☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第94話☆

このエントリーをはてなブックマークに追加
魔法少女、続いてます。

 ここは、 魔法少女リリカルなのはシリーズ のエロパロスレです。


『ローカル ルール』
1.リリカルあぷろだ等、他所でのネタを持ち込まないようにしましょう。
2.エロは無くても大丈夫です。
3.特殊な嗜好の作品(18禁を含む)は投稿前に必ず確認又は注意書きをお願いします。
  あと可能な限り、カップリングについても投稿前に注意書きをお願いします。
【補記】
1.また、以下の事柄を含む作品の場合も、注意書きまたは事前の相談をした方が無難です。
  ・オリキャラ
  ・原作の設定の改変
2.以下の事柄を含む作品の場合は、特に注意書きを絶対忘れないようにお願いします。
  ・凌辱あるいは鬱エンド(過去に殺人予告があったそうです)

『マナー』
【書き手】
1.割込み等を予防するためにも投稿前のリロードをオススメします。
  投稿前に注意書きも兼ねて、これから投下する旨を予告すると安全です。
2.スレッドに書き込みを行いながらSSを執筆するのはやめましょう。
  SSはワードやメモ帳などできちんと書きあげてから投下してください。
3.名前欄にタイトルまたはハンドルネームを入れましょう。
4.投下終了時に「続く」「ここまでです」などの一言を入れたり、あとがきを入れるか、
   「1/10」「2/10」……「10/10」といった風に全体の投下レス数がわかるような配慮をお願いします。

【読み手 & 全員】
1.書き手側には創作する自由・書きこむ自由があるのと同様に、
  読み手側には読む自由・読まない自由があります。
  読みたくないと感じた場合は、迷わず「読まない自由」を選ぶ事が出来ます。
  書き手側・読み手側は双方の意思を尊重するよう心がけて下さい。
2.粗暴あるいは慇懃無礼な文体のレス、感情的・挑発的なレスは慎みましょう。
3.カプ・シチュ等の希望を出すのは構いませんが、度をわきまえましょう。
  頻度や書き方によっては「乞食」として嫌われます。
4.書き手が作品投下途中に、読み手が割り込んでコメントする事が多発しています。
  読み手もコメントする前に必ずリロードして確認しましょう。

『注意情報・臨時』(暫定)
 書き込みが反映されないトラブルが発生しています。
 特に、1行目改行、且つ22行以上の長文は、エラー表示無しで異次元に消えることがあるそうです。
 投下時はなるべく1レスごとにリロードし、ちゃんと書き込めているかどうか確認をしましょう。

リンクは>2
【前スレ】
☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第93話☆
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1231081810/

【クロスものはこちらに】
 リリカルなのはクロスSS倉庫
 ttp://www38.atwiki.jp/nanohass/
 (ここからクロススレの現行スレッドに飛べます)

【書き手さん向け:マナー】
 読みやすいSSを書くために
 ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/5301/1126975768/

【参考資料】
 ・Nanoha Wiki
  ttp://nanoha.julynet.jp/
  (用語集・人物・魔法・時系列考察などさまざまな情報有)
 ・R&R
  ttp://asagi-s.sakura.ne.jp/data_strikers.html
  ttp://asagi-s.sakura.ne.jp/date_SSX.html
  (キャラの一人称・他人への呼び方がまとめられてます)

☆魔法少女リリカルなのはエロ小説☆スレの保管庫
 ttp://red.ribbon.to/~lyrical/nanoha/index.html  (旧)
 ttp://wiki.livedoor.jp/raisingheartexcelion/   (wiki)


3名無しさん@ピンキー:2009/01/25(日) 14:25:05 ID:OWncPTob
>>1
乙。……94枚は脱がせがいがあるな。
4名無しさん@ピンキー:2009/01/25(日) 17:30:49 ID:dHpwuOVP
>>1乙。
……脱衣ブロック崩しというものがあってだな
5名無しさん@ピンキー:2009/01/25(日) 17:45:25 ID:o+9HsVA/
>>1乙。
それでもエロノだったらブレイクインパルスで全て脱がせそうだな。

……メイドガイの作者が書いてる同人にあったな、そういうの。
6名無しさん@ピンキー:2009/01/25(日) 17:47:48 ID:IB4yfch+
>>1
94枚か。一枚の厚さは0.1mmの防御には十分な強度を持つ強靱な魔法被覆で
パージするときは一枚ずつしか脱げないんですね。
最後に近くなればなるほど透けてきて……
7名無しさん@ピンキー:2009/01/25(日) 17:49:46 ID:LyMYEMRk
前スレだと容量オーバーなんで一番槍だッ!
あと数分後、最終チェックが終わり次第投下しまーす
8ておあー:2009/01/25(日) 17:53:31 ID:LyMYEMRk
よし行こう。

>>前スレのシロクジラ氏
>……ごめん、いやらしいよね、こんな子
このセリフで眠っていたリビドーが目覚める気配がした!! 俺孕ませるよ、シロクジラ氏!!

・小ネタ
・中途半端にエロ
・ショタザフィとロリアルフ
・ある意味人体改造ネタ
・アルフが孕んでもいいじゃない

タイトル『それは奇跡の代償』NGワードもこれでお願いします。
9それは奇跡の代償:2009/01/25(日) 17:54:32 ID:LyMYEMRk
「んっ、射精すぞっ!」
「うんっ、来てぇ! もう来てぇっ、ザフィイラアァーッ!!」

 女の絶叫にも似た懇願と共に、男の濃厚な白濁液が女の膣に注ぎ込まれる。
 勢い良く放出された精を受け止めた女の肢体は悦びに打ち震え、顔には恍惚の表情が浮かぶ。
 一方の男もまた、あからさまに表に出す事はなかったが確かに強烈な快感を得、心満たされる。

 いわゆる愛し合う者同士の営み――セックスの光景。

 ただ、世間一般のそれと今展開されているそれには一つ大きな違いがあった。

「はぁ……ちょっと、休憩しよっか……」
「そうだな」

 肉棒を引き抜かれ、脱力しベッドに身を預ける女はまだ二桁の齢にも達しないと思われる少女。
 その隣に転がり少女を愛おしげに見つめる男もまた、彼女と同じ年頃の少年。
 実はこの男女二人、本来は立派に成熟した肉体の持ち主でありながら、とある理由からここ最近は子供の姿での
交わりを常としているのだ。

「……アルフ」
「……なんだい?」
「その、具合はどうだ……? お前に言われた通り心持ちさっきより大きくしてみたのだが」
「んー、あー……こんな事言うの、凄くワガママなのはわかってるんだけどさ。今度はキツいかも……ほんのちょっと」

 魔導師フェイト・T・ハラオウンの使い魔、アルフ。
 同じく魔導師八神はやての守護獣である魔導生命体、ザフィーラ。
 それが二人の名前と出自だ。
 今二人が子供の姿をとっているのは、実はこの出自に関係がある。
10それは奇跡の代償:2009/01/25(日) 17:55:22 ID:LyMYEMRk
 数年前、前線を退き"フェイトの帰る場所を守る"事にしたアルフは、常に子供の姿で生活するようになった。
 使い魔は居るだけで主人の魔力を消費してしまうので、少しでもその負担を軽減しようと考えての事である。
 主の事を思っての行為であり、それ自体に問題はないように思えた。
 だがその事が、後に周囲から見れば大変馬鹿馬鹿しくも本人にとっては重大な問題を引き起こしてしまう。

 なんと、体を小さくした事で、恋人であるザフィーラの鋼の軛(隠喩)が入らなくなってしまったのだ。

 元々恵まれた体格のザフィーラの鋼の軛(隠喩)は、一般的な男性のそれと比べてもかなり、いや大変逞しい逸品である。
 少女どころか幼女でも通りそうな子供フォームで受け入れられないのは当然だった。
 下手をすれば裂けてしまう。そしてそんな恋人を傷つけかねない行為を紳士であるザフィーラがする筈が無い。

 アルフは悩んだ。
 セックスの時だけアルフが元の姿に戻るという手もある。実際我慢しきれず、何度か実行した。
 しかしその方法には、フェイトの消費魔力を増やしてしまうという問題がある。
 あの優しい彼女の事だから、気づいても多分黙認してくれるだろう。
 しかし、もしたまたま虫の居所が悪かったり徹夜で仕事中の時にピンポイントでぶち当たったら……
 「こっちは大変なのにそっちは今から恋人とアハンウフンですかいいですね死ねばいいのに」とまでは言われなくても、
翌朝一番に「さくやはおたのしみでしたね」くらいは言われるかもしれない。
 そう考えると、思う存分行為を愉しむ事もできなかった。


 一方ザフィーラは子供フォームを習得した。

11それは奇跡の代償:2009/01/25(日) 17:56:55 ID:LyMYEMRk
 笑ってはいけない。
 当人達には真剣な問題だったのだ。
 ただまあ、『紳士が変態紳士にランクアップした瞬間だった』くらいの事は言ってもいいかもしれない。

「……そうか」
「あ、でも気持ちいいのは気持ちいいんだよ! それにザフィーラがいいなら全然これでもいいし! ちょっとキツく
締め付けるほうが気持ちいいってアンタこの前言ってたじゃん!!」
「いや、私一人が良ければそれでいいという訳でもあるまい。お前と二人で行うものなのだからな」
「……ありがと」

 こうして子供の姿で交わる事にした二人だが、残念ながら元の姿でやっていた時ほどしっくりいかず、こうして行為の
後は毎回微調整を図っている。 
 ちなみに一番最初に子供フォーム同士で行為をする事になった時、脱いだザフィーラの鋼の軛が大人サイズのままだった
為にアルフに殴られた事を付記しておく。
 「それじゃ意味無いだろバカ犬!」「私にも男としての面子があるのだよ!」などという会話が交わされたとか
交わされなかったとか。

「ということはさっきとその前の中間がよいということか」

 アルフの見ている前で、小康状態にあった肉棒が僅かに縮む。

「あーダメダメ。多分目に見てわかるほど小さくなったら細くなりすぎてると思うんだよ。さっきはあともうちょいの
とこって感じだったから」
「ぬう……難しいものだな」

 細さだけではなく長さや雁首など、まだまだ摺合わせを行わなければならないポイントは多いのだ。

「結局は実際に使いながら確認するしかないというわけか」
「そういう事だね。んじゃ、休憩終わりって事で。第8ラウンド行こっか」

12それは奇跡の代償:2009/01/25(日) 17:58:30 ID:LyMYEMRk
 アルフと口付けを交わし唾液を交換するうち、ザフィーラの肉棒が再び活力を取り戻してゆく。
 アルフの秘所もまた、愛する男のモノを受け入れられる悦びにひくひくと震えその時を待つ。
 野生の力ゆえか、それともお互いへの愛の深さの成せる業か、双方に一切の衰えは見られない。 

「あぅ……っ、ん、あっ、でもこれ、これいいかもっ……」

 ザフィーラが自分の中に沈み込む感触に、アルフが喘ぎ交じりの蕩けた呟きを漏らす。

「凄いぞアルフ……締め付けの、強さが全く違う……」

 ザフィーラも表情を歪めながら彼女に応える。両者ともこれまでとは段違いの快感に襲われていた。
 肉棒と膣壁それぞれが、引き裂かれていた恋人同士が再会したかのように強く強く互いを求め合う。
 もうお互いを二度と離すまいと、熱く激しく滾ってゆく。

「動かすぞ……!」
「あ、ふぁっ! やめ、ザフィ、ッ、んぅ! つよ、強すぎ……っ、あぁんっ!!」


 その日の行為は一際激しいものとなった。
 日付が変わる前に始まったこの日の交わりが終わるのは、日の出をとうに過ぎた時間だったという。


 その後――


「シャマル、アルフは!? アルフは大丈夫なの!?」
「落ち着いてフェイトちゃん……そしてよく聞いて。信じられないかもしれないけど……」

 こうして主人(主にフェイト)にバレないようにこっそりセックスライフを送っていたアルフとザフィーラだったが、
ある日意外な形でその事実が周囲に知られる事となった。
13それは奇跡の代償:2009/01/25(日) 17:59:39 ID:LyMYEMRk
「に、に、妊娠!?」 
「まあ一つの奇跡よねえ……でもセックス自体はしてたんでしょ? あの二人?」
「え、で、でも魔力消費が……」

 そして――

「つまり子供フォームでアルフとエッチしてたと」
「Exactly(その通りでございます)」

 という会話があったりなかったりして――

「それで方々を追い出されてうちに転がり込んで来た訳かい」
「面目ありませんが、他に頼る場所がありませんorz」

 幼女を孕ませたという点だけが何故か異常にクローズアップされたザフィーラは八神家を追い出されナカジマ家に
身を寄せていた。
 なんかもう幼女と一緒に置くと孕ませる危険物扱いされ、ヴィータ達のいる八神家のみならず、リエラのいる
ハラオウン家、ヴィヴィオのいる高町家からも出入り禁止を食らったのである。
 アルフのいるハラオウン家からNOを突き付けられたのはある意味一番の衝撃であった。

「どうせならその嫁さんと二人で新居に移りゃあいいだろうに」
「私も仕事がありますし、アルフが出産するまではなるべく人が周りにいた方がいいだろうという事になりまして」
「まあ一理あるわな。どうせ賑やかな家だし、一人……一匹? ぐらい増えても俺は構わねえよ。ギンガもそれで
いいだろ?」
「いいですけど、チンクに手を出したらギュイイイィンですからね」

「……」


 その後チンクに手を出さなかった(当然だが)事で「なんでチンク姉には手を出さねえんだそれはチンク姉に女としての
魅力がねえって事かこの犬野郎いっぺん表出ろ」とノーヴェに意味の分からない理由で絡まれたという。
 

「もうどうしろと……」

 頑張れザフィーラ、パパになるその日まで。
14ておあー:2009/01/25(日) 18:01:35 ID:LyMYEMRk
投下終了。お付き合いくださった方、ありがとうございます。
我ながらアホらしい話と思いつつ、実際セックスの時に恋人のモノが別人のとチェンジしてたらやっぱ違和感が
あるんでなかろうかと真面目に不真面目な妄想をしました。セックスの相性は大事って時々聞きますしね。

旧年中はお世話になりました、と今頃挨拶。
思うように書けないんで書かなかったらご覧の有様だよ!! 時間過ぎるのはえー……今年もお世話になります。
あと保管庫の過去作に感想を下さった方にも感謝を。力をもらいました、すぐ結果に結びつきませんでしたがorz
15名無しさん@ピンキー:2009/01/25(日) 18:08:54 ID:OWncPTob
GJ!
何故だろう。ザッフィーには逆境がよく似合う…………。
16名無しさん@ピンキー:2009/01/25(日) 18:16:17 ID:VfjyJ9lB
GJ
最高だぁぁぁ
ザッフィー危険物扱いですかw
グリフィスと同類扱いは辛いやね。
でも八神家の場合は、ヴィータじゃないね。リインUを孕ませると思われたんだ。
しかし高町家では、なのはさんと内縁のインモラルビースト義父さんが怒ってるんだろうね。
そしてハラオウン家ではフェイトさんが、部屋の隅で泣いたますが無害です。
17名無しさん@ピンキー:2009/01/25(日) 19:03:10 ID:dHpwuOVP
>>14
GJ。
ザフィーラ不憫すぐるwwww
18名無しさん@ピンキー:2009/01/25(日) 20:01:54 ID:RimQJjS5
新スレ初っ端からGJww

しかもロリショタッッ!!
はやくパパになるんだw
がんばれ守護獣!


あと
ちゃんと結婚式ぐらいあげさせてやれよハラオウン家と八神家!
197の1:2009/01/25(日) 20:46:11 ID:VfjyJ9lB
素晴らしいザッフィーの作品の後で気が引けますが、作品の続きができましたので上げます。

注意事項
・微エロ?で一部バトルを含みます
・前作:「再び鎖を手に」の続編です。
・時間軸はJS事件から1年後
・ユーノ×なのはです。
・捏造満載
・キャロ・エリオ・ルーテシアは出ません。(3人のファンの方、すみません)
・前作からのオリキャラ出ています。
・物騒な単語(「殺す」とか「復讐」とか)いっぱい出てきます
・主人公 ユーノ
・スバルは相変わらずです。
・タイトルは 翼を折る日
207の1:2009/01/25(日) 20:49:41 ID:VfjyJ9lB
第4章
 ティアナに資料を渡した翌日、なのはとヴィヴィオを乗せたセダンをクラナガン301に向けたユーノは、
後部座席で巨大フェレットのぬいぐるみに抱かれて眠っているヴィヴィオをバックミラー越しに見ると、おおげ
さにため息をついた。

「なに、ユーノくん?」
「ヴィヴィオは、あれをユーノパパって呼ぶんだよね。な・の・は」
「そ、そんなことないよ。あれは大きなフェレットさんっていう名で、ヴィヴィオもそう呼んでる・・はず」

 慌てふためいて否定するなのはの声がだんだん小さくなる。

「ふーん、そうなの。ヴィヴィオは、なのはママがお仕事で疲れて帰ってきた日は、フェレットさんを独り占め
 するって怒ってたよ」
「ふぇぇぇ、そ、そんなこと、す、少ししかないもん」

 頬を赤く染めたなのはは、必死に否定するが否定し切れていない。

「しかもフェレットさんをユーノきゅんって呼ぶんだよって『おかしいよね。フェレットさんにユーノパパの名
 前をつけるなんて、私の言ってることそんなに間違ってる?ユーノパパ、少しなのはママの頭冷やして』って」
「もうやめてぇぇぇ」
「うん、やめるよ。でもなのは、なんで僕の写真じゃなくてフェレットのぬいぐるみなの?」

「そ それは・・・・さすがに恥ずかしいよ。ユーノ君の写真は」
「僕としては、巨大フェレットのほうが恥ずかしいよ。娘にパパは、フェレットさんはフェレットさんでも巨大
 フェレットさんだよって言われてごらん。クロ助になんて言われるか?」
「ご、ごめん・・・」
 小声で謝るなのはの顔は、熟れたトマトを思わせるほど真っ赤だった。

 クラナガン301の1階のイベント広場は、戦場だった。
 空を覆う青い帯のウィングロード上を駆けめぐる白い影が、空中を必死に飛んで逃げる黒い怪人に迫る。

「うおりやゃゃゃ 食らえ、正義のディバインバスター!」
 白鉢巻きをたなびかせたスバル・ナカジマが、なのは譲りの必殺技を右手に竜巻の鞭、左手に炎の剣、
頭部が地震で崩れ落ちたビルの形をした怪人サイガインジャーの漆黒の闇を思わせる胴体に叩き込む。

「ぐわぁぁぁぁ!!!」

 数々の災害をミッドチルダにもたらしてきた怪人は、特別救助隊の”白い鬼神”の鋼の拳によって爆散し、観
客の大きなお友達や両親と一緒にいる本当の子供たちの目前から消滅した。

「わぁぁぁ スバル姉ちゃんかっこいぃぃぃ!」
「スバル姉ちゃん、すげぇぇぇ すげぇぇぇよぉ」
「やった、やったぞぉぉぉぉ、ついにサイガインジャーおぉぉぉぉ!!!」
「勝った!勝った!勝ったぁぁぁぁぁ」
「ディバインバスター キタァァァァァ」
「白い鬼神 やたぁぁぁぁぁ!!!」

 ウィングロードから舞い降り、舞台の中央で天に向かって拳を突き上げるスバルに賞賛の歓声と拍手の嵐が送
られる。やがて舞台を白い煙が包み、それが消えた時、スバルの姿も消えていた。

「午後の部は、午後二時からです。皆様、チャリティショーに御参加いただきありがとうございました。皆様の
 募金は、クラナガン母子福祉連合会、ミッドチルダ福祉協議会を通じて、災害によって家族を失った人々に、 
希望の光を持たらします。本当にありがとうございました」

 舞台に片隅に立つ司会が、午前のショーが終わったことを告げると大きなお友達と両親に手を引かれた子供
たちが、ぞろぞろとイベント広場から、昼の食事を求めて出てくる。

「終わったみたいだね。行こうか、なのは、ヴィヴィオ」

 チャリティーショーを見終わったユーノは立ち上がると、スバルに会いに行こうと二人に声を掛けた。
217の1:2009/01/25(日) 20:54:14 ID:VfjyJ9lB
「スバルお姉ちゃん、かっこよかったよね。なのはママ」
「うん、かっこよかったね」

 とヴィヴィオに笑ったなのはが『白い鬼神って、二つ名まで私に似なくても良いのに』とつぶやいたのを
ユーノは聞き逃さなかった。

 三人が舞台裏に設けられた臨時の楽屋を訪れた時、楽屋裏は野戦病院と化していた。

 サイガインジャーの戦闘員を演じていた特別救助隊の新人たちが、スバルのリボルバーシュートによって
負ったダメージから、未だに立ち直れずマグロになっている。
 倒れた新人たちの前では、正座させられた白い鬼神が漆黒の怪人から叱責を浴びていた。

「スバル!お前、少しは手加減ってものを覚えろ。俺はともかく、あいつらが立ち直れなきゃ、午後のショーは
 できないんだぞ。どうするつもりだ!」
「ご、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい」

 脇腹を冷却魔法で冷やしながら、小さくなっているスバルをどやしつけているのは、特別災害救助隊から今回
のイベントに参加している”疾風の纏持ち”の異名を持つコンラッド・コルベット曹長である。

 災害現場に救助隊の活動拠点を迅速に設け、初期の災害救助に当たる橋頭堡小隊を率いるコンラッドの得意技
は瞬間転移である。

 今回のイベントショーの影の主役サイガインジャーに、コンラッドの瞬間転移が必要だと言うことで参加した
のだが、主役の白い鬼神”スバル・ナカジマ”のディバインバスターの予想外の威力に、かなりのダメージを負
っているようだ。

「大丈夫ですか?コンラッドさん」
「こ、これぐらい。痛てぇぇ・・・だが断る。断じて傷など負っているものか!痛てぇぇ・・くない、ないぞ。
 何のこれしき、トクサイの俺が痛みなど・・・痛っ、痛ったー く、くねぇぞ」

 痛みのあまり、蒼白な顔で支離滅裂なことを口走り始めたコンラッドを見上げるスバルの両目がうるうるしたか
と思うと涙が滂沱のごとく流れ出す。

「うわぁぁぁぁん うわぁぁぁぁん うわぁぁぁぁん またやっちゃたよぉぉぉぉ ギン姉ぇぇー」

 あまりの惨状にスバルに挨拶するどころではないと判断したユーノとなのは、顔を見合わせると頷いた。

 治癒魔法で脇腹の痛みが完全に取れたコンラッドが、尊敬のまなざしでユーノを見つめている場所から、かな
り離れたところでスバルは、なのはのお話聞かせて級の説教を受けていた。

「スバル、全力全開って教えたのは確かにあたしだよ。でも、でもね、イベントショーで全力全開でディバイン
 バスター撃つのはどうかな? スバルにとってのディバインバスターって、そんなに軽いものなのかな?
 ちょっーとお話、聞かせてもらえない」

「ひぃぃぃぃ、な、なのはさん。すみません、すみません、すみません、ごめんなさい」

 模擬戦のティアナの末路を思い出したスバルは、白い魔王に頭を下げ、ひたすら許しを乞うていた。

 その姿を観客席でスバルの活躍を待ちわびている大きなお友達や本当の子供たちが見たら、絶句するのが半分
思わず納得するのが半分といったところだろう。

 みんなのヒーロー(?)白い鬼神も白い魔王の前では、赤子同然だということは、リアルなのはを知っている大きな
お友達や子供たちの親なら誰もが納得するからである。

「なのはママ、スバルお姉ちゃん泣かせちゃ駄目だよ」

 ヴィヴィオの声に振り向いたなのはの目に、ユーノと首から下がサイガインジャー姿のコンラッドが飛び込んできた。

227の1:2009/01/25(日) 20:56:30 ID:VfjyJ9lB
「なのは、スバルのディバインバスターは、このイベントの最大の出し物だよ。彼女のディバインバスターを見
 に来るお客さんのおかげで救われる人々がいるんだ。彼女のディバインバスターは、けして軽いものじゃない」
「ユーノくん」

「なのはさん、お願いします。スバルがディバインバスター撃つの許してやってください。こいつは馬鹿正直な
 ぐらい真面目な奴なんです。この馬鹿は、今回のチャリティに命を賭けてるんです。頼みます」

 土下座せんばかりの勢いで、頭を下げるコンラッドの脇に立っているユーノと目があったなのはは、頷いた。

「スバル、ディバインバスターを撃つときのタイミングをコンラッドさんが瞬間転移に掛かる0.2秒前に合わ
 せない。そうすればけがをさせなくて済むよ。できるよね?」

 白い魔王モードに移行して念を押すなのはに戦慄したスバルは、かくかくと首を縦に振った。

 楽屋裏の惨状を納めた三人は、スバルとコンラッドに別れを告げるとクラナガン301が誇る透明エレベータ
ーに乗って、最上階のレストラン”301”に向かった。

「スバルくん大丈夫かな?」
「大丈夫だよ。スバルは強い子だから」

 平然とした調子で答えるなのはの顔を横目で見たユーノは、内心の懸念を隠すべく平静を装った。

 なのはのお説教を聞かされた後、たっぷり30分間、ディバインバスターを撃つタイミングをなのはに叩き込ま
れたスバルは、白い鬼神から燃え尽きた鬼神モードに移行し、ぶっ倒れてしまった。

 スバルの有様に震え上がりつつも『大丈夫なんですか?』と尋ねるコンラッドになのははしれっと答えた。

「六課の時より軽いから、30分もすれば回復するよ」  
「そ、それなら、次のショーに間に合いますね。あははは 」

 空虚な笑いで、恐怖に凍り付いた楽屋の空気を紛らわしたコンラッドのひきつった笑顔を思い出したユーノは、
スバルに特訓を課すなのはの狂気を内包した表情が、脳裏に焼き付いて離れなかった。

<57階 第41管理世界 古代ブンドゥ文明展会場です。お降りの方に道をお譲りください>

 エレベーターの機械音声に従って、後ろの方から出てくる乗客に道を譲るためにエレベーターの外に出た
ユーノの目の端を、昨日モニター越しに会話した赤毛の少女が走り抜けた。

(ティアナか、彼女が何故、ここにいる?)
「ユーノくん、どうしたの?ボーッとしてるよ」
23名無しさん@ピンキー:2009/01/25(日) 20:56:39 ID:C/jQROtG
続きが気になるから速く読みたい
247の1:2009/01/25(日) 20:57:17 ID:VfjyJ9lB
「いや、何でもないよ。ちょっと古代ブンドゥ文明の石版について、知り合いの学者に聞かれたことがあってね。
 少し気になったんだよ」
「食事を終えたら、後で見学する?」

 人混みに紛れたティアナが見えなくなったのを確かめたユーノは、
「今回の文明展は、11月4日まで開催されているから、今日じゃなくても良いよ。食事の後は、映画でも見に
 行こう。ほら97管理外世界から輸入された『○エモンの魔界大冒険』は、子供たちの間でも大評判だよ。
 魔法学院でも評判だってヴィヴィオも言ってるしね。そうだろヴィヴィオ」

「うん、大評判だよ。ユーノパパ、○エモンのぬいぐるみ買って。ヴィヴィオの巨大フェレットさんは、なのは
 ママにあげるからお願いだよ」
「ヴィ、ヴィヴィオ」

 娘の爆弾発言に狼狽するなのはにユーノは、念押しをした。

「じゃあ食事の後で映画館に行こう。良いね なのは」
「・・・う、うん」
(白い魔王モードを発動させないようにしないとまずいな。レベル3末期で進行を押さえ込まないと・・・)

<68階最上階”レストラン301”です。本レストランは、各管理世界の名物料理を集めたクラナガン随一の
レストランです。皆様、お楽しみください>

 アナウンスが終了すると同時に開いた扉から人々の流れに乗って出た三人は、レストランの3D表示される
各管理世界の自慢のメニューを見ながら、何にしようか話し合った。

「ヴィヴィオ、聖王陵の果物と翠屋のスイーツがいいな」
「な、何んで翠屋のスイーツがあるのかな?」

「まあいいじゃないか。それより久々に97管理世界の料理食べよう。なのは」
「そーだね。この”体に優しいイタリア料理コース”って良いかも。ヴィヴィオは?」
「なのはママと同じ〜 ユーノパパは?」
「僕もなのはママやヴィヴィオと同じで良いよ。あと翠屋のガトーショコラと聖王陵のモレスも食べようよ」

 ヴィヴィオの希望を入れたことにちょっと不満顔のなのはに気づいたユーノだったが、あえて無視し、予約し
ていた個室を確認するとウェイターに案内を頼んだ。

 景観条例の関係でクラナガン301の周囲10km以内には、30階建て以上の建物が無いため、最上階の個室から、
蒼い空と地平線の彼方に見えるチルダ山脈の連なりがはっきりと見えた。

「1年前は、あの空で戦ったんだね」

 食後のデザートの翠屋製ガトーショコラを食べ終えたなのはが窓の外を見ながら、感慨深げにつぶやいた。

「なのはママ、あの時は、ごめんね」

「ううん、ヴィヴィオは悪くないよ。悪いのは・・・ きゃぁぁ」

 ドーーンという音ととも発生した衝撃により、椅子から立ち上がりかけたなのは床に叩きつけられた。
257の1:2009/01/25(日) 21:02:11 ID:VfjyJ9lB
以上、第4章終了です。

スバルには、バトルより人命救助とかレンジャーとかの話が
似合うと思うので”特災小町スバル”というタイトルの作品を
いずれ書きたいと思います。
26名無しさん@ピンキー:2009/01/25(日) 21:11:19 ID:o+9HsVA/
>>14
GJ!
ザッフィーは本当に苦労が似合いますね。
頑張れ。アルフと子供の三人一緒になって、川の字に眠ることができる日までw
27名無しさん@ピンキー:2009/01/25(日) 21:46:27 ID:20kFo+6a
前スレ600番シガー氏GGGGGGGJJJJJJJJ!
管制官のずっこけぶりでまずワロタw
文章も気のせいか今回特に気合が入ってたような。
思わず読みふけってしまったじゃまいか!
28超硬合金:2009/01/26(月) 00:03:36 ID:fb/KLlr2
てあおー様
現在私の書いている短編(非エロ、ギャグ)で
氏の納豆ネタにインスパイアされた小ネタを挟みたいと考えています。
よろしいでしょうか?

それと、変態紳士にランクアップしたザッフィーに祝福を。
29名無しさん@ピンキー:2009/01/26(月) 02:15:46 ID:KfDI8whg
前スレ600のシガー氏GJでした!
さて、親御さんへのご挨拶と言う話が感想でちょこっと出ましたけど
娘の夫が親子ほど年の離れた相手と知った士郎さんと桃子さんどんな顔するでしょうw
……元ボディガード(原作)の士郎さんと地上本部の長のレジアス中将の拳と拳の対話が繰り広げられるのか!?
続きを楽しみにしています!
30名無しさん@ピンキー:2009/01/26(月) 02:37:22 ID:09V9mzMR
士郎「・・・・・・・・」
レジ「・・・・・・・・」
徐に服を脱ぎ捨ててマッスルポーズ
士郎「その大胸筋、侮りがたし」
レジ「父君の方こそ、トレーニングの難しい大腿二頭筋をよくぞそこまで」
士郎「若い頃、相当絞り込んだでしょう?」
レジ「何、昔のことです。ハッハッハッ・・・・」
恭也「くっ、俺の方が現役なのにどうして2人の方がマッチョなんだ」
31名無しさん@ピンキー:2009/01/26(月) 03:30:33 ID:RT0kflKq
あの体で、それはないわw<レジアス
32名無しさん@ピンキー:2009/01/26(月) 03:35:47 ID:Itd0461a
いやいや、世の中には固太りって言葉もあってな……
33名無しさん@ピンキー:2009/01/26(月) 05:58:27 ID:zbCVGQUC
力士だってあの一見肥満に見える身体ほとんど筋肉だからな。
某漫画でも握力×体重×スピード=破壊力とあるし、実際レジアスは性格的に鍛練して無いとは思えないし、かなり強いんジャマイカ
34名無しさん@ピンキー:2009/01/26(月) 09:27:27 ID:B2cGdNK4
ゼストが生きていた頃は二人で競い合うように筋トレをしてたんじゃないの?
35名無しさん@ピンキー:2009/01/26(月) 09:41:41 ID:ncl9iq01
正直、細くて強いやつよりは、太くて強いやつの方が現実的だしな
36名無しさん@ピンキー:2009/01/26(月) 09:55:44 ID:9gmY0SMc
>>35
そりゃあ太い方が細いのよりいいだろうな・・・・・・性的な意味で
37名無しさん@ピンキー:2009/01/26(月) 10:02:06 ID:ncl9iq01
それんがユーノよりレジィを選んだ理由ですか。
エロいな、なのはさん。
38名無しさん@ピンキー:2009/01/26(月) 13:46:42 ID:AJaf8D4A
激しく遅いが全スレ524
瀬戸内寂聴が「小説家は人が悪い」といっていたから
意地が悪い人が多いのかねえ。

遅レスですまん。
39名無しさん@ピンキー:2009/01/26(月) 13:46:48 ID:mAeu0ack
>>30
キモイからやめろクソが
40名無しさん@ピンキー:2009/01/26(月) 14:24:06 ID:W5sKFRkR
すげぇ・・・・
>>38が今までの全スレ>>524に語りかけてやがる・・・!
41名無しさん@ピンキー:2009/01/26(月) 14:34:58 ID:Uvpf3pAb
おお、確かにすげぇ……
にしてもスレを越えてまで瀬戸内寂聴のことを話したかったのかw
42名無しさん@ピンキー:2009/01/26(月) 19:26:59 ID:Dz5IKGMh
瀬戸内寂聴はまだ性欲あるらしいからな
43超硬合金:2009/01/26(月) 20:33:02 ID:4sBJB/ni
>>28
ておあー様
済みません、お名前間違えてしまいました。
44ておあー:2009/01/27(火) 20:23:36 ID:ZqanAicZ
>>43
私は一向に構わんッ!!

あと返事が遅れてすみません。毎日スレをチェックしとるわけではないので
ちと遅くなってしまいました。
45Foolish Form ◆UEcU7qAhfM :2009/01/27(火) 20:28:52 ID:sNIVywRD
さてさて、ちょっと久しぶりに投下しま。
前回はフェイトカワイソスだったので今回は持ち上げてみた。

・フェイト中心、でも最後はいつものユーなの
・もちろん非エロ
・闇の書事件から*年後

ではでは、始まります。
46あなたの幸せを見つめて 1/7:2009/01/27(火) 20:30:22 ID:sNIVywRD
「なのはにはこういうのが似合うんじゃないかな」
「あっ、それも可愛いね。でもこっちもいいなぁ……」
フェイト・テスタロッサは、親友の高町なのはと買い物に出ていた。
今日は二人だけのお出かけ、男子禁制。
つまりは、服のお買物。

大きなショッピングモールの中にある一角を色々見て回って、お気に入りを探す。
モールに着いてからこの方、なのはの浮き立ちようときたら、そのまま魔法もなしに空へ飛んで行きそうだった。

「フェイトちゃんと二人でお買い物なんて、久しぶりだね」
「うん。このところずっと一緒にいられなかったから」
互いの服を見繕いながら、フェイトはなのはの顔を見つめる。端目にもなのははニヤニヤしていた。
もちろん、その理由は知っている。もうすぐユーノが遺跡調査から帰ってくるのだ。
遠くの次元世界から、確か一ヵ月ぶりだろうか。
連絡もまともに取り合えない距離らしく、しばらくなのはは元気のない日々が続いていた。
心配なのは十分、痛いほど分かる。
自分自身、何かの折になのはと離れ離れになったら、きっといてもたってもいられないだろうから。
「ふんふんふ〜ん♪」
なのはは鼻歌を歌いながら、相当楽しそうに服を選んでいる。物凄くおめかしするつもりだ、間違いない。

でも。

「フェイトちゃん、この白いワンピースなんてどう?」
そう言って、フェイトの胸にワンピースを押し当ててくる。
「うーん、もうちょっと落ち着いた色のほうがいいかな? 水色はどうだろ?」
この、人をいつも自分より考える性格。
それが逆に壁となってしまう――特にユーノ関連で――こともあったけど、フェイトはそんななのはが大好きだった。

結局、散々迷った挙げ句にフェイトは水色のワンピース、
なのははストライプのシャツに青いプリーツスカートを買った。
「なのはは赤いロングスカートを諦めた、と」
「何書いてるの、フェイトちゃん?」
「ななっ、何でもないよ!?」
フェイトは咄嗟に手帳を後ろ手に隠した。
なのはは怪訝に思ったようだったが、すぐに気にしなくなった。
こういうところが、すごく有り難かったりする。
「次はどこにいこっか?」
なのはが聞いてくる。
昼食を食べて後に出かけたが、この昼下がり、少し小腹が空いた。
「何か食べに行かない?」
「そうしよっか」

モールは広い。反対側まで行けば、飲食店のテナントがこれでもかとひしめいている。
お気に入りの服を買った紙袋を抱えて、フェイトは歩きだした。

「はふ、はふ……」
並んでベンチに座る。
膝の上に乗せられているのは、たっぷりと詰まったたこ焼き。
一つ一つが大粒で、しかもタコもぶつ切り並に入っている。
ソースとマヨネーズがかかったうえに青海苔がまぶしてある、オーソドックスなもの。
47あなたの幸せを見つめて 2/7:2009/01/27(火) 20:30:54 ID:sNIVywRD
鰹節が踊っているのを見ているだけで、催眠術にかかったように時間が過ぎていく。
その間に思い出すことは、もちろんなのはのこと。

初めて出会った日。母の言葉を信じ、優しかった頃の母に戻ってもらうため、身を粉にしていた時の自分。
生まれて初めて、敵対せずに人と触れ合えることができた喜び。
あの日から多くの友人に恵まれたのも、なのはのお陰以外の何物でもない。
感謝してもし足りないくらいだったが、当の本人はすました顔で「そんな水臭いこと言っちゃダメだよ」と言う。
そんなものかと思いつつも、フェイトはなのはがいることには世界中にいる神様にありがとうが言いたかった。
なのはだけじゃない、本当は誰かに鎌を振りかざして襲い掛かっていたかもしれないのだ。
そんな人間だと自覚しているから、アリサも、すずかも、はやても、もちろんユーノも。
皆みんな、大切な友達だった。
「……ちゃん? フェイトちゃん?」
名前を呼ばれ、なのはの方へ向くと、ハンカチで口元を拭かれた。
「もう、ソースついてたよ?」
「え? え!?」
慌てて口元を拭ったが、何もなかった。
「今、わたしが拭いたよ?」
「え……あ、そうだったんだ」
完全にぼーっとしていたようだった。恐るべし、鰹節。
口がお留守になり、つい……とは言い訳か。
「ごめんね、なのは」
「ん?」
なのはが首を傾げる。
「だって、迷惑かけちゃったし……」
「なんだ、そういうこと」
得心顔でうんうん頷いていたなのはだったが、やがてフェイトに向き直った。
「あのね、フェイトちゃん。何かをしてもらった時は、『ありがとう』って言うんだよ。
そして、何かをした方は『どういたしまして』って言うの。
『ごめんなさい』じゃないんだよ?」
フェイトちゃんは何も悪いことしてないんだから、となのははフェイトの手を握った。
「って実はまぁ先生の受け売りなんだけど……ってフェイトちゃんどうしたの!?」
知らず、涙が零れていた。後からあとから溢れて止まらない。
「あり、がとう……なのは。ありがとう……」
頬を伝って流れ落ちた雫は、空になったたこ焼きの箱に落ちて、小さな印を作った。
なのはは、そんなフェイトに肩を寄せて、泣き止むまでずっと、そのままでいてくれた。

すっかり泣き腫らした頃、フェイトはすっかり元気になって、仲良くなのはと手を繋いで家路へと歩いていた。
傍らには大切な人がいる。
「ずっといっしょにいられる……よね?」
「もちろんだよ、フェイトちゃん」

大親友。誰よりも、そうひょっとして家族よりも大切なひと。
フェイトはなのはの顔を見て、安心しきった顔で微笑んだ。

***

「ん、なんだフェイト、随分とご機嫌だな」
「何でもないよ、お兄ちゃん♪」
48あなたの幸せを見つめて 3/7:2009/01/27(火) 20:31:20 ID:sNIVywRD
クロノをどぎまぎさせつつ、ハミングを口ずさみながら夕飯の準備を義母のリンディと手伝うフェイト。
リンディにも、エイミィにも、使い魔のアルフにまで同じことを聞かれたが、返事は全部鼻歌で返した。
出かける前からかなり楽しそうにしていて、帰ってきたら余計にご機嫌なのだから、
皆が不思議に思うのも無理はない。
それもこれも、全部なのはのお陰だ。
トントントンとリズム良くネギを刻みながら、今度はフェイトが踊りだしそうだった。

「お兄ちゃん、クロノお兄ちゃん」
食事後、フェイトは義兄の部屋をノックしていた。
「ん、入っていいぞ」
緊張を押し隠しきれていない微妙な反応が、またクロノらしい。
フェイトもまた微笑をたたえたまま、クロノに問いかけた。
「このリボンなんだけど……どっちが似合うかな、って」
赤と緑、二つのリボンを差し出す。
「ある人にプレゼントしたいんだけど、喜んでもらえそうな方を……」
「何っ!? 男にプレゼン、ト? ああ、いや、別に構わんぞ、うん。けどな、僕はまだ早いと思うんだ」
「何が?」
勝手に一人で暴走しているらしいクロノをなだめすかすのは、割かし面倒だった。
かといって身近に相談できる男性といえばクロノしかいない。
「やだなあ、勘違いしちゃダメだよ、お兄ちゃん。私はただ、ある人に頼まれただけだよ。
『女の子にあげるプレゼントは、どんな風にラッピングしたらいいかな?』って。
それ、少なくとも本人に聞くことじゃないでしょう?」
「え?」
なんだそうか、なるほどなるほどと安心して頷くクロノに、思わずフェイトは吹き出した。
「ふふっ、ふふふふ……」
「なっ、失礼だぞ君は。尋ねてきたのはそっちじゃないか」
「ごめんね、でも、ふふふ、ははは……」

クロノをからかうのは、実は少し楽しかったりする。
「お兄ちゃん」と呼ぶだけで顔を真っ赤にするのだ、楽しくないはずがない。
エイミィには「男は狼だからねぇ〜、気をつけるんだよ」とは言われるが、半ば笑っていたので冗談だろう。
それに何より、クロノはエイミィが好きなのだから。
一言も口には出さないが、そこは女の勘とでも言おうか、すぐに分かる。

「──コホン。で、どんな包み紙なんだ?」
「うん、これなんだけど」
取り出したのは、クリーム色に水色の水玉がついた、比較的オーソドックスなもの。
「これか……」
「こっちの包み紙は決まったんだけど、まだリボンの方がね」
クロノはリボンを重ねながら、慎重に吟味する。
「ところで、その女の子ってのはどんな娘なんだ?」

問われて、フェイトは彼女の像を思い描く。
「えっとね、一途で、頑張り屋さんで、思いやりがあって、ちょっと意地っ張りなところがあるけど、
芯が強くて、運動は苦手で……」
スラスラと言葉が出てくる辺り、よくまぁ自分も観察しているものだなとフェイトは改めて自分を見つめ直した。
49あなたの幸せを見つめて 4/7:2009/01/27(火) 20:32:27 ID:sNIVywRD
「要するに、猪突猛進型か」
「そうそれ」
「誰かに似てるな」
クロノが言った言葉の意味は、最後まで分からなかった。
「だとすると、こっちの赤い方がいいんじゃないか。女の子らしくて」
そう言って、赤いリボンを差し出す。
「ありがとう、お兄ちゃん!」
やっと決心をつけて、フェイトはぺこりと頭を下げた。
「お礼だよ」
ちゅ、と頬にキス。

その後しばらく義兄の部屋から形容しがたいうめき声が聞こえてきたが、ハラオウン家の誰一人気にしなかった。

***

「という訳で、これがお店のメモ。それから、これがラッピングの紙とリボン。
店員さんに見せて、『これで包んで下さい』って言えばいいよ」
「ありがとう」
「でも、私に先に会っちゃっていいの?」
「だから、内緒なんだよ。誰にも秘密にしててね」
「うん、約束」
翌日、海鳴市某所の公園。
人目を避けるようにして集まった二人の少年少女。
目的は、物々交換。
「本当にこんなものでいいの?」
「ううん、それがいいの」
少年が差し出したのは、5枚のチケット。
その全てが、映画館の招待券。
「まだ、家族らしいこと、何もしてないから。一緒に、どこかに行ってみたいんだ」
そんな、ささやかな願い。
「それにしても、びっくりしたよ。突然『なのはの欲しがってる服を調べてくれ』なんて」
服の一着に、冗談で映画館のチケットなどねだってみたが、まさか本当に用意するとは予想外だった。
だから。
「ありがとう」
「いやいや、こっちこそありがとう。これくらいだったらお安い御用だよ」
互いに譲らず礼を言い続け、それはいつしか笑いになった。
50あなたの幸せを見つめて 5/7:2009/01/27(火) 20:32:58 ID:sNIVywRD
「それじゃ、僕はこれで。家族で楽しい時間を、フェイト」
「私も、二人が上手くいくように祈ってるよ、ユーノ」

そして、少年と少女は別れた。
互いの目的を果たすために。

翌日のハラオウン家。
「わあ、いいわね。来週の日曜日、早速行きましょう」
「母さん、そんな急に大丈夫なのか?」
「せっかくの招待券ですもの。それに期限は今月だし。休暇の一つや二つなら何とかなるわ」
「フェイト、映画って何をやるんだ?」
出自を秘密にしつつ、フェイトが映画のチケットを皆に見せると、やにわに家の中が騒がしくなった。
「5枚あるってことは……私も行っていいの?」
「もちろんだよ、エイミィ姉さん」
「ちょっ……姉さんだって! ねぇ、クロノ、姉さんだって!!」
既に公認扱いなのだが、それを再認識したエイミィはクロノに抱きついた。
クロノ本人はまんざらでもない様子だったが、流石に恥ずかしいのか鬱陶しそうに手を払っていた。
「もう、恥ずかしがっちゃって〜」と頬ずりされていたが、やはりクロノはエイミィには勝てないらしい。
初めてのイベントにはしゃぐアルフ。喜んで予定を空けてくれたリンディ。目の前で抱き合っている二人も、もちろん。
引き受けてよかったと、フェイトは笑みを零さずにはいられなかった。

一方、その頃。
「おかえりっ、ユーノ君!」
「ただいま、なのは」
玄関に現れたユーノに、思わず顔を綻ばせたなのはがいた。
「これ、お土産だよ」
皆には内緒だよ、と言ってユーノが渡したのは、蒼いガラス球。
聞けば、レイジングハートに似ていたからこっそり持って帰ってきたという。
「まぁ正真正銘のガラス球だし、掃いて捨てるほどあったし、特に何の力もないんだけど……」
「うんうん、ありがとう」
今日から、机の上には、新しい仲間が一人増えることとなった。
……実は、その地でこの玉が文字通り掃いて捨てるほど沢山あったと知るのは、ずいぶん後のことなのだが。
「ところで」
「にゃ?」
「もう一つ、あげるものがあるんだ。……ちょっと言いたいこともあってね」
ユーノの顔は、僅かに翳っていた。
「今日はゆっくりしておきたい、かな。なのは、お茶淹れてくれる?」
「うん、分かった」
何かあるな、と思いつつ、なのははできるだけそれを考えないようにした。
良くない話ならいつ聞いても良くないだろうし、そもそもユーノが話してくれるまで、待ちたかったから。

***

翌日の夜になって、ようやくユーノは決心がついたようだった。
その前に、と昨日言っていたものを寄越される。
「はい、これ」
「え……?」
51あなたの幸せを見つめて 6/7:2009/01/27(火) 20:34:40 ID:sNIVywRD
なのはは、誕生日でもない突然のプレゼントに目を白黒させた。
『あげるものがある』とは言っていたが、まさか綺麗にラッピングされたものが来るとは。
「どうしたの、急に?」
「いや、実はね」
ユーノは今後の予定について話し始めた。
数ヶ月がかりで申請していた遺跡調査の許可が、やっと降りたのだという。
そのため、短くても二週間、長ければ二ヶ月ほど家を空けることになる。
出発は、四日後。
「ごめんね、帰ってきてすぐ。だから、ちょっと寂しくさせちゃうことのお詫び」
「もう、気にしなくてもいいのに。向こうでも電話くらいは使えるんでしょ?」
「でも、なのはの顔を見られないのは辛いから」
「ユーノ君……」
寂しさ全開だったが、かといってそれを伝えてはユーノが行き辛くなってしまう。
わがままよりは、ユーノを笑って見送りたかった。
「わたしは、ユーノ君のこと応援してるよ。だから、行ってきて。わたしなら大丈夫だから」
「うん」
ユーノも、少しだけ強がっているようだった。
彷徨わせている視線が、何よりの証拠だ。
「これ、開けていい?」と聞くと、ユーノは「もちろん」と答えた。
何が入っているんだろうと期待に胸を膨らませつつ、包み紙をそっと開くと。
「こ、これ、どうしたのユーノ君?」
中に入っていたのは、ショッピングモールで買わなかった赤いロングスカート。
ワンピースとの脳内闘争に敗北したのもあるが、それ以上に値段がやや高かった。
お小遣いを二、三か月分ははたかないと買えない代物だったはず。
「っていうかユーノ君、どうして?」
どうして、昨日に買わなかったことをもう知っているのか?
どうして、高い買い物なのにためらいもなくプレゼントしてくれるのか?
色んな「どうして」がごちゃ混ぜになって、言葉が出なくなる。
しかし、ユーノの言葉は簡単だった。
「なのはに喜んで欲しいから、かな。少し会えないけど、その間なのはには笑顔でいて欲しいから」

その瞬間、フェイトが流した涙の意味を知った。
なぜって、
「ありがとう、ユーノ君、ありがとう……!」
思わず押し倒してしまい、ユーノの胸で泣き出したからだった。
52あなたの幸せを見つめて 7/7:2009/01/27(火) 20:35:09 ID:sNIVywRD
「嬉しい……ユーノ君、すっごく嬉しいよ!」
嬉し涙。そんな言葉を噛み締めながら、ユーノにそっと唇を寄せた。
ドキドキが止まらない。
「ねぇ、そのスカート、今履いてみせてよ」
「うん、もちろんだよ」

***

ユーノは息を呑んだ。
スカートを履いたなのはの姿は、ほんのちょっぴり大人びていた。
くるりと一回転すると、ふわりと裾が舞い上がる。
「よく似合ってるよ、なのは」
「えへへ、ありがとう」
裾を持ち上げて、頭を下げる。
さながら、魔法でドレスアップしたシンデレラのようで。
ひょっとしたら、本当にお姫様かもしれなくて。
ただただ、見とれるしかなかった。
できれば、この時間が永遠に続きますようにと思った。
名残惜しい。なのはと一緒にいたい──だったら。
「なのはの姿、もっと目に焼き付けておきたいな」
そのままファッションショーが始まり、夜遅くになって両親に叱られたのはまた別のお話。
53Foolish Form ◆UEcU7qAhfM :2009/01/27(火) 20:37:12 ID:sNIVywRD
前回投下時はすまんかった(´・ω・`)以後気をつける。



「クロノ、俺と代われ!」って思った人数の分だけ作者の勝ち星ですよ。
ではまた。
54名無しさん@ピンキー:2009/01/27(火) 23:21:26 ID:NCopOUq2
>>53
GJ
クロノ…美味しいキャラだなあ…
しかしフェイト、嬉しそうななのはを見て「ニヤニヤしていた」はないでしょうよww
普通に「ニコニコ」ってことにしとけw
55名無しさん@ピンキー:2009/01/27(火) 23:25:45 ID:scbgVnUM
ふぇいとそん→ニコニコ
俺ら→ニヤニヤ
56名無しさん@ピンキー:2009/01/27(火) 23:35:34 ID:+EAik07U
>>53
GJ!!久々のほのぼのSS。
やはり、なのユー独特のゆったりな恋愛感はいやされます。

そして最後に・・・
なにが「ありがとう。お義兄ちゃん(チュ・・・)」だ!
クロノ、てめえいっぺん俺と代われ!!
57名無しさん@ピンキー:2009/01/27(火) 23:47:22 ID:a68+nt4L
>>56
できれば次からはsageてくれないか
58名無しさん@ピンキー:2009/01/28(水) 01:49:55 ID:YBk4sC+o
ピンク髪は淫乱と聞きましたがそれよりも青は根暗、赤はバカなだけと言い争う姫の間を割ってメカメカしいアイツが登場した時はとても爽快な気分でした

それはどうでもいいけどピンク魔力光も淫乱なんでしょうか?
59名無しさん@ピンキー:2009/01/28(水) 02:25:11 ID:Mp9TH3Ba
キャロ「地雷王より速ーい」
呪いうさぎ「家族が増えるね!ヴィータちゃん」
ヴィータ「やったな!」
フェイト「私のこと好きになーる好きになーる」

ごめん、書きたかっただけ。
60名無しさん@ピンキー:2009/01/28(水) 02:41:38 ID:iLVHpr8K
>>59
最初と最後しかわからなかった。
というか、フェイトがリ○アだと割と洒落にならない気が・・・・・。
未来でプレシア化して時間圧縮・・・・・ということは、クロノがスコ○ルか。
61名無しさん@ピンキー:2009/01/28(水) 03:39:07 ID:Lj62MOjQ
>>60
リ○ア=アルテ○シア説か?未だに要るんだな どちらでも良いが
作品自体が完全に答えを出さないものをあたかもそれが唯一であるというのはどうかと?
6260:2009/01/28(水) 09:06:11 ID:iLVHpr8K
>>61
いや、そこまで絶対視してないよ。
ただそんな説もあったなって思いだしただけで、他意はない。
気に障ったのなら謝るよ。
63名無しさん@ピンキー:2009/01/28(水) 14:59:47 ID:Cds2C050
つまり、フェイトは俺の嫁と
64名無しさん@ピンキー:2009/01/28(水) 18:28:54 ID:dlo+T+Ae
いや、その理屈はおかしい
65超硬合金:2009/01/28(水) 20:16:53 ID:WVpqc3J2
ておあー様快諾有難うございます。
早ければ今週末くらいにアップさせていただきます。
66Foolish Form ◆UEcU7qAhfM :2009/01/28(水) 23:14:35 ID:xgCU6zaU
二日連続投下なんですが……大丈夫、かな?
OKそうなら30分頃に。
67名無しさん@ピンキー:2009/01/28(水) 23:15:55 ID:WEvd/T5a
OKOK!
レッツゴー!
68名無しさん@ピンキー:2009/01/28(水) 23:18:15 ID:z3lktsni
>二日連続投下
何の問題も無いぜ
以前は朝刊を配達するがごとく毎朝投下に来てた人すらいたしw
69Foolish Form ◆UEcU7qAhfM :2009/01/28(水) 23:20:59 ID:xgCU6zaU
>67-68
了解です、では10分後に。
70Foolish Form ◆UEcU7qAhfM :2009/01/28(水) 23:31:14 ID:xgCU6zaU
30分になったので投下します。

・フェイト×クロノ
・ガチエロ、っていうかかなり凌辱気味
・闇の書事件解決後〜中学卒業のどこか

事前注意
・NTR(寝取られ)
・逆レイプ
・Nice boat.(死亡描写あり)

以上三警報が発令されています。
純愛好きの方や血を見るのが嫌な方にはオススメできません。

本短編はいつもの純愛とはかけ離れています。
また一切関連性もないただの単発企画です。
当方のユノなの短編集とは矛盾だらけですが、全て仕様です。
71Forbidden Fruit 1/6:2009/01/28(水) 23:32:02 ID:xgCU6zaU
楽園から追放されたのは、肋骨と泥から作られた女が禁断の果実を喰らったから。
ならば、果実を喰らうように唆した蛇には、一体どんな神罰が下るのか──

***

フェイト・テスタロッサ・ハラオウン。
闇の書事件が終りを告げ、ハラオウン家の養子になってしばらく経つ。
リンディ、クロノ、それからエイミィ。もちろんアルフも。
家族らしい家族と団欒の時を過ごすのは、かつては遠い日のアリシアだけにあった。
それが今、目の前にある。触れられる。見える。聞こえる。
幸せでない日々はなかった。

ある日までは。

なのは達の世界で聖書なるものを読んだのはいつだっただろうか。
キリスト教に改宗する心積もりは更々なかったが、イヴの負った罪科が気になった。
「お兄ちゃん」
そして今日も、右手が伸びる。
机に立てかけられた、家族で写っている写真に。
指で義兄の輪郭をそっと撫で、その指先を見つめる。
「ちゅ」
軽く、キスをする。
「ちゅ……んちゅ……お兄ちゃん、クロノお兄ちゃぁん……」
のみに飽き足らず、写真に残った追憶を求めるように、指を咥え、舐めしゃぶった。
これがクロノの指だったら、或いはもっとクロノを求められる部位であったらと思うと、自然と動きは激しくなった。
満たされない想いが奔流となって理性を押し流し、愛欲の底無沼深くへと嵌っていく。
唾液で濡れた指をちゅぽんと名残惜しそうに離して、下腹部の疼きに向かう。
既にスカートの下、ショーツは僅かに染みができていた。
悦楽を求めて、そのラインをなぞる。
「んっ……」
突然の刺激に一瞬だけ身体が震えたが、あとはもう波に任せるまま、秘裂を愛撫し始めた。
「お兄ちゃん、切ないよ……もっと、私を見てよ……」
クロノの指が這っているかのように、自身の感覚が消失する。
妄想の中で、フェイトはクロノに抱かれていた。
「お兄ちゃん……そこ、気持ちいいよぉ。んあっ、ふぁっ……」
しとどに濡れ、染みが広がったショーツの奥で、秘部がクロノを欲している。
我慢できないとばかりにショーツをぐいと横にどけ、直接秘裂をぴたぴたと触る。
どこで仕入れた知識かなんて、とうに忘れた。今あるのは、クロノへの欲望のみ。
兄の怒張でのみ貫かれたく、蜜壷には浅く指を入れ、未通の証を残して愉悦に耽る。
くちゅくちゅと愛液を掻き出す度に波は大きくなり、フェイトの理性を奪おうと迫る。
秘豆は完全にしこり立って尖り、物欲しそうに皮から顔を出して快楽をねだっていた。
本能に応えてその淫核を摘むと、びく、びく、と身体が痙攣した。
トロリと愛液が膣からあふれ出し、絶頂の近いことを報せる。
「お兄ちゃん……ダメぇ……そんなとこいじっちゃ、やだぁ……」
72Forbidden Fruit 2/6:2009/01/28(水) 23:32:29 ID:xgCU6zaU
コリコリと秘芯を揉み転がして、空いた手で写真を抱き寄せ、写り身のクロノに口づける。
「あっ、イッちゃう、お兄ちゃん、お兄ちゃ、ああああああっ……!!」
ぷしっ、ぷしゃぁっと勢い良く愛液が手を熱く浸し、絶頂の津波が脳髄の隅まで駆け巡る。
鋭い喘ぎの後、息荒く呼吸を整えながらも、フェイトは束の間の安らぎを味わっていた。

***

だが、自らを慰めれば慰めるほど、クロノへの欲望は増えていく。
「お兄ちゃん♪」
わざとクロノがどぎまぎするような言葉を選び、短いスカートを更に短くしていく。
腰をかがめた時。階段を昇ったりする時。
ショーツが見えるようにわざと振る舞い、また呼びかけたりしてこちらに向かせたりした。
クロノがわざとらしく咳払いをして目を逸らすのが少し不満だったが、その赤い顔を見ているだけで大満足だった。
……けれど。
最近はエイミィとばかりくっついている。
それは祝福すべきことであったのかもしれないけれど、同時に嫉妬の暗い炎が灯ったのを感じた。
もっと私と一緒にいて欲しい。もっと私を見て欲しい。
元々赤面症の気があったが、クロノを前にしてはキスを交わしたい、この身を捧げたい想いでいっぱいだった。
顔を突き合わせて云々言うより、仕草で攻めることを選んだ。
結果、クロノは毎晩良く分からない呻きを発している。
エイミィに告白する訳にはいかないであろう、悩み。
義妹よりも初心な少年は、その若い衝動を抑えるのに必死なようだった。

フェイトの理性は、次第にタガを外していった。
風呂上りでバスタオル一枚の姿を露骨に見せたり、時には緩く結んで解いてみたり。
あまつさえ、そのままの格好でクロノに抱きついたりした。
「フェ、フェイト。僕らは、その、義理でも兄妹なんだ」
「兄妹だから、いいんだよ♪」
間違いなんて起こさないよね? と小悪魔のように微笑んで、頬を突く。
そうなると、決まってクロノはトイレに駆け込んで、10分ほど出てこなくなるのだった。
何をしているかは明白。入れ替わるように入って、何度残り香を自慰の肴にしたことか。
白濁を胎内に注ぎ込まれたい、妊娠するまで子宮を満たして欲しい。
「お兄ちゃん、トイレでナニしてたの?」
後ろから抱き締めてクロノの胸をなぞりながら、甘く囁く。
「なっ、トイレですることといえば排泄行為以外にないだろう。大体君だってさっき入ってきたばかりじゃないか」
「ふぅ〜ん、それもそうだね。ごめんねお兄ちゃん、変なこと聞いて」
お休みのキスは、いつも頬。早く唇にキスしたい。舌を割り入れて、クロノを味わいたい。
愛欲は、日に日に高まっていった。

そしてある夜、遂に決行のチャンスが訪れた。
リンディとエイミィが共に管理局に出向いて、家の中にはフェイトとクロノ、二人きりになったからだ。
アルフの食事にはアルコールをしこたま仕込んでおいた。朝まで起きることはないだろう。
クロノのにも、自分のにも、少々。理性を奪う簡単かつ最高の手段だ。
食事が終り、適当にテレビをカチャカチャと回していた頃、ようやくクロノの準備が整ったようだった。
「ん、何だか暑いな。ヒーター、効きすぎなのか?」
「そうかも。でもこっちの方が早いよ」
73Forbidden Fruit 3/6:2009/01/28(水) 23:33:12 ID:xgCU6zaU
その瞬間を待っていた。
酔った勢い、とでも言おうか。服を脱いで、キャミソール一枚になる。
もちろん、ブラジャーは外してある。
「ぶっ」
下着にも等しい姿にクロノは口に含んでいた水を盛大に噴き出し、フェイトのキャミソールを濡らす。
水に透けた薄手のキャミソールからは、なだらかな胸の稜線と、その真中で紅く色づく蕾をくっきりと映し出した。
「フェ、フェイト、君は一体何を……は、はしたないぞ!」
慌てて口を拭くクロノだったが、その顔は血が上って真っ赤だった。
アルコールも少しずつ回って、本能が少しずつ本性を出しているようだ。
いつものクロノと違い、その目はフェイトの胸に釘付けとなっている。
もう一押しで、全ては陥落する。
「お兄ちゃん……私、何だか身体が熱いよ……ねぇ、冷ましてよ、お兄ちゃん」
寄り添うようにしなだれかかり、胸元を大きく開いてキャミソールをぱたぱたさせ、風を送る。
胸の突起が良く見えるような位置に座り、クロノの目線を誘う。
案の定、チラチラとこちらを見つつも、最後の一歩で踏みとどまっているようだった。
だとしたら、やることは一つ。
「お兄ちゃん、少し気分が悪いから、ベッドに連れて行って」
自分から、アタックをかける──クロノを奪うに限る。

足腰も立たない、と瞳を潤ませて頼むと、クロノはお姫様抱っこでフェイトをベッドまで運んでくれた。
シーツの上に寝かせられると、クロノはそそくさと出て行こうとした。
「ねぇ、お兄ちゃん。熱、測って?」
だから、額を掻き上げて、それを留める。
「まったく、今日の君は随分と甘えん坊だな」
と、クロノは言いつつも、アルコールの力か、さして拒否することもなく応じてくれた。
「僕も少し熱があるみたいだけど、これは気のせい、なのか?」
おでことおでこをくっつけて、
「うん、僕と同じくらいだ……んっ」
首に手を回し、そのままベッドに引き寄せた。
乱暴に唇を奪い、クロノが戸惑いの最中、フェイトは舌を潜り込ませた。
デザートを味わうかのように義兄の口を犯し、唾液を嚥下していく。
ちゅぷ、くちゅ、と耳に心地よい水音が直に伝わり、フェイトの意識を溶かしていく。
「フェイト……止めるんだ、僕たちは、兄妹……んあっ!」
クロノの声は聞こえない。
フェイトの手はクロノのズボンに向かい、そのままジッパーを下げてクロノ自身を曝け出す。
「止め、止めろ、フェイト……」
クロノは腰が砕けてしまったようで、されるがままになっている。
口だけでは、どうということもない。
手でクロノの一物を扱く。半勃ちになっていたそれはみるみる硬度を増していき、屹立する怒張と化した。
しゅっ、しゅっと擦っていくうちに、鈴口から透明な粘液が僅かに出てきた。
「気持ちいい、お兄ちゃん?」
返事を待たず、フェイトは亀頭全体に我慢汁を塗り付け、手のひら全体でペニスを愛撫する。
そして一度ビクリと震えた頃、フェイトは手の動きを止めた。
「フェイト……?」
声が上ずっている。止めてくれてホッとしているのか、止めないでくれと懇願しているのか。
フェイトは、後者の意だと受け取った。
「焦らしたりしないから大丈夫だよ、お兄ちゃん。私で沢山イッてね」
フェイトは、大きく勃起したクロノの怒張をその小さな口に含んだ。
74Forbidden Fruit 4/6:2009/01/28(水) 23:33:53 ID:xgCU6zaU
「ちゅぱ……ちゅぷ……んちゅ……」
きつい臭いが鼻の奥を突いたが、気にならなかった。
むしろ、獣じみた本能を加速させ、衝き動かされる性の慟哭だけが感情を支配していく。
粘りつくような苦い我慢汁を飲み下しながら、愛する人の性器を舐る。
鈴口に舌を軽く入れ、エラの張ったカリ首の裏を舐め上げる。
「うあっ……フェイト、出る、出るっ!」
「ちゅっ、おにいひゃん、だひても、いいよ」
ビクビクと口の中で震えているのが良く分かる。
亀頭を舐め回し、ちゅうちゅうと赤子が乳を飲むように陰茎を吸うと、クロノは限界に来たようだった。
「やめっ、フェイ……トっ……!!」
びゅるっ、とフェイトの口内に叩きつけるものがあった。
どく、どくと脈打って、マグマのような白濁液がフェイトを汚していく。
粘りを通り越して絡みつくような濃さの精液が、舌を、歯を、喉を染めていく。
口の中には納まりきらなくて、その一部が口の端から溢れ出した。
一滴たりとも逃さぬまいと諸手で受け止め、口中に残っているものは半分ほど飲みこむ。
もう半分を喉の奥へ押しやる前に、まずは尿道の中にある精液を吸いだす。
刺激にもう一度脈動して、クロノの精が全てフェイトの口へと集められた。
「ほら、お兄ちゃん。お兄ちゃんの精液、苦くて、甘くて……凄く美味しいよ」
舌先に絡んだ白濁をクロノに見せ付けて、零れ落ちそうになった分を舐め取り、全て飲み干す。
──もちろん、これで終りにするつもりはない。
クロノのペニスを扱き立てて、一度萎んだそれを再び勃起させると、フェイトはショーツを脱ぎ捨てた。
スカートの下には何もない。
「頼む、これ以上は……僕とフェイトは……いや、エイミィだって……」
「今はエイミィ姉さんのことはいいから」
今までの行為で、完全にフェイトも出来上がっていたから、秘部は愛液で濡れぼそっていた。
けれど、もう少しだけ楽しみたい。
クロノへ馬乗りになって、その胸に身体を預ける。
フェイトは、素股の要領でクロノの怒張を秘唇で包み込むと、上下にグラインドを始めた。
「あぅぁっ……!」
クロノが喘ぐ。ぬるぬるの粘液に勃起を包まれ、秘裂の先端にある柔突起に裏筋を擦られて、
二度目の射精を求めて苦しそうにもがいていた。
「あぅっ! お兄ちゃん、クリ、クリトリスが気持ち良いよぉっ……」
愛液でクロノのペニスはトロトロに溶かされ、熱く固く勃ちきっていた。
「頼む……もう、止めてくれ……フェイト……僕には、エイミィが……」
「だぁめ」
スッ……と身体を持ち上げたかと思うと、フェイトは手で肉棒を押さえ、膣口に添えると、腰を一気に落とした。
「んあああああっ!」
一気に怒張はフェイトの最奥まで突き抜け、根元まで入った。
一筋の血が流れ、フェイトは感極まった声を漏らす。
「あはっ……お兄ちゃんの初めて、私が貰っちゃった。私も初めてだから、おあいこだね」
どうして知ってるんだ、とクロノが喘ぎながら聞くが、フェイトは冷ややかに答えた。
「だって、エイミィ姉さんとセックスするなんて、結婚してからじゃなきゃやらないでしょ、お兄ちゃんなら」
図星。本当はブラフだったけれど、顔に出た同様の色はどう見ても本物だ。
75Forbidden Fruit 5/6:2009/01/28(水) 23:34:30 ID:xgCU6zaU
身体を密着させて、少し腰を上げる。
「お兄ちゃん、本当に私たちが兄妹なら、私の膣中でなんか出さないよね?
精液いっぱいびゅーびゅー出しちゃって、私を妊娠させたり、しないよね?」
クロノの顔が青ざめたが、それでも欲望というものは退かないらしい。
肉棒はフェイトの膣中でガチガチだ。どうあっても白濁を放出するまで、収まる気配はない。
「私、お兄ちゃんが大好き……だから、私ならいつでもしてあげるよ。
お兄ちゃんの好きな時におちんちん舐めてあげるし、お兄ちゃんのしたいときにセックスしてあげる。
だから、だから……お兄ちゃん、私のことを見てよ、もっともっと私と一緒にいてよぉっ!!」
涙を流して、抽迭を激しくする。
痛みは、最初からなかった。ただただ腰を振って、義兄から精液を搾り取ろうと動く。
「やめっ……僕たちは、兄妹なんだ、って言ってる、だろ……出る、出るからっ……」
クロノが限界を訴える。
でも、絶対に止めない。
ぶじゅ、ぶしゅ、と水音を響かせて、フェイトはもう一度膣の一番奥までクロノの怒張を押し込んだ。
「やめろっ、フェイト……うあっ、あああああああああーっ!」
二度目の射精が、信じられないほど大量にフェイトの子宮へと流れていく。
小さな膣に収まりきらないだけの白濁液が、ごぽりと溢れてふとももに流れていく。
「あぁっ……出てる、私のお腹に沢山精液出てるよ……こんなに沢山……
お兄ちゃんのおちんちん、ビクビクしてる。ふふっ、これだけ出せば、絶対妊娠しちゃうね」
抜かずにずっと繋がったまま、精子という精子が完全に染み渡るまでその身体を離さなかった。
「お兄ちゃんに中出しされちゃった……お兄ちゃんの赤ちゃん、できるといいなあ」
クロノの耳元で囁く声はあまりに甘美で。
「あ、あはは……フェイトとの子供か。そうか……」
「そうだよ、お兄ちゃん。私たちの赤ちゃん。こんなにいっぱい射精したんだから。責任、取ってね?」
間もなくして、クロノは堕ちた。

