渡る。
「は……香子……いつもより凄い?」
「……ん……ふ……っ」
 ぷは、と口一杯に膨れ上がっていたモノを舌で押し出し、顎まで濡れた顔を手の甲で拭う香子の恍惚と
した女の顔にイチは舌を止め唾液を飲み込んだ。
「エロくなったな……お前」
「誰のせいよ、ばか」
 潤んだ瞳にまたぞくぞくしながら向きを変えて再度跨らせ、
「な……今大丈夫なら、してもいいかな?」
と許しを請う。もう我慢がきかない。
「多分大丈夫。もし……しても私は」
「うん。わかってる」
 香子のそれにあわせて二、三度擦り付けると一気に押し上げてお尻を掴んだ。
「ああっ!!……っくう」
「香子……いいよ」
 呻きながら絡み付くような熱く濡れた粘膜の潤みを味わおうと腰をぐいぐいと震わせる。
「夫婦だもんな俺達……」
「ん……あ……っ、イチ君、や、おっきいよ。あ、あ、ああっ!!」
「香子、見て」
 揺さぶられながら見下すそこは、互いのそこを覆う茂みが絡まり合って何とも言い難い姿を晒している。
 香子の白く丸い柔らかなお尻を伝い、イチのそれと混ざり合って溢れる雫がシーツを濡らす。
「はあっ……はあ……」
 クチャクチャと湿ったのと肌同士のぶつかるパンという渇いた音が、非日常的なこの場に於いて自分達が
世界から隔離されてしまったかのような感覚を造り出す。
 ふたりきり。
 ここにあるのは互いだけを求め合う、ただそれだけの存在と時間。
「香子、いい?出したい。イキたい……」
「ん……あ、いいよ。出して……出してぇ、あ、やああんっ」
「う、いいよ。イく、イくぞ、香……っ!!」
 ぶるんと大きく震えて彼女の中で一層いきり立つと、同時にじゅわっと熱い飛沫を体内に放り出す。
「熱……いよぉ」
 じわっと目尻に涙が滲み出る。
「イチ君……大好き」
「俺も。好きだよ、香子」
 差し出したイチの手のひらに自らの指を絡ませながら、香子は流れる白濁をぼんやりと眺めた。
131信じる者は愛される 10/12:2009/04/30(木) 22:26:18 ID:Kdiku+DS
 シャワーを浴びて乱れたベッドを整えていると、ぐうとお腹が鳴る音がした。
 思わず赤面した香子に
「さっき売店で買ってきた」
とイチは部屋にあったお湯を入れてカップ麺を出してやった。
「飯、持ってきてやれなかったから。こんなんしかなかった」
「……ごめんね」
 いただきます、と啜り始めた香子を見て、自分も腹が減ったとイチも余分に買ってきたカップ麺を出す。
 二人で夜中に何してるんだろう、と何だか可笑しくなって、くすくす笑いながらそれらを食べていた。
「なあ香子」
「なに?」
「お前はいい嫁さんだよ」
 箸を止めてイチの顔を見る。
「お前は自分がいるから俺が苦労してきたと思ってるだろ?でも逆だよ。香子がいなかったら今の
 俺はいないと思う」
「そんな……だって、イチ君ずっと生活に追われてきたじゃない。私がいたからやりたい事もろくに……」
 一流の建築士になりたい、それがイチの目標だった。だが、生活に追われてそれが疎かになっているの
ではと香子は常々気にしていた。
「それは心配ない。今の会社では前よりやりたい仕事が出来てるしちゃんと頑張れてる。それにお前が
 いたから逆に頑張ろうって気になれたんだ。一人だったらきっといい加減にやって来た事沢山あったと
 思う。香子がいてくれたからここまで来れたんだよ俺は」
 確かに一時は苦労はした。だからこそ踏ん張れた。二人で頑張らなくてはどうしようも無かったのだから。
「男はな、守るものがあればずっと強くなれるもんなんだよ。お前をひよこなんて言った事あったけど、
 ひよこどころか卵だ。金の卵だよ。支えてきてくれたからこそ、俺は逆に仕事をちゃんとこなして
 来れたんだ。だからお前は最高の女房だよ」

 一人じゃないから。
 二人だったから頑張れた。生きてこられた。

「幸せにするから、これからもずっとついてきて。だから、俺を信じて」

 温かな湯気の向こうで笑う顔に、香子は泣きながら精一杯の笑顔を返した。
132信じる者は愛される 11/12:2009/04/30(木) 22:27:44 ID:Kdiku+DS
* * *

「あ、また野菜が少ない」
 翌朝の朝食バイキングの席で香子の厳しいチェックが入りびびるイチ。
「えーそうか?いーじゃん面倒くせー」
「だめ!お腹出たらどーすんの!?」
「何だよ。お前そんなの関係ないんじゃなか」
「ハゲは仕方ないけどメタボは病気!だから防げる物は防がなきゃだめなの!!」
 声を殺して笑う早川の側で拗ねるイチを席に残しサラダバーに立つ。
「っとに何であんなに子供なんだか」
 結婚してからそういう面が顕著に表れてきたようで頭が痛い。甘えられるのは嬉しいが、本当に自分が
いなければどうなるのかと心配になってしまう。
「八神さんの奥さん」
 掛けられた声に振り向けば島田女史のにこやかな顔があった。
「あ、昨日は……すいませんでした」
 挨拶をろくに交わせなかった無礼を謝ると、体調はどうかと尋ねられ、その場は何とか和やかさを
保つ事が出来た。
 落ち着いた所で、香子はどうにも気になっているあのことを思い切って問うことにした。

「あの島田さん、でしたよね?……ユカリさんてどなたなんでしょうか」
「はい?ユカリさん……誰だっけ」
「実は社員の方達が話してるのを聞いてしまって。イ……主人がその、親しいとか何とか」
 それを聞いて暫くうーんと唸っていたが、急にはっとして
「ああ!わかった」
とポンと手を叩いて頷いた。
「あの、奥さん。八神さん、女子社員から何て呼ばれてるか知ってます?」
 言いにくそうに声と体を小さくする彼女に事も無げに
「ああ、あれですか?……“光源氏”」
と言い放つとほっとしたように
「そう、それそれ!」
と頷いた。その後気を悪くしたらと気を遣われたが、平気ですと返すと幾分か気が楽になったようで
笑顔を交えながら話し始めてきた。
「なら話は早いわ。光源氏の育てた妻の名は?」
「え……えっと“若紫”、ていうか“紫の上”ですよね?」
「正解です」
133信じる者は愛される 12/12:2009/04/30(木) 22:30:14 ID:Kdiku+DS
 はあ、と香子が意味が解らないままいるのを見ると、島田女史はぷっと吹き出した。
「あ、ごめんなさい。やっぱり奥さん可愛いわー。あの、紫って他に何て呼ぶか知ってます?」
「紫が?むらさき、し……」
「シソの葉を“ゆかり”っていったりしません?」
 目の前でパチンとシャボン玉が弾けたようにハッとした。
「そ、つまり、奥さんアナタの事なんですよ」
 妻を育てた光源氏。育てられた妻の紫。
「八神さんてお家じゃどうなんですか?」
「どうって……」
 寝癖だらけで伸びたTシャツは平気で着るし、甘えん坊だし、スケベでヘタレだ。――とは言えない。
「会社では一目置かれてる存在なんですよね。一見大人しいし、柔らかで温和な感じなのに、仕事人間と
 言うか常に緊張感の漂うまさに“仕事の鬼”って感じ」
 嘘だあ!?
 誰それ?と問いたくなるのを我慢して、自分の知らないイチの顔を語る彼女の話に釘付けになっていた。
「それが奥さんの事になると終始デレデ……ごほん!にこやかなんで、一体普段どうなんだろって話
 だと思いますよ?仕事だとあれだけがらりと切り替えられるんだから、よっぽどいい奥さんなんだ
 なーって噂してるんですよ、いつも」
 なんだそりゃ、と脱力しかけた。“彼女”と言うのも自分がイチを“彼”と呼ぶようなもんだったのだろう。
つまりは隠語、解れば実に単純な話だ。

 島田女史と別れてテーブルに戻ると
「何話してたの?」
と待ちくたびれて空腹に耐えられない大きな子供が待っていた。
「内緒。これ食べたら教えてあげる」
「多い!これはおま……」
「だめです。ユカリさんの正体、知りたくない?」
 山のようなサラダの皿を見てぐっと喉を詰まらせる。
 そんなイチを見て
「女房心配する程……か?」
と薄ら笑いを浮かべる早川とそれを見て微笑むその妻がいた。


 八神伊知朗 今年29歳の実はデキる(!)ヘタレ会社員 弱点は酒と嫁?
 八神香子 10歳年下の妻 (なのに精神的姐さん女房?)

 ――つまりは、浮気の出来ない光源氏と気の短い紫夫婦ののろけ話である。

「終」



>>128
ありがとうございました
134名無しさん@ピンキー:2009/05/01(金) 00:46:45 ID:mh74VHFV
楽しかった、GJ
135名無しさん@ピンキー:2009/05/01(金) 01:00:30 ID:Otlrc1MU
GJすぎる
この夫婦は本当に応援したくなる夫婦だな
でも野菜はちゃんととろうぜw
136名無しさん@ピンキー:2009/05/01(金) 12:20:46 ID:Lt0meRWl
GJです

可愛いなあ
137名無しさん@ピンキー:2009/05/02(土) 11:40:34 ID:qDLmt6YU
小ネタ
インタビュー
妹成分多め



「龍一さん、今日、昼間にお買い物にいったらお昼にやってる
『昼ズバッ!!』の『昼間の奥様』コーナーのインタビューを受けたんですよ」
そうなんです。全国ネットに私の顔が流れます。
「明子がテレビに?」
「そうなんです。明日の昼ズバッに放送されますよ」
「どんな質問だった?」
「ええっと…確か…始めに『もし、生まれ変わって結婚するとしたら
誰がいいですか?』って」
「ははは。明子の事だから『モウリモトナリ』ですとか『クロダカンベエ』とか
言ったんじゃないか?」
「はい、ご心配なく。もちろん『今の旦那様です』って言いましたよ」
「アキ……」
うふふ、龍一さん…今、絶対に胸キュンになりましたね。
「それでインタビューした人が笑って、あと食材と今日の晩ご飯
のメニューを聞かれて…最後に
『旦那様の好きな物は何ですか?』って」
「僕の好きな物?」
「はい。ちょっと恥ずかしかったけど『私のお尻です』って♪」
「……あ、ああ…そ、そうか」
(ああ…アキ、そんな笑顔で言われたら
『その収録は絶対カットされてるだろうな』
って言えないよ)

おまけ

「アキ姉、すごいわ。私、今の若者の性に対する意識調査の
インタビューを受けたの」
「ええ!?あれって確か、全国に流れる…夕方のニュースの…」
「そうよ。『近年、高校生や中学生の売春が増加傾向にあるけど
どう思いますか?』って」
「何て答えたの?」 
138名無しさん@ピンキー:2009/05/02(土) 11:41:37 ID:qDLmt6YU
「『人間の正常な生殖本能だと思うけど、まだ学生だと
基本的な避妊具の装着からできないと思うし、大半のヤツは
膣口と尿道の場所がわからないから混乱するでしょうね。
保健体育の授業では生殖器の断面しか描写がないから、抽象的すぎるのよ。
アインシュタインも性教育に限っては『何も隠すな』と言っているのにね。
まぁ、その授業に限っては男女共、予習・復習は毎日やってるから、
夢精するイラストやら顕微鏡でみた精子の映像を流すレベルの授業で
いいんだろうけど。とりあえず安易に行為に及ぶべきではないわ。
少し、本題からずれるけど、性交に関して勘違いしてる学生が多いわね。
膣外射精なんて余程の玄人かAV男優でもない限り、まず不可能だから
どうしても膣内で射精したいのなら、相手に経口避妊薬を飲ませるべきよ。
前後一時間が適切だわ。付け加えて、『私、初めてだけど…○○君の精液、膣内に欲しい』
とか『○○君の熱い…私の中にいっぱい○○君のが…嬉しいよ』
なんて言う女の子なんて千人に一人いるかいないかくらいだから、
その事を世間の男子学生共は現実を受け入れるべきね。
さらに残酷なようだけれど学生同士で初めての性交で同時に絶頂に達する事は不可能よ。
挿入した瞬間、未知の快楽に射精してしまう男が常だから。本気でできると思っているヤツは
単にエロゲーのやりすぎかAVの見過ぎね。同時に絶頂できる技能の持ち主なんて
S級のAV男優でも指折りくらいしかいないわ。
まれに挿入しても快楽を感じない男の人がいるけどそれは自慰のしすぎで、
膣の圧迫感を超越してるの。そういった人には男優業を薦めるわ。
基本的に裏ビデオでもない限り、顔は映らないからルックスは問題ないし、
ただ技術と魂とオールマイティな属性を持つ事が条件になるわ。
…話を戻そうかしら、もしどうしょうもなく性交したくなったら大人の玩具か自慰で
我慢しなさい。基本的には妄想ね。学生の小遣いでは経済活性化するのも難しいでしょうし。
裏のバイトや犯罪に走るのもいいけど、私はお薦めしないわ。』…って言ったのよ。
……アキ姉?聞いてるの?…あれ、アキ姉ぇ、どこにいったのよ?」
「もしもし…はい、ウチに…救急車を…はい…ちょっと精神が病んでるみたいで…はい…お願いします。」



鉄仮面作者さん、ネタ被ってすいません
139名無しさん@ピンキー:2009/05/02(土) 22:55:19 ID:rj1yjwBs
いい保守だったよGJ
140名無しさん@ピンキー:2009/05/02(土) 23:38:00 ID:rmqXAVN1
GJ似たもの姉妹だよね。
141名無しさん@ピンキー:2009/05/05(火) 20:27:23 ID:QZ6lkLXA
>>133
新作投下お疲れ様&有難うございます。
大好きなシリーズの2組が直接顔合わせしてるお話が拝めて嬉しいです。
それぞれの夫が家と会社で見せる顔のギャップがいいなぁ。
赤ちゃんと一緒に着実に幸せを育んでいる早川夫妻と
イチくんが大きなコドモみたいな香子。
どちらも末永く仲良くお幸せに!
142名無しさん@ピンキー:2009/05/07(木) 06:41:19 ID:x9JYfIwb
恋は3、4年で冷める。
だからこそそれまでに、愛を育んでおかなきゃいけない。
143名無しさん@ピンキー:2009/05/08(金) 18:55:57 ID:DBWzDTUf
許嫁はダメなんですか?ココ
144名無しさん@ピンキー:2009/05/09(土) 00:13:31 ID:nWyUehsc
個人的には大歓迎だ
145名無しさん@ピンキー:2009/05/14(木) 22:51:09 ID:lYaXTQI3
何の芸もない保守上げ
146名無しさん@ピンキー:2009/05/16(土) 14:09:32 ID:IvOqcqnG
>>143-144
ホレ、許嫁。
結衣と川島さんシリーズより、結衣編・真由美編
ttp://mgw.hatena.ne.jp/?url=http%3a%2f%2fgreen%2eribbon%2eto%2f%7eaquafirefly%2findex2%2ehtml&noimage=0&split=1
147名無しさん@ピンキー:2009/05/17(日) 00:07:41 ID:gil6xhuw
許嫁の話を投下してもいいのか? って意味じゃないの?

晒しか作者か知らんけど個人サイト持ってきてどうするの
148名無しさん@ピンキー:2009/05/17(日) 15:21:13 ID:goqknym6
既男板にすごい萌えた許婚夫婦がいたな。
親同士が仲良しで生まれた子は結婚させよう、って約束してて
実際、男の子が9歳の頃に産院で
「この娘が君のお嫁さんです」と赤ちゃんとご対面w
二人が結婚するまでのあれこれを
想像するだけでもおなかいっぱいです。
149名無しさん@ピンキー:2009/05/17(日) 18:16:05 ID:TbZUtrdI
>>147
晒しでも作者でもなく保守と萌え提供のつもりだったんだ…

正直コピペミスです、スミマセン
150名無しさん@ピンキー:2009/05/22(金) 09:57:17 ID:PJGB68Ri
>>148
なにそれ萌える
151名無しさん@ピンキー:2009/05/22(金) 11:32:24 ID:UpTs7Ei5
>>148を読んだ記憶がある、と思って既読探したけど既男板のログ全部消してた。悔しい。
悔しいから夫婦生活板で拾った似たようなのコピペ。



584 名前:名無しさん@ピンキー sage 投稿日:2006/10/31(火) 01:02:03
うち、実家が隣同士で。オレが3歳のとき嫁(になる赤子)が生まれて。
以来、ずーーーーーーーーーーーーーーっと一緒。
いま、オレ37歳。高校、大学が別になったけど、自宅から通ったんで、
基本的に離れてなくて。

嫁以外の女子を知らないままの34年。


591 名前:名無しさん@ピンキー sage 投稿日:2006/11/01(水) 16:17:32
>>584
うちも幼なじみだけど、そこまでじゃないな。すげー。
うちは、嫁の方が5歳年上。教科書とかお下がりもらってた。

ただし、嫁はバツイチ。俺が大学行ってる間に結婚してたんだが、
旦那がウルトラ暴力男で2ヶ月で離婚。帰省したら、嫁に行った
はずのねーちゃんが隣の家にいたんでびっくりしたw 幸い、そ
のバカ男からはうまく逃げられた。

大学卒業して、家に戻って就職して。その間、隣のねーちゃんは
自宅で家事手伝い(本人曰く、穀潰し)をしていて。昔の習慣な
のか、なんだかんだと俺の世話もしてくれて。

プロポーズはねーちゃんが31歳のとき。確か、20回くらい断ら
れたw おじちゃん、おばちゃん(ねーちゃんの両親)にも反対
されるし。キズモノだからダメだとかふざけたこと言うし。よく、
俺も初志貫徹したよ。

初エッチのときは、なんか近親相姦してるみたいだったw


594 名前:名無しさん@ピンキー sage 投稿日:2006/11/01(水) 17:36:15
>>593
えー、まー、好き好き、好きったら好きってくらい好きだったし。
バツイチなんて俺も、うちの両親も気にしちゃいなかったのに、あっ
ちがえーらく気にしてさ。
10年ほど経ったけど、まだ好きったら好きだし。
嫁の扱いは未だに「弟」っぽいのが問題ではある。
姉成分75% 母成分20% 嫁成分5%くらいな感じ。

セックスんときも、まだ子供扱いさ(´ω`)
「出したくなったの? いいよ、出しなさい」
って言われてもさあ。出すけど。




多分改行引っかかるから二つに分ける。
152名無しさん@ピンキー:2009/05/22(金) 11:32:46 ID:UpTs7Ei5
731 名前:名無しさん@ピンキー sage 投稿日:2007/02/19(月) 00:56:55
普通と違う、見合い婚。

嫁とは幼なじみで、幼から厨まで一緒(7年同じクラス)。初恋に気がついたのは厨2の時。
その後、接点はなかったけど、大3年の夏休みを田舎から帰る駅で声掛けられて再会。
まだ好きなのに気がつくけど、へたれなので何もなし。
一年後の同窓会の帰りに告白、付き合い出す、お互い地元に戻って就職。

その一年後、叔母か見合い話を持ってくる。写真を見てびっくり、嫁だ・・・
その話に二人で大笑い。結婚する気でいたのと親の説得しなくて良いので、ちゃんと見合いした。
もちろん付き合ってるのは内緒で。その後結婚、親・偽親には付き合ってたこと言ったびっくりしてた。
叔母は、いまだに自分の紹介で結婚したと思ってる。結婚式は親戚付き同窓会でした。

先日、10回目の結婚記念日を終えたけど、3人の子にも恵まれた。


880 名前:名無しさん@ピンキー sage 投稿日:2008/04/16(水) 17:46:25
嫁さんと初めて会ったのは、中二の秋だった。
母親の兄の奥さんの弟夫婦って、俺にとってはもう血縁でもなんでも
ないんだけど、割と近所に住んでいて、奥さんのほうは母一人子一人で
育ったらしく、その母親が交通事故で急遽入院することになって、
そこの小さな女の子を暫く預かることになった。
翌春に小学生になるって幼女が後の嫁。
こうやって改めて書いてみると何だか笑える。




萌えるなあ。
153名無しさん@ピンキー:2009/05/22(金) 17:39:03 ID:IrakwTlz
もういいよ
154名無しさん@ピンキー:2009/05/22(金) 19:01:02 ID:CfXcG/Ii
>>151
夫婦生活板なんてものがあるとは知らなかった。
いいなぁいいなぁ萌えるなぁ。
>>148は↓の785だね

ttp://ronono.web.fc2.com/say_love/log012.htm
155名無しさん@ピンキー:2009/05/26(火) 14:32:40 ID:sCh/5UIX
萌えるネタいっぱい。
明子のネタに使わせていただきます。
156名無しさん@ピンキー:2009/05/28(木) 09:55:05 ID:UttDk6xS
頑張って下さい
157名無しさん@ピンキー:2009/05/30(土) 22:11:18 ID:IaZzGWt7
デストロイですか?
「乗れ」と言われたら「お邪魔します」ですか?


wktk
158名無しさん@ピンキー:2009/06/02(火) 12:42:06 ID:n8edAdZa
パスだったのか
159名無しさん@ピンキー:2009/06/03(水) 15:20:02 ID:v74BECGI
大きい旦那様と小さな奥様
浮気疑惑編冒頭部
エロ無し



「はぁーあ…」
私は今日、何度目かわからないため息をつきました
ぱたん…ぱたん…と気怠げに洗濯物をたたみ、龍一さんの
シャツにアイロンを掛けます
「はぁー…」
とため息をつく。外は酷い天気で朝から雨が降り続き
時折、ゴロゴロと雷の音が響いています。
時刻は17:00を少し回った頃、そろそろ
夕食の準備に取りかからなければなりません。
それも四人分、でもそんなのは問題ではないんです。
そう四人分の夕食など問題ではありません
問題なのはその四人分に龍一さんの分が含まれていない。
と言うことなんです。
ピカッゴロゴロ…雷が近くに落ちたようです。
「きゃっ!」
この歳になっても雷は怖いです。
ピカッゴロゴロ!!
あ…また…うう、怖いよォ…
「やだ……おっきい…」
朋子……貴女がいうと何だかとっても卑猥です。

『大きい旦那様と小さな奥様〜浮気疑惑?編〜』

「どうしたのアキ姉、さっきからため息ばかりじゃない?」
妹の朋子がソファに寝ころびながら言います。
「だって…龍一さんが今日も帰ってこれないって…今朝、電話があったの」
「へぇ〜どうして?」
「台風がきてて、入港予定にない船が一時、避難させてくれって。
それもたくさん来てて、港が大変らしいの」
「アハハハッ、そんなのウソに決まってるじゃない。女よ、愛人よ、情婦よ。
アキ姉のケツに飽きたのよ。明子だけに、飽きた…あ、結構うまいかも。」
けらけら笑う朋子に、私はアイロン片手に迫りました。
一生消えないタケノコ状のスタンプを押してあげようと思います。
「はい、龍一さんはお仕事です。大変です。焼き印はいやです、お、お姉様。」
床に頭をこすりつけて謝罪する妹を尻目に私は再びため息をつきます。
160名無しさん@ピンキー:2009/06/03(水) 15:21:21 ID:v74BECGI
お父さんとお母さんが海外旅行の為に自炊できない朋子は
先日から我が家に居候しているのです。
「明子おばさん」
「明子おばさぁ〜ん」
と可愛らしい声が二つ、足音と共に聞こえてきた。
「ため息は幸せが逃げるんだよォ」
「お母さんが言ってたよォ」
むぎゅ…と正面と背中から挟み撃ち。
「あ、ああ…もー孝子(たかこ)ちゃん、司(つかさ)君、アイロン中は
危ないから抱きつくのは無しって言ってるでしょ?」
アイロンを置いて、私は二人の子供に言いました。
この二人はお姉ちゃんの双子のおチビちゃん達です。
二卵性双生児なので、女の子と男の子という何とも珍しい双子。
ちなみにお姉ちゃんは単身赴任先で風邪を引き、
寝込んでいる孝司さんの看病に行っています。
「2〜3日で戻るから、子供達をお願い」と姉から頼まれ、ここに預かっているんです。
私に子供ができたら……こんな愛らしい子達に育って欲しいと思います。
ふふ……『おばさん」じゃなくて『お母さん』って呼んでもいいのよ、お二人さん。
「はいは〜い、タカちゃんにツカくん、朋子おばさんが可愛がってあげよう。
さぁ、おいで、おいで」
困っていた所に何ともいいタイミングで朋子が言いました。
朋子がソファの上で寝ころんでいます。
「朋子お姉ちゃん、教えてほしい事があるの」
「あるの」
二人が朋子の前に行き、何やら教えを乞うています。アニメの話題かな?
「ん、どうしたの?」
朋子の言葉に孝子ちゃんが言います。
「この間ね、夜におしっこに起きたらね、お父さんとお母さんが部屋で
種を植えてるみたいなの」
お姉ちゃんと孝司さんが……種…ですか?
「うん、『ああっ孝司、孝司…種付けして!一緒に!
種付け、種付けええ!』って、すごく苦しそうな声で言うの」
「きっとジャックと豆の木の種を植えてるから大きくて、重いと思うんだ。」
とこれは司君。それは致命的な間違いよ、二人とも。私は朋子にアイコンタクトを
送りました。しかし、朋子はガン無視。さらに微笑んでこう言いました。
「ええ、そうね。今度、夜に種を植えていたら部屋のドアを一気に
開けて『僕達もヤる〜』って言いながら入るといいわ。」
阿々、朋子、メス豚の如き汝には焼き印ね。焼き印よ。そう『branding』だわ。
「申し訳ありません。女王様。女神様。明子姉様。ごめんなさい。もうしません。
あ、あの…あ、熱いの近づけないで」
はぁ……龍一さん、早く帰ってきてくれないかなぁ……
161名無しさん@ピンキー:2009/06/03(水) 15:28:52 ID:v74BECGI
「はぁー……」
雨と風が舞い、事務所の屋根を叩く音。
防波堤に荒れ狂った波が叩きつけられる音。
そんな音に頭を抱えながら僕は深いため息をついた。
「野上先輩、ため息をつくと幸せが逃げます」
デスクでぐだーとする僕に後輩の小沢 治子(なおこ)が言った。
ややキリッとした双眸にショートカットの26歳…発言ハキハキ行動キビキビ。
仕事の上でしか話してくる事はなかったので、嫌われているのか?
と思っていたが、クリスマスは部署に手作りケーキを持ってきてくれたり
バレンタインに手作りチョコをくれたりと料理上手な面もあり、
淡泊な性格なんだと納得している。
おぼんには監査官達の夕食であるお茶とカップヌードル(シーフード味)
とコンビニのおにぎりがのっている。
「ありがとう……つ、疲れた…」
「私達の部署はまだマシです。港湾作業員は3日間ほとんど徹夜です」
キリッと眼鏡を上げ、治子は言った。
「4日連続で事務所に宿泊…新記録だ。夕飯、先に」
「どうぞ。まだ他の人達は南方国籍の貨物船の監査やそれぞれの監査に行ってます。
私もこれを片づけたら少し席を外しますので、電話をお願いします。」
「ああ…」
僕はそう言って、カップヌードルの蓋を捲った。
「それと濃霧が酷いので視界が不良です。
海に落ちないよう、岸壁には充分注意して下さい。」
「ずるずる…了解」
そしてお盆を片手に事務所の給湯室に消える後輩の後ろ姿を見送る。
162名無しさん@ピンキー:2009/06/03(水) 15:32:18 ID:v74BECGI
スレンダーな身体付きをしている小沢。
ショートカットの眼鏡付き。
胸もお尻もなかなか、背筋がピンとしていて身長は160はあるだろうか…
美人なのだが、ちょっとキツめの印象が災いして、部署内では1歩引かれている。
港湾作業員にかなり入れ込んでいる若者がいると聞いたが……と僕は詮索を止めた。
「野上先輩、何か?」
「ん…どうした?」
「いえ…背中に視線を感じた気がして…失礼しました。」
……後ろに目があるのではないか、と思われるぐらいの鋭さ。
お尻に視線を向けてなくてよかった…一度、港湾作業員のおじさんが
『私のお尻に興味があるのですか、セクハラで上告して人生破滅させますよ?』
と言われ、事務所に泣きながら駆け込んできた事がある。
…危ない…危ない…そして食事を済ませた僕はデスクワークに戻った。

時刻は01:00…夜中になってようやく風も雨もおさまってきたようだ。
ほとんどの者が事務所に引き上げ、仮眠室に入っている。
この時間は僕と小沢の当直だ。が、彼女も疲労がたまっているのだろう
隣席で時折、うつら、うつらと船をこいでいる。
僕はノートパソコンを閉め、デスクにある明子の写真を少し眺めた。
……帰ったら思いっきり、抱き締めて、キスしてお尻の感触を堪能しよう……
……イカン、イカン…頭を振り、妄想を振り払う。トイレでの性処理はもう御免だ。
僕は席を立ち、給湯室で暖かいコーヒーを2つ入れ、一つは小沢のデスクに置き、
簡単な書き置きを残して事務所を出た。
懐中電灯を片手に岸壁を回る。潮の香りが漂い、ひんやりとした空気が身体を包んだ。
小沢がいったように酷い霧だ。港を照らす大型スタンドだけでは足元が危ない。
足元に注意しながら、船舶を見て回っていると……
「ん?」
報告になかった船がやや離れた所に停泊している。
やけに古めかしい貨物船だ。どこの国籍だ?と思い僕は近づいた。
聞こえてくるのは…イントネーションからして中国語だろうか?
何かの積み荷を降ろしているようだ。
163名無しさん@ピンキー:2009/06/03(水) 15:32:52 ID:v74BECGI
「……誰だ!」
ぎょっとして振り返るとそこには船長らしき人物が立っていた。
くたびれた船長帽子を被って、ポケットに手を入れながらこちらに向かってくる影。
かなり流暢な日本語だが、ややトーンが高い。女性なのか?
そしてその影の持ち主が濃霧の中から現れた。僕は目を疑った。
「あ、明子?」
それはまさしく明子の生き写しだった。
やや褐色にみえるのは日焼けしているからなのだろうか。
黒い髪を首辺りで切りそろえ、ヘアゴムで後ろで一つにまとめている。
タンクトップから覗く、両腕は鍛えられているが男性と比べるとやはり女性のソレだ。
「アキコ?……って、に、にっぽんじん!?」
僕を見てその女性は眼を見開いた。そしておずおずと聞いてくる。
「あ、えー…その、ひょっとして……『カンサ』の方ですか?」
「あ、ああ…そうだけど?この船の船長は貴女ですか?入港と停泊の連絡が
ありませんでしたが…資格証明書と積み荷のリスト―――――」
「そ、そーですね、さっさ、どーぞどーぞ案内しますから。
あんたたち、『監査官様』がお通りだ。
道を開けろ!前等被甥儿悟你装的荷物!(お前ら、積み荷を悟られるな)」
『監査官』という単語にその船で作業している船員達が全員
ぎょっとした。続く中国語に頷き、そして顔を隠すようにせこせこ動き出した。
「ヤーヤー、失礼でした。どーぞ、案内します。船長の明胡(メイフォア)です」
「あ、ああ…監査官の野上 龍一です。よろしくお願いします…明胡さんはとても
日本語が上手ですね。」
「ノー、違うね。祖父が日本人ですから教えてもらったのです。ちなみに
私の名前、日本読みだと、日に月にさんずいのない湖で『ア・キ・コ』言います♪」
………ああ、明子、君のドッペルゲンガーがここにいるよ…
「さっきびっくりしました。急にノガミさん、私の名前を言うから…」
そう言って先に船へと続くタラップを昇っていく女船長。
下はジーンズで、ぴっちりとお尻にフィットしている。歩くたびに左右に
揺れるお尻は……と、とても美尻だ。大きすぎず小さすぎず左右から
こんもりと盛り上がったお尻…く、ぐう…明子にも勝るるとも劣らない
美尻を眼にするとは…あ、明子…他の女性に欲情する僕を
許してくれ…。

続く
164名無しさん@ピンキー:2009/06/03(水) 19:26:01 ID:CTkwMSq9
浮気……だと……?

続きwktk
165名無しさん@ピンキー:2009/06/03(水) 20:02:49 ID:ZRrnSo0M
なん…だと…?

続きwktk!
166名無しさん@ピンキー:2009/06/03(水) 23:34:03 ID:oL7y3HAQ
ハニートラップktkr
167名無しさん@ピンキー:2009/06/10(水) 15:12:43 ID:BI3r5uNu
大きい旦那様と小さな奥様〜浮気疑惑?編〜
エロ有り





「明胡さん、まず船員人数とその資格についてお伺いしたいんですが…」
タラップを昇り、船に乗り込んだ僕は言った。
「船員は全部で40人、男女比率は私を含めて25:15です。
あ、長い航海での欲求不満も問題ありませんよ。男性船員はほとんど
同性愛者ですので女性船員に被害が及ぶことはないんです。」
明胡の顔で言われて、そのギャップに思わずゴクリと喉が鳴った。
「そ、それにしても明胡さんは日本語が、お、お上手ですね」
アハハッと僕はその場を流そうと試みた。
「アイヤ〜そんな事ないアルよ、ノガミさん。私、日本語上手じゃないネ…
という感じで喋った方がノガミさん的には好みですか?あ、あと英語でも
イケますネ」
「………」
……この人は外見と名前は明子だけど、中身は朝子さんや朋子ちゃん
なんだな…と思った。

『大きい旦那様と小さな奥様〜浮気疑惑?編〜』

その後、船員の資格やら油記録簿、操舵室に機関室
積載状況に防火設備などを見て回った。
そしてここ、居住区の居室部の点検なのだが……
「さ、ノガミさんこっちです」
明胡の後についていく僕。
だが、ふと気になった扉があったので明胡から離れて
その扉に手を掛けた、鍵は掛かっていないようだ。
そっと中を覗くと、猛烈な獣のニオイ……顔をしかめ、
中をみる船倉へと続く階段があった。
168名無しさん@ピンキー:2009/06/10(水) 15:13:43 ID:BI3r5uNu
「ノガミさ………」
先に行っていた明胡が僕に気付いた。
そのまま少し場が静止したような気がした。
「これって檻ですよね?」
船倉らしき所に積み上げられている檻を指して僕は言った。
「違うよ。部屋アルよ」
言葉が変ですよ、明胡さん。
「いや、無理でしょ。これって動物の骨ですよね?藁ですよねコレ?
このミイラ化した物体って糞ですよね?」
「自閉癖のある船員からの要望で檻の中が心地よいとの意見が
あって採用したんです。骨はカルシュウム不足を補う為で、
藁のベッドの方が安心するそうなんです。糞はたぶん我慢できなかった
んだと思います。」
明後日の方向を見ながら明胡は言った。
「……もの凄い獣臭がするんですが…」
「その船員はお風呂嫌いで臭いフェチなだけなんです。」
「これって密猟した動物――――」
「そそそそんなことはありませんよ?」
僕が大きな木の箱に手を掛けた、ガタン…ゴロゴロ……
その木の箱の穴からかなり大きな瓶が僕の足元に転がってきた。
「……クロロホルム?」
「そいつ、不眠症なんです。」

しぶしぶその場を辞して僕は明胡の後を続いていった。
とりあえず一通り終わって、二人で甲板に戻り、明胡が言った。
「何か問題がありましたか、ノガミさん」
明胡がニコッと笑った。
「はい、全ての項目にバツがついています。」
「それは『問題なし』を意味する印ですね。」
明胡はホッと胸をなで下ろした。。
169名無しさん@ピンキー:2009/06/10(水) 15:14:33 ID:BI3r5uNu
「残念ながら違います。資格証明書、油記録書、その他の書類は
かなりいい加減ですし、航海日誌はあれは小学生の絵日誌ですか?
落書きだらけじゃないですか。救命設備は救命艇が竹で編んだ筏で
救命胴衣が市販の店で販売しているアニメがプリントされた空気入れる浮き輪でしたよね?
船内は缶詰やらタバコやらポイ捨てゴミの山、果てはゴキブリ、ネズミ、
カビ、虫のオンパレード。不衛生すぎます。残っている備蓄食糧が小麦粉、肉の塩漬け、
ジャガイモ、それに水だけって……大航海時代じゃないんですよ!?
何故、冷凍・冷蔵庫がないんですか?それと操舵室、機関室の
船員は国籍不明の髭が生えた大男達で、計器類の表示語、あれは何語ですか?
どこか中東の言葉ですよね?防火設備は消火爆弾ってこの船は軍艦ではありませんし、
消化器は取っ手を握って持ち上げたら、下がごっそり崩れましたよね?
何十年前の消化器なんですか!最後に居住区のあれって檻ですよね?檻なんでしょう?
クロロホルムは密猟した動物を眠らせるためのモノなんでしょう?」
「……………つ、つまるところ」
「はい、不合格です。出港は認められません。むしろ、いつ入港したんですか?」
「……………龍一さんって29歳なんだ」
そっぽを向いて女船長は言った。
「――――僕の年齢……なぜ、あなたが!?」
一瞬の間があって、僕は息を呑んだ。明胡の手に握られているモノ―――
「ンフフフ…野上 龍一、29歳……それとコッチは恋人ですか…?
おおお、私にそっくり…これは驚きました。名前が………
わおっ、野上 明子…私と同じ名前の読みです。性が同じって事は奥さんですね?」
ニヒヒヒと笑って明胡は言った。明子が絶対に見せない…
いや、見せるどころか、『絶対にできない』であろう意地の悪い笑みだ。
だが、これはこれでいいかもしれない……ってそんな場合ではない。
「いつの間に財布を!?」
「お財布に奥さんの写真を入れてるってコトは、ラブラブですね?ひょっとして新婚かな?」
いつの間にか財布を抜き取った女船長・明胡は免許証や写真を見ながら笑った。
「返して下さい、明胡さん!」
「返して欲しかったら、私を捕まえてくださぁ〜い、龍一さん♪」
あっはっはっと笑いながら船の通路を走り出す明胡を追って僕は走り出した。
170名無しさん@ピンキー:2009/06/10(水) 15:16:16 ID:BI3r5uNu
そして辿り着いたのが船長室。
[明胡]と書かれた名札が掛かっている。
遠慮はいらない、僕は一気にドアを開けた。
「いらっしゃ〜い、龍一さん」
この部屋だけは他の船室とは雲泥の差。掃除が行き届いている。
部屋の奥にある天蓋付きベッドに腰掛け、明胡がニャハハと笑っている。
室内に微かに漂うお香の匂いがする。女性の部屋だが、構わず僕は明胡に詰め寄った。
すると明胡は財布をゆっくりとベッドの横にある小さなテーブルに置いた。
それを引ったくるように取ると僕は中身を確認した。カード、現金、免許証……一つだけ足りない。
「写真を返して下さい。明胡さん。」
「写真ぐらい……そんなに大事なモノなんですか?」
とぼけた表情で明胡は言った。その手の中に写真が握られている。
「明子と…いや、妻の写真です。貴女にとっては何の価値もないものですが、僕にとっては
お金より大切な宝物です。」
ふうん…と頷き、明胡はその写真を僕に差し出した。
「宝物……とまで言われては返さないわけにはいきませんネ。ごめんなさい、龍一さん。」
明胡から写真を受け取り、僕は踵を返した。
「監査はこれで終わります。しかし、この船は先にも言ったように問題があります。
その問題を解決するまで出港を…みとめ…ワケにはいきま…せ…あっ…んんっ…」
目の前が一瞬霞んだように見えた。身体が熱い、熱か?いや、違う…これによく似た感覚は
ま、まさか――――――。
171名無しさん@ピンキー:2009/06/10(水) 15:16:47 ID:BI3r5uNu
「誰にでも宝はありますネ、龍一さん。龍一さんにとっては明子さんが宝物…
私にとってはこの『船』と『船員』が宝物です。だから、差し出すわけにはいきません。」
「め…明胡さん…まさか…このお香は―――――」
「はい♪とっておき、男性だけにとーてもよく効く媚薬です。うふふ…龍一さん」

―――喜歡我的屁股吧?(あなたは私のお尻に欲情しているんでしょう?)―――

「な…何を…何を言った?」
僕は言葉の意味がわからず、明胡に言った。
「タラップに昇るときに私のお尻を見てたでしょう?どんなエッチな妄想してたんですか?
龍一さんはアナルファックが好きなの?…あ、それともお尻が好きなんですか?
ふふ、どっちにしろ…変態さんですね…」
明胡はゆっくりと僕の前でタンクトップに手を掛けた。日焼けした褐色の肌と真っ白な地肌の
ギャップに僕は思わず生唾を飲み込む。
スルリとタンクトップが床に落ち、明胡がその豊かな胸を両手で隠すように抱き、背後に回った。
「私のおっぱいを見て欲情してる龍一さん…明子さんが見たらどう思いますかね?」
「や…やめてください。め…明胡さん…」
背中にぐにゅっと押しつけられる乳首の感触に僕のモノは痛いほど勃起していた。
褐色の腕が僕の股間を這うように動き、シャツのボタンを外し、ベルトに手を掛けた。
「…帰ったら、お風呂?夕食?それても明子さんからいただきますですか……
あはっ、固い…とっても大きい…私でこんなに感じてくれてるの?」
勃起したモノをゆっくりと扱きながら、明胡が耳元で囁く。
「いけないオチンポさんですね…龍一さん…それで明子さんのオマンコを毎晩いじめてるんですか?
おっぱいに吸い付いて、お尻を揉みし抱いて、滅茶苦茶にファックして種付けしてるのかな?」
くすくすと明胡は囁くように笑った。背中に押しつける乳房の感触。その中心が固く尖っている。
「め…明胡さん、や、やめて…やめろ!僕には明子が…」
「鍵は開いてますよ?逃げ出したければ、突き飛ばして逃げればいいと、明胡は思います。」
「め…明胡!!」
僕は声を荒げ、明胡に振り向いた。
「明胡(あきこ)って呼んで…龍一さん。」
次の瞬間、明胡に唇を防がれ、僕の意識は急速に薄れていった。

続く

注:中国語はかなりいい加減ですのであしからず
172名無しさん@ピンキー:2009/06/10(水) 18:42:49 ID:yPmfCp3F
浮気疑惑より密輸の方が気になるのはなんでだw
続き待ってます
173名無しさん@ピンキー:2009/06/11(木) 08:50:20 ID:ox/AYhW8
俺は龍一を信じてるぜ!
すんでのところで耐えて、
家に帰って明子タソの尻で大爆発だぜ!
で、種植えてる現場を朋子タソと双子ちゃんに見られると。
174名無しさん@ピンキー:2009/06/11(木) 12:43:57 ID:EEIo7cgY
逃げてー
龍ちゃん逃げてー!!!!
175名無しさん@ピンキー:2009/06/14(日) 16:43:13 ID:LcZrWbxy
最近鉄仮面と子猫の人こないね
176名無しさん@ピンキー:2009/06/14(日) 16:53:24 ID:ePlG9VU1
(゚听)イラネ
つまんねーからな
177名無しさん@ピンキー:2009/06/15(月) 03:52:44 ID:OsIDtBw3
甘甘ラブラブはまだかのぅ
178名無しさん@ピンキー:2009/06/16(火) 19:36:45 ID:ECrRW1cg
鉄仮面と子猫、読みたい…
他のもだけど、新作読みたい病にかかってるのがツラいw
179名無しさん@ピンキー:2009/06/17(水) 21:48:58 ID:z8d0UAjO
ホッシュ
180名無しさん@ピンキー:2009/06/18(木) 18:33:58 ID:lTJrbkYq
自分も鉄仮面と子猫待ってる
勿論新しい書き手さんも現行の書き手さんの続きも全部待ってるよ裸で
181名無しさん@ピンキー:2009/06/19(金) 07:37:43 ID:QIxBmy+U
全裸で嫁を待機
182名無しさん@ピンキー:2009/06/21(日) 16:49:29 ID:iXNyHrkP
穂波も待ってる
183名無しさん@ピンキー:2009/06/22(月) 00:59:26 ID:9a7gHNBt
浮気編の続き待ち
184名無しさん@ピンキー:2009/06/26(金) 14:24:51 ID:ttns7g1g
年下のかわいくて純粋な嫁の話はたまりませんな

友達感覚ですげー恥ずかしがりやの嫁もいいですな

年上なのに年上と思えない子供っぽさと母性のような包容力を併せ持つ嫁もよいですな
185名無しさん@ピンキー:2009/06/26(金) 21:13:26 ID:BbS7SHUg
友達夫婦みたいなざっくばらん感じだけど
えっちぃ時だけ照れ照れになる嫁さんも可愛くていいな
186名無しさん@ピンキー:2009/06/29(月) 22:56:29 ID:RUA/zECq
ちょ、まってまってっ!
んっ やぁっ ダメッ 恥ずかしいってばぁ!!



みたいなリアクションだよね
187名無しさん@ピンキー:2009/07/02(木) 00:56:40 ID:afP0b5Be
映画番組なり見ながら突っ込みいれつつ談笑
見終わった後さあ寝ようか(sleep)という時に
急にそわそわしはじめて
「え、えっとねー……その、しよっか?」
とちらちらこちらを見ながら言ってくるのを想像したんだが…
188名無しさん@ピンキー:2009/07/03(金) 00:45:58 ID:cjv2G1rt
それプラス
嫁が普段は竹を割ったような性格に、言葉遣いがちょっと荒っぽいといいなー
でも夜になって誘う時も、擦り寄って察してほしそうな雰囲気を必死に出すのに、旦那が意地悪で気付かないフリ
痺れをきらした関西弁の嫁が
キレたver「気付けや、阿呆が!!」(押し倒す)
恥ずかしいけど言っちゃうver「なーなー、せんの…?シようやぁ…」
無言で襲うver、茶化しながら体を触りはじめてその気にさせるverなど
昼と夜のギャップ萌え
189名無しさん@ピンキー:2009/07/04(土) 12:51:17 ID:XhlXri95
もうええわ!今日は一緒に寝んからな!!(ツンツン)
え、何?触んな!!もう、触んなっちゅーとるやろ!!
あかんって……!ああもう、ホンマにあんたはアホなんやから……(デレ)

的なツンデレテンプレ展開も好きだ
190名無しさん@ピンキー:2009/07/05(日) 03:28:17 ID:EpTWpa/L
鉄仮面の過去ログを読んでいたら脳内で鉄仮面が「妻に愛してると言ってみた」スレに書き込みみたらどうなるんだろうと脳内妄想して1日が終わった。
明日は「妻に愛してると言わせてみた」でニマニマする、全裸でw
191名無しさん@ピンキー:2009/07/05(日) 20:49:12 ID:oh+NvmDf
なんだその素敵な妄想はっww
あそこに密かに書き込んでたら萌える一方で、
2ちゃんねるなんか知らない堅物であってほしい妄想…w
192名無しさん@ピンキー:2009/07/05(日) 22:13:55 ID:VUw46txo
保管庫読み返してきたが、このスレほんと良作揃いだな。
志乃さんの続きが読みたいんだぜ。作者さん、まだこのスレ見てたら是非続きを…!
193名無しさん@ピンキー:2009/07/10(金) 19:08:49 ID:Jw6c79Gj
鉄仮面と子猫夫婦の新婚旅行を妄想しつつ保守
194名無しさん@ピンキー:2009/07/11(土) 23:07:14 ID:3DVzGMdN
新婚旅行先は国内・温泉地と予想して保守
195名無しさん@ピンキー:2009/07/15(水) 21:15:18 ID:pbuCG2IT
卓球が異常に強い鉄仮面を想像しながらも保守
196名無しさん@ピンキー:2009/07/15(水) 21:25:20 ID:Re2SLaYw
>>195
強そうだww
197名無しさん@ピンキー:2009/07/15(水) 21:30:48 ID:NZmmLCbO
そういや大樹と穂波は新婚旅行に行ったんだろうか?保守。
198名無しさん@ピンキー:2009/07/16(木) 08:27:05 ID:Svy5fPSK
あそこは無難に南の島ぽいなと予想して保守。
意外と初ビキニでぽよぽよんですよw
199名無しさん@ピンキー:2009/07/16(木) 10:37:10 ID:AZ3uL3ah
新妻たちの水着姿を考えながらage
200名無しさん@ピンキー:2009/07/16(木) 18:29:40 ID:/4NWG3Xq
大樹×穂波を書いている者です。
記念日編というのを書きました。
長いのですが、割り込みおkでしょうか?
201名無しさん@ピンキー:2009/07/16(木) 19:11:07 ID:7IjEhVES
ぜひぜひ!
202名無しさん@ピンキー:2009/07/16(木) 21:26:34 ID:G6cO4HAs
待ってたんだーぜひお願い!
203名無しさん@ピンキー:2009/07/17(金) 19:12:01 ID:cPEvWF+R
大樹×穂波で記念日編、投下させていただきます。
ネタが季節外れですみません。

