>1乙。
もう新スレか。豊作だったんだなあ。
3 :
いつふた:2009/02/08(日) 16:28:04 ID:xgMKJCJL
ゲーム:でもんぱ(チョコレートは森永♪)
原作:地下スレ27>527-530
形式:会話形式(いつものふたり)
エロ度:エロネタギャグ。
レス数:2+1
◇あつあつチョコレート
「ねぇねぇ」
「あ〜?」
「>527-530がさ、バレンタインデーを話題にしてるんだけど」
「ああ」
「>528も言及しているように、やっぱバレンタイン・イベントといえば、女の
子が自分をチョコレートでコーティングして、『私を食べて(はぁと)』って彼
氏を誘惑する、ラブラブ・シチュエーションにとどめをさすと思うんだ」
「なるほど。ドジっ娘アピールで彼氏の萌えごころをがっちりキャッチ、とい
う寸法か」
「どじっこあぴーる?」
「自分で自分にレッツ・チョコ・フォンデュー!
『きゃあ、熱い! 火傷しちゃった!』
『アハハ、ドジだなぁ。ほら、手当てしてあげるから、診せてごらんよ』
そんな顛末」
「それもラブラブっちゃあラブラブだけど……つまんない現実を突きつけるな
よぅ」
「現実はこうだぞ。
自分で自分にレッツ・チョコ・フォンデュー!
『きゃあ、熱い! 火傷しちゃった!』
『何やってんだよお前。バッカじゃねーの?』
そんな顛末」
「二月の寒さが身にしみるー!」
「おそらく>528は、溶けたチョコレートを結希にブッ掛けて、彼女の柔肌が火
傷を負い、赤く爛れた皮膚が《リザレクト》でブクブクと再生していくさまを
眺めて性的に興奮するタチなのであろう」
「違う! 絶対に違う!」
「まあ、悪魔憑きなら悪魔寄生体の作用で丈夫になるから、チョコレート程度
じゃ火傷なぞしないかもしれんが」
「ああ、なら凪×さおりん、ポッキー×楓、オロシ×マヤマヤ、嵐兄ちゃん×
エレンのカップルには、チョコレート・コーティングなバレンタインデーが可
能なんだね。
……って、一家総出でそーゆーことするバレンタイン・イベントってのも、
想像すると非常にソーゼツだが」
「とはいえ最近のバレンタインは、オナゴがオノコにチョコを贈るとゆーより、
オナゴがここぞとばかりに高級チョコを、自分のために買って食うイベントと
化しているらしいな」
「ああ、ご褒美チョコってやつだね」
「くいしんぼさんの楓は、たとえポッキーにチョコを贈るとしても、別口で自
分にご褒美チョコを用意しそうなものだ」
「明日香ちゃんと一緒にデパートの特設会場で試食してまわったりするんだ、
きっと。キャッキャウフフな女の子のお付き合いってやつだね」
「そしてその夜、楓は彼氏と二人っきりになり、」
「うんうん」
「ポッキーのバナナにチョコをまぶして自作の“ポッキー”独り占め」
「えー、愛があるなら、それもまた良しとゆーことで」
>>5 おかしい、いつふたがきれいにまとまっているw
・・・・・おしまい。
以上、埋め立てに貢献しようと思って書いたら既にスレが埋まっていました。
というお話でした。
末尾になりましたが、>1乙。
>>1 乙です。
>>7 AAで速攻埋めちゃって悪いコトしましたかね?
ともあれGJでしたー
9 :
GドM:2009/02/08(日) 20:07:48 ID:7LunnFFi
みなさんお久しぶりです。
なんか、年末の人事異動で「え?冬期休暇ってなんだ?美味いのかそれ?」ってな状態で、長く文章を書いていなかったので、リハビリがてらに短編書いてきました。
ふたふたを楽しみにしてた人、いたらごめんなさい。
10 :
落し子感謝デー:2009/02/08(日) 20:10:06 ID:7LunnFFi
来たる2月14日。
世間では『セントバレンタインデー』と呼ばれ、女子が男子へチョコレートをプレゼントすることで、愛情を伝える日。
皆が皆、紀元は何なのかも知らぬまま、始まりは何時なのかもわからないまま、”みんながするように”と楽しみ、賑わう。一年の内でも、屈指の華やかさを持つ”お祭り”。
そんなの、日本だけの話?
いいえ、そんなことはないのです。
この裏界でもちょっとしたイベントが起きようとしていました。
一人の魔王のお遊びによって。
『魔王の落し子感謝デー〜ぽんこつvsちょーこー世紀の頂上決戦(笑)編〜』
魔王アクア=ナトラクはちょっとした噂を流してみた。
曰く、表界ではバレンタインデーというイベントがある。
曰く、それは愛の告白を促す物であり、世間でも重要視されている。
曰く、ならば、それを裏界のイベントで塗り替えたならば、世界結界にダメージを与えることができるのでは?
等という謳い文句で始まり、日々自分達の手駒として働く落し子達を労い、ちょっとした褒美を与える日にしてみてはどうだろう?と、言うのが大筋の流れだった。
魔王もその大半が女性の姿を持つ裏界。
女→男のサービスの日として、自然にイベントをすり替えようと、そう言うわけだ。
もちろん、女心をくすぐる”本物のバレンタイン”も強調しておいた。
するとどうだろう。好奇心を刺激された魔王達が、我関せずを装いながらも、落し子を増やす。プラーナの出費を切り詰める等、イベント前から準備と取れる行動を始めていた。
(あららぁ、みんな女の子ねぇ。世界結界の綻びも、日本が限度だと思うけど、乗ってくれるんだぁ)
和服姿の魔王――アクアは、にこにこと上機嫌に日傘を回しながら歩く。
目的地は蠅の女王の居城。
機嫌を損ねれば死ぬ。そんなパワーバランスの相手ではあるが、なにかとコミカルな可愛さを持つかの魔王のことが、この策略家は大好きだった。
(ああ、日本にやっかいなウィザードが多いんだから、それで良いのかぁ)
歩調を一歩分止め、思い直すと、すぐにまた歩き出した。その表情は、先ほどにも増して嬉しそうだった。
11 :
落し子感謝デー:2009/02/08(日) 20:11:50 ID:7LunnFFi
* * *
…と、いうのが二月初頭の話。
現在は既に当日の14日である。
「んぁぁ…ん、くちゅ…、んぶぅ!」
どくどくと、大量の精液が口内に注がれる。ごくりと飲みこむが間に合わず、口に突き刺さった陰茎との隙間から白濁液があふれ出た。
一度出しただけで収まるはずがない。ベルの外見年齢よりもいくらか年上の落し子は「ベル様ぁ」と甘えた声で恍惚の表情を浮かべたまま、主の頭を掴み、再度腰を振り始める。
「あふぁ!ベ、ベルったら…そのくらいで、悲鳴なんて上げて。情けない!あぁん!」
口では偉そうなパール=クールは、実際の所は上下逆さま――いわゆるまんぐり返しの体勢で上から犯されているため、威厳とかそう言った類の物はまるでなかった。
ここは、アクアが自分の領地に用意した、ベルとパールの決戦場…という名の乱交パーティー会場だった。
広大なホールのような何もない空間だが、床は布団のよう触り心地がよく、タイルのように歩きやすい。そんな不思議な場所だった。
中央付近ではベルとパールが、全裸で落し子達に嬲られている。
そして、少し離れた場所にはパイプ椅子と机を用意して、その様子をただただ興じる、二人のいじめっ子――アクアとリオンが鎮座している。
何故、このような乱交になっているのか。
何故、パール=クールが参加しているのか。
その二点について、回想を交えて説明したい。
先日、アクアがベルの元を訪れて「落し子を喜ばせるにはSEXして上げればいい」という旨を伝えたところ、ベルはムキになって否定。
表情を見るに、照れや恥ずかしさのため、落し子に身体を許したくは無いようだった。
アクアもそれで引き下がるつもりもなく、あの手この手で説得しようとした矢先、部屋の片隅で黙々と読書を楽しんでいた秘密公爵が鶴の一声。
「ベルは純情だから、せっくすなんてしたことありませんよ」
「そそそ、そんなわけ無いじゃない!私だって経験の一つや二つ…」
「そうね。写し身なら或いは。でも、その記憶や経験を、ちゃんとバックアップしたのですか?」にやり
「やってるわよ!あの、あれがこうなって、こう…」
身振りで説明しようとするが、本当に知識に乏しいのだろう。何をやっているのかわからない!
「おーほっほっほ!聞いたわよベル!ベルったらなっさけなぁい!」
と、ここでずざっと砂埃を上げて登場する”東方王国の女王”パール=クール。
何かネタを思いついて決闘(端から見れば仲良しの喧嘩。被害を見れば災厄)をしに来たようだが、新しい話題に食いついたため、そのことはもう頭に残っていないだろう。
「パール!!?な、情けなくないわよっ。あんたこそどうなの?」
「わたしぃ?わたしは経験ほーふよ。寝る前におまたがむずむずしたら、毎晩のように召使いに”舌で”処理させてるわっ」
ががーん!
と、ショックを受けたのはベルだけで、リオンとアクアはその中途半端さに呆れるのだった。
「ベルったらかわいんだぁ。ねぇねぇ。『おちんちん』って声に出して言える?言える?」
かつて、これほど上機嫌だった東方王国の女王を見たことがあるだろうか。
「い、言えるわよ…ぉ、おち、おち…おち…おちぃぃ……っ」赤面
(ああ、可愛い……)
歴史上初めて、性格も爵位も実力も、何もが違った二人の魔王の気持ちが一つになった。リオンとアクアは、この二人の強大なる魔王をからかおうと、目と目で通じ合ったのだった。
「ほぉら言えなぁい!あっはっはっはっはっは」
とうとう耐えきれなくなったのか、お腹を抱えて、服や髪が汚れるのも気にせず床に笑い転げる金髪巫女服の少女。
話題さえシリアスならもっと格好良く振る舞えるのにと、リオンの目に哀れみが混じった。
「ゼファーちゃん。口に出せなくてもSEXはでるわよぉ」
「アクア、その愛称じゃない方に一々ちゃん付けして呼ぶのやめてくれる?すっごく不機嫌なんだけど」
八つ当たりだ。
「あらあら、ごめんなさぁい。そうねぇ。そこのクールちゃんとどっちがSEXが上手か、勝負してみれば良いんじゃなぁい?」
「…っ。どうやって?」
「それならば、さっきアクアが仰った、落し子感謝デー…ぷくっ…失礼。14日のイベントを行えばよいでしょう」
「グンタちゃん、私のネーミングを笑うなんて酷いわぁ」
余りショックでもない風に非難してから、続きを促す。
「二人の落し子を集めて、数を均等に分けます。分けた落し子を、二人の写し身で性的に満足させます。写し身を使うのは、落し子を勢いで殺してしまわないために、レベルを最低限に抑えるためです。
もちろん、自分の分担分を先に片付けた方の勝ちです」
さくさくと手順を思いつくリオンに感心しながら、アクアが自分の意見を続ける。
「それとぉ。写し身の数は決めておいた方が良いわねぇ。たくさん作ってきた方が有利になるしぃ」
「……」
「あひっあひっ!げふんげふん、げはっ!そ、そんなの!…うひひ…ひ、一人で、十分よっ。ぶふぅ!あっはっはははっ」
どれほどツボに入ったのか。埃まみれで強がる裏界最上級の魔王。
「ベルもそれで良いですか?」
「……い、いいわよ!やってやるわよ!」
(決まりぃ!)
このアイコンタクトが像を持つならば、ハイタッチをする二人の姿が見えたに違いない。
余談だが、ベルは独学でえっちな本を読みあさり、パールも自分がする奉仕を詳しく知って軽く逆ギレ。なんだかんだで二週間もおけば心の準備もでき、二人は万全の体制で勝負を開始したのだった。
ただ、「自分はこれだけの落し子を持っている」「自分はこれだけの落し子を満足させられる」などと見栄をはって1000人近い落し子が集まったのは失敗だったと、二人はこっそり反省した。
「ベル様、お、俺のもしゃぶってください」
「んぶぅ、ちょっと…あふ…ちょっとまって…」
大股で膝立ちをし、騎乗位の体勢で下からの激しい突き上げられている。ベルの腰はずっと宙に浮いた状態になっていた。
ひと突きごとに、ぴりぴりと痺れるような快感が股間からお腹の奥へと登ってくるため、腰には全く力が入らない。
「ちゅる…。ベル様の…にちゅ…乳首…」
転けずにすんでいるのは、この落し子が上半身を支えているからであり
「ベル様、まだイけてません。もう少しお願いします。うぅ」
この落し子の腰に掴まっているからである。
一方、パールの方は
「パール様っ、髪の毛を使わせて貰っても良いでしょうか」
(髪の毛…ショートカットのベルにはできない、こと…)
「あふぁ…っ。良いわよ。んふっ。どんどん気持ちよく、なりなさ…あぁん!!」
と、このようにベルがやっていない事を積極的に受け入れ、現在は仰向けに寝る落し子をベッド代わりに、前後の穴を使ったサンドイッチファックの最中だった。
「ふはぁ、あうぅっ。激しすぎ、るっ」
性感帯はとうに開発し尽くされ、激しい陵辱に連続で絶頂を迎えている。
突かれる度、出される度に訪れるアクメに涙を流しながら耐える。
「んひぃっ!ああ!あぁあ!」
調子に乗るからこんな事になるのだが、ベルには負けたくないと言う気持ちで次々と要望を受け入れてしまうのだった。
「ベル様、俺も、ベル様のお、お尻…使いたいです」
遠慮がちに言う落し子だが、既に入れる気満々のようで、右手に握りしめられた肉槍はしっかりとベルの肛門をロックオンしていた。
「あひぁ、ダメ!お尻は…嫌ぁ」
秘唇でペニスを咥えることはできたが、こんな場所に入れられるのは…ましてや快感を得るなんて事は、ベルのプライドが許さない。
両の手を握っていた男根から離し、自分の尻を隠す。しかし、相変わらず下から突かれ続けているため、手がブレてチラチラと見えて、逆にエロチックな光景だった。
「ベル、そんな調子ではパールに負けてしまいますよ?」
「そうよぉ?お尻だって、使ってみると案外気持ちいいの」
外野の野次。
それが嫌だから使わせないの!
と、言う言葉を飲み込み「…や、優しくして」と目と手をそらす。
「も、萌えー!!!」
同時にちんこも反り返り、勢いに任せてぶっすりと突き刺さるのだった。
えっちになってでも、パールには負けたくない。それがベルのアキレス腱だった。
14 :
落し子感謝デー:2009/02/08(日) 20:18:16 ID:7LunnFFi
長い時間をかけて、少しずつだが落し子を満足させて行く二人の魔王。
気持ちよさと疲労が混ざり合い、思考が薄れて行く。
「パール様、キスさせてください、んちゅ…」
「んふぅ、ちゅ…んっ…」
不意に訪れたそれは、性欲以上に愛情のこもった、長く熱烈なキスだった。普段勝ち気で唯我独尊のパールも、自然とそれを受け入れる。
その目はとろんととろけ、本当に愛おしそうにキスを反していた。
ちゅっくちゅっくと響く唾液の音。
ベルは気付かぬ間に、その光景に目を奪われていた。
あ、パールったら優しくして貰ってる…。
「ベル様、羨ましいのですか?」
ベルの変化に気付いた落し子が言う。
「そ、そんなわけ…ないわよ……」
羨ましいんじゃなくて、もっと、こう……敬いなさいよ。ううん、違う。なんだか、違う。
今の気持ちを完璧に表せる言葉が思いつかない。ただ、愛されているパールを見ていると切ないのだ。
そんな主の消え入りそうな否定の言葉に「大丈夫です、俺たちもベル様に優しくして、気持ちよくなって貰います」と、別の落し子が続けた。
一人の落し子がベルを背面坐位の形で抱き、下半身をつなげたまま、両の乳首を優しく、時に強く、こねくり回す。
「ちょ…ちょっとっ。胸ばっかり、やらないでよ…」
コンプレックスのある胸をいじられると恥ずかしい。しかし、それ以上に胸の奥が熱くなるような、今までと違う快感を感じ始めていた。
「ベル様、失礼します」
四人の落し子が傅き、両の手足にキスをする。
そのまま、舌を這わせ、指の股までを丁寧に舐め、愛撫する。
「ベル様」
胸と挿入を担当する落し子に声をかけられ、振り向くと、そのままキスされた。
「はぁん…ふぁ…」
舌をフェラされているような、深く優しいキスだ。
口を離して「あ、あんた達。私はあんた達を満足させるのが目的なんだからね。私が気持ちよくなっても仕方ないのっ」と強がるが「ベル様にも気持ちよくなっていただかないと、俺たちも満足できません」と続けられては悪い気もしない。
こんなに私のことが好きだなんて…けっこう、可愛いところあるじゃない。優しくして貰うのって、悪くないかも…。
落し子達に対する意見を少しだけ改め、ベルは愛撫に没頭していった。
15 :
落し子感謝デー:2009/02/08(日) 20:19:20 ID:7LunnFFi
数時間後。
「アクア、そろそろ5時間になりますね」
「あら、そうねぇ。ちょっと休憩にしましょうか」
外野はのんきに、お茶を飲みながら見学している。
「それでは今ご奉仕中の皆さん。出し終わったら一度離れてお二人に休憩を取らせて上げてください」
リオンの呼びかけに、一人、二人と射精し、離れていく。理性を失って襲いかかる者はなく、意外と理性的だ。
「ゼファーちゃぁん?クールちゃぁん?体中のザーメンをプラーナに変換して、体力を回復しておいてね。少し休みにするから」
「はひぃ…はひぃ…」
「…ふぁ…あひゅっ…」
仰向けに寝転がり、あふあふと虫の息で休憩する二人。時々、びくびくと身体が痙攣し、遅れてきた絶頂を感じている。秘唇がぱくぱくと動くと、中からどろりと精液があふれ出た。
全身が白濁にねっとりと濡れ、髪の毛もべったりと顔に張り付いている。
絶頂の余韻でゆるんだ表情は、見るだけで性欲を掻立てられ、周囲の落し子達も早く休憩が終わり、自分の番が来ないかと心待ちが逸っているようだ。
それを見たアクアは、”とても嬉しそうな顔で”しゃべり始める。
「触れたら休憩にならないけど、かけるだけなら良いわよぉ。全部プラーナになるんだし」
どっと、人混みが動き、狭まる。
うおぉぉぉ、ベル様ー!パール様ー! しこしこしこしこどぴゅっ!どびゅぅ!!
二人が更に酷い有様になったのは言うまでもない。
ぶっかけに志願した落し子達の射精は何十分と続いたが、いつしか終わり、しばらく休むと次第に匂いも消え、てかりや逆に乾燥してカピカピになった部分も身体から消え始める。
同時に息が整い、顔に生気が戻ってきた。身体も今シャワーを浴びたばかりのようにつやのある肌で、清潔感が漂っている。周囲の落し子達のやる気も急上昇だった。
「いいわよ、リオン。十分休んだわ、続きをやりましょう」
「わたしだって、もう、元気なんだから」
二人の復活宣言は同時。視線が火花を散らして交錯する。
「あらあら、お盛んですね。では、ウォームアップで一人ずつを3時間、その後また5時間やって休憩としましょう」
え?それってさっきより長くない?3時間も…。という弱音は飲み込んだ。かっこわるいから。
「はぁい、さいかーい!」
アクアがぱんぱんと手を鳴らす。
「ベル様ー!!」
「パール様ー!!」
同時に大量の落し子達が殺到してきた。
「ああ、ちょっと!あむぅっ〜〜!」
「おしっおしりばっかりはぁ〜あうぅっ!」
今宵は祭りの日。宴はまだ始まったばかり。
16 :
落し子感謝デー:2009/02/08(日) 20:22:24 ID:7LunnFFi
〜エピローグ〜
「あらあら、一人ずつって言ったのに…。ところでアクア。休憩までで処理した人数はカウントできていますか?」聞こえていなかったのかしら?と独りごちる。
「ええ、もちろんよぉ。ゼファーちゃんが30人、クールちゃんが33人ねぇ」
「五十歩百歩。先は長いですね」
「ええ、とぉってもたのしみ」
その後、体力を回復してもう一度列に並ぶ落し子が続出するが、アクアの「別に良いんじゃなぁい?」の言葉でうやむやになる。結局翌月の14日、ホワイトデーまで宴は続いた。十分に体力を回復して再戦する落し子は減ることもなく、勝負はドロー。
後日、落し子達の”3倍返し”の労働でファー・ジ・アースが前代未聞の大事件に巻込まれるのだが、それはまた別の話。
「ねぇ、グンタちゃぁん?見てるだけだと物足りなくなぁい?」
「ご心配なく。別の写し身で、私も”感謝デー”を催していますので」
「あらあら、考えることは同じなのねぇ」
こちらのエピソードも、語る機会があれば語りたいと思う。
The END
17 :
GドM:2009/02/08(日) 20:29:06 ID:7LunnFFi
以上です。
スレの話題がバレンタインになってて、タイムリーで良かった。緊張すくねぇw
とりあえずはふたふた完結を目指しますが、また間が空いたらリハビリがてら。または完結後に他の魔王のネタも書くかも知れません。
ご要望があれば、聞かせてくださいまし。
職場でゲーム中、後輩の女の子-ネギヲショッタカモ-に「このドS!ww」と言われてゾクゾクした、自分でもSかMかわからないGドMでした。ぐない。
以下、小ネタ。
〜サイドエピソード〜
落し子A「しっかし、順番待ちなげぇなぁ」
落し子B「そうだな。整理券もあるし、あっちで座って待ってようぜ」
落し子C「順番来てないのに見に行ったら生殺しだもんなーwww」
落し子D「おお、こっちこいよー。待ってる間にアリアンロッドやろうぜ!」
落し子A「おお、いいな!」
落し子C「道具あるのか?」
落し子E「月衣の中にルルブ、サプリ、各種シート、ダイス、トークン…一式完備してるぜっ」
落し子達『すげー!おまえ完璧すぎwwww』
落し子達の夜は長い。
18 :
GドM:2009/02/08(日) 20:41:15 ID:7LunnFFi
ああっと、書き忘れ。
写し身の数は、強い物ならまだしも、弱い物なら複数同時に作れるというのは俺設定。
公式で描写無かったと思うので、あんまり信用しないでw
19 :
GドM:2009/02/08(日) 20:47:14 ID:7LunnFFi
もう一個あった。
パールの召使いネタはスレ24の、強化人間劇場さんから無断借用。
勝手に使いましたが、勝手に使って謝るのもアレなのでお礼だけ述べたいと思います。
ありがとうございました。
うだうだと長引いて申し訳ないorz
お、落とし子の受付はまだ間に合いますかっ
GJ!!是非リオンとアクア版のSSもお願いしたい!!!
………今の俺なら冥魔王を瞬殺してラースフェリアから自力で裏界に行けるはずだ!!待っていてくれリオン様!今すぐ任務を果たしてあなたの落とし子が帰りますうぅぅぅぅ!!
(突然素に戻り)あ、GJでしたー二人ともエロ可愛かったけど、オリジナル魔王であるアクアさんが凄く可愛かったですw
……さて、るー様とリオン様とアクアさんのエロはまだですか?w
戦車の装甲板魔王か……。
24 :
yuzu:2009/02/09(月) 19:32:30 ID:y6LubEu1
遅ればせながら
>>1さまスレ立て乙ですー。
そして、
>>19さまことGドMさま、ぐっじょーぶ。
こんなご褒美もらえるなら世界の敵となっても落とし子になる。ええ、なりますとも!
個人的にはリオン様の落とし子たちがどんなご褒美を貰ったのか、読んでみたいですなー。
ふたふたの続きも待ち遠しいですが、のんびり待たせていただきますので。
んで。さっそく続き投下予告でございます。
今回注意:エロ分少。戦闘のノリと勢い重視になっているので、ルール的な突っ込みはご勘弁ください(笑)。
二十時半頃、また参ります。ではでは。
※
翔ぶ。
すべての力を初動に注いで隼人は飛翔する。
それはまさしく、渾身の力を込めて引き絞られた弓矢が放たれる姿にも似て。
大地を蹴りつけた勢いそのままに飛空する様は飛燕のそれである。
漆黒の刃を肩に担いだ姿勢のまま。
次に訪れるのは、容赦のない斬撃をもたらす刻。
続く破滅を否応なしに予感させる、人型をした死の具現。
マスターヴェノムは戦慄する。
その脳裏に浮かんだひとつの言葉 ――― それこそが、“ダインスレイフ”。
破滅の剣。ひとたび鞘から抜き放たれれば、命を奪わずにはおかぬ伝説の魔剣の名!
しかしマスターヴェノムはそれを懸命に否定する。
なんという陳腐な連想だ。
そもそもこの名前は、魔剣の名を借りた戦闘用人格を表す記号に過ぎぬ。
眼前に迫る隼人の振るう日本刀が、魔剣の名を冠するに値する不可避の刃であるなどと、馬鹿げた妄想にも限度がある。
されど。
右に避ければいいのか。左にかわせばいいのか。それとも後退するべきなのか。
迫り来る隼人の猛追する姿を目の当たりにして、その思考は凝固する。
あまりにも速い。あまりにも鋭い。あまりにも ―――
「………っ、うおおおおおおおおっ!」
隼人が吼える。
戦闘に無駄な思考に取り憑かれていたマスターヴェノムは、この雄叫びに救われた。
避けるのではなく。かわすのではなく。魂ごと凍りつかせる隼人の獅子吼に我を取り戻したマスターヴェノムは、己が身と生命とを護るための反射的行動として、光の剣を構え直した。
ぎゃり、ぎゃりぎゃりっ、ぎゃりんっ!
漆黒の刃が光の剣を削り取り、虚空に小さな輝きが乱舞する。
かろうじて構え直された剣で隼人の一撃を受け止めたマスターヴェノムは、それでも身体ごと突進してくる隼人を跳ね除けることができず、上体を反らした姿勢を強要されたまま鍔迫り合いに持ち込まれた。
「ぐっ………私は………光………その私を………なぜ、捕らえることが………」
言えば負け惜しみにしか聞こえないであろう。しかし言わずにはおれなかった。
戦闘においては自在の間合いを誇る自分が。
光の瞬きによって思いのままに対手を幻惑できる自分が。
一時はその力を認めた相手とはいえ、たったひとりのFHチルドレンにどうして圧倒されなければならないのか。
常に他者の上位に在り、決して揺るぐことのなかった自分が、高崎隼人というひとりの少年に気圧されているという理不尽に、激しく歯噛みする。
無表情の仮面が。韜晦という名の虚飾が。ぼろぼろと音を立てて崩れ去っていく。
「テメエは………光、なんかじゃねえよ」
「なに………ぐうっ!?」
心底からの驚愕。隼人の言葉の真意を問いただそうとして、突如として両手に生じた痺れに呻き声を上げる。日本刀の柄を握り締めた隼人の拳に押し返され、たたらを踏むマスターヴェノム。
愕然と見返した視線の向こう側、すでに隼人は第二撃目を打ち込む姿勢を取っている。
轟、と唸る刃風が横殴りに襲い掛かり。斬、と切り下げられる刃が衝撃波を生み。
鋼と嵐と重圧とが、三位一体となってマスターヴェノムを圧倒した。
無様に後退し。よろけるように攻撃を避け。慌ただしく自らの刃で防ぎ。身を隠し、逃げるように自身の姿を陽炎と化す。
絵に描いたような専念防御。これまで築き上げてきたマスタークラス・エージェントとしてのプライドごと切り刻むような、隼人の息も吐かせぬ連続斬撃!
「光ってのは………導いてくれるもんだ!」
隼人の心中に渦巻いていた憤りが、言葉となって迸る。
チルドレンを邪な研究目的のために利用しつくし、また隼人たちの眼前で自分を「ますたー」と呼んだ少女たちを用済みとばかりに惨殺したマスターヴェノム。
あの光景が隼人の網膜に焼きついていた。
自分の過去となぞらえたわけではない。ただ隼人の内心にあったのは、あの少女たちを正しく導いてやらなかった、身勝手で利己的な敵への怒りである。
生まれたての赤子のように無垢だったあの少女たちを迷わせ、ついには死なせたこの男を、隼人は『光』だと認めることなど到底出来なかった。
こいつが『光』でないのだとしたら。こいつがまやかしの煌きであるとしたならば。
“風”であるこの俺が、遅れを取るはずがない!
闘志が力を生み。決意が速さを生み。そして、こいつを絶対に倒さなければならないという強い意志が隼人により以上の前進を強いた。
脚の筋肉が軋むほど大地を蹴る。衝撃の反動で自らの腕が砕けても構わぬというほどに刃を振るう。斬り、打ちつけ、跳ね除け、また息をつかせず切り込んでいく。
「うおおおおおおおっ!!」
「ぐっ、ぐううぅぅぅっ!?」
剣で防ぐならばその剣ごと叩き割ってやる!
蜃気楼となって逃げるなら、その幻惑の光ごと叩き伏せてやる!
縦横無尽に振るわれる刀身が、光の粒子と隼人自身の傷から飛沫を上げる血潮によって赤光を帯び、マスターヴェノムを追い詰めていった。
剣を砕く。スーツを切り裂く。幻を切り伏せ、また陽炎を斬る。
ついに、渾身の力を持って振るわれた横薙ぎの一閃は、光の屈折によって生み出された敵の幻影を捕らえ、さらにその先にいる『本体』の肉体に到達した!
いままでになかった確かな手ごたえ。
空を斬るのではなく、幻を斬るのではなく。
肉と骨とを削り取る鈍い音と感触が、ついに隼人の両掌に伝わった。刃を振り抜くと同時に、驚愕に満ちた表情のマスターヴェノムが一息に数歩飛び退り。
隼人のものではない、真っ赤な血の噴水が飛沫を上げた。
ワーディング結界内を乱舞する光の微粒子が朱色に染め上げられる。
ぼやけ、歪んでいたはずのマスターヴェノムの姿が次第に明確な形を取り戻し、光の魔法が解けていく。ごぼり、という濁った音は、彼の口から漏れた吐血の音だった。
「ば、ばか、な、わた、しが、負け………」
虚飾の仮面が剥げ落ちる。虚構の勇姿が崩れていく。隼人の刀の切っ先はマスターヴェノムの肉体を捕らえ、生命を捕らえ、いままた魂そのものを捕らえ切った。
黒い鋼を振り切った勢いで、彼の者の生命を弾き飛ばす。
何物にも無感動であったはずのマスターヴェノムの冷たい瞳は、敵である隼人ではなく、掻き消えていく己の生命と存在とを凝視していた。
しかし執念に満ちた凝視の視線も、必ず途絶えるときが来る。
かすかな肉体の温もりが、生を刻む胸の鼓動が、確かな呼吸が ―――
そして、完全に停止した。
(………勝っ、た………)
炎のように熱い呼吸を吐きながら、刀を握り締めたままの姿勢で。隼人は肩で大きく息をしながら、勝ち取った勝利をようやく噛み締めた。
しかし、わずか数瞬の後。
突如として腹部に感じた灼熱に、隼人の意識は途切れそうになる。固く、鋭いものがめり込んでくる異様な感触。肉が爆ぜたような痛みと骨が砕けたような嫌な音が、同時に隼人を襲う。
今度は、隼人が血反吐を吐く番であった。背を丸め、頭が強制的に下へと向けられる。
そのとき隼人の両の眼が捉えたものは ――― 深々と自身の胴体を刺し貫く、光り輝く西洋剣の峰であった。刀身が身体を突き抜け、その切っ先が背中まで突き抜けたことが気配で感じ取れた。
「ご、お、ぼ、ぶっ………」
隼人の身体がくの字に折れ曲がり、その膝ががくんと折れた。急激に姿勢を崩した隼人の胴体から、ずるり、と血濡れた刃が滑り出る。視界が白く灼け、脳がショートするほどに熱を持った。
切り伏せたはずの敵が、倒したと思ったはずの敵が、口元と胸元を自らの血で染めながらそこに依然として立っていた。
「 ――― 《イモータル………ライフ》っ………!」
苦痛と怨嗟に満ちた ――― しかし確かな勝利の凱歌が、マスターヴェノムの声音で謳われた。
※
※
地に落ちた自分の指だったものが、まるで水揚げされた魚のようにびちりびちりと跳ね回る。
真っ赤な血を撒き散らしながら蠢くそれは、まるで断末魔を迎えようとする、なにか別の生き物のようにも見えた。数メートルにも及ぶグロテスクな触手状をした指ののたうちは、次第に力を失い静かになり、やがてその蠢動を永遠に止めた。
歯を喰いしばり、肉体の一部の喪失がもたらす痛みに耐えながら、フィーストは眼前に立ちふさがり、完全なる劣勢から甦ってきた敵の姿をまじまじと凝視する。
そのとき ――― 指を失った激痛と、予想だにしていなかった椿復活への狼狽を、フィーストはこの一瞬だけ完全に忘れた。
UGチルドレン、“シルクスパイダー”のコードネームで知られる一流のオーヴァード。
フィーストが目をつけ、お気に入りの玩具として篭絡せんとした、凛とした少女。
彼女 ――― 玉野椿の立ち姿に、フィーストは不覚にも一時見惚れていた。
着衣を失い、人から借りたスーツ一枚だけを羽織り、ところどころ肌身を晒しながら。
身の毛もよだつ性的蹂躙の憂き目に遭いながら。
殴られ、打ち据えられ、血肉を傷つけられ、骨も内臓すらも押し潰されながら。
それでも立ち上がった椿の瞳には、いまや一点の濁りも曇りも見えなかった。
彼女が死の淵から甦ってきたことは、オーヴァードであれば驚くには値しない。
体内のレネゲイドウィルスが過度に活性化した状態でさえなければ、オーヴァードは何度でも再生し、その身に降りかかった肉体的な死を克服することができる。
またそうでなくとも、オーヴァードたちに特有の不屈の精神力は、ときに不可解とさえ見える奇跡の復活をも可能にすることがある。
そのくらいのことは基礎知識としてフィーストも知っている。だから椿が立ち上がったこと自体への驚きは皆無と言って良い。
彼女が見惚れたのは ――― 迸る闘志によって立ち昇った気の鮮やかさと、あまりにも真っ直ぐに自分を見つめる椿の瞳の色であった。
絶え間ない陵辱を経ても、最後の最後には屈しなかった鋭い眼光。
引き結ばれた唇にこびりついた血糊は、いつの間にか完全に凝固している。
体内で燃え盛るエネルギーが適度な発熱を促したものか、椿は全身から白い湯気を立ち昇らせていた。汗も。涙も。血液も。その熱によって見る間に蒸発させられていく。
見ると、軽く折り曲げられた指は猛禽の鉤爪のようであり。エグザイルの肉体変化により、しなやかなる手指から伸びた爪は、繊細かつ強靭な鞭のごとくに姿を変えている。
仄暗い倉庫の室内灯からの明かりを受けて、すべてを切り裂く糸状の爪がきらきらと銀光を放っているように見えたのは、目の錯覚ではない。
胸元で十字型に交差させた両腕から、宙に幾重もの螺旋を描く死の爪が伸びる様は、まさしく獲物を捕らえるための蜘蛛の糸 ――― シルクスパイダーの名を否が応にも思い出させるものである。
「つ、ばき………ああ………やっぱり、綺麗だ………」
本能で悟る。生死を賭けた戦いにあってこそ理解できるものがある。
敵を屠るための武器とは。
敵に「死」を与えるという一点にのみ、その機能を注いで作られたがゆえに美しい。
そして、その武器を構えるものの姿とは。それを振るうものの姿とは。
滅びという最終局面へ向けて邁進する、その機能美を理解するがゆえに美しい。
フィーストが見惚れたのは、椿のそんな美しさであったのだ。
「嬉しいよ。さあ、戦おう。殺し合おう」
指の出血はいつしか止まり。フィーストは凄絶な笑みを浮かべながら両腕を掲げた。
長大な触手状と化した九本の指が、ぐねぐねとしなる。
形は違えど、エグザイル・シンドロームのエフェクトを持つ少女二人。白兵戦闘におけるファイティングスタイルは、おそらく同様のものであろう。
椿とフィーストの構えが、鏡合わせのごとく相似形を成した。
呼吸を合わせるかのように、二人が同時に両腕を後方に引き、そして渾身の膂力をこめて殲滅すべき前方の敵へと突き出した。
指が。触手が。
爪が。死の糸が。
空間を灼き、大気を掻き乱し、螺旋形を形取りながら直進する。
異形の武器と化したそれぞれの肉体の一部が、鈍い音を立てて空中で激突し合う。
右手の親指が左手の小指の爪を弾き返し、左手の中指の爪が右手の人差し指に叩き落される。
振り回される互いの肉体が、立て続けに互いを攻め、防ぎ、しのぎ合う。フィーストにとって、一指足りない分の不利は無いに等しかった。
双方の繰り出す手数の多さはあまりに目まぐるしく、五十合、六十合と繰り返される打ち合いの中にあっては、右手小指の欠損などはあまりにも瑣末な不利でしかない。
椿が両手指の微細な動きを伝えて爪の軌道を変える。
フィーストが力任せに腕を振り回し怒涛の攻めを繰り出す。
戦闘スタイルも。使うエフェクトも。まるで双子のように似通った二人の優劣を ――― 言い換えれば勝敗の差を決定付けるものは、それならば一体なんであろうか。
それはおそらく、それぞれの武器の特徴を、どちらがより練り上げられるかの勝負であろう。
すなわち。
フィーストは自分の指にどれだけの力と重さを込めることができるのか。
椿は自分の爪から生み出された鋼線の如き糸に、どれだけの速さと鋭さを持たせることが出来るのか。
現状は互角の攻防を繰り広げる二人だが、しかし、人間の腕ほどもある指と、鋭く固いとはいえ糸状の爪では、どうしても椿の分が悪いようにも見える。
果たして ―――
「あぐうッ!?」
激突からわずか十数秒。
その攻防の中途、最初に悲鳴を上げたのは椿のほうであった。
十本の糸が、フィーストのただ片手だけで無造作に払いのけられ、一瞬空中で力を失うと、組み上げられた紐が解けるようにばらけていく。
椿の攻撃の速度と鋭利さは、この瞬間完全に殺された。腕に力を込め、糸を引き戻そうとしたところでもう一方の腕が真横から殴りかかる。防ぐのも。避けるのも。おそらくは間に合わない。
だから椿は、全身を固く強張らせ、攻撃が当たるであろう部位に意識を集中した。
インパクトの瞬間、痛みを耐えることだけに意識を集中することで、薙ぎ倒され、痛みに心身が折れてしまうことを回避するつもりだった。
しかし、いくら気を強く持ったところで完全に敵の攻撃に耐え切ることなどできるはずもない。
さながら丸太の棒で打ち据えられたような衝撃が椿の脇腹を直撃する。みしり、とめり込んだ四本の指が、椿の内臓にまで衝撃を与え、肋骨にひびを入れた。
胃袋がねじれる。戦闘開始前の連続殴打で激しく嘔吐したばかりの椿には、どれほど強烈な吐き気が襲い掛かってきても、もうなにも吐き出すものがない。
だから、代わりに大量の胃液を吐いた。口の中一杯に酸味が広がり、反射的にじわりと涙が滲み出る。意識を集中していたおかげか、かろうじて昏倒を免れたが、そんなぎりぎりのラインに椿は立たされている。
「小指のお返しだよ」
フィーストがポツリと呟いた。
「さあ、お互い傷つけ合ったんだ。今度はそっちの番だよ。それとも、もう一度僕の攻撃を受けてみる? 順番はどっちでもいいんだ。とにかく傷つけ合おう。殺し合おうよ、椿?」
その表情に笑顔が浮かぶ。
いまや、フィーストは狂喜していた。
自らが椿を傷つけるということに、椿が自らを傷つけてくれるであろうということに。
それは彼女の本能と欲望のもたらす奇怪なる愉悦である。
椿の肉体を蹂躙していたときと同様か、それ以上の悦びにフィーストは打ち震えていた。
それが「快」であろうが「不快」であろうが、自分が与えるもの、自分に与えられるもの、すべての刺激が彼女にとっては極上の喜びなのであろう。
歪み、壊れかけていた精神は、もはや完全に崩壊の一途を辿っている。
どこまでも本能に忠実で、ついには本能に根ざした欲求しか持てなくなってしまったフィースト
は、すでに一個の「怪物」であった。
「くっ………せぃあぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
激痛に耐え、空っぽになった腹の底から椿が叫ぶ。声が力となり、糸を操る腕に伝えられ、銀色に輝く弧を《爪剣》が描いた。
直線の軌跡、巻き込む螺旋、鋭角に斬り込む斬撃は、しかし致命傷とはなりえない。
フィーストの指を断つこと叶わず、ただ皮を裂き、肉を斬る。傷は浅く、見た目だけは派手な血飛沫が上がる。
「痛いっ、あははっ、痛いよ椿ぃっ、くくくっ、あ、あははぁっ」
鋭い斬撃に身を斬られる激痛は確かにあったはずだ。しかしフィーストの歪み崩れた表情には、もはや愉悦の感情しか浮かんではこない。
「少しも………ひるまない、なんて………!?」
愕然と椿が呻く。そして、そこに生じた隙をフィーストは見逃すことはなかった。
裂傷まみれの触手指が、迫る糸の壁を打ち破るようにして椿めがけて突進する。しまった、と椿が思う間もなく、彼女の両手足首に力強い指の鞭が絡みつき、四肢の自由を拘束した。
「な………ああっ!?」
凄まじい勢いと力で椿の身体が引かれ、宙に浮いた。椿の自由を奪い、彼我の距離を一息に縮めたのは、フィーストによる《エンタングル》であり、また《妖の招き》である。
生命を削り合う死闘の中で、彼女は椿を攻撃することよりも、その動きを阻害し、密着することを選択した。言葉に反して、傷つけあうことよりも別の欲求を優先させたのだ。
「な、に………」
呼吸が触れ合うほどに密着する二人。いぶかしむ椿を、フィーストはぎらぎらと熱のこもった視線でねめ回す。
その瞳に宿っているものの正体に気づいて、椿は今さらながらに羞恥で顔を赤く染めた。
自分の今の姿を改めて冷静に見れば。
下着一枚すら身につけぬ全裸の上に、支部長が羽織らせてくれたスーツの上着だけというあられもない姿なのである。
スーツは少々椿には大き目で、裾を掻き合わせれば、女として隠しておきたい部分はすべて隠すことができる。しかし、戦いという激しい動きの中では当然そうもいくはずがなく。
腕を振るえば、襟元から乳房の揺れが垣間見え。
姿勢を変えれば、裾から股間の繁みが露になり。
戦いの最中、そんな椿の姿にフィーストは情欲を刺激されたのに違いない。
そのとき本能の怪物は、生命のやり取りではなくもうひとつの別の本能に支配されたのだ。
それほどまでに、椿の肢体は艶かしく、しなやかで、そして美しくフィーストの目には映ったのである。
ぎくり、と。椿が全身を強張らせた。
見ればフィーストの股間の一物は、いままでよりも固く大きく勃起しつつ天を突き、もはや一秒たりとも挿入のときを待ちきれないと言わんばかりに、ピクピクと痙攣を繰り返している。
その先端からは半透明のカウパー液が滴り始め、わななく巨根をてらてらと濡らしていた。
「ば………馬鹿なこと、やめてっ! こ、こんなとき、戦いのとき、に………!?」
引き寄せられる。腰と腰が触れ合う距離にまで引き寄せられる。
戦闘行動よりも性欲の充足を優先させようとするフィーストを、椿はおぞましいものを見るように見た。だが、強力な力で繋ぎとめられた肉体は抵抗空しくフィーストに引き寄せられてしまう。
「捕まえた………捕まえた、椿ぃ………」
呼吸荒く、椿の胸に顔を埋める。唾液で乳房を濡らすように、舌全体で椿の胸を嘗め回しながら、フィーストはいきり立つ一物を椿の股間へと押し当てた。
「い、いやっ………!?」
自分でも驚くほどにか細い悲鳴を上げて、椿が身体を離そうと懸命に仰け反る。
いまここにいるのは自分たち二人だけではない。支部長も救援に駆けつけてくれているのだ。
倉庫に飛び込んできたときに、ここで行われていた惨状には彼女も当然気づいただろう。
しかしいま。自分の意識がはっきりしているいま。支部長の眼前であのような“醜態”をさらすことだけは阻止しなければいけない。
背後に確かな支部長の気配を感じる。
ぴりぴりとこちらまで伝わる緊張感は、きっと彼女も戦いの最中にいるのだということ、戦いの緊迫感を保っているのだということを、明確に椿に伝えてきた。
負傷しながらも、椿の援護をするために銃の照準を合わせ。
引鉄を引く機会を待ち構える狩人のように。
――― きっと彼女も戦っている。
ならばそんな彼女の前で、いま自分がふたたびフィーストに嬲られることなどあっていいはずがなかった。だか、しかし。
身体を抱きすくめるフィーストの指 ――― 触手は、そのあまりの力ゆえに決して振りほどくことは出来ず。ねっとりと湿ったフィーストの男根が、椿の陰核にぴとりと触れ、その瞬間椿の背筋を電流のような快楽が走り抜けた。
「………っ!?」
歯を喰いしばり、漏れそうになる甘い嬌声を必死で噛み殺す。いま、これを挿入されたら、今度こそ自分は敗北してしまうだろう。そんな恐ろしい予感があった。
「無駄、無駄だよ椿………逃がさないったら………さっきは僕が君を愉しませるために頑張ったんだ………今度は君が、僕を歓ばせてよ………?」
密着した股間が、椿の意志とは無関係に小刻みに痙攣する。それはレネゲイドウィルスの蠢動を確かに伝えるものであり、フィーストがふたたびエフェクトを使用する前触れでもあった。
彼女の言葉の意味を吟味する余裕などない。椿の眼下で、フィーストの股間のものが、みちみちと音を立てて分裂を開始する。そのうちの一本が、ぺたり、と椿の股間の繁みの上に密接した。
途端に甦るおぞましい記憶。まさか、また ――― !?
「今度は君が僕を壊す番だ………僕の、女の子の部分を、君に奪って欲しい ――― 《融合》!!」
宣言と共に、本来女性が持ちえるはずのない器官が椿の股間に埋め込まれていく。
その瞬間、椿の脳裏に甦るのは悪夢のようなあの光景。
自分の下半身に屹立する巨大な男根。そして、身も心も溶かすような、射精の快楽。
「くっ、やめ ――― 」
「あっははははっ! 遅いよ椿、もう一度僕といっしょになろう! 僕と同じになろう!」
響き渡る哄笑を聞きながら、椿はその《融合》に抵抗しようとする。しかし、フィーストから分かたれた肉棒は、確実に椿の下半身に癒着していった。
そのとき ―――
「伏せて! 伏せてください、椿ちゃん!」
遠くで支部長が叫んだ。
我に返り、声のしたほうを見れば、壁にもたれたままうずくまった支部長が、依然拳銃の銃口をこちらに向けている。もっとも効果的な一打のために。もっとも確実なポイントを叩くために。
雌伏のときを経ていま、彼女がついに引鉄を引く準備を整えた。
椿はその叫びに呼応するかのように全身に力を込める。しかし、四肢を縛る触手の縛めはやはり解けることはない。
それはいくら椿が必死に抗っても適わない、絶対的な ――― 純粋なパワーの差であった。
「それなら………!」
振りほどくことが出来ないのなら、むしろ ―――
椿はフィーストの胸に飛び込んだ。引き剥がすのではなく、離れるのではなく、全身のバネを極限までたわめ、フィーストの抱擁の中に飛び込んだ。
絡めあった椿の手首とフィーストの指が、お互いを引き合う力の均衡が突如として崩れる。
フィーストが身体のバランスを崩し、椿の突進を受け止める形になった。
二人の少女の腕と腕が、互いの身体を抱きしめ合う。そしてその瞬間、フィーストの《融合》も完了した。
「ん、んくうぅぅぅぅっ!?」
快楽の衝撃に耐えるために歯を喰いしばる。椿の股間にふたたび癒着したペニスは、二人が密着したせいで、お互いの肉茎と触れ合い、強烈な刺激となって椿の背筋を駆け抜けていった。
しかし、それは相手のフィーストにしても同じこと。
椿の肉棒を強く押し付けられて、彼女自身のペニスも同様の快楽を生み出していた。
「あっ!? 椿、す、すご、あんんっ!?」
フィーストの腰ががくがくと震え出し、膝が頼りなくわなないた。
その瞬間を待ち望んでいたように、椿は彼女をきつく抱きしめたまま、身体を半回転させる。
ちょうど ――― 支部長の向ける銃口に、フィーストの背中が向くように。
タタンッ。
乾いた銃声が立て続けに、二発。大きな的がこちらに無防備な背面を見せた瞬間を、決して支部長は見逃さなかった。
椿の眼前。吐息と吐息が触れ合う至近。
銃声に続いて聞こえた、ぶしゅっ、という音は、きっとフィーストの傷から噴き上げる血飛沫の音であろう。
「あ、ぐああああああーーーーーっ!?」
フィーストの絶叫が木霊する。いままで、彼女が支部長の弾丸を受けて、これが初めての悲鳴であった。その苦悶の叫びの凄まじさに、思わず椿が顔を上げるほど。
その額には燃えるような激痛のせいか脂汗を浮かべ、瞳孔の開き切った瞳は、眼球が飛び出しそうなほどに見開かれている。
同時に、椿の体内のレネゲイドウィルスが彼女の意識とは無関係にざわめいた。
フィーストの身体が、ただの銃弾を受けたとは思えないほどに痙攣し、喉も張り裂けんばかりに悲鳴を上げ続ける唇の端からは、白い泡を吹き出し始める。
身体、というよりはやはり、フィーストの中のレネゲイドウィルスが、支部長の放った二発の弾丸により、異常なまでの活性化 ――― いや、「暴走」を開始したためであった。
この“ざわめき”は、フィーストの暴走を、近くにいる椿のウィルスが敏感に感知したためであろうか。抱きすくめたフィーストの肩越しに、思わず支部長に視線を送る。
十数メートル先、壁にもたれかかった姿勢の支部長が、自分の仕事を完遂した満足感に、穏やかな笑みを椿に返す。
「ようやく………ダメージが………通りました………そうでなければ、“切り札”にはなりませんからね………私の《対抗種》も ――― 」
そう呟くと、支部長は疲れたように頭を垂れた。
レネゲイドウィルスを害するウィルス、オーヴァードの中にあってさえ、なお“裏切り者”。
同族殺しと呼ばれるウィルスの保持者 ――― それが、彼女の真の力か。
支部長の攻撃が命中し、またダメージを与えたことにより、フィーストの体内のレネゲイドウィルスが拒絶反応を起こしたと、そう捉えていいだろう。
苦戦の果ての華麗なる逆転。
そう、椿も支部長も確信したその瞬間。
「が、がはっ、あががっ………! づ、づ、ば、ぎ、づば、ぎいいいいいぃっ………!!」
突如、獣の咆哮が倉庫を震わせた。
四肢を絡め取り、その身体の自由を奪ったままで、残る指が椿の細い首筋に巻きついた。
動脈を押さえる、とか。
首を絞める、とか。
そこに込められた力はそんな生易しいものではない。
首を圧し折る。いや、首を“捻じ切る”。
そんな強烈な意思が明確に示された、殺意の、いや破壊の衝動である。ウィルスの暴走により、性欲は容易く破壊衝動に変換され、フィーストは本能の赴くままに椿の首を締め上げた。
「ぐ、こっ、かっ、かはっ」
椿が苦しげな擦れ声を上げる。身動きの出来ないままで手足をピン、と突っ張らせながら、椿の身体がビクビクと痙攣した。
呼吸を奪われる苦しみに舌を突き出す。
喉をゴロゴロと鳴らしながら、椿はもがく。
「ご、ごろずっ、づば、ぎ、ごろずうううううっ………!」
フィーストの濁った声は、怒りと殺意を極限まで肥大させ、出鱈目にブレンドしたような狂気の産物である。地獄の底から響くような怪物の咆哮が響き渡る中、かすかに震える椿の指は、それでも闘志を失ってはいなかった。
微細な動きを伝える小刻みな指の振動が、伸びた爪へと辿り着く。
死の糸はいまだ、殺すための力と意志とを失ってはいなかった。
そして椿の、ゆっくりと動く唇は、たしかにこう呟いた。
「お前を切り裂いてやる」、と ―――
(To Be Continued)
32 :
yuzu:2009/02/09(月) 20:44:43 ID:0tvnOoqD
以上、投下でした。
ようやく、次回でクライマックスフェイズのうち、ひとつが完結できそうです。
なんかすごく長くなってしまいました。書き始めの当初はここまでとはなあ……(苦笑)。
どうか完結まで長い目で見守っていただければ幸いです。
それでは次回投下時まで。ではでは〜。
>17
俺にも月衣があればそれくらい俺だって完備するものを…!とうっかり落とし子Eに嫉妬したw
>32
隼人がFHチルドレンになってたような。しかし支部長さん対抗種だったのか。なんか意外だ・・・
何はともあれ、お二人にGJをー。
次回作と続きに期待してますw
34 :
yuzu:2009/02/09(月) 21:10:56 ID:0tvnOoqD
あう。
一風呂浴びて戻ってきたところなのに、赤面してまた嫌な汗をかいてしまいました……。
ほんとだ、UGがFHになってる……
>>33さま、ご指摘どうもです。皆様、お読みになるときはアルファベットを入れ替えてくださいませ……。
オペレーションケイオスのテスラ
本編中であまりにもスルガとラブラブ過ぎて二人の絡みか陵辱しか思いつかんなw
あの年齢なら一緒に風呂に入っていたに違いないと力説させてもらう
スルガとか羞恥心なさそうだしな
テスラも気にしないだろうし、普通にありうるな!
そして書こうと思って忘れてた
>>18 一応、バレースクに弱い写し身を大量に配置する実験をしてるベル様がいたから、出来るんじゃないかな?
バーレスクだorz
40 :
GドM:2009/02/10(火) 20:39:53 ID:FU/nNvcZ
皆さん感想ありがとうございます。
リオンはイベントをやったこと仄めかしたし、リクエスト来るかなと思っていたけども、意外やオリジナルのアクアに人気があってびっくり。
書き手として、思い通りに動く手駒が欲しくて作っただけだったのに、嬉しい誤算です。
それと、誤字発見。
「写し身」じゃなく「移し身」だったようだorz
ごめんなさい。
>>38さん
バレスク読んでねかった!言われて思い出した。ありがとうw
読んで確認しときます。
以下感想
>>yuzuさん
熱い戦闘描写は、血が沸いてきます。
次回の決着(?)も楽しみにしていますよ!
>>36さん
その発想はなかった!!
41 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/10(火) 21:22:18 ID:XbDhNJT7
>>36 …いや…だが6歳ょぅι゛ょと20歳の青年がいっしょにお風呂…互いに恋愛感情は勿論、エロ感情一切なしから
エロにもっていくのは至難の技ではなかろうか…?【疑問に思いながらも神の到来を待って全裸待機】
すまない…あげちまった。
全裸のまま特殊部隊グリーンティーとして、チベットの奥深くまで伝説のお茶を探しに行ってくる…。
>>42 チベットの奥でソッチ系のお薬を採集してくるんだ!w
>>42がチベットの奥地で雪男に掘られてウィザード能力に開眼する姿を幻視した。
それはともかく、そういった感情一切無しだから、普段テスラとスルガは
一緒にお風呂に入り、尚且つスルガの操縦竿を使って無邪気に遊んでいた、
という妄想はいかがなものだろうか。
当然、二人にそういった感情が芽生えた今は・・・って二人一緒に風呂入れる状況じゃねえ!?
現在は精神だけはテスラの肉体はルー様。逆レイプすればいーじゃない。
【マリー】
>42
大悟「塩バター茶だが、飲むか?」
テスラの心を折るためにスルガに襲い掛かるルー様だけど、そのうちノリノリのなる流れですね
わかります
むしろ、テスラに身体のコントロールを奪われたルーさまが、
人間などを相手に我がこんなことをするなどやめてらめぇーーービクンビクンなほうが
ルーと融合する事によって、その手の知識を得たテスラ
それをスルガに・・・とかですね!
プラーナの消失が起きてからラビリンスシティに至る間に
自暴自棄になったテスラがスルガに無理やり迫るのがいいなー
初めての時に、うっかり精神入れ替わってルーさまがひぎぃ
テスラはせっかくの初めてを横取りされたような気分になって、
性的な意味で痛い目にあったルーさまと精神内でポカポカ
喧嘩をし始め、その間スルガはお預け
ここまで想像した。
ギャグ想定だが、シリアスに書くと、何かテスラが可愛そうな流れだなw
>46
大悟なら安心だと思うんだが、そのお茶がきっかけで
何かに覚醒してもおかしくないな。
チベットの秘境だし。
>>46 >>52 ごめん、加納大悟だと思った
>>50 本編中だと、後半からエンディングにかけては希望に満ちてたものなぁ
再会が嬉しくて勢いでってのもありか・・・
>>51 シリアスで行くならかわいそうすぎるw
ギャグならその後一晩中ですね、わかります
「いいもん! 今日は一晩中るーに相手してもらうんだからっ!」
「待たぬか!わらわはもう腰が立たぬ!!」
・・・・うん。全く知らないキャラで書くなんて不可能だw
はじめては取られたけど、だからこそそれを上回る思い出を!
という意気込みで一晩中やる二人と翌日腰が立たなくなるルー様
>「待たぬか!わらわはもう腰が立たぬ!!」
いかん萌えたw
腰が立たないルーさまカワイス
>>44 >操縦竿
……一つお前に聞いておくことがある
合 言 葉 は ?
仏舎利で出汁とっちゃらめえ
ちなみにルー様の一人称『我』な。
テスラは錬金術師。そして祖父の教育のおかげもあって、年齢不相応にませた性格・知識の持ち主である。
ある日、錬金術の自由課題だか何だかで、ホムンクルスを創って皆をアッと驚かせようとするテスラ。
だが、ホムンクルスの材料の中には、燦然と輝く『 精 液 』の文字が。
父親に頼む? とんでもない。それじゃ師匠でもある祖父? ありえない。クラスの男子で精通が来てる者など
当然居るわけもない。だったら頼れる者は一人しか居ない…。
だ、誰か俺の脳内に無記名で届いたこの妄想を、艶っぽい文章が書けない俺の為に具現化してくれ…!!
いや、お前なら書ける
俺はその5行の文章からパワーを感じ取った
書ける 書けるのだ
考えるな 感じるんだ エロスの導きを!
エロスの力を信じるんだ(グルグルとした眼で)
>操縦竿
お前ら何て懐かしい話をしてるんだw
第八世界はシャイマールが作った場所。上位神にも拘らずぬるい場所に封印されている。
そして、シャイマール自身も封印されていることをあまり嫌がっていない。
つまり、幻夢神との殺し愛、ヤンデレを経て現在に至るってことか。
>>66 意外と本当にそうなんじゃないか?
と一瞬思ってしまった漏れは脳みそが冥魔に侵されてる。
ルー・サイファーが“最強の侵魔”と呼ばれていたのは、実は“最強のM”だったんだよ!
とりあえず大まかなワールド設定だけ作って落ち着いてしまい、
煮詰めていく作業が進まないオリシス作ってるゲーマーみたいだな…
69 :
44:2009/02/11(水) 21:02:48 ID:/ZeL3YHi
>>57,59,64
うちのクリップの色は銀色でした。
あ、そっちじゃない?
>>67 強い存在こそ、被虐願望を隠してるもんさ。
俺、今書いてる他のが終わったら、テスラネタで一本書くんだ!(爽やかな笑顔で
>>65 まあ、ルーさまは、裏界と成り果てても、シャイマールとして作り出したあの世界を愛してるんだろう。
ほら、どうしようもなく、死を迎える間際でも、自分の子供を愛さない親などいない、みたいな。
つーか、元古代神の方々は、それほど世界を取り戻そうっていう意欲が見られない。
やる気はあるけど、そこまで必死じゃあないよなあ、ゲーム変わりにしたり、競走したり。
ルー・サイファーはこれまで登場した数多くの魔王の中でも、
唯一裏界を愛していると記述されたお方だ。
というわけで、裏界を夜のオカズにするルー様という、
さすが第一位だといわんばかりのスケールの大きなオナヌーの話を(ry
>>70 フールムールにいたっては普通に神様やってるからなw
>操縦竿
あ、そうだ人造人間/(錬金術師or鋼騎乗り)でシーズ&サリュート作れるなぁ
なんでエロパロでなつかしさに涙しかけてるんだろう俺……
ワルモン博士 岸野「お前ら最高のビーメイツどもですよ」ゆきまさでしたっ!