***

リンディはもう少しだけ管理局に残り、エイミィだけが先に帰ってくるというメールが来た。
フェイトは、どうしてこうも都合の良いことが続くのだろうかと半ば軽い戦慄をも覚えながら、
姉のような人を迎えるのに余念がない。
その瞳には、暗い光だけがやどっていた。
「たっだいま〜!」
そして、エイミィが帰ってきた。
「お帰りなさい……」
フェイトが出迎える。
手には包丁、身体にはエプロン。
典型的な料理中の姿──だが。
「あれ? クロノ君は?」
エイミィは賢しくも感じ取ったようだった。
自分をすぐに迎えに来ないこと、代りにフェイトがいること。
そして何より、手に持った包丁。
そう、普段にはないこと。
「クロノ君、トイレにでも入ってるの?」
しかし悲しいかな、エイミィはそこから現実離れした結論を弾き出すことはできなかった。
そこで急用の一つでも思い出していれば、或いは免れえたのかもしれない。
だが。
76Forbidden Fruit 6/6:2009/01/28(水) 23:34:59 ID:xgCU6zaU
「ううん。今、クロノお兄ちゃんは寝てるよ」
「あぁ、なるほど。ところでフェイト、今日のご飯は何? あたしお腹すいちゃってさあ。
何か摘むものがあったらそれでもいいんだけど、ある?」
靴を脱ぎ、スリッパに履き替えるエイミィ。
下を向いていたため、致命的にもフェイトの顔を見損ねてしまった。
「ごめんなさい、エイミィ姉さん……」
「ふぇ? ごめんなさいって、何が?」
フッと顔を上げたエイミィの顔に浮かんだのは、恐怖よりも疑問符が先立った。
「どうしたの、包丁なんて構えて。Gでもいた?」
フェイトは顔をフルフルと振ると、申し訳なさそうに、しかし狂疾に冒された声で言った。
「今日は、エイミィ姉さんを料理するんだ……」
「あたしを料理? え、まさか女体盛り? アハハ、フェイトにはまだ早いか」
母から受けた歪んだ愛は、矯正しきることはできなかった。
兇器を持ち、突きつけることで、その遺伝の恐ろしさを知った。
けれど、もう止まらない。もう止められない。
クロノとの恋路には、エイミィはいてはいけないのだ。
最初から、存在していてはならない存在だったのだ。
「さようなら」
独占の衝動が全身を覆いつくし、手に持った包丁をエイミィに突き立てた。
「えっ……がっ、ごほっ……」
心臓には刺さっただろうか。肺は突き抜けただろうか。
エイミィの顔は一瞬だけ疑問に、次いで驚愕。最後には苦痛からの開放を訴えていた。
その目が言う通りに、包丁を引き抜いた。動脈を貫いたのか、どくっ、どくっ、と鮮血が溢れてくる。
「姉さんが悪いんだよ? 私のクロノをたぶらかすから……私はクロノと一緒じゃないと幸せになれないのに。
ごめんね、姉さん。でも、私とクロノの幸せに、姉さんは邪魔だから……」
エイミィは何かを言おうとしていたが、血を吐いてそれも叶わなかった。
ガクガクと嫌な震えをしばらく続けていたが、やがて動かなくなった。
「これで、お兄ちゃんは私だけのものだね……待っててね、お兄ちゃん。私、お兄ちゃんだけの人になるから」

アルフが起きた時、どうなるだろう。
リンディが帰ってきた時、一体どうなるだろう。
フェイトは鼻歌を唄いながら、本物の料理を作り始めた。
クロノに、愛する人に食べてもらうために。
77Foolish Form ◆UEcU7qAhfM :2009/01/28(水) 23:37:07 ID:xgCU6zaU
もはや何も言うまい。
次はユノなのに戻って純愛予定。

では。
78名無しさん@ピンキー:2009/01/28(水) 23:39:09 ID:oEWZdv9y
GJ
前に、「エイミィがフェイトと浮気したクロノを殺す」のがあったのを思い出した。
NICEBOATは萌えるな。
79名無しさん@ピンキー:2009/01/29(木) 00:08:49 ID:nff3pM0d
>>77
koeeeeeeeeee
しかしフェイトって妙にこう、不貞愛みたいなのが映える希ガス。GJ
80名無しさん@ピンキー:2009/01/29(木) 00:16:01 ID:+FW/zJ5X
かーなーしみのー♪むこーへとー♪


ヤンデレな義妹に愛されて眠れない提督乙。
次のなのユーも楽しみにしてるぜ。
81名無しさん@ピンキー:2009/01/29(木) 00:19:00 ID:nFJhc3Ko
GJ。なんというか、タメのない、箇条書きっぽい修羅場だった。
この後のクロノとか超見たいかも。
82B・A:2009/01/29(木) 02:45:12 ID:CXz+6DS6
ひょっとして、その日の晩御飯は・・・・・・。
久々に背筋が凍ったよ。


久しぶりに連載が進みます。


注意事項
・非エロでバトルです
・時間軸はJS事件から3年後
・JS事件でもしもスカ側が勝利していたら
・捏造満載
・一部のキャラクターは死亡しています(はやて、ヴィータ他)
・一部のキャラクターはスカ側に寝返っています
・色んなキャラが悲惨な目にあっています、鬱要素あり
・物騒な単語(「殺す」とか「復讐」とか)いっぱい出てきます
・名前のあるキャラが死にます
・シグナム、アギト、シャッハ、はやてが好きな人は辛いと思います
・SSXのネタも入っています
・主人公その1:エリオ(今回、出番なし)
     その2:スバル
・タイトルは「UNDERDOGS」  訳:負け犬
83UNDERDOGS 第十五話@:2009/01/29(木) 02:47:09 ID:CXz+6DS6
これまでの功績が認められて中将への昇進が決まり、就任と報告のために本局へと帰還したグリフィスを待っていたのは、
クロノ・ハラオウン元提督を筆頭とするレジスタンス組織の拠点壊滅の知らせだった。
まるで幽霊のように神出鬼没で、尻尾すら掴ませようとしなかった彼らが、一拠点だけとはいえ
スカリエッティ配下の機人部隊に壊滅させられたというニュースは、自身の障害に対しては容赦しないという
ジェイル・スカリエッティの恐ろしさを改めて知らしめることとなり、管理局全体を騒然とさせた。
長い間、沈黙を守り続けていたスカリエッティがレジスタンス打倒のために動いたのは、何か大きな事件が起きる前触れかもしれないと震える者もいた。
そして、もう1つ変化が起きていた。グリフィスに対する局員達の態度が硬化したのである。
理由は、彼が第56管理世界との戦いにおいて質量兵器を使用したことにある。
スカリエッティの要求に従って解禁されたとはいえ、質量兵器は忌むべきものであるという教育を受けてきたために未だ抵抗を示す者が大多数を占めている。
特に山を吹き飛ばすほどの威力を誇る大型質量兵器はその破壊力故に取り扱いには細心の注意が払われており、解禁されてから3年、
試射も含めて三度しか使用されていない。そして、グリフィスが指揮を執っていた戦いが、記録に残る四度目の使用となったのである。
局員の中には、やはり質量兵器は封印すべきだという意見を述べる者もいる。しかし、そういった意見は「広域攻撃を魔導師個人に頼る方が遥かに危険である」
という反論によって強引に押さえ込まれていた。何れにしても、質量兵器はそれだけ複雑な立場に置かれているということである。
グリフィスもそれを知っていたため、最後まで質量兵器を使うことに躊躇していた。いや、そもそも戦況が予想通りに進んでいれば、
使うことなく講和を結べるところまで彼は漕ぎ着けていた。あのまま何事もなければ、あんなものを使わずに済んだのである。

(彼らが戦闘帰機人や質量兵器に手を出さざるえないところまで追い込んでしまったのは僕らの責任だ。
けど、彼らにはあれを製造する技術はないはず。裏で糸を引いた者がいるはずだ。
戦争を長引かせようとするする奴が。そんなことをしそうな奴は、あいつしかいない)

局員達の警戒するような視線を無視して自分の執務室に戻ったグリフィスは、扉に鍵をかけるとスカリエッティへのホットラインを呼び出した。
ややして仮想ディスプレイに現れたスカリエッティの笑みに軽い殺意を覚えながらも、グリフィスは努めて冷静に第56管理世界での出来事を簡潔に説明した。

「・・・・・以上です」

『なるほど、あちらも戦闘機人を・・・・』

「しかも、捕獲した機人は8割以上の部品が管理局製のものと同じ規格であり、動力周りの設計もこちらのものと酷似していた。
事前に調べた限り、あそこの科学技術はミッドよりも遅れていたため、独自開発された可能性は限りなく低い」

『ならば、機密情報が外部に漏れたことになるね。ハッキングの形跡がないか、こちらでも調べておこう』

(いいや、そんなことをしても何も出やしない。お前が直接出向けば、そんなことをする必要はないからな)

実は、グリフィスはここ数日の間、度々スカリエッティにコンタクトを試みていたのだが、ここ2週間ほど彼は捕まらず、
クアットロに門前払いを受け続けていたのだ。そして、アインヘリアル陥落の際にクアットロが戦死すると、それと入れ替わるように彼は戻ってきた。
その2週間の間に第56管理世界とコンタクトを取り、技術提供を行うことは不可能ではないはずだ。

「内通者を疑う必要もありますね。或いは、戦争の長期化を狙う第三勢力か・・・・・」

チラリとスカリエッティの顔を覗くが、彼は不気味な笑みを浮かべたまま表情を変えることはなかった。や
はりと言うべきか、この程度では尻尾を出すことはないようだ。
84UNDERDOGS 第十五話A:2009/01/29(木) 02:47:59 ID:CXz+6DS6
(もう少しカマをかけるか? いや、踏み込み過ぎれば怪しまれる。懐に潜り込めるまで、堪えるんだ)

グリフィスは焦る気持ちを抑えようと、スカリエッティに気づかれないように注意しながら深く息を吸った。
本より、グリフィスはスカリエッティに心から組みしている訳ではない。いや、それなら管理局の上層部にも言えることだが、
グリフィスの場合は彼らのようにスカリエッティを恐れていないし、御せるとも思っていない。
それどころか、取り返しのつかない事態に陥る前に打ち倒すべきだと考えている。3年前、クロノ達の誘いを蹴ってまで管理局に残ったのも、
内部からスカリエッティを排斥するためだったのだ。無論、テロ活動によって人々の安全を脅かすことにも抵抗があった。

『時に、質量兵器を使用したと聞いたが?』

「ええ、撃たなければこちらがやられていました。死者220名、重軽傷者55名、死体を確認できなかったのが1209名、
これで僕もめでたく大量虐殺者という訳だ」

『大義のために人を殺す者を、英雄と呼ぶのではないのかい?』

「英雄だって?」

俯いたグリフィスの眼鏡が鈍い輝きを放つ。握りしめていた拳はふるふると震え、込み上げてきた怒りは自然と声に表れていた。

「多くの人が死んだんだ。それだけじゃない。質量兵器を撃ち込まれた土地が正常な状態にまで回復するのに50年はかかる。
僕のしたことは大量虐殺にして未曽有の環境破壊だ」

グリフィスといえど、既に将校だ。世の中が綺麗事だけでできていないことは知っているし、
ここまで出世するのに色々と汚い手も使ってきた。しかし、今回ばかりは薄っぺらい良心が悲鳴を上げている。
自分がしたことは、ボタンを押しただけだ。たった1つのボタンを押しただけで、数千人もの命が消し飛んだ。
指先1つで誰もが大量虐殺を行うことができる、それが質量兵器の恐ろしさなのである。

『痛ましいことだ。だが、汚染などは放っておけば自然に治まる。そういうものだろう?』

(そういう問題じゃない・・・・そういうのじゃないんだ・・・・・)

自国に質量兵器が撃ち込まれたことで、第56管理世界の人々の管理局への怒りと憎しみはますます募りつつある。
これでは、友好的な講和は不可能かもしれない。それに、言えた義理ではないが、どんな非道にも越えてはならない一線というものがあるはずだ。
それは殺人であったり、民間人を巻き込まないことであったりと、組織や個人によって様々だが、そういった約束を守るからこそ、
自分達は己の行いに対して誇りが持てるのである。だが、スカリエッティにはそれがない。善悪の基準を持たず、日常と非日常の境界を知らず、
世界を歪めてもなお逸脱したままの破綻した倫理観を持つ生まれながらに壊れている異端者。
曲がりなりにも彼のことを理解しようとした管理局のやり方は、やはり間違っていたのだ。

『まあ、政治に関しては君達に任せるよ。こちらはこちらで立て込んでいてね』

「何かあったのですか?」

『気紛れな王様がママとピクニックに出かけていてね。手薄になったゆりかごの守備をなんとかしなければならないんだ』

「なら、私の権限で艦隊を派遣しましょう。親子水入らずの時間を邪魔しちゃ不味い」

『助かるよ。では、何かあればまた知らせてくれたまえ』

最後まで不気味な笑みを浮かべたまま、スカリエッティの姿が画面から消える。グリフィスは仮想ディスプレイを閉じると、
背もたれに体重を預けて大きく息を吐いた。

(今から艦隊を組織してミッド衛星軌道上に到着するのがだいたい4時間・・・・・いや、5時間か。
戦力も中将としての権限ならギリギリ揃えられるが・・・・・・・・・)

思わぬ形で舞い込んだチャンスに、グリフィスはどう出るべきか迷っていた。
聖王が不在の今、ゆりかごの防衛力は極端に落ちている。今ならば、通常の艦隊だけでも渡り合うことは不可能ではないはずだ。
しかし、事を起こせば管理局は間違いなく自分を造反者として始末しようとするはずだ。
テロリストとして糾弾され、略式裁判の後に幽閉もしくは極刑。今の上層部ならそれくらいのことはやりかねない。
そして、彼らが新たなスカリエッティとして彼の研究を引き継ぐのだ。それでは根本から世界の歪みを解決したことにはならない。
85UNDERDOGS 第十五話B:2009/01/29(木) 02:48:39 ID:CXz+6DS6
(博打になるが、事を同時に進めるしかないか。最悪の場合、ミッドを引き替えにすることも考慮に入れておかねばならないな)

思考を整理し直し、グイフィスは第56管理世界に残っているルキノを通信で呼び出した。

「ルキノ、代わりの者を寄こすから、君は別行動を取って欲しい。彼らにある情報を流すんだ」

『ある情報、ですか?』

「ああ、プランを前倒しする。足りない戦力は、外部から引き入れるしかないね」

『そこまでして、性急に事を進める必要があると?』

「これ以上、戦争を長引かせる訳にはいかないだろう」

そこで一旦言葉を切り、グリフィスは眼鏡のズレを直す。

「回収したアレの修繕は、終わっているね?」

『エンジンを最新のものに積み替えましたし、艤装も完了しています。
後は細かな調整を残すだけですね』

「では、彼らに譲渡しよう。高い金を払って修繕したんだ、有効活用してもらわないとね」

『わかりました・・・・・・・・グリフィス』

敬礼した後、ルキノは声の調子を変えてグリフィスに話しかける。
副官としてではなく、機動六課時代からの友人としての言葉だ。

『馬鹿なこと、考えていないよね?』

「僕はもう、十分に馬鹿なことをしてきたよ」

一方的に通信を切り、グリフィスは眼鏡のズレを直して背もたれにもたれかかった。

「あなたと僕と、馬鹿だったのはどっちでしょうね・・・・・・提督」





グリフィスとの通信を終えたスカリエッティは、ウーノが淹れてくれた一口啜ると、中断していた作業を再開した。
現在、彼が行っているのはフェイト・ナンバーズの改良である。
苦心の末に肉体の完璧な複製には成功したものの、記憶や感情の移植技術はまだ完成には程遠い。
この問題を解決しなければ、プロジェクト「F.A.T.E」の真の完成には成りえないのだ。

「お茶のお代わりをお持ちしました」

「ああ、ありがとう、ウーノ」

「彼の好意を受けるのですか?」

「それくらいのハンデはいるんじゃないかな。平穏は喜ばしいが、変化がないのは退屈だ。
獅子身中の虫がどこまで楽しませてくれるのか、楽しみだよ」

「余り羽目を外し過ぎぬよう、お気をつけてください」

「わかっているさ」

微笑を返し、スカリエッティは新たに注がれたお茶の香りを嗅ぐ。
86UNDERDOGS 第十五話C:2009/01/29(木) 02:49:26 ID:CXz+6DS6
「ドクター。質問をよろしいでしょうか?」

「何だい?」

「フェイトお嬢様のクローン・・・・・・・・あれに用いられている技術を使えば、私やドクターの複製を作ることも可能でしょうか?」

「ああ、もちろんだとも。ただし、肉体だけだがね」

記憶の移植そのものは可能だが、それによって生み出されるのは同じ記憶と体を持った別の人物だ。
心まではオリジナルを再現できないので、プロジェクトFの到達点である死者の蘇生には成りえない。
もっとも、生命操作技術の完成のみを求めているスカリエッティにとってはそれだけでも十分であり、
自分が志半ばで倒れた時のために現存しているナンバーズには自身のクローンの受精卵を仕込んである。
彼にとって重要なのはジェイル・スカリエッティという存在が存続し続けることであり、
今の自分が消えようと死のうと何ら未練はないのである。

「心の再現とは難しいね。記憶と結びついていることは過去の研究から明らかなのだが、
どんなに調べてみてもそのシステムを解明できないんだ。これは、アプローチを変えるしかないかもしれないね」

そう言って、スカリエッティは仮想ディスプレイを展開して先ほどから観察していたものをウーノに見せる。
それは、頭蓋を切開されて脳を剥き出しにされた少女であった。驚くことに、その少女はまだ生きていた。
瞼はうっすらと開いており、定期的に流される電流に苦悶の声を漏らしている。できるだけ人間の形を保っていた方が
精密なデータを検出することができるというのが、スカリエッティの言い分であり、実験体となった少女の脳神経を駆け回る
電気信号は直に埋め込まれたコードを通じて余すことなく機械に記録されている。
他にも、輪切りにされたまま活かされている脳や、極細の神経細胞まで解剖された脳など、数多くの実験体から
得ることのできた情報がディスプレイに表示されている。

「とりあえず、新しいサンプルで実験を再開するつもりだ。ウーノ、またしばらくは1人にしてくれるかい?」

「わかりました。何かご用がありましたら、お呼びください」

一礼し、ウーノはスカリエッティの研究室を後にする。
歩き始めた時は普段と変わらぬ無表情のままだった。
最初の角を曲がったところで、テロリスト達になぶり殺しにされるスカリエッティの姿が思い浮かんで顔に曇りが現われた。
自分が出産したドクターのクローンが、愛する彼とは別人になっているといるかもしれないことが不安だった。
生まれたクローンと過ごす内に、自分が愛したジェイル・スカリエッティという存在が記憶の中から消えてしまうことに恐怖した。
そして、唯一無二だと思っているこの思いが消えてしまうことが耐えられなかった。
戻るつもりだった管制室を素通りし、ウーノは自室へと駆け込んでベッドに飛び込んだ。
枕に頭を埋め、目から零れる冷たい雫に気づくまいと己を誤魔化す。
こんな不条理があって良いのだろうか。
彼を思って尽くすことが、結果的に彼の存在をこの世から消してしまうことに繋がるなんて。
このお腹の中で眠っている受精卵は、決して自分が愛した男になることはない。
同じ顔と記憶と知識を持ちながらも、別の心を持った別の存在へと成長し、彼が抱き続けた夢を継承するのだ。
それが、最初から自分のものであったかのように。

「ドクター・・・・・・・」

ウーノの悲嘆に呼応するように、記憶回路が誤作動を起こして過去の記録が走馬灯のように脳裏を過ぎる。
稼働に成功し、初めてドクターと出会った瞬間。彼にかけられた言葉は今でもハッキリと思い出せる。
マニュアル通りに淹れた紅茶を、美味しいと飲んでくれた時。それが何故か嬉しくて、今度はもっと美味しい紅茶を淹れたいと思った。
2番、3番と妹達が稼働していき、家族が増えてきたこと。その日から、姉として彼女達の模範となれるよう自分を戒めていった。
こちらのミスでドクターの実験が失敗に終わった時。ドクターは自分を責めずに優しく励ましてくれた。
寝食も忘れて実験に没頭し、疲れ果てて眠っていたドクター。毛布をかけた時、寝言で自分の名前を呼んでくれた。
他にもたくさんの記録が滝のように流れていく。これが、思い出というものなのだろうか。
87UNDERDOGS 第十五話D:2009/01/29(木) 02:50:15 ID:CXz+6DS6
『私はジェイル・スカリエッティ、君の父にして主だ。うん、君のIDかい? 生憎、そんなものは決めていなくてね。
だが、呼び名がないというのは少しばかり不憫かもしれないな・・・・・・・・そうだね、ウーノ〈1番〉と呼ぼう。
栄えあるスカリエッティ製戦闘機人の第1号たる君の名は、ウーノ』

『紅茶を淹れてくれたのかい? うん、良い香りだ。君はいつもパーフェクトだね、ウーノ』

『これが君の妹となるドゥーエとトーレ。ウーノ、君も今日からお姉さんだ。彼女達に色々と教えてやってくれないかい』

『悲観することはない。実験は失敗したが、そこから得られたものもまた多い。
今回の実験で得られたことは、このやり方では望む結果が得られないと実証できたことだ』

『・・・・・・ウーノ、君は・・・・・パーフェクトだ・・・・・』

たくさんの思い出が自分の中にはある。
そのどれもが取るに足らない出来事かもしれないが、自分にとってはかけがえのない記憶だ。
そして、やがて生まれてくるであろう新たなジェイル・スカリエッティは、記憶の中にいるドクターとは別人なのだ。
その子の誕生は、同時に彼の消滅を意味しているのだ。

(嫌です、ドクター・・・・・・・・あなたが消えてしまうなんて、私には耐えられない。
あなたとの繋がりがなければ、私は生きていけない。けれど、私は戦闘機人。ナンバーズbPウーノ。
意思など持たず、ジェイル・スカリエッティという男に尽くすだけの存在。この思いは、間違いなのでしょうか。
それとも・・・・・・・・・・・・)

問いかけに答えなどなかった。
いったい、自分はどうすれば良いのか。
今の幸せを守るためにはどうすれば良いのか。
どうすれば、ドクターを生かすことができるのか。
答えの出ぬまま、ウーノは静かに泣き続けた。





襲撃を受けた基地は、酷い有様だった。
外壁は粉々に撃ち砕かれ、周囲一帯は焼け野原と化している。
廃坑を利用して造られた基地のため、内部では落盤が起きているようであり、
生存者がいたとしても生き埋めになっている可能性が高かった。

「3年前は、あたし達が同じことをしたんだよね」

崩れた基地を見上げて、セインは心苦しそうに呟いた。
3年前に地上本部を襲撃した時は人命を尊重したため、ここまで酷い破壊は加えなかったが、
やろうと思えばそれだけの力が自分達にはあった。そして、それがどれほどの悲しみを生み出すのかを、
当時の自分はまるで理解していなかったのだ。被害を受ける側にならねば暴力の恐怖を知ることができないのが、
セインにはとても辛かった。

「セイン、どこだい? 杖を落としてしまったんだ。悪いけど、取ってもらえるかな?」

「あ、ごめんなさい」

近くに転がっていた杖を広い、手探りで地面を探していたヴェロッサに手渡す。
そして、大柄のヴェロッサを難儀しながらも立ち上がらせると、自分が側にいることを教えるために彼の手を握り締めた。
88UNDERDOGS 第十五話E:2009/01/29(木) 02:50:53 ID:CXz+6DS6
「すまない・・・・ありがとう」

「ううん、気にしないで。それより、生存者は見つかった?」

「いや、まだだ」

ヴェロッサは現在、使役できる猟犬の大半を生存者の捜索と周辺の警戒に回している。
そのため、衰えた彼の五感の代わりを担う猟犬がいないのである。

「歯痒いね。こんな体じゃ、まともに動き回ることもできない。
君がいてくれなければ、クロノ君達の手助けもできないなんて」

「・・・・・・あたしがここにいるのは、償いだから」

3年前、セインはシャッハ・ヌエラという女性騎士と戦って敗れ、捕縛された。
そして、ヴェロッサに捕らえられたウーノとともに連行されそうになったのだが、
外に連れ出される寸前でラボの自爆装置が作動し、落盤から自分達を庇ってシャッハは死亡、
ヴェロッサも突き飛ばされた自分を守ろうとして落下した瓦礫に両足を潰され、頭部を強打したことで五感のほとんどを失ってしまった。
無論、そのドサクサに紛れて逃走するつもりだったのだが、苦しげに呻くヴェロッサの声と落盤の下から流れ出る赤い血が、
セインをその場に止まらせた。
理由はわからないが、このまま立ち去ってはならないと思ったのだ。
結果、ウーノは逃走に成功し、ヴェロッサを仲間のもとへと運んだセインは捕縛されて機動六課預かりとなった。
その後、スカリエッティに下って強硬路線を取り始めた管理局にクロノ提督が反旗を翻し、
セインもオットーやディードと共に戦列に加わった。だが、セインは2人のように自由を求めている訳ではない。
彼女が戦う理由は自分達を庇って死んだシャッハへの償いであり、彼女の代わりに五感を失ったヴェロッサを守ることである。
だから、前線には出ずに諜報員としてヴェロッサと行動を共にしているのだ。

「あたしがさ、ロッサの目と耳になるよ。それがあたしにできる、償いだから」

「セイン・・・・・・・・うん? 猟犬が何かを見つけたみたいだ」

「本当?」

「少し奥まったところだ・・・・・・・ダメだ、魔力が切れた」

「捕まって。ISディープダイバー!」

ヴェロッサの体を抱き締め、セインは崩れた基地の壁をすり抜けて暗闇の通路へと着地する。
動力が停止しているため、内部は数センチ先も見えない暗闇だったが、戦闘機人であるセインと
視覚を猟犬に頼っているヴェロッサには苦にならなかった。2人は寄り添い合うように通路を進み、
猟犬が知らせてくれた場所へと向かう。すると、程なく通路の脇に倒れている人物を発見した。

「・・・・・・・・誰だ?」

「生きている!? ロッサ、生きているよ」

「・・・・・その声、セインとかいう戦闘機人・・・・・」

「ラッド・カルタスだね。こっちはヴェロッサ・アコース。他に生存者はいる?」

「この娘だけだ。頼む、治療を・・・」

辛そうに身を捩り、カルタスは左手で覆い隠していた人形サイズの少女を平らな地面に寝かす。
リインフォースUだ。重傷を負っているのか、騎士甲冑が真っ赤に染まっている。
89UNDERDOGS 第十五話F:2009/01/29(木) 02:51:43 ID:CXz+6DS6
「僕が治療しよう」

「ロッサ、こっちだよ」

セインに誘導され、ヴェロッサはリインに手をかざして魔力を注ぎ込む。
デバイスである彼女には通常の回復魔法が利かないため、魔力を流し込んで元々備わっている自動修復機能を
促進させる以外に治療を施すことができない。だが、この傷の深さではこの程度の修復は気休めにしかならないため、
すぐにでも設備の整った場所で専門知識を持ったデバイスマイスターに診てもらわねばならない。
それでも幾らかマシになったのか、リインはゆっくりと瞼を開いてこちらを見上げてきた。

「アコース査察官・・・・・それに、セイン・・・・・・・・」

「喋らないで。もう少し、修復に専念するんだ」

「リイン・・・・みんなを守れなかったです。シグナムも、アギトも・・・・・」

「シグナム・・・・・そうだ、シグナムは? 彼女は無事なのかい? セイン、彼女を探してくれ。僕の大切な友人なんだ」

見えぬ目をセインに向け、ヴェロッサは懇願する。しかし、セインは動こうとしなかった。
いや、動けなかったのだ。何故なら、彼女の視線の先には血塗れとなって地面に突き刺さっているレヴァンティンがあったからだ。

「そんな・・・・・あの人が・・・・・」

「セイン? どうしたんだい、セイン? 早くシグナムを・・・・・」

「ロッサ、騎士シグナムはもういない」

担い手を失った魔剣が全てを物語っていた。ヴォルケンリッターが将。
誰よりも苛烈で誇りに生きた彼女は仲間を守るために戦い続け、この場所で果てたのだ。

「俺が駆けつけた時には、手遅れでした。彼女はもう・・・・・」

「リイン、守れなかったです。はやてちゃんの時のように、また守れなかったです」

リインの目尻から、涙の粒が零れる。3年前、彼女は主である八神はやてと共にゆりかごへ突入し、
力及ばずに敗北した。はやてはリインの目の前でガジェット達に八つ裂きにされ、
リインは捕らえられて過酷な実験を課せられ続けてきた。その時の悔しさと悲しみを思い出しているのだ。

「君のせいじゃない。何もできなかった、僕達の責任だ」

「それでも、守れなかったのはリインの力不足です。アギトだって、一生懸命戦っていたのに、
ロードがいなかったリインは何もできませんでした」

震える手で、リインはずっと握り締めていた小さな腕輪を持ち上げた。
それに見覚えがあったセインが小さな声で嗚咽する。リインが掲げた赤い腕輪は、
アギトが普段から身に付けていたものだからだ。

「アギトの欠片・・・・・これだけしか見つからなかったです。体は、もうどこにもなくて・・・・・・」

「・・・・・・・もう、良いよ。今は眠るんだ」

「ごめんなさい・・・・・アギト・・・・・・シグナ・・・」

最後まで言葉は続かず、リインは力尽きて静かに寝息を立てる。
肉体が安定したと判断すると、ヴェロッサは魔力を注ぐのを止めてカルタスに向き直った。
90UNDERDOGS 第十五話G:2009/01/29(木) 02:52:41 ID:CXz+6DS6
「よく、彼女を守ってくれたね」

「止してください。俺がもっと早く駆けつけていれば、シグナム二尉は死なずに済んだかもしれないのに」

「それでも、大切な友人を君は守ってくれた。礼を言わせて欲しい」

「・・・・・・・・・そこの角に、まだ五体満足な奴がいるんです」

「生存者かい?」

「あたしが見てくる」

「大丈夫かい、セイン?」

「動いていた方が、まだマシだから」

知人の死にセインも相当堪えているようだが、それでも心配かけまいと平静を装っているようだ。
本当は声を張り上げて泣き喚きたいのを必死で堪えているのが声音から読み取れる。
場違いながらも、ヴェロッサは彼女が人間として成長していっていることが嬉しかった。
まだ出会ったばかりの頃のセインは無邪気なだけで倫理観に乏しく、死がどういうものなのか、
傷つくことがどういうことなのか理解していなかったのだ。そこから躓きながらも少しずつ学んでいき、
感受性を育んでいったのである。そして、自分1人ならば、きっと悲しみに耐えられずに慟哭していたであろう。
すぐ隣で共に悲しんでくれる人がいることが、ヴェロッサにとって救いであった。

「あれ・・・・・この人・・・・・」

「セイン?」

「ロッサ、この人って・・・・・・・」

「・・・・・まさか、カルタス君!?」

「・・・・騎士シグナムが、命がけで遺してくれた希望の1つです」

苦しげに呻きながら、カルタスは立ち上がった。
彼自身も相当のケガを負っており、傷口からはケーブルや基盤が顔を覗かせている。
足取りも覚束なく、気持ちだけが急いているのか何度も転びそうになった。

「カルタス君、そんな体でどこに!?」

「スバルを追いかけないと・・・・・・彼女は、マリアージュを追っていきました。
きっと、今頃は街に・・・・・ぐああぁぁぁぁぁっ!!!」

突如、カルタスは右腕を押さえて塞ぎこんだ。
慌てて駆け寄ったセインが、彼の顔を覗き込んで絶句する。
土気色に染まったカルタスの額からは、夥しい量の脂汗が流れていた。
戦闘機人の体を以てしても耐えられぬ激痛に、彼は苛まれているのだ。
だが、それでもカルタスは出口に向かって歩もうとする。右腕を庇うように左手で押さえ、
何度も瓦礫で躓きそうになりながら、暗闇の通路を歩いて行く。
いったい、何が彼をここまで駆り立てているのだろうか。
彼の悲壮な決意は、いったい誰に向けられたものなのだろうか。
91UNDERDOGS 第十五話H:2009/01/29(木) 02:53:36 ID:CXz+6DS6
「ぐうぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

「カルタス!?」

「触るなぁっ!!」

セインを振り払い、その反動でカルタスは尻餅をつく。
気が狂いそうな痛みで、脳が焼けてしまいそうだった。視界は明滅していて焦点も定まらず、
右腕の中で虫が這いずり回るようなおぞましい感覚が少しずつ強くなっていっている。
骨が折れたわけでも火傷をしたわけでもない。未知の痛みにカルタスは声を抑えることができなかった。

(この痛みはいったい・・・・・腕が、千切れそうだ・・・・腕? どうして、右腕が・・・・・俺の腕は、
あの時・・・・・ガジェットに・・・・ああ・あ・・・・・あああぁぁっ!!!)

激痛に耐えられず、カルタスは前のめりに倒れて瓦礫の山へと顔を突っ込んだ。
セインが慌てて抱え起こすが、朦朧とした意識は遠のいていくばかりだ。
そして、気絶する寸前に彼が見たのは、あるはずのない褐色に染まった右腕であった。





路地裏に逃げ込んだ最後の1人を破壊したところで、スバルは力尽きてその場に倒れ込んだ。
ISの連発と過度の魔力行使で全身が悲鳴を上げていた。特に右腕はフレームにまでダメージが
入っているようで、しばらくはISの使用を控えねばならない。
とはいえ、単独行動を取っていた頃はもっと酷い状況に陥ったこともあった。
五体満足で動ける分だけまだマシと考え、スバルは右腕に簡易治癒魔法を施して立ち上がろうとする。
だが、思いに反して体は動いてくれなかった。いつもは軽々と持ち上げているマッハキャリバーが
いつになく重い。両腕にも力が入らず、視界も段々と霞みつつあった。

(やば・・・・・無理し過ぎた・・・・・・)

せめてどこかに隠れなければと考えたが、周囲に隠れられそうな場所はなかった。
自分はお尋ね者だ。このままここで気を失ってしまえば、遠からず誰かに見つかって管理局に通報されてしまう。

(イクスのところに・・・・・戻らないと・・・・・・)

眠りに付いたイクスは、途中で見つけた洞窟の中に横たわらせている。
全てのマリアージュを破壊した後で、あの娘が好きだった空と海が見える場所に埋葬するつもりだったからだ。
だが、こんな状態ではとても彼女のもとに戻れそうにない。
悔しさを噛み締めながら、スバルは声を押し殺して涙した。
その時、すぐ側で地面を踏み締める音が聞こえた。

「お前は・・・・・・」

男の声だ。
何者なのだろうか。
問い返そうと頭を上げるが、霞んだ目では相手の顔がよく見えなかった。
そして、言葉を紡ぐ前にスバルは力尽き、気を失った。





夢を見ていた。
たくさんの人が死んでいく夢だ。
最愛の姉が、父が、恩師が、大切な仲間が、かけがえのない親友が、目の前で次々に死んでいった。
みんな、助けられたかもしれない人達だ。もっと自分がうまくやれていれば、救えたかもしれない命だ。
誰かの力になりたいと願いながらも、自分はとうとう誰も救えなかった。
92UNDERDOGS 第十五話I:2009/01/29(木) 02:54:33 ID:CXz+6DS6
『なら、どうしてまだ戦おうとするの?』

どこからともなく声が聞こえる。聞き覚えがあるようにも思えたが、確信は持てなかった。
ただ、この声の主に敵意がないことだけは漠然と感じ取ることができた。

『そんなに辛い目にあって、それでも戦おうとするのはどうして?』

「約束したから・・・・・・どんなに辛くても、生きるって。あたしにとって、生きるってことは誰かを助けることだから。
だから、戦うんだ。それに、苦しい思いをしている人を放っておくなんて、できないよ。自分の力じゃどうしようもできない不条理は、凄く怖いんだ」

『8年前のあなたが、そうだったように?』

靄がかかったかのように不鮮明だった景色が一変し、グレンの炎に包まれた瓦礫の世界が現れる。
スバルにとっては忘れることのできない、忌まわしき場所。全ての始まりとも言える、あの白い魔導師と出会った8年前の空港火災の現場。
そして、8年前と同じく女神像の前で塞ぎ込んでいる幼い頃の自分が、ジッとこちらを見上げていた。

『8年前、“あたし”はここにいた』

「寂しくて怖くて、逃げ出したいけど足が竦んで。あの人が来てくれなかったら、きっとあたしはここで終わっていた」

『だから、戦うの? 何もできなかった自分を助けるために。そんなことをしても、時が戻ることはないのに』

「そうだね。きっとあたしは、助けた人達に昔の自分を重ねて、あの人になろうとしていたんだ。けれど・・・・・」

あの人に抱かれて飛んだ夜空を思い出す。満天の星空には炎も煙も届かなかった。
何もないけれど、どこまでも広がる空が心地よくて。ともすれば広い世界に1人で取り残されてしまったかのような寂しさを
包み込んでくれるあの人の温もりが暖かくて。自分もいつか、あの人みたいな大人になれたら良いなと思ったのだ。
それが幻想で終わると気づくのに、そう長い時間はかからなかったが。

「あたしはあたしにしかなれない。あの人みたいに飛べないし、救えない。弱かった頃のあたしを救うなんて、できないんだ。
だって、それはここにいるあたし自身なんだから。だからこの手を伸ばすのは、あたしにじゃなくて別の誰か。
この手で救える命を救うために。泣いている誰か、大切な何かを守れる自分になるために。変わるために・・・・・」

決意を込めた瞳で女神像を見上げる。支柱が傷ついた女神像は自重で傾き、今にも崩れてしまいそうだ。
その中心に向けて、鋼を纏った拳を向ける。

(戦闘機人モード、オン。IS振動破砕、アクティブ)

傾く女神像に向けて拳を打ち込み、振動エネルギーを流し込む。それは女神像だけでなく、
支柱を通じてこの世界全体にまで浸透し、記憶に刻まれた真っ赤な炎にまで亀裂を走らせる。

「誰かを守れる自分になるんだ。この手で救える命があるのなら。だから、あたしに力を貸して欲しい。
あたしとお前で、あの人とは違う、あたし達のやり方で」

世界が砕け散る中、スバルの言葉を聞いて幼い少女が手を差し出す。過去から現在へ、共に未来を歩くために。
そして、立ち上がった少女の口から、聞き慣れた電子音声が紡がれた。

『その通りです、相棒。私はあなたと共に走るために生み出された』

「一緒に往こう、マッハキャリバー!」

かつての自分の手を掴み、スバルは亀裂の向こうへ、現実の世界へと飛び立っていく。
93UNDERDOGS 第十五話J:2009/01/29(木) 02:55:25 ID:CXz+6DS6
『非礼をお詫びします、相棒。あなたの夢は、決して独り善がりな自己満足ではありません。
何故なら、その夢は私の夢でもあるからです。あなたと共に走ることが。あなたと共に誰かを救うことが。
その夢は、私とあなたで築き上げた、この世界で唯一無二の想いです。この私が保証します』

「謝るのはこっちだよ。辛いことが多すぎて、心が挫けかけていた。この夢は、あたしをこのまま眠らせないために
お前が見せてくれたものなんだね?」

『約束しましたから。あなたが誰かのために走れる日が来るまで、私があなたをレスキューすると。
この身はあなたの体を外敵から守り、言葉はあなたの心を絶望から掬います。あなたの言葉を、
私とあなたの夢を嘘にしないために。折れそうになった時は、何度でも私が支えます。
どこまでもあなたと共にいます』

「そうだ、お前がいたんだ。いつだって、どんな時だって、お前はあたしの側にいてくれた。
あんまりにも距離が近すぎて、それを忘れていた。あたしはまだ、1人じゃないんだ。
ううん、いつだって、1人で戦っていたわけじゃないんだ。マッハキャリバーが、ずっと側にいてくれたんだ」

意識が覚醒していくに従い、手を取った彼女の姿も薄れていく。
消えてしまう前に言いたかった。
ずっと一緒に戦い続けてくれている鋼の相棒に。
だが、その言葉を告げるよりも早く、白い光が世界を満たしていった。





目が覚めた場所は、路地裏ではなく見知らぬ部屋だった。
殺風景な室内は最低限の調度品しか置かれておらず、掃除も余りしていないのか少し埃っぽい。
そういえば、気を失う前に誰かが近くにいた気がする。ここは、その人物の家なのだろうか。

「そうだ、マッハキャリバー!?」

慌てて起き上がり、肌身離さず身に付けていた相棒の行方を探す。すると、すぐ横の卓の上に布かれた
柔らかそうなハンカチの上に鎮座しているマッハキャリバーの姿が目に入った。
手に取ってみると、こちらに反応するように表面を青く光らせる。自己修復は完了しているのか、
どこにも異常は見られなかった。
相棒の無事に安堵し、スバルは夢で言えなかった言葉を告げる。

「ありがとう、相棒」

《No problem,Buddy》

マッハキャリバーの言葉に笑みを返し、スバルは改めて状況を再確認する。
マリアージュを倒して力尽きた自分は、何者かに保護されてこの部屋に運ばれた。
ご丁寧に傷の手当てもされていて、汚れた服の代わりに清潔なシャツが着せられている。
念のために体を隅々まで調べてみたが、暴行の形跡はなし。脱がされた服もマッハキャリバーの横に綺麗に畳まれていた。
少なくとも、今のところ自分をここに運んだ人物に敵意や害意はないようだ。
94UNDERDOGS 第十五話K:2009/01/29(木) 02:56:00 ID:CXz+6DS6
「さすがに、罠ってことはないよね」

「まあ、ここまで手の込んだ罠ってのも面白いかもしれないな」

何気なく呟いたその言葉に、低い男の声が被さる。
反射的にスバルはベッドから飛び降り、部屋に入って来た男を睨みつけた。
男は無手だったが、脇に提げられたホルスターには実弾デバイスが収められている。
いつでも抜けるように留め金は外されており、スバルは警戒するように手の中のマッハキャリバーを握り締める。
この距離では魔法よりも銃の方が早い。男の抜き打ちにもよるが、ほぼ間違いなくBJを展開するよりも早く銃弾が叩き込まれるだろう。

「あんた、いったい・・・・・・」

「ま、一応は正義の味方ってとこか。なあ、犯罪者さん」

窓から差し込んだ月明かりに照らされ、男の顔が露になる。

「久しぶりだな、ナカジマ」

「ヴォルツ・・・・司令・・・・・」

見覚えのある傷だらけの顔に、スバルは言葉を失った。
彼の名はヴォルツ・スターン。
数ヶ月前、マリンガーデン火災において共に肩を並べて救助活動を行った、災害救助隊の司令であった。


                                                        to be continued
95B・A:2009/01/29(木) 02:56:44 ID:CXz+6DS6
以上です。
思った以上にかさ張ってしまい、敵襲まで書けませんでした。
本当はこの後○○○○○が現れてピンチな○○○をスバルが助けようとして○○○と・・・・・・・。
終わりが見えているのにまだ遠い。
96名無しさん@ピンキー:2009/01/29(木) 08:59:22 ID:Dfb/aO8r
GJ!!
スバルが正気に戻れて良かった…
真に強い魔道師とデバイスとの対話は最高です
そしてヴォルツと再開したにもかかわらずこの状態
今までしてきた事を考えれば和解するのは難しいか
97名無しさん@ピンキー:2009/01/29(木) 22:16:57 ID:Maiwdguc
>>95
GJ!
続きお待ちしてました!
相変わらず、すごく重い。
ウーノにも迷いがあったのか。
でもそれがただの贅沢な迷いであると感じるのが本音。
元6課側の皆の迷いに比べれば・・・・
どう見てもあの時助からないとわかっていたけど、現実を突きつけられると辛い・・・・

シグナム・・・・・・・・
98名無しさん@ピンキー:2009/01/29(木) 22:18:36 ID:iUDD73Mv
GJ!
シグナムも死んでしまった…本当にじわじわといなくなっていきますね。
つか、なのはも復活したのか?どうなるのやら。
99名無しさん@ピンキー:2009/01/29(木) 23:19:05 ID:Qv+Aky+A
GJ
こういう、じわじわ削っていく系の話は神経に応えますね。

シグナム死亡、アギト死亡、好き放題やってくれるスカ様。
次は、脳改造したなのは様の登場でしょうか、わくわくしております。
エリオの修正にフェイトを使ったんだから、
スバルの修正はなのは様しかないでしょう。
ごっつ、期待しております。
100名無しさん@ピンキー:2009/01/30(金) 00:47:13 ID:1XFSMkTp
はやてがどうなったか前から気になっていたけど、そんな残酷な最期を迎えていたのか
シグナムとアギトは誇り高き最期を迎えられてまだましだったのかもしれない…

けどエリオは絶対凹みまくるだろうな…
GJ!
101名無しさん@ピンキー:2009/01/30(金) 03:05:01 ID:V2Rb2aZx
GJです。一体どういう結末を目指してるのか想像もつきません。
もしかしてはやて出番無しで終わるのだろうか?はやくヴィヴィオ出てこないかな。


ところで・・・リインが捕まってる間一体どんな目にあって来たのか凄く気になるのは
自分だけだろうか。実験と称してエロい目に遭ってたりしないだろうか?するよな?当然だよな・・・?
102名無しさん@ピンキー:2009/01/30(金) 04:31:45 ID:fuorIF7f
>>101
はやては、もうお亡くなりに…
103名無しさん@ピンキー:2009/01/30(金) 04:38:41 ID:V2Rb2aZx
>>102
そうだから最後まで一切の出番無しに・・・・・物語中で死ぬよりも酷い目に・・・・
104名無しさん@ピンキー:2009/01/30(金) 12:45:09 ID:vlBf+FPY
ど、ドクターの研究見てマブラヴオルタとアニマトリックス思い出したorz

そしてどんどん死んでいくキャラたち……



と思ってたらドクターラブのウーノさんに
ますます惚れてしまって美味しいで(^q^)
105名無しさん@ピンキー:2009/01/30(金) 14:59:01 ID:fuorIF7f
ウーノからは、昭和の女臭がする。
106名無しさん@ピンキー:2009/01/30(金) 18:29:58 ID:pCr8MLVD
>>105
割烹着とか似合いそうだよな。
>ウーノさん
1077の1:2009/01/30(金) 19:14:52 ID:1Pv27hn5
第6章が出来ましたので上げます。

注意事項
・微エロ?で一部バトルを含みます
・前作:「再び鎖を手に」の続編です。
・時間軸はJS事件から1年後
・ユーノ×なのはです。
・捏造満載
・キャロ・エリオ・ルーテシアは出ません。(3人のファンの方、すみません)
・前作からのオリキャラ出ています。
・物騒な単語(「殺す」とか「復讐」とか)いっぱい出てきます
・主人公 ユーノ
・タイトルは 翼を折る日 
1087の1:2009/01/30(金) 19:16:50 ID:1Pv27hn5
第5章  
5−1
「なのは、なのは 気がついたかい」
「ユ、ユーノくん」

 戦技教導隊所属だけに鍛え上げられたなのはの肉体にダメージはなかったが、床に叩きつけられた衝撃で、
一瞬とはいえ意識を失っていたらしい。

「ヴィヴィオは?」
「なのはママ、ヴィヴィオは平気だよ」

 テーブルの下に身を潜めていたヴィヴィオが声をあげる。

 爆発と衝撃はやんだようだが、個室の外では、レストランの客の怒号と叫び声が続いている。

「今、外に出るとパニックに巻き込まれる。ちょっと待って」
「教導隊本部に繋いでください。・・・高町なのは一等空尉です。IDは、声紋照合完了ですか、現在クラナガン301の最上階レストラン、
階下で爆発発生, はっ、民間人の避難優先ですね。ただちに出動します。」

 地上本部に事態を告げ、転送魔法の使用許可を得たユーノが、振り向くとバリアジャケットを装着したなのはがレイジングハート
を構えて立っていた。
 ヴィヴィオは、まだテーブルの下で身を固くしている。

「なのは、転送魔法の使用許可を取った。いったんヴィヴィオを連れて下のイベント広場に移動するよ」
「私はここに残るよ」
「駄目だ。状況の把握が最優先だ。下にいるスバルくんたちの力が今こそ必要なんだ。ヴィヴィオの安全も確保 しなきゃいけない。
母親の君がここに残ってどうするんだ!」

「ヴィヴィオは平気だよ。なのはママ残っていいよ」
「ヴィヴィオ!」

 予想を上回るヴィヴィオの答えに狼狽するユーノと対照的に、力強く頷いたなのはは

「ユーノくんは、ヴィヴィオを転送して、私は外のパニックを鎮めるよ」
「わかった。ヴィヴィオを転送したら、また会おう。ヴィヴィおいで」
 テーブルの下から這い出てきたヴィヴィオを抱き寄せたユーノは転送魔法の魔法陣を展開した。

「なのは、慎重にね」
「なのはママ、がんばって」
 その声を最後に二人の姿は部屋から消えた。

 扉を開け、怒号が渦巻く客席に出たなのはは、10数発のアクセルシューターを発射すると共に大声を放った
「静かにしなさい!!!」

 パニックを起こす人々の頭上すれすれを複雑な機動を描きながら飛ぶアクセルシューターと白い魔王のオーラに度肝を抜かれ
レストランの騒擾はしだいに収まっていった。

「レストランの店長は誰、すぐ来なさい!!」

 教導隊で武装隊の新人たちを鍛え上げる時に使う底響きのする声で店長を呼び出したなのはは、てきぱきと指示を与え始めた。
1097の1:2009/01/30(金) 19:18:16 ID:1Pv27hn5
5−2

「緊急転送装置は無事? 無事なのね。すぐに起動させるの! 店員は12,13? 13人ね。1人は転送装
 置の担当して、残りの12人は2人一組で6班にしてお客さんの整列と誘導をする。さあすぐにかかるの」

 白い魔王の迫力に押された店員が、指示通りに動き出すとレストランに来ていた人々がスムーズに転送装置の
前に並び始めた。

「店長、装置動かして! 皆さん、これから転送装置を起動します。1回の転送人数は12人まで、下のイベン
ト広場に特別救助隊が待機しているので大丈夫。さあ始めるよ!」

 なのはの指示に従ってレストランの客は、次々と転送されていく。

 転送が無事に進行していくのを確認したなのはは、店長に後を託すと階下に向かった。

 67階から58階まで調査したが、有名宝飾店やブティック、スポーツ用品、シネコン等の施設は、レストラン
と違って、パニック時の訓練が行き届いているため、なのはが到着したときには、既に、最後の店員も転送装置
で脱出していて無人だった。

(どうやら、騒動の原因は、この下の57階のようね。・・・って古代ブンドゥ文明展の会場じゃない!)

 下の階の様子をうかがうなのはの耳を、聞き慣れたデバイスの発する射撃音と重なるように響く獣じみた咆吼
が貫いた。さらに数発の射撃音が発せられたのを最後に57階は無音の世界に変じた。

(今のはクロスミラージュ! ティアナが下に!?)

 なのははレイジングハートを構え直すと気配を消し、慎重な足取りで階段を下り始めた。
 イベント広場の裏に設けられた楽屋にユーノがヴィヴィオと一緒に展開した魔法陣から出現すると、楽屋裏は
先ほどとは打って変わって、張りつめた緊張感に包まれていた。

「消火部隊到着まで、あと10分だそうです」
「レストランからの転送者の名前を控えた後、順次、クラナガン301手配のバスで、地上本部の設けた仮設テ
 ント場へ移動させろ」

「現時点での負傷者 重傷23人、軽傷114人 いずれもクラナガン市立病院に搬送済みです。以後の負傷者
 は、収容次第クラナガン大学病院、聖王教会病院へ搬送できるよう救急車の手配をお願いします」
「特別救助隊第一班8名36階の水族館に取り残された職員5名および観客1名の救助に向かいます。転送魔法
 の許可を願います」

「スバル、ウィングロードを展開して31階まで避難した人を収容できるか?」
 サイガインジャーのコスチュームを脱ぎ捨て、右が赤と左が青のツートンカラーのバリアジャケットに身を包
んだコンラッドがスバルにウィングロードを展開できるか尋ねると力強い返事が返ってきた。
「やります。やって見せます」

「スバルくん、コンラッドさん」

「ユーノ先生、ヴィヴィオちゃん」
「ユーノさん、ご無事だったんですか」
 いきなり現れたユーノとヴィヴィオに驚いた二人は次の瞬間、なのはがいないのに気づいた。

「「なのはさんは?」」
「レストランで救助作業中です。・・・なのは!」
 なのはの魔力光をトレースしていたユーノが血相を変えたのを見てヴィヴィオと二人の顔色が変わった。
1107の1:2009/01/30(金) 19:19:33 ID:1Pv27hn5
5−3

「ユーノパパ!」「「ユーノさん」」
「コンラッドさん、ヴィヴィオを頼みます」
「は、はい!」

「スバルくん、僕が転送魔法で31階まで君を運ぶから、ウィングロードで避難した人を隣のビルの屋上に運べ
 るよね?」
「は、はい、隣のビルまでなら・・・よ、余裕です」

「ユーノパパ、なのはママを連れて帰ってきて」
 ヴィヴィオの顔を振り返ったユーノは、いつもの笑顔を浮かべると軽く頷いた・   

「それまでヴィヴィオはお留守番しっかりするんだよ」
「うん、ヴィヴィオ待ってる」

 31階にユーノの転送魔法で転送されたスバルを迎えたのは、イベント会場で白い鬼神に声援を送っていた親
子たちの一団だった。話を聞くと36階の水族館から逃げてきたらしい。

「わあぁぁスバルさんだ。スバルさんだ」
「ディバインバスター、ディバインバスター、ディバインバスター」
「ありがとうございます。助かりましたスバルさん」 

「ちょ、ちょっと静かに、静かに、静かにしなさーい! 静かにしろーー!!!」
 なのは譲りの白い鬼神モードで、興奮する一団を黙らせたスバルはさらなる大声で宣言した。

「下がってください。これから壁をぶち抜いて、隣のビルの屋上への道を通します!」

 イベント会場でのディバインバスターの威力を見せつけられている一団は、あわてて物陰に隠れた。

「ディィバァァイィンバスタァァーー!」

 白い鬼神モードのスバルが全力全開で放ったディバインバスターが、三層構造の強化ガラスを粉々に破砕したのと
同時に強風が吹き込んできたが、気にする風もなくスバルはマッハキャリバーを駆ってウィングロードを隣のビルの屋上に通した。

「コンラッド曹長、ウィングロード展開しました。要救助者8名、特別救助隊、派遣願います」
「こちら、コンラッド。了解、ただちに救助隊とライディングポッドをビルの屋上に転送する。救助者の保護を 継続せよ」
「了解」

 スバルが物陰から出ないように人々に指示をしているのを確認したユーノは魔法陣を足下に展開した。

「スバルくん、僕は上に行く。ここは任せるよ」
「ユーノ先生! なのはさんを頼みます」

 右手を挙げて答えたユーノの姿が消えるのを見たスバルは、隣の屋上に到着したライディングポッドがこちらに走ってこれるよう
ウィングロードの強度を最強にした。

1117の1:2009/01/30(金) 19:20:56 ID:1Pv27hn5
5−4

 照明が落ち、煙が充満する56階のフロアでの続いていた戦いは、終わりを迎えつつあった。、

 フェイトに重傷を負わせた時空犯罪者ゲーベル・レインにシュートバレット バレットFを発射したティアナは、
思うように動かない左足を引きずりながら、物陰に走り込んだ。

「っ・・・ちくしょう。どこ、どこにいるの?」 

 熱源追尾型の誘導弾を軽々とかわし、照明の消えた57階の闇に姿を溶け込ませ気配を絶った相手の技量は、
本来のランクBを遙かに凌駕していた。

 ユーノから渡された資料に記されていたデーターによれば、ランクBクラスの魔導師が、リンカーコアバーストを発症した場合、
S−ランクに匹敵する攻撃力を発揮するとあったのを心の何処かで軽視していた自分をティアナは呪いたくなった。

(フェイトさんが、かばってくれなかったら確実に殺されていたわ。それをあたしは・・・)

「ソコカ!」
 ゲーベル・レインの機械的な声と同時に頭上から、ニードルショットが降り注ぐ。

 間一髪、かわしたティアナはシュートパレットを発射するが、一発も当たらなかったらしく、含み笑いを残して敵の気配が再び消える。

 足を引きずりつつ、再び別の物陰に飛び込んだティアナの背後からゲーベルのささやき声が聞こえる。

「ニブイナ。ソノテイドデ、シツムカンガツトマルノカ?」

「うるさい!」
 振り返ると同時にヴァリアブルバレットを叩き込むが、相手の気配は既に消えている。

「オマエノヨウナアシデマトイガイテハ アノ、クロイライゲキガ、オチタノモムリハナイナ」

 床下から発せられた嘲りと共にティアナの身体は天井に叩きつけられ、そのままフロアに落ちた。
 意識が一瞬、飛んだティアナだったがクロスミラージュを離さなかったことが彼女の命を救った。

<マスター、オプティックハイド イグニッション>

 ティアナは、クロスミラージュに促されるままオプティックハイドを発動すると這いずりながら、その場から逃れた。  

「ドコダ ドコニイッタ?」  

 ティアナの姿を視認できないらしくゲーベルの苛立った声が闇に包まれたフロアに響く。
 声のする方を振り向くとひょろりとした長身の影が、きょろきょろと首を回しているのが見えた。

 最後のカートリッジをクロスミラージュに装填したティアナが影に照準を合わせ、引き金を引こうとした指をなのはの念話が止めた。

1127の1:2009/01/30(金) 19:22:07 ID:1Pv27hn5
5−5

((ティアナ!聞こえる))
(なのはさん!)
((何があったのかは聞かない。相手は誰なの?))

(ゲーベル・レイン ランクBの第41管理世界指定のテロリストです。こいつのせいでフェイトさんが)
((ユーノく・・・司書長から聞いてるよ。帰還中のクラウディアのICUで治療中、命に別状はなしってね))

(良かった。あたしが奴を追って転送した時には・・・危なかったんです)
((リンカーコアバーストだってね。ランクBならリミットブレイクした分だけ、身体のダメージも大きいから
 一発、当てれば終わるはず。私が気を引くから、その隙に打ち抜くの!))

(は、はい!)

 何故、なのはが自分の位置を把握できたのか、一瞬、不審に駆られたが、ゲーベルを倒せる機会は、残弾から
考えて、後一度しかない。

 今は、なのはの与えてくれるチャンスに賭けるしかないと腹を括ったティアナは、クロスミラージュの照準を
再び影に合わせた。

「ナ、ナンダ!?」
 狼狽する影に十数発のアクセルシューターが撃ち込まれた瞬間、なのはが叫ぶ。

((今よ、撃つの)) 
「当たれぇぇぇ!」

 最大出力のシュートバレットが、アクセルシューターを避けて飛ぶ影を打ち抜く。

「やった!」

 次の瞬間、撃ち抜いた影が発した声を聞いたティアナの顔が凍り付いた。

「アクセルクラスター!!」

 影が発した桃色の光弾がティアナのバリアジャケットを爆散させた瞬間、周囲に着弾したアクセルクラスター
から発せられた光弾が、ティアナを蜂の巣にする。

「う・・・嘘、嘘よ、嘘だぁぁぁぁ」

 全身を貫く激痛の中、自分が撃ち抜いた影が駆け寄ってくる。

 その影が、なのはだったことを認識したティアナは、絶望の裡に意識を失った。

「ティアナ・・・何故!?」
 アクセルクラスターで撃ち抜いた敵が、ティアナだったことに愕然とするなのはの背中に、ニードルショットが放たれた。

「なのは、危ない!」
「きゃっ」

 突き飛ばされたなのはが振り返ると、ニードルショットを弾き飛ばした緑色のラウンドシールドを展開するバリアジャケット姿
のユーノが立っていた。

1137の1:2009/01/30(金) 19:23:03 ID:1Pv27hn5
5−6

「ユーノくん」

「なのは、相手はリンカーコアバーストしたマインドイリュージョンの使い手だ。ランクはBだがSークラスの
 実力がある。惑わされないで」

「で、でも どうやって?」
「僕が背中を守る。これを繋いで」

 ユーノが首に巻いていたスカーフを差し出すと、なのはは、自分のバリアジャケットとユーノのバリアジャケット
をスカーフで結んだ。

 背中合わせになったなのはとユーノは、足下で意識を失っているティアナをオーバルプロテクションで保護すると
同時に、階下で救助活動を行っているスバルに念話を送った。

(スバル、聞こえるよね)(スバルくん、落ち着いて聞いてくれるかい)
 31階に避難した人々を隣のビルに避難させたスバルは、なのはの話を聞き愕然とした。

「ティアが・・・」 
「どうした?スバル」 
 避難者がいないのを確認し終えたコンラッドが、顔色を変えたスバルに声を掛けた。

「ティアが・・・六課時代の同僚が56階でケガをして」
「よし、すぐに助けに行くぞ」 

 瞬間転移の準備に入ったコンラッドをスバルが引き留めた。

「なのはさんとユーノ先生が転送してくれるそうです。ライフポッドを用意してください」

「かなりの重傷だな。ティムス、聞こえるか。ライフポッドをこっちに回してくれ。それとクラナガン大学病院
 への救急車の手配を頼む」

 コンラッドが部下との通信を終えるとスバルが頷いた。

「来ます」

 二人の前に、転送魔法の魔法陣が展開されると同時に、傷だらけのティアナが現れた

「ティア・・・酷い、酷すぎるよ」

「ティムス、ライフポッドじゃ駄目だ。救命ポッドを手配してくれ」

 親友の、あまりの惨状に呆然とするスバルの耳に、コンラッドの悲痛な指示が突き刺さった。
1147の1:2009/01/30(金) 19:28:17 ID:1Pv27hn5
以上で第6章終わりです。

ティアナ、かなり悲惨ですが、最強凡人の彼女は死んでも死なない。
次章以降、しばらくバトルが続きます。
1157の1:2009/01/30(金) 19:34:37 ID:1Pv27hn5
すまん第5章でした。
第6章は、2月に入ったら上げる予定です。
116名無しさん@ピンキー:2009/01/30(金) 19:48:43 ID:VYMtrp93
つまらん
117名無しさん@ピンキー:2009/01/30(金) 19:58:09 ID:dS3ECeY/
>>114
GJ!
次回からのバトル編楽しみにしてます。
11883スレ260:2009/01/30(金) 21:21:16 ID:pCr8MLVD
SS保管庫管理人様へ
私が投下したSSの内、下記のものを同人誌に収録することになりましたので
保管庫からの削除をお願いします。

・浴場で欲情
・目覚めた先に
・流されて海鳴

お手数ですがよろしくお願いします。
119名無しさん@ピンキー:2009/01/30(金) 23:16:20 ID:/m8aKJUy
>>114
次回にはエロエロでラヴラヴな展開が来るに違いない!
と、直感で感じたぜ……(´・ω・`)
120名無しさん@ピンキー:2009/01/30(金) 23:41:26 ID:9aqD2Nos
>>95
GJ!!
シグナムとアギトの散りざまに涙目…
彼女は散るとき、主の無念を晴らせなくて悔しかったのか、それとも弟子を守る盾になれて嬉しかったのか
きっとどちらともだろうな

>>118
全部タイトルだけでぴんと来てしまった俺
せめて簡単に検索できるようにして下さい!
絶対買わせていただきます。。
12183スレ260:2009/01/31(土) 07:39:47 ID:AeBwj2G8
>>120
ありがとうございます。
ただ、ここでサークル名とか書いたらスレちな気がしますがどうなんでしょう…
122名無しさん@ピンキー:2009/01/31(土) 08:40:52 ID:4IbLzsRQ
>>121
ヒント。
SSタイトルをサイトに載せておくとタイトルで発見できる。
ちなみに、ここで宣伝せずにサイトだけで書いても意味はない。
ソースは俺w
123名無しさん@ピンキー:2009/01/31(土) 12:21:41 ID:AeBwj2G8
>>122
アドバイスありがとう兄弟。
でもサイトにSSタイトル入れたけど、ググッてもヤフッてもヒットしなかったぜ
124名無しさん@ピンキー:2009/01/31(土) 12:24:37 ID:69hGs/s7
うらる登録依頼すればいいじゃない
125名無しさん@ピンキー:2009/01/31(土) 12:25:44 ID:pCcLk+pN
>>121
さすがにサークル名さらすのはやばいかもしれん

そう思って自力で探しているが見つからNeeeeeeeee!!!!!
ヒントぷりーず
126名無しさん@ピンキー:2009/01/31(土) 12:32:01 ID:Fy/j4m/j
>>121
いや、こういう場合は普通にサークル名晒しても構わないと思うよ
自己判断でどうぞ
127名無しさん@ピンキー:2009/01/31(土) 12:35:01 ID:AeBwj2G8
>>126
ではお言葉に甘えて
サークル名;Pure Mix でヤフってください。
上から3番目に出てきます
128名無しさん@ピンキー:2009/01/31(土) 12:58:45 ID:4IbLzsRQ
このスレ自体がどうこうと言うつもりはないが、それでも2系の掲示板に
さらすのは勇気あるなぁ…
129名無しさん@ピンキー:2009/01/31(土) 13:51:21 ID:gal8APbD
なのはSSサーチで氏の作品を検索すれば普通に出てくる件

他の何人かもだけど。
130名無しさん@ピンキー:2009/01/31(土) 15:36:09 ID:H1lEy5Xs
>>114
どういう感想が返ってくると思って書いてんだろうか……
131名無しさん@ピンキー:2009/01/31(土) 15:42:04 ID:tZUUyLdi
>>130
今までの感想の数と内容を見直してみな。
ま、そういうことだ。
132名無しさん@ピンキー:2009/01/31(土) 15:50:52 ID:pCcLk+pN
>>127
サンクス!
発売楽しみにしてるぜ
133名無しさん@ピンキー:2009/01/31(土) 16:50:54 ID:AeBwj2G8
>>128
賛否の分かれる行為ですが知ってもらうことが大事だと判断したので

>>129
検索といえばググルとヤホーが浮かんでそっちを失念してました

>>127
d こっちも当日を楽しみにしてます
134超硬合金:2009/01/31(土) 20:30:04 ID:f38SeeCe
誰もいないようなので投下行きたいと思います。

注意事項
・スカリエッティの一人称で物語は進行します。
・ドクターの胃や腸はあまり強くありません。
・非エロです。
・ておあー様にインスパイアされたネタが一部仕込まれています。
・ナンバーズとドクターのお話です。
・本編の後に要らぬ妄想が垂れ流されています。
・タイトルは「Dr.スカリエッティの華麗なる隠遁生活」です。
135Dr.スカリエッティの華麗なる隠遁生活 1:2009/01/31(土) 20:32:51 ID:f38SeeCe
 昨夜のことだ、深夜二六時からMHKで放映される特撮映画を見るために、
私はライフワークたるバイオロボテクスの実験を調整し、一二〇分の時間を捻出した。
 寝間着に着替えたウーノが溜息混じりに、

「朝食の時間には、カフェインの静脈注射をしてでも起きていただきますよ、ドクター」

 と言ったことから、彼女には一〇時を過ぎてもまだ研究を続ける私の本音がばれていたのかもしれない。
 おかげで本日の私は睡眠時間三時間、ノンレム睡眠の真っ最中である。
 何?
 では今一人称で物語を進めているのは誰かだと?
 もちろん、私ジェィル・スカリエッティだよ。
 侮ってもらっては困る。アルハザードの遺児、超☆天才科学者ジェイル・スカリエッティにとって、睡眠中のモノローグなど朝飯前なのだよ。
 ?
 一体、私は誰に対してこんなことを断っているのだろう?
 そうか、これは夢なのだ。
 夢の中なら、昨晩見た「ナノハ3 真龍(ヴォルテール)覚醒」の内容ではなく、それを見るに至る経緯を説明口調で誰とは無しに語っていても仕方あるまい。
 ほら、それが証拠に今、ウーノがインスタントコーヒーを持って部屋に入ってきた。紅茶党の私だが、研究の合間の眠気覚ましにコーヒーを飲むこともある。
しかしそれとて、インスタントではなく、ちゃんと豆から挽いてコーヒーメーカで煮詰めた正統派だ。つまり彼女がインスタントコーヒーを持ってくるなど、現実にはあり得ない。
 夢の中のウーノは、マグカップにコーヒー粉を大さじで一杯、二杯、三杯、よん・・・
あの、ウーノさん?
それ、どなたが飲むんですか?
それ、飲むんですよね?
飲み物ですよね。
是非飲ませてくださいッ。
お願いだから注射器で吸い上げないでください!
その白いマスクと手袋は何なんですかぁ〜!?