3回に分けて投下します。

1回目、12レスお借りします。
1回目はエロなしですが、ご容赦ください。
204名無しさん@ピンキー:2009/07/17(金) 19:12:53 ID:cPEvWF+R
「穂波ー」
インターネットであれこれ検索をかけて目的のものを見つけ出した俺は、ブラウザを閉じると
ノートパソコンから顔を上げて、ビール片手にハリウッド映画を見ているマイ・ディア・ワイフ・穂波に声をかけた。
「うん?」
視線はテレビに向いたまま顔がこっちを向く。
ハリウッド映画なんて全部同じじゃん。
適度にいいやつが死ぬか悪役で、ヒロインが活躍する場がちょっとあって、カーチェイスと爆発シーンがあって、
どんな大怪我しても死なない主人公が悪役に勝って、ぶちゅーっとキスシーンでハッピーエンド。
タイトルと登場人物が違う以外はほぼ全部同じなのに、なんで毎週見るんだ。
「来週の土曜って、休みか?」
「うん、一応いつも通り休みだけど。
 ……来週の土曜日がどうかした?」
「飯食いに行かねえ?」
「え!ホントに?大樹のおごり?」
やっと穂波が身体ごとこっちを向いた。
まあ、CMになったからかもしれないけど。
「まあ、俺のおごりでもいいけど……」
「あれ?違うの?
 ……ていうか、どうしたの?急に」
「おまえ、再来週の日曜がどういう日か分かってる?」
「日曜……」
穂波は首をぐるっと回して、時計の下にかかってるカレンダーを見た。
「……来週の日曜が明後日でー……再来週?」
沈黙が流れること約十秒。
おいおい、大丈夫か?
こういうことって普通、女の方がうるさいと思うんだけど。
とか思ってたら、穂波が、おー!と声を上げた。
「そっか、結婚一周年だ!」
おめでとー!と嬉しそうに拍手する穂波。
おめでとーって、自分たちのことじゃん、て思うけど、穂波の嬉しそうな顔を見てたら
なんだか俺まで嬉しくなってきたから、俺も一緒に拍手しながら、
「そ。だから、飯でも食いに行かないかな、と思ってさ」
と言ってみた。
205大樹×穂波(記念日編):2009/07/17(金) 19:13:37 ID:cPEvWF+R
で、今、俺と穂波は手を繋ぎながら歩いてたりする訳だ。
穂波の提案で、飯の前に危うくハリウッド映画を見に行くことになりそうだったけど、どうにかそれは回避して、
昼過ぎから地元にあるでかい梅園に梅の花を見に来てる。
梅園なんてじじばばが行くとこだと思ってたけど、子連れとか若いカップルも結構いる。
寒さのせいもあってか桜の季節の花見ほどじゃないけど、それなりに人は多い。
映画回避の苦し紛れの提案だったけど、穂波はかなり楽しんではしゃいでるし、俺も意外に楽しめてる。
「ね、大樹、あっちの木はたくさん咲いてるよ」
穂波が指した方を見ると、確かに他の木よりは大きくて、白い花をたくさん付けてる木が見えた。
「ホントだ。けど、人も多いな。
 みんな写真撮りまくりじゃん」
「私たちもカメラ持ってくればよかったね」
「そうかあ?」
「そうだよ。で、おじいちゃんおばあちゃんになったら写真見ながら孫に言うの。
 『これがおじいちゃんとおばあちゃんの初デートの時の写真なんだよ』って」
穂波がわざと声をよぼよぼさせる。
「初デート?そんなことないだろ」
「そんなことあるよ。
 大樹とね、こうやってぇ、手を繋いでね、ただお散歩するのって初めてだもん」
穂波は少し照れたような顔で笑って俺の手をぎゅっと握り直すと、腕に寄りかかってきた。
なんだか照れくさい。
「手ぇ繋いで歩くのなんてしょっちゅうやってるじゃん」
ドギマギしてるくせにそう返すと、穂波は、
「そうだけど、いつもはデートじゃないもん。
 朝出かける時とお買い物に行く時だけだもん」
と口を尖らせた。
206大樹×穂波(記念日編):2009/07/17(金) 19:14:06 ID:cPEvWF+R
「それってダメなのか?」
「オー、大樹サーン。
 アナタ、分カッテマセーン」
穂波サーンが首を横に振る。
「デートっていうのはね、一緒に居て、二人でこうやって歩くのが目的なの。
 いつもは出かける時に一緒に居るから手を繋いでるだけ。
 分かった?」
「分かったような分からないような……」
「もー」
「だって、新婚旅行の時も手ぇ繋いでたじゃん」
「そうだけど……、二人でのんびりっていう訳じゃなかったし、帰りはお土産がたくさんだったし……」
確かに後半は友達やらお互いの家族やら会社に土産を買わなきゃいけなくて、そのくせ送料をケチったせいで、
帰りは二人とも両手に荷物がいっぱいで手なんて繋げなかったし、
観光の時もツアーだったから二人のペースで、って訳じゃなかった。
やっと穂波の言いたいことが分かってきた気がして、俺が手を握り返して、
「そう言われると確かに初デートかもな」
と言うと、穂波は嬉しそうに、うん、と頷いた。
結婚まではただの気が合う友達だったから、二人で出掛けても手なんて繋いだことなかったし、
結婚が決まって式場の下見に行く時も、お互いの家に挨拶に行った時すら手なんて繋いでなかった。
一年前までは穂波とこんな風に歩くなんて思ってなかった、なんだか感慨深いものがあるなあ、
と思わず大きく息をこぼすと、穂波がこっちを見上げてきた。
「大樹?」
「ん?」
「どうしたの?」
「いや、一年前は穂波とこんな風に手ぇ繋ぐなんて思ってなかったなーって」
俺が素直に気持ちを伝えると、
「……ホントだねえ。私も大樹とこんなになるなんて思ったことなかったよ」
と返ってきた。
207大樹×穂波(記念日編):2009/07/17(金) 19:14:35 ID:cPEvWF+R
「ねえ、大樹」
「ん?」
「たまにでいいから、こうやってデートしようね」
「おう」
しょっちゅう思うことだけど、穂波の顔を見てたらこいつと結婚してホントに良かった、って思えてきた。
あの時結婚したいと思って、それをこいつに伝えた俺はめちゃくちゃ正しい選択をした。
偉いぞ、俺。
「大樹?」
「なに?」
「私の顔、何か付いてる?」
「何にも付いてないけど、なんで?」
「だって、さっきからずーっとこっち見てるから……」
そう言えば、梅の花見に来た筈なのにあんまり梅を見た記憶がない。
今も目の前にでっかい白梅の木があるのに。
でもしょうがないよな。
隣に穂波が居るんだからさ、梅よりこっちを見てたいじゃん。
「いや、ちゅーしたいなと思って」
俺が思わず本音をこぼすと、目の前の顔が赤くなって、手をぐいっと引っ張られた。
「ばっ、バカっ!」
「バカとは失礼な」
穂波の行動に不満を覚えながら引っ張られるまま歩き出したけど、穂波がそうした理由がすぐに分かった。
周りに人がいっぱいだ。
しかもくすくす笑われてる。
どっかのおっさんが、若いっていいねえ、とか言ってる。
これは穂波に申し訳ないことをした。
と反省したけど、耳まで赤くなって俺を引っ張ってずんずん歩いていく穂波を見てたらなんだか顔がにやけてきた。
208大樹×穂波(記念日編):2009/07/17(金) 19:15:01 ID:cPEvWF+R
しばらく引っ張られるまま歩いてたけど、穂波はいつまでたっても止まりそうにない。
俺が穂波の手を引っ張ると、穂波はようやく歩く速度を緩めた。
「ごめんな」
穂波の耳元に口をよせて囁くと、穂波はぷくっと膨れて、
「もー。いきなりあんなこと言うからびっくりした……。
 周りに人がいっぱいいたのに……」
と不平を漏らした。
「うん、俺もびっくりした」
「なんで大樹が」
「周りが見えてなかったから」
我ながら結構クサイこと言ってると思ったけど、ホントのことだからな。
ていうか、ホントに周りが見えなくなることってあるんだな。
とか思ってたら、穂波が足を止めたて、視線だけこっちに向けた。
「……それって……私のこと、見てたから?」
「そう。穂波と結婚してよかったなーって思ってて、気がついたら穂波の方見てて、ちゅーしたいと」
今度は一応周りにあんまり人がいないことを確認しつつ、声を小さめにすると、
穂波はそっか、と何度か揺れるみたいに頷いてから、はにかんで俺を見ると、
「おうちに帰ったら……しようね」
と小さい声で言ってくれた。
ですよねー。
キスなんてものは、結婚式でもない限り、普通は室内というか人目がないところでするもんですよね。
ハリウッドじゃないんだから。
けどな、うん、まあ、いいじゃん。
ちょっとくらい。
ていうか、今から二人っきりになれる時間まで我慢なんて絶対無理。
「ほーなみ」
「えっ……」
俺が穂波の目の前に顔を持って行くと、穂波が顔を引いた。
209大樹×穂波(記念日編):2009/07/17(金) 19:15:32 ID:cPEvWF+R
引いていた赤みが穂波の顔に戻ってくる。
「一瞬。ちょっとだけ。……な?」
穂波の鼻の頭に鼻っつらを擦り付けると、穂波は視線を泳がせてから、
「ちょっとだけだからね……?」
と言って顎を上げてくれた。
手がきゅっと握られて、唇がくっつく。
やばい。
たったこれだけのことなのに、顔中の筋肉がゆるゆるになる。
舌が疼いてきたけど、こっから先はさすがに我慢だ。
ちょっとだけって言ったわりには結構長い時間、穂波は唇を離さないでいてくれた。
「はふ……」
穂波は顔を離すと、俺の顔は見ないでゆっくり歩き出した。
俺もそれについてゆっくり歩く。
穂波の耳が真っ赤になってるけど、それはきっと俺もそうなんだろうな。
中坊じゃあるまいし、キスしただけで真っ赤とか、我ながらなんて初々しいんだ。
初デートの魔力恐るべし。
二人とも黙ったままだったけど、この静かな感じが少しくすぐったいくせにすごく心地よくて、
俺たちは手を繋いだまま、ただ歩いた。
しばらく歩いてると穂波が口を開いた。
「大樹、お茶飲んでいく?」
穂波が顔を向けた方を見ると、和風の喫茶店があってなかなか盛況。
入口の前の椅子にはおばちゃんたちが座ってお喋りしてる。
飲んでいくのは構わないけど、
「結構並びそうだな」
って言うと、穂波はすぐに、
「じゃあ、もう行こうか」
と喫茶店とは反対の方に行く道を指した。
そっちに行くともう出口だ。
時計を見ると三時を少し回ったところ。
なんだかんだで一時間半くらいかけて一周してきたらしい。
晩飯にはまだ早いけど、あったかいものを飲むために寒い中で待つのも変な話だ。
俺は、そうだな、って相槌を打って穂波と一緒に出口の方へ足を向けた。
210大樹×穂波(記念日編):2009/07/17(金) 19:15:56 ID:cPEvWF+R
梅園を出た後、バスと電車を乗り継いで俺たちはでっかい駅に来た。
ディナーはこの駅から歩いて十分くらいのとこにある某有名レストラン。
せっかくの記念日だからな、フランス料理の店かなんかを予約しちゃった訳だ。
まあ、若干予算オーバーではあるんだけどさ……。
にしても、予約した時間までまだちょっと時間がある。
これは穂波のウインドウショッピングに付き合わされるな、って覚悟してたら案の定お声がかかった。
「ね、まだ時間あるよね。
 ちょっとお買い物行こ」
前回は俺のYシャツを買いに行っただけの筈だったのに、三時間デパートに拘束された。
その前は座椅子にたどり着くまでに二時間……。
けど、今日は五時半から飯っていう時間制限があるし、何より楽しむ日だから嫌な顔はしない。
穂波は駅と直に繋がってるデパートの入り口で売り場の確認をすると、デパートの中に突入した。
土曜日の夕方だけあって、かなり混んでる。
化粧品売り場に充満してる何とも言えない臭いとおばちゃんとおねえちゃんたちの間をするするとすり抜けていく穂波。
こんなにスマートに人混みをすり抜ける能力があるなら、スポーツの一つもやりゃあいいのに。
酒は飲むし、しょっぱい摘まみは食うし、そのわりに甘いものは好きだし……、
そのくせ通勤と家事以外に身体を動かすことはない。
こいつ将来は絶対メタボだ。
すれ違った丸い体系のおばちゃんを横目に穂波の将来を憂いながらエスカレーターに乗ると、
一段上に乗った穂波がようやくこっちを向いた。
なんだかやけににこにこしている。
「なんだよ、なんかいいことあったのか?」
「んーん。大樹とデートしてるから嬉しいだけ」
さっきも電車の中で、デート楽しいね、って言ってた。
こんなに喜ぶんだったら、もっと早くデートすれば良かった。
休みの日は掃除、洗濯、食品とか日用品の買いだしで、持ち帰った仕事がなければだらだらテレビ見て、
それに飽きたらセックス……。
穂波が嫌がらないのをいいことに調子に乗ってたけど、そればっかりってどうなんだ、俺。
211大樹×穂波(記念日編):2009/07/17(金) 19:16:26 ID:cPEvWF+R
やや反省した俺が、
「またどっか行こうな。
 いっつもは無理でもさ、行きたい所があったら言えよ」
と言うと、穂波の顔がこれまで以上に明るくなった。
「ホント?んとね、じゃあ、六月になったら紫陽花見に行きたい。
 あ、その前にお花見に行こうね。
 それから」
あれこれ考えながらエスカレーターを乗り換える穂波。
「あれ?おまえ、ここで降りなくて良かったの?」
下になって行く婦人服売り場を見送りながらそう聞くと、穂波は得意げな笑顔になって、
「今日の目的地はもっと上なのです」
と言った。
で、また、握った俺の手を左右に揺らしながら、
「そうそう、映画も行こうね。デートの定番だから。
 あとね、プラネタリウムも行ったことないから行ってみたいんだよね」
とあれこれ続けた。
なんか夫婦って言うより、付き合い始めたばっかりのやつらの会話だな、なんて思いながら、
穂波の提案には、そうだな、とか、行こうな、とか相槌を打ってると、エスカレーターから降りた穂波が、
フロアの案内図の前に立った。
「んーとー……」
CD、文具、本屋それにスポーツ用品店の名前が並んでる。
目的地がさっぱり分からなくて一緒になって案内図を眺めてると、
「おっけ、分かった」
と穂波はまた歩き出した。
CD屋の角を曲がって本屋の前を通り過ぎて、スポーツ用品店の前に到着すると、穂波は、
「とうちゃーく。ね、大樹、シューズ買ってあげる。
 こないだ、『もう買い替えなきゃなー』って言ってたでしょ?」
とスニーカーが並べてある棚を指差した。
212大樹×穂波(記念日編):2009/07/17(金) 19:16:57 ID:cPEvWF+R
「えっ!?マジで?」
「うん、大樹が今日の晩ご飯プレゼントしてくれるから、私からのプレゼント。
 ホントはね、内緒にしたかったんだけど、靴って自分の足で確かめないとダメでしょ?
 だから」
「どれでもいいの?」
「だって、私どれがいいか分かんないし、大樹が履くのだから大樹が好きなのでいいよ。
 お値段は気にしなくていいからね」
素人チームではあるけれど、真面目にフットサルをやってたりするので、このプレゼントはかなり嬉しい。
穂波が服を選ぶ時はどれでも一緒じゃん、て思ってるくせに、俺はかなりあれこれ吟味した。
始めは穂波も、こっちはどう?とか付き合ってくれてたけど、そのうち飽きたらしくて、
ジョギングシューズなんかを弄り始めた。
「せっかくだからおまえも買えば?」
「えー。いいよ、私は」
「いいじゃん。一緒にジョギングとかやろうぜ」
「やだやだ。ジョギング嫌い」
穂波の手に乗ってたジョギングシューズが棚に戻って行く。
「おまえな、このままおばちゃんになったら絶対メタボになるぞ」
「えっ……!?」
なりませんー、て返事が来るかと思ったのに、穂波は予想外にメタボという言葉に反応した。
穂波に運動させるいい機会だと、俺は畳みかける。
「おまえ、タバコは吸わないけど、酒は飲むし、つまみ好きだし、ケーキとかも好きじゃん。
 これは絶対メタボ」
「どのくらいの運動量でメタボって解消されるの?」
「それはよく知らないけど……」
「そ、そっか……。ジョギング以外じゃダメかな」
「ん〜……。脂肪燃やすなら有酸素運動だから……水泳とかか?」
「水泳……」
穂波は顔を若干曇らせたけど、すぐに、
「じゃあ、水着の購入を少し前向きに検討しておくよ」
と、結論を出した。
でも、俺はちょっとがっかりしてる。
水着を見られなかったこと自体も残念極まりないけど、検討ということは今日は買う気がないってことだし、
前向きとは言ったけどその前に"少し"って付いてた。
こりゃ、毎日少しずつすり込んでメタボに対する危機感を植え付けないとな。
ぽっちゃりしてもかわいいだろうけど、さすがに乳と腹の高さが同じになった穂波は見たくない。
213大樹×穂波(記念日編):2009/07/17(金) 19:17:25 ID:cPEvWF+R
なんだかんだで三十分近く悩んだけど、俺は気に行ったシューズを見つけられた。
店の中であれこれ見学してる穂波を捕まえて、
「これに決めた!」
と差し出すと、穂波は嬉しそうに俺からシューズを受け取って、それをレジに持って行って、
「プレゼントにして下さい」
って頼んだ。
「わざわざそんなにしなくてもいいのに」
「でも、袋に入れるだけじゃ、プレゼントっぽくないもん。
 せっかくだから、ちゃんとしてほしいなーって。
 あ、リボンは青でお願いします。……えーっと、そっちの濃い方」
一人の店員が包装してる間に、もう一人の店員がレジを打って、
「七千四百六十五円です」
と言うと、穂波が小さく、
「あれ?」
と呟いた。
なんだ?どうした?
予算外?
正直、そんなに高くはない……よな?
ていうか、値段は気にするな、って言ってたし。
「どした?」
「あ、ううん、なんでもないよ。
 はい、えーっとこれでお願いします」
穂波が出したのは一万円札と五円玉。
いったい何が問題だったんだか分からないまま、俺たちは会計を終えてスポーツ用品店を後にした。
214大樹×穂波(記念日編):2009/07/17(金) 19:18:01 ID:cPEvWF+R
またエスカレーターに乗る。
左手には穂波の手、右手には穂波からのプレゼント、で嬉しいんだけど、
さっきの呟きが気になって、俺は穂波に聞いてみた。
「おまえさ、さっきどうしたの?」
「え?」
「レジんとこで、『あれ?』って言ってたじゃん」
「あー……。えっとね、あの……シューズがね、もうちょっと高いかな、って思ってたの。
 そしたら思ってたより安くて、プレゼントにはちょっと物足りないかなって」
なるほど。
高くて困るならともかく安くて困るなんて、うおおおお!
ちっ。
今ここがデパートでなければ、抱擁して頬ずりしながら、そんなこと気にすんなようおうおう、って
撫でくりまわすとこだ。
けど、さすがにそれは出来ないから、俺は努めて穏やかに、
「値段なんて気にすんなよ。
 穂波がプレゼント用意してくれてたってだけで嬉しいからさ」
と言った。
「そう?」
穂波はまだ納得いかないといいたげな顔をしてる。
「どのくらいの予定だったんだ?」
無粋な質問だと思ったけど、穂波が不満そうな顔を続けるから、俺は気になって聞いてみた。
穂波が黙ったまま指を三本立てる。
「お?結構、奮発しようとしてくれてたんだ」
「だって、これから行くお店だって最低でもその位はするでしょ?」
そんなこと気にしなくていいのに、と言おうと思ったところで俺はいいことを思いついた。
「な、穂波。てことは、もう一個プレゼントおねだりしても良かったりする?」
穂波の顔がちょっと明るくなった。
一旦、エスカレーターから降りて各階の案内図を見る。
目的地は……ふっふっふ。
「もう一個降りようぜ」
「どこ行く気?一個下って、もう婦人ものだよ?」
「着いてからのお楽しみー」
215大樹×穂波(記念日編):2009/07/17(金) 19:18:35 ID:cPEvWF+R
という訳で、俺は慣れない婦人服売り場を突っ切って、その階の一番隅っこにやってきた。
俺が笑顔で穂波の方を向くと、穂波はあまり可愛くない笑顔で俺を見た。
「大樹……ここって……」
「下着売り場。
 な、えっちい下着買おうぜ」
「やだよ」
赤くなった穂波がぷいと顔を背ける。
「いいじゃん。
 たまにはさ、いつも着ないようなやつで誘ってよ」
「やだってば」
「そんなこと言うなよー。
 黒いやつとか、真っ赤なのでもいいし……。
 ほら、あそこにあるスケスケのキャミソールとか。下はもちろんヒモ」
カップ付きで向こうがうっすらと透けて見える赤いやつを指しながら言うと、言葉を遮られた。
「大樹。あのね、大樹はご存じないかもしれませんが」
赤い顔してるくせに穂波はちょっと怒ってる。
「は、はい」
「ああいうの、着られないのっ」
「なんで」
「……サイズが無いんだもん」
「えー。おまえ、まだ今のところ太ってないし、身長だって普通じゃん」
「もー……」
穂波は膨れっ面で俺を引っ張ると、耳元に口を寄せて、
「カップが合わないの!」
と言った。
「あー……」
そうか、そういう話は聞いた事あったけど、乳がでかいと合う下着がなかなかないというのは本当だったのか。
「ブラ探すのだって大変なんだから……」
「そっか。ごめんな。
 じゃあ、パンツだけでも」
「はいはい、お買い物終わり」
「えー」
「えーじゃないの。もうすぐ時間でしょ?」
言われて時計を見ると、確かにあと十五分くらいで予約の時間だ。
穂波の腰に結ばれた紐をほどく夢はついえたけど、それもまた追々……。
ちょっとむくれてる穂波をよそに、俺は紐をほどかれて真っ赤になる穂波を想像しながら下着売り場を後にした。

(続)
216名無しさん@ピンキー:2009/07/17(金) 19:37:41 ID:cm82K5I5
ああもう、本当かわいいなー
この二人の話読むときはニヤニヤしっぱなしだww
GJ! 続き楽しみです
217名無しさん@ピンキー:2009/07/17(金) 19:45:51 ID:zOcOo5e9
もうこいつら可愛すぎて困るwww
シューズが安くて悩む穂波も周りが見えてない大樹もかわいらしすぎてしょうがない!
続きが来るのが待ち遠しすぎですGJすぐる
218名無しさん@ピンキー:2009/07/17(金) 21:36:53 ID:njcRQZoH
もうニヤニヤしっぱなしだww
二人の遣り取りから、ニヤニヤ成分が伝わってくる!!心からGJ!!
219名無しさん@ピンキー:2009/07/18(土) 19:49:16 ID:XYIW1kS3
大樹×穂波(記念日編)
2回目17レスお借りします。
220大樹×穂波(記念日編):2009/07/18(土) 19:49:50 ID:XYIW1kS3
で、メインのフランス料理を食べに行ったんだけど、……値段の割にそんなに美味いと思えなかった。
やけに気取ったボーイというには年食ったおっさんと気さくなふりをしたシェフ。
変にお洒落なせいでくつろげないとこに持ってきて、美味い!と言いきれない微妙な料理。
なんであんな所が有名なんだ。
あれなら近所にあるパスタ屋の方がずっと美味い。
せっかく張り切って予約して、昼間っから穂波と初デート楽しんで、プレゼントまでしてもらって、
今日のメインイベントのゴージャスディナーがこれじゃあ、なんだか尻すぼみだ。
穂波は気を使ってんのか、美味しかったね、って言ってくれたけど、
また来ようね、とは言わない辺り、穂波も微妙だと感じたんだろう。
この後にも予定は組んであったけど、ノリと勢いでそこに行くにはちょっとテンションが下がってしまった。
くそう、お洒落シェフめ。
何が、二人の記念日を祝うために私からの愛をこめて、だ。
初対面のヤツの愛なんざ要らねえ。
とか思ってたら、穂波が口を開いた。
「あのシェフの人面白かったねえ。『愛をこめて』だって。
 初対面なのに」
穂波はふふっと笑った。
「初対面で愛とか、すごいよな」
「ねえ。せめて、気持ちをこめて、だったら、わあ嬉しい、って思うのに、
 愛とか言うから、吹き出しそうになっちゃった」
「俺は引いた」
「ああ、だから大樹ずっとイマイチな顔してたんだ」
歩きながら穂波がこっちをちらりと見上げてまた笑った。
「だってなあ……あんまし堅苦しい店でも嫌だけどさ、味もノリも中途半端だったじゃん」
「でも最後のケーキは美味しかったよ」
ということは他はダメだった、と。
「んー」
俺が気の乗らない返事をすると、穂波は繋いでいた手を大きく揺さぶって、
「もー。せっかくのデートなんだからご飯がちょっと失敗だったくらいでそんな顔しちゃダーメ。
 おうちに帰るまでがデートなんだから楽しく帰ろうよ」
と言った。
ま、それもそうだな。
せっかくこの後、もう一個企画を用意してあるのに、こんなローテンションじゃ楽しめない。
気持ちを切り替えるために一つ深呼吸をして、穂波の手を握り直すと、俺は穂波に顔を向けた。
「な、穂波。俺さ、おうちに帰るにはまだ早い時間だと思う訳なんだけど」
221大樹×穂波(記念日編):2009/07/18(土) 19:50:18 ID:XYIW1kS3
穂波が腕時計を見る。
「……確かにまだ八時過ぎたばっかりだけど、これから行く場所なんてあるの?」
ここで行き先を思いつかないのが穂波の可愛いところだ。
自然と緩む顔をそのままに、
「そ。穂波が行きたがってたとーこーろっ」
と言うと、漫画だったらはてなマークでも浮かびそうな顔で穂波がこっちを見上げてきた。
「こんな時間に行くようなところで?」
「そう。別に時間はいつでもいいんだけど」
「映画館じゃないよねぇ」
「はずれ」
「あっ!プラネタリウムとか?」
そう言えば、さっきそんなこと言ってたな。
「んー。今日は違うところに行くつもり」
「えー……。どこー?分かんないよ」
穂波が口を尖らせた。
まあ、行きたいって言ったの、ずいぶん前に一回だけだしな……。
「ヒント欲しい?」
「うー……うん。全然分かんないもん」
「こんな時間で男と女が行くとこっつったら一ヵ所しかないだろ」
穂波の頭の横に浮かんでたはてなマークが一瞬すごく大きくなって、ぱちん、とはじけた。
で、次の瞬間、ほっぺたが見事にぱあっと赤くなる。
「ばっ、ばかっ!別に私行きたいなんて」
「前に言ったぞー。社会勉強で行ってみたい、って」
穂波は抗議したそうに口を開きかけたけど、俺が遮るとどうやらその時のことを思い出したらしく、
あう……と呟いて、前を向いてしまった。
でも手は俺の手をぎゅーっと握り締めてて、しかもその手のひらは寒いのにちょっと汗ばんでる。
「な、穂波。行こ」
手を握り返して身体をかがめてそう言うと、穂波は、
「ちゃんとエスコートしてね」
と返事をしてくれた。
222大樹×穂波(記念日編):2009/07/18(土) 19:50:41 ID:XYIW1kS3
五分くらい歩くとラブホ街に入って、周りはカップルだらけになった。
まあ、外から見たら俺たちもそのうちの一組なんだけど。
穂波はさっきから新作映画の話とか、その原作になった小説の話とか、そこから飛んで最近ハマったらしい
ミステリー作家の話とかを一生懸命話してる。
意識的にここから先のことを考えないようにしてるのがバレバレで、からかいたくてしょうがない。
けど、ラブホ自体が初めてで明らかに緊張してる穂波を道の真ん中でからかうのは
なんだかちょっと気が引けたから、俺はうんうんとただ相槌を打つだけにしておいた。
穂波を照れさせるのは中に入ってからで十分だ。
むふふ……。
って、それはいいけど、混み始めてきてる。
そりゃ土曜日だからな。
早いところ目的のホテルにたどり着かなくては。
俺はネットで色々検索しまくって見つけた、俺の要求を満たしてくれるホテルを探して周りを見回した。
確かこの辺なんだけど……。
ぬ、あそこなんてもう満室じゃねーか。
と思ったら穂波が、
「大樹……」
と控えめに声をかけてきた。
「ん?」
「えーっとね、入らないのかな、って」
「あ、うん、もう入る……うん!よし、あそこに入ろう!」
さも今見つけたようなふりをして、俺は目的地を指した。
幸いまだ満室にはなってない。
俺がちょっと足を速めると、穂波はまた俺の手をぎゅっと握りしめて俺についてきた。
ホテルの外壁に嵌め込まれてるプレートをちらりと確認する。
"ご休憩(三時間)"
よし。
223大樹×穂波(記念日編):2009/07/18(土) 19:51:06 ID:XYIW1kS3
フロントの壁にはたいていのラブホと同じように、部屋の写真が並べられてて、
当然ほとんどの部屋の写真はもう暗くなってた。
穂波は、へえ……って口を半開きにしてその写真を見上げてる。
「どっか好きな部屋あるか?」
「え?」
びっくりしたようにこっちを向く穂波。
「こん中で入りたい部屋ってある?」
「えっと、よく分かんないんだけど……」
「どこでもいい?」
「うん、あの、どこでもいいんだけどね、ていうか、部屋って選べるの?」
ほんっとになんにも知らないんだな。
うんうんうん。
「そう。ここのな、ボタンを押すとそっちから鍵が出てくる。
 そしたら、あそこの受付でおばちゃんに金を払う。
 で、部屋に行く。おけ?」
「ぁ……うん、お、おけ」
真面目な顔でこくんと頷く穂波。
ぐはっ!なんでこんなことでそんな真顔になるんだ。
いや、そこがおまえのいいところだ、かわいいところだ、たまらないところだ。
もうね、撫でくり回して顔中にキスとかしまくりたいよ、俺は。
「じゃ、じゃあ、この部屋とか……」
穂波が左端の部屋を指した。
このホテルは特殊な部屋が無いっぽいから、どこ選んでもまあ同じだけど、
せっかく初めてのラブホテルなんだから、穂波が納得した部屋にするに越したことはない。
「じゃ、穂波がボタン押して」
「いいの?」
ちょ……なんで、それだけで顔を輝かす。
「いいに決まってんじゃん」
「じゃ、押すね。……えいっ」
穂波の行動に、内心いちいち悶絶してる俺をよそに穂波がぽちっとボタンを押すと、
壁の中でカタンと音がして、次に受取口でトスっと音がした。
穂波は興味津々で受取口を覗くと、中から鍵を取り出して、
「出てきた!」
と俺に見せてくれた。
童顔でもないくせに、表情ややることが子供っぽくて、そのギャップに俺はいちいちぐっとくる。
素を装ってるけど、頭の中は悶えまくり。
うおおおおお……、早く部屋に行きてえええぇぇ。
それでも冷静にそれを受け取って受付に向かう俺。
健気だ……。
224大樹×穂波(記念日編):2009/07/18(土) 19:51:36 ID:XYIW1kS3
受付で黒いガラスの向こうに居るおばちゃんに金を払うと、俺はまた穂波の手を取った。
今までの繋ぎ方とちょっと変えて、指を絡めると穂波の指が一瞬こわばった。
緊張?緊張?緊張しちゃってるのか?
んふふふふ。
そうだよなー。
外じゃこんな繋ぎ方、したことないもんなー。
しかもいよいよ念願のラブホですよ、ラ・ブ・ホっ。
エレベーターに乗って扉が閉まったところで、今度はほっぺたにちゅっとすると、穂波がひゃっと声を上げた。
「なんだよー」
「別に……、ただびっくりしただけだよ」
拗ねたように口を尖らす穂波。
初めての時でも、もうちょっとリラックスしてたような気がするんだけどな。
まあ、照れれば照れるほど感度が上がっちゃうからね、おまえは。
存分に照れたまえよ。
「ん、ごめん。早く穂波とくっつきたくて、ちょっとフライングした」
繋いだ手を引いて、中指の付け根にキスしてやると、穂波が物欲しげな顔でこっちを見てきた。
「ん?」
「……私もフライングしていい?」
「もちろん」
はい!喜んでッ!
続けそうになった絶叫は喉の奥に押し隠して、顔を寄せると唇にキスをされた。
ぐふっ!
俺と同じようにほっぺたにキスしてくると思って油断してたから、これは効いた。
反則だ。
穂波の顔が離れても反応できずにいると、
「あ、大樹、照れてる」
とからかわれてしまった。
ぐうぅ……、穂波のくせに、って何か言い返そうと思ったところで、チーンと音がしてエレベーターが五階に到着した。
225大樹×穂波(記念日編):2009/07/18(土) 19:52:04 ID:XYIW1kS3
部屋はそんなに広くないけど、ダブルベッドの他にテレビもソファもちゃんとあるきれいな部屋だ。
部屋に入って鍵を閉めて、穂波からもらったプレゼントをクローゼットの足元に置いてる間も、
俺のテンションはぐんぐんと上昇を続けてる。
今日は家とは一味違う穂波を堪能できる!
と後ろを振り返って穂波に抱きつこうとしたんだけど、いざ振り返ってみたら、
穂波はテレビの前にしゃがみ込んで、下のスタンドの中を覗き込んでいた。
「……穂波?」
「ねえ、大樹、すごいね、ラブホテルってホントにカラオケがあるんだね。
 ゲーム機もあるよ。でもね、コントローラーが一個しかないの」
「まあ、飲んだ後に行く場所なくて、ってやつも来たりするだろうし……」
テンションの向きが下降気味になる。
「あー、それでなんだ」
「まあ、カップルでもゲームする奴はいるかもしれないけど」
「へえ……。あ、ねえでもこのベッドじゃ回らなそうだよ?」
いつの時代の話をしてるんだ。
俺だって本物の回転ベッドなんて見たことない。
「なんか、そういうのってずいぶん前に法律的な事情でダメになったらしいぞ」
「さすがスケベ王大樹!詳しいんだ」
穂波のテンションがおかしい。
「ねえねえ、お部屋も全然鏡張りじゃないね」
鏡があったら、おまえ、照れるどころじゃないだろ……。
「まあ、鏡があるところもない訳じゃないけど、ここは無いな。
 全面鏡張りも危なくて法律的にダメになったらしいぞ」
内心ツッコミつつも、つい解説してしまう俺。
なるほどという風に頷きながら穂波は俺の方を向くと、また何か見つけたらしく声を上げた。
「謎カーテン発見!」
ベッドを迂回して俺の方に戻ってくると、穂波はクローゼットの横にあったカーテンを引いた。
コンベア式の自動販売機が顔を出す。
入ってるものはもちろん大人のおもちゃ。
穂波はしばらく興味津々で眺めていたけど、だんだん表情が微妙になってきた。
226大樹×穂波(記念日編):2009/07/18(土) 19:52:38 ID:XYIW1kS3
「大樹……これって……」
やっとここで俺のテンションがまた上を向いてくれた。
こっからは俺のターンだ。
「んー、大人のおもちゃ、ってやつだな。
 ほら、下着とかもあるけど。これとか」
「あーあーあー、はいはいはいっ」
「なんだよー」
「説明しなくて結構です!」
穂波がぷいっと横を向いた。
「あれ、説明しなくていい、ってことは、穂波使い方知ってんの?」
後ろから抱きついて穂波のコートのボタンを外していく。
「知らないけどっ、……そ、想像くらいはつくもん……」
「まあ、バイブとかは想像つくだろうけど、ローターとかアナル用のビーズとか」
俺だって実際に使ったことないけど、一応どう使うかは知ってるし、何より単語を並べるだけでも
穂波を照れさせる効果は絶大だ。
案の定穂波は、
「説明とかいいってばっ」
と耳を塞いだ。
自分で禁断のカーテンを開いたくせに。
俺はごめん、と言いつつも試してみたかったものを視野に入れつつ穂波のコートを脱がせた。
でも、まだもうちょいこのネタで引っ張ってみよう。
「な、でもちょっと使ってみたいとか」
「思いません」
「だって、くやしいけど、俺のちんこには出来ない動きが」
「もー。そういうことじゃないの」
俺が自分のコートをハンガーにかけてクローゼットを閉じると、穂波はカーテンを閉めた。
「じゃあどういうことだ?」
俺がそう聞くと、穂波は俺の方を向いて、腹の下の方を両手で撫でながら、
「私のね、ここに入ってきていいのは、大樹だけなの」
と言った。
227大樹×穂波(記念日編):2009/07/18(土) 19:54:00 ID:XYIW1kS3
「なんちゃって」
なんちゃって、じゃねーっ!!
実際はさ、バカみたいだと思うし、何クサイこと言っちゃってるかな、この子は、って思うよ?
思ってるよ?
けど、けどだな、嫁がだな、俺以外のものは入っちゃダメ、って言ってる訳ですよ。
で、実際、この子は俺しか知らない訳。
そりゃあもう、俺が入っちゃうしかないでしょ。
あれこれ思うし、言いたい事はいっぱいあるのに、俺はもうそれを言葉にするっていう発想がなくて、
穂波を思いっきり抱きしめた。
「だいっきっ!?」

「はい、ちゅーですよ。ちゅー」
もう本気でバカになったとしか思えないことしか言えない。
一瞬、穂波が引いたけど、俺がぱくぱく口を動かすと、笑いながら唇をくっつけてきてくれた。
ちゅぅちゅぅ音をさせながら、お互いの唇を吸い合う。
今日はずっとこうやって抱きしめたりキスしたいと思ってた割に出来なかったから、
その分をここで思う存分味わう。
穂波も俺のことを抱きしめてくれてる。
「はっ…はあ……」
穂波のため息がエロくなってきたところで舌を出して唇を舐めてやる。
「やぅっ……んっ……あふっ」
くすくす笑って俺の舌を捕まえようとする穂波。
捕まる直前で顔を離すと、今度は穂波が背伸びして俺の唇を追いかけてきた。
「行っちゃやぁだ」
あーもー、おねだりですかー?
ホントに穂波はキスが好きだなー。
だから、また顔を近づけて、唇をくっつける。
で、今度はちゃーんと舐めて、食われる前に自分から穂波の口の中に舌を入れていくと、穂波も俺の舌先を舐めてきた。
228大樹×穂波(記念日編):2009/07/18(土) 19:54:51 ID:XYIW1kS3
舌の裏をくすぐるみたいな舐め方をされて、背中がぞくぞくしてきた。
「うっ……ん、む……っく、ふ……」
ただでさえスタンバイモードになってるところにこんな舐め方されたら、……なあ?
穂波の背中を手のひらで撫でながら、手を下に降ろしていくと、穂波の舌の動きがちょっと弱くなった。
攻守交代。
今度は俺が穂波の舌を掬ってやる。
「んっ!…あう……ふっ……」
穂波がぎゅっと俺の服を握りしめてくる。
まだまだこのくらいじゃ、穂波は足りないよな?
口を塞ぎ合ってるからしゃべれないけど、口で言う代わりに行動で示す。
舌の付け根をぐりぐり舌でえぐると、穂波の顔がわずかに逃げて唾液が顎に垂れるのが分かった。
けど、そんなことは気にならないし、もちろん逃がしたりなんてしない。
柔らかーい尻をがっちり両手で捕まえて身体をぴったり押し付けて、舌をぐるっと絡め取ってやる。
もちろん自己主張を始めた息子も穂波の腹にくっつけてやる。
「うっ……んっ…ふぅっ、んぅう……」
抗議したいんだかねだってるんだか分からない声で喉を鳴らしながら穂波も舌を絡めてくる。
いい感じにスイッチが入ってる証拠だ。
そろそろ次の段階に移ろうと思って、柔らかいさわり心地のスカートをまくりながら尻を揉んでると、
さすがに穂波が口を離して、とろんとした目でこっちを見上げながら、
「あ、大樹……。お、お風呂……はいろ?」
と言ってきた。
「入んなくてもいいじゃん」
ていうか、入る余裕なんてないんだけど。
「でも……」
あんなにエロいキスして、そんなエロエロにのぼせた顔でそんなこと言っても説得力ないぞ。
「穂波だって風呂なんか入る余裕ないだろ?」
俺がタイツの上から尻を辿って脚の間に指を滑らせると、あうんっ、と身体がこわばった。
229大樹×穂波(記念日編):2009/07/18(土) 19:55:17 ID:XYIW1kS3
「ほら。……それに、俺だってこんなだし」
ムスコをぐいっと押し付けると、今度は、あ……、ってため息交じりの声。
そんな声出されたら、もっとエロい声を聞きたくなるだろ!
俺は我慢しきれずに穂波の身体を抱え上げた。
「えっ!大樹!?ちょっと!」
「うりゃっ!」
ベッドに穂波を放り投げる。
畳の上に布団を敷いてあるだけの我が家じゃ絶対に出来ない。
「うひゃあっ!?」
穂波が起き上がる前にベッドに上がって穂波のスカートを捲り上げると、穂波がその手を押えた。
「こらっ!待て!伏せ!」
犬じゃねーっつうの、って思ったけど、ちょっとノってみた。
「まーたーなーいーわんっ」
穂波がぷっと吹いたところで、すかさずスカートの下から腹に両手を突っ込んでタイツのウエストを掴むと、
俺は思い切り引っ張った。
四つん這いになって逃げようとした穂波がぽてんとベッドに突っ伏す。
「わっ!ば、バカッ!」
こっちにむき出しになった下着の真ん中にはもうちゃんとシミが出来てたから、俺はもちろんそこをつつく。
「穂波だってもうこんなじゃん」
「それは大樹がエッチな触り方するから」
「それはお互い様だろ?俺は穂波のキスで勃っちゃったんだけどなあ」
遠慮なく生尻とごたーいめーん。
「バカぁ」
さすがに観念したのか穂波は突っ伏したまま泣きそうな目でこっちを見てきた。
まあ、泣きそうっていうか、感じすぎて涙が出ちゃってるってのがホントのところだろうけど。
「そんな褒められたら照れるじゃん」
穂波の口先だけの苦情は適当にあしらいながら俺は下着とタイツを膝まで降ろして、
俺しか入れちゃダメな場所に人差し指を押し付けた。
230大樹×穂波(記念日編):2009/07/18(土) 19:55:40 ID:XYIW1kS3
「褒めてる訳……え、あっ!」
ゆっくりと指でワレメをなぞると指先が簡単に滑ってくれる。
「穂波のここすっげえぬるぬる」
「だからそれは大樹が」
「エロいキス、好きだろ?」
俺が尻から目を上げてそう言うと、穂波は顔を伏せてしまった。
「大樹の意地悪」
あーっ!そういうこと言うなー!
これ以上、いじめられなくなるだろ!
だがしかしっ!
ここは正念場ですよ、俺。
その発言をスルーして俺は穂波の尻を両手でがしっと掴んで、親指であそこを広げた。
「ひゃっ!?」
苦情が来る前に顔を突っ込む。
「だめっ!」
いつもだったらほのかにせっけんの匂いがしちゃったりする穂波のまんこだけど、
今日は予想通り違う匂いがするし、舐めればやっぱりいつもより味が濃い。
少しむわっと蒸れてて、なんかこう……いつもより興奮する。
「だめ!大樹、汚い!」
「ん……きたらひおか?」
「だって……洗ってないし……」
「んー、ほぉらな」
でも構わず、っていうか、むしろめちゃくちゃ舐めたくて、俺はぬちゅぬちゅ音をさせながら、あちこち舐める。
「いっ……んッ…んー!だ、……め、えッ!」
ひだひだの間とか、クリとか、ついでに尿道もぐりぐりしてやる。
「やあ!ひょ…しょこっ、や……め」
なんだかんだ言ってるけど、穂波もいつも以上にノってるっぽい。
231大樹×穂波(記念日編):2009/07/18(土) 19:56:05 ID:XYIW1kS3
鼻の頭でケツの穴を突きながら中に舌を突っ込むとさすがに逃げられた。
「ダメってばあッ!」
こっちを向いた顔がまた泣きそうな顔になってる。
「したい」
「きたないのー」
「気にしないから」
「……ったしは、気にっ……する、もん」
さすがにこれ以上やったらホントに泣かせそうで、俺は顔を上げると穂波に覆いかぶさった。
まあ、俺の方もそろそろだったからいいんだけど。
片手でベルトを外しながら穂波のほっぺたに頬ずりすると、穂波が俺の唇を舐めてきた。
びっくりして顔を引くと、反対側のほっぺたを手で押さえられた。
「きれいにするからー……」
ベッドにほっぺたを押しつけたまま、穂波は俺の唇とか口の周りとか鼻の頭とか舐めてくれる。
舌を出すと当然舌もぴちゃぴちゃ舐めてくれる。
ムスコが、いい加減どうにかしてくれと要求してくるんだけど、この状況はもっと堪能したい。
俺はもう自分でもどうしたいんだか分からないまま、穂波の尻にムスコを押し付け擦り付けしながら、
顔を舐めてもらっていた。
しばらくすると、穂波はやっと気がついたのか、舐めるのをやめた。
「ん……大樹の……ごめんね」
とんでもありませんッ!
まあ、でも俺もさすがに入れたい、行きたい、射精したいッ!
「も、いいか?」
聞くと穂波は照れた顔で、うん、と笑ってくれた。
身体を起こして、枕元のちっさい篭からゴムを取ると、穂波が、
「そんなのまであるんだねえ」
と顔を上げた。
232大樹×穂波(記念日編):2009/07/18(土) 19:56:35 ID:XYIW1kS3
「ま、用意のいい人間ばっかじゃないだろうし」
「大樹はいつでも準備万端だもんね」
穂波が枕を胸の下に抱え込みながらくすくす笑う。
「紳士のたしなみ」
俺がSTD検査に引っかかんなかったのはきっとこのおかげだ。
偉いぞ、俺。
穂波に言うのはさすがに気が引けるから言わないけど。
ゴムを付けててふと気づいた。
そう言えば、こんな外行きの服着たまんまやるのなんて初めてだ。
それを意識したら、お気に入りのカーディガンとスカート着て、尻をこっちに向けてる穂波がすげえ淫乱に見えてきた。
いつもなら、ちゃんと脱ごう、とか、大樹とちゃんとくっつくの、とか言うくせに、
今日はそんなこと一言も言わない。
穂波も我慢できないくらい疼いてるってことか?
そんなことを思ったら、俺の興奮レベルがまた一段階上がった。
準備を整えると、俺は左手はベッドについて、右手は穂波の尻に添えて、先っぽを穂波の身体の入り口にくっつけた。
穂波の身体がぴくんと緊張する。
「いいか?」
「ん……」
穂波が小さく頷く。
あー、やっと入れるー。
自分でさんざん長引かせたくせに、そんなことを思ってしまう。
「あっ……んっ……」
重さをちょっとずつ加えるたんびに穂波が声を上げる。
ホントは一気にがっつり行きたいところだけど半分くらい入ったところで止まって、
当たってる所を軽くつつくと、ひゃっと声が上がった。
233大樹×穂波(記念日編):2009/07/18(土) 19:57:22 ID:XYIW1kS3
「ふっ……う…んあっ……」
一瞬息を呑んだみたいだけど、堪えきれずにまた声が漏れる。
「気持ちいいとこだよな?」
こくこくと首が動く。
またそこをこつこつ叩いてやると、いい声が上がってきた。
「ン……んッぅう〜……ッ…あぁッ!」
俺の動きに合わせて小さく揺れるスカートがまた何とも言えない。
ホントはもっとゆっくりやってイかせたかったけど、前置きを長くし過ぎたらしい。
俺の方がじれったくなってきた。
じれったいっていうか、それを通り越してなんかもう切ない。
「な、穂波……。強くしていい?」
「ん……大樹に任せる……」
「ごめんな」
「平気だよ」
穂波はちょっとだけ顔をこっちに傾けるとピースサインを作ってくれた。
……だあっ!もうっ!おまえがそういうことするから、余計我慢が出来なくなるんだろっ!
興奮メーターが上がっちゃうんだろ!
いやつうかむしろもう振り切れる!
俺は身体を起こして両手で穂波の腰を掴むと、ぎりぎりまで引いてから、思いっきり奥まで突き入れた。
「あっんッッ!」
ホント、俺もムスコも堪え性がない。
一度自分の欲求に忠実に動き出したら、もう止められない。
穂波がどこか苦しそうに声を上げてんのに、気持ち良すぎて止まんない。
「だいきっ!……んっ…ん……ふあっ!んー……んぅあッ!」
穂波の喘ぎ声に興奮を煽られて、犬みたいにはあはあ言いながら、バカみたいに腰動かして、
時々思い出したみたいに穂波の名前を呼ぶくらいしかできない。
しかも、もう無理、限界。
「ほなみっ………も、…な、ほなみッ!いくっ、出るッ!」
俺の声に反応して穂波がこっちを向いて、涙目で頷いてくれた瞬間、俺はあっさり出してしまった……。
234大樹×穂波(記念日編):2009/07/18(土) 19:57:44 ID:XYIW1kS3
堪えてたものを吐き出した瞬間、危うくそのまま穂波の上に突っ伏しそうになったけど、
俺が膝立ちの状態からそれをやったらさすがに穂波が潰れる。
それくらいはかろうじて判断出来た俺は、
「ちょ……と、待ってな……」
と言うと、くらくらする頭でティッシュを取って後始末をした。
穂波もその間におんなじようにしてたけど、ちょっと穂波さん、アナタ、膝から下にタイツひっかけて、
服着たままでまんこ拭く後ろ姿ってやべえよ、おい。
さすがにすぐには復活してくれないけど、出してすぐのくせに若干ムラムラっとしながら、
俺は毛布を掴むとそれをかぶりながら、穂波の隣にごろりと横になって、穂波をぎゅうっと抱きしめた。
嬉しそうな顔ですぐにキスをねだってくる穂波に、
「イけ……てないよな」
って聞くと、
「んー……あとちょっとだったかも」
と返ってきた。
「じゃあ、後で」
「別にいいの」
「けどどうせならさ」
俺が指で唇をつつくと、穂波はくすぐったそうに笑ってから、俺の肩に頭を擦り付けてきた。
「……私ね、今日、大樹とデートしてる時、何度も大樹に抱きつきたいなーって思ってたの。
 キスもしたいなーって何度も思ってた。
 だから、お部屋に来て、やっと大樹にぎゅってしてもらって、キスもいっぱいして、
 エッチまで出来ちゃったから、結構満足なんだ」
穂波が俺とおんなじ気持ちだったことに、俺はすごく幸せな気持ちになって、また穂波をぎゅっと抱きしめた。
「俺もおんなじ。
 歩いてる時、おまえが何か言うと、ぎゅーってしてえ、って何度も思ってた」
「嬉しい……」
「俺も嬉しい」
なんだか照れくさくて笑うと、穂波も照れちゃうね、って笑った。
235大樹×穂波(記念日編):2009/07/18(土) 19:58:12 ID:XYIW1kS3
俺たちはしばらくつっつき合うみたいなキスを繰り返してたんだけど、
そんなことをしてたら、穂波が気まずそうにトイレ休憩を申し出てきた。
俺が腕を離すと、穂波は毛布の中でごそごそやってタイツを脚から抜くと、
ベッドの下にぽいっと放ってトイレに行ってしまった。
……そんな切羽詰まってる訳じゃないんだろうから、畳んでいけばいいのに。
こういうところがだらしないんだよな、あいつは。
起き上がって、ズボンのファスナーを上げて、穂波のタイツを拾おうとしたところで、俺ははっと思い出した。
あれを買うなら今のうちだ!
俺はクローゼットを開けて、コートのポケットから財布を取り出すと、禁断のカーテンを開いた。
間違いがないようにしっかりとものを確認して、番号と値段も確認する。
ぬう、今日は出費がかさむが仕方がない。
金を入れたところで穂波が出てきた。
「あっ!こらっ!何買おうとしてるのっ!?」
穂波が走ってこっちに来た。
「いいものー」
「そういうのはやだって」
左腕を掴まれたけど、妨害される前に俺は七のボタンを押した。
「あっ!バカーっ!」
ウイーンと中で音がしてコンベアが上がっていく。
「おもちゃじゃないから」
ことんと商品がコンベアに落ちる。
「でも、変なのは使いたくないもん」
穂波が文句を言ったところで商品が取り出し口に落ちてきた。
「変なのじゃないって。少なくとも身体ん中に入れるもんじゃないから」
不満を全面に押し出してる穂波に笑顔で応対しつつ、取り出し口から俺は
ちょうど手に収まるくらいのチューブを取り出した。
穂波の表情がちょっと変わる。
なにそれ?と言いたいけど、バカとか言ってしまった手前、聞けないでいる、っていうそんな顔。
236大樹×穂波(記念日編):2009/07/18(土) 19:59:17 ID:XYIW1kS3
「さて、なんでしょう?」
江戸時代の旅の御一行よろしく、俺はそれを穂波の顔の前に突き出して見せた。
変な顔のまま俺の手にしたものをじっくり眺める穂波。
「……ストロベリー…フレイバー……ローション、て書いてあるけど……」
「そう、ローション!一度使ってみたいと思ってたからさ、な、使わせて」
ちょっと猫なで声を出して顔を寄せると、穂波は視線だけこっちに向けて、
「大樹も使ったことないの?」
と聞いてきた。
「うん、ない。初の試み。
 ボディーソープとは一味違うらしいからさ、なっ?」
お願い、と言う前に、いつも次の行動を吟味してから選択する穂波にしてはあっさり、
「……なら、まあ、いい…かな」
と言ってくれた。
「うおっし!」
思わずガッツポーズを作ると、穂波が、
「そんなに喜ぶこと?」
と、ローションを俺の手から取ってしげしげ眺めながら聞いてきた。
そりゃ、喜ぶよな。
念願のローションプレイがこんなにあっさり叶いそうなんだもん。
正直俺は今日中に穂波を説き伏せられる自信がなかった。
それがこんなにあっさりオーケーされたら、なあ。
喜ばない方がおかしい。
「うん、喜ぶこと!
 さ、風呂行こ、風呂」
俺はまだローションのチューブをしげしげと眺めてる穂波の肩に手を置いて回れ右させた。

(続)
237名無しさん@ピンキー:2009/07/18(土) 22:44:15 ID:mztUfjnD
うおおおおおおおおお!!ここでラブホ編が来るとは!
穂波がかわいすぎてヤバいですwww
大樹すげえ楽しそうww

ローションプレイwktk
238名無しさん@ピンキー:2009/07/19(日) 19:17:17 ID:rUAYQMPB
読んで下さった方、レス下さった方、ありがとうございます!