74 :
yuzu:2009/02/12(木) 03:00:44 ID:RCgoyB9z
話の流れガン無視するような投下予告に参りましたyuzuでございます。DX続きです。遊び呆けてこれから帰宅、四時前頃投下です。とはいえこんな時間に人もいないと思いますが(笑)。
今回諸注意。
ゴメンナサイのエロ成分なし。相変わらずゲーム的、ルール的ツッコミはご勘弁を(笑)。
あと、解説的な部分も多いので読みづらかったらスイマセン。
では、後ほど〜。
くそ、明日早いのに…
もう寝るべきか、それとも起きているべきか・・・悩むぜww
※
T市郊外 ――― 場所は、隣接する隣町との境界にある工業団地。
すべての事件が収束する舞台は、河川敷近くの廃倉庫の内と外。
このふたつの戦場において、それぞれの戦いの決着のときが迫ろうとしていた。
強大なる戦闘能力を誇るマスターヴェノムと、一対一で切り結ぶ隼人。
そして、支部長の助力の元、異形のFHチルドレン“フィースト”との戦いに身を投じた椿。
ぼろぼろになるほど極限まで心身を酷使し、戦い抜いた二人のUGチルドレンは、その最終局面において、優勢だった戦況を突如として覆されていた。
マスターヴェノムを討ち果たしたという油断が、隼人に『敵の死の淵からの復活』という可能性を忘れさせた。
支部長の支援射撃と《対抗種》のダメージによるレネゲイドウィルス暴走により、一時勝利を勝ち得たかに見えた戦局は、『フィーストの凶暴化』という思わぬ副産物を生み出した。
結果 ―――
隼人は、《イモータルライフ》により生還を果たしたマスターヴェノムの光の剣で、腹から背中までを貫かれ。
椿は、四肢の自由を奪われたまま、反撃の糸口すら見つけられず、触手と化した異形の指に頚椎を圧し折られる寸前まで追い詰められている。
死が ――― 足音を立てながら近づいていた。
しかし、絶対的な劣勢にある二人の姿を、そしてその瞳に宿る輝きを見るものは、彼らが決してこの戦いを諦めていないことに気づくはずだった。
血反吐を吐きながら、その瞳から燃えるような輝きを決して手放さない隼人と。
呼吸もままならぬ窮地にあってなお、すべてを切り裂く死の糸を操ろうと指を振るわせる椿。
オーヴァードの少女と少年は、奇しくも同時に、体内のレネゲイドウィルスのざわめきを、“戦うための力”に変換した。
※
背中から光り輝く剣の切っ先が覗く。西洋剣を模した光の刀身は幅広で、隼人の腹部に真一文字の深い傷口をこしらえてなお、深々と刀身を沈めていった。
隼人の口元は、大量の吐血で赤黒く汚れている。そしてそれ以上の流血が、隼人の制服の腹部から足元までを濡らしていた。
必殺の一撃を叩き込んだはずの敵は、生命の最後の一滴を振り絞るかのように復活を果たし、疲労の極みにあった隼人の心の間隙をついた。
同様に、全身を切り刻まれ。同様に、赤い血潮で身を染めながら。
マスターヴェノムはそれ以上の必殺の一撃を、油断して放心しかけた隼人に喰らわせたのだ。
作り物の顔、無表情以上の無表情が始めて笑いの形に歪む。
この逆転の一撃は、隼人の生命を確実に奪い取り、自らに栄光の勝利をもたらすはずである。
「私の………勝ち、だ………」
その呟きに笑みさえ含ませながら、マスターヴェノムは ――― 突如として低く呻いた。
散々てこずらせてくれたこの少年の身体から、血塗られた己が剣を引き抜こうとして、それができないのだ。まるで万力に締め付けられたように、刀身が一寸たりとも動かせない。
深く埋めた刀身が、人間の肉体ではなく堅固な岩に刺さっているかのような錯覚を覚え、愕然と顔を上げる。弾かれたように上向いた顔が、確かに“殺したはずの”少年の瞳にぶつかった。
「………気が、早ぇよ………まだお前の勝ちじゃ………ねえ………」
時折、血泡に喉を詰まらせながらも、隼人は明瞭な発音でマスターヴェノムの勝利を否定した。
その瞳に力強い生命の輝きを見た瞬間、自分の西洋剣がびくとも動かせない訳を、マスターヴェノムは戦慄と共に理解する。
隼人の左手が、その身体に突き立った刃を鷲掴みにしていた。
掌を傷つけ、新たな傷をつくりながらも、隼人は敵の振るう武器をしっかりと握り締めている。
「は、放せ………!」
初めて ――― マスターヴェノムの声にある種の感情 ――― 恐怖の色が滲み出した。
隼人に致命的な傷を与えたのは、その精神の間隙を突いたもの。しかしいまや、マスターヴェノムの狂った知性はそれ以上の動揺に揺れている。
そして。
隼人の振り上げた黒い刀身が、狼狽するマスターヴェノムの頚動脈をめがけて、ふたたび唸りを上げていた ―――
※
二重、三重に首筋に巻きつく触手が、椿の息の根を止めようと渾身の力で締め上げる。
ほっそりとした椿の首は、絞められたところから次第に血の気を失い、その顔がみるみる紫色へと変わっていく。
どれほどもがいても。どれほど四肢に力を込めたとしても。
暴走し、より以上の膂力を発揮するフィーストの拘束を振り解くことは、椿には不可能であった。
闘志を燃やす、だの。限界を超える、だの。
そんなことで、この圧倒的な劣勢が覆るわけではない。そんなものは都合の良い幻想に過ぎず、現実のパワーバランスは、そんな甘ったるい夢を見る余地などないほどに大きな差があるのだ。
フィーストの暴走は止まることを知らない。
口からは白い泡を吹き、血涙を流し。想像を絶する苦痛に苛まれながらも、椿への殺意と破壊衝動だけは忘れていないかのようだった。
みしり、と。縛り上げられた手足首が嫌な音を立てる。
絞められた首の筋肉が悲鳴を上げ、風の鳴るような擦れた呼吸音が椿の口から漏れだした。
フィーストの肉体と精神の終焉は、おそらくそう遠くはない。体内のレネゲイドウィルスが宿主を食い殺すのは時間の問題であろう。
だが、それまで椿が持ち堪えられるほど、すぐさま訪れる破滅ではありえない。
椿を絞め殺し、返す刀で支部長をも屠り、それでもなお、余りある時間。
「ぐ、がはっ」
椿の口から最後の一呼吸が吐き出された。
外気を吸うことも、肺から吐き出すことも、もはやできない。そのとき、吊り上げられた椿の股間で、《融合》されたままの男性器がびくびくと脈打った。
死を間近にすると、子孫を残そうとする生殖本能が働く、とはよく聞く話ではあるが ――― それは少女の ――― 椿の身体に癒着した仮初めの男性器でも同様なのであろうか。
偽りの肉体が脈動する熱さだけが、やけにはっきりと意識される。
その瞬間、椿の脳裏に ――― 残された逆転の可能性が、一筋の光明となって差し込んできたような気がしたのであった ―――
※
頭上から降り来るもの。
風を生み出し、嵐を伴うもの。
決して逃れえぬ死の使者であり、決して砕けえぬ冷たい鋼。
隼人が最後の力を振り絞って斜め上から叩き込む日本刀の峰は、あまりの斬撃の速度のせいで、マスターヴェノムのすべてを見通すはずの瞳にさえもその軌跡を映すことはなかった。
黒い刀身が夜闇に溶け込んだためでもあろう。不可視の刃風をただ肌で感じることしか出来ず、マスターヴェノムは隼人の最後の一振りを甘んじて身体で受け止めることしか出来なかった。
隼人自身の肉体という枷で西洋剣を封じられ。
これほど超至近の間合いでは、光の屈折による幻惑も通用せず。
勝利の美酒と敗北の苦さをかわるがわる味わった挙句 ―――
マスターヴェノムは、己が肉体に斜めに走る灼熱の痛みに、今度こそ断末魔の悲鳴を上げた。
「なぜ、な、ぜ、こんな………」
理解が出来ない。納得がいかない。
なんという理不尽な目に、自分は遭わされているのだろうか。
驚愕に見開かれた瞳が、吐血して大きく開かれた口が。わななく身体が。
全力で自らの「敗北」を否定していた。
致死量の出血と共に身体中から生命が零れ落ちていき。
生気が抜け落ち、見る見るうちに人間の抜け殻と貸し。
ついには ―――
光り輝く剣の柄を握り締めたままの姿勢で、マスターヴェノムは剥き出しの地面に膝をついた。
がくん、とその頭が垂れ。周囲を埋め尽くしていた光の微粒子が輝きを失う。
ワーディング・エフェクトという名の結界が完全に解除されたことが、なによりも雄弁なるマスターヴェノムの絶命の証拠であった。
光の剣が輝きを失い、消え失せる。数瞬遅れて、隼人もその場に尻餅をついた。
「いてて………くそ………やっぱ………一人はキツイぜ………なあ、椿………」
いまは隣にいないはずの相棒に、隼人が小声で呼びかけた。
悪い。すぐに駆けつけるつもりだったが、てこずった。
血も流しすぎたし、いまはちょっと歩けねえ。少し息を整えたら、なるべく早く駆けつけるぜ。
心の中で、椿に手を合わせる。不思議と、ここへくるまでの焦燥は掻き消えていた。
なぜだか分からないが、いまは椿の勝利と生還を心から信じることが出来る自分に気がついた。
「だから………もう少し待っててくれ、椿………」
腹の傷に手を当てながら、血塗れの、しかし晴れやかな顔でそう呟く。
“ダインスレイフ” ―――
いや、“ファルコンブレード”高崎隼人に、今度こそ勝利の瞬間が訪れた ―――
※
どうしても覆せない力の差。それを埋めるための手段。
椿の脳裏に閃いたものは、もしかしたら希望的観測に近い、勝利の方程式であったのかもしれなかった。
しかし、いまの ――― レネゲイドウィルスの暴走によって自壊のときを待つフィーストに対しては、もしかしたら有効な手段であるかもしれない、と。
椿は朦朧とした意識でそう考えた。
単純なパワーの差を埋めるためにはどうすればいいか。その方法は乱暴な言い方をすれば二通りの手段しかないはずだった。
非現実的な手段のひとつは、椿自身がフィーストの腕力に近づくこと。
そして、椿が思いついたもうひとつの可能性とは ―――
フィースト自身の能力を著しく“弱める”こと。
駄目で元々だ。どうせなにもしなければここで朽ちて果てるのだ。ならば試してみる価値はあるはずだ。椿はそう思う。望んで得た方法ではないが、仕方がない。
自分の呼吸が止まる寸前で、股間に生じた熱いたぎりが、椿にその方法を思いつかせたというのは皮肉なことではあったが、いまの彼女にはこれしか考え付かなかったのだ。
息も絶え絶えに、椿が呟く。
「………《ファストフォワード》 ――― 」
エグザイルシンドロームのエフェクト、《融合》の本来の効果。
融合した相手に、エフェクト使用者の持つ能力を行使可能とするためのもの。
直前、抑制しきれぬ性欲に支配されたフィーストが、あの悪夢を再現しようとふたたび使用した《融合》を、今度は椿が逆手に取った。
エフェクトの対象は言うまでもなく ――― 暴走したフィースト自身である。
レネゲイドウィルスのざわめきが周囲に満ちる。その瞬間、フィーストが動きを停止した。
「ぐ、が、ぎゃあああああああああっ!?」
時間を早回しする、《ファストフォワード》。
《複製体》であるフィーストが獲得し、マスターヴェノムの実験と薬品投与によってその効果を著しく強化させた能力。
餌食となった少女たちを孕ませ、受精直後の受胎と出産を可能にし、FHへのチルドレン大量供給を目論んだ、非道なる力。
それが、本来の能力者であるフィースト自身に、いまその牙を剥いた。
暴走が加速する。時の流れが百倍にも千倍にもなってフィーストを蝕む。十代の少女であったはずのフィーストの肌から張りが失われ、くすんでいき、皺が生じて始めた。
体内で暴走するウィルスの、浸蝕速度すらも倍化する。自壊までの速度が一気に縮まる。
栗色だった髪に白いものが混じり始め、椿を拘束していた触手から筋力が失われた。
わずか数瞬のときを刻んだだけで ―――
フィーストの肉体は、“半世紀”の時間を飛び越えた。
椿が、最後の力を振り絞って、絡め取る皺だらけの触手を振り解く。力なく解けた指が、ぼとぼとと地面に落ち、椿の身体を解放した。
瞬時に振り上げられた両手の先から奔り出すのは、死の線を刻む鋭利なる糸 ―――
幾十倍にも分かたれた細く強靭なる糸が、年老いたフィーストの全身を取り巻いた。
皺だらけの裸身に幾筋もの黒い線が引かれていく。
破滅と崩壊のときが訪れて初めて、フィーストの瞳にわずかばかりの輝きが灯った。
「つ、ば………き………あはっ………僕の………負け、かな………?」
それは老婆のように、しわがれた声であった。死の間際、いかなる作用が働いたものか、フィーストの意識はかろうじて、なけなしの理性と正気を取り戻したようだった。
「………………」
椿が無言で糸を操る指に力を込め、腕を一気に引き戻した。
無数の線が無数の傷を生み、血飛沫が倉庫の天井を赤く汚す。
身体を一寸刻みにするほどの夥しい裂傷に生命を屠られながら、なぜかこのときだけは、フィーストはわずかな悲鳴も苦悶の呻きも漏らさなかった。
赤い霧を撒き散らしながら、“年老いた少女”が仰向けに倒れる。もはやピクリとも動かなくなったその肉体の残骸を前に、椿の全身から力という力が抜け落ちていった。
戦いは、決着した。
疲労の極みに達した椿の膝が折れ、地面に跪く。
この瞬間 ―――
UGチルドレンたち二人の勝利が、確定したのであった ―――
※
二つの戦いの決着後、それからの顛末はひどく慌しく、目まぐるしいものだった。
廃倉庫の戦いに参加した三名の内、もっとも迅速に行動したのは支部長で、脱力し、地面にへたり込んでいた椿に、
「少しここで待っていてくださいね。高崎さんは、先に帰してしまいますから」
そう言うと、さっさときびすを返して倉庫を出て行ってしまったのだ。
同じ女性としての、支部長の気遣いであろう。改めて自分の姿を見下ろしてみれば、全裸にスーツの上着を羽織っただけの酷い格好である。
確かに、こんな姿を隼人に見られてしまうわけにはいかなかった。
いくら隼人でも、こんな様子の椿を見たら、彼女の拉致以降、椿がどんな辱めを受けていたのか敏感に察せられてしまうはずだった。
それで、パートナーとしての仲がギクシャクしてしまうかもしれない ―――
それだけは、絶対に椿の望まぬことである。扉の向こうに消えていった支部長の背中に感謝の視線を送りながら、椿は彼女の再び戻ってくるのを大人しく待っていた。
支部長から隼人への説得は、どうやら上手く為されたようであった。
マスターヴェノムを倒した後、力尽きてあぐらをかいていた隼人は、秘書の車を寄越すから先に支部で治療を受けていてください、という支部長の言葉に当然のことながら反駁したのだった。
「椿は無事なんスか!? あいつは………!」
「ええ、ご心配なく。あ、いえ、まるっきり大丈夫というわけではありませんが、生命の危険はありませんし、ちゃんと彼女は勝ちましたよ」
「だったら、アイツと一緒に凱旋させてもらいたいんスけどね、俺は」
隼人は、どうやら椿の無事な姿を確認したいようだった。そんな隼人の姿を眼鏡の奥から微笑ましく見つめながら、
「高崎さんはそう仰いますけど、彼女は一緒に帰りたくないと思うかもしれませんよ?」
珍しく悪戯っぽく、支部長が笑う。
「な、なんスか、それ」
「あちらも、同様に激しい戦いでしたから。いまの貴方のように、彼女も随分とあちこち服が汚れたり破れたり ――― そんな格好の彼女を、それほど高崎さんがご覧になりというなら ――― 」
途端に、隼人の顔が赤く染まった。
「か、勘弁してくださいよ。人聞きの悪い………」
くすくすと笑う支部長の様子を見れば、椿が本当に勝利したのだということは理解できる。そうでもなければ、こんなときにこんな調子で、支部長の口から冗談など出てきやしないだろう。
「ふふ、冗談ですよ。さあ、分かっていただけたなら、ここで私の秘書が来るのを大人しく待っていてくださいね。現場の後始末は私たちのほうでしておきますから」
二、三日静養した後ならば、ちゃんと貴方のパートナーと会わせてあげますから、と支部長がからかうように言うと、隼人はますます顔を赤くしたのであった ―――
※
※
※
隼人と椿の二人がT市支部の息がかかった病院へと別々に搬送された後。
支部長以下、エージェントたちの仕事はまだまだ続いていたようである。
戦闘の現場となった倉庫から、フィーストによって“壊された”少女たちを救出し、血痕などの証拠を拭い去り、倉庫内部を徹底的に清掃し ―――
つまりは、UGNによる「いつもの仕事」が行われたのであった。
病院に運ばれたとはいっても、二人はオーヴァードである。
普通人にとっては致命的といえる負傷も、体内のレネゲイドウィルスが宿主の生命力を活性化させ、彼らの生命活動を維持させようと回復に努めるため、実際は入院の必要などはないのであった。
事実、隼人などはその晩のうちに傷も癒え、自分の二本の脚で歩いてアパートまで帰っていったらしいし、それは椿も同様なのであった。
しかし、自らも隼人の後を追うように病室から出て行こうとする椿を、支部長が引きとめた。
「大変な任務を終えたばかりなんですから。もう二、三日ゆっくり休んでください、椿ちゃん」
倉庫での戦いのときから、玉野さん、ではなく名前で自分のことを呼んでくれるようになった支部長の言葉は、慈しみと労わりに満ち溢れているようだった。ほんのわずかの逡巡の後、
「………お言葉に甘えます」
そう言って素直に頷く椿の髪を、支部長は優しく撫でてくれたものであった ―――
そして、それからの三日間。
支部長が椿に、新たに用意してくれた静養のための病室は、驚くほど豪華なものであった。
病院の最上階の一フロアまるごとが椿ひとりのために空けられ、彼女自身の病室も特別な、二十四畳のスペースがある最高級の部屋である。
そして、三日目の椿の退院日。
その日の昼食を終えた支部長は、秘書の運転する車に乗っているところであった。
向かう先は椿の入院する病院である。
「この三日間、彼女はどんな様子でしたか」
後部座席に腰掛けた支部長は、運転中の秘書が信号待ちでブレーキを踏む頃合を見計らったように彼女に声をかけた。三日間の椿の世話は、秘書の彼女に任せていたのである。
「ええ………なんだか、ひどく落ち着かない様子で………気を紛らわせるためでしょうかね、今回の事件の資料のコピーを貸してくれって言われましたよ」
「事件の資料の………?」
頷く秘書が続けて言う。
「あの歳で、ワーカホリックなんでしょうかね? 退屈を紛らわせるためなら、テレビでも漫画でもいくらでもあるのに」
くすくすと笑う秘書の後頭部に、支部長は陰鬱な視線を送る。
椿が拉致されて、敵であるフィーストに耐え難い陵辱を受けたことは、秘書や隼人は勿論、支部の誰にも伝えてはいない。支部長と椿だけの秘密にしてあった。
椿が受けた深い傷を知らない秘書は、静養中も事件のことを気にかけている椿の生真面目さを笑うが、それに反して支部長の表情は厳しいものである。
気を紛らわせるにしたって、なにも今回の事件の資料でなくともいいであろうに ―――
支部長の表情が、まるでそう言っているようだった。
※
「着きました、支部長」
十数分後、秘書の声に顔を上げた支部長は、
「椿ちゃんの退院支度は私がします。申し訳ありませんがここで待っていてもらえますか?」
部下にまで丁寧な言葉遣いでそう言うと、車を降りた。
受付を済ませ、エレベーターで病院最上階のフロアに足を踏み入れる。
深い影のある思案顔をしながら一番奥にある病室へと向かい、『玉野椿 様』と書かれたネームプレートのある病室の前に立つと、控え目にドアをノックした。
「はい、どうぞ」
落ち着いた声はいつもの椿のものである。その声音に微塵の揺れも感じられなかった。
ドアを開け、中に一歩足を踏み入れた支部長は、すでに制服への着替えを済ませ、いつでも退院できる準備を整え終えた椿の姿を見かけると、安堵の溜息をつく。
「もう、大丈夫みたいですね」
声をかけられた椿の瞳は、まだどこか暗い光を帯びている。
それでも、自分の脚で歩き、はっきりと話し、しっかりと視線を相手に向けることが出来るのは、椿が強い意志と心で彼女自身の傷に耐え抜いている証拠であった。
「ええ ――― あ、そうでした。これ、お返ししておきます」
椿が差し出したものは、分厚いA4サイズの紙束である。秘書の言葉にあった、退屈しのぎの今回の事件の資料であろう。苦笑しながら、その資料を受け取る支部長に、
「すいませんでした、無茶なことを言って。でも、どうしても納得のいかないことがいくつかあったので、私なりに事件のことを考える時間が欲しかったんです」
椿がそう言った。
「納得のいかないこと?」
訝しげに小首を傾げる支部長の顔を、椿はじっと見つめ続けている。重たい沈黙が、雪のように降り積もっていった。
「………いまになって思えば、なんですけど」
椿は、雑多な情報で煩雑になった自分の頭の中を整理するように、そう言った。
ゆっくりと、言葉を選ぶようにして。
しかし決して揺るがない強い意志をもって、その言葉を紡ぎ出していく。
「今回の事件の始まり、私たちとFHの攻防は、“情報戦”がすべての基盤に置かれていたように思えるんです。それは、私たちがT市へ潜入してから、ずっと変わらず」
支部長が口をつぐみ、椿の言葉に耳を傾け始める。
「T市の支部もFHセルも、よく似た特性を持っている、って支部長さんは仰ってましたよね。近隣組織への物的支援や情報提供がメインの活動で、だから双方の支部共に、情報収集には長けているって」
「………ええ」
「私が疑問に思っているのはそこなんです。情報の扱いには慣れているはずの双方の支部が、どうして今回の事件において、こんなに『失態を演じ続け』てきてしまったんだろう、って」
「………失態………ですか?」
椿の言わんとするところが掴めずに、支部長が眉根を寄せた。
「たとえば、捜索の当初、いままで私たちに尻尾をまるでつかませなかったFHが、たった半日の調査で市内五つの拠点全ての場所を曝け出してしまったり。私たちの襲撃にすら満足な対応も取れず、拠点を放棄して逃げ出さざるを得なかったり」
「………」
「私たち、UGNにしたところでそうです。市内を徘徊するフィーストたちの足取りを掴むことができず、支部総力を挙げての巡回の網に、敵エージェント、ただの一人も捉えることができない」
二人の間の空気がかすかに張り詰めた。
「………言い換えると、一貫性がないんです」
言葉を短く切るように椿は言い放った。支部長が口元を引き締め、椿を注視する。
「私たちもFHも ――― ある情報は完璧に入手するくせに、ある情報に関してはまるっきり手に入れられない。もうひとつ言い換えるなら」
「………なんでしょう………?」
支部長の瞳が、どこか危険な光を帯び始めている。
続く椿の次の台詞は、実に痛烈なものであった。
「どうでもいい情報は完璧に入手するくせに、敵に致命的な打撃を与えることのできる有力な情報だけを、都合よく取りこぼしている――― そんな気がしたんです」
椿の言葉を要約するならば、ひとつの支部、ひとつのセルが行う諜報活動としては、あまりにも統一性がなく首尾一貫していないということであろう。
感じた違和感の正体は、統一性の欠如と言ってもよかった。
「FHがみすみす拠点を襲撃されたのは彼らのミスではなく、『初めから彼らの五つの拠点をUGNが知っていた』から ―――
UGNが二十四時間態勢で市内の巡回をしても、敵の影すらつかめなかったのは私たちのミスではなく、『敵が私たちの巡回スケジュールを知っていた』から ――― そう考えてはいけないでしょうか?」
沈黙。もしも静けさに重量というものがあるとしたら、それだけで病室の床を押し潰してしまうほどの、深く重い沈黙が澱のように沈殿していく。
支部長の表情はいまや冷たく凍りつき、椿を見つめる瞳が眼鏡の奥でぎらりと光っていた。
「椿ちゃん ――― どういうことなのか、はっきり言ってくださいませんか………?」
支部長の声からは、普段のあの温かみすらも、綺麗さっぱりと消え去っている。
「………すべての違和感の最初の発端。それは、私がフィーストに拉致されたときのことです」
ふたたび強い決意を瞳に灯し、椿は苦しげに言葉を続けていく。
「あのとき、あきらかに私は『待ち伏せ』されていました。私のアパートに彼女が“襲撃に来た”のではなく、私が巡回の交代のために外出する時間に合わせて、待ち伏せされていたんです」
椿のアパート近くでの空き地でのこと。あのときのフィーストの言葉がそれを証明していた。
あの茶番じみたお芝居は、椿一人のために演じられたものであるのだ、と。
「どうしてそんなことができたのか。どうして私の外出する時間がわかったのか。どうして私のアパートが簡単に突き止められてしまったのか」
二人の周囲を囲む大気が震える。続く言葉を待ち続ける間、支部長は微動だに動かない。
「椿ちゃん………貴女………」
「お願いです。最後まで言わせてください。もしFHに情報が漏れていたとしても ――― ここまで鮮やかに私たちの裏をかくことが、何日もの間続けられるとは思えないんです」
段々と、椿の声は悲痛な響きを帯びてくる。
心中から込み上げる辛さに必死で耐えている。そんな様子がありありと見て取れた。
息を思い切り吸い込む。
最後の言葉 ――― すべてを壊し、すべてを終わりにしてしまう言葉を吐き出すのに、意志と勇気を総動員するような、椿の悲しみに満ちた表情である。
「市内を全支部メンバーで巡回する、細分化されたスケジュールも」
椿の顔が泣き出しそうに歪む。
「私のアパートの場所も」
いまにも泣き声を上げそうなほどに声が湿っていく。
「私が前任者と巡回の交替をする時間も」
椿の手が握り拳の形のままで震えていた。
「すべてが敵に漏れていた。敵が、私たちの行動に対して対処が取れる十分な時間を与えた上で、私たちの行動を事前に漏らしていた“裏切り者”がいる ――― それが私の行き着いた結論です」
常識の裏側。
世界の反転。
あるべき姿の歪なネガティヴ。
自分たちの属する夜の領域が、その言葉でさらに歪んで裏返る。
信じていたものが。頼みにしていたものが。
がらがらと音を立てて崩れ落ちていく。
これから椿が言おうとしていることは、そんな現象を彼女の住む世界に起こすものだ。世界の裏側にあってなお、信じ続けようとしていたものをすべて台無しにしてしまう言葉だ。
だけど、もはや椿自身にもその言葉を止めることはできなかった。
そして ―――
「支部メンバーの巡回スケジュールを作成したのは貴女です。それを事前に漏洩することの出来る立場にいたのも、また」
椿が、最後のとどめとなる言葉を喉の奥から搾り出した。
「私のつまらない勘違いだって笑ってください! 馬鹿なことを考えるなって叱ってください!」
椿の滅多に出すことのない、激情溢れる叫び声であった。
「どうして、どうしてそんな顔するんですか! どうして、なにも言ってくれないんですか!」
支部へと温かく迎え入れてくれた支部長。どこか頼りなく見えるけど、本当は部下たちに慕われる有能なエージェント。FHの非道に怒り、絶対に敵を止めてみせると言ってくれた彼女。
そんな支部長を疑うような言葉は、彼女を傷つけ、椿自身の心をも傷つけるものである。
しかし、ここで生まれた疑問を置き去りにして、このT市を去ることが、椿にはどうしても出来なかった。チルドレンとしての矜持が、それを許さなかった。
支部長の、凍り付いていた顔がそのときようやく和やかなものに変わる。
なぜかその笑顔を見て、椿の背筋が凍りついた。
「疑問に思う、そしてそれを追求しようとする姿勢は重要ですよ」
どこか、いつかで聞いた言葉であった。
「………そして、貴女は自分の納得できるまで、感じた疑問を追及できるひとです。それに、とても頭のいい人、だとも思います」
「支部長さん………」
呆然と呟く椿に、支部長は椿の聞きたくなかった一言をはっきりと言い放つ。
「貴女の推測の通り………裏切り者は、私です。私が ――― いえ ――― 私“も”、マスターヴェノムなんですよ」
椿の世界が ――― そのとき完全に反転した ―――
(To Be Continued ――― to “true” Climax Phase)
83 :
yuzu:2009/02/12(木) 03:55:39 ID:rI53f1tB
以上、投下でございました。さあ、ようやくラストが見えてきましたよ(笑)。
それでは次回投下まで。ではでは〜。
>>83 深夜の投下乙です。
いやー……そう、来ましたか。
彼女が黒である事は既にレスで推測されてて、それでもここまでの活躍で白であると思えていただけに。
この流れは軽いショックを受けつつ、納得せざるを得ないなと。
では、真のクライマックスを背筋伸ばして待たせて頂きます。
椿も隼人も侵食値が心配ですが、さて。
そうか……その通りだよ、俺が前スレで感じていた違和感は正に椿が言った通りの事だったんだ!情報なんだよなぁ、やっぱり
いや、もうなんていうか……本当に裏切り(ダブルクロス)らしい物語すぎてGJすら生ぬるい気がしますよ……ん?って事はこれで支部長もタイタス?マジ侵食率やべぇwww
ちくしょー!あなたをGMにプレイヤーやりてぇーーw
ところで、心と身体が傷ついた椿を癒す隼人との濃厚甘々エロはまだですか?(馬鹿は舌の根も乾かぬうちにシリアスとは無縁な無茶を要求をしだした)
ぼくは支部長さんを椿と隼人の二人がかりでお仕置きする話がいいなあ
もちろん性的な意味で
>86
あなたを、合気チットです。
「俺がマスターヴェノムだ」
「俺達がマスターヴェノムだ!」
これはただ、真のクライマックスが楽しみというしかないですね。GJです。
侵食率が心配だよ。
両方とも100%越えてるだろうに。
いやもう自律判定は済んでいるはずだ
だからこの先は侵蝕率の心配はいらないはず、たぶん
いや、あるいは前後編のシナリオかもしれん
真のクライマックスではなく
椿陵辱再びフラグという可能も……
すごいなあ…本当に。
…で、すまん。最初っから想定されてた流れなんだとは判ってる。が…
本当にすまん、オレの脳内では弥子な椿が支部長に涙ながらに訴えてる絵になってしまったw
【支部長が胸をはだけると刻まれた「6」の傷痕】
>91
しかし、こっちが真のクライマックスの可能性はある。タイタス怖いよ…(ガクガク
とりあえず椿は自律したからジャーム化を免れたんじゃね?
くそぅ支部長さんかぁ……。
秘書さんが内通者だと予測してたんで外したなぁ。
にしても真のクライマックスマジ楽しみっす。
この物語中初めて隼人と椿が肩を並べて闘えるのかしら〜。
お久しぶりです……忘れられているでしょうし、誰も待ってないでしょうが。
一時ごろから勇者少女のエピローグを投下します。
スランプ入ってました。
すいません ORZ
>>96 乙
頑張れ!
今から寝ないといけないから読むの後でだけどなorz
投下します。
実りましょう。
祈りましょう。
命耕し、
命萌やし、
命芽吹かせ、
歌いましょう。
世界はこんなにも美しく。
世界はこんなにも輝かしく。
世界はこんなにも透き通っているのだから。
レンが倒れた。
その彼女に一番先に辿り付いたのはもっと余力のある柊ではなく、いち早く体の制御を取り戻したナイトメアだった。
「レンちゃん?!」
プラーナの消耗が収まり、半ば体力ではなく魔力で肉体を制御しながらナイトメアが倒れたレンを抱き起こす。
続いて柊やエリー、そして叫ばれた声にようやく目を覚ましたノーチェなどが加わる。
「な、なにがあったのでありますか?」
「レンが倒れたんだよ! で、ナイトメア。レンはどうなったんだ? 大丈夫か!」
「ちょっとまって! 今、診てるから」
ナイトメアがレンの口元に手を当てて、さらに首筋に指を当てて脈を取る。
呼吸はあった。
脈もあるが、発汗の量と診断用に流し込んだ魔力の反応から結論を出し――ナイトメアは顔を上げた。
「まずいわね。プラーナが枯渇しかけてるわ。只でさえ消耗していたのに、あんな大技を使うから……このままだと消滅するわ」
プラーナの枯渇。
存在を保てなくなり、消失する。
それは死よりも残酷な結末だった。
「なっ、どうすんだよ!?」
「手は一つよ。プラーナをなんとか補給させるしかないわ。誰か、プラーナポーション持ってる?」
ナイトメアが皆を見渡す。
しかし、全員が首を振った。そんなのがあれば真っ先に使っている。
「となると、誰かが供給してあげないといけないんだけど……余裕があるのは」
全員がギリギリまでプラーナを消費し尽している。
その中でまだ比較的余裕があるのは。
そして、ナイトメアがある人物に目を向けたのは当然のことだった。
気が付いたのは唇に柔らかい感触を憶えたからだった。
(ん?)
湿った感触。暖かなそれに夢心地の彼女は緩やかに唇を動かす。
吸い付いてくるそれに彼女は覚えがあった。
(もしかして、蓮司君?)
おぼろげな記憶の中で、それは誰かが触れているのだという感触だと思い出す。
微妙に記憶の中のそれよりも温度は低いが、気持ちいい。
何かが注ぎ込まれるようで、身体の中が温かく、熱くなる。
それが気持ちよくて、思わず彼女はより求めるように吸い付いて――
「ぶふっ!?」
「へ?」
上がった悲鳴に、パチリと彼女――柊 レンは目を覚ました。
目を開けると、其処には柊ではなく――涙目でうわーんと泣きかけているノーチェがいた。
「舌を、舌を入れられたであります! ファーストキッスだったのにぃ!」
「なんて羨ましいことを!? くそ、このフリークスめ! ええい、私にその唾液を与えなさい!!」
などと錯乱してエリーが、ノーチェに襲い掛かる。
何するでありますー!? という悲鳴を上げるノーチェが迫ってくるエリーの顔を掴んで、押し退けようとするがジリジリと唇を突き出したエリーの顔が近づいていく地獄絵図が生み出された。
「落ち着け、エリー!」
「ふふふ、レンちゃんってばしばらく見ないうちになんていうエロスに目覚めているのかしら? ディープキスを無意識にするなんて、ねぇ」
「こっちみんな」
そして、そんなエリーを背後から羽交い絞めにして止めようとする柊に、ニヤニヤと楽しげに笑い声を上げるナイトメア。
え? あれ? と、周りを見渡し……レンはゆっくりと青ざめていた顔を真っ赤に染め上げていった。
自分がなにをしたのか理解する。
羞恥で顔が薬缶のように赤くなり。
「うわぁあああ! 忘れて! 何も見なかったことにしてぇー!」
とりあえず近くにいた唯一責められそうな柊の首根っこをレンは掴んで、揺さぶった。
何故に俺へ!? と困惑するが、頚動脈を絞められて声すら出ない。
青白くなっていく柊、泣き叫ぶレン、止めるものがいなくなってまさに迫りかけるエリー、涙目で抗うノーチェ、それらに爆笑するナイトメア。
今ここに悲喜劇が生み出されようとしていた。
その時だった。
「ん? ちょっとまって!」
鋭い声がナイトメアから発せられた。
全員が騒ぎをやめて、彼女を見る。
ナイトメアの眼帯に覆われていない目が僅かに揺れ動いて、不意に明後日の方角に向いた。
誰もがその視線を追った。
そして、そこに――風が舞っていた。
クルリ、クルリとつむじ風を起こすかのように風が舞い……光が迸った。
「なんだ!?」
「まだいますの!?」
柊が魔剣を抜き放ち、エリーが身構え、誰もが警戒する。
皆の前で淡い光は収束し――それはおぼろげな人の形を取った。
顔は無く、手足の形だけがあるヒトカタ。
それは先ほどの冥魔を思わせて、警戒を強める柊たちだったが……ナイトメアだけが眉をひそめた。
「あら? もしかして……皆、平気よ」
「あ?」
「彼は敵じゃないわ」
ナイトメアの発言に、柊たちは不可解に思いながらも武器を収めた。
すると、それを感謝するように淡く光るヒトガタは頭を下げ、腕に当たる部位を緩やかに掲げた。
――風が舞う。
流れるように光が溢れて、上空から光が降り注ぐ。
――光が踊る。
柔らかな土の香りが溢れ出し、耳朶を擽るかのような風と共に傷ついた地肌に緑が生い茂る。
――命萌える。
流れよ、流れよ、流転せよ。
命の賛歌あれ。美しき山々の咆哮を聞き遂げよ。
ヒトガタは優しく灯る手を動かし、祝詞を上げるかのように風を舞わせる。
嗚呼、嗚呼、命在れ。
それは命の蘇る奇跡だった。
「山が……まさか、アンタは」
「神様……で、ありますか?」
恐る恐る訊ねるノーチェに、ヒトガタ――“神”は柔らかな光を灯して笑ったように思えた。
神は空に手を掲げる。
集っていた雲が晴れていき、切り裂かれたような隙間から暁の赤光が漏れ出し、柊たちを照らした。
暖かな光だった。
そして、神は感謝を告げるように胸に手を当てると、その左右から陽炎のように光が集う。
左より現れし影は――大熊だった。強靭なる体躯を持ち、見るものを震えさせるような偉容。
右より現れし影は――白い鷹だった。美しく滑らかなる鷹、まるで雪のように、太陽のように輝く美麗。
二つの化身を従えて、山神は微笑む。
――ありがとう、人の子らよ。
脳裏に響く優しげな声。
男なのか、女なのか、判断出来ない。ただ優しい声だった。
――魔は祓われた。我らを蝕みし邪悪は去り、命は蘇る。
圧倒的な存在。
それは其処にいるのだからこそ神だと告げるかのように。
胸から溢れ出るのは歓喜の想いか、それとも誇らしいものなのか。
――我らは忘れないだろう。人の子らよ、世界を護る魔法使いたちの偉業を。
命舞う、舞う、いつしか境内の中に無数の光が宿っていた。
溢れ出るのは命の喜び、プラーナ。
感謝の念の篭った歌声が、草の声が、風の笛が、彼らに感謝を伝えていた。
――傷はいつしか癒えるだろう。けれども、感謝は忘れまい。我らが悠久の果てまでも想いを馳せ続け、讃えよう。
神の言葉と同時に、柊たちは気付く。
その身に刻まれた痛みが薄れていくのに。
「プラーナが……」
「傷が、治っていく?」
「凄い……」
「さすが、ね」
「くすぐったいでありますなぁ〜」
同時に晴れた空に響き渡る風切り音があった。
「あれは――」
それは一つのヘリだった。
レンの記憶には見覚えがある形状――ロンギヌスのヘリ。
「迎えが来たよ!」
嬉しそうに微笑むレン。
そして、神は薄っすらと姿を掻き消しながら――告げた。
――幸いあれ。人の子よ、進む先に多くの幸いがあるように。
それが立山での最後の出来事だった。
「皆さん、ご苦労さまでした」
アンゼロット宮殿。
豪奢なる建造物の謁見の間、そこで美麗なる黄金の髪を蓄えたアンゼロットが優しく微笑んでいた。
「無事に立山での冥魔を撃滅したとの報告があり嬉しく思いますよ、レン」
「……ありがとうございます、アンゼロットさま」
他の四人と同様に、ボロボロになった制服から着替えたレンが膝を折っていた。
レンとは異なり、柊たちは雇われただけの立場なので臣下の礼は取っていない。
「皆様にも感謝を。激戦だったと聞いています」
「まあね。下手な魔王級エミュレイターよりもよほど性質が悪かった。報酬には少し色を付けて貰えると助かるんだけど」
「私たちの力があれば別に問題ありませんわ……と言いたいところですけど、聖王庁に報告させて頂きますわ。極めて危険度が高いと」
「死ぬかと思ったであります」
三人の返答。
それをアンゼロットは噛み締めるように頷くと、最後に柊を見た。
「柊 蓮司さん。ご苦労様でした。また助けられてしまいましたね」
「あ? まあ、そうなる……のか?」
くいっと首を傾げる柊に、輝ける黄金たるアンゼロットはクスクスと楽しげに微笑む。
「まったく、蓮司君は……」
レンがふぅっとため息を吐き出した
それに柊は俺が悪いのかと戸惑い、ナイトメアとノーチェが笑った。エリーは頭痛を抑えるようにこめかみに手を当てる。
「では、柊さん。ノーチェさん。転移装置の準備は出来ています。報酬の方は既にあちらのアンゼロットに話を通してありますから安心してください」
「お? もうでありますか」
「まぁ、あんまりこっちでのんびりするわけにもいかねえだろうしな」
ノーチェと柊が、案内に出たロンギヌスに連れられて歩き出す。
すると、その後ろに三人が着いてきた。
「あ? おまえら」
「見送りぐらいはするよ? 仲間だったしね」
「おおー、ありがとうであります」
「勘違いしないでくださいね、私はレンお姉さまがいくから――」
「はいはい、エリーも素直じゃないね」
「違いますー! 本心ですー!」
「青春ねー」
がやがやと騒ぎながら五人が、転移装置の前に到着する。
ロンギヌスがスイッチを入れると、光輝くゲートが出現した。
次元を超越するための門。
これを通ればファー・ジ・アースに行けるだろう。
「じゃ、行くか」
「サラバであります!」
ノーチェが振り返り、手を振った。
そうしてゲートを潜る。
そして、柊もまた潜ろうとして――
「蓮司君」
「ん?」
振り返り――柊は湿った感触を頬に覚えた。
キスされていた。
レンに。
「……へ?」
「またエッチしようね」
そう告げられて、どんっと押されるように柊はゲートに押し込められた。
その向こうで騒ぎ立てるエリーや、肩を竦めるナイトメアに、真っ赤になったレンを見ながら。
これがガイアでの柊の戦いの終わりだった。
投下完了です。
ようやく勇者少女のお話も完了。
長らくお待たせしてスミマセンでした。
次回からは探求少女の秘石追想曲(仮)の予定です。
アルシャードガイアで錆びたシャード(笑)持ちが活躍(するかも?)
そして、ようやく世界の危機クラスになるつもりですので。
強い敵が出ると思います。ええ、今までの雑魚とは違います!
どうぞお楽しみに!!
お疲れ様でしたー。
なんと爽快なエンディング。レンいいなぁ。
つーか、あの、今までの……雑魚?今この人今までの雑魚とは違うって言ったっ?!
今までのがザコ…だと…?
107 :
yuzu:2009/02/13(金) 07:39:24 ID:ttOiLmc2
レス返と感想です。
>84さま。
支部長犯人説がレスされた時、「あわわわ」と内心慌てたのもいい思い出です(笑)。背筋を伸ばすのに疲れてしまう前になんとか続き投下できるよう頑張ります。
>85さま。
以前、違和感の正体を探るために読み返してみる、とレス頂いた方でしょうか?
うまく伏線を回収できてると良いのですが。私のシナリオをプレイしたいと仰ってくれるのは最高のホメ言葉です。
そして椿×隼人の甘ラヴえっちですか!?(笑)
うーん、実はこのあとの展開、三、四通りくらいの分岐を考えてまして、どう転んでいくかは、ふたを開けてのお楽しみということで(笑)。
>93さま。
スイマセン、何のネタか解らなくて……支部長の胸に6の傷痕って……?(汗)
>95さま。
GMとしてはPLの予想を外すのが一番の楽しみです(笑)。
次のバトル、やっとタッグを組んでの戦い、期待に添えるよう頑張ります。
その他にも、二人のジャーム化を心配してくれたり、ネタをくれた方々に感謝を!
そして……待ってた待ってた待ってましたよ、マッドマンさま!
激戦の末の神の感謝、そして短い間だったけど仲間との別れ、そしてレンとの甘酸っぱい邂逅……
どうか彼等に山の神の言祝ぎがあらんことを。
ていうか。
今まで以上の強大な敵なんて、もう予想もできない(笑)。これはもう期待するしかありませんよ、ええ!
新作、心から待ってます!
>107
話の流れからいって脳噛ネウロじゃないかと。たぶん連載分。
マッドマン氏お帰りなさい&完結おめです
初詣は雄山神社に行った地元の人です
エピローグがなかなか投下されなかったので「まさか神罰が!?」とか心配してましたw
アンゼロットの報酬…どんな恐ろしい報酬が待ってるんだろう(マテ
今作では自分のわがままを聞いていただいてありがとうございました。次回作も頑張ってください
レス返しに来ましたーw
沢山のレスありがとうございます!
>>105様
レンをメインヒロインに頑張ってみました。
またエロイのを書いてみたいんですが、柊が手を出すのに違和感がガガガ。
要望があればまた一発単発でエロでも書いて見ましょうかねぇ。
>つーか、あの、今までの……雑魚?今この人今までの雑魚とは違うって言ったっ?!
言いましたよ(・∀・ )
マジです。
>>106様
雑魚ですよー。
宝玉少女は雑魚冥魔+雑魚エミュレイター
魔王少女は雑魚魔王+雑魚冥魔
勇者少女は雑魚魔王+山神ですので。
ほら、一般的!
>>107ことyuzu様
大変お待たせしましたー。
そちらのDXを見ながら、早く自分も書かないとーと焦燥に煽られていました(笑)
次回からようやく強い敵が出せるのでヤル気満々です。
これからもお互い頑張っていきましょうね!
あと感想です。
というか椿がエロ椿になって、うぎぎと悶える日々でしたw
支部長は黒いと想ってたんですが、奮闘振りで白だと判断したのになーw 騙されましたねーw
クライマックスフェイズっぽいので期待してます!
>>109様
ようやく完結しました。
色々と知識や情報などありがとうございました。感謝しています。
残念なことに自分の力不足で反魂香の逸話が出せなくて申し訳ございません。
そして、初詣に高所に行った貴方様には感服ですw
アンゼロットの報酬は普通に金品のつもりですよーw
そして。
8時から新作の【探求少女の秘石追想曲】のプロローグを投下します。
憎悪せよ。
憤怒せよ。
嘆き、嘆き、嘆き。
千兆にも到る怨嗟を知れ。
悪神なれ、悪神なれ、悪神なれ。
無限の彼方まで憎み続けよう。
地獄へ落ちろ、冥府へと沈み込め、我らが同胞の流した血涙の重みを知るがいい。
呪いあれ、呪いあれ、呪いあれ。
全て腐り果てろ。
最果てまでの虚無に潰れるがいい。
戦う、闘う、飛翔する。
夜闇の上空を駆け抜ける一騎の翼にして騎兵があった。
それは白銀。それは兵器。それは守護者。
西洋剣を思わせる鋭いボディに、夜闇を駆け抜ける多発型飛翔機関を稼働させ、推進剤噴射による白銀の輝きを纏いながら超音速で駆け抜ける常識を凌駕する飛行騎兵。
音響の障壁を突破した証明である轟音と衝撃波を吐き散らし、それは何度も何度も上昇しては、夜という闇を切り刻むかのように飛翔する。
それは死に物狂いでの変則機動。
何故舞うか。
何故飛ぶのか。
その理由はただ一つ――“敵との交戦である”。
交戦。
騎兵が舞う空には幾つ物光り輝く飛行物体があった。
それは光、それは閃光、そして――“星”である。
誰が信じるか、“隕石が大気圏から落下しているのなどと”。
「っ、フランベルジュ! 出力を上げられるか!?」
フランベルジュ――駆け抜ける白銀の騎兵の名、それを乗り込む操者にして主君である人物が叫んだ。
『ノープロブレム(問題ありません)。私の限界はまだ先です、幾らでも振り切って見せます!』
フランベルジュ――女性型人格の管制機構が人間味を思わせる咆哮と共に内部に搭載された動力源“神々の欠片”――【シャード】からエネルギーを解放する。
全身各部から放出する噴射剤の輝きが黄金に変貌し、加速、加速、加速。速度を爆発的に上昇させながら、降り注ぐ隕石を回避する。
アクロバティックな機動、装甲を掠める灼熱の隕石から逃れながら、フランベルジュは手の甲にマウントされた砲口を展開し――射撃。
夜闇を切り裂く一陣の閃光が鋭く迸り、頭上から迫る数十メートル級の隕石を両断――破砕完了。
轟々と燃える砂礫の欠片、岩の断片、まるで紅蓮地獄のような光景。
そこへ飛び込む。
背部スラスターから白光の噴射炎を吐き出し。白い残光を牽きながら飛び上がるように飛翔。切り裂いた隕石の欠片を表面装甲で弾き飛ばしながら駆け上がる。
高度11キロメートルを突破し、対流圏から成層圏へと侵入する、まるで光の矢のような高速度上昇。
惑星から縛り上げられた重力という楔、それがギシギシと魔術的防護術式と神の恩恵を受けた肉体も軋ませる。
だが、止まらない。まだ止まるわけにはいかない。
上へ、上へ。
目指すは高度800Km、気温2000℃を超える灼熱の世界。
其処に――奴がいる。
“星々を象徴する絶対存在が”
「進めぇえええ!!!!」
咆哮が迸る。
彼は見た。
彼は知る。
頭上に輝く夜よりも昏く、嘲笑う憎悪の塊を。
「抗うな――≪神の継承者(サクセサー)≫」
それは悪だった。
邪悪だった。
嘆き悲しみ、苦痛に溺れて、憎悪に呑まれた悪神だった。
手を掲げる。
怒りを持って、憤怒の如き赤光を手の平に燃やしながら、激怒という薪を力にくべる。
大気が震える、分子が激震し――励起状態へと移行する。
光、熱、電場、磁場――ありとあらゆる干渉方法、圧倒的過ぎる奇跡の証明。
熱圏の大気が幻想的な輝きを帯びる。高緯度地域にしか見られないはずのオーロラを創り出す。
七色に輝く幻想的色彩が“ソレ”を覆うように、讃えるかのように、纏うべき神衣となって出現する。
「潰れて悲嘆せよ」
煌めき瞬く業炎。
夜闇が輝く。
数千個を超える星々の瞬きに。
轟音が奏でられる。
降り注ぐ破壊の塊に。
「世界ごと砕け散れ」
一機の白銀は埋め尽くされる。
圧倒的過ぎる爆炎、閃光、流星乱舞。
だが、それに屈しない意思がある。
強大なそれに抗う力がある。
「フランベルジュ、往くぞ!」
咆哮が響き渡る。
鋼の騎士、その内部から迸る戦士の意思。
空間が歪む。バラバラと飛び散る紙片があった――それは呪符。
閃光を纏いて、意思伝えるもの。
そして、最後に出現せしは一振りの直剣。
刀身に北斗七星が刻み込まれた呪剣が一振り、七星剣。
『ノープロブレム(無論です)、マスター』
稼働する、限界まで高まる鋼の騎士。
意思を伝達させて、極限まで主が力を増幅する兵器。
媒介となり、鋼の肉体を器と変えて黄金色の輝きを宿す――それは盾にして剣。
「五龍王よ。疾く律令の如く来たれ――」
遥かな眼下。
太平洋の海、そこから迸る水気がある。
高き空、高き虚空、されど周り集う呪符は夢幻の乱舞を持って式陣を構築し、漢字を持って埋め尽くされた空間を形成する。
黄赤青白黒。
十の巨大な霊気が集い集まり、水を司る五色の龍王が喚起される。
「五龍祭修法――悪神屠る牙と成れっ!!!」
燃え盛る流星群と五色の色彩を帯びた龍王と衝突した。
「おぉおおおおお!!!」
一人の男の咆哮が鳴り響き、極光が夜闇を埋め尽くした。
午後11時。
まったりとした時間、そろそろ寝る準備をしようかとある家庭の長女――宮沢 茉莉はお茶を啜りながら考えていた時だった。
グラリと震動を感じた。
「あれ? じ、地震?」
くりっとした瞳に、十二分に可愛らしいと言える顔。質素なパジャマ姿でお茶を啜りながら、そう呟く。
ポニーテールに結んだ栗色の髪がグラグラと地震で揺れる。
「ん? 珍しいなぁ」
パリポリと醤油煎餅を齧りながら宮沢家父――宮沢 祥吾が呟いた。
「珍しいですねぇ」
とろんとした目つきで呟くのは宮沢家の居候である西園寺 恵。
ほんわかとした顔つきは美しく整っており、流れるように髪を伸ばした如何にもな令嬢といった佇まい。
どこか子供っぽいパジャマに、ニコニコと一人紅茶を飲んでいる。
「あらあら、じゃあヤカンの火を消さないと」
そして、台所からは母である宮沢 あざみが少し慌てた声を上げた。
そして、震動はまだ続き、強くなるようだったらテーブルの下に入るか。と、小学校の頃から常識的に叩き込まれた行動を四人が実行しかけた時……ピタリと止んだ。
「納まったね?」
テーブルの下にもぐりこみながら、茉莉が呟く。
「そうだな。結構強いと思ったんだが」
「余震がないといいんですが……」
同意するテーブル下の祥吾と恵。
一人あざみだけは落ち着いた行動でテーブルの上を片付け始める。
そして、のそのそと三人がテーブルの下から出て、同じ位置に戻り、祥吾はテレビのリモコンを手にとって。
「地震速報が出てるからもしれないな。ちょっとニュースにしてみようか」
ポチッとテレビの電源を付けた。
そして、ニュースには予想通り地震速報が報じられており、それは日本から遠く離れた大西洋を震源地にマグニチュード7を越える規模の大型地震が発生したと告げていた。
誰が知るだろうか。
これが青き惑星 地球――その多元世界の一つ“ブルー・スフィア”で起こる新たなる戦いの始まりなのだと。
そして。
「がー」
まったく異なる世界。
多元世界の一つ、ファー・ジ・アースと呼ばれる世界の地球、日本、秋葉原において。
暢気に寝こけている青年――柊 蓮司と呼ばれるウィザード。
それもまたこの運命に参加するなど誰が読めただろうか?
さあ戦いが始まるぞ。
憎悪に煮え滾る旧き巨神が蘇る。
世界を護ろう。
咎を背負い、奈落という闇を討ち祓わん。
探求少女の秘石追想曲。
楽園への探求者たちと夜闇の魔法使い。
輝ける神々の欠片という絆を持って想いを馳せようか。
投下終了です。
今回のお話の舞台は主にアルシャード・ガイアになると思います。
あと以前募集したヒロイン候補ですが、次回のお話のヒロインはシャノンになる予定です。
しかし、引き続き要望があればどうぞw
おお!もしかしてかがみんもメインキャラ?
いいなあ、実は奴等コンビと柊が邂逅って見てみたかったんだよ!
超期待している。
柊はスルト仕様に下げられるのかな?
エロパロで投稿ってことは、嘉神とファムとか、色々期待してしまうのだがw
ファムって女子高生生活で耳年魔になって、大切にしてくれてるけど煮え切らない嘉神にやきもきしてるイメージがあるんだw
ザコ<魔王<汚染された山神<邪神と順調にグレードアップしてるから、前のは一応雑魚と言えるのか…?
いや、やっぱ雑魚っちゃ戦った奴らが可哀相だぜ
柊は別にいいが
寧ろ積極的にいこう!
次なる柊の不幸に期待して待っております
アルシャード・ガイアは知らないんだよなぁ…。
この機会に買ってみるか・・・でも財布の中身が…うう(泣
まあ、それはおいておいて。勇者少女の完結+探究少女開始おつかれさまです、マッドマン氏。
勇者少女ではついに柊もX指定な濡れ場を演じ…ましたよね? いくら柊でも、あれを単なる
救助活動とはとらえてませんよね? …言い切れないところが恐ろしい…。
ともかく。柊自身にもちょっとした(?)出来事があったわけで。新たな女の子との絡みももちろん、
斬撃少女以来空気なエリス&登場すらしていないくれはとの絡みなんかも期待してます。では、がんばってください。
ガイアは文庫ルルブで大体の所を把握できるから安く済むよ。
…フランベルジュとヴィオレットの邂逅を期待しタのは何か間違ってるだろうか。
>123
普通にヴィオレットが連れて行くんでね?
>>117 ラジオの方で一度会ってるはずだな。>柊と宮崎父
127 :
109:2009/02/14(土) 00:19:33 ID:qEXkKoRC
>>マッドマン氏
正月からっていうか冬の立山登る気力はないっす
麓の分社に詣でて来ました
反魂丹については気になさらないでいいですよ
一応公式でNWに復活アイテムは存在しないって言われてるので
地元の人としてレスするのはこれが最後になるでしょうが、
次回作も名無しに戻って応援しているので頑張ってください
128 :
yuzu:2009/02/14(土) 02:48:35 ID:nd3m7m//
>マッドマンさま
復活&早速の新作投下乙です!脱スランプなさってあのハイペースを取り戻されたようで、マッドマンさまの文章の一ファンとしては嬉しい限り!
過去作品を超える強大なる敵の登場というのが個人的な注目点ですね。あー、今から続きが楽しみでたまらない!エールもいただきまして感謝です。頑張らせて頂きます。
ところで。
やっぱり支部長が黒い、と思われてましたか(汗)。彼女が奮闘していた理由は次回投下で明らかにしますが、うーん、私の話は展開が分かり易いんでしょうか(笑)。
ちなみに。
エロ椿というストレートなネーミングに、なぜか大ウケしてしまいました(笑)。
うぎぎ、というのがどういう状態なのか非常に気になります(笑)。
ではでは、次回も楽しみにしてます〜。
>128
ウサギのオーヴァードが融合するんですね。
【首を刎ねられた】
ヴォーパルのVIP
>104
ちょっ、これまでが雑魚ってどんだけ…ww
あんたがDXやったらジャーム化する人が続出する前に全滅頻出の予感がするw
で、錆シャードの子にはミッドガルドにいる幼馴染をあてがうといいと思うんだが呼び出す方法が思いつかんw
ともあれ、勇者少女GJ&探求少女楽しみにしてます〜
132 :
_NPCさん:2009/02/15(日) 05:38:41 ID:G3vx2Ndn BE:1868589296-2BP(10)
R&Rのまよキン記事がガチエロな件について。
毒特集だからってチャイカとウムラウトの精神を入れ替えた上にチャイカinウムラウトに媚薬を盛るとかマジか。
感想書いていいとこがここしか思い浮かばないよ! では…
媚薬のために全身の性感帯を一度きに拓かれ乱れ狂うチャイカの肉体と、その内に捕らわれ
男性のものからは決して得られないほどの悦楽電流でズタズタに苛まれるウムラウトの精神。
そして衆目にさらけ出された自らの痴態を、同じく外から見せ付けられ、
だんびらを振りまわすような勢いで取り乱すチャイカ姫と、その狼狽とは裏腹に
痛みに思えるほどの焦燥と反応を起こしてしまう騎士の健康すぎる得物。
ああ同時に四つの陵辱を楽しめるだなんてなんと素晴らしいサポート記事なんでしょうごちそうさまでした!
以降の展開としては、ウムラウトの意識にいいように蹂躙される己をよしとせぬ、
あるいはこちらもまた肉体の欲情に呑まれたチャイカ姫、
下穿きから淫らにのたうつ肉剣を抜き放つと、これまた淫乱そのものといった面持ちで
獣のような嬌声と飛沫を散らしながら自慰にふける――姫にとっては陵辱に他ならぬ…ウムラウトへと踊りかかり、
たちまち押さえ込んでは灼熱に煮えたぎった得物を、マグマのように蕩けた秘裂へ突き立てる。
陰の、あるいは陽の気に乱され肉欲の虜へ堕しきって、肉体と精神は境界を失い、欲望のまま貪り合い、
胎内に何度も精をぶちまけ……と、行為をとことんまで成し終えてしまったところで
諸々の薬の効果が切れて、正気に戻ったチャイカ姫にウムラウトがしこたま張り飛ばされてオチということでいかがだろう。
そこまで妄想できるなら自分で書くように
旧保管庫のまよSSは確かドルフが書いてたと思うけど続きは書かないのかな。
エムマ!のSSをドルフが書いてたと思うけど続きは書かないのかな
商業で書いてるから
こっちではもうドルフ名義では書いたり描いたりカイたりしないのかな
136 :
強化(ry:2009/02/16(月) 03:09:35 ID:tVPJuYpU
例えば漫画描きなら商業やってても自分のように放置
でもライターだと文章=メシの種だから、牽制されたりとかあるんじゃないかしら
あと昔自分が読んでた雑誌に描くとかスゲェ複雑な心境
多くの漫画家さんたちがみんな言ってたことが今更よく解るわい
商業活動してたのか・・・っ
>マッドマン氏
遅れましたが完結おめでとうございます、お疲れ様でした。
次回作もオープニングだけでもうわくてかですよ!
>またエロイのを書いてみたいんですが
とのことですが、それならほら、相手はあの人にしましょうよ、レンの幼馴染で「ぬふぅ」が口癖の!
いや、ネタではなく、どっかで彼は龍使いだなんて噂を聞いたんですが、レンの病気がマッドマン氏設定準拠にするなら、「レンの膨大すぎるプラーナをコントロールさせられる術を模索して」代々の巫女の家系なのに龍使いになろうとしたってのは理由になるんじゃないかなとか
エロシーンでは気のツボを開いて感度倍増とk
>>136 プロの物書きの人がネットにSS垂れ流してたの知ってるけど、例外なのかな?
それもデビュー後にわざわざ作ったヤツ。
それと、強化の人は今すぐ掲載誌を晒す作業に戻るんだ!w
何故コテが・・・・orz
忘れてくだしあo... rz
皆様、美少女そっくりに化けられる皮(身長・体重・3サイズ他)と言うのはどうだろうか?
ちなみに「ボン太くんの中から出てくるダースベイダー」を書いたのは私です。
名前消し忘れた結果がこれだよ!
掲載死とか追求しにいほうがいいのは確定的に明らか
ギコナビをリロードせずにツッコミを受けてから気付くことが稀によくあるらしい
>>141 よう兄弟、一杯やろうじゃないか・・・・w
最近贔屓の絵師がメジャーデビューする例が多くて、嬉しいやら悲しいやら。
144 :
141:2009/02/16(月) 19:56:11 ID:huRF8Bfq
>>143 >一杯
貴方だったら、一つだけ美少女NPCに化けられる皮が手に入るなら、誰を選ぶますか?
おいらは、神王エニア様。
理由は、どこかの「真昼の月」や「蝿の女王」とは違って、結構育ってい(ry
ギャーーーーー!!
>>141 美少女そっくりになっても、自分が突っ込まれたりぶっかけられたり、捻じ込まれる光景を想像したから
エラーハ製造施設を襲撃して色々分捕る側に回るね!
皮を被った美少女だと!? 幼いおにんにんが付いたふたな娘に変身できるということか!?
はいはい、ハッタリハッタリ
ハッタリ仕事しろ
働きたくないでござるよ、ニンニン
裏界の支配者の仕事をまったくしないベルたんに
マジ切れするルー様。
>>150 地下展開につなげられねぇなら魔王スレでゆっくりしていってろ
このスレ的にしたいならブチ切れルー(6)がベルにエロおしおき、くらいまで書きやがれ!
……って、あっちにいる不幸そうな奴が言ってた。
ベルが遊んでばかりいることを、主人兼恋人のアステートに注意してもらおうと部屋に行ったら、
そのまま浮気してしまったルー様。
今まで提供されてきたシナリオ(1st含む)を見たところアステートの性別は転生先で変わるわけだよな
まぁサンプルが女性イラストだったり、あのキャラがあれだったり
そもそも元ネタとか
まぁ大概は女性的だわな。
最もNWの魔王に性別はないけど。
設定からして古代神は大地母神の性格を持ってるからな
萌えとか抜きにしても女性的な神格が多いのは頷ける話
もしくは女性のほうが男性よりも性的な快楽が大きいから、とか
菊田先輩は正体がアレだし、穴よりも棒の快楽のほうが好きだったとか
ということはベルとちゃん様が上下白黒つけようとする戦いはこうなるわけだ
「先にイったほうが負け……それでいいわね、パール?」
「望むところよ!」
「じゃあ貴女には男役をやらせてあげる。男性より女性のほうが快楽が大きいのよ。ちょうどいいハンデだわ」
「フン! そんなこと言って後で泣かなきゃいいけどね!(フフフ、自分から不利になるなんて。ベルったら余裕こいちゃってバカねー)」
「さ、はじめましょうか」
〜5分後〜
「ふっふーん、このちょーこー様のテクにかかれば……」
(え、やだコイツ……上手い!?)
「ほらほらほら!」
〜10分後〜
「はっ、はっ、ふぅんっ、んぁっ」
「うぁっ、はぁっ、――――ッ」
「あ、今イった? イったでしょベル!」
「まさか! それくらい普段女してるならわかるでしょパール。それとも……姑息な言いがかりをつけないと勝てないのかしら?」
「なっ! ……いいわよいいわよヒィヒィ言わせてやるんだからーッ!」
〜15分後〜
「オウフ」
「あら、もう終わりなのパール?」
「い、イってなんか」
「じゃあわたしのナカから溢れてるこの白いのは……何かしらねぇ?」
どうみても精液です。本当にありがとうございました
「う、う、う、うっきぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!! こ、こここれで勝ったと! 思わないことね!」
まっしー「このように、なる」
あかりん「……おお」
優美「おお、じゃない! なんで魔王がンな下品な方法で上下決めるのよ!?」
ま「『だったら、麻雀で勝負だ!』よりは、マシ」
あ「……おお」
優「もうイヤこいつらーッ!?」
157 :
強化(ry:2009/02/18(水) 00:50:45 ID:ixl+xTV/
とまあ、そんな感じでお後がよろしいのかよろしくないのか微妙、と
さておき夏の申し込みをしたわけですが、今回は受かるといいなぁ
相変わらず魔王にしか興味ありません系の本ですが
「『その気がなくとも……』」
「『踊りで勝負!』」
「で、何の踊りするのよ?」
「まあ、舞台が日本ですので、アマテラスを誘い出したアマノウズメ式でいこうかと」
かくして魔王たちの計略により、日本中のウィザートたちが各地の魔王に誘い出されることになるのだ
>157
OK、特定した。
ミスターX「ベル君、今日は泳ぎで勝負だ!」
>>159 な、ななな何を特定されましたでしょうアルか?
>>161 あなたの……全てを(シリアスアンゼ様声で
≪治らずの病≫でお医者様でも草津の湯でも治らない病気に罹らせる
とゆー電波を受信したんだが、どうしよう?
