1 :
名無しさん@ピンキー :
2009/02/06(金) 23:31:12 ID:mEP4j2D2 ここは、ヤンデレの小説を書いて投稿するためのスレッドです。
○小説以外にも、ヤンデレ系のネタなら大歓迎。(プロット投下、ニュースネタなど)
○ぶつ切りでの作品投下もアリ。
■ヤンデレとは?
・主人公が好きだが(デレ)、愛するあまりに心を病んでしまった(ヤン)状態、またその状態のヒロインの事をさします。
→(別名:黒化、黒姫化など)
・転じて、病ん(ヤン)だ愛情表現(デレ)、またそれを行うヒロイン全般も含みます。
■関連サイト
ヤンデレの小説を書こう!SS保管庫 @ ウィキ
http://www42.atwiki.jp/i_am_a_yandere/ ■前スレ
ヤンデレの小説を書こう!Part21
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1231425727/ ■お約束
・sage進行でお願いします。
・荒らしはスルーしましょう。
削除対象ですが、もし反応した場合削除人に「荒らしにかまっている」と判断され、
削除されない場合があります。必ずスルーでお願いします。
・趣味嗜好に合わない作品は読み飛ばすようにしてください。
・作者さんへの意見は実になるものを。罵倒、バッシングはお門違いです。議論にならないよう、控えめに。
■投稿のお約束
・名前欄にはなるべく作品タイトルを。
・長編になる場合は見分けやすくするためトリップ使用推奨。
・投稿の前後には、「投稿します」「投稿終わりです」の一言をお願いします。(投稿への割り込み防止のため)
・苦手な人がいるかな、と思うような表現がある場合は、投稿のはじめに宣言してください。お願いします。
・作品はできるだけ完結させるようにしてください。
・版権モノは専用スレでお願いします。
・男のヤンデレは基本的にNGです。
:/⌒V⌒',_
::{_, '⌒ : j: : `丶::.
::/: : : :/: :ノ : : : : :\::.
.::/ : : ヽ: {: : : : _ : ヽ : : ';:.
.::,': : : :.!:_∧: : :ヽ}\j: : リ::
>>1 クン・・・
::.{: : :! :{八__\}ヽ=ミi : 八:. イツモトナリデミテイマス・・・
::ヽ八:.:Y⌒ ''リ:イ: :';:: イツモトナリデミテイマス・・・
::〉丶:ゝ `’ イ : i: ハ:: イツモトナリデミテイマス・・・
. ::;' /: : { _r≧=会ト、/:ハリ:: イツモイツモイツモイツモイツモイツモイツモイツモ
::{人x< マ=ー / >、::.
.:::/ \\__マ-/__// ヽ::
::,' Y二ニVニニイ {/ }::
r'ニニニ二二二ニニニ、ヽ
| | .@ | | ト、____, へ
rー┤| |├、 ヽ }
| | | Π | | | ≡三ーーーーァ /
l l l lニ コ .| | | ≡ / /
| l l |_| | | | ≡三 ./ /
l__l_l______|_|__| っ .≡ / /
| / ,イ,へ 丶、 ヘ ≡三./ / ノ|
| ,' / // \| \ ト、 ヽ ', つ ≡{ 丶ーーーー' }
!j./l / ` ヽト、ヽ } ゝ、_______丿
. | | .!/.! ○ ○ l l |ヽ,' ⊃
l | | .l/////////////! | !.|
.| ! | ト、 ,-ー¬ .ィ| .| l こ、これは
>>1 乙じゃなくてバギクロスなんだから
| l ! l l` r --.' <j ,' | | 変な勘違いしないでよね!
| .l ', l |ャ-ミ≡彳ァトイ ,'! !
.| | ヽ| | l r´ )/ハy / | ',
ところで
>>1 さん、隣に居る女の人は誰ですか?
>>1 さん?
9 :
名無しさん@ピンキー :2009/02/07(土) 14:02:47 ID:cE5LcSlZ
10 :
名無しさん@ピンキー :2009/02/07(土) 15:04:32 ID:aWen1b48
11 :
朝倉音姫 :2009/02/07(土) 15:43:16 ID:cifak1m3
「うふふふ……私のものじゃなくなった弟くんなんて……『死んじゃえ』」
エロゲ化って……コミケでも売りまくるのかw
いや、SS保管庫ってあるじゃん。あのゲーム版みたいな感じ
お茶会はもう他の人達が製作中じゃなかったっけ 以前時間が掛かってるって報告あったような
お節介かもしれないけど、ゲーム作るなら短編にするのがお勧め 連絡が途絶えたりして長引いたりグダグダになるから、ある程度固定メンバーができて、作業に慣れた段階でするが吉 昔パソコン部で長編作ってグダグダになった俺の経験から言うと まあ、上手くできたら後にスタッフも増えるだろうし、まずは少数で小物から作ると良いんじゃないかな
サウンドノベルなら作れるかもね
まったく期待しないで待ってるよ
ありがとう 自分でもいいアイディアだと思ってたんだ
男に近づく女が 人外 だった場合 吸血姫のケース 吸血姫「男ちゃーん、血を吸わせてよ。ちゅーちゅー」 男「お、おいやめろよ、ひひひ……」 ヤン「あの化物、私の男くんに寄り付くばかりか 血を吸ってまるで蚊やヒルみたい……」 ↓ 銀歯で噛み付きor銀のフォークで刺す
思い込みこそヤンデレの真骨頂。
思い込むことで、男も自分の物になるし、銀亜鉛インジウム合金も純銀になる。
>>22 銀歯に使われる詰め物の50〜70%は銀で出来ている
銀っつーか水銀の割合の方が多いけどな。
>>10 BGM、背景を素材サイトから借りて吉利吉利2やNscripterで
(過去作品を)ヴィジュアルノベル化するだけなの?
それならスクリプター一人いれば済むから気にせずやっちゃえ。
では投稿致します
第4話『ゴミ漁り』 るんるん♪ るんるん♪ るんるん♪ と、軽く鼻歌を歌いながら私は忍さんに食べてもらうための料理を作っていました。 毎日、コンビニ弁当ばかりだと栄養に悪いです。そんなもん食っていると早死にしますよ。 そんな他の女が手を加えたかもしれないコンビニ弁当よりも、私が作った愛情たっぷりのお弁当を食べて欲しい。 男の人は女の子の手作りのお料理に弱いと聞きます。私と忍さんは何の接点もないし、会う機会すらもないに等しい。 だけど、隣人の私が少し多めに作った料理を彼に差し入れしても、別に不自然ではない。 隣人と良い関係を築くことは大切。更にステップアップして、友人というカテゴリーに入れば問題ないですし。 それに、忍さんを放っておけなかった。 モニターの画面でテレビも付けずに寂しく食べている彼の姿なんて見たくなかった。 一人で食べる御飯が美味しくないのは私がよく知っているから。 よし、頑張って。作ったこれを手渡そう。 大丈夫。きっと、受け取ってくれるはずだから。 私は勇気を出して、インターホンを押した。 今晩の夕食を食べている最中にインターホンが鳴り響いた。こんな夜更けに一体どこの誰が俺に用があるのだろうか。 冷静に考えても、この時間帯のアパートの外門は完全に締めているのでババアや このアパートの住人の彩さん以外の来訪者が訪れることはできない。 となると、来訪者は。 俺は急いでドアを開けると、予想通りの人物がそこにいた。 「あ、あ、あの。これちょっと多めに作りすぎちゃったんで。よかったら、どうぞ」 彩さんは朝も着ていたピンク色のエプロンを着て、更に両手にはお鍋みたいなものを持っていた。 「いいんですか?」 「ええ。女の子の独り暮らしだもん。そんなに食べれませんから」 「本当に助かります。ありがとう」 「いいえ。どういたしまして」 俺の今まで人生を振り返っても、女の子がわざわざ手作りの料理を渡しにやってきたことはあっただろうか? 青春時代に起きなかった伝説のイベントが発生していることに心から歓喜する。 「周防さん。そのコンビニ弁当ばかり食べていたら、体に毒ですよ。もう少し健康に気を付けてください」 「う、うん?」 「また、たくさん作っちゃったら。食べてくださいね」 「ええ。いつでも持ってきて」 「では。お休みなさい」 「ああ。お休み」
と、二人は就寝の挨拶を交わした。 俺は彩さんから受け取った鍋を持ちながら、少し疑問に思ったことがある。 どうして、彼女は俺がコンビニ弁当ばかり食べていることを知っているんだろうか。 昨日、出会ったばかりなのに。 まあ、独り暮らしの男性が食べる寂しい夕食は大抵はコンビニ弁当とか買ってきた物が多いかもしれない。 「気のせいか」 俺は彩さんから差し入れた料理を有難く食べていた。 その最中に携帯が鳴り響いた。 着信主は、バイト先の女の子だった。 バイト先の女の子から連絡が来るのは本当に珍しい。仕事関係の都合上、 何かの連絡があるからバイト仲間から電話番号とメルアドを互いに教えていたのだが。 こうやって、何かの連絡が来るのは滅多にないことだ。 ともあれ、食事中だったので仕事関連の話題は避けたかったが。仕方なく出ることにした。 「もしもし」 「あっ。先輩!!。私です。瑞葵ですよ」 「どうしたの? 相沢さん」 バイト先の仲間である相沢瑞葵(あいざわ みずき)さんから電話をくれるとは一体何事であろうか。 よからぬ予感がする。 「私、もう我慢ができません。あの店長を東京湾の冷たい水をお腹一杯飲ませてやりましょう。 混沌の海の中で暗黒のスカイダイビングです!!」 海の中ではただのダイビングだと突っ込む前に瑞葵の早口言葉はその隙を与えることなく続いていった。 「いいですか。あの店長は女の敵です。私の数億の価値にあるお尻を嫌らしい手で触ったんですよ。 本気で万死に値する!! 店長には雇われ店長の価値もないので、鋸とやら鉈とか用意したので 先輩が殺人許可さえあれば、今すぐに殺しに行きます!!」 「行かなくていい!! ってか、数億のお尻じゃねぇだろう」 「うふふ……。胸の内から溢れてくる乙女の想いを消し去るなら、ロケットランチャーとか、対人戦闘用兵器を用意しないと無理。 後、それなり現実的な金額があれば3秒ぐらい落ち着きますよ」 「頼むから落ち着いてくれ」 「店長バラバラ殺人事件の主犯になってくれるなら、私は喜んで冷静で知性的な女性になろうと思います」 「誰がそんな事件の主犯になるか」 「ちっ。とんだチキンだぜ!!」 何が悲しくて後輩が勝手に犯した事件の主犯にならなきゃいけないんだ? すぐに電話を打ち切って通信拒否にしたい気分になったが、当の本人から用件を聞いていない。 「ただのアホ話なら付き合わんぞ」 「あっ。待ってください。今日は先輩にお礼を言いたかっただけなの!!」 「お礼と言われても、あの店長に無理矢理に口説かれている所を助けただけだぜ」 今日、あの店長に5回も叱られた内の一つに、後輩の相沢さんを助けたことも含まれている。 セクハラに近い行為を行っていたので、ワザとらしく邪魔をしてやった。それだけのことである。 「すみません。私のせいで店長に目を付けられることになってしまって」 「いつものことだ。気にしなくていい」 「先輩。店長がどれだけあなたに酷い噂を流しているのか知っていますか? あいつは、親を殺して少年院から出て来た殺人犯なんてことを言っているんですよ」 「そんな噂を誰も信じないって」 バイト先の店長が俺の事情を自分の情報網で調べ上げたのであろう。 多額の借金を抱えて自殺した両親などと言った話題はすぐに耳に入るはずだ。このような話題を少し改変し て流す理由は簡単。働くバイト先は主に女の子の方が多い。 少しだけ女の子に格好いい所を見せたいと思う、店長のくだらない自己顕示欲が強いおかげで、 他のバイトの男性達をバカにする傾向がある。女の子たちの前で男性従業員たちの失敗談を語り、 自分がどれだけ優れていい男なのか語りだす。 正直、聞かされている側はかなり嫌なのだが、社長の甥にあたる店長に逆らえる人間はいない。 当然、そんな環境で辞める人間はたくさんいた。 すぐに代用品が補充されるので、何事もなく店長の独裁は続いている。 「でも、私はそんなの嫌です。初めてのバイトで緊張していたばかりの私をいろいろと助けてくれた先輩が悪く言われるのは本当に嫌」 「別に助けてもらったと言われても、相沢さんの研修を俺が無理矢理に押し付けられただけなんだけどな」
「それでも、先輩は私が一人できるようになるまで最後まで色々と面倒を見てもらいました。 ゆえにその先輩を傷つけるあのクソ店長に伝説の瑞葵スペシャルをお見舞いしようと思います!!!!」 「また、そこに話が戻るのか……」 「私たちが殺人犯だ!!!!」 これ以上は共謀罪が適用される展開に発展するのを恐れて、 俺はとっと携帯電話の電源を消した。 瑞葵よ。 もし、あの店長を殺すと言うならば、俺は裁判所でこう証言してやろう。 相沢瑞葵の殺意は本物だ!! と。 電話をしている間に隣の彩さんから頂いた料理が冷めていた。 相沢さんと喋っているといろんな意味で疲れる。夕食を食べる気力を失ったので、 朝食にでも温めて食べるとしよう。 それに明日はゴミの日だから、今の内にまとめて捨てておこう。カラスがゴミ袋を破ったとしても俺の責任じゃないし。 と、俺はせっせとゴミを捨てに行っていた。
むむむむむむっっっっ。 これは。 一体、何事ですか!!!! 忍さんが私の愛情を込めた料理を食べて、好感度が急上昇する予定だったのに。 あの電話のせいで目論見は完全に崩されました。 これは許してはいけない。許すわけにはいきません。 携帯電話の主と忍さんの会話は盗聴器のおかげで内容はほとんど把握しているけど。 あの女め。 私の忍さんに馴れ馴れしく長話しやがって……。 私だって、忍さんにそんな風に親しく話したことはないんですよ。ただの隣人。それだけの関係。友達にもならない存在だから。 忍さん。あの子のことが好きになのかな? 私と一緒にいる時よりも楽しそうに喋っていた。明るそうな表情を浮かべているところなんて、今まで見たことがなかったよ。 バイト先の先輩と後輩の関係。 隣人と隣人の関係なんて紙屑のようだ。 「負けません。相手が誰であろうとも。私は忍さんの事が好きです。大好きだから、他の泥棒猫なんかに渡したくないもん」 今まで何かに執着することはなかった。何を望んでも、欲しい物は手に入らなかったし、私ごときが何かを望むのは滑稽だったから。 だけど、忍さんのことだけは絶対に譲らない。 例え、神様であろうとも。 神様は私に残酷な果実だけを私にくれる。他の者には絶対的な幸福の果実を与えるくせに。 ならば、私の幸せは自分で掴まないとダメだ。 私を不幸のどん底に突き落とす神なんかいらない。 そんな、神なんて。 消えちゃえ。 殺すには武器が必要です。神を殺す程の強力な武器が。 「もしもし、鋸を20丁ぐらいお願いしたいんですけど。はい。金属は伝説のオリハルコンでお願いします。 主に殺傷性の方を強化してください。人の首をたやすく切れるように」 さて、武器は1週間以内に届くことでしょう。これさえあれば、鬼に金棒です。 おや。 しばし、監視していない間に忍さんはゴミ分別をしていた。 そういえば、明日はゴミを捨てる日だったんですね。昨日引っ越してきたばかりの私ではゴミの収集日なんかわからないし。 はっ。 ゴミ!! よくよく考えると忍さんの個人情報がたっぷりと入ってるはず!! 私にとってはゴミではなく、生涯の宝物です。 深夜。 誰にもバレないように忍さんを捨ててきたゴミをこっそりと自宅に持ち帰った 私はお腹を空かせたどら猫のように漁っていた。ゴミ袋の中はコンビニ弁当や冷凍食品やインスタント食品ばかりが入っていた。 本当に忍さん。こんなものばかり食べていたら、体に悪いですよ。 私が毎日栄養のあるおかずを差し入れしなくちゃいけませんね。 ある程度漁っていると携帯の支払い請求書が目に入ったので、中身を見てみると。 忍さんの携帯電話番号とメルアドがそこに書かれていた。 ( ̄ー ̄)ニヤリッ 電話番号とメルアドGETだぜ!!
以上で投下終了です。
乙! いいね〜、店長がどうなるか楽しみだなw
>>30 乙です
病みと天然のバランスがいいな(笑)
乙です! 彩さんかわいいw 続き楽しみにしてます!
>>30 乙
ヤンデレは姦染3の漣くらいなのが好きだな
主人公もヒロインも両方好きだけど
一度タガが外れたら歪みまくった愛を露呈しまくる所とか
そういえばHellsingには銀歯で狼男を殺すシーンがあるけれどさ これが普通の人間の場合だと 銀歯を人外相手に突き刺せるんだろうか
>>30 GJ! オリハルコン製の鋸20丁ってw
しかも注文の仕方が犯罪臭漂い過ぎw
携帯の番号やアドレスとか普通に聞けば教えて貰えそうなのに
わざわざ犯罪的な方法で知るのが良い意味でアホだw
男友「性格がなんだってんだ。ヤンデレの価値はヴィジュアル面さ」 男「もし、性格のいいヤンデレがいたら?」 男友「分かってるだろ?」 男・男友「性格のいいヤンデレはいない 「イエーイ!」 ハイタッチ 男友「故にヤンデレに求められるのは、抜群の見た目と男のセックスの要求に全て従い、余計なことをしないことさ」 男友「ついでに、性格が良く頭のキレるヤンデレは決まってブスだ。 献身的ストーカーになる可能性が高すぎる」
性格が良く頭のキレるヤンデレが二人に好意を抱いたようです。
ヤンデレ『矯正教育の必要アリっとメモメモ』 こうですか?わかりません><
なんか機械音痴のヤンデレがデジカメを買った。 どうやら嬉しいらしく、はしゃぎながらいろいろと写してた。 何日かしてメモリがいっぱいで写せないらしく 「どうすればいいの?」って聞いてきたが 「忙しいから説明書読め!」とつい怒鳴ってしまった。 さらに「つまらないものばかり写してるからだろ!」とも言ってしまった。 そしたら「・・・ごめんね」と一言。 そんなヤンデレが先日戦死した。 ヤンデレの母からデジカメを渡され、何撮ってたのかなあと中身を見たら 俺の寝顔、入浴、着替え、トイレ、自慰など、日常の風景が2ギガメモリ6枚分一杯に写ってた・・・。 震えが止まらなかった。
コピペ改変はかまわんが戦死ってなんだ、戦死ってw
泥棒猫との戦いに敗れたのだろう
待てよ、戦死したんだよな。ならば英霊はきちんと祀らないと。 どこの神社が適当だ?
どろぼうねこ どろぼうくま どろぼういぬ
護国神社かな?
46 :
名無しさん@ピンキー :2009/02/10(火) 12:57:47 ID:LcrQ6Hoc
投稿します。 以前、シンデレラアンバーという掌編を書いたものです。 「情緒不安定=ヤンデレ」小説じゃないです。
部屋を見渡せば生活感が全く無いな、と常々思う。物が少なすぎる。 「中途半端に物を置いてると、どうしても汚しちゃうでしょ? だから、きっちりし過ぎればその部屋の景観を潰してしまわないように誰だって注意するわ」 と、僕の十年来の友人、相坂友恵は言うのだ。 それにしても少なすぎる。教室ぐらい広いリビングに、指を折ってでも数えられるぐらいにしか家財道具がないのだ。 ちなみに内訳はこんな感じ、テレビ・テーブル・ソファー。他の調度品はと聞かれたら、無数にある収納ダンスを指で指しざるをえない。 大型スーパーから大量に仕入れてきたプラスチックのケースに小まめに分類分けがされている。 「ちょっとぐらい汚れていた方がいいんじゃないの」と僕は言うのだが、彼女の価値観は違うらしい。 汚れは敵、平和を乱す象徴。だ、そうだ。まあ、どうでもいいポリシー。 なぜかって? 別に僕の家に生活感が無いということではないのだから。 じゃあ、誰の家がって? そりゃ二つに一つが一つになったんだから。わかるでしょ。相坂友恵の家だ。 だから、僕は半分どうでもいい気分で一杯なのだ。
さて、半分が無駄なもので出来ているのならもう半分は本物で出来ているのが世の常というヤツだ。 バファリンだってそうだ。優しさなんてものは病気には効かないわけで。でも、半分はちゃんとした薬剤で出来ているわけで。 そんな前振りは要らないという声が大きいと思うので本題に入ろうかと思う。が、先ずは事の発端から説明したいと思う。
最初に彼女の家からやけに高い破損音が聞こえたのは、かれこれ10年まで遡る事になる。ようするに、あったその日からなんだが。 引越しの挨拶をしてから13時間後の午前4時。ぐっすりと睡眠を取っていた我が家にとって予想外のアラーム。だけど、その真理を探ろうとは誰も思わない。 あらかた予想がついている言うか、喧嘩と言うか。まあ、ご両親の仲が悪いんです。あんなにニコニコしていたのに。営業スマイル見せ付けられたんだな。 親からは早速、「極力お隣さんと関係を持たないように」と戦力外通告がなされたわけで。 それでも、子供の好奇心とやらは猫をも殺す勢いで樹立していくわけです。要するに、相坂友恵と仲良しになってしまうわけだ。 それに、美少女だったというのも少なからず動機の中に含まれているのかも。いや、少ないという言葉は語弊を招きそうだな。 幸薄美少女というか。 彼女と仲良くなっていくのと並列して、親同士の間は一向に縮まりを見せない。というより、どちらもその気がないといってもいい。 俺の家の両親はごく普通の共働き。対してお隣さんはバリバリエリートの共働き。親父さん、官僚とか。 文化レベルからして大きな差。それなのに、友恵と仲良くなった僕はギャップを跳ね除けた偉人であるからして、平民の中のヒーロ。 何言ってんだろうね。どうでもいい虚言だ、シカト対象で。
さて、並列して彼女の癖もわかってくるのだ。潔癖症という悪癖が。 別に、石鹸で手が血に染まるぐらいゴシゴシと擦るわけでもなく、外の空気がばっちぃだのという理由でガスマスクを被るわけでもなく。とにかく片付けたがる。 僕の部屋に呼んだときは必ず大掃除をやらされる。だから、それ以降彼女を僕の家には呼ばないようにしていたり。と、言うのは嘘で極力彼女を家の中に引き込んでいるのだ。 理由は、ちょっとでも汚れの良さを知ってもらおうと異文化コミュニケーションするのだが、鎖国されちまう。 まあ、出島を用意することぐらいはありなんじゃないかと思う。彼女、呼んだら来てくれるし。 無駄には本当があると先ほど言ったが、俺は本当にそうだと信じている。
彼女は両親の喧嘩を恨んでいる。両親の不仲を恨んでいる。 だから、彼女にとって部屋の汚れイコール喧嘩し終わった後の残骸たちが非常に許せないのだ。 だから、彼女は潔癖症になったんだと思う。でも、それは逆効果なのだ。 普通、部屋の壁の色は基本的にクリーム色だの水色だのなるべく白に近い色にしている。これは、純白という色が清潔感が逆に生活感を遠のかせているからだとか。 ほかにも、生物にとって白は骨の色だとかで、死のイメージやら絶望のイメージやらが宿っているんだとか。 今日では、病院の壁の色をクリーム色にした利とか改善策がなされているらしい。要するに、清潔すぎることは人間にとって毒だと。 でも、彼女にとって汚れは宿敵なわけで。許すことの出来ないもの。でも、清潔にしていけばいくほど、生活感がなくなり、彼女の両親の仲は断裂していく。 離婚にたどり着かないのは多分、彼女が大切なんだろうな。勝手な想像だけど。 循環する彼女の苦悩は彼女によって回されている。そして、世界が回る。僕はただ、それに対して傍観しか出来ないわけで。でも、助けたいという二律背反が存在するわけで。 ほんと、どうしたらいいんだろうねぇ。 彼女に頼まれた洗剤一式をエコバックに詰めながら答えのみつからなそうな問いを考えてみる。結局、出るのは愚痴だけだ。禅問答チック。
投稿終了です。
>>52 乙〜
続く……んだよな?
なかなか偏執的に病んでくれそうなのが楽しみ
すいません。 短編表記を忘れていました。
終わりかよw 病みもデレもどこにあるか分からんぜw
申し訳ないがデレがないのはこのスレ的にナンセンスだ、 と言わざるをえない。
>>52 彼女の言う汚れの中には泥棒猫も含まれていて、
日々清掃しているのではないかとゆう想像が頭の中で飛翔した。
・・・つまりこの設定を使って妄想しろとゆうことだろうか。
つまり、両親は娘が殺じnゴホンゴホン お掃除してるのを知っていながら可愛さゆえに黙認してると。 でもやっぱり罪は罪と言うことで警察に相談するかしないかで喧嘩っと。 妄想がひろがりんぐ(作者さんスマソ
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前回は励まし、もしくは慰めてくださって、 繰り返し感謝いたします。 やる気が出ました。 そのためか、今回はかなり長めの投稿です。
少し時間が掛かってしまった。行った時に病が悪化していてはたまらないので、 業盛は途中で止まることなく北の山を走り抜けた。 しばらくすると小屋が見えてきた。どうやらここのようだ。 中に入ると、肌は小麦色で、長い髪を後ろで纏めている、 見るからに野生的な美女が横たわっていた。 「あなたが一郎の姉君で?」 「そう…ですが…あなたは…?」 かすれた声が返ってきた。 「私の名前は天田三郎業盛。 あなたの弟からあなたが病気であると聞いて、薬を持ってきました」 「そう…ですか…。わざわざ…ありがとうございます。私…彩奈(あやな)と申します。 所で、一郎はどこに…?」 「今は牢屋の中かと…」 「えっ…?」 一瞬、彩奈は絶句した。そして、すぐに顔に怒気を帯びた。 「なぜ弟が牢屋に入らなければならないのですか!弟がなにをしたというのですか!」 当然の反応である。業盛もこのことは予測していたので怯まなかった。 「彼は私にスリを行ったのです。だから…」 「だから役人に突き出したというのですか?一郎はまだ七歳の子供なんですよ! そこまでするなんてあんまりではないですか!」 「七歳の子供だからなんだというのです!」 急に声を荒げた業盛に、彩奈は声を詰まらせた。 「彼は未遂でしたが罪を犯しました。罪を犯せば罰せられるのは当然のこと。 あなたは自分の弟が殺された時、相手が幼いという理由だけで許せるのですか!」 彩奈は黙って俯いてしまった。 「仮にこのまま許したら、彼は謝れば許してくれると思い、最悪、人を殺すでしょう。 あなたは一郎がその様になってもいいというのですか!」 業盛の言ってることは道理としては正しいが、やってることは行き過ぎである。 気まずい、非常に気まずい。 この気まずい空気を打開すべく、業盛は口を開いた。 「…とりあえず、なにか食べましょう。 薬はなにか食べてから飲め、と医者が言っていたので」 こんな言葉しか出てこないことに、業盛は内心腹立たしかった。 業盛はその場にあった物で、手早くお粥を作った。無味だと食べにくいので味も付けてある。 彼女はなにもしゃべらなかった。気まずい空気は続く。 お粥を食べ終えた彩奈は薬を飲み、再び横になった。 正直、帰りたかった。このままいたら気まずさで心が押し潰されそうだったからだ。 しかし、一郎との彩奈を助ける、という約束を反故にしてしまうのは自分の信条に反する。 自分の信条を捨てるぐらいなら、死んだほうがマシである。業盛は損な性格なのである。
次の日、業盛は朝早くから山に入っていた。 彩奈に精の付くものを食べさせるべく、猪やら山菜などを採っていた。 猪は突っ込むことしか脳がないので、猪の勢いそのままに、眉間に打撃を与えると、簡単に死んだ。 家に帰ると、彩奈は未だに眠っていた。 業盛は彩奈が眠っている間に、猪の解体作業に掛かった。 猪のいい所を切り取り、下ごしらえをし、採ってきた山菜と一緒に鍋に煮込み、あつものを作った。 余った肉も抜かりなく干して、干し肉にした。 業盛は彩奈を起こし、完成した猪のあつものを差し出した。 彩奈は猪のあつものの匂いを嗅いだ後、ゆっくりと啜りだした。 食べてくれるだけ、まだ救いがある、と業盛は思った… 「…昨日から…ずっと考えてました…」 が、感慨に浸っていた業盛は、急に彩奈がしゃべり出したので現実に戻された。 「…あなたの言う通り、子供だから、という理由は通じませんよね…。 弟のことを考えての処置なのに、 私…頭に血が上って…ごめんなさい…」 黙っていたのが嘘の様にしゃべる。 「…それに、なんの関係もない私に高い薬も買っていただいたのに、 怒鳴った挙句、無視してしまうなんて…大人気なかったですよね…」 こうゆう場合、どうすればいいのだろう。 予期していない展開なだけに、業盛は困惑した。 「いえ…悪いのは私ですし、あなたが謝る必要などありませんよ。 むしろ、あなたの病気が治るまでこき使って結構です。 それが一郎との約束ですし…」 武士が平民に頭を下げるというのもおかしいが、業盛の信条上、これは当然のことだった。 彩奈は少し戸惑ったが、しばらく考えて頷いた。少し顔が赤かったのは、病気のせいだと思う。 これで気まずい空気が消えた、と言えば嘘になるが、その後は看病がしやすくなった。 無視という名の重石が外れたためか、次の日の業盛はかなり飛ばしていた。 山の更に奥まで入り、熊を狩りに行った。なぜ熊を狩りに行ったかというと、興奮してたからだ。 無謀だったが、餌採りに夢中になっている熊を、矢で散々射掛け、弱った所を殴り殺した。 結構あっけないものだと思った。 全部持っていくのはさすがに無理なので、肉、肝、毛皮に解体し、家に持って帰った。 帰ってくるのに時間が掛かったので、彩奈に心配された。 熊を獲りに行ったと言うと、最初は冗談に思われたが、熊の毛皮を見せると、 最初は唖然とし、次に怒り出した。 もう熊を狩るという様な危ない真似はしないでください、とのことだ。 まぁ、自分が死んでしまったら誰が看病するのか…考えれば分かることだ。 次からは気を付けよう、と業盛は心に誓った。
彩奈の病状はここ三日、悪化の一途を辿っていた。 業盛は彩奈の額の汗を拭いていた。 拭いても拭いても、次から次へと湧き水の様に汗が噴出してくる。 しかし、額だけ拭いていても意味がないことは分かっている。 「彩奈さん、一人で身体は拭けますか?」 最大の懸念事項である。汗は額だけでなく、身体からも出る。 放って置けば、身体が冷えて病状が悪化する。分かっていることだ。 しかし、出会ってまだ六日しか経っていない男が、女性の裸を見るのはさすがにまずい。 そんなことをすれば、再び気まずい空気が流れるだろう。それだけは阻止したい。 彩奈本人が身体を拭く。これが一番の安全なのである。が、しかし、 「ごめん…なさい…。だるくて…身体が動かせないのです…」 と、却下されてしまった。 やはり、俺がやるしか…いや、それだけはなんとか阻止しなければ。 あんな空気はもう嫌だ。頼む…なにか閃け、俺の頭…! 「あ…そうだ…」 考えた末に妙案を思い付いた。 「では彩奈さん、私は背中を拭くので、 あなたは前と下を拭いてください。腕だけなら動かせますよね?」 最低限の妥協。これなら見るのは背中だけですむ。 これを却下されたら、もうどうすることも出来ない。 「ごめん…なさい…。腕も…動かせないんです…」 そして、この案も却下されてしまった。もう…駄目だ…。 業盛はあの気まずい空気に戻ることを覚悟した。 「…代わりに…あなたが…拭いて…ください…。お願い…します…」 しかし返ってきた答えは、業盛の予想をはるかに超えるものだった。 …場の空気が…凍り付いた…。主に業盛周辺が…。 「…えっと…それはつまり、前も後ろも下も私がやる…ってこと…ですよね…」 とりあえず確認する。 彩奈は赤くなりながら頷いた。 「わ…分かりました。と…とりあえず、目隠しをするので安心してください」 せめて、彩奈を安心させるべく目隠しを提案した。最早無駄なことだが。 「…いえ、それではあなたがやりにくいでしょうから、…目隠ししないでやってください…」 その無駄な抵抗も、彩奈は見事に却下した。 業盛は長大息を吐いた。最早、どうしようもない。 やるしかない…。業盛は覚悟を決めた。
業盛は彩奈の上着をゆっくりと剥いだ。 まずは背中から拭くことにした。背中には玉の様な汗が浮かんでいる。 鍛えているのか、背中は引き締まっていて、無駄な肉がなかった。 背中を拭き終えると、腋の下、脇腹、腕と拭いた。 その際、小さな嬌声が上がったが、聞こえない様に心掛けた。 次は前である。業盛は前に回り込んだ。 …す…すごい…。 服に隠れて見えなかったが、目の前には手では収められないくらい大きな胸があった。 恐る恐る、布を胸に置いた。布越しからでも、胸の柔らかさと鼓動が伝わった。 布を動かす。その度に、彩奈の身体が震えた。途中、小指が乳首に当たってしまった際、 嬌声と一緒に彩奈の身体が大きく痙攣したが、業盛は見なかったことにした。 後は可及的速やかに、変な考えを抱く前に、谷間、胸の下、引き締まったお腹と拭き終え、 すばやく新しい上着を着せ、上の方を終わらせた。 次だ。業盛は大きく深呼吸をして、下着を剥いだ。 極力見ないように心掛けたが、どうしても股間の黒い茂みに目が行ってしまう。 業盛は肉付きのいい太腿を拭き、足を拭き、お尻も拭き終えた。 ここまで、度々嬌声が上がり、身体も何度か痙攣したが、業盛はそれをひたすら無視した。 残す所、後は陰部周辺だけとなった。 業盛は、まずは足の付け根を拭き、次に割れ目に布を置いた。 この時、彩奈は今までとは比べ物にならないくらい大きな嬌声を上げ、激しく痙攣した。 布にぬめり気があった。 業盛の頭の中のなにかが切れた音がしたが、業盛は割れ目辺りのぬめりを拭き取り、 すばやく新しい下着を着せた。 この後も、業盛は彩奈が汗を掻く度に、身体を拭いた。 業盛の理性はズタズタになったが、それが功を奏したのか、彩奈の病状は安定した。 業盛はやり場のないこの感情を、大木に打ち込むことで発散させた。 真夜中の山奥から、奇声となにかを打つ音が響き、近隣では、 『あの山には鬼が住んでいる』という噂まで立った。 夜が明けると空気が変わっていた。以前の様な気まずい空気ではなく、どこか色っぽい空気に…だ。 業盛は再び無視されることを覚悟していただけに、肩透かしを食らった。 それに、あの夜から彩奈の体調が快方に向かい、十日程経つと、立てるまでに回復した。 それは非常によかったのだが、彩奈もどこか変わってしまった。 最も変わった所は、彩奈が業盛に触れ合うことを要求する様になったことだ。 頭を撫でてほしいと言ったり、手を握ってほしいと言うなど、 まるで妹が兄に甘える様になってしまった。 まぁ、業盛には妹はいないので、実際はよく分からないが…。 とにかく、無視よりも遥かにマシだ、と業盛は思った。
彩奈の家に来てから一月経った。彩奈の病は完治したと言っていい。 一郎との約束はこれで果たすことが出来た。 業盛はこれで帰ってもよかったのだが、彩奈に止められた。 なんでも、また再発するかもしれないから、もう少しだけいてくれというものだ。 さすがにそれはないと言ったが、彩奈に泣き落とされてしまった。 結局、その場の流されてしまった業盛は今、彩奈の作った朝食を食べている。 弟と二人で暮らしているだけあって、料理はとても美味かった。 「三郎さん、後で一緒に狩りをしませんか?」 食後、唐突に彩奈が言った。 「狩りですか?彩奈さん、できるんですか、これ?」 業盛が弓を引く身振りをして見せた。 「馬鹿にしないでください。私は今までそれで生計を立ててきたんですよ。 一月も寝込んでいたとはいえ、腕はまだ鈍ってはいません!」 なるほど、だからあんなに身体が引き締まっていたのか、と納得する反面、顔が赤くなった。 「どうかしましたか?」 「い…いえ、別に…。あっ…所でどうでしょう。 狩りで勝った方は、負けた方になんでも命令出来るというのは?」 話題を変えるべく、業盛は賭けごとを持ち出した。 話題を変えるだけなので、別に乗ってくれなくてもいいのだが、 彩奈はあっさりこの賭けに乗ってしまった。 予想外ではあるが、やるからには負ける訳にはいかない。 彩奈も得意とはいっても、所詮は女性、と業盛は高を括っていた。 「三十一…三十二…三十三…どうやら、私の勝ちの様ですね。三郎さん」 ありえない。業盛は愕然とした。目の前には、彩奈が仕留めた獲物が山の様に積まれている。 業盛は二十七頭仕留めたが、彩奈には及ばなかった。 業盛は彩奈を甘く見すぎていた。 「さてと…敗者は勝者のどんな命令も聞くという約束でしたよね」 彩奈がにこにこしながら言った。 「では、私の命令を聞いてもらいましょうか…」 彩奈はたっぷりと間を置いて… 「あなたのことを…兄様と呼ばせてください」 と、言った。 …時間が…止まった…。主に業盛の頭の中が…。
「えっ…えっと、その………はいっ!」 「聞こえませんでしたか?もう一回言いましょうか?」 「き…聞こえてましたけど、いったい…なんで…?」 予想外の彩奈の命令に、業盛は大いに焦ってしまった。 「三郎さんは、私の両親が既に亡くなっていることは知っていますよね?」 まったく理解できない業盛に、彩奈はまるで導く様な口振りで言った。 それは一郎から聞いているので、既に知っている。業盛は頷いた。 彩奈はそれを見ると、背を向けてしまった。 「弟が生まれてすぐに両親が死んで、私…凄く…寂しかった。 だけど弟がいる手前、泣き言なんて言えなかった。 でも、どんなに気張っても…やっぱり駄目、…堪えられなかった」 背を向けてはいるが、彩奈の声が涙ぐんでいるのが分かった。 「そんな時に、あなたが現れた。あなたは弟を悪の道に踏み込もうとするのを防ぎ、 なんの関係もない私のために薬を買って、看病してくれた。 …ずっと…憧れていたんです。あなたみたいに厳しくて、優しい兄がいたらな…って…」 「わ…私はあなたが思っている程厳しくも、優しくもないですよ…」 「そんなことはありません!」 彩奈が振り返って言った。目には既に涙が溜まっている。 「この一月、あなたは私のために献身的に尽くしてくれました。 私がここまで回復出来たのは、あなたのお蔭です。 だから、そんな風に自分を卑下しないでください」 彩奈が、今にも抱き付くのではないかと思うくらいの距離にまで近付いてきた。 「お願い…します。兄様と…呼ばせてください…もう、あなたにしか…頼めないんです…」 遂に彩奈が泣き始めてしまった。今まで溜まりに溜まっていたものが、噴出したかの様に…。 急にいとおしさが込み上げてきた。 これがきっと兄が妹を思う気持ちなのだろうと業盛は思った。 業盛は彩奈の頭を優しく撫でた。 「分かりました。ずっとは無理ですが、一郎が帰ってくるまで、 私があなたの兄になりましょう」 業盛の言葉を聞いた彩奈は、一瞬驚いたが、すぐに笑顔になり、業盛に抱き付いた。 だが、幸せとは長続きしないものの様だ。 三日程経って、一郎が帰ってきたのだ。一郎が言うには特赦が下されたらしい。 業盛は一郎の背中を見てみたが、鞭で打たれた様な痕は見当たらなかった。 どうやら、賄賂はしっかりと効いたらしい。 これは喜ばしいことなのだが、彩奈にとっては不幸としか言いようのないことだった。 なにせ、彼女の命令は、一郎が帰ってくるまでは兄でいるというものだったのだ。 つまり、もうこの命令を履行する必要がなくなってしまったのだ。 それ以上に、彩奈を悲しませたのは業盛が出立すると言い出したのだ。 一郎が帰ってきたから、もう大丈夫だろうと業盛は思ったのだ。 だが、話はそんなに単純ではなかった。 「いやだっ!兄様、なんで出て行くの!?ずっとここにいて。お願い…」 彩奈が泣き叫びながら必死に業盛を止めるのだ。 業盛は懇々と彩奈を説得した。 しかし、彩奈は納得するどころか、更に泣き叫んだ。 結局、彩奈を説得するのに、五日も掛かってしまった。 彩奈は納得するというより、まるで生気を失った様になってしまった。 業盛は一郎にいくつかの金と、紙を渡した。 「もし、なにかあった時は六波羅に来てくれ。この紙を渡せば通してくれるから」 業盛はそれだけ言うと、彩奈の家を後にした。
投稿終了です。少してこずりました。 ちなみに、初濡れ場です。 これが、濡れ場と言えるかどうか、不明ですが…。
これは良い物だ… 次回にも期待してます
十分濡れ場だ。 こういうエロも良いね〜 乙!!
うん、これは良いものだ。今後の展開が全く予想できない作品だな。狂おしくGJ! しかし昔のヤンデレなら猪だろうが熊だろうが楽勝に思えてきたわ
ホントに展開が読めない どう展開が転ぶのか期待しとります
>>67 GJ! フラグを立てては、そのフラグを立てた女性から
離れるというのを繰り返してるみたいですけど
面白い展開になっていきそうですね。
前スレ埋め乙
てか、前スレのID:AVx+lLu6さんはすごいなww こっちにも、いっぱい短編SS投下してくんないかな・・・・
草生やすなら巣に帰れ
草生やす住人なら初代スレから結構いたぞ
>>74 草を生やすから、雑草を抜かなきゃならない。
雑草抜きにムリヤリ駆りだされた男のTシャツ、当然汗をかいている。
ヤンデレはあらゆる手段を講じて、それを手に入れる。
そして匂いをかいで一言・・・
ヤンデレ「男くんの匂いがする……」クンクン
「あの女の匂いもする……」ビリビリ
カート・コバーン「ティーン・スピリットの匂いがする……」
このネタ分かる人いるかな><
いいざまね、まるで雑草みたい(笑 さぁて、楽にしてあげましょうか あの人に手を出すからよ・・・・フフフフ
っと言う電波を受信した。アンテナの感度がわるいぜ
ツンデレがだんだんヤンデレに変わってく様が一番いいね。 ツンツンしすぎはよくないからね
さあその思いを早く文に(ry
ヤンデレが好んで観そうな映画のジャンルは何があると思う? ヤンデレ「映画を観に行く服がない。TSUTAYAに借りに行く服がない」
ハッピーエンドの純愛モノ
脳内で結ばれる二人を自分と相手に置き換えて観るわけか
マイケル・ムーアの映画に触発されて、『病氏911』とか『ヤミッコ』とか作っちゃう
げぇっ お茶会の人のところのサークルカットkageじゃねーか 東方ジャンルメインにしてからあんまし見に行ってなかったけど……これは一波乱ありそうな予感
そこら辺の事情は知らないが荒れそうな話題は避けてくれ 東方って聞いただけで過剰反応する奴もいるからな
このヘアースタイルがサザエさんみたいだとぉ?
ヤンデレの作ったチョコを食べたい
ヤンデレの前で突然口調を江戸時代風にしたい 盆栽におもいっきり愛を注いでみたり とりあえず困らせたい、我が儘言ったり駄々こねたりしたい
あ〜やっぱりチョコ、欲しいな……
主人公はツンデレに好きになってもらいたくて色々やる ↓ ツン「あんなやつなんか好きでもなんでもないのよ〃〃」とツンデレの友達同士との会話を主人公は聞いてしまう ↓ 主人公がその言葉を本気にしてあきらめる ↓ ツン「何で私だけを見てくれなくなったの…」 ↓ 主人公はツンデレの気持ちに気付かず他の子と付き合うようになる ↓ ツン「あの泥棒猫に騙されてるんだわきっと…」 ↓ ツンデレからヤンデレへ この流れがたまらなくいいね。 やはりツンツンし過ぎはよくないね
女「まあ、ヤンデレさんみたいなクズがのさばる世の中がかったるくて、 男くんの彼女だ、って名乗りを上げただけだよ」 ヤン「泥棒猫さん、クズとは失礼だな」 女「泥棒猫とは失礼ではないですか? 私はあなたをクズだと思っている、 あなたの紡ぐ男くんヘの愛の言葉は考慮が不足しているし、 一方向からしか物を見ていない、男くんを好きな女の子のふりをした いかがわしいものです」 ヤン「くっ……(口だけは達者だな) あなたを見ているととあるゲームの主人公を略奪した泥棒猫を思い出して、吐き気がする」
>>93 ツンデレがヤンデレになってもツンツンするのは変わらないぞ。ナイフとかでさ
男を椅子に縛り付けて、(ナイフでツンツンしながら) 女「だ れ と 一緒に歩いてたの?正直に言えば許してあげる よ?」
もう異物の混入されたチョコは嫌だ まともなチョコが食べたい
>>97 バカだなぁ〜、ヤンデレにとっては自分の体の一部がはいったチョコレート
がふつうなんだよ
バレンタインに駄文を投下 「フフッ・・・ハッピーバレーターイン!! アタシね、アタシね、アナタのためにね、 いーーーっぱい愛情込めてこのチョコ作ったんだよ。エヘヘッ褒めて褒めて〜。 ん?この手の怪我? ああ、調理中にちょっとね・・・そんなことよりさぁ、早く食べ てよぉ愛情たっぷりのチョコレート(は・ぁ・と) アレ? なんで逃げるの? ねぇ待ってよぉ、あたしのチョコ食べてよぉ〜そ・れ・と・ もぉこのまま追いかけっこして遊ぶぅ? いいよ〜アタシ地の果てだろうとどこまでもアナ タを追い続けるけるからぁ(は・ぁ・と)。 フフフッアハッアハハハハハハハハハハハハハハハハッアハハハハハハハハハハハハハハ ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ」 以上スレ汚し失礼しました
そういえば、そんな話が修羅場スレにあったな・・・
他スレの話をここでするな
そういえばこのスレで手首をチョコでCoatingしたヤンデレさんがいたよな あの人は今ごろ何してるかなぁ
続きを今でも待っている
そういえば、学園を舞台にした作品では17歳高校二年生の主人公が多いのはなぜでしょうか? やっぱりエロゲの影響とか、先輩と後輩が出せるからでしょうか?
そんな感じだろうね。 あと3年だと受験とか色々あるし。
>>106 社会人や大学生の場合、一人暮らしのや独立している場合多いため
ヤンデレにとっては監禁奉仕することが非常に容易なイージーモードなので
このスレの紳士たちはあえてヤンデレを厳しい環境に置くことで
狂愛をさらに引き出そうとしているんじゃないかな
要はゲゲルの難易度を引き締めるためか
ゲゲルは血が流れちゃ駄目だろw
>>110 10のクソゲゲルじゃなくてオリジナルのほうだろ
ここではリントの言葉で話せ
高校一年って初めてのイベントてんこ盛りで意外と余裕が無いよな 入学式 新入生歓迎会 部活動紹介・勧誘 + 入部 ゴールデンウィークを利用した合宿or早朝練習 競技各種の大会に他校や近所の警察署員、大学生、一般競技者との練習試合 文化祭への展示物の作成開始 初夏の運動大会・球技大会 高体連関係の大きな試合 夏休みの泊り込み合宿or早朝練習 野球部のために運動部系の一年から応援団結成 + 部活後は吹奏楽部と連日合同練習 秋のマラソン・体育祭・文化祭 春が近づけば二年と合同で三年生を送る会の準備・練習 etcetc.... かなりうろ覚えだけどこんな感じだったわ…… 更に特進科は成績悪いと普通科に落とされるだとか 理数科は理科系の点数取れなかったら進路を文転しなきゃならないだとか 懐かしいぜ
そしてレッドコレクター(赤点マニア)は原級留置におびえる訳ですな… 関数でつまづき、進学二類を諦め文系三教科に行った俺…嗚呼悲しきわが心…
>>115 2年が多いね→3年は受験→じゃあ1年は?
じゃね
ヒント:先輩、後輩が一緒に食えるから
>>117 同級生「いつも一緒だったよね、私達…… だから、これからも、ね」
119 :
名無しさん@ピンキー :2009/02/15(日) 01:40:02 ID:3AoK+tY0
衛生兵!!衛生兵!!早くヤンデレワクチンを持って来い…急げ!! おい、しっかりしろ!!目を覚ませ!!もうすぐワクチンがくるからな うぉ!!待て、何処へ行くんだッ!!駄目だそっちにはヤンデレが!! …ッ、間に合わなかったか、畜生!!畜生!!畜生!! 軍曹!!右翼側の被害が拡大しているようだ!!第3小隊を連れて援護に行け!! おい新米!!左翼側はどうなっているか確認して来い!!行け!! 何ッ…ヤンデレの援軍だと…およその数は?1億だと!?ジーザス… 司令部!!司令部!!こちらAポイント、ヤンデレが多すぎる!! このままでは全滅だ!!撤退する!!撤退する!! 全員退け!!早く逃げろ!!奴らに捕まるぞ、急げ急げ急げ!! こんな夢を見た
>>117 高一でも…先輩・後輩喰えるぞ。(原級留置)
つまり留年。
逆バージョンでお送りします。
先輩に好かれていた少年は翌年、恐ろしい事を聞きました。
大好きだった先輩が留年したと言う話でした。なんでも、
同級生を半殺しにして謹慎になり、処分の一環としてそうなったそうです。
「先輩…なんでそんな事したんですか?」
「先輩じゃないよ…名前で呼んでよ。ああ…だってあんな雌猫に渡したくなかったから…」
まさか…合宿でキスされたのバレてた!?そんな理由で半殺し→留年!?
ヤンデレの焼いたパンやクッキーについて
まず愛情が入っています
次に真心が入ってます
隠し味にほんの少し“素直になるお薬”を入れて……
味がめちゃくちゃになりました。 異物混入すると固まりにくくなるんだよなあ……。
ヤンデレ「ハイになりたい?」 男「イエーイ」
ヤンデレに素直になる薬を飲まされて、別の女の子が好きって言いたい。
うっかり本音が出ちゃうのが良いね 「お前っていちいち粘着質でキモイんだよ^^」
最近「ヤンデレに〜〜したい」ってのがいい加減ムカついて我慢の限界だ 〜〜したいってそんなん好きにしたれや。ネタ振ってんのかしらんけどつまらんしキモイわ 〜〜したい〜〜したいって毎回ダラダラ1行レス書くんじゃねえよ
132 :
名無しさん@ピンキー :2009/02/15(日) 19:45:39 ID:tMYqity4
「ヤンデレに〜したい」とか「ヤンデレに〜されたい」 とかいうのは結構前からあっただろ それにこれまでの流れを崩すようなことを書き込むお前の方が よっぽどつまらんしキモイ そもそもお前はわざわざこのスレに来て そんなこと書きこんで何がしたいのかと思う でも私はそんなあなたが大好きです
N O T H A N K Y O U ! /\___/\ / / ヽ ::: \ | (●), 、(●)、 | | ,,ノ(、_, )ヽ、,, | | ,;‐=‐ヽ .:::::| \ `ニニ´ .:::/ /`ー‐--‐‐―´´\ .n:n nn nf||| | | |^!n f|.| | ∩ ∩|..| |.| |: :: ! } {! ::: :|
ツンツンヤミヤミデレデレパチューンッ!
ツンツンヤミヤミデレデレパチューンッ! ハッ…体が勝手にッ!
J-POP「♪男くん大好きだよ〜」 ロック「♪あなただけを愛してる〜yeah!」 パンク「♪横取る女は大嫌いだ!」 ラップ「♪YoYo HeyHey 愛してるYoYo」 テクノ「♪ずっ(↑)とぉ(↓)見ぃ(↑)て(↓)るよ(↑↑)」 グランジ「♪あなたなしでは生きられないのぉ、 離れちゃったら私死んじゃう……レイプ・ミー」 メタル「♪男くんの洗面所に置かれた洗濯籠から 彼の匂いがついたシャツを抜き取る それをひたすら嗅ぐんだァァァァァァァァッ!」 やはり、ヤンデレにはメタルかグランジが合っているな
クラシックは無言で主人公の肩揉んでくるイメージ
>>137 勝手に追加するぜ!
