救命病棟24時でエロパロ part3

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1名無しさん@ピンキー
救命病棟24時のスレです。

Part1
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1167361740/
Part2
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1217235330/


職人さん、お待ちしています!
2名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 20:28:54 ID:dZ74e+c8
   _,,....,,_  _人人人人人人人人人人人人人人人_
-''":::::::::::::`''>   ゆっくりしね!!!         <
ヽ::::::::::::::::::::: ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄
 |::::::;ノ´ ̄\:::::::::::\_,. -‐ァ     __   _____   ______
 |::::ノ   ヽ、ヽr-r'"´  (.__    ,´ _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ 、_ イ、
_,.!イ_  _,.ヘーァ'二ハ二ヽ、へ,_7   'r ´          ヽ、ン、
::::::rー''7コ-‐'"´    ;  ', `ヽ/`7 ,'==─-      -─==', i
r-'ァ'"´/  /! ハ  ハ  !  iヾ_ノ i イ iゝ、イ人レ/_ルヽイ i |
!イ´ ,' | /__,.!/ V 、!__ハ  ,' ,ゝ レリイi (ヒ_]     ヒ_ン ).| .|、i .||
`!  !/レi' (ヒ_]     ヒ_ン レ'i ノ   !Y!""  ,___,   "" 「 !ノ i |
,'  ノ   !'"    ,___,  "' i .レ'    L.',.   ヽ _ン    L」 ノ| .|
 (  ,ハ    ヽ _ン   人!      | ||ヽ、       ,イ| ||イ| /
,.ヘ,)、  )>,、 _____, ,.イ  ハ    レ ル` ー--─ ´ルレ レ´
3名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 21:58:18 ID:ZFom40Lf
>>1
愛してるよ
職人降臨きぼーぬ
4名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 03:43:49 ID:XGWlWmgz
5名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 08:34:14 ID:xgdxl3uF
パート2に久々の神様降臨o(^▽^)o
たまき処女めっちゃうれしす…
6『水面の月』 進藤×香坂:2009/02/10(火) 05:11:45 ID:wuP1mUMM
前スレ>>981です。前スレの続きを投下させていただきます。
7『水面の月』 進藤×香坂:2009/02/10(火) 05:12:48 ID:wuP1mUMM

「……馬鹿馬鹿しい」
「何がだ?」

 ウエイターに案内されてすぐ後ろまで来ていた進藤の声に、たまきはさほど驚くこともなく、何でもないわ、と曖昧に笑った。
 ぴったり九十度の向かいの席に座ると直ぐに赤ワインが運ばれてくる。 彼はそういえば赤ワイン派のようだ。

「ロゼが私は好きなんだけどね」
「ロゼ? ……意外だな」
「あら、どういう意味?」
「やせの大食いだというからには赤派だと思ってたんでな」

 以前ネタに振られたそのことを今も尚覚えているあたり、彼の記憶力は相当良い方なのだろう。
 たまきは何も言わずウエイターがグラスになみなみと赤ワインを注ぎ去っていくのを見計らってグラスを手に取った。
 彼と食事に来るのは恐らく長いシカゴでの研究を終えて帰ってきてから初めての事だ。
 夢に向かって満身創痍になりながらも努力を積み重ねた己の結果。 自分の努力が認められたからだと礼を言ったところで彼はあっさりと切り捨てる。
 ―― 俺は何もしてない、と。

「貴方って、ずいぶんとお人よしでお節介よね」
「そうか?」
「そうよ。 でも、あんまり誰にでもいい顔をするのは賛成できないわね、奥さん泣いちゃうわよ?」

 からかうように言い放って、ワイングラスに入った赤い液体を味わって飲み込んでいく。
 『進藤早紀』という女性がどんな女性だったのかはたまき自身まったくもって知らない。 せいぜい彼の言葉の節々から見え隠れする彼女への愛情で図り知ることぐらいしか出来ない。
 純粋な好奇心からどんな人だったのだろう、とも予想したことはあるが、予想は所詮予想。 イメージに過ぎない。
 視線を送れば進藤は矢張り仏頂面でワインに口をつけているばかりだ。

「奥さん、どんな人だった?」
「……なぜだ?」
「そうねぇ、知的好奇心、とでも言えばいい?」

 どこが知的だ。
 切り返してきた進藤に、たまきはクスクスと口元を緩ませて笑い返してみせる。
 ―― 矢張り、これぐらいの距離がちょうどいい。 だから踏み越えない。 踏み越えられるわけがないのだ。
 この生ぬるく居心地のいい環境に慣れすぎて、踏み出すこと等どうやったって出来ないのだから。
 暫く何かを考えるかのようにワイングラスの中に入っている赤い液体を見つめながら、彼はどこか遠くを見つめていた。
 たまきはそれをじっと待ち、運ばれてくる料理から手を離し決して自分を見ていない彼の瞳を食い入るように見据える。 ぶつかりそうで、まったくぶつからない視線に煮え切らない感情。

「……香坂」
「何かしら?」
「――……妻……早紀は、気丈な人間だった」

 ぽつり、と思い出すように言った男に、銀のフォークを彼女は手がかすかに震えて落としてしまう。 思わず小さな声を上げたが、ウエイターが静かにやってきて別のフォークに取り替えてくれる。

「フルシェット・ア・ポワッソン、ね」
「……態々フランス語で言う必要あったか?」
「あら、気持ちの問題よ。 そんなことより奥さんの話、続けて」

 どこで、どんな風に出会い、どんな恋愛を経て、結ばれたのか。 静かに彼女は耳を傾けていた。
 普段己の身辺のことなど語らない進藤も緩やかに、ぽつりぽつりとわずかながらではあるが細君の話を続ける。
 どんなことが好きだったのか、どんな話しをしたのか。 どうして、彼女が死んだのか。 瞳を閉じれば脳裏に浮かぶ柔らかい表情に切なく、それでいてどこか優しい気持ちになった。
 生きていれば、今頃子供が居て平和で平凡な生活をしていたのだろう。
 ……生きてさえ居れば、の話であり、それは所詮「IF」に過ぎないことを進藤は理解している。 ぐいとワインを飲み干すと、たまきは静かに笑って彼の言葉を噛み砕くようにゆっくりと話す。

「私は『IF』の話しは好きよ?」
「現実主義のお前が?」
「医者だって夢ぐらい見るわよ。 それに進藤先生私のこと何だと思ってるのかしら? 冷血女とでも?」
8『水面の月』 進藤×香坂:2009/02/10(火) 05:15:24 ID:wuP1mUMM

 からかうつもりで軽く言ったつもりだった。
 冗談だと直ぐに切り返し、何でもないと話しを変える丁度いいタイミングだとたまきは思っていたからこそその言葉が飛び出した、筈なのに。
 妙に神妙な顔をして、彼はまっすぐに彼女を見据えた。
 何ともいえない、イエスともノーとも言うことも出来ずかといって意見を述べられるような表情とも決していえない表情。
 見つめていたら飲み込まれそうなほどの、深い悲しみと深い痛みを持った目。

「進藤先生……?」
「香坂」

 さえぎるように彼は彼女を見つめ、彼女を目で諭し、何かを伝えようとアイ・コンタクトを続ける。 その感情は熱意ともとれ、甘くもあり切なくもある。

「……逃げるのはやめろ」
「誰が、逃げてるのよ」

 静かに見据える瞳に、怖気づきそうになるけれど、それを必死に奮い立たせて瞳の奥を見据え返す。
 睨み合うといっても過言ではないくらいの無言の攻防が暫く続き、漸くたまきは観念したかのように溜息を一つだけ零した。

「――逃げてるのは、貴方もでしょ?」
「…………」
「私は無理に追わないわ。 性分じゃないもの。 ……それに、こういう関係も私は嫌いじゃないし。 ……貴方が私をどう思ってるのか、知りたいようで知りたくないわ」

 男と女。 XXとXYの記号で分けられた、生命の神秘。 何億年も前に先祖は生まれ、それが徐々に進化して今こうして生きていること自体が神秘なのだ。
 理系の人間であるたまきや進藤にとってこれほど原始的でこれほど未知なものもない。

「私はね、進藤先生」

 ―― 貴方と一緒に仕事が出来てうれしいの。
 緩やかに彼女は笑った。 そのりんとした瞳は進藤一生をまっすぐに弓を引き絞り狙いを定め射抜いたような輝きを持っていて、彼は彼女から目をそらせない。
 彼女の夢。 彼女の目標。 彼女の背中を、彼は何度も見てきた。 そうした中で芽生えた淡く苦く胸を打つ悲哀と歓喜の入り混じったその感情は後ろめたさで覆われて叫びたい衝動に駆られたくもなった。
 けれど、進藤という男は「大人」であるが所以にその対処法を知っていて、理解していて、表に出すことがない。 ポーカーフェイスというやつだ。
 本当は引き止めることも出来た。 けれどそれをしないのは彼が「大人」だからだ。 割り切れるから。 それを人は器用貧乏だとも言うのだけれど、彼はそれで構わなかった。
 巣立っていく鳥のように自由であることこそが“彼女らしさ”であるとどこかで分かっていたのかもしれない。
 己の細君と、香坂たまきは似ても似つかない性格をしているし外見もまったくもって似ていない。 早紀は彼にとって癒しであり、暖かい場所であった。 例えるならば日のあたる場所。
 対して香坂たまきという女性はプライド高く、インテリで生真面目。 進藤に対しても容赦のない反論を浴びせ、文句も言う。 決して暖かい場所や癒しではない。 例えるなら、月明かりのような人間。
 太陽と月。まるで逆だというのに、どこか気になるもので――思えば彼女が海に落ちたときに冬の海の中でなぜ自分は飛び込んだのか。 ふと進藤はそんな疑問にぶち当たる。
9『水面の月』 進藤×香坂:2009/02/10(火) 05:17:31 ID:wuP1mUMM

 ―― 答えなんてものは、実にありふれた、実にありきたりな、どこかのラブソングのような答えだということを、彼は知っている上で、尚も自問自答を繰り返す。
 答えを、気づかぬ振りをして。 何度も、何度も。

「進藤先生?」
「何だ?」
「……呆れた、自分がどんな顔してるか分かってる? すごい気難しい顔よ、今」

 そんな顔するのは病院だけにしてほしいものね。 呆れて笑った彼女に目を見張れば、くすくすと笑い声が聞こえてくる。 対等で、何度も彼女の背中を見てきた彼にとっては意外そのものだ。
 強がってばかりで、本当は傷つきやすい女。 仕事に誇りを持ち、前を見続ける女。
 ……助けたい、とココロから想い、手を差し伸べた。 同情ではなく、哀れみで。 同じ立場に立ち、支えるという意味での哀れみを彼は彼女に向けた。
 そして、彼女は恐怖に打ち勝ち医師として更なる飛躍を続けている。
 強い。 それでいて、弱い不安定な彼女を見て、抱きしめたいと思うのは男の庇護欲からなのか、どうなのか。 ……それは今でも進藤には分からない。
 けれど、後ろばかり振り向いてはいけないということだけは分かる。 亡き妻は、何といっただろうか。 笑うだろうか。 呆れるだろうか。 怒るだろうか。
 様々なことを考えて――最後に行き着いた答えは、いつもと同じように「しょうがない人ね」と笑って背中を押してくれる、という答えだった。


 夕食を終えて、何気なく二人並んで歩いているといつぞやと同じ場所にたどり着いた。
 ……ここで、たまきはシカゴに行くことを決めた、ある種思い出の場所に等しい場所。

「……もう六年、かしら?」
「そんなに昔か」
「六年なんてあっていう間ね」

 海を見つめながら溜息をつくたまきの顔を彼は見つめていたが、彼女は潮風に髪の毛が弄ばれるのを抑えるのが精一杯で、ほんの少し切なそうに笑って進藤に声を掛けた。
 どうして、誘ってくれたの、と。
10『水面の月』 進藤×香坂:2009/02/10(火) 05:18:18 ID:wuP1mUMM


「今に始まったことじゃないけれど、貴方はどうしていつも私を食事に誘ってくれるのかしら?」
「……さぁな」
「またそれ? ずるい人」

 いつだって、彼ははぐらかす言葉を言う。 引き止めてくれる?と尋ねたときも、マウストゥマウスをした相手を尋ねたときも。 ……意地悪な男だ。
 けれど、そんな男のそういう性格に惚れたのは恐らく間違いなく自分であるということも理解している。

「…進藤先生?」
「何だ?」
「……いいえ、何でもないわ」

 この一定関係を崩すような言葉を、今一瞬たまきは頭の中によぎらせてしまった。 唇が何を紡ごうとしたのか自身で理解できず、唇を押さえて動揺を隠せずに目を伏せる。
 どうして。 なぜ。 ぐるぐると旋回する疑念に答えはない。
 言えば崩れる関係であることは目に見ている。 いや、変わらないが確かに変化してしまうだろう。 医師としては対等でも、そうじゃない部分で対等でなくなる。
 彼は義理堅い、真面目で頑固な男だ。 そんな人が気を使わないわけがない。 ばかばかしい。 分かっていることじゃないか。 何を言おうとしているんだ。
 内心自身を罵って、たまきは重々しい溜息を一つ、零す。
 ――そんな彼女を見て、彼はゆったりと彼女に一歩二歩と近づいていき、やがて向かい合わせになって立ち止まった。

「香坂」
「……何かしら」

 視線を上げれば、目と目がかち合う。 ほんの少し、触れるばかりの口付けは煙草のほろ苦い味がした。 直ぐに唇は離れたけれど、彼の瞳はまっすぐに彼女を捕らえていた。
 逃げることなど、出来ない。 逃がさない、狩人の瞳をして。


「――香坂」
「……」
「……泣きそうな顔だな」
「……誰かさんの、せいね」
「そうだな」


 お互いに、お互いの関係を言葉で表すことは出来ない。
 恋人ではない。 仲間・友人・家族・知人……それらどれも当てはまらないこの平行線なようで交叉している関係は、ほろ苦いコーヒーのようだ。
 視線がぶつかり合うと、彼女は矢張り泣きそうな顔で「優しいのは、奥さんを泣かせることにつながるわよ」と震える声で呟いた。


「早紀は泣かない」
「……どうして?」
「早紀は、死んだからだ」
11『水面の月』 進藤×香坂:2009/02/10(火) 05:19:11 ID:wuP1mUMM


 心の中に居ても、彼女はもう泣かない。 彼女は既に天に召され、この世には存在していないから、泣くことはない。
 泣いたとしたら、それは己の中に居る自分が持つ早紀のイメージが泣くだけだ。
 けれど、進藤一生が選んだ最愛の妻は泣かないだろう。 彼が抱く罪悪感からその幻覚を見せているだけで――彼女は、何時だって己の、進藤一生の幸せを願っているはずだ。
 命の炎が燃え尽きるまで、そんなことを細い声で言っていた女だ。 ……だから、彼は足を止めることはしない。
 助けるようで、ずっと助けられてきた今なおも生き続けている不安定な女性のために。

 たまきは彼の言葉に動揺を隠せず、けれども至極落ち着いて、それでも生きているわとさほど動揺を表に出さずにして言う。
 右手をそっと、進藤の胸に当てて、涼やかに言う。


「あなたの、心の中に奥さんは生き続けている限り、奥さんは死なない」
「……香坂」
「貴方も、忘れることなんてないわ。 忘れられるわけがないもの。 ……むしろ忘れたりなんかしたら、私が殴ってやるわよっ」

 気の強い、シャム猫のように彼女はツンと澄まして言うから何だかおかしくて彼は噴出して笑った。 彼女は釣られて緩やかに笑うと、自分の胸の前で腕を組んでふう、と深呼吸をしてみせた。

「……奥さんを忘れなくて良いわ。 だから、貴方が持っている荷物を半分私に渡しなさい。 ……進藤先生は泣かな過ぎるのよ」

 泣きたいときは泣けばいいじゃないの、人間なんだから。 生理的なものはしょうがないじゃない。 ストレス発散には泣くのが一番なのよ。
 抱きしめるように背中をポンポン、と叩いて彼女は笑って言う。 まるで医者の物言いなものだから、どこかおかしくて、それでいてどこか切ない。
 腕を伸ばし、その細い体を抱きとめれば小さな悲鳴が上がる。

「……それは好きだという解釈をしていいのか?」
「……さぁ、どうかしらね」
「回りくどい奴だな」
「いつもはぐらかしてばかりの貴方ほどじゃないわ」

 力強い声をして、たまきははっきりと言い張るものだから、思わず喉の奥で進藤も笑う。
 …今、顔を見られるわけにはいかなかった。 抱き寄せて、強く抱いて、零れ落ちた涙を引っ込ませようとするのだが彼女はいっそ声を上げて泣けばいいじゃない、なんて言い出す始末だ。
 お断りだ、と一蹴すれば残念だと矢張り彼女は笑って――彼女はゆっくりと進藤の頬にキスを落とした。


「貴方が思ってるほど、貴方は強くないのよ。 ……って誰かさんの受け売りですけど」
「……香坂。 ……ありがとな」
「あら、愛の告白ぐらいしてくれないのかしら? 進藤先生は」

 にっこりと彼女は見惚れるほどに美しい笑顔を浮かべて、彼に尋ねた。 ……ぬるま湯に漬かっていたのはお互い様であるということは、既にお互い承知の上。
 進藤は薄く笑うと、もう一度彼女を引き寄せて耳打ちするかのように淡く囁いた。

「俺の傍に居てくれ、香坂」
「……シカゴに行かない間なら、ね」

 まったくをもってひねくれた意見ではあるが、笑っている彼女につられて、彼もまた笑った。
 ――淡く、海の上に浮かぶ黄色い満月が水面に映りユラユラと揺れた。
12名無しさん@ピンキー:2009/02/10(火) 05:19:41 ID:wuP1mUMM
一旦区切りということで。続きはまた後日失礼します。
13名無しさん@ピンキー:2009/02/10(火) 11:21:27 ID:Nn/MYvXZ
おぉぉぉぉ!
新しい書き手さん、GJすぎ!!
大人な雰囲気!
続きキタイ!!
14名無しさんピンキー@:2009/02/10(火) 13:37:03 ID:SBybxM5Q
新神乙!!!
雰囲気めっちゃ好みw
続きも期待(´∀`)
前スレ終わったね
15名無しさん@ピンキー:2009/02/10(火) 13:39:17 ID:Me0Lr/lY
名前にタイトルとカプ表記いいね
コテハンより作品検索の時分かりやすい
誰が書いたかより作品読むことt重視したいから統一するのはどう?
まとめwikiに載せるの楽じゃないか?
16名無しさん@ピンキー:2009/02/10(火) 14:59:17 ID:2279zJWH
乙です!
食えない対等関係たまんねぇっす、ドラマの二人っぽくて良い
続きもwktkしてます
17名無しさん@ピンキー:2009/02/10(火) 19:10:58 ID:4v50aigg
>15

そりゃその方が分かりやすいけど…それは書き手さんに任せようよ。 
今まで滅多にタイトル付けてなかったのにいきなり毎回つけろっていうのはもしかしたら酷かもしれないし…
18名無しさん@ピンキー:2009/02/10(火) 19:31:31 ID:x54k4CTe
新たな書き手さんありがとう!大人だ〜 後日楽しみにしてます!
そして通りすがりさんの二部も待ってます!

前スレ979さん、まとめウィキ立ててくださってありがとう!
19名無しさん@ピンキー:2009/02/10(火) 22:03:26 ID:3Ci/aFcb
書き手さんのコテハンのせいで実際通りすがりさんの一件があったからなぁ
逐一コテハンにするよりは>>15の意見に賛成だ
他の人間に書かせない流れにも見えてくるんだよなぁ、新参の人投稿し難いし
それにタイトル思いつかなかったら「無題」とかタイトルなしにすりゃ良い話じゃん
他のエロパロスレ見てると殆どそんな感じだし参考にすべきだろ
20名無しさん@ピンキー:2009/02/10(火) 22:46:30 ID:l9KT6zun
つーかテンプレ作った方が良いのかもね
最低限のルールはあったほうがいい
スレ建ては>>950とか、まとめwikiのアドレス(http://www36.atwiki.jp/er24hours-eparo/)とか
21名無しさん@ピンキー:2009/02/11(水) 00:51:00 ID:3HtYKXYJ
読んでて泣きそうになった!
続きゆっくりまってます!!

今日はよく寝れそうだ
22名無しさん@ピンキー:2009/02/11(水) 12:58:01 ID:9tPqZhNo
>>11
GJ!距離を越えないようにしてるっていうのがいい
背中合わせだとか微妙な距離感だとかそういうのがこの二人ハマってんだよね
中々発展しない・くっつかないけど後は転げ落ちる石みたいな感じならいいwww
23名無しさん@ピンキー:2009/02/11(水) 13:00:39 ID:/sUHPDOy
前のが見れないぞ!!
どうすればいいんだぁ!!
24名無しさん@ピンキー:2009/02/11(水) 13:05:22 ID:9tPqZhNo
>>23
お前さんが今目の前で使ってる箱でなんで自分から調べようとしないわけ?
自分でググれ、もしくは初心者板行ってこい
25通りすがり:2009/02/11(水) 19:08:03 ID:g6P7VmfL
題名があった方が判り易いという事を書いてたので
まとめwikiの自分の小説の何個かに未だ仮ですが
タイトルを付けさせて貰いました。

26名無しさん@ピンキー:2009/02/11(水) 19:47:33 ID:h7kxK9tG
>>25
乙です
でも話してる内容はそういう意味じゃなくて名前欄のことじゃないかな
27名無しさん@ピンキー:2009/02/11(水) 21:26:09 ID:ij5N6hwI
まとめwiki見たけど、カプとか内容の表記してあったから
見やすかったよ?みんなで編集できるんだったら、これから少しずつ
見やすいようにしていけばいいじゃまいかスルメイカ!

書き手のみなさん待ってます!(*´Д`)=з
28名無しさん@ピンキー:2009/02/11(水) 21:32:29 ID:ij5N6hwI
あ、そういうことじゃなかった…違うこと言ったみたい…ごめんね

言いたかったのは、みんなで良いスレ作りましょう!です。
なんか書き手さん君臨でスレ盛り上がってきて嬉しいのだ!
29名無しさん@ピンキー:2009/02/11(水) 21:46:53 ID:5r1HEFTt
>>15が言いたいのは書き手さんが名前欄にやるところで固定(通りすがり、とかしんたまねぎ、とか)にしちゃうと新参の書き手さんがやりにくいからやめようって話でしょ?
名前欄固定にすんなら>>12さんみたいにしたほうがいいんじゃないかってことでしょ
30名無しさん@ピンキー:2009/02/11(水) 21:50:05 ID:5r1HEFTt
ごめん正しくは>>6-12さんだね
自分も続きwktkしてます。続きがここまで楽しみになったの久しぶりだ!
31名無しさん@ピンキー:2009/02/11(水) 22:29:39 ID:fk4BMerQ
おっつん。
なんか復興の兆しが・・・目が涙で霞んで見えん
続きめっちゃたのしみっす
32名無しさん@ピンキー:2009/02/12(木) 00:31:50 ID:HyZuoUvj
くっつきそうでくっつかないから先に進藤先生から踏み越えればいいなあ
つかいつまでも名字よびなのたまらん!
33名無しさん@ピンキー:2009/02/12(木) 03:21:41 ID:ZbvMrSGS
まとめwiki、2スレ目がもう落ちてるので見れないので見れる人でまとめておいてください
新作来たらその都度どんどんまとめていっちゃったほうが後々こうならなくていいかも
34『水面の月』 進藤×香坂:2009/02/12(木) 05:41:12 ID:ZbvMrSGS
>>6-12 の続きです。以下投稿失礼します。
エロ要素薄めな上に長いです。
35『水面の月』 進藤×香坂:2009/02/12(木) 05:42:33 ID:ZbvMrSGS

「シカゴに行くまで、なんだな」
「ずっと傍に居る、なんて約束はしないわ、私がそもそもそんなこと言うと思う?」


 素っ気無く抱き寄せたままの体制で、彼女は言う。
 ……甘さとは無縁の容赦の無いナイフの如くはっきりとした物言いに彼女らしさを感じて思わず噴出せば、呆れたような声が帰って来る。

「お前らしいな」
「あら、光栄ね」

 口は達者なほうなの。 気の強さを示唆するかのような言い方に苦笑を零せば貴方は笑ってばかりね、と小さく笑い返された。
 ずっと背負っていた荷物を半分明け渡したからなのだろうか。 肩の力がすっと抜けて猫背だった状態から姿勢が自然とよくなった…ような気がする。
 何時から惹かれていたのか。
 そう問いかけられても恐らく進藤一生は返答することが出来ない。 彼だけではない、香坂たまき自身も返答することが出来ない質問だ。
 お互いを「同僚」としか表現することが出来ず、恋愛感情か親愛か友愛か敬愛かそれら様々な感情がミックスされた状態をなあなあに続けていた現状を打破をようやく出来たところだ。
 ……しかし、かといって即行で返答が出来るかと聞かれればノーだ。

「そもそも、貴方だって普段日本に居ないのに傍に居ろというほうが無理難題よね」
「そうだな」

 沢山の人を救いたい。 自分の力で出来ることがしたい。 その結果道は別れてしまっているが志は同じだ。
 時代が時代なら「戦友」と言ったほうが恐らくこの二人には似合っていたのかもしれない。
 たまきは不敵に笑うと首を小さく傾げた。

「貴方はいつ、戻るの?」
「今のところは考えてない。 ……暫くは港北医大にいるつもりだ」
「そう」

 何気の無い会話のキャッチボール。
 普段から会話が多いかと聞かれれば口下手な進藤とわが道を行く香坂の二人である以上たいした結果など求められるわけがない。

「――お前は、何時ごろシカゴに研修に行くんだ」
「そうね、来年あたりかしら。 研究チームのスタッフとしても、ERとしてもかなり優秀な方だから、私」

 自信満々な言い方だが、それを裏付ける努力があることは理解している。
 我侭、傲慢、尊大、様々に彼女は言われているが、確かなことは人の二倍三倍彼女が努力をする人間であり、それが認められている結果にすぎないということ。
 ……無論、その理解者には進藤一生も含まれている。

「向こうのERはどうだ?」
「こっちも相当だけど、向こうはもっと、かしら。 ……ドクターたちは皆凄いわよ、やっぱり」

 ドクターカーター、ドクターグリーン、指折りをしながら彼女はシカゴに居る医師の名をあげた。
 スタッドコールなんて日常茶飯事、ERは常にごった返し状態で心臓外科だろうが何だろうが引っ張り出され救命救急としての実績がある香坂を彼らが重宝しない理由等ない。
 結果、研究漬けになっていた一方で救命活動にも借り出されるという何とも言いがたい日々を過ごしていた。
36『水面の月』 進藤×香坂:2009/02/12(木) 05:44:15 ID:ZbvMrSGS
 カーター、ロス、グリーン、ルイス……指折りをしながら彼女はシカゴに居る医師の名をあげた。
 スタッドコールなんて日常茶飯事、ERは常にごった返し状態で心臓外科だろうが何だろうが引っ張り出され救命救急としての実績がある香坂を彼らが重宝しない理由等ない。
 結果、研究漬けになっていた一方で救命活動にも借り出されるという何とも言いがたい日々を過ごしていた。

「……って、それはいいわ。 それじゃあ暫くお互い港北医大にいるってことね。 ……それじゃあ、好都合だわ」

 キラキラと幻想的に輝くライトを横目に、濃紺の星空を見上げればチカチカと一番星が輝いている。 彼女はくるり、と軽やかにターンをすると真直ぐに彼を見つめた。
 瞳と瞳が、本日何度目か分からぬ位にぶつかりあう。

「――逢いたいわ、貴方の奥さんに」
「…………早紀に?」

 長い沈黙の後、彼は訝しげに眉間に皺を寄せた。
 気持ちのやり場が無いのか視線を逸らす姿はどこか子供っぽく、たまきは小さく笑う。

「そうよ」
「……唐突だな」
「見てみたいの。 ……貴方のイメージじゃなくて、自分の目で」

 どんな風に彼女が笑って、どんな風に彼女が彼を愛したのかなんてこと、たまきには分からないし過去を知ろうとすることなど無理に等しいことだ。
 学問ではなく、人の気持ちになれば其れはなおさらのこと。 記憶なんてものはとても曖昧で、改竄されることも多い。
 ……だからこそ、「今」を生きているたまきは彼女に会いたいのだ。 墓前でも構わない。 その目に焼き付けて、そして荷物を引っぺがすようにして無理矢理半分持つように決め込んだ男を支えたいと心から願う。
 とんだ茶番で、とんだ笑い話ではあるが、彼女は至って真面目に物事を受け止めているつもりだ。
 進藤一生が一生をかけて、愛し続けると決めた女だから。 その女性と向き合いたいと思うのは自然のことだ。 避けようなんて思わない。 彼女はそういう性格だ。

37『水面の月』 進藤×香坂:2009/02/12(木) 05:45:18 ID:ZbvMrSGS


「私は貴方に奥さんを忘れて私と一緒に歩けなんて一言も言わないしそんなこと強要するほど愚鈍な女じゃないわ」

 100%嫉妬しないのかと聞かれれば嘘になる。 しかし、かといって彼の命の一部をそぎ落とすことなど彼女には出来ない。
 生活の一部で、彼の人生の一部だ。 夫婦、そして家族である人を忘れろなんていうことなど神ですら言うことは出来ないに決まっている。

「貴方に初めて会ったときに、私が言った言葉を覚えてる? ……一年、一緒に居られたのなら十分じゃない、って言葉」

 あれ、撤回するわ。 真顔で答えた彼女に、思わず気が抜けて進藤は目を丸くし彼女を見つめた。
 視線を逸らし、たまきは浪々と朗読するように「もっと一緒に居たかったのならその思いも全部ぶつければいいわ」と言う。
 模範的回答、正し若干強気すぎる気もするが、その言葉一つ一つを突きつけられ進藤は逸らしていたわけではないはずなのに、何かを感じた。
 知らぬうちに視線を逸らしていたことを見透かされた様で、冷静に分析している彼女に舌を巻かずには居られない。 そして、そういうところを容赦なく言うあたりもまた、香坂らしい。

「……そうか」
「そうよ。 ……進藤先生、貴方は一人じゃないんでしょう?」

 不安な時、彼はいつでもたまきを引っ張りあげた。 一人で隠しきろうとした時、彼はいつでも自分を見抜いてその瞳で語りかけ受け止めた。
 その一つ一つにたまきは感謝している。 言葉にはしないが、それは勿論彼にも伝わっていることだ。
 けれど、それだけじゃ彼女の心は収まらない。

「香坂」
「無理して泣かない様にするなんて、バカのすることよ。 ……自分がどれだけ他人に思われてるか分かってない、バカのすること」

 貴方は一人じゃないから、つらいなら泣けばいい。 貴方は一人じゃないから、苦しいのなら言えばいい。 それを全て受け止めて、支えられるから。
 繰り返すように呟いた彼女に、再び湧き上がる感情に思わず進藤は視線をそむけた。 こういうとき、彼女のズバズバと物言う性格は卑怯だ。
 言葉の一つで、泣きたくなる。
 もう一度、淡いキスを一つ送れば彼女は驚いて、そしてゆったりと笑う。 何度か口付けを交わせば甘い声が時折漏れた。

「香坂」

 ごつん、と額と額をあわせると何時もよりも近くて不思議と気持ちが高揚する。 彼女はほんの少し困ったように眉根を寄せて、そして苦笑した。
38『水面の月』 進藤×香坂:2009/02/12(木) 05:45:51 ID:ZbvMrSGS



「ずるい人ね、本当に貴方は。 ……帰りたくなくなるじゃない」




 ぐいと服の裾を引っ張って、艶かしい瞳で彼に訴えてみれば瞼の上に小さな口付けで返される。
 どういう意味を持っているのか、なんてことは分かりきっていることで、それでも聞いてみたくなるのは不思議なものだ。
 いつまでも進展の無い、仲間意識、敬愛、愛情、恋情、切情、友愛――……それら全てを脱ぎ捨てた結果はXXとXYの関係。

「――帰るつもりだったのか?」
「……貴方の性格上帰してくれるものだと思ってたけど?」

 ぶつかり合う視線と視線で会話を交わす。 お互いの答えなんて、分かりきっているのに、繰り返し繰り返し、繰り返す。
 彼の瞳は今にも涙が零れ落ちそうで。 彼女の瞳はその気の強さが隠れて、それでも気丈に振舞おうとしている。 お互いの感情を見透かすかのような瞳と瞳。
 言葉など、そこには必要としていなかった。
 どちらかとも無く口付けて、徐々に深いものへと変えていく。 歯列をなぞり、舌を絡めとると強く引き寄せて身体を離れさせないようぴたりとくっつける。
 甘く、ほろ苦い煙草のにおいに包まれて悲しみと喜びと切なさをグルグルとかき混ぜていく。

「随分と信頼されたものだな」
「ん……っ、しないわけ、ないでしょ?」
「香坂」

 低く、今までに聞いたどの声よりも甘く、彼は彼女の名を呼ぶ。 ぞくり、と背筋が粟立つ。 立っているのもつらくて、彼にキスをねだるように手を回せば咽喉の奥で笑われた気がした。
 ……本当に、進藤一生という人は、卑怯だ。

「しんど……先生……」
「今なら帰れる。 ……どうする?」
「……分かってる、くせに」

 ―― 貴方って本当にずるい人。
 そう零すように呟いて、厚い胸板に顔を埋めるとそれ以上彼女は何も言わなかった。 無言を肯定と取ったのか彼は小さく笑って、車のロックを外して助手席に彼女を座らせると己も運転席に乗った。
 何処へ向かうの。 彼女の問いに彼は笑うばかりで何も言ってはくれない。
 やがて、どこかのホテルにたどり着くと説明も漫ろにたまきの腕を引っ張り彼は歩いていく。 チェックインの姿を何となく見て、何となく部屋の鍵を渡されると、彼は行くぞと淡々とした口調でまた、彼女を引っ張っていく。
 見る限りではラブホテルではない。 ビジネスホテルとも言いがたい。 横浜にあるホテルの一角だ。
 部屋に着くと鍵を閉められ後ろから抱きすくめられた。


 首筋に髪の毛が当たり、少しくすぐったい。

「っん……」
「香坂」
「進藤、先生……」

 いつかの光景を彼女は思い出した。 大学生の犯したシージャック事件。
 そのフラッシュバックに悩んだ時も彼は今と同じように後ろから抱きしめて大丈夫だという言葉を掛けてくれた。
 肩をしっかり掴んで、何度も繰り返してくれた言葉。 その一つ一つに、引っ張りあげられたのを今でも覚えている。

「――……進藤先生」

 愛しているだとか、好きだとか、そんな言葉を軽々しくはいえない。 その一言を言うだけで人は勇気を持たなければいけない。
 こんなに想いが重たいものだということに今更ながらに気づかされて、どこか胸が痛い。
 自分は自分だということなど、分かっているくせに何処かで「比較されるのではないか」という不安がちらついている。 強がっているだけで、その実本当は彼の妻への劣等感があるのではないだろうか。
 そんな自分に反吐が出そうなほど、嫌悪感を感じて彼女は目を閉じた。 けれど、彼はたまきの両肩をあの時と同じように支えるように手にとって甘く、優しい声で言う。


「香坂、心配するな」
39『水面の月』 進藤×香坂:2009/02/12(木) 05:47:13 ID:ZbvMrSGS


 お前は、お前だ。 自分の不安などまるでお見通しだと言わんばかりの言葉に、涙が零れた。 苦言をはっきり呈するのは自分ではなく、彼のほうだ。
 強がっている自分を抱きとめてくれる人。

「――お前も、荷物を半分渡していいんだ」
「っ……しんど……う先生……」
「大丈夫だ。 ……俺はつぶれない」

 だから、大丈夫だ。 淡い囁きに、身も心も蕩けそうなほど熱くなる。 泣き崩れるように彼の胸にすがり付けば、子供をあやすように背中をさすられて、そしてまた甘いキスを繰り返す。
 長い長いキスと、短いキス。 緩急をつけて何度も何度も唇を重ねあい、そして流れに身を任せるようにたまきは力を抜いた。
 心音がどくん、どくんと身体に響く。 ここで、彼は生きている。 ここで、自分は生きている。 手を重ねあい、口付けを交わす。
 窓の向こうに見える満月は真珠のようにどこかきらめいていた。


「余裕、か?」
「……どこ、がそう見え、るのよ……っ……」

 声を上げ、爪を立て、身体をくねらせ、酸素を求めるように呼吸すれば舌を再び絡ませ合い、刺激を感じる。
 どくん、どくんと気持ちが高揚していくのを肌で、心で、全てで感じ取っていた。 彼の瞳は射抜くように見つめてくるから、それだけで視姦されている気持ちになる。
 抱き寄せられて、甘い言葉を吐かれて、甘い吐息が自らも零れ落ちる。 肌を擦り合わせて、抱き合って、何度も何度も口付け合う。

「ん、ぅ…ぁ……! しん……ど、せんせっ……!」

 荒れる呼吸をどうにか整えようと酸素を精一杯吸ったところで、直ぐに息が切れてしまう。

「つらい、か?」

 気遣うように頬を撫でられるので、少し悔しくて唇をむさぼるように腕を回し、自ら口付けを交わす。
 少し驚いたような瞳を向けるので、内心少し優越感に浸った――が、そんなものは一瞬で形勢はすぐに逆転、高まる感情と開放感に人間特有の理性を忘却の彼方に置き去り彼女は彼に甘く強請る。
 進藤はその大きな掌で彼女の身体を右往左往、自由自在に動き回っていたが身体の中心部にたどり着き弾くようにぐるりと動かしまわる。
 ウィークポイントなど彼が知っているはずがないのに、的確に、迅速な動きに身体が付いていかない。
 身体をぴたりと重ねあわせ、お互いが混ざり合う時には既に理性というものよりも悦楽、快楽を求めており普段使わない筋肉を動かし、彼女は彼を求め彼は彼女を求めた。

40『水面の月』 進藤×香坂:2009/02/12(木) 05:50:22 ID:ZbvMrSGS


 どのくらい時間が経ったのだろう。 たまきが目を覚ました時には未だ空は満月が出ていた。
 一度や二度というレベルではない回数で身体を重ね、身体中には赤い痕が白い肌にくっきりと残っている。 身体中、手首にも太ももの裏にも、ありとあらゆる場所に、だ。

「……進藤先生」

 そういえば、ずっと「進藤先生」の一点張りだったような気がする。 彼もまた、自分のことを「香坂」と読んでいた。
 呼びなれてしまったせいだろうか。 彼の名前を呼ぶのは何処か気恥ずかしいし、当分は無理だ。 無理をして呼ぶ必要も無いだろう。
 今尚自分を引き寄せて眠る彼の瞼はしっかりと閉ざされており、長い睫毛には涙が少しだけ、ついていた。
 どんな夢を見ているのだろう。
 ――せめて、良い夢を。

 唇を瞼に寄せて彼女もまた瞳を閉じた。
 淡く揺れる水に映った月と空に二人を挟み空に浮かぶ月とワルツを踊るようにゆらゆらと揺れ続けた。



以上です。お粗末様でした。
41名無しさん@ピンキー:2009/02/12(木) 06:53:57 ID:vz38+1W7
朝から泣いた
大人な2人がたまらなく良かったです

言葉ひとつひとつが大事に使われていて尊敬です
42名無しさん@ピンキー:2009/02/12(木) 11:20:57 ID:wpJ6xERh
乙です!
大人のエロたまらんとです(;_;)
凄い
43名無しさん@ピンキー:2009/02/12(木) 11:43:46 ID:JqUuIcnu
GJすぎ!!!!!!
なんて美しい小説!!
凄すぎです!!!
44名無しさん@ピンキー:2009/02/12(木) 15:00:08 ID:BLucAFFL
SUGEEEEEEEEEEEE!!!!
比喩表現とか心理描写とか読んでて引き込まれた!
エロいよ描写は少なくても十分2828した!
一番好きな作品かもしれん、乙っした!!
45名無しさん@ピンキー:2009/02/13(金) 03:57:13 ID:ABNOliEp
乙です。面白かった…というか世界に引き込まれた
原作のイメージそのまますぎて想像しやすかった
この二人はいつまでも苗字で呼び合ってればいい
また是非投下してください!
関西でも再放送始まったらしいから書き手さん増えると良いな
来ない間はネタ投下で盛り上げればいいし

ということで今思い浮かんだネタを一つ
背中合わせの状態から振り向いてみたら想像以上に顔が近くて慌てる香坂先生と余裕な進藤先生とかどうだろう
背中合わせなら研修医コンビでもいけるけどw
46名無しさん@ピンキー:2009/02/13(金) 04:22:18 ID:VE6hI9di
じゃ、おいらもネタ?つか妄想!
外国ではバレンタインデーに男性から女性にプレゼントを贈る
ようだが、例えば進藤先生が香坂先生に下着をプレゼントして、
これ着てくれ!とか…もしくは寝てる香坂先生のパジャマ脱がせて
プレゼントの下着に着せかえて楽しんでもいいよ!どっちもオススメだ!
47名無しさん@ピンキー:2009/02/13(金) 04:54:08 ID:ABNOliEp
寧ろバレンタインも仕事かよとぶつくさ言う矢部・太田川コンビでもいいな
キスするまでにやたら時間がかかる矢部に痺れを切らして奪っちゃえ!

進香なら香坂先生は女性からチョコレート貰ってそうだからお互いがお互いに気にしてるのも良いw
「ふぅん?あなたってモテるのね」とか若干不機嫌に言う香坂先生と何だかんだで香坂先生からチョコレートが欲しい進藤先生とか
48名無しさん@ピンキー:2009/02/13(金) 15:50:06 ID:bj5yWG9e
今年は逆チョコをしような流れっぽいし進藤先生から渡しても良いよね
チロルチョコみたいな安い奴でw
そのままチョコごといただく流れですね分かります
49名無しさん@ピンキー:2009/02/13(金) 16:35:12 ID:qiOeHRTE
>>48
チョコごと頂くと言えば通りすがり氏のチョコプレイ(^-^)
50名無しさん@ピンキー:2009/02/13(金) 18:56:26 ID:txujxE+O
進藤先生と香坂先生は好き互いを理解し合いすぎる感じならいいとも思う
>>40さんみたいなジワジワ来るようなつかず離れずが萌えるw
エロスな関係思いつきにくいんだよなあ、二人並んでると似合いすぎてニヤニヤするのに
51名無しさん@ピンキー:2009/02/14(土) 02:22:37 ID:zDowzhPf
バレンタインでチョコ持ってきたのに急患で進藤先生に逃げられて寂しい香坂先生とか
自分から誘ったりとかしたらいい!
52名無しさん@ピンキー:2009/02/14(土) 17:41:45 ID:udL66uCt
だれか最高にやらしい(そしてS)進藤
&隠してるけどじつはどМな香坂をかいてくれえぇぇえ。
53名無しさん@ピンキー:2009/02/14(土) 22:05:27 ID:8uc3hvN4
クレクレ厨はウザいだけだろ
読ませて貰ってるっていうことを忘れんな
神が降臨するまで萌語りで繋げばいいしそう思うなら自分でネタ振るなり書けよ
54名無しさん@ピンキー:2009/02/15(日) 08:55:39 ID:RucoaMa0
跪いて足の甲にキスするのってエロいよね
進藤先生が香坂先生にやったら萌えると思うんだ
「お前も物好きだな」「貴方ほどでもないわ」みたいな。
ところでこのスレ的にはパロネタとかはおk?
55名無しさん@ピンキー:2009/02/15(日) 11:04:52 ID:/3o6n3XD
なるほど。
自分はのほほんとしたほんわか進香もかわゆすだと思うから、香坂先生が
料理してる時に後ろからぺたってくっついておなかを(脇腹とかじゃなくおなか!)
すりすりする進藤先生とか萌える

香「すぐ出来るから向こうで待ってて!」
進「……(イヤだ。)」
56sage:2009/02/15(日) 13:21:34 ID:bmJFn7S9
『水面の月』は全レスからの続きなのですか?

全レスはもう見れませんよね?
読む方法はありませんか?
57名無しさん@ピンキー:2009/02/15(日) 17:38:30 ID:lO7s2aqy
ググれ、もしくは初心者板池
今自分の使う便利な四角いもんを使えよ、人に頼るな
このスレ初心者多いな、2ちゃんで質問厨は嫌われるだけなのも分からないの?
58名無しさん@ピンキー:2009/02/15(日) 17:40:22 ID:9LKlLF2D
>56さん 

まとめサイトの方で読めますよ☆
59名無しさん@ピンキー:2009/02/15(日) 18:05:36 ID:AgeYG7A0
>>55
香坂が妊娠したかとオモタ\(^_^)/萌え

若干スレチだけど前スレのアナザのパロ良かった
60名無しさん@ピンキー:2009/02/15(日) 19:03:20 ID:o4IQtgfT
自分は逆に二人が名前呼びしてるのがよそうつかないなー
進展しなさすぎて見てるこっちがじれったい!っていうのから徐々に発展するぐらいが二人らしいかなとも思う
コーヒー淹れるって言ったときにモーニングコーヒーのことかと思いましたサーセンw
61名無しさん@ピンキー:2009/02/15(日) 20:20:54 ID:2UrCZSoN
そうえば「アナザヘブン」パロったのもあったね!
あれはまとめwikiの方に置かないのかな?
どうなんだろ?
62名無しさん@ピンキー:2009/02/15(日) 20:33:20 ID:wmwLJocC
単純にまとめるためにコピペまだしてないだけじゃないの?
人にやらせるより自分でやっちゃった方がいいと思う
まとめwikiのよさは誰でも修正・加筆出来るところなんだしさ
※ アナザヘブンパロ とか書いておけば分かりやすいんじゃないの?
アナザのやつも注意書きでアナザヘブンってことを明記すればこのスレで出来たものなんだしいいんじゃね?
63名無しさん@ピンキー:2009/02/16(月) 04:31:09 ID:XC0F7hPc
エロじゃないけどすれ違いざまに頭をぽん、って叩くのって萌えるよね
見えないようでお互いを信頼しているっていうのが進藤香坂のいいところ
そこで「子供扱いしないで」と怒る香坂先生に少しだけ笑ってすたすた歩く進藤先生も良い
64名無しさん@ピンキー:2009/02/16(月) 06:54:25 ID:fN7CGUOd BE:1469524166-2BP(0)
まとめwikiのURL教えて下さい
65名無しさん@ピンキー:2009/02/16(月) 08:28:56 ID:FlAuzzG4
>>64
スレ遡って読むくらいしなされ
自分で見てから聞くのが最低限のルール
66名無しさん@ピンキー:2009/02/16(月) 08:31:18 ID:FlAuzzG4
あ、前スレじゃなくても現スレに書いてあったぞスマン
67名無しさん@ピンキー:2009/02/16(月) 10:00:03 ID:UTIOJ8sd
>>64
聞いてばかりじゃなくてスレちゃんと読みなよ
2ちゃんねるで聞いてばっかりの教えてチャソは嫌われるよ
半年ROMれ
68名無しさん@ピンキー:2009/02/16(月) 17:59:18 ID:HlzIvtuq
69名無しさん@ピンキー:2009/02/16(月) 18:19:07 ID:GKfhiokM
>>68
わざわざ載せなくても前レス>>20で載ってるんだからレス番号教えるだけで良いよ
逐一教えてたらキリがない
70名無しさん@ピンキー:2009/02/16(月) 19:12:52 ID:/VCRcUWN
テンプレ欲しいね
いい加減質問ばっかりの人とかクレクレ厨とかウザい
71名無しさん@ピンキー:2009/02/16(月) 21:19:17 ID:lbZWp8cs
救命病棟24時のエロパロを扱うスレッドです。

・SS投下開始と終了はわかりやすく
・カップリングも記入してください
・名前欄にSSのタイトルを入れてください

ログ保管庫
http://www36.atwiki.jp/er24hours-eparo/

・過去スレ
Part2
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1217235330/

Part1
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1167361740/

・クレクレ発言はウザがられる恐れあり。程ほどにしましょう。
・自分が好きではないキャラやカプがいる場合、専ブラでそのキャラ名やカプ作品のタイトルをNG登録を推奨します

エロパロ板では人の萌えには文句を言うのは止めましょう。
職人が自由に書いた作品の中から自分の好みの作品を選んで投下されたエロを楽しみましょう


他のエロパロスレを参考に作ってみたけどこんな感じ?
72名無しさん@ピンキー:2009/02/16(月) 23:22:05 ID:HAxpydeX
>>71

乙!GJ

わかんなーい教えてー、で即答えが帰ってくる世の中じゃないしな。
73名無しさん@ピンキー:2009/02/17(火) 00:51:12 ID:Mbr9DaTH
>>71
乙!
教えてチャソに対してはこれからは1嫁だけでいいよ
教えて貰えると思ってる方がオカシイ
ちゃんと自分で読んで確認するのは最低限のことだ
「おそれあり」じゃなくて「嫌われる要素です」でいいと思う
職人さんだって暇じゃないんだし。
74名無しさん@ピンキー:2009/02/17(火) 01:40:23 ID:/cAn/yIW
救命病棟24時シリーズのエロパロを扱うスレッドです。

・SS投下開始と終了はわかりやすく してください
・カップリングとSSタイトルを名前欄に記入してください

ログ保管庫
http://www36.atwiki.jp/er24hours-eparo/

・過去スレ
Part2
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1217235330/

Part1
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1167361740/
注意事項
・クレクレ発言はウザがられます。程ほどにしましょう。
・自分が好きではないキャラやカプがいる場合、専ブラでそのキャラ名やカプ作品のタイトルをNG登録を推奨します
・エロパロ板では人の萌えには文句を言うのは止めましょう。
・職人が来ないからといってせかすような発言は止めましょう、職人には職人のオフ生活があることを配慮すること

職人が自由に書いた作品の中から自分の好みの作品を選んで投下されたエロを楽しみましょう。


修正してみたけどこれでどうかな?
75名無しさん@ピンキー:2009/02/17(火) 02:32:04 ID:9Y3iSzGP
文才が切実にほしいお
76とある研修医の話。:2009/02/17(火) 08:37:26 ID:/d+hOiaG
ネタぐらいだけど軽く投下。
エロ要素なし。太田川と矢部先生。

「太田川ってさ、いつ空いてんの?」
「んんー?何、奢ってくれんの?」

 首を傾げて言う彼女に、んなわけねーよとツッコミ一つ。そもそも京都の総合病院の跡取り娘が救命にいることから根本的に間違ってる。
 だって救命なんて良いこと特になしだ。仕事はハード、睡眠時間ほぼなし、一種の働きづめ。 考えてみると正直発狂ものだ。
「どMだよなぁ、俺ら」
「ちょっと、何よトートツに」

 一緒にしないでよと膨れ面の太田川の頭をわしわしと犬を撫でるように撫でれば悲鳴が聞こえてくる。

「つき合えよ、太田川。おごらねーけど」
「期待してへんし!」
「ほんっとお前って色気ねーよなー」

 余計なお世話だとグーで鳩尾に一発食らう。 ・・・思ったより重たいパンチ。 真っ赤になってやかましいわ、と怒る姿は何だか新鮮だ。

「矢部君だって絶対、ぜーったい香坂先生に振られるんやから!」
「なんだよ今カンケーないだろ!」

 ふふんと彼女は強気に笑ってちゅーも出来ないに一万円、と真顔で言い出す始末。 お前は俺をなんだと思ってるんだ。
 悔しくなって引き寄せてみればぎょっとした顔をして逃げようともがく姿が見える。 後の祭り、今更謝ったって許すわけがない。 口づけて舌を絡めれば抵抗してた手が徐々に緩んだ。
 ・・・・あ、そうだ。 こいつ、「女の子」なんだ。
 体を離せば真っ赤な顔をして馬鹿、アホと悪態をつきながら彼女は医局を出て行った。 現実に引き戻され俺はハッとする。
 俺何アイツに欲情してんの?

「・・・・ありえねぇ・・・・勘弁してくれよ・・・」

 相談したら最後、ネタにされること間違いなし。 身体の下部からわき出る精力に我ながら失笑。
 ・・・・・・どうしよう、これ。


以上です。研修医コンビ可愛くて好きだー。
エロくはないけど下ネタ落ちでサーセンw
77名無しさん@ピンキー:2009/02/17(火) 14:08:49 ID:/FpjJOEd
GJ! 
矢部×太田川のカプ久しぶりで新鮮vv
78名無しさん@ピンキー:2009/02/17(火) 23:05:58 ID:4ZVrBOt1
ネタ?いや十分話になってて萌えた
ぶきっちょ二人萌え

矢部先生はキス下手そうだよね、進藤先生は息をつく暇すら与えないイメージだなぁ
79名無しさん@ピンキー:2009/02/17(火) 23:17:18 ID:smeZZHXw
>>76
乙w
研修医コンビかわいいなあwww

>>78
>進藤先生は息をつく暇すら与えない
わかるwww
80名無しさん@ピンキー:2009/02/18(水) 02:40:39 ID:jfB7Surh
進藤先生は流れがあっという間みたいなかんじする
「貪るようなキス」っていうのが進藤先生には良く似合うw
進藤・城島あたりは上手そうだけど逆に馬場・矢部はキスするときに歯とか当てるタイプだと思うw
81名無しさん@ピンキー:2009/02/18(水) 03:16:24 ID:q3b/XEOt
というか進藤はキスだけで相手イかせられると思うw
82とある救命医の話。 進藤×香坂:2009/02/18(水) 08:57:56 ID:uoL2j3G1
矢部×太田川の話と対比ってことで進藤×香坂で。
エロ要素薄いんで注意

 これは夢の続きに違いない。 たまきはまたふとそんな気がした。 目と鼻の先にいる男に対して用心深く怪しむような目をして恐る恐る手を伸ばした。

「……進藤先生」

 返事なし。反応なし。

「冗談も大概にしなさいよ…」と彼女はとうとう信じられないと言わんばかりに呟いた。
 彼女に呼ばれた男は今も尚夢の中。 見ているこちらが思わず欠伸をしたくなるようなほどの睡眠姿。 三十路を過ぎた男の魅力は陰に隠れ、どこか子供のような姿に笑みすらこぼれ落ちる。
 安らぎに満ちた表情に、たまきはため息をこぼして彼の柔らかい髪にちょっとだけ触れた。
 くせっ毛の、黒い髪は自分とは全く違うタイプ。 どこかくすぐったいのだろう、眉間に皺が寄っている。

「夢の中ですら貴方はオペでもしてそうね」

 ゆったりと手を離して起こさないようにカルテに目を通していく。 羅列された漢字に目を通し、病状確認を続けているとふわりと苦い香りがした。 いつも彼が吸っている煙草のにおいだ。
 起きたのだろうか。 視線をカルテからずらせばぐいと手を引かれ有無をいわさずにキスされてしまう。
 彼女は余りに唐突の出来事で頭の中が真っ白になったが煙草の香りが身体を包み込んで思考回路をショートさせているようだった。
 冗談じゃないともがいてみても、彼は彼女の後頭部に手を差し込んでねっとりとした深いキスを繰り返す始末。

「ん、んぅ…しん、ど、せんせ」

 蚊が鳴く程度の小さな声、その声に彼はハッとしたのかたまきから慌てて身体をどかした。 思考がついてこないのだろう。混乱しているように瞬きを繰り返したまきを凝視する。

「……こ……う……さ……か?」
「そうよ、起きた?」

 怒らないように、出来るだけ落ち着かせながら彼女は彼を見据えると、彼は小さくうなずき返した。
 そう、とだけ返して言葉を曖昧に彼女は医局を何気なく出て行った。 残された進藤は彼女の名前を一度呼んだが振り向こうとしないので苦笑を落とす。

「……どうかしてる」

 狸寝入りだった、なんていったら彼女は怒るだろうか。 狸寝入りという表現は違う。疲れて目を閉じていたのを彼女が勘違いしただけだ。
 しかしそれはいいわけに過ぎないし、彼女の唇を奪ったのは確かなことだ。
 進藤は苦笑を落とすとくるりとペンを回した。

「参ったな」

 思いの外、自分も男らしい。
 平静を装いながらも医局を出て行った彼女の目は動揺と扇情でどこか煌めいていて、あの目をもう少し見ていたかった気もする。
 たとえば身体を重ねたとしたら彼女の目はどんな色でものを語るんだろうか。 そこまで考えて、はたと現実に引き戻された。 誤魔化すように煙草を口に付け忘れ去るように吐息。

「本当に、どうかしている」

 思わず、彼はまたぽつりと呟いた。



終わりです。男ばっかり悩ませてサーセンw
83名無しさん@ピンキー:2009/02/18(水) 09:12:22 ID:uoL2j3G1
救命病棟24時シリーズのエロパロを扱うスレッドです。
スレ立ては>>950

・SS投下開始と終了はわかりやすく してください
・カップリングとSSタイトルを名前欄に記入してください
・エロなし、パロもの等も分かりやすく一番最初に明記してください

・クレクレ発言はウザがられます。程ほどにしましょう。
・自分が好きではないキャラやカプがいる場合、専ブラでそのキャラ名やカプ作品のタイトルをNG登録を推奨します
・エロパロ板では人の萌えには文句を言うのは止めましょう。
・職人が来ないからといってせかすような発言は止めましょう、職人には職人のオフ生活があることを配慮すること

職人が自由に書いた作品の中から自分の好みの作品を選んで投下されたエロを楽しみましょう。

ログ保管庫
http://www36.atwiki.jp/er24hours-eparo/

・過去スレ

Part2
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1217235330/

Part1
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1167361740/

テンプレ前の意見聞いて修正してみました。
最初の方に注意事項あったほうが見やすいと思うけどどうですかね?
84名無しさん@ピンキー:2009/02/18(水) 11:13:35 ID:dHf2N6EW
>>82
おおおお!!シリーズになったwGJです!
研修医コンビとは違った雰囲気でいいかんじでした
書き方見てると「水面の月」の人っぽいけどあたってます?
何にしても萌えました。いっそ馬場桜井とか城島夫妻とかもお時間合ったらやって欲しいです。
85名無しさん@ピンキー:2009/02/18(水) 14:32:18 ID:cGLQq0gz
関西でも再放送キターーーーーーーーー!!!
86名無しさん@ピンキー:2009/02/18(水) 23:17:02 ID:q3b/XEOt
進藤香坂萌えo(^▽^)o
GJ(^-^)b
87名無しさん@ピンキー:2009/02/18(水) 23:56:34 ID:Hf5gZwnV
顔文字見て思ったけど救命の人ってみんな顔文字使わなさそうだよね。
香坂先生と進藤先生なんか特に最低限だけのことで終わりそう。
研修医コンビはメールより電話ってイメージだし
まぁ流石にちょwwwwwwwwとかみたいな「w」を使うことはないだろうけど(嘲笑の意味だしね、w)どんなメールやり取りするのか気になる
88名無しさん@ピンキー:2009/02/19(木) 09:26:06 ID:wPEA9j6e
TO 香坂先生
Title おはようございます

香坂先生おはようございます。
昨日はお疲れさまでした〜o(^o^)o

実は昨日。。。
香坂先生と進藤先生がちゅーしてるところを目撃してしまいましたっヾ(^▽^)ノ

ってことで、今日は私が香坂先生のかわりにお仕事します(≧∀≦)
この間、仕事かわってもらっちゃいましたし
あっ、神林先生には了承済みですよ
なので2人そろってのお休みで、ゆっくりらぶらぶしてください

では☆



太田川からのメールで眠気が一気にふっとんだ。
見られたって、どこで…
ベッドの中で固まるたまきをよそに、進藤は起き上がったたまきの腰を抱きしめ気怠そうに言う。
「どうした?」
うまく説明が出来なくて無言でケイタイを渡す。
なんて返せばいいのよ…
落ち込むたまきをよそに、事態を理解した進藤がケイタイを操作し始めた。
「ちょっ…ちょっとなにするの?!」
かまわず進藤は操作し電話をかける。
『はい』
「もしもし、太田川か?」
『しっ進藤先生っ!?』
「太田川、サンキュな」そう言って進藤は電話を切ると、まだ呆然としているたまきを引き寄せ寝息をたてはじめた。

ああ、なんてことを…

たまきはため息ひとつ吐いて、ふとんに潜り込んだ。
明日、みんなにからかわれるのは目に見えていたが、今は心地よいこの体温に身を委ねることにした。



エロなくてごめん
89名無しさん@ピンキー:2009/02/19(木) 09:41:14 ID:cavdMDyC
>>88
GJ!
かーわーいーいー!うひょー!
90名無しさん@ピンキー:2009/02/19(木) 12:36:05 ID:WcUYLn17
>>88
GJ!太田川のメールの送り方がイメージそのままでニヤニヤしたw
進藤先生空気読まないけどそこがいいw冷やかされても何食わぬ顔してそうだ
テンプレ案の>>83は読んでおいたほうがいいかも。
91名無しさん@ピンキー:2009/02/19(木) 15:58:55 ID:jyaW8CnF
>>84
お察しの通り>>6=>>82っす、エロなくてサーセン
城島夫妻、馬場桜井あたりも時間合ったらやってみます
92名無しさん@ピンキー:2009/02/19(木) 16:44:00 ID:FNBmx6e0
進藤先生は耳とか攻めるの好きなイメージがあるw
甘噛みして反応させるのを楽しむ、見たいな
93満月:2009/02/19(木) 22:41:49 ID:GCA+DRLj
「あ…」

図らずも、ふたりきりになってしまった。
彼がこちらを見やる。
呼吸が止まりそうになる。
そして…身体が訴える。

「んふっ…んん…っ」

半ば強引に、唇を奪われる。
頭では抵抗しようとしても、
身体がいうことを聞かない。
そうこうしているうちに、舌を押し込まれた。

「んんっ…ぅ…」

口の中を探るように、
進藤の舌がねっとりと動きまわる。
彼はいま、医者ではない。
完全に“雄”になっている。
目の前に差し出された獲物を飽くことなく貪りつづける。
彼の口付けはいつも熱く、激しい。だが、今日はいつもと違っていた。
甘い。
甘すぎる口付け。
いつまでもこうされていたい。

しかしもう、私の身体は限界に達していた。
94満月:2009/02/19(木) 22:42:24 ID:GCA+DRLj
「し…どぅせん…せ…っ」

完全に身体の力が抜け、床に座りこんでしまった。

「…どうした?まさかキスしただけでイッたのか?」

「……っ…」

また、それだ。
自分は清々しい顔をして、分かりきった恥ずかしいことを平気で言う。
自分の顔が真っ赤になっていくのを感じた。

「続きは今夜だな…覚悟しとけよ。」

屈んで耳の中に舌を差し入れ舐めまわし、
なんとも艶めいた低い声で囁くと、
首筋にキスマークをつけた。

「や…っ…そんなとこに…」

「今夜は必ず帰ってこい。…分かったな?」

冷たい、でも熱をはらんだ強い目で見つめられると、なにも言えなくなってしまう。
ただ、小さく頷いた。

「…いい子だ。」

そう言うと、彼は触れるだけの口付けを落とし、部屋から出ていった。


今日は満月。
男は狼に変わるかもしれない。
95満月:2009/02/19(木) 22:43:02 ID:GCA+DRLj
文才ないのに書いてしまったあ。。。
スマソ。
96名無しさん@ピンキー:2009/02/19(木) 23:10:10 ID:CkU08h1O
そんなことはない(´Д`)
GJ!!!!!
97名無しさん@ピンキー:2009/02/19(木) 23:24:46 ID:SPLT++fS
もももも萌え\(^_^)/
進藤エロカッコヨス
98とある看護士の話 馬場桜井:2009/02/19(木) 23:27:28 ID:MyCGv66Z
とあるシリーズです。馬場桜井コンビでネタ程度に。
前回同様エロないです。すみません・・・。





 小児科に患者を移動し終わると特別な会話もなしに並んで歩いていく。

「馬場先生、大人気でしたね手品」
 にこにこと笑顔を浮かべる桜井に馬場もまた小さく頷いて自信満々に胸を張った。 以前は余り受けは良くなかったがコツコツ努力した結果、一発芸にしては実に巧妙なトリックを用い立派なマジックを出来るようになった。
 マッスルパスといったコインマジックからトランプマジックエトセトラ……。

「努力したもんなぁ、流石俺」としみじみしながら言い放った馬場に桜井は少し呆れたが彼の影ながらの努力も知っているので其れ以上は追求しない。寧ろ頑張りましたで賞ぐらいはあげてもいいかな、とも思っている。
 本人に言ったらこの性格だ、何となく先は読めているので其れ以上は言わない。
 他の誰よりも正義感の強い、まっすぐな人。 たくさんの恋路に破れそれでも頑張っている姿は尊敬してしまう。自分には真似の出来ない道だ。
 だからこそ、惹かれたのかもしれない。

「馬場先生」
「おー、なんだぁ?」
 急に桜井が足を止めたので彼は何歩か前に行ってしまい、彼女に呼び止められたことにより足を止めた。
 桜井は少し照れくさいのか伏せ目がちになりながらも、顔を上げこれでもかと言わんばかりに良い笑顔を向ける。

「また手品、見せてください」
「お?おう、なんだよそんなこと言わなくても直ぐ見せてやるよ」
「そうですねぇ、いっつも手品やりますもんね、それもワンパターン」

 からかうように桜井は笑い、ゆっくり彼に近づいた。少し顔が引きつっているのは言われた意味のまま直接受け取っているからだろう。

「元紀になるマジック、種も仕掛けも先生教えてくれないですもんねー」
「…………は?」

 次は好きになる手品でもお願いしようかなー。 ころころ笑いながら去っていく桜井を見送りながら呆然としていたが、きっちり三拍後目を丸くし奇声を上げた馬場の姿があったりなかったり。 その姿を想像しながら桜井は上機嫌で去っていった。


終わり。
99名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 08:02:41 ID:ecChry4K
>>94
いい子だ…にキュンしますた(>_<)
100名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 23:25:14 ID:Y6EOVTj1
>>98
乙!
馬場桜井はほのぼのしてる感じ
101sweetness 進香:2009/02/21(土) 00:38:27 ID:t2kxZZ8W
ごめんなさい爆弾投下します。



東京湾添いの公園から遊園地の横を通過する橋にかけて、カップルの溜り場になっていた。もちろん、いつか来たこの桟橋も。
見つめ会い、抱き合い、キスをする。こんなに人がいるのに、なぜそのような行為ができるのだろう。
日付上仕方の無いことなのかもしれない。この場所を指定した自分を恨む。
時刻を確認すると約束の時間を少しすぎたところだった。自分も一時は身を置いていた部署だ。理解はしている。
しかしこの状況だ。あまりにも惨めすぎる。
しかも待ち合わせをしている男は恋人ではないのだ。私はまわりからどう見えているのだろう。
この場所にいるのは耐えられない。しかしどのベンチにもすでにカップルがいる。
寒い、早く来て、寒い。まったく、なぜこの場所に集まるのだろう。
目の前は暗い海で、遠くに小さくベイブリッジが見える以外は海保の建物と工場の煙突の点滅灯くらいしか見えないじゃない。近くにある高いビルの展望台のほうがよっぽどロマンチックなのに。
すぐそこにホテルだってあるじゃない、いくつも。
私はこの場所に多少なりとも思い入れがあるし、だからここを選んだのに…。
そこで思った。もしかしたらここにいるみんながここに思い入れがあるのかもしれない、いや、でも…。
「待たせたな。」
ずっと待っていた声をやっと聞くことができた。
断りの連絡が来るかもしれないと思っていたから、会えただけでも嬉しいのに、
「男の人に待たされたの、初めてだわ。」
こんな言葉しか言えないなんて、なんて素直じゃないんだろうって自分でも思ってしまう。
「悪い、寒かったな。」
そして、普通にこちらを不快にさせることなくかわしてしまうこの男も、少し恨めしい。
「…移動するか。」
102sweetness 進香:2009/02/21(土) 00:41:46 ID:t2kxZZ8W
カップルだらけの海沿いの道を抜け大きな橋の脇の階段を昇るとき、大丈夫か、と気遣われただけで緊張してしまう。
どうかしてる。こんなに意識してしまうなんて。
全ては日付とバッグの中の小さなお菓子のせいにする。
遊園地に沿って、日本一高いビルへと向かう。
「夕飯は?」
「ま、まだだけど、」
まだ、と答えるだけで吃ってしまうなんて。
入った店はイタリアンだった。流れているのはバド・パウエル。悪くはない、と思う。
このビルにあるにもかかわらず、客層は比較的大人だった。へたにシャンソンを流されるよりもいい。
席に案内されると手際よく料理を選んでいく。
本来なら私が全て用意すべきなのにさっきから何もしていない。ただ後ろをついていっているだけだ。
「…香坂?」
「あ、ごめんなさい、もう一度言って。」
その上話まで聞いていない。口数の少ない彼に話させておいて。

食事の時間はひどく短く感じた。
もうそろそろ帰らないと行けない。私は休日だが、彼は仕事があるかもしれない。
しかし、まだ渡していないのだ。このために呼び出したのに。
しかも、羽田まで買いに行ってしまったものだ。自分で食べる気にはなれない。
「あの、」
少し顔をこちらに向けて、歩く速度を落としてくれた。
いつもは見て歩くのが好きな夜の観覧車も、まわりを通り過ぎていくカップルたちも、目に入らない。
「いつも、仕事で疲れてるでしょ、ほら、救命忙しいじゃない、」
どう渡していいかわからない。
海沿いにいた人たちは、きっと素直に渡したはずだ。もっと素敵な言葉を添えて。ロマンチックに。
「だから、甘いものもいるかと思って、」
彼が足を止める。きっと、ほかの相手ならもっと楽に渡せたのだろう。
こんなに緊張するのは本当に久しぶりだ。彼がどんな顔をしているのか見る勇気なんてなくて、足元しか見れない。
「だから、よかったら、食べて。」
少しの間があった。
職場でたくさん貰ってるに違いないのに、もしかしたら迷惑かもしれないし、甘いものだらけで嫌になって拒否されるかもしれない。
さっきから、心臓がひどく音をたてている。
「サンキュ」
小包みとともに差し出した手が軽くなった。
戸惑いながらも見上げると、優しい目をした彼と目が合った。
何を言っていいのか、どうしたらいいのか、分からなくなってしまう。今回に限って。年甲斐もなく。
「もう少し、話さないか。」
103sweetness 進香:2009/02/21(土) 00:44:04 ID:t2kxZZ8W
タクシーに乗り、着いた場所は海からは少し遠い、国道近くの坂の上にあるマンションの角部屋だった。
高い位置にあるからか、夕食をとったビルの高層部分が見える。
通されたリビングは、広かった。
ファミリー向けなのだろう。玄関も広めに、段差は低く作られていた。
部屋の大きさによく合った白い皮張りのソファーは硬めだった。
今の職場に移ってから借りたという。なんとなく、罪悪感を持つ。
目の前のガラステーブルに置かれたコーヒーは濃いめで、深い薫りをもったものだった。
今日一番近い位置に彼は座る。それだけでどうしていいのかわからなくなる。
「食べていいか?」
頷く動作はひどく固くなっていただろう。
どうしてついてきてしまったのだろう。
どうしてこんなに近くにいるのだろう。
何も考えなすぎたのかもしれない。
長く過ごせば過ごすほど緊張する。そして、離れたくなくなるのに。
「甘いな。」
「ごめんなさい、甘いの、苦手だった?」
「嫌いじゃない。しばらく食べてなかったからな。」
今3つ入ったうちの、2つ目を食べている。
彼のコーヒーはもうなくなっている。
やはり甘すぎたのか。
「他に、誰に渡したんだ?」
この質問がくるとは思わなかった。
あなただけよ、とか、他にあげたい人なんていないわ、とか、範解答は色々あるのかもしれない。
しかし、なんて答えていいのか分からず首を小さく横に振るしかできなかった。
ふっ、と笑ったのがわかった。頭の少し上の、近すぎる距離で。
3つ目のチョコを食べたところで、
「香坂。」
優しい、声だった。
「ありがとな。」
髪に指を差し込まれる。男の人に髪を撫でられるなんてどれくらいぶりだろうか。
北村とはそこそこ長く続いていたが、髪は絶対に触らせなかった。下に見られているようで、許せなかったのだ。
見上げると、思ったよりも近くに彼の顔があった。
それまで髪に触れていた手が頬に移動したとき、私の唇は彼の唇に触れた。
それを合図に、短いキスから、だんだんと長くなっていく。
首に腕を回すと、口腔内だけでなく喉までをも味わうかのようにさらに深くなっていく。
キスはしたくてするものではなく、そうせざるをえないからするなだ、と何かの小説で読んだことがある。
しかし私は、したくてしたのだ。彼もそうであることを願ってならない。
104sweetness 進香:2009/02/21(土) 00:45:48 ID:t2kxZZ8W
ソファーとは対照的に、ベッドは身体が沈み込むものだった。
息もできないほどに、唇を塞がれる。チョコの甘さと、濃いめのコーヒーの苦さを舌で感じる。
心臓と肺がうまく機能しない。空気を吸い込んでも、肺がしっかり膨らまない。心臓は狂ったように音をたてている。
額、耳、頬、唇、首筋、音をたてて、だんだんと下へ降りていく。ときどき甘く噛みながら。
触れられたところから徐々に熱をもっていく。
鎖骨、肩、二の腕、手首、指にたどり着いたところで、一本一本丹念に舐めあげられる。
触れるか触れないか、微妙な舌使いに脳が麻痺していく。
外側から内側へ、敏感なところは避けて舐められると、再び首筋に戻ってきたときには完全に身体は熱くなっていた。
片腕は背中に回し、空いている手で彼の髪に触れ、深いキスを求める。
彼の息遣いを耳元でリアルに感じる。とても熱い。
そして、だんだんと敏感な箇所に触れていく。指で、舌で。上から舌へ。
触れられるたびに声が上がる。自分から出てるとは信じがたいような声が。
そこから墜ちていくのは早かった。
私はひたすら彼を求めた。もしかしたら普段なら絶対に言わないようなことを言ってしまっていたのかもしれない。
中に入ってくると、それだけで満たされた気持ちになる。
探られるようにゆっくりと動き始める。
ある場所にあたったとき、あっ、と今までで一番高い声があがる。
それからはそこを集中的に攻めてきた。
「あっ…やぁっ…、しんど…っ…せんせっ…」
うわごとのように彼を何度も読んだ。
彼の動きに合わせて自分も動くと、喉の奥のほうから低い声が上がった。
彼の息遣いがさらに激しくなり、擦れた声で香坂、と呼ばれる。ひどく苦しそうに。
規則的だった動きから、だんだんと不規則に。緩いものから激しいものまで。
どう動けばいいのか、だんだんとコツをつかんできたところで、快感は増していく。
このままずっと繋がっていたいな、と思った。初めての経験だったかもしれない。
限界がくるまで、ひたすら声をあげ、彼を求めていた。
105sweetness 進香:2009/02/21(土) 00:48:34 ID:t2kxZZ8W
頬がくすぐったい。
しかし身体はものすごく怠くて、ようやく、なんとか目を開くと、彼が頬を撫でていた。
きわめて近い距離で、目が合う。
「まだ、暗いぞ。」
また、優しい目。さきほどの目とは違う。
どこか気恥ずかしくて、頭まで毛布をかぶったが、剥がされてしまう。
「あの、」
優しく髪を撫でられると、泣きそうになる。
何を言っていいのか分からない。
女の場合、こういうときに謝られると傷つくものだが、男の場合はどうなんだろう。
「チョコ、甘かったな。」
「チョコは甘いわよ。」
「お前も味わっただろ。」
顔が火照るのが分かる。何度も味わったのだ。彼の口で。
「来年も、よろしくな。」
「他の人からももらったんでしょ。」
だんだんと自分の調子にもどっていくのがわかる。
「14日に食べたのはお前のだけだ。」
きつく抱きしめられると、涙が溢れそうになる。
「来月、予定あけとけ。」
額にキスを落とすと、そのまま目を閉じた。すぐに寝息が聞こえてくる。
それだけで告白の言葉には充分なのかもしれない。お互い様だ。
でも、
「私のことどう思ってるかきかせてくれてもいいじゃない。」
不貞腐れたようにつぶやくと、抱きしめる力が増した気がした。