大樹×穂波(記念日編)
3回目14レスお借りします。
239大樹×穂波(記念日編):2009/07/19(日) 19:17:46 ID:rUAYQMPB
服を脱ぎかけたところで、化粧直し用のファンデとグロスしか持ってきてないことを思い出して、
穂波は風呂に入るのを渋った。
けど、一回戦での汗を流したいっていうのと、ローションへの興味が勝ったらしい。
結局は風呂に入ることに同意してくれた。
まあ、俺がもの凄い勢いでお願いしたっていうのもあるけど。
だってな、うちの風呂は俺の野望を果たすには少し狭い。
半分以上この野望のためにこのホテルを選んだんだから、妥協する訳にはいかない。
手を合わせてお願いする俺に穂波は、
『そんなに必死にならなくてもー』
と笑った。
で、いよいよ、風呂な訳ですが。
俺が見せる前に穂波が食いつきましたよ、スケベッド。
もとい、ソープマットってやつ。
「お風呂ひろーい!
 あっ!なんかプールにあるみたいなのがある!」
俺が指導する前にシャワーの横に立てかけてあったマットをタイルの上に敷きながら、
「変なのー。
 いくらなんでも湯船に浮かべられないのにね」
と笑う穂波に、俺はまた悶える。
ラブホの風呂にあるんだから、この上でやることなんて決まってるのに、
どうも穂波はそういう発想をすぐには出来ないらしい。
時々、こんな穂波に色々刷り込んでるってことに心が痛むんだけど、俺の教えたことしか知らないっていう
優越感みたいなものが大きすぎて、結局は穂波に色々教えちゃうんだよな。
今日も空気の詰まったマットの上で弾力を楽しんでる純粋な穂波に心の鼻息を荒くしながら、
それでも俺は丁寧にシャワーを肩からかけて、マットの用途を教えることにした。
「穂波、これはだな、風呂でもいちゃいちゃ出来るようにここにあるのだよ。
 ふっふっふ」
穂波の顔が一瞬で赤くなる。
けど、さすがにここで、『大樹のすけべ!』と言うほど穂波ももううぶじゃない。
「あっ……そ、そっか。
 お風呂で寝っ転がれるような親切設計なんだ」
と、マットの枕になってる部分をぽんぽんと叩いた。
240大樹×穂波(記念日編):2009/07/19(日) 19:18:09 ID:rUAYQMPB
「そう。そこで、だ」
と、俺は風呂のヘリに置いておいたローションを取って、マットの上で穂波の正面に座った。
「これを使う」
ホントはボディソープでもいいんだけど、と心の中で付け加える。
「そうなんだ」
マットの上に正座して、真面目な顔で俺の手にあるチューブを見る穂波。
善は急げだ。
俺は早速蓋を開けて、ローションを手のひらの上に出した。
透明でうっすいピンク色の液体がとろっと出てきて、作り物のストロベリーの匂いが鼻をくすぐる。
噂に聞いていた通り、すぐ身体に付けるには少し冷たい。
「……」
どことなく不安そうな穂波をよそに、俺はチューブを横に置くと、両手をこすり合わせた。
これで少しは冷たくなくなるはず。
「これをだな、こう……」
「お?」
手を穂波の乳に向けて伸ばすと、穂波の顔がその手を追う。
「身体に……」
乳を包むみたいにして手を滑らせると、
「ひゃっ!」
と声が上がった。
「あれ、悪い。冷たかったか?」
慌てて手を離すと穂波は首を横に振ってから、ちょっと照れた顔で、
「ちょっと、ぞく、ってしただけ」
と笑ってくれた。
もう一回やってるおかげで、いい感じに身体が感じやすくなってるらしい。
いつものことだけど、このくらいのことで俺のテンションは簡単に上がっていく。
「そかそか、んじゃあ、もちょっと強めに……」
俺は改めて手を伸ばすと、穂波の乳を両手で下から掬いあげた。
241大樹×穂波(記念日編):2009/07/19(日) 19:18:30 ID:rUAYQMPB
にゅるん、と手が勝手に滑って、乳が俺の手から滑り落ちて行く。
「おお……」
ぬるぬるしてるのに、穂波の乳の柔らかさが手に吸いつくっていう、不思議な感触に思わず感動する。
ちょっと指に力を入れただけで乳がつる〜っと手から逃げて行く。
それが面白くて、俺が何度かそれを繰り返してると、穂波が、
「ね……、大樹、楽しいの?」
と赤い顔で聞いてきた。
やべ、予想以上ににゅるにゅるする乳を楽しんでちょっと穂波を置き去りにしてた。
物欲しそうにちょっと突き出た唇に軽くキスして、
「うん、なんか穂波のおっぱいがいつもと違う感じで楽しい」
って言うと、穂波は、
「大樹ってホントおっぱい星人」
とくすくす笑った。
「まあ、お前のおっぱいが魅力的だからしょうがない」
俺がそう言うと、穂波は照れながらも嬉しそうな顔で、ほうほう、と頷いた。
穂波はおっぱいを褒められるとすごく喜ぶ。
始めの頃は自分の胸が好きじゃないとか言ってたけど、俺がしつこくしつこく褒めてるうちに好きになってきたらしく、
今では自分からわざと押し付けてきたりする。
だから、後ろから抱え込んでその自慢の乳を攻めに攻めて、ローションのせいで逃げて行くであろう乳首を
何度も摘まんだりとかして、穂波の方からおねだりさせたりしたいんだけど、だけどっ!
それはうちでも出来る。
今日はこのスケベッドの上でぬるぬるエロエロ〜な時間を楽しむのだ!
俺は自分に言い聞かせて穂波から手を離すと、ローションのチューブを取って、それを穂波に差し出した。
「な、穂波。今度は穂波がやって」
穂波がチューブを受け取りながら、きょとんとした顔をする。
「へ?私が?
 大樹の……おっぱい触るの?」
いや、まあそれでもいいんだけど……。
と思ったら、胸の先っぽがきゅんとした。
242大樹×穂波(記念日編):2009/07/19(日) 19:18:55 ID:rUAYQMPB
「や、全身で」
「ぜんしん?」
「そう。俺がな、ここに寝っ転がるから、身体でぬるぬる〜って」
「ええっ!?」
穂波の顔が真っ赤になる。
別に裸で身体くっつけるなんていつもしてるのに、なんでそんなに赤くなるんだ。
でも、反応が面白いから、俺はそんな穂波に構わず、というよりはそんな穂波を更に照れさせるべく、
マットの上に肘をついた。
「とりあえず背中から」
「え、せ、背中?」
「うん、背中」
という訳でうつ伏せになる俺。
「はっやっくぅ〜」
「え、あのっ、これつけて?」
脚をじたばたさせる俺を覗き込んでくる穂波の顔は相変わらず真っ赤だ。
そんでいつも通り、こういうことなのに変に真面目になってる。
「そう。
 俺の背中に付けてからでもー、お前の乳に付けてからでもいいけど、つけたらそのままベタぁ……って」
わざとちょっとねっとりとしたしゃべり方をしながら言うと、
「大樹、ホントにこれ使うの初めて?」
と不服そうな声が返ってきた。
なんでここでそんな不満そうな声なんだ。
俺が穂波の方を振り返ると、穂波はチューブの蓋を右へ左へ回しながら口調どおりに不満そうな顔でこっちを見ていた。
「なんだよ」
「……だって、大樹、詳しいんだもん」
「そりゃまあ、エロいことに関する研究は怠りませんから」
「……研究しただけ?」
なんじゃそりゃ?
って思ったけど、穂波の反応が気になって、俺は身体を起こした。
243大樹×穂波(記念日編):2009/07/19(日) 19:19:20 ID:rUAYQMPB
「穂波?どした?
 俺、なんかやなこと言ったか?」
穂波が小さく首を振るけど、なんか元気がない。
「おーしーえーて」
指で唇を突っつくと、
「……呆れない?」
って返ってきた。
言ってくれないことには分からないけど、ここで返す答えは当然一つ。
「呆れる訳ないじゃん」
「ホントに?」
「ホントに。指切りするか?」
俺が小指を差し出すと、穂波は首を振ったけど、出した手を握って、
「大樹のね、初めてする相手になれるなあ、って思ったんだけど……。
 大樹が詳しいから……」
もうね、この子は何でしょうね、どうしてこう、俺を悶えさせるようなこと言うかな。
そう思ってるのに、俺が嬉し過ぎて返事をするのを忘れていたら、穂波が、
「あっ、ごめん、ちょっとウザかったね。
 うん、ごめん!
 えっと、しよ。
 身体でぬるぬる、ってしたらいいんだよね」
と無理に笑顔を作ってそう言ってきた。
「バーカ、ウザい訳ないだろっ!」
俺が穂波の頭にチョップすると、
「やー、暴力反対!」
と返ってきた。
でも、無視。
「俺だって、やってないことなんていっぱいあるっつうの」
「ホントに?」
「お前なあ、ここで嘘吐いてどうすんだよ」
「じゃあ……大樹の残りの初めて、全部私にくれる?」
「もう、お前、ホントバカ」
「バカとか」
「俺の残りは、セックスも人生も全部お前のなのっ!」
244大樹×穂波(記念日編):2009/07/19(日) 19:19:40 ID:rUAYQMPB
言ってから、俺はすげえ恥ずかしいことを言ったと思った。
思ったら顔がめちゃくちゃ熱くなってきたけど、穂波は、
「えーい!」
と抱きついてきた。
人工のストロベリーの匂いがして、穂波の柔らかい身体が俺を抱きしめてくれる。
嬉しいんだけど、さっき言ったことが恥ずかし過ぎて、なんも出来ないし、なんも言えない。
でも、穂波は、
「全部いただきますっ!」
とほっぺたにちゅうっとしてくれた。
「大樹、大好き!」
ぐはあ。
俺も好きだよ、バーカ。
「ね、大樹、私も全部大樹のだからね」
「うん」
「要らないって言っても全部あげる!」
んなこと言う訳ねえ。
つうか、さっきまで膨れてたくせに。
頭では色々思うのに、口がフリーズしたらしい。
嫁に来た時からお前は俺のだ、とか言えばいいんだろうけど、口が動かない。
そんな俺をよそに、穂波は顔を上げると、照れ笑いしながら、
「変なこと言っちゃってごめんね。
 大樹が初めてでもそうじゃなくても、もう気にしないね」
と言ってくれた。
「ん」
だあっ!
なんか、気の利いたこと言えよ!
でも言えない。
気の利いたことが思い浮かばないし、相変わらず口が動かない。
でも、穂波はえへ、と笑うと、そんな俺の口にキスしてくれた。
245大樹×穂波(記念日編):2009/07/19(日) 19:20:04 ID:rUAYQMPB
穂波が俺の唇を咥えてゆっくり顔を引いて、また笑う。
肩から力が抜けて、今まで身体中が緊張してたってことに気がつくと、やっと俺も笑えた。
「ね、大樹……。
 このままぬるぬるってしていい?」
すっかり吹っ飛んでたけど、そう言えばそれが今日の趣旨でした。
「してくれる?」
俺が穂波の唇を指でつつくと、
「私がね、出来そうなことは全部するよ」
と言ってくれた。
「んじゃあ……して」
まだいつものペースを取り戻せないままそう返すと、穂波は俺に跨って、チューブの蓋を開けた。
「それさ、結構冷たいから一回手に取ってからの方がいいぞ」
「ん。分かった」
穂波が手のひらにローションを取る。
「ホントだ。冷たい……」
ちょっと少ないかなって思うけど、穂波は両手を重ねてそれをあっためながら、
「こういうの考えた人って、きっと大樹よりエッチだよね」
と笑った。
「まあな、俺でも許容できないプレイって普通にごろごろあるし」
「そうなの?」
「うん。俺、SMとか興味ないし」
「そうなんだ」
何故か口を尖らす穂波。
けど、おかげでやっと俺のペースが戻って来てくれた。
「何?穂波、実は縛られたかったりする?」
「えっ!?そんなことないよっ!」
穂波は慌てて首を振ったけど、ちょっと軽く手を縛るくらいなら別に抵抗ない。
「じゃあ、今度な」
と言うと、
「結構ですっ!」
って、答えと一緒にローションをべったりと胸に塗り付けられた。
246名無しさん@ピンキー:2009/07/19(日) 19:28:38 ID:hOtxEnDD
4
247大樹×穂波(記念日編):2009/07/19(日) 19:28:53 ID:rUAYQMPB
「いいじゃん、ちょっと縛ってや」
「いーらーなーいっ。
 私、別にMじゃないもんっ」
いや、どっちかって言ったら絶対Mだろ。
そう思いはするけど、そうは言わない。
「でも、Sではないよな」
「分かんないよー?
 もしかしたら、大樹のこと、えいえいっていじめちゃうかもしれないよ?」
穂波はそう言うと乳を俺の胸になすり付けてきた。
「おおうっ……」
いい感じにぬるんっ、つるんっ、と上下に滑る乳の感触に思わず声を零すと、
「ほーら、どうだっ!」
と言われた。
こっ、これは……予想以上に、いい。
けど、もっとぬるっとしたい。
「もうちょっと塗らねえ?」
俺が傍に置いてあったチューブを取ると、穂波も、
「そうだね……」
と言った。
手のひらであっためるなんて悠長なことはしないで、そのまま穂波の胸の谷間にローションを垂らすと、
ひゃっ!っと声が上がった。
でも、動きが止まる訳じゃない。
俺が穂波を抱えたまま、後ろに身体を倒すと、穂波もそのまま俺に乗っかって来てくれた。
「ん……重くない?」
穂波が身体を浮かせたけど、そんな穂波の背中に手を廻してしっかり俺の上に乗せる。
「平気。ていうか……」
なんか、エロいぞ、お前。
そうやって、って言った訳でもないのに、俺の身体の上で行ったり来たりしてる穂波の顔はもう赤くのぼせてきてる。
乳首も硬くなって俺の胸にこすれてる。
248大樹×穂波(記念日編):2009/07/19(日) 19:29:50 ID:rUAYQMPB
下半身に血が集まってきてるのを感じてると、
「ていうか、何?」
って穂波が顔を覗き込んできた。
「や、気持ちいいな、って」
「うそー」
穂波が笑う。
「嘘じゃないって」
実際気持ちいい、っても思ったし。
「そっか……」
穂波は相変わらず動くのをやめない。
顔が近付くたんびにキスしてくる。
穂波のエロスイッチが完全にオンになってる。
「穂波、エロくなってきてるだろ」
って聞くと、
「だって、……しょうがないじゃん」
てため息交じりの声が返ってきた。
「大樹が、全部私の、って言ってくれて……。
 私がくっついたらエッチな顔して……こっちも勃っちゃってたら、
 もっと気持ち良くなってほしい……って思うし、そしたら、私だって、エッチな気持ちになるもん」
穂波が太ももを俺のムスコに擦り付けてきた。
「くふっ!」
もうちょっと穂波にやってもらうのもありだけど、穂波の攻撃のせいで俺も攻撃したくなってきた。
けど、背中に廻してた手を尻に伸ばしていくと、
「あ、えっと、待った」
と穂波が動くのをやめた。
「なんだよー」
今更おあずけはないだろ。
そう思って尻を揉むと、
「待ってってばー」
と抗議の声。
了解して、俺が両手を離して軽く万歳して見せると、穂波は一度唇にちゅうっとしてから、
「あのっ……今から、エッチなことするけど、……引かないでね?」
と視線を逸らした。
249大樹×穂波(記念日編):2009/07/19(日) 19:30:18 ID:rUAYQMPB
既にエロいことしてるし、ていうか、俺が引くようなことを穂波が出来るとも思えないんだけど、
一応承諾して、穂波がどうするのか見てると、穂波は俺の身体の上を下の方に滑り下りて行った。
「……穂波?」
穂波の乳が腹の方に移って行く。
ちょ、ちょっと、それ以上下に行ったら、ムスコとごたいめーん、て、いや、別にご対面は初めてじゃないけど、
このまま行くと乳がっ、乳がっ!
「え、ちょっ……おま、え?穂波っ!?」
いつかはしてもらおうと企んでたことだけど、まさか穂波の方からしてくるとは思ってなかったから、俺は慌てた。
完全にパニクってると、穂波は、
「えいっ!」
とその豊満な乳を俺のムスコに押し付けてきた。
「あ、ぬるぬるが……」
パニクってる俺をよそに胸の谷間にローションを追加する穂波。
ちょ、おま……どこでこんな技をッ!
「うりゃ!」
うりゃ!って、あっ、お、おれの可愛いムスコが穂波の胸の間でにゅーるにゅーるって、
「うおうっ!」
思わず腰を浮かすとつるん、と穂波の乳から外れてしまった。
けど、穂波がそれを追っかけてくる。
「ん?あれっ?んー……えいっ!」
「はうっ!」
冷たいんだけどあったかい上に、つうかなんだこれやらけー、ていうか、こんなやわらかいものに
ちんこが包まれたことなんてあっただろうかいやない。
お父さんお母さん、僕はもう何も要りません、先立つ不孝をお許し下さいや俺は幸せだからどうでもいいけど。
「はふう……」
思わずため息を零したら、今度は谷間から顔がのぞいてる先っぽに穂波がちゅって、ちゅって、うおおおおおお!
「大樹……?」
「はい」
「私の……おっぱい、気持ちいい?」
こくこくと頷くしか出来ない。
「えへー」
えへーじゃねえっ!
って頭では思ったけど、俺の口から出た言葉は、
「もっと……」
だった。
250大樹×穂波(記念日編):2009/07/19(日) 19:30:46 ID:rUAYQMPB
穂波は、
「もっと強く?」
って聞くと、俺の返事を待たないで手で乳を脇から押して強くしてくれた。
やばいやばいやばい!
気持ちいっていうか、なんていうか、こんな感触初めてで、訳が分からんッ!
あーあーあー!
ていうか、あ、そこカリっ!
なめっなめっ……。
舐めて下さいっ。
そんな俺の気持ちを見透かしてるみたいに穂波は熱っぽく溶けた目を細めて笑うと、舌を差し出して舐めてくる。
「んっ……はっ…………あ……」
ケツの穴から腰、背骨、最後は頭にかけて、知ってる快感と初めての快感が走り抜ける。
「ほなみっ!やべっ……あっ!……うぅっ」
穂波が乳をぐいぐい押しつけてくれるたんびに声が出る。
「大樹、可愛い……」
穂波がちろちろ先っぽを舐めながらこっちを見てくる。
なにこれめちゃくちゃ恥ずかしい。
恥ずかしいんだけど、気持ち良くて頭がぐらぐらする。
けど、さすがに限界。
穂波がやってくれたってのと、実際に気持ちいいのと、俺のちんこ舐めてくる穂波のエロい顔に
俺の興奮はもうマックス、最大、ピーク。
「大樹……、おしる……出てきたよ?」
「うん、きもちいい、いいから……」
何言ってのか自分でも不明。
「あうっ……なみっ、……だ、だしたい」
このまま穂波のおっぱいでイきたい。
「うれし……」
穂波が先っぽにちゅうって吸うみたいなキスをくれる。。
けど、ちょっとだけ足りない。
「あふっ……ほなみっ、ぎゅって……」
「もっと強く?」
また何にも言えないままこくこく頷くと、穂波はめいいっぱい強く挟みこんでくれた。
251大樹×穂波(記念日編):2009/07/19(日) 19:31:14 ID:rUAYQMPB
「うっ、くっ……くうぅッッ!」
身体の要求に従って思いっきり射精すると、全身から力が抜けて行った。
弾力のあるマットが身体を押し返してくる。
白い天井とオレンジ色の明かりがやけに眩しい。
もう起きたくない。
でも、清々しくて晴れやかな気分。
今なら出家出来そうな気がする。
いや、もう修行なんかしなくても神様に会えそうな気がする。
……って、悟ってる場合じゃない。
俺が慌てて身体を起こすと、穂波がこっちを見て、
「あ、復活した」
と笑った。
けど、その鼻の頭とかほっぺたには俺の精液がついてる。
ついでに乳の上にも飛んでる。
「うあっ、悪いっ!」
俺が穂波の顔に手を伸ばすと、穂波は猫みたいに目を細くして笑った。
「悪くないよー」
「けど、顔に」
「洗えばいいだけだもん、平気」
そう言ってくれるのはいいけど、こんなもん顔に掛けられて平気とか、AVじゃないんだから。
「けど」
俺が指で穂波の顔をこすってると、穂波は、
「気持ち良かった?」
と聞いてきた。
「めっちゃ気持ち良かった」
「良かった」
穂波は嬉しそうに笑ったけど、俺の頭には疑問が浮かんできてた。
「つうか、パイズリとか、どこで覚えたんだよ」
俺がシャワーをひねってそう聞くと、穂波は、うんとね、と言ってから教えてくれた。
252大樹×穂波(記念日編):2009/07/19(日) 19:32:16 ID:rUAYQMPB
「去年のね、クラス会でちょっとエッチな話になった時に、頼子が『穂波のおっぱいならできそうだよね』って」
よりこ、頼子……結婚式で友人代表挨拶を読んでくれた人か。
「そしたら、明美が『猪熊君なら絶対喜ぶね。やってあげればいいんじゃない?』って」
穂波が岩瀬の口調を真似る。
それが意外に似てて笑いながら、
「おいおい、あいつ、教師のくせにそんなこと言うのかよ」
って言うと、俺のかけるシャワーを大人しく受けていた穂波がこっちを向いた。
「仕事とプライベートは別だよ」
「まあ、それはそうかもしんねーけどさあ」
「それで……その、インターネットとかで……一応、勉強を……」
なんと!俺の居ぬ間に、テレビっ子の穂波がそんなことを!?
仕事でパソコン浸りになるからうちではパソコンなんてやらないと、仕事を持ち帰るハメになった時以外、
穂波はうちではパソコンをめったに使わない。
そんな穂波が、パイズリするために俺の居ない時を見計らって、パイズリの研究をしてくれていたと!?
穂波は照れたのか、手のひらに水をためると、そこに顔をつけた。
俺は俺で緩む口元が抑えられない。
「穂波〜っ」
シャワーを持ったまま抱きつくと、うひゃあ!と声が上がった。
「なっ、なにっ!?」
「俺は世界一幸せ者だっ!」
「あ、は、はい」
「早いとこ風呂あがってもう一回やろう!」
俺が穂波の乳をやわやわと揉むと、穂波は赤い顔で俺の手を乳から引きはがした。
「もーっ!なんで幸せ者だともう一回になるの?」
「俺が気持ち良くしてもらったから、今度は俺が穂波を気持ち良くしなくては、と」
「私は満足したから」
俺が穂波の手を握って言うと、穂波は俺の手を握り返して照れたように顔を背けた。
「けどせっかくのラブホだし」
「それはそうだけど……でも、もし大樹がさっきの……お礼でしてくれるんなら、
 私はぎゅって、してもらう方が……嬉しいかも……」
穂波が視線だけこっちに向けた。
当然、俺はそれだけでノックアウトされる。
「そっか。じゃ、時間になるまで抱っこしててやろう!」
そう言って俺は穂波に抱きついた。
253大樹×穂波(記念日編):2009/07/19(日) 19:32:37 ID:rUAYQMPB
ちょっとだけ風呂に浸かって出た後、俺たちはバスローブを着てベッドでいちゃいちゃした。
ホントはもう一回するくらいの時間はあったけど、穂波がそんなにしたい訳でもなさそうだったから、
俺も今日はこれでいいやって気分になってたし、ただ穂波とべたべたするのも悪くない。
その気にならない程度に乳を揉んだり、キスしたりするのを楽しんでると、穂波が、
「今日は楽しかったねえ」
と言った。
「初めての結婚記念日でー、初めてのデート。
 初めてのラブホで、初めてローション使ってー」
「パイズリも初めてだったぞ」
指を一本一本ずつ立てていた穂波がこっちを向いた。
ホント?と言いたげな顔をしてるから、
「ホント。マジで」
と返すと、指がもう一本追加される。
「来年は二回目の結婚記念日と、デート記念とラブホ記念と」
立っていた指を今度は折りたたんでいく穂波を見ながら、
「いいじゃん、結婚記念だけで」
って笑うと、穂波が口を尖らせた。
「でも、嬉しかったんだもん。
 初めてがいっぱいで」
ああ、もう、ホント可愛い。
なんだかあったかい気持ちになってきて、俺は穂波の頭を撫でた。
今は肩までしかないけど、去年の今頃は結婚式のために髪を伸ばしてたから、穂波の髪は背中の真ん中くらいまであった。
そんなことを思い出しながら、
「俺も穂波といっぱい色んなことが出来て嬉しい」
って伝えると、穂波が嬉しそうに笑って顔をこっちに寄せてきた。
軽くキスすると、穂波もキスを返してくれた。
「ね、大樹。
 嬉しいをいっぱいにしようね。
 喧嘩して、悲しかったり怒ったりしても、その倍、嬉しいことを作ろうね」
照れてるくせに優しく笑ってそう言う穂波の顔を見たら、頭が真っ白になった。
返したい言葉はいっぱいあるのに、俺は、
「おう」
としか言えなくて、でもその代り、また穂波を強く抱きしめた。

(了)
254名無しさん@ピンキー:2009/07/19(日) 19:33:31 ID:rUAYQMPB
>>246
ありがとうございました
255名無しさん@ピンキー:2009/07/19(日) 19:39:44 ID:hOtxEnDD
GJ!
256名無しさん@ピンキー:2009/07/19(日) 20:28:35 ID:VpV7ATWO
この〜バカ甘夫婦〜!
GJ!!
257名無しさん@ピンキー:2009/07/19(日) 22:30:27 ID:mSYWKmuy
エロいし和むしニヤニヤするし悶えるし
もうGJ!GJとしか言いようがない
258名無しさん@ピンキー:2009/07/20(月) 00:39:17 ID:c/t5MHXo
GJすぎる!!お疲れさまでした!!
あと初めて二人の名字が出てきたことに、ひそかにニヤリとした
穂波たんは結婚して、たくましい名字になったのな
259名無しさん@ピンキー:2009/07/20(月) 14:48:43 ID:PbNkOH5f
甘えん坊スレはここですか?
260名無しさん@ピンキー:2009/07/21(火) 16:58:45 ID:mE5Cnlm2
こんな夫婦が現実にいたらなぁ……って、いたところで妬むだけかもしれん(´・ω・`)
とにもかくにもGJすぎるぜ
261名無しさん@ピンキー:2009/07/25(土) 22:53:39 ID:MLS6GzTF
大きな旦那様と小さな奥様
浮気疑惑編
明胡×龍一



「はぁ…く……うう…」
意識はしっかりしているのに、身体が熱に侵されたように熱い。
いてもたってもいられない、果てしない欲望が身体の中から
溢れてくる感覚。
「あは…ますます固くなってる…ふふん、龍一さん中国産の明胡も試してみたくありませんかぁ?
日本産の明子さんには負けませんよ……我欲與你性交(私と交尾して)」
明胡の声が明子と重なる………ああ、明子、明胡、明子、明胡……明……
「さぁ…龍一さん」
明胡は僕をベッドに腰掛けさせると、勃起しているモノに
優しく手をそえ、頬にあてたり、指先で軽く愛撫している。
「ん……固くて太い…明子さんが羨ましいです。
ほんと…非常棒(立派です)」
明胡がふぅ〜っと吐息を僕のモノに吹き掛かる。
ビクンッと身体が反応した。
熱に侵されたような自分の身体。
その身体と意識が離れたような……幽体離脱とはこんな感じなのだろうか。
「とっても反応がいいネ…龍一さん、手がいい?口?それともおっぱい?」
明胡がはむっとモノを甘く噛み、舌を這わせながら言った。。
「ああ、そうだ…変態な龍一さんはお尻がいいのかな?明子さんにも
尻コキさせちゃったりしてるんでしょ?」
既にシャツを脱がされ、ズボンをずり降ろされている僕。
対する明胡はジーパンのみ。明胡が動くたびにふるふると揺れるおっぱいは
とてもそそる。この手慣れた仕草から、そういった経験が豊富なのだろう。
そんな事を朦朧とする頭で思案していた時、明胡が立ち上がり、後ろを向いた。
262名無しさん@ピンキー:2009/07/25(土) 22:55:09 ID:MLS6GzTF
「ねぇ…龍一さん、私のお尻…使って」
ジーンズのベルトを外したのだろう、カチャリと音を立て、スルリとジーンズが落ちた。
現れるのは褐色に日焼けした肌とは対照的な真っ白い地肌。
キュッと引き締まった腰のくびれから美しい曲線を描く白い尻肉。
明子と同じぐらいのお尻……日に焼けた太腿にぷりんと盛り上がった尻に
食い込んでいる黒いパンティーは実に官能的だ。
「さァ…おっぱいも触って…んっ」
明胡は僕の腹部に尻を置くと両腕をとって自分の乳房へと導いた。
「ん…あは…逞しい手…」
背後からでは見えないが、僕の手は明胡の乳房をグニュグニュと揉み出した。
「あ…ん…龍一さんもノリノリですネ…あっ…んふ」
明胡の柔肉の形をむにゅむにゅと淫らに変え、
タプタプと跳ね回らせ、僕は手から感じる快感の虜となっていた。
その手から伝わる快感が、股間のモノにますます力を与えていく。
「くっ…うう…」
「情熱的…龍一さん、後で吸わせてあげるから…ひとまずお預けね…んん」
そう言いながら明胡はパンティーを抜き取ると尻を下げ、僕のモノに擦りつけてきた。
柔らかい尻肉にグリグリと押し付けられる。
明胡はズボンの中から僕のモノを手に取り、尻の谷間に導く。そして胸にあった手を取り、
むにゅと明胡自身の尻肉に添わせた。
堪らない感触が脳を直撃する…
僕のモノは明胡の柔らかく弾力のある尻肉の谷間に挟まった。
「ひゃん……ああ…熱い」
「う…あ…あ」
尻肉に挟まれ、ぷるぷるとした弾力に包まれたモノから快感が走る。
今まで経験した明子とは違った、新鮮な感覚を覚えながら、僕は明胡の尻肉を鷲掴んだ。
そのまま尻肉を揉み、挟まった肉棒に刺激を与えつつ、尻肉を揉み、弾ませ、こね回すと
明胡の腰が跳ね踊った。
「あはっ…あふん……明子さんよりいい?いいんでしょ?この変態さん!」
「あ…明子…あき」
「あら〜ん、今の私も『アキコ』だよん♪んっ…あはァ固い、固くてとっても…ん」
明胡の腰がピクンピクンと跳ねるたび、尻肉の谷間に挟まれたモノの存在を一層強く感じるのだろう、
秘部からとめどなく蜜が溢れてくる。
263名無しさん@ピンキー:2009/07/25(土) 22:56:09 ID:MLS6GzTF
「く…あう…だ、ダメだ…あき――――――」
柔らかすぎる尻肉の圧力と褐色に日焼けした肌と雪のように白い地肌の魅惑に
僕の中に溜め込んできた欲望の塊が解き放たれようとされた時、明胡がクスッと笑い、
モノを圧迫していた尻を上げ、膝立ちの格好で僕に向き直った。
正面から見る明胡の乳房、日に焼けていない双乳がふるんと揺れた。
「何…やめないで欲しいの?」
「あ…う…」
勝ち誇ったような意地悪な『あの』笑み。
「ねぇ…龍一さん……」
明胡が猫撫で声のような甘い声で言った。
「私のここってさァ…すごく気持ちいいから、龍一さんの腰が抜けるほど射精させて
あげられるんだけど…そのかわり絶対に病みつきになるネ。それでも私の膣内(なか)で射精したい?」
トロリと明胡の股から太腿をつたって垂れ落ちた。
「龍一さんが決めて」
正面を向いたことで明胡の首に皮の紐でできた小さな首飾りがあることに初めて気付いた。
そんな事をぼんやりと考えながら僕は首を横に振った。
明子を裏切ることはできない。僕の妻だ。それだけは絶対にできない。そう、できな――――
少しの沈黙の後、明胡はふぅ…と息をつき、言った。
「優柔不断だなぁ〜じゃ、私が決めちゃうネ。龍一さん………たっぷり明胡の膣内にぶちまけて♪」
「や、やめ…う…ぐ…ああ、ああッ」
明胡が一気に腰を降ろし、濡れそぼった膣内に僕のモノがずぶっと呑み込まれた。
「んんんっ…あっ…はァ…固いっ」
「あっ…あ…あああっ!」
溜め込んだ欲望が4日ぶりの『女』に歯止めがきくわけなかった。ましてや日頃、船の上で鍛えられた
明胡の身体だ。締めつけが半端ではない、潤み切った柔肉の最奥で僕のモノが爆発した。
「あっ…す、すごい…龍一さんの…龍一さんのが、私の奥にぶちまけ…ん、ああっ!し…し、心、心情舒畅哟!!」
明胡が中国の言葉で一頻り鳴いた後、明胡がふらふらと立ち上がった。
萎えた僕のモノがずるりと女の秘部から抜け落ち、透明な粘着質の糸が僕の先端と明胡の秘部とを紡いだ。
「あは…入れただけで…そんなに出しちゃって…んんッ…相当、溜め込んでたんですねぇ…
これは1発ヒットかなァー罪作りですよ、だ・ん・な・さ・ま」
あははっと笑い、立ち上がった明胡は後ろを向き、ベッドを降りた。
264名無しさん@ピンキー:2009/07/25(土) 22:56:59 ID:MLS6GzTF
「喉乾いちゃった、龍一さんも飲みますか?純中国産のお茶――――――――きゃっ!?」
僕はもう止まらなかった。何かをつなぎ止めていた枷が外れ、明胡の尻を見た瞬間、
背後から襲いかかり、押し倒すと無理矢理挿入した。
「ああんんっ…ちょっ…もぉ!」
それからは止まらなかった。僕は何度も何度も明胡の膣内に精をぶちまけた。
それに呼応するように明胡は胸を寄せ上げ、
僕のモノを挟みあげると歓喜しながら精を飲み下し僕の上で腰を振った。

「明胡のいやらしいオマンコを龍一さんのチンポでいっぱいに
して…お願いします。」

正常位、対面座位、騎乗位、立位、後背位……

「あはっ…んん、破壊して、明胡を破壊してええ!デストロイ、デストロイして欲しいのォ!
Please…Please destroy me!!」

僕と明胡はおよそ、明子にはできないくらいの激しい性交を何度も交わし、

「んん…これでもう12回目…龍一さんのオチンポ汁、とっても濃いネ…きれい、きれいしなきゃ」

その度に明胡は明子には言えないような淫らな言葉を使い、狂喜した。

「あはんん……明胡、あたまばかになちゃう……」

そして、何十回目かわからない射精をした後、僕はベッドに倒れた。

「よかったですかぁ…龍一さん?」
「はぁ…はぁ…はぁ」
「あんなに激しくセックスしたの…久しぶりネ。ふふ…その分、薬が回るのも
早かったみたいだけど……」
「あ…あき…こ」
「心配しないでもいいアル……ちゃーんと明子さんに会わせてあげますよ…さようなら、私の愛しい人」
そこで僕の意識は途絶えた。
265名無しさん@ピンキー:2009/07/25(土) 22:58:10 ID:MLS6GzTF


「おねぇーさま、アレを使うわ」
「ええよくってよ」
と言いながら、孝子ちゃんは醤油をとり、司君へと手渡しました。
どうやら、ほうれん草に醤油をかけたいようですが
あの持ち方では『どばーっ』と出てしまいます。
むむむ……発想と閃きを高める教育です。
口出し無用。どうやって少量かけるか見ていましょう。
醤油に瓶をもった司君は孝子ちゃんに言いました。
「とても〜できないわぁ」
「自信を〜もつのぉ〜」
何か…その…メロディっぽく言っています。
「ドキドキしてくるぅ〜」
「頼っても無駄よぉ〜」
…え、いや…だから…その持ち方だと…
「瞳とじて」
「祈るように」
眼を閉じて祈りながら醤油の瓶を傾け始めています。
私は我慢できず言いました。
「あ、あのね司君、醤油を一滴ずつかけるには、反対の穴を
指で塞ぎながら――――――」
どばー
……ほうれん草の醤油漬けができました。
「ああ…二人共…立派になって」
朋子が感激したようにおチビちゃん達を眺めています。
「…………朋子?」
こんな事を教えるのはこの罪人しかいません。
ファイア、今、闘志を燃やしましょう。
「はい、何でしょうか。明子お姉様。」
私は司君のほうれん草と朋子の物を入れ替え、問いました。
「これを食べるのと木刀でガンガン頭部をバスターされるのどっちがいい?」
「あ、あのね。で、できれば…どっちもいやかなぁ〜て」
「選べ」
「喜んで頂きますわ、お姉様」

ピンポーン

「あ、龍一さんだ。」
私の弾んだ声にいち早く反応したには朋子でした。
「よかったわね、アキ姉。これで思う存分、ベッドを破壊するほど交尾できるわね。
安心して、双子ちゃん達は私が構ってあげるから。とりあえず3万円で手を打とうかしら」
その前に私は朋子を木刀で討ちました。
266名無しさん@ピンキー:2009/07/25(土) 22:59:30 ID:MLS6GzTF
「ただいま…何かすごい音がしたけど…って、わ!?」
私は双子ちゃん達と見ているにも構わずひしっと龍一さんに抱きつきました。
「おかえりなさい。龍一さん、寂しかったわ…」
何日も会えなかった旦那様…自然と涙がこぼれてきます。
「あ、ああ…すまない。あ、な、泣かないで…これで涙を拭いて」
龍一さんはポケットからハンカチを取り出し、私に差し出してくれました。
「うん、ありがと……あは、やだ、この黒いハンカチ…すごく濡れて…濡れて…る?」
私はそのハンカチ…いえ、ハンカチらしきモノを広げました。
それは黒いハンカチではなく、パ…パ…パンティー!?
「龍一さん、これは何ですか!?」
「えー、ただのハンカチ………なっ!?」
双子ちゃん達におみやげを渡し、こちらに振り返った龍一さんがぎょっとします。
「アイラブリュウイチ……って英語で」
「な、なんだ…コレ?」
「それは私の台詞です!何なんですか!コレは!ま、まさか…他の女の人と」
「ち、違う、知らない!僕はそんな事!」
「龍一さんのバカ!実家に帰らせてもらいます!二度と私の前に現れないで!!」
「あきこおおおおおおおお―――」

「――おおおおおっ明子!行かないでくれ!」
むぎゅ……
はぁ…はぁ…はぁ…あ、ゆ、夢か…
僕は夢の中で明子に離婚を宣言された…さ、最悪の夢だ。
何だってこんな夢…夢?そうだ、あの船を…
「あの……そろそろ離していただけますか?」
「え…あ、なっ!?」
僕の方をその眼鏡越しにじっと見つめる怜悧な双眸―――後輩の小沢 治子だった。
明子と勘違いして、そのまま抱きついてしまったらしい。
僕はあわてて、その手を解き、ふらふらと立ち上がった。
267名無しさん@ピンキー:2009/07/25(土) 23:04:07 ID:MLS6GzTF
「港湾の見回りに行くとメモを見ました……ですが当直の交替時間に戻って来られなかった
ので、さすがに心配になったので私も見回りに……そして先程、ここで先輩が倒れているのを見つけまして」
「す、すまない…夢だ、夢で…」
「明子……奥さんの夢ですか…ずいぶんお疲れのようです、先輩、大丈夫ですか?」
幸い、セクハラで訴えられるような事はないらしい。本気で気遣ってくれているようだ。
「ああ、大丈夫……ここに停泊していた船の監査を――――」
「停泊?そのような連絡はありませんでしたが…その船はどこに?」
「え、ここに……あれ?」
な、ない…確か、ここに停泊していた船がない!明胡の船が……
「先輩、夢を見ていたのではありませんか?」
「夢?」
「さ、戻りましょう。少しでも睡眠をとらないと、また倒れられたら困ります。」
そう言って小沢はさっさと歩き出す。僕も首を傾げながら後を追うことにした。
ん……ポケットに何か違和感がある。ハンカチとは違った何かが…
僕はポケットを探り、それを出した。それは黒いパンティー。
「……夢じゃなかった。」

END

ここまで読んで頂いた方、ありがとうございます。
今回のテーマは『痴女な明子』。ですが実際に明子を使えないので
明胡を登場させました。機会が在れば同軸上にある別のカップルや
この浮気編の後日談でもちょこちょこ書いていこうかなと思います。
長々と失礼しました。

268名無しさん@ピンキー:2009/07/26(日) 00:09:35 ID:o69GpDth
全裸でお待ちした甲斐ありやした〜激しくGJ!!
後日談楽しみに引続き半裸で待機
269名無しさん@ピンキー:2009/07/28(火) 01:03:21 ID:smBuQ1dv
ほしゅ
270名無しさん@ピンキー:2009/07/28(火) 01:05:06 ID:MTCU/rNa
http://skm.vip2ch.com/-/hirame/hirame042819.png
http://skm.vip2ch.com/-/hirame/hirame042820.png
http://skm.vip2ch.com/-/hirame/hirame042821.png
http://skm.vip2ch.com/-/hirame/hirame042822.png
   ↑
   ↑   独身=孤独とか言い出す馬鹿がいるが結婚しても孤独になるものはなるだろw
   ↑
たとえばこれとかね
家族内で孤立するほど悲惨なものは無いよな?w

上の例でも女は出来婚で寄生宿主を見つけて「楽な生活」を手に入れて成功の様ですが
271名無しさん@ピンキー:2009/07/29(水) 23:04:00 ID:BO9GNbg/
新婚♪
新婚♪
272名無しさん@ピンキー:2009/07/30(木) 03:44:25 ID:S0gUU2OB
82の「考える男」の嫁サイド話です

とりあえず旦那は嫁が好きで、嫁は旦那が好き。というだけのお話です
273悩める女<前編>:2009/07/30(木) 03:48:11 ID:S0gUU2OB

私は22歳、旦那様は28歳

旦那様と私の年齢はちょっと離れている
大きな年の差という訳ではないけれど
この6歳差って結構大きいと思う

だって私が小学生だった時、彼はもう高校生な訳で
そう考えると結構な年齢差だ
20過ぎてしまえば大きな差はなくなる筈だった


けれども”それ”は漫然と私の前に立ちはだかった

”それ”はジェネレーションギャップというのは少し違う気がする
男女の性差というのも違うだろうし
人生の色々な経験の差という言い方はとても仰々しいけれど
きっと一番しっくりくるような気がします

旦那様…徳馬さんの事は大好きで……その…愛しているけれど
その溝はとても深く大きくて
間を埋めるのはとても難しい…というかムリだと思う訳です

でも、”それ”のせいで
私は色々悩んでいるというか、困っているというか
出来れば、どうにかしたいと思っている
っていうか、どうにかしないと駄目な訳で


私、姫野萌莉<ひめのもり>は
最近、事あるごとに”それ”をぐるぐると考えてしまうんです



私と彼の間のその経験の差を

274悩める女<前編>:2009/07/30(木) 03:52:00 ID:S0gUU2OB


ああ、また食べられちゃう…

羞恥でいっぱいいっぱいの頭に思い浮かんだのは
唯一そんな言葉で


私の太股の間に顔を潜り込ませた徳馬さんが
狭めた瞳で射るようにじっと見つめてくる
「徳馬さぁん……それ…嫌…いやぁっ」
そんな所からじっと見つめられるなんて恥ずかしくてたまらないのに
彼は私が顔を覆うのを許してくれない
「奥さんのエロ可愛い顔、隠さないで見せてよ。すっげぇクるから」
私の両の手をぎゅっと掴んで、彼はにやりと口元に笑みを浮かべたたま
表情を観察するように見つめてくる

恥ずかしい…恥ずかしいよぅ……
どうしてこんな格好をさせるの?

股の間から顔を覗かせる彼からは、耳まで赤くなった顔も、
先程散々弄られて舐られたせいでヌラヌラと唾に塗れてしまった胸も
えっちなグラビア写真のように強引に割り開かれた太股も
吹きかけられる息だけでジンジンと疼きだしたイヤらしいアソコも全部丸見えなのに
焦らす様にじっとりと見つめ続ける徳馬さんから目を離す事が出来ない

初めて会った時にも思った事だけれど、彼の眼はとても力強い
それこそ視線で縫い止める、という芸当が出来る程に
「お願い…徳馬さん見ないでぇ…恥ずかしいっ…」
「見られる嫌なの?ココはそうは言ってないけど…
 どっちが正直なのか、聞いてみるか?」
「………へ……え?」
そして彼はそのまま私から視線を外す事なく、鼻先を私の茂みの中に埋めた
「ふぁあああっあああぁあっ!!!やぁっ!駄目、ダメダメダメぇっ!」
茂みの中でひっそりと立ち上がった敏感な突起を
唇で甘く食まれたショックで思わず腰が逃げるけれど
徳馬さんはそれを許してはくれず、私の腰を強引に引き寄せる

私の手を戒めていた徳馬さんの手が離れて
せっかく両手が自由になったけれど、
もう顔を隠すどころじゃなくなって
彼の少し硬い短い髪をぎゅっと掴む事しか出来なかった


その薄い唇で、
分厚く肉厚な舌で、
少し獣のような尖った歯で、
一番、快感が詰まった場所を

「ひぁあぁっ!いやぁっ!ああっ!やぁあだぁああっ!」

じゅるじゅるとイヤらしい音を立てて
吸われ、食まれ、舐られ、甘噛みされる

275悩める女<前編>:2009/07/30(木) 03:54:39 ID:S0gUU2OB


徳馬さんが息をするのに少し唇を離しただけで、
ぐちゃりとネバついた音がたった

おヘソから下の感覚なんてもう殆どないけれどきっとお尻の下までヌルヌルになってるだろう
シーツに染みだって広がっているかもしれない
「駄目ぇ…音たてないでぇ…もう止めてぇっ嫌なのぉ、それ嫌なのっ」
「嫌じゃなくて、気持ちいい、だろ?何だ、まだ刺激が足りないのか?」
身を捩ってずりずりと逃げようとする私の腰を、
彼は片方の手で楽々と抱きかかえたまま再度そこに唇を寄せてきた

その瞬間、私の目の前に激しく星が散った
「ひっいぁああああああああ―――っぁっ!!」

唇の柔らかい感覚を予想していたのに、歯で突起を挟まれて舌先で小刻みに弾かれる
そして歯で挟んだまま扱くように突起が纏った皮を剥かれた
いつの間にか私の中には徳馬さんの指が2本も埋め込まれていて
肉の襞一枚一枚を確かめるように侵食していく
「徳馬さん…ゆ…指ぃ…やああっ…抜いてぇっ!抜いてぇええっ!」
脳が焼ける程勢いよく溢れ出した快感が私を一気に追い詰める

埋め込まれた2本の指は中で鍵形に曲げられて、愛液の滑りを助けに
ぐちぐちと激しい水音を立て、私の敏感な粘膜を掻き毟るように蠢く
指先が内壁の少し膨れた部分を掠める度に、子宮の奥がキュゥっと疼いた
執拗な責めに私はもう何も考えられずに悲鳴を上げるしかなかった
「死んじゃうっ…死んじゃうよぉっ!ああっ!いやあああっ!ああっ!」

感じ過ぎて怖い
どこかに逝ってしまう
何も考えられない

私の意志とは関係なく腰がビクビクと蠢き、膣が引き絞るように戦慄き始める

「いいよ、イッって…思い切り気持よくなって」
徳馬さんのそな残酷な甘い言葉が聞こえた
最後の止めとばかりに歯でこそぎ取るように甘噛みされた突起を強く吸われる
それと同時に中の指がわざと掠らせるに留めていたであろう箇所を強く素早く引っ掻いた

「――――――――――――――っっ!!!!!!」
目を見開いているのに、目の前が白んで何も見えない
最後の悲鳴は、喉に張り付いて声にならなかった


ああ、今徳馬さんは、上着だって脱いでなかったのに……
また、一方的に、食べられてしまった


くったりと白む意識で、私はそんな事を考えていた
276悩める女<前編>:2009/07/30(木) 03:58:40 ID:S0gUU2OB

思い出したら顔から火が出る位に恥ずかしいけれど、
この後、完全に立たなくなってしまった腰を軽々と掴まれて、
まだ絶頂の快感が抜けきらない中に勢いよく挿入されてしまいました
快感で降りてきた子宮の口を最初っから飛ばす様に何度も突かれて
コツンコツンと一番奥に徳馬さんのが当たるたびにイッてしまって…
後はもう記憶が全く無くって気がついたら、朝だった

…私、強烈な快感過ぎると、記憶が飛んでしまうんです

イッてる最中の間の記憶がないのは気を失っている訳ではないみたいで
もう快感で訳がわかんなくなってしまっている…という事らしく
徳馬さんが言うにはちゃんと受け答えは出来ているそうです

ただ、記憶が飛んでしまっているだけみたいなのですが
気持ちイイとかイッちゃうとか、
恥ずかしい言葉をバンバン言ってしまうのはどうにかしたいと
「それが聞きたくて、思わずガンガン責めちゃうんだよなー」と、
徳馬さんが言った時は恥ずかしくて死ねると、本気で思いました

それに私ばっかり気持よくされてる気がして…
数えた事はないけれど、何度も何度も私はイッてるけど
徳馬さんはそんなにイッてない……と、思う
よく覚えてないんだけど、多分そう

友達の真奈美ちゃんや栞ちゃんに相談したら
「いいじゃん、毎回天国に連れてってもらってて何文句あんの」
「何?新婚のノロケ?彼氏無しの私達への当てつけ?」
って言って、あまり真面目に聞いてくれなかった

でも、さすがに毎回毎回記憶飛ばすのはどうかと思うのです!
他の人も皆そうなの?
最初は誰でも皆こうなるの?


私と徳馬さんの年齢は6歳離れている

私は結婚するまで男の人を知らなかったけれど
徳馬さんは結婚までの間に何人か彼女がいた


この問題は、「私の経験の無さ」にあるのはわかってる
…こればっかりは、頑張って経験を積む位しか方法はないとわかってるけど
結婚して3ヶ月が経って、初めて経験してからも3ヶ月経ったのだ

いつになったら、こういう行為に慣れるのか
ちゃんと我を忘れないようにえっち出来るようになるのか
ちゃんと……旦那様を気持ちよくしてあげられるのか


私は最近、徳馬さんと夜を迎える度に、そればっかりを考えていた

277悩める女<前編>:2009/07/30(木) 04:01:19 ID:S0gUU2OB



=少しだけ帰り遅くなります=
=飯は家で食べます=

そんな簡潔な携帯メールが届いたのは、
萌莉が少し遅めの昼食を食べ始めた午後2時

「…『りょーかいしました、今日はとくまさんの好きなハンバーグですよ♪』…っと」
送信終了画面を確認した萌莉は、思わずため息ともつかない息を漏らした

ただ夕食のメニューを打っただけなのに、夜の事を思ってしまった

昨日まで生理だったので、多分、今夜はスルだろう
そしてまた、記憶が飛んでしまうのかと思うと、気が重かった
「徳馬さんにイヤらしい女だと思われてたらどうしよう…」
携帯をぱたんと閉じて、机に突っ伏した

記憶がないだけに、その間自分が何をやらかしているのかわからない
お見合いしてから半年、結婚して3ヶ月
未だ見せられない部分だって、教えていないコトだって多いのに
自分さえ伺い知らない部分を曝け出してしまっているのがとても怖かった
何も言われていないけれど、とんでもない事を口走ったりやらかしていて
嫌な思いをさせてしまっていたら…と思うと辛かった

折角、好きで好きでたまらない人と結婚できたのに

「……どーしたら、いいのかなぁ…」
せっかくカツオぶしと椎茸で出汁をわざわざとった素麺もちっとも美味しく感じない
机に突っ伏したまま、椅子の足をぷらぷらさせて唇を尖らせる

昼下がり、キッチンから見える外の景色を見て、また萌莉は小さくため息をついた

<続く>
278名無しさん@ピンキー:2009/07/30(木) 07:45:00 ID:5/XtgvEd
早朝GJ!
続きも楽しみにしてますね(^^)
279名無しさん@ピンキー:2009/07/31(金) 00:30:18 ID:IFEcYh4h
GJ
これは期待
280名無しさん@ピンキー:2009/07/31(金) 03:12:14 ID:X4lEb4ra
楽しみに待ってる
281名無しさん@ピンキー:2009/07/31(金) 23:02:59 ID:1A35rpKo
大きな旦那様と小さな奥様
後日談




太平洋某海上

「あーんっと…副長、水、水持ってきて〜」
若い女船長は日本語で書かれた薬の説明書を読みながら眉を潜めた。
「…ほんとにこれ効くのかなぁ…副作用とかヤバいんじゃないの?」
「船長それを気にするなら、二度とあんなイタズラはしないで下さい。
アフターピルだからといって…本当にデキていたら大問題ですよ」
がっしりとした体格の男が水を差し出す。
「大丈夫よ……それに仕方ないじゃない。手配していた監査官じゃない人が来たんだから。
だからって殺っちゃうワケにはいかないし…それに私も楽しめたんだから一石二鳥ってね」
「確かに今回は連絡係である自分に非があります。で・す・が……いいですか、船長
金輪際こんな真似はしないで下さい。」
「ふふん、わかってるわよ。あ〜ひっさびさのセックス気持ちよかったー!!」
大海原に向かって叫ぶ女船長、明胡。
「せ、船長!な、何言ってるんですか!?や、やめてください!」
「はいはい、んじゃ、一眠りするからよろしくー」
(……また会えるといいなぁ〜龍一さん)
282名無しさん@ピンキー:2009/07/31(金) 23:04:32 ID:1A35rpKo
野上家、午後16:30

「うう〜龍一さん、おがえりなざい…私、とっても、とっても心配でしたぁ〜」
あの一件の2日後、帰宅した僕を迎えたのは涙でぐしゃぐしゃになった明子。
「……あ、明子!?」
ひしっと玄関先で抱きつかれた僕は少々あわてた。
夕方だからといっても、玄関先では人目につく。
「港で倒れたって…過労だから、心配ないって…小沢って人から連絡が入ったのよ。
お義兄さん、大丈夫?」
「大丈夫?」
「だいじょーぶ?」
朋子ちゃんに続いて、朝子さん達の双子が僕達を見ながら言った。
「わ…わわっ、み、皆、明子、離れて。皆、見てる。」
「ううん、ううん、離さなしません。本当に、本当に心配したんだから」
と言って、明子の腕にぐっと力が入った。
283名無しさん@ピンキー:2009/07/31(金) 23:05:10 ID:1A35rpKo
「司君、孝ちゃん、朋子姉さんと一緒にアイスクリーム食べに行っこか?」
当然、朋子ちゃんがそんなことを言い出した。
「ええ、本当?」
「わーい、朋子お姉ちゃん大好きー!」
……朋子ちゃん、こっちに向かってウィンクする。
当然、明子はそんな事に気付かない。そして、メモ用紙に走り書きすると
それを僕に見せた。
『7時ぐらいには戻ります。夕食も外で取ってくるので心配なく。
ベッドを破壊しないように気を付けて〜♪』
「と…ともちゃ――――――」
僕が声を上げようとした時、明子が
「私の名前呼んで、呼んでください〜明子って、愛してるって、キスして!キスして!」
明子はますます僕を、ぎゅー。
手を振りながら、朋子ちゃん、双子ちゃんはお出かけしてしまった。
そして、その後……

「あんっああっもっと、もっと、もっとおおっ!」
キッチンで半裸エプロン姿の明子と情事に耽っている僕。
「すごいの、すごいの!龍一さん!私を、私を破壊して!おもいっきり、して下さい!
デストロイ、デストロイなのー!」
乱れに乱れる明子……港の一件もあり、僕は少し引き気味だった。
フ、フラッシュ・バックってこんな感じなんだろうか?
「あんっおっぱい吸って、もっともっとォ!お尻にパンパンてパンパンしてええ」
『明子この声はお隣さんに聞こえてるよ』…とは言えない僕。
そして、その後4回程、明子の膣内で搾られ、フラフラな僕に追い打ちを掛けるような
高額な請求書達。もちろん帰宅した朋子ちゃん達によるものだ。
『きえええっ』と言いながら明子が竹刀で『突き』を繰り出し、
『ごぷっ』といいながら昏倒する朋子ちゃんを見ながら
僕は思った………明日、出勤できるかな………。

END
284名無しさん@ピンキー:2009/08/01(土) 11:35:45 ID:2nuNNUTO
乙!
最後、『エンジェル伝説』の北野君が『るろ剣』の斉藤ばりに牙突をキメるとこ想像したw
285名無しさん@ピンキー:2009/08/02(日) 19:31:49 ID:N1E6T3w+
1週間の間に3つも新作が…
どの作者様も素晴らし過ぎて涎と涙が溢れるぜ
286名無しさん@ピンキー:2009/08/02(日) 23:05:05 ID:X1rDbBOW
>>285
拭け
つ 嫁のパンティ
287名無しさん@ピンキー:2009/08/03(月) 07:17:57 ID:R6GuXdSU
夏だなぁ
嫁とプールやキャンプに行ってくれるヤツいねぇかなw
288名無しさん@ピンキー:2009/08/03(月) 12:03:03 ID:COrNVYqp
浴衣でノーブラ、ノーパンもいい
289名無しさん@ピンキー:2009/08/05(水) 00:44:08 ID:ZNmCZUIO
エロいな
290名無しさん@ピンキー:2009/08/06(木) 08:01:09 ID:BpaRDH9F
GJ!!良かったよー

>>284
イメージぴったりだwww
291名無しさん@ピンキー:2009/08/11(火) 01:53:14 ID:hQVgNYfE
悩める女後編待ち
292名無しさん@ピンキー:2009/08/16(日) 20:26:45 ID:UKrvbX3N
新妻たちの水着姿に思いを馳せながら保守
293名無しさん@ピンキー:2009/08/22(土) 00:39:00 ID:u7drfX8K
保守
294名無しさん@ピンキー:2009/08/23(日) 09:54:52 ID:bFXo2hhF
子猫の水着が見た〜い
295名無しさん@ピンキー:2009/08/23(日) 16:49:42 ID:S7shZRKy
イチ×香子で13レスお借りします
296密に愛でる花 1/13:2009/08/23(日) 16:50:38 ID:S7shZRKy
* * *

「ありがとうございました」
 今日は香子は朝から大忙しだ。本当なら夫のお盆休みに合わせて休むつもりだったのだが、帰省する
学生バイトが何人か重なって休みをとる事になり、他のバイトで埋められなかった分を『今日だけごめん!』
と店長に頼み込まれてしまったのだ。
 せっかくの休みを邪魔されたとあって夫の伊知朗は少々面白くなさそうではあった。が、そこは何事
にも真面目に取り組む男である。家事を済ませるのを手伝ってくれてから(と言ってもゴミ出しと布団
干し位だが)、しっかり頑張れとここまで車で送って来てくれた。
「次のお客様お待たせ致しました。いらっしゃいま……」
 カウンターに置かれたCDのラインナップを見てふと顔を上げた。
「当日でお願いします」
 にっこりと人の好さげな笑顔で
『ひ・ま・だ・か・ら』
と声を出さずに口を動かす目の前の夫の姿に香子は目が点になった。
「八神さん。どうかした?」
 横から店長に声を掛けられて慌てて仕事に意識を戻す。
「あ、えと、あの」
 予想外の出来事にCDケースを持つ手もたどたどしい。その様子にくすりとしながら伊知朗――イチは
「初めまして八神です。妻がいつもお世話になっております」
とすらすらと述べ、
「あ、ああ、そうですか。いやこちらこそいつも八神さんには……今日は本当に突然お願いをしてしまって」
「いえ。お役に立てれば良いのですが」
と恐縮する店長と挨拶を交わしていた。