軍歌「女は幾万居ようとも、彼には私のみ、
烏合の勢に有らずとも
私に正しき道理有り♪」
投下します。 短編ですが、結構長いです。
土曜の夜とは、学生にとって特別なものである。 一週間、退屈な勉学に耐え抜いてようやく与えられる休息。友人と遊んだり、趣味に費やしたり、はたまた何もしなかったりと、十人十色の楽しみ方があるだろう。 さらに、なんといっても翌日、日曜日も休みだということ。これが意味するのは夜更かしの可能。それが何にも変えがたい喜びであると、俺は断言しよう。夕方、夜に何をしようかと考える時間も垂涎ものである。 その特別な夜に、何故俺は左の頬を腫らしているのだろうか。 「おにぃが悪いんだからね」 「だからってガチパンはないだろうよ」 「じゃあ次は蹴ってあげる」 「蹴るのは俺の意見だけにしてくれ」 ため息をつくと、一回りほど膨れた頬に氷嚢を当てる。布越しとはいえ、冬場に氷を皮膚にあてがうのは、健康上よろしくない。さっきまで俺が座っていたソファーに座る妹を、恨めしく睨みつける。 遡ること数分前。連日通り両親は不在で、今日も妹の作った夕飯を食べた。 本日のメニューはぺペロンチーノを添えた和風ハンバーグとサラダ。家事を任されてはや5年、妹の料理の腕はすでに母と並んでいた。 食後は2人で皿を洗い、それが終わってから、俺は今晩の計画を練りつつ、リビングのソファーに腰掛けた。 なんとなしにテレビの電源を入れた時、毎週欠かさず見ているスピリチュアルカウンセリングの番組が、今日は2時間スペシャルだということを思い出した。 迷わずリモコンのボタンを押したとき、後方の妹から猛抗議が寄せられた。お笑い番組が見たいという妹に対し、リモコンを死守しようとした結果、渾身の右ストレートが俺の頬に炸裂したというわけだ。 「リモコン如きでガチパンとか」不平をこぼしながら、カーペットの上に腰を下ろす。ソファーが一つしかない以上、仕方のないことである。 妹がそんな俺を見てきたが、すぐに視線をテレビへと戻していった。 「たまにはチャンネル変えろよ」 「いやよ、あんなジジくさい番組」 「おまっ、どこがだよ」 「全部よ。それに、この前イカサマ霊能だってバレたじゃん」 「陰謀だよ、陰謀」ミエ原さんを崇拝している俺としては、あの程度で揺らぐ信仰心ではない。「ただ、黄色い人はどうかと思う」 「あたしはあっちのが、むしろ信用できるなぁ」 「わかってないな、お前は」 座ったばかりだが、再び立ち上がる。テレビから目をそらさなかった妹が、急にこちらを見上げた。大きめの瞳が俺を見つめてくる。 「どうしたの?」 部屋、とだけ言って背を向けると、トレーナーの首元が軽く締まった。振り向けば、ソファーの背もたれに上半身を乗せた妹が、裾を掴んでいた。 「・・・ちょっとぐらいならチャンネル変えても良いよ」 「ちょっとじゃヤダ」瞬間、リモコンが右頬に激突した。 「バーカ!バーカ!この、ムラタコ!!」 「ムラタコ言うなぁっ」 その晩、俺は両頬の痛みに悶絶することに手一杯で、なんの面白みもないまま特別な夜が更けていった。
月曜日、腫れは引いたものの、まだ鋭い痛みが頬には残ったまま登校し、授業を受けた。ただでさえ授業というものに身の入らない体質なのに、その日は格別だった。 「両手で頬触ってなにしてんの、コージ」恋する乙女かよ、とツッコミながら、マサシは椅子ごと振り向き、俺の机に自分の弁当を置いた。 「猫がちょっとな」 「わりぃけど、獣姦には同意しかねる」 「死ねよ」 「擬人化は許容範囲内」 「消えろよ」 下品でレベルの低い会話をしていると、突然、視界の横から手が伸びてきた。青い布袋を持った細い腕を辿っていくと、そこには穏やかな笑みを湛えた彼女がいた。 「ムラタくんって、猫飼ってたっけ?」そう言うと、手にした袋を俺の机に置き、隣の机の椅子に座った。「はい、約束どおり作ってきたよ」 「おぉっ、サンキュー、ミア」 「手作りか、手作り弁当なのか」マサシが鼻息荒く寄ってくるが、無視する。 ミアはウェーブのかかった茶髪に、赤いカチューシャをしている。少しタレ気味の目が可愛らしく、なによりスタイルのよさが目立つ。 いまどき珍しい、穏やかでよく気の回る娘で、僭越ながら俺の彼女である。 「嬉しいなぁ」 「あ、待って」 袋から取り出し、弁当の蓋に手をかけたところでミアが静止をかけてきた。とはいえ、はやる気持ちを抑えられない俺の手は止まるはずもなく、蓋を開けてしまった。 から揚げに卵焼き、そして春巻き。定番といっても良いであろうおかずが詰められ、敷居を挟んでご飯がある。これまた、ある意味定番と言える、ハート型に切り抜かれた海苔が乗っていた。 「ハートか、ハートなのか、えぇ!?」 「あぅ・・・・」顔を赤くして俯く。 「愛妻弁当か、愛妻弁当なんですかっ?」 「お前、うるさい」迫るマサシの顔に掌を押し付けて押し返す。モガモガと何かを言っていたが、どうせろくなことではない。「さて、マサシ君。この状況でキミがするべきことは何かな?」 椅子に戻ったマサシは、わざとらしく首を傾げてから、手をポンと叩いた。 「空気を読むことですね、先生」 「その通りだ」 「わかりました。教室全体の空気を読んで、バカップルに教室の空気が汚染されないように、適度にかき混ぜる役を買って出ます」 そう言うと、自分の弁当を広げ、貪るようにがっつき始めた。ミアは苦笑いを浮かべ、俺はため息をついた。
「おにぃー」一段落して、いよいよ弁当に箸を伸ばそうとした時、教室の扉がスライドした。 予想通り、そこには妹がいた。腿に達するほどの、異常とも言える長さの黒髪を揺らしながら、切れ長で、それでいて大きめの瞳でこちらを見ていた。 それにしても、ミアを見た後だとスタイルの貧しさが際だつ。 「おにぃ、また弁当忘れてさ。どうせ購買のパンでも・・・」 青いバンダナで包まれた特大の弁当箱を持って席まで来たが、机の上の弁当箱を見て、急に固まった。言葉だけでなく、表情までもがだ。 「何、ソレ」普段からどこか冷たげな声が、いつにも増してそう感じる。 「あぁ、ミアが作ってくれたんだよ」 「ミア?」 俺は無言で、隣に座るミアに手を向けた。ミアは、おどおどしながら頭を下げる。女性としては身長が高い方である妹から、威圧感に似たものを感じているのかもしれない。 「これ、妹のミヤ」ミヤは不躾に、首を僅かに下げた。 嫌な沈黙が空間を支配する。見下すようにミアを見つづけるミヤと、それに脅え、今にも泣き出しそうに俯くミアに、あのマサシまでもが箸を止めていた。 「おにぃ、勝手なことしないでよね」 「勝手って、昨日言っただろ」 「言ってない」落ち着いた口調だが、節々から怒りがにじみ出ているのが分かる。 「聞いてなかっただけだろ」 「聞いてなかったら言ってないのと同じじゃない」 「おまえなぁ」 「食材が無駄になるじゃない。タダじゃないんだからね」 理不尽というか、いつも通りの自分中心さに嫌気が差してくる。こういう時、適当に流そうとするのは俺の悪い癖らしい。「じゃあ食うよ、食えばいいんだろ」 「“じゃあ”ってなによっ!!」 急に語気を荒げ、机を叩く妹にたじろぐ。教室中の空気が張り詰める。 「言っとくけどね、あたしだって暇だから弁当作ってるとかじゃないんだからね」言うと、ミアの弁当に一瞥をくれる。「こんな冷食だらけの弁当と違って、あたしは」 「ミヤっっ!!」 無意識に叫び、椅子を立っていた。カッとなった頭が急速に冷却され、謝ろうかと思った時、弁当箱が顔面を強襲した。 「ばかっ、ばかっ、ばかぁっっ」 痛みに堪えながら、教室を走り去るミヤを目で追った。それから、静まり返った教室を見渡すと、誰もが冷ややかな目で俺を見ていた。 何か言い訳をしようとして口を開きかけて、やめた。床に落ちたミヤの弁当を拾って、席につく。 「・・・ごめん、ね」 「悪いのは俺だから」 嗚咽交じりに謝るミアを撫でていると、マサシと目が合った。 「猫は難しいなぁ、ムラタコ君」 「ホントにな」 ミャーミャー鳴いているだけなら可愛いのだが、噛まれたり引掻かれるのは遠慮したい。
スッキリしない気持ちのまま、凍てつく家路をたどる。あれ以降ミアも黙り込んでしまい、文句を言いながらもいつも校門で待っていてくれるミヤも、今日はいなかった。 ミアが何も悪くないのは、言うまでもない。ただ俺の注文どおりに弁当を作ってくれただけだ。さらに言えば、俺も悪くない。 俺は昨日ミヤにしっかりと弁当の旨を伝えた。テレビにかじりついたミヤは生返事を寄越してきたため、俺は5回言った。そして、2回はたかれた。 どう考えても、話を聞かず、勝手にキレたミヤが悪いのだが、ここはやっぱり俺が謝るべきなんだろう。 悪かろうと悪くなかろうと、責任を背負って謝るのが年長者というもので、ミヤの兄としてはこの責務が普通よりも重い。まぁ、16年間も付き合えば、いい加減に慣れては来る。問題はない。 「ただいま」 最終手段の準備をして、家の戸を開ける。ミヤに謝りに行く時、玄関の目の前にある階段を上ってミヤの部屋に行くのではなく、廊下のドアを開けて、リビングへと向かう。 ミヤは出不精なので家にいることが多いが、何故か、自分の部屋にいることは少ない。リビングのソファーに座り、テレビを見ているか、寝ているか、本を読んでいるかだ。 リビングに入ると、ソファーの背もたれに隠れて、脚の先っぽだけが見えている。もしやと思い、なるべく音を立てないようにして近づくと、案の定、肘掛を枕にして仰向けに眠っていた。 帰ってきてそのまま横になったのか、制服姿に黒のカーディガンを羽織っているものの、前のボタンを開けているせいでワイシャツが見えてしまっている。残念ながら、冬服は厚いので透けて見えることはない。 とはいえ、小さな膨らみが一定のリズムで上下する様は、道徳上よくない気持ちになってくる。また、長い髪を敷くようにして眠っているというのは、一般的にはなかなか見られない怪奇映像である。 カバンをそっと置いてから、背もたれに両腕を乗せて、少しだけ乗り出す。こう間近で観察をすると、我が妹ながらなかなか可愛いものである。 出不精のせいか、他の人と比べて色白で、そこに長い睫毛が良く映えている。小ぶりなピンク色の唇、鼻は少しだけ低めだが、あまり気にならないぐらいに他のパーツが整っている。 「寝てりゃあ可愛いのな」 「起きたら可愛くなくて悪かったわね」 「のあっ」 映画で横たわったゾンビが突然目を開くシーンのように、何の前置きもなくミヤは目覚めた。ゆっくりと起き上がり、俺を睨みつけてくる。ただでさえ鋭い目つきが、寝起き補正で1.3倍ほど鋭さを増している。 「眠ってる妹になにしようっての?」 「なにもしねぇよ」 「ふーん」観察だよ、と言い訳する俺を、ミヤがニヤニヤしながら見てくる。 それを払うように一度、咳払いをした。「今日は悪かったよ」
ミヤの表情が曇る。不安げとも、悲しげともとれる、憂いを含んだ顔となった。 「なんでおにぃが謝るの?」 「急に思いつきでああいうことした俺が悪いんだから、当り前だろ」 「・・・・いつもそう。あたしが悪いのにおにぃが謝ってばっか」 「兄だからな」 冗談っぽく胸を張り、拳で叩いてみたものの、ミヤは萎れてしまったままだった。彼女なりの反省なのだろうか、俺が謝るタイミングではこうなることが多い。ただ、次に活かさなければ反省とは言えないのだが。 手持ち無沙汰になった俺は、カバンから特大の弁当箱を取り出して、包みを取る。そのまま流しまで行こうとした時、ミヤの冷たい声が耳に入ってくる。 「おにぃ、あの人彼女?」 「ああ、そうだよ」 「いつから?」 「一ヶ月くらいかな」 「・・・なんで、言ってくれなかったの?」 何時の間にかソファーを立っていたミヤは、流しの前に立った俺の背後に回って、右腕の肘あたりの袖を掴んできた。 「わざわざ言う必要もないと思って」 「なんでっっ」急にミヤが力を入れて引っ張ったため、右手に弁当箱を持ったまま、身体が傾く。「あ・・・」 ポツリと呟くミヤの視線を辿ると、その視線は空の弁当箱へと向かっていた。丁度ふたを外そうと左手をかけていたところだったので、ミヤに引っ張られて蓋が外れてしまった。 「おにぃ、これ」 「ん、美味かったよ、今日も」 「だって、あの人が作ったんじゃ・・・」 「せっかく作ってくれたのに勿体無いだろ」ほぼ腕にしがみ付いている状態のミヤは、俺の肩に顔を押し付けると、小さく鼻を啜るような音が聞こえてきた。「おまっ、泣くほどか?」 「ないて、ない、もん」押し付けたままの篭った声は、咽ぶように途切れがちだった。 いつもツンケンしている妹だが、本質はどちらかというと弱々しい。小学校の頃なんか学友にからかわれてよく泣いていたみたいだし、家では四六時中、俺の後を追い掛け回していた。 中学生になった頃だろうか、ミヤが反抗的になったのは。なにかとすぐに手が出るようになって、学校でも端にいるタイプだったのに、何時の間にか中心に立っているようになった。 それでも兄妹仲にヒビが入らなかったのは、偏に俺の努力といえるのではなかろうか、と自画自賛する最近。 「後でフォローいれたけど、お前自身もミアに謝れよな」 「・・・まえむきに、ぜんしょ、する」 「せめて努力するって言ってくれ」
落ち着いてからのミヤはやたらとご機嫌で、テキパキと料理を作り、いつもどおり2人で席についた。 「いただきます」 「いただきまーす」 今日はから揚げとポテトサラダで、もちろん両方とも手作りだ。揚げたてのサクサク感は、やはり市販の惣菜では味わえるものではない。 しかも、普通のから揚げとは別に、塩とガーリックで味付けしたものまで作るという手の込みっぷり。これはもう、母を追い越してしまっているレベルだ。 「めちゃくちゃ美味いよ」不安げに問うてきたミヤに、正直な感想を送る。 「ホント?嬉しいっ」 思わず箸が止まってしまった。目を細めて笑うミヤは、朗らかな表情でありながら、どこか凛とした美しさがある。不覚にも胸キュンである。 「そ、そんなに見ないでよ」 「んぁ、わるい」慌てて米をかっこみ、インモラルな感情を押し流す。彼女がいるというに、二重の意味で最低だ。 「あの人のとどっちが美味しい?」 いきなりの質問に、思わずから揚げが喉に詰まり、傍らの牛乳に命を救われた。 「ねぇ、どっち?」 なるほど。特に特別な日や休日でもないのに、から揚げなどという手の込んだものを作る理由がこれか。対抗心というか競争意識というのか、とにかくミヤはそれがやたらに強い。 ただ、この勝負は卑怯だ。ミヤには揚げたてで、その上調理中の匂いによる食欲の刺激という、二大アドバンテージがある。 対して、ミアの弁当に入っていたから揚げは若干冷えていたし、なにより手作りではない。 「状況が公平でない以上、勝負にはなりません」 「なによ、それ」 「ただ」口内のものを飲み込んでから、一息つく。「比べなくたって、ミヤのは充分に美味いよ」 「・・・そんなの当り前だもん、おにぃのバカ」 白い頬をほんのりと赤らめるミヤは照れ隠しなのか、目線を逸らして悪態をついた。相変わらず分かりやすい奴だ。 それからしばらくして、ミヤが急に切り出した。 「おにぃは、あたしに彼氏できたらどうする?」 「なんだよ、急に」 「いいからっ」 「そりゃあ、祝福してやるよ」 「嫉妬とかしない?」テーブルに肘をつき、両手の上に顔を乗せたミヤは、ニヤケ顔で俺を覗き込んできた。 「嫉妬・・・まぁ、少しはするかもな」 「本当っっ!?」 急に立ち上がり、身を乗り出すミヤにたじろぐ。「いや、少しだぞ、少し。邪魔はしないよ」 「でも嫉妬してくれるんだぁ・・・えへへ」 再び目を細めて椅子に座りなおすミヤの顔が、顎の下を撫でられた猫のように見えてしまった。 どこか和んだ気持ちになっていると、ふと、使うことのなかった最終手段を思い出した。使わずに仲直りできたが、この際だから誘ってみようか。 「ミヤ、週末に買い物に付き合ってくれないか?」 「付き合うっっ」再び机を叩きながら立ち上がる。から揚げが僅かに浮いたように見えた。「や、ちがっ・・・その、付き合ってあげても、良いよ」 「助かるよ」冬服が欲しいんだ、と言うと、ミヤはやれやれ、というジェスチャーをした。 「おにぃって、あたしが選ばなきゃ服買えないもんねぇ」 「センスないからなぁ」 事実、所持している服の半数以上が妹の選んだものだ。こういう時、女きょうだいというのは助かる。 饒舌に悪態をつきながらも上機嫌なミヤを、再び猫と重ねて見ていた。
びっくらこきましたぁ、と言いながら顔芸をするマサシに、容赦なく馬場チョップをかました。 昼時、やはり俺とミアが食べているところにはマサシがいる。どかそうとしても、これが俺の使命だ、とか、ここは俺の席なんだからお前らがどっかいけ、と喚き散らかされる。 正論だけに、反論が出来ない。 俺とて、できるものならラウンジや学食で食べたいが、俺如きがミアと一緒にいるのをよく思わない不特定多数が恐すぎるのだ。 最近では、靴に画鋲が入っているのが普通で、入っていないと違和感を覚えてしまう程である。大概、そのような場合は帰り道の背後が危険だ。 妹の乱入から二日後の水曜日、ミアはもういつも通りの元気を取り戻している。話題に出さないようにため、直接は訊けないものの、おそらくミヤはまだ謝っていないだろう。 それでも文句一つ言わないのだから、その心の広さが窺い知れる。 「で、なにが?」今日も入っているから揚げに、食べる前から胃がもたれ始めた頃、マサシに問い掛けた。 「いやね、それが大ニュースなわけですよ、義兄弟」 「なにを勝手に」 「予定ですよ、お兄ちゃん」 「黙らんと鼻の穴に指突っ込んで脳みそかき出すぞ」 「ミイラになる予定はないっす」 「そ、それで、ニュースって?」 我に返り、ミアの前だということを意識しなおす。 「いや、それがね」言葉を切ると、大げさな深呼吸をした。「俺、ミヤちゃんに告られちった」 「・・・へぇ」 「それだけ!?それだけですかお兄様っっ」 「うん」間を空けただけ、ありがたいと思って欲しい。 一昨日の会話から、なんとなくこうなるような気はしていた。わざわざ彼氏が出来たら、という話をするのは、やはり告白する予定やされる確証があってのものだろう。 なにより、俺に彼女が出来たことを知ったミヤが対抗しようとしないはずがない。相手がマサシというのは予想外だが、だからといって反対もしない。 「お前、根はマトモな奴だし、別に反対する理由はねぇしな」 「にぃや・・・」 「それ以上言うと顎を重点的に4,5発殴るぞ」から揚げを咀嚼してから、次もまたから揚げに箸をつけて、言う。「まぁ、あいつ泣かしたらそれ以上のことするけどな」 「安心しゃーさい、絶対幸せにするからさ、おにぃ」 飛躍しすぎだ、とツッコミながら口へと運ぶ。幸せそうに笑うミアが、視界の隅で霞む。 から揚げがなかなか飲み込めない。
C
「おにぃ」 校門ではいつも通り、長すぎる髪を遊ばせた妹が手を振っていた。制服の上にサイズの合っていないブラウンのダッフルコートを着ているミヤは、袖口から指先しか出ていない。 もやもやした気持ちを抑え付けながら横に並び、二人で歩き出す。 ミヤが高校に入ってからは、こうやって毎日待ち合わせては、スーパーで晩御飯の買い物をしている。我が家が基本的に買い置きをしないのは、かつて、家族全員が食中毒にかかって一家丸ごと救急車で運ばれてからだ。 幼い俺としても、あの恥ずかしさと苦痛は耐えがたいものだった。 普段と変わらぬ様子で、ミヤは今日あったことや、それに関する愚痴を次から次へと、矢継ぎ早に語る。俺はうわの空で、どうにも話が頭に入ってこない。 「・・・おにぃ、聞いてる?」 「聞いてない」手提げカバンが腰に突進してきた。 「妹の話を聞き流すなんて、いい度胸してるわねぇ」 オーバーリアクションで対応するのが俺なりの優しさというやつだが、今回はどうもそんな気分にならない。そんな俺の顔をミヤが心配そうに覗き込んできた。 「おにぃ、どうかした?・・・・もしかして、マジで痛かった?」 「いや、そうじゃなくて」言うべきかどうか、思惟してから、やはり言うことに決める。「マサシと付き合ったんだって?」 きょとんとしたかと思った矢先、すぐにミヤはしてやったり顔となった。全部お見通しですよ、と無言ながらに訴えてくる笑顔だ。 「おにぃ、もしかしてそれで悶々としてたわけぇ?」 「んなわけないだろ」 「うっそだぁ、バレバレなんだから。嫉妬?嫉妬してんの、もしかして」 「やかましい、ってか突付くな」 「ま、安心しなって、これからもおにぃのこと構ってあげるから」 楽しげに笑うミヤをよそに、俺の心は沈み、思わず立ち止まってしまった。先を歩くミヤも立ち止まり、振り向く。 「どったの、おにぃ?」 「もう、やめたほうがいいかもな」 「は?」若干の笑みを残しながらも、その心が曇っていくのが、傍目からでも分かる。 「お互いに恋人がいるんだったら、できるだけ誤解があるようなことはやめるべきだろ、下校とか、外出とか」 「で、でもさ、お互いに知らない仲ってわけじゃないじゃん」 「周りが誤解して、それが捩れる事だってある」 実際、友達の中にも、それに似た状況に陥った奴がいた。誤解が誤解を招き、手に負えない事態にまで発展したと聞く。 「お互い、ようやくできた恋人だ。早々に別れたくはないだろ」 「いや、でも」 「つうことで、週末の買い物は中止」 「でもでも、それじゃあおにぃ服買えないじゃん」 「ミアと行くよ」よくよく考えれば、それが恋人の正しい姿ではなかろうか。「今日は俺が買い物行くから、先に帰ってろ」 「おにぃっ」背中へと向けられた妹の声を無視した。
別に、間違った判断ではないだろう。恋人ができればそっちを大事にするのは当り前のことだ。なにより、この歳ともなれば兄妹が疎遠になるのも至極当然ではなかろうか。 誰が責めているわけでもないのに、俺は憤って言い訳をしていた。 わかってる。正論をいくら並べようが、これは所詮、俺の自己中心的な行為でしかない。 マサシに話を聞いたときに抱いた感情を、俺自身、まったくもって理解できずにいた。 妹の恋路を応援せんとする兄の気持ちと、もう一人、誰だか知らない奴のどす黒い気持ちが混ざり合い、まるでカフェオレみたいな中途半端な色を見せてる。 誰かと言ったところで、俺でしかないのは分かり切っている。その感情がもしも嫉妬の類だとしたら、俺は本当にバカ野郎だ。妹に彼氏が出来て嫉妬する兄が、果たしてこの世にいるだろうか。 娘を溺愛する父親が抱く感情でさえ、嫉妬ではなく親心だというのに。 これはやはり、飼い猫が他人に懐いてしまったようなものなのだろうか。確かに、俺の頬にグーパンをかますミヤが、マサシの頬にキスをするというのを想像すると、腹が立つ。 「わっかんねぇ」玉葱をカゴに放り込む。 いくら考えを巡らそうと、解る気がしない。 だからこそ、俺は妹と距離を置く事を提案した。触らぬ神に祟りなし、とは少し違うが、確証が得られぬ以上、へたにどうこうするべきではないように思える。 何度も言い訳を繰り返しながらスーパーを歩く。隣が物寂しいのは気のせいだろうか。
どうしてこうなったのだろう、と思い悩むときはきまって手遅れである。過去に思いを馳せることの大半が後悔と密接なものであって、後ろを向いたまま前に走ることは出来ない。 今まさに、俺の置かれた状況がそれなのだが、この場合、いくら振り返っても思いの矢を向けるべき対象が見当たらない。どれが原因でこうなったのか、なにが起因でここまで発展したのか。 皆目見当もつかない。 俺が妹と距離を置くようになって、はや一週間。順調、という言葉が適切かどうかは分からないが、特に問題もなく一週間が過ぎた。 ミヤは怒ったのか納得したのか分かりえないが、家でも外でも俺に対して、そっけない態度をとるようになった。俺を見るとき、決まって眉を寄せるのはどうにも心苦しい。 ただ、マサシが毎日のように、一緒に帰っただとか、手を繋いだだの自慢してくることから、あいつなりに上手くやっているのだろうと思い込んでいた。 俺はといえば、念願の、と言えば多少の語弊があるものの、ミアとの下校が叶った。ぎこちない距離と会話だったが、俺としては昇天ものである。 また、宣言どおり、日曜にはミアと2人で買い物に、デートへと出かけた。服を選ぶことに最初は自信なさ気だったミアも、いざ店へ入ると次から次へと服を持ってきては、俺に着させた。 目を輝かせて俺のコーディネートを楽しむミアに、ふと妹の姿が重なった。 着せ替え人形というおもちゃがあるくらいなので、女性はみんなこういうのが好きなのかもしれないな、とぼんやり考えていた時、視界の隅に知っている影を見たような気がした。 だが、新しい服を持ってきたミアに着衣室へと押し込まれ、そのまま忘れてしまった。 そして今日、俺はミアと一線を越えた。と言っても、大人の階段を上ったとはとても言えるようなものではないのだが。 委員会で遅くなったミアを、俺は家まで送ることにした。ミアの家の少し手前には公園があり、そこに寄ろうと提案したのはミアの方だ。 すっかり暗くなった空の下、ベンチに座って暫く話してから、ミアが静かにこちらへと顔を向けた。今まで恋人がいなかったとはいえ、ここでするべきことは分かっている。 がっつかないよう、鼻息が荒くならないように細心の注意をはらって、俺はキスをした。顔を赤らめるミアに有頂天になっていたのも束の間、ミアはもう一度、目を瞑って唇を僅かに突き出してきた。 顔を近づけたとき、道路の方から、ビニール袋が落ちるような音がした。気になって目を向けようとした瞬間、ミアの手が首に巻きつき、引っ張られる。 ミアは何かへ見せつけるように、その後は何度もキスをしてきた。 20分経ったかどうかのところで、犬を連れた男女が公園に入ってきたので、慌てて離れた。 白と黒の毛をした大型犬を連れた男は、ちらりとこちらを睨むと、すぐに目を逸らした。鋭い目つきに若干の恐怖を覚えた俺は、ミアを連れて退散しようと立ち上がった。 黒い中型犬を連れた、というよりは犬に引っ張られているような栗毛の少女が、お兄ちゃん、と言ったので思わず反応してしまった。 無垢な笑みを浮かべた少女が男に近づくと、男はその目つきから想像できないような優しい笑顔を見せた。 幸せな兄妹の典型のようなその2人が、どうにも頭から離れないまま、ミアと別れた。あんなに長い間キスをしていたのに、その感触が思い出せない。
玄関のノブを握りながら、俺は心を決めた。ミヤに謝ろう、と。 俺の抱く感情が嫉妬だろうとなんだろうと、関係がない。ミヤは俺にとってたった1人の妹で、俺はミヤにとってたった一人の兄なのだ。 恋人とはいえ、家族の絆を断ち切らなければ得られないものなど、こちらから願い下げだ。ましてや、俺の身勝手な理由でそれを壊していいはずがない。 深呼吸を一つ、意を決して扉を開ける。 「ただい・・・っ」刹那、決意どころではなくなる。「・・・なんだよ、これ」 下駄箱の靴やら脇に飾られた花瓶、窓の桟に置かれた小物などがことごとく床に叩きつけられている。扉という扉は全て開けられ、バスルームへ続く扉からはタオルがはみ出ている。 全身に悪寒が走る。何が盗まれただとか、どんなやつがいるのかなんて、今の俺には関係がない。大事なことはただ1つ。 「ミヤっっ!!」 靴も脱がずに走りだし、リビングへと向かう。 今日は一斉委員会だったが、こんな遅くまで残ったのはミアの代表委員のみ。他は定時かそれよりも早く終わっているので、今日の買い物当番だということを考えても、もう確実に家にいるはずだ。 強盗なり空き巣なりと遭遇したのだとすれば、危険すぎる。いくら強気に振舞おうが、ミヤは女の子だ。いざとなれば負ける可能性のがずっと高い。 部屋に入ると、真っ先にソファーへと脚を進めた。 鈍い音が頭中に木霊する。同時に、鈍痛が走る。急激に視界がかすみ、身体がバランスを失っていく。床が迫る中、未だにミヤのことを心配している自分を誉めてあげたくなった。
「おひぃ、ひもひぃ?」なぜ俺の両手は縛られて、ミヤが俺のムスコを咥えているのだろうか。 未だに靄のかかった目を凝らし、痛みでショートした脳を強制的に起動させる。配線がバチバチと火花を散らすが、構う余裕はない。 「ミヤ・・・っ、なに、して・・・」痛みと快感に挟まれた状態ではどうにも舌が回らない。 俺のナニを根元まで咥え込んだミヤは、名残惜しそうにゆっくりと、本当にゆっくりと口を離した。離れるその瞬間まで吸い付く唇に、思わずうめきに近い声が漏れてしまった。 「何してるように見える?」 ニヤニヤと笑うミヤはカーディガンの前を開けた姿で、学校指定のチェック柄のスカートと黒いオーバーニーのソックスを履いていた。 いつもと違うのは、ネクタイをしておらず、ワイシャツの胸元が大きく肌蹴ているところか。 「もう少し胸があればなぁ」どんなに世辞を利かせても、『微』がいいところか。 「はぁっ?」身を乗り出したミヤが耳を摘んでくる。「おにぃ、まだ寝ぼけてるのかなぁ?」 寝ぼける、という単語を聞いて我に返った。 「そうだ・・・帰ってきたら家が荒れてて、それで強盗に頭を・・・ん?」 おかしい。何かがおかしい。 適度に動き出した頭が、まず周囲を確認すべしとの命令を下した。俺が横たわっているのはベッド。 俺の服装は制服姿だが、ワイシャツのボタンは全て外され、ズボンとパンツは腿の辺りまで下げられてしまっており、愚息が顔を覗かせていた。 枕もとの手すり付近にある両手は、手首のあたりを中心に自由がきかないことから、その辺りを縛られているのだと推測する。 俺の腹に跨る妹はおいといて、部屋を見渡すと、ぬいぐるみの乗ったタンスに、ピンク色のクローゼット、写真立てや小物、ティッシュなどの様々なものが置かれた金属製の棚。 見まごう事なき、ミヤの部屋だ。 「ふふっ、おにぃってホント、昔から単純だよね」 「なにが、だよ」 わかったような、わからないような。脳が答えを導き出したのに、心が拒否しているみたいな。 「ぜぇんぶあたしの予想通りだもん。ちょっと玄関から見える辺り荒らしといただけで取り乱して、なりふりかまわずリビングに猛ダッシュしてさぁ」 俺を見下ろしながらクスリと笑っているのはミヤのはずだが、その表情は俺が見たことのないものだ。 「ごめんね?頭、痛かったよね」身体を合わせるように俺の上でうつ伏せになると、ミヤの右手が俺の頭を優しく撫でた。 「死ぬほどな」 「でも嬉しかったよぉ。倒れ際にまであたしの名前呼んでくれてた・・・」 ミヤは俺の頭を胸元で抱きかかえると、こぶになっているであろう部分にキスをし始めた。暖かく柔らかいものが触れるたびに、電気的な痛みが駆け抜ける。 「ミヤっ・・・」 「おにぃ、気持ちいいの?こういうの好き?」べ、とわざと声に出したかと思うと、唇よりも熱く、湿ったものが触れた。
「━━っ!!」 「あはっ、身体よじっちゃうほど気持ちいいんだ?」 ピチャリ、ピチャリと湿った音が響くたび、身体が跳ねる。痛いはずなのに、拒絶が出来ないまま、数分がたった。 ミヤが俺の頭を解放したとき、俺の息は全力疾走後のようにあがっていた。無論、爽やかさなど欠片もない。 「ミヤ、わかったから、もうこんな悪ふざけは」 「悪ふざけ?」いやらしい笑みで俺を見つめていたミヤは急に、怒気のこもった声で言うと、俺の顔の両脇に手を置いて、覆い被さるようにしてきた。 「おにぃはいつもそう。あたしのこと何も分かってない、分かってくれない、分かろうとしないっっ」 「ミヤ・・・?」 「どこの世界に悪ふざけでここまでするやつがいるっていうの!?なんで、なんでおにぃは分かってくれないの!?いつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもっっ!!」 ベッドを力いっぱい、交互に両手を大きく振り上げては叩きつけ、ミヤが叫ぶように言った。 そんなミヤに、俺は恐怖を抱きつつも、どこか悲しい気持ちにもなっていた。叫びつかれたのか、肩で息をするミヤは長い髪が顔を隠しており、表情が良く見えない。 「でも、それも今日まで」俺が口を開こうとした瞬間、ミヤが呟いた。先ほどの荒ぶった様子から一変、生気のない、無感情の声だ。 「ミヤ、とにかく、まずはこの腕を解いてくれ。それから話し合おう。何でも聞くから、お前の話」 精一杯の落ち着きと優しさで呼びかけると、ミヤは髪を掻き分け、表情を露わにした。 ぶわりと、全身の鳥肌が立つ音がした。ミヤの目からは鋭さとはまったく別の、どこか狂気的な恐怖が漂っている。無機質で、それでいて深い感情を湛えた瞳が、俺を鷲掴みにして放そうとしない。 小さな口が歪に広がり、禍々しい笑みを作り出す。 「話し合いなんて無理。あたし口下手だし、おにぃの前じゃあ緊張して素直になれないもの。だから、こうやって身体で示すの。おにぃも言葉じゃ分かってくれないから、こうやって教えてあげるよ」 風のように柔らかく、それでいて素早く身を倒すと、ミヤは俺の胸元に顔を埋めてきた。再び水気のある音がして、肌に熱いものが触れる。 身を捩じらせて喘ぐたびに、ミヤは上目遣いで俺の表情を確認し、満足そうな笑みを浮かべる。 それを何度か繰り返してから、ミヤの舌先がいきなり俺の乳首を突付いた。思わず身体が跳ねたとき、先ほどとは違う、僅かな違和感を手元に感じた。 直後、胸元に痛みが走る。 「ふふっ、おにぃってMだったんだねぇ。乳首噛んだらえびぞりになっちゃって」 マズイ、この状況は非常にマズイ。なにがマズイって、脳は確かに痛みを正確に判断しているのに、ムスコはなにかを勘違いしてしまっているということだ。 ふと、ミヤと目が合った。ミヤはニヤリと、不適な笑みで無言の返事をすると、身体を起こした。この表情は、割と最近に見たことがあるような気がする。全部お見通しですよ、と無言ながらに訴えてくるような笑顔。 ミヤは後ろに下がると、俺の脚の間に正座した。ここまでくれば、何をされるかなんて予想がつく。幸い、脚は拘束されていない。今、思い切り蹴飛ばせば、止めさせられる。 そう考えているのに、脚は動く気配を見せない。叩かれた衝撃で連絡回路がおかしくなったか、もしくは、脚が理性から独立してしまったのか。
私怨
ミヤは両手で包むように握ると、ゆっくりと上下に動かし始めた。約1ヶ月前にようやく彼女ができ、今日初めてのキスを体験した男が女体を知っているはずもなく、押し寄せる初めての快感に言葉が出なかった。 「おにぃってこんなに可愛かったんだねぇ・・・あむっ」下半身から脳髄へと、灼熱の如き熱さを纏った快感が突き抜ける。 ミヤは先っぽを咥えると、そのまま舌先で刺激を始めた。こぶを舐められた時のような尖ったものではなく、全てを包むような、柔らかな波が体中に広がる。 それだけで果ててしまいそうだというのに、ミヤは容赦なく、髪を乱しながら激しいストロークを始めた。吸い付くような、水をかき混ぜたような音が響き、それがさらに快感を助長する。 「ミヤ、もう、でっ・・・」 切れ切れで必死に訴えると、ミヤの動きが急に止まった。安堵と落胆がせめぎ合い、なんともいえない気持ちになる。 それすらもミヤの掌の上なのか、それを見たミヤは咥えたまま笑みを強め、再び激しく動きつつ、今度は舌が執拗に裏筋を刺激してきた。 「もうっ、むり、っっ!!」言い終わるのとほぼ同時に、身体を反らせながらミヤの口内に撃ち出した。 瞬間、ミヤは目を見開いて驚いていたが、一通り出きるまで口を放そうとしなかった。暫くしてから離れたミヤは、目に涙を溜め、両手で口を抑えながら必死で何かを堪えているように見えた。 余韻もくそもなく、なんとかしようと身体をばたつかせると、今度は確かな違和感を感じた。それを確認するように手を動かすと、かなり動いた。 身体を上手いこと動かして、両手を視界に収める。見れば、手首には赤いネクタイが縛り付けてあり、そこからさらに青いネクタイを結び、手すりに繋げられていた。 青は俺が通う高校の男子用で、赤は女子用のものである。何度も動いたせいか、束縛はかなり緩んでおり、歯を少し駆使だけで取れてしまった。 慌てて立ち上がると、金属の棚からティッシュを取り、何枚も重ねてミヤの口元に差し出した。しかし、ミヤは目を瞑り、苦しそうな表情をしているにも関わらず、首を横に振って吐き出そうとはしない。 「ミヤ、いいから出せって、ほら、ミヤっ」 繰り返し強く言うと、ようやくティッシュに口元を埋めて吐き出してくれた。小さく苦しそうな声を漏らすと、ティッシュ越しに生暖かさを感じた。 全部吐き出した後も、ミヤは苦しそうに喉を抑え、息を荒げていた。
「水持ってくるから」立ち上がった矢先、手首を掴まれた。 「・・・・さぃ」 「ミヤ?」 「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい・・・次は、次は頑張るから」 「ミヤ、どうしたんだよ」 「おにぃに好きになってもらえるよう頑張るから、おにぃの言うことなんでも聞くから、 もうチャンネルがどうので怒らないしいちいち暴力振らないようにするし家事だってご飯だって今まで通りちゃんとやるしおにぃのシたいときにあたしのこと使ってくれていいしおにぃの赤ちゃんだって産むし どんな恥ずかしいことでもするから、だから、だからおにぃも好きになってよぉ、あたしのこと好きって言ってよぉ・・・」 俺の腰に手を回し、すがるように抱きついてくるミヤをただ呆然と見ていた。大粒の涙が俺の脚へと垂れていく。 「あたし家事ぐらいしかできることないし本当は根暗だからおにぃにとってお荷物かもしれないけど頑張るから頑張って悪い所全部直すからさぁ、だからっっ」 目の前の少女を抱き締めた。これ以外、俺にどうしろというのか。 「好きだよ、ミヤのこと、好きだから」 「やだ・・・やだやだやだやだやだやだいやだっっ」ミヤは急に立ち上がり、その勢いのままで、俺を押し倒そうとしてきた。バランスを保てず、後ろの壁に激突し、尻餅をついた。 ミヤは俺に覆い被さり、きつく抱き締めてくる。「そんなのヤダ、そんな好きじゃダメなの、あの女の次じゃダメなのっ!!愛してよ、あたしのこと愛してよぉ、おにぃ・・・」 今、どのような状況なのかは分かる。ミヤが何を言っているのかも、分かる。なのに、どうすればいいのか分からない。 「苦しいんだよぉ・・・あたしのこと見てくれないって分かってるのに好きになっちゃう気持ちも、おにぃが誰かに盗られちゃう不安も、他の人と幸せそうにしてるおにぃを見るのも、 それを祝福しなきゃいけないんだって分かってるのに従えないのも・・・・全部、全部すっごく苦しいんだよっっ」 ポッと、答えが出てきたような気分になる。明かりをなくした夜の海で、遠くに瞬く灯台の光を見つけたような気持ち。 「お前も、同じなのか」誰に言うでもなく呟くと、ミヤを力いっぱい抱き締めた。 ミヤも同じだったんだ。俺が、ミヤとマサシが付き合ったと知った時感じた思いを、ミヤも感じていたのだ。そして、ミヤはその正体を、それが愛情だと知っていた。 「ミヤ、好きだよ、愛してる」 「う、うそ、うそだうそだうそだっ!!」 「嘘じゃないっっ!!」家中に響くほどの大声で一喝する。「俺も同じなんだ、ミヤと同じ想いなんだよ」 「・・・うぇ、ふぇぇ・・・おにぃ、おにぃぃ」 胸に顔を埋めてくると、ミヤは大きな泣き声をあげた。そんなミヤをただ抱き締めていた俺は、ふと、頬を温かいものが伝っているのに気付いた。
泣きじゃくるミヤが落ち着くまでそのままでいた。その間、全てを理解したような、充実した気持ちで俺は待っていた。 「おにぃ」 「どうした?」ようやく顔を上げたミヤに、精一杯の笑顔を見せた。 「続き、する?」 「・・・お前、それはなんか違うだろ」 「でも、おにぃのずっとおっきいまんまだし」 いたずらっぽく笑い、ミヤは指先でムスコを弾いた。思わず呻き声が出る。 「こんなんじゃあの雌犬が寄ってきちゃうよ」 「雌犬?」 「おにぃの“元”彼女よ」 言われて、ミアのことを思い出した。直後、“思い出した”ということに寒気がした。仮にも付き合っているというのに、この状況で今の今まで思い出さなかったのはどういうことだ。 「その様子なら、大丈夫かな」クスリと笑うと、ミヤは俺の頬を舐めだした。 猫のようにザラついた舌が顔中を、舐め残しがないように隅々まで這う。頬、額、眉、瞼、鼻、唇・・・。顔全体を嘗め尽くすと、少し距離を挟んで俺の顔と向かい合った。 「・・・どうした?」そのまま、俺の目一点を見つめて硬直するミヤに、思わず訊いてしまう。 「キス、おにぃからして」 「別にいいけど、なんでまた」 「ファーストキスはあの雌犬に盗られたから、せめて同じ状況でして欲しいの」 「・・・見てたのか」 「買い物帰りに見かけたから、後つけたのよ」不意に、あの時に聞こえたビニール袋の音が頭を過ぎる。「あたしは、おにぃの行くところどこにでもついて行くんだから」 言動とは裏腹の優しげな笑みを浮かべる彼女を愛しく感じるのは、俺も似たようなことを心の底に秘めているからなのだろうか。 ゆっくりと、触れるまでの時間すら楽しむように、ゆっくりと口づけた。
「痛かったら言うんだぞ?」 「ん・・・」前戯を行い、すっかり紅潮したミヤは、目を閉じながら小さく答えた。 ミヤの秘部へと先端をあてがい、細心の注意を払いながら、ゆっくりと押し込んでいく。 「うっ・・・くあっ・・・・」 「ミヤ、お前」 「大丈夫、大丈夫だからぁ、そのまま・・・っ」覆い被さる俺の背に手を回し、強く引き寄せてくる。若干、爪が立っているのが痛いものの、ミヤと比べれば楽なものだろう。 そのまま一気に奥まで押し込むと、ミヤは力を抜くように、大きく息を吐き出した。 「おにぃと1つになれたんだね・・・しあわせぇ」首に手を回して何度もキスをしてくるが、俺にそんな余裕はない。 「ごめっ、もうやばい」 「・・・早くない?」 「勘弁してください・・・」数秒前まで童貞だった上に、ミヤの身体がほぐれるまでさんざんした愛撫の間も、いつ暴発したっておかしくない状況だったのだから仕方ないじゃないか。 一発出せば余裕ができるだとか、女の中は意外と気持ちよくないだとかマサシが熱弁していたが、これは肩パン30発並みの罰を与える必要がありそうだ。 胸に鈍い痛みが生じた。ミアのことといい、今日の俺はどうかしている。 「俺、今すげぇ酷いことしてないか・・・?」 「道徳なんて気にしたほうが負けだよ」 「じゃなくてだな」 「雌犬のこと考えてたらこのまま絞め殺す」ニヤニヤしながら、首に回した手に力を込めてきた。 「ちがう」とも言い切れない。 「じゃあなに?」 「マサシのことだよ」 「・・・ああ、付き合ってるって話なら嘘だよ」 「・・・は?」 「おにぃにドッキリ仕掛けたい、って言ったら喜んで協力してくれたよ」 肩パン50発追加が決定した。 「おにぃに嫉妬して欲しかったんだけど、裏目に出ちゃったなぁ」 「いや、バツグンだった」
苦笑いを浮かべる俺に、ミヤが優しく微笑む。俺の頬を軽く撫でると、顔を引き寄せられ、唇を合わされた。やられっぱなしというのも性にあわないので、こちらから舌を入れてみた。 震えるようにミヤの身体が揺れたが、すぐに応戦してくる。軽く苦しくなるまで続けて、口を離すと、艶やかな表情でミヤが笑っていた。 「おにぃ、もう動いてもいいよ」 「どっちかというと俺に余裕がない」 「あたしだって気持ちよくなりたいんだけど」 「前向きに善処します」 ゆっくり腰を引き、再び奥へと入れる。繰り返すうちに、段々とペースを速めていく。卑猥な水音も、腰の動きに合わせて徐々に早くなっていく。 「ひあっ、やっ!ああぅ・・・おにぃ、おにぃ・・・・」 肉と肉が当たる音と湿った音が響き、部屋中に雄と雌の臭いが充満していく。ミヤの喘ぎ声を聞くたびに脳のスイッチが一つ、また一つと落ちていく。少しずつ、獣へと回帰していく。 「おにぃ、はげしぃっ・・・おかしくなる、おかしくなっちゃうよぉっ」 「もう充分に狂ってるよ、俺たち」 「いいっ、いいのぉ!おにぃとなら、あたし・・・ひぃあっ!」 「そろそろ、ヤバイ・・・っ」そう宣言した途端、ミヤの両足が俺の腰を抑え付ける。首に回された手は強く締められ、必然的に俺の顔はミヤの真横まで引き寄せられた。 「出してぇ、おにぃの、おにぃの精液ちょうだい・・・おにぃのこども産みたいよぉ・・・・」 耳元で囁かれる淫らな言葉に、成す術もなく、俺はミヤの中で射精した。 快感の波に押し流されそうになる俺の顔を掴むと、ミヤは乱暴に口を合わせ、舌をねじ込んできた。粘膜同士が擦り合わされる音が骨伝導で聞こえ、脳内を跳ね回る。 「ふあぁぁ・・・おにぃの精液、おにぃの匂い染み込ませてぇ・・・・」 「・・・非常に申し訳ないが」 ため息をつきながら、ミヤの中で“コンドームに”射精したナニを引き抜く。
「・・・なにそれ」 冷たげな眼差しが痛い。高揚した空気が一瞬で凍てつき、俺の体は急激に冷えていく。ミヤはゆらりと身体を起こすと、その据わった瞳で俺に穴が開くほどに睨みつけてきた。 「なんでそんなの持ってるの?」 「・・・・サイフに入れとくと金運が上がるらしぃっ」言い終わるよりも早く、俺はミヤに押し倒されていた。 「おにぃ、あの女としたんだね」 俺の上に跨るミヤの瞳に色はなく、口に出さずとも確かな殺意が渦巻いているのが、俺でもわかった。 「待て、お前それは」 「なんですぐ否定しないのよっっ!!」突然の叫びに部屋が揺れる。「あたしは初めてだったのに・・・おにぃはキスもエッチもあの雌犬にくれてやったんだ」 「ミヤ、落ち着け、キスはしたけどセックスは」 「うるさいうるさいうるさいうるさいっっ!!」 叫びの残響が、立て付けの悪い扉と鼓膜をしばらく揺らしつづけた。静寂が辺りを包んでもなお、俺の耳にだけはまだ残留していた。 ━━おにぃが罪を償う方法は一つだけだよ 俯いたままのミヤが呟いた声が木霊する。罪、償う。それから連想できるワードは一つしかない。幸せの絶頂から一変、まるで宝くじが当選したと知った直後に、こめかみに拳銃を突きつけられた気分だ。 「ミヤ、待て、話を」 「ダメだよ、おにぃ」這うように覆い被さってくるミヤが、静かに顔をあげる。「あたしに身体におにぃの匂いが染み付くまでシテもらうかね、おにぃ」 長年欲していた物を目前にしたような、一年間スイーツを断食していた少女が特大のケーキを目の当たりにしたような、そんな風に顔中を緩ませたような笑顔のミヤが、目の前に迫っていた。 よくみると、涎が出ている。 「今日はお父さんもお母さんも帰ってこないし、あたしの匂いを嗅いだだけでイッちゃうくらい、徹底的にシテあげるね、おにぃ」
結局、その後、日が昇るまで行為は続いた。嬌声をあげるミヤに、最初は興奮していた俺だったが、体力と残弾が尽き始めるとすぐに屍と化した。狂ったように腰を振るミヤを見ながら、意識を失った。 当然、学校に間に合うような時間に起きることは出来なかった。異様なまでの気だるさに放心していると、胸元からピチャピチャという水気を含んだ音が聞こえ、同時に下半身に血が集まっていく。 「ミヤ、おまえなぁ」 俺の上で重なって眠っていたミヤは何時の間にか目を覚まし、俺の身体をまた嘗め回していた。 「雌犬が寄ってこないように、おにぃにはあたしの匂いを染み込ませないとぉ」そう言うと、俺の首元に頭を擦りつけてきた。声色は平坦で、どこか間延びしている。 「まんま猫だな、っつか寝ぼけてるのか?」 「腰に力がはいらなぃ・・・」 「・・・自業自得だよ」 「みゃぁ〜」 首にしがみ付いてくるミヤの頭を右手で撫で、左手で背を抱き締める。シャンプーの匂いがする髪から、僅かに2人の体臭が混じったような匂いがしてきた。 「そういや、ミヤはいつから俺のこと?」何となく浮かんできた疑問を口にする。 「えっと・・・みんなで病院に運ばれたの、覚えてる?」 そんな面白おかしいハプニングを忘れるはずもない。さらに言えば、これからの人生ではきっと、もう二度と体験することはないだろう。 「あの時さぁ、今にも気失っちゃいそうなあたしに、おにぃがずっと付き添ってくれてたの、覚えてる?」 「そうだっけか?」 「真っ青な顔してるくせにさぁ、手握って大丈夫だよ、ってずっと言ってくれたんだよ」 言われてみれば、そんな気もしてきた。同時に、両親は早々に気を失っていたことも思い出された。 「あの頃からどんな時でもおにぃが助けてくれて、その内あたしがおにぃなしじゃダメになったの」 「俺のせいか」 「おにぃ・・・放さないでね」 「お前もな」張り手が顔に降ってきた。「おまっ・・・この鼻の痛さは尋常じゃ」 不意に、唇を奪われた。触れる程度の、それも、ぶつかってくるようなものだったが、確かにミヤの体温が伝わってきた。 「放してあげないもん、バカ」 ミヤの体温と重みを感じながら、これからのことに思いを馳せる。 まずはミアだ。こればかりは完全にこちらに非があるので、土下座だろうが靴を舐めようが許してもらわなければならない。よくよく考えれば、俺って最低だ。 もっと先のことなら、両親への告白か。とりあえず、7回ほど死ぬかもしれない。この他にだって、問題はいくつでもある。 それでも、今こうして笑っているミヤをずっと見ていられるのならば、それで充分じゃないか。 しかし、どうしてこうなったのだろうか。
終わりです。 スレの流れを見ててカッとなって作った完全な手抜き作品。 ヤンデレ+ツンデレを目指した結果、どちらも中途半端になった挙句、なんかメンヘラさんみたくなっちゃいました。ごめんなさい。
乙
GJ!!なんだが、妹のみがヤンデレなら、キモ姉&キモウトスレじゃないか?てっきり彼女もヤンデレかと思ったら 後半は空気だし……。
シチュ系のスレだとかぶることはしょっちゅうだから、
ヤンデレメインに読ませたいと作者が判断したなら周りがどうこう言う事じゃない。
だいたいあのスレは初代
>>1 がアホな理由で重複してるのに立てたんだ、
関わると揉めるからここで話を出さないようにしとけ
>>165 彼女も入ったら三角関係になるな
まあ、あまりにもスレ違いじゃなければ作者さんが決めること
面白かったです、GJ!
>>163 GJツンデレ+ヤンデレ良かったです。
ツンツンし過ぎて反省して素直になる瞬間が
ものすごくいいです。
やはりツンツンし過ぎはよくないね
>>163 この作品を読めて最高に幸せです。GJ!!&乙!
グッジョブ! ミアさんが後半空気だったのがちょっと残念です。
>>163 GJ
確かに空気化したミアさんが気になるが内容は気に入った
>>163 GJ!俺的にはOK
次回「逆襲のミア」
ヤンデレとキモウトは違うと何遍言ったら分かるんだ…
違うところを説明してくれ。
おまえらミア好きだなw 底意地悪いような気がするし、分からんでもないが
GJ! 彼女さんもヤンデレだと妄想するとたまらんねぇ
GJ!! 当て馬同然のマサシカワイソス
ヤンデレに勝てるヤツはいるのか? A「隣クラスの女子はどうだ? IQ1300で常人の13倍の知能を持つぜ」 B「NON、ヤンデレが男に持つ執着は常人の13倍どこではない」 A「じゃあ、Asshole太郎。チンパン福田の100倍、どころか1000倍は仕事をした」 B「なるほど、良い勝負になりそうだ」 A太郎 ヤンデレ(プライバシー保護の観点から関係のない画像) .ィ/~~~' 、 / ̄ ̄ ヽ, 、_/ /  ̄`ヽ} / ', ,》@i(ノ_ハ从)) {■□■□■□, ||ヽ|| 兪ノ| || VS l トェェェイ ', || 〈iミ''介ミi〉|| ノ `ー'′ ', ≦ ノ,ノハヽ、≧ テ ` -tッァ-' テ .ィ/~~~' 、 ―{}□{}□{}- ―{}□{}□{}- _/ /  ̄`ヽ} ―@@@@@- ―@@@@@-  ̄ ̄ ̄ ̄ ―∬∬∬- ―∬∬∬- ―зεз- ―зεз- _ _ /| / / ̄| / ̄ / ̄| /| / / ̄ / ̄ (⌒ / ̄ / |/ |_/ |_ |_/ / |/ / / ̄ _) /
2点
いちいち聞くなカス
そんなことよりコイツ(ぬこ)を見てくれ、コイツをどう思う?
この泥棒猫!
幼馴染のヤンデレのせいで主人公は幼い頃から友達ができず、何時も一人だった ヤンデレ以外の遊び相手といえば猫ぐらいだった そして数年後 主人公は人間にではなく猫に性的思考を抱くようになってしまった 焦るヤンデレ。しかし今のままなら雌豚どもの誘惑は主人公には通用しない。ある意味絶対的安全 そんなヤンデレの葛藤
>>185 なんつー斜め上展開……。
でも恋仇がどーぶつなくらいで悩むなんて随分理性的なヤンデレさんだ。
そしてあるときその猫も主人公を愛してしまったが故に 人間になっちゃうんですね
でもってその猫又(?)を殺そうと躍起になるヤンデレだけども毎回返り討ち そんなヘタレヤンデレ
さあ、早くそれをSSにする作業に戻るんだ
ヤンデレの名前を呼び間違えたらどうなるか
主人公はハッピーエンドを夢見るか
男「ヤンデレさんって、目つき鋭いよね。危ないドラッグか何かをやってたの?」 ヤンデレ「ああ、恋ってドラッグをな」
194 :
名無しさん@ピンキー :2009/02/19(木) 23:54:45 ID:a/MlvUqV
あなたに依存してるの
頭の悪い男くんに勉強を教えようとするヤンデレさん。 でも、男くんは私のことだけを考えてほしい。だけど、このままでは一緒に卒業できない。 ヤンデレさんは悩みに悩んで……
196 :
名無しさん@ピンキー :2009/02/20(金) 02:10:17 ID:DwxcaWQE
頼むからさ、ヤンデレの言葉づかいもう少し丁寧にしてくれ。
>>196 丁寧語と申したか
●愛の告白 -機関銃式-
「貴方を一目見てから、1秒たりとも眼を離さず、ずっと見ていました。
愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。
愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。
ですから、私と交際していただけませんか?お願いします。お願いします」
●愛しの彼のお部屋にお邪魔します
「ここが彼のお部屋……いい香りがします。清潔なんですね。ますます惚れてしまいます。
今日は彼の好きな料理を作っておきましょう。隠し味は私の髪の毛です。はしたないかしら?
淫らな書物や映像、忌々しい他の女の写真などは、全部処分してしまいましょう。
……これで終わりました。帰ってきたら喜んでくださるかしら?彼は」
●VS泥棒猫(実は本当の彼女)
「貴方のような粗雑な女性がつきまとうことで、彼はいつも心を痛めているのです。
いいかげん、自分の立場というものを弁えてくださいませんか?
……言っても理解いただけないようですね。わかりました。私が処理して差し上げます。
あら、遠慮はいりませんよ? 一瞬でなど終わらせません。確実に終わらせますけれど」
●愛しの彼が、喜んでくれません。
「あら、いらしてくださったんですね? え、今なんとおっしゃいました?
……そんな、私はただあなたのために、不必要なものを選別して整理しただけなのです。
わかりました。あのモノたちに毒されたあなたも、私がすべて浄化して差し上げます。
遠慮なんてなさらずに。私に任せて頂ければ、万事すべてがうまくいきますから……」
声を荒げず、常に一定のテンションと丁寧語で、愛情表現・篭絡・駆除にかかるヤンデレ……
やっぱり、多少言動が壊れてもいいから、もっと躁鬱の差が激しくてもいいと思うんだ。
私があなたを忘れても あなたは私を忘れないでください 私があなたを見捨てても あなたは私を見捨てないでください 私があなたから離れても あなたは私から離れないでください 私が逃げだしても呼びもどし 反抗しても引き寄せ 倒れても起きあがらせてください お願いします いかなるむなしい考えによっても あなたから遠ざかることのない目覚めた心を いかなるよこしまな意向によっても ゆがめられることのないまっすぐな心を いかなる逆境にもめげず 勇敢に立ち向かう強い心を いかなる卑しい情欲によっても 打ち負かされることのない自由な心を 私にください お願いします あなたを求める意志を あなたを見いだす希望を 狂おしい愛をもってあなたを待ち望む堅忍を そして、ついにあなたを所有できる確信を この私にお与えください
クルッ . ハ,,ハ ミ _ ドスッ . ( ゚ω゚ )彡―─┴┴─― * * * \ / つ お断りし / ハ,,ハ * * \ 〜′ /´ └―─┬/ ( ゚ω゚ ) お断りします * ハ,,ハ * \ ∪ ∪ / / \ * ( ゚ω゚ ) * .\ / ((⊂ ) ノ\つ)) * お断りします *. . \∧∧∧∧/ (_⌒ヽ * * < > ヽ ヘ } * * * < の し お > ε≡Ξ ノノ `J ────────────< 予 ま 断 >──────────── . オコトワリ < 感 す り > ハ,,ハ ハ,,ハ .ハ,,ハ <. !! > ハ,,ハ . .( ゚ω゚ ) . ( ゚ω゚ ) ( ゚ω゚ ) /∨∨∨∨\ ( ゚ω゚ )<お断り .ハ,,ハ │ │ │ / .\ します>( ゚ω゚ ) ,(\│/)(\│/)(\│ /. \ / ♪お断りします♪ \ / ハ,,ハ ハ,,ハ .ハ,,ハ ハ,,ハ\ . ( ゚ω゚ ) ( ゚ω゚ ) ( ゚ω゚ ) ( ゚ω゚ )
書き込みが反映されないと思ったらこんなところに誤爆とは・・・ 罰としてヤンデレの前で浮気してくる
内容的にはまったく誤爆じゃないという罠 ヤンデレが自分を向いてくれないほど悲しいものはない 所詮モブキャラ……
>>10 着々とエロゲ化が進んでいるようですね
ひぐらしを越えるかもしれんな
また来るから続けてろよ!
>>203 「ワイヤード」と「天使のような〜」の人が参加してるのかぁ・・・wktk
次スレからは
>>10 もテンプレに追加した方がいいのかな
見てきたが、大丈夫なのか? 普通に不安を感じる まだスレの寿命も長いんだし、今判断する必要はないだろう
209 :
名無しさん@ピンキー :2009/02/21(土) 01:23:38 ID:3LrwIowK
「ワイヤード」と「天使のような〜」をエロゲー化するのか?