終わりです。
稚拙な文章で本当に申し訳ありません。
読んでいただいた方に感謝します。ありがとうございました。
スレ汚し失礼しました。
106名無しさん@ピンキー:2009/02/21(土) 01:16:39 ID:hcz3u15p
>>101
GJ!
やばい、この話好きすぎて、初めてカキコした!!
107名無しさん@ピンキー:2009/02/21(土) 07:13:42 ID:g0EnQSDz
全然スレ汚してないっす!!!!!!!
また読みたいっす!!!!!!
108名無しさん@ピンキー:2009/02/21(土) 10:20:05 ID:FrQsqtXN
すごすぎ!!
超GJです!
109名無しさん@ピンキー:2009/02/21(土) 17:46:29 ID:7Mt+J/zZ
乙!
ニヤニヤしたw香坂先生乙女で可愛すぐる!
110名無しさん@ピンキー:2009/02/21(土) 22:38:43 ID:kuuB8Cve
GJ!!
見習いたい...
111名無しさん@ピンキー:2009/02/22(日) 00:48:02 ID:QtqBTFH8
スゴスwww
進藤さんカッコいい…
112名無しさん@ピンキー:2009/02/22(日) 10:15:26 ID:RQ1dqMIN
ハァハァけしからんいいぞもっとやれ!
GJでした!
113HYPNOTIC POISON 進藤・香坂:2009/02/23(月) 05:54:17 ID:8+DiljAL
無駄に長くなっていますので、
長文苦手な方がいらっしゃりましたらNGまたはスルーでよろしくお願いします。
お手数おかけして申し訳ありません。
114HYPNOTIC POISON 進藤・香坂:2009/02/23(月) 05:55:37 ID:8+DiljAL
ホットのカプチーノを頼む。エスプレッソをワンショット追加で。
コーヒーはブラックが好みだがアメリカンはあまり好きではない為、アメリカンコーヒーの店ではカプチーノを頼むことにしている。
アメリカンはどこか薄さを感じてしまうのだ。軽く思える。
きつすぎるくらいに店内に香りを充満させているにもかかわらず、口にすると思わず苦笑が漏れてしまう。香りと味がうまく一致しないのだ。
高層ビルの中で最上階まで吹き抜けになっている場所に位置するこの店舗で、ホテルに一度戻るという彼女を待っていた。

「ひとつ聞いていい?」
梅雨の晴れ間の空は、清々しすぎるものだった。海風から湿気を取りのぞくかのように。
「海に落ちたときのこと、覚えてないの私」
一呼吸おいて、どこか楽しげに言う。
「誰が、マウス・トゥ・マウスを?」

あの時の質問の意図を考えてみるが、しっかり馴染むような答えはなかなか出てこない。
彼女は明後日には日本を発ってしまう。もう、思うように会えなくなってしまうのだ。
最後に、もう少しだけ時間を共有したかった。
何かが変わるわけでもない、変える理由もない。
数ヵ月間の空白を思い返した結果だった。

生前の医局長にすすめられた“医者の厄日”というどこか恐ろしいタイトルの本を取り出す。
なかなか共感できて笑っちゃうよ、と明るく言っていた。
しかし大桟橋からこの近辺まで隣を歩いていた彼女にこのほんの話をしたとき、なにそれ、と顔をしかめられたのを思い出し、再びしまいこんだ。
海面からの反射もあってか、船の上ではやけに明るく感じた太陽も今ではもう沈んでいる。
大桟橋でみた空は、深い青で、星の見えない黒と入れ替わる前だった。
昔から好きな瞬間だった。
大きなガラス窓から見える暗い空には、雲がかかりはじめてきていた。

待っていた姿を見つけ、席を立つ。
アップだった髪はいつものレイヤーの入ったストレートヘアーに、服も黒のタイトなワンピースにジャケットという、普段好んでいるスタイルにもどっていた。
この時期にジャケットを着ていてもどこか涼しげに見える彼女に、自分の平熱との差を感じる。
「ごめんなさい、少し時間かかっちゃって」
ただ、違う箇所がある。
彼女が動くたびに、嗅ぎ慣れないシャンプーの香りと、それから、いつもは感じない、ヒメウイキョウを包み込む少し甘味の強いジャスミンとアーモンドの香りが微かに漂っていた。
115HYPNOTIC POISON 進藤・香坂:2009/02/23(月) 05:57:19 ID:8+DiljAL
入ったのは、桜木町駅から程近い位置にあるホテルのバーだった。
窓からは海に反射する遊園地の明かり、街灯、ビルの明かりが見える。低い位置にあるにもかかわらず、景色のいい場所だった。
音楽も静かで、カジュアルすぎる客もいない。
どこのデザイナーの趣味だろうか、間接照明は明るすぎもせず暗すぎもせず、暖かさを演出していた。
バーテンダーの前の席ではなく窓際がいいと彼女は言った。次いつみれるかわからないから、景色をよく見ておきたいの、と。
「あなたは、人を助けるのが本当に好きね」
目の前のキール・ロワイヤルを一口含んだ後、彼女は笑った。
「まわりの人の為に生きているみたい」
苦笑する他なかった。
意識してそうしてきたつもりはなかったが、他人の目にはそう映るらしい。
何かの言葉を飲み込み、そういうところ嫌いじゃないわと笑った。
「私は、」
カシスが濃いわね、と言った赤い液体を見つめていた視線は、前方にうつる。真っすぐ。
「自分の為に生きたいの」
しっかりと言い切る彼女の横顔を、美しいと思った。
「だから、シカゴに行くのよ」
また視線を少し赤い液体に戻し、少し恐いけど、と笑いを含んだ声で付け足した。
116HYPNOTIC POISON 進藤・香坂:2009/02/23(月) 05:58:33 ID:8+DiljAL
会話は、とうに途切れてしまっている。
医局、屋上、今まで過ごしてきた場所でなら心地よいくらいの沈黙も、どこか居心地が悪い。かといって、紡ぐ言葉も見当たらない。
彼女を直視することはできずに、窓の外に映るみなとみらいの明かりを眺めていた。
いつ頃から雨が降り始めたのだろうか。滲んでいる明かりはどこか寂しげに見える。観覧車も、一度目のシカゴの前に二人で話した桟橋の近くにある独特の形をしたホテルも。
目線は変えずに、意識だけ近くに持ってくると、ぼんやりと窓に映る彼女の姿をとらえる。
手を伸ばせばすぐに触れられるような距離にいるのに、どこか遠くの人間に思えてしまう。
瞳には、雨に濡れた桜木町を移すようで何も映っていなかった。見ておきたいと言った景色なのに。
そんな彼女をただただ見つめていた。
手をいじるのは癖だろうか。
記憶に残る、よく見かけていたはずの仕草が、霞んでしまっている。
一瞬、彼女が髪をかきあげたときにふわりと漂った香りからジャスミンは消えかかっていた。ビターアーモンドが強くなり、神経を刺激する、さらに深く甘い、どこか官能的なものへと移り変わろうとしていた。
ガラスに映る彼女と目が合った瞬間、時間が止まったように感じる。
ボリュームを小さく絞り静かに店内に響くDiana Krallの歌声は大きく響き、微かにしか漂わないはずの香りはまとわりついて離れなくなる。
強めの酒だけではなく、すべてに酔い潰れてしまいそうになる。
どこか憂いを含んだ瞳から感情を読み取ろうとすると、困惑が交じりはじめた。
ガラスに映る彼女ではなく、隣にいる本物の彼女を見つめる。
「香坂」
名前を呼ばれ、びくりと身体を震わせる。全身に力が入ったことを、彼女が待とう空気が知らせる。
船を降りてから、一度も目は合っていなかった。
意識的にそうしていたのだ。彼女も。
目が合ってしまったら、隠していた感情が表に出てきてしまいそうだった。それは互いに恐怖以外のなにものでもない事を充分承知していた。
「ちゃんと俺を見ろ」
戸惑いがちに向けられた視線は、少し潤んでいる。
“香坂たまき”を作り上げる強さは消えていた。
しっかりと、現実と、自分の中にある恐怖心と向き合う。きっと彼女も。溢れそうな涙はその象徴なのかもしれない。
自分のなかに迷いはなかった。
「シカゴには行くな」
一番奥底に隠していたことを言う。一番言ってはいけない言葉だったのかもしれない。
必死にそれとは逆の行動をとっていた。
彼女の人生を邪魔する権利は持っていないのだから。
自分を見つめる彼女の瞳から、涙が一粒零れた。
117HYPNOTIC POISON 進藤・香坂:2009/02/23(月) 06:01:08 ID:8+DiljAL
入ったホテルは、バーから見えた場所だった。
少し、早足だったかもしれない。
あの距離をあの速度で歩くには、細いヒールではきつかったはずだ。
しかし、抑えることなどできるはずもなく、ランドマークタワー、クイーンズスクエアを通り抜けた。
抱き寄せた彼女の肩は雨で濡れていた。ホテル内に店舗を構えるコンビニエンスストアで買ったビニール傘は、二人で使うにはやはり小さすぎたようだった。
激しく喉が渇いていたが、ミネラルウォーターを取りにいく時間さえ無駄だと思えるほどに欲情している。
ベッドにはどちらから倒れこんだかは定かではない。
もしかしたら自分が乱暴に倒してしまったのかもしれない。
唇が離れるたび、彼女が大きく息を吸い込むのが分かる。
その隙すら与えたくなくて、すぐに塞ぐ。
歯を押し開き、舌を挿入する。
ジャケットはどこに放り投げたかわからない。
シャツを握るのを背中に感じる。
貪る、という表現が合うかもしれない。
さらに深く舌を押し込むと、んっ…とくぐもった声が聞こえた。
自分でも息苦しくなりシャツのボタンを2つ外したとき、彼女の力が強くなるのを感じた。
ゆっくりと離すと、その名残が細く光った。
自分も彼女も、完全に息が上がっている。全力で走ったかのように。
耳元に移動すると、濃厚なバニラとムスク、それから薄くなっていくビターアーモンドの香りが強くなる。
鼻腔を擽る香りから、体温が上昇したことは明らかだった。
先程の口付けで酸欠ぎみの脳内に、その香りがじわりと広がっていく。
耳たぶを唇で挟むと、甘い吐息が漏れる。
軽く歯をあてると、腕の中で震えるのが分かる。
微かに触れるように、次第にねっとりと舐めあげる。わざと吐息がかかるようにすると、身体を捩る。
腕の中で時々小さくごく甘い声を発する彼女に、自分の中で興奮が渦巻いていくのを感じた。
邪魔になったワンピースを、背部のファスナーを下ろし一気に引き剥がすと、彼女の身体が硬直する。
それをほぐすように、細い首筋に唇を移動させる。
躊躇うことなく歯をたてた。
くっきりと浮かぶ鎖骨の下、形のいい弾力のある胸元、薄く浮き出た肋骨の上、あらゆる場所に跡を残していく。
いずれ薄くなり消えてなくなるものだとわかっていても、そうする外なかった。
せめてこれが残っている間だけでも、自分が彼女の中から消えないように。
118HYPNOTIC POISON 進藤・香坂:2009/02/23(月) 06:01:56 ID:8+DiljAL
そしてもう一度唇を重ねる。
同時に、ホックを外し、手が胸を弄りはじめる。
その手を抑えられると、逆にベッドに押しつける。
反抗したくなるのは人間の性かもしれない。
逃げられると追いたくなる。抵抗されると攻めたくなる。
先端に軽く口付けると、息を吸い込む音が聞こえた。
舌で弾いたり歯をたてたり、その度に身体がびくつく。
その反応を楽しみながら、内腿に手を滑らせる。
布の上から軽く触れると、甘い声が上がった。
その声が神経を刺激する。
焦らす余裕もなく、一気に引き剥がすと、そこはすでにかなりの湿り気を帯びていて、素直に指を飲み込んでいく。
反応を見ながら、ゆっくりと中を探る。
「…やっ、あぁ…っ…、」
甘い声が脳内を犯していく。
「いやっ…やめ…て…っ…」
言葉とは裏腹に、あふれだすのがわかる。
こんな声を聞かせておいて、こんな反応を見せておいて、やめろだなんて無理な要求だと思う。
ある場所に触れたとき、より一層高い声があがり、指が締め付けられた。
もう、こちらがもたないかもしれない。ギリギリだった。
脚を開かせ、一気に体重を掛けると、容易に飲み込まれた。
ゆっくり、と自分に言い聞かせ、出来るかぎりゆっくりと腰を動かす。
「…やぁ…っ…、しん…、…あっ、ど…せん、…せ…っ…」
幾筋も涙を流し必死に自分の名前を呼ぶ彼女を見て、完全に理性は飛んでしまった。
ただただ夢中に腰を動かした。
空調の冷たい風など感じないくらいに。
「あっ、あっ…、やっ」
呼吸が浅く短くなっていくのがよくわかる。
彼女を突くたびに、自分の呼吸も同様の経過をたどる。
声帯が震えそうになるのをぐっと堪えると、呼吸のタイミングがずれて息苦しくなる。
だんだんと自身を締め付けられ、大きくびくついたとき、最初の絶頂をむかえた。
119HYPNOTIC POISON 進藤・香坂:2009/02/23(月) 06:04:52 ID:8+DiljAL
抱き込んで寝たはずの体温が感じられず、慌てて目を覚ます。
真っ白な背中が見える。
自らも起き上がり、後ろから抱き締めると小さく悲鳴が上がった。
空調からの風に冷まされた彼女の身体は、ひやりと心地よかった。
「ジャケット、そこに落ちてたわ」
いつのまに持ってきたのだろうか、ミネラルウォーターを飲みながら、おかしそうに笑う。
幾分幼く見えるのは、マスカラと、ルージュと、その上に控えめにのせられていたグロスがわずかに溶けて消えているからだろうか。
「もう掛けといたから大丈夫」
差し出された飲みかけのボトルを受け取ると、一気に半分飲み干す。
冷たく喉を流れる水に、身体が火照っていたことを思い知らされる。
相当喉が渇いていたらしい。
ベッドサイドにあるデジタル時計を見ると、日付が変わった直後だった。
時間の経過は恐ろしいと思った。
彼女から“明日”という言葉は聞きたくなくて、左腕の力を強めた。
少しだけ含み、彼女の顎に手を添え、その口に流し込む。
抵抗しつつも、飲み込んでくれた口の端から流れた水の跡に、そっと唇を寄せる。
「ちょっと、」
少しの苛立ちに艶がまざったような声を上げる。
「これ以上、」
急いで唇を塞ぐ。
何も、聞きたくなかった。
そのまま舌を絡め、胸に手を添える。
頬を伝う涙を、ボトルを置いた手で拭う。ボトルの表面に着いた水滴とは対象的に、生温かかった。
そのまま脚に移動しゆるく撫でていると、抵抗は徐々に無くなっていった。
その代わりに、彼女が掴んだシーツの皺が深いものになっていった。
そのまま唇を首筋に移動させ、自分で付けた跡にまた、歯を立てる。
「…ねえ、…やめて、お願い…っ…だからっ」
吐息とともに吐き出すその言葉を無視し、身体の位置を変え、押し倒した。
行けなくなるじゃない、と聞こえた。
形のいい瞳は、涙に歪んでいた。
どうしていいかわからずに、顔に掛かる髪を払ってやると、髪に指を差し込まれ、彼女から唇を求められる。
そのまま、深く深く口付けていった。
離れた後、きつく抱き締める。
残されたわずかな時間中、彼女を感じていたかった。
「そんな顔しないで」
冷たい手が頬に触れる。
細い指が背中をたどると、ぞくりとした。
顔を首に埋め、小さくキスを落とすと、バニラとムスクの香りを吸い込んだ。
そこにはもうビターアーモンドはなかった。
120HYPNOTIC POISON 進藤・香坂:2009/02/23(月) 06:05:50 ID:8+DiljAL
赤い後を付けた細い首筋、くっきりとした折れそうな鎖骨、どこかたよりない細い肩、薄い皮膚に浮き上がる肋骨、普段は隠された骨の突起した細い腰、長時間に及ぶこともあるオペに耐えられることが不思議な細長い脚。
今度は自分が忘れないために、形を確認するように身体中、やさしく口付けていった。
脚の間に顔を埋めると、そこだけ特別に温度が高いような気がした。
最初は他の箇所と同じように優しく。
弱い力で頭を掴まれ持ち上げられそうになるがそのまま続ける。

「やっ、」
グロスとは違う、つやつやとした液体が口にまとわりつく。
「やめ…っ、まって、」
頭への重み少し強くなるが、うまく力が入っていないようだった。
だんだんと深く、唇と同じように貪っていく。わざと水音を響かせる。
それに比例して彼女の声は高くなっていく。
頭が軽くなったとき、それまで触れていなかった場所に、最後にキスを落とす。
かすかに舌で触れると、彼女の身体は震え、脚が緩く立った。
唇ではさみ、様々な角度から舌で触れると、何度も腰が浮く。
呼吸が荒くなり高みに行きそうになる度に、その動きを止め、内腿への緩やかな刺激に移行し、引き戻す。
「ね…え…っ」
荒い呼吸のせいで、うまく言葉を発することが出来ないようだった。
「おねが…っ、い…」
上にもどると、口は半開きに、瞳には涙を浮かべ、全身で息をするように肩を上下させ浅い呼吸を繰り返していた。
首に腕をまわされ、深く深く舌を挿入される。
再び香るバニラとムスクに、脳内は支配されていった。
一度知れば後は簡単だった。
神経が集中しているところを的確につくたびに、ベッドはきしみ、彼女は身体を捩り声をあげる。
その度に内部の壁は熱を帯び、さらに奥へと誘い込む。
彼女の甘い叫びに、官能的な香りに、引きずられる感覚に完全に溺れている。

この姿を、今まで何人の男にさらけだしてきたのだろうか。
そしてこれから何人の男を魅了していくのだろうか。
くだらない、嫉妬だと思う。
普段なら苦笑でごまかせるこの感情も、今はただひたすらぶつけることしかできなくなっていた。
121HYPNOTIC POISON 進藤・香坂:2009/02/23(月) 06:06:33 ID:8+DiljAL
空調の冷たい風が心地よい。
腕の中の彼女は、先程の姿など想像できないくらいに穏やかに目を閉じていた。
白い肌にはくっきりと自分の付けた跡が残っている。
自分は彼女を送り出すことが出来るのだろうか。
いつの間にか依存していたらしい。
第一外科にいくことがあればあの無機質な自動ドアの奥にいるであろう彼女を探してしまったこともあるし、屋上に行くたびにどこか待っていたこともあった。
まいったな、と思う。
これから過ごす長い時間は、彼女に触れることはおろか見つめることさえも出来ないのだ。
知ってしまった後では遅い。
しかし、後悔はしていなかった。

時間を確認すると、夜明け少し前だった。
どうかギリギリまで、このままで。
穏やかな寝息を立てている彼女の首元に顔を埋めると、甘い香りを大きく吸い込み、目を閉じた。
122名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 06:22:00 ID:sOBCi6d/
すみません
123名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 06:24:08 ID:ldz0NDxn
進藤先生の内面が見れてすごいどきどきしました、GJ!
ビターアーモンドとか細かい描写とかすごかったです!!
124HYPNOTIC POISON 進藤・香坂:2009/02/23(月) 06:26:03 ID:8+DiljAL
5月はまだ春だと言えるのだろうが、屋上にしばらくいるとじんわりと汗が滲む。
日差しは徐々に強くなり、夏へと移り変わっていくようだった。
くしゃくしゃによれた紙のケースから、煙草を一本取り出す。
少し風が強くてなかなか火が点かない。
日陰の風があたらない壁ぎわに行って火を点け元の場所に戻ると、目がおかしくなる。

11ヶ月前。
出発の日、携帯にメールが届いていた。
いってきます。の7文字に、シカゴでの住所だった。

彼女は今ごろどうしているだろうか。
時差は考える気にはなれない。不思議な感じがするのだ。確かな現実なのに幻想ではないかと考えてしまう。

催眠作用のある毒という名の香水。
あなたを抱き締めるのが、私の両腕があなたを抱き締めるのが、待ちきれない、とゆったりとした英語で歌い上げる擦れた深い声。
そして、彼女。
これらが混ざって、自分の中にいつまでも居座って離れない。

これが灰になったら、神林先生に相談してみようと思う。もちろん、人がいないところで。
来月まとまった休みはとれないか。
却下承知で。
しかし結構本気だ。
いざとなれば代理を頼めばいい。あてはある。

自分の為に生きるといった彼女を思い出す。
あの時から、自分の為に尽くすのは案外悪くないと思い始めた。

眩しすぎる空に眉をしかめ、最後の煙を吐きだした。
125HYPNOTIC POISON 進藤・香坂:2009/02/23(月) 06:29:31 ID:8+DiljAL
終わりです。
>>122はID変わりましたが自分です。
不手際で連続投稿制限にひっかかってしまいました。
ご迷惑をおかけしたことを深くお詫び申し上げます。
以後投稿する際は気を付けます。
本当にごめんなさい。
最後になりましたが、読んでくださった方、ありがとうございました。
乱文失礼しました。
126名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 11:52:13 ID:1ybASFJ8
すごすぎる・・・
とんでもない名作だ・・・
GJでした!
127名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 12:30:31 ID:hYusb/8r
最近職人さん多いね、GJすぎる。
人によって雰囲気も全然違うし読んでて何度も萌える
自分も文才無いけど書いてみようと思えました、職人さん立ち居津も有り難う!
128名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 12:54:19 ID:El4fuojU
(*゚∀゚)≡3ムッハー
すごくいい!

最近読みごたえある作品ばかりでうれしいっす!
129名無しさん@ピンキー:2009/02/24(火) 00:22:29 ID:436U+SDL
乙です!!!
雰囲気がめっちゃ好き
130名無しさん@ピンキー:2009/02/24(火) 09:52:36 ID:U/uTQn/i
進藤先生目線なのがよかった!
GJ!!
131名無しさん@ピンキー:2009/02/24(火) 18:38:35 ID:UIdsaOxb
夢の中でこのスレの住民がリレーで連作してるものをみた
今職人さん読み応えがあるものばっかりだしすごいものが見れそうな気がするw
132名無しさん@ピンキー:2009/02/24(火) 21:58:29 ID:D1PJlssf
>>131
何それみてぇwww
速く書き上げる作業に戻るんだ!
133名無しさん@ピンキー:2009/02/25(水) 05:03:07 ID:06b2rqUh
>>131
おもしろそうw
新参さんも参加しやすいかもしれんね

個人的な意見だけど、
もし本当にやるなら大まかにルールは決めた方がいいのでは?
・だいたいの長さ
・どう終わるか
後もしかしたら違う人が同じところから続き書いてしまって、
投稿するときに困るかもしれないね

自治厨ぽいマネしてサーセンw
ただの意見なので気にせずに
134名無しさん@ピンキー:2009/02/25(水) 09:04:35 ID:KyADHlw+
まとめwikiがあるんだしそっちで追加したーっていうのをこっちで報告ってのもありだね
閲覧者にしてみると新参の人も来てくれたら嬉しいしね
135名無しさん@ピンキー:2009/02/25(水) 20:48:54 ID:MA86Kndh
投下したいけどエロにいきついてくれなくて困るw
エロ書ける職人さんたちマジ尊敬だ。読み応えもあってエロもあるなんて凄すぎる
136名無しさん@ピンキー:2009/02/25(水) 21:42:51 ID:r4NCUqFG
エロなくても読みたいです!
137名無しさん@ピンキー:2009/02/25(水) 23:07:21 ID:RQGuNsmR
進藤香坂のお風呂シチュ萌えるwww
138名無しさん@ピンキー:2009/02/25(水) 23:18:24 ID:mER7AFBK
香坂先生が大きなフワフワの抱きぐるみを抱きしめて幸せそうに寝てしまうが
故に、ほっぽられてしまった進藤先生が抱きぐるみに香坂先生をとられたと
猛烈な嫉妬!
139名無しさん@ピンキー:2009/02/25(水) 23:30:12 ID:r4NCUqFG
抱きぐるみに嫉妬する進藤が子供みたいでいい!

医局でみんながいる前でお姫様だっこしる進香がみたい!
けどそこまでにいたるシチュエーションが思いつかん
140HYPNOTIC POISON‐another side‐ 進藤・香坂:2009/02/26(木) 00:32:44 ID:0onBeu/D
流れ切ってしまい、申し訳ありません。
まさかGJいただけるとは思っておらず、嬉しかったです。
本来予定していてボツにした香坂先生サイドを仕上げてしまいました。
本編のものより無駄に長くなっている割にエロ要素が薄くなっています。
苦手な方はNGまたはスルー推奨です。
読んでくださる方が一人でもいらっしゃれば幸いです。
141HYPNOTIC POISON‐another side‐ 進藤・香坂:2009/02/26(木) 00:35:53 ID:0onBeu/D
濡れているときは強く感じるのに、乾いたとたんに微かなものになってしまう香りは、普段好んで使用するものと似ている。
イギリスのメーカーのものなのが意外だった。
この種の香りは、1時間も経てば消えてなくなってしまう。
シャワーを浴びてすぐにベッドに潜り込む人はその香りに包まれて眠ることも出来るし、出かける前の人に対してはその後につける香りの邪魔にもならない。
ホテル向けだな、と思う。そして女性的だ。

距離に気を付けて、コットンに香りを吹き掛ける瞬間、緊張に少し手が震えた。
甘ったるい香りが周囲に広がる。
そして、それを一度空気に潜らせてから耳裏にもっていく。温度の高い場所に。
母のやり方だ。
特別な日だけに使用する、父からの贈り物だという少々強めの香水をそうやってつけるのを、幼い頃から眺めていた。
いつか私も大切な人からの香りを纏って出かけるんだ、と夢見ながら。
赤い丸みを帯びたボトルのこの香水は、自分で購入したものだった。
美容部員に勧められた時は興味を持てなかったが、時間の経過とともに、ビターチョコレートを連想させるアーモンドの香りがバニラに溶けていくような香りが忘れられず、後日同じデパートに向かった。
自分がこの香りを纏うのを想像することは難しく、使用するのは予定の無い休日のみだったが。
今回、初めて人と会うときに使う気になったのは、彼の中に同僚ではない香坂たまきを残しておきたかったからなのかもしれない。
自分自身の行動をおかしいと思ってしまう。
期待はあまりしないように、服装はいつもとかわらないように心がけたはずなのに。
もしかしたらあの時と同じように別の人がいるのかもしれない。
ミネラルウォーターを一口飲んで頭を冷やし、部屋を後にした。
142HYPNOTIC POISON‐another side‐ 進藤・香坂:2009/02/26(木) 00:38:00 ID:0onBeu/D
みなとみらいを一望できるバーは、どこか暖かい雰囲気をもっている。
駅から近く、高級感を感じないホテルにあるにもかかわらず、このバーだけ異空間に感じる。
「荷物はもう送ったのか?」
酒で火照った耳のなかにやけに冷たく響く。このあたたかみのある照明と甘い音楽の中で。
「ええ。家を引き払うときに全部送ったわ」
私は、シカゴに行かなければならないのだ。
これから救わなきゃならない人の為に。何よりも私自身の為に。
心地よい空間から、一気に現実に引き戻された気がした。
わかっていても、わかりたくなかった現実に。
雨に濡れてぼんやりと光る景色は、現実のものには見えなかった。
あと少しだけ、その中で生きていたいと思った。
見たい夢を見ているときは幸せだ。
しかしその分、目覚めたときの落胆は大きい。
カフェで彼の姿を見つけたとき、少し安心した。
最後に、彼に会えてよかった。
これでアメリカに行っても平気でやっていける。
それと同時に、不安もよぎる。
一人の時間をどう過ごしていけばいいのか。
あの数ヵ月間、思い出した瞬間も多かったから。
限られた時間のせいで、自分の思いを曝け出すことが怖かった。
彼を見れない原因だった。
自分自身に呆れる。
私が自分で、この時間に終わりを告げなきゃならないと思った。
夢を見る時間が延びるほど、目覚めた瞬間の落胆は大きくなる。
一つ息をついたあとだった。
思わず呼吸がとまる。
窓にうつる彼の瞳に、すべて見抜かれてしまうような気がした。
「香坂」
どこか熱を含んだ声に、身体が硬直する。
頭のなかに自分の心臓の音が鳴り響き、思うように呼吸ができない。
「ちゃんと俺を見ろ」
自分の意志ではなく、操られているようだった。
窓ガラスに移るものではない、隣の男を見る。
見たことのない、進藤一生という男がそこにはいた。
射ぬくように見つめられると、もう目はそらせない。
「シカゴには行くな」
完全に、捕えられてしまった。
―ねえ、教えて、あなたは今夜寂しがっているのかしら―
知っている曲ほど耳によく入る。
若い女性が甘く歌い上げるElvis Presleyのカバーは、いつまでも耳に残っていた。
143HYPNOTIC POISON‐another side‐ 進藤・香坂:2009/02/26(木) 00:43:06 ID:0onBeu/D
部屋の構造や、そこから見える景色はなにもわからない。
時々かかる息の近さや高い温度、身体にかかる重み、唇と口の中に感じる熱しか認識できていない。
全身の力が抜け、意識が遠退いてしまうようだった。
一瞬身体が軽くなったとき、手に感じる薄い布を反射的に握る。置いていかないで、とでも言うように。
熱が耳に移動すると、ぞくりと身体が震えた。
低く甘い声で合間に呼ばれる自分自身の名前が、それとともにかかる吐息が、やけに熱を持っていて、そこにいるのが彼だとわからせる。
逃げようとしても逃がしてくれない。
逃げられないとわかっていて、捕まってしまったのは私だ。
熱が移動するたびに、時々感じる甘い痛みに、身体中が震える。
足を動かすと触れるシーツの冷たささえも、それを助長しているように感じられた。
身体に触れられるたびに呼吸が荒くなる。
自分が何を言っているのかはわからない。
聞こえてくるのは別の誰かの声のようなのに、震えているのは自分の声帯だ。
どこか別の世界に引きずられていきそうになり、すがりつくように腕をまわした背中にはもうあの薄い布は無かった。
引き締まっていて、薄く汗ばむ広い背中に爪をたて、必死にしがみつく。
身体を揺さ振られ中をかき回される感覚に、身体にかかる熱に。
自分の理性をコントロールできないほどに乱されていった。
144HYPNOTIC POISON‐another side‐ 進藤・香坂:2009/02/26(木) 00:47:03 ID:0onBeu/D
すみません、一度切らせていただきます。
流れ切ったうえに中途半端でごめんなさい。
また後で投稿します。
145名無しさん@ピンキー:2009/02/26(木) 14:06:59 ID:eOqfSzz9
>>144
毎度毎度乙です!素晴しい雰囲気にwktkしっぱなしです( ・∀・)ニヤニヤ
エロでもないけど>>139のネタを文章に起こしてみた。

コーヒーカップを持つ手が僅かに震えていることに彼は気づいた。 煮詰まったコーヒーに顔を歪めてカップを置くと彼女はその濡れた烏のように艶やかで繊細な黒髪をなびかせヒールの音をコツ、コツと鳴らしていく。
偏頭痛でもするのか時折頭を抑えては小さな溜息を零す瞬間すら見える。普段から他人に弱い面を確固として見せたがらない性格を知っている上、進藤は意外というよりも違和感を感じゆったりと彼女の後ろを付いていった。

「おい」
「……進藤先生、人のことを呼ぶときにおい、とか言わないでくれない?」

いつもと変わらぬ減らず口に進藤は眉を少々あげたが、彼女の顔はぞっとするほどに白い。
自分と比べてみて白いのは今に始まったことではないが、そういう意味ではなく一言でまとめると「病的に白い」のだ。 血色の悪い顔、とも言えよう。
香坂は聊か不機嫌な声音で「何よ」と繰り返したが、彼が繁々と自分を見つめるので羞恥心からか顔をふいと背けてしまう。 心臓外科医として第一外科に復帰した彼女に待っていた怒涛のように忙しい日々から推察すれば疲労であることは明白。
進藤は彼女に「寝ているのか」と尋ねてみたが結果は「平気よ」という肯定とも否定とも取れない曖昧な表現。
黒髪に病的なまでな白さはアンバランスなコントラストを生み出し、益々彼女を儚げに見せる。
顔を背けたまま、スタスタと何食わぬ顔で歩き出した香坂の腕を慌てて掴めば、バランスを崩すように彼女は後ろにぐらりと倒れ掛かった。
「香坂!」
慌てて支えれば彼女は目を何度か瞬きさせて、その身体を無理矢理起こして彼から離れた。 どうした、と救命医たちが顔を覗かせるが依然として彼女は何でもないと首を振り歩いていく。
「おい、香坂。 お前本当に寝てるのか?!」
「……しつこいわね、あなたも。 救命と違って心臓外科は研究がメインなの。 寝れないわけがないでしょう?」
素っ気無く言う彼女の腕を無理矢理掴み、袖をぐいと上げれば点滴の跡がいくつも残っている。 どういうことだと視線を送れば「食べる時間が無かっただけよ」と彼女は一言であしらった。
その言葉は「睡眠をとっている」という彼女の主張と矛盾を生じさせていることに彼女は気づいていないのだろう。
普段キレ者で、あの性格ならば墓穴を掘るようなことをしないであろう筈なのに、墓穴を掘ったことすら気づかない辺り――重症だ。

「放して」
「……第一外科には俺が言っておく。お前は休め」
「何言い出してるの?」

驚愕からか目を丸め、何度か彼女は瞬きをすると馬鹿馬鹿しいと言わんばかりに手を振り払い彼の忠告を無視してスタスタと再び歩き出す。
ポケットに手を突っ込み、白衣を翻し、姿勢を正して。 けれど彼にはどうにもそれが「虚勢を張っている」様にしか見えない。

がくん、と彼女の身体が再び揺れたのを彼は見逃さなかった。 踏みとどまるも、何処か不安定な姿に彼の中の何かがぱちん、と音を立ててはじけるのを聞いた。
進藤はズンズンと彼女の傍へ大股で歩み寄ると軽々と片腕で彼女を抱き上げた。
その瞬間のどよめきすらも無視し、横抱きにすると何時もより顔が近いせいだろうか、先ほど見たときよりもより、小さく白く儚く見える。
「一人で歩けるわ。 ……後で第一外科で寝るわよ」
「駄目だ」
彼は「ふらふらになるまで動かれても医者として迷惑なだけだ」とざっくり言い放ち暴れる気力もなく、為すがまま、けれども反論を続ける彼女を仮眠室へ強制連行していった。
おはぎを口に放り込んだままの婦長、特上寿司のたまごを口に入れたままの太田川、カルテを持っていた城島その他スタッフ略全員が鳩が豆鉄砲を食らったようにぽかん、と口を開けて彼らの姿を見守った。
そして、扉が閉まった途端にどよめきはさらに大きくなり、ざわざわを顔を見合わせたり二人の関係を探ったり多種多様の反応を見せる。

それからホットラインが鳴り響くまで暫く進藤一生は仮眠室から出てこなかったのは、また余談である。

終わり。
146名無しさん@ピンキー:2009/02/26(木) 18:09:35 ID:vxKdkFji
続き気になる\(^_^)/
上手い職人大杉www
147HYPNOTIC POISON‐another side‐ 進藤・香坂:2009/02/26(木) 21:34:44 ID:0onBeu/D
>>140です。
>>141-143の続きになります。
148HYPNOTIC POISON‐another side‐ 進藤・香坂:2009/02/26(木) 21:36:15 ID:0onBeu/D
ミネラルウォーターを取りに行ったとき、部屋の惨状をみて驚いた。
服はベッドのまわりに散乱していたし、傘は畳まれることなく部屋の入り口に倒れていて、備え付けの冷蔵庫の前には彼のジャケットが放り投げられていた。
こんなにも焦っていたのかと、小さくため息をついた。
部屋の天上付近から流れる冷たい風が、身体を冷ましていく。
手早く片付け、彼の眠るベッドに入り込むと、熱が少し残っていた。
目に入ったデジタル時計には、23:58と表示されている。
時間はとてもいじわるだ。
退屈なときはゆっくりと流れるのに、幸せなときはいそいで過ぎ去ってしまう。
そろそろ夢から覚めなければならない。
近くに感じる高めの体温とも、もうすぐさよならだ。
これから、ここからは見えない高層ビルのあの部屋にもどって、一人で眠らなければならないのだ。
ぞっとするが、それが現実だ。いつまでも夢のなかにいてはならないのだ。
ミネラルウォーターを飲み込んだ瞬間、高い温度に包み込まれた。
彼が起きたのだ。
夢の中に引きずり込まれそうになるのを堪える。
「ジャケット、そこに落ちてたわ」
自分を落ち着かせるように、もう一口冷たい液体を飲み込む。
「もう掛けといたから大丈夫」
大丈夫、声は震えなかった。
次は、ありがとうと言わなければいけない。
いままでありがとう。今日一緒にいてくれてありがとう。幸せだったわ。
全部、普段の自分には考えられない言葉たちだけれど、今は夢のなかだ。言えるはずだ。
しかし、背中が彼の胸板に押しつけられる力は強くなる。
口の中に流し込まれた水はぬるかった。
発言をすべて許さないかのように、背中は胸板に張りつけられたまま唇は塞がれ、暖かい手は冷たい身体を這っていく。
また、捕まってしまったのだ。
再びベッドに倒れたとき、逃げられないことを悟る。
強引な行動とは裏腹に、彼の瞳はどこか寂しげに見えた。
先程の熱や射ぬくような強さは無かった。
この人が、こんな表情をするなんて。
こういうときであっても人を逃がさない瞳には、涙こそあふれていないものの、深いところで泣いているように思えた。
沸き起こる切なさに、心臓が締め付けられる感覚がおこる。
逃げられないのではなく、置いていけない。
キスは、自分から求めた。
馬鹿だと思いながらも、そうしたかった。
再び夢のなかに溺れていった。
149HYPNOTIC POISON‐another side‐ 進藤・香坂:2009/02/26(木) 21:37:55 ID:0onBeu/D
心臓はまた大きく音をたてる。
一度目と違い、彼にはどこか余裕を感じる。私はこんなに緊張しているのに。
キスを落とされるたび、冷房に冷やされた身体は再び熱をもっていく。
「い…や、…っ…」
下の方からから聞こえてくる水音に羞恥がわきあがる。
いくらやめてとかまってとか言っても、頭を押さえ付けてもむしろ逆効果のようだった。
どこか余韻を持たせつつ激しく動く舌に、またじわりと熱が広がっていく。
たまらず、彼の頭から手を離し、シーツを思い切り掴んだ。
その瞬間、
「やっ…、」
こんな高い声がまだでるかと自分自身で驚くような声をあげ、びくりと身体が跳ねた。
彼にいいようにされている。
勝手に身体が反応するのを止めることもできずに、ただただされるがままになっている。
「あ…っ」
鼻も口も塞がれていないのに、呼吸がうまくできない。
意識がとびそうになる度に、そこへの刺激は止み、そのかわり別の場所へのゆるゆるとした刺激が引き戻す。
このままではどうかしてしまいそうだった。
もう、たぶん、このホテルに入る前から彼の知っている香坂たまきではなくなってしまっているが、これ以上は私も知らない香坂たまきになってしまいそうだ。
彼の唇に自分から吸い付いてしまった。
息が続くかぎり、必死に舌を絡ませる。
どうやったら彼のようにできるのだろう。
脳の奥が溶けてしまうような、それだけで全身の力が抜けてしまうようなキスは。
下腹部に、重みが加わると、腰のあたりから骨を伝い、足の先まで震えが走る。
身体を揺さ振られると、早々に彼を締め付ける感覚に襲われてしまう。
「…やっ、ま…っ、て…っ」
何度待ってと言っても動きがゆるむことはない。
深く深く動いていくたびに、意志とは反対にそこに力がこもってしまう。
つながった部分を中心に、そこから熱が広がって溶けていってしまうような、そんな感覚が広がる。
懇願するようにうっすらと目を開き、彼の顔をみる。
こういうときに男の人の顔を覗くのは、初めてだった。
ときどき眉がしかめられ、苦しそうに荒い呼吸を繰り返し、切羽詰まったように自分の名前を呼んでいる。
呼び名は同じはずなのに、特別なものに聞こえてくる。
「…しん、ど…うっ、せん、せ…っ」
たまらず自分も彼を呼ぶが、うまく口から出てこない。
情けない高い声で、どうしても母音がうまく発音できない。
そうすると額に、目蓋に、触れるだけの軽いキスが降ってくる。
そうして一瞬息を止めるたびに、彼の呼吸が荒くなっていくのがわかる。
必死にさせてるのは自分だと思うと、妙に切なくなって、涙がこぼれる。
そのたびにまた、軽いキスをしてくれる。気遣うように。
「………っ」
一つだけ言わないように気を付けていた言葉が口から出そうになり、あわてて唇を噛む。
「…うっ、…あっ」
それでも口にうまく力は入らず、新しい空気を求めて勝手に開く。
自分のことを客観的にみても、主観的にみても、辿り着く結論はいつも一定のことに随分前から気付いていた。
こんな姿をみて、素直に好きと言いたい衝動に駆られる。
彼にとっては目の前の女のただのうわごとですむかもしれないが、それを言ってしまっては最後に本当深いところで自分が壊れてしまいそうだった。
第一、最も必要のない言葉だと思う。
シカゴに一緒に連れていってしまいたいと思った。
このままずっと一緒にいてほしいと思った。
ずっと、ずっと。
全部、可能のような気がした。
理解できなかったはずの、男に溺れていく人たちの心情が、少しだけわかった気がした。
150HYPNOTIC POISON‐another side‐ 進藤・香坂:2009/02/26(木) 21:40:19 ID:0onBeu/D
進藤先生はいつまでも私を離そうとはしなかった。
目が覚めたときからずっとこのままだ。
チェックアウトの時間まで、あと2時間半。もうそろそろ支度をはじめなければならない。
「バスタブにお湯をはってくるだけよ」
もう3度目だ。
「すぐ戻ってくるわ」
抱き締める力が強くなる。
苦笑するしかない。
「じゃあ、あなたが行ってきて。待ってるから」
ようやく離してくれると、不機嫌そうな顔で私を睨んでからベッドを出ていった。
これからどうなってしまうのだろうか。
私はちゃんとシカゴで暮らしていけるのか、急に不安になる。
見たことのない進藤一生が、私を支配していく。
チェックアウトするのが嫌だった。
もう自分から現実に戻るのは不可能かもしれない。
二人でいるときは気にも止めなかったのに、残されたベッドがやけに広く思えた。
151HYPNOTIC POISON‐another side‐ 進藤・香坂:2009/02/26(木) 21:46:05 ID:0onBeu/D
出発の日は、やけに晴れた日だった。
見送りがついている人を見ると、少し心細く感じてしまう。

チェックアウト後も結局は離れられず、昨日待ち合わせをしたカフェでブランチをとった後、部屋まで彼を連れてきてしまった。
明るいうちから抱き合うのは、学生以来だった気がする。
照明をおとしても明るい中での行為は、幾つになっても苦手なものだった。
夕方に入るお風呂は、小さい頃から好きだ。
汗だく帰ってきた夏休みのプールの後、一日中寝て過ごした日に気が向く時間、好きな人との夜のデートの前。
日常から外れた気がして、特別に思えた。
―あなたの口からカプチーノなんて言葉が出るとは思わなかったわ。
狭いバスタブで、後ろに彼の高めの体温を感じる。
―アメリカンは苦手なんだ。
お湯の温度のほうが高いはずなのに、どうして体温のほうが暖かく感じるのだろう。
―アメリカのコーヒーショップだからって、アメリカンコーヒーとは限らないわよ。
紫色のバスソルトからは、イギリスのメーカーのシャンプーたちとは違う香りがする。
―気持ちの問題だ。
首筋はどうも苦手らしい。
やわらかい唇があたるとぞくぞくとした感覚が背中を走りぬけていく。
何度同じところに跡をつけたがるんだろう。この人は。
こんな子供じみた真似する人だとは思わなかったし、許してしまう私自身もどこか不思議だ。
―わざわざエスプレッソショット追加するのに?
耳元に、笑いが混じった息がかかる。
身体を捻ってキスを求めると、彼も答えてくれた。
それでもなかなか離れられず、私たちはずっと一緒にシーツに包まっていた。
イギリスのシャンプーの香りが消えてもずっと。
会話はほとんど覚えていない。
印象に残っているのはあの香水と、バーで流れていた音楽の話くらいだった。
人によって印象に残る音楽は違う。
彼が言っていたものは、むこうについたら聴いてみようと思った。
カナダ生まれのジャズシンガー。
アルバムは一度借りたことがある程度だった。

私たちが離れたのは、結局、夜になってからだった。
夜勤だという彼を見送る別れは、あっさりとしたものだった。
いってくる。
いってらっしゃい。
ただいま、おかえりなさい、の用意されていない挨拶。
別れを悲観して泣くことも、きつく抱き合うこともなかった。
二人では少し狭く感じた部屋は、少しだけ広いただの空間になってしまっていた。
しわになったシーツはそのままに、まだ少しあたたかいベッドの中に潜り込んだ。
少しだけ涙が出たが、手足の怠さと寝不足のせいで眠りにつくのは早かった。

携帯を取り出すと、句読点含め7文字の言葉に、まだ覚えていない英語と数字を打ち込んだ。
通信を切ると同時に電源も落とす。
このメールを見るのはいつになるだろう。
今頃きっと仕事だ。また厳しいことでも言ってるのだろうか。
アナウンスでは、搭乗予定の便の名前が流れている。
一つ息をついてから、搭乗口へと向かった。
152HYPNOTIC POISON‐another side‐ 進藤・香坂:2009/02/26(木) 21:50:00 ID:0onBeu/D
終わりです。
ぐだぐだとスレ汚しになってしまい申し訳ありませんでした。
もう少しまともな文章かけるように努力します。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
153名無しさん@ピンキー:2009/02/26(木) 21:51:41 ID:0onBeu/D
>>145
GJです!
お姫様抱っこにニヤニヤしてしまいましたw
154名無しさん@ピンキー:2009/02/27(金) 00:12:28 ID:Pnyf3IPG
>>145
GJ!仮眠室で何があったか気になります
みんなの反応にニヤニヤしたよ
155名無しさん@ピンキー:2009/02/27(金) 11:15:40 ID:LwZP5hbH
>>145>>140
どちらもGJ!
みんなうますぎる!
156名無しさん@ピンキー:2009/02/27(金) 13:39:50 ID:dcjHwp8M
いいね〜GJ!!!!
たまきサイド二人で風呂入ってるのに萌えた!切ない…

前スレとかたまきが処女だったらってあったけど進藤はどんな風に育てるか気になるw
157名無しさん@ピンキー:2009/02/27(金) 19:15:42 ID:ONFUbMDI
>>156
そうえば通りすがりさんが前スレの最後で処女ネタかいてたね!!
2部いつだろ〜〜〜〜v
楽しみだvv
158名無しさん@ピンキー:2009/02/27(金) 19:34:42 ID:FVln7j+Q
書き手さんみんなGJ!
どの作品もすごくいい!
お姫様抱っこもお風呂シチュも萌えた・・・
159名無しさん@ピンキー:2009/02/27(金) 23:55:17 ID:LwZP5hbH
>>156>>157
確かにどんな風に育てるか気になるww

今、すごい書き手さんいっぱいいるからいろんな書き手さんの処女ネタみたいvvv
160名無しさん@ピンキー:2009/02/28(土) 00:38:17 ID:Ee48e8dK
ホワイトデーとか季節ネタが気になる
進藤先生があげるものとかww
エロ無しでもシリーズ化してたマッタリ系好きだった
昔の書き手さんもまた参加してくれたらうれしい
最近コテハンなしの傾向だから参加しやすいだろうし

自分で書いてみてもキャラ変わってしまうから上手い人のたくさん読みたいww
161名無しさん@ピンキー:2009/02/28(土) 02:22:02 ID:+ajxY0gJ
>>152
やばい好み!
細かくてものすごくきれいな文で
お風呂シチュなんてやばく萌えました…

シカゴでの再会?はあるのかな?
気になるw

またお風呂シチュお願いしたい・・・w
162名無しさん@ピンキー:2009/02/28(土) 03:32:02 ID:ToA6jaPV
>>160
キャラ変わるか変わらないかはやってみないと解らんよ
うまい人の〜っていわないで自分からどんどん投下していったほうが過疎らないし盛り上がるし書き手としても感化されるのでぜひ読ませてくだしあ><

進藤先生の贈り物かー。仏頂面で花屋に居るのが思い浮かんだw
163名無しさん@ピンキー:2009/02/28(土) 20:18:39 ID:NUnTJJOX
まとめwikiで思い出したけど通りすがりさんのサイトにも掲載したって言う問題の奴wikiに載せんの?
164名無しさん@ピンキー:2009/02/28(土) 22:31:14 ID:zYWWwSXd
え?載せないでしょ(・・;)
問題があったんだから
165名無しさん@ピンキー:2009/02/28(土) 22:44:22 ID:1ipCWGmb
香坂せんせオンリーラブ!
ぎゅーっと抱きしめてあげたいお!
一緒に眠り姫ごっこしたいお!
166名無しさん@ピンキー:2009/03/01(日) 01:11:52 ID:pnVdhn5C
>>163
載せなくて良いと思うよ〜

>>165
眠り姫ごっこって何www
167名無しさん@ピンキー:2009/03/01(日) 01:39:00 ID:84yM6NE0
載せなくて良いと思うよ、当時かばう人多かったけど自業自得だと思ったしまたここで問題起きるの面倒だし
本スレで話題になってるDSネタで夢中になり過ぎて進藤先生に取り上げられる香坂先生とかw
「何するのよ、返して」
「……俺よりゲームがいいのか?」

とかさww
168名無しさん@ピンキー:2009/03/01(日) 11:01:13 ID:dIEmU69F
HYPNOTIC POISONの雰囲気、まじやばい。
超お気に入りです。
169名無しさん@ピンキー:2009/03/01(日) 11:42:20 ID:vhGYJhpD
>>166
眠り姫ごっことは、かの有名な眠っている姫をキスで目覚めさせる童話を元に
色々勝手に妄想したものだ!はっはっはっ!ジーザスクライスト!
170甘ったるい話はお好き?  矢部×太田川?:2009/03/01(日) 12:24:02 ID:6sMR1J/v
エロじゃないけどネタ投下


「ねー矢部くーん、ひーまー」
デスクで突っ伏している太田川をジト目で見ながら、矢部は大きなため息をついた。
暇だというならば手伝ってくれればいいのに、彼女は毛頭そんな気はないらしい。
「お前なぁ…」
「速く終わらせちゃいなよ、研修医」
自分だって研修医のくせに。飛び出しかけた言葉は心の中で引っ込ませておいた。口先で勝てる相手じゃない。
マイペースな人間なのに口が達者であるなんて神様は卑怯な人間を作ったものである。妙に矢部はしみじみとしながら指導医に言われた薬をセットした。
「ねー矢部君」
「ああ?なんだよ」
「実家、京都じゃない私」
「そーですねー」

どこかのウキウキウォッチングな昼番組風に受け答える矢部をまるっとスルーして、彼女はいたって真面目に「でね」と付け加えた。

「……矢部君、総合病院の跡継ぎなるつもりない?」
「お前な、俺にお前の問題押しつけるなよ。だいたいなるっつったって養子にはなれないだろ」

真顔で言い放った矢部に太田川はちょっと泣きそうになった。そういえば、彼の元カノ曰くキスもハグも中々してくれなかったという話を耳にしたことがある。
疎いのか、知らない振りをしているのかは分からないが、それはひどく女泣かせな行為であることに変わりはしない。

「矢部君さぁ、鈍感とか『本当に私のこと好きか分かんないよ』が理由で別れるタイプでしょ」

その瞬間、彼はこれでもかと言わんばかりに硬直した。どうやら図星のようである。呆れて太田川はおつまみに食べていたチョコレートをそっと矢部に差し出した。
「んだよ、その目は…」
「いや、なーんか、可哀想になってきて…矢部君の彼女は大変だ」

「何でだよ」と文句を言う矢部をさらに無視して太田川ははー、とため息をこぼした。彼に聞いた自分が間違いだったということだろう。珍しい暇な時間を持て余してよけいなことを聞いた。
首を振って一粒五百円はするチョコレートを口に放り込んだ。
しばらく矢部は作業を黙々と続けていたが、はたっと何かに気づいたのか小さな声で何かを呟く。
それを太田川は聞き取れず「なにー?」と聞き返せば、振り返った矢部の妙に精悍な表情に思わずちょっとだけ見惚れた。
「お前が分かってりゃいーだろ、そんなもん」

ぼとっ。
チョコレートが無情にも落ちる音だけが部屋に響いた。
「どういう意味」と尋ねれば、矢部は真顔で「そーいう意味」と言い返してくる。その「そーいう」が分からないから聞いているというのに!
チョコレートよりも何倍も甘い言葉を吐かれて太田川は唯呆然と矢部が細かに作業をしている背中を見続けることしかできなかった。
その言葉の真意が分からず淡い期待をした自分に慌てて首を振れば何やってんだよ、という笑った声が帰ってきた。
「…矢部君、卑怯だ」
はー、とこぼしたため息は誰かに聞かれることなく彼女の心の中で渦巻いて消えることはなかった。


エロに行き着けなかったよパトラッシュ…。なんか、すまん
171名無しさん@ピンキー:2009/03/01(日) 17:42:32 ID:kqbXik2o
このスレの住人て反応分かりやすいよね
172名無しさん@ピンキー:2009/03/02(月) 00:03:27 ID:mjl/iJwy
>>170
GJ!
矢部太田川ってかわいらしくてすきw
173名無しさん@ピンキー:2009/03/02(月) 00:03:36 ID:IeurmEye
矢部×太田川キター(・∀・)ー!!
ずっと待っておりました。
最高に萌えました。
174名無しさん@ピンキー:2009/03/02(月) 01:38:58 ID:5N06OPtN
太田川ハァハァ
研修医コンビが一番好きwww
175名無しさん@ピンキー:2009/03/02(月) 22:47:03 ID:UXdh+0rG
>>171

解りやすいってどう解りやすいんだ?
176名無しさん@ピンキー:2009/03/03(火) 00:26:29 ID:m/JcUj8j
>>169
それ文章にしてみてw
177名無しさん@ピンキー:2009/03/03(火) 17:18:10 ID:XGAIPQQJ
度々の繰り返す居眠りを咎められ全裸を強要され辱めを受ける太田川奈津。
178名無しさん@ピンキー:2009/03/03(火) 17:43:39 ID:pMwYtybc
お互い急いでてぶつかってハグしちゃうという
王道パターンな進香
179名無しさん@ピンキー:2009/03/03(火) 19:00:38 ID:o0oSXX/A
恋人同士になる前の2人でエレベーターに閉じ込められるとかw
180名無しさん@ピンキー:2009/03/03(火) 19:08:34 ID:GcrN8DnQ
>>179
ヤバい!その設定good!WWW
181名無しさん@ピンキー:2009/03/03(火) 19:55:57 ID:z/WgtmJV
ソファに座ってる進藤先生の上に、向かい合って座ったままくたーっと
寝てしまう香坂先生

香坂先生の体温を感じすぎてドキドキな進藤先生
182名無しさん@ピンキー:2009/03/03(火) 20:22:44 ID:m/JcUj8j
>>181
隣もイイ!!
183シカゴにいる香坂先生へ 矢部×太田川:2009/03/03(火) 21:31:31 ID:pMwYtybc
香坂先生へ

香坂先生、お元気ですか?
救命は相変わらず忙しくて、でも元気にやっています。



抜けるような青空だった。
病院の屋上は冷たい風が吹いて、だからか、隣にいる温もりを今にも抱きしめたい衝動に駆られる。

「ねえ、矢部くん」
「なに?」
「ううん、やっぱ何でもない」
なんだよーって言いながらくすぐったそうに笑う。
なんだか胸がほこほこしてあったかい。
あぁ、愛しいってこういう感じなんだなぁと真剣に思う。

「太田川ってさー」
不意に呼ばれてドキリとする。
なんだか頭の中を見透かされたみたいで無意味に照れる。

「なぁに?矢部くん」
「可愛いよな」
――っ!
笑顔でそんなことをさらりと言われた。

「なっなに言ってるの!矢部くん!?」
「昔飼ってたウサギに似てるんだよなぁ」

そんな真摯な目で言うことがソレ!?

「もう矢部くんなんてしらないっ!」

メシ食ってるときが特に似てる!なんて言って1人で盛り上がってる矢部くんを置いて立ち上がる。
なに怒ってんだよーって言う矢部くんの声は完全に無視だ。


だってだって、期待したうちがばかみたいやん!
鈍感で、不器用で、正義感が人一倍強くて、優しくてあったかい……



香坂先生、お元気ですか?
シカゴの冬はどうですか。

香坂先生、私、好きな人ができました。
184名無しさん@ピンキー:2009/03/03(火) 21:33:10 ID:pMwYtybc
流れ切ってごめん
その上エロくない…


矢部くんを好きすぎる太田川をお送りしました
185名無しさん@ピンキー:2009/03/03(火) 21:57:38 ID:HsZY6cZX
かわええ(´Д`)
寒い秋田の夜に温もりもらったよw
ありがとう!
186名無しさん@ピンキー:2009/03/03(火) 22:56:35 ID:U1PvKN3W
太田川カワユス
猫みたいだなあ…
香坂先生もだけど
187名無しさん@ピンキー:2009/03/04(水) 00:12:58 ID:bb3tDiBj
太田川かわゆす
188名無しさん@ピンキー:2009/03/04(水) 00:34:52 ID:mym5FzRp
なっちゃんカワユス
研修医2人は見ててほんとほのぼのする
189名無しさん@ピンキー:2009/03/05(木) 23:15:08 ID:0vg8oNaH
進たま萌え
190名無しさん@ピンキー:2009/03/05(木) 23:49:57 ID:/DOMiMSk
進たまのエロさは尋常じゃない・・・
191名無しさん@ピンキー:2009/03/07(土) 02:44:38 ID:tFqL2CQj
最近寒いから香坂先生に優しくスリスリナデナデしてもらいたい(*´Д`)=з

はっ!寒がりでふるふるしてる香坂先生を進藤先生があっためてあげるのは
どうだ!
192名無しさん@ピンキー:2009/03/07(土) 03:07:41 ID:btnhfqBR
>>191
それイイ!
193名無しさん@ピンキー:2009/03/07(土) 14:09:44 ID:eB6Y9loP
>>191
進藤先生が激しくあっためるんですね、分かります。
194名無しさん@ピンキー:2009/03/07(土) 16:43:10 ID:jsx3uawq
>>179>>191を合わせて

つきあう前の2人がエレベーターに閉じこめられて
空調のきかないエレベーターでふるふるしてる香坂先生を
進藤先生が暖める感じで!
195名無しさん@ピンキー:2009/03/07(土) 19:10:01 ID:3/yoI6YU
もう何年もたってるのにこんなに萌えられるドラマってすごいよね
196名無しさん@ピンキー:2009/03/08(日) 05:13:55 ID:sx7ellmp
>>194
それ良すぎ!読んだ瞬間
脳内再生してしまった

付き合う前に
北村に迫られている現場を見てしまい嫉妬に狂う
進藤
197名無しさん@ピンキー:2009/03/08(日) 05:17:52 ID:sx7ellmp
>>194
それなら絶対、深夜のエレベーターがいいよな
翌日、抱き合って寝てる
トコ発見されるとかw
198名無しさん@ピンキー:2009/03/08(日) 23:24:51 ID:AK/ta/ar
激しく進香きぼん
199名無しさん@ピンキー:2009/03/10(火) 01:32:53 ID:u32YQTtK
>>194
なるほど疲れて座り込んでしまった二人ですが進藤先生の腕の中に香坂先生が
綺麗に収まってしまうのですね

香坂先生は寒くて無意識に進藤先生の服の胸板あたりをきゅっと掴んで、それに
進藤先生が心臓バクバク
お互いの体温と香りが…むふ
ふはははは
200名無しさん@ピンキー:2009/03/10(火) 02:56:48 ID:0H4SkGkP
進たまは並んでるだけでこっちがドキドキするw
201my cinderella 矢部×香坂(進藤×香坂):2009/03/11(水) 22:35:31 ID:aC6UTkFv
投下します。
進藤×香坂ベースですが、矢部×香坂が強いかもしれません。
嫌な方はお手数ですが、スルーでおねがいします。
申し訳ありません。
202my cinderella 矢部×香坂(進藤×香坂):2009/03/11(水) 22:37:55 ID:aC6UTkFv
春は冬よりも太陽が眩しく感じる。夏よりはずっとやわらかだけれど。
ずっと室内にいたからだろうか、その光で少し目が痛い。
空はどうして青いのか。
こどもの頃からの疑問は、高校時代にあっさりと解決された。
空気の分子による光の周波数の拡散と人間の目の感度がつくりだす、どこまでも続く青。
時間帯によって変化する青。

屋上の扉が開くと、どうしてもそちらに意識がいってしまう。
現われた人物は、さっき初療室で隣にならんだ人物だった。
待っていた白衣ではなく、青い術着。
こちらに一度視線を向けるが、すぐに別方向に歩いていってしまう。
最近屋上で香坂先生に会えない。
シカゴから帰ってきてしばらくはここで会えていたのに。
医局にいなければ大抵はここにいたはずなのに。
そのかわりによく見かけるのは進藤先生だ。
思わずため息が出てしまう。

先週進藤先生がまたここで働き始めて、救命科は昔のメンバーに戻った。
帰国後第一外科で働くはずだった香坂先生は、あの地震以来救命にいる。
それまで救命にきてくれていた先生は、疲労で体調を崩したとかでまた第一外科に。救命を辞めていく先生のいつものいいわけ。
研修制度のせいで新人も寄り付かない。外科も深刻らしいけれど。
眼科と耳鼻科と麻酔科が人気らしい。
逃げやがって、と思う。
「サボりか」
いつのまにか隣に来ていた人物からは、いつもと同じタバコの匂いがする。
「昼飯です」
この人の纏う空気は人を緊張させる。
「研修が終わってからが大変なのはわかってるだろ」
医学部の募集人数は増加傾向にあるけれど、4月に入学する学生が現場で使えるようになるには15年以上かかる。
俺だってまだ全然だめだ。
毎年約8000人が医学部に進学するのにもかかわらず、医師不足は解消されそうにない。
「すみません」
言った頃にはすでにドア近くにいた。おそらく聞こえていないだろう。
ドアが閉まってようやく肩の力が抜けた。
避けられているのだろうか、香坂先生に。
何かしたのなら謝らなければ。
元々あまり一緒にいることはなかったから、屋上での時間は貴重だった。
外からは救急車のサイレンが聞こえる。
この病院にくるのだから、おそらく三次だ。
次にここに来るときには空は青ではなくなっているだろう。
もう一度青を見てから、重い鉄のドアに向かった。
203my cinderella 矢部×香坂(進藤×香坂):2009/03/11(水) 22:40:10 ID:aC6UTkFv

進藤先生が帰ってきた。
屋上で野菜サンドを食べているときのこと。
屋上のドアが開いたとき、また矢部くんかと思った。
「久しぶりだな」
少し痩せた、記憶のなかにあるのとは少々違った印象。
それでも煙草を取り出す姿は変わらない。
低い声も、鋭い目も、少し猫背なところも同じなのに、わずかな変化に悲しくなる。
「私はかなり前に帰国していたんだけど、入れ違いだったみたいね」
この病院に戻ってきたとき、ずっと探していた姿はなくなっていた。
今みたいに屋上で食事をしているとき。
そういえば進藤先生今どこにいるのかな、という矢部くんの言葉。NPO団体に参加したと聞いたのは、あのときが初めてだった。
「矢部くんから聞いたわ、大変だったみたいね」
あの時に思い知ったのだ。
進藤先生の人生に、私が入り込む場所はない。
屋上から出ていくときに香坂と呼ぶ声が聞こえたけれど、なかったことにしてそのまま扉を閉めた。
それ以来屋上には行っていない。
無意識に避けてしまっている。
自分のなかにある感情を消してしまいたかった。
一人になればいつも考えてしまっていたが、二人でいたあとの一人の痛みよりは大分軽い気がした。
204my cinderella 矢部×香坂(進藤×香坂):2009/03/11(水) 22:41:18 ID:aC6UTkFv

夜の地下は静かだ。
昼間の放射線科受付は各診療科からの患者で賑わっているし、地上から掘り下げてある中庭に入る日光が大窓から入っていて明るいのに、そのすべてが消えている。
廊下は蛍光灯の光があるのにもかかわらず、CT室前の待合室は真っ暗だ。
どうして太田川は自販機のアイスなんて食べたくなったのか。
コンビニでもいいじゃないか、と思う。
セブンティーンアイスのキャラメルなんとかとかいう、いかにも甘そうな名前の。
俺も甘いものは大好きだけれど、喉が渇く甘さは苦手だ。
早く戻ろうと、キャラメルなんとかと自分用にぶどうシャーベットを買ったときだった。
携帯使用許可エリアのソファー、ちょうど中庭が見える大窓の目の前の場所に香坂先生を見つけた。
思わず小走りになったが、ちょうど表情を確認できたときに速度を緩めてしまった。
あまりにも悲しい表情をしていたから。
「香坂先生」
やさしく声をかけたつもりなのに、思いの外大きく響く。
少し驚いたように、矢部くんとつぶやく声はようやく耳に入るくらいだった。
「最近はここにいたんですか?」
一応確認を入れて、隣に座る。
陽のあたらないソファーはひやりとする。
自分の問いに首を横に振って答えたときには普段の香坂先生の顔に戻っていた。
「あ、甘いもの食べませんか?」
持っていた2つのアイスを差し出すと、ありがとうといってぶどうシャーベットを受け取った。
「ここ、夜は静かね」
キャラメルなんとかは甘い。やっぱり喉が渇く。
「不気味ですよね、俺苦手です」
パッケージをよく見るとキャラメルプリンと書いてある。
甘いものと甘いものの組み合わせ。
どちらか片方でも飲み物がほしくなりそうだ。渋い緑茶とか。
「おばけ屋敷とかで逃げ出しそうよね、矢部くん」
さらさらした黒髪は明るいところだと赤く見える。
さりげなく見えた横顔は、確かに笑っているのだけど悲しさを含んでいて、見とれてしまう。
どうして、何があって。
こんな暗いところに一人で。
聞いてしまいたいけれど、きっと話してくれない。
「矢部くん?」
名前を呼ばれてはっとする。
「あ、あの、」
香坂先生は怪訝そうな顔でこちらを見ている。
何話してたっけ、せっかく会えたのに、やばい、聞いてなかった。
「相談したいことがあるんですけど」
たぶん、話していた内容とは全然つながっていない。
とっさにでた言葉。
「私に?」
きれいに整えられた眉がひそめられる。
何いきなり、とでも言いたそうに。
「心臓のことなんですけど、赤ちゃんの心臓のことで、空いてるときでいいので」
出した言葉は引っ込められない。押し通すしかない。
自分の間抜けな声が響いた後の沈黙に、少し緊張する。
ああ、どうしよう。
「あとでローテーション確認してみるわ」
まさかの返答だった。
アイスありがとうと言って立ち去る後ろ姿を見てうかれていた。
医局に戻ったらすぐに確認しなければ。
心の中で太田川に感謝した。
アイスと、あと渋い緑茶もつけようと思う。
しかし、医局には100g4000円の高いものがあるのを思い出し、結局買ったのは烏龍茶だった。
205my cinderella 矢部×香坂(進藤×香坂):2009/03/11(水) 22:42:30 ID:aC6UTkFv

センター南駅近くのタリーズについた時には矢部くんまだいなかった。
病院を出る間際に連絡をいれたのだから当然のことだ。矢部くんは自宅から来るのだ。
普段は受けないような誘いを受けたのは、たぶん気を晴らしたかったからだ。
なのに、外に出ても考えることは変わらない。
つい先程の出来事が頭のなかの大部分を占めている。
医局に戻ったとき、そこには進藤先生しかいなかった。
一瞬、ドアのところで戸惑ったが、開けてしまったものは仕方なかった。
「最近、どうしたんだ」
できるだけ急ごうと、荷物をまとめている時だった。
「何かあったのか」
進藤先生に縋ったあの日と同じ、隣のデスク。
近すぎる距離に、逃げたくなる。
「何もないわよ」
冷静さを保つのが辛かった。
視線を痛いほどに感じる。
おそらくあの日と同じ表情をしているだろう。
「少し疲れてるだけよ」
どうせなら突き放してもらいたい。優しさが辛かった。
「ちゃんと休めよ」
一瞬、でもしっかりと頭にのった手のひらの重さは、今でも残っている。その部分だけ熱を持って。
そのまま医局を出ていった後ろ姿も、自分の心臓が立てる音も消えてくれそうにない。
大きな手だった。
もう少し触れていてほしかったという思いには気付かないふりをする。
どんなに思っても、どんなに一緒にいたくても、あの人の心の中には私は入り込めない。
日本を出るなんて聞いていなかった。
私は進藤先生にとってその程度の人間なのだ。
カウンターの近くに矢部くんがいる。
ブラックデニムにエンジニアブーツ、少しくたびれた軽めの革のジャケットを羽織った後ろ姿は、どうみても学生だ。
今考えていた人物と正反対な姿。
こちらに気付くと、スティックシュガーを2本をとり、紙コップに水を入れててこちらに歩いてくる。
「ずいぶん早かったわね」
ふわふわの泡がたつマグカップにスティックシュガーを2本楽しそうに入れる姿は、弟のように感じる。
「俺、日吉と綱島の間に住んでるんです」
ここまで15分くらいだろうか。
ずいぶんと便利な場所にすんでいるものだ。
「学生の時から?」
「いえ、実家は川崎の方なのでしばらくはそっちに住んでたんですけど、5年で実習ばかりになってからは新羽でしたね」
どこの医学部でもだいたい5年次から臨床実習中心になる。
朝早くから夜遅くまで。
その時期になりようやく自動車通学が許可され、校内の駐車場が利用できるようになる。
それ以前から近所の月極駐車場を利用する学生もいたが。
「で、相談って何?」
いかにも甘そうなカフェラテを啜りながら幼児拡張型心筋症と単一冠動脈の合併症の話を切り出す。時々水を飲みながら。
先日行われた都内の国立大学での術例だった。
救命にいては滅多にふれることのない症例。このような患者は第一外科が受け持つ。
「それなら、詳しくのってる資料が出てるわ」
伊勢佐木町までいけば手に入るだろう。
最近、心臓血管系科目ではその話題でもちきりだ。
「バチスタか移植かについても興味があるんでしょ?」
幼児の移植については日本では法的に認められていない。
大抵の患者は渡米することになる。
莫大な資金と時間がかかるため、受けられるのはわずかだが。
バチスタも成長に耐えられるのか、また術後3ヵ月の生存率が低いために悩むところも多々ある。
今回のケースはまた別だけれど。
矢部くんが甘いカフェラテを飲み終わるのを待ち、まだ明るい外に出た。
206進藤×桜井1:2009/03/11(水) 22:46:40 ID:aKqcQrk6
初めての執筆の上、場違いな組み合わせで恐縮しております。
拙い文章ですが、お目汚しスレ汚しご容赦下さい。