136Dr.スカリエッティの華麗なる隠遁生活 2:2009/01/31(土) 20:33:26 ID:f38SeeCe
「ゲフゥッ」

 腹部に加わる鈍い衝撃とともに私は目を覚ました。

「ドークター、朝っすよー」

 わが子の声。青いボディスーツに、赤い髪。視界の片隅には床から七〇センチほどの高さにフヨフヨと浮かぶランディングボード。
 呼吸に苦しみながら、私は腹部に加わる痛みと周囲の状況から迅速に、ウェンディが何をしたのか計算する。
 どうやら彼女は、ベットと同じ高さまでランディングボードで浮いて、そこから軽く飛び跳ねて、お早うのボディプレスを敢行したらしい。
 ここは彼女の創造主として、注意せねばなるまい。

「早く起きるッすよー、ドクターが来ないとウーノ姉が朝の栄養補給を許可してくんナインすよー」

 割と本気で訴えている。仕方あるまい、ここは創造主として懐の大きなところを見せるとしよう。

「・・・あぁ・・・お早う、ウェンディ。すぐに着替えて行くから、もう少しだけ待ってくれ」

 我が子の頭を撫でながら、私は上半身を起こす。

「本当ッすね? 冷めないうちに直ぐに来てくださいっすよ」

 花の咲いたような笑顔とともに、ウェンディはライディングボードを小脇に抱え、食堂にかけだした。
 私の計画にないこととはいえ、あんな楽しげな笑顔を見られるならば、この程度の痛みたいしたことではない。
 それにセインのお早うディープダイバーに比べれば、ずっとましだ。あれによって、以前の私は内臓破裂を起こしているらしいのだ。


137Dr.スカリエッティの華麗なる隠遁生活 3:2009/01/31(土) 20:34:16 ID:f38SeeCe
 食堂の扉を開くと、香ばしい肉の香りが漂ってきた。

「お早うございます、ドクター」

 私の姿を見つけ、ウーノが真っ先に挨拶をしてくれる。
 それに続いてトーレからナンバリング順に私に挨拶をしてくれる。

「あぁお早う、ウーノ、トーレ、チンク、セイン、セッテ、オットー、ノーヴェ、ディエッチ、ウェンディ、ディード」

 そこまで答えて、クアットロが居ない事に気付く。

「ウーノ、クアットロはどうしたんだい?」

 確か彼女も私と一緒に「ナノハ3 真龍(ヴォルテール)覚醒」を見る為に夜更かしした口だが、ウーノは彼女を起こさなかったのだろうか?

「セインと一緒に起こしに行ったのですが、どうやっても起きなかったので、仕方なく諦める事にしました」

 ウーノがすてきな笑みを浮かべて、セインが目をそらす。

「うん、体調が悪いのかも知れないな。今日は予定を変更してクアットロのメインテナンスをしよう」

 後方支援型とはいえクアットロとて戦闘機人だ、内臓の一つや二つ破裂していても死にはしまい。
というよりもウーノがその辺の手加減を間違えるはずがない。朝食が終わったら、真っ先に診てやろう。

「それがよろしいかと思います、ドクター。さぁ、お座りになってください。折角の料理が冷めてしまわないうちに頂きましょう」

 メインディッシュである仔牛の丸焼きはそう簡単には冷めてしまわないだろうが、私は頷いて椅子に座る。
 ウーノが包丁で、トーレがインパルスブレードで器用に仔牛達を切り分ける。
 仔牛の腹の中には香草と蒸した米が詰められていて、調理した者の繊細さがうかがい知れる
 ただ、朝っぱらからこう、肉汁がテラテラと輝く料理はちょっと勘弁してほしい。

138Dr.スカリエッティの華麗なる隠遁生活 3:2009/01/31(土) 20:34:48 ID:f38SeeCe
「今朝の食事当番はトーレかな?」

「その通りです、ドクター。只、今回はディエッチにも手伝わせています」

 自信に満ちた表情でトーレが答える。
 そして私の顔の奥にある、この料理に対する実に個人的な不満を嗅ぎ付けた。

「何か、不備がありましたか?」

 トーレの口から出た言葉に、ディエッチも不安げな顔をする。
 ここで単純に、朝食からこうも重い料理は勘弁してほしいと告げる事は簡単だ。トーレはそれを知識として理解し、今後の食事当番において役立ててくれるだろう。
 ディエッチもそうだ。だが、彼女はどうも思い詰めるきらいがある。メニューを決めたのはトーレだが、彼女はそれを止めなかった責任を感じてしまう事だろう。

「何、昔に比べてずいぶんと腕を上げたなと思っただけだよ」

 だから私は、別の言葉を口にした。

「な、ドクター。十年以上も昔の話を持ち出さないで頂きたい」

 トーレが慌てふためき、セインとウェンディが面白い事を見つけたと目を輝かせる。何しろこの二人も料理が苦手な組だからだ。
 だが、はっきりと言おう、起動後間もないトーレの料理の腕に敵うナンバーズは一人もいない。生卵をレンジでチンしようとするセッテですらまだカワイイものなのだ。
 何しろ、トーレの作った料理は当時起動済みのナンバーズ三人全員が床に伏せるほどだったのだ。
というか、レシピを後で見た時は、よくもこんな料理を私は食べたものだと自らの蛮勇に賞賛すら送った。


139Dr.スカリエッティの華麗なる隠遁生活 5:2009/01/31(土) 20:36:01 ID:f38SeeCe
 クアットロのメインテナンスは思いの外簡単で、肋骨より下にある内蔵の全交換だけですんだのだが、せっかく機材の電源を入れたのだからと、他のナンバーズについてもメインテナンスする事にした。
 さて、誰にしようか。
 私は悩みながら研究所内を歩いていると芳醇なミルクの香りが鼻孔をくすぐった。

「やらないか?」

 食堂で、ノーヴェと二人チャイを楽しむチンクの見つけ、私は悪ぶった雰囲気で椅子に腰掛け、おもむろに背広のボタンを外しながら問い掛けた。

「何をですか、ドクター?」

 些か品にかける私の振る舞いにチンクは眉をしかめ、ノーヴェも首をかしげる。
 何となく、セッテがベットの下に隠していた漫画のまねをしてみたが、どうやら二人ともその本の存在を知らないらしい。
 まぁ、当然だろう。我が家の風紀委員・チンクがもし知っていたら、ドゥーエまで召還しての大家族会議が行われているはずだ。

「ああ、すまないチンク。主語が抜けていたね。クアットロのメインテナンスが終わったので、チンクも少し早いが定期メインテナンスをやらないかと思ったのだよ」

 潜入工作中のドゥーエを呼び戻す事自体は別にかまわないが、セッテの蔵書が議題となるとクアットロが反転攻勢をかけてオットーやディードも確実に毒される。そしてディエッチにも、おそらく感染する。
 十五ミリ秒で会議の行方をシミュレートし、セッテの蔵書については一切触れない事にする。これについては後でウーノとセッテと三人で話し合おう。

「ドクターがおっしゃるのでしたら」

「ア、あたしも付いていっていいですか?」

 ティーカップを置いたチンクを見て、ノーヴェが慌てて自身のカップの中身を片づけようとする。

「構わんともノーヴェ。だが、その前に私にも一杯お茶をもらえるかな?」

 私はそんな九番目の娘を見て、インプリンティングという言葉を思い出した。
140Dr.スカリエッティの華麗なる隠遁生活 6:2009/01/31(土) 20:37:21 ID:f38SeeCe
 チンクは、クローン培養としては最初の純戦闘型の戦闘機人だ。その為、他の娘達よりも比較的頻繁にホットメインテナンスを必要とする。
 だが、この私が開発し、この私の手によって小改修を続けてきたチンクのバイタルに異常が現れる事など有り得ない。
 メインテナンスキットは、何一つ彼女の身体に異常はないと告げる。
 否、一つだけ異常を検知する。
 右目の視力だ。
 騎士ゼストとの死闘の末に被った手傷が原因で、彼女の右目は未だ光をとらえる事ができないで居る。
 無論、私の技術を持ってすれば、五〇倍光学ズーム搭載一.二Pピクセルモデル(手ぶれ補正付き)なら一五分、
ロストロギア「緋の目」の移植でも三時間、一からの再生治療だとしても一週間足らずで完治させる事が可能だ。
 それだけの技術基盤を持つ私が、八年もチンクの怪我を治していない理由を、たかが生身の魔導師ごときに手傷を負わされた彼女に対する嫌がらせ、などと誤解しないでほしい。
 むしろ私はチンクの応急処置と騎士ゼストのレリック移植が終わると、寝る間も惜しんで再生治療用の眼球を作った位だ。
 しかし、チンクが己の未熟に対する戒めとしてこのままにして欲しいと強弁したのだ。
 勿論、私は熱心に彼女を説得したし、最終的には強制的に治療しようとすらしたのだが、ランブルデトネーターの前では私の生命力などたかが知れていた。
 以来、私はメインテナンスキットの示す異常警報を一つだけ見逃す事にしている。

「お疲れ様、チンク。異常は無しだ」

「いいわねぇ、チンクちゃんはぁ。私よりも先に生まれたのにウーノ姉様からキビシー生活指導を受けないなんてぇっ」

 メインテナンスポットの中に浮かぶクアットロが早速暇をもてあましたのだろう、チンクに声をかける。

「クアットロ、自分の生活態度のせいだとは思わないのか?」

 検査服からボディスーツに着替えながら、チンクは呆れた様子で切り返す。
 私は実験以外の理由での夜更かしはせいぜい週に一度あるかないかだが、今回の件については共犯者である為にクアットロの事をどうこう言う権利はない。

「そうかしらぁ? 幼児体型でぺったん胸・だ・か・ら、ウーノ姉様も叱るに叱れないんじゃないかしらぁ?」

 ノーヴェが声を荒げる。

「クア姉!」

「フム、確かにクアットロの言う事にも一理あるな。チンクは成長抑制処置をそろそろ止めるつもりはないかい?」

 一方で私はクアットロの冗談に、チンクに施している処置の事を思い出す。
 厳密に言えばチンクだけではなく、比較的初期に起動させた戦闘機人達には全員に同じ処置を定期的に施している。
141名無しさん@ピンキー:2009/01/31(土) 20:37:55 ID:fw5QpknC
帰れ
142Dr.スカリエッティの華麗なる隠遁生活 7:2009/01/31(土) 20:38:14 ID:f38SeeCe
コストの著しくかかる戦闘機人達を、その手段があるというのに、生体部品の劣化で消耗するなど愚の骨頂だからだ。
 だが、チンクに老化抑止処理を施すのは、彼女の肉体年齢からすれば尚早に過ぎる。

「・・・ドクターの趣味でやってたんじゃねーの」

「はっはっは。ノーヴェ、それは大いなる誤解というものだよ。私の女性の体型に関する好みは、どちらかというとチンクとは真逆なのだからね」

 パパ、ちょっぴり傷ついたよ、ノーヴェ。

「じゃあ、どうしてチンク姉をお子様体型にしてんだよ」

「未成熟な身体に対する老化抑止処理の臨床実験が目的の一つかな」

「やっぱりドクターの趣味じゃねーか」

 語弊があるから、趣味とか言わないでくれないかな、ノーヴェ。

「で、どうするかね、チンク」

 必要十分な性能を発揮していたので、彼女の要望に添って成長抑制処理を施していたが、地上本部襲撃計画の決行も近づいてきたのだから、仕様変更をするとなるとそろそろ動かないとまずい。

「その、ドクター・・・それは命令でしょうか?」

 チンクは不安げに上目遣いで尋ねてくる。

「イヤ、単なる提案だよチンク」

「それでは、その、我が儘は承知していますが・・・この体のままで居たいのですが・・・・」

 成長した体になっても控えめな体型だった場合のことを恐れているのだろうか、普段のチンクらしくない歯切れの悪い様子に私は首をかしげる。
 まぁ、セクハラ扱いされたらその時は謝ろうと、私はチンクの遺伝子提供者の映像をホログラフに投影する。

143Dr.スカリエッティの華麗なる隠遁生活 8:2009/01/31(土) 20:40:13 ID:f38SeeCe
「体型のことだったら心配要らないさ、チンク。君の遺伝子提供者は十八歳の時点でこの通り、ドゥーエ以上に成長している。
個体調整の影響を勘案してもディエッチよりも大きくなると保証しよう」

「ぺったん胸から牛チチなんて、チンクちゃん羨ましいわン」

 ノーヴェが顔を真っ赤にして指摘する。

「ドクター、それセクハラ!」

 え、糾弾されるのは私だけ?

「ドクター、あの、それではダメなのです」

 チンクは絶望にうちひしがれた様子で、声を絞り出す。
 そんなッ、Dカップオーバーでも満足できないとは!

「あぁ、その、なんだ。通販用に開発した豊胸器具を併用すれば、素体よりも二カップアップも可能だと思うのだが?」

「いえ、逆です。その・・・騎士ゼストの・・・」

 嗚呼、成程。廊下抑止処理の臨床実験に志願した理由、即ち私の技術による底上げ無しでの再戦と勝利に彼女は未だ拘っているのだ。

「そーよねン、チンクちゃんよりも更にペタパイな女の子を二人もはべらす騎士ゼストですもの。これ以上成長したら、もう見向きもされないかも知れないものね〜」

 ?
 クアットロ?

「それとも、かれこれ八年も手出しされていないんだから、最初ッから守備範囲外だったのかしら」

 チンクも何で衝撃を受けているのかな?

「アギトちゃんなんか、ユニゾンのシンクロ率が悪いのに騎士ゼストについて行っているものねぇ・・・」

「・・・騎士ゼストは・・・・」

「もしかしたら昨日の夜も、騎士ゼストがアギトちゃんにユニゾン・淫! とか」
144Dr.スカリエッティの華麗なる隠遁生活 9:2009/01/31(土) 20:41:03 ID:f38SeeCe

「騎士ゼストはそんなふしだらな事をしない」

 好敵手を侮辱されてチンクは泣きそうだ。
 それに反応して、ノーヴェのジェットエッジが回転を始める。
 うん、まずい。

「オーホッホッホッホッホッホ、そうかしらン。アギトちゃんが騎士ゼストに助けられたときは丸裸だったのよ。
お礼をしようにも出来るものは限られているしィ、騎士ゼストも据え膳に手をつけない程無粋でもないんじゃないかしらァ?」

 そんな特殊な性癖の人間に、優しいルーテシアを預ける程私も人非人じゃないのだが、チンクはクアットロの巧みな話術に嵌ってしまう。

「騎士ゼストは、騎士ゼストは・・・・」

 感情が涙へと姿を変えてチンクの瞳は決壊寸前だ。
 そして、ジェットエッジのモータ音が「ギュルルルル〜」から「ヒュィィィィイイインンン」へと高音領域に遷移する。

「アア、もしかしたら昨日の夜もルーお嬢様とアギトさんの三・・・ゲボファア!」

 前述の状況から、私はメインテナンスポッドを満たすリキッド・チョッピリ・リリカルの濃度を上げて、クアットロを強制的に黙らせた。

「クアットロ、どうした。メインテナンスポッドの故障か。チンク、ノーヴェ、点検の邪魔になるから部屋の外に出ていたまえ」

 私の迫真の演技と、クアットロの突然の変調で、ノーヴェの足下に展開されかけたISテンプレートは消失し、チンクの意識からも好敵手のことが追い出される。
 その瞬間の隙をついて、私は二人の背中を押して部屋から追い出す。
 意識はないだろうが感謝したまえ、クアットロ。
 チンクを泣かせたときのノーヴェは、それが私であっても活動を停止するまで破壊の手を緩めたりしないのだから。

 通常午後は、最高評議会などから依頼されている研究開発ではなく、趣味的な内容の研究をして、私の知識欲の充足に当てるようにしている。
 最近嵌っている個人研究テーマとしては、人造リンカーコアの生成を目的とした複合粘菌生体コンピュータの開発や、
健康に良い和食の普及を図る為に開発中の匂いのしない納豆菌の純粋培養などが挙げられる。
 本来ならば今日は後者の研究について行う予定だったのだが、納豆嫌いにも関わらず積極的に手伝ってくれるクアットロが緊急メインテナンスに入ってしまっている。
 培地の大豆は既に茹でてあり、後はこれに納豆菌を振りかけて、発酵させるだけなのだが、あれだけ熱心に手伝ってくれたクアットロを完成の瞬間に立ち会わせないのも可哀想だ。
 ポリポリと良い茹で加減の大豆を食べながら、私は今日が厄日のクアットロに思いをはせる。
 よし、納豆菌の研究はあの娘が直るまで凍結することにして、茹でてしまった大豆は、おやつと複合粘菌生体コンピュータの培地にしよう。
 砕いた茹で大豆に複合粘菌をばらまき、藁に包んで恒温恒湿槽に保管する。
 そして、午前中に行う予定だった依頼研究に取りかかる。。
 どうせ我が最大スポンサー殿達は、専門的な内容を理解できるだけの関連知識を持ち合わせていないし、一日研究をすっぽかしたところでそれは開発計画における誤差の範疇に過ぎない。
 だが、曲がりなりにも資金提供を受けている以上、依頼研究は仕事である。
 ナンバーズ達を、仕事を意味なくさぼるダメ人間の娘にしたくはない。
 そんな私なりの矜持を持って、高精度人格再現技術の数少ない成功例であるフェイト・テスタロッサとエリオ・モンディアルの日常行動解析を行っている最中に、一通のメールが届いた。
 送信者を幾重にも偽装しているが、最高評議会議長からのメールだ。
 内容は「デスクトップアクセサリー十二姉妹物語 No8〜クール系僕ッ娘〜」の通販申し込み。
 数百に及ぶ管理世界において最大の戦力を保有する管理局、その頂点に鎮座する最高評議会が世俗的な趣味をしている事を、彼らは好ましくないと考えているらしい。
 お陰で、秘密主義から脳髄以外を削り落としたような彼等から通販メールは、私ジェイル・スカリエッティ宛の指令通信と同等の偽装を施しつつ、
しかし私信である為に情報部の精査無しに通販会社社長である私の元へと流れてくる。
 それを利用しない程、我が家の次女であるドゥーエは愚かではない。
 メインテナンススタッフによる代筆という事実の陰に隠れて、スパイ活動の成果を着々と送ってくれている。
 まぁ、欠点を挙げるなら、最高評議会の誰かが通販を申し込まないと使えない送信手段だということだろう。
 そんな理由で二ヶ月ぶりとなるドゥーエからの報告書の内、テキストファイルに関しては後でゆっくり読むとして、まずは口頭報告の動画を見る事にした。

「ドクター、ウーノ姉様、トーレ、クアットロ、チンク、そしてまだ見ぬ妹たち、元気にしていますか? わたくしは元気です」
146名無しさん@ピンキー:2009/01/31(土) 20:42:25 ID:fw5QpknC
つまんねえ

 再生中のドゥーエは、しかし言葉とは裏腹に少しやつれているように見える。

「前回に引き続きレジィ・・・ゲホンゲホン、地上本部スパイ作戦の進行状況について報告しますね」

 前回の報告では、レジアス・ゲイズはワインについて詳しいとか、オーリス女史に未だ恋人の一人もいないことを悩んでいるとか、
苦手なおかずは真っ先に食べ、しかも碌に咀嚼せずに飲み込もうとするから喉によく詰まらせるとか、最高評議会経由で入手した人事考課表では解らない様々な我がスポンサー殿の情報をドゥーエは提供してくれた。

「前回の報告から二週間後に、レジィ・・・失礼、レジアス中将と深い関係を作ることに成功したのですが・・・
・・・その後、わたくしが身ごもっていることがレジアス・ゲイズにばれてしまいました」

 むぅ、私が彼の掌で踊っていないことがばれるのは拙い。

「ですが、お腹の子がドクターのクローンであることを知らないレジィ・・・レジアス中将は『産みたまえ』と言ってくれました」

 どうやら私との接点にまだ気が付いてないらしい。良かった良かった。

「レジィの失脚を狙う政敵が沢山居るのにッ。
最高評議会にとって自分も只の駒でしかないと知っているのに!
それでも、わたくしの幸せの為にスキャンダルになっても良いと言ってくれたのです」

 ドゥーエはカメラの前で俯く。
 ナンバーズも全員がロールアウトし、ゆりかご起動の目算も立った今となっては、レジアス・ゲイズにスポンサーとしての価値はなくなったも同然だが、私をコントロールできていると考えている彼が失脚し、敵対的な人物がトップに就任するというのは流石に拙い。
 ドゥーエにはその様なことの起こらないように指示を出さねばなるまい。

「わたくしは愛しいレジィの夢をスキャンダルなんかで潰してしまいたくはありません。
ですからドクター、これが創造主への反抗であることは解っていますが、ドクターのクローンを堕ろす事に決めました」

 さすがはドゥーエ。妊娠の事実が確認できなければレジアス・ゲイズの私生活に関するスキャンダルも起こるまい。
 私が指示するよりも先に為すべき事を判断して自ら動く。これぞ完璧なる諜報者だ。


 夕食の後、自室に篭もってミッド考古学士会々報への投稿論文「秘匿級古代遺失物・聖王のゆりかごに対する現代造船学的アプローチ」の執筆を進める私の元を訪れたのは、温水洗浄を終え、長い髪をタオルに巻いたウーノだった。

「おや、ウーノ。どうしたんだね」

 私の問いにウーノは背中に隠していたボトルを取り出して微笑む。

「食堂でトーレ達と飲んでいたのですが、よろしければドクターもご一緒しませんか?」

 透明なガラスのボトルに半分程入った透明なウオッカがチャプンと音を立てる。
 彼女の顔が上気しているのは、風呂上がりと言うだけではなく、ボトルから失われた分のアルコールにも一因があるのだろう。

「そうだね、論文が切りの良いところまで書き上がったら行くから、ウーノは先に戻っていてくれたまえ」

「はい、解りましたドクター。こちらで待たせていただきますね」

 ウーノはニコニコと笑いながらそう答え、私のベットの上に腰を下ろす。
 ・・・酔っぱらっているらしい。
 椅子に座り直し、ウーノがこんなに酔っぱらうまで飲ませた犯人に小言の一つでも言おうと表示ウィンドウの片隅で食堂への通信コードを入力する。

「ドクター、まだですかぁ〜?」

 退屈そうに脚をパタパタと遊ばせながらウーノが問い掛ける。

「もう少し待ってくれたまえ」

「はーい」

 とても素直な返事だが、貴方がベットに座ってからまだ五秒だって経っていませんよ?
 思わず敬語調のツッコミを入れそうになったが、其処は我慢して通信ウィンドウを開く。
 そして、開かれたウィンドウに映し出された食堂は、割とカオスだった。
 何本ものからのボトルと一緒に、セインが青い顔をしてテーブルの上に転がっていた。
 ディエッチが琥珀色の液体に氷の浮かんだグラスを両手でつかんだまま、テーブルに突っ伏している。
 床に正座させられたウェンディが、椅子に正座したチンクにトクトクと騎士ゼストの素晴らしさについて語られている。

「ノーヴェ、ヒャンとヒいていフのか!」

 正座したまま船を漕いでいる事が気に入らなかったらしく、チンクが叱咤する。
 因みにチンクのご指名を受けたノーヴェは、テーブルの逆側で体躯座りの姿勢を保ちながら、起き上がり小坊師の如くごろんごろんと転がっている。
 食堂の奥の方では私がディードに与えた豊胸器具の試作機を、オットーが両手で高らかに掲げながら高笑している。
 秘密にしていた宝物を奪われたディードは、彼女を足下に置くオットーから試作機を奪い返そうと足掻くが、オットーが試作機のコンセントで鞭打つ度に

「あぁん、もっと、おっと〜」

 と、嬌声を・・・・クアットロに教育を任せたのは失敗だったかなぁ。

「あ・・・トーレ、これは一体何事かね?」

 この惨状の中、唯一正常に稼働している風に見えるトーレに何があったのかを問い質す。
 正常に稼働していると断言できないのは、彼女の背中に鼻血を出したセッテが抱きついているからだ。

「ウーノの、ストレス解消に付き合った結果です」

 底に錐で突いたような穴の開いた缶ビールを次々とゴミ袋に放り込みながら、トーレは答える。

「ウーノの?」

「お呼びですか〜、ドクタ〜」

「イヤ、呼んでないよ」

 振り返って否定すると、ベットから立ち上がったウーノは頬を膨らませながら再び座り直す。

「それにしても、少し羽目を外しすぎではないかね」

 周囲の惨状に目をやりながら私は問う。

「正直、私も後発組をこのデスマーチに参戦させることに悩みました」
 トーレは、股間に手を伸ばそうとするセッテの顔面に拳を打ち込みながら答える。

「ですがクアットロ(人身御供)がメインテナンス中の今、私やチンク、セインにディエッチだけでは全員が潰されるだけだとの判断から他の妹達も動員することにしました」

 クアットロがイケニエと聞こえたのは、きっと集音マイクかスピーカーの異常だろう。

「何やら、その口ぶりからすると、この惨状を招いた犯人は私の部屋にいるように聞こえるのだが、気のせいかな?」

 トーレは額に手を当てて、失望したと言いたげに首を左右に振る。

「下手人捜しはこの際どうでも良いことかと思います。ですが、ホットメインテナンスだけではなく、ソフトメインテナンスについても、もう少し配慮していただくべきだと進言いたします」

 次の瞬間セインが胃の中の、主に液体をテーブルの上に逆流させ、トーレはバケツを取りに厨房へと去る。

「ドクタ〜、のー味噌どもえの報告書は終わりましたか〜?」

「もう少しだよ」

 投稿論文を書いているのだけれども、その辺の訂正は行わない。そんな事、酔っぱらい相手には無駄な努力だ。
 それよりも、トーレの言うソフトメインテナンスとは何のことなのか、情報収集と解析することの方が最優先だ。

「トーレ、君の言うソフトメインテナンスとは何のことだね?」

 バケツとミッド日々新聞の束を持って戻ってきたトーレに問い掛ける。

「ドクタ〜、どなたとお話ちゅーなんですかぁ」

 ベットのきしむ音に続いて、ぺたぺたと歩く音が響いてくる。

「ドクターがウーノを最後に抱いたのはいつですか?」
 セインの吐瀉物を片付けながら放たれたトーレの質問に私は思わず絶句する。嫁入り前の女の子がそんなことを口にするものじゃありません!

「・・・いえ、お二人の仲をとやかくと言うつもりはありません。しかしながら、少しは構ってあげてください。ウーノは甘えるのが苦手ではありますが、本当は甘えたがっているはずです」

 あ・・・つまりそれは・・・・

「トーレ、私のドクターを誘惑するなんて酷いわ」

 背後から私に抱きついたウーノが何やら座った目つきでカメラの向こうの妹を睨み付ける。

「イヤ、誘っていない。それに女性としての魅力ならウーノの方が上だろう」

 さして興味もなさそうに、新聞紙を片付けながらトーレはウーノの誤解を否定する。

「でも、トーレのヒップラインはナンバーズ一だわ!」

 成る程、言われてみればそうかも知れない。
 そこに、トーレの首に腕を回して抱きついているセッテが乱入する。

「ウーノ姉様は解っていらっしゃらない。トーレ姉様の魅力は後背筋であり、胸筋であり、上腕二頭筋であり、何よりその男前ッぷりです!」

 うん、済まない。私も解らないよ、セッテ。

「セッテ・・・・」

 トーレはセッテの腕をほどいて、愛弟子と向き合う。
 見つめ合うこと十秒。ライドインパルスで全体重を乗せた一本背負いが極まった。
 投げられた衝撃で意識を失ったセッテの目蓋を開いて瞳孔を確認した後に、トーレはセインの粗相の後片づけに戻る。

「・・・こういう状況だからウーノ、妹達は全員もう寝かせることにする。後片づけも私一人でするから食堂に戻ってくる必要はない」

 そしてトーレは通信を切った。
 一方ウーノは、トーレから飲み会が終わったことを告げられて、これからどうしようかと唇に人差し指を宛いながら考える。
 そして、名案が浮かんだらしく、ポンッと両手を叩いた。

「ドクター、コップを持ってくるのを忘れてしまっていましたから、口移しで飲ませて差し上げますね」

 原液のウオッカを?
 それは勘弁して欲しかったし、それにトーレの進言からすると、それではウーノのソフトメインテナンスは完了すまい。

「それも魅力的だが、折角だからウーノ、君に酔いたい」

 私の言葉にウーノはしばらく何を言われたのか悩み、そして理解すると小さく頷く。

「・・・はい、ドクター。私を飲み干してください」

 嗚呼、もう、可愛いなぁ。
 二度目の腹上死確定かな。とか思いつつ、私はウーノを抱きかかえてベットへと向かった。

  □

 ゆりかごの起動直後に研究所に突入してきたフェイト・テスタロッサを捕縛した私は、彼女のオリジナルであるアリシア・テスタロッサとの差異評価の為に、
彼女の苦手な人参や好物のキュウリの浅漬けなどを食べさせようと考えていたときだった。
 彼女は奥の手を使い、捕縛糸を切り開いて再び私に刃を向けた。
 だが、私は余裕の表情を崩さない。
 なぜならフェイト・テスタロッサ、君が如何に優秀な魔導士であろうとも、うちの可愛いトーレとセッテに勝てる道理がないからだ。
 もっとも、私はそんなことを公然と口にする程親バカではない。

「・・・プロジェクトFはうまく使えば便利なものでね、私のコピーは既に十二人の戦闘機人全員の体内に仕込んで・・・あれ? エェ・・・と」

 重要なことを少し勘違いしている気がする。
 そして、卑怯にもフェイト・テスタロッサは私が考え込んでいる隙をついて思いっきり私をホームランした。

  完
「MHK」 ミッドチルダ放送協会の略。ミッドでここと双璧を為す放送局として聖王教会が大株主のベルカ・ブロード・キャスティングが存在する。

「ナノハ3 真龍(ヴォルテール)覚醒」 第九十七管理外世界で二〇〇九年に上映されるリリカルでマジカルな映画とは一切関係有りません。
因みに、第二部に当たる「リッター襲来」が古代ベルカのロストロギアが悪者扱いされている為、BBCでは深夜枠でも放送出来ないらしい。

「リキッド・チョッピリ・リリカル」 同調したり、接続したりはしない液体。その代わりこの液体に浸積される女性は裸になると言う効能を持つ。

「複合粘菌生体コンピュータ」 別にスカリエッティはイグノーベル賞受賞を目指していないが、もしかしたら今回の偶然で貰えるかも知れない。因みに、うちのドクターは挽き割り納豆派の模様。そして、ておあー様、ネタの借用許可有難うございます。

「デスクトップアクセサリー十二姉妹物語」 シリーズ完結までに一〇年以上の歳月を費やした大作。ナカジマ家にも四枚有るとか無いとか。

以上です。
 最初はセインのお早うディープダイバー単発だったのですが、それだけだとうまく落ちがつけられないので、他の方々を追加しました。
 しかしながら、私の筆力ではナンバーズ全員の攻略は無理でした。どうぞ、なま暖かい目で見逃してください。
154名無しさん@ピンキー:2009/01/31(土) 21:02:32 ID:Fy/j4m/j
投下おつー
もうちょっと一行の長さとか改行のことを考えた方がよくなると思うぜ
他の職人さんの作品で読みやすいと思ったものの形式をまねたりするといいかも
155名無しさん@ピンキー:2009/01/31(土) 21:22:41 ID:RMYk2lQh
>>153
乙、第1作目のナノハ 大〇〇空中決戦見てみたいなw
156名無しさん@ピンキー:2009/01/31(土) 21:35:56 ID:gP9ViwO3
>>153
乙、何かもうカオスで笑えました。
ドゥーエ、お幸せに・・・・・なれたかな?

>>155
すげー、間違ってないよその映画。
157名無しさん@ピンキー:2009/01/31(土) 21:36:10 ID:4AjNJLKK
>>超硬合金氏

GJでした。久々に長女可愛いよ可愛いよ長女。酔っぱらいだけど
トーレの姉っぷりも良いものでした

しかし、何故にナンバーズ家族ものではセッテが壊れますかね
頭が空っぽな純粋さ故か?そうでもしないとキャラが濃い姉妹の中では目立てないからか?
畜生、大好きですよ壊れセッテ。結婚してくれ

事件後の一家がどうなったのかも激しく見てみたいです。勝手ながら期待、超期待



>>ID:fw5QpknC
カエレ
158名無しさん@ピンキー:2009/01/31(土) 21:37:20 ID:+eBrhUZL
GJ!
サラッと流されてるがクアットロがすごい重症だww
159名無しさん@ピンキー:2009/01/31(土) 21:47:37 ID:+eBrhUZL
連投スマン
>ディエッチ
ディエチのこと?
160名無しさん@ピンキー:2009/01/31(土) 22:06:37 ID:/WxETDcc
GJ
最高です。
可愛いよスカ博士。うん、ひたすら可愛いよ博士は。
161超硬合金:2009/01/31(土) 22:07:36 ID:f38SeeCe
>>154
ご指導有難うございます。
今後は改行等にも気を遣うようにします。

>>159
・・・(確認中)・・・ギャース! 間違えて名前を覚えていました。
司書様、お手数ですが保管庫収録の折りにはディエチに修正してください。
162名無しさん@ピンキー:2009/01/31(土) 22:10:15 ID:SjkB8nYv
エッチになったんだな、ディエチ。

あれ? なんか大口径砲が向けられたような気が………
163名無しさん@ピンキー:2009/02/01(日) 10:36:50 ID:IznoSBfh
>>153
GJ!!久々に腹抱えて笑わせてもらった。
ディエッチはディエチの愛称かなんかだと思ってたから、なんで「ディエっち」って書き方にしないんだろう?そっちの方が可愛いのにって、疑問に思ってた(笑。
164B・A:2009/02/01(日) 14:49:47 ID:vhO17ZE2
投下いきます。


注意事項
・非エロでバトルです
・時間軸はJS事件から3年後
・JS事件でもしもスカ側が勝利していたら
・捏造満載
・一部のキャラクターは死亡しています
・一部のキャラクターはスカ側に寝返っています(その逆も然り)
・色んなキャラが悲惨な目にあっています、鬱要素あり
・物騒な単語(「殺す」とか「復讐」とか)いっぱい出てきます
・ヴィヴィオと○○○が敵役です
・主人公その1:エリオ
     その2:スバル
・SSXネタも含まれます
・タイトルは「UNDERDOGS」  訳:負け犬
165UNDERDOGS 第十六話@:2009/02/01(日) 14:50:36 ID:vhO17ZE2
「ありがとうございました」

少し間延びした店員の声を背中に受け、ルーテシアは立ち寄った店を後にした。
途中、買い物帰りと思われる親子とぶつかりそうになり、慌てて歩道の脇に避ける。
親子はぶつかりそうになったことを一礼して詫び、雑踏の中に消えていく。子どもの片足は義足であった。
恐らく、事故か何かでケガを負って切断したのであろう。スカリエッティが提供した義体技術がなければ、
あの子どもはずっと片足のままで、外を出歩くこともなかったかもしれない。

『ニュースの時間です。先日、管理局の武装隊がテロリストのアジトを奇襲したことをお伝えしましたが、
今日は番組の内容を変更し、彼らがどのような組織なのか、その実態を改めて明らかにしようと思います。
まず、彼らが最初に姿を現したのは2年前の4月、地上本部の輸送トラックが襲撃された・・・・・・・・』

不意に聞こえたニュースに足を止め、頭上の街頭テレビを見上げる。画面の向こうでは、
アナウンサーである女性と解説者らしき中年がエリオ達レジスタンスのことについて話し合っていた。

『・・・・・・また、最新の発表では彼らに誘拐されたと思われていたマリエル・アテンザ技術官と
シャリオ・フィニーノ一等陸士は彼らのスパイであり、研究内容を横流ししていた疑いがあると言われています。
さて、ここまで彼らの軌跡を振り返ってきましたが、やはり一種の政治結社と見てよろしいのでしょうか?』

『彼らの主張は質量兵器の廃止と戦闘機人化の禁止、いわば旧体制に囚われた保守派ということです。
ですが、質量兵器の抑止力としての有用性は過去に何度も実証されており、今の管理局には必要なものです。
武器を持つことに罪はないでしょう』

『ですが、誰にでも使える兵器は危険だという意見も少数ながら・・・・・・』

『魔導師の方が遥かに危険でしょう。あなたの隣にいる私が、攻撃してくるかもしれないんですよ。
戦闘機人にしてもそう、魔導師なんかよりも安定していて運用しやすいんです。安全なんです。
一部の人々は人体に機械を埋め込むことに懐疑的ではありますが、義手や義足、人工臓器だって広義では
人体の機人化に含まれるんです。彼らはそれをわかっていない。しかも、テロに走るなんて人として最低です。
言いたいことはちゃんと言葉にして、世間に伝えれば良いんです。私のようにね』

『素晴らしいご意見です。では、お時間が来ましたので今日はここまでです。次回は、最先端のクローン医療について特集します』

画面が変わり、新作映画のCMが流される。
人の波に揉まれて再び歩きだしたルーテシアは、先ほどのニュースについて考えを巡らせた。
あの解説者の言っていることは、間違ってはいないのだろう。思いを言葉にする重要性は身に染みて理解している。
しかし、今の管理局を相手にそれが有効なのかと問われれば答えはノーだ。前に一緒に仕事をしたグリフィスは、
今の管理局は自分達に不都合な意見を全て握り潰し、反抗する者を謀殺していると言っていた。
彼らも最初の内は質量兵器や戦闘機人を使用することに難色を示していたらしいが、過激派の台等を抑えることができず、
質量兵器と戦闘機人は限定的ながらも量産されて試験的な配備を迎えることになった。
もしも、ここでそれらの有用性が見られなければ今の社会はまた違った形になっていただろう。
だが、あの2つは上層部が予想していた以上の成果を示した。均質で運用しやすく、状況に左右されない能力、
素体さえ揃えられれば不足していた人員を補うことができるという利点、魔導師の砲撃にも匹敵し、時に凌駕する破壊力を秘めた質量兵器。
やがて管理局はそれらの使用を正式に決定し、その力に溺れていった。
正義のためにと非人道的な研究を推し進め、より強く危険な兵器を生み出そうとする彼らにかつての理想はなく、
あるのは我が身の保身と世界の繁栄を求める欲望のみ。
それが今の時空管理局なのだと、グリフィスは言っていた。
166UNDERDOGS 第十六話A:2009/02/01(日) 14:51:30 ID:vhO17ZE2
『ただね、それもまた人間の一側面であり、僕達の弱さなのかもしれない。コインに表と裏があるように、
理想の裏に欲望、善意の裏の傲慢。君に対するキャロ・ル・ルシエとエリオ・モンディアル。
どちらに転んでもおかしくないのが人間だ。レジアス・ゲイズ、過激派のイコンとして利用されている彼も、
元は志の高い高潔な人だった。だが、コインは容易に裏返る。光は闇に、闇は光に。
それで、君はどっちに付きたい?』

そう言って、意味深に笑っていたことを思い出す。
その時の答えは「わからない」だった。本当にわからなかったのだ。
彼と共にいた時の自分は、考えることを放棄してただただ言われたことを実行するだけの人形だった。
けれど、今は違う。自分は光でいたい。エリオ・モンディアルという傷ついた騎士を照らす、
暖かい光に。それが彼への償いになると信じて。

「エリオ、戻ったよ」

「・・・・・うん」

こちらの呼びかけに小さな声で答え、物陰からエリオは這い出てきた。
シグナムのおかげで何とか基地から脱出することはできたが、度重なる喪失と執拗な追っ手との戦いで、
エリオは心身共に追い詰められていっている。特にこの2日間はあの悪魔の如き魔導師との命を賭けた
デッドチェイスで休む暇すらなく、限界を超えて酷使された小さな体はまともに動くこともままならないほど疲労していた。

「食べ物、買ってきたよ。それと包帯も。取り替えるから、服を脱いで」

「・・・・・・・」

エリオは無言で背中を向け、上着を脱いで火傷の跡を外気に晒す。追っ手の砲撃からルーテシアを庇うために負ったものだ。
強大な魔力にモノを言わせたその一撃はこちらの防御をいとも容易く撃ち抜き、バリアジャケットすら貫通して
掠めたエリオの背中を焼き焦がした。もしもこれが直撃していたらと思うと、恐怖から背筋に冷たい汗が伝った。

「きゅくぅ」

「フリード?」

何かを警戒するように、フリードが上空を見上げる。
ほぼ同時に、周囲を索敵するために飛ばしていたインゼクトの反応が消失し、遥か上空に桃色の光が弾ける。

「エリオ、伏せて」

エリオを突き飛ばし、自身もフリードを庇うように抱きかかえて地面を蹴る。
直後、先ほどまで自分達がいた場所に桃色の砲撃が撃ち込まれ、地面にぽっかりとクレーターが穿たれた。

「見つかった」

「ルー、治癒魔法を・・・・・・」

「でも、エリオの体が・・・・・」

過度の治癒魔法の使用は肉体強度や免疫力の低下、治療した傷のぶり返しを起こす危険性がある。
わかりやすく言うと、治療前よりもケガを負いやすくなるのだ。最悪の場合、二度と歩けぬ体になってしまう可能性もある。
だが、エリオは首を横に振り、ルーテシアの忠告に耳を貸そうとはしなかった。
167UNDERDOGS 第十六話B:2009/02/01(日) 14:52:18 ID:vhO17ZE2
「このままじゃ、2人とも殺される。戦うしかない」

「けど・・・・・」

「早くしろ、ルーテシア!」

「・・・・・・」

エリオの気迫に押され、ルーテシアは彼に治癒魔法を施した。できるだけ回復前の疲労が残らないようにしたが、
この2日間で何度も治癒魔法と補助魔法を重ねがけしたことでボロボロになった体にどれほどの効果があるのかはわからない。
とにかく、今は彼の精神力を信じるしかなかった。

「合図したら、スピードとフィールド貫通の補助を。受け身に回れば、やられる」

一方的に命じ、エリオはストラーダの矛先を襲撃者へと向ける。
直後、桃色の閃光が視界を焼き尽くした。





蒸し暑い夏の盛り、マリアージュ事件と呼ばれる陰惨な事件が起きた。
古代ベルカ関連の研究者ばかりが狙われるというこの事件は、多くの謎を残したまま迷宮入りし、
事件の真相が封印されていた古代兵器の暴走であると知る者はごく少数だ。そして、一連の事件の終幕といえるのが、
数ヶ月前に発生した洋上アミューズメント施設“マリンガーデン”で起きた火災である。表向きはただの火災であると発表されているが、
実際は地下の遺跡に封印されていたマリアージュの主、イクスヴェリアを目覚めさせるために起こされたものであった。
そして、偶然にもその場に居合わせたスバルは、炎に囲まれて苦しむ人々を見捨てることができず、
陸士隊に逮捕されることも覚悟して救助活動を行っていた。

『まだ中に人がいます、行かせてください』

『ふざけるなよ。指名手配犯を見逃すなんてできるか。この火災も、お前がやったんじゃないのか?』

『人の命がかかっているんです。すぐに助けにいかないと、間に合わないかもしれない』

『・・・・・・逃げんじゃねぇぞ』

『お断りします』

あくまで一時的な協定であった。
救助隊の指揮を取っていたヴォルツは、培ってきた経験から目の前で起きている火災がただの火災ではないことを見抜いており、
スバルはかつての自分のように不条理に苦しむ人々を見捨てることができなかった。
防災士とテロリスト。
決して交わることのない2人の道はこの時、奇跡的に同じものを見つめていた。
それは、目の前の不条理から人々を守りたい、救いたいという思い。
だからヴォルツはスバルが救助活動を行うことを黙認し、スバルは事が終わるとすぐにその場を後にした。
もう二度と会うことはないと信じて。
168UNDERDOGS 第十六話C:2009/02/01(日) 14:53:20 ID:vhO17ZE2
「お前、機人だったんだな」

「・・・・・・はい」

「そっちは門外漢なんで、治してやれなかった。悪いな」

「いえ、後で直しますから」

「そうか・・・・・・話がある、こっちに来てくれ」

ヴォルツの姿が廊下に消え、スバルは眉を顰めながら考えを巡らせた。
どうやらすぐに自分をどうこうしようという気はないようだが、どこまで信用して良いのかわからない。
既に地上本部の方に通報されているかもしれないし、友好を装ってレジスタンスの情報を聞き出そうとしているのかもしれない。
とにかく、判断の材料が少なかった。いっそ、窓を破って逃げ出そうかとも考えたが、それでは却って人目に付いてしまい、
結果的に自分の首を絞めることに繋がる。単独で動く時は隠密行動を心がけねばならないという鉄則は、この3年間で身に染みついている。
結局、相手の出方を探るためにもここは彼に従うより他なかった。

「コーヒー、飲めるか?」

「えっと・・・・・・ミルク、お願いします」

ヴォルツの後を追ってリビングに向かうと、彼はコーヒーメイカーを操作しているところだった。
1人で暮らしているのか、置いてある物は少なめだった。部屋の隅には新聞や雑誌が積み重ねられており、
テーブルに置かれた灰皿には山のように吸いがらが盛られている。食器棚の中にも1人分の食器しか並べられていない。
この部屋からは、ヴォルツ・スターン以外の気配が感じられなかった。

「実弾デバイス、持ち始めたんですか?」

「ああ、マリンガーデンでマリアージュには痛い目に合わされたからな。自衛のためだよ。
そういや、あの時に救助した子ども達は全員、無事に退院したぞ。何人かは相当ヤバかったみたいだが、
皮膚の培養が間に合ったおかげで一命を取り留めたそうだ」

「そうですか・・・・・良かった・・・・・・・」

「これも、スカリエッティが提供した技術のおかげ・・・・・・・・というわけだ」

そこで一旦言葉を切り、ヴォルツはスバルの前にコーヒーを注いだカップを置く。
そして、鋭い目つきでスバルを睨みつけながら言った。
169UNDERDOGS 第十六話D:2009/02/01(日) 14:54:43 ID:vhO17ZE2
「お前、まだ馬鹿なことしているのか?」

「馬鹿なこと?」

「テロなんか続けたところで、何が変わるってわけでもないだろ。犠牲者が増えていくだけだ」

「わかっています、でも・・・・・・・・・・」

「いいや、わかってねぇ。わかっていたら、管理局に残っていたはずだ。
ナカジマ、入局の時に、お前言っていたらしいな。自分の夢は、この手で多くの人の命を救うことだって。
その言葉を嘘にする気か?」

「今の管理局がしていることを見過ごせって言うんですか? スカリエッティの非道を、悪事を!?」

「そのために何人殺した? 俺達が何人救えなかったと思っているんだ?」

拳をテーブルに叩きつけ、ヴォルツは怒鳴る。

「ナカジマ、確かにスカリエッティは極悪人だ。だが、奴のおかげで多くの命を救えるようになった。
医療は発達したし、義体技術も向上した。戦闘機人のおかげで、普通の人間では助けに行けないような
場所にいる奴らも救えるようになった。お前はその命すら刈り取ろうとしているんだぞ」

「それは認めます。けれど、その命を繋ぐのにどれだけの犠牲が積み重ねられてきたか、
わからないとは言わせません! それを無視しろって言うんですか!?」

「ならそのやり方で、一番傷ついているのは誰だ、お前だろう!」

「・・・・・・・」

その言葉に、スバルは反論できなかった。
戦うのも傷つけ合うのも嫌だし怖い。この認識は幼い頃からずっと変わっていない。
ただ、それ以上に成し遂げたい思いがあるから、恐怖に打ち勝つことができるのだ。
だが、誰かを傷つける感触は決して気持ちの良いものではない。どれだけ心に鎧を纏おうとも、
人を傷つける痛みは確実に心の奥底を蝕んでいく。
自分は何のために魔導師を志したのか。
人を殺すためなのか、救うためなのか。
それが時々わからなくなり、挫けかけたことは一度や二度ではない。

「自首しろとまでは言わねぇ。けど、これ以上、夢を傷つけるようなことするな。
こんなこと続けていても、辛いだけだろう。でないと、俺はお前を・・・・・・・・」

逮捕しなければならない、とヴォルツは締めくくった。

「スバル・ナカジマ、戻れるところにまで戻れ。この世界は・・・・・・少なくともうまくいっている。
平和で、穏やかで、退屈で、ほんの少しばかり憂鬱な・・・・・・そんな世界だ。表向きは」

遠い世界で戦争が起きていて、ここではないどこかでテロが起きていて、反管理局勢力が暗躍している世界。
だが、そこから目を背ければこの世界は平穏そのものだ。豊かな社会、最先端の医療、確約された安全。
死んでいく命が救われ、生きるべき人々が日常を歩む世界。
そして、それはスバルが本心から守りたいと思っている世界だ。
だが、そこで生きるには自分は裏の世界を知り過ぎてしまった。
今ここで、戦うことを放棄してしまえば、それこそ犠牲にしてきたものを侮辱する行為だ。
ギンガやイクス、カルタスを守って死んだゲンヤ、そして帰ってくることのなかったあの人に報いることができない。
170UNDERDOGS 第十六話E:2009/02/01(日) 14:55:32 ID:vhO17ZE2
「嫌です」

「ナカジマ!?」

「あたしのやろうとしていることが、ただの私怨だってことはわかっています。
たくさんの人を傷つけているってことはわかっています。裁かれるのも憎まれるのも覚悟しています。
けれど、あいつを止めないとあたしみたいな思いをする人がもっと増えるんです。
それを見て見ぬ振りするなんて、あたしにはできない。何もせずに後悔するのだけは、絶対に嫌です」

「ナカジマ・・・・・・・・」

頑ななスバルの態度に、ヴォルツの表情は益々険しくなっていく。
その時、大きな震動が建物を揺さぶった。

「・・!!」

「・・・・・!!」

何事かと、スバルは窓枠に駆け寄ってカーテンを払い除ける。その向こうにはネオンで彩られた夜の街が広がっており、
通りの向こうに黒煙が立ち昇っているのが見て取れる。その周囲では黄色と桃色の閃光が飛び交っており、
赤髪の少年騎士が紫色の髪の少女を伴って宙を舞っていた。エリオとルーテシアが、何者かと戦っているのだ。
スバルは居ても立ってもいられず、窓の外へと飛び出そうとする。だが、背後にいたヴォルツはそれよりも早く、
彼女の背中に銃口を突き付けていた。

「行くな・・・・・・・・・夢を捨てるつもりか?」

それは威嚇と呼ぶには、あまりに弱々しかった。
絞り出すようなその声を耳にし、スバルは彼が何かを自分に求めているのだと気づいた。
だが、自分が彼の思いに応えることはできないだろう。この胸に宿る思いは、3年前から何も変わっていない。
自らが成すべきことは、8年前から変わっていない。

「捨てるんじゃありません。でも、進む道が違うだけです」

「人を殺し、誰かを傷つけ、それで人が救えるのか?」

「それでも、守れるものはあります。救える命も。そして、この手で守れるものがあるのなら、
あたしはあたしに向けられる全ての憎悪を受け止められる。守るために戦わないといけないのなら、
あたしは戦うことを躊躇わない。戦うことで守れるものがあるのなら、戦うこともレスキューです!」

背を向けたまま、スバルはヴォルツに自身が辿り着いた答えを告げる。
それが2人の決別を意味していた。
どちらも人々の平穏を守りたいという思いに違いはないが、日常を生きるヴォルツを、
非日常で戦うスバルの間には、どうやっても埋めることのできない溝が生じているのだ。
お互いに、歩み寄るには大人になり過ぎていたのかもしれない。
171名無しさん@ピンキー:2009/02/01(日) 14:56:17 ID:+8J1tfv2
負け犬(笑)
172UNDERDOGS 第十六話F:2009/02/01(日) 14:56:19 ID:vhO17ZE2
「本気、なんだな?」

「あたしは機動六課です。あたしの使命は、次元犯罪者ジェイル・スカリエッティの逮捕
・・・・・・・・・・・全ての裁きは、その後に」

「・・・・・・・・・次は逃げるな」

「ええ、必ず」

蝶番が壊れるのも構わず、窓を抉じ開けてスバルは地上へとダイブする。
直後、発光と共にバリアジャケットを展開。ウィングロードを伸ばし、
危機に陥っている仲間のもとへと駆け出した。





そして、1人残されたヴォルツは静かに手にした銃の引き金を引いた。
銃はカチリと金属音が響かせただけで、弾は発射されなかった。最初から、空砲だったのだ。
自らの蛮行に対して自嘲気味に笑うと、ヴォルツは力なくソファの上に座り込んだ。

「俺のしてきたことは、何だったんだろうな」

8年前、スバルが巻き込まれた空港火災の現場に、ヴォルツはいち早く駆けつけていた。
当時はまだ戦闘機人も配備されておらず、慢性的な人手不足でどこの部隊も手が回らない状態であった。
そんな中、ヴォルツは1人でも多くの命を救おうと、我が身を省みずに炎の中へ飛び込み、
救助活動を行った。しかし、彼がどれだけ奮闘しても、1人で救える命には限度がある。
汲み取れなかった命は手の平から零れ落ち、そうなるまいと奮闘しても救えた命はほんの僅か。
そして、その僅かな命の代償としてヴォルツは第一線を引かねばならぬほどの大ケガを負ってしまった。
あの夜の出来事は、今でも時々夢に出てくる。
炎に焼かれて死んでいく人々の嘆きが、耳にこびりついて離れないのだ。
それでも救えた命があるのなら、それは尊い行いであったと納得させることもできた。
しかし、あの火事からの生還者であるスバルはテロリストとして多くの命を奪っている。
あの時、自分が命がけで火に飛び込み、ケガを負ってまで救助活動を行ったのは、
いったい何のためだったのか。より多くの命を奪わせるためだったのか。
ヴォルツには、それがわからなくなっていた。

「・・・・・・・戯言か」

迷走を始めた思考を遮断し、ハンガーにかけているコートを手に取る。
さっきまで頭を過ぎっていた悩みやジレンマは全て頭の中から追い出し、システムを切り替えるかのように心と体を切り離す。
何年もかけて、漸く身に付けることのできた生きるための手段。人の生死を垣間見るこの生業で、
誰もが会得せねばならない自己防衛手段。
これで滞りなく仕事ができる。
自分の成すべきこと、救助活動を。
結局のところ、考えるだけ無駄なのだ。
人がどう生きるかは当人にしか決められない。それが害悪となるのなら、きっとどこかでそれを裁こうとする力が働くはずだ。
ならば、自分にできるのは考えることを止めて課せられた仕事をこなすだけだ。
ヴォルツはコートのポケットから携帯電話を取り出すと、災害救助隊の司令本部へと繋いだ。
そして、開口一番に通信士に怒鳴りつける。
173UNDERDOGS 第十六話G:2009/02/01(日) 14:57:45 ID:vhO17ZE2
「おい、寝惚けてないでとっと避難誘導始めろ! 戦争が始まるぞ!」

テロが起きようと、戦争が起きようと、そんなものは知ったこっちゃない。
目の前で苦しむ人々を救う。それだけで良いのだ。





飛来する無数の魔力弾を紙一重で避け、ストラーダを一閃させて防御する。
だが、敵はこちらの動きを読んでいるかのように跳躍の着地点へと狙いを絞り、
更に苛烈な射撃の嵐を撃ち込んでくる。ルーテシアが後方からバリアを張るも、
変幻自在の誘導弾は不規則な軌道で魔力の盾を迂回し、猟犬が獲物を狩り立てるようにエリオを追いこんでいく。
避け切れぬとわかるや否や、エリオは壁を蹴って軌道を変え、そのまま駐車してあったトラックのタイヤの間をスライディングの
要領で搔い潜って向こう側へと着地する。直後、迂回が間に合わなかった魔力弾がトラックに命中し、
魔力タンクと反応して派手な爆発が起きる。

「はぁ・・・・はぁ・・・・・」

疲弊した体に鞭を打ち、動き回りながら空になった薬室にカートリッジを装填していく。
だが、敵の化け物染みた空間把握能力はこちらの認識を遙かに上回り、装填中で無防備となったエリオ目がけて
容赦なく魔力弾が飛来する。

「フリード、ブラストフレア!」

エリオの背後から飛び出したフリードが、ルーテシアからのブーストを受けてブラストフレアを吐き、
魔力弾を撃ち落とす。すかさず、エリオは地を蹴って後退し、抜け目なく後方のルーテシアを狙っている
魔力弾をストラーダを切り捨てる。
体が思うように動かなくなってきていることに、エリオは危機感を覚えていた。
それでなくとも周囲の通行人が邪魔で思うように戦えないのだ。この2日間、あの敵を相手にして九死に一生を拾ってきたが、
今度ばかりは危ないかもしれない。

(紫電一閃だ。あれさえ打ち込むことができれば・・・・・・・・)

だが、果たして敵がそう簡単に許してくれるであろうか。
こんな人通りの多い場所で、アウトレンジから砲撃を撃ち込んでくる魔導師を相手に。
自慢のスピードも、この距離では大したアドバンテージにはならない。撃たれる前に斬るという戦法が、彼女には通用しないのだ。
焦りばかりが募っていき、額から滲んだ汗が視界を曇らせる。
直後、強大な魔力反応が前方から発せられた。

「まずい!」

《Sonic Move》

踵を返し、最大速度でルーテシアを抱えてその場から離脱する。
敵が放った極太の砲撃は大気すらも焼き尽くし、エリオ達がいた場所を通過して交差点の突き当たりにある
ブティックへと着弾し、小規模の爆発が起きて紅蓮の炎が上がる。砕け散ったショーケースの向こうでは、
逃げ遅れた人々が炎に焼かれ、慟哭を上げて焼け死んでいく光景が展開されていた。
ガラスの破片を全身に浴びた者もいれば、落下した看板の下敷きになってしまった者もいた。
174UNDERDOGS 第十六話H:2009/02/01(日) 14:58:32 ID:vhO17ZE2
「そんな・・・・・・僕が、僕が避けたから・・・・・・・」

着地した瞬間、足から力が抜けて動けなくなる。
自分のせいで、また他人が犠牲になってしまった。炎の中でのた打ち回る人々の顔が、
今まで死んでいった仲間のそれと重なってしまい、その重すぎる十字架にエリオの精神が耐え切れなくなったのだ。

「僕の・・・・僕のせいで・・・・・」

「エリオ、立って。立たないとあの人が来る・・・・・・・・エリオ」

半ば無理やり、ルーテシアに立ち上がらせられるが、既にストラーダを振るう力は残されていなかった。
余力の魔力も全て、砲撃からの離脱と着地へのリカバリーに使用してしまったのだ。
ルーテシアとフリードも限界が近く、これ以上の戦闘は非常に厳しい。
そして、打つ手のなくなった2人の前に降り立った襲撃者は、無慈悲にもデバイスの先端を向けて
砲撃のチャージを開始する。
その時、上空に水色のレールが走った。





スバルがエリオ達のもとに辿り着いたのと、敵らしき魔導師が砲撃を放ったのはほぼ同時であった。
迷わずスバルはウィングロードを飛び降り、カートリッジをロード。着地と同時に防御魔法を展開し、
飛来した砲撃を受け止める。
腕にズシリと圧し掛かる重みに、スバルは思わず顔を顰めた。
敵の魔力値が桁外れだ。もしも直撃を受けていれば、跡形もなく消し飛んでいたかもしれない。
これほどの砲撃を行える者とは、今までの人生で1人しか出会ったことがない。
しかし、スバルの驚愕はそれだけではなかった。
似ているのだ。
魔力の波長、魔力光、バリアで受け止めた時の感触。
どれもが彼女のよく知る人物と同じであった。

「まさか・・・・・・・嘘だ・・・・・・・・」

煙の向こうから、亜麻色の髪を2つに結った、漆黒の魔導師が姿を現わす。
手には金のフレームで縁取られた白いデバイス。漆黒に染まってはいるが、特徴的な意匠のバリアジャケット。
桃色の魔力光を纏ったその女性は、スバルの記憶の中の彼女とよく似ていた。
だから、認めたくなかった。
あの人はもう帰ってこないのだと。そう決めつけて、今日まで戦ってきた。
スバルにとって、もう彼女の死は終わったことなのだ。
だが、目の前の女性から発せられた言葉が、否が応にも現実を認識させる。

「スバ・・・・・ル・・・・・・」

「なのはさん・・・・・なのはさん、何ですか?」

スバルの言葉に、なのはらしき女性は答えない。ただ、虚ろな表情のまま「スバル、スバル」と繰り返すだけだ。
その時、マッハキャリバーが空の彼方から飛来する魔力反応をキャッチした。

《相棒、魔力反応が接近しています。この反応は・・・・・大きい》

「・・!?」

落下という表現が相応しい勢いで飛来した虹色の光が、突風を巻き起こす。
丁度、なのはの真横に着地したその人物は、なのはとよく似た意匠の防護服を纏った女性だった。
非常に大柄なその女性は、金色の髪をサイドポニーに結っており、両の瞳は透き通るような翡翠と
燃えるような深紅の色であった。
175UNDERDOGS 第十六話I:2009/02/01(日) 14:59:23 ID:vhO17ZE2
「やっと追いついた・・・・・ママ、勝手に飛んで行っちゃダメって言ったでしょ」

「・・・・・・・」

こちらの存在を無視して、オッドアイの女性は無邪気な笑顔を浮かべながら傍らの女性に話しかける。
しかし、話しかけられた方は彼女に見向きもせず、無言で頷くだけだった。
まるで人形のようだと、スバルは不快感にも似た感情を覚える。
この感覚は、管理局製の戦闘機人を前にした時と同じものだ。

「まあ良いや。ふふっ、獲物が2匹に裏切り者が1匹。今日は大量だね、ママ」

「・・・・ママ?」

「久し振りだね、スバルさん。私のこと、覚えている?」

オッドアイの女性が、ニコリと微笑む。その仕草には、どことなく見覚えがあった。

「・・・・・・・・・まさか」

「ふふっ。そう、私はヴィヴィオ。これが私の本当の姿なの。3年前にみんなに見せていたのはね、
油断させるための擬態だったんだよ」

「嘘だ・・・・・だって、ヴィヴィオはあんなになのはさんい懐いていて・・・・それが、どうして・・・・・・・」

「どうして? そんなの、なのはママをヴィヴィオの本当のママにするために、決まっているじゃない!」

言うなり、ヴィヴィオは予備動作すら見せずに間合いを詰めてスバルに殴りかかる。
流れるように滑らかな動きはスバルがよく知るシューティングアーツの型であった。
反射的に、スバルは打ち込まれた拳を右腕で防御する。しかし、ヴィヴィオはそれを予め読んでいたかのように身を翻し、
強烈な裏拳を後頭部に叩き込んでくる。完全に不意を突かれる形となったスバルは成す術もなく前のめりになり、
なのはと同じ容姿の女性の前に倒れ込む。

「・・・・・何で?」

「スバルさん、彼女は本気なんだ。本気で、僕達を・・・・・・」

「うるさいなぁ。負けた人は黙っててよ」

ヴィヴィオが右腕を一閃させ、生成した魔力弾を無造作にばら撒いた。
特に狙って撃ったわけではなかったが、何発かがエリオの体に命中し、苦悶の声が上がる。

「エリオ!?」

「ママ、先にあいつらやっちゃおうか? そうだね、殺しちゃって」

「・・・・・・・エ・・・・・リオ・・・・・」

「止めろぉっ!!」

起き上がり様に彼女の顎を蹴り飛ばし、砲撃のチャージを阻害する。
そして振り返り様にヴィヴィオを攻撃しようとするが、今度もヴィヴィオは動きを先読みしており、
突きを繰り出した時にはもう彼女は間合いの外へと移動した後だった。
176UNDERDOGS 第十六話J:2009/02/01(日) 15:00:00 ID:vhO17ZE2
「ママ!」

「・・!」

《Tri Shield》

左右同時に打ち込まれた魔力弾を、両手で展開したシールドで防御する。
だが、一発に込められた魔力の量が尋常ではなく、瞬く間に処理限界を迎えたシールドは飽和して、
スバルの体に魔力弾の雨が降り注いだ。

「ぐああぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

「良いよ、ママ。そのままやって!」

歓喜のこもったヴィヴィオの言葉に従い、桃色の砲撃がチャージされていく。
絶望の光を前にして、痛みから立ち直ったスバルは即座に地を蹴って砲撃の安全圏へと潜り込んだ。
懐に入ることさえできれば、相手も砲撃の利点である射程と火力を活かせなくなる。
そして、そのまま足払いをかけて彼女を組み伏せると、右拳を後頭部目がけて振り下ろす。

「動かないで!」

「・・!?」

ヴィヴィオがエリオとルーテシアをバインドで拘束しているのを見て、振り下ろした拳を地面に叩きつける。
飲み下した唾液で乾いた喉が切れるような錯覚に苛立ちを覚えながらも、スバルはマルチタスクで
状況を打開する術はないか模索していた。しかし、自身の技量と手持ちの魔法ではこの2人を同時に
制圧しつつ、エリオ達を救出できないことは明白だった。せめて、誘導操作弾の1つでも撃てればまだ目はあったのだが。

「どうして・・・・・どうしてなんだ、ヴィヴィオ!? どうしてこんなことを!?」

「ママを取り戻すの。私のママ、ヴィヴィオだけのママを。そのためにはね、みんな殺さなきゃいけないの。
でないと、ママは私のことを見てくれない」

「ス・・・バル・・・・・エリ・・・オ・・・・・・・」

組み伏せられた女性が、か細い声で自分達の名を呼ぶ。
まるで助けを求めるように、縋りついて許しを乞うように。
スバルは耳を塞ぎたくなる衝動に駆られながらも、まっすぐにヴィヴィオを睨みつけた。

「そんなことをしたって、なのはさんは戻ってこない。どんなに姿形を似せることができても、
その内側にあるものは別ものだ。クローンでは、死者は蘇らない」

「クローン? 何を言っているの、私がプロジェクトFなんかに手を出す訳がないじゃない。
そこにいるのは正真正銘、私のママ。高町なのはなんだから」

「嘘だ、なのはさんは・・・・・・なのはさんは3年前に・・・・・・・」

「うん、私が殺した。けど生きてたの。だから、私はレリックでママを目覚めさせた」

「・・・・レリック? ゼストと・・・同じ・・・・・」

「そうだよ、ルーテシア。レリックを埋め込んで、眠っていたママを起こしたの。けれど、目覚めたママは私のことを見てくれなかった。
スバルさんやエリオさん、機動六課のみんな、別の世界にいる家族。私じゃない他の人のことばかり気にかけて、
私の名前は呼んでもくれない。私のことを見てもくれない。だから、みんな殺すの。他のみんながいなくなれば、
ヴィヴィオがママの一番になる。ママの中に、私以外の存在はいらないんだ」

振り上げられたヴィヴィオの手から魔力弾が放たれ、スバルの肩を直撃する。
177UNDERDOGS 第十六話K:2009/02/01(日) 15:01:33 ID:vhO17ZE2
「ママ!」

「・・・!」

スバルがバランスを崩した瞬間を見計らい、なのはは自身のバリアジャケットを爆破させてスバルの体を大きく吹き飛ばす。

「スバル・・・・スバル・・・・・」

虚ろな呪詛を紡ぎながら、なのは立て続けにカートリッジをロードして大量の魔力弾を発射する。
あの高町なのはが撃ったとは思えない、荒々しい射撃の嵐。制御を度外視し、弾速と弾数のみを
追求したその攻撃は、目標への照準すらしていないのか、そのほとんどが脇を掠めて背後の空間へと消えていっている。
距離を取れば、その軌道を見切ることもそう難しいことではなかった。だが、標的を見失った魔力弾は消えることなく
宙を舞い続け、背後の建物や人に降り注いでいく。それを見捨てておけるほど、スバルは残忍にはなれなかった。

「相棒!」

《Absorb Grip》

ビルの倒壊に巻き込まれそうになった子犬を左手で掬い上げ、もう片方の手で魔力弾を防御しながら着地する。
更に落下してくる瓦礫をウィングロードで受け止め、容赦なく降り注ぐ魔力弾は全身全霊を賭けて防御する。

「早く・・・・・逃げ・・・・・」

「あ、ああ・・・・すまない」

「まずい、向こうに女の子が!」

「・・!?」

子犬を目の前の男に預け、バリアの展開を維持したまま疾走。逃げ遅れた女の子の体を抱き寄せ、
降り注ぐ魔力弾に背を向ける。
直後、飛来した無数の魔力弾がバリアジャケットの防御を容易く撃ち抜き、背中に焼けるような激痛が走る。

「あああぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

激しい痛みで脳がシェイクされ、視界が真っ赤に染まる。傷口から流れ出た血が目に入ったのか、
血の涙を流しているのか、判別がつかない。ただ、腕の中の小さな温もりが消えぬよう、
歯を食いしばって痛みに耐え、フィールド防御を維持し続ける。

「おねえ・・・・ちゃん?」

「大丈夫だよ・・・・・怖くないから、大丈夫だから・・・・・・」

恐怖で震える少女を励まそうと、スバルは引きつった笑みを浮かべる。
魔力弾の嵐が腕を、足を、次々に撃ち抜いていき、機能不全を告げる警告が脳内に響き渡る。
それでも腕はまだ動く。リンカーコアはいつになく好調で、一呼吸の度に大量の魔力を生成し、
汲み上げられた魔力はマッハキャリバーを経由して自分達を包み込むうねりへと変化していく。
陰りを知らない光はやがて、なのはの魔力弾を押し返す波となり、まるで風船が破裂するかのような勢いで
射撃の雨を押し返した。

「・・・・・さあ、逃げるんだ。振り返らずに、一目散に」

「う、うん・・・・・・ありがとう、魔法使いのお姉ちゃん」

涙を拭った少女が、路地の向こうに駆けていく。
その後ろ姿に安堵する、スバルは乱れた呼吸を整えながら、ゆっくりと背後のなのはに向き直った。
178UNDERDOGS 第十六話L:2009/02/01(日) 15:02:13 ID:vhO17ZE2
「嘘・・・・・・ママの、魔法を・・・・・・」

ヴィヴィオに初めて、驚愕の表情が浮かぶ。
高町なのはは彼女にとって強さの象徴であり、自分を除けば間違いなく最強の部類に入る魔導師だ。
彼女はいつだって強く、気高く、立ち塞がる敵を完膚無きまでに叩き潰してきた。
なのに、目の前にいる少女は傷つきながらも未だ健在であり、反抗の意思も潰えていない。
まるで悪夢を見ているかのような光景に、ヴィヴィオは思わず後ずさった。

「はあ・・・・・はあ・・・・・ヴィヴィオ、君は・・・・・やっちゃいけないことをした」

「な、何を・・・・・・・」

「魔法は力だ。それをどう使うかは、個人の自由なのかもしれない。あたしのように誰かを守るために、
君のように誰かを殺すために。けれど、だからこそあたし達はその力に責任を持たなきゃいけないんだ。
無関係な人達を巻き込んだ君を、あたしは絶対に許さない」

「・・・・・・嘘、怖い・・・・・ママ、殺して・・・・・あいつを殺して」

「これ以上、なのはさんの命を弄ぶな。あの人は、3年前に死んだんだ!」

拳を握り、人形と化したなのはに殴りかかろうと地面を蹴る。
瞬間、バランスを失った体が前のめりに地面へと倒れ込んだ。

(まずい・・・・・・傷が・・・・・)

足を撃ち抜かれた時の傷が、予想以上に深かったのだ。
大急ぎで簡易治癒魔法を施すが、向こうの方が行動は早かった。
向けられたデバイスの先端からショートバスターが放たれ、蹴られたボールのようにスバルの体が路上を跳ねる。

「はははっ、馬鹿みたい。啖呵切っておきながら、結局動けないなんて。
やっぱりママは最強だ。ママに勝てる魔導師なんか、この世にいないんだ。さあ、ママ!」

「・・・・・なのは、さん・・・・・」

咳き込みながら、スバルはかつての恩師の名を呼ぶ。
その名前が活力となり、壊れかけの四肢に再び力が戻って来た。
だが、間に合わない。こちらが立ち上がるよりも、彼女が砲撃を放つ方が早い。
そう思った刹那、突如なのはは踵を返し、ヴィヴィオのもとへと飛翔した。
同時に、空の彼方から伸びた金色のレールから、1人の少女が錐揉み回転しながらヴィヴィオ目がけて落下していく。

「でやああぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

「・・・・・!!」

「ママ!?」

間一髪、間に合ったなのはが防御魔法を展開して愛娘への攻撃を受け止める。
しかし、遠心力と落下の勢いが上乗せされた回し蹴りは防御の上から彼女を吹き飛ばし、
何が起きたのか理解できないでいるヴィヴィオを巻き込んで縺れるように地面を舞った。
179UNDERDOGS 第十六話M:2009/02/01(日) 15:05:29 ID:vhO17ZE2
「へっ、死にかけてんじゃねぇよハチマキ。思わず助けちまったじゃねぇか」

2人を蹴り飛ばした少女は、彼女達が態勢を立て直す前に拘束されているエリオ達を担いで
スバルのもとへと跳躍する。荷物か何かのように乱雑に扱われたことでエリオ達は目を回していたが、
幸いなことに命には別状はなかった。

「おい、このへっぽこども下がらせろ。戦闘の邪魔だ」

「お前は・・・ノーヴェ。どうしてあたし達を・・・・・」

「勘違いするな、ナカジマ。お前を倒すのはこのあたしだ」

赤毛の少女、ノーヴェはそう言ってニヒルに笑った。



                                                               to be continued
180B・A:2009/02/01(日) 15:06:07 ID:vhO17ZE2
以上です。
本当は前回でここまでいきたかった。
王様親娘丼VSメカっ娘姉御膳(ぉぃ)は次回に持ち越しです。
181名無しさん@ピンキー:2009/02/01(日) 16:34:19 ID:JoyxBijd
GJ
 いよいよ壮絶な戦いが始まるのですね。
 両者死亡フラグが立ったのでしょうか?
 それとも・・・・・・
1827の1:2009/02/01(日) 16:43:09 ID:JoyxBijd
注意事項
・微エロ?で一部バトルを含みます
・前作:「再び鎖を手に」の続編です。
・時間軸はJS事件から1年後
・ユーノ×なのはです。
・捏造満載
・キャロ・エリオ・ルーテシアは出ません。(3人のファンの方、すみません)
・前作からのオリキャラ出ています。
・物騒な単語(「殺す」とか「復讐」とか)いっぱい出てきます
・主人公 ユーノ
・タイトルは 翼を折る日 
・今回はバトル編です。
1837の1:2009/02/01(日) 16:44:37 ID:JoyxBijd
第6章 
6−1
  ティアナの去った56階のフロアでは、なのはたちとゲーベルの戦いが激しさを増していた。

「アクセルクラスター シュゥゥーート」

 桃色の光弾が十数本の光の槍と化し、逃げる影を追って、古代ブンドゥ文明展の展示物の
間を駆け抜ける。
 魔力を込めた鉄球をアクセルシュートに乗せて撃つという対AMF用に開発した荒技が、
逃げる影の放つニードルショットを叩き落とし、影を貫く。

「やったの?」
「なのは、下!」

 倒れた影に目をこらしたなのはの足下から、数百の闇色の針がなのはに打ち込まれるが、
緑色のラウンドシールドが弾き飛ばす。

 桃色の光弾と闇色の針が、交錯するたびに、56階のフロアは崩壊の度を深めていく。

 ニードルショットが抉った壁は構造材がむき出しになり、アクセルクラスターが着弾した柱は、
内部にめり込んだ鉄球がフルバーストする際の衝撃によりコンクリートが爆ぜ、鉄骨が融け崩れた姿を曝す。

(アクセルクラスターで戦うなんて・・・リンカーコアバーストの影響がひどくなっているのか?)