予想外な展開になってしまったため遅くなってしまいましたが、ぽけもん 黒 二月分投下します 第十二話です
ポケモンセンターで一晩あかした後、僕は小包を開封していた。中身は長老の説明通り、秘伝マシンであるフラッシュのはずだ。 緩衝材に包まれて、半球状の機械が出てきた。 同封されていた紙を読むと、どうやらコンセントを挿して、これを覚えさせたいポケモンの頭につけて電源を入れればいいらしい。そんな簡単な操作で新しい技を使えるようになることといい、この機械の見た目といい、なんて胡散臭い代物なんだ。 「何やってるの?」 僕がポケギアをポチポチといじっていると、香草さんに声をかけられた。 「二人の種族のデータを調べてるんだよ。技マシンもそうだけど、種族によって使える秘伝マシンは限られるから」 「まどろっこしいわね。そんなの、使って調べればいいのよ、使って調べれば」 そんな乱暴な……。それに、ポケギアに搭載されている図鑑によれば、香草さんもポポもフラッシュは使えないと出ている。 尤も、個体差があるから、使えないとされているポケモンでも覚えられることもあるし、使えるとされているポケモンでも覚えられないこともある。ただ、そんなのは滅多にない話だ。 「じゃあ香草さん、試してみる?」 僕はそうと分かっていて、あえて香草さんに尋ねてみる。 「え、わ、私?」 「そう、香草さん。あっれー? さっき香草さんなんて言ったっけなー。僕の聞き間違いかなー」 予想通り、香草さんは慌てている。香草さんはプライドが高いから、一度言った自分の言葉を撤回するような真似はしないだろう。 ふふふ、日ごろ虐げられたり暴力をふるわれたりしてるんだから、たまには香草さんをからかったって罰は当たらないだろう! 「わ、分かったわよ! やればいいんでしょやれば!」 僕の思ったとおり、香草さんは拒否せずに、両腕を組んで不満げにベッドの端に腰掛けた。 ベッドに腰掛けた香草さんの頭に機械をかぽっと被せる。香草さんの頭から生えている葉っぱがすごく邪魔だけど、気にしないことにする。 ……というか、この葉っぱの生え際ってどうなってるんだろう。ちょっと確認してみたくなったけど、そんなことをしたら碌な目にあわないことは分かっているので止めておいた。 「じゃ、スイッチ入れるよ」 コンセントを挿した僕はそう香草さんに声をかける。 「い、いいいいいわよ! いつでも来なさい!」 対する香草さんは目を硬くつぶって、僕がスイッチを入れるのを待っていた。 ここですぐに入れては面白くない。というわけで、あえて焦らしてみる。 ふふふ、まさか目をつぶって小刻みに震えている香草さんを見下ろせる日が来るなんて思いもしなかったな。 しばらく何も起きないことをおかしいと思ったのか、香草さんが口を開いた。 「ま、まだなの? はやくいれて……」 「え、何? 聞こえないなあ」 「いれてって言ってるのよ! お願いだから……」 「ふふふ、そんなに僕にいれて欲しいのかい? とんだ……」 そこまで言ったところで、思いっきり頭頂部を殴られた。 「くだらないことやってんじゃないわよ! この変態!」 思わず蹲った僕の頭に、追撃の香草さんの踵が突き刺さる。
「すいません調子に乗りすぎました反省してます」 踵でグリグリと頭を圧迫されている僕はただ謝るしかない。調子に乗りすぎた……。僕は若干先ほどの行為を後悔した。 「今度こそ、ちゃんとスイッチいれてよね」 僕の誠意が通じたのか、香草さんは足を上げてくれた。僕は頭をさすりながら立ち上がる。 さすがの僕でも、もう香草さんの攻撃を喰らうのはごめんだ。というわけで、おとなしくスイッチを入れる。 風が抜ける音のような起動音とともに、機械についている小さなランプがチカチカと光りだした。 「うわ!」 僕は驚いて一歩後ずさる。 「ちょ、ちょっと何かチカチカ……」 そこまで言って、香草さんは突然話すのを止めた。僕は怪訝に思って問いかける。 「こ、香草さん?」 待つこと数秒。彼女は突然うめき声のような、泣き声のような、とにかく異様な声を上げながらガクガクと震えだした。僕は慌てて香草さんに呼びかける。 「こ、香草さん!?」 「あ、頭痛いの! 頭がガンガンするの!」 彼女はそう言って僕に抱きついてきた。驚くと同時に自分の顔が赤くなるのが分かる。しかし彼女が震えながら痛いほどに抱きついてくるのを見て、少し冷静さを取り戻した。 一刻も早くこれを止めたほうがいい気がする。ただ、どうすればいいのだろう。電源、というか起動スイッチ以外のスイッチは見当たらない。非常用スイッチや緊急停止スイッチのようなものは無いようだ。 思いっきり叩いたら止まるかなとも考えたが、こんななりでもおそらくは精密機械、そんな乱暴なことをしたらどうなるか分からない。となると、残された手段はコンセントを抜くくらいだ。 でも、ゲームやパソコンでは電源を切らずにコンセントを抜くとバグが発生するものがある。もし人間でバグなんてものが起きたりしたら……。 僕が有効な打開策を見出せずおろおろしている間に、機械は発光を止め、電源は勝手に切れた。 「だ、大丈夫?」 香草さんの手の力が緩むのを感じた。香草さんの体から急激に力が抜け、そのまま倒れそうになるのを咄嗟に支え、ゆっくりとベッドの上に横たえた。 横になった香草さんの頭から、僕は恐る恐る機械を外す。心なしか何かが焦げたような臭いがする気がする……。 「うぅー、酷い目にあった……」 香草さんは涙目でそう零した。良かった、とりあえず大丈夫みたいだ。僕はホッと胸をなでおろす。 僕に至近距離で覗き込まれていることに気づいた香草さんは慌てて僕から離れた。心なしか香草さんの頬も赤いような。上のベッドが作っている陰に入ったせいで、よくは分からないけど。 「ご、ごめんなさい……」 「い、いや、いいよ」 参ったな。恥ずかしくてまともに香草さんの顔、見れないよ。 僕は空気を変えようと、明後日のほうを見ながら香草さんに尋ねた。 「やっぱり使えないものを無理やり使おうとしたのがまずかったのかな。どう、香草さん。フラッシュ、使えそう?」 「ちょ、ちょっと待って。なんかこう、光りそうな感じはするのよ」 香草さんのほうに向き直れば、香草さんは目をつぶって眉間にしわを寄せて唸っている。が、しばらくしたら無理だと諦めたのか、目を開いた。 「あ」 僕は思わず間の抜けた声を上げてしまった。無理も無い。僕じゃなくたって、この現場を目の当たりにしたら誰だってそうしただろう。
「ど、どうしたのゴールド! 突然真っ暗になったわよ!」 香草さんは慌てた様子で両手を前に突き出して動かしながら、顔を左右に振っている。なるほど、香草さんには真っ暗に見えるのか。そうなっていても不思議は無いな。なんてったって、香草さんの両眼からは、眩い光が放たれているのだから。 「く……くくっ……あははははははは! やばいよ! やばいよ香草さん!」 笑っちゃまずいと思いつつも、僕は失笑を抑えることが出来ない。お腹を抱えて笑い転げる。なにせ、香草さんの首の動きに合わせて目線も動くわけで、それに合わせて光も移動するんだ、香草さんが慌てれば慌てるほど笑いを誘ってしまう。 「い、一体どうしたって言うのよ! 何も見えないし」 香草さんは当然かもしれないけど、状況が理解できていないらしい。その声はさぞかし不安げだ。それもそうだ、突然視界が真っ暗になって、しかもずっとそのままだったとしたら誰だって不安になるだろう。 「ふ、フラッシュ止めればいいんじゃないかな」 僕は何とか笑いを堪えながらそう言った。 「フラッシュ? こ、こうかしら……あ、見えた、見えたわ!」 目の発光が収まったらちゃんと視界も戻ったようだ。でも僕のにやけ顔はしばらく元に戻りそうも無い。気を抜いたらまた噴き出してしまいそうだ。まずい。まずいぞこれは。 「なによゴールド。随分楽しそうじゃない。何があったのよ?」 香草さんは立ち上がり僕を睨みつけてくる。ダメだ、目を見たらまた笑ってしまいそうだ。 「うー、うるさいですー」 この騒ぎのせいだろう、ポポがようやく目を覚ました。翼で眠たげに目をこすっている。 「ちょ、ちょうどいい。ポポ、香草さんを見て。香草さん、またフラッシュを使ってみて」 ポポは不思議そうな表情で香草さんを見る。香草さんは不満そうながらも、僕の言うことに従ってくれた。 再び香草さんの双眸からから光が発せられた。僕は堪えきれずにまた噴き出してしまった。 「チコ、どうしたですか! 目が光ってるです!」 一方のポポは慌てている。そりゃ、今までのいきさつを知らなければこうなるのも無理も無い。 「目が光ってる!?」 香草さんはフラッシュを止めた。そして自分の道具から手鏡を取り出すと、自分の顔を確認する。 光る。止まる。光る。止まる。 彼女がフラッシュを発動するたびに、鏡がその光を反射した。 僕はもう笑い死に寸前だ。声にならない笑いを上げ、床をのた打ち回る。酸欠で頭がくらくらしてきた。 「こ、香草さん、いくら鏡を使ったって、じ、自分の目がひ、光ってるところを見れるわけないじゃないか」 僕が息も絶え絶えにそう言うと、香草さんは顔を真っ赤にして鏡の角で僕の頭を強打した。コレは効いた。笑いとそれによって引き攣った顔が一遍に吹き飛んだ。 「そうだ、あの鳥にも使いなさいよ」 香草さんは、ふと思いついたようにそんなことを言った。 「また香草さんそんな言い方して。ダメだって言ってるのに」 「いいから」 僕が咎めるのも聞く耳無しだ。あれだけ僕の頭を強打しておいて、まだ僕に対して腹を立ててるのかな。いや、腹なんか立ててなくても、もともとこんな感じだったような気がするような。
「ポポもフラッシュは覚えられないよ」 本当は香草さんも覚えられないはずだったんだけど。 本当に、彼女はいろんな意味で規格外だ。 「いいから。私だけこんな目にあってるなんてフェアじゃないじゃない」 「ちょ……ダメだよ香草さん! あ、そうだ、フラッシュはダメだけど、泥かけなら確か覚えられたはずだよ」 僕はそう言いながらハヤトさんに貰った小包を取り出すと開封した。なんとか話をそらさないと、このままではポポが香草さんの純粋な私怨のために犠牲になってしまう。 ところが、小包の中には何も入っていないように見える。梱包ミスかな。そう思いながら箱をひっくり返して覗き込んだら、額に何かが当たった。 「いてっ」 箱の中から落ちてきた何かを掴む。 それはおよそ5p四方くらいの、小さなプラスチックケースだった。CDケースに良く似ているけど、それよりも遙かに小さい。 そもそも、これ一つ収めるには箱があまりにも大きすぎる。明らかに不釣合いだ。 形状から見て、CDケースと同じようにしたら開くんじゃないか、と思って試してみたら開いた。 中から出てきたのは、直径三センチくらいの小さな円盤だった。これもCDをそのまま小さくしたような見た目だ。 その円盤の表面には『技マシン31 泥かけ』と書かれていた。 「これって……一体どうしたらいいのかな」 僕は香草さんのほうを見ながら、半ば独り言を呟く。 「あ、口に入れてみるとか?」 「いや、さすがにそれはないでしょ……」 「じゃあどうしろって言うのよ!」 「もしかしたらなんだけど……」 僕はそう言いながら、フラッシュの半球状の機械を持って眺め回す。予想通り、というべきか、予想外、というべきか、『取り出し/挿入』と書かれた標識と、そのすぐ傍にあるスイッチを見つけた。ためしに押してみる。 ウィーン、という間の抜けた機械音と共に、先ほど出てきたのと似たような円盤が吐き出されてきた。 なんだか笑いを誘うような光景だなあ。 僕はうっすらとそう思った。 円盤を取り出すと、代わりに泥かけの円盤をセットして元に戻す。 それをポポの頭に被せ、スイッチを押した。 機械は前回と同じように発光したが、それはわずか数秒で収まった。香草さんと違って、ポポは叫び声を上げることも無い。 「ポポ?」 先ほどと同様に、停止が完了の合図だろうと思った僕は、発光を終えた機械を外しながらポポに尋ねる。 「ゴールド? どうしたですか」 「いや、大丈夫だった?」 「何がですか?」 ポポはキョトンとしている。香草さんとはまったく違った反応だ。 「ポポ、泥かけ、使えそう?」 「ここでは無理です」 ここの床は木だし、その下にはコンクリートの土台があることだろう。ごもっともだ。 「ちょ、ちょっと待ってよ! 何でアンタはそんな平気そうなのよ!」 香草さんはポポに飛び掛らんばかりの勢いでポポに尋ねる。 「え、だって、ただちょっと眠くなっただけだったですよ?」 ポポはオロオロとしながら答えた。 うーん、香草さんとまったく違った感想だ。二人の差は……。 「やっぱり、使えないものを無理に使ったのがまずかったんじゃないかな?」 「な、納得いかないわ! アンタもフラッシュ覚えさせられなさいよ!」 香草さんは僕の手から装置をひったくると、ポポに無理やり被せようとする。 「だ、ダメだよ香草さん! 何やってるのさ」 「だって私だけあんな思いしたなんて不公平じゃない!」 「そもそも香草さんが言い出したのが原因なんだから!」 なんとか香草さんから装置を無理やり奪った。香草さんはジト目で僕をねめつけてくる。 「チコが怖いです」 ポポは怯えて僕の胸に飛び込んできた。香草さんの孕んでいる怒気が一層増大したような気がする。 僕はポポの頭を撫でながら、同時に腰の怪しい光曳光弾にも手を伸ばす。 「も、もうこれは終わりってことでいいじゃないか」 「ゴールド、その鳥から離れて」 「香草さん、だからそんな言い方したらダメだって……」 「いいから離れなさい!」 「香草さんが落ち着いてくれたら離れるよ」 香草さんは、「ほら、これでいいんでしょ」と言わんばかりに、袖口の蔦を引っ込めた。僕はビクビクしながらも、約束は守らなくちゃいけないからポポから離れる。ポポが縋るように僕を見てくるが、ここは堪えなくてはならない。 「そ、そうだ、朝ご飯食べに行こう朝ご飯」 このままでは誰も一歩も動けないので、僕はなんとか空気を変えようとする。 その思いが通じてか、無言ではあったものの、香草さんもポポもおとなしく部屋を出てくれた。僕も二人に続く。
朝ご飯を食べ終え、出発の準備も終えた僕たちは、次の町へ向けて出発した。 こんなにおいしく感じない朝ご飯は久々だった。その原因である重苦しい空気は今も変わらず立ち込めている。 無言のまま、三十二番道路をひたすらに南進する。 トレーナーは結構な数がいたものの、ほとんどの人がジム戦前の訓練だった。 そのため、ジム戦で相手をボロクズのように蹴散らしてきた香草さんなんかは出る幕すらなかった。 というか、ポポに自信を取り戻してもらいたくてポポにばかり戦わせただけなんだけど。 負けたとはいえ、ポポだって身体能力的にはクウさんにも勝っていたのだ。決して弱いわけではない。いや、むしろ強い。 ただ、香草さんの強さが反則級すぎて目立たないだけなのだ。 やはり香草さんは、「どうしてポポばかり戦わせるのよ! 私だけで十分でしょ!」と怒ったが、なんとか宥めた。 だから、戦闘に関しては目下のところ問題は無い。……無いということにしておこう。 戦闘に問題は無いとは言っても、歩く早さは決まっている。 つまり、進める距離も決まっているわけで、今日は適当なところで野宿になった。 僕は寝床の準備をしながら考えていた。 やはり寝るときは僕を中心として左右に彼女達がくっつくことになるわけだ。 真上から見たら僕は彼女達に挟まれている格好だ。 正直、寝辛い。 僕だって健全な少年だ。ポポは子供みたいなものだからともかくとして、香草さんみたいな可愛い女の子がすぐ隣に、というかほぼ密着して寝ていたら、嫌でも意識してしまう。 なんとか湧き上がる煩悩を抑えるしかない。 寝ること自体には苦労しない。香草さんの頭の葉っぱから漂ってくる甘い香りをかいでいると、なんだか心が落ち着いて、昼間でも眠くなるくらいだからだ。 ただ、寝るまでが大変だ。 もしうっかり手を出してしまったら…… 想像したくもない。トレーナー資格が云々の話では済まないだろう。 普段意識がはっきりしているときならそんなことはしないだろうけど、眠気で判断力が鈍っている上に、この至近距離だ。 間違いが起こりそうで恐ろしかった。 というわけで、数日振りに提案してみた。 「やっぱり僕達、もう少し離れて寝たほうがいいんじゃないかな?」 香草さんの表情は暗がりに隠れて見えなかったが、ポポはまるで世界の終わりを告げられたかのような表情をしていた。なんとも形容しにくいけど、ものすごいショックを受けた人の顔、としか言い表しようがない。 「い、いやです! ポポは絶対いやです! ゴールドと離れたくないです!」 ポポは涙をぼろぼろ流しながら僕に飛びついてきた。 「お、落ち着いて!」 僕はポポを抱き、頭を撫でながら宥めにかかる。 「やっぱりゴールド、ポポが負けたこと怒ってるですか? ポポ、強くなるです。もう負けたりしないです。だから許してです! ポポのこと、嫌いにならないでです!」 ポポは僕の胸の中でヒステリックに泣き喚く。 幼いその顔は涙と鼻水と涎でグシャグシャになっている。 参ったな。まさかまだジム戦での敗北を引きずっていたなんて。 僕はしっかりフォローしていたつもりだったんだけどな。 しかし、子は親を映す鏡という。 ポポがこれほどまでに敗北を気に病んでいるということは、僕が普段そういう態度を取っているということになる……のかな。 まだポポは幼い。 だから些細なことが過敏に受け取られたりもするのだろう。 子供の教育には愛情を注いでやることが大切、とか聞いたことがあるきがする。 もっと気をつけなくちゃ。
「ポポ、僕は怒ってなんかないよ。ポポがすぐ傍で寝たいっていうなら、そうしてもいいよ」 「本当ですか?」 「うん、本当さ」 「ポポのこと、ダメな子って思ってないですか?」 ポポは顔を上げ、しゃくりあげながら僕に尋ねてくる。 「まさか! ポポはとってもいい子だよ」 僕がそういうと、ポポは嬉しそうに僕の胸に一層深く顔をうずめた。 さて。 僕とポポのやり取りの間に、絶対に香草さんが口を挟んで来ると思っていたのに。 予想に反して香草さんからは何も言われない。なんだか逆に怖ろしくもある。 見ると、香草さんは先ほどと変わらぬ場所に、変わらぬ姿勢で立っていた。 「……香草さん?」 僕は訝しんで声をかける。 僕の提案をどう思おうと、何らかの反応はあるはずだ。無反応はおかしい。 何か、嫌な感じがする。 僕はポポを体から離すと、香草さんに正対した。 「……によ」 「え?」 「何よ、人間の癖に……この……私がっ……ぁ……バカー!!」 香草さんが要領を得ないことを口走ったかと思うと、彼女の袖口に蔦が覗いた。 それは止まることなく、横薙ぎの一閃として僕に襲い掛かってくる。 腕の角度からして、狙いは頭部か。 警戒態勢に入っていたおかげで、香草さんの動きから狙われている箇所を瞬時に読み取る。 避けれるか。 それを考えるよりも早く、僕はのけぞるようにして上体を下げていた。 その質量に比例しない凶悪さを感じさせる蔦は、かろうじて僕の頭の上を通過した。 蔦が僕の頭上を通ったとき、僕の今までの人生でおおよそ聞いたことの無いような音が聞こえた。 掠っただけでも皮膚が爆ぜそうだ。 狙いが頭部でよかった。あまり大きく動かなくても避けることができた。 もし狙いが腹部だったりしたら、絶対に避け切れなかっただろう。 それにポポを離しておいてよかった。もしさっきの姿勢のままだったら、絶対に避け切れなかった。 しかし、今の回避のせいで姿勢を大きく崩してしまった。追って二撃目が繰り出されたら、とても避けれるとは思えない。 だが、香草さんは僕が姿勢を正す前に、僕の予想に反して、後ろを向いて走り出した。 というか、香草さん、足速っ! 香草さんの影は見る見るうちに遠ざかり、あっという間に闇にまぎれてっ見えなくなった。 一体なんだったんだ…… その思考から一拍遅れて、僕の全身の毛穴という毛穴から嫌な汗が噴き出す。 鼓動が速くなりすぎて痛い。 そして脳の奥のほうから絶叫が聞こえてくる。僕の本能が、恐怖していた。 大した運動をしたわけでもないのに、まるで長い距離を全力で疾走した後のように息が上がっている。ぜーぜーと荒い呼吸を繰り返す。 「ゴールド! だ、大丈夫ですか!?」 崩れ落ちそうになった僕の体をポポが慌てて支えた。
「う、うん、大丈夫」 口ではそう言ったものの、顔は青ざめていたことだろう。 こんな恐怖を味わったのは初めてだ。 いや、僕は今まで恐怖と言う単語の意味を正確に理解していなかったのかもしれない。 香草さんは僕を――殺そうとした? 単純に考えれば「ありえない」と切り捨てられる疑問も、今は無視することができなかった。 でも、だとしたらなぜ? 理由が無い。原因が無い。それなのに殺意という結果が生じているのは変だ。 いや、そうか、理由なら―― 「……ルド! ゴールド!」 ふと気が付くと、ポポが必死に僕の肩を揺すっていた。 「あ、ああ、どうしたの?」 「どうしたの……って、ゴールド、おかしいです。横になるです」 そうか、青い顔して呆然としていた僕を気遣ってくれたのか。 なにが気をつけなくちゃだ。思い上がりもいいとこだ。 気をつけるどころか、気を遣わせてるなんて。お笑いじゃないか。 横に……そうだ、とりあえず横に…… そう思って体の力を抜こうとしたが、そこで僕は、脳に湧き上がってきた発作的な何かによって動作を止めさせられた。 今、横になってはいけない気がした。 何があったにせよ、香草さんが動転して走り去っていったことは間違えようの無い事実だ。 ならば、僕は彼女を追いかけるべきなのではないのか。 それは、おおよそ僕らしからぬ思い付きだった。 今まで、逃げるということを第一に考えて生きてきた。 あの時のような――ランの父親を殺され、ランをシルバーの手に落としてしまったあの時のような悲劇を、二度と繰り返さないために。 だから、いつもの僕なら、自分の命の危機が向こうから去っていってくれたなら、それを追いかけるような真似は絶対にしなかったはずだ。 真似どころか、考えもしないだろう。 でも、この今までの僕からすれば“狂った”ような思考が、何故かとても正しいもののように思えた。 香草さんを追わなきゃ。 また危ない目に会うにせよ、何もしないで終わらせてはいけない。 そんな確信があった。 「ポポ、ありがとう。でも大丈夫」 「大丈夫じゃ……」 「僕、香草さんを探しに行くよ」 僕はそう言って、ポポに預けていた体重を戻した。 膝が笑っている。まったく、情けない。 僕は平手で両腿を思いっきり叩いた。 大分、震えが収まった。 「だ、ダメです! 危ないです! チコなんて放っておくです!」 ポポは慌てて僕に抱きついてきた。 僕は、ゆっくりと彼女を押し返した。 「そういうわけにはいかないよ。行かなきゃ、いけないんだ」 「酷い目にあうですよ!」 「そうかもしれない」 「なら……」 「でも、行かなきゃならないんだ」 「ポ、ポポ、夜は目がよく見えないです! だからポポは行けないです!」 「分かってる。だから、ポポはここで、僕が帰るのを待っていて欲しい」 「ポ、ポポを一人にしないでです! いやです! 行かないでです!」 「ごめん、必ず戻ってくるから。だから待ってて」 僕はそう言うと、縋るようにして向けられたポポの翼を振り払い、闇に向かって走り出した。 ポポの泣き声に、僕を呼ぶ叫びに、後ろ髪を引かれる。 それをなんとか振り払い、僕は走り続ける。 香草さんが僕らの前から走り去っていったときのペースで走り続けているとしたら、僕は絶対に追いつけるわけがなかった。 でも、たとえそうだとしても。僕はとまるわけには行かなかった。 結論から言うと、僕の追いつけないのではないかという懸念は杞憂に終わった。
すぐに息が切れてくる。目がチカチカする。 僕は、まだたいした距離を走っていないうちに、酷い疲労を感じていた。 朝から歩き通しで、疲労の溜まっていた足は、すぐに悲鳴を上げた。 しかし、僕が疲労で走れなくなる前に、走る必要は無くなった。 走っていて、急に足場は無くなったかと思うと、僕は水の中に突っ込んでいた。 池か川か。この暗闇と、酸欠のせいで、景色が見えていなかった。 慌てて姿勢を起こすが、疲労のせいか足がつってしまった。 溺れる! 恐怖に我を忘れて夢中でもがく。 しかし振り回した腕はただ水面を泡立たせるのみだ。 そのうちに、服が水を吸ってみるみる重たくなっていく。 体が、どんどん沈んでいく。 もしかして、ここで死ぬのか? そんな恐れが頭をよぎったとき、僕は何か細いものによって水中から引き上げられた――いや、放り投げられた。 叩きつけられた地面の上で僕は思いっきり咳き込む。 肺の中の水を吐き出し、新鮮な空気を堪能した。 しばらくして、なんとかまともに息ができるようになって体を起こすと、見慣れた葉っぱの緑が、闇に浮かんでぼんやりと見えた。 「香草……さん?」 立ち上がって歩み寄ってみると、それは確かに香草さんだった。 香草さんは僕が落ちた水辺――落ち着いてみてみると、それはどうやら大きな池のようだった――の淵で、膝を抱えて座っていた。 彼女の緑色の髪と、黄緑のワンピースが、水でぐっしょりと濡れていた。 彼女も、この池に落ちたのか。 まっすぐと、無我夢中で走ってきたのならそうなっても何の不思議もない。現に僕がそうなってしまったわけだし。 「香草さんが助けてくれたんだよね? ありがとう」 「……どうして来たのよ」 「え?」 「アンタ、私のせいで大怪我するかもしれなかったのよ! なのにどうして来たのよ!」 「だって、香草さんはそんなことしない……と思う……から」 自信を持って言い切れないのがつらいところだ。 「馬鹿ね」 「そう……だね」 「ホント馬鹿」 「……うん」 「愚劣で屑」 彼女は淡々と僕に対する侮辱を述べる。 あんまりな言い草に、ちょっとへこんできた。 「……それはさすがに言いすぎ……と思うよ」 反論を述べたところで、僕は本来の目的を思い出した。 「それより、どうしてあんなことしたのさ」 「……どうだっていいでしょ」 「よくないよ!」 「……アンタが馬鹿だからよ」 「馬鹿って……僕、そんな馬鹿なことした?」 「それが分からないから馬鹿なのよ」 酷い。でも、返す言葉も無い。実際に原因が分からないのだから。離れて寝よう、と言ったことくらいしか思い当たる節がないけど、まさかこれが原因のわけがない。 ……本当は、原因は分かっていた。ただ、それを認めたくないだけで。 「……でも、来てくれた」 僕が思い至ったそれ以外の原因を必死に思い出そうとしていたせいで、香草さんの言葉を聞き逃してしまった。 「え?」 「なんでもないわよ、馬鹿」 よくは分からないけど、香草さんの口調が少し和らいだように感じた。
これなら、戻ってもらえるかな。 「香草さん、帰ろう? ポポも待ってるよ」 「……アンタって」 何がいけなかったのだろう。瞬時に彼女の言葉のトゲトゲしさが復活した。 そもそも、口調が和らいだように感じたのは僕の錯覚だったのだろうか。 「何?」 僕はわけが分からず尋ね返す。 「アンタって本当に愚図で馬鹿で最低なのね。アンタみたいな人間のパートナーになる人間なんて絶対にいないわ」 彼女の罵倒は、先ほどまでと違ってはっきりとした怒りが込められていた。 「それってどういう……」 「アンタみたいなサイテーの屑は今まで見たこと無いって言ってんのよ! もう、契約解除よ!」 我が耳を疑った。しかし、それは幻聴でも、聞き違いでもないことははっきりとしていた。 告げられた、最悪の宣告。 薄々覚悟はしていた。自分の無力さはよく知っていたし、香草さんからはもともと嫌われていたし、ジム戦での僕の無様な有様を目の当たりにして、完全に愛想がつかされたことだろう。 でも、それでもショックだった。 目の前が真っ暗になった。 短い旅の思い出が、走馬灯のように思い出される。 もう、彼女は僕と一緒にいたくなかったんだ。だから、僕に危害を加えようとして、でも思いとどまってくれて、走り去ったんだ。 考えたくはなかった。しかし、現実としてはっきりと眼前に突きつけられた今となっては、認めざるを得ない。 はは、何で追いかけたりしたんだろ、僕。あのまま横になっていたら、少なくとも、傷つくのを先送りにすることはできたのに。 「もし……」 「……分かった」 ギシギシと軋む心で、何とか肯定の言葉を捻り出した。 「え?」 「分かったよ。契約は、解除だ。今までありがとう。それと、ごめんなさい」 「ちょっと……」 彼女が何か言いかけたが、今の僕にこれ以上の彼女の言葉を聞ける余裕はなかった。 利己的だな、と分かっていつつも、僕は一方的に話し続ける。 「でも、役所に行かないと、正式に契約は解除できないんだ。だから、もう一秒でも僕と一緒にいるのは嫌だろうけど、町に戻るまで……それまで、我慢してください」 彼女は、何も言い返してこなかった。僕は、それを了解という意味だと受け取った。 この日、ポポの元へ戻った僕は、ポポとは寄り添うようにして眠ったが、香草さんとは離れて眠った。
投下終了です この日 生まれ出でた怪物は二匹 いや三・・・
まさかの ぽけもん きたー! こんな時間に来るとは思わなかったぜ GJすぎるw 泣き虫なポポにやられた
やばいフラグが着々とw 3月分楽しみに待ってます
ぬふぅ…こはいかなるぐっじょぶか…
GJ!! ついにポポも病んできてwktkが止まらないッ! 「何でもするから捨てないで!」タイプのヤンデレは大好物なのです
>>「ま、まだなの? はやくいれて……」 「え、何? 聞こえないなあ」 「いれてって言ってるのよ! お願いだから……」 股間が固くなった
ぐっじょぶ!! これでまた一ヶ月生きていけそうだぜ
兎里さんの短編を読んで、自分も短編を書いてみました。 では、投稿します。
「暇だな…」 多くの生徒が惰眠と、喪失感を味わう五月。 世界史の授業中に窓の外を眺めながら、幸斗(ゆきと)は呟いた。 授業がつまらない。 いっそのこと、インフルエンザが流行って、学級閉鎖になればいいのにと考えてしまう程だ。 聞こえてくるのは板書の音と、書き取り音だけしか聞こえなかった。 「川原、1077年に北イタリアで起こった出来事はなんだ?」 世界史の教諭は、僕が授業に参加していないことに腹を立てたらしく、いきなりあててきた。 幸斗はかったるそうに首だけ教諭に向けた。 「…カノッサの屈辱…。ハインリヒ4世とグレゴリウス7世が聖職叙任権で対立して、 ハインリヒ4世が結果的に土下座する羽目になった事件…。…これでいいですか?」 「…正解だ…」 「…先生…今中国史をやってるんですよね…。 なんでいきなりヨーロッパ史が出てくるんですか?」 教諭は幸斗の問いに答えず、ばつが悪そうに再び板書に取り掛かった。 幸斗は再び窓の外を眺め、暇だな、と呟いた。
退屈な午前の授業が終わり、昼休みになった。 多くの生徒が、学食や購買に向かう中、幸斗は弁当を食べていた。 「幸斗、一緒に食べようぜ」 中学校からの親友である翔太が机をくっつけてきた。 別段断る理由もないので幸斗は頷いた。 頭の良い幸斗と、頭の悪い翔太という妙な組み合わせだが、二人は意外なほど釣り合っていた。 幸斗曰く「気張らなくていいから楽」らしいのだ。 「所でさ、弁当なんて持ってきていいのか?今日だって来るだろ、あの人」 雑談の合間に、翔太はおかしみを込めて言った。それと同時に、教室のドアが勢いよく開かれた。 教室にいた生徒は驚いてそちらの方を見て、またか、という様な顔をした。 入ってきたのは、ツリ目・金髪(地毛)・ツインテールという、 これでもかというくらいツンデレを自己主張した美少女だった。 一空間では、「ツンデレは貧乳であるべきか巨乳であるべきか」という論争をしていたが、 それは無視した。 「幸斗、き…今日、お弁当作り過ぎて余っちゃったから、あんたにあげるわ。 べ…別に、あんたのために作ったんじゃないからね」 見た目だけでなく、性格までも典型的なツンデレであった。 教室の一空間だけが、いつもの様にお祭り騒ぎになった。しかし、幸斗はそれを無視した。 「あの…、七尾(ななお)さん。僕、ずっと前から言ってますよね? 弁当は自分で作るからいらないって」 幸斗はうんざりする様に言った。すると七尾は顔を赤くして、 「あんたねぇ、私がせっかくお弁当を分けてあげるって言ってるのよ! 男だったらつべこべ言わずに食べなさい!」 と、言った。ついでに、一空間からも非難の声が上がるが、幸斗は無視した。 「あんなの全部食べられるわけないじゃないですか!」 七尾の弁当は確かに美味しかった。だが、余った割りに、異様に量が多いのだ。 残そうしたり、誰かに分けようとすると、七尾は急に泣きそうな顔になるので、 幸斗は意地でも七尾の弁当を完食しなければならない。 弁当を食べ終わった頃には、幸斗は机に突っ伏して、うめき声しか上げられない。 七尾は帰り際にいつも、「いつもこんなことがあるとは思わないでね。 き…今日は偶然なんだからね!」という捨て台詞を吐いて出て行くのだ。 ちなみに、その捨て台詞が履行されたことは一度もない。 「なに女々しいこと言ってんのよ!これくらいなんともないでしょ!」 「あんなのを毎日食べてたら、僕が死んじゃいますよ!」 今日こそははっきり言わないと、この負の連鎖が続いて身が持たない。 幸斗はいつもより厳しく言った。 間近で見ている翔太や、一空間の住民達はへらへらしながらこの論争を楽しんで見ていた。 「い…いいわよ。分かったわよ! せっかく私が好意でお弁当をあげてやってるのに、 食べないって言うなら、もうお弁当が余っても、あんたには絶対あげないんだからね!」 七尾は顔を真っ赤にし、目に涙を浮かばせながら教室から出て行った。 「あ〜ぁ、石川さん泣かせちゃったよ。いいのか、追わなくて?」 「いいんだよ。まったく…」 幸斗は冷えたご飯を口に運んだ。 一空間では「ツンデレが貧乳だろうが巨乳だろうが、両方とも愛するのが真のツンデラーだ」 という結論が出ていたが、そんなことはどうでもいいことだった。
幸斗が七尾と出会ったのは本当に偶然だった。 高校が始まる前日に、暇潰しで東京に遊びに行っていた時、 路地裏で彼女がチンピラに絡まれているのを助けたのがきっかけだった。 だが、幸斗が声を掛けると、彼女はいきなり顔を真っ赤にし、 「なに勝手なことしてんのよ!」 と怒鳴って、どこかに行ってしまった。 その時はなんとも思わなかったが、まさか同じ高校の入学者だとは思わなかった。 まるで漫画の様な展開だが、現実世界でもその様なことが起こるものなのだと、 世界の広さを痛感した15の春だった。
「さすがにあれは言い過ぎたかな…」 下駄箱で靴に履き替えた幸斗はそう思った。 あの弁当には、あの時の感謝の意が込められているのは間違いない。 だが、彼女には節度というものがない。 それが彼女なりの感謝の仕方なのだろうが、それではこっちの身が持たない。 「本当にもう少し弁当の量が減ってくれれば、喜んで食べるんだけどな…」 「それ、本気で言ってるの?」 「えぇ、本気…って、うわぁ!な…七尾さん。いつからそこにいたんですか!?」 いつの間にか七尾が背後に立っていたので、幸斗は心臓が止まるかと思った。 「あんたが間抜け面でブツブツ呟いてた時からよ それに、人を幽霊みたいに失礼ね」 なぜか胸を強調するかの様に腕を組み、見下す様な目付きで言ってきた。 「…で、なにか用ですか?」 「き…今日、私と一緒に帰りなさい」 さっきの見下す様な目付きから一転、急に顔を真っ赤にして言った。 「あの…いつも思うんですけど、あなたの家、隣のアパートなんだから、 一緒に帰る必要ないんじゃ…」 幸斗がそう言うと、七尾が目に涙を溜め、無言で睨みつけてきた。 「わ…分かりましたよ…。一緒に帰りましょう…」 無言の圧力に耐え切れず、仕方なく承諾してしまった。 「まったく…、一緒に帰りたかったら最初からそう言えばいいのに…」 どこか仕方なさそうに七尾は言ったが、本当に仕方がないのは僕の方だ、と幸斗は言いたかった。 次の日になって、七尾が再び弁当を持ってきた。 どうゆう訳か、弁当の量が適量であったのに驚いた。 一空間では「ツンデレのデレ期はどんな時が一番萌えるか?」という論争をしていたが、 そんなことは本当にどうでもいいことだったので、幸斗は無視した。
これといった祝日も行事もない、せいぜい7月までのつなぎ的存在な6月。 昼休みに、七尾がいつもの様に弁当を持ってきた。ただ、いつもとは違っていた。 「今日から、私もここで食べるわ」 そう言うなり、空いている机を幸斗の机にくっつけた。 昼食は、幸斗、七尾、翔太とにぎやかなものとなった。 「そういえばさ、あんた、彼女とかいるの?」 七尾が箸で幸斗を指した。 「いませんけど…、なにか…?」 「やっぱりね。あんたみたいな奴に女がいるはずないか」 「それ、地味に傷付きます…」 幸斗はアスパラの肉巻きを口に入れた。 「そう言う石川さんにはいるんですか、彼氏?」 隣から翔太が口を出してきた。 「私に見合うような男はこの学校にはいないわ」 「やっぱり…」 幸斗と翔太の答えがシンクロした。 こんなわがままで一言多い女を彼女にしたら、彼氏の方は心労で倒れてしまいそうだ。 こうゆうのを「地雷女」と言うのだろうか。 「あの〜、もう一つ聞きたいんですけど、なんでいつも幸斗に弁当持ってくるんですか?」 翔太はやはり気になっていたようだ。 自分の目の前で繰り広げられる、ギャルゲー、もしくはエロゲ的展開を。 「前から言ってるでしょ。作りすぎて余ったから、仕方なくこいつにあげてるって」 「それって毎日の様に起こることですか? それに、なんでよりによってあげるのが幸斗なんですか?」 「そ…それは、知らない奴にあげたら、そいつが盛って襲い掛かってくるかも知れないじゃない」 「つまり、石川さんは幸斗のことをだいぶ前から知っていたと…」 「そ…そう言うことになるわね…」 「ふ〜ん…」 翔太はどこか納得したらしく、再び自分の弁当に口を付け始めた。 その後、三人は雑談をしながら昼食を楽しんだ。 七尾は帰り際、いつもの捨て台詞を吐いて、教室を後にした。 七尾が出て行ったのを見届けると、翔太が近付いてきた。 「幸斗、お前も大変だな」 「はぁ?なにがだ?」 「いずれ、分かるさ…」 翔太が気になることを言って、教室から出て行ってしまった。 幸斗は翔太の言っている意味が分からなかった。 一空間では「二人きりの時にデレるのは最高。 たまに人前でデレるのは至高」といつだったかの論争の結論を出していた。 まだやってたのかよ。今回は無視できなかった。
高校生にとって一番うざったい中間考査と、夏休みが重なる心情的に少し微妙な七月。 幸斗はとある決心をした。告白である。 相手はクラスメートの中山美優。 某地雷女と違い、彼女は優しいし、おしとやかだ。 容姿では劣るが、それでも美人のランクに入る。 こうゆう女性を彼女に出来れば皆に自慢できる。 それに、夏休みになればどこにでも遊びに行ける。 既にテスト前一週間で、皆、部活を休んで勉学に励んでいる。 ここでやり損ねると、約一ヶ月も家でむなしく過ごさなければならない。 それだけは死んでも嫌だ。 急がば回れ、と言う言葉があるが、そんな甘っちょろいことは言ってられない。 幸斗は美優に放課後に屋上に来てくれ、と言った。 周りから歓声が上がった。皆、この言葉の意味を理解している様だ。 たぶん彼女は来るだろう。律儀だし。 放課後の屋上は、夕焼けで赤く染まっている。 まさに告白には最高のシチュエーションだ。 階段を駆け上る音が聞こえる。振り向くと、やはり美優さんだった。 「遅れてすいません」 「いえ、僕も今来た所です」 とりあえず社交辞令を述べた。 「で…、わざわざここに呼び出して、なんの御用ですか?」 胸の辺りが急に熱くなる。早くこの熱を吐き出したくなった。 「あなたのことが好きです。付き合ってください」 ハッキリと言った。後は彼女の答えを待つだけである。 「………」 美優が沈黙した。これって、断られる空気ではないだろうか。幸斗は緊張した。 「…私なんかで…いいんですか?」 返ってきたのは、肯定と疑問の入り混じる返答だった。 「それはどういう意味で?」 「幸斗さんは、石川さんと付き合っているんじゃないんですか?」 どうやら、彼女は誤解しているようだ。 「いえ、彼女とは付き合ってはいませんよ」 「ですけど、石川さん。毎日の様にお弁当を作ってきて、 あなたと親しそうに話してるじゃないですか?」 「あぁ…あれ彼女なりの恩返しですよ」 「恩返し?」 「えぇ、以前彼女が困っている所を助けてあげたことがあるんです。 たぶん、それの恩返しです」 「本当なんですか?」 彼女はまだ少し疑っているようだ。まぁ、当然だろう。 「本当です。それに僕は彼女に恋愛感情なんて抱いていません。 僕はあなたみたいな優しくて、おしとやかな女性が好きなんです」 ここまで言えば、彼女も納得してくれるだろう。 彼女はまた少し考える素振りをしだした。 「分かりました。お願いします」 どうやら、納得してくれたようだ。 幸斗は心の中でガッツポーズをした。
次の日の昼休み、幸斗は七尾、翔太が来た所で、昨日のことを告げた。 「幸斗、お前、美優さんと付き合うのか!? 俺はてっきり、石川さんと付き合うもんだと思ってたぜ!」 「だから、そんなんじゃないって言ってただろ。 僕と七尾さんはあくまで友達。そうですよね、七尾さん?」 「そ……そう…よ…。わ…私達は…あくまで…友…達…よ…」 途切れ途切れの物言いからは、動揺がひしひしと伝わってきた。 よっぽど、僕に彼女が出来たことがショックだったんだろう。 「それから七尾さん。明日から弁当作ってこなくていいから」 「えっ…!どう…して…!?」 「明日からは美優さんが弁当を作ってくれるって言うから。今までありがとう。七尾さん」 「えぇ…。私もこれから早起きしなくて清々…するわ…」 「夏休みに入ったら、美優さんを誘って、海とか山とかに行くことを考えてるんだ。 あぁ〜、今から楽しみだな〜」 二人は幸斗の惚気話を黙々と聞いていた。 特に七尾はなにかの感情を押し殺すように黙って聞いていた。 一空間では「ツンデレとヤンデレの相性について」論争していた。 こいつ等暇だな。幸斗はそう思った。
遂にテスト期間に入った。 テストが始まるまで、多くの生徒が教科書やノートを見ている。所謂悪あがきだ。 幸斗はさっさと始まってほしかった。 こうゆう時に限って、教諭はゆっくりとしている。もっとはきはき動けないのだろうか? プリントと問題が配られる。 面倒臭い…。それが幸斗の感想だった。 スピーカーから、いつもと違った音楽が流れた。テスト開始の合図だ。 初め、と言う教諭の一言で、皆テストに取り掛かった。 幸斗は机に突っ伏していた。 「98…95…100…100…99…か…」 終業式の日に、国語、数学、理科、社会、英語と順にテストが返された。 別にテストの点など、どうでもいい。 翔太は五教科全てヤバイ点を取って、夏休みの補習が確定していた。 横で翔太がさめざめと泣いていたが、幸斗はそれを無視した。 幸斗の頭の中では、夏休みに美優とどこに行こうかという考えでいっぱいだった。 すると、美優が幸斗の所にやって来た。 「あっ、美優さん。どうしましたか?」 「ひっ…あ…あの…幸斗…さん…」 なぜか怯えたような声を出した。どうしたんだ? 「あ…あの……私…別れて…ほしいんです…」 「はぁ…はぁ!?」 まったく予測できない言葉に幸斗は大いに動揺した。 「美優さん。僕、あなたになにかしましたか!?昨日だって一緒に帰ったじゃないですか!? いったい、どうして!?」 「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい…」 彼女はただそう呟くだけだった。 一空間で、なにやらまたブツブツと論争していたが、 幸斗にはそれを無視する余裕も、突っ込みをする余裕もなかった。
「最悪だ…」 幸斗は机に突っ伏して、さめざめと泣いていた。 よりにもよって夏休み直前。そんな時に別れを切り出された。 美優はただ、ごめんなさい、と呟くだけでまったく話にならない。 分かったといった瞬間、彼女は逃げるようにして教室から出て行った。 そこまで嫌われていたとは思わなかった。 今は動きたくない。幸斗はしばらく机に突っ伏していた。既に教室には誰もいなくなっていた。 「ぶざまねぇ〜、幸斗」 七尾の声である。それも随分と嬉しそうである。 「七尾さん…。今はしゃべりかけないでください…。すっごくへこんでるんで…」 「数週間前まではあんなにへらへら気持ち悪いくらい笑ってたのに、 その落差を見ると、笑いが止まらないわね」 言葉に哀れみも容赦ない。生粋のSだな、この人。幸斗はそう思った。 「まったく、いつまで泣いてんのよ。男でしょ、あんた」 「だったら、少しぐらい慰めてくださいよ」 「慰めてほしいの?慰めてほしいんだ?そんな年して…。あっ…あっはははは…」 この人にこんなこと言うんじゃなかった。幸斗は非常に後悔した。 「いいわよ、慰めてあげるわ。私の家に来たら、好きなだけねぇ…」 七尾の慰めるは、まったくといっていい程、いい予感がしなかった。 「いや…いいです。もう少し、こうしています。心配してくれて感謝します」 「あんたねぇ…。いつまで、あの女のこと引きづってんのよ!? あの女はあんたのこと捨てたんでしょ!?だったらあんたもあの女のこと忘れなさいよ!」 「………」 もう、ほっといてほしかった。 なにも言わない幸斗に、七尾は痺れを切らしたようだ。 「あぁ〜、もう!決めたわ!私、なにがなんでもあんたを慰めてあげるわ!来なさい!」 と、言うなり、幸斗の手を取って引きずる様に教室から出ようとした。 そのため危うく転びそうになった。 「な…七尾さん。分かりました。一人で歩けますから。だから、手を離してください」 そう言って、やっと幸斗の手は開放された。 「まったく…分かればいいのよ」 七尾は顔を赤くしながら言った。 こうして、幸斗は七尾の家に強制的に連れて行かれた。 「お茶入れるから待ってなさい」 そう言って、七尾は台所に向かった。 幸斗はリビングのソファーに座っていた。 女性の部屋に入るのは初めてだ。 もう少ししたら、美優さんの家に上がれたかもしれないのに…。 それを思い出すと、再びへこんでしまった。 「あんたねぇ…まだ落ち込んでんの?」 七尾がトレーに紅茶や茶菓子を載せてやってきた。 「しつこいと、誰にももてないわよ」 「いいですよ別に…。今年の夏は家で寝て過ごしますから…」 幸斗はそう言いながら紅茶を啜った。 「美味しいかしら、それ?」 「えぇ…、美味し…」 そこから先、言葉が紡がれることはなかった。 「あら…、ずいぶんと早く効くのね」 七尾がにやにや笑いながら言った。 なぜだか身体がだるい。それに、しゃべるのも面倒臭くなってきた。 七尾が近寄ってきた。 七尾が幸斗の隣に来た辺りで、幸斗の意識が途切れてしまった。
目が覚めると、裸の七尾が幸斗の陰茎を扱いていた。 「気持ちいかしら…。幸斗」 七尾が幸斗の陰茎を扱きながら言った。 身体が動かない。よく見ると、両手足をベッドに縛り付けられていた。 「な…なにを…してる…んっ…ですか…」 「なにって、見ての通り、慰めてあげてるんじゃない」 七尾は扱くのを止めずに言った。むしろ、扱く手付きが速くなった。 「や…止めて…ください…。こんな…度の…過ぎた悪ふざけは…」 幸斗は下半身から来る快感に耐えながら言った。 「あんたねぇ…、ここまでしてるってのに、まだ悪ふざけだって言ってるの? まったく、あんたって本当に鈍感ね」 七尾の扱く手付きが更に速くなった。もう既に我慢の限界である。 「あんたのことが…好きだからやってるのよ」 七尾がそう言ったのと同時に、幸斗の陰茎から精子が吐き出された。 「あらあら、こんなにたくさん出して…。そんなに溜まってたのかしら?」 七尾はそう言いながら、手に付いた精子を丁寧に舐めた。 「そんな、この学校に好きな人はいないって言ってたじゃないですか!」 「あんなの嘘に決まってるじゃない。私はあんたのことが好きだったのよ。 私のことを助けてくれた時から…ずっとね」 「でも…いくらなんでも別れてすぐにこんなことをするなん…うぐっ…」 幸斗がなにかを言おうとするが、七尾は胸を幸斗に押し付けて口を塞いでしまった。 大きくて、肌理の細かい、真っ白い胸が幸斗の顔を圧迫した。 「あの女のことはどうでもいいの。私はあの女の様に途中であんたのことを見捨てたりはしない。 あんたのためだったら、どんなに恥ずかしいことだってしてあげるから、 私の駄目な所、全部直すから、だから…だからお願い…。私のこと…抱いて…」 七尾が泣いている。抱きしめられて顔は見えないが、声が涙ぐんでた。 なんだか自分が馬鹿らしくなってきた。 自分のことを慕ってくれる子がこんな近くにいるのに、今まで気付かなかったことにだ。 そう言えば以前に、翔太が「お前も大変だな」とか言っていた。 翔太はこのことを予期していたのではないだろうか。 だとすると、翔太は予知能力者であろうか?馬鹿の癖に…。 そんなことを考えている内に、七尾がゆっくりと離れて行った。 思った通り七尾は泣いていた。 涙が頬を伝い、胸の谷間に溜まって池を作っていた。 彼女を元気付けたい。幸斗は自分の頭をフルに使って考えた。 「ありがとう…。僕も…あなたのことが…好きです…。 今まで気付かなくて…ごめん…なさい…」 出てきた言葉はなんの飾り気もない言葉だったが、七尾は喜んでくれたようだ。 七尾が再び抱きついてきた。顔がまた胸に圧迫された。
しばらくして、幸斗は両手足の縛めを解かれた。 解かれた手で、幸斗は七尾の胸を揉んだり、吸ったりしていた。 柔らかくて、胸が手の形にたゆんだ。 「幸斗…さっき…から…胸ばっかり…。まるで…赤…ちゃん…みたい…」 七尾は顔を赤くしながら言ったが、まんざらでもない様だ。 「ねぇ幸斗…今度はこっちも舐めてぇ…」 そう言って、七尾はお尻を幸斗に向けてきた。 七尾の女性器がすぐ目の前にあった。 幸斗はひたすらそれを舐めた。 奥から、次から次へと愛液が湧き出てきて、幸斗は溺れそうになった。 七尾も幸斗の陰茎を舐めていた。お互いそろそろ限界になってきた。 「ねぇ…幸斗…。最後はこっちに…ね」 そう言って、七尾は幸斗の陰茎を自分の膣口にあてがい、一気に腰を落とした。 その瞬間、七尾の中のなにかが切れる音がした。結合部からは血が流れてきた。 七尾は処女だったのだ。 「な…七尾さん!だ…大丈夫ですか?」 「つっ…ちょっと…痛いけど…大丈夫…。動くね…」 七尾はそう言うなり、腰を動かし始めた。 快感が波の様に押し寄せてきた。 それに、彼女の裸体が、匂いが、矯正が、そして下半身から来る快感が、 幸斗の理性を溶かしていった。 もう限界だった。幸斗は七尾の中に精子を吐き出した。 精子は逆流し、彼女の膣から溢れ出ていた。 「幸斗…愛してるわ…」 「僕も愛してます…。七尾さん…」 そう言って、繋がったまま二人はゆっくりと口付けをした。 明日から、七尾と一緒に夏休みを過ごせると思うと、幸斗は嬉しくてたまらなかった。
投稿終了です。 短編処女作です。 書いていて思ったことは、 なんかヤンデレが少ないということです。
乙です
ツン VS ヤン だと勘違いしてた。不意をつかれた。 GJ
243 :
名無しさん@ピンキー :2009/02/21(土) 15:20:22 ID:Fz39orQX
GJです
ぐっじょ! 最初のネタ振りで、読みながらどうしてもハルヒを連想しちまったw
ツンデレさんサイドの視点があればなぁ、などと思ってみたり
GJ これはいいものだ
;y=ー川゚ д゚)・∵. ヤーン
248 :
わかれのゆめ :2009/02/22(日) 00:03:56 ID:IgKsHmmS
投下します 微エロ
249 :
わかれのゆめ :2009/02/22(日) 00:05:04 ID:IgKsHmmS
『何があっても、ずっと一緒だよ』 心の奥底に深く刻まれたこの言葉。 幼少のみぎりに言われた言葉なのだが、誰に言われたのか思い出せない。 さっぱりはっきり全く微塵も全然思い出せないのだ。 最近になって頻繁に思い出されるこの台詞は、決まって夢の中で再生される。 そして、この台詞をはなった人が遠ざかって行き、それを追いかけようとしたところで目が覚めるのだ。 * まるで安っぽい小説のようだ。 そう生瀬 直(いくせな お)は思いながらも、今朝も全身汗だくで目が覚めた。 もうこの夢にうなされ始め、既に半年。 もう慣れたもので、とにもかくにも汗を吸って濡れた下着が気持ち悪い。 そう思って手早く箪笥から換えの下着等を取り出し、階下にある風呂を目指した。
250 :
わかれのゆめ :2009/02/22(日) 00:06:06 ID:IgKsHmmS
時計を見ると四時半手前と、起きるには早過ぎる時間だったので、 隣と向かいの部屋で眠る姉と両親を起こさない用に足音を殺して階段を降りる。 「どうした、なー」 寝起きであろうに眠気を感じさせない明朗な声は、直を『なー』と親しげに呼んだ。 背後からした声にびくりと体全体を緊張させ、ゆっくり振り返ると、長い黒髪の似合う美女がいた。 そこに心霊の類がいないのを確認して、直は一気に脱力した。 「全く…驚かさないでよ、姉さん」 「ふふ…怖がりなのは昔から変わらないな、なーは」 くすくす笑いながら声の主───生瀬 依都子(いくせ いとこ)は直に歩み寄った。 数歩近づいたところで直の異常に気がついて、顔を曇らせる。 「また例の…『お別れ』の夢か?」 「うん、それで汗かいてたから、風呂に入ろうと思って」 なんでもないように言って、直は階段を下りる。 「それより、起こして悪かったね。 まだ四時半だし、姉さんはもう一度寝たら?」 「いや、いい。 もう一度寝たら、いつもの時間に起きられなくなりそうだから」 後を追うように階段を下りながら、欠伸する様子もなく依都子は話す。 「なら俺が起こすよ。 いつも通りの時間だろ?」 「直が起こしてくれるのは、非常に魅力的な案だけれど遠慮しておく。 せっかく早起きしたのだから、いつもより早く弁当の用意をすることにしようと思って」 何故か『直が起こしてくれる』という言葉に引っ掛かるものを感じながらも、 直は姉が作る昼食に期待が膨らむのを禁じ得なかった。 そんな心の内を知ってか知らずか、直の腹の虫がぐうと鳴いた。 「ふふ…どうする、風呂から上がったらすぐ朝食にするか?」 「あ、うん…お願いするよ、姉さん」 いくら身内とはいえ、少し恥ずかしいなと頬が熱を持つのを自覚して、直は脱衣所に飛び込んだ。
251 :
わかれのゆめ :2009/02/22(日) 00:06:38 ID:hsz3esCJ
* 私は変態だ。 そう自覚している。 自覚した上で、変態的な行為、心理を改められないでいる。 「ん…はぁ…な、お…」 左手の指先が、ぐっしょり濡れたショーツ越しにクリトリスを弄る。 敏感なそこは熱く固くなっていて、触るたびに腰が跳ねた。 「直…なお…あぁっ!」 鼻から息を吸うと、直の脱ぎすてたTシャツから直の汗の匂いがした。 普通なら臭いと感じるだろうその薫りは、変態である私には単なる快楽のスパイスにしかならない。 右手でTシャツを顔に押し付け、左手で股間を弄ぶ。 私は変態だ。 弟に欲情する変態だ。 けれど、弟に直接私の情欲をぶつけてはいけない。 これはその代償行為。 Tシャツに恐る恐る舌を伸ばす。 口に広がる塩分の風味に、だらし無くよだれが垂れる。 股間から響くいやらしい音も激しさが増す。 「なお…ふき…ふ…ふぁあ!」 腰が大きくビクンと跳ね、意識が靄に包まれる。 左手は自分の淫蜜に塗れ、Tシャツはいつの間にかくわえていたせいで、よだれで重量を増していた。 「うう…まただ…またやってしまった…」 エクスタシーが過ぎ去り、しばらくして意識がはっきりすると、罪悪感が胸に押し寄せる。 トイレットペーパーで左手や股間を拭いながら、思わず涙がこぼれた。 どうしてこうも自分は汚れているのだろうか。 家族である弟に欲情するなんて。
紫煙
253 :
わかれのゆめ :2009/02/22(日) 00:07:00 ID:IgKsHmmS
以上です 続きます
GJ
GJ!! 続くなら酉をつけるべきかと
256 :
名無しさん@ピンキー :2009/02/22(日) 01:12:34 ID:PdnRMTmU
GJ
(´Д`;)ハァハァ、GォJゥ・・!・・・うっ!(以下ハイパー賢者モード
重箱の隅をつつくようで申し訳ないが
>>249 の
(いくせな お) は (いくせ なお) の誤字ですよね?
保管庫に収納する際、訂正するべきものでしょうか?あるいは作者さんの意図でそうしてるのでしょうか?
また、短編完結でない場合、トリップをつけた方がよろしいかと。
投稿お疲れ様です、Good Job!!
「頭、イテェ・・・・」 休み前だからといって友人らと深酒したのがいけなかった 酒飲む自体も久しぶりだったし やれやれとベッドから起き上がり部屋を見渡すと片付いてる 自分は片付けが得意なほうじゃないし片付けた覚えもない 自分の記憶では友人を見送って缶やビンも、そのままで寝たはずだ はて・・・・・ 部屋の真ん中で頭で考えていると後ろからいきなり・・・ 「おはよう、カケル君!」と明るい声 振り返ると黒髪の美女が立っている こっちが驚いているのを不思議そうに見てくる 「どうしたの?」 「・・・・なんでいるんですか?」 「休みだから?」 「全くもって答えになっていません・・・」 夜久さんだ・・・ おかげで完全に目が覚めた、頭は更に痛くなったけど 部屋の片付けも、この人がしたのだろう・・・ 俺は夜久さんとの付き合いは浅い、出会って半年もたっていないし ましてや勝手に部屋に上がりこんで家事をしてくれたりの彼氏彼女な関係でもないのだ まぁ、実際は掃除をしているんだけど・・・ 夜久さんが引っ越してきたのは一ヶ月前に上の階に引っ越してきたばかりだ、 一番最初は偶然だと思っていたが、今では陰謀ではないかと思い始めている 「もうお昼過ぎだけど何か食べる?」 「結構です・・・・」 なぜか当たり前のように聞いてくる 男性陣から見れば夢のような状況だろう しかし、様々な段階を踏んでならわかる 引っ越してくる更に数ヶ月前に出会ってはいるのだが 出会い方も夢溢れる出会い方じゃなかったし 友人としての付き合いも特に無い
引っ越してきて最初の週は、作り過ぎたからおすそ分けだと料理を持ってきた 美味しく頂いた 次の週には、アパート前で会った際に掃除してるか聞かれ散らかってると答えると掃除をしにきた 断ったが断りきれなかった 更に次の週は、朝起きると朝食を用意してるようになった 怒った・・・・・泣かれた・・・何故か謝ってしまった・・・ 戸締りしない自分も悪いがヤバイと思って 「鍵はしててあったはずですよ?」 あの日から俺は寝る前に必ず戸締りをするようになった、昨日もちゃんと締めた 「へっへ〜♪」 チャラ・・・・ 「へ?」 鍵掛をみるとぶら下がっているはずの部屋の合鍵が無い そして今週、合鍵で部屋に入ってきた 「なっ!?」 「・・・・怒った?」 泣きそうな目で見てくる・・ 「いえ・・飽きれました・・・」 怒れない俺が情けない 「私が来るの迷惑かな・・・・」 寂しそうに言う 「いえ、迷惑ではないですけど理解はしかねます」 「恩返しがしたいんだよ?」 「今日の掃除で十分です、ありがとうございました」 「だめ!!命の恩人なんだから!一生かけて返す♪」 「迷惑です」 「ひどいっ!!」 どっちがだ・・・ 「とりあえず、僕は出かけますから帰ってください」 「私も一緒に行く?」 「勘弁してください怒りますよ?」 俺が静かに言うと彼女は目を潤ませた 「泣いてもだめです」 「わかった・・じゃあ、またね!!」 といって部屋を出て行った、てか鍵返せよ シャワーを浴び頭をスッキリさせて部屋を出る
向かうのは駅前の喫茶店だ2〜3ヶ月に一度、この店で待ち合わせをする チャラン・・・・ 店に入り奥の席で本を読んでいる女性に話しかける 「よう」 「遅かったわね」 本を読んだまま答える女性 「そうか?」 「15分遅れたわ」 時計を見ると、そのとおりだった 「悪い明日香、昨日飲みすぎてな」 こいつは駿河明日香、元彼女ってヤツだ 定期的に、この店で会っている 「珍しいわね、カケルがお酒飲むなんて」 「真一達とな」 「なるほどね、最近はどう?」 「平和だよ、仕事も暇だしなぁ」 「毎日、ゲームとアニメ三昧?」 「まぁな」 否定できない・・・・俺は世間一般的に見ればオタクになるのだろう 本当のオタクから見たら一般人に近いらしいがなんとも中途半端な存在だ 「彼女もいないし、健康的な趣味もなければ酒飲み癖もないギャンブルもしない いいだろう?ゲームくらい」 「あとアニメもね、駄目とは言ってないわ、未来の旦那の近況を知りたいだけよ」 「ソレ、まだ言ってるのかよ・・・」 「あら、彼女できたの?」 「まだ出来てないよ、出来たら速攻で教えるって約束だろ?」 本当は作る気もなければ出会いも無い・・・・・一人を除いては 「じゃあ服から、ほんのり女性の良い匂いがするのは?」 え!? あわてて腕の匂いを嗅ぐ・・・・しない? 「嘘よ」 「なんだ、びっくりさせるなよ〜」 ひやっとした、バレたらどうなっていたか・・・ コイツは、いわゆるクールビューティーってやつだ 学生時代、一緒にいると落ち着くって感じで気が付けば付き合っていた いつも俺の隣にいたが、悪い気はしなかった 決して明るくない性格、澄んで綺麗な瞳で釣り目で睨むと結構怖い しかし、コイツは異常だった俺と仲良く話した女子が暫くしてには俺を見ると怯えるようになった そして放課後、倉庫裏に行くのを見かけて追うと コイツが女子に刃物を押し当てて、こう言っていた 『これ以上、私のカケルに近づくと消すわよ?』 飛び出て明日香を止めた聞くと何人か脅して遠ざけていたらしい 刃物について聞くと、先祖代々の家業で使い慣れているときたもんだ その場で別れ話をした・・・・・家業については聞かなかったし聞きたくなかった そして別れたが・・・・・定期的に会っているコイツの出した条件の一つだった
酷い動揺ね?」 「へ?」 殺気がする・・・・ すごい睨んでくる俺単体というより、俺のいる空間を睨んでいるようだ 百獣の王に睨まれたウサギな気分だ 「いや待て!!違う!!」 「なにが?なんで教えなかったの?」 バッグを持って、立ち上がろうとする明日香 たぶん、あの中に色々入ってるんだろう・・・ズチャって音もしてるし 「付き合ってないし、彼女じゃない!!触ってもなければ×××もしていない!!」 店で俺を何を叫んでいるんだ俺は・・・・愛でもなければ正義でもない・・・見苦しい弁明だった 渾身の叫びが届いたか、殺気が治まり 「じゃあ、どうして?」 明日香は再び腰を下ろし聞く体制になった 危なかったテーブルごと消されるかと思った・・・・ 俺は、この一ヶ月の事を正直に話した 「馬鹿ね、最初から偶然ではないわ」 「そうか?友達でもないし軽い知り合い程度だったから」 「生死を共にした仲でしょう?」 「あれは完全な事故だ、共にしたってより一緒に巻き込まれただけで・・・」 「その女は、そう思っていないわ」 「はぁ〜」 情けない溜息が出る、夜久さんとはビジネスホテルの火災の時に出会って一緒に脱出した仲だ 今考えれば、おとなしく救助を待っていれば良かったのかもしれないが当時は出るのに必死だった お互い同じ病院に入院して、そのときに連絡先を交換した 退院後は時折メールのやり取りをするぐらいだったが、それが先月引っ越してきたのだ 「次、会った時にキッパリ拒絶しておきなさい優しさを見せると付け上がるわよ」 「わかったよ、じゃあな」 もう手遅れかもしれないが・・・・ 余計なことは言わないようにして別れを告げる 部屋に帰る、綺麗に掃除され洗濯もされていたようだ 「スペックは高いんだよなぁ〜」 アプローチのされ方が違えば惚れていただろうが この、やり方は明日香を思わせて恐怖する 明日は早いから、さっさと寝てしまおう 取引先の挨拶もあるしな・・・・・・・ 忘れずに鍵をしめてチェーンもして布団に潜った これで大丈夫だろう・・・・おやすみ・・・俺 つづくかな?
GJ!! 是非続いて欲しいです。 この先の展開にも期待しています。 最初からヤンデレ2人って、飛ばしてるなぁ。
264 :
名無しさん@ピンキー :2009/02/23(月) 03:42:47 ID:Iqb9BgkI
GJ
GJ ただ投下宣言と終了宣言はして欲しいんだぜ
ちょっと句読点が足りなくて読みづらい、かな
>>262 GJ。内容もいいけど、文体も好きです。
続き待ってます。
GJ! 続き期待してます!
>>262 これだけGJ貰ってんだから続けるよね?
270 :
やらないか? :2009/02/24(火) 01:18:16 ID:AEeYm8Yh
(^o^)<gj
>>263 も、ありがとう!展開は期待しないで・・・
これ自体、寝る前に思いついたネタだから
着たい外れな展開だったらゴメン
カリカリしてるアフォが何か言う前に、 まあ、よく言われる事だけど作者が住人にレスると荒れたりしちゃうから、 住人に対するレスは控えるといいヨ。 期待してるうぉ(▼皿▼)
泥棒猫が男くんに近づいたとき、私はやや不安になった。 けれども結局男くんは誘惑されるような人間ではなかったので何もしなかった。 それから泥棒猫は男くんと昼食を食べた。自分の不安はやや増大した。 けれども依然として料理の腕は私の敵ではなかった。そこでやはり何もしなかった。 それから告白、デート、ベッドでキャッキャウフフ、というふうに次々と誘惑の手が加わり、 そのたびに私の不安は増したが、なおも何事も行わなかった。 さてそれから泥棒猫は男くんと教会を訪れた。そうして男くんたちはまさに結婚するところであった。 そこで私は何事かをした。しかしそのときにはすでに手遅れであった
時すでに遅し
ヤンデレの辞書に手遅れなんて言葉はない
ああ、神父の「もしこの2人の結婚に反対する者があらばこの場で申し出るか永久に口を閉ざせ」だったか そこで名乗りを上げてしまったんだなこのお嬢さんは
「ぬうぅぅぅぅん!! 男君、この私のモノになれいっ!!!」
279 :
名無しさん@ピンキー :2009/02/25(水) 02:09:37 ID:66M+Njtm
>>278 あそこでラオウが殺してたら確かにヤンデレwww
ヤンデレは包丁を持つと加速し、 バイクを使う距離の病院まで徒歩で先回りしている。
>>280 何その正面に立つだけで必殺確定の狂気の加速装置は。
「私の愛を邪魔するおバカさんは、この包丁でおしおきですっ」
という謎のフレーズが頭に浮かんできた。……少し、頭冷やそうか自分。
>>281 ムスコも冷やしとけ。
熱に弱い部位だし。
⊃「ひえピタ股間用」
ヤンデレの双子 どちらからも好きと告白。 主人公はどっちも好きだから無理と断る。 双子は「ならどっちとも付き合えばいい。但し、私達以外の女とは関わらないで」 主人公は承諾。 しかし他の女と話してしまい。双子にヤンデレ的な愛されかたされて エンド。 とかいう話ないかな? なかったら双子の片方だけじゃなく二人とも付き合うSSが読みたい。
両方ヤンデレの双子ってのは、ほとんど見たことないなぁ。 同じ男を好きになった双子の姉妹の片方が病んで、 もう片方の姉/妹を殺して入れ替わる話は、そこそこあるけど。 (殺した事をバラすかバラさないかのパターンはいろいろ) しかし、双子によるヤンデレ的愛され方…… なぜだろう、裁断用の大型刃物のラインナップが頭の中に…… SSは誰か他の書き手さんに期待しときましょう。
>>284 俺そういうのは見たことあるんだが両方がヤンデレを読んでから聞いたのさ。
書き手さんに期待します。
キモ姉妹スレだが 妹−I−妹なんかは結構良い
病的な彼女ら 2話 投下します
ピピピピピピピ・・・・・・・ 目が覚める・・・・・寒い・・・・ 普段からストーブは消して寝ている、つけたままだと喉が痛くなるからだ お茶を飲みに冷蔵庫の前に行く 「おはよー」 夜久さんに声を掛けられる 「・・・・・・おはようございます」 お茶を飲み、煙草に火を付ける・・・・ 「ふぅ」 考える・・・・・・ 玄関のほうを見る、チェーンはドアの横にぶら下がっていた おかしい、掛け忘れたか? 本人に問い詰める時間も無いので手早く身支度をする 「今、ちょうど出来たよ!食べよっ」 朝食を作ってくれたらしい、既に用意されてしまったら残すのも勿体無い 「・・・・・頂きます」 焼き魚、味噌汁、漬物、ご飯、煮物の純和食 それらを綺麗に平らげ 「ご馳走様でした」 普通に美味しかった 「おそまつさまでした」 夜久さんは、終始ニコニコ満面の笑みだった ジャケットを着て玄関に向かう、後ろから付いてくる夜久さん 彼女も部屋を出るようだ 靴を履くために屈むと、土間に何か落ちている金色の輪だったようなものの破片・・・・ ようやく理解した、ソレを拾って彼女の前に突き出す 「夜久さん・・・これ・・・ドアチェーンを切って入りましたね?」 「え?チェーン?ちゃんと付いてるじゃない?」 本気で誤魔化すつもりだろうか・・・ 「じゃあ、これは何ですか?」 「指輪?」 何故? 「チェーン、壊して新しいのをつけましたね?」 同じマンションに住んでいるのだ自分の部屋のを外してつけたのだろう 「うん・・・・」 元気なさげに答える 「言いたいことは沢山ありますが、もう勝手に部屋に上がらないで下さいね。僕は仕事があるんで・・・」 冷たく言い払った 「は〜い、いってらっしゃ〜い!!」 本人は全く気にしていないようだ元気に送られた 朝は強いほうじゃないから、怒ったりできない 「・・・・・・・引っ越そうかな」 ポツリと呟いてマンションを出た
・・・結構降ったようだ 駐車場に向かい、雪の塊にリモコンを向けてスイッチを押す ガチャッ 雪の塊は黄色い二つの光を発した 塊の側面に手を突っ込みドアを開け、エンジンをかける 中からスノーブラシを取り出し、手早く窓の部分の雪だけ払って車に乗り込み そのまま会社に向かう 会社に到着、先輩に挨拶をする 「おはよーございまーす」 「おう、おはよう!!相変わらず朝弱いなぁ!!」 「機嫌が悪いわけじゃないんで大丈夫ですよ」 どうも俺は、朝は人相が悪いらしい まぁ、仕事が本格的に動く時間には直るので気にしない 「実は例の挨拶なんだが、先方から連絡が入って忙しくらしく、こちらの近くの喫茶店で待ち合わせることになった」 「え?わかりました」 指定された場所に向かうと・・・・ 「最悪だ・・・」 そこは、サラリーマンが独りでは入りづらい・・・完全にOLをターゲットにしたカフェだった これも仕事だ、勇気をだして店の中に入り名前を告げると三人の女性が居る席まで通された 「この度はありとうございます、○○技工の立道です」 と、軽く相手の顔をみて一礼する 顔を上げると、どう見ても夜久さんだった・・・・・ ただ、俺の知っている夜久さんと違ってキリッとした顔で『出来る人間』のオーラが全開だから違う人だろう・・・・ 「はじめまして、夜久澪音です」 にっこりと笑う女性 ・・・・・・・・・・・・夜久? 姉妹?親戚とか・・・・・・・? 出る前から聞いていた名前のはずだが、ピンと来なかった 脳みそが認めようとしない、イヤ俺自身が認めたくなかったのかもしれない 「貴女たち、わたしは立道さんと話して戻るから先に帰っていて」 と言うと二人の女性社員は先に店を出て行った 出て行った瞬間・・・・・・・・・・・ 「疲れた〜、カケル君は何飲む?」 一気に力を抜く夜久さん 間違いない、俺の知っている夜久さんだった 「この度は御契約、有難う御座います!!今後ともヨロシクお願いします!!失礼します!!」 三回・・・・大げさに頭を下げて、その場を離れようとする 「待ちなさい!!」 凄いプレッシャーを感じた・・・・・・ 振り返ると『出来る人間』モードになっている 「ここまで来て、それだけの挨拶は無いでしょう?お掛け下さい?」 相手は大事な取引先・・・・・夜久さんの目を見て0.5秒考えた末 「はい、失礼しました・・・・」 折れた、何とでも言ってくれ・・・・ この人も会社とプライベートを、かなり使い分けてるクチだろう 「ゴメンネ〜、私も仕事だから〜」 夜久さんが謝ってきた、この取引自体はワザとでは無く偶然だったらしい 「さっきの2人を先に戻らせたのは、2人っきりになりたかったからなんだけどねぇ〜」 と、言い放ち仕事の話を始めると、意外にも普通に仕事の内容だった
ちょっと聞くけど、お前らはどんなタイプのヤンデレが好き? 俺はあくまで、刃物とか無しでネチネチしつこいのが好きだけど やっぱりここで愛されるのは、刃物ありの猟奇系?