AM:8:00

ゆきが着替えを終え、ロッカーの外へでると、明るい日差しが差し込む喫煙コーナーで
進藤が煙草を吸っているのが見えた。
長身で骨ばった体が逆光でシルエットとなり、その姿を見た瞬間、切なさが体中を駆け抜けた。
…私、ちょっと疲れてるんだ…。
そう自分に言い聞かせる。

もう、気持ちの整理はついていたはずだった。
進藤の事は諦めると、心に誓った筈だった。

もうずっと以前から、憧れにも似た恋心を進藤に抱いていた。
愛する妻を亡くし、絶望の淵にいても医師としての真摯な姿勢を持ちつづける彼に、
尊敬とも憧憬とも言える気持ちを持ちつづけていた。
自分も医療に携わる者として、進藤の姿は常に目標であったし、
自分のモチベーションを保ち続ける為の拠り所でもあった。
しかし、今、進藤には高坂がいる。

『桜井、今あがりか?』

立ちすくむゆきに気づき、進藤が微笑む。
すぐに笑顔をつくり、ゆっくり歩み寄った。
『進藤先生は?まだお家には帰れないんですか?』
『もう4日も帰ってないからな。さすがに今日はもう良いってさ。明日はまるまる休みをくれるそうだ』
煙草の煙を吐きながら光を仰ぐ。その端正な横顔に、油断するとすぐにみとれてしまう。
ゆきはわざと視線をはずしながらふざけた口調で早口で続けた。
『そうですか。それじゃ、ゆっくりお休みになってくださいね。どうせまた帰れない日が続くんですから』
『お前、そんな顔して厳しいこと言うなよ』
進藤の笑顔につい油断してしまう。
『そんな顔って、何なんですか。どうせ私は美人じゃありませんよ〜』
無理にはしゃいで、ふくれっつらになる。
『かわいいってことだよ』
そう言った進藤の表情がふと真顔になって、ゆきの胸が動悸で苦しくなった。
馬鹿みたい…先生の言ったこんな軽い冗談で、すぐに苦しくなる…。
泣きそうな自分を誤魔化す為に、早口で続けた。
『進藤先生、ほんとにゆっくり休んでくださいね。先生、ほんとに激務なんですから。
大体先生は全部ご自分でなさろうとしすぎなんですよ。もっと私達ナースを信用して任せてください。
たまには高坂先生でもお誘いしてゆっくりなさったら如何ですか。それじゃ私はお先に失礼します』
作り笑顔で進藤の横を足早に立ち去ろうとした時、不意に進藤の大きな手がゆきの腕を掴んだ。
『桜井、お前、次の勤務は何時からだ?』
『…?明後日の、お昼からですけど』
『そうか、俺もだ。偶然だな』
進藤の瞳がまっすぐにゆきを捕らえる。
『それじゃ少し付き合わないか?』


207my cinderella 矢部×香坂(進藤×香坂):2009/03/11(水) 22:47:12 ID:aC6UTkFv

探していることにしているものは、伊勢佐木町にはすでになかった。
先週のニュースで、買い付ける医師が多いのも頷ける。
しかも神奈川県また東京都内に勤務する医師たちは大抵この本屋か新宿、御茶ノ水を利用する。
医学書が充実する本屋は案外少ないのだ。
4階の奥の方。分厚い紙の匂いがして、他の売場とは別の空気を放っている。
本当は俺もすぐに買い付けたために、自宅の本棚に置いてある。
しかもここにないのは予想済みで、相模原の大学病院に勤める友人に依頼した。あそこの大学にはここの支店がある。
医学書が充実しているこの本屋は、学生の頃からよく利用している。
取り寄せも可能だと言われたが、丁寧に断った。
持っているものを取り寄せても仕方がない。
香坂先生には、自分がすでに踏んだ手順で手に入れると言い訳して。
しかし、その本なら持ってるから貸すわ、という提案にのることにしたのは、話す口実が欲しかったからだ。
最近感じる切なさを含んだ悲しい空気。
落陽後の冷たい風が、それを際立たせているようにも感じる。
正面からぶつかっていっても、絶対話してはくれない。
しかし、放っておけるはずなどないのだ。
「飯、食べに行きませんか?」
今日の礼と、ずっと忘れていたけれど、屋上にこない理由も聞きたかった。
こうして本屋にまでついてきてくれたってことは、怒らせたわけではなさそうだけれど。
208進藤×桜井2:2009/03/11(水) 22:47:38 ID:aKqcQrk6
行きたい所がある、と進藤は言って二人は列車に乗った。
行き先も告げぬ進藤に、ゆきは黙ってついて行った。
着いたのは、信州の、ある駅だった。
一時間に一本しかないバスを待つ間、駅の売店でゆきはパンとコーヒーを買ってきて進藤に渡した。
『こんなものしかなかったですけど。先生、昨日の夜に矢部先生が買ってきたお弁当食べたきりでしょ』
『そうだったかな…サンキュ』
進藤がパンを食べるのを、ゆきは嬉しそうに見つめた。こんな事でさえ、彼の為に何かできることが嬉しかった。
見つめ過ぎていたのか視線が合い、慌てて逸らす。進藤が微笑んだのが解った。
バスはむせ返るような緑の山道を奥深くまで進んで行った。途中でまたバスを乗り換え、更に山道を進んでいく。
民家は姿を消し、ただ深い緑と川のせせらぎだけがある。不思議に癒される空気に満ち溢れていた。
バスを終点で降りると、後は山道を歩く。足場の悪い道に何度もつまずき、ゆきはその都度進藤の逞しい腕に支えられた。
そして…。

そこは山深い場所にある湖で、崖の上からは滝が流れ落ちていた。
周囲の多彩な緑が鏡の様な水面に映し出され、息を呑むような美しさだ。
静寂の中にただ滝が流れ落ちる音だけが響き渡り、その水しぶきが汗ばんだゆきの腕や首筋を心地よく冷やしてくれる。
進藤とゆきは、ただ黙ってその空間の中に身を委ねていた。小一時間は経っただろうか。

『ここを桜井に見せたくなった』

不意に進藤がつぶやき、ふたりはみつめあったが、先に視線を逸らしたのは進藤の方だった。

『こんな素敵な場所に来たの、生まれて初めてです。良い思い出になりました。進藤先生、ありがとうございました』

本当に、こんなに気持ちが開放される場所に来たのは初めてだった。今日ここへ来て、自分は進藤をどれ程愛しているかを知った。
憧れでもなく、尊敬でもなく、ただ一人の男として愛している。
そして、こんな美しい景色をふたりで見ることができた。それだけで、もう充分…。

『進藤先生、私、ここへ来て元気になれました。これからまた、新しい気持ちで頑張れそうです』
『そうか…良かったな』

進藤は何時の間にか煙草を吸っている。携帯用の吸殻入れまで持ってきて…。高坂先生、先生に禁煙させてくれないかな。
そんな事を考える自分にクスリと笑った。

下りの山道で急に天気が悪くなった。急いで下山したが悪い予感は当り、バス停に着く頃には本降りになった。
時刻表をみたふたりは愕然とする。最終バスが出てしまっていた。更に悪いことに道の途中で土砂崩れがあり、復旧は明日になるという。
小さな役場のおじさんは、昔ながらの黒電話をチンと音をさせて切り、言った。

『今日はここに泊まってもらうしかないねぇ』
209my cinderella 矢部×香坂(進藤×香坂):2009/03/11(水) 22:48:30 ID:aC6UTkFv

入ったのは、海鮮居酒屋だった。
こういう店は学生以来あまり来る機会はなかったけれど、かといって嫌いでもない。
矢部くんは香坂先生がここにいると違和感がありますとか言っていたけれど。
逆に矢部くんには似合うと思った。学生的な雰囲気が。
近くにいる学生グループの中にいても違和感がない。
同じ大学出身ということもあり、話の内容は主に学生時代のことだった。
私立の医学部には太田川さんのような開業医の家の子が多いこと。
3年次から急に忙しくなること。
5年次からは実習の合間にする国家試験の勉強に忙しくなり、別れるカップルが多いということ。
必修のフランス語とドイツ語はやはり矢部くんも苦手だったらしい。
昔はラテン語だったらしいという話をしたら、ずるいと言っていた。
「そういえば」
中ジョッキを置く音が響く。
急に真面目な顔になったものだから、つられて私もウーロンハイのグラスを置いてしまう。
「俺、いつもふられる側なんですよ」
何を言いだすかと思えば。
なんとなく想像はつく。理由まで。
おそらく“友達としては好きなんだけどね”または“男としてみることができない”だろう。
「喧嘩は苦手なんですけど、何かあったときに守れるように筋トレもしてるのに」
通りすがりの店員にミルクティーハイを頼みながら筋トレとかいう姿に少々アンバランスさを感じる。
「好きな人には尽くすタイプなんだけどなあ」
絶対幸せにするのに、とこぼしながら紙ナプキンを三角に畳みはじめる。
さっきから三角が4つできている。癖なのだろうか。
子供じみた行動に思わず笑ってしまう。
「あ、笑った」
本人は真剣に悩んでいるのだろう。少し不貞腐れたようにこちらを見ている。
でも、正直いうと羨ましい。
私は、そんなふうに思われたことはあったのだろうか。
「私も矢部くんみたいな人を好きになればよかったわ」
言ってしまった言葉に自分で驚いた。
きょとんとした顔でこちらを見ている。
「あ、違うの。私が好きになる人とはいつもだめなのよ。結局いつも適当な男ばっかり。気楽だけどね、長続きはしないけど」
なんで自分の過去の恋愛なんて語っちゃってるんだろう。
「本当にいつもよ、だめってわかってるのに。何も言わないで消えたくせに急に戻ってきて中途半端に優しくされて」
もうずっと頭にちらついて離れない人物。
こんなこと言ったってどうにもならないのに。
全部お酒とあの人のせいにしてしまいたかった。私の問題なのに。
「もう放っといてほしいのに。期待するようなことされて、いちいち舞い上がって」
「香坂先生」
はっとして見ると、微笑んだ矢部くんの顔が映る。
「泣いちゃっていいですよ。俺、時間たくさんあるので」
差し出されたのは紙ナプキンの束だった。
矢部くんなりの、少しズレた気遣いが純粋にうれしかった。
210進藤×桜井3:2009/03/11(水) 22:48:41 ID:aKqcQrk6
ふたりが案内されたのは、登山客が使うバンガローだった。
ゆきは成り行きとはいえ進藤とふたりでひとつの部屋に泊まることになってしまった事に激しく動揺していた。
約二日分の食料は小さな食料品店で調達してきたが、ずぶぬれの上日帰りのつもりで来たので着替えすらない。

『桜井、とにかく服を脱げ』
絶句したゆきに進藤が慌てて説明する。
『いや、そ、そうじゃなくてとにかく服を乾かさないと体温が奪われる』
いかにも進藤らしい考えに納得し、服を脱ぎバスタオルに包まる。進藤は慌てて乾燥機に自分とゆきの服を放りこむと落ち着き無く動き回った。
予定外の状況に明らかに動揺している。いつも冷静な進藤が慌てている様子に、ゆきは笑いが込み上げてきた。

『うふふふふ』
『なんだ?何がおかしい?』
『だってそんな進藤先生、初めて見ました』
『俺は、こういうのは苦手だ』
『こう言うのって?』
無防備に見つめるゆきをしばらく見つめた後、進藤は目を逸らした。
『先に風呂入って来い。風邪引くぞ』

ふたりがお風呂を済ませても、服はまだ乾かなかった。
ふたりは服を諦めると、それぞれ毛布に包まって簡単な食事を済ませた。
エアコンの調子が悪いのか、夏とはいえ山の冷気がゆきを震えさせる。
『桜井、寒いのか?』
『少し…でも大丈夫です』
そう言うゆきの唇が青ざめているのが、進藤には気になった。
離れて座っていたソファから立ち上がり、ゆきのとなりに座り、手をそっと握る。
『せんせ…?』
『冷たいな』
不意にゆきの毛布の中に自分の体を滑り込ませて来た。
『!?』
『体温が低下した場合他に熱源が無い場合は、こうして人肌で暖めることが一番有効だ。
発展途上の国では、母親がよくこうしているよ』
ゆきは耳まで真っ赤になりながら、黙って身を硬くしていた。少し震えている。
『震えているな…。大丈夫か?』
進藤は毛布の中で、ゆきをしっかり胸に抱いた。毛布の中はふたりとも一糸纏わぬ姿だった。
当然、裸の胸がお互いに触れる。
ゆきは恥ずかしさの中にも、愛する男の胸に裸で抱かれる自分の姿に、体中が熱くなるのを感じる。
『桜井…?』
顔を上げたゆきの、上気した頬とその涙で潤んだ艶やかな瞳に進藤は思わぬ感情の高まりを感じていた。
見かけよりしっかりしたその胸の膨らみと、しっとりと湿度を感じるきめの細かい肌に自分の体が吸いつけられるのを感じる。

思えば、自分は何故今日桜井を誘ったのだろう。

明日の午後になれば、高坂たまきは時間がつくれると言った。彼女と特に男女の関係では無かったが、医局の中には
自分たちを噂する者もいた。自分も彼女も、いわゆる目立つ存在だ。そして、彼女に対して、単なる同僚以上の関心は確かにある。
しかし、今朝、夜勤明けの空が余りにもきれいだったから、そしてあの時桜井を何故だかとても愛しく感じたから…。
妻と一緒に行ったあの場所へ、桜井を連れて行きたいと思った…。
211進藤×桜井4:2009/03/11(水) 22:49:58 ID:aKqcQrk6
気づけば進藤はゆきにくちづけていた。最初は優しく、しかし次第に深く貪るように進藤の舌はゆきの舌にからまり、
彼女の口腔全てを味わうかのように執拗に愛撫を続ける。息をするのももどかしい程に、お互いを味わい尽くす様に絡み合う。
進藤の大きな手がゆきの豊かな胸を弄り、先端の敏感な部分を刺激しながら揉みしだいていく。
吸い付くようなきめの細かいゆきの肌は汗ばみ、そのねっとりとした質感が進藤の中の男を次第に目覚めさせていった。
進藤は毛布にくるんだままのゆきを寝室へ運んでいく。そしてゆっくりとベッドに寝かせ、何枚も毛布をかけると
自分もその中にもぐりこんだ。
まずはゆきの胸の突起を丹念に舌で刺激する。吸い付きながら舌で転がすと、ゆきの口から可愛い声が漏れる。
右よりも左の方が感じやすい、そう判断して左側を徹底的に責める。ピンと立ったピンク色の突起はやや大ぶりだが
感度は素晴らしく良い。ゆきは快感のさざなみに浮かぶ小船の様に、体を震わせながら寄せては引いていく波の中に漂っている。
『あん・・あん・・進藤せんせ…あ…ん』
胸を口と舌で責めながら、進藤の手はゆきの茂みの一番感じやすい部分にたどり着いていた。メスを握るときと同じ、
決して力んではいけない。優しく繊細に、そのぷっくりとした豆をそっと円を書くように愛撫する。
一瞬で潤いを帯び、滑りが良くなったのか、ゆきの声が艶を帯びてくる。
『あん・・あん・・あん・・あ…進藤せんせ…いい…』
胸の突起は張り詰める様に膨らみ、舌で刺激するだけでビリビリと痺れるような快感をもたらしていた。
そしてゆきのなかに進藤の長い中指がそっと差し込まれ、抜き差しされながらゆきの一番良い角度を探す。
繊細な進藤のセンサーがゆきの喘ぎを聞き分け、ピンポイントで彼女の一番敏感な部分を探し当て、簡単に翻弄していく。
ゆきの切ない瞳と進藤の瞳がぶつかった。
『桜井、いっていいか』
ゆきの返事を待たず進藤が自身を彼女の中にそっと沈める。
せんせい、すき…と微かなゆきのつぶやきを聞いたような気がしたが、中に入った瞬間きゅっと締め付けられて
進藤は低く声をあげた。
ゆきの切ない喘ぎ声と、思ったより締め付けのきついゆきの内で進藤の理性は徐々に剥ぎ取られていく。
桜井、すごく気持ち良いよ』

進藤の言葉にゆきは微笑む。

『先生が気持ち良くて、私嬉しい…うんっ…あっあんあんあんあんっ』

その可愛らしい言葉に我慢できず、返事の変わりに激しく打ち付ける。しっかりした質感の太ももを抱きかかえて
しっかり奥まで…。

やがて進藤に限界がきた。ゆきに優しくくちづけると
『桜井はここが良いんだろ・・・』
と言わんばかりに左胸の先端を執拗に口と舌で愛撫しながら、最後の力で打ち付ける。
ゆきの白い肌は上気し、切ない喘ぎは進藤の低いうめき声と重なった。
212my cinderella 矢部×香坂(進藤×香坂):2009/03/11(水) 22:50:04 ID:aC6UTkFv
ごめんなさい、いったん切ります。
日付がかわったら続きから投下します。
時間がかぶってしまってごめんなさい。
213進藤×桜井5:2009/03/11(水) 22:51:23 ID:aKqcQrk6
ふたりでぐったりと横たわりながら、体中が汗にまみれていることに気づく。
どちらからともなく笑った。
『あったまったな』
『はい…』
『汗、かかしたな。シャワー浴びるか?』
恥ずかしそうに黙ってゆきが頷くと、進藤がゆきを抱き上げる。
ふたりでたわむれながらひとしきりシャワーを浴びると、それから何度と無く営みが繰り返される。

数時間後、ベッドでは、疲れ果てたのかゆきがすやすやと寝息を立てていた。
夜勤明けなのに、沢山鳴かせたからな…。
進藤は眠っているゆきの前髪を掻き分けた。
透き通るような白い肌はさっきまでの激しい交わりの余韻を残すかのようにほんのり紅づき、
匂い立つような色気を放っていた。

214進藤×桜井6:2009/03/11(水) 22:51:59 ID:aKqcQrk6
何故こうなったのだろう?
進藤は自問自答してみる。

先週、桜井は突然今の場所からいなくなると言った。
それは婦長からの進言だったが、桜井にとってはこの上も無く良い話だ。
桜井が今まで頑張ってきた事が実りとなり、新しい段階へステップアップできる。
進藤は迷っている彼女をそっけなく突き放した。
結局は自分が決めることだったし、彼女は進藤が止めれば多分行くのをやめていたからだ。

もう、桜井を自由にしなければ、と進藤は思っていた。
思えば、自分が一人で戦っている場所には必ず桜井がいた。
時には影で、時には表立って進藤をかばった。
誰に頼まれたのでもなく、桜井はいつでも進藤の味方だった。
甘えていたのかもしれない、と思う。
いつもひまわりの花のように笑う彼女に。
亡くなった妻を思い出させる、陽だまりのような白衣の天使に。

高坂たまきと自分とはとても似ていると思う。
多分、戦いつづけさまよい続ける過酷な人生を生きるもの同士。
例え一時期離れたとしても、また何処かで出会い、時には男と女として重なるのかもしれない。
とても刹那的な関係だが、自分たちにはそれが似合っている。

だが桜井は違う。
幸福な結婚をし、子供を産み、暖かな団欒と信頼を築いて欲しい。
かつて自分と妻が、そうしたかったように。

もう70時間以上寝ていない。ついに進藤にも体力の限界が来た。

桜井を愛していた。もうずっと前から。
朦朧とする意識の中で、心の声を聞いた気がした。
彼女の暖かい手を握りながら、進藤は深い眠りの中に落ちていった。



次の日の朝。
雨はすっかり上がり、素晴らしいお天気だ。
すっかり身支度を整えたゆきは、進藤の寝顔を見つめていた。
彼女の好きな優しい瞳、知的な唇、額にかかる黒い髪、
広い肩、逞しい胸、そして数々の重症患者を救い、夕べは自分を翻弄し支配した神さまみたいな大きな手。

絶対忘れない。

久々の睡眠のせいか、真だ熟睡中の進藤に軽くくちづける。

ありがとう、先生。

さようなら。

置手紙もせずにゆきはバンガローを後にした。

白衣の天使は少し大人の顔をしていた・・・。

215進藤×桜井:2009/03/11(水) 22:53:32 ID:aKqcQrk6
以上です。
当時よりこのふたりが好きでいつももんもんとしておりました。
稚拙な文章ですが思いきって投稿してみて良かったです。
長々とお目汚し失礼致しました。
216進藤×桜井:2009/03/11(水) 22:59:12 ID:aKqcQrk6
こちらこそかぶってしまいすみません。
初心者ゆえ焦って投稿してしまいました。何卒ご容赦下さい。

ではロム専にもどります。

職人さん達の投稿も楽しみにしております。
217my cinderella 矢部×香坂(進藤×香坂):2009/03/11(水) 23:50:37 ID:aC6UTkFv
たびたびすみません。
続きになります。
長さの関係でもう一度切ることになってしまったらごめんなさい。
218my cinderella 矢部×香坂(進藤×香坂):2009/03/11(水) 23:52:03 ID:aC6UTkFv

1DKのマンションは、中途半端にミッドセンチュリーな空間にしてある。
暖かな間接照明に、イームズのクリアテーブル。
部屋に不釣り合いな大きな本棚と散らかったデスクのせいで、チェアとソファーは購入できなかった。
低いベッドの上には茶色いカバー。
完璧ソファーがわりになってしまっているそれにどっかりと腰を下ろすと、いい具合に体が沈み込む。
ヘッドホンをはめ、リモコンのボタンを押す。
横浜のドン・キホーテの福引きで当選した有線の無料取り付け工事はかなりラッキーだと思ったのに、結構当たりはでていたらしかった。
チャンネルはいつもB-56にしてある。J-R&Bチャンネル。
J-R&Bといいながら、CHEMISTRYやゴスペラーズまで流れる。
結局、新横浜で降りるまで香坂先生は泣かなかった。
だからそういうことは矢部くんを大人だと思ってる女の子に言いなさい、と返された。
よりによってハンカチを忘れた。
差出したのは間抜けな紙ナプキンの束。
泣かしてやることすらできないなんて、残ったのは自分の無力さだけだった。
“好きな人は絶対幸せにするのに”
自分の言葉は嘘になってしまいそうだ。
釘を刺された気がする。
きっと、香坂先生には、大切に思ってる人がいる。
そして、その人に振り回されている。
なんとなくわかってしまった。
“何も言わないで消えたくせに急に戻ってきて”
ずっと前に屋上で、進藤先生の不在の話をしたとき、知らなかったような顔をしていた。
詳しく聞いてこなかったために知っているものだと思ったけれど、一瞬の違和感はよく覚えている。
それから、屋上で会えなくなりはじめた時期。
全部がつながった。
ほどよく酔った頭の中には、シンプルなトラックのせた切なげな歌詞が響いている。
スネアのリムタップ、ピアノ、ベース、アコースティックギターの4つが奏でる悲しいトラック。
Teddy Rileyが認めた日本人の歌声。
“好きな人は絶対幸せにするのに”
自分で言ったことは嘘にしていいのだろうか。
医師を志望した理由は、苦しんでいる人間を助けたいからだった。
入試の時の二次試験は圧迫面接で、面接官には鼻で笑われてしまったけれど、今でもそれは変わらない。
好きな人が苦しんでいるときに助けられないなんて、なんとも情けない話だと思う。
医師としてではなく一人の男として、何とかしたいと思った。
リモコンに手を伸ばし、A-26、A-25と回していき、結局一番明るい歌が聞こえてきたオリコンチャートでボタンを押すのを止めた。
219my cinderella 矢部×香坂(進藤×香坂):2009/03/11(水) 23:53:24 ID:aC6UTkFv

午後の医局には矢部くんと進藤先生と太田川さんがいた。
矢部くんに声をかけると3人とも反応する。
太田川さんからは最近よく矢部くんの話を聞く。
ちょっとした愚痴が多いが、わかりやすい子だと思う。
申し訳なく思いながらも、矢部くんを使われていない外来診察室へとつれていった。
「これ、昨日の本」
まずは約束していた本を渡す。
ケーシーを着ていても、やっぱり矢部くんは学生みたいに見える。
「香坂先生、昨日のことなんですけど」
昨日、私はとんでもないことを言ってしまったような気がする。
「今までどうやって諦めてきたかわからないですけど」
あれだけ飲んでいたから記憶にないことを期待していたが、どうやらしっかり覚えているようだった。
「現状打破は自分でするものですよ」
現状打破。恋愛に関して取り組んだことがなかった。
「あのね、簡単にできたら苦労しないの」
「今回はどうなんですか?」
そこまで話した記憶はない。
飲み過ぎたのは私の方だったのかもしれない。
「今回って…、ねえ、昨日言ったこと忘れてもらえないかしら?」
どこまで話したかわからないことを覚えてもらっていられても困る。
矢部くんだからと何も考えずに飲んでいた私の自業自得かもしれないが。
「どうなるにしろ、決着はつけなきゃ辛いです」
私の依頼を無視して真剣に言うと、椅子から立ち上がってしまう。「ちょっと、聞いてるの?」
「本ありがとうございます」
どうやら忘れないつもりらしい。
引き止めようと私も立ち上がったとき、ちょうどドアの前で振り返ると、信じられないようなことを言った。
「やっぱり今片思い中なんですね、頑張ってくださいね」
楽しそうに笑いながら外来診察室を出ていく。
“やっぱり”って…。
どうやらはめられたらしい。
矢部くんにだまされるなんて。
それ以前にそんなにわかりやすいのだろうか。
しばらく医局には戻りたくないと思い、資料室にこもることにした。
220my cinderella 矢部×香坂(進藤×香坂):2009/03/11(水) 23:55:15 ID:aC6UTkFv

屋上に出ると先客がいた。
風で煙草の匂いがこちらまで流れてくる。
ドアを開ける音に反応したのかちらりとこちらをみたが、また都筑区の街並に視線を戻してしまう。
ベンチに座ったときだった。
小さくだけれど、はっきりとため息が聞こえた。
もしかして。
声をかけようとしたときにはすでにドアに向かって歩きだしていた。
「進藤先生」
呼び掛けに振り返ることはなかった。
もしかして、同じ人を待っていたのではないのだろうか。
さっき香坂医局を出るときに感じた視線も、今のため息も、確信は持てないけれど、でも、もしかしたら。
なんだ、うまくいきそうじゃないか。
ならどうして悲しませるような真似するんだよ。
嫉妬と悲しさが40%ずつと、喜びが20%くらい。
でも、喜びが80%と嫉妬と悲しさが10%ずつということにする。
「何ぼーっとしてるの?」
いつのまにか太田川が隣に座っていた。パックのいちごミルクを持って。
「なあ、」
太田川はもつ飲食物はいつもうまそうに見える。
高いものも、やすいものも、うれしそうに口にする。
「もし、太田川が俺のこと好きだとして」
「ちょっ、何言ってるの!?」
そんな大きな声ださなくても。
大きな目をめいいっぱい開いている。
表情のよく変わる子だ。
「もしだよ、もし」
そんなに嫌かな、この例え。
「それで俺も太田川のこと好きだとしてさ、でも」
ピンクのパックが落ちる。
変なこと言わないでよ、と叫ぶと、スタスタと歩いていってしまう。変なやつ。
そんなにあからさまに嫌がられるとさすがにきつい。
まだ話の途中なのに。
足元に倒れたパックからはいちごミルクの甘い匂いが漂う。
片付けるのはどうやら俺らしい。
新しいものを買っていかなければ。金欠なのに。
しかし、もう少しだけ甘い香りがする風を感じていることにする。
221my cinderella 矢部×香坂(進藤×香坂):2009/03/11(水) 23:59:14 ID:aC6UTkFv

何もない休日は、だらだらと過ぎていく。
いつもの起床時間に一度目を覚ますものの、カーテンから陽が差し込む中で再び目を閉じ、昼頃までそのままだ。
その後コーヒーを飲み、のんびりとテレビをみながら掃除やら洗濯やらをしていると、終わる頃には夕方になっている。
平日には無駄に感じる行為も、休日に限っては特別だ。
軽めの羽毛布団を深く被り、夢と現実の間を彷徨っているところ、携帯の着信音が聞こえた。
矢部淳平と表示されている。
「あ、すみません、寝てましたか?」
「そんなわけないじゃない、もう7時半なんだから」
“まだ”7時半なのに。
「ごめんなさい、まだ寝てていいですよ、また後でかけ直しますから」
「だから起きてるってば」
“まだ”布団の中だけど。
耳元から聞こえる声は明らかに焦っている。
どうやら夜に本を返してくれるらしい。
睡眠時間を少しだけ削ることになる。
アラームを10時にセットし、再び布団に深く潜り込んだ。

中庭は屋上とは違ってにぎやかだ。
患者が唯一出れるのは中庭で、2年前から屋上は禁止されている。
飛び降りる人間がいるからだ。
馬場先生いわく、助かるかどうかのラインは5階あたりらしい。
病院は閉鎖的だ。
大学生のとき、高校時代の友人に学内を案内したことがある。
靖国神社近くの理系の大学にはキャンパスがなく、道路に沿って校舎がならんでいるという。
開放的だな、と言われた。
そうは思わなかった。
キャンパス内にある建造物は研究施設などすべて生命に関係するもので、併設されている病院では病気と戦っている人がいるのだ。
重苦しく感じていた。
少し強めのこの春風も、少し暖かくなった日差しも、建物内にいては感じることができない。
病むだろうなあ、と思う。
患者さんはもちろん、今の香坂先生も。
電話をかけたとき、眠そうな声が聞こえた。
絶対寝ていたのに、起きていたとかいうものだからおかしかった。
この貴重な声もその他のプライベートな姿も、俺は感じることはないだろうと考えると少し切なくなる。
でも、閉鎖的な感覚から少しでも外に出せるのなら。
今屋上に、あの人はいるだろうか。いつもの待ち人ではない、青い術着。
ねばってみようと思う。
煙草を吸いにあらわれるまで。
222my cinderella 矢部×香坂(進藤×香坂):2009/03/12(木) 00:02:49 ID:H7LnSMXD

昼と違い夕方の空気はまだかなり冷たい。
ついていないことに、雨まで降りだしてきていた。
この季節の変わり目独特の、冷たい雨。
地下鉄ですぐだからと、帰宅ついでに本を届けてくれるという。
遠回りになるのに。
昼間の気温からまさかこんなに寒くなるとは思ってもいなかった上、近所だからと薄着できてしまったことに後悔する。
改札に、見慣れた人物をみつける。
黒いスーツに黒いシャツ、広い肩幅。
待ち人のものではない姿に動揺を隠せない。
しかもこちらに歩いてくる。
「待ったか?」
なぜ、進藤先生が。
見上げた瞳は私を映している。
「夜勤代わるかわりにこれを頼まれた」
つい先日貸した本だった。矢部くんが持ってくるはずの。
こういうことだったのか、やたらと今日にこだわった理由は。
病院でもいいと言ったのに。
寒いな、と言って肩に掛けられた男性もののジャケットからは煙草の匂いがして、一気に緊張が高まる。
「コーヒーくらい飲んでいく?」
なんとか出した言葉は、“現状打破は自分でするものですよ”という矢部くんの言葉を思い出した結果だった。
“どうなるにしろ、決着はつけなきゃ辛いです”学生みたいなくせに一人前だった言葉に、素直に従うことにした。

室内にはコーヒーの香りが充満している。
暖房も入れて温かいコーヒーも入れたはずなのに、冷えきってしまった体の温度はなかなか上がりそうにない。
さらにこの気まずい空気。
何を話していいのかも、進藤先生が何を考えているのかもわからず、ただただ時間だけが過ぎていく。
まだ自宅に着いて10分くらいしかたっていないはずなのに、沈黙のせいで時間がずいぶんと長く感じられる。
「寒いわね」
エアコンのリモコンを取りに立ちあがったときだった。
ゆっくりと近づいてきたかと思うと、急に腕を引かれた。
「どういうつもり?」
抱き締められた体温はとても温かくて、涙があふれそうになる。
感情を抑えるのは今までのことで慣れたつもりだったのに。
「寒いんだろ」
耳元で聞く大好きな声。
でも、今は、
「お願いだから離して」
これ以上このままでいるのは耐えられない。
後になって辛さに耐えられなくなりそうだから。
223my cinderella 矢部×香坂(進藤×香坂):2009/03/12(木) 00:04:39 ID:H7LnSMXD
身体が軽くなり、離してくれると思ったときだった。
一瞬だけ、唇にキスを落とされると、先程よりも腕の力が強くなる。
「冷たいな」
もう無理だった。
どうしてこんなことをするのか、じゃあ何でどうでもいいかのような扱いをしたのか、理解できないことだらけで頭がおかしくなりそうだった。
「どうしてこんなことするの?」
なんとか出した声の震えを抑えることはできずに、この男の前ではただの女でしかいられなくなっていた。
「何も言ないでいなくなって、間接的に不在を知って、私がどんな思いでいたと思ってるのよ」
今までの辛さも、悩んだ時間も、この男は何も知らない。
普通を装っていても、優しくされるたびにいつも泣きそうだった。涙を拭ってくれる指は温かい。
進藤先生が何を考えているか全然わからない。
「お前は」
ようやく見上げた進藤先生の顔は、どこか哀しげに見える。
「惚れてる人間に死ぬかもしれないなんて言えるのか?」
言っていることを理解するのに少し長くかかった。
「本当はずっと会いたかったんだ」
それなら早く言ってくれればよかったのに。
ずっとずっと一方通行だと思っていた。
自分のなかの思いなんて消してしまいたいと思っていた。
「生きててくれてよかった」
触れた唇は温かくて、自分の涙の味がした。

倒れこんだシングルサイズのベッドは、少し狭いかもしれない。
繰り返される長い口付けに、息は完全にあがっていた。
暗やみのなかに二人の荒い呼吸音がとぎれとぎれに響いている。
身体のあらゆるところにキスを落とされるたびに、それだけで反応してしまう。
吐き出す息はひどく熱を持っている。
広い背中にしがみつくように腕を回すと、しっかりとした肩甲骨がわかる。
直に感じる体温は、あたたかいというよりもあつい。
胸に下りてきた唇に、堪らずに声をおさえようとした手はベッドに押さえ付けられてしまった。
先端をねっとりと舐め回されると、どうしても声はおさえられない。
「ちょっ…と、まって」
沸き上がる羞恥に、身体中がさらに熱をもつ。
「だめだ」
舌で愛撫を受けていた部分に吐息がかかると、思わず身体が上にあがるが、がっちりと肩をつかまれ逃げさせてはくれない。
224my cinderella 矢部×香坂(進藤×香坂):2009/03/12(木) 00:05:25 ID:H7LnSMXD
舌はそのままに、その手は徐々に身体のラインをたしかめるように下へとおりていく。
腿から足の付け根に手が上がると、身体を捩ってしまう。
それでもかまわずに触れるか触れないかのかすかな動きを続ける手に、膝が立ってしまう。
一瞬、舌と押さえ付けられていた手が離れたときに最後の下着ははぎ取られてしまった。
指が侵入するのと同時に、もう片方の先端に舌が触れるとびくりと身体が跳ねる。
「…や…っ」
つい先程まで愛撫を受けていた先端で感じる空気は唾液のせいで冷たく感じる。
もう片方は微かに舐められるのと下から弾かれるのを繰り返され、下では内部をかき回されると、頭がおかしくなってしまいそうだ。
今私をおかしくしている人物は、進藤先生なのだ。
それが羞恥が沸き上がるのを助長していた。
ようやく胸が解放されると、唇を塞がれる。
奥の方まで貪られるようにされ、軽い酸欠を起こした脳内にまで、内部の刺激が伝わるようだった。
どういうわけか、ぼーっとした頭のなかに水音がはっきりと響く。
解放されると同時に舌での愛撫は耳に移る。
自分で乱した進藤先生の髪が頬にあたりくすぐったい。
さらに下部の愛撫はそれまでは触れることのなかった敏感な部分にへと移行し、呼吸を整える間もなく高い声があがる。
どうしようもないくらいの下部への刺激と、耳にかかるあつい吐息に耐えられそうにはなかった。
「…っ…しんど…っ、せんせっ」
懇願の意味をこめて、なんとか名前を呼ぶと、両方の愛撫が止んだ。
こんなに情けない状態の中で見つめられると、目を逸らしたくなる。
額に軽くキスを落とされると、それまでにはない質量のものが侵入してきた。
動かれるたびに溶けてしまいそうで、必死に背中にしがみつく。
「あ、…やっ…っ」
自分自身のことなのに制御することは出来ずに、快楽の波にのまれていく。
どうしても止まらない声の合間に、自分の声ではない、くっ、という喉からの響きを聞いた。
おそるおそる目を開くと、眉がしかめられ、額にはうっすらと汗をかいているのがみえる。
私をおかしくしているのは進藤先生で、その進藤先生をこんなにしているのは私なのだ。
自分で締め付けるのを感じ、動きが加速する。
愛する人に抱かれる感覚は幸せで、このままでいたいと思った。
ずっとずっと。
内部が痙攣するのと同時に、あついものが放たれたのがわかった。
225my cinderella 矢部×香坂(進藤×香坂):2009/03/12(木) 00:07:15 ID:H7LnSMXD

さっきから太田川は機嫌よさそうにアイスを食ってる。
今度はブルーベリーチーズケーキだ。
地下まで俺が買いに行ったもの。
「矢部くんのも買ってこればよかったのに」
「金欠なんだよ」
コンビニなら105円で済むのに、自販機だと120円。15円は今の俺には貴重なのに。
キャラメルプリンのときは香坂先生に会った。
今回は地下に下りても誰もいなかった。
あたりまえだ。
今ごろ2人でどうにかなってる。
自分が仕向けたことに少し後悔しつつも、明日は笑顔でいることをどこか願っている自分がおかしい。
「太田川」
何?と向けられた顔は明るい。
さほど温度差はないはずなのに、地下よりも医局の方が暖かく感じるのはそのせいかもしれない。
「俺、失恋したんだよ」
今度あがった声は“えぇ!?”だった。
「ふられちゃったの!?あ、でもいつものことでしょ、元気出して」
「いつものことは余計だよ」
アイス食べる?だとか、次は私が何か買うからだとか、一人で騒いでいる。
俺はなんとか大丈夫そうだ。
俺を励まそうと悩みつつ必死で喋り掛けている姿をかわいいと思ったのは、まだ本人には言わないでおくことにする。

唇に温かい感触があり目を開くと、あまりの顔の近さに驚いた。
「悪い、起こしたか」
カーテンの隙間から見える空はまだ青くて、だいたいの時刻を知らせている。まだ起きるには早い。
「気にしないで」
厚い胸板に顔を埋めると、進藤先生の匂いがする。
動かした足に触れるシーツの冷たさから現実であることを知ると、満たされた気持ちになる。
「矢部にはやられたな」
本当に、呆れるべきなのか感謝するべきなのかよくわからない。
「あなたが指導医だったからじゃない?」
一度目のシカゴ行きの際、似たような形で進藤先生はチャンスを作ってくれた。
「ずいぶん矢部と仲良いんだな」
「ねえ、どうして矢部くんの話ばかりするのよ」
確かに矢部くんのおかげだが、こんな時にその話ばかりだなんて。
苦笑を浮かべた顔は、進藤先生に似合わず少しこどもっぽい。
「好きな人といるときに別の男の話はしたくないわ」
こうやってしか“好き”とは言えないけれど、それはお互い様だと思う。
「嫉妬深かったのね」
強くなった抱き締めてくれる腕の力と、近くで聞こえる心音と一瞬だけ笑いの交じった呼吸を感じながら目を閉じる。
病院についたら矢部にカフェオレを入れてあげなければならない。お砂糖をたっぷり入れて。
しかし、それまではすぐ近くにいる男のことだけを考えることにした。
226my cinderella 矢部×香坂(進藤×香坂):2009/03/12(木) 00:09:43 ID:H7LnSMXD
以上です。
読んでいただいた方に感謝します。ありがとうございました。
長々と失礼いたしました。
227名無しさん@ピンキー:2009/03/12(木) 00:31:45 ID:N7v1Gf/1
ぐはっ!!!!

も、萌え死ぬ…
228名無しさん@ピンキー:2009/03/12(木) 05:39:55 ID:1rFzByq0
>>AAS
久々投下うれしす
素敵な長編小説をありがと萌えた〜  乙!
229名無しさん@ピンキー:2009/03/13(金) 01:16:13 ID:haEikb2g
ちょっと港北医大に逝ってくるわww
SSで死にそうな場合は何科がいいんだ?
230名無しさん@ピンキー:2009/03/13(金) 06:54:54 ID:516Ed0fv
そりゃもちろん、救命救急センターでしょw
231名無しさん@ピンキー:2009/03/13(金) 08:11:00 ID:NaiqGbxV
うぁーん(*´Д`)
香坂先生と一緒にふかふかのベッドで仲良くグッスリ眠りたいお!
232名無しさん@ピンキー:2009/03/13(金) 14:12:32 ID:HwzGEUeJ
>>215
GJ!!!
進藤香坂至上主義なのに超萌えたwwwwwwどうしてくれるwww

>>226
いつものお方かな?矢部がかっこよい
やっぱ進藤香坂萌え〜〜〜
巧すぎ!GJ!


パソコンが規制中うざい(;_;)
233名無しさん@ピンキー:2009/03/14(土) 11:41:09 ID:h9gwCd3M
だいぶ前なんだけど、このスレにパート3の河野先生と、
パート2の香坂先生のエロ小説投下されてなかったっけ?

あれ結構好きで探してるんだけど見つからない(;つд`)
まとめwikiと過去スレは探してみたけどなかったです。

その小説見たことある人、心当たりある人教えてー(;´д`)
234名無しさん@ピンキー:2009/03/14(土) 15:01:57 ID:4x0Xp7Lp
>>233
そんなのなかったと思うよ?
235名無しさん@ピンキー:2009/03/14(土) 16:57:44 ID:YqpSJNS0
いきなりだが、
中村雅俊の『恋人も濡れる街角』って、進藤×香坂にぴったりな曲だな。
と思った。
236名無しさん@ピンキー:2009/03/14(土) 18:06:26 ID:h9gwCd3M
>>234

ホント?じゃあ違うスレだったかもしれない(´д`)
情報ありがとう!また探してみます!
237名無しさん@ピンキー:2009/03/14(土) 18:55:18 ID:5+SEYS94
>>233
覚えてるw
part1スレか、
もしくはその前にスレがあってdat落ちしたのかわからないけど
確かにあったよね
力になれなくてごめん
238名無しさん@ピンキー:2009/03/14(土) 19:30:11 ID:h9gwCd3M
>>237

覚えてますか!?ありがとうございます!

もう一度探してみますね。
239名無しさん@ピンキー:2009/03/15(日) 00:07:35 ID:Jp8iSqj3
>>238
スレが救命病棟でハアハア時代のじゃね???
落ちてしまった奴
探してみる
240名無しさん@ピンキー:2009/03/15(日) 00:18:33 ID:YQcr6hMy
>>239
そこにあったのもwikiに載っけたいね
241名無しさん@ピンキー:2009/03/15(日) 00:27:58 ID:EiErPjiG
http://depository.r.ribbon.to/log/
ここにのってるけどみれない
242名無しさん@ピンキー:2009/03/15(日) 00:58:13 ID:UTcQqw46
my cinderella 激ヤバ!!
めちゃくちゃ萌える!!
GJすぎwww
243名無しさん@ピンキー:2009/03/15(日) 01:31:20 ID:EMus8wsC
244進藤だ(`・ω・´):2009/03/15(日) 01:33:57 ID:004zD3UU
245名無しさん@ピンキー:2009/03/15(日) 01:58:28 ID:EiErPjiG
>>243>>244に萌え
携帯の人にプレゼント
http://mirror.k2.xrea.com/i/
246名無しさん@ピンキー:2009/03/15(日) 03:37:02 ID:EMus8wsC
ダメだ…このポンコツ携帯が悪いのか…
247名無しさん@ピンキー:2009/03/15(日) 12:36:45 ID:8DJ6GVqF
質問したものですが…


おまいら大好きだああああああああ

見れた!見れたよ!ありがとう(*´д`*)
248名無しさん@ピンキー:2009/03/16(月) 17:13:47 ID:5GxFmDLi
おお見れた!
進藤香坂最強だ
249名無しさん@ピンキー:2009/03/16(月) 17:39:42 ID:GsEHIM49
見れないよー進藤先生!
ちなみに河野×香坂ひとつのみですか?
250名無しさん@ピンキー:2009/03/16(月) 19:32:42 ID:kUwn4WZD
>>235
YOKOHAMA!

Ne-Yoのbecause of youが流行ったとき、こんな進藤先生だといいなと思ってしまった。
251名無しさん@ピンキー:2009/03/17(火) 00:40:03 ID:zW+76rFe
252進藤だ(`・ω・´):2009/03/17(火) 02:40:32 ID:9qK8e+/B
ttp://www.geocities.jp/mirrorhenkan/url.html?u=http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1121437375/

これのその6辺りでも見れないか?(´・ω・`)
俺は見れるぞ。
253名無しさん@ピンキー:2009/03/17(火) 05:34:21 ID:nfVoG8fs
>>251さんので見れました…(>_<、)Y
あぅあぅあー、ありがとうございます!
生きてて良かった…おいら幸せだ(涙

進藤センセもありがとうございます!みんな助けてくれてココは高度救命スレだ!
254名無しさん@ピンキー:2009/03/18(水) 06:41:44 ID:TgbXvG3i
自分ココの機能に不慣れで誰か優しい先生
手順教えてほしい
何を押していいか全くわからんですorz
255名無しさん@ピンキー:2009/03/18(水) 12:02:20 ID:EQ0DXnPS
進藤×香坂、激モエ・・・
256名無しさん@ピンキー:2009/03/18(水) 15:44:53 ID:sNgpZfu4
最終回最後の見つめあってるところがすき
257名無しさん@ピンキー:2009/03/18(水) 21:24:24 ID:NVYhYYTM
>>254
>>252の左側のアドの最初の入力するとこに右側のアドを入れるのじゃ頑張れ

進藤香坂のエロ半端ねえwww
258254デス:2009/03/19(木) 16:14:40 ID:dFK7xPML
>>257の先生
親切に教えてくれてありがとう。本当にココは港北医大救命センターだぁ(´Д`)
ホントに進藤香坂は激萌えだよね

患者に迫られてる
香坂先生を偶然見てしまった進藤先生
感情を抑えきれなくなり
夜の資料室で会った香坂先生を本棚に押さえ付け
無理やり唇を奪う!
なんてシチュとか
萌える〜w
259名無しさん@ピンキー:2009/03/20(金) 03:16:47 ID:9Nt8tTk/
>>257
ケータイでは見れない…よね?
260名無しさん@ピンキー:2009/03/20(金) 16:25:33 ID:NXRtDPF7
>>259

携帯では、

救命病棟 エロパロ まとめwikiで検索

まとめwiki出たらトップへ行く→救命病棟エロパロパート2クリック→

過去ログ倉庫を見るにはどうするか書いてるから、手順通りにやる→

ログインしたら>>251を見る

で見られると思う。分かりにくくてごめん(;´д`)
261名無しさん@ピンキー:2009/03/20(金) 17:58:00 ID:H9mAiABi
っつーか半年ROMれ。
過去ログに入ってるやつの見方とかググれば出て来るんだし。
アドレスは載せてくれてるんだから、コピペして色々トライすればそのうち出て来る。
教えちゃん、少しは頭使うんだ。
262名無しさん@ピンキー:2009/03/20(金) 19:51:34 ID:9Nt8tTk/
>>260
>>261
やっと見れたよー!!!
ありがとう
263名無しさん@ピンキー:2009/03/21(土) 21:32:07 ID:5K5fHhuB
見れる人はまとめwikiでどんどん上げればいいんじゃね?
つーか教えてちゃん大杉だろ、いちいち質問しないでググれ
何で自分で調べようとしないの?馬鹿なの死ぬの?
264名無しさん@ピンキー:2009/03/21(土) 23:30:35 ID:uLHMjjdk
ぎゅーって抱き締めるのいいよねw
進藤香坂は絶対いいと思うんだが
個人的萌え

山城さん好きだw
265名無しさん@ピンキー:2009/03/22(日) 00:25:29 ID:ds6mIMbh
進藤先生狙いの新任ナースが香坂先生を勝手にライバル視。
罠にはめようとするも、2人の絆は深まるばかり…
的な王道が好きです。
266名無しさん@ピンキー:2009/03/23(月) 14:23:35 ID:OhrHzVa1
華奢な香坂先生をがっしりと抱きとめる進藤先生に萌えるww
267名無しさん@ピンキー:2009/03/23(月) 19:38:30 ID:FUjHreHa
あの幻のSPでの医局のシーン激萌え!もっと長く見たかったぁ〜
268矢部先生の受難の日々  矢部×太田川:2009/03/24(火) 05:20:56 ID:LtbEydEd
進藤×香坂の話題ばかりじゃ何なので矢部×太田川っぽいもの投下


その日、矢部は恐らく初めて太田川のことを「美人」だと思った。
普段、如何見ても院卒の研修医というよりもティーンズにすら見える童顔なせいだろう。「可愛い」の部類程度にしか見ていなかった。いや、それよりも彼女が恋愛対象になってしまう日が来るなんて毛頭思いもしなかった、と思う。
だが、現実問題今こうして向き合ってみると童顔な表情も所詮彼女の一面にすぎないことがわかる。

「おい、起きろって、太田川」
「……んー……やべくん……? いまなんじぃ……」

か細い声にほんのり朱色がかった頬。大きな瞳。口紅を塗らなくても十分にピンク色の、弾力がありそうな唇。……意識して見てみると、十分、美人だ。
立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花……とはいえないタイプの人間だ。
ホケホケしていて、放っておいたら風船のようにどこかにふわふわと飛んでいってしまいそうな、マイペースさ。見ていて放っておけない、子犬のようなタイプ。

「起きろ、ほら、もう三時だぞ」
「……んー……」

例えば、この子供っぽくもあるけれども何処か女らしさを持った彼女が自分の腕の中で眠ったとしたら。
例えば、そのはっきりとした大きな瞳が涙で濡れて自分の名前を呼んだら。
例えば、自分の下に組み敷かれて白衣の下の見えぬ肌が露になったとしたら。

「……やっべ……」

中学生か、俺。思わず内心ツッコミを一つ。 同期の裸体を想像し、濡場を妄想するだなんて余程疲れているのだろう。己に呆れ果てて、けれどもどうにもこうにも起きそうに無い太田川に苦戦し、矢部はさらに大きな溜息を零した。

「もう食べられない……」
「……呑気なヤツ」
人の苦悶も知らないで。頭をくしゃくしゃに撫でてやれば不快そうに眉を顰めて嫌そうな顔をする彼女の顔が映った。
ざまぁみろ。

「起きなかったお前が悪いんだからな、寝込み襲われないだけ感謝しろよ」

人差し指で額を小突くと大貫婦長と城島が何ともいえないニヤニヤした笑顔で入ってきたので、慌てて立ち上がりガシャーンと金属が落ちた音が部屋一帯に響き渡った。
その結果飛び起きた太田川に「矢部君どじだねぇ」と笑われたのは、言うまでも無い。
可哀想な研修医・矢部淳平のジグザグ方向に突き進む彼の恋路に幸せゴールはあるのだろうか。そしてその相手は本当に太田川奈津なのだろうか。
全ては神のみぞ知る。

「うーん、ジーザス!矢部に幸あれ、アーメン」
「馬場先生、何言ってるんですか?」
「おう、桜井、聞いて驚け〜」

……矢部淳平の苦難の日々は続くようである。



\(^o^)/オワタ 太田川出張んなくてすまんw
269名無しさん@ピンキー:2009/03/24(火) 10:34:15 ID:QEHPj2oN
>>268
乙!
270招かざる客 進×香:2009/03/24(火) 18:42:12 ID:VSElTDtX

進藤は後悔していた。

「ねえ、いつまでもそんな所に立ってないで、早くこっち来てよぉ」

寝室のベッドの上で、若い女が手招きする。
進藤が、たまき以外の女を家に入れたのは今日が初めてである。
勿論、たまきに飽きた訳ではない。
無愛想でも、もって生まれた端正な顔立ちと医療に関しての技術の高さに
進藤に言い寄る女は実は数知れない。
しかし、今やたまき以外に興味のない進藤はことごとく無視し続けたが
それをいいように勘違いした女がマンションにまで押し掛けて来たのだ。
本来なら問答無用で追い返すのだが、たまきから近頃は逆恨みで事件へ発展するが多いから、と
言い寄る女性への対応は気をつけるように、と忠告されたのを進藤は思い出してしまい
これ一度きりで面倒事が回避できるならと、仕方なく部屋へ入れてしまったのが大きな間違いだった。
進藤の行為を脳内で都合よく変換してしまった女は
いくら追い出そうとしても素直に応じず、彼女きどりで部屋を歩き回る。
力づくで追い返す事も考えたが、更に面倒になる可能性が大いにあるので
迂闊に手が出せない。
そしてどうにも出来ぬまま、時間だけが虚しく過ぎてゆく。
271招かざる客 進×香:2009/03/24(火) 18:43:13 ID:VSElTDtX
「まったく……どうしろって言うんだ・・・」

たまきの言い付けなど無視して、いくら女が泣こうが喚こうが
部屋に入れるべきではなかった・・・
そう後悔しても、全ては後の祭り。
生ぬるい考えで入れてしまった自分に苛立ちつつ進藤は女を追い返す口実に頭を悩ませる。
ふと時計に目をやると、午後9時を少し過ぎている
定時に上がれていれば、そろそろたまきが来てもいい時間だ。

「……邪魔だ、帰れ」

「えぇー。せっかく来てあげたのに、それはないんじゃないのぉ?」

進藤の苛立ちなど全く感知していないのか、ベッドに寝ころんで
離れる気配はない。

「人が来る。これ以上お前の相手はしない」

「人って、もしかして彼女?そうよねぇ、彼女にこんな所見られたら
 大変だもんねぇ。あなたの彼女ってどんな人か気になるなぁ。
 同い年?それとも年上?」

「…………」

進藤の話も聞かず、女は喋り続ける。
272招かざる客 進×香:2009/03/24(火) 18:44:35 ID:VSElTDtX
「でも、私を家に上げたって事は、彼女に飽きたからじゃないの?」

その時、玄関のドアが開いた。

「一生、そんな所で何してるの?」

寝室の前で立ち尽くしている進藤に、たまきは訝しげに声をかける。
そしてすぐに、自分の足元にある見慣れぬミュールに気づく。

「誰か来てるの?」

たまきは、寝室を覗き込む。

「やだ、プライドの高そうな女。息詰まりそう〜!」

たまきを一目見るなり、女はふっと鼻で笑い出す。
しかし、たまきは眉一つ動かさないで口を開く。

「一生、こんな女で満足できるの?」

「何よ、満足って……!!」

たまきのその様子に余裕を見せていた女の顔が、見る見るうちに醜く歪む。

「ふざけないでよ。
あなたより、私の方が進藤先生も満足出来るに決まってるわ。
ね、そう思うでしょ?」

「無理、だろうな」

低く、重い声が薄暗い寝室に響く。
273招かざる客 進×香:2009/03/24(火) 18:45:46 ID:VSElTDtX
「お前程度では俺は満足させられない。」

「何で……言い切れるのよ!」

「知りたいか?」

そう言って進藤は初めて、女に笑顔を向ける。
進藤が心の底から怒っている時に見せる笑顔は、残忍で冷酷。
その事を女は知る由もないが、底知れぬ恐怖を秘めた眼差しに貫かれた女は
声にならない悲鳴を上げた。

「も、もういい!あなた達になんか、これ以上付き合ってられないわっ」

顔をひきつらせたまま、女は逃げるようにして部屋から飛び出していった。
女の足音が消えると、たまきも玄関に向かって歩き出す。

「何をしている」

「私も帰るの」

たまきは振り向きもせずに靴を履く。
そしてドアを開ける直前で、進藤はたまきの腕を掴んで引き留める。

「待て!」

「離して」

たまきは掴んだ手を乱暴に振り払る。

「…………私に満足出来なくなったなら、そう言えばいいのに」
274招かざる客 進×香:2009/03/24(火) 18:46:36 ID:VSElTDtX
ポツリとたまきは呟く。

「は?」

「満足出来ない私と一緒にいる意味なんてないでしょ。だから帰るの」

たまきの顎を掴み、無理矢理顔を上向かせる。

「嫉妬、か」

「…………」

進藤を見つめるたまきの瞳に、薄ら涙が浮かんでいた。

「私だって、嫉妬ぐらいするわよ!
あの女には強がって見せたけど、貴方が私で満足してるのか不安だし
いつか私に飽きて別の人を選ぶんじゃないかって考えたりもする時だって…」

いつも凛とした態度で仕事をこなしている彼女も、病院を出れば
どこにでもいる普通の女性と変わりない。

「強がってたんじゃない……強いさ、お前は」

低く笑いながら、進藤はたまきの身体を壁に押し付ける。

「口ではああ言いながら、その目は俺を捕らえて決して離さなかった。
こんなにも俺を強く縛り付ける女はお前以外いない」
275招かざる客 進×香:2009/03/24(火) 18:47:25 ID:VSElTDtX
「でも・・・!」

「まだ分からないなら言ってやる……俺を満足させてくれるのはお前だけだ。
 俺という存在を貪欲に求めるお前が、この上なく愛おしい」

物言いたげなたまきの唇を、進藤は強引に口付けて塞ぐ。

「んっ、んん……っ」

強張っていたたまきの身体から、徐々に力が抜けていく。
そして唇が離れると、もたれるようにして進藤の胸に顔を埋めた。

「私だって、貴方じゃなきゃ満足出来ない。
私が初めて、心の底から欲しいと願った人なんだから……」

たまきは両腕を進藤の背に回し、強く抱きしめる。

「……それなら、帰る必要はないな」

「あっ」

進藤はたまきを軽々と抱き上げ、寝室に向かって歩き出す。

「ちょっと、降ろして!」

「何故だ。満足、したいんだろ?」

「……意地悪」

顔を真っ赤に染めて、たまきは進藤にしがみつく。
だが、寝室のドアまで来て急に首を大きく横に振る。
276招かざる客 進×香:2009/03/24(火) 18:48:20 ID:VSElTDtX
「……嫌」

「この後に及んで、まだ帰る気か」

「そうじゃないわよ。ベッドが」

「ベッド?」

「他の女が触ったベッドは、嫌」

「……ああ、なら明日新しいものに替えておく」

進藤は寝室に入るのを止め、リビングにたまきを運ぶ。
独り暮らしにしては広すぎるリビングには、三人掛けのソファーがある。
だが、進藤はソファーには目もくれず、その前に置かれたセンターテーブルの
上にたまきを降ろした。

「い、一生?」

黒色に塗られた木製の堅い天板の上で、たまきは柔らかそうなソファーと
進藤の顔を交互に見る。

「あの女はソファーにも座ったからな」

そう言って進藤が口付けようとすると、たまきは頬を膨らませて顔を背ける。
277招かざる客 進×香:2009/03/24(火) 18:49:18 ID:VSElTDtX
「さて、どうすれば機嫌を直してくれる?」

「…………優しくして」

普段から優しいとは程遠い抱き方しかしない進藤に対しての
精一杯の当て付けなのだろう。

「優しく……だな」

天板に広がる長い髪を指に絡めながら、彼女の願い通り進藤は優しく口付ける。

「んっ……ふぁ」

普段の噛みつくような口付けに比べたら、まるで空気のように軽く、
たまきの唇に触れる。

「あ、い……っせい……」

いつもと違う口付けに物足りなくなったのか、たまきから舌を差し入れてくる。
だが進藤は『優しく』という約束を守り、軽く舌を絡ませる程度
たまきの身体に伸ばされた手も、敏感な場所は避けて弄る。

「……機嫌は、直ったか?」
278招かざる客 進×香:2009/03/24(火) 18:50:23 ID:VSElTDtX
「全然直らないわよっ!」

長い長い口付けから解放されたたまきは、涙目で進藤を睨み付ける。
優しさが足りないからなのか、優しさにかこつけ焦らしているのが
気に入らないのか・・・
答えは間違いなく後者だろう。
だが、自分から言い出し手前、今更いつものようにとは言えないようだ。
このまま焦らして反応を楽しむのもいいが、進藤もさすがに今夜ぐらいは
意地の悪さを半減する事にした。

「ちゃんと、お前の希望は叶えるさ……」

そう言って、進藤はたまきの服に手をかける。
コートを脱がせ、上着とともにブラジャーを上にずらすと
収まっていた形のいい乳房が弾むようにして現れる。
進藤はその乳房の先端を口に含んだ。

「あっ、あんっ!」

痛くならない程度に舌先で乳首を転がし、乳房は手で軽く揉みしだく。

「あうっ、あ……あんっ」

まだ胸だけの愛撫なのに、たまきは甘い声を上げながら太ももを擦りあわせた。
279招かざる客 進×香:2009/03/24(火) 18:51:13 ID:VSElTDtX
「そんなに焦らなくてもいい。まだ、夜は長い」

胸から離れた進藤は、スカートを捲り上げ、太ももを割り開く
ショーツの上からでも分かるほど、秘所は蜜で潤んでいた。
布越しに指を強く押し付けると、溢れた蜜がショーツの色が変わるほどに染み出てくる。

「こんなに溢れては、もったいないな」

進藤は濡れたショーツを下ろし、蜜が滴る秘所に顔を埋めた。

「はあっ…………んんっ!!」

淡い茂みの奥に隠された熟れた果実にむしゃぶりつく。
果実に傷を付けないよう舌で丁寧に舐めとっても、粘りのある蜜は
後から後から溢れてくる。
進藤は、中に溜まっている蜜を吸い出そうと蜜壺に舌を差し入た。

「やっ……舌、入れた、ら……」

たまきの下半身がビクビクと震え出す。

「はうっ、あっ、んぁっ、や……やあぁっ!」

高い声で叫んだ後、進藤の頭を抱え込んでいたたまきの脚から力が抜け
だらりと開かれる。
280招かざる客 進×香:2009/03/24(火) 18:52:10 ID:VSElTDtX
「……早いな」

横目でたまきを見ると、恥ずかしいのか視線を避けるように目をぎゅっと瞑る。

「目を開けろ、たまき」

「……」

火照った頬を撫でられ、たまきは目を開く。

「俺はまだ、お前に優しくし足りないんだ。お前だって、足りないだろ?」

たまきは頷き、両腕を伸ばして進藤をきつく抱き締める。

「足りないわよ……もっと沢山、優しくしてくれなきゃ」

「ああ、分かってる」

たまきの片脚を持ち上げ、進藤は濡れそぼった蜜壺に昂りをゆっくりと押し入れた。

「はぁ、あぁ、あ……っ」

激しく突き上げたい衝動を抑えて、感触を楽しむようにじわじわと膣壁を広げていく。
そして最奥に行き当たると、進藤はたまきの胸で深く息をはいた。

「優しく、っていうのもたまにはいいな。お前の中が俺を締め付けてくるのがよく分かる」
281招かざる客 進×香:2009/03/24(火) 18:52:48 ID:VSElTDtX
「私の方だって、奥まで入ってるのも形もはっきり分かるわよ!」

「でも、あまり締め付けるなよ……すぐに達しては面白くないからな」

持ち上げた脚を肩に乗せ、進藤は腰を打ち付ける。

「あっ!い、っせ……あんっ、あうっ」

緩やかな腰の動きで、たまきの快感を少しずつ高めていく。
進藤も激しく抱いた時のような爆発的な快感は得られないが
長くたまきと繋がっていると自分の身体も心も彼女の一部になった気がして
今までにない充足感を感じていた。
だが、暫く抽挿を繰り返していると、たまきが時折苦しげな表情をするようになった。

「ひあっ、あっ、あんっ、くぅっ……」

進藤が体重をかけると、一瞬辛そうに眉をしかめる。
長いこと固いテーブルの上に乗せられ、かつ進藤の体重もかかってくるので
身体が痛くなっているようだ。

「……交代だ」

「え?」

たまきが驚いている間に、進藤は素早く彼女の身体を抱えて、体位を逆にする。
いきなり進藤の上になったたまきは何が起こったか分かっていなかったが
痛んでいた背中をさすられ、進藤の意図に気づく。
282招かざる客 進×香:2009/03/24(火) 18:53:42 ID:VSElTDtX
「今日の貴方……優しすぎて、何か、変」

「……我が儘な女だな。優しくしてくれと言ったくせに、したらしたら変呼ばわりか」

「変だけど、優しい貴方も好きよ。獣みたいに激しい貴方も好き。
 全部、全部……一生、貴方の全てが好きで愛しい。」

たまきは進藤の瞳をしっかりと捕らえると、自分から腰を上下に動かし始めた。

「……だから、貴方の全てが欲しいの……っ」

「何度も言ってるだろ……俺は、お前のものだ」

「聞いたけど、まだ、足りないの。もっと貴方が、欲しい……っ」

狭いテーブルから落ちないようにしながら、たまきは進藤の上で淫らに腰を振る。

「はっ、あっ、あん、あうっ!」

限界が近いのか、膣の締め付けはだいぶ強くなっていたが
自分だけ先に達しないよう寸前の所でこらえている。

「俺も……お前が欲しい」

たまきの身体をしっかりと抱き締め、進藤も腰を突き上げる。
283招かざる客 進×香:2009/03/24(火) 18:54:57 ID:VSElTDtX
「あうっ、あっ、一生……あああっ!!」

「……くぅっ」

先にたまきが高みに達し、すぐ後を追って進藤も膣内に精を放った。
いつもなら一度で満足出来ず何度も求めあうが
不思議と今夜はこの一度だけで進藤もたまきも十分に満たされた。

「…………そういえば、聞いていなかったけど」

狭いテーブルから、あの女が奇跡的に足を踏み入れなかったバスルームに
移動したたまきは、湯船の中で思い出したように進藤に問いかける。

「どうして、あの人を家に入れたのよ?
貴方が私以外の人を家に入れる事なんてなかったのに」

「いきなり俺に会いたいとやって来て、玄関前で騒ぎ立てるから仕方なく入れた」

同じく湯船に入っていた進藤は、思い出すのも嫌だと言わんばかりの顔で答える。

「貴方なら、いくら泣こうが喚こうが絶対に家になんて入れないと思ってた。
 迷惑なら、力ずくで追い返せばよかったのに」

「……お前が、事件になったら困るから対応に気をつけろ、とか言うから入れたんだがな」

進藤の鋭い一言で、たまきは固まる。

「もしかし……なくても、私のせいでも、あったりする?」
284招かざる客 進×香:2009/03/24(火) 18:55:47 ID:VSElTDtX

「そう言ったつもりだが」

「…………」

進藤らしからぬ行動の原因が自分の忠告だったと知ると、たまきは申し訳なさそうに俯く。

「まぁ、俺の失態でお前が事件に巻き込まれるのは御免だからな。
 これからもお前の忠告は覚えておく。だから、お前も覚えておけ」

俯いたままのたまきの顔を、進藤は指で上向かせる。

「俺を束縛出来るのは、この世でお前だけだ。そしてお前を満足させるのも、
 この俺だけだからな……」

ただ一人の女に再び囚われてしまった事を、進藤が後悔する日は永遠に来ないだろう。
たまきが傍にいる限り、進藤は生きる喜びに満たされるのだから・・・
285招かざる客 進×香:2009/03/24(火) 18:57:56 ID:VSElTDtX
265さんの意見をちょっと参考に書いてみました。
楽しんで貰えたらうれしいです。
286名無しさん@ピンキー:2009/03/24(火) 19:32:45 ID:QEHPj2oN
>>285
おーすげえ!
乙!