ヤンデレ落ちが目に見えるようだw
>>160 「よっしゃ〜!」
ってロート目薬かよwwww
おめめが真っ赤だー
168 :
yuzu:2009/02/19(木) 14:43:02 ID:hg7VGfEX
少し短めですがDX続きの投下予告に参りました。
差し支えなければ、出先から戻ったら開始したく思います。
夕方五時頃になるでしょうか?では、投下時にまたお会いしましょう。
169 :
〜A Feast〜:2009/02/19(木) 18:36:26 ID:6NAiBH8k
※
一瞬、世界中の音が掻き消えたような錯覚に陥った。
目の前で微笑む女性が告げた言葉は、耳が確かに捉えたはずなのに、脳がその意味を理解することを拒絶したようだった。
彼女の唇だけが動いている。音声の消えた映像が展開している。
そんな錯覚に、椿は捕らわれていた。
温かく、優しく微笑する女性 ――― わずかな時間を共に過ごしただけだったが、信頼し、尊敬すべき支部長は、確かに自分のことを「マスターヴェノム」と名乗ったのだ。
それは、推論に推論を重ねた上で椿が行き着いた結論。
椿自身強く否定しながらも、そのしこりをどうしても拭い去ることが出来なかった疑念。
悩み抜き、躊躇いに身を焦がしながらも、とうとう彼女にぶつけざるを得なかった詰問。
それがたったいま、支部長自身の口で肯定されてしまったのである。
「支部長さんが………マスターヴェノム………」
たとえそれが覚悟していた結末でも、いざ直面してみればその衝撃の大きさは想像を超えていた。
事実、呆然と立ち尽くし、椿は支部長の言葉を鸚鵡返しに繰り返すことしかできないでいる。
「その表現は正確さにかけていますよ、椿ちゃん」
いつもと変わらぬ、教え諭すような穏やかな声音で支部長が言う。
「私がマスターヴェノムだ、ではなく。私もマスターヴェノムなんです。いえ、もっと正確な表現を期するなら、マスターヴェノムたちの中核を成す存在 ――― それが、私と言えるでしょう」
混乱した椿の思考には、あまりに不可解な支部長の言葉であった。
マスターヴェノム“たち”とは ――― それではまるで、同一名を持つエージェントが複数存在するかのような表現ではないか。
「………と、言っても解り難いですね。すいません」
自分の説明不足を後悔するように、本当に申し訳なさそうに彼女は言う。戸惑う椿を嘲る様子は微塵もなく、心底「椿に悪いことをした」と思っているような、そんな口振りだった。
「 ――― それでもあなたが、FHエージェントであることには変わりないんでしょう………?」
心に深く根ざした傷から滲み出るような、椿の質問だった。支部長を敵だと、裏切り者だと名指す行為は、こうして彼女が真実を告白した後でも、椿にとって辛いことだった。
「それも、少し違います」
首をゆっくりと横に振り、支部長はやんわりと消極的な否定をした。
「私は、FHエージェントでもあり、UGN支部長でもあるんです。それぞれの立場で、それぞれの職務を、二つの組織にとって壊滅的な打撃とならない限りは、全力で職務を全うすることを、常に心がけてきました」
聞き様によっては、ひどく不思議な言い方を支部長はする。
FHエージェントとしての活動とは、簡潔に言うならばレネゲイドウィルスの力を悪用したテロリズムだ。
そして、UGNの支部長としての活動をすることとは、取りも直さずそれを阻止することが最重要項目であるはずだ。
それを両立する。それぞれの組織で己の責務を全うする。
それも、全力で。多分、全身全霊をかけて。
こんな矛盾がどこにある。両立させることの出来ない、相容れぬ二つの立場であろう。
『双方の組織にとって壊滅的な打撃を与えない』という制限つきの全力?
それこそ、そんな行為になんの意味があるのだろうか。
170 :
yuzu:2009/02/19(木) 18:37:38 ID:6NAiBH8k
「UGN支部長である私の立場は捨てないこと ――― そして、私たちの研究に対して全面的な資金協力と人員協力をしてもらえること ――― これが、私たちがマスターヴェノムであることを受け入れるための条件でした」
まるで自分の生い立ちでも語るように訥々と ――― 気負うでもなく、支部長は語る。
「元々は、私たちはとある機関に所属する一研究チームに過ぎませんでした」
瞳を閉じ、記憶を手繰るように。
「私たちの有用性に目をつけ接触を図ってきたのが“彼ら”FH ――― いえ、正しく言うならば、“セントラルドグマ” ――― その中核たるリエゾンエージェントの一人 ――― 」
驚くべき告白を淡々と語る支部長。
「 ――― そのメッセンジャーを名乗る男と、私たちは交渉したんです。そして、“彼ら”は私たちの要求を飲みました。私と、私の指揮下のチームが続けてきた研究活動が、それほど魅力的だったんでしょうね」
「………あなたは、自分の研究のためにFHのマスタークラス・エージェントとなることを受け入れたんですか………?」
言葉の上では責めているはずの椿の口調にも、どこか力が感じられなかった。支部長はもう一度だけ首を左右に打ち振り、
「私が、ではなく私たちが、です」
椿の言葉をやはり訂正する。そして唐突に、
「椿ちゃん。FHにおいてマスターと呼ばれるエージェントの条件とは、なんだか知っていますか?」
そう、訊いた。ゆっくりと言って聞かせるように、教師が教え子を導き諭すような柔らかな声。
突然の質問に戸惑いながらも、椿は支部長の問いに誠実に解答する。
「え、と………FHの中でも、幹部クラスのエージェント………のことですか………?」
「うーん、六十五点」
彼女特有の、泣き笑いのような困った笑顔。そこには敵意どころか、一切の負の感情が存在しない。敵だと告発され、裏切り者だと告白しても、変わらず椿に慈母のごとく接することのできる支部長を、初めて椿は「怖い」と感じた。
「大筋では間違ってはいません。でも、マスターと呼ばれるエージェントにはやはり例外が存在するんです。たとえば、椿ちゃんは“マスターレイス”の名をご存知ですか?」
「………名前だけは。たしか、それはひとりのエージェントを指すコードネームではなく、幹部たちの中でもさらに選りすぐりの、そして『特殊』な力を持つものにのみ与えられる“称号”のようなものだ、とか………」
言葉を選ぶように、椿は支部長の問いに答えた。
マスターレイスの名は、UGNの中でも畏怖を以って語られるコードネームである。
敵幹部たちの中でも特別に優れた能力を有し、さらには特殊なレネゲイドウィルス ――― たとえば、《古代種》や《起源種》 ――― を宿したものたちに授けられる名前。
マスターレイスと呼ばれるエージェントは世界に数人しかいない、と言われ、またUGNの極秘資料にも、その活動記録はたったの二件しか報告されていないという。
「はい、正解です」
椿の回答を心底喜ぶような口調であった。
「マスタークラス・エージェントの中にマスターレイスという例外があるように、私たち ――― マスターヴェノムも、特殊な存在なんです」
自らの力を誇示するわけでも、誇るわけでもなく。支部長は淡々と説明を続けるのみである。
「マスターヴェノムとは、特定の個人を指すコードネームではありません。もともとは、レネゲイドウィルスの研究プロジェクトに与えられた名前でした」
「研究プロジェクト………?」
「はい ――― プロジェクト・ヴェノム。そのプロジェクトにおける総責任者が、私です」
その途端、支部長の表情がひどく澄み渡ったような清浄感に満ち溢れた。
深い叡智。透徹した視線。
支部長としてではなく、研究者の情熱と、学者の敬虔さを併せ備えた黒瞳である。
しかし、その言葉は椿になんの感慨も与えない。
むしろ悔しかった。むしろ悲しかった。
171 :
yuzu:2009/02/19(木) 18:38:45 ID:6NAiBH8k
事件の発端となったラボでの惨死体。異形の肉体を持つフィースト。そしてフィーストによって拉致され、犯され、精神を破壊された少女たち。
それがすべて、『プロジェクト・ヴェノム』という研究の名の下に行われた非道であるとしたら、そんな研究に支部長が関わっていたということが辛かった。悔しくて、そして酷く悲しかった。
「………誤解のないよう、これだけは言わせてください。責任逃れと言われるかも知れませんし、この言葉を貴女が信用してくれるとも思えませんが」
このとき、支部長の顔が初めて苦渋に満ちたものになった。
後悔と悲嘆、そして慙愧の念に満ち溢れた表情であった。
「FHラボにおける“あの男” ――― 貴女たちがマスターヴェノムと呼んだ、倉庫の男 ――― の実験や、彼が育て上げたフィースト、そしてT市における少女拉致事件は、私の一切与り知らぬところで起きたものでした」
それから一瞬の間を置いて、
「そもそも、私はあの男とは一面識もありませんでした。彼は私からの指示を受け、私の命ずるままの研究を続けるだけの男。言うなれば、マスターヴェノム・セルの細胞のひとつに過ぎません」
「そんなこと ――― 」
どうしたら信じられるのか、と言いかけて椿が口をつぐむ。
血を流さんばかりに唇を噛む支部長の表情が、直感的に、彼女が嘘を言っていないことを椿に教える。
だが、しかし。
「………彼のやり方は、私の理念に反するものです ――― あんな大げさで、」
ぞわり、と椿の首筋を悪寒が駆け抜ける。
「 ――― あんなに人目につく、」
支部長の語気が次第に荒くなり。
「 ――― あんな大雑把で、役にも立たない、」
「支部長さん………!」
椿が小さく悲鳴を上げた。
眼前に立つ支部長の、見た目ではなく中身が、なにかおぞましいものに変わっていくようだった。
彼女が裏切り者だと知った後も、椿はどうしても支部長を憎む気になれなかった。
それが、覆される。世界が再び反転する。その先は言わないでほしい。もし、あなたがその言葉を言ってしまったら、私はあなたを本当の敵と思わなければならなくなる!
「………プロジェクト・ヴェノムの名に値しない、つまらない研究なんて ――― 」
悲しみに満ちた瞳を支部長が伏せる。
彼女の嘆きは本物だ。
しかし、その悲しみが生まれた場所は、椿たちとは異なる、異形の心の海からのものだった。
椿は立ち尽くす。悲嘆に暮れる支部長の顔を呆然と見つめながら。
違う。この人は違う。
人並みの悲しみや、人並みの憤りを私たちと同じように持ちながら、それでもその感情が向けられる対象が、「どこか」違っている。
ぞわり。ぞわ、ぞわ、ぞわ、と。
背中で、なにか巨大な蟲が這いずり回るような怖気に襲われて、椿の顔が青褪めた。ごくり、と生唾を飲む音が、自分の喉で鳴ったのだと、椿が気づく間もなく。
「私たちの研究は、ただレネゲイドウィルスのことだけにとどまるものではありません」
教壇に立つ学者のように。学会で自らの研究の成果を発表するかのように。
或ることをあるがままに語り、滔々と語る様は哲人の趣さえ感じられ。
そしてますます、“人間らしさ”から、かけ離れていく。
「少し大げさな言い方を許してもらえるなら ――― 私たちは、“人間の生命そのもの”を探求していました」
「せい、めい………?」
172 :
yuzu:2009/02/19(木) 18:40:03 ID:6NAiBH8k
「V ― ital EN ―hancement O ― f M ― ankind………人類の、生命に関する促進について………これが、私たちの研究の大きな命題でした。レネゲイドウィルスも、その手段の一つにすぎません」
V ― EN ― O ― M 。故に、ヴェノムか ―――
椿の中で感じていたもうひとつの違和感。マスターヴェノムというコードネームに対しての疑念がようやく払われる。
UGNもFHも、エージェントやチルドレンに対しては主にコードネームで呼称するのが通例だ。
だが、椿が隼人から聞き知ったマスターヴェノムの印象は、どうしても『毒』という単語のイメージには結びついてくれず、喉に小骨が刺さったような感覚を拭えないでいたのである。
「T市のFHセルを通じて、幾度となく警告はしたんです」
そしていよいよ静謐に。いよいよ透明に。
支部長の語る言葉が記号と化し、数式の羅列に近づいていく。
研究という行為に捕らわれた怪物の様相を呈し始める彼女の変貌。
それは、本能の欲求と残虐性を肥大させ、己の望むものにただ忠実であったフィーストとは、別のベクトルを向いてはいたけれども、それと同等かそれ以上にグロテスクであった。
「私たちの理念から外れた研究を即刻中止するように、と。しかし、もはや彼は、私という枷から解き放たれた、ただの狂える研究者に過ぎませんでした」
このとき、支部長の瞳が真っ直ぐに椿へと向けられた。
その瞳に揺れるかすかな光が、思いがけず人間味にあふれていたような気がして、椿はハッと息を呑む。
「………攫われた私を助けてくれようとしたこと………それは、本当の………本気の気持ちだったんですか………?」
「………なにを言っても、これは言い訳にしかなりません。だけど、私が彼に貴女のアパートの場所や巡回時間の情報をリークしたのは、貴女を彼らの手にかけさせるためではありませんでした」
それはきっと真実の言葉であったのだろう。
人目を忍んでT市での活動を続けるマスターヴェノムとフィースト。
二十四時間体制の巡回情報を教えたのも、あえて椿の情報を流したのも、ただ彼ら二人が逃亡できる時間を稼ぐためであったのではないだろうか。
よもや、フィーストが椿に個人的な興味を持ち、戦闘行動に陥る危険を冒してまで接触を図るとは、支部長も夢にも思っていなかったに違いなかった。
お互いの組織 ――― FHとUGN ――― にとって多大な不利益とはならない限り、全力で双方の立場で職務を果たす。彼女は確かにそう言っていた。
だからこそ、彼女はUGNに『敵拠点の襲撃成功』という戦果を与え。
FHには『襲撃による人的被害ゼロ』という最小の被害しか与えず。
支部長の立場としては、『二十四時間体制、全支部メンバーによる警戒強化』という激務を率先して行い。
FHエージェントとしての立場を護るために、すべての情報をリークし続けたのだ。
矛盾だらけの情報戦。拭いきれない違和感。それらすべての原因は、彼女が自分に課した、二つの組織における責任を果たすための苦肉の策に起因していた。
異常な思想。狂った思考。歪んだ使命感。
それらすべては彼女の心の中で正当化されたものであったのだろう。
研究資金を得るために悪魔の契約を結んだとき、相反するすべての思考は彼女の中でひとつとなり、折り合いを見つけることすらできずに、それぞれがそれぞれの主張を押し通した。
それは、なんと奇怪な心象風景であっただろうか ――― そのことを思い、椿はこのとき猛烈な吐き気に襲われた。
「貴女が行方をくらましたと聞いて、私は自分の考えの甘かったことを知りました」
支部長が言う。
「市民の被害は増大し、チルドレンである貴女にすら牙を剥く ――― これは、UGN支部長としては、看過できない事態でしたから」
「………一般市民を巻き込むことを嫌い、私のことも本気で助けてくれようとした………それなのにあなたは、どうして………?」
その表情が泣き顔のように歪む。
そんなあなたが、どうしてFHなんかに。椿は、きっとそう言いたかったのだ。
同時に、左右へと垂らした両腕をピクリ、と椿は震わせて。
瞬時に、繊手の指先、両手の五指が鉤爪の形を形作る。
その爪が、鋭く、鋭利に、死をもたらすものへと変貌を遂げていく。
爪は爪ではなく糸と化し。
それは鋼のごとくに鍛えられ、強靭さをますます増していき。
椿が戦闘態勢へと移行したのを、ますます悲しげな表情で見つめながら、支部長はそっと溜息をつく。
173 :
yuzu:2009/02/19(木) 18:41:02 ID:6NAiBH8k
「………なぜでしょうね。やはり、研究者としての誇り、もあったんでしょうか」
その声は、どことなく自虐的な響きを持っていた。
「私たちの研究の有用性、チームの天才的研究成果 ――― 私たちに与えられたマスターの称号は、特別な能力ゆえではなく、知性と探究心を誉れとして与えられたもの」
支部長の右手がスーツのポケットに伸びた。あまりに自然な動作ゆえ、それを思わず椿が許してしまうほどに。
「ただの研究者が、その成果のみでマスターの名乗りを許される ――― この意味の重さも理解せず、なによりマスターヴェノムの名に値しないあの男を、私は粛清しなければならなかったんです」
残る左手も、ポケットに。支部長の全身から緩やかに力が抜けていく。
それは、いついかなるときも不測の事態に備えられるための自然な脱力だと椿は看破した。
椿の両手の先端から凄まじい速度で爪が伸び、病室の床一杯に銀色の糸を敷き詰めていく。
互いが互いに武器を準備し終えたというのに ――― 二人が二人とも、その表情は戦う前のものではなかった。
「椿ちゃん」
眉根を寄せながら。眼鏡の奥の瞳を潤ませながら。
「はい………」
「私、もうなんだかよく分からなくなっているんです。支部長として、貴女のような優秀なチルドレンと出会えたこと、一人の人間として貴女のような女の子と出会えたこと ――― 」
椿がグッ、と唇を噛み締める。こんなの戦う前のやり取りじゃない。この爪を振るう私の腕を鈍らせるような、そんな湿った声を出さないで欲しい。
「 ――― それはとても嬉しいことなのに………それでも貴女を倒さなければならない、FHエージェントとしての自分もここにいて ――― 」
戦いが始まる。もうすぐ命を削りあう激闘が開幕を告げる。だから曇らないで、私の瞳。
私はUGチルドレン。“シルクスパイダー”、玉野椿。
切り裂くための爪は、すでに放たれる刻を待っているのだから。
「任務を全うしなければいけないのは、私“たち”も同じです」
震えそうになる声を必死で抑えつける。椿の言う私たち、とは言うまでもない ――― もっとも信頼すべきパートナー、高崎隼人と自分のことだった。その言葉に応じるように、病室の扉が軋むような音とともに開け放たれる。
「………高崎さん」
決して振り返ることなく、背後の扉から姿を現した人影に支部長が呼びかけた。
静かに佇むその姿。そこには、右手にすでに黒い刀身閃く日本刀を提げ持ち、唇をきつく噛み締めて俯く隼人の姿があった。
「………支部長さん………俺は、」
言いかけて、言葉を飲み込んだ。
ついに発せられることのなかった言葉が、俺は戦いたくなかった、なのか、俺はあなたを信じていた、なのか、それは隼人の胸の内に永遠に封じ込められた。
それはもしかしたら ――― その両方だったのかもしれない。
「いいんですよ ――― いいんです」
支部長の声音はどこまでも暖かく、優しく、そして柔らかだった。
「お互いに、それぞれの務めを果たしましょう。決して、躊躇っては駄目ですよ。私は ――― 」
低く声が沈んでいき。ポケットに差し込まれていた両手が、ずるり、と引き抜かれて。
それはポケットの中に納まっていたとは到底思えないほどに ――― 長い銃身を持つ拳銃と、細身の刺突剣であった。
モルフェウス・シンドロームのエフェクトにより、練成された銃と剣。廃倉庫で戦ったマスターヴェノムが、光の屈折によって遠近双方の間合いに自在を得ていたとするならば。
彼女の真の姿とは、それぞれ異なる武器を以って戦いの間合いを制するオーヴァードであった。
「私は ――― FHエージェント、“マスターヴェノム”としての責務を果たします」
宣言と同時に、瞳に昏い光が灯る。背後の隼人の気配を決して逃さぬように息を殺し、じりじりと二人から距離を取りつつ、視線はすでに臨戦態勢にある椿から放さない。
隙を作らぬ移動で、三人の立ち位置がちょうど三角形を形作るように。
銃口は隼人に、剣は椿に向けながら、支部長は油断なく必勝の陣形を作り上げていく。
すう、っと。
椿は大きく息を吸い込んだ。一瞬だけその瞳がきつく、固く閉じられる。
そして次の瞬間、その胸元まで両手を振りかざすと、椿は心中のなにかを振り払うように、激しく強く叫んだ。
「隼人! 私に合わせて!」
それはまるで、震え出しそうになる声を制御するかのような、強すぎる合図の言葉。
瞳に一転の曇りもなく。かつて戦い、いまも戦い、そしてこれからもともに戦い続けるであろうパートナーへの、全幅の信頼を込めた呼びかけだった。
もう迷わない。少なくとも、いまは迷うときではない。
内心の甘えや躊躇、戦いには不要な感傷をすべて消し去って。
そうだ。
嘆くのも。踏みとどまるのも。自分を責めるのも。すべてはこの戦いの後でいい。
いまは眼前に立ちはだかる敵 ――― マスターヴェノムを倒してからでいい!
そして、椿がすべての葛藤から抜け出したことを、隼人が気づかぬはずもなく。
ならばそれに応えるのが俺の役目だと。俺の責任だと。俺にしかできないことだと。
黒い刀身を正眼に構えた姿にも、やはりわずかの揺れはない。
裂帛の気合を込めた叫びで、
「応っ!!」
鋭く応じると、一足飛びに病室へと踊りこんだ。造り上げた均衡を破って位置を変えた隼人に合わせるように、病室の床を支部長が滑る。刀身ごと正対する隼人の、刀の切っ先から陽炎がゆらゆらと立ち上り、それが闘気のゆらめきであることを知らしめた。
「広い病室ですが、戦いにはちょっと狭いかもしれませんね」
困ったような顔をしつつ、支部長が室内を瞳の動きだけで見回した。
「邪魔なものは退かして ――― ついでですから、私の役に立ってもらいますね」
言うなり ――― 病室のベッドが、花の生けられた花瓶が、カーテンやテレビまでもが。
本来の色彩を失い、ざらざらと音を立てて崩れ始め、大量の砂となって床にぶちまけられた。
うず高く堆積した大量の砂が、意志ある生き物のごとくに床の上で渦を巻いたかと思うと、そのすべてが支部長の足元へと集められていく。
彼女の靴を覆い、膝から太腿までを隠し。スーツの上着やスラックスまでもが大量の砂に覆われ、首から上を除くほぼ全身が灰色へと包まれた。
それは身を護るための鎧である。物質変換により生み出された砂の砦である。支部長の身体の上で蟻地獄のような渦を巻きながら形を変える、砂塵の盾である。
「お待たせしてしまってすいません。戦闘準備 ――― 完全に整いました」
左手には拳銃、右手には刺突剣。そして全身を大量の砂に鎧われて。
病室内の空気が砂塵によって乾燥し、視界をわずかに煙らせた。
そして。
「 ――― それぞれの責務を果たすため………始めましょうか………?」
冷たく光る剣先と銃身の先から迸るのは、のんびりとした口調と穏やかな風貌からは、あまりにかけ離れたおびただしい闘気であり、殺気である。宙を舞う砂粒のひとつひとつが、そのとき椿と隼人を囲い込む結界と化した。
《ワーディング》!
砂の結界の中、レネゲイドウィルスのざわめきが二人の体内で暴れ出す。
廃倉庫の扉の前でマスターヴェノムを名乗った男と戦ったときよりも。
倉庫の中でフィーストと呼ばれた少女と戦ったときよりも。
それはなんと激しいウィルスの同調であり、強く湧き上がる衝動であっただろうか。
「あうっ!?」
「ぐおっ!?」
自身の内部で暴走しようとするウィルスを、苦悶の呻きとともに必死で抑え込む二人のチルドレン。
隼人が日本刀の柄を、掌が壊れるほどに握り締める。
椿が迸る衝動に、自らの肩を抱いて身体を震わせる。
同調。反発。暴走。停滞。拒絶。
時間にすればわずか数瞬のこと。しかし、ウィルスの蠢動が治まるまでのそれは、酷く長く感じられた。敵意ある結界内のウィルスたちのざわめきに、椿と隼人たち自身の体内のレネゲイドウィルスが耐性を構築していく。
かつて幾度となく経験したことだが、大きな戦いを前にしたときに例外なく感じてきたこの衝動には ――― いつまで経っても慣れることが出来ない。
椿と隼人の身体からは、いつしか痛みも悪寒も消え去っていた。
どちらからともなく少年と少女の視線が絡み合い、空中で固く強く結ばれる。
後戻りは、もうできない。
「行くぜ! ついてこいよ、相棒!」
自分だって辛いだろうに。支部長の裏切りを知って、自分の心だって傷ついているだろうに。
隼人はいつもの、あの声で椿を叱咤する。
決して認めたくはなかったが ――― 椿は一瞬、鼻の奥がツン、と痛くなったような気がして内心かすかに狼狽した。その狼狽を悟られぬよう。振り払うように。
「言われ ――― なくても!!」
激しい語調で気丈に応じる。
「お二人とも ――― とてもいい表情です。やっぱり、貴女たちはいいコンビですね」
それも、やはりいつかどこかで聞いたような支部長の言葉であった。
あの表情で。あの微笑で。あの声音で。
二人を温かく見守るような、椿と隼人の絆の確かさを喜ぶような。
敵エージェントとしては決してありえない、そんな笑顔を支部長は浮かべる。
そして、その笑顔のままで。
「ひとつだけ忠告します。貴女たち二人を相手に私が戦いを決意したということは、単純な戦闘能力だけならば、そうするだけの資格を私が持っているということに他なりません ――― 」
再び病室内に膨れ上がり、周囲を圧する闘気、そして殺気。
「倉庫のマスターヴェノムとフィースト ――― あの二人と同時に戦うより、楽な相手だとは思わないでくださいね」
自分の力を誇示するためではなく。
それはまるで、椿と隼人に油断をするな、と警告するような口振りだった。
「………わかっています」
「………忠告、どもッす」
短い応答を最後に、二人のチルドレンは完全に自分の心の中の感傷を振り払う。
爪から生まれ出でた糸が震え。
振り上げられた刀身がギラリと鈍い光を放ち。
砂の城の中で立ち尽くす支部長が ――― 二人を迎え入れるように両手を上げた。
「いくぜ、椿!」
「わかってる、隼人!」
同時に駆け出す二人。
最後の、真の戦いの火蓋は、いままさにこの瞬間切って落とされたのである ―――
(To Be Continued)
176 :
yuzu:2009/02/19(木) 18:44:45 ID:6NAiBH8k
投下終了です。
途中でタイトル部分が名前のままになっているのに気づかず投下してました。
お見苦しいところをお見せしまして失礼いたしました。
では、次回投下のときまで。ではでは。
177 :
yuzu:2009/02/19(木) 18:48:19 ID:6NAiBH8k
たびたび。
そしてsage忘れていたことに今さらながら気がついた……
なにやってるんだ私……
重ね重ねスイマセンでした……
乙!
またクライマックス戦闘とか無事に帰す気がない鬼GMですね!(褒め言葉
…あー…なんかyuzuさんGMで一度セッションやってみたいがキャラを演出しきれる自信がないコンチクショウっ!!w
支部長、なんつーか「ただの裏切り者」って言う感じじゃなくてまさに「ジャーム」なんだなぁ。異質な感性がすごいわ。
隼人と椿のコンビキター!!
やばいカッコイイなぁ息の合い所とか。
……支部長さん恐いわあ。
上でも言われてるけど、
心優しい人なのは嘘じゃないのに底に秘めた本質が異質、
というのがジャーム感溢れておりますね。
少なくともサポートデバイス使える状態から衝動判定、さらにクライマックス戦闘か。
鬼畜だ、鬼畜がいるぞ!(褒め言葉
しかもロイスは尽くタイタス化するシナリオ
まさに外道!
………これ還ってこれるのか?
すげー面白いんだがすげー不安になってきた!(笑)
ここでまさかの隼人ジャーム化、椿がそれを…
ですよ
多分フィースト&ヴェノム倒したところで自律判定、支部長との戦闘開始はエンディングの茶番
きっと前後編のシナリオで、フィースト達倒した後即セッション終了して、病院クライマックスまでの間にものすげー細切れにシーンいれて侵食率合わせてるんだよ!
187 :
yuzu:2009/02/20(金) 19:02:08 ID:4ndxkBlF
レス返と、ちょっと解説に参上です。
>>178さま
大丈夫、こちらが真のクライマックスで、先の戦いは前菜に過ぎませんので(笑)。
そんなに鬼GMじゃないです、うちの面子では。
むしろヌルいマスターだと思われているくらいですから(笑)。
>>179さま
ラスボスである支部長をただの裏切り者にしたくなかったので、そのことが伝わって嬉しく思います。
ジャームである、ということがどういうことか、という私なりに考えた描写をしたつもりなので、そう言っていただけると幸いです。
>>180さま
椿と隼人はやっぱり相棒として、肩を並べて戦わせてあげたかったので。喜んでいただけてなによりです。
また、繰り返しになりますが、「心は優しいけどどこか本質の部分でズレている」怖さを表現できたのならガッツポーズでございます(笑)。
それと。
投下の度に皆さんに心配していただく(笑)二人の浸蝕率ですが。
一応、前々回の倉庫での戦いでひとつのシナリオは終了、自律判定に成功してシナリオを終えているという構想です。
ひとつの戦いを終えて、最終シナリオはラスボスとの戦闘を残すだけ、という構成は、オリジン四巻のマスターマインド戦へ至る流れと同様だと考えていただけると分かりやすいかと。
一応、それらしい描写はあくまで演出込みということで、隼人もサポートデバイスは使用していない、という想定をしているということでひとつ。
シナリオ開始直後でいきなりラスボス戦という流れなので、いくら衝動判定しても、エフェクト使っても、はたまたいくら支部長にいたぶられても(笑)、まだまだ大丈夫、ですよ〜。
>187
ははぁ、支部長もわざわざ侵食率を変化させているのですか。
……いかん、ダンディx支部長とか言う、メッチャ濃厚な絡みが見えそうだ。
うおお、続きが待ち遠しいぜ!
yuzu氏GJ!
早く続きが読みたい。
な、なんだってー。
支部長と椿があんなことやこんなことを……あれ、ロイス枠大丈夫か?
な、なんだってー。
支部長と椿があんなことやこんなことを……
GJ!
やっぱ、この話のスレ違い加減がジャームであるっていう悲劇の肝だよな…
ときにこの、スレのピンク成分が、地上のダブクロスレに漏れ出してる件について
ダブルクロスな流れの中申し訳ないが
新米女神4巻におけるジークのルーに対する嫁扱いが素敵すぎる。
そして愛妻弁当にお刺身弁当とか作っちゃうルー最高。
誰かジーク×ルーのSSを!名誉点いっぱい出すので!
SWは専用スレあるでしょ
俺もそっちで一緒に待ってるからさ
向こうに行こうぜ
ききたいことがあるのですがよろしいでしょうか
某所のブルマあかりんでおもいだしたんですが
輝明学園はブルマの滅びた世界だったかどうかをおたずねしたい
星を継ぐものに収録されてた資料で短パン絵をみた記憶があるのですが
白御子の巻末設定イラストで、中等部の体操着は女子はブルマ、と描かれてましたね。
高等部もそれに準拠する扱いだとすれば、輝明学園はブルマの滅びていない素敵学園ということになるかと。
未だブルマの学校ってもはやファンタジーの領域だよな。
…大好きなんだけどさ(血涙)。
>>197 白御子に載ってましたかありがとうございます
19XX年、核にみせかけて魔王が降臨した
だが輝明学園のブルマは滅びていなかった!
中等部だけブルマとかならカオス
「中等部の頃の体操服をタンスから発掘〜。……ちょっと小さいけど」
とプレイに発展と受信
伝説のブルマ魔法を復活させるために猫がブルマを集めたりするのですよ。
ガンナーズブルーマ。
夢使いの子が
「ヒザが出て……恥ずかしい」
とかいってブルマを嫌がったらと思うとなんだか萌える
中学生にハーフパンツ派の俺はどうすれば
ところで夢使いの娘はどう見ても小学せ・・・
体にぴったりなスパッツ最強。
はいてない?
「んあー? ああ、なんかコレね、健康にいいらしくてね?」
「ノーパン健康法は寝てるときだけにしろ。頼むから」
面影島校の指定体操服は何かという謎に迫る
ダブクロ・サンプルキャラ『刹那の支配者』は体育の授業のときもスパッツなのか!?
スパッツ+ブルマ
それは邪道だ
ノーパンスパッツは生えてないとワンセットであって頂きたいな
性的な意味で
ハッタリが「アレが生えているのは良いでござるか?」と尋ねれる光景が見えた気がした
訂正
尋ねれる→尋ねる
俺の脳内ハッタリは
「尋ねる必要などゴザろうか、いやないのでゴザるよ!!」
って言ってる
うちの脳内ハッタリなら
「とりあえず生やしておけば問題無いでござるニンニン」
だそうだ
俺の脳内では「体育の時はがんばって押さえて隠してるけど、刺激で大きくなっちゃったらスパッツじゃ隠しようもなくて恥ずかしいでござるニンニン」って言ってる
お前ら、自分の分だけ仕事するでゴザル。
忍者ハッタリが多すぎる!?
さて、この中に実は一人だけ本物のハッタリがいます。
拙者はちゃんと仕事しているでゴザるよ、ニンニン。
221 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/26(木) 19:15:05 ID:k09rX7JC
そうかよしもっと仕事しろ
222 :
GドM:2009/02/27(金) 02:06:09 ID:zgz7/O9p
深夜に失礼します。
(ずいぶんと時間がかかってしまいましたが)ふたふたの続きが仕上がったので登場しました。
以下、投下です。
今回はちょっときつめな陵辱なので、嫌いな人は気をつけてください。
223 :
ふたふた:2009/02/27(金) 02:07:00 ID:zgz7/O9p
ダイヴ2
新たな部屋は、闇に包まれていた。文字通り一寸先も見えぬような闇の中、部屋を貫くように、白く浮かび上がる道だけが見える。
まっすぐな道。このまま進めということなのだろう。
「はるみさん、平気?」
ねがいが歩きながら声かけると、はるみはぎこちなく「大丈夫」と笑った。
問いかけながらもねがいは、進みながら先の部屋での罠について考えていた。
敵を自慰の道具にするぬいぐるみの群れ。
はるみの声で再生される媚声。
そして、自分が手にしたバイブレーター。
冷静になった今なら、沸騰するように理性が飛び、持ち帰ってしまったこれが罠だとわかる。しかし、これが真の効果か、罠と理解しても手放すことができないでいた。
捨てようとすればするほど、「捨てたい」という決心以上の、「使いたい」という欲望が浮かび上がるのだった。
頭を振って、思考を元に戻す。こんな淫靡な罠が、双子しか入れない月匣にある理由とは…?
男が来たらどうした?
それでもエミュレイターには関係ないかもしれない。だけど、これはどう見ても”女性を貶める”ための罠だ。
そして、ここに確実に訪れるのは、はるみだ。当事者であり、この月匣へ侵入できる数少ない存在。
不特定多数の誰かではなく、確実に来るであろうはるみがターゲットなのは、疑いようがないだろう。
ねがいにとって不思議なのは、なぜここまではるみが狙われているのか。その一点だった。
「まったく、許せないわよ!あ、あんなえっちなことばっかり…っ」
「…ごめんね。私が巻き込んだばっかりに…うぅ」
再び、涙ぐむはるみ。
「はるみさんの所為じゃないわよ。悪いのは全部エミュレイターなんだから!」
自分のされた屈辱的な行為を思い出して、そして、それを自分の責任と感じている仲間のために、いのりが吼えた。
「…うぁぅ……ごめんね…ごめんねぇ…」
ぼろぼろと涙がこぼれる。
はるみ自身にも、ターゲットが自分なのだろうと予想がついていた。
自分が狙われる理由もわかる。
幼年期の終わり事件で、魔王アー=マイ=モニカに止めを刺したのは自分だ。
そのことが、魔王のプライドを傷つけ、今こうして復讐されているのだろう。
そして、そのことがわかるために、巻き込んでしまった二人。特に、直接の被害を受けたいのりに申し訳がない。
「はるみさん。はるみさんが、どんな理由で狙われているかは知らないけど、絶対にはるみさんの仲間は助け出して見せるから」
こっそりと、ねがいが耳打ちした。
「うん…ありがとう…ありがとう……ねがいちゃんたちは、私が守るから…。絶対、守るから」
涙を流したまま約束をするはるみに「大げさだなぁ」と、いのりがおどけて見せた。
224 :
ふたふた:2009/02/27(金) 02:07:40 ID:zgz7/O9p
しばらく進むと、道の脇に置かれた宝箱が目に入った。
調べてみるが、罠は無いように見える。
「とりあえず、開けるね」
防御が得意ないのりが先立ち、蓋を開くと、中にはいくつものポーションと、手紙がひとつ入っていた。
『前略
かわいいペット候補のはるみちゃんへ
口頭筆記で失礼するわぁ。読みにくかったらごめんなさいね。
私はこの月匣のトラップをデザインした、”姦計の蜘蛛”アクア=ナトラク。
でも、ルーラーはモニカちゃんだから、出会ったときには私は見逃してね。くすくす。
まずは、第一タイル制覇おめでとー。
罠は回避できたかしら?
でぇも、きっと引っかかってくれてると思って、この手紙を残すわねぇ。
さて、進んできて感じたと思うけれど、気持ちよくなかったかしら?
この月匣全体に、”性的な快楽を感じやすく、それでいて絶頂の快楽を数倍にする呪文”をかけさせてもらいましたぁ。はい、拍手ぅ。
つまり、えっちなことをされる度に体が疼いて、イっちゃうと気持ちよくてしばらく動けないわけねぇ。わかった?
だから、そんなあなたのために、やぁさしぃ私からプレゼント。
イっちゃったとき飲むと、体の火照りを抑えてくれるおくすりよぉ。
ちょぉーっと重いけど、非力なあなたでも、2本くらいならもてるかしら?
アレを持ってたら、無理かもしれないけどぉ。くすくす。
つぅいしんっ。
モニカちゃんは勇士郎君とえっちしたいそうよぉ。
当然ここも影響下だからぁ、早く来ないと彼、骨抜きになっちゃうかも。
じゃあ、直接はるみちゃんと遊べるのを楽しみにしてるわぁ。またねぇ。
か・し・こ。』
(勇士郎さんが、セックス、するの……?エミュレイターと?)
背中に冷たい汗が流れた。
手紙と言うことは書かれてから幾何かの時間が経っている。これが書かれたのは何時なのだろうか?
この文章が書かれた時点では、まだ無事のようではある。しかし、はるみと勇士郎が分断されてから、すでに現実時間で半日ほど経過している。月匣の中では時間の流れが違うこともあるため、それ以上かも知れない。
”果たして、今でもまだ、勇士郎は無事なのだろうか?”
自分以外の女に――恋のライバルと認め合った姉でもない、”敵”である魔王に――好きな人が陵辱される。
想像するだけで血の気が引き、奥歯がガチガチと震えた。
「は、はるみさん、急ごうっ!」
「うん。まだ、きっと間に合う…!」
要姉妹が、中のポーションを手渡しながら促す。
「そ、そうよ。まだ、きっと間に合うはずっ」
はっと我に返り、自分に言い聞かせる。まだ、大丈夫だと。信じて進むしかない。
ポーションを受け取ると、決意を新たに、三人は駆け出した。
(バイブが邪魔で、私は1本しか持てない。……こういう罠だったのね)
ねがいは一人、悔やんだ。
225 :
ふたふた:2009/02/27(金) 02:08:37 ID:zgz7/O9p
―幕間―
マスターシーン3
はるみの願いとは裏腹に、マイの陵辱によって勇士郎は見る影もないほどに疲弊していた。
ベッドに横たわり、ハァハァと息を荒げたまま天上を見つめている。
激しい運動に体中が軋む。頭痛が酷く、呼吸するだけで肺が絞られ、玩具にされた分身はひりひりと擦りむいたように痛む。しかし、勃起は収まらぬまま、幼い主人の愛撫を待ちわびているように天に向かってそびえ立っていた。
三人の女性が三者三様に惨めな男娼を見つめる。
まったく乱れの無い和服姿で椅子に腰掛ける者。その側で、メイド姿のまま縛り上げられ吊るされた者。男の傍らに座り、半裸のゴスロリ服を白濁で彩った者…。
唐突に、和服の者が問いかけた。
「さて、ふゆみちゃん?あなた、処女かしら?」
「…!そんなの、言えるわけ、無い」
細い瞳を更に細く。微笑みとも呼べる上機嫌な顔で新たな獲物の顔を覗き込む。獲物は健気にも頬を染めながら視線を逸らそうとするが、如何せん首を固定されているためそれはかなわなかった。
「重要なことよぉ?初めてが好きな人じゃないって、とぉっても不幸で悲しいことだと思うの」
何を今更!
「睨まないでよぉ。私が素敵なプレゼントをしようって言うんだから。ああ、答えないなら、処女かどうかは関係無しに、すぐに玩具にしちゃうけど…」
「もう、アクアぁ。そんなの気にせずに遊んじゃった方がよくありませんこと?」
勇者の頭を撫でながら、もう一人の魔王が口を挟み、急かす。宙づりの少女は身近な危険を感じ、隠すことに利点がないと悟ると、屈辱を堪えて「…くっ。しょ、処女…よ」とだけ答えた。
「はい、お返事ありがとう。じゃあ、処女だけは勇士郎ちゃんに捧げて良いわよ」
蜘蛛はパチンと指を鳴らす。同時に、ふゆみを拘束していた糸が解け、地面に落とされる。落下の痛みと、糸で付いた痣に突然に流れた血液によってもたらされる熱と痛みが全身を襲い、しばらく動けなかった。
「…どういうこと?」状況がつかめない。
「そうですわ!勇士郎は私の玩具ですのよ!」
勇士郎は既に自分の物だ。あの可愛い玩具を、こんな女に貸すつもりなんて無い。
「ヤキモチなんてぇ。かぁわいいんだぁ」と、食ってかかるマイを制しながらアクアが続ける。
「もちろん、ただでって言うわけにはいかないわぁ。勇士郎ちゃんのアレが元気なら入れて良い、っていうのでどう?」
再びパチンと指を鳴らす。勇士郎が魔法陣に包まれ、ほのかな光を放った。
とたん、しおしおとそびえ立っていたはずの男根がしおれ、力なくその腹に寝そべる。
「ああ、別に勇士郎ちゃんの体力を奪ったりはしてないわよぉ?この月匣にかけられた魔法から解き放っただけ」
おほほと口元を押さえ、上機嫌に続ける。
性感を増幅する魔法が途絶えた。今、勇士郎は体力を極限まで失っただけの状態になっている。
果たして、セックスなどを行うことができるだろうか?
もちろん、普通の人間では無理だ。しかし、不可能を可能にする勇者なら或いは、この少女の純潔を侵魔達から守ることができるかも知れない。
「そうねぇ。時間は30分。30分以上たったら、私の召使いがあなたの処女を頂くとしましょう?」
「あなたの召使い?あのミノタウロスとナイトメアですの?」
牛と馬の頭を持ち、筋骨隆々で2mを超える体躯の二体の侵魔。
月匣展開直後、アクアの指示に従ってトラップや魔法の儀式を行っていた従者をマイは思い出していた。
人外の巨根を持つ彼らなら、ふゆみをこの上なく惨めに陵辱せしめるだろう。
ふゆみの惨めな泣き顔を想像し、マイの表情が残酷な笑みに変った。
「モニカちゃぁん、そんな無粋な名前で呼ぶのはやめてくれる?あの子達は牛頭鬼-ゴズキ-と馬頭鬼-メズキ-って名前があるんだからぁ」
さして困った風でもなく、後の陵辱に沸く幼女に注意し「それじゃあ、いまからね。はい、どうぞぉ」ぱんぱんと手を叩いた。
店内に掲げられた時計は午前10時を指している。
226 :
ふたふた:2009/02/27(金) 02:10:34 ID:zgz7/O9p
「勇士郎、ごめん、ね」
「…ああ。……ふゆみ………気にしないで…いい」
息も絶え絶えに応える勇士郎。仰向けに寝転がったまま、起き上がることもままならない。
ふゆみは覆い被さるようにまたがると、するするとメイド服を脱いでいった。
まずはエプロン。そして、チョーカー。続いて上着のボタンを外し、胸の谷間を露出させる。
ここまでで既に顔から火がでそうなほどに火照り、勇士郎の顔を見つめられなくなっていた。
「はぁい。3分経過ね」
「もっと胸を強調した方が良いんじゃなくて?あなたが私に勝っている所なんて、それくらいですもの」
外野の野次に心が痛む。
幸いだったのは、外野は遠巻きに見るだけで、近くからちょっかいをかけてこないことくらいだった。
できることなら、もっと静かに、もっとロマンチックに初めてを迎えたかった。誰もいないところで、二人きりで。
妹となら、一緒でも良かったかも知れない。
元は同じ人間だった。それぞれが一人の人間となった今も、同じ人を好きになり、同じように恋い焦がれている。
倫理なんて、と無視できたなら、二人で恋人になっても良かった。きっと、嫉妬も乗り越えられるし、自分が愛したこの人なら、そんな不満がないように、同じように愛してくれる。
楽観的すぎる?でも、きっとそうしてくれると信じている。この男-ヒト-も妹もそれくらいに好きだから。
でも、それはもう遅い。
愛する人は、自分の目の前で汚されて、おこぼれの寵愛を、妹を出し抜いてもらおうとしている自分。
でも…それでも、初めてだけは、この人に捧げたい。
上着のボタンを更に外す。
肩までが露出して、ピンクのブラに覆われた胸を、惜しげもなく見せつける。恥ずかしさを誤魔化すために組んだ腕が、乳房を持ち上げ谷間を強調した。
恥ずかしくて相手の顔なんて見えない。そっぽを向き、目を瞑り、次の行動を起こせるだけの勇気が、心に満ちるのを待つ。
「ふ、ゆみ……綺麗だ」
かすれた声で、精一杯の賛辞をくれる。
うれしさに涙がこぼれ、身体を倒すと、そっと口づけした。
普段よりも明らかに荒い鼻息がくすぐったい。苦しそうなその呼吸に、一度口を離そうと、身体を持ち上げかけるが、力ない腕に抱きしめられ、唇を少しだけ強く吸われた。
「んんむ…ぷぁ……勇、士郎……苦しいなら、無茶しちゃ、だめ」
涙は留まることを知らず、男の顔に次々と滴った。
「俺は…大丈夫……だから。……はじめては、いい、思い出に、しないと…っ」
満身創痍の勇者は優しくほほえみかけると、もう一度抱きしめ、唇を合わせた。
長いキスの後、ふゆみは身体を起こすと、ブラに手をかける。
するりと衣擦れの音がして、平均よりもいくらも大きい乳房が顔を出す。
「私の自慢、これくらいだから…」
勇士郎の手を取り、胸へと埋める。指の間から絞り出されるように柔肌が覗く。
「…きもちいい、かな?」
「ああ、柔らかくて、…とっても気持ちいい」
柔らかい感触と、中心にある硬い感触。
ふゆみはドキドキと、喉から心臓が飛び出しそうなほどに鼓動が早まるのを感じていた。それに応じて中心の突起はむくむくと起き上がり、添えられた掌に擦りつけられた。
「……あぅん…」
胸の先端からわき起こる、痺れるような快感に、腰が落ちる。
ふゆみの尻の下には、勇士郎の腹とに挟まれるようにペニスが敷かれた。それは未だ堅さを取り戻せては居ない物の、ぴくぴくと僅かな反応をし、自分の身体を喜んでもらえているという実感が、ふゆみに得がたい幸福感を与えた。
「ゆう、しろうっ。勇士郎ぅ!」
じゅくっ、じゅっく、じゅっく、じゅっく…
腰を前後にグラインドし、下着越しの素股を行う。
227 :
ふたふた:2009/02/27(金) 02:11:19 ID:zgz7/O9p
マイと勇士郎の痴態を見て、心ならずとも濡れていた下着は、今やあふれ出る愛液でぐちゃぐちゃに湿り、やさしく男根をしごき上げる。
勇士郎もその行為に応えるように、ぐにぐにと乳房を揉みながら次第に引き寄せ、顔に触れあう程にまでに近づくと、両の乳首を交互に吸い上げた。
「あはぁ!勇士郎、気持ちいい。気持ちいいよぉ!」
その頭を谷間と両手で包み込むように抱き、腰は一心不乱に陰茎へと擦りつける。
「はぁあ・・・しゅ、きぃ!勇士郎ぉ、愛してるぅ!」
幸福感に頭は惚け、ろれつが回らなくなる。そこに普段のクールさはひとかけらもない。
胸の間で勇士郎が顔を振る。鼻で胸を揉まれ。何度も何度もキスされ、舐め上げられる。
胸が自分の物ではないように熱くなり、より強い快感を求めて、強く強く勇士郎の頭を抱きしめるのだった。
腰の動きは更に激しい。
最初は割れ目に沿って擦りつけるだけだったその動きも、より気持ちの良い動きを探してがむしゃらに、めちゃくちゃに動いていた。
既に「擦る」と言うよりも「叩きつける」と言った方が正しいのかも知れない。ようやく見つけた一番気持ちいい動き――クリトリスに、半立ちの勃起を叩きつける行為――をひたすらに繰り返す。
ぱちゅん!ぱちゅん!ぱちゅん!ぱちゅん!…
大好きな人を抱きながら、快感が次第に高まっていく。愛情が、魔法によって増強された性感を、さらに何倍にも増幅する。
「んあぁぁあぁっんぁぁぁぁぁ!!」
目の前が白く弾け、絶頂を迎えた。
ふゆみは力なく倒れ込みながら、勇士郎が息苦しくないようにと、少し身体をずらす。
「……はぁ…はぁ…勇士郎ぅ、ごめんね…苦しかった……?」
「ふゆ、み…」
見つめ合い、顔をもたげて、もう一度キスをする。
「勇士郎。好き…大好きぃ……」
大好きな人と肌を重ねる。
こころが、「幸せ」の一言に埋め尽くされる。
こんな時間が、ずっと続けばいいと…
「はぁい。時間切れぇ」
「!!?」
宣言と同時に、突然巨大な手に腰を捕まれた。
時計を見る。
午前10時40分。
「10分も延長して上げたのにぃ。本当にお馬鹿さんねぇ。くすくす」
身体が持ち上げられ、向きを変えられた。
「まったくですわ。本当に胸だけしか自慢がないんですのね。あはは」
目の前にあるのは、牛の顔。いつの間に現れたのか、全く気配を感じなかった。
「ふ、ゆみ。ふゆみぃっ」
牛の口が大きく開くと、ザラザラとした舌で顔を舐められた。
「牛頭鬼ちゃぁん。その娘、好きにして良いわよぉ」
ブモーと、荒い息を吹きかけられ、乱暴なキスを貰った。
「馬頭鬼ちゃんも、遠慮しないで良いのよ」
ブヒンッと背後から――またもや全く気付かなかった――別の吐息が聞こえ、無骨な手に胸を揉み上げられた。
「ひゃん!」
悲鳴を上げて逃れようともがくが、圧倒的な力の差を思い知らされるだけだった。
「焦らしてないで、早くやっちゃえば良いんですわ」
腰を持つ腕が持替えられ、股を開くように腿を持ち上げられる。
「ああ、ふゆみちゃん。初めてって、すっごく痛いと思うけど、がんばってねぇ」
既に男根と呼ぶよりも、杭と評する方が正しいとさえ思える巨塔が二本。下着を押しのけながら前後の穴にあてがわれ…
「ぃ、嫌…。おねがい…たすけて……」
鼻水と涙と唾液でぐしゃぐしゃの顔が、頭半分、下がった。
「いやぁぁぁあぁぁっあぁぁぁぁぁああぁっぁぁぁぁあぁぁぁぁあぁぁぁぁぁ!!!!!」
228 :
ふたふた:2009/02/27(金) 02:11:50 ID:zgz7/O9p
チラシの裏
【GMの説明】
第二タイル
123
A■扉■
B■箱■
C■初■
扉 :扉
箱 :箱(SMZ155)
初 :PC初期位置
箱の開閉は自由。中には「沈静ポーション」が∞本と手紙が入っている。
このタイルにメイントラップはない。
沈静ポーション
種別:その他
重量:5
価格:100,000
特殊能力:
≪絶頂の終わり≫
タイミング:オートアクション
使用者の[麻痺状態]を解除する。この効果が使用された直後、このアイテムは破壊される。
229 :
GドM:2009/02/27(金) 02:18:52 ID:zgz7/O9p
以上です。
このままだんだん酷い方に転がっていく予定ですが、陵辱、バッドエンドは勘弁してくれって人は多いのだろうか?とちょっと心配になったり。
ええ!そうですよ!書いて寝て起きたら罪悪感があったこころの弱い大人ですよ。私ぁw
しかしながら、このまま陵辱路線を続けていくつもりなので、生暖かい目で見守ってくださいまし。ぐない。
いや、陵辱もバッドエンドも上等だ、もっとやれ!
マジレスすると、ダメな人には毎回注意書きを入れてスルー推奨でいいんじゃないか?
唐突に、メロディちゃんがエクスマキナとして新生して、ダインといちゃいちゃする光景が思い浮かんだ。
いやぁ、アクロスPTカップリング考えてると、ダインだけどうしてもあぶれるからどうにかならんかと思ったら、ね?w
バッドエンドといえば昔壊滅シチュでエロパロとかなんとかいうスレが立った時に
後輩が自分ちから発掘してきた赤箱D&Dを遊ぶ卓ゲ初心者の女子校生グループが
調子に乗ったプレイしていったところで初心者マスターが送り込んきた超強力モンスターにめちゃくちゃにされるって話を投下しようとして
僅か1スレ分書いたところで挫折して、その間にスレは即死してた
>>229 GJ! ふゆみ好きにはたまらん
陵辱までは大丈夫だけどバッドエンドは苦手なんで、
そうなりそうなときだけ、注意書きしてくだされば
>>231 メロディちゃんはやはりエルザのオモチャだろ(性的な)
でもアクロスPCカップリングだと鬼畜メガネと生意気少年だってばっちゃがゆっt(ry
>234
どんだけハイスペックなばーちゃんなんだよw
236 :
yuzu:2009/02/27(金) 23:27:11 ID:f6L19lMJ
GドMさまgj!
なんかすごいエロスな展開を期待させてくれる引きで、次回への期待が否が応でも高まります。
陵辱とかバッドエンドは、読む人の受ける印象が様々ですから難しいですよね、どこまで突っ走っていいのか(笑)。
ともあれ、続き待ってます!
んで。
こちらも投下予告です〜。外出から帰宅後、2時位に開始できれば、と思います。
ではでは〜。
ヒャッハー!興奮で俺の中のレネゲイドウィルスがはち切れそうだぜぇ!(バカは支援の構えをとりだした)
※
灰色の砂塵舞う結界の中心で、決して揺るぐことなく聳え立ち。
レイピアの切っ先は椿に向けて。
鈍い光を放つ銃口は隼人に向けて。
あの、どこか茫洋として、春の陽射しのように暖かだった支部長は、いまや二人の行く手を遮り、絶対的な圧迫感を持って立ちはだかるFHエージェント、“マスターヴェノム”としての本性をすでに隠そうともしていない。
互いに交わすアイコンタクト、互いを叱咤する大音声の合図によって、広い病室内に布陣した椿たちが自分に踊りかかるのを、大きな丸い眼鏡の奥の双眸は、ただ冷徹に見据えている。
突如として、なんの合図も前触れもなく ―――
銀糸がたわみ、床を滑りながら支部長へ向かって接近する。
凄まじい速度で大蛇が地面を這うように、病室の床をこそげ落とすほどの勢いで奔る銀の糸。
椿の爪が変質して生み出された糸の群れが、支部長の足元で激しく、大きくバウンドした。
跳ね上がった銀糸の先端が、さらに細かい幾十もの死の線へと分裂し、彼女の身体を取り囲むように網を張る。
わずかに遅れて ―――
床を蹴り上げ、宙に浮いた隼人の身体が、日本刀を振りかざしたままの姿勢を保ちながら、一直線に支部長へと接近した。
速い。疾い。
床を蹴り上げた音が、隼人の姿の残像を残したままで、彼の疾駆する動作よりも“遅れて”聞こえてくるほどの超神速。それならば、振り下ろさんとするその腕から放たれる斬撃の速度は、いったい如何ほどのものなのか。
繰り出す剣戟はなんの作為もなく、真っ向からの唐竹割り。
正攻法といえばあまりに正攻法すぎる剣捌きは、しかしそれ故に、渾身の力をすべて刀身に乗せた、最速にして最大の威力を放つはずの破滅の刃であった。
「せいっ………やあああっ!!」
腹の底から搾り出すような隼人の咆哮。じゃり、じゃりと床を削りながら迫る銀糸の音。
その二つの音が混ざり合い、自らの建つ場所に迫り来るのを、支部長はただ耳をそばだてて聞いているのみであった。
糸をかわすには大きく体移動をしなければならず。
これほどの力を込めた刃を捌くには全力を以ってせねばならず。
どちらからの攻撃に対処するにしても、残る他方の攻撃には対応しきれぬはずである。
椿と隼人のコンビネーションアタック。
二人が、長いチルドレンとしての経験の中で培った、対単一の標的へ繰り出す攻撃としては強力な有効打となりうる時間差攻撃であった。
ぎちり、と軋むような音を立てながら、椿の爪が支部長の身体を砂の鎧ごと絡め取る。
風を生む唸りとともに、黒い刀身が支部長の眉間目掛けて振り下ろされる。
支部長は ――― 不動。
いや、厳密に言えば不動ではない。わずかに、銃を構えた手首だけをただ動かした。
そして、大気を両断しながら迫り来る、隼人の刀の軌道に銃口をポイントする。
(まさか、銃で受け止めるなんてこと………!?)
あまりにも支部長の動きが鈍く、あまりにもその動作がわずかであることに驚愕しつつ、椿は目を見開いた。それは、戦闘の意志が感じられないような、あまりにも鈍重な動きであった。
いや、それよりも。
両腕で上から振り下ろされる刀身を、片方の手首の力だけで受け止めるなど。
しかも、銃口で受け止めるなど考えられないことだった。
これは戦いを放棄し、勝利を諦めたものの自暴自棄の行動としか見えない。
だが、しかし。
(………それは、ない! ここへきて突然の戦意喪失は、ありえない………!)
彼女が ――― わずかでも動いたということは、防御行動の意志があるからだ。
彼女が戦いを、棄ててはいないからだ。
そして、彼女がそうするからには、それが最適の動作であると彼女自身が認識しているからだ!
瞬時にそれと悟り、椿は支部長の身体を締め上げる糸を操る手に力を込め直す。
同時に、隼人の繰り出す刃の軌道上で、銃口が火を噴いた。
一発。二発。三発。四発。
銃声がほぼ一度に聞こえるほどの連続斉射。
弾丸のすべてがコンマ一ミリのズレもぶれもなく、隼人の刀身に見事命中したと ――― この場にいる、支部長以外の誰が感知しえただろうか。
一発目の弾丸が、刃の勢いを殺し。
二発目の弾丸で、迫る刃を止め。
三発目の弾丸が、刃を跳ね返す。
四発目の弾丸は、ダメ押しの一撃 ――― 切りかかる隼人の身体を刀身ごと吹き飛ばすためのものである。
ただ片方の手首の力だけで隼人の斬撃を受け止めることなどできるはずもない。そのことは、支部長自身も分かっていたことである。だからこその、この四発の銃弾。
銃撃によって敵の武器の襲い来る軌道を変え、以って回避と代える業は、戦闘においてもその点再生を発揮する、ノイマン・シンドロームの真骨頂だ。
一丁の拳銃で攻防の妙を演出する様は、まさに神業と言える。
では、椿の糸に対してはどうか。
全身を覆う灰色の砂は、モルフェウス・シンドロームのエフェクトによって築き上げられた堅牢なる鎧と化している。
だが、ただそれだけの防御では、椿の攻撃を完全に防ぎ切ることはできないはずである。
(隼人ほどの打撃力は見込めないかもしれないけれど ――― )
わずかでも手傷を与えることができれば、そこから新しい突破口を見出すことができるはずだ、と椿はそう信じていた。
しかし、それは ――― 希望的観測に過ぎなかったことを、改めて彼女は思い知らされる。
両腕を振り上げ、巻きついた糸を引き戻す勢いで、敵の身体を裁断する。
戦いの経験の中で何百回、何千回と繰り返された攻撃動作。しかし、このときばかりはついに、彼女の手に敵の肉体を切り裂く手応えは、一切伝わってはこなかった。
支部長の全身から解かれた糸は、まるで無抵抗に、空気でも斬るかのような感触しか椿の手に残さなかったのである。
するりと力なく解けた糸が、無音で床にはらはらと落ちる。
砂の鎧の表面だけがぽろぽろと削れていく。
それだけ ――― ただ、それだけであった。
椿の攻撃は、砂に護られた支部長の肉体へ到達することはなく、隼人の斬撃もまたしかり。
チルドレン二人による時間差攻撃は、ついに支部長に一滴の血を流させることすら叶わなかったのである。
「………そんな………」
「………マジ、かよ………」
初撃で雌雄を決することが出来るなどとは思っていなかった。そこまで楽観視できる相手だなどとは思っていなかった。しかし、ここまで通じないとは。ここまで圧倒的だとは。
この結果は、さすがに椿も隼人も予想していなかったに違いない。絶句し、思わず漏らした呆然とした呟きが、二人の内心の動揺を如実に表している。
「多対一の不利を承知で戦端を開くのですから、この程度の力量を私が有していることは予測しておくべきです………うろたえるのは、まだ現状の認識が甘い証拠ですよ」
教え諭す口調は、まるで二人のチルドレンに戦闘訓練をつけているかのようである。
椿たちを圧倒している現状に、微塵も奢った風はない。あくまでも二人の力量を見極めるための視線で、彼女たちにさらなる躍進を望むものの視線で、椿たちを見遣る。
その瞳は温かく、あくまでも優しい。
訓練施設で教官と模擬戦闘をしているような錯覚に陥りかけて、椿は首を左右に打ち振った。
「私の銃をただ、弾を発射するだけの道具とは思わないでくださいね」
支部長の「講義」は続く。
「私の放つ銃弾は、あまねくすべてを穿つ牙。そして弾雨は、この身を護る鉛の緞帳。そしてこの剣も、飾りとは思わないことです。いままで私が主に銃を使用していたという認識は一度忘れてください。余計な先入観は、棄てましょう」
自らの手の内を、彼女は次々と晒していく。
生命の遣り取りの場で。生命を削り合う相手に。
「椿ちゃん」
不意に自分の名を呼ばれ、椿はそのとき、いまが戦いの最中であるということを一瞬忘れそうになった。思わず、彼女の呼びかけに「はい」と普通に答えてしまったのである。
それほど支部長の声は落ち着いていた。
それは、双方が互いを敵と呼び合う前の、あの声色であった。
「相手はFHエージェント ――― そのことを忘れてはいけませんよ」
「それは………」
勿論です、と言いかけて椿の言葉は途中で止まってしまう。支部長が悲しげな顔をして、自分に向けて首を左右に振ってみせたからだった。
「貴女の攻撃に私が一切の反応をしなかったのは、多少のダメージなら許容する、などというような、受動的動機からではありません」
「それじゃ………なぜですか………? 私の攻撃は防ぐに値しない、ということですか………?」
椿が唇を強く噛み締めた。支部長の言葉に嘲弄の色は微塵もなかったが、それでも彼女の言葉の真意がその通りだとするならば、これは椿にとっては屈辱的なことである。
「少なくとも ――― いまの椿ちゃんの攻撃は、そう言わざるをえないものでした」
支部長が訥々と語り、傷ましげに目を伏せた。
「糸を手繰る手に、倉庫の戦いのときほどの鋭さがない。私を見る視線にあまり殺気がこもっていない。躊躇いがどこかに、まだ残っている ――― これでは、戦う以前の問題です ――― 」
支部長の言葉の一言一句が、椿の胸に突き刺さる。
過ごした時間、交わした言葉、廃倉庫で共に戦ったという経験 ――― 多分、椿が胸に抱えた支部長への想いは、隼人よりも濃密なものである。
それが自分の手を鈍らせているのだ、と当の「敵」本人から指摘されて、椿は初めてあることに気づかされた。
――― 似ているのだ。
どこが、と言われればそれを上手く答えることはできなかったが、彼女は確かに似ているのだ。
顔つきではなく。言葉遣いでもなく。
ただ、子供たちを優しく諭し導く姿が。その、包容力が。
(彩花さん ――― )
かつてUGN双枝市支部に在籍していた頃、親身になって椿の面倒を見てくれたひと ―――
降りしきる雨の中、捨てられていた仔犬を見捨てられずにいた椿の代わりに、ボタンの世話までしてくれた、心優しい女性 ―――
任務の最中、FHとの戦いで命を落としてしまったが、まだ経験の浅かった椿の、公私に渡って支えとなってくれたひと ―――
UGNエージェント、真島彩花 ――― 椿は、彼女の懐かしい笑顔がなぜか支部長とだぶって見えていることに気がつかされた。
そんなつまらない感傷を払拭させるためであろうか。
打って変わって厳しい口調で、支部長は椿たちを叱咤する。
「貴女たちがいままで学んだとおりに武器を振るいなさい。いままで経験したとおりに戦いなさい。いままで打ち倒してきた敵と同様に私を打ち倒しなさい」
銃口が再び上がり。刺突剣の切っ先が、窓から射し込む白光に閃いた。
そして。
「昨日までの私を想って武器を振るう腕が鈍るなら、その心を捨てなさい。それができないと言うのなら、せめて私を憎みなさい!」
それは血を吐くような叫びだった。
椿には、それが、彼女も己の心の中の弱さを振り払うために叫んでいるように聞こえて仕方がなかった。だが、それもやはり感傷なのであろう。
自分たちとは決して相容れない心を持つからこそ。
人間の規格から逸脱してしまったからこそ。
彼女たちはオーヴァードと区別されてこう呼ばれるのである ――― ジャーム、と。
ならば。
椿は、思う。
ならば、彼女はなぜあんな悲痛な声で叫ぶのだろう。
なぜ私たちを導くような助言を、戦いの最中だというのにしてくれるのだろう。
なぜ、私たちを見る瞳があんなに潤んでいるのだろう、と。
「椿、呆けるな! お前ンとこに行くぞ!」
注意を喚起する隼人の声が ――― 突如、割れ鐘のように椿の耳朶を打つ。
弾かれたように顔を上げると、すぐ目前に迫るのは支部長の姿であった。
一瞬、なにが起きているのか理解できずに、椿は身体を硬直させていた。
支部長の振りかぶった右手が肩の後ろに隠されて、完全なる死角を作り上げている。その手に握られているのは細身のレイピアであるはずだ。
剣を振るう力強さとは縁遠い、むしろたおやかでさえある支部長の姿が、このとき急激な力場を作り上げ、身体が痺れるほどのプレッシャーを浴びせかけてくる。
極限まで捻りを加えた腕が、うねりを上げながら椿に向かって突き出された。
避けるか。受け止めるか。
どちらの対応も取れるよう、後方に飛び退りながら、喉元と心臓を護る形で両腕を構える。
繰り出されるはずの剣の切っ先は ――― しかし、椿の視界にはついに入ることはなかった。
剣の柄を握る形で握られた拳が、空手の正拳突きのような形で空を切る。
支部長の右手には ――― 剣は握られてはいなかった。
彼女が武器を握っていない、との錯覚が、椿に痛覚を忘れさせたものだろうか。
腹部に灼けるような激痛を椿が感じたのは、支部長の攻撃からわずかに遅れて、数メートル後退してからのことである。
「椿っ!?」
前屈みに身体を丸めた椿の姿に、只ならぬ気配を感じて隼人が叫ぶ。
両手で腹部を押さえながら、ガクガクと震える膝でようやく立っている椿に、支部長は依然握り拳を突き出したままであった。
「剣が、いつまでも剣の形をしているとは思わないほうがいいですよ」
「かっ………はうっ………」
痛みのあまり、眼前にチカチカと火花が散る。自分の身に何が起きたのかを確認しようと、ぶれる視界で必死に現状を視認する。前屈みの姿勢で、腹部を襲った灼熱の痛みの正体を見極めようと目を凝らした。
突き出されるものは剣の切っ先だと思い込んでいた。
そして、その思い込みが椿の目を曇らせた。
だが違った。もし、いまが日中でなければ、それにすら気づくことはなかったであろう。
細く ――― 長く ――― そしておそらくは強靭な一本の「針」が、椿の身体を刺し貫いていた。
剣を持った腕を背後へと戻した、たったそれだけの時間に ――― モルフェウスの物質変成の能力で武器の形状を変化させたのである。
「操作に自在を得るならば、剣よりは、針。自分の操る武器の重量を軽くすれば、形状の変化も必然です。モルフェウス・シンドロームのオーヴァードの戦い方には、こんなやり方もあります。後学のために。僭越ながら」
支部長の言葉は、おそらく隼人に向けられたものである。
同じシンドロームを有する先達として。まるで隼人に「学びなさい」、とでも言うように。
「………っ、ちっくしょう………!」
舌打ちとともに隼人が駆け出した。目指すは負傷した椿の元である。
突き出した拳を引き抜くような動作に続けて、支部長の身体が椿から離れ、一足飛びに、椿をかばうように立ちはだかった隼人の攻撃範囲から逃れえた。
肺の空気をすべて吐き出すような吐息の音は、椿の唇から漏れたものだった。
「つ、うっ………っ、はあっ………」
針で突かれた傷は小さく、浅い。
しかし、椿の額は脂汗で濡れ、絶え間なく襲いくる痛みは針で突かれたとは思えないほどに激しいものだった。
傷口から染み出す血はほんのわずかなもので、制服の上からでは、椿が怪我を負ったことすら誰にも気づかれないだろう。しかし、宿主の生命活動を支え、受けた傷を修復してくれるはずの体内のレネゲイドウィルスは、このときに限って椿を裏切った。
傷を癒し、肉体の損傷を修復する代わりに、傷口を拡げ、さらなる出血を促す。
体組織を常人離れした新陳代謝で入れ替え、肉体の傷を平常時にまで再構成するウィルスの働きがいまや、完全に鈍っていた。
いや、鈍るどころか、むしろ受けたダメージを増幅しているとさえ言える。
傷口が熱を帯び、その熱が全身に拡がっていく。頭が朦朧として目が霞み、込み上げてくる嘔吐感はもはや耐え難いレベルまで達していた。
「椿っ、おい、しっかりしろっ!」
椿の身に起きた異変は隼人の目にも確かに異常と映っていた。崩れ落ちそうになる椿の身体に寄り添うように立ち、その二の腕をしっかりと掴む。隼人の肩にもたれかかり、頭を預けるようにして、椿はなんとか持ち応えていた。
「隼人………気をつけて………彼女………《対抗種》………」
廃倉庫の戦いで、フィーストを暴走状態に追い込んだ支部長の弾丸。
レネゲイドウィルスでありながら同じウィルスを喰らう同族殺し。
オーヴァードを殺すためのオーヴァード、裏切り者の中にあって、なお裏切り者。
《対抗種》という特殊なウィルスに感染したオーヴァードに与えられた傷は、たとえそれがかすり傷であっても致命傷となりうる致死性を含んでいる。
椿の言葉に隼人が目を見開いた。
「厄介な………!」
廃倉庫での戦いのことは、隼人には簡単な概要しか話をしていなかった。
いや、むしろ淡白なほど簡潔に、「戸外で隼人がマスターヴェノムと交戦中、支部長から支援を受けてフィーストを撃破した」程度のことしか説明していなかったのだ。
あの戦いの様子を克明に隼人に伝えることを、椿はおそらく無意識の内に避けていた。
克明に伝えるということは、“あの夜”の記憶を自らの脳内から掘り起こすということだ。
フィーストに監禁されている間、純潔を散らされ、陵辱の憂き目に遭い、快楽に身悶えていた自分の姿をも思い出すということだった。
だから、あの夜の戦いで支部長が見せた《対抗種》の力に関しても、当然隼人には情報は伝わっていない。しかし、彼女が敵に回るということを予測して、わざわざ病室に隼人を待機させていた経緯を考えれば、これは椿の落ち度とも言えた。
「ごめん、隼人っ………!」
痛みに顔をしかめながら、身体の痛み以上の心痛に、椿は身を切られる思いであった。
敵の情報を共有できずに戦うということは、互いの連携に齟齬を生じさせる可能性を生む。
その落ち度が生死の分かれ目となりうることを、椿は熟知していたはずだった。
それなのに ―――
「いいって。しょぼくれんなよ、らしくねえ」
隼人の声が快活に響く。
「これぐらいでいちいち謝らせてたら、俺はどんだけお前に頭下げなきゃならねえんだ、っての。ほら、次が来るぜ!」
後退し、次の攻撃準備のために構えを仕切りなおした支部長に、しっかりと視線を定め。
右手に固く握り締めた日本刀の切っ先は、相手の喉元に寸分違わず突きつけて。
さりげなく椿の身体を支える腕は、どこまでも力強い。
戦闘開始時から、崩れることのなかった椿のしかめっ面が、ようやくかすかにほころんだ。
「そうね………いまはそんなことよりも ――― 」
いつまでも隼人の支えに甘えてはいられない。自らの二本の脚に力を込め、その脚でしっかりと地面を踏みしめて。椿は気丈にも、隼人の支えを振り切って直立した。
限界など、まだ遥か先。チルドレンとして戦ってきたいままでの自分にとっては、この痛みもまだまだ耐えられる類いのものに過ぎない。
信じていた支部長に裏切られた心の痛みを言い訳にして、ここでへこたれるわけにはいかないし、なにより椿自身の誇りが、容易に倒れることなど許しはしなかった。
だから、立つ。だから、戦う。
いまだけは、心の中にある甘えも感傷も振り切ろう。
自分はまだまだ戦える。いや、戦わなければならない。自分の横には、支えてくれるパートナーだっているではないか。
「………とてもいい目になりましたね」
眼前に悠然と構える支部長が、感じ入ったように微笑する。
「ですが、意気込みだけではどうにもならないこともあります………まだ、私の手番は続きますよ?」
不吉な予感に背筋が凍りつく。
椿たちが次の戦闘行動に移る前のわずかな間隙を縫って、いつの間にか支部長の左手が上がり、その銃口は“二人”に向けて同時にポイントされていた。
さらさら。さらさら。
病室の床が。天井が。見る間に砂粒と化し、辺り一面に砂煙を巻き上げた。
まずい!