「カケル君、お昼は何処にしよっか!?」 話が終わると、当たり前のように聞いてくる 「いえ、僕は会社に戻ります、報告もしなければいけませんし」 「ん〜、ちょっと待ってて!!」 っと言って夜久さんはすこし離れた所に行って携帯で何か話している 「おまたせ!!大丈夫だから行こう!」 「って、何が大丈夫なんですか!?」 「カケル君の上司の所に電話して『非常に気に入りました、時間も時間なので昼食を御一緒させて頂きますね』って言ったから♪」 「忙しいんじゃ、ないんですか?」 それで、この店に呼ばれたのだ 「さっきの2人に連絡して、忙しくなくしたから大丈夫!」 職権乱用じゃないか? ズル過ぎる・・・真っ直ぐ帰れば、上司が不思議な顔をするだろうし そこらでサボって時間を潰すのも好きじゃない 「・・・・・・まいりました」 「うん、じゃあ」 俺は夜久さんが提案した店を全て却下した どの店も女性向けの店なのだ、2人でファミレスに入った 「こんな店で良いの〜?お姉さんが奢ってあげるのに〜」 「僕はココが好きなんです」 もちろん嘘、あんな所で食ったら味なんて分かりもしない ハンバーグ定食を注文し夜久さんは女性向けのランチを頼んでいた 待っている間に 「タバコ吸っても良いですか?」 「どうぞ〜」 了承を得てタバコに火をつけ一息吸って天井を向く 「ふぅ」 煙を出す・・・・・・ ・・・・・・・・間が持たない・・・・・・ 普段から普通の会話なんてしないから、何を話して良いかも分からないし 女性と接すること自体も得意じゃない 夜久さんもニコニコと俺を見てるし その奥からは、明日香が睨んできてる・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・ん? 明日香? もう一度真っ直ぐ奥のテーブルを見る・・・・・ 明日香だ!! 「ゲホッ!!ゴホッ!!ガハッ!!」 煙が変なところに入ってムセた・・・ 肺の中の空気が、全部外に出た感じがする
「だっ、大丈夫!?」 心配してくる夜久さん・・・・ 「大丈夫です、全然、全く!!」 タバコを持つ手が震える・・・・・ 明日香の存在を認識してしまったせいか、殺気を感じる 昨日なんて比べ物にならない・・・・・鬼だ・・・・ 食事を終えて店を出た 味がしないどころか、生きた心地がしなかった・・・・・ 外の冷えた空気が美味しい・・・生きてるって素晴らしい事だと思ったよ 「じゃあね!!カケル君!!」 そう言うと夜久さんはタクシーに乗って行った 「コーヒーカップって、本当にカタカタ音するんだな・・・・・」 明日香にビビッてた俺は、食後のコーヒーをカタカタと震わせていた 夜久さんには『風引いたの?最近、寒いからね〜今晩ご飯作りに行くね』 とまで言われてしまった 今日は早めに帰って、すぐ戸締りしよう・・・・・・ その前に危険だ、急いでこの場を離れなければ 足早に会社の方に歩き始める・・・・ 足元が圧雪になっていて歩きにくいが気にしない 携帯が鳴る、ディスプレイには・・・ 駿河 明日香 まぁ、予想はしてたけどね・・・・・ 立ち止まって出ようか迷っていると 「イマのオンナはダレ?」 後ろから凍て付いた声 腰が抜けそうになった・・・・
以上、続きます
マジでごめん 割り込んでしまった
>>293 GJ。wktkしながら続きを待ってます
>>290 俺も似たような感じ。なんていうか、依存してる感じみたいのが好き
>>293 GJ!!今回は最後のセリフで全部持っていかれましたね。
>「イマのオンナはダレ?」
((((((((;゚Д゚))))))))ガクガクブルブルガタガタブルガタガクガクガクガク
>>293 GJ
続きを待ちます。
>>290 俺の場合は殺し物は好きじゃないから、何だろう明るいヤンデレ的な?感じが好き
なに、ヤンデレスレではこのようなことは日常茶飯事 ヾヽ'::::::::::::::::::::::::::'', / 時 .あ ま ヽ ヾゝ:::::::::::::::::::::::::::::{ | 間 .わ だ | ヽ::r----―‐;:::::| | じ て | ィ:f_、 、_,..,ヽrリ .| ゃ る | L|` "' ' " ´bノ | な よ | ', 、,.. ,イ ヽ い う / _ト, ‐;:- / トr-、_ \ な / , __. ィイ´ |:|: ヽ-- '.: 〃 `i,r-- 、_  ̄ ̄ 〃/ '" !:! |:| :、 . .: 〃 i // ` ヽヾ / / |:| ヾ,、` ´// ヽ !:! '、` ! |:| // ヾ==' ' i i' |:| ', | ...:// l / __ , |:|::.. | とニとヾ_-‐' ∨ i l ' l |< 天 ヾ,-、_: : : .ヽ と二ヽ` ヽ、_::{:! l l ! |' 夂__ -'_,ド ヽ、_}-、_:ヽ
302 :
名無しさん@ピンキー :2009/02/26(木) 01:05:03 ID:E9UA0pxE
GJ!!! おれは刃物はいいけど死ぬのは好きじゃないな
美月お姉さま
学校にいる間、監禁中の彼が逃げ出さないか心配? 友達が居場所を突き止めて、助けに来ないか心配? そんな悩める乙女たちに朗報です。 あなたの自宅に設置した親機から半径30メートル以上はなれると 電撃とブザーで警告する発信機を開発しました! その名もプロベーション001! GPS機能付で万が一逃げ出しても、その場所を即座に突き止めます! なお装着者が外した場合は高圧電流で気絶させた後、 当社スタッフが向かい、責任を持ってあなたの家にお返しいたします。 そんな夢のような機械が今なら2個セットで9980円! これはお買い得です!
ヤンデレな彼女に24時間つきまとわられたい(*´д`*)
近頃ヤンデレ物ばっか読んでたら普通の作品が物足りなくなってきた。 ヤンデレに毒され始めたのか?俺
残念ながら
>>306 の会社は
『監視装置を用意する対象が二人もいるふしだら女と思われたらどうすんのよ!』
という斜め上からの(物理的)抗議によって解体されてしまいました。
現在、通販サービスはすでに終了しております。長らくのご愛顧、まことにありがとうございました。
>>310 しかし最近流行りの「倒産品」として、機械だけはネットオークションで出回ることに。
生産集良品で希少価値が高いのと、欲しがる女性が異様に多いのとがいい感じに作用し、
そこそこ高額で取引され、その収益金は、出品者の活動費(愛しの彼篭絡作戦の資金)に。
数ヵ月後、幸せになれた出品者の厚意により、ネット上で会員制サイト「ヤンデル愛NET」発足。
犯罪(露見)率を抑えるための、最短での篭絡作戦のノウハウが、実例解説付きで掲載されるとともに、
資金的に恵まれないヤンデレ女性のための、簡易資金カンパシステムが確立された。
それら恵まれた環境のおかげで、これまで「ヤンデレ」と呼ばれ忌み嫌われていた女性たちによる、
「愛しの彼」の篭絡率は飛躍的に上昇するとともに、「ヤンデレ」発生率は前年の10倍に上昇した。
それでも彼女らが虐げられることは(表面的に)なくなり、今日も世界は平和なままだ。
――このサイトのおかげで、愛しの彼と恋人関係になることができました。(18歳 学生)
――あの憧れの人と夫婦になれました。もうすぐ男の子が産まれます。(23歳 主婦)
――引っ込み思案な私でしたが、無事あの人と身体を重ねることができました。(31歳 社会人)
――大好きな兄と、生涯を共にしようと誓いを交わしました。私は今幸せです。(19歳 家事手伝い)
うふふ、見てアナタ。昔の私みたいな、控えめな女性たちが、次々に幸せになってくれているわ。
あの時、うっかり大量に手に入れたあの「愛の機械」を、他の人の役に立てばと思って、
ネットオークションで処分していた頃がちょっと懐かしいわね。
あの後アナタと結婚して、それでも余りに余った資金の、新たな使い道。ほとんどボランティアだけど、
それでも世界中にいる私みたいな女性が幸せになってくれていると考えたら、あまり残念ではないわね。
私達に寄ってくる男や女もそれなりに少なくなってくれるし。
さて、今日は天気がいいわね。よし。アナタ、散歩に行きましょう。
娘と一緒に行きましょうか。アナタの膝に乗せてあげれば、一緒に行けるしね。
それじゃあ、ちょっと待っててね。外出用の新しい車椅子を準備してくるから。
……大丈夫だよ。あの時の「愛の機械」も、新しい車椅子に取り付けてあるから。
311 :
310 :2009/02/27(金) 09:39:58 ID:gjMk5Ue0
自レス、カッコ悪い。
1行目
>>310 →
>>309 変換ミス、カッコ悪い。
3行目
生産集良品 → 生産終了品
まだまだありそう。ゴメンナサイ。
文章もグチャグチャでごめんなさい。
さて、前後と続きを書いて貰おうか?
3月が終わったばかりの、ある寒い夜のことだ。 ある男が、分娩室の前で祈りを捧げていた。 男:「神様、どうか妻と俺子を助けてください」 男の妻は生まれつき体が弱く、出産に耐えられないため帝王切開を選んだが、それでも命さえ危険であった。 妻と、春と名づけたまだ見ぬ我が子の無事を祈って・・・ その時、分娩室のドアが開いた。 医者:「極めて難しい手術でしたが、お子さんも、奥様も、良好な状態です。おめでとうございます」 男は喜びに涙を流し、分娩室に駆け込んだ。 が、そこにいたのは手術台の上で血まみれで絶命した妻と、床に落ちて死んだ我が子だった。 背後で医者が叫んだ。 マスクと帽子を外した医者は高校時代付き合っていたヤンデレだった! ヤンデレ:「エイプリルフール!!」
次から投下。 ヤミ少なめなんで、 NGは酉か、タイトル『コウヘイッ、タイマンじゃあ!!』 でお願いします。
ごめん、リロードしてなかった。
いや、そんなことはどーでもいいから投下はどうなったんだw
すんません。 次から投下します。 ヤミ少なめ。 NGは酉かタイトルで。
1 太陽ポカポカ良い天気。冬もグッバイ二月の後半。先走りな気温はうなぎ登りで絶好調。 鞄を持ち、教室を出て、学校を出て、校門を出る。高一最後のテストを終え、気楽な一人暮しがスタートした我が家へと向かう。 父親が単身赴任で他県に行き、母親も付き添いで着いて行ったのだ。だからボクは自由。家で、部屋で、何をしようが自由なんだ。だから、だから…… 昨日代引きで届いた初めてのオナニーホールを使ったって、誰にもバレないし文句も言われない。 今日のテストに支障が有ると駄目だと思い、昨日は必死に我慢した。でも……もうフリーダム!! ストライクフリーダムだ!! お小遣三ヶ月分の高い物を買ったんだから、どれだけ良いのだろうと気持ちを高ぶらせ。 オナニーホールで童貞卒業しちゃうなんて、ちょっと恥ずかしいなぁって考えながら、家の玄関を開けるために鍵を差し込んだら、 「あ、れっ?」 既に開いてた。 「どうしっ、て……」 気が狂いそう。だってそうだよ。今朝、ボクは、確実に鍵を掛けた。だったら? 両親じゃない。車が無いよ。 泥棒じゃない。玄関から入らないよ。しかも開けっ放しだし。だったら……だったらっ!! 唯一合い鍵を持ってる、サキちゃんしか居ないじゃないか馬鹿っ!! 「もうっ、なんでいるのっ!?」 靴を脱ぎ捨て、急いで階段を駆け上がり、自室のドアを押し開く。 すると一人。キャスター付きの椅子をクルリと回し、こちらに座ったまま向き直る一人の女性。 髪は長く美しく、クリムゾンレッドに染められ。瞳は切れ長に、天然カラーのレッドアイズ。 制服を着てても目を引く抜群のプロポーションに、違反と時代錯誤な足首まで届くロングスカート。 加えて口を三日月の形に吊り上げ、幼馴染みの不良少女が、瀬戸山サキが、ボクの部屋で微笑んでた。 「おかえり、勇人(ゆうと)」
2 なんで今日? なんで今日なの!? 鞄は手を離れて床に落ち、身体は勝手に硬直を決定。 「ゆーと? わざわざ会いに来た幼馴染みにさ、お茶も出してくんねーの? そんなんじゃオレ、悲しくて悲しくて……ふふっ、切っちまいそうだぜ♪」 サキちゃんが愉しそうに弄ぶのは、まだ一回も使ってないオナニーホール。 否貫通の筒状になってるソレを左手に持ち、右手には大きめの裁ち切りハサミを持つ。刃を広げて中心部を挟み、力を込めればすぐに切れる状態。 いつもなら帰れって追い出すけど、昨日買ったばっかの高いオナホを人質にされたら…… 「わかっ、たよ。何か飲み物持って来るから、ソレ……元の所に戻しててよ?」 ジュースくらい安いもんさ。 部屋から出て、階段を下り、冷蔵庫に残ってたコーラをコップに注いで、二人分を手に持つ。 「ふぅぅっ、はぁぁっ……」 そして深呼吸。一つ、二つ、三つ。整理する。 ボクとサキちゃんは幼馴染みで、ボクは小学生の頃サキちゃんが好きだった。 でも中学生になってしばらくすると、サキちゃんは急に荒れ出し、喧嘩三昧で、言葉使いも悪くなって、終いにはボクをパシリ扱い。 そしたら好きだって気持ちも薄らいでって、今じゃ隣に住むムカつく不良少女A。 いっつもボクをチビって馬鹿にしてっ!! 確かに150センチは小さいかも知れないけど、180センチ近く有るサキちゃんがデカ過ぎるんだよっ!! だいたい、サキちゃんと幼馴染みってだけで、怖がって誰も話し掛けて来ないし。そんなだから友達もできない。 サキちゃんの世話を全部ボクに任せて、ボク達二人を隔離する。親も、クラスメイトも、先生も…… サキちゃんと居ても、良い事なんてないんだ。 さっきだってそう。ボクがお茶なんて出さないって言ったら、間違い無く『名器の品格SE(15750円)』を切り落としてた。使い物にならなくしてたよ。 でも、でも今だけ……機嫌を取って、無傷で救出するんだ!! その為に今だけ、小学生の頃に心を戻して、笑顔で、愚痴を聞いてあげる。 「よしっ!!」 そう決めて、そう覚悟を決めて、再び部屋に入ったら、 「遅かったなゆーと? それとわりぃな、待ってる時間、ヒマ、でさ……」 壊れてた。 壊されてた。 机の上に、転がってた。 「つい、つい……なっ? 切っちゃいないぜ? ただ、思いっきり裂けちまってるけどな♪」 ローションなんて使われて無い。 女性器を模った挿入口は、太いマジックを無理やり深くまで差し込まれ、中間位置まで容赦なく裂けてボロボロ。 サキちゃんは、この女は、笑いながら使い物にならなくしたんだ!!
3 サヨナラだ、こんな関係。 「ははっ、はははははっ♪♪ いいよサキちゃん。怒らないし、今までのワガママぜーんぶ許してあげる」 コーラは勉強机に二人分置いて、煮え返る臓物はフル冷却。笑顔で、笑顔で、最後の笑顔でニッコリ笑う。 サキちゃんは椅子に座ったまま。ボクは声音を抑えて真正面から見据える。 そして探索する。言葉を、言葉を、この女が最高に驚愕する言葉を。 「おっ? 良い心掛けだなぁゆーと♪ だいたい、こんなオモチャ相手に腰振ろうってのが……」 「サキちゃん、絶交しよっ?」 この女が普通に話せるだろうボクを、普通に話せるたった一人のボクとの縁を、ここで終わらせる。 だいたい、わかってるのかコイツは? 一万五千もしたんだぞ? それにオナホを買ったのだって、彼女ができないからだ。コイツがいっつも隣で睨んでるから。ボク達二人の周りから、みんなを遠ざけるから…… 自業自得なんだよ。それなのにボクを巻き込んで。狭い輪の中にボクを閉じ込めてっ!! 「な、なに言ってんだよ? こんなオモチャ壊したぐれーで、怖い顔すんなよ」 んっ? 笑ってるつもりだったけど、バレちゃったかな? でも、こんなオモチャ……か。限界だよ。 「許すって言ったでしょ? 瀬戸山、さん。そのコーラ飲んだら帰ってね?」 固まったまま聴き入る瀬戸山さんに背を向け、本棚から漫画の単行本を一冊取り出す。 リビングで読んでる間に、帰ってくれれば良いけど。 俯いて小刻みに身体を震わせる瀬戸山さんを尻目に、退室しようとドアノブをつかんで、 「そんなに……のかよ?」 「えっ?」 中落ちした低い言葉に、思わず振り返り聞き直してしまう。 あっ、て思った時には後の祭り。 「そんなに、オモチャがいいのかよ?」 瀬戸山さんの表情は険しく流移し、瞳は真剣でボクを捕らえる。 ゆっくり立ち上がって、目の前まで近付いて、ギュッと肩を掴んで見下ろして。 周りのみんなが遠ざかる、周りのみんなが恐怖する、ボクだけが平気な凝視眼光。 「ぐっ、仕方ないだろっ!? セックスさせてくれる奴なんて、誰が居るのっ!!?」 肩を前後に揺らし、掴んでいる両手を振りほどく。 全部サキちゃんが悪いんだ。全部。ぜんぶ、ゼンブッ!! そうさ、悪いのは、ぜんぶ…… 「なんで、なんでオレに言ってくれねーんだ?」 ぜんぶ……はっ? サキちゃんは払われた手で再びボクの肩を掴み、凝視したまま、うっすらと目尻に涙を浮かべる。 瞳を潤ませ、頬を赤くして、女の子の表情で。 五年越しに見た、好きだった頃の幼馴染み。その顔が可愛くて、好きだった感情も蘇る。
4 ドキドキ心臓も鳴り出して、ボクは二度目の恋をした。 どっちも同じ相手。どっちも同じ幼馴染み。性格は男っぽく、身体は女っぽく変わった、一番良く知る、瀬戸山サキ。 「はっ……なんだよそれ? セックスさせてって言ったら、良いよって言ってくれたの?」 認めたくない、こんな感情。 「言うわけねーだろうが!!」 それに、サキちゃんも何を考えてるのかわからない。 顔を真っ赤にして、誘ったり、否定したり。 「瀬戸山さん、意味わかんな……」 「押し倒しちまえばいいじゃねーか!! パシリみたいにコキ使われてさ、ムカつくだろこんな女?」 掴まれてる肩へと更に力が込められる。サキちゃんの震えが手を伝い、肩を伝い、ボクの身体まで小さく震わす。 痛い。こりゃ痕が残っちゃうかな? まっ、良いけど……だいたい、押し倒せったってさ、 「だって、抵抗するでしょ?」 ボクじゃ敵わないよ。 毎日筋トレしてるけど、未だに体格は増して行かない。 まぁ、二年後三年後は追い付いてると思うけど、それでも今はまだ。 サキちゃんだって困ってるじゃない? 図星を突かれて、返す言葉を模索してるのがわかる。 深呼吸して、咽をゴクリと鳴らして、紡いだのは思い詰めた声。 「そりゃするさ! 素直じゃねーからなオレは!! でも、口だけだ……本気で抵抗するはず無いだろ!? だってオレ、オレ……ゆーとと、エッチ、したいし」 女の子の表情はそのままに、耳まで紅潮させて視線を逸らしてる。 なんだよ? なんなんだよこのオンナ!? ヤメろよその顔。隠してたけど、ずっと好きでしたって、そんな片思いを報わせる台詞ヤメろっ!! じゃないと、また…… 「わかったよ、今日だけ……瀬戸山さんはボクの奴隷ね?」 こんな不良に恋をする。 優しかった頃の思い出が、好きだった頃の想いが、次々と溢れ出して、サキちゃんを極上の女に補正してゆく。 逃がすな、放すなって、ボクのアソコを急速に大きくする。 「ふぇっ? 奴隷ってお前なー、もっとムード有る事を……」 「瀬戸山さんっ!! 瀬戸山さんは、瀬戸山さんでいいの? なら、瀬戸山さん、だねっ?」 戸惑ってるサキちゃんを、絶対に落とす追い討ち。 サキちゃんの首に両腕を回して飛び付き、反旗する言葉を遮って強く抱きしめる。 そして耳元に口を寄せ、囁くように迫る究極の二択。
「オレの子宮なんて、調教しちまえば良いじゃないか? 毎日、まいにち、ちつないシャセイしてさ? ゆーとの子供以外、産めなくしちまえばいいんだ」
5 もう、サキちゃんを名前で呼ぶ人は居ない。両親ですら匙を投げ、オイとかオマエで済ましてる。先生だって苗字まで。名前で呼ぶと返事をされるから。苗字までしか呼ばない。 サキちゃんは両親を嫌い、両親から引き継いだ苗字を嫌う。だから苗字で呼ばれても無視してる。唯一人、ボクだけを除いて。 ボクだけは名前で呼び直してくれるって、かいがいしく信じてるから。 だから、 「あ、あっ……ヤダッ!! 名前で呼べよぉっ!! オレの名前知ってんだろ!?」 その唯一を賭けの対象に。 柔らかく揺れる胸を抱き潰して、大きくなったチンチンをグリグリとヘソに押し付ける。 「だってボク、絶交しちゃったしなー。ただの『お隣りさん』を軽々しく呼べないよ。でも、今日だけでも奴隷になってくれるなら、オナホ壊したのも許すし、名前で呼んであげる」 責任取ってよサキちゃん。ボクをパシリにしてたのも、オナホ壊したのも、こんなエッチな気分にさせたのも、全部引っくるめてさ。 そしたら自業自得だけど、ボクが許してあげるから。 「うっ、うぅっ……ちっくしょう! 調子乗りやがってぇっ……もっ、しらねーよ!! オレ帰るからなっ!!!」 迷いながらもサキちゃんの眉尻が上がる。 顔を真っ赤にしたまま、怒ってますよって意志表示。 ボクの身体を引き離そうと、脇下に手を添えて抱え持つ……心と裏腹の行為。 力なんか入ってない、サキちゃんはよろめいてるフリをしながら、ベッドの横まで位置をズラす。 つまり、ボクに押し倒されるのを待ってるんだ。 「サキちゃん、スキ、ダイスキだよっ」 でも、それじゃあイケない。明日からパシリに戻っちゃう。 ボクは、サキちゃんと対等に付き合いたいんだから。 回していた腕を解き、自らサキちゃんの身体をおりる。 「どうするのサキちゃん? ボクの初めて、貰ってくれるの? それとも……瀬戸山さんになっちゃう?」 責任とってサキちゃん。二度もボクを惚れさせた責任とって。 覚悟を決めて、ボクとセックスしようよ? 「ゆーとの、はじめて?」 脇に添えられた手は離れない。視線は真っ直ぐ、ボクを見下ろして離してくれない。 熱の篭った瞳で、ズボンを膨らませてるチンチンまで視野に収めてる。 もう一押し。 「そっ。サキちゃんは、たくさん経験してると思うけど、ボクは……ハジメテだよっ?」 舌戦なら勝てるんだ。 サキちゃんのハジメテを貰えなくて残念だってニュアンスで、寂しそうに、寂しそうに、微笑みかける。 「ちがっ!? オレだって、処女じゃねーけど……ハジメテだっつーの」 すると漏らした。挑発されて秘密をポロリ。 知ってるよ。不良だけど、ロンリーウルフだもんね? だけど、その内容は聞き逃せない。 「誰に、処女あげちゃたの?」 意味わかんないよっ!! 「えっ、えっ? うぅっ……中学の時にぃっ、放課後の教室で、ゆーとの縦笛を使ってぇっ、ぐうぅっ、オナニ……きゃっ!?」 サキちゃんがベッドに仰向けで倒れた。 「あっ」 思わず押し倒しちゃった。 だって、目の前に凄く可愛い女の子が居たから。
今回はここまで。
次の後編で、ヤンデレになって終わります。
>>323 はコピペミスなんで、スルーしてください。
これは期待
なんでここで切れるんだーー GJです
328 :
名無しさん@ピンキー :2009/02/27(金) 23:26:28 ID:IMLylH6m
ヒロイン可愛らしい・・・ 今はヤンデレというよりツンデレに近いかもな
330 :
名無しさん@ピンキー :2009/02/27(金) 23:46:01 ID:lZGicIbR
ヤンキーデレですね
>>314 GJ……と言ってあげたい所だが、どうやらその話を投稿するのは、
え〜とだいたい、あと2778585秒ほど早かったねぇ……!
いや、好きなんだけど。どうしても突っ込まざるをえなかったんだ。
>>325 あ、よかった来てた。
GJっす。後編楽しみにしてます。
ID:gjMk5Ue0 この人臭すぎる、ほんとに18歳超えてんの?
サキと言うとエリパチ思い出すなぁ
>>325 GJ
練習スレで面白いやつを
どこに投下されるか探すのも
ひとつの楽しみ
ヒロインより主人公の方が萌えた
なんだかなぁ…最近ヤンデレとメンヘラを勘違いしたのが増えた気がするわ… 病んでいく過程と病んでからの行動をすっ飛ばしてヤンデレですって言われてもねぇ
>>338 大切なのは過程だよな
初めから病んでるのだとしたら、そのままではなく愛情によって
逆に普通になっていく方が話としては面白いだろうし
340 :
名無しさん@ピンキー :2009/02/28(土) 19:46:01 ID:LSWQ/02w
言いたいことは判らんでもないが
>>1 をよく読んで、こういう話題は荒れることを認識しないと。
それで、君の後ろで笑っている、お嬢さんは知り合いかい?よかったら俺に紹介してくれ。
すまない次からは気をつけるよ あと貴方も自分の背後には気を付けた方がいいと思うよ、素敵な表情をした女性が・・・・・・
17歳の可愛い女の子、ヤンデレは成績は中ぐらいの目立たない生徒。 共働きの両親と狭い一軒家に住み、内向的な彼女は寂しい生活を送っていた。 しかし、彼女の心の中には深い闇が広がっており、突如襲う衝動に突き動かされ、 人生の闇をさまよい意中の男を捜し求めるのだった…… 17歳の可愛い女の子、メンヘラは校内成績トップで生徒会長の優等生。 優しい両親と高級マンションに住み、人望の厚い彼女は誰もが羨む生活を送っていた。 しかし、彼女の心の中には深い闇が広がっており、突如襲う衝動に突き動かされ、 夜の闇をさまよい男に近づいた女を殺害していたのだった……
>>343 ヤンデレとメンヘラが逆という突っ込みは無粋?
>>344 全力で突っ込んでやれ。背後から奥までブッスリと
>>344 成績が悪かったり、内向的だとかマイナス要素いっぱいなのに嫌わないでくれる男に惹きつけられるんだろ
そこで男に報いるために努力したり、献身してようやく愛を得られるからこそ、『男を他の女に渡したくない』ヤンデレの気持ちが映えるのじゃないだろうか?
>>338 >>339 の覚えたヒロインのメンヘラ感とは
エロゲーの影響を受けすぎて、ヒロインをなんでもこなす天才設定とか、
すれ違う男が振り向く美少女設定とかハイスペックに描きがちなのが原因ではなかろうか。
さらに主人公も身の回りに好意を持つ美少女がいるのが当然と思っているから、
ヒロインの好意にも冷たいリアクションばかりで、過剰な献身(これもエロゲの弊害)ばかりが空回りして、
ただ1人舞台で転げまわる哀れなピエロというかメンヘラっぽく見える。
投下します。 流れぶった切りで申し訳ありません。
過剰な献身は元々ヤンデレの特徴だがな
幼い頃、俺は糸抜きが好きだった。 衣服のほつれた部分を見つけては、飛び出た糸を抜けるまで引っ張った。縫い目がするすると崩れていき、ほころびが生まれる。何故かは分からないが、それを見ると満足した気持ちになったのだ。 見つけては迷わずに引き抜き、怒られようがお構い無しだった。 幼い俺は、16歳になった自分がほつれを前に何もできずに立ち尽くしているのを、どう思うだろうか。 朝から席についてはいるが、何もしていない。教科書とノートは開いているが、それだけだ。こぼれるようにため息をつくと、前の席の人が脅えるように身震いをした。 ふと窓の外を見ると、7月の雄大で清々しい空に、ポツポツと雲が浮かんでいる。何か理由があるでもなく漂う雲は、どこか間抜けだ。 今度は教室を見渡す。誰もが、先生がつらつらと黒板に書いた文字を無我夢中でノートに写している。 あの佐藤や遊佐までもが必死で写しているのだから、もしかしたら人生の悩みを一瞬で晴らすような方法が書いてあるのかもしれない。 先生が何か質問は、と言ったので手を挙げる。 「ん、斎藤君」 「なんで浦和先輩は殺されたのですか?」 全てのペンが止まり、教室中から音が失われた。誰もが恐る恐る俺を振り返り、その中で遊佐が可哀相な物を見るような目を俺に向けている。 そうか、俺は今、同情してもらってるのか。ありがとう、みんな。 「保健室でゆっくり休んできなさい」 ありがとう、先生。 とはいえ、バカ正直に保健室へ向かう気にはなれない。 生徒会室へ向かう途中、なんとなしに携帯を取り出した。『不在着信99件 メール118通』と表示されたディスプレイをぼんやり見ていると、またメールが届いた。中身を見ることなく、ポケットにしまう。 「サイレントじゃなきゃやってられんな」音なし、バイブなしの状態をこれほどありがたいと思ったことはない。 浦和先輩の死体が発見される数日前に起きた小さな事件は、俺とくるみと窪塚さんの心の内だけにしまわれている。 ただ、変化は確かに顕在化しており、この携帯の状況がそのまま今の現状を表していると言っても過言ではない。 くるみの俺への依存は目に見えて悪化している。睡眠時だろうが食事時であろうが、可能なときはいつでも傍にいるようになった。一度、風呂にも来ようとしたが、さすがに止めた。 こうして学校などの強制的に引き離される場合は1分置きの電話、授業中はメールが送られてくる。罪悪感からなのか、俺はくるみを避けることも、拒絶することもできずにいる。 一方、窪塚さんはといえば、休み時間のたびに俺の教室を訪れては同じように訪れるくるみと牽制をしあう。 出来るだけ避けようとはしているが、効果がないこともいい加減分かってきて、今では受け流すようにしている。メールや電話もほぼ同じペースで、ここ数日の間に届いたメールの9割はこの2人が占めている。 残りの一割は佐藤との部活の話や、姉が友人を連れて近々帰省するだとか、その程度だった。 肝心の俺は、今まで通り、やはり何もしていない。“魔物の巣”に魂を置き忘れてきたのか、思いのほか図太く、それも冷静だ。授業も部活もかつての惰性で行ってはいるようなものだが、それでもそこまで支障はない。
幼馴染・・・いや、元幼馴染が昔、チェス盤の端から端までワープをする、という技を思いついたことがあった。 思考的なゲームが一変、先攻を取った方が勝つ、という趣旨の分からないものになってしまったのを今でも覚えている。 現在の俺の状況は、言ってみればそんな感じだ。ノミの如く小さい俺のハートに、あの事件は衝撃的過ぎた。一気に容量限界を突破し逆の空っぽに戻ってきた、そんなところか。 薄々勘付いていたとはいえ、核心に触れるのを意図的に避けていたくるみの狂気的な依存。予想だにしなかった窪塚さんの一面。現状をもってしても遠くの話に感じてしまう。 同時に、これは全て俺が引き起こしたことではないか。そんなことばかり、ここ数日は考えている。 くるみにもっと優しく、1番に気遣ってやってればここまで狂わなかったのか。 窪塚さんの気持ちにもっと早く気付けば、彼女も壊れなかったのだろうか。それはすなわち、先輩も死ななかったという結果も生んでいたかもしれない。 「俺の、罪」感情のない自分の声に、少しだけ驚く。 ふいに、はるか昔、幼い自分が犯した罪が脳裏を掠める。 夏の日、親に抱かれた俺は、連れ去られるあの子を助ける術はおろか、力も持ち合わせていなかった。 遠ざかる車は夏の陽炎。ゆらめきと共に消える。 高き太陽は傲慢。地に這いつくばることさえ出来ない俺を笑う。 俺がその光景を知っているはずがない。そもそも、見ていたという確証もない。だが、脳は鮮明に、幾度となく俺に示す。 ━━忘れることなかれ、己が大罪。 鍵を開けようと差し込んだ時、中から声がした。 「開いてますよ」 そのまま引き返し素直に保健室へ行くという選択肢もあったが、俺自身、彼女には用があったので中へ入った。 声がしたからには当然声の主が、この場合は窪塚さんが生徒会室の中にはいた。奥の窓に寄りかかるようにして立っている右手の人差し指には、彼女が勝手に作った合鍵がぶら下げられている。 「窪塚さんもサボり?」 「りおちゃん、って呼んでくれなきゃ返事しません」 以前と変わらないように見える窪塚さんは、昔のままの屈託のない笑顔を見せる。俺は顔を逸らし、無言で入り口の横の棚に背を預け、床に座った。 「・・・意地悪ですね、先輩」メールも返してくれないし、と彼女は口を尖らせた。 「文字を打ってる途中でメールが来れば、誰でもその気をなくすよ」 「あの女からの、ですか」 何時の間にか、窪塚さんは俺の前に立っていた。蛍光灯を背に俺を見下す姿は恐怖を感じるものの、生憎この手の恐怖には身体が麻痺してしまっている。決して喜ばしいことではないが。 「人のことを“あの女”と言うのはよくない」 「・・・どうしてっ、どうして私のことは見てくれないのに、あの女・・・黒崎くるみばっかり構うんですかっ」 「家族だからなぁ」
「家族っ・・・私が1番嫌いな言葉・・・・・」歯軋りをしながら、彼女は呟く。「私だって、私だって・・・」 毎度のことだが、俺は状況がまったく読めない。こんなとき、人生の攻略本を持つ父なら一発解決なのだろうが。 「せっかくだから、いくつか訊いておきたいことがあるんだけど」 所在なさ気に呟くと、窪塚さんは表情を明るくし、俺の前にしゃがみこんできた。スカートの中身が見えそうな体勢なので、視線を横に向ける。 「はい、なんでも答えますよ。まずはスリーサイズからいきますか?」 「いや、いい」そんなに目を輝かれても困る。「えっと、凄くバカらしくてマヌケなことを言うよ?」 「好きな体位でも訊きますか?」 「・・・窪塚さんは、その、もしかしなくても俺のこと」 「好きですよ」 あまりにもアッサリと答えられ、恥らう自分がアホらしく感じてしまった。「ああ、そう」 「私は先輩のことがだぁい好き。先輩のためだったら何でも出来ます。朝はまず優しくキスで起こして、それから先輩にスッキリしてもらって、ご飯作って掃除して・・・ あ、ワンちゃんのお散歩もしますよ。お弁当も作りますし、学校ではメール1つですぐ駆けつけますし、いつでも先輩をスッ」 「もういい、もういいから」これ以上聞くとスッキリという単語の意味を深く考えてしまいそうになる。 こうして笑っている彼女を見ると、わからなくなってしまう。 彼女は浦和先輩を殺した。あの時の会話から、なんとなくそれは予想できる。要するに、俺を振り向かせるため、俺が一番気遣う存在であるくるみと同じ土俵に立とうとしたということだろう。 なんとバカな真似だろうか。どんな理由があろうと、人の命を奪っていい理由にはならない。ましてや、それが俺のためといっては、先輩も浮かばれない。 「もう1つ、窪塚さんはいつから俺のことを?」 「ずぅっと昔、まだ私が私じゃなかった頃からです」 「・・・よく分からない」 「いいんです、私はわかってますから」 ━━先輩が忘れても、私は覚えてますから 小さく呟いた彼女の顔は寂しげで、遠い過去を見ているような憂いを含んでいた。それ自体に見覚えはないが、どこかで似たものを見たような気がした。 「・・・ということは、浦和先輩と付き合ってたのは」 「ああ、全部嘘ですよ」 あっけなく、まるで数学の解答を教えるように軽く言い放った。ああ、そこは3ですよ。そこはx=7ですよ。 「安心してください、アイツはもちろん、誰にだって私の純潔は捧げていませんから」 「なんで、そんなことまでして」 「先輩の傍にいるためですよ」艶やかな笑み浮かべ、俺の首へと手を回す。「捜すの大変だったんですよ?」 覆い被さってきた彼女の豊満なバストが目の前で揺れる。大きく開かれたワイシャツから、胸元がちらつく。 「せんぱぁい・・・」 気分が悪くなるほどの甘い声に、案の定気分が悪くなった。 「やめてくれ」思いのほか強くしがみ付く彼女を、立ち上がる勢いと同時にひっぺがしす。 手加減が出来なかった。尻餅をついた窪塚さんは立ち上がった俺を睨みつけるが、その瞳は俺より向こうを見ているのが分かった。 「あの女・・・アイツが、アイツさえいなければぁっ」 俺にも限界は、ある。 「いい加減にしてくれよっっ!!」 しかし、1つだけ叫んだ俺は、糸が切れた人形のようにその場へとへたれこんだ。 「くそっ・・・何で、なんでこんなことになったんだ・・・・?」 さっきまでは答えが出てたはずなのに、記憶に靄がかかったように思い出せない。 塞ぎこむ俺の耳に、残響のようにあの甘ったるい声が響いていた。
「ったく、勘弁して欲しいぜ」 体育館へ続く渡り廊下に、俺は横たわっていた。 何故? 分からない。頭の横に座る佐藤に目をやると、彼はわざとらしいため息をついた。 「お前、熱中症で倒れたんだよ」 夏本番が近づき、体育館はまるで蒸し風呂のように暑い。ましてや、今日のように半面をバドミントン部が使ってると、窓が開けられないので余計に酷い。 そんな中部活をしていると、決まって倒れるやつが出た。それが今回は俺だったということか。 ほれ、と差し出されたスポーツドリンクを受け取ると、上半身を起こし、一気に口に含む。冷たい水が体中を駆け抜ける。 「最近おかしいぞ、お前。昨日も保健室行ったまま帰ってこなかったし」 「怪獣ホルスタインとの対決が思いのほか長引いてね」 「おお、なんか素敵な怪獣だな」 「変われるなら配役を譲ってやりたいね」夏の強い日差しの中、時折吹いてくる風が心地よい。 結局、俺がどうやって窪塚さんから逃げたのかは曖昧だ。気が付けば放課後で、何時の間にか帰宅していた。 ただ、今日こうして五体満足、体調万全でバレーに挑めているということは、上手いこと逃げ切ったのだろう。よくやった、昨日の俺。 休日の部活というのはそれなりに憂鬱だが、一度始めてしまえば楽しいもので、思わず熱中してしまう。その結果、熱中症にかかるというのは多少病的に、そして親父ギャグのように聞こえる。 だが、悩みを抱えているときの運動ほど清々しいものはないのだから、仕方ないと言えば仕方ない。 今日、窪塚さんは来ていない。浦和先輩の件で重要参考人として何度目かの事情聴取を受けているらしいのだが、今まで通り恋人だったから、という理由だろう。 確証はないが、彼女が警察に疑われるようなミスをするとは到底思えない。 ちなみに、佐藤も数日前に警察へと赴いていた。死体発見の前に浦和家を訪れたことで、白羽の矢が立ったのだ。 実際、浦和先輩の家を訪れたのは俺なのだが、先輩のお母さんは佐藤君と言い張った挙句、佐藤の顔を見てこの子です、と言い切ったらしい。天然かと思ってたがあれはただの呆けだな、そう佐藤はいきっていた。 その上、おばさんは同行していた少女の名前を『くるり』だと言っていたらしい。警察が気を利かせて、くるみでは?、と言っても意志を曲げなかったそうだ。 もしかしたら俺たちを庇っているのかもしれない、と考えたが理性が一瞬で却下した。そうする義理がない。 しかも運がいいことに、この近くに『くるり』という名の少女がいたらしく、警察はその子を捜索しているそうだ。その子からすれば、運が悪いにも程がある。いつか会えたらしっかりと謝りたいと思う。 また、携帯の破片や指紋などで割り出されるのではないかとも思ったが、俺たちに捜査の手が伸びることはなかった。 くるみの前で何気なく口にすると、破片は掃除機で吸った上で中身のパックごと回収し、指紋のつきそうな位置は手持ちのウェットティッシュで拭いたのだと、胸を張って誇らしげに話してくれた。 そう言うならもちろん、髪の毛の一本一本まで回収したに違いない。何故ウェットティッシュを持っていたのかと訊くと、そっぽを向いて黙ってしまった。 安心すると同時に、この時からくるみは異常だったのだと分かり、彼女を御せなかった自分を責めた。 「何があったかは訊かねぇ」佐藤がぽつりと呟いた。「くるみちゃんとりおちゃんが変なのは、流石の俺でも分かるよ。俺にできることがあったら言えよな」 「ああ、サンキュ」 気にすんなよ、と笑う佐藤に、何の感情も抱いていないことに恐怖した。
それからバカ話をしていると、背後から呼ばれ、振り向いた。そこには、大川俊先輩がいた。 「大将、大丈夫かい?」 先輩はいつも通りの笑顔で俺を覗き込んできた。 「すいません、もう大丈夫っス」 「ああ、無理しないでいいから、ゆっくり休んで」 俺の肩に手を乗せ、地面に押し付けるかのように無理矢理座らせると、隣に腰を下ろしてきた。 体育館のほうから足音がしたので見上げると、通路を通っていくバドミントン部の女子が、邪魔くさそうに俺たちを見下して通り過ぎていった。 「調子悪そうだね、最近」それを気にもとめずに、先輩は言う。「やっぱ、好紀のこと?」 「遠からずも近かからず、ってとこです」 「直接の原因じゃない?」 「ええ、まぁ」 確かに、直接ではない。なんとなく申し訳ない気持ちになった。 「なら安心だ」 「どういうことです?」佐藤が先を促す。 「もし好紀が原因で落ち込んでるとしたら、きっと、好紀はそんなの望まないよ。『テメェら、同情するなら生き返らす方法でも考えやがれ』ってね」 「ははっ、確かにキャプテンなら言いかねない」 佐藤に合わせて俺も笑った。「ただ、『同情しろよ、薄情者っ』とも言いそうっスよね」 「ああ、言う言う」 「好紀なら言うなぁ、きっと」 3人は笑うのが同時なら、ため息をつくのも同時だった。 「もういねぇんだな、キャプテン」 不意に、叔父さんと浦和先輩が重なった。立場は違えど、人が死ぬということは残される人にとって、根本的にはなにも変わらないのだと、ようやく理解した。
先ほどとは逆方向から足音が聞こえてきた。しんみりしていたのと、さっきの経験から顔を挙げるつもりがなかったのだが、すぐ近くで足が止まったので、思わず目をやる。 「・・・なぁにしてんの」呆れ顔の遊佐がいた。 「なんだ、遊佐か」 「ちっ、遊佐かよ」 「なんだとは何よ、なんだとは」 「なんで舌打ちはスルーで俺に絡むかなぁ」明らかに佐藤のが悪い。 遊佐は少し息が上がっている。多分、午後からの練習に向けて、外でウォームアップしていたのだろう。 「よくやるねぇ、遊佐ちゃん」 「あたし、中途半端は嫌いなんです」営業スマイルで答える遊佐の額には前髪が張り付いている。 夏場なのだから必要ないだろうに、Tシャツが肌にくっつくまで汗をかいている。ここまで真剣に打ち込んでいるのは、部活内では遊佐だけに違いない。 遊佐は俺へと向き直り、人差し指を突き立ててきた。「アンタには負けたくないのよ」 「俺は勝負した覚えはない」 「アンタが覚えてなくても、あたしは覚えてるの」 いつか言っていた、大会でのことだろうか。 「っていうか、そもそもポジションが違う」 「そう、それなのよっ。アンタ、何で今になってポジション変えたの?あたしの努力が台無しじゃないっ。どうしてくれるのよっ」 「責任とって結婚しなさいよ」裏声でちゃちゃを入れた佐藤が蹴られる。 「どうして、って言われても、チームのためとしか」 概ね、間違ってはいない。 冬休み、及び3学期中の大会と練習試合で、我が校はなかなかの好成績を収めた。その中には、リベロとして新たな仕事をこなす佐藤の活躍も含まれていた。 しかし、そのことからますます俺の存在意義は打ち消され、正直、俺はやる気をなくしてしまっていた。くるみに励まされながらもやる気なく続けていたある日、俺は顧問の高橋先生にポジョションの変更を提案された。 確かに、現3年生はスパイクに関しては粒揃いだ。2年も、浅井とシバちゃんが、自分たちの代になれば佐藤がアタッカーに転向する事だって可能だ。 とどのつまり、この面子に俺は見劣りするのだ。肩を落とすほどにうなだれる俺を見て、先生は、セッターをやらないか、と訊いてきた。 アタッカーを大砲を打つ人と例えれば、セッターは弾を込める人。弾を込めなければいくら点火しようが城壁は崩せない。高橋先生はそう続けた。 うちの部活にセッターは大川先輩しかおらず、比較的丈夫で健康な彼だが、これから先に万が一がないとも言い切れないし、何より3年生だ。 また、先生は俺の右足首の障害も見抜いていた。それが原因で部活を休んだことはないし、練習中に痛みで抜けたこともない。 しかし、先生からすればスパイクを見れば一目瞭然らしく、今まで俺を試合に出さないのもそれを気遣ってくれた部分が大きいようだ。確かに、アタッカーと比べてセッターは脚への負担が少ない。 さまざまな要因から、先生は俺がセッターになるのを最良とした。俺に、断る道はなかった。 「大将の上達は凄まじかったなぁ」俺の存在が霞むくらい、と先輩はおどけた。 「まさか、足元にも及びませんって」 「またまたぁ」 肘で小突かれる俺を、遊佐が納得いかないという顔で見ている。 「でもなぁ、遊佐。コイツ、マジで努力してたんだぜ?先生に頼んで遅くまで残ってたりさ」 「知ってるわよ、そんなの・・・」 俯いてしまった遊佐に、誰もがかける声をさがしていたら、アイツが来た。 「なんだよ、遊んでんならさっさと帰れよ」相変わらず嫌な声だ。
体育館から出てきたのは同じ2年生の浅井叶(あざい きょう)。浦和先輩のいない今、実質的なエースである。 部活中だというのに崩れない髪形にはどのようなワックスを使っているのか、訊いてみたいものだ。背が高いくて体格もがっちりしており、威圧感がある。 「ああ、悪いな、すぐ戻るよ」 「やる気ねぇなら帰れよ、邪魔だから」 コイツに関しては、俺のリミッターも緩くなる。ずいっ、と前に出る。 「アンタねぇ」遊佐が。なんでだ。 「なんだよ、女バレ」 「女バレじゃないっ、遊佐杏だっ」 「別にテメェの名前なんかどうでもいいよ」 「なんですってぇっ」 「遊佐っ、もういいよ」今にも飛び掛らんとする遊佐を制する。 「離しなさいって、一発殴んないと気が済まないっ」 「おちつけよ、遊すぁ」援護に来た佐藤の顔に裏拳が入る。それを見た大川先輩は一歩退いた。 「アンタは怒んないの!?憲輔っ」 「遊佐が怒るから、タイミング逃した」 「あ・・・ぅ」 途端に遊佐の力が抜けていく。抑えていた腕を離すと、顔を逸らして、ごめん、と一言言って走り去ってしまった。 それを見送ってから、気合を入れて浅井に向き直る。が、浅井はあからさまに呆れた表情を向けていた。しかも、佐藤や先輩までもが同じ顔をしていたので、どこか空回りした気分になってしまった。 「あれ?」 「アホくせぇ」 「先輩、そろそろ戻りますか」 「そうだね」 先輩は頷くと、先輩は佐藤を連れて体育館に入っていった。置き去りの俺と、呆れた浅井だけが残される。 「え、なに、この状況」 「アホくせぇ、ってことだよ」 振り返り、自らも戻ろうとした矢先、浅井は思い出したように立ち止まって振り向く。「そういや、くるみちゃんこっちに来てるのか?」 「物凄く今更だが、来てるよ」 「お前が毎日一緒に帰ってるの、くるみちゃんか?」 「ああ」 「そうか」 浅井は少し考え込んでから、口を開いた。「目はやっぱり」 「見えてない。治る見込みは、ゼロではないよ」 「・・・今度、お見舞いに行ってもいいか?」 「ああ、きっと喜ぶ」ただ、と続ける。「できれば、お見舞いじゃなくて、遊びに来てくれると嬉しい、くるみも」 「だよな」どこか幼げな、懐かしい笑顔があった。
浅井は俺の幼馴染だった。“だった”というのも、とあることから確執が生まれてしまったからだ。 当時から俺はどこか客観的で、浅井も今と同じくガキ大将タイプだった。家が近いこともあって俺たちは毎日のように遊び、くるみが訪れたときは3人で裏山やら川などで日が暮れるまで遊んだものだ。 浅井が引っ張り、俺がフォローする。そうやって俺たちの関係はいつまでも続くはずだった。 中学に入り一緒にバレーを始めると、より一層仲は深まった。浅井はぐんぐんと身長が伸び、運動、勉強、恋・・・この頃には、俺が勝てるものは1つもなかった。 それでも、地味な俺を親友と言ってくれる浅井が好きで、誇らしかった。 だから、あの日俺は、親友のために闘った。せめてもの恩返しと願って。 名門校への推薦が取れた浅井は、いつにもまして上機嫌だった。そんな浅井を見ていると、まだ受験の真っ最中であったにも関わらず、俺は祝ってやりたくなって街へと繰り出した。そして、不良に絡まれた。 スポーツでは右に出るもののいなかった浅井とはいえ、3人相手では歯が立たなかった。這いつくばる浅井を見て、俺は咄嗟にその前へと踏み出した。 そこからの記憶は曖昧で、ただとにかく殴られ続けたのは覚えている。我慢強さに定評のある俺とはいえ、キツかった。だが、親友のためと思えば、膝が屈することは決してなかった。 そのうち、騒ぎを聞きつけた人たちが警察呼んで、全ては丸く収まった。はずだった。 理由はどうであれ、喧嘩をしたことで、スポーツ名門校への推薦を取り消された浅井は失意に暮れた。俺はただひたすらに謝ったが、彼が口にした言葉は、あまりにも意外だった。 ━━なんで助けた。 なんでお前が俺を助ける。逆だろう。お前はいつも俺の陰に隠れてればいいんだよ。無能なお前を、俺が構ってやる。ただそれだけで俺の株が上がるのに。なに余計なことしやがる。憲輔のくせに憲輔のくせにっ。 以来、浅井とは今日まで、一度も会話をしていなかった。同じ高校を受けたことも、入学式の当日まで知らなかったぐらいだ。 結局、浅井は俺を友達だと思っていなかったのか、自暴自棄になった結果なのか、それはわからない。今の今まで俺だってコイツを嫌っていたのだ。 どちらだろうと、今更変わらない。それでも、この会話はなにか、きっかけのようなもになる、そう思えた。 「い、一応言っとくけどな」 背を向けたまま、浅井が言う。声は上ずっている。 「俺は、まだ、あの子のこと、好き、だからな」 「あぁ、そういやそんなことを昔・・・」 ふと思い出す。河川敷、芝生の公園、夏、爽やかな風、くるみの誕生日。浅井がくるみのことを好きだと言い、くるみも頷いたあの日。 「よく覚えてんな、お前」 「俺は、本気だよっ」勢い良く振り向いた浅井は、顔を真っ赤に染めていた。 「くるみに言えよな、叶」 さりげなく言ったつもりだが、浅井・・・叶は呆気に捕られた顔をしていた。 一瞬の間が開き、笑う。 「わかってるよ、憲輔」 不器用でぎこちない光が、俺たちの世界に射す。 ほころびが、手には負えない大きさになっていることにも気付かないまま、俺は笑っていた。
終わりです。空気読まない投下、本当にごめんなさい。 ところで、まだ少し先の話になりますが、分岐は作るべきでしょうか? 一応、どっちも用意してはありますので、みなさんのご希望に添うようにしたいのですが。
リアルタイム乙!
作者様の思うがままに、どうぞ でも、必要なら分岐をお願いします
何か、さらなる犠牲者が出そうな展開 なのはきのせいか…………?
>>357 GJ!!!
最近投下なかったから、止まったのかと心配してました。
>>357 りおちゃん可愛いなニヤニヤ
と思って読んでたが、これは遊佐も病んじゃったりするのだろうか
「大丈夫。別のルートがあるんだ」って思うと緊張とかが半減するから、個人的に分岐は好きじゃないなあ
乙
ハッピーエンドとバッドエンドの両方を楽しみたい俺は別ルートほしいなぁ でも、緊張感が殺がれるってのはあるね。
366 :
名無しさん@ピンキー :2009/03/01(日) 17:22:25 ID:1Zwh2cZ0
GJ!! ん〜…緊張感もそうだけど やっぱり俺も分岐は欲しいと思うよ
ヤンデレ彼女がペニスバンドを持ってきて「掘らせてほしい」と言ったらどうする? これも愛の形の1つか?
>>367 気持ちよくしてあげるとかで前立腺を責めるためならありかな?
受け入れるだろう当然 その後はこちらも彼女の後ろを開発して万事OK
壁や地面と同化する力を持つ少女に追われたらと思うと、胸が締め付けられる思いであります。 追っ手から逃れたと思って壁に背を預けていると、ひんやりとした手があなたの首を掴み……。 「○○君も壁の中に来ない?」
千里眼の能力をヤンデレな子が持っていた場合、自分は常に監視されることになるわけで でも逆に自分が持っていた場合、常にあの子に狙われているということを嫌でも自覚させられるわけで どちらが幸せなのかしら
>>371 どちらでもハッピーエンドではないか
ただ、個人的には後者のほうがいい
ヤンデレを翻弄してあたふたさせて、それを観察してにやにやしたい
職人マダー?
>>371 修羅場スレの『沃野』もそのパターンだよな
うほっ いい泥棒猫・・・ やらないか?
ヤンデレと無人島生活したい 誰にも邪魔されない二人だけの空間…
こんなヤンデレが潜んでいるかもしれない場所で寝られるか! 俺は部屋に行かせてもらうからな!
>>379 潜んでいる……? まだまだ甘い。
部屋どころか建物の持ち主。またはマスターキー所持者。
ヤンデレってのは、そのぐらいの隠し手を持っているだろう。
カツヲ「ぬおぉぉぉぉぉっッ!!」 ワカメ「勝機!! 天翔百烈拳ッ!!」 サザエ「この勝負……」 マスオ「ワカメちゃんの勝ちだね」 タラヲ「いや、死兆星はワカメお姉ちゃんの上に落ちたですぅ」
ごばくった
ヤンデレに告白を誤爆すると・・・・
私、男君以外興味ないの 邪魔しないで
行方知れずの小沢一郎代表が、ヤンデレ秘書の家に匿われているという夢を見た
今日は楽しいひな祭り〜 ヤンデレ「私は〇〇君のお雛様だよ。」
>>387 見ーつけた、小沢君。
その秘書はね、韓国ちゃんの手先で、
本当は君の事なんてどーでもいいんだよ?
小沢君っていつも中国ちゃんとか韓国ちゃんばかり見て
私のことを見てくれなかったよね?
だから小沢君を私が教育してあげる!
今日から、独房の中に監禁してあげる。
そしてどのくらい教育が必要か決まったら
今度は別な所に移動しようね。
そこで私が、毎日規則正しく小沢君を起こして、
御飯食べさせて、働かせてあげる!
私にふさわしい男になってね、小沢君♪
ヤンデレ日本ちゃんが、泥棒猫に浮気ばかりする小沢を教育だ。
何がヤンデレだよ、いい歳して!くだらん駄文読んで喜んでるお前らの方がよっぽど病んでるよっ っと俺にしか見えない老人が申しておりました。
>>390 ダメだよ。君は僕だけを見てればいいの。
>>390 ふふふ、私の催眠が効いてきたようね
そうよ、あなたは現実にいる私を見てればいいの
私と二人で最高の物語を創りましょう、ね?