今日2作品も読めてうれしいお
287名無しさん@ピンキー:2009/03/24(火) 20:56:01 ID:eOM2Msd0
招かざる客、すげぇ萌えた!
超GJ!!
288夕闇に染まる 矢x太:2009/03/24(火) 21:07:03 ID:8ReUBkEx
じゃあ自分も矢部太田川でw




「好きなことを好きにやるために勉強するんじゃないの?」

 患者である子供に問われたとき、矢部は返答できなかった。 どうして人は働くの。 どうして人は生きるの?
 尋ねられて出てきた言葉は僕は人を救いたいから医者になったんだ、というものだけ。 それは一時しのぎの言葉かもしれないし100%の人を助けられるわけでもない。
 非力な自分に打ちのめされたことも何度だってある。
 だからこそ、直球で問われた言葉に矢部は言葉に詰まってしまったのだ。
 夕暮れ時、ぼんやりと医局の窓を開けて空を眺めていると扉が開く音が耳に届く。 後ろを振り返ればマグカップをふたつもった太田川の姿。

「なーにしてるの、研修医」
「・・・・別に」

 マグカップの中には紅茶が入っており良い香りが鼻孔をくすぐる。自然と気持ちが落ち着いて嘆息を落とすと太田川は少しだけ笑ったのを空気で感じた。
 何がおかしいんだ。 視線を投げれば彼女は髪をふわりと揺らして彼の右肩にぽん、ぽんと手をおいて叩くと「悩み事?」と尋ねる。先に質問をしていたのは矢部だったが見抜かれてしまい思わず顔を背ける。
 図星だ。 けれど悩んでるなんてこと、この女に知られたくはない。 ・・・それすらも、あっさりと見抜かれてしまったけれど。
 致し方なしに全て吐露すると、太田川は少し目を丸めて夕焼け空に視線を送った。 なるほど、物事をしんみりと思考するにはセンチメンタルになる状況がいいとはよく言うが夕焼け空は正にその状況にふさわしい限りだ。


「・・・飲みにいこっか」
「お前な、結論ないのかよ」
「ないねぇ、だから一緒に飲んで考えようよ」

 だいじょーぶだいじょーぶ。
 リピートしながら、彼女はマグカップの中に入った紅茶をティースプーンでくるりとかき混ぜてみせる。
 ・・・なんとなく、矢部も視線を紅茶へ落とすと、そこには何だか泣き出しそうな自分が情けなく映って見えた。


同じ夕焼けでも進香のSPとは違った矢部太田川コンビの雰囲気が合れば良いなってことで。
289名無しさん@ピンキー:2009/03/24(火) 23:12:10 ID:d4eDgxpt
もー作品全部好きwwwww
290名無しさん@ピンキー:2009/03/25(水) 01:45:58 ID:OVdzcJb0
wikiたててくれた人、もうこのスレにいないのかな?
過去ログでwikiにあげられてないやつあげれる人宜しく
PART3も見れるうちにドンドン上げてったほうがいいね
誰でも出来るわけだし
291名無しさん@ピンキー:2009/03/25(水) 02:15:07 ID:O+WPs/2Q
いい職人さんだらけじゃないかw
みなさん乙です。
292名無しさん@ピンキー:2009/03/26(木) 10:11:30 ID:3Kz4x3pz
嫉妬する香坂、いいねー!
進藤の嫉妬もみたい!!
293名無しさん@ピンキー:2009/03/27(金) 01:15:50 ID:wywqMuTQ
最近矢部太田川増えて嬉しい
進藤香坂ばっかりだと食傷気味になるし二人とは違った雰囲気で萌える
太田川にいつまでも男扱いされないでいらっとした結果一歩前にでる矢部とかどうだ!
294名無しさん@ピンキー:2009/03/27(金) 02:43:20 ID:s0zV4Twv
wikiに載ってる1-42とか1-108のおかしな夜なんかが掲載してあるアメブロのブログ見つけたんだけど、
これは、無断転載なのか?
それとも、その作品を投下した作家さんが、そのブログの運営者なのか?
295名無しさん@ピンキー:2009/03/27(金) 10:39:28 ID:JawWorE7
見つけた
他のエロパロも乗せてるし
規約違反になって見れないのまで…
てか他の2ちゃんのエロパロから引っ張ってきたのもある(しかも同一人物はあり得ない作者の)
だから無断転載な気がするんだけど…
296名無しさん@ピンキー:2009/03/27(金) 11:58:45 ID:XxhVQcVq
あきらかに無断転載だな…
どうにかできるものなのか…
297名無しさん@ピンキー:2009/03/27(金) 12:37:46 ID:N2nqQYEF
何て検索すれば出る?
298名無しさん@ピンキー:2009/03/27(金) 13:25:04 ID:68lbHFhE
とりあえずアメブロに通報したよ
卑猥表現、版権、無断転載みたいなことで
二次ものは色々と大変だしね
1人の通報じゃどうにもならないと思いますので
そのブログを不快に思った方がいらっしゃれば協力おねがいします

ただ以前他スレで似た問題があがっていたけど
著作権はエロパロ板の管理者にあるみたい(ひろゆきじゃない)
299名無しさん@ピンキー:2009/03/27(金) 13:43:14 ID:/YfKsJWg
でも炎上ってよくないんじゃ・・・・・
300297:2009/03/27(金) 15:24:30 ID:N2nqQYEF
ごめん見つけた
載せすぎだろ…
301名無しさん@ピンキー:2009/03/27(金) 15:25:11 ID:s0zV4Twv
掲載してる他ジャンルの話も、自分がよく行くサイトの小説がそのまんま載ってたから、
それはそのサイトの管理人さんにメールしたんだけど。
アメブロ通報って、会員にならなきゃ出来ないもんなのか?
302301:2009/03/27(金) 15:50:04 ID:s0zV4Twv
通報方法見つけて、自分も通報した。
303名無しさん@ピンキー:2009/03/27(金) 19:36:02 ID:v37y5Qf7
そのブログ大分前に見つけたんだけど、またそれでこのサイトとか折角盛り上がって
いるのが変になったら嫌だからスルーしてた…ても無断転載すぎでまずいよね?
304名無しさん@ピンキー:2009/03/27(金) 20:00:27 ID:y/mPzNZb
ここのもだけど他のスレからの盗用も多すぎ
また更新しとるし
通報したけど消されるかねえ
305名無しさん@ピンキー:2009/03/28(土) 00:00:57 ID:vqjwz9hv
小説ではないですが。

某ドラマのワンシーン



女をマンションまで送った後、玄関先で

男「…それじゃあ、そろそろ帰る。」
女「あの…。…あたしのこと…」
男「…?」
女「可哀そうだなんて思わないで。」
男「…。」
女「同情するのはやめて。」
男「…。」
女「…呼び止めてごめんなさい。送ってくれてありがとう。それじゃあ…。」

女がドアを閉めようとした、その時。

男「同情なんかしていない。」
女「…えっ?」
男「…同情じゃないんだ。」

言いながら女の腕を掴み、自分の方へ引き寄せる。

女「…何するのっ? あなたにはあの人がいるじゃない! …やめて。」

抵抗する女を無言のまま見つめながら、掴んだ腕に力を込める男。

女「…ねぇ…、やめよう…?」

女の言葉を無視し、男は半ば強引に女に口付ける。
徐々に体の力が抜けていく女。
口付けながら女を抱き締める力が強くなっていく男。

なんとか男を押し返し、目に涙を浮かべながら足もとに崩れ落ちる女。
自分のしたことが信じられない様子で呆然とする男。

女「……あなたは! あたしのこと本気で好きじゃないじゃないのっ…!」
男「…。」
女「…好きじゃないじゃない…。」
男「…もう、わからないんだ…。」
女「…何がわからないの…?」
男「……。しょうがないよな…。」
女「…何が仕方ないのよ…。」
男「……。」




ってのを、進藤×香坂で脳内再生してみたら、思いのほかハマって萌えてしまった。
(こんな感じのセリフってだけで、口調はドラマと違います。)
306名無しさん@ピンキー:2009/03/28(土) 00:13:15 ID:dbdm9kT5
>>305
おーおもしろいw
矢部太田川はコミカル
進藤香坂シリアス
が合うような感じ
307名無しさん@ピンキー:2009/03/28(土) 16:13:32 ID:Dy/X4QBA
>>305
これはwwww
308名無しさん@ピンキー:2009/03/29(日) 02:02:11 ID:GrmwbHKQ
>>305
ちょww元ネタ分かるとえらく同じ台詞でも違うなw
自分も今期見てたドラマのやつで萌えた部分があった奴を変換してみた

夜、桜を見ようとして結局見れなかった後二人でのんきに歩く男女

男「なぁ」
女「んー?」
男「目、閉じて」
女「はあ?」
男「良いから早く」

恐る恐る目を閉じる女、徐々に近づく男
キスする寸前ぐらいで鼻・両側の頬にシールを貼られる

女「?!」
男「ほら、シール」
女「しんっじらんない!馬鹿!」
男「怒んなよー可愛いぞー」

ちょっとした二人の追いかけっこ。

この構図を矢部太田川で考えたら思いの外ツボった
和気藹々とした空気と甘酸っぱい部分がセットになったかんじで実にいい
309after you go away 進藤×香坂:2009/03/30(月) 02:41:43 ID:4O3nbZng
すみません、投下します。

横浜町田ICで高速を降り、国道16号線を八王子方面へと進む。
夕方のこの時間帯は交通量が多い。
乗り心地の良いイタリア産の黒いセダンは、性能をうまく発揮できずにいる。
高速を降りた途端にへたなドライバーが増えたのだ。
グラフに表すとガタガタと忙しく山を作る走り方。
脇道に入ると住宅が並んでいるせいかもしれない。
たまきは、失敗したかな、と思った。
平日だから空いているという考えは誤算だった。
明日は土曜日なのだ。たまきとは違い、休日が土日と2日間連続の人間も多い。
たまきも、水曜日に研究日という名の休日をもっているのだが。
こういう時は脇道まで混雑している。
ナビを使う気はない。あの音声はいちいち人を苛つかせる。
しかし走りづらさを除けば、目的地まで時間が掛かるのは少しだけ好都合だった。
腕時計をちらりと見ると、7時をまわったあたりだった。
デジタル表示ではない華奢な時計は、以前していたものと違う。
もちろんあの日とも。

あの日。
2年前、まだ第一外科には戻っていない頃、ちょうどこの時期に休暇がとれたたまきは帰国していた。
進藤とは帰国する度に会っていたが、あの日が最後だった。
伊勢原の大学病院の脳卒中救命救急センター、行きとは違う国道129号線、ドイツ産のスタイリッシュなMT車。
同じなのは目的地だけ。
行きのルートは逆、車はイタリア産のAT、しかもひとりだ。
むなしいのはわかっているはずなのに、どうしてもあの場所にこだわってしまう。
あの日を思い出すときにまず頭のなかに広がるのはあの風景だった。

カーステレオから流れる音楽がBlackstreetからMONICAにかわったとき、警察署がある交差点を右折すると、視界が限りなく白に近いピンク色に霞んだ。
この道路だった。
桜並木が長く続く広い道路。
建物の明かりと街頭に照らされた桜たち。
台地だからだろうか、あれほどの地震のあとでも大きな変化は認められない。
小さな花びらがフロントガラスをかすめて飛んでいく。
決して有名なわけでも、ゆっくりとこの薄桃色を眺められるわけでもないのに、この道路は国道よりも混雑している。
あの日も。
この桜の花びらが舞う混雑した道路で停車したとき、たまきの唇は進藤のそれに触れた。
一瞬の柔らかさだった。
シートベルトで動きにくい、ぎこちない一瞬の口付け。
触れる直前に進藤が体を傾けてくれたことから、拒まれていないことを悟った。
その直後の言葉まで覚えている。
「日本を発つんだ」
狭い車内のなかにやけに寂しく響いた。
その次の朝、進藤のベッドの片隅にあの腕時計を置いてきた。

Una persona non posso dimenticare
5年近く前に読んだ青い表紙の小説。
主人公とヒロインが別れたあとにそれぞれの人生を歩むが、無効と思われた約束―ヒロインの30歳の誕生日にフィレンツェのドゥオモに二人で登る―をそれぞれが覚えていて、その場所で再会するという恋愛小説。
その中に見つけたイタリア語だ。
日本語で、忘れられない人。
たまきの中で進藤はそのイタリア語に値する人間になってしまっている。あの日の出来事と一緒になって。
310after you go away 進藤×香坂:2009/03/30(月) 02:44:11 ID:4O3nbZng


帰りの16号線は行きと違って空いてた。
へたくそな走行をするドライバーも見当たらず、スムーズに自宅まで運転することができた。
カーステレオから流れるBobby Brownの歌声はどこか軽快に響いていた。たまきの胸中とは少し違って。
地下の駐車場では黒いセダンはどこか寂しくみえる。
ワイパーに1枚だけ挟まった小さな花びらが、それを際立てているようだった。
たまきはそのメーカー独特の赤を選ばなかったことを、毎回ここで後悔しているのだ。
ヒールの音がよく響く廊下を進むと、部屋の前によく知ったシルエットを認めた。
壁にもたれた少し丸まった背中に、がっしりとした肩、高い身長とバランスのとれた長い脚。
間違えるはずなどない。
忘れられない人。
思わず息を呑む。
「久しぶりだな」
低い声が廊下によく響く。
ずっとずっと聞きたくて仕方なかった声をたった今聞いたはずなのに、うまく頭のなかには響いてくれない。
ただただ驚き立ち尽くしているたまきに、進藤はゆっくりと近づく。
「これを返しにきたんだ」
ポケットから取り出したのは、見覚えのある時計だった。
華奢なたまきの手首には不似合いなデジタル式の時計。
受け取ろうとしたたまきの指先は、進藤の差し出した手にわずかに触れた。
一瞬の熱だったはずなのに、完全に冷えきってしまったたまきの手を、その熱がやわらかく包み込む。
「あ、あがっていく?」
さりげなく、だが少々ぎこちなくその熱を解くと、部屋の鍵を差し入れた。
返事の代わりに進藤の熱い視線を背中で感じながら。
左手とは違って熱を持って震えた右手は、鍵を回す方向を忘れてしまったようだった。
311after you go away 進藤×香坂:2009/03/30(月) 02:46:06 ID:4O3nbZng

視界の端に、ソファーに座る進藤が見える。
大きく開放的な窓に対し向き合うように設置されたL字型のソファーに深く腰掛け、窓の外を眺めている。
どこか哀愁漂う横顔は、以前とあまり変わらない。
しかしそこから少しは読み取れるようになっていたはずの感情を、たまきは、今ではまるで読み取れなかった。
すぐに届いてしまうような距離に確かにいるのに、まるで画面でもみているような気分だ。
脳ではその存在を認識しているのに、空気は伝わってこない。
その静かな空気を乱すように、テーブルの上の携帯電話が震えた。
北村、と言ってこちらに差し出す手に触れることなく受け取った。
そんな勇気など、たまきにはなかったのだ。
つい先程の一瞬の熱が動きを助長した心臓は、おさまってはくれていなかったのだから。
ごめんなさい、と断りをいれ、その場を離れてから通話ボタンを押した。
ベランダの空気は冷たい。
春だというのに、夜の空気までは暖かくなってはくれていない。
「何かしら?」
たまきのことをファーストネームで呼ぶ男は、ずいぶんとくだらないことを話し続けた。
以前たまきが好きだといったワインの名前や、映画の話。
あげくの果てには今から会えないかだとかの自分勝手なことを、明らかに酔った声で。
ただの雑音だと思った。
しかし逃げたのだ。現実をはっきりと認識できる声と冷たい空気に。
「悪いんだけど」
今お客さまがいるの、と言い掛けたとき、後ろから暖かさに包まれた。
一瞬、すべてが止まった気がした。
耳元で何か言っている雑音も、ベランダを通り抜けていく冷たい風も、遠くから聞こえてくるクラクションの音も。
「ごめんなさい、切るわね」
ようやく放った言葉を確認すると、進藤はたまきの右手から携帯電話を取り上げ、ポケットにしまった。
312after you go away 進藤×香坂:2009/03/30(月) 02:49:46 ID:4O3nbZng

押しつけられた背中に感じる窓ガラスは、外気にさらされていたせいか、痛いほどに冷たかった。
布越しにもわかるその温度とは対照的に、唇には熱を与えられる。
あの日とはまったく違う熱に、たまきは恐怖を感じたが、進藤は逃がそうとはしなかった。
いくら抗議の声をあげようとしても、引き離そうと胸部を押してみても、まったく動じなかった。
それどころか、その手を捕まれ窓に押しつけられてしまう。
何をしてもかなわないと思った。
「…んっ」
声が漏れるたびに、呼吸することすら許さないかのように深くなっていく。
足は震え、だんだんと侵食されていく。
閉じていた瞼に力を入れると、涙が頬を伝った。
それまでたまきの手を強くつかんでいた手が頬に触れると、その対照的な優しさにさらに涙が溢れてくる。
ようやく解放されるのと同時に崩れたたまきの身体を、進藤は優しく抱き留めた。
荒い呼吸を繰り返すたまきを宥めるように、何度も髪を梳く。
たまきはその激しさと優しさの間で混乱していた。
こんな進藤を、たまきは知らない。
もしかしたら、これが本来の姿なのかもしれない。
呼吸が戻ってくると、恐る恐る進藤を見上げる。
そこには、見たことのない熱を湛え、まっすぐにたまきを捉える瞳があった。
だんだんと近づいてくる熱から、もう逃げようとは思わなかった。
唇に感じた熱は、今度は優しいものだった。

ベッドの上に移動した後、たまきを襲ったのは激しさだった。
唇で、指で、いいようにされていた。
顔をそらせば戻され、どうにかあげた抗議の声などまるで聞こえないかのようだった。
「ね、え…っ」
何度目かの呼び掛けに、視線だけ一度向けると、再び愛撫に戻ってしまう。
中をかき回す指がある一点を軽く擦ると、たまき自身も驚くほど高い声があがる。
「熱いな」
胸元で感じる進藤の呼吸も、たまきの内部と同じくらいの熱を持っていた。
「あっ…、もう、…やめ…てっ」
下部から聞こえるあまりにもいやらしい音と自分自身の声に、たまきは耐えられなかった。
両腕で顔を覆うと、進藤はその腕を掴むが、たまきは退かそうとはしない。
「香坂」
耳元で囁く声はあまりにも優しすぎて、たまきの瞳からは涙が零れた。
その声に腕の力を緩めると、進藤はやさしくそれを退かした。
「わからないの」
消え入りそうな声でつぶやくたまきを、進藤はただ見つめていた。
「あなたが、何を考えているのか」
部屋の前で会ったときから今に到るまで、進藤は肝心なことは何も言ってはくれていなかった。
時計を返却するだけなら郵送で済むはずだし、会いに来てくれたなら普通の会話だってできたはずだ。
それなのに何も語ろうとはせずに、ただたまきを求めたのだ。
あの日はまだ意志疎通ができていたような気がする。
今回はあまりにも突然すぎるのだ。
「俺は、お前を縛り付けておくことはできない」
一緒にいれるわけじゃないからな、と言う声は寂しさを含んでいる。
「それでも、他の男には渡したくないんだ」
瞳は、声よりも寂しく感じられた。
焦りと、やるせなさと、不安が混じった結果だった。
いくら大切に思っていようが、常に隣にいることはできない。
支えてやることも、幸せを与えることも、思うようにはいかないのだ。
他にそれができる人間があらわれてもただ見送ることしかできないにもかかわらず、それを認めたくないという思いが進藤にはあった。
たまきはいたたまれない気持ちになった。
このまま攫っていってくれればいいのに。
仕事も日常も、すべて捨ててしまいたいとさえ思ってしまった。
ずっと求め続けてた男なのだ。
たまきがゆっくりと上体を起こすと、進藤も身体を移動させた。
ちょうど向き合う形で座り込む。
そしてゆっくりと、今日初めて、たまきから口付けた。
313after you go away 進藤×香坂:2009/03/30(月) 02:52:35 ID:4O3nbZng

進藤のようにはいかないが、できるだけ考える暇を与えないように熱を与えていく。
進藤の指が髪に差し込まれると、進藤の口腔内を徐々に侵食していく。
どちらのものかわからない唾液が進藤の顎を伝った。
首筋に顔を埋め甘く噛むと、少し頭に力が加わる。
厚い胸板の突起部を、先程進藤がしたように舌で突きながら、下部に手を伸ばし形を確認すると、熱い呼吸が漏れたのがわかった。
どうしよう、とたまきは思った。
自分が求めているのと同じように、相手も求めてくれているのだ。
進藤はベランダのときと同じくらいの温度でたまきを見つめている。
最後に軽く突起を弾くと、進藤の肩に手を掛け、ゆっくりと内部に埋め込んでいった。
「あぁっ、」
自分で体重を掛けたのにもかかわらず、身体は反応してしまう。
呼吸を整えようと静止している間、進藤は優しく髪を撫でてくれていた。
意を決したように動くと、内部をいっぱいに広げているものが擦れ、身体が仰け反る。
「あっ、や…ぁっ」
進藤はたまきの胸を愛撫しながら、下から突き上げ始めた。
徐々にタイミングがあってくると、進藤も喉の奥の方でくぐもった声をあげる。
もう限界が近づきはじめたとき、強い力でたまきの動きは静止させられた。
「進藤先生…?」
熱い呼吸を繰り返している進藤に呼び掛けると、さらに力は強くなる。
手を伸ばし髪に触れたときだった。
視界が反転し、腕はベッドに縫い付けられた。
たまきが状態を認識した直後に、進藤は動きはじめた。
「やっ、しん、ど…っ、あぁっ」
それまでにない激しさに、たまきは自分でも驚くほどの反応を見せていた。
どこを触れられても身体は跳ね、腰は自然と動いてしまう。
進藤から呼ばれるたびに身体が溶けていくような感覚に陥る。
そんなたまきを、進藤もまた、ひたすら求めていた。
たまきは、それまでで一番、甘く熱を持って「たまき」と呼ばれるのを聞き、意識を手放した。
314after you go away 進藤×香坂:2009/03/30(月) 02:55:10 ID:4O3nbZng
部屋に帰ると、そこはいつもと同じ空間でしかなかった。
例えば朝に2つ出したマグカップもいつもある場所に戻されていたし、もう1人の人間が読んでいた朝刊はきちんと畳まれていつものようにラックにしまわれていて、まるで違和感を感じないのだ。
昨晩2人の人間がここに存在したなんて甘い空気はどこにも残っていなかった。
あの体温も、甘い言葉たちも、すべて幻だったかのように。
人は年齢を重ねるうちに叶うことのない約束を数多く経験し、約束自体をしなくなる。
それは、何事も都合の良い期待はしてはいけないという自分への警告でもあると考えている。
ひとつため息を落とすと、冷凍室からベーグルをひとつ取出し、電子レンジに放り込んだ。
電子レンジがベーグルを解凍している間に、小分けに冷凍しておいたミネストローネを鍋で解凍するのだ。
電子レンジが音をたてたら、ベーグルをオーブントースターに移す。
この2品にコーヒー。
一人きりの夕食なんてこんなものだ。
女性が皆凝った料理をするなんてただの幻想にすぎない。
いつもの慣れた動作。何一つ変わらない日常。

この土曜の夜から月曜の朝まで、この空間で一人きりで過ごすことになっている。
キッチンカウンターのスツールに腰掛けコーヒーでベーグルを流し込みながら、たまきは持ち帰った仕事のことをぼんやりと考えていた。
しかし、一つの不安がよぎる。
マグを空にする前に、ソファーへと移動した。
バッグの中をいくら捜してもUSBメモリは見当たらない。
どうやら病院へと戻らなければならないようだ。
どうしようもない切なさに浸りながら仕事をするという馬鹿みたいなそれでいて大切な時間を、たまきは自分で短縮してしまった。
舌打ちしたいのを何度目かわからないため息に変えると、一つの“違い”に目を奪われる。
その一点に引き込まれる、という感覚だろうか。
一瞬というには少し長い時間だけ、思考は停止した。
ソファーの前の低い木製のテーブルの上の、ちょうど端の方。
何気なく、だが意図的に置かれた見覚えのある腕時計。
まず、一緒に置かれた封筒を手に取った。
出てきたのは布製の小さな袋と、二つに折り畳まれた紙。
『次に帰国するときまでに考えておいてくれ』
少し傾いた、几帳面な文字。
見慣れているのに始めてみたような字体に、指先が震えた。
小さな袋からは、銀色のシンプルなデザインの指輪が出てきた。
「…箱は?」
落ち着かせようと吐いた震えた声は間抜けそのものだった。
サイズは見た感じおそらく合っている。
「合わなかったらどうするのよ」
次に出てきた声はその前とは違い、苦笑に明るさがまざる。
あの青い表紙の小説は、再会後の限られた時間の中で2人は愛し合い、もとの生活に戻っていくヒロインを主人公が追い掛けるところでおわっている。再び始めるために。
「次って、いつまで待てばいいのかしら」
もう答えは出ていた。
小説とは違って、待つのだ。再び始めることを。
病院にいく車の中では、K-Ci&JoJoを聴こうと思った。
All The Things I Sould Have KnownだとかHow Could Youだとか切ないものではなくて、All My Lifeだとかの今まで避けてきたベタなものを。
BlackstreetのJoyもいいかもしれない。
帰りは少し遠回りして、どこかのカフェに寄ってカフェラテを飲もうとも思った。泡がふわふわしているものを。
笑ってしまうけれど、そんな気分だった。
昨日戻ってきた時計と同じ場所に、銀色の時計をしまい込む。
帰ってきたときにすぐに返せるように、探さなくてもいい場所に。
進藤の感覚がすぐれているのかサイズは合っているが、少し重くなった指には違和感がある。
軽い足取りで玄関を通り抜け、駐車場へとむかった。
315after you go away 進藤×香坂:2009/03/30(月) 02:57:45 ID:4O3nbZng
以上です。
稚拙な妄想に最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。
読んでいただいたすべての方に感謝します。
失礼しました。
316名無しさん@ピンキー:2009/03/30(月) 03:34:04 ID:/ooCb46r
キター!
鼻血出るかと思ったよ…
最後泣ける…
いつも乙です!
317名無しさん@ピンキー:2009/03/30(月) 13:25:34 ID:QZ0PGNqX
GJすぎる…
言葉がでない…
318名無しさん@ピンキー:2009/03/30(月) 18:00:27 ID:0tVkxlVd
GJ!
319名無しさん@ピンキー:2009/03/30(月) 18:55:19 ID:tTHyEeks
GJ!!なんかいいなぁ〜すごくいいし雰囲気が好きすぎです



まとめwikiの一部が削除になってる…問題発生ってもしや…
320名無しさん@ピンキー:2009/03/30(月) 19:06:09 ID:0tVkxlVd
まとめwiki、問題発生って何だ!?
321名無しさん@ピンキー:2009/03/30(月) 20:14:58 ID:tTHyEeks
>>320
例のアメブロじゃない?さっきブログ見てきたけどまだ更新してるし最低
しかもプロフ見たらいい大人じゃん…通報してもダメなのか…
322名無しさん@ピンキー:2009/03/30(月) 20:34:20 ID:/ooCb46r
アメーバ対応遅すぎ
ほぼ消えてんじゃんね
職人本人が消したのかね?
にしてもホントショックだしブログムカつく
323名無しさん@ピンキー:2009/03/30(月) 21:19:47 ID:nvWBmGf1
マジ!?!?!?作者さんが消したなら
何も思わないけどそのブログの奴が消したって可能性は?
Wikiの仕組みがよく分からん
324名無しさん@ピンキー:2009/03/30(月) 21:20:35 ID:d4o6N+4/
とりあえず通報した
いい年こいて堂々と無断転載って痛すぎる大人だ
325名無しさん@ピンキー:2009/03/30(月) 22:04:17 ID:nvWBmGf1
今まとめ見た。めちゃくちゃ消されてんじゃねえか…orz
326名無しさん@ピンキー:2009/03/30(月) 22:04:49 ID:0tVkxlVd
腹いせで、ブログ管理人がWiki削除したとか?
まぁ、絶対とは言えんが。
問題発生、とかわけ分からん理由で削除されてんのは気に食わん。
327名無しさん@ピンキー:2009/03/31(火) 00:32:58 ID:/CXaqPzm
転載された書き手さんが嫌になっちゃったのかな?
残念な事態が発生したね。
328名無しさん@ピンキー:2009/03/31(火) 00:33:30 ID:0tl4SMEy
また編集する?
消したのが職人本人なら職人の意志だからしょうがないけど
著作権は掲示板管理者にあるんだよね?
もしブログ主が消したならまた編集したいが…
329名無しさん@ピンキー:2009/03/31(火) 08:45:58 ID:ozhqRKPY
消してあるのが同じ職人さんのものじゃなく、けっこうバラバラから
職人さん本人が消したんじゃないと思う

そしてポッカのCMは可愛すぎると思う
330名無しさん@ピンキー:2009/03/31(火) 10:30:06 ID:Z/2ToRq8
やっぱりブログ主が消したのか?
転載の証拠になるしな

もいっかいまとめても
誰でも編集できるならまた削除するんじゃね?


確かにあのCMは可愛いすぎるv
331名無しさん@ピンキー:2009/03/31(火) 11:16:03 ID:hKX8ERzI
転載の証拠になるから消したとしても、過去ログはしーっかりと残ってるから意味ないのにね
ということでまた編集する?
332名無しさん@ピンキー:2009/03/31(火) 12:24:24 ID:rO4bmvk+
たぶんブログ主だろうな…
また編集していきたい!
333名無しさん@ピンキー:2009/03/31(火) 17:53:45 ID:8mzTWFIv
>>309
GJ!

伊勢原といい、相模原といい、オイラにはどこの大学病院なのかすぐわかったぜwww
334名無しさん@ピンキー:2009/04/01(水) 00:18:42 ID:NrpFMQcR
>>309
まじでGJ!
無駄に長くない、でも満足感たっぷりの最高の作品だ!
335名無しさん@ピンキー:2009/04/01(水) 16:48:09 ID:O2A07M1v
ここの作品のクオリティの高さは凄い
336名無しさん@ピンキー:2009/04/02(木) 23:46:59 ID:CoDs7GUC
このスレいいね
どの職人も似てないから
読んでて楽しい
337名無しさん@ピンキー:2009/04/04(土) 20:11:38 ID:XRfGtk+V
ブログ主懲りねえなぁ…もうアホかと
338名無しさん@ピンキー:2009/04/04(土) 20:17:00 ID:cb4yrf8U
アメブロゆるいからね
でも保管庫大量削除からこの分野だけ更新ないね
保管庫復帰させる前にもう少し様子見かな?
削除したのが誰かわからないからやりにくいけど
339名無しさん@ピンキー:2009/04/05(日) 18:37:47 ID:RAHo8LNa
340名無しさん@ピンキー:2009/04/05(日) 18:40:44 ID:RAHo8LNa
WEB拍手のコメント欄で無断転載はやめるように送ってみたけど無駄かな?
341名無しさん@ピンキー:2009/04/05(日) 18:44:32 ID:hxyzIowz
>>340
無駄みたい。
悪気があって無断転載してるわけじゃないのかなって思って、
著作権とかそのへんのURL拍手で送ったけど、
意味なかった。
転載された本人が話すのがいちばんいいんだけど。
しばらく様子見じゃないかな。
342名無しさん@ピンキー:2009/04/05(日) 18:46:06 ID:hxyzIowz
>>339
そこじゃない。
343「エレベーターの奇跡」:2009/04/05(日) 21:08:00 ID:PtW/ivyl
空気読まずに投下するよん
上の方にあったエレベーターでの出来事書いてみた
進×香ね、エロ無し文才無しだから
つまんなかったらスルーよろ
-------

「あら進藤先生…屋上に行ってきたの?」

たまきがエレベーターを待っていると、中には先客がいた。進藤だった。

「ああ…お前こそ何処に行ってたんだ」
「第一外科にちょっとね、ってまたお前って言っ…きゃっ!」

他愛ない会話をしているとエレベーターは
突然停止してしまい、照明も完全に落ちてしまった。

「ちょっと…何?どうしたのよ」
「……故障、だな」
「故障って…冗談じゃないわよもう……」

暗闇で表情までは分からないが声色には
疲労と怒りと困惑が混じっていた。

「管理会社に繋がる通話ボタン無かったか」
「あったはずだけど…この暗さじゃ分からないわよ」
「貸してみろ」

そう言うと進藤は暗闇の中を移動して
階数ボタンの前まで来た。
暗さに目が慣れてきたのか通話ボタンはすぐに見つけられた。
344名無しさん@ピンキー:2009/04/05(日) 21:09:24 ID:PtW/ivyl
「すみません、エレベーターが故障してしまったんですが」
「……申…訳ありま…ん…中にいら…しゃ…のは患者様…すか」
「いえ…救命救急センターの医師が2人です」
「…ぐに復旧…あたりま…が…1時間は掛か…かと」
「分かりました………だそうだが」
「何だってこんな所で1時間も過ごさないといけないのよ」
「………」
「今日は早く上がれるからゆっくり寝ようと思ったのに」
「………」
「やっとこの疲労とさよならできると思ったのに!」
「……なら今寝ればどうだ」
「はぁ?」
「肩貸してやるぞ」
「ここで寝ろっていうの?」「そうだ……どうせ1時間も閉じ込められるんだ、寝とけ。とりあえず座るぞ」
「あっ、ちょ、ちょっと……」

たまきの白衣の裾を軽く引っ張り、座るように促した。
言われるままに進藤の隣に腰を下ろすたまき。
すぐ隣には進藤がいる。そしてこの狭い暗闇の中には
はからずも自分と進藤の2人きり。
そう思うだけで、たまきの鼓動は早くなった。
345名無しさん@ピンキー:2009/04/05(日) 21:10:13 ID:PtW/ivyl
「医局に連絡しておいた方がいいわよね」
「そうだな」

こちらは落ち着いているから気にしなくていい、とのことだった。
それから10分は経っただろうか。
無言の時間が続いたが、進藤もたまきも
それを特に気まずいとは思わなかった。

「……寒い……」

たまきが絞りだすような声で呟いた。
エレベーターの故障で、空調システムも止まってしまったのだろう。
今は2月下旬。春が近づいているとはいえ、やはりまだまだ気温は低かった。

「もっとこっちに来い」
「でも……」
「遠慮するな、ほら」

進藤がたまきの肩に手を回しその体を引き寄せる。
進藤に触れられただけで柄にもなく緊張してしまう。
たまきの体の左側には進藤の体温を感じる。
肩に回された手はたまきをかばうようだった。

「これで少しは暖かくなったか」
「ええ……少しね」

本当は進藤に触れられているせいで体が火照り
寒さなど感じなくなっていたのだが。

「寝ていいか」
「…え?」
「お前にもたれていいか」
「い、いいけど…」
「すまない…潰れるなよ」

そう言うなり進藤はたまきにもたれ掛かってきた。
それからすぐに、気持ちよさそうな寝息が聞こえてきた。
346名無しさん@ピンキー:2009/04/05(日) 21:11:24 ID:PtW/ivyl
2人の息遣いだけが響く空間でたまきは考える。
いつからだろうか、確かに進藤へ特別な感情を持っている。
北村と付き合っていた頃に抱いていたような感情ではない。
でも進藤には亡くなった妻がいる…
それに自分を女として意識しているなら
簡単に体に触れたり、自分の前でこうも無防備な姿を晒したりしないのでは…?
そんな事を幾度となく考えては、ちらりとその横顔を見上げる。

「誰のせいでこんな気持ちになるのよ……答えくらい聞かせてくれてもいいじゃない」

小さな声で呟いたその時だった。たまきの唇に一瞬何かが押し当てられた。
突然の出来事に何も出来ずにいると、低く艶のある声が聞こえてきた。

「これが答えだ。満足か」
「え……え?」
「答えを聞かせろって言っただろ」
「…今のは…キス…なのかしら…」

そう言うのがたまきには精一杯だった。
こんな形で願いが叶うなんて思っていなかった。
まさか自分の一言を進藤が聞いているとは思わなかったし、
ましてや進藤が自分の事を想っていたなど知らなかった。

「いつ言おうかと考えてたんだが、お前から言ってくれるとはな」
「それより起きてたの?」
「好きな女がこんなに傍にいて熟睡出来る訳無いだろ」
「……嬉しいわ、とても。ちょっとムードには欠けるけど」
「今夜飯でも食いに行こう」
「今度はちゃんと、あなたが来てね?あの時みたいなのは嫌よ」
「わかってるさ……たまき」
「今…たまきって言った?」
「ああ、恋人同士なんだからな」
「………好きよ、一生。」

その後医局に戻った2人は、エレベーターでの出来事を矢部に散々質問されたり
馬場の妄想劇の主人公にされたりしたが
2人がただの同僚から恋人同士になった事を知る者は
誰一人いなかった。
347名無しさん@ピンキー:2009/04/05(日) 21:12:44 ID:PtW/ivyl
はい終わり
つまらなくてすまん
次来るときはもっと文才得てから来ますw
スレ汚し申し訳ない
348名無しさん@ピンキー:2009/04/05(日) 21:15:04 ID:q5hr2P3H
密室モエモエ
GJ!
349名無しさん@ピンキー:2009/04/06(月) 00:06:27 ID:RD+xHZr7
>>343
乙!
とても読みやすかった
また来てくださいね
350名無しさん@ピンキー:2009/04/06(月) 10:17:35 ID:TJWlk5sz
GJ
351名無しさん@ピンキー:2009/04/07(火) 03:38:06 ID:E1f4fGIM
今更だが進藤×たまきやべえw
放送当時から萌え萌えはしてたけど
352名無しさん@ピンキー:2009/04/08(水) 13:58:56 ID:0Z2lYf10
>>268>>270>>288>>309>>343
GJ!!
投下あると嬉しいね
またお待ちしてます
353名無しさん@ピンキー:2009/04/10(金) 15:42:01 ID:neg+Uxcv
太田川「・・・」
矢部「・・・」
太田川「ん、あっ・・」
矢部「今寝てただろ」
太田川「矢部く・・・ん、もう・・眠いっ」
矢部「まだだめだよ」
太田川「・・・んっ・・」
矢部「ほら、また濡れてきた」
太田川「はぁ・・んぁっ・・」
矢部「もう一回挿れるぞ、な?」
太田川「んん・・だめっ」
矢部「いいだろ?」
太田川「だめっ、だめっ、あぁ!」


糸冬了 
354名無しさん@ピンキー:2009/04/10(金) 17:03:00 ID:QlyddRV5
やべぇ!!!!!

最高!!!!
355名無しさん@ピンキー:2009/04/10(金) 18:12:42 ID:6MKG7CMV
放送終了して何年もたつけど
まだまだ萌えるvv
矢部と太田川は爽やかなイメージしかないから
エロいとたまらんv
356名無しさん@ピンキー:2009/04/11(土) 00:32:22 ID:gdneklRC
イク寸前あたりに京都弁で『矢部くん…堪忍して…ぇ』
とか言ったらさらに萌えそう
357名無しさん@ピンキー:2009/04/11(土) 23:52:05 ID:9X2CZnDO
投下します。
駄作ですが。
358名無しさん@ピンキー:2009/04/11(土) 23:53:05 ID:9X2CZnDO
桜が散っていた。
「もう葉桜じゃない...」
帰宅途中、一駅前で降りて桜並木を見ようと思っていたのに。
ちらほらと、若い緑が見えた。
もう少し早く来ればよかった、と軽く落胆していると、前に見慣れた影があった。
「進藤..先生...?」
影がこちらを見やった。
「香坂?お前、ここで何してる..」
「お前はやめて...あなたこそ、ここでひとりでお花見? 寂しいわね」
自分も同じなのだが、口から出るのは悪態ばかり。
「そんなとこだ。ひとりも悪くない。」
ふと、夜桜を見上げる進藤の顔を見ると、月明かりに照らされ、やけに妖艶に見えた。
「..お互い、寂しいわね...」
進藤が驚いた顔で振り向いた。たまきがそんなことを呟くとは。秘めていた想いが爆発しそうになる

「すぐ近くなんだが..俺の部屋に来るか?コーヒーでもいれよう。そこからでも、桜は見える。」
たまきが目を見開いて見つめてくる。
進藤も自分自身の言葉に微かな衝撃を抱いた。
たまきは、驚きながらも、誘いにのることにした。胸の高鳴りに気づかないふりをしながら。

359名無しさん@ピンキー:2009/04/11(土) 23:54:09 ID:9X2CZnDO
部屋に着くと、誘い文句通りに進藤はコーヒーをいれてくれた。
少し長めの沈黙の後、進藤に促され、ベランダに出ると、さっきの桜並木が一望できた。
「綺麗...」
月明かりに照らされた桜が、あたりをぼぅっと照らしているようにも見えた。
「絶好の花見ポイントね。」
そう言いながら、進藤を見つめると、進藤はいきなりたまきに口づけた。
決して激しくはないが、甘く、溶けそうなほどに熱く、長いキス。
唇を話して、互いを見つめあう。
もう、言葉は何もいらない気がした。

そのまま部屋の中に戻り、また口づける。
今度は、息もできないほど激しく、乱暴だった。
舌と舌を絡ませ、互いの唾液も飲み下し、獣のように求めあった。
「ん..ぁ.ふ....んんっ..」
淫らな喘ぎがこぼれる。
それに欲情した進藤は、耐えきれなくなって、たまきを床に押し倒した。
ずっと唇を味わっていた進藤の唇が、ゆっくり、でも確実にたまきの感じそうな所を攻めた。
耳のあたりに触れると、
「はっ..うぅ....んぁっ!」
と、一際高い声をあげた。進藤は気をよくして、乱れる女の耳に舌を差し入れ、軽くかき回した。
「いやぁぁっ...ん..ぁっ」
さらに高い声があがる。
「そんなに、イイか...?」
不敵な笑みを浮かべながら聞いても、拗ねたのか、たまきは答えなかった。
「なぁ、もう、我慢できそうにないんだ」
そう言うと、いきなりスカートの中に手を入れ下着を引きずりおろした。


360名無しさん@ピンキー:2009/04/11(土) 23:54:47 ID:9X2CZnDO
「いやぁぁぁっ!」
いきなりの激しい行為に抗議の声を上げても、進藤は無視して現れた指を這わせた。

くちゅっ...

淫猥な水音が部屋に響く。
「ぃや...ぃゃ...っやめっ..」
いくら喘いでも、進藤は聞く耳を持たない。
むしろ、たまきが喘げば喘ぐほど、進藤の牡の部分がどんどん増殖してくる。
もう、理性を保つことなどできなかった。
たまきのスカートも完全にまくりあげる。
そしてジッパーを下げ、徐に自身の十分に固く、太くなったモノを取り出し、たまきのいやらしく濡
れた部分に押し付ける。
もう、何も聞こえなかった。
そしてそのまま、たまきの叫びには耳を貸さず、強引に花園の中に自身を押し込んだ。
たまきは淫らすぎる喘ぎ声をもらして、最初こそ嫌がったが、だんだんもっと強く犯されることを望
んだ。
進藤は、夢中で己の腰を動かし、牡の部分で牝の締め付けを楽しんだ。
激しい蹂躙の末、一際長く甲高い喘ぎを残し、たまきは果てた。
服をきちんと身につけ、下半身だけ露出した淫らな姿で。
進藤も強い締め付けに耐えきれず、熱く、濃い液体をたまきの中に放った。

―熱く燃えた2人を、月明かりに照らされた妖しい夜桜が見つめていた。
361名無しさん@ピンキー:2009/04/12(日) 00:44:46 ID:WpCBORqq
素敵な萌えをありがとう!!

ってか、
>―熱く燃えた2人を、月明かりに照らされた妖しい夜桜が見つめていた。

自分も見つめていていいですか?
362名無しさん@ピンキー:2009/04/12(日) 06:58:41 ID:A0a7P2vU
>>357
乙です!
全然駄作じゃない。
またおまちしてます!
363名無しさん@ピンキー:2009/04/12(日) 11:32:05 ID:n4sSInfe
我慢できない進藤に激モエでした!
GJ!!
364名無しさん@ピンキー:2009/04/13(月) 17:08:32 ID:Md7xIslG
GJ!
いまだにこうして
書き手さんがいることが幸せv

救命2の続編作ってくんないかなぁー
2時間SPでいいから…
365名無しさん@ピンキー:2009/04/13(月) 17:47:48 ID:BS7781ve
2時間SPでいいから続編希望!!

366名無しさん@ピンキー:2009/04/13(月) 22:53:51 ID:stdZoxVj
同じく続編希望!!
367名無しさん@ピンキー:2009/04/13(月) 23:02:18 ID:TkNBVSRs
GJ!!!
しんたま萌え〜〜〜
368名無しさん@ピンキー:2009/04/16(木) 08:32:35 ID:7IzyCHbr
城島先生と香坂先生が仲良いのが好き。
仲良しすぎて、ちょっとイラってする進藤先生がいるとなおよい
369名無しさん@ピンキー:2009/04/17(金) 18:32:03 ID:81e+tVix
続編がみたいー
今現在の時間軸の救命2がみたいー
最近の医療ドラマは出てる役者の年齢層若いのが…
進藤先生に会いたいぞー
370名無しさん@ピンキー:2009/04/18(土) 13:26:12 ID:AUivuNiO
メンバーは1が最高。
1と2はよかった。

以前投下したことがあるのですが、
自分が投下したものを自分の保管庫にもっていってもよろしいでしょうか?
もちろん全体の保管庫からは消しません。
少し前に転載問題のことがあったので書き込ませていただきました。
371名無しさん@ピンキー:2009/04/18(土) 14:33:16 ID:OM0IgYeC
問題ないのでは?
372名無しさん@ピンキー:2009/04/19(日) 08:57:02 ID:xZ5cwRSv
個人的にメンバーは2が最高
ストーリーも。
373名無しさん@ピンキー:2009/04/19(日) 23:15:35 ID:u67mi8Rk
このスレじゃなくて一般のドラマ板で言えばいいのにっていうコメント多いな
正直見てて鬱陶しい
城島先生と香坂先生のコンビが評価されて複雑な心境の山城さんと進藤先生とか萌える
馬場→桜井→進藤→早紀の思いのベクトルもいいな

Uマンセーの話題ばかりだけど、ここ一応3も1もありだから否定的意見はどうかと思う
374名無しさん@ピンキー:2009/04/20(月) 00:42:02 ID:DRqf8BPC
進藤先生に抱かれたいです
375名無しさん@ピンキー:2009/04/20(月) 17:02:02 ID:ieZFpU8M
進藤先生と香坂先生のお部屋でのラブラブぶりを近くで見てドキドキしたい
376名無しさん@ピンキー:2009/04/22(水) 18:54:22 ID:NLeb/hGI
保守
377名無しさん@ピンキー:2009/04/23(木) 21:00:48 ID:w7nXxzd5
進藤先生と香坂先生は幸せになってほしい
なのに暗い話しか思いつかない……
378名無しさん@ピンキー:2009/04/23(木) 22:29:44 ID:nigpHZY9
>>377
なんとなく分かる
379名無しさん@ピンキー:2009/04/23(木) 22:46:44 ID:zXgbZyNd
シリアスな話でも
しっくりくる2人だしな
380名無しさん@ピンキー:2009/04/23(木) 22:52:06 ID:204XHhC+
幸せになってほしいけど、イチャイチャベタベタというようなものではなく近くにいなくても気持ちはつながっているとか、それぐらいの関係しか出てこない
仲間;恋愛の割合だと4:1ぐらいで仲間意識強い方が好きだな、たまに甘いからこそこの二人の良さはあると思うw
381名無しさん@ピンキー:2009/04/25(土) 16:52:44 ID:x4zJGFrl
あげ〜
382long distance 進藤×香坂:2009/04/26(日) 02:21:19 ID:mt5wK2hE
投下します。

春は、空気が冷たくなると、建物の明かりが目立ちはじめる。
生暖かさが残る夏とも、気付けば暗くなっている冬とも違う。
きちんと過程がわかる季節だ。
窓から入る光が弱なった室内で、たまきは、時計ばかり眺めていた。
連絡がきてから1時間が経っている。
道が混んでいるのだろうか。
都筑区にある病院から横浜駅西口にあるこのホテルまで、車で40分ほどだ。
平日だからか、海側の上層部の部屋がとれたにもかかわらず、たまきがベイブリッジを眺めたのは一度だけだった。
シャワーを浴び、化粧をして、髪型を整えた後は、時計と携帯が気になって仕方がなかった。
それにもかかわらず、迫りくる再会を先延ばしにたくなるのは、臆病だからかもしれない。
逢瀬の後の別れの瞬間はいつになっても慣れることはなかった。

手の中の携帯が震えたのは、さらに10分が経過した後だった。
たまきが部屋に招き入れると、進藤は強い力で抱き寄せた。
後ろではゆっくりと扉が閉まる音が聞こえた。
「一年ぶりね」
進藤の匂いをたっぷりと吸い込み、たまきは言った。
「そうだな」
声は機械を通すとどうしても雑音が混じる。
クリアな声に、お互いが近くにいることを認識する。
「顔を見せて」
少し距離が明くと、薄暗い部屋に進藤の顔が浮かび上がる。
ゆっくりと近づくと、唇で体温を感じる。
唇で触れる唇が一番柔らかだと書いた作家は誰だったろうか。
考える間もなく、深くなっていく。
少しずつ角度を変え、下唇を挟み、たまきがわずかに口を開くと、そこから進藤の舌が入り込んでくる。
煙草の苦みがあるのに、漏れる息はとても甘い。
わずかな瞬間に吸い込む空気の量が増えたとき、たまきの身体はベッドに押し倒された。
383long distance 進藤×香坂:2009/04/26(日) 02:23:05 ID:mt5wK2hE
半分まで黒いブラウスのボタンをはずすと、たまきの白い肌が大きく露出される。
窓から入り込む青い光の中に浮かび上がる。
陽が沈み、青く染まった空気のなかでは、昼間とは逆に、赤やオレンジは霞んでしまう。
しかし、青と白はくっきりと浮かび上がるのだ。
どこか寂しさを含み、幻のようにも見える。
目に入る光景とは対称的に、触れた素肌は温かかった。
進藤は、ブラウスの隙間から片手を背中に這わし、ブラのホックをはずした。
胸の先端にひっかくように触れられると、たまきは、右半身だけ鳥肌が立つのを感じた。
顔を逸らすと、ピアスが光を反射する。
「寂しかった?」
できるだけ声の調子を変えないように言ったつもりだったが、うわずって震えた。
「あぁ」
ボタンをすべてはずすと、ブラと一緒にベッドの下に落とした。
直に伝わる空気から、たまきの体温が上昇したのがよくわかる。
耳に舌を這わすと、たまきは熱い吐息を洩らす。
進藤の舌が動くたびに、肺に溜まった熱い空気が押し出されていく。
しつこく耳を愛撫する人間は、進藤が初めてだった。
それまでは煩わしく感じていた行為に身体が震えたことに、たまきは驚いていた。
スカートを落とした右手が耳に移動し、ピアスをはずされたのがわかった。
サイドテーブルに小さな金属音が響くと、耳たぶを柔らかくはさまれる。
動きが激しくなり始めたのを感じると、左手は胸元に添えられた。
先端を弾くと、たまきの身体は上に逃げるが、右手がそれを許さなかった。
進藤の唇は徐々におりていく。
つまむように軽いキスを落とし、ときおり跡を残していく。
薄く目を開くと、いつのまに服を脱いだのか、がっしりとした肩が見えた。
形を確かめるように上半身をたどると、下半身に移動していく。
すぐそこに進藤を見ることが出来ないことを寂しく感じたが、腿を舌でたどられると、今度は全身に鳥肌がたった。
「お前は、寂しかったのか?」
ショーツに湿った息がかかる。
「あ…っ」
返事をする前に、布越しに敏感な部分に舌を押しあてられ、別の声があがった。
384long distance 進藤×香坂:2009/04/26(日) 02:24:03 ID:mt5wK2hE
最後にショーツをはがすと、進藤の唇は再び胸へと戻った。
下部に指で直に触れると、卑猥な音が響く。
内側を軽くひっかくように撫でるたびに、たまきの身体は震えた。
「しんどっ、せん…っせ」
上半身と下半身に刺激を与えられ、たまきからは切ない吐息が耐えず漏れていた。
「…おね…がい…っ」
進藤にも限界がきていた。
膨張した先端は、透明に濡れていた。
最後にもう一度神経の集中している部分を掻くと、指を引きぬいた。

たまきの内部は、それまでと比較にならないくらいに熱をもっていた。
お互いに、一部分でしか刺激を受けていないはずなのに、快楽は全身に広がる。
進藤が奥を付くたびにたまきは声をあげ、身体を捩る。
たまきの締め付けが強くなるたびに、進藤の速度はあがる。
引きずり込まれ、結合部から溶けていくようだった。
ひたすら快楽を求め、漏れそうな声を飲み込むと、呼吸はさらに乱れていく。
「あぁっ、やっ、しんっ…ど…やぁっ」
たまきの腰は、無意識のうちに進藤の動きにあわせていた。
ある場所に当たるたびに、脳まで快楽の波は到達する。
それまでで一番高い声をあげ、たまきの内部が痙攣する。
それと同時に、進藤からも小さくくぐもった声が漏れ、熱を放った。
385long distance 進藤×香坂:2009/04/26(日) 02:27:07 ID:mt5wK2hE
シャワーブースのガラスに、進藤の広い背中が見える。
先程たどった背骨や背筋の感触が、たまきの手のひらには残っていた。
そのせいか、シャワーの水滴や蒸気ではっきりとは見えないが、随分としっかりとした体付きなのはよくわかる。
バスタブからシャワーブースまでの距離は短いはずなのに、ひどくもどかしく感じる。
ここまで移動する際に見えたデジタル時計には、20:38と表示されていた。
進藤がくる少し前の時刻から、もう2時間半近く経過している。
チェックアウトは明日の正午。
他のホテルより遅いという理由でここを選んだのに、それでもずいぶんと早い。
しかしそれ以降だと飛行機には間に合わない。
シカゴに戻れば、またしばらく会えない日々が続く。
たまきは目頭が熱くなるのを感じ、時間を計算するのをやめた。
シャワーブースから出てきた進藤と目が合うと、思わず逸らしてしまった。
たまきの背後に進藤が入り込むと、その体積分、湯があふれた。
そのまま腕を回され、背中に進藤の体温を感じる。
「泣いてるのか」
随分とやさしい進藤の声が、たまきの耳に響く。
それが涙腺を刺激するが、気付かないふりをした。
「どうして泣くのよ」
中で腕を動かしても、湯の表面は波立って音を立てることはない。
動くのは内面だけだ。
たまきは、すべて自分の内部で終わらそうとした。
泣いて、縋りついて、シカゴに行きたくないといって、どうなるというのだ。
ティーンエイジャーではなく、立派な大人だ。
「たまき」
それまで聞いたことのない響きに驚き、たまきは思わず上半身を向けた。
ひどく切なげな瞳で視線を送っていることに、初めて気付いた。
「また、しばらく会えないな」
進藤の声は悲しく響いた。
密閉された空間は、その響きを助長する。
たまきの視界がぼやけたのは、湯気のせいではなかった。
進藤が新たに言葉を発する前に、たまきは、それを塞いだ。
進藤が残りの時間をカウントしないように。


以上です。
雑な文章になってしまい、申し訳ありません。
読んでいただいたすべての方に感謝します。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
386名無しさん@ピンキー:2009/04/26(日) 08:23:32 ID:QZ16KDUx
GJ!!
387名無しさん@ピンキー:2009/04/26(日) 08:24:59 ID:Yzbccvz6
(´;ω;`)神降臨
朝から良いもんいただきました!!
388名無しさん@ピンキー:2009/04/26(日) 13:12:27 ID:cWlKg5WE
GJ!!
泣きそう!!
389名無しさん@ピンキー:2009/04/26(日) 23:52:07 ID:hQFXYFfa
GJ過ぎです〜
いつもより悲しくてそこが良い!!
390名無しさん@ピンキー:2009/04/27(月) 00:02:29 ID:7JsQ7/bK
泣いた!!
たまき、って呼ぶのが切ない。。

お風呂萌えた。。
391名無しさん@ピンキー:2009/04/27(月) 23:22:20 ID:NTRWlMyQ
>>382
乙です!
切ない・・・
392名無しさん@ピンキー:2009/04/28(火) 06:08:01 ID:ItjoS7ce
>>382
乙です☆
シーン1つ1つが頭ではっきりイメージできてドラマを1話見れた気分です
(>∀<)
最後のお風呂のシーンも切なげで良かった〜
めっちゃGJ!!
こちらこそ素敵なSSをありがとぉ〜(TワT)
393名無しさん@ピンキー:2009/04/28(火) 22:54:32 ID:EPQe4Mga
>>382

GJすぎる...泣
394名無しさん@ピンキー:2009/05/03(日) 23:08:42 ID:R8hwJa9N
保守
395名無しさん@ピンキー:2009/05/04(月) 19:41:43 ID:k6zHsJzg
まとめwikiが更新されてる…!
嬉しいよーありがとう(*´д`)
396名無しさん@ピンキー:2009/05/04(月) 23:18:22 ID:ZGVDFlT9
やってくれた方GJ!
ありがとう
397名無しさん@ピンキー:2009/05/08(金) 03:04:14 ID:zu0iNG9p
PC規制解けない(;_;)
まとめてくれた人GJ!!!
進藤香坂やっぱ萌え
398名無しさん@ピンキー:2009/05/10(日) 20:49:25 ID:dc7jCg2q
今まとめwiki読み漁ってたんだが
part1の423とpart2の623が個人的にツボだった
このスレ結構長く続いてるんだね
今part3か
これからも期待です
399名無しさん@ピンキー:2009/05/15(金) 02:14:50 ID:FBUxgzDu
まとめてくれた方ありがとう!!

最近『キレート〇モン』のCMが流れると、ついつい反応してしまう…

重症だろうか…
400名無しさん@ピンキー:2009/05/17(日) 17:20:53 ID:rZheLS/o
今規制中なのか?
進藤のセリフが難しい
城島山城だとエロにたどりつかない
書くのって難しい……。
401名無しさん@ピンキー:2009/05/18(月) 02:59:36 ID:1JCnwgDW
規制長いね
携帯からしか無理ポ
402名無しさん@ピンキー:2009/05/20(水) 18:38:12 ID:PZFUZVj7
mixiのどらまスタッフ日記より
来期に救命4が松嶋で決定

もうこれがファイナルだね
みんなが待ってたのは2メンの救命なのに制作スタッフばかやろ無念age
403名無しさん@ピンキー:2009/05/20(水) 20:38:14 ID:OioxMzpF
確定か…
コジマがヒロイン
見る気しなーーいorz
404名無しさん@ピンキー:2009/05/20(水) 22:23:41 ID:drh/zrO+
フジテレビに怨念のこもったメールしていいですか?
あれほど女医役は香坂でってメールしたのに畜生
405名無しさん@ピンキー:2009/05/20(水) 22:42:03 ID:cI7pnqIK
まじへこむorz
フジに怒りのメールしよう!!
406名無しさん@ピンキー:2009/05/20(水) 22:52:26 ID:kgjd0hKu
一番2続編希望メールが多かっただろうに…ショック
407名無しさん@ピンキー:2009/05/21(木) 14:21:40 ID:bhVvLyPl
松雪さんが忙しいから松嶋さんになったんかな…
408名無しさん@ピンキー:2009/05/21(木) 18:19:59 ID:BAX0/LUo
というより、松嶋の復帰の場を作るためじゃないかな…>4制作
どうせ作るならマジ2が良かった
登場人物みんな好きなドラマってそう無いのに…
409名無しさん@ピンキー:2009/05/21(木) 18:20:33 ID:UWqlCNCJ
松雪さんは映画のロケがあるらしい
でも一番の原因は松嶋が復帰作に救命を選んだからじゃないの?
でもほとんどの人間は
2SPで進藤香坂の恋愛は
完結したって思ってる
自分も今回でさすがに諦めたよ。期待するだけムカつくだけだし
410名無しさん@ピンキー:2009/05/22(金) 00:41:44 ID:IEHEoFOc
俺も2の続編がよかったんだが
でも医局長がいないのも耐えられない
411名無しさん@ピンキー:2009/05/22(金) 07:18:02 ID:nCl/A5O1
香坂先生は進藤先生との子供を妊娠してて
いまは主婦してるんだと思いながら見るかな
412名無しさん@ピンキー:2009/05/22(金) 19:31:26 ID:OiwAGWTQ
悲しさを吹き飛ばしたい…進香読みたい…香坂出してくれ…
413deep inside of you 進藤×香坂:2009/05/23(土) 04:47:31 ID:TO+Y/613
投下します。


こういう関係になるときには、恋愛感情は抱いてはいけない。
それが、今まで生きてきた中で学んだことのはずだった。

行為の後の気だるい意識の中で、進藤から受ける口付けはやけに甘く深く浸透していく。
たまきは意識を保つことがやっとだった。
「ちょ、っと」
二度も求められたのは、今回が初めてだった。
いつもならば始発の時間に合わせてあっさりと別れ、普段どおり仕事にむかう。
お互い、仕事の顔で。
「進藤、先生」
カーテンの隙間から入り込む光に、空が白みはじめたのを知る。
唇に柔らかな感触を受け、意識が戻ったときにはまだ暗かったように思える。
進藤はずいぶんと長い間、たまきの唇を貪り続けている。
「い…加減、」
「少し黙ってろ」
珍しい、と思った。
進藤は、いつも早急に奪っていく。
まるで無駄がないのだ。
そこには感情などないかのように感じられる。
こんな風に深い口付けなど与えられたことなど決してなかった。
かといって、自分本意な、強引な抱き方もしない。
そのたびにたまきは、自分の感情をしまい込んでいた。深く、取り出せないような場所に。
「嫌だってば」
たまきが無理矢理顔を反らすと、進藤はようやく離れた。
「どうしたのよ、あなたらしくないわ」
入り込む光はまだ弱く、進藤の表情は影になっていて見ることができない。
こんなに近くに呼吸を感じるのに、遠い存在に感じる。
いっそのこと、傷つけてもらったほうが楽なのかもしれない。
そろそろ終わりが近づいているのだろうか。
進藤が何も残らないような抱き方をするのは同情からだと、たまきは考えている。
深部にある感情まで悟られるようになったのだろうか。
たまきがベッドから抜け出そうとすると、進藤はそれを阻んだ。
スプリングが音をたてる。
「どこにいくんだ?」
求めていたはずのその強い力が、今はただ痛い。
「帰るわ」
この関係にもちこんだのは、たまきの方だった。
虚しさしか残らないのはわかっているのに抜け出すことができない。
しかし痛みは回数を重ねるごとに増していく。
始まりがあるものはすべて、いつか終わりが来る。
「あいつの所に、か」
あいつ。
研究室の医師だった。
何度か食事に行ったことはある。
進藤に会う前にも会っていた。
そしてそれを進藤は知っている。
しかし、その医師とは仕事のみの関係で、プライベートなことはお互い何も知らない。
それを進藤は知らなかった。
たまきは言う必要もないと思っていたし、何よりそのことについて進藤は興味を持っていないと思っていた。
「いくな」
擦れた声が耳に直に伝わり、たまきを捕まえる力を強めた分、スプリングが音をたてる。
たまきが言葉を発する前に、再び進藤は唇を塞いだ。
414deep inside of you 進藤×香坂:2009/05/23(土) 04:49:05 ID:TO+Y/613
酸素を求めることも許されないような口付けが続く。
もがこうにも、しっかりと捕えられていて身動きがとれない。
右腕は痛いほどに力をこめているのに、左手は優しく髪を撫でている。
それ器用だと感じる余裕さえも持てずに、たまきは溺れさせられていく。
たまきの身体から力が抜けたのがわかると、進藤は音を立てて唇を離した。
たまきは、どちらのものかわからない唾液で濡れた唇を薄く開き、荒い呼吸を繰り返すだけだった。
呼吸が身体を上下させるたびに、細い光が撫でるように位置を変える。
進藤はいたるところに痕を残していった。
あいつが自分の存在を察するように。
卑怯な行為だと思う。
たまきを傷つけるかもしれないと思い、無理矢理奪うことなどできなかった。
しかし、それよりも、進藤自身が傷つくのが恐かったのかもしれない。
いつまでも中途半端なことしかできないことに、深く後悔した。
手放すことなど今更できないのだ。
最後に、胸の先端に唇で触れると、たまきの身体がびくりと跳ねた。
下部に指を這わすと、ひどく溢れだしているのがわかる。
「やっ…」
簡単に指を飲み込み、動かすたびに音を立てる。
たまきは目を瞑り快楽に耐えていた。
一度達した後の敏感な身体に、この刺激はあまりにも強かった。
掴んだシーツの皺が深くなるが、身体の動きは抑えられない。
その姿に、進藤の欲望は膨らんでいった。
「俺につかまれ」
シーツさえも嫉ましく思ってしまう。
重症だと、進藤は自覚した。

吐息と同じ温度で吐き出された言葉を聞き、たまきは進藤を見た。
外からの光が少し強くなり、進藤の表情がわかるようになっていた。
熱をもった瞳はしっかりとたまきを捕え、求めている。
溺れたいと思ってしまった。
そのまま堕ちていって、永遠に戻ってくることができなくなってしまってもかまわない。
心から深く進藤を求めた。
たまきが腕をまわすと、進藤は深く自身を沈めた。
あとはひたすら快楽に溺れていった。
中をかき回され、奥を突かれるたびにたまきは声を上げる。
その声に、進藤は律動を早めた。
たまきが特に反応を示す場所も、この姿も、声も、すべて独占してしまいたいと思った。
他の人間には触れさせたくない。
自分だけに溺れさせていたい。
最奥を突いたとき、たまきは一層高い声をあげシーツに沈み、その締め付けに、進藤も後を追った。
415deep inside of you 進藤×香坂:2009/05/23(土) 04:54:31 ID:TO+Y/613

低気圧が近づいているのか、風が強い。
日ざしが強い屋上で、たまきは昨日の出来事を思い返していた。

今よりも少し弱い光の中でたまきが目を覚ますと、進藤と目が合った。
「帰るのか」
気のせいか、その瞳は不安げに見えた。
「もう少しいるわ」
昼前くらいだったろうか、部屋の空気がだいぶ暖かく感じた。
「あいつのところにはいくな」
その光さえ届かないくらいに抱き締められ、耳元でささやかれた。
あの不安の交じった擦れた声で。
「いくも何も、あの人とは何もないわ」
笑いとともに吐き出すと、視界に光が戻った。
「あまりからかうな」
今度は不満そうに。
自分のことでいっぱいだったからか気付かなかったが、そういえば二人でいるときは感情を出していてくれたようだった。
行為の時の様子ばかりを考えていた自分を恥ずかしく思った。
「お前はずっと俺といればいいんだ」
柔らかい口付けとともに降ってきた言葉は、たまきを心から満たした。
髪を撫でられるのが、こんなに心地のよいことだとは思わなかった。

屋上の扉が開き、見慣れた青い術義が姿をあらわす。
たまきを見つけると、ゆっくりと近付き、隣に腰を下ろした。
風が、煙草の匂いを運ぶ。
「あなたでも嫉妬するのね」
何も言わずにたまきの肩を抱き寄せる。
伝わる体温がとても温かい。
「ねえ、髪撫でて」
風に乱れる髪を進藤の手がゆっくりと梳かしていく。
その心地よさに、たまきは目を閉じた。
「寝るのか?」
問いには答えずに、頭を肩に預ける。
進藤が喉の奥で笑ったのがわかった。


以上です。
勢いで書いてしまったため、乱雑な文章になってしまい申し訳ありません。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
失礼しました。
416名無しさん@ピンキー:2009/05/23(土) 08:00:38 ID:ReQtS25q
GJ!
またいつでもお待ちしてます
417名無しさん@ピンキー:2009/05/23(土) 09:38:54 ID:ERPOW7XM
本当にGJです!
乱雑なんてそんな・・・
いつも楽しみにしてます
418名無しさん@ピンキー:2009/05/23(土) 21:15:52 ID:OztbWH2n
GJ!
すごい萌えたー!
またいつでもお待ちしております。
419名無しさん@ピンキー:2009/05/24(日) 04:45:20 ID:rpo0Cdgk
最高でした
ぜひまた読ませて下さい!
420名無しさん@ピンキー:2009/05/25(月) 18:37:13 ID:EihNlC+1
>>411
いいなソレ
自分は実は香坂先生と遠距離恋愛中で
何かあるたび連絡取り合ってるって思い込んで見よ
そう考えて見ればちょっとは救われるかもね
421名無しさん@ピンキー:2009/05/26(火) 19:18:22 ID:SYvfK1pe
>>420
自分も同じこと考えてた!www香坂先生はシカゴかどっかにいるとw
422名無しさん@ピンキー:2009/05/26(火) 21:41:19 ID:AAVYmPEs
香坂先生がドラマに出ないのであればせめて、進藤先生の口から「香坂」とこの言葉だけでもいいので発していただきたい
423名無しさん@ピンキー:2009/05/27(水) 18:37:03 ID:kKWpkYIv
>>421
そうそう、香坂先生はシカゴで日夜、研究に明け暮れてるんだよな、そして交際を迫られては、断りまくってるw

>>422
同感だぁ
それか、重度の心臓病の患者が搬送されてきて、専門医である香坂先生に電話で相談するシーンとか1シーンだけでも見たい
424名無しさん@ピンキー:2009/05/30(土) 17:19:13 ID:f3DYv574
何回か書いてるからまた書こうと思うけど
いいネタないっすか??
希望を反映するかどうかはわからんけど。。。
425名無しさん@ピンキー:2009/05/30(土) 18:31:57 ID:KxWk2NQ5
>>424
なんでも大歓迎ですぞ
香坂の帰国話ってあったっけ?
地震後の帰国とかどう?ありきたり??
426名無しさん@ピンキー:2009/05/30(土) 19:47:34 ID:otjH3kbk
あまえんぼな進藤先生がスキ
料理中でほったらかしにされた進藤先生→我慢できなくって後ろからくっつく→
邪魔物扱いされてむくれる→後でお仕置きw
427名無しさん@ピンキー:2009/05/30(土) 21:20:09 ID:ptPQI+/Z
>>426に一票!
428名無しさん@ピンキー:2009/05/30(土) 22:38:11 ID:f3DYv574
>>426

いいかも!!
429名無しさん@ピンキー:2009/05/31(日) 17:01:17 ID:R6BBA81K
超ドSすぎな進藤が見たい別人格になった進藤がまだ付き合ってない時の香坂を強引にみたいなの
でもみんな、あまあまな話が好きなんかな?
430名無しさん@ピンキー:2009/05/31(日) 17:49:39 ID:Azf31gpy
>>429
甘々もいいけど、
そういう超ドS進藤、自分も読みたい!
431名無しさん@ピンキー:2009/05/31(日) 19:57:23 ID:L/Ug08zt
どれも読みたいw
432名無しさん@ピンキー:2009/05/31(日) 21:04:58 ID:vFlQgitr
じゃあもういっそまとめてしまえww
433名無しさん@ピンキー:2009/05/31(日) 22:47:29 ID:SlTkTA4J
ドSは苦手だが強引読みたいww

ドSでも甘々でもそれ以外でも、
色んなのがあると面白いね
好みのものを読めばいいし

ネタだしてったほうが職人さん達書きやすいのかな?
434名無しさん@ピンキー:2009/06/01(月) 00:01:02 ID:NAQyWlhT
私は酔っ払って誘い受けするなっちゃんを見ていたら
人格が急激に変わって無理矢理襲う矢部くんが見たいです><
そして矢部くんが下半身に触れたあたりで酔いがさめたなっちゃんが
必死に抵抗するけど力の差で太刀打ちできないとより素敵です><

職人さんお願いします><
435424:2009/06/01(月) 14:31:51 ID:fR4VM0ZU
―午後3時

進藤は揺れて目が覚めた。
…どうやら誰かに揺すられた訳ではなさそうだ。
医学書を読んでいて、自然と寝てしまっていたらしい。

今日はたまきと偶然休暇が重なった。
当たり前のように彼女は自分の家にいる。
もうずいぶん前からふたりはそういう関係になっていた。

ふと、キッチンの方からいい匂いがしてきた。
見ると、たまきがエプロンをして、なにかを見ながら料理をしていた。

「あとは…酢を小さじ1杯?……この量に対して小さじ1杯いれて効果あるのかしら」

さっきから小言をこぼしながら料理している。
そういえば、たまきが本格的な料理をしている姿をみるのは初めてだった。
興味といたずら心から、進藤は静かにたまきに近づき、徐に後ろから抱きすくめた。

「ちょ…っ」

少し抵抗の色は見せたが、本気で抗うつもりはないらしい。

「何つくってるんだ?」
「…秘密。もうちょっと待ってて」

そう言われても彼女に触れてしまった以上、抱きしめただけでは引き下がれなかった。
エプロンをめくり、カットソーの間に手を差し入れ、下着の上から敏感なふくらみに手を這わせた。

「ゃ…っねぇ、ちょっ…とやめっ…」

さすがに抵抗しだしたが、声に甘さがにじみ出ていた。
少し微笑んで耳元で囁く。

「…………欲しい」

その一言で、耳元から真っ赤になっていく彼女が愛しかった。

「お願い…もうちょっとで終わるから…そしたら……ね?」
「そしたら、何だ?」
「何だ、って…」
「言わないと分からないな」
「………っ…だから…」

恥ずかしがってますます赤くなる彼女をみて、

「まぁ、待ってるよ」
「え?…えぇ…」

意外にもあっさり手を離した進藤に、たまきは少し寂しさも感じた。
進藤はそれに気づきながらも、リビングへと戻った。
436424:2009/06/01(月) 14:32:40 ID:fR4VM0ZU
数十分後、たまきがリビングに向かってきた。
進藤はちらと目を向けると、たまきの腕をぐいと引っ張って自分の胸に抱き込んだ。
そしてそのまま抱きすくめながら、愛しい女の甘い唇を奪う。
息つく暇もないほど。
余裕を全てなくさせるほど。
長く、長く。
進藤はたまきの唇を吸いながら、いつもよりゆっくり、じらすように舌を絡め、わざと音を立てる。

そのいやらしい音色に、たまきは耐えられなくなってきていた。
唇と同時に、耳まで犯される。
たまきが耳に弱いことを、進藤は熟知していて、追い詰めてくる。
そろそろ限界だった。

「おい…キスくらいでそんなに感じるか…?」

進藤は急に唇を離すと、たまきの目を見つめながら言った。

「か、感じて…なん、か……」
「そうか、それにしては下半身が疼くみたいだな」

不敵な笑みを浮かべながら言うと、いきなりシフォンのスカートの中に手を差し入れてくる。
「きゃ…っ……ぃゃ…っ」

抵抗しても、もう無駄だった。
進藤の指は既に熱くぬめる部分に触れ、じらすようにさすっていた。

「…今からお前を美味しく料理してやるよ」

そう言うと、たまきの細い体を抱きかかえ、ベッドルームへと向かった。
437424:2009/06/01(月) 14:33:33 ID:fR4VM0ZU
「り…っ料理って…?」

ドサッととベッドに落とされ、進藤は馬乗りになってきた。
確実になにかを企んでいる、危険で甘い微笑みを浮かべながら…

「ね、…何する気…?」
「何って、決まってるだろう?」

そう言うと、強引にくちづけてきた。
いつもの彼とは比べものにならないほど、激しく乱暴なくちづけ。
嫌だった。こんな扱い。
嫌……なはず…だった。

そのうち進藤は、激しくくちづけたまま、たまきの服を脱がし始めた。
カットソーも、スカートも、下着も、全て。
たまきが全裸になると、進藤は唇を離した。
いやらしく糸がひく。

「おや…こんな所に旨そうなものがある…」

たまきの全身を舐めるように見つめながら、進藤はつぶやいた。

「んな…っ……んん…」

たまきが反抗しようとすると、進藤はベッドサイドに掛けてあった自分のネクタイを手にとり、たま
きの口にかませた。

「んふ…んんぅ……っ」
「さて、どう料理しようか…」

今まで見たこともないような不敵な笑みを浮かべて言うと、
たまきの胸の真ん中の赤い粒をねっとりと舐めあげる。

「んっ…ぅ…」

声を出せないたまきは、体をひねったり、進藤の頭を押しのけようとするが、何をしても男の力の前
では無意味だった。

「おとなしくしてろ…美味しく食べて欲しいだろう?」

耳を舐められ、舌を差し込まれながら囁かれ、たまきはもうおかしくなりそうだった。
438424:2009/06/01(月) 14:34:05 ID:fR4VM0ZU
たまきはたまらず、目に涙をためていた。
だが、進藤に泣き落としは全く通用しない。

再び進藤は、胸の粒を焦らすようにゆっくり舐め、反対の胸は柔らかく、それでいて激しく揉んだ。
少しの舌や指の動きにも、きちんと反応する体を“下ごしらえ”していく。
体全体を舐めながら、紅い華を咲かせる。たまに唇を離して真上から見つめると、淫靡な肢体に頭が
クラクラしそうだった。

口には猿ぐつわのようにネクタイをかまされ、いたる所を唾液で光らせ、紅い華を咲かせた全裸の女

今すぐにでも、食べてしまいたかった。

しかし進藤はもう少し焦らすことを選択した。

下腹部の黒い茂みを掻き分け、赤く光る泉を探し出す。
想像以上に、濡れていた。
シーツには広くシミができている。

「そんなに食べて欲しかったのか…?」

笑いながらたまきの目を見ると、目を伏せて首を振る。
なんともそそる光景だった。

フッと笑うと、進藤はいきなり蜜の“味見”をした。
いきなりの刺激にたまきの体は激しく跳ねた。
進藤は体を押さえつけると、淫口に舌をねじ込む。
たまきの体は激しく痙攣し、少し動きが静かになった。

達してしまったか…

「美味いよ、たまき…お前も味見してみるか?」

そう言うと、たまきの口元のネクタイをはずし、くちづける。自らの舌に残る、たまき自身の味を味
わわせるために…

439424:2009/06/01(月) 14:34:40 ID:fR4VM0ZU
「ゃぁ…っふ…ぅ…んん…ぅ」

ひとしきり味わうと、ゆっくり唇を離す。
たまきはついに、泣き出していた。

「こんなの…ゃ…」

声を出すことも許されず、抵抗もむなしく体を弄ばれ、しまいには自分の蜜まで舐めさせられ、たま
きは恥ずかしさでおかしくなりそうだった。
しかし、そんなたまきを見てもまだ、進藤は冷たく微笑んだまま。

「これほど濡らしておいてよく言うな…」

たまきに完全に覆い被さり、耳元で囁くと、泉に指を沈めた。

「柔らかくて温かくて…本当に美味そうだ…もう少し味がしみてきたら、そろそろ食べようか…」

そんなことを平気で囁く。
囁きながら、耳たぶを噛み、首筋に噛みつくように跡をつける。

「ゃ……もぅ……っ」
「ん…?もう、なんだ…?」

真正面から見つめてやると、今度は見つめ返してきた。
欲情に濡れた瞳で。

「もう…お願い…」
「…人に物を頼むときはもう少しはっきり丁寧に言わないとな」

進藤はすっかり受け身になっているたまきを見て、遊んでいるようだった。
たまきはもう、どうでもよくなった。
プライドより、快楽を求める心が勝ってしまったらしい。

「もう…食べてくだ…さ…ぃ……お願いします……っ」

進藤は優しく頭を撫でて、目にキスをした。

「よく言えました」

身につけていたものを全て脱ぎ捨て、たまきの足を大きく開く。

「じゃ、遠慮なく…」

そう言うと、進藤は目の前の“料理”を存分に味わった。
最後の一滴まで余すことなく…

440424:2009/06/01(月) 14:36:06 ID:fR4VM0ZU
こんなもんしかかけなかったっす。
お付き合いしてくれてありがとーございました。
たまに日本語おかしいですが、まあスルーで。笑

この続きは皆さんのご想像にお任せしますw
441名無しさん@ピンキー:2009/06/01(月) 18:03:54 ID:oHzBGpHf
GJ!
Sな進藤、萌えるwww
442名無しさん@ピンキー:2009/06/01(月) 18:14:47 ID:G+edVtlV
きゃああああGJ!!!!!
443名無しさん@ピンキー:2009/06/01(月) 18:33:37 ID:D84jch8J
萌え〜
さんきゅう!
4に山城さんが出るなぁ
こりゃ香坂先生ゲスト出演も夢じゃないかも☆
444名無しさん@ピンキー:2009/06/01(月) 18:35:39 ID:BJ86PAPG
最終回に香坂先生で、結婚式で終わればいいのに
445名無しさん@ピンキー:2009/06/01(月) 23:09:50 ID:mSkA5nii
>>424
GJ!!
文章読んでてドキドキした。
言葉の使い方が巧い。そして旨そうw
またお待ちしています。
446名無しさん@ピンキー:2009/06/02(火) 08:10:12 ID:TIkXMRg+
最後の食べてくださいって言うたまきが可愛いすぎる!
良かったです
447名無しさん@ピンキー:2009/06/07(日) 00:51:08 ID:lpsbjbn4
いつもの書き手さんたち来ないかな〜
パート4決まったけど進たまは永遠だ
448名無しさん@ピンキー:2009/06/09(火) 17:25:04 ID:B6piB0Gm
香坂先生が怖い目にあってから弱弱に
449名無しさん@ピンキー:2009/06/09(火) 23:10:52 ID:OLRWyZne
案外雷が苦手な香坂先生
治療中は冷静なのに医局に戻るとオロオロしちゃうとかだったら可愛い
450名無しさん@ピンキー:2009/06/10(水) 22:27:39 ID:edydGltB
弱々しい香坂先生いい!!
451名無しさん@ピンキー:2009/06/10(水) 22:59:22 ID:auFoRWTD
普段気が強かったりする人が
弱ったりするとそのギャップに萌えるw
久々に救命のSPでもみるかな
452名無しさん@ピンキー:2009/06/10(水) 23:30:55 ID:Hcr8jyFh
香坂先生が弱さを見せる相手は進藤先生だけ。
であって欲しい。
453名無しさん@ピンキー:2009/06/12(金) 19:33:58 ID:WJWh65sh
進たまファンにとってSPは神だよね
あの医局シーンはもちろん
船内の犯人に気付かれないように、たまきを庇う進藤先生が見れたりね☆
自分も久々に見ようっと
454名無しさん@ピンキー:2009/06/12(金) 20:57:02 ID:w6T6aqnh
香坂先生がインフルにかかっていた…
進藤先生のポーカーフェイスが何処へやら、くったりしている香坂先生を心配
しすぎなくらい心配そうに看病してるという妄想をしてしまった
455名無しさん@ピンキー:2009/06/12(金) 21:33:49 ID:zYzhP9dF
>>454
それを文章にしてくれw
456名無しさん@ピンキー:2009/06/13(土) 14:24:17 ID:MrmvyJTh
>>454
いいぞいいぞ
文章化待ってる

そんな自分もバイク事故のニュースを見て…
進藤先生事故の知らせに香坂先生緊急帰国(怪我の程度は知らない)
意外に元気そうな進藤先生の姿を見てほっとする(そして怒るw)
でもせっかく帰ってきたし、と何だかんだ献身的に看病するたまき
まで妄想しちまったw
457名無しさん@ピンキー:2009/06/13(土) 19:15:09 ID:Yp1hXuqf
>>456
すごく心配して帰ってきて、無事な姿見て泣いちゃう香坂先生を追加して!
458名無しさん@ピンキー:2009/06/13(土) 19:49:15 ID:hbwEAUgQ
救命にのりこんできた人に患者庇って刺されるとか
事故現場に治療に行って巻き込まれるとかは??
どっちにしろ怪我するんだけどw
459名無しさん@ピンキー:2009/06/13(土) 21:52:07 ID:Sm8t+sh9
>>458

どっちが?
460名無しさん@ピンキー:2009/06/13(土) 22:03:10 ID:hbwEAUgQ
>>459
おおっと主語が抜けてた
>>456>>457の案に付け足し希望 怪我はもちろん進藤先生
461名無しさん@ピンキー:2009/06/18(木) 23:45:17 ID:VgXn2iH3
進藤先生の目力でたまきを視姦してほしい

夕方の資料室とかで2人きり
上から下まで舐めるように見られた後、ちょっと触れられただけで喘ぎそうになるたまき
逃げたいんだけど、もう背中は本棚で泣きそうになる
涙目で睨みつけても進藤を煽る一方で、抵抗しようともがこうとしたら両手を頭の上でまとめられて耳責め

肉食獣な進藤先生って最高にエロいと思うなー
462名無しさん@ピンキー:2009/06/19(金) 00:14:29 ID:mZf05xAi
めちゃめちゃ萌える!
小説になってなくても、すごいぞ!
463名無しさん@ピンキー:2009/06/22(月) 02:55:58 ID:tz2s1TMK
進藤先生って肉食獣なイメージ
エロくて肉食獣な進藤先生が見たい
464名無しさん@ピンキー:2009/06/22(月) 09:58:30 ID:0UG71aJ5
久々SP見たけど
やっぱり医局のシーンはいいなー

戸惑いながら話し始める香坂先生の表情が
色っぽくてもう
そこが医局でよかった
お互いの部屋とかだったら進藤先生即襲ってたな
肉食獣だから

465名無しさん@ピンキー:2009/06/23(火) 00:27:01 ID:o61B73gy
そこで襲わない禁欲的な進藤先生も見たいぞ
466名無しさん@ピンキー:2009/06/24(水) 17:49:06 ID:wiCkpFgJ
進藤の目の前で放尿する香坂。
467名無しさん@ピンキー:2009/06/25(木) 05:56:33 ID:TL9mjRkQ
放尿はマニアックすぎる
キモくてやめてくれ
468名無しさん@ピンキー:2009/06/25(木) 17:19:19 ID:45NVhxPe
付き合い始めても香坂を大事に思うあまり、手を出せない進藤。
そういう進藤の真意に気付かず、不安・不信感を抱き始める香坂。
・・・とか?
469名無しさん@ピンキー:2009/06/25(木) 17:58:50 ID:QTj/1oB5
>>468
それイイ!!!