椿と隼人が同時にただならぬ危険を察し、緊張に身を固くする。
「………一度きりの技ですが………人並みの心や感情を捨てることで手に入れた力、です」
支部長の指が、引鉄を引く。
銃口から放たれた弾丸は、椿を狙ったものでも隼人を狙ったものでもない。言うなれば、室内に存在する「すべてのものへ」と放たれた弾丸であった。
ただ一発の銃声が、砂嵐を巻き起こす。病室の天井、床、壁すべてが砂へと変成されていき、弾丸の形を取りながら椿たちへと襲い掛かる。
煙る視界の向こう側から、幾百の砂の弾丸が打ち出され、二人の身体を薙ぎ払った。
「ぐうっ!?」
「うあああっ!?」
腕も。脚も。肩も。腹も。たちまちに撃ち抜かれ、肉が裂ける。深々と突き刺さった弾丸が骨に食い込み、ひびを入れる。
爆ぜ、鮮血を噴き上げる肉体。削り取られた皮膚が、こそぎ落とされた骨が、同時に二人の生命の力までをも奪い去っていく。
「………これで、終わりというわけではないのでしょうが ――― 」
悪夢のような一斉掃射が終わりを告げる頃、静まり返った病室に支部長の落ち着き払った声だけが響き渡った。その視線は前方の床に落ち、すでに動かなくなった二人のチルドレンの肉体を見つめている。
跪く姿勢で。
肩と肩で互いの身体を支えるように。
二人のチルドレンは“絶命”していた。
しかし、彼らには ――― オーヴァードには「その先」がある。傷つき、落命してもなお、常識外の生存本能と再生能力を保持するウィルスによって、彼らは生かされる。
生命の温かみを奪う血液の流れを止め。傷口をふさぎ。再生と蘇生のための脈動を繰り返すレネゲイド・ウィルスの鼓動を確かに感じながら、支部長は椿たちの身体が動き出すのを待っている。
はたして ―――
「………っ、はぁっ………」
「痛ぅっ………まだ、まだ………」
《リザレクト》 ――― 止まっていたはずの呼吸は再開され、欠損した肉体も修復されて。
地に膝をつき、俯いていたはずの二人は、このとき完全なる復活を果たしていた。
よろめきながらも立ち上がり。隼人が刀を構え直し、椿が両手の指先を再び地へ落とす。
「………第二ラウンド、開始といくか」
不敵に笑う隼人に頷いて、椿が支部長に視線を戻した。不思議なことに、支部長の表情には戦いの高揚は微塵もなく、ただ深く大きな憂いだけが貼り付いている。
一瞬、椿たちが息を呑むほどに、彼女の瞳は言い知れぬ悲しみの色に満ちていた。
「………椿ちゃん、高崎さん」
呼びかける声は、いまが激闘の最中であることを忘れてしまいそうなほどに静かなものである。
「貴女たちの、この戦いにおける勝利とはなんですか………?」
「え………」
「なに………?」
あまりに唐突な支部長の問いかけに、二人は言葉を失った。
「私と戦うこと。戦い続けること。戦い抜くこと ――― 技を振るう度に人からかけ離れていくことを承知で、なお戦い続けるということは、貴女たちの勝利たり得ないことを警告します」
言われなくとも分かりきったこと。オーヴァードであれば誰もが肝に銘じねばならない当然のことを、彼女は繰言のように言った。
「戦いが長引けば、当たり前のことですが貴女たちも ――― 」
行く末は私と同じくジャームと化し、堕ちる運命が待っていますよ ――― 彼女が飲み込んだ言葉の続きは、きっとそうであったはずだった。
だが、だからなんだというのか。
敵である彼女がそれを気にかける理由はいったいなんだというのか。
訝しげに眉をひそめる隼人たちに向けて、
「これは、貴女たちに伝える最後の言葉です。これは、もうひとりの私 ――― UGN支部長としての私が、貴女たちに遺すことの出来る最後の言葉です」
――― 彼女は、そんな悲しい台詞を言った。
「 ――― 私たちの任務は。戦いは。常に時間との勝負です。任務においては被害の拡大を最小限に抑え、戦闘においては理性のひとかけらを手放さぬために」
戦いの手を休め、支部長の言葉に耳を傾けるチルドレンたち。
「拙速にすぎず、常に最速を目標にしてください。そしてなお、最良を求めてください。いまの貴女たちにできる最善の戦いをしてください。貴女たち二人が培ってきた経験の中から最適な戦術を選んでください。それが、勝利への最短距離となるはずです」
淡々と教え諭す支部長の姿に、椿も隼人も、このときようやく気づかされた。
彼女は願っている。椿と隼人に願っている。
レネゲイドウィルスに侵されてもなお、二人が「人」であり続けることを。
そして、もしかしたら二人が自分の暴走を止めてくれるかもしれないことを。
戦いの最中、幾度となく彼らに助言とも取れるような言葉を発した理由が、その答えだ。
彼女の心の中に住んでいる、相反する矛盾存在 ――― UGN支部長とFHマスター・エージェント ――― の言動は、きっとどこまでも相容れることなく、きっとどこまでも彼女自身の真実の想いなのだ。
支部長としての彼女は、チルドレンとしての椿と隼人を確かに愛している ――― しかしその一方で、マスターヴェノムとしての彼女は、本気の殺意を持って銃と剣を振るうのだ。
それは、なんという矛盾であろう。なんという馬鹿馬鹿しさであろう。
そして ――― なんと悲しいことであろう。
「お二人に、最良のコンビネーションを期待します。そして、私も全力でそれに応えます」
レイピアの切っ先が。
砂の弾丸を撃ち出す銃口が。
周囲を圧する殺意を纏いながら、再度二人へと向けられる。椿も隼人も、その触れるだけで気死しかねない殺気の渦を、確かな決意を以って受け止めた。
「隼人」
「ああ………いまの俺たちにできる最善の戦い………見せてやろう」
眼前の敵から、視線をそらすことなく。
二人の心が、互いの姿を見ずともしっかりと通じ合う。
「全力で行くぜ………悪いけど、フォローは頼む」
「気にしないで。いつもの私たちの戦いを、するだけでしょ?」
それは歴戦の風格すら漂わせる、若き戦士たちの決意の言葉であった。
隼人が刀を正眼に構え、椿は彼から離れぬように寄り添って立ち。
合図も、呼吸を合わせることすらもせず ――― 数瞬たりともずれることなく、まったく同時に少年と少女は床を蹴った。
振りかぶられる刺突剣。
大上段に構えられた日本刀。
迸る、銀の糸。
二振りの刃と無数の銀糸が交錯するこの瞬間 ――― 決着の刻は、確かに目前に見えていた。
(To Be Continued)
247 :
yuzu:2009/02/28(土) 02:08:57 ID:adBxjDiT
投下終了です〜。
ようやく次回、チルドレンたちと支部長の戦いに決着がつく予定。
最終回間近、ラストスパートに向けてもうひとふんばり、がんばりますです。
それでは、次回投下のときまで。ではでは〜。
>>247 乙です。
「過大な力を持った少年少女と、それを導く大人の物語」がDXの裏テーマと常日頃考える身としては。
敵として立ち塞がって尚、椿と隼人にUGNチルドレンとしての道を指し示さんとする支部長の姿は
DX世界に存在して然るべき『大人』の姿であると感じました。
うむ、自分のシナリオに出したいですこんなNPC。
むしろFHチルドレンのPC作って上官に欲(ry
戦いの結末、背筋伸ばして待たせて頂きます。
>>246 GJです。
なんだこの・・・・なんだ?w
こんないいNPCが何故オリジン本編に出てこなかったああああああああああああ!
【馬鹿はジャーム化した】
支部長かっこいい、こんなボス出したいけど俺がセッションでやったらきっとgdgd・・・orz
あれですよ。
UGN「ピーターパン上げますからマスターヴェノムな支部長下さいませんか?」
ぷらんな「ぇー(´A`)」
つまりピーターパンを生贄にロリぷらんなーのエロを所望するという事か!
あ、相手が春日恭二しか思いつかねぇw
そしてそれを見られてコードネ−ムがペドフィリアになるんですね、分かります
ダブクロは上手くすれば、無機物や植物も女体化するのが良いな。
人間の生殖行動に興味を持って調べてみる家電娘は何処に行けば手に入りますか?
255 :
GドM:2009/02/28(土) 22:56:14 ID:IKybszL8
レス返しに参上しました。
皆さんお返事ありがとうございます。
注意書きをしながら、書きたいように進めていくことで決心つきました。
退かぬ、媚びぬ、顧みぬ。聖帝様を思い出しながら、次の執筆に取りかかるとします。かしこ。
>>254 1、エロゲ屋さんにいく。
2、大きな声で「 モノごころ、モノむすめ 下さい」と言う
3、お金を払う
アマゾンでおk
>256
特典CDがつくオフィシャル通販も魅力があるぜ
r==ュ
i;::i
. '´゙ー '` .
ノ((゙(从リリハ
゙/ミiミ!゚ ー゚ノミi! モノモノと聞いて飛んできました
. 〈ミ i(_)}甘),jミ!
リ々,,.ノ々リ
./ _,,..ノj〉.
~~~~~~~~
>>254 いわゆる一つの「モノプレイ」という奴ですね、分かります
誰がうまいことを言えと
>>232 それはそれで読んでみたいかな
なんでD&Dというチョイスかは分からんけど
エロパロじゃなくて、
リアル嗜好のマスターが囚われの少女演出に妹を緊縛してPLに見せたり
困スレの尻判子話を膨らませたり
姫PLがGMを色仕掛けで判定を覆させたり
一物RPGならぬオリジナルのセックスRPGを試してみたり
GM少女が、濡れ場の語りの参考に実地に教えてくださいと言ってきたり
D&Dのマスタリグを約束したのにシナリオを忘れてきた少女に無駄になった時間損失のため「D&D!」と唱えてストリップさせたり
という話を読みたい。
265 :
yuzu:2009/03/01(日) 23:07:49 ID:8kSka1Vs
どれだけ暇を持て余しているのかと呆れられそうな気がしないでもないですが、続き投下予告させて頂きに参りました〜。
外出から帰宅後零時頃、ちょっと短めですが投下開始したいと思います〜。ではでは〜。
※
わずか一歩を踏み出すだけで、互いの武器が互いの命を奪うことの出来る間合いまで一息に踏み込む。
白兵戦闘における最速の決着をもたらす最も危険な距離まで、自ら近づいた椿と隼人。
彼らはいまこの瞬間、二人揃ってひとつの、死を生み出すための武具だった。
支部長の真正面に立ち塞がる隼人は ―――
それを振るえば、その届く範囲すべてに滅びを届ける破滅の剣と己が腕を化し。
隼人の傍らに寄り添いながら立つ椿は ―――
十本の爪を幾百、幾千の銀糸と変じ、鮮やかに織り成しながら、微細な網を造り上げる。
二人は怖れない。そして決して躊躇うことはない。今しがた、絶対の力量を見せ付けられたばかりの支部長へと、一触触発の距離まで、進んで踏み込んできたのである。
自分の武器の間合いを確保するということは、取りも直さず敵の操る武器の間合いにも自らの身体を置くということだ。
それを承知で、二人はこの距離を選んだ。戦うために。戦いの果てに勝利を掴むために。
「行きますっ!」
叫ぶと同時に、大上段から刀身を振り下ろす隼人。
ついさっき、四発の銃弾で初撃を弾き返されたばかりであるにもかかわらず、俺にとってはこれが最良の攻撃だ、と言うように、愚直なまでに同様の攻撃を繰り返す。
支部長の視線はどこまでも透明に、迫る刃を捕らえていた。
同じ力で同じ攻撃を繰り返すのならば、同様の対策を以って当たれば良いだけだ。
特別な対策などはなにひとつ要らぬ。呼吸をするように当たり前に、先ほどと同様の対抗手段を自らもまた繰り返せば良いだけである。
銃口がすっ、と持ち上げられ。引鉄を絞る指に力がわずかにこもる。
銃声と、鋼同士の激突音が鳴り響いたのはほぼ同時であった。
振り下ろす。振り上げる。刃を引き、さらに振り回し、また打ちつける。
叩き割り、斬りつけ、薙ぎ払う動作に合わせるように、隼人が刀身を振るうアクションを起こす度、銃声が同じ数だけ響き渡る。
叩きつけた刃を弾き返す銃弾。振り下ろす刃の勢いを殺す銃弾。支部長は、刀身をもって刀身と斬り結ぶのではなく、銃弾を刃代わりにして隼人の斬撃と打ち合っているのであった。
隼人の斬撃が神速ならば、それを弾く銃撃もまた神業。常人の動体視力では捕らえることすら敵わぬ刃の軌道を正確に把握し、さらにそれを弾き返す銃弾を正確無比にヒットさせ続ける。
常識ではありえぬ戦い。常識からは外れた戦いを繰り広げる二人のオーヴァード。
そして彼らの傍らで息を潜め、その戦いのわずかな隙も見逃さぬように瞳を凝らすのは ――― 言うまでもなく、他の誰でもない椿である。
鋭い猛禽類を思わせる切れ長の瞳はますます細められ、隼人の呼吸を、支部長の所作を五感すべてで感じ取ろうと、彼女はしている。
自分の加えた最初の一撃で、椿は彼我の戦力差 ――― あえて言うなら自分の打撃力と相手の防護力の埋めきれない差 ――― というものを明敏に感じ取っていた。
それを認めることは悔しいことだったが、多分、自分の爪では支部長の砂の砦を突き崩すことは至難の業であろう、と。
高い防御力はエフェクトのみならず、もしかしたら支部長自身の身に纏ったスーツにすらも特殊な加工が施されているのかもしれない。FHのマスタークラス・エージェントであれば、それくらいの装備を保持していることに不自然はないであろう。
それならば自分の取るべき行動はひとつ ―――
そう見定めた椿の瞳が、決意の蒼い炎を灯したように煌いた。
激突する鋼と弾丸。撒き散らされる砂と闇色の刀身の欠片。
撃つ。弾く。薙ぐ。
打撃を、斬撃を、銃撃を、跳ね返し合い、押し返し合い、受け止め合う。
隼人と支部長の攻防は目まぐるしく攻守の手を変え、日本刀と拳銃の銃口が、それぞれ縦横無尽に閃いた。
しかし、まだ奥の手を残したままでいるのは、支部長の方である。
互いに一歩も引かぬと見える二人の攻防。
その実、有利に展開しているのは彼女のほうであった。
隼人は全力。手を抜く余地などありえない。
両手で日本刀の柄をしっかりと握り締め、一振り一振りに双腕から力を余すことなく伝えようとする様子は、彼の額に滲み出た玉のような汗がその必死さを物語る。
だが支部長の表情に、一切の変化はない。
決して隼人たちを侮っているのではない。冷静に戦局と敵戦力を分析し、そしてそれを見極めたうえで、十分な余力を残して戦っているのだ。
椿も、実はそのことに気づいている。
そしてそれが、いまだ行動に移らぬ自分を警戒しての行動ではありえないことをも。
おそらく、先の激突で支部長も理解したはずである。
椿の攻撃が、おそらくは戦局の変動という一点に関して、大勢に影響を与える要素にはなりえないことを。真に注意するべきは、破滅の剣の名で呼ばれた隼人の振るう刃である、ということを。
支部長の残した十分な余力 ――― それこそが、彼女の右手に握られた刺突剣である。
斬り上げ、斬り下げ、薙ぎ、振り払う隼人の刀身を、病室中の屋根や壁から変成した無限の弾丸ですべて受け止めながら。
背後に隠すように構えられた細身の刃を繰り出す機会を、支部長は息を潜めて待ち続けていた。
幾十回にも及ぶ刃と弾の激突は、時間にすればわずか数秒に過ぎない。
だが、全神経を削りあうような極限の戦闘時において、余力を残したものとそうでないもののどちらが先に、己が攻防の業に綻びを作るのか ―――
「戦いのスタイルと、“癖”を混同してはいけません」
不意に、支部長がたしなめるようにそんなことを言った。
「打ち下ろした刀を引き戻すとき ――― 右へ振りかぶるときよりもその逆のほうが ――― 貴方はコンマ数秒ほど、遅れる傾向がありますよ」
ノイマン・シンドロームの誇る天才性に根差した、正確すぎる分析。
そして、きっとそれは彼女の言葉通りなのであろう。
隼人が“左へ”刀を振りかぶったその瞬間、支部長の腰間から滑り出した白銀の光が、隼人目掛けて突き出される。レイピアの切っ先が狙うのは、奇しくも生み出された刹那の隙。
誰もが見逃し、誰もが見落とすに違いない小さな小さな間隙は、しかし彼女にとっては必要にして十分な、戦いの均衡を崩しうる急所であった。
ほんの小さな傷でいい。ほんのわずかな傷でいい。
彼女がその剣先によって与えるほころびは、彼女自身の体内に蠢く《対抗種》の働きによって、多大な損害を敵オーヴァードにもたらすものだ。戦いの均衡を崩しうる、切り札だ。
そして、一度均衡が崩れれば、おそらく容易く勝敗は決するだろう。
戦いにおいても彼女はひとりの天才である。
支部長はこのとき、一瞬だけ悲しみに満ちた表情を作った。
それはきっと、自らの勝利を確信して“しまった”から。
椿と隼人の敗北を予感して“しまった”から。
一度多大なるダメージを与えてしまえば、後は雪玉が雪山の斜面を転がり落ちていくように、状況は支部長の勝利という結末へ向かっていくだろう。
まだ、二回か三回は《リザレクト》で窮地を逃れえるかもしれないが、その後はどうなるか。
侵蝕率が一定値を超えてしまえば、オーヴァードはある種の暴走状態に陥るのがその運命だ。
自己の宿主の肉体を修復するために動いていたはずのウィルスたちが、思うように働かなくなることで、オーヴァードの不死性は一時失われる。
そうなれば、残る覚醒や復活の手段は、ただ彼らの意志力のみに依存することになる。
そして、いくらオーヴァードと言えども、やはりそこには超えることの出来ない限界があるものなのだ。
支部長の悲哀に満ちた表情は、その避けえぬ結末を予見したためか。
「 ――― お終い、です」
高揚も歓喜もない、無情なる勝利宣言。伏し目がちに閉じられた瞳が無言で語るものは、子供たちの死を悼むものか、それとも滅びという救いを得られなかった我が身を呪うものか。
しかしそれでも非常なる刃はその突進を止めることはなく。
刃を振りかぶった隼人のわずかな隙をついて彼の脇腹目掛けて、それが初めから決まっていたことであると言うかのように、吸い込まれていく。
そして ―――
レイピアは、隼人の肉体を傷つける直前で阻まれた。
「なん、ですって………?」
ノイマンの予測を超える結末、天才の予見を覆す光景が、そこに展開していた。
自分と、隼人の激闘の間に、椿がいつの間にか割り込んでいる。
伸ばした爪を幾百本の糸と化し、それがまるで一枚の織物のように白銀の幕を作り上げていた。
シルクスパイダー。それはまさに、蜘蛛が自らの吐き出す糸で巣を作るさまを髣髴とさせる。
ただしその銀糸の網は、絹糸などとは程遠い強靭なるものである。支部長の繰り出したレイピアの刺突を受け止め、隼人の身を護りきるほどのものである。
「なんて………馬鹿なことを………」
どこか呆然と支部長が呟く。同時に、椿の肩口から噴出した鮮血が赤い霧となって飛び散った。
支部長が、必勝を確信して繰り出すほどの斬撃である。すべて受け止めようとして受け止めきれるものではない。
微細に編みこまれたはずの銀糸の隙間を縫って、また、その網を抉じ開けて突き抜けてきた剣の先端は、浅手とはいえ確かに椿の肉体に到達していた。
「あ、くぅっ………」
肩を貫く痛みに顔をしかめ、椿は耐え切れずに苦悶の呻きを漏らす。わずかな一瞬、放心しかけた支部長の耳朶に、鋭い風切り音と隼人の魂の咆哮が届いて、彼女を我に返らせた。
「うおおおおおおっ!」
それは渾身の力をこめて繰り出される斬撃の前触れだった。危ういところで左手に構え直した拳銃から防御弾を連続斉射することで、危うく難を逃れる。
激突する鋼の音に怯むことなく、隼人は立て続けに刀を振るい続けた。
傷ついて眼下にうずくまる椿を顧みることなく。
支部長の両手に握られた武器を一顧だにすることなく。
それはある意味、捨て身の攻撃であった。自らの保身を一切気に止めない、猪突猛進と呼ぶことさえ生温いような愚直なまでの連撃である。
「馬鹿な、ことをっ! 貴女たちは、私の言葉をどう聞いていたのですかっ!?」
戦いが始まってから始めて、支部長は困惑の叫びを上げた。
隼人の刀より、椿の操る糸より。
彼らの行動原理のほうが、彼らの選んだ戦術のほうが、彼女の理解の枠を超えていた。
轟音。激突音。再び繰り返される斬撃と銃撃。いままで以上に激しく、いままで以上に多彩に繰り広げられる攻防の中、支部長の叫びがチルドレンたちの耳に、そしてその心に届いた。
「それが最良ですか? それが最善ですか? それは諦めの果てに辿り着いた戦術です! 椿ちゃんは自分が犠牲になることで、高崎さんの攻撃を支援しているにすぎないじゃありませんか! 高崎さんは、それを受け入れるのですか!?」
およそ敵の発する言葉とは思えない、そんな叫び声であった。
いまの彼女は心の底から二人の選んだ戦術に憤っていた。一方が他方を犠牲にして成り立つ苦い勝利を、子供たちに味わわせたくはない。その果てに掴んだ勝利に、どんな栄光があるものか。
まるで、そう言っているかのような悲痛な声であった。
「犠牲になろうなんて、思ってませんっ………!」
搾り出すように椿が声を荒げる。
互いが言葉を発する間も、隼人と支部長の攻防の手が休まることはない。防御弾を打ち出す間も、支部長の頭脳と瞳は絶えず隼人の隙を捕らえ続け、レイピアの切っ先を繰り出し続けている。
そして、その度に剣先を受け止めるのが椿の選択した役目であった。言うまでもなく、防ぎきれない攻撃は椿の腕を、脚を、胸を、腹を突き刺し続け、出血をもたらし続ける。
刺し傷による痛み、カウンター・レネゲイドによる多大なる肉体への損傷、体内で蠢く彼女自身のウィルスは軋み、悲鳴を上げ、肉体を傷め、その修復速度も次第に鈍っていく。
「俺だって、椿を犠牲にするつもりなんて、ないッすよっ………!」
椿の言葉を拾うように、隼人が叫ぶ。
「それでは何故っ………何故貴女たちはこんな戦術を選んだのですか!? いえ、選ぶことが出来るのですかっ!?」
引鉄を引く指が鈍る。連続していた動作がぶれ、次第にタイミングがずれていく。
繰り出す剣はあらぬ方向を刺し、時に椿の銀糸の網にすらかからなくなっていく。
「それは………これが、私たちの、お互いに果たすべき役目だからですっ!」
口中に広がる鉄の苦味を必死で飲み込みながら、椿は支部長をしっかりと見据えた。
「互いの役目である以上、絶対に自分の役目を果たしてみせるっ! そう決めてるんですよ、俺たちはっ!」
一言一言、言葉を区切りながら、隼人は双腕を振るい続けた。
「だから私は、隼人への攻撃を絶対に受けきってみせる!」
「だから俺は、椿の代わりにこの刀を必ず叩き込んでみせる!」
そして、そのためにお互いを絶対に犠牲になどするものか ――― !
強い意志を持った二対の視線が支部長を貫いた。
そして、それは彼女が気圧されるほどのプレッシャーを放つものであった。
隼人が斬る。支部長が弾を放つ。巌のように身を固め、両脚に揺るがぬ力を込めた椿が、細身の刃をその身に受け続ける。
打ち合いが五十合目を迎え、激突が百合目に達する頃、周囲のレネゲイドウィルスがいままで以上のざわめきを伝え出す。
隼人の動作が加速した。
病室内に撒き散らされた砂の粒子を吹き飛ばすほどの剣圧が、風を生み、嵐を成した。
支部長の、引鉄を引く指の速度が、ついに失速する。
隼人の振り下ろす刃を受け止めるはずの初弾は、あまりの膂力と速度に押し切られ、いままでは隼人の身体ごと刀身を押し返していたはずの第二弾目が、ついにその的を外す。
砂の弾丸は黒き刃に命中することなく ―――
――― ただ隼人の頬をかすめ、背後の壁に小さな穴を穿っただけであった。
突如、誰もが予想しなかった形で訪れた戦いの均衡の崩壊は。
同時に、戦いの決着を告げるものでもあった。
「う………おおおおおおおっ………!!」
隼人が吼える。弾雨をすり抜けた刃の黒色が、次第に透明な水晶のように透き通っていき、刃の形をした結晶と化す。
真っ直ぐに。ただ真っ直ぐに突き出された輝ける日本刀の切っ先は、ついに支部長の胸元へと到達した。
吸い込まれる。吸い込まれていく。
まるでそこに障害などなにひとつ在りはしないのだというように。
砂の鎧も、壁も、砦も、そこに在って、しかし存在しないのだというように。
ありとあらゆる物質を変成せしめるモルフェウスの能力は、堅牢なる防壁すらもその一切の防護を無に帰した。
刃が砂の砦を貫く。衣服を通り抜ける。
皮膚に達し、肉を突き刺し、心臓を穿ち、背中にまで突き抜ける。
全身全霊をとして繰り出された隼人の刃を、自らの急所で受け止めながら ―――
支部長は ――― 微笑んだ。
(ああ………あの笑顔だ………彼女の、いつものあの笑顔だ………)
痛みと出血に朦朧となりかけた意識の隅で、椿はそんなことを思った。
甘いと笑われても。つまらない感傷だと叱咤されても。下らないセンチメンタリズムだと罵られたとしても。
あの笑顔は、私たちを支部に迎えてくれた、彼女のあの微笑なのだ、と椿は思った。
そう、信じた。
「………お見事でした………」
あまりにも綺麗な、あまりにも透明な笑顔が胸にちくりと痛みを残す。
子供たちの成長を望み、その成果を我がことのように喜ぶ笑顔が、死の間際であっても掻き消えることはなく。
「支部長さん………」
椿と隼人の呼びかけが、期せずして重なった。
「お見事ですけど………危険な戦い方だ、ということは、苦言を呈しておきますよ………もっと、もっと学ばなければ………戦い方を………最善の、道を………」
「 ――― はい」
胸に染みこむような、支部長の言葉であった。二人は、なんの抵抗もなく彼女の言葉を受け入れている自分たちを、心のどこかで不思議に思っている。
敵であるはずの彼女の言葉が ――― どうしてこんなにも温かく、慈愛に満ちているのであろうかと。
「貴女たちは………いえ、貴女たちになら、見つけられるはず………それに、もっと強くなれるはずです………」
刃の突き立った胸元が、透明な結晶と化していく。穿たれた部位から全身にゆっくりと、その透明な輝きが拡がっていき、支部長の身体に無数のひび割れが生み出されていた。
「ああ………いまになって、とても時間が惜しいです………残された生命の少ないことが、とても残念です………もっと、もっと貴女たちに、いろいろなことを教えてあげたかった………」
「私たちだって………」
「………そうッすよ。教えて欲しいこと、いっぱい、あったんスから ――― 」
自然と声が湿るのを、二人は止めることができなかった。
いまここにいる三人は、戦う宿命に縛られたUGチルドレンとFHエージェントではなく、ひとつの結束の元に集った支部の仲間であった。
「………ふふ」
支部長の微笑が、深く、そして淡く拡がっていく。
胸元から崩れていく身体の中で、最後に残されたもの。
それは、二人に最後に残すべき言葉を伝えるための声帯と、誰もが勇気づけられるようなあの笑顔であった。
「………やっぱり、貴女たちは……いい、コンビ、です、ね………」
その言葉を最後に、支部長の姿は水晶の欠片となって崩れ落ちた。
床に零れ落ちた透明な粒子が、病室の窓から不意に吹き抜けた風にさらわれて飛ばされていき、その痕跡を跡形もなく消し去った。
日本刀を突き出したままの姿勢で硬直する隼人。
銀糸の防護を解かぬまま肩で息をする椿。
二人の少年少女は、しばらく彼女の亡骸の残骸が掻き消えるさまを、まるで見送るようにいつまでも、いつまでも見つめ続けていた。
戦闘、終了 ―――
いまここに、T市を舞台として繰り広げられた戦いと陰謀が、完全に幕を降ろした ―――
※
戦いの終わりからしばらくして、椿の病室に駆け込んできたT市支部の面々は、傷ついた椿と沈痛な面持ちで立ち尽くす隼人の姿に、一様に息を呑んだ。
砂まみれの崩れかけた病室。足元に散らばる水晶の欠片。
それを目の当たりにしてすべての事の成り行きを察したものか、彼らは一人の例外もなく項垂れた。
そんな中、最初に我を取り戻したのは支部長秘書の女性である。
最終決戦の直前まで支部長と会話を交わし、この病院まで支部長を送り届けてきたのが彼女なのであった。
秘書の彼女は、チルドレンたちの横を意外としっかりした足取りで通り過ぎ、病室の奥 ――― 椿が三日間の入院生活を送ったベッドの枕元まで歩み寄った。
枕元には、花の生けられた花瓶。
彼女は花瓶の中に手を差し入れ、そこから小さな黒い塊を取り出した。
盗聴器 ―――
椿の要請で、病室内で起きるすべての事柄を外部に伝えるために、退院前日に備え付けられたものである。彼女を必死で説き伏せ、もしもの時には病室へ突入をかけて欲しいとまで言い切って、T市支部へと根回しをした結果であった。
つまり、支部長がマスターヴェノムであったという告白も、彼らの闘いの様子も、すべてがこの盗聴器を通じて支部へと伝わっていたということになる。
秘書の女性は、なにかに耐えるような沈痛な声で、
「………回収します」
そう、ぽつり、と呟いた。
きっと、彼女は一番支部長に近いところにいたはずだ。心に受けたダメージも一番大きいはずである。しかし、彼女は立派に自らの務めを果たすべく、ここに立っている。
ふと見れば、立ち尽くす支部エージェントのメンバーたちも、皆が皆辛そうに顔を伏せていた。
何人かのメンバーは涙を隠そうともせず、本当に声を上げて泣いているものもいる。
(ああ、本当に慕われていたんだ ――― )
椿は、内心、やりきれない想いでそんなことを考えた。
自分の真横で、隼人が日本刀の刃を納めた気配を感じ、ようやくすべてが終わったという実感が椿の中にも沸いてくる。
それを合図に、放心していた支部員たちも慌しく動き始め、あるものは本部へ報告の電話を入れ、あるものは破壊されかけた病室から駆け出し、あるものは“清掃業者”に連絡を取っていた。
「………終わった、な」
隼人が、誰に言うでもなくそんなことを言う。
ふと、近づいてくる気配に顔を上げれば、秘書の彼女が椿たちの眼前に立っていた。
「高崎さん、玉野さん。この度は大変ご迷惑をおかけしました。お二人の尽力に、支部員一同に代わってお礼を申し上げます」
意外とはっきりした口調であった。
いまは、事件の後始末が残っているという緊張のためか、気が張っているだけであろう。事件のすべてがその痕跡を隠し終えたとき、きっと悲しみも辛さも、彼女の上に降りかかってくるはずだ。
「いえ、そんな………」
「つきましては、申し訳ありませんが、もうしばらくT市への駐留をお願いしたいのです。お二人にお尋ねしなければいけないことが出てくるかもしれませんし、それに、予定外の戦闘行動で大分お疲れのはずですから」
藤崎日本支部長代理には、私のほうから一報を入れておきます ――― 最後に、彼女はそう付け加えた。図らずも支部長不在のいま、T市支部を取り仕切っていくのはおそらく彼女の役目になるのであろう。
「そう………させてもらえるのは………ありがたいッすね………正直、色々としんどいんで」
疲労の色濃い顔を隠そうともせず、隼人が答える。ちらり、と跪いた椿の顔を窺うような仕草をすると、
「できれば、任務中借りてたアパートに、一度戻らせてもらいたいッすね」
自分よりもむしろ、傷ついた椿を案じるようにそう言った。秘書の彼女が、さもありなんというように頷く。
「ええ、滞在中の費用も当然こちらで面倒を見させていただきます。他になにかご入用なものがあれば、なんでも申し付けてください」
それは彼女のせめてもの気遣いであろうか。背後に控えていた支部員のひとりに、車を回すよう指示を出し、彼女は椿たちに「歩けますか」と尋ねた。
よろめくように立ち上がり、
「平気です」
答える椿に、「無理すんなよ」と隼人が声をかける。とても短く、平気、とだけ答える椿を気遣わしげに見つめる隼人。椿の返答の淡白さが、彼女の疲労を証明しているのではないかといぶかしむように。
「本当に、平気。歩くぐらい、自分の脚でできるもの」
戦いの後でまで、隼人に心配をかけるわけにはいかない。そう言うかのように、むしろ迅速に、真っ先に病室を出たのは椿のほうであった。
エレベーターに乗り込み、一階ロビーまで出ると、病院の大きな自動ドアの硝子の向こうに、すでにT市支部から回された乗用車が二台停車している。
後ろから早足で追いかけてくる隼人に、なんとなく顔を合わせることができなくて、椿はそのうちの一台の後部座席のドアを開けると、素早くシートに腰をかけた。
「すいません。T市駅近くの、私のアパートまで」
まるで隼人から逃げるように。
その要請に運転手は頷くと、傷ついた椿の身体に余計な負担を与えまいとするかのように、車がゆっくりと滑り出した。
シートに背中を預け、椿は心の中で「ごめん、隼人」とパートナーに詫びる。
でもいまはひとりにして。少しだけ、私を休ませて。
急激に襲い来る疲労感と睡魔に、いつしか後部座席で椿はまどろんでいた。
すべての事件は ――― こうして収束の刻を迎えたのである ―――
(To Be Continued ― To Ending Phase)
273 :
yuzu:2009/03/02(月) 00:22:55 ID:7FDLdpxy
投下終了&レス返など。
>>248さま。
確かにDXでは、「大人」の存在は大きなものだと私も思います。支部長というキャラをそう見ていただけたのは幸いです。
こんな上官でよければいくらでも部下を作ってあげてください(笑)。
>>249さま。
お褒め頂いて有難うございます。本編登場とまで言われるとさすがにこそばゆい……
ですが、そう言っていただけるのは感無量でございます。
>>250さま。
いやー、かっこいいキャラ立てもSSならではです。私も、実際のプレイでこういう台詞や演出できる自信はこれっぽっちもありません(笑)。
さて、ようやく次回で最終回を迎えます。
随分と回数かかってしまいましたがお待ちくださいませ。
では、次回投下時まで。ではでは。
なんて……苦い勝利なんだろ、強敵を討ち果たしたのに高揚感ではなく……ただやるせなさが胸に到来するなんて
闘い方についてはもう“なるほど!”と唸るしか出来ませんね、マスターマインド……いえ、綾瀬さんを倒した二人の最強の連携なんですから
今の二人にこれ以上のモノは存在しないでしょう……支部長さんの言葉通り、危険だけど……本当にいいコンビだなぁ
さて、残るは恐らくマスターヴェノムの“研究”についてでしょうか?続きをいつまでも心待ちにしております……(静かな雰囲気で)GJ
で、傷心の椿を癒す隼人との濃厚純愛エロはまだでしょーか?www(バカはしんみりとした雰囲気に耐えられなくなった)
隼人だと全然満足できなくて男漁りに走るビッチですね、わかr
(被害者の部屋には、おびただしい血液で濡れたキーボードとディスプレイしか残っていなかった)
276 :
大仏:2009/03/02(月) 17:46:28 ID:Hxhj+Fn5
えー、業務連絡〜、業務連絡〜。
ようやっと時間ができたので保管庫の方に27スレと、本スレ273まで保管作業を
行わせていただきました。……ちょっと甘く見すぎていました。5時間以上かかるとは orz。
そのため、レス頭の一文を消し忘れていたり、作者さんの名前を間違えていたり、
作品カテゴリを間違えていたりするかもしれませんので、間違いを見つけた場合
「役にたたねーな。ケッ!!」などど吐き捨てつつ修正をお願いします。
それともうひとつ。自分、26スレの569以降のレスを保存していなかったため、
それ以降に投下された作品は保管できておりません。
大変申し訳ありませんが、データを保存しておられる方、作品があったら保管作業お願いいたします。
>>273 なんかもうすごいとしか言いようが無い、
ってまだつづくの?なんか271の後半からすごくエンディングっぽかったのにこの後なにあるんだろう?
なんだかオラわくわくしてきたぞ。
あたらない予想
・実は秘書もマスターヴェノムでもう一戦
・椿の乗った乗用車の運転手がFHで椿陵辱
278 :
極☆キラ:2009/03/04(水) 02:56:46 ID:e7F2Ay3o
投下予告〜 投下予告〜
極☆キラのジゼラ×輝です。ジゼラが学園にきて最初の夜の出来事、という設定です。
注意!
・女の子は出ません
・数字板寄りです
・本番はありません
・極道☆キラリを読んでないとわかりません
279 :
極☆キラ:2009/03/04(水) 02:57:27 ID:e7F2Ay3o
1 夜、聖ジブリール学園裏山
夜はいい。独りで過ごせるのなら。
「ディーノさん、本当にこっちなんですか?」
……独りで過ごせるのなら。
何度目かわからない溜息をつき、俺は4人に向き直った。アサミヤはともかく、後ろの男たちは不満の表情が隠しきれていない。
目的のものが見つかったら、まっ先に《魔種吸引》してやろう。
「どいテ、あさミヤ。……《獣強化》」
立ち止まった4人の前に出て、目を鼻を、耳を凝らす。悪魔寄生体の力を全身に滾らせて、この山に存在したはずの“なにか”の痕跡を追う。
(しっかし、男にしておくのがもったいないなァ)
(お、俺、何か目覚めるかも)
(バカ野郎、聞こえたらどうする)
俺がこんなに必死になって「白乙女」のオリジナルを探しているというのに、こいつらときたら。
「あっチ、木が少ナイし、生えてイル木も低イ。あの辺リ、森ジャなかっタ」
少し違った方向を指差してやる。どうせ用済みになれば捨てるのだ、多少酷使してもいいだろう。
ざくざくと草むらに分け入る4人を見送り、自分の姿を見下ろす。ジーンズとデニムのシャツ。
……そして胸元に見える白のキャミソール。
慣れたこととはいえ、なんでこんな格好をしなければならないのだろう。
『内側に』はめた腕時計を確認する。あまり遅いとルームメイトが戻ってくる。転校早々寮を抜け出したと発覚すれば、今後の活動にも差し障りが出る。
「あさミヤ。わたシ、そろソロ寮ニ戻りマス」
2 夜、聖ジブリール学園女子寮
裏口から寮の敷地に入り、建物の裏をぐるっと回る。自分の部屋の外まで来たところで、電気がついていることに気がついた。
「どうしよう……先に寝ちゃおうかなぁ?」
声が聞こえた。まずい、すでにヒカルが帰ってきている。
少し考える。今部屋に入ると、不審に思われるだろうか?
しかしこの場所で他人に見つかるともっと厄介だ。俺はそう結論づけると、一気に窓を開け、部屋へ踊りこんだ。
「え? えぇ? あ、う?」
まくりあげていたジャージを、あわてて戻す。中から出てきたヒカルの顔は真っ赤だ。『同性』と言えど、さすがに会ってその日に肌を見せるのは恥ずかしいのだろうか。
「じ、ジゼラさん、そこは玄関じゃないですよ?」
概ね想定内の問い。コクリと頷き、いたずらっぽく笑う。娘が秘密を共有するときの笑みだ。
「ひミつ、おネガイしまス」
「あ、あっ、ハイ」
それ以上ヒカルは食いついてこなかった。
人前では安全について口うるさく言うくせに、少し公の場を離れればこれだ。日本の女に身を守る気が本当にあるのか、疑わしくさえ思えてくる。
旅行鞄からパジャマを出す。淡いピンクのパジャマを抱え、少し逡巡してトイレに入る。向こうが恥ずかしがるのだ。同じ部屋で着替えないのも、そうおかしいことではないだろう。
『ボロ』を出す機会は、少ないに限る。
トイレの中ですこしダブつくパジャマに袖を通しながら、自分を見下ろす。ほとんど脂肪のない胸に垂れる銀の髪、そして股間にある微かなふくらみ。
水色の布に包まれたふくらみで、自分が男であることを確認する。
ふくらみを包む水色の布で、自分が『女』であることを確認する。
部屋に戻ってからははじめての溜息をつき、俺はパジャマのズボンを履いた。
トイレから出たところで、ヒカルと目が合った。こちらを見ていたのが恥ずかしいのか、あわてて視線をそらすヒカル。つられてこちらも赤面してしまう。
あまり起きていると架空の『恋人』について質問されるかもしれない。さっさと寝てしまおう。
鞄の傍に服を置き、ベッドに潜り込む。
「Buona notte. オヤスミナサイ」
「あ、おやすみなさい」
目を閉じ、頭をからっぽにして……
280 :
極☆キラ:2009/03/04(水) 02:58:30 ID:e7F2Ay3o
3 深夜、二段ベッドの上
どきどきどきどき。
いくら2日か3日って言ったって、女の子と同じ部屋で二人きり、しかも女装したまま過ごすとかできないよ!
いろいろな事情でジゼラさんが僕の部屋で寝泊りすることになるって君江さんから聞いたとき、僕は耳を疑った。
「いくらなんでも、それはナイです!! だって、相手は女の子でしょう!?」
「2、3日だけだから。ごめんね、輝ちゃん!」
確かに女装生活にもようやく(慣れたくないけど)慣れてきた。だけどこれはありえない。
あんなかわいい子と一つ屋根の下……は今までもだから、同じベッドの上と下で。
ふと、最後に見たジゼラさんの姿を思い出してしまう。
大き目のパジャマから見えた胸元、少し紅潮した頬、すがるような瞳。
「!!!??」
股間に違和感がある。手を伸ばして、僕は哀しい事実と直面した。
まずい、勃ってきちゃった……
ジゼラさん、もう寝てるよね!? 耳をそばだてる。
普段は僕が寝ているはずのベッドからは、規則正しい寝息が……
布か何かで噛み殺した、短く浅い呼吸が聞こえてきた。
4 深夜、二段ベッドの下
……眠れない。
悪魔寄生体の力を使うといつもこうだ。特に今日は夜食で衝動をおさめられなかったのがマズかった。
そのうえこの学校の女は露出が多すぎる。周囲に男性がいないとこうも開けっぴろげになるのだろうか。
ヒカルなどは異常だ。人一倍恥ずかしがりのはずなのに、行動のそこかしこに隙がありすぎる。
まるでスカートを履き始めたばかりの少女のように、必死で隠そうとしてはわたわたと下着を見せているのだ。
昼間、微かに見えた白色の下着を思い出し、自らの股間に手をやる。
そこはすでに、ゆるやかにしこりはじめていた。衝動の発露は否定できない。
少し考える。ヒカルに気づかれないよう、トイレで処理するべきだろうか?
いや、この建物の壁は薄い。隣と続いているトイレでは、ヒカルはおろか、隣の部屋にまで聞こえる恐れがある。
それならいっそ、ヒカルに聞かれることをあきらめて、最悪の事態――隣の部屋の寮母に聞かれるのだけを、絶対に避けるようにしたほうがいいのではないだろうか。
あの寮母は噂話が好きそうだし、その点ヒカルは誰かに話すこともないだろう。
そう都合よく自分を納得させて、右手をゆっくり、パジャマの中に差し込む。
普段けして味わえないような、絹のしっとりとした手触りを楽しむ。お嬢様学校ということで組織から与えられた高級下着は、すでに自ら分泌したもので、ぬめっていた。
しゅる、しゅる、ぬちゃり。
手のひらで包み込むようにしながら、手首に近いところで先端を、指先で軸を愛撫する。ひっかくように袋を刺激したときには、電流がぞくぞくと袋から脊髄を駆け抜けた。
枕元に置いてあったハンカチを噛み締め、左手で右腕を抱きしめるようにする。
281 :
極☆キラ:2009/03/04(水) 02:59:08 ID:e7F2Ay3o
5 深夜、二段ベッドの上
(ふっ、ふっ、ふぅっ)
時に激しく、時に少し穏やかに。下から漏れ聞こえる吐息に、輝は戦慄した。
(こ、これは……もしかして、オ、オナニー?)
「ん、んっ、ふぅっ」
甘みを帯びた声すら混じり始めた、話にしか聞いたことはないが、おそらくこの下ではなにやら自分の想像もつかないことが繰り広げられているに違いない。
(声をかけて……いやいや、ありえないだろう。下手に接触したらむしろ僕が男だということがバレかねない)
こちらが起きていると気づかれるとまずい。輝は息を殺して、ジゼラのそれが終わるのを待った。
終わらない。5分、10分……吐息が強くなり、声が混じり、押し殺され。暗い部屋ではどれくらいの時間が経ったかもわからない。
(まずい、ずっと聞いてたら……)
吐息の高まるのと同期して、自らのものも硬く、大きくなってくる。慌ててパジャマのズボンに右手を差し入れると、すでに下着から先端がはみ出して、ズボンの内側を濡らしていた。
(ちょっとだけなら……バレないかな?)
軸を右手で握り締め、親指で先端を弄り回す。後から後からにじみ出てくるものを、先端に塗り広げる。
左手ははパジャマのすそから胸元へ。
胸、というにはあまりにも貧相だが、長時間艶かしいジゼラの吐息を聞いていたせいか、2つの蕾は硬く屹立していた。
かり、かりと爪で刺激し、指の腹でくにくにとこねる。
強くつねった瞬間、痛みと同時に電流が全身に伝播した。
「っ!」
6 深夜、二段ベッドの下
いつからか、自分の吐息以外の物が聞こえてきていることに、ベッドが寝ているだけでは起きない軋みをもらしていることに、ジゼラは上気した頭で、それでも気がついた。
(ヒカル? 気づいた?)
一瞬動きを止め、様子を伺う。
(すー、っすー、っふ、すー、……)
(まさか、ヒカルも?)
(ふう、ふう、ふう……)
(ヒカル、どんな姿なんだろう……)
男に体を捧げるときも、ヒカルはきっと恥らうのだろうか。
それともマフィアの詰め所で見た、娼婦のような表情を見せるのだろうか。
大き目の枕を左手で抱きしめ、右手ごと股間をこすりつける。
顔を押し付けて息を吸ったとき、自分のものでない人間のにおいがした。
(このにおい……ヒカルの?)
シャンプーのものであろうラベンダー系の香りと、それに隠れた汗のにおい。
それは間違いなく自分でない人間の、おそらくはヒカルのにおい。
(ああ、日本の女を抱くときはこんな匂いに包まれるのか……)
ジゼラの頭の中で、輝は一糸纏わぬ姿で、ベッドにその身を投げ出していた。
空想の輝に突き入れるように、枕に覆いかぶさり、性器を押し付け……
敏感な先端が掌からはみ出し、枕カバーに擦れ想定外の刺激を受けた。
「っ!」
7 深夜、二段ベッドの上
『っ!』
(マズい、声が!)
冷や水を浴びせられたかのように動きを止める。息を止め、下の様子を伺う。
「っふ、っふ、……んむ」
気づいてはいないようだ、むしろ先ほどより大胆に声を出している気もする。
下ではいったいどのようなことが繰り広げられているのだろう。輝の頭の中に思い浮かんでは消えていくジゼラは、そのサイクルが繰り返されるたびに露出が増え、妖艶さをおび、そして(想像の中で)輝に体を開いていく。
(声、出ちゃう……なにか口をふさぐもの……)
掛け布団の中で、輝はたくし上げたパジャマのすそを噛み締めた。ズボンもすでに膝までずり落ちている。性器は完全に下着からはみ出し、その半ばを右手が上下している。
左手は乳首を弾いたり、わき腹をくすぐるようにしたり、あるかなしかの腹筋を撫で回したり、不意に腕をつねってみたり。
(ジゼラさん、ダメ、そんなところ触っちゃ……)
仰向けになり、空想のジゼラを自らの上に跨らせる。右手はいきりたった性器を擦り上げ、左手は体の各部を啄ばみ、撫で、ひっかいた。
282 :
極☆キラ:2009/03/04(水) 03:00:08 ID:e7F2Ay3o
8 深夜、二段ベッド
下ではジゼラが空想の輝を抱き、
上では輝が空想のジゼラに抱かれる。
どうにも倒錯したこの空間で、二人は絶頂しようとしていた。
(ヒカル、ヒカル、ヒカル……)
(ジゼラさん、ジゼラさん、ジゼラさん……)
輝は枕元のポケットティッシュを攫み、先端に押し当てながらその上から右手で包み刺激を与え。
手のひらで先端をもむ様に、指先で軸の裏側、管のある場所を引っかき。
足をだらしなく広げ、左手で会陰部をぎゅうと押しつぶして。
ジゼラは咥えていたハンカチを先端に押し当て、ハンカチごと性器を枕に沈ませ。
親指と人差し指の輪で軸をしごきあげ、中指から小指で袋をもみ上げ。
左手は枕の“背中”を抱き。
『〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!』
二人は同時に絶頂し、偽りのお互いにすべてを吐き出した。
9 早朝、トイレ
「だ、大丈夫かなあ……」
こっそり振動で仕掛けた目覚ましよりも早く起きた輝は、この場に存在してはいけないティッシュを、一枚一枚はがして、トイレで流していた。
「つ、詰まったりしませんように……」
10 早朝、洗面所
ジゼラが目覚めたとき、トイレから水音と輝の困ったような声が聞こえてきた。内容までは聞こえないが、おそらく昨夜の後始末をしているのであろう。
そこまで思い出してはっとする。ハンカチを洗わなくては。
この部屋には洗面所はトイレの前の一箇所しかない。自然を装って、しかしできるだけ速やかに洗面所へ行き、一気に水を出して昨夜吐き出したものを洗い流す。
行きがけに窓を開けてわずかに残った臭いを散らすのも忘れない。
がちゃり、トイレから輝が出てきた。
「うわ、え、ジゼラさん?」
「あ、ヒカルさん、おはヨウごザいまス。どウしまシタ? こんナ早くかラ」
「え、あ、ちょ、ちょっとお腹の調子が悪くて、目が覚めちゃいました」
「そうデスか」
「ジゼラさんこそ、な、なんでこんな朝早くに?」
「昨日ハンカチを汚しテしまいまシテ。洗濯ニ出す前ニ洗ってオけばキレイにナリマス」
「あ、そ、そうなんですか」
ちゅん、ちゅん。鳥のさえずりが聞こえてくる。
ゆっくりと、太陽が部屋に差し込んでくる。
ひんやりとした風が、二人の間のもやもやしたものを吹き散らす。
二人は勤めて平静を装い、日常の朝の風景へと自らを戻す。
そう、何もなかったかのように。
そう、何もなかったかのように。
以上です。
283 :
極☆キラ:2009/03/04(水) 03:02:33 ID:e7F2Ay3o
状況だけ傍目から見たらなんだか馬鹿のようなシチュエーションになってしまいました。
それもこれも輝きゅんがかわいすぎるからいけないのです。
クソワロタwww
…………ふぅ
可愛いければいいじゃないか。男の子だって。
……そんなことを思ってしまった私はもうダメですか!?
>>283 心からこの言葉を贈ろう。
「こんなに可愛い子たちが女の子のはずがない!!」
本番まで行ってくれてもなんら問題なかったのに…とか言うと自重しろ言われそうだw
ぐっじょぶ!w
本番はジゼラきゅんが記憶をなくした後に行われるんだよきっと
ね、
>>283!
【馬鹿は勝手に続きを期待している】
もうちょっと一般的に考えよう。
輝きゅんとジゼラきゅんがお嬢様とリツに足コキされるとか。
>>283 そんなあなたにGJっ☆
何故か読んでてラスボスになった佳代子に、ポーランド的なモノが生えたのを妄想してしまった俺はハッタリに汚染されてしまったらしい。
極☆キラは、普通に輝クンが一番可愛いから始末悪いよなあ。エロ妄想もお嬢やリツじゃ浮かばないのがなんとも。
ちゃんと女キャラでエロい話に持って行くなら、お嬢の命令で、佳代子に輝クンを逆レイプ強要とか。
屈辱に泣きじゃくりながら輝クンの上で腰を振る佳代子、貞操を奪われた悲しみにやはり涙しつつも、佳代子の肉体に大量の欲望を吐き出してしまう輝クン……。
なんだ、やっぱり一番陵辱シーンが映えるの、輝クンじゃないか?(笑)
え?
陵辱するなららいか一択だろ?
293 :
yuzu:2009/03/05(木) 13:56:45 ID:IabsrFap
レス編&感想&投下予告とお詫び(笑)です。
>>274さま。
実は、出来れば戦闘にもなにかしらの仕掛けを施したいと思っていたんですが、どうしても対マスターマインド戦の二人の連携以上のものが思い浮かばなくて。
だけど、仰るとおりあれが二人のいまの最高の戦い方だというのは私も同感ですので、オリジナルの戦法を拝借させていただきました。
そして二人の濃厚ラヴ、お待たせいたしました(笑)。本番はまだまだなのですが、精一杯甘く熱いシーンを演出できるように頑張りたいと思います。
>>277さま。
やはりお約束として、クライマックスフェイズの後は、各プレイヤーごとのエンディングフェイズはつきものかと。ですのでもうちょっと続きます(笑)。大胆予想は外させてしまいましたが、以下の投下でご満足していただきたけると幸いです。
そして、感想。
極道☆キラリのお方へ。
あのリプレイは輝くんが正ヒロインだと信じて疑わない私としては、GJの一言に尽きます(そして二巻を読んで以降は、ジゼラが準ヒロインです)。
故に、ヒロインツートップのSSの登場は私的には超満足。
「男の子でも、アリだな」とほくそ笑んでいたのは秘密です。
そして、投下予告。そしてお詫びです。
前回投下終了時、「次回最終回」と銘打っていたにもかかわらず、書きたいことを全部詰め込んでいくうちに一回では済まない分量になりました……。
今回投下最後で、「続く」の文字を見ても呆れないでーっ!?