そんなわけで帰り道にある、公園のトイレにやってきたのだ。 ふと見ると、ベンチに一人の若い女が座っていた。
投げっぱなしジャーマンスープレックス・ホームレス
しかしヤンデレは、それすらも見据えて展開を組み立てていた。 「ヤンデレクローを両手に付けて200ヤンデレ! 更にいつもの二倍の高さで400ヤンデレ!! そして三倍の回転を加えて1200ヤンデレだぁっ!!」
それだと泥棒猫の牙一本しか折れないぞ
男のハート貫ければよいのだよ
泥棒猫の心臓を貫こうとしたら間違えて男の心臓を貫いてしまうのですね分かります。
男「おっと、それは残像だぜっ?」
初投稿です。投下します。
昨日夜更かしをしたせいか、いつもなら弁当を作るために 遅くとも6時半には起きるところを寝坊して8時に眼が覚めてしまった。 弁当どころか朝食を取る暇も無く、俺は学校へ走った。 テレビでやっていたチーズ入りパウンドケーキを作ろうと試していたところ 納得いく味が出せずに四苦八苦した結果、使うチーズの種類が違ったことに 気づいたのは明け方近くだった。 学校帰りにクリームチーズを買ってリベンジすることを誓いながら俺は走った。 俺の名前は遠野 翼(とおの つばさ)。パティシエを目指している以外はたぶん特徴の無い高校生2年生だ。 今日は高校の始業式、流石に初っ端から遅刻は印象が悪すぎるだろう。 それだけは避けたいと思い、俺は全力で走った。 教室に全力で滑り込むと同時にチャイムが鳴る。 先生の姿はまだ見えない。セーフだ!!と思って辺りを見渡すと、自分がとんでもないミスをしたことに気づいた。 「…ここ1年の教室じゃん…」
「アハハ、それで遅刻したの?遠野君らしいね。」 楽しそうに笑っているこいつは野川 恵理(のがわ えり)。 小学校の頃からの腐れ縁で、去年は一緒にクラス委員をしていた。 「…そう笑うな、これでも結構傷ついてるんだ…」 「だって学年間違えるなんて私聞いたこと無いわよ。」 全く、抜けてるんだから、そう言うと野川はまた笑い出した。このまま笑われっぱなしというのも癪だな…… 「そうか、新作ケーキの試食、野川に頼もうと思ってたけど残念だな……」 「わわ、ごめん、ごめんってば、遠野君、機嫌直して。」 「わたくしのようなうっかり者の作ったケーキ、きっと野川様のお口には合いませんよ。 あーあ、残念だなぁ。」 「そんなことないよ!!遠野君の作ってくれる料理は私には世界一美味しいよ!!」 お世辞でもそう言われると嬉しいな。意地悪はそろそろ終わりにするか。 「嘘だよ、明日持ってくるからその時試食頼むわ。…どうした、体調悪いのか?顔赤くなってるぞ?」 そう聞くと何故か野川は慌てて答えた。 「ううん、何でもない、ちょっと風邪気味なんだ。それよりケーキ絶対だよ!他の人に食べさせたりしないでよね!」 「はいはい、分かったよ。」 そう答えると俺はクラスを改めて見渡してみた。 知っている顔も居れば知らない奴も居る。まぁ当たり前かな。 おっ、あの子結構かわいい!眼福眼福。あとで声かけてみようかな。 「遠野君?どこみてるのかしら…?今は私と会話中でしょ?」 えっと、何だかとても怖いですよ?野川さん。 「いや、去年同じクラスだった奴、結構少ないなぁっと思ってね。ハハハ・・・」 やばい、怖すぎて乾いた笑いしかでない。 「ふーん。私には女の子を物色してたように見えたけど?」 まずい、この流れはまずい。これ以上騒ぎ出す前に話題を変えないと。 「それより野川は今年もクラス委員やるのか?」 ……我ながらひどい話題転換だ。 「うーん、どうしようかな。遠野君は?」 よし!!何とか話をそらせた。 「俺は今年はパスかな。あんな面倒なこと1年やれば十分だよ。」 「ふーん、じゃあ私もパスかな。…やる意味無くなっちゃったし…」 「ん?どうした?」 「ううん、最近テニス部の方も忙しくてさ、ちょっとやる余裕無いかなって。」 なるほど。野川は運動神経が良く、小学生の頃からテニスをやっていて経験も長いため、 1年の頃からテニス部のエースだった。 短めに切った髪は活発で表情豊かな彼女の表情に良く似合っていて、 まぁ、なんというか、結構かわいい。 実際いろんな奴から告られているようだ。噂によると全員撃沈したようだが。 「それより、さっきは私を差し置いてどの子を見てたのかしら?」 くっ、話題をぶり返された。何か他にネタはないかと思って辺りを見渡す。 そして俺の視線はある1点で止まった。
そこは俺の隣の席で、そこには女の子が座っていた。 髪はロングヘアで黒く、真っ直ぐ滑らかに伸びている。瞳も吸い込まれるような深い漆黒。 それとは対照的に肌の色は淡雪のように白く、まぁ何というか、美人だった。 ただ俺が注目したのはそういう外見のことではない。 他のクラスメイトは、前年度同じクラスだった奴と話したり、席が隣になった奴に声をかけたりしている。 しかし彼女はただ1人、ぽつんと席に座って本を読んでいた。 日本人形のようなその容姿もあって、その異質さが際立っていた。 「…あの子…」 「また余所見して。遠野君はもうちょっとデリカシーを身につけたほうがいいわよ。で、どの子見てたの?」 「いや、俺の席の隣にいる子なんだけど。」 「ふーん、遠野君はああいう子が好みなんだ。確かに美人だもんね。」 どんどん険悪な雰囲気になっていく。俺が何をしたって言うんだ…… 「馬鹿、そんなんじゃねーよ。ただずっと1人でいるみたいだからちょっと気になって。 野川はあの子のこと知ってるか?」 「別にあんな子のこと知らないわよ。美人な女の子が隣の席で良かったわね!!」 そう俺に叩きつけるように言うと、野川は自分の席に戻ってしまった。 仕方なく自分の席に戻る。隣の席には未だに1人で佇んでいる彼女がいる。 ここは1つ声をかけてみようか…… 「俺、遠野 翼って言うんだ。これから1年よろしくな。」 とりあえず自己紹介してみた。ちょっと唐突すぎるか? すると彼女はゆっくりと顔を俺に向けて、こう言った。 「……あまり馴れ馴れしく話しかけないで……」 ……なんだかものすごく嫌われたようです…… 落ち込んでいると、彼女はポツリとつぶやくように言った。 「……雪野 桜……」 「えっ?」 「私の名前……」 そう言うと彼女は視線を本に戻した。 名前は教えてもらえたってことは嫌われてるわけじゃないのかな? 「ああ、よろしくな、雪野!!」 彼女からの返事は無かった。 さてと、今日は始業式だから、もうこれで帰宅していいはずだ。 さっさと帰ってケーキを作ろう。そう決心し、鞄を持って立ち上がった瞬間に 先生が入ってきた。 「ああ、言い忘れていた。去年と同じように男子と女子1人ずつクラス委員を決めるように。 今日中に決めること。」 それを決めたら今日は帰宅していいぞ、そう言うと先生はさっさと教室から出て行った。 教室はシーンとしている。 下手に発言したら自分がクラス委員にされてしまう、そんな危機感から誰一人として言葉を発する者がいなかった。 空気が痛いぜ・・・ 「とりあえず立候補する人はいない?」 空気の重さに耐えかねたのだろう、前年度俺と一緒のクラスだった小暮 明人(こぐれ あきと)が言った。
小暮と俺は仲がいい。俺が男子では珍しく料理好きでパティシエを目指している一方 小暮は裁縫が得意で、将来洋服のデザイナーを目指しているらしい。 そういう、男子としては特異な趣味をお互い持っていることもあってか、 性格はかなり違うものの、小暮と俺はすぐ仲良くなった。 小暮の発言の後も、クラスは静まりかえっている。 やはり皆、あんな面倒な奉仕活動やりたくないようだ。 「んーー、じゃあ推薦にする?」 小暮が困った顔をしてこう言うと、クラスが俄かにざわめき出した。 推薦って無責任な制度だよな。発言した本人は責を負わずに他者に厄介ごとを押し付けるんだから。 そんなことを考えていると1人の女子がこう言った。 「はーい、雪野さんが良いと思います。」 「どうしてかな?」小暮は理由を尋ねた。 「えー、だって他の子は部活とかで色々忙しいと思うけど、雪野さんは部活入ってないし、 いつも結構暇そうにしてるでしょ?余裕がある人がクラス委員をやるべきなんじゃない?」 その発言を機にクラスのほぼ全員が、そうだな、それで良いと思う、そうしましょう、 そんな類の声を上げた。 「うーん、雪野さん、引き受けてもらえるかな?」 嫌だったら別に断っていいよ、小暮はそう言った。 小暮は人がいいからな、こういう状況になったら断れるわけが無いってこと分かって無いんだろうな…… 雪野は戸惑った顔をして、返答に困っている。 そんな雪野を見てか、やりなさいよ、どうせ暇なんでしょ、空気読みなさいよ、 そんな声が雪野に浴びせかけられた。 なんだ?何となくだが雪野に対する敵意のようなものが感じられる。 「……分かりました。クラス委員やらせてもらいます……」 しぶしぶそうな顔をして、雪野は承諾した。 「じゃあ男子のほうから後1人誰かやらない?」 またシーンとするクラス。 ……… 「やる奴が他にいないなら俺がやるよ」 気づくとこんなことを言っていた。 「遠野、いいの?」 「ああ、どうせ俺も暇だからな」 「じゃあ頼むよ。このクラスのクラス委員は雪野さんと遠野の2人でいいかな?」 賛成の声があがる。じゃあこれで解散にしよう、そう小暮が言い、授業は終わりとなった。
さてと、早速スーパーに行ってクリームチーズを買わなければ。 いっそのことチーズケーキを作るのもいいかもしれない。 今日はNYチーズケーキでも作るかな。サワークリームが必要だからヨーグルト買わないとな。 そんな他愛もないことを考えていると、野川が近づいてきた。 あれ?怒ってる?もしかして、まださっき余所見してたこと怒ってるのか? あいつ結構さっぱりしてるから大丈夫だと思ったんだが…… 「どうして?」 え?何が? 「クラス委員やらないって言ってたじゃない!」 ああ、そういうことか。嘘をつかれたと思って怒ってるのか。 「いや、俺もやらないつもりだったんだけどさ、何となく。」 「何となくって何よ!!」 「んー、強いて言うならイライラしたからかな?」 「イライラ?」 「人に責任押し付けて自分は関係ないですよ、って顔するのは趣味に合わない、それだけだ。」 「遠野君……」 「言ったこと守らなかったのはすまないと思うけどさ、許してくれ」 そう言って頭を下げる。すると慌てて野川は言った。 「いいの、こっちこそごめんね。遠野君ってそういう人だもんね。ただ……」 「ん?」 「ううん、なんでもない。あ、私部活あるからもう行くね。」 また明日ね、そう言って野川は足早に教室を出て行った。 さてと、初日から何だか疲れたな。俺も家に帰るとするか。
-Side 野川- 全く遠野君ったら、本当に鈍いし、デリカシーないわね。 こんなに態度に表してるのに、ちっとも私の気持ちに気づいてくれないんだから。 おまけに私との会話中に他の女を見るなんて、今思い出すだけでもイライラする。 しかも普段はちゃらんぽらんな癖に、正義感だけは強いんだから。 小学校の頃から遠野君は、自分が正しいと思ったことは貫いていた。 分かってる、それこそ遠野君の美点だ。 彼のその真っ直ぐさと不器用な優しさに、私は何度も救われた。 でもね、知ってる遠野君?野良猫にあまり餌をあげちゃいけないんだよ? 特にメス猫なんて、盛りがついたらうるさくてたまったものじゃないんだから。 遠野君はその気が無くても相手が付きまとってくるかもしれないんだよ? そうなる前に、今からでもあのメス猫を処理しようかしら……? いや、ダメだ、万が一遠野君にばれたら、絶対に彼は私のことを嫌いになる。 そうなるくらいなら世界が滅亡してしまったほうが数百倍マシだ。 遠野君に万が一にも嫌われないためにも、私は直接的に手を出してはいけない。 あくまで間接的に、あのメス猫を追い込む、あるいは遠野君がメス猫から離れるように仕向けなければ。 「そのためにはまず情報ね。雪野とかいったかしら、あのメス猫。」 そう1人言をつぶやき、私は部室へ急いだ。 -Side 野川 End-
以上で投下を終了します。 一応プロットは完成してるのですが、続きは少し遅くなるかもしれません。
なんか両方とも病む気がするな…… 続き待ってますGBA
GJ 野川最初からけっこう飛ばしてるな
>>407 この命が燃え尽きるまで、待ち続けます。
GJ 気長に待ちますぜ
GJ 続き期待してます
同じく続き期待してます
ゴメン。 書いてたら長くなったんで、中編て事にして投下します。 今回分は殆ど病みが無いんで、 苦手な片は酉かタイトル『コウヘイ、タイマンじゃあ!!』でNGお願いします。
1 カラカラカラカラ、喉が渇く。こんな光景を見せられて、唾を飲むのが精一杯。 夕焼けの陽射しが窓から差し込み、この部屋は紅トーンで綺麗に染められた。 そんな神秘的な空間で、夕日よりも赤い長髪を羽ばたかせ、天然の赤い瞳を潤ませた幼馴染みが、ベッドの上でボクを誘ってる。 ウサギと同じ、淋しがり屋な赤い瞳で。ボスンと音を鳴らし、ベッドに沈んだムチムチの身体で。 サキちゃんは、自分がとっても魅力的な女の子だと理解した上で、ボクから襲われるお膳立てをしてる。レイプさせようとしてるんだ。 神秘的な空間で、尚も幻想的な赤いウサギは、エッチしたくなるような、チンチン挿れたくなるような、そんな状況にボクを追い込んでる。 「壊しちまった分は弁償するさ……今日一日、ゆーとのオナホになってやるよ」 ボクはクラクラ、ノックアウト。心臓バクバク、ドッキドキ。 そうするのは、初恋の幼馴染み。言葉は気丈で強がってるのに、手は震えてシーツを掴む。 顔は横を向いて、視線だけをボクに向けて。早く手を出せとボクを挑発してる。 「そっ、かぁっ……サキちゃんはボクのオナホなのかぁ。なら、ココ……大切な所に、チンチン挿れられても良いんだよね?」 膝から上をベッドへ預けてる、えっちぃサキちゃんに近付く。 ボクのドキドキが伝わらないように、あくまで笑顔で、ココ……と、スタート越しに足の付け根を撫でる。 緊張し過ぎて、感触なんてわかんない。 「あっ、オ、オレのことなんて、き、気にすんな!! 痛がったって気にしなくていいから、ゆーとの……好きにしろよ」 あーあ、やっぱり。やっぱりだ。 やっぱり、サキちゃんには敵わないなぁ。 子供の頃からずっと好きで、何が有っても好きだった。 さっきは嫌いになって、もう顔も見たくないって思ってたのに、気付けば好きになってる。 何度だって、ボクは彼女に恋をする。 そしたら、 「それじゃあ瀬戸山さん、エッチしようねっ」 ちょっとぐらいのイタズラは許されるはず。 「やっ、ぃやぁっ!! ヤダヤダヤダっ!! 弁償するって言ったろ? オナホになるって言ったろ!? 名前で呼べよぉっ!!」 こんな風に、可愛らしいサキちゃんを見たって、許されるはずなんだ。 「ゴメンねサキちゃん……いじわる、しちゃったね?」 目尻に溜まって零れそうな涙を、流れる前に指で拭ってあげる。 初めて、ボクがサキちゃんを泣かせたんだ。貰うハジメテは、これでいい……かな。 「バカっ。やさしく、だぞ?」 だから後は言われた通り、やさしく、やさしく、長いスカートの裾に手を掛けた。
2 「はぁ、はぁっ、はぁっ!」 興奮してる。自然と息も荒くなる。アソコもファスナー持ち上げギッチギチ。 サキちゃんの足の間、床へ膝立ちになってスカートをめくる行為が、こんなに身体を高ぶらせるとは思わなかった。 めくって行く度に面積を広げる黒タイツ。覗けるなやめかしい両足。 だけど自分ではムチムチした足が嫌で、細く見せる為にキツめの黒タイツを穿いて、足を締め付けてるんだ。 「なんだよゆーと、オレの足なんかで興奮してんのか? そんなに熱い息なんか掛けられたら、ふふっ、ムレちまいそうだぜ」 サキちゃんは相変わらずの潤んだ瞳で、相変わらずの強がり発言。 余裕どころか、緊張で身体を震わせてるのに。 でも、それでもボクは止めない。めくり上げるスカートが引っ掛かる度に、サキちゃんは腰を僅かに浮かせて助けてくれるから。 なんだかんだ文句言っても、ボクとエッチしたいって伝わってくるから。 そう思って、 「うん、サキちゃんの足は好きだよ、っとこれでおわ……ええぇっ!!?」 腰の位置まで捲くり上げたら、 「な、なにデケェ声だしてんだよ?」 二つのサプライズがボクを驚かせた。 ボクを、今まで以上に興奮させる。 「サキちゃん、パンツは?」 サキちゃんは、素肌に直接タイツを穿いてた。 「あぁ? んなもん、ゆーとの部屋に来る時は、は、は……ちっ、はいてねぇよ!!」 そっか、いっつも抱かれる覚悟してたんだね? 頬っぺたまで赤くして、本当に可愛い不良さんなんだから。 ボクだって、サキちゃんがこんなに可愛いって知ってたら、もっと早く押し倒してたよ。 それに、 「ねぇサキちゃん? サキちゃんのココ、幼稚園の頃から成長してないんじゃない?」 サキちゃんのココも、とっても幼くて可愛い。 陰毛なんて一本も生えて無いツルツルで、穴なんて見当たらない一本スジで、クリトリスなんてスジの間に埋まっちゃってる。 「はえねーもんは仕方無いだろっ! な、なぁ……ゆーとは、こんな子供の形してたら、イヤか?」 顔は綺麗で、声は格好良くて、身体は凄くセクシーなのに、女性器だけがアンバランスに幼稚園。 なんだかイケない気分にさえなって来る。ゾクゾクって震えが全身を駆け抜けて、口の中は唾液が溜まる一方。 こうなったのはサキちゃんのせいなんだから、 「ううん、スキ。あーんっ♪♪」 ボクにしゃぶり付かれたって、どうしようもない事なんだ。
3 口をいっぱいに開いて、逃げられないように両手で脇腹を押さえて、サキちゃんの股ぐらに顔をうずめる。 「はひゅっ!? あ、あっ、ぁああっ、ああああぁぁああぁぁぁぁぁっ♪♪」 ぐちゅっ、くちゅくちゅくちゅ、ぐぢゅり…… 小さな性器を丸ごと含み、スジに沿って舐めあげる。 舌を縦にして差し込み、恥ずかしがり屋なクリトリスをほじくり出す。 「んぢゅ、ぢゅちゅっ♪ でてこい、れてこーい♪♪」 下から上へ何度も繰り返し、タイツ越しに柔らかお肉を揉みほぐしてゆく。 味はしない、香りは柚のボディーソープ。きっとボクの為に、綺麗にしてたんだね? もっ、すきいぃぃぃぃっ!! 「ぢゅっ、んぢゅ〜〜〜〜〜ぅっ!!!」 ボクの呼び掛けに応えて、僅かに頭を出したクリトリスを唇で挟み、思いっきり吸い付く。 お肉の間に隠れてて良いのは、小学生までだよ!! 「あぐっ!? このっ、調子に乗んな!! 離せコノヤロウ!! ぎぃっ、クリ……取れちまったら、ぜってーゆるさねーかんなっ!!」 太腿は痛いくらいにボクの顔を挟み、頭はペチペチと力無く叩かれてる。 これじゃあ動けないよ。しょうがないなー、サキちゃんは。 「ちから、にゅいててね? ふっ!」 クリトリスに犬歯を押し当て、軽く甘噛みする。 「ひっ!? ヤメ……」 すると本気で噛まれると思ったのか、僅かに足の力が抜けた。 大丈夫だよサキちゃん。ちょっと大人にしてあげるだけだから。 「ら〜めっ♪♪ ふぎぎっ!!」 犬歯でタイツを引っ掛けて噛み、そのまま勢い良く後ろに振り向き、タイツを伸ばして引き裂いた。ビリビリビリィっと。 クリトリスからお尻の穴まで、まあるく破けて素肌が見える。ちっちゃな突起の下に一本線。更に下には、やっぱりちっちゃなスボマリ。 「じゃ、もっかい最初っからね? んぢゅ〜〜〜〜〜ぅっ!!!」 そして今度は直に、ふっくらした恥ずかしがり屋さんへ吸い付いた。 舌先を表面に這わせ、覆ってる皮のヨロイを、唾液タップリで丁寧に剥いであげる。 「んぎいいぃぃぃぃぃっ!!? かっ、はあぁっ……かってにぃっ、ムクんじゃ、んひっ!? ねぇよバカゆーと!!」 そんなこと言ったって、甘栗むいちゃいましたー♪♪ 舌を密着させたままグルッと一周して、すっかり裸んぼうにしちゃったよもんねー。
4 んでトドメは、オナホを壊されて、すっかり無駄になった物。 「ちゅうっ、ちゅぱっ! はぁっ、ちょっと待っててね?」 ベトベトになったクリトリスから口を離し、その場からも立ち上がって、机の引き出しを開ける。 そこに在るのは、本来ならオナホの為に使う筈だった品。ハードローションのボトルを手に取り、未開封なフタを回して外す。 「なに、する気だよ?」 サキちゃんは考えが及ばないのか、不安そうな涙目でボクを見上げてる。 「なに、って……オナホになってくれるんでしょ? なら、ローションをたくさん馴染ませないと」 ボトルのキャップも外し、さっきと同じ位置に座り直す。 ああっ、身体が熱い。今までパシリにされて、文句ばっか言われて来てたのに、それが……逆転した。 本能の端にちょろっと有ったSな部分が、サキちゃんの言動一つ一つに引きずり出される。 すき、スキ、大好き。一生大切に、しちゃうんだからっ!! 「そう、だったな。今日のオレは、ゆーとのオナホだったな」 サキちゃんは自らに言い聞かせるように呟いて、再びシーツを握り、目をつむって口は噛み締めて閉ざした。 きっと観念して、恥ずかしい声が漏れなくしてる。 だけどゴメンね。ボクは、サキちゃんの恥ずかしい声が聞きたいんだ!! 「うん。冷たいけど、ちょっと我慢してね?」 ローションを上下反対にして、力強くボトルを握る。 すると透明な液体は糸を引きながら、クリトリスへと落ちて絡み付き、お尻の穴まで垂れて行く。 「ふんっ!? つめた……」 それを丸々一本分。サキちゃんの下半身がグチョグチョに濡れるまで、ベッドに浸蝕するまで、盛大にブッ掛けた。 500mlの高粘度ハードローションは空になって、余ったボトルは部屋隅にポイ。 サキちゃんの足は全体をコーティングされ、もちもちの肌にトロトロのローションは相性抜群。どこに触っても吸い付いて気持ちいい。 「ボク、サキちゃんに感じて貰えるように頑張るから!! あーんっ♪♪」 そしたらサキちゃんだって気持ちいいよね? ボク頑張るからねっ!! 立ち上がり、左手をベッドに着いて、サキちゃんへと倒れるように乗っかかる。ボクのズボンまで汚れちゃうけど構わない。 目の前には大きなプルプルプリン。その左側の先端を口に含み、着いていた左手は横に添えておっぱいを支え持つ。 ぢゅぷり、ぢゅるぢゅるぢゅる、ちゅうちゅうちゅう…… 「ふあっ、あ、あっ、ふんんっ……ふふっ、赤ちゃんみてーだな、ゆーと?」 増えて来た色っぽい喘ぎ声。少しは気持ち良くなってくれてるかな? それに今更過ぎて言わないけど、サキちゃんてばブラも付けてない。そんなに期待してた、のかな? 口の中で、制服一枚隔てて、ツンツンな乳首がコリコリシコシコ。
5 固くなってる先っちょを、舌でビンタしてみたり突いてみたり。思い付く限りで刺激する 「ねぇサキひゃん? ぢゅっ、ちゅるちゅる、ここから、ちゅぴゅっ、ミルクっふぇ、でないの?」 左手で揉んでみても、吸ってみても、軽く噛んでみても、やっぱり何も出て来ない。 こんなに大きいんだから、夢や希望以外にも、たくさん詰まってそうなんだけどなー。 「ばーか、ガキもいねーのに、はあぁっ……んっ、出るわけねーだろっ!?」 あっ、そっか。母乳って、赤ちゃんの為に出るんだもんね? 空いてる右手を、水っ気たっぷりなサキちゃんの太腿へ。 そして指先でなぞる様に這わせ、スーッと、クリトリスまで滑らせる。 今すぐは無理なんだよね? 出ないんだよね? でもさ、ならさ…… 「それじゃあさ、サキちゃん? ミルク、出るようにしちゃっていい?」 「はいっ? オメー意味わかって、んぎいぃっ!!?」 作っちゃおうよ? 返答の途中、ローション塗れのクリトリスを、キュッとつねって遮った。 親指と人差し指の腹で挟み持って、敏感な部分を優しく扱いてあげる。 ぢゅくぢゅく、にゅくにゅくにゅくにゅく…… 「サキちゃん、ボクね、飲みたいな。いいよねサキちゃん? ボクが、出るようにしちゃって良いよね? サキちゃんのお腹、おっきくしてあげたいなぁ」 別に、本当にそうするつもりは無い。子供ができたって、今は困るだけだから。 何となく、可愛いサキちゃんの、反応が見たいだけ。 困った顔で、耳まで真っ赤にして、口が開きっ放しで、ヨダレが垂れっ放しなサキちゃんの、可愛い言葉が聞きたいだけ。 「ふああぁっ、あ、ああっ、ゃあぁっ、ううぅっ……うん。ゆーとが、出るようにっ、してくれ」 こんな風に、男のチンチンを誘惑しちゃうイケないサキちゃんを。ボクだけのモノだって、確認したいだけ。 「ははっ、冗談、だよ。学生が子供産んだって、育てられるわけ無いでしょ?」 実際は無理だ。二人以外は円の外。そんな状況で、誰の助けも受けずになんて無理。 「えっ? そん、なぁっ。オレ、ゆーとの赤ちゃん、産みた……」 だけど、これだけは誓う。 「ボクが居るからっ!! ボクが、サキちゃんの隣で、ずっと守ってあげるからっ!!」 初めて好きになった女くらいは、ボクが一生守ってあげるよ。 だから、だからサキちゃん。お願いだから。 「だからっ、エッチさせてぇっ!!」 童貞卒業させてください!! 三度立ち上がり、ベルトを外してファスナーを下ろす。 実は興奮し過ぎて、一度ズボンの中に射精してしまった。まだまだ元気だけど、精液がニュルニュルして気持ち悪い。
今回は以上です。 次の後編で、ヤンデレになって終わります。
おおう、来てたんだ。GJっす。 今の言動だけ見てたら、ゆーとのほうが病んでるぜ。 これが一転して、サキちゃんのほうが病む、だと…… 後編、楽しみにしてます。
くそ!2回抜けたぞ!! GJすぎる
425 :
名無しさん@ピンキー :2009/03/08(日) 12:11:37 ID:v5itBMXg
おもわずオナヌしちまったぜ・・・ GJ!!
ふぅ…
さっきからもう6回は見返しているがまだ抜けそうだ
今から一時間レスがなければ俺にヤンデレの彼女ができる。
(´;ω;`)ブワワッ
チキショー!!
今から一時間レスなしならヤンデレの彼女ができ成績が上がる
>>433 済まない、邪魔者としてヤンデレに刺されてくる。
○○時間レスが無ければ(ryってのはよっぽど過疎でなきゃやってはいけないと思うの
このスレに死期がせまっているのか?
>>435 過疎でもやってはいけない。十八歳以上なら
最近、なにを見てもヤンデレ変換、もしくはヤンデレ妄想されるんだが、俺の脳みそ大丈夫かな?
>>439 ゴキ■リホイホイがヤンデレにみえるのもそのせいか?
>>440 何故?w
どんな感じでヤンデレに見えたのか詳細教えてくれw
どっか別の所でやってろ
そんなことよりもSS夜みたい
>>441 甘い誘惑で近付け、二度と抜け出せず…
死んでも離れない。
でも何匹も寄せるから、ヤンデレではない気がする。
題名の無い長編その4の続きこないかな… あの黒幕ヤンデレ?のヒロインのしてることが主人公にばれる もしくは別のヒロイン登場で三角関係になる どちらも良い展開で俺の妄想を掻き立ててくれる
今日もたくさん彼の声を聞ける!私の足取りは軽やかだった ちょっとしたきっかけでそれを見つけたのは先週のこと、コンセントの一つが見慣れないものに刷り変わっていたのを見つけた私はちょっとした好奇心から中を開けてみることにした 出てきたのは小さな基盤と回路……盗聴器だ ネットを使い調べていくうちに簡単な方法で改造できることを知った私は直ぐ様行動を起こした 三日がかりで調整を施し、一昨日。彼の部屋に仕掛ける事に成功した 幸いなことに彼が部屋の合鍵を分かりやすいところに置いてくれてたので作業は簡単にできた。 そして昨日から私は彼をより身近に感じることができるようになったのだ 所用を済ませ帰宅した私はパソコンに向かい、彼の部屋の状態を確認する すると…… 『わざわざ来てもらったばかりか飯まで作ってくれるとは、申し訳ない』 愛しの彼だ。が何かがおかしい 『何言ってるの、最愛の彼女なんだからこれくらい普通でしょ』 耳慣れないクソ女の声が聞こえてきた そんな、私だけの彼に何時の間にビッチ女が寄生したの? 『嬉しい事言うじゃないか、そんな事言ってると今夜は帰さないぞ?』 魅力的な彼の台詞、でもそれは私に向けられたものじゃない 私だけの彼なのに!私だけの彼なのに!私だけの彼なのに!私だけの彼なのに!私だけの彼なのに!私だけの彼なのに!私だけの彼なのに!私だけの彼なのに!私だけの彼なのに!私だけの彼なのに!私だけの彼なのに!私だけの彼なのに! 頭を埋め尽くす怨嗟の声。 それに従うことにした私は大切な彼を取り戻すための計画を練り始めた なんとしても彼を保守しないと! という保守なんだ
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初めて投稿します、ご容赦を。 前編、後編に分けてます。 受け取りようによっては「男のヤンデレは基本的にNGです」に抵触する描写があるかもかもしれませんので注意を。
「ただいま、雄一。良い子にしてたかな?」 目の前の女性が僕にそう語りかける。 すらっとした背の高い身体に、腰までとどく長い黒髪の美女。 「今日は隣町のショッピングモールまで行って来たの」 そう言って、彼女は手に持った買い物袋達をドサドサと床に置く。 思わず買い過ぎてしまったのだろう。結構な量だ。 僕は彼女の顔を見つめる。 いつもどおりの、彼女の美しい顔立ちがそこにある。 「えへへ、ちょっと買い過ぎちゃった。今日はご馳走だよ。雄一の好きなものいっぱい作ってあげるね」 そう言って床に置いた買い物袋から、食材を取り出して冷蔵庫の中に放り込んでいく。 僕は彼女の横顔を見ながら、どうしてこんな事になったのだろう。という、いつも通りの疑問に胸を苛まれる。 「凄かったよ、人がいっぱいで・・・そうだ、今度は雄一も一緒に行こうか?きっと二人ならもっと楽しいと思うの」 買ってきた食材をあらかた冷蔵庫に突っ込んだ彼女が、僕のほうに向き直る。 黒い瞳。 彼女の黒く、濁った、光を映さない病んだ瞳が僕を見据える。 きっとこの瞳は僕を見ていない。 確かに、彼女の視線は僕に注がれているけど、彼女の瞳に僕は写っていない。 きっと、そこに映っているのは・・・。 「ね、ただいまのキス。してもいいかな?」 そう言って彼女は僕の顔に手を伸ばす。 白い、華奢な指が僕の顔を撫でる。 彼女の手が僕の後頭部に伸び、結ばれていた猿轡の紐を解く。 僕の口を拘束していた布が外される。口の中の唾液を大量に吸い込んだ布の塊。 僕の口には、常にこの布の塊が押し込まれている。 「・・・透歌・・・さん。おかえっ・・・」 僕の言葉が透過さんの唇に塞がれる。 口内が透歌さんの舌に陵辱される。恋人同士の甘いフレンチキスなんて程遠い、まるで僕の唇を、舌を、歯を、喉を、口内全てを蹂躙するディープキス。 「んっ・・・ふぅ・・・」 透歌さんが満足するまで、僕の口内は陵辱されまくる。 両手、両足を拘束されている僕に、彼女の陵辱に抗うすべは無い。 やがて満足したのか、透歌さんの口が離れていく。 ・・・糸を引く唾液が、限りなく卑猥だ。
「お帰り・・・透歌さん」 僕は目の前の女性、木下 透歌(きのした とうか)にそう告げる。 告げられた方の透歌さんは、相変らずの濁った瞳のまま、僕を抱きしめる。 座ったままの姿勢で、木の柱に両手を縛り付けられている僕の身体。 その背中を彼女のすらりと伸びた腕が巻きつく。 彼女は、この世でもっとも愛おしい僕という存在をしっかりと抱きしめ、耳元でつぶやく。 「ただいま、雄一。愛してるよ。誰よりも、何よりも」 こうして、今日も透歌さんは、愛の言葉を囁く。 透歌さん自身の心を蝕むほどに、愛する男の名前を繰り返し呼ぶ。 彼女が世界で誰よりも愛する、佐伯 雄一(さえき ゆういち)の名を。 「うん。透歌さん。僕も、透歌さんの事が世界で一番好きだよ」 そして僕は応える、彼女の心が蝕まれていると知っていて。 でもだからこそ、僕は彼女の愛の言葉に答えなくちゃいけない。 「うれしい。私もね、雄一の事が大好きだよ。愛してる。大好き・・・」 彼女は僕の身体をなおも強く、きつく抱きしめ、愛の言葉を耳元で囁き続ける。 僕も、応え続ける。彼女の愛の言葉に。 「ふんふ、ふーん」 鼻歌を歌いながら、透歌さんが台所で食事を作っている。 僕はそれを眺めながら、透歌さんの過去を思い返す。 近所に住んでいて、子供の頃から仲が良かった、幼馴染で年上の、透歌さん。 彼女とは、子供の頃からの知り合いで、いつも一緒に遊んでいた。 「出来たよ、雄一。きょうはねぇ、雄一の大好きなハンバーグだよ」 そう言って透歌さんがくるりと振り返り、手に持ったお皿に盛り付けたハンバーグを、僕に見せる。 それを見て、僕は思わず苦笑してしまう。 ハンバーグが好きだったのは、ずっと昔、子供の頃の話だ。 透歌さんの中の雄一は、子供の頃のままで止まっているのかもしれない。 「ありがとう。おいしそうだね。透歌さん」 僕はそう言って、透歌さんに微笑む。 彼女が、子供の頃の雄一を望むなら・・・僕は透歌さんの望む雄一であるだけだ。 子供の頃の決して透歌さんを裏切らない、信じあっていた二人を彼女が望むなら。 透歌さんは、僕の回答に微嬉しそうに笑み、食事を盛り付けたお皿を、次々とテーブルに並べていく。 「ハンバーグだけじゃないんだよ?今日はねぇ、雄一が好きなものがいっぱいなんだから」 柱に縛り付けられたままの僕の目の前の、テーブルに並べられた料理の数々。
透歌さんの言葉の通り、ハンバーグ、ステーキ、カレーライス、スパゲッティ、オムライス・・・おおよそ子供が好きそうな料理がこれでもかと並ぶ。 そういえば全部、子供の頃は好きだと言っていた気がする。 しかし、いくら何でもこれは作りすぎだ。 ほぼ一日中、柱に縛り付けられたまま過ごす自分にはかなり厳しい量だ。 「このカレーライスなんて自慢の一品なんだよ。さ、食べようか?」 そう言って、エプロンを外し、僕の身体に寄りかかるように座る透歌さん。 透歌さんの身体から香る、独特のいい匂いが鼻を付く。 ・・・ほぼ毎日、彼女と身体を交えているけれど、この匂いには慣れない。 嗅ぐたびに自分の心臓が早くなるのを感じる。 「じゃあ、まずはカレーライスからだね」 透歌さんはそう言って、スプーンでカレーライスをすくうと、自分の口の中にくわえ込む。 くちゃくちゃと、咀嚼する音が僕の耳元で響く。 それから、透歌さんは僕の顔に手を伸ばし、顔を向けさせる。 透歌さんの顔が、目の前に迫る。 「んっ・・・」 透歌さんの唇で、僕の唇が塞がれる。・・・そして、口内を強引に舌で広げたかと思うと、透歌さんが口の中の咀嚼物を、流し込んだ。 透歌さんの料理は、本当は凄くおいしいのだけど、正直、これでは味がよくわからない。 でも、両手両足を拘束されている僕には、透歌さんのこの行為に抗うことは出来ない。 ・・・例え両手両足が自由でも、抵抗しないだろうけど。 透歌さんが、こうやって食事をする事を望むのだ。 彼女の為に生きている依存対象である僕に、それを拒絶する権利は無い。 「ん・・・。ぷはっ。・・・ふう」 口に含んだ咀嚼物を僕の口に流し終えた透歌さんは、満足したのか唇を離す。 僕の唇に付いたカレーの汚れを、取り出したティシュで拭う。 「ねぇ、雄一。おいしかった?次は何を食べたい?ステーキ?オムライス?・・・あ、それともお水飲む?辛かったでしょ?」 透歌さんは心底楽しそうな笑顔で、僕に尋ねてくる。 こうやって僕に食事を食べさせている時が、彼女の“雄一のお世話をしたい”という欲求を特に満たすらしい。 思えば、彼女がこうなる前にも、よく食事を作りに来てくれていた。 仕事の都合で、度々家を空ける両親に代わって、我が家に食事を作りに来てくれていたのが、透歌さんだ。 家が近所で、親同士が顔見知りで、僕たちは幼馴染で、僕は透歌さんの事を姉のように慕っていた。
食事だけでなく、透歌さんは様々な世話を焼いてくれた。 僕は優しくて、綺麗で、そしていい匂いのする透歌さんが大好きだった。 ・・・それはいまでも変わらない。こうして、彼女に監禁されている今も。 「うん。透歌さん、お水が飲みたいな。喉渇いたよ」 僕の言葉に、透歌さんははにかんだ笑顔を浮かべ、うん、と頷いて、グラスに入った水を口に含んだ。 透歌さんの唇と僕の唇が触れ合っている。 つまりは、キスしている。という事になる。 ただ、恋人同士のそれと大きく違うのは、僕の口内は透歌さんの舌に蹂躙されている、という事だ。 互いの舌が愛しい相手を求めているのではない。 透歌さんの舌が、一方的に僕の口内を激しく舐め回す。 僕の歯を一本一本。僕の歯茎を隅から隅まで。僕の舌が透歌さんの口の中へ吸い込まれる。 僕の口内を舐めまわす透歌さんの舌。ずずずっ、と僕の唾液を吸い込む。 「んっ・・・むはっ・・・んあっ・・・」 透歌さんの声が漏れる。それが、たまらなく淫靡で艶かしい。 僕の股間のモノは、透歌さんの声と、息と、匂いを間近で感じて張り詰めるほどに大きくなっていた。 透歌さんの唇が離れていく。唾液が、二人の間に橋を作る。 惚けたような顔をした透歌さんの顔が目の前にある。 「雄一。私、もう我慢できないよ・・・ねぇ、しよ?」 そう言って、透歌さんはパジャマを脱ぎ始める。 ・・・夕食が終わって(結局、食事の大半は残り物として、冷蔵庫行きになった)、二人でお風呂に入って、いまは寝室のベッドの上。 僕はいつものようにダブルベットの四方の柱に繋がった布で手足を縛られ、大の字で仰向けに寝そべっていた。 透歌さんは僕の身体に重なり、唇を先ほどまで優に30分以上ついばみ続けていた。 「雄一のも、脱がしてあげるね」 僕の目の前に裸体を惜しげもなく晒す透歌さん。 黒色の長い黒髪が彼女の乳房を隠してはいるが、逆にそれが卑猥だ。 ・・・もう何度となく、彼女と肌を交わらせているが、やっぱり彼女の身体は見惚れてしまう。 子供の頃は、姉のような存在で、ただ憧れていただけだった。 けれど、彼女を本当の意味で好きになったのはいつからだろう? 中学を卒業する頃には、もう、彼女のことが好きになっていたのだと思う。
二つ年上のあれやこれやと世話を焼いてくれる、幼馴染の綺麗なお姉さん。 そんな人を、男なら好きにならない訳は無かった。 けれど、毎晩こうして彼女の肢体を眺める事になるとは思わなかった。 こうして身体を交わらせる事になるとは思わなかった。縛られながら。 「雄一のここ、もう固くなってるよ?」 そう言って、透歌さんは僕の股間のモノを凝視する。 ・・・いつの間にかパジャマのズボンはずり下げられ、僕の男性器は露出していた。 「んっ・・・。熱い」 透歌さんが僕の性器を優しく指でなぞる。 しばらくの間、熱っぽい視線で僕の性器を嬲っていた透歌さんだったが、我慢できなくなったのか、股間に顔を近づけると、一気に僕のものを咥え込んだ。 「うわっ、透歌さっ・・・んっ・・・!」 思わず声が漏れる。透歌さんが僕の性器を根元まで咥え込んでいる。 こういう時、透歌さんは、僕の快楽がどうというより、透歌さん自身の欲求が止められないらしく、一度そういうことを始めると、キスの時と同じように、彼女自身が満足できるまでずっと、その行為を続ける。 「じゅっ・・・じゅぶっ・・・んむっ・・・むあっ・・」 かなりいやらしく透歌さんが僕の性器を責め立てる。 一心不乱に僕の男性器を舐め続ける透歌さんに、昔のあの、清楚な雰囲気を持つ透歌さんの姿は無い。 僕は、落ち着いていて、清楚で、けど柔らかくて、優しかった透歌さんが好きだった。 幼馴染で、昔から仲が良くて、いろんな世話をしてくれて、ずっと憧れていて。 中学を卒業してから、どんどん好きになっていって・・・けど、僕は透歌さんにその思いを告げることは出来なかった。 大好きだったけど・・・絶対に思いを伝えることはしなかった。 透歌さんだって、僕の気持ちに応える気はなかったんだろうし。 「雄一、気持ちいい?ここらへん舐められるの、雄一、凄く好きだものね?私、知ってるんだぁ・・・ずっと見てたからね。ずっと。ずっと見てたよ。雄一があの子にこんな風にされてるの、ずっと見てた・・・ね、雄一。私、あの子より上手だよね?私の方がいいよね?」 あ、まずい。透歌さんのスイッチが入ってしまった。 透歌さんはトラウマがこうして浮かび上がって来ると、いつもの何も映していない虚ろな瞳のまま、あの頃の事を語りだす。 雄一という名の男の、愚かな愚行が透歌さんの心をズタズタに切り裂いた、その記憶を。 こんな時、僕に出来るのは、慌てて彼女の気を逸らす事だけだ。 「透歌さん、僕、もう我慢出来そうに無いよ。その・・・咥えてもらってもいい?」
僕の言葉に、透歌さんは虚ろな瞳のまま、僕に微笑みかける。 そして、僕の男性器を口に含んで、奉仕を始める。 透歌さんの口内でしごかれた僕の男性器が限界を迎える。 「うあっ、透歌さんっ・・・!出るっ・・・」 透歌さん口の中へ、精液が放出される。 射精する快楽と共に、透歌さんの口内に、自分の欲情のたけを放出しているという背徳感に身体が支配される。 「んっ・・・んん・・・っ」 透歌さんの喉が動く。 僕がこうして口内に射精した精液を、透歌さんは必ず一滴残らず飲みほす。 ごくごくと、僕の精液が、透歌さんの喉を流れていく。 「ぷはぁっ・・・!」 精液を飲み干した透歌さんが満足そうに微笑む。口の端から零れた唾液が卑猥だ。 透歌さんは、そのまま僕の上に馬乗りになると、口元を歪ませ、淫靡な笑いをその顔に浮かべる。 「ね、雄一。私の方があの子より上手だったよね?私なら、雄一が気持ちいいと思う事、なんだってしてあげられるよ?・・・あの子みたいに折角の雄一の精液を吐き出したりしない。全部飲んであげる。ね、私の方がよかったでしょ?だから何処にも行かないで」 透歌さんがくすんだ瞳のまま僕の男性器を握る。 さっき出したばかりだというのに、透歌さんの手で握られるだけで再び下半身に血が集まっていくのを感じる。 「大丈夫だよ。僕は何処にも行かないよ。ずっと傍にいるよ、透歌さん・・・」 僕は、透歌さんが望むなら何処へも行かない。 ずっと、透歌さんとふたり、こうやって過ごしていきたい。 この二人だけの空間で、誰にも邪魔されず、二人で。 透歌さんがそう望むなら。透歌さんがもし、ずっと望み続けてくれるなら。 「うれしい。絶対に何処にも行っちゃだめだよ?約束だよ?・・・もしも、またあの時みたいに・・・私の元から離れていったら・・・!」 透歌さんが僕の男性器の上に腰を落とす。 柔らかい、肉の感触が、僕のソレを包む。 根元まで挿入されて、繋がった二人の性器。 透歌さんの両手が、僕の首にかかる。 「貴方を殺して、貴方を奪った女も殺して、・・・それから、私も死ぬ」 透歌さんが僕の首に掛けた両手に力を込める。 息が苦しい。首が絞まるのがわかる。 ・・・でも、恐怖は感じない。
透歌さんになら、僕は殺されても良いとさえ思えているのだから。 「透歌さん・・・。僕は・・・何処にも・・・行かないから・・・」 僕は透歌さんに絞められている喉から、やっとの事でそれだけを吐き出す。 両手の力が抜けていく。それと共に、呼吸が楽になっていく。 見れば、透歌さんはこれ以上ないほどの歪んだ笑みを浮かべている。 僕はその、見慣れた歪んだ笑顔を見て、ほっ、と一息つくと共に、自分の胸が酷く痛むのを感じる。 「うん、雄一。何処にも行かないで。あんな子と付き合ったりしないで。私を選んで。 ・・・ずっとずっと傍にいて。私たちは子供の頃からずっと一緒だったんだから、これからも一緒じゃなきゃおかしいの。・・・動くね」 透歌さんと僕は、騎上位で繋がっている。透歌さんとする時は、大抵がこの体位だ。 相手が勝手に動くのは、なんとなく気持ち悪いそうだ。 自分が動いて、相手に快楽を与えたい。 奉仕するのが好きな透歌さんらしい。 ・・・ちなみに、透歌さんは僕からの奉仕というのを極度に嫌う。 僕が透歌さんの女性器を舐めたのなんて1、2回くらいだ。 「はあっ・・・はあっ・・・!ねえ、雄一。気持ちいい!?」 透歌さんが激しく僕の上で動いている。 透歌さんの女性器に出し入れされる僕の性器。 それがひどく卑猥で、さらにそれに光悦の表情を浮かべている透歌さんの表情も卑猥だ。 透歌さんの大きな乳房が目の前で揺れる。 目の前の好きな女性の痴態に興奮しない男なんていない。 僕はさっき透歌さんの口に出したばかりだと言うのに、再び射精が近い事を感じる。 「はぁ、はぁ・・・。気持ちいいよね?雄一。あの子のよりずっといいでしょ? あの子はいつもベッドに寝そべって、雄一にされるがまま。自分で動こうとなんてしない。 ・・・なのに、なのに雄一に抱かれて、愛されて! ・・・私は違う。こんなに雄一を愛してる!こんなに雄一に尽くしてる!」 透歌さんは腰を激しく上下させながら、嫉妬の言葉を吐き出す。 雄一の幼馴染だった透歌さん。雄一に子供の頃から尽くしてきた透歌さん。 昔から雄一を慕っていた透歌さんは、その思いを遂げられなかった。 「ねぇ、どうしてあんな子を選んだの?私はずっと雄一の事が好きだったのに。 あんな、ちょっと可愛いだけのメス犬のどこがよかったのかなぁ?・・・私はずっと雄一に尽くして来たじゃない。 雄一が告白してくれたらすぐに応えるつもりだったのに・・・どうして、どうして告白してくれなかったの? ずっと、ずっと待っていたのに」 透歌さんが泣いている。光の無いくすんだ瞳から涙が零れ落ちる。
透歌さんの絶望が僕の胸を打つ。 ・・・透歌さんの気持ちなんて昔から気がついていたんだ。 でも、透歌さんは幼馴染で近すぎて、世話好きで、それがとても重くて。 だから、透歌さんの思いは実らなかった。応えることは無かった。 たまたま入った部活で知り合った子と仲良くなって、よく話すようになった。 天才的で、なんでも出来る、才女の透歌さんとは対照的に、その子は見ているこっちがハラハラするような、何をするにも失敗する子だった。 何でもしてくれる透歌さん。何でもそつ無くこなす透歌さん。 対照的に、こちらから世話してやらないと駄目なその子。 ずっと透歌さんのような完璧女性しか知らなかった雄一にとって、その子は男としての保護欲をそそるに十分だった。 「はぁ・・・はぁ・・・すごいよ、雄一のが、私の中で凄く熱くなってる。 やっぱり私のほうが気持ちいいよね?出したい?」 僕が頷くと、透歌さんは顔を近づけ、唇を交わす。 キスをしたまま繋がった透歌さんの中に、熱い情欲の塊をぶちまける。 コンドームなんて着けてない。透歌さんの頭の中に避妊なんて考えは無いらしい。 「雄一の子種、あんな女になんか渡さない。雄一の心を奪ったあんな女になんか!」 そう言って、透歌さんも果ててしまったらしく、僕たちは繋がったまま、ベッドのうえで二人、そのまま身体を寄せ合っていた。
前編の投稿終わりです。 何分初めてなので、稚拙な文章ですいません。
GJ よく書いてくれた 後半も期待して待っている
460 :
名無しさん@ピンキー :2009/03/11(水) 20:42:32 ID:ulUehNVe
GJ
GJ!!!!
!!GJ!!
くそぅ、不覚にも…。
乙 後編に期待
前編だけでも凄いボリュームだ
GJ 続きを期待
>>458 後半があるってことは何かサプライズを期待してもいいのかな。
ともあれいい仕事です、続き楽しみにしてます。
GJなのよ
GJでした〜 『雄一』の存在が、新たな波乱を呼ぶのか? 次回の後編、楽しみにしてます。
名前だけ見て気に病む子がついに行動にでたのかとか早合点した 何はともあれGJ
GJ!! 雄一もなかなか「素質」があるなあ なんだかヤンデレに愛されるのにふさわしいというか・・
あれ何でだろう。男のヤンデレは嫌な筈なのに・・・期待してしまう
後編を投稿します。 受け取りようによっては「男のヤンデレは基本的にNGです」に抵触する描写があるかもしれませんので注意を。
泣き声が聞こえる。透歌さんの声だ。 僕は暗闇の中、そっと目を開く。 ベッドの上には僕と透歌さんの二人。二人とも、事後のまま全裸。 僕の手足の拘束は解かれていた。どうやら僕が眠りに入った後、手足の拘束を解いてくれたらしい。 代わりに、いつも通りに、首に首輪がはめられていて、首輪に繋がれたロープがベッドの端にくくりつけられている。 透歌さんは僕が逃げ出してしまう事を、極端に恐れる。 僕がどれ程、透歌さんに対して何処へも行かないことを約束しても駄目だ。 透歌さんは僕に繋いだ拘束を解きはしない。 「雄一・・・捨てないで・・・行かないで・・・」 透歌さんがベッドの端ですすり泣いている。 こうやって時々、透歌さんは夜中に泣き出す。 雄一に捨てられた悲しみに心が耐え切れず、病んでしまった彼女の心が悲鳴を上げる。 「透歌さん・・・大丈夫?」 僕は透歌さんに声を掛ける。透歌さんはベッドの端で身体を丸くして、すすり泣いている。 僕は透歌さんの肩に手を置き、肩を震わせて泣いている透歌さんに寄り添う・・・。 「雄一?雄一なの?」 振り向いた透歌さんは、涙でボロボロの顔を僕に向ける。 僕はその透歌さんの泣いている顔を見つめながら、あの時の事を思い出さずにはいられない。 あの日、心配になった僕が、透歌さんをこの部屋で、部屋の隅で蹲って泣いているのを発見した日。 あの時も同じように、僕は透歌さんに声を掛けた。 そして、今この時のように透歌さんは虚ろな瞳のまま、涙を流し続け、雄一を呼んでいた。 「僕はここにいるよ、透歌さん。何処にも行かないよ・・・」 僕はあの日、あの時と同じように最愛の人に対して残酷な嘘を吐く。 僕は雄一。透歌さんがずっとずっと人生をかけてまで尽くしてきた幼馴染。 透歌さんが昔から恋焦がれてきた人間。 透歌さんの愛情を一身に受けてきた人物、佐伯 雄一。 そう、自分をだまし続ける。 「雄一ぃ・・・。どうして私の元から居なくなったりしたの?雄一は私が居ないと何も出来ないじゃない。 雄次ちゃんもそう言ってたでしょ?雄一は私の傍にいるのが幸せなの。 居なきゃいけないの。私と、雄一と雄次ちゃんと3人で、ずっとずっと過ごしていくの」 透歌さんの言葉に自分の心が酷く痛むのが判る。
じゃあ、この状態はなんだ?どうしてこの部屋に居るのは透歌さんと雄一だけなんだ? 雄次は?雄一の弟は何処に居る?・・・何処にもいやしない。 透歌さんをずっと慕っていた雄次という人間は、透歌さんを手に入れる代償に、彼女から認識されなくなってしまった。 「ごめんね、透歌さん。あの子の事は気の迷いだったんだ。 僕には、透歌さんがいればそれでよかったのにね。・・・本当にごめん」 僕はやさしく透歌さんを抱きしめる。 透歌さんは身体を少し震わせた後、僕の胸に顔を埋めて、嗚咽を吐き出し始めた。 「雄一ぃ・・・。どこにも行っちゃ駄目だよぉ・・・。雄一の面倒は私がずっと見続けるんだから・・・。 雄一はずっと私の傍に居なきゃだめだよぉ・・・雄一は一人じゃ何も出来ないんだから・・・私がいなきゃ駄目なんだから」 その言葉に、僕は胸に込み上げる感情を必死に押さえ込む。 下手すれば透歌さんを罵ってしまいそうなる。それだけはやってはいけない。 ・・・でも、どうしても思ってしまう。 “透歌さんこそ雄一に依存しているんだ”と、“雄一が居なくなっちゃ駄目なのは透歌さんじゃないか”と。 透歌さんが雄一に逃げられたのは、その依存心のあまりの強さだ。 こうして、透歌さんに監禁されるようになってからは良くわかる。 透歌さんは口では雄一が自分に依存しているような事を言っているが、実際、雄一に強く依存しているには透歌さんだ。 依存され続けている方は、その重さに耐え切れなかった。 だから兄の雄一は、透歌さんの自分への気持ちを知りながら、別の女の子に走った。 「雄一の為なら何でもしてあげる。雄一の望む事なら何でもしてあげられるよ。 ね、だから何処にも行かないでね?」 透歌さんは顔を上げる。 相変らず、その瞳には僕の姿は映っていない。暗く濁っているだけだ。 僕は、目の前にある透歌さんの唇を思わず奪ってしまう。 普段は、奪うばかりだからか、透歌さんはわずかに瞳を開き、驚く。 僕は、透歌さんの唇を奪いながら、思い出す。 俺の名前は雄次だ。 俺は2歳年上の幼馴染、透歌姉さんが一人暮らしをしているアパートの一室の前に来ていた。 透歌姉さんとは子供の頃からの旧知の仲だ。 昔、我が家の近所に住んでいた透歌姉さんは、何かと家を留守にしがちな俺たち兄弟の親に代わり、世話を焼いてくれた人で、俺にとっては本当の姉のような存在だ。
昔から色々と世話を焼いてくれる透歌姉さんの事が好きだった。 何事にも完璧。器量よしで性格良し。お淑やかで物腰が柔らかで。加えて容姿端麗と来ていれば非の打ち所が無い。 そんな超絶美女が昔から自分の世話を焼いてくれるのだ。好きにならないわけが無い。 ・・・が、俺は知っている。透歌姉さんが世話を焼くのは、俺の為じゃない。 あくまで、透歌姉さんが愛する俺の兄、雄一の為だ。 兄の雄一と俺は正反対の性格だ。 2歳の年の差がありながら、容姿も、身長も全くうり二つな俺たち兄弟だが、性格はまるで正反対だ。 雄一は、何事も引っ込み事案で優柔不断。頼りない、というのがぴったりな性格。 生活力なんか皆無でいつも透歌姉さんに世話を焼かれている。 透歌姉さん曰く、「雄一はお兄さんなのに危なっかしくて見ていられない。だから私が面倒を見てあげなくちゃ生きていけないの」だそうで。 対する俺はその正反対。 口は悪いが、やる事はやる。はっきりすっきりした性格。 昔から透歌姉さんに手取り足取りどっぷり世話になっていた雄一とは違う。 透歌姉さんを少しでも助けようと、掃除、洗濯、料理を覚え、透歌姉さんの手伝いを進んでやってきた。 精神的にも家庭的にも自立している俺は、透歌姉さんに依存せず生きてきた。 ・・・しかし、よくよく考えてみれば、自分が居なきゃ生きていけそうに無い兄の雄一と、自分が居なくても大抵の事が出来る弟の俺。 世話好きの透歌姉さんが、どちらをより愛するようになるかは自明の理だ。 透歌姉さんは雄一が好きだ。自分を必要としない俺なんかより、自分を必要とする雄一を愛してる。 世話を焼き、毎日、スキンシップという名の過剰なアピールをかける。 俺はそれを毎日眺めながら、失恋の痛みに胸を苛まれつつも、大好きな姉と兄の二人を憎めない。 兄の雄一はあんな性格だが、それでも世間一般の兄弟とは違って仲はよかった。 なんだかんだ言って3人で支えあって生きてきたのが大きかったのかも知れない。 俺は自分の気持ちを胸に押し込め、二人がいつか結ばれるのを影ながら応援してきた訳だ。 その俺は、いま、透歌姉さんの住むアパートのドアを前に立ち尽くす。 チャイムを押しても返事は無い。 ・・・意を決して、ドアを開ける。鍵は掛かってない。 部屋の中は薄暗い。俺は透歌姉さんの姿を探す。 ・・・いた。透歌姉さんの寝室の隅、薄暗い室内で蹲っている透歌さんがいる。
透歌姉さんは泣いていた。肩を震わせて。 俺は透歌姉さんのその姿を見て、自分の予想が的中したことを知った。 ・・・透歌姉さんは大好きな雄一を、別の女に盗られてしまった。 最初に、兄の雄一が彼女を作ったと本人の口から聞かされた時、俺はそれが透歌姉さんの事だと思い、嬉しいような、悲しいような微妙な気持ちになったのを覚えている。 が、それが透歌姉さんの事では無く。何処とも知れない同級生の女生徒だと知ったときは唖然とした。 その事を本人に確認した俺は、雄一の口から、 「僕の付き合っている人は透歌さんじゃないよ・・・同じ部活の女の子だよ」 と聞かされた瞬間、発作的に雄一を殴り飛ばした。 ・・・許せなかった。 雄一だって解っていた筈だ。透歌さんが自分を好きなことくらい。 透歌さんが自分を必要としていることくらい。 透歌さんは自分が居なきゃ生きていけない人だって事くらい。 が、奴はあろう事か、 「ごめん、雄次。透歌さんの気持ちは知ってるし、雄次が透歌さんを好きなことも知ってる。その上で、僕と透歌さんを応援してくれた事も」 俺は頭に血が上って冷静ではいられないまま、雄一の胸倉を掴むと、憤怒の形相のまま雄一に叫んだ。 「俺が、透歌姉さんを好きだから、俺に透歌姉さんを譲ってやるってか!?ふざけんじゃねえぞ!!てめぇ、透歌姉さんの気持ちを何だと思ってやがるんだ!」 確かに俺は、透歌姉さんの事が好きだ。もしも、彼女が雄一ではなく、俺のほうを見てくれたら・・・と思ったことは何度もある。 けれど、透歌姉さんが好きなのは雄一だ。 それは変えられない事実。そして、無視してはいけない透歌姉さんの気持ち。 だから、俺は透歌姉さんを傷つけないために、自分から身を引いたんだ。 なおも激昂する俺に、アイツは胸倉を掴まれたまま、すまなさそうな表情を浮かべ、俺の言葉にゆっくりと反論してきた。 「違うんだ。そうじゃないんだ、雄次。そういうつもりじゃあ無いんだ。僕が・・・僕が透歌さんの気持ちに応えられない・・・疲れたんだ。 透歌さんに依存されるのが。重いんだよ。彼女の気持ちが」 俺は、その場で絶句した。 ・・・重い?何を言ってるんだ、こいつは。 透歌姉さんの気持ちが重いだと?・・・万年、透歌姉さんに世話をされているお前が? 透歌姉さんが居ないと、まともに生きていけそうに無いお前がか!? 「ふざけんな!」
俺は感極まって、再び雄一を殴りつけると、その場を後にした。 その時、俺が考えていたことは、もう遠慮はしない。という事だった。 雄一が透歌姉さんを捨てても、俺は絶対に透歌姉さんを捨てない。 そうだ、透歌姉さんが雄一の事が好きでも、その気持ちは絶対に叶わなくなった。 だったら、俺が何とか透歌姉さんを振り向かせる事もできるんじゃないか? 透歌姉さんだって失恋したんだ、こっちを見てくれてもいいんじゃないか? ・・・なんて、自分の考えが甘いと知るのに、時間はかからなかった。 台所の隅ですすり泣く透歌姉さんに駆け寄ると、俺は、透歌姉さんの肩を掴み、声をかけた。 「透歌姉さん・・・大丈夫か?」 振り返った透歌姉さんの顔は涙で酷い状態だった。 心がギシリと痛む。これほどになるまで透歌姉さんは、心を病むほどに雄一のことを愛していた。 雄一から彼女が出来た事を聞かされた直後の透歌姉さんは、最初こそ動揺していたが、すぐにいつもの透歌姉さんに戻っていた。 曰く、「雄一の事だから、数日もしないうちに彼女に捨てられるに決まってる。だって、雄一は私が居ないと駄目なんだもの」らしい。 目は笑っていなかったが、数日のうちは、いつもの透歌姉さんのままだった。 俺は、雄一が透歌姉さんのもとに戻って来ないのを願いつつ、どうやって姉さんを振り向かせようか考えていた。 ・・・振り返った透歌姉さんの目は暗く、濁っていた。 「雄一・・・?雄一なの?」 透歌姉さんが、俺と雄一を見間違えた事なんて全く無い。 赤の他人が見ればそっくりで見分けの付かない俺たち兄弟であっても、 ずっと昔から一緒だった透歌姉さんにかかれば、容易に見分けが付くものらしい。 その透歌姉さんが俺と雄一を見間違える。 俺はそれに動揺を隠すことが出来ない。 「透歌姉さん、俺は・・・雄次だよ。あはは、姉さんが見間違えるなんて珍しいよね・・・」 さらに俺は、目の前の透歌姉さんの異様な様子にも動揺していた。 俺の事を雄一と誤認しただけじゃない。 普段の手入れの行き届いた綺麗な黒髪は乱れ、透歌さんがお気に入りだと言っていた服は汚れている。 どれくらい泣いていたのだろうか、頬には涙の後がくっきりと残っていた。 そして、透歌姉さんの手には、包丁が握られていた。
「あはははは。雄一、なに言ってるの?私が雄一と雄次ちゃんを見間違える訳無いじゃない。 雄一はわたしの事が心配で、私の元に戻って来てくれたんだよね?あの子を捨てて。ね?そうだよね?」 雄一は透歌姉さんが期待していたように、戻って来る事は無かった。 後から知った事だが、雄一とあの子が付き合い始めたのを知ってから、透歌姉さんは二人で過ごしている様子を度々監視していたらしい。 その、つまり、雄一をストーキングしていた訳だ。 「ね、あんな子より私の方がいいよね?あんな子とエッチな事するんだったら、私に言ってくれればもっと気持ちよくしてあげられるよ?」 透歌姉さんは二人の同棲先を突き止め、そこに無断で進入し、二人の生活を覗いていた。 ・・・透歌姉さんの予想を外れ、幸せそうな雄一を見ているうちに、透歌姉さんの心は見事に壊れてしまったらしい。 そして、その雄一を認めたくない透歌さんは、心の中から雄次という存在を消し、自分に惚れている俺を雄一として置き換えた。 「あははは。もし雄一が私の事を捨てたままで戻って来なかったら、この包丁で死ぬつもりだったんだよ? ・・・でも、雄一はちゃんと私の元に戻ってきてくれた。やっぱり私がいなきゃ雄一は駄目だよね。 今回の事は忘れてあげるから、もう絶対、私の元から離れちゃ駄目だよ?」 そして俺は、透歌姉さんの手首に残った複数の躊躇い傷を見て・・・自分の選択肢が、たった一つしかないことを理解した。 俺が、いや、僕が雄一になればいい。 それが最善の選択だ。 透歌さんだってそれを望んでいる。 僕は透歌さんが欲しい。 だったら、拒む理由も無い。 僕は透歌さんが好きだ。だったら、なんの問題も無いじゃないか。 例え、透歌さんの心が病んでいても、僕に透歌さんを拒むことは出来ない。 僕は透歌さんの身体を抱きしめると、耳元で囁いた。 「ごめんね、透歌さん。もう二度と透歌さんの傍を離れたりしないよ。・・・僕には、透歌さんさえ居ればいいから」 そうだ。雄次なんて人間はいなかったんだ。 僕はこれから雄一として生きていく。 「ありがとう。雄一。ずっと一緒だからね・・・ずっとずっと絶対に離さないからね?」 透歌さんが涙交じりで、でも心底安心しきった声で僕に語りかける。 僕は透歌さんの顔を見つめる。 その眼は焦点があって無い淀んだ瞳で。
泣きとおした涙の筋は、透歌さんの顔を汚して。 髪はボサボサで、美しかった透歌さんの顔は、雄一に捨てられたショックでひどく汚れていた。 ・・・けど、その表情は心底安らいでいて、僕は例え自分を騙してでも、この表情を守った甲斐があるような気がした。 「透歌さん、立てる?・・・包丁は置いておこうね」 僕は透歌さんが持つ包丁に手を向けると、透歌さんはおとなしくそれに従ってくれた。 包丁を台所に置くと、こんどは透歌さんに手を差し出す。 透歌さんは差し出された僕の手を見て、微笑みを浮かべる。 そして、すがりつくように僕の右腕につかまる。 「とりあえず、顔を洗おう?・・・服も着替えないとね」 透歌さんは、僕の右腕にすがりついたまま、何も言わずにただ黙って頷いてくれた。 僕は、透歌さんの体を支えながら、洗面所に向かう。 ・・・洗面所で顔を洗う透歌さんを見ながら、僕は自分の愚行を悔いていた。 透歌さんは、雄一の事が忘れられずにストーカー行為に及び、さらにはそれによって、本当に雄一が自分の元を去ったのだという現実を知り、ひどく打ちのめされ、こうして心を病んでしまった。 それなのに、自分はこの数週間、透歌さんをいかにして自分の方に向かせるか、という命題に固執し、肝心の透歌さんの異変に気づけないでいた。 本当に馬鹿だと思う。 大切な女性を振り向かせたいばかりに、大切な女性の異変に気がつかなかった。 だから、これは罰なのだ。 僕はこれから雄一を演じていく。透歌さんが望む雄一を。 そして、いままでの鈍感な雄次を消去する。それが、僕なりの彼女への償いだ・・・。 「・・・透歌さん?」 ふと、洗面所の方を見ると、そこで顔を洗っているはずの透歌さんがいない。 顔を洗い終わったのかな? 僕は透歌さんの姿を探す。 ゴスッ。 鈍い音と共に、自分の頭部に鋭い痛みが走る。 衝撃に僕の体は床に崩れ落ちる。 「ぐっ・・・はっ・・・」 何だ!?何が起こったんだ? 混乱する僕は、床に突っ伏しながらも、顔を見上げ、自分の頭を痛打した人物を見上げる。 見れば、透歌さんが手に花瓶を持っている。 それで僕の頭を殴ったのだろうか?
「もう二度と放さないよ、雄一。これからは私がずっと面倒見てあげる。雄一は私がいなくちゃ生きていけないんだから。そうでしょう?・・・だから安心して。 朝から晩まで、ううん。これから雄一が死ぬまで私がお世話をしてあげる。 ・・・だから、雄一は私だけを見て、私だけを愛して? ・・・ご飯も私の作ったものだけ食べてね。あんな子の作ったまずいご飯なんて口にしないで。 ・・・エッチも私とだけしよう?私、まだ処女だけど、絶対にあんな子より雄一を気持ちよくできると思うの。 ・・・これからは私とだけ話そうね。もう雄一は周りに気を使うことも、他人との関係に悩んだりする必要もないよ。 ・・・トイレもお風呂も私が一緒に行ってあげる、欲しいものがあったら私が全部買ってきてあげるよ? ・・・あ、でもエッチなのは駄目だからね?そういうのは私だけがいればいいんだからね? ・・・これからずっと一緒だよ。ずっとずっと・・・絶対にあんな子に渡さない。渡すもんですか! 雄一は私のモノなの、ずっとずっと・・・あははっ、ははははははっ! あはははははははははははははははっ!あはははははははははははははははははははっ!」 意識が遠のく。 薄ら暈ける視界に映った透歌さんは、狂喜の表情で笑い続けていた。 僕は透歌さんの狂笑を耳に、意識を手放していった。 透歌さんに口づけしながら、今の自分がこの現状に陥った原因を思い出していた。 と、僕の両肩に透歌さんの両手がかかる。 ぐい、と透歌さんをやや押し倒し気味にしていた僕の体が押し戻される。 僕と透歌さんの唇が離れて、今度は逆に透歌さんに僕の体が押し倒される。 「雄一はキスしたいの?だったら、雄一は何もしなくてもいいの。私がいっぱいキスしてあげるから・・・ね?雄一は私に甘えてるだけでいいんだから」 そういって、透歌さんは僕の体を押さえつけたまま、唇を奪う。 まるで僕の意思なんか関係ないと言わんばかりの、凌辱にも似た口づけ。 透歌さんは、雄一に捨てられて以来、過剰に僕に奉仕する。 いや、奉仕というより、ただ僕という人形を相手に、お世話ごっこをしているだけだ。 「んはっ・・・。どうかな?気持ちよかった?次はどうしたい?まだまだキスしたい? それともいつものように・・・する?あはは。雄一が望む事だったらなんでもするよ?」 僕が望むこと、それは昔の、憧れだった透歌さんに戻ってほしいという事。 そして・・・出来れば雄一としての僕では無く、雄次としての俺を愛して欲しいという事。 でも、きっとそれは叶わぬ夢だ。
僕はこれほど透歌さんを愛している。尽くしている。 こうやって透歌さんに監禁されている今でも、透歌さんを憎んだことはない。 だから、報われてもいいんじゃないかと思う。僕の思いに答えてくれても良いと思う。 けど、きっとこの思いは報われない。 だってそうじゃないか。 あれほど雄一に尽くしてきた透歌さんでさえ、その思いが報われなかったのだ。 「僕は・・・ずっとずっと・・・透歌さんの傍に居たいよ」 だったら、せめて虚構の現実であっても、透歌さんには、彼女が望んでいたものをあげたい。 雄一は透歌さんと、いつまでも一緒にいることを選んだ。依存されることを望んだ。 そういう、透歌さんが望んだ世界を。 ・・・僕の言葉に透歌さんがはにかむ。 相変わらず病んだ、くすんだ瞳で僕に笑いかける。 「ありがとう、雄一。ずっとずっと一緒だよ」 透歌さんの唇が、再び僕の唇に重ね合わされる。 ・・・いつまで、この関係が続くのかはわからない。 ある日、不審に思った家族が訪ねてきて、事が露見する可能性。 ある日、透歌さんが僕を雄一として認識しなくなり、俺が捨てられる可能性。 ある日、透歌さんが俺を雄次として愛してくれる可能性・・・は無いかな。 でも、僕は決して透歌さんから離れない。・・・絶対に。
投稿終わりです。 読んで頂いた方、ありがとうございました。
GJ!!!! 乙です
>>438 おしみなきGJ!!
しかし、悲しいのう……
GJ! 丸い刃はなお痛い・・・・・・ あっそれからフレンチキッスってほんとは濃厚なやつのことらしいぞ!俺も誤解してた
GJ変化球 大方予想通りだったけど面白かった 壊れたナントカ(タイトルわすれた)ってラノベみたいに微寝取られみたいな感じだ
GJ! 代替依存か……切ないなぁ 2日連続で、お疲れ様です
GJ 男がヤンデレは嫌いだがこういうのも良いと思った。次回作期待してします
素晴らしい作品でした あえて言おう・・GJあると!
good job !!
一方、雄一の彼女も庇護欲を駆り立てて愛する者を拘束するヤンデレだった・・・ という感じな続編をお待ちしております。 マジでGJ!!
結構、新鮮で面白かったです 乙でした〜!