やっぱり病院で我慢できなくなる進藤先生も見たい
470名無しさん@ピンキー:2009/06/25(木) 19:52:10 ID:cR78t+RT
>>468
めちゃイイ!!
そんな進藤先生はおそらく一回手を出したら甘えんぼさんになりそうだ
471名無しさん@ピンキー:2009/06/26(金) 10:52:23 ID:1SX5WP6y
歯止めがきかなくなりそう
472名無しさん@ピンキー:2009/06/27(土) 22:57:40 ID:pJinaBEw
>>468
だれか文章化して!
才能ある書き手の皆様、お願い!!
473名無しさん@ピンキー:2009/07/02(木) 16:05:21 ID:Fz+DiwdK
病院シチュきぼん
474名無しさん@ピンキー:2009/07/04(土) 16:06:53 ID:u0imI98n
いつも楽しく拝見させていただいておりますm(_ _)m
よかったらこちらにも気分転換がてら書きに来て下さいm(_ _)mおねがいします

有名人官能小説 14冊目
http://set.bbspink.com/test/read.cgi/erocomic/1239657801/
475×××pre lesson 進×香:2009/07/04(土) 21:21:32 ID:yfxr1Ae0
久しぶり過ぎてpart2丸々見れてない…読みたかった。
ルール変わったみたいだけど、このタイトルのつけ方でOKですかね?

えと、無駄に長いしシテないし、しかも続きますが…
前置きとしては、切ない事情を抱えた患者に係ったとか(香坂先生が)そんな感じデス。


医局のソファで医学誌を読んでいると、正面のテーブルでカルテ整理をしていた彼女が突然体を椅子ごとこちらへ向け問いかけてきた。
「ねえ、あなたっていつもそうだったの?」
「何がだ?」
何の事だかさっぱり分からないと彼女の方へ視線をやる。

「だからね、そんな風にプライベートでも無口でポーカーフェイス。その上返事は、ああとさぁなと
まぁなばっかりで、正論しか言わないし饒舌になるのは仕事の事だけ。ねぇ、奥さんいたんでしょう?
結婚する前だって、彼女の一人や二人は居た筈だわ。」
何故か少し責める様な視線を自分へ向けながらそう言う彼女の脈絡のなさを不思議に思いながらも答える。

「たしかにあまり口数が多い方ではないが・・・、どうしてそんな事をいきなり言い出すんだ?」
「だって、そういう人だって判ってはいても言葉が欲しかったり、きっと寂しいって感じる事もあったんじゃないかと思って。
もっと構って欲しいって、大切な人の傍にいるのに一人でいるみたいに感じちゃったりして…。」
そう言うと彼女は、愁いた微笑みを浮かべて溜息をついた。

その表情の儚なさに一瞬クラリとした感覚に襲われ、慌てて少しからかう様に問いかけてみる。
「どうしたんだ?お前にしては珍しい事言うな。」
そこで漸く自分の放った言葉の持つ意味に気づいたのか、早口に誤魔化す様なセリフを繋げる。

「何でもないのよ。ただ、あなたの相手をするのは色々と大変だったんじゃないかしらと思っただけ。
ああ、でもごめんなさい、私には関係なかったわね。変な事聞いちゃって。ただ、あれよ、何となくそう思っただけ・・・。」
言っているうちに自分が居た堪れなくなったのか、視線を落とし膝の上で指先を弄ぶ様に絡めて、もういいわと呟くと
体を戻しカルテを書くべくペンを握ってしまった。

そんな彼女の素振りは滅多に見られるものではなく、心の奥にある何かを焚きつける。つい構わずにはいられない自分に
少々呆れながら、普段とは違う表情をもう少し見たいと静かにソファから離れた。
476×××pre lesson 進×香:2009/07/04(土) 21:23:00 ID:yfxr1Ae0
「だったら、試してみるか?」
ビクリと肩を跳ね驚きで見開いた目を上げて振返り、何をよ?と言い返す声へ重ねて次の言葉を続けながら、
背後から彼女を囲う形でテーブルに両手をつく。
「俺の相手。」
腕に囲われた事で、思いの他近くにあるお互いの顔に、更に戸惑いを表したその眼は瞬きさえせずこちらを見つめ、
顔を逸らせる事も、何かを言いたそうに息を吸い込んだまま震える唇を開く事も出来ずに固まっている。

あまりに普段の香坂たまきと違う様を、こんなにも簡単に晒してしまう事へ驚きながらも、
それによって自分の中に欲が芽生えるのを自覚して、手遅れになる前に彼女を解放しようと囲いを解き、横に立ち直す。

「ちゃんと呼吸しろ。」
そう言って軽く背中を叩いてやると、フゥっと細い息を吐き出し目蓋を下ろす。
そのままこちらを見る事も何か言う事も無くテーブルの上のカルテへと向き直った彼女と、自分で認識していたよりも深く彼女へと心を
奪われていると唐突に自覚させられた事、それが面白くなくて、彼女の頭を軽く撫で髪を梳いて指先に絡めながら先程から思っている事を
口にしてみた。

「慣れてそうなのにな。そんな反応をいちいちして、今まで良くやってこれたな。」
指先が触れた途端にまた体を硬くしてしまった彼女は、次の瞬間勢い良く立ち上がり、今にも零れそうな程に潤んだ眼で睨み付けてくる。

「慣れてそうって何よ!立ち入った事を聞いて悪かったわ。気を悪くさせたのならごめんなさい。でも、こんなのって・・・あんまりだわ。」
そう掠れた声で言うと医局から出て行こうとする。それを止めるべく細い手首を取り自分の胸元へと引き寄せた。
泣かせてしまった事を後悔し、その涙にまた彼女への想いを増す。

「悪かった。少しからかい過ぎた…。なぁ、何でお前は泣いてるんだ?理由を教えてくれないか?」
もう彼女への愛しさを抑えることは出来ない、そう諦めて、自惚れでは無かろう彼女の気持ちを確認したくて涙を拭ってやりながら
その眼を覗き込むと、更に涙を零す。
嗚咽を漏らさぬ様引き結んだ唇から微かな声で帰ってきたのは、やっとの彼女らしい言葉で苦笑が漏れた。

「お前って呼ばないで…」
「―たまき。」
だから、そう呼ぶ事にした。もう、覚悟を決めた。
3
その時ガチャリと医局のドアが開いた。
「ああっ、進藤先生!何をやってるんですかっ!!」
矢部が喚いている後ろから、神林先生と太田川があー!と声を上げている。
その後ろから馬場先生が早く入れよと促し、続いて医局長と城島先生が入ってきた。
全員が、彼女を抱き寄せている自分と、その腕の中で涙を零している彼女を交互に見て驚いている。

涙をこれ以上零さぬ様、懸命に堪えている彼女は酷く弱く儚げで、平素との違いに皆も戸惑いつつ、その美しさに捕われた様に見ている。
早く皆の視線の無い所へ彼女を連れ出さなくてはと、独占欲が渦巻く。

嘘が十分に通用する程に涙ぐんで弱々しい彼女を具合が悪い事にして、2人とも上がり時間が
疾うに過ぎているのを良い事に、終電ももう無いし送って帰りますと医局を後にした。

彼女を助手席へと乗せ、車を走らせる。何かを諦めたのか行き先を確認する事も無く、しゅんとしたままシートに凭れている彼女へ
声を掛けようとしたその時、小さな声が許しを請う響きで発せられた。

「貴方の中へ踏み込む様な事聞いて、ごめんなさい・・・。怒ってるのよね?当然だわ。
でも、もうからかうのは止めて。上手くかわせ無いのよ・・・。」
こちらの様子を伺う色を滲ませ怯えを含んだ細い声音と表情で、けれど自分の方を見ないままで言う彼女はまた泣き出してしまいそうだ。
「怒ってない。・・・少し度が過ぎたのは、悪かった。からかっている訳じゃないんだ。」
頭を撫でて、出来る事ならば抱き締めて慰めたいという思いから自然と手が動きそうになる。
過去の自分はやはりそうやって好きな女には触れて、そうする事で相手にも思いを伝える事が出来ていた筈だ。
けれど、少し触れただけで過剰に動揺を見せる彼女をこれ以上を泣かせてしまうのも憚られて、ハンドルを握り直した。

「少し、話をさせてくれないか?」
このまま手放すつもりは無いが、無理矢理になどという趣味も無い。始めから部屋へと連れて帰るつもりだったのだが、
取り合えず、マンションの駐車場へ車を入れた所でそう言うと、その言葉にハッとして辺りを見回した彼女がここは?と問う。
「俺の家だ。安心しろ、お前が嫌がる事はしない。だから、部屋に来てくれないか?」
477×××pre lesson 進×香:2009/07/04(土) 21:27:10 ID:yfxr1Ae0
部屋に入ると彼女をソファへと促し、少し待ってろと言い残しキッチンへ向かう。
マグカップにミルクを注ぎレンジへかけ、エスプレッソマシンのスイッチを入れる。温まったミルクへ砂糖と濃い目のコーヒーを混ぜ、
自分の分はブラックのままでリビングのテーブルの上へ運んだ。

「隣、座っても良いか?」
コクリと頷く彼女を確認して、近過ぎない程度に間を空けて隣へ座る。
「カフェオレにしてみたんだが・・・。嫌いじゃないか?」
カップを手渡しながらそう聞くと、小さく微笑ってありがとうと両手で包み込むように受け取る。
そのままゆっくりと一口飲んだ彼女は、ほんの少し肩の力が抜けた様に見えた。
「おいしい・・・。」
やはり少し柔らいだ表情を向けられ、何だかもうずっと目を合わせてさえ貰えていなかった様な気分でその顔をまじまじと見詰ていると、
見せながらどうしたの?と伺う様に下から目線だけを上に向けられた。

その少し赤みを帯びてしまっている潤んだ瞳で、所謂上目遣いで自分を見上げる彼女は何とも抗い難い衝動を自分に起こさせる。
その勢いに収まりをつける為、深く息を吐くと彼女はまた不安そうな顔をする。きっと自分の気に障る事でもしたのかと思ったのだろう。
そんな少女じみた仕草に苦笑が漏れる。
犬か猫にでもする様にわざとくしゃりと前髪の辺りを乱暴に掴むようにして頭を撫でて、戸惑う彼女を正面から見据えて自分の思いを伝える。
「俺は、おまえが好きだ。」
彼女は目を見開いて、信じられないとでも言いたげだ。
「この状況で、信じられないとか言うんじゃないだろうな?」
また涙を溜めはじめた瞳から一滴零れたそれを親指で拭ってやると、そのまま頬を撫で覗き込む様に顔を近付けて更に言ってやる。
「おまえも俺の事、好きなんだろう?もう素直になれよ。」

「・・・あたしも、好き…。」
そのまま抱き締めるとそう小さく震える声で言い、おずおずと腕を回して背中のシャツを掴み閉じ込めた胸の中で先程までとは違う涙を
流す彼女が愛おしくてたまらない。今すぐにでも彼女の全てを自分の物にしてしまいたいが、そうは行かなさそうな事はもう、分っている。
何だか十代の頃みたいな気分だなんて思っていると、少し緩めた腕の中でシャツを濡らしてごめんなさいと掠れた声で見上げてくる。
「いや、構わない。」
髪を梳いて、もう一度抱き締める。
「何もしない。だから、今日は泊まっていかないか?」
少し間が空いて、小さく頷く彼女に頬が緩む。一度腕にぎゅっと力を込めてから解放してやると、頭を軽く叩く様に撫でる。
どうにも子供扱いしたくなるのだが、意外にも別段嫌がる素振りは無い。

「泣き過ぎて疲れただろ?風呂にでも入ったら少し落着くんじゃないか?用意してくるから待ってろ。」
素直にコクリと頷くのを見て、彼女を手に入れた喜びと何故かこの歳にもなって暫く忍耐が必要になりそうなこの状況の意味する所を
考えながらリビングを後にした。
478×××pre lesson 進×香:2009/07/04(土) 21:28:26 ID:yfxr1Ae0
ペタペタと裸足でリビングへ戻ってきた彼女は、化粧を落しても美しさは変らず、彼女独特の艶かしい空気感や所作はそのままに、
けれどやたらと気の強そうな印象は消え、代わりにあどけない位におっとりとした幼さを湛えていた。
そのアンバランスさの上に、濡れた髪と湯上りのほんのり色づいた素肌と湿度を纏っているせいで、何とも言えない風情を醸し出している。

「ちゃんと温まったか?やっぱり大き過ぎたな、それ。」
自分のスウェットを着た彼女は襟刳りが大きく開いている上にズボンの裾と袖口を折り上げて、ずり落ちてしまいそうなウエストを気にして掴んでいる。
「ダボダボだわ。ねぇ、ドライヤーないかしら?」
「ああ、洗面台の右の棚の二段目に入ってる。おまえ、今日もサンドイッチしか食ってないだろ?こんなものしか無いんだが・・・。
さっき買ってくれば良かったな、そこまで気が回らなかった。」
そうレトルトスープのパッケージを見せると、微笑った彼女が冷蔵庫を指して開けても良い?と聞くので頷くと中を確認しながら言った。
「お米くらい、あるでしょ?お台所、使わせて貰っても良いなら、私に作らせて?」
その間にあなたもお風呂に入ってらっしゃいと、とても自然に言い放つ。思わずこちらも自然に、ならそうさせてもらう等と返事をしたのだが、こいつはこの状況をどこまで分って言っているのかとか、やはりこういった状況に慣れてるのだろうかだとか色々と疑問が浮かぶが、
先程までの様に妙に怯えた素振りでいられても困るので、取り敢えず良しとしておくことにした。

風呂から上がると、ダイニングテーブルの上にはこの短い時間で食事の用意がほぼ調っていた。
「旨そうな匂いだな。何を作ったんだ?」
「お水?ビール?もう少しで出来るから、ちょっと待っててね。」
ビールと答えたら、グラスに注いでくれながらそう言ってアイランド形のキッチンへ戻っていった。
何だか早紀が生きていた頃に戻った様な懐かしい感じがして、またこんな気持ちになれる事なんて無いと思っていたのにと、不思議な程
穏やかに自分の気持ちが変ってゆく事を受け入れている事実に気付いて驚いた。

トマト味のレトルトスープはピラフになり、賞味期限ぎりぎりの牛乳が冷蔵庫の中で萎びていた野菜で出汁を取ったスープに、
つまみ用の残っていたハムとチーズはオムレツへ変ったのに感心をしながら、テーブルへ付き箸を手にすると、どうぞと照れくさそうにして、
自分はちゃんと手を合わせてイタダキマスをする彼女を見ながら、向かい合わせて食事をすると云う事にこんなにも喜びを感じるのかと、
乏しい食材と調味料で見事に美味しい料理を作ってくれた事を含めて思わず感謝の言葉が出た。
「ありがとうな。」

何が?と小首を傾げられ、続ける。
「飯、旨いし。・・・逃げないで、ここに居てくれて。」
「そんなの・・・、私の方こそ泣いちゃったりして、何かすごくみっともない・・・。それに、私も一緒にいたいと思ったから・・・。」
と顔を赤くしながら言う。
「そうか。――今日のおまえは別人みたいだな。」
「仕方ないじゃない・・・。だって、色々急過ぎたって言うか・・・混乱しちゃて。」
等と目を逸らしてモゴモゴと言う姿が可愛らしくて思わず笑ってしまった。
何よ!といつもの調子でこちらを睨み上げて、黙々とスプーンを口に運び始めた彼女を眺めながら、食事を済ませた。
479×××pre lesson 進×香:2009/07/04(土) 21:30:09 ID:yfxr1Ae0
彼の寝室のベッドの端に座って、やっぱりどうして良いか分からない逃げ出したい位の気持ちで動けずにいると、
さっさと毛布の中へ潜り込み自分の横を軽く叩いてこっちへ来いと促す彼がしょうがないなとでも云う様に微笑って言う。
「抱きしめて眠る位、させてくれないか?」
優しい、けれどどこか途方に暮れた様な目で見詰められながら手を引かれ、初めて見たそのちょっと情け無い感じの表情が可愛いかもと
見惚れているうちに気が付いたら抱き込められていた。
「おまえ、耳まで真っ赤だぞ。」
ふっ、と笑って面白そうに言う。

しょうがないじゃない!とか貴方が余裕過ぎる方がどうなの?てゆーか本気で寝るつもりなの?いや、これ以上何かされても
耐えられないから良いんだけど、でも私の事好きなのよね?だとかぐるぐると考えてリアクション出来ずにいると、
米神の辺りから頬を撫でられてすごく優しい声と微笑みで見つめられた。
ああ、この男は何て顔をするのだろう。
お互いに良き同僚以上の好意を内に抱いているのに自分自身のそれにさえ気付かない様お互が努めている。
そんな関係を続けて成就する事など決してないだろうと、けれど諦める事も出来ずにいたその腕に包まれて、不甲斐無い自分に合わせて
くれているに違いない優しさに、感動すら覚える。急激に変り過ぎた状況に溢れ出した幸福感と痛い位どきどきと早鐘を打ち続けている
心臓は間違いなく私の物なのに、これは本当に自分の身に起こっている現実なのだろうかと不安にさえなってきた。

何だか切なくなってきて、どうしよう泣きそうと思ったときには遅かった。
今日はもうずっと混乱している頭は相変わらず上手く働かなくて、感情のコントロールも出来なくて、また涙を流す私に今度こそ
呆れて面倒な女だと思われるのではないかと考えたら、ますます泣けてきてしまった。
「どうした?」

早く、何でもないって笑って言わなくちゃと思ってもどうにもならなくて、でも、でもこれだけは譲れないと、
何がどうとか、それよりも気になる事は沢山ある筈なのにどうしても、それが聴きたかった。
「名前、さっきは呼んでくれたのに・・・。おまえは嫌って、いつも言ってるじゃない。」
顔を見ることも出来ずに、縋る様に彼の胸に擦り寄って駄々を捏ねて強請る声は嗚咽交じりで、もうこれではまるで子供だ。
けれど、自分でも意味が分らない位の、かなりめちゃくちゃな私の言動に嫌な顔もせずに、優しい声をちゃんとくれた。
「おやすみ、たまき。」
涙を拭っておでこにキスをくれて、ゆっくりと優しいリズムで背中をあやす様に撫でてくれるのが心地よくて、そのまま眠りに落ちた。
480×××pre lesson 進×香:2009/07/04(土) 21:31:14 ID:yfxr1Ae0
結局彼の腕に抱かれて眠ったあの日から、もう一週間が経ってしまった。私達の日常は相変わらず忙しく、束の間の休憩を屋上でとっていると彼が隣にやって来て髪を頬を撫でてくれたり、眼が合うと微かに微笑んでくれたりする位でこれといった変化も無いままに
今に至るのだが、それが余計に私を戸惑わせる。ふと仕事が穏やかな時に彼が視界に入るだけで私の心はザワザワと落着かなくなる。

あの日の朝方に家へ帰ってから一人になった事で少し冷静さを取り戻して漸く気が付いたのだが、一緒のベッドで一夜を共にしたにも
係らず、唇にキスさえ貰っていない。あまりに狼狽えている私を思っての結果だとは重々分ってはいるのだが、何だか釈然としない。
それにやたらと女の扱いに慣れているというか、やる事がいちいちスマート過ぎるのだ。無愛想だし取っ付きにくい印象はあるけれど
ちゃんと見ていれば優しい事も頼りになる事も分る。顔だって体格だって声だって結構な男前だからモテるのだろうし、
結婚だってしていたのだからそれなりに気が付くのは分るが、それにしてもと思う。

言われるがままに湯船に浸かりながら、そう云えばメイク落としも化粧水も無いけどどうしようとぼんやり考えていると、
お泊りセット一式をコンビニで買って来てくれたのだ。しかも泣き過ぎて目が腫れると冷却アイマスクまで。
病院に泊り込む事が多いので化粧品一式はロッカーに常備してある為、基本的にバッグの中にはグロスルージュとアトマイザー位しか
普段は入れてない。いきなり素顔を見られるのには少し抵抗があったのだが彼は、美人なのは知っていたけど素顔は可愛いんだな、
なんて事を恥し気も無くサラリと言ってのけた。

彼の態度が大きく変った訳でも口数が増えている訳でもないが、掛けられる言葉や向けられる表情や仕草がいちいち優しくて、
私が過剰な反応をみせるからしないでいてくれるだけで、きっと自然に肩を抱いたりキスをしたりするのが上手で過去の女性達には
そうやってきたのだろう事は伺える節が多々ある。確かに、触れられると緊張してしまうのだが、でも本当はもっと触れて欲しい。

何だかモヤモヤとした気持ちを抱えたまま数日振りに病院の外へ出ると初夏の風が気持ち良かった。久しぶりに明日は丸一日休みだ。
後一時間は電車もあるし、気分転換にたまには歩いて帰ろうといつもならタクシー乗り場のロータリー側へ回るのだが、
そのまま病院を背に駅へ向かい歩き始めた。この一週間は特に忙しかったから、とにかく今日は帰ってさっさと寝てしまおう、
色々と考えるのはその後にしようと半ば思考を放棄してそう決めたその時、携帯が鳴った。
急患だから戻って来いなんて言われるんじゃないわよねなんて思いながらディスプレイを確認せずに着信を取ってしまった私の心臓は
相手の声を聞いたとたん跳ね上がった。
「今、どこだ?」
481×××pre lesson 進×香:2009/07/04(土) 21:31:55 ID:yfxr1Ae0
私の少し後に病院を出たのだと云う彼に捕まって、車の助手席に乗せられて着いた先は私のマンションの前だった。
なんだ、単純に送ってくれただけなのかと少し悲しい気持ちになったけれど、ありがとうと言おうとした私よりも早く彼が口を開いた。
「今日は泊まって行っても良いか?俺の家でも良いんだが・・・、自分の家の方が何かと良いだろう?嫌か?」

何を言われているのか直ぐに理解出来ない位驚いた。だいたい、何かとって、何?と固まっていると更に言う。
「ああ、部屋に入られるのが嫌なら、待ってるから荷物を用意して来れば良い。」
「・・・えっと、選択肢はどっちの家かってトコだけなの?」
すると彼は、ああそうかと云う表情をして、いつの間にシートベルトを外したのか私のシートバックに手を突いて体ごと一気に
近付いてきた。大きな掌で頬を包まれて親指で唇をなぞられ、病院で見せるのとは違う男の顔をして言った。
「一緒に居たいと思うのは俺だけなのか?」
「っ、私も、一緒に居たいけど・・・」
「なら問題ないだろう?大丈夫だ、お前に無理はさせない。だから・・・」

ふわりと唇に彼のそれが重なり、掠めるだけでゆっくりと離れていった。
「コレ位は許して欲しいところだな。」
そう哂うと、呆然としている私を無視して勝手に結論を出した。
「そうだな2,3日分の着替えとか、荷物が多くなっても良いから暫く生活するのに不自由が無い様に要る物全部持って来い。」


彼の部屋のソファの上で後から抱込められて、左手は指を絡める取る形で繋がれて、次々とされる彼の問い掛けにまるで催眠術でも
掛けられているのではないかと思う位素直に答えてしまっている。

「男に言い寄られるのはあり過ぎる位あるだろ。」
「・・・まぁ、それなりに。」
「で、付き合っても良いかなと思って付き合ってみた事も何度かはあるってやつか。」
「ちゃんと好きだと思える人とよ?」
「でも、相手との温度差が埋められないまま、相手は先を急ぐと?」
「だって、皆急にって言うか、凄い勢いで迫ってくるし・・・。本当に忙しいのに次はいつ会えるとか、電話に何で出ないんだとか言うし。
頑張って疲れてても時間作って会いたいって段々思えなくなってくるのよ。」
「キスをした事は?」
「あるわよ?」
「さっきみたいな軽いのじゃなくて、だぞ?」
「・・・あるわ。」
「まぁ、いいか。でも、セックスはした事ない。そうだろ?」
「っ!そ、そうよ・・・。やっぱり、変よねこの歳でなんて。そんな女、面倒だし嫌よね・・・。」
「いや、寧ろ嬉しい。」
「・・・・・・」
「たまき、キスは出来るんだよな?」
名前を呼ばれるのは3度目だわ、と考えている隙に、抱えられて彼の膝の上に向き合う形で乗りげる体制にされ唇を塞がれてしまった。
482名無しさん@ピンキー:2009/07/04(土) 23:03:06 ID:r4+ofWpY
久々にキタ――――!
続きが気になる!
たまき可愛いよたまきw
483名無しさん@ピンキー:2009/07/04(土) 23:22:50 ID:O2UzYIpA
キタ―――――――――!!
続きキタイ!!
484名無しさん@ピンキー:2009/07/04(土) 23:27:36 ID:xHYiYJ7A
香坂せんせマジでかわゆす(*´Д`)=з
ホワホワで優しい雰囲気の香坂先生ラブ

続き楽しみにしてます!
485名無しさん@ピンキー:2009/07/05(日) 12:19:17 ID:OD0jsPUF
たまきカワユス…!!!GJ過ぎ!!
続き待ってます!!!
486名無しさん@ピンキー:2009/07/05(日) 23:27:57 ID:ekYyn7CA
乙!!!!
この続き進藤先生がたまきをどう育てるか気になるw
487名無しさん@ピンキー:2009/07/06(月) 20:36:40 ID:ffil9fz1
7月14日から8月4日まで放送される『救命病棟24時〜救命医・小島楓〜』は、
松嶋を中心に、第1シーズンに研修医役で登場した八嶋智人、看護師役の須藤理彩、
第2シーズンに整形外科医役で登場の宮迫博之、
第3シーズンで自殺未遂した少女役の井上真央らが出演。
それぞれが、その後に歩んだ道、松嶋演じる楓との関係などを過去の映像と
新撮カットを織り交ぜた形で物語は展開する。


こっちのほうがオイシイ(・∀・)
488名無しさん@ピンキー:2009/07/06(月) 22:14:35 ID:2+pkshcM
超超超…GJ!!
続き待ってます!!
489名無しさん@ピンキー:2009/07/07(火) 00:45:16 ID:sBtXghZ+
たまきが可愛すぎる!
こんないつもと違う表情ばっかりみせられたら、進藤先生でも我慢できないはず
続きが楽しみです!!
490名無しさん@ピンキー:2009/07/08(水) 22:41:26 ID:AFq+B+km
続きが凄い気になる
久々職人乙!!!
491×××first lesson 進×香:2009/07/10(金) 22:48:00 ID:QCqFTuX/
右手で小さな頭を包んで親指で耳殻をなぞり時折首筋を中指で伝いまた頬を頭を撫でる様に包み、左手は腰に回し体を引き寄せて啄ばむ様に
軽く触れるだけのキスを繰り返す。閉じられた眼を縁取る睫毛は小さく震え遠慮がちに自分の両腕の辺りのシャツを握っている彼女の表情を
眺めながら、その閉じられた唇を舐めてみると驚いたのか目を開け顎を引こうとする。
少し唇を離してやると、眉を下げ潤りとした瞳を揺らしているから、強く目線を捕らえてもう一度ゆっくりと唇全体を覆う形で舐めてやると、
真っ赤になって慌てて目を瞑る。そのまま細い顎に指を宛がい唇を開かせると口腔へと割り入った。
上顎をなぞると肩を竦める様に跳ね上げ、シャツを握る手に力が込められる。舌を絡め取ると閉じられた目が更にぎゅっと瞑る。
歯列をなぞり、深く嬲り舌を軽く吸い上げると、先程から上手く呼吸が出来ていないのに懸命に口付けを受けている彼女を解放してやる。

「舌を入れられた所でいつも逃げてたんだろう?」
くたりと自分の胸元へ凭れた彼女はまだ息も整わず答えないが、それはやはりそう云う事なのだろう。
「まずはキスの練習からだな、たまき。」
顎を掬いこちらを向かせるとそう告げて、また深く唇を犯した。

散々口内を蹂躙し時折苦しいと訴える様に胸を押し戻そうとする彼女を無視して何度も繰り返す内に、少しづつ呼吸の仕方を覚えてきたのか
強張っていた体の力は抜け、自覚はしていないようだが時折甘い吐息が零れる。結局息は上がってしまうままだけれども、
止める事をしなくなったので唇を解いた。
「まぁ、合格だな。」
そう言って頭を撫でてやると、とろりとした目を上げて見つめてくる。その顔がやたらに色っぽくて、抑えが利かなくなると困ると
表情が見えない様に胸に抱き直して髪を梳く。

「なぁ、お前が狼狽えようと、その気があればこう云う機会は沢山あった筈だろう?余程最初の段階ではぐらかしたり逃げ道を作っておか
ないと、相手はその気なんだから男の力と欲に敵う訳もない。結局今まで直ぐに逃げて来たって事は余程何か理由があるんじゃないのか?」
基本的に気の強いと云うか意志が強く目指すべきものに明確に取組む質の彼女が、恋愛事に関してはこうもおっかなびっくりと云う事が
若干府に落ちない。まぁ、大よそ自分の推測通りだと思うのだが、一応確認をしておこうと尋ねる。
「…大切に思ってくれてるって分ってる相手でも、怖くて引いちゃって・・・。最終的には押し切ろうとするし。切欠は乞われてでも、
本気で好きになれると思った人なのよ?でも、気持ちが相手に追い着く前に急がれて・・・。偶々知合いだったってだけで、
私の何を知ってるのかしらって思うろくに話した事も無い人達が言う好きだって言葉と同じなのかなって。こういう事をする為だけが
目的なんじゃないかって疑っちゃうの。外見の嗜好の問題でそれを基準に自分の欲を満たす為の道具なのかなって。だから、皆直ぐに
触れたがるのかなって…。それに興味本位でする事でも、無い筈でしょう?」
「そうか。子供の頃から知らない大人に声を掛けられたり、すれ違い際に色々言われたり何かされそうになったりもして来たんだろ。」
頷く彼女にやはりと思いながら、それにしても根が真面目で臆病で純粋なのだと改めて確信した。

しかし自分でそう仕向けている上で抑えているとはいえ、こうも生殺し状態が続くのは結構堪える。少しずつ開いて染めてゆく愉しみは
あるのだがそろそろ限界だ。それに彼女だって中途半端な状態が続けば、自分に何か足りないのでは等とまた要らぬ不安を募らせるだろう。
忙しい自分達が揃って明日の午後までは休みの今日ならばと半ば作為的にこの状況を作ったのだ。気持ちに嘘は無くとも嵌めているに
違わない自分に、健気な彼女へ多少の申し訳なさを感じつつ、その姿にまた、抑えられない欲望が湧き出る。

「でも、俺の事は受け入れようとしてくれているんだろう?俺は香坂たまきという人間そのもの全てが欲しいと思ってる。
お前も俺の全部を受止めてくれるか?たまき。」
真っ直ぐに見つめてそう言うと、相変わらず潤んだ瞳で、けれどしっかりと見つめ返されコクリと頷くと酷く綺麗な微笑みと共に言った。
「ありがとう。…貴方の全部を下さい。私の全部も貴方が貰って?」
492×××first lesson 進×香:2009/07/10(金) 22:49:50 ID:QCqFTuX/
ベッドの中央に彼女を降ろして座らすと頬に目元に額に口付け、左手で彼女の右手の指と交互になる様絡め取り手の甲へも唇を落とす。
その手を頬に寄せ額を合わせて、極近い距離で目を覗き込むと目蓋を下ろすのを見てから、ゆっくりと唇を合わせた。
先刻教えた通りに受止めるのが可愛くて、深く激しく何度も繰り返えして漸く開放してやると、惚けたようになっていて苦笑が漏れる。
「キスだけでそんなんで、大丈夫か?」
「―っはぁ…。がんば、る、から…」
「なら、次に行かせて貰うぞ。」

彼女に無理はさせられないとは云っても最終的にかなりの無理を強いるのだから、と全神経を使って抑制を脳と体に掛けているのに、
無自覚な彼女の仕草に言葉にそれが吹き飛びそうになる。それを隠すかの様に、せめて彼女には余裕があると思わせておきたいと云う
くだらない男のプライドがどうにか勢いを抑える糧となっている。

ワンピースのファスナーを下ろし腕を抜かせ、抱き寄せた腰を浮かして抜き取ると、濃紺のレースに青緑とすみれ色の糸で刺繍を施された
下着が肌の白さを一層引き立ていた。恥ずかしそうに俯いている彼女の髪を右サイドへ纏める様に梳いて、露わになった左耳の後から
首筋を通り鎖骨を指先で辿り、同じ場所を今度は唇を寄せ舌で辿る。肩紐をずらしブラの縁取りに沿って柔らかい肌の上へ指を滑らせ
やはり辿った同じラインを唇で追うとヒクリと肩を強張らせマットへ付いた手を握り締めるのが見えた。
自分の手で軽く掴めてしまう程に細い肩から腕にかけてを下りると微かに震える拳を上から包んで、肩に二の腕にと口付けてゆき
握られたままの手を持上げ薬指の付根辺りにキスをする。

「たまき、顔を上げてくれないか?」
けれど逆に、俯いたまま自分の胸元へ擦り寄ってきてしまった。
「仕方ないな。」
そう背中に腕を回し抱き締めた耳元で言ってやれば、そちら側の肩を竦める。その隙にフックを外し片方のストラップを腕から外して
再度耳元で、ほら、と促すとまた体を捩じらせようとする間にもう片方も腕から外し取り去ってしまう。
すると益々こちらへ身を寄せてくるので、抱き寄せる振りをして腰を上げさせショーツをスルリと剥いだ。
結果的に全てを取り攫われた彼女は更に離れようとはせず、体を隠そうとしている。

「見せてくれないのか?」
「んっ・・・だって、恥ずかしい・・・。」
「これからする事に比べれば、どうって事無いだろ?」
「っ!そう云う事、言わないでよ・・・。」
「本当の事だろう?ほら・・・な?ちゃんと見せてくれ。たまき。」
耳元で低く話されるのが感じるのか、その度に肩を背筋を反応させる。そのタイミングを見計らってベッドへ押し倒した。
493×××first lesson 進×香:2009/07/10(金) 22:50:41 ID:QCqFTuX/
肩口をシーツへ押し付けて両手首を頭の上で一纏めにし脚を跨いで上から見下ろすと、困惑した目には涙が溜まっていた。
頬を撫で顎先から喉元を通り左胸を掌で包むと、ひゅっと息を呑む。また頬から順に口付けて包んだままの左胸の膨らみの下から
掬うように舐めると同時に先端を軽く擦ると、息を止めたままくっと喉の奥を鳴らした。
掌を滑らせ臍の周りを撫ぜるとその窪みに唇を寄せてから、一度離してやるとはぁっと大きく息を吐く。

「そんなに緊張するな。苦しいだろう?」
「・・・ど、したら、良いかなんて、分らない・・・」
「なら、こうしよう。」
そう言って唇を掠めてキスを落してから、その小さな口腔に右の人差し指を捩じ込んだ。
「噛んでも構わないからな、ちゃんと呼吸しろ。」

そうして今度は片胸を捏ね、もう一方は先端を口に含み舌で転がしながら口の中も指で弄んだりすると、まだ慣れぬ感覚に背を逸らして
鼻に抜けた吐息を零した。暫く胸元に顔を埋めて執拗に繰り返していると、頭を振って涙を溢れさせくぐもった声で何かを訴える。
「んっ!ふぁ・・・ぁ。んんっぅ、やぁ!」

あまりに必死に嫌々と頭を振るので指を抜いて額に掛かった髪を掻き揚げて撫で、閉じる事が出来なかった口の端から唾液が
零れているのを拭ってやる。
「どうした?」
「指、噛んじゃうの、ダメ・・・。貴方の、手は、人を救う為に、あるのよ・・・。」
「お前が噛む位、大丈夫だぞ?」
「ダメよ。それに、痛いでしょ?」
「全く、こんな時に俺の事なんて気にしなくて良いのに。」
可愛いことを言ってくれるなと、煽られるのを自覚しながらそれではと次の手を考える。

とは言っても、ならば次々と刺激を与えて体に力を入れる事も余所事を考える隙も無くなるまで煽り立ててやるしか無い。
侵食するかの勢いで口腔を貪る様に好き勝手に奪いながら、背筋をなぞり臀部を撫で膝の辺りから内腿をやわやわと擦る。
唇を鎖骨へ胸の突起へと移動させると放たれた唇から甘い声が漏れ始めた。その声を自分で認知したのだろう、困惑した様に眉を顰め
唇を手で押さえてしまうから、その上からキスを落すと距離を詰めたまま手を外させる。
揺れる瞳を見つめながらその指を自分の口に含み、指先を食み、声を我慢するなと教える。
「・・・だって・・・」
「恥ずかしがらなくて良い。俺が聴きたいんだ・・・。」
「・・・でも・・・」
「まあ、いい。どっちにしろ声を気にしてなんていられなくさせてやるから、覚悟しとけよ?」
「っ!!」
シャツを脱ぎ捨てながらそう言って哂うと、言葉も返せず目を見開いたその顔がこれ以上無い位に赤く染まった。
494×××first lesson 進×香:2009/07/10(金) 22:51:13 ID:QCqFTuX/
素肌の逞しい胸に抱き締められ、直接触れ合う肌の温かさがこんなにも心地良いものだったのかと思った。
与えられる刺激の全てが私には新しく未知の領域で、ともすると体が逃げるべく動いてしまうのをどうにか耐えているので精一杯だ。
最初は合図の様に指先で触れた所へ唇が辿るのを繰り返されていたのだが、いつまでもそうしていては先に進めないとばかりに弄られはじめ、
予測など出来る訳が無い私は翻弄されるしかない。

彼に触れられる度に背筋を何かが這い上がり、頭と体の奥の方から熱く痺れた様な感覚が湧き起こり、自分の声が知らなかった甘い響きを
含んで唇から零れる。手を押し当て喉の奥に力を込めてどうにか高い声が上がりそうになるのを留めていると、背に腕を回され上体をマット
から少し浮かされた。突然体が浮いたのが怖くて、慌てて彼の首にぎゅっと巻き付くと耳元に熱い吐息が掛かった。
私だけが熱に浮かされている訳じゃないんだと教えてくれている様で少しふんわりとした気分になっている一瞬の間に、腿を撫でていた手が
脚の付け根を辿りその間に滑り込んできた。

「−っゃ・・・」
「まだまだ、だぞ?」
思わず腰を引いて逃げようとすると、強い力で引き寄せられびくともしなかった。
大きな掌でそこ全体を包む様に覆われ、中指でツゥっと一撫でされただけで、背がビクリと跳ねもうずっと温かいものが溢れていたのに
更に零れて彼の手を濡らしてゆくのが分った。
「いっぱい、だな?」
ニヤリと哂う彼は嬉しそうに態と水音を立てて表面を再度撫でる。

濡れると言う事は勿論知ってはいたけれど、まさかこれ程のものかと、あまりに溢れてくるから何時気付かれてしまうのだろうと、
伝い落ちてシーツに染みを作ってしまうのも避けたいしと、無理だと分っていても羞恥心からずっとそう思ってたのに彼の指が動く度に
体は付いて行かない初めての感覚に襲われ、それと同時にまた溢れ出してしまう。

「ぁ・・・ふっっ!・・・や、あ・・・」
前側の突起はたまに掠める位で襞とその周りを弄られ、指が宛がわれると第一関節位までを入れられ、力を抜けと耳元で聞えたと同時に
ゆっくりと指が押し込めれられた。

「やっぱり、きついな。痛くは無いか?」
「んっ。大、丈夫・・・。」
するとくるりと中で一周回されて、先端を押すように捏ねられた。
「ひゃっ、あぁ!−いゃ・・・」
これまで以上の鋭い感覚に襲われて彼にしがみ付く手に力を込めると、くっと喉の奥で哂われたのが耳元で聴こえた。
495×××first lesson 進×香:2009/07/10(金) 22:51:47 ID:QCqFTuX/
体の前面が密着する位にしがみ付いてくるのを支えながら、背筋を脇腹を脚を愛撫するのと同時に彼女の中心を弄ぶ。
ビクリビクリと背を跳ね膝を震わせて懸命に受け止めている彼女の中はやはり狭くて、今日それをするのは流石に可哀相かと思っていた
のだが、結局彼女の為にももう少し力が抜けていた方が受け入れ易いのではと、指を抜き背をシーツに戻してやる。
全ての刺激が無くなったからか、荒い呼吸で胸を上下させながらとろりと目を開きこちらの様子を伺ってくる。

臍の辺りを嬲ったり口付けをしたりするだけでも、髪に手を差し込まれて頭を引き上げようとしていた彼女は、また肋骨の下辺り
からお腹を辿り降りた自分を止めようとする。しかし今度はその訴えを無視して、腰骨を軽く噛むと脚を押し広げその間に顔を埋めて
そこを舐め上げた。瞬間、膝を立て閉じようとし腰は逃れようと捩られるのを押さえ込み舌で弄る。
「やぁ!…進、藤せんせっ。やめ、て…んっぅ!や、ゃあっ!」

泣きながら抵抗にもならない位弱い力しか入らないのにも係わらず嫌だと震える彼女に大丈夫だからと短く告げ、赤く膨れたそれを
唇で食んで舌先で転がすと、高い声と共に顎が上がり背を反らせくたりと動かなくなった。

軽く達した事が理解出来ないのか、ぼんやりと目を開いたまま焦点が合っていない。その柔らかな体を抱き締めて頭を撫でると一度離し、
手早くベルトを外し全てを取り払い避妊具を装けてから再度彼女に覆いかぶさると隙間が無い位にぴったりと抱き締めた耳元で告げる。

「いくぞ?ちゃんと掴まっとけ。」
腕の中で小さく頷いた彼女の唇にキスをすると、両膝を大きく割らせてゆっくりと自身を宛がい中へと進む。
眉を寄せ唇を噛み締めて苦しそうに歪められた表情に、それでも先を求める自分の浅ましさを嘲る思いが頭を過ぎるがそのままじわりと
中へ挿れてゆく。相当痛いのだろう、結ばれた唇からは嗚咽に似た声が喉の奥で殺されてくぐもった悲鳴が微かに聞こえる。
「ひっ…痛っーーーんぅ、っ!」

根元まで押し込んだまま少しでも落ち着いて痛みが和らぐまではと、髪を梳き零れた涙を拭い腕に抱いていると掠れた声が放たれた。
「ね、私は大丈夫だから、貴方の良い様に、して?」
辛いだろうに、自分の為に微笑ってそう言ってくれる健気さが堪らない。
「…悪い。もう限界だ。」
496×××first lesson 進×香:2009/07/10(金) 22:52:15 ID:QCqFTuX/
さすがに激しく動いたりはしないが、それでも彼女にとっては十分過ぎるスピードで一気に追い上げてゆく。切れてしまうのではと
思う程に奥歯を噛締め引き結ばれた唇を舐めて開かせると、苦痛の中にも悦びを感じる様になってきたのか甘い声が漏れた。
中を抉る様に抜差しをしながら、他の所から与えられる快楽で少しでも痛みが紛れればと敢えて激しく掌で彼方此方の肌を柔らかな胸元を
確かめ、深く彼女の舌を絡め取り覚えたての感覚を強制する。

「ふぁ・・・っんや、あ・・・。んんっ!っあぁーーぁん・・・」
小さな波の様に震える背筋と上がる声の甘さに、自身を締め付ける熱くうねる彼女の内側に、そろそろかと自分も昂りを開放するべく
最奥まで打ち突けながら、耳朶を甘噛みし息を吹き込む様に舌を差し入れ胸の先端を押し捻る。

「ひゃあっっ!ぃやぁ、んーーーっ!!」
彼女の感覚が鋭く反応する所ばかりを一斉に煽ってやると、元から狭い内壁がきつく締上げる様にヒクついて嬌声を高く上げた。
それと同時に自身も欲を放ち、力が抜けてくったりとなっている彼女の中からゆっくりと抜き出した。

はぁはぁと大きく息を繰り返し、涙で滲んだ瞳はぼんやりと空を見つめ全身の肌は桜色に火照っている姿はかなり扇情的で
ついもう一度と思ってしまう自分を戒めて、抱き寄せて囁く。
「…たまき、愛してる。」

瞬間、緊張の糸が切れたのか子供の様にポロポロと涙を流し始めた。小さく零れる嗚咽の合間に一生懸命喋ろうとする様はいたいけだ。
「っぅ、−−あ、たしもっ、す、き。ーんっ、っく…愛し、てる…」

砕けてしまうのではと云う程に強く抱すくめ、泣き続ける彼女をあやす様にしていると暫くして腕の中から寝息が聞え始めた。
酷く無邪気な印象を与えるその寝顔を眺めながら女の貌をしていた彼女を思い出し、抱く程に情が移り愛おしさと所有欲が湧くと云う
自分も例外ではない有り触れた男の性を抜きにしてもその魅力に陥落した己を自覚する。
慣れていない風情とそれに混ざった妖しいまでの艶めかしさだけでも十分にクラクラと眩暈がする程なのに、自分しか知らないのだと、
これから先も自分以外を知る事などさせてはやらないし、もっと悦びを教えて染め上げてやろうと思うと喜悦する。
すっかり深い眠りに就いた彼女の左胸の膨らみの上に紅い所有印を付けると、甘い彼女の匂いと温もりを感じながら目を閉じた。
497名無しさん@ピンキー:2009/07/10(金) 23:34:21 ID:+7FLmm3s
おぉぉぉぉぉぉぉ!神君臨だ!
待ってました!!
まじGJすぎ!!
また待ってます!!
498名無しさん@ピンキー :2009/07/10(金) 23:46:34 ID:+qqzRTAF
キタ―――――!
超待ってたよ(;_;)
ありがとう!!!!
たまき可愛すぎる…
これから染めあげちゃう進藤先生が見たいw
499名無しさん@ピンキー:2009/07/11(土) 00:30:40 ID:NXguWs5A
ぬおぉー!
一週間の疲れが吹き飛んだw
500名無しさん@ピンキー:2009/07/11(土) 07:20:17 ID:UVB/ptRl
朝からたまきたん可愛すぎるwwwww
501名無しさん@ピンキー:2009/07/12(日) 00:38:25 ID:V5cBFcqS
すげぇ!
この作品、ヤバすぎ・・・
これで生きていけるwww
502名無しさん@ピンキー:2009/07/13(月) 02:02:19 ID:gwEhIETz
なんていうか作品のあまりの美しさに感動した…
表現とかも綺麗ー…


香坂先生も一生懸命だし進藤先生も大事にしてて、幸せな気持ちになったよ
素敵な作品ありがとう!
503名無しさん@ピンキー:2009/07/19(日) 23:45:31 ID:fAPf0ZEQ
続編ありそうで期待してしまう・・・
504名無しさん@ピンキー:2009/07/20(月) 23:21:17 ID:O60v+76j
secondlessonキタイwww
505名無しさん@ピンキー:2009/07/21(火) 00:07:32 ID:Gemm6wPK
first lessonのafterを想像して萌え萌えしてる

朝起きて、頬染めてウルウルした眼の香坂先生からほんのり漂う色気と
恥ずかしそうな仕草に胸がいっぱいになる進藤先生
午後出勤して香坂先生の纏う優しくてちょっと幼げで可愛い表情と色気と雰囲気に
魅了される医局陣に嫉妬しながらも、自分がその表情を作ったと嬉しくなる進藤先生!
506名無しさん@ピンキー:2009/07/24(金) 01:19:14 ID:sG0hxJ/L
セカンド期待するwww
507名無しさん@ピンキー:2009/07/24(金) 01:21:37 ID:sG0hxJ/L
途中で投稿してもうた・・・orz
>>505それめっちゃ見たいw
進藤先生にどんどん染められていって欲しいwww
508名無しさん@ピンキー:2009/07/27(月) 21:46:45 ID:DdSGh+cZ
second期待!!
509名無しさん@ピンキー:2009/07/27(月) 22:21:13 ID:UOelpfZ8
明日は八年ぶりに待望の火9枠で2メンが見られる!
まあ少しだろうけど…昼の再放送じゃなくて夜に火9ドラマ枠で再放送(総集編だけど)
ってのが昔に帰れる感じで嬉しい
510名無しさん@ピンキー:2009/07/28(火) 23:40:22 ID:HzGaFbQo
>>509
久々のしんたま成分ありがとう><
んでもほんとに少しだったな・・
511名無しさん@ピンキー:2009/07/29(水) 13:57:49 ID:6qmVEIrt
パート4で進藤先生は心臓外科医の先生と再婚したとか
つきあってる人はアメリカで研究してるとか
チラリと出たりしないかな〜 とか言ってみるテスト
512名無しさん@ピンキー:2009/07/30(木) 21:26:48 ID:I1GO9sH4
進たま読みてええ
513名無しさん@ピンキー:2009/07/30(木) 22:19:43 ID:N0aK8npC
2のDVD全部見たけどどうしても見つからないシーンが!
香坂先生が治療の練習(?)をしているところ、たまたま進藤先生が
通りかかって教えてたけどあまりに近い距離に気がついて
お互い気まづくなるシーン。

たしかテレビではあったと思うんだけど…
514名無しさん@ピンキー:2009/07/30(木) 23:19:25 ID:CDLsyV0T
>>513
「一緒に夜を過ごした相手から〜」の所かな?
それだったら8話あたりにある。
515名無しさん@ピンキー:2009/08/01(土) 15:37:41 ID:qH/MzAoX
楓たんマダァー
516名無しさん@ピンキー:2009/08/01(土) 17:23:02 ID:tu277Fm4
小島は嫌いだけど、ヒロキー!を故郷に移送するときに
屍姦したとかだったらちょっと読んでみたいなw
517名無しさん@ピンキー:2009/08/01(土) 21:35:53 ID:Jc2UINRK
浴衣姿の香坂先生とみなとみらい(例のぷかり桟橋付近)まで花火見物に来た進藤先生
→はぐれないように手を繋ぐ
→香坂先生のしなやかで柔らかい手にドキドキ
→花火を見て嬉しそうな香坂先生の笑顔にドキドキドキ
その後は進藤宅にて…
518名無しさん@ピンキー:2009/08/01(土) 21:50:17 ID:WC2uVYIY
>>517
文章化!文章化!
519名無しさん@ピンキー:2009/08/01(土) 23:28:01 ID:CgWt6Fdk
突然の雨にびしょぬれの2人
近いからと進藤先生の所為へ
シャワーを浴びているところに突然の停電
あわてるたまきにとりあえずバスルームは危険だからと部屋へつれていく
そして…


というのが最近のゲリラ豪雨にいらいらしないための妄想です
付き合ってない2人設定で!
520名無しさん@ピンキー:2009/08/04(火) 20:41:29 ID:y1L/makH
>>519
読みたいw
職人降臨期待
521名無しさん@ピンキー:2009/08/06(木) 02:24:15 ID:fsvU6Hqg
進たま好きすぐるw
こんなに萌える2人、他にはそういないわ
522×××review 進×香:2009/08/06(木) 23:47:52 ID:zb9uzoV8
暑い、そう感じて目が覚めた。酷く喉が渇いてるし何だか狭苦しくてまだ重い瞼をゆっくり開くと、浅黒い男の肌と尖った喉仏が
目の前に現れた。寝起きの頭はぼんやりとしていてよく考えずにそのまま目線を上に上げると、薄っすらと髭が伸び始めた顎先が見えて、
その先には穏やかな表情で眠っている進藤先生の顔があった。
あっ、と思わず声を上げそうになって慌てて口を噤むと、今の自分の状況を漸く思い出した私の心臓はドキドキとスピードを上げてしまい、
彼の体温が高いから暑かった筈なのに、自分の体中が熱を帯びて彼の温度と同化してしまう。
取りあえずこの腕から抜け出さないとどうにかなってしまいそうだし、彼が起きる前に服を着ておきたいのにがっちりと抱き込まれていて
動くと気付かれてしまいそでどうしようと悩んでいると、小さく唸った彼が目覚めたのか身動ぐから咄嗟に眼を瞑って寝てる振りをしてしまった。

程なくして腕が解かれ、彼が起き上がったのが分った。欠伸をして伸びでもしてるのかベッドが軽く軋む。
どうしようと思っていると、ふと閉じた瞼に感じる光に影が差して左耳の下辺りのスプリングがギシリと音を立てた。
額を頬を撫でてくれている彼がふっと微笑った様な気配がした後、唇に柔らかい感触が降ってきたから思わず目を開いてしまった。
「おはよう。」
「・・・おはよう。」
唇はあっさりと離れていったけれど、私の左側に横になって片肘を付き頭を手に乗せてこちらを見下ろす格好で髪を撫でられているから
距離が近いのには変らない上、優しい眼差しを向けてくれてはいるけれど確実に面白がっているのが分る表情を浮かべている。何だか気恥ずかしくて
彼に背を向ける様に身捩ぐと、くっと喉の奥の方で哂われたのと同時に背中からまた抱きすくめられ、頭の上に顎を置く位置で囲われてしまった。
「起きてたろ?」
「・・・」
「何で、そっち向くんだ?」
「・・・だって、何か、照れくさい・・・」
「思い出すか?昨日の事。」
分ってるくせに耳元で聞いてくる彼がそう言いながら左胸を掌で包み首筋に口付けるから、また心臓がドクンと打ち付けて、
ちょっと位反論したいのに何も言えなくなってしまう。

何と返事をしたら良いかも分らないし、ただ包まれているだけとはいえ胸にずっと手を置かれているのは落ち着かなくて自分の胸元へ
目をやると、丁度彼の親指が当たってる辺りに紅い痕が出来ていた。
昨日までは無かった筈だしこんな所ぶつけたりなんてしないから、どうしたのかと思わずそこに指をなぞらせると、彼が耳元で哂った。
「お前が眠ってる間に付けた。」
「・・・えっ?」
付けたって、と云う事は所謂キスマークだと頭が理解するより先に身体を仰向けに返されて、その同じ場所に音を立てて軽くキスを落すと
上体を起こして上から見下ろされる。チュッと可愛らしい音を立てたキスは妙に羞恥心を掻き立てて、いよいよどうして良いか分からない。
「キスマーク。知ってるだろう?」

起き抜けの掠れた声とまだ少し眠そうな表情がやけに色っぽくて、からかう様に唇の端を上げた哂い方や少し意地悪な口調が、
それでも絶対的に愛されてると確信出来る程に私へと向けられている優しさに混ぜられて、悔しい位に彼に捕われている自分を自覚する。
彼の顔を見ているのが耐えられなくて、重い体を起こして彼の首に巻きつくと滲み始めた視界に、幸せ過ぎると泣きたくなるのねと
思いながら、また泣いてるなんて知られたく無いから声が震えない様に気を付けながら言った。
「・・・ずるいわ。貴方ばっかり余裕なんて。」
523×××review 進×香:2009/08/06(木) 23:48:41 ID:zb9uzoV8
抱き込めていた温もりがもぞりと動く気配がして目を開くと、先に起きた筈の彼女が赤くなった顔で目を閉じていた。
思わず寝ている振りをしてしまったけれど、今度はどのタイミングで起きたら良いのか分らなくなってしまってるのであろう彼女の目を
開かせるべく、軽くキスをする。予想通りの反応で開かれた目を覗いて朝の挨拶をすると、寝起きのせいか昨日の行為の名残か、
気怠げな声と潤んだ瞳が恥ずかしそうにチラリと向けられ、直ぐに背を向けられてしまった。

キスマークを見付てそれだとは分らなかったのか指でなぞるから教えてやると、更に頬を赤く染める。
この間から仕草の一々が初々しくて、反応も表情も普段の彼女からは想像もつかない位に可愛らしく愛おしさは増すばかりなのに、
まだ何も身に着けていない体を寄せ首元に顔を埋める様に抱き付かれ、俺ばかりが余裕だと拗ねた子供の様な事を甘えた声で言う。

実の所余裕なんて無いのだが、やはりそう思わせていたいと、自分の欲の赴くままでは優しくなんて出来やしないから煽ってくれるなとさえ
願う程に経験値の差など無意味で、寧ろ無意識の彼女の所作の全てが男の性を擽るから質が悪い。
これでは彼女自身も今まで嫌な目にも怖い目にも沢山遭ってきたのだろうが、少なからず相手の男達に同情すら覚える。しかもきっと
あの高飛車な態度でかわされてきたであろう事は明白だから居た堪れない。
暫くは慣れてない風情の彼女をからかい愉しむ事も出来るだろうが、元が勝気で覚えも良い上この艶のある美しさに何時まで優位で
いられるのかと考えてしまうのも事実だ。

取りあえず、いつまでもくっついていられるとそのまま行為を始めてしまいそうなので離れて貰う事にしようと、背に回して支えていた掌を
腰元へ降ろしくびれを撫でると耳元でわざと低めのざらついた声を作る。彼女がこれに弱い事は昨日分った事の一つだ。
「朝から誘ってるのか?」
「え?・・・なっ、そんな訳無いでしょう!」
漸く今の自分の格好に思い至ったのか勢いよく離れて上掛けを引き寄せるのを笑いながら、くしゃくしゃと頭を撫でるとベッドから降り
床に落ちていた自分のシャツを拾い上げ彼女へ放った。

冷蔵庫からミネラルウォーターのボトルを取出し幾らか飲んでボトルごと彼女へ渡しシャワー浴びてくると告げると、小さな声で
いってらっしゃいと言われた。何だか胸の辺りがこそばゆい感じがして苦笑と共にあぁとだけ返事を返すと、やっぱり翻弄されているのは
自分の方だと思いながらバスルームに向かった。
524×××review 進×香:2009/08/06(木) 23:49:21 ID:zb9uzoV8
シャワーを浴びて着替えた彼女はいつものクールで強気な印象を与えるデザインではなく柔らかい織地の白いAラインのプルオーバーワンピースに
モスグリーンのクシュクシュとしたクロップドパンツ姿でカジュアルなのが新鮮でついじっと見ていると、何?と首を傾げる。
「いや、そーゆう格好も似合うな。まぁ、“香坂先生”には見えないけどな。」
「一応TPOに合わせてるもの。プライベートでまで医者に見えなくて結構よ。」
「そうだな、矢部になんか見せたら大騒ぎしそうだ。違う顔のたまきを俺以外に見せる必要はないしな。」
「・・・貴方って、結構さらっと恥ずかしい事言うわよね・・・。」
「そうか?まぁ俺もTPOで多少性格変えてるからな。」

直ぐに顔が赤くなったり動揺したり瞳を潤ませたりと分りやすい反応ばかりを示す彼女を見ていると、普段の彼女は
どれだけ武装しているのかと思う。もちろん仕事の時と私的な時間では意識せずとも多少の切替が存在するのが社会人の大概だ。
けれど彼女の場合ギャップにも程があるだろうと、その切替ぶりに感心すらする。

大丈夫とは言いつつやはり体がキツイ様子の彼女をソファに座らせて並んでコーヒーを飲みながら、今日これからどうするつもりなのかを聞いてみる。
「明日の朝まで休みだろ。俺は今日の16時から病院に戻るんだが、帰るつもりなのか?」
「ええ、一度帰るわ。着替えたいし、鍵だって、どうするのよ?」
「だから2,3日困らない程度の荷物を持って来いと言ったんだ。鍵は作れば良いし、どうせ一度病院に戻ったら暫く帰れないんだから
お前もここに帰って来るようにすればすれ違いも減るだろう?こっちの方が近いから体力的にも楽だしな。」
「・・・それって、一緒に住むって事?同棲、するの?って言うか、貴方初めからそのつもりだったの?」
「まあ、そんな所だな。別にお前の家を引き払えと言ってる訳じゃない。帰りたい時は帰れば良い。ただ、ここにいても不自由が
無い様にしておけば良いし、家は好きに使ってくれて構わないと言ってるんだ。」

結局一度家へ戻ると言うので、マンションの近くにあるカフェで軽い食事を済ませてから彼女の部屋へ上がり込み
折角車で来ているのだから荷造りしろと急かすと躊躇いがちに口を開いた。
「それは徐々にって云うのじゃ、ダメかしら?貴方にとっては普通なのかも知れないけれど・・・。」
「・・・普通では無い、な。そうだな、悪い少し焦り過ぎた。」
自分でも早急過ぎる事を言ってしまったと、まだ始まったばかりの関係なのにそれだけ離れている時間が歯痒いと感じる自分は
相当彼女に嵌っているのだと自嘲する。けれど彼女は目を瞠り存外だと云う表情で瞬きをして言った。
「焦って、るの?・・・強引なのが貴方の遣り口なんだと思ってたわ。ふふっ!何かちょっと、嬉しい。」
貴方も可愛い所があるのねといつもの少し得意気な笑い方をした彼女はくるりと下から視線を遣す。
その勝気な表情も魅力的だが、それは病院に行けば嫌と云う程にこれからも見られる事に間違いないのだから、やはり惑い揺れる姿を堪能したい。
「朝起きてから今まで3秒以上目を合わせてくれないからな、焦ってる。もう少し慣れて貰わないと困るんだ。だから・・・」
ニヤリと哂ってそう言うと彼女の腕を引いて顎に手を掛けるとその目を捕らえて見詰たままゆっくりと距離を縮めて唇を奪った。
525×××review 進×香:2009/08/06(木) 23:49:51 ID:zb9uzoV8
腕を引かれたと思ったら熱の篭った目に捕まって逸らす事が出来ないまま口付けられた。触れるだけのそれは近付いてきた時よりも更に
ゆっくりと離れてゆき、それでも互いの額が合わさるか否かの近さで、その射貫く様な視線は外す事も叶わずに胸の奥の方が痺れる様な
感覚に襲われる。髪を梳いて耳の淵をなぞられると肩が跳ねて、また少し哂われる。再び近付いて来たと思ったら、
キスではなく唇を舐められて、目を瞑ることが出来ないでいた所為で伏せられた睫や濡れた唇から舌がのびてくる様子をまざまざと見てしまった。

聖人君子然とした平素からは、それはもう信じられない位の色気を纏い男の貌で欲情を隠そうともしない彼に、身体の真ん中から全身にズクリと
した熱が拡がり怖い訳では無いのに指先が震え出した。これ以上彼を見ていてはいけないと頭の中で警報が鳴っているのに、目が離せない。
滲み出した視界に、それでも彼の表情だけははっきりと見て取れる。

仕方が無いなとでも云う様に苦笑した彼が大きな掌で目元を覆いスッと瞼を降ろしてくれると、一滴涙が零れ落ちた。
その涙に唇を寄せられあの低い声で名前を呼ばれると背筋を何かが走る様で、消えた視界の変わりに彼の動く気配や声が更に熱を煽る。
昨日のあの波にまた攫われるのかと思ったその時、ふわりと体が浮いて横抱きにされた。
「たまき、昨日の復習だ。」
そう囁くと、ベッドへと運ばれ降ろされると同時に、強く深く口付けられる。

口内を嬲られ頭の中に霞がかかり始める。満足に呼吸が出来なくて息は上がってしまうし、体の力は抜けて思考は溶け始める。
漸く解放されると、肩を腕を脇腹を掌が這い回りあっという間に服も下着も取り攫われてしまった。
「あっ!や・・・」
体を隠そうとしてうつ伏せになると背中を唇が舌が辿り、その度に跳ねてしまう腰を押え付ける様に撫で回されてシーツを握り締めて
上がってしまいそうになる声を堪える。

「声は我慢するなって昨日教えただろう?」
背中から覆い被さる形で彼の唇が耳元に近づいてそう言うと、そのまま抱き起こされ彼の脚の間に抱えられて後ろから唇を奪われる。
その間も胸元に手は回され捏ねられ、唇が外されるともう片方の手は私の中心へと進められた。
526×××review 進×香:2009/08/06(木) 23:50:20 ID:zb9uzoV8
「ぁっ…。ん、んぅ…やぁ、っ!」
くちゅりと水音を立てながら、ゆるゆると彼の指がその際を弄ぶ。我慢できなかった声は唇から零れ落ちて、それと比例するかの様に
とろりと溢れ出すそれを絡め取る彼が態と音を響かせるのが恥ずかしさを煽るからか、自分のキャパシティを超えた快楽に対する
生理的なものなのか分からない涙が頬を濡らす。

「や…ね、ぇ、進藤っ先せ…っん、ぁ…も、やあっ…」
力が入らない体は彼に背を預けだらしなく開かれた脚は閉じられず、聞こえてくる自分の嬌声や水音も、どこに触れられても
鋭い反応を隠すことが出来ないこの全てが恥ずかしくて堪らない。なのに昨日知ったばかりの悦びを求める体は与えられ続ける
愛撫にもどかしさを募らせ、早くもっと欲しいと願ってしまう。
「何が、ヤなんだ?本当はもっと、欲しいんだろう?」
「ん、っあ…も、許し、て…。はっあ…ぁんっ!」

「ひっ!んぅー、あっ、あぁ…ぅんんっ…ぁあっ、くぅ!…や、ゃああ!」
仰向けにベッドに戻され胸を舐られながら指を蕩けたそこへ挿れて掻き回され、膨れた先端を摩り上げてはばらばらに中の指を動かし
抉る様に内壁を擦る様にされ、ついに背が大きく反り肌が粟立つと世界が白い光に塗りつぶされた。

そこからは暫く記憶が無い。気が付くとまだ惚けた様な状態の私を腕に抱きしめて髪を撫でてくれていた彼が、
もう病院に行かなければならない時間だと独りごちる様に言った。
「鍵は掛けてポストに入れて置くから、このまま少し休んでろ。」
ついさっきまで酷く情に塗れた顔をしていた男とは思えない程の、まるで風邪で寝込んでいる子供に言い聞かすかの如く優しい
物言いでベッドから抜け出そうとする。その姿をぼんやりと目で追って気が付いた。結局彼の衣服が乱れる事は殆ど無く
私だけが昇らせれてしまったのだと、サディストなのではと疑いたくなる位散々に弄ばれ、あんなに熱を孕んだ貌をしていたのに
きっと私の為を思っての事だと思うと切なくなる。
527×××review 進×香:2009/08/06(木) 23:50:52 ID:zb9uzoV8
ベッドから降りようとすると弱い力でシャツの袖を引かれた。まだとろりとした表情の彼女が掠れた声で言う。
「…貴方は、あ、の…どうしたの?その…ちゃんと、気持ち良く、なれなかったでしょ…?」
眉を下げ言い辛そうにしながらも、そう聞いてくる彼女は瞳を揺らして見上げてくる。
「お前な…、そんな事聞くか?分かるだろう?それ位、態々言わせるな…。」
そんな事を真面目に聞かれると、何だかこっちまで恥ずかしくなってくる。大体、初めての彼女に続け様になんて最初から
する気は無かったのだ。それを善がる姿が見たいと我慢が出来なかったのは自分の方なのに、健気な事を言ってくれる。
そう思って苦笑を漏らすと、お前の気にする事じゃないと教えてやる。
「でも…ごめんなさい。…私が、もっと、ちゃんと出来れば貴方にももっと良くなって貰えるのに…」
しゅんとしてしまった彼女を見て、愛しく思うのと同時に少し悪戯心が出てきてしまった。

「じゃあ、俺の事名前で呼んでくれないか?」
「えっ?」
「名前、まさか知らないんじゃないよな?」
「知ってるわよ!でも…」
「いつまでも進藤先生って呼ぶつもりか?たまき。」
「…一生。」
「次からは、そう呼べよ?じゃあ、行って来る。」
「いってらっしゃい、一生。」

照れくさそうに名前を呼んでくれた彼女はあまりに可愛くて、少しずつ自分の染めた色へ変わってゆくであろうと思うと
嬉しくて堪らない。明日の朝病院へ出勤して来た時の彼女はきっと完璧なまでにあの“香坂たまき”だろう。
多分自分の方がいつもの彼女を前にどうしようもなくなってしまうかも知れない。病院では手を出さない様にしなければと
緩む頬を引き締め肝に命じながら彼女のマンションを後にした。
528名無しさん@ピンキー:2009/08/07(金) 00:12:49 ID:/KaIhygw
職人様ありがとう!
たまきが可愛すぎるw
529名無しさん@ピンキー:2009/08/07(金) 01:00:26 ID:dZzla4zw
GJ
530名無しさん@ピンキー:2009/08/07(金) 01:24:59 ID:6Xq253C/
待ってました!!!!
GJすぎる・・・
二人の視点があるのがまたイイ!!
ありがとう!最高です!
531名無しさん@ピンキー:2009/08/07(金) 03:42:41 ID:xjKrErRY
ネ申、降臨というのが相応しいですね

素敵な作品をありがとうございます

進たまの世界に思いっきり浸れました
532名無しさん@ピンキー:2009/08/07(金) 08:19:37 ID:wMX/lKwO
あのう・・すごく・・矢部なつがよみたいです。。
533名無しさん@ピンキー:2009/08/08(土) 04:32:34 ID:zPACoXU/
すごいっ!!