それでは、また夕方四時頃を狙って出没いたします。ではでは。
◆Ending 01◆ ――― Master Scene
T市近郊某所。
地域住民の生活に根ざした巨大な工業都市として知られる■■市の一角。
そこに、広大な敷地を厳重なバリケードで囲まれた、数棟からなる薬品工場が聳え立っている。
名前を聞けば、おそらくはほとんどの人間が耳にした事のある、某巨大製薬会社の所有物だ。
現在時刻は ――― 午後四時を少し回ったところである。
風の強い日であった。車の出入りは、ひどく少ない。
この工場がこの日初めての来客を迎えたのは、正門にある守衛所で暇を持て余していた門番が、退屈しのぎに持ち込んでいた数冊の文庫本を一通り読み終えた、そんな頃であった。
通用門前に停められたのは、黒塗りの高級車である。
あまりにも場違いな来客の登場に、そのとき門番は大いにうろたえたという。
工場を社の役員が訪れるという話は聞いていない。
一瞬、抜き打ちの視察では、とも思ったが、守衛が毎日欠伸を噛み殺しているような人気の少ない工場を、わざわざ訪ねてくるような酔狂なものがいるとも考え難かった。
それでも、重要来客であればそれなりの対応をしなければなるまい ―――
そう考え直すと制服の襟を正し、捩れたネクタイを締め直す。守衛事務所から駆け出すように飛び出した門番は、目の前でリムジンの後部座席のドアが開くのを緊張の面持ちで待ち構えた。
車のドアが、ゆっくりと開く。
「ああ、ご苦労様です。勝手に入りますから、事務所へお戻りになって結構ですよ」
不意に、間延びした、どこか人を喰ったような声がした。
それが、自分がわざわざ緊張して待ち構えていた“重要来客”の発した声だと気がついたときは、すでに「その男」は車から降りた後だった。
ひょろりと背の高い青年である。歳の頃は三十歳前後、か。
お世辞にも真面目な表情とは言いがたい、いかにも軽薄そうな笑顔。
彼は、小さな丸いレンズの嵌められた黒いサングラスを、指先で軽くつつきながら門番の横を通り過ぎていく。優男 ――― 一言で言えば、そんな容貌の青年であった。
「ちょっと、あなた」
役員来る、と勝手に舞い上がっていた自分の照れを隠すように咳払いをすると、門番は青年を呼び止めた。本社の重役とも思えないが、どうみても出入りの業者には見えない。それにしては、乗り付けてきた車が青年の若さには不相応である。
どうにも、相手の身分や氏素性を量りかねた。
とりあえずは無礼に当たらぬよう、しかしそれでも困惑気味に声をかける。
青年は自分を呼び止める声にゆっくりと振り向くと、背広の内ポケットからラミネート加工されたオレンジ色のカードを取り出した。
「入場許可証です」
それが唯一の答えだと言わんばかりに、彼はもう、それ以上どんな言葉も発しなかった。
呆然と立ち尽くし、去っていくその背中を見送ると、門番は頭を左右に強く振った。
厄介ごとも面倒ごとも御免被る ――― 無関心を装い、無関係に徹するのがなによりの処世術であることは、どこの職場のどんなポジションの人間でも変わることはない。
勤務終了の定刻まではあと一時間。
一度、青年の姿を頭から追い払ってしまうと、門番の関心事は退社までの一時間をどうやって消化するか、その一事にのみ傾けられたようだった。
※
広大な工場の敷地内をぶらぶらと歩きながら、サングラスの優男が目的地に辿り着いたのは、それからわずか十分後のことである。
工場から離れた平屋建てのその建物は、同じ敷地内であるにもかかわらず、より以上に厳重なバリケードで周囲を覆われている。
等間隔に打たれた鉄の杭に、何重にも巻きつけた有刺鉄線。十数台にも及ぶ監視カメラ。
通用門は分厚い鉄の扉で仕切られており、「研究棟 ――― 関係者以外の立ち入りを厳禁す」とだけ書かれた看板が、ひどく威圧的に来客を押し止めているかのようである。
青年は、いっさいの躊躇なく正面門を潜り抜け、誰にも見咎められることなく「研究棟」の内部へと足を踏み入れた。
白塗りの壁で覆われた無機質な建物は、その内部もひどく殺風景である。
客を迎える受付もない。目を楽しませる花が生けられているわけでもなければ、心を和ませる絵画の類いも、一切の調度品すらも置かれてはいなかった。
建物の内部のいくつかの角を折れ曲がり、青年が辿り着いた場所は、
「研究所員以外立ち入り禁止」
とだけ書かれた扉の前である。
サングラスの奥で、青年の双眸が軽薄そのものの笑みを浮かべた。
やはり、わずかな躊躇いもなく。
青年の手が扉の取っ手を無造作に掴み、無遠慮に押し開けた。
中は ――― ひどく広い。十数ものデスクが整然と並んだその部屋は、建物内部と同じく、やはり生活感のない殺風景な部屋である。
必要最低限の仕事道具として、各デスクに電話やノートパソコンぐらいは設置されてはいるのだが ――― それ以外の余計なものが、驚くほどに一切排除されていた。
そして室内には、デスクの数に倍する人数の研究員たち ――― 年齢も性別も多岐に渡る ――― が、機械仕掛けの人形のように、黙々と己の職務に従事しているのである。
あるものは凄まじい速度でパソコンのキーを叩き。
あるものは複数の電話で矢継ぎ早にどこかへと指示を出し。
またあるものは手にした分厚い書類の束に、まるで速記者のようにペンを走らせている。
青年の入室に気づいたものはいない。
いや、彼の登場になんの関心も払っていないと言ったほうが正確かもしれなかった。
そんな彼らの機械的な仕事の様子を、青年は満足げに見渡すと、大仰な、芝居がかった仕草で両手を大きく拡げ、大きな音を立ててその手を打ち鳴らした。
ぱたり。
一斉に、所員たちの動きが止まり、無粋な物音を立てた闖入者に視線を送る。
自分に注目を集めておいて、ようやく青年は彼らに声をかけた。
「セントラルドグマからの通達をお知らせします、プロジェクト・ヴェノムの皆さん」
青年 ――― FHエージェント“ファートゥム”と呼ばれるその男は、満面の笑みを惜しげもなく彼らに振りまいた ―――
※
◆ Ending 02◆ ――― Scene Player ――― 玉野椿&高崎隼人
病院からアパートまでは、車でわずか二十分ほどの道程であるはずだった。
その二十分の間に、自分はどれだけぐっすりと寝入ってしまったのか、と後でひとしきり首をひねってしまうくらい、椿の眠りは深いものだったようである。
自分の名前を呼ぶ声と肩を揺すられる感覚に、ぼんやりと顔を上げる。
見慣れない顔の女性が苦笑しながら自分の顔を覗き込み、「お目覚めですか」と呼びかけた。
まだ目覚めきらない椿の頭の中で、この女性は誰だったかしら、という疑問が沸き起る。
しかしその直後に、彼女が自分をここまで送り届けてくれた支部のエージェントのひとりであることを思い出し、慌てて椿は跳ね起きた。
「随分とお疲れだったので、起こそうかどうか迷いました」
そんなことを言われてしまう。大いに恥じ入り、かつ赤面しつつ、椿は彼女に頭を下げた。
「す、すいません。いま、降ります。送っていただいてありがとうございました」
後部座席から逃げ出すように降り、もう一度深々とお辞儀をする。
しばらくゆっくりされたほうがいいですよ、との言葉を残して彼女が車で走り去ると、椿は無意識の内に止めていた呼吸を深々と吐き出した。
「いくら疲れているからって………私………」
なんだか少し情けなくなる。
彼女の苦笑いは、しばらくは椿の脳裏から離れてくれそうになかった。軽い自己嫌悪に陥りながらも、とりあえずは自室へ戻るために錆び付いた鉄製の階段で二階へと昇る。
いまはきっと、身体も心も休息を必要としているはずだった。制服のポケットから鍵を取り出してドアを開けると、椿はようやく久しぶりの仮住まいへと帰還した。
玄関口で靴を脱ぎ、自分ひとりだけの空間を確保すると同時に、
(ああ、やっと任務がすべて終わったんだ)
そんな実感がひしひしと沸き起こってくる。思えばすでに三週間もの長い時間を、このT市で過ごしていたのだ。このアパートでの暮らしもあと数日で終わるのだ、と考えると、それなりの感慨も沸いてくる。
「ふう………」
T市支部の混乱は、まだしばらく続くだろう。支部長がFHのエージェントとして死を迎えたという事件の結末は、この一件に再度の調査と、更なる後始末とを必要とするはずであるからだ。
自分も隼人も、支部からの要請があればそのサポートをすることになるに違いない。
事件が完全に決着したとの判断が下されるまでは、日本支部長代理の藤崎からも、長期滞在の許可(というよりは命令)が下りるのは間違いのないことのように思われた。
だが、少なくともいまこのときは、平穏な日常への帰還を果たしたのだ。
張り詰めていた緊張の糸がプツリと切れ、肩から力が抜ける。
椿が制服のネクタイを緩めようと、襟元に手を伸ばしたとき ―――
彼女に“それ”が訪れた。
トクッ。トクトクッ。トックン、トックン。
心臓が高鳴る。脈拍が上昇する。
いままでも、「任務」という極度の緊張状態から解放され、「平穏」という日常に戻ってきたとき、椿がいつものように感じていた“あの”感覚が、このとき突如として彼女に襲い掛かってきた。
疼く。全身が熱を帯びる。
身体の奥底から沸々と込み上げてくるものの正体に、椿はすぐさま気がついた。
欲情 ――― 制御できないほどに強烈な、欲情である。
廃倉庫の戦いのとき、フィーストのエフェクトによって無理矢理告白させられた自らの言葉が、椿の脳裏に甦る。
自らの性生活 ――― 任務や戦いの後は身体がどうしようもなく火照ってしまい、自慰をせずにはいられなくなる、という椿の隠しておきたかった秘密。
突然、“それ”はいつもの通りに訪れ、そして“いつも以上”の激しさで、椿の心身を昂ぶらせ始めたのである。
「あうっ………な、に………これ………」
ガクガクと膝が笑う。立っているのもやっとの状態。呼吸が乱れ、頬は紅潮し、視点が次第に定まらなくなる。悪い酒に酔ったような眩暈と脱力感に、椿はその場で膝をついた。
これほどまでに、任務の後で「欲しく」なった経験はかつての椿にはなかったことである。
抑えがたい欲望の発露に戸惑いながら、椿は自らの肩をギュッと力強く抱きしめた。
「ど、うし、て………ここまで………」
困惑の呟きを漏らしながら畳の上に倒れこむ。
椿はいまだ完全には理解していない。
かつての自分の身体といまの自分の肉体は、もはや明確に“違うもの”なのだということを。
任務の後、戦いの後に、己の肉体が張り詰めた緊張からの解放を求めて「自慰」を欲する。
それは、かつての自分もいまの自分も同じである。
しかしいまの椿は ―――
「自慰」ではなく「性交」の快楽を、すでにその身に覚えこまされていた。
フィーストによる陵辱。擬似男性器によって与えられた絶頂。
本物のセックスの快楽。自慰では味わうことの出来なかった悦楽。
非オーヴァード同士の交わりでは到底成すこと叶わぬ、異常性交による極限の法悦境。
そんな彼女の肉体が求める解放への欲求は、かつてよりもずっと、激しいものだった。
「ん、んふっ………」
畳の上にうつ伏せになった姿勢で、椿の腰だけがググッ、と持ち上がる。
天を突き上げるように、引き締まった尻が高くせり上がり、思い切りスカートがはだけたせいで、下着は完全に露出してしまっていた。
純白の、飾り気のない下着。その中心に隠された恥丘はぷっくりとした膨らみを見せ、すでに湿り気を帯びているのが布地の上からでも明らかだった。
「だ、め………こんな、ところで………」
唇をきつく噛み締め、ようやくのところで自制する。
ベッドまで歩く手間すら惜しんで、こんな場所で自らを慰めてしまおうとするなんて。
そんなに私は“欲しい”のか。そんなに“あれ”が待ちきれないのか。
服を脱ぐ余裕もないほどに自慰による快楽を求めるなんて、これではまるでケダモノではないか。
「そ、れだけ、は………」
それだけは自尊心が許さなかった。
頬を赤く染め、呼吸を荒げながらも、必死の思いで椿は立ち上がる。
「はうっ………!?」
椿の唇から甘い呻き声が漏れた。
全身に拡がった火照りが、肉体の感度までをも著しく上昇させているのだろうか。
膝を立てた拍子に下着の布がずれただけで、制服のブレザーが着崩れただけで、肌を擦るその感触が、あまりにも容易く快感へと変換されてしまう。このままでは、ただ歩いているだけでも身悶えてしまいそうだった。
「はやく………なんとか、しない、と………」
足を引きずるようにして、よろめくようにベッドへと歩み寄る。
情けなくも恥ずかしい話ではあったが、この状態から脱するには自らの肉体を思うさま慰めるしかなかった。一度絶頂を迎えて、欲求を発散させるしかなかった。
かつての経験から、椿はそれが一番の欲求鎮静の近道であることを知っている。
ベッドまでは、本当にわずかな距離だ。
だが、いまの椿にはこの短い距離が異様に長いものに感じられた。
激しく動けば、その刺激が椿の肉体の奥底に渦巻く情欲を暴発させてしまいそうだった。
ゆっくり、にじり寄るように、数センチずつしか歩めないのが、泣き出したくなるほどにもどかしい。
(あと、少し………せめて、ベッドの上で………)
砂漠で水場を求める旅人のように前へと手を伸ばす。後はただ、倒れこむだけでそこはベッドの上だった。解放の刻を目前に、かすかな安堵の笑みを浮かべる椿。しかし。
コン。コ、コン、コン。
思いがけず響き渡ったノックの音に、背中に冷水を浴びせかけられたような錯覚を覚え、椿の身体が硬直する。熱病のように全身を冒していた熱気が一気に冷え、椿は急速に我に返った。
(だ、誰………?)
自分は可笑しな声を上げていなかっただろうか。大きな声を漏らしてはいなかっただろうか。
もしかして、戸外に届いてしまうほどの大きな喘ぎ声を出してはいなかっただろうか。
椿は、両手で自分の口をしっかりと押さえ、必死で息を殺している自分に気がついた。
目尻に涙が浮かぶ。がくがくと、羞恥と恐怖に全身が瘧のように震えだす。
おそるおそる、自分の背後 ――― ついさっき自分が閉めたばかりの玄関のドアを、椿は振り向いた。
コン、コン、コン。コン、コン、コン。
再び、ノックの音。さっきよりも激しく、それは急かすように鳴らされる音だった。沈黙を守る椿の耳に、玄関の向こう側の来客の声が聞こえたのは、それからすぐのこと。
「椿、帰ってきてるんだろ?」
ぎくり、と椿は身を震わせた。
(隼人………ど、どうして………?)
それは、ついさっきまで一緒にいたパートナーの声であった。ゆっくり、口元から手を離す。
病院から戻ったばかりで椿がアパートに不在でいるはずはないのだから、隼人の来訪は自分がいることを確信してのものであるはずだ。居留守を使うことなどできるはずもなかった。
「は、隼人………? どうしたの? 自分のアパートに、戻らなかったの………?」
なんとか、平静を装うことができた ――― と思う。声も、思ったほどには震えてはいなかったのではないだろうか。
「ああ、やっぱり帰ってたか。悪いけど、少し、話できるか?」
隼人にしては珍しい、椿を気遣うような控え目な言葉遣いであった。まさか、ここで無下に追い返すわけにもいかない。
「ち、ちょっと待ってて」
あまり待たせるのも不審に思われるであろう。乱れたブレザーを手ではたき、ネクタイを締め直しただけの簡単な身嗜みを整えるだけで、
「か、鍵は開いてるから、入っていいわよ」
努めて冷静な声で、椿はそう言った。部屋の主の許可を得て、控え目に玄関のドアが開く。
ゆっくりと顔を覗かせた隼人の表情は、なにかを怖れるように強張っていた。
「………じゃ、上がるぞ」
隼人はそう言いながら、玄関で靴を脱いだ。椿の表情を窺うと、その顔の強張りがわずかにほぐれたようだった。
「………倒れてたりでもしてたら、どうしようかと思ってたんだよ、実は」
隼人が、そんな意外なことを言った。
「………え?」
「だってお前、様子がおかしかったからさ」
照れ臭そうに頬を掻きながら、隼人は椿の顔色を心配しているようだった。
確かに、病室での戦いが終わった後の自分の態度は、他人に心配をかけるようなものだったのかもしれない、と初めて椿は思い至る。
病院の個室で三日間の静養を終えた直後の、マスタークラス・エージェントとの激闘。
自分の疲労や戦闘のダメージを気遣って「無理するな」と声をかけてくれた隼人に対して、そういえば私は随分と素っ気無い返答をしたものだった ――― 今さらながらにそう思う。
そんな椿を案じて、隼人は病院から自分を追いかけてきてくれたのであろう。
自分だって休息が必要な身体であるはずなのに、アパートに帰ることよりも椿の様子を確認することを選んでくれたのである。
おそらくは、椿同様に自分のために車での送迎に来たエージェントへ、隼人は帰り先の変更を言い渡したのに違いなかった。
「もしかして、私………そんなに心配かけた………?」
なんだか急に申し訳ない気持ちになって、椿が隼人に問うた。
「別にそんなんじゃねえけど ――― 」
椿の無事を確認したことで気が緩んだためか、それとも安堵したためか。
いつもの気のない返事をしながら、隼人は椿の部屋へと上がりこんだ。
どこかふてくされたようにそっぽを向いたのは、自分が椿の身を気にかけすぎていると思われるのが気恥ずかしかったからであろう。
「ごめん。今回は、隼人に迷惑かけた ――― 助けてもらったりもしたものね………本当にありがとう」
不思議と、素直に椿の口から謝罪と感謝の言葉が溢れ出した。
今回の一件に関しては、隼人に助けられてばかりだったような気がする。もっと言えば、自分にはなにひとついいところがなかったのではないだろうか。
「そんなことねえだろ。結局、マスターヴェノムの正体を見破ったのは、お前なんだから」
そこまで言って、隼人はしまった、というような顔をする。椿の表情が曇ったことに気がついたのだ。
マスターヴェノムの正体を突き止めたこと ――― すなわちそれは、あの優しかった支部長を敵として告発したということである。それは必要なことには違いなかったが、このことが椿の心に決して小さくはない傷を残したことも確かなことだった。
「………悪い」
慰めの言葉としては相応しくなかった、と隼人も思ったのだろう。
「ううん………なんだか、今日は二人して謝ってばっかりね」
隼人に気を使わせたくなくて、椿はわざと明るい口調でそう言った。
「………そういえばそうだな。もう、よそうぜ。なんか、俺たちらしくねえ」
苦笑しながらお互いに顔を見合わせる。
「そうね、もうやめましょう………じゃあ、隼人も座って? せっかくだからお茶くらい出すわよ」
「ペットボトルの、か?」
からかうような隼人の口調にわずかに眉を吊り上げ、しかし椿はすぐに表情をほころばせた。
T市に着任したばかりの頃、作戦会議をこの部屋で開いたときに、同じようなやり取りをしたことを思い出したのである。
文句があるなら出さないわよ、とわざと意地悪な口調で切り返し、椿は小さな冷蔵庫からペットボトルの緑茶を二本取り出した。
あぐらをかいて座る隼人に一本を手渡すと、自分も彼に向き合うように座る。
と ―――
くちゅっ。
座った拍子に、冷たく濡れた感触を椿は思い出す。
隼人が来訪する直前まで、自慰の快楽を期待して濡れに濡れていた股間が、座った拍子に湿った音を立てた。
しまった ――― 椿はその瞬間愕然とする。
その水音はごく小さなもので、その音が隼人に聞こえた心配はない。
問題なのは ―――
椿が、さっきまで感じていた抑えがたい情欲の記憶を呼び覚ましてしまったことであった。
トクン。トクン、トクン、トックン。
胸が高鳴る。心臓が血液を大量に全身へと送り出す。荒くなりかけた呼吸音を悟られぬように息を止める。かすかな動作で起こる衣擦れだけで、衣服が肌に擦れるだけで、その部位が熱を持つ。
紅潮していく頬。潤む瞳。目の前に隼人がいるというのに ――― いや、隼人がいるからこそ、椿の情動は再び抑えが利かなくなり始めていた。
極度に鋭敏さを増した五感が、隼人の存在を否応なしに椿へと伝える。
聴覚が隼人の呼吸音を捉え。
視覚が隼人という「男性」の姿を捉え。
嗅覚が隼人の体臭を捉え。
椿は、あまりに身近で感じられる隼人の存在感に、目が眩みそうになっていた。
「………椿………?」
呼びかける隼人の声が低いものになった。さすがに眼前の椿の異変に気づかないわけはない。
椿の頬は赤く、目は虚ろで、呼吸は乱れている。
それは一見すると高熱にうなされているかのようで、隼人が思わず腰を浮かし、椿に向かって手を伸ばしたのも無理からぬことであった。
「………!?」
隼人の手が自分に伸びてきたのをかろうじて察し、椿は息を呑む。
本能的に身をかわそうとして成しえず、よろけるその身体を支えようと隼人が椿の二の腕を掴んだ瞬間 ―――
「ふぅんっ、んあぁぁぁぁっ………!」
鼻から抜けるような甘ったるい悲鳴を、椿はついに止めることができなかった。
畳に膝をつき、隼人の手に腕をつかまれたままの姿勢で、椿は白い喉をのけぞらせていた。
敏感な身体に触れる掌。たとえそこが性感帯とは程遠い二の腕であっても、いまの椿にとってはその接触自体が致命的であった。
掴まれた腕から全身へと拡大していく熱。熱と同時に拡がる甘美な痺れ。隼人の体温。伝わる温もり。すべての刺激が、身も心も蕩かすような心地良さへと変換されていく。
そして視界が一瞬白熱し ―――
気がついたときには ――― 椿は隼人の胸に顔を埋めていた。
隼人の制服のブレザーを、皺になるほど固く握り締め。
彼の胸の中で呼吸を荒くしながら、完全に我が身を隼人に預けてしまっていた。
鼻腔をくすぐる隼人の匂いを肺一杯に吸い込む。かすかな汗の匂い。彼自身の体臭。頭がくらくらとなり、脳そのものが揺さぶられるような感覚に椿は酔っていた。
「つ、椿………」
突然しがみついてきた相棒の姿に戸惑う隼人。
自分の胸の中で、肩で息をするようにしながら身を震わせる椿の、意外な身体の細さと、それに反するように柔らかな少女特有の肉体の弾力に、隼人の思考も停止する。
名前を呼んだきり、身動きが出来ない。椿の身体を受け止めたものの、それからどうしたらいいのかが、隼人にも分からなかった。
戦いの最中、身体を預け、支え合うといった接触は今までにも幾度かあったことだ。
だが、いまの椿の行動はそれとは明らかに違う。椿の行動は戦いのパートナーとしてではなく、ひとりの少女としてのそれであり、隼人のことをもひとりの「男性」として捉えた抱擁であった。
「………ごめん………ごめん、隼人………」
ぽつりと椿が呟いた。まだ巣立つことも出来ない、生まれたばかりの小鳥のように身体をわななかせながら、椿は隼人の胸の中で小刻みに、カタカタと震えていた。
謝罪の声も小さく頼りなく。それは、ほとんど泣き声に近かった。
沸き上がる欲情を抑えられなかった自分。隼人に腕を触れられただけで甘い歓喜の悲鳴を上げてしまった自分。わけもわからず隼人に抱きついて、彼の“男”の匂いに酔いしれている自分。
そのすべてが、激しい羞恥と後悔とを椿の心中に呼び起こす。
だが、しかし。
込み上げる肉体の作用はもはや理性だけでは止められず。どれだけ椿が自制しようと努力をしても、溢れ出した情動は制御しきれない領域にまで押し上げられてきていた。
触らなくても分かる。
自分の身体のことだから、いくら否定し、目を背けようとしても分かってしまう。
濡れた下着の冷たさは、いつしか新たな温もりに取って代わっていた。
それは言うまでもなく、椿の脚の間から分泌する液体のほとばしりがもたらす温もりであった。
とろり。とろり、と。
愛液が、汲めど尽きせぬ泉のように溢れ出し、より以上に椿の股間を湿らせていく。
その分泌量はもはや、下着程度の小さな布切れ一枚では吸収できないほどである。
下着と肌の隙間から余計に溢れ出した分の愛液が、椿の太腿を濡らし、畳の上にぽたぽたと染みを作る。
椿ははらはらと涙を流しながら、肉欲に流されてしまいそうになる自分を抑えようと、必死で歯を喰いしばっていた。
きっと、軽蔑される。
突然こんなあられもない姿をさらし、はしたなく下着を湿らせながら身を寄せてきた自分のことを、隼人はきっと軽蔑するに違いない。
隼人の胸にしがみついたままでいるのは、もはや身体の疼きのせいではない。
恥ずかしくて顔を上げることもできず、隼人と目を合わせることが出来ないからだった。
こんな形で、私たちは終わってしまうのだろうか ――― こんな形で、パートナーを解消することになってしまうのだろうか ――― 椿の思考はそこまで飛躍する。
嫌だ。そんなのは嫌だ。
こんな最後なんか絶対に望んでいないはずなのに、それでも隼人の身体から離れることの出来ない自分の浅ましさが、心底恨めしかった。しかし。
「俺も ――― あるから」
不意に、頭の上からそんな言葉が降ってきた。口ごもるように、少し躊躇うように。
そして己の言葉を恥らうように、隼人はそんなことを言った。
「隼人、も………? 」
隼人の胸に顔を埋めたまま、椿が震える声で問う。
「ああ。いまのお前がどういう状態なのか………いまやっと気づいた………悪い………お前も知ってると思うけど、デリカシーとか、俺、そんなもんねえから」
少なくとも隼人の声色に椿を蔑む色はない。むしろ、それはどこか椿の心身をいたわるような優しい響きと、パートナーの不調に気づくことの出来なかった己の不明を恥じているような色合いが濃かった。
「だから、わかった。俺も、そういうのしょっちゅうあるから。その………任務の後とか………変に興奮しちまうっていうか………抑えきれないモンが溢れちまう感じ………よくわかる」
だからお前だけがおかしいわけじゃない。俺もお前と同じだ、と。
隼人はそう言っているのだった。
「だから」
なにか意を決したように、一度言葉を切る。
「そうなっちまうと………俺も、自分でその………しちまうんだ。何度も、何度もさ………自分でも驚いちまうぐらい、何度でも」
それは隼人の気遣い。いや、多分優しさであったのかもしれない。
誰でも心の奥底に秘めている衝動や欲求は、なにも特別なことではない。
体内にレネゲイドウィルスという、いつ爆発してもおかしくない不発弾のようなものを抱え込んでいる自分たちオーヴァードならばなおさらであろう。
だから、お前だけが特別なわけじゃないのだ、と。隼人は自ら、心中にある秘め事を告白することで、椿と同等の立ち位置まで降りてきてくれたのだ、と思う。
抑えきれない欲望も。抱え込んだ心の闇も。
そのすべてを共有することで初めて、お互いを対等のパートナーと呼ぶことが出来るのだ、と。
隼人は、言外にそう言っているのかもしれなかった。
染み入る。隼人の言葉が、心遣いがじんわりと椿の心に染み入ってくる。
このとき、初めて椿は、肉欲でも情欲でもない熱い滾りが、自分の心身を満たしていくのを感じていた。そして ―――
顔を上げて。ようやく真っ直ぐ隼人の顔を見ることができて。
そして、二人の視線が絡み合ったそのとき。
椿は、隼人の瞳にもなにか熱いものが込められているような、そんな気がした。
どちらからともなく互いの顔と顔が近づく。触れ合ったものは、二人の唇。
長い、随分と長い時間をかけて、椿は隼人の、隼人は椿の唇を味わった。
「………ふう」
相手を接吻の呪縛からようやく解放し合い、ふたりは同時に熱い吐息を漏らしていた。
「隼人………ごめん………なんだか、自分のために隼人を利用しているみたい………」
「ゴメンは、ナシだって言ったろ………相手を利用するとか、ましてや同情とかじゃねえんだ。これは言ってみりゃ ――― 」
「?」
数瞬の沈黙の後、隼人は椿の制服の襟元に手を伸ばし、どこか気恥ずかしそうに付け加える。
「パートナーシップ………それでいいと、俺は思うぜ?」
不器用な誤魔化しの台詞。もしかしたら苦しい、言い訳。それでいて、お互いに寄せる気持ちはどこまでも優しく。
椿は、隼人の言葉にようやく泣き顔をほころばせると、彼の首にゆっくりと両腕を回す。
少年と少女の身体が重なり合い、もう一度、二人は深い口づけを交し合った。
晩秋の宵闇が、アパートの中を暖かく薫る淡い闇で包み始め ―――
二人の ――― 二人だけの時間が、舞い降りてきた ―――
(To Be Continued)
302 :
yuzu:2009/03/05(木) 16:19:08 ID:dC2Jkg9m
投下終了です。
きっと次回が最終投下………のはず!
それでは次回のお目見えまで。
ではでは〜。
GJすぐる
取り敢えずラブくしめてくれるんですね、最高です!!
アライブシリーズに鬱なエンドは哀しすぎるから
アライブじゃねぇorz
正直済まんかった
キタ、エロつばキングキタ、これで勝つる!1!!1!
いや、雰囲気もばっちりで、最終投下が楽しみです!
…しかし、この後任務終る毎に…とか考えるとだな。
お前らとっとと結婚しちまえってばw
ちゅわけでグッジョブです!最後の投下待ってますよー
隼人さんのかっこよさと泣くつばきんぐの可愛さに
全俺がスタンディングオベーション。
誠にGJですー。最終投下、期待してお待ちさせていただきます。
エロカッコイイと言わざるを得ない
素晴らしすぎる。
二人の大ファン(というか椿の大ファン)の俺としては、
この二人のラブエッチは待ち望んでいた物ですよ。GJGJ!
>しかしいまの椿は ―――
>
>「自慰」ではなく「性交」の快楽を、すでにその身に覚えこまされていた。
―――挿入「する」悦びを
隼人の後ろの処女がピンチでチャンスです。
エグザイルだけにやはり股間に生やすのか。
隼人はモルフェウスだからな、どんな道具だって作れるぜ
>>312 二人組めばどんなプレイも思いのままか・・・・
(ゴクリ
椿には融合があるからな
エロでは神だなマジで
文字通り二人は一つになるのか
《融合》まで逝くと、エロではなくグロな気もするが…
…ただのギャグなんだよな。
>>ナチガメッシュ
つまり、ツバキングと隼人がいれば、ツバキングダム再建も夢ではないのだな!?
ヒャッハー!待ちわびたぜぇぇぇぇ?!っていうかマジで濃厚純愛エロきてるしー!www
もう……そんな貴方が大好きだーww
しかしさりげなくヴェノムチームにも何か動きがある模様で先が本当に楽しみで仕方ありません……GJッッ!
発情したつばキング可愛いよつばキング!
む、待てよ隼人も椿と同じって事は下手したら任務終わって同じ時間に互いを妄想してオナニーしてた可能性も……ぐぐっ、オラ侵食率200%越えそうでワクワクしてきたぞw
椿の融合は糸を相手に撒きつけて動きをトレースしたり補助したりするイメージ
つまりですね、挿入した状態でさらに擬似触手プレイを……
セルフ触手プレイとな?
融合してフタナリ少女になった上にセルフ触手プレイでゴザるかー
説明しよう!ソニックブレードは早いのだ!
>>322 こいのぼりがぶかにしたそうにあなたをみている
>323-322
ぶかになりますか?
→はい
いえす
回数で補うファルコンブレード。
>325
だからこそのマシラの如くですねわかります
対象にカバーリング要員がいなくなってから《マシラのごとく》を使用、
次のラウンドで《ライトスピード》を使うのが常道
むむー、今し方
>>321方面から
「ヴィオレット48の秘密機能その5・機械型触手によってエロく マスター認証される(犯される)柊蓮司(女体)」
とゆー電波をキャッチしたー。
……だがおいらは眠いから寝る。おやすみ。
>>317 >ツバキングダム再建
待てw かつてあったのかツバキングダムw
ツバキングダム。
それは、ジャイアントグロウス3Lvを取得して女体の膨らみを増量し、肉体能力値10の名に恥じぬムチムチでエロチックな肉体美を誇る椿が統治する、永遠の理想郷。
いや、あるんだって、マジで! 俺、見たもん!
【バカは、自分の見た夢を実際に見たものだと妄想した】
うむ、200万からのつばキングが住み、地中海に一大勢力を誇った王国だ。
「モケケピロピロ」との挨拶がそこら中で行き交う、とても平和な王国だったのだ。
そんな栄華も、一瞬にして滅ぶのだから、世の中のなんと儚き事よ。
よもやキングの「もう飽きた」のたった一言で終焉を迎えるとは……
床夜の、もとい常世の夢みたいな国だったのになぁ
女の子なのに、キングとは是いかが事か
もしかしてフタナ(ryパーン
335 :
yuzu:2009/03/09(月) 03:45:26 ID:WqklySds
随分面白い流れになってきてますけど(笑)投下に参りました。やっと最終回です。
では、少ししたら来ま〜す。
◆Ending 03◆ ――― Master Scene ―――
※
広く無機質な研究室の中で、誰かがひとつ、小さな溜息をついた。
面倒なことを ――― そんな呟きを、別の誰かが漏らす。
自分たちの研究、自分たちの仕事、自分たちの日常、自分たちの平穏 ――― 愛すべきそれらのものたちを掻き乱して、突如として登場した闖入者を、幾十もの視線が刺々しく貫いた。
だが、非難の視線を向けられた当の本人 ――― FHエージェント“ファートゥム”は、さらりとそれらを受け流す。
「――― 少し、休憩にしようか」
どこか諦念に満ちた声で、また別の誰かが言った。
研究者たちがいっせいに動きを止め、機械的な動作で身支度を始める。
分厚い書類の束をデスクの引き出しにしまうもの、携帯電話の電源を落とすもの、ノートパソコンのディスプレイを閉じるもの。
ここで休憩時間を設けるのには、おそらく二つの意味がある。
ひとつは、ファートゥムの登場によって弛緩を余儀なくされてしまった研究者たちの緊張感を、どうせならば休憩を取るという形で息抜きの時間にしてしまおうという合理的判断。
そしてもうひとつは、「貴様の要件は休憩時間程度の間に済ませてしまえ」という、言外の意思表示である。
それを知ってか知らずか、
「申し訳ありません、お手間を取らせてしまいまして」
軽薄そのものの笑いを含んだ声で言い、ファートゥムは会釈を返した。
研究者たちは、あるものはコーヒーを、あるものは煙草を手にしつつ、思い思いの休憩スタイルでファートゥムの次の言葉を待っている。
満足そうに頷くと、観客の注目を集めた壇上の演者を気取るように、勿体をつけた口調でファートゥムが言葉を紡ぎ始めた。
「まずは通達に先立ち、ご報告を」
ファートゥムは、そこでこの場の全員をゆっくりと見回した。
「以前皆さんのチームから独断で離脱し、T市FHセルに潜伏中だった▲▲氏が、かの市における単独活動の末、UGNチルドレンに討ち果たされました」
その言葉に対する返答は一切ない。答えの代わりに、完全なる沈黙があった。
その静けさは、もたらされた情報による驚愕のためではない。その件に関する一切の関心を、この場にいる誰もが持ち合わせていないことを証明する沈黙であった。
そのとき初めて、ファートゥムの表情に変化が起きる。
うすら笑いがわずかに影を潜め、目をかすかに見開くと、おや、というような顔をした。
「………加えてご報告を。それに続き、T市UGN支部長 ――― つまり、貴方がたの代表たるマスターヴェノム女史も、件のチルドレンたちに正体を突き止められ、同様に討ち果たされました」
やはり、沈黙。言うまでもなく、それは完全なる無関心の証である。
その反応にいよいよ拍子抜けしたものか、さすがにファートゥムも身を乗り出して、研究チームのメンバーたちへと不審の視線を向けた。
「………これは、つい一時間ほど前のことなのですが ――― もしかすると、すでに知っておられましたか?」
通達者の醍醐味 ――― それは自分のもたらした情報を、聞くものが意外な反応で受け止めてくれることである。ここまで徹底した無関心ぶりに、すでに自分に先駆けて情報を入手していたのではないかとファートゥムが訝るのも無理からぬことであった。
「いいや、いま初めて聞いたことだが。それで、それがどうかしたのかね?」
初老の男の声が問う。
「まさか、そんな報告をするためだけに、私たちの仕事の手を止めたわけではありませんよね」
別の場所から飛んできた剣呑な声は、まだ歳若い女のものだ。
それを皮切りに、チーム・ヴェノムの研究者たちが口々に非難の声を上げ始める。
「彼は、どうも我々に対する理解がまだ足りないようだよ」
「死んだからなに? それが、僕らの研究になんの支障があるっていうの?」
「勿体つけるほどの情報じゃあなかったな。つまらん」
突き刺さる視線。非難の目、また目。
さすがのファートゥムが両手を上げ、まるで取り繕うように言葉を続ける。
「ああ、これはただの話の前振りです。本題は別に、きちんとセントラルドグマからの通達事項はありますから、どうか聞いていただきたい」
離反した同僚の死に動じないのはまだしも、自分たちを束ねていた指導者たるものの喪失すらも重大事項と捉えない思考回路 ――― これが、ヴェノム・プロジェクトに選ばれた者たちか。
ファートゥムが、ひとつ咳払いをした。
「マスターヴェノム倒れる、の報を、セントラルドグマは重く受け止めております。つきましては、至急彼女の後任を選出し、今後の活動に支障が出ないようにしていただきたい」
ファートゥムの言葉に、先ほどまでのざわめきが掻き消えた。
辺りが本当に水を打ったように静まり返る。研究所内の空気が明らかに一変し、苛立ちの刺々しい雰囲気は、いつしかあからさまな敵意へとすり替わっていた。
「本当に認識が足りないのだな。ああ、これは君ではなく、君の“飼い主ども”が、だが」
始めに声を発した初老の男の声が言う。
「そもそも、我々がセントラルドグマの通達を聞かねばならぬ謂れはない。チーム・ヴェノムの成り立ちは、彼らと対等の立場の元に始まったのだ。マスターの称号など便宜的なもの。いわばただの記号に過ぎぬ」
「気に入らないのはさあ。彼女たち二人がいなくなったぐらいで、僕らの活動に支障が出るって思われてることだよねー。ホント、頭くるー」
「俺たちのことを自分たちの部下だとでも思っているのかね。それともパトロン気取り?」
「研究の成果を献上しますから資金援助を、などと言ったことは一度としてないはずだけど。お金なら出しますから研究の成果の“おこぼれ”を頂きたいって最初に言ってきたのは彼らのほうよ」
どうにも雲行きが怪しくなってきたのを、ファートゥムも敏感に察知する。
彼らには、他のエージェントのようなセントラルドグマに対する畏怖の感情が、完全に欠落しているようだった。
「確かに。確かにそれはごもっとも。仰ること、よく分かります。ですが、これはお互いの連絡を密にするためにも必要なことだということをどうかご理解いただきたい」
機を見るに敏。
へりくだり、下手に出ることなど、ファートゥムにとって毛ほどの痛痒も感じることではない。
「つまりは、窓口がいなくては困るのだ ――― と、始めからそう言えばよい。通達などと大仰なことを言わずとも」
初老の男のそんな声がすると同時に、場を支配していた敵意が沈静していく。
敵意を静めたというよりは、やはりファートゥムやセントラルドグマに急速に関心を失ったという言い方がより正確なようであった。
「では、後任を選出するとしよう。誰か ――― ?」
どうやら、マスターヴェノム不在の現在、チームの主導権やこの場での発言力を他よりも有しているのは、この男のようである。
「 ――― 立候補がいないなら、私がやりましょうか?」
研究者たちの人ごみの中。集団の一番端のほうで、肩を縮こまらせながらコーヒーを飲んでいた小男が、遠慮がちに手を上げる。
貧相な体躯。こけた頬に無精髭。手入れのされていない髪によれよれのスーツ。そしてその上から、皺だらけの白衣を身に纏っている。
歳の頃は、四十になるかならぬか、と言ったところであろう。
「 ――― 決まりだ」
リーダー格の初老の男が両手を打ち鳴らしながら立ち上がった。
「そろそろ休憩を終わるとしよう。各自、自分の職務に戻ろうか」
その言葉を合図に、白衣の人影が一斉に立ち上がり、めいめいの作業を再開し始めた。
研究の時間を割くようなマスターの称号など、彼らにとっては重荷に過ぎないのであろう。
奇特な立候補者が現れたことで、研究員たちの脳裏からは、ファートゥムのこともセントラルドグマの通達も、その瞬間から完全に忘れ去られたようであった。
あまりにも後任の決定が円滑に ――― いや、適当に行われたことで、さしものファートゥムが席を立つことを一瞬躊躇った。
それほどに、自らの研究以外のすべてに関する徹底した彼らの無関心ぶりは際立っている。
そんなファートゥムの眼前に、ひとりの男が歩み寄った。
「いやいや、失礼しました。通用門まで、お送りいたしますよ」
貧相な小男 ――― 新しい、“マスターヴェノム”が、ファートゥムに親しげな笑みを投げかけた。
※
※
「話の通じる方がいて、助かりました」
研究所内の廊下を歩く二人の男。
言うまでもなくそれは、ファートゥムとマスターヴェノムの二人であった。ぴりぴりと肌を刺すような緊張感から解放されたのは相手も同様のようで、首筋のコリを自らの手でほぐしながら、
「あの方たちはね、なんせ、ああですから」
苦笑しつつも、マスターヴェノムが相槌を打つ。
「私はね、こう言ってはなんですが、セントラルドグマの意向をないがしろにするつもりはさらさらありません。組織の強大さも、彼らの恐ろしさも、“認識だけは”しています」
聞き様によっては自らを卑下するような物言いで、彼は言う。
「どうもうちらは、両極端なんですなぁ。あの方たちは確かに優秀な研究者だが、世間というもんを知らなさ過ぎる。逆に、前任の『彼女』は世慣れすぎていて、学徒としての冷徹さが少し足らなかった」
バランスってやつは大事でしょう、と、横を歩くファートゥムを見上げ、同意を求めるように呼びかける。
「ですからね、要請があれば出来る限りのご協力は惜しまんつもりです。あの方たちの無礼はこの通り、私の顔に免じてやってください」
卑屈な言葉。卑屈な笑顔。随分とよく喋る男であった。
それは、誰よりも人間臭く見える表情と仕草であったが、その奥底に眠る醜悪さも、誰より強烈な腐臭を放っているようで。
「研究の成果はね、定期的にそちらさんへご報告しますよ」
その言葉の端々には、いちいち追従の匂いが漂っている。
「それは助かります」
ファートゥムも、いつしか普段の薄ら笑いを取り戻していた。
二人の会話にひとつの区切りがついた頃、ちょうど彼らは研究室の建屋を抜け、工場敷地の戸外へと出たところであった。
「お手数でした。お見送りはここまでで結構ですよ」
マスターヴェノムを振り返り、ファートゥムが言う。小男の顔に浮かんだ卑しい笑みは、決して消えることはなく、ますます深みを増している。
ふと、なにかを思いついたように、
「ひとつ、お聞きしても ――― ?」
ファートゥムがそう尋ねた。
「貴方はどうも ――― 彼らの中では異端に見えますね」
失礼を承知で言わせてもらえれば、と付け加えるファートゥムに、マスターヴェノムが頷いた。
「ご自分の研究の成果を惜しげもなく報告する、とも仰った。研究者としての貴方の立場、というか物事の考え方には、私も少なからぬ興味があります」
ああ ――― と笑いを含んだ声を、マスターヴェノムは漏らした。そんなことを気にしてらしたのですか、とでも言うように、彼は首を横に振る。
「惜しくなどありませんよ、これっぽっちもね。私の、いや、我々の求める研究のベクトルと、貴方がたの望む成果のベクトルは、必ずしも一致しないものなんですから」
そのとき初めて、マスターヴェノムの顔が追従者のものではなく、深い叡智を湛えた研究者のそれへと変貌を遂げた。貧相な小男の面影は掻き消え、探求者の真摯さと透徹した知性の輝きが、両目に宿る。
「我々の“名前”をお忘れですか。我々は生命そのものの探求者。人類に残された最後の謎に挑み、最後に立ちはだかる壁を突き崩す使命を帯びたるものたちですよ」
その声音に崇高な誇りすら滲ませて。
「レネゲイドウィルスも、我々にとっては『生命のひとつの形』にすぎません。数ある研究対象の中のひとつに過ぎないのです。なにも、有難がるほど特別なものでもない」
口の端に浮かんだ笑みが、そのとき『ヒト』の枠を飛び越えた。
「道具です。手段です。探求の経過の中で使われることもあるというだけのサンプルのひとつです」
その言葉に ――― 驚くべきことであったが ――― ファートゥムが息を呑んだ。
ファートゥムでさえ、彼から滲み出るもののおぞましさにたじろいだ。
怪物だ。やはりこの男も怪物の一人だ。俗人のような顔をして、だからこそ誰よりもこの男はおぞましい怪物足りえる存在だ。
「数学者がひとつの方程式を特別視して崇め奉ることはないように。私も、副産物的に生まれた研究の成果を後生大事に扱うことはありません。ですから ――― 」
マスターヴェノムが差し出したものは、自らの右手であった。
見れば、人外の知性をその内に秘めたる醜悪なる怪物は ――― いつしか、俗にまみれた卑屈な笑みを顔面に貼り付けて。容易く権威に屈する小人の仮面を被り直し。
「ですから、今後とも良しなに。マスターヴェノムは、セントラルドグマの期待を裏切りはしませんよ」
差し出された右手は、ファートゥムと握手を求めるためのものであった。
後年、UGNの極秘資料に『最重要危険人物』のひとりとして名を記されることとなるFHエージェント ――― “マスターヴェノム”。
この日、このときこそが、その誕生の瞬間であったことを、誰も知ることはなかった ―――
◆Ending 04◆ ――― Scene Player ――― 玉野椿&高崎隼人
※
限りなく優しく、まるでお互いを気遣うような、それでいて深く情熱的な口づけの後。
部屋の床に仰向けに寝かされたままで、椿は隼人の仕草のひとつひとつを、どこか茫洋とした、濡れた瞳で見つめていた。
隼人がブレザーの上着を脱ぎ去る仕草。ネクタイを片手で器用に外していく仕草。
見る間に肌を露にしていくパートナーの姿に、椿は心臓の鼓動が高鳴るのを止めることができないでいた。
ぽかぽかと熱を持ち始める頬、そして胸の奥。また、言うまでもなく彼女自身の「女」の部分も。
かつてないほど敏感になっているに違いない彼女の肌が、身じろぎひとつで甘い声を上げてしまいそうになってしまっていることへの困惑を、椿に与えている。
だから、動けない。
口づけの余韻に浸りながら、瞬く間に着衣を脱ぎ捨てていく隼人の姿に、どこか恐れにも似た期待と高揚感を、椿は覚えていた。
隼人が、自分に背を向けながら脱衣していく様子が、恥じらっているようにも見えてなんとなく微笑ましい。
しかしそんな余裕など、あっという間に椿の心からは淡雪のように溶けて消え去ってしまう。
もうすぐ。もうすぐ私は、隼人に抱かれる ――― しばしの後、生まれたままの姿で振り向いた隼人の肉体が視界に入ると、椿の心臓はさらに激しく高鳴った。
隼人の肌の下にうっすらと浮かび上がる、しなやかな筋肉。
幾多の戦いで鍛え上げられているのは、彼だって例外ではない。
それでも刀を振るうための両腕は、不思議と無骨な姿はしておらず、胸元も、腹部の筋肉も均整が取れて、見惚れるほどに引き締まっていた。
そして、視線をわずかに下にずらせば。
その中心部に雄々しく屹立するのは、臍まで反り返るほどに長い肉の塔。
指で掴むことすらできそうにないほど太い剛直。
目を見張って驚くほどに、たくましい陽物であった。
「………あ………」
躊躇い気味に溜息をつき、椿は慌てて目をそらす。
“それ”を注視してしまっていることを隼人に気づかれるのは、やはり恥ずかしい。
頬を朱色に染め、天井を見上げながら、隼人を待つ。静か過ぎる部屋の中で、みし、みし、と歩み寄る足音が椿に向かって近づいてきた。
椿は思わず固く瞳を閉じた。
これから抱かれるのだという恥ずかしさと、相棒である少年に自らのすべてを曝け出すことへの不安と、これから訪れる二人の交わりの刻への期待とが、すべて入り混じって、椿の心を掻き乱す。
呼吸を止めて唇を噛み、震えながら無防備な肢体を投げ出した椿の嗅覚が、不意に隼人の発する彼自身の匂いを捕らえた。
息遣いが聞こえる。隼人の身じろぐ気配を感じる。
心臓の鼓動すらも聞こえてしまいそうなほどに、二人の距離が近くなる。
「椿………俺が、脱がすから ――― 」
声と同時に、隼人の右手が椿の制服のブレザーにかかった。
横臥する椿の背中を支えるように左手を差し込むと、彼女の身体を抱え上げたまま、隼人はブレザーをゆっくりと剥いでいく。
椿の全身が、びくっ、びくっ、と震えた。
隼人の手が背中に当たって。ブレザーが、上半身を撫でるように脱がされていき。
肌を擦る布の感触に、椿の肌はわななき、その下に着ている真っ白なワイシャツが、彼女の腋を、腹を、胸元をくすぐった。その感触の持つ意外なほどの心地良さに、椿は呼吸を荒げ始めている。
脱がされているだけで。手が触れただけで。布が肌身を這うだけで。
なんて気持ちがいいのだろう。なんて心地がいいのだろう。
隼人の手の動きに逆らうことなく、彼のなすがままになって。
制服のスカートのホックが外された拍子に太股を撫でられ、ネクタイを解く指が敏感な首筋を掠めると、とうとう椿は堪えきれずに、
「んふっ………く………うぅぅ、ん………」
まるで仔犬が鳴くような声を上げ、半裸に剥かれた肢体をくねらせる。
ネクタイが放り投げられる。ワイシャツのボタンが上から順に外されていく。ブラジャーのフロントホックが音を立てて弾ける。邪魔な布地がはらりと肌の上を滑り落ちると同時に、椿の持つ二つの膨らみがぷるぷるっ、と隼人を誘うように左右に揺れた。
細身の身体には意外なほどの、豊かな膨らみ。
おそらくは隼人の掌にも納まりきらぬであろうほどに実った二つの果実。
その弾力ある動きに誘われるように隼人の手が伸び、椿の両の乳房を掌で包み込んだ。
ただそれだけ。たったそれだけのかすかな刺激で、椿に途轍もなく甘美な高揚感が訪れる。
「あ、は、あぁ、ん、ふぁっ、んっ」
それは、信じられないほどに強く、そして甘い衝撃であった。
ただ乳房に触れられただけで、掌の中で乳首を軽く転がされただけで、椿の身体が大きく仰け反り、白い喉からは断続的にに悲鳴が上がり続ける。
椿の声をもっと引き出そうとするかのように、隼人は椿の膨らみを両手で包み込むと、ゆっくり円を描くように掌中の肉球をこね回し始めた。
ぐにっ。むにゅう。ぐにっ。むにゅう。
「は、はや、とぉ、あっ、あん、あっ、あんんっ」
たまらず彼の名前を呼び、椿がいやいやをするように首を左右に打ち振った。
胸の中心に激しい熱を感じる。緩やかな快楽を与えられて、乳首は固くしこり始め、押さえつける隼人の掌の中でむくむくと大きく肥大していく。
いままで聞いたこともない、椿の甘い喘ぎを聞きながら、不意に隼人は彼女の乳房から左手を離した。圧迫されていた片方の膨らみが、解放された途端に大きく弾ける。
しかし隼人は、椿の乳房に束の間の自由を与えただけに過ぎなかった。
彼女の裸の背中を支えていた手に力をこめ、椿の身体を強く抱きすくめる。
たぷん、と震える乳房の中心部めがけてすかさず顔を近づけると、隼人はすでに勃起しきった椿の乳首を、たっぷりの唾液をまぶしながら吸い上げた。
「あ、吸、っちゃ、や、やぁ、あんんうっ………」
突起を舐られる。前歯で優しくしごかれる。乳房の根元をしっかりと握り締めたまま、隼人は椿の乳首を丹念に味わった。左の乳首。そしてもう一方も。両手で膨らみを揉みしだく動きは決して休めることなく、交互に吸い付き、舌で転がす。
「椿、つばき、つ、ばきぃ………」
「あうっ………!? そ、そのまま、喋らな、い、でぇ………!?」
舌による刺激だけではなく、発する声による音の振動までもがバイブレーションのように柔肉を蕩かしていく。全身の力が抜け、思っていたよりもずっと広い隼人の胸板に身体を預けたままで、椿はか細い泣き声を上げた。
力強い腕が椿の裸の身体を抱きしめる。伝わってくる体温が、早鐘のように脈打つ隼人の鼓動が、まるで揺り籠のように全身を包み込む。隼人と触れ合った箇所のすべてが性感帯と化していくような、そんな感覚であった。
フィーストに弄ばれたときの暴力的な快楽とは違う。
廃倉庫での陵辱は激烈な快楽を椿に与えたが、あれといまとでは快楽の質が完全に違っている。
確かにあのチルドレンの少女の責めは凄まじいものだったが、与えられる刺激はひどく突発的で、その快楽は途切れ途切れに訪れるものだった。
しかし隼人の身体に包まれて感じる、いまの心地良さは ―――
触れられる場所すべてが。肌に感じる吐息の熱さえもが。そして、自分の身体の隅々まで見つくそうとする隼人の視線さえもが。等しく歓喜となり、快楽へと変換されていくのである。
背中を抱かれれば背中だけで達してしまいそうになる。
首筋をなぞられれば首筋だけで果ててしまいそうになる。
見つめられればそれだけで、見つめられた場所が絶頂を味わってしまいそうになる。
つまりは与えられる感触のすべてが ――― 「快」の刺激を伴うのだった。
だからこそ、いまの椿の肉体は、隼人が触れている限り、軽い絶頂感を継続して感じてしまう。
つまり、隼人の胸に抱きすくめられているいまの椿は ―――
「あ、あんっ、あん、隼人、はや、とっ、ふ、んふんっ!?」
――― 寄せては返す波のような、軽い絶頂のループに、逃れえることなく捕らわれ続けていた。
強く、熱く、確かな隼人の抱擁に身を任せている間、椿に訪れる快楽は止むことがない。
明らかに別種の快感でありながら、その持続性と心地良さは“あのとき”よりもはるかに深い。
その意味においては、廃倉庫で味わわされたそれよりも、隼人との交わりは数段上の快感と言えた。
「あうっ、う、やぁっ、隼人っ、はやとぉっ………!?」
「椿、つ、ば………きっ………!」
お互いの名前を呼び合う二人。
隼人の愛撫の度、そして椿が声を上げる度。
なにかに耐えるようにぴったりと閉じられた椿の両脚の間から、湿った音がする。
愛撫の最中で、いつしか椿は下着一枚の姿を隼人に曝け出させられていた。唯一身につけたままの下着が濃厚な蜜をたっぷりと吸い込んで、すっかり重みを増している。
びちゃ、ぬちゃ、と激しい水音を立てる椿の股間に、隼人の手がついに伸ばされた。
「あ、ああっ………!?」
身を隠すものすべてが奪われてしまうことへの羞恥心が、椿に悲鳴を上げさせる。
自分が、ついさっきまでは仲間としての認識をしか持っていなかった少年。
そんな相手に、乳房を曝し、尻を剥き出し、そしてついにはもっとも恥ずかしい部分を露にしてしまうのだ。その思いが、なぜか椿に、より多くの分泌を促していることに彼女が気づいていたものかどうか。
――― ゆっくりと引き摺り下ろされた下着が、椿の腿で捻れ、捩れた。
にちゃり、と恥ずかしい音を立てながら、椿の秘所と下着の間に半透明の粘液が糸を引く。
「い………いや………」
あまりにもはしたなく股間を濡らしていたことに今さらながらに気づかされ、椿の顔が真っ赤に染め上げられた。おそるおそる、隼人の表情を盗み見ようとして、結局椿は瞳を閉じてしまう。
あまりの困惑にどうしていいのかわからなくて、
「ご………ごめん………ごめん、隼人………」
椿はただ、隼人にそう言った。
こんなに濡らして ――― こんな娘で、ごめん ――― と。思わず、謝ってしまっていた。
「………ばか。謝るなって」
苦笑混じりに、隼人が胸の中に抱きとめた椿の身体をわずかに離す。
俯いたその頬を両掌で柔らかく包み、椿の顔をよく見えるように上に向け、隼人はもう一度、椿の唇に唇を重ねた。ぴくり、と椿の身体が震え出す。
戸惑いながらも、感じてしまう。
鋭敏さを増したこの身体には、ただのフレンチキスですらも油断が出来なかった。
ちゅ、ちゅっ、と軽く二度口づけてから唇を離すと、隼人は椿の髪を撫でながら呟いた。
「言ったろ。俺だって同じだ。俺だって、もうこんなにしちまってる」
見れば、隼人の両脚の間でいきり立つものは、興奮のためかさっきよりも一回りほど大きさを増しているようだった。うっすらと、閉じていた瞳を開いた椿が、そのサイズに息を呑むほどに。
「お前も俺も、これが普通の反応なんだからさ。恥ずかしがるな………ってのは無理かもしれねえけど、でも必要以上に自分を追い込むなよ。な、椿?」
なんだか、今日の私はいつもよりも隼人に気を使わせている ――― 椿は、そう思う。
「………ほら、また。しょぼくれた顔、すんなよ」
椿の内心の変化を珍しく敏感に察した隼人が、人差し指で軽く椿の額を小突いた。
「うん………ごめ………あ………じゃなくて………」
危うくまた謝罪の言葉を言いかけて、今度は椿が苦笑いを浮かべる。
「――― ありがとう、隼人」
「 ――― おう」
それを最後に、椿も隼人も余計な言葉を発することをやめた。
いつしか陽はすっかりと暮れ、アパートの一室に闇が降り始めている。
少年と少女は一糸纏わぬ姿で相手の背中に手を回し、きつく、強く抱きしめ合った。
次に二人が交わした口づけは、いままでで一番深く、一番濃厚なものだった。
重なり合った唇の隙間からは、二人分の吐息と呻くような喘ぎと、唾液と唾液が絡み合う音が漏れ始め、隼人の手が椿の背を、引き締まった尻の肉を存分に愛撫する。
「んむ、ん、んうっ、んむむっ………!?」
背筋に電流が走る。尻肉がわななく。唇から突き抜ける甘美な衝撃が、一息に椿の股間までをも刺し貫く。触れられなくても、椿の“その部分”は絶え間ない悦楽にとろとろと涙を流し、己の裸身を抱きとめる力強い腕の中で小刻みな痙攣を繰り返した。
隼人の手が、指が、身体の至るところを弄り、突き、揉み、撫でていく。
小さな絶頂の波が椿の心身を攫い、途切れることのないエクスタシーが脳の一番奥までをも蕩かしていく。
固くしこった乳首をつねられ、鷲掴みにされた左右の尻が上下にこね回され、鎖骨を、首筋を這い回る舌が、唾液のラインを幾筋も引いていき。
「んは、あぁん、あ、隼人、もう、もう私ぃ………!」
そして椿に、今夜最初の絶頂が訪れようとしていた。
下半身が崩れ落ちる。隼人の腕に抱きとめられていなければ、そのまま畳の上に倒れこんでいただろう。ほっそりとした腰を隼人の両腕で支えられながら、椿は早くも昇りつめ、瞬く間にその瞬間を迎えた。
「あっ、ああああああああーーーーーっ!?」
普段よりも半オクターヴほど高く、あられもない嬌声を上げながら。
同時に、盛大に噴出した蜜液が椿の股間を濡らし、対面の隼人の脚にまで飛沫を飛ばす。
がくがくと震える椿の身体。その律動に合わせるように、乳房が左右に跳ね踊る。
背骨が折れてしまうのではないかと思えるほどに反り返った身体が、がくんがくんと不規則に痙攣を繰り返し ――― 椿は充足した絶頂の瞬間を迎えていた。
「あっ………かはっ………はぁっ………」
全身を満たしたエクスタシーが、強烈な余韻を残している。体内にこもった熱は引くことを知らず、快楽の最高潮を過ぎた後も、心地良い感覚が緩やかに椿を包み込んでいた。
愛撫だけで ――― こんな ―――
朦朧としかけた意識の隅で、椿の心中に軽い驚愕が芽生える。
この快楽は予想以上 ――― いや、まったく予想外のことだった。
「ふあっ………?」
呼吸を乱したまま震える椿の身体が、そのとき、ゆっくりと畳の上に仰向けに寝かされた。
隼人が、両腕の拘束を一時解いたのである。
それはあたかも、壊れ物を扱うような繊細さであった。
丁寧に、どこまでも優しく。
椿の身体を慎重に扱おうとする隼人の心情が表れたような仕草であった。
そんな隼人の、パートナーへの想いが椿に伝わらないはずはなく。
「あ、ああっ………」
じんわりと胸の奥から沸き起こる温かなものが、椿の体内にたゆたう絶頂の余韻のさざ波を、さらに大きなものにしていった。
「椿………脚、開くぞ………」
暴発寸前の欲望を必死で押し止めるような、隼人の呻き声。
見れば、隼人の股間の剛直も、興奮のあまりにますます強度と大きさとを増している。
「え………脚、開く………って………あ、ああ………待っ………!」
だめ。開いたら、だめ。
いまの私、すごく濡れてるから。恥ずかしいくらい、濡らしてしまっているから ―――
そう言いかけて、そんな台詞を口にするはずもできないということに気づき、椿は口をつぐむ。
言えるはずがない。そんな恥ずかしいこと ――― でも、でもお願い隼人、せめて私の“そこ”をあまり見ないで欲しい ―――
うっすらと、椿の瞳に涙が浮かぶ。隼人の手が足首を掴み、椿の両脚を持ち上げる。
そして一瞬の沈黙があった後、ゆっくり、ゆっくりと椿の閉じていた両脚は、隼人の手によって開かれていった。
「………」
そして訪れる、さらなる、それ以上の沈黙。
少女の肉体という名の迷宮を探り。
自らの手で望むべき最奥への道を開き。
そして、到達したその先に見つけた神秘の、あまりにも美しい姿に、隼人は次の動作も忘れてそれに見惚れていた。
大きく開かれた椿の脚の間。その中心で息づくもの。
うっすらとした桃色をしたその部位の、なんと目にも鮮やかなことであろうか。
ぴったりと閉じた肉厚の花弁を、内側から押し開けるような勢いで、椿の奥深い部分から濃厚な愛蜜が溢れ続けている。
てらてらと濡れ光る割れ目の上部では、ピンクの宝石を思わせる陰核がぷっくりと膨らみ、勃起し、肥大していた。薄い包皮を自らめくり上げ、ひくひくと蠢くその突起は、まさしく女体の最奥で生まれた桃色の真珠の如く、である。
「椿、触るぞ」
「えっ………」
隼人の指が、うっすらと生えた繁みを掻き分ける。
敏感な部分を大切に包み込む薄い皮ごと、“桃色の真珠を採取”しようとして、隼人は二本の指で椿の膨らんだクリトリスを摘みあげた。
「やぁっ………!? さ、触るの、だ、めぇ………!?」
下半身が跳ね上がり、新たな刺激が椿に襲いかかる。
突然に股間を走った、痺れるような衝撃は、二本の指の腹でやんわりと押し潰された箇所から、椿の背骨を通じて脳天までを一息に刺し貫くものだった。
ぷしゅっ、ぷしゅっ、と椿の割れ目を濡らしていく愛液の雫。隼人の指や手をびしょ濡れにしてしまうほど、椿の股間が激しく潮を吹いた。最も敏感な部分が、たちまち絶頂への扉を開く。
親指と人差し指で、隼人は椿の肉真珠を擦り続けてる。
立て続けに半透明の汁を撒き散らす、開脚された椿の蜜壷。
隼人の指の動きに反応するように、いつしか椿は腰を上下に振り始めていた。
「あっ!? ああっ!? あああっ!? ああああーーーーーーっ!?」
信じられないほどの官能に急き立てられ、椿の悲鳴が切羽詰ったものになっていく。
追い討ちをかけるように、隼人の空いたもう一方の手の指が、ぴたりと閉じた肉襞の割れ目部分に伸びる。割れ目の縦筋に沿うように、ごしごしと上下に擦り上げる隼人の太い指。
濡れに濡れきった股間の淫肉と、腫れあがった陰核を同時に責め立てられながら、椿は両腕で自分の頭を強く覆った。
「は、やとっ、だめ、だめ、それ、だめえっ!? い、いや、いや、あ、あ、あぁんっ!?」
指の動きだけで達する。擦り上げられる度に果てる。
椿の上げる甘い悲鳴と、噴出し続ける愛蜜。それは、花の匂いが蜜蜂を引き寄せるように、隼人を溢るる泉へと引き寄せる。
熱くたぎる自らの蜜穴に、新たな熱気を敏感に感じた椿が、驚いたように目を見開いた。
熱気の正体は、まさしく隼人の吐く吐息である。
「はや、と、ま、さか、だ、め、だめ、そんな、とこ、きたな、い ――― ひんっ!?」
熟しきって瑞々しい果実に齧り付くかのように。
隼人は、椿の果汁滴る柔肉にむしゃぶりついた。鼻の頭を器用に使って陰核を押し潰し、閉じた肉壁を舌でこじ開けながら、椿の膣壁をこそいでいく。
無数に存在する、内壁の細かな突起を。
肉壁の皺、一筋一筋をも丹念に舐め取るように。
さらに ――― 舌技を行使することで自由になった両手を、隼人は遊ばせておくようなことはせず、先ほどまでの丹念な愛撫で張り詰めた、たわわな二つの肉球を鷲掴んだ。
椿の瞳が虚空を仰ぎ、滝のように歓喜の涙を流す。
乳房を。乳首を。陰核を。膣壁を。ありとあらゆる箇所を。
極度に鋭敏化された性感が、椿の頭を真っ白に焼き尽くしていく。
「も、だめ、だ、め、わ、私、もう、お願い、隼人、それ、き、きついぃっ………!?」
腰をうねらせ、上半身を隼人から逃げるように仰け反らせる。しかし、乳房を掴まれたままで身動きを封じられてしまった椿に、この責めから逃れる術もなく。
絶え間ない歓喜の連続に言い知れぬ不安を感じながらも、椿の腰から下だけは、押し付けてくる隼人の顔にぐいぐいと密着の度合いを深めようと、彼女の意志とは正反対に蠢動を続ける。
(く、来るっ………! 来てしま、うっ………! もう、もう駄目、私もう ――― !!)