「八神ちゃんの旦那さんて格好いいね!背も高いしイケメンだし」
「うん、流石大人っていうか〜。あたしも年上の旦那様にしよう」
 休憩中のロッカールームでバイト仲間の女子学生達とお茶を飲む。帰りに買い物に付き合ったり、
と最近はそういう事も増えてきた。
297密に愛でる花 2/13:2009/08/23(日) 16:51:44 ID:S7shZRKy
「ああ、そうだこれ。もしよかったら貰ってくんない?」
 すっと二枚のチケットが香子の目の前に差し出される。
「何?」
「あたし明後日友達と旅行行くんだよね。で、帰ってからも予定とか色々あるから……」
 この辺りではメジャーなテーマパークのプール入場券とフリーパス付きの物だ。
「えー嬉しいけど……いいの?」
「うん。それ期限もあるし、八神ちゃんまだ行ったことないって言ってたでしょ?だから旦那様とどうぞ」
「ありがとう」
 じゃあ、と遠慮なく頂く事にした。
 そろそろ休憩終了だ、と片付けてバッグにチケットを仕舞っていると、
「あーさっきさぁ、店長が旦那様の事『俺の若い時に似てるな』だってよ八神ちゃん」
と思い出したように言い出した。
「え……」
 それはちょっと、と四十代半ばにして未だ独身趣味はメイド喫茶巡りの発言に頬をひきつらせる。
「……思い出は美しいって言うからね」
「あ、あはは……」
 肩にポンと置かれた手に力無く笑う。
 いやまあ、万が一イチの頭髪が店長化しても自分の気持ちに変わりはないと思うのだが。


 仕事が終わる頃イチがCDを返しに来て、そのまま表で香子の出て来るのを待った。
「プール?」
「うん。せっかくだし……」
 考えてみれば、海やプールに連れてってやったのは香子が小学校以来だった。中高生ともなれば、
何となく恥ずかしい気持ちも互いにあったのか、どちらからともなくそういった誘いは無くなった。
「そうだな……久々に遊んでもいいかなあ。行くか!」
「本当?」
「ああ。でも今は混んでるだろうから、せめて来週かな」
 車内に今朝借りたCDの曲が流れる中、香子は思わず信号待ちでハンドルを握るイチの手を握った。
「ありがと!」
「いや、俺は別に……何、そんなに嬉しいのか?」
 子供だな〜とニヤニヤしながら自分を眺めるイチに
「どっちが……」
と目玉焼きをいかに潰さず食べるか、を課題に格闘する朝食時の姿が浮かんだ。
 と同時に
「サギだ……」
「ん?何か言った?」
「別に」
と職場でのイケメン評価ぶりを頭の中で比較しこめかみを押さえた。
298密に愛でる花 3/13:2009/08/23(日) 16:52:35 ID:S7shZRKy
* * *

 今日は少し帰りが遅くなってしまった。
 冷蔵庫を確認するとあるもので簡単にメニューを考え、時計を見る。
「少しなら大丈夫かな……」
 盆明けだからどうだろう?忙しくてそう早くはないかもしれないが、残業の連絡はないのでそれなりの
帰宅にはなるだろう、と考えながら紙袋から買ってきた品物を取り出し鏡の前に立つ。
 少し迷いつつも、うん、と頷くと服を脱ぎ、取り出したものを身に着け鏡を眺めてみる。
 最初は戸惑ってあちこち体を捻ったり隠してみたりと不自然な動きを続けていたが、暫くすると少し
ずつそれに慣れ、何となく笑みがこぼれるまでになった。
「あ、やばっ!」
 そんな中時計を見ると思ったより時間をくってしまっていて、慌てて食事の支度をしにキッチンへ
行こうと脱いだ服を手に取る。
「……ま、いっか、後で」
 急ぐし汗もかく。とりあえず先に用意を済ませてから着替えても間に合うだろう――そう考えてソファー
に服を置きエプロンを手に取った。


 レンジで鶏肉を解凍してる間にダシを取り、玉葱を切って、味噌汁も用意しておく。後はほうれん草
でおひたしを作り……。
「今日はお弁当だから親子丼でも大丈夫だよね」
 昼が外食の日はそういうメニューが多いので、なるべく平日に作るのは避けているのだ。
 肉を切って煮ていると、ガチャガチャと玄関の鍵が開く音がした。
「えっ!?嘘、もう帰ってきた!!」
 香子は出迎えようと火を止め玄関に足を向けかけた――が、今の自分の格好を思い出しそのまま回れ右
して奥に駆け込んだ。

「ただいまー。香子?」
 キッチンには甘辛いいい匂いが漂っているのに、可愛い嫁の姿は見えない。風呂からも気配はない。
 ふむ、とイチはそのまま奥の寝室の襖に手を掛けた。
「香」
「うわあ!ま、待ってえぇ!!」
 どすん、と鞄の落ちる音。
 香子の叫びも空しく、目の前には口をあけて襖を開けたまま立ち尽くすイチの姿があった……。
299密に愛でる花 4/13:2009/08/23(日) 16:53:22 ID:S7shZRKy
「ななな……」
「違う!違うのこれはっ……もう、着替えるから出てってよぉ!!」
 真っ赤な顔で半泣きになりながら部屋から押しだそうとイチの胸に手を押し当てるが、逆にその手を
掴まれてあっという間に畳の上に押し倒される。
「ちょ、な、何ぃ!?」
「何っておま……このまま俺を悶え殺す気か?」
 先程とはうって変わってギラギラとした目で自分を見下ろしてくるイチの姿に、香子は一瞬で身を
固まらせた。蛇に睨まれたカエルとでもいうのか。
「え、や、あの、疲れてるでしょ?帰ってきたばっかだよ!?あ、ご飯食べなきゃ」
「後でいい」
「でも!じゃ、せめてお風呂へゆっくり入っ」
「疲れてる時ってのは燃えるもんなんだなこれが」
 えー……と視線をこっそりイチのズボンに向ける。
「それに」
「それに?」
「こんなご馳走目の前に出されて、食えずに死ねってか?」
「はい?」
「……嫁の裸エプロンは男の夢なんだぞおぉぉぉ!!」
「えええーーーーっ!?」
 イチの大柄な体が 押し倒した香子の上に覆い被さった。
「ち、ちょっとイチ君ちょっと!」
 香子の首筋に鼻を押し当てすうっと息を吸い込みながら、手は素早く折り曲げた膝から太ももを撫で上げる。
「あれ?ぱんつは履いてるのかー」
「あ、あの」
「普通ノーパンだろやっぱ」
「無理っ!!」
 何を言うか、と睨む香子にちぇ、と口を尖らして
「ま、いっか脱がせば同じだし」
と今度は胸へ手を伸ばす。
 上からごそごそと撫で回していたが、ん、と首を傾げると胸当ての脇から手を滑り込ませる。
「やっ」
「あーなんだ上も着けてんの?もう、これじゃ裸じゃないじゃん」
 むーとまた軽く拗ねた顔が変に小憎らしいのが可愛い、と香子もまた妙な所に腹が立ってカチンときた。
「だからっ!裸じゃないって言ってるじゃんっ!!勝手に想像してキレないでよね」
「えーだってこれじゃ仕方ないだろー」
 えー?と冷静に自分の体を首を伸ばして見下ろす(?)と、体を覆うエプロンから見えるものは伸びた
両手両足のみで、他には身に着けているものは何もないように見える。
「な?」
「……」
 これではイチが一人喜び舞い上がっても無理もないのかもしれない。
300密に愛でる花 5/13:2009/08/23(日) 16:54:38 ID:S7shZRKy
「いきなりそんな真似できるわけないでしょー!ほら、水着着てるの、水着!!」
 胸元と裾をチラッと捲ってやると、黄色い布地が見える。
「なんだ、水着着てたんだぁ」
「わかった?」
 確かに、肩紐も太く一見ジャンパースカートのようにすっぽりと体を覆うタイプのこのエプロンは、
キャミソールやミニスカートの上に着けるとぱっと見下に何も着ていないように見える。水着なら尚更だ。
 物凄く期待したのだろう。ちょっとばかりイチの肩の位置が普段より低く感じられた気がした。だが
こればっかりは、親が子供に言うように『また今度ね』と気軽に言うわけにはいかない。
「……あの、ごめん。イチ君、着替えるから」
「あー、うん。脱ぐの?それ」
「うん。どうせ一度洗うし、ご飯……」
「……」
「イチ君?」
「んじゃあ汚してもいいな」
「えっ!?」
 きっと凄く、物凄く期待していたのだろう。
 唇を塞ぐと同時に香子の脚に押し当てられた下半身は、既にそれを物語っていた。
 香子が声をあげる間もなく唇は塞がれ、また脇から割り込んだ手が今度は水着のブラの下から直に
肌を探ってくる。
 少し汗ばんでいる胸の僅かな膨らみの先にあるものを見つけると、指の腹でつっと撫でた。
「やぁっ!」
「なに、もう起きてんの?えっちな奥さんだなぁ。散々無理って言ったくせに」
 反対側からも同じ様に手を差し込んで両手で攻めると、イチの肩を掴んで軽く抵抗していた香子の
腕は力無く畳の上に落ち、苦しげにカリカリと音を立てて震えた。
「んあ……だめだよ……まだ、明るいし、ま、窓……っ」
 イチがくいと顔を上げると、なる程窓が開いて網戸になっている。香子は外から帰るとまずムッと
するこの部屋のこもった熱気を逃がすために窓を必ず開けている。寝る前にエアコンを入れるまでは
大概そうだ。
 僅かな風に揺れるカーテンを目で追いながらも、体の下で止まらない指の悪戯に喘ぐ香子の声にイチの
意識は持って行かれる。
301密に愛でる花 6/13:2009/08/23(日) 16:55:36 ID:S7shZRKy
 裸にエプロンなんて言葉にすると非常にあれだが、見下ろしているのはいわゆる白いフリフリレース
やメイドさんのようなデザインのピンクのフリルなんて物ではなく、その辺の雑貨屋で売っているタイプ
のグリーンのチェックにうさぎさんの柄という色気からは完全にかけ離れたものだ(くまさん柄のもある)。
 だがその下で蠢く指の動きに合わせて躰をしならせ、首筋に滲ませた汗を拭う事なく小さな声を洩らす
半開きの唇にたまらず吸い付かずにはいられない。
 大人のような甘い声をあげながら、多少子供っぽいラインの躰をにじり寄せてくるそのアンバランスさが
益々香子をどうにかしたいという気持ちにイチを駆り立ててしまうのだ。
「俺はやっぱ変態なのかなあ……」
「え……?んぁ……っ……あ……ん」
 直接吸い付くしたいと思う小さなピンクの蕾を思い浮かべながら、悩んだ挙げ句視覚の欲望を満たす
方を選んだ。
「はんっ……あ……うっ」
 懸命に声を堪えようとするものの、執拗に攻めてくる指の動きにその我慢がついていかない。
『やべ、もう我慢できない……』
 まだ真夏の暮れかけた薄明るい部屋の外から聞こえてくる日常の生活音は、却って非現実な時間を
過ごしているような気持ちに追い立てられて、その妙な罪悪感が普段の穏やかな営みとは違った興奮
を呼び起こす。
「外でやるともっと凄いんだろな」
「えっ!?……やだ、そんなの」
「わかってるよばか」
 香子のこんな姿を見るのは自分だけだ。
「ひやっ!?」
 自分のした勝手な想像に苛ついて、少しばかり摘む力が強くなってしまった。
「香子……こっち触るよ」
 エプロンの裾から手を入れるといきなりショーツの脇から指を差し入れた。
「うわあ、凄……」
「いやぁ!」
「嫌なもんか、ほら」
「あ……あぅ」
 ついと指を押し曲げるだけで、絡み付く露がくちゃくちゃと音を立てる。その指で探り当てた突起を
弾くと
「っくぅ……」
苦しげに息をつきながら香子は唇を噛んだ。
302密に愛でる花 7/13:2009/08/23(日) 16:56:41 ID:S7shZRKy
「ああんっ……や……やぁぁ……」
「嘘付け。こんなに……なんか早くないか?濡れるの」
 わざと音を立てて弄ると、その動きと濡れ音に合わせて香子の脚が跳ね腰が浮く。
「ばかぁ……んっ」
 ふるふると真っ赤な顔で潤んだ瞳で睨まれ、イチの我慢は限界に達した。
「あー、もう可愛い!駄目だ俺。挿れさして」
 汗で体に張り付いたシャツを脱ぎ捨てランニング姿になるとベルトに手を掛けた。
「だ……だめ」
「なんで?俺これじゃ生殺しだって」
 膝を立てて腕を伸ばし何とか引き出しからゴムを出す。
「今でこうなのに、声……そんな事したら、もっと」
「もっと?」
 膝までズボンを下ろし準備完了。
「……もっと出ちゃう……」
 うっ、と喉を詰まらせ下半身を押さえたままイチが固まった。
「ど、したの?」
「危ね……お前、俺の方がでちゃうだろ、そういう事言うと」
「え?」
 ――中学生でなくて良かった。
 イチは真剣にそう思った。
「じゃあ手で塞いだら?」
「だめ。だって途中でいつも……」
 確かに最初は恥ずかしがって我慢して当てた手も、いつの間にか夢中になるとイチの背中に思いっ切り
淫らな傷痕をつけ、シーツにシワを残す。
「でもこれじゃ閉めに行けねえわ今更」
「もーばか!だから最初に言ったのにー」
 ぶーと膨れて文句を言い足りない顔を覗き込むと、その唇を塞いで黙らせる。
「だったらこうして」
 エプロンの裾を捲り上げ、離した半開きの香子の唇に押し当てた。
「噛んで」
「……?……えっ、やぁっ!?ん……」
 一気にショーツを引き下ろすと脱がせて脚を開かせお尻を高く持ち上げる。
「香子のキレイだよな、いつも。もう、こんなに濡らして……」
 じゅわりと溢れる雫を指で掬うと、赤く波打つ裂け目の先にある先端に塗り込め転がした。
「んむぅ……んんんっ!」
 思わずぎゅっと摘んで握りしめたエプロンの生地を言われた通りに噛み締め、悲鳴に近い声をあげる
ことを耐えた。
 その真っ赤な頬にそっとキスすると、滑るように動かした指を止め、一気にイチのそれは香子の躰を貫いた。
303密に愛でる花 8/13:2009/08/23(日) 16:57:53 ID:S7shZRKy
「ふううっ!んっ!んんん!?」
 足首を掴んで大きく開いた脚の間にねじ込んだ躰をイチが大きく揺さぶる度に、苦しげな息遣いの
香子の堪えた喘ぎが耳に届く。
「いい?いいか香子」
「んんー……」
 胸の上で裾を握り締め震える両手に更に力を込めると、白い喉元を反らせて仰け反って応える。
「ごめんな、苦しい?」
「……」
 ぐうと喉を鳴らして首を振る。だがそのぎゅっと閉じた瞳にはうっすら光るものが滲んでいた。
「……だよな……」
 でも綺麗だ、とイチは思う。
 見た目はまだまだ高校生のそれと変わりは無いのに、こんな風にしていると時々はっとする程女らしく
艶めいて見える。
 さほど豊かではない胸も、少しまろやかなラインのお腹も、白い肌と細くも太くもなくすっと程よく
伸びた脚を絡ませられると、普段ではなかなか想像出来ないその声と相俟ってイチの欲望を刺激する。
 勿論それには、『惚れたものの欲目』というフィルターを通しての事情というものも含まれては
いるのだろうけれど。
 引きちぎらんばかりに裾を握っていた両手を離すと、イチに向かってそれを伸ばす。それに応える
ように足首から離した手を床につけ躰をゆっくりと倒した。
 ――多分イキそうなのだ。
 イチの背中にぎゅっと回して来た手に力がこめられ、それを合図に腰を大きく引く。
「んああっ……んっ!」
 ずん、と引いた分だけまた大きく突き上げるとその衝撃に耐えきれず、香子の口を塞いでいた布は
声と共に胸元へと零れた。
「や……んっ、んー」
 変わりにイチが自らの唇を重ねてそれを塞ぐ。ぴったりとくっつき合った躰を更に引き寄せようと、
香子の脚がイチの腰を押さえ込むように絡み付き、背中の指がシャツをぐしゃぐしゃに掴む。
 ときに耳障りなガチャガチャと揺れるベルトの金具の鳴る音が次第に速く大きくなると同時に、二人
の息遣いと揺さぶる腰の動きも激しく速くなっていく。
「――ッ」
 震える両手が食い込む背中にイチが思わず眉をしかめると、僅かに白い歯を覗かせた唇から舌を抜く。
 それと同時に汗に濡れた衣擦れの音も、止んだ。
304密に愛でる花 9/13:2009/08/23(日) 16:58:41 ID:S7shZRKy
「これ何?形のわりに地味なパンツだな」
 ベージュの小さな布地をひらひらとさせる手から
「水着の下に履くのっ!」
とひったくり、そそくさとシャワーに向かおうとする。
「……香子、そんなちっこいので大丈夫なのか?」
 見た目は至ってシンプルで色気も素っ気も無いが、前後を覆う部分は普通の下着より少なく横は伸縮性
のある紐になっているので、形だけ見ればかなり露出の高い物だろうと考える。
「うん。だってビキニだからこれ位じゃないとはみ出ちゃう」
「えっ!?」
 裏返ったイチの声にそらきた、と言わんばかりに微笑んで
「んふふ、見たいー?」
とわざと勿体ぶってみせた。いつもの彼のノリならきっと
『けしからん。確認するから今すぐ履いて見せろ!勿論上もだぞ』
と前のめりになって要求して来るに違いないからだ。
 だが、
「……いや、いい」
と返ってきたのはスケベ心丸出しの物ではなく、目の前にいるのは『見てはいけないものを見てしまった』
子供のように目を逸らすイチの姿だった。
「なんで?」
「だってほら、あれだろ。そういうの着けなきゃはみ出すって事は……だろ?」
「あー、あ、そういう事?そりゃビキニだもん仕方ないよ。でもパレオもあるから大丈夫だよ」
 ほら、とヒラヒラした布地を床から拾い上げて見せる。
「でもな」
「でも、何よ?」
 俯き加減に正座の状態でベルトの金具を所在なげに弄るイチに気付いて、
「(もしや……拗ねてる?)」
と不穏な空気に見せびらかそうとしていた水着を持つ手を引っ込めた。
「気に入らない」
「はっ?」
「もっと他に無かったのか?誰が選んだんだよ、それ」
 ついさっきまでそんな不満は微塵も無かったのに。
「プール……駄目なの?」
「いや、そんな事無いけど、それで行くのは気が進まない」
「わかった。……もういい」
 イチは昔から滅多な事では香子の楽しみを奪うような真似はしなかった。一度約束した事は、日を
改めてでも守る男である。その彼が腰を上げようとしなくなったのは余程気に入らない何かがあったの
だろう。
「お風呂、先に入るね?」
 しょんぼりと肩を落とし、脱いだ物を纏めて部屋を出て行く。
 それを見ながらイチは
「解ってないよなぁ……」
と呟いた。
305密に愛でる花 10/13:2009/08/23(日) 16:59:46 ID:S7shZRKy
* * *

『ごめん。昨日持って帰った時にファイル忘れたんだけど届けて』

 イチからの電話で会社までやって来た。
「何うっかりしてるんだか」
とファイルの入った紙袋を見下ろす。それと一緒に
「いらないよね……」
ともう一つの忘れ物の入った小さめの紙袋に目を落とす。

「八神さんですね?今電話中ですのでこちらでお待ち下さい」
 一階の受付から部署のある階まで来るように言われやって来たのだがそう言われ、応接に通された。
 一度社員旅行で顔を合わせた者が多いので、香子を見つけると皆がにこやかに頭を下げたり簡単な
挨拶を交わしてくれるためか、思った程居心地は悪くない。が、やはり知らない人間からは「?」と
いった視線を送られる。
「良いけどね、別に……」
 そのままバイトに行くつもりだったのでポロシャツとジーンズという格好。確かにこんな場所では
目を引くのも無理は無いのだろうが。
 出された麦茶を頂いているとパタパタと忙しない足音が聞こえてきた。が、すぐにそれは
「あー、八神さん!××様から……」
「ええ!?もう今になって……」
とぶつぶつ言いながら回れ右して去っていった。余程急ぎの電話だったとみえる。
 ひょいと薄い衝立から覗き見ると、一番近くのデスクの電話を取り上げ会話中のイチの姿が見えた。
「あーあ。せっかく寝癖直したのに……」
 深刻な内容なのか、辛辣な物言いで顔を歪めながら頭をがりがり掻いている。毎朝身なりは香子が
きちんと整えさせて出すのに帰るとぐしゃぐしゃなのはこのせいか、とほっぺを膨らませながらその
姿を盗み見ていた。
 片手にペンを持ち、受話器を肩に挟みながら慌ただしく手元の書類を捲り、側の数人に声を上げて
何かを指示し会話に戻る。
 最初はちょっと冷やかし気分でそれを眺めていた香子だったが、やがてその顔から笑みがゆっくり
消えていく。
 二人きりの時にはまるで見た事の無い厳しい引き締まった横顔や鋭い目つき。
 以前聞いた『彼は仕事の鬼』という一言が頭に浮かんだ。
「なんか知らない人みたい……」
 そんな事を思いながらただ黙ってそれを見つめていた。
306密に愛でる花 11/13:2009/08/23(日) 17:01:18 ID:S7shZRKy
「ちょっと今立て込んでてな。悪い」
 一段落したのか少し張り詰めた感の残る顔をしたイチがやって来た。
「……ううん。はい、これ」
 少し迷ったが頼まれた物を渡すと香子は残りの荷物を手に持って立ちあがった。
「じゃ、私もバイト行くから」
「うん。悪いな」
 何か一言言いたそうに唇を開きかけたが、そのまま手を降って周りに会釈するとエレベーターに向かう。
 イチは黙ってそんな香子の後ろ姿を見送った。

「八神さんの奥さん来てたね」
 エレベーターを待っていると物陰から洩れてくる声がする。どうやらそっちは給湯室らしい。
 聞こえぬフリを装ってみるものの、やはり気にせずやり過ごすのもなかなか難しいもので……。
「可愛いよね。10歳下だっけ?」
「うん19だって。八神さんがデレるのも解るわ。けどあれだね、ちょっといいなと思う男は大体カノジョ
 か奥さんいるんだよね」
「あの位の歳じゃね。けどいつもよりかなり張り切ってなかった?」
「思うー。奥さん見てるからだよ絶対。なんか可愛いよね」
 可愛い、という言葉にちょっとカチンと来た。イチは香子の前だと甘えて年上だという事を完全に
忘れている。そういう所を独り占めしているのがちょっとした優越となっていたのだ。
 だが、これまで香子はイチの社会人としての評価を人伝に聞いた事はあったが、実際にその姿を目に
する機会など無かった。
 当然ながらイチにも香子の知らない時間はあり、そこには知らない姿が存在する。
「働くイチ君て、結構格好いいんだな……」
 彼の全てを知ってるつもりでいた。だがそんな自分が知らなかった事を知っている誰かがいるという
事実が、正直面白くないと思ってしまった。
「(うわ。妬いてる?あたし……)」
 ばかみたい、とごく小さな声で呟くと、やって来た誰もいないエレベーターに乗り込んだ。
「わっ!ちょっと待って!!」
「え!?きゃっ!!」
 閉まりかけたドアめがけて男が一人乗り込んでくる。
 驚いて顔を上げると息を切らしながらニッと笑う。さっきとは180度違ったいつものイチの顔だった。
307密に愛でる花 12/13:2009/08/23(日) 17:02:11 ID:S7shZRKy
「下まで行く」
 ゆっくりと動き出した密室の箱の中は、静かで不思議な空間となる。気まずいような恥ずかしいような
何となく落ち着かない気分でいた香子に
「あのな」
とイチが話し掛ける。
「子供の時にゲームのカードが流行ってさ、友達がレアカード見せびらかしてんの羨ましかったの。
 で、ある日俺もまだ誰も持ってなかった奴が手に入ってさ、早速自慢してやろうと思ったんだけど」
「……けど?」
「なんかさ、惜しくなっちゃったんだよな。で、こっそりしまい込んで自分だけの楽しみにしちまった。
 ケチっつーかなんつーかその、秘密にしとくのがなんか逆に気分良くなっちゃってさ」
「……ふうん」
 もうすぐ一階に着く。
「あれが無ければ今だってチューの一つもしてやりたいってーのに」
 ちらりと斜め上を見る彼の視線の先にはカメラのランプが光る。
「つまりはそういう事」
「え?」
「お前は俺のレアカードだから。水着姿なんて大事なお宝、勿体無くて見せびらかすのが惜しかったわけ」
 扉が開き、ロビーを出口に向かって足早に歩く。
「……ばかみたい。子供みたい」
「だよな」
 むっと唇を尖らせて上目遣いにイチを睨んで足を止める。
「子供だよ俺は。だからさー……たまにはプールとかで遊びたい時もあるわけよ」
 香子の手に残る小さなもう一つの紙袋をひょいと取り上げると
「あれ中身はタダの広報誌だったんだよね。本当は届けて欲しかったのはこっち、と」
ぴん、と香子のおでこを弾き
「こっち」
と笑ってその弾いた跡を撫でる。
「だからさー……俺のも土曜日までに選んで」
 紙袋の中の弁当包みを覗くと満足げに笑う。
「……今日卵焼き入れてないよ。昨日使っちゃったから」
「そうか。じゃ、罰として今日も水着で待っとくように」
「は!?な、何の罰?」
 香子の耳元に唇を寄せるとごく小さな声で囁いた。
「側にいるのに何にも出来ないんだぞ?仕事に身が入らなかったらどうする。なので昨日出来なかった
 分隅々までチェックさせて頂こう」
 真っ赤な顔で口をぱくぱくするしかない香子を、意地悪な目で眺め笑いを浮かべながら去っていく。それが
またエレベーターに消えていった頃やっと
「……どスケベ」
香子もつられて笑った。
308密に愛でる花 13/13(終):2009/08/23(日) 17:03:20 ID:S7shZRKy
* * *

 夏も終わりに近づいたとは言え、やはり土曜日のプールは人が多い。
「やっぱりカップル多いよな、ここ」
とイチが今朝来る前に急いで店に寄って買ったばかりの海パン姿で周りを眺めていると、いきなり頭を
後ろからがつんとどつかれた。
「いでっ!!」
「どこ見てんのよスケベ!」
「どこって俺は別に」
「うそっ!だってほらー」
 思いっきりむくれた顔で香子が顎をしゃくる。胸の前で組んだ腕のおかげでできた僅かな谷間らしき
線を惜しみながら彼女の指す方向へ目をやる。
「ほらー。あそこの可愛いお姉さん達の水着姿見てニヤニヤしてたんでしょ!?」
「ああ確かにいるな。けど俺は別になあ」
「どうせ私はひんぬーですよ。あんなに胸大きくないし、くびれてないしっ!!」
「まあ確かにどっちかっつうとロリ体型……ハッ」
「……もういい」
 ぷいと膨れたままスタスタと先を行く香子を慌てて追った。
「……やっぱりわかってないよなぁ、あいつは」
 程よい肉付きの柔らかな抱き心地の良い背中。
 若く張りのあるぷりっとしたお尻が、歩く度に揺れる短めなフリル付きのパレオから覗く。
 バイト仲間と何度も試着して選んだ明るい黄色に白の水玉ビキニは、香子の白い肌に綺麗に映って
欲目抜きでも可愛いと思う。まあ、大きな胸を惜しげも無く晒す大人の女性も悪くは無いのだろうが。
 しかし世の中には色んな好みがあるもなのだ。それを香子は解っていない、無防備だ、と思う。
「ああ、言わんこっちゃない」
 その自分を虜にしている白ウサギに近づく狼を見つけて足を速める。
 端から見ればどんなもんだか知らないが、自分にとってはどこのどんな花より色鮮やかな花なのだ。
 今日までに何度着せては脱がせたかわからないその水着姿を側で眺めるのは、自分だけの特権だ。

「うちの妻に何か?」

 目一杯大人の声色で自分を抱き寄せるイチを、香子はちょっと見上げてその腕にしがみつき、
「レアカード……?」
と小声で笑った。



「終わり」
309名無しさん@ピンキー:2009/08/23(日) 21:40:05 ID:M17sGIGQ
GJ!
イチぅイチぅ…
310名無しさん@ピンキー:2009/08/24(月) 00:24:20 ID:pyv3n1cd
>>295
久しぶりに覗いてみたら…GJすぎる…!

やっぱりこのスレは最高だな!
311名無しさん@ピンキー:2009/08/26(水) 00:03:08 ID:YyADf8kz
何というGJ!イチ君が可愛すぎるww
312名無しさん@ピンキー:2009/08/26(水) 00:41:10 ID:PlWYRUNS
GJGJ!!
313名無しさん@ピンキー:2009/08/30(日) 00:45:06 ID:Hf2k7JsB
裸エプロンいいよ裸エプロン
さすが新婚スレ、ここに投下してる職人さんたち、結構な率でネタにしてるよな
まだ書いてない職人さんにも是非書いて欲しい。
314名無しさん@ピンキー:2009/08/31(月) 03:48:29 ID:mVtRJbX/
裸エプロン好き
315名無しさん@ピンキー:2009/09/05(土) 13:21:12 ID:RFyjKkLl
保守
316名無しさん@ピンキー:2009/09/07(月) 01:04:53 ID:mwHnmeje
大きな旦那様と小さな奥様外伝
エロ無し




私の名前は小沢 治子(なおこ)年齢は26歳。
職業は運輸局管轄の監査官、通称PSC(ポートステートコントロール)。
私の家庭は、先祖代々から続く厳格な軍人の家系なのですが、
私はこの道を選びました。
WAC(女性自衛官)へなる道もあったのですが、
両親は特に反対することなく、『治子自身が決めたのならそれで良い』と言ってくれました。
が、しかし職業軍人の家庭で育ったためか、この目つきと言動が災いしているのでしょう。
職場の皆さんは私を恐れているような感じがします。さらに以前にお尻を触った港湾作業員に
発した言葉に拍車がかかり、職場の同僚はもとより先輩方からも畏怖されているようです。
これはいけません。
いけないので……クリスマスにケーキを持参したり、
ヴァレンタインにチョコを配給したりしました。
その後、『怖いのではなくクールで淡泊な女性』というイメージが定着したようです。
これで一安心。オールグリーン。クリア。
そんな事を思いながら私は電車を降り、駅の改札を抜け、自宅へと戻りました。

「ただいま帰りました。」
「おおっ、お帰りなさ〜い。今回は長かったね、治子さん。お疲れ様でした」
陽気な声が聞こえたかと思うと、エプロンを掛けたツンツン頭が私を迎えてくれます。
「頼まれていた牛乳とトマトです。これで間違いありませんか?」
「あ、ありがとー。じゃ、夕飯の支度にかかるから待っていてねぇん」
「了解しました。」
彼の名前は猛士(たけし)、何とも強そうな名前ですが、私と同じくらいの背丈に
なんとも優しい笑みを浮かべているのを見ると、名前負けしているような気がしてなりません。
しかも年齢は23歳で年下です。そして私の―――――「夫」です。
籍は2ヶ月前に入れたので新婚…と言うことになるのでしょう。
ですが、挙式はしていません。
317名無しさん@ピンキー:2009/09/07(月) 01:05:57 ID:mwHnmeje
理由は結婚を反対されたからではなく、海上自衛隊に所属している兄が
対海賊法案により、海外派遣されているので、それを考慮しての事です。
実のところ、結婚式の最中に万が一にも戦死などの報が入ってきては
困ると父が強くいうのです。父、曰く『俺の戦争はまだ終わっていない』そうです。
はぁ……私はため息を胸中で呟き、自室に入りました。
ネクタイを解き、化粧を落とします。
私は連夜の泊まり込みで疲労する程、体力が無いわけではありません。
幼い頃から兄と共に剣道、柔道、空手その他、諸々の訓練……やめましょう。
私は眼鏡を置き、鏡を見ました。
私は女性です。
それも結婚したから妻なのです。
ですが料理ができません………
私、小沢治子は全く料理ができないのです。


新婚SS『奥様はクールで眼鏡で料理ベタ』


「お素麺が特売だったんだ。ジャーン『ロースハムのそうめんチャンプルー』
治子さんお腹減ってるでしょう?だからできるだけ早く作れるヤツを。
あ、あとトマトサラダもね。」
私の前には見たこともない、それは美味しそうな料理が…
この数日間、即席麺にコンビニおにぎり漬けだった私にとって、
それはこの上ないごちそうみえました。
「い、いえ…私は空腹では…」
ぐ〜……
「………」
「ほらほら…港に泊まり込みの時は、インスタントやコンビニ食だと思うし、
食事も睡眠も不定期になるからね。じゃ、さっそくいただきま〜す」
「いただきます」
小沢猛士、旧姓は戸川(とがわ)…彼との出会いは、なかなかに運命的なモノでした。
318名無しさん@ピンキー:2009/09/07(月) 01:07:16 ID:mwHnmeje
監査対象の船舶が父の友人で船長であり、昼食をごちそうになる事になりました。
船舶の料理は船員向けの為、総じて塩辛いのが特長です。
「ウチのコックは腕が良くてね、船員にも好評なんだよ。
私が治子ちゃんの親父さんと乗っていた艦は塩っ気が強い料理ばっかりで辟易していたもんだ。
ささ、治子ちゃんも食べてみるといい、きっと驚くよ。」
「は…はぁ…」
そして出てきた料理は何の変哲もない船内食ばかりです。
「…………」
私が沈黙していると船長があわてて言いました。
「見た目はいつも治子ちゃんが見てる船内食だと思う…が、まず一口
食べてみてくれ。きっと驚くよ?」
そう言われては食べるしかありません。私は意を決して
フライドチキンを一口食べてみました。
「――――――お、美味しい」
私は思わずサラダにも、漬け物にも、お味噌汁にも手がいきました。
「素晴らしい味でした、とても美味しかったです。」
「だろ?毎日、こんな船内食なら大歓迎だよ。なにせ家で食べるカミさんの
料理より美味いんだから……でもね……」
船長の顔が暗くなりました。
「でも…?何か問題なのですか?」
「ああ、食材保管のミスで傷んだ食材を使って一人、食中毒者を出してしまったんだ。
それでかなりショックをうけて、責任取ってコックをやめるって言うんだよ。
軽い食中毒だったし、食材保管者のミスだからって言っても………本当に残念だ。
これが最後の料理になる…」
「…そうですか…」
きっとその料理人の誇りや気高い人なんでしょう。
私も職は異なるとは言え、共感するモノはありました。
そしてその夜、いつもの改札を抜け帰宅する前に24時間営業の食材センターに寄りました。
料理ができない私ですが、だからと言ってインスタント食やレトルトばかりでは身体が持ちません。
319名無しさん@ピンキー:2009/09/07(月) 01:08:05 ID:mwHnmeje
そう思い、今夜は

『死力ヲ尽クシテ野菜炒メナル物ヲ調理スベシ』

とタマネギをとり、買い物カートの籠に入れようとしました。
その時、
「そのタマネギよりこっちのタマネギの方がいいですよ。」
と背後から声が掛けられました。
私はハッとして振り返りました。そこにいたのは髪の毛がツンツン頭の若者、
服装は清楚な白いポロシャツに青いジーンズ、相当履きこなしているのでしょう、
自然に色落ちした生地が実に格好良いです。
「このタマネギに問題があるのですか?」
「うん。そのタマネギと、このタマネギ、表記されてる賞味期限は同じだけど少し傷んでる。
火を通せば問題ない程度だけど、味は少し落ちるから、こっちの方がいい。
材料から、野菜炒め…かな?」
とニコニコしながら若者は自分の持っているタマネギを差し出しました。
「は、はい…そ、その通りです。」
私が驚いて、その若者に向かっておずおずと言うと
「あ、すいません。勝手に籠の中…その職業柄…その性分でして…本当にすいません」
「いえ、ありがとうございます。」
私は姿勢を正して、お礼の言葉を述べました。しかし、材料を見ただけでその料理を
見事にあてるとは、この若者は何者なのでしょう?外見からして2〜3年下でしょう。
疑問に思った私はその若者に問いました。
「職業柄…とは、貴方は料理をされる職人の方ですか?」
「あ…え、ええ。つい最近まで貨物船の船内コックをしてたんですけど……」
「失礼ですが、その貨物船の名前は、もしかして――――――」

「そうですか…僕の料理を…船長さんが言っていたお客さんって
小沢さんの事だったんですね…料理がすごい好評だったって
船長さんから聞きました。どうもありがとうございます。」
その若者は戸川 猛士と名乗りました。
「いえ、とても美味しくいただきました。」
私は若者にセンターの自販機前に設置されているベンチで缶コーヒーを片手に
昼間の経緯を話しました。
しかし…この若者があの料理を…驚きです。
「小さい頃から料理が好きだったんです…家族も料理人の家系で…
でも僕には兄がいて、実家の料亭は兄が継いで、僕は『好きにしていい』
って、両親に言われたんです…それだったら、海外で色んな料理や食材を見ることができて、
料理ができる職業がいいと思って、あの船に……後は、小沢さんの知る通りです。」
「そうだったんですか…ですが、船長は――――――」
コーヒーを啜り、私は言いました。
傍らには今夜の夕食、野菜炒めの材料が入ったマイバッグ。
「いいんです。たとえ一人でも僕の料理で具合が悪くしてしまった。
それは変えようのない事実です。」
「これからどうされるのですか?」
「あの食材センターでパートとして雇ってもらいました。
蓄えもありますし、しばらくは大丈夫です……って、初対面の人に、
な、何か僕、調子にのっちゃって…すいません。」
「いえ……差し出がましいのですが……戸川さんさえ、よろしければ――――」
「はい?」
「私に料理を教えて頂けませんか?」

続く
320名無しさん@ピンキー:2009/09/07(月) 03:18:13 ID:qeRXpv2k
おおお…ここで続きだなんて…神よ…orz
321名無しさん@ピンキー:2009/09/07(月) 13:46:18 ID:r2FHNPvy
続くんかい!

これはまた面白そう。超期待
322名無しさん@ピンキー:2009/09/07(月) 16:20:18 ID:e5DFx167
>>320
逆に考えるんだ、続きがあるということはエロが読めるかもしれないと
323名無しさん@ピンキー:2009/09/07(月) 18:28:57 ID:/cKTZ3kY
これは続きを期待せざるを得ない

料理を教えてもらって、美味しく頂かれちゃうんですね、わかります
324名無しさん@ピンキー:2009/09/08(火) 07:47:44 ID:KJZwKVGn
エロなしと聞いていたが…これはエロのある方向で読みたいw
325名無しさん@ピンキー:2009/09/09(水) 23:12:34 ID:T0hGQGVo
続きを楽しみにしています
326名無しさん@ピンキー:2009/09/12(土) 12:54:03 ID:XX5TIb07
大きな旦那様と小さな奥様外伝
少しエロ





私は何を言っているのでしょう。
じーっと戸川さんを見つめている私ですが、
胸中ではとても混乱していました。
自らの言動を客観的に分析すると
年上の、それも今し方知り合った女性が眉一つ変えず
『私に料理を教えて頂けませんか?』
客観的に簡潔な感想を述べますと
『この人、初対面の人に何を言っているのかしら?』
自分でもそう思います。
もし私が年下で、それもすこぶる愛嬌がある娘で、もじもじしながら
『あ、あの…私に料理を…教えて下さい…お、お願いします』
と言っても、承諾してくれる確率は、五分五分でしょう。
『萌え』なるモノと自身との隔たりは超弩級と認識し、
自覚している私にそのような言動はできません。
零式艦上戦闘機で『最新鋭米原子力航空母艦ヲ撃沈セヨ』というぐらい無理な相談です。
しかし、戸川さんは
「あ、はい。僕でよければ喜んで」
と引き受けてくれました。

新婚SS『奥様はクールで眼鏡で料理ベタ』

そんな関係を続けていく内に、戸川さんの笑顔に明るい言葉に、性格に
私の心はどんどん惹かれていきました。
327名無しさん@ピンキー:2009/09/12(土) 12:55:09 ID:XX5TIb07
そして、お付き合いの切り出しは
『私とお付き合いして頂けませんか?』
『あ、はい。僕でよければ喜んで。』
そして、今に至ります。付き合っても手を繋いだり、唇を交わしたり、
床を共にしたりした事は一度もありません。その事を母に告げると
『まぁ…とても清潔な男性ですね。今で言う草食系男子なのかしら?
私はお父さんに美味しく頂いてもらったのだけれども。うふふ。』
さすが、母やりますね。その相手は当然、父。
その父に私は言いました。
『お父様、会って欲しい男性の方がいるのですが』
その夜、父は『探さないで下さい』という手紙を残し、7日程、家を空けました。
そして8日後、帰宅し、あっさりと了承してくれました。
後で母から聞いた話ですが、7日の間に父の人脈を使い、ありとあらゆる機関から
戸川さんの経歴や過去を調べ上げていたそうです。少しでも不審な点が
あれば、事故死に見せかけ、この世から抹殺してやると意気込んでいたそうですが…
当の本人は、そんな事知るよしもありません。
小沢家の諸事情から婿入りに対して、父に言ったこの台詞。
『これだけ由緒正しい家系に婿入りできるなんて、僕は幸せです。
両親も兄も祝福してくれました。』
のほほんとした口調で言いました。
これには私の父親もフッ…と笑い『気に入った』と満足していました。

「どう、チャンプルー美味しい?少し味が薄かったかもしれないけど…」
「いえ、とても良い味付けでした。美味しいです。」
私は口を拭い、水を飲みながら言いました。
「そう。よかった、治子さんのその言葉が聞けるだけで僕は幸せです」
とニコニコしています。
しかし、この結婚生活ですが私には悩みが二つあります。
一つ目は料理。
現在も料理を教えてもらっていますが、からっきしダメな私。
夫の職業は専業主婦…ではなく、専業主夫と言うのでしょうか
鼻歌を歌いながら食器を洗い、冷蔵庫整理しながら明日の献立を決める夫。
その背中を見ながら新聞を読む妻………夫と妻、立場が逆です。
二つ目は、夜の営みです。
付き合い始めてから一度もそういった事がない私達。
結婚してからも一度もありません。私が仕事で忙しいというのもあるの
ですが…この新婚四ヶ月間、一度もないのは少し考えものです。
私が性欲に対して関心がない…と言えばそれは嘘になります。
恥ずかしいですが、性欲処理の為に自慰もします。
それも最近は、特に欲求不満なので頻繁に自慰に興じています。
328名無しさん@ピンキー:2009/09/12(土) 12:55:39 ID:XX5TIb07
こんな時に気の利いた、男性の生殖本能を奮い立たせるような台詞が
言えればいいのですが。私が言えるのはおそらく
『私の性欲は限界です。今夜は早朝まで情事に耽りましょう。
あなたの生殖管を私の生殖口に挿入し、可及的速やかに膣内射精をしてください』
………これでは教育テレビの動物交配のナレーションの方がまだマシです。
それに可及的速やかにでは『とっとと終わらせろ』と暗に言っているようなものです。
『速やかに』の反対語は『徐(おもむろ)に』…可及的徐に膣内射精……違う気がします。
ああ…何を考えているのでしょう。全く興奮しません。
もっと愛おしく、可愛らしく……ですが私にとっては無駄な努力です。
野上先輩の奥さん…確か、明子さんと言っていました。
私より2歳年下の若い奥さん、特に背が低いらしく長身の先輩と比べると
さらにその差は広がります。
どうやってしてるんでしょうか?やはり無難に乗ったりしてるんでしょうか?
奥さんの胸が小さければ、女学生としてるような危険な錯覚に酔いしれたりしてるんでしょうか?
あの先輩が……
『パパと呼びなさい。』
あの若い奥さんが
『あなたぁ…今夜もいっぱいパンパンしてね♪』
はあはあ……とても興奮します。これで落ちない男性はいないでしょう。
新聞の経済面をチェックしながら眼鏡のずれを直します。
「ハイハイ、終わり〜。治子さん、お風呂先にどうぞ♪」
そう言って夫はエプロンを外し、『季節のお料理特選18番』と明記された
料理本を捲りました。この草食系男子め。ここは意を決して直訴すべき場面です。
「猛士―――――」
「どうしました、治子さん」
本から目を離し、こちらを見る夫。
「胸の大きい女性をどう思いますか?」
「胸が大きいと思います」
即答です。それなりに誘っている台詞なのですが、全く効果はありませんね。
これで『浪漫ですね』とか『僕は治子さんのおっぱいの方が好きですよ』
『僕が揉んで大きくしてあげます』とか『四の五の言わず吸わせろ』
などと言えば、戦略の立てようもあるものなのですが。
私の乳房はそれなりです。肩がこるほど大きくもなく、かといって小さくもない、
これくらいが気に入っています。お尻もそこそこ、大きくもなく、小さくもなく
両方とも女性としての魅力を欠くことはないサイズです
……港で寝ぼけた先輩に抱きつかれたせいで悶々とします。
「猛士、率直に言います」
「え…はい?」
「今日の私はライオンさんです。食べちゃうぞ!ガオー!」
「………はっ?」
「…危険な試みでした…猛士、どうしてセックスしてくれないのですか?」
「あ…え…セ、セックスて…治子さん」
「私が仕事の関係上、帰宅時間が遅くなることや職場に寝泊まりする事は認めます。
ですが、挙式をしていないとは言え、四ヶ月も…どうしてですか、私には
魅力がありませんか?」

続く
329名無しさん@ピンキー:2009/09/12(土) 13:55:50 ID:jlMjkXHS
はっ早く続きを・・・GJ!
330名無しさん@ピンキー:2009/09/12(土) 15:13:55 ID:yh6teBnU
GJ!
奥様が可愛過ぎる!!

そしてなんという生殺し
続きはまだか……
331名無しさん@ピンキー:2009/09/12(土) 16:35:57 ID:PFuGWcqd
続きを……!!
全裸待機には少々寒うござる
332名無しさん@ピンキー:2009/09/12(土) 17:00:14 ID:d/yFIT3T
はやく!待ち続けて死にそう!
333名無しさん@ピンキー:2009/09/12(土) 17:26:28 ID:EeshpVyk
GJだ
俺も全裸で続きを期待している
334名無しさん@ピンキー:2009/09/12(土) 21:34:57 ID:/Nb3kzU6
全裸待機組と俺のために、可及的速やかに続きを!
335名無しさん@ピンキー:2009/09/12(土) 22:14:32 ID:8lWMW78+
全裸で待つにはそろそろしんどい季節だ。
続きを早く頼む。
336名無しさん@ピンキー:2009/09/17(木) 15:12:46 ID:YZVpiMn+
Hoshu
337名無しさん@ピンキー:2009/09/20(日) 04:54:03 ID:+RYSwUNU
風邪引いた…orz
338名無しさん@ピンキー:2009/09/20(日) 21:53:13 ID:adxrv06/
>>337
これでゆっくり休め
つ とりあえずパンツ
つ 嫁の手作り粥
339名無しさん@ピンキー:2009/09/21(月) 04:06:19 ID:Mp80vkAR
>>338

サンクス。
グスッ…裸で待つのがつらい季節が到来か…


ぬくもりが欲しいぜ。
340名無しさん@ピンキー:2009/09/22(火) 00:52:11 ID:bZky1NID
世はシルバーウィークだというのに、俺ときたら……。
毎日全裸で正座してるんだぜ
341名無しさん@ピンキー:2009/09/24(木) 23:53:28 ID:wnB/VAI0
毎日全裸で正座しながら旦那の帰りを待つエロ妻がいるときいて
342名無しさん@ピンキー:2009/09/25(金) 14:33:55 ID:eCIDr1Cr
大きな旦那様と小さな奥様外伝
猛士×治子
本番



前回投下の作中の訂正箇所がありました。
『四ヶ月』ではなく
『二ヶ月』として下さい。


「私は猛士がとんでもないマゾヒストでも嬉嬉として鞭を振るってあげます。
靴下やニーソックスだけ履いた裸体で足コキや拘束や目隠し等の行為・趣向にも応じましょう。
どうですか、猛士。こう、何かムラムラとしませんか?あなたの内に潜む雄の本能が高ぶりませんか?」
「え、ええーと…何ていうか…あ、あの…そんな過激な事を淡々と言われても…」
「いけませんか?このギャップに燃えませんか?」
「い、いけなくは…ないです。ギャップも…良い…かな?」
「ならば何故ですか?」
「え…えーと…ですね。その…ちょっとした…願掛けです。」
「『顔射』の間違いでしょう?私の顔に精液を振りかけたいと?
精液は弱アルカリ性ですので眼球に付着すると蛋白質を浸食し危険ですが、
安心して下さい。眼鏡を使用しますので。これで猛士の征服欲を満足させ、
私を恥辱にまみれにさせる事は可能です。
俗にいう『ぶっかけ』行為・趣向が性癖とは、ホットミルク、さすが料理人―――」
「え、いや…な、治子さん?」
「―――ですが意外と変態ですね。」
「う、うーん…何て言えばいいのかな…」
「正確には『顔面射精』です。この変態。」
「…あ、あ…えーと」
「罵倒されて何か、こう感じましたか?ちょっと気持ちいいとか?」
「違います。治子さん、実は僕――――」
「変態的性癖保持者ということは理解できました。」
「治子さんのお義父さんに教えてもらった子供ができる『願掛け』をしていたんです。」
「……は?」

新婚SS『奥様はクールで眼鏡で料理ベタ』

事の顛末は私の父でした。
『猛士君、これは私の恩師から教わった事だが結婚して三ヶ月目に
初めて性交すると子供が確実に授かるそうだ。実行しなさい。』
と言われたそうです。
343名無しさん@ピンキー:2009/09/25(金) 14:35:31 ID:eCIDr1Cr
「それを信じて今まで禁欲を?」
「それもあります。だけど、僕は治子さんといるだけで幸せだったし、
まだ赤ちゃんはいいかな…と思って。しばらくは新婚生活を楽しみたかったんです。」
「避妊用具をつけてセックスすればいいという考えは?」
「コンドームを付けても100%避妊というワケではありませんし、経口避妊薬なんて
もし副作用があったら…」
セックスも含めて新婚生活だと思うのですが、とにかく全ての原因は『父』ですね。
『結婚して三ヶ月目に初めて性交すると子供が確実に授かる』
そんな話、聞いたことがありません。絶対『嘘』です。
その理由は、今月、兄が任務を終え、帰国します。即ち、家族揃って挙式したいという事です。
それともう一つ、挙式する時にお腹がぽっこりしていたら……という事も含まれているでしょう。
「……はぁ…理由はわかりました。ですが、そういう類の隠し事はいけないと思います。」
「はい…すみません。治子さんにきちんと話すべきでした。」
しゅんとする猛士に私は言いました。
「では、お詫びに口づけを…お願いします。」
「え…で、でも…」
「猛士には悪いですが、私の性欲はもう限界です。今夜は――――ん」
猛士の唇が私の唇に触れました。
「治子さん……好きです、大好きです。」
いつになく真っ赤な顔に私はクスッと笑い、言いました。
「はい、私もです。猛士。」


「…ん…んっ」
「あ…治子さん…とっても…柔らかい…ん」
初めの軽いキスから啄むようなキスへとなり、やがて深く濃いキスへ。
「…ふはぁ…は…情熱的ですね、猛士。少し息を…」
唇と唇を結ぶ唾液の糸が、淫靡に光ります。
今は自室のベッドの上、シャツとズボンを身につけたまま猛士の
唇を受けています。本来であればスカートにタイツを
身につけていた方が刺激的なのでしょうが、生憎と私はズボン派です。
「はん…んっ…あ…む、胸も…どうぞ」
「は、はい……んっ」
猛士の手が胸元のシャツにかかり、一つずつボタンを外していきます。
シャツの前が開き、ブラジャーに包まれた胸が顕わになりました。
大きすぎず、小さすぎずの私の胸。そこで意地悪な質問をしてみましょう。
「再度質問です。猛士は胸の大きい女性をどう思いますか?」
「あっ…え…えっと」
「胸が大きいと思いますか?」
「いいえ…大きさなんて関係ない、僕は治子さんの胸が好きです」
344名無しさん@ピンキー:2009/09/25(金) 14:36:47 ID:eCIDr1Cr
「嬉しいです…ちゅ…」
再度キスをして、ホックを外します。
ハラリとカップの部分が落ち、乳房が顕わになりました。
「…綺麗です…治子さん…ん…とてもいい香り」
猛士はゆっくりと乳房に手を合わせ、乳房にキスをしました。
ピリピリと小さな刺激が乳房に広がります。
「あっ……ん…どんな香りですか?」
私は背をベッドに預け、仰向けになりながら猛士の頭部を軽く抱きました。
「えーと……新鮮な白子?」
「海産物な香りというのは私への賛美なのですか?磯の香りが賛美?
その例え、かなり微妙なんですが。」
「え、いや、いや、いや、そ、そんなつもりじゃ…その…」
あたふたする猛士、それを見て私は言いました。
「私への賛美として……褒め言葉として受け取りますよ
……ん……私が迎撃してあげます……来て、猛士」
もう一度キスをして私は夫を抱き締めました。猛士の手が胸を軽くさすり、
優しい手つきで乳房を揉みし抱きます。料理人の優しい手つきに乳首が
反応し、固く、痛いくらいにツンと天井を向きます。その乳首に猛士が
食らいつきます。
「はあっ…あ…た、猛…ふんん…あっ…つ、強く…」
ちゅううっと勢いよく吸い上げられ、思わず声が漏れました。
は、初めての感覚に戸惑いを…お、覚えます。あ、くうう…
「治子さん…治子さんの胸…すごく綺麗です…な、慣れてないから…も、もし痛かったら
あ、あの…僕も慣れてないから、え、えーと」
猛士があわあわあわと取り乱す姿は傍から見れば、痛い人でしょうが、今は何だかその姿が
可愛く見えます。かく言う私も初心者なので、傍から見れば痛い人なのでしょう。
「落ちついてください猛士。私は逃げませんし、隠れません。ゆっくりと堪能して下さい。
私も異性の身体は初めてです、ゆっくりと堪能させてもらいます。ふ、ふ、ふ」
「治子さん、顔が怖いです。」
若干、私の頬は引きつっていますが、そんな動揺は見せず、私は優しく
猛士の股間をなぞり、ゆっくりと下着を剥いでいきます。
そして顕わになった猛士の生殖器に手を這わせました。
「猛士のここも……」
…ここ…ここですよね?腕?いえ、そんなハズは…ここだと思い…こ、こ、これは

――――――大根?
345名無しさん@ピンキー:2009/09/25(金) 14:38:04 ID:eCIDr1Cr
男性性殖器が勃起する事は理解していましたが、ここまで大きいモノなのでしょうか?
ざっと見て、25センチはあります。やだ、長砲身だわ。
その並々ならぬ太さも。すごい、大口径なのね。
その外皮は鋼鉄の如く硬質化し、ドクンドクンと脈をうっています。
あん、固くて素敵…なわけありません。
これは緊急事態です。予期せぬ非常事態に他なりません。
「どうしたんですか、治子さん?」
「いえ、とても大きい男性生殖器だと思いまして。とても逞しく、立派ですね。
それこそ賛美に値しますよ猛士これを私の生殖口に挿入し全体重をかけ内壁を削岩機のごとく
削り上げながら処女膜をえぐりさらに激しくピストンを加え私に苦痛と快楽と愛を
与えてくれるのですねこのような巨大な削岩機この凶悪な大破壊鎚
この18インチきょほ…きょ、きょほっケホッケホッ」
一気に喋りすぎた為に咳き込んだ私の背中をさすり、猛士は言います。
「だ、大丈夫ですか、治子さん。」
「大丈夫です……猛士、ひょっとして一日にものすごい回数の自慰をしたりしませんか?」
「『じい』って何ですか?」
「いえ、なんでもありません。し、しかし…猛士…」
私はチラチラと横目でその巨根を見ながら思いました。
…とってもおっきい…
「こ、これくらいが普通ではないんですか?」」
346名無しさん@ピンキー:2009/09/25(金) 14:39:46 ID:eCIDr1Cr
「い、いえ…個人差はありますので一概に平均値は言えませんが
私の予測では16.5センチほどと認識していましたので。
本には7センチあれば生殖には問題ないとありましたし…」
「…7センチ?……僕のペニスは三倍くらいはありますね。」
「ぺ、ペニ……!?」
生殖器の名前を平然と言える猛士に私は絶句しました。
しかし、私は努めて冷静に返答します。
「ええ…それで生殖行為を行うとすれば
もしかしたら、私は気を失うかもしれません」
「ええええっ!?」
いえ……実のところ、死んでしまうかもしれません。
「そうならぬよう…丹念に愛撫して下さい、じっとりと濡らして、緩ませれば大丈夫です」
「は、はい!」
そう言うと猛は私のズボンに手を掛けました。
ベルトが緩み、フリル付きの紐で結ぶ黒下着が猛士の前に現れます。
俗に言う『勝負下着』です。
「ゆっくりと外して下さい。女性の生殖器は敏感なので、ゆっくりと舌で…そう、飴をなめ
…んっ…んんっ…はっ…もっと…そ、それからお尻も触って下さい」
「ん…んちゅ…は…はぁ…治子さん…」
勝負下着に猛士の手が掛かり、はらりと下着が落ちます。
猛士の舌が生殖口の陰核を責め始めました。
この辺りは男性の本能なのでしょう。
いくら猛士が奥手で、性知識が無くても身体が勝手に動いているようです。
「んんっ…」
「女性の性器ってお尻まで繋がっているんですね…初めて見ました。」
「平然と言わないで下さい。激しく恥辱を感じます。」
「あ、すいません…でも、すごく綺麗……新鮮なアワビにそっくりですね」
「………恥辱」
……純粋に同意を求めてるんですね、この味っ子野郎。
「や、柔らかい…マシュマロみたいです…す、すごく柔らかいマシュマロです、治子さん」
猛士の優しく力強い手が丹念にお尻を揉みほぐしていきます。あっ…
「ん…て、手に吸い付くみたいだ…はぁ、はぁ治子さんのお尻すごく柔らかいです。
あ…奥のアワビが濡れて…前に生えているワカメがキラキラ輝いてるみたいだ。」
そういいつつ、再び乳首を口に含み、吸い上げる猛士。
くっ…はっ…自分で自慰している時よりも濡れてきました。
じゅん…と、あ、アソコが濡れて…
「な、治子さん…ぼ、僕…僕は…」
あの巨根を持ち、猛士が挿入を迫ってきました。
「あっ…ま、まだ早すぎます、た、猛―――あ、ああっ」
「ご、ごめんなさい。もう、もう僕、治子さんのココに挿入(いれ)たい!」
347名無しさん@ピンキー:2009/09/25(金) 14:49:20 ID:eCIDr1Cr
巨根の先端が濡れそぼった生殖口にあてがわれました。
「猛士、や、やめ、まだ――――――はっ!」
ぐちゅと先端が呑み込まれたかと思うと、膣内は思ったよりも
柔軟に猛士を受け入れました。
…んんんっ……よかった…思っていたより痛くありません。
「はっ…ああっ、た、猛士、猛士」
「治子さん、血、血がっ!?」
「え、ええ…破瓜の証です。私は猛士と一緒になって女になったんです」
「治子さん……」
ぎゅっと猛士が私を抱き締めてくれました。
「はい…」
「ずっと一緒です。治子さんは外で仕事して、僕はパートと家事をして…
だ、男女逆って言われるかもしれないけど…僕は、僕はそれでいいと思ってます。」
真剣なきりっとした表情に私は思わずキュンときました。
「…はい、私も…貴方と共に歩んで行きたいです。料理ももっともっと練習して
猛士に料理を作ってあげたいです」
「治子さん…」
「猛士……」
そして、私達は再びキスを交わしました。

翌日、東の空が明るくなる早朝……
「あっ…あぐ…はぁ…ま、また…ああっ」
「治子さん、治子さんすごい、すごい気持ちいい…僕、僕また治子さんの
中にミルクだしちゃいます!ああっ出る!ミルク搾られる!」
猛士がお尻を掴んで腰を叩きつけたと同時にビクンビクンと震えました。
「あ…は…や、ま、また……んんんっ…な、中…すごい…うううっ」
ぷるぷると震え、そのまま後ろから抱きついてきます。
私はベッドに押しつけられたまま、微かに後ろを見て弱々しく言いました。
「はぁはぁはぁ…た、猛士、お、お願いで…す、す、少し休ませ…て」
「治子さんのおっぱい吸わせてください。マシュマロのお尻、もっと、もっとしたい」
「あっも…もうダメ…です……あ、眼鏡もドロ…ド…か、髪…あ」
「大丈夫、お風呂入れましたから、お風呂で洗いながらしましょう、治子さん!」
あ…ああ、自慰も知らなかった夫との初夜…本当に早朝まで情事に
耽るとは……もう二十回?せ、正確には二十二回だと……ううう、
も、もうダメです。本当に死んでしまうかもしれません。
結局、命掛けの情事は昼過ぎまで続き、計三十四回も膣内射精されました。
……懐妊、間違いなしです。

END

大変長らくお待たせしました。
全裸待機組の方、本当に申し訳ないです。
ここまで読んでくれた方、ありがとうございました。
とりあえず考えていた話は外伝含め全て終わったので、
流れに戻ろうと思います。
特に好きだった鉄仮面と子猫、イチ君と香子さん、大樹と穂波さんの
シリーズの作者氏方すごく参考になりました。ありがとうございました。
348名無しさん@ピンキー:2009/09/25(金) 18:08:04 ID:z8hCQGoT
>>347
ぶらーーーーーーぼぉ!!11
349名無しさん@ピンキー:2009/09/25(金) 18:10:39 ID:ecpAoh6Z
え、なんかすごく素晴らしいんですけど

GJGJです
350名無しさん@ピンキー:2009/09/25(金) 19:15:29 ID:sTavx/px
待ってた!!!
待ってたよ!!!
GJGJGJ!!
二人とも微妙な初々しさが可愛い過ぎるよ!