書き手様、ありがとう!!
534名無しさん@ピンキー:2009/08/08(土) 12:30:03 ID:n54pYHdu
進たま最高!
×××シリーズの作家さん、うますぎ!
535名無しさん@ピンキー:2009/08/08(土) 14:13:06 ID:5zRglfTg
やばい香坂先生かわゆすぎてキュン

ありがとうございます!これはシリーズ化していきそうな予感wktk
536名無しさん@ピンキー:2009/08/09(日) 00:22:06 ID:jCN1BW/y
まじ職人乙すぎる!
進藤先生の色にどんどん染めてくださいw
てか病院で手を出しちゃってくださいw
続編キタイ
537名無しさん@ピンキー:2009/08/09(日) 01:09:40 ID:yGQst3bs
続編キタイ**

病院でしちゃってホシイ**
538名無しさん@ピンキー:2009/08/09(日) 22:45:32 ID:DjAPiiZL
シリーズ化、続編に期待!
539名無しさん@ピンキー:2009/08/12(水) 14:56:03 ID:0Nsh/Sn9
第3シリーズ見てたら進藤先生が看護師を姫だっこしていた

その相手をたまきに脳内変換して見てしまう僕
540名無しさん@ピンキー:2009/08/12(水) 17:36:40 ID:khQlhzAR
お風呂で寝てしまった香坂先生を抱っこしてドキドキしながら身体を拭いて
あげた後にベッドまでお姫様抱っこ!

香坂先生のお目覚めに進藤先生我慢できず独り占めタイムスタート!
541名無しさん@ピンキー:2009/08/13(木) 00:21:04 ID:B+vO5xzZ
えーと…別にここ香坂以外の進藤カプでもいいんだよね?
542名無しさん@ピンキー:2009/08/13(木) 00:30:58 ID:O2cAlxn3
いいよ
543名無しさん@ピンキー:2009/08/13(木) 01:30:09 ID:j4LcXEau
自分は進藤香坂以外でもOK(^-^)

昨日4見たら進藤鴨井が微笑ましくてアリだと思ってしまった俺病気www
すまん死んでくるノシ
544名無しさん@ピンキー:2009/08/13(木) 05:12:50 ID:6mXgTB5z
×××シリーズGREAT!
職人さんネ申だ。パート1のときから読んでる!本当にGJありがとう。


たまきに「ひとつだけ何でも言うこと聞いてあげる」って言われたら、進藤は何をリクエストするだろうww
545名無しさん@ピンキー:2009/08/14(金) 18:49:39 ID:gy6dUGZr
進藤「俺のものになれ」
546名無しさん@ピンキー:2009/08/14(金) 19:37:53 ID:mIupbw8U
進藤先生は優しいながらも少々強引なのがいいw
547shuauhs:2009/08/14(金) 23:38:22 ID:oac+siHn
進藤: そこにいるのは誰だ?手をこまねいているのは誰だ?お前は医者じゃないのか?
小島: ほっとしたんです、ホットラインをほどいてほっとしたんです
548名無しさん@ピンキー:2009/08/16(日) 14:30:18 ID:Qm1kod1j
強引な進藤先生萌えるww
549名無しさん@ピンキー:2009/08/16(日) 16:26:23 ID:CJQwEUK0
ラブラブなのもいいけど、付き合う前に、押さえきれなくなった進藤先生が強引にたまきを欲しがる。みたいなのもいいな
550名無しさん@ピンキー:2009/08/16(日) 17:01:39 ID:u7dpvmIl
スカパーのアダルトチャンネル見たら女医スペシャルやってて
顔以外たまきたんだったから思わずハァハァしてしもた
551名無しさん@ピンキー:2009/08/16(日) 23:10:03 ID:BFd5OhmH
>>549
欲しがる進藤先生イイ(*´Д`)
香坂先生がよっぽど可愛かったんですね分かります
552通りすがりの文屋:2009/08/17(月) 01:06:56 ID:XggehuZF
進藤×香坂で第四シリーズ現在進行系に繋がる話を書きたいと思ってるんだけど…
進藤せんせー42歳
たまきたん 38歳?
リアルだと熟しすぎたおね?
553名無しさん@ピンキー:2009/08/17(月) 01:37:07 ID:ecRzGdes
いやいける。
たまきならたとえ、40越えてもいい。美しい。
並の30より、40のたまきの方がいい。
進藤46も全然アリ。
554通りすがりの文屋:2009/08/17(月) 02:10:26 ID:XggehuZF
>>553
オゲ!近々、投下しる。
大人エロス全開でたまきたん、犯す。
555名無しさん@ピンキー:2009/08/17(月) 02:36:17 ID:ecRzGdes
大人エロス全開、超楽しみ。
待ってるよ!
556名無しさん@ピンキー:2009/08/17(月) 07:58:05 ID:wMDo7CRQ
>>552
現在進行中に繋がる進たま、期待しています!
お待ちしています!
自分も進たまなら大人バージョンも読みたいです。
よろしくお願いしますm(__)m
557通りすがりの文屋:2009/08/17(月) 11:55:00 ID:XggehuZF
えっと、前半の半分くらいを書き上げたから投下します。

最初に断っておくけど、俺はナマモノ同人のシナリオ書きだったから、ここの職人さんみないに細かなシーン描写は苦手。
説明的な文章になってると思うから、妄想力ないひとには物足りないかもだからスルーでお願い。とりあえずそれだけは承知の上で読んでください。

それから絵かきさん募集中(笑)
558過ぎ行く時の果てに 進藤×香坂:2009/08/17(月) 12:18:12 ID:XggehuZF
4年ぶりの日本。空港の雑踏の中、俺は幻覚を見た。8年前のあの時と変わらぬシルエッ
ト。まさか…と、思いながらサングラス越しに見つめた。ほんの5.6メートル先。俺
の前を横切ろうとする…。一瞬、動けなくなり、鼓動が高鳴る。

香坂たまき…

声に出してその名前を呼ぶことも、会うことすらも、もうないのだと自分に言い聞か
せてアフリカへ渡った8年前の決意が、その瞬間に壊れそうになる。
香坂!そう、呼び止めようとした時、ふいに彼女はこちらを向いた。俺は冷静を装い、
声を飲み込む。彼女は立ち止まり、俺を見る。はっ、とした表情をしたかと思うと、
視線を元に戻した。
落胆とともに、息が漏れ、飲み込んだはずの言葉が小さく零れた。聞こえるはずもな
い、ため息として…。

なのに彼女はもう一度、俺の方を向いて「進藤先生?」と、発した。はっきりと聞き
取れる声ではなかったが、彼女の唇は確かに俺を呼んだ。
今度はしっかりと、届く声で。「進藤先生」と。
返す言葉はまだ用意できてない。ただ、一方的に視線を絡ませた。もう目が離せなかっ
た。白く透き通る肌、華奢な肢体、黒い髪…。なにもかもがあの時のままで、あれか
らもう8年が経とうとしているのに、一気に引き戻されてしまう。

「香坂」

懐かしい微笑みが帰ってくる。お互いに、お互いの方へと歩みを進める。鼓動が早く
なる。手を伸ばせば届く距離まで近づいて「やっぱり、あなただったのね」と、また
微笑む。俺はサングラスをはずし、取り繕ったポーカーフェイスで「ああ」と答えた。
「懐かしいわ。こんなところで会うなんて偶然ね」
ふっ、と視線を落とし髪をかき上げる。ふわっと漂う香…。やはりなにも変わってい
ない。
「元気そうだな、シカゴからの帰りか?」
「ええ、あなたは?」
「俺はアフリカからだ。お前がシカゴへ立った後、国際人道支援医師団に誘われてな」
「そう、あなたらしいわね」と、まじまじと俺の顔を見つめる。彼女の目の中に映る
自分の姿を見て視線を逸らす。


そんなに、見ないでくれ…。抱きしめてしまいそうだ…。

559過ぎ行く時の果てに :2009/08/17(月) 12:21:32 ID:XggehuZF
「…真っ黒に日焼けしてて、一瞬あなただとは気が付かなかったわ」
少しの沈黙の後そう言うと、腕時計をチラッと見た。見覚えのあるそれ。忘れようと
した思いがまた溢れる。零れそうな感情と彼女のその仕草に不安がよぎる。同時に、
大事な人が待っているのか…?
と、嫉妬まで込み上げてくる。

どうかしてる…。


「待たせてる人がいるんだろ?早く行った方が良い」

心にもない言葉が口をつく。
彼女は、ふふっと笑いながら、俺に視線を合わせ
「いないわよ、そんな人…。」と。

安堵が俺を満たし、比例するように鼓動がアンダンテを刻みはじめた。
視線があったままでは、すべてを見透かされそうで怖くなる。

次に視線を逸らしたのは彼女だった。
「飛行機が5時間も遅れちゃって、予定が狂ったわ。」

外を見ると、ほんの数分前までは明るかった空が夕焼け色に染まろうとしていた。
彼女は困ったような仕草で、俺と同じ空をみている。

「横浜まで帰るのか?」
「…そうね」
また、時計を見る。

それから、つぶやくような声で続けた。

「あなたは、これからどうするの?」と。

考えてもいなかった問い。
断ち切ったはずの思いがまた糸を紡ぎ始める。忘れたくても、忘れられなかった感情
と後悔。
まだ間に合うかもしれないという淡い期待。様々な思いが駆けめぐる。
思考が止まりそうだった。

「近くにホテルを取ってある。これから向かうところだ。」
そして、俺は、俺の思いは勝手に暴走した。
「時間あるか?」
彼女は少し困惑気味に眉をよせて考える。この沈黙が、たまらなく怖い。
また時計に視線を落として「この時間じゃ、今日はもう何もできないわ」とすねたよ
うな表情で言った。
「飯でも一緒に喰おう」
「あなたのおごりでしょうね?」
そう言うと、いたずらっぽく微笑んだ。
「もちろんだ」
きっと俺の顔も緩んでいるだろう。

並んで歩き始める俺たち。彼女の重そうなスーツケースがカタカタと一定のリズムを
刻む。
持ってやるよ、と手を出す前に「はい」っと、手渡されてしまった。
「あなたがデートに誘ったんだから、当然でしょ」
受け取る瞬間に、彼女の細い指が俺の手に触れる。
「相変わらず、扱いづらい女だな」
皮肉ぽい台詞を吐いて、高揚する気持ちを抑えるのが精一杯だった。
「うるさい」
あの頃と変わらない空気が、流れるのを感じながら微笑み合った。
560名無しさん@ピンキー:2009/08/17(月) 13:33:19 ID:CyOTp55d
GJ!!GJ!!!すげぇ
続きキタイ!!!!
561過ぎ行く時の果てに:2009/08/17(月) 15:27:48 ID:XggehuZF
行く先を決めずに歩き出した俺に「日航のサンセットラウンジに行きたい」と言ったのは彼女だった。

空港内で軽く飯を喰って、話をするだけだと自分に言い聞かせた直後に、彼女から出た提案。
俺は、半分あっけにとられて、返答に困る。
誘ったのは俺なのに、引き返したいと思う感情がこみ上げる。もう諦めたはずの女(ひと)なのに、奪ってしまいたいという感情で、胸が締め付けられる。
俺はまた、鼓動が早くなるのを感じながら
「お前にまかせる」とだけ言った。俺の答えに不満だったのか、彼女は少し怪訝そうそうな顔をして
「じゃ、決まりね」と、タクシー乗り場へと歩みを進めた。
「夜景がキレイなの。あんなところ一人じゃ行けないわ」そう、独り言のようにつぶやいて。

タクシー乗り場は幸いにも、空いていて2組の客を見送ってから、すぐに俺たちの前で扉が開いた。先に、と彼女を車内に促し。
重い荷物をトランクに詰め、タクシーに乗り込む。
俺は「日航成田」と運転手に手短に告げた。
「ありがとう」
「何がだ?」
「荷物、重かったでしょ」
「お前が持たせたんだろ」
そう言うと、ふっと微笑んだ気がした。


目的地には、5分足らずで着いた。ほとんど会話もなく料金を精算してタクシーを降りる。
ホテルラウンジの隅で「ここで待っていろ」と彼女を残し、彼女のスーツケースと自分の荷物を持ってフロントへ向かった。

フロントで「ご予約のお客様ですか」と聞かれた。
「いや、2人なんだが…」
「2名様、本日ご宿泊で?」
「ええ、できるだけ眺めの良い部屋で」というと
手際よくPCのキーボードを打ち始めた。

もう、その時に俺の心は決まっていた。また、後悔するなら、今日決着をつけようと。
この8年は必死で目の前の命に向き合ってきた。
しかし、辛いときや苦しい時には必ず、彼女を思い出す。重傷だな…と、自分を笑う俺がいつもいた。
この後悔が続くのなら、それは今日で精算してしまおうと。治療のできない病なら、いっそのこと最終宣告を受けたほうがずっとましなはずだ。

「あいにくダブルお部屋しかご用意できませんが」
「それでいい」


俺は、手続きを済ませると彼女の待つ方へ歩き始めた。
黒のジャケットに白いインナー。身体のラインがきれいにわかる黒のタイトスカート。
腕を前に組んで、俺を見ている。
「待たせたな。お前の荷物はフロントに預けてきた。帰りにこれをフロントに渡せ」と荷物の預かり表を手渡した。

俺の手に持ったカードキーを見て
「あなた、ここに泊まる予定だったの?」と、怪訝な顔をした。
「ああ」俺は嘘をついた。最後の賭けだった。可能性など0に等しいだろう。でも、どんなに小さな可能性でも俺は賭けたかった。
あの時と同じように、彼女が俺を好きでいてくれていると信じたかった。
「あなたもこんな所に泊まるのね?」
最上級の微笑みで、俺をからかう。もう、嘘はばれているかもしれない。それでも良かった。
あの8年前、俺は彼女の気持ちに気が付いていた。俺の気持ちも同じだったのに素直にはなれなかった。
人を愛すること自体に心が拒否反応を示していた。また、失ってしまうのではないかという不安。
今考えれば、独りよがりな感情だけが俺を支配し、彼女の気持ちに応えられなかった。
だから、もう、何も取り繕うことはない。俺は素直にすべてを話す。今日、すべてを…。
562名無しさん@ピンキー:2009/08/17(月) 15:50:25 ID:ecRzGdes
スゲーGJ!
続きが超楽しみだ!
wktkが止まらない!
563名無しさん@ピンキー:2009/08/17(月) 18:33:57 ID:yrFBjh24
ヤバいGJ!!
続き待ってます!!
564通りすがりの文屋:2009/08/17(月) 21:45:45 ID:XggehuZF
ゴメン、しくじりました。8年じゃ、なくて7年だ。今、気がついた。
続き書くけど、とりあえず一回死んでくるノシ

565名無しさん@ピンキー:2009/08/17(月) 22:59:39 ID:ecRzGdes
死ぬな!死なんでいい!
続きを書いてくれ!
566過ぎ行く時の果てに:2009/08/18(火) 00:46:51 ID:hJNZPWhV
一緒にエレベータへ乗り込み11階と8階のボタンを押す。
8Fで「店で待ってろ」そう言い残して、エレベータを降り俺はいったん荷物を置きに部屋へ向かう。
ひとりになって、少し冷静になる時間が欲しかったのと、部屋の場所と部屋の雰囲気を確かめたかった。
冷静になりたいと思う割に、そんな状況になった時のために、こんなことを確認をしたいと思っている自分に笑えた。
部屋はエレベータを出て右側の2つめだった。カードキーをさしてドアを開ける。
シンプルな作りの室内に、ダブルサイズよりもう少し大きめのベッド。窓から見える風景は焼けるような赤い夕日。夜は夜景がキレイなはずだ。
若干、空しい思いに駆られながらも、まったく後悔はしていなかった。

荷物を置いて部屋を出ようとした時、ドア横にある鏡に俺が映った。
白いTシャツに黒のパンツ、あまりにもラフすぎる格好に、慌てて荷物の中に一着だけ入れておいた黒のジャケットを引っ張りだす。
馬鹿みたいだな。と自分を笑って部屋を飛び出した。



「悪かったな」
店内の1番奥の窓際でひとり外を見ていた彼女に、後ろから声をかけると
「女を待たせるのが好きなのね」と、振り向きもせずに毒づかれた。
夜色に染まりそうな外の風景。窓に彼女の輪郭がうっすらと映し出される。
窓越しに目が合う。
「着替えたのね」
「ああ。…デート、だからな」そう言って彼女の隣に座った。
567過ぎ行く時の果てに:2009/08/18(火) 02:27:43 ID:hJNZPWhV
食事中の彼女は良く話した。長い空白の時間を埋めるように、思い出話やお互いの今までの事を報告し合った。
俺はほとんど聞き役で、相槌を打つか、聞かれたことにしか答えなかったら、「あなたは、そうか、それで、しか言わないのね」と笑われた。
一通り食事が済んで、俺がバルヴェニーのロックを頼むと、彼女もそれが良いと言うので同じものを注文した。

「夜景、キレイね」
「そうだな」
窓越しに目が合って、少し長い沈黙。
グラスの中の氷がカランと音を立て、視線を手元に落とすと、時計は20:38を指していた。


「好きだったのよ」
突然だった。

窓に映る彼女を見ると、切ない表情で俺と視線を合わせるのを嫌がった。

また長い沈黙。
その間、俺は彼女を窓越しに見つめて、彼女の言った言葉の意味を考えていた。

眉を寄せ、切なく微笑む彼女。視線は下に落としたまま。
「馬鹿みたいね」と、つぶやいた。

「…もう、遅いのか?」
「…」
「俺は今でも、お前が好きだ」

窓に映る彼女が、俺に視線を戻すのを感じる。俺は静かに思いを話した。
「香坂。これから話すことは俺の一人言だ。もうお前の中で終わっているのなら、それはそれで構わない。だが最後まで聞いてくれ」

またグラスの中の氷が音を立てる。
568名無しさん@ピンキー:2009/08/18(火) 03:11:13 ID:qryoCjSb
支援!
めちゃめちゃ好展開!
がむばって
569名無しさん@ピンキー:2009/08/18(火) 05:17:25 ID:hC9TCWeW
なんかさ、嬉しいのとドキドキでまじヤバイ。
進藤行けー!大人たまき可愛い!超切ねー!
進たまの不完全燃焼を昇華してやってくれ!

文屋さん、サイコー!

570過ぎ行く時の果てに:2009/08/18(火) 13:37:53 ID:hJNZPWhV
彼女の切ない視線を感じながら、俺は続けた。
「…俺はお前の気持ちに気づいていた。それと同時に俺もお前に惹かれていた。
…その気持ちは今でも変わらない。あの時の俺は自信がなかったんだ。人を好きになることが…こわかった」
そっと覗き込むように、右側に座る彼女方へ視線を移してみる。
じっと窓に映る俺の顔の輪郭を目でなぞるのがわかる。
「大切なモノを失うのは、もう嫌だった。幸せにしてやる自信もなかった。
…でもな、お前といた時間が俺にとっては大切な時間だったってことがわかったんだ。
…妻を亡くした後の人生でお前といた時間だけが人間らしく生きられた瞬間だった。
お前に会えなくなって、時間が経つにつれて、気づいたんだ。
お前のことを必要としている俺自身に…。」

テーブルに置かれた彼女の左手を、俺の右手が覆った。なんの抵抗もなく、すんなりと彼女は受け入れてくれた。
俺は少し焦っていたのかもしれない。
思いを半分も話しきれないうちに、彼女のその細い手を握り締めたいという感情に歯止めが利かなかった。
そこまでくると、もう結論だけが聞きたくて…

もう一度「遅すぎたか…?」 と囁く。

自分の鼓動だけが聞こえる瞬間。

切なく絞り出される声。
「…本当に、女を待たせるのが好きなのね」
窓越しに視線が合う。彼女は泣いていた。そっと握った手を離し、肩を抱き寄せる。
「待ってたのよ…」
彼女の消え入りそうな声が聞こえた気がした。
「待たせて、わるかったな」
俺はまだ窓に映る彼女姿を見ていた。彼女の右手がすっと俺の頬に触れるのがわかった。
突然、唇に柔らかな感触が襲う。ほんの少し、触れるか触れないかの短いキス。すぐに離れていく彼女の姿を窓越しに追った。俺はただそれだを見ていた。
571過ぎ行く時の果てに:2009/08/18(火) 14:32:12 ID:hJNZPWhV
「…部屋へ行こう」
俺は、もう冷静ではいられなかった。
唇と唇がそっと触れただけのキス。今この場で貪りたい感情を、抑えるだけで必死だった。
なにより、彼女の熱く濡れた瞳の奥にもっと俺だけを焼き付けたかった。
俺以外のものは、映したくない。

彼女の左手を握り、席を立ち、手早く会計を済ませ、店を出る。
無言のままエレベーターを待つ。
彼女の手が徐々に熱を帯びるのを感じる。


無機質な機械音と共にエレベーターの扉が開く。
半分強引に彼女の手を引き、胸へ抱き込む。乗り込んだ箱には幸い先客はいない。

8階のボタンを押し、腕の中の彼女をもっと強く抱きしめる。
身体を固くして、俺の肩に顔を埋めたまま、俺の背中にそっと腕を回した。
「香坂。顔見せてくれ」
耳元でささやくと、もっと身体を固くして「…いやよ」と言った。
強引に唇を奪うこともできたが、そんな彼女の可愛い反応に、俺はもっと力強く抱きしめることしかできなかった。
密着した身体。隙間なく埋め尽くされる感覚。身体の芯が熱くなる。
その熱を感じて、ピクッと反応する彼女。引き離そうとする腰をギュッと引き寄せた。

「だめだ。逃げるな。俺は今、こんなにもお前が欲しいんだ」

そう耳元で囁くと、小さな抵抗は力を無くした。
572名無しさん@ピンキー:2009/08/18(火) 15:33:11 ID:3YYsmalm
やべえ、すごいGJ
続きが気になって仕方がない
進藤先生がんばれ
573名無しさん@ピンキー:2009/08/18(火) 16:34:51 ID:MgrLh6Pd
いや、ほんと凄いです。
進藤先生もたまきも、場面が目に浮かびます。
続き楽しみにしてますね。
早く読みたくてたまらないです。

574過ぎ行く時の果てに:2009/08/18(火) 16:47:20 ID:hJNZPWhV
部屋へ入るなり、ドアが閉まるのも確認せずに、俺たちはお互いの唇を貪り合った。
ねっとりと絡めあうような甘いものでは無く、互いが互いの口内を犯し合うような激しいキス。
空気を求める喘ぎなのか、愛するもの同士にだけ許される甘い喘ぎなのかわからない、息づかいだけが俺たちを包んでいた。
「ぅ、ん…。はっ、ん…。ぅぅん…」
俺の中に深く差し込まれた彼女の舌が俺を存分に味わうと、今度は俺が彼女の中へ深く進入する。
何度も何度も、お互いが満足するまでそれを続けた。

徐々に冷静さを取り戻し、上がった息を整えながら、唇に触れるだけのキスを何度か繰り返す。
徐々に状況を把握できるだけの余裕が出てきて、俺は「ふっ」と笑いながら息をもらした。
部屋にはまだ電気もついていない。窓から入る夜景の光だけと気づくまで、いったいどのくらいの時間が流れただろうか。
それを考えるとまた可笑しくなって、もう一度「ふっ」息をもらして笑い、彼女に唇にチュッとキスをした。
「…笑わないでよ」と今、触れたばかりの唇が言った。
俺は、彼女の髪を優しく撫でながら「お前を笑ったんじゃない。俺の余裕のなさに笑ったんだ」と言った。
彼女はその意味を理解したらしく、ふふっと笑いながら俺をそっと抱きしめてくれた。
「明かりは付けなくていいわ」と、ささやく。
なんだかそう言われると、明るいところで彼女の顔が見たくなり、すぐそばにあったスイッチに手をやった。
あっさりと希望を却下されてしまった彼女は、「いじわる」と言って俺の胸の中に顔を埋めた。
「香坂、顔見せてくれ」
「…」
「ダメか?」
「…恥ずかしい…」
俺の胸の中で、くぐもった声が響く。あまりの愛おしさに、また狂いそうな欲情がこみ上げてくるのを感じる。ゆっくりと髪を撫で上げ、呼んでみたかった彼女の名前をささやいてみる。
「たまき」
ビクッと身体を反応させ、ゆるゆると視線を上げた。まるで懇願しているような切ない表情に、なんだか悪いことをしているような罪悪感が生まれる。
「悪かっ…」俺が全部言い終わる前に、彼女の唇に言葉を奪われてしまった。
唇の脇から俺が舌を差し出すと、今度はねっとりと甘いキスで絡みついてくる。擽るように、舌先で口内を弄ぶ。小さな吐息が漏れ始める。
舌を抜くと、また求めてくる、その唇にあま噛みをして
俺は「まさかキスだけで、終わらせるつもりじゃないだろうな」と言った。
575通りすがりの文屋:2009/08/18(火) 21:57:38 ID:hJNZPWhV
誰か俺を救命してくれ…
救命見てからエロシーン書こうと思ったのに…
あー!!あのエピソードなにっ

マジで死んでくるノシ
576名無しさん@ピンキー:2009/08/18(火) 21:59:43 ID:3YYsmalm
救命してあげます!
行かないで戻ってきて泣
577名無しさん@ピンキー:2009/08/18(火) 22:16:19 ID:U3Dh4Wxp
救命します!
本編とか気にしないですから、続けてください。
578名無しさん@ピンキー:2009/08/18(火) 22:29:18 ID:qryoCjSb
あきらめるな!
生きてこれを書き上げるのがお前の仕事だ!

…と心マしながら進藤口調で言ってみる
お願い頑張って!
579名無しさん@ピンキー:2009/08/18(火) 23:26:36 ID:hC9TCWeW
本編より文屋さんの進たまが気になる!
ボスミン打って救命する!
頑張れ!
580名無しさん@ピンキー:2009/08/19(水) 00:11:30 ID:x8SBpGvG
文屋さん頑張って!続きが読みたすぎてやばいっす!

…ていうか、あのシーンって何だろう(ボソッ
「厳しい人よ。人よりも自分に。優しい人よ。自分よりも人に」とか…?
581名無しさん@ピンキー:2009/08/19(水) 00:14:44 ID:mYnj/Zbb
進藤のエイズ疑惑では?
セックスしたら感染するでしょ?
582名無しさん@ピンキー:2009/08/19(水) 00:16:46 ID:mYnj/Zbb
すまん、誤爆ORZ
583通りすがりの文屋:2009/08/19(水) 01:45:20 ID:EcddFJGB
ただいま。みんなありがと、ここの住人良い人ばっかだね。
今2002SPのたまきたんと進藤せんせーがラブいシーンだけ見て、一命を取り留めた感じ。
とりあえず、応急処置で続き書く。
あいつら成就させて、リベンジもう一本書く。

ただの通りすがりに優しくしてくれてサンキュ。

期待裏切らないように頑張るよ。
584名無しさん@ピンキー:2009/08/19(水) 02:09:20 ID:jXhdyBBp
頑張って下さい!!!!!!!!!!!!!!!!!!
585名無しさん@ピンキー:2009/08/19(水) 05:24:07 ID:qA4Y5p+8
大人な雰囲気に酔いしれてます
ほんとスゲエいい!

文屋さん待ってます!
586名無しさん@ピンキー:2009/08/19(水) 08:36:06 ID:3l5VCcoF
救命成功良かった〜!
気を取り直して頑張ってください!
楽しみに待ってます!
587過ぎ行く時の果てに:2009/08/19(水) 17:40:54 ID:EcddFJGB
彼女はギュッと俺に抱きついてきて「…こわいのよ」とつぶやく。
本気で嫌がっているわけじゃない、それはわかる。でも、俺はじれったくて…。
「俺が、こわい?」
俺の腕の中で、頭だけ左右にゆする。
「…たまき…?」
興奮しているせいか、かすれた囁き声が出た。少し沈黙してから
「…もう、男のカラダなんて…忘れちゃったわ…」と、彼女がなんとも可愛い告白をした。
そんな言葉とは裏腹に、また俺の唇にキス。

下腹の奥が鈍くしびれる。もう完全に限界だった。

抱き上げて、ベッドへ運ぶ。身体を固くして俺にしがみつく。
そんな彼女に言った。
「俺も女のカラダなんか、とうに忘れた。だから、優しくする自信がない。嫌だったら本気で抵抗しろよ」と。

押し倒すように、ベッドへ下ろし彼女の上に覆い被さる。
紅潮した顔は色っぽくて、また下腹の奥にしびれが襲う。
目を閉じたままの、彼女の髪にそっと指を通して、顎のラインを両方の親指でたどってみる。同時に左の首筋から舌を這わせると。小さな吐息が漏れる。
舌が首筋をたどって、耳へ。舌をねじ込んで舐め上げるとピクッと身体を反応させる。
耳元で「力抜けよ…」と囁く。
また、ピクッと身体を反応させ、華奢な肩を震わせた。
彼女の右手はシーツをギュッと握っている。その手をやんわりと、俺の手で包んで「手ぇ、繋ぐか?」と聞いた。
彼女は何も言わなかったが、俺の指に自分から指を絡めてくれた。繋がれた手の甲にキスをする。
そのまま、繋がれた手をベッドに押しつけて、空いている右手で上着ごと服をたくし上げ、ブラの上から柔らかなふくらみに手を伸ばす。
しかし、それだけでは足りなくて、そのまま指を直に滑り込ませた。
「…イヤっ、…まだ…」
「…まだ、なんだ?…イヤか?…止めるか?」
自分でも、嫌なヤツだと思いながら、差し込まれた手は、止められるはずもなく、そのまま動きを止めずふくらみを揉みしだく。返答はなく、そのかわりに熱っぽい吐息が漏れてきた。
588名無しさん@ピンキー:2009/08/19(水) 18:33:34 ID:3l5VCcoF
超いい!GJ!
たまき可愛い!大人可愛いよ。
文屋さんありがとう!
続き楽しみだ〜!
589名無しさん@ピンキー:2009/08/19(水) 20:46:46 ID:qA4Y5p+8
たまきたんカワユ(´Д`)
今こんなんじゃこれからどうなっちゃうんだろう…ドキドキ(*´Д`)
590過ぎ行く時の果てに:2009/08/20(木) 00:27:52 ID:Wbnlbdz5
繋がれた手の方へ身体を傾けさせ、背中に手を回しブラのホックを外す。自由になった右手がふくらみの先をつまみ、弾く。
それを何度も繰り返す。肌の火照りが気持ちいい。
邪魔な服を鼻先で押し上げ、胸元に舌を這わす。彼女が声を殺
すのがわかる。
「ぅん…」
「たまき…声、出していいんだぞ」
自分でも驚くほどの優しい声で、そうささやくとゾワッと彼女の肌が感じるのがわかった。
「感じてるのか…?」
今度は、身をよじり僅かに抵抗。
「たまき、言わなきゃわかんないだろ」
「…」
反応を見るのは楽しいが、なんだか歯がゆい。
手を止めて、抱き寄せる。そのままゴロッと寝返りを打って、俺と彼女が入れ替わる。
「っちょ、…やっ…」
繋がれた手はほどかずに、胸の上の彼女を抱きとめたまま、右手で下から背中を愛撫する。
「顔、見せろ」
手が上まで這い上がったところで腋に手を添えて、無理に彼女の上体を起こそうとした。
「イヤ!」
やや、強めの抵抗。
「良いだろ、俺を見ろよ、頼むから…、なぁ」
「…いや、よ…」
「なあ、俺の心臓の音聞こえるだろ。お前の恥ずかしがる姿見て、ドクドク鳴ってる。
お前にも見て欲しいんだ。今の俺を…。」
「…」
観念したのか、ゆるゆると上体を持ち上げた。
俺の上に跨るカタチになって、スカートの裾が持ち上がり、細い太股があらわになる。
彼女を見上げる。目は潤んで、頬は紅潮。切な気な表情で、俺を見ていた。
「ベッドの上で目が合うと恥ずかしいな」
そう言って、俺が笑うと、彼女もコクンと頷いて、微笑み返してくれた。
591名無しさん@ピンキー:2009/08/20(木) 01:31:09 ID:Ka1ujjwi
更新キタ〜!悶絶する〜!
たまき、可愛いすぎる!
進藤先生のストレートな愛情と我慢出来ない様子がたまらない!
1日に何度スレ見に来てるんだろ、自分w
文屋さん、ありがとう!
592名無しさん@ピンキー:2009/08/20(木) 01:43:00 ID:011QkpwH
自分も一日に何度もきてる。
完全に文屋さんの虜だな、こりゃww
593名無しさん@ピンキー:2009/08/20(木) 13:49:23 ID:OpKSDrmq
>>592
禿同
もーたまきたん可愛すぎて辛抱たまらんwwwww
594過ぎ行く時の果てに:2009/08/20(木) 18:17:46 ID:Wbnlbdz5
ベッドに肘をついて、上体を持ち上げると、彼女の方から唇を合わせてきた。
優しく触れる唇…。すぐに離れていってしまう…。
身体を預けてくる彼女に、俺の背中はベッドに押し戻される。
首筋にそっと、彼女の唇が触れる。ねっとりとした舌の温度を感じ、全身が痺れた。
Tシャツの中に、俺以外の体温を感じる。彼女の手が、何かを探すように撫で動く。
目的のものを見つけると、器用に転がし始める。
どうやら、自分がされたことを、今度は俺にするようだ…。
「…仕返しか?」
「ふふっ」と不敵に笑う彼女。
「まいったな…」
俺は心の中で大きなため息をついて、奪われたイニシアチブをどう取り戻すか考えていた。
すでに冷静な判断ができないくらいに、興奮している。
火照った彼女の手が気持ちいい…。しばらくはこのままで良いか…。と、組み敷かれたまま、むき出しになっていた、彼女の太股に手を伸ばし、優しく触れる。
ピクンと反応し、俺の首筋を愛撫する彼女の口から甘い吐息が漏れる。それを何度か繰り返し、今度は指先だけで、撫で上げてみる。さっきまで、俺を弄んでいた唇や舌は動きを止め、彼女は俺の耳のそばで小さな喘ぎをもらしはじめた。
彼女のその反応に、治まりかけていた下腹の奥のしびれが、また熱を持つ。俺の身体は熱く脈を打ち始める。彼女の下で大きくなるその欲望。その変化に気づいた彼女はまた身体を固くして、俺の上から身じろぎながら逃げようとする。
繋がれたままの手を解き、彼女ごと上体をあげる。向かいあって座るような体勢で抱き合う。
チュっと触れるだけのキスをして、「悪い子にはお仕置きだ」
と、ささやく。
彼女はビクンと身体を反応させ、イヤイヤと首をふった。
子供にするそれのように彼女の髪を撫で、服を脱がせる。白い肌が欲情をそそる。
スタートのファスナーに手をかけると、俺の手を押さえて小さく抵抗したので、そのまま押し倒した。困惑した様子で、俺を見上げる彼女。
「こわいか?」そう聞くと、目を閉じてうなずく。その表情に刺激が駆け上がって来る。
「目を開けて、見てろ」
額をあてて、触れるだけのキスをしてから、俺は上体を立て直し、彼女の胸のふくらみを視姦しながら、自分の服を脱ぎ捨てた。その様子を、彼女はじっと見ていたが、目が合うと視線をそらせた。
「たまき…。何がそんなにこわいんだ?」
彼女の顔の横に肘を付いて、強引に目を合わせる。
「…。私が知ってる、あなたじゃないみたいで、こわいのよ…

「おじさんになった俺はイヤか?」
少し微笑みながら「ちがうわよ」と呟く。
「じゃ、なんだ?」
「…焼けた肌の色とか…?」
俺は「ふふっ」と笑い「お前、それは新鮮っていうんじゃないのか?」と言うと力のない目でにらまれてしまった。
俺は顔がゆるむの感じながら彼女があの当時の俺だけを今まで思ってきてたんだと思うと、擽るような、喜びがわいてきて、激しい愛しさを感じずにはいられなかった。
無防備になった彼女の唇を塞いで、舌を差し入れる。ゆっくりと絡み合う粘膜が気持ちよかった。
俺が舌を引き抜こうとすると、唇を吸われて、また引き戻された。
じっくり口内を舐め上げて、情熱的な息づかいが聞こえてくる。同時に俺の舌は開放され、唇が離れる。
「…たまき、好きだ」
そう言って抱き寄せると、俺は肌と肌がふれあう感触を楽しんだ。
595過ぎ行く時の果てに:2009/08/21(金) 00:52:33 ID:MZ26MgL+
彼女の腕は、俺の背中に回され、時折、爪をたてる。首筋から鎖骨、鎖骨から胸の膨らみを避けて、脇腹…全身にキスをしながら、彼女の熱い吐息を聞いている。もう抵抗はしないようだ。そのことを少し、残念に思うのは男の性だろうか。

全身へのキスをやめて、胸に舌を這わせる。いきなりのことで、身じろぐ彼女。
でも、俺の腕は逃がさない。
膨らみの先に舌が触れると、小さく声を漏らす。
「っ…あっ」
そのまま、強く吸って、軽く歯を立てる。
「うんっ…くっ」
甘くせつない、喘ぎ。

必死で声を殺しているのがわかる。
「我慢しなくていいんだぞ」
「…で、でも…。恥ずかしい…」
「素直になった方が、いいんじゃないのか?言ったろ、今日の俺はお前に優しくしてやれる自信がないんだ」
背中に回された彼女の腕が、キュっと緊張するのがわかる。
「どうしたら素直になれる?」
「…そんなの、…わかんないわよっ」
俺は、さっきまでの愛撫をやめ、彼女の髪を優しく撫でる。
…なに?と言う表情で俺を見つめてくる彼女。目があって「じゃあ、さっきみたいに俺にシテくれ」と言う俺。
顔を真っ赤に染めて
「っ…っっばか!」
さっきまで子犬みたいな鳴き声だったのが嘘のような声で怒鳴られた。
「よし、その調子だ。良い声で鳴けよ、たまき」そう言うと、さっきまでの優しい愛撫は止めて、俺は激しく彼女を貪った。

舌は、執拗に彼女の胸を弄び、その動きが増すたびに彼女は声を大きくする。
その唇に、指を這わせ、差し込む。俺の指に、彼女の唾液がねっとりと絡まりつく。
その潤った指を、口から引き抜くと、そのまま彼女の下腹部へ運び、下着の中へ進入させる。
彼女は「…やぁあ…」と声を上げた。
596名無しさん@ピンキー:2009/08/21(金) 02:19:22 ID:eOj7v4sb
進藤先生その調子でねちっこくたまきたんを可愛がって犯すのだ!!
大人エロス最高っす!
597過ぎ行く時の果てに:2009/08/21(金) 02:19:35 ID:MZ26MgL+
しっとりと濡れたそこを指でなぞる。ビクッと反応し、彼女は必死に足を閉じようともがく。
俺は、その足を肩で押さえ付け、指を進めた。
水源は熱く濡れそぼり、すんなり指を飲み込んだ。
「あっ…、もっ、ゃぁ…」
中を拡げるように、指の腹で内壁を擦りつける。
「ぃ…あぁっん…!」悲鳴のような、喘ぎを漏らし、俺の腕を掴む彼女。
それを無視して、ゆっくりと奥まで突き入れる。
「…たまき。お前の中、熱くて、俺の指溶けそうだ」
そういうと、彼女は、そばにあった枕を俺に投げ付け、
「…もう、だめっ!」
と、叫ぶ。
そう言われても、やめられるわけはない。むしろ、そんなかわいい抵抗を見せられて、冷静でいられるはずがなかった。
「まったく、お前はかわいい女だな」と、囁きながら、俺は、俺の肩で押さえ付けられた彼女の内股を舐め上げた。
「あっ!やぁ…」

指で犯す行為をしばらく続け、最後に奥まで突き入れると、中がキュっと絞まり、小さな痙攣を感じた。
「あっ…んっ…、いっ…あぁ」
彼女の身体は、ぐったりと力を失い、甘い喘ぎの間に、はぁはぁと肩で息をする。

「おい、たまき。大丈夫か?」
「…だ、めっ…、もう、許し…て。…進藤せんせっ…」懇願する声。あまったるい。

俺の理性は完全に吹っ飛び、指を引き抜くと下着を、剥ぎ取る。
「やぁ…」小さく悲鳴をあげる彼女。

舐め上げたいところだったが、俺はとっくに限界を迎えていた。

ガチャガチャとベルトを鳴らしながら、外す。
その音に、ピクッと反応し彼女が身体をよじる。この後の行為を想像して身体を固くするのがわかる…。

「たまき、大丈夫だ。俺を信じろ。」できるだけ優しい声で囁く。
「…こわいっ…、こわいのっ」
濡れた目で、俺をみあげた彼女の唇に、チュっとキスをする。
「大丈夫だ、俺がついてる」
彼女の髪に指を通し、頭を撫で、耳元で「たまきが欲しい。」と囁く。
またピクっと身体を反応させる。
598名無しさん@ピンキー:2009/08/21(金) 04:09:03 ID:4/XhHaKj
うお〜!エロい!

進藤先生のエロさとたまきの恥じらいエロス最高!
599名無しさん@ピンキー:2009/08/21(金) 06:06:43 ID:wfZSRTEr
ありがとう文屋さん!!
読んでるとそのシーンが目に浮かぶ〜
ベッドシーンも大人なエロス全開で萌えすぐる〜!
あと、空港で再会するシーンはこれが見たかったんだあぁ!って泣きそうになったよ。
おかげで本編のせいで凹んでた気分が一気に解消された!まさにドラマを見てるみたい!続き、楽しみに待ってます〜!
600過ぎ行く時の果てに:2009/08/21(金) 13:27:17 ID:MZ26MgL+
「…進藤先生…」
服を脱ぐのも煩瑣に思え、そのまま深くキスを交わしながら、
俺の熱い欲望を彼女の濡れたそこへ押し当てる。
カチャンッとベルトの金具が鳴る。
「…いやぁ…」
俺の舌は追い出され、同時に彼女の声が零れる。

体勢を立て直し、彼女の腰を、俺の膝の上に抱え上げ押し当てたそれを、ゆっくりと彼女のラインに沿って擦りつけ、互いの熱を感じ合う。
「…っ、いぁ…っ」
導かれるままに、少しだけ身体を進める。
「あ…い、…いゃ…」
欲望の先がキュっと締め付けられ、俺の口から「…うっ、ん」と吐息がでる。
熱く絡みつく感覚。俺は、突き上げたい感情を抑えるのに必死だった。
「…たまき…、力を抜け…」
「……だ、だ…めっ」縋るような声。切ない。
「もう、止められない…」
左手で、膝の上の柔らかな尻にパチンっと刺激を与える。痛みに一瞬身体を固くするが、そのまま優しく撫で上げると「ん…っ」と息が零れ力が抜ける。
その瞬間に、少しずつ欲望を押し入れる。その行為を何度も繰り返し、全てを飲み込ませる。
身体を進めながら彼女の言った言葉が嘘じゃないと知る。『…もう、男のカラダなんて…忘れちゃったわ…』
たまらなく愛おしい。あの時と変わらぬ思いで、俺を待っていたんだ…。それを思い知らされて、狂いそうだった。
もっと早く、ひとつになりたった…。俺の、たまき…。
身体を倒し、肌を密着させる。彼女の頬をそっと手で包む。親指で唇をなぞる、吐息を洩らすそこに俺の唇を重ねる。
離れると、彼女は目を開き「進藤先生…」と俺を呼ぶ。引き込まれそうな目で俺を見つめている。

「たまき。もう、どこにも行くな。…俺はお前がいないと生きていけない。…愛してる、誰よりも…」
彼女は、その言葉を聞くと、俺の肩に両手を回してきた。引き寄せられて、唇で唇を塞がれる。
また、すぐに離れていく…。
「…あなたも、行かないで。どこにも…、行っちゃイヤよ。ずっとそばにいて…」
「ああ、もう離さない。お前が嫌だと言っても、離さないからな」
目頭が熱くなるのを感じる。俺たちは強く抱き合って、何度もキスを交わした。


601過ぎ行く時の果てに:2009/08/21(金) 14:47:01 ID:MZ26MgL+
キスをしながら、カチ、カチっと規則的に時を刻む、腕時計の音を聞いていた。長い時間を超えて手に入れた、大切なもの。
過ぎ行く時をおしみながら、窓の外が白くなるのを感じた。
俺たちは共にまどろみの中、キスを繰り返す。優しい時間が過ぎて行った。

その日、俺は果てることなく、朝を迎えた。
身体を満たすより、心が満たされたことで満足だった。

そばにあるはずの温もりに手を伸ばすが、すでに冷たいシーツだけで彼女の姿はなかった。
リアルな夢を見たな…、と空しくため息をつき寝返りを打った。
光の差す方にそっと目を開けてみる。
夢で見た風景が色を付けて広がる。また空しさがこみ上げて、
胸が締め付けられる。
「たまき…」
声に出して彼女の名を呼んでみると、じわっと目に熱いものを感じた。
夢で泣くなんて、俺らしくない。
もう一度、寝返りを打って目を閉じる。

耳元でカサッと紙の擦れる音がした。
それを手で探り、つかみ取る。
小さく2つ折りにされたメモ用紙。
開くと、そこには見覚えのある字で‘港北区’から始まる住所と‘ルール’と書かれた下に
『家事は分担』『禁煙』との、2項目が羅列されていた。
俺は苦笑いで、その下に「俺より先に死ぬな」と指で書いた。
書いて、それを指で消すと、願いをかけるように「永遠に一緒
だ」と書き変えた。
過ぎ行く時の果てまで、離さない、と約束するように…

END





板汚し、大変失礼!
投下中に、撲殺されかけた俺を救命してくれたみんな、ありがと!
その他、応援してくれたみんな、感謝!
あの大事件で最後までテンション上げられなかったのが、俺自身悔しいです。
やっぱ、パッキングしてダメージコントロールしただけの脳みそじゃダメだったな。
ちょいと、治療してリベンジ1本投下するから、また読んでくれると嬉しいです。
じゃ、コテ外して名無しの通りすがりに戻るね。
ホントありがと、携帯からだから誤字脱字多いし、読みにくかったと思うけど最後まで読んでくれてホントありがとな。
602名無しさん@ピンキー:2009/08/21(金) 14:58:53 ID:6h6Wabcc
文屋さん、サイコーでした!
泣いた泣いた
これを本放送にしてほしいくらい!
すげぇGJ!
次にも期待しています。
603名無しさん@ピンキー:2009/08/21(金) 19:26:57 ID:4/XhHaKj
超感動した!
進たま、幸せなエンディングで、自分も幸せ゚+。(*′∇`)。+゚
文屋さん、ありがとうございました!
サイコー!
604名無しさん@ピンキー:2009/08/21(金) 23:26:01 ID:6rKjceHO
578だけど文屋さんありがとう!!こちらこそ感謝!
投下中の日々幸せだったな…
でもテンション上がりきれない中書き上げたのがこのクオリティって
文屋さんが本気出したらどうなるのww

リベンジも超楽しみに待ってるです!
605名無しさん@ピンキー:2009/08/22(土) 00:49:17 ID:W4baqkeC
めっちゃ最高〜
すんげー感動したぁ
願っても叶わない
進藤先生と香坂先生の
素晴らしきエンディングだ〜
いやいや!文屋さんの脳力はふぁんたすていっくダヨ〜!
携帯からなんて大変なのに本当にありがとう〜!
うん!自分もリベンジ楽しみにしてるよ〜☆☆
606名無しさん@ピンキー:2009/08/22(土) 00:52:51 ID:W4baqkeC
↑の文中訂正させてくれ〜

願っても叶わない ×

願っても叶わなかった ○

まつがえたスマソ
607名無しさん@ピンキー:2009/08/22(土) 09:01:11 ID:7npeTGuU
GJです!

たまきsideも読んでみたいw
608名無しさん@ピンキー:2009/08/22(土) 11:04:17 ID:Au1ehtTH
進藤先生が凄く情熱的で、たまきと気持ちが通じたときは泣きそうになりました!
こんな素敵な話を書かれる文屋さんは最高だ!!
609通りすがりの文屋:2009/08/22(土) 15:14:08 ID:z/DR3CfS
昨日の今日で結構な数の感想コメついて、調子に乗ってコテ付けたままカキコミ。自分では納得できないまま投下したんで正直うれしい。
みんな、ありがとう。

ところで相談。
嫉妬する進藤先生ってどう??
今日久しぶりに家に帰れたんで、第4シリーズの1話目観てたんだが澤井が進藤先生に「お噂は聞いています」て言うシーン。
これ、使えないか?
確か、澤井は心臓外科医でアメリカ帰りだよな?俺、その噂って、たまきたんから聞いたんじゃないかと、妄想してしまってるんだが。

書きたいんだけど、需要はあるか?
610名無しさん@ピンキー:2009/08/22(土) 15:40:17 ID:P7LIjo0K
>>609
そう仮説すると納得できるなー
澤井とたまきの親しさを勘繰り、嫉妬する進藤…
読んでみたいですね
611名無しさん@ピンキー:2009/08/22(土) 18:01:34 ID:F4ODENfZ
自分もアリだと思う

読んでみたいっす!!!
612名無しさん@ピンキー:2009/08/22(土) 22:58:03 ID:MFOC4J95
嫉妬した進藤先生、ちょっとSっぽく、激しくたまきを攻めるとか?
情熱的だけどやさしくいたわりのある進藤先生を堪能させてもらったので、
今度はS進藤先生読みたいかも!

でも自分は文屋さんのファンになったので、文屋さんの書きたいもの書いてもらって
それを読めれば十分です。
楽しみに待ってます!
613嫉妬:2009/08/23(日) 00:11:54 ID:FvqLsxO6
よし、じゃ即興で、投下しる。エロシーンは後日な。
-----------------------
彼女の部屋に転がり込んで2週間。今日は嬉しい報告がある。俺は足早に、2人のマンションへ向かう。
玄関を開けると既に部屋の明かりはついていた。帰っているはずの彼女に「ただいま」と声をかけるが返事はなかった。バスルームの方で物音が聞こえる。
「風呂か…」そう呟いて、早くこの吉報を知らせたいと心がはやる。そのまま、バスルームへ直行しようと靴を脱ぎ、ゆるんだ顔をいつものポーカーフェイスに取り繕う。

突然、電話が鳴った。
トゥルルルル…トゥルルルル…トゥルルルル…

進藤は舌打ちしながら、リビングにある電話へと向かう。
不機嫌そうに「はい、香坂です」と受話器を取る。
転がり込んだ手前、家の固定電話へ出るときは「香坂」と名乗る。受話器の向こうの相手は、当然彼女が出ると思っているので、俺が電話に出ると若干怯んだ様子で沈黙した後に言葉を発する。
当然、今夜もそうだった。
「……、あの、たまきさんは?」
どこかで聞き覚えのある男の声。しかも、馴れ馴れしく「たまきさん」とのたまいやがった。
俺は相手に殺意さえ覚えるながら「誰だお前?」と言い放つ。
「…あ、あの、澤井といいます」
澤井だぁ?点と線が繋がる…。医局長?!聞き覚えがあると思ったら…
なんで、アイツが電話してくるんだ…!
「……」
そう言えば、アイツ俺と初めて合ったとき、俺の噂は聞いてるって言ってたな。まさか、たまきから聞いていたと言うことか?なぜ、たまきを知っている?俺は狂いそうな嫉妬心に襲われた。

「あの、お留守のようなので、またかけ直します」
そう言うと、ガチャっと電話は切れてしまった。

俺は、バスルームへ向かい、そのドアを開けた。瞬間、湯気と飛び散るシャワーのしぶきに襲われ同時に彼女が「キャ!」と悲鳴を上げた。
「たまき!!」
「ちょ…!いきなりなによ!」
濡れた肌で睨む彼女。
俺は「お前、澤井とどんな関係なんだ!」と問いただす。
彼女は、はぁ?という表情をして「ちょっと、とにかく出てってよ!」と、ドアを閉めようとする。
「いいから、ちょっと来い」
かなり強引に、彼女の腕を引っ張り、カラダを濡らしたまま抱え上げるとそのまま、リビングのソファーの上に押し倒した。

「何なのよ!」
「何なのじゃない!お前、澤井とどんな関係なんだ?」
彼女は強い視線で、俺を睨みつけながら、
「澤井?…ああ、澤井先生?…アメリカ時代の同僚よ、それが何?」と言う。
俺は華奢な彼女の肩を、強く押しつける。それと同時に、澤井が俺の知らない彼女を知っていることに怒りを覚える。
「…もういいでしょ、ちょっと、どいてよ!」
「なぜ、アイツから電話がかかってくるんだ!」
「電話?かかってきたの?」
「ああ、たまきさんは?ってな、なんでアイツが、お前のことを「たまき」なんて呼ぶんだよ!」
「し、知らないわよそんなの!」
「……」
「と、とにかく落ち着いてよ。あなたらしくないわ」
「なんで、アイツが番号知ってるんだ?」
「…数日違いで帰国することになってたから、食事でもって誘われてて…。でも、あなたとこうなってからは、そんなこと全然忘れてたわ」
「俺とあの時、再会しなきゃ、澤井と二人で飯喰いに行ったのか?」
「ただの元同僚でしょ!」と言うと、バチンっと彼女が俺の頬を平手打ちした。
「…ぃっ」
「冷静になりなさいよ!」
614名無しさん@ピンキー:2009/08/23(日) 00:33:56 ID:Z1joUark
進藤先生焦りすぎだお(´・ω・`)
もう可愛いなぁw
615名無しさん@ピンキー:2009/08/23(日) 01:02:51 ID:MUI2ei82
たまきたんへの愛を自覚した途端、気持ちが暴走しちゃってるんだね

すごい独占欲の強い人かもね
616名無しさん@ピンキー:2009/08/23(日) 03:43:42 ID:bCRsYqeU
文屋さんこちらこそありがとう!
自分も実は澤井と香坂先生は接点あり?とか妄想してた!めっちゃアリです!
嫉妬の炎メラメラで超Sな進藤先生読みたい!
お願いします!
617名無しさん@ピンキー:2009/08/23(日) 13:15:47 ID:Mws6mEml
これは神すぐるwwwww
618名無しさん@ピンキー:2009/08/23(日) 14:48:54 ID:UqL6HExg
常に冷静沈着な進藤先生が嫉妬に狂う姿をもっとみたい!
展開に期待!
619名無しさん@ピンキー:2009/08/23(日) 17:39:49 ID:3nR4gvqx
文屋さん、上手いなあ!さすが!
嫉妬の続きと、吉報が何なのか気になる!

続きが待ち遠しいよ〜!
620通りすがりの文屋:2009/08/24(月) 00:29:32 ID:CAFrrpQd
明日から監禁病棟24時(医療従事者じゃないが)になるんで、今日続き投下したかったんだけど自宅にいると相方の監視が怖くて無理ですた。
ゴメンちょっと時間くれ。
ってか、直接まとめに上げるのってルール違反?

自宅じゃ監視されててPC使えないし、職場は2ちゃんアク禁状態だし、創作意欲はあるのに環境が伴わないってつらすぎ…。
携帯でちまちま打ってると誤字脱字スゴイんで、これからは書き上げて校正してから投下しなきゃな…。

なんか良い方法考えてくる。
621名無しさん@ピンキー:2009/08/24(月) 01:27:30 ID:KOJKX8o4
文屋さん、状況厳しいのに投下ありがとうございます。
まとめに投下出来るのだったらまとめに投下してもらって、
それを有志がスレにコピペするのはどうですか?
他の住人さんたちの気持ち次第ですが、みんなで意見を出して話し合いながら、
弾力的に運用してもいいんじゃないかと思います。
ぶっちゃけ、続き読みたいですし。

622名無しさん@ピンキー:2009/08/24(月) 03:24:56 ID:kTByn2gz
>>621の考えに自分も同意します。
文屋さんお忙しい中ほんとにありがとうございます!
自分も続きが楽しみでなりませんw
623名無しさん@ピンキー:2009/08/24(月) 06:09:49 ID:XH35MqHt
>>620
携帯メールでちまちま打って、ちょこちょこ自宅パソコンへ送信
隙を見つけて、送ったのを組み上げて纏めて手直し。それから投下って方法はどうかな?
忙しい時に、自分はよくこのやり方で仕上げてるんだけど。
624名無しさん@ピンキー:2009/08/24(月) 12:04:56 ID:AOpFTG6W
創作の環境って人それぞれだよね。
PCで気兼ね無く送信できる人もいれば
携帯で更新で、大変な中書いてくれてる人もいる。
携帯長時間いじってたら、嫁とか彼女に怪しまれるのもわかる。
>>621に自分も賛成。
特に問題ないと思う。
まとめwikiのコピペくらいだったら協力するよ。
625通りすがりの文屋:2009/08/24(月) 14:17:05 ID:CAFrrpQd
ホントここの住人はいいひとばっかだね。ありがと。俺の駄作を楽しみにしてくれてる人がいるだけで、生きててよかったとおもうよ!
>>621>>622>>624
ちょっと自分でも考えたんだが、やっぱ直接まとめに投下するのはやめとく。
賛同してくれるひとばっかじゃないと思うし。職場でもブラウザを通しての投稿は俺が禁止してる手前ちょっと厳しいという問題もあるんだ。
今の環境だと正直、長編の創作はツライんでどっか個人的な置き場を作ろうと思ってる。鯖に直接、上げるのは仕事柄問題ないってか、むしろ好都合。証拠隠滅できるし、怪しまれる可能性も低い。
コピペしてこっちに投下してもらう手間は一緒なんで協力者が必要なのは変わらないが、どうだろう?
>>623
自宅のPCってのが鬼門なんだよね…共同で使ってるから。
当然、最終の確認をする際にはPC校正した方が効率がいいんだけど、現状だとそれをまたケータイ経由で投下と言う流れになる…。かなしい…。
626名無しさん@ピンキー:2009/08/24(月) 15:09:58 ID:K4tzukif
文屋さんが、好きな時に投稿して下さいね。生活してるんだから、色々あるだろうし、ここの事は気にせずにご自分のペースで素敵な作品書いて下さい^^
627名無しさん@ピンキー:2009/08/25(火) 01:03:20 ID:L0uG7DC4
自分はまとめでも、文屋さんのあげてくれた鯖のでも、
協力するんでぜひよろしくお願いします!

無理無い形で書いていって欲しい!
628名無しさん@ピンキー:2009/08/25(火) 21:44:36 ID:3L98KBaG
嫉妬いいね!自分も進藤の吉報が気になる…なんだろ?

文屋さん忙しいのにありがとう
自分も協力するよ〜
629通りすがりの文屋:2009/08/26(水) 00:27:00 ID:mZHUqOcc
協力者のみなさん、ありがとう。
いちおう、駄文置き場作った。
www.dan-d.jp/home/いーあーる24えいち/
いまのところ上げてもらう作品はないが、作業中のもの、完結してるやつ、ネタ帳は置いてある。
注意事項も書いてあるが、あまりこだわらないので、有志さん個々人におまかせした
いと思う。
続きかけなくてスマン。明日は少し書けそうだが、話のつながり的にリベンジを先にかくかもしれない…。ごめん。
自由人すぐるな、俺。ほんとに、なんか申し訳ない…。
630名無しさん@ピンキー:2009/08/26(水) 03:09:30 ID:DlyhLEi/
確認してきた!
ちょこちょこチェックして、投下されてたらスレにコピペします!
文屋さんの都合のいいときに更新してください。
楽しみに待ってます!
631名無しさん@ピンキー:2009/08/27(木) 01:28:36 ID:s6pRZ92S
文屋さんの続き、楽しみだ!
裸に正座で待ってる!
632通りすがりの文屋:2009/08/27(木) 08:49:56 ID:bc/s4z5A
昨日続きを駄文置場に置いて来た。完結してないが続きを読みたければどうぞ。
有志さん、コピペ投下お願い。
633嫉妬(代理投稿):2009/08/27(木) 10:16:14 ID:+fsnOiHd
「……」殴られてたじろぐ。
それでも、わけのわからない感情は心の中で大きくなっていた。
むしろそれは欲情に似ていて、俺は彼女の姿に見とれていた。

「どいて」冷ややかな言葉が、感情を逆撫でする。

一方で、彼女にひどいことをしているのだという思いがこみ上げてきた。
俺の独りよがりな感情は、少し力をなくしたように思えた。

視線を逸らされて、強く押さえつけた彼女の肩を開放してやった。
「…悪かった…、どうかしてたな…」
視線を合わせることのないまま、俺は彼女を抱きしめた。濡れた髪が冷たい。


その髪を撫でながら俺は考えていた。
彼女が言うように『澤井はただの元同僚』に過ぎないだろう。
万が一、澤井が彼女のことを好きで、それで誘ったのだとしても
こうなった俺達の関係を崩せるほど、アイツと彼女の仲が深いとも思えない。
彼女は間違いなく俺を選ぶ。
そんなことはわかりきったことで、俺が嫉妬心を燃やす理由なんてないはずだった。
なのに…、こんなことくだらないとわかっているのに…
抑え切れない感情がまた沸き上がりそうになる。

「…もう、いいでしょ」
抱きしめた腕の下から、彼女の声がする。
「…」
思考を止められて、すぐに返事ができないでいると
「いい加減、恥ずかしいんだけど…この状況…」と、彼女のささやきが零れた。

「…ああ、悪い。…風呂入り直すか?」
「…うん」
抱きしめた腕を解くと、そのまま抱え上げ、立ち上がった。
想像していた展開とは違ったのか彼女が小さく声をあげ、俺の肩に腕を回した。
「ちょ…、なに…?」
「俺も入る」

634嫉妬(代理投稿):2009/08/27(木) 10:17:17 ID:+fsnOiHd
そのまま、バスルームへ向かう。流れっぱなしのシャワーがしぶきをあげながら俺たちを迎える。
耳障りなそれを止めて、お湯の入っていないバスタブに彼女を放り込んだ。
「シャワーでいい」
そんな彼女の訴えは無視し、蛇口をひねる。
俺が服を脱いでいる間、彼女はひたひたと水位を上げていくバスタブの中で、身体を小さく丸めていた。
俺は彼女の背中側へ身体を滑り込ませた。

小さい背中を俺の胸に抱き寄せる。冷たく潤った肌が密着する。
「…悪かったな、たまき」
身体を強ばらせながら、不満そうな声で彼女は言う。
「私のこと、信用してないのね…」
「そうじゃない」
「じゃ…、嫉妬?」
「…かもな」
少し振り向いて、ふふっと微笑みをもらす。
それから「あなたも可愛いところあるのね」とつぶやいた。

「俺が可愛い?…心外だな…」そう言って俺も笑った。
クスクスと笑う彼女が愛おしくて、首筋に唇を這わせた。
「だめよ…」と言いながら抵抗はせずに、受け入れてくれる。

耳をあま噛みして舌を差し込むと、俺の腕に彼女の腕が絡んできた。
ゆっくりと耳への愛撫を続けながら、欲情なのか、嫉妬心なのかわからない感情がまた込み上げて燻り始めた熱は、さらに熱を持ち俺を困らせる。
冷静でいたいという反面、このまま感情に押し流されたいと思う気持ちが強くなる。
その感情に気づいたのか、彼女は弱く抵抗し始めた。
「…だめ」
抱きとめた俺の腕を引き離そうとする彼女。
「何がだめなんだ…」
耳元でささやく。ささやくとまた耳への愛撫を繰り返す。
「だから…、まだ、だめでしょ…」




635嫉妬(代理投稿):2009/08/27(木) 10:18:19 ID:+fsnOiHd
小さくつぶやきを洩らす彼女に、俺は肝心なことを伝え忘れていたことを思い出した。
あんなに心を躍らせて帰って来たのに…、まったく馬鹿な話だ。
苦笑いを奥歯でかみ砕き、彼女の頬に俺の頬をすり寄せる。
「もう…大丈夫だ」
「え?」
「今日、採血の結果が出た」
俺の腕に絡んだ、彼女の手に力が入る。
「…俺はキャリアじゃない」
「よかった…」
今にも泣きそうな声で囁かれた言葉。

本当だったら笑顔で喜び合えた報告も、澤井の電話で台無しにされ、こんなカタチでしか彼女に伝えられなかったのかと思うとまた、言葉にできない感情が込み上げる。

俺はできるだけ冷静に言葉を続けた。
「それを知らせる為に慌てて帰ってきたのに、馬鹿なことしたな」
「ホント、馬鹿ね。でも、よかった」
安堵した声音で、優しくささやく彼女。

俺はなんだか照れくさくなり、嘲弄するようなことを言ってみたくなった。
「そんなに俺に抱かれたかったのか?」
「…しらない」
そういうと彼女はまたクスクスと笑い始め、
「今日のあなたが、本当のあなたなのかもね」と言う。
「どこが?」
「感情に正直なところ」
「嫉妬に狂う俺は、嫌いか?」
「嬉しい反面、ちょっと迷惑かも…」
俺はそこで、ふっとため息をついた。

また、不毛な感情が俺を支配し始めて、今度は押さえることができそうにない。
「そうか…。でも今日は我慢してくれ」
「え?」
「俺しか知らない、たまきを見たい」
思いを通わせたのに、身体を重ねることを足止めされた2週間の禁欲で俺の身体は素直に反応していた。
喜びを分け合うようなセックスをしたいと思う反面、狂いそうな独占欲と嫉妬で彼女を俺だけのモノにしたい、俺しか知らない彼女を見たいと思う激しい感情が俺の中に生まれていた。
いつもは背中合わせにある二面性が、今夜は同時に顔を出す。
泰然自若なんて言葉は、今夜の俺は持ち合わせていないようだ。

すり寄せた頬を、引き離してバスタブの中で彼女の身体を俺の方へ抱き上げる。
浮力で容易に身体が浮く、向き合うカタチなって唇を塞ぐ。
やや強引なそれに、恥ずかしそうに身をよじる彼女だったが、塞がれた唇の端を舌でつつくと、ためらいもせずに受け入れてくれた。ゆっくりと角度を変えながら奥まで進入を許された俺のそれが、ねっとりと這い回るとお互いに吐息を零した。
俺の背中に彼女の腕が回されるのを感じながら、満足するまで彼女の唇の内側を犯す。

流れる水の音がうるさい…。
そっと、唇を外し流れ落ちる湯を止め、またキスに没頭した。

熱くなる身体は行為によるものか、湯船の中で温められた外的要因かなど考えている余裕はなかった。
なかったが、心臓が半端ないくらいに鳴るので後ろ髪を引かれる思いで唇を離した。

「…のぼせそうだな」
そう言うと、彼女の顔を覗き込んでみる。
俺と同じ症状だろう、はぁはぁと息をあげ紅潮している。
目が合うと「…殺す気?」とかわいげのないことを言う。

俺は彼女の脇腹に手を伸ばし、持ち上げバスタブのふちに腰掛けさせようとするが
「ちょ、やだ…恥ずかしい」と身をよじりながら抵抗された。
仕方ないので、抱き合うカタチで立ち上がって
「続きはどこでしたい?」と耳元でささやく。
「…ここはイヤ」と言うので、俺は今夜、最初で最後の妥協をした。
636嫉妬(代理投稿):2009/08/27(木) 10:19:09 ID:+fsnOiHd
ベッドルームでキスの続きをしているところで、また電話が鳴った。
頭の上で鳴る子機に手を伸ばそうとしたが、彼女が止めた。
「…ほっといていいわよ」
3コールして切れた電話の相手を推測すると、いたたまれない感情が俺を覆う。
澤井に違いない…。そんな、勝手な妄想が俺の暴走に拍車をかける。

俺は乱暴に舌を引き抜くと、そのまま耳の後ろ側へ舌を這わせ、鎖骨とそこを何度も往復した。
右手は、胸のふくらみを愛撫する。頂点の部分には触れるか触れないかの刺激だけを与える。
「…ぁ…ん」彼女の口から、短い喘ぎがこぼれ始める。
首筋を這う舌は、徐々に下へ移動しふくらみの先端へ、ねっとりと舌で包むように吸い上げてみる。
「…ぃあ、…っ」
彼女はビクンと身体を反応させて、両手で俺の頭を押さえつける。

同時に胸を弄んでいた手は彼女の中心を探した。
求めていた場所を見つけると、下辺からゆっくりと指を沿わせる。
膝を立てて綴じようとする右足を、大きく拡げさせ俺の左肩の上に抱え上げた。
「…い…いゃ、っぁ!進藤せんせ…。恥ずかしい…」
「恥ずかしいのがイイんだ。俺しか知らないお前を見せてくれ…」
そう、冷たく言い放つと、添えられた指を凹みへと挿した。
「やぁっ…」
まだ、充分に愛撫もしていないはずのそこは、すでに潤っていて、すんなりと指を飲み込む。
いやらしく音を立てるそこの中で動く指に合わせて彼女の声が漏れる。

637嫉妬(代理投稿):2009/08/27(木) 10:19:49 ID:+fsnOiHd
「俺の知らないお前は、どんな顔して他の男と飯を喰うんだ?」
脳内で変換されて出てきた言葉ではない。嫉妬という不毛な感情が生んだ言葉だった…
愛撫の手は止めず、そう聞いた俺に彼女は喘ぎとともに「…しらない」と答える。
しかし俺の不毛な感情はそんな答えじゃ満足しない。
「…澤井とは何度飯に行ったんだ?」
彼女は答えない。
「たまき、答えろ…」
俺は、指を引き抜くと、一気に突き上げるように、また深く挿した。
「いぁ…あっ!」
「ほら、言うんだ。言え!」
「…こんなのイヤ!」
そう言って、俺の腕を掴み、すがりつくように訴える。懇願した目が俺を見つめる。
その表情を見て、全身に高まりを感じた俺は、自分の中のサディスティックな部分を自覚した。

「だめだ!」
深くさし込まれた、指で奥をかき回すと、じゅわっと潤いを増すのがわかる。
「…ゃあぁっ。」
ある場所だけ、反応が違うことに気が付いてその部分だけ執拗に玩弄する。
「たまき、言うんだ」
「…あっ、ぁっ…も、もう許して…。しん…ど…せんせ…」
「何回だ?」
「…ぃあぁ。…やぁ、そん…なの、かっ…んが…られな…」
「そんなに気持ちいいのか?」
我ながら、かなり冷ややか声音で少しぞくっとした。
「ぁ…、そん…なことっ…いわないでっ…」
「感じてるんだろ?」
「…ちがっ…」
「違う?ここをこんなにしてか?」
「…ゃっ…」

思考能力の落ちていく彼女を見ているとたまらなくなる。理性を手放すのも、もう時間の問題だろう。俺は執拗な玩弄を続けながら、自分自身の欲望が限界に近い近いことを感じていた。

「お前は悪い子だな…、どんなお仕置きがイイんだ?」
当然、それに対する答えは今の彼女から出るはずもなく、ひたすら快感に理性を奪われまいと耐えている。

俺の腕を掴んでいる彼女の手をそっと外して、俺の欲望へと導く。
熱いモノが彼女の手に触れる。ビクッと跳ねる身体。
「…コレがイイのか?」
「……だ、だめっ…。」
「本当に?」
イヤイヤと首を振る彼女に、そっと口づけしてみる。
「たまき。…俺に抱かれたかったんじゃないのか?」
638名無しさん@ピンキー:2009/08/27(木) 10:21:16 ID:+fsnOiHd
上で立候補した有志ではないが、せっかく気がついたので投稿してみた。
次回はまた気が付いた人お願い!

文屋さん、すごすぎるよ・・・
続きもキタイ!!
639名無しさん@ピンキー:2009/08/27(木) 12:20:36 ID:AWOBQVVY
文屋さんありがとう〜!すっげぇドキドキする(*´Д`*)

続きも楽しみにしております
640名無しさん@ピンキー:2009/08/27(木) 19:52:03 ID:s6pRZ92S
文屋さん、代理投稿してくれた方、ありがとう!
すごいGJです!
なんか超感動!超うれしい!
641名無しさん@ピンキー:2009/08/27(木) 22:53:11 ID:LmP4HZ7H
代理投稿してくれた方どうもありがとう

文屋さん凄すぐるよ
S進藤萌え〜
思わず続きを妄想
「言えよ…愛してるのは俺だけだと…」とか、
言うまで、おあずけくらって涙流しながら、服従しちゃうたまきたんwエロス〜
642名無しさん@ピンキー:2009/08/28(金) 08:27:20 ID:TkOehYwY
文屋さんGJ!!