「イ………イっ………くうぅぅぅぅーーーーーーーっ!?」
握り締められた乳房が。舐めしゃぶられた秘所が。最大級の歓楽に満たされる。
隼人の指の間から突き出した乳首は、痛むほどに尖って天を突き、愛液まみれの肉唇が豊潤な女の匂いを放ちながら震えだす。
自らを保護する薄い皮をめくり上げて外気に触れた陰核が、断末魔のようにひくひくと痙攣し、真っ赤に充血しながら強烈な刺激に打ち震える。
「あ、あっ!? 隼人、はやとぉ、だめ、また、あ、あ、んんんんんーーーっ!?」
昇りつめた身体にとっては、快楽が呼び水のように次の快楽を導く。
自らの果てたことを、彼女自身の口から高らかに宣言した椿の裸身を、隼人がきつく抱きしめた。
肌の触れ合った場所がそのまま敏感な箇所と化し、さらなるエクスタシーを椿に叩き込んでいく。
「椿………椿っ」
内から湧き出るものを解放し、汗と愛液にまみれた肢体が跳ね回る。その身体をしっかりと押さえ込むような力強い抱擁を、隼人は椿に惜しみなく与えた。
逞しい腕が。熱い胸板が。椿の肌身に密着し、きつく激しく抱きしめる。
肌と肌の触れ合いはすなわち、その行為そのものが快楽をもたらす愛撫のようであった。
「は、あ………う………うあっ………」
ぜえぜえと荒い呼吸を吐きながら、隼人の抱擁に身を任せる。
さながら、絶えることない悦楽のさざ波に揺られる小舟のように、持続し続ける快楽の海に、椿は投げ出されていた。
ありえないほどの高みに昇りつめ、その余韻に陶然となる。
しばらくの間、隼人は椿の呼吸が落ち着くまで、彼女の柔肌を締め上げていた拘束をいつしか緩めつつ、真綿で包み込むような抱擁に切り替えていた。
「………椿、平気か………?」
耳元で囁く。吹きかけられる吐息が椿の耳朶をくすぐり、危うくそれだけで「果て」そうになる。
「あぅ………ふぅ………う、ん………平、気………」
うっとりと目を潤ませる椿。無論、まったく「平気」なはずはないのだが、心身を揺さぶるほどの高揚は、勇人の腕の温もりが緩和してくれている。
「そうか………じゃあ ――― 」
隼人は、椿の身体を再び畳の上に降ろし、仰向けに横たえた。
汗にまみれた白い肌の上に、いつしか天に現れた月の光がきらきらと降り注ぎ、その姿を浮かび上がらせる。
性行為に蕩けた肉体の淫靡さと、均整の取れた少女の肉体の美しさが混然と同居するその様は、隼人の視線を釘付けにして離さない。
「じゃあ ――― 最後まで、行くからな」
「………あ………」
その言葉の意味を瞬時に理解して、椿の目が、さきほどから自己主張し続ける隼人の「男性」の部位に吸い寄せられた。
ひく、ひく、ひくっ ――― と。
空を突くような怒張の猛々しさは、もはやはち切れんばかりに膨れ上がっている。
椿は一目で理解した。
入りたがっている。私の身体を貫くことを望んでいる。私の濡れそぼった秘肉の中で、思い切り暴れたがっている。ぞくぞくと背筋を駆け抜ける、甘い戦慄。
どうなってしまうのだろう。どんな風に、私はされてしまうのだろう。
いまさっきまででさえ、あれだけの歓喜に揉みくちゃにされてしまった心と身体なのである。
こんな状態の私が、いまもしあれほどのモノに征服されたとき、どれほどの変貌を私に与えてしまうのであろう。
息苦しい。胸が熱い。心臓が全身に血液を送り込む速度が倍化し、汗に濡れた白い肌を見る間に紅く染め上げていく。
椿の沈黙を、隼人は肯定でも否定でもなくただ困惑しているのだ、と看破した。
それなら ―――
「椿、悪い。俺も ――― もう、限界だ」
椿の唇を奪う。唇で、唇を塞ぐ。言葉を発することで躊躇いが生まれるならば、その躊躇いごと唇を塞いでしまおう ――― と。
椿の舌を吸い、口中に唾液を注ぎ込みながら、隼人は開かれた二本の脚の間にその腰をすかさず滑り込ませた。
「ふむっ、んむっ、んっんんーーーっ………」
密着する二人の腰。隼人の右手が硬度を増した己の肉棒を握り締め、狙いを定めるようにその先端を椿の中心部にあてがった。
すでに男を迎え入れる準備の出来た秘唇を覆う大量の粘液と、ぬらぬらと濡れ光る先走り液が、くちゅり、くちゅりと卑猥な音を立てながら混ざり合う。
握り締めた手を操り、ペニスの先端で弧を描くように。
隼人が、ぽってりと膨らんだ椿の花弁を己が分身でこね回していく。柔らかな肉と堅く滾った肉が、お互いの性感を刺激し合い、どろどろに溶けた媚肉が二人の体温だけで沸騰し始めた。
「んぶっ、むぷぅっ、んぐっ、ぐぷっ、んむむーーーっ!?」
侵入を開始する隼人のペニス。押し寄せる快楽は、肉襞を掻き分けて進む一ミリ毎に深く、大きくなり、唇と言葉を奪われたまま、椿はその未知の感覚にたまらず呻き声を漏らす。
ぬぷり。ぬぷり。
ゴツゴツとした堅い剛棒が、湿った内壁を押し分けて進んでくる。
ぐぷっ。ぐぷぷっ。
意志とは無関係に飛沫を上げる肉穴が、貪欲に隼人の分身を飲み込み、受け入れる。
ずにゅ。ずにゅう。
ゆっくりと、しかし確実に最深部を目指す欲望の塊が、内部に存在する無数の肉襞を巻き込みながら突き進み。
ぐぷ、ぐぷぷっ、ぐぐっ、こつんっ!
椿の最も奥 ――― 子宮口にまで、ペニスの先端が到達し、ぶつかって、ようやく止まる。
「んちゅ………!? んぷあっ………!? はあぁうあーーーーーーっ!?」
首を打ち振り、隼人の接吻の呪縛から逃れた椿は、自身の体内の最も秘められた部分への侵入がもたらす最大級の快感に、歓喜の悲鳴を上げていた。
その叫び声が引き金となって、隼人の腰の律動が開始される。
椿の肩を両手で抑えつけ、跳ね回る上半身を畳の上にしっかりと固定しつつ。
前後に、また左右に揺すられる腰の運動は規則的で、止まることを知らぬかのよう。
肉を擦り。壁をノックし。引き抜き。また突き出す。
柔肉を巻き込み、肉棒をうねらせ、突き刺し、突き上げる。
隼人は椿の名前を呼び続けながら、ただ貪欲に、組み伏せた少女の肉体に挑みかかった。
「は、はや、と、それ、だめ、あ、こんな、う、うそ、なんで、こんな、ひあっ………!?」
激しい抽送が繰り出す快楽は、治まることはない。いや、それどころか椿の股間から全身へと拡大していく悦楽の渦は、ただただ隼人の動きに伴って蓄積されていく。
決して誇張ではなく ―――
隼人の動作ごと ――― いや、それどころか毎秒ごとに ――― 椿は、イき続けていた。
「ひ、ひひゃあ、ひ、ひぃっ、あふ、あぁんぅうっ、はや、とぉっ………!?」
忘我と歓喜に涙が溢れ、椿の頬を首筋を濡らす。
たらりたらりと唇の端から垂れ出した唾液が、椿の髪を濡らしながら畳の上に染みを拡げる。
襲い来る巨大な官能の嵐から救いを求めるように、舌がぴくぴくと震えながら突き出された。
口中から逃げ出そうとするピンク色の舌を、近づいてきた隼人の唇が存分に吸い上げる。
「んじゅっ、んちゅうっ、じゅるぅっ………!?」
椿の舌を貪り吸う隼人の口元からも、とろとろと唾液が零れ落ちる。
椿は喉を潤すようにそれを嚥下し、飲み干し終えるとまた悲鳴を再開した。
「いやっ、いやあーーーーっ、隼人っ、こ、怖い、怖いのっ!?」
自分が丸ごと、溶かしつくされてしまうような快楽。きっとこのまま抱かれ続けていれば、お互いの撒き散らした体液に溺れ、身も心も淫水の海に溶解させられてしまうのではないか。
頭の片隅にまだ辛うじて残っている理性で、椿は半ば本気でそんなことを考えた。
「椿、大、丈夫だ! しっかり、俺が、抱きしめて、いて、やる、からっ!」
文節ごとに言葉を切るのは、そのつど腰を激しく打ちつけているせいだ。
自らの言葉通りに、隼人は椿の身体を再度引き寄せると、しっかりと自分の胸の中に抱きしめる。
瞬間、椿に訪れたものは恐れでも不安でもなく、パートナーの想いがもたらす胸の奥の温もりと、脳髄を溶かすような最大級のエクスタシーであった。
「隼人、うんっ、抱き、しめ、て、離さ、ないでっ、しっかり、強く、私を………!」
もう、自分がなくなってしまうという怖れは、椿にはなかった。
いまはただ、隼人とこの感覚を共有していたい。
隼人ともっと深く繋がっていたい。
隼人と一緒に昇りつめてしまいたい ――― その想いだけである。
「椿ぃっ………!!」
「隼人ぉっ………!!」
すらりと伸びた椿の長い脚が、抱え込むように隼人の腰に巻きついた。己の胎内へと引き込むように。隼人自身を捕らえて離さぬように。
密着の度合いを高めたまま、いつしか椿は自らも腰を揺すり始めていた。
水音はますます激しく、二人の結合部から聞こえる粘着質の音も大きさを増していき。
「つ、ばき、お、おおおおおっ………!」
隼人の腰を振る速度が信じがたいほどに速まる。きっと、彼にも最初の限界が訪れようとしているのだ。
「き、きて、きてぇ、はや、と、あ、あ、あ、ああーーーっ!?」
隼人が、勢いよく腰を引き抜く。そして、その勢いのままで、椿の蜜穴に肉の楔を思い切り打ちこんだ。
腰を、ぐいっ、と押し付け。
亀頭部を子宮口に押し付けたままで、隼人はすべての欲望の塊を椿に向かって吐き出した。
ぶびゅっ、びゅっ、びゅぶるるるるるるっ!!
「あ、熱いっ!? 熱いのが、来てるっ!? ああっ、来ちゃう、私も来ちゃうっ!? かはっ、ひあっ、スゴイ、凄い、凄いの、凄いのがっ………!? 来っ ――― !?」
膣内を満たし、子宮までも浸す精液のほとばしり。
液体というよりも、半固形のゼリーのように濃厚な体液の塊が押し寄せた瞬間、
「隼人………っ!! もう………イっ………くうぅうーーーーーーーっ!?」
肺の空気をすべて吐き出すほどの、大きく、長い尾を引く絶叫を上げながら ―――
――― 椿は、完全に意識を手放した。
※
※
しっとりと汗に濡れた肌と肌。
少年と少女は、生まれたままの姿で重なり合い、互いの身体を抱きしめあっていた。
アパートの一室。畳の上に寝そべった隼人は仰向けになり、自らが椿の身体の下になるようにいつしか姿勢を変えていた。
自分の裸の胸に頬を乗せ、首にしっかりと両腕を巻きつけて。
無意識の内に、自分にしがみついたままで眠る椿のことを、冷え込み始めた外気から護るように抱きしめる。脱ぎ捨ててあったブレザーを肩からかけてやり、隼人はパートナーの少女をただずっと抱きしめていた。
「ん………んふ………」
やけに甘く、可愛らしい呻きを漏らしながら、椿が失神から覚醒する。
普段は真面目でクール、きりりとした印象があるけれど ――― もしかしたらこいつ、ひとりきりのときは女の子らしい、可愛い一面があるのかもな ―――
そんなことを考えて、思わず隼人の口元に笑みが浮かぶ。
腕の中でもぞり、と身じろいだ椿がのろのろと顔を上げ、とろんとした寝起きの瞳で隼人を見る。
慌てて笑みを消し、隼人はとりあえず、
「起きたか、椿………って言っても、まだ夜中だけどな」
無意識に椿の髪を撫でてやりながらそんな風に声をかけた。
時刻は深夜二時。随分と長い事、椿は気を失っていたようだ。
「隼人………」
次第に意識がはっきりとしてくる。潤んだ瞳は次第に普段の彼女らしさを取り戻していき、いまの自分たちの状況を再確認するように、二、三度軽く首肯すると、椿は切れ長の瞳を伏せた。
静寂が落ちる。静けさが、耳に痛い。しばしの沈黙の後、なにかに納得し、決心したようにこくりと頷くと、椿は隼人の顔を真正面から見つめるのだった。
「謝ると、また叱られるから………ありがとう、隼人。こんなことに付き合ってくれて」
湿っぽい声で、そんなことを言った。
「あのなあ」
呆れたような顔をして隼人がぼやく。いや、ぼやくというよりは意外のことを言われて少し傷ついたような表情だった。
「そういうのもなしだ。こんなこと、とか。付き合う、とか。俺はこれっぽっちもそんな風に思ってねえよ」
仲間で、パートナーで、一番信頼できるお互いで。
だからこそお前が借りに思う必要もなければ、俺だって貸しを作るつもりもない。
だから、そんな言い方はなしにしてくれ ――― 隼人の言いたいことは、つまりはそういうことである。
「俺たち、支え合うことも、助け合うことも出来る間柄だと、そう思ってるんだぜ? そんなこと言われたら ――― 傷ついちまう」
わざとらしく拗ねて見せるのは、変に深刻ぶらないための方便であろう。
「だから、さ。お前も辛いときは、すぐ言えよな」
やけに真面目な顔をして隼人が言うものだから ――― 椿の胸の内は、その優しい言葉に締め付けられてしまう。
だけど隼人の言うとおり ――― 気負うのも、余計な重圧を背負うのも、二人の間ではしたくはないことだったから。
だから椿も悪戯っぽく ――― 珍しく悪戯っぽい微笑を隼人に向けて。
「それじゃあ………“こういうとき”は、これからは隼人に声をかければいいってこと?」
「………っ、ばっ、馬鹿っ、そ、そういうつもりで言ったわけじゃねえよっ!?」
ほんの数時間前、椿を翻弄していたひとりの「男性」であったはずなのに。
隼人はこのときだけは、年齢相応の少年の顔を恥ずかしさで真っ赤に染め上げて、椿の視線から逃れるようにそっぽを向いた。
「………ふふ。ふふ、あはは」
涼やかな笑い声が自然と椿の唇から零れ出す。
「お前………そんな“いい”性格だったか?」
しかめていたはずの顔が笑み崩れ。
二人はしばらくの間、夜の闇の中で寄り添いながら、忍びあうように笑い声を立てていた。
「椿 ――― 」
ひとしきり笑うのに疲れて、押し黙った後で。隼人が不意に真面目な声で呼びかける。
「うん………わかってる」
隼人の真意、続く言葉をすぐに察し、椿ははっきりと頷いた。
「明日からは ――― 元通りの二人」
「おう」
UGチルドレン。信頼し合うお互い。固く絆で結ばれた仲間。
だけど、恋人 ――― ではありえない。そのことを誰より、隼人も椿も理解している。
この一夜は通り過ぎていく幻。二人の交わりはそこには存在しえない蜃気楼のようなもの。
夜闇が晴れ、陽が昇れば、夢という夢は覚めて掻き消えるのが当然のことなのだ。
しかし。それでも、しかし。
「隼人………今夜は、このままでもいい………? まだ、私………疲れてるみたい………」
少しだけ甘えたように、隼人の胸に頬を摺り寄せた。
「ああ。俺も、もう眠るから」
余計なことは何も言わず。ただそれだけを隼人は椿に囁いた。
「………おやすみなさい」
「おやすみ ――― 」
それが、この夜二人の交わした最後の言葉であった。
なぜだか知らないが、隼人の裸の胸元には、そのとき涙の跡が残された。
気づかなかったのか、それとも気づかない振りをしていたのか ――― 椿も隼人も、結局そのことには触れないままで、深い、深い眠りに落ちていった。
夢を見ることすらなく、二人は眠った ――― 翌朝、いつもより遅い目覚めを、二人が迎えるそのときまで ―――
(Fin)
350 :
yuzu:2009/03/09(月) 04:18:10 ID:zxsvoU2A
投下終了です。
最終回、ようやくお届けすることが出来ました。
前回投下の感想レスで、二人のシーンに期待すると言っていただいた皆様のご期待に沿えることができたならば嬉しいのですが。
書き始めのころは、こんなに長くなってしまうとは思いませんでしたが(もしかしたら前作以上?)、多くの感想や応援にずいぶんと励まされましたものでした。
もともと、DXのリプレイキャラものは、あまり需要がないかも、と戦々恐々で始めたのですが、隠れファンの方も多かったようでしたね(笑)。
いつかのレスで、「分岐がいくつか考えてある」というような書き込みをしましたが、やっぱり二人のハッピーエンドで終えるのが妥当なような気がして、こういう結末になりました。
まあ、他の分岐はそれはもう酷いバッドエンドを妄想してましたので、書いていて自分が鬱になるのもどうか、と(笑)。
なにはともあれ、こんなに長い話にこれまでお付き合いいただいた皆様に最大級の感謝を。
なんというか………燃え尽きました。しばらくは充電期間が必要かも、です(笑)。
それでは、またいつかお会いできる日が来ることを祈りつつ。
ではでは。
>>1 乙で御座いました。
疲れた身体に甘々えろえろちゅっちゅが程好く染み渡るー。
そして三人目の“マスターヴェノム”もまた素晴らしく。
人の規範を取りながらヒトから逸脱した思考を持つ異形感にゾクゾク来ます。
相容れないと云う点では、怪物としてのジャーム以上に恐ろしい存在ですな。
うむ。今度DXのシナリオ組む時に参考にしたいですw
何はともあれ、長編お疲れ様でした。
充電完了したら、また新作を読ませて頂ければと。
こんな時間に見に来たかいがあった!
GJGJGJ!百万回でも足りないGJを捧げさしてもらおう!
いやぁええのう、つばキングかわええ……
フィースト、ヴェノム、支部長、三人目のヴェノム……本当に”人外”の描写が凄いですね。
しっかりと新しいシナリオフックまで残しちゃって!
そしてエロシーン
えろい、果てしなくエロイ! よく、恋人を陵辱で快楽刷り込ませて寝取りなんてのはありますがこれはまったく逆!
無理やりに与えられる快楽よりも、心から繋がった相手からの快楽のほうが持続力がありはるかに上!
刻み込まれた陵辱を(あえてこういう言い方しますが)愛の交わりで上書きする! これでもうツバキングも陵辱の記憶にさいなまれることもないと
……延々ツバキングダムを言い張っていた身にはちと寂しいですけれどね(何)
ところで、バッドエンドルートのプロット発表マダー?(チンチン
か、書き忘れた_no|||
ラブラブエンドでありながらも、”UGNチルドレン”として”パートナー”として一夜限りの情事として終えてしまう二人……なんだか一抹の寂しさを読後に与えますね。その関係が少なくとも今の二人には一番なんでしょうけどね。
大長編お疲れ様でした。またいつか会えることを楽しみにしてます!
椿と隼人は、恋人を通り過ぎて相棒、パートナーという繋がりができてしまってると思ってたり。
恋人にはなれないけど夫婦にはなれそうだよねーとかw
なるほど。さっさと結婚してしまえw
アダムカドモンプロジェクト実験体同士の子供か。
なんかシナリオネタになりそうなほど危険な香りがするな。
>>357 つばきんぐはアダムカドモン関係ないぞ?w
いや、狛江に伊織も入れた4角関係も楽しい!w
大丈夫たぶん二人ともこれからさきもやるとしたらお互いだけとしか考えてなさそう
飲んでたブラックコーヒーがココアに・・・
甘エロGJ!
>>358 個人的に伊織は、真神が好きだったと思う。
真神も伊織は気にかけてて、仲間以上の存在だったと。
伊織にとって、実験体だった自分を肯定して、助けようとしてくれるのは真神だけだしね。
でも、真神は、死んだ仲間の無念を晴らすと、それが人生の意味になっちゃってる。
どちらも、どうあっても共に行くことは出来ないと理解しながら、少しだけそうなればいいと思ってる、みたいな。
話としてまとめたいくらい真神とか好きなんだけど、それをまとめるだけの構成力と筆力が……。
あの実験、考えれば考えるほどおぞましいものしか出てこなくて、書くのが大変でねぇ。
隼人と椿はやはりいいですな…
ダブルクロスものも増えてきて嬉しい限りだ
なんか隼人ってあんまり大きくなさそうなイメージがあるんだが、俺だけかな
逆にケイトは大きそうなイメージがある
つまりケイトの大きなアレで、こいのぼりのはにゃーを毎日のように貫いてボテ腹のケイト専用メイドの誕生ですね、わかります!
これがダイナストの力か……
ケイトはケダモノだからな
「ちょっと待て! 俺はどれだけ獣性高いと思われてるんだ(笑)。」
一人称が“僕”と“俺”で行ったり来たりしてるのも一役買ってんのかなー
伊織×真神派の同士を初めて見た!
愛してるとかじゃなく傷を舐めあうだけのように身体を重ねる二人が超見たいです先生。
つまり、DXリプレイ無印二巻の冒頭で、いきなりケイトと結希のラヴ度がマックスゲージに達していた理由を、
「きっと一巻と二巻の間に、ケイトがキュマイラ的ビッグサイズを持つ股間のやんちゃウェポンで、結希のことをはにゃはにゃにしてしまったからに違いない!
前後編刊行の合間に、結希をケダモノせくーすで肉奴隷調教とは!
ケイト、おそろしい子……!」
と、推測していた私は正しかったわけだな?
しかし一発でOKなんて隼人、紳士的だな
GJ。オリジン読んでなくて途中から一気読みだったが、エロかったぜw
まあ、おーばーどなんて常時衝動を抑えてる人種だしなー
……だしな?(暗殺者他を思い出しながら)
衝動を抑えようとした結果シリアナード・レイになってしまったこいのぼりとな
ああ、以蔵なんて必死に衝動を抑えてるんだよアレでも
じゃなかったらとっくに性犯罪者だ
>373
もみじが外付け衝動抑制装置なんですね、わかります。
『サフィーア×奴隷の少年の話を書いてた方はまだかいのう…』
とダイイングメッセージを残した男性の凍死体が昨日発掘されました。
誰もかいてくれないから、パルヴィーン×ターリヤを志し、
挫折したのもいい思い出。
版上げ時にもう少し、彼らのその後を思い起こさせるなにかが欲しかった
ダヒカ逆レイプの一レスネタを書いたけど、
そのデータ全消えになったのもいい思い出だった…
>>377 小説版で空飛んでって、そのご音沙汰なしとか、どこの風船おじさんかよ、と。
>>379 いやいや、初代PTはゲヘナに残ったぞ
音沙汰ないけど
サンダーがSNEを抜けたから無理だろうさ
……三十路のあのメンバー出されないだけマシだよ
ダヒカまでそうなんて想像したくもなかった……
今から投下します。題材はデモンパラサイト極道☆きらりから。
らいか×輝です。もし良ければ読んでみてください。
あたし、不公平だと思うのよね」
その日、春日輝は桜川雷花によって家に連れてこられた。今日はヴィシャスと
の戦闘があり疲れていたのだが無理やりだった。それでも対応は普通で食事、
お風呂が終わり、さあ寝ようとしたら輝はらいかによってこの部屋に連れてこられる。
畳敷きの客室。大き目の布団が一組。ポンと布団の上に輝を倒させられると、
らいかは仁王立ちして宣言する。
「えっと、なにがです?」
らいかの意図が輝には分らない。家に連れてこられたときもびくびくおどおどしていた。
父親が今日は留守にしていると聞いて胸をなでおろしたほどだ。
「輝。あなた、あたしの裸をバカスカ見てるでしょう。なのにあたしはあなたの裸を
全然見れてない。これって不公平と違う?」
らいかは真っ直ぐに輝を見ながら言った。ちなみに解説するとらいかはドラグーンの
悪魔寄生体を宿している。変身すると服は木っ端微塵にやぶれさる。しかし、全く隠そうと
せず仁王立ちしている。輝が慌てて目を逸らしてもあれやらこれやらがどうしても目に入って
焼きついてしまう。輝はいくらなよなよしていても年頃の男の子。女の子の裸には反応してしまう。
「そういうわけだから、今日はじっくりと観察させてもらうわよ」
輝の気が遠くなるようなことをらいかは宣言した。
「えっ、えーと、それは……ちょっと」
なにやら、モグモグと輝が反論しようとするのだが、
「あら、あたしの言ってることにおかしいことはあるかしら? さあ、全部脱ぎなさい。早く!」
ぴしゃりと断ち切る。輝がまごまごとしていると、
「嫌ならセラフィムには協力しないわよ。輝の事も学校に話すしね」
逃げ道を断ち切る。どう言う陰謀か、男の子の輝がお嬢さま学校に通っている。当然、
裏の関与があれやらこれやらがある。それがうまく言ってるのにらいかの協力があるのだ。
「……別にいいじゃない。あたしと二人しかいないんだからさ」
二人しか居ないから問題なんです! そう輝は叫びたい。
「じゃあ、あたしから脱ぐわね」
らいかは着ていた寝巻きをすぐに脱ぎ捨てる。裸身が堂々と輝の前に晒される。
「脱いだわよ。輝。あなたも早く脱ぎなさい」
全く隠そうともせず仁王立ちでらいかは言う。大きくて柔らかそうな胸もほっそり
とした腰も引き締まって豊満な太もも。そして若草の生えた秘裂も輝の目の前にある。
すぐに目を逸らした。けれど、らいかは近づいてくる。その肌が接触寸前になるほどに。
「脱ぎなさいよ」
もう一度、らいかは言った。
「うっ、うん」
逃げ切れない。輝はおずおずと服を脱ぐ。ほっそりとした肩。すね毛のない足。整った指先。
パーツ一つ一つは女の子より女らしい。だが、二の腕、胸。そして股間。それは確かに男だった。
輝は服を全部脱いで座る。股間を隠して背中を丸めている。
「ちょっと、それじゃ見えないわよ」
らいかが何を見たいかは言うまでも無い。
「足を広げて手をどけなさい」
命令する。輝は上目遣いにらいかを見つめ、逆らっても無駄と悟ったのか、おずおずと足を広げ
手を退かす。男のシンボルがちんまりと現われる。
「ふーん、ちっちゃいのネ。こういう時の定番はショタでも馬並なのに。勃起もしてないわね。
あたしの裸を見ても起たないなんてなんかムカつく」
らいかはしげしげと輝の男根に顔を寄せる。皮をかぶり緊張で小さくなっている。
「アムッ」「あっ」
らいかが輝の萎縮した男根を口に含む。細い指先は袋に触れて撫でる。想像を超える熱さと
柔らかさ。快楽が輝を襲う。
「逃げるな! あむあむ」
思わず腰が引けようとする輝を一喝し、さらに口で嬲る。みるみるうちに大きくなる。
「うーん。大きくなってもデカイとは言えないわね」
輝のそそり立った男根を前にして、来夏は眉をひそめながら言う。
「ううっ」
男のプライドとか尊厳がずたずたに引き裂かれる。
「まあ、いいわ。凄く硬いし」
と言って、らいかはまた輝の男根を口に含んだ。はむはむぺろり。ちょろちょろツンツン。噛むかむ
じゅるじゅる。すずっ。口に含み、唇だけで咥えたり舌で舐めたり突付いたり裏筋にそって這わせたり、
軽く歯を立てたりつばを溜めて塗りつけたり、一気に吸い込んだりして嬲る。
「あっ、そっ、それは。うっ、まって、はっ、かはっ、うんっやっ、ああぁ」
そのたびに輝の体が揺れる。らいかの口から逃げようと腰を引かせるががっちりとホールドされて
出来ない。手や足をばたつかせ、目に涙を溜めて耐えている。
らいかの舌と指が輝の袋に触れた時は腰が持ち上がった。快楽はきつく逃げたくなるほど襲ってくる。輝の太ももに触れただけでも過敏に反応する。
「ふふっ。面白いわね」
らいかはぺろりと唇からもれ出たつばを舐め取るともう一度、憤然と咥え始めた。
輝の甲高いうめき声が響き渡る。
「でも、中々でないわね」
一通りの刺激を与えるが輝は呻くだけでなかなか出そうとしない。
「刺激が足りない……というわけではなさそうね」
輝が肩で息をしていて目が虚ろになっている様子を見て、らいかは
首をかしげる。漫画とかでは少し舐めたらどぴゅどぴゅ出ていた。
「まあ、現実はちがうなんてよくあることよね」
と、らいかは気を取り直して輝の男根をアムアムと舐めなおし始めた。
「あっ、何なら触っていいわよ」
ふと、気付いたようにらいかは言う。
「えっ? なにを──」
自分の世紀から発する鈍痛にも等しい快感に吐息を荒げながら輝は聞く。
「ここよ」
らいかは輝の手を取ると自らの胸に導いた。輝の手にらいかの柔らかく
大きな胸の感触が来る。
「男の子って、みんなオッパイ星人と聞くしね」
らいかは輝に添えていた手を離す。けれど、輝の手はらいかの胸から離れない。
「揉んでも良いのよ」
ただ、握ったままの輝に対してらいかは少し笑いながら言う。意を決して輝は
手を動かし始める。柔らかくどこまでも指が沈む。けれど押し返す弾力もある。
汗ばんだ肌は吸い付かせて離れられない。柔らかさの中に硬さがある。胸の頂点に
ある赤い蕾。手のひらをぐるぐる回転させる。乳首もぐるぐる回転する。さらに
硬く大きくなっていくのが分る。手のひらではなく人差し指と親指でつまんで弄繰り回す。
引っぱったりこりこりしたり。
「んっ、ふぅ。あん。くっ……結構来るわね。自分で触った時はそんなに感じないのに」
舐めなめしていたらいかは思わず口を離して言った。顔が赤い。
「いいわ。交代よ。次はそっちからして」
一度、離れ、両足を開き、両手を後ろにおいて支え裸身を見せる。
もう全てがさらけ出される。
「さあ、早く!」
強い口調で命令する。ためらっていた輝はたまらずむしゃぶりつく。
まずは胸。大きく柔らかい胸を揉みしゃぶり嬲り舐めて吸って噛んで頬擦り
して味わう。
「ふふっ、やっぱりオッパイ星人ね。あんっ」
がっついていく。らいかを気持ちよくさせようなどと考えず、与えられた女の肉体を
貪ろうとしている。技術は無く貪欲なまでに突き進む。正直、期待していた快楽はらいか
には無い。ただ、自分の手では消して得られない感覚はある。じんわりじんわりとくる。
「ふぁ、あぅー。なかなか……いい。イタッ。ちょっと、もう少し優しくしてよ。あんっだから、
痛いって。そんなに──うぅん。だから、痛いって。落ち着いて。落ち着けって言ってるでしょう!」
どんどんと輝は突き進んでいった。胸を中心に攻め、ひたすら乳首を舐めていく。胸もさんざん揉まれた。
始めはおずおずと壊れ物を扱うような感じだったが暴走してきて力が入るようになる。そうなると快楽より
痛い。ついには無遠慮でらいかのあそこをいじってくる。だから肘うちを輝の脳天に落とした。
「まったく──もう少し優しくしてよね。デリケートなんだから」
ぷんすかと頬を膨らませてらいかはいう。逆に輝は背を丸めて、
「……ごめん」
と、謝る。
「まあ、いいわ。今度はやさしくしてよね。
らいかは再び大きく足を広げる。
「はい、舐めて」
若草の生えた秘裂。もちろん、輝は見たことがない。ふらふらと引き寄せられるように
頭を埋める。ぺろり。舐める。すでにじんわりとぬれている。ぺろり。びくんとらいかの腰が
跳ねる。ゆっくりと指で触る。秘裂のふちをなぞる。舌でもなぞる。やさしくやさしく。ふうーと
息を吹きかけたりもする。
「んっ、それ……いいかも」
輝の時もそうだが、相手にいじられると自分でいじるのとは別の快感が襲う。他人というだけで
敏感に反応する。それに自分で触るのとき、どこをどういじればいいか自由に出来る。ところが他人だと
そうは行かない。触ってほしいところを触ってもらえず、逆に予想してないところがいじられる。それが
新たな快感を呼ぶ。
「……もうちょっと。もうちょっと強くしてもいいよ」
らいかは小さな声で言った。顔は赤く上気している。輝はさっきの反省からやさしく、しずしすと触っていた。
それはそれでいいのだが物足りない。引き出される波が小さくてうずいてしまう。
「──うんっ」
輝は人差し指でいじる。秘裂のふちをつまんだりする。若草に口をくっつけて顎でさする。親指で肉芽を押す。
左右にこすってみる。
「ああっ、そっ、それいい! うんっ」
らいかは大きく跳ねた。予想もしない衝撃が背を駆け上ったのだ。
一瞬、きょとんとした輝だが、そのまま顔をうずめて肉芽を舌で探る。舐めてしゃぶっていじる。
どんどん秘裂殻蜜がこぼれる。救って舐める。くちゃくちゃいじると透明な蜜がどんどん白く濁ってきた。
「あーーー、うーーーーん、はあ、くぅぅぅぅ! あぁぁん! くっ」
ぐちゃぐちゃ舐めているとらいかは足を伸ばして痙攣する。力を入れていたがくたんとのぼせる。
「ふうー。気持ちいいー」
らいかの口からよだれが滴り落ちた。
「もう、いいわよね」
そういうと、らいかは輝をうつぶせに寝させる。輝の男根は小さながらもそそり立ってる。
「ふふっ。今日のメインイベントね」
らいかは輝の腰あたりに座る。つまりそういうことだ。
「……あの、いいのかな?」
輝はおずおずと尋ねる。これかららいかが何をしようとしているかは分かる。つまり、輝のあれを
らいかのアソコに入れるということ。女の子の一番大事なものを捧げるということだ。
「うん? べつにいいんじゃないの」
だが、らいかの返事はあっけらかんとしている。短い付き合いだが安易にこのようなことをする子ではない。
理不尽な命令は多いがきちんと筋は通っている。
「で、でも……」
なおも輝はためらう。
「うるさいわね」
けれど、らいかは輝の腰を押さえ男根を手に取るとそのまま腰に添えて落とした。
「うっ」
ぬるり。すでにらいかの秘裂は蜜でべとべとだ。皮かむりの輝の男根は先が細くて小さい。するりと
入った。輝には熱く締め付けられこれまでにない快楽が襲う。
「おっ、思ったより痛くはないわね。でも……硬い」
らいかから熱い吐息が漏れる。彼女は処女である。今まで男と付き合ったことはないし近づかれたこともない。
いくら美人でも気の強い性格とやくざの家であることが遠ざけられる。
それでも知識はある。初めは痛いと聞いている。けど、あまり痛くない。でも異物感はある。おなかの奥に
突き刺さる硬い異物感。腰を動かしてみる。
「うっ、あぁ、くぅぅ。くるぅ!」
「あぅ、はう、あはっ、かぁ!」
互いにうめきあい。二人の結合点からじわりじわりと快感が走り伝う。吐息が漏れる。
熱く熱くうめく。感覚は思考を麻痺させる。痛みも快楽も変わらない。刺激から生み出される電流は
脳をとろけさせる。らいかの腰が動く。輝の腰も動く。たまらない。輝には自分の男根に熱くねっとりと
まとわりつきしごかれる。らいかには硬いものがずんずんと突き立てられていく。二人は進む。高まっていく。
輝はらいかの胸に手を伸ばした。自然の動きだ。少しでも快楽に耐えようと乳首をつまむ。
「きゅうっ」
だが、それは誤りだ。乳首を摘むたびにらいかは輝の男根を締め上げる。たまらない。
「くっ」
らいかの頭が降りてきた。そのまま輝とキスをする。唇だけからぴちゃぴちゃと舌を交えての
濃厚なのに変わる。上も下も体液を交換し合う。輝の舌を吸い付かれ、下も締め上げられ思わず
放出する。らいかの口に輝の唾液が。らいかの子宮には精液が吸引され(キャプられ)てしまう。
二人はそのまま力を落として抱き合っていた。
「あー、気持ちよかった」
あっさりとらいかは立ち上がって言う。
「でも、べとべとね。もう一度お風呂に入らないとだめね」
体のあちこちについた汗やら唾液やらを見回しながららいかは呟く。
「あんたもお風呂に入る?」
呆然としている輝に声をかける。
「あっ、はい」
輝はそれだけを返事した。
「……えっと、ちょっと良いですか?」
ふんふんと鼻歌を歌うらいかに輝はおずおずと声をかけた。
「んっ、なに?」
らいかは輝をみる。
「どうして僕なんです?」
分からなかった。女の子の一番大事なものをささげられる理由が。
「んー、今日は戦闘で色々と鬱憤がたまったしね。寝て食べて解消しても
いいけど、たまには違う方法でスカッとしたかったしね」
にっこりとした笑顔でらいかは言った。対照的に輝はどんよりとする。
「つまり、僕はダッチワイフと同じ意味合いか……」
言うまでも無いが二人はただの人間ではない。悪魔寄生体に取り付かれて
いる。戦闘など緊張状態になれば衝動がたまる。その解消のために寝たり焼肉
などをたらふく食べたりする。つまり、輝はらいかにとって溜まった衝動を発散
させる道具でしかないということだ。
「でも、輝以外にこんなことをする気は無いけどね」
落ち込む輝に、らいかはポツリと一言声をかける。「えっ?」と、輝は顔を上げると、
「ふふっ。こんなに気持ちいいんだもの。これからもやらなきゃ損ね。そうだ。
今度はリツと佳代子。ジゼラもいいわね。みんなで他のしましょ。あっ、言っておくけど
これからオナニー禁止だからね。輝の精液は全部あたしがキャプるから」
本当にいい笑顔で言い切った。「拒否権は無いからね」この言葉を聞きながら悟った。
──自分は捕らわれたのだと。後はただ吸引されるだけ。そんな甘美な地獄にはまったのだ。
……もっとも、それに喜んでる自分も感じていたのだが。 つづく。
以上です。今度は他のメンバーを交えたのを書こうかなと思ってます。
もっとも別のも書いてるのですが。こちらはエロよりストーリー重視と
なってます。どちらが先になるか分かりませんがよろしくです。
>今度はリツと佳代子。ジゼラもいいわね。
リツは悪魔寄生体だけど、佳代子とジゼラはただの人間だよな?
………(性的な意味で)喰い殺されるっ。ジゼラ、佳代子さん逃げてwww
いやっほうぅ!
>>383 GJ!
らいかエローい!w
なんか「面白そうだから」でジゼラと絡まされる輝が目に浮かんだ。
で、出しそうになったら見る見る不機嫌になるお嬢。
>>383 なんと堂々とエロいのか。
きゅうんとした輝きゅんのエロさを出しつつ、主役のらいかのエロがなんともわびておる……
>>392 数寄者の大金時殿に響くかどうか、それがしのらいかもお試しくだされ!
というわけで、私も極道☆キラリで、らいか陵辱モノを投下します。
生意気ならいかを犯してやるっ! というつもりで書きましたんで、
陵辱物が苦手な人はスルーしてください。
あと、設定がかなりご都合主義です。
ホーリィメイデンの能力が未発表なのをいい事に、無茶苦茶なチートしてます。
だって、らいか陵辱したかったんだもん……
394 :
らいか陵辱:2009/03/16(月) 00:29:00 ID:d2uQGrCC
梅林佳代子の手に入れた悪魔寄生体“ホーリィメイデン”。
その恐るべき能力とは『男に対する絶対支配権』だった。
悪魔憑きにすら効果を及ぼす力の強さを恐れ封印されていた能力を、佳代子は手に入れることが出来たのだ。
イタリアでの決戦はその力で手に入れた手下と、そして男だった輝の裏切りによってらいかの完敗となった。
全裸で倒れ付すらいかに、佳代子は手に入れたもうひとつの力を施した。
“ブラック・ギアス”
逃亡中に手を差し伸べてくれたデビルズ・ネストという組織から頂いた力だ。
生意気なリツとトカゲはキャプチャーし無力化した。輝は自身の力で下僕と化した。
そしてらいか……この人を人とも思わない女は、殺してもまだ物足りないぐらい憎かった。
(今まで受けた仕打ちを何倍にもして返してやるっ!)
その為には、らいかの力を無力化するだけでは飽き足らない。
いや、力のあるまま屈服させる必要がある。その為の力が、佳代子の手の中にあった。
目覚めた時、らいかは何処とも知れない一室に寝ころがされていた。
戦闘後そのままに服は着ていなかったが、拘束されたりはしていないようだ。
「お目覚めのようね。」
部屋にはもう一人、佳代子が椅子に座ってくつろいでいた。
「あんたっ!」
「おだまりなさい。」
「誰に口をっ! キャァッ!」
怒りに立ち上がったらいかは、突然の激痛に仰け反りかえる。
不敵な笑みを浮かべた佳代子がらいかに説明する。自らの勝利とらいかへ施した処理を。
「あんたはもう私に逆らえない。これからは私がご主人さまで、あんたが召使い。いえ、下僕よ。」
痛みと口惜しさに目尻に涙を浮かべながら、らいかは佳代子を睨みつける。
「ほほほっ、口惜しいっ? それとも恐いのかしら?」
「あんたの下僕になるぐらいなら、死んだ方がましよっ!」
説明ではブラックギアスに反抗すれば死ぬということだった。生き恥を晒すよりはその方がいいかもしれない。
「あら、それだとリツさんがどうなるかしら。それにあなたの実家の皆さんも……」
子の命は親のもの。それがヤクザの家の掟だ。リツがらいかの為に死ぬのは問題ない。
だが一家丸ごと人質となれば話は別だ。親は一家を護るために行動しなければならない。
「くぅっ!」
今は佳代子に従うしかない。だが桜川組の秘術使い達が佳代子を倒せば、状況は打破できるのだ。
らいかは口惜しさに歯軋りしながら佳代子の高笑いを聞きつづけた。
395 :
らいか陵辱:2009/03/16(月) 00:29:22 ID:d2uQGrCC
「入ってらっしゃい。」
おどおどと、やはり全裸の輝が部屋に入ってくる。
「あんたっ!」
「ひぃっ! す、すいませんっ!」
らいかは輝の姿を見ると起き上がり、いきなり殴りつけた。
操られていたとはいえ、こいつの裏切りによってらいか達は負けたのだ。殴るだけで済ますわけにはいかなかった。
「そこまでになさい。」
一発殴っただけで佳代子に止められる。
当然そのままでは腹の虫がおさまらず、壁まで歩いて佳代子と輝の顔を思い浮かべゲシゲシと蹴りつける。
裸足が少し傷ついたが悪魔憑きとしての力は残されているので平気だ。
「輝さん、いえ輝くんね。決心はついたかしら?」
佳代子が輝に問い掛ける。どうやら今の輝は正気のようだ。
「……ぼ、僕は……その……」
裸が恥ずかしいのか股間を隠したままモジモジと言いよどんでいる。
「別に断ってもいいのよ? その時はホーリィメイデンの力で無理やり動かすだけだから。」
「……いえ、その……やりますっ、やらせてくださいっ」
真剣味を帯びた声で、輝が応える。
「なにをするってのよ?」
らいかが脅すように聞くと、輝が怯えて後ずさった。
恐さと照れが入り混じった表情でうつむく輝に代わって、佳代子が勝ち誇るようにらいかへ告げる。
「輝くんには自分の意志で味方についてもらうことにしたの。そして今後の保証として、あんたを犯してもらうことにしたの。」
「なっ!」
自分を犯す。つまり輝とセックスさせられるということだ。
正直負けた時点でそのぐらいの覚悟は出来ていた。
人質として大事にされる可能性もあったが、佳代子にしていた仕打ちを考えると期待薄だった。
それよりも、輝自身の意志で裏切るということが許せなかった。
「あんた……本気で裏切るつもりなの?」
輝はうつむいたまま応えない。
「言う事を聞かないあなたより、セラフィムとかいう組織は私と手を結んだほうがいいと思うわよねぇ?」
背後から佳代子が口を挟む。
「ちっ、違いますっ、リツさんと菊千代さんがっ! そのっ!」
慌てて顔を上げた輝の眼に、らいかの視線が突き刺さった。
弁明など無駄だった。らいかは全て分かった上で、輝が要求を飲んだことを問い詰めているのだ。
とても17歳とは思えない迫力だった。そして悪魔憑きとはいえ15歳の平凡な少年には、その視線に耐えることは出来なかった。
「しょ、しょうがないじゃないですかっ! 僕だって! らいかさんがっ! 言う事聞いてくれないからぁっ!」
大泣きしながら溜まっていた不満をしどろもどろに吐き出す。
輝にはもはやどうしていいかわからなかったのだ。
「らいかさんがぁ! らいかさんが悪いんだぁ!」
泣き喚きながら掴みかかってくる。勢いだけで大した力もかかって無かったので、立ったまま受け止める。
「そうね。あんたは仲間でもなんでもなかったわね。」
らいかは今更ながらに輝の相手を適当にやっていたのを悔やんだ。
便利だから適当に使って、使えなくなったら棄てればいい程度に考えていたのだ。
どうせ人質をとられただけだと思っていたが、どうやら輝はらいかにも不満を抱えていたようだ。
「好きになさいっ。あんたのその粗末なものであたしを犯すなりなんなり。」
「あら、いい覚悟。でもそれじゃ詰まらないわ。」
佳代子が不満を口にする。らいかが屈服する姿を見たいのに、本人はまるで負けた様子がない。
「ふんっ、レイプされたぐらいで怖気づいていたらヤクザの娘なんかやってられないわ。」
お前とは覚悟が違うのだと言わんばかりに、佳代子を挑発する。
「そう……なら遠慮は要らないわね。」
苛立ちを見せるかのように佳代子が眼を細めた。
「ならズタボロに犯してあげるわっ! 男達の精液便所になるがいいわっ!」
余裕を崩さないらいかに怒りを爆発させる。らいかの方が格上だと証明されたも同然だが、代償は大きかったようだ。
396 :
らいか陵辱:2009/03/16(月) 00:31:12 ID:d2uQGrCC
「さあっ、輝! さっさと犯しなさいっ!」
「はっ、はいぃっ!」
輝がらいかに抱きつき、そのまま倒れこむ。輝のへっぴり腰をらいかは受け止めることも出来たが、そのまま輝と一緒に座り込んだ。
らいかに覆い被さることが出来た輝は、何度も見たことがある形のいい豊乳を力任せに揉みしだく。
手のひらの中でむにゅむにゅと形を変えるらいかのおっぱい。
女性の胸を揉むという思春期の夢を果たしているのだが、輝の混乱した頭には感触を楽しむ余裕はなかった。
「痛いわよっ! このヘタクソっ!」
下かららいかのパンチが炸裂する。興奮して頭に血が上っていたのか鼻血が出た。
「す、すびばぜんっ……」
「汚いわねぇ、鼻血垂らすんじゃないわよ。」
組み敷いた輝の下から簡単に抜け出すと、逆にらいかが輝を組み敷くような姿勢をとる。
「それになに? すっかり縮み上がってるじゃない。これであたしを犯すつもりだったの?」
股間を指差し馬鹿にされる。確かに股間のモノはしばらく裸でいて寒かったのか普段よりも小さくなってみえた。
「やる気があるなら、ちゃんと勃たせなさいっ!」
らいかが輝の股間に手を伸ばし、肉棒を扱き出す。
「ああっ! ら、らいかさんっ!」
女性の白くて細い指が、輝を勃起させようと奉仕している。
きめ細かい指先の肌が触れる感触が敏感な器官を刺激する。
混乱した頭に快感の信号が届く。快楽を感じて肉棒が硬さを帯びてむくむくと大きくなっていった。
「よし、これでいいわね。」
輝は仮性らしく皮を剥いてピンクの亀頭を出す。先端からは早くも先走りらしきものが出てぬるぬるとしていた。
「それじゃあ、やるわよ。」
どちらが犯しているのかわからないが、らいかは完全にやる気になっていた。
「は、はい……あの、僕、初めてなんで……」
輝は申し訳なくなって謝り出した。
「あたしだって初めてよっ!」
「すっ、すいませんっ!」
とても初めてとは思えない胆の座りっぷりに、輝はまたも縮こみそうになった。
「はい、そこまで。」
やる気になった二人に佳代子が水を刺す。手にはハンディカメラを構えている。どうやら録画しているようだ。
「あたしは犯されるあんたを見たいのよ。和姦してどうするのよ。なにその幸せなロストバージンみたいな雰囲気。」
確かに今の状況はどうみても輝を犯すらいかにしか見えない。
「じゃあ、どうするってのよ?」
らいかとしても輝たちへの義理を果たすつもりでやる気になっていたのだが、
正直このヘタレ男にらいかを犯すことなど出来るとは思えなかった。
「もちろん、こうするのよ。」
佳代子の眼が怪しく光ると、輝が突然起き上がりらいかを強引に組み敷いた。
ホーリィメイデンの精神支配だ。
「さあ、輝くん。頑張ってらいかを犯してちょうだいっ!」
「ふぬぅー!」
鼻息も荒く、らいかの肩を床に押し当て、両足を強引に割り開く。
輝の股間は先ほどまでの遠慮がちな勃起と違い、血管が浮き出るぐらいの怒張と化していた。
決して大きくはないが若々しく硬いペニスを、らいかの股間の秘裂へ先端を押し付けると、そのまま強引に突き入れる。
ズヌゥッ! ギチギチッ!
「いっ!」
膜が破れたような痛みがらいかに襲い掛かる。
股間を見ると輝のモノが自分の秘穴に突き刺さっているのが見える。
急に襲い掛かれ、覚悟が挫かれた状態で処女を喪失してしまったようだ。
気を取り戻す間もなく輝の腰が前後し出し、血のついた怒張がらいかの股間を激しく出入りする。
「くぅっ、ぅっ、……っ!」
もれそうな嗚咽を堪え、痛みに耐える。
目の前で正気を失った輝の顔が泣いているように見える。その向こうで嬉しそうにカメラを回す佳代子が見えた。
「ううっ!」
らいかの膣内に入っていた肉棒が膨張するのを感じ取る。
唐突に輝の動きが止まったかと思うと、膣内で爆発したような熱が広がった。
397 :
らいか陵辱:2009/03/16(月) 00:32:10 ID:d2uQGrCC
ドクッ、ドクッ、びゅうぅっ! びゅうぅっ!
体内に侵入した輝の肉棒の中を粘液が通ってくるのが膣越しに感じ取れる。
輝がイったのだ。当然中出しされている。
ふと輝の顔を見ると、正気に戻っているらしく真っ直ぐらいかの目をみていた。
「ら、らいかさんっ、僕っ!?」
どうやら射精の時には意識を戻されていたらしい。
「気持ちよかった?」
らいかが笑みを浮かべながら問い掛ける。
「は、はいっ!」
「じゃあ、さっさと退きなさいっ!」
輝の身体を押しのける。ズルリと股間から肉棒が抜け出る。らいかはすっくと立ち上がると佳代子の前に仁王立ちになった。
股間からは処女だった証の血と、輝の白い精液が流れ出ていた。
「これで満足かしら?」
痛みと怒りで殴りかかりたいところなのだが、挑発するのが精一杯だ。
本当は挑発するのも禄でもない結果を生み出すだけなのだろうが、格下の敵に舐められるのはらいかには認められなかった。
案の定、佳代子はらいかに気圧されている。
「ひ、輝さんっ! こいつを犯しなさいっ! もっと徹底的に痛めつけるのよっ!」
再び洗脳された輝が背後から襲い掛かってくる。
バックから突き入れられると抵抗できず、犯されていると強く思える。
「そうよっ! そのまま変身しなさいっ! 悪魔化して犯すのよっ!」
佳代子から予想外の指示が飛び、らいかは眼を見開いた。
膣内に挿入された肉棒が爆発したかのように巨大化し、膣口が引き裂かれ血が流れ出た。
それだけではない。輝の悪魔寄生体グラディウスは変身の際全身に蒼炎を発する。
「キャァッ!」
一瞬発生した蒼炎が膣壁を焼く。流石のらいかも悲鳴を上げた。
更に輝の腰と接触したお尻や、両手で捕まれた腰も火傷を負い、白く滑らかな肌が焼け爛れた。
あまりの激痛にらいかは失禁したが、それに気づく余裕もなかった。
たまらずらいかは肉体修復を使い火傷を癒す。再び膣壁が湿り気を帯び、お尻が艶やかな曲線を取り戻す。
人並みならぬ巨根に引き裂かれた恥裂も癒され、らいかの性穴は輝の剛直を無理なく咥え込みピッチリと締め上げていた。
398 :
らいか陵辱:2009/03/16(月) 00:32:52 ID:d2uQGrCC
変身した輝のペニスは馬並の太さと長さを持ち、らいかを刺し貫いている。
体内に巨大な異物が挿入されていることに息苦しさを感じるが、先ほどの肉体修復で不思議と痛みは消え去っている。
変身が落ち着いたのか輝が動き出し、腰を前後に使い出す。
輝の腰の動きに合わせて、自然とらいかの腰も前後に揺さぶられる。
挿入された肉杭が太すぎ、らいかの秘裂から抜くには抵抗が大きすぎるのだ。
ずりずり〜っ、ずんっ! ずりずり〜っ、ずんっ!
あまりに長いため引き抜くのに時間が掛かるらしく、抽送はゆったりとしたものだった。
しかしその分、一突き一突きが強く、子宮に直接パンチを受けているような衝撃を受ける。
不思議なことに、そのことにらいかは痛みよりも快楽を感じていた。
(なに……これ!?)
四つん這いになりながら下から股間を覗き込む。
ゆっくりした前後運動に自慢の双丘が大きく揺れているのが見える。
その向こう側、ヘソの下から秘裂の間の下腹部は、体内に挿入された輝の一部の形が分かるほどぽっこりと膨らんでいた。
人相手ではありえないほど巨大な物体の挿入。それを難なく受け入れ、あまつさえ快感を覚えている自分の身体が信じられなかった。
らいかには分からないことだったが、これは輝の巨根を受け入れながら肉体修復を使用したためだった。
体内の悪魔寄生体がこれ以上の苦痛を受け取らないように、らいかの身体を悪魔化した男を受け入れることの出来る理想的な体型へと“最適化”したのだ。
更に身体の変化は留まらない。輝の剛直は未だ体内にあり抽送を繰り返している。
しかもそのイチモツはただの陰茎ではない。炎を模した体型に合った肉棒が備わっていた。
ゴツゴツとした陽根には炎のゆらめきのような突起が幾つも波打つように生えているのだ。
これを潤滑に受け入れるために、らいかの悪魔寄生体は脳へ快楽信号を飛ばし愛液の分泌を促進させる。
くっちょ、ぐっちょ、ずっちょ……
粘膜と陰肉が愛液と絡み合い淫らな音をリズミカルに奏で始める。
更に男根についた突起は、淫裂の裏側から割れ目の上についたクリトリスをなぞり上げるような刺激をあたえる。
次第に奥へ奥へと侵入領域を深めていくうちに、秘豆は充血を始め皮を剥いて勃起し出す。
そして陰茎の付け根に近い部分についた突起は長く大きく湾曲しており、深く挿入を繰り返すうちに遂に淫豆を直接突き上げた。
「きゃうんっ!」
突然襲い掛かった衝撃と快楽に、らいかは目を見開き、犬のような声を上げて背を反り返らせた。
ぶるんっ、と双乳が放り出されるように揺れて汗が飛び散った。
再び力尽きて四つん這いになると、また淫豆へ強烈な刺激が襲い掛かる。
「ひゃぁんっ! あんっ! あぁんっ! んぁっ! あぁっ! ……」
輝が抽送を繰り返すごとに同じ刺激が襲い掛かり、らいかは反射的に喘ぎ声を発するようになっていた。
らいかは朦朧とした意識のなかで、この厭らしい声はどこから聞こえるのだろう? と不思議に思い、数秒の思考の後に自分が発していることに気づき愕然とした。
(か、感じているというの? この私が? 初めてなのに?)
下半身が生み出す膨大な快楽情報が頭を駆け巡る中で思考を整理する。
セックスが快楽であるということぐらい、らいかも知っている。だが初めからそんな快楽が得られるわけもないこともまた知っていた。
(は、初めてでも、こんなに感じるものなの、かしら?)
悪魔寄生体の余計な手助けだと知らずに、らいかは混乱しつつ順応する他無かった。
悪魔憑きの生殖器は本来らいかの膣にはオーバースペックである。
悪魔寄生体もこのような肉体への負担を長時間続けるわけにもいかないので、らいかの身体に更なる変化をもたらす。
異物の排除が最優先事項であり、早急に射精させるべく淫唇が男根を激しく締め上げる。
体内へ侵入した肉杭は長大であり、淫唇だけで締め上げていたのでは埒があかないと察したのか、更に膣内の肉壁が脈動し数箇所で何重にも締め上げを開始する。
らいかの身体は悪魔寄生体により、男を受け入れることの出来る身体を越えて、悪魔ですら満足させる淫乱ボディへと進化していった。
399 :
らいか陵辱:2009/03/16(月) 00:33:15 ID:d2uQGrCC
もちろん、そんならいかの身体に自らの欲望を叩きつけていた輝はたまったものではない。
洗脳されて襲い掛かっているとはいえ、身体は輝のものだ。
2度目の挿入経験、しかも体格差は大人と子供。今は3m近い巨体で半分ぐらいの少女の肉洞に突っ込んでいるのだ。
キツキツの性穴は入り口から奥へと何重もの締め付けで輝の剛直を搾り取るように脈動している。
「ライカ……ライカァッ!」
獣性を剥き出しにして激しく腰をたたきつける。
「あっ! あんっ! あぁっ! いいっ! あぁっ!」
らいかは一突き毎に厭らしい喘ぎ声を上げるようになった。その声に輝の精神は昂ぶり、股間が今まで以上に熱くなるのを感じた。
人の物とは比べ物にならない暴れんぼうを突き入れる度に、心地よい声が発せられる。
抜き取ろうとするたびに逃すまいとするかの如く、手前から奥へと搾り取るようにキュンキュンと締め付けてくる。
この快楽工程をいつまでも続けていたかったが、残念ながら輝には経験が不足していた。
輝は限界が近づくと小刻みに腰を動かし出した。そのたびにらいかの子宮とクリトリスは跳ね上げるように突き上げられた。
お互いが与え合った連続的な快感が輝とらいかの二人を同時に高みへと誘った。
「いくっ! ああぁっ!」「うおおおおっ!」
普段の二人からは考えられない女らしい、男らしい声を上げて二人は絶頂へ達した。
どぴゅぅっ! びゅるるるっ! びゅるるっ! ぶぴゅっ! びゅるるっ!
「ああっ! 熱いっ! 中がっ! 精液っ! 来てるっ!」
悪魔憑きの巨体から大量の精液がらいかの胎内へ流し込まれる。
あまりの巨根と締め付けの強さで膣壁はキツキツに締まっているため、流し込まれた精液は脇から流れ出ることも出来ずに膣内奥深くに溜め込まれ、らいかのおなかがぽっこりと膨らみあがった。
ぶるぶるっ、と輝の身体が痙攣し弛緩する。長い射精が終わったのだ。
膝をつき、らいかの体内から肉棒をずるりと抜き取る。
ごぱぁっ!
亀頭が淫口から離れると、らいかの膣内に注ぎ込まれた白濁が逆流して溢れ出した。
らいかは腰が抜けたのか、尻を突き上げた格好のまま突っ伏している。
ぶぴゅっ、ぶぴゅっ!
スベスベとしたお尻がピクピクと痙攣するたびに、らいかの淫口から精液が吐き出されてくる。
秘肉の回りは流れ出た精液で白く染まっており、白濁の河はそのまま太股を伝って床まで流れ落ちて小水の水溜りと交じり合っていた。
いつのまに正気に戻ったのか、輝は呆然と目の前の光景を眺めていた。
輝の目の前には自らが陵辱した淫裂とピンク色の蕾が淫らな様子を隠すことなく晒されている。
突っ伏したらいかの顔はイった時のまま幸せそうに淫猥な笑みを浮かべたままだ。
らいかは完全に屈服していた。そうしたのは輝だ。
そんならいかの様子を、佳代子は一部始終ハンディカメラに収めていた。
「いいザマね、らいかさん!」
佳代子はらいかの尻に横から蹴りを入れて仰向けに蹴倒すと、お腹を踏みつけた。
「だらしなくイッた顔……この汚らしいマンコ。雌豚と呼ぶのがピッタリだわ!」
下腹部へ乗せた足へ力をかける。らいかの淫口から白濁が押し出されるように流れ出た。
「ああ、だらしないマンコね。」
「か、よこぉ……」
意識を取り戻したらいかが再び闘志を燃やし、佳代子を睨み上げる。
だが体力を使い果たしたのか、足を払いのけることすらままならないようだ。
「ふんっ、ブザマね。惨めでしょう? 口惜しい? 情けない? ざまあみろっ!」
佳代子が口汚く罵る。
「輝さん、あなたはもういいわ。しばらく他で待機していなさい。」
「……」
「それとも、まだヤリたいのかしら?」
「い、いえっ!」
正直これ以上らいかの惨状を見ていられなかった。
輝はらいかから逃げるように部屋を出て行った。
「じゃあ、らいかさん。いえ雌豚。あなたには引き続き男達の便所になってもらうわ。」
「くぅっ!」
佳代子が声をかけるとルドルフと手下達が部屋に入ってくる。
「イタリアの男は女の扱いに慣れてるそうよ。精々可愛がってもらいなさい。」
「へっへっへっ……たっぷり可愛がってやるぜ?」
男達がらいかへ群がる。らいかはそのまま成すすべもなく、男達に輪姦されるしかなかった。
とりあえず以上。なげえっ!
このあと輪姦。帰国。一家敗北。転落。の流れで考えています。
では、一先ず筆を置きます。
ぐっじょぶ
らいかにキャプチャーかけないと逃亡されんじゃね?
とか思ってたらきっちり作中で使ってて感心した
ただ、一つ気になったんだけど、
別にギアスいらなくね?
ホーリーメイデンだけで事足りるよーな……
>>393 テラエロスGJ!
キャプられたのはリツとトカゲじゃね?
らいかをキャプらずに、悪魔憑きのままにしておいた事にちゃんと意味があったのに感心したって事じゃろう
リツはやっぱアレかね
別口で落としきって、それにらいかを責めさせるとか燃えるね
今更ながら極道☆キラリ読んでみました。何も知らずに2巻の表紙を見た人たちは
ジゼラにばれてもてあそばれる輝きゅんを想像したんだろうなぁ。くそっ、だまされた。
まぁ、アレはあれでいいんですが。それよりボス戦で出てきた娼婦のお姉さん方に
可愛がられる輝きゅんを妄想したんだが誰か文章にしてくれんかね。
>>404 お前の妄想を文章にできるのはこの世にはお前しかいないんだ
アリアンロッド・サガ2巻読了。
ピアニィの
「ナーシアさんって……誰?(笑顔)」
「なに?アルのいい人?(笑顔)」
がマジ怖えぇぇぇ!!
殺意がメチャ高い(笑)アヴェルシア王家の姫であるピアニィによるアルの調教モノが読んでみてぇW
ピアニィのヤンデレ的恐怖は何なんだろうなw
アルとナーシアの密会、それを目撃してしまうピアニィ…
ああ、瞳からハイライトが消えて……
そこへ何の脈絡もなくオカン登場。
「まあまあ、こんな可愛いお嫁さんを二人も連れてきて!(喜)」
というgdgdな展開に。
加えて、オカン交えての4P突入というのがこのスレ的に正しい流れかと。
>>408 エルザ姉と感動の再会、そこを見られて…
なんてのもどうでしょう
ピアニィはヤンデレでは無いだろう。
殺意溢れるデレではあるけど、正気のまま殺意が溢れているのが怖いところだ。
つまり、病んデレではなく、殺んデレ……か?
ヤンヤン(アルを攻撃しちゃ)だめぇっ!!デレの略ですね、わかります。
>>412 平和な国を目指していたフェリタニアが、ピアニィが病んでゆくにつれて恐怖の帝国に…
どう見ても勝ち目ないのに建国とか、
最初から狂ってるから問題ない
ちょwww
それは言わないお約束www
この流れなら言える!
サガは戦乱のプリンセス・ピアニィと、その参謀ナヴァールがラスボス
今回も『最強のフィアンセ』がリシャールかと思ったらピアニィ自身のことだったしなぁ
ピンフな国…?