しかし、夫婦揃って所々に職業柄が出ててワロタwww
白子wwww
351名無しさん@ピンキー:2009/09/25(金) 21:18:07 ID:4Qjht6fN
待ってたぞ!
すごい良かった!
352名無しさん@ピンキー:2009/09/26(土) 09:53:55 ID:HTLNBZhX
す、すみません…恥を忍んでしつもんなのですが、
男の人ってこんなに一晩で出来るものなのですか!?

7センチもあったら死ぬと思うのですが…
353名無しさん@ピンキー:2009/09/26(土) 10:42:20 ID:CIuMnfAZ
なにこれ
354名無しさん@ピンキー:2009/09/26(土) 10:57:11 ID:TWGv1ao8
>>352
たぶん10回もしたら何も出なくなるな。
射精云々じゃなく、ペニスが痛くなってくるんじゃないだろうか?
それに、日本の一般男性のペニスに20センチオーバーなんてそうはいないから安心汁。
355名無しさん@ピンキー:2009/09/26(土) 11:09:44 ID:wm0Rtxrl
>>347
味っ子野郎に吹いたw
ダンナ目覚めたのはいいが暴走し過ぎだろwww
GJでした!また閃いたらお待ちしてます
>>352
つ ファンタジー
356名無しさん@ピンキー:2009/09/26(土) 12:56:11 ID:HTLNBZhX
>>354 355

阿呆な質問に答えてくださってありがとうございます。
心の底からホッとしました…。

>>347
文章を読んで、あまりの衝撃にGJし忘れておりました!!
いつも楽しみに読んでいます!
次回作楽しみにしております。
357名無しさん@ピンキー:2009/09/26(土) 21:39:16 ID:IW7SX8ZM
素晴らしい!!
お疲れさまでした。
そしてありがとう!!!
358名無しさん@ピンキー:2009/10/01(木) 22:41:50 ID:zB2njots
保守るんです
359名無しさん@ピンキー:2009/10/08(木) 22:50:41 ID:+JuWa0s0
保守age
360名無しさん@ピンキー:2009/10/13(火) 03:41:30 ID:0PBGwHWG
361名無しさん@ピンキー:2009/10/14(水) 20:38:41 ID:21SmiVTu
362名無しさん@ピンキー:2009/10/16(金) 14:18:18 ID:DN3ZYqZM
イチ×香子ではなく友人夫婦の方でエロ無し小ネタ
2レスお借りします
NGはタイトルで
363(保守)コージ×マナ 1/1:2009/10/16(金) 14:23:04 ID:DN3ZYqZM
* * *

「あ、わりぃ、早川ちょっと待って」
 昼飯の帰りに通りかかったカフェの前で足を止める。
「なんだお前、まだ食らう気か?」
「違うわ!いや、香子(かこ)に買ってってやろうかと思ってな」
 ああ、なるほどな。女子社員がよく持ち帰りしてる事もある店だ。
「最近飲みにも行ってなかったからちょっと余裕もあるしな。それに……」
 くくくっと耳まで赤くしてニヤついてやがる。要するにその後のお楽しみが目的か。つうかそのエロ
丸出しの鼻の下やめろ。見てるこっちが恥ずかしいだろうが。
「お前もマナちゃんに買ってってやれよ。うまくいけばエビタイどころかおつりが来るかもよ?」
「あー……そうだな」
 いや、俺はエビタイは別に期待してるわけじゃねえぞ。マナにもたまには気の利いた事をと気が向いた
だけでだな……そういや最近はあれだな、美月(みつき)が夜泣きしやがるからすっかり……いや、そうじゃなく。
……それにしても甘い匂いのする店だな……入り口からこれかよ、俺こういうの苦手なんだよな……。
「えーっと、レアチーズとモンブランとザッハトルテ?とあと……あ、そのイチゴのやつ、あ、それ
 じゃなくてそっちの、そのミルクレープってやつ。……あ、一応下さい」
 なんだお前、意外とこなれてやがるじゃねえかよ!そういやこいつ順応性の高い男だったよな。つか、
保冷剤とかいるんか。
「早川お前は?」
「あ、いや、えっと」
「こちらのお客様お待たせしましたぁ〜。どれになさいますかぁ?」
「……」 


* * *

「コージがこんなの買ってきてくれるなんて珍しー。美月のプリンもある!」
「ああ……あのな、マナ悪いんだが」
「なにその手」
「……」


* 〜回想〜 *

『あの……(くそう、わからん。どれが何やらさっぱり意味がわからん。八神のやつよく区別がつくな)』
『はい』
『(だー面倒臭ぇ!)こっからここまで全部一個ずつ……』
『は?あ、ハイ!』
『Σおいおま……どうすんだ!すげー種類あるんだぞここ!?』
『……(会社で食ってもらうか……)』


* 〜回想終了〜 *

「はい。仕方ないな、慣れない事するから……ねぇ美月?」
「あい♪」
364(保守)コージ×マナ 2/2:2009/10/16(金) 14:27:29 ID:DN3ZYqZM
 ご機嫌の娘を横目に小遣いの追加を受け取る。くそ、ほんとに慣れない事はするもんじゃねえな、
と少しだけ後悔した。
 情けなく財布に金を入れていると、ぴた、と背中にぬくい感触がする。
「……なんだ?」
「今月さあ、美月の冬服買いに行きたいから結構きついんだよねー」
 嫌みか、おい。
「ならいらねえよ」
「いいよ、それは。そのかわり……」
 財布から出そうとした札を押し戻し、背中にぎゅっとしがみついてくる。
「……足りない分はカラダで払ってよね……」
 うふふ、と似合わねえ笑い方しやがって、真っ赤じやねえか。そっちこそ慣れない誘い方すんな。
 ……って飯口実に逃げんな、おい。――くそ、勃っちまうじゃねえかよ!
「……ま、いいか」
 かわりにハイハイしてぴったり寄り添ってくる娘を抱き上げ頬を寄せると、きゃあと高い声で笑う。
「よし、飯前に風呂行くか美月」
「う〜」
「汗かいたからよく洗ってやってね」
「ああ」


 マジで釣りが来るなこりゃ。

 ――今夜は寝不足覚悟になりそうだ。


「終わり」



2レスっつったのに番号間違えたorz

365名無しさん@ピンキー:2009/10/16(金) 16:49:05 ID:kUtOPpcy
ニヤニヤしながらgj。
この後、美月ちゃんの前でカナさん搾乳プレイですね。わかります。

カナさん、意外とエッチ好きなんでしょうか?
366名無しさん@ピンキー:2009/10/17(土) 08:06:42 ID:jTNGIX9H
GJ!いやぁ不器用で良いなぁ…ww
おつりの下心GJ

>>365
マナ だろ
367名無しさん@ピンキー:2009/10/18(日) 22:21:43 ID:v9ncz1xH
秋の夜長に嫁GJ
368名無しさん@ピンキー:2009/10/19(月) 23:41:39 ID:zM7+SIs1
GJGJ!

夫婦はええのう
369名無しさん@ピンキー:2009/10/23(金) 15:50:46 ID:0dw8rqlC
俺も結婚したくなった
370名無しさん@ピンキー:2009/10/23(金) 21:08:00 ID:hM8leTtC
>>369
じ、じゃあわたくしと///
371名無しさん@ピンキー:2009/10/24(土) 01:21:49 ID:xSpSQWIk
えっ
372名無しさん@ピンキー:2009/10/24(土) 23:28:58 ID:QNso2/am
えっ
373名無しさん@ピンキー:2009/10/26(月) 21:49:22 ID:Nf2oAuh1
お嫁様カモン!!!
374名無しさん@ピンキー:2009/10/26(月) 22:08:56 ID:g++ozYW0
どの嫁にしよう
375名無しさん@ピンキー:2009/10/29(木) 22:50:32 ID:+boIzub0
ほす
376名無しさん@ピンキー:2009/10/31(土) 22:16:01 ID:S/FHD7tB
嫁はまだか〜
377名無しさん@ピンキー:2009/10/31(土) 22:36:35 ID:kcFzLQi7
穂波みたいな嫁が理想
378名無しさん@ピンキー:2009/11/01(日) 01:00:24 ID:bxBSavmD
料理上手な嫁希望だな。
379名無しさん@ピンキー:2009/11/01(日) 19:38:10 ID:XgY65giq
おっと床上手も忘れちゃいけねぇ
380名無しさん@ピンキー:2009/11/02(月) 18:32:28 ID:yvSHQ58p
穂波と大樹待ち。
381名無しさん@ピンキー:2009/11/03(火) 10:34:48 ID:ITyW29Jc
嫁の理想は「昼は淑女、夜は娼婦」
382名無しさん@ピンキー:2009/11/05(木) 00:48:45 ID:kMZYAJSk
嫁〜♪
383名無しさん@ピンキー:2009/11/05(木) 20:49:30 ID:vztJoE+g
クリスマスより前に、11月22日を心待ちにしています。
384名無しさん@ピンキー:2009/11/08(日) 11:07:02 ID:KoLSDh2F
某所で見て萌えたシチュ

初体験後のピロートーク

男「おまえに着て欲しい服があるんだ」
女「何?」
男「ウェディングドレス」
女「それは嫌!」
男「なんで!?」
女「白無垢でって決めてるから」
385名無しさん@ピンキー:2009/11/08(日) 22:24:04 ID:5cPTJqwY
>>384
ニヤニヤ
386名無しさん@ピンキー:2009/11/09(月) 19:27:00 ID:dET91/2F
(・∀・)
387待ちつ待たれつ(イチ×香子) 1/13:2009/11/09(月) 21:53:19 ID:jcKEjvoQ
* * *

『亭主元気で留守がいい』

 バイト先の先輩主婦が時たま口にする。
『八神さんちは新婚さんだからそんな事無いわよね?いいなぁ、あたしもそんな頃に戻りたい。その前に
 八神さんの歳に戻りたい!』
 まぁ、彼女がそんな事を言うのは大抵がつまらぬ夫婦喧嘩の後だったりするので、香子も話半分に
聞いているのだが、今日はその言葉がやけに耳に沁みる。

「確かに当たってなくもないかなぁ……」
 帰りに行きつけのスーパーに立ち寄って買い物をするのはいつもの事だが、今日はカゴの中身がいつもと違う。
 保存のきくものや特価品に混じって、普段は買わない出来合いのお弁当(ちゃっかり値引きシール付き)や、
朝にでも食べるつもりの菓子パンやちょっとしたお菓子等が入っている。

 夫のイチが早朝から上司と出張に出掛け、遠方だけに帰りは明日になるという。なので今夜は香子
一人きりの夜を過ごすというわけなのだ。
 楽と言えば楽だ。
 イチの帰りを気にしなくてもいいから、ゆっくり本や服など見に寄り道できる。
 夕飯は自分一人だから、たまにと言い訳して適当に済ませられる。好きな映画が堪能できて、洗濯物も
少ないから慌ててやらなくていい。部屋も散らからない。
 羽を伸ばしてダラダラしよう!

 それなのに。

 夜の9時を廻ったばかりという時間には、さっさと布団に入ってしまった。これからテレビで楽しみに
していた映画がやるというのに、だ。イチがいたらなかなか観られない。
「なんか、寒っ!」
 ダブルの布団の片方のぽつんと空いた枕を眺めて、着信の無い携帯を手に毛布の中に縮こまる。今日は
冷えるかもしれないとニュースで言っていたっけ。
 だが、きっとそれだけではないのだろう。
 いつもなら鬱陶しい位触れてくるあの温もりが、今夜は側に居ないのだ。

「イチ君……おやすみ」

 枕の上に揃えてあった彼の脱け殻を胸に抱いて、香子はぎゅっと目を閉じた。
388待ちつ待たれつ 2/13:2009/11/09(月) 21:54:03 ID:jcKEjvoQ
* * *

 サアー……

 キッチンの方から洩れてくる明かりと水の流れる音に、寝返りを打って目が覚めた。
「えっ……?」
 時計の針はもうすぐ0時という位置を指していた。
 こんな時間に!?
 携帯は鳴った跡がない。
 香子は胸元に抱き締めたものをそのままにそっと襖を開けた。
 明かりのついたキッチンの椅子に見慣れたコートが掛けられており、テーブルの上に小さな菓子折があった。
 風呂のドアが開閉する音がして、ビクッと肩を竦める。
「……うそ」
 恐る恐る振り向いた先には、濡れた体から湯気を立てているイチの姿があった。
「……なんで?帰るの……って」
「うん。明日だったんだけどさ、今日中に片付いたんで、最終に間に合うだろうから急いで帰ってきた」
「そうなんだ……」
「で、それ貸して?」
「……?……あっ!!」
 裸のイチが苦笑いしながら指差し、香子は慌てて胸に抱いていたそれを手渡す。
「イチ君……お帰りなさい」
「ただいま、香子」
 パジャマを受け取りながら、愛しい妻にキスをした。


「あー美味い。なんかこういう時間に食う飯って美味いよな」
「そんな……向こうで美味しいものご馳走になったって言ってたじゃない」
「ばーか、それはそれ。家で嫁の出してくれる飯に適うもんは無い」
「そうなのぉ?……あ、このサブレおいし」
 夜食に出した単なるお茶漬け、それも ふりかけに残り物の漬け物や梅干し程度のものを食べながら
寛ぐイチに付き合って、香子も土産のお菓子をつまんでいる。
「だろ?試食して美味かったから。そういうのもご馳走のうちなの」
 空になった茶碗を寄せて自分もお菓子をつまむ。
「そういう?」
「そ。たわいのない手土産でも嬉しそうに食べてくれて、お帰りなさいって笑って迎えてくれてさ……。
 その顔が見たくて帰ってきたんだから。お陰で月曜の代休は無くなったけど、土日一緒に寝坊できる
 からいいや」
「無理しちゃって……もう。それに良く言い過ぎだよ」
「何が」
 湯呑みをつつきながら俯く香子を、不思議そうに眺めて首を傾げた。
389待ちつ待たれつ 3/13:2009/11/09(月) 21:54:49 ID:jcKEjvoQ
「だって、私寝ちゃってたんだよ。せっかくイチ君が急いで帰ってきてくれたのに……知らなかった
 とはいえ、さ。奥さんとしてどうなの?それって」
「仕方無いじゃん。俺電話しなかったし」
 とにかく早く帰りたくて、その時間すら惜しかった。
「そうだけど。旦那さんが遅くまで働いてるのに」
「早川んちはそうだぞ」
「あそこは赤ちゃんいるじゃん!うちは違うでしょー」
「あのなぁ」
 どうしても『妻の役割』に拘りたいらしい香子を可愛いと感じながらも、その強情さに思わず苦笑い
しながら頭を撫で回した。
「お前、昔は俺が帰る前に寝てただろーが。それでも腹が立ったり、嫌な気になった事はないぞ?」
「そりゃ……まだあの時は、イチ君は私の親代わりで」
「それに、安心してくれてるって気がして、寝顔見るの好きだった。もちろん今も、な」
「イチ君……もう、ちょっと頭、ぐしゃぐしゃになるぅ〜!!」
「あ、わりぃ」
 乱れた髪を梳き、香子の頬にそっとその手を添えると、ほのかに染まった肌を愛おしく撫でて目を細めた。


* * *

「でさ、香子さんや」
「なに?」
 寝床を整えて二人で布団の上に並んで座る。
「何で、俺のパジャマ抱いてたわけ?」
「!!……そ、それは」
「それは?」
 イチが帰宅した時、香子はその胸に彼のパジャマを抱きかかえるように背中を丸めて眠っていた。
「それは、あの、えっと……笑わない?」
「うん」
 正座したままもじもじと膝の上の手を合わせて言葉を濁す。
「香子?」
 覗き込んでみれば、その顔は朱く染まって、唇はぼそぼそと聞き取れない程の声で震えていた。
「どうした?なんか変な事聞いた?俺。笑わないから言ってみなって」
「あ、うん、えとね……最初はね、一人暮らしだーとか、楽しちゃおとか実は結構手抜きできて喜んで
 たりもしたんだけどね?」
「……ふ〜ん」
「あ、怒ってる?」
「いや、別に。で?」
 明らかに機嫌を損ねた気がする、と内心失敗したと思いながら、気を取り直して明るく努めることにした。
390待ちつ待たれつ 4/13:2009/11/09(月) 21:55:52 ID:jcKEjvoQ
「……でも、何かね、楽しいのは最初だけなんだよね。楽なんだけど、ご飯食べてもお腹が膨れるだけで
 味なんかどうでもよかったり、テレビ観てても『みた?』って話振る相手がいないと何か面白みが無くて、
 つまんないから寝よう、寝相なんか気にしなくていいんだーって思うのに、それだけで布団がね、
 スッゴく広くて……」
 つつ、と膝を擦り動かしてイチの前に近づけた香子の体を、膝を開いて挟み込むように受け入れる。
「……スッゴく寂しくなっちゃった。イチ君の体温とか匂いが恋しくなっちゃって、だからせめて、
 少しでもその気になれるかなぁって」
「香子……」
「暖かいなぁ。それに、この匂い好きなんだ」
 胸元に頬を寄せ、すうっと息を吸い込む。
「そうか?」
「うん、なんか落ち着くみたい」
「……でもなぁ」
 きゅっとその体を包み込むように抱き締めて、悩ましげに息をつく。
「そろそろおっさんの臭いしない?俺」
「は!?」
 うっとりと身を任せていたその顔を上げてイチの顔を見た。
「何それえー……」
 呆れたように咎めた口調で
「ムードぶち壊し……」
などと言いつつくんくんと鼻を擦りつける。
「あっ、こら嗅ぐな!犬かお前は」
「大丈夫だよ。何か男臭いっての?はわかるけど、私は好きだけどなぁ」
「匂いだけ?中身は?」
「……好き」
 言った後、ぱっと俯けた香子の顔を顎を持ち上げ唇を寄せる。
「帰ってきた甲斐があった♪」
「もう……あ、でもイチ君一人じゃなかったんでしょ?いいの?」
「ああ、まあ、いいんじゃない?実際仕事は片付いたんだし、無駄に費用遣わないに越した事はないから」
「そうなんだ」
 本当なら仕事を理由に『羽を伸ばし』たかった様子も覗かせた上司に、
『八神君は新婚だから早く帰りたいんじゃないの?』
と言われ、はいそうですと即答して、苦笑いする彼と二人帰りの新幹線に飛び乗った。
 ――帰れるものなら帰りたい。
 両手に土産袋を抱えていそいそと帰る後ろ姿は、何だかんだ言っても自分と同じ気持ちなんだろう、と
思い出してはそれを幸せというんだろうと思う。
391待ちつ待たれつ 5/13:2009/11/09(月) 21:56:52 ID:jcKEjvoQ
「機嫌直った?」
 イチの広い胸板に頭を寄せて目を閉じる。
「別に怒ってなんかないし。あー……でも」
「でも?」
「夜更かしに付き合ってくれたら、もっと機嫌良くなるかなぁ?」
「何それ……あっ」
 香子のパジャマのボタンを一つ二つ素早く外すと、そこから滑り込ませた手が柔らかな胸の頂を探り当てる。
「ん……疲れて、るん、じゃ……」
「このままじゃ余計眠れないよ」
 唇を啄みながらも、ごそごそと探る手は休む事なく、触れられる限りの肌を撫でては目的の場所をつつき起こす。
「明日一緒に寝坊しよーぜ」
 言い返される間を与えじと深く塞いだ唇からその声がため息に変わるのを確認すると、残りのボタンを
外し、するりとはだけ露わになっていく首筋や肩に舌を這わせながら、ゆっくりと胸の肉を寄せ上げる。
「んっ……ぁあ」
 仰け反った躰を支えようとイチの背中にしっかりと腕を廻してしがみつくと、同じ様に腰に廻した腕で
香子の躰を支え、ぴったりと引き寄せて耳の後ろに熱い息を吹きかけた。
「ひゃあぁ……うぅんっ」
「逃げんな」
 竦めた首筋を追っかけるようにして吸い付き、捩った躰を逃がさぬようにしっかりと抱き締めて舐める。
 じとじとと耳に響き届いてくる舌の滑りと吐く息の熱さに、半開きの口からは時折小さな呻きを伴った
だけの荒い呼吸がなされるだけになっていく。
「……ふっ」
 抱き締められてほぼ裸に近いはだけた剥き出しの胸が、イチのパジャマの生地に擦れて潰れて揺れる。
それだけの刺激にじわじわとさすられたように小さな突起が堅くつぼんで、柔らかな布地の皺にさえ
その動きに翻弄されてジンとする刺激が胸の芯まで届き、喉を鳴らした。
392待ちつ待たれつ 6/13:2009/11/09(月) 21:57:49 ID:jcKEjvoQ
「イチ……く、ん」
「ん?」
「私だけなんてやだ、ずるい……」
 そう言って恐々とイチのパジャマのボタンに手を掛ける。
 香子から体を離し、両手を垂らして広げ『待ち』の姿勢になると、一つひとつボタンを外されて外気に
晒される肌に少しだけ鳥肌が立った。
「寒い……?」
「ちょっと、な。お前も」
 肘に引っかかっていただけの袖を引き抜き香子も上着を脱がせ布団の上に押し倒す。
「一緒にあったまろうぜ。すぐに暑くなるから」
「んー……もう、バカ」
「バカだもん俺。本物の嫁バカ」
 キスしながら体を浮かし、器用に香子のズボンを脱がせていくと自分も横になり
「脱がせて」
と香子の手を取りウエストのゴムを握らせる。
「う、うん」
 腰を浮かせて脱がせ易く動くと、香子が脱がせたズボンを畳んで側に置くのを眺めながら、自分も脱ぎ
捨ててあった上着を足でちょいと端に寄せる。
「あっ、こら!」
「またすぐ着るから」
「行儀悪い」
 ぺちんと咎めるように叩かれた脚で、器用に香子の体を挟み込む。
「逃がさん!」
「いやあぁっ!?」
 じたばたと逃げようともがく香子の腕を取り、自分の体の上に倒れ込ませてぎゅうと包み込む。
「近所迷惑!……それにやだ、こんな格好で何すんのよっ!!」
「大人のプロレスごっこ?」
 パンツ一枚でふざけている互いの有り様に赤面する。そんな香子を見て笑いを堪え切れずに腹を抱えて
ニヤけながら、お尻を撫で回し下着の端を引っ張り下ろそうとするイチの手を睨みながら軽くつねる。
「イテッ!」
「おいたばっかりするからです。もう、ほんっと子供だよね?幾つだと思ってんの!?」
「3歳プラス26」
「……もういい」
「あ、呆れてる?だったら大人モードに切り換えようか」
 よっ、と脚の力を弛めると香子の体を持ち上げ、滑り込ませた手で胸をすっと撫で上げる。
「子供はこんな事しないだろ?」
 指先で突起を摘むと背中を反らして小さく呻いた。
393待ちつ待たれつ 7/13:2009/11/09(月) 21:58:55 ID:jcKEjvoQ
 イチの上にのしかかるようにして腕を伸ばし、胸や背中を撫でられながら、その顔を見上げられる
恥ずかしさに身を捩って目を瞑る。
「しんどいだろ?膝立てて」
 中途半端に支えていた躰をそうする事で立て直し、そのために普段は味わいにくい小ぶりな膨らみが
重みを増して震える様を、下から支える手があれこれと愉しげに弄っては悶えさす。
「んー何か襲われてる気分、俺」
「どこがっ……あっ」
 両手で包みながら、ふにふにと揉み動かした柔らかな丸い膨らみの中心を長い指の先でついついと
押し転がされて、猫が伸びをするように体を伸ばして声を押し殺した。
「んふぅ……」
「出せばいいのに」
 通常よりも豊かに感じる感触を存分に味わおうと体をずらせて潜らせ、舌を伸ばして尖ったものを
転がしてみる。
「……やぁっ、ぁん」
 肘で支えながら、震える躰をゆっくりとイチの唇の動きに合わせて下ろしていくと、香子の胸を両手で
押し上げながらイチの舌が吸い付き舐めた跡が濡れて、外気にひんやり触れる。
「濡れちゃったな」
 含んだものから唇と離すとほんの少しだけ引いた糸が切れた。
「……他の所は?」
「他って……やぁん」
 イチの伸ばした手がすっと下着の中に滑り込み、開かれ跨った両脚の中心をなぞると、ぬるぬると
温かな雫が指に絡みついて、くちゅり、と音を立てた。
「あ……ぁ」
 ほんの僅かな大きさしかない筈のその音がしんとした部屋には嫌という程響く。
「意識してるからだよ」
 イチの首筋にしがみつき埋めてきた香子の頬に口付けし、耳元で囁きながら耳たぶを軽く噛んでみると、
小さく唸って身震いをする。
 秘裂を撫でる指先の動きに腰を合わせてゆらゆらと揺れる。それに従っているかのように擦り当てて
いたイチの指先がぴたりと動きを止めた。
「え……や」
 同じくして香子が震える膝を残してそれを止めると、一時の間を置いてまた再び潤った辺りをするんと
滑る。だが、香子がそれに合わせて強請るように腰をずらせばそれを阻止するかの如くぴたりと止めてしまう。
394待ちつ待たれつ 8/13:2009/11/09(月) 22:00:02 ID:jcKEjvoQ
「や、ぁ。なんでぇ……?」
 先ほどから下着の中で蠢く指は、肝心な場所を避けてじわじわとその周りに蜜の潤いだけを造り上げ、
香子からわかりきった快感を遠ざけてどこかへ持って行ってしまう。
「どうした?」
「……ん」
 片手は下着に突っ込まれたまま、空いた手で胸を弄られるという状況の中で、じりじりとじれったい疼きが
香子の躰の芯から湧き上がる。
「言わなきゃわかんないよ?」
 そう言いながら意地悪く口の端を歪めたイチの指が、一瞬だけ秘裂の先にある突起を掠めた。
「ぁ……」
 僅かに身を捩り、ごく小さな声が漏れた唇を胸から離した手が触れ指先でなぞる。
「ちゃんとおねだりして。そしたらちゃんとイカせてあげる」
「ん……ぁぁ……」
 つん、と軽くつつくとまた秘裂をぐちゅぐちゅと音を立てて、ばらばらに動く指で掻き回し始めた。
「ひゃあんっ!?」
「言って、ほら」
 痛い位主張する乳首を擦られ、入り口をつつく指にも腰が浮いて息が乱れる。
「……ふぁ……ぁ……」
 薄笑いを浮かべて自分を見上げるイチと合わせてしまった視線を逸らそうとして捻った首は、いきなり
入り込んだ中指のうねりに反り返り、苦しげにその白い喉を鳴らした。
「ほら、言えってば」
「い……や、んっ」
 小刻みに震えるお尻を片方の手が抑え、その下の薄布の中では胸同様ぷつっと尖った先端の周りを
焦らすように撫でていたぶっていた。
「お願い、香子」
 柔らかな声に弱みを突かれ、その言葉にぎゅっと瞑っていた目を恐々と開いて見下ろせば、傾げた
イチのふにゃっとした人懐こい微笑に思わず口元を弛ませる。
「……しなきゃ、ダメ?」
「うん。だから、言って?」
 丸みを撫でていた手が下着の脇を線に沿って太ももまでさわさわと触れ、ぴくんと跳ねた拍子に中の
指にそこが押し当てられる。
「ひゃうっ!?」
 一瞬だけの指先でのノックするような微かな刺激に、お尻の肉がぷるんと揺れる。
「ね?お願いして」
「……っ」
 ふうと深く息を吐いて唇を噛んだ。
395待ちつ待たれつ 9/13:2009/11/09(月) 22:01:07 ID:jcKEjvoQ
「お、お願い……」
「何が?」
「えっ?何って」
「何をお願いされてるのかわかんないぞ。だからちゃんと言ってみ?」
「え……やっ!?」
 つんつんとまたイチの指がぬるぬるに蜜を浴びた突起をつついて止まる。
「ふ……っ」
「そういうのはダーメ」
 待ちきれなくなって浮かした腰を心持ち引いた香子のお尻を、撫でていた方の手が軽くぺちりと諌める。
「だって……やぁぁん、イチくぅ……」
「うん」
「お、お願……さ、触っ……」
「何を?」
「え……何って……ん」
「何をどうして欲しいのか言わなくちゃ。じゃなきゃこのまま干からびちゃうよ」
 イチの視線を目で追うと、香子の下にある男性特有の膨らみに向けられ、その後下着の中にもろに
突っ込まれた手から香子の朱く潤んだ瞳と頬に戻る。
「いい子だから、な?」
 少しの沈黙の後
「えと、あの、私の…………って」
「ん?何だって」
「だからぁ!!」
 ぼそぼそと消え入りそうな声で呟くが、肝心な部分がイチの耳には届かない。
 何度目かのやり取りに、とうとう恥ずかしさと情けなさから泣き出してしまった。
「ふ……っ、う、うぇっ……ひっ……」
「あぁ!?わ、嘘、ごめんごめん!香子、泣くなっ」
 イチの『お願いポーズ』に香子が弱いのと同じ様に、イチも香子の涙には滅法弱いのだ。
 時々こんな風に大人のいじめっ子が顔を出す事がある。香子の可愛い困った顔を見たくて、ついつい
甘えが過ぎてしまう困った男なのだ。
「イチ君のバカ、どスケベ、ヘタレ、エロ親父っ……」
「あ〜、それはその通りだからなぁ……すまん!もうやめとくからさぁ……」
「……やめるの?」
「へ?」
 自分の下着から抜かれ、濡れそぼるイチの指先を見下ろしながらぼそっと漏らして鼻を啜る香子の
問い掛けに、逆に戸惑った様子で見上げながら間の抜けた声で返す。
「いや、止めた方がいいのかと……」
「……また意地悪するのぉ!?」
「いやそうじゃな……えぇ!?んぐっ」
 イチの胸の上に倒れ込むと、耳元に顔を埋めてしがみついていく。
396待ちつ待たれつ 10/13:2009/11/09(月) 22:02:28 ID:jcKEjvoQ
 耳元に唇をつけ、ごくごく小さな声でぼそぼそと呟く。
「えっ?香子今何て……」
「!!……だからぁ……」
 再度同じ言葉を口にしてぱっと離した真っ赤な顔を見上げながら、きょとんとした目を徐々に細めると、
「おいで」
と両手を広げて香子の体を受け止めた。
「よく言えました。良い子だ」
 香子の首筋に絡んだ髪をほぐし、そこに触れた唇をゆっくりと彼女のそれに重ねて啄む。
「んん……」
 抱き合った体を捻り体勢を逆転させて香子を組み敷くと下着を下ろし、いきなり両膝の裏に嵌めた手に
力を込めて脚をぐいと大きく開き、顔を近付けた。
「きゃあぁぁ!!何するの!?」
 慌てて閉じようともがくも虚しく、曲げて押し上げられた両脚の付け根の中心は普段より高い位置に
姿を晒された。
「や……話が違うっ!!」
「どこが?」
「−―!!」
 ふっと熱い息を吹きかけられて、ぶるっと身を震わせる。
「――を触って欲しいって言ったじゃんか」
「いっ……たけどぉっ」
「指でとは聞いてない」
「何それ……やあぁぁぁっ!!」
 指先で秘裂を押し広げ、そこに覗かせる小さな粒を舌先でつつっとつつき、唇を当てて吸い付いた。
「……ひぁぁぁっ!?あんっ……あっ……ふぁぁっ……」
 吸い上げてはチュクチュクと固く尖らせた舌先で圧す。
「……は……あぁぁ……やぁん……だ……めぇ、んんー」
 爪先が徐々にぴんと伸び、太ももがぷるぷると震えてくるに合わせてあがる声は甲高く甘さを増してゆく。
 唇を離してとろりと溢れてくる蜜を掬い、指で赤く覗いたそれに塗り込め円を描くように転がす。
「きゃぁ!?あぁ!……んあっ……」
 再び舌を伸ばし、じわりと流れる雫を音を立てて啜り、先程よりも強い力でヒクつくものを舐めあげた。
「……!!――い、いや、あっ、ふ、い、イく、イ、く、イ、イくぅぅぅっ――!?」
「うわっ」
 ビクンと大きく跳ねて浮かせたお尻に驚いてイチが顔を上げると、半開きの唇を震わせて仰け反る
白い裸体が目に映る。
 その痺れが落ち着いていくのを眺めながら、舌なめずりして微笑を浮かべた。
397待ちつ待たれつ 11/13:2009/11/09(月) 22:03:13 ID:jcKEjvoQ
「香子ちゃん。香子。おーい」
 ぺちぺちと軽く頬を張ると、焦点のぼやけた瞳が徐々にはっきりと開き、当てられた手を自らの手で
掴み抑えた香子が睨む。
「……変態」
「あ、そういう事言う?こんなになるまでヨガってイっちゃったくせしてそういう事言う?」
 差し込んだ両脚の間の指を遠慮なく動かし、わざと乱暴に掻き回し音を立てさせる。
「ほらな?まだこんなにびちゃびちゃにしといてよく言うよ」
「ひゃあん!?」
 まだヒクつき敏感さを増しているその部分をぐりぐりと弄られ、嫌でも躰が跳ねる。
「いやぁん!だめ、もうやぁだ!!や……んやぁっ」
 開いた脚の踵がシーツが避けそうな勢いで突っ張る。
「あああっ!だめ、イッた、イっちゃったからやだ。もうやぁだぁ!!」
 同時に胸の頂をくわえてなぶる小憎い男の頭をぐしゃぐしゃと掻きむしり、小突いて叫んで抗議する。
「てっ!?もうダメなの?」
「だめ……本当に……むりぃ」
 弱々しく呟く香子の唇を苦笑いしながらこする。
「あーあ。涎垂らして」
「う……」
「はいはい。泣かないの」
 へにゃっと下げた眉尻に笑ってキスすると、下着を脱いで香子をひっくり返した。
「……していい?」
「ん……」
「もっと開いて……そ、よく見える」
「ん……いやん」
 くったりと力の抜けた躰を支えられながら、怒る気にもなれずイチのするがままになる。
 二、三度擦り付けられたモノが中に入り込むと、圧迫される感覚に喉の奥から呻き声がもれた。
「くぅ……あっ」
「今日はナマだから。いい?」
「えっ!?……そん……今更……」
 んもう、と普段より舌っ足らずな声に責められても、動き始めた下半身は既に別物である。
「いやぁん……ひぁ……ぁ……ぁ……あぁぁ」
 じゅくじゅくっと突き引きする度に滴る互いの粘液の奏でる音が、言葉を失くした吐息だけのやり取りに
重なって少しずつ大きく速くなっていく。
「やぁ、また、またイく、イくぅ――イく、っ、あっ!?」
「うわ、嘘俺まだ……んんっ、くうっ!!」
 きゅうきゅうと締め付け絡み付く様な香子の胎内に絞り上げられ、堪える気力も叶わず精を放ってしまった。
398待ちつ待たれつ 12/13:2009/11/09(月) 22:03:59 ID:jcKEjvoQ
「……うわぁ、出てる、出てるよ」
 ビクンと波打つ自分の分身が一滴残さず出し切るまでと、ぴたりと密着している柔らかなお尻の肉を
眺め味わいながら引き寄せて撫でる。
「はぁ……解る?香子。すんごい気持ちいいの。みんな出た……」
「ほんと?でもよくわかんな……あっ」
 イチが長い手を伸ばしてティッシュを箱ごと掴み、大量に重ねあててからモノを引き抜く。
 ドロドロと抜かれた後から溢れてくる。それは香子の内股を伝って膝まで垂れた。
「いやぁ〜!?」
 動くに動けずに四つん這いのまま不安げに振り返る弱々しく浮かべた表情を見て、
「うわぁ……エロっ」
とまじまじとにやけながら舐めるように眺めていた。
「ちょっと!?見てないで何とかしてよ……助けてぇ」
「いや、せっかくだからもう少し。いい眺めだ、うん」
「この……ド変態!!」


 ――数分後、頬にちょっとした赤みを帯びて土下座せんばかりの勢いで謝り倒す夫と仁王立ちの妻の姿が。
 だが、この家庭では稀に見られる日常の一部である。


* * *

『起きて、朝だよ。起きなきゃ遅刻しちゃうよ!』

 制服姿の女の子が俺を揺すり動かして起こしに来る。
 ――ああ、なんだ、香子じゃないか。高校生の香子。
 背伸びして掛けてある俺のワイシャツは、いつもアイロンを掛けておいてくれてあったっけ。
 爪先立ちのぴんと伸びた黒いハイソの脚を見上げれば、白い太ももがミニスカートの裾から覗いて
目のやり場に困るんだ、いつも。

『イチ君?どうかした?』
 起き上がって彼女を無言で見つめれば、まるで警戒心の無い顔をして俺のことを覗き込んでくる。
 我慢にもいい加減限界というものがある。
『何?――きゃっ!!』
 強く掴んだ腕を引き寄せて胸の中に抱き締める。甘い、いい匂い。それがますます俺を苦しめる。
 そのまま勢いよく布団の上に押し倒し、スカートを捲る。
『イチ君いや!どうして!?……やあぁっ!!』
 構わず俺は、ブラウスを左右に引きちぎった――。
399待ちつ待たれつ 13/13(終):2009/11/09(月) 22:06:20 ID:jcKEjvoQ

* * *

「……夢か……」
 軽く寝汗をかいて目が覚めると、時計は朝の7時を指そうとしていた。
 側には香子がすうすうと穏やかな寝顔でぴったりと寄り添っている。
 ほのかに香るのは、髪から感じるシャンプーのものだろうか。
「何やってんだ、俺は」
 気怠い気分をため息に込めて大きく静かに息を吐く。

 香子と世間的には『あに・いもうと』、実質保護者として暮らしてきた数年間。特に彼女が高校に
進学してからは、ぶつけられない想いを悶々と持て余して過ごしていた。
 何度となく今見た夢のような衝動に駆られながらも、それを抑え、襖一枚隔てた場所で自慰に耽った。
 深夜に及ぶ帰宅に身も心も疲れ果てていた日も、今のような安心しきった寝顔を眺める事で、それを
含めた様々なものを耐え頑張る事ができたのだ。
 これを守る為に、自分は強くなりたいと今でも切に思う。
 そして何があってもここに帰って来るのだとも。
 一緒になるまで転勤により離れて暮らした一年間、待っていてくれる人のある有り難さが嫌という程身に染みた。
 香子は単なるふりかけ茶漬けだと言ったけど、一緒に食卓についてくれる笑顔があればそれで幸せだ。
「ん……」
 身動きし、香子が目を覚ました。
「あ……起きてたの?おはよイチ君」
「うん、おはよ」
 すぐ側にある唇に吸い寄せられて軽く触れ合う。
「まだちょっと眠……でも起きよっか。ご飯何がいい?」
「もう起きてる」
「は?」
「だからもう起きてるから」
「?……あっ!」
 ふざけて押し付けられた下半身の堅さに気付いて腰を引く。
「責任とって、奥さん」
「知らない!」
「朝昼兼用でいいじゃんたまには。外食べ行こう?奢るから」
「えー……録画観たかったのに……あっ、やだ」
「じゃあ一緒に観よう」
「え……大丈夫?……やんっ」
「うんうん、だから……な?」
「ちょっとそんなトコ……あぁんっ」


 ――数時間後、イチはその言葉に深く後悔し、眠れぬ夜を過ごす事になる。

「ぎゃあぁぁ!?血がっ、血、うわぁぁ!!」
「……ただの映画じゃん、ヘタレなんだから」
「うぅ……」

 イチはホラー映画が嫌いだ。


「終わり」

* * *

さて…他家の嫁を待つか…
小ネタから連投すみません
400名無しさん@ピンキー:2009/11/09(月) 23:53:51 ID:B74oKtkr
>>387

おぉぉぉぉ裸で待ち続けた甲斐があった!!非常にGJです!!!!

ホラー苦手とか可愛いなイチw
401名無しさん@ピンキー:2009/11/09(月) 23:56:28 ID:74aGsmFS
かわええ!!!
他家の嫁もえぇが、香子かわえぇ〜〜〜!!!!!!!

GJ!
402名無しさん@ピンキー:2009/11/10(火) 21:20:52 ID:erEUwb/R

私の名前は野上 龍子、栄えある野上家の長女。
通称PSC、運輸局管轄の監査官を父に
専業主婦を母にもつ、平凡な大学生です。

「―――だよねェ」
「そうそう、両親がヤッてる声とかマジキモくない?」
昼下がりの大学の講義室。
黒板に独特の音を刻むチョークと教授の声。
私達三人はY談中。
「そうですね。自重して欲しいものです。」
教授の授業を真剣に聞く人、単位を取るために出席している人、
徹夜麻雀で居眠りしている人、メール打ちに集中している人、
様々だ。ちなみにY談に興じる私達は単位の為だ。
出席してノート出していれば単位くれると好評なこの若い教授。
背が高く、眼鏡を掛けていて、どことなく癒し系な顔立ち。
『―――――と、聞いていますか?そこの三人、
野上君、小沢君、中村君!』

新婚SS『龍と虎は新婚気分』

「もォ…カナの声が大きいから見つかったじゃない、学食おごりなさい」
「なーに言ってンのよ、タツ。アンタの声が大きいからでしょ?」
ビッと割り箸の先で私を指すこの子の名前は中村 香奈子(なかむら かなこ)
母さんの姉である美人、朝子伯母さんの三女である。
私の事を『タツ』と呼ぶ。龍子(たつこ)だからタツ、随分と単純だ。
「嘘だ〜無実だ〜武(たけ)ちゃんも何か言ってよ!」
もぐもぐと天ぷらうどんを食している眼鏡っこに私は言った。
この子は小沢 武子(たけこ)、あだ名は『武ちゃん』。
父さんの後輩に当たる小沢 治子さんの長女だ。
403名無しさん@ピンキー:2009/11/10(火) 21:22:12 ID:erEUwb/R
治子さんの料理も美味しいけど、その旦那さんの料理はもっと美味しい。
毎日、あんな美味しい料理を食べられる事ができる武ちゃん。
かなり舌が肥えている。
スーパーで買った駄菓子に
「私が本当の駄菓子を味あわせてやります」とか
小さい時に自家製のお菓子を売っている駄菓子屋のお爺ちゃん相手に
『お爺ちゃん、腕を上げましたね。これ以上、私を喜ばせないで下さい』
とひたすらウンチクを述べていた。
「大賀教授の講義中にY談をしていた貴女達に非があります。
喧嘩両成敗という事でチャラですね。」
『「お前もだろ!!」』
と私とカナのツッコミ。大学の食堂でのいつもの光景。
私、カナ、武ちゃんは小学生からの馴染みだ。腐れ縁とも言うらしいけど。
「はぁーあ、タイガーは何かとうるさいのよねェ…どーせ単位目当てって
わかってるんだから、無視すればいいのに」
ぶすッ…とむくれるカナが言う『タイガー』とは大賀 虎太郎(たいが こたろう)先生の事だ。
「私達三人に照準が定められている可能性がありますね。この三人の中に教授の
意中の乙女がいるのでは?はっ、まさか私の貞操を!?」
「おーい、おい、武ちゃーん、もどってこーい。」
武ちゃんの妄想グセはたまに傷だ。
「だ、ダメです…教授!ははは、良いではないか、そして私の柔肌を這う手は――――――」
ぼむっ…有無を言わさないカナの拳が武ちゃんの前頭部に振り下ろされた。
「痛いです。」
眼鏡のずれを直しながら武ちゃんは言った。
「うーるさーい!ったくお武っちは妄想グセが悪いんだから。
どうせ、妄想オナニーばっかしてるんでしょ?知ってる、オナニーしすぎるとバカになるんだぜっ!」
……身も蓋もない言い方うをするカナ。この辺りは伯母さんの血を受け継いでいるんだろうなぁ
美人だけに告白された回数は数知れず、しかしこういう物言いから、七日と保たず男の子達は去っていった。
「…香奈に言われたくはありませんね。妹か弟が欲しいからと避妊具に針で穴を開けるような香奈には。」
「欲しかったんだから仕方ないじゃない。見つかってお母さんに半殺しにされかけたけどさ!
武っちはいいわよねー、下に妹、弟が三人もいるぢゃない!!」
「ふっ…母に搾取される父の精液が濃厚で受精率が高いの原因です。
文句をいうなら毎晩、泣かされている父に言って下さい。」
……これを言い出したら止まらない二人。小声で言ってるからいいものを、かなり恥ずかしい。
まぁ……かく言う私も…二人にはいえないけど……そのエッチなのだ。
その理由は――――――
404名無しさん@ピンキー:2009/11/10(火) 21:22:44 ID:erEUwb/R
「じゃーねぇ、タツ。また明日ァ、夜バイト終わったらメールするよ」
「では、龍子。私もスーパーの特売に行きますから、御機嫌よう」
「うん、またね。」
と二人と別れた後、下宿しているアパートへと帰宅した。
こぢんまりしているけど、綺麗なアパート。
1階がコンビニなので使い勝手が良い。
かと言って、頼ってばかりいるとインスタントに惣菜、レトルト漬けになるので自炊。
倹約になるし、その分、好きな事に使えるのだ。
鼻歌混じりに料理を作る、新婚さんの気分てこんな感じなんだろうなァ…
母さんにもこんな頃があったんだろうなぁと妙な感慨に耽る私。
今日のご飯は海老フライにマカロニサラダ。それも二人分。時刻は午後20:10。
そろそろ、帰ってくる頃だ。
ガチャガチャと鍵が開く音がする。あ、帰ってきたらしい。
「あ〜寒い、寒い…もう冬だなァ…龍子、ただいま」
眼鏡に鞄、昼間注意された大学の先生。
「あ、お帰りィ、先生、外寒かったでしょ?」
――――――とこの言葉が全てを物語っている。
そう、私、野上 龍子は先生と同棲しているのである。




厳密には新婚ではない点はご容赦を。
405名無しさん@ピンキー:2009/11/10(火) 22:00:49 ID:xqRoe3h4
未来編ですね、わかります。
なかなかおもしろそうだ!wktk
406名無しさん@ピンキー:2009/11/12(木) 14:27:52 ID:Ms3psODJ
色々濃厚に受け継ぎすぎだろwww
だがGJ二世代とも濃厚な夜を楽しみにしてるぜ

あと最近保管庫読み返してて八千代の人ってもういないのかなあと
和服妻とツンデレ夫がエロ過ぎ萌え過ぎフルスロットルだったので続き書いて欲しい
407名無しさん@ピンキー:2009/11/15(日) 04:32:15 ID:YWr+qoYI
同士よ。
初めて読んだ時から待ち続け…凍死しそうだ。
408名無しさん@ピンキー:2009/11/17(火) 23:51:53 ID:yc9HzuRc
エロ無し
二世代






「今日のオカズはエビフライか。美味しそうだね」
「そうだよ。先生の為に腕によりをかけて作ったんだからね」
先生は鞄を置いて、コートを脱ぎ、そのまま椅子に座った。
そして手を合わせ、言った。
「それじゃ、頂きます」
「はい、いただきます♪」
これぞ、同棲ならぬ新婚(気分)生活だ!