ヤンデレのヤは矢部のヤ
不覚にも勃起した
もしもこの後、真雄一がフラれて透歌の元に帰ってきたりしたら、 雄次どうなっちゃうんだろ・・・。
次から投下。ラストまで。 NGは酉かタイトル『コウヘイッ、タイマンじゃあ!!』でお願いします。
1 「ふうぅっ。結局、セックスしたいだけか?」 サキちゃんは何故か気の抜けた声で、天井をぼんやりと眺めて溜め息を吐いた。 急速に熱が冷めて行き、 「どうしてっ? ボクの彼女さんは、エッチさせてくれないの?」 「なっ!? んだよ、ちっくしょう……いつの間にオレが、ゆーとの彼女になってんだよっ!?」 急速に熱は振り返す。 恥ずかしそうにボクを睨んで、湯気が見えそうなぐらい真っ赤っか。 さっきまで、もっと凄いセリフ言ってたのにね。 「じゃ、今はオナホさんで我慢するよ」 ボクだって身体が熱くて、挿れたくて、堪らないから。上着も、下着も、靴下だって脱ぎ捨てる。 そして今度は、引き出しからコンドームを取って持つ。半年前に買って、使うのは今日が一枚目。初めての開封作業。 「えっ、ちょっとサキちゃん!?」 だったけど、袋を破こうとしたら、目の前にヌッとサキちゃんの足が伸びて来て、タイツ越しの指先がコンドームを挟んでさらってった。 「ゆーとは、オナホとする時、ゴムなんか付けるのか?」 なに言ってるの? 本気でオナホ代わりだって思ってたらゴムなんて付けないよ!! こんな歳で『万が一』が起こっちゃ駄目な相手だから、ゴムをきちんと付けるんだ。 「返してサキちゃん。もし、ボクがエイズとかだったらどうするの?」 それなら真剣に、チンチンは萎えて小さくなっちゃうけど、好きな初恋の人を一番に考えたい。 思って、サキちゃんの指先からコンドームを取り上げようとしたけど、頑なに挟まれたゴムは伸びるだけで動かなかった。 「オレとゆーとの間に、何も入れるな」 寂し気な瞳が、頬と同じに赤いだけ。 悲しそうに、悲しそうに、 「それにな、別に死んじまう病気になったっていいんだよ。オメェも一緒なんだろ? それなら置いてくんじゃねぇ。どーせ、オレ一人じゃ生きてけねーし、ゆーとが死んだらオレも……おおっ!?」 この世と自分を卑下してる。 そんな事を、これ以上サキちゃんに言わせたくなくて、とても可愛くて。 足の間で、ムチムチの太腿を抱える様に腰位置まで持ち上げた。 「もおぉっ!! 知らないんだからっ!!!」 再び最硬度に復活したチンチンの先を、唾液とローションでトロトロな、幼い肉スジに押し付ける。 ボク、惚れられてるんだよね? そう自惚れても良いよね? 素直じゃないサキちゃんの、一生懸命な告白だよね? そしたらボクも応えないと。後から、冗談でした……じゃ、絶対に済まさない!! サキちゃんをボクのモノにするんだ。泣いたって叫んだって関係ない、膣内射精だからねっ!! 遠慮無く種付けしちゃうよ!? 着床させちゃうんだよぉっ!!
2 赤い部屋、赤い髪、赤い瞳、赤い唇。そこに漂う柚と女の子の香り。 思考回路は甘く痺れて、勝手に射精する準備を調える。 引き裂いた黒タイツの穴、クリトリスだけが顔を出してるソコに、先っちょを当ててるだけでカウパーがドクドク溢れてゆく。 まるで射精してるみたいに吐き出し、それを上回るペースで精子が生成されてる。 きっと今イッたら、想像できないくらい大量の精液が出るだろう。 中出しなんてしたら、一発で妊娠させる自信が有るよ。 「ふぅっ、ふぅっ、ふぅっ、ふぅっ!!」 息が荒れる。荒くなる。肩で呼吸して、この体制で固まっちゃう。 引き返すならここが最後。すこしでも進んだら、間違いなく戻れない。 「んっ、どうしたんだよ?」 だから、最後の最後、最後の決断を、サキちゃんに決めて貰う事にした。 全身ぐっちょりなサキちゃんの、ずっと片思いしてた顔を見詰める。 どーするのって、止めるならここだよって。 でも、たぶん、きっと。サキちゃんもずっと前から、 「ほらっ、こうすれば挿れ易いか? はやく……ふふっ、繋がらせておくれ」 ボクに片思いしてたんだ。 くちぃっ…… サキちゃんは両手の指を幼いスジの横に添えると、まるで貝が口を開けるように、盛り上がった部分を左右へと拡げた。 透明な糸が幾つも左右の唇に橋を架け、ぷっくりと膨らんだオシッコの穴まで覗かせる。 その下には、お腹を空かせた小穴が一つ。 ヨダレを垂らして、中のヒダヒダまで見せてチンチンを食べさせてってモゴモゴしてる。 「挿れるからねサキちゃん? サキちゃんと、ハジメテ交換しちゃうからねっ!!」 「ああっ、やさしく、しろよな?」 すき、すき、すきっ。 「ふっ!!」 腰を突き出し、にゅぷりと先端を肉穴にネジ挿れた。 一番太いカリ首を難無く咥え、中に引きずり込もうと懸命に膣壁が締め付ける。 小さいくて幼いヌルヌルのココは、やっぱりキツくて狭かった。 「ほらっ、動けよゆーと。オナホ相手に気を使うな」 そうじゃない。 これから、こんなキツい肉の中を掻き分けて行くのかと思うと、想像して身震いしてるだけ。 今だって気持ち良いのに、チンチン全部を包まれたらどれだけ気持ちいいんだろうって、妄想が止まらないだけだ。 「ゆーと? なんだよ、膜がねぇのが気になんのか? ちっ、オレだってな、ゆーととこんなに早くエッチできるんだったら……オナニーなんかで破るんじゃな、かひゅっ!?」 ぢゅぶぶぶぶぶぶぶぶぶっ!!! それを誤解されたく無いから、心配させたくないから、根元まで一気に押し沈めた。 無数の膣ヒダはピッタリとフィットして絡み付き、肉の歯で咀嚼するような動きで、グネグネと余す所無く刺激する。 「うわぁぁぁぁぁっ!! サキちゃぁぁぁぁぁっ!!!」 鈴口からカリ首、裏スジに至るまで全部、全部。サキちゃんの膣内は、とっても気持ちいい。
3 さっき出したばかりなのに、もうイキそうになってる。 「ふあぁぁぁぁぁん!! おっき、ふといいぃぃぃぃぃっ!! あ、あっ、あぐっ……このバカゆーとっ!! やさひくって、ゆったろ? ビックリすゆんだきゃらなバカっ!!」 サキちゃんは舌足らずな子供声で、身体を細かく震わせるだけ。 それでもアソコのお肉は隙間無くチンチンに吸い付き、腰を引こうとするボクを逃がしてくれない。 「サキちゃん、一回外で出すから……うあっ、ふぐっ、ちから抜いてぇっ!!」 なんだかんだ言ったって、考えたって、覚悟したつもりでいたって、やっぱり妊娠させちゃうのはマズイ気がする。 どーせ一回ぐらいじゃ萎えないんだから、外で射精して、ゴムを付けて、その後で続きをしよう。 とにかく、このままは駄目。動かなくてもイッちゃう。サキちゃんを妊娠させちゃう。サキちゃんをボクの……だから、だから。深呼吸して、少しずつ、ゆっくりでいいから、チンチンを外に出す。 だけど、そんな考えは見透かされてて。背中に回された足は、ボクの身体をガッチリとホールドした。 「ゆーと、オレにムカついてたろ? 生意気だったろ? だからよ……オレの子宮なんて、調教しちまえば良いじゃないか? 毎日、まいにち、ちつないシャセイしてさ? ゆーとの子供以外、産めなくしちまえばいい。ザーメン漬けにしちまえばいいんだ!!」 そして理性なんて吹っ飛ばす言葉で、ボクの心を蕩けさせる。 「もおおぉっ!! 本当に知らないんだからぁっ!!」 チンチンの中を、精液がマグマのように噴き上がる感覚。間に合わないって悟らせられる。だったらもう……本能の赴くままに。 ずりゅりゅっ…… 「あんっ!! ゆぅとぉっ」 僅かに引いてた腰を打ち込み直し、一番奥まで挿れ直す。 我慢の限界はすぐそこ。チンチンは意思とは無関係に脈打ち、表面を撫で回す膣壁の動きまで敏感に感じ取る。 ああっ、ああっ、目の前が真っ白になってく。見えるのは、全身を火照らせて、中出しを求め、待ち焦がれる幼馴染み。 ボクは、そんな幼馴染みに、 「ううっ、ううぅっ、サキちゃ……スキいぃぃぃぃぃっ!!!」 ちつ、ない、しゃ、せい。 びゅるびゅぅぅぅっ!! びゅぎゅびゅぎゅっ!! ドクンドクンドクン…… 「ふぎいぃっ!? ふんんっ……あ、ぅあぁっ、すげぇ量だなぁっ。へへっ、そんなにオレの中が気持ちよかったのかぁっ?」 キツく狭い膣内は、ボクのチンチンでいっぱいいっぱい。 当然どれだけ長い射精をしたって中には溜まらず、ボトボトとピンク色の唇から逆流して垂れ落ちる。
4 あはっ、はっ、はっ……もう、どうでもいい、かなっ? 視界はクリアに戻って、頭もスッキリしたけど、身体は満足してない。チンチンは勃起したまま。 まだまだ、サキちゃんに、射精したい。 「これで動きやすくなったから、さ……思いっきり、出し入れしちゃうね? ふっ!」 ボクの精液と、サキちゃんの愛液と、ハードローションが混じり合わさったネバネバのミックスジュース。 エッチな蜜で満たされた肉穴の中は、キツさが減って滑りが増して、細かいヒダヒダが絡み付いて、とっても気持ちいい。 ずにゅにゅっ…… 「えっ? えっ!? ふぎぃっ!!?」 力任せに入り口手前まで引き抜き、 ぢゅぱんっ!! 「あんっ!! つぁあぁっ……腹んナカが、ごりごり、ゴリゴリ、引っ掻かれてるっ……んはあぁっ!!」 一息で最奥に届くまで打ち付ける。 「サキちゃん。ズボズボしちゃっても、良いよね?」 おヘソの裏側にチンチンの形が浮き出て、お腹が僅かに膨らんで歪む。 サキちゃんはそれを見たくないのか、顔に両手を置いて目を隠していた。指の間からバッチリ見てるけど。 ただ、それでも、 「いいぜゆーと。イカせろよ……」 恥ずかしそうにコクリと頷いてくれた。 「ねぇ、サキちゃん?」 好きだって気持ちが込み上げる。ココロもカラダもいっぱいになる。 サキちゃんは、みんなから嫌われてて、怖がられてて、親からも見捨てられてて。 ボクだけに依存して、ボクをみんなから隔離して、ボク以外を切り捨てた。 それなのにボクをパシリにして、ボクは回りから哀れみの目で見られてる。 「ボクに、好きだって言ってよ」 だからどうしたのっ!! 今のボクは、スタイル抜群でっ、とっても綺麗な女とっ、セックスしてるんだ!! 中出ししたんだぞっ!! ボクは、ボクだけが知ってるんだ。周りの奴がサキちゃんを見る目は、恐怖だけじゃない。 女は羨望の眼差しで、男は野獣の眼差しで。擦れ違う度にみんな振り返る。 子供だって、大人だって、先生だって!! 男女関係無くみんな、みんなっ!! 羨ましいんでしょ? この身体が、顔がっ!! だけどもう誰にも渡さない!! 十年以上も前から好きだったんだ、誰が渡すものかっ!! 擦り切れるまでオカズにしてオナっててよ。 「んっ? いきなりどうしたんだよ? ははーん……もしかして、オレに本気で惚れたな?」 うん。冗談めかしてるけどビンゴだよ。素直じゃないサキちゃんを、本気で好きになった。 だからこそ、独占欲で頭が支配されてる。好きだって言って貰えなくて不安なんだ。身体だけの関係なんて、イヤ、だよぉっ……
5 「サキちゃ、好きっ! すきいぃぃぃぃぃっ!!」 ぬっぢゅ! ぬっぢゅ! ずっぢゅ! ずっぢゅ! ずっぢゅ!! 言葉だけでも、身体だけでも、ボクの思いは伝わらない。 だから、好きだって声に出して、一突きごとに好きだよ、本気だよって教え込む。 「ひぐぅっ!? あ、あ、あっ、あっ、あんっ!! ふあぁっ、ばきゃぁっ……ゆぅとの、ふんんっ!? おっきいんだからっ、急にされたら、ビックリすりゅって、ゆったろっ!?」 サキちゃんはもう、身体を痙攣させて口から舌を垂らすだけ。 でも、下のクチは違う。 抜く時は、行かないでと情熱的に吸い付いて、一々カリ首に引っ掛かり、 挿れる時は、柔らかく擦れ合って、根元まで全体をきゅきゅぅっと締め上げる。 ボクだけが味わえる、ボクだけの特権。ボクだけのチンコ容れ。 「すきっ、すきっ、すきっ、すきっ、すきっ……」 ぢゅっぷ、ぢゅっぷ、ぢゅっぶ、ぢゅぱん! ぢゅぱん! ぢゅぱん!! 汗はダラダラ、ボクもサキちゃんもグッチョグチョ。 膣内の上側を、下側を、左右を、えぐるように何度も突いてハメ倒す。 「ぁああぁぁっ♪♪ イッてる! イッてりゃからっ!! いっかい、はあんっ……とめろぉっ。イッてる、さいちゅうにっ、んぎいぃっ!? イカすなバカぁっ!!」 サキちゃんは身体を弓なりに反らせながら、小刻みに震えて奥へ逃げようとするけど、ボクが突き挿れる度に力が抜けて無抵抗になる。 スキーン線だっけ? そこグリグリされると気持ちいいんでしょ? ボク頑張るからねっ。沢山イッて貰う為に、頑張るからっ!! 「大好き、大好き、大好き、ダイスキぃっ!!」 サキちゃんの中は熱を増し、ヌルみを増し、ボクのチンチンは溶けちゃいそう。 凄く気持ちが良くて。このまま溶けて無くなっても、別にいいかなって思わせる。 オナホは壊されたけど、他なんて知らないけど、きっとサキちゃんが一番気持ちいいんだ。 そう考えたら、オナホなんて要らない。他の彼女なんて要らない。たった一人、ずっと好きだった幼馴染みに、サキちゃんに、好きだって言って欲しい。 嘘だって良いさ。好きだって言ってくれれば、サキちゃんを守って、サキちゃんの為に死んで上げる。 ボクが勘違いしたまま死んで、その後で馬鹿な男ってケナされたって構わないよ。それだって、最後の瞬間までは幸せな筈だから。 だからサキちゃん、お願いだからサキちゃん、少し……ほんの少しだけ、素直になって? 嘘でも良いから好きだと言っ……ううん、違うね。ボクが、サキちゃんに、好きだって言わせてみせるっ!!
6 スピードを変え、角度を変えて、サキちゃんの中を掻き回す。 それは赤い部屋、柚の香りが立ち込める部屋に、粘着質な水音として響き渡る。 ぢゅぱん! ぢゅぱん! ぢゅぱん! ぢゅぱん! ぢゅぱん!! 「サキちゃ、早くてゴメンね? ボク、もっ、イキそうだよぉっ」 呆気なかった。どんなに気持ち良くなって貰おうとしても、さっきまで童貞だったボクじゃ、三回目の射精でも全くもたない。 いっぱい頑張ってみたけど、我慢したけど、精液はチンチンの管を押し拡げて登って来てる。 勇人のバーカ! これじゃ、サキちゃんに好きだって言って貰えないよっ。 でもサキちゃんは、ボクを虐める時のような笑顔になってた。 動きに合わせて腰を前後させ、胸を揺らし、弾ませて、限界を迎えるボクに気持ち良く中出しを促してる。 「おっ、泣いてんのか鈍感チェリーボーイ? ったく、やっとイクのかよ? オレなんて、んんっ、十回から先は数えてねーぜ♪」 泣いてるの、ボクが? あっ、だからサキちゃんが霞んで見えるんだ。 でもそっか……たくさんイッてくれてたんだね? 嬉しいな。 「ボク、サキちゃんのこと、好きだからっ。オナホだなんて思ってないからっ!!」 イク直前、チンチンの先を奥の口に押し付けて、ガッチリとサキちゃんの身体を引き寄せる。 今度は逆流しないように出口を塞ぎ、唇の形だけで好きって囁いた。 「ふふっ、熱い告白だな。それだけで妊娠しそっ♪♪ ほらっ、ゆーとの大好きなサキちゃんが、ぜーんぶ受け止めてやるから……しっかり、孕ませろよなっ」 サキちゃんは幸せそうに微笑むだけ。ずっと昔、まだ小学生だった頃の笑顔に戻ってた。 明日からこの笑顔が手に入るなら、そこに愛が有るなら、ずっとパシリでもいいや。 あっ、イキ、そっ。 「うわあぁぁぁぁぁっ!! サキちゃぁぁぁぁぁんっ!!!」 爆発する。搾り取られる。チンチンが一瞬で膨らんで、作られた精液が鈴口に押し寄せる。 気持ちよくマッサージしてイカせてくれる、サキちゃんの膣内へ…… 「ひあっ!? またイクっ、イクぅっ!! っぁああぁぁああぁぁぁぁっ♪♪♪」 びゅぐびゅぅぅっ!! びゅくびゅく、びゅるんびゅるんびゅるびゅる!! ドクンドクンドクンドクン…… 空になるまで中出しした。何秒も、何十秒も、何年分の想いと一緒に膣内射精。 サキちゃんのお腹は大きくなって、ボクので一杯に満たされたって訴えてる。 「ふあぁっ♪♪ だしすぎだバカっ! そんなに、たくさん、子宮にっ、はいるわけねーだろぉっ」 「んっ!? うん……ゴメンね。でも、サキちゃん好きだから」 未だに勃起したままのチンチンを、ズルズルと肉穴から引きずり出す。 そこからは、とめどなく白濁な精液が溢れて、シワの集まったお尻の穴も、ベッドのシーツも、ボクの吐き出したモノで汚れてしまった。
7 ボク、三回も射精したんだね? でもねサキちゃん、ボクね、あのねっ。 「ボク、まだっ、出し足りないよぉっ……」 ベッドに仰向けで横たわるサキちゃんの下に手を差し入れ、クルンと俯せの状態にひっくり返す。 「はっ? オメェ、なにいっ……きゃっ!?」 そしてお尻の穴の周りを、指先を使って円を書くように、シワを伸ばすように、優しく弄りほぐして行く。 最初に前を舐めた時に感じたけど、サキちゃんはココも綺麗にしてたんだ。 ピンク色のコリコリした穴のヘリだって、ローションと絡まって熱く蕩けてる。 また自惚れるなら、きっとサキちゃんは、ボクに求められても良いように、『こっち』の準備もしてた。 「やっぱりボク、サキちゃんのハジメテ欲しいから……お尻の処女、ボクにちょーだい?」 ローションと精液と愛液を、右手の中指に塗りたくってシワの間に押し付ける。 「ひっ!? だっ、ダメだダメだダメだっ!! ダメに決まってんだろバカ!! ここは挿れて良い所じゃねーの!!」 でも、すぐにサキちゃんは両手を重ねて、お尻の穴を可愛く隠した。 そんなふうに拒絶されたら、余計に欲しくなるよ。どれぐらい気持ちいいんだろって妄想で、チンチンが大きくなるだけだし。 だからその為なら…… 「サキ、ちゃん? もしサキちゃんのハジメテをくれるなら、これから先……サキちゃんをずっと守ってあげる」 どんな事だって言えるよ。本音を、本心を、本気の声と誓いで。 思った想いは全て言葉に。 「ふぇっ?」 サキちゃんは小さく驚いて、視線だけを後ろに、ボクへと向ける。 鍵は開きかけて、するのは最後の追い打ち。 「もしサキちゃんが車に轢かれそうになったら、ボクが飛び出してあげる。ボクがサキちゃんの代わりに死んであげるよ。それでも……ダメ?」 真っ直ぐにサキちゃんの瞳を見返し、真っ赤に震えるサキちゃんの返答を待つ。 肩で息をしながら、呼吸を一つ、二つ、三つと数えて、重ねてた両手が位置をズラした。 「ぐっ、ちっくしょぉっ……そんな甘いこと言われてよぉっ、オチない女なんて、いないだろバカっ!!」 ぐちいぃっ…… 両手は尻肉を引き伸ばしながら左右に動き、お尻の穴を拡げるようにしてボクに見せ付ける。 綺麗なピンク色をした、糸を引いてる腸の中を。 「好き、サキちゃんダイスキっ……んっ、ちから、抜いててね?」 既に流れ込んでいたローションが、ぐちゅぐちゅと音を鳴らして中を馴らし終え、湯気を立てて温度を教えてくれる。 ボクはサキちゃんのお尻に手を着いて、ヌルヌルでガチガチのチンチンを押し付けるだけ。 「ふぅっ!? ゆっくり、ゆっくりだぞ? ゆーとのおっきいんだから、いきなりしたら壊れちまうんだからなっ!!」 そこは力を入れなくとも柔らかく拡がって、カリ首までをにゅぷりと飲み込む。
8 まだ先っぽしか挿れてないのに、痛いぐらいの締め付けが伝わって来る。 サキちゃんに手助けされても、キツキツでいっぱいいっぱい。 そんな腸壁の中へ、これからボクはチンチンを挿れるんだ。 「うんっ、ゆっくり、挿れるよ?」 ゆっくり、ゆっくり。ゆっくりと腰を押し進める。 「ふんんっ!? あ、あ、あっ、くるしっ……ゆっくり、ゆっくりだぞ? ゆっくり、だからなっ!!」 前よりもキツくて狭いお尻の穴。幾つもの重なった輪っかの中を、拡げながら突き挿れて行く感覚。 しかもそれぞれが全く別の動きで蠢き、凄い気持ち良さでチンチンを締め付ける。 まだ半分ぐらいしか挿れてないのに、ゆっくり挿れてたのに、それでもイキそうなのに。 全部挿れたら? 一気に挿れたら? ボク、どうなっちゃうの? ためし、たいっ、よ…… 「サキちゃぁぁぁぁぁっッ!!!」 柔らかくて弾力の有るお尻の肉を掴んで、 ぢゅぶぶぅぅぅっ♪♪ 奥の奥までチンコを突っ込んだ。 「ゆっく、りゅっ!!? ふっ、ぐっ……ゆっくいって、ゆったろデカチン!!!」 サキちゃんは頭を上げて、ビクンと大きく身体をのけ反らせる。 そして歯を食いしばり、口横からヨダレを垂らして、耳まで紅潮させてボクを睨んだ。 アソコからは膣内射精した精液が押し出され、ばちゃばちゃと泡立って床へと流れ落ちる。 ゴメンねサキちゃん。でも、でもっ、凄く気持ちいいんだ!! 「サキちゃん……おなか、だいじょうぶ?」 お腹の裏側を、お尻の中から優しくえぐって上げる。 その度に中出しした精液は零れ、苦しそうに、切なそうに、サキちゃんの表情が歪む。 「ぎっ、ぎぃっ……おまえ、なぁっ。内臓の位置、ズレたらどーすんだよ? 子宮ツブしたら、絶対に許さねーからなっ!!」 怒ってるの? 子宮って、赤ちゃん作る所だよね? そっかぁっ、ボク、とっても嬉しい!! 「あっ、やっぱりサキちゃんみたいな不良さんでも、赤ちゃん産みたいんだ?」 「わるいっ……かよ?」 ボクもサキちゃんと、赤ちゃん作りたいよ。 そしたら、ケジメ、つけないとねっ。 いじけて、プイってそっぽを向くサキちゃんが可愛すぎるから……ボクが、守ってあげなくちゃ!! 深呼吸しながら、慎重に言葉をセレクト。好きだって本気を、全部サキちゃんに伝える。 「安心、して。もしサキちゃんを壊しちゃったら、ボクが責任取るから。ボクが……サキちゃんをお嫁さんにするから」 ずっと前から貴女を、 「はへっ?」 好きでした。
9 ボクはサキちゃんが好き。そんな当たり前の事を、改めて考えたら、今してる行為が怖くなった。 こんな好きにさせられたのに、もし今更嫌われたら、ほんとに立ち直れなくなる。 だからさっきから、少しずつ抜こうとしてるのに、 「でも、無理はしたくないからさ。抜いちゃうね? あっ、えっと、あの……お尻に力を入れないで欲しいな」 まるで射精を催促するかのよう。きゅうぅっと締め付けて放してくれない。 「ははっ、気にしないでコワセ。今までムカついてた分を、ここで解消しちまえっ!! だから……なっ?」 何言ってるのサキちゃん!? ボク、サキちゃんを壊したくなんかな…… 「オレを、ゆーとの、お嫁さんにしろよ」 「もっ、しらないっ!! いちいち、イチイチ、可愛過ぎるんだよもぉっ!!」 ずりゅりゅっ!! 引き抜こうとしていたチンチンを、また根元まで刺し挿れた。 今度は手加減なんてしない。自分がイク事だけを考えて、思いっきり腰を前後する。 ずぱんっ! ずぱんっ! ずぱんっ! ずぱんっ! ずぱんっ!! 「うひゅっ!? ふあっ、あ、ああぁぁああぁぁぁぁぁっ♪♪」 サキちゃんは、布団に顔を埋めて喘ぐだけ。 ボクは、ヒダヒダお肉をこそぎ落とす勢いで突き捲くる。 「わかってるのサキちゃん!? 毎日お味噌汁つくって、毎日ちゅーして、毎日えっちするんだよっ、それでもいいのっ!?」 四度目の射精だって、あっという間。一日でこれだけ射精したのは初めてだよ。 きっと、ボクのチンコはバカになった。これだけ気持ちいいのを教えられたら、サキちゃんでしか射精できなくなっちゃう。 「イイっ、つってんだろがっ!! ゆーとの赤ちゃん、いっぱい産むんだからなっ!! うぅっ、はぁんっ……ゆぅとっ、ゆぅとぉっ!!」 すきっ、すきっ、すきっ。 ボクも責任取るからっ、サキちゃんも責任取って!! ボクのチンチン、気持ち良くしてっ!! 「サキちゃん!! サキちゃん!! サキちゃぁぁぁんっ!! 結婚してっッ!!!」 びゅるびゅるびゅるびゅるぅぅぅっ!! びゅくんびゅくん! びゅくびゅく、どくんどくんどくん…… お尻の奥、唇の形したコリコリに押し当てて、たっくさんの精液を注ぎ込んだ。 今度こそ空になるまで、最後の一滴まで。 「ふああぁぁぁぁぁぁっ!!? ゃあぁっ、あぁっ、えひゃっ♪♪ おひりのナカで……ゆーとのっ、ビュクビュクゆってりゅぞ♪♪ しあわせにっ……しろよなっ?」 こうして、ヤンキーサキちゃんはデレデレになったのでした。 ヤンキーが、デレデレ。 ヤンキー デレデレ ヤン デレ
10 あの日から一ヶ月が経過しました。 ボクとサキちゃんは、アパートで二人暮らしし。お金は、殆どボクとサキちゃんの両親が出してくれてます。 早い話しが、サキちゃんを押し付けられたのです。あの日以来、ボクの側を離れようとしないサキちゃん。 ずっとボクの部屋に入り浸ってて、それならと追い出された。 ちなみに、生理が来たみたいなんで、妊娠はしてないそうです。なんだかホッとしたよ。サキちゃんは残念がってたけど…… それと言葉使いはまだ直ってません。料理は上手だけどね。 ボクとサキちゃんは、2LDKの部屋に住んで暮らしてる。 夕方はアルバイトして、夜はエッチして、朝は学校に『行こうとする』。サキちゃんにも友達を作って欲しくて、連れて行こうとする。 「サキちゃん、今日こそ学校に連れてくからねっ!!」 けど…… 「あんっ? オレの仕事は炊事、洗濯、掃除、だぜっ? それと喧嘩の助っ人だな。後は……ふふっ、ゆーとがいつ発情しても良いように、綺麗で居る事だ。オレ、間違ってるか?」 いつだって誤魔化されるんだ。何度だって惚れ直す、甘く痺れる台詞と笑顔で。 「気にするなゆーと。友達なんて要らない、仲間なんて要らない、中出ししてイカせてくれる、お前だけでいいんだ」 ボクを、 「あっ、それとな……昨日のバイト中、ゆーとに色目使ってた店員ブッ飛ばしといたから。顔がボコボコになっててもビックリするんじゃねーぞ?」 縛り付ける。 「友達も仲間も居ないけどよ、舎弟は……たくさん居るんだぜ。だからなっ? 誰かは、いつも、オメェを見てるぞ、ゆーと」 スキだよサキちゃん。 ボクが、 「オレが、守ってやるからなっ」 守ってあげるからね。 お わ り
以上です。 オチが見破られてたんで、ラスト足しました。
>ヤンキーが、デレデレ。 ∧∧ ☆ ( *・-・)っ―[] /ピコッ [ ̄ ̄ ̄] (^o^) 何度も言われてきたネタなのに笑ってしまった、不覚
>>510 ああなるほど。
若干サキちゃんの病み度が控えめだったのは、このオチの布石か。
最終的に、舎弟=監視装置にして、しっかり病みを見せるとは。
なにはともあれ、GJでした!
あ、ところでタイトルの「コウヘイッ」の部分が、謎のままなんだ。
むしろ主人公が若干ヤンでるからOK
初めてサッパリヤンデレを読んだ。 GJ
さだまさしの関白宣言の替え歌でヤンデレ宣言ってのを作ろうと思ったけど俺にそういう力はなかった。
517 :
名無しさん@ピンキー :2009/03/17(火) 12:18:38 ID:vu4OBwXd
昔最愛の弟に死なれた姉がそっくりな他人を拉致して監禁した話を書いたな あのときは頭おかしいとか叩かれまくったが、ココなら受け入れてくれる気がする…
>>518 さあ、来いよ。いつでも準備はできてるぜ?(ズボンをたたみながら)
521 :
>>516 :2009/03/17(火) 23:45:24 ID:dTEy3mH3
お前を嫁にもらう前に言っておきたい事がある かなりきびしい話もするが、これが普通だ 聴いておけ 俺の職場に来てはいけない、俺の知り合い殺ってもいけない めしは普通に作れ、薬を盛るな 出来る範囲で構わないから 忘れてくれるな安眠も出来ない男に家庭を守れるはずなどないってことを お前にはお前しか、やらない事がありすぎるから 余計な手出しはせず黙って静かに暮らしてくれ お前の親も俺の親もどちらも同じだ常識人だ 世間面だけはかしこくこなせ たやすいはずだ演じればいい 人の陰から覗くな見るな それからつまらぬ嫉妬はするな 俺は浮気はしない できるわけがない 命は惜しい とても覚悟はできん 幸福は二人で育てるもので どちらかが謀略して つくろうものではないはず 俺はお前の処へ 自由を捨てて来るのだから 帰る場所は無いと思う これからお前が俺の刑務所 保守
523 :
516 :2009/03/18(水) 00:24:39 ID:jbtwJFSb
>>521 俺は女性視点で考えてたけど、男性視点の方が良いな!グッジョブ!
これをもとに書きたくなったが、文才ない俺は書けないことに気づいた
報告いらないよ
関白失脚に期待
>>510 \ \
ヽ ヽ
ヽ ',
. | ',
| ,,,、 -‐ '''''" ̄ ̄ }
|__,,、r''" ,,、 -‐''''´ ̄ ̄ヾ
|_,,,,、ィ'''" ',
,r,''ヽ;;;;i′ `'===ュ、 ,ィ'"l´
l l `';;;! '''‐ェ;;ェ、 r'エ〈
ヽヽ.' '' l、 !
. ヽ、_, (ニ、 .,、」 l
,,|. ,.ィ='__ュ、!
/l l '´‐''´ ` /
--i´ ヽヽ ´ .ノ
l ヽヽ `''ー- 、、、r‐<
ヽ ヽヽ /! `iー
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南冲尋定[なんちゅうえろさだ]
(越前国の刀工。生没年不祥。作刀期間1493〜1526年)
誰も居ない早朝に駄文投下 授業とはどうして、こう…退屈なんだろうな 俺は「スズキ タロウ」なんとも面白みの無い名前だ… 『年間 どこにでも居る人間ランキングベスト3』に入る位の人間…だといっておこう まぁ…俺の事はともかくだ!! 目の前の問題、そう!!この『授業』だ!!退屈すぎる!! どこぞの、お嬢様学校や進学校の連中が聞いたら「馬鹿で残念な人…」とでも言われるだろう… だが生憎、そんな連中は、このごく普通な学校にはいないだろう 断言する!! 後に人々はこれを「ソンナ・ヤツ・オラヘンヤロ 宣言」として… 「スズキこれを答えてみろ」 「え?」 まさかの不意打ち!!キラーパスッ!!アイヤー!! 黒板を見て現状把握をする、これは数学の授業だな… 答えはえーと、アレだ、その…あるだろ、そういう方程式系のやつが うーん…ワカランな全く そうと決まれば早速行動に移す 「ワカリマセン」 「…全く、ちゃんと授業を聞いておけよ」 「ハイ!!」 教師は呆れた様子でそう言った 俺はしっかりと返事をしてから着席した 周りからはクスクス聞こえるが気にしない、アーアー聞こえない 「返事だけは立派だなww」 「うっせーバカ」 俺の前の席の男、「タカダ アツシ」はニヤニヤと嬉しそうに小声で話しかけてきた…クソッたれ こいつは顔はヨシ!頭ヨシ!運動ヨシ!性格ヨシ!という チート野郎だ、いったい遺伝子にどんなコードを入れたんだ… 「おいアツシ、アヤちゃんとは上手くやってんのか?」 「別に…そういう…」 「避妊だけはちゃんとなw」 「!!…馬鹿野郎!!」 アツシの顔真っ赤になっている、かわいいのうwwかわいいのうww 「おい!そこ、授業中に喋るんじゃない!!」 「ハイ!!」 また、しっかりと返事をした、教師が「…またスズキか」と言うと教室は笑いに包まれた 『アヤちゃんて』のはアツシと俺の幼馴染で結構長い付き合いだ その幼馴染はアツシと友達以上恋人未満とのこと、 俺から見たらただのバカップルだが…
『アヤちゃん』の名前は「ナナセ アヤ」巨乳でなく貧乳でもない、この世界では珍しい適乳だ 成績も中の上で、運動もソコソコできる え?普通の子?馬鹿を言ってはいけないぞ同士 彼女の最大の武器はその外見だ!! アイドルの顔負けの可愛さ!!しかも正統派だぜ!! この学校で彼女を知らない人間は居ない、学校のアイドル的存在だ 性格もアツシに対しては少々アレだが、良好、 校内で異性と同性にも敵が居ないのがその証拠だろう キーンコーンカーンコーン――― 「今日の授業はこれまで」 「起立、礼」 そうこう語っている内に授業が終わった…めでたし、めでたし さて、これからハイパー昼食タイムな訳だが 恒例のイベントが起こるので少し待機する 「タロウ、何処で飯食う?」 「ココでいいだろ…それにもう、そろそろ」 俺がそう言い終わると同時にドアが勢いよく開く
「アっちゃーん、お昼持ってきたよー!!」 「アヤ!?え?てか俺、弁当持ってきてるし、あの、いらない…かな?」 アヤちゃんの手には大きな風呂敷が持たれている 大きさからしてアレは重箱だな ちなみに『アっちゃん』とはアツシの事だ アツシがいらないとか言うから、アヤちゃんがすごく悲しい顔に 「そんな…食べてくれないの?」 「一人じゃ食えない…ていうか…」 「そうだよね…勝手にお弁当作ってきて…私、迷惑だよね…ごめんね」 「いや、そういうワケではなくて…俺が食べきれるかなーって…」 「私の弁当なんか要らないよね…」 「そんな事は無いぞアヤ!!俺は嬉しいぞ!!だが…」 これがいつものイベントこれを見ると昼になったなと感じる 弁当を持ってくるアヤとそれを断りきれないアツシ 最初は面白い夫婦漫才だが、後半は同じ展開が繰り返しになる 「迷惑だよね」→「そんな事は無い」→「食べてくれる?」→「しかし俺も弁当あるし」振り出しへ… 急に『イエス・フォーリン・ラブ』とか二人で言い出さないだろうか… なんか段々とイライラしてきたので この事態の収集するとしよう…
「うわーオラさ弁当忘れたぁだ、アツシの弁当貰うぞよww」 「はぁ?タロウ何言って…ってもう食ってるし…」 「アイヤー、アツシ君、我輩は助かったぞなもしww」 「この野郎…ぶちまけられてぇか…」 「ぶちまけたら死んじゃうゾ☆」 「OK死ね…」 フザケ過ぎたZE!!アレは殺る眼つきだッ!!ヒィィィ!! 「ア、アヤちゃん!!」 「何?…タロウ君」 テンション低めのアヤちゃんに話かける 「恵まれない学生アツシ君に、君の弁当を分けてくれないか?」 「え?」 「アツシ君の弁当は不道徳な輩に食われてしまってね」 「テメェ…」 「私はアっちゃんがイイなら…」 「俺の弁当コイツに食われたし…ありがたく頂戴します」 「エヘヘ…うん!!残しちゃ嫌だからね!!」 アヤちゃん、一気にテンションが上がりました やっぱ明るい顔が一番だろ常識的に(ry この次は、弁当を食うアツシに「アっちゃん美味しい?」にスーパーひとしくん!! 「タロウ君、ありがとう」 「いいって事よww」 100万ドルの笑顔入りましたー!! しかし… テレッテー デーン まさかのボッシュート!? 俺のスーパーひとしくんが!!うわあぁぁぁぁ…これじゃ徹子に勝てない… てか、さっきのアヤちゃんの笑顔で萌え尽きるかと思った… 「ん?何だ?タロウがどうかしたか?」 「ううん何でも無いよ、それよりアっちゃん美味しい?」 「うん、美味しいぞ料理のウデかなり上達したんじゃないか?」 「そうかな…そう言って貰えると嬉しいな///」 「いやぁ…アツイですな二人ともww」 「おまッ!!馬鹿!!///」 「…///」 イチャイチャし始めた二人をみてるとムカつく…死ねばいいのに ウソですwwすごく和む、昔からこうだったからなぁ ハッキリできない二人に、ヤキモキした俺が『きっかけ』を作る そして…世界は平和になる…ガハハ、ちがうかww 俺は、まさにサブキャラとしての鏡だろww こんな平和な日々が続けばいいな…心からそう思った 『平和は手に入れるより、維持するほうが何倍も難しい』 俺がその事を嫌という程思い知るのはもう少し後のことだった… 上手く投下出来ん…この後ヤミ展開は今から考える
期待してるぜ!
主人公がサブって初めてだね。今後の展開具合では面白味があるね GJ!
主人公が第三者ってのは良い
>>533 なかなか味なことしやがる
期待してます
>>533 文中や台詞に草を生やしたり///←これはやめた方がいい
VIP臭くなるからな、それにVIPでなくとも小説って言うには軽すぎるだろ
子ネタ程度ならアリ
注意書きで良いのでは?
543 :
533 :2009/03/20(金) 01:33:59 ID:VP9rjp1S
このような軽い文章は小説とは別物ですね
板の趣向を考えずに、このような軽い文章を投下してしまい申し訳ありません
軽率な行動でした、今後文章の表現を注意します
よければ文章を一から書き直して投下させてもらいます
>>530 〜
>>533 は無かった事にして頂ければ有難いです
今しばらくお待ちを…
もっと精進せねば…日本語難しい…
544 :
533 :2009/03/20(金) 05:13:24 ID:VP9rjp1S
再加工してみました 授業はどうして、こう…人を退屈と感じさせるのだろうか 後にその授業に有り難味を感じる事になるのだろうが 今の俺には、微塵も有り難味を感じない、むしろ鬱陶しい存在だ もし人がこれを聞いたら俺は間違いなく『学生失格』のレッテルを貼られ 進学校に行ってるような連中には『残念な人』と言われることだろう そんなバカで残念な俺の名前は「スズキ タロウ」おそらくこの名前は 平凡の極みであろう、そんな気がする 俺はいわゆる『何処にでも居そう』な人だ、なんだか曖昧な表現だが 一番、的確な表現とも言える カッコ良くもなく、不細工でもナシ 成績は………中の下だろう…そう信じたい 体力だけは絶対の自信がある、誇れるのはソレだけだが… 野郎の自己紹介なんかこんなもんでいいだろう? 「オイ!スズキ、この問題を解いてみろ」 「へ?」 「先生の話をしっかり聞いてたらすぐに答えられるハズだが?」 「ええと…」 急に俺を名指しで当てやがった…畜生め こういう場合、教師は答えられないのが、わかりきっていて生徒を当てる その生徒を授業に集中させる為に 案の定、俺はすぐに答えることが出来ない 「え〜っと…」 考える素振りをして黒板を見る 今「数学」の授業だという事を確認、俺が解く問題は…アレか…なるほど 「えー…ワカリマセン」 アッサリと俺は諦める事にした、わからないのに悩んでもムダだからな すると、教師はこうなる事はわかっていたクセに呆れた様子で 「…全く、しっかり授業を聞いておけよスズキ!」 「ハイ!!」 殆どの生徒はこうなった場合無言だろう、 だが、俺はハッキリした声で返事するという行動にでた その結果、教室内でクスクスと小さな笑いが生じた 俺って今、バカにされてる?バカにされてるよな…
545 :
533 :2009/03/20(金) 05:14:24 ID:VP9rjp1S
「よぉ、返事だけはしっかりしてんな」 「うっせ、バーカ」 少々恥ずかしさでうなだれ気味の俺に ニヤニヤ嬉しそうに前の席の男が小声で話しかけてきた この男の名前は「タカダ アツシ」という 俺の幼馴染、いわゆる『腐れ縁』というヤツだ 整った顔立ちの世間様で言う「イケメン」だ 成績も学校内で上位に入る位頭もイイ 運動も中々出来る、部活には入っていない 性格もまぁ…悪くは無い………訂正しますイイ奴です 「どうせまたボーっと『退屈だな』とか考えてたんだろ」 「まぁ…だいたい当りだな」 「ノート後で移させてやるよ」 「迷惑かえてばかりですまんのう…」 「一つ貸しだからな」 「了解〜」 持つべきものは友だよな〜とベタな事を思ってしまった どうやったらここまで『出来た子』が生まれるのかアツシの親に聞いてみたい 「おい!そこ、授業中に私語は禁止だぞ!」 「ハイ!!」 俺が反射的に返事をすると 教師が「…またスズキか」と漏らすと教室に笑いが起こった アツシも俺の目の前で俺を見て笑っている…共犯のクセに むぅぅ…今は笑いを取れた事を純粋に喜ぶとしよう そうすれば恥ずかしさも半減するだろう…多分… キーンコーンカーンコーン――― 「よーし、今日はここまでちゃんと今日の所を復習しておくように」 「起立、礼」 ようやく退屈な時間が終わり、昼食の時間、俗に言う『昼休み』という時間帯が始まる 弁当持ちは教室やら中庭やらと移動して食べる 食堂組は食堂へ一直線だ 「よう、タロウ昼メシどうするよ?弁当だろ、外で食うか?」 「いや、教室でイイぞ、いつものイベント待ちをするから」 「は?」 そう間も空かないうちに教室のドアが勢い良く開けられる あのような開け方したらドアが痛むのでは…まぁいいか
546 :
533 :2009/03/20(金) 05:15:03 ID:VP9rjp1S
「アっちゃ〜ん!!お昼持って来たよ!!」 「ほら来た」 「アヤ!?お昼って…その手に持ってるヤツか?」 「そうだよ〜張り切って作ってきたんだから」 あれはどう見ても重箱だ、今日は特別な日でも何でもない事だけ言っておく この若干痛そう(褒め言葉)な子は俺の幼馴染でもあり アツシの事が大好きな女の子「ナナセ アヤ」ちゃんだ 運動、成績ともに平均より少し上位だが 容姿が抜群の可愛い、かなりの高ランクである事は確かだ 決してケバくなく純粋で正統派な可愛さ、この学校のアイドルと言えよう アツシに対する言動は多少アレだが、基本はイイ子&出来る子 校内で両性共に敵が居ないようで、教師にも好感 胸は…大きくない、小さくもない、適乳だ 「アツシ」は『アっちゃん』俺は『タロウ君』と呼ばれている…同じ幼馴染なのにこの差一体 「アヤ悪いけど俺、弁当持ってきてるし…」 「え?…」 「気持ちは有難いのだが…アヤの弁当は要らない…」 「そうだよね…私が作った、お弁当なんか要らないよね…」 どんどん暗くなっていくアヤちゃん、ソレを見てアツシは 「いや!そんな事は無いぞ!アヤが俺の為に弁当作ってくれるのは本当に嬉しいし」 「でも…要らないんでしょ、」 「ぐ…それはそうだけれども…」 「やっぱり、私が作ったモノなんか食べたくないんだ…」 「いやいやいや、ナゼそうなる!俺は!食べたくないとは言ってない」 「じゃあ、貰ってくれるお弁当?」 「ええと…それは…」 やはり学校で昼休みに、この二人のこのやり取りを聞かなければ 昼休みという感じがしないな…これぞ「ザ・夫婦漫才」 だが、いつまでもこのやり取りを続けさせるのも可哀想なので 俺も定例通り、この事態の収拾することにする 「アツシ、オラ弁当忘れただ、お前の弁当さ貰うべ」 「はぁ?お前さっき自分の持って…ってもう食うとるがな」 「アイヤー助かったアルヨ、アツシさん心広いアル私とても感動したネ」 「人の弁当食いながらボケるとはいい度胸だ」 「まいうー」 「…よし、死ね」 狩人と化したアツシから逃走し 俺らのやり取りをボーっと見ていたアヤちゃんの後ろに隠れ言う 「ア、アヤちゃん」 「何?タロウ君」 「この飢えた可哀想な学生アツシ君に君の弁当をあげてくれ」 「へ?」 「アツシ君は不道徳な輩にお弁当を盗み食いされてしまって…」 「お前が食ったんだろうが!!」 「はてさて?何のことやら」
547 :
533 :2009/03/20(金) 05:17:41 ID:VP9rjp1S
「アっちゃん」 アヤちゃんがアツシに語りかけると同時に アヤちゃんからさり気なくはなれ、自分の席に移動する 二人の邪魔しちゃ悪いし、俺だって馬に蹴られて死にたくないからな 「何だ?」 「えっと…お弁当で要る?」 「そうだな…アホに弁当食われたし、ありがたく頂きます」 「どうぞ、召し上がれ!残しちゃ嫌だよ!」 「残さねぇよ」 ぱぁっと明るくなったアヤちゃんだったが ”グゥー”とアヤちゃんから腹の虫の声がした アヤちゃんが真っ赤になっていく… ココでツッこまないのが男道 「なんだアヤ腹減ってたのか、一緒に食おうぜ」 「うん」 さすがアツシだ無意識で男道を行くとは… 恥ずかしそうにしながらもアツシと席について 食事を始めるアヤちゃん 「おお!!上手いぞアヤ!!」 「そう?アっちゃんそういってもらえると嬉しいな」 「料理のウデは抜群だな〜」 「エヘヘ…あ、これも食べてみて」 「おお、煮物か」 「アっちゃん、はいアーンして〜」 「バ、バカ!!やめろ!!」 「アイヤ〜、お暑いネ〜お二人さんまるで新婚さんアルヨ」 「ゴフッ!タ、タロウ何言ってやがる!」 「………」 無言のアヤちゃん顔が真っ赤、アツシもアツシで焦りすぎだろ これにて一件落着、めでたしめでたし
548 :
533 :2009/03/20(金) 05:19:41 ID:VP9rjp1S
昼食を済ませた後、3人であーだこーだと色々話しをした 流行の映画、芸能人、昨日見たテレビ番組などありふれた学生の会話だ 昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴り アヤちゃんが自分のクラスへ戻る前に 「タロウ君、さっきはアリガト」 「かまわんよ」 そう言って”キラッ”と効果音が出そうな笑顔をくれた あんな笑顔をみせられたら恐らく10中9人はアヤちゃんに 惚れてしまうだろうな… 「アっちゃんまたねー」 「おう」 教室を後にするアヤちゃん そのアヤちゃんが惚れてんのはアツシ、アツシもアヤちゃんに惚れている 二人ともハッキリしてないが、急いでハッキリさせる必要もないだろう いずれ、二人がハッキリさせるだろう… 昔からグダグダしている二人に「きっかけ」を作ってやって… 助けつつも助けられて、いびつながらも安定したそんな関係 別に俺はこれでいい、今の平和な状態が続けばそれでいい… 『平和とは手に入れるより、維持するほうが何倍も困難』 俺がその事を思い知るのはもう少し後の事となる… ヤミ展開もキリキリ頑張ってマス、頑張れタロウ
いや、埋めネタ的な軽いノリの投下があってもいいと思うぜ この作品に限って言えば俺は草とか生えてた前VERが好きだ 投下作品が全部そんなノリでも困るがW
とりあえずsageろ
元々自分の妄想をSSやネタにして書き込んでニヤニヤするスレだし、所詮2ちゃんだし
敷居高くしてもしょうがないと言うか
>>550 横レスだが、ちゃんと下げてるぞw
気長に待つぜ。ただ作品だけは完成させてあげろよ。作品が可哀想だ
553 :
名無しさん@ピンキー :2009/03/20(金) 19:17:35 ID:ojRJmRD2
すごく面白いのに完結してない作品って悲しくなるよね。
ヤンデレの小説書くの初めてで緊張してるが投下してみる。 こういうの初めてだから生ぬるく見守ってくれ。 傾向としてはヤンデレ小学生、後編はエロ在り。 とりあえず前編あげてみる。
文章の文字打ちはメモ帳、これは譲れない。 それでもって後からワードに移し替えれば十分。 ガチガチキーボードで音を鳴らすのは俺の指だ。 「ねぇおにいちゃん」 ゆっくり目だけ横にスライドさせる。 不躾にも机に乗っているのが音の発信源だ。 二つに結ばれたツヤツヤした黒い髪は日光に反射していつも以上に明るく輝いている。 ぶらぶらと足を行儀悪く振り子のようにさせているが、覆っているのは白のレース付きのオーバーニーだ。 「ねぇったら」 目はぱっちりと丸く、睫毛も生意気に長い。 マスカラ必死に付けてる世のギャルなんかになる将来性は感じさせなかった。 「ねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇ…ねえったらーッ!」 羨ましいか? 無視され続けて頭に来たらしく俺の腕にしがみついて来やがったそれは間違い無く美少女だ。 くそ、凄く打ち辛い。 「うるさい幼女」 「幼女じゃない」 「だが外見は確かにソレだ」 確かにこいつ、藤代ひたちは12歳の赤ランドセル所持者だ。 だがしかし外見は幼女に近いのだから仕方が無い。 ギリギリ二年生って感じで顔の作りも身体の大きさも幼いのだ。 残念ながらティーンエイジャーにも満たない奴なんて対象外だ、というか犯罪者になんかなりたくない。 お前んちの両親の信頼(という名の良く貰うお礼の図書カード)を失いたくもない。 「牛久おにぃちゃん」 「…何だよ」 「えへへー」 柔らかい。 胸がまな板なんだから、すり寄られてわかるのは必然的にひたちの血色の良い頬だ。 どうにもなる訳が無い。 「今日は打ち合わせがあるから、邪魔なんだよ」 とっとと帰れ。 形の良い頭を押してひたちを引き離した。
「打ち合わせ…?」 「小説書いてて小さい賞とっただろ、あれで担当…専属でちゃんと読んでくれる人が付いたんだよ」 青い鳥の縁取りがされたカバーの子供向け謎解き小説が小学校の頃から好きだった。 今じゃその大好きなシリーズは今月で終わってしまう。 高校の間は文芸部なんていう実質何もやらない所で一人書き続けた。 大学受験も終わって暇になった矢先にダメ元で出した出版社から連絡が来た。 「そんな…でも、ひたちが今まで最初におにぃちゃんのお話、読ませて貰ってたの、に」 「出来たらちゃんと読ませてやるよ」 「でもそれより先に読まれちゃうんでしょッ!」 何でこんなに取り乱しているのかわからない。 あくまでプロットだし、そんなネタバレを先に話しても後で完成品を読むひたちにはマイナスな筈だ。 「全部出来たら読ませてやるから、な?」 タイミングが良いのか悪いのか、携帯が鳴る。 「大仏さんですか?」 「はい、ダイブツじゃなくてオオラギ、ですけど」 まだ覚えて貰って無かったのか。 確かに大仏なんてややこしい苗字だけど有名な小説家だってこの苗字なんだ。 「…失礼しました、担当の荒川です…直ぐに伺って宜しいですか?」 「勿論です!」 通話ボタンを切ってついガッツポーズを取ってしまった。 何てったってクーデレの気がありそうな大人のオネーサン。 俺のストライクゾーンの荒川沖奈さん。 全ッ然発展しなさそう(さっきだって名前間違われたしな)だが俄然張り切ってプロットとトリックを練る訳だ、うん。
「…女だったんだ…」 「あ? ああ…」 絞り出すような低い声はひたちらしく無い。 「おい?」 「帰る」 バタンとドアを閉められた。 「一体何なんだよ…?」 今までこんなことが無かったから少しうろたえる。 ひたちと出会ってから今までは異常なまでに引っ付かれていたから余計にだ。 勿論兄妹じゃないし、血縁でもない。 ましてや隣とか向かいの子でもないのだ、ひたちは。 ひたちは見た目がああだから変質者に襲われることがちょくちょくあるようで、 それをただ下校帰りの俺が見つけてお巡りさーんと叫んだだけだったのが最初だ。 見るからにイケてない俺(彼女なんて生まれてこの方居ない)のどこをどう気に入ったのか引っ付いてきて二年経って今に至る。 「…ああ見えてあいつももうすぐ中学生だし、やっと兄離れって奴なのかもな」 実際の兄ではないが、兄貴分というか何というか。 誰にも見せなかった自分の書いた拙い話を一番最初に見せる分にはひたちが可愛いとは思っているんだ。 ペドフィリア宜しく性的に興奮するわけでは断じてないが。 「ま、次来たときに読ませてやれば機嫌が治るかな」 その後すぐに荒川さんが来て、話をして何も無く(本当に残念だ)終わった。 嵐の前は本当に静かだということを身を持って知ることになる数日前の話だ。 後編に続く。
GJ ロリ系ヤンデレか〜 後編楽しみにしてます。
これは期待せざるを得ない
561 :
名無しさん@ピンキー :2009/03/21(土) 08:18:46 ID:/njuL/nz
GJ やべぇ、続きがすごく見てぇ
562 :
只野物語 :2009/03/21(土) 08:59:40 ID:KZDap+eI
まとめサイトを見てひたすらにやけてた僕ですが、投稿してみます。本当に初心者なんできついのは勘弁してください… それとパソコンが壊れててて携帯なんで改行の点で見づらかくても許してください… ↓ ↓ 悲劇というものは突然やってくるのだろうか? 二つ下の妹、只野里美(ただのさとみ)と俺、只野比斗(ただのひと)はいつもの夕飯の買い出しの帰りだった。 そう、ただ普通に毎日のように買い出しに行っていただけなんだ… 「やっほー!愛しの比斗くんー!」 来てしまった…このタイミングで… 「お、おぅ…加奈か…何か用か?」 南打加奈(なんだかな)。 いきなり話掛けてきた空気が読めないこの女は、俺の彼女だ。 加奈はとても優しい。運動もできる、頭も良い、歌も上手い。 基本的に性格も良く、非の打ち所がない。 そう、基本的に…。 あぁ…加奈の紹介なんてしてる場合じゃなかった…何故か、妹の全身から明らかにいけない感情がひしひし伝わってくるぜ… そんなこと加奈が気づくわけもなく… 「ねぇ…その女、誰?」 こいつ…本当に人の気持ちが分かってないなぁ… ちらりと俺が妹に目を遣ると…あれ?さっきのオーラが消えている。 そこは普段の優しい里美だった。 「お兄ちゃん?どうしたの急に振り返って立ち止まったりして独り言なんかしちゃって。早く帰って夕飯の準備しよっ!」 そう言ってまるでこの世界には二人しかいないのよって顔で腕に抱きついてくる。 …おーい、妹さーん、マシュマロが当たってるんですけど… ちなみに俺はマシュマロの中にチョコが入っているのが好きだなー って!そうじゃない! 「………」 …今度は加奈からイチローでも逃げ出しそうなおぞましい威圧感が出ている。 「あのさ…比斗くん…その女誰って聞いてるんだけど」 あー逃げ出したい。 今の気分はサッカーでオウンゴールした選手のようだぜ! しかしダメだ。妹にがっちり腕をホールドされてる。 仕方ない…加奈!許してくれ! 「あの…すいませんが、どなたでしょうか?」 加奈がうつ向いてしまった… 意外と笑顔のように見えるが… いや、オーラが更に一層大きくでてしまっている…のか? 「アハハハハ…アハハハハ…そう…私にそんな態度とっちゃうんだ…」 や、やばい…本能が理性に告げる。 「まぁ今日は特に用があって来たわけじゃ無いから良いや。 とりあえず明日はデートの約束だからね?ちゃんと来てくれなかったら……すよ」
563 :
只野物語 :2009/03/21(土) 09:04:39 ID:KZDap+eI
加奈の体がびくっと反応したのは気のせいだろうか。 俺はビリーもびっくりの冷や汗でいっぱいのまま、妹を強引に引っ張り、そのまま走りだした。 妹はきゃっ!もう…お兄ちゃんったら強引なんだから…とか意味不明なことを小言で言っていたような気がするがきっと気のせいだろう。 「アハハハハ…明日はたくさんオシオキしなきゃね?比斗くん?」 そう加奈に言われた気がするがそれも気のせいだろう。 家に帰ると、妹の質問攻めが待っていた。 「お兄ちゃん、さっきの女誰かな?」 妹は笑顔のままだ 「う〜ん、誰だろうなぁ?同じ学年にいたような気がするなぁ」 「お兄ちゃん、ちゃんと正直に言ってほしいな」 妹にはお見通しのようだ。 だが、俺の17年間培ってきた嘘をつく能力をなめるなよ! 「えっとね…あ、そうそう、南打さんだよ!いやぁ、あまりにも関わりないから思いだせなくて…」 妹が急に立ち上がった。 あら?どこ行くんだ…ってまて!そこには今まで無抵抗の野菜や魚や肉を切って切って切りまくった包丁さんがあるじゃないですか! どうみても質問攻めじゃなく脅しタイムです本当にありがとう 「分かった、分かった、里美。正直に言うよ。」 俺の鍛えた嘘能力は妹さんに簡単に負けてしまいました…てへへ その潔さが良かったのか、里美の手は包丁に伸びることなく、フライパンで済んだようだ。 それを持ったまま近づいてくる。 表情からさっさと言えコールが心に聞こえてくる気がして仕方がない。 「あのな、落ち着いて聞いてくれ。さっきのは俺の彼女。南打加奈って言うんだ。とっても良い子だから里美も仲良くしてやってくれないか?」 フライパンを持つ手は動いていない…何とか助かったようだ。 「ふーん。まぁどうでも良いや。ところで、明日も一緒にお出かけしない?私カラオケ行きたいなぁ!」 どうでも良いやってなんですか!! 明らかに知りたそうな態度だったじゃないですか! それよりも …明日はどう考えても無理だろ… 命の引き替えに里美とカラオケにいくわけがない! まぁデートの約束をしていることは内緒にして、 「里美、お兄ちゃんお金無いんだ…。カラオケも苦手だから…ごめんね?」 「ふーん。じゃあ仕方ないね! 家で大人しく二人でテレビ見て過ごそうよ!」
564 :
只野物語 :2009/03/21(土) 09:06:29 ID:KZDap+eI
里美は俺に死んでほしいのか、いやそんなわけがない(反語) 「お兄ちゃんは明日男友達と遊ぶ約束があるんでーす!残念だな里美ちゃん!」 「ダメだよお兄ちゃん。 明日は朝からWBCを見て、昼はグルメ番組の美味しそうなステーキを見ながら目玉焼きを二人で食べて、 夜は常識クイズ見て、一般正答率が低いなら常識じゃないだろ!って突っ込んで二人で笑って、 そして二人でお風呂入って、あんなところを洗いあって…ってお兄ちゃん!」 仕方ない、明日は逃げ出すしかない。 そう決めた俺は部屋に入って籠城した。 俺は命を失う恐怖で判断力が鈍っていたのかもしれない… 俺が選んだ選択はどうやら間違いだったようだ。
以上です… うわ…つまんねと思っても無視してください… すぐ傷ついちゃうんで… 読んでくれた方ありがとう
乙。ノリがいいねw
>>557 乙!
あのシリーズもう終わっちまうのか…
子供向けだけど面白いよね
>>565 実にニヤニヤしたw
女の子の問い詰めって(・∀・)イイ
>>567 案外知ってる人多いのかw
出ても外伝のみだろうし残念だ
夢の一人暮らしを提供してくれるこのアパートはそれなりに受験を頑張った証だ。 進学祝いで懐も暖かいので今のところ順風満帆って奴で、飯の準備や洗濯はともかく自由の選択肢は大幅に増える。 二週間前に決まっていたことだったから多少のごたつき(小説家の端くれになったこととか)はあったが、荷物も届いているので明日片付ければ良い。 「ダンボールばっかり!」 「当然だろ、引っ越したばっかりなんだ」 下手に私物をひたちに見られるよりは多少の動き辛さなんて関係無い。 あれだけ様子がおかしかったひたちは、そんなことも忘れたようで引っ越しに付いて来た。 俺の両親は女の子が欲しかったらしくひたちを娘のように思っていたし、この幼女体型では俺に懐いていても微笑ましい光景にしか見えないので面倒を見てやれと押し付けてきやがった訳で。 後で家まで送ってやる身になってみろ、片道一時間半かかるんだぞ。 「何か飲むか?」 「ううん、要らない…それより目を瞑って手を出して」 「何で?」 「良いから…プレゼントにはドッキリさせたいもん」 成る程、ひたちもそれなりに祝いの品とやらをくれるらしい。 クレヨンで描いた似顔絵でも貰ってやろう…まぁこいつはそんなことする年齢ではないが。 俺は本が詰まったダンボールに腰掛けたまま、両手を差し出して目を瞑った。
「二千円あれば手錠は買えるんだよ」 カシャ、カシャン。 「…は?」 呆然とする俺にひたちは顔色を変えずににっこりと微笑んだ。 そのまま手元にあったガムテープを引き伸ばして器用に俺の両足に巻きつける。 俺が浅く腰掛けていた為に、ひたちが足にぐるぐるとテープを巻きつけることはたやすかった。 「ひたち、一体何の真似だ?」 「おにぃちゃんがいけないんだよ」 ひたちは小さな手を俺の不自由になった手に重ねる。 「おにぃちゃんがひたちを助けてくれた時からずーっと好きなのに」 「いや、お前ならもっと年相応な…」 「そんなこと言うからこうしたんだよ」 ひたちは俺がからかうように、見かけは幼女同然の小学生だ。 それがどうした、何でこんな女のような顔をして俺を見てるんだよ。 「…ひたちが子供だから、大きくなるまではしょうがないって思ってた」 「ひたち、大きくなったらお前は変わって俺じゃない誰かに、」 「だからッ! おにぃちゃんしか居ないのにそんなこと言うんだもんッ!」 烈火のごとく怒りを叫んだひたち。 俺は初めて見るひたちの変化に戸惑うことしかできなかった。 「おにぃちゃんが書いたお話もひたち大好き…でも、それだって最初に読ませてくれなくなるんだよね」 「落ち着けひたち、プロットと完成稿は別…」 「他の女に読ませちゃうから、ひたち悔しいの」 ひたちは俺にのしかかる。 別に重くなんてないし、どうってことない。 無いのに、何でこんなにこいつは威圧感があるんだ?