柊力による理想郷みたいな感じか
新刊はナヴァール×ステラな雰囲気が…
ヤベエ、きくたけNPCなのにステラが可愛くなってきた
謝れ!
ガーベラさんとかに謝れ!
「>420さん。後でお話があります……」
新刊のP82を読んでエロい想像したのは俺だけじゃないはずだ!
P82だって……?
姉と妹らに弄ばれ……蹂躙された……?
ピアニィもその巻き添えをくらっただと……?
しかもここでは書けないことだなんて……。
アルがどんなエロ羨ましい目に遭ったのかを想像するだけで……興奮するぜ……。
ぐぁばらっ!
ば…馬鹿なっ!私は貴女の左腕のはずっ!?
ベネットを四つん這いに押し倒し、小さな体に似合わぬモノをバックから突っ込むヤンヤン。
ヤンヤン「ピアニィ様第一の忠犬の地位はこのヤンヤン様よ。
どこの馬の骨とも知れない三下犬娘などにくれてやるわけにはいかん。」
ベネット「あひぃ! や、やめてくれでやんす〜!」
シチュはエロいのにべネットの台詞が出た途端ギャグになるのは何故だw
それはベネットだからさ
完全に静止してれば萌えキャラになれるのにさ
黙ってれば美人ってヤツか。
実際ベネット、獣耳として有る程度人気出そうなもんだがww
実際に大人気じゃないか。
ネタキャラとして。
……でも、俺はあの性格、口調も含めて萌えるんだ
唯一つ悲しいことは……サガになってケツ出しルックやめちゃったことだけどな!
ステラがいろいろヤベェ
なにこの愛キャラ
ピアかナヴァール庇って矢を受けて死にかけて、
ナヴァールが自分の(真の)レベル20以下になる勢いで回復させる未来が見えた
>>433 仕方あるまい、ナヴァールが臥龍ならステラが鳳雛なんだから(笑)
橋の上で何十人もまとめて相手をする(性的)無双ベネットが見られるのはサガ無印二巻のみ。
もうナヴァールとステラはこのスレ的な意味で大人の関係ってことで良いと思うんだ。
いいところで邪魔が入るのもお約束として美味しいが、明らかに事後な絵もアリだよな!
同じく、新刊のステラに悶えましたわ。
ガーベラといい、武人な女性NPCに弱いと自覚。
そんな訳で、非エロですが、第4話のあれに邪魔が入らなかった
場合を妄想したので投下します。
新刊未読の方は、ネタバレにご注意ください。
ナヴァールの首に優しく回されたステラの両腕。
ランプを唯一の明かりとする薄暗い室内でも、伝わる温もりはその
持ち主の心情と上気させた白肌を容易に連想させる。
内心に沸いた動揺を表に出すことなく、竜の瞳をもった軍師は落ち
着いた声音で妹弟子に話しかけた。
「ステラ、実はキミの為に今日もクイズを用意してある」
「……クイズは今は、いい。私は―――」
「まぁ、聞け。同じ師に学んだ二人の男女がいる。この二人は友人で
あり、互いに好意を持っているのだが、それぞれの立場があって本心
を明かすことは出来ない」
「……っ!」
ステラの両腕に震えが走った。
息を呑むような沈黙を理解と取り、ナヴァールが言葉を続ける。
「策謀や失脚の火種となるゆえ、この二人は相手に対し言葉や手紙で
本心を伝えることも、指輪などで形として残すことも許されない。
では、この男女が相手に対し、友情以上の気持ちを伝えるにはどう
したら良いか?」
しばらくして、ステラが回していた両腕を解いた。
「伝えることも残すことも許されない……か」
ぽつりと呟き、うなだれるように肩を落とす。
彼女は兄弟子の設問を、優しくも婉曲なメッセージと受け取った。
一国の王女と他国の使者の立場。
確かに正論だと思うものの、落胆と悲しみが湧くのは抑えられない。
「……夜分に済まなかったな。失礼する」
顔を伏せたまま、退室しようと後ろを向いたステラ。
しかし、その腕を掴んで止める手があった。
「……ステラ。やはりキミは頭が固いな」
苦笑した兄弟子の声に、かっとなって振り返った瞬間―――
吐き出そうとした怒りの声は、触れた温もりにせき止められていた。
息を忘れたしばしの時間。
ゆっくりと離された兄弟子の唇が言葉を紡いだ。
「これが設問の答えだ」
歓喜と驚愕、抗議と混乱の全てが合わさり、すぐに理解へと至る。
赤面したステラが部屋を飛び出すのに、そう時間は掛からなかった。
さあ、続きを書くんだ
>赤面したステラが部屋を飛び出すのに、そう時間は掛からなかった。
ナヴァールが早漏だと!?
>441
つかナヴァールが臥龍なら肝心のモノも臥せたままだったのではないかと。
この益体なしめ。
つまり竜を起こす為にナヴァールの指示でステラが頑張るんですね!?
P82が82Pにみえた
どんな体位になるのか少しわくわくしてしまった
返せよこのわくわく感!
スレイヤー:竜(名器)
446 :
いつふた:2009/03/22(日) 18:53:53 ID:u+BRIG+a
ゲーム:DX2(宇宙スペースNo.1)
原作:地下スレ26>533-534
形式:会話形式(いつものふたり)
エロ度:エロネタギャグ。
レス数:3+1
備考:微グロ注意。
◇スペースの空間
「ねぇねぇ」
「あ〜?」
「>533がさ、面白いシチュエーションを提案してるんだけど」
「ああ」
「>534が水を差してるほどだから、上手くいかないんじゃないかなぁ?」
「ふむ、では状況を整理してみよう。
何らかの理由で故障したと思しき衛星支部長を修繕するために、隼人と椿が
宇宙へ出張する。
衛星支部長の本体が存在する人工衛星は、勿論、気密性の高い密室であり、
当然、気軽に外出することはできない場所だ。
省エネのため、地上との通信は緊急時以外禁止されており、娯楽も許されて
いない。
押しなべて人間は、他者とのコミュニケーションを欲する動物である。これ
ほど完璧な二人きりの状態では、すぐ傍にいる相手と向き合う以外に、コミュ
ニケーションを得るすべはない。
更に、生活スペースは六畳ほどの狭さ。互いの間には、巧まずして触れ合う
ほどの距離しかない。
ところで隼人と椿は、この出張の直前にお互いを異性と意識し始め、そのせ
いで少々ギクシャクしている。
だからこそ、他人の耳目が全く存在しない場所で、雑魚寝を強いられる若い
二人の仲が、セックスに至るまで進展するであろうことは想像に難くない。
というのが、>533の主張だと推測される」
「だから>534が水を差してるじゃない。『宇宙空間で六畳は広い。床だけじゃ
なくて壁や天井にも寝れるからな』って。しょせん数日の宇宙出張、二人して
意地を張り続けて、機材や何やでお互いの私的スペースを区切って生活しそう
なものだよ」
「では>534に反論してやろう。『宇宙空間でも六畳は狭い』と」
「どうしてさ。床が六畳なら天井も六畳でしょ? 完全立方体の部屋だと仮定
すれば、六畳×六面で三十六畳の広さだよ」
「三十六畳は広い。当たり前の話だ。
そして六畳は狭い。これもまた当たり前の話だ」
「だから六畳だと三十六畳になるってば」
「だから六畳が三十六畳になるという計算が間違っている。六畳は六畳、それ
以上でもそれ以下でもない」
「でもでも」
「ここで、“六畳”の畳を想像してくれ」
「……ん、想像したよ」
「ただし、それらは一畳分の畳4枚と、半畳分の畳2枚と、一畳分の畳1枚を
長手方向に四等分した畳片とを合わせて六畳である」
「…………想像、したけど?」
「まずは一畳分の畳4枚で四角筒を形成する。
『立って半畳、寝て一畳』、という言葉はあるが、現代日本人の平均身長を
鑑みて、4枚の畳片で四角筒の軸長方向を延長する。
最後に、四角筒の両端開口部を半畳分の畳2枚で塞ぐ。
以上で、六畳かつ狭い、という条件を満たした部屋が得られる」
「何そのウナギの寝床」
「『宇宙空間でも六畳は狭い』という命題を満たす必要十分な代物だが」
「ムチャゆーな!? そんな棺桶の親戚みたいのが居住空間になるわけないだ
ろっ!? よしんばそーゆー部屋があったとして、一人が寝るのが精一杯じゃ
ないか!」
「この“六畳一間”に隼人を放り込み、隼人と畳との間に椿を詰め込めばOK」
「無理だよ! 入らないよ!」
「椿はエグザイル・ピュアである。肉体を上手く伸縮させればきちんと入るさ。
スライムのように、な」
「スライムはマズいだろ。隼人を溶解する気か?」
「男をとろかす魔性の肉体」
「物理的にとろかしてどーするよ」
「スライムでダメなら、バーバ・パパのように、と比喩してやろう。ピンク色
で可愛らしいぞ」
「…………とりあえずその辺にツッコむのはやめておくよ。
仮に、その“六畳一間”で隼人と椿が二人きり、互いに密着状態になったと
して、だ。
狭すぎる! 極端に狭すぎる! どーやってセックスするんだよ!? 腰を
動かす余裕がなければ、挿入も性運動も不可能だろ!?」
「トポロジー的に言えば、膣は人体の外面に存在する」
「はい?」
「よーするに、袋を中表にするみたいに膣壁を表面に出してきて、それで隼人
の肉茎をシゴけばいい」
「やめろーっ! 想像すると気色が悪ーい!」
「この場合、膣が密閉可能な容器状になっていないため、絶頂に達した隼人が
射精したときに上手く椿が受け止めてやらないと、そこらにザーメンをブチま
けてしまうという問題はあるが」
「そこだけか!? 問題はそこだけなのか!?」
「精液に溺れて死ぬという情けない最期を回避するために、仕方なく二人は、
空中を漂う生臭い白濁液を、ストローで吸って飲むのである」
「何で!?」
「実際、宇宙船のクルーは、無重力空間で零した水を、そうやって回収するこ
とがあるのだよ」
「ンなことしなくたって、バキューム・タイプのハンディ・クリーナーか何か
を使えばいいじゃないか」
「>533が設定した極限状態において、そんな便利な道具を人工衛星に持ち込む
余裕があるとはとても思えん」
「う、そりゃそうだ。
しかしなぁ、せっかく仲直りした顛末が、最後に二人して精液を飲んで終わ
り、とゆーのは、悲劇とゆーか喜劇とゆーか……互いに顔を見合わせて力なく
苦笑いしながら地上へ戻る隼人と椿が目に浮かぶようだよ」
「ま、ブチまけたザーメンを隼人のモルフェウス能力で固体に変化させて回収
すれば済むことだけどな」
「それを先に言えー!」
・・・・・おしまい。
以上、無重力状態では、男が突き込んだり引き抜いたりする分だけ女の腰が
前進したり後退したりするだろうから、女体を壁や床に固定するとか、男女が
上手くリズムを合わせて動くとかしないことには、セックスするのは無理だと
思います。というお話でした。
ろ、ロングパス…?
元ネタが2スレ前なんだなw
GJっしたーw
乙。
かわたなさんの首の、赤いボタンと青いボタンのお話ですね。
サガ無印二巻の感想、ステラ無双なんだが、意外とコーレアってエロチック
>453
3番目のどす黒いボタンが腐女子スイッチって話だぜ
かわたなは一体いくつボタンを付けているんだろうな?
しかもそれらの同時押しも使いこなすとゆー・・・。
ボタンは3つだが、同時押しの他、連打したり数秒押し続けてから離したり決まった順に押したりと言った隠しコマンドがある噂。
かわたなさんはリントの戦士だってばっちゃがいってた!
ところで今回ギルドネームの「アブソリュート」が完全空気だった件
>>435 アリアンロッド・サガ・リプレイ外伝ベネットSAGA
ということか。
>>459 フェリタニア王国
がもうギルドネームみたいなもんだからなー
まよキンみたいだな
ソウルアーツ読了
ユイはやっぱりふたなりなのだろうか。
両方無い可能性も
月衣に剣を無理に出し入れする時の夏姫にエロスを感じるのは俺だけだろうか
統一帝までのし上がる気満々でフェリタニア名乗ってるのに王国なんだな
なんか最後でヘタレた感がw
>>468 殺意は高いが、野心はそれほどでも無いからじゃない?
まかり間違えば、共和制でも敷きそうだし。
まあ帝国名乗るなら国を幾つか併合してないとかっこつかんしなあ。
統一帝目指すんために王威の竜輝石を持って“王国”を名乗るとこから
始めなきゃいけないんじゃなかったけか。
まずはお友達から、みたいなものか…
おーい、エロと関係ない話題になってるぜー
別にいいんじゃね?
設定を再確認して、降りてくるアイディアもあるかもしれん。
エロと関係ない話するんならリプレイスレに棲み分けろよ、ってのは普通のことだろjk
サンプル箒騎士の下はミニスカなんだろうか、短パンなんだろうか。
短パンだとしたら新しいな。
残念なことに短パンだな。箒に乗って飛び回ること前提のデザインなんだろう。
ミニスカで飛び回るのがよかったのにぃ〜!!
だが待って欲しい
短パンにエロスがないと言い切れるだろうか?
短パンのエロスは健康的エロス。
すなわち運動とセットであってこそ発揮される。
その点メイガスブレードという体育会系学科に所属するサンプルキャラは条件を満たしているように見えるが……
制服じゃねーか! 短パンなら運動着じゃなきゃダメだろう!
というわけで俺の憤りを収めるために、誰か調子に乗った夏姫が冥魔に陵辱される話を書いてくれ。
夏姫の胸でかくてエロすぎるだろう……特に裏表紙になってる方。
短パン+触手
健康的な短パンのはずなのに
裾から侵入した瞬間、素晴らしく病的なエロスに!
ブルマー・スパッツ・ミニスカ「短パンなぞ、我等制服四天王の中では一番の小物!」
>>480 触手が絡めば大概健康的ではなくなるような。
健康的な触手ものってどんなんだろう
そしてここの趣旨的に健康的じゃなくても問題はなかった
「一週間待ってください。こんなブロイラーの紛い物じゃない、本当に健康な触手を見せてあげますよ」
むしろブロイラーの触手なるナマモノについてkwsk
>483
突然、化け物になってしまった人間の葛藤モノとか
……あー、健全であっても健康的じゃないか?
とすっと後は能力バトルものだな、少年誌的な
>>483 百合星人ナオコサンに出てくる触手・・・とか
>>483 お姉ちゃんの3乗……っても誰も知らんか
なら、アツアツのたこ焼き(←触手成分)を頬を染めつつ艶やかに食すベル様とかどうだろう?
>>489 運動会でイカ焼きかじる夏姫でいんじゃね
たしかにあの短パンは裾から手を入れてフトモモをなで回したくなるなあ
>488
初体験から放尿フィストなんでもありなお姉ちゃんが増えるゲームなんて知りません
>488
誰と誰のお姉ちゃんが参上するのか言ってみ給え。
>>484 天然のほうが安全でうまいなんて幻想だぞ。
美味しい触手……海老のような味がするツインテール?
この中にグドンがおる
無限のファンタジアか。
よしわかった、星海の彼方より舞い降りたるリグドフライトで手を打とう
海老のような味らしいし
アンゼロットが大好きなら〜アンゼロットは増えてもいいね〜♪
D&Dがよくわかる本のエルフが爆乳な件について。
ゼロ魔といい、最近のエロフは乳がでかいのがムーブメントなのかのう。ディードは
華奢エロだったんだがなあ。
いいぞもっとやれ!
まあピロテースの時点でなあ。
エルフは華奢な方が好きだなあ、俺
生粋のエルフは華奢で、ハーフやダークなエルフは爆乳が好みだなぁ
>ゼロ魔
あの娘は確かハーフエルフ
マウナとかの例もあるし、多少おっきくても問題ないよ!よ!
あ、あれも半分か
シャイアラは生粋エルフだけど胸が大きい設定だな
食道楽だからなんだっけ
新世紀エルフのスタンダード、
スリンガー姐さんも巨乳だったぞ。
絵師の趣味かもしれんが。
508 :
らいか陵辱:2009/04/01(水) 00:25:08 ID:hyH4M57/
>>399の続きで、極道☆キラリのらいか陵辱を投下します。
レイプ・輪姦・羞恥プレイ・肉体改造等のハードな描写がありますので、
そういったのが嫌いな方はNG推奨です。
509 :
らいか陵辱:2009/04/01(水) 00:26:22 ID:hyH4M57/
男達はらいかを徹底的に嬲った。
気絶している間にホテルから拝借してきた、らいかの荷物から行事用に持ってきた制服を着せると脅迫ビデオを撮りはじめた。
そんなものに屈する自分や組ではないと思うが、弱みを握られるのは屈辱だった。
抵抗の言葉も通じるのはルドルフだけ、拒絶の行為は佳代子によって禁じられていた。
らいかは犯されるのは我慢できるつもりだったが、男達はより狡猾だった。
薬を使い、らいか自身に男を求めさせたのだ。
通常なら薬など悪魔寄生体が浄化してしまうが、濃い原液を直接血管に注入され、乳首と淫核へも注射された。
常人なら5回は廃人になる量だったが、悪魔憑きなら壊れても治るので効果だけを何度も与えることが出来るのだ。
そうして壊れた状態では意地もプライドもあったものではない。
男達に愛撫された上で焦らされれば、犯してくれと懇願するのも時間の問題だった。
元々らいかは我慢するのが嫌いなのだ。ヤクザの娘といってもお嬢様学校へ通わされ甘やかされて育ったのだ。
覚悟と言っても普通のお嬢様よりはマシな程度だ。本場のマフィア相手に通じるものではなかった。
それに薬を打たれたことも拍車をかけた。らいか自身に『負けても仕方がない』という言い訳を与えてしまったのだ。
結果、男達にあさましくチンポ下さいと泣きながら喚く醜態を晒したのだ。
らいかの目の前に突き出された男達の肉棒は皆どれも父親のモノと遜色ない逸物だった。
女性の悪魔憑きが無意識に肉体を美しく変化させるのと同じく、男性も己の理想を体現させるのだ。
未発達な輝のモノと違い、大人の外国人男性のモノだ。どれもらいかの腕より太く、二の腕ほども長く、そして力強く反り返っていた。
エラが大きく張ったものや、真珠を入れたようにコブが生えているものまであった。
早く突っ込んで欲しいと思うが、男達はまず上の口に咥えさせた。
上下の口からダラダラと涎を垂らしながら男の欲望を舐めまわし、吐き出された精液を飲み干させられる。
男の欲望の臭いと味を噛み締め、頭の中が完全に男と交わることだけに染まった時、らいかは遂に犯された。
何人もの男が肉槍を突き出し、らいかの穴という穴を貫いた。
上下の口だけでなく、菊門も胸の谷間も使って奉仕させられた。
らいかの自慢の髪も、聖ジブリール学園の制服も吐き出された白濁液に染められた。
制服が引き裂かれ全裸に剥かれると、まず陰毛を剃られ、次いで両乳首とクリトリス、大陰唇にピアスを付けられた。
痛みは我慢できたが、思わず肉体修復を使ってしまった。
しかし、肉体に開けられた穴はピアスに邪魔をされ埋まることはなかった。
それどころか、陰毛まで再び生えることがなかったのだ。
朦朧とした意識で不思議に思うらいかにルドルフが説明した。
タトゥーと同じ原理だそうだ。精密動作が得意な悪魔憑きが毛根が再生しないよう別組織を埋め込んだのだという。
刺青やピアスは悪魔憑き自身の肉体ではないため、そこに異物として存在すれば肉体修復は効かないのだ。
同様に、らいかの白い肌に『Bitch!』『Fuck me!』『Free Sex』の落書きが施される。
瞬時に書かれているようだが、これもタトゥーだそうだ。つまり悪魔憑きの能力を持ってしても消せないということだ。
書かれている内容もだが、美的センスの無さにらいかは泣けてきた。
どうせなら父親のような桜か昇り竜を背負いたかったのだ。
その状態で10人近い悪魔憑き達に犯され続けた。犯されるだけでなく、らいかは途中から積極的に男に跨りしゃぶりついていった。
胎内に熱が注ぎ込まれるたびにイキまくり、胃の中へ流し込まれた精液で体力を回復させながら男達と交わりつづけた。
男達の欲望を全身に浴び、前後上下の口から白濁液を垂れ流し、失禁しながら気を失うまで、らいかは狂乱に酔いしれた。
その一部始終はしっかり録画されていた。
510 :
らいか陵辱:2009/04/01(水) 00:27:02 ID:hyH4M57/
次に目を覚ました時、らいかは自分の身体が放つ臭いに鼻をしかめ、次いで記憶のフラッシュバックに襲われた。
無様な敗北に落ち込む間もなく、再び男達はらいかを嬲りはじめた。
正気を取り戻したらいかは激しく抵抗したが無駄だった。
今度の相手は先ほどの相手と同じだったが全員悪魔化していたのだ。
輝との接合を思い出す。あの苦しみと快楽をこいつら全員に与えられるのだ。
まだ薬に酔いしれていた状態の方がマシだった。
そこからは悪夢としか思えない状況だった。
全身に触手が絡みつき、らいかの細い身体を締め上げ宙吊りにする。
細い繊毛のような触手は乳首や淫核のような小さく敏感な器官を締め上げるだけでなく、尿道や耳の穴にまで侵入してきた。
太い触手は膣穴や尻穴へ何本も入れ代わり立ち代り出入りし、らいかの新しい性感を開発していく。
菊門から入った触手は直腸を越えて腸を遡り胃へと到達し、上の口から侵入した触手と共に胃の中へ白濁液を注ぎ込む。
淫裂を割り開き3本同時に挿入された触手の間を、細い触手が通って子宮口を撫で上げ、糸のような触手が内部へと侵入する。
人間の限界を超える責め苦も、悪魔憑きの身体は修復し耐え切れるよう理想的な体躯へと作り変えられる。
悪魔の責め苦が快楽へと変換され、自然と受け入れ可能となる。
元々散々昂ぶっていた身体は、より快楽を得るべく腰や舌を動かし、体内へ侵入した触手を締め上げ、蠕動していった。
空中で四肢を伸ばされ、触手と共に淫らな踊りを披露するらいか。
触手で広められた秘裂へ悪魔化した男達のペニスが突き入れられた。
悶絶し目の前が真っ白になったらいかだが、続けて尻穴へ別の悪魔の淫棒が突き入れられる。
全身の力が抜け、肺の中の空気が全て吐き出された。
鍛えられた男の腕ほどもありそうな太い肉棒が前後から挿入されているのだ。
自分の腹はどうなっているのだろう? もはや人体の神秘に驚嘆するほかなかった。
らいかの身体をサンドイッチにした男達が動き出し抽送を始める。
もう感じるどころの話ではなかったが、体内の悪魔寄生体が再びらいかの体をフォローする。
愛液を分泌して滑りをよくし、男達を満足させるべく膣を締め上げる。痛みを快楽へ変換し脳へと伝える。
一突き毎に絶頂に達することで、肉体の苦痛が精神の快楽でかき消されていった。
男の欲望が胎内で爆発する。先の輪姦で散々味わったはずだったが、出された量が桁違いだった。
ホースでも突っ込まれたように長々と大量の精液が膣内へ注ぎ込まれる。
輝の時と同じく、おなかがぽっこりと膨らみあがった。
続いて後ろの穴へも勢いよく射精される。大腸の中が満たされ、下腹部全体に精液が溜め込まれていく。
巨大な肉棒が抜き取られ、中から精液が勢いよく吐き出されるのを止めるように、別の悪魔が再び栓をする。
上の口でも太巻きのような怒張に奉仕させられ、口内に注ぎ込まれる粘液を飲まされる。
飲み干せず溢れた分は、わざわざジョッキに集めて飲み干させられた。
らいかの体内には既にリッター単位で精液が注ぎ込まれ、お腹はまるで妊娠したように膨らんだままだった。
悪魔たちが一通り満足すると、前後の穴に極太バイブを差し込み栓をし、抜けないようにラビアにつけたピアスと結びつけた。
膨らんだお腹は栓をされたままなので、精液が体内で消化されるまで戻ることはないだろう。
らいかの身体は床にできた精液だまりの中へ沈み、ピクピクと全身を痙攣させていた。
目は見開いたままだが、イキすぎた意識はとっくに飛んだままだった。
「ご苦労さま。よくやってくれたわ。」
どこかへ席を外していた佳代子戻ってきた。らいかの有り様を見て嬉しそうに笑いながら膨らんだ腹を踏みつける。
すると秘裂とバイブの間に出来た隙間から精液がピューピュー噴き出した。
「こうなったら、桜川組の跡取りもお終いよねぇ?」
佳代子は次なる陰謀を実行すべく、行動を開始した。
511 :
らいか陵辱:2009/04/01(水) 00:27:36 ID:hyH4M57/
次にらいかの意識が目覚めたところはホテルの自室のベッドの上だった。
きちんと白い清潔なシーツが掛けられ、らいかの身体を包み込んでいた。
目が覚めたときの心地よさに、今までのはすべて夢だったのではないかと都合のいい考えが頭に浮かぶ。
部屋の中には自分しか居ない。
いつも側を離れないリツも、犬のようについて回る輝も、あの殺しても飽き足らないぐらいムカつく佳代子もだ。
とりあえずベッドから出ようと上半身を起こす。
にちゃっ
股間のあたりから粘液のねばる音が聞こえた。
肌蹴たシーツの下は相変わらず全裸だった。シーツを払い除け自らの秘所を覗き込む。
確認するまでもなく、そこは男達の陵辱の後が色濃く残った白濁まみれのままだった。
下品なタトゥーやピアスが施され、陰毛が剃られた恥丘の周りは子供のようにツルツルだった。
にちゃにちゃと淫音を立てていたのはらいかの秘穴からこぼれ出た精液だった。
「くっ」
手にしたシーツでゴシゴシと拭い取る。白濁液の跡はある程度落ちるが、皮膚の下に染み込んだ染料はどうしようもない。
一応拭き取られてはいるものの、全身そこかしこに精液が張り付いた感触が残っていた。
特に髪の毛に付いたものはパリパリに乾いて固まってしまっていた。
胸についたピアスを力任せに壊して取ろうとしたらギアスの痛みが走った。記憶にないがどうやら外すことを禁じられていたようだ。
痛みに耐えて外すことも考えたが、1つはずす度に気絶していたら割に合わない。それに2つ目で死ぬかも知れないのだ。
とりあえずシャワーを浴びてこのムカつく身体を綺麗にするのが先決だった。
歩くと股間に異物感を感じた。処女喪失の痕跡というより、ずっと男を咥え込んでいた感触が残っているようだ。
備え付けのユニットバスに入り、温かいシャワーで身体を洗い流す。
男の臭いを残さぬよう、たっぷり石鹸を付け力と憎しみを込めて肌を擦り上げる。
髪の毛についた精液はしつこく固着してしまい、どれだけ梳かしても綺麗にほぐれなかった。
仕方がないので固着した部分を剃刀で切り落とす。
どうせ直ぐに元通りになるとはいえ、男の臭いを落とすために髪を切るという行為自体に激しい怒りを覚えた。
一番汚された場所、秘穴に指を突っ込み掻き回し、中に残された精液を掻き出す。
「んっ……はぁ……んっ」
股間をかき回す指が自慰行為となり、次第に体が昂ぶりため息が漏れた。
鏡を見ると火照って赤くなった顔が見えた。
そのまま下を見ると自分の身体に刻み込まれた陵辱の跡がよくわかる。
鏡に映った自分を力任せに殴りつけ叩き割る。
「ち、ちくしょぅ〜〜っ!!」
あらためて悔し涙があふれ出た。そのまま崩れ落ち、しばらく頭から水を浴びつづけた。
512 :
らいか陵辱:2009/04/01(水) 00:28:31 ID:hyH4M57/
バスルームを出て時計を見ると午前10時を回ったところだ。放り出された新聞を見ると帰国予定日だ。
結局、旅行中学校行事にはほとんど参加しなかった。
なぜこの部屋に戻されているのかわからなかったが、どうやら佳代子は自分を日本へ連れ帰るつもりはあるようだ。
とりあえず服を着る。かばんの中には一着しか残されていなかった。らいかへの嫌がらせは続いているようだ。
パンティを履くとクリトリスのピアスが、ブラジャーを付けると乳首のピアスが邪魔をした。
残されていた丈の短いスカートを履くと、ふとももに刻まれた文字が少し覗いていた。
後でスパッツでも買って隠そうと考えたが、財布と携帯は無くなっていた。
誰かに金を借りようと考え、部屋を出ることにした。
仮にだが、今は自由を取り戻しているようだ。まずは組に連絡して佳代子の能力について警告しなければ。
もちろん人に知らせる事はギアスで禁じられている。だが一度なら死ぬ事はないのだ。
一度らいかが耐えれば情報は伝わり対策を練る事が出来る。
佳代子の男性支配能力とて万能ではないはずだ。
一度に操れる数も無限ではないはずだし、強い女組員の能力者に対処させることも可能なはずだ。
そのためにも、まず佳代子に見つかる前に電話をする必要があった。
部屋を出てロビーへ向かうと、帰国前の生徒達で賑わっていた。
ソファに座る黒鳥麗奈を見つけたので近寄り声をかける。
「ちょっとあんた、金貸してくんない?」
らいかの声に気づいた周囲がザワつく。
女生徒たちはらいかを横目で見ながら遠のいて行った。
麗奈が泣き出しそうな顔をしながら、恐る恐る語りかけてきた。
「さ、桜川さん……お体の具合はよろしいのですか?」
その言葉の意味を察するのに、少し時間が掛かった。
(知られているッ!?)
周囲でヒソヒソ声で会話をしながらこちらを見ている視線を感じ、顔を向けると誰もが目をそらした。
「本当?」「私見た……」「流石ヤクザの……」「可哀想……」「自業自得よ……」
羞恥と怒りで頭に血が上りカッと顔が火照るのが分かった。
本人達は聞こえないつもりで話しているのだろうが、らいかの鋭敏な聴覚はしっかり会話を捕らえていた。
らいかがレイプされた事は衆知の事実と化していたのだ。
「ふ、ふんっ、あの程度の事で落ち込むあたしじゃないわっ!」
周囲へ聞こえるように大きな声で麗奈へ応える。
知られているなら仕方が無い。負けたのは事実だ。だが、それでらいかが屈服したと思われるのは心外だ。
強がりでもらいかのプライドを守るためにはこうするしかなかったのだ。
513 :
らいか陵辱:2009/04/01(水) 00:29:03 ID:hyH4M57/
らいかがホテルに戻ってきたのは目覚めた前日の事だった。
帰国前日の午後、黒鳥麗奈はロビーで物思いにふけっていた。
行方不明の梅林佳代子が戻ってきたと思ったら、今度は桜川らいかが行方不明になってしまったのだ。
いつもらいかと一緒だった相田律は佳代子と一緒に戻ったきり部屋に篭りっきりで、春日輝は佳代子の後を付いて回っている。
彼女たちも心配なのだろうと思うが、らいかに秘めた想いを抱いている自分は胸が張り裂けそうな思いだった。
ロビーには最後の自由時間に観光へ出かけようと大勢の生徒達で賑わっていた。
そんな時、玄関先に黒いバンが強引に止まったと思うと後部ドアが開け放たれ、中から大きなモノを投げ出すと走り去った。
最初、麗奈はソレがなんなのかわからなかった。
肌色が多い人型の物体、マネキンかなにかだろうか? それにしては滑らかで継ぎ目がなく生々しい。
「キャーッ!!」
誰かが悲鳴をあげたところで、ソレが全裸の女性だと気づいた。
全身に傷と白い汚れを浴び、股間では筒のようなものがうねうねと動いていた。
力無く四肢を広げてあお向けに倒れた長い黒髪の少女。目をうつろに見開き、口が半開きになっている。
麗奈が恋焦がれた美しいあの顔は間違いなく、桜川らいかのものだった。
「ら、らいかさんっ!」
佳代子が声を掛け走りよるところを見ながら、麗奈はショックで意識を失った。
「らいかさんっ! しっかりしてくださいっ!」
佳代子がらいかの横に座り大声で心配そうに語りかける。
「輝さんっ、運びますよ。」
隣の輝に指示を出し、らいかの左右の脇の下腕を回して肩をかつぎあげる。
両腕を横に伸ばし立ち上げられたらいかの体は、まるで十字架に磔にされたような姿勢になった。
左右で担がれているため裸の前後は丸見えだった。
全身が白濁液で染まり、お腹やお尻には痛々しい傷痕で書かれた文字が見える。
簡単な英語で書かれた内容は誰の目にも内容が理解できた。
なにより、その文字が指し示す股間の惨状が目に見えるのだ。
陰毛一本生えていない幼女のような痴丘に、不釣合いな太いバイブが突き刺さりブルブルと振るえている。
後ろから見た人達は、お尻の穴からも細く黒い棒が飛び出ているのが確認できた。
所々金色に輝くピアスが施され、胸の先からは鈴が吊るされている。
更に胸のピアスからは細いワイヤーが股間の淫豆へ施されたピアスへと結びつき大きな三角形を作っていた。
佳代子たちが歩くたびに、形のいいおっぱいがふるふると揺れて鈴がチリチリと涼やかな音を立て周囲の興味を惹き付けた。
「んっ……ぁっ」
らいかは意識がないまま、与えられた快感に反応しているようだ。
「さ、君達っ! これは一体!?」
騒ぎに気づいた唐澤先生が駆け寄り絶句する。あまりの事態に思考が停止してしまったようだ。
唐澤はらいかの様子を見ていいものか混乱し、目を逸らしながらしどろもどろになり佳代子に語りかける。
「ままま、まず警察をっ、いや医者が先だっ……」
「先生、落ち着いてください。」
佳代子が歩みを止め、唐澤を制止する。
「これはうちの組で処理します。先生は問題を広げないようにしてください。」
「し、しかし……」
「我々にも面子があります。わかりますね?」
胸を張り堂々と
「しかし、そういうわけにも……」
「他の生徒に迷惑をかけるわけには行きません。このまま何事も無かったように処理してください。」
なおも食い下がる唐沢に有無を言わせぬ勢いで言い切った。
「わ、わかった……あとで事情を報告してください。」
「先生は生徒達に口止めをお願いします。」
そう言うと再び佳代子達はらいかの脚を引きずりながら、奥のエレベーターへと歩いていった。
この問答の間、らいかはずっと晒し者のままだった。
514 :
らいか陵辱:2009/04/01(水) 00:30:09 ID:hyH4M57/
佳代子はらいかを部屋に運ぶと、ベッドの上に放り投げた。
「あ〜あ、汚いわねぇ。この服はもうダメね。」
心配するフリのためとはいえ精液だらけのらいかを抱き上げたのだ、佳代子の服にも汚れがついてしまった。
「あたしは着替えて出かけるから、留守番を頼むわ。その間この部屋に誰も入れちゃダメよ。」
「は、はいっ」
輝はすっかり佳代子にアゴで使われるようになっていた。
人質をとられた上、弱みを握られてしまい、どうすることも出来なくなってしまったのだ。
それに反抗したとしてもまた操られてお終いなだけだ。
幸い佳代子の輝への扱いはそれほど悪くなかった。らいかほど理不尽な行動は起こさず、輝の意見も一応聞いてくれるからだ。
一方、佳代子のらいかへの扱いはあまりに非道であり、輝は何度かもう少し優しくするよう言ってみたがそれだけは受け入れられなかった。
一般人になったリツとジゼラは佳代子の命令で記憶を操作し、今は無害な一生徒へと変えられている。
結局、輝ひとりが佳代子の付き人のような位置に留まっているのだった。
「そいつは薬で明日の朝まで目覚めないはずだから、その間好きにするといいわ。」
佳代子はそう言い残して部屋を出て行った。
部屋には輝とらいかの二人っきり。ベッドの上には全裸のらいかが寝そべっていた。
輝の喉が、ごくりと鳴った。
以上。
こういうのって需要あるのかな〜と思いつつも、自分が好きだから書いて投下してます。
前回レスをくれた人達ありがとう!
うむ、一言
人体の神秘じゃねエエエエエエエエエエエ?!
GJ!
人外なDXやデモパラは壊れてもOKな無茶が出来るのがいいな。
そして羞恥プレイキタコレ
次回は輝くん頑張ってくれw
>>516-517 レスd
なんというか、エロ漫画とかエロゲってどう考えても死ぬだろうという状況あるよね?w
そんな状況でも超人達は耐えたり回復できたりで、責める方としては便利だなーと思って書いてます。
今後はらいかの転落人生を書いていく予定です。
では、また機会がありましたら投稿します。
と、遅ればせながらGJ
あの世界、ポンポンと寄生体ばらまけるから、そっち方面にそういう需要有りそうだよねぇ
ソレ用の技術とか能力とか
「寄生虫イイッ!!」
微妙に誤爆した
暗黒神官に騙されてる落ちしか思いつかないんだが
他にあったらむしろ脱帽。
つーか相手オリキャラかよ
え、オリキャラとヤりまくるのがファン感涙なの? マジで?
二次創作にオリキャラは鬼門だろ普通………。
特にイリーナは無いわ
オリキャラ同士でラブラブならともかく、版権キャラ相手にオリキャラでラブラブはキメェわ
卓ゲではないが、「らきすた」みたいな男キャラ不在の作品だと時々見る
でも、イリーナだしな
グラビアアイドルのイメージDVDみたいな。
(いや見たことないんで適当だが)
今更オペケイ(なんかこう略すとおっぺけぺーみたいだな・・・)の
CDドラマを聴いたが、何で俺は今までこれを聴かなかったんだろう。
後悔した! 何か面倒で聴いてなかったのを後悔した!
どの点を後悔したのか悔しく
まだ聞いてないんだ
ただ単に面白かったんじゃない?
エロ的にはベル温泉ぐらいしかネタ無かったような……
うん、面白かった。所々混ざる小ネタが笑えたしw
>>532 ベル温泉は無論、メイオと一つになっちゃうアゼルや、
アゼルとベルの友情を越えた何かや、さくっと同じ部屋で
いいよと冗談を言えてしまう命や、なんやかんや聴き所
ありもうしたぞなもしー!
とりあえず、メイオに生やせば色々できそうでゴザル
パッキャラマドゥ! 融合捕食なんて特技持ってるのにちんことか完全に蛇足だろーもん。
ねとついて絡み付いて抵抗しても無駄だなんてもうお腹一杯です。
モノクロームの境界は不満だぜ! 主に乳的に!
昔のネコミミ先生なら、大人ベルの乳首が浮いていたはずだ!
あ、太もも的にはすごくよかったです。
ベルはローティーンの姿こそ至高
完全に俺の趣味なので異論は認める
ベルのデルタはまっしーと同じくらい不毛の地
異論は認めない
強化人間劇場氏乙
モノクロームの境界と言えば、
あの魔剣の姿は、やはり主の趣味なんだろうか?
あの魔剣の艶姿は全世界の魔剣使いに希望を与えたと思うの
そんなことよりファンブル侍の尻のエロさについて語ろうぜ!
あの短さはもはやスカートでもなければ制服でもない
ファンブル侍の尻と足のエロさはどうしようもないよな……表紙を見るたびにいつも股間がたぎるぜ
モノクローム文庫版に一番肯定的なのはこのスレのようだな
>>543 カップリングが想像しにくい点を除けば、問題はない。
ところで、輝明学園推奨なスカート丈でパンチラしないファンブル侍は、
このスレ的には「はいてない」確定?
ファンブルするたびにパンチラしてたら今ごろすっぽんぽんだぜ!
>>544 基本、美紅との双子百合かアルティシモからのレズ凌辱あたりか?
そういや、ローズは本体が滅んだのか?
そうだとしたら絡め辛いな……
>>547 あの書き方だと、滅びてはいない。合わせみこ直後のルー様くらいだろうか?
>>544 剣道部のお姉様方に(性的な意味で)オモチャにされる竜正クンとか
冴絵を妙に気に入ったグラントが息子の嫁にしようとして、回りを巻き込んで陰謀をめぐらすとか
世界の危機ごっこをしている最中にエミュレーターに憑依された子どもたちに陵辱される菖子とか
>>549 お前、頭いいな。
あとは、新入部員勧誘のため性的に体を張る冴絵とか。
NPC同士の過去話だが、グラントがアルティシモの性的な誘惑に屈して「魔剣使われ」にされるところとか。
意外とネタはあるものだな。
>>550 >新入部員勧誘のため性的に体を張る冴絵
それも考えたんだが、最低ラインの部員4名はクリアしている(冴絵、百合子、舞、美景)上に、
何事もなければ次の存亡の危機まで1年以上あるから、そこまで体張らねーよなと思って書かなかったんだ
団体戦に出るための人数合わせに菖子と美紅を入部させようとするってネタも思いついたが全くエロくならなかったw
数年前に読んだきりだったナイトウィザードの小説が読みたくなったんで探したら消えてたorz
探してたらこのスレの4が引っ掛かったから思わす書き込んだけどまた読みたいなぁ、「彼の日常」
シチュとかかなり好きだたったんだがなぁ
>>549 確かに百合子はおじさまが消えて色々溜まってるだろうしなぁ…
>>550 アルティシモは色々便利そうだな、
メイオルティス×アルティシモもできるし。
とりあえずアルティシモは自在に生やせると思うんだ。
誰にも言えなかった願望なんだが
アンゼロットとベルとの3Pで精液を限界まで搾り取られたいんだ俺…
そうか… 俺はパール=クールとムツミ=アマミの二人に逆レイプされまくりたいんだ……
>>550 >>553 代々のアルティシモの主(ハートのクイーンだっけ?)は継承する際にアルティシモに
犯されるとか?あと、もともとの主は女性だっけ?それなら継承すると発情して
我慢できなくなってアルティシモでオナニーしてそれで本当に継承されるとか。
グラントは男だったので仮の体で逆レイプしたとか。気が狂うほど発情させて
自分からやるように仕向けるのでもいいけど。
さて、ちまちま作ってるeraTRPGに需要はあるものか……
範囲しだいじゃね?
>>559 とりあえずこの言葉を送ろう
つ「ここは作ってうpしてから考えるインターネット」
まあ作りながら心がくじけそうなのかもしれない
うpしたら皆やってみるとおもうよ多分
>>560-562 うん、まあそうだよね。出来てから考えることにする。
まあ地道につくるぜ。
というか、ソレはeraスレの合い言葉では>561
>>559 「供給は、それに等しい需要を創出する」(いわゆるセイの法則)
>>559 俺は期待してる。eraDXとか妄言吐いた甲斐があったぜ
>559
ファイトだ。
今ベースにするとしたらeratohoのRRかYMになるかな。
829 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2009/04/10(金) 16:03:43 ID:Nu0K2idx
なんつーか、
ベルさまの巨乳(マジ)モードは、3分しか持たない。
で、いい気がしてきた。
↑というベルスレの書き込みがあったんだが
これはアレか、何かそういうことか
ベルパイズリは3分までしか楽しめない貴重品だということか
実際ネコミミ先生のあとがきではすぐにシオシオのパーになってたな。
行動力上げてガンガン打ち込もうぜ
>>568 娘は父親に似ると言うが、そんなぽんこつなところまできくたけに影響されなくても
いいじゃまいかベルたん・・・w
ぽんこつだっていいじゃないか。
少しくらい弱点があったほうが、女の子は魅力的なんだぜ?
そう……少しくらい……少しくらいなら、な……。
ベル様が巨乳モードに突入すると同時に
カップヌードルにお湯を注ぐリオンを幻視した。
いつも持ってる本で重しをするのかどうかスゲェ気になる……
セイクリッドドラグーンのサンプルキャラで少しネタ思いついたんだが、
需要あるかしら?
あのスリット入り超ミニを見てると妄想が止まらない。
era本スレの余りのレベルの違いに正直うちひしがれてるんだぜ。
唯一勝っている発想はルーチェ・クラインが攻略キャラにいるくらいか……
卓ゲのルーチェは攻略しようの無い困な罠
ルーチェ攻略で溜飲が下がる…のか?
ルーチェは素質を付けまくって、即落ちでレベル上がりまくりを再現している……つもり
テストプレイしたら即落ちなのになかなか落ちないってなんだ
マイナスの素質もあるんじゃなかったっけ
>578
ちょ、なんだそれ。どこで話してるんだww
ちょいと思い立って、アル×エルザの近親ものを書いてるんだけど、質問。
先号のドラマガに二人が出てくる短編小説がのってたらしいけど
この姉弟って互いをどういう風に呼んでいるのか、教えてくれないだろうか。
いや、エロシーンでそういう所が原作とズレてると、個人的にはえらく萎えるんで。
「エルザ姉(ねえ)」「アルくん」だった。
>>585 サンクス。
予想通りだがいいな、その呼び方。
なぜエル姉じゃないなぜエル姉じゃないなぜエル姉じゃないなぜエル姉じゃないなぜエル姉じゃないなぜエル姉じゃないなぜエル姉じゃないなぜエル姉じゃないなぜエル姉じゃないなぜエル姉じゃない
姉妹にエルゼってのがいてどっちだかわかんなくなるからじゃね?
いや知らんけど
セイクリッドのスリットネタは文章なのか絵なのか期待が膨らんではちきれんばかりです
【股間を押さえながら】
ママンの名前がエルゼリエで長女がエルザだから他にもエルで始まる姉がいるんじゃなかろうか。
それにエルだけだとママンと間違えやすいかも。
ところでその短編はいつ文庫本に収録されるのだろうか・・・・・
エルザ→アルは「アルくん」か…
いいなっ(くわっ)
つーか偽名なのはイーズデイルだけでアルは本名なんだな
ひょっとしたら、アルザとかアルゼとかアル○○という感じの本名で
今でも思い続けているというメッセージとして姉が付けてくれた愛称を偽名としているという可能性も……
あの家系は男はアル、女はエルで始まる名前を付けるという習慣があるのかも知れない?
>>589 576だが、SS書くつもり。もう少し待っておくれ。
つうかあのスカート絶対穿いてないだろう。
ガズエル、ガズアルってモビルスーツを思い出した
ポジション的にピアニィがゲーマルクか? ヤンヤンという名のビットもいるし
卓ゲにガンダム持ち込むと、きくたけの顔がみるみるうちにヘンケンッ面になるからダメw
>598
それはさすがに偏見かと。
【審議中】
∧,,∧ ∧,,∧
∧ (´・ω・) (・ω・`) ∧∧
( ´・ω) U) ( つと ノ(ω・` )
| U ( ´・) (・` ) と ノ
u-u (l ) ( ノu-u
`u-u'. `u-u'
>598
えー、まぁ、注意しとけば大丈夫じゃね?
アルフォンス、とか?<アルの本名
アーカンシェルとか
>>602 機動警察とフルメタル錬金術師が同時に出てきた。
あとマンゴー。
>>602 アルバートとか?
EDでトラウマになったゲームを思い出すがw
アルル
【ふぁいやー】
>598
いっそ、ガンダムRPGを始めればいいんだよ。
eraTRPG期待age
アリアンロッド・リプレイ・レジェンド 1 貧乏姉妹の挑戦
借金100万を返済せよ! 貧乏姉妹の闘技場生活が始まる
莫大な借金を残し行方不明となった父。セレブから一気に貧乏生活へと身を落とすことになったセレネとフレアの姉妹は
家屋敷&ペットのモンスターたちを守るべく、一攫千金を目指し闘技場に挑む!
借金姉妹とかペットのモンスターとか、状況エロすぎるだろう……w
>>611 どこぞのエロゲのプロローグでも違和感ありませんなw
その名はくいーんずぶれいど。
>>611 確かにエロイw
これはビキニ鎧を希望せざるを得ない
それは兎も角として、セイクリSSが半分ほど書きあがったので取り急ぎ投下。
早くしないと容量ヤバそうですし。
615 :
せいくり1:2009/04/19(日) 03:27:39 ID:EQ9jk28o
神器使いの青年は、集まったメンバーの顔を見て満足そうに頷いた。
言うまでも無く竜脈使いというのは希少な存在であるから、自分以外に竜脈使いが三人も集まってチームを組めたのは幸運だった。
集まったメンバーは実力も文句なく、これなら魔境に挑戦するに充分な戦力と言えそうだ。
自分以外全員女性というのは少し予想外だったが、もとより性別には拘らない。
ただ少し気になるのは、集まった女性三人に共通するその服装における特徴である。
「少し前衛が薄い気がするが、その分魔法士が充実したな」
「まあそこはあなたが頑張ってよ」
チームの一人が青年の方を軽く叩きながら微笑んだ。
そんな彼女は額に結晶状の器官を持つ、トリニティスと呼ばれる種族だ。討伐者として異界探索者の称号を名乗っており、いわゆる斥候のような役割を果たす。
身体にフィットした衣装は動きやすさを重視しているようで、速さを信条とする彼女のスタイルには有効な衣装である。
「そうですね。その分後衛としての仕事はしっかりやらせていただきます」
「ちゃんと守ってね、おにーさん」
後二人はどちらも魔法士である。
一人は黒い髪の人間の女性。黒く艶やかな髪が美しい女性。
服装は膝上30〜40センチを余裕で切る超ミニスカート。その上深いスリットは腰骨の少し上まで、美しい肌色を曝け出している。
もう一人は白い肌に白銀の髪、犬歯の目立つ小柄な少女である。
魔法に長けたアルテルという種族で、ある事もあって戦闘では遺憾なくその火力を振るうだろう。
色素が薄く、儚げな印象の種族だが、彼女に関してはツインテールに釣り目と言う外見もあって、少し幼く活動的な印象が強い。
その衣装は臍が出ていること以外は、人間の女性とそう変わらない。即ち超ミニスカートに深すぎるスリットである。
「まあ、あなた強そうだし大丈夫だよね」
異界探索者がからからかうように笑う。
青年は軽く微笑み、言った。
「フェニックスポットを一つ買い足しておくか」
「うわすげぇ後向き」
探索者の少女の軽いツッコミが入るが、軽く聞き流した。
「慎重は美徳」である。
そんな彼らが魔境討伐の依頼を受けるのは間も無くの事だった。
といっても竜脈使い達のチームとなれば引く手数多なのも当然のことだ。
そして彼らは魔境に踏み入った。そ岩肌の露出した山岳地帯のような魔境を、彼らは怪物を切り裂き、撃ち、焼き払いながら順調に進撃していた。
最初に抱いた前衛不足の杞憂は早くも解消された。魔法氏たちの大火力によって、問題が顕在化する前に戦闘が終わっていたのだ。
異界探索者の少女は法則生涯の察知と消去に大いに活躍したし、当の青年も敵の攻撃を引き付け、受け流し、チームの前衛を一人でこなしていた。
このチームは成功だ。
全員がそう確信していた。
まあそんな時こそ事故が起こるのが世の常なのだが。
「スマンッ、何体かそっちに抜けたぞッ」
青年の怒号が響いた。
十体弱のボーンイーターを一手に引き受けているだけでも充分な働きだろうが、捌き切れなかった数体が彼の脇を抜け、後衛の魔法士に突撃したのだ。
「そう易々とやらせるもんかっ」
トリニティスの弓が鋭く鳴った。
鋭い矢がボーンイーターの脳天を狙うが、僅かに標準が逸れた。
「……邪魔だっ」
青年は剣のを円形に振りぬき、四体のボーンイーターの首を一斉に跳ね飛ばした。
その時刀身が眩い光を放った。あらゆる武具を神器と化すのが彼の力である。
青年を囲んでいた敵の壁が崩れ、そこを狙って一気に走り出した。
間に合わない。
しかし二人の魔法士は冷静だった。
二人の両手が正面の敵に突きつけられる。そして続くは竜脈の輝き。
その場は閃光に満たされ、波動が荒れ狂った。
放たれる戦略級魔法《霊子砲》。
「砕け散れっ」
直径一メートルを超える光の柱が二本。
それに飲み込まれるボーンイーター。
魔法士達を中心に同心円状に広がる突風。
捲れ上がるスカート。
曝け出される、穿いてない下半身。
「あら大胆」
トリスティスの少女が間の抜けた驚きを口にした。
その驚きを遮るように異音が響く。
その音と共に、青年の鼻から噴射される鮮血。
メタルスラ○グの吐血ビームよろしく血の本流に薙ぎ払われるボーンイーター。
外気に晒される魔法士達の秘裂。
響く悲鳴。
喧々諤々、阿鼻叫喚。
そして。
「あ、倒れた」
トリスティスの言葉どおり、新規使いの青年は大の字になって倒れた。
まさか彼も魔境に踏み込んで、鼻血による出血多量で気絶する事になるとは思わなかっただろう。
青年が意識を取り戻した時、周囲に怪物の姿は無かった。
ただ仰向けに寝かされている自分の頭上に、人間の魔法士の心配そうな顔があった。
後頭部に感じられるぬくもりから、自分が膝枕されている事は何となく察知した。
「あ、目が覚めましたか」
「あ、ああ……何とか」
その顔を見てしまうと、青年は思わず先ほどの絶景を思い出してしまい、また鼻の中が熱くなった。
「少し血が流れすぎたみたいですから、無理はなさらずに。あ、それと他の二人は周囲の偵察に行ってます」
青年は無言で頷いた。
「もし体調が厳しいようでしたら、今日は出直すことも考えていますが」
「いや、少し休めば動けるようになりそうだ。大丈夫」
そして会話は途切れた。
「ってそうじゃねぇ、真っ先に聞く事有るだろ俺ッ」
青年の上半身が跳ねるように起き上がった。
「ど、如何しました」
「そんな際どい衣装着ておきながら何で下着つけてないんだ」
「あなただって穿いてないでしょう」
青年は絶句した。
ズボンを穿いている男性と、極ミニの女性では下着の重要度が違う気がするが、それより先に確認すべき事がある。
「……何で知ってるんだ」
「アイテム欄に『下着』が無いからです」
「よりによってのメタ発言かよ」
それを言ったらサンプルキャラ皆ノーパンだろう。
そんなメタなツッコミを、青年は喉の奥で飲み込んだ。
「そ、それは兎も角、あんた達は何で穿いてないんだ」
「あなたが言ったら教えますよ。あの子も私と同じ理由ですから、二人分」
青年が言った『あんた達』、そして女性が言った『あの子』とは、アルテルの魔法士のことだ。
「さあ、あなたは何で穿かないんですか」
「あー、それはだな……言わなきゃ駄目か」
「元気な声で」
「実は、だな」
女々しく躊躇いつつ、成年は女性の耳に顔を近づけ、小声で告げた。
「でかくて入らんからだ」
その意味が、女性の胃の腑に落ちるまで数秒を要した。
「そ、それは、参考までにお聞きしますが、何が大きいのですか」
「何がと聞かれても、その『ナニ』がでかいんだ」
女性の視線が下に落ちる。
今まで服の皺などに隠れて気が付かなかったが、よく見ると信じがたいほどの大きなモノが、そこには確かに存在した。
「お、俺は教えたぞ。次はあんたの番だろ」
「うん、そうね……私の番ね」
女性はそれでも青年の股間に視線を送り続けながら、上の空で答えた。
「私達が下着をつけないのは、そういう女にされてしまったからです」
魔法士は目を逸らしながら、忌々しげにそう呟いた。
青年は最初言っている意味が分からなかったが、彼女の拳が膝に上で硬き握り締められているのを見て、相当の怒りと後悔を感じているのは分かった。
「魔法士を要請するための学院があるのはご存知だと思います」
青年は頷く。
戦略級魔法はその強力さゆえに、国家からも補助が出た教育機関が設立されている。自分の国から優秀な魔法士が出れば、それは国家の利益に直結するのである。
「幾ら補助が出ているからといっても、教育を受けるにはそれなりのお金が掛かります」
声の端が僅かに震えていた。
青年の頭にはうっすらと、話の顛末が伺え始めた。
「最初、奨学生として私とあの子は入学を許可されました。自慢じゃありませんが、私達は結構優秀な生徒だったんですよ。でも、ヤツらが私達に期待していたのは学力なんかじゃなかったんです」
止めるべき、最後まで聞き届けるべきか。
青年は迷った。
迷っているうちに、魔法士の言葉は続けられる。
「入学してすぐです。学院長の部屋に何人か呼び出されました。全員女の子で、私にはどういう理由で呼ばれたのか分かりませんでした」
「もういい。喋るな」
「聞いてください。誰かに聞いてもらえれば、少し楽に慣れそうな気がするんです」
魔法士は悲しげに笑った。
その顔を見た青年は、それ以上言葉が出なかった。
「平たく言えば脅されました。身体を差し出すか、それとも学院を出るか。でも奨学生に選ばれた子達は、後には引けない理由があるんです。貧しい家族の期待を背負って、やっとの思いで入学したって、そう話してくれたクラスメイトもいました」
途切れ途切れに言葉は続く。
「私達は全員、その日に処女を奪われました。それからはご想像の通りです。私達は教授達の薄汚い欲のはけ口にされ、彼らの望むままに躾けられました。私はその日から下着を一切身に付けられなくなりました。
人に見られて快感を覚える、そんな人間になるように、徹底的に嬲られました。言われれば、それが何所であっても服を捲り上げて、何も着けていない事を証明しないといけませんでした」
苦痛に満ちた告白は続く。
「私の身体の中で、ヤツらに触れられてない所は有りませんし、あの学院で、私が裸で歩かされていない場所も有りません」
一息に喋りきり、とうとう、双眸から涙が零れた。
一粒、二粒と落ちて、素肌の露出した膝を濡らした。
「私の身体は徹底的に変えられました。極力身体を隠さない事が普通になり、それに快感を覚えるようになりました。それを自覚したとき、死んでしまおうかと本気で思いました」
魔法士はおもむろに立ち上がった。そして左手でスカートの裾を摘みゆっくりと引き上げた。
「嫌だ嫌だと思っても、これが私なんです。見られては濡らし、貫かれては悦ぶ……汚れた女なんです」
無毛の秘裂が粘液に濡れ、光を照り返していた。
彼女はそのまま、右手で服の上半身の紐を解き始めた。
たたわな乳房が惜しげもなく晒される。全体がうっすらと汗ばんでいて、先端には極薄い桃色が咲いていた。
青年は半開きの口を閉じるのも忘れ、その姿に見入っていた。ここが魔境である事も、既に頭から抜け落ちていた。
「もう駄目です。我慢、できません」
621 :
せいくり1:2009/04/19(日) 03:41:43 ID:EQ9jk28o
とりあえずここまでです。
何処かのスレで見た「セイクリのキャラは皆下着はいてないことになる」的な発言を見て、この話を思いつきました。
この場を借りて感謝を。
昔のTRPGで
娼婦の身請け>+2の魔法の武器
ってアイテム表があって吹いた記憶がある
江戸時代の花魁の身請けは、
現代の貨幣価値でいうと億単位の金が必要だったというな
どのランクの娼婦の身請けかも気になるとこだが
花魁は最高級の称号みたいだし、やはりトップクラスなんじゃね?
話は変わるが、エクソダスのコピーエミリア、胸が微増してるように見えるのは俺だけ?
>>625 オリジナルのエミリアは身体のラインが分かり難い服着てるからだろ
つまりエミリアも脱げばすごかったはずだ、と。
今度こそエンゼルギアのエロSSの投下ラッシュがくるんだよな!?
天使化して触手化した生体部品にピッチリスーツのまま手足飲み込まれて犯される触装天使凍やら
大人基地職員達に寄ってたかってデコズリされてぶっかけまくられるトゥアレタとか…
待ってたら投下されたりするんだよな!?
それもう同人というか本家がエロ漫画同人誌でやってないか?
>>621 今はまだ、あえてGJと言うまい
後半を正座して待たせていただこう
>>627 それはそうだろう。そうでなくてはこのスレ的に困る。ちっこいのはアイヴィの担当だ。
いずれにせよ、もはや確かめる術はないが。
エミリアのカラー絵の脚がえろい
>>621 戦略魔術師ははいてないんですね!
超期待。
結論:エミリアはエロい。
エロいつっても、本編じゃエロ行為はほとんどしてないからな
人間卒業するくらい大好きな真也相手でも
キスの一つもしてねぇで、やったのは手をつないだくらいっつー清純派っぷり
そこにきゅんと来る俺はエロスレ者失格か……!!
>>636 描写されなかっただけだと考えるんだ
例えば椿×隼人はきっぱり否定されたが
双方がツンデレなだけで実は……と思うのが普通だろう
×普通
○通
やはり本編では離れ離れだったことが原因かと
もし、あとがきにあるように第5話で真也を守り切っていたら
さなえはやってくれたと信じている
人間じゃないことに怯える少年とその少年を好きな少女 + 触れ合い
後はわかるな?
エクソダス読了後、『娯楽もなければ果てもない長い宇宙の旅路。ヤる(犯る)ことは一つしかないよなあ……』と、ムードもへったくれもないことを考えてしまったのは内緒だ。
んで、段々普通のプレイじゃ物足りなくなってアブノーマルなプレイに走るのか
色々と人間ではできないプレイに走るとか……
海外SF小説ばりの理解不能プレイが
読了したが、これから二人は新世界のアダムとイヴになって、
自分たちの手で日常を作っていったりするんだろうか。
子供は野球ができる数じゃあ足りないなw
>>642-643 偽Xナンバーズってマスターファントムが真也の力を利用して作り出したっぽいから
その気になれば真也単体でも人数増やせる可能性は高い
つまり3P4P当たり前、という事だ
宇宙に旅立つ前に
真也に俺用に黒エミリアを一体作って欲しかった……
>セイクリのキャラは皆下着はいてないことになる
いったいどこのスレだそんなけしからんことを言い出したのは!
(意訳:スレもSS書いた職人もGJ)
セイクリまったく知らない俺でも普通に続編が楽しみだ。期待してるぜ!
>641
ムードは無いかも知れんが、伝統はあるから。
【アポロ11号のマイケル・コリンズのノートにも以下略】
>>514の続きを投下します。
本スレでは色々言われてますが、その分らいかは陵辱しやすい設定だと思います。
……いや、私らいか好きですよ?w
佳代子が去って部屋には輝とらいかの二人だけになってしまった。
しばし固まったままらいかを見つめる。
らいかは全身白濁まみれで、痛々しい傷痕も多く残されていた。
この惨状は輝が招いた結果だった。最初にらいかを傷物にしたのは輝自身なのだ。
赤い秘肉が剥き出しになり、太いバイブがらいかに突き刺さり内部をかき回している。
静まり返った部屋の中、らいかの股間では唸るような機械音が鳴り、それに混じって時折ちゅくちゅくと水気のある淫音が聞こえた。
「んっ……はぁっ……」
時折らいかの口から甘いため息が漏れている。
だが輝は申し訳なさに涙が溢れてきた。少しでも罪悪感を減らそうと思い、せめてらいかを綺麗にしようと考えた。
濡れタオルで全身の汚れを落としていく。拭くために身体の隅々まで目をやり、タオル越しにらいかの肌へと触れる。
自然と目にするには遠慮しなければならない個所も見なければならない。
輝の心とは裏腹に、スカートの下では輝の男性自身が痛いほどに硬くなっていた。
邪な考えを振り払い、らいかの顔を拭く。
意識は飛んだままなのか、半開きになった虚ろな目は何も映っていないように反応がない。
目尻に涙が流れた跡があった。らいかが涙を流して泣くというのは輝の想像の範囲外だった。
顔を丁寧に拭き、湿り気を帯びた美しい顔が戻る。
こうして大人しくしていると、あらためて美少女だとわかる。
美しいだけでなく、薬で昂ぶらされているためか、とても蠱惑的な表情をしていた。
「……いつもこうだったらよかったのに。」
弱々しいらいかの姿に、すこし惹かれた。
あお向けになってもなお、張りを保って形を崩さない饅頭のようなおっぱいを拭く。
頭頂部のピアスに結ばれた細いワイヤーを避けて、乳房の周囲・谷間と下乳をタオルで撫でる。
プリンのようにふるふると震える乳房が、ワイヤーを通して秘豆へと刺激を伝える。
「ん……あぁんっ……んっ……」
らいかが喘ぎ声をあげた。再びむらむらと欲望が鎌首をもたげ上げる。
3つの突起を拘束している釣り糸のようなワイヤーを外すため小さな結び目を探し当てて、解きにかかる。
「ふぁぁあんっ!!」
ビクビクビクンッ!!