「ディバインバスター シュゥゥーート」
「なのは、やめるんだ!」

 ユーノの制止も空しく、敵の影を貫いたディバインバスターが、フロアを支える柱の一つをへし折り、天井が
大規模な範囲で崩落した。

「絶対、逃がさないの!」

 建物の被害など歯牙にもかけず、戦闘に集中するなのはの横顔に目をやったユーノは、ため息をついた。

「なのは、このままじゃフロアが崩れる。ゲーベルをビルの外に追い出すんだ」
「無理だよ。相手が見えないんだよ。ここじゃ、もうディバインバスターは使えないよ。アクセルは効かないし」

 時折、姿を現す影に惑わされてディバインバスターを放ったせいで、建物そのものを崩壊させかねない事態を
招いたなのはは、使える武器がアクセルシューターしかないことに苛立っていた。

「エースオブエースモ、コノテイドカ? フォッフォッフォッ」

 不意になのはたちの前に現れた影が、嘲り声を残して闇に帰る。

「卑怯者! 出てこい、出てきなさい」
 レイジングハートを振りかざして、叫ぶなのはを、闇の奥から笑い声が嬲る

「フフフフフ、デテキテ ウタレルバカガ ドコニイル」
 声と逆の方向から、ニードルショットが襲うが、ユーノのラウンドシールドが弾き飛ばす。

「ユーノくん 大丈夫!?」
「大丈夫だ。なのは、影を見ようと思うな。感じるんだよ」

「で、でも・・・」
「なのはならできるよ」

 背中を強く押す一言でなのはは覚悟を決めた。
1847の1:2009/02/01(日) 16:46:12 ID:JoyxBijd
6−2

「うん、やってみる」 
 
ユーノの言葉に従い、闇に潜み、ニードルショットを放つ敵を目で追うのをなのははやめた。
 目をつぶり、息を整えたなのはの姿が闇に溶け込む。
 
同化した闇の中で、なのはの意識が、蠢く違和感の位置を探り続ける。

(右? 左斜め上から来る? 下!?・・・ 違う。 後ろ!)

 背後に迫る気配を感じると同時に、躊躇なくアクセルシューターを放ち、背後を振り返った
なのはの目に全身を朱に染めたユーノが映る。

「なのは・・・何故、何故なんだ。君が・・・僕を撃つな・・・んて」

 バリアジャケットを繋いでいたスカーフが千切れていることに気づいたなのはの顔が蒼白になる。

「いやぁぁぁ いやぁぁぁぁーーーー」

 レイジングハートを投げ捨て、倒れかけた血まみれのユーノを抱き留めたなのはの絶叫がフロアの闇を裂いた

「ティア、しっかりするんだよ。もうすぐ救急車が来るからね」

 なのはのアクセルクラスターにより、全身打撲と内臓破裂、肋骨骨折という重傷を負い、意識不明に陥った
ティアナを救命ポッドに収容し、生命維持装置を作動させたスバルは、コンラッドを振り返った。

「コンラッド曹長、救急車は、何時、来ます? 」
「あと20分だな。・・・し、師匠、何故、ここに?」

 狼狽するコンラッドの視線の先を追ったスバルが驚きの声をあげる。

「マテウスおじさん!」
「監察だよ、コンラッド君。スバル、久しぶりだな。空港火災以来だから・・・4年ぶりかな?」

「5年ぶりです。おじさんも変わりませんね」

 なのはとの運命的な出会いとなった空港火災の時、見送った父の親友マテウスの相変わらずの服装への
構い付けなさにスバルの表情が思わず緩む。

 すり切れた灰色のスーツによれよれの薄茶色のレインコートを羽織ったマテウスは、一瞬、照れくさそうな表情を
浮かべたが、あわてて表情を引き締めると背後に控えていた白のスーツに白いワイシャツ、白いネクタイ、白い靴
という全身白尽くめ姿の、浅黒い顔の青年に命じた。

「仕事だからな。クラウス、ティアナ・ランスターを連行しろ」
「はっ!」

 クラウスと呼ばれた青年は、ティアナの収容されている救命ポッドに近寄ると生命維持装置のモニターが映す数値を
h確認していたが、マテウスを振り向くと首を振った。

「駄目です。意識不明の上、絶対安静の状態です」
1857の1:2009/02/01(日) 16:47:21 ID:JoyxBijd
6−3

「ふむ。事情聴取は当面無理か。」   

「おじさん、やめてください。ティアナは重傷なんです」

「スバル、君の親友のティアナ・ランスター執務官補は、テスタロッサ執務官殺人未遂、上官命令無視、敵前逃
 亡罪等の容疑が掛かているんだ。特に、テスタロッサ執務官がティアナに撃たれるところを、共同捜査してい
 たクラウスが目撃しているんだ。本来なら、重大容疑者として、地上本部の軍病院に収容するところだが・・・
 コンラッド君、彼女の入院先はどこだ?」

「クラナガン大学病院です。あれだけの重傷者を治療するのは、地上本部病院では無理です」
 コンラッドの真剣な口調に驚いたのか、マテウスは額を手で押さえ、しばらく考えていたが

「やむを得ないな。容疑者を死なしては、元も子もない。大学病院には武装隊を配置させよう」

 法務局には、こちらから話を通しておこうとマテウスがつぶやくのを聞いたスバルの顔が、
ぱあっと明るくなった。
管理局管轄の病院で犯罪容疑者が、過酷な扱いを受けるという事実を知っているだけに、
ティアナに武装隊の監視下とはいえ、大学病院での治療を認めてくれたマテウスの配慮が嬉しかったのだ。

「ありがとうございます。これでティアナも」
 助かりますと言いかけたスバルは、虹色の魔力光に気づき愕然とした。

「聖王の虹・・・ヴィヴィオちゃん!?」

「ん、これは・・・ヴィヴィオ様、如何なされました?」

 スバルたちがティアナを収容したビルの屋上の一角に虹色の魔力光と共に出現したヴィヴィオは、聖王の鎧
を身にまとい、髪をサイドポニーにまとめた15歳くらいの少女の姿を取っていた。

「ヴィヴィオちゃん!」

 スバルの問いかけを無視したヴィヴィオは、ふらつく身体を気合いで立て直すとクラナガン301を見上げ、
空へ飛ぼうとした。

「お待ちください。ヴィヴィオ様、今のあなたでは無理です。墜ちてしまいます」

「バウアー、止めるな。なのはママとユーノパパが危ないのだ。そこをどけ!」

「どけませんな。あなた様が死ねば、高・・なのはさんとユーノ博士が悲しみますぞ」

 マテウスの制止を振り切って、空に飛ぼうとするヴィヴィオを背後から飛びついたスバルが羽交い締めにする。

「離せ、スバルお姉ちゃん離して、離してよぉぉぉぉ」

 スバルから逃れようと絶叫し、もがくヴィヴィオの聖王の鎧が、突然、光を発したかと思うと消滅し、ヴィヴィオ
の姿は、5歳の幼女の姿に戻っていた。

「な、なんで、なんでぇぇぇ!? 」

「今のヴィヴィオ様では、聖王の鎧を維持することすらできません。まして空を飛ぶなど不可能です。ご自分の
 力の限界を自覚してください」

 さえない中年男とは思えない激しい言葉で遮るバウアーの姿に、さすがのヴィヴィオも黙り込んだ。
1867の1:2009/02/01(日) 16:48:54 ID:JoyxBijd
6−4

「お二人は、私が助けます。ヴィヴィオ様は、ここでお待ちください」

 聖王陵伯爵の素顔を、露わにしたマテウスの迫力に押し負けたヴィヴィオは、思わず頷いた。

「・・・わかった。なのはママとユーノパパを助けて」

「命に代えましても、お助けします」

 なのはに匹敵する魔法資質の持ち主といえ、まだ5歳の少女にすぎないヴィヴィオが、外部からの
エネルギー供給なしには維持しがたい聖王の鎧をまとって、ここまで転移してきただけでも限界を超えて
いたのだろう。

 バウアーの力強い答えに、安心したのかヴィヴィオはスバルの腕の中で気を失った。

「ヴィヴィオちゃん!」

 自分の腕の中で意識を失ったヴィヴィオに狼狽するスバルの肩に手を置くとマテウスは静かに言った。

「お疲れになっただけだ。スバル、ヴィヴィオ様を頼む。クラウス、ランスター執務官補の入院と警護の為の人
 員配置を行え」

「既にクラナガン大学病院に陸士108部隊からの武装隊が到着しております。なお、救命ポッドの搬送のため
 のヘリがもうすぐ到着します。・・・パイロットは、ヴァイス・グランセニック陸曹です」

「ヴァイスさんが・・・良かった」」

 ほっと息をついたスバルを横目で見たマテウスは視線を転じてクラナガン301を見上げた。

(あのフロアで行われている戦いが火災を引き起こしているとしたら、56階から上の階が崩壊する可能性が高い。
消防隊が来るまでに戦いが終わればいいが・・・)

「クラウス、救命ポッドに同行してクラナガン大学病院に行け。スバル、ヴィヴィオ様を頼んだよ。コンラッド 曹長、
ビル周辺の住民の避難を特別災害救助隊に依頼できるか?」

「了解しました」

クラウスが救命ポッドをバインドで簀巻きにしながら答える。

「は、はい!」

「し、師匠・・・バウアー卿、トクサイのマクラーレン三佐が既に動いています」

「さすがエリックだな。では行くか」

 目の前のマテウスが、一瞬で消えたのに驚いたスバルは、クラナガン301の煙を吹き出している窓の外に見慣れた
レインコート姿が浮かんでいるのを認めて驚愕した。

「えぇぇぇーーー!?」

「さすが師匠だな。俺では、あそこまで届かない。ぼやぼやするなスバル、被災者の誘導作業に掛かれ」

1877の1:2009/02/01(日) 16:49:52 ID:JoyxBijd
6−5

 闇の中で、息絶えたユーノを床に横たえたなのはは、敵の存在も無視してユーノの命を蘇らせようと
治癒魔法を発動させた。
桃色の魔力光を掌から出してユーノの傷を治していくなのはの手つきはぎこちなかった。

「ユーノくんが悪いんだよ。治癒魔法をちゃんと教えてくれてたら、ユーノくんの傷をもっと早く治せるのに。
 もっと、もっと、もっと、もっと・・・治せるのにぃぃぃぃぃぃーー」

 パニック状態に陥り、泣き叫びながらも治癒魔法を必死に施すなのはのおかげで、ユーノのずたずたに
裂けた身体の傷はふさがったが、見開かれた瞳に光は戻ってこなかった。

「ユーノくん、返事してよ! 目開いてるよね。何時までもふざけてると怒るよ! いい加減に返事しないと
 頭冷やすよ。起きてよ!起きてよ!起きてよぉぉぉぉーーー!」

 ユーノの身体を揺すぶりながら、ぼろぼろと涙を流すなのはにレイジングハートが警告を発する。

「Master Approaching enemy!  Warning! Please evacuate!」

「ねえユーノくん、お願いだから返事して、目開いてるから聞こえるよね」

「Enemy in sight Please escape!」

 レイジングハートが必死に警告を発するが、ユーノを蘇生させようとするなのはの耳には届かない。

「ねえ、お話聞かせてよ。ユーノくん、ユーノくん、ユーノくーーん」

「Master!」

 どさっと言う音と共に、なのはの首の無い胴体が、鮮血をまき散らしながらユーノの死体の上に倒れ込んだ。

「クロイライゲキトハ、クラベモノニナラナイヨワサダナ。マア、カオハコッチガコノミダガナ」

 なのはの首が浮かんでいた闇の中から姿を現したゲーベルは、血を失い白磁色の顔となったなのはの首を
しげしげと見つめると唇を歪めて笑い出した。

「ヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッ・・・」

 ひとしきり笑うとゲーベルは、首だけになったなのはの唇をねぶりだした。
1887の1:2009/02/01(日) 16:51:51 ID:JoyxBijd
以上第6章終了です。

第5章の後書きで不快な思いを抱かせて
申しわけありませんでした。
189名無しさん@ピンキー:2009/02/01(日) 18:23:57 ID:UxA2NFuY
>>180
GJ!
ヴィヴィオはもう、母親を一度殺してしまった罪悪感で善悪の判断がつかなくなってしまっているのだろうな
なのはは絶対に救えない
ヴィヴィオも救える可能性が少ないとかなり絶望的な状態だ…
どうなるかしっかりと見届けさせてください
190名無しさん@ピンキー:2009/02/01(日) 18:30:29 ID:0NnWTMcT
>>180
破滅に向かっていくしかないのを見続ける身としては、とっても歯がゆい。
でも、続きが見たい。
ジレンマだなぁ……
ひとかけらでも、どんな形でも、幸せになって欲しいけど。
191名無しさん@ピンキー:2009/02/01(日) 22:37:56 ID:zo1YzYLh
>>180
スカリーが勝利して、世の中が機能している今、エリスバ達は民衆からしてみたら悪かもしれない
それでも己の大切な人のために、信念のために働くなら正義
スバルの姿を見ていっそう、そう強く思えた

スバルは自分の道を貫く決心をしたけど、エリオはまだ無理か
現実まだ年齢で言えば中学生だから…それで人を犠牲にしてでもなしとげる強さを手に入れるのは難しいよな
でも今の自分をかけがいのない人として見てくれてるルーのためにも戦ってほしい
GJ!!
192名無しさん@ピンキー:2009/02/01(日) 23:28:41 ID:GcRBMohv
なんかさぁ
お二人だけじゃないんだけどさぁ
文章ちゃんとしてるし、読めるものになってるんだけどさぁ
エロパロスレじゃなくてもいいじゃん
vipか創作板あたりにたててやりゃ良いのにと思っちゃうんだけどさぁ
変かなぁ?
193名無しさん@ピンキー:2009/02/01(日) 23:31:28 ID:0NnWTMcT
つまりエロパロは文章ちゃんとしてなくても、読めなくてもいいと?

そりゃ変だ。
194名無しさん@ピンキー:2009/02/01(日) 23:32:13 ID:thwzk1Z4
『ローカル ルール』
1.リリカルあぷろだ等、他所でのネタを持ち込まないようにしましょう。
2.エロは無くても大丈夫です。
3.特殊な嗜好の作品(18禁を含む)は投稿前に必ず確認又は注意書きをお願いします。
  あと可能な限り、カップリングについても投稿前に注意書きをお願いします。
195名無しさん@ピンキー:2009/02/01(日) 23:39:34 ID:s/sWP0yX
>>192
変ではないと思う。実際、自治スレでも非エロについての話題がでたしね。
LR改正して、非エロの扱いを明記するかとかも含め議論になったけど、
収拾つかなくて結局、とりあえず当面のまま、LRは玉虫色で、各スレの自治に任せる。
で、必要があれば、こんな板もありますよと周知のために創作発表板の紹介をしましょ、って方向らしい。
196名無しさん@ピンキー:2009/02/01(日) 23:48:05 ID:onWW8jUw
変だとも思うけど、ぶっちゃけ面白ければ何でもいい
面白いなら読めばいいし、面白くないなら飛ばせばいい
197名無しさん@ピンキー:2009/02/01(日) 23:52:24 ID:/+wRBaqZ
>>1が全て
以上下らない議論終わり
198名無しさん@ピンキー:2009/02/02(月) 00:00:32 ID:s/sWP0yX
万が一、板自体のLRが投票を経て非エロ禁止明記に変われば、
ここの>>1がどうだろうが、状況は変わるぞ?
まあ、そうなったら職人が離れて、エロ自体の数も減ることは目に見えてるけどな。

ロリフェイト最近出番ないなぁ・・・いや、19歳フェイトの魅力も素晴らしいが
199名無しさん@ピンキー:2009/02/02(月) 00:45:00 ID:EFcvjB0N
ロリフェイトどころか主要メンバーのエロが最近目立たない件


はやてが狸の着ぐるみ(ふぐり付き)着て
そのふぐりで六課女性陣をギシギシアンア(ry
200名無しさん@ピンキー:2009/02/02(月) 00:49:22 ID:qcq5/m54
非エロ禁止となった場合、一部エロ長編とかはどうするんだろう?
短めほのぼのSSとか単発のネタSSとかも。


>>198
ロリフェイト。
エロでなければ煮詰めている奴に入れられるけど、エロだとちょい時間かかる。
電波さえ拾えれば後は勢いで書けるんだが。
201名無しさん@ピンキー:2009/02/02(月) 00:57:08 ID:3EZVKlzb
ロリフェが寝ぼけて○○○と勘違いして○○に・・・という話は赦されるのだろうか
202名無しさん@ピンキー:2009/02/02(月) 01:01:54 ID:6daV0MYM
>>201
おk、ガンガン行こうぜ!




○○の中身知らねーけどw
203名無しさん@ピンキー:2009/02/02(月) 01:05:09 ID:3EZVKlzb
>>202
ありがとう。○○をもっと男らしく頑張ってみる
204名無しさん@ピンキー:2009/02/02(月) 01:33:34 ID:TBfbM5Ol
>>200
そんな万が一のこと言っててもしょうがない
もしなったらなってから話せばいいさ
ここはずっと>>1で94スレまでやってんだから今更どうこう言ってもね
205名無しさん@ピンキー:2009/02/02(月) 02:14:23 ID:qcq5/m54
>>204
そうだな、その時はその時か。
↓以下、感想ドゾー
206名無しさん@ピンキー:2009/02/02(月) 12:38:36 ID:QCmbsDv7
↑だが、断る!!!!!!1!!!

ってのは冗談だが、流れ変えたいなら、自分で話題ふってくれよといつも思う

>>188
首チョンパktkr
しかしRHにはオートガードがあるから、自動でプロテクションが展開するはずじゃ…
以前、エリオが色んなSSでボロボロになった時期があったが、今回はなのはさん受難ブームか?
207名無しさん@ピンキー:2009/02/02(月) 13:58:49 ID:FuGKxZyO
>>180
GJ!
聖王となのはのペアを同時に相手をするってかなりの無茶としかいいようがない
今回ヴィヴィオの身勝手さにイラッときてしまったが彼女も被害者には違いないんだよな…

エリルーの逃亡生活に思わず萌えてしまったのは秘密です
実にいい夫婦でした
208名無しさん@ピンキー:2009/02/02(月) 17:18:17 ID:6MrPaWwm
>>207
過去形止めてぇ(泣)
209ザ・シガー:2009/02/02(月) 18:38:39 ID:wfm3Sgy1
はーい、45分くらいから投下行きます。

もう忘れてる人も多いだろう「大狂乱ミミ大戦」の第五話です。
言わずもがな非エロでギャグ。
変態注意報はあり。
210大狂乱 ミミ大戦:2009/02/02(月) 18:43:30 ID:wfm3Sgy1
大狂乱 ミミ大戦5


「ふあっはは!!! こいつぁ素敵な光景だにゃ〜。猫ミミに犬ミミ、加えてリスミミちゃんとは最高に乙っっ!!」


 変態は笑った、大いに笑った。
 己の珍技により目の前でミミやシッポを生やした少女達を見て狂ったように……いや、狂気の話をするならば既に発狂レベルで狂っているのだが。
 しかし、変態の所業により珍奇な身体にされてしまった方はたまったものではない。
 犬ミミを生やされたスバルは慌てふためき、猫ミミを生やされたティアナは絶望を張り付けた表情で青ざめ、リスミミを生やされたキャロは何が起こったか理解しきれずポカンとしている。
 だがこの状況でただ時間を無駄にするほど機動六課は甘い部隊ではない。
 即座に思考を戦闘時のそれに戻したティアナはデバイスを変態へと構えた。


「くっ! この変態、よくも変なマネしてくれたわね!!」


 オレンジ色の魔力光が煌めき、射撃魔法の閃光が空気を切り裂く。
 直射型射撃魔法の弾頭が正確な照準のもと真っ直ぐな軌跡を描きながら変態目掛けて直進。
 常人ならば回避は容易に叶わぬ抜き撃ちの速度、だが相手は尋常ならざる変態である。
 ミミ仮面はまるで最初からその弾道を知っていたかのように軽く頭を傾けるだけで容易く回避。
 オレンジ色の閃光は無情にも空へと消えた。


「おやおや〜、お嬢さんは猫ミミをお気に召さなかったかにゃ?」

「そんなの当たり前でしょうが!!」


 不思議そうに首を傾げる変態に、少女はツインテに結んだ髪が逆立ちそうな勢いで激怒した。
 スカートの下から伸びた可愛い猫シッポも同様に怒りを露にしてピンと逆立っている。
 ちなみにスカートの中が見えそうだという事には怒り心頭で気付いていない様子だった。
 だがティアナの怒りも当然だ、突然ミミだのシッポだの身体に生やされれば普通こうなる。
 彼女の相棒のような能天気娘でもなければ。


「うわぁ〜、犬のミミとシッポが付いちゃった。ギン姉とお揃いだよティア〜♪」


 自分の頭とお尻に発生した珍事に、少女スバル・ナカジマは一片の危機感も不快感も見せず、ニコニコと嬉しそうに微笑んでそう言った。


「お揃いとかそういう問題じゃないでしょバカスバル!」

「ええ〜、だって可愛いよ? シッポにミミだよ?」

「うっさい! だからそういう問題じゃないのよ!」

「ニャフハハハ! どうやらそちらのお嬢さんにはお気に召していただいたようだ」


 スバルの様子に愉快そうに盛大な笑い声をあげる変態、正直見ていてむかつく光景である。
211大狂乱 ミミ大戦:2009/02/02(月) 18:44:28 ID:wfm3Sgy1
 ティアナは即座に思考を戦闘モードに切り替えて変態に再び銃口を向けた。


「うっさい! この変態!!」

「ふふ、気の短いお嬢さんだにゃ〜」

「スバル、キャロ! とっととこの変態ぶちのめすわよ!」


 顔を真っ赤にして怒り心頭のティアナは、傍らの相棒と未だ自身の身体に起こった変化に驚いていた召還師の少女へと檄を飛ばした。


「は、はい!」

「了解!」


 鉄拳を携えた少女と竜を従えた少女が変態を打ち破らんとその矛先を向けた。
 愛機、リボルバーナックルの回転刃が唸りを上げてけたたましい音色を奏でる。
 青き空駆ける魔力の道、ウイングロードの上を駆け抜けてスバルは己が拳を振りかぶって変態に狙いを定めた。
 美しい、掛け値なしにそう呼べるほど完成された拳打の一撃。
 空気を切り裂いた拳が変態に到達するのに瞬きするほどの時間すらなかった。
 だがそれよりも速く、ミミ仮面は懐からあるモノを取り出した。


「そーれ」


 声と同時に変態はそれを投げる。
 弧を描き、宙を飛ぶ、小さな球体。それは小さなゴムボールだった。
 常識的観点から考えれば意味不明の行為に他ならない。
 鉄拳を振りかぶった少女が襲い来るというのに、明後日の方角にボールを投げるなど前代未聞だ。
 だがしかし、それは実に効果的な行為だった。
 どんな強固な防御障壁よりもスバルの攻撃を防ぐ最大最強の防御だった。
 なにせ今の彼女は“犬ミミ”の女の子なのだから。


「きゃうんきゃうん♪」


 魔力を込めた強大な破壊力を有した拳を振りほどき、スバルはウイングロードの上からボール目掛けて飛び出す。
 目指すはポーンと宙を飛ぶボール。
 カプ、と効果音を付けて、少女はそのボールを口に咥える。
 そしてその場でゴロゴロと転がって、ひたすら咥えたボールにじゃれ付く。
 それはもう、オモチャを目にした子犬のように。


「うーん、ハミハミ♪」

「ちょ! バカスバルッッ!! 何してんのよ!?」

「だってボールがぁ〜」

「だってじゃないわよ!! ああもう……仕方ない」


 ボールをハミハミ咥えながら至福に浸った顔をする相棒に愛想を尽かし、二丁銃を構えた少女はその銃口を変態に向ける。
212大狂乱 ミミ大戦:2009/02/02(月) 18:45:26 ID:wfm3Sgy1
 オレンジ色の魔力が小さな球体を幾つも形成・肥大化。
 直射射撃魔法では捉えきれぬと踏んだティアナは自身に出せる限界数の誘導弾での攻撃にシフトする。
 大きさを絞られた十数発の魔力の塊、その全てが彼女の意思に従って精密極まりない軌道を描くのだ。
 絶対必中の決意を込め、ティアナは誘導弾を放った。
 筈だった。
 だが次の瞬間、彼女の前にナニか投げられる。それは麻製の小さな袋。
 小さな麻袋はティアナの眼前を掠めると、彼女の前に音を立てて転がる。
 ふぅわり、と、なにか艶めいた芳香が少女の鼻腔をくすぐった。
 鼻腔を駆け抜けた香りは即座に脳まで浸透し、途端に彼女から全ての力を奪い去る。
 魔力で練り上げられた誘導弾は消滅し、ティアナは力なくその場に膝を突く。
 そして少女の瑞々しい肉体は、芯から火が点いたように熱くなる。


「な、なにコレ?……力、はいんない……」

「にゃっふっふ〜! 猫の弱点と言ったらマタタビに決まってるにゃ!」

「ま、またたび!? そんなモノで……」


 鼻腔を突き脳髄に甘い快楽を刻む香りに、少女は必死に抗おうとする。
 だが、膝に力を入れて立ち上がろうとするが何度やってもそれは徒労に終わってしまう。
 肉体からは力が抜け、頬は火照って赤くなり、目はトロンと蕩けていく。
 荒くなった呼吸のせいで余計に空気が肺腑に流入し、悪魔的な陶酔をもたらす香りを彼女の体内に侵入させた。


「やぁ……ダメ……これかいでると、あたまとけちゃうぅ」


 吐息は甘く声は切なくなり、ティアナは目の前に転がっている袋から漂う芳しい香りに鼻を鳴らした。
 誘惑に屈してしまいそうな自分自身を諌めようと理性が懸命に制動をかけるが、この小さな袋もたらす悦楽はあまりに強力だった。
 身体の芯、その奥底から脳髄までドロドロに溶けてしまいそうな感覚。
 圧倒的な恍惚感が少女を完膚なきまでに堕とした。


「にゃふははは、マタタビの匂いメロメロとは可愛い子猫ちゃんだにゃあ」


 地の上を這い切なげにトロンと潤んだ瞳で荒い吐息をあげるティアナを見下ろし、変態は実に嬉しそうにそう評した。
 心なしか、股を覆うビキニパンツの股間部分も元気そうだ。
 その姿、実に目に毒。
 こんな状況、もう一人のミミを生やした少女はと言うと。


「あうぅ……フリード恐い」

「きゅく?」


 自分の竜に怯えていた。
 まあ無理もない、キャロは今ではただの召喚師ではなくリスミミ召喚師なのである。
 リスとは言わずと知れた小動物だ、肉食獣に捕食対象として狙われる生態系の下層の生物だ。
213大狂乱 ミミ大戦:2009/02/02(月) 18:46:19 ID:wfm3Sgy1
 これがあらゆる世界の生物種の中でも上位に座する竜を前に怯えぬわけがない。
 自身の使役する竜に怯える召喚師、この世でこれほど使えない存在があろうか?
 まるで本物のリスのように、キャロは縮こまってプルプルと震えていた。


「ふふ、あっちの子リスもまあ可愛いもんだにゃ〜。実に素晴らしいッッ!!」

<マスター、さっきの連中がまた来るにょ>


 変態の愛機マタタビXが設定された美少女ボイスで告げるや否や、さきほど軽く攻撃をいなした六課隊員、なのは・フェイト・エリオが接近。
 人外の化生の如き鋭敏な戦闘感覚を持つ変態はこれを即座に察知し、その身を鮮やかに翻す。
 真っ赤なマントをはためかせ、ヘラクレスの如く鍛えぬいた筋骨隆々の五体で宙を舞った。
 同時に手にした魔法の杖、肉球のような先端のそれが魔法陣を描く。
 展開される術式が高度な魔法作用を引き起こし、魔力を消費し、プログラムを行使する。
 ミミ仮面が宙でその身を静止させた時には超高速処理された魔法は完了していた。


「やれやれ、ゆっくりお茶を飲む時間くらい欲しいもんだにゃ〜。ではバイバイにゃ〜」


 瞬間、爆ぜるように閃光。
 視界を奪う凄まじい光と爆音がその場にいる者全ての動きを殺す。
 ただ一人、技の行使者たる変態を除いては。


「く……また、逃げられた……」


 なのはが言葉と共に目を開いた時には、そこにはあの変態男の姿は影も形もなかった。
 相対した変態を取り逃がした回数はこれで三度目、エースオブエースにとっては大敗に等しい戦火である。
 なのはとてただ黙っていたわけではない。
 ミミ仮面が宙に舞う刹那、やつの動きを捕捉すべく誘導弾とチェーンバインドをフェイトと共に展開していた。
 だがあの変態はそれすら回避したらしい。
 桃色の魔力で形成されたチェーンバインドの先には、ただあの男の赤いマントの切れ端が虚しく風になびいている。
 こちらに死傷者はゼロ(ミミ・シッポ化ノーカウント)だが、若きエースの口中には苦い敗北の味が滲んだ。
 なのはは敵の消えた空を見上げ、口惜しげにその唇から言葉を搾り出す。


「ミミ仮面……次こそは……」

「ねえなのは、スバルがボール追っかけてずっと遊んでるんだけど、どうしよう?」

「次こそは捕まえてみせるんだから!」

「ねえ、ティアナがさっきから喉鳴らして寝転んでるんだけど」

「みてなさい! ミミ仮面!!」

「ねえ、シリアスに決めてもなんか虚しいよ?」

「……フェイトちゃん、人には時に現実を見たくない場合があるの」


 なのはは空を見上げ、そう虚しく呟いた。
 彼女の下では部下である少女達が一様に愛らしい姿を晒していた。


続く。
214ザ・シガー:2009/02/02(月) 18:51:11 ID:wfm3Sgy1
投下終了。
いやぁ、待ってくださっていた方々お待たせして申し訳ない。
中将だの鬼畜眼鏡だの、書きたいモノが多すぎて半年以上かかってしまいました。
しかし面白い変態ってのは書くの難しいねぇ。


そして、保管庫に補完されている分を少し修正しました。

第一話つhttp://toppg.to/up/img/WAR-OF-MIMI.txt
第二話つhttp://toppg.to/up/img/WAR-OF-MIMI-2.txt
第三話つhttp://toppg.to/up/img/WAR-OF-MIMI-3.txt
第四話つhttp://toppg.to/up/img/WAR-OF-MIMI-4.txt

司書様、どうか差し替えをお願いいたします。
215名無しさん@ピンキー:2009/02/02(月) 20:41:21 ID:xdarKkO+
なんという猫ア○クの侵食!
もっとやれw

あ、なのはさんの頭には耳よりも角の方が似あu(ry
216名無しさん@ピンキー:2009/02/02(月) 20:51:07 ID:qcq5/m54
>>214
GJ。
畜生、みんな可愛いじゃないか。
我が家にも欲しい(まて
これで残っているのはなのはとフェイトくらい・・・・・うぅん、どんなオチをつけるのか気になる。


>>215
つまり、
変態「食らえ、ミミ光線」
なの「にゃぁぁぁぁぁ、わたしもとうとうネコ耳にぃっ!?」
フェ「なのは、それはネコ耳じゃない!」
はや「牛角や!」

牛はどっちかというとフェイトのむ・・・わ、待てなにをあqwせdrftgyふじこlp;
217名無しさん@ピンキー:2009/02/02(月) 21:32:03 ID:6MrPaWwm
>>216
フェ「なのは、今こそ角隠しだよ、さあこれを被って早くお嫁さんに」
218名無しさん@ピンキー:2009/02/02(月) 22:03:38 ID:CSqsPCYP
>>192
エロにはまったく興味なくて、というかどこかで読んだようなワンパターンなエロが嫌いで、
ストーリーとしてちゃんと読めるのを楽しみにしてる人間だってここにいる。

ただ、グロがある場合は一応書いてほしい
219名無しさん@ピンキー:2009/02/02(月) 22:11:49 ID:IczBpZ/4
>>218
>エロにはまったく興味なくて
エロパロ板まで来ておいて、ここまではっきり言い切ったやつははじめて見た……
220名無しさん@ピンキー:2009/02/02(月) 22:21:42 ID:5eL83JOf
>>219
それだけここが異質だってのがよく分かる……
221名無しさん@ピンキー:2009/02/02(月) 22:23:25 ID:o5ue8kRy
口に出さないだけでそういう人も多そうだけどね>エロにはまったく興味なくて
222名無しさん@ピンキー:2009/02/02(月) 22:28:30 ID:mewOifig
「エロはおまけ いらないとは思わないがなくてもいい」な俺が通りますよ
223名無しさん@ピンキー:2009/02/02(月) 22:33:54 ID:IczBpZ/4
>>221
多くても構わないけれど、堂々と書かないだけの分別はあると思ってた
224名無しさん@ピンキー:2009/02/02(月) 22:36:28 ID:6MrPaWwm
>>というかどこかで読んだようなワンパターンなエロが嫌い

ちゃんとここまで読んであげようよ……
225名無しさん@ピンキー:2009/02/02(月) 22:38:08 ID:NV6IbSD9
エロパロ板でいうべき事じゃないよね
少し頭冷やそうか
226名無しさん@ピンキー:2009/02/02(月) 22:40:07 ID:Hp9LLEpo
こういう時こそエロいSSを望む。
誰か、流れを変えてくれ……
227名無しさん@ピンキー:2009/02/02(月) 22:40:29 ID:IczBpZ/4
>>224
エロなんてやってることは同じなんだから、ワンパターンになるに決まってるじゃんかよううううう
228名無しさん@ピンキー:2009/02/02(月) 22:42:37 ID:GYFEmMlR
GJ!!です。
変態……いい友達になれそうだ。
なのはには牛の角が生えてハリケーンミキサーをしてもらうしかないッ!!
229名無しさん@ピンキー:2009/02/02(月) 22:59:41 ID:6MrPaWwm
>>224
だったらバトルものだって、主人公が勝つに決まっているからワンパターン。

どう違う?
230名無しさん@ピンキー:2009/02/02(月) 23:00:00 ID:z4PqzVPn
>>180
GJ!!
王様親娘丼VSメカっ娘姉御膳(マテ の対決楽しみだが、どうなるかが非常に不安だ。
どちらとも無事ってわけには絶対にいかないだろうし。
ひとまずエリルー子は逃げて生き延びてええええええ。。。。。
231名無しさん@ピンキー:2009/02/02(月) 23:02:05 ID:CTVGetpI
>>218-224 >>229
お前さんたちその下らない話をこれ以上続けたい場合は他所いってくれ
本気で目障り
232名無しさん@ピンキー:2009/02/02(月) 23:05:12 ID:qcq5/m54
可能な限り頑張るから、それまで間を持たせよう。
トーレはお尻美人だが、他にもお尻が奇麗なキャラは誰だと思う?
233名無しさん@ピンキー:2009/02/02(月) 23:05:12 ID:TBfbM5Ol
おいおい>>205でそういった話は完全に終わりだと思ったのにまだやんのかおまいら
いい加減にしてくれよ
234名無しさん@ピンキー:2009/02/02(月) 23:11:54 ID:4sLYkwxt
>>232
ザフィーラ
235名無しさん@ピンキー:2009/02/02(月) 23:15:38 ID:Mo8q4CGU
確か犬の健康具合ってお尻が綺麗かどうかでもわかるんだっけ?
236名無しさん@ピンキー:2009/02/02(月) 23:20:50 ID:GYFEmMlR
アルフっていってよw
カリムなんかも、尻はよさそうだなぁ。
メッチャセクハラしたい。
237名無しさん@ピンキー:2009/02/02(月) 23:22:06 ID:jwq5vjy9
カリムの尻って、画面に出たっけ?
なんか、すっげー記憶が曖昧に……
シャマルさんの尻はけっこういいんじゃないだろうか?
238名無しさん@ピンキー:2009/02/02(月) 23:37:27 ID:mewOifig
シャッハ
239名無しさん@ピンキー:2009/02/02(月) 23:54:29 ID:cmWjsa2W
リーゼアリア&リーゼロッテ
240名無しさん@ピンキー:2009/02/03(火) 00:00:34 ID:Hp9LLEpo
このスレ的に考えて、フェイトがあがってないのは何故なんだ?>尻
ここでとっても活躍してるというのに。まあ、主に提督とか提督とか提督とかがセットでだけどw
241名無しさん@ピンキー:2009/02/03(火) 00:04:13 ID:RMJzYNV3
>>240
あれだ。使い込まれすぎて………あああ、金色の死神がっっっ!!!
242名無しさん@ピンキー:2009/02/03(火) 01:25:15 ID:DqHOvQrC
Q.フェイトがあがってないのは何故なんだ?

A.チン○要因の決定的な不足
243タピオカ:2009/02/03(火) 01:36:36 ID:d/A4bRax
お邪魔します


注意事項
・戦闘ものでドカーン!バキーン!ガシャーン!とやりたいのです
・エロいはずがない
・本編終了して約1年ぐらいたってます
・敵組織オリジナルキャラクターで纏めちゃったので大量に厨二病が香るオリジナルのキャラクターをお届けします
・あまつさえオリジナルのロストロギアまで拵える始末なので、酷い捏造をお約束します
244Name〜君の名は〜:2009/02/03(火) 01:37:18 ID:d/A4bRax
第八話「ご利用ありがとうございます」

地下四階。420とナンバーを打たれた一室のドアが静かに開かれた。
シグナム、アギト、そしてその先導をした深緑の猟犬だ。
調度品も設備もほとんどない殺風景なその部屋は、広々とした事があいまって薄気味い。

その一角にいくつものケースが立ち並ぶ。
黒塗りの電子と魔力の二重ロックがされたそのケースは…

「やはり、レプリカか…」

手際良くケースを開いたシグナムの沈んだ呟き。中には眠るように、起動を待つアギトのレプリカが横たわっていた。
シグナムとなりで、中空に浮くアギトの表情が険しくなっていく。
自分を模して造られた存在を再び目の当たりにして、複雑すぎる気分だった。

果たしてこのレプリカたちは何のために生まれてきたのか?
金のため、戦いのため―――きっと汚れた目的に造られたであろう命。
いや、そもそも起動すらしていない現状、このレプリカたちは命として扱われ得るのだろうか。

そんなレプリカたちの根源である事自体が、アギトにはやるせない。
アギト自身でさえ、生まれた目的を古代ベルカに置き去りにして現在を生きている。
アギトにとって、レプリカたちは自分の空虚さを改めてつきつけてくるのだ。

しかもそんなケースが後六つ、並んでいる。

「アギト、この階にいる他の者たちのサポートに行け」
「…え?」

次のケースを開く前、シグナムがアギトへ扉の方を指さす。
一寸、ポカンとなったが、すぐにその指示がレプリカの確認と確保から離れろという意味と悟る。
正直、アギトは自分に似せて造り出されたレプリカと向き合うのがつらい。
実験動物扱いされていたあの頃の、延長線である事実の結晶なのだ。

「だけど……あたしのレプリカなんだ…あたしが原因なんだから…きちんと仕事、しなきゃ……」
「…構わん。このレプリカの確認と確保に、戦力を裂く事もあるまい。お前が他の者たちを助けるのも、仕事だ」

アギトがうつむき、少しだけ考える間。
そして、

「わかった。あたしの……その、あたしの妹、頼むな」

失敗してしまったような顔で、渇いた笑いをシグナムに向けた。その中には、ここから離れられる安堵が滲んでいたのをシグナムは見逃さない。
ひゅるりと、アギトが逃げるように部屋から出ていった。
それに続いて、深緑の猟犬も。

「さて」

ひとりになり、一層広さを感じさせる部屋。
残りのアギト・レプリカが収まっているであろうケースにシグナムが手をかける。
ひとつ、ふたつ、みっつ、よっつ、いつつ、むっつ。
全て、アギトのレプリカだ。
眠れる妖精を見下ろし、シグナムも悲痛げに眉をしかめてしまう。
確認をとり、今一度全員へと電子と魔力の封印を施そうとロックに手をかければ、

「待て待て待て待て待てい!!!」

背後から大音声。小さいが、大きな声。
部屋に飛び込んできたのは、妖精。深い紫の瞳と、赤く燃え上がるような髪の……
245Name〜君の名は〜:2009/02/03(火) 01:37:58 ID:d/A4bRax
「融合騎!?」
「まさに! それがしはユニゾン・デバイスよ! レプリカではない! 古代ベルカ生粋のをぉ!」

一目で分かった。レプリカではない、本物の古代ベルカの融合騎。
男性型だ。まるで炎を形にしてできたようなそのユニゾン・デバイスは、小さな手足を一杯に伸ばしてシグナムへ静止を呼びかけるジェスチャー。
一目見て、シグナムが思った事はこうだ―――アギトに、似ている。

「そこな七騎は! それがしの妹とも言えるべき存在! 断じて! 断じて!! 断じて!!! 貴様らの毒牙にかけさせるものか!」
「待て、私たちにこのレプリカたちを悪く扱う気はない!」

頭に血が上った、アギトに似たユニゾン・デバイスは、問答無用に焔を生み出す。
小さな体が練り上げられたとは思えぬほどの炎は、弓を射る所作と共にシグナムへと襲いかかる。
2ケタを超える炎熱の矢は、実に正確にシグナムだけを狙ったものだが、レヴァンティンが矢と同数の軌跡を描けば、

「!?」

炎の矢が全て叩き斬られて中空に散って消えた。

「落ち着け。何者とて無暗に傷つける気はない。このレプリカたちとてな」

レヴァンティンを鞘に納め、その意思を明確に表すシグナムに対して、ユニゾン・デバイスは愕然と唇をわななかせているだけだった。
最初、炎を叩き落とされた事に衝撃を受けていると思ったシグナムだが、少し、違うようだ。

「?」
「貴様は……い、いや、貴殿はその剣をどこで手に入れた?」
「生まれた時から持っている……としか言いようがないな。それよりも私はお前の事が聞きたい。古代ベルカの融合騎と言うのは本当か?」
「………」
「おい」

レヴァンティンと、シグナムを交互に見つめ、驚愕と困惑をないまぜにしたままユニゾン・デバイスはしばらく言葉もなかった。
訝しげに返事を促すシグナムの言葉さえ聞こえぬ様子で、しばらくフリーズしていたのだが、意を決したように瞳を上げた。
真っ直ぐな紫色の瞳。

「それがしに、名は御座いませぬ。仲間よりは、イフリートと呼称されております。是非……是非! 貴殿の名をお聞かせ願いたい」

完璧な古代ベルカの作法を以て、そのユニゾン・デバイスがシグナムへと礼を施す。
明らかに、態度が一変していた。シグナムに対する敬意がありありと伝わってくるのだ。

「シグナム。お前の仲間が犯した一連の違法行為を取り締まりに来た」
「シグナム……シグナム…!! シグナム?! シグナムですと!!?」
「そうだ」

実に無防備に、イフリートがシグナムへと飛翔し……ひざまづく。
戦線とも言えるこの場所、無防備すぎるその接近にシグナムも毒気を抜かれてしまった。
あまつさえ、服従のポーズさえとられればもはや訳が分からない。

「何のつもりだ?」
「シグナム様! それがしは! 融合騎で御座る!」
「?」
「あいや、当惑なされるお気持ちは無理なからぬ事とは思いますが、お聞き下され! それがしは、アギトなる古代ベルカの騎士と共に戦うため生まれた融合騎であります!」
「アギトだと!?」
「古代ベルカの時代、騎士アギトが融合事故で無念にも死、それがしは封印され申した……現代において、この施設の一派により封印を解除してもらい、協力しておりましたが、どうか! どうか! シグナム様! 貴殿の傘下に加えて頂きたい!!!」
「……な、なに…?」

油断させる虚言。
時間稼ぎのための演技。
246Name〜君の名は〜:2009/02/03(火) 01:39:03 ID:d/A4bRax
そんな小細工には、見えなかった。
誠心誠意を込めて、イフリートなるこのユニゾン・デバイスはシグナムにひざまづいているのが分かる。
言葉にも、欺くような色が感じられない。
突拍子もない話だが、しかしシグナムには心のどこかで何故か信用に足る気がした。

問題は、シグナム自身がこの話についていくので精いっぱいである事。
―――だから、部屋の外、隠れるようにシグナムとイフリートの会話を聞く相棒の気配さえ感じ取り逃す。

「シグナム様、そのアギトという騎士は貴殿の基となった人物に相違御座いませぬ。故、それがしが主と仰げるのは、間違いなく貴殿で御座る!!」
「基となった人物だと…?」
「左様。存じませなんだか?」
「私は、私の生まれについて覚えていない。確かに、私は造られた人格プログラムだが…・…なぜ騎士アギトをモデルにしたと断言できる?」
「騎士アギトは自分が死んだ時の代わりを用意する、という話をお聞きいたしました。そして、そのシグナムという名とレヴァンティンで御座る。
シグナム様、そのレヴァンティンこそ、騎士アギトが用いていた一振り! そして、今しがたの太刀筋! 見紛う事無く、騎士アギトの技で御座った…!!」

見上げてくる紫の瞳は、薄く涙さえ滲んでいる。
イフリートの言葉を鵜呑みにするわけにはいかない、という思い。
イフリートは誠である、という思い。
そして、己の出自に対して初めてと言えるような有力な情報にシグナムは揺れた。

主君の面影と出会えた事への喜びを隠せぬイフリートは、今一度頭を伏せる。

「さらに詳しい話もいたします! この施設の一派に付いていた故、厳罰も辞さぬ覚悟で御座る!! どうか! どうか!! シグナム様、それがしの忠誠をお受けくだされぃ!!」

頭を床にこすりつけんばかりにひれ伏すイフリートを見下ろしながら、シグナムの頭は「アギト」という言葉一色に染まっていた。
アギト。
己の相棒の名。
いや、アギトに名はない。便宜上、アギトと名乗っているだけなのだ。
その「アギト」の、源はもしかすれば……

「イフリート」
「はッ!」
「その……アギトという騎士に関係する融合騎は、お前だけか?」
「……もうひとり、存在します」

アギトであると、すでに確信に近い物がシグナムによぎる。

「それがしの姉に相当し、それがしが飛炎と矢を併せるのに対して剣に炎を付与するに長けて造られた融合騎に御座います」

そこで、イフリートの声調が落ちた。暗く、冷たく。
限りない憎悪と怨念をこめた声。

「その融合騎こそ、無茶なユニゾンを行い融合事故を起こしては騎士アギトの命を奪った張本人! それが故、同型のそれがしまでも封印された顛末に御座います!」
「…烈火の剣精…」
「ご存じなのですか!?」

眼を見開いて顔を上げるイフリートだが、それでも折り目正しい行儀良さは崩れない。
シグナムがその真っ直ぐな紫の瞳から目をそらす。
そらしてしまう。
アギトの事を、話してしまってよいものか?
イフリートの話は本当か?
そもそも、詳しい話はこの場所から離れてからではないか?

冷静沈着で果敢な即決が持ち味のシグナムさえも、この場面にしばし悩んでしまった。
考える事に集中しすぎてしまったのだ。本来ならば敵であるイフリートを前に、本来のシグナムからすれば有り得ない姿である。
それだけ、事が動揺するに足りた。

「イフリート、詳しい話は、後にしよう。今は…ひとまず拘束させてもらう。構わんか?」
「はッ! この身、如何様にでも…しかし、シグナム様、どうか! どうか!! それがしの命、貴殿に預けさせてくだされ…!!」
「……その話も、後にしよう」
247Name〜君の名は〜:2009/02/03(火) 01:39:37 ID:d/A4bRax
本当に、その身を捧げるような無抵抗のイフリートである。
これならばそう得手ではないバインドだが、シグナムでも十分に束縛できるだろう。
炎のバインドを仕掛けようとして、ふと、シグナムが疑問をひとつ、差し挟む。

「イフリート…お前たちに、なぜ名がない―――!?」

言葉の途中、シグナムの感性が部屋の外にいた何者かの動揺を捉える。
呼吸。気配。意思。ありありと、息をひそめていた者の心の乱れが届いた。
それは、イフリートも感じ取れたようだ。

「シ、シグ…ナム…」

アギトだった。イフリートの炎の気配に、戻ってきたのだ。
亡霊のように宙空を滑って部屋に入ってくるが、たたずむその姿はいつもの活力に漲ったアギトとは似ても似つかない。
憔悴してるようにさえ見える混乱の最中、シグナムを見つめながらどこにも焦点結んでいない瞳が揺れ動く。

「あたしは…あたしって……シグナム…あたしが…」
「きさ…ま…」

頭抱えて、必死で自分の存在を掌の感触で確かめるアギトを認めて、イフリートが呻く。

「生きていたのか……貴様…!! 貴様ぁ!!!」

ふつふつと、沸騰する水のように怒りをあらわにし始めるイフリートの周囲、また炎が生まれた。
一呼吸ごとにいくつもの紅蓮が浮かびあがれば、弓を射る所作と共にそれがアギトに襲いかかる。

「待てイフリート!」

呆然自失のアギトはもはや的だ。まばたきひとつする間に炎に射抜かれ、穴だらけの火達磨になるの幻視さえ見えてしまう。
しかし神速の抜刀と踏み込みを誇るシグナムの抜き打ちが炎の矢を全て叩き斬る。
アギトを背にかばう形で、またレヴァティンを鞘に納めた。危害を加えるつもりがないから危害を加えないでくれ、そう言いたいのだ。

「シグナム様! 何故でかばうのですか!? そやつです!! そやつこそ、マイスターもロードも殺した張本人! 融合事故を起こし、全て燃やした!!」
「落ち着いてくれ、イフリート! アギトは何も覚えていないんだ!」
「…ア…ギ…ト…?」

横目でちらりとかばったアギトを見たが、凍える寒さの中にいるように歯の根があわずに怯えている。
震えている。
今、アギトは恐怖と不安に塗りつぶされていた。
ルーテシアとゼストに助け出されるよりも以前、名前がなかった頃に毎夜心臓を鷲掴んできた恐怖と不安と空虚さ。

自分は誰だ?
自分は何だ?
問いかけても問いかけても思い出がぽっかりと欠落したアギトは、ルーテシアから名をプレゼントされるまでいつも傍らにこの負の念と一緒にいた。
もう何年も仲間の温かさと一緒にいて、忘れ去ってしまったその黒い重みが、またのしかかる。

いや、あの頃よりもさらに重く重くなっていた。
イフリートの言葉を「嘘だ」と突っぱねる事が出来ず、少しだけ空虚さが埋まり、より深く暗い恐怖と不安が絡みついているのが良く分かるからだ。
なぜ?
理由は、シグナムとのユニゾンを経験したからだ。
イフリートの言葉に確さがある事を、忘れている記憶がアギトの心に訴えかけてくる。

―――なぜだろうな、アギト……お前との融合は、不思議と心が温かい

―――なんでもねぇ…なんでもねぇよ…!

あの時、最初のユニゾンで流した涙は、

「あ」
248Name〜君の名は〜:2009/02/03(火) 01:40:30 ID:d/A4bRax
君主と出会えた歓喜ではなくて、

「ああ」

イフリートの言うとおり、

「あああ」

ロードを融合事故で殺した事を、

「ああああ」

思い出した涙。

「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」
「アギト! 落ちつけ! アギト!」

半狂乱に取り乱すアギトに触れるが、壊れかけのようにアギトの錯乱は収まらない。
そして、その様子にイフリートも穏やかならざる様子だった。

「アギト……? シグナム様、アギトとは…アギトとはそいつの事で御座いますか?」
「……烈火の剣精は、記憶を失っている。便宜の上、記憶にひっかかったアギトと名乗っている」
「アギ…ト」

ぴたりと、その瞬間だけイフリートは赫怒も忘れて子供のように何も考えられなくなる。
そして、一拍の間を置けば一瞬以前よりも遥かに巨大な憤りが噴火するのだ。

「ふざけるな!! ロードを憑き殺し、あまつさえその名を称するだとぉ!? 貴様には…貴様にだけは名が……」

真っ直ぐな殺意を乗せた怒号に、あのアギトが泣き出しそうな顔で震えた。
まるで赤子だ。

「アギトは…烈火の剣精は覚えていないのだ。頼む、今は怒りを収めてくれ」
「シグナム様…! そやつは…しかしそやつは騎士アギトを……! 騎士アギトとマイスターの仇…」

そんな真っ赤な怒りの中であれ、イフリートのシグナムへの敬意は変わらない。
だからアギトへの攻撃も躊躇してしまっている。それだけで強い自制心が理解できる。大した忠義者だ。
そして、イフリートまでも泣きだしてしまいそうなほど、どうしようもない顔で震え始めた。

「それがしは……それがしは烈火の剣精を許せませぬ!!」

まるでその悲痛な叫びが引き金になったかのよう。
爆音とともに天井が砕けてがれきが落ちてくる。上の階の部屋の床が爆散でもしたような惨状だ。

「「「!?」」」

流石に、虚を突かれたシグナムだがレヴァンティンが鞘走れば落ちてくる天井を切り裂いた。

「な、なんだこれは!? しまった……待て、イフリート!」

だが、その隙間、逃げるようにイフリートが飛んで行ってしまった。追うか、否かの判断はすぐに決まった。
追える状況ではない。
肌に痛い鬼気が上方から降り注ぐのだ。
シグナムが顔を上げれば、そこには黒い人の形をした影。ひびの入ったジュエルシード3つから成る思念体≠ェ中空をたたずむ。
すぐ近くにティアナの姿も認めたが、シグナムの目が氷の鋭さを帯び、心臓がひとつ脈打つより速く臨戦態勢に入る。
刹那の間に、ユニゾンなしに相手出来ないと悟ったのだ。
249Name〜君の名は〜:2009/02/03(火) 01:41:07 ID:d/A4bRax
「アギト!」
「あ…」
「アギト! 今は目の前の事に集中しろ! お前の過去の話は後だ!!」
「あ、あぁ…!」

呆然。愕然。それまで我を失っていたアギトがえらくおどおどとした様子で、シグナムへと飛んだ。

「「ユニゾン・イン!!」」

炎の翼がシグナムの背に花開く。
しかし、当のシグナムは違和感ある表情である。

「アギト…心を乱すな!」
『わぁってる…! わかってるけど…』
「ティアナ、外まで逃げろ! これが暴れては研究所が潰れかねん!」
「りょ、了解です!」

アンカーショット即座に離脱するティアナと思念体≠フ距離を目算で図りながら慎重にシグナムはレヴァンティンを構えた。

「これもジュエルシードの暴走か…? ひびまで入っているとは」
<ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴリリリリリリリリリリリリ>

黒い影が人の形をしたような思念体≠ェ大きく手を広げた。
人語のような奇妙な発音と共に、じわりと蒼い波動が滲む。
デアボリック・エミッションと似たエネルギーの拡散にシグナムが踏み込んだ。

<ゴリヨゴリゴリヨゴリゴリヨゴリゴリヨゴリゴリヨ>

本能的に動いているように、黒い影が両手を交差、レヴァンティンを受け止めた。
ぞぶり、と飲み込まれる刀身に奇妙な手ごたえ。
肉や骨のような物理的なな感触ではないが、剛い圧力―――切断しきれない!

<ゴリヨウアリガアリガアリガアリガアリガアリガ>
「クッ?!」

蒼い波動の衝撃がシグナムをはじき飛ばした。
でたらめなパワーだ。球状に広がる蒼い波動は、さらに研究施設を一段粉砕してしまう。
地下にある施設の事である、このままでは崩れかねない。

黒い影の、顔面に相当する場所が少しうつむく。いや、シグナムを見下ろしたのだ。
つるりと無機質だが、しかし肌を刺すすような迫力がシグナムに集中する。
敵だ、と認識でもされたか。
少なくとも、攻撃の対象にされたらしい。

<ゴリヨウゴリヨウゴリヨウアリガアリガアリガアリガアリガゴザイゴザイゴザイゴザイマスマスマス。コチラジュエルシイイイイイイイイイド>

蒼い波動がシグナムへと迸る。



ホールじみて大きな研究室にをくぐり、そこで見たのは暴れ狂う赤い竜巻だった。
駆け抜けようとする深緑の猟犬を全て叩きつぶし、その竜巻はやむ。

一匹の、猿だった。

「お、こりゃまた美人が来たもんだ。わんこを叩きつぶすのにもうんざりしてきたところだ、あんた名前は?」
「フェイト・T・ハラオウン」

赤い衣に、虎柄のの腰巻、額に輪を締め、真紅の棒。
その猿へと油断なくバルディッシュを構えて、フェイトは彼を使い魔であるとはっきり理解する。
250Name〜君の名は〜:2009/02/03(火) 01:41:40 ID:d/A4bRax
「時空管理局です。大人しく 「あー、説得ならやめとけ。どんだけ邪魔されようと、止まらねぇよ、俺らは」

フェイトの勧告を遮って、猿は苦笑交じりに突っぱねた。
肩を棒でトン、トン、と叩けば鼻を鳴らす。

「あなたは使い魔ですね?」
「おうよ、ゲンジョーっておっさんに拾われてな。ゴクーって名前だ。よろしく」
「それではゲンジョーと言う人物が、犯罪を行っているのを承知で手を貸しているのですね?」
「まさしく」

主人を慕い、法の一線を超える事も使い魔にはままある事だ。
アルフ、リーゼ姉妹……いや、そもそもフェイト自身、プレシアのために違法行為に手を染めた。
前例と切羽詰まっている現状を考えれば、説得は難しいだろう。自然、残念な思いが溜息となってこぼれる。

「……少し、強引にいかせてもらいます」
「いいねぇ、さっぱりした姉ちゃんだ」

バルディッシュのヘッドが持ち上がる。光が鎌を形作る。
ゴクーが棒を構える。心得があるのだろう。その構えは脱力と緊張が調和した美しいものだ。

どちらともなく、踏み込んだ。
赤い竜巻と、優しい金色が絡み合った。澄みきった武器と武器がぶつかる音が、ふたりの動きに遅れて聞こえてくる。
数度の打ち合いで、ゴクーが動き回りながら戦慄する。

「は、速ぇ!?」

強く打った反動で、間合いを取ろうとするが稲妻が閃くように引いた場所にフェイトが現れる。
野性そのものの機敏な動きでゴクーは幾筋もの鎌の軌跡をひらり、ひらりとかわすが余裕はない。
すぐに、フェイトの攻撃する回数がゴクーのそれを上回る。

「ウッキーーーー!!」

ゴクーが顔に冷や汗流しながら、大振りに棒を突き出した。
遠い。もう二歩の距離で、届かな―――

「!?」

フェイトの赤い瞳が冷静に図ったゴクーとの間合いが、乱れる。
伸びたのだ、棒が。
バルディッシュの柄でとっさに受け止め、痺れる感触を掌に受けながら退いた。

「クソッ! 切り札だったのによ、出し惜しみ出来ねぇもんだな」
「伸縮自在…厄介だ」
「如意金箍棒! さぁてそっちもさっさと本気ぃ出しちまいな!」

威嚇するように床を棒で叩けば、ニヤリとゴクーが笑う。
それもいいかもしれないとフェイトはゴクーの言葉を素直に受け止める。
真・ソニックフォーム。
真・ソニックフォームを用いたフェイトの強さを「10」とすればゴクーなど「5」に及ばない。

しかし、ともフェイトは考える。
ソニックフォームは10年の昔から高速機動により1対1においてほぼ無敵を実現し得るが、乱戦や団体戦、突き詰めると多数での戦闘に向かない。
全てをスピードに費やした装甲の薄さは、つまるところは諸刃の剣。
例えばの話、「3」の強さを持つひとりを相手にして、「1」の強さを持つふたりが組んで戦えばふたりに勝機はある。
人数というものは、それだけで強さだ。
どこに敵が潜んでいるか分からぬ敵のアジトでの単独行動。
JS事件最終局面の、敵の勘定がほぼ済んだ上での真・ソニックフォームの速戦ならば分かる。
しかし、現在は敵の全容を把握しきっていないアウェイ。
いかな超速を以ても、不意打ちのひとつでフェイトは落ち得るのだ。
251Name〜君の名は〜:2009/02/03(火) 01:42:10 ID:d/A4bRax
(やはり真・ソニックフォームは駄目だ)

故に、フェイトはここでインパルスフォームを解く事はなくバルディッシュを構えなおす。
ゆぅらり、ゴクーが前傾になっていき、溢れる闘志を抑えられなくなっていく。

カッと、ふたりの眼光がやおら荒々しさを増し、

「待ちなさいゴクー君」

硬い声が遮った。
大型のこの研究室へ繋がる通路はひとつではない。フェイトがくぐった道筋ではないところから、くたびれた金髪が現れたのだ。
インビジブルマン―――トライア・N・グールハート。
アリシア・テスタロッサの、父だ。

「トライア・N・グールハート…さん…」
「………はじめまして、インビジブルマンです」

戦場に似つかわしくない、なんとも形容しがたい空気が流れた。
インビジブルマンは、フェイトを眩しい物でも見るようにしばし眺めてから、ゴクーを手で促す。

「ゴクー君はあの緑の犬の方をお願いします。このままだと、最下層まで行かれちゃいます」
「あー、そりゃ有難ぇ、俺じゃ、この姉ちゃんに勝てねぇ。任せるぜ、大将」

恐ろしい相手から離れられる事実に、ゴクーの獣性が心底安堵する。
そして、赤い猿はインビジブルマンが来た道辿って消えていくのだ。それを追えず、目だけで追ってフェイトはその表情を厳しくする。

すぐに、ふたりきりになった。
ふたりで言葉を交わしたい、とインビジブルマンが思っていた事は明白だ。

「僕を、恨んでおいででしょう」

最初に口を開いたのは、インビジブルマンだった。

「なぜ?」
「プレシアを、ひとりにさせてしまいました……」
「……見つける事が、できなかったのでしょう?」
「はい…アリシアの悲報を耳にして、私が彼女に会うよりも……彼女がスカリエッティの研究に手を出す方が早かった……」
「……」
「全部、僕のせいなんです…もう少し早く、彼女の所に行っていれば……」

泣いていた。
インビジブルマンの両の眼から、涙が溢れている。嘘偽りなく、魂きしむほどの悲しみをフェイトに晒しているのだ。
幾星霜も経た今でも、この男はプレシアとアリシアを想って後悔に沈みながら悼んでいる。
フェイトに怒りとも悲しみともつかぬ、扱い切れぬ感情が湧いた。

「恨んでは、いません。むしろ、あなたがいなければ私も生まれなかった…感謝の思いもあります。でも…でも、そんなあなたが、なぜカウンターから離れたんです?」
「カウンター…?」
「カウンター・F・アリシア……タイプFサード……あなたが、育てたのでしょう?」
「!?」

電撃にでも撃たれたかのように、インビジブルマンの体が強張る。
その瞳は、決定的な失敗をした事を理解した者のそれだ。

「管理局にいるのですか、あの子は!? いや、それはどうでもいい…カウンター・F・アリシア……カウンター・F・アリシアと名乗っているのですか、あの子は」
「…はい。どうか、武装を解除して投降してください。そして、カウンターに会ってください」
「………は、はは…カウンター・F・アリシア………そうですか……アリシア、と…」

いったい如何な衝撃を受けたのだろう。
フェイトさえ見えていないように、インビジブルマンは何度も何度もその名前を繰り返す。
やがて、痛みに耐えるような面持が上がった。
252Name〜君の名は〜:2009/02/03(火) 01:42:42 ID:d/A4bRax
「この子はアリシアではない、と思って育てたつもりだったんです」
「当然です。アリシアでは、ないんですから」
「そうです。そうなのに、きっと僕はアリシアを重ねていたんでしょう……あの子に一度、プリシアとアリシアの事を話しました。それから、あの子はアリシアの代わりになろうと、思ったのかなぁ……Counterfeit Aliciaか…」
「……まだ遅くありません。どうか、あの子と一緒にいてあげてください」
「もう少しだけ。逃げさせてもらいます。やらなければいけない事があるんです。それが終われば、自首しますよ…」

くたびれた老人のようだった。望みはあるが、それは正の感情から生まれたものではないのが良く分かる。
カウンタ−の事をの除いて、怨念のような負の感情でこの男は動いている。

「話を、聞かせてくれませんか? 管理局は…きっと力になれるように努力します」

だから、フェイトは親友の言葉をなぞるのだ。

「…いいえ、僕たちの目的を管理局は許してはいけないんです。お話は、できません」
「カウンターはどうなるんです。今ならまだ間に合います。カウンターと会う時間を多くできる措置が、きっとできます!」
「あの子には、十分一級の技を教えました……私なんかいなくても、大丈夫ですよ」
「駄目です! 駄目なんです、それじゃ!」

フェイトの叫びは、興奮ぎみだった。インビジブルマンの思考が、母と呼んだ人のものときっと同質だと感じたから。
今ならば分かる。
プレシアがリニスを宛がってまで、自分の魔導を磨いてくれた真意が。
プレシアは、贈ってくれたのだ。自分が滅びた後に続く遺産を、リニスを通して。
ただ、心だけは、心だけはアリシアに全て捧げたプレシアだから。だから、心技体のふたつだけ。

―――力と心。心だけは、アリシアに……

だから、力を。

今ならば、間に合う。インビジブルマンとカウンターは、まだ、間に合う。

「もう、いいんです……」

しかし、インビジブルマンは首を縦に振らなかった。

「良くなんか、絶対にない!!」

昂った感情のまま、掴みかからんばかりにフェイトが飛び出そうとして、

「「!?」」
253Name〜君の名は〜:2009/02/03(火) 01:48:20 ID:d/A4bRax
大きな地響きに施設が揺れた。
巨大な魔力も感じられる。上の階層からだ。思わず天井を見上げてしまう。ぱらぱらと、埃や小さな破片が落ちてくる。

「ジュエルシード…」
「まさか暴走!?」

インビジブルマンの呟きをフェイトは聞き逃さない。
かつて海中のジュエルシードを無理に目覚めさせた時よりも大きなエネルギーの放出を感じる。

また、揺れた。絶対に、施設のどこかが粉砕されたと確信できる大きな響き。

「いけない…このままじゃ」
「あ!」

不吉な予感と共に、また轟音が聞こえた。いや、聞こえたなどという問題ではない。
天井が崩れた。
分厚い床を抜いて、豪快に上の階層が落ちてくる。
その一瞬、目をつむったフェイトは次に開いた瞳からインビジブルマンを逃してしまっている。

「トライアさん…」

唇を噛みながら、落ちてくる瓦礫を避け、叩いていればなんとシグナムまで落ちてくる。
しかもユニゾン済みだ。それでこれだけやられるとは、いったいどれほどの攻撃を受けたのだ。

「シグナム!?」
「テスタロッサか、気を引き締めろ……あれは一筋縄ではいかんぞ」

見上げれば、それはいた。
人の形をした黒い影。ひびの入ったジュエルシードが3つ、顔面に相当する部分をたゆたう思念体=B

<ゴリヨウゴリヨウゴリヨウアリアリアリアリアリトトトトトトトゴゴゴゴゴゴゴザザザザザイイイイイイマママママママススススススス>

シグナムに続き、フェイトにも照準を合わせるように高らかにバグった音声をまき散らす。
ふざけた様子なのに、その威圧感は間違いなくロストロギアの脅威だ。
フェイトがシグナムと並んだ。

「バルディッシュ!」
<Yes, sir>

金色が閃く。バリアジャケットが優しくほどけたと思えば、真のソニックフォームをその身に包んだフェイトが光の剣の切っ先を持ち上げた。
254タピオカ:2009/02/03(火) 01:48:51 ID:d/A4bRax
お邪魔しました
255B・A:2009/02/03(火) 02:52:19 ID:05InTYlt
エロが完成しました。
フェイトのエロが思い浮かばなくて、気づけばアルフのエロが生まれました。



注意事項
・エロです
・アルフが痴漢にあいます
・本番までいきます
・構成の都合上、カプは伏せます
256B・A:2009/02/03(火) 02:55:33 ID:05InTYlt
注意事項追加
・タイトル「使い魔は満員電車で痴漢に・・・」
257使い魔は満員電車で痴漢に・・・@:2009/02/03(火) 02:55:57 ID:05InTYlt
不意に感じた違和感に、アルフは眉を顰めた。
その日、アルフは野暮用で人間形態のまま外出し、人生(狼生?)で初めて電車を利用していた。
車内は非常に込み合っていて、その大半がスーツ姿のサラリーマンだった。
アルフが車内に現れた直後こそ、扇情的なうなじやはち切れそうな乳房に目を奪われた彼らだったが、
やがてはあらぬ疑いをかけられるのを恐れて彼女から目を反らすようになっていた。
そんな中、何者かが彼女の胸に野太い腕を伸ばしてきたのである。

(・・・痴漢?)