「だから別の初めてを貰うの」 丸い目が近付いて、すぐに閉じられた長い睫毛は俺に当たりそうだった。 変わりに当たったのは唇で…舌まで入れてきやがった…さようなら俺のファーストキスと図書カード。 「っ、お前…こんなのどこで調べて…!」 「ひたちのケータイとお友達から」 頼むから藤代家の誰か、ひたちの携帯と交友関係にフィルター付けてくれ。 「あはっ」 細くて小さい手は俺のジーンズに落ちてきた。 まさか、 「ちょっ、止せひたち!」 チューくらいなら良い。 まだ可愛らしい。 だがしかしひたちは俺の制止や身じろぎ(やりすぎてダンボールから落ちてしまった)をものともせず、小さい手が社会の窓を開けてきたのだ。 ダンボールに囲まれた部屋のフローリングで、ひたちは俺に乗っかった。 「たってない…」 「勃ってたまるか馬鹿!」 「別に良いもん」 舐めるから。 手首が纏められている所為で上手くひたちを退けられない。 腕を降り下げれば確かにひたちには直撃するだろうが、頭の打ちどころが悪かったらと思うと下手にできなかった。 「んぁ…入んない」 そりゃあそんな小さい口に収められてみろ、別の意味で泣く。 ひたちはペロペロと舐めながら服を脱ぎだした。 俺は悲しいかな、確実に反応してしまってひたちを説得する所か息を詰めるのが精一杯で声すら出ない。 「ちゅっ、」 「いっ!」 亀頭にキスして吸いやがった。 駄目だ、気持ちいい…ひたちの動きには全く躊躇いなんて無かった。 「ふぁ…ほにぃひゃ…ふっ」 クチャクチャとひたちの左手は自分を慰めている。 「ぅっ、あ…止めろひたちッ…あ…!」 幼いひたちの口に出したくは無い。 その願いが伝わったのか、イきそうになって身震いした所で小さな唇は離れた。
「ひたち…?」 我ながら情けない声だが許して欲しい、生理現象だ。 「やっぱり…手錠は嫌だよね」 そう言って真後ろに積み上げられた鞄をゴソゴソと漁りだした。 何をしているか見えないかわりに、ひたちの太股からはテラテラと濡れているのがわかる。 「手錠のカギ…!」 「その前に…おにぃちゃんの初めて、もらうんだよっ」 ひたちはすっかり勃っていた俺にピタリと乗っかってゆっくりと腰を沈めた。 「はひゅっ!」 狭くて熱くて、ぬるぬるした。 「あ…ぁ…」 「おにぃちゃぁんッ」 処女膜なんて破れて当然だ。 ひたちの太股はぷるぷると震えていて、小さな腰が受け入れようと煽動する。 「はぁ…んっ」 ひたちの涎がだらしなく開いた口から垂れてきた。 「これでっ、おにぃちゃんの初めて貰っちゃったぁ…あはっ!」 手が震えながら俺の手錠を外す。 「ハァ、ハァ…ひたちのこと好きだよねっ、好きだよねっ、好きだよねっ!」 ひたちは確かに泣いていた、痛みかもしれないが嬉しそうな顔をしていると思った俺はどうかしているのかもしれない。 まずい。 引き離さないと、まずい。
「やだっ、もっとするのぉ…ッ!?」 「暴れるなひたち!」 上下左右に動くひたちの所為で、俺はどうにかなりそうだった。 膣内から抜け出す前に、両手でしがみついて来るひたちをなんとかしないといけない。 外されて俺の手元に転がっていた手錠を使って、ひたちを覆い抱き細い後ろ手を纏め掛けた。 「ヤダっ、おにぃちゃ…やだあっ!」 「良いから黙れ!」 ひたちの細い腰に両手を置いた途端、狙ったように強い締め付けが襲って来て免疫の無い俺は直ぐにイってしまった。 「ッあ…?」 「おにぃちゃぁ…ん」 置いた手はビクビクとひたちの痙攣を伝える。 中に出し…た? ひたちはすりすりと頬擦りをした後、あれだけ嫌がっていた筈なのにゆっくりと腰を上げた。 カタカタと生まれたばかりの小鹿か起き上がるようだったが、毛の無い恥丘からはコプリと俺の、 「おにぃ…ちゃん…好きぃ…」 とろんと赤らんだ顔とか、口端から垂れた涎とか、ピンと張った乳首とか、汗ばんだ白い肌とか、そして太股を伝う白いそれが。 まさか。 俺は荒川さんみたいな大きなおっぱいが好きだ。 ペドフィリアの気なんて欠片も無いんだ。 なのに、 「あ…おにぃちゃんコーフンしてるんだ、ひたち見て」 「違…ぁ、」 勃ち上がってしまっていた俺に微笑んで、ひたちが小さな舌を出して綺麗に精液を舐める。 ヤバい、イったばかりだからヤバい。 なのに何で自由な筈の両手はひたちの顔を離さないんだ、何で緩く押さえてなんかいるんだ。 ごめん中編入っちゃった。
GJ 続きを期待
続きktkr GJ
ひたちエロ可愛いよひたち
>>576 おまえIDすごいな
GJ! ひたち可愛いよひたち
みんなのおかげですぐに打ち終わったよ。 とりあえず次で終わりだが調子乗って続き考えたいくらいだw 余談だが保管庫にあげられてて感動した。
流石に二回出せば冷静になる。 俺は幼女に襲われて(どうしょうもない事実だ)そしてお互いに取り返しのつかない事態に陥ってしまった訳で。 急いでひたちを風呂場に連れて行ってナカを掻き出した。 「あっ、やっ…おにぃちゃぁあ…」 「お前こんな時に変な声出すな!」 「だってっ、おにぃちゃんの指がこすって…牛久おにぃちゃんのゆび…」 駄目だこいつ涎垂れてるときは(頭が)イっちまってる。 「小学生孕ませるのは二次元で十分なんだよ、掻き出すんだ!」 「酷いっ!ひたち、おにぃちゃんの子供ならいっぱい産むよ!…おにぃちゃん酷い」 「骨格が未発達なんだから下手したら死ぬんだよ!」 何故ひたちがこんな必死(文字通りだ)になっているのかは理解出来ないが、俺だってそれなりにひたちは大切なんだ。 「ぁんっ…大丈夫だよ…安全日だもん…」 「…は?」 この顔や体型で安全日とか言われると口が閉じられない。 いやいやいやそうじゃなくって。 「赤ちゃん…今出来ちゃったらおにぃちゃんと一緒に居させてもらえないもん」 とりあえず、ひたちの愛液まみれの手を握りしめでげんこつを喰らわせた。 ひたち…殴られても涎流すな。 「おにぃちゃん体拭いて」 「調子乗ってるんじゃ…ってそうか、手錠か」 手錠、美少女、風呂場。 どれも今目の当たりにしている光景だからこそ恐ろしい。 まさか肉体関係を持つとは。
「えへへ〜…ひたち大成功っ」 「…服着たらすぐ帰れ、送るから」 こんなことがあっては、ひたちをまともに見れる訳が無い。 あの気持ちよさがこいつを見る度に思い出して、もしかしたら襲っちまうかもしれない。 ひたちが服を着ているようで、ゴソゴソとしているのを良いことに目を合わせられなかった。 「…いいけど、また来るね」 「だからこんなことしておいて…!」 ひたちがひたひたと近付いて抱きついてきた。 白い腕が伸びて、服を着ていないとわかる。 振り払おうと腕を上げた途端、軽いノイズと一緒にソレが画面に流れた。 『やだっ、もっとするのぉ…ッ!?』 『暴れるなひたち!』 『ヤダっ、おにぃちゃ…やだあっ!』 『良いから黙れ!』 手錠で身動きのとれない少女を男が騎乗位で無理矢理犯していた。 それは湿り気を帯びた体で俺に抱き付いている藤代ひたちと、俺でしかない。 「な…んだよ、これ!」 「デジカメってちゃんと編集出来るのね」 恐らく手錠のカギを探す時に撮影したのだろう。 ひたちの後ろ姿と、俺が情けなくひたちしか見ていなくて接合部を凝視している。 進学祝いで懐があったかいのはひたちも例外じゃなかった。
「ちゃんとバックアップもとって鞄に隠したから、これ消しても無駄だよ…あれ? あはっ!」 ひたちが犯されていた。 誰に?…俺に。 画像で再確認させられたそれはガラガラと何かを崩すには十分な威力で。 「おにぃちゃん、やっとひたちをオンナに見てくれたのねっ♪」 嬉しい。 ひたちがデジカメをぞんざいに置いたかわりに、開いた手で再びチャックの上を撫でる。 「ねぇ…おにぃちゃんっ、こぉんなコドモとエッチしちゃったのバレちゃったら…」 児童書なんて書けないよね? ゾクリとした。 まさかひたちは其処まで計算をしていたのだったら、俺の考えるトリックなんてそれこそ子供だましでどうしょうもない。 「おにぃちゃんっ、ひたち…中学受験でこっちに来ても良いよね、良いよねっ?」 俺の腰に纏わりついているひたちが誘っている。 あの気持ちよさがフラッシュバックした。 ザワザワと上ってくる何かに俺は耐えられそうにも無いし、ひたちの肢体からはもう目が離せなかった。 「おにぃちゃんっ、他の女に気をやったら…」 分かってるよねっ? 返事が面倒だったのでひたちの涎が垂れた口を塞いだ。 「んぅ…っ、んー…」 小さい尻がペタンと落ちる。 「んあぁ〜ッ…あはっ!」 涎がまた口から鎖骨に伝っていって、そしてひたちは満足げに笑った。 とりあえず、ひたちが妬かないように担当を何とかしないといけないだろう。 「おにぃちゃん、すきぃ…!」 最後に一つ、ティーンエイジャーにも満たない奴なんて対象外だなんて嘘です。 俺はドナドナ宜しくこの娘に踏み出してはいけない道に連れていかれてしまいました。
終わった。 連投ばっかして本当に申し訳ない。 ここまで読んでくれてありがとう。
中編にレスする前に、後編だと…… GJでした。策士ロリ最高です。 そしてペドすぎるぜ!
586 :
名無しさん@ピンキー :2009/03/21(土) 20:33:59 ID:9ak6svZR
GJ! 主人公見事に流されたな。
GJ 完結したが続編を期待したいのは俺だけか?
>>581 安全日がどうたらとかいう以前に年齢一ケタで生理来ていることに驚愕したわ。
最近のょぅι゙ょは成長早いなあ。
内容的には文句なしのハッピーエンド。うんうん、こうでなくっちゃ。
590 :
名無しさん@ピンキー :2009/03/21(土) 22:06:50 ID:rdX565vm
ヤンデロイド・りたぁんずの後編早く出来ないものか・・・。
GJ!!お疲れさまです。
ペッシペッシペッシペッシよぉ〜
ヤンデレの女の子に監禁された場合の助かる方法 @助けを呼ぶ A他の女の人に助けてもらう Bあきらめる 正解は Cヤンデレに俺のチンポをしゃぶれと命令する
>>596 ばかやろう、もしそのヤンデレ女が自分の弟だったらどうするんだよ
>>597 女の子になった弟にチンポをしゃぶれと命令する
ばかやろう、もしそのヤンデレ女が(前世の)自分の弟だったらどうするんだよ
ということだったのさ!
ヤンデレ姉に自分の尻を突っ込まれるよりマシと思えって スターリンが言っていた。 彼もアナル経験者だったとは歴史の教科書から消された事実であるw
男の娘か・・・・俺は平気でいけるクチだぜ。 かわいい、ショタっ子(キツね耳&しっぽ)が、 「どうしてボクを選んでくれないんですか?」 とか涙目で佇みながら言われてみろ!それだけでごはん三杯はいk ちょっと病院行ってくる。
「ねぇ、お兄ちゃん。ボクのことを何で避けるの?ボクはいっぱいお兄ちゃんと居たいのに。ダーイスキなのに」 稟が急に女装して圭一に近づいた。圭一はとっさに後退りする。わからないが何かの威圧を感じたのだ。殺気に近かった。 「何ばかなこと言ってるんだ!俺たちは兄弟だぞ」 圭一は叫んだ。しかしそんなことは関係ない稟にとっては。 「そんなこと関係ないよ。ボクはお兄ちゃんの妹だよ?血なんて関係無いよ」 稟はきょとんと首を傾げた。血の繋がりなんか関係ないと言い張る。 「お前は妹じゃない弟なんだ」 圭一は本当の事を言ってしまった。しかしこれが自分の身にかかる事のトリガーになることを知らずに 「嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ。ボクはお兄ちゃんの妹ダヨ。お兄ちゃんの嘘つき。嘘つきなお兄ちゃんはボクと一緒になるんだ。」 急に目が虚ろになり言動がおかしくなった。圭一は今更威圧の正体がわかったが時既に遅し。稟はドンドン圭一に近づく。圭一は後退りするがとうとう壁に当たり逃げれない。稟は手にバッドをもって。 「止めろ。止めるんだ。やめろーーーーー!」 ドンと頭に衝撃が走り視界が暗くなってきた。もうあいつらと会えないんだなと悟りながら・・・ ・・・ ・・ ・ 「お兄ちゃん。ず〜と一緒にイヨ
(;^ω^)
・男のヤンデレは基本的にNGです。 そういう趣向があるのは分かるが、他所でやれ……と言いたいが、これはありになるのか?
俺は好きだGJ だがスレ的にはアウトだろう
そうかスレ違いだっか。すみません。
不快に思う人もいるからね〜 スレの衛生上あまりよろしくないかも
次からは書かないようにします。すみませんでした
いや、小ネタ程度だしそこまで謝らなくても……
>>609 の「ね〜」がムカついたのは俺だけじゃないはず
ヤンデレが向かいに座っている男の彼女の顔を見ている ヤンデレ「そういえば、あなたいくつ?」 男の彼女「もうすぐ17歳になります」 ヤンデレ「ならんでしょうな」
男のヤンデレは基本的にNGです。 ↑今更だけどこれ男の娘だったらありにしてもいいと思うんだが
>>614 前にもあったな・・・たしか忍者のやつだっけか
新参者だからわからないけど、当時は荒れたんですかね
スレ立てれば?
そういえばあったね。
基本的に〜だから、本文前に作者が男の娘の旨を書いといて、不快に感じる方はNGを〜と、前置きしておけば そんなに問題にはならんだろう。
別に荒れてはいなかったがたしか「ショタはOK?」と意見を聞いてから 投下前にも「ショタ注意」と注意書きを入れてから投下していた希ガス そのぐらい慎重にやってた
どんなにかわいい男の娘でも書き方しだいでは、 ホモホモしくもなる。 そういった作品でアレな人達が入って来て荒れる可能性もある。 俺は良いと思うが難しいよな。
個人的になら、 ショタは男として書かれると駄目だけど、 チンチンの生えた女の子として書かれてるのならオッケーだな。
ショタスレあるだろうし 波風立てたくないならそっちがいいと思うけど
エロパロ =男女 レズ・百合 =女女 801 =男男 大人の同性愛 =男男女女 スレ違いってことだ、なっ
>>623 お前の感覚で勝手に決めるなよ
エロパロ板にもショタスレあるし、そもそもお前はスレ違いの意味を取り違えてる
ま、このスレでのそれを無条件に許容するつもりもないけど
ルールに基本的に男のヤンデレはNGって書いてあるけど男の娘ってどうなの? 個人的には同性愛にもふたなりにも男の娘にも耐性が無いんだけど……
>>625 どうなのって、そんなの人それぞれだろ?
苦手なら見なきゃ良い。
ふたなりもショタもあるんだからそっちでやればいいだろ なんでNGって書かれてるのにムリにここでやりたがるの?
そろそろこの話やめません?
まぁつまり…男の娘でも事前に注意書きしておけば おkってことでこの話は終わりかな?
・男のヤンデレは基本的にNGです ・苦手な人がいるかな、と思うような表現がある場合は、投稿のはじめに宣言してください。お願いします。 宣言すればいいと思うよ
男の話ばかりして ヤンデレ娘たちは気が気でないぞ 惨劇が起きる前にフォローしてやるんだ
大好きな彼が同性愛者だったら、ヤンデレはどうするか、だな。 男装?性転換?催眠術から怪しい宗教まで、洗脳系?はたまたドラッグ漬け? そもそも彼が同性愛者な時点で幻滅しちゃう?
女が好きになるまで調教かな
おはよう。身体の調子はどうかしら? 昨日はごめんね。スタンガン使うの初めてだから、後遺症とか…… あらあら、抵抗できるようなら大丈夫みたいね。よかった。 でもダメよ。そのワイヤー頑丈だから、もがくと逆にケガするわよ。 さてと、それじゃあ本題に入ろうかな? ねえ、アナタ最近、連日パソコンに向かって何かしてたでしょう? それで体調を崩さないかなあ、なんて心配になったのよワタシは。 え? なんでそのことを知っているかって? そんなの簡単よ。この部屋には、64の監視装置がつけてあるの。 全角度フォローで、見つかること前提の設置だったんだけどね。 それでも気づかないくらいだもの。熱中しすぎだよ、アナタ。 あの内容だって、もちろん把握しているわよ? 「男に病的に迫られるのはアリか?」なんて、ネットで討論してたよね。 「可愛らしい男の娘だったら俺はオッケー!」なんて書いてたよね。 ダメよ。そんなの不潔だわ。許してあげるわけないでしょう? なんでって? アナタはワタシのものだからに、決まってるじゃない!? アナタはワタシが愛してあげる。だからアナタもワタシを愛して欲しい。 なのに、アナタはよりにもよって「男の娘に迫られたい」だなんて…… 明らかに、バカにされているとしか思えないじゃないの!? だから、そんなものはアナタには近づけさせてあげない。 実際に近づいてくるキ○○イは、ワタシが直接退治してあげる。 アナタがネットで今まで集めていたものは――全部処分しておいたわ。 くすくす……その泣きそうな怒り顔もカワイイわね。 でも許さない。ネット回線も携帯電話も、解約させてもらったわ。 そして、アナタのネカフェの会員証とか運転免許証とかはホラ、壊しちゃった。 くすくす……これでもう、アナタは遠くに出られないし、ネット通信もできない。 だから、ワタシだけを見られるよね? むしろワタシ以外見えないでしょう? 男の娘なんて不潔なモノ、アナタの周りには要らないでしょう? さあ、いらないものも掃除できたし、今度こそ抱いてあげる…… ―――――――――――――――――――――――――――― オトコ討論ばっかなので、走り書きしてやった。後悔とかはない。 まあ正直な話、男の娘とかホモショタ系は、そうポコポコ出るものじゃないんだし…… 時々現れるくらいなら、ゆる〜く「先に書いとけ」とか注意したんでいいんじゃない?
635 :
名無しさん@ピンキー :2009/03/24(火) 22:07:24 ID:yiTfLg2w
いない君といる誰かの最後ってどうなるんだろ・・・? 冬継の運命が超気になる。 A,狂気倶楽部を潰すための果てしのない旅に出る。 B,復讐をあきらめ、如月更紗とそのまま同棲生活を開始。 C,復讐の為に狂気倶楽部に入会して機会をうかがう。 D,トランクケースから4本腕のガンマンを呼び出して、狂気倶楽部の面々をやっつけて貰う。 E,復讐の為に雪代縁・桜田ジュン・華秦と一緒に『弟の協調』を結成。 秘技『死巣婚蜘蛛の囁き(シスコンウィドーズウィスパー)』を須藤兄妹に御見舞する。
須藤兄が冬継をめった殺し
637 :
名無しさん@ピンキー :2009/03/25(水) 00:11:13 ID:v8zRzwRL
死んだ姉を持ち霊にしてシャーマンキングを目指す。
死ねよ
今更だが
>>612 不快に思ったならすんませんでした
以後気を付けます
不快にさせようとして書いたんだろうが
この札束とした雰囲気、俺が癒してやる!! 「ヤンデレやんでれ」 なんつって!! 渾身のギャグ!! すごい!! 最高!!
642 :
533 :2009/03/25(水) 02:57:23 ID:tYynELr7
早朝投下、遅筆で申し訳ない ウチの学校は週休完全2日制、いわゆる「ゆとり」教育だ まぁ…公立だし当たり前か だれだ、今「これだからゆとりは…」とかいった奴、俺のカンフーを食らえッ!! で、今日はその完全なる週休2日のうちの1日…簡単に言えば休日だ 家に居ても大してすることも無いので街へ遊びに行くことにした そうと決まればアツシに電話だ 別に他にも友人はいるのだが、やはり付き合いも長いし 1番仲がイイ奴だし一番に電話するのは普通だろ? 俺は携帯を手に取り携帯に内蔵されている電話帳から アツシのデータを探す ディスプレイにアツシのデータが表示さると、 電話番号を選択し決定ボタンを押す、ホント便利な世の中だよなぁ… トゥルルルル――― 呼び出し音が鳴る…一回、二回、サァンカイ!! 「おーす」 「三回目でアホになってみました」 「はぁ??」 「もう、使えんのか…」 「で、タロウどうした?」 「今日暇ならよ、街にブラブラしに行こうぜ」 「あー…もう街に居る、悪りぃ、今日は妹と買い物しに来てんだ」 「チクショウめ一人で行ってやる!!」 「ハハハ、それじゃ」 ブッ――― 俺の悲痛な叫びも軽く流され電話が切れた 妹と買い物かよ…それじゃ仕方ないか家族だもんな 「タカダ メイ」アツシの妹の名前だ 妹と聞いて大抵の人間はロリキャラだと思うだろう だが、そんな連中の期待を裏切る存在なのだ キレイな顔で、スタイルも中々だ、胸の大きさは『メイちゃん>アヤちゃん』だ いつも、初見の人間には本人の年齢より上に間違えられているらしい 家を空けがちな両親に変わってアツシの面倒をみる出来た子なのですよ たしか、来年ウチの学校に来るとか来ないとか… しかし、まぁ難しい年頃なのに兄と妹で買い物ですか、仲いいなぁ… べ、別にう、うらやましくなんかないんふだからねっ!!
643 :
533 :2009/03/25(水) 03:01:02 ID:tYynELr7
所変わってココは街、近所の電車駅から3駅乗った所だ 駅前には映画館、デパート、高層マンションなどがあり、大都市感100パーセント 駅から少し離れて色々な専門店、飲食店などがある 街には街特有の活気があるな…ええのう やはり人には活気がないと…俺なんか、じじくさいな とりあえず…デパートへ行くかな、色々見て時間つぶせるからな 駅からデパートへ移動しようと歩き出した と、その時アツシとメイちゃんらしき人物を発見した もう少し近寄よらないと…本人達かどうかもワカラン 本人達かどうかを調べるため、人波を掻い潜りスニーキング開始 何かを楽しそうに話している…ホント仲がいいな 話し声が聞こえる位置まで来たぞ… 「いやぁ〜色々と買い込んだな、メイ」 「そうかな、結構日用品ばかりだけど?」 「日用品?どう見ても俺は使わないものばかりだが」 「兄さんの日用品じゃなくて私の日用品!!、年頃の女子は色々と必要なの」 「へぇ……」 「うわー『どうでもいい』感が滲みでてる」 ふむ、本人達と確定!!だが、もう少しスニーキングしてみよう ふと、アツシの横顔を見つめるメイちゃん あれ?一瞬だけメイちゃんの顔が変わったように思えた…ほんの一瞬だけなんだが なんていうか…顔が女っぽく変化したというか… まぁ…気のせいだろ さてスニーキングはここまでにして、声をかけるとしますか 「いようアツシとメイちゃん」 「へ?…ってうわ!!出たー!!」 「出たー」 「おい!人を幽霊みたいに言いやがって!折角俺自ら声をかけたのに」 「何をエラそうに…」 「おっす、タロキチ」 「おっすメイちゃん」 ちなみにメイちゃんは俺の事を『タロキチ』よびタメ口だ 昔からの付き合いだし、そこんところ気にしなくてOK って話かけたのはいいが、何か話題を… うーん、困った、変な間が空いてしまったし何も話題がない
644 :
533 :2009/03/25(水) 03:04:03 ID:tYynELr7
「タロキチ、一人で何してんの?」 メイちゃんが質問してきた、助かったと心の中で叫ぼう 「街に出て人間観察だ」 「ふーん…」 「ウソつけ、俺に電話してだめだったから、一人でブラブラしてたんだろ」 「はっはっは、君達から見ればこの俺は、ただのヒマ人に見えるかもしれない」 「いや、ヒマ人だろ」 「違うッ!!俺は『超』ヒマ人なのだッ!!ふはははは!!」 「兄さん、タロキチに何か飲ませた?」 「コイツはいつもこうだ、ハッパの吸い過ぎなんだ」 「えー、中毒者なの?」 「いや、もう血液にハッパが流れている」 「おいおいおいおい!!俺を痛い人扱いしないでくれるかな、その哀れな目やめい」 こんな会話がしばらく続いた なんて中身の無い会話だ…だがソレが俺のジャスティス!! 「ねぇ、兄さんそろそろ帰らないと…」 「ああ、そうだなメイタロウ俺ら帰るわ」 「おう、またな…あ、最初お前ら見つけた時はどこぞのカップルかと思ったぞ」 「ばーか、何言ってんだよ、なぁ、メイ?」 「え…う、うん、な、何言ってるの」 「あれだな、兄妹の禁断のカップルてのもアリだな!なーんてな!」 「バカかお前、何か言ってやれメイ」 「……兄……妹…アリ…なのかな……?」 「ん?メイ?どうした?急に赤くなって」 「ななな、何でも、無い!早く帰ろう兄さん!! 「うおッ!ウデを引っ張るな!!じゃーなタロウ、」 「おふたりさん、さいなら〜」 駅の中へ去っていく、周りの人が俺を見る位手を振って二人を見送ってから 俺は逆方向へ歩き出す、デパートに行く為……ではない 少々考え事がしたくなったから …最後のメイちゃんの反応、あれは… メイちゃんなら「…タロキチ、バカじゃないの」くらい来ると思ったんだが、 まさかなぁ…でも、明らかにアレな反応だったよな… 俺の直感からすると、メイちゃんはアツシを『好き』なんだろうな この目で、兄に恋する妹を見れてしまうとは…都市伝説だと思ってたのに… 当のアツシは気づいていない様子だったが… てか、気づいてないんだろうなぁ…アイツ鈍いし おせっかいな俺がすべきことは……… 「応援?相談?妨害?…わかんね…」 ポツリとボヤいてしまった…いかんいかん 俺は出来る子、ご都合サブキャラだからなボヤキは無し!!
645 :
533 :2009/03/25(水) 03:06:25 ID:tYynELr7
「なんで………ゆ…さ…ない…こ…して」 急に変な声が聞こえてきたので ふと、地面に向けていた目線を上にやった瞬間 アヤちゃんが視界に入った…あれは、アヤちゃんだよな…?アヤちゃん…だな? 今、俺の目の前にいるアヤちゃんは普段からは想像もつかない顔をしている 虚ろな目をして無表情で一点だけを見ている、瞬きもせずにただ一点を… 駅のホームで楽しそうに電車待ちをしているアツシとメイちゃん… そして電車が来た…二人が電車で隠れるその瞬間、 メイちゃんの目がアヤちゃんの方を見た気がした、いや確認はしてないけどさ… アヤちゃんが「…アイツ!!」とか言ってたのは、気のせい、気のせい そんなことより、今は目前の問題をどうにかせねば…とりあえず声掛けよう 「やぁ!アヤちゃん、こんな所で会うなんて偶然だねぇ!!」 「え…あッ!!タロウ君!?びっくりした…」 ヨシ!!元気は無いが、通常モードになったな… 「ここで会ったのも何かの縁、俺とお食事お願いします!!」 「…ゴメン、そういう気分じゃ無い」 「ノーウ!!俺が奢るからさ!!魔法発動!食べたい気分にな〜れ!!」 「…ホントゴメン…今日は疲れたんだ…私もう帰るね」 う〜ん、仕方ない…ちょっと危険だが本命で行くか 「アツシと仲良くしてるメイちゃんに嫉妬した?」 「!!!」 「アタリ?」 「………」 「なぁ…少し話そう、こう見えても『言葉のサンドバック』の異名は伊達じゃないからな」 「わかった…」 後半のボケが完全に殺されたのは悔やまれるが、状況が状況だ 俺達は近くにあったファミレスへ入店した…席は奥のほうがいいだろう アヤちゃんはなんだか、辛そうな悲しそうな顔をしている…そりゃそうか さてと…誘ったのはいいが、アヤちゃんとどう話したものか… ここで頑張らなければ、この平和は維持できない…大丈夫…俺なら出来るハズ 今回はココまで
646 :
533 :2009/03/25(水) 03:09:58 ID:tYynELr7
ちなみにアヤとメイも幼馴染です…書き忘れてた…
>>646 幼馴染VS妹の構図、だと……?
語り部役が軽薄な分、病み具合がぼかされているけど、クライマックスは荒れそうで楽しみだ……
GJでした。続きはゆったり待ってます。
648 :
名無しさん@ピンキー :2009/03/25(水) 08:00:04 ID:7bV/k5rt
>>646 GJっす
タロキチにヤンデレな彼女が出来る事を祈りつつ、次回をお待ちしております
GJ!! じゃあ俺は作者にヤンデレな彼女(ry
GJ このごろはまさか第三者視点が流行なのか?
>>652 ええ話やないか…愛だよ、愛。
ちょっと人より愛が濃いだけなんだよ。ディープラヴなんだよ。
投稿します
655 :
名無しさん@ピンキー :2009/03/26(木) 01:29:11 ID:sQbKoQ6C
支援
山から下りた業盛は、袋の中を覗いてみた。 彩奈の薬代で、かなり減ってしまったが、まだ少しだけ金が残っていた。 「これだけあれば買えるかな、蜜柑」 業盛は再び都に向かった。 今度は途中で袋を盗まれることもなく、ちゃんと青果店に着くことができた。 とりあえず、二つ蜜柑を買った。甘酸っぱい匂いがほのかに漂ってきた。 早く帰って蜜柑を食おうと思い、業盛は館に向けて走り出そうとした… 「あぁ〜、あんたはあの時の!」 が、どこかで聞いたことのある、凛とした声に止められた。 振り向いてみると、やはりどこかで見たことのある鋭い目付きの女性がいた。 「あんたねぇ〜、あの時は勝手にいなくなるから、私、とんだ恥かいちゃったじゃないのよ!」 そういえば前に、ごろつきに絡まれている彼女を助けたのだった。 そのことを業盛は思い出した。 「あっ、すいません…。あの時は急ぎの用があったもので…」 「だからって、急にいなくならないでよ!親から教わらなかったの!? 『人の話は最後まで聞きなさい』って!」 長くなりそうだ、と業盛は思った。 ここは彼女が話に夢中になっている内にずらかろう。 業盛が彼女に背を向けた時、 「同じ手を二度も食うと思った?逃がさないわよ」 腕を掴まれてしまった。 「あの…離してくれませんか。今、すごく大事な用事があるんで…」 「大事な用事ってなによ?」 「あなたに言う必要ありますか?」 「大ありよ!どうせ嘘吐いて逃げようってんでしょ。 本当に用事があるなら、ちゃんと理由言えるわよね?」 図星であるので、ぐうの音も出ない。 「ちっ…」 でも、舌打ちの音は出た。 「やっと見付けたぞ!てめぇら!」 「大体ねぇ、この私がお礼を言おうとしてたのよ!勝手にいなくなるなんて失礼じゃない!」 「なに言ってるんですか!怒ってたじゃないですか!」 「てめぇら、俺の話聞いてんのか!」 「怒ってなんかないわよ!」 「怒ってましたよ!」 「てめぇら、話し聞けよ!」 「うるせぇな!黙ってろ!」 「うるさいわねぇ!少し黙ってなさい!」 さっきから人の会話にちょくちょく横槍を入れてくる馬鹿に、 業盛と女性の声が見事に被った。 「とにかく謝りなさい!」 「なんで謝らなければならないのですか!?」 「あんたが私に粗相をしたからでしょ!」 「粗相って…、あなたどんな身分の人間ですか!?」 「少なくとも、あんたよりは上よ!」 「いい加減にしろ!てめぇら!」 何人分もの怒鳴り声が聞こえたので、二人はその方に振り向いた。 どうゆう訳か、ごろつき達に囲まれていた。
「なんだ?お前等?」 「汚ったないわねぇ〜。臭いから近寄らないでよ」 二人がそれぞれ酷い感想を漏らした。 「…てめぇら…ご挨拶じゃねぇか…」 そんな感想に、先頭にいるデカブツが額に青筋を立てながら言った。 どうゆう訳か鼻に包帯を巻いていた。 「そこのてめぇ、俺の傷を見忘れたわけじゃねぇよな!?」 デカブツが、自分の鼻に親指を立てながら業盛に言った。 「…壁に鼻でもぶつけたか…?」 業盛の答えに、デカブツが顔を真っ赤にした。 「ちげぇよ!てめぇがやったんだろ!」 そうだっけ…、いまいちよく思い出せない。 「とにかく!てめぇのせいで俺の顔がつぶれちまったんだ! 焼き入れねぇと気が済まねぇんだよ!」 この女性と話すのも面倒だが、このデカブツはもっと面倒そうだ。 そう思った業盛は、未だに口上を並べているデカブツに近付き、股間を蹴り上げた。 なにかが潰れる音が膝を通して伝わってきた。 あまりの激痛にデカブツがその場に昏倒した。 「あー、悪い。顔だけじゃなくて、男の方も潰しちまったよ」 業盛は少しおどけて言ってみせた。 そのついでに、なにが起こったのか把握できていない横の二人を打ち倒した。 これでやっとなにが起きたのかを把握したのか、周りのごろつき達が襲い掛かってきた。 業盛はまったく顔色を変えず、ごろつき達の攻撃を躱し、 的確に一撃を与えて、沈黙させていった。 あまりの出来事に呆然として、最後まで残ってしまったチビは、悲鳴を上げると、 自分の得物を捨て、逃げ出してしまった。 しかし、逃がすものかと、業盛が放った石がチビの後頭部に直撃し、チビを昏倒させた。 気付くと、業盛はたった一人でごろつき十数人を叩きのめしてしまった。 「さてと、こいつ等をどうしてやろうかな…」 別段息を切らせた訳でもなく、業盛がなにかを考え始めた。 そしてなにか閃いたらしく、ごろつき達を一箇所にまとめると、縄で縛り上げ、荷車に乗せた。 「ちょっとあんた、どこに行くのよ」 我に返った女性が言った。目が潤んでいる。さっきの喧嘩を見て、血でも騒いだのかな。 「あぁ、ちょっとこいつ等の仕置きを…」 業盛が伸びているごろつき達に目を向けた。 「あなたの話を聞きたいのは山々ですが、急用が出来てしまいました。 …これでいいんですよね。あなたの言う、理由と言うのは…?」 そろそろ出発したかった業盛であったが、 「ま…待ちなさい」 再び彼女に止められてしまった。 「なんですか?理由はもう言いましたよ」 「あんたの…名前…教えなさいよ…」 なにも名前を聞くのにそんなに偉そうにしなくても、と思ったが、 そのことを言うと面倒なので黙っていた。 「天田三郎業盛ですが…」 「天田三郎…。なるほど…こいつが…」 途中から、彼女がなにを言っているのか聞き取れなかった。 よく聞き取れるように近寄ると、目が合った。 彼女の顔がかっと赤くなった。 「なにぼさっと突っ立ってんのよ! 私の用は済んだんだから、とっととどこかに行きなさいよ!」 どこまでも偉そうだなこの人は…。 もう二度と会いたくない。業盛はそう思いながら、荷車を引いていった。
業盛がごろつき達と大立ち回りを演じた場所から少し離れた家で、二人の男が会談していた。 二人とも商人のいでたちをしていたが、片方はいかめしい面構えをしており、 もう片方は筋骨隆々としており、どちらも商人には見えない。 「護衛の者を、二人ほど用意して欲しいのだが」 いかめしい方の商人が言った。言葉には切迫感がにじみ出ていた。 「ずいぶんと急でございますね。なにかあったのでございますか?」 対するもう一方の商人は悠長なしゃべり方をしていた。 「馬鹿に命を狙われておってな。周りの者だけでは防ぎきることができなくなったのじゃ。 そちの主人も、今わしに死なれては困るであろう?」 「分かり申した。では、腕利きの者二人を護衛に付けましょう。これ」 商人が手を叩くと、二人の男が現れた。 「この二人は家中随一の剛の者。きっとあなた様を、身を挺してお守りするでしょう」 「そうか、それなら安心だ。感謝するぞ」 いかめしい方の商人はそう言うと、二人を連れてその場から去っていった。 「お父様、終わったのですか?」 先ほどの商人と入れ替わる様に、さっきまで業盛と口論をしていた女性が入ってきた。 「あぁ、終わったぞ。そちらの方も異常はなかったか?」 「えぇ、家に近付いてくる奴は一人もいなかったわ。でも…」 「でも…なんだ?」 「お父様、前に話しましたわよね。私がごろつきに絡まれてる時、 私を助けてくれた人がいるって…」 「その話は聞いているが…それがどうかしたのか?」 「またその人に助けられたのです。ごろつき達に囲まれた所を…」 「ほう…」 「それで、お父様にお願いがあるの。…聞いてくれる…?」 なにやら神妙な面持ちでその様なことを言うのだから、これはきっと間違いない。あれだ。 「そうか…。お前もやっと決心したのだな。分かった。それで、お前の願いとはなんなのだ?」 「あのね…」
「さてと、お前達にこれから仕置きをする訳だが、一方的にするのは気が引けるので、 これから言う三つの仕置きの中から、お前達に選んでもらおう」 業盛は都から少し離れた所で荷車を止め、ごろつき達にこう言った。 ごろつき達は、業盛の実力を身をもって知っているため、誰も反論する者はいなかった。 「で…その三つとはなんなんで…?」 「一つ、棒叩き千回。二つ、肥溜めに叩き落す。三つ、鞍馬寺に入る。 この中から選んでもらおうか」 「三番目でお願いします!」 みんな即答だった。 「そうか、分かった。では、早速行こう」 業盛はごろつき達を連れて鞍馬寺に向かって歩き始めた。 鞍馬寺に向かう途中、ごろつき達はこの仕置きに対して疑問を抱き始めた。 一番、二番は最早拷問としか言えない様な内容なのに対して、三番目は明らかに軽すぎる。 なにかあるのではないか、ごろつき達はそんな疑心暗鬼に駆られた。 そうこうしている内に鞍馬寺に着いた。 業盛は門前の坊さんとなにかを話し合っていた。 心なしか、業盛の顔は笑っている様に見えた。 「お前達、話はついたぞ。喜んで受け入れるとのことだ」 「そ…そうでございますか。…あの…仕置きはこれで終わりなのでしょうか?」 「あぁ、お前達はこれからこの寺で改心するのだ。それが仕置きだ」 「あ…ありがとうございます!」 ごろつき達が目に涙を浮かべて頭を下げた。 「では、俺はこれで帰らせてもらおうか」 業盛はそう言って、鞍馬寺を後にした。 「まったく、あいつ等は俺の予想通りの答えをしてくれたな」 業盛は邪な笑みを浮かべていた。 まぁ、分かりきっている仕置きを受けるよりは、 不透明なものを選んだほうが安全と思うのは当然か。 「あいつ等も、じきに分かるだろう。俺があの寺に入れた、本当の理由を…」 邪な笑顔は、六波羅に着いた時には既に消えていた。
投稿終了です。 支援ありがとうございます。 なんだか知らない間に規制されていたので、 急に書き込めてびっくりしました。
GJ
>>660 GJ
そうか、あなたんとこは、昨日規制解除されたみたいね。
次回を待ってます。
変歴伝来てる! gjです 好きな作品なので再開してくれてうれしいよ
忘れていた頃に投下とはやりおるのう…
gj しかしさ…ごろつき達への仕打ち酷すぎないか?どっちが悪人か分からんよ…
GJ! 久し振り変歴伝ナイスでした 私もちょっとごろつき達への仕打ちがやり過ぎな気もしますけど……まあいいか
彩奈さんに蜜柑を買ってたのに、持って行かずに六波羅に直帰してないか? 早く行かないと蜜柑が腐るだろ。
>>667 俺は自分で食べる用に買った物だと思ってたんだけど違うの?
>早く帰って蜜柑を食おうと思い、業盛は館に向けて走り出そうとした…
とか書いてあったから業盛が自分で食べる為に買ったのかと……
GJ
たった今ヤンデレ家族と傍観者の兄シリーズをWiki見た訳だが、続きは無いのかな?かな?
オチは決まっているが そこまで行く過程で難産しているそうだから 大人しく待ちましょう
次から投下。 まだ病みは少ないので、苦手な方は酉かタイトル『ハンゾウッ、タイマンだZE!!』でNGおねがいします。 僅かにポエムも入ってますが、気にしないで下さい。
1 空は明るく地は白く。太陽が輝いて晴れやかなのに、季節遅れな雪のせいでアスファルトは一色に染まっていた。そんな、三月の、下旬。 住宅街に立ち並ぶ自分の家で、二階に在る自分の部屋で、窓際に置かれたベッドの上で、幼馴染みが横たわる。 六つも年下の、小学五年で女子児童の、早乙女 光秀(さおとめ みつひで)。 「よっ、と。ちょーだい、杏(きょう)にぃ……」 ミツヒデは上体を起こしてベッドに腰掛け、目の前に立つ俺へと手を差し延べる。 天然の青み掛かった、サラサラと揺れるショートヘア。襟足部分で左右に小さなオサゲが作られ、幼い外見を更に幼く見せていた。 瞳はツリ目がちだけど大きく、肌は雪よりも白く、唇はリンゴよりも赤い。産まれてから十一年も供に過ごした、オムツだって交換してあげた、誰よりも良く知る女の子。 そんな幼馴染みを見下ろし、上下を長袖の運動着で纏ったミツヒデに、徹夜で書いた原稿用紙を二枚手渡す。 一枚目。 【Revenge heart】 何度でも 繰り返し伝えるのは 貴方への 想い歌う唄 いつか 笑顔で 頷いてくれると信じてる 季節過ぎても 変わらずに生きてく 涙流しても戻らない 後悔捨てるわ 今ここで 「好きよ…」伝え飽きた 愛の言葉 まだこれじゃ足りないの? 泣いて愚痴るくらいなら 手近な私にしとけば? それでも縮まらない 二人の 産まれ過ごしたこの距離 「幸せに…」さよなら 好きだった バカヤロウ それじゃ私も 前に進むから 二枚目。 【Unlucky lady】 月に照らされも ツキは向いて来ない 星は輝いても 欲しがらない貴方 「愛してる」と毎日 「逢いたい」の毎日 おねだりは疲れるわ お願いだから求めてよ 携帯片手に相槌を されるたび熱が冷めていく 本当に私を好きなの? 二人の将来考えてるの? 聞きたくても聞けない 不幸なヒロイン演じてあげる だから見つめて愛して 幸せにして王子様 「うーん、二枚目がまだマシかなー? てかさキョウにぃ、作詞家なんてなれないんじゃない? だって、ゼンゼン心に響かないもーん」 ミツヒデはひとしきり文句を言い終えると、原稿用紙を纏めて四つ折にし、溜め息を吐きながらランドセルの中へとソレを突っ込んだ。 無造作に。グチャグチャに。流石にイラッと来る。 「あのなぁ……お前が泣きながら、キョウにぃ書いてーって頼んできたから、仕方無く書いたんだぞ?」 別に作詞家を目指してる訳じゃない。そんな夢を語った事も無い。
2 コイツは、ミツヒデは、今も大絶賛放送中アニメの声優をしてる。主人公を振り回すワガママなヒロイン役で、そのアニメの中でも一番の人気キャラ。 そしてミツヒデ自身の人気もうなぎ登りで、とうとうCDデビューするらしい。 そのデビュー曲の作詞を、何故か俺が書く事になったのだ。まぁ実際は、ミツヒデが作詞をしたってなるだろうけどな。 でも……それで良い。ミツヒデが喜んでくれれば、それだけで良いんだ。 ミツヒデは幼い頃に両親を事故で無くし、今は歳の離れた姉と二人暮らし。 姉は親の後を継いで大きな会社の女社長をしてるけど、その分は忙しく、隣に住んでた俺が姉代わりに、両親代わりに、ミツヒデの世話をしてた。 だから俺にとってミツヒデは、妹よりも娘に近い。ちょっと生意気な、だけれども目が離せない大切な娘。 そして将来は、本当の家族になりたいと思っている。ずっと憧れてた、早乙女 献心(さおとめ けんしん)と、シンねぇと結婚したい。そう、ずっと、思ってた。 だけれども、そんな願いは叶わない。 「ねぇキョン……」 上目で見詰める、ミツヒデの口が三日月で笑う。 俺は失敗したんだ。後悔ばかりが渦を巻く。 「なん、だよ?」 これまで約一年、毎日の様にアニメの映像を見て、台本を読みながら、アフレコの練習を手伝ってた。 俺の部屋で。二人切りで。主人公の吹き替えをしてたんだ。 アニメの中で俺は、本名と一文字違いの愛称で呼ばれ、ヒロインの言葉には絶対服従。どんな無茶でも、必ず、必ず。 それを毎日。俺はオカシクなった。まるで催眠術にでも掛かったみたいに、『ねぇキョン……』、ヒロインの声でその単語を言われるだけで、俺の身体は動かなくなる。 思考や声はまともでも、身体だけはミツヒデの思うがまま。ミツヒデの思うがままに、どんな罪だって犯すだろう。 「手が、冷たいわ……んっ、くちゅ。ふふっ、温めてちょーだい」 ミツヒデはベッドに腰掛け、口元に両手を添え、掌へ透明に糸を引く唾液を垂らし、ぐちゅぐちゅと音を立てて開閉しながら馴染ませる。 俺は目の前で、それを見下ろして立ちすくむだけ。言い聞かせるのは諦めたから、ミツヒデの気が済むまで、イタズラされるだけ。 「コーヒーでも煎れてやるから……」 どうせ誤魔化そうとしたって、 「じゃあ、ココで手を拭かないと♪」 結果は同じなんだから。
3 ジジッ、ジジィィッ…… 戸惑い無くズボンのファスナーが下ろされる。 突っ立ってるだけな男の意思なんて、絶対に尊重されない。 「キョン? あんた前に何て言ったっけ? 私を大切な妹だって、大切な娘だって、大切な家族だって、そう……言ったわよね?」 ミツヒデの視線は俺の顔を捕らえたまま、差し入れられた手はズボンの外へとペニスを引きずり出す。 触れられたモノは、既に最硬度まで大きさを増し、言い訳なんてできないくらいに勃起してる。 「このヘンタイっ!! キンシンソーカンに、シスコンに、ロリコンに、ペドフィリア? 家族相手にチンポおっきくしてっ、大切にしたいなんて台詞が聞いて呆れるわっ!!」 俺は声を変え、役割を変えたミツヒデから逃げられない。 以前に告白されて、それを断って、そしたらこのザマ。翌日から「ねぇキョン……」、悪戯が始まった。 「ココは襲う気満々じゃない、レイプする気満々じゃない……まだランドセルを背負ってる小学生女子児童を、孕ませる気満々じゃないのっ!? どうなのよキョン!!?」 ここまで来るとマインドコントロールに近い。自意識の在るマインドコントロール。 ミツヒデはケンシン姉さんの前じゃ良い子ぶるし、ケンシン姉さんに直接言っても冗談に取られる。 俺だって信じられないけど、事実…… 「ヤメ、てくれ。俺は、こんなこと、したく、ないんだ!!」 この身体は動かない。 俺を「杏にぃ」と本名で呼ぶまで、俺はアニメの主人公と同じに、どんな無理でも聞き入れる。 「ウソ……本当は私の頭を掴んで、この太くて、大きくて、反り返ってるチンポを、咽の置くまで荒々しく突き刺したい……そうでしょ?」 なじる声は熱を帯び、けなす瞳は潤み、頬は赤く、耳まで赤く。 ミツヒデはヒロインの口調で喋る時、間違いなく性的に興奮してる。実際のアフレコはわからないけど、俺を相手にしている時は、間違いなく、興奮してるんだ。 「早く、解け……自分でスルから、お前は帰って、学校の宿題でもしろよ」 俺だってそう。俺に、キョンに刷り込まれた使命。「キョンは、私の唾液を見ると、勃起する」。 キョンで居る時の俺は、唾液を、ミツヒデの咥内見るだけで勃起してしまう。 「キョン!! ほらっ、キョンの為にオナホを作ってあげたんだから、ココを私のアソコだと思って……思いっきり腰を振りなさい!!」 ミツヒデはペニスの前で拝むように手を合わせ、中程に僅かな空間を開ける。 つまり、手で作られた穴を使い、ヌルヌルにヌメる穴の中に、挿れろと言ってるんだ。 ああ、わかってる。頭では否定してる。言葉では反抗してる。 「できるわけな……ぐぅっ!!」 だけど、俺の喉はゴクリと高鳴り、俺の手はミツヒデの肩に置かれていた。後は腰を突き出すだけ。 シたくないのに、汚したくないのに、大切な家族なのに。 ゴメンなさいケンシン姉さん。俺、貴女が大事にしてる妹を汚しちゃったよ。こんな男、嫌いだよね? あーあ、ちっくしょぉぉぉぉぉっ!!! 「ふんんっ!? すんごくあつい……ヤケドしちゃいそ♪ ふふっ、キョンの、私の手の中でビクビクゆってるわよ?」 ほんと、気持ちいいよちくしょう。
今回はここまで。 次からはもうちょい投下量が長くなります。 ロリが苦手な方は、今の内にNGお願いします。
またアンタか! GJだ! 歳の差で擬似家族で洗脳系……自分にはご褒美です。 次回を楽しみにしてます。
GJ ただ先生…、こんな中途半端に終わられると俺の息子が酷いです!!
GJ! ロリ?大好物です!
俺のロリータエンジンが唸ってるぜGJ!!
GJ! ロリ?興味ありませんな(キリリ
GJ!! けっきょく、リュウジとかハンゾウって何なの?
聞いたことあると思ったら、自分で書いてて思い出したわw
>>683 パチスロの『鬼浜爆走愚連隊』ってやつのキャラの名前
ちなみに桜とかリオとかって名前も同じくパチスロキャラ(別の機種)の名前な
何故パチスロのキャラなんだ? それともそのパチスロの二次創作なのか?
