上月雨音 『SHI-NO -シノ-』 でエロパロ2
「お前が支倉と付き合ってるってゆー男だな!?お前なんかにはぜってー負けないからな!」
「って、学生服姿の子に言われたんだけど。志乃ちゃんの知り合い?」
ご飯時、僕は正面に座る志乃ちゃんに尋ねる。
制服は彼女が通う学校のものだったし、志乃ちゃん以外の支倉さんで僕を訪ねてくる理由も無い。
「…たぶん、クラスメイト。以前、告白された」
「ふぅん…そっか、あの子が志乃ちゃんをねぇ…。若いっていいねぇ」
「…それだけ?」
…お。
「うん?」
「……………………なんでもない」
すっとぼけると、かなり長い沈黙の後にぼそりと呟く志乃ちゃん。
うーん、可愛いなぁ。この前のマッサージの時も可愛かったけど、今回の様な志乃ちゃんはかなりレアだ。
「…ご馳走様」
拗ねたように食事を終え、シンクに向かう彼女の背に僕は声を投げる。
「で、…なんて言って断ったの?」
「で、…なんて言って断ったの?」
彼が食卓から動かないまま声をかけてくる。
『答えた』ではなく『断った』という表現で。
それは既に確定的な事項で、事実私は断っている。
だけど、もしも。断ってない、と答えたら…彼はどんな反応をするのだろう。
知りたい。
怒るのか。驚かれるのか。悲しそうに笑うのか。それとも、ふぅん、と何気なく流されるのか。
今までなかった、欲求。
「…志乃ちゃん?」
「…彼の気持ちに、応えました」
「………え?」
カタン、と小さな音。小さく振り向くと、茶碗がテーブルの上に転がっていた。
そして、見たことの無い彼の表情――驚愕。
「ぁ…」
流石に罪悪感を覚え――その後のことは、よく覚えていない。
「………え?」
思考が凍りつき、思わず茶碗を取り落としてしまう。
志乃ちゃん…嘘でしょ?
第5話サブタイトルの様な声を出そうとして、失敗。声が上手く出なかった。
小さく振り向いた当の志乃ちゃんは表情を変え――
次の瞬間、僕は彼女に押し倒された。
「し、の…ちゃ…」
「嘘です」
今にも泣きそうな表情で僕を見下ろし、
「貴方の反応が見たくて、嘘をつきました」
そのまま僕の方に顔を寄せ、
「ごめん、なさい…!」
謝罪とともに、口を塞がれる。
――志乃ちゃんの、唇で。
「志乃ちゃん、今日はいつになく積極的だったね」
「…それは、だって…あんな表情されたら」
布団の中で、罰が悪そうに目をそらす志乃ちゃん。
「僕、そんなにマズい顔だった…?」
「…ごめんなさい」
志乃ちゃんがここまでとなると、よほどヒドかったんだろう。自覚は無いけど。
確かにあれはダメージ大きかったけど…というか、もう二度とやって欲しくない。心臓に悪すぎる。
「でも、………よく、わかったから」
あ、志乃ちゃん照れてる。可愛いなぁ。
「あはは…僕もよくわかったよ…。ところで、志乃ちゃん。いったい、なんて言って断ったの?」
目をそらしたままの彼女を背中から抱きしめて尋ねる。少しの沈黙の後、彼女は小さく教えてくれた。
「…私はもう、貴方のものだから、と」
その夜、たっぷりとサービスしてあげたのは…言うまでも無い。