不躾な手に顔を顰めながら、アルフは大声を上げようと口を開ける。
刹那、背後からもう1本の腕が伸びて、息を吸おうとしたアルフの口へと指を突っ込んだ。
そのまま舌を押さえつけられ、声にならない嗚咽が小さく漏れる。

(こ、こいつ・・・・・・・)

手慣れた手つきに驚きながらも、アルフは男の拘束を解こうともがく。
しかし、周囲の迷惑を考えて本気を出せないでいるアルフよりも男の方が力は上であった。
走行する電車に揺られながら、アルフは成す術もなく痴漢の手で乳房を蹂躙されていく。
吸いつく様な弾力を弄び、その先端の乳首を指先でコリコリと弄り回す。
ブラジャーなどという上等なものはつけていないアルフは、痴漢の指の感触を直に感じてしまい、
不快感と羞恥で顔を真っ赤にしながら身を捩った。
それが痴漢を楽しませているのか、更に愛撫の手は執拗を帯びてくる。
電車が揺れる度に重量感のあるアルフの乳房はぷるんと震え、跳ね回るボールを押さえつけるように
痴漢の手の平が握り潰そうとするのだ。そんな愛撫を繰り返されるうちに、アルフの乳房は張り詰め熱を持ち硬くなっていく。
自分の意思に反して欲情を始めた体に、アルフは戸惑いを隠せなかった。

(ど、どうして・・・・・・こ、こいつ・・・・・うまい・・・・・・・・)

アルフは自分の頬や首筋が熱くなってくるのを感じた。
外は零度に近い寒さだったが、彼女が今いる場所はむっとする不快な熱気が充満している。
狭い車内に大勢の人間が押し込められているからだ。そんな状態で女のツボを刺激されれば、
頬が火照ってジンワリと汗が滲みだしてくる。すると今度は、股間が無性に切なくなった。
さっきから、愛撫は乳房だけに留められている。左手で口を塞いでいるのだから、それも無理なかったが、
疼きだした女の芯は下腹部を押し分ける強い刺激を欲していた。
気がつくと、アルフは痴漢に訴えかけるように舌を口の中の指に絡ませていた。

(あたし、どうして・・・・・・・)

アイスキャンディーを舐めるように、丹念に指を舐め回す。
すると痴漢にこちらの意思が伝わったのか、乳房への刺激を止めてイモ虫が這いずるように股間の食い込みへと指が伸びていく。
タイトなパンツをギュッと持ち上げられ、アルフはビクンと身を竦ませた。
ローライズであるため、その食い込みはきつく股が裂けてしまうかのようだ。しかし、シューツの裏には愛液の染みができ始めていて、
パンツ越しにもそれがハッキリと実感できる。痴漢はその反応に満足したのか、今度は一点してアルフの股間を
優しく撫でまわし始めた。焦らすような緩やかな刺激にアルフは甘ったるい喘ぎ声を洩らし、挑発するように腰を振ってしまう。
こんなものでは足りない。もっと激しく、太いもので抉って欲しい。
高まる欲求は彼女から思考の力を奪い、脳髄を桃色に染めていく。

(だめ・・・・・なにも、かんがえ・・・・・ああ・・・ああ・・うん・・・・ああん・・・・)

いつの間にか左手が口から抜かれていたが、アルフはそれに気づかず背後の痴漢へと自身の尻を擦りつけた。
臀部越しに伝わる痴漢の肉棒は固く、まるで鉄のようだ。ズボン越しにも脈打っているのがわかり、
女の胎内で爆ぜる瞬間を今か今かと心待ちにしている。
258使い魔は満員電車で痴漢に・・・A:2009/02/03(火) 02:56:39 ID:05InTYlt
(だ、だめ・・・・・あんなの・・・・入れられたら・・・・・・ううんん!!)

ホックが外され、ショーツごとパンツがずり下ろされる。
熱気に晒された白い臀部は、水面のようにプルプルと震えていた。
痴漢は充血した臀部をゆっくりと押し広げながら、濡れそぼった秘所へと指を挿入させていく。
アルフの肉唇は、主の意思を代弁しているかのようにねっとりと蜜を湛え、痴漢の指を受け入れて ひくひくと蠢動していた。
痴漢はそのまま膣を弄ぶ指の数を2本、3本と増やしていき、アルフの急所を掻き回すように嬲っていく。
そして、もう片方の手は再び乳房へと舞い戻り、固く勃起した乳首を捻り上げてきた

「ひぃっ・・・・・」

アルフの顎が跳ね上がり、思わず声が出そうになる。
最早、自力で立っていることもできず、アルフは痴漢の指で持ち上げられている状態だった。
辛うじて電車のドアに手を添えることはできたが、それは丁度、痴漢に尻を突き出す姿勢であった。

(く、くる・・・・)

本能的に察し、身構える。
直後、膣から指が引き抜かれ、代わりに熱い肉の棒が挿入された。
痴漢の指によって、尻のすぼまりにまでこってりと塗り伸ばされた愛液が潤滑剤となって、
何の抵抗もなくアルフのの肉壁を押し広げ、膣の奥深くにまで侵入する。

(あぁっ・・・・・・ふ、太い・・・・・・・し、子宮が・・・持ち上がって・・・・・・・)

恐怖なのか期待なのかわからぬ震えが全身を駆ける。
痴漢は遠慮などせず、自慰でもするかのように激しく腰を打ちつけてくる。
その先端の形状をハッキリと感じ取りながら、アルフは崩れそうになる体のバランスを必死で保ち続けた。

「う・・・はぁっ・・・・」

押し殺していた声が漏れる。
周囲に気づかれてしまったのではと視線を彷徨わせるが、誰もこちらに注意を払う者はいなかった。
自分の周りだけが、完全な視界になっているかのように乗客の認識の外へと追いやられている。

「くぅ・・・・っは・・・・んあ・・・・!」

とうとう堪え切れなくなり、アルフの嬌声は時とともに大きくなっていった。
首筋にかかる痴漢の生温い吐息が劣情を駆りたて、不規則な電車の揺れが痴漢の腰使いに
独特なリズムを生み出していく。零れ落ちる愛液の音すら、アルフには聞こえていた。

「ひ・・・ひあっ・・・・」

窓ガラスに乳房が押し付けられ、奇妙な形に歪む。
そのままアルフはいやらしく腰をうねらせ、立ち込める熱気と甘く芳しい汗の匂いに
酔いながら痴漢の腰のリズムに合わせていく。そして、両者の快感が最も高まった瞬間を見計らい、
痴漢はアルフの腰をがっちりと押さえつけて 熱い奔流を膣の奥へと叩きつけた。
259使い魔は満員電車で痴漢に・・・B:2009/02/03(火) 02:57:10 ID:05InTYlt
(うううんん・・・・・あ、あたし・・・・・今、イッた・・・・・・・)

痴漢は絶頂の余波で力の抜けたアルフを支えると、肉棒を引き抜いてそのままショーツとパンツを元の状態に戻した。
膣に吐き出された精液が逆流し、ショーツを汚して食い込みから漏れ出ていくのが何とも扇情的であった。
やがて、電車は駅に到着し、ガスが抜けるような音とともに扉が開いて乗客達が下車していく。

「降りるんだ」

そこで初めて、痴漢は言葉を発した。
どこか無遠慮な声の調子に、アルフは緊張を解いて苦笑する。

「あいよ、ザフィーラ」

ザフィーラに手を取られ、アルフはホームに降りて周囲に人がいないことを確認し、
パンツの汚れを確認する。股間部分に大きな染みができていて、まるでお漏らしをしてしまったかのようになっていた。

「まったく、遠慮なく膣に射精すんだから」

「す、すまん・・・・・その、やり過ぎた・・・・・」

「まあ、あたしも悪ノリしちゃったしね」

そう言って、アルフは気まずそうに後頭部をかく。
痴漢プレイをしてみたい。
アルフがそんな望みを口にしたのが、そもそもの原因であった。
そのため、ザフィーラはずっと声を出さず痴漢役に徹していたのである。

「それにしても、あんた随分と手慣れていたね。経験者?」

「馬鹿なことを言うな。たまたま素質があっただけだろう」

「いや、そんな素質いらないって」

前世が痴漢だったんじゃないだろうか、この守護獣。

「で、次はどうする?」

「そうだねぇ・・・・・・・・・次は、バスなんてどうだい?」

駅前のバス停に停車したバスを見て、アルフは言う。
獣達の戯れは、続く。



                                                                おわり
260B・A:2009/02/03(火) 02:57:46 ID:05InTYlt
以上です。
うん、痴漢者ザフィーラ。
わかる人にはわかる。
後悔はしていない。
261名無しさん@ピンキー:2009/02/03(火) 03:06:30 ID:gDhNC356
>>260
ちょww中の人wwwありそうでなかったザフィーラGJです!!
262名無しさん@ピンキー:2009/02/03(火) 03:52:38 ID:poIwkGnM
中の人出てるのか…
なんで、あの人は裏名義を使わないのかな?
まぁ、なにはともあれ>>260GJ!です。
久しぶりのエロな気がw
263名無しさん@ピンキー:2009/02/03(火) 09:19:00 ID:LFhWuJBJ
>>254
GJ!!です。
ジュエルシード3つの敵ですか。
正直、聖王より性質が悪そう。
264名無しさん@ピンキー:2009/02/03(火) 13:02:21 ID:A/Y+4tis
>>260
久しぶりのエロキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!

>中の人
ということは士郎も桃子さん相手に……ハァハァ
265名無しさん@ピンキー:2009/02/03(火) 13:20:02 ID:zSy7UwJJ
>>214
シガー氏GJ!!
あかん皆可愛すぎる……。
フリードに怯えるリスなキャロとか、考え付かなかった。
266名無しさん@ピンキー:2009/02/03(火) 15:30:22 ID:BqkALi4c
    ▃
    ◥▌   ▃◢◣▃     ▃▬▂   ▃◢▀
     ◥◣▅▀   ◥▌▂▃▲   ◥◣▅▀
      ▋◥▊  ◢▓█▓█▇◣   ▐◤▋
     ▌ ◥▉  ◢▓ ▓▓█▓█◣ ▼ ▋
      ▌   ▀▅◢▓▃▓▓█▓■▀▀  ▌
     ▌    ▐▀■▆▓■▀▆▲   ▌
    ▐   ▅▀▌▓  ▓▼◢▇▓▓▊▃  ▐
   ▐  ◢▋ ▐▓▓  ▓▌█▓█▓▊ ▐◣ ▐
    ▍ ◢▊  █▓▓ ▓▊ █▓█▓▌ █◣ ▍
   ▍◢◤   ▐▓▓▓ ▓▊▐▓█▓▓▍◢▀▌ ▍
  ▃▼   ▐▓▓ ▓▓▍▓█▓▓█▀▅ ▀◥▍
   ▎   ▃▲▓▓ ▓▌▓▓▓▅■  █◣  ▎
    ▎  ◢▋ ▐▓▓ ▐ ▓◢▓▅█▊   █◣  ▎
  ┃  ◢▊ ▐▓▓ ▌▓▓◢▓██   █◣ ┃
  ┃   ◢▉  ▐▓▐ ▓▓▓◢▓■    █◣ ┃
 ┃    ◢█  ▐▐ ▓▓▓▓◢█▍   ◢▌  ┃
      ◢■   ▐ ▓▓▓▓▓▼    ◥◣
     ◢▍    ▼◢▓▓▓▀      ▐◣
   ▂◢◤      ▀▓■▀
267名無しさん@ピンキー:2009/02/03(火) 18:42:11 ID:BqkALi4c
悪い、誤爆だ
268名無しさん@ピンキー:2009/02/03(火) 20:05:53 ID:poIwkGnM
最悪だ
269名無しさん@ピンキー:2009/02/03(火) 20:46:21 ID:NO8QxK85
ルーテシアが召喚したんだ! そう思えば、ほーら可愛くなっ…て…
270名無しさん@ピンキー:2009/02/03(火) 20:52:07 ID:WR4AJzVp
つまり>>266はルーテシアという事か
隔離生活が暇なんでネットばっかやってたらすっかりオタ化した
ルーテシアを妄想しちまったい
271名無しさん@ピンキー:2009/02/03(火) 20:52:56 ID:s93msxBl
お前らなんでそんなにスルー力がないの?ばかなの?
272名無しさん@ピンキー:2009/02/03(火) 20:57:51 ID:6MsUsYcG
>>271
そんなにカリカリして心が狭いの?ばかなの?
273名無しさん@ピンキー:2009/02/03(火) 21:04:00 ID:pfiR3gJd
>>266
 おお、これぞ伝説のロストロギア、ミミックですね。
274名無しさん@ピンキー:2009/02/03(火) 21:11:52 ID:y8Doy7zF
>>260
GJ!GJとしか言えぬ!
275名無しさん@ピンキー:2009/02/03(火) 21:29:43 ID:HXCuGKem
>>272
挑発に挑発で返すとか本気でバカかお前さんは・・・

このスレにはスルー力が足りない
こんなんじゃ荒らしなんていなくなるものもいなくならないよ
276名無しさん@ピンキー:2009/02/03(火) 22:26:51 ID:bWNKhCwA
エロパロスレなのにエロがないなんて間違ってる!
だからGJ!
凄くGJ!
精液ちょちょぎれるほどGJ!
277名無しさん@ピンキー:2009/02/03(火) 23:17:23 ID:6S21Ab0/
確かにエロが全然無いなぁ
278名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 00:15:24 ID:Dl8y+1GQ
エロください
279名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 00:40:13 ID:LDwXtUOU
もてなされるよりも、もてなす事に喜びを覚えてみないかい?
280名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 01:26:05 ID:9qaOe604
たまにはもてなされたい…
281名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 06:54:31 ID:V5kIdHJq
オットーにもてなされたい
282名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 07:16:04 ID:0V3QZj7i
ヴィータに言葉責めされたい。散々罵倒された後、「ごめんなさい、ホントはこんなこと全然思ってねーんだ…………大好き」
って泣きながら甘えてくるヴィータをぎゅって抱き締めてなでなでしたい。
283名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 10:28:19 ID:taV4jJBi
>282
ごめん、それヤンデレ?とか思ってしまった。
284名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 12:28:13 ID:AN5TdpUq
リンディさんにお茶でもてなされた後、性的な意味でもてなされたい
285名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 12:53:51 ID:3cJ/8EpK
>>284
ジョンですね。わかりま(ry
286名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 16:18:41 ID:7/BYc18X
>>285
あのシリーズはエロくてよかったw
復活きぼんぬw
287名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 16:31:08 ID:brJn3m1b
叩かれないオリキャラの見本みたいなキャラだったな
誠実で彼女が大好きでやる時はやる、そして夜も強いw
288名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 17:58:07 ID:EsGwOSmT
エリオのお尻をキャロがじっくりと開発していく話が読みたいぜ!
289名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 18:34:23 ID:X8l7JTvp
エリオのお尻にキャロが放尿まで読んだ
290名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 18:36:40 ID:E8jB8GVB
エリオの処女を巡って、キャロとルー子がフェイトさんに喧嘩を売ったとな!?
291名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 18:40:40 ID:F0eq6P+s
エリオの菊園をモノにせんと、キャロ・ルー・フェイトが手を組んだだと!?
292提督:2009/02/04(水) 18:40:49 ID:Wq2z0+Da
尻は問答無用で俺の物だろJK
293名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 19:54:03 ID:rWJ73I5a
エリオの愛を狙って、キャロ・ルー・フェイトが一斉に求婚しただと!?
294名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 20:04:21 ID:TQaA3CP9
スレの流れ切るようで悪いが一つ聞いて言いか
ヴァイスとなのは達3人娘とのカプモノって在る?

とりあえずまとめサイトにはないっぽいけど
29569スレ264:2009/02/04(水) 20:17:38 ID:ugQy+Fam
業務連絡です。
93スレ保管完了しました。
職人の方々は確認お願いします。

>>118>>214
対応しました。
296某司書長:2009/02/04(水) 20:24:04 ID:PhDnjmR0
>>292
嘘つき!ずっと一緒にいてくれるって言ったじゃないか!
297ハラウオン家の節分:2009/02/04(水) 20:29:53 ID:ynjCViYr
一日遅れたけど節分のありがちなエロネタ

節分の日。日本に伝わる伝統行事の一つであり、豆をまき鬼という災いを家から追い払う儀式。

「あっ、ああっんっんん、ああああっ!」

ここハラウオン家でもその行事がまことしめやかにではなく、どろどろのぬぷぬぷに執り行われていた。

ぴちゃりっ、ぺちゃ、ぺろぺろ、ちゅむ、ちゅっ、ぴちゃり、ちゅるるるっ、れろれろれろっ

クロノは舌を器用に動かしながらフェイトのすでに血液が集まりプックリと膨らんだクリトリスを舐め上げる。

ときには、舌だけでなく右手の親指の腹でクリトリスを擦り上げ、左手は硬くなったフェイトの乳首をつまみあげている。

舐めるたびにフェイトはピンク色の嬌声を上げ続ける。腰はビクンビクンと跳ね上がり、クロノが中指をおまんこに突っ込むときゅっきゅっと締め上げてくる。

「ふあああああああっ! らめえっ、イッちゃうのぉぉお!」

一際高くなった嬌声を上げながら、フェイトは達してしまった。ぐったりとしたようになり荒い息を吐きながら肩を上下している。

無理もない。彼女はこれで本日6回目の絶頂なのだ。体力があるとはいえ疲れきってしまうのも無理はないだろう。

「大丈夫か? フェイト」

「うん、ちょっと休憩したら平気だから…」

そういうフェイトの格好はいつもと違った格好だった。下着同然の虎柄のビキニパンツとブラをつけて、頭には鬼に扮するための角をつけている。

いわゆるラムちゃんのような格好である。とはいってもブラはめくり上げられていて、下着は足首に引っかかるのみで下着としての用は既に果たしてはいなかったのだが。

今日は節分の日。この世界の住人ではない二人はもちろん知る由もなかった。

そこではやてやなのは、そしてTVなどの情報を元に二人が推測し判断した結果がこのようになったのだ。

節分の日とは、鬼の豆を攻める日であると。

ついでにいうと、クロノの太巻きをフェイトが恵方を向きながら無言で食べる行事は先程終了している。

もちろん、舌を使って入念に舐め上げて、ぴちゃぴちゃと音を立てながら、太巻きの中から出てくる白い具材をおいしくいただいたのである。
298ハラウオン家の節分:2009/02/04(水) 20:30:33 ID:ynjCViYr
フェイトの上気した顔を見てすでに股間のものが復活したクロノは俄然やる気を出し、休憩していたフェイトの足をガバッと開いた。

「休憩はおしまいだ!」

「ええっ!?」

驚くフェイトをよそに、クロノは強引に己の肉棒をフェイトの蜜壷に突っ込んだ。すでに準備の出来たそこはたやすくクロノのナニを受け入れた。

「はああああんっ!!」

絶頂を迎えたばかりで、敏感になっていたフェイトはもはや悲鳴に近い声を上げながら喘いでいる。

クロノはそんなフェイトの様子を気にするでもなく、容赦なく腰を高速で振り自身を絶頂まで上り詰めようとしていた。

そのうちにクロノの限界が近づき、腰が震えだすとフェイトは慌てて声を上げる。

「中は駄目! 外に」

かろうじて間に合ったクロノは己の分身を引き抜くとフェイトの白い肌に白濁した液をぶちまけていた。

「はあっはあっ…」

二人とも荒い息を上げていたが、フェイトは突然立ち上がると部屋から出て行った。

不思議に思いながらクロノが休憩していると、10分ぐらいしてフェイトが戻ってきた。

「おまたせ」

フェイトの格好が変わっていた。先程の鬼のスタイルから、今度は巫女の衣裳を着て頭に烏帽子をかぶっている。

どうやら恵比寿の格好のつもりらしい。クロノが目を丸くしてまじまじとフェイトを見ていると、彼女はにこっと笑った。

「鬼は外に出さないと駄目だけど、福は中に出していいんだよ」

間違った知識のまま、ハラウオン家の節分の夜はまだまだ続いていくのであった。


つづく…わけがない
299名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 20:46:14 ID:Wq2z0+Da
>>298それは豆(種)撒きだね。概ね正しいw

GJ
300名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 20:59:06 ID:AN5TdpUq
>>298
エロくてGJです。
別スレで節分SSを書いたがエロく出来なかった身としては羨ましいです。
301名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 21:01:39 ID:T/mc7yZv
GJ!!です。
いいなぁ、この頭が悪い感じw

>>294
なかった気がする。お相手はもっぱらティアナとシグナムかな?
302名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 21:04:09 ID:s2UEKhji
>>295
いつもありがとうございます。
303294:2009/02/04(水) 21:07:24 ID:TQaA3CP9
>>301
そうか……
昔某所でなのは×ヴァイスを書いたことがあったけど、
こっちでは誰もやってないのか
まぁ既に候補が多いからなぁ
304名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 21:16:13 ID:SOYoNnPd
>>303
なのヴァイ書いてくれるのか!?大歓迎だ
でも、次からはsageて書き込んでくださると嬉しい
305303:2009/02/04(水) 21:31:28 ID:TQaA3CP9
いや、昔書いたことがあるだけなんだが……
それでよければあげようか?
306名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 21:39:46 ID:3cJ/8EpK
>>305のエロSSに俺の期待がマッハなんだが

なのはヴァイスってことは
つまり
ユーノティアナ!?
いや、勢いで思ってしまっただけなんだが

そういやユーノがキャロに手を出して妊娠させた話の都築は未だに待っているぜ
307名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 21:41:51 ID:s2UEKhji
>>306
つまり、クロフェ………あれ? 変わってない………
308303:2009/02/04(水) 21:45:03 ID:TQaA3CP9
期待させて悪いがごく普通のエロ無しの上、
他のカップルはユーノ含めてオリキャラなんよ
健全なお色気ぐらいはあるが……
誰かが勝手にネタに使ってくれるならむしろOKではあるけど

あと>>304氏へ
sageは見事に忘れてましたすいません
309名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 21:46:23 ID:fEvPS1wU
>>307
グリフェというのは?
310名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 21:51:03 ID:s2UEKhji
>>309
じゃあクロスバか。
…………その四カップリング制覇したら個人的に神と呼びたい。
311名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 22:00:27 ID:ylHXgYSk
このときはまだ……思いつきでレアなカップリングを唱えた3人がいた……ただそれだけだった
のちにこの三人が「レアカプ三銃士」と讃えられる書き手となることを、まだ、誰も、知らない。
312名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 22:02:21 ID:fVUt7cSv
・なのヴァ
・ユノティア
・グリフェ
・クロスバ

なんか書けそうで書けなさそうな、こそばゆい感じがするw
313303:2009/02/04(水) 22:07:40 ID:TQaA3CP9
ところで、ここで確認するが……
とりあえず一話を投下して反応を見ると言う選択肢でいいだろうか?
314名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 22:18:11 ID:OLKnGzKI
とりあえず完成したら投下して問題なしですたい。
ここではあんま確認とか関係なく、とりあえず絨毯爆撃して問題なしですぜ。
315〜天使と狙撃手〜:2009/02/04(水) 22:27:48 ID:TQaA3CP9
ほんじゃま投下開始、どっかで見たことある人もいるかもしれないが
まぁ、それはそれでテキトーにスルーしてくれ



フェイト・テスタロッサ・ハラオウンはなにやら深刻な悩みを抱えているらしい
一年余りの付き合いながら、このいささか過保護な上司の様子に
ティアナ・ランスターは眉を顰めた

またぞろ家族か友人の問題だろう
このフェイトと言う人物は外では物静かでクールなイメージで通っているが
身内のこととなると途端に冷静さを失って慌てふためくところがある
そこがまぁ、ありがた迷惑ながらかわいい所であったりするのだが

「何かあったんですか?」

先にそれについて口を開いたのは先輩であるシャリオ・フィニーノだった
こちらはかれこれ5年以上フェイトと付き合いがあり気心も知れている
なにより波風立てずに人と付き合うことに長けた人物である

「あぁ、うんと―――ね」

歯切れの悪い態度で、
言葉を選ぶというより何がどうなのかさっぱり分からず混乱した様子で
さしあたり理解できていることだけ―――といった趣でフェイトは話し始めた



316〜天使と狙撃手〜:2009/02/04(水) 22:29:01 ID:TQaA3CP9


「どうしたヴァイス、このところ眠れていないようだが」

「あ―――その、なんと言うか……
理由は聞かないでもらえるとありがたいというか、
口が裂けても言えないというか」

時空管理局ミッドチルダ地上本部武装隊
ここ数日、ずっとこの調子だとシグナムは思った
ヴァイス・グランセニックは優秀な部下であり、
もう十年近い付き合いになる弟分である
入局時からの上司として思うところはいくつかあるのだが―――

「と言う訳だ、私から聞いてもはぐらかされてばかりでな」

「そうですか」

昼下がりのミッドチルダ首都クラナガン、オフィス街脇の喫茶店
眉根を寄せて『何やってるんだろな自分』といった顔している
オレンジ色の髪をしたかつての部下、ティアナ・ランスターは、シグナムの説明に
ため息をついて頭をかいた

317〜天使と狙撃手〜:2009/02/04(水) 22:29:34 ID:TQaA3CP9

―――高町なのはがヴァイス・グランセニックと寝た―――

うわさ程度の話であるが出所はシグナムの管轄であり
どちらも付き合いの長い顔馴染みである
二人の間に縁が無いわけでは断じてないが、かと言って同衾する様な間柄かと言うと
否、と言う答えが出るのが正直なところだろう

「まぁ、当日なのはが帰りそびれて
娘のヴィヴィオも留守、ハウスキーパーのアイナ女氏も帰省中だったそうなのでな
それならとヴァイスが部屋に誘ったのは事実らしい」

相手がシグナムか同僚のアルト・クラエッタあたりであったなら
冗談で済んだ誘いだったのだが
残念ながら高町なのはと言う人物は、人の好意を無碍にする人物でもなければ
そういう冗談が通じる相手でもなかったのである
加えて言えば酒が入っていたのも大きい
酔った勢いでなのはの方もついいつもの調子でベッドに横になってしまった

「いつもの調子って……まさか!?」

「あぁ、ストームレイダーによるとどうもそのまさかだったらしい」

ティアナの顔から血の気が引いた
考えようによっては最悪もいいところである
高町なのは、彼女はこともあろうに
下着にYシャツ一枚と言う艶姿で男の部屋で寝てしまったのであった
仮に現場を誰かに見られていたら言い逃れ不能の状況証拠である
さてどうしたものか?
318〜天使と狙撃手〜:2009/02/04(水) 22:30:22 ID:TQaA3CP9



「よう、ティアナに八神のとこのシグナムじゃねぇか
どうしたこんなところで?」

地上本部で一仕事終えて、
帰る前に軽い食事でも取ろうと喫茶店へ立ち寄ったゲンヤ・ナカジマは、
差し向かいで座る二人の女性に軽い気持ちで声をかけた

「「ナカジマ三佐?!」」

あわてて居住まいを正して敬礼する二人に
手振りで楽にするように示すと同じテーブルに腰を下ろす

「随分難しいツラして話し込んでるが、何か事件でもあったのか?」

一人は娘の友人、もう一人は元部下の個人戦力という
それなりに気心の知れた相手であるし、加えて言えば珍しい組み合わせと言えなくもない
―――あくまでも軽い気持ちで、小話がてら近況を聞こうとしたゲンヤだったが

「あ―――なんだ……
そりゃちょっとヤベェな」

『事件』のあらましを説明されて後悔した

「やっぱり、まずいですか?」

表ざたになっていないとは言え
時空管理局のエースオブエースのスキャンダルに
元教え子としても二人の知り合いとしても不安を隠しきれないという様子のティアナ

「JS事件後の政治的なごたごたが片付いてない今この時期に
面倒を起こしてもらいたくねぇってのは、お偉方の共通認識だろうな
不幸中の幸いは可能性がどう考えてもゼロって関係でもねぇ組み合わせなとこか」

どちらかといえばその上層部側である中間管理職として、
ゲンヤはため息まじりに応えた
319〜天使と狙撃手〜:2009/02/04(水) 22:31:09 ID:TQaA3CP9

「まあ、0.001%程ならですが」

まず思いつく組み合わせではないだろうが
少なくとも、行きずりの男と成り行きで、というよりかは可能性としてはありうる

「それでも普通に考えたら
―――こう言うとヴァイス曹長に失礼だとは思うんですけど
まずスクライア先生、ですよね」

というよりも、十中八九そうではないかとティアナは思う
普通に考えれば、他の誰かが出てくるほうがどうかしている

「あの細っこい先生なぁ―――
脈がねぇとは思えねぇのは確かだが―――なんかなぁ
シグナム、お前さんから見てどうよ?」

「自分から見て、ですか?」

話題を振られてシグナムは腕を組んで考え込み

「何故でしょうか、
それ以外にいないはずなのですが、どうにもしっくりきません」

そもそも即答できない時点で何か違和感がある気がする
むしろティアナの意見に首を傾げてしまったほどである

「まぁな、それ以外にいないってのも確かだが
お前らにしろ、家のにしろ、そもそも身の回りの人口比率に男が少な過ぎんだよ
俺を含めて片手で足りるってのは正直どうかとおもわねぇか?」

とっさに反論しようとして
言われて見れば日ごろ『親しい男性』がほとんどいないことに気がついた

「い……言われてみれば」

「主はやても学友等に男子がいないわけではないが
確かに、ユーノ以外にいないというのは単に選択肢がなかっただけかも知れん」

むうとシグナムはうなったが
それはそれでひどい物言いである

320〜天使と狙撃手〜:2009/02/04(水) 22:31:41 ID:TQaA3CP9

「月並みだが仲良しグループでやってる限り進むモンも進まねぇぞ
―――まぁ、そういうのに限って
ある日突然妙なのとくっついたりするモンだが」

達観したというかそういうものの過ぎた後の立場からそう言ったゲンヤに
なら、とティアナは問いかけた

「ナカジマ三佐と奥様のなれそめって、どうだったんですか?」

321〜天使と狙撃手〜:2009/02/04(水) 22:33:04 ID:TQaA3CP9


「あれ?
ティアにお父さんにシグナム二尉?」

変な組み合わせだな―――と、スバル・ナカジマは思った
クラナガン中央医療センターでの定期健診の帰り道
たまたま通りがかった喫茶店に知った顔、
ちょうど小腹も空いている、ココで見かけたのも何かの縁だろう

「なにしてんの―――?」

「スバル!?」

能天気な登場の仕方にティアナは思わず絶句した
いや、あるいはこいつなりに気を……と思いかけ首を振る
そんなエアリード機能はこいつには付いてない

シグナムと敬礼を交わしてそのまま席に着く
とりあえずこちらを見たのは何ゆえかと思いながら説明してやることにする

「ちょっと恋愛沙汰が少なすぎるってナカジマ三佐に言われちゃってね
参考までに奥さんとの馴れ初めを聞いてるとこ」

「お母さんとの?
あ、それあたしも聞きたい!」

興味津々な様子で身を乗り出すスバル
もともと保護された身とは言え、幼くして母を亡くしたスバルの記憶の中には
父と母は仲睦まじい夫婦というイメージしかない
そんな二人の恋人時代というのは興味がある

322〜天使と狙撃手〜:2009/02/04(水) 22:33:48 ID:TQaA3CP9

「興味があんのはいいがな、自分のあても探せよお前」

「あはははは
そこは、まずギン姉が先だよお父さん」

「お前だっていい年だろうが」

乾いた笑いで誤魔化す娘にため息混じりに言い返す
こう、女友達ばかり増えられてもそれはそれで父親として心配であるらしい
どっかでそっちの趣味の人だと思われかねないからだろうか
ちょうどウチの上司みたいに……冗談だが

「と言ってもなぁ、俺と女房の昔話にお前らの参考になりそうな話も色もねぇぞ、
それでも良いのか?」

「なるかならないかを判断するのは聞いたもの次第、
そう主はやてが申しておりました、
―――もっとも、酔った上での戯言ですが」

「アイツ酒癖悪いぞ、お偉いさん相手の時は気をつけるよう言っとけ」

それは無理―――口にしなかったが全員が思った

「もうお父さん、話そらさないでよ」

催促するスバルの顔は完全に子供のそれだ
どっから話したもんかなと言いながらゲンヤは運ばれてきたコーヒーに口をつけ
おもむろに話し始めた

323〜天使と狙撃手〜:2009/02/04(水) 22:36:25 ID:TQaA3CP9
ここまでが第一話
次回はゲンヤさんの昔話になります
「ところでなのはが出てないが?」と言う突っ込みは全力で却下なのであしからず
324名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 22:37:34 ID:SOYoNnPd
まさかなぁと思ったが……コウジさんwwwこんなとこで何やってんすかwwwwwww
そのSS大好きなんだが、流石に自サイトに理想郷にエロパロ……
3箇所で、全く同じSS落とすのは、ちょっとあれじゃないっすか?新規分はー?
325名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 22:39:15 ID:OLKnGzKI
ところで、これ某所で見た記憶がチラホラあるのですが、多重投稿というか他所でのネタは持ち込むなというルールが>>1に書いてあるんですが……
326名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 22:44:45 ID:TQaA3CP9
うわぁ見逃してた
と言うわけでまずいのでしたら削除してってことで申し訳ない
続きが気になるのでしたら理想郷の方で確認よろしく
というか、こっちで派生エピ書こうかなぁ
327名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 22:45:39 ID:s2UEKhji
複数箇所での活躍は、こっちも人のこと言えないし、別にいいんですけど。

同じものは、順序によってはまずいと思いますぜ?

エロパロ→自サイト の流れは過去も容認されてきたけど。
他所 → エロパロ はまずいんじゃないですかね?
328名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 22:46:14 ID:s2UEKhji
あう。
リロミス失礼。
329名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 22:54:42 ID:T/mc7yZv
派生なら問題ないようなので、続きが読みたいですw
330名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 22:56:38 ID:TQaA3CP9
>>324氏へ
新規分は……櫻月と理想郷のが最新話がもうちょっとで書きあがるのと、
実はアニメキャラ(総合)の型月スレに別名義で出没中なんよ
気が向いたらそっちにもレスよろしく―――ってスレ違いやな

>>327
いや、悪いんはコチラなんで御気になさらず
331266:2009/02/04(水) 23:20:38 ID:7QjV0zv2
遅ればせながら削除依頼をしてきました
スレ住人の方々には不快な思いをさせてしまって申し訳ありません
332名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 23:27:35 ID:cOC7gVHu
>>330
んー…。
もしかして、あのオリキャラな子孫がくる話の人ー?
そういえばあの作中でも、なのはとヴァイスの子供であることを匂わせていたけど。
この組み合わせは理想郷で見て以来だなあと思っていたら、そういうことだったのか!
333名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 23:33:21 ID:04Hy/CKD
そろそろなかったことにして流れを変えたいところだ。
レティ提督のエロを書く場合、男役は誰が適任だと思う?
そもそも夫生存してたっけあの人。未亡人? 人妻?
334名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 23:37:47 ID:cOC7gVHu
実はシングルマザーでというのはどうか。
旦那は不倫相手で自分の子供のことは知らないとかで。

んでその旦那が作中の年配組みの誰かだったりするのかそうなのかドロドロだな…なんてひどいやつなんだ333は…ッ
335330:2009/02/04(水) 23:43:07 ID:TQaA3CP9
>>332
そういうことです
―――ということは、ナノハの名付け親はあの人と言うことに(笑)
でもまだばらさないでくださいね、ばれた時の面白みがなくなりますから
多分2話ぐらい先でとりあえずユイとナノハの戦闘スタイルがみせられるかと

そもそもユイは〜天使と狙撃手〜が初登場のキャラなんで、
読んでる人は同じ作者だと気付くかなぁと一人で突っ込み待ちしていたのですが
誰も突っ込んでくれなかったんだよなぁ
336名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 23:43:13 ID:s2UEKhji
レティさんにも誰の子かわからない、と言うデンパが飛んできたけど、忘れてください。
337名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 23:45:29 ID:fEvPS1wU
>>333
旦那は不明。
いるのかいないのか、生きているのか死んでいるのかも。

男役・・・・・・・弱みを握られてゲス男の浣腸奴隷にされた姿しか想像できなかった。
338名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 23:47:15 ID:s2UEKhji
>>337
それはリンディさんが夫の死後に通った道。     



                               …………だったら楽しいな。
339名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 23:48:14 ID:04Hy/CKD
>>335
あーっ、もうっ!!
ルール破った上に今度は貴重なレティ提督談議を止める気か!
340名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 23:54:11 ID:erRIp0QS
自己顕示欲の強い馬鹿はほっとけ

クロノも旦那の種じゃなかったりな
グレアムに散々おもちゃにされたリンディさんとかだれか書かないか?
341名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 23:55:15 ID:04Hy/CKD
レティ提督の相手は純愛陵辱問わずオリキャラ抜くとすると
……グレアム提督とか? 父様若ーい。ふぉっふぉっふぉ、みたいな。
そうじゃなかったら酔った勢いでクロノとかユーノを食べる展開くらいしかないか。
リンディ提督の時みたいにオリキャラしかないのかなぁ。
342名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 23:55:46 ID:s2UEKhji
グレアム……英国……

メイドプレイか!? メイドプレイなのか!!??
343名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 23:58:58 ID:z8ba58yv
>>323
マジでクソだなカエレ
344335:2009/02/04(水) 23:59:10 ID:TQaA3CP9
ごめん、
更新してなかったから流れ変わったのに気付いてなかった断じて止める気はない

レティ提督ならもっとこう……受けよりも酔いに任せて押し倒すべきでは?
友人の息子とか、実の息子とか、部下の息子とか
グリフィスが生まれる前の話だと言うのならそれこそクライド氏という線は?
ばれたら友情崩壊フラグですが酔った上での戯言であれば若気の至りでいける、うん
345名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 00:00:19 ID:z8ba58yv
>>323
消えろ
346名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 00:02:17 ID:jiSM8Fl4
空気嫁

だからお前のSS面白くないんだよ
347名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 00:06:18 ID:B1G8WVFi
ここへ迷い込んだばっかりに……
348名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 00:08:31 ID:yO+gdwpp
SSの続きは楽しみにしているけど、まず今はレティさんの話をするんだ。

実はレズビアンで旦那と別れたのは出産後に自覚してカミングアウトしたからというのはどうか。
349名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 00:09:04 ID:NUE+OOfl
どっかの映画みたいに、グリフィスのパパ候補は三人いますとか?w
350名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 00:12:24 ID:O4KeXGjg
オリキャラで考えるなら、能力的にはクロノのような優秀な若手で、
性格的にはユーノのような純情でちょっと奥手っぽい感じで、
でも意外と強引な一面も持っていたりする、なんてのはどうだろうか。
最初はバレバレなほど憧れを抱いてて、認められようと結果を出す。
提督が御褒美代わりに食べてみたら、案外相性良くて関係継続。
やがて攻守が逆転していって、通信させながらバックからこう、ね。ひゃっほう!
351名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 00:13:00 ID:5qiK/YKX
>>342
メイドで眼鏡か。完全武装じゃないか。
窓拭きしているところを後ろから襲いかかってケツずり・・・・おや、誰か来たぞ。
352名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 00:15:33 ID:mrjBkKxX
>>345
とりあえず人のこととやかく言う前にsageような
353名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 00:17:39 ID:GMOSp1iO
>>349
ユーノ、クロノ、エリオで「スリーメン&ベイビー」か。
面白いかも。
354名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 00:22:04 ID:b++7mmMz
グリフィスが生き証人だぞ。
彼こそがプロジェクトF最後の奇跡! レティ提督のクローンなのだ。
つまりレティ提督は、男ではあるが女なんだな。
いわゆる性●●●害で、今は女性になっているが、若い頃はクライド
に交際を迫って断られ、リンディと関係があったという電波を受信した。
355名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 00:24:24 ID:jbAr8GDb
ラーメン吹いたw何と言う怪電波
356名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 00:25:25 ID:O4KeXGjg
レティ提督もやっぱり尻なのだろうか……。
バックスタイルも尻責め調教も確かに似合うだろうが、
ここは眼鏡を活かすためにパイズリ顔射も提唱しておきたい!
357名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 00:27:12 ID:GMOSp1iO
しかし、管理局の制服(女子)は、着衣バックのためだけにあると言っても過言ではないよな。
358名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 00:33:55 ID:O4KeXGjg
うむ。しかしレティ提督ほどの相手だと、文字通り尻に敷かれても良さそうだから困る。
挿入をお預けされながら騎乗位スマタで尻ズリなんてされたら。されたらっ。
359名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 01:20:26 ID:V78rvgAb
>>323
GJ!!
確かに続きはマズイかもしれませんが派生話はここで物凄くみたいです。
本編もなのはヴァイスの超ラブラブ話(?)の番外編にも期待です。
>>345は、なのレジの時、いつも荒らしている人だと思われるので気にする必要はないかと。
360ザ・シガー:2009/02/05(木) 01:47:46 ID:RtpOuoed
しかし、こんだけレティさんの話で盛り上がってるのに彼女のエロを書いたのが俺だけってどういう事だ!?
皆……もっと、もっと人妻に愛を……どうか、どうか……

ああ、ちなみに俺はレティさんならやっぱり実の息子との爛れ乱れきった隷属雌母が良いと思うんだ。


そしてもう少ししたら投下行きます。
「鉄拳の老拳士」の続編、非エロ長編で。
361鉄拳の老拳士 拳の系譜:2009/02/05(木) 01:51:49 ID:RtpOuoed
鉄拳の老拳士 拳の系譜


 ふう、と男は一つ息を吐いた。
 同時に宙に舞うのは濃密な紫煙、火を灯された上等な葉巻がもたらす甘ったるい煙。
 これから向かう場所は完全禁煙だ、今の内に吸えるだけ吸っておこうと男は長年親しんだ香りを目一杯楽しむ。
 男は一度口に葉巻を歯で咥えると、手を襟元に伸ばして服を正した。
 羽織った服、黒皮のジャケットの襟を正し、近くにあったショーウィンドウに反射される像を鏡代わりに自身の姿を確認する。
 シワの刻まれた顔に鋭い眼光の瞳、禿げ上がった頭とそれとは対照的に顎に蓄えられた豊かなヒゲ、無地のTシャツの上に羽織った着古した黒い牛皮製ジャケットとジーパンを盛り上げる逞しい五体。
 老いながらもまだ獣染みた雄性を失わぬ男の姿がそこにはあった。


「ああ、やっぱりもうちょいと上品な格好のが良かったか?」


 誰にでもなく、男はふとそんな言葉を呟いた。
 彼の姿は70を超える老齢の者がするには十分すぎるほど洒落たものではあるが、孫娘に会うには少しばかりラフかもしれない。
 ショーウィンドウの硝子に映る自身の姿を見てしばしの間思案する男だったが、咥えた葉巻の火が限界まで近づいた辺りでそれ以上考えるのを止めた。


「ま、今さら遅えか」


 葉巻の灰を取り出した銀製の携帯灰皿に落とし、名残惜しそうに葉巻をクシャと潰す。
 そして懐に携帯灰皿を戻すと、男は目的地である機動六課隊舎に向かった。
 可愛い孫娘に会うために。 


「早く行かないと孫に嫌われちまうからな」


 男の名はアルベルト・ゴードン。
 かつて鉄拳の名で呼ばれた伝説の男、管理局最強の一人に数えられた魔道師。
 そして機動六課スターズ分隊に所属する少女、スバル・ナカジマの祖父である。





「さて、必要な書類はこんな所ですね」

「ああ、世話になったな」


 机の上に詰まれた書類を整理し終え、機動六課部隊長八神はやては朗らかな笑みを浮かべた。
 部隊長であるはやて専用の執務室で、彼女の前に腰掛けた男ゴードンもまたその鋭い眼光を緩めて笑顔で礼を述べる。
 先の事件で発生した大小様々な書類事項、局員ではなくあくまで民間協力者だったゴードンが六課に提出しなければならないそれが今終わったのだ。
 まあ、彼の目的はそんな事務的な事だけでないのは明白だが。


「それで、お孫さんの顔は見て行くんですか?」


 彼の孫、スバル・ナカジマは機動六課スターズ隊員として今も上官の指導の元で訓練に励んでいる。
 試験期間満了を間近に控えた六課の短い時を精一杯過ごす孫の顔を、わざわざやって来て目に収めぬ訳がない。
362名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 01:52:18 ID:mrjBkKxX
鉄拳の続編か、支援する!
363鉄拳の老拳士 拳の系譜:2009/02/05(木) 01:53:51 ID:RtpOuoed
 はやての質問は最初からゴードンの回答が一つと知ってのものだった。


「最初から分かってる事を確認する必要はないと思うがねぇ、嬢ちゃん」

「はは、そうですね。では六課の案内にはこの子を連れてってください」


 はやてはそう言うと、自分の傍をフヨフヨと浮いていた小さな少女をゴードンの前に差し出す。
 本当に小さい、30センチあるかないかという身長の銀髪の少女、はやてのユニゾンデバイスであるリインフォースU、通称リイン。
 小さな融合機の少女は少しばかり怯えたような顔でペコリと頭を下げる。


「そ、それじゃあ私がご案内するです、ゴードンさん」


 リインにとって間近で見せ付けられるゴードンの風貌は彼女を緊張させるに十分過ぎた。
 70年以上の時を生きてきたその重み全てを刻み込んだようなシワを持つ顔、カミソリのような鋭さを持つ切れ長の瞳。
 屈強な五体から漂う雰囲気は野生の肉食獣のようですらある。
 自然、精神的に幼い部分を持つリインは縮こまってしまう。
 そんな彼女にゴードンは口元を緩めて優しげに破顔した。


「ああ、よろしく頼むぜ、ちっちゃなレディ」


 獰猛な笑みにも関わらずそれはどこか見る者に安心感を与えるようなものだった。
 鋭い眼光に戦士としての気迫を内包しながらも包み込むように父性を持つ笑顔。
 彼の笑みに幾らか緊張が解けたのか、リインもつられて表情にニッコリと微笑みを浮かべた。


「はい、それでは着いて来てください」





「結構広いんだな」


 リインに案内されジーパンのポケットに手を突っ込んで歩きながらゴードンはポツリと呟いた。
 低い彼の声で発せられた囁きはそれほど空気を響かせるものではなかったが、近くにいた融合機の少女には確かに届く程の声量を有していた。
 浮遊と移動はそのままに、リインは宙で髪をなびかせながらクルリと彼に向き直り自慢げに愛らしい笑みを浮かべる。


「ふふ〜、驚くのはまだ早いです。訓練場はもっと凄いですよ?」

「ほう、そいつぁ楽しみだ」


 軽い会話をしながら歩いていれば、二人はすぐに目的の場所に到着する。
 機動六課の中でも特に広大な敷地を有する訓練場は魔力でその地形を大いに変えていた。
 今構築されているのは多数の建造物が並ぶ市街地。
 大小様々なビルディングの点在するそこには幾つもの綺麗な光が舞っている。
 桃色の閃光がまるで流星のように煌めいたかと思えば、それを追うように空駆ける青き翼の道もまた縦横無尽に宙に鮮やかな軌跡を作り上げていた。
364鉄拳の老拳士 拳の系譜:2009/02/05(木) 01:54:46 ID:RtpOuoed
 空色の魔力の道、ウイングロード。
 ハチマキを巻いた少女はその上を風のように駆け抜けて教官の女性が放つ誘導弾を巧みに回避していた。


「あ! ゴードンさん、スバルですよー」

「そうみたいだな」


 もうすっかり慣れ親しんだのか、いつのまにかチョコンと自分の肩に乗った小さな少女に老いた戦士は呟くように返した。
 二人の視線は目の前で繰り広げられる芸術的な光の軌跡を追うのに忙しい。
 高速で移動を続ける誘導弾や若き魔道師の姿に、リインは世話しなくあっちへこっちへ頭を動かして愛らしい動作で必死に目で捉えようとしている。
 対するゴードンは、既に先の先まで見透かしたかのように少女らの動きの予測位置へと目だけで視線を動かす。
 熟練の戦士の視力、そして経験が訓練で若輩の動きを見抜くのにそう時間はかからなかった。


(右後方から誘導弾。そのまま加速して回避しつつウイングロードを多重展開して接近して接近戦に持ち込む気か。だが……)


 老兵の予想通り、スバルは多重展開したウイングロードで上空を飛ぶなのはの元へと向かう道を築き上げる。
 後方から追いすがる光球を無数に作った空の道の上を縦横無尽に駆け抜けて回避。
 我が鉄拳を与えん、と目の前の純白の服を纏う上官に向かって全速力で接近する。
 その孫娘の健闘に、ゴードンは口の中で呟きを漏らした。


「まだまだ甘いな」


 スバルの接近は彼女の努力によって成されたものでなく、十年のキャリアを持つ教導官があらかじめ予想していた範疇だった。
 なのはの口元に僅かな笑み、余裕をもったそれが浮かぶのを知るものは彼女の愛機レイジングハートのみ。
 ハチマキを揺らした少女の拳が振りぬかれる刹那、あらかじめ組まれていた魔法術式が作動する。
 鮮やかな桃色の魔力で構成されたテンプレートが形成、魔力の鎖が編まれて瑞々しい四肢を拘束した。
 捕縛用魔法、設置型のバインドがスバルを雁字搦めに縛り上げる事に成功。
 瞬く間に身動きを完全に奪い去った。


「はい、今日の訓練はここまで」


 実戦形式一対一の訓練、その日の教導の締め括りを終える合図がなのはの口から紡がれた。
365鉄拳の老拳士 拳の系譜:2009/02/05(木) 01:55:52 ID:RtpOuoed
 歳の割りに美しく豊満な肉付きを有する四肢を魔力の鎖で拘束された少女は、少し口惜しそうな表情をしながらも了承して頷く。
 瞬間、魔力の鎖は跡形もなく消え去り霧散、拘束は解除された。


「惜しかったね、こっちの策に気付かれてたら危なかったかも」

「あうぅ……悔しいです」


 地上に降りるなり、スバルは頬を膨らませて可愛らしく不満をアピール。
 そんな彼女にフォローを入れるなのはといえば、その笑顔の裏には幾らかの焦りも見て取れた。
 驚異的加速度で成長を続けるスバルとの一騎打ち、恐らく先ほど口にした惜しいという言葉に嘘はないのだろう。
 先のJS事件で負担を掛けた身体で安全に勝ちを拾えたのはある種幸運だったのかもしれない。
 そんな想いが今のなのはの胸にはあった。
 そして地に下りた二人の下に他のフォワードメンバーが集まり、仲間の健闘にそれぞれに言葉をかける。


「まあ、頑張ったじゃないスバル」

「はい、凄かったです」

「私、目で追えませんでした」


 相棒であるティアナそしてライトニング分隊フォワードの二人がスバルの戦いを称える言葉を口にする。
 彼女らの言葉にスバルは頬を掻いて恥ずかしそうにはにえへへとかんだ笑みを浮かべた。
 そんな孫娘の愛らしい仕草に自然と口元を緩め、老兵もまた彼女の元へと歩を進める。


「ああ、中々良かったぜスバル」

「ふえっ? お、お爺ちゃん!? 来てたの?」

「まあな」


 ポケットに突っ込んでいた手を出し、ゴードンは掌をそっと上げる。
 軽い会釈とも思えたが、彼はスバルへと己が手を近づけた。
 撫でられるのか、という予想が脳裏を過ぎる。スバルは想像した映像に羞恥心を煽られて、頬を淡く朱に染める。
 身体が一瞬強張り、来る愛撫に緊張を覚えたが、予想した感触は訪れなかった。
366鉄拳の老拳士 拳の系譜:2009/02/05(木) 01:56:54 ID:RtpOuoed
 2メートルを優に超える長身、大柄な祖父のゴツゴツとした手は少女の頭ではなく肩にポンと置かれる。
 予想を裏切る行為に、スバルの表情に僅かに安堵とも不満とも取れる感情が滲んだ。


「元気にやってるみたいで良かったぜスバル」

「え、ああ……うん、ありがと」

「それじゃ、もうちょい見学させてもらって良いかい? 教官殿」


 老兵は顔を見上げると、自分から比べて随分と小さな孫娘からその教官であり上官でもある少女へと視線を移した。
 栗色の髪を揺らした、青と白の教導隊制服を纏う少女、高町なのはは常に顔に宿した爛漫とした笑顔で彼に返す。


「はい、部隊長からはお話を聞いてますから幾らでも」

「ありがとよ」


 洒脱な老兵は鋭い犬歯を剥きだしにした獰猛な笑みと共にウインクしてなのはに礼を述べる。
 一見すると凶暴な表情なのにどこか人の心から警戒心を解くような表情。
 不思議な男だとなのはは思う。
 これが半世紀以上の時を管理局と共に生きた男なのだろうか。
 そんな取り止めもない事を考えながらも、同時に部下の訓練の事も忘れずに少女はフォワードの二人に視線を向けた。


「よし、それじゃあ次はスターズ分隊でのコンビネーション訓練。スバル、ティアナ、準備して」

「はい!」

「了解しました!」


 元気良く答えると、二人の少女は上官と共に新に形成された訓練場へと足を進めた。
 その途中、白いハチマキを揺らした乙女が一度チラリとこちらを振り返る。
 視線にはどこか寂しげな、縋るような色が溶けていた。
 これに気付かぬほど半世紀以上を生きた男は愚鈍ではない。
 己が瞳と交錯した孫の眼差しに、老兵は小さく手を振って見送る。
 これを見て、寂しげだったスバルの顔にぱぁ、と笑顔が晴れ渡った。
 二人のこの些細なやり取りを、彼の大きく広い肩に腰を下ろした融合機の少女もまた微笑を浮かべる。


「もうすっかり仲良しですね」

「いや……まだまだ自然に、って訳にはいかねえさ」


 葉巻に火を点けたい衝動を我慢しながら、老兵は溜息を交えて言葉を吐いた。
 愛娘の結婚が認められずに絶交状態になって十数年、娘が引き取った義理の孫と初めて顔を会わせたのはつい先日だ。
 スバルと彼女の姉であるギンガはゴードンと親しく接してくれるが、やはりまだどこか一歩踏み出せない感触は拭えない。
 それを感じるたびに、老いた男は過去の己の愚行を呪う。
367鉄拳の老拳士 拳の系譜:2009/02/05(木) 01:57:58 ID:RtpOuoed
 自然、顔には苦虫を噛み潰したような表情が宿った。


「浮かない顔ですね」


 綺麗な、澄んだ女の声がした。
 振り向けばそこには燃えるように鮮やかな緋色の髪を揺らした、美女と形容すべき女性が立っていた。


「あ、シグナム」


 ゴードンの肩に乗っていたリインが嬉しそうに小さな手を振る。
 それに対し彼は一瞬瞳を細めた。
 老兵にとっては複雑な想いを抱かずにはおれぬ相手、夜天の守護騎士ヴォルケンリッターが将シグナム。
 だがゴードンは常に洒脱な軽口を忘れずに彼女に返す。


「別にそうでもないさ。それにしても久しぶりだなぁ、綺麗なお嬢さん。相変わらず目の覚めるような美貌だ」

「ええ、お久しぶりです……ですが、その……そんな風に言わないでください。恥ずかしいので」


 ゴードンのあからさまなくらいの褒め言葉に、シグナムは頬をほんのりと赤らめて恥らう。
 元より甘い言葉とは無縁の古き騎士には、ほとんど冗談に近い褒め言葉でも効果はてきめんのようだ。
 彼女のそんな様子に少しばかり弄ってやろうか、と思う老兵だがそこはあえて我慢しておいた。
 あまり真っ直ぐな女性をいぢめるのは彼の流儀ではない。
 話題を変えようと言葉を捜し始めたゴードンだが、以外にも一瞬の沈黙はシグナムの方から破られた。


「どうですか? うちの部下の出来は」

「家族の贔屓目から見てもよく出来てるさ。あの歳でアレなら大したもんだ」

「そうですか。ところで……」


 言葉を続けながら、それを境にシグナムの瞳の色が変わった。
368鉄拳の老拳士 拳の系譜:2009/02/05(木) 01:59:13 ID:RtpOuoed
 決して実際に虹彩の色が変色した訳ではない。その輝き、光の質が変化したのだ。
 今までは鋭いながらもどこか温かかな光を宿していた眼差しが、一変して抜き身の刀身の如く変化する。
 まるで名剣が抜刀されたかのように。
 心惹かれる程に美しく凄絶な寒気が老兵の背筋を駆け抜けた。


「見ているだけで満足ですか?」


 挑発、いやむしろ情熱的な想いを怜悧な美貌の下に隠した誘惑に近い。
 どこか囁くようなその言葉。
 もし床の上で出たのならどんな男でもたちどころに堕としてしまうような甘美な響き。
 だが触れなば斬れんとばかりの凄絶な眼光と相まって、シグナムの纏う空気には色香と共に凄まじい気迫をも有している。
 彼女は戦闘狂(バトルマニア)とまで呼ばれる程に戦い、特に一騎打ちや決闘を好む。
 先の任務で垣間見たゴードンの力はそんなシグナムの身体の芯に火を点けるには十分過ぎたのだろう。
 鋭くそして爛々と期待に輝く瞳は目の前の老兵に情熱的に注がれていた。
 しばし顎に手を当てて思案しつつ、ゴードンは美しい剣鬼に言葉を紡ぐ。


「なんともまぁ、素敵な誘いだ。でも良いのかい? 俺は局員でもないただの一般人だぜ?」

「理由ならば、優秀な魔道師の戦技披露とでも付ければ良いでしょう。それとも、私では不足だとでも?」


 少し不満そうに、小首を傾げて尋ねるシグナムのその仕草は彼女の理知的な印象とも相まって酷く愛らしかった。
 これにはさしものゴードンも、ヤレヤレと禿げ上がった頭を掻いて降参するしかない。


「はは! こりゃ参ったな……こうまで美女の情熱的な誘いを受けちゃ、断れるもんも断れねえ」

「なら、決まりですね」


 そう言うと、二人は互いに口元に同種の笑みを浮かべる。
 獰猛な、獲物を前にした野獣が浮かべるような笑顔。闘争を好む生粋の戦士が浮かべる表情だった。


続く。
369ザ・シガー:2009/02/05(木) 02:05:39 ID:RtpOuoed
投下終了です。
いやぁ、オリキャラばっか書いてる自分の中でも特に好きな爺ちゃん、また書いてしまいました。
次回はまあ、シグナム姐さんとゴードン爺さんが拳と剣を交えてレッツバトルしたりしますー。


そして
>>285
>>286
>>287
ありがたや……初投下作品にそのようにお言葉を頂き感謝の極みにございます。
アイディアが湧けば、是非とも甘党の続編書き上げる所存であります。
370ザ・シガー:2009/02/05(木) 02:20:41 ID:RtpOuoed
ああ、少し書き損じが。
>>365でのセリフは

「ふえっ? お、お爺ちゃん!? 来てたの?」
       ↓
「ふえっ? お、お爺ちゃん!? もう来てたの?」

保管庫に入れる際はこれででお願いします。
お手数ですがどうか。

371名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 02:41:32 ID:3Xr9S+v4
やっぱりシガーのジョンが登場してから
なし崩し的にオリキャラが許容されるようになっていったよな
それによってスレの雰囲気も変わった
今考えればいい面も悪い面もあるな
372名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 02:46:13 ID:/KjEn3Jt
まあ普通にスルーしてる人も多いと思うけど。オリキャラ物。
373名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 03:08:08 ID:8U0vDv69
その手の話は荒れかねないからやめれ
374名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 03:18:23 ID:PgtQC8mb
ここの職人なら大丈夫だろw
流れ気にしないで投下してくれるから
375名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 04:24:39 ID:eclH9oap
ジョンって犬っぽい名前
→なのはさんがワンちゃんを飼いはじめました
→「フェイトちゃんとワンちゃんの獣姦を見るのがたまらない」と言ったとか言わないとか
→フェイトはなのはと寝たい
→ワンちゃんもっとやっちゃって
→ヴィヴィオ起きる
→ヴィヴィオの視界に入る前にバスターでぶっとば去れるフェイトとワンちゃん

そんな電波

蟻地獄まだ〜?
3767の1:2009/02/05(木) 05:55:55 ID:b++7mmMz
GJ
ザ・シガー様
拙作にゴードン様をお借りできないでしょうか?
今作「翼を折る日」ではなく全くの別作品”過去エピソード”ものにぜひご登場願いたいのです。
お願いいたします。
377Burning Blood:2009/02/05(木) 08:58:12 ID:EGgLP27b
ちときついこと書いてるんで、読みたくなければ名前をあぼんに入れるなりなんなりしてくれ。















いい加減にしろよ、>>376
いろいろと本を読んだり、外に出たりして、自分で考えたらどうだ? オリキャラくらい。
三次ならともかく、ほかの作者さんの一部キャラをあんたの作品で出されると、
そのキャラが汚されているような気がするんだが。
てか、前にシガー氏以外の作者さんにも言ってたよな。そんなこと。
結局許可をもらえなかったようだが。

言っちゃ悪いが、ただただあんたが自分の話作りの腕のなさを棚に上げて、感想もらいたいがために
ぱっと目についた人気作のオリキャラだして、二匹目のドジョウを狙ってるようにしか見えない。
378名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 10:10:49 ID:IzkOSgKZ
実際横っ面はられなきゃ分からないのが多いからそのぐらい書いたほうがいい。
汚された云々は置いといて、三次を書くって明言してその許可を取るなら問題ないと思うよ。
379名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 10:42:46 ID:a0RyA61B
正直、長編は読むのが面倒。レスも食うし。
加えてエロパロなのにエロなしとかもうね・・・
HPでも作ってそっちでやってくれ、とか思う。
380名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 10:48:06 ID:Wdd9y90s
過疎っているが創作発表板になのはの二次創作スレもあるしな
381名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 11:22:03 ID:RKq+438i
>>379
無理して読まなくていいよ。
別に頼んでないし。
382名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 11:22:04 ID:o3vUR9lw
非エロメインで来ている読み手や、書き手はこの流れ、嫌がるだろうが‥‥

>>1の非エロおkってのは初期からあったが、当時は、ここ以外に普SS落とせる場所がなかったんだよな。
もし当時、創発板があったら、少なくとも完全非エロの長編物はそっちに落とされたんじゃないか。
非エロを排除しろとは言わんが。テンプレを盾にして居直ったり、エロはどうでもいいだの言うのはなぁ‥‥

>>399
wktkして待ってる!
383名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 11:23:49 ID:RKq+438i
クロスの次はここを潰しに来たか
384名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 12:03:32 ID:XpeOLdGD
>>330
遅くなりましたがGJ!!焦点をなのはとヴァイスに当てた続きが読みたいです
385名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 12:14:29 ID:mxC6iosZ
>>377
同意だな。
他人のオリキャラを借りたいとまで言って、あげく名前が1回2回出るだけ、とか正直何がしたいのか理解に苦しむ。
386名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 12:32:36 ID:F0WLfIwH
作品と感想意外はスルーでおk
387名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 12:40:26 ID:PgtQC8mb
どういう意見にしろ、書き方が悪い奴ばっかりだな
頭冷やしてこい
388名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 13:18:50 ID:fPzWWFxz
>>376
俺は大丈夫ですよ。
作者氏が許可がとれればやってみては。
389名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 18:33:20 ID:NGJFeHIK
このスレろくに書き手に新参が増えないワケが分かった気がするぜ
390名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 18:42:52 ID:84F12DFA
くだらん話題はスルーして
キャロのお尻について語ろうぜ
391名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 18:45:17 ID:nceLdtc0
また黒グリフィスか……フェイトさんが
キャラメルミルクをぶびゅうと吹き出してしまいそうだ。
392名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 18:46:03 ID:5qiK/YKX
撫で撫でしたいな。
「どうして撫でるんですか?」「可愛いからだよ」
的なやりとりが良い。
393名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 18:55:27 ID:nceLdtc0
>>392
それは、尻をか?
394名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 18:56:33 ID:5qiK/YKX
>>393
無論、尻だ(断言)。
395名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 19:01:15 ID:nceLdtc0
>>394
フフ……できますな。
396サイヒ:2009/02/05(木) 19:58:42 ID:Ke/vIItu
書く書くと言ってたブロンド3Pがようやく書けたんで投下しに来ました。
以下注意書き。