続きもリベンジも楽しみだし、リアルお医者さんごっこwなんてスバラシイ題材なんだっ!
643嫉妬(代理投稿):2009/08/28(金) 18:19:22 ID:z1BnY2Td
俺は指の動きを止め、いやらしい音をわざとたてながら引き抜いた。
「…ぁっ」
引き抜いた指を、彼女の目の前にさらす。
彼女はその光景を見たくないと言うように、固く目を閉じ身体をよじらせ、そばにあった枕に顔を埋める。
「たまき、お前のせいで俺の指、こんなになってるんだぞ」
「イヤ!」
プライドの高い彼女には少々酷なことだったかもしれない。それでも俺は止めなかった。
その先にある快楽を二人で迎えたかった。彼女が今まで付き合ってきたどんな男より、俺が彼女に女としての最高の悦びを教えたいと思った。それが今日でなくても良いはずなのに、もう俺の暴走は止まりそうもない。
「たまき、見ろよ」
「…こんなの…イヤ…」
「じゃ、どんなのがイイ?」
俺は強引に彼女の顎を掴み、俺の方へ向けさせる。
目を閉じたままの彼女に、触れるだけのキスをする。
「目を開け。俺を見ろ」
恐る恐る瞼を開き、濡れた目で俺を見つめる。
「どんなのがイイんだ?」
「…」
「言ってみろよ…、ん?…ほら、言うんだ。…言えよ、たまきっ」
俺の声は徐々に抑揚を持ち、感情的な命令として発される。
「…も、もっと普通に…してよ」
彼女は怯えたように視線を逸らしながら、泣きそうな表情をした。
「普通ってどんなだ?キスして、裸で抱き合って、男の自己満足で終わるセックスのことか?」
「…わかん…ない…」
俺はやさしく彼女の髪を撫でながら、耳を軽く噛む。その耳元でささやく。
「何も怖がらなくていい、落ちるのは俺も一緒なんだ、俺だけしか知らないお前を見せてくれ」
顔を上げると、まだ彼女は怯えた表情で俺を見ていた。
644嫉妬(代理投稿):2009/08/28(金) 18:19:48 ID:z1BnY2Td
「それとも、俺じゃ不満か?」
目を伏せて、頬を赤らめながら呟く。
「…そんなこと…」
問い詰めるつもりはなかったが、その先が聞きたかった。
「そんなこと?」
「ない…」
消えそうな声で囁かれたその返事が嬉しかった。
受け入れてもらえるとわかっていても、やっぱり言葉が欲しい。
それが、強引に引き出された言葉だったとしても、これが彼女の本心だ。
彼女は嫌なことは嫌だと言える、芯の強い女だということを知っているだけに俺は満足だった。
「じゃ、続けるぞ。…素直になればいい。ただそれだけだ」
彼女がギュッと俺の腕を掴んだ。
「こわいか?」
コクンと頷く。
俺は涙が零れそうになっている彼女の瞼にキスをして、優しく囁いた。
「たまき…。身体の反応を隠すことはない。好きなだけ鳴けばいいし、欲しいなら求めろ。嫌なら全力で嫌がれ。俺だって、お前が本気で嫌がるならそれ以上は求めない。お前がどんな醜態をさらそうが全力で受け止めてやるから大丈夫だ」
「…嫌いにならない?」
俺はふっとため息をついて、笑った。
「馬鹿言え、嫌いになる理由がないだろっ。それが愛し合う仲でできないのがおかしいんだ…」

645名無しさん@ピンキー:2009/08/28(金) 18:20:49 ID:z1BnY2Td
文屋さん、GJすぎ!!!
続きが気になって暇があると文屋さんの鯖のぞいてしまう・・・
646名無しさん@ピンキー:2009/08/28(金) 20:53:28 ID:T1mI0a84
やばいニヤけが止まらないww
文屋さんGJすぎる!!

そして即コピしてくれる有志一同もGJ
自分もタイミングが合えば・・と思ってるけど
皆の仕事が早くてありがたいw
647名無しさん@ピンキー:2009/08/29(土) 01:42:40 ID:ueTrv4Cy
あぁ、たまき可愛い!
進藤の嫉妬に駆られたSっぷりがまたツボ。
ホント最高!
文屋さん、ネ申だ!
自分もコピペすると言ったけど、また出遅れた。
代理投稿してくれた人、ありがとう!
648名無しさん@ピンキー:2009/08/29(土) 22:45:45 ID:oBmIonnG
文屋さん、サイコーーーーー!
続き、wktk!!
649代理投稿:2009/08/30(日) 01:52:51 ID:QgNAt06P
俺たちは、確かめ合うようなキスをした。
絡まり合う舌の感触がこれまで抱いていた少し気恥ずかしいような違和感を無くし、心地の良い自然な行為として感じられる。また少し彼女との距離が近くなった気がして嬉しかった。

唇を離して互いに微笑み合い、視線が絡む。彼女の濡れた髪を優しく指先で梳きながら、彼女にもう一度聞いてみた。
「俺じゃ不満か?」
今度は、視線を逸らすことなく
「あなたじゃなきゃ、だめ」と答え、俺の背中に腕を回した。

俺は微笑みを返しながら
「俺もだ…」と、彼女を強く抱きしめた。

俺は彼女の身体のひとつひとつを手に、唇に、舌に覚え込ませるような愛撫をし、時折零れる彼女の熱っぽい喘ぎを聞きながら、深い喜悦に溺れそうだった。

すっかり理性を手放してしまった彼女を少し残念に思いながら、俺は途切れそうになる理性を必死で手放すまいと堪えていた。
堪えていたが、彼女の乱れようを見ていると、限界をとっくに超えていた俺の欲望は、挿したいと願うばかりで、甘い時間を存分に楽しむ余裕などまったく残っていなかった。

彼女の足を胸元まで抱え上げ、「たまき」と声をかける。
はぁはぁと息を洩らしながら、ゆっくりと瞼を開き定まらない視線で俺を捜す。
紅潮した彼女の頬を優しく手のひらで包む。視線が合う。照れくさそうな表情が愛おしい。
「…欲しいか?」
手放してしまった理性を取り戻すのに時間がかかるのか、その言葉の意味を理解するまで彼女は俺の目をじっと見つめていた。その顔を見ていると、そのまま了解を得ず突き上げたくなる。
「…そんなこと…言わなくても…」
すっと視線を外し、恥ずかし気にそう呟くとまた瞼を綴じた。
「たまき…、言って欲しいんだ…」
思考回路が徐々に崩壊していく様を見せつけられて、ますます焦る俺を彼女は見つめ返すとしばらく、間をおいて隠微なささやきで答えをくれた。
「……欲し…い」
その絞り出されるようなつぶやきに、俺は全身が身震いするような興奮と悦びを感じた。
「…よく言えたな、たまき」
触れるだけのキスをして、俺は俺の欲望を彼女の中心をなぞりながら導かれるままに、ゆっくりと挿した。
「…ぃっ…あぁ…っ!」
狭い内壁が、熱い粘膜が俺を覆う。すぐに果ててしまいそうな締まりで、奥への進行を妨げられる。
「…ぅ、狭いな…。…たまき…力を抜け」
「…わかっ…ん…ない…」
「…まいったな…」
その時の俺には、彼女のそれを解きほぐしてやるだけの余裕があるはずもなく、ひたすら突き上げたい衝動を抑えるしかなかった。
俺は欲望の埋め込まれた上辺にある彼女の突起に自分の唾液で濡らした親指の腹を強めさすりつける。内から感じる悦楽とはちがうそれに彼女の身体が反応するのを確かめながら、強引に奥まで挿した。
「たまきっ…」
「…あぁ…んっ!」
彼女の口からは悲鳴のような喘ぎがこぼれ、俺は欲望の赴くまま、突き立てる。
激しく貪り、かき回されるそれに彼女は懇願した声で俺を呼んだ。
「…しっ、しん…どうせん…せぃ…、そんな…に、した…ら壊れ…ちゃ…うっ!」
そんな可愛い懇願にも俺は余裕を見せることができなかった。
「…だめだ、たまき…。悪いが澤井を恨め…」
さらにピッチを上げ、攻め上げる。
俺の動きと共に絞り出される彼女の喘ぎを聞きながら俺も理性を手放した。

果てる寸前に、我に返ると、俺の汗がポタポタと彼女の胸に落ちるの見た。
650代理投稿:2009/08/30(日) 01:54:11 ID:QgNAt06P
「たまき…大丈夫か…?」とささやいた。
俺はなんとか彼女から言質を取りたくて何度も声をかけたが、その後はもう甘い喘ぎだけしか聞けなかった。
そんな彼女を見て、俺は征服感に満たされた。そして、我ながら恐ろしい男だと思った。
彼女が俺との行為に溺れる度に、彼女が感じるその悦楽にまで嫉妬してしまいそうでたまらなかった。

「たまき、イクぞ…」
最後に息を詰めた瞬間、全身が小さく痙攣した。同時に彼女も俺の痙攣に同調したように思えた。
力が抜ける。そのまま彼女に身体を預けるように倒れ込み、途切れる呼吸の合間に彼女にキスをした。

そして俺は、愛してるの言葉も交わさずに意識を飛ばした彼女を見て反省していた。

行為の後のけだるさで、優しく髪を撫でるくらいしかできずにいる自分を情けなく思いながら、彼女に見惚れていた。
「たまき、愛してる」
耳元でささやいてみる。
規則正しく上下していた彼女の胸が、すーっと息を吐いて俺の方へ身体を寄せてくる。細い腕が俺の身体を探す。そのまま抱き寄せると「わたしも、愛してる」とささやきが返ってきた。

「悪かったな、辛かったか?」
「…大丈夫…嬉しかった」
そう言うと、俺の唇にチュっと触れるだけのキスをして、照れくさそうにまたキスをねだってきた。
舌先だけが絡むキスをする。それだけで痺れるような感覚が俺を襲う。
さすがに今夜はもう無理だな…と諦めて、唇を離すと微笑みが返ってきた。

「死んじゃうかと思ったわ」
「…悪かったって言っただろ」
俺は苦笑しながら、彼女の額にキスをした。
「素直にごめんって言えないのね」
ふふっと笑いながら彼女が言う。
「死にそうになっても大丈夫だ。俺が助けてやる」
「ばかっ」
二人で笑い合う。そんな幸せな時間がゆっくりと流れた。


次の日、俺は電話の音で目が覚めた。
トゥルルルル…トゥルルルル…トゥルルルル…
先に起きていたのか、猛烈に不機嫌な声で彼女が電話を取った。
「はい、香坂です…」
少し沈黙した後に、寝起きとは思えない調子で電話の向こうの相手にまくし立てる彼女の反応を見て俺は電話の相手が、澤井であることを悟った。
「…ちょっと、あなたのせいでさんざんな目にあったのよ、もう連絡はしてこな…」
彼女が全部言い終わる前に、俺は電話を取り上げてこう言ってやった。
「…たまきは、俺の妻になる女だ。そういうわけだから、もう連絡してくんな」
そのまま、電話を放り投げて彼女に「おはよ」とキスをした。
彼女は何がおきたかわからない様子で、怪訝な表情で俺を見つめていた。
「なんだ?おはようのキスが気にくわなかったか?」
「…そうじゃなくて…さっき、澤井先生になんて言ったの?」
「さぁな」
「ね、進藤先生、なんて…?」
「お前、その進藤先生ってのいい加減やめろよ。俺は澤井と同等か?」
「…あ、ごめんなさい…、っていうかまた、嫉妬…?」と、笑われた。

その日からしばらく俺は彼女から『あの時なんて言ったの』と問い詰められたのは言うまでもない。
澤井は澤井で、俺があの無礼な電話相手だとは、まだ気が付いていないようだ。

END
651名無しさん@ピンキー:2009/08/30(日) 02:07:46 ID:QgNAt06P
やっと協力できるとwktkし過ぎた。。。。
タイトル抜けてる。
あぅ。。。。逝ってくる。
652通りすがりの文屋:2009/08/30(日) 02:20:30 ID:z9Yloh0k
>>651 チョッパヤな対応で俺は感激している!
ちょっと焦りすぎたようだが逝かなくていいから、またよろしく頼む!
ありがとな!!

と、いうわけで即興で書き始めた『嫉妬』もこれで終わり。
意外に長編になってしまったが、なんとか俺の進藤せんせーと、たまきたんを成就させることができたんで満足してる。

協力してくれた有志のみんな、つまんない駄文を読んでくれたみんなありがとう。
感謝してるよ!!
653名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 08:44:36 ID:D4TM/7bf
即興にしてはレベル高すぎてワロスww
またよろしくな文屋さん!!
ただ無理はしないように!!
654名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 12:12:12 ID:lBvBcmjs
うわぁ!キター(^о^)

文屋さん、アナタは最高で天才です!!

超ファンです!!

これからも応援してます!!
655名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 14:37:29 ID:JqJ+8du9
たまきが自意識やプライドから解放されて、
すべてを進藤先生にゆだねることができて良かったー。
たまき、可愛い!
でも、進藤先生がほんの少し残念に思う気持ちもわかる。
文屋さんの作品、ホントに惹き付けられるよ。
ありがとう!
656名無しさん@ピンキー:2009/08/30(日) 23:39:53 ID:JlyYtScW
文屋さん、すご杉。
大ファンです。
657名無しさん@ピンキー:2009/08/31(月) 14:15:42 ID:foqGDr0h
ハァハァ
658名無しさん@ピンキー:2009/09/01(火) 00:38:17 ID:yWM68M+R
スゲーGJ!
S進藤いいね。
リアルお医者さんごっこ、期待!
前スレにあった医療関係っぽい作者さんの作品、結構好きだったし。
恥ずかしそうに診察されるたまき。。。。
萌える!
ゆっくりでいいんでw
また期待してる!
659名無しさん@ピンキー:2009/09/01(火) 14:53:58 ID:qX1WwEsR
やっぱ文屋さんサイコー!有志のみんなにも感謝!

やっぱS進藤いいよな〜
660名無しさん@ピンキー:2009/09/01(火) 22:56:55 ID:a7VC3nHP
ピーマン嫌いな進藤先生www
たまきたんにそっとピーマン入れた食事出されて無理矢理食わされてたらいいwww
食べ残したら怒られるのもアリw
661名無しさん@ピンキー:2009/09/01(火) 23:31:03 ID:JeBU4gRO
>>660
進藤かわええw
たまきたんによく食べたね!って褒められたい(*´Д`)
んで頭なでなでイイコイイコしてほしい(´Д`*)
662名無しさん@ピンキー:2009/09/01(火) 23:36:14 ID:laJ9uTUB
やっぱりここの住人の思うところは同じだww>たまきたんにそっとピーマン入ry
「ほぉら文句言わないで食べなさい。
ちいさな子どもじゃあるまいし」とか言われながら

小島の「もぐもぐごっくん」も相当うけた
たまきたんに言わせたい…w
663名無しさん@ピンキー:2009/09/01(火) 23:42:51 ID:6Icaszv0
ドラマでは小島といい仲になるんだろうか・・・
664名無しさん@ピンキー:2009/09/02(水) 00:06:24 ID:78PHv1Re
ここはエロくなくても構わないのか?
ピーマンネタでギャグ路線でもかまわないのか…?
665通りすがりの文屋:2009/09/02(水) 00:12:26 ID:7136khyb
やべ、コテもサゲ忘れた。
666名無しさん@ピンキー:2009/09/02(水) 00:54:46 ID:1agrX8Y9
ピーマンネタ面白そう。
たまに毛色の違う話もいいと思うよ!
ほんと本編では小島とくっつくのかな。。。
松嶋が復帰作品に選んで自分からやりたがったみたいだけど、
制作側ってスポンサーとかそういうのしかみてないよね。
自分のまわり、小島よりたまきに復帰してほしかった人ばかりだ。
このスレは心のオアシスだよ。
667ピーマンの怨みは怖い:2009/09/02(水) 03:11:24 ID:7136khyb
「はい、これ」そう手渡された四角い箱。
「なんだ?」
「お弁当」
「弁当…?」
若干悩んだが笑顔で俺を見つめる彼女を見ていると無下に突っ返すことはできずに、そのままサンキュとキスをして玄関を出てきてしまった。おかげで、その日、俺は大変な辱めを受けることになるというのに…。その時はまったく気がついていなかった。

一段落して、医局でデスクワークをしていると、花輪が「みなさんそろそろ食べときますか?」と一言放った。…ヤバイ…俺はその時まで完全に弁当の存在を忘れていた。一体どんな顔して食えばいいんだ…。
「進藤先生、何にします?」
俺に向けられた、花輪の問いに冷や汗が出る。
「いや、今日は…」
「…食べないんですか?ダメですよ、救命は体力勝負なんですから」
その時だった、ひょいっと脇のデスクから顔を出した小島が、四角いアレを見付けてしまった。
「…あれ、進藤先生…もしかして、それお弁当ですか…?」
「いや…」
小島…余計なことを…。医局内がざわめく。…マズイ…。
「え!進藤先生が弁当?マジ?」丹原が駆け寄る。ウザイ…。
もう開き直るしかなかった。
「ええ、まあ…」
「そーなんだー、進藤先生って結婚してたんですね」野口がニヤついた顔で近寄って来る。
「いや、結婚は…」
「あれ?ってことは…彼女ぉ?」
野口め、いやらしい顔しやがって…。
「…まぁ、そんなところですかね…」無理に笑顔を作る。逃げ出したい…。ホットライン鳴らねぇかな…。

「見せて下さいよ、愛妻弁当!!」丹原の興味津々な笑顔が憎い。
「いや、それは…」
「まあ、良いじゃないですか、ねっ!」そう万遍の笑顔で小島が言う。言ったかと思えばひゅっと手を伸ばして四角いソレを掴んだ。
「こ、小島!」あいつ、この間のピーマンの件から隙あらば、なんだかんだと突っ込んできやがる。なんなんだ…。
「ジャジャーン」机の向こうで小島のなんとも嬉しそうな声が聞こえる。
俺は頭を抱えた。
一瞬どよめき、失笑が漏れる。
たまき…、お前いったいどんな弁当作ったんだよ…。まさか…ハートとかじゃないだろうな…。
花輪が怪訝な顔をして「進藤先生、彼女とケンカでもしたの?」と言う。
予想を大きく外した、意外な問いに俺は間抜けな声を出す。「はぁ?」
「これ、ピーマン入ってるよ」ニヤっと笑う花輪。
嘘だろっ…マジかよ…
「愛されてるぅ!」丹原マジ、ウザイ…。
その時、医局の扉が開いた。
「あら、みなさん楽しそう。何かあったんですか?」山城だ。小島が嬉しそうに彼女に声をかける。
「山城さん、これ見て、進藤先生の彼女の手づくり弁当」
「進藤先生の…?あら、おいしそっ」
「でもねぇ、彼女とケンカしちゃったみたいなんだよね」花輪の楽しそうな声。
「どうして?」
「進藤先生ピーマン嫌いなのに…」とさらに嬉しそうに小島。
「入っちゃってるもんね」ともっと楽しげに野口が続いた。
「これは食べなきゃダメでしょ」と丹原が最後のダメ押し。もう勘弁してくれ…
「…このピーマンの肉詰め…、縫合されてる…」
山城のつぶやきが聞こえた…。
「え?」一同絶句。
…たまき…、お前ってやつは…
「…進藤先生の彼女って同業者なんですか?」小島が笑いをこらえながらそう聞いて来た。明らかにからかっているのがわかる…。…最悪だ…。
−−−−−−−−−−−−−−
ヤバイ深夜のタクシーはすぐ目的地につくな…。てなわけで、またしても途中で投下。
668名無しさん@ピンキー:2009/09/02(水) 03:13:00 ID:1qNkitmt
自分はエロなし全然ありです!むしろ大賛成です!
進藤先生とたまきたんが一緒に生活してる設定だけでご飯がススム。
『たまきが〜してくれたら(ピーマン)食べる。』って無茶な要求する進藤先生を想像した
〜はお好みで
ピーマン食べてたまきたんにいい子いい子されるのもいいな
ひざ枕もアリ
669名無しさん@ピンキー:2009/09/02(水) 03:21:04 ID:1qNkitmt
なんというタイミングw

文屋さん仕事が早過ぎるw
GJです!
いじられてる進藤先生可愛いw
情景が容易に想像出来てしまいますww
670名無しさん@ピンキー:2009/09/02(水) 05:25:27 ID:ckJpK1OF
ツヅキが気になって仕方がない!


仕事に手がつくだろうか…
671名無しさん@ピンキー:2009/09/02(水) 11:14:08 ID:qRRLNRG+
お仕事頑張って
672名無しさん@ピンキー:2009/09/02(水) 14:22:14 ID:am6Nq2mO
文屋さん、サイコーすぎ!
673名無しさん@ピンキー:2009/09/02(水) 18:56:51 ID:OZQLSIMa
縫合されたピーマンの肉詰めとかww
674名無しさん@ピンキー:2009/09/02(水) 20:26:32 ID:1agrX8Y9
エロ無くてもGJ!
縫合された肉詰めピーマンw超受けたw
医局の雰囲気出てるし、あー楽しい!
続き楽しみにしてるよー!
675ピーマン怖い:2009/09/03(木) 01:04:41 ID:GAW3PKZj
「いやぁ、この縫合の素晴らしさは外科医で間違いないですよ。小島先生」
野口のツッコミがさらに状況を悪化させている気がする…。
「ホントだ、まるでバチスタ手術ですね」
花輪の鋭い洞察力が恐い…。ニヤニヤしながら、携帯で写真を撮る。
ピーマンと俺に向けられる、興味津々な視線が痛い…。
「で、ひょっとして心臓外科医ですか?進藤先生??」
…ドキッ。別に隠す事じゃない。ないが、なんだかしばらくネタにされそうで嫌だ。
「ね?進藤先生の彼女って何科医なんです?」いかにもそう言う話題が好きそうな丹原がしつこい…。
もう、完全に針の筵だった。
「私も知りた〜い」くそっ!小島っ!!黙ってろ!
「私も…」山城まで…っ。
畜生!ホットライン鳴れよ!!
「…外科医ですよ…」俺はふーっと大きなため息をつきながらそう答えた。
「やっぱり!外科医!ですよね〜〜。で、専門は?」嬉しそうな野口。かなり、ムカつく!!
「…心臓……」
「おお!当たり!スゲー、花輪先生!!」丹原の口を縫合してやりたい…。俺はマジでそう思った。
「なんかエロいですよね〜。心臓外科医の彼女〜〜」と野口。細い目をもっと細くして喜んでやがる…!
「エロい〜〜、エロい!!」同調する男ども。まぁ、たまきがエロいのは事実だけどな…。

「…いやらしい…」小島の一言で、静まりかえる医局内。

山城がツカツカ寄ってきて、俺にカルテを渡し
「じゃ、私はこれで…」と、意味深な笑顔で去ろうとした。
そして何かを思い出したように、もう一度振り向き、俺の耳元で「ひょっとして…香坂先生?」と耳打ちした。
一瞬固まった。何も言えなかった。否定も肯定もできなかった。
当然、その俺を見て山城は悟っただろう。
ピーマンの肉詰めをバチスタ手術した『俺の彼女』が『香坂先生』であることを…。

山城は、ふふっと微笑んで「あんまり、進藤先生をいじめちゃだめですよ」と、言い残し医局を後にした。
さっきの俺たちの光景を見ていた丹原が「…あれ、山城さん、進藤先生の彼女知ってるの?」と、
山城の後を追っていくのが見えた。俺はめまいがした…。
絶対変な噂が立つ…。丹原は男のくせに口が軽い。その上俺の弱点を掴んで喜んでる…。
しかも、ピーマンの肉詰めをバチスタ手術した女が彼女だぞ…。何言われるかわかったもんじゃない…。
このネタでしばらく、いじられるのは間違いない…。
ピーマンの次はこれかよ…最悪だ…。いやっ、これもピーマン絡みじゃないかっ!

小島がニタっと笑う。
「進藤先生、今日はピーマン食べてもらいますよっ」
…ピーマン…その怨みは、最高に恐ろしい…。

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いんや、このネタ永遠に続けられそうな気がするな。
とりあえず、これで終わるね。今日は電車帰宅なもんで…ゆっくり脳みそ使えない。
今後も帰宅時に気が向いたら続き投下するわ。あ〜進藤せんせー虐めるのおもしれ〜。寝過ごし防止にちょうど良い!
676名無しさん@ピンキー:2009/09/03(木) 01:27:47 ID:nKz8qULA
やった!続き来た!
何回もスレ覗いた甲斐あったよ。
たまきたんのこと公認カプになるかな?
スレでの進たまの展開がテレビより楽しみだ。
いつもありがとー!
677名無しさん@ピンキー:2009/09/03(木) 14:42:23 ID:pPee7SHm
なんだこのss
自分を食堂のど真ん中で萌え転がす気か?
Gj!
678名無しさん@ピンキー:2009/09/03(木) 18:18:19 ID:oN9zhQxT
進藤虐められるのいい!

江口自身がドMらしいし、松雪も女王っぽいから、
逆だと違和感あったんだよね…
679名無しさん@ピンキー:2009/09/03(木) 23:50:51 ID:4qH+sb1g
>>678
江口洋介ドMなの?笑
680名無しさん@ピンキー:2009/09/04(金) 00:16:23 ID:Pc7E739T
678さんじゃないけど、そっちの方々の間では有名みたい。
でも、「救命の進藤先生」が好きだから、役者のプライベートは関係ないな。
救命の進藤先生はS進藤8割、たまきに反撃されていじめられちゃうのが2割がいいな。
681今日は寝袋で寝るよ@文屋:2009/09/04(金) 18:07:19 ID:55aJFL1k
進藤せんせーは好きな女の前ではサディストにもマゾヒストにもなれると思う…。
どっちも書きたい!
682名無しさん@ピンキー:2009/09/04(金) 23:26:07 ID:Vv+808XG
文屋さんの大ファンです。

待ってます。
683名無しさん@ピンキー:2009/09/05(土) 00:30:29 ID:qYD0q2oJ
両方読みたいw
684名無しさん@ピンキー:2009/09/05(土) 13:47:19 ID:SYYO0OHL
文屋さんの作品もすきだが
他の方の作品も待ってる
685〜revenge〜1部×× 進藤×香坂(代理投稿):2009/09/05(土) 14:21:58 ID:UF+dVk8t
「愛してる…」
そう呟いて、そのまま小さな寝息を立てる彼の腕の中で、再会したあの日のことを思い出していた。
あの時はまだ、こんな関係に収まるなんて想像もしていなかったけど、そうなってしまってからはそれが当たり前で至極自然な今の関係を少し恐いと思う時がある…。
そんな時はいつも、あの日の彼の言葉を思い出す…。



成田へ降り立つ飛行機の中で懐かしい風景を眺め、やっと研究の拠点を日本に移せることに安堵しながら、どこか満たされない気持ちを感じていた。
医者としての地位も名声も手に入れた。その実績や経験は充分に私の新しい生活を満たしてくれるはずなのに…。

…たぶん、あの人のせいね…。

シカゴ行き、背中を押してくれたのが彼じゃなかったらこんな思いもしなかったかも…。
そんな恨みがましいことまで考えている自分に気が付いて、少し笑った。

もう忘れなきゃ…。
そう思う度に、忘れられない人の影を背負って生きている自分に嫌気がさす。

シカゴで出会いがなかったわけではない、「たまきは恋に臆病だね」なんて、青い目をした年下の男に言われてもドキッともしなかったんだから、女として終わっちゃってるのかもしれない。
「仕事が恋人」とは言ってみても結局は言い訳で30も後半にさしかかって、いい人がいないって現実はちょっと寂しい。

日本に帰ればまた会える…そう思っていたのは、もう遠い昔で2度目のシカゴ行きの直後に、彼は港北医大から姿を消した。そのまま消息はわからなかった。
人づてに海外へ行ったと聞いた時は、まさか私の所へ?なんて、バカな妄想もしてみたけど、結局7年もの間、彼が何処で何をしているのか知る術がなかった。

『縁がなかった』と言ってしまえばそれで終わりだけど、何時か何処かで会えるかもしれないという期待が心の隅にいつもあった。
何よりも彼が背中を押してくれたから今の私がいる。
その成果を彼に見て欲しかったし、彼にはそれを見届ける責任があると思っていた。
私の人生を変えた男として「よくやった」って一言でも良いから言って欲しい。彼にはそれを言わなきゃいけない義務があると今でも思っている。

長い時間だけが過ぎたのに、心の中ではまだ彼を思っている…。
こうやって、会いたい理由を彼のお節介のせいにして何時までも彼を思っている。
恋なのかな…、そんなことわかり切ってるのに何度も自分に問いかけて空しくなる。

着陸する飛行機の振動で、頭によぎった思いをかき消す。
小さなため息をついて窓の外を見ていた。

686〜revenge〜1部×× 進藤×香坂(代理投稿):2009/09/05(土) 14:22:44 ID:UF+dVk8t
悪天候のせいで5時間遅れで着いた空港の到着ロビー。
ごった返す人波を縫いながら、スーツケースを転がしタクシー乗り場へ向かって歩いていた。

飛行機が遅れたせいで今夜はベッドさえ確保できないかも…、そう思うと誰もいない新居へ帰るのが空しくなった。
もうホテルにでも泊まっちゃおうかな…。
そんなことを考えていると、目の端に懐かしいシルエットを見た気がした。
またバカな幻想だと思ったけど、確認せずにはいられなかった。

立ち止まって視線を動かす。
サングラス姿のすらっとした長身の男…。

似てる…だけよね…。

そう思って、視線を戻した瞬間「香坂」と懐かしい声に呼ばれた気がした。
もう一度、視線を動かす。
「進藤先生?」
つぶやきが洩れる。

サングラス越しに男の視線を感じる。やっぱり彼だ…。
「進藤先生」
無意識に彼の名前を呼んでいた。
幻想では無いことを確認したかったのかもしれない…。その確認はすぐに取れた。
彼も私の名前を呼んだから「香坂」と…。

駆け寄って抱きつきたい衝動を押さえながら、彼の方へ歩みを進めた。彼も同じように私の方へ近づいてくる。あんなに会いたいと願った人なのに、心臓の鼓動が不安を掻き立てる。
どんどん距離は縮まり抱きしめられてもおかしくないギリギリの境界線でお互い立ち止まる。

「やっぱり、あなただったのね」
懐かしい無表情がサングラスを外しながら「ああ」とだけ答えた。
視線が直に合うのが恐かった。変わらない声音も不安を増幅させる。
「懐かしいわ。こんなところで会うなんて偶然ね」
そう言うと、私は視線を外して髪をかき上げながら次の言葉を考えていた…何を話せばいい…?

「元気そうだな、シカゴからの帰りか?」
少し微笑んで私を見ている彼と目が合う。

「ええ、あなたは?」
本当はもっと話したいことがあった。それなりに実績を残して来たこととか…、もうずっと日本にいることとか…でも、見つめられたままでは、聞かれたことに返事をするのが精一杯だった。

「俺はアフリカからだ。お前がシカゴへ立った後、国際人道支援医師団に誘われてな」
その答えに少しドキッとした。そんな危険な所に行っていたんだという事実が恐かった。そして今こうやって再会できた奇跡にただならぬ運命を感じていた。もう目が離せなくなってた…。
小さな微笑みを作って「あなたらしいわね」と、つぶやくことすら恐かった。『また、行っちゃうの?』という言葉が口をついて出そうで、ただ見つめるだけしかできないでいた。
687〜revenge〜1部×× 進藤×香坂(代理投稿):2009/09/05(土) 14:23:11 ID:UF+dVk8t
すっと視線を逸らされ、はっとした。

「…真っ黒に日焼けしてて、一瞬あなただとは気が付かなかったわ」
何か言わなきゃ…、そう思って出た言葉は運命的な出会いには似つかわしくないもので、私はそのまま腕時計へ視線を落とした。

「待たせてる人がいるんだろ?早く行った方が良い」
そんな彼らしい反応に、変わってないのね…と安堵した。
あえて私は『あなたはどうなの?』と聞き返すことはなかった。
大切な人がいればこの人はアフリカなんかに行くわけがない。私は彼がそんな男だと知っていた。
そして、まだチャンスはあるかも?なんて淡い期待を描く自分に笑いながら、彼の目を見て
「いないわよ、そんな人…。」と答えた。
答えた後に自分の勝手な妄想が恥ずかしくなって視線を逸らした。

視線を逸らした先にあったのは、赤い空だった。もう夕方か…
「飛行機が5時間も遅れちゃって、予定が狂ったわ」
不意に出た言葉だった。

隣に視線を移すと彼も同じ空を見ていた。
「横浜まで帰るのか?」
そう聞かれて答えに困った。

もう少し、あなたといたい…。それが言えたらどんなに楽だろう…。

また、時計を見るふりをして「…そうね」とだけ答える。

やっぱり、あなたともう少しだけいたい…。

そんな気持ちが大きくなって、小さなつぶやきがこぼれてしまった。
「あなたは、これからどうするの?」と。
彼は少し困ったような表情で、何かを考えているようだった。
「実はまだ、住む家が決まってないんだ」
そう照れくさそうに話して「今日は近場のホテルを探そうと思ってる」と笑った。

彼の言った言葉の意味を考えていた。
『家が決まってない』ってことはしばらくは日本にいるってことよね?
そう思うと、次に会う約束を取り付けなくちゃ…と、必死に言葉を探していた。
探していた言葉が見つかる前に、彼がこう言った。

「時間があるなら、飯でもどうだ?」

ドキッと心臓が鳴る。なんて言えばいい…?

無意識にまた時計を見て、今度はきちんと時間を確認できた。18:49…。
何にもない新居になんか帰っても空しい時間だけが流れるのはわかってる…
それなら…
「この時間じゃ、今日はもう何もできないわ。荷物も整理できなかったし…一晩付き合って…よ」
覚悟の上で、言ったことだったが言い終わる前に後悔していた。残酷な返事が返ってくるかもしれないという不安でたまらなくなる。
688〜revenge〜1部×× 進藤×香坂(代理投稿):2009/09/05(土) 14:23:34 ID:UF+dVk8t
ふふっと彼が笑う気配がした。
「香坂…」
呼ばれて顔を上げる。

苦笑いで彼はこう続けた「…俺だって男なんだぞ」と。
そんなことはわかってる、だから返事がこわかった…。視線を逸らす…。
「そ、そんな意味で言ったんじゃ…」
そう言いかけて、彼の言葉が遮った。
「よし、まずは寝床の確保からだ。…どうする?」
「え?」…どういう意味…??
「俺ひとりだと、カプセルでいいんだが…、お前はそういうわけにはいかないだろ?」
そこには懐かしい微笑みがあった。またドキっと心臓が鳴る。聞こえそうでこわい…。
私はうなずいた…。

彼が『インフォメーション』の方へ顎をしゃくるのが見えた。
そのまま無言で歩き出す彼の横に並んで歩き出す。そっと横顔を盗み見た。そこには、ずっと好きだった男がいる…。それなのに遠い存在な気がして、ゆっくり目をそらした。

近隣のホテルの空き状況を検索してもらうと、彼が「どこにするんだ?」と聞いた。
任せる…。と言いたいところだったけど「日航」を指で指した。
それから「サンセットラウンジでデートね」と、付け加えると、また、心臓が鳴る。

彼は苦笑して「おまえ、人道支援医師の給料を知ってるのか?」と言った。
「デートは居酒屋で十分だろ…」と、今度は口の端を持ち上げて笑った。

手早くシングルを2部屋予約してくれて、付け加えるようにサンセットラウンジのディナーを予約する。その光景をみていると、この男はどこまで完璧なんだろうと思う。

そう思うと、なんだか可笑しくなって私は小声で笑った。
それに気が付いた彼が「なんだ?」って表情で私を見ている。
「あなたのおごりでしょうね?」
表情が緩む、たぶん私はいたずらっぽく微笑んでいるのだろう。
彼は照れた微笑みで「もちろんだ」と、うなずいた。


タクシー乗り場へ向かおうと、並んで歩き始めると、彼が私のスーツケースに視線を落とすのがわかった。何も言わずに手渡すと、指先が触れあった…。ドキッと心臓が鳴る。今日、何回目だろう…。
「…あなたがデートに誘ったんだから、当然でしょ」
彼は微笑むと、あきれたような感じで「おまえが誘ったんだろ…」と呟いた。
「相変わらず、扱いづらい女だな」
そんな皮肉を言いながら彼は笑っていた。懐かしい笑顔だった。
「うるさい」
私は、わざとすました声で答えた。
彼はまた、笑う。この人はこんなに表情を変える人だったかな…?と遠い記憶を引き出そうとしてやめた。

あの頃に戻れた気がして、感情を抑え込むのが辛い。

好き…。

今そう言ったら受け止めてくれるんじゃないか…。
そんな気持ちになって、もう、何も言えなかった。
689名無しさん@ピンキー:2009/09/05(土) 14:24:36 ID:UF+dVk8t
第1部「再会」を文屋さんの代理で投稿しました!

文屋さん、たまき視線が切なくてイイ!!
次も楽しみ!
690今日はまったり徹夜@文屋:2009/09/05(土) 14:25:29 ID:bCBD2Hbv
俺はもうキャパ超えちゃってるし、書きたくてもそういう深いプレイは、それなりに知識ないと書けないとおも…。

とりあえず、たまきたんにしばかれる進藤せんせーが読みたい!
誰かお願いします!
691有志さんありがとう@文屋:2009/09/05(土) 14:30:25 ID:bCBD2Hbv
ありがとうを言う前に、投稿しちまった。

有志さん、ありがとう!いつも早いな!!
感謝!!
またお願いします!!!
692名無しさん@ピンキー:2009/09/05(土) 15:11:36 ID:qYD0q2oJ
たまきサイドもいいね〜!ドキドキするw
なんか切ないね。
文屋さんもあげてくれた人もありがとう!

女王様のたまきたんw誰か書いて欲しいね。
クールビューティーだから似合いそう!
693名無しさん@ピンキー:2009/09/05(土) 15:13:10 ID:5nVWdNlY
最近、ここが楽しい

私的進藤論は
基本は優しい人
厳しいのは、相手に自分で立つ強さをつけさせるため
手を差し出すのは簡単で、目に見えた優しさだけど
いつか、手を離さなくてはならない
だから、自分で立つ手助けはする
立ち上がったら、役割終了
逆に、自分が一生そばにいる、守りぬくと決めた相手には
まわりがなんと言おうと激甘になると
694名無しさん@ピンキー:2009/09/06(日) 02:07:13 ID:0KPo8rFl
本当にここは良スレですね。
私も最近、ここに来るのが楽しみなんです。
つい何度もチェックしてしまいます。
作品のクオリティ高いですよね。
たまきさん目線の物語は、進藤先生側から書かれた前作より繊細な感じです。
続きを楽しみにしています。

695名無しさん@ピンキー:2009/09/07(月) 15:33:31 ID:lLTkcYxA
文屋さんにキタイ!!!
ほかの書き手さんの登場にもキタイ!!!!
696〜revenge〜2部 告白 進藤×香坂 (代理投稿):2009/09/07(月) 18:58:17 ID:TGjghCK0
ホテルに着くと、それぞれチエックインの手続きをした。

チェックインを済ませると、彼は私のカードキイを盗み見て、小柄なベルボーイくんから私のスーツケースを「結構だ…」と、無表情に奪ってエレベータへ向かう。
自分の仕事を取り上げられた、ベルボーイくんは肩をすくめ、私を見て微笑んだ。
私も微笑みを返し、彼の背中を追った。


部屋は隣り同士だった。
彼は私の部屋の前にスーツケースを置くと、腕時計を見た。
「まだ時間があるな…」呟いて、私を見る。
「1時間したら迎えに行く」
そう言うと、隣の部屋へ消えて行った。
消えたと思ったら、ひょこっと首だけ出して
「退屈だったら俺の部屋へ来い」と、言ってまた消えた。
彼は彼なりに気を遣ってるんだろう。
私はその光景を、苦笑しながら見ていた。


部屋へ入ると、夕日がキレイだった。隣の部屋で彼も同じ風景をみてるのかな…。そう思うと、なんだか寂しいような気持ちになった。すぐそばにいるのに、やっぱり手の届かない人に思えて涙ぐみそうになった。
好きだと言ってしまえば、もうあの頃のようにつき合えないかもしれない。
でも、言わなければ、結局は一緒なのだ。何も変わらない。
もうこんなチャンスもないかもしれない…。いや、きっと最初で最後だ。
用がなければ会うこともないし、会う為の用事なんて今の私たちにはない。
たんなる元同僚で、繋がりは医者ってだけの関係だ。
もう、今日しかないと思った。
言ってダメだとしても、状況は言わなかった場合と大差ない。毎日繰り返される日常に戻るだけ…。

もう、終わりにしなきゃ…。今日で、終わりよ。

私は、心の中で呟いていた。

結果なんてどうでも良かった。長患いした分、腹が据わってたのかもしれない。
彼がうまくとどめを刺してくれれば、また昔の私に戻れると思った。
そして、人生の分岐点に、現れる彼の存在を少し恨んでいた。


備え付けの姿見に私が映る。黒のスカートに黒のジャケット。
刺し色の真っ赤なスタッズベルトがハードなイメージ。女らしくない…。
それでも、女という生き物は、どんなときでも鏡に映ると『オンナ』になる。
私は苦笑しながら、バッグから化粧ポーチを、スーツケースから新しいインナーを取り出した。
身支度が整うと、そのまま彼の部屋へは行かず、彼が迎えに来るのをベッドに座って待っていた。

何かを深く考えることもなく、だた空の色が赤から黒へ変わるのを部屋の明かりも付けずに見ていた。
697〜revenge〜2部 告白 進藤×香坂 (代理投稿):2009/09/07(月) 18:59:41 ID:TGjghCK0
迎えに来てくれた彼は、さっきまでの白いTシャツに黒のパンツ姿だったそれに黒のジャケットを羽織って少しはにかんで「待ったか?」と聞いた。

私はそれを無視した。
「エスコートして」
そう言って、彼の腕に私の腕を巻き込んだ。
彼は何とも表現しがたい顔をして苦笑する。
そんな彼の目の奥に不安が見えたようで、私は少し後悔していた。



店で通された席は、中央のテーブル席。少し落ち着かなかった。

再会をワインで乾杯し、これまでのことを報告した。
彼は私の話を、「そうか」「それで?」と相づちを合わせるのに忙しそうだったが、それでも、食事が運ばれてくると器用なナイフ捌きで食べるのが面白くて、私は一方的に話を続けた。

「あなたは、そうか、それで?、しか言わないのね」
「俺の話は食事中にできるような話じゃないからな」
彼はククっと鼻を鳴らして、複雑な表情で笑う。
「そのメス捌きを見たら想像できるわよ」
私は彼の手元を指さして、冗談ぽく微笑んだ。
「…お前だって、そうだろ」
彼は彼で、軽くうなずき、喉仏を上下させながら笑っている。
なんとも皮肉そうな顔つきをして、彼も私の手元を指した。
微笑みが絡み合って、心臓が鳴った。


食事が終わると、彼が「少し飲むか?」と聞くので、黙って頷いた。
彼はウエイターを呼び寄せる。
バルヴェニーのロックを頼んで「お前は?」と私に視線を移す。
私は 「それでいいわ」とだけ、答えた。
彼は注文を終えると、窓際のカウンター席への移動を申し出た。私はその光景を黙って見つめ、了解を得た彼が促すままに、一番奥の窓際へ移動した。


座るとすぐにグラスが運ばれてきた。
すでに少し酔ってるのに、ウイスキーはさすがにキツイかと思ったけど、甘い香りと蜂蜜のような風味が心地よかった。
目の前のガラスの向こうには、キレイに輝く夜景が広がっているのに、私はガラスにうっすらと姿を映す彼の輪郭だけをこっそり盗み見ていた。

「夜景、キレイね」
何気なく出た言葉。
彼は外を眺めながら「そうだな」と小さくつぶやく。
ガラスに映る彼の視線が、そっと私のそれに重なり合った。

静かに時が流れる…。
698〜revenge〜2部 告白 進藤×香坂 (代理投稿):2009/09/07(月) 19:05:52 ID:TGjghCK0

私は部屋で考えていたことを思い出していた。
彼の握ったグラスの中で氷が傾いてカランと音を立てる。
彼はその手元に視線を移す。

私はそれをガラスに映し見ながら、今なのかな…。と思った。

「好き、だったのよ」
唐突に発せられた言葉に、彼は少し驚いたような表情で視線を戻した。
笑いながら『冗談よ』と言いたかったけど、できそうにない。
もう、自分の気持ちを抑えられない…、だから、目が合う前に視線を逸らした。

私は下を向いたまま、酔っぱらいの戯言だと彼が笑い飛ばしてくれるのを、待った。
待っていたけど、彼は何も言わずに外を見ているようだった。
居たたまれなくなって、私はつぶやきをもらした。
「馬鹿、みたいね」

「…もう、遅いのか?」
意味がわからなかった…。
彼の言った言葉の意味が、即座に理解できずに、何も言えなくなった。
「俺は今でも、お前が好きだ」
まだ、彼の言っている意味がわからない。ただ、視線だけは彼を探していた。

ガラスに映る彼は、何かを静かに話していた。それはたぶん告白だったと思う。でも、その時の私には彼の言う言葉が、私の告白として聞こえていた。
699〜revenge〜2部 告白 進藤×香坂 (代理投稿):2009/09/07(月) 19:09:38 ID:TGjghCK0
私も気づいていた。彼が私を好きでいたことを…。
それでも、私は奪えなかった。あの時の彼は亡くなった奥さんの亡霊を背負って生きていると思っていたから。でも、それは逃げ、だった。
彼が背負っているものなんか本当は関係ないのに、心が触れあうたびに、彼の優しさや深さを知って、いつか、彼の背負うものをまざまざと見せられた時、私はきっと怖じ気づく。
いや、勝手に私と彼の亡くなった奥さんを天秤に掛けていたのは、私自身だった。心のどこかで、彼はそんな男じゃないと知っていたのに…。
だから、私はそんな男とは幸せになれないと思い込もうとしていた…。
彼はいつも真っ直ぐに向き合ってくれるから、それが恐かった。
いつか、自分を見透かされるかも、と思うと、素直に彼の気持ちを受け止められずにいた。
離れてしまえば、忘れると思っていた気持ちは、今日まで薄れることはなかったのに…。

彼の言葉は、私の告白をなぞるようだった。

憑き物でも落ちたように、心が凪ぎ、自然と目頭が熱くなる。
私はきっと涙を流しているんだろう…。

そっと、彼の手が私の手を包んだ。あたたかかった。
彼が、もう一度「遅すぎたか…?」 とつぶやく。

ガラスに映るお互いの視線が、重なり合っていた。
彼は切ない表情で「…遅すぎたな…」と、視線を逸らせながら静かにささやいた。
彼の握られた手に力が入る。

彼が、また何かを背負っているのが伝わった。

肩を強く抱き寄せられた。

私は、彼の鼓動を聞きながら、「待ってたのよ…」とささやいた。
「俺は、またお前を待たせてしまう…」
それは、絞り出すような、苦痛な声音だった。

「もう、待つのには慣れたわ…」
もう逃げ出せない、と思った。だから、そう答えた。
今なら、彼と向き合えると思った。

「香坂…」
抱き寄せられる肩が、痛かった。
彼の抱える闇が、彼の鼓動と共に感じられた気がして、切なかった。
「…どれくらい、待てばいい?」

「…俺が死ぬまでか…、ほんの少しか…」
それは、残酷な答えだった。それでも、私は冷静だった。

ガラスに映る彼を目で追いながら、小さく微笑んで言った。
「…本当に、女を待たせるのが好きなのね」
私はそっと、彼の頬に手を這わせ、彼の唇に唇を合わせた。
彼の頬は濡れていた。

彼は無言で、その光景をガラスに映し見ている。
その、行為は彼をもっと追いつめるのかもしれないと…、不安になったが、ガラス越しに目が合うと、微笑みを返してくれた。

その日、私は初めて彼の弱さを見た気がした。
700名無しさん@ピンキー:2009/09/07(月) 19:22:48 ID:TGjghCK0
第2部投稿完了!初めてのことだからドキドキしたよw

で、ここからでなんですが文屋さんに報告
投稿した一番最後のブロック>>699の始めの段落で
文章のつながりが長すぎるとエラーを出されてしまいました
なので誠に勝手というか差し出がましいとは思ったのですが
特につながりの長かった部分の途中で改行を入れて投稿しました
(文章そのものの句読点などは一切改変しておりません)

書き手にとってはどこまでを一続きにして
どこで改行するかもこだわった上でのことだと思うので
本当は文屋さんに前もって断わり入れるなりしてからにしたかったのだけど…
事後報告で誠に申し訳ないです
701名無しさん@ピンキー:2009/09/07(月) 21:01:09 ID:hZ+zTpol
続きキター(。≧∇≦。)
最高ー!
文屋さんエロに行くまえに心わしづかみ!
有志さん代理投稿乙です!
702有志さんありがとう@文屋:2009/09/07(月) 21:23:57 ID:gIxXN1cl
いつの間にか投下されてたんだな!毎度、有志さんありがとう!
しかも手間をかけさせたみたいでスマン。
どこで切ってもらってもかまわんよ。
俺なんかピーマン投下するとき何回も『改行が多過ぎます』ってエラーでで、携帯直書きだったんで意地になって、改行戻して投下したからな(笑)
サンキュー!またよろしくな!!


3部は長考するぜ。
エロどーすっか悩んでる。進藤は絶対、ゴムつけてもヤらなそうだからな。たまきたんと、説得してくる。

そんじゃ、しばらく留守にします。
703名無しさん@ピンキー:2009/09/08(火) 00:04:30 ID:Cs9cTeuM
長いこと規制で書き込めなかったが職人乙!!!!
新しい職人さんスゴいっす
色んな職人さん出てきて楽しいしやっぱり進藤香坂は萌えるv

ドSな進藤先生が好きだw

4見ててアナザヘヴンのアサコが看護師が出てて
また思い出してしまったwww
704名無しさん@ピンキー:2009/09/08(火) 05:02:51 ID:ZC0on9Nl
有志さんいつもありがとう☆そして、文屋さんの小説大好きだぁ〜(>∀<)

雰囲気というか、2人の
醸し出す甘い空気みたいなのがメッチャ伝わってくる!ドキドキだ〜

エロシーンも期待♪

文屋さんが帰って来てくれるの待ってま〜す!
705名無しさん@ピンキー:2009/09/09(水) 00:24:10 ID:NKgXj/F0
来週の救命…
たまきたんも気が気でないぞ…
706名無しさん@ピンキー:2009/09/09(水) 00:37:15 ID:migzZwzY
脚本家たちのオミソの中身の方も気が気でないぞ、あれでプロなのか…。
707名無しさん@ピンキー:2009/09/09(水) 00:51:51 ID:Ocetw8Kt
3が一番最悪な脚本かと思ったが、4はそれ以上かも…

救命人気で視聴率もっている感じだよ

5では、ぜひ2のその後の二人を演出してほしい
たまきたんのツンデレぶりには、視聴率あっぷ間違いなしだと思うよ
708名無しさん@ピンキー:2009/09/10(木) 08:53:02 ID:hBnyDTyL
脚本もだし菜々子もだよ。
まじイラネ。
小島のかわりにたまき出せって感じ。
709名無しさん@ピンキー:2009/09/10(木) 12:56:13 ID:ETl8Tu9x
なんだここw
キモい2ヲタがウヨウヨ・・・
710名無しさん@ピンキー:2009/09/10(木) 23:03:48 ID:s1IGbm8r
見たくなきゃ見なきゃいいだろ
711名無しさん@ピンキー:2009/09/10(木) 23:49:18 ID:3qrCPPCC
YouTubeで、救命シーズン2の進藤先生×香坂先生の場面の映像見つつ
このスレ見るとなんとも幸せな気分になるな
この2人は今まで数々見てきたドラマの中でも一番好きな組み合わせだ
712名無しさん@ピンキー:2009/09/10(木) 23:54:35 ID:ULCKjlS9
あの2人の大人なのに不器用そうな感じが萌える
エロい空気と微笑ましい空気のバランスが最高だ!
713名無しさん@ピンキー:2009/09/11(金) 21:01:57 ID:kXnEH2Kd
可哀相な妄想乙
714名無しさん@ピンキー:2009/09/11(金) 22:47:37 ID:H668VIv7
2ヲタの批判ウザい
ここ語る場所じゃないし
715名無しさん@ピンキー:2009/09/12(土) 00:19:36 ID:VRiJ6vd8
ドラマ本編がアレだと、可哀想な妄想をするしかないじゃないか
716名無しさん@ピンキー:2009/09/12(土) 00:55:44 ID:ueBMgUIl
ほっときゃいーじゃん。
717名無しさん@ピンキー:2009/09/12(土) 01:01:48 ID:VtycE1m0
あんな糞本編でも好きな奴なんだろ。
718名無しさん@ピンキー:2009/09/12(土) 01:13:05 ID:pQXBCK3z
一番は2だけど4でのピーマン話とかかわいい進藤もいいよ

特別ゲストで松雪でたら神!
719名無しさん@ピンキー:2009/09/12(土) 01:37:18 ID:8D3DHnzH
本編あんまり好きじゃないけど批判がうざいんだよ
ほっとけとかそういう問題じゃない
720名無しさん@ピンキー:2009/09/12(土) 14:15:23 ID:XQ7IUsXu
2って、医療ドラマじゃなくてコメディだよね。
721名無しさん@ピンキー:2009/09/12(土) 22:46:39 ID:5Kln8qqj
「コメディ要素もある医療ドラマって言ってほしいわね」
「かもな」
722名無しさん@ピンキー:2009/09/15(火) 00:32:55 ID:tWYzO3uY
しんたまあげ
723名無しさん@ピンキー:2009/09/16(水) 05:22:26 ID:E7PmEEsZ
昨日、途中から見たけど
進藤が刺された後の初療室でのシーンはぜひとも香坂で見たかったなぁ〜
元研修医とじゃ萌えん
724〜revenge〜3部 慕情 進藤×香坂(代理投稿):2009/09/17(木) 15:16:52 ID:MTtsvYg/
強く抱き寄せられた肩が、やんわりと開放される。
「香坂…、続きは部屋で話そう…」
私は黙ってうなずいた…。
彼も小さくいなずいて、私の髪を指で優しく梳いた。
「あとは、お前が決めればいい…」
優しい声だった。
ガラスに映る彼の顔も、優しく微笑んでいた。

手を引かれて店を出た。
部屋へ戻るエレベータの中で、彼は私を強く抱きしめた。
私は力強い腕の中で、彼の鼓動を聞いていた。
この奥にどんな闇が待っているのだろう…、そう考えると恐くてたまらなかった。
震えそうな身体を彼に預けるように、彼の背中に腕を回した。
さらに強く抱きしめられる。

身体が密着して、硬直した。同時にこのままひとつになってしまいたいと思った。

「…香坂…」
彼は彼自身の熱に気づかぬ振りをした。
切ない声で私を呼び、ゆっくりと身体を離した。

本当はもっと彼の腕の中にいたかったのに、彼はそれを許してくれなかった。
空しい感情がわき上がる。
彼がこのまま私を奪ってくれないのが、たまらなく悲しかった。

彼と視線を合わせるのが恐くて、うつむいたまま何も言えない。
そっと彼の手が私の手に絡むのがわかった…。
同時に彼の悲しみが伝わってくるようで、たまらず振り解こうとした。
でも、彼はそれを逃がさず、しっかりと握りしめる。

「逃げないでくれ…香坂」
彼の切ない声が、二人だけの小さな空間に響く。

私は、彼を見た。その悲痛な表情に、頬が硬直した。
もう、何も答えられない…。
…本当に受け止められるのか…、彼の闇はどれほど深く、私を、私たちを包むだろう…。
そんな、不安だけが心を満たした。

沈黙の時間はそう長くは続かなかった。

エレベータの機械音が到着のベルを鳴らし、止まる。
ドアが開き、私は彼に手を引かれ部屋へを続く廊下をうつむいたまま歩いた。
彼は深いため息をついて、静かに聞いた。
「後悔してるか…?」
「…わからない、…でも…」
「…でも?」

彼が私に視線を落とすのを感じて、言葉に詰まった。
ただ、彼と一緒にいたい。
待てと言うなら、待つ。どんなに長い時間でも、たぶん、待てると思う…。
時間や距離じゃなく、心が通いあうだけで、それだけでいい…。
これからの人生、彼がそばにいて欲しいことだけは、変わらないと思う…。

だから…、それはきっと後悔なんてしてないって、こと…。
なのに、曖昧な返事をした。
「…わからない…の」

彼は、掠れた声で「そうか…」とつぶやいた。

725〜revenge〜3部 慕情 進藤×香坂(代理投稿):2009/09/17(木) 15:17:40 ID:MTtsvYg/
彼の部屋に通されて、ベッドに促された。黙って座る。
彼は備え付けのテーブルセットのイスだけを、片手で抱え上げ私の前に置いた。
置いて、少し考えたような表情をして、背を向けると冷蔵庫からミネラルウォータのペットボトルを2本取り出す。

その後ろ姿に彼の疲労が見えて、また不安が増した。
ろくに眠れていないのだろう…。痩せた首筋が痛々しい…。

彼が振り返る。
黙って私に近づいて、手に握られたペットボトルの1本を私に手渡した。
「…ありがと…」
私はそれを受け取って、彼を見上げた。

イスの背もたれに手をかけて、少し微笑んで私を見下ろしている。
私も微笑み返した。そして静かに彼の告白を待った…。
彼は私の前に座り、私の顔を覗き込むように背を丸めた。

目が合う。口許に微かな笑みを浮かべ、彼の手が私の髪を優しく撫でる。
「…香坂、会いたかった…」
感情のそのままが、零れたような言葉だった。

ドキッと胸が鳴った。今日、何度も感じたそれ、ではなく修羅場で感じる何とも言えない締め付けられるような感覚で、身体が震えた。

彼はその震えを感じ取ったようで、すぐに髪を撫でる手を引っ込め、視線を外した。
下唇を噛むような仕草で少し沈黙する。そして、彼は独り言のようにつぶやいた。
「俺は今日、お前に再会したことを後悔しているんだ…。…もう、お前が、好きだと言った瞬間から、俺ひとりじゃ抱えきれなくなってしまった…」
彼は深くため息をつき、盗み見るように私の方を確認して悲しそうな目をした。
「…なぜ、今日なんだろうな…」
切ない微笑みが零れる。私は何も言わずに彼の口許の動きだけに視線を集中した。

「…結論から、だな」
そう言うと、ポケットに手を入れて何かをつかみ取った。手に握られているそれを、私の前に差し出す。
「…お前なら、わかるだろ」
私は彼の手の中にあるものを見た。3錠の薬…。3TC、ビラセプト、AZT…
「…抗ウイルス薬…ね」
「HIVの、な」
彼は私の言えなかった言葉を付け足した。
「針刺し…?」
「…ああ、しくじった。俺のミスだ…」
「傷は?」
「深くない、その後の処置も完璧だ…」
その返事を聞いて、胸の不安がすっと、晴れる気がした。
私は心の中で小さくため息をついて苦笑した。
「それなら、ほぼ感染はないわ」

「…でも、ゼロじゃない」

彼はきっぱりと言い切る。確かにゼロではない、でも…大丈夫だと…思った。
もし万が一、感染していたとしても、私は彼のそばにいる…。そんな曖昧な決意が心の底に根をおろす。
「感染のリスクは、0.5%以下…よ」

「そうだ、でも…、ゼロじゃない、ゼロじゃないんだ…、香坂…」
彼らしい反応だった。だだをこねる子供のような彼の表情を、可愛いと思った。

「あなたがそんなに心配性だとは思わなかったわ…」
彼は事実を、不安を、ありのままに伝えたのに、私は彼のそれをわざと無視した。
真っ直ぐに受け止めても、彼の不安は拭いきれない。当事者だけが味わう、その闇を本人以外の誰もが理解できるわけがない。だから、私は
彼は切ない表情を拭い、憮然とした目で私を見ている。
726〜revenge〜3部 慕情 進藤×香坂(代理投稿):2009/09/17(木) 15:18:49 ID:MTtsvYg/
私は、微笑みを作りながら、彼の頬に左手を伸ばした。
「薬、いつまで飲み続けるの?」
「あと、2週間」
彼は表情を変えずに、視線を逸らした。
私はそれを目で追いながら、苦笑してその時に感じた素直な気持ちだけを、言葉にした。
「そう…。それなら2週間後には、あなた、私のモノになるわよ」
彼は視線を戻して、ため息まじりにつぶやく。無表情に睨みを利かせて、懐かしい仕草を作った。

「感染、してなきゃな…」
私は少し息が止まって、その仕草を愛おしいと思った。
器用に生きられない彼の、素直な気持ちが手に取るようにわかる。
「…してないわ」
「…医者の言うセリフじゃないな」
「そうね」

少し安堵の表情を見せて、彼はククっと喉の奥を鳴らして笑った。
「…お前がこんなに冷静に受け入れてくれるとは、正直思わなかった」
「あなたが逆の立場でも、私にそうしたでしょう?」
「さあな」
彼は少しだけ、立ち直ったふりをして、笑う。

「したわよ、覚えてる?私も同じミスをしてクリミアコンゴ出血熱の疑いで隔離された時。あなた、根拠のない自信たっぷりに、私を励ましたわ…」
彼は深く息を吸って、少し複雑な表情をすると、弱く小さく声を荒げた。
「俺は感染してないなんて、はっきり言ってないだろう?」
それが照れなのか、拗ねているのかわからなかった。もしかしたら、本当に怒りを言葉にしたのかもしれない。でも、それならそれで良い。ひとりで抱え込むことが辛いなら、八つ当たりだってしてもいい。彼が、すべてを預けてくれることに、意味があると思った。

私は少し意地悪な口調で、彼に言った。
「あなたが、子供みたいに、だだをこねるからでしょ」
彼は複雑な表情のまま、言葉を呑み込んだ。

727〜revenge〜3部 慕情 進藤×香坂(代理投稿):2009/09/17(木) 15:20:17 ID:MTtsvYg/
彼の頬に添えた私の手が、彼のこめかみを通りくせっ毛の黒髪を梳く。優しく胸に抱き寄せてみる。
右手に握られたペットボトルが水滴を作って、手首を伝う…冷たかった。
それを、ベッドのわきに転がして、両手で彼を抱きしめた。
窮屈そうに、丸めた背をもっと小さくして、身体を預けてくる彼の髪を宥めるように撫でた。

小さくため息を洩らして、彼はささやく。
「俺は、事実を言っているんだ」
「…そうね」
そのまま黙ってしまった彼を、彼の髪をやんわりと私の手が弄ぶ。
「…何が、恐いの?」
彼は左右に首を振って、私の手から開放され、ゆるゆると上体を立て直した。
苦い顔をして、厳しい眼差しを私に送った。
728〜revenge〜3部 慕情 進藤×香坂(代理投稿):2009/09/17(木) 15:22:02 ID:MTtsvYg/
「恐いんじゃない、…苦しいんだ…」
私の手が彼の手を取って、優しく包んだ。乾いて、冷たい。痛いほどの緊張が伝わってくる。

「寂しいのよ。あなたは、寂しいから人にお節介をやきたくなる…。
そうすることでしか、人との関わりをもてない…。
でも、今回はあなた自身が、その対象になった…。
…だから、どうして良いかわからないんでしょう?
だから…、苦しいんでしょ…?…私が…、私が、いるじゃない。
もう、ひとりじゃないわ…」
最後の言葉を言うのに少し躊躇した。私がそばにいることで、もっと彼を傷つけるのはわかっていたから…。それでも、気持ちを伝えてしまったからには、もう離れる気はなかった。どんな結果であれ、私は彼と彼の人生を生きる。…曖昧だった決意が、明白なものになった。

包んだ彼の手が震えていた。
「お前を、傷つける…」
弱く細い、声だった。

その言葉が、心に染みて、すべてを分かち合えたような気分になった。
彼も、きっとそうなのだろう、優しく私を見つめていた。
私は小さくうなずき、彼に微笑みを返す。

「好きよ…」
彼は視線をそらさず、まっすぐにうなずく。

「俺も、だ。香坂。…愛してる」

私はその言葉に、素直に照れた。嬉しかった。最上級の笑顔を作って彼に言った。
「ずるい!先に、言うなんて、ずるいわよ」
彼は一瞬、困った顔をして、笑った。声を上げて笑っていた。
それはやっと甘えられる相手をみつけた、子供のような表情だった。
「悪かったな」
彼は、握られた薬をポケットにしまい、ペットボトルをベッドへ放った。
空いた手で、私を抱きしめて、子供にするように頭を撫でた。
「さっきの言葉は撤回するから、お前から先に言えよ」
耳元で囁かれるそれに、私は笑った。クスクスとお互い笑いながら、お互いの体温を感じていた。
柔らかな、空気が私たちを満たす。
729〜revenge〜3部 慕情 進藤×香坂(代理投稿):2009/09/17(木) 15:22:35 ID:MTtsvYg/
「さぁ、言えよ」
からかうような口調で、彼がまた囁く。
「ばか…」
私は彼の背中に腕を回しながら、頬が熱くなるのを感じていた。彼に気づかれないように、彼の肩に顔を押しつけた。懐かしい香りを胸一杯に吸い込んでみる。そして…
「…愛してる」
吐息のような囁きを、彼に返した。

きつく抱きしめられて、ベッドへ押し倒された。
彼を見上げた瞬間、唇を塞がれた。舌先が少しだけ絡む。優しいキスだった。
彼が離れる瞬間、ちょっとだけ切なかった。
「恐いか?」
彼は私を見下ろしながら、やっぱり切ない表情をしていた。
私は左右に首を振って、彼を抱きしめた。
「恐くない」
そう呟いて、彼の唇にそっと触れた。
彼は一瞬、躊躇して身体を固くしたが、触れあうと深く求めてきた。
ねっとりと絡み合う感覚に、心が満たされる。彼の体温が気持ちよかった…。
何度も、何度も、確かめ合うように求め合って、微笑み合った。
そこに言葉はいらなかった。

その日、私たちは空が白くなるまで、キスを交わした。
まどろみの中で、夢中になってた。夢と現実の境がわからなくなった頃、彼は子供のように身体を丸くして眠った。私の体温を、腕の中で感じて安心している表情だった。

私は彼の髪を梳きながら、額にキスをする。そのまま、彼の浅い寝息が、深くなるまで、彼の寝顔をみていた。

私はそっと、ベッドから抜け出すと備え付けのメモ用紙に、覚えたばかりの住所を書いて彼の枕元に置いた。

そのまま黙って部屋を出て、自分の部屋に戻り、身支度を整えるとホテルを後にした。それで良いと思った。答えは彼にしか出せない。

私には彼を縛り付けておくことができないのは、わかっていたし、それがお互いのためだととも思った。

心だけが通じあった。

彼の言うように、また待つ日々がくるのなら、それで良い。
思いだけは、通じ合ったのだから…。彼が答えを出す日を待てばいい。今までとは違う切なさが込み上げる。

待ってるわ…。

心の中でつぶやいて、彼の心が私の心と同調した瞬間を思いだそうとしていた。
涙が零れそうになって、諦めた。
その時の私には、彼を信じること、しかできなかった。

730名無しさん@ピンキー:2009/09/17(木) 15:23:13 ID:MTtsvYg/
切なくてイイ!!
第4部、楽しみスグル・・・
731疲れきってる@文屋:2009/09/17(木) 16:54:23 ID:PW7PL1yH
有志さん、毎度ありがとう!お手数おかけしましたw
また、機会があればよろしくな。
お待たせ!待ってないとか言うなよ(笑)
エロナシでスマン!やっぱ、無理でした。ここエロパロだよな…。
「過ぎ行く〜」はここでラストだが、なんと、リベンジには4部がある!
心してエロエロするぜw いろいろとツッコミどころ満載な3部だろうが怪しい部分は無視して読んでw
俺、シロートだからね。ドラマ本編も、もう最終回だしな、最後の力振り絞って頑張るよ。
それでは、もうしばらくお付き合いください。
732名無しさん@ピンキー:2009/09/17(木) 23:47:24 ID:n5AjaHEV
お疲れ様です
733名無しさん@ピンキー:2009/09/18(金) 01:39:15 ID:JGgomMNY
読みながら泣いた!
聖母、マドンナ……たまき!
エロ無しでもぐっとくるよ。
もちろん続きのエロも超楽しみにしてる。
時間があるときでいいのでほんと待ってるから!
やっぱり文屋さん、サイコー!!
734名無しさん@ピンキー:2009/09/18(金) 22:07:20 ID:QD/CoPbG
文屋さん、いつもサイコーです!

他の作家さんたちはもういないのかな><
×××シリーズとか好きだったんだけどなー
735名無しさん@ピンキー:2009/09/19(土) 04:06:37 ID:m66vVKnv
文屋さんありがとう!
やっぱりGJーーーーー!
あぁ続き楽しみすぐる!
進藤先生もたまきも切ないねー。
こんな楽しみな連載書いてくれて本当に感謝してるよ!

他の作家さんも気が向いたらまた書いて欲しいね。

同じテーマ、っていうか同じモチーフで何度も書くのだとアイデアが浮かばなくなるのかもしれないけど。
しんたま以外でもいいし、コメディとかエロ極小のでめいいし。
736名無しさん@ピンキー:2009/09/19(土) 23:06:53 ID:VHp9b44n
都合が悪くなると無視を決め込むここの住人は卑怯だな
暴言吐いといて
737名無しさん@ピンキー:2009/09/20(日) 21:19:49 ID:z3FO8V4W
携帯厨なんで↑意味がわからないんだけど?
738名無しさん@ピンキー:2009/09/21(月) 04:05:29 ID:dbhYjYrE
ただの誤爆じゃないの?
ほっといたら
739名無しさん@ピンキー:2009/09/23(水) 13:28:07 ID:ZdD+ZlUR
>>735
今のままでは難しいだろうなあ。進藤香坂エロ至上主義が多すぎ。
例えばここに進藤小島エロなんかを投下したらファビョられるor無視される
or次の香坂エロマダー?が目に見えてるわ。もう今まで通り香坂萌えスレでいいんじゃね?

>>737
4スレでひたすら小島の代わりに香坂を出せと騒いでる厨がいるから
絡まれたんだろ。私的にはそれなら一緒に出て欲しいけど厳しそうだなあ。
740名無しさん@ピンキー:2009/09/23(水) 17:58:34 ID:1L7UQaMP
>>739
べつに気にせず投下すりゃいいじゃん >進藤小島エロ
どーぞどーぞ
741名無しさん@ピンキー:2009/09/23(水) 23:01:36 ID:kC39d2jL
普通に進藤小島、俺は見たいけどな!
742名無しさん@ピンキー:2009/09/23(水) 23:34:14 ID:74NfdP2A
進藤小島でも見たい人は見るし、見たくない人はスルーするから書いてもかまわないんじゃない?