新婚SS『龍と虎は新婚気分』

カシャ、カシャ…先生が食後のお茶を飲んでいる間に
食器を洗う。
先生と同棲している私だが、自分のかりている部屋はその隣室だ。
アパートだからといってもそれなりに家賃はあるワケで……
両親の仕送りもあり、独立していないという理由で
食事は僕の部屋で一緒に…と先生が言った。
ちゃんとバイトしてお金を貯めているのになぁ…と思うけど、せっかく
申し出てくれているんだから、お言葉に甘える事にした。
「今日の僕の講義、ちゃんと聞いていなかっただろ?」
「え、ええーと、そんな事ないよォ?」
先生がお茶を啜りながら軽い口調で言った。
409名無しさん@ピンキー:2009/11/17(火) 23:54:21 ID:yc9HzuRc
本当?なら平清盛によって鬼界島に流された謀反人
三名の名前を答えて下さい。野上 龍子君」
先生は昼間のあの顔で問題を出した。
「ゲゾラ、ガニメ、カメーバと解きます」
「その心は?」
「決戦!南海の大怪獣ぅ〜……」
『三』と聞いて『名前』を聞かれると怪獣か戦国武将が
真っ先に浮かぶ私の脳内……語尾が小さくなったのは、
自分で恥ずかしくなってしまったからだ。
この辺りは両親の影響ですね。
小さい時から怪獣映画や大河ドラマのDVDで教育された影響ですね。
「……いいですか、三『人』ですよ?
その名前はどう解釈しても単位が『匹』で数える動物でしょう?」
先生、情け容赦なくY談している最中に講義した部分を出していやがりますね。
時の権力者+謀反人=遠流。時代背景は…たぶん戦国となれば!
「あ、言い忘れてましたが時代は平安末期です」
だめだこりゃ。
そんな時、ケータイが鳴った。
ちゃちゃらららちゃらららっらっららー♪
この着信音は大河ドラマの『天○人』
……という事は母からの電話だ。私はすかさず携帯を開いた。
夜は四コール以内に出ないと
『む、娘がっ!娘が行方不明になったんですぅ!』
と泣き叫びながら警察に電話されるからだ。
410名無しさん@ピンキー:2009/11/17(火) 23:55:18 ID:yc9HzuRc
「も、もしもし!?」
『こんばんは。龍子、今、大丈夫?』
母さんの声だ。先生の方をチラッと見ると『構わない、どうぞ』のサイン。
「え…ああ、いいけど…どうしたの?」
「うん。対したことないんだけど、先週の大河ドラマ録画してた?」
本当に対したことありませんね。
「え…たぶん、予約録画してたと思うけど…」
「そう、よかった…後でダビングして送ってくれないかしら?
お父さんが再放送していたウルトラマンを上から録画しちゃってね
大公が兼○に『お主、何が言いたい…?』って言った後にいきなり『ヘアッ!』って…。
あれを見た瞬間、この世の終わりかと思ったわ。」
……母上様、お元気ですか、夕べの杉の梢に明るく光る星ひとつ見つけました。
「それで私が怒ったら、あの人が逆に『戦国の残酷歴史より夢のある特撮の方が魅力的だ!』
って怒り出して、私も年なのね…カッときてしまって、
『夢の世界でも怪獣を殺害している超人の方がよっぽど残酷です!
あの1匹で最後ですよ!怪獣でも絶滅危惧種ですよ!実際に科学特捜隊がいたら
環境保護団体に訴えられますよ!事業仕分けで廃止されますよ!』
『環境保護団体は関係ない!』『廃止されない!』とか言い合いしてる内にベッドインして、もうすごくって―――」
私はその電話を切った。
「あ、電話切っても平気なの?僕の事は気にしなくて良いよ」
「ううん。大丈夫、本当に対したことない話だから」
あの二人の遺伝子の螺旋によって形成されてる私だけど…半ば呆れてしまう。
もう50近くになるのにラブラブしている両親。確か結婚したのは父が29、母が24の時だったハズだ。
それを考えれば、私も後3〜4年後には結婚しててもいい頃だ。
朋子叔母さんだって私が小さい頃二人でアニメを見ながらしんみりと
『本当に……二次元の世界に入る方法ってないかしら?』
と言っていたが結婚したし。カナのお兄ちゃんやお姉ちゃんも
『俺のコールサインは「ソロモンの白狼」だから』とか
『ちゃんちゃんばら♪ちゃぁ〜んばらぁ♪』と学生の時
言っていたけど、二人とも彼女と彼氏はいるらしいし……
そう考えると………お皿を洗い終え、皿立てに並べた私は後ろを振り返った。
「どうした?僕の顔に何か付いてる?」
今は同棲していて、新婚気分だけど……
先生とこの将来(さき)、どうなるんだろう………


411名無しさん@ピンキー:2009/11/18(水) 00:02:22 ID:YC3BCGi7
リアルタイムばんざーい。
ってか、朋子は結婚できたんだ………
相手がどんな人か気になって、たぶん明日は昼寝ができない


それはそれとして、おさな妻(仮)な龍子さん可愛い。
今後きっとあるエロ展開にwktk
412名無しさん@ピンキー:2009/11/18(水) 22:56:30 ID:S5wABo/9
色んな意味でGJですw

新婚気分の同棲か…これはこれでイイッ
413名無しさん@ピンキー:2009/11/20(金) 21:46:04 ID:AosOzBqw
ほす
414名無しさん@ピンキー:2009/11/20(金) 23:22:53 ID:Z2+4QE3q
415名無しさん@ピンキー:2009/11/23(月) 21:51:30 ID:8PxXQPYa
いい夫婦の日に書き込みすら無しか…
416名無しさん@ピンキー:2009/11/24(火) 00:20:41 ID:ild79qyM
いい夫婦の日を逃したネタを書きましたので、投下させて下さい。
エロなしです。すみません。
4レスお借りします。
417志郎×琴音:2009/11/24(火) 00:23:18 ID:ild79qyM
何となく……渡しそびれてしまった。
三柳志郎は鞄に隠しておいたプレゼントを見つめ、ため息をついた。
昨日、ほんの一時間ほど前までの十一月二十二日は妻である琴音の誕生日だった。
志郎は二人で温泉にでも行ってのんびり過ごし、このプレゼントを渡すつもりだったのだが、
実際は三柳家で盛大な誕生日会が開かれることになったため、その計画は簡単に崩れ去った。
それでも、渡そうと思えば渡せたはずなのだが、
肝心の琴音を彼女の父親に奪われ、そのタイミングを外してしまった。
彼女の父親は末娘の琴音を目に入れても痛くないほど可愛がっている。
そんな彼は久しぶりに家に戻った彼女を隣に座らせ、志郎が用意したネックレスの
数倍の値段であろうネックレスを彼女の首にかけた。
しかも、彼女を自分の傍から離そうとせず、結局彼女が志郎の元に戻ってきたのは、
ワインに酔ってふらふらになってからだった。
「ひろうさん……父が……すみまへん……」
呂律が回らないながらも、そう言ってくれた琴音の肩を抱いて、志郎は用意された部屋に戻った。
が、部屋に帰りベッドに座るなり、琴音はダウン。
結局プレゼントを渡せなかった。
昨日、三柳のうちに来る前に渡せばよかったかもしれない、と思う反面、
自分の渡した安いネックレスを首に下げていたのでは、義父はいい顔をしなかっただろうということは
容易に想像できる。
安いといっても、それほど安い訳ではない。
三柳の娘がつけるにふさわしい値段のものは選んだつもりだ。
けれど、義父が娘に用意したものがそれを軽々と上回ったのだった。
今日、家に帰ってから渡せばいいだろう。
彼女がすでに貰ったものに比べたら、随分と小さなものだけれど、
自分が彼女にプレゼントを用意したというだけで、琴音はきっと喜んでくれるはずだ。
まだほんのりと赤い顔で眠っている琴音の頬をそっと撫でて、志郎は着替えようとベッドを立った。
418志郎×琴音:2009/11/24(火) 00:25:10 ID:ild79qyM
シャワーを浴びて酒の匂いを落とし、さっぱりとした気持ちで寝室に戻ってくると、
ベッドの上に琴音が座っていた。
「琴音さん。大丈夫ですか?
 今、水を持ってきますね」
そう言って踵を返したところで、
「志郎さん……」
と、琴音に呼び止められた。
「はい」
立ち止まって振り返ると、琴音は泣きそうな顔でこちらを見つめている。
彼女は泣き虫で、ちょっとしたことですぐそういう顔をする。
だが、子供のように泣くという訳でもない。
琴音がこういう顔を見せるのは、たいてい自分を責めている時だ。
「どうしました?」
寄っていきながらそう尋ね、琴音の隣に腰を下ろすと、琴音は一度部屋を見回してから、こちらを見上げ、
「今、何時でしょう?」
と尋ねた。
「今、ですか?
 ええと、二時になる前ってとこじゃないですかね」
つられて辺りを見回したが、この部屋には時計がない。
風呂に入った時間から、自分が入浴にかかる時間を考えて想定できる時間を志郎は告げてみた。
「それでは、もう……二十三日になってしまったのですか?」
「ええ」
「あ……」
琴音がくすんと鼻を鳴らした。
「琴音さん?」
志郎が肩に手を置いて覗き込むと、琴音は小さな声で、
「ごめんなさい」
と言った。
419志郎×琴音:2009/11/24(火) 00:26:56 ID:ild79qyM
「どうして謝るんです?
 琴音さんは、何もしていないじゃないですか」
「だからです!」
琴音が顔を上げた。
目が真っ赤になっている。
「昨日は……いい夫婦の日で……だから、本当は志郎さんに何かして差し上げたかったのに……
 妻らしいことをしないどころか、一緒に……その…………、
 お布団に入ることもしないで、一人で寝てしまうなんて……」
いい夫婦の日……イチ、イチ、ニイ、ニイ……い、い、ふう、ふ……なるほど。
そういう日だったのか。
琴音の気持ちを嬉しく感じはしたけれど、志郎は自分こそ彼女に何もしていない、と思いだした。
「そんなこと言わないで下さい。
 俺だって、知らなかったとはいえ、昨日は夫らしいことは何もしてません。
 それだけじゃない。
 昨日は琴音さんの誕生日だったのに、プレゼントも渡さなかった」
「プレゼント……?」
琴音は自分の誕生日だということなど、忘れていたかのように不思議そうな顔をした。
「実はですね、用意はしてたんですよ。
 でも、なんだか、渡すタイミングを見失っちゃって、ですね、
 えーっと、まあ、言い訳なんですけど、でも、ちゃんと持ってきてはあるんです」
志郎はそう言うと、琴音と自分のベッドの間に置いてあった自分用の鞄を拾い上げた。
「あまり……大きくはないですけど、琴音さんに似合うかな、って」
鞄の奥から細長い包みを取り出し、志郎はそれを琴音に差し出した。
一瞬、間を置いて、琴音の顔が真っ赤になった。
「そのー……ですね、本当は温泉にでも行こうかな、とも思ってたんです。
 ほら!連休じゃないんですか」
琴音の顔を見ていたら、なんだかこちらまで恥ずかしくなってきた。
琴音は琴音で、プレゼントを丁寧に開いている。
「でも、琴音さん、どこの温泉が好きか分からないし」
「志郎さんと行けるなら、どこでも好きです……」
琴音は嬉しそうにそう言って、ネックレスケースを開いた。
420志郎×琴音:2009/11/24(火) 00:29:29 ID:ild79qyM
大きくはないけれど、真ん中にオレンジに近い黄色をしたトパーズが嵌まっており、
チェーンと繋がる部分にアクセントに小さなダイヤモンドが入っている。
琴音は黄色が似合うから、これも似合うと思ってこれにしたのだ。
ネックレスを手に取って、琴音はほう、とため息をついた。
「かわいい……」
「……気に入ってもらえました?」
「もちろんです!
 あの……すごく、嬉しいです……」
琴音はそれを丁寧に膝に置くと、胸にかかっていたネックレスを外した。
「付けてみていいですか?」
「もちろんです。
 あ、俺が付けましょうか?」
琴音はまた顔を赤らめたが、すぐに笑顔になって、
「お願いします」
と、こちらに背を向けて、髪を押さえてくれた。
酒のせいか、赤面症であるが故か。
そまった項がいつも以上に艶を帯びて見える。
渡されたネックレスを彼女の首にかけていると、琴音が、
「し、志郎さんっ」
と呼んだ。
「はい。なんです?」
「らっ、来年は一緒に温泉に行っていただけますか?」
誕生日会など来ずに、温泉に行こうと言ってくれているのだろう。
ネックレスを付け終えると、志郎は琴音を後ろからそっと抱き締めた。
「そうですね。来年は二人でゆっくり誕生日を祝いましょう」
「それと……」
「うん。夫婦らしいこともしましょうね」
そう言うと、琴音が手を握りしめてきた。
「はい……」
と、小さな返事も聞こえた。

(了)
421名無しさん@ピンキー:2009/11/24(火) 02:23:03 ID:V/QKJcjT
GJ一番槍!
いい夫婦だわ…。
422名無しさん@ピンキー:2009/11/24(火) 02:50:08 ID:7dOXT/Vp
おお、GJ!!!
奥様可愛らし過ぎるだろう

この夫婦気になってたんだよ〜!
寝室が一つになったようで何よりw
423名無しさん@ピンキー:2009/11/24(火) 10:42:31 ID:VpYYcVpp
どうして私がいつもダイエットしてる時に(・∀・)ニヤニヤと見つめやがりますか(゚Д゚)ゴルァ!
どうして私が悪いのにケンカになると先に謝りますか(゚Д゚)ゴルァ!
どうしてお小遣減らしたのに文句一つ言いませんか(゚Д゚)ゴルァ!
どうして交代でやる約束した洗濯をし忘れたのに怒りませんか(゚Д゚)ゴルァ!
どうして子供が出来ないのは私のせいなのに謝りますか(゚Д゚)ゴルァ!
どうして自分が体調悪い時は大丈夫だと私を突き放して私が倒れると会社休んでまで看病しますか(゚Д゚)ゴルァ!
どうして妻の私に心配掛けたくなかったからと病気の事を隠しますか(゚Д゚)ゴルァ!
おまけにもって半年とはどう言う事ですか(゚Д゚)ゴルァ!
長期出張だと嘘言って知らない間に手術受けて助からないとはどう言う事ですか(゚Д゚)ゴルァ!
病院で俺の事は忘れていい男見つけろとはどう言う事ですか(゚Д゚)ゴルァ!
こっちの気持ちは無視ですか(゚Д゚)ゴルァ!
正直、あんた以上のお人よしで優しい男なんか居ませんよ(゚Д゚)ゴルァ!
それと私みたいな女嫁にすんのはあんた位ですよ(゚Д゚)ゴルァ!
もう一つ言い忘れてましたが私、お腹に赤ちゃん出来たんですよ(゚Д゚)ゴルァ!
あんたの子供なのに何で生きられないのですか(゚Д゚)ゴルァ!
そんな状態じゃ言い出せ無いじゃないですか(゚Д゚)ゴルァ!
それでも言わない訳にはいかないから思い切って言ったら大喜びで私を抱きしめますか(゚Д゚)ゴルァ!
生まれる頃にはあんたはこの世にいないんですよ(゚Д゚)ゴルァ!
元気な子だといいなぁってあんた自分の事は蔑ろですか(゚Д゚)ゴルァ!
病院で周りの患者さんや看護婦さんに何自慢してやがりますか(゚Д゚)ゴルァ!
病気で苦しいはずなのに何で姓名判断の本で名前を考えてやがりますか(゚Д゚)ゴルァ!
どうして側に居てあげたいのに一人の身体じゃ無いんだからと家に帰そうとしますか(゚Д゚)ゴルァ!
どうしていつも自分の事は二の次何ですか(゚Д゚)ゴルァ!
医者からいよいよダメだと言われ泣いてる私に大丈夫だよとバレバレの慰めを言いますか(゚Д゚)ゴルァ!
こっちはあんたとこれからも生きて行きたいんですよ(゚Д゚)ゴルァ!
それがもうすぐ終わってしまうんですよ(゚Д゚)ゴルァ!
バカやって泣きそうな私を包んでくれるあんたが居なくなるんですよ(゚Д゚)ゴルァ!
忘れろと言われても忘れられる訳ないでしょ(゚Д゚)ゴルァ!
死ぬ一週間前に俺みたいな奴と一緒になってくれてありがとなですか、そうですか(゚Д゚)ゴルァ!
こっちがお礼を言わないといけないのに何も言えず泣いちまったじゃないですか(゚Д゚)ゴルァ!
あんなに苦しそうだったのに最後は私の手を握りしめて逝きやがりましたね(゚Д゚)ゴルァ!
何で死に顔まで微笑みやがりますか(゚Д゚)ゴルァ!(゚Д゚)ゴルァ!(゚Д゚)ゴルァ!
そんなのは良いから起きて下さい(゚Д゚)ゴルァ!
生まれてくる子供を抱いて下さい(゚Д゚)ゴルァ!
子供に微笑みかけて下さい(゚Д゚)ゴルァ!
たのむから神様何とかして下さい(゚Д゚)ゴルァ!
ダメ女な私にこの先一人で子供を育てろと言いやがりますか(゚Д゚)ゴルァ!
そんなあんたが死んで5ヶ月...
子供が生まれましたよ(゚Д゚)ゴルァ!
元気な女の子ですよ(゚Д゚)ゴルァ!
目元はあんたにそっくりですよ(゚Д゚)ゴルァ!
どこかで見てますか(゚Д゚)ゴルァ!
私はこの子と何とか生きてますよ(゚Д゚)ゴルァ!
あんたも遠くから見守って居てください。
424名無しさん@ピンキー:2009/11/24(火) 11:03:10 ID:sB94jFqs
マジで全俺が泣いた
425名無しさん@ピンキー:2009/11/24(火) 11:36:54 ID:DPQG1d5N
このコピペ何回か見たことあるはずなのに、なんで毎回目から汁が…
426名無しさん@ピンキー:2009/11/24(火) 12:48:53 ID:5H0UEkxr
>>420
GJです! お義父さん空気読めww
この夫婦はシリーズ化してほしいです。かわいすぎるだろ
427名無しさん@ピンキー:2009/11/24(火) 18:50:16 ID:1D8gyxci
11月22日に投下できなかったのは口惜しい。

龍と虎は新婚気分
エロ無し





前回の訂正箇所
×三女→○次女
×大公→○大御所



将来どうなるか、結婚?デキ婚?破局?
ぐるぐる回り始めた考えを振り切り、私は言った。
「ううん、何でもないよ。ねぇ、先生、これ片づけたら…」
そう、ご飯食べて、お風呂入って、その後は――――――
「龍子、今日は部屋に帰りなさい。」
「か…帰れって…で、でもォ…」
せっかく………その、えっと……するつもりだったのに。
「大学の試験だって近いだろう?僕も試験作成があるし、
それを君に見せるわけにはいきません。」
私が取ってる先生の講義、試験は無いよね。
ああ、先輩達の講義の試験の事なのね。
……何か怪しいなぁ…私の女の勘が囁きます。
「せ、先生は…このまま、私が帰っても…いいの?」
私のキメ台詞。これは高確率でヒットが出る。
「………はい」
時間差で空振りでした。
「もォ…わかりました、帰りますよ。録画してた野球中継でも見ますよ。
あーあ、一人でかりてきたAV鑑賞ごゆ〜っくり、どぉぞ」
私はカマ掛けてみた。ちなみに私のバイトは近場のTS○TAYA。
先生が来たことはない。たぶん私のシフトを知っているんだろう。
「…な…な何を言って」
これは『ヒット』。狼狽する先生を見て、私は言った。
「エロ教師」
バムッ。と先生の部屋から出て、私は自分の部屋に帰った。
「はぁ〜…何よ、せっかく……」
電気をつけて、ベッドに腰を掛ける。
つき合いはじめた頃はそれこそ、毎日、先生の部屋で朝を迎えていたのに。
ここ最近は、回数が減ってきている。一体、何が原因なんだ?まさか、先生に
お見合いの話がきてるとか…他に女の人がいるとか…うう、嫌な考えが
またぐるぐると……
こんな時に相談できるのはあの人しかいない。
私はケータイを開いた。

新婚SS『龍と虎は新婚気分』

「あー……そりゃ倦怠期よ、倦怠期」
「けんたいき?」
それから数日後、朋子叔母さんと喫茶店に入ってお茶をしがてら相談してみた。
朋子叔母さんは野上家の三女。三姉妹の末っ子にあたる。
余談だけど、お婆ちゃんが月夜(つくよ)という名前だったことから皆、
名前に『月』の文字がつくのだ。
カナの母親の『朝子』さん、私の母の『明子』、そして『朋子』さんという具合に。
428名無しさん@ピンキー:2009/11/24(火) 18:52:39 ID:1D8gyxci
朋子叔母さんは30後半だけど、若く見える。20代後半でも充分、通用しそうだ。
私を含めて同棲している事を知っているのは朋子叔母さんだけ。
両親は論外。カナは経験豊富だが、情報網、交友関係が半端なくすごいので禁句。
武ちゃんは家族と暮らしているし、治子さんが父の後輩だ。万が一という事もある。
その点、叔母さんは心配ない。こういう事に関しては口が堅い。
「そう、簡単に言うと『飽きた』ってコト」
「え、ええっ!?」
あの30代め、女子大生の瑞々しい身体に飽きただと?私は叔母さんの言葉に
ガビーンとなったと同時に何か先生に対する怒りが湧いてきた。
「でも、話を聞く限り、その先生はたっちゃんのことを好きって気持ちは変わらない。
もしかすると単に仕事が忙しいだけかもしれないし…こういう時はね…イメチェンが必要ね」
「イメージチェンジ……ですか?」
「そうよ。ウチのダーリンもそういう時期が合ってね。そんな時に私が某アニメの
コスプレしたら、もうめちゃめちゃ興奮して…夜通しよ。ちなみにその時のアニメはあれね、
ギ○ス使って命令するヤツ。女キャラのコスを1日に置きにかえて1週間、すごかったわ。
ダーリンがまだウブだったから開発し甲斐があってね。色々と教えて私色に染めてあげたの。
今じゃどこに出しても恥ずかしくないアニメオタクになったわ。あと手先が器用
だったから同人誌出したら売れてね。業界でもちょっとした有名人なのよ、サークル名は
ダーリンと私の名前をもじって『トモトモ』」
429名無しさん@ピンキー:2009/11/24(火) 18:53:22 ID:1D8gyxci
……うっとりしている叔母さんは結構、危ない。ウチの母と本当に姉妹なのだろうか?
と思う時がときどきある。確かに顔つきや、仕草は似ていると思うけど…
「で、でも私はコスプレなんて…その…恥ずかしくて」
大学にはそういうサークルもあるけど、あんな格好は恥ずかしすぎる。
そう思っていると叔母さんは一瞬、きょとんとして、その後に声を出して笑った。
「あははは、何言ってるの。あるじゃないの、レイヤーの原点とも言えるアレが」
「アレ?って」
「制服よ、制服!まだ持ってるでしょ?高校の制服、確かたっちゃんの高校の制服って業界じゃ
かなり人気あるのよ。紺のブレザーに赤いタイ、白いブラウスに深緑のスカート。スタンダード中の
スタンダードよ。特に今は秋だからニーソかタイツ付きだったら完璧ね」
叔母さん、よだれ、よだれ。
「でも…制服着ただけで…中身は同じなのに」
「うふふ、そこがおもしろいところなのよ…とにかく制服は全てのコスプレの原点であり、
基本であり、初心者からS級妖怪までもが使用する万能型なの」
私は叔母さんの言うことが、だんだんわからなくなってきた。S級妖怪ってどういう基準なんだろ?
「ふふふ…こうして私の魂は受け継がれていくのね」
「え、いや…あの…まだコスプレするって決めたわけじゃありませんから…」

とか何とか言いつつも、実際にこうして制服を着て鏡を見ている私がいる。
懐かしいものだ。つい、何年か前はこの服装で高校に通っていたわけだ。
しかし、ちょっと胸やお尻がキツイ。嬉しい反面恥ずかしい。
本当にこんなので先生の気を引けるのだろうか?
私はタイツを履きながらそんな事を思った。
今日の料理は『おでん』。やっぱり冬はおでんに限る。
先生にはメールで『今日は私の部屋でおでん☆でーす』と送っておいた。
明日は休みなのでビールも用意しておく。
ピンポーン…あ、先生だ。
さて、吉と出るか凶とでるか…勝負です。


430名無しさん@ピンキー:2009/11/25(水) 00:15:28 ID:9Bjm609R
GJ
朋子相変わらずだなwww
431名無しさん@ピンキー:2009/11/25(水) 01:01:10 ID:n1LkqlSG
gj!
432名無しさん@ピンキー:2009/11/25(水) 10:09:47 ID:AmnLNnMx
嫁が豊作〜♪
433名無しさん@ピンキー:2009/11/27(金) 14:54:19 ID:YQYpfmBA
結婚結婚!
434名無しさん@ピンキー:2009/11/29(日) 00:00:45 ID:47RBDg0t
>>417>>427
GJGJ!!!

>>423
やめてくれ〜こういうの弱いんだよ…orz
435名無しさん@ピンキー:2009/11/29(日) 02:06:59 ID:KXXfTvmk
また結婚したくなってきたー!!
436名無しさん@ピンキー:2009/12/01(火) 16:37:21 ID:ATGmimiH
>>435
まだしてなかったのか
437名無しさん@ピンキー:2009/12/01(火) 23:37:11 ID:17UEFXCb
>>436
また ってことは一度離こry
438名無しさん@ピンキー:2009/12/02(水) 01:58:09 ID:JAgrMDHp
故あって一度は離婚という選択をした二人だったが
離れてみて初めてやはり自分にはあの人しかいない…と気付かされて
ふたたびケコーン

な電波を>>435からもらっちゃったが
こういうのはここの住人的には許容範囲なの?
いや、書けないけどさ
439名無しさん@ピンキー:2009/12/02(水) 15:32:48 ID:Ma4arChC
少なくとも俺は教養範囲内
440名無しさん@ピンキー:2009/12/02(水) 15:33:35 ID:Ma4arChC
×教養範囲内
○許容範囲内

なんて間違いしてんだよ俺
441名無しさん@ピンキー:2009/12/03(木) 00:34:37 ID:cN7+tNld
>>440
すごい間違いだなw

自分も許容範囲内です!むしろそういうの見たい
442名無しさん@ピンキー:2009/12/03(木) 01:30:16 ID:fdLKaJ00
いいんじゃない?
443名無しさん@ピンキー:2009/12/06(日) 13:28:50 ID:rIY2gdkJ
ほす
444名無しさん@ピンキー:2009/12/08(火) 18:22:53 ID:lgyiBwAu
>>438
構わん、続けろ。
445名無しさん@ピンキー:2009/12/10(木) 22:44:41 ID:i6oj4OKp
あげ
446名無しさん@ピンキー:2009/12/11(金) 20:12:37 ID:9M8uUWXk
鉄仮面と子猫の人どうしたんだろう
447名無しさん@ピンキー:2009/12/12(土) 05:08:20 ID:lfKdDTXV
>>440を見て、
ウブな小娘の婚約者に「これくらい教養の範囲内だろ?」とか言いながら
じりじりとエロい行為をしていく青年を妄想した。

んで小娘は「も、もちろんです! これくらい、じ、常識でしょう……!?」
なんてことを、顔を真っ赤にして挙動不審になりながら言って欲しい。
そんで青年に、自分の教養&許容範囲外のエロをどんどん仕込まれていってほしい。
448名無しさん@ピンキー:2009/12/16(水) 18:54:07 ID:VBHZeZ9y
穂波のサンタプレイがみたい
449名無しさん@ピンキー:2009/12/17(木) 00:16:45 ID:4/NaBQh3
>>447
自分も同じようなこと考えたw
450名無しさん@ピンキー:2009/12/18(金) 22:01:45 ID:57TJd2R7
龍と虎は新婚気分
本番





「おかえりなさい、先生♪」
「たたたたたただいま」
マジですね、さっそくホームランですね。
「外、寒かったでしょ?ホラ、入って入って」
「んんんんん、ああ。」
先生の腕を引っ張る時に、すかさずおっぱいを密着させる。
割と豊かに育っているおっぱいは私の自慢だ。カナには到底及ばないが。
チェックのスカートの下は毛糸のパンツではない。
せっかく制服着ているのに防寒の為にそんなのを履いていたら
魅力が半減してしまう。勝負下着です。
しかもタイツ付き、寒さもがっちりガード、ちなみに色は上下とも黒。
「へっへ〜先生、おでん久しぶりだね♪」
コタツに入りながらのおでん。
「ああ、しゃぶしゃぶなんて…おでんなんて久しぶりだよ」
朋子叔母さん、ありがとう。今夜はイケそうだ。

新婚SS『龍と虎は新婚気分』

「はふはふ…この大根美味しい。あ、このナルトもいい」
先生が美味しそうな笑顔で言った。
おかしい、さっきはあんなに効果的に効いたのに……
もう飽きたのか?先生には擬似女子高生の魅力ですら通用しないのだろうか?
私は落胆しながら、具を取った。
451名無しさん@ピンキー:2009/12/18(金) 22:04:35 ID:57TJd2R7
「……龍子、がんもどきの間にちくわ置いて…どうしたの?」
「え、いや…あはは…味が良く染み込んでるかなァ〜と思って」
……いかんいかん、無意識に先生のアレを想像して取ってしまったらしい。
……以前なら今頃、おでんなんて放り出して……食べられてるのに。
「……龍子、がんもどきの間にウィンナー置いて…食べないのか?」
「え、うん…これくらいかな、先生の――――――ああっ美味い!味染みて美味い!」
はっ…いかんいかん、また無意識に先生のアレを想像してしまった。
くそ〜…こうなったらヤケ食いだ。
「……龍子、なるとをしゃぶって…食べないのか?」
くううう〜ああ、もどかしい!
「ああっ!もう!先生は今の私を見て何とも思わないの!?」
私は我慢しきれず半ば叫び気味に言った。
「え、ええ!?」
先生はびっくりして、こっちを見ている。
構うもんか、この不能野郎、お前は同性愛者か!?それとももっと小さい子が好きな
変態野郎なのか?この超弩級草食男子野郎!
「女子高の制服よ!?しかも恋人の部屋に来て、制服着ている私を見て何とも思わないの!?」
「い、いや…だ、だから何で制服着てるのかなって…い、一体、どうしたんだ!?」
「……ほ、欲しいんだもん…」
452名無しさん@ピンキー:2009/12/18(金) 22:06:28 ID:57TJd2R7
「えっ?」
「先生が欲しくて…最近、先生…してくれないから…
先生が私に飽きたのかなって…もっと…もっと…
セ、セックスしたいのに…先生が私を見てくれないんじゃないかって…だから」
そこまで言いかけて、私は熱い胸に抱かれた。
「先生…」
先生はしばらく黙っていたけれど、静かに言った。
「―――なんだ…その、すまない。」
「え…」
「正直、すまない…これ渡したくて…今まで…我慢してたというか…」
先生が鞄から取りだしたのは小さな箱。
「こ、これ…」
「開けてみてくれないか?」
私は震える手でその箱を開いた。そこには綺麗な金色の指輪が収まっていた。
「これじゃ…本末転倒だな……ぼ、僕は龍子のこと大事にしたいし、
龍子との事は真剣なんだ。だから…まだ学生の龍子とするのは
…まだ就職の事があるし…そ、その…龍子と…けっ…こん…とか」
先生はそこまで言って私を見た。
「ぼ…僕は…龍子!」
がばっと抱きつかれ、私はその熱い抱擁に包まれ、静かに言った。
「大丈夫だよ…先生。就職するから……」
「……龍子?」
「私は永久に先生に就職するんだから。」
453名無しさん@ピンキー:2009/12/18(金) 22:08:25 ID:57TJd2R7

「あんっああっはっ…せんせ、…吸っちゃ…はぁん」
「龍子の…んちゅ…龍子の…」
そして私は先生と久しぶりに肌を重ねていた。
「んん…ふッくっ…はぁああっ」
半裸の対面座位で私のおっぱいをしゃぶり、吸い上げる先生。
いっつもより何か激しくないか?
「せ、先生…いつもより激しい?」
「……この年齢で制服を与(あずか)れるとはね…ん」
ああ、叔母さんありがとう、コレやっぱり効果抜群です。
「龍子の…ん、龍子の…んっ」
「あ…先生!」
先生の手が荒々しくブレザーを剥き、ブラウスの前を開いた。
反動で胸がぷるんと揺れた。こんな獣みたいな先生は久しぶりに見た。
「ご、ごめん…龍子…も、もう抑えられそうにない…許してくれ」
「へっ…?え…、せ、せんせ?」
私を組み敷き、先生は上半身裸体になった。意外と鍛えられた締まった身体に
うっとりする暇もなく、先生は私をうつ伏せにするとスカートをめくりあげ、
タイツに包まれたお尻をむにゅっと掴んだ。
「ひゃんッ!?」
ぴくんと背中が仰け反り、私は思わず声を上げた。
「とっても魅力的だよ龍子…この格好…酷く興奮する」
むにゅむにゅとタイツを通して揉み捏ねられるお尻から
ピクンッピクンッと甘い感覚が…あっ…ぬ、濡れちゃった。
じゅん……とアソコが潤いを帯び、湿った感触。
「はぁ…んっ……んっん…あっくうう!」
先生の指がアソコをくにゅっと軽く押した。
あ…ああ…や、やっぱり自分でする時と全然、違う…
ううっ恥ずかしいし、もどかしいよ。
「龍子…も、もう」
「う、うん…いいよ…先生、脱がせて…」
と言う前に先生の手がタイツかかり、ショーツごとするっと抜き取られた。
アソコは思ったよりも濡れていて、熱かった。
454名無しさん@ピンキー:2009/12/18(金) 22:11:39 ID:57TJd2R7
「あっ…た、龍子…ちょっと…く…体起こして…後ろ…お尻、上げて」
「え…こ、このまま?は、恥ずかしいよォ」
先生は私の腰を抱えて四つん這いにさせると
「ご、ごめん…も、もう、止まらない。龍子!」
先生は私を後ろから抱え上げると、ベッドに押しつけ、先生はアソコを押し込んだ。
意外にも抵抗はなく、そのまま一気に侵入してくる感覚。
「せ、先生―ちょっとこんな――あん!あっ!」
「龍子、龍子、龍子!」
先生はお尻を掴み、私のうなじにむしゃぶりついた。
パンパンパンと背後からの突き上げは、私の中に擦りつけるような
動作で、昔みた教育番組を連想させた。
(あ、あれ……んっ…何で…こんな事、思い出して……?)
意志とは関係なく、私の口から零れる声に先生はますます興奮したようだ。
「龍子…制服の龍子…可愛いよ、とっても、とっても!」
「あっああっ!だ、だめ…だめだよ、先生…あっあっああ!」
私の中が本能のまま、先生のアソコを締め上げる。
中でさらに大きく勃起している先生はそれだけで感極まった声を上げた。
「き、きつい…龍子…で、出る、出る!!」
乱れたブラウスの上から私の胸を荒々しく鷲掴み、先生は一旦、
腰をためて一気に後ろから押し込んだ。
ぐちゅうと剣突の乾いた音が寝室にやけに重く、ゆっくりと響いた。
「あっ…はァ!」
「うっ出…出る…た、龍子!くう!」
先生が叫んだ瞬間、膣内で先生のアソコが爆発した。
びゅるるるううと先生の白濁液が私の最奥に注ぎ込まれる。
「はっ…あっ…あは…」
「わ…私…あっ…は…はああ…」
満たされ、絶頂の余韻にひたる先生は私のお尻を掴み、
なおも眉間に皺を寄せ呻きながら射精を続ける。
そしてようやく長い射精を終えると私の中から抜き出した。
「はぁ…はぁ…はぁ…」
「あ…は……ドロドロ…だね…あ、洗わないと」
太腿、とくに股間や背中が汗にまみれて気持ち悪い。服もぐしゃぐしゃだ。
余韻を振り払って、気怠く起きあがると私は服を脱ぎ始めた。
「んんっ…ふ…あ……」
あちゃ〜……結構、溜めていたのか先生のが私の中からトロリと太腿をつたって
落ちてきた。脱いだのはタイツとショーツだけだったのでスカートが…
「あ、洗わないと……」
すると何を思ったのか先生は私の両肩を掴み、再び押し倒した。
「せ、先生!?」
「龍子……今日は帰さないよ」
「は……はい?!」

エピローグへ続く
455名無しさん@ピンキー:2009/12/19(土) 19:53:30 ID:spWBYmoW
>>454
超GJ!!
456名無しさん@ピンキー:2009/12/20(日) 13:18:31 ID:Mg5UlM+B
先生…、アンタもいろいろダメだなw
GJでした!
457名無しさん@ピンキー:2009/12/20(日) 23:06:01 ID:dMEY3G/T
おぉっ新作が投下されとる!なんかもう…色々笑えるww

GJ!!
458名無しさん@ピンキー:2009/12/21(月) 16:46:26 ID:N2W3guqB
龍と虎は新婚気分
エピローグ



翌朝
「ん……あ……あ?」
目が開き、ふと気付く……あ、あーそうか昨日…あれから5回もされて
そのまま眠ってしまったのだ。バックに対面に正常位…散々だった。
私は布団からむくりと起きると、部屋を見回した。誰もいない。
もしかして……と思いキッチンを見ると、
予想通りおでんの鍋に箸、それに取り皿や使った食器が無くなっている。
私の部屋で洗えばいいのに……と思っていると玄関のドアが開いて、先生が入ってきた。
「あ、おはよう…食器は洗っておいたから…乾いたら持ってくるよ。」
「食器洗いくらい、いい言ってるのに。水道代くらい払えます〜!」
私がぶぅとふくれると、先生は真面目な顔して言った。
「いや、龍子が用意してくれたんだ。洗うくらいはさせてくれ。
あ、あと服は僕が汚してしまったし…責任をもってクリーニング代は支払います」
「は、はぁ……わかりました。」
「それと早く服を着て欲しい。目のやり場に…その…」
「え…あ、あ……あー」
やけに寒いと思ったら、私の身につけているものはショーツにブラウスだけだ。
裸ワイシャツとも取れる艶姿。
「先生……前をそんなにおっきくしていっても説得力ないですよーだ!」
459名無しさん@ピンキー:2009/12/21(月) 16:47:18 ID:N2W3guqB
私はそのままの姿で布団を剥いで、先生の顔を見て言った。
「龍子、早く服を着なさい」
「……先生はこのまま私が服を着ちゃっていいんだ?」
「…………」
先生が黙ってしまった。あははは、困ってる、困ってる。
まぁ、今日は大学の講義があるから大丈夫だろう。昨日の仕返しだ。
そのまま大学へと行ってもらうとしよう。
「なんちゃって、冗談でーす。服を着るから部屋に戻って――――――」
「はい、すいません。親戚に――不幸が――ええ――午後には間に合いますので…はい」
え……ケータイ出して、どこに電話してるんですか?午後には行けるって?
「大学には電話しておいたから、龍子の授業は休講だ。さぁ、二人だけの講義を始めよう」
「え…ええ!?」
あれだけしてまだするのか!?どれだけ溜め込んでたんだよ。
私は迫り来る先生から、じりじりと後ずさりしたが……トンッ……壁に背中が当たる。
退路が断たれたらしい。
「こ、この変態教師!エロ、バカ、先生なんて嫌い!」
「否定はしない…大好きだ、龍子!」

「や、やだ…あっん!んっ…た、立ったままなんて…べ、ベッドで」
「今更だよ…くっ…うっ」
キッチンの壁に手をついたまま、お尻だけ突き出して、立ちバック。
なんだかんだで濡れている私。
ブラウスを捲り上げられ、ショーツは膝までずりさげられて…お尻だけ
突き出すなんて最悪だ。
「も、もォ!変態、変態!んっうう」
「はっ…はっ…裸Yシャツの恩恵を受けられるなんて僕は幸せものだ」
「ひゃっ!?」
激しく腰を突きだし、先生は私の背中に舌を這わせた。生暖かい感触に
思わず背筋を反らせ、声を上げてしまった。
「胸…大きくなったね…これからいっぱい揉んであげる!」
むにゅむにゅと背後からおっぱいを揉みほぐし、乳首を指でくりくりと弄くる先生。
「そォ…そういうこと…あっ…い、言わないでっ!あんっんんっ!」
大学の講義が休講になったのはいいかもしれないけど…んっあっ…
はぁ…だ、ダメだ…もう何も考えられない…んんっ
「はぁっ出る…出るよ龍子!」
「あっ…は……はぁ…ダ、ダメ…イ、イッちゃ…」
「龍子、龍子、うっ!」
昨夜に引き続いて先生のアレがググッと大きくなって熱いモノ
が私の中に注がれる。ビクンビクンと波打つ下腹部。
こ、こんなにされたら……本当に赤ちゃんできちゃうかもしれないのに
「愛してるよ、龍子」
ちゅ…ちゅ…と啄むようなキスを首筋に受けながら、私はずるずると
脱力して、床にへたり込んだ。
「もう……エロ教師」

END
460名無しさん@ピンキー:2009/12/22(火) 00:02:44 ID:EEdLR5WM
>>458
GJ〜!!やっぱりこのスレの小説が一番ニヤニヤできるw


個人的には裸エプロンより裸ワイシャツの方が好きだ
461名無しさん@ピンキー:2009/12/22(火) 19:31:19 ID:f5JWtevy
大樹×穂波を書いている者です。
>>460から頂いて、裸ワイシャツ編を書きました。

エロなしです。
5レスお借りします。
462大樹×穂波(裸ワイシャツ編):2009/12/22(火) 19:31:50 ID:f5JWtevy
「はふう……」
エッチの後のだるいけど気持ちいい感じを堪能しながら腹這いでお布団に寝そべっていたら、久しぶりに大樹がおねだりをしてきた。
「ほーなーみーちゃんっ」
「なぁに?」
「元気になったらこれ着て、これ」
また、謎の要求……。
なだろう?
サンタ服は去年着たでしょー?
ミニスカートだと思って買ってきたら、普通の男の人用のサンタ服だったことに
もの凄い衝撃を受けて落ち込んでいた大樹を思い出して、くすくす笑っていると、
「なんだよ」
とふてくされた声が聞こえた。
「なんでもないよ」
もしかして、そのリベンジでミニスカートのサンタ服を買ってきたのかな?
と思いながら首だけ大樹の方に向けると、大樹はさっき脱いだワイシャツを手に持っていた。
そう言えば、上機嫌で帰ってきた大樹にいきなり襲われたんだっけ……。
「……着るって、それ?」
よっこいしょ、とお布団の上に身体を起こして、毛布で身体をくるむ。
「そうそう」
嬉しそうに頷く大樹。
「だって、それ、ワイシャツでしょー?」
コスプレっぽいものなら分からなくもないけど、なんでわざわざワイシャツなんだろう。
だったら、普通にパジャマでいいのに。
口に出して言った訳じゃないけど、大樹はそれを見抜いたみたいに解説を始めた。
「ワイシャツだっかっらっだ!
 俺としたことが、結婚して一年十ヵ月もの間、こんな大事なことを忘れていた!
 それは何故か!
 俺たちに恋人期間がなかったからだ!」
463大樹×穂波(裸ワイシャツ編):2009/12/22(火) 19:32:12 ID:f5JWtevy
「それって関係あるの?」
「ある!
 いいか。
 ワイシャツプレィ……、もとい、ワイシャツを女子が着るというのはだな、ロマンだ!」
裸エプロンの時もそんなことを言ってた気がするし、
失敗に終わったミニスカサンタの時もそんなことを言ってた。
ロマンが多いな、とも思うけど、テンションが上がって妄想を繰り広げてくれる大樹が面白いし、
ちょっとは興味もあったりするから、黙って拝聴。
「お泊りをする予定がなかったのに、恋人大樹のうちにお泊りをしちゃった穂波には
 朝起きて着るものがない訳だ」
昨日着てたものを着ればいいじゃん。
と思ってると、大樹がすかさずそこを拾う。
「昨日着てきたものを着ればいい、と穂波は言うかもしれない。
 がっ!
 ベッドの下に目を向けると、俺が脱いだワイシャツ。
 それを拾う穂波。
 ちょっと鼻を押し当ててみると俺の匂い。
 一回り大きいけど、ちょっと着てみようかな、なんて思っちゃう訳だ」
でも、傍に自分の服があったらそっちを着ると思うんだけど。
「『大樹は隣でまだ寝てるし、ちょっとくらい借りてもいいよね』」
大樹が私の口調を真似するのはもう慣れたから、ふーん、と言って先を促す。
「ベッドから起き出して、俺のワイシャツを着る穂波の気配に気づいて起きる俺」
結局、起きてるし……。
「『穂波……?おはよ』とか言う俺にびっくりして、『きゃっ』とか言っちゃったりなんかして」
「訂正を要求します。
 そこで私は『きゃっ』じゃなくて『うひゃぁっ!』って言うと思う」
「……確かに。
 じゃあ、『うひゃあ!』ってびっくりする。
 けど、おまえは、まだ眠い俺の方を見て、『ちょっと借りちゃった』と照れ笑いをする。
 これはかわいい!」
可愛い、で終わり?
そもそも、それがホントに可愛いのかどうか分からないし、
「……それで、何が得られるの?」
464大樹×穂波(裸ワイシャツ編):2009/12/22(火) 19:32:37 ID:f5JWtevy
大樹ならもっと視覚的な何かに訴える筈なのに、ここまでの話だとシチュエーションの話だけ。
そう思ってると、案の定、視覚的な話が追加された。
私の両肩に手を置いて、エッチなことを妄想している時、特有のにへら〜っとした顔で大樹は首を横に振った。
「いいか、穂波。
 俺の方が明らかに身体がでかい」
「それは……まあ、そうだね」
「そうすると、袖が指先しか出ない。
 指先も出ないかもしれない。
 そして、裾は膝より十センチくらい上なだけだ」
「そんなに長くはならないんじゃない?」
「だが、隠したいところは隠れる!」
隠したら文句言うくせに。
「そして、男物の服の中にはその美しい乳!
 ちょっと見える谷間がたまりませんッ!」
「ちゃんと着たら谷間は見えないとおも」
「ちゃんと閉めなくてよろしいっ!」
あー……、よく分からないこだわりが……。
こういうノリに慣れたせいで、呆れもしない。
むしろ、よく毎度これだけの男のロマンを持ち出してくるなあ、って純粋に感心してると、大樹がにっこり笑った。
「という訳なので、まだ朝じゃないし、もう夫婦で、ここは俺たち二人のうちだけど、着て」
「……どうせ着るまで納得しないんでしょー?」
「さすが穂波。
 良く分かってんじゃん」
そう言ってほっぺにちゅーはずるいでしょ。
そんなことしなくたって断らないけど、そんな風にされたら、もっと断れなくなる。
でも、そう思われるのはちょっと悔しいからわざと呆れたふりをして、
「分かりましたー。
 じゃ、それ貸して」
と、私は大樹に手を差し出した。
465大樹×穂波(裸ワイシャツ編):2009/12/22(火) 19:33:03 ID:f5JWtevy
ワイシャツを私に渡すと、大樹は後ろを向いた。
大樹の変なところ。
着替える私を極力見ない。
脱がすのは好きなくせに、エッチの後も普段の生活でも極力見ないし、特にこういう時は絶対見ない。
でも、私はそんな大樹の背中を見るのが好きだから、大樹の方を見ながら服を着る。
今日もはだかんぼのまんま、そわそわした感じでむこうを見てる大樹の背中を見ながら
大樹のワイシャツを着てると、なんだかドキドキしてきた。
確かに大樹の匂いがふわっとする。
大樹の匂いなのに、大樹にくっついてる時に感じるのとはちょっとだけ違う匂い。
ご希望に合わせて、胸のボタンは谷間が見える程度に開けておく。
手を伸ばしてみたら指の第一関節から先がやっと出るくらいだった。
やっぱり大樹は大きい。
裾をちょっと直して、
「着たよー」
と声をかけると、大樹はこっちを向いて、
「おおっ!」
って声を上げた。
上から下までしげしげと眺めてくる視線にドキドキして、大樹の顔を正視できない。
ワイシャツなんて全然重さがないのに、大樹に抱っこされてるような不思議な感じがする。
なのに、大樹本人は目の前に居て、私を見てる。
「ね、もう脱いでいい?」
「だーめ。
 な、ちょっと立ってみて」
「あう……」
下に何にも着けてないのに、この裾の短さは恥ずかしい。
でも、私も大樹のスケベにだいぶ汚染されてるらしくて、恥ずかしいのに嫌じゃない。
裾がめくれないように前の方を押さえながら立つと、大樹が、
「ぐふうっ!」
と悶えた。
466大樹×穂波(裸ワイシャツ編):2009/12/22(火) 19:33:25 ID:f5JWtevy
「な、なにっ!?」
「いや、何って、思ってたより短くて、押さえてる手がなんかちょびっとでてるだけで……。
 ほら、あれだ。
 『萌えー』ってやつ?」
「大樹、私が何かするといっつもそれ言ってるし、『萌えー』ってもうだいぶ死語になってきてない?」
そもそも、実際に言ってる人なんて、大樹しか見たことない。
「死語になっていても萌えるものは萌えるんだから仕方がない。
 要するに、だ、めちゃくちゃ可愛い、ツボ、もう一回やりたい」
結局そこか。
まあ、いいけどね。
可愛いって言ってっくれたし、なんだか、大樹に抱っこされてないのにされてるようなこの感じはすごく落ち着かない。
もう一回、大樹にぎゅっとしてほしいし、大樹がエッチな目で見てくるから、私もそんな気分になっちゃってるし。
「ん……いいよ。
 もう一回……しよ」
立ったばっかりだったけど、私は大樹の前に膝をついて、大樹に手を伸ばした。
大樹も手を伸ばしてくれる。
軽くちゅってキスしてから、ぎゅうって抱きつく。
やっと安心する。
そっか、なんか落ち着かなかったのって、大樹の体温と腕の力強さが無かったからだ。
「えへー」
大樹に頬ずりすると、大樹もお返しにほっぺを押しつけてくれた。
お布団に押し倒されながら、明日の朝、大樹が起きた時にこれを着てたら喜んでくれるかな、なんてことを考える。
でも、明日は無理かも。
大樹はこのままでエッチするつもりらしいから、皺くちゃになり過ぎるか……ちょっと汚れちゃうかもね。
だから、大樹が忘れた頃にこれを着て驚かそう。

(了)
467名無しさん@ピンキー:2009/12/22(火) 19:56:33 ID:IKL/yv3g
>>461
おぉ、お久しぶりですGJ!!
自分は>>460の書き込みした者ですが、この時考えてた事をまんま大樹が代弁してくれてワロタw
468名無しさん@ピンキー:2009/12/22(火) 20:23:58 ID:SgUYUhCK
>>461
GJです!
この夫婦好きだー。ニヤニヤが止まらない。
469名無しさん@ピンキー:2009/12/22(火) 21:21:23 ID:QH1RQPxt
大樹×穂波キタ――(゚∀゚)――!!
GJなんだぜ!
470名無しさん@ピンキー:2009/12/23(水) 11:27:59 ID:VIdxcEPw
ありがとうございました!!!!
穂波“萌え〜”ww
471名無しさん@ピンキー:2009/12/23(水) 17:25:21 ID:xhdHvSMs
素晴らしい!
穂波の萌え…次は穂波の一人エッチが読んでみたい
472名無しさん@ピンキー:2009/12/23(水) 23:57:01 ID:rTHp0Az5
今度結婚するんだが俺と嫁の周りの関係が
妙にややこしい
俺には10歳歳上の兄貴が居て4歳歳下の妹が居る
そして兄貴は俺が13歳の時に結婚した
相手は俺の学校の担任でしかも妹の友達の母
そんで今の俺の嫁が兄貴の妻の前の旦那の妹

ややこしいってより世界狭いな
473名無しさん@ピンキー:2009/12/24(木) 01:33:00 ID:2+9PCWEB
ややこしすぎて声に出して確認しながら読んじゃったじゃないかw

とにかく結婚おめでとう!幸せになれよ〜
474名無しさん@ピンキー:2009/12/24(木) 09:28:56 ID:wuZ9Ogmy
>>472
なんで兄嫁さんは離婚したのか知らないが、
自分が兄嫁の立場だったら地獄だな。
元夫の妹とそんなに近い関係になるわけだ。
配慮してあげた方が良さそう。
自分もバツイチで、元夫の姉妹に苦しめられたから
そう思うだけかもしれんが。
475名無しさん@ピンキー:2009/12/24(木) 13:22:05 ID:kIipNj67
>>474
兄貴の妻の前の旦那は事故で亡くなったんだ
476名無しさん@ピンキー:2009/12/24(木) 22:51:45 ID:KnInNjla
急に重くなったな
477名無しさん@ピンキー:2009/12/25(金) 02:35:43 ID:IBF0OrZv
そもそも板違い
478名無しさん@ピンキー:2009/12/25(金) 08:32:42 ID:Ct2H+OH9
まぁまぁまぁまぁ

今日は、メリークリスマスですよ。
サンタコスの嫁はまだですか?
479名無しさん@ピンキー:2009/12/25(金) 12:12:23 ID:JiMzVm6e
ドンタコスのイントネーションで読んでしまった
480名無しさん@ピンキー:2009/12/31(木) 02:59:51 ID:U0rlwkAk
お年玉ちょうだい
481名無しさん@ピンキー:2010/01/06(水) 20:01:17 ID:9mS3B2pT
保守
482名無しさん@ピンキー:2010/01/11(月) 23:00:43 ID:kwrT2MYw
保守
483名無しさん@ピンキー:2010/01/15(金) 20:50:46 ID:SmBWQIVp
穂波をお願いします。
484名無しさん@ピンキー:2010/01/16(土) 01:10:46 ID:AGFwmQzQ
穂波のコスプレ編が読みたい
個人的にはスーツスカートの黒タイツ付で。
……いや、胴着+スパッツも捨てがたい
485名無しさん@ピンキー:2010/01/22(金) 22:48:41 ID:gnOaQWrT
保守・・・全裸で。
でも寒い。
486名無しさん@ピンキー:2010/01/23(土) 20:56:43 ID:4OWQk/k+
密かに通販で買ったセクシーな下着で待機してる嫁とか
487名無しさん@ピンキー:2010/01/28(木) 09:00:24 ID:4U9pMGjM
穂波は水着もまだ無いぞ!
488名無しさん@ピンキー:2010/01/28(木) 19:40:23 ID:mzyfIIT6
穂波カモーン
489名無しさん@ピンキー:2010/02/01(月) 21:58:18 ID:kJcOu7zL
保守
490名無しさん@ピンキー:2010/02/01(月) 22:23:47 ID:zMLrLkLE
俺の香子はいずこへ
491名無しさん@ピンキー:2010/02/02(火) 17:52:15 ID:eovLvtk1
492名無しさん@ピンキー:2010/02/03(水) 01:28:08 ID:Z30L2S2F
結婚ていいもんだなぁ
493名無しさん@ピンキー:2010/02/10(水) 09:07:52 ID:oo3FLfnu
保守
494名無しさん@ピンキー:2010/02/15(月) 00:15:19 ID:H9bqrMwo
夫にチョコは!??
495名無しさん@ピンキー:2010/02/15(月) 13:39:28 ID:Am+YCHNe
私を食べてw
496名無しさん@ピンキー:2010/02/16(火) 01:04:13 ID:r5i/4Zq/
俺の幼馴染Aは昔っから負けず嫌いというか、俺から物を頼まないと何かをしてくれない奴だった。
で宿題とか遊びくらいならこっちから切り出せるが、バレンタインとなると別じゃないか。
クラスの奴がいる前で「ギブミーチョコ!」なんて戦後のガキみたいな事言えないし。
だから小学校の頃から都合6年になるかな、ずっと言った事がなかった。