・全三回。どれもエロ有り。
・ミッドチルダは重婚OKという捏造設定。
・クロノがエイミィ、フェイト、カリムと結婚。
・クロノ、フェイト、カリムでエロ。
・当たり前だけど乱交。
・でも正妻の出番はありゃしません。乱入とか無い、絶対。
397豪華金爛:2009/02/05(木) 19:59:54 ID:Ke/vIItu
 その日、来客を迎えようとしていたカリムは、微妙にいつもと雰囲気が違った。
 傍目にはいつもと変わらず柔らかさとそれなりの威厳を伴った姿のようだが、長年近くにいたヴェロッ
サには内心かなりそわそわしているのが分かった。
 そのことは、シャッハに対して何度も接客に対する細かい指示を出していることでも知れた。来客へ対
する準備は基本的にシャッハに一任しておけば万事不足なくやりとげる。それが分かっているであろうに、
食事の献立だの通す部屋だのについて思い出したように訊ねては些細な変更を繰り返している。

「そういうカリムを見るのは久しぶりだね」
「そうかしら?」
「結婚して以来かな。昔は、クロノ君が来る前日はいつもそういう可愛い顔していたけど」

 可愛い顔という部分に反応してか、カリムは慌てた仕草で頬を撫でた。ヴェロッサが笑い声を上げると、
ようやくからかわれたと気づいてむっとした顔をする。

「そういえば今日はクロノ君も来るらしいね」

 糾弾される前にヴェロッサはさっさと話題を変える。カリムの夫の名前を出したのが効果的だったのか、
義姉は眉をちょっとひそめただけですませた。

「いえ、臨時の会議が入ったから来れなくなったらしいわ」
「だったら二人っきりというわけか」
「ええ…………。それで今更なんだけれども」

 ちょっと紅茶をすすってから、カリムは言った。

「どういう人なのかしら」
「僕もそこまで親しい相手じゃないからね。クロノ君やはやてに聞いていること以上のことは教えられな
いと思うよ。そもそも姉さん、会ったことがなかったかい?」
「JS事件の時に顔を会わせたけど、忙しくてろくに話は出来なかったから。あの頃は、まだ私も彼女も
クロノとは結婚していなかったし。頭の中でイメージ像は出来ているんだけど……」

 紅茶のカップを顔の前で揺らしながら、カリムは水面にできた波紋に眼をやって軽く考え込んでいる。

(一緒に食事して泊めるだけなのに、そこまで色々気を使うものかな)

 確かにこれからやって来る客とカリムの関係はちょっと複雑だが、ヴェロッサにはカリムが大仰に構え
すぎているような気がしたので、軽く冗談を飛ばした。

「クロノ君のことが大好きっていう点では姉さんと同じかな。本局中で知らない人がいないぐらいに。と
にかく彼に一途なところも、姉さんと一緒だね」
「…………」

 カリムの返答は無かった。しかしかすかに寄った眉間の皺と、ずずずと音高くすすられた紅茶が、機嫌
の悪化を実によく表していた。
 場を和ますつもりが、しくじって地雷の横っちょを踏んづけてしまった。

「……そろそろ僕は帰るよ」

 飛び火する前に、退散を決め込むことにするヴェロッサ。
 早足で教会を出て行こうとすると、ちょうど入り口でまさにやってきたばかりの話題の客とばったり出
くわした。
 仕事があったのか、黒い執務官服を身に纏っていた金髪の女性は、ちょっと小首を傾げた。
398豪華金爛:2009/02/05(木) 20:01:09 ID:Ke/vIItu
「アコース査察官も騎士カリムに呼ばれてたんですか?」
「いや、僕は帰るところ」
「よかったら一緒に食事だけでもどうですか?」
「遠慮しておくよ。今夜の主賓は君だからね」

 いくら美女が二人揃っていようが、不穏な匂いの漂う気配が濃厚な場所で平然とメシが食えるような度
胸は無い。
 別れ際、振り返らずにひらひらと手を振ってヴェロッサは言った。

「じゃ、あとは姉さんとよろしく。ハラオウン執務官」




          豪華金爛




 カリムの食事は、聖王教会の頂点に立つ者としてはひどく質素なものである。
 「人たる者は、清貧であるべし」と聖王の教えの一つにあるのに、その僕が贅沢をするわけにいかない
という教義的な理由が存在するためである。一日中執務机に向かっていることが多いので、豪華な食事ば
かりにしていると胴回りがえらいことになるという現実的な理由もあるが。
 そのため、特別な来客があった場合に出す料理も皿数はそこまで多くないし山海の珍味を並べ立てるこ
ともない。
 代わりに、ありふれた食材とメニューにとにかく手間暇かけて美味しく調理した物を出すことにしてい
た。
 料理は野菜の皮の剥き方や煮るタイミング一つで味がけっこう変わる。値の張る素材をやたらめったら
揃えればいいというものではない。そのあたりをしっかり理解している教会のコック達が出す料理は、味
の点では巷の有名料理店に負けない物に仕上がっているという自慢がカリムにはあった。
 それだけに、料理を見た時に「貧相なメニューだ」と露骨に顔に出す相手や、味わった様子もなくさっ
さと食べてしまう相手がいると悲しくなる。
 だが、今晩迎えた相手はそんなことは無かった。

「このニンジンスープ、すごく美味しいですね。あく抜きとかにも手間がかかっていそうで」

 スープを上品に飲みながら、フェイト・T・ハラオウンは料理の出来栄えに感嘆していた。

「フェイトさんは料理をされるんですか?」
「はい、リンディ母さんにみっちり鍛えられたので」
「ということは、フェイトさんも甘党?」
「いえ、さすがにそこまでは鍛えられてません」

 にこやかにしゃべりながらも、クロノがフェイトの家に泊まっている時は当然手料理でもてなしている
のだろうと想像するカリム。
 菓子作りの得意なヴェロッサが身内にいるのだが、カリムはクッキーの一枚もまともに焼けない。なん
とか暇を見つけて練習し、軽い朝食ぐらいは作れるようにしようと決心するカリムだった。
 メインディッシュである川魚のソテーも食べ終わり給仕が皿を下げると、フェイトはカリムに頭を下げ
た。

「今日は招待してもらってありがとうございました騎士カリム。いつか必ず私もお礼をさせてもらいます」
「堅苦しいことしてもらわなくてもけっこうです。だってあなたと私は……」

 自分とフェイトの関係を一言で表す言葉が見つからずカリムはちょっと迷い、ふと九十七管理外世界の
書物で知った単語を思い出し口に出した。
399豪華金爛:2009/02/05(木) 20:02:24 ID:Ke/vIItu
「あなたと私はボウシマイなんですから」
「ぶっ!?」

 フェイトが飲んでいたシャンパンを吹き出しかけ、すんでのところで踏み止まったものの思いっきりむ
せた。

「き、騎士カリム、その言葉は……」
「アナキョウダイ、の方でしたか?」
「いっ、いやあのっ、その言葉はスラングというか……あまりまともに使わない言葉なので……」
「そ、そうでしたか」

 やはり慣れない言葉など使うものではない。
 赤面しながら立て続けに咳払いをしてなんとか立て直したカリムは、もう真っ直ぐ言うことにした。

「あなたと私は、二人ともクロノの妻なんですから」

 古来より重婚可能な法律を継承し続けているミッドチルダにおいて、何人も妻を持つ男性は珍しくはな
く、クロノ・ハラオウンもその一人だった。現時点において彼の妻女は正妻のエイミィ以下フェイト、カ
リムの三人である。
 しかしカリムは他の二人の妻について、クロノから聞いた以上のことはほとんど知らない。クロノと知
り合った経緯や環境が大きく異なるから仕方ないといえば仕方ないのだが、これはあまりよろしくないの
ではなかろうかと思案した結果が、今晩のフェイトの教会招待と相成ったわけである。
 会話を交わしたフェイトの印象は、噂通りの人物ということに尽きた。穏やかな性格で礼儀正しく、ま
とっている雰囲気は柔らかなものであった。任務で保護した子供達にもよく懐かれているというのが納得
できる。
 ただ、それは裏を返せば外向きの格好であり、クロノやはやてに対してはもうちょっと違う態度を見せ
ることがあるというのも、二人からの話でカリムは知っていた。

(まあ、一回目はこんなものかしら)

 ほぼ初対面に近い相手に全てをさらけ出す人というのもまれだろう。正妻であるエイミィはそういうま
れな人の部類に入りそうだという噂だが。

「名前も、カリムでけっこうですよ」
「でも年上の人を呼び捨てというのは……」
「でしたらカリムさん、でいいですよ」

 カリムの言葉に、なぜかフェイトはくすりと笑った。

「すいません。前になのはがある子に『なのはさんでいいよ』って言ったのを思い出して」
「高町……いえ、今はスクライア一等空尉ですか。出来たらそのあたりの話、してもらってもいいでしょ
うか。なのはさんのこともあまり知らないので」
「ええ、あれは機動六課が設立されるちょっと前のことで……」

 フェイトの話が始まったところで、計ったように給仕がデザートである洋梨のシャーベットを持って入っ
てくる。
 ちょっとしたつまずきはあったものの、二人の食事はつつがなく和やかに終わりを迎えた。


 しかしここから事態は急転直下する。
400豪華金爛:2009/02/05(木) 20:03:26 ID:Ke/vIItu
          ※




「…………どうしてあんなに、服を着たままするのが好きなんでしょうか。それも私服ではなくて、法衣
や管理局の政府ととか、変わったものばかりで」
「ええ、私もバリアジャケットを着てしてほしいって何回も頼まれてます」
「汚れた服をシャッハに渡す時、とても肩身が狭くて困ってるんです」
「分かります。私もアルフにすごく白い眼で見られてて……。胸もすごく好きですよね。いつもいつも揉
んだり吸ったり挟んだり」
「とにかく強引ですね」
「もうちょっとゆっくり話したりキスしたいなーと思ってるのにすぐ胸を揉んでくるんですよ」
「精神的早漏なんですよ、きっと」
「でもあっちは出すの遅いですよね」
「もう駄目と言っても何回も何回も突いてきてこっちが気絶寸前になるまでやり抜きますから」
「最初でもやたらと焦らしますし」
「鬼畜ですね」
「鬼畜です」

 結論を見たところで空になったグラスにワインを注ごうとするカリムだったが、なぜかグラスが三個に
増えていた。おまけに伸ばした右手まで三本に分裂している。
 対面の席でウィスキーをくいくいハイピッチでやっているフェイトの顔は一つだが、目元がえらく赤い
うえに首から上が始終ぐらぐら揺れていた。そのくせ酒を飲む時だけ頭の動きがしっかり止まる。
 なんとも面妖なと思いつつ、苦労しながらワインを注ぐのに成功したカリムは一気にあおったところで、
不意に我に返った。

(…………どうして私はこんな話をしているのかしら)

 食事中は、二人共通の知人の話で平穏無事に盛り上がっていた。
 食事が終わってカリムの私室へと場所を変え、酒が入り出したあたりからおかしくなってきた。最初は
夫へのちょっとした愚痴が、気づけばアダルトな暴露全開話となっている。
 九割方はアルコールとベッドの上で好きす放題やらかす夫のせいだが、カリム自身にこういう話を一回
したいという気持ちがあったことは否めない。
 なにしろ生まれてこの方、エロ本なる物を手に取ったことすらない温室育ちである。クロノに教え込ま
れたあれやこれやが世間的に正しいかどうかということはけっこう気にはなっていた。
 かといって相談できる相手はいない。シャッハになど漏らそうものなら「カリムが淫魔になってしまい
ましたー!!」と卒倒して病院送りだ。
 そんなわけで、なんだかんだと思いつつもカリムは今の会話を楽しんでいた。

「どうしてクロノはあんなに達者なんでしょうね」
「知らないんですか? リーゼさん達のせいなんですよ」
「リーゼさん?……クロノに魔法を教えた使い魔姉妹のことですか?」
「ええ、あの二人が子供のクロノに魔法だけじゃなくて性的なことまで教えたらしいです」
「じゃあ、クロノの初めては」
「二人のどっちか……たぶん二人同時にもらっちゃってるんでしょうね」

 そんな話は全く聞いたことがない。これは後でぜひともクロノを問い詰めねばと思っていると、シャッ
ハから念話が繋がった。
401豪華金爛:2009/02/05(木) 20:04:35 ID:Ke/vIItu
『騎士カリム、ちょっといいですか?』
『ちょうどよかった。ワインとウィスキーの追加をお願い。いちいち持ってくるのが面倒だろうから、ま
とめて二十本ぐらい』
『どれだけ飲むつもりなんですか!? 明日も仕事はあるんですよ』
『いいの。今晩はフェイトさんと徹夜でクロノの鬼畜なところを語りつくすのだから。シャッハも混ざっ
てみたらどう?』
『絶対に断ります!! とにかく、そんなに酔っ払ってるとクロノ提督が来られた時に困るのはカリムで
すよ』
『クロノが、来る?』

 念話中も傾けていたワイングラスをようやくカリムは止めた。

『ええ、会議が若干早く終わったとかで、今からこっちに向かうそうです。あと十五分ぐらいで到着する
らしいですが』
『分かりました。到着したら私の部屋に通して』

 念話を切ったカリムは天井に眼をくれてちょっと思案し、フェイトに声をかけた。

「フェイトさん、今からクロノがこっちに来るらしいのですが」
「クロノが?」

 まだ揺れてたフェイトの頭がしっかりと止まる。
 カリムはぴたりと酔眼をフェイトの紅の瞳に合わせた。

「いい機会ですから、二人でクロノに仕返ししませんか?」




          ※




「…………というわけです。状況が分かりましたかクロノ?」
「ああ、よく分かった。君達があまり正気じゃないということが」

 大きく嘆息するクロノ。その両手はフェイトのバインドによって頭の上で縛られており、ほとんど身動
きできない状態でベッドの上に転がされていた。
 カリムはその左に、フェイトは右に腰掛け、クロノを見下ろして薄い笑いを浮かべていた。

「とにかく二人とも落ち着いて……」
「無理です。だって酔ってますから」

 世界最強の言い訳をカリムは口にした。これから起こすこと全ての羞恥は、素面になった明日の自分が
背負い込めばいい。今はただ女の本能に従い、多人数で交わるという未知の宴を愉しみたい。
402名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 20:05:08 ID:7bkVhcDD
尻餅をついたキャロがエリオに撫でてもらう。そのままエスカレートして
本番へ…なエリキャロを夢想した。
403豪華金爛:2009/02/05(木) 20:05:50 ID:Ke/vIItu
「じゃあ、フェイトさんからどうぞ」
「いえ、ここは騎士カリムからで」
「いえいえ、私は第三婦人でフェイトさんは第二婦人ですから」
「いえいえいえ、やはり年長者に譲るのが礼儀だと思います」

 とはいえわずかに残っている理性がブレーキとなって、お互いに自分が先陣を切るのには二の足を踏む。
 しばらく不毛な譲り合いが続いたが、結局はカリムが先にすることに決めた。これ以上時間をかけると
冷静さが引っ返してきてはまずいことになりかねない。

「では、私からさせてもらいますね」

 頷いたフェイトが身体を引き、カリムはクロノの股間に頭を持ってくる。キングサイズのベッドは人間
五人ぐらいは寝れる大きさなので、カリムはそのままうつ伏せになって寝転んだ。バインドで縛っている
のは手だけなので、クロノに本気で暴れられたら厄介なことになる体勢だったが、当の本人はやれやれと
いう顔をして黙って成すがままになっている。

「ずいぶんと往生際がいいですね」
「こういう場合に逆らったらよけいひどいことになると、子供の頃に思い知らされているからな」

 そんな悟りを開くぐらいにこんなことをされたクロノの少年時代とはどんなものだったのだろうか。や
はりリーゼ姉妹のことについては、洗いざらい語らせねばなるまい。
 すぐにでも白状させたいところだが、今はその時ではない。カリムはベルトに手をかけた。
 かちゃかちゃと金具が鳴る音が、やけに鮮明に鳴る。一気に脱がせると、一日密閉された汗の匂いがか
すかにした。どうもこの匂いだけは、いくらクロノのものでもカリムは好きになれない。軽い抵抗心を押
さえつけて顔を近づける。
 クロノの性器は血が通っておらず、まだ小さいまま。何十回も見慣れたものだが、小指ほどの長さしか
ないそれをカリムはしげしげと眺めた。

「不思議なものですね。これが、そのうちあんなに大きくなるのですから」

 手のひらの上に袋ごと乗せて軽く転がしたり、指で摘んでみたりしてみる。貫かれている時は鉄塊のよ
うに錯覚するものだが、今は布を適当に丸めたかのようになんとも頼りない。
 そっとクロノの表情を盗み見れば、性器を弄ばれているのが恥ずかしいのか顔を赤くして横を向いてい
た。

「こんなことじゃなくて、早くしてほしいんですかクロノ」
「…………!」

 いっそう顔に血が上り、首がほとんど九十度横を向く。

「ふふふ、答えなくてもいいですよ。たっぷり一晩中、泣いて謝るぐらいしてあげますから」

 にっこりと笑って、カリムはようやく股間へと口を寄せる。
 伸ばした舌で陰嚢の裏側から先端まで舐め上げ、頂点に達すると逆戻り。
 数回往復しただけで、陰茎がひくひくと震え出し徐々に天を向き出す。完全に怒張する半分程度まで勃っ
たところで、カリムはゆっくりと食んでいく。
 しかし完全に入ったところで、そのままカリムは何もしなかった。舌を這わすことも、唇で扱くことも、
歯で甘噛みすることもなく、ただただ口内の空洞に肉棒を導いたにすぎない。
 陰茎を当たるのは、カリムの吐息と溜まっては零れ、表皮を濡らしていく唾液だけ。それでもけっこう
な刺激になるのか、陰茎はさらに滾っていく。しかし、果てに至ることはけっしてない。
404豪華金爛:2009/02/05(木) 20:07:05 ID:Ke/vIItu
「仕返しっていうのは……こういうことか……」

 クロノは少し苦しそうな顔をしているが、まだまだ初期段階であったこともあり、我慢できないという
ほどではなさそうである。
 完全にクロノが油断して息を大きく吐いた瞬間、狙い済ましていたカリムは舌を幹に巻きつけ、そのま
まずるりと引き抜いた。

「くぅあっ!?」

 頭のてっぺんから発しているような悲鳴が、クロノの喉から飛び出た。
 声だけでなく精液もあっさり出したらさぞかし面白い表情が見れただろうが、肉棒は何度も激しく痙攣
したものの崖っぷちで踏み止まられてしまう。

「やっぱりこっちは出すのが遅いですね。けど、まだまだこれからですよ」

 今度はありったけの技巧を駆使して興奮させるだけ興奮させてから寸止めしようと、再度口に含もうと
するカリム。
 だがその時、後頭部のあたりに強い視線を感じた。
 振り向くと、いつのまにかベッドから離れていたフェイトがじっと二人を見つめていた。
 やはり恥ずかしいのか、顔を赤くして心なし俯きがちになっている。しかしその眼は、二人の痴態へと
はっきり向けられていた。
 その姿からかすかに羨望の感情を見つけた途端、思わずカリムは言っていた。

「…………フェイトさんも、一緒にしますか?」
「えっ? い、一緒に……?」

 フェイトだけでなく、カリム自身が口を突いて出た言葉に驚いていた。
 慌てて否定しようとしたが、他の女性がどんな風にするかが知りたいという欲望に引きずられ、次々に
言葉が連なっていく。

「ええ、こんな機会、二度とないでしょうから」
「で、でもそんな…………二人でなんて、恥ずかしい……」
「でしたらまだしばらく私がさせてもらいますけれど」

 カリムがそういった途端、もじもじと揺れていたフェイトの表情が定まった。
 それでもまだ多少躊躇の残る足取りで近づいてくる。寝台に上ってからも、ちらちらとカリムを窺い、
すぐに始めようとしない。
 どうぞ、とカリムが身を引いてようやく腹が決まったのか、フェイトは肉棒に手をかけた。軽く握って、
確かめるように何度か上下させた。

「……なんか、いつもよりちょっと大きいよクロノ」
「…………」

 クロノは無言を貫く。しかし美女二人に弄ばれている今の状況に激しく興奮していることは、荒くなっ
ていく息遣いと、鋭さを増していく視線に出ていた。
405豪華金爛:2009/02/05(木) 20:07:57 ID:Ke/vIItu
「じゃあ、始めるよ」

 カリムの口淫は主に舌を伸ばして舐めるだけだったが、フェイトはいきなり根元まで喉奥へと咥え込ん
でしまった。赤黒い肉棒が、あっという間に唇の奥へと吸い込まれていく。
 舌も最初から激しく動いているらしく、口内でくぐもった唾液の混ぜられる音がカリムにも聞こえた。
 頬が膨らんでいるのは、内側に亀頭を包んで擦りたてているからか。

「つぅっ……くっ…………手加減無しだな」
「…………」
「嘘をつくな。いつも始める時より、ずっと激しいぞ」

 念話を繋いで会話しているが、カリムには届かない。ただ、フェイトのどこかうっとりとした表情が見
えるだけである。
 クロノもだいぶ苦しそうにしているが、男の矜持があるのか必死に耐えている。
 数分間、水音だけの攻防が続き、フェイトが息継ぎのために一度口から出したところで、カリムは身を
寄せる。

「では、そろそろ二人でしましょうか」

 今度は素直に、フェイトはこくりと頷いた。
 左右から股間に近づいていき、カリムは付け根へ巻きつけ、フェイトは先端をくすぐるように、同時に
舌を伸ばした。
 二種類の唾液が混ざり合い、幹を伝ってカリムの舌へと零れてくる。
 初めて口にする同性の唾液は、爛れた甘さがした。

「んっく、ん、ん……」
「ちゅぷ……くちゅ……」

 互いに競い合うように、動きはどんどん大胆になっていく。カリムはもっと下、陰嚢にまで口をやって
精液の源をしゃぶり、フェイトは雁首から先端までを舌だけでなく唇も使って愛撫する。
 唾液だけでなく、二人の唇や舌もほんの一瞬だが絡みあい、口づけでもしているかのような錯覚を覚え
た。
 やはり二人のやり方は微妙に差異があり、あまり息が合わず時折頭がぶつかりそうになるため、技量と
いう意味では一人で愛撫している時よりは劣っている。
 だが期せずしてそのことがクロノを焦らす結果となる。クロノの顔は快感よりも苦痛を与えられている
かのように歪んでいた。
 その点については二人がかりでの口淫に満足していたカリムだったが、やがて不満が心に湧き出てくる。
 フェイトが亀頭を独占したままちっとも動かないのだ。
 先端から零れる液体。精液と同じく良い味とはいえないが、愛しい男が流しているというだけで口にし
たくなる先走りを、カリムも飲み干したい。
 なのにフェイトは息を整える時も唇で先端を隠してしまい、場所を変わろうという気配は見られなかっ
た。
406豪華金爛:2009/02/05(木) 20:08:53 ID:Ke/vIItu
(……わざとやっているわけではないでしょうけど)

 どうも蕩けた横顔から察するに、クロノを口で慰めることに酔ってしまいそこまで気が回っていないら
しい。
 理知的に見えて、案外走り出したら止まらない性質なのかもしれない。男を愛撫しながらそんなことを
考えているカリムもカリムだが。
 とはいえ、このまま幹を舐めているだけというのもつまらない。
 舌で場所だけ保持しながら、カリムは背中に右手を回して服の上から下着のホックを外し、左手で法衣
のボタンを外していく。
 すぐに、乳房が法衣の合わせ目からまろび出た。
 着痩せするタイプなのであまり目立たないが、カリム胸は自分の小作りな手では掴みきれないぐらいボ
リュームがある。見た目でも巨乳だと分かるフェイトと、けっこういい勝負ではないだろうか。
 その胸を、カリムは陰茎へぴたりと押し当てた。
 途端、クロノの背中が弓なりに仰け反った。

「…………っっっっ!!」

 声にならない悲鳴が漏れて、口が何度もはくはくと開閉する。
 舌のぬめりに慣れきったところでの乳肉の柔らかさによる奇襲は、カリムが考えた以上に効果を表した。

「本当に、胸が好きですね」

 自然に雌の笑みがカリムの口元に浮かぶ。
 クロノの性器は大きくて、カリムの胸に埋没しきっても先端はちょこりと谷間から顔を覗かせていた。
フェイトはまだそこに舌を置いていたが、カリムの行動に呆気を取られたのか動きは止まっていた。
 今の間に思う存分胸でクロノを愛したいところだが、フェイトが邪魔で挟んだまま擦ることは出来ない。
しかたなく、代わりに左右から乳房を強く押し潰してぐにぐにと捏ね回した。
 皮膚の薄い乳房は、それだけ神経が過敏な場所でもある。滾った肉棒の熱さと硬さが、脳に響くぐらい
はっきりと伝わった。
 アルコールが胎内で眼を覚まし、血液の温度が上がる。頭が緩んでまたもやろくでもないことを口走ら
せた。
407豪華金爛:2009/02/05(木) 20:10:02 ID:Ke/vIItu
「フェイトさんにも、こういうことしてもらってるんですよね。フェイトさんの胸と私の胸、どっちが気
持ちいいですか?」

 クロノが答えるより早く、フェイトがちらりと色々な感情の篭った眼を向けてきた。

「そんなこと、言えるわけ、ないだろう……」
「じゃあ、フェイトさんと私の胸、どっちがいいですか?」
「…………」

 今度は完全にクロノは無言。
 代わりに、フェイトが前よりも激しく舌を動かし出した。

「…………」
「だから、カリムも君も、なんでそういうことを。……つっ!?」

 また念話を繋いだようだが、クロノの返答が気に食わなかったのか軽く噛んだらしいのが、胸の表面を
擦っていった歯の感触で知れた。
 カリムもクロノを攻め立てるべく、いっそう強く深く肉棒を挟み込む。
 いつしかクロノを焦らすという当初の目的は完全に忘れ去られ、フェイトの口ではなく自分の胸で射精
させたいという想いでカリムの頭はいっぱいになっていた。
 そして、ついにクロノの我慢が決壊する時が来た。

「ぐぅっっ……! もう、でるっっ!!」

 肉棒が激しく胸の中でのた打ち回る。
 放水の如く吐き出された精液は、フェイトの小さな口の中だけでは収まりきらず、唇から滴り落ちてカ
リムの胸を白く汚す。火傷しそうなぐらいに、熱かった。
 やがて肉棒のびくつきが収まり、フェイトが亀頭から離れてようやく口をきいた。

「すごい……口でこんなに出したの、初めてだよ」

 ひどく甘い、溶けた砂糖のような声だった。
 そのまま口に溜めた精液を惜しむようにゆっくり喉に通していくフェイト。
 だがカリムはさらに数回胸でしごき上げる。一度やる度に、出しきれなかった残滓がぷくりと浮かび上
がっては乳房の曲面に落ちた。
 完全に出させきると、カリムは胸に零れ落ちた白濁液を
 しばらく、カリムが指をしゃぶる音と、フェイトの精液を飲み干す音だけが、耳の奥底で響いた。




       続く
408サイヒ:2009/02/05(木) 20:12:33 ID:Ke/vIItu
以上です。
書き出してから気づいた。
俺、乱交が致命的に苦手。こんだけ書くのに三週間もかかったよ。

次回はもうちょっとカリムのターンと逆襲の元義妹。
早くも仲間割れの気配が見えている金髪同盟の明日はどっちだ。


>保管庫司書の皆様方
いきなりですけど誤字があります。保管の際、以下の部分の差し替えお願いします。

>>400二行目

「管理局の政府ととか、変わったものばかりで」
      ↓
「管理局の制服とか、変わったものばかりで」
409名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 20:15:00 ID:7bkVhcDD
>>390
尻餅をついたキャロがエリオに撫でてもらいそのまま…な感じのエリキャロエロを夢想した。
410名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 20:38:08 ID:GT49qwzA
>>408
乱交で…全3回だと…?
本番シーンが待ちきれん!前菜GJ!
411名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 20:54:41 ID:OmYwEHhx
>408

…ふぅ。GJでした!!
願わくはもうちょっと焦らし責めとかしてほしかったw
412名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 21:14:38 ID:8U0vDv69
>>377でちょっと荒れたみたいだけど
賛同する書き込みの大半が句読点とかやたら共通点多く感じる
多分単発厨の自演だと思われるので不快に思った人は気にするだけ損
以後この手の話題は総スルーでいいと思う
413名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 21:43:51 ID:WPokccDt
>>409
これは実にいい夢想ですね
尻もちをついたキャロに対してエリオが撫でた所、エリオは興奮しキャロは思わず反応してしまう
キャロもエリオの様子を察してなけなしの知識で、もっと撫でていいよと真っ赤になりつつ発言して…

それが恋人通しになったエリキャロだとすると、実に甘すぎる、でもすばらしく見たい展開が創造できる…!

>>412
同意
414名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 21:56:54 ID:EGgLP27b
>>408
GJ!!
流石サイヒ氏。俺たちの夢見たブロンド3Pを平然とやってのけてくれるッ
そこにしびれるあこがれ(ry

まあ冗談は置いておいて、ベッドの上の仕返しをするフェイトもカリムも
素晴らしいの一言に尽きます。
非エロな作品が主流を占める中、こんなエロいSSを書いてくれる貴方様に感謝です。
残り二話、楽しみにしてます。

>>413
すげえよアンタ。ほかの作者さんの投下中に割り込み(>>402)して、謝らない>>409に対して
咎めもせずに平然と賛同するとか。
どういう神経してるんだ?
415名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 21:58:06 ID:GT49qwzA
>>412
スルーってのはわかるが、自演がどうこうとか大した根拠も無いのに邪推すんのも自重しろ
416名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 22:21:17 ID:fzBIk+xu
>>415
本気でそう思ってるならお前さんはインターネットに向いてない
417名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 22:25:28 ID:IRlU0dAu
……毒されすぎだろ。
418402:2009/02/05(木) 22:31:26 ID:7bkVhcDD
>>419
書き込みの際にリロードするのを忘れてしまい、作家さんの投下に気づきませんでした。
これからは気をつけます。
419名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 22:36:01 ID:5qiK/YKX
>>408
GJ。
ついにブロンド3Pが来ましたか。
残る2話でどれだけ3人が乱れるのか、クロノの逆襲はあるのか。
今から妄想が止まりません。


>>417
ここは空気を変えよう、
サイヒ氏のブロンド3Pは素晴らしい。
それ以外にはどんな3Pがエロくて破壊力があると思う?
定番どころはなのフェ、スバティア、スバギンとして、他にどんなのがあるだろう?
420名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 22:43:28 ID:3so1q7+b
カリムとシャッハを俺色に染めてやりたい
フェイトとアルフにお願いしたい
ルーテシアとメガーヌ様に遊ばれたい

ところでルーのパパはゼストなのが多いが、たまには違う人の子でもいいのかね?
421名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 22:44:41 ID:IRlU0dAu
>>419
カリムシャッハ 性的な異端審問会開催。
オットーディード 姉妹レズに参加
なのヴィヴィ 親子丼
すずアリ(一期限定) 
ネコ師匠(クロノ限定)
リンディレティ(ダブル熟女浣腸責め輪姦地獄)
メガクイ(ゼスト限定)
メガルー(親子丼)
ルーキャロ(ロリロリ)

番外
エリキャロ(落ち着け俺)
422名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 23:08:06 ID:kzdFbT0y
>>369
鉄拳の老拳士続編キタ!
過去に読んだ作品の中でも、オリキャラメインの中で最高に好きな作品でしたので、嬉しい限りです!
ジジイマッチョが大好きなので、ゴードン爺さんにまた会えて至福の極みです。
続きを心待ちにしております。GJ!
423名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 23:32:04 ID:JGcvtdX9
>420
たぶん、リンディさんだろうがレジアスだろうがなのはさんだろうが、エロければ無問題。
424名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 23:34:03 ID:tjHGhFwc
>>369
鉄拳の爺さんktkr!
歳を取った渋さ全開で、また戦い抜いて欲しいぜ!
続きが読めるとは思ってなかったので歓喜!!
425名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 23:36:14 ID:jiSM8Fl4
>>421
なのユー(1期)の変則3P
クロユー(1期)のショタ3P

やべ、俺もう駄目だw
426名無しさん@ピンキー:2009/02/06(金) 00:00:04 ID:a7OiyB6X
>>421
すずアリ(一期限定)
一期限定というところにあなたのジャスティスが見えた
427名無しさん@ピンキー:2009/02/06(金) 00:16:55 ID:8iOIRvMe
俺としては、ハイエンドクラスのすずかとバリュークラスのアリサという対比を味わえる三期も捨てがたい
428名無しさん@ピンキー:2009/02/06(金) 00:40:14 ID:j9HI9UIN
>>421
すずアリ
すずかが攻めなところは流石に分かってるな。

>>427
ハイエンドクラスなら桃子さんと美由紀もいるぜ
429名無しさん@ピンキー:2009/02/06(金) 00:48:55 ID:WgjmZb0L
ちんく、るーてしあ、きゃろの3Pで頼む
430名無しさん@ピンキー:2009/02/06(金) 01:00:43 ID:E7/SClQ5
夜のシグナムは、淑女(マグロ)か娼婦(積極的)か。
431名無しさん@ピンキー:2009/02/06(金) 01:10:04 ID:hxPzcu26
>>408
ええGJ以外の言葉が出てきませんとも!
胸だけでこれほどにエロいとは!

戯言だが、この設定のスクライア家が
見てみたい…エロ無し日常とか
(いやエロいのでも構わんのですが)
432名無しさん@ピンキー:2009/02/06(金) 01:13:01 ID:PMvEGBmj
>>408
サイヒ氏、私は乱交が好きだ。
サイヒ氏、私は乱交が好きだ。
サイヒ氏、私は乱交が大好きだぁ。

大乱交を!
一心不乱の大乱交を!!


>ハイエンドクラス
石田先生槙原獣医で
433名無しさん@ピンキー:2009/02/06(金) 01:22:49 ID:da7sDPWU
すいません、乱交じゃないんですが、投下しても良いでしょうか
434名無しさん@ピンキー:2009/02/06(金) 01:25:08 ID:y3ODnFUQ
何で遠慮すんだよw
ドゾドゾ
435名無しさん@ピンキー:2009/02/06(金) 01:28:46 ID:SBtMVqvH
気にせずGO!
43663スレ390 :2009/02/06(金) 01:32:57 ID:da7sDPWU
乱交を求められているときにテンション変わるので・・・すいません

跪いてお舐めよ聖なる足 という話の続き物です。
・フェイトはなのはが好き
・なのはは黒い
・フェイトはなのはの靴下でオ○ニーして以来、なのはの足に性的興奮を持っている

以上が許せる方のみ、どうぞ
43763スレ390 :2009/02/06(金) 01:35:45 ID:da7sDPWU
「んっ・・・・んぅ・・・・んん」
あぁ、なのはの足って何て美味しいんだろう・・・・

ちゃぶちゃぷという音が、寝室に響く。
ねっとりとした舌を、なのはの右足の親指に絡みつける。爪のきわを舌先が辿り、唾液を送り込むように足の指先に塗りこめる。
指先に止まりきらなかった唾液が、足の裏を伝い踵からシーツに零れ落ちていく。
そんなことは気に留めず、フェイトの舌は、なのはの親指そのものをぱくりと口に銜え込む。
まるで飴玉を舐める時のように、美味しそうに。


今日、なのはが泊まりに来た。
あの日から、なのはの身体―――美しい足が気になって仕方がない。
私たちは同性だから、今まで互いの裸を見ても特にどうということもなかった。
気にしないでひとつところで着替えるし、見ても見られても平気だった。
それなのに、そのはずなのに、見慣れているはずの少女の身体も顔も、なのはの全身あますところなく口をつけたい、
抱きしめて腕の中であの笑顔をもう一度見たいと思ってしまうのは、いったいどういう魔法の作用なのだろう。

「なのは・・・?起きてる?・・・・・なの、は」
フェイトは、背を向けて眠っているなのはの薄い服からのぞく滑らかな肌を眺めた。

どうしてなのはにこんな思いを抱くんだろう。
どうして私はなのはが寝ているかを確認しているんだろう。
どうして私はなのはのその足に、触れたいのだろう。



少し……少しだけ味わっても、いいだろうか?
部屋の鍵を閉めて、誰にも邪魔されないで、なのはと二人だけになって。

そうして至近距離でなのはの全てを感じた。
フェイトの欲望は、止まらなかった、いや、止めたくなかった。
43863スレ390 :2009/02/06(金) 01:43:29 ID:da7sDPWU
・・・・・・・誰かヘルプミー。
快感がなければ、このまま寝たフリをしていられるが、しかしこのじわじわとした快感は堪らない。
目を細め腹筋に力を入れてみても、末端神経からじりじりと上がり迫る快感の火種はどうにも消えそうになかった。

(……ぁ…ん…)


銜え込まれた指先に、舌や唇、唾液が触れる度に、つま先から駆け上がってくる快感の電気信号。
それはなのはの足を伝い、股間の奥底へ火種としてくすぶり、着実に成長していく。
触れられていないのに、身体が徐々に熱くなっていく。


つい先ほどまでお喋りをしていたのだ。明日は学校も仕事が入っていないのを幸いと、かなり二人で夜更かしした。
そのせいか、身体は疲れと眠気を訴え、急激になのはを襲ってきた。

「ん・・・ごめ、・・・眠くなって・・・・きたぁ・・・・おやすみ・・・・フェイトちゃん」

好きなだけお菓子を食べて、好きなだけビデオを見てお喋りして。満たされた安堵に、眠気は幸せな甘い誘いだった。


「なのは・・・?起きてる?・・・・・なの、は」
まどろみはじめたなのはの耳に、フェイトの声は届かなかった。


(ん…ぁ、フェイト、ちゃん・・・?)
なのはは夢現つの状態で、フェイトが静かにと身体を動かし、もぞもぞもぞと移動するのを感じる。
やがて、徐々にベッドの下方へ降りていったフェイトが、ふいに手を伸ばしてなのはの足に触れ、右足を持ち上げた。


(・・・ふ、ぅ?)
大事そうに足を抱え込むと、そのまま指先に唇を寄せた。疲労も眠気も吹き飛ぶような出来事である。
(んッ…!フェッ、・・・・・・・!、何し・・・て)
フェイトは、ゆっくりとした動作でありながらも、なのはの足から唇を離さない。
風呂には入ったが、しかしそんなところを舐めるなどと、普通ではない。


フェイトはどうしてしまったのか。夢遊病のように身体が動いているのか、それとも本能で行動しているのか。


怖い。目を覚ましてフェイトに辞めろ、と言うのがフェイトを傷つけてしまいそうで怖い。

フェイトとの仲がおかしくなって、クロノとの関係がおかしくなるのが怖い。
フェイトを女として愛しているクロノを悲しませるのが、この世で一番怖い。

二人だけの世界の中、ぴちゃびちゃという音だけがなのはの思考を占めていた。

唇が巧みに足先や指の股に絡む。目を閉じ、あえて快感に流されないようにと意識を拡散させる。
そうしなければ、じわじわと伝わってくるもどかしいような感覚に流されてしまいそうで怖い。
43963スレ390 :2009/02/06(金) 01:49:03 ID:da7sDPWU
終わりです!短くて本当にすみません!!

なのはさんが快感に流されるかは想像にお任せします。
あと、フェイトが変態でごめんなさい。
440名無しさん@ピンキー:2009/02/06(金) 02:31:55 ID:SBtMVqvH
なんというフェチズムwww
GJです。
なんか新しい世界に目覚めそうですよwww
441名無しさん@ピンキー:2009/02/06(金) 08:34:50 ID:h9GvaZLw
>>408
何という羨ましいハーレム…
カリムさんエロイよカリムさん。
続きが楽しみでなりません。
そして出来ればモンディアル家の様子も是非教えて下さい!
GJ!
442名無しさん@ピンキー:2009/02/06(金) 08:35:05 ID:j9HI9UIN
GJ
なんでフェイトはこんなにも変態が似合うのだろう…
443名無しさん@ピンキー:2009/02/06(金) 09:21:32 ID:sP7uyZ24
>>408
うおおおお、フェイトとカリムのWフェラ・・・
クロノ、ちょっと俺と替われ。イヤマジデ。
444名無しさん@ピンキー:2009/02/06(金) 21:03:35 ID:KdSXS8LC
>443
替わった瞬間噛み千切られると思うんだw


>419
個人的にはなのスバが見てみたいが破壊力についてはわからない。
(物理的な意味ではかなり比類ないレベルのペアではあるが)
445名無しさん@ピンキー:2009/02/06(金) 21:05:09 ID:KdSXS8LC
(書き終えた直後に、スバノヴェが一番気になる事に気付いた)
446名無しさん@ピンキー:2009/02/06(金) 21:23:54 ID:H1lrzjt6
破壊力最強はドゥークアだろ常考
ベクトルが若干他のメンツと違う方向を向いている気がするが

>>439
変態でもいいじゃない。変態でもいいじゃない!!
447名無しさん@ピンキー:2009/02/06(金) 21:50:25 ID:f0zrl9XN
そうさ
人類は変態だからここまで進歩したんだ
448ザ・シガー:2009/02/06(金) 21:53:11 ID:SBtMVqvH
>376
>7の1氏
せっかくの提案ですが、拒否させていただきます。
理由は単純にキャラへの愛着とお考えください。


>サイヒ氏
さ、最高じゃあ……最高の金髪エロじゃあ……
エロ書く自信なくなるくらい最高のエロでした。

GJです!!
449名無しさん@ピンキー:2009/02/06(金) 22:01:35 ID:3hAQg616
最近騎士カリムのエロさに気付いたんだ。
450名無しさん@ピンキー:2009/02/06(金) 23:16:05 ID:5xj4ragZ
あぁ、あの三十路すぎのボディに惹かれたのか
451名無しさん@ピンキー:2009/02/06(金) 23:31:10 ID:7+r5s41B
カリムって三十路なのか
てっきりクロノと同じくらいかと思ってた
452名無しさん@ピンキー:2009/02/06(金) 23:33:15 ID:mFOIF8at
いやいや、年齢不詳だよ
453名無しさん@ピンキー:2009/02/06(金) 23:40:51 ID:j9HI9UIN
心は少女だよ
454B・A:2009/02/06(金) 23:47:58 ID:j/MORFde
女の子はいつまでも少女さ。
でもエロいんだぜ。


今夜もエロのお時間がやってまいりました。

注意事項
・エロです
・「爛れた」シリーズ。ただし、他のシリーズは知らなくても大丈夫です
・とてもエロい機動六課の業務風景
・ほとんどのメンバーに濡れ場あり、列挙し切れないので機動六課メンバーということで。
・恐ろしくキャラ崩壊
・フリーセックス万歳、筋書はない、ちょっぴりネジが緩んだリリなの世界をお楽しみください
・乱交、輪姦、ショタ、ロリ、やおい、レズ、これらが苦手な人はスルーでお願いします
・タイトルは「機動六課の爛れた業務」
455機動六課の爛れた業務@:2009/02/06(金) 23:48:34 ID:j/MORFde
こんにちは、スバル・ナカジマです。
まだまだ修行中の身ですが、管理局の魔導師をさせてもらっています。
今は、親友のティアと一緒に機動六課という部隊に所属し、憧れのなのはさんと一緒に
仕事や訓練に明け暮れています。
今日は、その風景をちょっとだけ紹介しようと思います。





あたしの朝は大抵の場合、同室のティアを起こすことから始まります。
とある理由で人一番、仕事や訓練に熱心なティアはいつも寝起きが悪くて、目覚まし時計が鳴っても目を覚ましません。
けど、あたしが胸を揉んで上げるとすぐに飛び起きるんです。ティアの胸、凄く柔らかいんですよ。
まるでマシュマロみたいで、指がどこまでも埋まっていくのに弾力があって。
きっと、何時間揉んでいても飽きないと思うなぁ。

「この馬鹿スバル!」

そして、お約束通りの鉄拳が飛んできます。
凄く痛いです。でも平気、これは好きの裏返しだから。

「ティアぁ、おはよう。おはようのチュー」

「ふんっ!」

あ、今度は顔面に入りました。容赦がありません。
もう、ティアの照れ屋さん。
ティアってば、いつもこうなんです。あたしがスキンシップしようとすると、
恥ずかしがって殴ってきたり蹴ってきたりクロスミラージュを突き付けてきたりそのまま引き金を引いて
リアルマト○ックスごっこする羽目になったり。でも、夜になったら凄く素直で可愛い顔を見せてくれるんですよ。





始業の前には早朝訓練があるので、あたし達は訓練用のジャージに着替えると教導官であるなのはさんが待つ
訓練場へと向かおうとしました。けれど、寮を出た辺りで男性隊員の人に呼び止められてしまいました。

「今、良いかな?」

いつもの奴をして欲しいと言われました。
あたしは、これから訓練があるから後にして欲しいと言ったのですが、
その人はそれまで待てないと駄々を捏ねて聞きません。
けれど、この人の相手をしていると訓練にはきっと間に合いません。
あたしがどうしたら良いのだろうかと頭を抱えていると、隣にいたティアが見ていられないとばかりに
その人とあたしの手を取って、端っこの草むらへと連れて行きました。

「サッサと済ませましょう。2人がかりでなら、すぐに終わるわ」

さすがティア、ナイスアイディア。
あたしが感心すると、ティアはフンと鼻を鳴らしてソッポを向きました。
照れ隠しというやつです。
456機動六課の爛れた業務A:2009/02/06(金) 23:49:25 ID:j/MORFde
「なあ、何でも良いから早くしてくれよ」

「あ、はいはーい」

「感謝しなさい、時間ないのにやってあげるんだから」

そう言って、あたしたちは男の人のズボンのチャックを下ろして大きくなったおチ○チンを取り出します。
実は、機動六課の女性隊員には男性隊員の性欲処理をしなければならないという決まりがあるんです。
女性隊員に拒否権はなく、男性隊員が求めてきたら仕事中だろうとプライベートだろうと応じなければなりません。
ただ、さすがに隊長陣に処理を頼むのは気が引けるのか、こうした仕事は専ら新人であるあたし達に回ってきます。

「ほら、ジッとして。スバル、あんたもちゃんとやりなさい」

「はーい…………うぅん…………くちゅ…………ちゅぅ…………」

あたしがおチ○チンの先端から、ティアが根元から舌を這わすと、男の人は可愛い声を上げて腰を震わせました。
あたしはまだそんなにうまくできないのですが、ティアはやることにそつがなく、おチ○チンを舐めながら
空いている手で玉袋を優しく揉んで男の人を射精に導いていきます。

「ううぅ……あ…あ…………」

「うぅん………気持ちいい、ですか?」

「うん、凄く良いよ…………」

「くちゅ……ちゅうぱぁ………あぁん…………」

段々とティアの顔が近くまで迫ってくると、あたしの舌は自然とティアの唇へと伸びていました。
ティアもその気になったのか、目をトロンと潤ませながらおチ○チンを挟んで舌を絡めてきます。
そして、そのままゆっくりと幹を舐めながら上昇していき、笠の部分から上を集中的に責めます。

「ううぐぅ、射精るぅっ!!」

限界を迎えたおチ○チンがビクビクと震えます。
おチ○チンはあたしたちの顔をビンタするように震えながら凄い勢いで精液を噴き上げ、
あたしとティアの顔を真っ白に汚しました。さわやかな朝が、一転してイカ臭い匂いに包まれていきます。

「ふぅ…………」

これで訓練に間に合うと、ティアがため息をつきました。
けれど、男の人はあたし達を解放せず、そのまま茂みの中に押し倒してしまいました。
口だけで満足できるか、と強気な態度でティアを組み伏せ、後ろからエッチな穴を犯しながら
あたしの胸に顔を埋めてきます。
結局、男の人が満足するまで相手をさせられてしまい、早朝訓練に遅刻した罰として
いつもよりハードな訓練メニューを課せられました。

「ううぅ、どうしてこんなことに…………」

「これ、きついんだよねぇ………ああ、振動きたぁ………」

罰メニューは拘束電気アンマ地獄です。手足を拘束されたまま、股間に振動している電気アンマを固定されて放置されます。

「ぐうああぁっ、な、なのはさん………助けてぇぇっ!!」

「うううあぁぁぁぁっ、き、きくうぅぅぅっ!!!」

最初は辛いですが、5分もしない内に快感が勝って2人とも泣きながら絶頂を噛み締めます。
457機動六課の爛れた業務B:2009/02/06(金) 23:50:08 ID:j/MORFde
「あああぁぁっっ、うううあぁぁぁっ!! ああぁっっ、い、いくくくっ、いきながらいくくくぅうぅぅっ!!!」

「あふあうはあぁっ、ティ、ティアぁぁああぁぁぁぁっあたしもおおおぉぉぉぉぉっ!!!」

もちろん、ちょっとやそっとでは許してくれず、あたし達はみんなに恥ずかしい姿を見せつけながら何度も絶頂に達しました。





あたし達は前線メンバーですが、午前中は報告書の作成等の書類仕事を主にしています。
もちろん、その間も男性隊員の相手はしなければなりません。
周りを見れば、手の空いた女性隊員はみんな男の人の性処理をしています。
部屋の隅の方ではグリフィスさんが書類仕事をしながらシャーリーにフェラチオをさせていて、
シャーリーの眼鏡はグリフィスさんが射精した精液がこびりついて真っ白になっています。
その向こうではルキノさんがみんなに配るお茶の用意をしています。ルキノさん特製の黄金水ジュース。
飲みたがる人、結構多いんです。それ以外の人も、みんな誰かしらの相手をしていて仕事は放ったらかしです。
ちなみに、エリオとキャロはフェイト隊長と一緒に外回りですので、今はここにはいません。
ティアもさっき、誰かに呼ばれてどこかに行ってしまったので、新人で残っているのはあたし1人です。

「スバル、空いているかなぁ?」

「も、もう少し待って下さい。今、大事な書類を…………」

「そんなの良いからさ、こっちの相手をしてよ」

胸を鷲掴みにしながら、その人はガチガチに勃起したおチ○チンを頬に擦りつけてきます。
ムッとするような臭さに思わず顔を顰めますが、見せつけられた途端に喉が渇いてドロッとしたあの粘液を飲みたくなりました。
ここでの生活はまるで麻薬です。精液の美味しさを知ってしまったら、どんな人でも抜け出せなくなると思う。
きっと、今もどこかでティアは男の人に抱かれ、エリオとキャロは家族3人で楽しんでいると思うんだ。

「はぁ…………お、おチ○チン…………好きぃ………」

あたしだって、楽しまなきゃ損でしょ。





お昼休みは部隊の敷地内から出なければ基本的に何をしても良いので、
お昼ご飯を食べた後は、みんなそれぞれの方法で休息を取っています。
友達とお喋りをしたり、オフィスの机で仮眠を取ったり、午後の仕事の準備をしたり、
デバイスの調整をしたり、誰かとエッチなことをしたり。
その日は、ちょっと食べ過ぎたので軽く運動でもしようかなと思ったあたしは、普段は人気のないヘリポートを目指して
廊下を歩いていました。すると、若い男性隊員達が医務室の前でシャマル先生に誘惑されている光景に出くわしてしまいました。
シャマル先生目当てで医務室通いする男の人も多いですが、先生は時々、ああして自分から誰かを誘う時があります。
誘われるのは主に年下の若い隊員です。エリオも一度、連れ込まれて天国を見たとか見なかったとか。
458機動六課の爛れた業務C:2009/02/06(金) 23:51:02 ID:j/MORFde
「いらっしゃい、今日も溜まっているんでしょ?」

「先生、今日は俺1人じゃないんですよ」

「良いわよ、3人くらい。逞しいペ○スで、エッチな女医マ○コにお仕置きしてぇ」

「先生!」

「あぁん、がっついちゃダメよ。お楽しみは、ベッドの上でね」

3人の男の人を医務室へと連れ込み、「CLOSED」の看板が下げられます。
微かに漏れているシャマル先生の喘ぎ声は、昼休みが終わるまで途切れることはないと思います。
とにかく、当初の目的を果たそうとあたしはヘリポートに到着しました。
すると、今度は近くの格納庫で大勢の人の気配と喘ぎ声が聞こえてきました。
こっそり中を覗いてみると、友達のアルトが大股開きにされたままヘリパイロットのヴァイス陸曹や
整備士のみんなに輪姦されているところでした。

「アルトぉっ!! 射精すぞぉっ!!」

「あああっ! 先輩、ヴァイス先輩のザーメン、ザーメン射精てるうぅっ!!」

「アルトちゃん、手がお留守になっているよぉ」

「ほら、ちゃんとご奉仕しないと大好きなザーメンあげないよ」

「す、すみません。ちゃ、ちゃんとし………うんんっ!! 先輩、激しいぃぃっ!!」

さすが、整備士さんやヘリパイロットの人達の間で密かに人気が上がりつつあるだけに、たくさんの人が集まって来ています。
事務員のみんなから人気のあるルキノさんとはうまく住み分けができているみたい。整備士さんもヘリパイロットの人も、
みんな油だらけの手でベタベタ触ってくるから、終わる頃には体中が油塗れになっていうんじゃないかな。
もっととも、昼休み中に終わる人数じゃなくなっているけど。





午後の訓練のために訓練場を訪れると、そこには交替部隊のみんなが待ち構えていました。
技術向上のためと言って合同訓練を持ちかけてきたのです。けれど、そこはやはり機動六課。
気がつけば親交を深めるためという名目で、青空の下乱交パーティーが開始されました。
459機動六課の爛れた業務D:2009/02/06(金) 23:51:33 ID:j/MORFde
「す、すまんな、みんな。いつもは、私1人で………ううぅ………1人で、相手をしているんだが、
ああん………あんん……うぅん………さすがに、この人数は…………」

「隊長、こっち向いてくださぁい」

「隊長だって好きなんでしょ。ほら、ちゃんと言葉で言ってくださいよ」

「うああぁぁっ………うんんっ!! ま、待て………いきなり………そこはぁ………」

「俺はその巨乳で扱いてくださいね」

「ほら、こうされるの好きなんでしょう?」

「ああ、あああん!! 好き、前と後からされるの、ああんん!! ああうん!!!」

「淫乱ポニーめ、騎士の誇りはどうしたっ!!」

「良いのぉ、そんなの良いのぉ!! 淫乱ポニーな騎士マ○コとケツマ○コがぁ、い、いくうううううぅっ!!!!」

交替部隊の隊長であるシグナム副隊長が、自慢の長髪を振り乱しながら乱れます。
もうすっかり、交替部隊専属の隊長奴隷になっちゃったみたいです。
交替部隊のみなさんは、筋肉が服を着て歩いているような屈強な方々ばかりで、精力は底なし、何度射精しても萎えずに襲いかかってきます。
こんな人達の相手を毎日しているシグナム副隊長は凄いです。

「フェイト隊長、こっちもお願いしますよぉ」

「なのは隊長、射精しますからこっち向いてぇ」

一番人気は、やっぱり隊長の2人です。2人とも、インナーだけの状態で惜しげもなく体を晒して、
差しだされるおチ○チンを舐めながらおマ○コとアナルで奉仕しているんです。
しかも、空いている手や長い髪まで使って、一度に大勢の男の人の相手をしています。

「フェイト隊長、どうして欲しいですか?」

「い、苛めてぇ………フェイトのお尻、いっぱいぶってぇ、乳首抓ってぇ………」

「苛められるのが好きなんですか、マゾですねぇ」

「こんな牛みたいなおっぱいぶら下げて、男を挑発しているんでしょう。マゾ執務官」

「ああううんん!! き、きくうぅぅぅぅっ!! い、痛いのが良いのぉ、もっと、もっとぶってぇぇぇっ!!!」

フェイト隊長は苛められるのが好きなのか、大きなおっぱいやお尻に赤い痣がたくさんできています。
男の人が酷いことを口にする度に、フェイト隊長の顔はみっともなく歪んで蕩けていきます。
いつもの凛とした佇まいが嘘のようで、とっても綺麗です。

「ううん………くうぅ………ちゅぅううん………や、優しくして……何でもしてあげるから
……………ああん!! お尻ダメぇ。脇ぃ、脇もぉぉぉ、弱いのおぉぉぉぉっ!!!」

「なら、こっちはどうですか?」

「おへぇそおぉぉっ!!! へそぉ、へそはだめぇ、おへそもおおぉぉぉぉっ!!!」

なのはさんは肌が敏感なのか、ちょっと撫でられただけで感じています。
乱れ方では多分、誰よりも激しいんじゃないかな。グリグリとお尻の穴を拡張されているのに、
涙流して喜んでいるなんて、なのはさんはヤラシイなぁ。
460機動六課の爛れた業務E:2009/02/06(金) 23:52:10 ID:j/MORFde
「ヴィ、ヴィータ副隊長。おれ、前から…………」

「や、やめろよぉ。そんな大きいの入るわけないだろ」

「副隊長!」

「ぐごおっ!!!」

棍棒みたいに大きなおチ○チンに貫かれて、ヴィータ副隊長が悲鳴を上げています。
その筋の人には人気のあるヴィータ副隊長ですが、どういうわけかその人達は決まって
筋肉質でおチ○チンもビッグサイズな人が多いんです。さすがのヴィータ副隊長も
苦しそうに呻いていますが、相手の人は構わず副隊長を持ち上げて小さい子をおしっこさせる態勢で
腰を突き上げていきます。

「ぐふぅっ!! で、でりゅぅっ!! お腹がぁぁぁっ!! い、胃がぁぁぁっ!!!」

「出ちゃダメですよ。ほら、息を吸ってぇっ!」

「だ、だめぇ、息吸ったら………は、吐く………ご、ごぼぉっ!! ぐぼあぁっっ!!」

突き上げのショックで、飲み下していた精液まで吐き出しながらヴィータ副隊長は絶頂を迎えます。
その隣では、キャロが小さな口を精一杯広げて、大きなおチ○チンを咥えようとしていました。

「んううう、うぅぅぇ・・・・・・・・・」

「キャロちゃん、もっと口を開けて・・・・・・・・・そうそう、キャンディ舐めるみたいに舌を絡ませて」

「こ、こうれふか? んんう、ちゅぅぁ・・・・・・・・・ケホッ、ケホッ!」

「ああ、ごめんごめん」

気道が塞がって噎せてしまったキャロを、その人は優しく気遣いました。
やっぱり、経験の浅いキャロは口で男の人を満足させてあげることができません。
ですが、懸命にご奉仕するキャロはとても可愛くて、たくさんの男の人が集まってきています。
その人達の思いに応えようと、キャロも一生懸命にご奉仕を続けます。
両手にケリュケイオンが付けっぱなしになっていることにも気づいていません。

「あぁぁ、キャロちゃん・・・・・・そう、優しく扱くんだ」

「グローブの摩擦が、また・・・・・・・・・・・・」

「もうダメだ、射精すよ!」

「は、はい、どうぞ。お顔にかけてください」

周りの男の人達が一斉に射精し、キャロの小さな顔が白く染まります。
もちろん、おチ○チンを握っていたケリュケイオンも精液塗れです。

「向こうは大勢で楽しんでいるなぁ」

「良いじゃないか、その分、この子を独占できるんだから。ねぇ、エリオきゅん」

語尾にハートマーク付きでその人は言いましたが、エリオに答える余裕はありませんでした。
屈強な男の人2人に押さえつけられ、上と下の穴を塞がれていては息をするのもやっとだからです。
エリオは男の子ですが、顔立ちが整っているのであたし達が手一杯の時は物好きな人によく犯されています。
あたし達だけがみんなの相手をしているといるのは不公平だということで、半ばそれは黙認されています。
461機動六課の爛れた業務F:2009/02/06(金) 23:52:55 ID:j/MORFde
「ああん…………ああぁ……あぁぁっ………僕、男の子なのにぃ………ううんあぁっ!! 
お尻、お尻が感じて…………ああぁぁっ!! んぬううぅぅっ!! ううんんんんん!!!!」

「はぁ、このギュッとした締め付けと弾力のある柔らかさが良いんだ」

「お、楽しんでいるねぇ。こっちと混ぜてみる?」

フェイト隊長のお尻を犯していた人が、エリオを犯していた2人に何かを囁きます。
すると、2人は面白いものを見つけたように笑い、エリオのおチ○チンを扱いて大きくさせていきます。
男の人って、お尻の前立腺を刺激されたら勝手におチ○チンが大きくなっちゃうらしいです。
そんな状態でゴシゴシされたら、あっという間に射精が始まっちゃいます。

「ああぁぁぁっうううあっぁぁぁぁぁっぁぁっ!!」

「勿体ないなぁ。ほら、君が射精すのはここだよ」

そう言って、黒いインナーを真っ白に汚されたフェイト隊長を近づけます。
フェイト隊長は焦点の合っていない目でエリオを見下ろすと、だらしなく舌を垂らしながら懇願しました。

「あはっ………エリオだぁ………エリオもしてくれるの? 良いよぉ、私のおマ○コね、もう精液でグチョグチョだから、
エリオのおチ○チンで掻き出してぇぇ」

「フェイトさん…………ああ、あ…待って、ま、ああああぁぁぁぁぁぁぁっっ!!!!」

エリオの制止も聞かず、勃起したおチ○チンが無理やり挿入させられます。
2人とも肛門を犯されたまま持ち上げられているので、重力に体が引っ張られて根元までおチ○チンが埋まっています。

「ふぁああぁっ、ああぁっ、エリオのち○こおぉぉぉっ!! 子どもち○こきたよぉぉっ!!」

「だめえ、か、体の自由がぁ、ああぁぁっ!!! 浮いている、浮いているよぉっ!!」

「はっはっ、親子サンドの完成だぁっ!!」

「うぉっ、締まりが急にぃ。射精すぞぉっ!!」

「ぼ、僕もでる、射精るぅぅっ、ああぁぁぁぁぁぁっ!!」

「あちゅうぅぃ、あちゅうぃぃっ!! お尻がやけりゅうぅっ!! 子宮も、エリオのしぇいしがぁぁぁぁぁぁっ!!」

狂ったように泣き叫びながら2人は絶頂に達し、お尻からは白い精液が零れてきます。
今度、あたしもあんな風にしてもらおうかな。

「ほら、あんたもサボってないでちゃんとしなさいよ」

「あ、ごめーん、ティア」

みんなを見てるのに夢中になっていて、自分の方が疎かになっていたみたいです。
気を取り直して、あたしは目の前におチ○チンに舌を伸ばします。
あたしとティアはシックスナインの体位を取らされていて、互いの性器と挿入されたおチ○チンを
舐めるように命じられています。
実は、あたしって舐めるの得意なんです。ティアが朝にやったみたいに舌と手を使ってご奉仕するのは苦手ですが、
ただ舐めるだけなら誰にも負けません。日頃、アイスクリームばかり食べているのは伊達じゃないんです。
462機動六課の爛れた業務G:2009/02/06(金) 23:53:34 ID:j/MORFde
「くちゅぅ、ちゅうぅぱぁぁ………ティアのお豆、真っ赤になっているね」

「ちょっ、ちょっと………そんなことされたら、あああぁっ、ううんあぁ、うううぅんんんんん!!!」

「はあんんん、うううん………どんどん濡れてくるね。あああんん、あたしも、濡れちゃう…………」

「こ、この………調子に乗るんじゃ……ああん! だめぇ、力が入らなぁい…………どうしてそんなに上手なのよぉぉ」

「おいおい、俺達を無視しないでくれよ」

「2人っきりで楽しまれてちゃ、男の名が廃るってもんだ」

そう言って、あたし達を貫いている人たちは猛烈な速度であたし達が一番感じるところを突いてきます。
目の前でピストン運動を繰り返すおチ○チンを見ていると、何だか怖いって気持ちが出てくるんですが、
それはおマ○コから来る快感が全部打ち消してくれます。あ、ティアってばお尻を弄り始めた。
もう、舌だけじゃ勝てないからって小手先に走ったら、負けを認めたようなもんだぞ。

「この、いきなさい。ほらぁっ!」

「ああんん、そこおぉっ……えい、お返し!!」

「ううあっ!! ああななぁ、あああんんん!」

「いっちゃうぅ、お尻もおマ○コもいっちゃうぅっ!!!」

「エリオ、エリオの射精、射精が止まんないのぉ!! 子どもち○こでいっちゃうのぉぉっ!!」

「いきますぅっ! 淫乱ポニーもいきますぅぅっ!! シグナムはみんなの騎士奴隷でうすぅっ!!」

「ぐふぉっ!! ああぐあかぁ、ぐあはぁぁっ!!」

「射精してください、わたしの顔にいっぱいかけてぇ」

「フェイトさん、僕またぁ、ああぁぁっ、お尻とおチ○チン、両方でいく……ああぁぁぁぁぁっ!!!」

「ティアぁ、一緒にいこう、いっしょ……あああ、あうあなあぁっ、ううんぬぅぁぁっ!!!」

「クリ、私のクリトリ…もげちゃ………い、いくくううぅぅぅっ!!!」

視界が真っ白に染まり、後はもう何が何だかわからなくなって色んな男の人達があたし達を抱いていきます。
その日は、終業時間になるまでずっと乱交パーティーが続けられました。





一日の仕事が終わり、シャワーを浴びて自室に戻ると、ティアは一目散にベッドへと飛び込みました。
ちなみに、寮内では性欲処理はしてはいけないことになっています。
だから、ここにいる間は誰にも邪魔されずに休息を取ることができます。
そして、あたし達の夜はこれからが本番です。
463機動六課の爛れた業務H:2009/02/06(金) 23:54:06 ID:j/MORFde
「ティアぁ、一緒に寝ようよぉっ」

「だめ、疲れているんだから。今日は寝かせて………」

「でもぉ、こっちはもう準備万端だよぉ」

ティアの股間に手を伸ばすと、お風呂上がりなのに洪水を起こしてビチョビチョになっていました。
口ではああ言っていますが、これからされることを期待している証拠です。

「ティア、好き好き大好きぃ」

「こ、こら……ああん、そこは………だめけ、そんなとこ舐めちゃ…………ああんんんん!!!」

「えへへ、今夜も寝かせないよ」

ちなみに、女子寮内には至る所に監視カメラが仕掛けられていて、室内の様子からシャワールーム、
果てはトイレに至るまで余さず隠し撮りされて男子寮のテレビに中継されています。
毎夜、ティアと繰り返している痴態も、バッチリ放送されていますよ。



                                                         おわり
464B・A:2009/02/06(金) 23:56:06 ID:j/MORFde
以上です。こんな職場、本当にあったら絶対仕事なんてできませんね。

それと、今更ながら注意事項に
・相手役は名無しのチ○ポ
・スバルの一人称形式
を入れ忘れていたことに気づきましたorz
不快な思いをさせてしまった場合は、申し訳ありません。
465名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 00:14:20 ID:M+2xKOrP
相変わらずの爛れシリーズですね(褒め言葉
466名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 00:18:11 ID:E/m7shoW
GJ!!
こいつは…強力な破壊力でしたぜ…ふう…

アンダードッグの続きをそろそろお願いしますぜ旦那!
467名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 00:18:57 ID:/jsTMiyp
(いい意味で)呆れたぜ…………GJ!
468名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 00:51:45 ID:44afTEXn
GJ
エリオがかなりエロいのは仕様ですか?
469ザ・シガー:2009/02/07(土) 01:39:54 ID:fTFDGVY/
>>B・A氏
やれやれ……まったくいつもながら良い仕事するじゃねえの旦那。
GJだぜ。
こんな職場に入りたいとマジで思ってしまった、俺もしかして変態じゃね?
しかし氏のSSのエロとシリアスの温度差は本当に異常だなwww
信じられんと同時に尊敬して止みませんwww


そして俺もこの流れに乗じて投下レッツゴー。

つう訳で、もうちょいしたら投下行きます。
以前に投下した「部隊長補佐と性王陛下」の続編です。
今回はグリフィス×ヴィヴィオ×エリオでエロ。
男×男がダメな人はスルー推奨。
470部隊長補佐と聖王陛下と小さな槍騎士:2009/02/07(土) 01:41:36 ID:fTFDGVY/
部隊長補佐と聖王陛下と小さな槍騎士


 ピチャピチャと、湿った何かを舐める音が響く。
 この種の水音は本来なにかしら不快感を煽るような効果が高い筈なのだが、それは酷く甘美に思える残響を孕んでいた。
 男、眼鏡をかけた美青年はソファに腰掛けて、ただ静かにその音に耳を傾けている。
 心地良い音色、そして腰の辺りから駆け上る快感に黒い薄笑いを浮かべて口を開いた。


「上手くなったね、ヴィヴィオ」

「んぅ……ピチャ……ほん、と?」


 眼鏡の青年、グリフィスに褒められて、彼の股ぐらに顔を埋めていた少女は顔を上げた。
 口に含み懸命に性奉仕をしていた肉棒へ舌を這わせながら上目遣いに首を傾げる姿はあまりに愛らしくそして同時に背徳的にして淫靡。
 ゾクゾクと青年の背筋を黒く淀んだ悦びの怖気が駆け抜けて脳髄に甘く響く。
 口元には自然と酷薄そうな悪魔の笑みが浮かび、自身が調教した少女に一心不乱の狂った愛を込めた眼差しを送る。