らいかの全身が痙攣して背中が大きく反り返って、意識がないとは思えないぐらい大きな声で喘いだ。
結び目が小さい上に、刺激されたらいかが激しく動き回るため中々解けないのだ。
仕方が無いのでファランクスの《開錠触手》を使用して精密動作を可能にし、素早く結び目を解く。
3点責めから解放されたらいかが大人しくなった。激しく動き回ったからか汗が噴き出していた。
続けて最後の拘束、股間のバイブを抜き取る。
やはりワイヤーでらいかの身体に結び付けてあったのを解き、バイブを引き抜く。
らいかの秘裂はバイブをしっかりと咥え込み、引き抜くだけでも強い抵抗があった。
抜き取ったバイブはブルブルと暴れて、ペースト状に固まった白濁液をあたりに撒き散らした。
「こんな凄いのが入っていたんだ……」
太さは輝の腕並で、カリは大きく広がり、幹にはイボイボが沢山ついて出入りしており、全体が伸びたり縮んだり捻ったりと、大忙しな様子だった。
暴れるバイブのスイッチが見当たらないので、部屋の隅へ放り投げる。
あれほど太いものが入っていたというのに、らいかの膣穴はもう小指一本分ぐらいの狭さしかなかった。
栓になっていたバイブが抜き取られ、膣内に注ぎ込まれた精液が恥穴から逆流して流れ出てきた。
敏感な秘肉に濡れタオルを押し当てるように拭いていくが、中からはいつまでも精液と愛液が溢れてくる。
「し、仕方が無い。」
自分に言い訳をしつつ、股の間に頭を近づける。《開錠触手》を秘裂へと挿入し、中から精液を掻き出す。
「あ……んっ……いいっ……」
性的な刺激に再びらいかが喘ぎはじめる。腰をくねらせ、両足が輝の肩から後ろへと絡みつく。
「ら、らいかさん、すこしおとなしくしてください。」
「もっとぉ……ペニス……プリーズ……」
薬でセックスの事しか考えないようにされているんだろう。教え込まれたであろう卑猥な言葉を口ずさんだ。
輝の指を離さないと言わんばかりに膣が収縮してキツク絞め上げられた。
力任せに指を引き抜くと複雑に変形していた《開錠触手》が膣内をかき回してらいかを刺激する。
ぐいっ!
らいかの両足が抱きつくように輝の身体を締め上げ、太股が輝の頭を挟み込んだ。
綺麗になった剥き出しのおまんこが輝の目の前に現われる。
陰毛は剃り上げられ土手はツルツルになっており、金色に輝く3つの小さなピアスで飾り立てられている。
先ほどまで輝の指を咥え込んでいた淫穴からは新しい愛液が流れ出ており、もの欲しそうにパクパクと口をあけている。
荒くなった輝の鼻息が、赤く充血した秘肉へ風を送っている。
「ら、らいかさん……離して、ください……」
顔を真っ赤に染めながら、らいかを説得する。だが薬で精神を壊されている、らいかに通じるわけもなかった。
「ペニス、プリーズ……ふぁっくみー……」
らいかの片手が股間に伸びてきたと思うと、割れ目を弄り出した。
見上げるともう片方の手で胸を玩んでいる。オナニーを始めたのだ。
「んっ、んんっ……はぁ……んっ」
膣穴に指を突っ込みぐちゃぐちゃと水音を立てて形を変える女性器を目の前にして、ついに輝の衝動は弾けてしまった。
「う、うおおおおおっ!!」
腕に力を込め、らいかの両足を押し開く。自由になった身体を起こし、着ていた服を脱ぎ去る。
目の前ではオナニーを続けるらいかが大股開きのまま寝そべっている。
先日抱いた時には、恐さと遠慮でなにも感じなかった。
だが今目の前にいるらいかは、大人しく、可愛らしく、そして淫らに男を誘っていた。
このらいかなら存分に犯せる。卑怯なことだとはわかっている。だが輝は15歳の少年なのだ。
目の前にこれほどのご馳走を用意され情欲に流されないことなど無理な相談だった。
ギンギンに反り返ったペニスを膣穴に押し当て、一気に挿入する。
2度目のはずだが、しっかり感触を記憶に残せたのはこれが初めてだった。
既に何度も男を受け入れてきたらいかの秘穴は輝のものをすんなり迎え入れた。
バイブが抜き取られてからまだ数分だが、挿入された肉棒の感触に喜んだらいかの身体は輝のモノをキュウキュウと締め上げる。
「うぅっ、らいかさんっ……らいかさんっ!」
ひたすら快楽を求めて腰を前後させる。らいかを感じさせようという動きではない。
がむしゃらに腰を振っているだけだが、らいかも無意識のまま腰を使い出し、積極的に昂ぶろうとしているようだ。
おっぱいを揉みしだく。これがおっぱいの弾力。これがらいかの感触なのだ。
輝の一挙一動にらいかが反応を示す。輝の思うが侭にらいかが動くっ! 輝はらいかを組み敷き、犯しているのだっ!
らいかを支配していると気づいた瞬間、頭が真っ白になった。
びゅるっ! びゅるるっ! びゅるっ!
股間が熱くなり、開放感が伝わってくる。
たまらず射精してしまった。もちろん、らいかの膣内へだ。
中出しされたらいかも軽くイったらしく、締め付けがキツクなり、背を逸らしてピクピク震えていた。
「……ふぅ」
射精を終え、冷静になった頭で考える。
らいかを犯し、精液を注ぎ込むことで、征服感が満たされた。
今までの辛い日々を思い返す。いつも自分を馬鹿にしていたらいかを、完全に屈服させたのだ。
もちろん今は意識がないのだろう。だが、今だけは輝がらいかの主人なのだ。
らいかを見下ろすと、汗をかきながらぐったりしている。
大人しいらいかは本当に愛らしかった。顔を近づけキスをする。
唇と唇が接触すると、らいかの方から舌を絡めてきた。
(これがキスなんだ……)
蕩けるような感触で頭がぼうっとなる。
股間が再び硬くなってきた。反応するようにらいかも再び締め上げ始める。
「もっと……犯してやる〜!」
今だけは、らいかは輝の理想の女だった。
そのまま輝は、気がすむまでひたすららいかを犯しつづけた。らいかの方も身体だけで自然に反応して輝を喜ばせた。
途中ルームサービスで取った食事を口移しで食べさせ、体力を回復させるとまた犯した。
結局、夜中に帰って来た佳代子に注意されるまで、ひたすららいかの身体を味わいつづけた。
もう、罪悪感はなくなり征服感だけが残っていた。輝は久しぶりに、自分が男であることを実感していた。
652 :
らいか陵辱:2009/04/22(水) 20:46:35 ID:06tbfM1K
そんな事があったとは知らないらいかは、目覚めた後も身の汚れはマフィアに犯されたとしか考えなかった。
麗奈から金をカツアゲするとロビーから立ち去る。周囲からの憐憫のまなざしがキツかった。
蔑まれるのなら逆に脅せばいいので対応は楽だが、憐れまれるのは対処に困る。
ムキになって否定しても余計に憐れまれるだけだからだ。
自分は平気だと誇示すれば多少は和らぐが、それでも被害の酷さを考えると強がりを言っているだけにしか見えないのだろう。
結局らいかにはその場を立ち去るしか方法が思い浮かばなかったのだ。
「佳代子のやつ〜ッ!!」
地獄の底から湧きあがってくるようなおどろおどろしい声が喉から出た。
怒りの矛先は当然黒幕である佳代子へと向く。あの女をどうにかしなければ、この状況からは抜け出せないのだ。
「およびですか? らいかお嬢。」
「ッ!?」
横合いから嫌味ったらしい声が掛けられた。振り向くと佳代子が口の端に笑みを浮かべながら立っていた。
おそらくらいかが恥を晒すところを影から見ていたのだろう。
これでらいかの束の間の自由は終わってしまった。桜川組への連絡は失敗だ。
「桜川組への連絡でしたら私の方でしておきましたよ。」
佳代子が言い出したことにらいかは眉をひそめた。
「どういうことよっ!?」
「らいかお嬢がマフィアに嬲られたことに組長は大層お怒りになられまして……
自ら現地に乗り込むと意気込んでおられ、既に上の部屋でらいかお嬢の報告をお待ちしております。」
慇懃無礼に丁寧な口調でらいかに告げる。
(パパが来てる!?)
らいかは血の気が引き、顔色が青く変わった。
父親が佳代子にあったとすれば、それはつまり佳代子の精神支配を受けてしまったということだろうか?
父は自分が知る限り最も強い秘術使いだ。佳代子の能力にも抵抗しているはずと思いたい。
「案内しますよ。もちろん、好きなように話していいのですよ?」
佳代子がボソりと耳打ちした。それはつまり、佳代子の勝利宣言なのだろう。
だが、父は……らいかにとって無敵の象徴だった。佳代子の力に負けたなど信じることが出来なかった。
最上階のスイートルームの前には見知った組員たち、いずれも秘術使いの幹部が立っていた。
佳代子に先導され部屋へと通されると、父親の巨体がソファを占領していた。
横には随伴したらしい四天王2名とリツ、輝、ジゼラが居り、佳代子がその隣に並んだ。
「皆、後ろを向け。」
父が声をかける。いつものやり取りだ。
「パ、パパ……?」
「らいかよ……大変な目にあったようだな。」
いつもと違い重々しい口調で語りかけてくる。
「パパ! 私のことはいいわ! それより裏切り者を始末するのよ! この女を今すぐ殺すべきよ!」
佳代子を指差し激しく詰め寄る。
いつもの父ならば、らいかの言う事を必ず聞き届けてくれるはずなのだ。
「らいか……お前は疲れているのだ。佳代子はお前を裏切ってなどおらん。」
「!?」
「佳代子はマフィアどもの巣窟に一人で殴り込み敵を殲滅した。お前の仇を取った最大の功労者だ。」
653 :
らいか陵辱:2009/04/22(水) 20:48:02 ID:06tbfM1K
父の口から出た言葉が信じられなかった。
「これを見るがいい。」
「こ、これは!?」
ノートPCが差し出される。画面には、らいかが陵辱されるシーンが映し出されていた。
「先日、組へ脅迫メールとこの動画が送られて来た。
ところがどういう事か、奴らは角川組傘下全ての組に動画を配信しておったのだ。」
角川組は桜川組にとっても親スジに当たる県下ヤクザの取り纏め役だ。
「もちろんお前の身は心配だが、ワシはすぐさま殴り込みを決意した。それはいいな?」
青い顔をしながらコクリと頷く。
「ワシらが現地へ付くと佳代子が既に敵の殲滅を終えていた。動画を配信していたサーバーの破壊も確認した。」
「か、佳代子がそいつらとグルだったのよ! だから他の組へも流れていたのよ!」
「らいか。お前の言葉は信じたいが、状況を考えるとそうもいかん。
……リツ、もう一度話せ。」
「はい。」
組長の指示に従いリツが当時の状況とやらを説明する。
らいかとリツがマフィアに敗れ、駆けつけた輝と佳代子によってリツは助けたものの、らいかは攫われてしまった。
リツが秘術を抜かれた後だったためジゼラと共に戦力外に。
佳代子達はマフィアの居所を探したが、らいかの解放まで結局わからなかった。
マフィアの内紛を知ったジゼラが片方に接触、らいかを嬲った連中の居場所を突き止め襲撃した。
という話の流れだった。
「マフィア達もお嬢の扱いに困っており、動画流出から解放への流れになったそうですよ。」
「リ、リツ……あんたなに言ってるのよ!」
リツは自分の記憶とまったく違うことを語っていた。
一の子分として常に自分の側にいたリツが裏切るというのだろうか?
いや、ありえない。となるとジゼラのように記憶を操作されているのだろう。
「佳代子もジゼラも、輝も同じ事を言っている。そうだな?」
「はい。」「ハイ。」「ははは、はいっ、そうですっ!」
ジゼラとリツは記憶を操作されており、佳代子は仕掛け人だ。
裏切り者は輝だけだ。あからさまに動揺しているが、普段からあんな感じなのでかえって嘘をついているように見えない。
「こ、こいつら皆記憶を操られているのよ! このぉっ!!」
「ゲブッ!?」
輝に駆け寄り殴り飛ばすと吹っ飛んでいった。
「やめんか、らいかっ! 見苦しいぞ!」
父が腕を伸ばし、大きく力強い手のひらがらいかの肩を掴み制止する。
「例えお前が言った通りだったとしても、状況はかわらぬ。」
「なんでっ!?」
父から信じられない言葉が出た。
「お前は敵に敗れたのみならず、自らを助けた子分を信用せず、そして跡取りとしてはあってはならぬ醜態を世間に晒した。」
「……パ、パパ?」
「ワシらの業界は舐められたら終わりじゃ。負けただけでなく相手に犯してくれと頼むような女が跡目では組は立ち行かんのだ。」
「それは薬でっ!?」
「薬だろうがなんだろうが、その姿を他の組に見られた時点で終わりなのだっ!」
「……っ!」
絶句した。跡目として終わり? では自分は桜川組のなんなのだろう?
「らいか、お前を跡目から外す。後の事は追って伝える。下がれ。」
父としても無念なのだろう。肩を落とし力無く命じた。
らいかは頭の中が真っ白になった。父の言葉の意味を理解することを頭が拒んでいた。
「……嘘よ……パパ……嘘よ……パパ……」
壊れたレコーダーのように同じ言葉を繰り返した。
呆然と脱力して立ち尽くすらいかを、四天王の二人が左右から腕を掴んで部屋から運び出す。
背後でドアの閉まる音を聞いた後、目の前が暗転し、その後のことは覚えていなかった。
654 :
らいか陵辱:2009/04/22(水) 20:49:07 ID:06tbfM1K
日本へは他の生徒と一緒に帰り、空港から学校へは戻らず直接自宅へ帰された。
学校側としてもその方が都合がよかったのだろう。
らいかは自室で謹慎を命じられた。表へ出ることは出来ず軟禁状態だった。
手洗いと風呂だけが唯一部屋を出る時間だった。
食事を運んでくるお手伝い以外、リツも佳代子も輝も顔を出さない。
部屋の中で暴れて手当たり次第に物を壊し、壊す物がなくなったら寝るしかなかった。
数日そうやって過ごした後、ようやっとらいかは再び父の前に呼び出された。
組の体面に泥を塗ったらいかへの沙汰が下されるのだ。
らいかは父の正面に立たされ、背後にはリツと佳代子が座っている。
上座の父の横になぜか梅林組の組長が座り、片側には四天王を始めとする幹部衆が並び、もう片側に梅林組の幹部が並んでいた。
「らいかよ。お前は子分を信用せず身勝手を行い致命的な失敗を犯した。
お前が組に与えた被害は大きく許しがたい。だが落とし前をつける相手は既に居らぬ。
ゆえに責任を取る意味で、桜川蕾花を廃嫡とする。」
組の幹部衆の前で宣言された。もうらいかは跡目でなくなってしまったのだ。
「……はい。」
長い沈黙の後、喉の奥から搾り出すように応えを返した。
「続いて梅林佳代子。」
「はい。」
後ろから声があがり、らいかの横へ進み出た。佳代子になんの話があるというのだ?
「らいかの後始末、ご苦労であった。マフィアに対するケジメの付け方、見事であった。
梅林組組長と話し合った結果、お前を桜川家養子とし桜川組の跡目とする。」
「まってパパ!! それじゃ桜川組の乗っ取りじゃない!!」
発言は認められていないが叫ばずにはいられなかった。
「口を慎めッ! らいかっ!」
らいかに初めて父から怒号を浴びせられた。今までらいかは我がまま放題に甘やかされてきたため怒られたことなどなかったのだ。
絶句するらいかを確認すると、その場にいる者全員に語りかけるよう喋り続ける。
「……更に、梅林組は跡目を失うことになる。妾腹の娘では力不足との梅林組組長の判断だ。
よって、桜川組と梅林組は桜川佳代子を新組長とした平和的合併を行なうこととなった。以上だ。」
「謹んで申し出をお受けいたします。」
佳代子が恭しく頭を下げ返礼した。
「み、認めないわっ! こんなの認めないっ!」
「お見苦しいですよ、らいかさん。」
佳代子が立ち上がり正面から睨みあう。
「あなたはもう跡目でもなんでもないただの女。いえ、組に損害を与えた罪人です。組長同士の合意に口を挟むなど許されません。」
「あんたがパパ達を操ってるだけでしょ! こんなのホーリィメイデンの力じゃない!」
「そうですよ? それがなにか?」
しれっと応えた。それを聞いている者達も疑問にも思っていないようだ。
「この業界は、力と結果が全てです。
それにあなたと桜川組も秘術の力とやらで大きな顔をしていたのはお忘れですか?」
「うっ!」
ぐうの音も出なかった。だが佳代子の力を認める気にはなれない。
自分がやるのは許せるが他人がやるのは許せない。らいかはそういう女だった。
655 :
らいか陵辱:2009/04/22(水) 20:49:46 ID:06tbfM1K
パァンッ!!
考えるより前に手が出た。勢いよく振り抜かれた手のひらが佳代子の頬を張り飛ばす。
同時にブラックギアスの呪いがらいかに襲い掛かる。
激しい痛みに膝を付きそうになるが根性で耐える。
(ざまあ見ろ……やばいっ……こいつの前で膝を付くわけには……)
朦朧とする意識の中で自分が仕出かした事の迂闊さを呪う。
「取り押さえなさい。」
佳代子が頬を押さえながら周囲に命じる。背後から押し倒され頭を床に付けられる。
「あら、いい判断ね。」
らいかではなく頭を床に押し付けている人物に話し掛けている。顔を捻り視線を向けると、そこには見知った顔があった。
「リツ……あなたっ!?」
「お嬢……いえ、らいかさん。もう諦めましょうよ。あなたの負けですって。一緒に謝ってあげますから。ね?」
どういう記憶を与えられているのか、このリツはまだらいかを心配してくれているようだ。
だが、掛けられた言葉の意味は辛辣だった。
佳代子に負けを認めろだと? これだけの屈辱を味わいながら屈服しろというのか!?
出来なかった。例え表向きだけでも敗北を認めることは、らいかの性格では出来なかった。
「らいかさん、大人しくなさい。」
大人しくなったらいかの頭からリツが手をどけ、代わりに梅林組の男達がらいかを取り押さえる。
「リツ、まずあなたの沙汰を申し付けます。敵に破れ、秘術を抜かれ、護衛対象を護れなかった。本来なら指詰めものです。」
「……はい。」
いつも飄々としたリツも流石に神妙にしている。
「ですが、敗北の責任は元上司であるらいかが取り、そしてそのらいかがもはや護るに値しなくなった以上、無駄に血を流すこともないでしょう。
秘術を抜かれたのでは今後は護衛としては役に立ちません。恩情を与えます。以後、私の使用人として仕えなさい。」
「ありがとうございます。」
単なる無罪放免だ。いや、それだけではない。らいかを裏切り佳代子につけと命じたのだ。
佳代子としても、らいかの物を全て奪うつもりで命じているのだろう。
リツとしてもここで断る選択肢はない。本心から裏切るつもりはないと思いたいが、相変わらずリツの表情は読めない。
思えば子供の頃から付き合ってきたにも関わらず、リツの考えていることはよくわからないままだった。
一時佳代子についたフリをして内情を探りつつ反攻の時を待つ。
という考えなら希望は持てるが、あいにくと以心伝心目と目で通じ合うような関係は築けてなかったようだ。
656 :
らいか陵辱:2009/04/22(水) 20:50:11 ID:06tbfM1K
佳代子はらいかの待遇について話を続けた。
「お義父様、今回のらいかの不始末について私に考えがあります。」
「なんだ? 言ってみろ。」
らいかの父である桜川組組長を佳代子が義父と呼んだ。父もそれを既に認めているかのように自然に答えている。
「桜川組の跡目があのような恥を晒したことが問題となっているのであれば、まずは跡目から外したことで一先ず問題は解決したように見えます。
ですが、これだとどうしても後から処分を下し、問題を過去のものとして無くそうとしているようにしか見えません。」
実際にそうなのだからどうしようもあるまい。らいかは黙って話を聞いた。
「そこで考えたのですが、らいかが元々あのような女だったとすればどうでしょう?
普段からあのような痴女であり、らいか自身の問題で羽目を外しすぎたために流出してしまったとすれば、
少なくとも桜川組がマフィアにやられたという印象は拭えます。」
(なんですって!?)
らいかは思わず絶句した。
「そして、らいかが元々あのような痴女であることを内外に示せば、不始末はらいか個人の責任。
よしんば事実と知れても、らいかへの処分としては妥当なものが与えられていると示すことが出来るでしょう。」
「ふむ、つまり、らいかに客でも取らせるのか?」
「いいえ、らいか個人の趣味ですから金を取るのでは意味がありません。
男漁りの趣味がバレて罰を受ける、という状況がよろしいかと。
罰は組員全員に犯されること。その後も痴女であると喧伝するぐらいでいいと思います。」
「だ、だ、だ、誰が痴女よっ!!」
「おだまりなさい。」
低い、冷えた声が佳代子の口から出た。
「跡目をマフィアに犯られた情けない組と思われるより、元跡目は痴女だったと言われるほうがマシなのよ。
そのぐらいわかるでしょう?」
確かに今後の組のことを言われては納得せざるを得ない。
だが、らいかにしてみれば自ら望んで陵辱された事になる。プライドどころか人格まで完全に否定されるのだ。
「お前は組に損害を与えたのみならず、罪人たる立場もわきまえず組長の意に反しました。
本来なら放逐するところですが、それではお前が犯した罪、損害は消えません。」
そこで、お前を桜川組最下級構成員へ格下げとし、構成員、その手下のチンピラ達よりも常に下位の存在とします。
どんな命令でも必ず遂行し、身体を求められれば進んで犯され、どんな屈辱にでも耐え続けるのよ。」
頂点から最下層、玉座から奴隷へと身分を落とされたのだ。
「よろしいですね? お義父様。」
「うむ。」
父もこの沙汰を認めてしまった。
らいかとしては佳代子を認めるつもりはないが、例え操られていたとしても桜川組組長の命となれば絶対だ。
組のために身を捧げる……本来なら上から皆を導くはずだったのに、今後は最下層を這いずり回らねばならないのだ。
それも男達の欲望を受け止めるために。
「佳代子ぉ……あたしがこのまま終わると思うなよ……覚えてなさい……必ずお前を引きずり降ろしてやる……っ!」
頭を床に押し付けられながら負け惜しみを吐く。
らいかも負けを認めざるを得なかった。だが未だ自分は秘術使いのままであり死んだわけではないのだ。
必ず復讐の機会は訪れる。そう信じて今は耐えるしかなかった。
「いいわ……あなたのその反抗的な態度がいつまで続くか見物ね。」
ふふん、と鼻で笑った。佳代子が見下し、らいかが見上げる。これが今の二人の立場だった。
以上です。
次からハードな責めを書いていきたいと考えています。
ではまた。ノシ
>641
電波に乗って光速で移動してるなら、どこまで行こうと本人達にとっては時間経過が無い……とか
書きたくなったがたとえ原子の数個でも動かしながら旅してればいくらかは時間経過があるから、
行き先によっては退屈だろうな。
レネゲイドの神秘のパワーでワープ航法くらい朝飯前
らいかは二次ドリノベル的凌辱が似合うなあ
普通のキャラだと気の毒になるようなろくでもない目にあったとして、
因果応報って言葉がぴったりだからねぇ
>659
ブラストハンドがらいかを助けに来るんですね?
>662
らいかを触手陵辱するモルガン
竜はわらわひとりでいいんじゃー
ちょっと待て、そうなると嵐も乱入してくる事になるぞw
嵐兄ちゃんに触手責めですね。わかります。
らいか「ああっ! もうやめてぇ!」
あらし「アッー! もうらめぇ!」(野太い声で)
こうですかわかりますと言いたい所ですがわかりません!
>659
ワープはともかく、どこかの惑星の電離層の中でプラズマ生命の
真也とエミリアがくんづほぐれつ(?)する話を書き始めてしまったよ。
しかーし、かなり難しいな……。
そういえば、嵐兄ちゃんもドラグーンだったなぁw
ドラグーン?
つまりガーベラか・・・・
(ゴクリ
龍の力?
竜之介が嵐兄ちゃんと・・・・
(ごくり
どこかの腹黒軍師も竜人だったな
自称臥龍だし
つまり(ry
>667
マジ期待
あの手の進化生命体はどっかの宇宙船船長とか初め、
孤独だったりやもめだったりすることが多い感じだから、
カップルで旅立ったのは嬉しかったなあ
カップル…宇宙の旅…片方がフラグクラッシャー………ボウケンジャー最終話かっ!
【違。】
最近はクラッシュが構築に追いつかないけどな
676 :
いつふた:2009/04/24(金) 21:49:53 ID:4M38lFCn
ゲーム:アリアンロッド(小ネタ2編)
ダブルクロス
形式:対話形式。
レス数:2+1
分割:なし。
エロ度:エロネタギャグ。
連続性:単発。
時節:タイトルに記載。
終幕:普通。
備考:これ以上ないほどオリジナルのキャラクターが登場。
◇『アイテムガイド』が出た少し後
「あんな、『アリアンロッド』でな、マントとグリモアって、どっちも装身具
やんな? 両方いっぺんに装備できひんやんな?」
「それな、『アイテムガイド』で制限解除されてん。マントとグリモアは両方
同時に装備できるはずやで」
「へ〜っ、そうなんかー」
「何でまた急にそんなことを。キャラメイクでもしよるんか?」
「ちゃうねん。今朝な、夢ン中でな、メイジがマントとグリモア、両方装備し
とってん」
「『アイテムガイド』持っとらへんくせに、新ルール準拠の夢見たんか。やる
なぁ」
「ほんでな、そのメイジな、サブクラスがガンスリンガーでな、二挺拳銃やね
ん」
「そらまたバランス悪そうな」
「あかんのん?」
「あかんことないけど。要はメイジ/ガンスリンガーやろ? 基本ルルブのサ
ンプルキャラあったやん、マスケット持っとるメイジ/アルケミスト。あれと
おんなじぐらい中途半端な組み合わせや思うで」
「そうかー、中途半端なんかー」
「何や、中途半端やと困るんか?」
「いや、困るいうことないねんけどな。
実はな、そのメイジ/ガンスリンガーな、」
「うん」
「グリモア孕ませよってん」
「いつふた、それ違うゲームや」
◇『エクソダス』3巻発売直前
「ねぇねぇ」
「あ〜?」
「『エクソダス』の2巻を読み終わったんだけどさ」
「ああ」
「PC間ロイスの取得時に、ガブリエルの砂っぽさを1巻から繰り返しネタに
してるでしょ? あれ見てさ、ちょっと疑問に思ったわけよ」
「人様の体質をネタにするのは、イジメみたいで不愉快だ、とか?」
「ガブリエルとアイヴィがヤるときは、やっぱり、ちんちんとまんまんの間に
砂がジャリジャリ挟まって痛いのだろうか、とか」
「そう来たか。てか相手はアイヴィ限定かよ」
「ガブリエルが一人でヤるときは、ちんちんを研磨剤で磨くようなものなのだ
ろうか、とか」
「まだ12歳のアイヴィの、初潮も来ていないかもしれない狭隘な雌穴は、普
通の男ならば抜かず三発は堅いと思われるほどキュウキュウ締め上げてくるが、
砂を擦り付けて鍛え抜いたガチガチのイチモツに対しては余りにも力不足。快
楽がヌル過ぎてガブリエルはイけないに違いない、とか?」
「いや流石にそこまでは考えてなかったぞ」
「その点は心配ない。アイヴィでダメならエミリアに突っ込めばいいのさ」
「おーい?」
「砂なんぞよりよっぽど深刻なダメージがガブリエルの官能をガツンと刺激。
股間のPDWが空になるまで撃ち尽くされるのだ。これぞオーヴァード・セッ
クス。まさに超人決戦」
「なにゆえそのよーな危険極まりない真似を。せめてDロイスを昇華してから
ヤればいいじゃないか」
「Dロイス昇華→セックス→Dロイス再取得、という手順は、生命の危機こそ
防げるものの、ロイス枠を浪費するからジャームになり易いという欠点がある。
ジャーム化するぐらいなら死んだ方がマシだ。当人はともかく、後始末が大変
だからな」
「ああ、壮大な後始末物語になりそーだね、3巻」
679 :
小ネタ2編:2009/04/24(金) 21:52:53 ID:4M38lFCn
・・・・・おしまい。
以上、当スレも残すところ50kb未満となりましたが、皆様におかれまし
ては如何お過ごしでしょうか。というお話でした。
GJ!
>グリモア孕ませたメイジ/ガンスリ
カオスフレアスレでPCで遣った報告が昔有ったなぁ。
破壊神な勇者王と共闘したと。
まめちしき
graberにはラテン語で「つるつるした、無毛の」という意味がある。
682 :
sage:2009/04/25(土) 19:33:25 ID:Do0Hmp2V
アイヴィのおまめさんはつるつるで無毛だと!
大多数の強化人間(女性)は無毛である
これは天緒真白のテキスト描写、緋室灯の映像描写からそうであるといえる
ベール=ゼファーは無毛である
数々の映し身を持つ彼女だが、興味の向く方面以外には怠惰である
体毛の設定など面倒臭がり、一律「なし」設定にしているというのが妥当である
フェウス=モールは無毛である
あの映し身の体の発達具合からいって当然であろう
これらに対し、リオン=グンタは恥丘から肛門周辺までカバーする
しかし毛質は柔らかであり、また分布の仕方も全体的に薄く上品であることは想像に難くない
エイミー? ああ、あのメイド?
リクエストすりゃそのとおりに生やして出てくるんじゃない?
俺だったら成熟した体に幼女すじとかリクしちゃうね。だってほらそれは浪漫だしィ?
でも剃りたい趣味の人もいるじゃん? だからまあ、ケースバイケースで。皆口だし
なんで最後いきなり投げやりなんだよw
ふぅむ、儂はこの中ではリオン様のが好みかのぉ……こう、毛をナデナデと……げげぇーい!お前は死んだはずのー?!
ルー様は大人Verでは剛毛、コロネVerでは無毛の一粒で二度美味しいイメージがwww
なにを仰る。
高貴なるルー様は、キチンとアンダーヘアのお手入れもなさっておられますよ。
したがって、コロネのときもアダルトのときも、ルー様はツルッツルです。
日頃、落とし子としてルー様のアソコのお世話もしている私が言うのですから間違いない!
【馬鹿の妄想はとどまるところを知らない】
可愛そうに・・・ルー様ルー様と恍惚の表情でつぶやいている彼は、
自分があのグイード・ボルジアの下の毛を処理しているなんて、
夢にも思っていないでしょうね・・・。
>>689 ですよねー、だって本物のルー様のおヘアーはモーリーさんが剃る担当で宝物庫の一番奥に厳重に保管してあr(此処から先は赤黒い液体で汚れ読めない
洋物では男優も剃るのではなかろうか、と。
・・・男優?
下の毛を放って置くのは日本独特だとか聞いたな
外国は毛虱が多いから普通に剃るとか何とか
ルー様の場合、剃られる(ないし剃らせる)よりも、むしろ剃る側な気がするがどうだろう?
>>693 裏界は間違いなく外国だよね!つまりみんなそ
ベル様のだったらもじゃもじゃでもツルツルでも
ベルはつるつるだよ
昨日確認したから間違いない
さて、ここらで新しい話題でも振ってみる。
ガンドッグの新作サプリが出たんだが、ハウンドがエロくて可愛いお姉さんになってる。何があった。
シスターガンマンも来たが……濃いなあ。いや、これに萌えてこそなんだろうか。
犯罪者が解禁なので色々とドキワクですよ。
ヤクとセックスと爛れた青春が。
スフレもサタスペもエロかった
なんかレス数700ってすごく久しぶりのような気がするなー。
スフレの温泉シーンが妙にエロい気がするのはなぜだ
姫子とメルはさすがに幼女じゃないだろw
渋沢さんの「幼女ですか。大好物です」はいっそ清々しかったが
スフレは2ndになってからの、絵の劣化が……つらいorz
劣化というか、合鴨姐さんの絵じゃないのがなぁ・・・。
楽しみにしてた部分は、正直ある。
とりあえず、まだ読み始めたばかりだが、
エロいアレはあるのだろうか。
2ndになってから合鴨姐さんの絵が劣化してる、
という事だったら正直スマンカッタと先に謝っとくw
いや、合鴨姐さんの信長がほとんど見られなくなったことに哀しんでいるんだ
オセワニナリマシタ……orz
スフレは互いに相手を綺麗、可愛いとコンプレックスを抱いている姫子と鈴鹿からはじまり
メルと姫子の入浴シーン、姫子の着替えシーンと挿し絵もございます
さらに鈴鹿嬢が絶望するまで加えられた拷問、後宮入りして犯し殺されたメルなど
妄想の材料となるアイデアが揃っておりますれば
ここは文才の皆無なわたくしの代わりに、どなたか一筆お願いしたく……
710 :
yuzu:2009/05/02(土) 05:32:42 ID:uPz/nbw+
中途半端だけどちょっと充電できたー!(挨拶)
というわけで、流れを切るようですがお久し振りです、yuzuでございます。
前回お邪魔させて頂いたときから二ヶ月近く間が開いてしまいましたけど、かるーく投下に参りました。
今回は序章的なお話なのでびっくりするほど短いです(笑)。
それでは以下、投下です。
※
私は裏切り者だ。
私は仲間を裏切った。
こんな私ですらも仲間と認めてくれた、かけがえのない仲間を裏切った。
私は友人を裏切った。
共に死線を潜り抜けた連帯よりも強い想いで、私を友と呼んでくれた大切な友を裏切った。
私は肉親を裏切った。
表向きは私に対して、血縁になどなんの意味もないとでも言いたげな無関心さを装っていたくせに、その実、誰よりも深い愛情を密かに注いでくれていた、ただひとりの兄を裏切った。
私は裏切り者だ。
私は決して消し去ることのできない刻印を、この身に刻み込んで生きていく。
でもそれは、本当に後ろめたいことなのだろうか?
背徳という名の理不尽な磔刑からは、私はもはや逃れる術をなにひとつ持っていない。
もしも贖罪が許されるのだとしたら、その方法は ――― ひとつ。
自分の生命と引き換えにすることでしか、私は“裏切り者”の汚名から逃れる術を持たない。
ならば私が、その十字架を背負わずにいようとするならば ―――
緩やかに訪れる死を、座して待つしかないのだろうか?
でも私は生きたい。生きていたい。
そう思うことがどれほどの罪なのか、結局のところ私にはわからない。
私という『個』を生かすために、仲間を、友人を、肉親を裏切ることは、本当にいけないことなのだろうか。死にたくないと思うことは独りよがりの、自分勝手な我儘なのだろうか。
――― 口中に、錆びた鉄の味が滲んでくる。
大きな発作はともかくとして、労せずして我慢できる程度の小さな苦痛は、もはや私の日常と化していた。
私自身の体内に巣食うウィルスが、私自身を傷つけたのは内臓か、はたまたどこか別の器官なのか。それとも ――― ?
私はごくり、と小さく喉を鳴らす。血の苦味を無理矢理に胃の中へと押し戻す。
身中の痛みは、いつの頃からか慢性化していた。
この程度の苦痛ならば、作り笑いを浮かべて耐え切ることができるようになっていた。
顔の筋肉に力を込めて、目を細める。目尻を下げ、唇の端を三日月の形に吊り上げる。
すると、いままで誰一人として疑ったことのない笑顔が ――― 私がまるで心の底から浮かべているかのように見える、出来損ないの笑顔が出来上がった。
(明るい娘だね ――― )
(人懐っこくて、朗らかで ――― )
いつもの私を見て、誰もが言う言葉。
周囲の評価に相応しい表情を顔面に貼り付けて、私は思う。
楽しいと思って笑ったことなんか、ただの一度もありはしない、と。
そして私はこうも思う。
裏切り者という汚名を被り、『十年前の遺産』を手に入れたとき。そうやって己の生命を繋いだとき ――― 私は、本当に心の底から笑うことが出来るのだろうか、と。
仲間の信頼と、友人の思いやりと、肉親の愛情とを引き換えに生命を拾って、私は本当に満足なのだろうか、と。
でも、生きたい。
死にたくは、ない。
生への執着と、我が身に降りかかった理不尽な運命を呪うことで、私は自らの心を力ずくで奮い立たせる。
いつものように、眼前で固く閉じられた扉の前に立つと、静かな、極力静かな声で言うのだ。
「コードネーム“ミッドウィーク”、入ります」
UGチルドレンとして生を受けた私が、本来くぐるはずのない扉。
ファルスハーツ梶浦市セル ――― その拠点のひとつである、建物の中だった。
真正面には、もう見慣れてしまったセルリーダーの陰鬱な表情。
私を見据えるその目には、人間の持つ生気や色彩が欠けている。
私の嫌いな、瞳の色だった。
それは、私の行く末を暗示するかのような瞳だったから。
いつかは私も、あんな眼をするようになるのかと、嫌でも思わされてしまうから。
不意に ―――
室内に普段と違う気配を感じた私は、視線をそれとなく泳がせる。
ぴりぴりと室内に充満し始める、肌を刺す気配。
それを闘気と呼ぶべきか、それとも殺気と呼ぶべきか、このときの私は明確な答えを見つけることができなかった。それは、示すべき対象も持たずに撒き散らされる、『気』の粒子。
決して《ワーディング》ではない。
ただ抑えきれずに、“彼”の持つ意志から、どうしようもなく溢れ出してしまったモノ。
所構わず、誰彼構わず突き刺さる、気配という名の見えない刺激。
ざわりと鳥肌が立つのを感じ、私は気配の発せられた場所を見る。
ざわつく気配は、私と同じような年頃のひとりの少年の姿をしていた。
壁にもたれかかり、腕を組み。伸びた前髪の下からこちらをねめつける眼光が、ぎらりと鈍い光を放っている。
それは獰猛な獣を連想させる眼光だ。
だが違う。獣はこういう眼はしない。
獣は、憎しみをその目に宿すことはないからだ。
視線に怒りを込めることはあるかもしれないが、彼ら獣は恨み辛みとは無縁の存在である。
少年の瞳の奥でちろちろとくすぶる暗い色の炎は、どうしようもないほどに人間の持つ憎悪に塗り潰されている ――― そんな気がした。
「たっての要望で、君に引き合わせることにした」
セルリーダーの暗い声が私を現実に引き戻す。その言葉につられて少年と正対した私は、彼の言葉をどこか遠くに聞いていた。
「……そのうち俺の仕事にお前が必要になる……いまから顔を合わせておいて、損はないと思ったからな……」
低く唸るような声が、やはり獣を連想させる。
それは喉の奥で鳴るような、ひどく、くぐもった声だった。
それはFH梶浦市部でのある日のこと ―――
“ミッドウィーク”こと私、柏木伊織と。
FHチルドレンである“彼” 、真神修夜との ――― 初めての出会いの日のことであった。
(続)
さ、sage忘れてた……久し振りに来てさっそく醜態をさらしてスイマセン……
投下は以上です。短すぎですね。でも序章なので、これくらいで。
前作投下中、レスの中で「このカップリング見たい」と仰っていた方がいらして、そのことが頭の中に残っていました。別にリクとして仰ったわけでもないだろうし、それに対して私がしゃしゃり出て書くのもアレかと思ったんですが……書きたくなってしまったので(笑)。
いいキャラだと思うんだ、伊織と真神! だから書かせて! みたいな。
話の性質上、前作や前々作みたいなどえらいボリュームにはならないと思いますが、読んでいただければ、と思います。以前のペースを取り戻すのも一苦労な気もしますが、よろしくです。
ではでは〜。
715 :
sage:2009/05/02(土) 11:40:05 ID:MNUK2s/2
キタキタw
来ちまった!
GJ!
またリプレイ読み返す作業に入りますね。
伊織も真神もいい活躍期待しておりますw
新しい作品キタ! これで勝つる!
どうでもいいことだけど、エクソダス三巻の
「二人は付き合っているんですか?」
で、前作を思い出してニヤニヤしたのは俺だけではないと思う
GFげとしたら
>>611の表紙絵が公開されてた。
……姉の衣装エロッ!w
マジでグラディエーターなんじゃないかという露出度だw
胸周り、腰周りしか衣装がない。
イラストはヤトアキラという人でファンシー系。
現物見て無いから何とも言えんけど
エロス溢れる絵師よりファンシーな絵柄の人のエロスの方がクるよね
一般論として
思いっきり流れをぶち砕くが某スレの
「どっかの女社長が年甲斐もなく露出度の高いオレンジ色のコスチュームで嬉々としてリングに立つ」
という書き込みでその女社長が二次元ドリーム的に蹂躙される姿が浮かんできた
|ω・`)
|ω・`)つ《サガ無印のアル×ピアニィでエロなしだと、需要はありませんかね?》
|ミサッ
エロなしでもいい。いちゃいちゃする二人が見たい。
そう思うだろう? あんたも!
>>719 かなり初期からのノベルズ読者でないとその発想には至らないような気がするんだぜ。
それはそうと、相手はレイスナイトがいつもの格好をコスチュームと言い張って出てくるんじゃろうか。
とか書いてる最中に橙&虹のタッグチームVS妖妃&月の魔女(満月状態)の奈落妖女コンビとか益体の無いことがぐるぐると頭をよぎった。
>>721 エロなしだと、いちおう卓ゲ板になるんじゃないか?
>>719 「社長が年甲斐もなく露出度の高い」だけ見て、某ビーストキングダムの社長を思い出した・・・・。
>719
一目見て、リング★ドリーム的に蹂躙と読んでしまった・・・
具体的なエロなしでも構わん、こっちで勝手に脳内補完する
>>93 原作的にはくれはかエリスかな。あかりんはむしろキリキリ働かせそうw
このスレ(クロス)的には、レベッカとか。リルカとか。かな。
すまん、板誤爆orz
お詫びにエリスをひぃひぃ喘がせてくるノシ
>719を見たときから頭をよぎるモノがあったが>723の字面を見た瞬間ナイトメアしか浮かんでこなくなったw
>>719 必殺心乗せた全力打ち抜きの逸物で、逸物が年増処女社長の処女膜を貫通する
まで読んだ
|ω・`)
《ありがとうございます。エロなしですが、投下させていただきます。
|ω・`)つ 初の投下ですもので、改行等お見苦しかったらごめんなさい》
|ω・`)
731 :
1/2:2009/05/03(日) 14:46:22 ID:KdYfmz28
元ネタ:アリアンロッド・サガ無印
時系列:メルトランド戦役(後編)・ミドル02直後
カップリング:アル×ピアニィ
散々怒鳴り散らしておかんとベネットを解散させ、アルは大きな溜息をついた。
「…ったく、冗談じゃねえっつうの、結婚なんて」
ナヴァールがいれば、さらに理屈っぽく混ぜっ返されていただろう。
いない時でよかった…と思いながら、同意を求めて隣のピアニィを見る。
ピアニィは、頬を膨らませて思いっきりむくれていた。
「…姫さん…どうした?」
アルがおそるおそる声をかけると、眉を寄せた上目遣いでピアニィは問い返してきた。
「そんなに嫌ですか?あたしと結婚するの」
「…は?」
予想外な攻撃に、アルは間抜けな声をあげた。
ついさっきまで、嫁呼ばわりされて違うと否定していたはずなのに、どうしてこういう言葉が出て来るんだ?
少なからず混乱しつつも、言葉を返す。
「いや、姫さんとどうこうじゃなくってだなあ! 今はそういう状況じゃないだろう? 姫さんは国の事で大変だし、俺もまだまだ修行中の身で−」
「だからって、そんな溜息ついて嫌がらなくってもいいじゃないですか?」
アルの反論を一言でばっさり切り捨てて、ピアニィは一歩前へ踏み出し、必殺の一言を繰り出した。
「……アルは、あたしの事、嫌いですか?」
夕日の差し込む中庭。
光の加減か、ピアニィの瞳は潤んでいるようにも見えて。
完全に雰囲気に飲まれたアルが、言葉を返そうと口を開いた瞬間−脳裏に銀色の髪が揺らめいた。
「…………そんなこと俺に聞いて、どうするんだよ?姫さんには婚約者がいるのに」
その言葉に、今度はピアニィが硬直した。
差し込む夕日がアルの目元に影を作り、その表情は伺えない。
「リ、リシャールさんは、父が決めた婚約者ってだけで−」
「あっちはそう思ってねぇんだろう?」
一言で切り捨てると、アルは暗いココロを溢れさせるように言葉を続ける。
「良かったよな、ご立派な婚約者で。剣の腕は立つ、顔はいい、その上に生まれながらのお貴族様だ」
これは嫉妬だ。醜い嫉妬だ。ピアニィにぶつけるべきものではない−そう思いながらも、アルは言葉を止められない。
「俺なんかに構うより、あの眼鏡に聞いてやれよ。喜んで国中のバラでも捧げてくれるだろうさ」
言うだけ言って、アルは顔を逸らす。ピアニィの顔をまともに見ることが出来なかった。
732 :
2/2:2009/05/03(日) 14:46:47 ID:KdYfmz28
「…どうしたら信じてくれますか?」
かすかに震える声で、ピアニィが囁く。泣いているのかとそっと横目で窺うと、ひどく真剣な表情のピアニィと目が合った。
「…なんだって?」
「どうしたら、リシャールさんとは何の関係もないって、信じてくれますか?」
思い詰めた眼差しのピアニィから逃れるように、アルは背を向け、吐き捨てる。
「さあな。目に見える証拠でも出せばいいんじゃねえのか?」
「…………わかり、ました」
しゅるっ。
言葉に続いて聞こえた衣擦れの音に、アルは慌てて振り向く。
ピアニィが夕日より赤く頬を染め、真紅のローブの紐を解いていた。
「おいーーーっ!? ナニやってんだ姫さん、ここ中庭だぞっ!?」
思わず大声をあげたアルに、ピアニィは叫び返す。
「『目に見える証拠』って、アルが言ったんじゃないですか!! だから…だからあたしっ…」
叫ぶうちに感極まったのか、ピアニィの瞳から涙が一粒こぼれる。
その涙でようやく、自分の言葉がピアニィを追い詰めていたことに気づき、アルは悔悟のあまりに絶句する。
「アルに…あたしの騎士に信じてもらえないなんて、そんなの、おかしいですから…」
涙をぬぐうこともせず、胸元の飾りリボンにかけたピアニィの手を、アルの掌がそっと包み込んだ。
「いいって、もう。さっきのは…その、姫さんに八つ当たりしちまったみたいなもんで…悪かった」
だからそんなまねすんな、と。
不器用にそう告げたアルに、ようやくピアニィの緊張が緩む。
「信じて…くれますか?」
「ああ、信じるよ。姫さんの…俺の女王さんの言うことだからな」
言って照れたのか、再びアルが顔を逸らす。横を向いた耳まで赤く染まっているのは、沈みかけた夕日のせいではないだろう。
それを見て、ピアニィの胸にイタズラ心が湧き上がった。
「…証拠がないと、信じられた気がしないんですけど?」
いぶかしげに振り向くアルの手を取り、そっと自分の方に引き寄せる。
「おい、姫さん…」
「証拠は、大事ですよ、ね?」
ピアニィが囁くと、アルは素早く周囲を見回した。最後の陽光が、2人きりの中庭に濃い影を落とす。
「………………誰にも、秘密だぞ?」
そう囁き、空いた手をピアニィの頬に添えて。
…日没寸前の中庭に、二つの重なった影が落ちた。
なお、余談であるが。
アルの《感知》判定はベネットの《隠密》達成値に遠く及ばなかったと言うことである。
アル×ピアニィのお人、GJっした。
このカップリング、結構書く人って多いかなーと思っていたら、他板(作品板とか)でも見かけなくて。
Hシーンなしでもあまあまでオーケー!
この話の続きに行われるであろう(この板的な)行為は脳内で補完するので無問題!
というか、でも書いて!(目をキラキラさせながら図々しいことを言ってみる)
でも、ベネット、なに見てやがりますかお前(笑)。後で、出歯亀の内容を詳しく報告するように!
あとレス返です。
>>715さま。
滅茶苦茶短い序章でしたが、期待していただいているようで有難うございます。
リプ読み返されて、SSの穴とか見つけられないよう、キチンと話の構成しなければ(笑)
>>716さま。
実はエクソダス最終巻のあのくだり読んだとき、自分の書いたSSを思い出して、ひとりで思わず赤面していたことは内緒です(笑)。ニヤニヤどころか背中に変な汗かきました。
現在、「破滅の剣」片手に構成などなど色々考えたり、キーボード叩いたり叩かなかったり。
以前のペースにはなかなか戻りませんねえ。
文章の書き方忘れてたり、言葉が思いつかなかったり悪戦苦闘中ですが、頑張ります。
では、いずれまた。
社長が年甲斐もなくリング☆どり〜むだと!?
エンギア2でナビのどいつもこいつもふとももむちむちになっているのは
「素股もしくはフトモモコキしろ」
という啓示だと受け取った
ナイトメアって名前の団体は、一時期実在したりする。
団体所属選手が全員ヒールレスラーなのw
>>731-732 うほっ・・・これはいい萌えw
とりあえず、見聞録の第二版には、このエピソードが
掲載されるわけですね。
つまりこういうことか。
ベネット「あっしが編纂協力したトラベルガイド、売れ行き好調につき重版決定、印税もがっぽりでウハウハでやんすなあ」
ベネ「ここは新たな購買層を開拓するためにも、今まで紹介してなかったスポットにも焦点をあてていくでやんす」
ベネ「さしあたっては、夜の繁華街、大人の遊技場、あ、お薦めの妾館なんて載せたら売り上げがもっと伸びるはずでやんす!」
ベネ「ふーむ。アルディオン・大人のトラベルガイド……イマイチ目玉が不足でやんす……」
ベネ「あ!アルディオンの著名人の【夜のトラベル】なんてコラムを付けたらバカ売れ間違いないでやんす!」
だんだん当初の目的から離れていくベネット。
トラベルガイドというよりはもはや写真週刊誌の記者の顔をしている。
ベネ「【グラスウェルズのレアノール王太后、ゴーダ伯との深夜の密議】……さすがゴーダ伯、ベッドの上でも懐刀でやんす!」
そんなある日、よりインパクトのある記事を求めて徘徊するベネット。
ベネ「ん?あれはアルとピアニィでやんすか?中庭でなにを……」
そしてベネットは目撃する!
ベネ「(おおっ!いい雰囲気だと思ったらいきなりキス……!し、しかも熱烈ディープでやんす!)」
ベネ「(ああっ!キスから早速、くんずほぐれつでやんすか!?こ、ここはお城の中庭でやんすよ!?)」
そして二人の一部始終を見届けたベネットは記事原稿を一晩で完成させる!
ベネ「できたでやんす!【フェリタニア女王の初体験は青姦で!幸運なお相手は女王の騎士!】!これは売れるでやんす!」
……当然、出版前に発禁処分。
殺意に定評のあるピアニィのスキャンダルを暴露しかけたベネットの姿を見たものは、その後いなかった……
つまり、そういうことですね!?
738 :
|ω・`):2009/05/04(月) 07:01:54 ID:qLNl9hYp
アル×ピアニィ投下いたしました壁のものです。
つたない文章を読んでいただきありがとうございました。
レスにお返事を〜。
>>733yuzuさま。
yuzu様にお褒め戴いて光栄の至り!GJありがとうございました〜。
アル×ピアニィたくさん見たいので、自分が呼び水になってみました。
この板的な行為については、文章力のなさから断念orzこのまま行くと、アルが鬼畜化しそうで…。
ベネットの報告は、どうなることやらw
>>736さま。
いい萌えでしたか!ありがとうございます〜。
これを第二版に載せるには、アルの猛撃をいかにかわし続けるかが鍵だと思いますw
>>737さま。
ベネット…w
それ出版するより、ナヴァールとおかんに売った方が良い値になりそうな気がw
>>731-732 とりあえず、グッジョブっした。
……ピアニィ、今でこそ殺意の高さだけがネタになってるけど、本当はこういうキャラになる筈だったんだろうなあ……中の人がこじまめさんだったらなあw……とか思ってしまいましたよ。
その場合はベネットと三下ーズ(所属員二名)を結成してたんじゃないか?
>>737 いいよいいよー
その調子で臥竜と鳳雛の不適切な関係も詳細にレポートしてくれたまえ! ああ是非とも!
>>741 きみのせいでこんなこと思いついてしまった。
ナヴァール「それでは次の設問だ……私の●●は君の■■に××しているが、それでは次に私が▲▲するのは、君の○○か、それとも◆◆か、さあどっちだ?」
ステラ「そ、そんな質問、ああ、やめろ、こ、答えられる訳がない……」
ナ「答えなければ続きはお預けだぞ、ステラ」
ス「う、ううう……答えは……○○……か……?」
ナ「君にはまだ洞察力というものが足りないな。私が▲▲するのは……○○と◆◆、両方だ……!」
ス「あ、や、いやああああっ……!?」
……なぜかふと浮かんでしまったので。
臥龍と鳳雛だけあって夜の営みも我ら凡俗のものにはよくわかりません。
ていうか、書きながら「なに書いてるんだ俺は」と反省したが、後悔はしていない。
ひでえプレイw(ほめ言葉
745 :
|ω・`):2009/05/05(火) 01:06:15 ID:LKnuo8NK
>>742 面白すぎるwww
もいっちょだけレスのお返事を〜。
>>739さま。
ぐっじょぶありがとうございます!
殺意は高い、だがそれがいい!とか言ってる変態は私くらいですかそうですか。
中の人こじまめさんだと、三下プリンセスじゃ?と思ったら
>>740さまに言われてしまったw
内容についてちょっとだけ。
よそ様がピアニィの(笑顔)KOEEEE!とか言ってる時に、アルの『三点リーダー×4』に
萌え狂ったおかげで、嫉妬に苦しむダークアルが書きたくてこの様な話になりました。
鬼畜になれてないのは書き手のヘタレゆえです(´・ω・`)
そして、殺意の高い女王様も可愛く思っていただけそうなネタをちょっと思いついたので、頑張って形にしてみます。
この板らしい部分もガンバってみます。
|ω・`)ノシ それでは。
>>742 ステラ「……●●……か?」
ナヴァール「NO!NO!NO!」
ス「……△△?」
ナ「NO!NO!NO!」
ス「り……両方ですかああああ〜」
ナ「YES!YES!YES!」
セッション中にナヴァールに時間を稼がせ、
自分はベネットPLにしてキャンペーンを一本やっつけ、
稼いだ経験点で戦闘中にレベルアップするピアニィと申したいのだが。
少年マンガ定番の回想シーンで必殺技を習得じゃねーかwww
やはり大竹みゆ嬢の凄い所は、「殺意の高さ」と「ヒロインらしさ」という一見相反する二つの要素は両立できるのだということを証明してみせた所にあるなあ。
これがウチの鳥取なら、げははと高笑いしながら魔法をぶっ放す殺戮プリンセスが爆誕していただろう。
751 :
名無しさん@ピンキー:2009/05/06(水) 11:27:21 ID:+23uiFXG
恥じらいを忘れないことが、いやらしさを高めるのと同じ理屈ですね!
「平和のために、命を奪うなんていけないことなのにっ……
《アヴェンジ》したいのおぉぉぉ
神官は生かしておいちゃらめにゃのぉぉぉっ」
御免。なんか間違えた。
(宿敵:人間を)体が求めるのぉっ!
ってか?
>>731-732のおかげで乙女&ヒロインなピアニィに萌えていたのに、
条太郎ナヴァールだの、みさくらピアニィだののせいで台無しにwww
>>750 大竹さんの凄い所はその通りだが、それなら英麻さまだって……
……いや、違うか。英麻さまの場合は「殺意」ではなく「悪意」が高いというか、「殺意が高い」域を通り越して「むしろラスボスっぽい」というか……
おや、こんな時間に誰が
756 :
名無しさん@ピンキー:2009/05/06(水) 23:16:31 ID:+23uiFXG
「悪意」とは貴殿も異なことをおっしゃられる。
あの方にとっては世界のすべてなど、
興味を引いたらもてあそぶ玩具のごとき矮小物にすぎないということをお忘れでござるか。
そう「紛うことなくラスボスっぽい」というぁ……
(ただ風が吹き抜けるだけであったという)
(というかsageすら忘れるほどの静寂がすべてを支配していた)
これが小暮力(こぐれちから)という奴か・・・。
いや、英麻力(えまりょく)と呼ぶべきだ。
じゃあ間を取って抉力(えぐれりょく)としようか。
あれ、こんな時間に誰が
英魔力だろう。
さすがはアンゼロットさま! 素晴らしい(バストが)えぐれ力で(以下当局による検閲)
いかん、英魔神様がお怒りだ!
早くじゅんいっちゃんを供え…ま、間に合わない!?
うわーだめだー
764 :
|ω・`):2009/05/07(木) 03:26:04 ID:/pf5D/if
|ω・`) <ええと、壁のものです。
別の作品を書くはずが、なんだか前回の続きをそのまま書いていてみたり。
|ω・`*) <この板的な部分も頑張っていますが、自分のえろ文章力のなさに絶望してみたり。
|ω・`)ノシ <頑張って書き終わったら、また投下しに来ます。
というか今描いてるんだけど、煮詰まっちゃったので今日はもう寝ます…。
おkおk、完成を期待しながら待ってる。
489kB
そろそろ次スレ
480超えてると落ちるんだっけか。ちょっと立ててみよう。
>>768 乙&埋め
サガ無印2巻読んで、主役二人はともかく臥龍と鳳雛のラブ寄せが急激な気がして
改めて1巻読み返したんだけど普通にステラはナヴァール大好きっ子だった
こう、かなり萌えるな
しかし立場的にどっちか死亡しそうだ
その場合はNPCだしステラかな…
頑張って生き延びて欲しいものです
>769
臥龍と鳳雛ならいずれかの死は避けられぬのが運命。
鳳雛フラグを回避したナヴァールに臥龍フラグが襲い掛かる
ベネット「あ…蝋燭倒しちゃったでやんす」
ナヴァールはダイス目に殺されそうだよなあ
単なる予感だけど
ステラ「ナヴァールは生きている……ココ(お腹に手を当て)に……」
ピアニィ「誰もいませんよ?(・∀・)」
ピアニィィィィw
むしろナヴァールが死んでステラがPCになるとか
その場合しゃちょーがステラをやることになるわけで
「リプレイで子供産んだPC」二人目という偉業w
鳥取で、自分の娘と結ばれたPCがいたなあ…
kwsk
元PCの娘ならやったなあ
>777
父親が異種族で、娘が普通の人間だったので
年齢的な問題はあんまり無かった
で、当然ながら結ばれた後も「パパ」と呼ばせてた。
エロいな、オイ。しかし異種間結婚ものの浪漫でもある。
エルフや吸血鬼あたりの、美人で見た目の若い「ひいお祖母ちゃん」が、
年頃のひ孫の家に来て赤ん坊の頃と同じ感覚で世話を焼いたり添い寝しようとしたりとか、そういうのも浪漫。
エルフと人間が混じって暮らしてるSW2.0のルーフェリアとか、普通に起きてそうでたまらん。
タイムスリップもののシナリオでNPCヒロインとくっついたら
実は曾祖母だったという展開にあった事がある
……クライマックスとEDの間に、一体何があったんだろうか
>>781 タイムスリップネタを扱う作品だと割とよくある展開かと
>>773 発想の転換でステラの忘れ形見の娘を育てるナヴァールというのはどうか
勿論ステラに似てる娘
…でも社長リアルで娘さんいるから微妙か
確かにナヴァールの遺志とDNAを受け取ったステラってのは萌えるなあ
「お前の父親は、史上最高の軍師だったのだ」
と息子に英才教育を行った結果、グレてアルに
弟子入りされてしまう未来を幻視した。
>>785 妹に続いて子供まで奪いおって!と涙目になるステラさんですね
それはそれで…
んで、その結果
ナヴァールの知力にアルの剣技、ステラの一途さにピアの殺意の高さを受け継いだベネットばりの三下ができあがるわけですね!!
そんなスペックの高い三下はいらねえええええええwwww
というか、だ、どこでベネットが混ざる余地があったんだ?
ベネット「知力や剣技、殺意の高さだけで生き残れるほど、世の中甘くないでヤンス。
処世術やサバイバルの才能を磨いてこそ、花を咲かせることができるでヤンスよ?
アッシはそうしてクラン=ベルの四英雄の地位にまで登り詰めたんでヤンスからねえ。
さ、アッシに弟子入りするでヤンス!さあ、さあ!」
何だろう
言ってることは何一つ間違っちゃいないのにこの納得の出来ない心情はw
それは、アレだな、“登りつめた”ではなく、
“気づいたら頂上にいた”であるが故の違和感だなw
あ
ナヴァステ息子は、ピアニィをおばちゃん呼ばわりして
その殺意の高さを目の当たりにするであろう
という啓示が今降りてきた
奴は頂点に居たのではなく
煽てられて登ってみたら梯子を外された類だ
というかなんでナヴァールが死ぬ前提で何の違和感もなく話が進んでんだw
さすがは鳳雛と呼ばれる男
うむ、伏!龍!たる私の畏敬のなせる業だな
ナヴァ村ー、臥龍臥龍ー
ナヴァール龍使い疑惑
臥龍ならば主君の遺児を託されねばならない。
というわけで、アルとピアニィがさっさと子作りして、どっちかが死ぬ展開でも良いのでは?
……無論その二人なら、お亡くなりになるのは、ダイス運から言ってまず間違いなくアルだろうがw
その展開は、殺意の波動に目覚めたピアニィが見れる展開だなw
システムの壁を越えてジャーム化しかねんw
つまり総合すると、アルピアの息子とステナヴァの娘が(息子と娘が逆でも可)
ラスボスとなったピアニィとナヴァールを止める、サガ第二部主役という訳だな!
ナヴァールがステラに仕込んだのはやはり今回一緒に戦った時かね?
ピアニィを狙っているはずのお兄様、すっかり忘れ去られてるなぁw
システムの壁を越えてジャーム化って事は、大宇宙を旅してたどり着いた
超生命体の二人が来るかもしれんな。
やべぇ、ピアニィxナヴァールとか幻視した。
806 :
|ω・`):2009/05/14(木) 00:29:50 ID:w/TDNth9
|ω・`) <なんか面白い流れになってて思わず顔出してしまいました、壁のものです。
新スレの方に
>>731-732の続き+オマケ投下させていただきました。
アルがお亡くなりになるのは正直勘弁して欲しいのですがw
でもピアニィ死にそうにないしなあ。
ところで眼鏡の事もたまには思い出してやってください。
眼鏡は、某四コマ界隈で結成されている、へたれ眼鏡の会へ
入会する可能性があるのではなかるかと思ったが、
好意を率直に伝えているからあの会には入れないか。
>806
男は戦いで死んで行くが、女は子供を産んで命を繋いでいくって、
南斗水鳥拳のレイがいってた。
眼鏡は……きくたけのあの手のキャラは、どうあってもボスで出る以外にまともな役をやる気がしないんだがw
流れをぶったぎりつつ
ポリフォニカのティアンが着実にハーレムを築きつつある件について
契約精霊・上司・妹・同業他社の代表・後輩
次は依頼人を落とせば…
>>808 フェリタニアのためにあえて眼鏡との政略結婚を受け入れるピアニィ。
それを不承不承承諾したはずのアルが初めて自分の気持ちに気づき――。
ってのは萌えないか?!
しかし奪還に行ったアルが見た光景は・・・
「アルより・・・上手ーーい!」
何というピアニィ死ねフラグwww
そこはピアニィ処女喪失のタイミングでアルがカバームーブだろ
「あの時の借り…2人まとめて返したぜ…!」
さらにその衝撃をメガネにソウルバスター
アルと眼鏡が処女喪失!!
その光景を目の当たりにして覚醒めるピアニィ
「アル×眼鏡の鬼畜攻め…!これは流行る!」
殺意高い上に腐女子!?
これは新しい!
何に覚醒www
殺意ではなく脱衣、あるいは「殺衣」の高いピアニィ爆誕と申すか。
>>811 むしろ、
「踏まれてこんなに大きくするなんて。本当にどうしようもない変態ですね」
「ああっ! 女王様、もっと、もっとぉ!」
|ω・`) <ええと、最初に眼鏡の話を振ったものですが。
|ω;`) <すいません眼鏡の事はやっぱり忘れてください…。
というかアルは受けでしょう常考(除ピアニィ)
眼鏡ってアレのことだったのか
変人なとことウザイとこしか覚えてないから誰かわからんかったわ
「陛下はおっしゃられた!出自、種族、性別の差無く、全ての交際を平等にあつかうと…!」
「ただの世間知らずだと思っていたあの娘が…なんと腐った考えをお持ちなのだ!」