投稿します。 前編、中編、後編の三分割です。 それでは、前編いきます。
ピンポーン。 玄関のチャイムが鳴る。 きっとあいつがようやく着いたのだろう。遅い。 ものすごく近所に住んでいるくせにどうして待ち合わせの時間に遅れることができるのだろう? あいつは昔からそうだ。 私との約束時間を守ったためしがない。 ピンポーン。 再びチャイムが鳴る。 私は台所で調理していた手を止め、玄関へ向かう。 扉を開ける。相手を確認せずに扉を開けるなんて不用心極まりないが、私は扉の向こうがあいつだと確信していた。 「俺だよ、刹那。遅れてスマン」 案の定、扉を開けるとそいつがそこに立っていた。 名前は葉月 祐二。 中肉中背の体型。 芸能人みたいにハンサムでかっこいい訳じゃないけど、私から見れば十分にかっこいい顔立ち。 割ともてるくせに性格は最低最悪。今みたいに遅刻はするし、言葉使いは悪いし、私の事を女の子として全然扱わないし。 「遅いッ!!いま何時だと思ってんの!?約束した時間は18時でしょう!?・・・それがなんで時計の針が19時を指してるわけ!?」 私は目の前の時間の守れない馬鹿幼馴染に開口一番にどなりつける。 本当は、こいつが遅れている間、いつ来るのか、まだ来ないのかとドキドキしていたのは内緒だ。 しかし、私の罵声にもこいつはどこ吹く風といった様子で、表情を崩さない。 「悪かったよ刹那。ちょっと家出る前にいろいろあってさ」 いろいろってなんだ。 私よりそのいろいろの方が大事なのか。 せっかく幼馴染が健気にも晩御飯を振舞ってやろうというのにそれか。 「ご自宅に親御さんが留守だって聞いて、かわいい幼馴染が晩御飯作ってあげるってのに、あんたはそのいろいろの方が大事なわけ!?」 「だから、悪かったって。ほら、頼むから玄関先で喚かんでくれ。近所の人に迷惑だろ?」 だれのせいだ、誰の。 大体、ここは私の家なのだから恥ずかしいのは私の方だ。 ・・・が、確かにいつまでも玄関先で喚いていても仕方がない。
そもそも今日はこいつを説教する為に呼んだのではないのだ。 親御さんが海外旅行でろくに料理も作れなくて大変ひもじい思いをしているらしい哀れな幼馴染の為にこの私が博愛の精神で晩御飯を御馳走してやるのだ。 まったく、本来なら私に感謝して感動して泣きながらすがりついて、 「今日この日の糧を得られるのは刹那様のお陰です。この卑しいわたくしめにご飯を作ってくださってありがとうございます」って、言いながら土下座するべきよね。 「刹那、お前自分で言ってて恥ずかしくないか?・・・まぁ、一応感謝はしとくよ」 あ、やば。思ってたことが口に出てしまっていたらしい。 どの辺から出ていたんだろう。恥ずかしくて死にそうだ。 「と、とにかく上がりなさいよ!晩御飯はもうすぐ出来るんだから!」 私は顔を赤くしつつ、台所へと向かう。 あいつの方は勝手知ったる何とかで、私が案内しなくても一人で居間の方へ歩いて行く。 最近はめっきりだが、昔はよくうちに遊びに来ていただけあって、我が家の間取りは完璧に頭に入っているらしい。 私は台所に戻ると、先ほど作りかけだった料理を手早く仕上げ、皿に盛る。 いつまでたってもあいつが現れないものだから、やたら追加で作りすぎてしまった。 認めたくないが、久しぶりにあいつに手料理を振る舞えるとあって、張り切り過ぎてしまったかもしれない。 正直、一晩で食べきれないだろう。 「刹那。運ぶの、手伝おうか?・・・って、オイ。作りすぎだろ」 いきなり台所に現れて、驚きの表情を浮かべる、我が幼馴染。 自分でも作り過ぎたと思ったが、やはり他人の目から見ても作りすぎらしい。 「う、うっさいわね!あんたが遅いから、暇だしいろいろ作ってみたらこうなったのよ!」 我ながら苦しい言い訳だなと思いつつ、私は祐二を促して居間兼食卓へと移動する。 食卓に並べたたくさんの食事を前に、私と祐二はテーブルを挟んで向かい合って座る。 「「いただきます」」 二人一緒に手を合わせる。 こうして、二人で食事をするなんてどのくらい久しぶりだろうか。 少なくとも、アレがあってからというもの、私たちはろくに会っていなかった。 「うん。刹那の作る料理は相変わらずうまいなぁ。いい嫁さんになるよな」 バクバクと情緒の欠片もなく料理を平らげていた祐二がいきなりそんな事を言う。 よほどお腹がすいていたのか、呆れるほどの勢いで皿の料理を平らげていく祐二を見て、唖然となっていた私は、いきなりの言葉に思わず慌ててしまう。 「ちょ、何言ってんのよ。お、お嫁さんとか、この馬鹿っ。ほ、ほめたって何にも出ないわよ!?」 こいつはいきなり人を赤面させるような事を平気で言う。
私の気も知らず、目の前の幼馴染は笑顔で食事にがっついている。 しかし、こいつはこの数日、まともな食事を食べてなかったのか? 「ねぇ、祐二。・・・その、姫宮さんはご飯とか・・・作ってくれないの?」 少なくとも私と数年来の付き合いの祐二は、別に大食漢というわけではない。 それなのにこれだけガツガツと私の出した料理をたいらげていくという事は、この数日まともに食事をしてなかった事になる。 「あー、うん。亜衣は・・・料理とか苦手なんだ」 食事にがっつく手を止めて、祐二は私の質問に歯切れ悪く答える。 亜衣というのは、本名姫宮 亜衣、祐二が名前で呼ぶ世界で唯二人の人間のうちの一人。 そして、私が名前で呼ばれる祐二の唯一無二の幼馴染ならば、姫宮さんは祐二の唯一無二の恋人。 祐二の両親が海外旅行に行っている間、あの姫宮さんが祐二の事を放っておくとは思えないんだけど。 「親父とお袋の奴、旅行に行く間、食事代置いていかなくてさ。餓死させる気かっつーの」 しかし、料理が出来ないとは意外だった。 才色兼備な感じだったし、掃除、洗濯、食事、と家庭的で優等生なイメージだったのに。 祐二の為に食事の用意も出来ないで、彼女だ、なんて笑わせるわね。 私だったら・・・私だったら・・・。 「それであんたはいままでろくに食事が出来なかった訳ね。・・・なんでもっと早く連絡をよこさないんだか」 そうなのだ。 私と祐二は幼馴染でありながら、ここの処疎遠になっていた。 それもこれも祐二に姫宮さんという恋人が出来た所為なのだが。 しかも、疎遠になっていたおかげで、私は今現在祐二の両親が海外旅行で長期に家を空けている事や、祐二がひもじい思いをしている事も知らなかった。 「いや、だってさ、最近顔合わせてなかったじゃん。亜衣と付き合いだしてからなんかお前、すっごい不機嫌だったし」 むぅ。 確かに祐二が姫宮さんと付き合いだしてから私は、祐二と距離を置くようになった。 だってそうじゃない・・・幼馴染の男の子に彼女が出来たのだ。 同性ならともかく、異性の幼馴染がずっと傍にいられるわけがない。 「あ、でも久しぶりに電話してみて正解だったよ。餓死しなくてすんだし」 「私はあんたの食事係かい!」 ・・・と、突っ込みはしたものの、正直、今こうやって祐二の食事を作れて私は嬉しい。 ずっと昔から、近所に住んでいる幼馴染。 子供の頃はよく二人で遊んだし、ご飯だってお互いの家で一緒に食べる事も多かった。
成長してからだって、私たちは一緒に同じ高校に通っていたし、一緒に登校した。 「なぁ、弁当また作ってくれない?やっぱさ、食堂のメシってまずいじゃん?レパートリーも少ないし。今日、久々に刹那の料理食べてそれ、実感したわ」 そうだ、私は祐二の昼食、すなわちお弁当を毎日作ってあげていた。 けれど、祐二が姫宮さんと付き合う段になって、私は祐二にお弁当を作るのを辞めた。 祐二は残念がったが、さすがに恋人がいる幼馴染の弁当を作る女なんて聞いた事がないし。 「なに言ってんの、そのおかげで姫宮さんと一緒にあんたは食堂でお昼食べられるんでしょ。あんたはまずいメシでも食べながら、姫宮さんといちゃついてりゃいいのよ」 本当はまた、祐二にお弁当を作ってあげたい。 祐二が望むならいくらでもお弁当ぐらい作ってあげたい。 けど・・・、私は祐二の彼女じゃないから。 「て、いうか私があんたの弁当作ったら姫宮さんいい気分しないでしょ!?」 「ああ・・・、うん、まぁ。それはなぁ・・・」 祐二が私の料理をおいしいとほめてくれるのはすごくうれしい。 けれど、私はただの幼馴染であって、彼女じゃない。 だから、祐二にお弁当を作ってあげることはできない。 「でもさぁ、刹那の作る弁当ってさ、旨いからさ。やっぱり、それに慣れちゃうと普通のメシは食べる気にならないんだよなぁ・・・たまに変な味のものが入ってたりするけど」 「変な味ってなによ、変な味って。ほめたんなら最後まで褒めなさい」 ・・・気がついてたか。 そりゃあ毎回異物を混入してれば、いくら味の濃いもので誤魔化してもわかるわよね。 はじめは祐二のお弁当を作っていた時に指を切った事が原因だった。 卵焼きを切っていた時に血が付いてしまったのだ。 その日、どうしても時間が無かった私は、祐二に悪いとは思いながらもその卵焼きをお弁当の中に入れてしまった。 ・・・お昼、祐二は卵焼きについた血に気がつかなかった。 さらに、「刹那、この卵焼き旨いな。なんか秘策とかあんの?」 そう言って、祐二は私の血のついた卵焼きを褒めた。 いや、たぶん祐二が褒めたのは、たまたま上手く出来た卵焼きが美味しかったからだと思うけれど。 それでも、祐二が私の血が美味しい。と言ってくれたことに興奮を抑えきれなかった。 それからというもの、私はいけない事だとは思いつつ、祐二のお弁当に異物を混入し続けた。 「でさ、刹那。これからしばらく・・・って、聞いてるか?」 「あ、ごめん。聞いてなかった」 祐二ががっくりと項垂れる。
しまった、トリップしてた。 ていうか、今回の料理にもふんだんに色々と入れてあるから、それ思い出して興奮してた。 いけないいけない。 「ごめんってば。ちょっと考え事してたのよ・・・で、なんの話なの?」 「だから、俺ン家の両親が今、海外旅行中だろ?しかもかわいい一人息子を置いて。でだ、俺はこのままいくと餓死してしまう。・・・という訳で親が帰ってくるまで晩飯喰わせてくれない?」 「はぁっ!?」 祐二が私の目の前で手を合わせて頼み込む。 いやまあ確かに今日は私のご飯で凌げたけど、明日からはまた絶食生活な訳だろう祐二にとっては当然の願いだろうが。 「頼むッ!刹那だけが頼りなんだ。この数日間の何とひもじかった事か!これが後数日続くとか考えられん!だから頼む、明日以降も俺を餓死させない為に!一日一食でいいんだ」 「はぁ・・・」 私は祐二の目の前でワザとらしく溜息を吐く。 本当は内心小躍りしたいくらいなのだが、流石にそれを見せるのは癪だ。 「仕方ないわねぇ。じゃあ、晩御飯だけ用意してあげるから、しばらくうちに来なさい」 私は祐二の前で腕を組む。 本当に、しかたない、という風を装う。 私のキャラクターはあくまで素直になれない幼馴染なのだから。 ・・・何やってんだ私。だから、姫宮さんにこいつを取られるんだ。 「マジで!?たすかるよ刹那。やっぱり持つべきものは幼馴染だよな!」 「あはは。ありがと」 私は乾いた笑みを浮かべる。 本当にコイツは私の事を食事係程度にしか考えてないのだろうか。 なんでこんな奴に惚れたんだ、私。 「・・・こうやって刹那と話すのって久しぶりだよな」 あらかた皿の上の料理を平らげてしまった祐二がしみじみとつぶやく。 結構な量があったはずなのに、もう跡形もない。 私は食後のお茶を祐二のコップに注いであげる。 「あ、悪い。・・・小学校の時初めて出会って、高校までずっと一緒で」 「初めて祐二と出会ったのは、曲がり角でお互い自転車でぶつかって、偶然同じ病室に入院した時ね。その時、近所に住んでる事を知って。・・・考えられる最悪の出会いよね」 「よく覚えてるな・・・」 忘れるわけがない。 出会いは最悪だったけど、一緒に入院した男の子が近くに住んでいると知った時、私はロマンチックにもこれは運命だと思った。
現にそれから祐二とは仲良くなって、よく一緒に遊んだ。・・・喧嘩も多かったけど。 「ずっと一緒だったのにさ、なんか俺に彼女が出来たとたんに疎遠になっちゃってさ」 「だって、幼馴染って言ったって女なんだから、彼女さんだっていい気がしないでしょ」 私は昔から祐二が好きだった。 いつもお馬鹿で能天気な発言が売りの祐二に、私が毎回毎回、怒ったり叩いたりして、突っかかっていく。 恋する男女と言うよりは、ボケる祐二にツッコミを入れる私で、漫才コンビみたいな関係だったけど。 でも、私は祐二が大好きだった。 「俺さ、お前のこと全然そういう風に見てなくてさ。どっちかと言うと男友達みたいな感じだったし、いや、こんな事いうとまた怒るかもしれんけど。だから、亜衣と付き合いだしても刹那とはいままで通りな関係続けられると思ってたんだ」 祐二が私の事を男友達のごとく見ていたのなんて百も承知だ。 私はそれでも、祐二にお弁当を作ってあげたり、朝は起こしに行ってあげたり、おしゃれしてみたりして祐二にアピールをしていた。 が、やはり祐二の話を聞く限り私は、健気にお世話する幼馴染の女の子、ではなくやたらと世話を焼く小うるさい腐れ縁でしか無かったようだ。 確かにお弁当は「自分の分のお弁当を作る、つ、ついでなんだからね!ま、毎回毎回ひもじそうにしてるあんたが可哀そうなだけよ!」と言って投げつけていたし。 毎朝、起こしていたのだって、嫌がる祐二の布団を無理やり剥ぎ取って、それでも「後5分・・・」とかいうテンプレをやってのける祐二の耳元で怒鳴り散らして起こしていたのだ。 しかも、「毎回、誰のおかげで遅刻しないで済むと思ってんのよっ!」とか言っていた。 ちなみに祐二は私が起こしに行かなくなったいまでも、ちゃんと遅刻はしていない。 結局、私が祐二を起こしに行っていたのは、毎回眠っている祐二の唇を密かに奪う為だっただけな訳だ。 いまにして思えば、これで恋する幼馴染に見られる方が不思議だ。 「ま、まぁ、私もあんたとはボケとツッコミみたいな関係だったから、そういう風に見られてもしょうがないわよね」 「お。・・・怒るかと思ってたけど、案外殊勝な態度だな。しばらく会わないうちに丸くなった?」 「うっさい。怒るよ?」 私は祐二の頭を小突く。 確かに、私と祐二は長い時間をかけてお互いを想い続け、恋に発展させていくような幼馴染じゃなかった。
どちらかと言うと、だらしなくて、いい加減で、生活能力皆無な祐二を私が呆れつつも世話を焼く、腐れ縁みたいな関係。 「あー、やっぱりいいなこういうの。刹那はからかったらちゃんと突っ込みが返ってくる感じが。弄ってて楽しいわ。」 「私はあんたの玩具か!?」 私は怒ってみせるけれども、祐二の言うとおり、確かにこの懐かしい雰囲気は私たちにとって心地良い。 こいつがあの日、姫宮さんの告白を了承して、二人が恋人同士になるまでは、私達はいつまでもこんな関係のままいられたのに。 「でも、ま、あんたが私の事を玩具に出来るのも今だけよ。明日からはまた姫宮さんといちゃいちゃしてなさい。まったく、彼女持ちの人間が別の女の子と過ごしてて楽しいとか言うなってーの」 本心とは裏腹に、私の口からは目の前の大好きな幼馴染を諌めるセリフ。 確かに、祐二は姫宮さんと絶賛恋愛中なので、幼馴染とはいえ異性である私とこいつが仲良くしていれば、姫宮さんだっていい気はしないだろう。 ・・・でも、私は今日久しぶりに憧れの幼馴染と会って、二人の為に諦めようとしていた想いが再燃していくのを感じている。 「いやぁ、亜衣はほら、滅茶真面目だから冗談通じないんだよ。からかったりしたら本気で泣き始めるし。悪い子じゃあないんだけどさぁ・・・。その点、刹那はすっげーからかいやすいんだよな。だから楽しい」 「・・・あんた、私の事、本当になんだと思ってるの?」 こいつにとって私はやっぱり一緒にいると楽しい幼馴染にしか過ぎないらしい。 私が、こいつと距離を置くようになってから、毎日、こいつとのふざけ合いを思い出しては人知れず枕を濡らしていたというのに・・・コイツは。 あんたより、あんたからのからかいを誰よりも楽しく感じていた私の気持ちは無視ですか、ああそうですか。 「大切な幼馴染だと思ってるよ。・・・だから、また昔みたいに仲よくして欲しい」 いきなり。 本当にいきなりだ。 こいつは、いつもの何処かおちゃらけた雰囲気を捨てて、急にこんな真顔になる。 そして、私の方を真っ直ぐ見詰めてこんなセリフを吐く。 本当に卑怯だ。不意うちすぎる。 私は祐二が時たま見せるこの行動にいつも心を奪われてしまう。 「俺さ、お前に距離置かれて、亜衣と付き合いだしてから、なんかすごい・・・その、寂しい。今までずっと一緒に過ごしてきたのにさ、俺に彼女が出来たからって距離置かれて」 「だって、しょうがないじゃない。私だって彼氏が他の女の子と・・・いくらその子が幼馴染だからって、自分の彼氏なのに、他の子と仲良くされるなんて嫌だよ」
私は自分に向けられる祐二の真っ直ぐな瞳に、顔を赤くしつつも震える声で反論する。 祐二が寂しいって言ってくれて本当はすごくうれしい。 私だって、寂しかったんだから。雄二と自分から距離を置いておいて寂しいだなんて、自分勝手かもしれないけれど・・・だって、祐二が姫宮さんと仲良くしてる所を目の前で見せ付けられるなんて、私の心が壊れてしまうから。 「俺、いままで刹那の事、異性だなんて意識した事なかったんだぜ?あ、怒るなよ。だってしょうがないじゃん、ずっと一緒にいてさ。意識しろって方が難しいよ」 私だって、祐二が私の事を一人の女として見ていないことなんて百も承知だった。 けれど、私の方は祐二の事を一人の男として見ていたのだ、出会った時からずっと。 「刹那はいまのままでいいのかよ?」 祐二のその言葉に私はハッ、とする。 このまま?それって、つまり私と祐二が、姫宮さんによって離れ離れになったままの事? ずっと一緒だったのに、幼馴染を泥棒猫に取られて、泣き寝入りしたままでいいのかってこと? ・・・このままで、いいわけないじゃない。 誰にも渡したくなんて無かった。 祐二の恋人になりたかった。 あんな女に、祐二を渡したくなかった。 諦めたくなかった。ずっとずっと好きだったのに。 「子供の頃から一緒だったんだしさ、また仲良くしねえか?このまま疎遠になるなんてさ、俺、嫌だし」 祐二が言っているのは、ずっと一緒に過ごしてきた幼馴染と疎遠になるのが嫌、って事だろう。 決して、私を一人の女の子として見てくれてるわけじゃない。 祐二には姫宮さんがいる。 その彼女を置いて、私を選んだりはしない。 祐二が望んでいるのは、あくまで私との、いままでと同じ幼馴染の関係。 「うん。私も、祐二とはまた、昔みたいに過ごしたい・・・かな」 私の唇が言葉を噤む。これは私の本当の気持ち。 私だって、祐二とのいままでの幼馴染の関係は大好きだ。 出来る事なら、その関係をずっと続けていたい。 「そっか、良かった。亜衣と付き合ってる間もずっと気になってたんだ。・・・いや、でもよかった。もうこのまま刹那とは疎遠なままかと・・・」 「でも、ダメだよ」 自分の頬に冷たい雫が落ちるのがわかる。
どうやら私は泣いてるらしい。 目の前の何故か歪んで見える祐二が息を飲むのがわかる。 「祐二、私ね。いままでの幼馴染のままの関係だけじゃ、もう駄目なんだ。・・・そりゃあね?あんたとのいまの関係だってすごく気に入ってるよ?・・・でもね、もうそれじゃあ我慢できないの。今まで通りの幼馴染の関係のままなんて嫌。・・・私は、私はね、祐二」 そう言って私は椅子から立ち上がる。 右手がテーブルの上のお皿をつかむ。 私は祐二と一緒に居たい。 祐二も私と一緒に居たい。 けれど、祐二には彼女がいる。 名前は姫宮 亜衣さん。 彼女は私には無いものを色々持ってる。 何かと口うるさくて、怒りっぽい私とは違い、お淑やかで、物静かで、優しくて。 祐二にとっては、そういう人が恋愛対象と見れる女の子。 対する私は、あくまで世話焼きな幼馴染。 女だとすら思われてない。 「もう嫌だよう・・・。我慢したよ?私は祐二の彼女にはなれないんだって。雄二は姫宮さんみたいな人が好きなんだって。だから、祐二の為に身を引こうって。雄二が幸せならそれでもいいかって。そう思って、ずっと避けてたのに・・・なのになんでそんな事言うの?」 「刹那、お前・・・」 掴んだお皿を持ち上げる。 私は身を乗り出してそれを祐二の頭上に掲げる。 祐二は驚きの為か、恐怖の為か、逃げようとせず、ただ茫然とこちらを見上げている。 「もう嫌だ・・・。祐二が悪いんだからね?せっかく姫宮さんと祐二の仲を裂かないように・・・自分の気持ちを殺してきたのに。祐二が近づいてくるのが悪いんだから。あはは」 あははははは! そうだ、祐二が悪いんだ。 私はせっかく祐二と姫宮さんの中を邪魔しないように、二人の仲を裂かないように、自分を殺したのに。 大好きな祐二が選んだ姫宮さんだから、認めてあげようとしてたのに。 「ね、ずっと傍にいてあげるよ。祐二の望み通り。・・・けどごめんね?それは幼馴染としての私じゃない。祐二の・・・恋人として傍にいてあげる」 「刹那、ちょっと、まっ・・・!」 パリン。 私は祐二の頭にお皿を叩きつける。 祐二の頭に直撃して割れたお皿が、床に散らばり、そして祐二の体も椅子から転げ落ちた。 「ちゃんと気を失ったかな?ま、あんたの事だから、致命傷にはなってないと思うわよ?」 なんの根拠も無いけどね。
前編投稿終了です。
祐二ざまあGJ
これは男が悪いだろw
GJ! ところでぽけもん黒はまだかの? ワシのムスコも待ちきれないようでな
GJ! ツンヤンデレおいしいです ^^
>>702 ムスコの方も落ち着けておとなしく待ってようぜ
GJ 最後に黒化しなかったらただのツンデレ作品だったわwヤンツンって 感じだね
GJ 刹那の病んでいく心情が痛いくらいに伝わってきた…… ツンデレからヤンデレへのシフトって、やっぱりいいね。
ぽけもん 黒 投下します 第十三話です
「じゃあ、出発するよ」 素早く後片付けを済ませた僕は、二人に向かってそう言った。 今朝の目覚めはこの旅始まって以来最悪だった。過去最低だった。そういえば、香草さん曰く僕はサイテーなんだよな。 しかし、僕はなんとかその最初で最大の障害をクリアして起きることができた。 僕は朝食もとらずに、桔梗町へ進路を向けて進もうとした。 「ゴールド? そっちは来た道ですよ?」 ポポが怪訝に思うのも無理はない。ポポは昨日僕と香草さんとの間に何があったかを知らない。 あの決定的な破局の後ポポの元に戻った僕と香草さんは、その後一言も会話を交わすことなく寝てしまった。 ポポは僕の姿を認めるなりすぐに走ってきて抱きついてきたし一方的に話しかけてきたけど、僕は「ああ」とか「うん」とか適当な相槌を打つ以外のことをしなかったし、特に尋ねられもしなかったから答えなかった。 そもそも、まともに会話できる心理状態じゃなかった。 今は一晩たったお陰で少しは落ち着いていられるが、まだ気分は重い。もう逃げたい。一人になりたい。そういえば、ランがシルバーにさらわれたときも、一人で部屋に篭って、現実の一切から逃げていたっけ。はは、昔から進歩がないな、僕は。 「ポポには説明してなかったけど、昨日香草さんと話し合った結果、香草さんとはパートナー契約を解除することになったんだよ。だから、手続きのために町に戻らなきゃ行けないんだ」 僕はできるだけ簡単にポポに説明した。あんまり詳しく説明すると、それだけでまた平静を保てそうになくなる。 「契約……解除です?」 ポポがそう聞き返してきた。 ああそうか。ポポには契約解除という言葉の意味がよく理解できないのか。 もう何も言いたくなかった。これ以上言うことは、それだけでもう苦痛だ。 でも、僕にはポポに説明する責任がある。何せ、僕の落ち度でパートナー解消することとなったのだから。 「つまり、もう香草さんとは、一緒にいられないって、ことだよ」 一息に言うことができず、区切りながら言葉をなんとか発した。 その言葉を聞いた瞬間、ポポの顔がぱあっと輝いた。 なんて露骨な反応だろうか。 ポポは香草さんに酷い目に合わされたりしたし、確かに正しいリアクションではあるんだろうけど、それを見る僕の気持ちは複雑だ。 「大丈夫ですかゴールド。顔色が悪いですよ?」 キラキラと輝いていた顔が元に戻り、心配げに僕を覗き込む。 まいったな。平静を装えているつもりだったのにな。僕はつくづく駄目な奴だなあ。 ポポに心配かけまいと、無理に笑顔を作る。 「大丈夫さ、なんでもないよ」 「ゴールド、心配しなくてもいいですよ。誰もいなくなっても、ポポだけはずーっとゴールドと一緒にいるですよ」 ポポは微笑みながらそう言った。 心配をかけないどころか励まされる始末だ。まったく、僕って奴は。 そう思うと同時に、不意にポポが可哀想に思えた。 ポポは今までのことから分かっているとおり、優秀だ。 だから、僕みたいな、こんな旅に出て早々にパートナーに見放されるようなダメトレーナーより、まともなトレーナーと出会っていれば、きっともっとその才能を生かせたはずなのに。 若葉町で、あのとき旅を終わらせなかった過去の失敗が鮮明に思い出された。 あのときの旅を終わらせるという僕の判断は、やっぱり間違ってなかったんだ。 そもそも、僕みたいな人間がトレーナーをやっていていいのだろうか。 仮にこのまま香草さんが新しいパートナーを見つけることができなかったら、彼女は僕のせいで夢を諦めたことになってしまう。 それなのに僕だけがのうのうと旅を続けるのか。 果たして、そんなことが許されるのか。 急に、何もかもが嫌になってきた。 いっそここで全部終わりにしてしまおうか。 と、ここで僕は正気に返った。 今考えてもしょうがないことだ。香草さんと別れて、それから考えればいい。このまま立ち止まっていたら、香草さんになおさら迷惑をかけることになってしまう。 今は、ただ桔梗町へ……
ふと、香草さんを見るために振り返って気づいた。 香草さんはいつのまにか出発していて、しかも桔梗町とは反対の方向へ――つまり正しい進路へ向かって歩いていた。 「こ、香草さん!?」 驚いて大声で呼びかけるが返事も反応もない。 仕方がないので走って追いかける。 香草さんの歩く速度はそこまで速くはなかったので、すぐに追いつくことができた。 彼女は僕が追いついても僕のほうを向くこともしない。ただ前だけを見据えていた。 しかし視線は定まっているが、焦点は曖昧に見えた。 顔はしっかりと前方を向いているものの、時折眼球がオロオロとさ迷う。 まるで、酷く狼狽しているかのように見えた。 「香草さん、こっちは桔梗町とは反対方向だよ?」 僕の呼びかけにも反応しない。一体どうしたのだろう。僕の呼びかけにこたえないのは僕と口を利きたくないからだとしても、次の町を目指して進んでいることの説明にはならない。 あ、もしかして前の町に戻る分のロスが嫌だったのかな。 彼女が何も語らない以上、彼女の真意は分からない。しかし、それ以外に納得のいく説明を思いつかなかった。 日が暮れたが、それでも香草さんは止まらない。 ポポは空から降りてきて、香草さんの後ろを歩く僕の後ろを不安げについてくる。 ポポの手を引いたほうがいいのだろうけど、そうすると香草さんが掻き分けた細い轍のあとをまっすぐ進めなくなり、とても歩きにくくなるため、香草さんに置いていかれそうなのでできなかった。 食事も休憩も一切とらない行軍だ。僕はもうヘトヘトだった。 よくよく考えてみたら、彼女は次の目的地――檜皮村で止まることになるんだから、無理して追いかけなくてもいいんじゃないか? 今更、こんなことに気づいた。朝は失意のあまり頭が回っていなかったようだ。 僕は歩くのを止め、その場に腰を下ろした。 どのみち、体力的に限界だった。 「香草さん、今日はこの辺で野宿にしようよ。もうこれ以上歩けないよ」 無駄だと分かっていつつ、一応香草さんに呼びかけてみる。 すると意外なことに、香草さんは素直に進むのをやめた。 本当に意外だった。僕は呆気にとられ、自分が何をしようとしていたのかすら分からなくなってしまったほどだ。 彼女一人村についても、僕がいなければ契約は解除できない。 だから僕と行動を共にすることが最善と判断したのだろうか。 「……香草さん?」 呼びかけてみるが返事はない。本当に、彼女は一体何を考えているのだろうか。 止まったってことは僕の声が聞こえてないってことはないと思うんだけど。 怪訝に思いながらも、食事の支度と寝支度を整えた。 食事の支度ができた際、再び香草さんに呼びかけたが、何の反応もなかった。 草ポケモンは一般的に光合成をすることができるため、食事を行わなくてもエネルギーを供給できる。だから食事を行わなくても大丈夫なのかもしれない。 しかし、それでも不安なので彼女のすぐそばに食事を置いておいた。 僕はすぐまた彼女と離れたから、香草さんがそれを食べたのかは結局のところ分からない。 相変わらず、彼女は僕達とは離れて眠った。 ポポはもはや僕に抱きつくようにして眠っている。寝袋があるから、物理的には接触してないんだけれど。
翌朝、僕は肉体的疲労からか心労からか寝坊してしまった。 僕が目覚めた頃には完全に夜が明けていた。 香草さんはもう先に進んでいってしまったかもしれない。 慌てて草むらを見回すと、こちらを見ていた香草さんと目が合った。 彼女は僕と目が合ったからか、それとも僕が起きるのを確認したからかは分からないが、フイと顔をそらしてしまった。 僕達が片付けと簡単な朝食を終え、立ち上がるとそれを待っていたかのように香草さんは無言で歩き出した。 僕達はまたそれについていくしかない。ポポは香草さんについていくというより、僕が香草さんについていっているから行動を共にしているにすぎない、といったほうが適切なのかもしれないけど。 そして今日もまた黙々と歩き続ける。 前日と同様に昼食も休憩も無しに歩き続け、そのお陰で夕暮れ頃にはポケモンセンターにたどり着いた。 ここは町があるわけではないのだが、檜皮町へこちら側から行くには洞窟を通る必要がある。 そのため、体力の回復と装備の整備のためにここにポケモンセンターが設けられているのだった。 ようやく休める。 ほとんどフラフラだった僕は安堵の溜息を漏らした。 「こ、香草さん、今日はポケモンセンターに泊まっていこうよ。このまま洞窟に入るのは危険だよ」 香草さんが止まってくれるか不安だったけど、ポケモンセンターの前に来るとちゃんと止まってくれた。 そのまま僕に続いてポケモンセンターに入る。 やはりというか、以外というか。とにかく、彼女は一応僕と行動を共にする気はあるらしい。 すぐに手続きを終え、あてがわれた部屋に入った。 荷物を置くとそのままベッドに倒れこんだ。 この二日、相当な強行軍だったため、僕のHPはもうほぼゼロだ。 瀕死状態である。 こんな過酷な旅にも関わらず、ほとんど疲労の色が見えないポポと香草さんが恐ろしい。 部屋に入るとポポは僕の倒れこんだベッドに腰を下ろし、香草さんは向かい側のベッドに腰を下ろした。 僕の横になっている場所は香草さんの向かい側だから、香草さんと正対する形になる。 決別以来初めて香草さんの顔を正面からまじまじと見たけど、どこか違和感を感じる。 やはり目の焦点が合っていないような、見ているのに見えていないように見える。 どうも、何か考え事をしていて、目の前の光景が見えていないときのような、そんな感じだ。 ……まあ彼女も僕のせいで色々余計な思案を巡らせなくてはならなくなったからね。 しかし、それにしては彼女から感じられる脆さというか儚さのようなものは何なのだろうか。 彼女の燃えるような赤い瞳が、今は酷く不安げに見えた。 しばらく横目で見ていたが、疲労から僕の瞼はすぐに落ちた。 目を覚ますと、部屋は真っ暗だった。 そして、ポポと香草さんは僕が意識を失ったときと同じ姿勢でそこにいるのが、窓からさすわずかな明かりに浮かび上がって見えた。。 「ど、どうしたの二人とも!?」 僕は驚いて二人に尋ねる。 外はすっかり日が落ちているとなったら、少なくとも数時間は経過しているはずだ。 それなのに電気も点けず、二人ともまったく同じ姿勢というのはただ事ではない。 「チコが睨んできて、怖くて動けなかったですー!」 僕が起きたと分かった途端、ポポはそう言って僕に飛びついてきた。 また何かあったのかと慌てて香草さんを見たが、香草さんは相変わらずの無表情だ。 お世辞にも優しい表情だとは言えないが、睨むというのとも違う気がする。 「う、うーん、そんなこと無いと思うけどなー。大体、香草さんがポポを睨む理由がないよ」 そうだ。どうして香草さんがポポを睨むことがある。
「ご、ゴールド、ポポのこと信じてくれないですか!?」 ポポは泣きそうな顔で僕を見てくる。 そんな顔で見られると心苦しいけど、だからと言って香草さんを誹謗していい理由にはならない。 「違うよ。ポポを疑ってるわけじゃない。でも、僕には香草さんが睨んでいるようには見えないよ」 しかしそこで思いもよらないことが起きた。 ポポの顔が見る見る歪み――それはちょうど何かに怯えるような表情だった――、僕に泣きながら縋ってきたのだ。 「わ、わがままな子だって思わないでです! ポポ、そんなつもりで言ったんじゃないです! 本当に睨まれているように感じたんです! ポ、ポポいい子にするです! いい子にするですから!」 「ど、どうしたのポポ! 落ち着い……」 「捨てないで! 捨てないでです!」 ポポは泣きじゃくるばかりで会話にならない。僕が言葉を挟む余地がないほど次々と言葉を発しているが、内容は大体、「いい子にするから捨てないで」といったようなものだった。 ポポの突然の錯乱に僕もパニックに陥る一歩手前だ。 「ポポは悪い子なんかじゃない。捨てたりしない」という旨のことをひたすら言いながら頭と背中を撫でているが、果たしてこれでいいのだろうか。 こんなときですらまともに対応できない自分が情けない。 「……によ、鳥の癖に!! 畜生の分際で!!」 と、今度は突然香草さんが叫びながら立ち上がった。 彼女の瞳が光を放っているがごとく爛と輝いた。 「こ、香草さん!?」 明らかに正気とは思えない香草さんの様子に、僕はまた恐怖する。 ようやく反応を示してくれたと思ったら、それがこれとは。 香草さんの両袖からはすでに十数の蔦が顔を出している。 泣きじゃくっている正気ではないポポ。 すでに臨戦態勢なもっと正気とは思えない香草さん。 正気ではあるもののこの室内で一番無力な僕。 どうすれば、どうすればこの場を収めることが出来るんだ。 ああ。 あああああ。 あああああああああああああああ。 だ、誰か助けてー!! ……誰が助けてくれるんだよ。 危うく僕まで正気を失いかけていた。 そうだ、僕がなんとかしなきゃ。 この状況を何とかできるのは僕だけなんだ。 幸いにも様々な道具の入ったリュックは枕元。 つまり使えない状況ではない。 やれる。いや、やるしかない! とりあえずするべきことは暴走する香草さんの鎮圧だ。 香草さんを止めねば! 「あ、アレは何だ!?」 僕はそう言って窓の外を指差した。 当然窓の外には何も無い。 香草さんが窓の外に気を取られているうちに道具を当てる作戦だ。 しかし香草さんは窓の外を見るどころか、視線を一ミリそらすことすらなかった。 ……うん。僕が馬鹿だった。 しかし落ち込んでいるような猶予はない。 何か次の作戦を考えないと。 「……どきなさい」 「へあ?」 予想外の言葉に僕は気の抜けた声を漏らしてしまった。 「どきなさい! そこは私がいるべき場所なのに! 私はこんな思いをしてるって言うのになんでアンタが……何も考えていないアンタみたいなのが!!」 も、もしかして僕がこのベッドにいるのが気に食わなかったんですか? それでこんなに激昂して? 「ご、ごめんなさい! すぐどきますから!」 僕は慌ててポポを抱き起こし、立ち上がる。 香草さんがなんでそこまで怒っているのかは分からないけど、それでこの場が収まるのなら僕はどくさ。どくとも! そう、退くも勇気! だからこれは勇気なんだ!
僕はベッドから飛びのくと、ポポと共に窓際に移動した。 しかし香草さんはなおも僕をねめつける。 そして怒鳴った。 「そこからどきなさいって言ってるのよ!!」 ええええええええええ。 僕、どきましたけれども! 僕は一体どうすればいいんでしょうか。 そ、そうか。部屋から出ればいいんだ! 「ぼ、僕、部屋からでるから。それならいいでしょ?」 僕はそう言って、ポポをつれて入り口に向かう。 それを聞いた香草さんははっとした表情を浮かべ、そしてなぜかおとなしく蔦を引っ込めた。 一体どういうことだろう。 「……好きにすればいいじゃない」 え? 好きにすれば、とは一体どういうことだろうか。 どうしてこの状況でその言葉を向けられたのか。 さっぱり分からない。 か、考えろ。考えるんだ。 ポポが僕に泣きついた。 そしたら突然香草さんが怒り出した。 香草さんはどうやら僕がこの部屋にいること自体気に食わないらしい。 だから僕は部屋から出て行くと言った。 そしたら好きにすればいいと言われた。 ……うーん。 ……ううーん? や、やっぱり意味が分からないぞ? 僕はどうするのが正解なのだろうか。 「す、好きにしていいならここにいるけど……」 何が正解かは分からないけど、僕はそう言って再びベッドに腰を下ろした。 その隣にすぐにポポも腰を下ろす。 香草さんはそんな僕を見て何事かを言いかけたが、壁のほうを向いてベッドに潜り込んでしまった。 ……僕も寝よう。起きたばかりだと言うのに、なんだかぐっと疲れた。 僕がベッドにもぐりこむと、ポポも同じ毛布にもぐりこんできた。 ポポは僕に間違いなく抱きついている。完全に0距離だ。 今までも密着して寝ているとはいえ、隣に香草さんがいたり、寝袋があったりして、一対一での直接的接触はなかった。 ポポはとても暖かくて柔らかい。 特に邪な感情が湧くわけではないが、なんとなく決まりが悪い。 「あ、荷物整理しなきゃ」 いくらなんでも近すぎる。 僕は逃げるようにベッドから起きだす。 するとポポも起きだした。僕の腰をがっちりと掴んでいる。 「……ポポ?」 ポポは何も言わないが、目で僕に「行かないで」と訴えかけていた。 今にも泣き出しそうな顔だった。 「荷物を整理するだけだから、さ」 僕はポポに笑いかけながら言ったが、ポポの表情は変わらない。 僕は諦めて、再び横になった。 ポポはそれを見て、安心したように強く僕に抱きついてくる。 このポポの異常な恐れと執着は一体何なんだろうか。 彼女は僕の疑問など知る由もなく、穏やかな寝顔を見せている。 僕はポポの無垢な寝顔に言い知れない不安を覚えながら眠りについた。
僕はそうとう疲れていたらしい。 目を覚ましたときにはもうすっかり日が高く昇っていた。 うわっ、寝過ごした。 僕は慌てて起き上がった。 すると再びポポと香草さんが向き合っていた。 ま、また昨晩の再来か!? 「ど、どうしたの二人とも!?」 よくもまあこんな状況でのうのうと寝ていられたものだ。 自分の鈍さに腹が立つ。 しかし僕の問いに対するポポの返答は意外なものだった。 「別に、何もないですよ? さ、早く出発するです」 ……何かが変だ。 なんと言うか、普段のポポからすると落ち着きすぎているというか、口調が普通の人間とそう変わらないものになっているというか。 その旨をポポに告げるとポポは、 「ポポ、成長したですよ。全部ゴールドのおかげです。ポポがいるのはゴールドのおかげですよ」 そう言って僕に抱きついてきた。 確かに、毎日少しずつポポは成長している。 他の人間と接触を持つことが刺激になったのだろうか、会った当初から比べると最近のポポは随分大人っぽくなったと思う。 しかしわずか一晩でこれほど変わるとは。 僕は激烈とも言える、あまりにも早すぎる成長に少しひるんでいた。 そんな僕を覗き込むポポの表情も、以前の天真爛漫な子供の表情より、少女といった感じの表情になっている……ような気さえする。 ほんのりと色づいた頬に、色気すら感じた。 何が成長のきっかけとなったのだろうか。 僕に対する異常な執着。それは、まるで僕に対する愛情のような―― ……僕は一体何を考えていたんだ。 違う。それは僕の勘違いに他ならない。 ポポの僕に向ける気持ちは恋愛ではなく親愛であるはずだ。 仮に僕が告白したら、きっとポポは僕を拒みはしないだろう。 しかしそれは僕を愛しているからではなく、僕と離れたくないからだ。 ポポは目に見えるほど不安定だ。 それはそんな彼女の依存心につけこんだ卑劣な行為だ。 僕はこんな思考をしてしまった自分を嫌悪した。 それに、もし、仮にポポが本当に僕を愛していたとしても、僕はその気持ちに答えることは出来ない。 今の僕には、女の子と楽しく恋愛を行う資格なんて、ないんだ。 過去をすべて清算しない限り。シルバーとけりをつけない限り。 僕は、あの過去を忘れない。あの時の気持ちを過去のものにしてはいない。 そして、過去を清算したとき、そのとき僕は……僕はきっと、犯罪者だ。 だから、僕がポポの想いに答える時は、多分一生訪れることは無いだろう。 だからせめて今だけは。今だけはポポに人の温かさというものを知って欲しい。 その僕の答えは、いずれ彼女を破滅に導いてしまうのかもしれない。 でも、僕に出来ることと言えばそれだけだった。 「そうか、よかったね」 だから、僕は微笑みながらポポに答えた。 遅めの朝食を終えた僕達は、いよいよ洞窟へと歩を進めた。 結局、今朝の香草さんは何も言わなかった。 それどころか、昨晩の激昂が嘘であるかのように、また寡黙になってしまった。 ポポも困りものだが、違う意味で彼女も困りものだ。 何せ行動の理由がさっぱり分からないのだから。 ポポのような行動ならば困ることは困るけど、それでも何を考えているのか悩むことはない。 そういう意味で、香草さんはポポとはまた違った種類の悩みの種だった。 本心としてはやっぱりパートナー契約の解除なんてなかったことにしてもらいたい。 都合のいい考えだと分かってはいても、これが僕の本心だ。 しかしまともに話し合いをすることもできないのならどうしようもない。 そもそも話し合いどころか、それを切り出すことも出来ないような雰囲気だ。 しかし……
「この洞窟、思ったより暗いね」 一応明かりが設けられているので、特に明かりなしでも通過できるとの説明だったのだが、それでもかなり薄暗く、足元すら覚束ない。 そもそもこの暗さの上、天井の高さも分からないのでポポによる哨戒が行えない。 そのため前方も不安である。 こんなとき、明かりがあれば…… そのとき、僕の脳裏にあるものがよぎった。 香草さんだ。 香草さんは一応フラッシュを覚えていたんだった。 で、でもアレだしなあ。目からライトだしなあ。 しかもこんな状況だ。頼みにくいことこの上ない。 さらに、頼んだところで多分答えてはくれないだろう。 まあ、歩くことも出来ないというほどでもないし、諦めようか。 そう判断し、しばらく歩いていると、突然突き飛ばされた。 「うわあ!」 「荷物置いてけー」 そう言いながら前方に表れたのはイシツブテの少女だった。 何日ぶりの会敵だろうか。 ポポと香草さんのコンビによって野生のポケモンはすべてまともな戦闘になる前に排除されていたので、野性のポケモンに出会うなんて極々当たり前のことがとても新鮮に感じられる。 香草さんはすぐさま蔦を伸ばして迎撃したが、少女はすぐに下がって闇にまぎれてしまった。 普段から闇の中で生活しているためか、それともここが彼女の住処のためか、地形を完全に把握しているらしい。 一方の僕達といえば、足元すら満足に見えない。 これはかなり不利かもしれない。 バトルとは単純な戦力差や相性の問題だけで決まるものではないのだ。 しかし僕の焦りなど香草さんには無用のものだったようだ。 「ふん、それがどうしたって言うのよ」 彼女はそう言って蔦を伸ばすと、横薙ぎの一線を放った。 するとすぐにくぐもった低いうめき声が聞こえてきた。 見事ヒットしたらしい。 確かに横一線の攻撃を放てば、たとえ見えなくても当たる。 しかし分かっていても容易に出来るものではない。 優れた威力と射程を併せ持っている彼女だからこそなせる技だ。 「ありがとう香草さん。助かったよ」 僕が彼女にお礼を言った瞬間だった。 上空から何かが飛来し、僕の頬を掠めた。 先ほどまでの場所にいたなら、少なくとも怪我くらいは負っていたに違いない。 「な、何だ?」 「荷物を置いていきなさいー」 今度は頭上から声が響いてきた。 おそらくズバットだ。 ズバットは聴覚が異常に発達しており、また、超音波を発することで無明の闇の中でも地理を正確に把握することが出来る。 これも洞窟に多いポケモンだ。 一難さってまた一難とはこのことか。 この洞窟のポケモンはどうやら洞窟を通過するトレーナーや通行人に追いはぎをして生活しているらしい。 毎年一定数の人通りが確保されているこの洞窟ならではの生活スタイルだ。 そんなことが分かったからと言って、おとなしく荷物を持っていかれるわけにもいかない。 しかし今度の敵は空を飛ぶ。 地上にいる敵と違って、先ほどのような方法では倒すことが出来ない。 「このっ!」 香草さんは宙に向かって闇雲に蔦を振り回すが、空しく空を切るのみだ。 「荷物を置いていけば命だけは助けてあげますー」 そんなベタベタな盗賊のような台詞が降って来た。 しかしそれは困る。 大きな町へ行けば簡単に揃うようなものだけど、あいにく揃えるほどの資金がない。 ライトの類も用意しておくんだったなあ。
どうして僕のチョイスはこう微妙にずれていると言うか、痒いところに手が届かない仕様になっているのだろうか。 ……ひとえに、逃げるための道具が多すぎることが原因だということは分かっている。 しかし無いものはない。無い以上、すべきことは過去を後悔することではなく、あるものでどうにかするということだ。 だから、僕は香草さんに頼む。 「香草さん、本当に悪いんだけど、フラッシュ、使ってくれないかな?」 右手に眠り粉の入った袋、左手に煙玉を持ちながら。 だって、こんなこと言ったら絶対香草さんは今宙に向けている蔦を僕に向けると思ったんだもん。 咄嗟に相手を無力化するための装備だ。 香草さんは僕の声が聞こえなかったかのように宙に蔦を振るっている。 しかし表情がわずかに変化したから、聞こえてはいると思う。 となるとこれは考えている間にズバットから攻撃されないための防御だ。 しばらくの後、香草さんが口を開いた。 「それで、どうなるの?」 どうなるの? その後どうするのか、なら分かるけど、どうなるのというのはどういう意味だろうか。 よく分からないけど、香草さんがフラッシュを使った後の対応のことを聞いているのかな。 「大丈夫、後は僕に任せて」 だから、そう返事した。 香草さんは蔦を振り回すのをやめ、フラッシュを使った。 「ギャ!」 光線に晒されると共にズバットが短い悲鳴を上げた。 やっぱり僕に襲い掛かっていたのはズバットだったのか。 ズバットは光に晒されると、戦うこともせずふらふらと逃げていった。 光の当たらない洞窟でずっと生きてきたから、強い光というものに極端に弱いのかもしれない。 本当は天井を照らし出し、ポポに飛んでもらって倒してもらう予定だったけど、まあ逃げてくれるならそれに越したことは無い。 「どうなったの?」 香草さんが冷たい声で僕に問いかける。 「光にびっくりして逃げていったみたいだ」 「そう」 香草さんの声は冷ややかだった。 僕はそれに気おされたが、意を決して切り出した。 「あの、香草さん。フラッシュを止めないでもらえないかな?」 「……どうして?」 「今ので強い光がそれだけでポケモン避けになるって分かったし、やっぱり明るいほうが動きやすいしさ。……ダメかな」 これはただのいい訳だ。 こんなことを切り出した本当の理由は、彼女がどれくらい僕を嫌っているかが知りたかったからだ。 もし本当に僕を嫌っているのならば、間違いなく断ることだろう。 でも、もしも、契約解除なんて言ったのは一時的な感情だったとしたら。 僕には、あの日以来香草さんがずっとおかしいようにみえる。 だから、それにかけたかった。 あれは本心からでた言葉ではなく、何か理由があってのことなのだと。 「私は何も見えないのよ。どうやって歩けっていうのよ」 そういわれたから、僕は彼女の手をとった。 「これじゃ、ダメかな?」 彼女の手は、ひんやりと冷たいのに、とても柔らかかった。 僕の心臓が元気に跳ねている。 少し大胆すぎるような気がする。事実は僕と彼女はほぼ絶交状態であるのに、それなのにこんなことをしてもいいものだろうか。 彼女があまりにも眩しくて(物理的な意味で)、彼女の表情を伺えないのが怖い。 しかし彼女は僕の不安に反して、僕の手を振りほどくことも、握りつぶすことも、蔦で僕をズタズタにすることもしなかった。 ただ、穏やかに握り返してきた。 「しょうがないわね。特別に許可してあげるわ」 その声が、思ったよりも冷たいものじゃなかったことに僕は安堵した。
投下終了です 三月分です うっかりしていたのとミスとでタイトルがついていない部分があるのをお詫びします
GJ!!!!ポポは依存型だったんですね! 最後のオアシスそろそろ陥落といったところか…
これは3月分と4月分を続けて読めるという伏線とみた!!wktk
毎月新しい話が来るのがありがたいぜ!!作者さんGJ!! ポポのポジション欲しさに激昂する香草さんがかわいいすぎて困る ところで香草さんの読みって"かくさ"で合ってたっけ
GJぇぇぇええ!!! これで来月も頑張れる!
>>702 がポケモンを召喚しよったわ…。まさか住人にポケモントレーナーがいたとはな
ポポはもうピジョット?ピジョンとピジョットの間くらいなのかね? あんまり野生のポケモン話に出てこないから イシツブテかズバット仲間フラグかと思ってしまったw とにかくGJ!
うっひょひょぅ!GJ!!
ポポかわいいよポポかわいいよッポポ(ry GJ!!
>>715 GJです!
>>718 俺も「かぐさ」って読んでたけど、話をよく読むと「こうぐさ」なのかな?
"こうそう"さんの俺が通りますよっと
GJ!! ポポも立派な病人に育ってくれたなあ
マジレスしたらダメっぽい雰囲気だけど、チコさんだと思う
つ保管庫
732 :
名無しさん@ピンキー :2009/03/31(火) 00:28:35 ID:yd4lRTxv
このスレの住人ようなさヤンデレ好きな人達って、人に愛されたいっていう願望の持ち主なんだよね?
だったら「ちっちこさん!?」になるんじゃ?
すみません 一応 かくさ なのですが、辞書登録してないため、 こうそう で変換して書いているもので、つい 次からは気をつけます
735 :
名無しさん@ピンキー :2009/03/31(火) 01:09:47 ID:tW6p75GV
かくさちこ・・・ かくすあちこ・・・ かくすなチンコ!! すみません、もう一回一話から読み直してきます
>>734 え、『かくさ』さんだったの。
『こ、香草さん』ってゴールドが呼びかけてるシーンがあったからてっきり『こうそう』さんかと。
>>736 と同じ理由で「こうそう」さんだと思ってました
>>736-737 訂正してんだからそんな野暮なこと言うなよ。
俺は一話からずっと「こうそう」だと思いこんでたけどな!
壱話から読んでるならかくさって読めるだろw
確かに一話で「かくさ」って出てるんだけど その後ゴールドが「こ、香草さん」って言うシーンが度々あったもんだから 段々そっちの方が印象に残っちゃってね
へい、この妙な会話で盛り上がるのはそろそろ終いにしようか もっと建設的な話をしようぜ 埋めネタ考えるとかさ
May 9, 1998 夜、警備員のスコットとエリアス、研究員のスティーブとポーカーをやった。 スティーブの奴、やたらついてやがったがきっといかさまにちがいねェ。 俺たちをばかにしやがって。 May 10, 1998 今日、研究員のおえら方から新しい化け物の世話を頼まれた。 皮をひんむいたゴリラのような奴だ。 生きたえさがいいってんで、豚を投げこんだら、奴ら、足をもぎ取ったり内臓を引き出したり 遊んだあげくやっと食いやがる。 May 11, 1998 今朝5時頃、宇宙服みてえな防護衣を着たスコットに突然たたき起こされて 俺も宇宙服を着せられた。なんでも、研究所で事故があったらしい。 研究員の連中ときたら、夜も寝ないで実験ばかりやってるからこんな事になるんだ。 May 12, 1998 昨日からこのいまいましい宇宙服をつけたままなんで、背中がむれちまって妙にかゆい。 いらいらするんで、腹いせにあの犬どもの飯を抜きにしてやった。 いい気味だ。 May 13, 1998 あまりに背中がかゆいんで医務室にいったら、背中にでっけえバンソウコウを貼られた。 それから、もう俺は宇宙服を着なくていいと医者がいった。 おかげで今夜はよく眠れそうだぜ。 May 14, 1998 朝起きたら、背中だけでなく足にも腫物ができてやがった。 犬どものオリがやけに静かなんで、足引きずって見に行ったら数が全然たりねえ。 めしを三日抜いたくらいで逃げやがって。 おえら方に見つかったら大変だ。 May 16, 1998 昨日、この屋しきから逃げ出そとした研究いんが一人、射さつされた、て はなしだ。 夜、からだ中 あついかゆい。 胸のはれ物 かきむし たら 肉がくさり落ちやがた。 いったいおれ どうな て May 19, 1998 やと ねつ ひいた も とてもかゆい 今日 はらへったの、いぬ のエサ くう May 21, 1998 かゆい かゆい スコット― きた ひどいかおなんで ころし うまかっ です。 4 かゆい うま
743 :
名無しさん@ピンキー :2009/03/31(火) 21:28:19 ID:U2djWACd
は?
バイオハザード的状況ですか… ここから事件が始まって、避難民の間でのヤンデレストーリーが始まると読んでよろしいか?
ヤンデレハザードじゃないのかw
ってか、銃弾が効かない相手にどうやって人は対抗するんだよ ヤンデレはあの飛天御剣流よりも速い
まさに最終兵器彼女
「何故私がTウイルス散布したわかるかな?」 「君と二人だけの世界を創りたかったからなんだ」 「論理だ禁忌だと喚く輩はもういない」 「さあ築こう、私たちだけの新世界を!」 という具合ですな。
エイプリルフールなので嘘付きます 今日はぽけもん黒が4、5月分投下されます
嘘つきますが嘘なんですね。わかります と言っても作者さん的には投下から間が経ってないしもうちょいあとかね?
男「女さんなんか大ッ嫌いだ!!」 女「それは・・・嘘、だよね?」
エイプリルフールという事で幼なじみに冗談で嘘の告白をしたら 隠していたけど実は幼なじみはヤンデレで、告白を本気だと勘違いして…… 俺の頭じゃこんな設定しか思い付かないようだ
ヤンデレ:ねぇ男君。昨日はどこに行ってたのかな? 男:え、買い物とか… ヤ:とか?ほかは? 男:本屋とか… ヤ:へぇー 男:な、なんだよ… ヤ:最近の本屋さんってそんなにタバコ臭くなるんだぁ? 男:(ぎく)い、いやこれは… ヤ:パチンコでしょ。 男:パチンコなんてやってないよ!やったことないよ! ヤ:じゃあ…どこに行ってたのかな? 男:こ、これは… ヤ:これは? 男:…ごめんなさい、吸いました… ヤ:やっぱり!ねぇ言ったよね?私言ったよね?タバコはダメだって! 男:… ヤ:タバコなんて身体に悪いし、そもそも私がいるのにタバコなんかに浮気して! 男:…え? ヤ:タバコなんかより私のほうがずっといいんだから!男君には私がいればいいんだから! 男:…え、でもなんかそれちが… ヤ:正直に言ったのは偉いけど…男君には罰を与えないといけないね… 男:え、え…なんか、ねぇちょっと… ヤ:男君、そんなにタバコ吸いたいなら、私が作ってあげるから… 男:え?ちょ、それ犯罪! ヤ:男君のためなら何でもするよ。お酒だってタバコだって私が作ってあげるよ。 男:だからそれ犯罪だってば! ヤ:だって!そうしないと男君がタバコに取られちゃう!そんなの耐えられない! 男:…それ言ったら外食もできないよ… ヤ:当たり前じゃない!どこの誰が作ったかわからない食べ物なんて!男君は私が作ったものしか食べちゃダメ!お酒も!タバコも! 男:… ヤ:そっかぁ。服もダメだよね。どこの誰が作ったかわからないもんね。 男:え!? ヤ:男君、これからは私が作った服しか着ちゃダメだからね。 男:… ヤ:男君には私がいればいいの。全部、全部満足させてあげるから…だから男君はずっと私だけを愛してくれればいいの。 男:…えっと。ごめん。一つだけ言わせて? ヤ:…何? 男:煙草吸ったのは嘘。パチンコも行ってない。やったことないのも本当。 ヤ:…じゃあ、そのタバコのにおいは? 男:ゲーセンでWCCFやってた… ヤ:じゃあ…吸ってない? 男:吸ってない。信じてくれる? ヤ:ううん、信じない。だって私昨日男君が喫茶店で煙草吸ってるところ見てたもの。 男:えっ?うそっ? ヤ:嘘だよー。でも…やっぱり男君、吸ってたんだね。男君、正直に言わないから…お仕置き、だよ? 駄文失礼。エイプリルフールネタの日記書いたときに「せっかくだから俺はこのヤンデレスレを選ぶぜ!」的ノリで。
乙乙、結構萌えたw追求する子っていいな 481 KBになってるからしばらくしたら次スレ立てて来る
無理だったorz
誰か頼む
修正テンプレ
↓
ここは、ヤンデレの小説を書いて投稿するためのスレッドです。
○小説以外にも、ヤンデレ系のネタなら大歓迎。(プロット投下、ニュースネタなど)
○ぶつ切りでの作品投下もアリ。
■ヤンデレとは?
・主人公が好きだが(デレ)、愛するあまりに心を病んでしまった(ヤン)状態、またその状態のヒロインの事をさします。
→(別名:黒化、黒姫化など)
・転じて、病ん(ヤン)だ愛情表現(デレ)、またそれを行うヒロイン全般も含みます。
■関連サイト
ヤンデレの小説を書こう!SS保管庫 @ ウィキ
http://www42.atwiki.jp/i_am_a_yandere/ ■前スレ
ヤンデレの小説を書こう!Part22
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1233930672/ ■お約束
・sage進行でお願いします。
・荒らしはスルーしましょう。
削除対象ですが、もし反応した場合削除人に「荒らしにかまっている」と判断され、
削除されない場合があります。必ずスルーでお願いします。
・趣味嗜好に合わない作品は読み飛ばすようにしてください。
・作者さんへの意見は実になるものを。罵倒、バッシングはお門違いです。議論にならないよう、控えめに。
■投稿のお約束
・名前欄にはなるべく作品タイトルを。
・長編になる場合は見分けやすくするためトリップ使用推奨。
・投稿の前後には、「投稿します」「投稿終わりです」の一言をお願いします。(投稿への割り込み防止のため)
・苦手な人がいるかな、と思うような表現がある場合は、投稿のはじめに宣言してください。お願いします。
・作品はできるだけ完結させるようにしてください。
・版権モノは専用スレでお願いします。
・男のヤンデレは基本的にNGです。
やってみる
dd
May 9, 1998 夜、同級生の直子と亜紀、あと妹と大富豪をやった。 妹の奴、やたら悪態ついてやがったがきっといらいらしてたにちがいねェ。 俺たちをばかにしやがって。 May 10, 1998 今日、親から妹の世話を頼まれた。 馬なんじゃないかってくらい大食いな奴だからな。 いきの良いえさがいいってんで、魚を釣ってきて料理してやったんだが 奴、じっと見つめたりニコニコしたりしながら散々くねくねしたあげく やっと食いやがる。 May 11, 1998 今朝5時頃、強盗みてえな目出し帽を被った妹に突然たたき起こされて 俺も真っ黒な袋を被せられた。なんでも、俺は誑かされてるらしい。 あの妹ときたら、夜も寝ないで独り言ばかり言ってるからこんな事になるんだ。 May 12, 1998 昨日からこのいまいましい袋をつけたままなんで、頭がむれちまって妙にかゆい。 いらいらするんで、腹いせにあの妹の飯を抜きにしてやった。 まぁ当然だな。 May 13, 1998 あまりに頭がかゆいんで妹に言ったら、頭を洗ってくれた。 それから、もう俺は袋を被らなくていいと妹がいった。 おかげで今夜はよく眠れそうだぜ。 May 14, 1998 朝起きたら、体だけでなく足にもがキスマークできてやがった。 妹の部屋がやけに静かなんで、足を隠しながら見に行ったら何処にもいねえ。 めしを三日抜いたくらいで逃げやがって。 親に見つかったら大変だ。 May 16, 1998 昨日、このいえから入りこもとした同級せいが一人、撲さつされた、て はなしだ。 夜、からだ中 あつい。 手のなわ とろう たら 血が止まりそうになりやがた。 いったいだれ こうし て May 19, 1998 やと ねつ ひいた も とてもきもちい 今日 はらへったの、妹 と―― する May 21, 1998 きもちいい あつい ねえさん― きた ひどいかおなんで むしし こわかっ です。 4 きもい あね
キモネエハザード
763 :
埋め :2009/04/01(水) 14:17:01 ID:FmP3+GpX
「おにににににっっちゃあああああぁぁぁぁぁん!!! あーー、そーー、ぼーーーっ!!! ゲームしようよゲーム!! 人生を賭けた、最高のゲームをさぁっ!!!」 そう言われ、ブラック・ジャックの一発勝負を受けたのが三分前。そして今…… 「ぎっ……」 死ねっ!! ここで飛び込めないようなら死んだ方がマシだ!! 安全なんていらない、保険なんてクソ喰らえ、いっそ荒波の中に身を委ねろ!! ここっ、ここなんだ!! 妹に勝つなら、ここで逃げちゃダメ!! 手元のキング二枚に、プラスエース。ここでエースを引く!! 完全勝利!! ほらっ、もう目前だ!! 運は俺に向いてる、この大一番で二枚のキングを手にしてるのが証拠!! 女神は微笑んでる。必ずエースを引ける筈なんだ!! 引けっ!!! 「ぐうぅっ……これで、いい」 だからと言って、これで引けたらどんなに楽か。 千円、二千円の勝負では無いのだ。勝てば自由、負ければ一生奴隷。つまり人生。 そんな勝負で、九割九分勝ちが決まってるカードを捨てれない。 「おにいちゃんのカードは二枚、最高でも二十。そうね、私はもう一枚必ず引く。だから、互いのカードを見せ合おう?」 ここで互いのカードをオープン。こちらはキングが二枚、対して向こうはジャックが二枚。 「なるほどー、ここで私がエースを引けば私の勝ち。それ以外なら、おにいちゃんの勝ち。それで良いよね?」 大丈夫だ、安心しろ。この土壇場で引ける筈が無い。 残りの自由な人生を、どう楽しむかだけ考えるんだ!! 「むぅっ……エースは、引けなかったかー」 僥倖ッ!!! 「まさかジョーカーを引いちゃうなんて……悪いけど、私の勝ちよっ!!」 ぐにゃあぁっ。
名前 トンベリ 職業 ヤンデレ 装備 出刃包丁 キラーピアス 特技 歩数ダメージ・レベル5デス
765 :
埋め :2009/04/01(水) 14:27:37 ID:FmP3+GpX
『となりのトロロリ』 父親は看病に出掛け、母親は入院中。雨の降る夏の夜に、幼い子供の泣き声が響く。 古い一軒家、その座敷に居るのは二人の姉妹、姉のサツキと妹のメイ。 メイは母親の所へ行くと暴れて涙を流し、サツキは妹の身体を抱きしめて必死に止める。 父親の迷惑にならないように…… 母親の迷惑にならないように…… 「メイ、お願いだからお姉ちゃんを困らせないでっ!!」 では決してない。 その顔は赤く、吐き出す息は熱く、羽交い締めにしてる手は、幼い妹の胸を執拗に捏ねくり回す。 「メイ、お願いだから、お姉ちゃんのチンポを困らせないでっ!!」 メイは幼いながらも、自身の危険を感じて母親の場所へと逃げようとした。尻の間に押し付けられる、巨大な肉の棒から逃げようとしたのだ。 裸に剥かれ、後ろから押し倒され、尻の穴に大量のトロロを流し込まる。これがどう言う事か? 「ほらっ、お尻の中がトロロで痒くなってきたでしょ? 今からお姉ちゃんので……思いっきり掻いてあげるからねっ!!」 両親は女の子が欲しかった。だから最初に産まれた子供が男だった時、女として育てると決めたのだ。 そうして女らしく成長したが、サツキの中身は男。しかも重度のロリコンでシスコン。僅か五歳のメイと、狂おしい程のセックスがしたくて堪らない。 だから母親の食事に毒物を混ぜて病院に追いやり、父親を看病漬けの毎日にした。 するとこうなる。田舎の一軒家、辺りに民家は無く、雨の降る夜に、幼女の悲鳴は気付かれない。 同じく裸のサツキに後ろから腰を掴まれ、排泄の為だけに存在する穴へと、ミチミチ鈍い音を立てながらペニスを挿入さろても、他の誰にも気付かれないのだ。 「ふあぁん!! メイのおしり、締まって気持ちいいよぉっ!!」 メイは何とかペニスを追い出そうと力を込めるのだが、注がれたトロロのせいでヌルヌルにヌメり、腸ヒダを敏感な部分へと絡み付かせるだけ。 激しいピストンは直腸を擦り上げ、奥の口まで入り込み、S字決腸までカリ首で抉り倒す。 「お尻が使い物にならなくなっても一緒に居るからっ、ずっと一緒に居るからっ!!」 埋められたペニスは…… 埋められた…… 埋め。
766 :
埋め :2009/04/01(水) 14:40:38 ID:FmP3+GpX
『ヤン太郎』 力持ちのヤン太郎は、今日も牝熊のライデンと相撲の稽古をしています。しかし今日は、いつもと違いました。 肉と肉、裸と裸のぶつかり合いに、ライデンの理性はメーターを振り切ってしまったのです。 「がおおおぉぉぉぉぉん!!」 得意の毒霧→ジャンピングボディプレスのコンボでヤン太郎を押し倒すと、手の爪先で毛深い局部を掻き広げてピンク色のヴァギナを…… こうしてライデンは、愛するヤン太郎と幸せに森で暮らしましたとさ。 でめたし、でめたし。
767 :
埋め :2009/04/01(水) 14:45:27 ID:FmP3+GpX
「男君……私からのプレゼント、受け取ってくれるかな? うん、イヤリングだよっ♪ 私とお揃いだよん♪♪ ねぇ、付けてみて? あはははははははははははっ♪♪♪ 掛かったわね男君!? これはポタラよ!! 男君がイケないの……私と別れるなんて言うから。でも、これでずっと一緒だね?」
『ヤン太郎』 むかーし、ヤン太郎は海辺で虐められていた亀を助けようとしました。 ですが助ける瞬間、幼馴染みのヤンデレが現れ、子供を追い払ってしまいました。 しかしその後、ヤンデレが亀を踏み付けます。 「このノロマ! グズ! 甲殻類!! 被害者ぶりやがってぇっ!! 男君の同情を買おうなんて生意気なのよっ!!」 ヤンデレはマッハキックで足元を掬うと、やまだの術で亀を浮かせてひっくり返し、マッハピストンで連続ストンピングを決めます。 「死ねッ!! しねっ!! シネッ!! シネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネ男君の為なの!!シネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネ……」 メキメキメキメキメキメキョメキョメキョメキョメキョバキバキバキバキバギバギ バギバギバギバギバギバギグヂュグヂュグヂュグヂュグヂュグヂュグチャグチャグチャグチャグチャウメッウメッウメッうめっうめっうめうめうめ埋め…… 埋め。
769 :
埋め :2009/04/01(水) 15:07:16 ID:FmP3+GpX
あー、勢いで書いてりゃ、一つくらい面白くなるかと思ったが、つまんねーなー。 俺が書いたのは保管庫に入れて貰わなくて良いです。 もうちょい面白いの書けると思ったが、勘違いだったみたいだ
うん、これはつまんないわ。
いろんな意味でワロタw
カバーできないなんて…
>>796 まあおつかれさん、と言っておく。
個人的に
>>767 の「ポタラ」ネタだけは、まあアリかなとおもったが。
>>768 くそつまんねえけどおもしれえwwwww
トロロ以外はまぁまぁだったよ?
バカバカしいw でもいいぞもっとやれ
まさかのやまだの術w
梅
781 :
埋めネタ :2009/04/02(木) 03:51:42 ID:7KDrSpq7
「早くこいつを埋めないと」 深夜、私は家から少し離れた所にある人気の無い雑木林でゴミを埋めている。 そう、ゴミだ。私が埋めているコレは紛れもないゴミだ。 彼と同じ委員会だか知らないが分不相応にも彼に擦り寄ってきたコレは廃棄処分されて当然なのだ。 彼というのは私の幼馴染みだ。物心がついた時には既にいつも一緒に遊ぶ仲だった。 そう、彼と私は生まれながらに結ばれる運命にある二人なのだ。なのに私達の周囲にはそんな事も分からない輩が多くて困る。 私に告白したりしてくる目障りな男共は私が断ればそれで済む話だが、彼に色目を使ってくる雌豚共はそう簡単な話ではない。 奴らはあまり強く拒否する事が出来ない彼の優しさに付け込んで、どんどん迫っくるからだ。 だから私が時々こうして彼に近付く雌豚を始末して、そのゴミ同然の肉の塊を埋めているのである。 「うわ、もうこんな時間。急がないと彼のお弁当を作る時間が無くなっちゃう」 時間を確認してその事に気付いた私は、急いでまたゴミを埋める作業に戻る 埋め
こういうの初めて書いたんで至らない点は勘弁して下さい埋め
面白かったよ埋め
784 :
名無しさん@ピンキー :2009/04/02(木) 18:40:46 ID:osstRg3X
良かった埋め
リスナーの皆さん、こんばんはっ♪ 今宵も始まりました『病んで!レイディオ』の時間ですっ♪ 司会はワタクシ、『夜舞愛香(やまいあいか)』でお送りします♪ たったの15分間ですけれど、皆さん最後まで聞いていってくださいね♪ さあてそれではまずいきなりおハガキを紹介します。 えーっと、ラジオネーム「恋するWORD」さんから。 「こんにちは、私はいま同じクラスの男子に恋しています。 けれど彼には、2年前から付き合っている彼女さんがいるんです。 そのことを知って以来、何も手につかなくなり、成績が下がる一方なんです。 いっそ諦めたらいいのですが、それもできませんでした。 夜舞さん、私はいったい、どうすればいいのでしょうか?」 ――はい、恋のお悩みですね。とっても深刻そうです。 それはそうですよね。恋はいつでも真剣勝負ですもの。 さて、そんなワードさんに、ワタクシが言えることはただ1つです。 「YOU、告っちゃいなよ!」ってコトですね♪ いえいえ、別に投げやりに答えているわけではないんですよ。 学生の本分である勉強ができなくなるほど、辛いんでしょう? そんな悩みは、可及的速やかに解決しなければなりません。 だから、状況を動かすために、告白してしまえばいいんです。 そうしたら、良くも悪くも、状況は変化しますよ。 その後は、アナタが心の底から望む限りに、行動すればいいんです♪ ……えー、実はですねぇ、ワタクシもおんなじ悩みを持っていました。 もう何年前になりますか……懐かしいですねぇ♪ その時は、ワタクシもワードさんのように落ち込みました。 そしてそれを打開するため、いろいろ頑張りました。 その甲斐あって、無事ワタクシは、愛しのカレを手に入れられたんです。 うふふ♪ 今ではいい思い出ですねっ♪ さてさて。ついうっかり懐かしい話を思い出して、トリップしてしまいました。 ラジオの司会者としては、ちょっと恥ずかしいですねっ、反省×2。 ん〜っと、ちょうどいい感じの時間ですね♪ それでは、しばしの間ですが、リクエストの楽曲をお楽しみください。 ラジオネーム『空鍋乙女』さんから、中○繪○子で『エ○○ゴ○タ○シ』♪ ♪♪〜〜〜〜〜〜 ♪♪♪〜〜〜〜〜 はい。ステキな歌でしたね。 個人的には、歌詞の内容にとっても共感できます。 愛しの男の子のことは、全部知っておきたいものですね♪
それでは、次はお初のコーナー『教えて!やまいん!』♪ このコーナーは、ワタクシと、愛しのカレに関する質問に答えるコーナーです。 興味ナイって人、ごめんなさい♪ でもワタクシは、これ以上謝りません♪ それでは、サクサク言っちゃいましょうね! えっと、今回は時間の都合で、おハガキ1通しか紹介できません。 みんな、ごめんなさいね♪ 次回はがんばるからねっ♪ では、ラジオネーム『ユッキーLOVELOVE』さんからの質問。 「夜舞お姉さんの恋人さんって、どんなところがカッコイイんですか? 私の彼氏は、泣き虫なんだけど、時々凛々しいナイト様になるところが素敵なんです。 夜舞お姉さんから見た、恋人さんのイイトコロ、ぜひ教えてください!」 おおっと、質問のハガキなのに、ちゃっかりノロケられちゃいました。 ちょっと悔しいです。してやられちゃいましたね。 まあいいです、ワタクシのカレシだって、すっごいんですからね♪ さて、それでは質問に答――― あら? ちょっと外が騒が――ああ、少し困りました。 皆さんゴメンなさい。少しトラブルが発生しました。 なのでワタクシ少し、解決するために収録席から離れます。 その間、ワタクシの選曲、シ○で『○想○記』をお聴きください♪ ♪♪〜〜〜〜〜〜 ♪♪♪〜〜〜〜〜 ――はい、大変お騒がせしました。 無事トラブルは解決しました。いえ、トラブルでもなかったですね。 愛しのカレが、恥ずかしさのあまりに、大暴れして逃げ出しただけでした♪ もう、恥ずかしがり屋さんなカレシで、とっても大変です。 でもちゃんと捕まえました。今夜はオシオキしないとね。うふふ♪ さて、ハプニングありの15分、あっという間に過ぎてしまいました。 もうエンディングなんですね。毎度毎度お別れが早いです。 次回からは、もう少しがんばって、皆さんとたくさんお話したいです♪ それでは、次回――再来週のこの時間にお会いしましょう♪ エンディングテーマは、毎回の通りのリクエストです。 ラジオネーム『いくさばのホチキス娘』さんで、s○○e○aで『ジ○ン○』です。 それでは、し〜ゆ〜ねくすとた〜いむ〜♪ ♪♪〜〜〜〜〜〜 ♪♪♪〜〜〜〜〜
「今回も、おもしろかったなぁ…………」 あたしはエンディングの流れ終わったラジオを止め、1人ベッドで転がってみる。 叶いそうにない恋に悩んでいる時、友達に教えてもらったラジオ番組。 『病んで!レイディオ』は、あたしの狂いそうな心を癒してくれる。 なにより、DJの夜舞愛香さんが素敵だ。 あの人も、辛い恋を経験して、今みたいなカッコイイお姉さんになれたんだろうか? あたしもああなりたい。あたしも、あの人に振り向いてもらいたい! よし、あたしもがんばって、彼に振り向いてもらおう。 彼とあたしの恋路を邪魔するやつらなんて、全部粉砕してやろう。 「あたしは幸せになるんだ。それが彼のためになるんだ!」 叫んでから、あたしはあたしの恋のため、宵闇の中に飛び出した。 ――恋するアナタと愛するあの人、つながって初めて恋愛になるんだよ♪ ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 投下終了。ここまでちゃんと投下できたかな? ここでは初めてトリつきで投下しました。 ちなみに自分、ラジオを最後に聴いたのは10年前だったり。