「ああ、凄く上手くなったよ。良い子だね、ヴィヴィオ」


 優しく、子犬にでもするかのようにグリフィスは少女の頭を撫でた。
 輝く艶やかな金髪を、その一本一本の感触を味わうように梳き、味わう。
 敏感な毛髪を撫でられ、ヴィヴィオは口中の肉棒を愛撫しながら嬉しそうに目を細める。
 覚え込まされた舌技を駆使し、幼い少女は愛しい主人に懸命に奉仕した。
 年頃の青年が幼女を己が性奴隷にする、なんと淫らで狂った光景だろうか。
 グリフィス・ロウランと高町・ヴィヴィオの性的な関係が始まり今日で既に二ヶ月。
 今となっては、グリフィスは時間があれば少女に快楽を教え込みその小さな身体を淫らな色で染めている。
 まるで乾いたスポンジが水を吸い込むように、純真で汚れを知らぬ無垢な少女は性を覚えこんで行った。
 今ではすっかり慣れた口淫奉仕を披露するようになっている程だ。
 もしこの姿を義理の母親であるなのはが見れば信じることなどできぬだろう。
 だが現実に、少女はグリフィスの従順な性奴として日々淫らに昇華している。


「んっっ……ちゅぷっ……ふむぅ」


 くぐもった声を上げながら幼い雌の奉仕は続く。
 小さな口が何度も何度も上下に動き、逞しい雄の怒張を咥え込む。
 上下運動と共に傘の張ったカリ首を唇に引っ掛け、太い幹に舌を絡める。
 まだ動きの中にどこかぎこちなさの残るものではあるが、男の快楽のツボを心得た見事な手並み。
 グリフィスは嬉しそうに黒き笑みをより深く闇色に染めて少女の奉仕に恍惚と声を漏らす。


「ああ、良いね。あともう少し強く吸ってみて?」


 青年の要求に少女は無言で了承、彼に言う通りに小さな頬をすぼめて肉棒を吸い上げる。
 今までの懸命な奉仕も相まって、その刺激は快楽に慣れた雄を果てさせるに十分すぎるほどのものだった。
 瞬間、堤防が決壊するようにグリフィスの陰茎から凄まじい寮の白く濁った精が吐き散らされる。
 青臭く独特の臭気を持った精の滾り、それをヴィヴィオは待っていたとばかりに細く白い喉を鳴らして飲み干していった。


「んくっ……んくっ……ぷはぁぁっ……すごぃ、のみきれないや」


 飲み込めなかった精液で口元を白く汚しながら、少女は嬉しそうに感嘆する。
 色を教え込まれたその身に苦く青臭い子種の液は美味でしかなく、自然と表情には喜悦しか浮かばない。
471部隊長補佐と聖王陛下と小さな槍騎士:2009/02/07(土) 01:42:35 ID:fTFDGVY/
 紅い舌が艶めかしく妖しく蠢き、頬や胸元に零れた精液を掬い取る。
 精に彩られた少女はさながら一個の芸術品のように美しかった。
 薄い笑みを零し、グリフィスは自分の手で作られた淫らな芸術品を悦に入って見下ろす。
 場所は機動六課隊員寮、その中にある高町なのはとフェイト・T・ハラオウンの相部屋。
 絶対にありえない、淫靡にして背徳の宴が行われていた。
 そしてそんな時だった、唐突に来訪者が現れたのは。


「失礼します……あの、フェイトさんいます、か……」


 現れたのは見慣れた少年だった。
 少し逆立った赤毛を揺らし、美少女とも呼べるような愛らしい顔をした少年、機動六課ライトニング分隊に所属エリオ・モンディアル。
 恐らくは上官でもあり親代わりであるフェイトを尋ねてきたのだろう。
 彼女を探してやって来てみれば、その代わりに目の前に現れたのは六課部隊長補佐であるグリフィスとフェイトの保護児童との世にも淫らな背徳劇だった。
 あまりに常識、いや想像の範疇を超えた光景にエリオはただ無言で目を見開く。
 パクパクと口を開いて絶句するエリオの姿は少しばかり間が抜けていて、どこか愛らしさすらあるものだった。
 グリフィスもヴィヴィオも唐突な来訪者の登場にしばし沈黙を以って唖然としていたが、次の瞬間にグリフィスの放った言葉でそれは容易く破られる。


「ヴィヴィオ、捕まえて」

「うん」


 掛け合いは一瞬。
 次なる刹那には少女の手により空中に魔力が描く円形テンプレートが発現し、無数の魔力の鎖が飛び出す。
 対象を捕縛する為の魔法、チェーンバインド。
 狙いは招かざる来訪者である赤毛の少年。
 容赦なき捕縛の魔陣が瞬く間にエリオを縛り上げ、拘束し尽くす。
 無論、自由を奪われた赤毛の少年は必死にもがき抵抗した。


「い、一体何をっ!? ヴィヴィオ、これ解いて」

「ダメだよヴィヴィオ、バインド解いちゃ。せっかく上手くなった魔法なんだから、エリオにもじっくり味合わせてあげないとね」


 光を反射させ、妖しき眼光を隠すように眼鏡をクイと正しながらグリフィスが口を開く。
 そして彼は自身の股ぐらに顔を埋めていた少女に促してズボンのファスナーを上げさせると、そのまま立ち上がってエリオに近づいていった。
 青年の肉体からは眼に見えぬ筈のオーラか何かが発せられている気がした。
 まるで獣、血に餓えたそれが獲物を手にかけた時のような気配。
 どす黒く嗜虐の悦びに震える闇の感情である。
 エリオは、まるで自身が蜘蛛の巣にかかった哀れな虫けらであるような錯覚すら覚えた。
 だが実際、少年のその認識は間違ってはいない。


「見られちゃったねヴィヴィオ、大変だ」

「うん、みられちゃった」

「ふ、二人とも! な、何してるんですか……グリフィスさん、あなたはヴィヴィオにこんな……」


 困惑に飲み込まれながら、幾らか怒りの混じった言葉をエリオが喚き散らす。
 無理もないだろう。
472部隊長補佐と聖王陛下と小さな槍騎士:2009/02/07(土) 01:43:39 ID:fTFDGVY/
 ヴィヴィオはフェイトの保護児童であり、つまりは間接的に自分の妹分のようなものだ。
 その少女がグリフィスの手によって性的な行為を強要されている。
 少年はそう判断した、判断せざるを得なかったのだ。
 常識的判断と道徳心が義憤を呼び、エリオに正当な怒りをもたらす。
 だが対する眼鏡の美しい悪魔は、まるで悪びれた様子もなく首を傾げた。


「何を怒っているのかな、エリオは。もしかして僕がヴィヴィオに酷い事をしてるとでも?」

「ち、違うって言うんですか!?」

「ああ、違うね。僕は彼女に何も強要はしてないんだよ。ねえ、ヴィヴィオ?」

「うん」


 無垢な、世の汚れを何も知らぬ少女は朗らかとも取れる程の笑みを浮かべて頷いた。
 詭弁だ、エリオの中にさらなる怒りの炎が注がれた。
 何も知らない、男と女の性の契り合いなど無知に等しいヴィヴィオに身勝手な欲望を刻んでいるなど明らかだ。
 少年は歯を噛み締めて眼鏡の美青年を睨み付けた。


「はは、そんな恐い顔しないでよエリオ。君にはこれからたっぷり良い思いをしてもらうんだから。さ、ヴィヴィオ、エリオにたっぷり“ご奉仕”してあげて」

「エリオくんにするの?」

「ああ、口止め料ってヤツさ。僕と君の関係は“ナイショ”の事だからね」

「うん、わかった。それじゃエリオくん、たっくさんたのしんでね♪」


 はちきれるような純心な笑顔、しかし淫蕩で背徳的な色に染まった矛盾する笑顔を浮かべてヴィヴィオは笑った。
 エリオの背筋に寒気に似た感触が走るのと同時に、少女は彼に股ぐらにそっと指を這わせる。
 白く澄んだ肌を持つしなやかな指がつぅと一撫で、少年の性感を例え様もなく刺激。
 未知の感覚に耐えるように、彼に苦悶の顔を浮かべるのをヴィヴィオは嬉しそうに眺める。
 次いで、何の遠慮もなくその指をファスナーにかけて一気に下ろす。
 下着の間から少年の未発達な性器が顔を出すのは一瞬だった。


「へえ〜、グリフィスさんとかたちぜんぜんちがうんだねぇ」


 勃起すらしていない幼い肉棒を指の間で弄び、少女は物珍しそうな顔をする。
 日ごろ見慣れた青年の逞しく使い込まれた肉棒と目の前の雌を知らぬモノでは、とても同じ雄の生殖とは思えぬほどの違いがあった。
 好奇心旺盛な少女に心は純粋な知的欲求に従って、指を舌を思うままに蠢かして少年の肉の茎を弄ぶ。
 それは正に子供が新しいおもちゃを弄る様そのものだった。
 エリオの未成熟な肉棒がそそり立つのにそう時間はかからない。
 腰の下から這い登る怖気、快楽のこそばゆい電流を受けて、少年は嗜虐心をそそるような
473部隊長補佐と聖王陛下と小さな槍騎士 :2009/02/07(土) 01:45:45 ID:fTFDGVY/
 喘ぎと共にヴィヴィオを制止しようと必死に言葉を紡いだ。


「くっ! ダ、ダメだよヴィヴィオ……うあぁ……こんな事しちゃ……」

「ん、むぐぅ……なんれ? だって、すごくきもちいいよ? んちゅ、エリオくんらっれ、そうれしょ?」

「ぐあっっ!……ダメ! そ、そんな……咥えながら喋ら、ないで……」


 陰茎を口に含んだままヴィヴィオが言葉を紡げば、自然とその不規則な刺激がエリオの性感を絶妙に刺激する。
 むず痒く切ないその快楽、少年に狂おしいまでの恍惚をもたらして止まない。
 この事実に、少女は淫靡で妖しい笑みを浮かべて満悦とする。
 今、自分より歳も上、体も大きな者を快楽で征服しているという充足が心を満たすのだ。
 肉の悦びを与えられる被虐ではなく、こちらが相手の主導権を握るというシチュエーション。
 少女は新たなる睦事の楽しみを知った。


『はは♪ エリオくんのオチンチン、すごくピクピクして“はやくだしたい”って言ってるみたい。かわいい♪』


 いつの間に覚えたのか、奉仕の手を少しも緩めずに念話まで使って少女は淫らな悦びを語る。
 羞恥心を刺激されたエリオは余計に肉棒を硬く大きくさせた。
 その愛しい肉の槍を少女は嬉しそうに責め立てる。
 裏筋に何度も舌を強く這わせ、まだ小さなカリ首を唇で抉るようにむしゃぶりつき、頬をすぼめて吸引。
 さらには同時にベルトを外してズボンを下ろし、姿を晒した睾丸まで指で優しく撫で回す。
 絶妙な、熟練なる愛撫。
 グリフィスの手で教え込まれ昇華した肉棒への奉仕の手管である。
 女性からの性的な愛撫の経験など皆無であるエリオは瞬く間に昇り詰め、果てる寸前まで到達。
 あと少し、あとほんの一扱きで溜まりに溜まった精の粘液が噴出する。
 そう思った。
 でもそれは訪れなかった。
 グリフィスが小さく手を上げて、少女に制止をかけたのだ。


「待ってヴィヴィオ。少しストップだ」

「ふえ? なんで? もうすぐでるのにぃ」


 早くエリオの精が欲しいのか、ヴィヴィオは頬を膨らませて不満げな顔をする。
 だがこれに青年はどす黒い、地獄のような笑みを浮かべて返した。


「だってこのままじゃ僕だけ仲間はずれじゃないか。それじゃ寂しいよ」

「あ、そうだね。でもどうするの?」

「う〜ん、そうだなぁ……それじゃあヴィヴィオ、エリオのお尻の穴を弄ってみて?」

「おしり?」

「そ、指を濡らして優しく解してみようか」

「うん、わかった」


 言われるがままに、ヴィヴィオは溢れる唾液で自身の指を濡らすとそのまま目の前の無防備な少年の股ぐらに伸ばす。
474部隊長補佐と聖王陛下と小さな槍騎士:2009/02/07(土) 01:46:38 ID:fTFDGVY/
 睾丸から正中線の筋を這わせていき、キュッと締まった排泄用の穴の周囲をやんわりと撫でる。
 そして軽く指の先端を射し入れた。


「ひゃっ! や、止めてヴィヴィオ! こ、こんな事……ひぃっ!」

「あ、エリオくんすごくかわいいこえになってる。おもしろーい♪」


 軽く、達しない程度の強さでペロペロと肉棒を舐め上げつつ、少女はエリオの菊門を弄んだ。
 優しく肛門を抉り解すたびに少年の口からはまるで女の子のような甘く切ない声が溢れ出し、淫らな狂想曲となって木霊する。
 それはとても甘美で、少女の幼い美的価値観を刺激するものだった。
 射精しない限界を見極めての愛撫に、次第にエリオの脳髄は蕩けていく。
 最初は抵抗しようと必死だった思考が、今では半ば崩壊して快楽に飲み込まれていた。
 そんな彼に遂に悪魔のトドメの一撃が振るわれる。


「さて、じゃあそろそろ僕もお相手させてもらおうかな」


 言うが早いか、グリフィスはエリオの背後に回っていた。
 そしてバインドで拘束された少年の身体を持ち上げると、自身の怒張を彼の菊穴にそっと擦り付ける。
 感触から、その肉棒がゴムのようなモノを装着し、明らかに人工の物と思われる粘性を帯びている事が分かった。
 自分が何かされる、そう感じたエリオは蕩けた頭を駆使して背後の悪魔染みた青年に視線を向けた。


「な、なにするんですか?」

「ん? いや、今から君を犯そうと思ってね」

「へ?」

「大丈夫、男同士ってのも悪くないよ」


 エリオが理解する暇もなく、グリフィスの肉棒。
 コンドームを装着し粘性の高いセックスローションを塗布されたソレが、彼の肛門を貫いた。
 ズブリ、と、鈍い音が脊髄を伝わって脳まで響く錯覚。
 熱く硬い肉の凶器が自分の中に埋没するのが分かった。
475部隊長補佐と聖王陛下と小さな槍騎士:2009/02/07(土) 01:47:46 ID:fTFDGVY/
 痛みと快楽、もはや渾然一体となった混沌がエリオの中を掻き乱した。


「うあああぁぁっ!! い、たぁ……く、くるしぃ」

「大丈夫、力抜いて? すぐ気持ち良くなるからね。さ、ヴィヴィオ、さっきの続きしてあげて?」


 小さな身体を軽く揺さぶっては肉棒で痛みと悦びを刻みながら、グリフィスは少年の前でお預けを喰らっていた少女に視線を向ける。
 これに待っていましたとばかりに頷くと、少女は先ほどの続きを開始。
 美味しそうにそそり立つ肉棒へと愛撫の責めを行った。


「ひっ、あうあああぁっ……らめぇ……ヴィヴィオ……そんら、あぁぁっ!」

「すご〜い、もうはれつしちゃいそうだよ、オチンチン。まっててね? ヴィヴィオがすぐださせてあげるから。ほら、イっちゃえ♪」


 初めての肛門漢の為、ある程度手加減して犯すグリフィスの突き上げと共に上下に揺れるエリオの身体。
 その動きによって規則的に動く幼い肉棒に、ヴィヴィオは巧みに愛撫した。
 首の動きを合わせて舌を這わせ、時折強く吸い上げ、竿を手で擦り、袋をしゃぶる。
 少女の短い性経験が知る全ての技を以って悦びを与えた。
 犯される悦びと奉仕される悦び、まったく質の異なる受動的快楽に少年の決定的破堤が訪れる。
 少女の小さな舌が尿道をほじくるように差し込まれた刹那、遂に若き精の迸りが吐き出された。


「あああぁぁぁあっ!!!」


 絶叫にも似た声がエリオの口から溢れる。
 そして少女に降り注ぐ白いシャワー。
 青臭く、そして濁ったアイボリーカラーの子種が少女の艶やかな金色の髪を飾り汚す。
 少女は自身の成し遂げた快楽の極みに恍惚とした表情、決して童女の浮かべる事のないそれを浮かべて笑う。
 そして顔に付着した精液を指で掬い取っては、美味しそうに口に運んだ。
 ピチャピチャと、まるで子猫が与えられたミルクを舐めるように喉に流し込む、その味に頬を鮮やかな朱色に染める。
 そんな少女に、眼鏡をかけた青年は心底面白そうに声をかけた。


「どう、ヴィヴィオ、美味しい?」

「うん、おいしぃ……グリフィスさんとすこしちがうあじがする」

「そう……じゃあ、もっと飲んでみようか?」

「うん♪」


 残酷な悪夢のような会話、捕らえた獲物を弄ぶ残酷な獣のような笑みを浮かべ、二人は頷き合った。
 獰猛にして爛れた色に溺れる肉食獣に捕食され、哀れな小鹿は快楽に蕩けきった思考を必死に奮い立たせて哀願する。
476部隊長補佐と聖王陛下と小さな槍騎士:2009/02/07(土) 01:48:38 ID:fTFDGVY/
 どこかでそれが無駄と知りつつも。


「やぁぁ……も、もうやめ、て……」


 涙で瞳を潤ませてする懇願、それは結局のところ燃え上がる嗜虐の炎に油を注ぐにすぎない。
 エリオの言葉に、痴態に、グリフィスの浮かべる悪魔染みた笑みは余計に黒く、ヴィヴィオの浮かべる淫婦の笑みは余計に淫靡になる。
 二人の手によって小さな槍騎士の少年が深き奈落の底に堕ち果てたのはそれからもう間もなくの事だった。


終幕。
477ザ・シガー:2009/02/07(土) 01:54:22 ID:fTFDGVY/
投下終了。

基本、三棒(鬼畜ロノ・淫獣・エロオ)は他の職人氏と被りそうなので極力使わないのですが、今回は電波を受けて即文章化してしまいました。
鬼畜眼鏡に調教されるヴィヴィオ&エリオ、きっと将来は数多の人間を色に狂わせる事になるでしょう。
でもおかしいなぁ……俺は人妻とか姐御とか、年上のグラマー美人専門だった筈なのに、いつの間にこんなSSを書けるようになったんだろう。


それと言っておくけどね!
べ、別にあんた達が『エロが足りない』とか『3P』とか言ってたから書いたんじゃないからねっ!
勘違いしないでよ!
478ザ・シガー:2009/02/07(土) 01:58:17 ID:fTFDGVY/
そして致命的誤字に気付いちゃった……
>>475
 初めての肛門漢の為、ある程度

 初めての肛門姦の為、ある程度


執筆の速さを求めるとこういう致命的ミスがでちゃうんだ……
なんやねん『肛門漢』って、アナルファッカーハラオウンの俗称か?


その……司書さん……ごめんなさい……
保管庫に入れる時は直してちょうだい。

だから……嫌いにはならないで。
479名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 02:34:31 ID:0lYrK1mZ

480名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 03:24:23 ID:T69yQ6Lf
肛門漢(こうもんおとこ)だと……







ゴクリ
481B・A:2009/02/07(土) 03:56:46 ID:Au4K1jcR
>>477
GJ。
ヴィヴィオ、すっかり堕ちちゃって…………氏のグリフィスは相変わらず黒い。
このまま全員堕としてハーレム結成ですか?

それにしても、ここ最近はエリオが受けに回ってばかりだw
482タピオカ:2009/02/07(土) 05:14:13 ID:QkEt6ftm
エロの流れ
エロパロなんだから当たり前で、今までちょっぴり広い目で見てもらいすぎたんだ
ならばエロ
幸い、金曜日の夜
エロにするなら男と女というのが妥当
しかし女はともかく、男は難しい
少ないし、しかもゼストぐらいしかまともに書いてない
そもそも他の人たちが書くエリオやユーノよりも、自分らしい話の造り方で勝る一点を作れるかどうか
ならばエリオやユーノのように、甘々だったりハードであったりするけど快楽目的ではなく、また違うアプローチでエロを活用できないか?
例えば癒し
ならば使えるのはヴァイス、これしかない
想像力が薄く、グリフィスはまだそこまでの痛みを経験してるようには見えず、ザフィーラがめげる姿も思い描けない
妹の目を射たヴァイスはさぞや苦しんだ事だろう
そんな頃、ほんの少しだけでも、ちょっとだけでも、何もかも忘れる時間がなければ折れて崩れて立ち直れなくなると言う事も、あり得るのではないか?
酒であれ女であれ溺れて刹那の間だけでもその苦しみから目をつむれる時間があってもいいんじゃないか?
では女は誰にするか?
ここは、二次創作なんだからあり得ない組み合わせがいいと思う
決して本編で交わる事のなかった二期と三期のコラボレーション、そう、あの人がいいんじゃないか!


と、思いついてワードを開くと、気づけばわけのわからん話を書いていた
前振りに騙されないで!
結局エロくない短いコメディ、おやつ感覚でどうぞ


注意書き
・山なし、落ちなし、意味なし、エロなし
・キャロがナンバーズる話
・セッテが割食う話
483今週のザ・ピンクはこちら、ザンッ!:2009/02/07(土) 05:15:40 ID:QkEt6ftm
「悪い子になりたいんです」
「それはまた思い切ったことだ。多感な時期、そんな風に尖がるのも経験になるものだが……どうして私の所に来たのかな?」
「どうか、悪い人のなり方を教えてください」

教科書どおりだが、心をこめたお辞儀をキャロがスカリエッティへと。
ぶしつけな訪問で師事を乞うのだから誠心誠意を態度に詰めるのは当然の事である。
悪い子≠教授してもらうにあたり、これ以上適当な人物はいないのだ。故に、スカリエッティへ敬意を払って礼儀を施すのは何一つ間違いではない。

「善悪の価値観は人生経験の量と質、さらには宗旨にまで及んで多分だよ? 一言で悪い子≠ニ片付けるには意味が広い。どんな風に、悪くなりたいのかな?」
「フェイトさんを困らせなくなるぐらい悪い子になりたいです」
「ほう? もう一度言ってくれるかな?」
「フェイトさんを困らせなくなるぐらい悪い子になりたいです」
「うん、聞き間違いじゃなかったね。どうも意味が不明だ。そんな目的を持った経緯の一部始終でいい。差し障りなければ教えてくれないかな?」

〜回想開始〜

「うふふキャーロ」
「えへへフェイトさぁん」
「キャロは良い子だねぇ」
「えへへ」
「良い子過ぎて困っちゃうよ」

よし、悪い子になろう。

〜回想終了〜

「その実直さと即断即決、さらには私のアジトを突き止めるだけの捜査能力は称賛に値するね」
「どうかわたしを悪い子にしてください」
「いいだろう。ならばまずは無断外泊から行ってみようか。クックックッ、見知らぬ部屋で馴染まぬベッド、違うマクラで眠れるかな?」
「夜更かしは望むところですから」
「その場合、悪徳の類ではなくて健康面で体に悪いね。もし眠れないときはきちんと言うんだよ。ウーノに子守唄を歌わせよう」
「いえ! そこまでお手数をかけるわけには!」
「なに、眠れなかった時の話だ。夕食は済ませたかな?」
「おやつを食べてお腹いっぱいです。だから夕食なんて要りません」
「不良になるのに素晴らしいスタートダッシュだね。ならばまずはここの施設の案内させようか。アジトが吹き飛ぶ自爆ボタンが所せましと並んでいるけど押しちゃ駄目だよ」

まぁ、つまりそう言う事。



「ここがあなたの部屋になるわ」

ウーノの先導のもと、キャロが辿り着いたのはホテルの一室と見紛う部屋だった。
なんか恐竜の化石とかむき出しの通路のくせに、備えられている施設はきめ細かく手入れが行き届きしかもバリアフリー。
老後にも是非生活をしたいと思える設計である。無論、スカリエッティが自ら引いた図面に依るアジトなのだから理の当然だ。
胎児から老衰死直前まで、快適で安全、健やかな暮らしを約束するマッドサイエンティスト、それがスカリエッティである。

「この部屋だけで十分生活できるけれども大型のバスやダイニングなんかもあるわ。デザートが余ってるでしょうから、食べに行きましょうか」
「えぇ、も、もう八時を過ぎていますよ!? なのに甘い物を……!」
「悪い人ばっかりの集団ですもの」

悪戯っぽく笑うのに、ふんわり優しいウーノの雰囲気にキャロはたじろぎ息をのむ。
しかもそのデザートと言うのがケーキであると言う。生クリームたっぷりという狂気的それはどれほどの糖分を含んでいるか、キャロの想像を絶していた。

「ウーノ、悪い子になりたいとここに来たという者は………………………………そいつか」

何の前触れもなくトーレが無遠慮に入室。じろりと人を威圧する双眸がキャロを捉えた。
恐い人だ。
とちょっぴりどっきりするキャロだが、しかしこんなところで怖気づく様では悪い子にはきっと届かない。
だからできる限り、持てる知識を絞って迫力負けしないドギツくて口悪い汚泥のような文句を一発かましてやろうと奮い立つ。
484今週のザ・ピンクはこちら、ザンッ!:2009/02/07(土) 05:16:32 ID:QkEt6ftm
「くぁwせdrftgyふじこlp;」

問題は今日まで良い子だったキャロには経験が伴っていたかった点である。
呂律を上手に回せず、キャロったら噛んじゃった。

「……」
「……」
「……」
「……ケーキの準備ができているから一緒に行こう」
「はい」

悟り開いた者さえも慰め切れない空気を、トーレが優しく払ってキャロの背を叩いてやる。
ちなみに今回のデザートを作成したのはトーレである。
武辺一辺倒の無骨者に見えるトーレだが、料理に洗濯、裁縫なんでもござれのお嫁さんにしたいナンバーズナンバーツーである。ナンバーワンはウェンディ。ウェンディ可愛いよウェンディ。ウェンディハァハァ。
さらには極上の肉体美を備えた名器持ちでSでありMでもあり床上手すぎるトーレだが、残念ながら今回の話にこの長所が生かされる場面はないだろう。

ダイニングにいたのはクアットロだった。ケーキ突っついて眼鏡の向こうの瞳が幸せそうにとろけている。

「あらぁ、そこのお嬢ちゃんはどなたかしら?」
「キャロ・ル・ルシエです。悪い子を学ぼうとスカリエッティ博士を訪ねさせていただきました」
「良い心がけよ。このクアットロと一緒に衛星軌道上からミッドチルダの住民全員を人質にできるようなテロ行為しましょうね」
「はい、喜んで」
「キャロちゃんはコーヒーか紅茶か何とも言えずトロッとしたもののどれがいいかしら?」
「一番悪そうなものを」

そして差し出される何とも言えずトロッとしたもの。
しばし、ズル、ジュル、ジュゾゾ、とキャロが何とも言えずトロッとしたものをすする音がダイニングに流れた。
適度に喉が潤ったんだがねばついたんだがよく分からん状態になったキャロへと差し出されるケーキ。
イチゴがふたつも乗っている芸術品と称して頷ける逸品だ。

「食べると良い」
「わぁ、有難う御座います」
「トーレ姉様ったら、キャロちゃんにはイチゴをふたつも乗せちゃってぇ」
「あ、余っていたのを全部載せただけだ」

キャロがトーレに「さてはこの人はいい人だ」と思った瞬間である。
それを裏付けるようにほっぺたに付着する生クリームをハンカチで拭ってくれるわ、自分のケーキのイチゴをさらにキャロに上げようとするわでえらい事ですよ。

「そうだ、キャロにも服を用意してやろう」
「え゛」

そしてトーレのこの一言に、キャロのフォーク持つ手が止まった。
寸時をおかず、己の脳裏に閃くのはピッチリスーツを身に纏った自分の姿―――恥ずかしい。

「ふふふ、キャロちゃん、戦闘用のボディスーツの事じゃないわ。トーレはね、こう見えて手芸がとっても上手なのよ」
「ルーテシアお嬢様のフリフリのお洋服を作ったのトーレ姉様なんだから」
「あの黒いドレスですか?」
「そうよぉ、素敵でしょう?」
「はい、とってもルーちゃんに似合ってると思います」
「キャロには、もっと明るい色の服にしよう。人をもふり殺せるぐらいフリルをつけて……うむ、意欲が沸いてきた。クアットロ、手伝ってくれ」
「はぁ、それは構いませんけど…採寸は?」
「見た」
「いや、計ってないじゃないですか」
「見ただけで分かる」

燃える瞳に萌える想いを乗せてトーレが軽やかな足取りで去っていく。
戦闘において頭ひとつもふたつも他のメンバーより抜けたトーレである。対峙した相手の戦闘能力を目測する技能には長けていた。
故に戦闘において利になる身長やらリーチやらもパッと見て把握できるんだからたまらないね!
そんなトーレはミッドチルダを制圧した後、理想とする世界が築きあがればお花屋さんを開いて素敵なお嫁さんになるのが夢だ。
485今週のザ・ピンクはこちら、ザンッ!:2009/02/07(土) 05:17:08 ID:QkEt6ftm
「ケーキとっても美味しかったです」
「それは良かったわ。トーレが作ったのよ」
「お礼を言いそびれてしまいました…」
「そのくらい、構わないんじゃないかしら? 悪い子なんですし」
「そ、そうですね」
「お風呂にしましょうか。このラボまで遠くて疲れたでしょう?」
「はい、何度かガジェットに攻撃されました」
「ごめんなさいね、私たちも悪の秘密組織だから、あんなメカのひとつふたつは持ってなきゃいけないのよ」
「あのくらいならひとりで大丈夫ですよ」

今回の事にフリードは置いて来ている。良い子のフリードはキャロが悪い子になるのに最後まで反対したのだ。



その頃のフェイトさん。

「キャロ…どこに行ったの……」

散々探しても見当たらないピンク髪の小憎いアイツを心配している姿は、なのはとヴィヴィオも声をかけずらい落ち込みっぷりだ。
おっとそんな時に、フェイト宛てに手紙と大きな包みが!

「差出人…JS?」

新聞の切り抜きを張り付けて文章としたその手紙に、さしものフェイトもおののき奮えた。

寒さも厳しくなってきた季節。いかがお過ごしでしょう? お互い血みどろの殺し合いがこの先に控えていますので、お風邪など召しませんよう温かくして体調管理をきちんと心がけましょう。お宅の娘は預かった
「な!? まさか誘拐!?」
明日のお昼頃には帰るように言っておきます。一緒に包んであるケーキはうちの娘の作品です。皆さまでどうぞ
「……」
「……」
「……」
「じゃ、ケーキ切り分けよっか。今、空いてる子どのくらいいるかな?」
「えーっと……アルトとリィン、あとヴィータかな」
「ママー、もう遅いよー? ケーキ食べていいの?」
「今日は特別だよ」
「やったー!」

ひとつ問題があるとすれば、このクソみたいなアホ話書いてる時期こそ冬だけど、六課設立からJS事件終結までに冬が挟まれた事がないから手紙冒頭が珍妙極まりない事だろう。知った事か。



かぽーん、と音がしそうな感じがした。

「わぁ、広いんですねぇ」
「12人も姉妹がいるから、これぐらいにしないと狭くなっちゃうのよ」

湯気で煙る浴場。水音と誰かの会話を耳にキャロが嬉しそうな声上げた。
タオル一枚を幼い体に巻きつけただけというまったくけしからん姿ですよ本当。いや、本当にけしからんですなぁ。
美しい紫の髪を高く結い、適度な肉付きの官能的なウーノの肢体もまたけしからんですなぁ。
さらには、先に入浴中だったチンクの大人びた沈着さを纏う豊かさに乏しい体のアンバランスさが湯の熱にほんのりと朱色を浮かせて艶やかさを演出するのはけしからん事ですよ。
チンクの横、浸かりながら談笑するセインもまた解放的な場所で解放的に気だるげな姿勢で女性らしさを忘れて大胆とも言えるくつろぎかたするのはけしからんですなぁ。
って、覗いてたスカリエッティが言ってた。

「お、ウー姉、そっちのおちびちゃんはどちら様?」
「キャロ・ル・ルシエです。悪い子になろうとこのラボにお邪魔させてもらいました」
「あっはっはっ、そうだね、あたしたちは悪い事やってるもんね、うん。あ、あたしセイン」
「チンクだ。キャロ、どうして悪い子になりたいんだ?」
「それは〜略〜だからです」
「そのフェイトさんが、心配してるかもしれないぞ?」
「………」
486今週のザ・ピンクはこちら、ザンッ!:2009/02/07(土) 05:17:41 ID:QkEt6ftm
キャロがうつむいた。困ったような顔。
みるみる眉が下がっていき、そうして、絞り出すように声が出た。

「……適度に悪い子になったらすぐ帰ります」
「ふふ、お手軽だな。だが、フェイトさんを心配させたんだ。もう十分悪い子だろう」
「!? じゃあ、もう帰ります!」
「落ち着きなって、一晩ぐらいゆっくりしていきな。夜の山と森は危ないぞー」

セインが湯船の中からおいでおいでをしてくれたので、かけ湯をして浸かろうとすれば、

「待つんだキャロ! まずは体を洗ってからだ!」

チンクが立ち上がる。仁王立ちして片手を突き出しストップのジェスチャー。

「えー、いいじゃん、かけ湯したんだし」
「いいや、まず体を洗ってからだ。髪は濡れると寒いから、頭を洗うのは後でいいが、湯船に浸かるのは体を洗ってからだ!」
「寒いって、自分で言ってるじゃんか、チンク姉。だから、一回温まってから体を洗う。これが一番だね」
「いいや、公共の場だ。わきまえた行動をとるに越したことはない」
「それよりも、ぬくぬくするのが大切だって。一緒にぽかぽかしたら些細な事なんか気にならないよ」

あーだこーだ言ってるセインとチンクの横、かけた湯がみるみる冷えていく中でキャロが寒さに震え始めるのだった。
一方その頃ウーノはシャワーを浴びてた。



その頃のはやてさん。

「ロン」



更衣室に戻るとセッテが「メガネメガネ」のポーズで床を這いつくばっていた。

「ヘッドギアヘッドギア」

セッテが探し物さぐる手のすぐ横、ヘッドギアが転がっているのをキャロ、ウーノ、チンクは見た。
セインはコーヒー牛乳をきゅーっとやっとる。
おもむろに、キャロがヘッドギアを拾いあげれば―――

「どうでしょう?」

自分につけた。ものごっつい似合ってた。髪の色的にも違和感は薄い。

「いいじゃない」
「似合うな」
「おー可愛い可愛い」
「ヘッドギアどこー…?」

そんなキャロもフルーツ牛乳を一本、ぐいっとひっかけて温水洗浄施設を後にする。掴んだ手を放せば物が落ちる事に疑いないように、ヘッドギアを装着したままだ。セッテほったらかし。
チンクは牛乳を四本飲んだ。噛むように飲んだ。とにかく飲んだ。願いと祈りを込めて飲んだ。飲みに飲んだ。

キャロの ぼうぎょりょくが 32あがった!



その頃のプレシアさん。

「ポン」

487今週のザ・ピンクはこちら、ザンッ!:2009/02/07(土) 05:21:16 ID:QkEt6ftm
「早いね、もうお風呂上がったんだ」

実に中性的な気配がウーノとキャロの背後から。眠たげな瞳。
オットーである。

「明日の訓練だけど、僕とディードに細かい調整が入ったからまた別の日に繰り上がったよ」
「はじめまして、キャロ・ル・ルシエです」
「何言ってるの? それより、肉体強化を急いでるみたいだけど、ドクターももうちょっと間を置いた方がいいと言ってたから先にブーメランブレード完成させちゃおう」

と、ここでヘッドギアを外すキャロ!

「だ、誰だ!?」

再装着。

「あ、あれ? セッテだ…よね、うん」

外す。

「え、誰!?」

再装着。

「いや、やっぱりセッテだ」

外す。

「誰だ!?」

再装着。

「……はは、僕ったら、どう見てもセッテじゃないか。ちょっと疲れてるみたいだ。もう寝るよ」
「おやすみなさい」

そうしてオットーがウーノとキャロとは違う方面へとふらふら去って行った。
ふと、近くの部屋で姦しい声が沸いた。
覗くとノーヴェ、ディエチ、ウェンディがいた。大型の液晶画面で対戦ゲームの真っ最中だ。
ジェイル・スカリエッティが分割払いで購入した最新のテレビジョンで遊ぶのだからたまらないね。

「あー、ウー姉とセッテじゃねぇっスか。一緒にどうっスか?」

三人の中で一番楽しそうなウェンディがコントローラー握る手をひらひらと。
ノーヴェがぶすっとしているのは、画面の中で散っていったキャラクターを操っていた事が原因だろうか。

「あれ、セッテ、機嫌よさそうだね、何かあったの?」

いつも無愛想で無表情のセッテが、妙に柔らかな物腰と少女のようなあどけなさだ。
と言う風に、キャロを覗きこむディエチの目は誤爆ってる。

「本当っス。いーっつも恐い顔してるのに珍しいっスね」
「……お前、ホントにセッテか?」

ノーヴェだけ鋭かった。

「何変な事言ってるスか、どう見てもセッテじゃないっスか。ほらウー姉もセッテも混じって対戦っスよ! 最大四人だから、さっき負けたノーヴェは一回休みっス! 次負けた人、ノーヴェと交代っスよ!」
「私はいいわ、四人で楽しみなさい」
「ほら、セッテ、もっと前に来なよ」

ウーノが面白そうに見学に徹すれば、ディエチがキャロに優しく前の方に座らせてくれる。コントローラーも渡されれば、ちょこん、と座す。
その様子に、やっぱりノーヴェが首をかしげるのだ。
488今週のザ・ピンクはこちら、ザンッ!:2009/02/07(土) 05:24:20 ID:QkEt6ftm
「確かに、今日は機嫌がいいみたいだな。お前をゲームに誘っても乗ってくれた事ないのに。デデデ大王、っと」
「そうっスよね、セッテってばいっつも訓練とか研究とかばっかりっスもんね。でっていう」
「そっちにおせんべいあるからセッテも食べるといいよ。サムスは…あった」

キャロは無難にマリオを使った。しばし、べらぼうに楽しい一時が流れた。
やっぱり四人対戦はいいな、と心から思った。ほぼ毎日集まって64をやってたあの頃を思い出した。

そんな束の間に、闇色の花が開くようにキャロの無垢な心にひとつの昏い想いが陰を差す。つまり、こう思いはじめるのだった―――ナンバーズっていいかも…



その頃のドゥーエさん。

「チー」



「セッテ、起きていますか?」
「ふぁい?」

一応、キャロには部屋は用意されている。しかし場の空気的に、なんかセッテの寝室に連れてかれてセッテのベッドで眠る事になった。
オットーとディードと一緒の部屋である。
すでに寝入ったオットーの横のベッドから声。ディードだ。うとうととしていた最中、キャロが返事をする。

「今日、キャロ・ル・ルシエという人物がこのラボにやってきたのですが、もう会いましたか?」
「……ええ、知ってます」
「温水洗浄施設の更衣室でヘッドギアを探していらしたので、結局私はろくに話せませんでした。どのような方です?」
「ぐー」
「今日のセッテは寝つきがいいですね」

所狭しとトーレが作ったぬいぐるみに囲まれて、キャロの今日が終わる。



「良い子になりたいんです」
「そらまた思い切ったなぁ。稼働してあんまり経ってへんし、そんな風に丸くなるのもええけど……なんであたしの所に来たん?」
「どうか良い人のなり方を教えてください」

教科書どうりだが、心をこめたお辞儀をセッテがはやてへと。
ぶしつけな訪問で師事を乞うのだから誠心誠意を態度に詰めるのは当然の事である。
良い子≠教授してもらうにあたり、これ以上適当な組織はいないのだ。故に、はやてへ敬意を払って礼儀を施すのは何一つ間違いではない。

「ええ心がけやけど、どないしたん? 何があったん?」

〜回想〜

「いやぁ、セッテのヒーリングは利くなぁ」
「わぁ、セッテ、召喚術も使えるようになったのか!」
「有難うセッテ! いつの間にブーストなんてできるようになったんだ?」
「こんなにフルバックの才能があったんだな、セッテ」
「セーッテ! セーッテ!」

その子はセッテじゃない……セッテは私だよ……

〜回想終了〜

「よっしゃ、今日から君も機動六課や」

数ヶ月後、そこにはピッチリスーツを来てフェイトにブーメラン投げつけるキャロの姿と、エリオと一緒にルーテシアを説得するセッテの姿が!
もう絶対に地上本部を襲撃なんかしたりしないよ。
489タピオカ:2009/02/07(土) 05:25:29 ID:QkEt6ftm
お邪魔しました
490名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 07:46:02 ID:+eSpNK4g
>>477
GJ!
淫乱ょぅι゛ょやべーーーーー!!

>>489
こちらもGJ!
六課よりナンバーズの方が善人集団に見えるw

>何とも言えずトロッとしたもの
何とも言えず懐かしいものをw
491名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 09:38:07 ID:M6n9jM57
>>483
>よし、悪い子になろう。

朝から午後茶噴いたwwwww
端々のシュールな描写がたまらん…あんた、JS級の天才だ!
GJすぐるwww
492名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 09:41:33 ID:k1XscwAz
>>477

くおー、シガー氏の続編来てるー!

でも、なんか一気にヴィヴィオが堕ちちゃってて残念w
493 ◆Po/NFU1fxk :2009/02/07(土) 10:23:01 ID:0B+OvyiM
30分頃から「尊ぶべき愚者」を投下します。
494名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 10:28:36 ID:0lYrK1mZ
容量の無駄だからやめろ
495尊ぶべき愚者 二十三話  ◆Po/NFU1fxk :2009/02/07(土) 10:30:04 ID:0B+OvyiM
・非エロ
・オリキャラ多数、というかメイン。
・独自解釈あり
・NGワードは「尊ぶべき愚者」
496名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 10:30:32 ID:RwT63fII
ってかいちいち投下予告しなくていい
497尊ぶべき愚者 二十三話  ◆Po/NFU1fxk :2009/02/07(土) 10:31:03 ID:0B+OvyiM
「執務官と交戦していた部隊との通信が途絶!」
「廃棄都市内に高エネルギー反応!」
「この反応は、一ヶ月前のものと酷似しています!」

 地上本部の指揮管制室は一ヶ月前と同種の喧騒に包まれていた。
 怒号にも似た報告が飛び交い、人が激しく行き交う。

「中将、第23管理外世界の代表者と連絡が取れました!」

 室内のざわめきが一瞬停止し、全員の視線がレジアスへと向かう。
 レジアスはそれらの視線を感じながら一回深呼吸して精神を落ち着かせる。

「正面モニターに表示しろ」
「了解」

 モニターに映し出されたのは幾多の皺を顔に刻んだ老女。
 足腰が弱いのか、杖を突きながら椅子に座っている。

「私は地上本部の防衛長官レジアス・ゲイズだ。本部長が不在のため代理を務めさせてもらう」
「23管理外世界の代表を務めさせてもらっている者です。このたびは申し訳ありません」

 老女は深々と頭を下げる。

「あなたは執務官が行動に及んだ理由を把握しているか?」

 老女は思案するように沈黙するが、視線だけはレジアスから外さない。
498尊ぶべき愚者 二十三話  ◆Po/NFU1fxk :2009/02/07(土) 10:32:08 ID:0B+OvyiM
「彼は、十五年前に兄を失った事、故郷の為に何も出来なかった事を今も悲しみ、悔やんでいるのでしょう。
彼だけでなく、各地で行動を起こした者達も大切なものを失った痛みに泣き叫んでいるのです」
「あなたはどうなのだ?」
「私は首長の一人として皆を率い、そして守る責任があります。それがあの時、戦いに赴いた者達との約束ですから」

 そう言いながらも、含みを持った表情になる。

「私も、もっと若くて立場がなければ彼等と一緒になっていたかもしれませんね」
「……管理局はその責務を果たす為に執務官を捕縛する」
「お願いします。それを以て正式な譲渡としましょう」
「いいのか?」

 23管理外世界とはまだ遺恨が残っており、譲渡に納得していないのは執務官だけではない。
 レジアスにはそれが気がかりだった。

「もし、執務官が管理局と戦い、シェオルを手放す事態になれば皆も一応の納得をするでしょう。
今の執務官は私達の悲しみを体現する存在ですから」

 そうか、とレジアスは呟き、視線を上へと向ける。

「頼むぞ」

 戦いに向かう局員達に思いを馳せるが、こんな時、後方から指示するしか出来ない自分がもどかしかった。





499尊ぶべき愚者 二十三話  ◆Po/NFU1fxk :2009/02/07(土) 10:33:04 ID:0B+OvyiM
 執務官は崩れたビルの残骸に腰掛け一息吐く。
 シェオルの作り出す空間は自分達にとっては最良の環境だが、それでも体は正直で、連戦の疲れを各所から訴えていた。
 この場に留まって戦い続ければ敗北もありうる。

「それでも負けるつもりはないが」

 我ながらとんでもない行動をしたと思うが不思議と心は落ち着いていた。

「首長達には悪いかな」

 管理局との交渉に尽力した同郷人の事を思う。
 これで交渉には確実に悪影響が出るだろう。

 そこで気付く。一つの足音が自分に近付いてくる。無人なのでよく分かるがかなり近い。

「若気の至りというにはやりすぎだな」

 足音の主は外交官だった。
 両手から袋を下げているが中身は分からない。

「自覚はありましたが、やはりそうですか」
「当たり前だ。ちょっと見てきたが大騒ぎだったぞ」
「あらら」

 執務官は思わず肩を竦める。

「後悔とかはないのか? ごめんなさいで済む問題じゃないぞ」
「後悔しない為にここにいるんです。これは誰かがやらなければならない事です。あの滅びを経験した誰かが」
「なるほどね」
「……ただ、こんな事をしてしまって兄はどう思っているかが気がかりです」
「……ブラコン」
「ははっ。仕方ないですよ。早くに両親を亡くした僕にとってたった一人の家族でしたから」

 兄の話題になるとどうしてもしんみりしてしまう。
 いい歳して情けない限りだ。
500尊ぶべき愚者 二十三話  ◆Po/NFU1fxk :2009/02/07(土) 10:33:57 ID:0B+OvyiM
「管理局が自分を止められるなら兄が死んだのも納得するし従属も受け入れるつもりです」
「もし止められなかったらどうする気だ? お前一人止められない無能のせいで兄が死んだと受け入れられるか? 
そんな奴等に同胞の将来を託せるのか?」
「……その時はその時に考えます」
「まあ、お前は止められたがってるみたいだし、悪い想像はしたくないよな」

 外交官は尖った犬歯を見せながら笑う。
 執務官は無言のまま答えない。

「そうだよなぁー。本当はシェオル奪取が任務の一つだったんだが、流石に無粋だよなぁ」

 いきなりぶっちゃけられたが、執務官も何となくそんな気がしていた。

「ヒドゥン対策には一つでも次元に干渉出来るモノが必要ですから」
「そうそう。エイドスクリスタルを確保するには現状では戦力が足りないし、個人的には穏便にいきたいから、まずはシェオルって訳さ」
「でも残念です。どう転んでもそのあなたの思惑通りにはなりません」

 外交官の顔から笑みが消え、一気に険しくなる。
 彼は両足を開き、素早く行動に移れるように身構える。

「……お前、まさかあいつの計画に賛同する気か?」
「肯定したらどうします?」
「やめとけ。ありゃ無謀だ」
「同胞の事を考えれば、やる価値はあると思っています」

 外交官が持っていた袋を落として両手を自由にしたのを見て取った執務官は地面に刺していた槍に手を伸ばして牽制する。
 互いに譲る気がないので両者の主張は平行線を辿る。
 空気が死んだような静寂が数秒間続き、
501尊ぶべき愚者 二十三話  ◆Po/NFU1fxk :2009/02/07(土) 10:34:59 ID:0B+OvyiM
「まあ、この話は管理局とのいざこざが終わってからにしましょう」
「……そうだな」

 不承不承という風だったが、外交官は承諾する。
 執務官としては自分の故郷と管理局の問題に外交官が介入しようとしている時点でどうかと思っていたが。

「これから自分がしなければならないのは、兄達が残さざるを得なかった遺恨を次の世代に引き継がせない事」
「出来るか?」
「無理でしょ」
「いや、あっさり言うなよ。嘘でも出来るって答える場面だったろ」

 外交官の突っ込みに自然と笑みが零れる。
 こうして自分の行動理由を他人に語りたがるのは意志が弱いからだろう。

「自分に出来るのは精々、時間はかかっても必ず遺恨を晴らせるだろうと証明する事。それには相手が必要です」
「その相手ってのが……」

 外交官は途中で言葉を切る。
 執務官の視線は外交官ではなく、その肩越しに空の彼方を見据えていた。
 外交官も一瞬遅れながらも振り向く。

「来たな。お前の相手が」




502名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 10:35:25 ID:0lYrK1mZ
相変わらずレベルが低いな……
503尊ぶべき愚者 二十三話  ◆Po/NFU1fxk :2009/02/07(土) 10:36:05 ID:0B+OvyiM
「あなたも局員だったのね」
「別段、言う必要は感じていなかったが、気分を害したならすまない」

 キャビン内の椅子に隣り合わせで座っていたギンガと少女は他愛のない会話を交わしていた。

「気にしてないから大丈夫。それに、あの孤児院の子達からあなたが局員だって話は聞いていたから」
「……そうか」
「古代ベルカ語の翻訳だったかしら?」
「ああ。本当は局員なんか辞めてベルカ史だけを専門にやっていきたいが、面倒な事情があってな」

 少女は後ろ髪を弄りながら、冷やかな目で語る。
 僅かに普段と違う声の調子から本当に辞めたいのだろうと実感出来る。
 色々と年齢不相応な少女だがその時だけは年齢相応に見えた。
 それが分かっただけでも大きな収穫だ。
 任務前にどうかとも思うが、がちがちに緊張するよりはいい。

 他の二人はどうしているか視線を走らせると、 

「……むむ」

 准尉は二尉から渡されたデバイスに入力されていたデータを睨みながら呻き声にも似た声を上げていた。

「どうしました?」
「いや、このデバイスのスペックを調べてたんだが……」

 データを表示した状態でカード型のデバイスをギンガに渡す。

「そのデバイス、氷結系の魔法しか登録されてないんだ。俺には変換資質がないから上手く扱えるかどうか」
「えーと、『完成度ではデュランダルに劣るものの処理速度は申し分なく、術者次第でエターナル・コフィンの使用も可能』」
「まあ、氷結系に限定しなくてもストレージデバイスとしては高性能みたいだからいいんだけどな。
それでも二尉が気を効かせて他の魔法を登録してくれれば……もっとも二尉が使うような魔法は俺には使えないと思うけど」

 准尉はぶつぶつと不満を述べる。
 口数が多いのはこれから控える戦いに対する不安の現れだろう。

504尊ぶべき愚者 二十三話  ◆Po/NFU1fxk :2009/02/07(土) 10:37:16 ID:0B+OvyiM
「しかし、なんでこんな情報入ってたんだろ? 少しでも処理を速める為に頭に入れたら消すと思うんだけどな」
「元々誰かに渡すつもりだったのではないか? 見た所、好調という訳ではなさそうだったが」

 准尉の疑問に少女が間髪入れずに答える。
 が、それで納得しないのか准尉は首を傾げる。

「そうかなぁ。死んでも手放しそうにないんだけどな」
「心の深い所は他人には分からないものだ。ん?」

 データを読み進めていた少女の手が止める。

「どうした」
「最後に彼からのメッセージがあったぞ」
「マジ? どれどれ」

 准尉とギンガは表示されているデータを覗き込む。
 そこには簡潔に、


「その1、デバイスを信じよ
 その2、色々と悩んだ時はその1を見よ」


 三人は一様に沈黙した。
505尊ぶべき愚者 二十三話  ◆Po/NFU1fxk :2009/02/07(土) 10:38:09 ID:0B+OvyiM
「……なんだこれ。ジョークのつもりか?」
「さあ」

 どうでもよさげな少女は准尉にデバイスを返却する。
 そんな一連の遣り取りを眺めていたギンガにある疑問が生まれた。

「そういえば、あなたデバイスは?」
「持ってないな。元々使ってなかったし、大量生産品はすぐに壊してしまう。基本的に扱いが下手なんだ」
「ふーん」
「兄さんが持っていたClaimh Solaisクラスなら大丈夫なんだが、あれは無駄に手間と金をかけた一品物だしな」
「よく分かんないけど、使う? ドゥリンダナ」

 准尉がカードを差し出すが、少女はゆっくりと首を横に振る。

「託されたのはお前だ。わたしが使う訳にはいかない」
「さいですか」

 ギンガは准尉と少女の会話を微笑ましく思っていたが、何か足りない。
 他の二人も同様らしく、三人の視線は一向に会話に入らず、俯いたままのティアナに向かう。



506尊ぶべき愚者 二十三話  ◆Po/NFU1fxk :2009/02/07(土) 10:38:57 ID:0B+OvyiM
 ヘリに搭乗してからずっとティアナは塞ぎこんでいた。
 執務官が反旗を翻したという話は信じられない。
 だが、地上本部の騒乱を見るにロストロギアが奪われたという話は本当らしい。
 だとすれば相手は誰にしろこれから実戦が待っているという事になる。
 今までいた部隊では災害担当だったので人間を相手にした戦闘経験はない。

 アンカーガンを握り締める。
 思い出すのは数日前の訓練の時に二尉と交わした会話。
 執務官も准尉もいない完全にマンツーマンの訓練だった。

『教導官としての本音を言わせてもらうが、俺は射撃より幻術をメインに鍛えたい』

 休憩中に二尉はそんな提案をしてきた。

『……その理由は?』
『こんな事は言いたかないが、射撃の適性に関しちゃ平凡だ。が、幻術には光るもんがある。
両方鍛えたいが、時間は有限だし器用貧乏になってもお前が困る』

 その時の自分は思いっきり渋面を作っていただろう。
 それだけ承服しかねる提案だった。

『どうする? 嫌々やらせても伸びないからお前の意思は尊重するが』

 二尉が意地悪でもなんでもなく自分の事を考えての提案だという事は理解出来る。
 情勢は先行き暗く、いつ命のやり取りが行われる実戦になるか分からない。
 その時に少しでも生存率が上がるように鍛えるのが教導官の仕事だ。
 しかし、

『二尉は兄の事を知っていますよね?』
『ん? ……ああ。教導隊時代にあいつの部隊に出向してたし』
『なら、私の考えも分かりますよね?』

 二尉は僅かな時間黙していたが、やがて諦めたように吐息する。
507尊ぶべき愚者 二十三話  ◆Po/NFU1fxk :2009/02/07(土) 10:39:47 ID:0B+OvyiM
『……やっぱそう言うか。時間を無駄にしたな』
『すみません』
『いいさ。けど、自分の意志を貫くなら最後まで貫き通せ。そして死ぬな』
『はい』



 そうだ。
 自分は実戦を待ち望んでいたのではなかったのか。
 ランスターの弾丸はいかなるものでも撃ち抜けると証明するために。

 両手で勢いよく頬を叩く。
 小気味いい音がして、ちょっと痛かったが、おかげで意識は明瞭になった。

 そして顔を上げ、これから一緒に戦う仲間を見る。
 皆は心配そうな顔をしているが、それだけ憔悴していたのだろうと、ティアナは自分を恥じた。

「大丈夫か、ランスター」
「ええ。心配かけたみたいね」

 少女の問いかけに胸を張って答え、これからの事を切り出す。

「戦う際のポジションですが……」
「戦闘スタイルからしても私がフロントアタッカーとして先陣を切るわ」

 ギンガのポジションに異論はない。
 ティアナはギンガと一緒に戦った事はないが、スバルの格闘の師だという話なので妥当な配置だろう。

「では、わたしがフルバックをやろう」
「消去法で俺がガードウイングでランスターがセンターガードか」
「え、ちょっと待ってください! 階級的にも准尉がセンターガードの方が」

 意図していなかった話の流れにティアナは狼狽した。
 センターガードは他のメンバーへの指示も担当する。
 はっきり言ってティアナには荷が重い。
 それを踏まえての進言に准尉は首を横に振る。
508名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 10:40:03 ID:0lYrK1mZ
オリキャラとかマジでオナニーだな
509尊ぶべき愚者 二十三話  ◆Po/NFU1fxk :2009/02/07(土) 10:40:41 ID:0B+OvyiM
「このメンバーで戦うのは今日が初めてだから的確な指示は無理だ。
だからセンターガードといっても配置だけで戦闘は個々の判断で行った方がいいと思う」
「下手にフォーメーションを考えても合わせられるとは思えないしな」
「ってか、俺が指揮を執る状況はいつもろくでもない時なんだよな。思い出すぜ、あれは配属されてすぐの頃だったが……」

 准尉が物思いに耽るが、三人はそれを無視する。

「いざとなればわたしが指揮をする。一応この中では一番階級が上だからな」
「じゃあお願いするわね」
「あまり期待するなよ。それと、戦闘の推移によってはわたしが前衛に移る事も……」
「俺を除者にしないでくれ」
「あ、すみません」

 不貞腐れ気味の准尉に律儀に謝罪するティアナにギンガと少女が微笑し、もう一度ポジションの確認をしていた時、

「お前等、付いたから準備しろ」


 コクピットからパイロットの声がする。
 准尉が窓から外を見渡すと、夜の帳の中に廃棄都市が広がっていた。

「廃棄都市全域に結界が張り巡らされているな。執務官はその中だ」
「ああ。ロストロギアの反応を追ってここまで来たが、これ以上は勘弁してほしいな」

 パイロットが軽口を叩き、各々が苦笑を浮かべる。が、

「機体を上げろ!」

 少女が突然発した大声にその場の全員が驚いたが、直後にその理由が分かった。
 足下から上に向かって妙な違和感が全身に行き渡る。
 まるで外の寒い空気に慣れた後に温かい室内に入ったような。

510尊ぶべき愚者 二十三話  ◆Po/NFU1fxk :2009/02/07(土) 10:42:07 ID:0B+OvyiM
「これは……」
「結界が肥大してヘリを飲み込んだな。悪いが、さっきの指示はなしだ。結界の中と外の境界に接触したら拙いから高度を下げてくれ」
「だな。パイロットが自分の機体落としちまったら洒落にならねえ」

 自分より一回り以上年下の指示に素直に従い、ヘリを降下させると屹立するビルの間を縫うように飛行する。
 見事な操縦テクニックだったが、生憎とそれを称賛する者はいなかった。

 これから戦いに赴く四人は緊張を醸しながら、陣を組む。
 そんな中でギンガがまず陣の中心に片手を差し出す。

「私のシューティングアーツと」

 その後に准尉と少女が続き、ギンガの手に自分の手を重ねていく。

「俺の、でもないけどドゥリンダナと」
「わたしのISと」

 ティアナを一瞬躊躇うが、意を決して手を重ねる。

「私の、私のランスターの弾丸があれば」

 皆が顔を合わせる。
 そして准尉が口を開き、



「勝利は確定だな」

 第三者の声に空気が一瞬にして白ける。

「おい、こらヴァイス!」
「はっはっはっ。さっさと言わねえからだろ」

 台詞を奪われた准尉はパイロットに抗議するが、それはすぐに中断を余儀なくされる。
511尊ぶべき愚者 二十三話  ◆Po/NFU1fxk :2009/02/07(土) 10:42:57 ID:0B+OvyiM
「くっ」

 コクピットからくぐもった声がして、同時にヘリが激しく揺れる。
 ギンガとティアナは咄嗟に椅子にしがみ付き、少女は平然と直立していたが、バランスを崩した准尉は頭から壁にぶつかる。

「お、おい!」
「舌噛まねえようにしろ。敵だ!」

 その声からは先程までの飄々として雰囲気は微塵も感じられない。
 ただただ突如として降りかかった危険を回避しようとする必死さがある。

「執務官か?」
「そうだ。ビルの屋上から跳んできやがった」
「はあ!?」
「なんとか振り落としたが距離を稼がないとヤバい」
「低空飛行しすぎだろ!」
「仕方ねえだろ! 結界の規模が小せえんだから」

 男二人が文句を言い合い、少女二人が黙って様子を窺う中、一人だけ動く者がいた。

「……」

 少女が無言で後部ハッチを開ける。
 すると荒れ狂う風がヘリ内に吹き込み、冷気が容赦なく内部の人間を襲う。
 魔力温存の為にBJを装着していなかった准尉は身を竦めて堪えたが、視界の隅で少女がティアナの手を引いてハッチのふちに立つのが見えた。

「撃ち漏らすなよ」
「え、ええ!」

 二人がそこから射撃魔法を放つ。
 少女の放つ虹色の魔力弾が奇麗だな、と准尉は割合暢気な感想を持った。

「どうした?」
「コンクリート、おそらく、ビルの破片だと思うが、投げてきた」
「このヘリは前進してたんだぞ!」

 准尉は顔に吹き付ける猛風を手で遮りながらハッチから眼下の廃棄都市を見下ろすが執務官の姿は確認出来ない。
512尊ぶべき愚者 二十三話  ◆Po/NFU1fxk :2009/02/07(土) 10:43:41 ID:0B+OvyiM
「もう少しヘリが遅かったら迎撃も間に合わなかった。どういう膂力してるんだか」
「これで真下から攻撃されてたら……」

 ティアナが青ざめながら呟く。
 アンカーガンを持つ手は小刻みに震えていた。

「もう降下するしかないですね」
「ち、仕方な……」

 最後まで言う前に准尉の体は不思議な浮遊感に包まれた。
 空中に投げ出されたのだ。

「あ、れ?」

 回転しながら落下する途中、辛うじて見えたのは後部ハッチから足を突き出した少女の姿だった。

「可愛い顔して……」

 地面が刻々と迫る中で、冷静にカード、待機状態のデバイスを握り締める。

「セットアップ」

 准尉の言葉を発端としてカードに劇的な変化が起きる。
 光を放ち、自身の形状を一変させる。
 そして、鋭く突き出す先端部と尖った三つのエッジを有したフォルム、白一色のフレームが全体を包む機械の杖となる。
 同時に身に纏うBJは管理局の局員が大勢使用するポピュラーなもの。

 それを確認した准尉は心を落ち着かせて一つの魔法を発動させる。
 飛行は出来なくても落下速度を抑えるだけなら比較的容易に出来る。
 出来なければ悪態をつく余裕もないのだが。

 着地の際に体勢を崩して膝を突いてしまったが飛行中のヘリから落とされた事を考えれば許容範囲内だ。
 体を起こして付着した埃を振り払ってから上空を見上げる。

 ヘリは既に飛び去っていたが、ローラーを装着したギンガが魔法で作成したと思われる青く光る道を辿って半ば落下するように駆け下りてくる。
 その後に続くように少女がティアナを抱き抱えてゆっくりと下りてくる。
513名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 10:44:07 ID:0lYrK1mZ
つまんねえ
514尊ぶべき愚者 二十三話  ◆Po/NFU1fxk :2009/02/07(土) 10:44:42 ID:0B+OvyiM
「普通逆だよな。まあ、能力的な関係だろうけどさ」

 多分、自分と違ってちゃんと空を飛べるんだろうな、と准尉は見当をつける。

「……これだから才能ある奴は」

 誰にも聞こえないように一人で愚痴り、すぐさまそんなわだかまりを抱いてはならないと意識を改める。
 抱いたならさっさと解消しなければならない。
 ここは既に敵陣なのだ。

「無事だったみたいですね、准尉」
「戦う前から負けるのは恥ずかしすぎるからな」

 長髪を靡かせて近付くギンガに軽い調子で答え、少し離れた場所に着地した少女に目線を移す。

「なあ……」

 抱き抱えていたティアナを下ろした少女は振り向かない。
 少しむっとしながら再度呼びかけようとしてある事に気付く。
 少女の視線が一点に固定されてそこから動かない。
 まるで、動かした次の瞬間には命を落とすとばかりに。
 他の三人は少女の視線を追い、数十メートル先の闇の中に一つの姿を確認した。
 自分達以外でここにいるのは消去法で一人しかいない。

「執務官……」

 誰か、あるいは全員が呟いた言葉は廃棄都市に吹く冷たい風に乗って空に消えた。
515尊ぶべき愚者  ◆Po/NFU1fxk :2009/02/07(土) 10:45:31 ID:0B+OvyiM
以上です
516名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 10:50:28 ID:0lYrK1mZ
スレを全部見直せ
非エロの長編なんてお呼びじゃないんだよ
517名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 11:16:44 ID:8cqG81qI
      r;ァ'N;:::::::::::::,ィ/      >::::::::::ヽ
.      〃  ヽル1'´        ∠:::::::::::::::::i
       i′  ___, - ,. = -一   ̄l:::::::::::::::l ◆Po/NFU1fxk
.      ! , -==、´r'          l::::::/,ニ.ヽ
      l        _,, -‐''二ゝ  l::::l f゙ヽ |、 ここはお前の日記帳じゃねえんだ
        レー-- 、ヽヾニ-ァ,ニ;=、_   !:::l ) } ト
       ヾ¨'7"ry、`   ー゙='ニ,,,`    }::ヽ(ノ  チラシの裏にでも書いてろ
:ーゝヽ、     !´ " ̄ 'l,;;;;,,,.、       ,i:::::::ミ
::::::::::::::::ヽ.-‐ ト、 r'_{   __)`ニゝ、  ,,iリ::::::::ミ
::::::::::::::::::::Vi/l:::V'´;ッ`ニ´ー-ッ-,、:::::`"::::::::::::::;゙ ,  な!
:::::::::::::::::::::::::N. ゙、::::ヾ,.`二ニ´∠,,.i::::::::::::::::::::///
:::::::::::::::::::::::::::::l ヽ;:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ /
::::::::::::::::::::::::::::::! :|.\;::::::::::::::::::::::::::::::/ /
518名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 11:18:19 ID:8cqG81qI
            ‥  __. -‐----、_ , '⌒ヽ
             /´         `ー、  :.
            /      _z ≠ ≠ 、 \
          /  ,  zi≠ i   .i .ハ ヽ  ヽ:ヽ
        j ./z≠ .| .i..:j:.:メ ├廾弋ヽヽ ヽ| :.
     .: | |ナ  _|斗壬弍. :リ7尓Y:}:}.:.ト..:!
         .| |. .::' ̄|i/.ィ;;バ V  込!。レメ.:.} リ
        .| | i.i.:.::::代込ジ   ,~'゙  |ハリ  .:
      .:   | .ハ:.:ヾ.:.:ゝo`"゙   __,   ハ
          } :弋^ゞュ:ゝ    (;:ソ ,.兮{、
         ./ .:.:/T´:个 -  .._ /\イ))
        / .:.:ノ  \:.:.`\  リ\:.:. },ノ
     .: ./  .:/    入.:.:.ト}` ̄`ヽリ川'| :.      ‥
      / / :/\_ .::| ,)リ.}   工ニイ |       , -‐- 、
      /,イ:.:/:i:.:.|  `T’: 彡’   ,!/ ⌒ ヽ   , '´      ヽ. :
  .: .{:| | :|:.:l.:.:|   }:.:.    .:.:, '      }./           :. }
     !:!:| :ト,:.:V  .ハ:.:.    /  /     ,!        !      |
      ヾ!ヾ:.:V  .∧:}:.:.:. ..-/  ./      j}       λ     | :.
     : .: .:.:`/  ∧:.{`.:.:-イ   /     /:|     , ' ヽ     !        _
     : .: .::./  /: . ノ:.:.:.:. {   i    .∧ノ    /     \   ',      (__ _>-。-、
 _,..=ニヽ、_/   /: . ∧:.:.:..:.:.:|:  j    ./トノ  /      ハ.  ヽ    _: . /  o  x ヽァ
 三ニ,      /: . く:.::!.: : : :.:}:  |   /┤ /: .: .: .: .: .    |、   \ (_ .二ィ      K`ヽ、__
 .=ニ--┐ ノ: .: .: .:\. :.  ノ:   j   /.ノ ̄ : .: .: .: .: .: .: .: .: .:ト、:    \  : .: .ヽ. . . , イ    、__)
   : .: .し': .: .: .: .: .: .`ー´`ー-.ノ  ,': .: .        : .: .: .: .\\__,ノ\     ̄: . し'ヒ>、_)
           : .: .: .: . : . ,イ   | :.               \:::: .   )
             : .: . : . {:|.   !                   `゙ ー '´
               : .: .|:|    i
                 | ト、__ノ|
                 ヽ::   ノ
                  `ー'
519名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 11:19:54 ID:8cqG81qI
         /   /  /\____j/\ \ \  __   < ゙\   _       , -、
.       /   /   ./: : : :'´: : : : : ノ : 、:\ \ ヽ \ ̄ ̄ ̄`ヽ:.\∧ー‐1/゙ ̄ ̄ <__
      / /'! |    /: : :/: : : : : : : : : : : ヽ: : ',  ヽ}   `<:.   .....:.:.:Yト、_,イ.:.:....:.     .:<
       |∠__|│ /:/: : :/: : /:/: : : ヽ:\:.|: .:.:ト 、/     `ー<こxヘ.:.\zソ-、>、_}\{\_厂
       | / ̄ ./: : l: : 斗‐:/7:/|: :ハ: .j十ト|: リ !: : \        7lヘヾ⌒ト-、 ,ィ
      ∨  /: : : |: : : |xイfう外/  Vィぅkハ/:│: :jV        ハ ∨} { j//
         \_/: : x=l: : : ハ{///j    {//jハj:..:.ト : :!        ハ_{:.:.j/__r':.:./
.         //: : /⌒|: : :│弋zソ    ヒzリ /: :│∨        {:.:.ヽバ、レ'′
      /::/: : ∧  |: : :│       '    {: :.:.:|           \:____,こ>
.     /:ノイ : : : : ー|: : :│    ー ‐   人_j__________
       \/|: :l: : : : :|: : : | 、       </\______________\
        ∨|: :l: : :j:l : : !_>‐-r≦ /  /\____________\
         ∨\:从: : :\|lー イjj /  /   ' \____________\
        /  ̄ ∨ \ヽ厶__jリ|\/     ///////////////////////∧
       /      /   } }_|: /\    //////////////////////////∧
        ん-―――〈     / ̄l| |│  \_/////////////////////////////∧
       /         ∨   /  リ |│    |///////////////////////////////∧
520名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 11:22:09 ID:8cqG81qI
         ./ /  /       、    、   \
        / /  /  /  ∧  | ', 、 ∨     ハ
         | ,  ; / /  /  V l  ! !  |  、 ヽ |
         | l  | | ハ _|_|  |_」...」 _| |   :| |
         | |   |:イ:「ヘ∧|   j/l /l./「  |  |  |∨
         | |   | |Vx:==ミ   r=ミ l /|  | ./
         | |   トゝ′     ,    ノ/| |/|/
       ./ /|  lヘ、    __ _    ハ |        ,.'';
      / / :|   | }\      /|   |       ;' !
     ./ //|   ∨ \> 、- イ |、|   |      ! i      _
    //  ∧  ∨\\ ニ/| :|:: |   |\   ,x '' ' 、 ,.. -'´ ,.'
   /_,/:::∧  ∨/ ∧∧l !:::|   |::::::ハ;'  /    ',.. - '′
    |:::::::::::::\:::::|   ∨ /〈∧〉l ∨  / :::::! i,   x  /  !
  /:!:::::::::::::::::::ゝ|    |\__,j  |  /:::::>‐ァ' 、.  _ ,. '___
 ./ |::::::::::::::::::::| | / ∧ ∨   |. イ / 彡ニニ{      _ ,. '
 ′/l:::::::::::::::::: | ∨レ' ∧. ∨ / .∧/ ノ ニシ    ,x「|
 |   |:::::::::::::::::::| ∧  /  \V / \ { /      f「} V
521名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 11:22:51 ID:8cqG81qI
        ./       /        ̄\-、
      /      /     /        ト、
   , '′      :/   x、/ .://    |   ヽ
  <   __,     /   え/ミx./|:    || 、  |
    ̄/      / /  / ゞモメミ |v  :/||  |: |
   /       /l /   /   ー‐ |  /三ク|  |: |
  ∠ ____ ;/  .:| |∧| /\    .// !ゞ'Yイ :/|: |
      ./ ..:::::\ |./、_.>    _| ,ノ::|/:: |: /
    / .::::::::::::::::>|ゞ     ―- .._ 彡:::ノ:: /|/
   /..::::::::/::|::、::::|  ヽ        ー /\|//:::/
 /.::::::∧/:::::|:::ヘ::|    \     .//  \:/
/. ‐‐'/ |―‐!ル'ヘ|     ヽ、__,//    /⌒ヽ
   ∧ l  / ∧|_____/   //    /   } ̄>、
   |/} | {    ̄          //  /   /   / ̄\
 _,/∧ ∨ \________,/// /   /   /      |
/ /   ∧| /:::::::::::::::::/\/ /   /     /     /\
522名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 11:23:29 ID:8cqG81qI
             |          \
           _. <:::`::.、       \
          /::::::::::::::ヽ、:::\        ヽ
       ./::::::::::/::!:::::::::::\:::\         ',
       /:::/|:::/|斗-:::|:、::::::\:::\      |
        レ /V fハゝV::::×/::::\:::\   _ノ
         /::::ノ  }リ /::::::::/^!:::::::::\:::><´    x―――一ァ
      /:::::::ヽ _   /::::::::/ィ::::::::::::::::/´|::::|   /::::::::::::::_/
       |/|::/:: ヘ. /::::::::/ / :::::::::::/  レ、l /:::::::::_>
       l/Y7ァ::ソ::::::::/_/:::::::::/|     /::::::::::::>
    x:rイ V_{. レ7ヘ:/:」|^V::/__,ノ!  /::::_>'
    ト|. |_ノ::::|   /:|/」 ̄ ̄ ,ノ}<___> 
    V:`::::::::/  _/::::://二二二、|___________
     ∧_/`く___//:::::::::::::::::::::||\::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
     |:::::::::::::::/7⌒∧::::::::::::::::::::::V'  \/\::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
    ヽ:::::://:::::://:|:::::::::::::::::::::::::\       \/`ヽ、::::::::::\:::::::\\:::\
523名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 11:24:04 ID:8cqG81qI
         ♪〜 (○)  }|
          _ ヾ|〃  /′
       ______/  \┴ー-く/´\
    / .//     ` ̄ ̄´    \
  ./   / /     ./:      |    ヽ
  /     |/      |:..|: |: |: ∧: l:   ヽ
  |    :|       :|斗 /‐/|: / |-〈:   |:. ',
  |    :|       :|.:/x示ミ|/   示:|: ∧: |
  |    :|       :l'〈 r'::::}|    r'i| レ':|∨
  |    :|       :|  Vzソ   V} {:  !
  |   .:ハ     :|  ー    , ー |  |
  |    ヘハ     |'' ''      。 ''/:. |
 ノ      .:∧   ∧、       /:.:  |
/. イ::.   ヾ.__∨   |_   ァー' |.:.  /
  .レ|:.     \\  |::::::ヽ/>、   |.: /
   ゝ、::    ∨ ヽ|\::::|∧ \ |/
  /_,\.:.   |   >‐V/ー<  >、
 レ/´   >、 |`〈     「| /く  |