でも大学生んなって、そん年のバレンタインは俺、酒が入ってたんだ。
だから街でたまたま見つけた(友達と喫茶店にいた)Aに「チョコくれよ」とかほざいた。
そしたらA、少し固まった後、渋々という感じで鞄からチョコを取り出したんだ。
Aからの初チョコになるそれは、すげえ可愛いやつだった。
陶器に入ってて、蓋の部分に犬が彫られてるの。
Aはそれ放るようにしてこっちに渡して、ミルクティーを啜る事に没頭し始めた。
隣でAの友人がクスクス笑ってた。

チョコはさっさと食っちまったが、その陶器犬は今でもウチのピアノの上にある。
で、それを渡したAは今台所でブリ大根煮てる。
今年もバレンタインの季節が来たので、俺は毎年の如くからかってみる。
「ねぇあれ渡した時どんな気持ち?ねぇどんな気持ち?」
ハッハッ言いながら嫁の背後で揺れると、嫁は心底うざそうな顔で毎年の如く答える。
曰く自分はもてたから、俺意外に渡した奴は何人もいただの、
そういう人気者の女子は予備のチョコを買っておくもので、あの時のはその予備だの。

そうだね、予備だね。俺はそんな事を答えながら、こいつ本当にバカだなーと思う。
毎年毎年こんなやりとりをして、いい加減気付いても良さそうなものだ。
俺は真実を知っている。Aの友人が暴露している。

Aはたかが予備の犬チョコを買う為に、百貨店で小一時間以上もうんうん唸っていたそうだ。
497名無しさん@ピンキー:2010/02/16(火) 08:44:21 ID:50Zrh0iT
>>496
で、どうやってブリ大根を作らせるに至ったのかね?
498名無しさん@ピンキー:2010/02/24(水) 21:26:42 ID:+H0w2doV
夫婦でフィギュアスケートのペアやってるケースは結構多いよな。
試合でぴったり息を合わせられるカップルは、ベッドの上でも
相性抜群に違いない、という電波を受信したw

逆に試合で結果を出すにはお互いの身体を知り尽くさなければ!
と、夜の運動に励むのもいい。

「またイくタイミングがずれた…」
「こんなのじゃメダルは狙えない、二人同時にイくまで何度でも練習よ!」
とか。
499名無しさん@ピンキー:2010/02/24(水) 21:42:18 ID:Fz/QDoYi
氷の上のプロポーズとかあったね
500名無しさん@ピンキー:2010/02/25(木) 06:28:32 ID:Q0hJ4H+M
あれだけ身体を密着させて、お互いのタイミングを計ったり、
アイコンタクトとかしてたら、そりゃ愛も芽生えるだろうなーと思う
そういうその道のプロ同士のストイック夫婦とかも萌えるかも

ストイックなプロが家に帰ったら、仕事や競技のことは忘れて、
素人な嫁か旦那とまったりラブラブもいいけどな!
501名無しさん@ピンキー:2010/02/25(木) 16:49:38 ID:SYTLmDPv
身体を合わせて演技しているうちにお互い欲情が抑えきれなくなって、
休憩の時、密かに合体して火照りを冷ます選手夫婦、というも萌える。

人目を気にしながら締め切った控え室やトイレで睦み合い、
舌を絡ませてキスしながら、我慢汁や愛液で濡れそぼった
互いの競技用下着をまさぐりあう夫と妻。
挿入したら完璧にタイミングを合わせてお互いを高めあい、
全く同時にフィニッシュ。
余韻に浸りながら、やっぱり自分達はベストパートナーなんだと
ますます信頼感を強くする。

競技開始前にも同じようにヤッちゃって、
メダル獲得だけじゃなく子供まで授かったら言うことなし。
502名無しさん@ピンキー:2010/02/25(木) 21:36:28 ID:eeOpDfYs
アイスダンスもカップルが夫婦になるパターン多いな。
コーチとデキることも多いが。

特にロバチェワ・アベルブフ組の幼なじみラブラブカップルっぷりとか
デンコワ・スタビスキー組のデンコに何度もプロポーズしてるけど
いつもかわされて、それでもめげずに演技終了後いつもキスしちゃうスタビとか
好きだったなあ〜。
503名無しさん@ピンキー:2010/02/26(金) 05:38:58 ID:83RxOC1q
大事な試合が終わるまで禁欲生活でイライラ悶々
あいつら離婚すんじゃね?大丈夫か?っていうくらい夫婦間ギスギス
試合が終わった途端にセックス解禁
一晩中かけて溜まった欲求を解消、鍛えた身体で体力・精力・柔軟性などフル活用
次の日、元の仲良し夫婦に戻りました、とかお約束萌え
504名無しさん@ピンキー:2010/02/26(金) 19:01:49 ID:MiPEVNrr
>>502
なに、そのステキ話!?!?!?!?
505名無しさん@ピンキー:2010/02/26(金) 20:29:59 ID:uLkIiVl1
巣旅って、ジュベールのコーチやってるもっさりした人?
506名無しさん@ピンキー:2010/02/26(金) 22:20:03 ID:bugHpku+
そう。スタビ太ったよな...
507名無しさん@ピンキー:2010/02/27(土) 13:53:26 ID:XR0Xg/bx
互いに高いプロ意識を持つストイックさゆえ、家庭に戻ってもしばしば真剣な議論を交わしてしまう二人
しかしどんなに殺伐とした口論になろうとも、決して崩れぬ二人の絆が会話に垣間見える

そんな夫婦、素敵じゃないですか?
508名無しさん@ピンキー:2010/03/02(火) 21:56:37 ID:DFZKpS44
今日、選手団帰国のニュース見てたけど、
皆川&上村夫婦見て、ここ思い出したw
509名無しさん@ピンキー:2010/03/03(水) 10:51:59 ID:Ifte7QEd
>>508
閉会式の様子も仲良さげで萌えた
510名無しさん@ピンキー:2010/03/03(水) 18:47:58 ID:l0+Su8c1
>>507
とても素敵だと思います

>>508>>509
あの夫婦見てるとほんとにお互いのこと理解し合ってるんだなというか支え合ってるんだなと思う
次こそはメダル持って笑いあってる二人が見れると良いな

アスリート夫婦と言えばクルム伊達公子さんとその旦那さんもイイ!
511名無しさん@ピンキー:2010/03/03(水) 22:18:10 ID:evYDyNB0
アスリート夫婦なら、個人的には朝原さんご夫妻がイイなあ。
512名無しさん@ピンキー:2010/03/05(金) 01:35:10 ID:PcrYfqs3
フィギュアペア金の中国夫婦はエキシビション滑り終わってからキスしてたな。
優勝後の記者会見では「そろそろ子作りだね!」と世界発信していたし。
513名無しさん@ピンキー:2010/03/05(金) 04:38:14 ID:9Bx+XTeh
>>510
おねい乙。

ダンスといえば、女性の華やかさをアピールする為か男性は引き立て役な
ポジションのカップルが多い。トリノ金のナフカ・コストマロフ組とか
ソルトレイク金のアニシナ・ペーゼラ組とか。ぶっちゃけ女王様と下僕みたいな。
しかしオフアイスまたはプライベートでは立場逆転みたいなギャップものも萌える。
オフィスものなら女性上司と男性部下、しかし家ではデレな奥さんをリードする旦那さん。
514名無しさん@ピンキー:2010/03/05(金) 21:29:57 ID:Dd/oAxCv
おねいって何?
515名無しさん@ピンキー:2010/03/06(土) 12:22:13 ID:vNpb/Mys
3歳年上の嫁と初夜の時嫁がチンコ撫でながら
Fカップ乳を体に押し付けて耳舐めながら
「おっぱいで挟んであげよっか?」
って言われた時は興奮し過ぎてパンツの中に
盛大に射精してしまったな。あれは恥ずかしかった

もう一回嫁に会いたいなぁ…はぁ
516名無しさん@ピンキー:2010/03/07(日) 00:06:33 ID:YHgDtKnY
嫁←もうこの漢字で抜ける
517名無しさん@ピンキー:2010/03/14(日) 21:53:47 ID:l9ZbPg+z
保守上げ
518名無しさん@ピンキー:2010/03/15(月) 22:09:37 ID:e+Nq0ZHv
>>514
秋篠宮佳子内親王殿下のならいごとの先生でいらっしゃいます
本名は樋口豊先生とおっしゃいます
人を誉めるとき「素敵です」と云うのが口癖です
「高橋選手も素敵でしたがバトル選手も素敵だったので悩ましいですね」
という名台詞が残っています
なお今季高橋大輔や鈴木明子に振付した日本人の宮本賢二氏はおねいの弟子です
つまり宮本氏は佳子様の兄弟子ということになります
519名無しさん@ピンキー:2010/03/23(火) 18:49:57 ID:GohweIKX
ベタだけどやっぱり>>1に書いてる政略結婚で好きでもない男に嫁がされる薄幸の美少女に興奮するな
もちろん相手は見た目が悪くて酷薄で評判も最悪な奴で自身も相手に売り飛ばされた性奴隷も同然
でもなんだかんだで交流したりで男も過去に色々あったという事を知り、この相手の妻でも良いかなって思う過程に萌える。
520名無しさん@ピンキー:2010/03/24(水) 19:09:40 ID:gGeBAFOX
お嬢様を無理矢理手篭めにしてお嫁さんにしたいよぉ
521名無しさん@ピンキー:2010/03/30(火) 12:07:30 ID:SKKs0F3m
保守
522名無しさん@ピンキー:2010/04/01(木) 21:26:25 ID:pkmmOzn/
エイプリルフールだけど特に何もなしか
523名無しさん@ピンキー:2010/04/10(土) 01:39:38 ID:v7+zKq2b
職人さんたちカムバックプリーズ
524名無しさん@ピンキー:2010/04/11(日) 00:09:51 ID:GWeNQH1l
職人さんに見捨てられたのか……
525名無しさん@ピンキー:2010/04/12(月) 07:24:45 ID:iTuO8R4Y
ここのところ規制続きだったからそれが関係してるのかも
久しぶりに甘々な夫婦ものが読みたいなぁ…
526名無しさん@ピンキー:2010/04/14(水) 19:46:15 ID:vwsCHpwc
この前読んだメンズヤングの新婚物が良かった。
旦那にレイプされるって演技(あくまで演技)してる嫁さんって萌えるよな。
527名無しさん@ピンキー:2010/04/23(金) 20:12:59 ID:DCDidwNj
ほっしゅ
528名無しさん@ピンキー:2010/04/25(日) 16:04:30 ID:XKtXWuun
先週。遂に1個上の彼女と夫婦になれた

中2の夏休みに告白して12年。長い道のりだったぜ
当時包茎だった俺のも今じゃほぼズルムケ
当時Bだった彼女の胸も今じゃ綺麗なE

でもまだまだこのスレに居座らせてもらうぞ
529名無しさん@ピンキー:2010/04/25(日) 21:39:39 ID:eLTvVsYo
>>528オメ
さあ早くその巨乳嫁とのめくるめく日々を文章にする作業に入るんだ
530名無しさん@ピンキー:2010/04/26(月) 20:04:03 ID:B6zvSzw7
>>528
おい、早く目を覚ませ。それは全部夢だ。幻だ。
531名無しさん@ピンキー:2010/04/26(月) 23:25:51 ID:AvW06iFq
夢でも現実でも良いけど>>528はそれを文章化してこのスレに投下するべき
532名無しさん@ピンキー:2010/04/29(木) 14:43:10 ID:+XxRhQUS
533名無しさん@ピンキー:2010/04/29(木) 20:48:58 ID:Ui2oVz1J
今更だけど、>>277の続き読みたいです!
534名無しさん@ピンキー:2010/04/30(金) 04:49:15 ID:dKXPqTxF
>>532
わろたw
535名無しさん@ピンキー:2010/04/30(金) 16:31:58 ID:Ox4ojbSD
現実とはかくも悲しき……
それはともかく子供の頃から付き合ってた巨乳嫁とかそれなんてエロゲ
期待
536名無しさん@ピンキー:2010/05/01(土) 14:59:51 ID:ur9SMc3b
偽装嫁との同居生活をしてる俺がこのスレに来ましたよ
537名無しさん@ピンキー:2010/05/02(日) 02:21:41 ID:66x/lnTc
>>偽装嫁
工作員みたいだなあ……新婚夫婦に偽装した諜報員二名が本当に結婚とか言う電波を受信した。
こんな感じ

上司「君達にはマルタイの自宅近辺に潜伏してもらう。期間は二年間だ。」
男・女「「了解しました。」」

男「すみません、引っ越してきた者ですけど…」
………
オバちゃん「若くてキレーな奥さんやねー。大事にせんとアカンでアンタ。」

女「マルタイ、家を出ました。454と329が監視についたようです。」

一年後
上司「675と453から手紙だと?暗号かもしれん。こちらに回せ。」

“結婚しました。 ○田○男・○子”

上司「■山夫婦の役じゃ満足できなかったのか?というか妊娠してるし……」

538名無しさん@ピンキー:2010/05/02(日) 16:36:28 ID:XuiuqqKj
>>536
「となり町戦争」の香西さんみたいな感じか
539名無しさん@ピンキー:2010/05/05(水) 10:36:14 ID:w9I9Erkf
>>537
パンプキンシザーズの夫婦装って?敵国に潜入してた人の話思いだした
540名無しさん@ピンキー:2010/05/05(水) 14:13:49 ID:CuVcTFCl
形から入った二人がいかにして結ばれていくかが萌えどころか
541名無しさん@ピンキー:2010/05/07(金) 21:20:17 ID:hxyejOcw
やはり無理矢理嫌な男に嫁がされた女の子が
徐々に夫婦になって行く様を見たい
542名無しさん@ピンキー:2010/05/08(土) 02:34:23 ID:aKcHcqCW
>>540-541
男は勿論評判の悪い奴で女の方は男を恐がって怯えてるんですよね
543名無しさん@ピンキー:2010/05/09(日) 02:22:16 ID:f8R3nCkE
ところが男の悪評も実は誤解で、本当はいい奴というパターンだとなお良い
544名無しさん@ピンキー:2010/05/09(日) 05:33:12 ID:oJ3El3k4
おまいら、ハデペルって言葉に心当たりはないか?
545名無しさん@ピンキー:2010/05/09(日) 10:40:50 ID:emAQeDWw
知らない…何それ?
546名無しさん@ピンキー:2010/05/09(日) 10:58:08 ID:0sw8UDSB
ハデスとペルセポネー。
ギリシャ神話。
内容は>>541-543
547名無しさん@ピンキー:2010/05/14(金) 10:30:50 ID:+nx4WwML
>>541 朝ドラ!
見合い後たった5日で挙式、片腕で10才も年上で貧乏な男に嫁がされたヒロインが、
だんだんお互いを知り合って好意を抱いていく様子がまさにそんな感じ
毎朝萌えてる
548名無しさん@ピンキー:2010/05/14(金) 17:27:49 ID:ylTsdjU9
>>541
今そういうやつ書いてるけど規制くらってる…
緩和してー!!
549名無しさん@ピンキー:2010/05/15(土) 00:08:24 ID:5rynHNsf
>>548
待ってる
550名無しさん@ピンキー:2010/05/17(月) 19:09:30 ID:V/qufkmC
>>548
支援!
551名無しさん@ピンキー:2010/05/18(火) 22:33:10 ID:Il3wnsMp
終了
552名無しさん@ピンキー:2010/05/19(水) 10:03:45 ID:BEyWmyiH
あげ
553名無しさん@ピンキー:2010/05/20(木) 10:49:35 ID:bLUdBwx+
>>547
ガリ版のチラシをめぐってじゃれあったり、
夫の手の爪を切ってあげたり(片腕だから自分ではできない)、
今朝は萌えなシーンがあったね。
554名無しさん@ピンキー:2010/05/30(日) 20:08:46 ID:pmrcLgpd
保守
555名無しさん@ピンキー:2010/05/31(月) 02:26:06 ID:POJk8NZs
今の朝ドラの夫婦は禿しく宜しい
来週嫁が妊娠するらしいが
いつことに及んだか匂わせないのがある意味凄い
片腕でもお勤めは出来ると思うが、嫁は処女だし大変そうだ
556名無しさん@ピンキー:2010/05/31(月) 20:29:11 ID:xadAQjC9
>>555
スレチだ馬鹿
消えろ!
557名無しさん@ピンキー:2010/06/01(火) 01:25:48 ID:u5+b5Dp2
上げてまで罵倒せんでも…
しかし最近投下無いな
書き手募集スレにでも行ってくるか
558名無しさん@ピンキー:2010/06/03(木) 14:24:13 ID:6iwRu0mQ
てすてす
559久々系まったり四十路夫婦:2010/06/03(木) 14:30:57 ID:6iwRu0mQ
書き込めたので初投下。
上の人とは別人。

題名通り、子どももいる四十路夫婦の話。
ただ四十路っぽさって難しい。
最初はただの設定なのでご了承ください。
560久々系まったり四十路夫婦@:2010/06/03(木) 14:34:11 ID:6iwRu0mQ
うきうきとした気分で家路を辿る。
そんなに飲んでいないのに足取りが弾むのはあの2人のおかげ、かな。
早苗の住む家はもうすぐそこ。明かりが点いている。夫はまだ起きているようだ。
出迎えてくれたら、いや、そうじゃなくてもちょっと抱きついてみよう。
驚いた夫の顔を思い浮かべ忍び笑いを漏らすと、早苗は少しだけスキップしながら家路を急いだ。
早苗は市内の美容クリニックで医療事務として働いている。
結婚するまで看護師として働いていた経験を生かし、子育てが一段落した機会に
以前から顔見知りだった院長夫人に頼まれ受付を引き受けたのだ。
個人クリニックということで人間関係に不安もあったが、穏やかな院長夫妻のおかげが
院内のことで悩むことはほとんどない。
というより最近はかなり楽しみが多い。
院長夫妻の息子が、跡を継ぐために地元の大学病院から戻ってきたのだ。
そしてどうやらスタッフの飯島佐和子と最近いい仲、らしいのだ。
といっても両者ともに片思いだと思い込み、押しの一手に欠ける状況を
院長夫人とともに時にニヤニヤ、時にじれじれとした気分で見守る毎日。
今日は思い切って2人を飲みに誘ってみたのだが、途中で馬鹿らしくなってしまい出てきてしまった。
酔った頭ではもうなにを言ったのかも覚えていないが、
唖然とした2人の顔からしてとんでもないことを言ったのだろう。
いいじゃないか。私だってたまにはいちゃいちゃしたいんだ!
ふわふわとした思考のまま自宅の呼び鈴を鳴らす。
「…………なによ、もう」
出てこない。
もう一回鳴らしたところでがちゃっ、と音がして扉の向こうから不機嫌な夫の顔が見えた。
「鍵なくしたのか?」
「……なくしてない」
なら自分で開けろ、と言わんばかりにため息を吐くとそのままリビングに入っていく。
一気に気持ちが冷める。玄関でぐずぐずと靴を脱いでも物音一つしない。
そうだ、結婚してもう何年経ったと思っているんだ。
息子たちも家を出て、仲は悪くなくてももう私たちは夫婦というより家族で。
「うぅー……、っ、もうなんなのよー……」
でも、若いカップルを見たあと浮かれて帰ってきてちょっと甘えたいこの気持ちを分かりなさいよ!
無茶な考えなのはわかりつつも涙はにじんできて、力の入らない体をそのままに早苗は玄関にうずくまった。
急激に襲ってくる眠気。このまま寝てやる。
「ばー、か……」


******
561久々系まったり四十路夫婦A:2010/06/03(木) 14:35:02 ID:6iwRu0mQ


「――ろ。――ぃ、さなえ、起きろ」
ぺちぺちと頬を叩かれる感触に私はのろのろと瞼を持ち上げた。
「玄関で寝るな。いくつだと思っているんだ」
かがみ込んで眉間に皺を寄せながら水の入ったグラスを差し出された。
身を起こせばそこはまだ玄関。そう時間は経っていないようだ。
「――まって」
そのまま立ち去ろうとした夫の手を掴んだ。久し振りの感触に少し緊張してしまう。
夫の方も驚いたようで、戸惑い気味にこちらを振り向く。
「このまま、寝るの?」
「……あぁ」
「明日は予定ないのよね」
うん、と首を振った夫に数秒逡巡して、勇気を出してみる。
「明日のお昼、外で食べません?」
「………………」
……夫、機能停止。
よっこいしょーとかけ声をあげながら起き上がり、夫の頭をひっ掴んで髪の毛を掻きあげる。
「ばっ、お、早苗なにするんだ!」
ふむ、耳は赤い。意味は通じたみたいだ。
「なにって……、お誘い?」
首を傾げながら見つめたら更に耳が赤くなった。
付き合っているときから、私がいわゆるその、夜のお誘いをするときの誘い文句がこれだった。
抱き合うのはたいてい休みの前日で。翌朝は寝坊して昼頃にどこかでご飯を食べる。
子どもが生まれてからはほとんどなくなった習慣。まあ当たり前か。
「こんなオバサンじゃいや? 気持ち悪い? 勃つものも勃たない? ……ぃたっ」
べし、とおでこをはたかれた。
「馬鹿、もう少し言葉を選べ」
「へっへっへ」
馬鹿と言われて本当に馬鹿みたいな笑い声をあげてしまった。
だって、たしなめるようにおでこを叩くのは結婚前の彼の癖だったのだ。
これはいい感じの雰囲気になってきたかもしれない。
「はい、修司さん、ぎゅーっ」
「はいはい。酔っ払いは早く寝るんだな」
あら?
「え、ちょっと修司さん?」
脇から腕を回されて私は引きずられるように寝室へ連れて行かれる。
「え、え、待ってなんでっ?」
そのまま色気もなにもなく2人のベッドに放り出された。
「服は自分で脱げるだろ?」
いやいや、そうじゃなくてね。あー、もう。
「そーですよねそーですよね。
 こーんな子ども2人産んだしわしわのオバサンなんか見たくもないですよねー」
こっちだって酔った勢いとはいえ多少の羞恥に耐えて誘っている。なのになんなんだ。
やさぐれた気分になった私はもぞもぞと着替えようとして、……脱げない。
ボタンをはずし忘れたまま頭から脱ごうとしてしまったのだ。
562久々系まったり四十路夫婦B:2010/06/03(木) 14:41:58 ID:6iwRu0mQ
「あー……。君は子どもか」
呆れた声に涙が滲む。けどここで泣いたら確実に子どもだ。肌たるたるでしわしわの子ども。最悪。
ボタンを外してもらった私は脱ぎ終わった後に小さくお礼を言う。
今日はもうこのまま大人しく寝よう。ブラもショーツもオバサン仕様のゴツいベージュだし。
ハンガーにかけるのめんどくさいなあ。畳んで置いとけばいっか。
「……どうしたの?」
「いや……」
所在なさげに立ち尽くす夫を見上げる。
「君は」
はあ。
「……しわしわではない」
はい?
「それに君がおばさんなら僕も立派なおじさんだ」
「………………」
これは。まさかとは思うが。
「――もしかして、慰めてる?」
「あと、僕には酔った女性をどうこうしようという趣味はない」
酔った女性。どうこう。女性。あたし? いや確かに立派に女性ですよ。しかし女性って。
呆然とした私の反応をどう思ったのか、夫はふいと背を向けてベッドの端に腰掛けてしまった。
これはもしや拗ねている? いやいや。この人とうに40歳過ぎたいい大人ですよ。
でも、ここからでも耳の縁が赤いのは確認できて。照れているときの貧乏揺すりはこの人の癖で。
――あー、もうっ。
「照れないで、よっ!」
「うわっ」
背中にタックル。年甲斐もなくとか考えない。お腹に手を回して左の肩甲骨に額を当てる。暖かい。
「ねぇ」
「なんだ」
「あたし、しわしわじゃない?」
「……ない」
「でも妊娠線はあるし確実に胸とかお腹とかたるたるになっていてセルライトもあるわよ?」
「タルタルって。おまえなあ……」
がっくし、と肩を落とす。さすがに呆れられたかなと不安になり腕の力を緩めた。
「――何年夫婦やってると思っているんだ」
「……え、あ、ちょっと待っ――」
押し倒された。わからない。私は夫の何かスイッチを押したらしい。
スカートからスリップが引き出され、背中に回された手が慣れた手つきでホックを外す。
「待って、修司さん、あのね」
「先に誘ったのは君だろう」
確かにそうなんだけど。そう言われると傷ついてしまうのが女のめんどくさいところで。
「や、もう、ほんとに……」
ばたばたと抵抗したら脱いだスリップとブラジャーで両腕を頭上に縛られてしまった。
野性的ですね、ダンナ。
563久々系まったり四十路夫婦C:2010/06/03(木) 14:42:33 ID:6iwRu0mQ
「こんな……。いくらなんでも」
夫は答えてくれない。なのに余裕のなさが垣間見えて不覚にもときめいてしまう。
顔を近づけてキスをねだれば、一瞬の躊躇のあとに深い口づけが落ちてきた。
「ふ、んんっ、……ぁあっ」
夫が寝酒に飲んでいたであろう日本酒の味が僅かに舌をさす。
両手でこねるように強く胸を揉みしだかれ下半身が疼く。私の好きな愛撫。
「あ、あ、んぅ……」
耳の下をひと舐めした後は乳房を軽く噛んで。そして右側は尖った部分を指で弾かれ、
左側は舌先で思うがままに嬲られる。
ちらりと見た光景は見慣れたもので、なのになぜか目が離せない。
久しぶりだからか。それとも腕を拘束されているからだろうか。
記憶の中の手順と冷静に重ね合わせている一方で、頭の中はじわじわと熱に侵され始める。
「ね、これとって……」
腕でベッドを叩くと案外あっさりと外してくれた。軽く腕を振って血行を取り戻す。
そのままぐしゃぐしゃになったスカートも、えいやと脱ぎ捨てた。服のしわなんか今更だ。
再び尖った部分に舌を這わせている夫の頭に手をおいて髪をかき乱す。
そしてそのまま右手を滑らせて少し弛みを見せる背中をゆっくりと撫でた。
「あ……、はあ、んっ」
ストッキングが丁寧に、そして素早く下ろされる。形を確かめるようにお尻を撫でられて瞬時に顔が熱くなった。
「形わるくなったでしょ」
「……気にならない」
「もう……、っあん」
またもや微妙な言い方をされて声を上げれば間から手を差し込まれてしまった。
そのまま足を開くよう促される。久々だとやっぱり恥ずかしいし、かなり滑稽だと感じる格好。
「んっ、ふ。あ、っつ……」
指が入ってきたそこはちゃんと濡れていたけれど、いきなり指を入れてこられるにはまだ足りない。
なのに、少しでも濡れていたらそうするのは何回言っても直らない夫の癖だ。
そのままくにくにと中を広げながら親指でその上の突起を押しつぶすようにきつく摘まれる。
「ん、っ、あ、ああ……っ」
これは好きな痛さ。
普段でも下着の上からわかるほど大きい私のそれを、夫はきちんと弄んでくれるのだ。
お風呂に入っていない時に舐めるのは遠慮してほしいので、
もうそろそろ、と思ったところで私を見つめる夫に目で合図し、ゆっくりと上体を起こす。
ティッシュを渡して指を拭ってもらい私はパジャマのズボンに手をかけた。
夫のそこはまだ首をもたげ始めた程度。ゆっくりと手でしごきながら口の中に唾をためる。
「っ…………」
裏筋を撫でると予想以上の反応だったが、夫からは吐息一つ漏れない。
564久々系まったり四十路夫婦D:2010/06/03(木) 14:45:20 ID:6iwRu0mQ
一気に対抗心が芽生えて先の部分からくわえる。久々なのでいきなり全部は厳しい。
「う、ぁ……っ」
「ん、む……、んんっ」
よし、反応あり。
味や匂いの覚悟をしていたけど意外となんでもなくて、体が覚えている通りに愛撫する。
多少下手でも丁寧に、あんなところこんなところを愛を持って扱うのが大事。
さっきから背中から脇にかけて指先で軽く撫でられているけど、私は負けない。
「っ、早苗、もういいから」
にじみ出てくるところを舌先でぐりぐり攻めたところで頭を優しく叩かれた。
一定の勝利に満足しながら口元を拭う。
「上くるか?」
「へっ!?」
後ろを向いてゴムを着けていた夫が振り向く。
「あれ、好きじゃなかったっけ」
「いやいやいや」
好きですよ。ええ対面座位とか騎乗位とか大好きですよ。でも!
「本当に久々だから、今日は普通が、いいですね……」
「ふーん……」
夫がにやりと笑った。
「じゃあそれは次で」
今から数年ぶりにするのにもう次の約束ですか。盛っているんですか、ダンナ。
固まってしまった私に夫はもう一度にやりと笑い、私の髪を掻きあげながら身を寄せてくる。
ゆっくりベッドに押さえつけられると、太ももに熱い感触。また少し濡れてしまう。
「ね、修司さん」
「……顔、赤いなあ」
目の下辺りを親指で撫でられる。あそこを夫のものでつつかれる。
「当たり前でしょ!」
「なんで」
「そりゃあ、久しぶりだしね……」
「興奮してるし」
「うぅっ……!」
この鬼畜男! 笑うな! 触るな! 確かめるな!
触られてから時間が経っているにも関わらずびしょ濡れのそこに夫は嬉しそうだ。
「――いいか?」
「んっ……、あ――」
565久々系まったり四十路夫婦E:2010/06/03(木) 14:47:47 ID:6iwRu0mQ
また指で少し探られたあと押し当てられ、私は腰の辺りの力を抜く。
入ってきたそれは懐かしい大きさで、私は少し泣きそうになる。
「痛くないか」
「だいじょうぶ。あの、……むしろ緩くない?」
子どもを2人も産んでいる私にはそっちの方が心配だった。
「………………」
「……え?」
夫の目の色が変わった、ような気がした。私はまた何かスイッチを押した、のかしら。
「え、と。修司さん?」
「緩いなんて考えられないようにしてやるな」
「え、ひゃ、ああああっ――――!」
さらに腰を入れられ、その隙間から入れた手がまた私の突起を摘む。
私が夫のをぎゅっと締めつけたのがわかる。軽く意識を飛ばしてしまった。
「や、つよっ、あ、ひぃいいっ」
乳首も噛まれる。甘噛みよりもきつく。なのに腰の動きは焦れったいほどに優しくて。
膣内で存在感が増していく度にもっともっとと求めてしまう。腰がねだるように動く。
「も、……っと、しゅ、っ、さん……っ」
痛いのに、もっと強く、もっと激しくと望んでしまう。
奥に力強く打ち込まれ、私は足を絡ませぎゅっと抱きついた。
「――動けないだろ」
抱きついたままの私に、夫はねじ込むような動きで奥を攻める。
「きもち、いい?」
息も絶え絶えに尋ねると、
「……ああ」
もう。好きすぎるんですけど。
ますます抱きついてしまった私を、夫はもはや振りほどこうとはしなかった。
どこか安心感の上にたゆたうような時間が、終わりに向かって加速し始める。
膜を隔てた夫の存在が大きい。苦しい。愛しい。燻っていた快感が一気に集まって解放へと向かう。
「っ――――――!」
しがみついた私は、数秒後に膣内で脈打つ感覚に力を抜いた。


今回は久々だしそんなに声とか出さないつもりだったんだけどなあ。
と乱れた呼吸を落ち着かせながら夫に身を寄せた。
四十路男の体はそりゃあ若さには欠けるけど、肌になじむ感じは何よりも心地良い。
「さっき、結構痛かったよ」
「気持ちいいって言ってたじゃないか」
「……言ってないわよ」
「いや、体が」
「っ!」
思わず肩をはたいた。
変態オヤジめ。職場で言ったら社会的に死ぬんだから。
そう思いつつ、私はにやける顔を押さえることができなくなっていた。
――愛する人が私を愛してくれて、しかも毎日一緒にいられて。
もう熱いときめきみたいなものはないけれど、やっぱり夫婦っていいなあと思うのだ。
がんばれ、と今日一緒に飲んだ2人を思い出す。夫婦は、家族はいいもんだよ。
ふふふ、と漏れ出た笑いに夫がまたぎゅっと胸に抱き寄せてくれた。
566久々系まったり四十路夫婦・後書き:2010/06/03(木) 14:52:01 ID:6iwRu0mQ
以上です。
お粗末様でした。

あと、そろそろ次スレの季節だと思われる。
投下直後に500間近でdat落ちさせた経験があるので、万一落ちたら申し訳ない。
では。
567名無しさん@ピンキー:2010/06/03(木) 17:11:34 ID:uDrQ8cGR
熟年夫婦GJ!
当事者なら理解できる誘い文句っていいな!
仲睦まじい夫婦萌え

スレ残り70KBくらいか
慌てなくてもいいと思うけど、投下の際には気にしてもらえるといいかもね
568名無しさん@ピンキー:2010/06/03(木) 20:18:29 ID:NiffXzls
熟年夫婦ハァハァ
美味しゅうございました
569名無しさん@ピンキー:2010/06/04(金) 01:03:40 ID:iCexGVDP
GJ!
570名無しさん@ピンキー:2010/06/04(金) 01:19:06 ID:eIWzfI1O
乙!!
何この可愛いおばさん
571名無しさん@ピンキー:2010/06/04(金) 01:49:13 ID:dl6c5S48
GJ!長く連れ添って、まだちゃんと愛し会える夫婦最高

熟年まではいかないけど、某消臭スプレーのCM夫婦にも萌えてる
クローゼット(加齢臭)編の親父のデレっぷりとかたまらん
572名無しさん@ピンキー:2010/06/04(金) 19:22:37 ID:4+1GV7Oj
なんというエロい熟年夫婦だもっとやれ

>>571
ぴえーる瀧www
573名無しさん@ピンキー:2010/06/05(土) 01:31:07 ID:HA8y/vT5
>>566
う〜ん、いいね。
GJ!!
結婚かあぁ。
もいっかいぐらいするか。
574名無しさん@ピンキー:2010/06/05(土) 20:10:00 ID:OGjLZd3V
久々の更新キターGJGJ!!!

ていうかこのスレこんなに人がいたのかwW
575名無しさん@ピンキー:2010/06/06(日) 22:03:20 ID:JPBUEZOb
最近「だって愛してる」っていうダメ夫と勤労妻の日常を描いた四コマ漫画を買った。
ものすごく良かった。このスレの人達にオヌヌメ
576名無しさん@ピンキー:2010/06/08(火) 01:29:47 ID:6BzucPlW
友人に「お前の嫁さんってさ…赤木しげるみたいだよな」
って言われた…
微妙に当たってるんだけど友人殴ったらダメかな?
577名無しさん@ピンキー:2010/06/08(火) 02:17:44 ID:SnVClKl7
成る程、ざわ・・・な空気が流れたわけですね?わかります。



578名無しさん@ピンキー:2010/06/14(月) 15:12:29 ID:HVkMdzSW
保守
579名無しさん@ピンキー:2010/06/19(土) 22:48:57 ID:qSojHLMk
保守
580四十路夫婦小話・前書き:2010/06/22(火) 19:35:11 ID:vHKXxi0U
先日投下したものの小話です。
えろなしやまなしいみなしですが保守代わりに3レスいただきます。
581四十路夫婦小話@:2010/06/22(火) 19:37:53 ID:vHKXxi0U
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ちょっと昔の平日夜リビングにて

「――それでね、弘樹、今日補助輪なしで少し乗れたのよ。週末見てあげてね」
「ふーん……。航太は」
「航太? 航太はねー、そう!
 この前幼稚園の先生から伺ったんだけど、跳び箱4段まで跳べるようになったって。
 このままなら5段もすぐらしいわ」
「ふーん……」
「もう、気のない返事ね。あの子たち2人ともお父さんに褒めてほしくて頑張っているのよ?
 今度の週末、ちゃんと遊んで、褒めてあげて下さいね」
「ああ……」
「何か用事でもあるの?」
「用事はない。遊ぶのも構わないんだが、なあ……」
「うん」
「褒めるのはなあ……」
「……そういえば、前も似たようなこと言ってたような」
「どういう顔をして褒めたらいいのかがわからない」
「どういうもこういうも。
 笑顔で、よくやったぞー、って言いながら頭をくしゃくしゃにしてあげればいいじゃない」
「それが、なんというか、照れるというか難しい」
「父親なんだから照れるも何もないでしょ……。会社で後輩褒めたりしないの?」
「んんん。ないかもしれないな」
「ええっ。大丈夫なの?」
「まあ特には。褒めるようなこともないし」
「意外ね。褒めるときは褒める、ってイメージがあったんだけど」
「お前のこと褒めたことあったか?」
「……言われてみればないかも。なんでそう思ったのかしら」
「さぁ……」
「そういう機会がまずない……」
「………………」
「………………あ」
「は?」
「うっ、いや、なんでもないよ。お風呂入る? もう少し後にする?」
「風呂? ああ、早めに入って早めに寝るかな」
「そう。なら夏用のパジャマ出しといたからそれ着てね」
「わかった。じゃあ行ってくる」
「ん」
「――ああ、そうだ」
「んー?」
「褒める練習に付き合ってくれるなら、先に寝るなよ」
「っ、ばかじゃないの!」
寝室で早苗が自分好みの動きを体得すると褒める男、澤村修司。
582四十路夫婦小話A:2010/06/22(火) 19:39:18 ID:vHKXxi0U
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もうちょっと昔の平日夜リビングにて

「お仕事忙しいみたいね」
「ああ。……また近々人員整理があるかもしれない」
「え……。大丈夫なの?」
「わからん。ただ思ったより業績は悪くないし会社もこの時代にしては健全だと思う。余程のことがない限りそうならないはずなんだけどな」
「そっか……、あたしも働こうか?」
「いや、無理だろ。弘樹もまだ小さいし」
「ん。そうなんだけどね。もう少し大きくなったら、週2くらいでもいいから来てくれないかって」
「大学病院から? 頼まれたのか?」
「うん。里中師長とね、たまーに連絡とるんだけど、もしその気があるならどうかしら、って」
「………………」
「あの、別にあなたの稼ぎがどうこうって訳じゃないのよ。今の生活に不満がある訳じゃないしね、弘樹だってまだまだ手は掛かるし。でもこんな世の中だし、あたしも折角ちゃんと資格持っているんだから、と、え。え、どうしたの?」
「……一応、これでも気を遣っているつもりだったんだ。こっちは仕事ばかりだが、お袋に頼んでみたり、弘樹の面倒はみれなくてもせめて話は聞こう、とか」
「? ええ、特に大きな不満はない、けど……。この手は……?」
「で、さらに負担をかけるのもどうかと思って、幸い仕事も忙しかったし気を紛らわせながら過ごしてきたんだけど、どうやらそんな気遣いも必要なかったみたいだなと」
「……あの、え、っと。あたしの勘違いなのかな、なんだかその、すごく、なんというか」
「弘樹はもう寝たんだろう。夜泣きもしないし」
「起きてはこないと思うけど……、ホントに?」
「妹か弟、あいつにも必要だろ?」
「でも、まだ平日だし、明日もお仕事あるでしょ? そんな、何も今日いきなりしなくても」
「嫌なら、無理強いはしない」
「嫌とか無理とかじゃなくて……、あー、もうっ。そんな風に触らないで!」
「手を触ってるだけだろ」
「わかったから! 明日の用意があるから先に行ってて」
「手伝わなくていいのか」
「――弘樹の顔見てあげて」
「わかった。――早めにな」
「――――っ! ばかっ」
半年後。頑張りの甲斐あってか、めでたく次男・航太(こうた)を懐妊した早苗であった。
583四十路夫婦小話B−1:2010/06/22(火) 19:48:27 ID:vHKXxi0U
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飲み屋にて

「……おまえんとこの娘、幾つになったっけ」
「今度3歳ですよー。殺人的な可愛さですよー」
「男親は娘には弱いっていうなあ」
「いや、もうホント、課長も娘がいたらわかりますって。今からでもどうですか?」
「……ばかかお前。俺たちはもう無理だろうが」
「んならちょーっと外でこっそり……ああっ!」
「――ん? ああ、すまない、一味入れすぎたみたいだなあ」
「俺のユッケが……」
「まあうちはあと数年もしたら孫でもできるだろうし、……ほら、皿余ってるからこれに出せ」
「ううっ、取りきれないですよ……。でも、息子さんたちまだ大学生くらいじゃありません?」
「上が今年卒業だな。就職もどっかの研究所みたいなところに決まったよ」
「へーっ! んー、そしたら今更いもうとはあああわかりましたすみませんやめてくださいぃ」
584四十路夫婦小話・中断:2010/06/22(火) 20:18:41 ID:vHKXxi0U
長文規制をくらったみたいです。
すみません……。
あと会話文のみ、というのを注意書きを忘れていました。
重ね重ね申し訳ありません。
585名無しさん@ピンキー:2010/06/22(火) 22:59:31 ID:nMFmEpu0
ああ、人はこうしておマヌケに枯れながら年を重ねていくのだなあ

それでも、例え孫のいるような歳になっても、エロな心は忘れたくない
586名無しさん@ピンキー:2010/06/23(水) 00:44:24 ID:hQPDYxfE
こういうのもいいな
587四十路夫婦小話B−2:2010/06/23(水) 01:18:32 ID:0iChQO1X
続きです。これでいけるはず。
今更ですが夫婦の会話ではありませんのでご了承ください。



「あ、店員さん角ハイひとつ」
「……課長ってSですよね。会社でもハンパないですよね。
 しかも普段はそんな顔、微塵も見せないからしばらく騙されるんですよね。
 家族の皆さんもご存知なんですか? いや、知らない訳がない。
 奥さんにはどっちの顔メインなんですか。てゆうか今でも夜の営みはあるんですか」
「……そんなにたくさん、よくもペラペラと出てくるな」
「夜の営みはどうですか」
「………………」
「かちょー。無視っすかー。ケータイの方が大事なんすかー。あ、奥さんからか。さーなえさーん!」
「大声で叫ぶなっ」
「帰りがおそぉーいとか? それとも早く帰って来なさい、とか? くぅーっ、早苗さんに叱られたいー」
「……お前、いつか捕まるなよ」
「捕まりませんよー、紗希の為にもパパは頑張って働くんですっ」
「………………」
「……んん? 早苗さんなんだったんですか?」
「……いや、まあ大したことじゃない」
「怪しいですねぇ……」
「週末に出かけるから、その話だ」
「え、あれ、早苗さんと2人で? へー、どちらに行かれるんですか?」
「まあ、その辺になんか食べにいくくらいだな」
「うわっ、普通にデートじゃないですか。どっか泊まりがけとかじゃないんですね」
「っ、泊まり、か……」
「うちの両親なんかは、親父が退職してからですけど、温泉巡りなんかしてるんですよ、夫婦2人で。息子としてもなんか嬉しいし。課長もどうですか?」
「温泉か……。行ったことないかもしれないなあ」
「どうせ、と言ったらあれですけど、早苗さんが計画してばかりなんでしょう? たまには課長からプレゼントしてもいいんじゃないですか」
「ううむ……」
「あ、お土産は家族3人で分けれるものがいいですねー。お願いしまーす」
「……ああ、わかった」
「ぃっ!? いいですそんな夫婦水入らず楽しんできてください!」
「そうか? まあ、まずは行き先と日にちと決めなきゃならないか」
「今度実家に電話したときに俺も聞いてみますね、お勧めの温泉」
「悪いな。頼む」
「あ、そういやあ温泉と言えばこの前木下部長が……」
次の日、こっそり就業時間中に温泉宿を探す姿が見えたとか見えなかったとか。
588小話・終了:2010/06/23(水) 01:25:08 ID:0iChQO1X
わたわたしてすみません…。改行ミスでした。
これにて投下完了です。

前作とあわせ、感想ありがとうございます。糧にいたします。
では。
589名無しさん@ピンキー:2010/06/23(水) 17:02:52 ID:C+10rPuU
GJ!!
なんか可愛い熟年夫婦だなー癒される
なにげ部下夫婦も気になるww
590名無しさん@ピンキー:2010/06/24(木) 01:16:02 ID:vQ/RFM4j
GJ!
家族計画に萌えた
591名無しさん@ピンキー:2010/06/24(木) 18:31:33 ID:8sNENQ/8
はうー続きキテタ!
前回といい今回といい、癒されるよ
修司さん好きになってきたw
前回の早苗さんが働いてる病院の若いカップルも気になったが
部下夫婦もいいな

っていうか40過ぎの恥かきっ子でも良いじゃないか
子作り温泉旅行いってこい!GJ!!
592名無しさん@ピンキー:2010/06/24(木) 23:20:31 ID:h6RjLMfE
夫婦(めおと)っていいね
593名無しさん@ピンキー:2010/06/26(土) 15:39:16 ID:JGP62UH6
>親族を含めるなら女と喋ッた事がある俺
>含めないとするなら斜向かい家のオバさん、娘しかない(会話として)
>そんな俺が来週の月曜日に婚姻届を役場に出す奇跡

(〃▽〃)キャー♪
594名無しさん@ピンキー:2010/06/27(日) 20:13:31 ID:xwVMQhAx
日本の法律では、二次元の相手とは結婚出来ないんだよ。
595名無しさん@ピンキー:2010/06/28(月) 17:36:37 ID:tRQICbl2
>>594
でも取り締まりの対象になるかもしれない不思議…orz
596名無しさん@ピンキー:2010/07/06(火) 17:02:26 ID:l31p/Nyf
え?プロポーズ?
んなモン洒落たレストランで夜景を見下ろしながら
指輪でも渡せば好いんじゃね?

ん?うち?
うちはなんつーかどさくさに紛れてポロッとつーか・・・

彼女の友達が「酔ったから」と呼ばれ、泥酔した彼女を迎えに行ったが
買ったばっかの新車でゲロ&小便
片付けする間もなく自宅で脱糞&意識もうろう
ヤバいと思いタオル総動員して体綺麗にして救急病院へ運ぶが
助手席は全損だったので後ろに乗せさらにゲロ

彼女そのまま急アル入院
俺(服) 車 玄関 全滅
車が特に酷かったよ
シートが変色したよ・・・
何か一気飲みしたみたい、弱いのにね

その後、彼女「酷い事してごめんなさい、全て弁償致します」
お義父さん&お義母さん「責任持って弁償させて頂きます」
と、泣きながら、土下座までして、俺が「無事退院出来て何よりだよ」
「迷惑とか弁償とか言わないで下さい!全然気にしてませんから!!」
って言っても聞いちゃいない様すだったんで
チャンスとばかりに「そんな事より責任持って俺の子産んでね」って言ったんだよ
まぁこれが俺のプロポーズな感じかな(笑)



って、おい!人に聞いておいて引くなよ・・・orz
597名無しさん@ピンキー:2010/07/08(木) 02:50:49 ID:UmW0I/L7
>>596
もげろw
598名無しさん@ピンキー:2010/07/08(木) 19:42:20 ID:u9VIZILb
>>596-597
ワロタwww
599名無しさん@そうだ選挙に行こう:2010/07/10(土) 23:34:18 ID:6JrJe4zl
質問なんだけど、別れた夫婦の再会ってスレ的に微妙だよね?
書き途中なんだけど、どこに投下したら良いか迷っている……
600名無しさん@そうだ選挙に行こう:2010/07/11(日) 00:15:26 ID:q5foilj3
不和すれ違いスレは?
601599:2010/07/13(火) 22:08:15 ID:AizgX0aS
おお有難う!
ちょっと頑張ってみるわ
602名無しさん@ピンキー:2010/07/19(月) 00:54:36 ID:4105vCiq
鉄仮面と子猫の新作マダー
603名無しさん@ピンキー:2010/07/19(月) 11:57:49 ID:7R5aqjz2
今さらだが、初代スレの大正政略結婚もの読んだ。
なんだこのすさまじい萌えは!
続きないの?続き
604名無しさん@ピンキー:2010/07/25(日) 17:42:27 ID:jib/qKmP
>>603
俺も続き読みたいけどさすがにもう無理だろw
605名無しさん@ピンキー:2010/08/01(日) 20:05:52 ID:Inbux+S4
そうだ保守しよう
606名無しさん@ピンキー:2010/08/01(日) 23:13:46 ID:RBkfKtTB
>>603

いつかきっと…と願いながらここまで待ち続けている。
もうスピンオフでもいいから読みたいと思い始めた末期症状。
607名無しさん@ピンキー:2010/08/03(火) 04:44:32 ID:nsx2ZhW2
政略結婚で嫌々嫁ぐ薄幸の女の子萌える
608名無しさん@ピンキー:2010/08/05(木) 19:36:49 ID:ZrBUBslV
政略結婚だったがお互い一目ボレ
しかし政略結婚ゆえに親同士のトラブルから結婚は破談に・・・

ってのもありだよね???
609名無しさん@ピンキー:2010/08/05(木) 20:20:05 ID:6PIhhcip
ありだと思います!
610名無しさん@ピンキー:2010/08/09(月) 18:32:43 ID:3VA9Ccin
最初はお互い打算的な結婚で嫌々だったのに、いつしか愛情が芽生えたころに戦争
帰りを待つ妻の元を夫の部下が何かと世話してくれて揺らぎそうになる愛情
夫の安否が不明の中、どうする奥さん!
という壮大な夫婦ものを思いついたのだが、書く力がない……
611名無しさん@ピンキー:2010/08/09(月) 21:07:52 ID:/Zz0WHHr
そりゃ新婚じゃなくて寝取られじゃないか?
612名無しさん@ピンキー:2010/08/09(月) 21:21:20 ID:JFCIXIhC
うん、オレもそう思った
613名無しさん@ピンキー:2010/08/12(木) 00:21:37 ID:l+BAd4iw
よーしパパ思いつきを投下しちゃうぞ
614名無しさん@ピンキー:2010/08/12(木) 00:24:28 ID:l+BAd4iw
「あなた、子供はもう寝てしまいましたわ」
「ああ」
「まあっ、そんなに沢山ビールを飲んで…。体にさわりますよ?」
「う、うむ」
「さ、今飲んでるのは没収します」
「あっ…」
「ふふっ、これは私が飲んじゃいますね」

ぐびぐびっ

「ふぅ、久しぶりに飲むとおいしいですわぁ」
「そうか」
「あんっ、久しぶりのお酒だから、もう酔っちゃったみたい…」

しなしなっ
むぎゅ〜

「お、おい…」
「こうしていると、初めて結ばれた時の事を思い出しますわ…。あなたったら、四つも年上なのに女の人を知らなくて…」
「む、むう」
「子猫ちゃんみたいにニャーニャー言っちゃって、とってもかわいらしかったですわ。今では私が犬みたいな格好で鳴かされてますけど。あらっ、ここはもうお馬さんになってますわ」

なでなで…

「むっ、ぐう…」
「ああ…、あなた…。子供の優しい父親で、一生懸命働いて生活を支えてくれて、その上私に女の幸せを与えてくれるなんて…」

すりすり…
ぐにぐに…

「ううっ…」
「私、あなたと結婚して本当に幸せですわ」

ぐりんぐりんぐりんっ!
ぐりんぐりんぐりんっ!

「〜〜〜っ!」
「あなた…愛してます」

ちゅっ

「………………よ」
「よ?」
「嫁ーーーーっ!!」

ドンガラガッシャーン

「ああんっ、二人目ができちゃう……♪」



本日の成果:3もげ
615名無しさん@ピンキー:2010/08/12(木) 00:25:03 ID:l+BAd4iw
おそまつ
616名無しさん@ピンキー:2010/08/12(木) 23:25:36 ID:q9Hb+TX3
>>614
俺は嫌いじゃない
617名無しさん@ピンキー:2010/08/12(木) 23:58:12 ID:3IEMwcMB
GJ!これは良い小ネタ
618名無しさん@ピンキー:2010/08/13(金) 02:14:07 ID:SUvULeWt
>>615
こういうアホな感じもラブラブぽくて好きです
GJ!
619名無しさん@ピンキー:2010/08/14(土) 02:56:53 ID:ltK/j9bJ
>>610
ちょいと違うが、緋の稜線 は近いモノがあるかも。
打算的な結婚ではないか。。。
620名無しさん@ピンキー:2010/08/14(土) 02:59:45 ID:ltK/j9bJ
>>615
8つ上で、妻(当時彼女)に筆おろしされました。
うー。逆に鳴かせてるのかな。
621名無しさん@ピンキー:2010/08/14(土) 09:21:15 ID:Fq4g5JH1
>>620
もげなさい
622名無しさん@ピンキー:2010/08/21(土) 22:53:44 ID:5E7EUtQy
保守
623名無しさん@ピンキー:2010/08/24(火) 01:19:26 ID:De9WOYwU
>>620
何それ嫉妬
624名無しさん@ピンキー:2010/08/24(火) 01:31:27 ID:Pk+Z3X17
仲良し夫婦なんてみんなもげちゃえばいいのよ!
625名無しさん@ピンキー:2010/08/29(日) 23:49:56 ID:M1y0vxrZ
普通に本の紹介になるが、有川浩の「ストーリー・セラー」の夫婦がヤバいw
あ、でも女性の方が好むかもしれないが。
626名無しさん@ピンキー:2010/09/01(水) 22:21:37 ID:6fB8vDYj
有川浩は基本的に女性向きだと思う
627名無しさん@ピンキー:2010/09/04(土) 00:38:36 ID:CG/3XzJu
誰か俺と結婚しろ
628名無しさん@ピンキー:2010/09/04(土) 22:30:55 ID:wMM9fd/Y
保守
629名無しさん@ピンキー:2010/09/06(月) 21:12:15 ID:Ih4I5TnH
投下で探すといいことあるかもないかも
630名無しさん@ピンキー:2010/09/09(木) 08:53:19 ID:lKA1ZrJV
>>629
ありがとうありがとう
631名無しさん@ピンキー:2010/09/11(土) 04:01:14 ID:vJ3S5NPK
感謝、感謝だよ
632名無しさん@ピンキー:2010/09/11(土) 22:49:56 ID:Dp6Sc8w/
過疎なんだし、全然こっちに投下で大丈夫なんだぜ熟年夫婦の人!
633名無しさん@ピンキー:2010/09/15(水) 00:06:02 ID:pUhroX5h
是非こちらに投下して欲しいね
634四十路夫婦の人:2010/09/15(水) 12:31:43 ID:wKSTwBBF
おおお、みなさん有難うこざいます
新婚編と温泉編を考えていて、どちらかできたらまたこちらに投下させてもらいたいと思っています
気が向いたら某スレのものも投下します
お騒がせして申し訳ない
では!
635名無しさん@ピンキー:2010/09/15(水) 13:30:57 ID:IPih7wog
>>634
おぉ、ご本人登場!!