ちなみに、エロみたさでどのカプでも可っていう人の意見は無視したい気分
はい、個人的意見だけどな
743名無しさん@ピンキー:2009/09/24(木) 00:41:57 ID:zpugOjtZ
どうせ言うだけ番長な気するw >進藤小島エロ投下
744名無しさん@ピンキー:2009/09/24(木) 01:10:01 ID:HAaiUNvC
もういっその事、小島香坂で
745名無しさん@ピンキー:2009/09/24(木) 01:26:42 ID:PckTk5L/
>>744
(笑)
進藤小島よりも受けがいいかもよ

746名無しさん@ピンキー:2009/09/24(木) 01:38:17 ID:nLQVa4wy
ここってそんなに進藤小島がいやなのか?
パート4はけっこういいパートナーって感じもしたけど。
747名無しさん@ピンキー:2009/09/24(木) 02:02:40 ID:PckTk5L/
>>746
他はどうかわからんけど、自分的にはエロとなると進藤小島ではイメージわかないんだよ
小島にはエロな雰囲気が漂わないというか
748名無しさん@ピンキー:2009/09/24(木) 05:18:18 ID:zpugOjtZ
>>746
師弟関係のイメージが強すぎる
749名無しさん@ピンキー:2009/09/24(木) 12:20:58 ID:uUUHTPPV
見たくない人はスルーも出来ないのか?
進藤小島批判もどうかと思うが
750名無しさん@ピンキー:2009/09/24(木) 13:06:50 ID:PckTk5L/
個人的意見であって、批判してるつもりはないが?
751名無しさん@ピンキー:2009/09/24(木) 18:38:10 ID:5NVVftBI
>>749
スルーもなにも、投下されてもいないのにw
752名無しさん@ピンキー:2009/09/25(金) 00:24:53 ID:KiAZL8fG
ああごめん、進藤小島は対立する例であげただけなんだ
私的には山城さんのエロが見たいわけだが…小島香坂でもいいなw
753名無しさん@ピンキー:2009/09/25(金) 01:59:24 ID:palM1YeM
小島とたまきなら、小島がタチ、たまきがネコがいいな。
憧れの先輩をおそっちゃうとか。
たまきはクールで大人っぽいけど、意外と奥手っつうことで。
で進藤先生に開発されながら、小島の策略でレズプレイ。

誰か書いてくれ〜!
754名無しさん@ピンキー:2009/09/25(金) 02:07:13 ID:vTR7K9h6
どんなカップリングがあってもいんじゃね?
進藤香坂は公式でもいい仲だったから想像しやすい。
進藤小島も個人的にありだと思う。

香坂も小島も好きな自分としては小島が叩かれ対象になりがちなのは辛いな。

何にせよ、作家さんが作品を投下しづらい雰囲気になるのは避けたい。
755名無しさん@ピンキー:2009/09/25(金) 03:20:15 ID:UUouZel0
>>754
オレもだ・・・
小島が叩かれるとちょっとな・・・
どんなカップリングも見たい!
山城さんでも工藤wでも
756名無しさん@ピンキー:2009/09/25(金) 13:56:37 ID:KdE0nQK6
4のセンター長×師長とか
757名無しさん@ピンキー:2009/09/25(金) 22:17:31 ID:palM1YeM
作家さ〜ん、どんなカプでも好きな組み合わせで投下してくださ〜い。
758名無しさん@ピンキー:2009/09/26(土) 03:05:27 ID:Hl8V+8GO
どんなカプでもいいと言われたので調子に乗って山城×香坂投下

注意事項
・思いっきり百合です
・進藤←香坂前提
・このスレの進藤並に山城さんがまさかのドS
・このSS書くまで香坂より山城が年上だと思い込んでいた(中の人的に)

無理な人はスルーしてください
NGワードは山城×香坂

ではいきます
759山城×香坂:2009/09/26(土) 03:06:09 ID:Hl8V+8GO
その日の港北医大救命救急センターはホットラインが鳴らないという穏やかな日だった。
とはいえまだ時間は昼前。救命の一日はこれからが長いのは百も承知だったが今のうちにと香坂はカルテ室にこもっていた。
先日運ばれてきた患者の症例が興味深いものだったため時間のあるときに調べてみようと思ったのだ。
カルテ室は2階にあり、カルテの棚やパソコンで決して広いとは言えないが香坂が1人で使うには広すぎる部屋だった。
窓は一つは廊下側、もう一つは1階のICUを見下ろせるように配置されている。
香坂はブラインドを廊下側だけ閉じ、ICU側は何かあった時すぐに反応出来るように開いたままにしていた。
膝の上には重い専門書、机にはその患者のカルテを置きパソコンも使いながら行っていた調べものもあともう少しで一段落するところであった。
こんなことなら医局にある自分のカルテを持ってくるべきだったと思ったが、いつホットラインが鳴るのかもわからないのでその考えを保留にしていた。
そのとき突然ドアがノックされた。
まさか患者に何かあったのでは……そう思いICUを見たが特に何も問題は見当たらなかった。
「どうぞ」
とりあえず外の客を招き入れることにする。
わざわざノックする、ということは中にいる私に個人的な用でもあるのだろう。
「失礼します」
声とともに入ってきたのはファイルを持ったナースの山城だった。
「あら?珍しいわね」
ナースが医者に意見を聞きに来るというのはさして珍しいことではないが、救急認定ナースである山城が自分のとこにくるのは滅多に無い、というか初めてじゃないだろうか…?
「ICUから姿が見えたものですから…。もしかすると余計なことかもしれませんけど、これを」
山城が差し出したのはカルテのファイルだった。もちろん香坂が担当している患者のものである。
760山城×香坂:2009/09/26(土) 03:06:48 ID:Hl8V+8GO
「ありがとう。ちょうど取りに行くか迷っていたのよ。こんなに救命が穏やかなんて滅多にないし。ありがとう助かるわ」
「いえ、そんな……何してらしたんですか?」
「ちょっと調べものをね。おととい外来にきた53歳の女性、いたでしょう。ほら、階段から落ちたっていう」
「あぁ、いましたね。特に骨折もなかったのでそのまま帰られましたよね?」
「そう、その人。でもその人どうやら持病があったみたいで。病院から出る前に倒れてしまったのよ。それで心臓外科で調べてみたら珍しい症例でね。その噂を聞いて知り合いからこれ、借りてきたのよ」
机に閉じて置いたカルテのファイルを指差す。
「もう少し遅ければ私が診ることが出来たのに…。あ、これ内緒にしてね。バレたらいろいろとまずいし」
「大丈夫です、私口堅いですから。……やっぱりまだ心臓外科に未練が?」
山城はそう言いながらごく自然な動作で椅子を引き寄せそこに座った。
なぜ隣の椅子ではなく後ろの椅子に座ったのかと一瞬疑問に思った香坂だが山城の問いにその疑問は吹っ飛んでいった。
「未練、ね……無いと言ったら嘘になるけど今は無いわ。現場でいろいろな患者が診れるのは面白いもの」
「面白い、ですか…そういえばこの前大勢のナースが運ばれてきましたね」
「確かにあれは面白かったわね。色とりどりのナース服。そういえば山城さんの制服って少し青みがかかっているわよね。やっぱり認定ナースだからかしら?」
「ええ、多分。そんな、特別なことじゃないのに」
「特別よ。だってあなた優秀だもの。ほんと、ナースにしておくなんて勿体無いくらい」
他愛のない話。世間話とは少し違うけれどあまりナースと仕事以外の会話をしない香坂には新鮮だった。
「結構、頼りにしてるのよ」
「ありがとうございます。あ、最近休みとられてますか?毎日いるみたいですけど」
「毎日って、あなたも休んでないってことじゃない。人のこと心配してる場合じゃないでしょ」
「私は、慣れてますから。香坂先生は救命に来てまだ1ヶ月半ぐらいでしょう?そのくらいが一番危ないんですよ」
「う〜ん…そうね、まあ明日は非番だし、あなたの忠告通りゆっくり休むことにするわ。にしても久しぶりにずっと座って作業ってのも肩こるわね…」
眉を軽くひそめて肩をまわす香坂を見て山城は思いついた。
いや、正確にはきっかけができた、とでも言うべきだろうか。
彼女がわざわざこの部屋に来た目的を行う時が。
「肩揉みましょうか?私上手いんですよ。よく他のナースにもやっているんです。婦長とか特に」
「そうなの?じゃあお願いしようかしら」
香坂は座ったまま椅子を180度回転させて前、つまりICU側の窓の方を向いた。
今日の香坂の格好は白衣の下に白の柄が入った黒のVネックのカットソー、そして黒のタイトスカートである。
そういえば救命の初日からこんな格好で驚いた覚えがある、と山城は思い出す。
761山城×香坂:2009/09/26(土) 03:07:34 ID:Hl8V+8GO
「固い……結構こってますね」
「そう?やっぱり疲れがたまっているのかしら…」
前にいた病院でも女医がいたがさすがにこんな格好の人はいなかった。
今ではもう慣れてしまったけれど、それでも大胆な格好のままだ。
ひとつ変わったことと言えば靴がピンヒールから底が平らな靴に変わったことだろうか。
それでも自分たちナースが履く靴よりは底が高い。
それが彼女の性格を表しているようだ。
「もしかしてソファで寝ました?あそこで寝ると一時的にしか疲れが取れなくて肩とか腰とか、逆に疲れがたまるみたいですよ」

プライドが高くて高飛車で、

「そういえば寝たかも。あぁ、あそこで寝るのだけは私のプライドが許さなかったのに…」

それでいて負けず嫌いで努力家な、

「ふふ、いかにも救命、って感じですよね」
「そうなのよ。救命の仕事に染まるのはいいけどそういうところは勘弁してほしいわ」

その性格が、

「香坂先生らしいですね」

かわいいと、思う。

「っ…」
「あ、すみません」

あと、いじめてみたい、とも。


762山城×香坂:2009/09/26(土) 03:08:02 ID:Hl8V+8GO
首のマッサージのため長い髪を二つにわけて前に下げたとき、一瞬だけ香坂が反応した。
「え、あ、いいのよ」
平静を装う香坂に山城は口元が緩むのを我慢出来ない。
わざと首に爪が触れるようにしたことに気付いてないらしい。
両手の親指以外の爪が肌に当たるようにし、残った親指で首筋を押していく。
爪がぎりぎり触れるか触れないかの感触は僅かだが快楽を生む。
香坂はその行動がわざとともとれず、何も言えなかった。
単にこれが山城の癖である可能性もあるのだ。
もちろんこれは癖では無いのだが。
「ひっ…」
髪の毛をかき分け指全てを使って耳をふんわりとさわる。
「びっくりさせちゃいました?このあたりマッサージすると気持ちいいんですよ」
そう言って耳の付け根を親指でさする。
なにかツボを探しているような仕草だが香坂は指が行ったり来たりするたびに肩を震わせる。
親指と人差し指で耳たぶを優しくつまむ。
時々人差し指で耳の周りをなぞる。
その感触が香坂の知っているマッサージとはほど遠く困惑する。
むしろこれは愛撫に近いものだった。
「こ、れ…他の人にもっ…、やってるの…?」
いつの間にか椅子から立ち上がっていた山城だがその動作をしたまま床に膝をつく。
香坂が座る椅子のレバーを上げ、椅子の高さを一番低くする。
ゆっくり下がってきた左耳に顔を近づけてそっと囁く。吐息が、かかるように。
「香坂先生にだけ…特別です」
「やぁっ……!」
「香坂先生、耳感じやすいんですね」
「やま、しろさん…あなたなに言って…っ」
「ふふっ、かわいい……」
山城は椅子を回転させ自分に向かせる。
足の力が抜けている香坂は何も抵抗出来ずに山城の方を向く。
顔が向かい合ったちょうどその時、

「んんっ!!」

唇を、奪われた。
763山城×香坂:2009/09/26(土) 03:08:45 ID:Hl8V+8GO
ICU側の窓からは少し屈んだ香坂の後ろ姿しか見えない。
だが実際はその向こう側では立ち膝の山城が香坂の腰に腕をまわし、自分の唇を重ねていた。
舌を少し出して香坂の唇を舐めてみる。
そして一気に強引に咥内に舌を入れていく。
もし山城が男だったら香坂は迷わず相手の唇を噛んでいただろう。
だが実際相手は女である。
突然キスされただけでも非常事態なのに同性にされたとあって香坂の頭は混乱していた。
そのせいで彼女は山城の舌が入ってくることに抵抗出来なかった。
山城は奥に引っ込んでいる香坂の舌を外に出そうとする。
意外と簡単にそれは達成できたので遠慮なく絡ませていく。
部屋の中には舌と舌が絡み合う水音と二人の吐息が響いていた。
そうやっている間にも山城はカットソーの中に手を滑り込ませ背中をさすった後、片手でブラジャーのホックを外した。
そのまま手を前に持ってきて乳房に触れる。
そして手のひら全体を使って優しく揉み始めた。
「ふっ、あ、やめ……」
「柔らかくて大きいですね。いいなあ、私あんまり大きくないから…」
「あっ…、ひぁっ」
「形も、きれいですね」
裾をブラジャーと一緒にたくし上げて鎖骨の下辺りで止める。
カットソーが身体にフィットするタイプのためそれが可能だった。
自動的に胸を強調させるあられもない格好になってしまい香坂はますます顔を赤くした。
「外から見えないか心配ですか?大丈夫ですよ、白衣で見えませんし」
「あぁんっ!」
「鍵だって閉めちゃいました」
左の乳首を口に含まれる。
口の中でちろちろと舌が動く感触は先ほどの深い口づけを香坂に思い出させた。
山城は右の乳房をやわやわと揉み、空いた左手で脇腹をさすっていた。
先ほど背中から乳房に腕を持ってくるとき、脇腹を通った瞬間僅かに香坂が反応していたのを見逃さなかった。
なすがまま。
その言葉が似合うぐらい香坂には抵抗らしい抵抗が出来ず、ただ与えられる快感に身悶えるしか無かった。
764山城×香坂:2009/09/26(土) 03:09:22 ID:Hl8V+8GO
「はあっ、はっ、なんっで……こん、なっこと、するの…」
「好きだから、とは違いますね…こんなことしてますけど別に私レズってほどじゃないし…」
「じゅう、ぶんっ…そうじゃない…」
「強いて言えば……あなたみたいな強気でプライド高いような人、いじめたくなるんです」
「そんっ、なぁぁっ」
「いじめたらどういう表情するのかなって…どういう声出しちゃうのかなって」
「ひゃあぁぁっ!」
勢い良く乳首を吸う。
「気になっちゃうんです。男女関係なしに」
「そんなの…っ、おかしい、わよ…」
「おかしい?でもおかしいのは香坂先生の方でしょ?こんなところで同性にこんな恥ずかしいことされているのに抵抗しないなんて」
そこで山城は愛撫の手をぴたっと止める。
その隙に香坂は白衣の前を慌てて合わせ、胸を隠す。
じっと自分を見つめる山城の目が今更そんなことをしても遅いのにと言っているように思えた。
「本当はこうやっていじめられるの好きなんでしょう?」
「ち、ちが…」
「そんなはずないわ、だってさっきまで気持ち良さそうに喘いでいたじゃない。…気持ちよかったでしょ?」
「なっ…」
「かわいかったな、あの声…いつもの香坂先生からは想像出来ない」
これでもかと顔を真っ赤にさせた香坂は椅子を回転させ、山城に背を向けた。
「からかうのはよし…」
「あら、進藤先生」
窓の向こうに進藤の姿を認め、言葉に詰まってしまう。
「ひっ!」
後ろから出してきた山城の手が香坂の内股をさする。
力が抜けたところを見計らって一気にタイトスカートを足の付け根まで上げる。
山城の指が、そっと香坂の秘所に触れる。
765山城×香坂:2009/09/26(土) 03:10:10 ID:Hl8V+8GO
「やめてっ」
「手を胸から外したらはだけて見えちゃいますよ、進藤先生に」
香坂は山城の腕をつかもうとした腕を慌ててまた元の位置に戻す。
「湿ってる…やっぱり気持ちよかったんだ」
「ちがっ…!」
「違う?防衛本能だとでも?男にレイプされているならわかるけれど今は違うわ。気持ちよくならなきゃ、女の身体はこうはならない」
「っ……」
「もーっと、気持ちよくしてあげますからね…」
ショーツの上から指を入れる。
そこはもし自分が男だったら挿入してもいいと思えるほど潤っていた。
少しだけ外側をなぞった後、女が一番感じる突起を探す。
見つけたそれを指でこりこりとなでる。
すると面白いほどに香坂はびくびくと身体を震わせ、声を出してしまう。
しかし状況が状況なだけに声を必死に我慢しているみたいだった。
そんな姿が逆に山城を煽っている、ということを香坂は理解しているのだろうか。
「さっきも思ったんですけど香坂先生って敏感ですよね」
「んぅっ、ん、…っ」
「それとも、進藤先生に見られるかもしれない、から?」
進藤、という言葉に反応したのか愛液がとぷっと音を出して流れた。
その滑りを利用して中指と薬指を膣内に入れていく。
香坂が感じる部分をその二本で探っていく。
その間にも親指は突起を刺激するのを忘れない。
増えていく快楽に頭を下げて耐える。
もし誰かが窓から見ていたら小刻みに揺れる香坂の異変に気付くだろう。
ブラインドを閉めたいところだが腕を放すことが出来ない今、その願いは叶わない。
「あ、あ、だめっ、あんっ」
「イキそう、ですか…?」
「ん、あっあっ、やんっ」
「イっていいですよ。私の指、進藤先生だと思って」
「え、っ?あ、あぁぁっ!」
「香坂先生、よく進藤先生のこと見ているでしょう?香坂先生を見ていれば誰だってわかりますよ」
そして進藤も香坂のことをよく見ている。
このことを伝えるのは癪だったので山城は伝えなかった。
今はただ自分が与える快楽に溺れてしまえばいいのだから、と思う。
「そん、なっ…あ、あ、だめっ、きちゃ…ぅっ」

頭の中で白い光が点滅し始めたとき、香坂は偶然こちらを見た進藤と目が合ってしまった。

766山城×香坂:2009/09/26(土) 03:10:48 ID:Hl8V+8GO
「やあぁあああぁあぁぁっっっ!!!」

羞恥心からかひと際大きな声を上げて香坂は達した。
あまりにも刺激が強すぎたためかそのまま机に突っ伏してしまった。
はあはあと息を荒げる香坂の顔をのぞいたとき、窓の外に走り出す進藤の姿を見た。
おそらく香坂の様子に気付いたのだろう。
こちらに来るのが想像出来た。
山城は素早くそばにあったティッシュで手を拭き、香坂のタイトスカートを元の位置に直した。
それでもなお香坂は突っ伏したままだ。
山城がドアの鍵を開けてひと呼吸後、ドアが勢いよく開いた。開けたのは外にいた進藤だった。
「!」
「…なにか?」
何食わぬ顔をして山城は進藤に言い放った。
進藤も予想外の出来事に驚いただろう。だってこちらからは香坂以外の姿は見えなかったのだから。
「こ、こう…さかは……?」
山城の背後で未だ突っ伏したままの香坂を見て進藤は言う。
香坂も香坂でもう姿勢を正すことは出来るのだろうがまさか進藤が来てしまうとは思わなかっただろう。
そのままの姿勢で時間が過ぎるのを待っているように山城には見えた。
「…少々お疲れのようです。最近、休んでいなかったみたいですから」
「そうか、だが」
「落ち着いたら下に降ります。ですから、」
じっと進藤の目を見つめ微笑む。
「大丈夫です、心配なさることではないですよ」
有無を言わせぬように。
「……わかった。よろしく頼む」
再びドアが閉められた。

767山城×香坂:2009/09/26(土) 03:11:34 ID:Hl8V+8GO
ドアが閉められると同時に香坂は上半身の服装を直すため窓を背に向け立ち上がる。
しかしその足取りはしっかりしたものではなくふらふらしている。
「無理なさらないほうがいいですよ」
何事も無かったように山城は香坂に微笑みかける。
「無理って……させたのはあなたじゃない……」
香坂は大きくため息をついた。



end?



768山城×香坂:2009/09/26(土) 03:18:35 ID:Hl8V+8GO
むしゃくしゃしてやった、後悔はしていない。
何日か後また山城さんにやられているのを進藤先生に完全に目撃されてしまえばいい。
それか目隠しプレイ中に山城さんだと思ったら城島先生だった的なアレでも(ry
あ、むしろ4P(主に香坂いじめ)でも(ry


すみませんでしたすみませんでしたよりによって百合とかすみませんでした
769名無しさん@ピンキー:2009/09/26(土) 04:33:56 ID:8WU/rVcR
山城さんGJ!
770名無しさん@ピンキー:2009/09/26(土) 04:55:02 ID:oWLtOg11
すげっ!GJ!!
たまきたんの次にエロいと思う山城が1番エロいたまきたんを襲う!!
やばいぞ、キュン死しそうだった!

俺、個人的に日比谷×小島を書きたいんだけど、流れ的にレズもありかな!考えたくもないが…小島×香坂も…ありだな…。
771名無しさん@ピンキー:2009/09/26(土) 08:06:12 ID:bD/CLH85
昨日の昼、初めてここ見つけて嬉しくて一気に読みました
みなさん、本当に凄い!

今朝見たら新作があって、またまた嬉しかった〜
可愛い香坂先生がめちゃめちゃ素晴らしいです!
ありがとうございます
772名無しさん@ピンキー:2009/09/26(土) 09:32:35 ID:ioV4y++Y
>>770
ああ!
日比谷×小島って意外な組み合わせだけどいいかも!
773名無しさん@ピンキー:2009/09/26(土) 12:30:56 ID:ZB/37rd2
>>768
よかったです!凄く!!
やっぱ香坂先生はいじめられないと
774名無しさん@ピンキー:2009/09/26(土) 15:38:55 ID:Rlpk4dGL
どんなカプでもいいが、進藤×小島が一番読んでみたい
775名無しさん@ピンキー:2009/09/26(土) 21:01:14 ID:KqbYlhZO
>>768
GJ!!最高!
今まで百合は興味なかったけど、かなり引きこまれたwww
776名無しさん@ピンキー:2009/09/27(日) 05:02:47 ID:TuwucJHf
まさかの日比やん登場!?
日比やん好きなんだよな
777名無しさん@ピンキー:2009/09/27(日) 12:00:06 ID:xIhFGzBh
>>768
山城さんのドSっぷりに感動した!
4Pでも主導権は彼女にありそうだな
続きみたいです!!
778名無しさん@ピンキー:2009/09/28(月) 06:19:54 ID:0zNG3Ybr
>>768
GJ!百合なのに進藤を上手いこと登場させてくれてて感動。
Sな山城に攻められるたまきも萌えだ〜
香坂→進藤要素も描かれてて2倍楽しめたよ
>山城にされてるトコを進藤が目撃
めっちゃ読みたい
779名無しさん@ピンキー:2009/09/28(月) 12:13:50 ID:dl6bf6cs
日比谷さん視姦と言葉責め似合いそうだな

part3繋がりで成長した省吾×千尋などは如何だろう
780名無しさん@ピンキー:2009/09/28(月) 17:42:06 ID:0zNG3Ybr
日比谷さんて、誰が演じてたんだっけ?
781名無しさん@ピンキー:2009/09/28(月) 19:57:17 ID:m+J9WQk2
>>780
小市慢太郎(字違うかも)さん
すっごいマイナーだが張り込みという映画での怪演が印象に残ってる
視姦とか言葉責めとか似合いそうってかぴったり
782名無しさん@ピンキー:2009/09/28(月) 23:06:59 ID:TxbxY1jd
>>781
>視姦とか言葉責めとか似合いそうってかぴったり

褒め言葉と受け取ってよろしいか?w
783名無しさん@ピンキー:2009/09/29(火) 01:38:32 ID:yzpQ3OW1
>>783
もちろんww
その映画を観て本当に思った
にやにやねちねちっていうかwww

改めて考えると日比谷エロパロ向きのキャラだがうどんのイメージしか残ってないorz
誰と一番絡んでたっけ?
784名無しさん@ピンキー:2009/09/29(火) 11:27:36 ID:uSXVPLt1
河野弟。
785〜revenge〜4部 双璧 進藤×香坂(代理投稿):2009/09/29(火) 20:55:42 ID:CR8wFoAw

…もう。
私は段ボールの山の中で大きなため息をついた。

カッコつけずに、彼を引っ張って帰ってくれば良かった…。
そんなことを頭の片隅で考えながら、苦笑して、また小さくため息をつく。

間取図だけをシカゴにメールしてもらって決めた物件は、ひとりには大きめの2LDK。
そのリビングが、研究資料や医学書などでいっきに足の踏み場もなくなってしまった。
荷物の搬入には立ち会えず、業者に頼んだために部屋への振り分けができていないのだ。

コツンっと、拳で段ボールをこづいて、諦めた。
生活に必要なものだけを、仕分けし整理することに専念する。
ようやく生活できそうな、空間が見えてきてホッとしたころには空が夕方の色をしていた。

なんだか空しくなって、目を細めた。西日が眩しい。
昨日、彼に会ったのもこのくらいの時間だった。
ついさっきのように思えるのに、記憶が曖昧で遠い昔に感じた。
約束をしなかったことに多少の後悔を感じ、また空しさが込み上げる。

あれで良かったのよ…。私はそう自分を励ました。
なにより、私は自立した女だ。医師として相応しい道を真っ直ぐに歩いてきたつもりだし、後悔もない。
自分の能力だけで生きていける。
彼も、彼の生きる道があるし、寄り添って生きて行かなければならないほど、彼も私も弱くない。
今までと変わらずに、自分の生きて行く道を歩く。
それは彼と一緒にいても、離れていても変わらない事実だと思う。
そんなことを漠然と考えながら、…ただの強がり、ね…と、つぶやきが、ため息とともに洩れてしまった。
言葉にすると一層空しくなって、弱々しく苦笑するしかなかった。


ふぅっ、と大きくため息をついて私は独り言を言った。
「おなかすいた…」
間抜けな独り言に笑いながら時計を見る。18:49だった…。

無意識に空っぽの冷蔵庫を開けてみる。当然そこには何も入っていない。
買い出し行かなきゃ…。
近場のコンビニに行くのも面倒だった。すでに疲れきった身体が悲鳴を上げている…。
だるさと、眠気が救命時代を思い出させて、また苦笑した。

それでも本能は正直で、私は着替えて外に出ることにした。
必要な物だけを買い込み、部屋に戻る。
お世辞にも食事とは言い難い栄養補給をして、シャワーを浴びた。

熱い液体が乾いた身体に効いた。勝手に涙が出た。
身体が熱を持つと昨日のことを思い出して、たまらなくなる。
私は泣いていた、声を上げて。彼を思う気持ちが溢れて止まらなかった。
激しく打ち付ける熱い液体に匹敵するほどの号泣だった。
すべて流れ落ちるまで、そうしていたかった。


786〜revenge〜4部 双璧 進藤×香坂(代理投稿):2009/09/29(火) 20:56:45 ID:CR8wFoAw
涙が枯れると、何もする気になれず、髪も乾かさないでベッドに身を預けた。
意識を手放そうとした瞬間、インターフォンが鳴った。
まだ届いていない荷物…あったかしら…?はっきりしない意識の中で、そんなことを考えていた。
ゆるゆると身体を持ち上げ、ベッドサイドの時計に目をやる。
22:32…。
ドキッと胸が鳴った。

慌てて、リビングに走った。インターフォンを受話器を取る。

小さな液晶に…、彼が映っていた…。
「…進藤せんせ…」
また、胸が鳴った。
「…どうぞ」とだけ言って、受話器を置いて、共用玄関のオートロックを解除した。

映し出す物を失った液晶が、闇を作り私を映した。
今の自分の姿にはっとした。あわてて手櫛で髪を梳かす。
身支度を整える暇もなく、ドアフォンが鳴った。

会いたい、触れたい、その衝動だけが心を満たした。
体裁なんてどうでも良くなって、玄関へ急いだ。
ドアを開ける…。
そこには彼がいた…。

進藤一生…。

彼は照れた表情をして「ただいま」と、だけ言って、私を抱きしめた。
その言葉だけで、胸がいっぱいになった。
抱きとめられた彼の胸の中で「おかえり…なさい」と、つぶやくのが精一杯だった。

787〜revenge〜4部 双璧 進藤×香坂(代理投稿):2009/09/29(火) 20:57:29 ID:CR8wFoAw
しばらくそうして居たかった。なのに彼は、クスクスと笑い始めて、耳元でささやいた。
「香坂…、色っぽいお出迎えで、嬉しいんだが…今、俺は禁欲中だぞ…」
そう言われて、ノーブラでTシャツ、ショーツ姿だったことに気が付いた…。
顔が赤くなるのを感じながら、どうすれば良いのかを考えるが、まともに計算できるわけもなく彼の手によって、身体を引き離された。

彼はさりげなく私を見下ろして額にキスをした。
「…待たせたか?」
小さく微笑む彼の口許が見えた。
答えはみつからなかった。
今朝、何も言わず彼の元を去ったこと、それを後悔していたこと。
つい数時間前のことが曖昧な思い出のように思えて、また涙が溢れそうになった。
でも、現実は違った。曖昧さのかけらもなく、彼は私の元にいる。
好きで、好きでたまらなかった彼が…、目の前に居る現実が…、こわかった…。
私はどこまでも素直じゃない女だということに気づかされて、彼の目を見ることができずにいた。
ため息をつくつと、同時に小さな嗚咽が洩れた。枯れてしまったと思っていた涙が、また溢れて頬を伝う。
「…わ…たし…、素直に……」
嗚咽混じりに、彼に謝ろうとした私を彼は困惑気味に、もう一度抱きしめて、言葉を遮った。

「いいんだ。…いいんだ、香坂。俺が悪い。…だからもう、何も言うな。俺が素直になれなかったんだ。お前を試すような真似をして、すまなかったな…」

おだやかな声音だった。

彼は、まだ少し濡れている私の髪を撫でるように梳いた。

一度だけくちづけをして、当たり前のように彼は私の髪をドライヤーで乾かしてくれた。
その後は彼の腕枕で寝た。おやすみのキスをせがんでみたら、黙って額にキスをくれた。
私はされるがままに彼の優しさを受け止めた。
私は彼の腕の中で、彼のささやきを聞いた。

その言葉を思い出す度に、私は満たされる。


「もう、待たなくていい。俺の帰る場所は、お前のところだけだ」
788〜revenge〜4部 双璧 進藤×香坂(代理投稿):2009/09/29(火) 20:59:32 ID:CR8wFoAw
思い出しながら、私は小さくため息を洩らした。

幸せを感じることに慣れていない心が、満たされた気持ちを少しずつ否定し始めていた。

初めて彼と身体を重ねたのはあの日から13日目だった。
それまで、2.3日に1回着替えを取りに帰ることがあるだけで、言葉少なに必要な事だけを話し「行ってくるぞ」とキスをくれるだけだった。
でも、それが今の彼にできる最大限の優しさだと気が付いていた。
彼の持ち込んだ荷物はほとんどなく、帰って来る度に真新しい下着とシャツを調達してくるのだから…。
わざわざ、帰ってくる必要なんてないはずだった。私はその光景を一度だけ苦笑いで見ていた。

彼は照れた表情で「とんだ純愛だ、な」とつぶやいて笑った。

その後も彼は休み無く働いて、時々帰ってきては仮眠程度の休息を取るというのが日常になった。
時折、明るい時間に帰って来る日があった。それは決まって私の休みの日か、夜勤明け。2時間ばかりの逢瀬を楽しんだ後に、近況報告を手短にする。
すべてが事後報告なので、私は切なさばかりを募らせた。刺された、と見せられた傷口はすでに、抜糸も済んだ状態で私は苦笑しながら、激しいめまいを感じていたし、悔しかった。
そんな彼の身体を心配していたけど「少し休んだら?」なんて、言えなかった。
無理して帰って来てくれている彼を見ていると、それを言うのが私のわがままのように思えて辛かった。

一緒に過ごす時間が少ないのは覚悟していたし、もちろん承知の上だった。
それでも手に入れてしまったら、もっともっと彼を知りたいと思った。
心さえ繋がっていればそれで良いと思ったのは、最初の1ヶ月だけ、だった。
でも私から求めることはできなかった。ずっと素直になれなかった。

あの時、あの言葉で私は満足だった。
迷いも、駆け引きもない、彼の本音を聞けて、嬉しかった。
でも、私は彼の優しさや、深い愛に応えられないでいる。
二人で過ごす時間が少ない分、彼は言葉というダイレクトな愛情表現で私を包んでくれる。
なのに、私は受け止めるだけで、彼に何も与えられない。やわがままを言ってしまいそうで、
彼の与えてくれる優しさをすべてを否定してしまいそうで、不安ばかりが募る。
言ってしまえば私自身が迷走してしまいそうで、言えないことがたくさんある。
好きだと、愛していると…。本当はもっと一緒にいたいし、たくさん話をしたい…、なのに…。

789〜revenge〜4部 双璧 進藤×香坂(代理投稿):2009/09/29(火) 21:00:47 ID:CR8wFoAw
背中に彼の鼓動を聞きながら、彼が身じろぐのを感じた。
「…たまき?…眠れないのか…?」
私は少し身を固くして、うなずいた。
あの晩から彼は私を「たまき」と呼ぶようになった。
呼ばれる度にむずがゆいような、感覚に襲われて身体が熱くなる。それは今でも変わらない。
「どうした?」
彼は身体をすり寄せながら、耳元でささやく。
「…あの日のことを思い出してたの…」
「あの日?」
「…あなたと再会した日…。あなたが私の元へ帰ってきてくれた、あの日のこと」
彼は私の枕と首の隙間に腕を通しながら、もう片方の腕が静かに私を抱き寄せた。
私の背中に、彼の胸が密着する。
「…ねぇ」
「ん?」
「私の帰る場所は…、あなたでいいの?」
彼は小さくため息混じりに笑ったようだった。
「今さら、何言ってるんだ…」
「…聞いてみたかっただけ、よ」
私はできる限りすました声で、返事をした。
彼が苦笑するのを感じてやるせなくなる。
「イヤな夢でも見たのか?」
私は首を横に振って、彼の手を握った。
「…幸せすぎて、こわい…」

少し沈黙して彼は私の耳に唇を寄せた。そして、静かにささやいた。
「たまき…、おまえ…俺に言いたいことがあるんじゃないのか?」
湿気のある息が、擽る。悟られている…。それを感じると何も言えない。
「本当に、幸せか?」
訝しげに聞こえる問いもはっきりとしていて、迷いがない。彼はいつもそうだ。

私を対等に扱ってくれる。その優しさが重い。
今まで付き合ってきた男を私は見下してきた。
いや、見下されるのがイヤで、言いたいことをなんでも言ってきたし、不振を抱けばそこまでだった。
それをすべて受け止めてくれる男なんていなかったから、上辺だけは恋人同士でも、心までは「彼氏」という存在にも捧げたことはない。
私は、そんな付き合い方しかできない女だった。

私はため息をついて、彼に言った。
「…あなたは、優しすぎるのよ」
彼もため息をついて、
「おまえも、な」と、ささやく。
意外な答えで、なんだか拍子抜けした。
それから、こう続けた。
「香坂たまきは、もっと傲慢で、わがままで、気の強い女だろう?」と。
彼の声は笑っていた。しかし、それはからかうようなものではなく、あたたかい抱擁に似た声音で、私はゾクッとした。

790〜revenge〜4部 双璧 進藤×香坂(代理投稿):2009/09/29(火) 21:02:14 ID:CR8wFoAw
そのまま私たちは言葉を失った。
彼は、腹に巻き付け抱き寄せた腕を静かに解放して、手のひらで私の身体を優しくさすった。
それは『いつもの行為』に似た感覚で、私は少し狼狽した。

下着を付けずにシャツだけを着た身体が、押し付けられた彼の手の温度で熱を持つ。
柔らかくはいまわる彼の手は、最終的に胸の膨らみを包んだ。
心臓の音が彼の手のひらまで響いてしまうのではないか…、と心配になる程に強くリズムを刻む。
「だめ…よ」と、胸にそえられた手を掴んで抵抗した。

彼は私の耳元で湿っぽい息をもらす。そのまま唇が耳に触れた。ピクッと身体が反応した。
耳の輪郭を舌先だけで舐められて、甘噛みされる。痺れる感覚が脳内まで揺する…完全に脱力させられて、抵抗は無視された。

彼は耳への愛撫を続けながら胸をやんわりと揉みしだいていく。重力のせいでいつもより豊かに彼の手の中で乳房が弾む。
胸への刺激が、徐々に円を描くような動きに変わり先端をなぞるように愛されると、声が洩れそうになって必死でこらえた。
いつもより、ずっと感じていた。
私は奥歯にぐっと力を入れて、噛み込んだ。
彼は指先だけで、固くカタチを変えつつある、先端に触れた。シャツごと摘み上げられて、生地と敏感になった部分が擦れあって、いつもと違う感覚が襲う。

私は喉の奥で「…ぅんっ」とうめいた。
彼はその反応をみて何度か同じ動きを繰り返す。触れる角度や力加減を変えながら一つひとつを確認するように、私の反応を確かめる。
いつもそうだ。抱き合うたびに、彼は私の感じる部分をみつけて、私の身体を知っていく。私はそれをずるいと思う。
私も同じように彼を知りたいし、彼の身体を愛したい。私だけが知っている彼を、私の手で、目で感じたいと思うのに、できないでいる。
身体を重ねるたびに、私が理性を保っていられる時間が短くなっているというのに、やっぱりずるい、と思う。

彼は手を止め、耳元で甘い口調でささやいた。
「…シャツの上から、されるといつもより感じるんだな」と。
それを否定できずに、私は言葉を探した。むしろ、その彼の声だけでも私の身体は熱く反応する。好きすぎるのかもしれない…。と思う時がある。
だから、とげのある口調で言った。
「…あなたは…、なんでもわかるのね。…私の何もかもを、知ってるみたい…」
私がそう言うと、彼は少し間をおいて、苛立ちを含んだ声で
「言わなきゃ、わからないことだってある」と、言った。
それから、「俺が、好きか?」と、聞いた。
切ない声だった。彼も私と同じように、不安だったのだと初めて気が付いた。受け止めるだけじゃ、足りないんだと悟った。
与えられるだけの愛情を、重荷だと感じていた私自身に、失意を感じていた。
目を閉じて、彼の暖かさを全身で感じた。すごく、好きだと思った。たまらなく、愛おしいと思った。

「好きよ。たまらないくらい、愛してる…」

彼は耳元でふっ、と笑った。
「お前は、聞かなきゃ、言ってくれないんだな」
そう言うと、満足そうに、ため息を洩らして、言葉を続けた。

「おまえらしいが、俺はそんなんじゃ不満だ。もっと、もっと甘えて欲しいし、わがままも聞いてやりたい。
時にはもっと一緒にいたいと、引き留めて欲しい…。そうやって困らせてくれるほうが、ずっと、おまえらしいと、思うけどな」

やっぱりこの人は何でも知ってるんだ、と思った。そう思うと、今までの私の我慢が不毛だったと確信できてうれしかった。
私は彼の腕にまきついて、ぎゅうぎゅうと身体を押しつけた。
彼は、黙って強く抱きしめてくれた。
791〜revenge〜4部 双璧 進藤×香坂(代理投稿):2009/09/29(火) 21:04:22 ID:CR8wFoAw
「やっぱり、あなたは何でも知ってるのね」
そう言って私が笑うと、彼は苦笑したようだった。
「知りたいと思うことは、まだたくさんある、ぞ」と、頬をすり寄せた。
無精髭が、皮膚をかすって痛かった。

彼は腕枕を引き抜いて、身体を持ち上げた。彼に支えられていた私の背中がベッドに滑り落ちる。
組み敷かれる体勢になって、キスをした。舌をさし込まれて、私は短いうめきを幾度も洩らした。
彼のキスはいつも情熱的で、能動的だ。
私も彼にそうしたいと、願った。

身を反転させるように彼の足に、自ら足を絡めて力を入れた。
彼は納得したように、私の身体を抱いて体勢を入れ替えてくれた。
舌を刺し抜かれたばかりの唇が、互いの唾液で濡れていた。
私は彼の頬を両手で包んだ。
彼は彼で、私の髪を優しく撫でている。
ゆっくりと、舌を差し入れて、彼の口内を味わった。
口の奥まで何度も、何度も、味わってみた。
彼は、それを黙って受け止めてくれた。
まるで、されるがままを楽しむようだった。
上辺の奥を舌先で擽ると彼は「うっ」と、うめいた。私はそれを、可愛いと思った。
舌を引き抜くと、彼は照れたように言った。

「今日は、積極的なんだな」と、嬉しそうに、視線をからめて、キスをねだってきた。
今度は、お互いに舌をねっとりと絡めあって、満足するまで貪り合った。歯の裏側や唇の内側まで舌を這わされて、身震いした。
上体を自分の力だけでは支えられなくなって、彼にうなだれかかっても、彼はキスを止めない。
酸素を求めて息継ぎをするように、喘ぎを零すとようやく唇を開放された。

「…重くない?」
彼に身体を預けるような体勢になって、密着すると、気持ちいいと思った。
「大丈夫だ、おまえの好きなようにしろ」
そう言って、彼は私に組み敷かれた体勢のまま、穏やかに微笑む。

私は彼がいつも私にするように、耳を舐めた。首筋や、肩、顎のラインにも舌を這わせてみる。
「くすぐったい、な」と、時折言っては、私の愛撫に身を委ね、たまらなくなると私の背中や太股に手を這わせてみたり、胸を揉んでみたりする。
私はそれを「集中できない」と、何度も却下した。

彼の胸板まで、舌を這わした時に、
「今日はここまでだ」と、やや強めの語気で抵抗された。
そして「気持ちよかった、ぞ」と、頭を優しく撫でられた。


792〜revenge〜4部 双璧 進藤×香坂(代理投稿):2009/09/29(火) 21:04:53 ID:CR8wFoAw
「もっと、あなたを知りたい」
それは、本心だった。もっと、彼の感じている顔を見たいと思ったから言った。

彼は困った声で、熱く脈を打つ彼の欲望を私の太股に押しつけた。
そして切なく「もう、こんな、なんだ」と、苦笑した。
私は、その熱を手で包んでみたくなった。そっと、彼の内股に手を差し入れて、下着の上から撫で上げた。彼はビクッと身体を震わせて、私の腕を掴んだ。
「だめだ、たまき」
「…少しだけ」
そう言って、彼の手を振り解いた。

「…積極的すぎるだろう…」と、小さく独り言を言って、力無く振り解かれた手を自分の額に乗せた。
私は彼の欲望への愛撫を再開した。
とはいえ、どうして良いのかわからず、ゆっくりと手のひらを撫でつけるだけだったが、彼は「んっ…」と、何度もうめきを洩らし、欲望は私の手の中で堅さを増し、すぐにいっぱいになった。

「…どうしたら、イイ?」
意地悪な質問だと思った。でも、聞いてみたかった。彼がいつも私にするように、聞いてみた。
「…もう、だめだ。止めてくれ、頼むから…」
そう、懇願されるとさらに、知りたいと思った。
「だめよ、ちゃんと言って」
「たまき…」
「どうして欲しい?」

「…もう繋がりたい、くらいだ…」
つぶやくように彼は言った。言って、身をよじりサイドテーブルに手を伸ばしてベッドライトを付けた。
一気に明るくなって、彼の表情や私の置かれた状況を目の当たりにすると、急に恥ずかしくなった。
「あかりは、だめ」
私の声は、小さく抵抗をした。

「急にしおらしくなるんだな」
彼は怠く甘い声で微笑みながら「急ぎすぎだ」と、笑った。

「あなたばかり、私を知ってるのはずるいでしょう?」
私は、恨みの籠もった声で言った。語尾は少し笑っていたと思う。
「今日、全部知ってしまったら楽しくないだろう」
小さな声をたてて彼は笑っている。
793〜revenge〜4部 双璧 進藤×香坂(代理投稿):2009/09/29(火) 21:06:05 ID:CR8wFoAw
身体を引き寄せられて抱きしめられる。
慣れない行いの後で心臓はドキドキと激しく鳴っている。彼が何事もなかったように、抱きしめてくれるのはありがたかった。
いつもの感じに戻って、ちょっと安心した。私は黙ってうなずいて、笑った。
「好きだから、もっと知りたいのに…」
そう言い訳のように付け足して、照れを隠した。

「…今度は、してくれよ」
彼はひどくきまりの悪い表情で、私にささやいた。
「…なにを?」
そう聞きかえした後で後悔した。彼の答えはとても直接的すぎた。
「オーラルセックス」
しばらく二人の間に沈黙が流れる。

堂々と放たれたその言葉を理解するのに、時間がかかった。
「…ば、ばっかじゃないの!」
頬が赤く染まるのを感じて、彼の胸に顔を押しつけるしかなかった。
彼は彼で、いかにも楽しいという声を出して
「そのつもりだったんだろう」と、言った。


ゆっくりと身体を入れ替えられて、背中をベッドに押しつけられる。
何度も身体を入れ替えたせいで、シーツがやたらと、まとわりついた。
邪魔だ、と言わんばかりに彼がシーツを引きずりながら、足で追いやるのを見てると可笑しかった。

私たちは、しばらく無言で見つめ合った。先に口を開いたの彼の方だった。
「積極的な、おまえも悪くないな」
「いやらしい、顔ね」
「好き、なんだろ?それも含めて…」
言いながら、彼は唇を塞いだ。熱くさし込まれる舌が、…気持ちよかった。
キスをしながら、彼は私のシャツを捲し上げ、手のひらで胸を撫でた。
先端を指で弾かれて声が洩れる。キスの最中で、喘ぎがうめきになる。

ようやく舌を引き抜かれ、私は喘ぎらしい喘ぎを洩らした。
「たまきは、敏感だな」
微笑みを含んだ声で彼は言った。
言うとすぐに、胸元に舌を這わせてきた。先端を舌先だけで転がされる。
「あっ、あん…、あっ…」
彼の舌の動きに反応して、声が出る。

強く吸われたり、甘噛みを繰り返して、私を溶かす。彼はいやらしく音を立てながら乳房を丹念に舐め上げていく。
とてもみだらな気持ちになって、イヤだ…。と言いたくなるのに、もっと感じたいと思う自分がいて言葉にできない。
ただ甘い吐息だけが零れる。

私の身体のラインに沿うように這わされた彼の手が、時々指先だけで肌をなぞると、ゾクッとした。
794〜revenge〜4部 双璧 進藤×香坂(代理投稿):2009/09/29(火) 21:06:52 ID:CR8wFoAw
彼のくせっ毛に両手の指を差し入れて、ぎゅっと胸に押しつけてみた。
彼は愛撫を止めずに、小さく息継ぎをしながら、潤った息を、彼の唾液で濡れた肌に吹きかける。同時にザラザラと髭があたる。
熱いようで冷たい刺激と好きな『男』に自分の身体を自由にされていると実感させられてしまって、いつもと違う悦楽が体中を走り、大きく喘ぎが洩れた。
「…ああっ、…やぁ、っん」

「これが、気持ちいいのか?」
微かに笑いながら、彼は短く伸び始めた髭を撫でつけるように、顔を胸にすり寄せた。ザラザラとした感触が先端を弱く、ひっかくと身体が仰け反った。
「…ひっ、っやぁっ」
彼は満足そうに深く息を吸って「髭でものばすかな…」と独り言を言った。

舌での愛撫と、髭を擦りつける行為を続けながら、徐々に彼が下部へ降りていく。
臍の中まで舌を差し入れて舐め上げられて、私は深く目を閉じた。

ショーツの上から指を押しつけて、一番感じやすい部分を刺激される。抵抗するつもりはないのに自然と膝をたてて、両方の内股を密着させてしまう。彼は体勢を立て直して、そこに割入った。

両膝の裏を手で押さえつけられ、足を大きく開かれる。羞恥心が私を襲う。
「…やだっ」
彼は何も言わずに、抱え上げた内股に舌を這わせ、軽く吸ったり、頬をすり寄せたりを繰り返す。
敏感になっているそこに触れる素振りは一切見せず、彼は内股への愛撫を執拗に続けている。

焦らされている…。

それに気が付くとドクンと心臓が鳴った。
私は、懇願の眼差しで、彼を見た。彼は内股への愛撫に集中しているふりをして、私の視線を無視する。
たまらなくなって、彼を呼んだ。
「しんど…せん、せ」
彼はチラッと、私に視線を合わせた。いやらしく微笑んで、ショーツと肌の境を舐め上げる。私はその様子をまざまざと見せられて悲鳴の様な喘ぎを洩らした。
「いゃぁっ!」
身体が大きく跳ねた。
それでも彼は、丹念に内股の愛撫を繰り返すだけで、私の願いを聞き入れてくれないようだった。
795〜revenge〜4部 双璧 進藤×香坂(代理投稿):2009/09/29(火) 21:07:11 ID:CR8wFoAw
私は腕に手を伸ばした。指が絡むと掴みあげた足を開放して、膝にチュッとキスをして顔をあげた。
「どうした?」
それだけを言って、ようやくまともに視線を合わせて、微笑んだ。
「…もう」
「もう?どうして欲しいんだ」
彼は穏やかな声で、私の答えを待った。

それでも、それ以上は言えなくて、私は目を伏せた。
彼が髪を撫でるのを感じる。
抱き寄せられて、首筋にキスをされた。
耳元で、彼の吐息を感じると、私は彼の肩に腕を回した。
「たまき」
彼の掠れた声。色っぽい…と、思った。
「…焦らさない…で」
私は微かなささやきで、彼に懇願した。
彼はククッと喉を震わせて笑う。

「おまえこそ、俺を焦らすなよ」
そう言うと、額にキスをして
「そろそろ、名前で呼んでほしいけどな…、せめてベッドの上だけでも…」と、照れた。
浅いため息を漏らして、また喉の奥を震わせて笑った。

その仕草を、たまらなく愛おしく感じて
「一生」と、呼んでみた。
彼はまた、照れた。そして、満ち足りた表情をして
「やっと、言ったな」と、目を細めて笑った。

一度声に出して呼んでみると、私まで満ち足りたような気分になった。
やっぱり、好きすぎるんだろうな…と、思って密かに笑った。
「好きよ、一生」
「俺も、好きだ」
視線を絡ませて、微笑みあった。

気持ちを確かめ合うような、触れるだけのキスを繰り返す。
彼の膝が、私の中心に押し当てられて少し乱暴にそこを刺激した。
「…っあ、ん」
それを合図に、彼はまた私への愛撫を再開した。

さっきよりも、強引に情熱的に攻め上げられて、私は全身で彼を感じていた。
それでもショーツに彼の指がかかって、引きずり下ろされる瞬間は、いたたまれない恥ずかしさに身悶えした。それも彼のことが大好きで、愛しているからだと、自分を納得させて、いつものような抵抗はしなかった。
「…今日は、やけに素直だな」と、彼から言われた時は、ドキッとした。
796〜revenge〜4部 双璧 進藤×香坂(代理投稿):2009/09/29(火) 21:08:08 ID:CR8wFoAw
すべてが露わになって、彼の指が私の中心をなぞる。
ゆっくりと指を挿し入れられて、喘ぎが止めどなく洩れた。
「…あっ、…うぅ、ん…ぁ、い…あっ……ぁん」
彼はいつものように、私のイイ部分を執拗に扱き、零れる蜜を舌で拭った。

もう、ダメっ…。
そう思った瞬間に指を引き抜かれ、彼はそこに舌を挿し入れてきた。
私は一気に現実に引き戻された。意識がやたらとはっきりして、両手で顔を覆った。
身体はしっかりと反応し、最後までイかせてもらえなかったことで、激しく彼を欲しているのがわかった。

いつもだったらとっくに、理性を手放している状況だ。
ひどく恥ずかしくなって、
「い…イヤぁ…」と、声を出して抵抗した。
「…イヤじゃない、だろう…。そんなに…イキたかったのか…」
彼は顔も上げず、舌を抜き挿ししながら、意地悪な声でそう言った。

くちゅくちゅと卑猥な音を立て、鼻を敏感な突起に擦りつけるように、舌を深く押し挿される。
「あっ!…やめっ…、いっ…せぃ」
自分でもびっくりするほどの甲高い声を上げて、彼の髪を両手で掴んだ。

彼はようやく顔を上げて、私を見た。
「そんなに、ひとりでイキたいのか?」と言う。そして、付け足すように
「今日は、最後まで一緒だ…」と、恐ろしいことを言って、笑った。

「一生…、許して」
泣きつくように、訴えたが、彼は黙ってそれを無視した。
無視して、体勢を立て直すと覆い被さるように抱きしめられた。それから、私の身体ごと寝返りした。

彼の上で、抱きしめられている…。
彼の欲望を腰のあたりで感じている…。
何もかもがリアルな感覚で、身の置き所のないような感覚に苛まれた。
彼は私の額にキスをしてこう言った。

「俺を、犯してみろ」と。
私はひどく困惑した。冗談じゃない…。と思う私と、興味津々に次の展開を期待する私がいた。
それぐらい、今の彼は魅力的で、色っぽいと、そう思った。
「…命令…しないで…」
私は不機嫌な声を作って、それだけを言った。
797〜revenge〜4部 双璧 進藤×香坂(代理投稿):2009/09/29(火) 21:08:34 ID:CR8wFoAw
彼は私の髪を撫でつけながら、少し微笑み、真面目な表情をする。
「もっと、俺を知りたいんだろ?」と、優しいささやきを零した。
黙ってうなづくしか、なかった。

彼の手に導かれるままに、私は上体を持ち上げた。彼の上に馬乗りになって、愛おしい男を見下ろした。
視線が合うと唇の端を持ち上げて、微笑んだ。その表情を見て私はドキッとした。
彼の身体と密着しあう私の内股の間に彼は手を差し入れた。少し持ち上げて自分の欲望を、私の中心に添えた。

「ゆっくりでいい」
そう言うと、内股を支えていた手を引き抜いて、私の手を取って指を絡ませた。
私はゆっくり身体を沈めた。
深く呑み込むと「あっ」と、喘ぎが洩れた。
同時に彼も「んっ…」とうめいた。
眉間にシワを寄せ、喉仏のあたりが、筋張って震えるのが見えた。とても切ない表情だった。

「…動けるか?」
そう、短く聞いて、恥ずかしそうに微笑む。
私もきっと、そんな顔で微笑んでると思う。小さくうなずいて、身体を動かしてみた。
私の動きに合わせて、彼が吐息を洩らす。私もたまらず、声を上げた。

自ら動くという行為に慣れた頃、私は彼に聞いた。
「いっせ…、き、きもちい…ぃ?」と。
彼は一瞬、微笑んで、また切ない表情をする。
「…ああ、気持ちいい…、ぅっ…ん、でも…」
「…でも…?」

「ダメだ…、動きたいっ」
そう言って、彼はガシっと、私の腰を掴んだ。掴んで、下から激しく突き上げた。
「やぁ…!あんっ…、いっせ…」
「たまきっ」
何度も何度も深く突き上げられた。

狂ったように私を貪る彼を初めて見たような気がする。そんな彼の身体から、わき上がる熱気と欲情を感じて、嬉しかった。彼をそんなふうにしているのは私なのだと思うと歓声のような喘ぎが零れた。

798〜revenge〜4部 双璧 進藤×香坂(代理投稿):2009/09/29(火) 21:10:11 ID:CR8wFoAw
深く繋がったまま、彼は上体を起こした。
「悪いな」と言って、私の身体をベッドに押しつけた。

それから上がった息を整え、深く息を吸って
「理性が飛びそうだった…」と、苦い表情で微笑んだ。

その後はいつものように愛しあうのだと、心の中で期待した。
慣れないことをさせられて嬉しかった反面、いたたまれないような思いが心の隅にあった。でも、今日の彼はものすごく意地悪だった。

組み敷かれて彼の欲望を感じていた。ここまではいつもと同じだった。問題は…角度で…、彼は知っているはずのそこを外して、身体を進める。
それなりの快感はあるものの、頭が真っ白になるような悦楽は与えてもらえず、たまらなかった。そんなことを考える余裕があるというのも、いつもならあり得ないのに…。

懇願するように彼を呼んだ。
「いっ…せい」
彼は動きを止め、私を汗まみれの顔で見た。
「…どうした?」
「…いつも、みたい…に…して」
彼は、わからない、という表情をし、僅かに笑った。

私はじれったくなって、彼の腰に足を絡めた。腰を浮かせて深く快楽をくれるようにせがんだ。
ふふっ、と幸福そうに笑い、彼は言う。
「たまきは、ここを、こうされるのが、好きだな」
いつもの角度で挿し込まれて、全身に痺れが走った。

それからお互いに絶頂を迎えるまで、そう時間は掛からなかった。
それまで、彼は快感を制御して、私の身体で受け止められるだけの悦びの量を調節していたのだと気が付いた。
彼の息が激しく刻まれて、息を詰め、身体を硬直させた瞬間。
今までにないくらい深く差し入れられた。
同時に私もガクガクっと痙攣を起こした。
最後まで理性を残して彼の欲望を受け止めるのは初めての経験だった。

彼は力無く、身体を私に預けてきて、荒い息のまま
「たまき、愛してる」と、耳元でささやいた。

私は声にならず、彼をぎゅっと、抱きしめた。

二人とも、しばらくそのまま、じっとしていた。

心まで熱くなるような時間だった。愛しい思いを全身で受け止めて、全力で与え合った。
私は抱きしめた腕に力を込めた。とても愛していると、彼に伝わるくらいに、強く、強く彼を抱きしめていた。

799名無しさん@ピンキー:2009/09/29(火) 21:10:42 ID:CR8wFoAw
窓の外は、青白く夜明けの色をしていた。
どちらともなく、身体を離して仰向けになった。彼が私の手を握って指を絡める。
余韻を楽しむように、指を撫でた。それだけで、ピクっと反応してしまう自分の身体が可笑しくなって、苦笑した。

「たまきは、敏感だな…」
彼もまた、微笑みながら満足そうに私をからかう。

すごくステキな関係だと思った。
ありのままの気持ちがとけあっていた。

枕元の時計がアラームを鳴らして、そんな幸福な時間の終わりを告げる。
私は小さくため息をついて、
「行く時間ね…」と、つぶやいた。
少し間があって、彼は照れくさそうに言った。
「今日は休みだ」と。
そして「お前の休みと合わせるのに、3ヶ月もかかった…」と、嘯いた。

私は込み上げる喜びを押し殺して、できるだけ拗ねた声を出した。
「信じられない」と。
彼は困ったように、身を寄せてきて微笑んだ。
「どこか行きたい、ところないか?」
そう、ささやいてひどく照れた表情をした。

「散歩、しましょ」と、私が提案すると、うなずいた。
「手を繋いで、な」と、
彼が付け足すのを聞いて、とても幸せで満ち足りた気持ちになった。

私と彼とでしか、紡げない時間がゆっくりと流れていた。

END

800名無しさん@ピンキー:2009/09/29(火) 22:52:53 ID:3UbgCMzq
おおお!すごい!!!
進藤香坂いいな!

日比谷×小島
も見てみたと思ったw
801文屋:2009/09/29(火) 22:53:47 ID:VjdWPj1u
有志さんありがとう!
今まで協力してくれた有志さんも、ホントにホントにありがとうございました。

すっごい長くなってこのスレには不似合いな長文になってしまった。ごめんな。俺のない文才で出来るとこまで書けたと思う。いろいろ本編にやられまくったけど(笑)楽しい時間をすごせたぜ。

最高までつきあってくれたみんなありがとう。
感謝してます!
では、また機会があればなんか書くので、そん時はまたよろしく。
802名無しさん@ピンキー:2009/09/30(水) 00:31:46 ID:dCbN8PFt
超大作GJ!

たまきたん、やらしいよ(*´д`*)ハァハァ
803名無しさん@ピンキー:2009/09/30(水) 00:42:47 ID:YsOlRJRi
文屋さん最高!
804名無しさん@ピンキー:2009/09/30(水) 22:05:22 ID:tF6TuGON
文屋さん、ありがとうございます!
またお時間ある時にでも…お待ちしてます!!
805名無しさん@ピンキー:2009/09/30(水) 22:51:02 ID:CHjRRmif
文屋さん最高!超名作だ!
ほんと最高だよ!
涙出た。
エロ有りでしかも切なくて、もうこんなクオリティ高い作品をネットで読ませてもらえるなんて!
本当にありがとう!

また時間が出来たらぜひ書いてください!
切に切に願います!
806名無しさん@ピンキー:2009/09/30(水) 23:29:16 ID:5NK5S+/q
忙しい中大作を仕上げてくれて
文屋さん本当にありがとう!

ここでいったん一区切りなのは寂しいけど
長編だけじゃなくてネタものも面白かったし
時間ができたらまた是非!
807名無しさん@ピンキー:2009/10/02(金) 02:24:23 ID:4Cqd7WWR
ありがとう!
文屋さんはすごいよ、ほんと!
また書いて欲しい!お願いします!
808名無しさん@ピンキー:2009/10/06(火) 01:21:07 ID:MAdgSw7P
文屋さんありがとうございました
二人の関係に酔いしれました……素晴らしい!
またお願いします!
809( ・∀・)つ〃∩モエー ◆bhH/AtH.kc :2009/10/08(木) 01:18:44 ID:VK7roKFq
再放送見て萌えが再燃してお邪魔します。
河野弟とか需要ありますかね
まだ何にもネタない状態なんですけど駄作を久々に書きたくなって…
カップリング案があったら、教えてほしいです

書けるかわからないですけど(´Д⊂
810名無しさん@ピンキー:2009/10/08(木) 01:37:42 ID:78csLhg+
河野弟かー誰がいいんだろ
河野兄だったら小島と絡ませたいけどなー
もちろん小島上位な感じでwww

再放送観てたら太田川が可愛くて仕方がない
矢部と初々しいのもありだがあえて進藤もいいかなと思ってしまう
さすがに神林先生じゃなぁ…
811名無しさん@ピンキー:2009/10/08(木) 02:30:03 ID:ciJiBkKb
弟だったら日比谷でしょ!
812名無しさん@ピンキー:2009/10/08(木) 02:45:23 ID:+qIcvcJ7
澤井さんと香坂先生が実はシカゴで……って飛躍しすぎかな(汗)
でも読みたいです
813名無しさん@ピンキー:2009/10/08(木) 07:45:27 ID:+qjJmEil
弟×日比谷たのむ
814名無しさん@ピンキー:2009/10/08(木) 14:55:17 ID:lNYLv3xd
澤井さんは小池栄子と子育て満開してるから無理ぽ
815名無しさん@ピンキー:2009/10/08(木) 16:59:04 ID:8os9qmZk
日比谷×香坂先生とか。
ツンデレ好きそう、日比谷www
香坂先生の進藤への気持ちに気付いていながらも・・・。
816名無しさん@ピンキー:2009/10/09(金) 15:25:56 ID:w0zfbmqM
香坂と進藤ばっかりでつまらない
小島・進藤
進藤・桜井
進藤・澤井とかないの?
817名無しさん@ピンキー:2009/10/09(金) 17:42:56 ID:KUQEaMKG
馬場桜井に萌えてたのに
パート4でひどい前シリーズレイプだったからなあ
818名無しさん@ピンキー:2009/10/09(金) 18:52:00 ID:xmqHd+HG
>>816
そう思うなら自分で書け
819名無しさん@ピンキー:2009/10/09(金) 20:49:36 ID:DcSg59/o
>>816
他のが読みたいからって「つまらない」発言はだめだろ。
書き手さんたち、どんな作品でもお待ちしています!
820名無しさん@ピンキー:2009/10/09(金) 21:35:20 ID:3y6i1mjz
新作待ってます
自分は全く文才ないから、ここに書いてくれてる方々、
凄いな〜って常々思ってます!
821名無しさん@ピンキー:2009/10/09(金) 23:47:44 ID:euBwAYzO
おいおい、>>816のラスト一行は釣りだよな?www
822名無しさん@ピンキー:2009/10/10(土) 03:19:48 ID:BJH2uvJU
進藤澤井より弟×日々やんだよ!
823名無しさん@ピンキー:2009/10/10(土) 12:54:54 ID:9JOwcp+e
日比谷×もじゃ毛のカプってアリですかね?
824名無しさん@ピンキー:2009/10/10(土) 23:17:38 ID:omgU5OUa
お前ら801板行け




と言いたいがテンプレにないのか<801禁止
825名無しさん@ピンキー:2009/10/12(月) 02:10:22 ID:AyzJSXhU
もじゃ×日比谷がいいよ
826名無しさん@ピンキー:2009/10/12(月) 15:37:02 ID:LVNu0y4a
進藤「よーし澤井、挿入する!痛むぞ」
澤井「くっ・・・進藤先生お願いします」
827名無しさん@ピンキー:2009/10/12(月) 15:39:24 ID:LVNu0y4a
小島「進藤先生お願いですから、心と体を休ませてください!」
進藤「ずっとモヤモヤして眠れないんだ、小島抜いてくれないか?頼む」
828名無しさん@ピンキー:2009/10/12(月) 21:23:53 ID:e2/mpBC3
イメージ壊れるっ
エロきゃ何でもいいんだ…
829名無しさん@ピンキー:2009/10/13(火) 12:32:24 ID:x9kVITR0
>>813
弟「あんた、俺の指導医になってくれよ!」
日比谷「そういう面倒事は他あたってくれ」
830名無しさん@ピンキー:2009/10/15(木) 02:05:14 ID:InNQ3pHd
ネタスレだねw
文屋さん、また書いてくれないかな。
831名無しさん@ピンキー:2009/10/16(金) 01:48:32 ID:LiCMLVGP
文屋さん、あなたの作品が大好きです!
またぜひお願いします
待ってます

832名無しさん@ピンキー:2009/10/16(金) 02:21:21 ID:s/9XEOqH
文屋さん待ち。
833文屋:2009/10/16(金) 08:52:30 ID:c344TxLP
久々に覗いたら…
俺、呼ばれたんだな。ケータイからなんで、流れがよくわかんねぇけど、801書けってこと?
そりゃ、無理だわ。ごめんなー。
それより腰が激痛なんだボルタレンくれ。
834名無しさん@ピンキー:2009/10/16(金) 12:31:28 ID:Ojt+8kBK
801じゃなくて進藤・香坂以外も書いてください
進藤・小島はなんでないんですかね
835文屋:2009/10/16(金) 15:31:42 ID:c344TxLP
>>834
俺はあいつらが師弟の関係以上になるのは望んでないし、ぶっちゃけ小島はあんまり好きじゃない。
だから進藤×小島は書けない。好きなものしか書きたくないしな。
834の欲望を満たしてやれずに申し訳ないが
他の書き手さんに希望を託せ!ごめん、わりぃな。



ってか、進藤×香坂はもう飽きたってこと?それがココの住人の総意?
836名無しさん@ピンキー:2009/10/16(金) 15:34:37 ID:J7bsy7MK
いやいや、自分は進藤×香坂大好き派!!
やっぱ、あの2人が最高だー
だから文屋さんの作品を毎日待っているよー
837名無しさん@ピンキー:2009/10/16(金) 15:51:20 ID:Zg5Zy0Jw
オイラはメタメタ進香派だ、いやもう進藤先生とたまきたんは譲れん!

かわいいたまきたん結婚してくれーな勢いで大好きっす
838名無しさん@ピンキー:2009/10/16(金) 19:42:07 ID:6dsUQc8+
進藤は香坂の前でしか男の部分を見せてないよな。
進藤と小島は想像しづらい。
839名無しさん@ピンキー:2009/10/16(金) 21:28:53 ID:LiCMLVGP
文屋さん
進藤先生と香坂先生の話、めちゃくちゃ欲してます〜
二人を妄想するだけで、ドキドキします
840名無しさん@ピンキー:2009/10/16(金) 23:07:42 ID:WuO5q0/G
全然飽きてません!!
と言うか足りないくらいですw

文屋さんの書く進藤先生とたまき最高で最強です!!!
他の書き手さんも待ってます!
841名無しさん@ピンキー:2009/10/16(金) 23:28:37 ID:RAbFn1fM
>>838
進藤先生って、普段からそんな感じだけど
香坂先生と二人の時は特に、何かフェロモン大放出してる気がする。
しかも無意識のうちに。

ってか、進藤×香坂のいったいどこに飽きる要素があると?
842文屋:2009/10/17(土) 00:23:15 ID:SVbDziT9
ざっくり最近の流れを把握してきたぜ。
進藤×香坂については、続行萌えでOKだな。
そんで、他カプも(801含)読みたいヤツもいるってことだよな。
後者について俺は萌え要素を投下できるかわからんが、時々覗きにくるからネタがあれば書き込んでくれよ。面白いと思えば書くかもしれん。
書き始めて面白くなきゃ、途中でやめちゃうけど?
他の書き手さんも、きっと面白いネタがあれば書きたいと思うんじゃないか?
いち読者として、俺も他の作品読みたいし、俺は雑食だからどんなカプでもアリ!
ぜひぜひ、他の書き手さんも投下よろしくお願いします!!!

ちなみに今リベンジ版の続編書いてるから、時期が来たら有志さんまたお手伝いお願いします。
843名無しさん@ピンキー:2009/10/17(土) 23:05:34 ID:/lt36rGU
> 文屋さんの書く進藤先生とたまき最高で最強
とか言われたら他の書き手さんは投下しづらくないのかな?
このスレ好きだけど、カプや書き手さんを選んでるレスが多いのがちょっと気になる。

勝手なこと言ってごめん。
844名無しさん@ピンキー:2009/10/18(日) 00:34:12 ID:QvgZBCEN
といっても文屋さんの連載終わったら、ネタ、お笑い的なコメントばかり。
全然作品投下の気配すらない。
人のレスにそこまで言わなくてもいいじゃん。
他の作家さんの投下にもGJ的な感想や感謝のコメントはついてるし。
当の文屋さん自身、他の作家さんの作品読みたいって言ってくれてるのに。
845名無しさん@ピンキー:2009/10/18(日) 00:38:51 ID:QvgZBCEN
これで文屋さんが反対に書きづらくならないといいけど。
文屋さん、気にせず投下お願いします!
文屋さんの進たま待ち望んでいるコメ、たくさんあるし、
自分も凄い楽しみに待ってます。
846名無しさん@ピンキー:2009/10/18(日) 00:41:26 ID:MD5pcCax
この前の百合も評価すごく良かったし、
そんなに問題なレスだとは自分も思わない。
文屋さんをはじめ、どの作家さんの作品も楽しみだー
847名無しさん@ピンキー:2009/10/18(日) 22:20:18 ID:MD5pcCax
>843の言ってることはよくわからない。ひがみなのか?
文屋さん、気にせずこれからもよろしく!
他の書き手さんたちも、どんなカプでも楽しみにしてる!!
848名無しさん@ピンキー:2009/10/20(火) 16:34:27 ID:ngn2dKlN
誰の作品でも新作キタイ!
849名無しさん@ピンキー:2009/10/21(水) 00:17:51 ID:IsacSsY+
>>847はなんで同じような事を二回も言ったのかが気になった
850名無しさん@ピンキー:2009/10/21(水) 01:47:11 ID:gHdxuV1M
文屋さん、待ってます!
無理はしないで欲しいけど、待ち遠しいよ〜!
851名無しさん@ピンキー:2009/10/21(水) 01:49:40 ID:ufi1dLNB
誰も書いてくれなそうなカプなんだけど…
花輪×鴨井とかってエロいんじゃね?
852名無しさん@ピンキー:2009/10/22(木) 01:03:20 ID:Pf9uffSp
香坂×矢部で、香坂がSっぽいのもいいな
自分でも書いてみようかと思うけど、文章力無さすぎ…
みなさん、お願いします
853名無しさん@ピンキー:2009/10/22(木) 16:42:07 ID:LxZYmAxT
>>852
書いてみてよ。矢部の一人称だったら、たどたどしい文章のほうが、臨場感出そうだけどな?
854名無しさん@ピンキー:2009/10/22(木) 21:51:19 ID:KrGjfX+w
>>851
花輪テンテーだったら山城さんのが萌えるな
子持ちバツイチ同士のオフィスラブだよ!
855名無しさん@ピンキー:2009/10/22(木) 22:11:11 ID:EyDgiMci
たしかに、花輪×山城はちょっと萌えるな
初めてエロパロっぽいのを投下できるきがする…。
リベンジの後日談。しかも実験的に書いてます。その上俺の妄想萌えの単なるマスターベーションだから読みたい人だけ読んでください。

■タンデム(tandem)=二人乗りの意味
■ソフテイル(FXST)=ハーレーダビットソンのバイク
857〜tandem date〜 1 進藤×香坂:2009/10/25(日) 02:47:30 ID:p6VrqW80
休日の過ごし方をすっかり忘れてしまっていた俺は、今朝、空の色を見て思いついた即席デートプランを、いつ彼女に切り出そうかと、インスタントコーヒーを淹れながら考えていた。
なによりも、初めて過ごすふたりだけの休日だというのに、『同じ日に休み』が大前提になりすぎて、さっきまでなにも考えていなかったのだから、俺もトシを取ったな、と密かに笑うしかなかった。

そもそも、休日をどう過ごしていたのかさえ、思い出せない。いっそ、このまま彼女の好きなように一緒に時間を過ごすのも悪くない。悪くはないが、窓の外の青空をみていると胸の奥が高揚した。
それは、まるで遠足を楽しみにしていた子供頃のそれ、に似ていて気恥ずかしい気分になった。せっかくの晴れた休日だからな、と心の中で自分を励まして、たいして旨そうでもない安い香りのするコーヒーをキッチンですする。

シャワーを浴びて戻ってきた彼女が、髪を拭きながらリビングのソファーに身体を沈めるのを目で追いながら
「コーヒー、飲むか?」と、訊いた。

Tシャツとショーツ姿でソファーで小さく伸びをして、うん、とうなずき、俺の方を見て微笑んだ。

いつの間にか買い揃えられた、おそろいのカップに、彼女の分のコーヒーを淹れる。

「熱いぞ」と、ひとこと添えてコーヒーを差し出す。
俺は飲みかけのそれと共に彼女の隣りに座った。
「ありがと」
彼女は言い、片手で髪を拭きながら、差し出された入れたての安い香りを吸い込んだ。
「コーヒーメーカー、欲しいわね」
ややがっかりした口調でそう言うと、苦笑して、俺を見る。
「ああ」と、うなずくと満足そうにインスタントコーヒーをのんだ。
858〜tandem date〜 1 進藤×香坂
細く白い人差し指でカップの取っ手を握り、美味しいとも、不味いともつかない表情でで小さなため息をつく。
化粧っ気のない白い素顔が、素晴らしく晴れた日の光を浴びて、俺の知らない彼女を見せた。
綺麗だと、美しいと…思った。惚れた欲目と言われればそうかもしれないが、時々見せる子供じみた仕草も、俺だけに向けられる熱い眼差しも、甘えも、気づくたびに俺は、俺だけが、彼女に夢中になっていくようで心配になる。

そんな彼女の横顔に見惚れていると、
「なによ」と、はにかんで濡れた髪を俺の肩に乗せた。
俺は、トクンと鳴った心の中で呟いていた。

まだまだ、知らないことが、あるな…。と。
そして、彼女も俺のことをもっと、もっと、知りたいと思っているのかと…、考える。

いつからだろうか…。俺が彼女のすべてを欲しいと、俺だけのものにしたいと願うようになったのは…。
すでに自己分析もできないくらい俺は彼女に惚れていると思う。そして、どこまで本当の俺を見せていいのか、わからなくなる。彼女のすべてを知りたいくせに、俺は『俺』を演じようとしている。そう思うときがある。

彼女は、どうなのだろうか…?

尽きない想像に、ため息をついて、俺は飲みかけのコーヒーをテーブルに置いた。
体を動かすと、肩が濡れる感触がリアルに伝わった。シャンプーと香りと、彼女の体温。

たんなる朝の自然な光景に思えるこの時でさえ、幸せを感じずにはいられない。
安いコーヒーをすすりながら、俺を上目遣いで見ている彼女。そのくちびるからカップが離れて行くのを確認して、キスをした。
チュッと音がして、すぐに離れる。彼女は黙って、恥ずかしそうにふれくされた。まるで、不意打ちはダメだと叱られているようで、俺は思わず天を仰いだ。

静かに頭を持ち上げ、俺から離れて行った。濡れた肩が冷たい。

俺には似合わない台詞だということを知りつつも、曖昧になりそうな気持ちを、確認するように言った。
「おまえ、素顔のほうが綺麗だな」
彼女は小さく微笑みをつくりながら
「らしくないわね」と、驚き。
それから「あなたが、女を褒めたりする男だとは思わなかった」と、
嬉しそうに独り言を呟いた。
俺は黙って、その表情を確認し、ほっと胸をなでおろした。