524名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 11:24:44 ID:8cqG81qI
                     /            /    ヽ、
                         /     /^         ^\    ',\
                  / /     /             ヽ    l  ヽ
                 /  /     /               |    |   l
                   /  /     /                   |    |   |
               /  /     //   / /             |    |   |
                 /  /|    l斗 / /- l   |    __|___   |    |   |
                  | / !     | /Y- |  jl   | ´ │ l `ヽ:|    |   |   
                  l /l. |    |レ≦テ外ハ ハ :|\-| |   |    |  /    
                  |' | |    |{ハう:::::j} ∨ \|ァ气≧k  j    |  〈
                   ∨|    | 込zソ        {i‐ヘ:::入. ,'    ,'   \
                  ∠ |    | ::::::::        ゞ込ソ_イ/    /     ヽ
                |_ム.    小     ′    ::::::::: /    /    ヽ ∨
               /´ ∧  │ \    ヽニフ       /     /  / / ∧|
               ,'   ハ  | /  丶、_      , イ/    /  /∨`<
         _  _{_    \ V│   />rー<   /    /  /    `ヽ
       / ̄〈  |_/    ∧   \Y.  /\ ヽ.    /    /  /    /  l
     /   } │ ̄|ヽ _ ∨     ヽ!  ∧     -―/     //∨     /   l|
    /     ノ │  }`Y  `l|       | ∧j     /Y  /'´       /    ∧
.  /     {人 L,/  /  }   ,リ      ∨ │  // /|//        /    ' /
525名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 11:25:18 ID:8cqG81qI
             /|   /:.:/                /
               /:.{ /:.:.:./x ――一ァ       ,.. -/―――-- 、
               |:.:.V:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.<       /    |           \
          .. -┘:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`ヽ、 /     |           \
        /:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.<⌒/  / \V二二二 / ヽ   ',
      ∠ -―ァ':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\.//   ,        、   ∨ |
            /:.:./:.:.:.:.:.:./:.|:.:.:.:.:.|:.:.:.:.!:.:.:.V:.',:.トゝ/  Y.   ∧ 、   Y  .|  |
         /:;:.イ:.:.:.:.:.:./:.:.ハ:.:.:.:.:ト、:斗:.:.:.:|:.:ト| |  :| / // ヽ\ .、l  |  |
         |/ l:.:.:.:.:./元:x ヘ:.:.:.|x云ハ:.:.:|:.:|、!  |  斗x:示    示:x ト、 | /
             .ハ:.:.:.:| 辷」 ヘ:.:|辷ソ {:.:.:ト、! T ┴- ...」_.ヒzリ___  ヒzリ ハ.   |/
           x|:.:./lヘ、   '   、/|:.:/|  |         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄7ー ..___
         イ  ∨   へ、 ` ` イ |/'|  |                     // /`ヽ
      . イ  |.   |    |:.∧ ̄:::/:.:.:.|  |  |         ___          // /
    . イ      ハ.  レ ̄ヽ|、:. |::::::/:.:/レー、|  |_r‐┬―‐r<    >`「「 T ー-く/ /
. イ           }     V:.:.Vヽ/`く:.:.:}    /ハ/|   レ‐‐ゝ‐‐/―、|   ト、     ̄``¨
      > '"  V\/ハ:.:.:.:. /:.:/ヽ.|\―‐'|ハ.、!ルヘヘ    ∨    ∨ル' }
  > "      V || ノ:.:.:.:.://:.:.:.:.:.:| / |   |    >r‐ハ_ イト、_/-―‐ハ
            }. |V:.:.:.:./:。:.:.:.:.:。.:.:.|/  |   |  /:::::::}ニ{/  ∧ }ニ{::\  ∧
―――┬――――〉./:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. |   ||  /――┐'^ \/ Lソ}ニ{::::::|___∧
───┴───‐/ /:.:.:.:.:.:|:.。:.:.:.:.:。.:.:.:|   ||' |―─┘ \/ \ハ /ハ::::::>、  ` \
           / /7ー--.|----― ''|   || ∧::::r'′ \/ 。   。}___.\  \‐‐ 、|
526名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 11:25:47 ID:8cqG81qI
           ,. -――-、,へ/ヽ/\へ へ /:.:.<⌒
           ⌒>:.":. ̄/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:N:.:.:.:.:.:.\
     .     /:.:.:/:.:.:/:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.',:.:.\:.:.:.\
          ./:.:.:////:.:.:―ト/ヽ:.:.:.:.:.トxハ‐:.:.:.:.:.:',\{ \:.:.:\
          /:.:./   ___|:.:.:.:.:.v示:xヘ.:.:.:.|x:示v:.:.:::. |_   ヽ:.:.:.|
   .      |:.:/     \|:.:.:.:.イ 辷:リ  \|'辷リハ:.:.:.:.:l/     ',:.:|
       ∧{.        |:.:./∧         /ハ:.:.:.|        |/   ∧
       /::/         |:./  \    ̄´  /、.ハ:.:.|          |:::\
    ./:::::/         .|/  /V > - < Vハ. ハ:.|          |:::::::::\
  /:::::::::く             /V_ x| | | |x _Vハ リ          /::::::::::::::::\
./:::::::::::::::::::\         / ̄    ∨ ∨    ̄ \        /:::::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::::::::::::::::\     xく     __      __     >、   ./::::::::::::::::::::::::::\::
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::\xく   Vx/::::\    /::::\/V/  >、く:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
//:::::::::::::::::::::::::::/   ヽ/ V::::::::::::〉こ〈::::::::::::V  \ /  \:::::::::::::::::::::::::::::::::::::
. /::::::::::::::::::::::::::::ヘ.   `く\  V::::/   \::::V   />′  ハ::::::::::::::::::::::::::::::::::
527名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 11:26:20 ID:8cqG81qI
::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::> ―‐∧ 、::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: /    、∨',::::::::::::::::::::: ::::::::::::::::::::
::::: ::::::::::::::::::::::::::: ::::::/  / ∧、|||::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/イ /‐/ ||‐|く'ヘ|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
::::::::::::::::::::::::::::: ::::::::::/ ハ.ー リーハ 、\::: ::::::::::::::::::: ::::::::::::
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ /| ヘ、 ‐ .イ| \ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::
::: :::::::::::::::::::::__/,∠. |/ ┘ ´└|/- 仭_:::::::::::::::::: ::::::
´ ̄ ̄ ̄ ̄      、,.. `   '´ ..、,       ̄ ̄ ̄ ̄
――‐― ァ7 フ ̄ 子{         } ̄ ΓT ¬ ー――‐
::::::: ::::::::::::: / /   / ∧..     ..∧ |  | /::::: ::::::::::::::::::::::
::::::::::: ::::: :::| |  /  l ハ       ハ  |  |::: ::::::::::::::: :::::::: ::
:::::: :::::::::::::::::: |   |    |    |  |  |:::::::::::::: ::::::::::::::: :
: ::::::::::::::::: ::::::|   l    /       ∨ / |:::::::::::::::::::::::::::::::
::::::::::::: ::::: ::::::|   l  イ    !   ∨  /::::::::::: ::::::::::::::: :::::
528名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 11:26:53 ID:8cqG81qI
       ___|: :ー/: : /:.:./.:.:.、.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ__.:.:.:.:.:.:.`ヽ、
     /: : : : |: ー{ ¨7 :::/::::::::::\/:::/:::::::/|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\:::\:::_::\
.   /: : : : : 〃二゙ヽ::l::::,'::::::/ 7:: \/::::/  |:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::\\|
 /: : : : : //ニ二ニ Y::::|::::/  /:::::/|:X`ー-/ :::::::: /|::::::::::/| :::::::::::::|:::::::::::: \
'´ : : : : / / /⌒ヽ |:::::|;イ孑左≠=ェz、.   /::::::::/ー| :: _/斗 ::::::::::::|::\:::::::::::ヽ
: : : : / _{ { /r,)} /|::::::::|{l {i::::::::::::: }ヾ'  /:: / `ー七 /\|:::::::::::::,'::::::::|\ ::::::|
/ ̄\_ノ  Vヘこノイ |::::::::| レう゚:::::::/   //   左≠V   |::::::::: / ::::::::|  ヽ ::|
     , -.、_廴::.::.::j、::ヽ :::l ゞ辷zン    ´     /::::::::: }_ イ|::::::::/::::∧:::|   ∨
_ /⌒/.::.::.::Yミ≡彳(レ小:|  xxx          /う゚::::::/〃/|:::: /::: / ∨
::`{.::.::{÷≒::ヽ=≡:j  | | lヽ          ヾ辷:ン  /:::::|/::/
÷!≒ヽ.::.::.::.::.}::-‐〈  | 〈〈 j\         xxx`  ,:′イ::/
::.::ヽ.::.::.\_/::.::.::.::}_r' ヾ∨\>  <!        イ::::/ ヾ
::.::.::.\:/.::、::.::.::.:/0\//│\>`'≠≧==┬─ァ'´::::/|   \
`\ー'::.::./¨`<::.::.::.::.::\//⌒V  /=≠彳¨/:::::/ヽ |     │
529名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 11:27:25 ID:8cqG81qI
   /::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::/ /:/::::::::::::::::::::::::::::::i:::::|:::::::::::::::::::::::::::::::ヽ\
._ /:::::::::::::::::::::::::::::::::/ /::::::::::,イ /:/|:::!:::::::::::::::::::::::::/|::::l::::!::::::::::::::::::::::::::::::',:::ヽ
::::`!:::::::::::::::::::::::::::::::/ /!:::::::::// // !:!|::::::::::::::::::::::/ !/|::::|:::::|::::::::::::::::::::::::::!:::ハ
::::::|::l:::::::::::::::::::::::-‐|―!::::;;;//__!'__!:| |::::::::::::::::::/ /' !::;!|::::|::::::::::::::::::::::::::l::::::|
:::,..|::|::::::::::::::::::::::::::::,イ´`''- .._`ー-- .|::!_!:::::::::::::::/ニニ=,!/´!::::! :::::::::::::::::::::: |::::::|
'´-! |、::::::::::::::::::::<´{,.-;::::。:::::(`ヾ:、 '.:! |::::::::::::/-‐ ''´( ヽ|:::/ ::::::::::::::::::::::: |:::: |
 /! | |:::::::::::::::::::::lヽ'´、.__,ノ:;ノ '    !:::::::::/'rっ゚:::,、ノ ,.イ:/:::::::::::::::::::::::::::::l::::::!
  '.|)| ::::::::::::::: |::| `==― '--.、::..   !::::::/,.└-- ''´つ':/|::::::::::::::::::::::::::|/|:::::|
.ヽ ヽ | ::::::::::::::: |::|              |:::/         // / ::::::::::::::::::::::: l !:::::!
\`丶|::::::、::::::::!|'.|              |/       /' /::,.i::::::::::::::::::::::;' |:::/
:::::ヽ  !:::::::\:::!| '!                 i        ,イ/ !::/|::!:::::::::/ ,':/
:::::::::`ー|::::::::::|ヽ',!                '     //! /://|/:::::::/ //
:::::::::::::::|:::ヽ|、! ヾ!     ,. -――‐----ァ        /::} // l /::::/ /'
|:::;|::::,|::|!::::::!、ヽ!i   'くー---     '/         /:/l/'   //
'!/,!/ |:||ヾ;:::| \!    `ー-------┘     //::/'、   /'
ヽ::::`ヽ!、::ヽ:',、 ヽ、       ` ̄´     ,. ''´ /:/   \





























530名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 11:27:59 ID:8cqG81qI
                 ,.ィ
                / ム--、
     /⌒ヽ,/  ̄ ` ヽ{/ <二¨
   / /:::/-           \ヽ.
   |  / :::i         . ,. i ト、}
   |   :::{ ::..     .....::/イ:| | | リ
    !   ::::|i::::::::::::::::::::::::/イ,イ:レレ―-く^ ヽ、
    |   ::::| \:::ヽ:::::::::/ |::∧     ヽ. }
    |   ::::|  Y^ ー ' ,  レ'::::!  ヽ.  ! |
    |   ::::| / ̄ ` 、i_ノ| ::::|::::::::::::i:::::::|:: |
    | / ::::|┴――‐< ̄ ̄ /^ヽ/ `Y.|::.| _r 、
    | / ::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::/::::::rヘ<二ユ,|:::}┴、 `!
.   |/: :::::|::::::::::::::::::::::::::::::,.ム::::::::V.人. i ∨  `V
   |:::::::::::/::::::::::::::::::> ' ´|  ` く_:::::::ヘ.i / ̄ \/}
   |::::::::::|` ーr‐ '´     \    ̄`‐'`〈.   ∧!
   |::::::::/  .|     ..:::::::::i\::..    ::::ヽ..../ |
   |:::::::ハ:::::::::|:::::::::::::::::::::::::::/∧:\_::::::::::::::::::/  |
   |:::::::| ∨:::::i:::::::::::::::::::::::::{ |::::∨::::\_::::/::.  |
   |:::::::| |:::::::ヽ::__:::::::::/:::| ヽ::::∨:::::::::::::::|:::   }
   |:::::::| | :::::Y´:::::::/:::::::∧ `ーヘ:::::   〉 /|_
   |:::::::| |   }       ∧   Vー‐'  ̄:::/ \





































531名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 11:28:36 ID:8cqG81qI
              /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\:.:.、:.:| \\
             ./:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:∧:.:ト:',   |. |
             /:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: ∨:.∧|.:.ヘ. / /
               |/ /:.:.:.:.:./.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:∨シ:.ト、:.:∨./
          ____l:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.|.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.: |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:V:./\V_/、
        / \\  |:.:.:./|:.:.:.:.:|:.:.|.:.:.:.:|:.:.:l:.:.|.:.:.:.:.: |.:.:|:.:.:|:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:|\.:.:.:.:.:.:.:.:.:\
     ,∠     \ヽl:. / :|:.:.:.:.:|:.:.|:.:.:.:.l≧|、∧:.:.:.:.:|:.:.|:.:.:|:斗:.:.:.:.:.|:.:l\\:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\
   /    \   V|/ |:.:.:.:|:.:.|:.:.:. 「`{テ:圷、:.:.:.| x|セ行「\:.:.:.ト、!:.:.:\\:.:.:.:.:.:.:.:.:. \
  /  ヽ. 、 |   | l   ヘ:.:.:.:.|:∧:.:.:.:| ゞ‐┘ ヘ: |.  辷.リ /:\| `ー‐ \\:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
  |  \ Y/  |_/´ ̄ ̄ \ ハ| \∧    , ヽ    /:./ノ´ ̄ ̄ ̄` \〉:.:.:.:.:.:.:.:.:.
  ヘ\ヽ Y_/              /:.:∧    ,___     /:./::::::::::::::::::::::::::::::::::::\:.:.:.:.:.:.:.
   ` ー‐'′               |:.:/ /\  `ー┘   /:./:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\:.:.:.:
                        |/ 〈::::::::/ヽ、_ .. イ:|/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ ̄ ̄
                       /  ∨/ / /ヽ  / /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/
                        |   ヘ|  | .|::::/ / /::::::x-――――‐‐/
                        |     |  |/::::| / /::::::/       ,
                       |     l  |::::::;/ /|:::::/     /





























532名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 11:29:25 ID:8cqG81qI
                         ト、
                         | ヘ                        _/}
    少 し …                     | . ヘ                        /    /
                          _,ゝリ. |                   /     /
      頭 冷 や そ う か …    ,--メ、_ 〉-┴―' ' ― ― - : - 、        /   / /
                       ノ--' \、: : : : : : : : : : : : : : : : : \    / /  /
                    , '": : : : : : ヽ}: : : : : : : : : : : : : : : : : : \. /  _/^ヽ
                   / : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :Y/三`: : : : : ヘ
                  /, イ  : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :_,. ‐'" ノ木\:`ヽ、.: : : : ::ヘ
       _            / / : : :./ : : :: :./ : : : : : : : : : : :.:ヽ: : : /:ハヽ \ : : ヽ: : : .ヘ
     ./-- ヽ           /: : /   /    /  : : : : :.      :V: ://ハ ヽ \:  \:. ヘ
    /    ヽ           /.:..:;イ..:..:../:..:..:..:..:.,!..:i..:.i.:..:..:..:..:..:..:..:. .:..:..:..:V..:/..::ハ ヽ   V..:.  :...ヘ
    |      ',       |:.:./::|.:.:.:.:|.:.:.:.:.i:.:.i:|.:.:ハ:.ハ.:.:.ト:.、:.:.:.:.:.、:.:.:.:.:.:.V:./:/  ',    V:::.:.:.:.: .ヘ
    {      ',       レハ:.|::.:.:∧::i.:::| ::::|,士弌 ヽ_心ヾヾ、_'i.:::i.::.i.:}/:/   ヽ   V::::...:..:..:..ヘ
      ',       ',      /;:| 'ハ:.:.:.ハ:N::.:.ト:.:.|`込ラ` \弐弌ヘ..i:.:|.:.:}イイ´    \.  }:::::::::.:.:. .:.ヘ
      ',      \     {ハ| /ハ:.:ハ:.:ヾ::ヾト、`""    ヾヒ乃}:|:ノ:.:b ノ      \( \:::::::.:.:.:.::ヘ
       ヽ      \__/"⌒ヾ!ヽ\ゝヽハ`  ,    `'''''゙ レリ:/<_    r---、\ \::::::::.:.:.}
       \.      }、ヾヾ\ (⌒ヽ   ト\ ト::ト、  、__     ノイ| !    `TT'´   \    ':,::::::.:.|
      /⌒\__ノ \:..\ \`ヽ   》  ヾ!. \     ,. イイ:.::| !     !:ハ      \__ }:::::..リ
    __/:.:.:.:.:.::::::::::::::::::::::::::.:..:ヘ:ヾ ヽ \ 《   /ト\ `ー<__/ /:.:/ノ    ノノ }         } \:.:/
   /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:::.ヽ::::::::::::::::::::::.:ヘ.ヾヾヽ:  i \./  ≫   {\lニニコイノ /   /  !           } ハ
  .{.:.:.:.:.ヽ:.:.:r´⌒ヽi::::::::::::::::::::::::::i:ll.:.ll:. ツリ }. / ≪    ',  |::| ン /  ≪   |          /ノ .|
  /.:.:.:.:.:.:.:.V    {:::ヽ:::}::::::::::::::.|:||.:||.:.:} リノ {   \    \二ー/   /   |        // ノ
 (.:.:ヽ/⌒\   )-、./⌒\ソ|:||.:||.:/Y____,イ-----\   ヘ /   /_____|     =ニノ/
  \r'\   ヽ__/    /.:ノ:||.:||//:/  {       \  V  /       `}__/´ , イ'
   \ \__ノ (/ヽ_ノ 7.:.リ:.リk::::|  ヘ  ,___ゝ、. |∠_, ------、  ト、_ /  ノ、
     \_/\  L/   /.:./:./イ||.:.|  .人 {:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:{.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:}}  イ \     \
            \      ./.:./:./.∧ト、|  ./   \__,:.:.:.:.,.:.):{:ヽ.:.:.:.:ヽ.:.:.ノ.:.}} ノ}   |\     \


533名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 11:31:10 ID:S9xYm+RU
              ,,,,,,iiiiiiiiiiiiiii,,,,,,
         ,,,iilllllll!!!l゙゙゙゙~~゙゙!!llliiii,,,
        ,,illlll!゙゙’: :     : ::゙゙!lllllli,,
       ..,illlllllll″       : :;lllllllllli,
      .,illlllllll!!′        : ;::゙lllllllli,
      :lllllllll゙..,,,,,,,,,,ii   : .i,,,,,iii,,::゙lllllllll、
      .lllllllli,il!!!゙゙゙゛: :   : `゙゙゙゙゙!",llllllllll:  
      .lllllllll!: l!!○llト:,..,,:.ll○l!ll.:!lllll!゙゙
       !llll!’:  :  ,,’ ’ : : :  .:llllll°  
          ,llllii,   ll,,,、 ,_,,i、   ll'llll:   
        ゙ll,l゙li..i、: : ``: ~゙°..",,.,l!|ll゙:    
           ゙l,.゙ト 'lトェェェェェェイフ`゚,lll°
            ゙ll,,.', `゙゙`''''''゙゜ ||,,il!゙`     イッヒッヒッヒッヒッヒッヒッ
            ,,l!ili,:      ,iliill,、
      ._,,,,,iiillll;:゙!llil,,,,、.._,,,,ll!゙゙.ll!llii,,,_
 _,,,,,,iiiiiiilllllllllllllllllll,::”`.゙゙゙゙゙゙゙゙″: .:l゙lllllllllllliiiii,,,__
lllllllllllllllllllllllllllllllllllllll:        : ,lllllllllllllllllllllllllllliiiiii,,,,,、
534名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 11:34:56 ID:8cqG81qI
       .//:.:.:.:.:.: /.:.:.:.:.:.:.:.;.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\.:.:.:.:.:.:.:.:ト、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
     ./:.:/:.:.:.:.:.:.:/:.:.:./:.:.:./:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:∨.:.:.:.:.:ト、\:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
     /:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:/:.:.:.:.|:.:.:.:.:.|:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l.:.:.:.:.:.:| \\:.:.:.:.:.: |
     l:.イ:.!:.:.:.:.:.:./|:.:.|:.:.:.:./!:./l:.:.|:.:.:.:|:.:.:.:|:.:.:.l:.:|:.:.|:.:.:.|:.:.:.:.:∧  | |:.:.:.:.:.:.|
     l/|:.:|:.:.:.:.:/.:.|:.:.|:.:.:/‐l/-|:.:ハ:.:.:ハ:.:. |:.:.:.|: |:.:.|:.:.:.|:.:.:.:/ |   | l:.:.:.:.:.:.:,
       V',:.: /:.:.:.|:.:.l:.:.:.|<圷示 ∨|ー-|:./」_:|:.:.|:.:./:.:.:/  :|   | |:.:.:.:.:.:.:',
       !:∨:.:.:.:.:|:.:.|、.:|l ゞ='   ヘ| 'イ圷示/|: /:/'^レ   ∨  |:.:.:.:.:.:.:.:',   私の言ってる事、
        |:.:.:.:.:.:.:. |ヽ| ヽ|    ,    ゞ=' ′|/:/|r;/      \. |:.:.:.:.:.:.:.:.:',   私の訓練、
        |:.:.: / ̄ ̄\ヘ.    ′       /イ:.:.|/、   ___ヽ|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:',   そんなに間違ってる…?
        |:/      /|:.:\  ` `     / |:.:/  「|Y´     \:.:.:.:.:.:.:.:.:.',
      /       //|:.:.| \__ .. イ |,|/  l|:| |      ∧:.:.:.:.:.:.:.:.:',
     ./       /〈. Vリ   | \_>'′  l      |:| |         ∧:.:.:.:.:.:.:.:.',
   ./       / \\  l| !ニニ}   /    ,./ |           \:.:.:.:.:.:.:',
  /.        ;' //  | |::|    /'     \ |           \:.:.:.:.|
 「 \         /  \\   .|/⌒ニニニ/      〉〉 |        /  〉:.:.:|
  \ \   _|    \\ .|    /     //  |        /    /:.:.:.:.|
   \  ̄    |     \\V   /  _ <イ    |     _,/    ∧:.:.:.:.|
.      \   _ハ     __\ ∨ /r<<___    ハ´ ̄、       / |:.:.:.:.|
      ノ  / ハ   |:::::::::::::`T::T::´ ̄::::::::::::::/-.、  / ゞ   ー  イ  ',:.:.:.:|
     〈       ト、 ハ:::::::::::::::L::i::::::::::::::::::::::/::::: || ∧  ∨      `ヘ   ',:.:.:|
535名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 11:35:35 ID:8cqG81qI
             lハ|:|:.:.:|ハ  -  ハ:.:|ハ \:.:.:`ー、_
            |ハ:.:.ト:.|>―く |/ :::`ー-、、`ーヘ:.:.:`
              ヘ|./  ..::::::::.`     .ヽ、   ̄
               , ′ .::::::::::;:   ::..     ',
               /     /::::::..         ::',
          /    /  \:::::::::::::       '、
       ,  '′   /     \:::        ..',
      , '′    /.         \        ..:::::',
    ./     /           }      ;:.  ',
  /      , ′           |           ',
536名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 11:36:21 ID:8cqG81qI
                ,  "´  ̄ ̄ ̄ ̄ `丶
               /               \
              /                 \
               '   /              \  ヽ
           /   /      .:/  、:        ヽ::.. ',
           ,′ :/ .:/:/ :!.:::|::   |::.  ヽ __ヽ  ',:: ハ
             l  :,′.:/::l  ::| :::|:::.   |l:::..  V /|: ∧:::::l
              |   :| .::l :::|l_|:l_:|:::l::. | \_ :V/|∨/:! :::|   
              |   :| :::| ´|ヽ::从.:|八::...|ヽ´l\.::l`ヽ|〉〈 ! :::|
              |   :| :::|:l│,ィ≡气 \| x≡气、.::j∧ヽ! :::|
              |   :l  ::Y|                | Y'::::ヽ| :::j
              l   :|  :::::小 :::::::::  '   ::::::::: | ::|::::...::|.::,'
           ', :::|   :::::|:ヽ    ー 一    | ::|::::: ::j:/
           ヾ::::l .::::::|::::::\        イ | ::|::::::::/
             ヾl ::::::::|::::::::::::l>  _ <|:::l リ .:/::::::/
              ヾ:::::lヽ:::∧|      :l_ j/::/::: 〃
             __>七{{'´       /::/:::,<___
           /{{    \レ'´ ゙̄ヽ _,  -///    }}゙ヽ
             /  \  /    、二\ //     / ハ
537名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 11:37:01 ID:8cqG81qI
                 /
                //     , -――― - 、
                 {.: {   /  ̄ ̄ ̄ ̄`丶\  __
                >⌒'<{: : : : : : : : : : : : : :二ヘ<__}__
              / /.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:\.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\:ヘ___   ̄¨ ¬ー-  .._
             ///.:.:.:.:./.:.:.: /|.:.\/\l\:丶、.:.:ヽ「 ゙̄|‐- 二¬ー─--  ,,_ ̄ ¬ー-
              ´ ,'.:.:.:.:. |.:.:.:./厶.: ヽ\ イ乏ト\.:l\.:.:l>┴-=-―─ー- 二二 ̄__二ニ ¬ー
               |.:.:.:.:.:.:|.:.:.:l/r≧\∨ V;;リ  ヽVノ八                 ̄ ̄ ̄`〜
         _,.、     l.:.:.:{.:.:.l:.:.:.| ヘ:::ハ \  ´    }:}ヽ_:トヽ
        r'´:::>ヘ-、  ヽ.:.ヽ.:ヽ :{\ゞ'' ' _ -┐  イ二ニ圦
       ノ:::::::::::: `^}   \|\:ヾ:.: ヽ、 ヽ _ノz≦´ ̄    \
    , -=≠==z:::/       \>‐-'>'´ ̄  `\ー―< ̄\
   //      Y          _rァー<r-、       ヽ      \__
.  /{{V> /.二二二|           / { {  └┘       }       ヽ\
  | V  //::::::::::::::::::\      l  ヽヽ          { ̄ ̄ ̄\____Vヘ
  |l   //::/ ̄ ̄ ̄ヽ      ヽ   \二二二二\   }        \V ヽ
  ヾ   | |:::|        \     ∧            \\ {            ∨^\
   \| |:::|ヽ        >‐―/  ヽ         \二}          ∨ _}
      V\!/\     /厂      \__        ノ            ∨´j
          \               >ーr┬‐<___         ヽノ
538名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 11:37:38 ID:8cqG81qI
              ::;':::...   :::::::::';::
              ::',:::::   .:::,::ヽ'::
                ::/ ∠>‐<\.\::
              ::r'´ /ノ⌒ヽ/^ヽ\ \::
               ::ヘ マ /   \. \〉 ム::
               ::ハ ∨{トk从j斗l}ヽ/ ∧>::
              ::ノ∧ Y-‐  ‐-ル′∧´::
              ::∠∧ jゝ -  イ  厶 ゝ::
               ::^ヘ リY'ニW{ /::
                   ::Y{     i ,'::
                ::l ゝ   イl::
                  ::l     l::
                ::}    {::
                ::/   ;   '、:
                 ::/       l::
               ::{   、    j::
               ::l    Y   l::
                .::l    |    ,'::
539名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 11:38:10 ID:8cqG81qI
                             ヽ、
                  , :<´ ̄ ̄> 、}}ノ
              ー=≠": : : : : : : : : : : : :\
                 /: : : :/: {: : ヽ: ヽ : : ヽ:ハ
               i.: ::{ 斗-ハ: : :}十ト:i :}: :}: :}
               | { :|:W示h: :j示Y j: :|: :l
                    v|八:代り ソ辷リ }/: :i /
                Y:ヘ  _     } : /′
                 Yヽ. ヽノ   /: /ヘ
                   ヽi{`>- イ´/W}<
             /⌒ヽ   /i>く´   }ヘ\}
              {=x ノー ': ,/{/こ)'ヽ/ : l: : :`>: 、.._
           /^こヽ{ : : : / :| ,ハ   ∧: : }: : : : : : : : :`ヽ
             ノ  ヽノノ: : : : >:|/ || /: :`<: : : : : : :/: : : :}
         ∧/^Y,イ}: : : : く : {' l」/: : : :/ : : : : : /: : : : :|
         /: :{^ノ|: /|: : : : : ヽヘ、/: : :/「^}___ {/: : : : : ヘ
        ,/ : 〃: ||/: |: : : : : : :\' : /{⌒ 'こ} :〈 : : : : : : :〉
こ二二二二二二二二二二二二二二二二二二}> 、} : : : : : {
                              | : : : > 、 : : |
                              | : : : : : : : > 、
540名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 11:38:54 ID:8cqG81qI
      {   _. - " ̄ ̄ `ヽ、    \
  __ヽ /            \====ミ、\
  ⌒> ′       '^ヽ、    }ハ  '´「 「_.`ヽ´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ` 、
 /               \  r Y'|、  |/    ヽ            < \\
./       |   \ 、  V´r' | \_./        ',            \ \\ /^!
l  /  /   ハ.  、\\ヽ> ∨  | | | ;'┐    _|___/^ヽ、    / 、〈 / ./
| ./'l ,' l ||∧   ト、>示| |^V `| | |〈  >‐<__/__/  、  \  / / ', //!
|/ | | ハ | rr.ミヽ ヘ.' Vzリ }ハ | /  | | V」┴/   `       ヘ   `<./__,/イ V|
  | |  V∧V〉 \      | |'__  |.∠ _ / /^ /  、    |   |/ rx V――-、
  ヘ∧   | ハ  ′ _   /| レヘ   / / /   |  l \ ヽ |    ||  、 rj ̄ 「´
      \ ト、 |> `、__,/x'| l   〉/ / ;  ′,イ !   ト、 x:≦、l   !ト、_キノ |;'
.      ヽl/| |   /::::::| l lノ /,//| | | ト|、 ト、 |< r'::ハ |    |  |  | |/
        |「ハ!  イ:::::::::| |     |  | | | |<fホ. \ ヒz:リ !    ! /  |/
       __|   V |:::::::: | |     |  | l ∨ハ ゞ',         l|  ./_/    /
      /´  〉 ノ  ゝ- 〈〈.     |   ∨|    }、  ‐       |  /  \ /
    /   }/≠≠ fニヾ   j.     l∧ | ヽ、   /__|. /〉- '´ ̄ ̄\
   /   /.//     Vニニ{_ -    \|/  _`ニチ::::::::::::|// /         \
  /、_./ ≠≠       | |  \    _ ./ ̄/::::/' ニ!:::::// /      ./二二\
  |  イ    ||       | |    `ー〈./  ./'"´|:| l:::// ;    //     \
  ヽ. ハ   V{         | | <ヽ、 . イ   ,イ    ̄//   j   //        |
   ∧ ハ、  V}  `    l| >'′ |  /∧__f〈    レ//          /|
541名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 11:39:33 ID:8cqG81qI
                        〃 -――‐―-            /⌒ヽ
              _    _    /{{          `丶、   /     \
              \ `丶、| \  {__ll_            `<        ヽ
           -、=―‐-\  \ ヽl l{ ̄ ̄  =-          \       l
           _>―-       ∨\  /\   =- __ _ ヽ       |
          <             /     ̄   \    \/  ̄  }         l       /
            > ,  /^`   ヘイ / /  ヽ    \二ニ==-  _/        \   /
         / /  /     |  || l | ムl| lヽ\    \     {            >"
        ∠ = 7   〃ー/|/| l| l V| l.|fハヽ{ ァz |\    ヽ    \         /
          /    |l ヤぅ=kヘ j 从-Yヒj  t'_ハヽ ヽ   l     _,>       /
            ///⌒リ l.Vヘリ V∨ィぅ=从:::   `ー'   l  リ.  ハ  >
              ル')7ヽ|:::`´    込/{{. \ヽ  ::::  リ /  /-リヽゝ
             {77_/)     _ ' :::::∧/V}`二≧、_/ レ' /    \      ____
           ハ-、 〕>ーァ┐`’, <、  〈 { >{{7   /       |\
           ヽ\|_  〃 .|=≦  ∧\ ヘ >ノ レl//´ ̄`\__〉 /ヽ、
          _,斗<^\jj  |圦 \{{. ∨|_ん人__//           /  ノ
.           /  \   { ̄ |\|  ヽ≧z\  l/{./              /  /
         l     ヽ ∧. |\|_/ | | Y/\/_ ()        ノ  /
         |     V_,ム |<| \ ∨ j }__/\  |/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  /__     ̄ ̄ ̄
           {ヽ._/  〃_|_ヘ |_|_∠-=¬¨     \ ______/
        /     と{ _/ ̄ /               /\
          /       fヘ (0|   |              /||__> 、
       l     │个ー|   |             /≠|| ̄ ̄   \__
542名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 11:40:28 ID:8cqG81qI
.        r、「iハ                 ハ/}n
       rヽ  レ7                  ∩  /っ
       `Y /´/   _           L ヽ ノ
        >.--ヘィ'"´ ̄> '" ̄"'/ }、   ,.ハ、 `7
         ト--/ハ  /. . . . . . . ヽ_/ハ /   /7
           ヽ {!  ヘ //. . ./ハ. .i..fi..V/ヘ/   ./
            ヽ   i{!i. .}rリ'´リ.八ト+}..、..ヘ   /
             ヽ  リv.トN⌒ . ⌒iハ∧ .} /
              ヽ    !ハ  iフ  ノ/ |. .l./     
               ヽ  VV>, - ィi//  レ'/
             〉、 レヾ レf::ハiレ !| ∧
.            /. . ヘ{   ハ = i/. . ヘ
            /. . {. .ハ   l::::l   /. . . . ヘ
.           //../..! . ヘ   l::::l  /. . . . i.ハV
           i {!. i. .i.i .〈_  V  _」. . . . i!| ',',
           { ィ.!i . !.V"  ̄ ̄ ̄ "V. .//|.| !}
           リ ンハ. .V: : : : : : : : : : : ',// .リ リ
            Vヘ. i: : : : : : ::: : : : : レ
              `!: : : :-:-ィ'": : : :l
                  l: : : : "::: : : : : : l
543名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 11:41:07 ID:8cqG81qI
             , <           : . :\
           /             : . : . :\
.          /               . : . : . : .ヽ、
         /               . : . : . : . : '.
       /  /          ___  . : . : . : . : }
         {  /         /`ヽ'⌒}:.}`ヽ、. :\. : :|
       '. /        /{__ヘ_`厂 j/-= }ヘ. : . :ヽ i
          ∨     __.イー― '   ー―ハ.:.\ : . :{、
         .′   /.:|,ィ乏示      孑旡;x .:.:.ヽ. : .〉
       i    / .:〈{ Y;;り     Yzソ/  .:.:∧/
        {   ,イ  .:.:.| `¨¨         }  .:./. :}
       ',  {ハ  .:.:.|、       '     ,j /.:/;/
        ヽ、!∧ .:.:|:ヽ、    ´ ̄  /:}' .:.′
         \j  .:.|¨´ヘ:≧ 、 __ , イー'/ .:/
              i .:.:|:ヽ、.:.:{こ{{___}__ノィ/ .:∧
            l :|.:.|>'´     . イ´,/ .:/ ヽ、
            _.}ノ.:.:}    /´  / .:/ー'⌒\
          , ' ¨ | .:.:!   ,/   / .:/    . : ヽ、
       /    ノ .:ノv≠厶ィ'´/ .:/        : . :ヽ
       .′  / .:./x-、/   / .:/         : . : . '.
        /    { .:/ f ,ノ{  ,/ .:.:{          : . : . : ',
544名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 11:42:18 ID:8cqG81qI
             / /                 \
           ⌒/ ,  / / /  、 、      `く ゝ
             .レイ .// / /| ハ ト、 トト、       ミゞ
               |イ/∠/_ |/ ヽ|  __ヽトVゝ  |
              |ハ⌒ヾゝ z‐,,'´-―-ゝ ∨r|l /
                 | `ー }  ー-‐'  、 | l/
               _ト ` ´ ,′ ヽ '′ / r‐'∧
      _  -    ̄   ∧  {__    __、 { l ハ  >‐┐
     /           Yゞ=ニ二´ノ}/ /イ  ./   `ヽ、
    ./l               |.ヘ `       /   /      `ヽ、
    / !      _    ハ r>―‐<    /  __     `
    |  |    /  ``<  | | |   ∧   / / / / ^i    
    | |   /|         ̄`ヽ 〉--イ .∧ / / /  ,イ  /ヽ  >
   .x| ____,/ l| 、         ^ヽ\ |   ソ'  ! ,| ./ し'/  |/
  「 ̄ / /  \ \    、 ト、 ∨ :|  ′ ./しヘ ノ‐<|_/|
  /  /|  |、    ∨j `>.、 \ヾ} | :|     /::::::::::::::::::::::::/´ ト、
  | /| l \ fj /    \ |_j__ハ |  /::::::::::::::::::::::::/   / |
  |l  /|     \_/|        | | |   |  ./::::::::::::::::::::::::/__,/rv|、
  |  / !       /         | | |   | /::::::::::::::::::::::::/     /  ト
  |        /         |_|_|   |./::::::::::::::::::::::::/ゝ、__/   |
545名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 11:43:28 ID:8cqG81qI
             __    _
           , '´      `/ヘ  `ヽ、
        /       ヽ′ヽvヘ   ',
        ,' / // ト、  L|_  ', \
        | |l レ云rハ: ;f抃! ハハ |
        | ト||ヒ:ソ レ ゞ' レ |.l |
        | l ! ハ、  r┐ ,ハ. ハ!ハ|
        |/l∧ | >、 ニ ィ/ / ∧.ハ!
        /,ム-ハ lト、__,>r/.イ⌒ト、\
       ./ j::::ヽ::V|_ \ |::V| |::{:::|. 、ヘ. /( _
       / 〈:::::::::::ヽ::::`ヽ\フ∧''V{ ∨{ ^ 三}
      ./ / }:::::::/´ノ ̄ ̄ ゞ`く t∧/ヘ ヽ7´
     / / ハ__/ /     o oノ i ′  >イ
   ./ /∨   / 〉      〈 〈ヽ、_,/|
   .,' / j    ハ/ ,_   o o|rヘ l  l |
   .|/ !/、  //  `ー     ノ | l  l !
    V  ゞ-ハト、      xく  イ  /|/
546名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 11:44:32 ID:8cqG81qI
                                  _
                                〃⌒ヾ
                        /{    _    {{  _
               ___      /:│,.ィ/ \ ̄ ̄´   \
               \::..::.:`ヽ、  /::.:.j/ / /^     l \   ヽ
                \_::.:..:..ヽ__{::.: イ | _| /|   ハ ! \ lハ
                  `>=ヘ:::マ__j l|]l 斗‐/ハ│ヽlヽ! |
                  /::.:/: {!-'⌒| l| │Wx=、  ィ=、Yヽ| レッツゴーでありますよ
                 〃;ノヽ-}!::.::.:ヘ! l| │{! ′ r ┐⊂⊃
                  {厂ヽ、_::{i::.::.::│ハ  ト、\ __, .イ ∨_____
                /::/    7¨ ̄ ::| │ l >、_Vヽ_{`ト'-、| xー -、/ト、
                 〈::〈::. `ヽ/  .:::::::|  N/ヽ  \∧| ヽ_7>ヘノ  | \
              /_∨l::.`ヽi  .:\:::|  | f\ xー<>‐'´       |   ヽ
                / ̄¨¬=- ニ;__..:::::::| _|⊥ -く ___)      /     | ̄ ̄
             , -―/          ̄ ¨7ハ           、 /、_ノ  |
_____/こ>ー"   /              //∧    l  | (, ノ        |
.   / /´     l_           〃  l       ノ       ┼    !\
     l          ̄¨¬ニ.____/    l     l ┼  ゝ-、 9    :|、 \
     |               \       |   レ (フヽ  ノ       _| }\__)
     |             ヽ  \     |            _,. <_ノ
     |´  ̄`丶、_        \.  ヽ     |        _, -‐'´
.     \    / `丶二>ー\  ヽ  ',    |     _, -‐'´
         \_,/           ̄`ヽ_ノ>、__|__, -‐'´
.    ___/
547名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 11:45:28 ID:8cqG81qI
                         /: : >――: .
                        /, イ: : : : : : : : : : >.、 _ .イ\
       ,ィーx            /∨⌒/^ヽ:____ : : : : : : \ : : : ヽ
      / ,ィヘ∧             / : /: : : : : : : : : : \/ヽ : /:∧.: : : :ヘ
      Vヘ ',ハ∧         / : / : /i: : : : : : : : : : : : :∨ /: }:ヽ、: ∧
      Vハ ',ハ∧         ,イ:/: |: :/: |:| : :{ :{ : {: : : : : : ∨:/.l.:.:.:ヘ: : ∧
      Vハ ',ハ∧      /.:l:{ : :|: { ハ{:| : :ヽ:\ヽ:__ : : j ∨:∧.:.:.∧ : ∧
.         Vハ ',ノ:∧    /.:.:.|ハ: ヘ トィ≧x: : :|斗≦、: : :ト. X |}.:..:.∧: :│
        辷ハ   x=ヘ.  /.:.:./ ∧: |{ ', 込j \{ Y:ヘ >、: |ハ :}  | |V.:.∧: :|
        Vハ //ヽ.ハ./ィァ/  | Y |}.   ,    ゞ-'  } ム.j/  :| | ∨:.:ヘ j
        /こフ} {>、 ノ|>ム{  |: : | {:へ、 __      , |/ ∧  | |  V.:.∧
        >≦_>ヘーヘ,{;/   |: : | ヽ、/\_   . イ_.j/ }   | |  Vヘ:ム
       /^\)ー.:.:.:{/      Vi {  {^{.:〉 / 「} ̄ ヘ    /\ |_|   ',ァ <}
    {⌒ 、ア:ー'.:/.:.:/          ヽ/|.:|∧/: : };}ー―ム_,/   \    }\j
     \_」><´.:.:.:.}ヘ        /  ∨ /: : // : : / ',    ,.<こ二ヘリ/
           ヽ__ノ.:.:.〉      /  / /: : //.: : :/  〉  /.:/:, ―v.:}
           {_.:/ヽ      /  / /: : //.: : :/ /ー‐/.:/:/   ∨
           ',    ' ,   /  / {:_:_:{_l: : :.//   {.:.{/      }
           ',     ヽ/   {  |.:.:.:.| {.:.:.:Y r―‐ァ Vi,/    /
            ',     }     :|  |.:.:.:.| |.:.:.:.|│.:.:.:.:}  j/    /
            ',       /|  |ヽ.:ヘ:}.:.:.:.} ヽ、/  /     /
             \     ,/   \{-{.:.〃.:.:.:j     /     /
548名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 11:46:11 ID:8cqG81qI
  x― 、     / ̄> 、_
  }rニ 、 >、  / /    ∧ヽ
      \ \  /_イ l/ハ x,、r>l、
       \ \. | lイー /、_'|\ ヽ
        \ `lハヘ、ー _.ィ| |∨
          /\! {ハl「 ,ノ、|. ハ
         // V  / 'ニ´ 〉、ヘ
      .// /|  ! r、 ∧ ∨ヘ
     / /  / 」'_,」_<ー-ハl∧ ∨ \
      / /   // リニ{{ ̄イ―‐l |、   ',
      |ハl  ∧//  ゞ 「|  rj ハ|   |
      |//| レ!   L|l|_∧/_,!   !
       / /  |._|____トく_ノ |∧  /
      ./ /   ',  |ー ‐/  ∨ / ∨
     / /'     ', |  ハ   ∨
549名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 11:47:11 ID:8cqG81qI
        /:.:.:.:.:.ァハ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\:.:.:.:!
          /:.:.:.:.:.// !:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\:.:.\:|
       /:.:.:.:.:.,' ,′ レv':.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:|:.:.|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.、:.\`:.|
       ./:..:.:.;.:イ|| ,' |:.:.:.:.://:/:.:.:.:.:.:.:/|:.:.|:.:.l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ト、:.`<
     ∠:. イ |:.:.| l  |  !:.\:/:/:.:.:.:.:./ /:./!:.:.ト、:.!:.:.:.:.:.:.|:.:.:.>、:ゝ
.          |:.|', | V:ハ圷、:.:.xく_/:./ィ≦ ̄ト、.:.:.:.:.|:.:/
    i⌒ヽ、  |/「 ハ V^',V :}′  /.:イ{:::::ゝトゝl:.ハ.:.:.:.|/|
    ヽ.  \ / ̄Vハ |  ', } ゞ′     V辻:ソ /:.:∧:.:.|:∧
     ',.  ', l   }ハ〉!   、l    ′      __/__/_ノ∨ト、:|
      ',   l|   ハ/ ∧  ヘ\  ‐-   , '"     `ヽ、:.:ゝ
       ',   | .ハ/   ヽ. !  ヽ、 /           ヽ
       ',  Vイ/ ノ    l    /              ', 
       ',    ̄ /     !  /              ',
        ヽ  /      /   /                   ',
550名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 11:47:53 ID:8cqG81qI
      /:::;′ /  /         ./     |
      |:.:.{ /   /___  /      |
      {:.:.∨> ''":.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`く      |
  > ''":.`:.:.:.′.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∨_   \              ___
 ー―,ァ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.、:.「  ____|_  ___r――-、<^く   `ヽ
  /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:\:.:.:.:.>/        ̄> ゝ   /:::::::``:::-ニ _ニ'く ,. --- 、
 /.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.`<:/        / /     /::::::::::::::::::::::::::::::``::-、   |
./‐'7:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:/:.:|.:.:.:./|:.:ト、:.:.:.:.:.:./       / /      /:::::∧:::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ、:ハ __
 ./:.:.:.:.:/:.:.:.:.:. メ、:/!:.:.:/ |:.ハ_,.斗、/       / /      /:::::::::::::|:::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::\、 `ヽ
 i:.::.:. /|:.:.:.:.:.:/レハfく:./ ィ'fチ圷 | |      |  l     /:::::::::::::::::/::::::::::::::::::::::!:::::::::::::::::::::::::::::ヽ  |
 !:.:. / l| :/:./:.∧ Vリ     Vzソ/| |      |  |   /:::::::::::::::::::レ'´ ̄ ̄ ̄`|::::::::::::::::::::::::::::::::ハ. 、|
 !.:./  Vl/ |ハ:.:ハ   ' __   〈〈 〉|      |  |l  /::::::::::::::::::::::|       |::::::::::::::::::!::::::::::::::::ヽ }
 ∨ ___ レ| |> 、ヽ ) ィ∧| |    、 |  |  /::::::::::::::::::::::_/       ト、:::::::::::/::::::::::::::::::::::::〉
  /     //_、L、ヽ ` 7、-vィ| | |      、V ハ |:::::::::::::::::::://          |  ヽ、/:::::::::::::::;::::::::,′
  |    /}ニ´イ/ / /`7:::::Y|::::V l!   / ̄ ̄ヽ V!:::/ ̄`ヽ |         /   /、:::::::::::::/:::::::;′
  | / | |―く^Y Y /::::::::||:::::: \!  /:::::::::::::::::ト、 V      \    /    /   ヽ、:/::::::::;
  .V l/| |ニく_ ハ|;':::::::::::|l::::::::::::::\ ヽ、::::::/  >ハ、       ヽ /     ./      /‐-、:;′
  /| l V__ノ |レ' V、 :::::l V::::::::/:::::\  ̄   /   `ヽ、      ト、__,/     ./    ;′
  . |  V、___,ノ/ _>、:::ゝ\:::::\:::::::\   / |      \__/   \___/     /
  | l\ \   ,.イ/     \ ̄``ー―‐ '^ー'´   |                `ー――――'′
  ヽ    ̄   /            ヽ            |
    \__/          /               ',
                       /           ,    ',
551名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 11:48:45 ID:8cqG81qI
                ____   ‐ .、
              /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`ヽ、 }:}
              /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.>/:.V:く
           ,′:.:.:.:.:.:.:.:.//:.:.:.:.:.:.:.:.:.ト、
           |:.:.:..:.:.:.:./:.:/:.:.:.:/:.:ハ.:|:.:.|:.:|
           |.:.:.:.:./イ:./イ.:.:7:._メ l:.|:.:.|:.:|
           /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:f|.:/´kク/:/.:./ /
.           /:.:/:./:.:.:// |:{' 〃 {7イ/
         イイ 7ルイ.:./  |;  、/
         /    、_/`ー!- '
       ./        `ヽ           ,. -‐/ーx
     /            `、        / '; :7′   /' ;、
    /  /             `、      / ; ' . |    ,:/,  . '.;
   ./   {       ヽ、     `、   /  '; '.ノ   / ;. ' . ;.'
   / /   、        \       `、/   ' /  /ナハ+i ;"| |
  ./ ,'              \      \ /   /   ⌒Yl . '|ハ
  ' ′         , '′ ノ ヽ、     ヽ   ィ'  tっ   ハ   | ∧
  ! !          /ー-‐ '′  \     /ノ > 、  .イ  ハ| ハl
552名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 11:49:26 ID:8cqG81qI
      /   /             ,ィ    |
     /   /               /|   |ヽ
    /     /      ∧|  |   lト 、 /| ',
   ./    ;′     / ||  |  ハ /`|  |
  |    | | | |   /   |ハ  |_ ||/  ∨:|
  |    | | l レ'/´ ̄` | ´|\ `ト.ハ   V|
        | | |l V .ィチ:_  | :ハィチ _| ∧  `、
        | | |   〈 r'::::::}|  l/  r':::::}| 〉   \  ヽ
        l∧ |、  | Vz:ソ /   Vz.ソ }/ | ',  |
       | 〉| ヽハ      '       イ / /! | |
        ./∧  ゝ    ! ̄l     /  /   l| /
. r 、   r、 // ∧   |> 、 ` ´  イ   /  ',  lr(   ,. ‐ァ
 、 \ } ∨/   ∧ |  | ≧ ≦ |,| /   | / ノ / //
  ヽ  > } ∨-―‐ハ |<| \_/∨ /-――/ レ'r、 /
   ∨ |   }: : : : : .:ヽ|  | xく }、 | .イ.: : : : : :|    } ∨
   ゝ `   |: : : : : : : 〈  ∨ 〉〈 ∨   〉.: : : : :V . イ ノ
    {: :}   |: : : : : : : : }  } 〈  〉 {  /: : : : : : ノ、_ ,{
553名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 11:50:13 ID:8cqG81qI
         /|
        / / /| /{/ !
        ,′ |/ `´/ ,イ__
        |   ̄`´ // <
     ∧ /      / /、   >       /⌒>
     | ∨   , -‐'  /  Vl | ̄`ヽ.    /  /´
     ∧ } ヽ ./fチ rハ∧   ∨!   \   /   ,′
    ゝV_/ ィ‐' x<´ _ .イ        |/   |
        \_ / ,.イヽ } /  \/    ∨V 、/
       └イ l|         /       ∨ V|ィ
           \ヽ-  、_ .イ       |    ノ
          _>ヘ _ 、   \       //  /
         /´  |      / \__  〈一'′
          |     \    |     `>、}
         \     >―l|      //
          >‐/    \ __, ノ
         / /       ノ /
554名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 11:50:31 ID:UNyIi/+t
埋め立てうぜえ
555名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 11:50:59 ID:8cqG81qI
                         \::::::::レ-――――‐-< .:::::/
                   ___      >'´   / 二ニ  =―‐` <      /|
                    ̄ \丶  /  /             \   /::::::|
                      /  ̄ `ヽ ∨ -‐≠= ―-< ̄ ̄>‐=ニ二  ̄>'´::::::::::/=-  .._
               _/  -―             `</   , -=/:::::::::::::::: /        ̄二ニ=─-  .._
             <_,,/  , ヘ            =ミ/ -=彡´/::::::::::::::::::/      -=ニ二          ̄ ̄ ̄
               /    /          ´ ̄\ -圦 __/::::::::::::::::::/   , -=≦ 三三三ニ=――……‐--  ._
               / /   / /        ̄\  ∨< __,.......-=ニ二.___/ ̄ ̄ `丶、   ヽ、_
            / /./  /| ,' / 、  \  \.  |   l   \:::::::::::::::::::::::::::::::::::::\      \      ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
    r┐      |/ /  ,' | l |、 |\  \  ヽ |  |  ./  l`ー─------─一′         ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  rv-|__!r-、_xヘ/^l//  /|: |:ノ| | l\{  ヽ  jヽ l |  | /  / ̄入                        ____
 _{\ヽ.: 〈 /x{zソ∨ ::,'  / .l / | |fT心  ーレ斗≦工|   W  / / ん-、__,..  --―=―‐-  、_____/    
 {:\}-’:: 7' /〕]L_::| /  l:/  从{ r沙   {´ {ト;灼ア|/  }こ)∠ .__∧ : : . .               .: : : : : : : /
 `t='、_;イ{l:〔/ || }:レヘ,__/  ∧ ゝ      >≠7  / : : : : : : : / : : : :              __ : : : : '´
  {::: / ∨ ⌒¨\:く ヽ/  ∧ {小  ' __   「\∨ / : : : : : x<      __   -=ニ二
  /  / . : .:.:::::∨=ミ{    i' ヾ { : \  `  レ}}∠. -=¨ ̄                     . . . . : : : .
./  ..::::/ . . : .:.::::: ∨ ヘ   {二ニ=-: : : `:ー/  ̄                       . . . : : : : : : : : : : : . .
⌒\::::∧ . . ://\Vヘ=ヘ  ヽ____: /: : : : : : : : . . .       . . . . . . . . . : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
..::::::: ∨ ヒ二/   >‐く  ヽ  \     〃: : : : : : : : : : : : . ..     \: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
::::::::::/  lレ'´.: .:.:::://ヽ:>  \ ノ^ ̄ ̄¨二二ニ=―――- ―――- \: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
:::::: /   |. :..:::://.:__ \  厂\ ̄ ̄                     ー───-  -──────―――――
:::::/    |_:/ // ̄ ̄∨L/\:::::\
::/     ∨ ̄/.:.:.:.:.:.:.:.:〃´.:.:.:.:.:.:\:::::\
/       \ |.:.:.:.:.:.:.:.:.{{.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\:::::\. . . . . . . . . : : : : : : : : : : : : :  . . . . . . . . . : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
556名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 11:51:43 ID:8cqG81qI
      }′   /           \
      |    ./ /  ハ       、 ヽハ
      |   ,′  | / ヽ.  | |   l、 | |
        、   l   |-l|、 ハ ハ|斗 |‐.X| |
            | | | ,レ仏_ |/'ィ 沁ハ/ |∧
    i^ 、     |ハ {|Vzリ ,  Vzリ ノ | ',
   ヽ \   |∨!ハ    , ‐、   ∧  ∨|
.    \ `く⌒ーvl_\ ゙、_ノ  イ} ∧  | |
     / ヽ  `ー‐'´ .ィ' |ヘ.><イ「|/ ̄l ハ.!
     ,{.| {_  ′/´| !:.', ∨::::V  |:.:.:.:.}/:./:.\
     |、ゝ-〈-‐ ' l l ノ:.:.ヽ V::V  」:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.〉、
      ``T´ヽ_ノ /イ^ー‐〉∨/>‐―rく:.:.:.:.:.:.:.:∧
      ∧__,/_/      \\/ iニニコト、`ヽ、:.:.:.:.:.>、
557名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 11:52:29 ID:8cqG81qI
                  /   /   /               `ヽ、
                   ,′  |   :/ / / /         ヽ \   `ーイ
               l   │  l | /  /   /|  |  l   |\ー 一'´
                |    /l   -| 十! /- イ /  |  |  ,'  j  ヽ
                |    l |   W|_l_/| / |l ,'  / メ/|: /   /ハ: |
                |  :/こ|   レ行ifヾ八{ /xく/ |/  /   | j
                |  {{^ |   |!込,,ソ    イf巧トV  /   :/∨
                |   |ヽ.|   |   `      込,ソ/ /   /
                |   l  |   |        ,  `ア7/ / j/
                |   l  |   |     r- _   / レ/
                 /  l _/|   |\  `ー ´  イ │
                  / j_ 斗{ |   l   ヽ、_. < |   │
       _,, -=二¨ ̄| : : :.∨|   |\_| \ l | |   |
    r<          |: : : :.ヘ|   |  ̄ ∧  l\ ,|   |
    |  `丶、       |: : : .: :|   |、> /小  l: :.`|   |
    |     \    |.: : : : |   | / >oヘ |.: :│   |\
    /         \  │: : : :|   |./∠/|ヽ|│: :.|   |∨|
558名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 11:53:30 ID:8cqG81qI
             _
            ∠二: : : :`ヽ/´  ̄ ̄ `丶
         , '" ̄: : : : : : : : : : : : : : : :、:\/⌒\
        /:/.:.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヾ:ヘ\.:.:.:.: ヽ
       l://.:.:/.:./ .:./ .:l.:.:,'.:.:{:.:.:.:.l.:.:ヽ.:.:.Vl:/ \.:.:.:.:',
         /.:.:/.:. l:.:.:.!>ト/{.:.ハ.:.:斗<:l:.:.:.l.:l.:.:.:.:.ヽ.:.:.l
.         l.:.:/.:.:.:.|:l.: レ仟圷ヽl ヽfチ圷 |.:.:l:|.:l.:.:.:.:.:.:.:.: |
.         |:/!.:.:.: 从.:.{. V;;リ    V;;リ 'j.:.,' |.:l.:.:.:.:.:.:.:.: |
.          j:ハ.:.:..Wト :.ゝ   '    /.:/レ|.:l.:.:.:.:.:.:.:.: |
              \:{ヽ|:小    V 7  彡'.:.|│l.:.:.:.:.:.:.:.:.|
               ` Y:| ヽ、  ´ ,.イ! .:./ |.:l.:.:.:.:.:.:.:. |
               ヾ:ゝ ト≧≦ュ| リ/   |.:l.:.:.:.:.:.:.:.:|
             ____, /| >tく |ヽ、____|_l.:.:.:.:.:.:l.:.|
          /ヽ::::::::::::::::/  |/ l只lヘ|  l:::::::::::::::: ̄ヽ.:l.:|
          |:::: ヘ ̄ ̄ {____|{{<ハ>}}_j ̄ ̄`メ:::::::::|.:l:|
          |::::{ \   / ∨⌒∨ \   / l::::::::|.:.l|
        /ll::::}\ ∨ \  ,VCV  ∠ _∨ |::::/ハ :l|
        { }}:::::ン  ̄}__/ ̄`^<_/ /,弖  l ::{{ }:|
        V__/   / /   /:/`\r'〃ニフ   }::V/ :|
        {´ /了 ̄|l   /:/      ̄ ̄`ヽ ヽ:/:.: |
          ∨     |l   |::|         /  /.:.:.: |
          ∨      `ヽ、_,|::|            /.:.:.:.:. |
           \      ,イゝ=≧ト、     _/ l.:.:.:.:. |
559名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 11:54:18 ID:8cqG81qI
               /: :レ‐: '' :_ ∠ ___
          _{: :/: : : :´ : : : : : : <
         /: : : : : : : : : : : : : : : : : : :`ヽ、
         /: :/:. : :.| : : : : : : : : : :、 : : <⌒
     ∠: -ァ: : : : : :∧: : : : : : : : : : :\ : : \
       /: :/: : : :/: ∧:. : :.|: :l :、 : :.| : V :x- ゝ
        |: / : : : r≧<ヽ : |>≦V:.|_: :「 ̄
        |∧: : :|: { Vzリ \{ Vzソ |: | }: |
          ヽ: :|:∧   ' _    |/イ: /
          ∨ハ: > 、   _ .イ:/ V
            _ >‐{_` ´ ト、′
         /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: ̄ ̄:.:.:.:ヽ、
       /:.:.:.、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.:.:.:.:.\
       ./:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.∧
     ./:.:.:.:.:.:..:.:.:∨:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:∨:.∧
   /:.:.:.:.:.:.:.、:.:.:.:.:.}/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.∧
  〈―‐ x:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ノ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.∧
    \:::| \:.:.:.:.:.:{:.:.:.:.:.:..:.:.:.:..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|.:.:.:.:..:ノ
560名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 11:55:01 ID:8cqG81qI
   /  ̄>――- 、
    /      、 ^',ハ
     | l ∧ j ハl]| |
     lハV=、}/_ハ ト、 | |
     |ヘ. r┐`} ∧| |
     ゝ{` ラ7/イ`'〉、ヽ
      / { {:::| _ ∨ ∧N
―― rf]]}┴┴―f[[fッ┴┴―‐'
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
561名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 11:55:58 ID:8cqG81qI
                      __
                      \  \           , -―‐一ァ
                        >=-、\ __    /___/
                         フ>'´     `ヽ//⌒ヽ
                        / イ  /      、ハ) 、 ヽヘ
                      ∠V/ / // { ヽ\ Vl'、 \  ヘ
                       / { { {{ トk从|\j斗l ',!ハ\j   ',
                        /  V llハY冽  f冽リ j ∨    i
                          /  / ヽ从小¨´ '_ `¨/l∨  ∨   l
                       /     /   |.lゝ, _ イ/     ∨   l
                   /  / ̄`<⌒卞弋寸代),、    ∨  l
                     /  /    {{/ヾ ZI/_,/゙ ̄`ヽ  ∨  !
                _,、_ /  /≠ミ  〃 /⌒Y⌒`く∧   \ ∨ハ
       (\ rv、_/〈〈 〈¨¨ ̄    __7  ヽ ___,∧   〉 {ー'´ ̄} ∨∧
        (ヽ\^-ゞヽ\ ヾ、ヽ   _,>'´ /  く _,小_\/{7 }   /  ヽ 丶
     _`ニ)::::::::::}::::}::ヽ }} レ'7´    たニ二二/l |L二 __/  -={    \ \
     ‘ー ―ァ、:::::::`:ノ :::} 〃イ /        _〕   //`ー┬、∧   |      丶 ヽ
        (ノ ¨¨{`ー‐/_/:W      ,/ \  //   { ̄ rヘ   `ヽ  _ _  ヽ ',
               ̄  i  l|.     /  // /∧ にニヘ  ヽヘ   ∨∨|   } j
               ̄  |  l|  /   // 「/\\| | ∧  `\ // /∧  //
                   ∨ リ /   _// /    ノ┬| |  ∧   く//_[厶
                /    /rー'〃    ∧,| L_ ∧   〈//::\ }

                        NO THANK YOU!
562名無しさん@ピンキー
. \  ` <      __  ,. --、    /
   \    >‐‐<⌒ヽ ∨//⌒` /
      > '′     ,ノ\  ∨ /´ ̄`ヽ           _ -―
 ̄ ¨ 7′     //⌒\ \⌒> '"¨¨` < ̄'⌒/,ニヽ/
、 ./      | フ⌒ヽ    ソ         >く ̄l ̄!ソ、
' ``L _    /</ __   / /     ノ ´ ̄ト! |
      >、{_ノ /  -‐く / / /|  、  V|_} 「 ̄`ヽ
    / ゝ  -― ,x<  ̄\l  |、l|ナハ |‐}|、 | リ  V´ ̄ソ
  ./    \__/ /∧、  ∧ V`¨ リ`7ル' ハ|ハj !レ -―
/            / / { \ ∧ }(_フイソ ノイ  `´
           /  / |  | } ハ!
             /   ノ  、〉ノノ
               /   |    \
            ′  `ヽ l f‐そ
           l      └{ ト 、 `ヽ、_
           |      \〉,ハ  V-‐ '′
                        ゝ-'^