某スレの夫婦、とってもステキでしたよ〜新作も楽しみにしてます!
636名無しさん@ピンキー:2010/09/16(木) 08:52:54 ID:ZZxtVNT0
ありがとうございます!!!!


いやぁ、言ってみるもんだなw
637名無しさん@ピンキー:2010/09/16(木) 21:16:48 ID:MZtcjzZe
投下への期待が高まる
638僕達、結婚します1/5:2010/09/21(火) 00:52:08 ID:O7PUpAnq
エロなし、5レスお借りします
二次モノのつもりだったけどいつの間にか別物になってました

 ふと肌寒さを感じて目を覚ますと、一緒に床に就いたはずの恋人の姿が傍らから消えていた。
 トイレにでも行ったのだろうか。
 そう思いはしたものの、なんだか気になってしまい、彼女の行方を探して自身もベッドを出る。
 寝室の扉を開けると、訪ね人の居所はすぐに知れた。
 廊下の先にある和室の襖が半開きになり、隙間から明かりが漏れていたからである。
 こんな夜更けに和室で何をと、不思議に思いながら襖に手をかける。
 そろりと引き開けてみれば、畳に正坐し瞑想に励む愛しい少女の姿が目に入った。
 よほど集中しているのか、自分が襖を開けたことにはまだ気付いていないらしい。
 背筋を正し、凛とした雰囲気を醸し出す彼女の前には、半紙と硯、そして墨と筆。
 ああ、書道か。
 得心いったと一人頷き、男はのんびりと口を開いた。
「何してるの?」
「――ひゃぁうっ?!」
 唐突に声をかけられて大層驚いたらしい少女は、奇矯な悲鳴を上げて畳の上に引っくり返る。
 転んだ拍子に乱れた寝間着――俗に浴衣ともいう――の袂を見下ろし
なんで着物の下って何も穿かないんだろうなぁと、青年は素朴な疑問を抱くのだった。
639僕達、結婚します2/5:2010/09/21(火) 00:52:59 ID:O7PUpAnq
「精神集中?」
「はい……」
 首を傾げる男の向かいに座り、少女は言い辛そうに頷く。
 俯いてしまった彼女から視線を外し、男は部屋の隅に退けられている書道セットに目をやった。
 彼女にとって、書道は趣味であるのと同時に精神修養の一環でもあることは知っている。
 心が乱れた時、心に曇りを抱えた時、いつも少女はこの畳の間に座して
墨を含ませた筆を手に取るのだ。
 書は、書いたものの心を映し出す鏡だから。
 そう言って微笑んだ彼女は、実際の年齢以上に大人っぽく、また眩く見えたものであった。
 しかし。
「うん。それは分かったけど、なんでこんな時間に? もう夜も遅いし、第一明日は――」
 僕達の結婚式なのに。
 男がその言葉を口にした途端、少女の色白の頬が一瞬にして朱に染まる。
「う、あ、い、いえ、その、はい、そうっ、そうです、け、けけ、けっこ、結婚、式、です。
 わたた、わた、わたし、私達、の」
 今日までの恋人兼婚約者、そして明日からは妻となる女性の初な反応に目を細めつつ、男はさらに続ける。
「明日っていうか、まあ……もうじき今日になっちゃうけどね」
「え?! ……ああああ、もうこんな時間?!」
 青年の言葉に驚いた少女はぱっと時計に目をやり、赤かった顔色をたちまち青くする。
「いけない、私ったら瞑想に集中し過ぎて……ハッ! すみません! 私、貴方の事まで
 起こしてしまったんですよね……! 申し訳ありません!」
「うん、大丈夫だからとりあえず落ち着こう。はい、深呼吸してー」
「は、はいッ、はい、はい……すー……はー……」
 言われるまま、彼女は素直に深呼吸を繰り返した。
 吸っては吐き、また吸っては吐く。気分が落ち着いた頃を見計らい、はい止めー、と号令。
「落ち着いた?」
「はい。おかげさまで」
640僕達、結婚します3/5:2010/09/21(火) 00:53:50 ID:O7PUpAnq
「それは何より。じゃあ話の続きしようか……なんでこんな時間に書道なの?」
 投げっ放しになっていた疑問を訊ねかけると、少女の肌に再び赤みが差した。
先刻のように顔中真っ赤とはいかないが、眦の辺りがほんのりと色付いている。とても可愛い。
「あの…………笑いませんか?」
「んー、聞いてみないと分からないなぁ」
 嘘を吐きたくはないので正直な気持ちを伝えたら、やはりというか不服そうな顔をされた。
 申し訳ないとは思うが、無責任なことを言って後で怒らせるのも嫌なので我慢してもらうしかない。
「言いたくないことならいいよ?」
「あ、いえ! 言いたくない訳ではないのですがその……なんと言いますかですね」
 もじもじと、所在なさげに指先を絡ませ、少女はうぅ〜と可愛らしく唸る。
 フィアンセの愛くるしい仕草を観察しつつ待つこと一分弱。
 意を決したように俯けていた顔を上げ、彼女はぽつりぽつりと胸の内を語り始めた。
「あの……明日、結婚式じゃないですか」
「うん、結婚式だね」
「……私達、結婚するじゃないですか」
「うん、結婚するね」
「…………ふ、夫婦に……なるじゃ、ないですか……」
「……うん。なれるね、夫婦に」
 答える唇が、自然と笑みを形作る。向き合う少女の頬の赤みが増した。
「それで、ですねっ……い、今さらと思われるかもしれませんが……その、ベッドの中で明日のことを考えていたら、なんだか……その……」
 途切れ途切れだった言葉は徐々に尻すぼみになり、最後まで言い切らぬうちに消えてしまう。
 霧散してしまった結論部分を自分なりに推理した結果、男は困ったように眉を曇らせた。
「……嫌になった?」
「ととととととんでもないです滅相もないです嫌だなんてそんなむしろ嬉しいです幸せです大好きです!」
「……良かった」
 一瞬本気で落ち込みそうになった心は、真っ赤になった恋人の表情と言葉であっさりと浮上する。
 不安げな眼差しから一転、朗らかに微笑む青年を見つめ返し、少女はほっと胸を撫で下ろした。
641僕達、結婚します4/5:2010/09/21(火) 00:54:44 ID:O7PUpAnq
「嫌とか、そいうんじゃないんです……ただ」
「ただ?」
「ただ……あんまり、幸せで」
 噛み締めるように。抱き締めるように。
 きゅっと手を握り込んで、少女はその言葉を口にする。
「貴方の、お嫁さんになれるんだって思ったら……私、嬉しくて……本当に、本当に嬉しくて……
 どきどきして眠れなくなっちゃって、これじゃ明日寝坊しちゃうんじゃないかって、それで……」
「……落ち着く為に、書道を?」
 問いに彼女は、こくん、と首を縦に振った。
「お、おかしいですよね。明日が楽しみで眠れないなんて……子供の遠足じゃないのに、
 私ったら、何言――」
 照れ隠しの為かいつになく早口になる、少女の手首をそっと掴んで引き寄せて、
そのまま力一杯抱き締める。腕の中からまた頓狂な悲鳴が聞こえたが、気にしない。
「あ、あああ、ああああの、あの! あの! あの……っ!」
「好きだよ」
 羞恥も動揺も抵抗も、何もかもをたった一言で抑え込んで、男は最愛の少女の唇にキスを贈る。
「大好きだよ……愛してる」

「だから――――僕と、結婚して下さい」

 言葉での返事の代わりに返って来たのは、たどたどしい口付けと、男が愛してやまない
とびっきりの笑顔だった。
642僕達、結婚します5/5:2010/09/21(火) 00:56:50 ID:O7PUpAnq
 ――翌日

「うっそ、二人共まだ来てないの!? もう式まで時間ないよ!」
「いや、なんか二人揃って寝坊したらしくて……今部長が車で迎えに行ってる」
「大丈夫よ! いざとなったら私とダーリンが代わりに式を挙げるから!」
「お言葉ですが、お二人は先月挙式なされたばかりでは」
「突っ込むとこそこじゃないと思いますよ!?」


………………
以上です。
場所ありがとうございました。
643名無しさん@ピンキー:2010/09/21(火) 05:05:55 ID:M4j//g7a
さくばん は おたのしみ でしたね

GJ!
644名無しさん@ピンキー:2010/09/21(火) 20:07:24 ID:MuWuiB28
けっ、なんだよおまえらいちゃいちゃしやがってさ!へっ!ばーか!

幸せになれよGJ
645名無しさん@ピンキー:2010/09/21(火) 23:25:23 ID:nheSQRC8
あまあああああGJ
646名無しさん@ピンキー:2010/09/21(火) 23:28:31 ID:aUpl+BmW
乙です!
647名無しさん@ピンキー:2010/09/25(土) 22:43:48 ID:gYJRqiTW
あっるぇ〜?甘スレから逃げてきたのに歯の融解が止まんないなぁ…なんで?
648名無しさん@ピンキー:2010/10/03(日) 23:28:47 ID:qZIEezlW
保守がてら、小ネタをひとつ。



ふと、目が覚めた。

窓の隙間から漏れる光は弱く、まだ時間が早いことを知った。
二度寝しようと目をつぶるが、何やら背後でもぞもぞ動く気配がする。
寝返りを打とうとしたら髪が引っ張られた。
「ああ、ごめん。起こしちゃった?」
寝起きの頭ではまだ思考が戻ってこないのだが、目の端に入る背後の状況ではどうやら
旦那が髪の毛を掴んでいるようだ。
「……何してるの」
「一回やってみたかったんだ」
そう言って目の前に突きだされたのは乱雑に編まれたわたしの毛先だった。
「編んでみたかったの?」
それにしてもひどい、と思ったがとっさに飲み込む。この人は手先が器用でないくせに
いろいろやりたがるのだ。そのくせ、できないとそれとなく落ち込む。案外子供だ。
「案外難しいんだな。見ている分には簡単そうなのに」
女の身支度なんてどこで見たんだろう、と思ったが聞かないでおく。
ちょっと悔しい自分が悔しい。
「やってみせようか」
「うん」
旦那が手を離すと、荒縄みたいな三編みが肩の上に落ちた。
わたしの硬い髪は纏まりにくいので、すぐに解けて背中にこぼれる。
くるりと後ろを振り返れば、旦那は神妙な顔をして手元を見ている。
「いい?」
適当な量を取って編む。ものの数秒で終わるのだが、旦那は納得がいかないらしく、眉をひそめた。
仕方なくもう一度解いて、今度はゆっくりと手元を見せながら編む。
しかしまだ腑に落ちないらしい。
「少し引っ張るようにしながらやるといいよ」
旦那はもう一度挑戦しようとしたが、結局途中で諦めた。
不器用な上に、わたしの髪は扱いづらいのだから仕方ない。
「まあ、いっか。この髪を触るのが好きなだけだし」
旦那の手が伸びて、頭を抱き寄せられた。こんな行為も慣れたはずなのに急にされると
どきりとする。
触れた旦那の胸から鼓動が大きく聞こえて、わたしの緊張も気づかれてはいないかと
少し気になった。
再び髪が解かれ、胸の上にさらりと落ちた。
手櫛で梳かれて、ベッドの上に焦茶色が流れる。
何度も繰り返されるうちに、緊張もほどけてなんだか眠くなってきた。
そうだ。まだ朝早かったのだ。
649名無しさん@ピンキー:2010/10/03(日) 23:30:46 ID:qZIEezlW
「ん……」
わたしは身じろぎして居心地のいい位置を探す。
旦那の首筋に顔を埋めるようにしてぎゅっと張りついた。
あったかくて心地いい。
いつもははらはらさせられっぱなしの相手なのに、こうしているととても落ち着く。
どんなに無茶をしても、最後は全て受け入れる器をもった人だと知っているからだろうか。
この人なら、大丈夫。
身も心も預けてしまって、ふわふわした心地になる。
そのまま眠りに落ちかけて、ふと違和感を覚える。
頭を撫でていたはずの旦那の手が、段々下がってきていた。
「……ひゃ、あっ!」
背中を撫でられるとぞくぞくする。これだけは、何度されても慣れない。
「あの……やめて」
「落ち着かない?」
「そう……あっ、だから、やだって」
逃げようとしたところで逆に覆い被さられてしまい、嫌な予感が頭をかすめる。
もしやと思えば、旦那の「あれ」はむっくりと首をもたげている。
「何で……」
「珍しく甘えてきたから」
そう言って瞼に口付けられる。

あ、あ、甘えてきたっ?

そんなことしただろうか。
夕べもいろいろされてお互い裸だったので、既に臨戦態勢に入ってしまっている。
肩のあたりを撫でられ、「あれ」が内腿をかすめると夕べのあれこれを思い出してしまって
身体の芯が熱くなる。
「……いい?」
耳元で囁かれ、ぞくっとする。
「だ……駄目っ。もう朝なんだから」
「まだ暗いよ」
「嘘。だってさっき――」
言いかけて、頭の上から布団を掛けられた。急に視界が覆われて何も見えないところに、
旦那の指が胸に触れる。
「ね、暗いでしょう」
「ちょっと、そんなの、ずるい……あ、んっ!」
「こっちもこんなに硬くなってるのに。ね……いい?」
この期に及んで確認を取るのは卑怯だと思う。
わたしの身体は既に熱を持ち始めていたのだから。
「……今日だけだからね?」
近所の早起きのお爺さんにばれませんように――心の中で願いつつ、わたしは膝を絡めた。



650名無しさん@ピンキー:2010/10/03(日) 23:31:21 ID:qZIEezlW
以上です。
651名無しさん@ピンキー:2010/10/03(日) 23:32:56 ID:8W9uVGn3
非常にGJです。
652名無しさん@ピンキー:2010/10/04(月) 04:37:55 ID:V20Elgjy
誠にGJです
653名無しさん@ピンキー:2010/10/04(月) 07:45:40 ID:/jvFFHaP
本当にGJです
654名無しさん@ピンキー:2010/10/04(月) 11:55:41 ID:Ea+smtBn
とてつもなくGJです
655名無しさん@ピンキー:2010/10/04(月) 12:45:57 ID:38bdSzbY
ええ、GJです。
656名無しさん@ピンキー:2010/10/04(月) 21:56:51 ID:PYNJPjLF
えもいわれぬGJです。
657名無しさん@ピンキー:2010/10/05(火) 01:33:06 ID:FYi/+ET1
果てしなくGJです


……まだ続くかこの流れw
658名無しさん@ピンキー:2010/10/05(火) 12:11:57 ID:vvhWnjR1
まごうことなくGJです


お前ら今までどこにいたんだよw
659名無しさん@ピンキー:2010/10/05(火) 17:13:44 ID:kB18jcps
全てのチルドレンに、GJです
660名無しさん@ピンキー:2010/10/05(火) 20:04:54 ID:sXl4/GAr
大変GJです。

>>657
ほぼ毎日見に来てるが、ネタがなくて書き込みできないだけだw
661名無しさん@ピンキー:2010/10/05(火) 20:33:12 ID:XhuQW2JQ
「しんのすけ。父ちゃんが人生で一番幸せだと思ったのは、お前とひまわりが生まれた時だ。」

「俺の人生はつまらなくなんかない!家族のいる幸せをお前たちに分けてやりたいぐらいさ!」

「俺は今が幸せなんだ!家族の笑顔を見るのが一番幸せなんだよ!俺の幸せをバカにするな!」

「弱い者ほど相手を許す事ができない。許すという事は強さの証だ。」

「一人でデカくなった気でいる奴は、デカくなる資格は無い。」

「俺、今、家族と楽しくワイワイ笑ったり、時にはケンカしたりしながらさ、
このままずっと一緒に元気で暮らしたいと思ってる。 それが、今の俺の夢と言えば夢かな。
俺さ、その夢のために今、毎日一生懸命働いてるんだ。結構楽しいよ。」

「俺の靴下は、ジャスミンの香り。」


野原ひろし
662名無しさん@ピンキー:2010/10/05(火) 21:50:08 ID:tmmluYqy
最後の一行w
663名無しさん@ピンキー:2010/10/06(水) 01:26:05 ID:cUXBkLYk
>>661
ひろしいいこと言ってるんだな〜
664名無しさん@ピンキー:2010/10/06(水) 01:38:35 ID:Oa+T0URW
オトナ帝国は名作


そういえばこのスレ作品では子持ちは少ないな
665名無しさん@ピンキー:2010/10/06(水) 06:26:32 ID:TPg6MDjD
再婚とか子連れ婚って事か?
それとも出来婚ってこと?
666名無しさん@ピンキー:2010/10/06(水) 14:52:44 ID:wRCDSppD
子供がいる家庭って事では
667名無しさん@ピンキー:2010/10/06(水) 14:54:38 ID:j06+WnQh
>>665
家族というより夫婦が多いな、と
新婚さんがほとんどだからかなー
668名無しさん@ピンキー:2010/10/06(水) 20:13:34 ID:bvt1uzoR
あからさまにこどもが、てのは、しゅーじさんとこくらいか
669名無しさん@ピンキー:2010/10/06(水) 23:51:48 ID:58ItfoYj
こどものまえでいちゃいちゃしたっていいじゃない
670名無しさん@ピンキー:2010/10/07(木) 00:08:30 ID:XTSi3X5I
大樹と穂波とか、鉄仮面と子猫が子持ちになるまでを読みたかったんだぜ…
671名無しさん@ピンキー:2010/10/07(木) 00:11:49 ID:qYjr82Uz
香子とイチも読みたいんだぜ……
672名無しさん@ピンキー:2010/10/07(木) 19:43:08 ID:Nw/rJ7Hq
あの鉄仮面が子持ちになるとどうなるんだろう。
想像すると笑える。
子供と奥さんの取り合いしたりするかも。
673名無しさん@ピンキー:2010/10/07(木) 21:39:40 ID:4PuX+NYm
イチくんは香子の小さい頃を思い出していちいち泣きそうw
674名無しさん@ピンキー:2010/10/08(金) 21:35:25 ID:3mb9OUZG
関係ないが、赤ん坊ってやっぱり母親の方に懐いちゃうんだよな

はぁ……
675コージ×マナ 1レス小ネタ(エロ無し):2010/10/08(金) 23:23:34 ID:vMiLxYbW
* * *

 寝起きの目に映る鏡の中の面は酷い。まるで凶悪犯のような顔色に嫌んなる。
「ぱーぱ」
 やっと意味のある単語を発するようになった娘の声には、その顔も綻ばずにはいられんのだが。
「なんだ?みつ……」

 …………。

 一瞬にして幻と化す。
 つうか速ぇ。なんだその変わり様は。
 ああ、べそをかく声が聞こえてきやがる。それと、宥めるあいつの声も。
「だいじょーぶ。こわくない、こわくない。ほら、ママといっしょにパパのとこいこうね」
 仕方ねえ、とっとと始めっか。

「ほら、パパおはようは?」
 あいつの腕の中、背を向けたまま抱っこされていた体は、ちらちら振り向いては俺を確かめると安心して手を伸ばしてくる。
「えへー」
 ぴたぴたと頬に触れてくる小さな手のひらに時には痛みを訴えつつも笑みがこぼれずにはいられない。
「いてえよ美月」
 それでもその攻撃は容赦ない。
 そればかりか。
「パパっ子だからいいじゃん」
 すりすりとすり寄せてくる柔らかなほっぺたには適わないという、甘いな俺。腑抜けかよ、ちくしょう。
「やっぱ原因はそれね」
 洗面所の入り口でくすくすと笑いながらそれを眺めてやがる。助けろよ、お前。
「子供には刺激が強いかも」
 俺の腕からひょいと抱き上げて床に下ろされると、今度はリビングに一直線か。忙しいやつめ。

「あたしは、好きなんだけどなぁ」
「……中身がか?それともこれがか?」
 土日はほぼほったらかし状態の無精髭の剃りあとを頬を挟んで撫でてくる手に、俺の手を重ねながら聞いた。

「それ質問するまでもなくない?」
 まだすっぴんの唇に吸い付いてやる。黙れ。
「週末の狼も娘には弱い、か」
「……なんなら今夜も吼えてやろうか」
「……ばか!」
 真っ赤になりながら上目遣いに睨む顔をぐいと引き寄せまた奪う。
「パァパ……」
 とてとてとした足音とともに近づいてくるのに合わせてぱっと離れた。
「出勤までは美月との時間。でも寝る前はあたしの。……吼える前に喰ってやるから」
 ふふん、と鼻息荒く勝利宣言かよ。

「……ようし、美月。ご飯食べよう」
「きゃー♪」

 喰われてたまるか。
 ――勝つのは、俺だ。
 
「終わり」
676名無しさん@ピンキー:2010/10/08(金) 23:44:15 ID:k9pmnXI0
おおお!
GJGJGJ!!
ゴチさまですっ
677名無しさん@ピンキー:2010/10/08(金) 23:47:03 ID:3mb9OUZG
…ありがとう!
678名無しさん@ピンキー:2010/10/09(土) 08:43:06 ID:mX4iTX1H
とても素敵なご夫婦ですね…このスレでは子供ネタはなんだか新鮮


超GJ!!!!
679名無しさん@ピンキー:2010/10/09(土) 14:23:59 ID:16KwOmRm
やぁん、あまぁぁい! GJです。
680名無しさん@ピンキー:2010/10/10(日) 03:31:45 ID:hWhFep/M
おぉーGJ

こういう夫婦いいな
子供がいても恋人みたいなのってまさに理想
681名無しさん@ピンキー:2010/10/21(木) 22:55:02 ID:ey5iZcMN
ほすあげ
682(イチと香子)十年目の秘密 1/13:2010/10/27(水) 20:02:50 ID:j60ZHXJJ
今回分エロ無しです
スレ容量からとりあえず前半投下

* * *


 部屋に入ると真っ先にスイッチを探す。明るい無人の部屋で冷蔵庫を開けると、タッパーに入った煮物を見つけレンジに
入れ、椅子に腰を下ろす。
 ネクタイを緩めながらメールを送り、その先にいる妻に想いを馳せた。

 一年前の今頃は、いわゆる『遠距離恋愛』。
「去年の今頃もこんなだったっけな……」
 誰にともなく呟くと、ビール片手に煮物をつまみ、今は当たり前にある筈の温もりの無い空間を寂しいと感じる。
 それを紛らわす為につけたテレビの音が今度は妙に耳障りに感じ、箸をくわえたまま手を伸ばしてリモコンを探り、
スイッチを押した。
 こんな機会に午前様を気にせず飲みにでも行けば良いものを――そう考えるものの、こんな時に限って誰一人誘ってくる
者などいない。
 だが、自ら連れ出す程の気力も残ってはいなかった。
 いい年をして、妻が家を空けるのがそんなに寂しいのか、と情けないと言わんばかりの顔をされ、その友がいそいそと
可愛い娘と妻の待つ家に帰るのが羨ましくて堪らない。
 香子――妻が何日も戻らない。といっても逃げられたわけではなく、親友の元へ泊まりに行っているだけなのだが――
初めてなのだ、結婚してから1人の夜を過ごすのは。

 ぼーっとぬるくなりつつあるビールをちびちびやっていると、携帯にメールが来たのがわかり、慌てて床に落とした
それを拾い上げ開く。

『お帰りなさい(^_^)明日予定通りに帰ります。面倒臭がらずにご飯もチンして食べてね』

 何気ない内容にも口元が綻ぶ。単純な男だ、と自分に苦笑しながら冷凍庫からラップに包まれた白飯を出しレンジにかけた。

 ほんの少しの寂しさだけなら、明日になれば終わる。
 そうすればこの何かが渦巻く胸のもやもやともおさらばできるのだろうか。
 何かを振り切るように空けかけの缶を飲み干すと、二本目を出しに冷蔵庫の扉を勢いよく開けた。
683十年目の秘密 2/13:2010/10/27(水) 20:04:16 ID:j60ZHXJJ
* * *

「綺麗ですねぇ」
 上司から渡された写真を見てそう述べると、にこやかに顔を崩す様につられて頬を緩める。
「お嬢さんのお見合い写真ですか?」
「まさか!成人式のだよ。当日だと混雑するんでな、面倒だが前撮りってやつだ。まだ出してたまるか!!」
 振り袖のそれを見ててっきり、と思ったのだが。
「すみません」
「君んとこは来年だっけ?奥さん」
「あ……うちは」
「人妻だからって気にしなくていいんじゃないか?振り袖位着せてやれ。レンタルならいいとこ紹介してやるぞ」
「そう……ですね」
 まだぎりぎり十代の香子だが、来年には成人式だ。本当なら写真の彼女のように振り袖を着せてやろうと思っていた。
 そのための貯えもしてあったし、その先も――そう考えて準備をしてきた。
 それは自分と結婚した事で半分果たされはしたものの、あとは無かった事のようにゴタゴタに紛れてそのままにされていた。
 これまで気にしてなどいなかった――というより考えもみなかった色々なことが、彼の頭を掠めていった。


 退社時間を少し過ぎて建物を出た。駐車場までの距離はさほど無いものの、1月の寒さは厳しくて思わず首を竦める。
「こんな日はおでんが食べたいな……」
 途中でコンビニにでも寄ろうかとも思ったがやめた。独り暮らしの頃はよく買っていたが、毎日手料理を食べるように
なると手作りの方が断然良い。
 少し早めに着くと、次々と出てくる人の群れを眺めながら自販機で買ったコーヒーを飲む。
 そのうち待ちわびた顔をその中に見つけ、缶をゴミ箱に放り込むと急いで駆け寄った。
「イチ君!迎えに来てくれたの!?」
 声を掛けるより早くこちらに気づき、小走りで駆け寄ろうとして――はっとしたように歩を緩めた。
「?……お帰り。荷物持つよ」
 遠慮がちに荷物を渡しつつ、足下に視線を落とす。それを多少怪訝に思いつつも口には出さず、努めて明るく聞いた。
「りっちゃん元気だったか。楽しかった?」
「うん、久しぶりに他のコ達とも集まって楽しかった!」
「そうか。疲れたろ?このまま飯食いに行こう」

 気のせいだと思いたい。
 
 彼女が、何かを隠していることを。

 それを知られまいとしていることも。
684十年目の秘密 3/13:2010/10/27(水) 20:05:15 ID:j60ZHXJJ
* * *

「なあ早川、デートってどこ行きゃいいの?」
「ぶはっ!!……何だいきなりお前は」
 啜っていたそばをむせそうになりながら茶に手を伸ばす。
「悪い。いや、マナちゃんとどうだったのかなと思って」
「別に意識してした事はねえな。観たい映画があったらとか、何となく……ぶらぶら出掛けたり、だな。何だ、お前だって
 女がいた事くらいあるだろが」
「もう忘れちゃったよ」
 そんなのは遠い昔の話だ。
 学生時代はそれなりに付き合っていた彼女もいた事はあるが、さほど深入りしない内に別れてしまった。そのため余り
ちゃんとした恋愛をしたという意識が無い。
 その後すぐ結婚を意識した女性に逝かれ、香子を手元に置いた。それからはそんな機会は無かった。
「香子がさ……」
 今朝の様子を思い出しながら、イチも湯呑みを手にし肘をつく。
「……デートなんかしてみたかった、って言うんだよ、急にさ」
「何だそんな事か。要は遊びに連れてけってんだろ?それ位聞いてやれ」
「ああ……そうか。そうだな」

 考えてみれば、香子と自分にとってはほとんど交際期間というものが無いに等しい。
 彼女を引き取ってから丸9年、そして10年目を迎える。
 互いの気持ちを確かめ合った時はもう離れてしまうつもりで、香子を先日会いに行った彼女の友人宅に預けて、
自分だけが今の土地に移り住んできた。
 それを結局は当時まだ高校生だった彼女の卒業まで待つことにしたのだが、いわゆる遠恋のためにデートらしきものは
ほとんどした記憶が無い。
 一緒に買い物や食事に出たことはあるものの、そういうのとは違ったものを言っているのだろうと思い、親友の
早川に聞いたのだが。
「何の参考にもなんないよ……」
「悪かったな。出不精だからな俺は」
 そう言いながらも、子供が産まれてからは何だかんだとレジャー施設を探してはいそいそ出掛けている。
変われば変わるものだ。

 ――自分は香子を喜ばせてやろうとした事があっただろうか。

「……あ、ごめんちょっと今いい?聞きたいことがあるんだけど」
 トレイを手に立ち上がると、近くにいた女子社員に声を掛けた。
685十年目の秘密 4/13:2010/10/27(水) 20:06:36 ID:j60ZHXJJ
* * *

「明日、映画でも行こうか?」
「えっ?何よいきなり」
「だって、お前が言ったんじゃないか」
「あ……そうだけど……いきなりなんだもん。そっか、映画ねえ」
「観たいのある?それか遊園地行こうか。天気も良さそうだし。ただちょっと寒……」
「あ、いい!だったら映画にする。あのほら、こないだCMしてたあれ、リメイクの。イチ君が嫌じゃ無かったらあれにする」
「俺はいいよ。……じゃ、あれにしようか。ああ、香子ビールまだ冷えてる?」
「うん。出してくるね」
 ご機嫌で空の缶を持ち、冷蔵庫を開けに行く後ろ姿を見ながら鍋をつつく。
 会社の若い女の子達にあれこれリサーチしてみたものの、結局人それぞれでさほどよく解らなかった。
 昨日ボソッと洩らした言葉を覚えていて、今日はおでんを作ってくれた。普段ならつい寛ぎ過ぎて酔っ払うからと禁止
されているのだが、休み前だからとコタツで一杯のお許しも付いて。
 疲れた体に染み渡る温もり、妻の優しさ。これ以上に幸せなものなど望むべきではないのかもしれないがと思いつつ、
缶を手に戻った香子にそれを手渡す。
「これ、今日仕上がって来たんだ。俺からも色々頼んでみてたからいい感じだと思うんだけど……細かい事はやっぱり奥さん
 の方が、って言うからさ。いっぺん目通してみて」
 それは家の設計書だった。
 イチは建設関係の会社に勤務している。早川が自社の関わった物件を購入する事になり、その伝手で勧められ自分も
どうせこの地に落ち着くつもりだからと思い切って手頃な家を買うことに決めた。
 所謂建て売りではあるが、幾らか追加すれば融通がきく。腕が良く気心の知れた人間が担当者とあって、自分の意見も
入れつつほぼ全面的に任せてあった。
「……家かぁ」
 初めに話をした時には、驚きながらも目を輝かせながらパンフレットに目を通し、あれこれと理想を並べてはしゃいでいた
ところを見ると、本心から喜んでいたのだろう。
「わかった。――へえ、対面にするとちょっと狭くなると思ったんだけど……」
「……ああ、その分収納の位置変えたから」

 少しだけ曇った表情。本人はきっと、それを気付かれているなどとは感じていないのだろう。
 だからイチも知らない振りをする事にした。
686十年目の秘密 5/13:2010/10/27(水) 20:07:51 ID:j60ZHXJJ
* * *

 翌朝目が覚めると、香子の姿がどこにも無かった。
 慌てて風呂場からトイレ、ベランダに至るまで決して広くはないマンションの部屋を隈無く探し、青い顔でキッチンの
椅子に座ったところでテーブルの上のメモに気が付いた。

『先に出ます。駅前の本屋にいるから起きたら来て』

 側にはラップをかけた朝食があり、コーヒーメーカーもセットされてある。
 一体何なんだ、と携帯を探そうとしてある事に思い当たり、そのまま黙々と食事を取り始めた。
 昨夜出掛ける計画をたてているときにぼそりと呟いた一言を思い出したのだ。

『たまには……待ち合わせとかしてみたいなぁ』

 一緒に暮らしているわけだから、当然外出の際には同時に家を出て同時に帰る。だからたまには変わった事が
してみたかったのだろう。それ位の我が儘など別に構いはしない。
 だが、問題はそこではない。それ以前に不自然な事が多すぎるのだ。

 このところ香子の様子がおかしい。
 家を買おうと決めた時は飛び上がらんばかりに喜んだ。庭が広くて設備も豪華――というわけにはいかず、今の自分の
稼ぎでなら何とかなるという程度の家だ。これまで賃貸暮らしで初めて自分の家が持てる。その事を純粋に喜んでいる
ように見えた。
 だがここ最近、そう本当に最近になって、具体的に話が進み出すと手放しで喜ぶ事無くどことなく不安を抱えた表情を
浮かべるようになった。
 不満があるのかと聞けばそうではないと言う。そんな彼女にイチは『生活の変化に対するちょっとした不安があるの
かもしれない』と考えるようにした。
 高校を卒業したばかりでいきなり“人妻”にしてしまった。今までとは違い、個人としてだけではなく“八神家”の顔
として頑張って貰わなければならない。その重圧は想像以上に辛いのではないか――。
 今回突然親友に会いに行きたいと言い出したのも、知った人間の居ない街に来て、里心がついたのかもしれない。
 それだけならいいのだ。
 だがイチの心にはもっと重い不安がのしかかっていた。

 ――香子が抱かせてくれないのだ。
687十年目の秘密 6/13:2010/10/27(水) 20:08:51 ID:j60ZHXJJ
* * *

「お待たせ」
 奥の方でうろうろしていた香子を見つけて声を掛けると、少し驚いた様子で振り向いたが、すぐ笑顔を見せる。
「あ、意外と早かったんだ。もうちょっとゆっくりしてくれて良かったのに」
「何だよ。待たせちゃあれだし……せっかくのデートなんだから」
「……そっか」
 イチの袖口をつんと摘んで俯く。
「なんだよ」
「ふふっ」
 怪訝に思って覗き込んだ香子の口元が弛んでいるのを見て、思わず自分もにやけてしまう。
「んじゃ行こうか」
 香子の手を握りながら店の出口へと向かう。
「どれくらい待った?」
「ん〜……けどゆっくり本が捜せたからいいよ。立ち読みで吟味できたし」
「……何か欲しいの?だったら待っとくから見ろよ。買ってやるぞ」
「ううん、いい。また今度で。……それより早く映画館行こ?今からなら多分次の回間に合うよ」
「ああ……」
 何を捜していたのだろう。ちらりと香子の居た辺りを見てみるが、実用書や地図などジャンルが幅広すぎて見当がつかない。


 無難に今話題の恋愛物を観る事にした。内容が内容だけにカップルか女同士の客が多い。
 こうして二人で映画館で映画を観るなんて初めてだ――とこれまでの自分達を思い返してみる。
 大概レンタルで済ませていたし、わざわざ待ち合わせて出掛けるような事もなかった。
 一緒に暮らせる様になったら、あれもしてやろう、ここへ連れてってやろう等と思い描いていたのに、いざそうなると
仕事や生活に追われているうちに、いつでも傍にいてくれるのだからとなり――また今度と先延ばしになるのも当然の流れ
となってしまっていた。友人にチケットを貰ったり、何かきっかけでもなければせいぜい外食どまりだ。
 結婚は生活だ。どんなに愛し合っていても、いざ一緒に暮らし始めれば噛み合わない数々の事に気持ちが冷めてしまう
場合もある。幸いなことに自分達はその基盤は出来ているから何の不安も無い筈だ。
 だが、普通それに至る前の段階――恋人同士と呼べるような時間が自分達にはほとんど無いに等しい。なのに結局何も
してやれなかったとイチは今更それを悔やみ、スクリーンを見つめながら唇を噛んだ。
688十年目の秘密 7/13:2010/10/27(水) 20:10:01 ID:j60ZHXJJ

「行きたい所がある」
 映画館を出た後香子にせがまれてやって来たのはショッピングモールだった。
「服でも欲しいのか?」
「ううん、そうじゃないの」
 言葉通り、いつもは買わないのに覗きたがる彼女が好みそうな店も素通りしてゆく。
 香子に従い黙って付いて歩いていくと、中心地にある広場に出た。そこにある巨大なある物を見上げながら
「あれに乗りたい」
と指をさしてねだる香子の姿にふと蘇る記憶。

 新しく出来た観覧車に乗り込みながら思い出すのは、2年前のあの1日。
「ねえ、あの日のこと、覚えてる?」
「……ああ」
 親代わりに育てた彼女を手離すつもりで、最後の思い出作りに出掛けた。その時もこうして観覧車に乗って肩を寄せ合った。
「そっち行っていい?」
「いいよ」
 狭いと文句をいいつつ、ぴったり寄り添う。そう、こんなふうにすぐ傍にある頬を撫でて、
「あっ――だめ」
「……ごめん」

――あの日と同じように口づけようとしたイチの肩を、そっと、しかし頑なに押し返した。
「……やっぱりな」
 深く、しかし震える声を零しながら息を吐き出しつつ呟く。
「え……なに?あ、えっとこれは」
 押し戻された体をそのまま黙って離し向かいの席へ移るイチに戸惑いながら、香子は自分が今相手にした仕打ちに対して
はっと思い返し自分も後を追う。
「いいよ、そっちにいたら」
 腰を浮かしかけた体を制し、香子を傍に寄らせまいとする。
「イチ君……あの」
「いいから」
 言い訳など聞きたくないとでも言うように首を振り、顔を逸らしたまま俯いた。
「……最後、だったんだよな。あの時も」
 最初で最後、そう思って香子を抱いたあの日。
 十も下の女の子――だが娘と呼ぶには愛が過ぎた――まさか今のように結ばれるとは夢にも思わなかった。
 だが、夢はいつかは醒めてしまう日がやって来てしまうのだと、幸せだった筈の昨日までの時間に想いを巡らせながら、
声もなく見つめる香子から目を背け、イチはただ一刻も早い地上への帰還を願うだけだった。
689十年目の秘密 8/13:2010/10/27(水) 20:11:14 ID:j60ZHXJJ

 観覧車を降りてから一言も話さず先を歩くイチに香子も黙ってついていく。
「あっ……!?」
 そのままショッピングモールを出て尚歩を緩めようとしない彼に離されまいと駆け出しかけて、僅かな段差に足を取られて膝から転んでしまった。
「いた……」
 小さな声で呟きながら、身を縮めて何かを抱き締めるような格好でその場にうずくまる。
 周囲の人々の目線やほんの僅かなざわめきに、やっと背後の異変に気付く。
 先程から強くなってきた耳を斬るような風の音と騒々しく流れてくる音楽に、香子の足音など簡単にかき消されて
聞こえなどしない。
 ――いや、それだけじゃない。
「大丈夫か!?ごめん。俺が……」
「……へーき」
「嘘つけ!血が出てるぞ」
 見ればストッキングの膝が破け、両膝それぞれに擦りむいた痕がある。
「本当だ……いたた、やっぱり痛い。見たらだめだね、こういうの」
 途端に顔を歪め痛みを訴える香子の腕を取って抱き上げる。
「歩ける?」
「ん……」
 そう言いつつも香子の手はずっとコートの前を押さえたままで、時折視線をそちらへ落とす。
「腹でも痛いのか?」
「そんな事ないけど……ちょっと休みたい。着替えなきゃいけないし」
「気分でも悪くなった?帰る?」
「それは……」
 嫌なのか。香子がこんなちょっとした我が儘を言うのは珍しい。これまでも、特に一緒になるまではイチにあれこれ
せがんだり強請ったりした事はほとんど無かった。自分を育てるために働いているイチに気を遣っていたのだろう。
 自分のせいだ、とイチはまた唇を噛んだ。
 しなくても良い怪我を負わせて、言いたい事まで呑み込ませて。
 同じ年頃の女の子のように、自由を楽しむ事は許されず、これからの人生を自分によって縛らせた。
 成人式の振り袖位は着せてやれるだろうが、考えてみれば式も挙げてないのだ。写真さえ撮ってもいない。
 幸せにすると誓ったのに、夫としても育ての親としても――自分の、そして香子の母親にも申し訳が立たない。

 ――ずっとついて来てくれているものと、ついて来てくれるものと思っていた。
 背を向けた罰が当たったのだと、膝の傷を痛々しく眺めた。
690十年目の秘密 9/13:2010/10/27(水) 20:12:19 ID:j60ZHXJJ
「それ、何とかしなきゃな」
 傷の手当ての出来る場所はないかと考えを巡らせていると、握りしめた手のひらに強い力が流れ込んでくるように感じる。
「あの……さ」
「ん?」
「まだ行きたい所があるの」
 イチの記憶の隅にあるほんの些細なやり取りが、ぼんやりと頭のどこかを掠めてゆく。
「……いいよ」
 香子の行きたい所でいい。
 それが精一杯の応えだった。


* * *

「とりあえず、傷洗っておいで」
 香子をバスルームに追いやると、買い物袋を放り出しベッドに倒れ込む。
 真っ昼間からこんな所に来る羽目になるとは、と聞こえてくるシャワーの音に耳を傾け目を閉じた。

『いきなりこんなトコでごめん。俺そういうのわかんなくて』
『それがいいの。だってめったにこんなチャンスないよー』

 最後にと思い出作りをしようと決めて初めて男と女になったのは、ちょうど2年前の今頃だった。
 香子から誘ってきたのは、彼女なりの覚悟と決意の表れだったのだろう。だが、自分はそれを全て受け止める勇気も覚悟も
持つことが出来なかった。

「まあね。私の事ほったらかしてっちゃうからだよ」
「ああ、俺のせいだ……」
 がっくりとうなだれたイチの後ろ姿に、香子は自分が冗談混じりで責めたつもりの言葉が酷く冷たく白けて行き場の
ないものになった気がした。
「あ……ごめん。そんなつもりじゃ、いいよもう。ほんっとに気にしな」
「いいんだ!」
 自分の肩に置かれた香子の手を振り払うように身を捩る。そしてそのままその背中を丸めて頭を抱えて震え出す。
「いいんだ……もう」
「イチ君?」
 弾かれた手は宙に浮いて行き場を失う。何が彼に起こっているのか、というよりも彼が“怒って”いるのか、
それとも――。
「イチ……君」
 まだ少しぴりりと走る膝の痛みを堪えベッドを下り、イチの前に跪く。見上げた彼の表情に一瞬息を呑むが、そのまま
無言で膝にある震える拳を自らの手で包み込み頬を寄せた。

「……でくれ」
 香子の手の甲にぽとりと雫が零れる。
「ごめん。だから行かないで、香子」
691十年目の秘密 9/13:2010/10/27(水) 20:16:35 ID:j60ZHXJJ
「それ、何とかしなきゃな」
 傷の手当ての出来る場所はないかと考えを巡らせていると、握りしめた手のひらに強い力が流れ込んでくるように感じる。
「あの……さ」
「ん?」
「まだ行きたい所があるの」
 イチの記憶の隅にあるほんの些細なやり取りが、ぼんやりと頭のどこかを掠めてゆく。
「……いいよ」
 香子の行きたい所でいい。
 それが精一杯の応えだった。


* * *

「とりあえず、傷洗っておいで」
 香子をバスルームに追いやると、買い物袋を放り出しベッドに倒れ込む。
 真っ昼間からこんな所に来る羽目になるとは、と聞こえてくるシャワーの音に耳を傾け目を閉じた。

『いきなりこんなトコでごめん。俺そういうのわかんなくて』
『それがいいの。だってめったにこんなチャンスないよー』

 最後にと思い出作りをしようと決めて初めて男と女になったのは、ちょうど2年前の今頃だった。
 香子から誘ってきたのは、彼女なりの覚悟と決意の表れだったのだろう。だが、自分はそれを全て受け止める勇気も覚悟も
持つことが出来なかった。

 今になってそれを死ぬほど悔やみ、自分の不甲斐なさを思い知るとは。
 拳を握り締め、叩きつけたマットに跳ねたそれが沈む。ぼんっと言う間の抜けた布団の音に重なってバスルームのドアの
開く気配がした。
 首を持ち上げてみれば、備え付けのバスローブを羽織った香子が脚をタオルで拭っている。
「スカート濡れちゃうし、面倒だから。すごい広いよ!どうせならちゃんと入りたかったけど……」
 残念そうにイチの横に座る。ちらりと捲れた裾から下着が覗くと、押し倒したい衝動が湧き上がってくるのを堪え、
先程の袋から、来る途中見つけたドラッグストアで買った薬と替えのタイツを出し、枕元の棚に並べる。
「何がおかし……いたたっ」
「いや。……ほら、無理に曲げ伸ばしすると痛いぞ。楽にして」
 ベッドの中央に脚を投げ出すように座らせ、消毒薬と貼り薬で覆った手当てをする。
「……ありがと」
「いや、俺のせいだから」
 そう言うと香子に背を向けベッドの端に腰掛ける形で座った。
692十年目の秘密 10/13:2010/10/27(水) 20:17:56 ID:j60ZHXJJ
「まあね。私の事ほったらかしてっちゃうからだよ」
「ああ、俺のせいだ……」
 がっくりとうなだれたイチの後ろ姿に、香子は自分が冗談混じりで責めたつもりの言葉が酷く冷たく白けて行き場の
ないものになった気がした。
「あ……ごめん。そんなつもりじゃ、いいよもう。ほんっとに気にしな」
「いいんだ!」
 自分の肩に置かれた香子の手を振り払うように身を捩る。そしてそのままその背中を丸めて頭を抱えて震え出す。
「いいんだ……もう」
「イチ君?」
 弾かれた手は宙に浮いて行き場を失う。何が彼に起こっているのか、というよりも彼が“怒って”いるのか、
それとも――。
「イチ……君」
 まだ少しぴりりと走る膝の痛みを堪えベッドを下り、イチの前に跪く。見上げた彼の表情に一瞬息を呑むが、そのまま
無言で膝にある震える拳を自らの手で包み込み頬を寄せた。

「……でくれ」
 香子の手の甲にぽとりと雫が零れる。
「ごめん。だから行かないで、香子」
 一体何を言っているのだろうかと眉を寄せ首を捻る。
「何?どこに行くって?ここにいるじゃん。行くとこなんかありませんよ〜」
「そういう意味じゃないんだよ……」
 香子が他に行く宛てなど無いのは自分が一番良く知っている。
 だからこそ大事にしてやらなければならないというのに、どこかで胡座をかいていい気になっていたのではないか
と思うのだ。信じていた彼女への自分への気持ちも含めて。
「お前を離したくない……」
 一度は諦めた、下手をすると端からは道ならぬ恋と思われたであろう愛おしい存在を、知ってしまった優しい温もりを、
どんなことをしても――例え悪あがきと思われようとも――二度と失いたくはない。
「えっ!?何それ!離れるって……」
「だってお前、俺のこともう……」
「はあっ!?ちょっ……」
 今まで優しく添えていた筈の手でイチの両頬を押さえると、ぐいっと強引に自分に見えるように顔を上げさせる。
693十年目の秘密 11/13:2010/10/27(水) 20:19:16 ID:j60ZHXJJ
「な・ん・だ・っ・て?」
「え……えっとだって俺に愛想尽かしたのかと」
「!!……なんで!?なんでそういう話になんの!?おかしいと思ったんだよ!何よ、ぐじぐじそんな事1人で考えてたなんて。
 勝手に何でも抱え込んでさ!イチ君の悪い癖だよそういうの」
「っ……じゃ、じゃあ、聞くけど、お前はどうなの?ここんとこ変だぞ。急にりっちゃんに会いに行ったり」
「友達に会いに行ったら悪い?イチ君てそういうの縛るタイプだったんだ」
「違……それに、家の話だって進むにつれてノリが悪くなったし、今日の行動だって考えようによってはまるで……」
 あの時の、あの日の流れを再現しているようにも感じられる。
「それは……だって……最後になるかもしれないから……」

 最後。

 一番恐れていた事が現実になる。その絶望感で頭が一杯になると、そこから溢れ出す感情を抑える事が適わなくなった。
 香子が困惑した顔で見つめるのも構わず、子供のようにしゃくり上げる。
「……イチ君」
「なんだよ」
「なんか勘違いしてる?」
「何がだ。だって最後なんだろ?家、買うのは一緒にずっと暮らすってことなのに。それがあんまり気乗りしないのは
 それが重くなったからだろ。本当はどこかで俺と結婚なんかしちゃって後悔してるんじゃないのか?」
 19歳ならまだ遊びたい盛りだ。久しぶりに親友に会って、住み慣れた地に里心でもついたのかもしれない。
「俺ヘタレ男だしさ。真面目だけが取り柄の女々しいおっさんなんか……」
「ちょっ」
「いや、いいんだ。……最近は触られるのも嫌だって感じだし。そろそろ加齢臭もするしそりゃ嫌だよな」
「……は?」
 話が一向にのめずにいる香子に思わず苦笑いし、鼻を啜りつつ精一杯の気力を振り絞る。

「最後まで格好悪いな。短かったけど幸せだった。今までありがとな、香子」

 そう言って自らの薬指から指輪を外そうとする。
 そこまできてようやくイチの言わんとすることに気が付いてそして、

「……ちょっと待って!勝手なこと言ってんじゃないっ!!」
「はいっ!?」

――香子がキレた。
694十年目の秘密 12/13:2010/10/27(水) 20:20:16 ID:j60ZHXJJ
「黙って聞いてりゃなに?いつ、いつ私がイチ君のこと嫌いだとか、重いとか後悔してるなんて言った?ねえっ!?」
「いや、だってあの……」
「何!まだぐだぐだ言い掛かりつける気?」
「……いえ。あ、でもセーター伸びる……」
「じゃあ黙って聞きなさい」
「はい」
 涙があっさりと引っ込んだ。とりあえず目の前で自分の服の胸元を掴み立ち上がって見下ろす妻に逆らうのは危険と
判断した。賢明であろう。
 手をぱっと離されて勢いでひっくり返りそうになるのをなんとか堪える。マットの上なら何の心配もないが、余りに不様だ。
特に今は。
「……最後って言うのはね、もうこれからはこんな機会は持てなくなるからって思ったからなの。……私達、元々家族だった。
 だからいわゆる『普通のお付き合い』っぽい事してみたかった。外で待ち合わせして、お茶とか映画とか、それから
 ……みたいな。たまたま何となくあの日と同じみたいになっちゃったけど、私はただ懐かしくて……けど、まさかイチ君が
 そんなふうに思うなんて」
「深読みし過ぎだって?」
「そうだよ。大体さあ、私の事信用してないわけ!?頭くる!」
「じゃあ……なんで……俺のこと拒むのさ」
「えっ?」
「もうひと月は軽く……」
「……ああ……うん……それなんだけどね。まだ、ちゃんとわかってなくて、でも多分間違いないと思うんだけど、
 はっきりするまでは、って……。私だって、我慢……してたんだよ」
「何が?」
 黙ってイチの横に並んで座り、彼の膝の手をとるとバスローブの結び目の下に持って行く。
「香……」
「いるの」
「えっ?」

 香子は自分の下腹部にある手の温もりをそっと押し当てながら、今度はイチの顔を見上げて僅かに頬を染めた。

「いるかもしれないんだ」

 突然降ってわいた思いもよらない存在。
「ほ……んとに?」
「まだ、病院行ってないけど、アレ……無いし。判定薬は陽性が出たから多分。あれ結構正確らしいし」
 まだ信じられないという面持ちのイチに今度は香子に不安が募る。
695十年目の秘密 13/13:2010/10/27(水) 20:23:23 ID:j60ZHXJJ
「……そうか」
 ぽつりとそれだけ呟くと顔を逸らす。
 喜んでくれないのだろうか。
 これまで、もし間違いであったらぬか喜びをさせてしまうかもしれないと慎重にそれを守ってきた。そろそろ限界に
きていたとはいえこんな形で伝えるのは多少不本意だが、それでも彼ならばきっと望んでいる筈だ。ならば――と。
 だが訪れた沈黙が、これまでの暮らしで培ってきたその自信が脆くも崩れ去ってしまう――かに思えた。
 その時だ。
 お腹に当てた手はそのままに、また鼻を啜る音がする。
「……うそでしょ?」
 さっきとは明らかに意味は違うだろう。だが、大の男が、それももうすぐ三十路に手の届くという人間が今日だけで
何度涙を見せる気か。
「もう……」
 それに対する不安はどこへやら、違う意味でまた香子は頭を痛めそうだとため息をついた。
「イチ君、それ、喜んでくれてる?よね」
「当たり前だ!ばか」
 ばっと振り返ると、勢いよく香子を抱き締める。
「たった1人の肉親だった母さんに死なれて、兄弟もいなくて。そんな俺に……血を分けた自分の子供が生まれるんだぞ?
 それも惚れ込んで一緒になったお前が産んでくれるんだぞ?嬉しくないわけないだろうが!何で早く言わないんだよ〜」
「だって……そしたらりっちゃんに会いになんか行かせてくれなかっただろうし」
 それを聞いてハッとする。
「そうだ!お前、あんな距離……新幹線は揺れるし疲れるんだぞ!何ともないか!?ああもう、もし具合でも悪くなってたら」
「ほらね〜。大丈夫だよ。まだ何にも身体変わんないし悪阻もまだだし。これからはもっと会えなくなると思ったんだもん」
「それにしたって……じゃあもしかして家も関係ある?」
「バイト辞めなきゃなんないから。また、イチ君に1人で負担掛けるし。ローンも始まるし……」
「ばか!それが俺の仕事なんだよ。お前はただ自分の身体の事だけ考えてりゃいいんだ。だから……」
 睫毛に残る涙を光らせて、まっすぐ香子を見つめる。
「ごめんな。それから……ありがとう」

 今度は香子が泣く番だった。
(続く)


9レス目コピペミスりました
2つめのレスが正しいものです
無駄遣いして申し訳無い
696名無しさん@ピンキー:2010/10/27(水) 20:43:36 ID:j60ZHXJJ
勝手ながらついでに次スレ建てさせて頂きました
不備があればそれこそ申し訳無い

【俺の】結婚&新婚萌えスレッド第5夜【嫁!】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1288179572/
697名無しさん@ピンキー:2010/10/27(水) 21:18:21 ID:EoP4U/DF
激しくGJ!!後半も期待してます!!
698名無しさん@ピンキー:2010/10/27(水) 23:50:37 ID:NWjG64Ng
お久しぶりです&GJ!!イジイジするイチ君が可愛いw

スレ建ても乙です〜
699名無しさん@ピンキー:2010/10/28(木) 18:20:35 ID:NyCIdodk
うおーっ、ついに子供が!
GJGJ!!
イチも香子も可愛いんだぜ
700名無しさん@ピンキー:2010/10/28(木) 21:05:12 ID:cTO40eed
これは萌える
701名無しさん@ピンキー:2010/10/28(木) 21:40:15 ID:HZ5px92n
子供キターーーーーッ!!
後半まで待てないGJ

そしてスレたてまでもw乙です。
702名無しさん@ピンキー
スレ立てとかいろいろ乙です

それにしても今日の「アメトーーク」はまさにここの住人向けだよw